本出願は、2020年2月12日に出願されたオーストラリア仮出願シリアル番号第2020/900397号、発明の名称「矯正レンズ」の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
近視を管理するための従来技術の眼鏡設計は、エグゼクティブ二焦点レンズ、D型二焦点レンズ、同心二焦点レンズ、従来の累進付加レンズ、対称及び非対称型を含む特殊タイプの累進付加レンズ、多焦点レンズ、眼鏡レンズ上のマルチセグメントデフォーカス領域を組み込んだもの、周辺プラスレンズとも呼ばれる正の球面収差を有する眼鏡の使用を含む。これらの眼鏡レンズ設計のそれぞれには長所も短所もある。短所のいくつかを本明細書において記載する。例えば、いくつかの短所は、様々なタイプの二焦点、多焦点、及び累進レンズ、又は周辺プラス度数に基づいており、揺れ効果、像飛び、残存収差、及び周辺歪みのような著しい視覚障害をもたらすことにより、周辺視野角における見え方の質を損なう。この副作用は、同時及び/若しくは複数のデフォーカス領域、ゾーン、又はセグメントのレベルが非常に高いこと、レンズにおいて著しい量の正の球面収差を使用すること、又は眼鏡レンズの所与のゾーン内の度数が劇的に変化すること、に起因する。
若年成人において標準的な二焦点、多焦点、累進付加眼鏡レンズを使用することによって遭遇される視覚機能の問題を回避するために、焦点深度を拡張するために球面収差を意図的に操作することを含む、いくつかの他の従来技術の老眼コンタクトレンズ設計もまた、近視管理の選択肢として検討された。以下の参考文献はその全体が本明細書に組み込まれる。Bakaraju., Chapter 7, PhD Thesis, 2010, Optometry & Vision Science, Faculty of Science, UNSW。Benardら、「Subjective depth of field in presence of 4th-order and 6th-order Zernike spherical aberration using adaptive optics technology」J. Cataract Refract. Surg., 36, 2129-2138 (2010)。Yiら、「Depth of focus and visual acuity with primary and secondary spherical aberration」Vision Research, 51, 1648-1658 (2011)。
老眼の管理のために提案され効果的に利用される殆どの従来技術のコンタクトレンズ設計は、当然、近視の治療又は管理のための、すなわち近視の進行を遅らせるための、実りのある効果的な選択肢にもなっている。しかし、これは、老眼の管理用に提案され効果的に利用される眼鏡レンズの場合は、一般的にはそうではない。例えば、老眼の管理のゴールドスタンダードであると考えられている累進付加眼鏡レンズは、複数の無作為化対照臨床試験により近視の管理のためにテストされたが、殆ど効果は認められなかった。
更に、若い眼における変化を考慮し、関連する光学的特徴を組み込んだ、累進付加レンズ設計を修正するいくつかの試みの結果も殆ど実を結んでいない。累進眼鏡レンズや他の従来の二焦点及び多焦点眼鏡レンズで近視を効果的に管理できないことに関連する、観察された無益の根本的な理由は、以下の2つにまとめることができる。(a)光学矯正が装着者の凝視に依存していること、換言すれば、装着者の凝視から明確に独立しているコンタクトレンズ選択肢とは異なり、装着者が眼鏡レンズ内の治療オプティクスを使用するか無視するかを選択するということ、及び/又は(b)装着者の瞳孔領域/視軸に対して治療ゾーンが離れていること。
例えば、設計開発に従来技術の上記制限を計算に入れた眼鏡レンズ設計は、眼鏡レンズ内に伝統的又は従来の二焦点、多焦点、又は累進付加「様」オプティクスを組み込んだ設計と比較して、近視の進行を低減するのに大きな成功を実証してみせた。
以下の参考文献は、上記の知見をサポートするために、その全体が本明細書に組み込まれる。Toら、米国特許10268050B2は、近視の進行を制御するためにデフォーカスを組み込んだマルチセグメント光学素子の使用を教示している。Lamらの査読付き科学論文Br J Ophthalmol, 2019, 104, 363–368 は「Defocus Incorporated Multiple Segments (DIMS) spectacle lenses slow myopia progression: a 2-year randomised clinical trial」と題し、米国特許10268050B2の臨床有用性を実証している。従来技術US10268050B2に開示されたデフォーカス組込みマルチセグメントレンズを使用して進行性近視を管理するアプローチが初めて成功した後、眼科業界は、眼鏡態様とコンタクトレンズ態様の両方の用途のために、確立された従来技術10268050B2の改良を目的とした、眼鏡レンズへ組み込まれるレンズレットとマイクロレンズレットとに基づく技術を求めて、殺到している。以下の参考文献は、コンタクトレンズに基づく用途に関するその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、Brennanら、米国特許2016/0377884A1、発明の名称「Contact Lens comprising non-co-axial micro lenslets for preventing and/or slowing myopia progression」は、近視の進行のための複数の非同軸レンズレット又は光学素子の使用を教示している。この米国特許2016/0377884A1の開示は、近視を管理するためにコンタクトレンズ視覚ゾーン内の小さな領域に組み込まれた高度のデフォーカスを使用することを企図している。更に、他の特許出願、発明の名称「Apparatus and methods for controlling axial growth with an ocular lens」では、Newmanが、近視の進行を防止するために、網膜の中心領域から離れた眼の中に周辺光を向けなおすことを目的とした複数の光学素子又は特徴の使用を開示している。
以下の参考文献は、従来技術10268050B2に対する改良を主張する眼鏡レンズに基づく用途に関するその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、Matthieuら、特許出願WO2019/166659A9、発明の名称「Optical Lens Element」は、局部的光学素子における非球面オプティクスの使用と、近視の進行を効果的に遅らせるよう構成された複数の少なくとも2つの近接する光学素子の使用とを開示している。従来技術10268050B2に記載された従来の球面オプティクスの代わりに用いる非球面オプティクスの有用性、企図された非球面オプティクスの特定の配置は、従来技術に対して改良を有すると主張されている。更に、Matthieuらの特許出願WO2020/079105A1、発明の名称「Optical Lens」は、近視の進行を制御するために眼鏡レンズと連携させて使用される光学レンズ素子を決定する追加の手段を教示している。
特許出願WO2020/078691A1、発明の名称「Optical Articles comprising encapsulated microlenses and methods of making the same」において、Matthieuらは、入射光の一部を網膜の前に集中させ近視の進行を制御するために所望の正の度数を容易に付加することができる、レンズ表面上のマイクロレンズなどの複数の光学素子の利用を拡張している。従来技術US10268050B2に記載されたデフォーカス組込みマルチセグメントに基づく光学素子の開示に対する更なる一連の改良において、Sauxらは、特許出願WO2020/078964A1、発明の名称「Improved Optical Article Incorporating Optical elements and Manufacturing Method thereof」において、近視の進行を防止するために眼鏡レンズへ埋め込まれたフレネル構造を利用したマイクロレンズの使用について更に教示している。
他の態様の出願において、米国特許US20200073147A1において、Bakarajuらは、近視の進行の速度の減速を容易にする色彩的手がかりを眼に提供するために、眼鏡レンズ内に組み込まれたマイクロレンズの使用を提案している。簡単に要約すると、近視眼のために提案されたレンズレットに基づく全ての技術は、デフォーカス又は非球面レンズレットを使用して網膜の中心及び/又は周辺領域に何らかのレベルのデフォーカスを課すことを伴う。更に、視覚機能を向上させるために、眼鏡レンズ内に組み込まれるレンズレット「様」の特徴の様々な配置が企図されてきた。米国特許10268050B2、特許出願WO2019/166659A9、WO2020/079105A1、WO2020/078691、WO2020/078964A1、及びUS2020/0073147A1の例を参照されたい。
近視の進行の治療効力に対する眼鏡レンズ装着のコンプライアンスの影響を考えると、視覚機能が著しく低下すると、コンプライアンスがますます低下し、その結果、効力が低下してしまう可能性がある。したがって、必要とされるのは、本明細書で議論される欠点の少なくとも1つ以上を引き起こすことなく、近視の矯正及び進行の遅延をもたらすための改良された眼鏡設計である。
本開示で企図される近視管理のための次世代の眼鏡解決策は、近視制御効力の所望のレベルを達成するためにしばしばトレードされるような技術で広角視覚機能の必要な低下を改善することを目的とする。
従来技術の従来のデフォーカス又は非球面レンズレットに基づく技術よりも視覚機能を改善するために、本開示は、光透過率関数の角度変調の利用を介して達成され、標準的な眼鏡レンズと連携させて、組み合わせて、又は並置して使用される、拡張焦点深度のオプティクス特徴を組み込んだ複数のサブレンズの使用を提案する。
光透過率の半径方向変調を有する従来の屈折光学素子に対する回折光ソード光学素子の改善された有用性が示されている。
その全体が本明細書に組み込まれる以下の参考文献を参照されたい。Kolodziejczykら、「The light sword optical element, a new diffraction structure with extended depth of focus」J. Mod. Opt., 37, 1990。しかし、回折光ソード光学素子の使用は、視覚機能の更なる低下を引き起こす、著しいレベルの望ましくない色収差を引き起こし得る。
技術の出現により、回折アプローチにおいて観察された欠陥は、近年、老眼治療のための屈折光ソード素子の正確且つ精密な製造のための道を開いた高精度の旋盤技術によって緩和された。
その全体が本明細書に組み込まれる以下の参考文献を参照されたい。Garciaらの「Imaging with the extended focal depth utilizing the refractive light sword optical element」Opt. Express, 16, 2008。Petelczycらの「Strehl ratio characterising elements designed for presbyopia compensation」Opt. Express, 19, 2011。Petelczycらの「Imaging the optical properties of a light sword optical element used as a contact lens in a presbyopic eye model」Opt. Express, 19, (2011)。Gallegoらの「Visual Strehl performance of IOL designs with extended depth of focus」Optom. Vis. Set, 89, 2012。Tjundewo Lawuの「Wide depth of focus vortex intraocular lenses and associated methods」WO2016/035055Al。
従来技術を改良し、いくつかの実施形態において、本開示は、従来技術の設計において観察される見え方の妥協というトレードオフを最小化しつつ近視制御効力の望ましいレベルを維持する、近視の管理のための眼鏡レンズに小型化屈折光ソード素子を組込む方法を提供することを企図している。
視覚機能におけるトレードオフを最小化することを主な目的とする従来技術の設計に対する改良を目的とした次世代眼鏡解決策が本発明の開示の主題である。
更に、従来技術のいくつかは、例えばD型二焦点レンズ、エグゼクティブ二焦点レンズなどの区画線など、子供、ティーンエイジャー、及び若年成人にとっては美容的に魅力的でない場合がある。他の解決策は本明細書で議論するにつれて、明らかになるであろう。装着者の眼の凝視の方向にかかわらず眼の成長にストップシグナルを与える眼鏡レンズに対するニーズがある。
使用中の眼鏡レンズの部分に関係なく、進行眼(progressive eye)にストップシグナルを提供する眼鏡レンズに対する当該技術におけるニーズがある。また、眼鏡レンズと組み合わせることができる光学素子に対する当該技術におけるニーズもあり、企図された光学素子と連携させて、組み合わせて、又は並置して構成された眼鏡レンズは、焦点深度の拡張を使用して進行近視眼にストップシグナルを提供する。更に、光学素子及び眼鏡レンズによって提供されるストップシグナルは、装着者の視野角の一部又は実質的な部分の役に立つ。本開示は、本明細書で明らかになる従来技術の1つ以上の不都合な点を克服及び/又は改善することに向けられている。
従来技術及び全般的な対象主題についての詳細な議論は、開示される実施形態の文脈を説明するために、そして従来技術に対する本開示によって企図される進歩を区別するために、本開示の背景として、ここに提供される。ここに提示されたいかなる資料も、本開示において概説される様々な実施形態及び/又は請求項の優先権に基づき、本開示において提案された資料が、以前に開示され、公知であり、又はありふれた一般知識の一部であることを認めるものとして、受け取られるべきではない。
本セクションでは、本開示は、1つ以上の実施形態を参照して詳細に説明され、いくつかは、添付の図によって例示され、サポートされる。例及び実施形態は、説明のために提供され、本開示の範囲を限定するものとして解釈されることはない。
以下の説明は、本開示の共通の特性及び特徴を共有し得るいくつかの実施形態に関連して提供される。1つの実施形態の1つ以上の特徴は、更なる実施形態を構成し得る任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わされ得ることが理解されよう。
本明細書に開示された機能及び構造の情報は、いかなる方法においても限定的に解釈されるべきものではなく、単に、開示された実施形態及びそれら実施形態の変形例を様々な方法で採用することを当業者に教示するための代表的な基礎をなすものとして解釈されるべきである。
詳細な説明のセクションで使用されるサブタイトル及び関連する主題の見出しは、読者の参照を容易にするためにのみ含まれており、決して、本発明又は本開示の請求項を通して見出される主題を限定するために使用されるべきではない。サブタイトル及び関連する主題の見出しは、特許請求の範囲又は特許請求の限定を解釈する際に使用されるべきではない
本セクションでは、本開示は、1つ以上の実施形態を参照して詳細に説明され、いくつかは、添付の図によって例示され、サポートされる。例及び実施形態は、説明のために提供され、本開示の範囲を限定するものとして解釈されることはない。
以下の説明は、本開示の共通の特性及び特徴を共有し得るいくつかの実施形態に関連して提供される。1つの実施形態の1つ以上の特徴は、更なる実施形態を構成し得る任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わされ得ることが理解されよう。
近視又は進行性近視を発症するリスクは、以下の要因、すなわち、遺伝、民族性、ライフスタイル、環境、過度の近距離の仕事など、のうちの1つ以上に基づき得る。
本開示の特定の実施形態は、近視又は進行性近視を発症するリスクのある人に向けられる。開示される光学装置、及び/又は眼鏡レンズ設計の方法の1つ以上に、1つ以上の以下の利点が見出される。焦点深度の拡張又は伸長に基づき、装着者の眼の成長の速度を遅らせる又は眼の成長を停止させるためのストップシグナルを提供する眼鏡レンズ装置又は方法。焦点深度の拡張又は伸長により、眼鏡装着者の特定のスルーフォーカス領域にわたって、特定の閾値を上回る網膜像の質が構成できるようになる。
従来技術の潜在的な視覚機能低下による、光軸の周りの同時デフォーカス、又は正の球面収差のいずれかのみに基づく、ということのない眼鏡レンズ装置又は方法。以下の例示的な実施形態は、矯正眼の網膜平面における焦点深度の拡張又は伸長を提供する眼鏡レンズを通る入射光を修正する方法に向けられている。これは、近視の矯正のために使用される眼鏡レンズの内部で、又は該眼鏡レンズと連携させて、組み合わせて、若しくは並置して、少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子を使用することによって達成され得る。要するに、眼鏡レンズと連携させた少なくとも1つの局部的光学素子の使用は、網膜レベルでの焦点深度の拡張を導入することによって近視の進行速度を低減させるために用いられてもよい。単焦点レンズ、二焦点レンズ、及び多焦点レンズは、1つ以上の視距離で矯正するよう好都合に構成された1つ以上の焦点領域を有するように設計されてもよい。網膜における拡張された、伸長された、又は広い範囲の焦点深度は、スルーフォーカス網膜領域(すなわち、網膜の前後)を提供し、像の質は、特定の像の質の閾値を下回ることがない。拡張された、伸長された、又は広い範囲の焦点深度光学素子は、進行近視眼に遅延、制御、又は抑止信号を提供するように企図される。
企図された光学素子を眼鏡レンズと連携させて使用することを介して、拡張された、伸長された、又は広い範囲の焦点深度を達成する様々な方法が、本明細書に開示される。より広い意味では、眼鏡レンズの内部で、又は該眼鏡レンズと連携させて、組み合わせて、若しくは並置して使用される企図された光学素子は、入射光線を、光軸に沿った(すなわち、網膜の前及び/又は後ろ)線分であって、所望の長さ、光軸との向き又は傾斜、及び長手方向の強度分布を有する線分に集中させることが可能である。
アキシコンは、眼鏡レンズと組み合わせた場合、拡張された、伸長された、又は広い範囲の拡張焦点深度(すなわち、進行眼へのストップシグナル)を提供することによって近視の進行の速度を抑制、遅延、又は制御するための適切な候補となり得る回転対称の光学素子である。
簡単に言えば、アキシコンは、入射平面波を、像平面において均一な強度を有する狭い焦点セグメントに変換する光学素子である。均一な強度を有する狭い焦点セグメントが投影される方向によって、アキシコンは前方(forward)アキシコン又は後方(backward)アキシコンと呼ばれることがある。
例示的な実施形態において、アキシコンは、装着者の眼の網膜における焦点深度の拡張を提供するために、インテグラルベース単一視眼鏡レンズの内部で、又は該眼鏡レンズと組み合わせて若しくは並置して用いられる、局部的又は補助的光学素子として機能し得る。
本開示の一実施形態では、アキシコンは、式1で記述される以下の位相関数によって定義されるリニアアキシコンであってよい。
本開示の更に別の実施形態では、アキシコンは、4次アキシコン又はレンザコン(lensacon)であってもよく、眼鏡レンズと組み合わせた4次アキシコン又はレンザコンは、式2に記載される以下の位相関数又は光路差によって定義されてもよい。
本開示の更に別の実施形態では、アキシコンは対数アキシコンであってもよく、眼鏡レンズと組み合わせた対数アキシコン光学素子は、式3に記述される以下の位相関数又は光路差(OPD)によって定義されてもよい。
回転対称性は、拡張された、伸長された、又は広い範囲の焦点深度を提供可能であり得る光学素子を設計及び製造するための前提条件ではない。他の実施形態では、光ソード光学素子のような回転非対称素子も、眼鏡レンズと連携させて好都合に構成され得る。
本開示の更に別の実施形態では、光学素子は光ソード素子であってもよく、眼鏡レンズと組み合わせた光ソード光学素子は、式4で記述される以下の位相関数又は光路差(OPD)によって定義されてもよい。
本開示の更に別の実施形態では、光学素子は光ソード素子であってもよく、眼鏡レンズと連携させた光ソード素子は、式5で記述される以下の位相関数又は光路差(OPD)によって定義されてもよい。
本開示の更に別の実施形態では、光学素子はアキシレンズ(axilens)であってもよく、インテグラルベース単一視眼鏡レンズと連携させた又は組み合わせたアキシレンズは、式6で記述される以下の位相関数又は光路差(OPD)によって定義されてもよい。
本開示の更に別の実施形態では、光学素子は、シングルピーコックアイ光学素子と呼ばれる任意偏心光路差であってよく、これは、インテグラルベース単一視眼鏡レンズの内部に、又は該眼鏡レンズと連携させて、組み合わせて、若しくは並置して構成された任意偏心光学素子であり、式7に記述される以下の位相関数又は光路差(OPD)によって定義されてもよい。
本開示のいくつかの他の実施形態では、2つの個々のピーコックアイ光学素子が、空間的に多重化されるか、又は適切に組み合わされて、ダブルピーコックアイ光学素子をもたらしてもよい。そのようなダブルピーコックアイ光学素子は、焦点深度の所望のレベルの拡張又は伸長を提供するために、インテグラルベース眼鏡単一視レンズと連携させて使用されてもよい。ダブルピーコックアイ光学素子の場合、2つの光学素子は、一方のピーコックアイ素子の1つの焦点セグメントが光軸に沿って他方に部分的に重なりながら隣接して位置するように構成される。両方の個々のピーコックアイ光学素子の2つの焦点セグメントの長さを合計すると、インテグラルベース単一視レンズと組み合わせた場合、矯正近視眼に対し非常に大きな焦点深度又は焦点深度の伸長をもたらす。ダブルピーコックアイ光学素子の場合、スルーフォーカスエネルギー分布は、良好な性能の2つの別々のセグメントから恩恵を受けつつ、両方の焦点成分が重なるトータル焦点セグメントの中央部において許容可能な性能を維持する。
本明細書に開示されるように、局部的シングル/ダブルピーコックアイ光学素子を使用する場合、ピーコックアイベースの素子によって得られる焦点深度の拡張又は伸長は、従来の屈折又は回折フレネルレンズを用いて得られる焦点深度の拡張又は伸長よりも、滑らかであり、性能低下の明確な谷がない。
アキシコン、アキシレンズ、レンザコン、対数アキシコン、逆アキシコン、逆対数アキシコン、光ソード素子、任意に偏心した光学素子軸などの企図された光学素子の1つ以上と組み合わせた眼鏡レンズの実施形態の1つ以上において、眼鏡レンズの透過関数(T)は、式8に記載される以下の式で求められる。
ここで、λは光の波長であり、眼鏡レンズの振幅関数は光学素子のオプティカルゾーンにわたって一定であると仮定する。
図1は、未矯正の-2D近視モデル眼(100)を示す。バージェンス0Dの可視波長(例えば、555nm)の入射光(101)が、未矯正の近視眼に入射すると、結果として生じる網膜上の像は、デフォーカスによる対称的なぼやけ(102)を有する。この模式図は、網膜平面におけるオンアクシス幾何学的スポット分析を表す。
図2は、図1の未矯正(Rx:-2D)近視モデル眼を本開示の眼鏡レンズの実施形態で矯正した場合の、網膜平面におけるオンアクシス-スルーフォーカス分析の模式図である。
ここで、この例では、-2Dの度数を有するインテグラル単一視ベース眼鏡レンズ(202)と組み合わせたリニアアキシコン(203)は、バージェンス0Dの可視波長(例えば、555nm)の入射光(201)が矯正済み近視眼に入射すると、網膜上の結果的に生じるオンアクシス-スルーフォーカス点広がり像(203)が矯正済み近視眼の網膜において焦点深度の拡張を示すように、構成される。眼鏡レンズの実施形態の1つによってもたらされるオンアクシス-スルーフォーカス点広がり像は、プロット(204)を用いて更に記述されており、オンアクシス-スルーフォーカス強度分布は、焦点深度の拡張部、伸長部、又は広い範囲とも称される、網膜上のスルーフォーカス領域にわたって略一定のままである。本開示のいくつかの他の実施形態では、複数の4次アキシコン又は複数の対数アキシコンが検討されてもよい。
図3は、図1の未矯正の-2D近視モデル眼を本開示の眼鏡レンズの実施形態で矯正した場合の、網膜平面におけるオフアクシス-スルーフォーカス分析の模式図である。ここで、この例では、-2Dの度数を有するインテグラル単一視ベース眼鏡レンズ(302)と組み合わせたリニアアキシコン(303)は、バージェンス0Dの可視波長(例えば、555nm)のオフアクシス入射光(301)が矯正済み近視眼に入射すると、網膜(303)上の結果的に生じるオフアクシス-スルーフォーカス点広がり像が焦点深度の拡張を示すように、構成される。
眼鏡レンズの実施形態によって提供されるオフアクシス-スルーフォーカス点広がり像は、プロット(304)を用いて更に記述されており、オフアクシス-スルーフォーカス強度分布は、網膜上のスルーフォーカス領域にわたって略一定のままである。
図2及び図3のインテグラルベース単一視眼鏡レンズの実施形態の内部で、又は、該眼鏡レンズと組み合わせて、連携させて、若しくは並置して使用される企図された局部的又は補助的光学素子は、リニアアキシコンである。しかし、この例は、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
他の実施形態では、企図された局部的又は補助的光学素子は、所望の網膜位置で眼鏡装着者の眼に所望の拡張又は伸長焦点深度を提供するために、アキシコン、アキシレンズ、逆アキシコン、リニアアキシコン、前方リニアアキシコン、後方リニアアキシコン、対数アキシコン、逆対数アキシコン、光ソード素子、修正光ソード素子、シングルピーコックアイ素子、ダブルピーコックアイ素子、又はそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、企図された局部的又は補助的光学素子のいずれかが、前向き又は後向きに構成されてもよい。
いくつかの他の実施形態では、複数の光学素子が、複数のアキシコン、複数のリニアアキシコン、複数の前方リニアアキシコン、複数の後方アキシコン、複数の4次アキシコン、複数のアキシレンズ、複数の逆アキシコン、複数の対数アキシコン、複数の逆対数アキシコン、複数の光ソード素子、複数の修正光ソード素子、明確なリッジ/レッジ/エッジのない複数の修正光ソード素子、複数のシングルピーコックアイ素子、複数のダブルピーコックアイ素子、複数の対数アキシコン、又はそれらの組み合わせを備えてよい、インテグラルベース単一視眼鏡レンズ実施形態の内部で、又は該眼鏡レンズ実施形態と組み合わせて若しくは並置して、使用されてもよい。いくつかの実施形態では、企図された複数の局部的又は補助的光学素子のいずれかが、前向き又は後向きに構成されてもよい。
図1~図3においては、例示の目的で模式モデル眼が選択されている。しかし、他の例示的な実施形態では、上記の単純なモデル眼の代わりに、Liou-Brennan、Escudero-Navarro、他、の模式的なレイトレーシングモデル眼が使用されてもよい。
また、本明細書に開示される実施形態の更なるシミュレーションを支援するために、角膜、レンズ、網膜、透光体(ocular media)、又はそれらの組み合わせのパラメータを変更してもよい。
本明細書に記載されるように、平均的なヒトの眼に匹敵する光学特性を有するモデル眼を使用して、以下の局部的又は補助的光学素子、すなわち、リニアアキシコン、4次アキシコン、対数アキシコン、アキシレンズ、光ソード素子、修正光ソード素子、ピーコックアイ素子、又はそれらの組み合わせ、の1つ以上を有する企図された眼鏡の実施形態の原位置(ベンチトップ)性能を評価しもよい。
例示的な実施形態の設計実施例1
表1は、例示的な近視モデル眼を表す。光学シミュレーションは、Optic Studio version 20.1 (Zemax, LLC, USA)を用いて行ったが、同様のレイトレーシングアルゴリズムを用いて同様の実験を行ってもよい。
この例では、589nmの単一波長を光学計算のために使用したが、420nm~780nm(両端の値を含む)の可視スペクトル内の任意の波長を含むように、このモデリング演習を容易に拡張することができるであろう。
例示的な近視モデル眼の特定の選択された眼のパラメータは、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。それは、当業者にとって利用可能なモデリング演習の網羅的なリストの一例としてのみ捉えられるべきである。
例えば、異なる角膜形状、前房深度、レンズ形状、硝子体腔深度、又は網膜形状が考慮されてもよい。更に、例示的な実施形態は標準的なCR39を使用して設計されているが、この演習は、当業者によって任意の他の選択される眼鏡材料に対しても企図され得る。
表1:本開示の例示的な実施形態の1つ(アキシコン)及び従来のCR-39からなる眼鏡レンズを装着した、処方-3DSの近視モデル眼。
サグ(z)が式9で表される眼鏡レンズのフロント面上に構成されたアキシコン表面(実施例1)を特徴付けるために、奇数次非球を使用した。
設計実施例1で言及したアキシコンの実施形態を表すために奇数次非球面上で使用される7項の係数を以下の表に示す(表2)。
表2:例示的なアキシコン実施形態(実施例1)の光学処方
光学的伝達関数は、モデル眼の網膜上に形成される視像の質を評価するために使用される尺度の1つである。他の実施形態では、他の網膜像の質の測定法、例えば、本明細書に開示されるようなスルーフォーカススポット図、スルーフォーカス点広がり関数図、スルーフォーカス変調伝達関数、又はスルーフォーカス位相伝達関数など、を使用して焦点深度の拡張の達成されたレベルを確認してもよい。
図4は、本明細書の表1に記載されるような近視モデル眼を矯正するために例示的なアキシコン実施形態(実施例1)が(CR39ポリマー材料での)インテグラルベース単一視眼鏡レンズと連携して使用される場合に、75サイクル/mmの特定の空間周波数で測定される、オンアクシス-スルーフォーカス光学的伝達関数のモジュラスを示す。
光学性能は4mmの瞳孔で評価し、性能評価のために選択された画角はオンアクシスであった。図4から分かるように、例示的な実施形態の光学的伝達関数は、-0.3mm(網膜の前)~0.1mm(網膜上又は後)で滑らかな光学的伝達関数となっており、モデル眼の網膜上で焦点深度の所望の拡張が達成されたことを示している。
他の実施形態では、スルーフォーカス光学的伝達関数測定は、他の空間周波数で、例えば、25サイクル/mmで、50サイクル/mmで、又は100サイクル/mmで検討されてもよい。いくつかの他の例では、開示された実施形態の性能を測るために、複数の空間周波数又は空間周波数の帯域が検討されてもよい。
他の実施形態では、性能評価は、他の、例えば、少なくとも2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、又は6mmの、瞳孔で、検討されてもよい。いくつかの他の例では、性能は、満足する性能であるとみなされるために、複数の瞳孔で評価されてもよい。いくつかの他の実施形態では、性能評価は、例えば、少なくとも5度、少なくとも10度、少なくとも15度、又は少なくとも20度画角のオフアクシスで、検討されてもよい。
設計実施例1で説明した例示的な実施形態は、孤立した位置、すなわち、インテグラルベース眼鏡レンズの1箇所のみで使用することができ、又は、インテグラルベース眼鏡レンズの複数の所望の位置で使用することも可能である。
例えば、いくつかの他の実施形態では、アキシコン実施形態の所望の位置は、特に遠方視領域に近接して瞳孔領域にわたって構成されてもよく、又はいくつかの他の例では、アキシコン実施形態の所望の位置は、インテグラルベース眼鏡レンズを通して近くの物体を見るために用いられる領域に近接しているか、又は完全に含まれてもよい。
例示的な実施形態(設計実施例1のアキシコン)の直径は4mmである。しかし、他の実施形態では、例えば、0.75mm、1mm、1.5mm、又は2mmなどのはるかに小さい直径の別のアキシコン素子を作成することによって、網膜上の焦点深度の拡張の要求レベルを達成するべく、アキシコンを定義する係数を再構成することが可能である。本明細書に開示される例示的な実施形態の好ましい直径は、0.75mm~4mm、0.75mm~2mm、又は0.75mm~3mmである。
本開示の実施例1を設計するための選択した材料は、1.56の屈折率(表1:表面アキシコン)と、1.498の別の隣接する低屈折率材料(表1:表面カバー及び前面)とを有する。この例では、アキシコン表面は、より低い屈折率の材料とインテグラルベースレンズ基板との間に挟まれる。本開示の様々な実施形態において、局部的又は補助的光学素子と隣接表面との間の屈折率不一致が低いほど、本開示に記載の所望の光学効果をもたらすために必要な表面サグのバリエーションは大きくなる。他の実施形態については、当業者は、本開示で提示される同様の結果を達成するために、他の選択した屈折材料を使用することができる。局部的又は補助的光学素子に隣接する材料の選択及び所望屈折率の不一致のいかなるバリエーションも、本開示の範囲内に十分に含まれると考えられる。
いくつかの他の実施形態では、設計実施例1のアキシコン実施形態を表す奇数次非球面を記述するために使用される7つの項の係数は、好ましい範囲の値で構成されてもよい。
表3:本開示で企図されるアキシコンを記述するための係数β1~β7の最小値及び最大値。
図5は、本開示で企図される局部的又は補助的光学素子と組み合わされた眼鏡レンズの実施形態のいくつかの変形例を示す。例えば、対数アキシコン(例501b及び502b)及び光ソード素子(503b)を、インテグラルベース単一視眼鏡レンズ(それぞれ501、502及び503)と組み合わせたものである。
いくつかの実施形態は、局部的又は補助的光学素子が実施形態のフロント面と並置されることを例示し(502b)、一方で、いくつかの他の局部的又は補助的光学素子は実施形態のバック面と並置される(501b)。
光ソード素子又は修正光ソード素子を含む局部的又は補助的光学実施形態は、レッジの形成が潜在的に美的問題になること、すなわち装着者にとって美容的に魅力がない又は不快となること、を避けるために、好ましくは、インテグラルベース眼鏡レンズの後面に構成されてもよい。更に、バック面上に光ソード素子又は修正光ソード素子を検討するとことは、局部的又は補助的光学素子がインテグラルベースレンズの屈折率と実質的に異なる屈折率を有する場合に、局部的又は補助的光学素子の製造を容易にする。インテグラルベースレンズと補助的光学素子との好ましい絶対屈折率の不一致又は差は、少なくとも0.02、少なくとも0.04、少なくとも0.06、少なくとも0.08、又は少なくとも0.1の間で構成されてもよい。屈折率の不一致が小さいほど、サグプロファイルのバリエーションが大きくなり、特徴をより容易に製造することができ、またその逆も真である。
いくつかの実施形態では、好ましい実施形態は、網膜上の所定の範囲にわたってほぼ一定のビームサイズ及び強度を有する準回折フリービームを生成する屈折対数アキシコンをいかにして設計及び製造できるか、によって決定されてもよい。
例えば、いくつかの実施形態では、補助的又は局部的光学素子は、インコヒーレント光で特徴付けられることができ、網膜上の強度分布及びスポットサイズの予測された挙動と良好に対応することを実証することができる。スルーフォーカスエネルギー分布は、設計された範囲の大部分にわたってほぼ一定であるように構成されてもよい。そのような対数アキシコンは、本明細書に記載されるように、大きな被写界深度、及び網膜の様々な領域にわたって均一な軸方向の強度又はエネルギー分布を提供することができる。
図5aに示す実施形態例における眼鏡レンズと組み合わされた局部的又は補助的光学素子は、本明細書に開示される対数アキシコン(501b及び502b)と光ソード素子(503b)とを備える。
いくつかの実施形態では、インテグラルベース眼鏡レンズ内の屈折対数アキシコンの実装は、Journal of Lightwave Technology, Volume 28(8) 2010のLinらの論文「Production of Integratable Monolithic Micro Logarithmic Axicon Lenses」(その全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているように、樹脂の二光子重合を介したフェムト秒レーザーを用いた直接レーザー書き込みを要する場合がある。実施形態(501b)は、フロント面と組み合わされた対数アキシコンを示し、一方で、実施形態(502b)は、バック面と並置された対数アキシコンを示し、実施形態(503b)は、眼鏡レンズの後面と連携させて構成された光ソード素子を示している。
いくつかの実施形態では、屈折対数アキシコンは、前向き構成で構成されてもよく、いくつかの他の実施形態では、屈折対数アキシコンは、後向き構成で構成されてもよい。
本開示のいくつかの他の実施形態では、アキシコンの広がりの異なるゾーンにおいて異なるトポロジカル又は表面変化を有する2つの対数アキシコンの結合は、ベースインテグラル単一視眼鏡レンズと組み合わせて、連携させて、実施されると考えられ得る。
2つの対数アキシコンを結合したものは、本明細書では、渦アキシコンと呼ぶ。例えば、渦アキシコンは、2つの対数アキシコンを、1つは眼鏡レンズのフロント面上に、もう1つは眼鏡レンズのバック面上に、それらの幾何中心が実質的に整列するように用いて、インテグラルベース眼鏡と組み合わせて構成され得る。
いくつかの実施形態では、光ソード光学素子、又は修正光ソード光学素子、又はピーコックアイ光学素子は、局部的又は補助的光学素子の幾何中心を中心とした方位角の関数としての瞬間曲率半径の連続的変化を必要とする場合がある。
インテグラルベース眼鏡レンズの内部で、又は該インテグラルベース眼鏡レンズの前面と連携させて若しくは並置して使用される場合、局部的又は補助的光学素子は、結果として前面(512)から外向きに突出するリッジ又はレッジをもたらし得る。これは、眼鏡装着者にとって美容的に許容されないことがあり得、又は、通常の使用中に塵及び汚れを引き寄せる場合があるので魅力のない設計選択となり得る。
そのような場合、本明細書で議論される欠点に対処するために、眼鏡レンズのバック面に光ソード素子を位置付けることが企図され得る。
いくつかの実施形態では、以下の変数:光学素子によって達成可能な焦点深度の所望の拡張;光学素子の表面の製造可能性;及び隣接する表面間の屈折率の勾配;は、企図される光学素子が、眼鏡レンズの材料の前面、後面、又はマトリックスと連携させて使用されるべきかの選択を左右し得る。いくつかの実施形態では、企図される光学素子は、前面及び後面の両方の眼鏡表面と連携させて使用されてもよく、一方で、いくつかの他の実施形態では、素子は、材料のマトリックス内に組み込まれてもよい。
いくつかの実施形態では、修正光ソード素子又はピーコックアイ素子での必要な度数バリエーションは、許容可能な精度レベルで製造するには、表面における望まれる曲率半径の変化で測ると、小さすぎる場合がある。そのような場合、光ソード素子を眼鏡後面と連携させて位置付けることが企図され得る。
屈折面間の屈折率勾配がより小さいと、光ソード素子の小さいが所望される瞬間曲率変化をより実現しやすくなる。
本開示の更に別の例示的な実施形態では、眼鏡レンズ上の入射光の屈折焦点を制御するために実装された、アキシコン及び/又は光ソード素子を備える眼鏡レンズが企図され得る。図5aに示された実施形態におけるインテグラルベース眼鏡レンズと組み合わされた局部的光学素子及び補助的光学素子は、複数のアキシコン、対数アキシコン、光ソード素子を備える。
いくつかの実施形態では、例えば、焦点深度の所望のレベルを最適化するために、アキシコン、対数アキシコン、又は光ソード素子の上にQ型非球によって表面が更に画成されてもよい。
Q型非球の具体的な詳細は、以下の論文に記載されており、この論文は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。Forbes、「Shape specification for axially symmetric optical surfaces」, Optics Express (2007), Volume (15), Issue (8)。
企図される開示のいくつかの他の実施形態では、前記リニアアキシコン、対数アキシコン、又は光ソード素子の上に更なる表面が企図され、例えば、非球、奇数次非球、拡張奇数多項式、拡張偶数多項式、円錐曲線、双円錐曲線、円環曲面、ベッセル関数、ヤコビ多項式展開、又はそれらの組み合わせによって定義されるベース表面が企図される。
本開示の例示的な実施形態では、インテグラルベース単一視眼鏡レンズは、位相透過率の角度変調を有して構成された補助的光学素子(複数可)を備える(図5a)。局部的又は補助的光学素子の機能性は、図5bに更に記載されている。
アキシコン及び光ソード素子ベースの光学素子は、光を焦点線分に集光するので、拡張焦点深度用途によく適している。光ソード素子の場合、位相透過率の角度変動により、瞳孔の変化に対する度数の独立性がもたらされる。
光学素子の幾何中心(511)を中心として、角度座標の関数としての瞬間曲率半径の勾配を意図的に構成することにより、図5bに記述したように、焦点(F)についての焦点深度の範囲(ΔF)が生じる。角度座標の関数としての瞬間曲率半径の変化率は、要求される設計ニーズ、例えば、ジオプトリでの焦点深度の拡張の要求レベルに従って、操作され得る。
例示的な実施形態では、インテグラルベース眼鏡レンズは、補助的又は局部的光学素子を備え、光学素子は、図5cに開示されるように、シングルピーコックアイ光学素子(520)と呼ばれる、任意偏心光学素子であってもよい。偏心光学素子は、式7で記述される光路差を有して構成される。
この局部的又は補助的シングルピーコックアイ光学素子(520)の機能性は、図5cに更に記載されており、光の入射平面波は、焦点距離Fに関し、焦点セグメント523上に集光される。この場合、光学素子の直径は「d」であり、水平経線521と垂直経線522との間で、変化する光路差を有する。
本開示の別の例示的な実施形態では、2つの任意偏心光学素子を重ね合わせて、ダブルピーコックアイ素子(530)を構築してもよい。この局部的又は補助的ダブルピーコックアイ光学素子(530)の機能性は、図5dに更に記載されており、光の入射平面波は、焦点距離Fに関し、焦点セグメント533上に集光される。この場合、光学素子の直径は「d」であり、水平経線531と垂直経線532との間で、変化する光路差を有する。
この例では、ダブルピーコックアイ素子によって生じる焦点セグメントの全長は、その構成要素素子であるシングルピーコックアイ素子によってもたらされる個々の焦点セグメントの総和である。
いくつかの実施形態では、曲率半径の意図的に構成されたバリエーションは、焦点深度の少なくとも0.5D、少なくとも1D、少なくとも1.5D、少なくとも2D、又は少なくとも2.5Dが得られるように最適化されてもよい。局部的光学素子内の最大瞬間曲率半径と最小瞬間曲率半径との間の不一致が大きいほど、観察される形状不連続性は大きくなる。
本開示のいくつかの実施形態では、本明細書に開示される、特定の光学プロファイルを考慮することによって、著しい形状不連続性を回避する代替選択肢が提案される。図6に示す実施形態におけるインテグラルベース単一視眼鏡レンズと組み合わされる局部的又は補助的光学素子は、眼鏡レンズ上の2つの異なる領域又はゾーン内に制限される。
この例では、遠方視距離を見えるようにする処方に対応するゾーン(601)は、主凝視において眼鏡装着者の瞳孔を覆う。近方視距離を見ることに対応する別のゾーン(602)は、下鼻凝視(すなわち、下向き且つ鼻604へ向かう内向き)において眼鏡装着者の瞳孔を覆う。
この例では、ゾーン(603)は、企図された拡張焦点深度の局部的又は補助的光学素子がない又は実質的にない、あるいはこれを欠く又は実質的に欠く、距離処方を有するゾーンである。これは、本開示の企図された設計の1つである。本開示のいくつかの他の実施形態では、これらのゾーン又は領域(遠方及び/又は近方)の各々において、1つの局部的又は補助的光学素子のみがインテグラルベース単一視眼鏡レンズと組み合わされてもよい。
更に別の実施形態では、これらの前記距離及び/又は近方ゾーン(すなわち、遠方及び/又は近方ゾーン)の各々において、複数の光学素子が構成されてもよい。
本開示の別の例示的な実施形態では、眼鏡レンズは、装着者が遠方視距離及び近方視距離をそれぞれ見ている間、装着者の瞳孔中心と実質的に整列し得る、遠方視矯正ゾーン及び近方視矯正ゾーンの2つの別々の領域を有していてもよい。
いくつかの例では、遠方視力矯正及び近方視力矯正の上記別々の領域は、本明細書に開示されるように、眼鏡装着者の網膜レベルで拡張焦点深度を提供する1つ以上の局部的又は補助的光学素子を有してもよい。
図7に示す実施形態におけるインテグラルベース単一視眼鏡レンズと組み合わされる局部的又は補助的光学素子は、インテグラルベース単一視眼鏡レンズにわたって広がる異なる配置で位置付けられる。例えば、図7に記載された眼鏡の実施形態の左レンズ(701)は、光心を中心として、略円形状の光学素子(705)の特定の配置を有する。
他方、図7に記載された眼鏡の実施形態の右レンズ(702)は、眼鏡レンズの水平経線を実質的に横切って配置されている六角形状の光学素子(706)を備える。前述のように、ゾーン(703)は、企図された拡張焦点深度光学素子がない又は実質的にない、あるいはこれを欠く又は実質的に欠くベース距離処方で構成されたゾーンである。
従来技術の設計
デフォーカスベースのレンズレット、例えば、従来技術US10268050B2に開示されたデフォーカス組込みマルチセグメント眼鏡レンズ、を用いて記載された従来技術に対する本開示の改良点を示すために、従来技術レンズの性能を特定の実験設定で記述し、同じ実験設定下で本開示の実施形態で得られた結果と比較する。
図8は、デフォーカスベースのレンズレットを使用して設計された従来技術の眼鏡レンズ(800)を示す。ベース眼鏡レンズ(801)は、特定の配置で構成された12個のデフォーカスベースのレンズレット(802)を有して設計される。
この例では、デフォーカスベースのレンズレットの特定の配置(図8、800)は、光心(804)からの固定距離によって特徴付けられる2つのセットとして説明され得る。
この例では、第1のセットの4つのデフォーカスベースのレンズレットは、光心(804)から約3mmの固定半径(806)内に構成される。一方で、第2のセットの8つのデフォーカスベースのレンズレット(807)は、光心(804)から約6mmの固定半径内に構成される。
この例では、第1のセットの4つのデフォーカスベースのレンズレットは、光心(804)を中心として測られる約90度だけ、すぐ隣のレンズレットから離間している。第2のセットの8つのデフォーカスベースのレンズレットは、光心(804)を中心として測られる約45度だけ、すぐ隣のレンズレットから離間している。眼鏡レンズの直径は、約50mmである。
この例では、眼鏡レンズのフロント面上に構成されたデフォーカスベースのレンズレットの各々の直径(805)は、約2mmである。従来技術の眼鏡レンズのデフォーカスベースのレンズレットの周りに直径約4mmの包囲領域(803)を選択し、これを使用してその光学特性を説明する。この包囲領域を、従来技術の眼鏡レンズの12個のレンズレット全てについての代表とする。
この例では、従来技術の眼鏡レンズの包囲領域(803)の度数プロファイルが図9(900)に示されている。この例では、包囲領域の総直径(903)は約4mmである。従来技術の眼鏡レンズのデフォーカス組込み領域(902)は、直径約2mmである。901に示された従来技術の眼鏡レンズのベース処方は、約-3Dであり、デフォーカス組込み領域902は、ベース処方に対して約+3Dの球面屈折力で組み込まれている。上述した従来技術の眼鏡レンズは、図9に記載するように、複数のデフォーカス組込みマルチセグメント領域を備える。
この例において、従来技術の眼鏡レンズの包囲領域(803)の残存サグプロファイルが、図10に更に示されている。残存サグは、眼鏡レンズのフロント面の根本的曲率半径のサグを差し引くことによって得られる。残存サグプロファイル(1002)(単位mm)は、包囲領域の直径(1001)(単位mm)の関数としてプロットされる。
この例では、包囲領域の総直径(1001)は約4mmである。従来技術の眼鏡レンズのデフォーカス組込み領域は、直径約2mmである。この例では、所望の量のデフォーカス(1003)を提供するためには、残存サグに約2ミクロンのバリエーションが必要である。この例では、対象の包囲領域(803)の幾何中心が基準であると考えられる。
図8で説明したような、水平軸に沿った、従来技術の眼鏡レンズ全体の残存サグプロファイルが、図11に示されている。図8から分かるように、水平方向(x軸)に沿って、4つのデフォーカス組込みマルチセグメント領域が存在する。直径(1101)の関数としてのマルチセグメント領域の残存サグプロファイル(1102)が、図11から分かる。対象の包囲領域(1103)の幾何中心が基準であると考えられる。
図8~図11に記載された、-3Dのベース処方と、各々が+3Dの相対的付加度数を有する12個のデフォーカス組込み素子とで構成された従来技術の眼鏡レンズを、表1の模式近視眼(Rx:-3D)を矯正するために使用した。
従来技術のベース眼鏡レンズは、フロント面曲率半径1000mm、バック面曲率半径142mm、中心厚1.5mmであり、眼鏡レンズはCR-39ポリマーで設計された。
本開示のいくつかの他の例では、様々な他の適切なフロント面曲率半径、中心厚、及び材料の選択が検討されてもよい。図12は、可視波長(589nm)と光学的無限遠を表す0Dのバージェンスとを有する入射光が表1の-3D模式近視モデル眼に入射したときの、広角スルーフォーカス網膜像点広がりをスポット図として描いた模式図である。光学性能は、瞳孔径4mmで評価した。分かるように、オンアクシス-スルーフォーカス光学性能は、行1201に記載されているように、網膜上のインフォーカス像と網膜の直前及び直後のアウトオブフォーカス像とをもたらす。行1202~1205は、模式近視モデル眼と連携させて使用された従来技術の眼鏡レンズのオフアクシス性能を表し、それぞれ4つの画角(単位は度)、すなわち(0,10)、(0,-10)、(10,0)、及び(-10,0)を表している。図12の5つの列は、網膜の前後方向の様々な位置を表し、それぞれ、第1列(-0.7mm、網膜の前)、第2列(-0.35mm、網膜の前)、第3列(0mm、網膜上)、第4列(0.35mm、網膜の後ろ)、及び第5列(0.7mm、網膜の後ろ)である。
行1202~行1205の第1列に見られるように、スポット図により、実質的に網膜の前(-0.7mm、網膜の前)で検出された全体的なぼやけ内のインフォーカスサブ領域が明らかになっている。図13は、ベース処方(Rx:-3D)と複数のデフォーカスセグメントとを有する従来技術の眼鏡レンズを使用して表1の-3D模式近視モデル眼を矯正した場合の、オフアクシス-スルーフォーカス光学的伝達関数のモジュラスを示している。
スルーフォーカス光学的伝達関数は、瞳孔4mm、画角10度で求めた。分かるように、従来技術の眼鏡レンズのオフアクシス-スルーフォーカス性能は、ピーク(1301)がほぼ網膜上に形成され、他のピーク(1302)が実質的に網膜の前にある、二峰性の性能となっている。更に、オフアクシス-スルーフォーカス性能は、2つの性能ピークの間に実質的な谷又はトラフを形成している。これは最適な視覚機能にとって望ましくない。
例示的な実施形態の設計実施例2
図14は、複数の局部的又は補助的光学素子と組み合わせて意図的に構成された本開示の例示的な実施形態の眼鏡レンズ(1400)を示しており、ここでは、光学素子が、インテグラルベース眼鏡レンズに隣接する局部的又は補助的光学素子の界面に明確なレッジ、又はリッジ、又はエッジを生じさせないよう特別に設計された、修正光ソード光学素子を用いて構成されている。
この例では、インテグラルベース眼鏡レンズ内に組み込まれた複数の局部的又は補助的光学素子の特定の配置(図14、1400)は、光心(1404)からの固定距離によって特徴付けられる2つのセットとして説明され得る。第1のセットの4つの局部的又は補助的光学修正光ソード素子は、光心(1404)から約3mmの固定半径(1406)内に構成され、一方で、第2のセットの8つの局部的又は補助的修正光ソード光学素子(1407)は、光心(1404)から約6mmの固定半径内に構成される。第1のセットの4つの局部的又は補助的修正光ソード光学素子は、光心(1404)を中心として測られる約90度だけ、すぐ隣の局部的光学素子から離間している。第2のセットの局部的又は補助的修正光ソード光学素子は、光心(1404)を中心として測られる約45度だけ、すぐ隣の局部的光学素子から離間している。眼鏡レンズの直径は、約50mmである。
この例では、眼鏡レンズのフロント面に構成された局部的又は補助的修正光ソード光学素子の各々の直径(1405)は、約2mmである。局部的又は補助的修正光ソード光学素子の周りに直径約4mmの包囲領域(1403)を選択し、これを使用してその光学特性を説明する。この包囲領域を、本開示の眼鏡レンズの実施形態の12個の局部的又は補助的修正光ソード光学素子全てについての代表とする。本開示のインテグラルベース眼鏡レンズは、フロント面曲率半径1000mm、バック面曲率半径142mm、中心厚1.5mmを有して構成され、インテグラルベース眼鏡レンズはCR-39ポリマーを用いて設計された。この例におけるインテグラルベース眼鏡レンズの直径は、30mmであった。
この例では、本開示の眼鏡レンズの実施形態の包囲領域(1403)の度数プロファイルが、図15に更に示されている。この例では、包囲領域の総直径(1503)は、約4mmである。局部的又は補助的修正光ソード光学素子(1502)内の修正光ソード素子は、直径約2mmである。
この例では、インテグラルベース眼鏡レンズ(1501)は約-3Dの度数を有し、局部的又は補助的修正光ソード光学素子1502は、図15に示すように、ベース処方に対して局部的素子の幾何中心を中心として測られる角度セグメントで変化する度数プロファイルで組み込まれている。
この例では、実施形態の眼鏡レンズの包囲領域(1403)の残存サグプロファイルが、図16に更に示されている。残存サグは、インテグラルベース眼鏡レンズのフロント面の根本的曲率半径のサグを差し引くことによって得られる。残存サグプロファイル(1602)(単位mm)は、包囲領域の直径(1601)(単位mm)の関数としてプロットされる。
この例では、包囲領域の総直径(1601)は、約4mmである。実施形態の眼鏡レンズの修正光ソード素子領域は、直径約2mmである。
この例では、局部的又は補助的修正光ソード光学素子(1503)の幾何中心を中心とした所望の量の度数バリエーションを提供するためには、水平方向(0度)の約3ミクロンの非対称サグ変化(1603)、及び鉛直(90度)/垂直方向における2ミクロンの対称サグ変化(1604)が必要である。
水平軸に沿った、実施形態の眼鏡レンズ全体の残存サグプロファイルが、図17に更に示されている。図14から分かるように、水平方向(x軸)に沿って構成された4つの修正光ソード光学素子が存在する。直径(1701)(単位mm)の関数としての修正光ソード素子の残存サグプロファイル(1702)(単位mm)が、図17から分かる。対象の包囲領域(1703)の幾何中心が基準であると考えられる。
図18は、図14で説明した開示された実施形態で矯正した場合に、可視波長(589nm)とバージェンス0Dとを有する入射光が表1の-3D模式近視モデル眼に入射したときの、広角スルーフォーカス網膜像点広がりをスポット図として描いた模式図である。光学性能は、瞳孔径4mmで評価した。
分かるように、オンアクシス-スルーフォーカス光学性能は、行1801に記載されているように、網膜上のインフォーカス像と網膜の直前及び直後のアウトオブフォーカス像とをもたらす。行1802~1805は、模式近視モデル眼と連携させて使用された実施形態の眼鏡レンズのオフアクシス性能を表し、それぞれ4つの画角(単位は度)、すなわち(0,10)、(0,-10)、(10,0)、及び(-10,0)を表している。
図18の5つの列は、網膜の前後方向の様々な位置を表し、それぞれ、第1列(-0.7mm、網膜の前)、第2列(-0.35mm、網膜の前)、第3列(0mm、網膜上)、第4列(0.35mm、網膜の後ろ)、及び第5列(0.7mm、網膜の後ろ)である。
行1802~1805の第1列に見られるように、スポット図により、実質的に網膜の前(-0.7mm及び-0.3mm、網膜の前)で検出された全体的なぼやけ内のインフォーカスの線状のセグメントのサブ領域が明らかになっている。
図19は、複数修正光ソード素子を用いて構成されたベース処方(Rx:-3D)の実施形態の眼鏡レンズを使用して表1の-3D模式近視モデル眼を矯正した場合の、オフアクシス-スルーフォーカス光学的伝達関数のモジュラスを示している。
スルーフォーカス光学的伝達関数は、瞳孔4mm、画角10度で求めた。分かるように、実施形態の眼鏡レンズのオフアクシス-スルーフォーカス性能は、実施例1の従来技術の設計による性能(図13)とは異なり、二峰性の性能ではない。
ほぼ網膜上に形成される距離ピーク(1901)は、実質的に網膜の前の像を表す方向に、焦点深度の伸長を示す光学性能の細長いアーム(1902)を有する。
従来技術の眼鏡の実施形態(図13)で得られた性能とは異なり、オフアクシス-スルーフォーカス性能は、実質的な谷又はトラフを形成せず、従来の二焦点レンズで観察される明確な性能ピークを形成しない。模式モデル眼に対する光学性能として測られるこの改善は、従来技術のレンズに対する本明細書に記載の例示的な実施形態を装着する近視眼にとって視覚機能の有意且つ有意義な改善であると解釈されるように提案される。更に、模式モデル眼に対する光学性能として測定される改善は、全体的な耐性も改善するように提案される。
例示的な実施形態の設計実施例3
図20は、複数の局部的又は補助的光学素子と組み合わせて設計された本開示の眼鏡レンズ(2000)を示しており、ここでは、光学素子が修正光ソード光学素子の別の変形例を用いて構成され、局部的又は補助的修正光ソード光学素子は、インテグラルベース眼鏡レンズに隣接する局部的又は補助的光学素子の界面に明確なレッジ、又はリッジ、又はエッジを生じさせないよう特別に設計されている。
この例では、インテグラルベース眼鏡レンズ内に組み込まれた複数の局部的又は補助的修正光ソード光学素子の特定の配置(図20、2000)は、光心(2004)からの固定距離によって特徴付けられる2つのセットとして説明され得る。第1のセットの4つの局部的又は補助的修正光ソード光学素子は、光心(2004)から約3mmの固定半径(2006)内に構成され、一方で、第2のセットの8つの局部的又は補助的修正光ソード光学素子は、光心(2004)から約6mmの固定半径(2005)内に構成される。第1のセットの4つの局部的又は補助的修正光ソード光学素子は、光心(2004)を中心として測られる約90度だけ、すぐ隣の局部的光学素子から離間している。第2のセットの8つの局部的又は補助的修正光ソード光学素子は、光心(2004)を中心として測られる約45度だけ、すぐ隣の局部的光学素子から離間している。眼鏡レンズの直径は、約30mmである。
この例では、眼鏡レンズのフロント面に構成された局部的又は補助的修正光ソード光学素子(2002)の各々の直径は、約2mmである。局部的又は補助的修正光ソード光学素子の周りに直径約4mmの包囲領域(2003)を選択し、これを使用してその光学特性を説明する。この包囲領域を、本開示の眼鏡レンズの実施形態の12個の局部的又は補助的修正光ソード光学素子全てについての代表とする。本開示のインテグラルベース眼鏡レンズは、フロント面曲率半径1000mm、バック面曲率半径142mm、中心厚1.5mmを有して構成され、インテグラルベース眼鏡レンズはCR-39ポリマーを用いて設計された。この例におけるインテグラルベース眼鏡レンズの直径は、30mmであった。
この例では、本開示の眼鏡レンズの実施形態の包囲領域(2003)の度数プロファイルが、図21に更に示されている。この例では、包囲領域の総直径(2103)は、約4mmである。局部的又は補助的光学素子(2102)内の修正光ソード素子の別の変形例は、直径約2mmである。インテグラルベース眼鏡レンズ(2101)は約-3Dの度数を有し、局部的又は補助的修正光ソード光学素子2102は、図21に示すように、ベース処方に対して局部的素子の幾何中心を中心として測られる角度セグメントで変化する度数プロファイルで組み込まれている。
この例では、実施形態の眼鏡レンズの包囲領域(2003)の残存サグプロファイルが、図22に更に示されている。残存サグは、インテグラルベース眼鏡レンズのフロント面の根本的曲率半径のサグを差し引くことによって得られる。残存サグプロファイル(2202)(単位mm)は、包囲領域の直径(2201)(単位mm)の関数としてプロットされる。この例では、包囲領域(2201)の総直径は約4mmである。実施形態の眼鏡レンズの局部的又は補助的修正光ソード光学素子のこの変形例は、直径約2mmである。この例では、局部的又は補助的修正光ソード光学素子(2103)の幾何中心を中心とした所望の量の度数バリエーションを提供するためには、水平方向及び垂直方向(0及び90度)(2203及び2204)における約3ミクロンの非対称サグ変化が必要である。
水平軸に沿った、実施形態の眼鏡レンズ全体の残存サグプロファイルが、図23に更に示されている。図20から分かるように、水平方向(x軸)に沿って構成された4つの修正光ソード光学素子が存在する。直径(2301)の関数としての修正光ソード素子の残存サグプロファイル(2302)が、図23から分かる。対象の包囲領域(2303)の幾何中心が基準であると考えられる。
図24は、図20で説明した開示された実施形態で矯正した場合に、可視波長(589nm)とバージェンス0Dとを有する入射光が表1の-3D模式近視モデル眼に入射したときの、広角スルーフォーカス網膜像点広がりをスポット図として描いた模式図である。光学性能は、瞳孔径4mmで評価した。
分かるように、オンアクシス-スルーフォーカス光学性能は、行2401に記載されているように、網膜上のインフォーカス像と網膜の直前及び直後のアウトオブフォーカス像とをもたらす。行2402~2405は、模式近視モデル眼と連携させて使用された実施形態の眼鏡レンズのオフアクシス性能を表し、それぞれ4つの画角(単位は度)、すなわち(0,10)、(0,-10)、(10,0)、及び(-10,0)を表している。図24の5つの列は、網膜の前後方向の様々な位置を表し、それぞれ、第1列(-0.7mm、網膜の前)、第2列(-0.35mm、網膜の前)、第3列(0mm、網膜上)、第4列(0.35mm、網膜の後ろ)、及び第5列(0.7mm、網膜の後ろ)である。
行2402~2405の第1列に見られるように、スポット図により、実質的に網膜の前(-0.7mm及び-0.3mm、網膜の前)で検出された全体的なぼやけ内のインフォーカスの弧状のセグメントのサブ領域が明らかになっている。
図25は、複数の修正光ソード素子を用いて構成されたベース処方(Rx:-3D)の実施形態の眼鏡レンズを使用して表1の3D模式近視モデル眼を矯正した場合の、オフアクシス-スルーフォーカス光学的伝達関数のモジュラスを示している。スルーフォーカス光学的伝達関数は、瞳孔4mm、画角10度で求めた。
分かるように、実施形態の眼鏡レンズのオフアクシス-スルーフォーカス性能は、実施例1の従来技術の設計による性能(図13)とは異なり、二峰性の性能ではない。ほぼ網膜上に形成される距離ピーク(2501)は、実質的に網膜の前の像を表す方向に、焦点深度の伸長を示す光学性能の細長いアーム(2502)を有する。従来技術の眼鏡の実施形態(図13)で得られた性能とは異なり、オフアクシス-スルーフォーカス性能は、実質的な谷又はトラフを形成せず、従来の二焦点レンズで観察される明確な性能ピークを形成しない。
模式モデル眼に対する光学性能として測られるこの改善は、従来技術のレンズに対する本明細書に記載の例示的な実施形態を装着する近視眼にとって視覚機能の有意且つ有意義な改善であると解釈されるように提案される。更に、模式モデル眼に対する光学性能として測定される改善は、全体的な耐性も改善するように提案される。
例示的な実施形態の設計実施例4
図26は、複数の局部的又は補助的前方リニアアキシコン光学素子と組み合わせて構成された本開示の眼鏡レンズの一例を示しており、ここでは、約8個の局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子が、眼鏡レンズの光心を中心とする円形配置で構成される。この例では、8つの局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子は、眼鏡レンズの光心から約3.5mmの固定半径内に構成される。円形配置された局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子は、それぞれ、眼鏡レンズの光軸を中心に測って、その隣接する光学素子の幾何中心から約45度だけ離間している。この例では、眼鏡レンズのフロント面上に構成された局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子の各々の直径(2605)は、約1.5mmである。局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子の周りに直径約3mmの包囲領域(2603)を選択し、その表面特性を説明する。選択された包囲領域を、本開示の眼鏡レンズの実施形態の8つの局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子全てについての代表とする。
この例では、本開示のインテグラルベース眼鏡レンズは、CR39材料において、フロント面曲率半径1000mm、バック面曲率半径142mm、中心厚1.5mmを有して構成され、インテグラルベース眼鏡レンズはCR-39ポリマーを用いて設計された。この例におけるインテグラルベース眼鏡レンズの直径は、30mmであった。この例の局部的又は補助的前方リニアアキシコン光学素子の各々は、根本的ベースフロント面球面半径に対して定義される、-500の非球面性(Q、コーニック定数)と0.1mmの極めて急峻な曲率半径とを用いて前方リニアアキシコンとして構成された。
この例では、局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子を組み込んだ眼鏡レンズの実施形態の前面が、屈折率1.4を有する、インテグラルベース眼鏡レンズCR39材料とは異なる、第2の材料でコーティングされた。フロント面に構成された局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子とコーティングとの間の屈折率の不一致は、約0.1である。水平軸に沿った、実施形態の眼鏡レンズ全体の残存サグプロファイルが、図27に更に示されている。図26から分かるように、眼鏡レンズの実施形態の水平方向(x軸)に沿って構成された2つの局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子が存在する。直径(2701)(単位mm)の関数としての局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子の残存サグプロファイル(2702)(単位mm)が、図27から分かる。対象の包囲領域(2703)の幾何中心が基準であると考えられる。局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子の残存サグプロファイルを得るために、眼鏡のフロント面の曲率半径が除かれた。
図28は、図27で説明した開示された実施形態で矯正した場合に、可視波長(555nm)と光学的無限遠を示す0Dのバージェンスとを有する入射光が表1の-3D模式近視モデル眼に入射したときの、広角スルーフォーカス網膜像点広がりをスポット図として描いた模式図である。光学性能は、瞳孔径2.55mmで評価した。分かるように、オンアクシス-スルーフォーカス光学性能は、行2801に記載されているように、網膜上のインフォーカス像と網膜の直前及び直後のアウトオブフォーカス像とをもたらす。行2802は、模式近視モデル眼と連携させて使用された実施形態の眼鏡レンズのオフアクシス性能を表し、(0,12.5度)画角を表している。
この例では、図28の5つの列は、網膜の前後方向の様々な位置を表し、それぞれ、第1列(-0.5mm、網膜の前)、第2列(-0.25mm、網膜の前)、第3列(0mm、網膜上)、第4列(0.25mm、網膜の後ろ)、及び第5列(0.5mm、網膜の後ろ)である。
2802から分かるように、局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子とインテグラルベース眼鏡レンズとの組み合わせを通過するオフアクシス入射平面波に関して、比較的横方向に一定のリング状の強度プロファイルが得られている。
この例では、符号2802のオフアクシス-スルーフォーカス領域で観察される比較的一定な横方向サイズ及び比較的一定な強度プロファイル又は比較的一定なエネルギー分布は、模式モデル眼の網膜上でインテグラルベース眼鏡レンズと組み合わせた局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子によってもたらされる焦点深度の拡張の代替尺度である。
他の実施形態では、リニア又は対数アキシコンが、インテグラルベース眼鏡レンズと組み合わされた局部的又は補助的光学素子であるとき、それらは、装着者の網膜上の所定の焦点領域にわたって実質的に非回折性の一定のビームサイズ及び比較的一定の強度を生成してもよい。網膜に関する所望のスルーフォーカス領域にわたるほぼ均一な又は実質的にほぼ均一なオンアクシス強度は、進行近視眼にストップシグナルを提供し得る。例に見られるように、インテグラルベース眼鏡レンズと組み合わされた、結果として得られる前方又は後方リニアアキシコンは、網膜の実質的なスルーフォーカス領域にわたって実質的に同様の幅及び強度パターンを有するリング状光分布パターンを生成する。
例示的な実施形態の設計実施例5
図29は、複数の局部的又は補助的後方リニアアキシコン光学素子と組み合わせて構成された本開示の眼鏡レンズの一例を示しており、ここでは、約8個の局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子が、眼鏡レンズの光心を中心とする円形配置で構成される。
この例では、8つの局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子は、眼鏡レンズの光心から約2.25mmの固定半径内に構成される。円形配置された局部的又は補助的な後方リニアアキシコン光学素子は、それぞれ、眼鏡レンズの光軸を中心に測って、その隣接する光学素子の幾何中心から約45度だけ離間している。この例では、眼鏡レンズのバック面上に構成された局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子の各々の直径(2905)は、約0.75mmである。局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子の周りに直径約3mmの包囲領域(2903)を選択し、その表面特性を説明する。選択された包囲領域を、本開示の眼鏡レンズの実施形態の存在する8つの局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子全てについての代表とする。この例では、本開示のインテグラルベース眼鏡レンズは、CR39材料において、フロント面曲率半径1000mm、バック面曲率半径142mm、中心厚1.5mmを有して構成され、インテグラルベース眼鏡レンズはCR-39ポリマーを用いて設計された。この例におけるインテグラルベース眼鏡レンズの直径は、35mmであった。
この例では、この例の局部的又は補助的光学素子の各々は、根本的ベースバック面球面半径に対して定義される、-2000の非球面性(Q、コーニック定数)と0.1mmの極めて急峻な曲率半径とを用いて、眼鏡のバック面上のアキシコンとして構成された。この例では、局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子を組み込んだ眼鏡レンズの実施形態の前面が、眼鏡レンズの材料マトリックス内に突き出していたため、特別な又は追加のコーティングは検討されなかった。水平軸に沿った、実施形態の眼鏡レンズ全体の残存サグプロファイルが、図30に更に示されている。図29から分かるように、眼鏡レンズの実施形態の水平方向(x軸)に沿って構成された2つの局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子が存在する。直径(3001)(単位mm)の関数としての局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子の残存サグプロファイル(3002)(単位mm)が、図30から分かる。対象の包囲領域(3003)の幾何中心が基準であると考えられる。局部的又は補助的リニアアキシコン光学素子の残存サグプロファイルを得るために、眼鏡のバック面の曲率半径が除かれた。
図31は、図29で説明した開示された実施形態で矯正した場合に、可視波長(555nm)と光学的無限遠を示す0Dのバージェンスとを有する入射光が表1の-3D模式近視モデル眼に入射したときの、広角スルーフォーカス網膜像点広がりをスポット図として描いた模式図である。光学性能は、2.5mmの瞳孔径で評価した。
分かるように、オンアクシス-スルーフォーカス光学性能は、行3101に記載されているように、網膜上のインフォーカス像と網膜の直前及び直後のアウトオブフォーカス像とをもたらす。行3102は、模式近視モデル眼と連携させて使用された実施形態の眼鏡レンズのオフアクシス性能を表し、(0,30度)画角を表している。図31の5つの列は、網膜の前後方向の様々な位置を表し、それぞれ、第1列(-0.5mm、網膜の前)、第2列(-0.25mm、網膜の前)、第3列(0mm、網膜上)、第4列(0.25mm、網膜の後ろ)、及び第5列(0.5mm、網膜の後ろ)である。
この例では、3102から分かるように、局部的後方リニアアキシコン光学素子とインテグラルベース眼鏡レンズとの組み合わせを通過するオフアクシス入射平面波に関して、比較的横方向に一定のリング状の強度プロファイルが得られている。
この例では、符号3102のオフアクシス-スルーフォーカス領域で観察される比較的一定な横方向サイズ及び比較的一定な強度プロファイル又は比較的一定なエネルギー分布は、模式モデル眼の網膜上でインテグラルベース眼鏡レンズと組み合わせた局部的又は補助的後方リニアアキシコン光学素子によってもたらされる焦点深度の拡張の代替尺度である。
例に見られるように、インテグラルベース眼鏡レンズと組み合わされた、結果として得られる前方又は後方リニアアキシコンは、網膜の実質的なスルーフォーカス領域にわたって実質的に同様の幅及び強度パターンを有するリング状光分布パターンを生成する。
実施例1~4の他の変形例
いくつかの他の実施形態では、眼鏡レンズ上の局部的又は補助的光学素子の配置は、装着者の眼の網膜の異なる所望の位置に焦点深度の所望のレベルの拡張を導入し、且つ進行近視眼に対して望ましいストップシグナルを生成するために、円形、非円形、半円形、環状、卵形、矩形、八角形、六角形、ランダム、又は正方形の形状であってもよい。
特定の実施形態では、インテグラルベース眼鏡レンズと共に、又は連携させて、組み合わせて、若しくは並置して構成される複数の局部的又は補助的光学素子は、本明細書に開示される補助的光学素子の様々な組み合わせを含んでもよい。例えば、一実施形態では、複数の前方/後方アキシコンが、複数の光ソード又は修正光ソード素子と組み合わされてもよい。別の例示的な実施形態では、複数の前方/後方アキシコンは、シングル又はダブルピーコックアイ素子と組み合わされてもよい。
特定の実施形態では、インテグラルベース眼鏡レンズと共に、又は連携させて、組み合わせて、若しくは並置して構成される複数の局部的又は補助的光学素子は、眼鏡レンズの異なる領域に沿って異なって配置されてもよく、又は右眼と左眼との間で異なって配置されてもよい。
特定の実施形態では、眼鏡レンズと組み合わされた1つ以上の局部的又は補助的光学素子間の中心間距離は、少なくとも0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、又はそれらの組み合わせであってよい。いくつかの他の実施形態では、眼鏡レンズと組み合わされた1つ以上の局部的又は補助的光学素子間の中心間距離は、0.5~5mm、1~3mm、2~5mm、3~5mm、又はそれらの組み合わせであってもよい。
いくつかの他の実施形態では、眼鏡レンズ上の局部的又は補助的光学素子の直径は、少なくとも0.75mm、1mm、1.25mm、1.5mm、1.75mm、又は2mmであってよい。いくつかの他の実施形態では、眼鏡レンズ上の局部的又は補助的光学素子の直径は、0.75mm~1.5mm、1.25mm~1.75mm、1mm~2mmであってよい。
いくつかの他の実施形態では、眼鏡レンズ上の局部的又は補助的光学素子のいずれかの表面積は、少なくとも1.75平方mm、2平方mm、2.25平方mm、2.5平方mm、2.75平方mm、3平方mm、3.25平方mm、又は3.5平方mmであってよい。
いくつかの他の実施形態では、眼鏡レンズ上の局部的又は補助的光学素子の直径は、1.75平方mm~2.5平方mm、2.25平方mm~2.75平方mm、1.75平方mm~3.5平方mmであってよい。
いくつかの他の実施形態では、眼鏡レンズ上の実質的に全ての局部的又は補助的光学素子の総表面積は、眼鏡レンズ又は眼鏡レンズブランクの総表面積の10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、25%、27.5%又は30%未満であってよい。他の実施形態では、眼鏡レンズ上の実質的に全ての局部的又は補助的光学素子の総表面積は、眼鏡レンズ又は眼鏡レンズブランクの総表面積の10%~20%、10%~15%、15%~25%、10%~20%であってよい。
特定の実施形態では、少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子と連携させた眼鏡レンズ内に構成される焦点深度の誘導される拡張又は伸長(すなわち、ストップシグナル)は、少なくとも+0.5D、+0.75D、+1D、+1.25D、+1.5D、+1.75D、+2D、又は+2.5Dであってよい。
特定の実施形態では、少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子と連携させた眼鏡レンズ内に構成される焦点深度の誘導される拡張又は伸長は、+0.5D~+1D、+0.5D~+1.5D、+0.5D~+2D、又は+0.5D~+2.5Dであってよい。
いくつかの実施形態では、インテグラルベース単一視眼鏡レンズは、ベース眼鏡レンズの光学プロファイルと組み合わせたときの光学プロファイルが装着者の眼の網膜上の少なくとも1つの所望の領域に拡張焦点深度を提供できる個々の局部的又は補助的光学素子を有する複数の領域を有して構成されてもよい。補助的光学素子(複数可)と組み合わせた前記インテグラルベース単一視眼鏡レンズは、本開示の例示的な態様によりその実施形態が個人の近視の進行速度を低減、抑制、又は制御することができるように、構成され得る。
いくつかの実施形態では、主凝視において眼鏡装着者の瞳孔を覆う、遠方視距離を見ることに対応する領域又はゾーン;及び下鼻凝視(すなわち、下向き且つ鼻に向かう内向き)において眼鏡装着者の瞳孔を覆う、近方視距離を見ることに対応する別の領域又はゾーンが、企図され得る。いくつかの他の実施形態では、1つの局部的又は補助的光学素子のみが、これらのゾーン又は領域(遠方及び/又は近方)の各々において眼鏡レンズと組み合わされてよい。
更に別の実施形態では、これらのゾーン又は領域(遠方及び/又は近方)の各々において、複数の局部的又は補助的光学素子が企図されてもよい。本明細書に開示される眼鏡レンズと組み合わせた局部的又は補助的光学素子は、その光学的及び物理的特性が実質的に異なっていてもよい。
いくつかの実施形態では、単層からなっていてもよく他の実施形態では複数の層からなっていてもよいシートで製造されてもよい局部的又は補助的光学素子が、インテグラルベース眼鏡レンズと並置して構成されてもよい。そのようなシートは、その後、眼鏡レンズと連携して適切にフィット又は機能するように接ぎ合わされ得る。局部的又は補助的光学素子を構成するシートは、熱的、機械的、又は化学的接着を含むがこれらに限定されないいくつかの方法で、眼鏡レンズと連携して作用するように眼鏡レンズに塗布又は接着されてもよい。いくつかの実施形態では、眼鏡レンズの少なくとも1つの局部的光学素子は、前面、後面、又はそれらの組み合わせにおいて位置し、形成され、又は配置されてもよい。いくつかの実施形態では、眼鏡レンズの少なくとも1つの局部的光学素子は、ストップシグナルの特定の特徴、例えば、焦点深度の拡張若しくは伸長又は網膜の実質的に前に分布する光エネルギー、を生成するために充てられる。
特定の実施形態では、局部的又は補助的光学素子の1つ以上の屈折率は、局部的又は補助的光学素子の周囲の材料の屈折率より高くてもよく、一方で、他の実施形態では、局部的又は補助的光学素子の1つ以上の屈折率は、光学素子の周囲の材料の屈折率より低くてもよい。いくつかの実施形態では、光学素子の屈折率の有用な範囲は、1.35~1.75である。特定の他の実施形態では、局部的又は補助的光学素子の1つ以上の屈折率は、屈折率分布型媒体とも呼ばれる勾配形態のものであってよい。
いくつかの眼鏡レンズの実施形態では、1つ以上の局部的又は補助的光学素子の周囲の領域と比較して、該局部的又は補助的光学素子の屈折率間の差がより小さいことが、製造精度を向上するために有利である場合がある。いくつかの実施形態では、約0.005、0.01、0.05、又は0.1の屈折率差が考えられる。
特定の他の実施形態では、眼鏡レンズの少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子は、眼鏡レンズの2つの表面のうちの1つに位置し、形成され、又は配置され、他の表面は、眼の成長を更に低減するための他の特徴を有していてもよい。例えば、デフォーカス、コマ(coma)、又は球面収差のような追加の特徴の使用など。
本明細書で提供される例は、本発明を開示するために-3Dの近視モデル眼を使用したが、同じ開示を、他の近視の度数、例えば-1D、-2D、-5D、又は-6Dに拡張できる。更に、当業者ならば眼に対して乱視と連携して例えば最大1DC又は2DCまで近視の度数が変化するよう拡張可能であることが、理解される。
例示的な実施形態において、555nmの特定の波長を参照したが、当業者ならば420nm~760nmの他の可視波長へ拡張可能であることが、理解される。
別の実施形態では、眼鏡レンズを製造するための方法又はプロセスは、以下のステップを含む。(a)眼鏡レンズの表面上に光学素子を形成するために材料を成形及び/又は切断し、動径及び/又は方位角方向の度数分布を実装するステップと、(b)前記眼鏡レンズ上の前記方位角方向の度数分布に沿って任意の不連続性を実質的に排除するために取られる所望のステップとを含む。
例えば、光ソード光学素子を眼鏡レンズの後面と並置して、角度的又は回転的に非対称な度数分布を有する前記光ソード光学素子を生成するために必要な表面プロファイルの角度変化によって生じるレッジを回避することが考えられる。
図及び例に開示された特定の構造的及び機能的な詳細は、限定的に解釈されるものではなく、単に、開示された実施形態を多くの変形例で採用することを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるものである。
本開示の一実施形態において、以下の近視眼のための眼鏡レンズが開示される。該眼鏡レンズは、近視眼の屈折異常を少なくとも部分的に矯正するための距離ベース処方を有して構成された、インテグラルベース眼鏡レンズを備え、インテグラルベース眼鏡レンズの内部に、又は該インテグラルベース眼鏡レンズと連携させて、組み合わせて、若しくは並置して形成された少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子とを更に備え、少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子は、インテグラルベース眼鏡レンズによって提供される光学効果とは異なる光学効果を眼に提供するように構成され、インテグラルベース眼鏡レンズと少なくとも1つの補助的光学素子との組み合わせが、近視眼の網膜上の少なくとも1つの部分に対して焦点深度の伸長を提供するように構成される。
一例では、インテグラルベース眼鏡レンズは、球面又は円環状のベース処方を有する。一例では、各局部的又は補助的光学素子の直径は、0.75mmより大きい。一例では、各局部的又は補助的光学素子の表面積は、1.75平方mmより大きい。一例では、局部的又は補助的光学素子の合計した総表面積は、眼鏡レンズの総表面積の30%未満である。一例では、局部的又は補助的光学素子の各々は、少なくとも部分的に、アキシコン、逆アキシコン、又は対数アキシコンを利用する。本開示の特定の他の実施形態では、局部的又は補助的光学素子の各々は、少なくとも部分的に、光ソード素子、修正光ソード素子、又はピーコックアイ素子を利用する。
本開示の他の実施形態では、焦点深度の伸長は、正端と負端とを備え、焦点深度の伸長は、負端が実質的に網膜の前に位置し、正端が実質的に近視眼の網膜上に位置するように構成される。例えば、一例では、局部的又は補助的光学素子の各々によって提供される焦点深度の伸長は、幅0.2mm~1.5mmである。
本開示の特定の他の実施形態では、焦点深度の伸長は、460nm~760nm(両端の値を含む)の可視光の複数の波長について達成される。一例では、網膜上の少なくとも1つの部分は、近視眼の30度視野内にある。特定の例では、少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子は、眼鏡レンズの前面、後面、又は両面に構成される。
いくつかの例では、少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子は、眼鏡レンズのマトリックス内に構成される。いくつかの例では、少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子は、円形、楕円形、正多角形、又は非正多角形のうちの1つ以上の形状を有する。眼鏡レンズのいくつかの他の例示的な実施形態を、以下の例セットAに記載する。
請求項例のセット「A」
人における近視の進行を低減するための眼鏡レンズであって、
眼鏡レンズと、
インテグラルベース単一視眼鏡レンズの内部で、又は該インテグラルベース単一視眼鏡レンズと連携させて、組み合わせて、若しくは並置して使用される少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子と、
を備え、
前記少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子は、前記眼鏡レンズの前面若しくは前記眼鏡レンズの後面に塗布若しくは接着され得る永久オーバーレイであるか、又は前記眼鏡レンズのマトリックス内に形成され、
前記少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子は、少なくとも部分的に、アキシコン、対数アキシコン、リニアアキシコン、前方アキシコン、後方アキシコン、逆対数アキシコン、4次アキシコン、アキシレンズ、光ソード素子、明確なリッジ若しくはレッジを有しないように意図的に設計された修正光ソード、シングルピーコックアイ素子、又はダブルピーコックアイ素子を利用する、
眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズは、少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子であって、前記局部的又は補助的光学素子の幾何中心を中心とした度数バリエーションの角度変調を実装する少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子を備え、
前記構成された度数バリエーションは、前記眼鏡レンズと、隣接する局部的又は補助的光学素子との接合部に明確なリッジ、エッジ、レッジを生じないよう意図的に選択される、
1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズは、少なくとも1つの補助的又は局部的光学素子を備え、
前記眼鏡レンズを組み合わされた前記少なくとも1つの補助的又は局部的光学素子は、前記補助的又は局部的光学素子の領域の少なくとも30%、40%、50%、60%、又は70%の、前記局部的光学素子の幾何中心又は光心をまたぐ、角度的度数バリエーションが存在するように、結果的に意図的に構成され、前記眼鏡レンズと前記隣接する局部的又は補助的光学素子との接合部に明確なリッジ、エッジ、レッジを生じないように意図的に選択される、
1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記複数の補助的又は局部的光学素子が、前記眼鏡レンズ又は眼鏡レンズブランクの表面積の少なくとも5%、8%、10%、12%、15%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%、32%、又は34%を覆う、1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子は、装着者の眼に対して、少なくとも+0.5D、+0.75D、+1D、+1.25D、+1.5D、+1.75D、又は+2Dの焦点深度の拡張又は伸長を提供するように構成される、1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子は、前記装着者にとって使用可能な視野角の10%、15%、20%、25%、又は30%にわたって焦点深度の拡張又は伸長を提供するように構成される、1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズの前記少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子が、少なくとも1つの永久的な層を備え、前記層は、スプレーコーティング又は接着剤であってよい、1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子を形成するために使用される材料の少なくとも1つの屈折率は、前記眼鏡レンズを形成するために使用される材料の屈折率とは異なる、1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記複数の局部的又は補助的光学素子が、前記眼鏡レンズ内で少なくとも1、2、3、4、5、又は6つの異なる直径を有する、1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記複数の局部的又は補助的光学素子が、近視眼に対して焦点深度の少なくとも1、2、3、4、5、又は6つの異なる範囲の拡張又は伸長を提供する、1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズは、眼鏡レンズを通る入射光を修正するように構成され、近視の進行の速度を減速させるために焦点深度の拡張又は伸長を利用する、1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズは、前記眼鏡レンズの視野角の実質的な部分に対して、進行眼にストップシグナルを提供可能である、1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズは、前記眼鏡レンズの視野角の合計の少なくとも50%に対して、進行眼にストップシグナルを提供するように構成される、1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズは、前記少なくとも1つの局部的又は補助的光学素子を含む前記眼鏡レンズの領域の前記視野角の実質的な部分に対して、進行眼にストップシグナルを提供するように構成される、1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズは、前記少なくとも1つの局部的光学素子を含む前記眼鏡レンズの領域の視野角の合計の少なくとも50%に対して、進行眼を提供するように構成される、1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズは、伝統的な又は従来の単一視眼鏡レンズと美容的に区別がつかない、1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズは、前記局部的又は補助的光学素子のいずれかに隣接する界面において、レッジ、リッジ、又はエッジがない、1つ以上の先行する例Aに記載の眼鏡レンズ。
人における近視の進行を低減する方法であって、
装着者の眼の屈折の測定を行うことと、
前記眼の前記屈折測定に少なくとも部分的に基づく距離処方を特定することと、
各眼のためにレンズを選択することと、
を含み、
前記レンズは、前記眼鏡装着者の網膜平面において焦点深度の必要な拡張又は伸長を導入するように構成されたA例の1つ以上で規定される少なくとも1つの眼鏡レンズを提供する前記眼の前記屈折測定に実質的に近いベース距離処方度数を有して構成され、
前記方法は、日中、長時間、この装置を装着することを含む、
方法。
請求項例のセット「B」
近視眼のための眼鏡レンズであって、
前記近視眼の屈折異常を少なくとも部分的に矯正するための距離単一視ベース処方を有して構成されたインテグラルベースレンズと、
前記インテグラルベースレンズと連携させて又は並置して形成された少なくとも1つの補助的又は局部的光学素子と
を備え、
前記少なくとも1つの補助的光学素子は、前記インテグラルベースレンズによって提供される光学効果とは異なる光学効果を前記眼に提供するよう構成され、
前記インテグラルベースレンズと前記少なくとも1つの補助的光学素子との組み合わせが、前記近視眼の網膜上の少なくとも1つの部分に対して焦点深度の伸長を提供するよう構成される、
眼鏡レンズ。
前記インテグラルベースレンズは球面又は円環状のベース処方を有する、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記補助的又は局部的光学素子の各々の直径が0.75mmより大きい、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
各補助的光学素子の表面積が1.75平方mmより大きい、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
補助的光学素子の合計した総表面積が、前記眼鏡レンズの総表面積の30%未満である、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記補助的光学素子の少なくとも1つが、少なくとも部分的に、アキシコン、前方アキシコン、後方アキシコン、リニアアキシコン、逆アキシコン、又は対数アキシコンを利用する、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記補助的光学素子の各々が、少なくとも部分的に、光ソード素子、修正光ソード素子、シングルピーコックアイ素子、又はダブルピーコックアイ素子を利用する、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
焦点深度の前記伸長は、正端と負端とを備え、
焦点深度の前記伸長は、前記負端が実質的に前記網膜の前に位置し、正端が実質的に前記近視眼の前記網膜上に位置するように構成される、
1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記補助的又は局部的光学素子の各々によって提供される焦点深度の前記伸長は、前記眼の前記網膜における幅が0.2mm~1.5mmである、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
焦点深度の前記伸長は、460nm~760nm(両端の値を含む)の可視光の複数の波長について達成される、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
焦点深度の前記伸長は、2.5mm~6mm(両端の値を含む)の複数の瞳孔径について達成される、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記網膜上の前記少なくとも1つの部分は、前記近視眼の30度視野内にある、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記少なくとも1つの補助的光学素子は、前記眼鏡レンズの前面、後面、又は両面に構成される、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記少なくとも1つの補助的光学素子は、前記眼鏡レンズのマトリックス内に構成される、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記少なくとも1つの補助的光学素子は、円形、楕円形、正多角形、又は非正多角形のうちの1つ以上の形状を有する、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズは、伝統的な又は従来の単一視眼鏡レンズと美容的に区別がつかない、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズは、前記少なくとも1つの局部的光学素子を含む前記眼鏡レンズの領域の視野角の合計の少なくとも50%に対して、進行眼を提供するように構成される、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズは、前記眼鏡レンズの視野角の実質的な部分に対して、進行眼にストップシグナルを提供可能である、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズは、前記眼鏡レンズの視野角の合計の少なくとも50%に対して、進行眼にストップシグナルを提供するように構成される、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記眼鏡レンズは、前記少なくとも1つの局部的光学素子を含む眼鏡レンズの領域の視野角の実質的な部分に対して、進行眼にストップシグナルを提供するように構成される、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
ダブルピーコックアイ素子が、2つの実質的に類似したシングルピーコックアイ光学素子を備える、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
ダブルピーコックアイ素子が、2つの実質的に相違するシングルピーコックアイ光学素子を備える、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記インテグラルベースレンズと組み合わせた少なくとも1つの補助的又は局部的光学素子の光路が、以下のように定義され、
ここで、x及びyは、前記局部的又は補助的光学素子の光学位相関数のデカルト座標であり、パラメータF及びΔFは、いずれもレンズ単位(mm)での、前記レンズの焦点距離及び前記局部的又は補助的光学素子の拡張焦点深度の範囲を表し、「d」は光学素子の直径であり、
Fは前記眼の根本的な屈折異常にほぼ一致し、ΔFは幅0.25~1.5mmであってよく、dは0.375~2mmである、
1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記少なくとも1つの補助的又は局部的光学素子は、0.05mm~0.5mmの急峻な曲率半径と、-250~-5000のコーニック定数(Q)値によって特徴付けられる非常に大きな非球面性係数とを用いて定義されるアキシコンである、1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記インテグラルベースレンズと組み合わせた少なくとも1つの補助的又は局部的光学素子の光路が、以下のように定義され、
Fは前記眼の根本的な屈折異常にほぼ一致する、
1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記インテグラルベースレンズと組み合わせた少なくとも1つの補助的又は局部的光学素子の光路が、以下のように定義され、
ΔFは、幅0.25~1.5mmであってよく、
Rは0.375~2mmである、
1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記インテグラルベースレンズと組み合わせた少なくとも1つの補助的又は局部的光学素子の光路が、以下のように定義され、
Fは前記眼の根本的屈折異常にほぼ一致しており、ΔFは、幅0.25~1.5mmであってよく、Rは0.375~2mmである、
1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記インテグラルベースレンズと組み合わせた少なくとも1つの補助的又は局部的光学素子の光路が、以下のように定義され、
Fは前記眼の根本的な屈折異常にほぼ一致しており、ΔFは幅0.25~1.5mmであってよい、
1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記インテグラルベースレンズと組み合わせた少なくとも1つの補助的又は局部的光学素子の光路が、以下のように定義され、
Fは前記眼の根本的な屈折異常にほぼ一致しており、ΔFは幅0.25~1.5mmであってよい、
1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
前記インテグラルベースレンズと組み合わせた少なくとも1つの補助的又は局部的光学素子の光路が、以下のように定義され、
Fは前記眼の根本的な屈折異常にほぼ一致しており、ΔFは、幅0.25~1.5mmであってよく、Rは0.375~2mmである、
1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。
少なくとも1つの補助的光学素子のサグが、前記インテグラルベースレンズのフロント面又はバック面に構成された、以下の式で表される奇数次非球アキシコン面によって特徴付けられ、
係数β1~β7は本開示の表3に記載される最小値及び最大値を有する、
1つ以上の先行するB例に記載の眼鏡レンズ。