JP2023509458A - 持続する残差に基づく食事および/または運動行為の予測 - Google Patents

持続する残差に基づく食事および/または運動行為の予測 Download PDF

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Abstract

例示的実施形態は、そうでなければ行為を他の形で識別しないインスリン送達システムのための食事および/または運動行為の予測に対する1つのアプローチを提供する。インスリン送達システムは、ユーザについてのグルコース値およびインスリン送達の履歴に基づいて、推定される将来のグルコース値を予想するグルコースインスリン相互作用モデルを使用することができる。食事行為および/または運動行為の予測は、実際のグルコース値と予測されるグルコース値の間の残差に基づくものであり得る。例示的実施形態は、一定期間にわたる残差の変化率を計算し、この変化率を閾値と比較して、食事行為または運動行為のいずれがあった可能性が高いか否かを決定することができる。インスリン送達システムは、このとき、ユーザによる食事または運動に対応する措置を講じることができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年1月6日に出願された米国仮特許出願番号第62/957,620号の出願日の利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
1型糖尿病患者は、さまざまな方法でインスリンを送達して治療することができる。1つのアプローチは、必要に応じて患者に対しインスリンの補正ボーラスを手動で送達することである。例えば、患者の血中グルコースレベルが170mg/dLであり、目標血中グルコースレベルが120mg/dLである場合、(1:50の補正係数を仮定して)1Uのボーラスを患者に対して手動で送達することができる。このようなボーラスを患者に手動で送達することには、いくつかの潜在的問題が存在する。患者は、ボーラス内で不適切な量のインスリンを送達する可能性がある。例えば、ユーザは、1Uのボーラス量よりも著しく低い量のインスリンを必要とする可能性がある。一旦送達されてしまったインスリンは、患者の血流から取り戻すことができない。その結果、ボーラスの送達は、患者を低血糖症に陥らせる可能性がある。
別のアプローチは、インスリンポンプシステムによって自動的にインスリンを送達させることである。このアプローチは、インスリンボーラスの手動送達に伴う問題を克服することができる。インスリンポンプシステムは、例えば5分毎といった定間隔で送達されるインスリンの量を調節するために閉ループ制御システムを使用することができる。制御システムによって使用される閉ループアルゴリズムは、グルコースレベルの変動についてのペナルティと費用関数において平衡化される大量インスリン送達についてのペナルティを利用することができる。費用関数の使用は、典型的には、手動で送達されるボーラスに比べ、より高頻度で送達される、より少量のインスリン送達を結果としてもたらす。閉ループシステムによって、手動アプローチに比べて、より頻繁に患者のニーズを見直すことができる。しかしながら、これらのシステムは、エラーが発生しやすく、全ての関連因子を考慮することができない。
例示的実施形態によると、プロセッサにより1つの方法が実行される。この方法によると、ユーザについての実際の血中グルコース濃度の履歴が取得される。実際の血中グルコース濃度の履歴は、実際の血中グルコース濃度値と実際の血中グルコース濃度値を取得した時点の標示とを含む。該ユーザについての予測された血中グルコース濃度の履歴が取得される。予測された血中グルコース濃度の履歴は、予測された血中グルコース濃度値と予測された血中グルコース濃度値を取得した時点の標示とを含む。血中グルコース濃度履歴内の予測された血中グルコース濃度値は、グルコースとインスリンの相互作用モデルを用いて生成される。時間窓全体にわたる予測された血中グルコース濃度の履歴内の同様の時点での実際の血中グルコース濃度の履歴内の複数の値の間で残差値が計算される。時間窓内の連続する時点について、残差値群についての残差値の変化率が計算される。群のうちの少なくとも1つについての残差値の少なくとも1つの計算された変化率が、閾値を超え、かつ、正である大きさを有するものとして識別される。識別に基づいて、ユーザが食事を摂取したものと判断され、ユーザが食事を摂取したことがモデルにおいて指摘される。
該方法はさらに、食事行為の指摘に応答して、ユーザにインスリンを送達することをさらに含むことができる。該方法は、薬物送達デバイスを介してインスリンボーラスを送達することを含むことができる。送達することは、基礎インスリン送達中に、より大きい投与量のインスリンを送達することを含むことができる。閾値は、ユーザのインスリン感受性に合わせて調整され得る。閾値は、食事摂取に対するユーザの経験的血中グルコース応答に基づいて設定され得る。
例示的実施形態によると、プロセッサにより1つの方法が実行される。ユーザについての実際の血中グルコース濃度の履歴が取得される。実際の血中グルコース濃度の履歴は、実際の血中グルコース濃度値と実際の血中グルコース濃度値を取得した時点の標示とを含む。該ユーザについての予測された血中グルコース濃度の履歴が取得される。予測された血中グルコース濃度の履歴は、予測された血中グルコース濃度値と予測された血中グルコース濃度値を取得した時点の標示とを含む。血中グルコース濃度履歴内の予測された血中グルコース濃度値は、グルコースとインスリンの相互作用モデルによって生成される。時間窓全体にわたる予測された血中グルコース濃度の履歴内の同様の時点での実際の血中グルコース濃度の履歴内の複数の値の間で残差値が計算される。時間窓内の連続する時点について、残差値群についての残差値の変化率が計算される。群のうちの少なくとも1つについての残差値の少なくとも1つの計算された変化率が、負の閾値を超え、かつ、負である大きさを有するものとして識別される。識別に基づいて、ユーザが運動を実施したものと判断され、ユーザによる運動行為がモデルにおいて指摘される。
該方法はさらに、運動行為の指摘に応答して、薬物送達デバイスからユーザへのインスリンの基礎送達を一時停止することを含み得る。薬物送達デバイスはウェアラブルインスリンポンプであってよい。該方法はさらに、運動行為の指摘に応答して、薬物送達デバイスからのインスリンの基礎送達投与量を削減することを含み得る。閾値は、ユーザに合わせて調整され得る。閾値は、運動に対するユーザの経験的な血中グルコース濃度応答に基づいているものであってよい。
例示的実施形態によると、薬物送達デバイスを介したユーザに対するインスリンの送達を制御するためのデバイスが、ユーザについての実際の血中グルコース濃度の履歴、ユーザについての予測された血中グルコース濃度の履歴、ユーザについてのグルコースインスリン相互作用モデル、およびユーザに対してインスリンを送達するための制御アプリケーションを記憶するための記憶装置を含む。実際の血中グルコース濃度の履歴は、実際の血中グルコース濃度値および実際の血中グルコース濃度値を取得した時点の標示を含み、予測された血中グルコース濃度の履歴は、予測された血中グルコース濃度値および予測された血中グルコース濃度値を取得した時点の標示を含んでいる。血中グルコース濃度の履歴内の予測された血中グルコース濃度値はグルコースとインスリンの相互作用モデルによって生成されている。デバイスは同様に、プロセッサに、時間窓全体にわたる予測された血中グルコース濃度の履歴内の同様の時点での実際の血中グルコース濃度の履歴内の複数の値の間の残差値を計算させる命令を実行するためのプロセッサも含んでいる。該命令は同様に、プロセッサに、時間窓内の連続する時点について、残差値群についての残差値の変化率を計算させ、正の閾値を超え、かつ、正である大きさを有する群のうちの少なくとも1つについて残差値の少なくとも1つの計算された変化率を識別させるか、または、負の閾値を超え、かつ、負である大きさを有する群のうちの少なくとも1つについて残差値の少なくとも1つの計算された変化率を識別させる。群のうちの少なくとも1つについての残差値の少なくとも1つの計算された変化率が、正の閾値を超え、かつ、正である大きさを有することが識別された場合には、ユーザが食事を摂取したものと判断され、モデルにおいてユーザによる食事行為が指摘される。群のうちの少なくとも1つについての残差値の少なくとも1つの計算された変化率が、負の閾値を超え、かつ、負である大きさを有することが識別された場合には、ユーザが運動を実施したものと判断され、モデルにおいてユーザによる運動行為が指摘される。
プロセッサは同様に、食事行為または運動行為の指摘に応答して、薬物送達デバイスに改善策をとらせることができる。改善策は、ユーザに対してインスリンボーラスを送達すること、ユーザに対して送達される基礎インスリンの投与量を増大させること、ユーザに対するインスリンの送達を一時停止すること、または、ユーザに対して送達される基礎インスリンの投与量を減少させること、のうちの少なくとも1つを含むことができる。正の閾値または負の閾値のうちの少なくとも1つをユーザ向けにカスタマイズすることができる。デバイスは、インスリンポンプデバイスであるか、または、デバイスは、インスリンポンプデバイスを制御する別個のデバイスであり得る。
図1は、例示的実施形態を実践するのに好適な例示的薬物送達システムのブロック図を示す。 図2は、薬物送達システム内で使用するための例示的記憶装置のコンテンツを示す。 図3は、グルコースインスリン相互作用モデルの入力および出力を示すブロック図を例示する。 図4は、実際の血中グルコース濃度値と予測された血中グルコース濃度値との間の残差を決定するための例示的ステップを示すフローチャートを図示する。 図5は、一サイクルについての残差値の変化率を決定するための例示的ステップを示すフローチャートを図示する。 図6Aは、食事行為または運動行為をいつ指摘すべきかを決定するための例示的ステップを示すフローチャートを図示する。 図6Bは、異なるタイプの食事行為および異なるタイプの運動行為をいつ指摘すべきかを決定するための例示的ステップを示すフローチャートを図示する。 図6Cは、食事行為タイプか運動行為タイプのいずれを指摘すべきかを決定するために残差の大きさと残差の変化率の両方が使用されるときに行なわれ得る例示的ステップを示すフローチャートを図示する。 図7は、食事行為に応答するための例示的ステップを示すフローチャートを図示する。 図8は、運動行為に応答するための例示的ステップを示すフローチャートを図示する。
例示的実施形態は、いくつかの従来のインスリン送達システム制御システムの限界のいくつかに取り組むものである。例示的実施形態は、そうでなければ行為を他の形で識別しないインスリン送達システムのための食事および/または運動行為の予測に対する1つのアプローチを提供する。インスリン送達システムは、ユーザについてのグルコース値およびインスリン送達の履歴に基づいて、推定される将来のグルコース値を予想するグルコースとインスリンの相互作用モデルを使用することができる。食事行為および/または運動行為の予測は、実際のグルコース値と予測されるグルコース値の間の残差に基づくものであり得る。例示的実施形態は、一定期間にわたる(例えば15分間の期間にわたる)残差の変化率を計算し、この変化率を閾値と比較して、食事行為または運動行為のいずれがあった可能性が高いか否かを決定することができる。例えば、変化率が正であり、レートが第1の閾値より高い場合、それは食事行為を表し、このような食事行為が指摘され得る。他方では、変化率が負で、変化率が第2の閾値より低い場合、それは運動行為を表し、このような運動行為が指摘され得る。薬物送達システムは、このとき、ユーザによる食事または運動に対応する措置を講じることができる。
図1は、例示的実施形態においてユーザ108に対してインスリンを送達するのに好適である例示的薬物送達システム100を示す。薬物送達システム100は、薬物送達デバイス102を含む。薬物送達デバイス102は、ユーザ108の体に装着されるウェアラブルデバイスであり得る。薬物送達デバイス102は、直接ユーザ108に装着され得る(例えば、接着テープなどによってユーザ108の身体部分および/または皮膚に対して直接取付けることができる)。一例において、薬物送達デバイス102の表面は、ユーザ108への取付けを容易にするため、接着テープを含むことができる。
薬物送達デバイス102は、コントローラ110を含むことができる。コントローラ110は、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの任意の組合せの形で実装可能である。コントローラ110は、例えば、マイクロプロセッサ、論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または、メモリに接続されたマイクロコントローラであってよい。コントローラ110は、日付及び時刻ならびに他の機能(例えば、計算など)を維持することができる。コントローラ110は、コントローラ110が薬物送達デバイス102の動作を指示できるようにする記憶装置112内に記憶されたアルゴリズムを実行するように動作可能であり得る。さらに、コントローラ110は、データまたは情報を受信するために動作可能であり得る。記憶装置112は、一次メモリと二次メモリの両方を含むことができる。記憶装置112は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置、リムーバブル記憶媒体、固体記憶装置などを含むことができる。
薬物送達デバイス102は、必要に応じてユーザ108に対する送達を目的としてインスリンを保管するためのインスリンタンク114を含み得る。インスリンタンク114からユーザ108までインスリンを圧送するためのポンプ115が具備され得る。薬物送達デバイス102からユーザ108までの針またはカニューレの展開を制御するために、針展開部116が具備され得る。針展開部116は、例えば、針、カニューレ、および/またはインスリンタンク114内の貯蔵された液剤をユーザ108に繋ぐための他の任意の流体経路部を含むことができる。カニューレは、ユーザをインスリンタンク114に接続する流体経路部の一部分を構成し得る。針展開部116が作動した後、ユーザへの流体経路が提供され、ポンプ115は、タンク114から液剤を放出して、流体経路を介して液剤をユーザに送達することができる。流体経路は例えば、薬物送達デバイス102をユーザ108に装着するチューブ類(例えば、カニューレをタンク114に接続させるチューブ類)を含むことができる。
通信インタフェース117は、例えばユーザおよび/またはユーザの介護者の管理デバイス106を含めた、薬物送達デバイス102とは物理的に分離された1つ以上の管理デバイスへの通信リンクを提供することができる。通信インタフェース117によって提供される通信リンクは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、近距離無線通信規格、セル方式規格または他の任意の無線プロトコルなどの、公知の任意の通信プロトコルまたは規格にしたがって動作する任意の有線または無線通信リンクを含むことができる。薬物送達デバイス102は同様に、ユーザ108に対して情報を表示するため、そしていくつかの実施形態ではユーザ108からの情報を受信するための、一体型表示デバイスなどのユーザインタフェース118を含むこともできる。ユーザインタフェース118は、タッチスクリーンおよび/または1つ以上の入力デバイス、例えばボタン、ノブまたはキーボードを含むことができる。
薬物送達システム100は、ユーザ108の血中グルコース濃度レベルを検知するためのセンサ104を含むことができる。センサ104は、連続グルコースモニタ(CGM)または血中グルコース測定値を提供する別のタイプのデバイスまたはセンサなど、定期的な血中グルコース濃度測定値を提供するグルコースモニタであり得る。センサ104は、薬物送達デバイス102とは物理的に別個であり得、またはそれと一体のコンポーネントであってもよい。センサ104は、ユーザ108の測定された、または検出された血中グルコースレベルを表わすデータをコントローラ110に提供することができる。センサ104は、例えば、接着テープなどによりユーザに装着することができ、ユーザ108の1つ以上の医学的身体条件および/または身体的属性についての情報またはデータを提供することができる。センサ104によって提供された情報またはデータは、薬物送達デバイス102の薬物送達動作を調整するために使用可能である。
薬物送達システム100は同様に、管理デバイス106も含むことができる。管理デバイス106は、パーソナル糖尿病マネージャ(PDM)などの特殊用途デバイスであり得る。管理デバイス106は、例えばプロセッサ、スマートホンまたはタブレットといった専用コントローラを含む任意の携帯式電子デバイスなどの、プログラミングされた汎用デバイスであり得る。管理デバイス106は、薬物送達デバイス102および/またはセンサ104の動作をプログラミングまたは調整するために使用可能である。管理デバイス106は、例えば専用コントローラ、スマートホンまたはタブレットなどを含めた、任意の携帯式電子デバイスであり得る。図示の例では、管理デバイス106は、プロセッサ120、記憶装置124および通信インタフェース126を含むことができる。プロセッサ120は、ユーザの血中グルコースレベルを管理するため、およびユーザ108への薬物または治療薬の送達を制御するためのプロセスを実行することができる。プロセッサ120は同様に、管理記憶装置124内に記憶されたプログラミングコードを実行するためにも動作可能であり得る。例えば、記憶装置は、プロセッサ120による実行のための1つ以上の制御アプリケーションを記憶するように動作可能であり得る。通信インタフェース126は、1つ以上の無線周波数プロトコルにしたがって動作する受信機、送信機または、送受信機を含むことができる。例えば、通信インタフェース126は、管理デバイス106がセルラー送受信機を介してデータネットワークと、そしてセンサ104および薬物送達デバイス102と通信できるようにするセルラー送受信機およびBluetooth(登録商標)送受信機を含み得る。通信インタフェース126のそれぞれの送受信機は、アプリケーションなどにより使用可能であるか、またはそれにより生成される情報を含む信号を伝送するために動作可能であり得る。それぞれのウェアラブル薬物送達デバイス102およびセンサ104の通信インタフェース117および126はそれぞれ、同様に、アプリケーションなどによって使用可能であるか、またはそれにより生成される情報を含む信号を伝送するためにも動作可能であり得る。
管理デバイス106は、ユーザ108と通信するためのユーザインタフェース122を含むことができる。ユーザインタフェース122は、情報を表示するために、タッチスクリーンなどのディスプレーを含み得る。タッチスクリーンは同様に、それがタッチスクリーンである場合に入力を受信するためにも使用され得る。ユーザインタフェース122は同様に、キーボード、ボタン、ノブなどの入力素子も含み得る。
図2は、薬物送達デバイスの記憶装置112または管理デバイス106の記憶装置124などの記憶装置200内に保持されたコンテンツの一例を示す。記憶装置200は、ユーザ108についてのセンサ104からの血中グルコース濃度の経時的な読取り値の履歴を含む実際の血中グルコース濃度の履歴202を保持することができる。記憶装置200は、薬物送達システム内で使用されるモデルによって生成されるユーザ108についての予測された血中グルコース濃度値を含む予測された血中グルコース濃度の履歴を保持することができる。このモデル108は、管理デバイス106およびセンサ104からの入力と共にコントローラ110によって実行されるアプリケーション210内で符号化され得る。アプリケーション210は、薬物送達デバイス102を制御し、薬物送達デバイス102の動作を監視するために実行され得る。記憶装置200は同様に、ユーザ108についてのインスリンの送達および送達時間および/またはサイクルを記録するインスリン履歴206も記憶することができる。
図3は、薬物送達デバイス102を管理する上でアプリケーション210により使用されるグルコース/インスリン相互作用のモデル304の入力および出力を示すブロック図300を図示する。モデル304は、センサ104から実際の血中グルコース濃度読取り値302を受信する。実際の血中グルコース濃度読取り値は、いくつかの実施形態において、例えば5分毎のサイクルといった周期的間隔で送達され得る。実際の血中グルコース濃度は、予測された血中グルコース濃度の履歴308内の同じ時点についての予測された血中グルコース濃度と比較される。モデル304は、その時々の血中グルコース濃度を予測する。予測は、実際の血中グルコース濃度に対するシステム応答を決定し制御するために使用される。予測された血中グルコース濃度の履歴308は、モデル304によって経時的に予測された値を保持する。モデル304は同様に、ユーザについてのインスリン送達履歴306も考察する。インスリン送達履歴306は、ユーザに対する全てのボーラスインスリン送達および基礎インスリン送達の投与量および時刻および/またはサイクルを含む。入力302、306および308に基づいて、モデル304は、保証されている場合にインスリン送達量310を規定する出力制御信号をポンプ115に対して生成する。投与量はゼロであり得、その場合、インスリンは全く送達されないことになる。モデル304は、低血糖症または高血糖症のリスクを回避するため、より大きなボーラスではなく、むしろ小さい投与量を送達しようとし得る。その上、モデル304は、血中グルコース濃度レベルに影響を及ぼす他のパラメータを考慮することができる。
上述のように、例示的実施形態では、ユーザによる食事およびユーザによる運動を考慮に入れるためにモデル304が装飾される。例示的実施形態は、ユーザについての実際の血中グルコース濃度値と予測された血中グルコース濃度値の間の残差を考察することによって、食事または運動を識別することができる。実際の値と予測値の間の差は、予測エラーの大きさを提供する。このようなエラーは、多数の原因に由来し得る。考慮されなかった食事または運動に由来するものとしてエラーを識別するために、例示的実施形態は、1つの時間的間隔内の連続する読取り値の間で実質的に変化する充分有意な残差を探求し得る。例えば、ユーザが食事を摂取した場合、ユーザの血中グルコース濃度は、摂取後にかなり急速に増加し、食事の残りの部分が摂取されるにつれて増加し続けることになる。予測された血中グルコースレベルは、血中グルコース濃度のこのような増加を見込まない。したがって、残差の急速な増加は、ユーザが食事を摂取していることを表わす。ユーザが運動をする場合、血中グルコース濃度レベルは、ユーザが運動を止めるまでかなり急速に降下する。予測された血中グルコースレベルは、血中グルコース濃度レベルのこのような低下を見込まない。したがって、残差の変化率も、いくつかの事例において運動を表し得る。
図4は、経時的な残差を決定するための例示的ステップを示すフローチャート400を図示する。まず、サイクルkについての実際の血中グルコース濃度レベルが決定され(402)、ここでkは、サイクル指標値として役立つ正の整数である。薬物送達システム100は、周期的サイクル、例えば5分間隔で動作するように構成され得、ここで最も新しい実際の血中グルコース濃度値が得られ、最新の値に基づいてインスリン送達を行なうことができる。これは、サイクルkでセンサ104によって提供される値であり得る。サイクルkにおける予測された血中グルコース濃度レベルも同様に得られる(404)。将来のグルコース値Gpを予想するために、n次の逐次モデルを使用することができる。将来のグルコース値は、以下のように、過去の血中グルコース濃度値およびインスリン送達値から予測される。
Figure 2023509458000002
式中、Gp(k)は、サイクルkにおける予測されたグルコース値であり、G(k)は、サイクルkにおける実際の血中グルコース濃度値であり、bxは、xを1~nの範囲内の指標値として、過去の係数に割当てられた重みであり、I(k)は、サイクルkで送達された投与量についてのインスリンの作用(すなわち、インスリンの投与量がどれほど血中グルコース濃度を低下させるか)である。
サイクルkについての差は、実際の血中グルコース濃度値(406)から予測された血中グルコース濃度値を減算することによって計算され得る。これが、関心対象の最後のサイクルである場合(408参照)には、プロセスは完了する。そうでない場合、サイクル指標は、増分され(410)、プロセスは(402)から繰り返される。
各サイクルについての予測残差は、実際の血中グルコース濃度値を、サイクルkからk+mにわたり予測された血中グルコース濃度値と比較し、これらの差(412)を以下のように合計することによって計算可能である。
Figure 2023509458000003
式中、R(k+m)はサイクルk+mについての残差であり、qは、0~mの範囲内の指標である。
以上で言及した通り、関心の対象となるのは、連続するサイクルについての残差だけではなく、むしろ、関心の対象である多数の連続するサイクル全体にわたる残差の変化率である。図5は、残差の変化率がどのように決定されるかのフローチャート500を示す。最初に、連続するサイクルのウィンドウ全体にわたる残差を取得する(502)。1つの例示的事例では、3つの連続するサイクルについての残差を、例示的事例において取得することができる。各サイクルについての残差は、上述の合計演算を用いて計算され得る。次に、残差の変化率を決定する(504)。これは、3つの連続するサイクル群中の最初と最後の残差の間の差を計算し合計をサイクル数で除することによって計算できる。3つのサイクルが、事例の時間窓を構成する場合、変化率を次のように表現することができる。
Figure 2023509458000004
式中、ROC3(k+m)は、サイクルk~mにまたがる3つの連続するサイクルにわたる残差の変化率であり、R(i)はサイクルiについての残差である。
残差の変化率を次に分析して、食事行為または運動行為を識別することができる。図6Aは、このような行為を決定するための例示的ステップを示すフローチャート600を図示する。残差の変化率が正であるか否かのチェックを行なうことができる(602)。変化率が正である場合、それは、実際の血中グルコース濃度値が予測された血中グルコース濃度値よりも急速に上昇していることを暗示する。変化率は、正の閾値と比較される(604)。正の閾値に対する比較は、食事によって証明されると考えられるほど実質的ではない変化率を排除する一助となる。変化率が正の閾値(608)よりも高い場合、食事行為が指摘される(610)。変化率が正でない場合(602を参照)、変化率を、負の閾値と比較することができる(606)。変化率が負の閾値より低い(すなわち閾値よりもさらに負である)場合(612)、運動行為が指摘され得る(614)。そうでなければ、いかなる行為も指摘されない。
食事行為を決定するための正の閾値および運動行為を決定するための負の閾値は、ユーザ向けにカスタマイズすることができる。例えば、該ユーザに関して実際の食事行為について、ユーザについてのデータを収集し、これらの実際の食事行為について残差および残差変化率を計算することができる。実際のデータに基づいて、食事行為を他の現象から区別するために、正の閾値を設定することができる。同様にして、実際の運動行為についての残差および残差の変化率に関係する実際の運動行為に関する経験的データを使用して、負の閾値を設定することができる。
食事行為および運動行為の異なる程度またはタイプを定義するために、多数の閾値を生成することも同様に可能である。例えば、残差および残差の変化率の大きさは、食事のタイプに応じて、並行して、または独立して変動している可能性があり、ここでゆっくり吸収される食事は、速く吸収される食事に比べて緩慢なグルコース増加、ひいては、より少ない残差を示し得る。同じタイプのより大量の食事は、単純に、より長い期間類似のエラーを示し、最終目標がより大量の食事を検出することにある場合、残差閾値は、より高く設定され得る。同様にして、速く吸収される食事は、一時的に速いグルコース増加を示す可能性があり、したがって、残差変化率の閾値も同様に、このような食事を検出するためにより高く設定され得る。同様にして、有酸素運動および無酸素運動は、予測と異なるパターンの残差を示し得る。短く激しい一連の運動は、高い変化率を示すものの有意な閾値増加を示さない可能性があり、一方、のんびりした、より長時間作用する活動は、結果として、より低い変化率、ただし経時的に持続する増加をもたらし得る。したがって、残差閾値と残差変化率の閾値の組合せを異なる形で調整するか、または、多数の事例について調整して、食事および運動の行為タイプおよび異なる程度の両方の検出を可能にすることができる。
図6Bは、1つの例示的事例について異なるタイプの食事行為および/または異なるタイプの運動行為を指摘するために行なわれ得る例示的ステップを示すフローチャートを図示する。この事例においては、残差の変化率は、運動行為および食事行為の指摘および分類を決定付ける。まず、残差の変化率が正であるか負であるかのチェックが行なわれる(622)。変化率が負である場合、それは、ユーザが運動をしていることの標示であり得る。したがって、変化率が激しい運動の閾値よりも低い(すなわち、より負である)か否かのチェックが行なわれる(624)。変化率が激しい運動の閾値より低い場合、激しい運動行為が指摘される(626)。そうでなければ、変化率が適度な運動の閾値より低いか否かのチェックが行なわれる(628)。変化率が適度な運動の閾値より低い場合、適度な運動閾値行為が指摘される(630)。変化率が適度な運動の閾値より低くない場合、変化率が軽度の運動の閾値より低いか否かのチェックが行なわれる(632)。変化率が軽度の運動の閾値より低い場合、軽度の運動行為が指摘される(634)。そうでなければ、いかなる運動行為も指摘されない。
変化率が正であるものと判断された場合(622参照)、それは、ユーザが食事をしたことの標示であり得る。変化率が、大量の食事の閾値より大きいか否かのチェックが行なわれる(636)。そうである場合には、大量の食事行為が指摘される(638)。そうでない場合には、変化率が適度の食事閾値より高いか否かのチェックが行なわれる(640)。そうである場合には、適度の食事行為が指摘される(642)。そうでない場合には、変化率が少量の食事の閾値より高いか否かのチェックが行なわれる(646)。そうである場合には、少量の食事行為が指摘される(648)。そうでない場合には、いかなる食事行為も指摘されない。
別の変形例では、上述のように、残差の大きさと残差の変化率の両方を用いて、異なる程度の食事行為または運動行為の指摘を決定することができる。図6Cは、この変形例のために行なうことのできる例示的ステップのフローチャート(650)を示す。プロセスは、残差(例えば、現在の残差)の大きさの検証を必然的に伴う可能性がある(652)。残差の変化率(例えば、最後の変化率)も同様に検証される(654)。残差の大きさ、および残差の変化率の両方に基づいて、所与の程度の食事行為または所与の程度の運動行為タイプのいずれを指摘すべきかについての決定がなされる(656)。上述のように、この決定を行ない、正当な指摘を行うために、閾値の組合せを使用することができる。
別のアプローチは、ユーザの1日の総インスリン送達量(TDI)を関連付け、それを、規定量の炭水化物を相殺するのにどれほどのインスリンが必要とされるかを特定するユーザのインスリン対炭水化物比と関連付けすることにある。これらの値は、1単位のインスリンにより相殺され得る炭水化物摂取量の比率を決定するために800/TDIを考察する800規則などの発見的規則によって関係付けされ得る。補正係数は、1単位のインスリンによってどれほどのグルコース低下が実現されるかを、1800規則(1800/TDI)などの経験則を通して規定することができる。これらの規則の組合せを用いて、ユーザの行為の数量および存在を推定することができる。例えば、システムが、30グラムといった一定の閾値より高い炭水化物量で食事行為を検出することになることが所望される可能性がある。これらの30グラムの炭水化物は、行為を補償するのに必要とされると考えられる推定量のインスリンへと転換され得る。ユーザのTDIが50Uである場合には、800規則(800/TDI)から、1Uのインスリンが16gを補償すると考えられ、30グラムの炭水化物は1.875Uのインスリンを必要とする。これは、同様にユーザの補正係数に基づいて、予期されたグルコースの上昇にも相関させることができ、このことは、1800規則(1800/TDI)を通して、1Uのインスリンがグルコースを36mg/dLだけ低下させることを意味し、1.875Uのインスリンは、インスリンを67.5mg/dLだけ低下させることになると考えられる。したがって、閾値は、67.5mg/dLを超えるグルコースの予期せぬ上昇が検出されることになるように設計することができる。
薬物送達システム100は、食事行為および/または運動行為の指摘に応答することができる。図7は、食事行為が指摘されていることに応答して行なうことのできる例示的ステップを示すフローチャート700を図示する。ユーザが食物を摂取し、それがユーザの実際の血中グルコース濃度レベルを上昇させたことを食事行為が標示していることから、薬物送達システム100は、ユーザの血中グルコース濃度レベルを低下させるための措置を講じることができる。例えば、インスリンボーラスをユーザに送達することができる(702)。別の選択肢は、基礎インスリン送達の投与量を増加させることである(704)。これらの選択肢は、薬物送達デバイス102を制御するためのアプリケーションを実行しているコントローラ110により、自動的に行なわれ得る。ステップ702および704は、より大きなインスリン送達を可能にするためモデルにおける制約を緩和することによって実現され得る。
図8は、運動行為の指摘に応答して実行され得る例示的ステップを示すフローチャート800を図示する。運動は、ユーザの血中グルコース濃度レベルを低下させることになる。したがって、目的は、ユーザの血中グルコース濃度レベルのさらなる低下を回避するための措置を講じることにある。1つの選択肢は、規定された時間の間、ユーザに対する基礎インスリンの送達を停止させることである(802)。別の選択肢は、自動的に送達されるインスリンの投与量レベルを低下させることである(804)。これらの選択肢は、薬物送達デバイス102を制御するためのアプリケーションを実行しているコントローラ110によって自動的に行なわれ得る。モデルにける制約を調整して、(802)および(804)でインスリン送達を一時停止または減少させることができる。
他の実施形態において、残差の値は使用されない。むしろ、残差の2乗和が使用される。残差の2乗和RSSRは、[0022]中の等式に対する外延として表現可能である。
Figure 2023509458000005
これは、先に説明したアプローチを用いた外れ値の影響を軽減する一助となる。2乗することで全ての2乗が正となることから、残差の正負符号は維持されなければならない。1つの選択肢は、望ましくない正負符号(すなわち、特定の閾値と比較するときに関心の対象でない正負符号)の残差全てをゼロに設定することである。
本発明は、その例示的な実施形態を参照して説明してきたが、添付の特許請求の範囲で定義されている本発明の意図された範囲から逸脱することなく、形態および/または詳細のさまざまな変更を行なうことが可能であるということを認識すべきである。例えば、圧力誘起によるセンサの減衰によって生じるエラーといった、他の未知のシステム行為を特定するために、残差を用いることも同様に可能である。圧力誘起によるセンサの減衰は、運動行為の後の即時のグルコースの結果に類似するグルコース濃度の突然の低下を結果としてもたらす可能性があり、予測に対する負の残差値の突然の予期せぬ累積を観察することによって、同様の方法で検出され得る。

Claims (20)

  1. プロセッサによって実行される方法であって、
    ユーザについての実際の血中グルコース濃度の履歴を取得することであって、前記実際の血中グルコース濃度の履歴が、実際の血中グルコース濃度値および前記実際の血中グルコース濃度値を取得した時点の標示を含む、取得することと、
    前記ユーザについての予測された血中グルコース濃度の履歴を取得することであって、前記予測された血中グルコース濃度の履歴が、予測された血中グルコース濃度値および前記予測された血中グルコース濃度値を取得した時点の標示を含み、前記血中グルコース濃度の履歴内の前記予測された血中グルコース濃度値が、グルコースとインスリンの相互作用のモデルを用いて生成される、取得することと、
    時間窓全体にわたる前記予測された血中グルコース濃度の履歴内の同様の時点での前記実際の血中グルコース濃度の履歴内の複数の値の間の残差値を計算することと、
    前記時間窓内の連続する時点について、残差値群についての前記残差値の変化率を計算することと、
    閾値を超え、かつ、正である大きさを有する前記群のうちの少なくとも1つについて前記残差値の少なくとも1つの計算された変化率を識別することと、
    前記識別することに基づいて、前記ユーザが食事を摂取したものと判断し、前記モデルにおいて前記ユーザにより食事が摂取されたことを指摘することと、
    を含む方法。
  2. 前記食事行為の指摘に応答して、前記ユーザにインスリンを送達することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記送達することは、薬物送達デバイスを介してインスリンボーラスを送達することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記送達することは、基礎インスリン送達中に、より大きい投与量のインスリンを送達することを含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記閾値が、前記ユーザのインスリン感受性に合わせて調整される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記閾値が、食事摂取に対する前記ユーザの経験的血中グルコース応答に基づいて設定される、請求項1に記載の方法。
  7. プロセッサによって実行される方法であって、
    ユーザについての実際の血中グルコース濃度の履歴を取得することであって、前記実際の血中グルコース濃度の履歴が、実際の血中グルコース濃度値および前記実際の血中グルコース濃度値を取得した時点の標示を含む、取得することと、
    前記ユーザについての予測された血中グルコース濃度の履歴を取得することであって、前記予測された血中グルコース濃度の履歴が、予測された血中グルコース濃度値および前記予測された血中グルコース濃度値を取得した時点の標示を含み、前記血中グルコース濃度の履歴内の前記予測された血中グルコース濃度値が、グルコースとインスリンの相互作用のモデルによって生成される、取得することと、
    時間窓全体にわたる予測された血中グルコース濃度の履歴内の同様の時点での前記実際の血中グルコース濃度の履歴内の複数の値の間の残差値を計算することと、
    前記時間窓内の連続する時点について、残差値群についての前記残差値の変化率を計算することと、
    負の閾値を超え、かつ、負である大きさを有する前記群のうちの少なくとも1つについて前記残差値の少なくとも1つの計算された変化率を識別することと、
    前記識別することに基づいて、前記ユーザが運動を実施したものと判断し、前記モデルにおいて前記ユーザによる運動行為を指摘することと、
    を含む方法。
  8. 前記運動行為の指摘に応答して、薬物送達デバイスから前記ユーザへのインスリンの基礎送達を一時停止することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記薬物送達デバイスが、ウェアラブルインスリンポンプである、請求項8に記載の方法。
  10. 運動行為の前記指摘に応答して、薬物送達デバイスからのインスリンの基礎送達投与量を削減することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  11. 前記閾値が、ユーザに合わせて調整される、請求項7に記載の方法。
  12. 前記閾値が、運動に対する前記ユーザの経験的な血中グルコース濃度応答に基づいている、請求項7に記載の方法。
  13. 薬物送達デバイスを介してユーザへのインスリンの送達を制御するためのデバイスであって、
    ユーザについての実際の血中グルコース濃度の履歴、前記ユーザについての予測された血中グルコース濃度の履歴、前記ユーザについてのグルコースインスリン相互作用モデル、および前記ユーザに対してインスリンを送達するための制御アプリケーションを記憶するための記憶装置を有し、
    前記実際の血中グルコース濃度の履歴が、実際の血中グルコース濃度値および前記実際の血中グルコース濃度値を取得した時点の標示を含み、前記予測された血中グルコース濃度の履歴が、予測された血中グルコース濃度値および前記予測された血中グルコース濃度値を取得した時点の標示を含んでおり、前記血中グルコース濃度の履歴内の前記予測された血中グルコース濃度値が前記グルコースインスリン相互作用モデルによって生成され、
    プロセッサに、
    時間窓全体にわたる前記予測された血中グルコース濃度の履歴内の同様の時点での前記実際の血中グルコース濃度の履歴内の複数の値の間の残差値を計算させ、
    前記時間窓内の連続する時点について、残差値群についての前記残差値の変化率を計算させ、
    正の閾値を超えかつ正である大きさを有する前記群のうちの少なくとも1つについて前記残差値の少なくとも1つの計算された変化率を識別させるか、または、負の閾値を超えかつ負である大きさを有する前記群のうちの少なくとも1つについて前記残差値の少なくとも1つの計算された変化率を識別させる、
    命令を実行するためのプロセッサを含み、
    前記群のうちの少なくとも1つについての前記残差値の少なくとも1つの計算された変化率が、前記正の閾値を超え、かつ、正である大きさを有することが識別された場合に、前記ユーザが食事を摂取したものと判断し、前記モデルにおいて前記ユーザによる食事行為を指摘し、
    前記群のうちの少なくとも1つについての前記残差値の少なくとも1つの計算された変化率が、前記負の閾値を超え、かつ、負である大きさを有することが識別された場合に、前記ユーザが運動を実施したものと判断し、前記モデルにおいて前記ユーザによる運動行為を指摘する、
    デバイス。
  14. 前記プロセッサが、食事行為または運動行為の指摘に応答して、前記薬物送達デバイスに改善策をとらせる、請求項13に記載のデバイス。
  15. 前記改善策が、前記ユーザに対してインスリンボーラスを送達すること、前記ユーザに対して送達される基礎インスリンの投与量を増大させること、前記ユーザに対するインスリンの送達を一時停止すること、または、前記ユーザに対して送達される基礎インスリンの投与量を減少させること、のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のデバイス。
  16. 前記正の閾値または前記負の閾値のうちの少なくとも1つがユーザ向けにカスタマイズされる、請求項13に記載のデバイス。
  17. 前記デバイスがインスリンポンプデバイスである、請求項13に記載のデバイス。
  18. 前記デバイスが、インスリンポンプデバイスを制御する別個のデバイスである、請求項13に記載のデバイス。
  19. プロセッサによって行なわれる方法であって、
    ユーザについての実際の血中グルコース濃度の履歴を取得することであって、前記実際の血中グルコース濃度の履歴が、実際の血中グルコース濃度値および前記実際の血中グルコース濃度値を取得した時点の標示を含む、取得することと、
    前記ユーザについての予測された血中グルコース濃度の履歴を取得することであって、前記予測された血中グルコース濃度の履歴が、予測された血中グルコース濃度値および前記予測された血中グルコース濃度値を取得した時点の標示を含み、前記血中グルコース濃度の履歴内の前記予測された血中グルコース濃度値が、グルコースとインスリンの相互作用のモデルを用いて生成される、取得することと、
    時間窓全体にわたる予測された血中グルコース濃度の履歴内の同様の時点での前記実際の血中グルコース濃度の履歴内の複数の値の間の残差値を計算することと、
    前記時間窓内の連続する時点について、残差値群についての前記残差値の変化率を計算することと、
    閾値を超える大きさを有する前記群のうちの少なくとも1つについて、前記残差値の少なくとも1つの計算された変化率を識別することと、
    前記識別することに基づいて、前記モデルにおいて前記ユーザによる行為を指摘することと、
    を含む方法。
  20. 前記指摘される行為が、食事行為、運動行為、または圧力誘起型センサ減衰行為のうちの1つである、請求項19に記載の方法。
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