JP2023508617A - 高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システム及び方法 - Google Patents

高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システム及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、N個の共振回路を含み、Nが奇数N次複合コイルを提供するステップと、M個の共振回路を含み、Mが偶数であるM次複合コイルを提供するステップと、隣接する2つの共振回路の接続端部に散乱容量を接続するステップと、ワイヤレスエネルギー伝送を実現するように、2つの複合コイルのうちの1つ目の共振回路を結合接続するステップと、負荷と交流電源を接続するステップと、ワイヤレスエネルギー伝送中、最適な伝送効率を得るように、結合距離の変化による結合強度の変化に応じて、2つの1つ目の共振回路と対称な共振回路の容量を調節するステップと、を含む、高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システム及び方法に関する。本発明は奇数次空間-時間対称性による独特な、結合距離と無関係の純実数固有周波数を利用することで、ワイヤレスエネルギー伝送に周波数追跡が必要なくなり、また結合距離の変化に応じて容量の大きさを調節することで、好ましい伝送効率を得る。【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤレスエネルギー伝送の技術分野に関し、特に高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システム及び方法に関する。
近年、量子力学における空間-時間(Parity-Time:PT)対称の概念が幅広く研究されている。空間反転と時間反転との協同操作において、PT対称は変わらない。このようなPT対称システムには純実数の特徴値があり、そのうち、除外点(Exceptional point:EP)は対称保護と対称破壊の相の間にある相転位に現れる。光学・光子システムでは、PT対称、利得と損失との間における相互作用、および異なるグループの間の結合強度によって、例えば、コヒーレント完全吸収、トポロジカル相制御、キラルモードや強化されたセンサなどの様々な面白い現象を引き起こす。
なお、PT対称概念は安定した伝送を実現するワイヤレスエネルギー伝送(Wireless power transfer:WPT)技術にも使用されている。無線周波(Radio-frequency:RF)WPT技術の植込み型医療機器、電気自動車などへの一連の実際的な応用は研究面で注目を集めている。一般的には、WPTシステムは主に、2つの磁界結合共振コイル(送信コイルと受信コイル)からなり、2つの磁界結合共振コイルはそれぞれソース端と負荷端に置かれている。ソースと送信コイル、送信コイルと受信コイル、受信コイルと負荷の間の結合レートをそれぞれ調節することで、有効的なエネルギー伝送が得られる。
しかし、二次PT対称電子システムでは、精確的なPT対称相にはとても強い結合強度が必要であるため、分岐した純実数固有周波数が現れるため、結合強度と関連して変化する純実数固有周波数を追跡するように、作動周波数を調節することが必要となる。なお、システムが破れたPT相(つまり、弱結合領域)である場合、固有周波数の実部は変化しないが、固有周波数虚部の増加のため、システムの伝送効率は結合距離の増大に伴って急激に低下する。
本発明は、従来技術の欠陥を克服し、固有周波数虚部の増加のためシステムの伝送効率が結合距離の増大に伴って急激に低下する、という従来の周波数追跡WPT技術に存在している問題を解決する高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システム及び方法を提供することを目的とする。周波数追跡、余分なコイルの追加、コイル構造の最適化を必要とせず、比較的大きい結合距離範囲でも好ましい伝送効率が得られることを実現する。
前記目的を実現する技術方案は下記のとおりである。
本発明は、N個の共振回路を含むN次複合コイルであって、Nが1以上であり、且つ奇数であり、Nが3以上である場合、前記N次複合コイルにおいて隣接する2つの共振回路の接続端部に散乱容量が接続されているN次複合コイルを提供するステップと、M個の共振回路を含むM次複合コイルであって、Mが2以上であり、且つ偶数であり、前記M次複合コイルにおいて隣接する2つの共振回路の接続端部に散乱容量が接続されているM次複合コイルを提供するステップと、ワイヤレスエネルギー伝送を実現するように、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路とを結合接続するステップと、前記N次複合コイルを負荷に接続し、前記M次複合コイルを交流電源に接続し、または前記N次複合コイルを交流電源に接続し、前記M次複合コイルを負荷に接続するステップと、ワイヤレスエネルギー伝送中、最適なワイヤレスエネルギー伝送効率を得るように、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路との間の結合強度の変化に応じて、N+M個の共振回路における、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路とM次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な2つの共振回路の容量を調節するステップと、を含む、高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送方法を提供する。
本発明は、三次及びそれ以上の高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送方法を提供し、かつ高次が奇数次であり、奇数次空間-時間対称性による独特で、結合距離と無関係の純実数固有周波数を利用することで、ワイヤレスエネルギー伝送に周波数追跡が必要なくなり、また、ワイヤレスエネルギー伝送中の結合距離の変化に応じて容量の大きさを調節することで、コイル構造を変化させず、または余分なコイルを追加せずに、比較的大きい結合距離範囲内でも好ましい伝送効率が得られ、伝送効率が結合距離の増大に伴って急激に低下する、という従来の二次PT対称に存在している問題を解決する。高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送は、二次PT対称システムに比べて、除外点(EP)に対応する界限結合強度が小さく、それとともに結合距離が大きいため、ワイヤレスエネルギーの有効的な伝送距離も大きい。
本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送方法のさらなる改善として、隣接する2つの共振回路に散乱容量を接続する際に、前記散乱容量の一端を隣接する2つの共振回路におけるコイルの間に接続し、他端を隣接する2つの共振回路における容量の間に接続する。
本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送方法のさらなる改善として、容量を調節する際に、N+M個の共振回路における、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路の容量、前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路の容量、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路およびM次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な2つの共振回路の間に接続されている散乱容量を調節することによって、容量調節による結合強度を、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路との間の結合強度と同一させる。
本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送方法のさらなる改善として、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路がN+M個の共振回路の中央に位置する場合、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路は前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路であり、前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路がN+M個の共振回路の中央に位置する場合、前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路は前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路である。
本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送方法のさらなる改善として、前記N次複合コイルのNが3であり、前記M次複合コイルのMが2である。
また、本発明は、N個の共振回路を含むN次複合コイルであって、Nが1以上であり、且つ奇数であり、Nが3以上である場合、前記N次複合コイルにおいて隣接する2つの共振回路の接続端部に散乱容量が接続される、N次複合コイルと、M個の共振回路を含むM次複合コイルであって、Mが2以上であり、且つ偶数であり、前記M次複合コイルにおいて隣接する2つの共振回路の接続端部に散乱容量が接続され、ワイヤレスエネルギー伝送を実現するように、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路が結合接続されている、M次複合コイルと、前記N次複合コイルに接続され、かつ負荷または交流電源に接続可能な、第1のポートと、前記M次複合コイルに接続され、かつ交流電源または負荷に接続可能な、第2のポートと、前記N次複合コイルまたは前記M次複合コイルに接続されている処理モジュールと、を備え、前記処理モジュールは、システムの最適なエネルギー伝送効率が得られるように、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路との間の結合強度の変化に応じて、N+M個の共振回路における、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路とM次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な2つの共振回路の容量を調節するために用いられる、高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムが提供される。
本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムのさらなる改善として、前記散乱容量の一端が隣接する2つの共振回路におけるコイルの間に接続され、他端が隣接する2つの共振回路における容量の間に接続されている。
本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムのさらなる改善として、前記処理モジュールで容量を調節する際に、N+M個の共振回路における、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路の容量、前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路の容量、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路およびM次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な2つの共振回路の間に接続されている散乱容量を調節することによって、容量調節による結合強度を、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路との間の結合強度と同一させる。
本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムのさらなる改善として、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路がN+M個の共振回路の中央に位置する場合、前記処理モジュールは前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路をそれと対称な共振回路とし、前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路がN+M個の共振回路の中央に位置する場合、前記処理モジュールは前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路をそれと対称な共振回路とする。
本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムのさらなる改善として、前記N次複合コイルのNが3であり、前記M次複合コイルのMが2である。
本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムにおける三次の等価回路図である。 本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムにおける五次の第1実施例の等価回路図である。 本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムにおける五次の第2実施例の等価回路図である。 本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムにおける七次の第1実施例の等価回路図である。 本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムにおける七次の第2実施例の等価回路図である。 本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システム及び方法における三次および五次と従来技術における二次との伝送効率のピッチ直径比に伴う変化を示す模式図である。 本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システム及び方法における三次および五次と従来技術における二次との伝送効率の結合強度に伴う変化を示す模式図である。 本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送方法を示すフロー図である。
以下、図面と具体的な実施例を参照して本発明をさらに説明する。
図1を参照する。本発明は、ワイヤレスエネルギー伝送の伝送効率が結合距離の増大に伴って急激に低下するという、従来技術における問題を解決するための、高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システム及び方法を提供する。当該ワイヤレスエネルギー伝送システム及び方法はワイヤレス電気エネルギの伝送に適用し、結合距離の変化によって急激に低下することのない安定した伝送効率を提供する。本発明に係るワイヤレスエネルギー伝送システム及び方法は、奇数次空間-時間対称性による独特で結合距離と無関係の純実数固有周波数という特徴を利用することで、周波数追跡を必要としない高効率で安定したワイヤレスエネルギー伝送を実現し、また、ワイヤレスエネルギー伝送中、結合距離の変化に応じて対応する容量の大きさを調節することで、高次PT対称性を実現して、最適な伝送効率を実現する。
以下、図面を参照して、本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システム及び方法について説明する。
図1には、本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムにおける三次等価回路図を示す。以下、図1を参照して、本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムについて説明する。
図1に示すように、本発明に係る高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムは、N次複合コイル20と、M次複合コイル30と、第1のポート40と、第2のポート50と、処理モジュールとを含む。そのうち、N次複合コイル20はN個の共振回路を含み、Nが1以上であり、且つ奇数であり、つまり、N次複合コイル20は奇数次複合コイルであり、奇数個の共振回路を含む。また、Nが3以上である場合、図2に示すように、当該N次複合コイル20において、隣接する2つの共振回路の接続端部に散乱容量が接続される。
M次複合コイル30はM個の共振回路を含み、Mが2以上であり、且つ偶数であり、つまり、当該M次複合コイル30は偶数次複合コイルであり、偶数個の共振回路を含み、当該M次複合コイル30において、隣接する2つの共振回路の接続端部に散乱容量が接続されている。ワイヤレスエネルギー伝送を実現するように、M次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路とN次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路とは結合接続されており、具体的には、図1に示すように、M次複合コイル30の1つ目の共振回路における共振コイルL21とN次複合コイル20の1つ目の共振回路における共振コイルL11とが結合接続されている。
第1のポート40はN次複合コイル20に接続され、当該第1のポート40は負荷または交流電源と接続可能であり、第1のポート40に負荷が接続される場合、当該N次複合コイル20はエネルギー受信端として、第1のポート40を介して負荷に給電する。第1のポート40に交流電源が接続される場合、当該N次複合コイル20はエネルギー送信端として、対応するエネルギー受信端に電源を提供する。
第2のポート50はM次複合コイル30に接続され、当該第2のポート50には交流電源や負荷が接続でき、具体的には、第1のポート40に負荷が接続されている場合、当該第2のポート50に交流電源が接続され、交流電源はM次複合コイル30に交流電気を提供し、M次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路の共振コイルを介してN次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路の共振コイルに伝送してから、第1のポート40を介して負荷に提供することによって、負荷に給電または充電することが実現される。
第1のポート40に交流電源が接続されている場合、当該第2のポート50に負荷が接続され、交流電源から提供された交流電気がN次複合コイル20、M次複合コイル30及び第2のポート50を介して負荷に伝送されることによって、負荷に給電または充電することが実現される。
処理モジュールはN次複合コイル20またはM次複合コイル30に接続され、当該処理モジュールは、システムの最適なエネルギー伝送効率を得るように、N次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路とM次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路との間の結合強度の変化に応じて、N+M個の共振回路における、N次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路およびM次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路と対称な2つの共振回路の容量を調節するために使用されている。Nは奇数であり、Mは偶数であるため、N+M個の共振回路は奇数となる。当該奇数個の共振回路が中央に位置する共振回路を軸として対称に設けられ、N次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路とM次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路とを接続すれば、N+M個の共振回路おうち中央に位置する共振回路が判明し、さらに、当該中央の共振回路を軸として、N次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路、および、M次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路とが判明し、この2つの共振回路に接続されている容量を可変容量とすることで、容量の調節によってシステムの最適なエネルギー伝送効率を得る。
本発明のワイヤレスエネルギー伝送システムはN次複合コイル20とM次複合コイル30とを含み、Nが奇数であり、Mが偶数であり、当該N次複合コイル20とM次複合コイル30とを結合して奇数次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムを形成する。奇数次空間-時間対称性による独特で結合距離と無関係の純実数固有周波数という特徴を利用して、本発明のワイヤレスエネルギー伝送システムは、N次複合コイル20とM次複合コイル30をそれぞれエネルギー送信端およびエネルギー受信端とし、N次複合コイル20とM次複合コイル30における送信コイルと受信コイルを前記の純実数固有周波数の範囲内で作動させることで、設計が複雑な周波数追跡回路を省くことができる。
ワイヤレス電気エネルギ伝送方法の実施例において、コイル間の結合距離が変化し、それとともに結合強度も変化するため、複合コイルにおける容量値を調節することで容量による結合強度を、距離による結合強度と同一させることで、システムの最適な伝送効率を得る。システムが理想の状態にある(つまり、システムに固有損失が完全にない)場合、100%の伝送効率を実現でき、その効果を図7に示す。ただし、実際の(システムには実際の固有損失がある)場合、エネルギー伝送効率は結合強度の低減に伴って落ちるが、その程度は比較的緩やかであり、その効果を図6に示す。
好ましくは、N次複合コイル20とM次複合コイル30における共振回路はいずれも1つの容量と1つのコイルとを含み、且つN次複合コイル20とM次複合コイル30の1つ目の共振回路におけるコイルは共振コイルであり、送信コイルまたは受信コイルとして、当該共振コイルは分布式コイルが採用される。N次複合コイル20とM次複合コイル30において、1つ目の共振回路以外のすべての共振回路におけるコイルは集中式インダクタンスである。
さらに、共振コイルは絶縁非磁性フレームとワイヤーからなり、当該絶縁非磁性フレームは透明な円柱状有機ガラス管であり、当該ワイヤーはリッツ線であり、当該有機ガラス管の材質はポリメチルメタクリレート(PMMA)であり、当該有機ガラス管の外径の半径は30cm、内径の半径は29.3cm、厚みは0.7cm、長さは6.5cmである。当該リッツ線はポリウレタン被覆線を芯線とするポリエステル被覆線であり、仕様は0.078*400本であり、当該リッツ線の断面直径は約3.9mm、銅コアの断面積は約1.91 mmである。当該リッツ線を当該有機ガラス管側面に緊密に複数周巻き付け、巻付周数は25周が好ましく、且つ作動波長の1/1000よりも小さいセルサイズを有することで、深サブ波長の特徴を有する特性を実現することができる。集中式インダクタンスは環状のFeSiAlインダクタンスであり、型番はS106125、27mm、12Aである。容量はいずれも1000V以上の高圧に耐える集中式の金属化ポリエステルフィルムからなるスロットイン容量である。
本発明に係る一つの具体的な実施形態においては、散乱容量の一端は隣接する2つの共振回路におけるコイルの間に接続され、他端は隣接する2つの共振回路における容量の間に接続されている。
図1に示す実例では、M次複合コイル30は二次複合コイルであり、2つの共振回路を含み、1つ目の共振回路における共振コイルL21と2つ目の共振回路におけるコイルL22とが接続され、1つ目の共振回路における共振容量C21と2つ目の共振回路における容量C22とが接続され、散乱容量C00の一端は共振コイルL21とコイルL22との間に接続され、他端は共振容量C21と容量C22との間に接続され、第2のポート50はコイルL22と容量C22との間に接続されている。
図2に示す実例では、N次複合コイル20は三次複合コイルであり、3つの共振回路を含む。1つ目の共振回路における共振コイルL31が2つ目の共振回路におけるコイルL32および3つ目の共振回路におけるコイルL33に接続され、1つ目の共振回路における容量C31が2つ目の共振回路における容量C32および3つ目の共振回路における容量C33に接続され、1つの散乱容量C01の一端は共振コイルL31とコイルL32との間に接続され、他端は共振容量C32と容量C32との間に接続され、別の1つの散乱容量C03の一端はコイルL32とコイルL33との間に接続され、他端は容量C32と容量C33との間に接続され、第1のポート40はコイルL33と容量C33との間に接続されている。
本発明に係る一つの具体的な実施形態においては、図1と図2に示すように、処理モジュールで容量を調節する際に、N+M個の共振回路における、N次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路の容量、M次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路の容量、N次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路およびM次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路と対称な2つの共振回路の間に接続されている散乱容量を調節することによって、容量調節による結合強度を、N次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路とM次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路との間の結合強度と同一させる。
図1を例にすると、Nは1であり、Mは2であり、当該システムは合計3つの共振回路を含み、N次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路とM次複合コイル30における2つ目の共振回路とは、M次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路を軸として対称に設けられ、M次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路はそれ自身と対称であると見なしてもよい。また、図1に示すシステムでは、処理モジュールはM次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路の容量C21、M次複合コイル30のうちの2つ目の共振回路の容量C22、及びM次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路と2つ目の共振回路との間に接続されている散乱容量C00を調節する。
好ましくは、図1に示すシステムでは、M次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路の容量、2つ目の共振回路の容量及び1つ目の共振回路と2つ目の共振回路との間に接続されている散乱容量はすべて可変容量である。
ワイヤレスエネルギー伝送システムでは、エネルギー送信端とエネルギー受信端との間の距離が変化する場合、つまり、図1に示すように、共振コイルL11と共振コイルL21との間の距離が変化する場合、共振コイルL11と共振コイルL21との間の結合強度はそれに伴って変化し、処理モジュールは共振コイルL11と共振コイルL21との間の結合強度の変化を検知すると、当該結合強度の変化に応じて自己整合的に容量C21、容量C22及び散乱容量C00を調節することによって、容量C21、容量C22及び散乱容量C00の調節による結合強度を共振コイルL11と共振コイルL21との間の結合強度と同一にし、システムの最適なエネルギー伝送効率を得、システムの安定したエネルギー伝送という効果を実現する。
本発明に係る一つの具体的な実施形態においては、N次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路がN+M個の共振回路の中央に位置する場合、処理モジュールはN次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路をそれと対称な共振回路とする。M次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路がN+M個の共振回路の中央に位置する場合、処理モジュールはM次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路作をそれと対称な共振回路とする。
図2に示すように、図2に示すシステムにおいて、Nは3であり、Mは2であり、合計5つの共振回路を含み、N次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路とM次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路とが接続され、5つの共振回路によってN次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路を軸として対称に設けられている回路構造が形成され、そのうち、M次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路はN次複合コイル20のうちの2つ目の共振回路であり、N次複合コイル30のうちの1つ目の共振回路はN+M個の共振回路の中央に位置し、それ自身と対称である。
処理モジュールは図2に示すシステムの容量を調節する際に、N次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路の容量C31、2つ目の共振回路の容量C32及び1つ目の共振回路と2つ目の共振回路との間に接続されている散乱容量C01を調節することによって、容量調節による結合強度を、N次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路とM次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路との間の結合強度と同一させる。
好ましくは、N次複合コイル20のうちの1つ目の共振回路の容量C31、2つ目の共振回路の容量C32及び1つ目の共振回路と2つ目の共振回路との間に接続されている散乱容量C01はすべて可変容量である。
本発明に係る一つの具体的な実施形態において、図1は三次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムの等価回路図を示す。そのうち、N次複合コイル20は一次複合コイルであり、1つの共振回路を含み、共振コイルL11と容量C11とは直列接続され、共振コイルL11と容量C11との間に第1のポート40が接続されている。
M次複合コイル30は二次複合コイルであり、2つの共振回路を含み、共振コイルL21と容量C21とは直列接続され、コイルL22と共振コイルL21とは直列接続され、コイルL22と容量C22との間に第2のポート50が接続され、容量C22と共振容量C21とは接続され、散乱容量C00の一端は共振コイルL21とコイルL22との間に接続され、他端は共振容量C21と容量C22との間に接続されている。また、N次複合コイル20は送信端としても受信端としてもよく、それに応じて、M次複合コイル30は受信端としても送信端としてもよい。共振コイルL21と共振コイルL11とが結合接続されていることで、ワイヤレス電気エネルギ伝送が実現される。
当該三次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムにおいて、共振コイルL11、共振コイルL21及びコイルL22のインダクタンス値は同一である。容量C11は固定容量であり、容量C21、容量C22及び散乱容量C00は可変容量であり、且つ容量C21と容量C22の容量値は同じである。容量C11、容量C22及び散乱容量C00は
Figure 2023508617000002
という関係式を満たす。容量C22、散乱容量C00と共振コイルL21と共振コイルL11との間の結合強度の関係は
Figure 2023508617000003
であり、そのうち、kは共振コイルL21と共振コイルL11との間の結合強度を示し、Lは共振コイルL21のインダクタンス値を示す。
図1に示す実施例では、関連するパラメータ値は次のように設定されている。L21=L21=L11=L=0.737mH、C11=4.76nFである。結合距離dによる結合強度kの変化の関係式はk=16exp(-0.43*d)に近似することができる。結合距離dの変化によって結合強度kが変化する場合、それに応じて、k1=kを満たすように容量C00、C21及びC22の調節による結合強度k1を変化させることで、最適なエネルギー伝送効率が得られる。好ましくは、dが0から60cmに増大する場合、C00を7.95nFから149.6nFに増加させ、C22を11.86nFから4.91nFに低下させることで、システムは最適なエネルギー伝送効率が得られる。
また、容量C21、容量C22及び散乱容量C00の大きさを調節する際に、処理モジュールは前記二つの関係式によって、変化した後の結合強度に適する容量の大きさを素早く算出してから、容量C21、容量C22及び散乱容量C00を正確に調節してもよい。また、処理モジュールは散乱容量C00に素早く数値を与えてから、容量C21と容量C22を階段的に調節することで、3つの容量の結合強度を結合強度kと素早く同一してもよい。
さらに、処理モジュールはシステムの結合強度kをリアルタイムに検出してもよい。具体的には、処理モジュールは共振コイルL21と共振コイルL11との間の相互インダクタンス係数をリアルタイムに取得し、相互インダクタンス係数をシステムの共鳴周波数と乗算することによって、結合強度を得ることができる。好ましくは、ネットワークアナライザを受信端または送信端に接続することによって、共振コイルL21と共振コイルL11との間の結合強度を直接に得ることができる。また、処理モジュールはシステムにおける共振コイルL21と共振コイルL11との間の結合距離をリアルタイムに検出し、結合距離の計算によって結合強度を得ることができる。
さらに、ネットワークアナライザでシステムの透過係数をリアルタイムに計測し、透過係数によってシステムのエネルギー伝送効率を算出してもよい。当該エネルギー伝送効率は
Figure 2023508617000004
であり、Sは透過係数を示す。
本実施例では、共振コイルL21と共振コイルL11の共鳴周波数fとコイルのインダクタンス値Lと共振容量Cとの関係は
Figure 2023508617000005
である。
さらに、本実施例におけるM次複合コイル30において、共振コイルL21以外のコイルと容量をすべて1つのPCB板に集積させることができ、システム空間を節約できる。また、共振コイルL21は当該PCB板に電気的に接続され、当該共振コイルL21はPCB板の近傍に設けられている。
本発明に係る一つの具体的な実施形態においては、図2は五次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムの等価回路図を示す。N次複合コイル20のNは3であり、M次複合コイル20のMは2であり、回路の具体的な接続は図2に示すように、前記と同様にN次複合コイル20は送信端としても受信端としてもよく、それに応じて、M次複合コイル30は受信端としても送信端としてもよい。共振コイルL21と共振コイルL31とは結合接続されていることで、ワイヤレス電気エネルギ伝送が実現される。
この五次空間・時間対称性システムでは、共振コイルL21、共振コイルL31、コイルL22、コイルL32及びコイルL33のインダクタンス値は同じである。容量C22、容量C21、散乱容量C00及び容量C33は固定容量であり、且つ容量C21と容量C22の容量値は同じであり、散乱容量C03と散乱容量C00の容量値は同じであり、M次複合コイル30の等価容量Cと、散乱容量C00と、容量C22との関係は
Figure 2023508617000006
である。そのうち、容量C31、散乱容量C01及び容量C32は可変容量であり、散乱容量C01と、容量C31と、容量C32との関係式は
Figure 2023508617000007
であり、散乱容量C01、容量C32及び容量C31と、共振コイルL21と共振コイルL31との間の結合強度kとの関係は
Figure 2023508617000008
であり、そのうち、kは共振コイルL21と共振コイルL31との間の結合強度を示し、Lは共振コイルL21のインダクタンス値を示し、CはM次複合コイル30の等価容量を示し、fは共振コイルL21と共振コイルL31の共鳴周波数を示す。
図2に示す実施例では、対応するパラメータ値の次のように設定されている。L21=L22=L31=L32=L33=L=0.737mH、C=4.76nF、f=85kHzである。結合距離dによる結合強度kの変化に関する関係式はk=16exP(-0.43*d)に近似する。結合距離dの変化によって結合強度kが変化する場合、それに応じて、k1=kを満たすように容量C01、C31及びC32の調節による結合強度k1を変化させる。好ましくは、dが0から60cmに増大する場合、C01を10.97nFから149.6nFに増加させ、C31を36.01nFから5.08nFに低下させ、C32を14.95nFから5.38nFに低下させることで、システムは最適な伝送効率が得られる。
なお、システムの可変パラメータを少なくするために、関連パラメータをC00=C03=57.43nF、C21=C22=C33=5.19nFのように一定させることで、分岐容量C00とC03による結合強度k2は関係式
Figure 2023508617000009
を満たす。
さらに、容量の大きさを調節する際に、処理モジュールは前記関係式によって、変化した後の結合強度に適する容量の大きさを素早く算出してから、容量C31、容量C32及び散乱容量C01を正確に調節してもよい。また、処理モジュールは散乱容量C01に素早く数値を与えてから、容量C31と容量C32を次段的に調節することで、3つの容量の結合強度を結合強度kと素早く同一させてもよい。
本発明に係る一つの具体的な実施形態においては、図3は別の五次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムの等価回路図を示す。N次複合コイル20のNは1であり、M次複合コイル20のMは4であり、回路の具体的な接続は図3に示すように、前記と同様にN次複合コイル20は送信端としても受信端としてもよく、それに応じて、M次複合コイル30は受信端としても送信端としてもよい。共振コイルL11と共振コイルL41とは結合接続されていることで、ワイヤレス電気エネルギ伝送が実現される。このとき、容量C43、散乱容量C00及び容量C44は可変容量であり、その他の容量はすべて固定容量である。
本発明に係る一つの具体的な実施形態においては、図4は七次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムの等価回路図を示す。N次複合コイル20のNは5であり、M次複合コイル20のMは2であり、回路の具体的な接続は図4に示すように、前記と同様にN次複合コイル20は送信端としても受信端としてもよく、それに応じて、M次複合コイル30は受信端としても送信端としてもよい。共振コイルL21と共振コイルL51とは結合接続されていることで、ワイヤレス電気エネルギ伝送が実現される。本実施例では、容量C53、散乱容量C01及び容量C54は可変容量であり、その他の容量はすべて固定容量であってもよい。
本発明に係る一つの具体的な実施形態においては、図5は別の七次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムの等価回路図を示す。N次複合コイル20のNは3であり、M次複合コイル20のMは4であり、回路の具体的な接続は図5に示すように、前記と同様にN次複合コイル20は送信端としても受信端としてもよく、それに応じて、M次複合コイル30は受信端としても送信端としてもよい。共振コイルL31と共振コイルL41とは結合接続されていることで、ワイヤレス電気エネルギ伝送が実現される。本実施例では、容量C41、散乱容量C00及び容量C42は可変容量であり、その他の容量はすべて固定容量であってもよい。
図1に示す三次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムと、図2に示す五次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムと、従来の二次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システムとによって、ワイヤレスエネルギー伝送実験を行う。
図6では同じ条件下での3つのシステムにおける伝送効率のピッチ直径比に伴う変化を示し、図6において、中実丸と破線が重なる曲線は二次システムにおける伝送効率の変化曲線であり、中実星と実線が重なる曲線は三次システムにおける伝送効率の変化曲線であり、中空星と破線が重なる曲線は五次システムにおける伝送効率の変化曲線である。図6から分かるように、伝送効率が50%までに低下した場合、二次、三次、五次ワイヤレス伝送システムにおける対応するピッチ直径比はそれぞれ1、1.4、1.6となり、つまり、同じ条件下で、次数が高いほど、有効伝送距離が大きくなる。そのうち、ピッチ直径比とは、結合距離と共振コイルの巻き付けの半径の比である。
システムの固有損失を無視する場合に、前記の3つのシステムにおける伝送効率の結合強度に伴う変化は図7に示すように、結合強度は結合距離と関係し、結合強度が弱いほど、結合距離が大きくなる。図7から分かるように、二次システムでは弱結合領域における伝送効率は結合強度の低下に伴って迅速に低下するが、それに対して、三次と五次システムでは伝送効率は結合強度の変化に伴って変化せずに、100%の伝送効率を保証できる。理論上では、ワイヤレスエネルギー伝送システムのエネルギー伝送効率は結合距離の影響を受けないが、結合距離が一定の範囲内であれば、システムの伝送効率の安定性は最も好ましく、この結合距離の範囲は共振コイルの半径の1.5倍程度であることが好ましい。
また、本発明は、次のステップを含む空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送方法をさらに提供する。
図8に示すように、ステップS101を実行する。N個の共振回路を含むN次複合コイルを提供し、Nが1以上であり、且つ奇数であり、Nが3以上である場合、N次複合コイルにおいて隣接する2つの共振回路の接続端部に散乱容量が接続される。続いてステップS102を実行する。
ステップS102を実行する。M個の共振回路を含むM次複合コイルを提供し、Mが2以上であり、且つ偶数であり、M次複合コイルにおいて隣接する2つの共振回路の接続端部に散乱容量が接続される。続いてステップS103を実行する。
ステップS103を実行する。ワイヤレスエネルギー伝送を実現するように、N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路とM次複合コイルのうちの1つ目の共振回路とを結合接続する。続いてステップS104を実行する。
ステップS104を実行する。N次複合コイルを負荷に接続し、M次複合コイルを交流電源に接続し、またはN次複合コイルを交流電源に接続し、M次複合コイルを負荷に接続する。続いてステップS105を実行する。
ステップS105を実行する。ワイヤレスエネルギー伝送中、合成したN+M次PT対称を実現し、最適なワイヤレスエネルギー伝送効率を得るように、N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路とM次複合コイルのうちの1つ目の共振回路との間の結合強度の変化に応じて、N+M個の共振回路における、N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路およびM次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な2つの共振回路の容量を調節する。
本発明に係る一つの具体的な実施形態においては、散乱容量を接続する際に、散乱容量の一端を隣接する2つの共振回路におけるコイルの間に接続し、他端を隣接する2つの共振回路における容量の間に接続する。
本発明に係る一つの具体的な実施形態において、容量を調節する際に、N+M個の共振回路における、N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路の容量、M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路の容量、N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路およびM次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な2つの共振回路の間に接続されている散乱容量を調節することによって、容量調節による結合強度を、N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路とM次複合コイルのうちの1つ目の共振回路との間の結合強度と同一させる。
本発明に係る一つの具体的な実施形態において、N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路がN+M個の共振回路の中央に位置する場合、N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路はN次複合コイルのうちの1つ目の共振回路であり、M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路がN+M個の共振回路の中央に位置する場合、M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路はM次複合コイルのうちの1つ目の共振回路である。
本発明に係る一つの具体的な実施形態において、N次複合コイルのNが3であり、M次複合コイルのMが2である。
以上、図面と実施例を参照して、本発明を詳細に説明したが、本分野の通常の技術者は、前記の説明に基づいて本発明の様々な変形例を完成することができる。したがって、本発明は実施例における一部の詳細によって限定されることはなく、添付の請求の範囲に限定されている範囲を本発明の保護範囲とする。

Claims (10)

  1. N個の共振回路を含むN次複合コイルであって、Nが1以上であり、且つ奇数であり、Nが3以上である場合、前記N次複合コイルにおいて隣接する2つの共振回路の接続端部に散乱容量が接続されるN次複合コイルを提供するステップと、
    M個の共振回路を含むM次複合コイルであって、Mが2以上であり、且つ偶数であり、前記M次複合コイルにおいて隣接する2つの共振回路の接続端部に散乱容量が接続されるM次複合コイルを提供するステップと、
    ワイヤレスエネルギー伝送を実現するように、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路とを結合接続するステップと、
    前記N次複合コイルを負荷に接続し、前記M次複合コイルを交流電源に接続し、または前記N次複合コイルを交流電源に接続し、前記M次複合コイルを負荷に接続するステップと、
    ワイヤレスエネルギー伝送中、最適なワイヤレスエネルギー伝送効率を得るように、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路との間の結合強度の変化に応じて、N+M個の共振回路における、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路およびM次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な2つの共振回路の容量を調節するステップと、を含むことを特徴とする、
    高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送方法。
  2. 隣接する2つの共振回路に散乱容量を接続する際に、前記散乱容量の一端を隣接する2つの共振回路におけるコイルの間に接続し、他端を隣接する2つの共振回路における容量の間に接続することを特徴とする、請求項1に記載の高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送方法。
  3. 容量を調節する際に、N+M個の共振回路における、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路の容量、前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路の容量、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路およびM次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な2つの共振回路の間に接続されている散乱容量を調節することによって、容量調節による結合強度を、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路との間の結合強度と同一させることを特徴とする、請求項1に記載の高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送方法。
  4. 前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路がN+M個の共振回路の中央に位置する場合、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路は前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路であり、前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路がN+M個の共振回路の中央に位置する場合、前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路は前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路であることを特徴とする、請求項3に記載の高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送方法。
  5. 前記N次複合コイルのNが3であり、前記M次複合コイルのMが2であることを特徴とする、請求項1に記載の高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送方法。
  6. N個の共振回路を含むN次複合コイルであって、Nが1以上であり、且つ奇数であり、Nが3以上である場合、前記N次複合コイルにおいて隣接する2つの共振回路の接続端部に散乱容量が接続されるN次複合コイルと、
    M個の共振回路を含むM次複合コイルであって、Mが2以上であり、且つ偶数であり、前記M次複合コイルにおいて隣接する2つの共振回路の接続端部に散乱容量が接続され、ワイヤレスエネルギー伝送を実現するように、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路が結合接続されている、M次複合コイルと、
    前記N次複合コイルに接続され、負荷または交流電源に接続可能な、第1のポートと、
    前記M次複合コイルに接続され、交流電源または負荷に接続可能な、第2のポートと、
    前記N次複合コイルまたは前記M次複合コイルに接続されている処理モジュールと、を備え、前記処理モジュールは、システムの最適なエネルギー伝送効率が得られるように、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路との間の結合強度の変化に応じて、N+M個の共振回路における、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路とM次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路の容量を調節するために用いられる、ことを特徴とする、
    高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システム。
  7. 前記散乱容量の一端が隣接する2つの共振回路におけるコイルの間に接続されており、他端が隣接する2つの共振回路における容量の間に接続されていることを特徴とする、請求項6に記載の高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システム。
  8. 前記処理モジュールで容量を調節する際に、N+M個の共振回路における、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路の容量、前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な共振回路の容量、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路およびM次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と対称な2つの共振回路の間に接続されている散乱容量を調節することによって、容量調節による結合強度を、前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路と前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路との間の結合強度と同一させることを特徴とする、請求項6に記載の高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システム。
  9. 前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路がN+M個の共振回路の中央に位置する場合、前記処理モジュールは前記N次複合コイルのうちの1つ目の共振回路をそれと対称な共振回路とし、前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路がN+M個の共振回路の中央に位置する場合、前記処理モジュールは前記M次複合コイルのうちの1つ目の共振回路をそれと対称な共振回路とすることを特徴とする、請求項6に記載の高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システム。
  10. 前記N次複合コイルのNが3であり、前記M次複合コイルのMが2であることを特徴とする、請求項6に記載の高次空間・時間対称性ワイヤレスエネルギー伝送システム。
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