JP2023511848A - エステル系エポキシ配合物の調節可能な分解 - Google Patents

エステル系エポキシ配合物の調節可能な分解 Download PDF

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Abstract

本開示は、送達および放出の組成物、系、ならびにそれらの使用方法に関する。特に、本開示は、第1のエポキシ含有モノマーと第2の異なるエポキシ含有モノマーとを含む分解性ポリマー系であって、分解性ポリマー系は架橋されており、第1のエポキシ含有モノマーおよび第2の異なるエポキシ含有モノマーの一方が1つまたは複数のエステル基を含む、分解性ポリマー系と;分解性ポリマー系を組み込んだ送達系と;石油貯留層にカーゴを提供するための方法に関する。

Description

本開示は、送達および放出の組成物、系、ならびにそれらの使用方法に関する。特に、本開示は、石油井戸および/または地層のダウンホールなどの所望の場所において所望の化学物質または組成物を放出するように適合された、設計された放出および刺激応答性物質を提供する。
多くの産業において、様々な化学物質を制御された方法で送達および放出することが求められている。ナノ粒子、刺激応答性ポリマーなどの新しい物質および化学センサ技術が、パーソナルケア物質および医薬品のような、制御された環境が送達ポイントとなる分野において有用であることが示されている。石油産業などの他の環境において、制御された送達および放出の方法および物質を採用することは有用であるが、ダウンホール環境が過酷で一般的に制御されない性質であることから、これまで斯かる制御放出技術の有用な実装は妨げられてきた。坑井仕上げ、原油増進回収(EOR)、および流量制御などの様々な油田作業で使用するための制御された送達および放出の方法および物質を手にすることは特に望ましい。しかし、困難なダウンホール環境では、実際の現場での有用性を提供するために、新しい化学物質、製造プロセス、および活性化機構の新しいセットが必要となる。さらに、このように環境が困難であることと、油田用化学物質およびセンサのコストが比較的高いことから、裸孔領域から深部貯留層へ的を絞って放出する改良された方法および物質が必要とされている。
本開示は、第1のエポキシ含有モノマーと第2の異なるエポキシ含有モノマーとを含む分解性ポリマー系であって、前記分解性ポリマー系は架橋されており、前記第1のエポキシ含有モノマーおよび前記第2の異なるエポキシ含有モノマーの一方が1つまたは複数のエステル基を含む、分解性ポリマー系に関するものである。いくつかの実施形態では、ポリマー系の分解性は、1つまたは複数のエステル基を含むエポキシ含有モノマーによって形成されるポリマー系の重量パーセントに基づいて調整可能である。いくつかの実施形態において、分解性ポリマー系はアミン架橋剤で架橋されている。
本開示は、さらに、石油地層などの過酷な環境への様々な化学物質および化学組成物の送達に特に有用であり得る送達系に関する。様々な実施形態において、送達系は、各々がアウターシェルと、アウターシェルによって保持されるカーゴとを備える複数の粒子を含むことができ、前記アウターシェルは、本明細書に別途記載されるように分解性ポリマー系から少なくとも部分的に形成されている。さらなる実施形態では、送達系は、任意の数および/または順序で組合せることが可能な以下の記述のうちの1つまたは複数に関連して定義することが可能である。
アウターシェルは、カーゴが保持される内部空間を規定することが可能である。
アウターシェルは、複数の層を備えることが可能である。
内部空間は、カーゴが結合されるコア物質を備えることが可能である。
カーゴは、シェルによって規定される内部空間内に複数のユニットとして構成され得る。
カーゴはシェルを通して制御可能に拡散させることが可能である。
アウターシェルは、少なくとも部分的に分解可能であり得る。
アウターシェルは、加水分解からなる群より選択される機構を介して、少なくとも部分的に分解可能であり得る。
カーゴは、破砕剤、スケール防止剤、腐食防止剤、架橋剤、界面活性剤、セメント促進剤、酸性化剤、センサ、殺菌剤、地層損傷制御剤、乳化剤、粘性剤、トレーサ、およびこれらの組合せからなる群より選択される少なくとも1つの物質を含むことが可能である。
粒子は、約5μm以下の平均サイズを有することが可能である。
粒子は、約500nm以下の平均サイズを有することが可能である。
本開示はさらに、石油貯留層などの所望の場所にカーゴを送達するための方法を提供することができる。1つまたは複数の実施形態において、石油貯留層にカーゴを提供するための方法は、各々がカーゴを保持しているアウターシェルを備える複数の粒子を石油貯留層に送達することを含み得、前記アウターシェルは分解性ポリマー系から少なくとも部分的に形成されており、前記石油貯留層は、前記複数の粒子が前記カーゴの少なくとも一部を放出する1つまたは複数の条件を示す。さらなる実施形態では、送達方法は、任意の数および/または順序で組合せることが可能な以下の記述のうちの1つまたは複数に関連して定義することが可能である。
アウターシェルは分解性ポリマー系から形成され得る。
石油貯留層は、分解性ポリマー系が少なくとも部分的に分解する1つまたは複数の条件を示すことが可能である。
分解性ポリマー系の分解は、1つまたは複数のエステル基を含むエポキシ含有モノマーによって形成されるポリマー系の重量パーセントを制御することによって調整することが可能である。
分解性ポリマー系は、特定のカーゴ構成要素の誘発された放出を提供するように調整することが可能である。
アウターシェルは、カーゴが保持される内部空間を規定することが可能である。
アウターシェルは、複数の層を備えることが可能である。
内部空間は、カーゴが結合されるコア物質を備えることが可能である。
カーゴは、シェルによって規定される内部空間内に複数のユニットとして構成され得る。
カーゴは石油貯留層内でアウターシェルを通って制御可能に拡散することが可能である。
カーゴは、破砕剤、スケール防止剤、腐食防止剤、架橋剤、界面活性剤、セメント促進剤、酸性化剤、センサ、殺菌剤、地層損傷制御剤、乳化剤、粘性剤、トレーサ、およびこれらの組合せからなる群より選択される少なくとも1つの物質を備えることが可能である。
粒子は、約500μm以下の平均サイズを有することが可能である。
粒子は、約1μm以下の平均サイズを有することが可能である。
粒子は、約500nm以下の平均サイズを有することが可能である。
1つまたは複数の実施形態において、本開示は、カーゴを大半の構成要素として備えることが可能な、放出が制御された粒子を提供することが可能である。特に、カーゴは、粒子の総重量を基準にして粒子の最大約90重量%(例えば、約10重量%~約90重量%)を占め得る。斯かる粒子は多層形態であり得、カーゴの制御された放出を提供するために、1つまたは複数の層に1つまたは複数の不安定な架橋を含むことが可能である。
本開示はさらに、分解性ポリマー系を調製するための方法を提供することが可能である。1つまたは複数の実施形態において、分解性ポリマー系を調製するための方法は、第1のエポキシ含有モノマーと第2の異なるエポキシ含有モノマーを組合せることであって、前記第1のエポキシ含有モノマーおよび前記第2の異なるエポキシ含有モノマーの一方がモノマーの組合せを形成するために1つまたは複数のエステル基を含む、ことと;前記モノマーの組合せを架橋剤と混合することと;前記モノマーを架橋し、分解性ポリマー系を形成可能にすることとを含み得る。ある実施形態では、架橋剤はアミンであり、ある実施形態では、架橋剤はトリエチレンテトラミン(「TETA」)である。いくつかの実施形態において、モノマーの組合せは、1:1の化学量論的M比で架橋剤と混合される。様々な実施形態において、分解性ポリマー系を調製するための方法は、希釈剤を加えることをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、希釈剤は、10重量パーセントの量で分解性ポリマー系に加えられる。いくつかの実施形態において、第1のエポキシ含有モノマーと第2の異なるエポキシ含有モノマーの比は、約99:1~約1:99重量パーセントであり得る。
本発明は、限定されるものではないが、以下の実施形態を含む。
実施形態1:第1のエポキシ含有モノマーと第2の異なるエポキシ含有モノマーとを含む分解性ポリマー系であって、前記分解性ポリマー系は架橋されており、前記第1のエポキシ含有モノマーおよび前記第2の異なるエポキシ含有モノマーの一方が1つまたは複数のエステル基を含む、分解性ポリマー系。
実施形態2:前記ポリマー系の分解性は、前記1つまたは複数のエステル基を含むエポキシ含有モノマーによって形成されるポリマー系の重量パーセントに基づいて調整可能である、実施形態1に記載の分解性ポリマー系。
実施形態3:前記分解性ポリマー系はアミン架橋剤で架橋される、実施形態1または2に記載の分解性ポリマー系。
実施形態4:各々がアウターシェルと、該アウターシェルによって保持されるカーゴとを備える複数の粒子を含む送達系であって、前記アウターシェルは、実施形態1~3のいずれか1つに記載の分解性ポリマー系から少なくとも部分的に形成されている、送達系。
実施形態5:前記アウターシェルは前記カーゴが保持される内部空間を規定し、前記アウターシェルは複数の層を備える、実施形態4に記載の送達系。
実施形態6:前記アウターシェルは、前記カーゴが保持される内部空間を規定し、該内部空間は、前記カーゴが結合されるコア物質を備える、実施形態4または5に記載の送達系。
実施形態7:前記アウターシェルは、前記カーゴが保持される内部空間を規定し、前記カーゴは、シェルによって規定される内部空間内で複数のユニットとして構成される、実施形態4~6のいずれか1つに記載の送達系。
実施形態8:前記アウターシェルは、前記カーゴが保持される内部空間を規定し、前記カーゴは、前記アウターシェルを通って制御可能に拡散可能である、実施形態4~7のいずれか1つに記載の送達系。
実施形態9:前記分解性ポリマー系は、加水分解からなる群より選択される機構を介して少なくとも部分的に分解可能である、実施形態4~8のいずれか1つに記載の送達系。
実施形態10:前記カーゴは、破砕剤、スケール防止剤、腐食防止剤、架橋剤、界面活性剤、セメント促進剤、酸性化剤、センサ、殺菌剤、地層損傷制御剤、乳化剤、粘性剤、トレーサ、およびこれらの組合せからなる群より選択される少なくとも1つの物質を備える、実施形態4~9のいずれか1つに記載の送達系。
実施形態11:前記粒子は約5μm以下の平均サイズを有する、実施形態4~10のいずれか1つに記載の送達系。
実施形態12:前記粒子は約1μm以下の平均サイズを有する、実施形態4~11のいずれか1つに記載の送達系。
実施形態13:前記粒子は約500nm以下の平均サイズを有する、実施形態4~12のいずれか1つに記載の送達系。
実施形態14:実施形態4~13のいずれか1つに記載の送達系を石油貯留層に送達することを含む、石油貯留層にカーゴを提供する方法であって、前記石油貯留層は、前記複数の粒子が前記カーゴの少なくとも一部を放出する1つまたは複数の条件を示す、方法。
実施形態15:前記分解性ポリマー系は少なくとも部分的に分解性であり、前記石油貯留層は、前記分解性ポリマー系が少なくとも部分的に分解する1つまたは複数の条件を示す、実施形態14に記載の方法。
実施形態16:前記分解性ポリマー系の分解は、前記1つまたは複数のエステル基を含むエポキシ含有モノマーによって形成されるポリマー系の重量パーセントを制御することによって調整される、実施形態14または15に記載の方法。
実施形態17:前記分解性ポリマー系は、特定のカーゴ構成要素の誘発された放出を提供するように調整される、実施形態14~16のいずれか1つに記載の方法。
実施形態18:第1のエポキシ含有モノマーと第2の異なるエポキシ含有モノマーを組合せることであって、前記第1のエポキシ含有モノマーおよび前記第2の異なるエポキシ含有モノマーの一方が、モノマーの組合せを形成するために1つまたは複数のエステル基を含む、ことと;
前記モノマーの組合せと架橋剤を混合することと;
前記モノマーを架橋し、分解性ポリマー系を形成可能にすることとを含む、分解性ポリマー系の調製方法。
実施形態19:前記架橋剤はアミンである、実施形態18に記載の方法。
実施形態20:前記架橋剤はトリエチレンテトラミン(TETA)である、実施形態18または19に記載の方法。
実施形態21:前記モノマーの組合せは、1:1の化学量論的M比で前記架橋剤と混合される、実施形態18~20のいずれか1つに記載の方法。
実施形態22:希釈剤を加えることをさらに含む、実施形態18~21のいずれか1つに記載の方法。
実施形態23:前記希釈剤は10重量%の量で前記分解性ポリマー系に加えられる、実施形態18~22のいずれか1つに記載の方法。
実施形態24:第1のエポキシ含有モノマーと第2の異なるエポキシ含有モノマーの比は、重量パーセントで約99:1~約1:99である、実施形態18~23のいずれか1つに記載の方法。
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、下記で簡単に説明する添付図面と共に以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本発明は、上述の実施形態の2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の任意の組合せ、および、本開示で説明する任意の2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の特徴または要素の組合せを含み、それは、斯かる特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているか否かにかかわらない。本開示は、その様々な態様および実施形態のいずれかにおける開示された発明の任意の分離可能な特徴または要素が、文脈によって明らかに他のことが指示されない限り組合せ可能であるとみなされるように全体的に読まれることを意図している。
次に、添付の図面を参照するが、これは必ずしも縮尺通りに描かれていない。
図1は、本開示の1つまたは複数の実施形態による多構成要素粒子の断面を示す図である。 図2は、本開示の1つまたは複数のさらなる実施形態による多構成要素粒子の断面を示す図である。 図3は、本開示の1つまたは複数のさらなる実施形態による多構成要素粒子の断面を示す図である。 図4は、本開示の1つまたは複数のさらなる実施形態による多構成要素粒子の断面を示す図である。 図5は、本明細書に提供される方法に従って調製された粒子を高圧および高温にさらす前の、重量でのエステル含有量とTの関係のグラフである。 図6は、本明細書に記載の方法に従って調製されたエポキシ配合物の第2熱サイクルTg2値を、高圧および高温条件にさらされた日数と比較したグラフである。 図7は、高圧および高温に1日間さらされた後の、本明細書に記載の方法に従って調製された全てのエポキシ配合物のT値を列挙した表である。 図8Aは、本明細書に記載の方法に従って調製された全てのエポキシ配合物の質量増加を、高圧および高温条件にさらされた日数と比較したグラフである。図8Bは、本明細書に記載の方法に従って調製された全てのエポキシ配合物の厚さ増加を、高圧および高温条件にさらされた日数と比較したグラフである。図8Cは、本明細書に記載の方法に従って調製された全てのエポキシ配合物の硬度上昇を、高圧および高温条件にさらされた日数と比較したグラフである。 図9Aは、高圧および高温条件にさらされる前の、本明細書に記載の方法に従って調製された全てのエポキシ配合物の重量変化および分解についてのグラフである。図9Bは、高圧および高温条件に1日間さらされた後の、本明細書に記載の方法に従って調製された全てのエポキシ配合物の重量変化および分解についてのグラフである。図9Cは、高圧および高温条件に3日間さらされた後の、本明細書に記載の方法に従って調製された全てのエポキシ配合物の重量変化および分解についてのグラフである。図9Dは、高圧および高温条件に7日間さらされた後の、本明細書に記載の方法に従って調製された全てのエポキシ配合物の重量変化および分解についてのグラフである。
以下、本開示について、その例示的な実施形態を参照しながらより完全に説明する。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、当業者に本開示の範囲を完全に伝えるように記載されている。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化され得、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく;むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供されるものである。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、「前記(the)」は、文脈が明らかに他に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
1つまたは複数の実施形態において、本開示は、送達および放出の組成物および系、ならびにそれらの使用方法を提供する。組成物および系は、ある条件下ではカーゴを保持するが、1つまたは複数の異なる条件下ではカーゴの少なくとも一部を放出するように構成された複数の粒子を含むことができる。例えば、放出条件は、石油を有する地層に典型的に存在する条件とすることができる。したがって、本開示は、標準大気条件(例えば、標準温度および圧力-約70℃および約15psi)とは著しく異なる条件を典型的に示すダウンホール環境での使用のために特に構成された、設計された放出および刺激応答性物質を提供することができる。この組成物および系は、生産増強、坑井構築、および流量保証などの様々な油田用途での、界面活性剤、刺激剤、破砕剤、スケール防止剤、および金属塩(非限定的な例として)などの油田化学物質の送達に特に有用となり得る。
いくつかの実施形態では、本開示による系および方法は、炭化水素を含む貯留層との関連においてに有用であり得る。例えば、本系および方法は、貯留層からの炭化水素の探査、開発、および/または生産に有用な様々な技術と共に使用するために適合させることができる。原油増進回収技術などが、本発明の系および方法から利益を得ることができる技術の非限定的な例である。炭化水素を含む貯留層で典型的な条件が過酷であることから、斯かる過酷な条件下でさえ、本発明の送達および放出系は物質が完全なまま環境へ送達されるように適合されている点で特に有益である。したがって、本発明の系の実施形態は、炭化水素を含む貯留層における物質の送達が、貯留層の状態の評価、貯留層の特性の特定、貯留層からの炭化水素の除去の改善などに有益であり得る、広範な種々の実施例において有用であり得る。
有利には、本開示に記載の分解性ポリマー系は、1つまたは複数の特定の条件下でカーゴ構成要素を放出するための方法として活用され得る、脂肪族エステル結合の加水分解を可能にする。本明細書に記載の分解性ポリマー系は、誘発された放出のために状況特異的カーゴをカプセル化することが有益であり得る様々な産業において有用であり得る。例として、本明細書に記載の分解性ポリマー系の適切な用途としては、限定するわけではないが、石油およびガス産業、食品産業、水質浄化用途、ならびに様々な異なる化学物質を必要とする様々な代替用途が挙げられる。本明細書に記載の方法は、石油およびガス産業において特に有益であり得;例えば、原油増進回収において使用するための化学物質に、本明細書に記載の系および方法を使用することは利益をもたらし得る。特に、これらのポリマー系の分解は、架橋された系の化学量論的エステル含有量の関数として、標的時間枠にわたってカーゴ構成要素を放出するように調整することができる。こうした分解性ポリマー系および斯かる分解性ポリマー系を製造するための方法について、本明細書において以下にさらに詳細に説明する。
いくつかの実施形態において、本開示は、第1のエポキシ含有モノマーと、第2の異なるエポキシ含有モノマーとを含む分解性ポリマー系であって、前記分解性ポリマー系は架橋されており、前記第1のエポキシ含有モノマーおよび前記第2の異なるエポキシ含有モノマーの一方が1つまたは複数のエステル基を含む、分解性ポリマー系に関する。いくつかの実施形態において、ポリマー系の分解性は、1つまたは複数のエステル基を含むエポキシ含有モノマーによって形成されるポリマー系の重量パーセントに基づいて調整可能である。適切なエポキシ含有モノマーとしては、単官能性希釈剤、二官能性希釈剤、三官能性希釈剤、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック、および多官能性エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの実施形態において、分解性ポリマー系はアミン架橋剤で架橋される。
上記のような分解性ポリマー系を調製するための適切な方法もまた、本明細書にて提供される。例えば、いくつかの実施形態において、分解性ポリマー系を調製する方法は、第1のエポキシ含有モノマーと第2の異なるエポキシ含有モノマーとを組合せることであって、前記第1のエポキシ含有モノマーおよび前記第2の異なるエポキシ含有モノマーの一方が、モノマーの組合せを形成するために1つまたは複数のエステル基を含む、ことと;前記モノマーの組合せを架橋剤と混合することと;前記モノマーを架橋し、分解性ポリマー系を形成可能にすることとを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のエステル基は、エポキシ含有モノマーの骨格に組み込まれてもよい。いくつかの実施形態において、架橋剤は、好ましくは、アミン架橋剤であってよい。適切なアミン架橋剤としては、第3級アミン、または好ましくは第2級アミン、またはより好ましくは第1級アミンが挙げられる。他の適切なアミンは、脂肪族アミン、シクロ脂肪族アミン、および芳香族アミンからなる群より選択されてもよい。アミン架橋剤は、本明細書に記載のエポキシ含有モノマーなどの多数の合成化学基と化学結合を形成する能力が、特に有益である。いくつかの実施形態において、アミン架橋剤は、エポキシ含有モノマー中のエポキシ基に対して化学量論的量で存在し、エポキシ含有モノマー中のエポキシ基と相互作用するように構成される。本開示の分解性ポリマー系を調製するための方法は、希釈剤を加えることをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、希釈剤は、約1重量%~約20重量%、または約5重量%~約15重量%、または好ましくは約10重量%の量で分解性ポリマー系に加えられてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、希釈剤は、C8-C10アルキルグリシジルエーテル、C12-C14アルキルグリシジルエーテル、ネオデカン酸グリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p-ノニルフェニルグリシジルエーテル、p-t-ブチルフェニルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、脂肪族ポリグリシジルエーテルまたはひまし油ポリグリシジルエーテルのうちの1つであってもよい。さらに、第1のエポキシ含有モノマーと第2の異なるエポキシ含有モノマーの比は、約99:1~約1:99の重量%である。
本開示の組成物および系は、所望の目的のために所望の場所に送達されるカーゴ構成要素と、最初はカーゴと組み合わされているが所望の場所への送達後はカーゴを放出するアウターシェル構成要素とを備え得る。カーゴおよびアウターシェルは、様々な構成をとり得る複数の粒子を形成するように組み立てることができる。粒子は、ある期間の間カーゴの放出を実質的に阻止した後でカーゴの放出を可能にすることができ、この遅延放出は、組成物が所望の場所に到達するために必要な時間に合わせて調整することができる。例えば、石油地層に送達される場合、粒子は、裸孔を下に移動する間にカーゴが放出されないように実質的に完全なままであり得るが;粒子は、カーゴの少なくとも一部が地層中で放出されるように裸坑から地層に移動した後に変化することができる。
粒子のアウターシェル構成要素は、先に記載したように、分解性ポリマー系で形成することができる。上述のように、斯かる分解性ポリマー系は、第1のエポキシ含有モノマーと第2の異なるエポキシ含有モノマーとを含んでよく、前記分解性ポリマー系は架橋されており、前記第1のエポキシ含有モノマーおよび前記第2の異なるエポキシ含有モノマーの一方は、1つまたは複数のエステル基を含んでいる。いくつかの実施形態では、分解性ポリマー系の分解性は、1つまたは複数のエステル基を含むエポキシ含有モノマーによって形成されるポリマー系の重量パーセントに基づいて調整可能である。様々な実施形態において、分解性ポリマー系は上述のようにアミン架橋剤で架橋されてもよい。
本開示の粒子に含まれるカーゴ物質は、送達を所望され、かつ、実質的に小さなサイズで単位化できて本明細書に記載のサイズ範囲で特定可能である任意の物質を含み得る。1つまたは複数の実施形態において、カーゴ物質は、水性、親油性、高分子、気体、有機、またはそれらの任意の組合せであり得る。アウターシェルの性質は、カーゴの性質に基づいて選択されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、親油性のカーゴを運ぶために親油性のアウターシェルが望ましい場合がある。他の組合せも本開示に包含される。
いくつかの実施形態において、カーゴ物質は、特に、石油産業で使用に適した物質、具体的には、石油井戸内を下に移動し得る化学物質、化学組成物、および化学系とすることができる。いくつかの実施形態では、カーゴは石油地層内への送達のために、すなわち地層の孔内への送達のために特に構成され得る。本開示によるカーゴ構成要素として送達され得る物質の非限定的な例としては、破砕剤、スケール防止剤、腐食防止剤、架橋剤、界面活性剤、セメント促進剤、酸性化剤、センサ、殺菌剤、地層損傷制御剤、乳化剤、粘性剤、トレーサおよびこれらの組合せが挙げられる。
本開示に従って使用され得る破砕剤の非限定的な例としては、ペルオキシジスルフェート、有機過酸化物、酵素、酸化剤、酸、およびこれらの組合せが挙げられる。
本開示に従って使用され得るスケール防止剤の非限定的な例としては、水酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ポリアクリレート、ポリリン酸塩、ホスホン酸塩、およびこれらの組合せが挙げられる。
本開示に従って使用され得る腐食防止剤の非限定的な例としては、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素塩ブレンド、炭酸亜鉛、ジンククロメート、消石灰、アルキルリン酸塩の脂肪アミン塩、カチオン性極性アミン、エトキシル化アミン、第三環状アミン、第三環状アミン、炭酸塩、およびこれらの組合せが挙げられる。
本開示に従って使用され得る架橋剤の非限定的な例としては、Zr(IV)、有機チタネート、ボレート、ジルコニウム化合物、有機ジルコネート、アンチモネート、アルミニウム化合物、ポリアミン、テトラメチレンジアミン、メタノール、チオ硫酸ナトリウム、ジチオカルバミン酸ナトリウム、アルカノールアミン、チオール、イミダゾリン、か焼ドロマイト、Cu(I)、Cu(II)およびこれらの組合せが挙げられる。
本開示に従って使用され得る地層損傷制御剤の非限定的な例としては、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、石膏、ケイ酸ナトリウム、ポリアクリルアミド。ポリ(アクリルアミド-co-アクリル酸)、第四級アンモニウムポリマー、リグノスルホン酸誘導体、キサンタンガム、グアーガム、ナトリウムポリ(スチレンスルホン酸-co-無水マレイン酸)、PEO、ヒドロキシルエチルセルロース、ハロゲン化ケイ素、泡沫、およびこれらの組合せが挙げられる。
粒子内の界面活性剤の非限定的な例としては、フッ素性化学物質、ポリアクリルアミド、アクリルアミドコポリマー、グアーガム、HEC、カラヤガム、有機アミン、第四級アンモニウム塩、アルキルフェノールエトキシレート、ポリ(エチレンオキシド-co-プロピレングリコール、アルキルまたはアルキルアリールポリオキシアルキレンリン酸エステルおよびこれらの組合せが挙げられる。
本開示に従って使用され得る酸性化剤の非限定的な例としては、フマル酸、ギ酸、塩酸、酢酸、フッ化水素酸、スルファミン酸、クロロ酢酸、およびこれらの組合せが挙げられる。
本開示に従って使用され得る殺菌剤の非限定的な例としては、パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、水酸化ナトリウム、石灰誘導体、ジチオカルバメート、イソチアゾロン、ジエチルアミン、クロロフェネート、第四級アミン、およびこれらの組合せが挙げられる。
本開示粒子に従って使用され得る乳化剤の非限定的な例としては、脂肪酸アミン、脂肪酸塩、石油スルホネート、リグノスルホネート、油溶性界面活性剤、およびこれらの組合せが挙げられる。
粒子中の粘度剤の非限定的な例としては、HEC、スルホン化ポリスチレン、リン酸エステル、ポリ(アクリルアミド-co-ドデシルメタクリレート)、PVA、キサンタンガム、グアーガム、架橋ポリマー、アクリルアミド、CMHPG、ローカストビーンガム、カラヤゴム、トラガントゴムおよびこれらの組合せが挙げられる。
本開示に従って使用することができるガスの非限定的な例としては、CO、N、O、およびこれらの組合せが挙げられる。
1つまたは複数の実施形態において、粒子のカーゴ構成要素は、目的の場所に送達され、そこにある条件に遭遇したときに変化する、および/または生成物を形成するように構成され得る。例えば、カーゴは、標準的な条件では非反応性であるが、送達先の周辺環境に遭遇すると反応性となる2つ以上の構成要素を含むことができる。したがって、環境と接触すると、カーゴは化学反応を起こして生成物を生成することができる。非限定的な例として、反応生成物は、送達される粒子を形成するために最終状態で使用されるよりも、その場で安全に形成される物質であり得る。別の非限定的な例では、反応は熱を発生させ得る、および/または反応生成物自体が送達場所に存在する他の物質と反応し得る。熱の生成は、例えば、油の可動性を高めるために有用であり得る。さらに別の非限定的な例として、反応は、COなどのガスを生成するように構成することができ、これは油の可動性を高めるのに有用である。
本開示の組成物、系、および方法において有用な粒子は、様々な異なる構造を有することができる。具体的には、カーゴとアウターシェルとの組合せの方法は様々であり得る。粒子は、好ましくは実質的に球状であるが、粒子は不規則な形状であってもよい。粒子は外面を有し得、粒子はアウターシェルが外面の少なくとも一部を形成するように構成され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、カーゴ構成要素は、外面の面積の最大50%(+/-5%)を形成することができる。いくつかの実施形態では、カーゴ構成要素は、アウターシェルによって完全に囲まれ得る。さらなる実施形態では、カーゴ構成要素は、アウターシェルに実質的に埋め込まれ得る。1つまたは複数の実施形態において、粒子は、アウターシェル、カーゴ、および、粒子を実質的に囲むことができるカプセル化層など、またはカーゴ構成要素が結合され得るマトリックス物質などの1つまたは複数のさらなる成分を含み得る。本開示によって包含され得る粒子の種類の非限定的な例については、図1~図4に関連して以下でさらに説明する。見て分かるように、粒子系は、単核、多核、マトリックス、またはこれらの組合せとすることができる。
図1において、粒子10は、粒子の内部を実質的に満たすコアの形をしたカーゴ14を取り囲む、実質的にシェルの形をしたアウターシェル12で形成されている。カーゴ14は、単一の化学物質、複数の化学物質、単一の組成物、または複数の組成物であり得る。
図2において、粒子20は、アウターシェルによって規定されたオープンコア内に保持されるカーゴ24を取り囲む、実質的にシェルの形をしたアウターシェル22で形成されている。カーゴ24は複数のユニットとして図示されているが、カーゴは実質的に単一ユニットであり得ることが理解される。さらに、複数の異なるカーゴ構成要素が、アウターシェルのオープンコア内に複数のユニットとして含まれ得る。
図3において、粒子30は、再び、カーゴ34を取り囲む実質的にシェルの形をしたアウターシェル32で形成されている。粒子30はまた、第1中間層36と第2中間層38とを備える。中間層の各々は、異なる組成を有することができる。中間層は、シェルとして、またはカーゴとして機能することができる。このように、粒子30は、異なるタイプの放出を提供することができ、および/または異なるタイプのカーゴの放出を提供することができる。例えば、アウターシェル32は、第2の中間層38のカーゴ物質が最初に放出され、第1の中間層36のカーゴ物質がその後に放出され、主カーゴ34が最後に放出され得るように分解され得る。中間層は、カーゴの放出を具体的に変更し得る様々なさらなる機能を提供することができる。
図4において、粒子40は、実質的にコアの形をしたカーゴ44を取り囲む複数のアウターシェルユニット42で形成されている。例えば、斯かる粒子は、アウターシェルの固体粒子がカーゴ構成要素のエマルジョンを安定化させるピッカリングエマルジョンとして形成され得る。
1つまたは複数の実施形態において、本開示による粒子は、様々な量のカーゴとアウターシェルとを含むことができる。本明細書で上述したような粒子構成は、限定することを意図しておらず、様々な他の粒子構成が本開示の様々な実施形態で使用可能で、かつ使用してもよいことが当技術分野で既知であることに留意されたい。全カーゴ構成要素は、粒子の総重量を基準にして、粒子の約5重量%~約100重量%を占めることができる。様々な実施形態において、カーゴ濃度は、約5重量%~約95重量%;約10重量%~約90重量%;約25重量%~約75重量%、約35%~約60重量%;約25%~約99重量%;約40重量%~約95重量%;約50重量%~約90重量%;約50重量~約99重量%;約60重量%~約99重量%;約70重量%~約99重量%;または約80重量%~約99重量%、のいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、粒子は、本質的にカーゴ構成要素から構成され得るか、またはカーゴ構成要素から構成され得る。カーゴ構成要素から本質的に構成される粒子は、例えば、カーゴ構成要素の1つまたは複数の層を共に架橋して、その場で架橋の破壊により制御された放出を提供する、不安定な架橋基を含み得る。上記のカーゴ濃度範囲のそれぞれにおいて、粒子の残りの内容物はアウターシェルによって形成され得るが;追加の物質もまた含まれ得る。アウターシェルは、例えば、粒子の総重量を基準にして、粒子の約1重量%~約95重量%、約25重量%~約75重量%、または約40重量%~約65重量%を占め得る。
粒子のアウターシェルを形成する際に使用される物質は、好ましくは、過酷な環境下でもカーゴの送達を望むとおりに遅らせることができるように、破壊または分解に一定時間耐えるように構成される。物質は、好ましくは、カーゴが送達後の所望の時間にのみ実質的に放出され得るように、粒子またはそのアウターシェルに化学的および/または機械的な特性を付与する。例えば、アウターシェル形成物質は、1つまたは複数の条件下で分解するように構成することができ(例えば、熱的および/または物理的分解)、アウターシェルが少なくとも部分的に分解したときにカーゴは粒子から放出され得る。1つまたは複数の実施形態において、分解は、加水分解により進み得る。いくつかの実施形態では、加水分解は、機構内の熱の存在下で進み得る。
分解を制御するために、アウターシェルは、1つまたは複数の化学的官能基を含むように形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、アウターシェル形成物質は、経時的に分解してアウターシェル内の成分の放出を可能にする、加水分解的に開裂可能なエステル基を有するポリマーを含むことができる。あるいは、他の非限定的な例では、アウターシェル形成物質は、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ(ジアルキルシロキサン)、およびポリカーボネートなどの経時的に分解する加水分解的に開裂可能な基を有するポリマーをさらに含むことができる。好ましい例では、加水分解的に開裂可能な基は、加水分解後に鎖切断をもたらすポリマー主鎖構造に存在し得る。1つの非限定的な例では、アウターシェルは、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ(ジアルキルシロキサン)、およびポリカーボネートなどの熱分解するポリマーを含見える。1つの非限定的な例では、アウターシェルは、定義された温度で分解するアゾ化合物などの熱不安定基を含み得る。アウターシェルは特に、約40℃以上、約50℃以上、約60℃以上、約70℃以上、または約80℃以上の温度で熱分解が進むように構成することができる。
いくつかの実施形態では、アウターシェルは、さらなる物質との接触で分解するように構成された1つまたは複数の構成要素を含むことができる。例えば、上述のように、粒子のアウターシェル構成要素は、分解性ポリマー系で形成することができる。非限定的な例として、アウターシェルにおける斯かる分解性ポリマー系の使用は、水との接触に伴うアウターシェル分解を介したカーゴの制御された放出に有用であり得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のエステル基もまた、斯かる機構に利用することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のエステル基は、第1または第2のエポキシ含有モノマーのエポキシ骨格に結合され得る。いくつかの実施形態では、ポリマー系の分解性は、1つまたは複数のエステル基を含むエポキシ含有モノマーによって形成されるポリマー系の重量パーセントに基づいて調整可能であり得る。例えば、エステル系エポキシ含有モノマーの量は、分解性ポリマー系が所望の温度で分解して中のカーゴ構成要素を放出するように調整することができる。
1つまたは複数の実施形態において、アウターシェルは、石油地層などの過酷な環境であっても、送達の時点では実質的に完全なままであるように構成することができるが;アウターシェルは、時間がたてばカーゴを放出するようにさらに構成することができる。非限定的な例として、アウターシェルは、カーゴが保持されているコアを取り囲むことができ、アウターシェルは、カーゴが時間とともにそこから拡散し得るように構成することができる。1つまたは複数の実施形態において、拡散は、標準的な条件下(例えば、約40℃まで、約50℃まで、もしくは約60℃までのような最低温度まで、または約20psiまで、約50psiまで、もしくは約100までのような最低圧力まで)では実質的にあり得ず、斯かる標準条件が超えた場合には拡散があり得る。
いくつかの実施形態では、カーゴ構成要素の遅延放出は、粒子が準備された時点から、粒子の最初の送達の時点から(例えば、裸坑へのポンピングの開始)、または粒子が所望の送達場所の条件(例えば、石油地層の条件)に最初に遭遇する時点から測定することができる。遅延放出は、約1時間以上、約2時間以上、約4時間以上、約8時間以上、約12時間以上、約24時間以上、約2日以上、約3日以上、約4日以上、約5日以上、約1週間以上、または約2週間以上の時間とすることができる。各例において、遅延放出の最大時間は、約3週間、約4週間、または約6週間とすることができる。特定の実施形態では、遅延放出は、約1時間~約1週間、約2時間~約5日間、約4時間~約2日間、または約8時間~約24時間の時間とすることができる。持続放出は、カーゴの放出が始まる時間から、粒子の最初の送達時間から、または粒子が所望の送達場所の条件に最初に遭遇する時間から計算することができる。いくつかの実施形態では、放出は、上述のように遅延させることができ、また、いったん放出が始まれば持続させることもできる。持続放出は、約12時間以上、約24時間以上、約2日以上、約3日以上、約4日以上、約5日以上、約1週間以上、または約2週間以上の時間の間進行し得る。各例において、持続放出の最大期間は、約3週間、約4週間、約6週間、または約12週間とすることができる。特定の実施形態では、持続放出は、約12時間~約6週間、約24時間~約4週間、または約2日~約2週間の時間とすることができる。
1つまたは複数の実施形態において、本開示は、組成物および系の性質を、それらがさらされる条件と関連付けることができる。より詳細には、組成物および系は、第1セットの条件下で第1セットの特徴および/または機能を示すことができ、第2セットの条件下で第2セットの特徴および/または機能を示すことができる。第1セットの条件(「標準条件」ということがある)は、粒子が調製および/または貯蔵される条件とすることができ、第2セットの条件は、粒子が送達される場所に存在する条件を含み得る。第1セットの条件は、例えば、およそ室内温度および圧力とすることができる。第2セットの条件は、例えば、石油地層で遭遇する条件とすることができる。上述したように、粒子からのカーゴの放出は、粒子が遭遇する条件に依存し得る。具体的には、アウターシェルの分解は、第1セットの条件下では実質的にあり得ないが、第2セットの条件下ではあり得る。同様に、拡散は、第1セットの条件下では実質的にあり得ないが、第2セットの条件下ではあり得る。このように、第2セットの条件は、カーゴの放出が進む条件として特徴付けることができる。
いくつかの実施形態では、カーゴの放出が進み得る条件は、特に温度に関連し得る。例えば、カーゴの放出は、約40℃以上、約50℃以上、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、約90℃以上、または約100℃以上の温度で提供され得る。いくつかの実施形態では、斯かる温度の上限は、石油地層の平均最高温度と一致し得る。より具体的には、カーゴの放出は、約40℃~約250℃、約50℃~約225℃、約60℃~約200℃、または約70℃~約180℃の温度で提供され得る。
いくつかの実施形態では、カーゴの放出が進み得る条件は、特に圧力に関連し得る。例えば、カーゴの放出は、約20psi以上、約100psi以上、約500psi以上、約1,000psi以上、約2,000psi以上、約3,000psi以上、または約5,000psi以上の圧力で提供され得る。いくつかの実施形態では、斯かる圧力の上限は、石油地層の平均最大圧力と一致し得る。より具体的には、カーゴの放出は、約20psi~約15,000psi、約50psi~約12,000psi、約100psi~約10,000psi、または約250psi~約5,000psiの圧力で提供され得る。
さらなる例として、カーゴの放出が進み得る条件は、特にpHに関連し得る。特に、カーゴの放出は、粒子が少なくとも約1、少なくとも約2、または少なくとも約4のpH変化(増加または減少)にさらされたときに進み得る。pH変化は、約1~約12、約1.5~約10、または約2~約8の変化とすることができる。
さらに別の例として、いくつかの実施形態では、カーゴの放出が進み得る条件は、特にせん断に関連し得る。特に、粒子は、比較的低いせん断条件にさらされた場合は実質的に安定しているが、少なくとも1,000/s、少なくとも5,000/s、または少なくとも10,000/sのせん断にさらされた場合はカーゴの放出を行うように構成され得る。例えば、カーゴの放出を引き起こし得るせん断速度は、約1,000/s~約12,000/s、約1500/s~約10,000/s、または約2,000/s~約8,000/sである。このようなせん断条件はカーゴを放出するために必要ではないが、ある実施形態では、様々なカーゴ構成要素の放出を促進するまたは促進に寄与し得ることに留意されたい。
さらなる例として、カーゴの放出が進み得る条件は、特に塩分濃度に関連し得る。特に、粒子は、比較的低い塩分濃度条件にさらされた場合は実質的に安定しているが、約1,000ppm以上の総塩分含有量、約10,000ppm以上の総塩分濃度、または約50,000ppm以上の総塩分濃度の塩分濃度条件にさらされるなど、塩分濃度上昇の条件にさらされた場合はカーゴの放出を行うように構成することができ、ppmは重量に基づくものとする。例えば、カーゴの放出を引き起こし得る塩分濃度条件は、約1,000ppm~約300,000ppmの総塩分含有量、約1,500ppm~約200,000ppmの総塩分含有量、または約2,000ppm~約100,000ppmの総塩分含有量とすることができる。
カーゴの放出が起こり得る第2セットの条件は、上述の範囲の上述の条件のうちの任意の1つを包含し得る。カーゴの放出が起こり得る第2セットの条件は、上述の範囲の上述の条件のうちの2つ以上を包含し得る。例えば、カーゴの放出は、上述の温度、圧力、pH範囲、せん断速度、および塩分濃度のうちのいずれか1つに基づいて起こり得る。いくつかの実施形態では、カーゴの放出は、粒子が、上述の条件の以下の組合せのいずれかにさらされた場合に起こり得る:温度および圧力;温度およびpH;温度およびせん断;温度および塩分濃度;圧力およびpH;圧力およびせん断;圧力および塩分濃度;pHおよびせん断;pHおよび塩分濃度;せん断および塩分濃度;温度、圧力およびpH;温度、圧力およびせん断;温度、圧力および塩分濃度;温度、pHおよびせん断;温度、pHおよび塩分濃度;温度、せん断および塩分濃度;圧力、pHおよびせん断;圧力、pHおよび塩分濃度;圧力、せん断および塩分濃度;pH、せん断および塩分濃度;温度、圧力、pHおよびせん断;温度、圧力、pHおよび塩分濃度;温度、圧力、せん断および塩分濃度;温度、pH、せん断および塩分濃度;ならびに圧力、pH、せん断および塩分濃度。
粒子のサイズは変化してもよく、マイクロカプセル/マイクロ粒子またはナノカプセル/ナノ粒子として定義されてもよい。粒子は、約5μm未満、約1μm未満、約500nm未満、または約100nm未満の平均サイズ(例えば、直径)を有してもよい。いくつかの実施形態では、粒子は、約20nm~約5mm、約30nm~約1mm、約40nm~約500μm、約50nm~約5μm、または約100nm~約900nmの平均サイズ(例えば、直径)を有し得る。本開示によれば、サブミクロンの形態で放出が制御された粒子を(例えば、コア/シェル構成でまたは他のカーゴ/ビヒクル構成で)を提供できることは、特に有益である。
前述の説明および関連する図面に提示された教示の利益を有する本開示の多くの変型例および他の実施形態が、本開示が属する技術分野の当業者には思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変型例および他の実施形態も、添付の請求項の範囲内に含まれることが意図されると理解されたい。
本書において、特定された特性または状況に関して使用される場合、「実質的に」とは、特定された特性または状況を明らかに損なわない程度の十分に小さい逸脱の程度を意味する。許容される正確な逸脱の程度は、場合によっては、特定の文脈に依存する場合がある。
濃度、量、および他の数値データは、本明細書において範囲形式で提示されることがある。斯かる範囲形式は、単に便宜上および簡潔さのために使用され、範囲の限界として明示的に記載された数値のみならず、各数値および部分的な範囲が明示的に記載されるかのようにその範囲内に包含される全ての個々の数値または部分的な範囲も含むように柔軟に解釈されるべきであることを理解されたい。例えば、約1~約4.5という数値範囲は、1~約4.5という明示的に記載された範囲だけでなく、2、3、4などの個々の数値および1~3、2~4などの部分的な範囲も含むと解釈されるべきである。また、「約4.5未満」のように数値が1つのみ記載された範囲についても同様の原則が適用され、上記の数値および範囲を全て含むものと解釈されるべきである。さらに、斯かる解釈は、範囲の広さまたは記述されている特徴に関係なく適用されるべきである。
本明細書で使用される場合、値または質量、重量、時間、体積、濃度もしくは割合の量に言及する場合の用語「約」は、開示される方法を実行するのに以下の変動が適切であるように、指定された量から、一部の実施形態では±20%、一部の実施形態では±10%、一部の実施形態では±5%、一部の実施形態では±1%、一部の実施形態では±0.5%、一部の実施形態では±0.1%の変動を包含することが意図されている。
石油およびガスの回収を目的としてダウンホール内で使用することが意図された技術は、高塩分濃度、高温、および高圧などの過酷な条件に耐える必要がある。また、化学薬品の送達を用いた石油回収技術では、石油を「緩める」役割を果たす反応性カーゴが完全なまま地中の目的地に到達し、特定の条件下でのみ前記カーゴを放出することも必須である。熱硬化性樹脂は物理的および化学的に構造安定的なことで知られており、通常、分解は好ましい特質であるとは考えられていない。しかし、エステル系エポキシ含有モノマーの加水分解的に開裂可能なエステル骨格を利用することで、架橋ネットワーク形成を通じて、ダウンホール条件下での分解性ポリマー系のエポキシ分解を調整することが可能になる。
サンプル調製
高温高圧試験(HPHT)用サンプルを調製するにあたり、エポキシモノマーのEpalloy5200(エポキシ当量170、以下「5200」という)とEpon862(エポキシ当量169、以下「862」という)を1:1の化学量論M(重量%またはモル%)比でトリエチレンテトラミン(アミン水素当量24.5,以下「TETA」という)と混ぜて、重量比が100:0、80:20、60:40、20:80、および0:100の5つの5200:862のサンプル比を形成した。全てのサンプルに希釈剤として10重量パーセントのHeloxy67(エポキシ当量130.5)を含ませた。全ての配合物は50gに等しい最終総質量からなり、硬化前に十分に混ぜ、脱気した。
次に、角形エポキシ棒を作製するための特注型を作成した。20cm×20cmの食品用高温シリコンシート片(厚さ3.175mm,McMaster-Carr社製)に、約35mm×12.5mm×3.175mmの空洞を切り込んだ。次に、このシリコンシートを厚さ7mmのガラスプレート(McMaster-Carr社製)上に置き、Frekote770-NC(Lotite社製)離型剤をコーティングし、エポキシブレンドをこの型の空洞に流し込んだ。Frekoteをコーティングした2枚目のガラス板を、シリコンシートと充填した型ベースプレートの上に置いた。3片すべてを、4つの端それぞれに2つのクランプを用いてまとめた。この型を温度制御された強制空気乾燥機内に100℃で3時間垂直に置き、110℃で1時間ポストキュアを行った。作成後、エポキシサンプルセットは-20℃の実験室の冷凍庫に保管した。
次に、作成したエポキシ棒を試験する前に、識別ラベルを機械的にスクライブした。ヒートシーリング装置(Aircraft Spruce製#7400)を用いて、3本の棒サンプルが入る大きさの小バッグを作製した。このバッグに、棒と十分な量の米国石油協会(API)ブライン(脱イオン水中の重量で8%NaCl/2%CaCl、ダウンホール塩分濃度の代表値、約5~10mL)を入れた。バッグを密封し印をつけ、2つ目の作製したバッグに入れた。これらのバッグをHPHTコンシストメータ(275モデル、Fann社製)のサンプルチャンバーに乗せ、次にオイルで満たすことによりエポキシサンプルが圧力伝達流体に完全に浸されるようにした。サンプルチャンバーを装置に装着したらすぐに、100℃および69MPa(「HPHT」暴露条件)に達するようにプログラムし、この条件を1日、3日、または7日間維持した。試験期間終了後、サンプルバッグを取り出して石鹸と水で洗い(外部の油分を取り除くため)、エポキシ棒を取り出して軽く叩き、乾燥させてから特性評価した。
計装およびテスト
Q800 Dynamic Mechanical Analyzer(TA Instruments)を使用して、HPHTに暴露していないサンプルのエポキシブレンドの機械的特性を測定した。HPHT後のサンプルの特性評価は示差走査熱量測定法(DSC)を用いて行った。上記の角形エポキシ片は動的機械分析(DMA)の試験に使用した。単一カンチレバー構成を周波数1Hzと振幅5μmで用いた。温度ランプは2℃/分で-20℃から180℃まで動くようにプログラムし、ガラス転移温度(T)は、タンデルタ曲線のピーク最大値から取得した。
硬化した角形エポキシ棒の小片(Tzeroアルミニウムパンに5-10mg、圧着密封)をDSC測定(Q200,RCS90 Cooling,TA Instruments社製)に使用した。第一ステップとしてサンプルを装置内で焼き戻し、-20℃まで冷却した後10℃/分の速度で180℃まで加熱した。その後、サンプルを180℃で5分間保持し、-20℃まで冷却し、最後に10℃/分の速度で180℃まで加熱した。報告された全てのTの値について、TA Universal Analysis社製の計器分析ソフトウェアを用いて、熱流曲線上のガラスと液体線の間の転移領域の中点として、Tの値を割り当てた。吸水量の少ない非エージングエポキシサンプルでは、1回目および2回目の加熱ステップでTが観察されることがあった。しかし、モノマーエステル含有量とHPHTエージング時間が増加するにつれてエポキシサンプルはますます多くの水を吸収し、最初のTはDSCプログラムの熱限界より低いか、水の蒸発に伴う吸熱により不明瞭になった。最初のTが不明瞭な場合、2つ目のDSCプログラムを使用して、最初のTを観察できるように熱流曲線の領域を分離した。この方法では、-40℃から100℃までの加熱/冷却/加熱サイクルを用いて、20℃/分という速い速度でサンプルを加熱した。
角形エポキシサンプルをHPHTに供す前と後に、質量(天秤による)、厚み(キャリパーによる)、および硬度(ショアデュロメータ:タイプDスケールによる)を測定した。HPHTへの暴露後、測定を行う前にサンプル外面をキムワイプで簡単に拭き取り、乾燥させた。記録した各時点は対応する比の3つのサンプルの平均であり;厚みと硬さの測定は、各サンプルに沿った3つの異なる位置で行い、各時点で集計した。
熱重量分析(TGA)の測定の実行には、Q50計器(TA Instruments社製)を使用した。HPHT試験の各時点で使用した角形エポキシサンプルから小片(5-10mg)を切り出した。TGA実験は窒素ガス雰囲気中で、最初に30℃までジャンプさせた後30℃から600℃まで10℃/分のランプ速度で行った。水分を吸収したエステルエポキシサンプルは、窒素流からの水分蒸発により加熱前に無視できない質量を失い始めるため、このジャンプステップは非常に重要である。
結果
図5は、DMAによる貯蔵弾性率曲線の開始から測定した、高温または高圧処理前のニートエポキシ配合物におけるTとエステル含有量の逆相関を示している。
上述のように、Epalloy5200(例えば、図5の「5200」参照)の加水分解的に開裂可能なエステル骨格を利用することにより、架橋ネットワーク形成を通じてダウンホール条件でのエポキシ分解を調整することが可能である(図5には、最終比率で調整した他のエポキシ含有モノマーであるEpon862も示されている)。図5は、エステル含有量とエージング前(t=0)のTの間の線形関係を示している。値は、貯蔵弾性率開始時のDMA曲線から取る(n=3)。図5において、エステル含有量が減少するにつれてTが増加することが注目される。以下の理論に縛られることを意図するものではないが、この逆相関は、架橋の芳香族含有量が増加することに起因する可能性が高いと考えられる。
図6は、HPHT(100℃、69MPa、n=3)での日数に対応するエポキシ配合比とT値(DSCによる)を示している。これらの値は、-20℃から180℃の2回目の熱サイクルに基づいて報告されている。
5200:862配合物サンプルを7日間ダウンホール条件(例えば、100℃および69MPaのブライン溶液に浸漬)に供し、1日、3日および7日目に分解について分析した。図6は、HPHT条件に供した時間の関数として、様々な5200:862比のT(DSCによる)を示している。ここでの温度は、2回目のDSC熱サイクル中に収集されたことを示すためにTg2と表示されており、したがって、系内のあらゆる水を除去した後のネットワークのTに対応していることに注意されたい。DMAデータと同様に、エージング前(t=0日)の配合物のTg2は、5200含有量の増加とともに減少し、出発材料がより弱い/より軟らかいことを示している。エージング時間に対するTg2の最大の減少は100%5200のサンプルで見られ、HPHTにおいて7日間経過後に33.1%(75.24℃から50.33℃)減少しており、高圧高温条件下での水の侵入の可能性によって熱硬化構造が多少弱くなったことを示唆している.
それに比べ、5200:862=80:20、60:40、20:80の混合比では、Tg2がそれぞれ80.79℃から74.40℃(7.9%)、86.54℃から81.40℃(5.9%)、98.32℃から91.45℃(7.0%)と若干減少しただけで、水分除去後(DSCサイクルの2回目の熱処理後)の架橋化学の変化が最小限であることを示す。100%862サンプルは、100.9℃から107.4℃へとTg2がわずかに増加したが、これは、以下の理論に縛られることを意図するわけではないが、ポリマーのTに非常に近い温度で加圧した後、架橋されたビスフェノールネットワーク中の空隙が減少したためと考えられる。この理論に縛られることを意図するわけではないが、5200:862=20:80サンプルのTg2がHPHTで1日経た後にわずかに上昇するが、その後、前記Tg2は、ネットワーク内に分解を可能にする十分なエステル基があるせいで低下するのも、このためであると考えられる。さらに、DSCサイクルが180℃に上昇しても報告されたTg2値を超える発熱は発生しなかったため、熱的に誘導されたポストキュアが発生している可能性は低い。
図7は、100℃および69MPaで1日暴露した後の5200:862配合物のT値の一覧を示す(n=3)。
g2は、水分が存在しない状態でのエージング後の架橋環境を表しているが(最初のDSC熱サイクルにより、サンプルから吸収された水分が除去されているため)、熱硬化性樹脂のダウンホール内での分解挙動をより正確に表すには、熱サイクル前にサンプルのTを調べることになろう。HPHTで1日経る前後の5200:862比のTg1値を図7に示すが;3日目と7日目は、水の蒸発に起因する大きな吸熱ピークがサンプルの大部分を覆っているため、含めていない。図7におけるt=0日のTg1値は、データ収集前の初期加熱サイクルがないため、図6で報告されたTg2値より低いことに留意されたい。100℃および69MPaで1日経た後、エステル基からなる全ての配合物は、Tg1の低下を示し、より高いエステル含有量は、Tg1の次第に急になる低下と相関し、100%エステル配合物は、その元の値の90%超という最大の低下を示した。これらの値は、HPHTからサンプルを取り出した後にポストキュアを行わなかったことから、Tg2値よりも実際の条件下でのダウンホール内でのエポキシ挙動に近い推定値である。5200モノマーにより、水の存在下での分解が調整可能になる。
エステルエポキシ配合物の機械的分解についての定性的証拠が、試験した5つの配合物全てにおいて目視で観察された。しかし、高圧高温条件下に7日間さらした後、エポキシに顕著なマクロスケールでの分解が見られた。5200:862=100:0の液体への分解は、この条件下でわずか1日後に見られたTg1の急激な低下によって裏付けられる。エステルエポキシに加えられた過度の熱と圧力は、水の浸入速度を増加させ、エステル結合の開裂を加速させることにつながった。この現象が起きる度合いは、分解性エステルの含有量が少なくなるほど小さくなることが予想される。7日間高温高圧にさらした後、エポキシ棒は、さらされる前とほぼ同じ長方形の形状因子を保っていたが、80:20の比率ではゼラチン状の粘性を示し、容易に半分に折れるなどかなりゴム状になっていた。60:40の比率でもゴム状であったが、ポリマー骨格中のエステル含有量が少ないため、80:20の比率ほどには損傷しにくかった。最後に、5200:862の比率が20:80と0:100である場合はそれぞれ、これらの低エステル含有量および無エステル含有量の配合物では、HPHT後の変化は無視できる程度であることが示された。
上記の観察は、図8A~図8Cにおいて定量的に裏付けされる。図8Aは、天秤測定によって読み取られた、100℃および69MPaで過ごした時間の関数として、エポキシ配合物の重量増加パーセントを示す。上述のようにサンプルが液状化し、エポキシとブライン溶液が混ざり合って物理的なバランス測定が不可能になったため、7日目の5200:862=100:0についてのデータがないことに注意されたい。いずれの場合も、ダウンホール内で経過する時間が長くなるにつれて、水分の取り込みによる重量の増加が見られた。この結果は、サンプル中のエステル含有量が多くなるほど顕著であった。例えば、HPHTに7日間さらした後、5200:862=80:20配合物は水の取り込みにより35.59±0.81%の重量を得たが、5200:862=0:100サンプルは8.64±1.46%の重量を得ただけであった。同様に、5200:862=60:40および20:80のサンプルは、7日間の暴露後、それぞれ25.96±1.95%および13.67%の重量を得た。さらに、水の蒸発による重量減少パーセントをTGA(120℃での重量)により分析し、図8Aのデータと比較した。5200:862比率のエステル含有量が増加するにつれて、水の蒸発に関連する重量変化が増加するという同様の傾向が見られ、ブライン、熱、および圧力下で7日経た後は、純粋な862サンプルでの1.39±0.14%から、純粋な5200サンプルでの60.93±0.27%に及んだ。TGAにより特徴づけられた重量変化の絶対値は、同じ時点の天秤により測定された重量変化の絶対値と比較した場合一貫して低かったが、これはTGAサンプルが温度上昇中に窒素流にさらされ、水分が早期に蒸発したためである可能性がある。
暴露前後のエポキシ配合物の物理特性(ポストキュア)をさらに調査したところ、それ以前の分解データが裏付けられた。図8Bおよび図8Cは、t=0に対するエポキシ棒の厚さの増加および硬度の減少をそれぞれ示す。5200:862=100:0サンプルは、厚さおよび硬度の測定が液化生成物に適していなかったため、これらのデータについてはt=7日で省略されたことに再度留意されたい。サンプル棒の厚さは、エステル含有量と食塩水HPHT条件での浸漬時間の関数として増加し、100%エステルサンプルは3日間の浸漬後、元の厚みの15%超に膨張し、最終的に完全に溶解した。以下の理論に縛られることを意図するわけではないが、この膨張は、水の浸入が増えるにつれてネットワークの断片が転位し、加水分解的なエステル切断が促進されたためと考えられる。実際、同サンプルのショアD硬度は無視できる程度で(元の硬度の2.49±2.17%)、本質的にサンプルが破壊されていることが示された。逆に、100%862のサンプルは、同じ3日間の暴露後も99.46±0.61%の硬度を維持し、最終的には1週間後も98.12±0.85%の硬度を維持した。これは、3日間および7日間のHPHT暴露で、厚さの増加がそれぞれ3.32±1.43%および2.52±0.93%とわずかであったことにより裏付けられる。この2つの極値の間での配合物の変化により、予測可能で調整可能な結果が明らかになった。例えば、1日目から7日目にかけて、80%、60%、20%のエステル含有量を有するサンプルの厚さは、それぞれ5.14±0.29%から10.49±3.58%、5.29±0.65%から11.25±0.63%、そして4.06±0.9%から5.49±0.25%に増加した。硬度低下に関する同様の結果により、5200:862混合物の調整可能性が実証される。例えば、5200:862の比率が80:20、60:40、20:80の場合、1日目から7日目にかけて、それぞれ48.83±2.43%から4.34±0.7%、84.87±1.29%から18.27±0.85%、そして96.43±0.40%という硬度の減少(非エージング値に対して)がみられた。
5200:862比のニート(neat)(図9A)、100℃および69MPaでの1日暴露後(図9B)、3日暴露後(図9C)、および7日暴露後(図9D)の重量変化および分解を示すサーモグラフが図中に提供されている(n=3)。高温および水性環境への暴露後、より高いエステル含有量を有するサンプルは、水への暴露による重量パーセントの減少を経験した。水への暴露による重量減少は、通常100℃未満で発生し、エステル含有量が0%から100%に増加するにつれ、時間(日数)の関数としてサンプル中の水分量が増加し、重量パーセントが減少した。これは、エポキシ中のエステル結合が加水分解されたことを示している。一方、エステル含有量のないサンプル(5200:862=0:100)は、水性環境にさらされても重量損失は無視できる程度であった。本出願で述べたように、これらの配合物中のエステル含有量は、時間に対して分解するように(それゆえ、そこに含まれるカーゴを放出するように)調整することができる。

Claims (24)

  1. 第1のエポキシ含有モノマーと第2の異なるエポキシ含有モノマーとを含む分解性ポリマー系であって、前記分解性ポリマー系は架橋されており、前記第1のエポキシ含有モノマーおよび前記第2の異なるエポキシ含有モノマーの一方が1つまたは複数のエステル基を含む、分解性ポリマー系。
  2. 前記ポリマー系の分解性は、前記1つまたは複数のエステル基を含むエポキシ含有モノマーによって形成されるポリマー系の重量パーセントに基づいて調整可能である、請求項1に記載の分解性ポリマー系。
  3. 前記分解性ポリマー系はアミン架橋剤で架橋される、請求項1に記載の分解性ポリマー系。
  4. 各々がアウターシェルと、該アウターシェルによって保持されるカーゴとを備える複数の粒子を含む送達系であって、前記アウターシェルは、請求項1~3のいずれか一項に記載の分解性ポリマー系から少なくとも部分的に形成されている、送達系。
  5. 前記アウターシェルは前記カーゴが保持される内部空間を規定し、前記アウターシェルは複数の層を備える、請求項4に記載の送達系。
  6. 前記アウターシェルは、前記カーゴが保持される内部空間を規定し、該内部空間は、前記カーゴが結合されるコア物質を備える、請求項4に記載の送達系。
  7. 前記アウターシェルは、前記カーゴが保持される内部空間を規定し、前記カーゴは、シェルによって規定される内部空間内で複数のユニットとして構成される、請求項4に記載の送達系。
  8. 前記アウターシェルは、前記カーゴが保持される内部空間を規定し、前記カーゴは、前記アウターシェルを通って制御可能に拡散可能である、請求項4に記載の送達系。
  9. 前記分解性ポリマー系は、加水分解からなる群より選択される機構を介して少なくとも部分的に分解可能である、請求項4に記載の送達系。
  10. 前記カーゴは、破砕剤、スケール防止剤、腐食防止剤、架橋剤、界面活性剤、セメント促進剤、酸性化剤、センサ、殺菌剤、地層損傷制御剤、乳化剤、粘性剤、トレーサ、およびこれらの組合せからなる群より選択される少なくとも1つの物質を備える、請求項4に記載の送達系。
  11. 前記粒子は約5μm以下の平均サイズを有する、請求項4に記載の送達系。
  12. 前記粒子は約1μm以下の平均サイズを有する、請求項4に記載の送達系。
  13. 前記粒子は約500nm以下の平均サイズを有する、請求項4に記載の送達系。
  14. 請求項4~13のいずれかに記載の送達系を石油貯留層に送達することを含む、石油貯留層にカーゴを提供する方法であって、前記石油貯留層は、前記複数の粒子が前記カーゴの少なくとも一部を放出する1つまたは複数の条件を示す、方法。
  15. 前記分解性ポリマー系は少なくとも部分的に分解性であり、前記石油貯留層は、前記分解性ポリマー系が少なくとも部分的に分解する1つまたは複数の条件を示す、請求項14に記載の方法。
  16. 前記分解性ポリマー系の分解は、前記1つまたは複数のエステル基を含むエポキシ含有モノマーによって形成されるポリマー系の重量パーセントを制御することによって調整される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記分解性ポリマー系は、特定のカーゴ構成要素の誘発された放出を提供するように調整される、請求項16に記載の方法。
  18. 第1のエポキシ含有モノマーと第2の異なるエポキシ含有モノマーを組合せることであって、前記第1のエポキシ含有モノマーおよび前記第2の異なるエポキシ含有モノマーの一方が、モノマーの組合せを形成するために1つまたは複数のエステル基を含む、ことと;
    前記モノマーの組合せと架橋剤を混合することと;
    前記モノマーを架橋し、分解性ポリマー系を形成可能にすることとを含む、分解性ポリマー系の調製方法。
  19. 前記架橋剤はアミンである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記架橋剤はトリエチレンテトラミン(TETA)である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記モノマーの組合せは、1:1の化学量論的M比で前記架橋剤と混合される、請求項18に記載の方法。
  22. 希釈剤を加えることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  23. 前記希釈剤は10重量%の量で前記分解性ポリマー系に加えられる、請求項22に記載の方法。
  24. 第1のエポキシ含有モノマーと第2の異なるエポキシ含有モノマーの比は、重量パーセントで約99:1~約1:99である、請求項18に記載の方法。
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