JP2023508392A - 複合部品用の耐uv性表面材 - Google Patents

複合部品用の耐uv性表面材 Download PDF

Info

Publication number
JP2023508392A
JP2023508392A JP2022538906A JP2022538906A JP2023508392A JP 2023508392 A JP2023508392 A JP 2023508392A JP 2022538906 A JP2022538906 A JP 2022538906A JP 2022538906 A JP2022538906 A JP 2022538906A JP 2023508392 A JP2023508392 A JP 2023508392A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy
facing
weight
resin composition
amine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022538906A
Other languages
English (en)
Inventor
チュンチエ ジェフリー サン,
ダリップ ケー. コーリ,
Original Assignee
サイテック インダストリーズ インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by サイテック インダストリーズ インコーポレイテッド filed Critical サイテック インダストリーズ インコーポレイテッド
Publication of JP2023508392A publication Critical patent/JP2023508392A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G59/00Polycondensates containing more than one epoxy group per molecule; Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups
    • C08G59/18Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing
    • C08G59/182Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing using pre-adducts of epoxy compounds with curing agents
    • C08G59/184Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing using pre-adducts of epoxy compounds with curing agents with amines
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D163/00Coating compositions based on epoxy resins; Coating compositions based on derivatives of epoxy resins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D7/00Features of coating compositions, not provided for in group C09D5/00; Processes for incorporating ingredients in coating compositions
    • C09D7/40Additives
    • C09D7/60Additives non-macromolecular
    • C09D7/61Additives non-macromolecular inorganic
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D7/00Features of coating compositions, not provided for in group C09D5/00; Processes for incorporating ingredients in coating compositions
    • C09D7/40Additives
    • C09D7/70Additives characterised by shape, e.g. fibres, flakes or microspheres

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

Figure 2023508392000001
良好な表面特性を提供しながら、改善された耐UV性を提供することができる表面材。本表面材は、(A)1分子当たり2つ以上のエポキシ基をそれぞれ有する、1種以上の脂環式エポキシ樹脂と;(B)1分子当たり2つ以上のエポキシ基を有する、及び(i)1分子当たり2つ以上の脂環式エポキシ基を有するエポキシ化合物と(ii)1分子当たり2つ以上のアミノ基を有するアミン化合物との反応によって得られるエポキシ-アミン付加体と;(C)硬化剤及び/又は触媒と;(D)セラミック微小球と;(E)セラミック微小球ではない、無機粒子の形態でのフロー制御剤とを含有する硬化剤樹脂組成物から形成される樹脂層を含む。
【選択図】図1

Description

繊維補強ポリマーマトリックス複合材料(PMC)は、激しい環境への耐性、高い強度、及び/又は軽量を必要とする用途において一般的に使用されている高性能構造材料である。そのような用途の例としては、航空機構成要素(例えば、尾翼、翼、胴体、及びプロペラ)、高性能自動車、船体、並びに自転車フレームが挙げられる。航空宇宙用途向け複合構造部品には、典型的には、必要とされる性能特性を塗装前の複合構造物に提供するための、多くの場合「表面フィルム(surfacing film)」と呼ばれる、保護外側フィルムが含まれる。そのような表面フィルムは、労力、時間及びコストを削減しながら、構造部品の表面品質を向上させるために使用される。表面フィルムは、通常、構造部品の製造中に繊維補強ポリマーマトリックス複合材料と共に同時硬化させられる。
従来のエポキシ系表面フィルムは、ほとんど、それらの優れた機械的特性のために、芳香族エポキシ樹脂をベースとしている。芳香族エポキシ樹脂は、エポキシ中に芳香族ベンゼン環構造を有することで特徴付けられる。ビスフェノール系エポキシ樹脂は、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(BADGE、又はDGEBA)として知られる、エピクロロヒドリン(ECH)をビスフェノールAと反応させることに基づく最も一般的なエポキシ樹脂である。ノボラックエポキシ樹脂は、エポキシフェノールノボラック(EPN)又はエポキシクレゾールノボラック(ECN)などの、エピクロロヒドリンとノボラックとの反応から誘導される別の一般的な芳香族エポキシである。
そのような従来の表面フィルムは、UV放射線への暴露後に、それらが色変化並びに/又は表面劣化、すなわち、白亜化及び塗料接着性の喪失を示すように、耐紫外線(UV)性に欠けることが分かっている。芳香族エポキシ樹脂をベースとする表面材は、芳香族エポキシ樹脂が良好な発色団であるという事実のために、紫外線(UV)暴露からの劣化を受けやすいと考えられる。UV吸収剤及び安定剤の包含によりこれらの芳香族エポキシ系フィルムの耐UV性を改善するという以前の努力は、エポキシ分子中の芳香族構造の固有のUV感受性のためにあまり成功していない。脂肪族エポキシがまた、UV暴露への耐性を改善するために使用されてきたが、航空宇宙用途向けに、そのような脂肪族エポキシの使用は、より低いガラス転移温度(Tg)、より低い強度及び靱性並びに劣った長期耐久性の観点から劣った機械的性能をもたらすことが見いだされている。
UV暴露及び損傷を防ぐための公知の解決策は、最終部品組立又は塗装の前にUV保護添加剤を含有する塗料プライマーで複合構造物の全ての暴露される表面を覆うことである。典型的には、そのようなプライマーは、複合部品を成形ツールから離型した直後に塗布される。塗料プライマーを使用することの欠点には、高い労力及びメンテナンスコスト、追加される重量並びに塗料プライマーに典型的に使用される有機溶媒による環境悪影響が含まれる。
ゲルコート又はUV保護特性を持った塗料などの他の保護コーティングの使用は、表面フィルムをUV暴露から保護するより有効な方法であった。しかしながら、ゲルコート及び塗料は両方とも、正規の再塗布を必要とし、永久固定とは考えられない。PTFEフィルムなどの、有色素熱可塑性フィルムは、UV保護及び使用の容易さを提供することができるが、構造部品の起伏のある領域上でのドレープ適性に欠ける。
平滑性及び無多孔性などの良好な表面特性を提供しながら、改善された耐UV性を提供することができる多官能性表面材が、本明細書で開示される。更に、硬化時に、この多官能性表面材は、欠陥を含まず、「いつでも塗装できる」、すなわち、塗装前に追加の表面処理を必要としない。導電体が表面材へ組み込まれる場合、落雷保護(LSP)を達成することができる。この多官能性表面材は、軽量(面積重量が300gsm(g/m)未満)であり、その製造コストは、従来の表面材と比べて削減される。いくつかの実施形態において、表面材の面積重量は、50~200gsm、又は0.05~0.04psfの範囲にある。
一実施形態において、多官能性表面材は、
(A)1分子当たり少なくとも1つの脂環式骨格と2つ以上のエポキシ基とをそれぞれ有する、1種以上の脂環式エポキシ樹脂と;
(B)1分子当たり2つ以上のエポキシ基を有する、及び(i)1分子当たり2つ以上の脂環式エポキシ基を有するエポキシ化合物と(ii)1分子当たり2つ以上のアミノ基を有するアミン化合物との反応によって得られるエポキシ-アミン付加体と;
(C)硬化剤及び/又は触媒と;
(D)セラミック微小球と;
(E)成分(D)とは異なる、無機粒子の形態でのフロー制御剤と
を含有する硬化性樹脂組成物から形成される単一の樹脂フィルムからなる。
エポキシ-アミン付加体は、その化学構造上の反応性エポキシ基のために硬化剤又は触媒と反応することができる、末端エポキシ官能基を含有する。
組み合わせられた成分A及びBは、硬化性樹脂組成物の総重量を基準として、重量百分率(重量%)単位で40%超を構成する。硬化性樹脂組成物の総重量を基準とする、成分A及びBの相対量は、以下の通りであり得る:5~30重量%の成分(A)、及び15~55重量%の成分(B)。或いは、成分(A)及び(B)の相対量は、以下の通り記載され得る:組み合わせられたA及びB(つまりA+B)の100重量部当たり、5~80重量部、又は10~75重量部、又は20~65重量部のA。
硬化性樹脂組成物中の硬化剤及び/又は触媒の量は、選ばれる選択に応じて変わる。硬化剤及び触媒は、組成物中のエポキシ樹脂と反応して架橋した熱硬化性マトリックスを提供するであろう。硬化剤は、一般に、利用可能はエポキシ樹脂と反応し、硬化した熱硬化性網状構造中へ組み込まれる。触媒は、エポキシ基の重合を開始し、硬化した熱硬化性網状構造を形成する。
硬化性樹脂組成物中のセラミック微小球()の量は、硬化性樹脂組成物の総重量を基準として、10~30重量%の範囲にあり得、フロー制御剤の量は、2~8重量%の範囲にあり得る。
好ましい実施形態において、硬化性樹脂組成物は、上に議論された成分A~E並びに金属酸化物及びカーボンブラックから選択される無機顔料(F)を含有する。好ましい金属酸化物には、白色酸化チタン(TiO)及び赤色酸化鉄が含まれる。成分Fの量は、硬化性樹脂組成物の総重量を基準として、5~30重量%の範囲にあり得る。
別の好ましい実施形態において、硬化性樹脂組成物は、上に議論された成分A~E又はA~Fプラスエポキシ-アミン付加体ではない、すなわち、成分Bとは異なる強化剤(G)を含有する。強化剤(G)は、熱可塑性ポリマー、弾性ポリマー、及びコア-シェルゴム(CSR)粒子から選択され得る。好ましい強化剤は、(i)ポリビニルアセタール樹脂(PVB);(ii)ポリビニルホルマール樹脂;(iii)ポリエーテルスルホン(PES)とポリエーテルエーテルスルホン(PEES)とのコポリマー;(iv)コア-シェルゴム(CSR)粒子;及びそれらの組合せから選択される。成分Gの量は、硬化性樹脂組成物の総重量を基準として、1~15重量%の範囲にあり得る。
硬化性樹脂組成物は、本明細書に開示される実施形態の任意の1つによれば、表面材の特性を更に改質するために、前述のもの以外の追加の成分を更に含有し得る。
好ましい実施形態において、芳香族エポキシ樹脂はUV暴露からの劣化を受けやすいので、硬化性樹脂組成物は、いかなる芳香族エポキシ樹脂も含有しない。そのような芳香族エポキシ樹脂には、ビスフェノール系エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ、並びにEPON(商標)828(ビスフェノール-Aジグリシジルエーテル)、DER(商標)331(エピクロロヒドリンとビスフェノールAとの液体反応生成物)、Araldite(登録商標)PY 306(ビスフェノール-Fジグリシジルエーテル)、DEN(商標)439(エポキシノボラック樹脂-エピクロロヒドリンとフェノール-ホルムアルデヒドノボラックとの反応生成物)、DEN(商標)431(エポキシノボラック樹脂-エピクロロヒドリンとフェノール-ホルムアルデヒドノボラックとの反応生成物)、Araldite(登録商標)MY 0510(パラ-アミノフェノールのジグリシジルエーテル)、及びAraldite(登録商標)MY 721(N,N,N’,N’-テトラグリシジル-4,4’-メチレンビスベンゼンアミン)などの他の多官能性芳香族エポキシ樹脂が含まれる。
本明細書に記載される硬化性樹脂組成物から形成される樹脂フィルムを硬化させた後に、硬化フィルムは、UV暴露後に、それが明らかな表面色ずれを全く示さないか又は1若しくは2.5未満の全色ずれΔE*を有することを意味する、「UV安定性である」と考えられる。
脂環式エポキシ樹脂
脂環式エポキシ樹脂(成分A)は、それらの分子構造中の非芳香族飽和環で特徴付けられる。用語「エポキシ樹脂」は、本明細書で用いるところでは、エポキシ基を含有するモノマー、オリゴマー及びポリマーを言う。本明細書に開示される硬化性樹脂組成物に使用するための脂環式エポキシ樹脂(A)は、1分子当たり少なくとも1つの脂環式骨格(つまり飽和炭素環)と2つ以上のエポキシ基とを有する化合物である。好適な環式エポキシ樹脂には、以下の一般式(I):
Figure 2023508392000002
で表される化合物が組まれる。
一般式(I)において、Xは、単結合又は結合基を表す。結合基は、二価炭化水素基、カルボニル基(-CO-)、エーテル結合(-O-)、エステル結合(-COO-)、アミド結合(-CONH-)、カーボネート結合(-OCOO-)、及び互いに連結したこれらの2つ以上を含有する基で例示される。二価炭化水素基は、好ましくは、1~18個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基(それらのうち、1~6個の炭素原子を有するものがより好ましい);及び二価脂環式炭化水素基(それらのうち、二価シクロアルキレン基がより好ましい)で例示される。直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基は、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、エチレン、プロピレン、及びトリメチレン基に代表される。二価脂環式炭化水素基は、1,2-シクロペンチレン、1,3-シクロペンチレン、シクロペンチリデン、1,2-シクロヘキシレン、1,3-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン、及びシクロヘキシリデン基に代表される。
一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物のうちで、典型的には脂肪族ペルオキシカルボン酸で対応する脂環式オレフィン化合物を酸化することによって調製されるものが好ましく、その脂肪族ペルオキシカルボン酸は実質的に無水である。
好適な二官能性脂環式エポキシ化合物の例としては、以下の化学構造:
Figure 2023508392000003
(式中、nは、1~30の整数を意味する)
を有するエポキシが挙げられる。
成分Aとして本明細書で使用できる例示的な脂環式エポキシ化合物には、上記の化合物に加えて、エポキシ基が脂環式骨格を構成する炭素原子を含まないグリシジルエーテル化合物(例えば、少なくとも1つの脂環式骨格とグリシジルエーテル基とをそれぞれ有する、グリシジルエーテルエポキシ化合物)が更に含まれる。これらの化合物は、具体的には、以下の化合物:
Figure 2023508392000004
ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエーテル
Figure 2023508392000005
シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル
で例示される。
化合物8及び9は、CVC Thermoset Specialtiesから、それぞれ、EPALLOY(登録商標)5000/5001及び5200として入手可能である。化合物10は、Hexionから、Heloxy(商標)107として入手可能である。
成分(A)として本明細書で使用できる例示的な脂環式エポキシ化合物には、3つ以上のエポキシ基を有する多官能性エポキシ化合物が更に含まれ、それらは、以下の化学式11:
Figure 2023508392000006
(式中、Rは、そこからqの数の-OHを取り除くことを除けば、q-価(valent)(q-価(hydric))アルコールR-(OH)qに相当する基を表し;pは、1~50の整数であり;qは、1~10の整数である)
によって包含される。p及びqに関する数は、互いに同じものであっても、異なってもよい。
3つ以上のエポキシ基を持った追加の脂環式エポキシ化合物には、以下の構造12及び13:
Figure 2023508392000007
(式中、a、b、c、d、e、fは、それぞれ独立して、0~30の整数を意味する)
で表される化合物が含まれる。
成分Aは、単一の脂環式エポキシ樹脂又は異なる脂環式エポキシ樹脂の組合せを含有し得る。好ましくは、成分Aは、異なる官能性を持った脂環式エポキシ樹脂の組合せから構成される。好ましい実施形態において、成分Aは、(a)二官能性脂環式エポキシ樹脂と、(b)三官能性又は四官能性エポキシ樹脂などの、2つ超の官能性を持った多官能性脂環式エポキシ樹脂との組合せを含有する。
低粘度を有する脂環式エポキシ樹脂は、成分Aにおいて別の脂環式エポキシ樹脂と組み合わせて使用される場合に反応性希釈剤として機能することができる。好適な低粘度化合物には、Brookfield Viscometeによって測定されるように、25℃で2500mPa・s以下の粘度を有する、好ましくは、25℃で500mPa・s以下の粘度を有するシクロアルキレングリコールジグリシジルエーテが含まれる。そのようなシクロアルキレングリコールジグリシジルエーテルには、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテル、及び水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂が含まれる。商業的に入手可能な低粘度脂環式エポキシ樹脂の例は、Celloxide(商標)2021P(3’,4’-エポキシシクロヘキサン)メチル 3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート)、Celloxide(商標)2081(イプシロン-カプロラクトン変性3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ダイセル社製のCelloxide(商標)8000及び8010(3’,4’-エポキシシクロヘキシル)-3,4-エポキシシクロヘキサン);Huntsman Corp.製のAraldite(登録商標)CY 184(ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル);EPALLOY(登録商標)5000、5001、及び5200(前述の)、並びにHeloxy(商標)107(前述の)である。
エポキシ-アミン付加体
硬化性樹脂組成物中のエポキシ-アミン付加体(成分B)は、1分子当たり2つ以上のエポキシ基を有し、(i)1分子当たり2つ以上の脂環式エポキシ基を有するエポキシ化合物と、(ii)1分子当たり2つ以上のアミノ基を有するアミン化合物との反応によって得られる。
例として、エポキシ-アミン付加体は、2~10、又は2~4つのエポキシ基を有し得る。エポキシ-アミン付加体中のエポキシ基は、任意の位置に配置され得るが、一般にエポキシ-アミン付加体の分子鎖末端に配置される。特に、エポキシ基は、それが線状エポキシ-アミン付加体である場合、一般に、エポキシ-アミン付加体の分子鎖の両末端に配置される。しかしながら、エポキシ基位置は、それらに限定されない。
一実施形態において、エポキシ-アミン付加体は、式II:
Figure 2023508392000008
(式中、Xは、各出現において、単結合及び少なくとも1つの原子を有する二価基から独立して選択され、式(I)におけるXでのように例示され;Rは、式に規定される窒素原子との各結合サイトにおいて炭素原子を有する二価の有機基であり;nは、1以上の整数である)
で表される。
エポキシ-アミン反応に使用されるエポキシ化合物(i)は、成分Aに関して上で記載された脂環式エポキシ化合物から選択され得る。
エポキシ-アミン付加体を形成するための出発原料(又は前駆体)として働くアミン化合物(ii)は、1分子当たり、2つ以上のアミノ基(-NH)、好ましくは、非置換アミノ基を有するポリアミン化合物である。本明細書で用いられるところでは、用語「アミノ基」は、特に明記しない限り、-NH2(非置換アミノ基)を言い;用語「-NH-基」は、非置換アミノ基(-NH)を含まない。アミン化合物(ii)は、一般式III:
(NH (III)
(式中、rは、2以上、好ましくは2~6、又は2~5、より好ましくは2又は3の整数である)
で表される。
式III中のRは、rの価数を有する及び式に規定される窒素原子との各結合サイトにおいて炭素原子を有する有機基(有機残基)を表す。Rは、r価の直鎖若しくは分岐鎖脂肪族炭化水素基;r価の環状の脂肪族炭化水素基;r価の芳香族炭化水素基;及び直接に又はヘテロ原子含有結合基(二価基)を介して結合したこれらの基の2つ以上をそれぞれ含むr価の基で例示される。
ヘテロ原子含有結合基(二価基)は、-CO-(カルボニル基)、-O-(エーテル結合)、-CO-O-(エステル結合)、-O-CO-O-(カーボネート基)、-CO-NH-(アミド基)、-CO-NR-(置換アミド基)(ここで、Rは、アルキル基を表す)、-NH-、-NR-(ここで、Rは、アルキル基を表す)、-SO-、及び-SO2-などの、1つ以上のヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、及び硫黄原子)をそれぞれ含有する二価基;並びに互いに結合したそれらの2つ以上をそれぞれ含む二価基で例示される。
いくつかの実施形態において、アミン化合物は、2つ又は3つのアミノ基を含有する。アミノ基の数が6超である場合、(アミン化合物をエポキシ化合物と反応させることによって形成される)エポキシ-アミン付加体を、樹脂組成物中の他の成分とブレンドすることが困難であり得る。
アミン化合物(ii)は、80~15000、又は100~12000、又は200~10000の数平均分子量(Mn)を有し得る。数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
好適なアミン化合物は、以下の式IV:
Figure 2023508392000009
(式中、pは、括弧内の構造単位の繰り返し数を示し、1以上の整数を表す)
で表されるポリエーテルアミンである。繰り返し数pは、1~70、及び1~30などの、好ましくは1~100である。
式IVにおけるRは、二価の直鎖、分岐鎖、又は環状の脂肪族炭化水素基、並びに1つ以上の直鎖若しくは分岐鎖脂肪族炭化水素基及び互いに結合した1つ以上の環状の脂肪族炭化水素基を含む二価基から選択され、そのような二価の直鎖、分岐鎖、又は環状の脂肪族基は、1つ以上の置換基を有し得る。そのような置換基は、r価の直鎖若しくは分岐鎖脂肪族炭化水素基が有し得る置換基で例示される。Rは、好ましくは、C2~C6の直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基、又はC2~C4の直鎖若しくは分岐鎖アルキレン鎖、好ましくは、エチレン、トリメチレン、又はプロピレン基である。
式IVにおけるRは、各出現において、二価の直鎖、分岐鎖、又な環状の脂肪族炭化水素基;及び互いに結合した1つ以上の直鎖若しくは分岐鎖脂肪族炭化水素基と1つ以上の環状の脂肪族炭化水素基とを含む二価基から独立して選択される。二価の直鎖、分岐鎖、又は環状の脂肪族炭化水素基は、1つ以上の置換基を有し得る。置換基は、r価の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基が有し得る置換基で例示される。Rは、好ましくは、C2~C6の直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基、又はC2~C4の直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基、特に、エチレン、トリメチレン、又はプロピレン基である。
式IVにおけるpが2以上の整数である場合、括弧のそれぞれの対中のR(すなわち、2つ以上の出現におけるR)は、同一であっても、異なってもよい。2つ以上の出現におけるRが互いに異なる場合、pの括弧のそれぞれの対中の構造は、ランダム形態で又はブロック形態で追加され(重合させられ)得る。
式IVにおいて、R及びRは、各出現において、同一であっても異なってもよい。
式IVの例示的なアミン化合物は、以下の化学構造14:
Figure 2023508392000010
(式中、nは、重合度であり、50~150の整数である)
を有するアミン官能化ブチルエーテルエラストマーである。具体的な例は、約10,000g/molの平均分子量(MW)のポリ(オキシ-1,4-ブタンジイル)、アルファ(4-アミノ-ブチル)-オメガ-(4-アミノブトキシ)である。
アミン化合物(ii)はまた、以下の式V:
Figure 2023508392000011
(式中、sは、1以上、好ましくは1~100、又は1~70、又は1~30の整数を表し;
tは、Rに結合した構造の数を示し、3以上、好ましくは、3~6、又は3~5、いくつかの実施形態において、3又は4の整数を表す)
で表されるポリエーテルアミンであり得る。
式VにおけるRは、各出現において、二価の直鎖、分岐鎖、又は環状の脂肪族炭化水素基;並びに互いに結合した1つ以上の直鎖若しくは分岐鎖脂肪族炭化水素基及び1つ以上の環状の脂肪族炭化水素基を含む二価基から独立して選択される。二価の直鎖、分岐鎖、又は環状の脂肪族炭化水素基は、R2に関して上に記載されたとおりである。
式VにおけるRは、tの価数を有する及び式に規定される酸素原子との各結合サイトにおいて炭素原子を有する有機基を表す。有機基R6は、R2に関して上に記載されたとおりである。
式Vによって包含されるアミン化合物の具体的な例は、JEFFAMINEの商品名で商業的な製品として入手することができる。JEFFAMINE製品のいくつかには、以下の例:
JEFFAMINE D-230、ポリプロピレングリコール 130ビス(2-アミノプロピルエーテル、下の構造15:
Figure 2023508392000012
によって示されるように主鎖中の繰り返しオキシプロピレン単位で特徴付けられる二官能性第一級アミン;
JEFFAMINE EDR-148、トリエチレングリコールジアミン、以下の構造16:
Figure 2023508392000013
で表される対称の、非ヒンダードジアミン;
JEFFAMINE T-403、トリメチロールプロパンポリオキシプロピレントリアミン、下の構造17:
Figure 2023508392000014
(式中、x+y+z=5~6である)
で表される対称の、三官能性の第一級アミン
が含まれる。
本明細書に開示されるエポキシ-アミン付加体は、エポキシ化合物(i)とアミン化合物(ii)とを互いに反応させることによって製造され得る。より具体的には、エポキシ化合物(i)の脂環式エポキシ基と、アミン化合物(ii)のアミノ基とが、互いの反応時に、エポキシ-アミン付加体(反応生成物)をもたらす。
単一のエポキシ化合物又は異なるエポキシ化合物の組合せが、本開示によるエポキシ-アミン付加体を製造するために使用され得る。同様に、単一のアミン化合物又は異なるアミン化合物の組合せが、エポキシ-アミン付加体を形成するために使用され得る。
エポキシ化合物(i)とアミン化合物(ii)との間の反応は、溶媒の存在下で、又は溶媒の不在下で(すなわち、溶媒に使用なしに)、例えば、ホットメルトプロセスで進行させられ得る。
溶媒は、限定されないが、好ましくは、エポキシ化合物(i)及びアミン化合物(ii)がそれに溶解できる又は一様に分散できるものである。より具体的には、溶媒は、ヘキサン、ヘプタン、及びオクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、及びエチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、及び1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、及びジオキサンなどの、エーテル;アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、及び酢酸ブチルなどのエステル;N,N-ジメチルホルムアミド及びN,N-ジメチルアセトアミドなどのアミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、及びベンゾニトリルなどのニトリル;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、及びブタノールなどのアルコール;並びにジメチルスルホキシドから選択され得る。異なる溶媒のそれぞれは、単独で又は組合せで使用され得る。
エポキシ化合物(i)とアミン化合物(ii)との間の反応は、触媒の存在下で、又は触媒の不在下で進行するようにされ得る。より特に、反応は、非芳香族アミン化合物が使用される場合、好ましくは、触媒の不在下で進行するようにされる。
非芳香族アミン化合物がアミン化合物(ii)として使用される場合、触媒は、エポキシ化合物(i)の100重量部当たり、1重量部未満(しかし0超)の量で使用され得る。いくつかの実施形態において、触媒の量は、エポキシ化合物(i)の100重量部当たり、0.5重量部未満、他の実施形態においては、0.3重量部未満であり得る。
芳香族アミン化合物がアミン化合物(ii)として使用される場合、触媒は、エポキシ化合物(i)の100重量部当たり、0.1~10重量部、又は0.5~8重量部、又は1~5重量部の量で使用され得る。
反応にかけられるエポキシ化合物(i)対アミン化合物(ii)のモル比は、限定されず、反応における脂環式エポキシ基対アミノ基のモル比が1~0.05、又は0.95~0.10、又は0.90~0.15であるように調整され得る。エポキシ-アミン反応は、1超の脂環式エポキシ基/アミノ基のモル比で行われる場合、エポキシ-アミン反応中に未反応の過剰のエポキシ化合物は、本明細書に開示される硬化性組成物中のエポキシ組成物の一部として利用可能であろう。
エポキシ-アミン反応は、30℃~250℃、又は80℃~200℃、又は120℃~180℃の温度(反応温度)で行われ得る。
エポキシ-アミン反応は、アミン化合物の全てが反応するのに十分な時間(反応時間)行われ得る。いくつかの実施形態において、反応時間は、0.5~10時間、及び1~5時間などの、0.2~20時間である。
エポキシ-アミン反応は、標準大気圧下、圧力下(負荷下)、又は減圧下などの、任意の圧力下で行われ得る。反応はまた、不活性ガス(例えば、窒素若しくはアルゴン)又は空気雰囲気などの、任意の雰囲気中で行われ得る。
エポキシ-アミン反応は、限定なしに、バッチ、半バッチ、及び連続フロー系から選択される任意の系で行われ得る。例えば、反応は、バッチ系で行われる場合、典型的には、エポキシ化合物(i)、アミン化合物(ii)、及び必要に応じて溶媒などの他の任意選択の成分をバッチ反応器に装入し、必要に応じて混合物を更に加熱する及び/又は撹拌することによって行われ得る。
硬化剤及び触媒
本開示の硬化性樹脂組成物に使用するのに好適な硬化剤及び触媒(成分C)は、アミン系化合物、ルイス酸-アミン錯体、無水物、及びカチオン触媒から選択され得る。用語「アミン系の」は、本明細書で用いるところでは、化合物の化学式中に1つ以上のアミン基を含有することを意味する。1種以上の硬化剤及び触媒の組合せが、選択される硬化剤又は触媒の選択に応じて使用され得る。
ルイス酸-アミン錯体(硬化触媒)は、ルイス酸とアミン化合物との錯体である。酸は、ルイス酸-アミン錯体を形成するために塩基性アミンと組み合わせられる。
ルイス酸-アミン錯体を構成するルイス酸の例としては、特定の限定なしに従来のルイス酸が挙げられ、例えば、ハロゲン化金属(例えば、四塩化チタン、四塩化スズ、塩化ジルコニウム、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化亜鉛、塩化銅、塩化アンチモン、及び臭化亜鉛等);ハロゲン化ホウ素化合物(例えば、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、及び三臭化ホウ素等);ハロゲン化リン化合物(例えば、五フッ化リン及び五塩化リン等);ハロゲン化ヒ素化合物(例えば、五フッ化ヒ素等);ハロゲン化アンチモン化合物(例えば、五フッ化アンチモン等);並びに金属トリフレート化合物(例えば、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、スカンジウムトリフレート、イットリウムトリフレート、及び亜鉛トリフレート等)が挙げられる。好ましい実施形態において、ハロゲン化ホウ素化合物が錯体を形成するために使用される。
ルイス酸-アミン錯体を構成するアミンの例としては、特定の限定なしに従来のアミンが挙げられ、それらの例としては、アンモニア、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、及び複素環アミンが挙げられる。それらのより具体的な例としては、アンモニア;モノメチルアミン;ジメチルアミン;トリメチルアミン;モノエチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;イソプロピルアミン;n-ブチルアミン;ペンチルアミン;n-ヘキシルアミン;オクチルアミン;ドデシルアミン;ラウリルアミン;4,4-ジアミノジフェニルアミン;イソホロンジアミン;トリエチレンテトラミン;ベンジルアミン;ピペリジン;アニリン;モノエタノールアミン;ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;シクロヘキシルアミン;モルホリン;グアニジン;N-アルキルモルホリン;1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7,6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7;1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5,1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン;1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、及び7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン;ピリジン;並びにN-アルキルピペリジンが挙げられる。それらの中で、硬化反応に関連した発熱を抑えるために低温で硬化反応を進行させるという観点から、脂肪族アミンが好ましい。
ルイス酸-アミン錯体のより具体的な例としては、BF・n-ヘキシルアミン、BF・モノエチルアミン、BF・ベンジルアミン、BF・ジエチルアミン、BF・ピペリジン、BF・トリエチルアミン、BF・アニリン、BF・n-ヘキシルアミン、BF・モノエチルアミン、BF・ベンジルアミン、BF・ジエチルアミン、BF・ピペリジン、BF・トリエチルアミン、BF・アニリン、PF・エチルアミン、PF・イソプロピルアミン、PF・ブチルアミン、PF・ラウリルアミン、PF・ベンジルアミン、及びAsPF・ラウリルアミンが挙げられる。好ましい実施形態において、三フッ化ホウ素のアミン錯体、特に、三フッ化ホウ素の脂肪族アミン錯体が、硬化触媒として使用される。
選択される場合、ルイス酸-アミン錯体(単一の錯体又は異なる錯体の組合せ)の総量は、硬化性樹脂組成物の総重量を基準として、1~8重量%の範囲にある。或いは、ルイス酸-アミン錯体の総量は、硬化性樹脂組成物中で、エポキシ成分(A)とエポキシ-アミン付加体成分(B)との総量、すなわち、A+Bの総計量の100重量部を基準として0.5~20重量部、又は1~15重量部であり得る。
硬化剤として使用されるための無水物は、酸無水物であり得る。そのような酸無水物は、エポキシ樹脂用の硬化剤として慣例的に使用されているものから選択され得る。酸無水物は、好ましくは、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、メチル-エンドメチレン-テトラヒドロフタル酸無水物、及びそれらの混合物などの、室温で液体であるものである。或いは、室温で固体である酸無水物は、組成物中のエポキシ樹脂の均質なブレンディングに悪影響を及ぼさない範囲内で用いられ得る。好適な固体の酸無水物には、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナド酸無水物、カルブ酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、及びそれらの混合物が含まれる。
選択される場合、硬化性樹脂組成物は、エポキシ成分(A)とエポキシ-アミン付加体(B)との総量の100重量部当たり、50~150重量部、又は55~140重量部の量で無水物硬化剤を含有し得る。或いは、無水物の量は、硬化性樹脂組成物の総重量を基準として20~40重量%の範囲にあり得る。より一般に、硬化性樹脂組成物は、好ましくは、エポキシ樹脂の架橋を引き起こすのに十分な量で、より具体的には、エポキシ成分(A)及びエポキシ-アミン付加体(B)中のエポキシ基の1当量当たり0.5~1.5の酸無水物当量を与えるのに十分な量で、無水物硬化剤を含有する。
酸無水物が選択される場合、それは、好ましくは、酸無水物用の硬化促進剤と組み合わせて使用される。硬化促進剤は、酸無水物の作用によるエポキシ樹脂の硬化時に硬化反応を促進する機能を有する化合物である。
そのような硬化促進剤は、限定されず、ジアザビシクロウンデセン硬化促進剤又はリン硬化促進剤であり得る。そのような硬化促進剤は、単独で又は、第三級又は第四級アミンなどの、エポキシ樹脂用の1種以上の他の硬化促進剤との混合物として組み合わせて使用され得る。
ジアザビシクロウンデセン硬化促進剤の例としては、下の化学構造(18):
Figure 2023508392000015
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)
で表される、1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-ウンデセン-7(DBU)、及びそれの塩が挙げられる。
本明細書で触媒として酸無水物と共に使用できる他の硬化促進剤の例としては、ベンジルジメチルアミン及び2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの第三級アミン;2-エチル-4-メチルイミダゾール及び1-シアノメチル-2-エチル-4-メチルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン化合物;第三級アミン塩;第四級アンモニウム塩;ホスホニウム塩;並びにオクタン酸スズ及びオクタン酸亜鉛などの金属塩が挙げられる。
硬化性樹脂組成物中の硬化促進剤の総量は、成分AとBとの総量の100重量部当たり、0.05~5重量部、又は0.1~3重量部、又は0.2~3重量部、又は0.25~2.5重量部の範囲にあり得る。ジアザビシクロウンデセン又はリン硬化促進剤は、好ましくは、他の促進剤と一緒に使用される場合、硬化促進剤の総量の少なくとも50重量%を構成する。
硬化性樹脂組成物に使用するための触媒は、カチオン重合開始剤であり得る。カチオン重合開始剤は、加熱によって、カチオン重合を開始する物質を放出する開始剤である。
例示的なカチオン重合開始剤には、アリールジアゾニウム塩、アリールヨードニウム塩、アリールスルホニウム塩、及びブロックト酸が含まれる。具体的な例としては、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート;4-ヒドロキシフェニル)メチル(1-ナフチルメチル)スルホニウム、ヘキサフルオロアンチモネート;4-ヒドロキシフェニル)メチル(2-メチルベンジル)スルホニウム、ヘキサフルオロアンチモネート;ベンジル(4-ヒドロキシフェニル)メチルスルホニウム、ヘキサフルオロアンチモネート;及びベンジル(4-ヒドロキシ-フェニル)スルホニウム、ヘキサフルオロアンチモネート;アンモニウムヘキサフルオロアンチモネート;並びにトリフル酸のアンモニウム塩が挙げられる。
選択される場合、カチオン触媒は、成分AとBとの総量の100重量部当たり、0.01~15重量部、又は0.05~12重量部、又は0.1~10重量部の量で存在し得る。或いは、カチオン触媒の量は、硬化性樹脂組成物の総重量を基準として0.1~2重量%の範囲にあり得る。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂と反応するためのアミン系硬化剤には、高温(例えば、150°F(65℃)よりも上の温度)で活性化される、潜在的アミン硬化剤が含まれる。用語「アミン系」は、硬化剤に関連して、1つ以上のアミン基を硬化剤の化学式中に含有することを意味する。好適な潜在的アミン硬化剤の例としては、ジシアンジアミド(DICY)、グアナミン、グアニジン、アミノグアニジン、及びそれらの誘導体が挙げられる。アミン系硬化剤は、硬化性樹脂組成物の総重量を基準として1~5重量%の範囲内の量で存在し得る。硬化促進剤は、ポキシ樹脂とアミン系硬化剤との間の硬化反応を促進するために潜在的アミン硬化剤と組み合わせて使用され得る。好適な促進剤には、イミダゾール、ジヒドラジド、及び脂肪族ポリアミンが含まれる。そのような硬化促進剤は、硬化性樹脂組成物の総重量を基準として、0.5~8重量%の範囲内の量で存在し得る。
潜在的アミン硬化剤用の好適な硬化促進剤には、アルキル及びアリール置換尿素(芳香族又は脂環式ジメチル尿素など)、及びトルエンジアミン又はメチレンジアニリンをベースとするビス尿素が含まれる。ビス尿素の一例は、ジシアンジアミド用の好適な促進剤である、4,4’-メチレンビス(フェニルジメチル尿素)(CVC ChemicalsからOmicure(登録商標)U-52又はCA 152として商業的に入手可能な)である。別の例は、2,4-トルエンビス(ジメチル尿素)(CVC ChemicalsからOmicure(登録商標)U-24又はCA 150として商業的に入手可能な)である。別の例は、Omicure(登録商標)U-35M/U-35、CVC Chemicalsから商業的に入手可能な、脂環式置換尿素である。更なる置換尿素の例は、A&C Catalystから商業的に入手可能な、N-3-(ジメチルアミノ)カルボニルアミノメチル-3,5,5-トリメチル-シクロヘキシル-N,N-ジメチル-尿素である、Technicure(登録商標)IPDU-8である。
好適な脂肪族ポリアミンには、Ancamine(登録商標)2014、Ancamine(登録商標)2337S(脂肪族アミンフェノール樹脂反応生成物)、Ancamine(登録商標)2441(脂環式アミン)が含まれ;好適なジヒドラジドには、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、イソフタル酸ジヒドラジド(IDH)、バリンジヒドラジド(VDH)が含まれ;好適なイミダゾール類には、2-メチルイミダゾールアジン及びTechnicure LC-80(カプセル化された変性イミダゾール)が含まれる。これらの促進剤は、DICYと組み合わせて使用する、又は単独で使用することができる。
セラミック微小球
セラミック微小球(成分D)は、硬化性樹脂組成物から形成される表面フィルムの表面平滑性を改善するために、そのような樹脂組成物に添加される。一実施形態において、不活性シリカ-アルミナセラミック材料から製造された中空のセラミック微小球が使用される。セラミック微小球は、60,000psi超の圧潰強さ、約3.7~4.6の誘電率、1000℃~1100℃(つまり1832°F~2012°F)の範囲の軟化点、及び0.1ミクロン~50ミクロン、又は1~50ミクロンの範囲の粒径を有し得る。そのような粒径は、走査電子顕微鏡法(SEM)によって測定することができる。セラミック微小球の高い軟化点は、それらが溶媒に対して非吸収性、難燃性、及び高度に耐薬品性であることを可能にする。約0.1~約20ミクロン、好ましくは約1~約15ミクロンの範囲の直径を有する微小球が特に好適であると分かった。本表面フィルム組成物に使用するのに特に好適である商業的に入手可能なセラミック微小球の例は、商品名Zeeospheres(登録商標)、例えば、G-200、G210及びW-200でZeelan Industries,Inc.によって販売されている。これらは、厚壁の、無臭の、及び色が淡灰色の中空シリカ-アルミナ球である。特定の実施形態において、セラミック微小球の量は、硬化性樹脂組成物の総重量を基準として、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%である。いくつかの実施形態において、セラミック微小球の量は、硬化性樹脂組成物の総重量を基準として、10~30重量%の範囲内にあり得る。
フロー制御剤
無機粒子、例えば粉末)の形態のフロー制御剤(成分E)が、樹脂組成物のフローを制御するために、及びそこでの凝集を防ぐために、硬化性樹脂組成物に添加される。硬化性樹脂組成物に使用され得る好適な無機充填材には、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、アルミナ、及びシリカが含まれる。一実施形態において、疎水性ヒュームドシリカ(例えばCab-O-Sil TS-720)が無機充填材として使用される。無機充填材の量は、硬化性樹脂組成物の総重量を基準として1~8重量%の範囲内にあり得る。
顔料及び染料
色を樹脂系にもたらすための顔料及び/又は染料が、硬化性樹脂組成物に添加され得る。例としては、赤色酸化鉄、グリーンクロム、カーボンブラック、及び酸化チタンが挙げられるが、それらに限定されない。好ましい実施形態において、酸化チタン(TiO)白色顔料が硬化性樹脂組成物に添加される。二酸化チタンは、2つの結晶構造-アナターゼ型及びルチル型-で商業的に入手可能である。ルチルTiO顔料が、アナターゼ顔料よりも光を効率的に散乱させる、安定であり、且つ耐久性があるので好ましい。それらの中で、DuPont(現在Chemours)製のTi-Pure TS-6200、又はR-902+、又はR-706顔料などの、直径が0.2~0.3ミクロンの粒径のルチルTiOが最も好ましい。別の実施形態において、カーボンブラック顔料が添加される。
追加の強化剤
上記のエポキシ-アミン付加体に加えて、1種以上の第2の強化剤が、ここに開示される硬化性組成物の靱性性能を最大限にするために相乗的に働くように硬化性樹脂組成物に添加され得る。追加の強化剤は、(i)ポリビニルアセタール樹脂(PVB);(ii)ポリビニルホルマール樹脂;(iii)ポリエーテルスルホン(PES)とポリエーテルエーテルスルホン(PEES)との熱可塑性コポリマー;及び(iv)コア-シェルゴム(CSR)粒子;並びにそれらの組合せから選択される。
好適なポリビニルアセタール樹脂には、30,000~45,000の範囲の数平均分子量(Mn)を有するビニルブチラールアセタールポリマー(PVB)が含まれる。Mnは、ポリスチレン分子量標準を使用するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
好適なポリビニルホルマール樹脂には、44,000~134,000の範囲のMnを有するVinylec(ポリビニルホルマール)又はVinylec-C(ポリビニルホルマール-co-アクリル酸)ポリマーが含まれる。
追加の強化剤の量は、硬化性樹脂組成物の総重量を基準として約1~15重量%の範囲にあり得る。
PESとPEESとのコポリマーは、米国特許第7084213号明細書(Cytec Technology Corp.に帰属する)に記載されるとおりでる。
コア-シェルゴム(CSR)粒子は、軟質コアが硬質シェルによって囲まれているコア-シェル粒子のいずれでもあり得る。好ましいCSR粒子は、ポリブタジエンゴムコア又はスチレン-ブタジエンゴムコアとポリアクリレートシェルとを有するものである。しかしながら、硬質コアが軟質シェルによって囲まれたCSR粒子もまた、使用され得る。CSR粒子は、液体エポキシ樹脂中に分散された25~40%のCSR粒子として供給され得る。300nm以下の粒径を有するCSR粒子が好ましい。そのような粒径は、走査型透過電子顕微鏡法(STEM)によって測定することができる。
ゴムコアとポリアクリレートシェルとを有するCSR粒子は、商品名Kane Ace(登録商標)MXでKaneka Texas Corporation(Houston,Tex.)から商業的に入手可能である。コア-シェルゴム粒子は、好適な液体エポキシ樹脂中の粒子の懸濁液として硬化性樹脂組成物に添加されることが好ましいが、必要とされない。Kane Ace(登録商標)MX 553及びMX 554は、脂環式エポキシ樹脂中の25~30重量%のコア-シェルゴム粒子の懸濁液であり、コア-シェルゴム粒子の好適な供給源である。Kane Ace(登録商標)MX 411は、MY 721エポキシ樹脂中の25重量%のコア-シェルゴム粒子の懸濁液であり、コア-シェルゴム粒子の好適な供給源である。D.E.R.(商標)331樹脂中に分散させられた25~37重量%の同じコア-シェルゴム粒子を含有する、Kane Ace(登録商標)MX 120、MX 125、又はMX 156もまた、コア-シェルゴム粒子の好適な供給源である。MX 257、MX 215及びMX 451などの、コア-シェルゴム粒子の他の好適な供給源もまた、使用され得る。コア-シェルゴム粒子の別の商業的供給源は、Dow Chemical Co.製のParaloid(商標)EXL-2691(約200nmの平均粒径のメタクリレート-ブタジエン-スチレンCSR粒子)である。
導電体
微粒子形態、例えば、粒子又はフレークの導電体がまた、硬化性樹脂組成物から形成される最終表面フィルムに導電性を付与するために硬化性樹脂組成物に添加され得る。導電体の量は、硬化性樹脂組成物の総重量を基準として、炭素系導電性粒子に関しては0.5~3重量%の範囲にあり得る、又は金属系導電性粒子に関しては35重量%超であり得る。
好適な導電体の例としては、銀、金、ニッケル、銅、アルミニウム、及びそれらの合金などの、フレーク又は粒子の形態での、金属が挙げられる。カーボンナノチューブ(単層ナノチューブ又は多層ナノチューブ)、炭素ナノ繊維、及びグラフェンフレークなどの、炭素系ナノサイズの材料もまた、導電性を樹脂フィルムに付与するための導電性構成成分として使用することができる。ナノ繊維は、70~200ナノメートルの範囲の直径及び約50~200ミクロンの長さを有し得る。ナノチューブは、約10ナノメートルの外径、約10,000ナノメートルの長さ、及び約1000のアスペクト比(L/D)を有し得る。
UV安定剤又は吸収剤
1種以上のUV安定剤又は吸収剤が、硬化性樹脂組成物に添加され得る。UV安定剤の総量は、樹脂組成物の総重量を基準として約0.5~5重量%の範囲にあり得る。
例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT);ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン;2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸、n-ヘキサデシルエステルなどのフェノール系酸化防止剤;2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジtertペンチルフェノール、及びメチル 1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケートなどの、液体ヒンダードアミン光安定剤(HALS)が挙げられる。デカン二酸、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニルエステル及び2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンもまた、好適なUV安定剤として使用され得る。
下の表1は、本開示の表面材を形成するための硬化性樹脂組成物の様々な実施形態を示す。量は、全体組成物の総重量を基準とする重量百分率〔重量%〕単位で示される。
表1Aは、表1に示される実施形態のそれぞれにおけるエポキシ-アミン付加体(成分B)を形成するための成分を示す。表1Aにおける実施形態は、表1における実施形態に対応する。表1Aに示される成分は、表1の硬化性樹脂組成物中へ組み込まれる前にエポキシ-アミン付加体を形成するために前もって反応させられる。量は、付加体用の全ての成分の総重量を基準とする重量百分率(重量%)単位で示される。
Figure 2023508392000016
Figure 2023508392000017
表面フィルム組成物の成分は、成分を混合する、加熱する、及び/又は冷却するために装備した混合容器に添加され得る。更に、1種以上の有機溶媒もまた、成分の混合を容易にするために、必要に応じて、混合物に添加され得る。表面フィルムは、その後、従来のフィルム形成プロセスを用いて表面フィルム組成物から形成される。
本明細書に開示される硬化性組成物から形成される樹脂層は、ホットメルトプロセス又は溶液プロセスによって調製され得る。ホットメルトプロセスに関しては、樹脂フィルムは、溶媒なしに硬化性樹脂組成物から形成される。溶液プロセスに関しては、コーティングに好適な作業可能な固形分、例えば、65%~85%、好ましくは、70%~80%を達成するために1種以上の溶媒が硬化性樹脂組成物に添加される。そのような溶媒の例としては、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジメチルアセトアミド、及びN-メチルピロリドンが挙げられ得るが、それらに限定されない。
表面材としての樹脂層の取扱いを容易にするために、樹脂層は、高圧下でキャリアを樹脂層へ圧入してキャリアを樹脂フィルム中へ埋め込むことによってキャリアと組み合わせられ得る。そのようなキャリアは、熱可塑性ポリマー繊維、ガラス繊維、若しくは炭素繊維又はそれらの組合せでできた不織ベール又は織布;ポリマー繊維から構成される編まれたベール又は布等から選択され得る。金属スクリーン又は箔の例としては、エキスパンド金属スクリーン又は箔、及び金属被覆ベールが挙げられ得る。そのようなスクリーン及び箔は、銅、アルミニウム、銀、ニッケル、及びそれらの合金を含み得る。不織マット、織又は編バッキングの例としては、炭素マット、ポリマーマット、及び金属被覆された炭素、ガラス、又はポリマーガラスベールが挙げられ得る。不織マット、織又は編バッキングは、銅、アルミニウム、銀、ニッケル、及びそれらの合金でコートされ得る。
表面層として使用される樹脂層(キャリアあり又はなし)は、合計で約500gsm未満、例えば、約50gsm~約250gsm、又は50~200gsmの面積重量を有し得る。キャリアは、約5gsm~約20gsmの面積重量を有し得る。
上に議論されたように、表面材は、単一の樹脂層と、任意選択的に、その層中に埋め込まれたキャリアとからなり得る。他の実施形態において、表面材は、上に記載された硬化性樹脂組成物から形成された樹脂層と、導電層とを含む、多層構造物である。そのような導電層が表面材へ組み込まれる場合、落雷保護(LSP)を達成することができる。導電層は、約102μm未満、いくつかの実施形態において、約5μm~約75μm、又は10μm~40μm、又は16μm~38μmの範囲の厚さを持った金属又は非金属導電体の無孔の連続層であり得る。或いは、導電層は、多孔質層、例えば、金属スクリーン又は打ち抜き金属箔であり得る。そのような金属スクリーンは、約60gsm~約820gsm、又は60gsm~約350gsmの範囲内の面積重量を有し得る。導電層が打ち抜き金属箔である場合、それは、約10μm~約75μmの範囲内の厚さを有し得る。
導電層が金属層である場合、金属は、銅、アルミニウム、青銅、チタン、及びそれらの合金から選択され得る。導電層は、グラフェンシート及びカーボンナノチューブ(CNT)ペーパーなどの、シート形態の炭素などの固有の電気伝導性の非金属材料から形成され得る。CNTペーパーの具体的な例は、可撓性CNT Buckyペーパーである。
硬化性樹脂組成物は、従来のコーティング技法を用いて、それぞれ、二層又は三層構造物を形成するために導電層(例えば、固体金属箔)の一面又は両面に塗布され得る。或いは、導電性表面材は、あらかじめ作られた樹脂フィルムを導電層の一側面に積層して二層構造物を形成するか、又は2つのあらかじめ作られた樹脂フィルムを導電層の反対面上へ積層して三層構造物を形成することによって製造され得る。導電層はまた、硬化性樹脂組成物から形成された樹脂層中へ埋め込まれ得る。
図1は、プリプレグレイアップであり得る、複合基材20に積層された樹脂層10及び導電層11から構成される表面材を示す。図2は、プリプレグレイアップであり得る、複合基材20に積層された、導電層14がその中に埋め込まれた樹脂層13から構成される表面材を示す。
本明細書に開示される硬化性樹脂組成物から形成される樹脂層は、国際公開第2017/112766 A1号パンフレット(2017年6月29日に公開された)及び対応する米国特許出願第2018370083 A1号明細書(2018年12月27日に公開された)に開示されているような金型剥離性表面材を形成するような自己剥離性層と導電層とを含む多層表面材を形成するために使用され得る。本明細書に開示される表面材のUV安定な特徴は、ツール準備時間を著しく削減し、インモールドUV保護プライマーの使用を排除し、それによって製造速度を高め、且つ複合部品を製造するための製造コストを著しく下げることが期待される。
本明細書に開示される硬化性樹脂組成物から形成される樹脂層は、バリアフィルムを含む多層表面材を形成するために使用され得る。そのような多層表面材は、本明細書に開示される硬化性樹脂組成物から形成される、2つの樹脂フィルム間に挟まれたバリアフィルムから構成され得る。そのような多層表面材は、バリアフィルムに隣接した及び2つの樹脂フィルム間の導電層を更に含み得る。バリアフィルムは、国際公開第2017/095810号パンフレット(2017年6月8に公開された)に記載されているとおりである。
バリアフィルムは、液体に対して不透過性であるポリマー材料から形成される。ポリマー材料にとって好ましい特性には、例えば、ASTM D3418に従って10℃/分のランプ速度でDSCによって測定されるように、140℃~170℃、又は150℃~162℃内の高いTgが含まれる。別の好ましい特性は、ASTM D3418に従って10℃/分のランプ速度でDSCによって測定されるように10%~40%、又は20%~30%などの、3%~50%の結晶化度である。例として、バリアフィルムは、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミド-イミド、ポリエステル及びそれらの組合せから選択される熱可塑性材料製であり得る。いくつかの実施形態において、バリアフィルムの組成物は、ポリ(エーテルケトン)(「PEK」)、ポリ(エーテルエーテルケトン)(「PEEK」)、ポリ(エーテルケトンケトン)(「PEKK」)、ポリ(エーテルケトンエーテルケトンケトン)(「PEKEKK」)、ポリ(エーテルエーテルケトンエーテルエーテルケトン)(「PEEKEEK」)、ポリ(エーテルジフェニルケトン)(「PEDK」)、ポリ(エーテルジフェニルエーテルケトン)(「PEDEK」)、ポリ(エーテルジフェニルエーテルケトンケトン)(「PEDEKK」)、及びポリ(エーテルケトンエーテルナフタレン)(「PEKEN」)、及びそれらの組合せから選択されるPAEKポリマーを含有する。
そのような流体バリアフィルムを有する多層表面材は、多孔質コアを含有する複合サンドイッチパネルのために特に有用である。そのような複合サンドイッチパネルは、高い剛性対重量比及び強度対重量比のために、航空宇宙構造構成要素での広範な用途がある。複合サンドイッチパネルは、典型的には、オートクレーブ処理によってコアに接着剤で同時硬化した複合表皮を有する。コア材料は、軽量ハニカム、硬質フォーム、紙又は木材などの、様々な形態をとり得る。ハニカムコアを持った複合サンドイッチパネルの例示的な形状は、ハニカムコアに接着接合された第1のプリプレグ表皮及び第2のプリプレグ表皮、並びにプリプレグ表皮のそれぞれに積層された最も外側の表面材を含む。各プリプレグ表皮は、幾つかの硬化性プリプレグプライから構成され得る。最も外側の表面材は、バリアフィルムがその中に組み込まれた多層構造であり得る。
本明細書に開示される表面材は、150°F(65℃)よりも上の、より特に、120℃~185℃の範囲内の温度で繊維補強した、樹脂マトリックス複合基材と共に同時硬化するように設計される。繊維補強した、樹脂マトリックス複合基材は、マトリックス樹脂を含浸させた又はそれを注入された補強繊維から構成される。マトリックス樹脂は、エポキシ樹脂などの1種以上の熱硬化性樹脂を含み得る。複合基材は、プリプレグプライ又はプリプレグレイアップの形態にあり得る。プリプレグプライは、樹脂、例えばエポキシ樹脂を含浸させた布又は方向的に配列された、連続繊維の形態の補強繊維から構成される。方向的に配列された繊維は、一方向又は複数方向繊維であり得る。プリプレグレイアップは、積み重ね順序に配列された複数のプリプレグプライから構成される。一般に、未硬化表面材は、未硬化又は部分的に硬化した状態にある、繊維補強した、樹脂マトリックス複合基材上へ適用され、引き続き同時硬化させて、最も外側の層としてそれに接合した熱硬化した(硬化した)表面層を有する完全に硬化した複合構造物を形成し得る。ある実施形態において、表面材は、金型表面上へ適用され、次いで複数のプリプレグプライが、積み重ね配置の表面材上へレイドアップされる。ツール表面は、平面又は非平面(例えば、湾曲した表面又はいくつかの他の3次元形状)であり得る。或いは、プリプレグプライは、先ず金型表面上へレイアップされ、次いで表面材は、プリプレグレイアップ上へ適用される。次いで、熱及び圧力を加えて、選択された形状の、最終の、硬化した複合構造物へとプリプレグレイアップと表面材とを同時硬化させる。
本開示の表面材は、軽量である可撓性テープの形態にあり得;自動テープ敷設(ATL)又は自動繊維配置(AFP)などの自動配置プロセスのために配置構成される。表面テープは、約0.125インチ~約12インチ(つまり約3.17mm~約305mm)の幅を有し得る。一実施形態において、表面テープは、約0.25インチ~約0.50インチ(つまり約6.35mm~約12.77mm)などの、約0.125インチ~約1.5インチ(つまり約3.17mm~約38.1mm)の幅を有する。別の実施形態において、表面テープは、約6インチ~約12インチ(つまり約152mm~約305mm)の幅を有する。テープの長さは連続しているか又はその幅に対して非常に長く、例えば、その幅の少なくとも10倍、より特に、その幅の100~100,000倍である。連続形態において、表面テープは、自動プロセスでのその適用前に貯蔵のためにロールに巻き上げることができる。
連続表面テープは、連続した、樹脂含浸プリプレグテープを自動的に敷設して複合構造物を形成するATL/AFPプロセスに組み込まれ得る。各プリプレグテープは、一方向補強繊維、例えば硬化性樹脂マトリックス、例えばエポキシ系マトリックス中に埋め込まれている、炭素繊維から構成される。表面テープがそのような自動配置プロセスにおいて使用される場合、表面テープは、先ず金型表面上へ敷設される。テープは、所望の幅及び長さの表面層を生み出すためにサイド-バイ-サイドで分配される。その後、個別のプリプレグテープが表面層上へ敷設され、次いで、所望の厚さのプリプレグレイアップを提供するために追加の層が先行層上へ構築される。後続のテープは、先行テープに対して異なる角度で配向され得る。全てのテープは、配置中に各テープを分配し、固定し、切断し、及び再始動させるために1つ以上の数値的に制御された配置ヘッドを用いて、高速度で敷設される。そのようなATL/AFPプロセスは、航空機の胴体部分又は翼表皮などの、大きな複合航空宇宙構造物の製造のために慣例的に用いられている。この自動配置プロセスは、大きな表面フィルムを既存のプリプレグレイアップ上へ手作業で適用する慣例的な方法において典型的である中間処理工程のいくつかを排除する。
以下の実施例は、本開示に従って形成される表面フィルムの特定の実施形態を与えるのに役立つが、決して本開示の範囲を限定することを意図しない。
8つの表面フィルムを、表2~9に示される処方をベースとして調製した。比較のために、比較表面フィルムを、表11に示される処方に従って調製した。
実施例1
表面フィルムを形成するための硬化性樹脂組成物を、表2に従って調製した。8.8g(グラム)の3’,4’-エポキシシクロヘキサン)メチル 3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレートを、20.6gのポリ[(2-オキシラニル)-1,2-シクロヘキサンジオール] 2-エチル-2 (ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールエーテル及び8.8gのポリテトラヒドロフランアミン(エラストマー)と150℃で1時間反応させることによってエポキシ-アミン付加体(B)を調製した。
成分を混合容器へ添加し、高速せん断実験室用ミキサーを用いて成分を混合することによって、各エポキシ-アミン付加体を調製した。エポキシ樹脂及びアミン化合物を混合容器に添加し、指定された付加体反応温度までせん断混合(1000~3000rpm)下に混合物を徐々に加熱し、明記された期間反応温度に保持した。保持時間後に、反応生成物を約30℃~40℃に冷却し、次いでエポキシ-アミン付加体を、表2の硬化性組成物を調製するのに更に使用するために排出させた。
Figure 2023508392000018
表面フィルムは、表2に開示される成分を混合容器へ添加し、高速せん断実験室用ミキサーを用いて成分を混合することによって調製した。エポキシ樹脂(A)及びエポキシ-アミン付加体(B)を先ず添加した。必要に応じて、メチルエチルケトン(MEK)溶媒を、上記のミックスの粘度を制御するために約80重量%固形分まで添加した。組成物の温度は、混合の間中約70℃よりも下に保った。
表面フィルムを形成するために、調製された組成物をひずませ、脱気し、樹脂フィルムとして堆積させた。ひずませは、濾過媒体(ナイロンメッシュスクリーン)によって行った。脱気は、組成物の固形分が約80重量%であるように行った。ひずませ、且つ脱気した組成物を、次いでフィルムコーターによって約50~200gsmのフィルム重量を有するフィルムとしてコートし、次いで2重量%未満の揮発性物質を達成するために乾燥させた。キャリア(10~20gsmの面積重量のガラス又はポリエステル型キャリア)を、軽い圧力下で樹脂フィルムへ圧入してキャリアをフィルムに埋め込んだ。
実施例2
表面層を形成するための硬化性樹脂組成物を、表3に従って調製した。9.6gのエポキシ化水素化ビスフェノールAを、22.5gのポリ[(2-オキシラニル)-1,2-シクロヘキサンジオール] 2-エチル-2 (ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールエーテル及び9.6gのポリテトラヒドロフランアミン(エラストマー)と135℃で1.5時間反応させることによってエポキシ-アミン付加体(B)を調製した。エポキシ-アミン付加体は、実施例1においてエポキシ-アミン付加体に関して記載されたのと同じ手順で調製した。
Figure 2023508392000019
キャリアがその中に埋め込まれた、及び約150gsmの面積重量を有する硬化性表面フィルムを、実施例1に記載されたように表3の樹脂組成物から形成した。使用されたキャリアは、10gsmのガラススクリムであった。
実施例3
表面層を形成するための硬化性樹脂組成物を表4に従って調製した。8.6gのエポキシ化水素化ビスフェノールAを、19.9gのポリ[(2-オキシラニル)-1,2-シクロヘキサンジオール] 2-エチル-2 (ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールエーテル及び8.6gのポリテトラヒドロフランアミン(エラストマー)と135℃で1.5時間反応させることによってエポキシ-アミン付加体(B)を調製した。エポキシ-アミン付加体は、実施例1に記載されたのと同じ手順で調製した。
Figure 2023508392000020
キャリアがその中に埋め込まれた、及び約150gsmの面積重量を有する硬化性表面フィルムを、実施例1に記載されたように表4の樹脂組成物から形成した。使用されたキャリアは、10gsmのガラススクリムであった。
実施例4
表面層を形成するための硬化性樹脂組成物を表5に従って調製した。8.8gのエポキシ化水素化ビスフェノールAを、20.5gのポリ[(2-オキシラニル)-1,2-シクロヘキサンジオール] 2-エチル-2 (ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールエーテル及び8.8gのポリテトラヒドロフランアミン(エラストマー)と135℃で1.5時間反応させることによってエポキシ-アミン付加体(B)を調製した。エポキシ-アミン付加体を形成するための手順は、実施例1に記載されたのと同じものであった。
Figure 2023508392000021
キャリアがその中に埋め込まれた、及び約150gsmの面積重量を有する硬化性表面フィルムを、実施例1に記載されたような方法を用いて表5の樹脂組成物から形成した。使用されたキャリアは、10gsmのガラススクリムであった。
実施例5
表面層を形成するための硬化性樹脂組成物を表6に従って調製した。8.8gの3’,4’-エポキシシクロヘキシル)-3,4-エポキシシクロヘキサン)を、20.6gのポリ[(2-オキシラニル)-1,2-シクロヘキサンジオール] 2-エチル-2 (ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールエーテル及び8.8gのポリテトラヒドロフランアミン(アミン末端エラストマー)と150℃で1時間反応させることによってエポキシ-アミン付加体(B)を調製した。
Figure 2023508392000022
キャリアがその中に埋め込まれた、及び約150gsmの面積重量を有する硬化性表面フィルムを、実施例1に記載されたような方法を用いて表6の樹脂組成物から形成した。使用されたキャリアは、10gsmのガラススクリムであった。
実施例6
表面層を形成するための硬化性樹脂組成物を表7に従って調製した。5.0gの(3’,4’-エポキシシクロヘキサン)メチル 3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレートを、4.9gの(3’,4’-エポキシシクロヘキシル)-3,4-エポキシシクロヘキサン 23.2gのポリ[(2-オキシラニル)-1,2-シクロヘキサンジオール] 2-エチル-2 (ヒドロキシ-メチル)-1,3-プロパンジオールエーテル及び9.9gのポリテトラヒドロフランアミン(エラストマー)と150℃で1時間反応させることによってエポキシ-アミン付加体(B)を調製した。
Figure 2023508392000023
キャリアがその中に埋め込まれた、及び約150gsmの面積重量を有する硬化性表面フィルムを、実施例1に記載されたような方法を用いて表7の樹脂組成物から形成した。使用されたキャリアは、10gsmのガラススクリムであった。
実施例7
表面層を形成するための硬化性樹脂組成物を表8に従って調製した。8.8gの(3’,4’-エポキシシクロヘキサン)メチル 3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート)を、20.6gのポリ[(2-オキシラニル)-1,2-シクロヘキサンジオール] 2-エチル-2 (ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールエーテル及び8.8gのポリテトラヒドロフランアミン(アミン末端エラストマー)と150℃で1時間反応させることによってエポキシ-アミン付加体(B)を調製した。
Figure 2023508392000024
キャリアがその中に埋め込まれた、及び約150gsmの面積重量を有する硬化性表面フィルムを、実施例1に記載されたような方法を用いて表8の樹脂組成物から形成した。使用されたキャリアは、10gsmのガラススクリムであった。
実施例8
表面層を形成するための硬化性樹脂組成物を表9に従って調製した。9.7gのエポキシ化水素化ビスフェノールAを、22.6gのポリ[(2-オキシラニル)-1,2-シクロヘキサンジオール] 2-エチル-2 (ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールエーテル及び9.7gのポリテトラヒドロフランアミン(エラストマー)と135℃で1.5時間反応させることによってエポキシ-アミン付加体(B)を調製した。
Figure 2023508392000025
キャリアがその中に埋め込まれた、及び約150gsmの面積重量を有する硬化性表面フィルムを、実施例1に記載されたような方法を用いて表9の樹脂組成物から形成した。使用されたキャリアは、10gsmのガラススクリムであった。
表面フィルムの評価
実施例1~8に従って製造された表面材を使用して試験パネルを調製した。各試験パネルは、表面材をツール上に置き、引き続きプリプレグレイアップを形成するためのプリプレグプライ(Cytec Industries Inc.製のCYCOM 5276-1、炭素繊維/エポキシ系プリプレグ)をレイアップすることによって製造された複合パネルである。プリプレグレイアップを次いで、オートクレーブ中で80psi下に温度約177℃で2時間硬化させた。
硬化後に、表面フィルムで表面仕上げされた複合パネルを、表面外観欠陥(ピット、ピンホール)に関して検査した。次いで、複合パネルを、そのTg、UV安定性(UV暴露下の色ずれ)、耐塗料剥離剤性、UV暴露あり又はなしの乾湿塗料接着性に関して評価した。
表10は、試験パネルに関する表面特性及び試験結果を示す。試験パネル番号は、実施例番号に対応する。
Figure 2023508392000026
表面フィルム実施例は全て、単独で試験された場合に、長期間(>7+日)のUV照射後に最小限の目立った色変化(ΔE*<1)で優れたUV安定性を示している。硬化性UV安定性表面フィルムで表面仕上げされた試験パネルのほとんどはまた、200℃超のTと共に良好な耐塗料剥離剤性を示した。
硬化した表面フィルムのガラス転移温度(Tg)は、30℃~300℃温度範囲内で10℃/分のランプで窒素下に、変調DSC(TA 2910)か、又は熱機械分析計(TMA 2940、TA Instruments)かのどちらかを用いることによって測定した。
UV安定性試験
表面フィルムで表面仕上げされた複合パネル(0.15mm厚さの、3インチ×6インチ検体サイズの形態での)の耐UV性つまりUV安定性は、ASTM G154に従って測定した。ASTM G154は、表面を蛍光UV光源下で暴露することによるコーティングフィルムのUV安定性の促進耐候性試験のための標準試験方法を意味する。硬化した試験パネルを、様々な期間1.55W/m2においてUVAランプ(340nm波長)で照射した。UV試験のために用いた機器は、QUV促進耐候性試験装置である。
硬化性組成物フィルムありの各試験パネル表面を調製し、明記されるQUV試験条件に暴露した。試験パネルを定期的に取り出してその色変化を試験した。試験パネルの色変化(CIELAB ΔE*)は、X-Rite SP 62 Spectrophotometerによって測定した。UV暴露前後の色差(ΔE*)を測定し、報告した。色差が小さければ小さいほど、試験パネルのUV安定性はより大きい。2.5未満の色差(ΔE*)は、良好なUV安定性でほとんど目立たない色変化と考えられる。
耐塗料剥離剤性試験
未塗装の、表面仕上げ複合パネル(2インチ×2インチ検体サイズ、0.15mm厚さの)の耐塗料剥離剤性は、航空宇宙複合構造物塗料剥離プロセスのために使用されるベンジルアルコール系塗料剥離剤溶液(McGeanから入手可能なCee Bee 2012A又はHenkelから入手可能なTurco 1270-6)の浸漬期間(周囲室温で168時間まで)にわたる塗料剥離剤流体吸収及び表面鉛筆硬度変化を測定することによって評価した。各試験パネルの重量を、24時間、48時間及び168時間(7日)までの間隔で塗料剥離剤浸漬の前後に測定した。試験されるパネルの塗料剥離剤流体吸収(重量%単位で表される、浸漬時間にわたる重量変化)を、168時間(7日)浸漬まで同じ試験間隔で測定した。
各未塗装試験パネルの表面を、周囲室温で168時間までベンジルアルコール系塗料剥離剤溶液中に浸漬し、次いでASTM D3363に従って浸漬期間中の鉛筆硬度変化に関して試験した。ASTM D3363は、基材上のきれいな、有色素有機コーティングフィルムの表面硬度を測定するための標準試験方法を意味する。鉛筆硬度スケールは、以下のとおりである:6B(最も柔らかい)、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7H、8H、9H(最も硬い)。試験パネルの鉛筆硬度は、24時間、48時間及び168時間(7日)までの間隔で塗料剥離剤への浸漬前後に測定した。24時間浸漬時に2Hレベル超変化する鉛筆硬度は、良好な耐塗料剥離剤性を有するとは考えられない。
UV暴露あり又はなしの乾湿塗料接着性
塗装前にUV暴露あり又はなしの、表面フィルムで表面仕上げされた、塗装複合パネル(3インチ×6インチ検体サイズの形態での、0.15mm厚さの)の乾湿スクライブ塗料接着性は、ASTM D3359に従って測定した。ASTM D3359は、フィルム中に作られた感圧テープオーバーカットを適用する及び除去することによる基材へのコーティングフィルムの表面接着性を評価するための標準試験方法(クロスハッチスクライブテープ試験)を意味する。硬化した試験パネルを、AATCC Test Method 16、Option 3に従ってゼロ(UVなし)、200kJ/m又は1000kJ/m紫外(UV-A)放射線に暴露した。UV試験のために用いた機器は、Atlas CI3000 FadeoMeterなどの、Xeno Weather-o-メーターである。各試験パネル表面を準備し(研摩あり及びなしで、きれいにし)、航空宇宙塗装において使用される外部装飾塗料コーティング(エポキシ塗料プライマー、引き続くポリウレタン系トップコート)を塗布した。その後、ドライ塗料接着試験を、ASTM D3359に従って行った。ウェット塗料接着を行うために、UV暴露した試験パネルを塗装し、次いで脱イオン水中に75°Fで7日間浸漬した。ウェット塗料接着試験を、次いでASTM D3359に従って行った。
実施例9(比較)
比較のために、表面フィルムを、表11に示される処方に基づいて調製した。量は、重量百分率(重量%)単位である。
Figure 2023508392000027
表11の組成物に基づく表面フィルムを、実施例1に記載されたのと類似の手順で調製した。複合試験パネルを、表11の比較表面フィルムを使用して調製した。前に記載された試験手順を用いて、そのTg、UV安定性、耐塗料剥離剤性、及び塗料接着性を測定するために硬化した試験パネルを試験した。比較試験結果を表12に示す。
Figure 2023508392000028
表12から理解できるように、芳香族エポキシ系表面フィルムは、UV暴露下で著しい色変化を示し、その高いUV感受性を示し、耐UV性ではない。

Claims (46)

  1. (A)1分子当たり2つ以上のエポキシ基をそれぞれ有する、1種以上の脂環式エポキシ樹脂と;
    (B)1分子当たり2つ以上のエポキシ基を有する、及び(i)1分子当たり2つ以上の脂環式エポキシ基を有するエポキシ化合物と(ii)1分子当たり2つ以上のアミノ基を有するアミン化合物との反応によって得られるエポキシ-アミン付加体と;
    (C)硬化剤及び/又は触媒と;
    (D)セラミック微小球と;
    (E)セラミック微小球ではない、無機粒子の形態でのフロー制御剤と
    を含む硬化性樹脂組成物から形成される少なくとも1つの樹脂層を含む表面材。
  2. 前記硬化性樹脂組成物は、
    (F)金属酸化物及びカーボンブラック、好ましくは、白色酸化チタン(TiO)から選択される無機顔料
    を更に含む、請求項1に記載の表面材。
  3. 前記硬化性樹脂組成物は、
    (G)エポキシ-アミン付加体ではなく、熱可塑性ポリマー、弾性ポリマー、及びコア-シェルゴム(CSR)粒子から選択される強化剤を
    更に含む、請求項1又は2に記載の表面材。
  4. 前記1種以上の脂環式エポキシ樹脂は、以下の一般式I:
    Figure 2023508392000029
    (式中、Xは、単結合又は結合基を表し;前記結合基は、二価炭化水素基、カルボニル基(-CO-)、エーテル結合(-O-)、エステル結合(-COO-)、アミド結合(-CONH-)、カーボネート結合(-OCOO-)、及び互いに結合した前記基の2つ以上を含有する基から選択される)
    で表される、請求項1~3のいずれか一項に記載の表面材。
  5. 前記二価炭化水素基は、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、エチレン、プロピレン、及びトリメチレン基などの、1~18個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖アルキレン基;並びに1,2-シクロペンチレン、1,3-シクロペンチレン、シクロペンチリデン、1,2-シクロヘキシレン、1,3-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレン、及びシクロヘキシリデン基などの、二価脂環式炭化水素基から選択される、請求項4に記載の表面材。
  6. 前記1種以上の脂環式エポキシ樹脂は、以下の化学構造:
    Figure 2023508392000030
    (式中、nは、1~30の整数である)
    Figure 2023508392000031
    (式中、a、b、c、d、e、fは、0~30の整数を独立して意味する)
    を有するポリエポキシドから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の表面材。
  7. 前記1種以上の脂環式エポキシ樹脂は、以下の化学構造:
    Figure 2023508392000032
    (式中、Rは、そこからqの数の-OHを取り除くことを除けば、q価(q価)アルコールR-(OH)qに相当する基を表し;pは、1~50の整数であり;qは、1~10の整数である)
    を有するポリエポキシドから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の表面材。
  8. 前記1種以上の脂環式エポキシ樹脂は、Brookfield Viscometerによって測定されるように、25℃で2500mPa・s以下、好ましくは25℃で500mPa・s以下の粘度を有するシクロアルキレングリコールジグリシジルエーテルから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の表面材。
  9. 前記1種以上の脂環式エポキシ樹脂は、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル;シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテル;ポリ[(2-オキシラニル)-1,2-シクロヘキサンジオール] 2-エチル-2 (ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールエーテル;3’,4’-エポキシシクロヘキサン)メチル 3,4-エポキシ-シクロヘキシルカルボキシレート;3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;3’,4’-エポキシシクロヘキシル)-3,4-エポキシシクロヘキサン;及びヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の表面材。
  10. 前記エポキシ-アミン付加体は、1分子当たり2~10、又は2~4のエポキシ基を有し、前記エポキシ基は、前記エポキシ-アミン付加体の分子鎖末端に配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の表面材。
  11. 前記エポキシ-アミン付加体は、式II:
    Figure 2023508392000033
    (式中、Xは、各出現において、単結合及び少なくとも1個の原子を有する二価基から独立して選択され;Rは、各結合サイトにおいて炭素原子を有する二価有機基であり;nは、1以上の整数である)
    で表される、請求項1~10のいずれか一項に記載の表面材。
  12. 前記エポキシ-アミン付加体は、脂環式エポキシ化合物と、ポリプロピレングリコール130ビス(2-アミノプロピルエーテル;トリエチレングリコールジアミン;
    トリメチロールプロパンポリオキシプロピレントリアミン、及びポリ(オキシ-1,4-ブタンジイル)、アルファ-(4-アミノ-ブチル)-オメガ-(4-アミノブトキシ)から選択されるアミンとの反応生成物である、請求項1~11のいずれか一項に記載の表面材。
  13. 前記硬化剤及び/又は触媒(C)は、
    (i)アミン含有化合物;
    (ii)ルイス酸-アミン錯体;
    (iii)酸無水物;及び
    (iv)カチオン触媒(又はカチオン重合開始剤)
    から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の表面材。
  14. 前記アミン含有化合物は、ジシアンジアミド(DICY)、グアナミン、グアニジン、アミノグアニジン、及びそれらの誘導体から選択される、請求項13に記載の表面材。
  15. 前記硬化性樹脂組成物は、イミダゾール、ジヒドラジド、脂肪族ポリアミン、アルキル及びアリール置換尿素(芳香族又は脂環式ジメチル尿素などの)、及びビス尿素から選択される硬化促進剤を更に含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の表面材。
  16. 前記ルイス酸-アミン錯体は、BF・n-ヘキシルアミン、BF・モノエチルアミン、BF・ベンジルアミン、BF・ジエチルアミン、BF・ピペリジン、BF・トリエチルアミン、BF・アニリン、BF・n-ヘキシルアミン、BF・モノエチルアミン、BF・ベンジルアミン、BF・ジエチルアミン、BF・ピペリジン、BF・トリエチルアミン、BF・アニリン、PF・エチルアミン、PF・イソプロピルアミン、PF・ブチルアミン、PF・ラウリルアミン、PF・ベンジルアミン、及びAsPF・ラウリルアミンから選択される、請求項13~15のいずれか一項に記載の表面材。
  17. 前記酸無水物は、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、メチル-エンドメチレン-テトラヒドロフタル酸無水物、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナド酸無水物、カルブ酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、及びそれらの混合物から選択される、請求項13~16のいずれか一項に記載の表面材。
  18. 前記酸無水物は、ジアザビシクロウンデセン、リン化合物、第三級及び第四級アミンから選択される硬化促進剤と組み合わせて使用される、請求項17に記載の表面材。
  19. 前記カチオン触媒(又はカチオン重合開始剤)は、アリールジアゾニウム塩、アリールヨードニウム塩、アリールスルホニウム塩、及びブロックト酸から選択される、請求項13~18のいずれか一項に記載の表面材。
  20. 前記カチオン触媒(カチオン重合開始剤)は、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート;4-ヒドロキシ-フェニル)メチル(1-ナフチルメチル)スルホニウム、ヘキサフルオロアンチモネート;4-ヒドロキシフェニル)-メチル(2-メチルベンジル)スルホニウム、ヘキサフルオロアンチモネート;ベンジル(4-ヒドロキシフェニル)-メチルスルホニウム、ヘキサフルオロアンチモネート;ベンジル(4-ヒドロキシフェニル)スルホニウム、ヘキサフルオロアンチモネート;アンモニウムヘキサフルオロアンチモネート);及びトリフル酸のアンモニウム塩から選択される、請求項19に記載の表面材。
  21. 前記硬化性樹脂組成物は、いかなる芳香族エポキシ樹脂も含有しない、請求項1~20のいずれか一項に記載の表面材。
  22. 組み合わせられた成分A及びBは、前記硬化性樹脂組成物の総重量を基準として重量で40%超を構成する、請求項1~21のいずれか一項に記載の表面材。
  23. 成分Aは、組み合わせられたAとBとの100重量部当たり、5~80重量部、又は10~75重量部、又は20~65重量部の量で存在する、請求項1~22のいずれか一項に記載の表面材。
  24. 前記セラミック微小球(D)は、前記硬化性樹脂組成物の総重量を基準として、少なくとも10重量%の、好ましくは10~30重量%の範囲の量で存在する、請求項1~23のいずれか1項に記載の表面材。
  25. 前記フロー制御剤(E)は、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、アルミナ、及びシリカから選択される、請求項1~24のいずれか一項に記載の表面材。
  26. 前記フロー制御剤は、前記硬化性樹脂組成物の総重量を基準として1~8重量%の範囲内の量で存在する、請求項25に記載の表面材。
  27. 前記無機顔料(F)は、前記硬化性樹脂組成物の総重量を基準として、5~30重量%の範囲の量で存在する、請求項2~26のいずれか一項に記載の表面材。
  28. 前記強化剤(G)は、(i)ポリビニルアセタール樹脂(PVB);(ii)ポリビニルホルマール樹脂;(iii)ポリエーテルスルホン(PES)及びポリエーテルエーテルスルホン(PEES)の熱可塑性コポリマー;並びに(iv)コア-シェルゴム(CSR)粒子から選択される、請求項3~27のいずれか一項に記載の表面材。
  29. 前記強化剤(G)は、前記硬化性樹脂組成物の総重量を基準として、1~15重量%の範囲の量で存在する、請求項3~28のいずれか一項に記載の表面材。
  30. 前記硬化性樹脂組成物は、微粒子形態の導電体、好ましくは、金属フレーク若しくは粒子、炭素粒子又はカーボンナノチューブを更に含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の表面材。
  31. 前記硬化性樹脂組成物は、1種以上のUV安定剤又は吸収剤を更に含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の表面材。
  32. 前記UV安定剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT);ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン;2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ安息香酸;n-ヘキサデシルエステル;2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジtertペンチルフェノール、メチル 1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケート;デカン二酸;ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニルエステル;及び2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンから選択される、請求項31に記載の表面材。
  33. 前記樹脂層は、50~200gsmの範囲の面積重量を有する、請求項1~32のいずれか一項に記載の表面材。
  34. 前記樹脂層は、キャリアがその中に埋め込まれており、前記キャリアは、ガラス繊維、ポリマー繊維、炭素繊維又はそれらの組合せを含む不織ベール又は織布;及びポリマー繊維を含む編まれたベール又は布から選択される、請求項1~33のいずれか一項に記載の表面材。
  35. 前記樹脂層に隣接した又は前記樹脂層に埋め込まれた導電層を更に含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の表面材。
  36. 前記導電層は、金属の無孔の、連続層;多孔質金属スクリーン;打ち抜き金属箔;及び炭素のシートから選択される、請求項35に記載の表面材。
  37. 熱可塑性材料から形成されたバリアフィルムを更に含む、請求項1~36のいずれか一項に記載の表面材であって、好ましくは、前記熱可塑性材料が、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミド-イミド、ポリエステル及びそれらの組合せから選択される表面材。
  38. 前記硬化性樹脂組成物から形成された2つの樹脂層と、前記樹脂層の間のバリアフィルムとを含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の表面材であって、
    前記バリアフィルムが、熱可塑性材料から形成され、好ましくは、前記熱可塑性材料がポリアリールエーテルケトン(PAEK)ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミド-イミド、ポリエステル及びそれらの組合せから選択される表面材。
  39. 前記2つの樹脂層の間に導電層を更に含む、請求項38に記載の表面材であって、好ましくは、前記導電層が、金属の無孔の、連続層;多孔質金属スクリーン;打ち抜き金属箔;及び炭素のシートから選択される表面材。
  40. 自動配置に好適である連続の又は細長いテープの形態にある、請求項1~39のいずれか一項に記載の表面材。
  41. 前記テープは、約0.125インチ~約12インチ(つまり約3.17mm~約305mm)の範囲の幅及びその幅の少なくとも10倍の長さを有する、請求項40に記載の表面材。
  42. 補強繊維及び硬化性マトリックス樹脂を含む複合基材と、
    前記複合基材の表面上へ適用された請求項1~41のいずれか一項に記載の表面材と
    を含む複合構造物。
  43. 積み重ね配列で配列された複数のプリプレグプライを含むプリプレグレイアップであって、各プリプレグプライが、硬化性マトリックス樹脂を含浸させた又はその樹脂中に埋め込まれた補強繊維を含むプリプレグレイアップと;
    前記プリプレグレイアップの表面上へ適用された請求項1~41のいずれか一項に記載の表面材と
    を含む複合構造物。
  44. 請求項1~41のいずれか一項に記載の表面材を金型表面上に置く工程と;
    複数のプリプレグプライのプリプレグレイアップを前記表面材上に形成する工程であって、各プリプレグプライが、硬化性マトリックス樹脂を含浸させた又はその樹脂中に埋め込まれた補強繊維を含む工程と;
    硬化した複合構造物を形成するために前記表面材と前記プリプレグレイアップとを同時硬化させる工程と;
    前記硬化した複合構造物を前記金型表面から取り外す工程と
    を含む複合構造物の形成方法。
  45. 複数のプリプレグプライのプリプレグレイアップを金型表面上に形成する工程であって、各プリプレグプライが、硬化性マトリックス樹脂を含浸させた又はその樹脂中に埋め込まれた補強繊維を含む工程と;
    請求項1~41のいずれか一項に記載の表面材を前記プリプレグレイアップ上に置く工程と;
    硬化した複合構造物を形成するために前記表面材と前記プリプレグレイアップとを同時硬化させる工程と;
    前記硬化した複合構造物を前記金型表面から取り外す工程と
    を含む複合構造物の形成方法。
  46. 同時硬化は、150°F(65℃)よりも上の、好ましくは120℃~185℃の範囲の温度で実施される、請求項44又は45に記載の方法。
JP2022538906A 2019-12-27 2020-12-23 複合部品用の耐uv性表面材 Pending JP2023508392A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201962954361P 2019-12-27 2019-12-27
US62/954,361 2019-12-27
PCT/US2020/066941 WO2021133972A1 (en) 2019-12-27 2020-12-23 Uv resistant surfacing materials for composite parts

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023508392A true JP2023508392A (ja) 2023-03-02

Family

ID=74186987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022538906A Pending JP2023508392A (ja) 2019-12-27 2020-12-23 複合部品用の耐uv性表面材

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20230091593A1 (ja)
EP (1) EP4081597B1 (ja)
JP (1) JP2023508392A (ja)
BR (1) BR112022012649A2 (ja)
ES (1) ES2967228T3 (ja)
WO (1) WO2021133972A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023153387A1 (ja) * 2022-02-08 2023-08-17 三井化学株式会社 重合性組成物、封止材、画像表示装置および画像表示装置の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0020620D0 (en) 2000-08-22 2000-10-11 Cytec Tech Corp Compostions adapted for chain linking
ES2811230T3 (es) * 2006-04-25 2021-03-11 Cytec Tech Corp Composición de película de revestimiento pigmentada resistente a los rayos UV y a la abrasión de un solo componente para preimpregnados, y método para su preparación
CA3006559A1 (en) 2015-11-30 2017-06-08 Cytec Industries Inc. Surfacing materials for composite structures
KR20180096687A (ko) 2015-12-22 2018-08-29 사이텍 인더스트리스 인코포레이티드 복합 부품용 몰드 이형성 표면 재료

Also Published As

Publication number Publication date
ES2967228T3 (es) 2024-04-29
EP4081597B1 (en) 2023-10-11
EP4081597A1 (en) 2022-11-02
BR112022012649A2 (pt) 2022-09-06
US20230091593A1 (en) 2023-03-23
WO2021133972A1 (en) 2021-07-01
CN114901752A (zh) 2022-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7254883B2 (ja) 複合構造物のための表面材
US10256618B2 (en) Conductive surfacing material for composite structures
KR101984198B1 (ko) 복합 구조용 표면 피막 및 그 피막의 제조 방법
AU2021201875A1 (en) Mold-releasable surfacing materials for composite parts
US20200316823A1 (en) Self-releasing, uv blocking surfacing materials for composite parts
US11590742B2 (en) UV protective surfacing materials for composite parts
EP4081597B1 (en) Uv resistant surfacing materials for composite parts
CN114901752B (zh) 用于复合零件的抗uv性表面材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231121