JP2023506600A - ツマジロクサヨトウのスポドプテラ・フルギペルダの新たな性フェロモン成分 - Google Patents

ツマジロクサヨトウのスポドプテラ・フルギペルダの新たな性フェロモン成分 Download PDF

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Abstract

雄の農業害虫、具体的にはスポドプテラ種(例えばツマジロクサヨトウ)を誘引及び/又はトラップする為の組成物が記載される。組成物は2つの活性成分を含み、1つはC7-C11アルデヒドを含み、1つはC12-C16アルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコールを含む。農業害虫を誘引及び/又はトラップする為のデバイス、並びに農業害虫の集団をコントロールする方法もまた記載される。

Description

関連特許出願の相互参照
本願は2020年3月6日出願の米国仮出願第62/986,419号の利益を主張する。此れの開示は其の全体が参照に依って本明細書に組み込まれる。
本開示の主題は、雄の農業害虫、具体的には雄のスポドプテラ種の害虫、例えばツマジロクサヨトウ(スポドプテラ・フルギペルダ)を誘引する為の組成物、デバイス、及び方法に関する。組成物は、C7-C11アルデヒドを含む第1の成分とC12-C16アルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコールを含む第2の成分とを包含する。
略語
% = パーセンテージ
℃ = セルシウス度
μg = マイクログラム
μL = マイクロリットル
Ald = アルデヒド
cm = センチメートル
EAD = 触角電図検出器
FAW = ツマジロクサヨトウ
GC = ガスクロマトグラフィー
GLM = 一般化線形モデル
I.D. = 内径
m = メートル
mg = ミリグラム
min = 分
mL = ミリリットル
mm = ミリメートル
MS = 質量分析
ng = ナノグラム
OAc = 酢酸
O.D. = 外径
psi = ポンド毎平方インチ
PTFE = ポリテトラフルオロエチレン
s = 秒
SE = 標準誤差
wt = 重量
ツマジロクサヨトウ(FAW)スポドプテラ・フルギペルダは350よりも多くの植物種の葉、茎幹、花、及び果実を食する世界的な害虫である。其れは有意な損害を栽培イネ科植物、例えばトウモロコシ、米、モロコシ、サトウキビ、及び小麦;種々の野菜作物;並びに綿に引き起こす。南米でエンデミックなFAWは数十年前に北米に侵入し、過去3~5年に、アフリカ、イエメン、インド亜大陸、バングラデシュ、タイ、ミャンマー、スリランカの殆どに於いて、並びに最も最近では中国及びオーストラリアに於いて定着して来ており、壊滅的な作物損失を引き起こしている。FAWはアフリカではトウモロコシ収量の>70%損失を引き起こし、経済的損失の数百万USドルと食糧安全保障に対する主要な挑戦とをもたらし得る。国際当局(例えば国際連合食糧農業機関(FAO))はFAWのコントロールを国際的な優先事項と見做している。何故なら、特に、其のより最近の侵入生息地では、其れは1シーズンに於いて数世代を生じ得、蓋然的にはエンデミックになるであろうからである。
フェロモンルアーは種々の企業に依って国際的に製造及び供給されている。然し乍ら、FAWの為の現行で利用可能なルアーは限定されたトラップの成功を有し、FAWの様に見える非標的昆虫をもまた誘引し得る。
従って、FAW等のスポドプテラ種の害虫を誘引する、且つ斯かる害虫の集団をコントロールする為の追加の組成物、デバイス、及び方法を提供する現下の必要がある。
此の概要は、本開示の主題の幾つかの実施形態を列記し、多くのケースでは此れ等の実施形態の変形及び並べ替えを列記する。此の概要は数々の且つ様々な実施形態を単に例示している。所与の実施形態の1つ以上の代表的な特徴の言及は同様に例示的である。斯かる実施形態は典型的には言及される特徴(単数又は複数)ありで又はなしで存在し得る;同様に、此の概要に於いて列記されるか否かに拘らず、其れ等の特徴は本開示の主題の他の実施形態に適用され得る。過剰な繰り返しを回避する為に、此の概要は斯かる特徴の全ての可能な組み合わせを列記又は示唆する訳ではない。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題は、スポドプテラ種の雄の農業害虫を誘引する為の組成物を提供し、前記の組成物は:(a)少なくとも1つのC7-C11アルデヒドを含む第1の活性成分と;(b)少なくとも1つのC12-C16アルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコールを含む第2の活性成分とを含む。幾つかの実施形態に於いて、農業害虫はスポドプテラ・フルギペルダである。
幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分はノナナールを含むか又は其れから成る。幾つかの実施形態に於いて、第2の活性成分はC12酢酸エステル及び/又はC14酢酸エステル及び/又はC16酢酸エステルを含み、任意に、前記のC12酢酸エステル及び/又はC14酢酸エステル及び/又はC16酢酸エステルはアルケン基を含む。幾つかの実施形態に於いて、第2の活性成分は酢酸(Z)-9-テトラデセニル(Z9-14:OAc)、酢酸(Z)-7-ドデセニル(Z7-12:OAc)、(Z)-9-ドデセニル酢酸エステル(Z9-12:OAc)、酢酸(Z)-11-ヘキサデセニル(Z11-16:OAc)、又は其れ等の組み合わせを含み;任意に、第2の活性成分はZ9-14:OAc、Z7-12:OAc、Z9-12:OAc、及びZ11-16:OAcの少なくとも2つを含み;更に任意に、第2の活性成分は、酢酸(Z)-10-テトラデセニル(Z10-14:OAc)、酢酸テトラデシル(14:OAc)、酢酸(Z)-11-テトラデセニル(Z11-14:OAc)、酢酸(E)-7-ドデセニル(E7-12:OAc)、酢酸ドデシル(12:OAc)、酢酸(Z)-11-ドデセニル(Z11-12:OAc)、(Z)-9-テトラデセナール(Z9-14:Ald)、及び(Z)-11-ヘキサデセナール(Z11-16:Ald)を含む群から選択される1つ以上の追加の成分を更に含む。
幾つかの実施形態に於いて、第1及び第2の活性成分の1つ又は両方は徐放製剤に製剤され、任意に、前記の第1の活性成分は油中に製剤される。幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分はノナナールを含み、第2の活性成分はZ9-14:OAcを含み;ノナナールはZ9-14:OAcの重量と比較して約0.10重量%から約50重量%の範囲である量で存在する。幾つかの実施形態に於いて、ノナナールはZ9-14:OAcの重量と比較して約1重量%で存在する。
幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分及び第2の活性成分は別個に製剤される。幾つかの実施形態に於いて、組成物は殺害虫剤、遅効性の殺虫剤、又は生物学的薬剤を更に含み、任意に、前記の生物学的薬剤は細菌、真菌、ウイルス、及び線虫から選択され、任意に、前記の殺害虫剤は即効性の殺虫剤である。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題はスポドプテラ種の雄の農業害虫を誘引する方法を提供し、方法は1つ以上のベイト剤又はルアーを提供する事を含み、前記の1つ以上のベイト剤又はルアーは、(a)少なくとも1つのC7-C11アルデヒドを含む第1の活性成分と;(b)少なくとも1つのC12-C16アルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコールを含む第2の活性成分とを併せて含む。幾つかの実施形態に於いて、農業害虫はスポドプテラ・フルギペルダである。
幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分はノナナールを含むか又は其れから成る。幾つかの実施形態に於いて、第2の活性成分はC12酢酸エステル及び/又はC14酢酸エステル及び/又はC16酢酸エステルを含み、任意に、前記のC12酢酸エステル及び/又は前記のC14酢酸エステル及び/又は前記のC16酢酸エステルはアルケン基を含む。幾つかの実施形態に於いては、第2の活性成分はZ9-14:OAc、Z7-12:OAc、Z9-12:OAc、Z11-16:OAc、又は其れ等の組み合わせを含み;任意に、第2の活性成分はZ9-14:OAc、Z7-12:OAc、Z9-12:OAc、及びZ11-16:OAcの少なくとも2つを含み;更に任意に、第2の活性成分は、Z10-14:OAc、14:OAc、Z11-14:OAc、E7-12:OAc、12:OAc、Z11-12:OAc、Z9-14:Ald、及びZ11-16:Aldを含む群から選択される1つ以上の追加の成分を更に含む。
幾つかの実施形態に於いて、第1及び第2の活性成分の1つ又は両方は徐放製剤に製剤され、任意に、第1の成分は油中に製剤される。幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分はノナナールを含み、第2の活性成分はZ9-14:OAcを含み;ノナナールは、Z9-14:OAcの重量と比較して約0.10重量%から約50重量%の範囲である量で存在する。幾つかの実施形態に於いて、ノナナールはZ9-14:OAcの重量と比較して約1重量%で存在する。
幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分及び第2の活性成分は別個に製剤され、任意に、第1の活性成分は第2の活性成分とは別個のディスペンサーに依って提供される。幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分は油中に製剤され、第1のディスペンサーに依って提供され、第2の活性成分は第2のディスペンサーに依って提供され、任意に、前記の第2のディスペンサーはゴムを含む。
幾つかの実施形態に於いて、1つ以上のベイト剤又はルアーは、1つ以上の害虫をトラップする為のハウジングと結び付けて提供され、方法は、ハウジング内にスポドプテラ種の1つ以上の雄の農業害虫を収集する事を更に含む。幾つかの実施形態に於いて、方法は、ハウジングにトラップされた害虫数を分析する事に基づいて害虫集団サイズを推定する事を更に含む。幾つかの実施形態に於いて、方法は、トラップされた雄の害虫を前記のハウジングに留める事又は前記のトラップされた害虫を別のハウジングに移す事を更に含み、其れに依って、雄の害虫をトータルの害虫集団から取り除く事及び交尾に利用可能な雄の害虫数を縮減する事に依って害虫集団をコントロールする。
幾つかの実施形態に於いて、方法は、誘引された任意にトラップされた雄の害虫を遅効性の殺虫剤又は生物学的コントロール薬剤に依って処置する事と;処置された雄の害虫を放虫する事とに依って、害虫集団をコントロールする事を更に含み、処置された雄の害虫は、遅効性の殺虫剤又は生物学的コントロール薬剤を交尾に依って雌の害虫に移す。幾つかの実施形態に於いて、方法は、1つ以上のベイト剤又はルアーの複数を選ばれた場所に提供する事に依って害虫集団をコントロールする事を更に含み、其れに依って、場所に第1及び第2の成分を充満させて、雄の農業害虫を混乱させ、前記の雄の農業害虫が相手を見つける事をより困難にする。幾つかの実施形態に於いて、方法は、誘引された任意にトラップされた雄の害虫を殺害虫剤、任意に即効性の殺虫剤に依って処置する事に依って、害虫集団をコントロールする事を更に含む。幾つかの実施形態に於いて、方法は、入国ポートに於いて又は其の近くで、任意に、港、空港、若しくは道路、及び/又は電車の国境検問所の輸入コンテナに於いて又は其の近くで行われて、前記の害虫の存在又は不在を検出する。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題は、スポドプテラ種の雄の農業害虫を誘引及び捕捉する為の多成分デバイスを提供し、デバイスは:(a)少なくとも1つのC7-C11アルデヒドを含む第1の活性成分と;(b)少なくとも1つのC12-C16アルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコールを含む第2の活性成分と;(c)前記の雄の農業害虫が入る為の1つ以上の開口部を含むハウジングと(任意に、前記のハウジングは、固定された位置にデバイスをマウントする様に構成されたマウントを更に含む);(d)1つ以上のディスペンサーとを含み、第1の活性成分(a)は前記の1つ以上のディスペンサーの少なくとも1つに組み込まれ、第2の活性成分(b)は前記の1つ以上のディスペンサーの少なくとも1つに組み込まれる。幾つかの実施形態に於いて、前記の1つ以上のディスペンサーの少なくとも1つは、ポリマー、ガラス、ゴム、エラストマー、セルロース、木材、及びフェルトを含む群から選択される化学的に中性の材料から作られる。幾つかの実施形態に於いて、ハウジングは、粘着剤を含むインサートを更に含み、此れが前記の害虫に粘着して、前記の害虫をハウジングから脱出しないようにし得る。幾つかの実施形態に於いて、デバイスは(e)殺除剤、遅効性の殺虫剤、又は生物学的薬剤を含む更なる活性な薬剤を更に含み、任意に、前記の生物学的薬剤は、細菌、ウイルス、真菌、及び線虫を含む群から選択される。
従って、雄のFAW(即ち、スポドプテラ・フルギペルダ種の雄の農業害虫)及び/又は他のスポドプテラ種の雄を誘引する為の組成物を提供する事と、関係する方法及びデバイスを提供する事とが本開示の主題の目的である。此の及び他の目的は、全部が又は部分が本開示の主題に依って達成される。更に、本開示の主題の目的が上で申し立てられたが、本開示の主題の他の目的及び利点は、次の記載、図、及び例の研究の後に当業者には明らかになって来るであろう。
此処で、付随する図面の参照が為される。此れ等は必ずしも縮尺に合わせて描かれてはいない。
図1は、雌の性フェロモン腺抽出物に対する雄のスポドプテラ・フルギペルダの触角の電気生理学的応答を示す一連のクロマトグラム及びグラフである。(I)は混じり気のないヘキサンのクロマトグラムであり、(II)は其々の電気生理学的応答のグラフである。(III)は1匹の雌当量の腺抽出物のクロマトグラムであり、(IV)は其々の電気生理学的応答のグラフである。ノナナールのピーク及び電気生理学的応答が(III)及び(IV)の点線で指示されている。フェロモン主成分の酢酸(Z)-9-テトラデセニル(Z9-14:OAc)もまた指示されている。触角の応答はガスクロマトグラフィー-触角電図検出器(GC-EAD)の記録のメジアンに依って表されている(N=3)。 図2は、オルファクトメーターアッセイに於いて、異なる用量のノナナールに依る合成フェロモン製剤に対する雄のスポドプテラ・フルギペルダの行動応答(活性化、接近、及び接触)を示す一連のグラフである。バーは誘引された蛾の割合を表す(N=15)。5つのバーの各セットについて、左から右に、コントロール製剤(空白のバー)、商業的な製剤に似た酢酸(Z)-9-テトラデセニル(Z9-14:OAc)及び酢酸(Z)-7-ドデセニル(Z7-12:OAc)の2成分フェロモンブレンド(ライトグレーのバー)、0.05%ノナナールを更に包含する2成分フェロモンブレンド(ミディアムグレーのバー)、0.1%ノナナールを更に包含する2成分フェロモンブレンド(ダークグレーのバー)、及び1%ノナナールを更に包含する2成分フェロモンブレンド(黒色のバー)を用いた。雄のフェロモンに依って誘発される応答は、異なる濃度(100ナノグラム(ng)のZ9-14:OAcに対して相対的に0.05、0.1、及び1%)のノナナールに依って増強された。 図3は、フェロモンミックス及びノナナールに依るトラップに依って綿圃場に於いて1日当たりの捕獲された雄のS.フルギペルダ数のグラフである。ノナナールは酢酸(Z)-9-テトラデセニルの量(Z9-14:OAc(100マイクログラム(μg)))に対して相対的に追加された。Z9-14:OAc(100μg)、酢酸(Z)-7-ドデセニル(Z7-12:OAc;0.58μg)、及び1%ノナナール(黒色)のフェロモンミックスに依るトラップは、捕獲された最も高い雄数を有し、次に、0.1%の追加されたノナナールに依るフェロモンミックス(灰色)、フェロモンミックス単独(ライトグレー)、及びコントロールに依るトラップであった。処置当たり3つのトラップが6日間調べられた。バーは平均の捕獲を表す(±標準誤差(SE))。異なる文字は有意に異なる捕獲を意味する(ポアソンGLM、p<0.05、N=6)。 図4は、ノナナール、2成分フェロモンミックス、又はノナナール及び2成分フェロモンミックスの組み合わせに依るトラップに依って綿圃場に於いて1日当たりの捕獲された雄のS.フルギペルダ数のグラフである。ノナナールは酢酸(Z)-9-テトラデセニルの量(Z9-14:OAc(1ミリグラム(mg)))に対して相対的に追加された。フェロモンミックス及び1%ノナナールに依るトラップは、捕獲された最も高い雄数を有した。ノナナール単独に依る処置(1%及び4%)は何れかの雄を捕獲しなかった。処置当たり3つのトラップが9日間調べられた。バーは平均の捕獲を表す(±標準誤差(SE))。異なる文字は有意に異なるトラップ捕獲を意味する(ポアソンGLM、p<0.05、N=7~9)。 図5A及び5Bは、商業的なサプライヤーA(セントリー・バイオロジカルズ(Scentry Biologicals)、ビリングス、モンタナ、米国)(図5A);及び商業的なサプライヤーB(トレセ・インコーポレーテッド(Trece Incorporated)、アデア、オクラホマ、米国)(図5B)からの商業的なフェロモンルアーに依るトラップに依って、ノナナール(20マイクログラム(μg))あり又はなしで、モロコシ圃場に於いて1日当たりの捕獲された雄のS.フルギペルダ数を示す一対のグラフである。フェロモンルアーへのノナナールの追加(灰色のバー)は、商業的なルアー単独と比較して捕獲された雄数を有意に増大させた。処置当たり4つのトラップが4日間調べられた。バーは平均の捕獲を表す(±標準誤差(SE))。異なる文字は有意に異なる捕獲を意味する(ポアソンGLM、p<0.05、N=4)。 図6は、商業的なフェロモンルアー(セントリー・バイオロジカルズ(Scentry Biologicals)、ビリングス、モンタナ、米国)及びノナナールに依るトラップに依って、モロコシ圃場に於いて、1日当たりの捕獲された雄のS.フルギペルダ数を示すグラフである。ノナナール(20マイクログラム(μg))がルアーとの組み合わせで試験された。フェロモンルアーへのノナナールの追加(灰色の又は黒色のバー)は、商業的なルアー単独と比較して捕獲された雄数を有意に増大させた。処置当たり4つのトラップが5日間調べられた。バーは平均の捕獲を表す(±標準誤差(SE))。異なる文字は有意に異なる捕獲を意味する(ポアソンGLM、p<0.05、N=5)。
FAWは圃場作物を損害する事が報告されている:アルファルファ、大麦、ギョウギシバ、ソバ、綿、クローバー、トウモロコシ、オートムギ、キビ、ピーナッツ、米、ライグラス、モロコシ、テンサイ、スーダングラス、大豆、サトウキビ、チモシー、タバコ、及び小麦、スイートコーン、リンゴ、葡萄、オレンジ、パパイヤ、桃、苺、並びに幾つもの花を包含する。FAWフェロモンの先に同定された成分は、一般的に、12、14、及び16炭素の酢酸エステル及びアルデヒド、例えば酢酸(Z)-9-テトラデセニル(Z9-14:OAc)、(Z)-9-テトラデセナール(Z9-14:Ald)、酢酸テトラデシル(14:OAc)、酢酸(Z)-10-テトラデセニル(Z10-14:OAc)、酢酸(Z)-11-テトラデセナール(Z11-14:OAc)、酢酸(Z)-7-ドデセニル(Z7-12:OAc)、酢酸(E)-7-ドデセニル(E7-12:OAc)、酢酸(Z)-9-ドデセニル(Z9-12:OAc)、酢酸ドデシル(12:OAc)、酢酸(Z)-11-ドデセニル(Z11-12:OAc)、酢酸(Z)-11-ヘキサデセニル(Z11-16:OAc)、及び(Z)-11-ヘキサデセナール(Z11-16:Ald)を包含する。此れ等の及び他の公知のFAWフェロモン成分は例えばフェロベース(Pherobase):フェロモン及びセミオケミカルデータベース(此れはフェロベースコム(pherobase.com)に於いてオンラインでアクセスされ得る)に記載されている。対応する第一級アルコールもまたスポドプテラ性フェロモンの成分であり得る。例えば、C12-C16第一級アルコール、例えば一価不飽和C12-C16第一級アルコール、例えば(Z)-7-ドデセン-1-オール、(Z)-9-テトラデセン-1-オール、及び(Z)-11-ヘキサデセン-1-オールが、幾つかのスポドプテラ種に於けるフェロモン成分として同定されている。何れか1つの理論に拘束される事なしに、此れ等の第一級アルコールは蓋然的には酢酸エステルフェロモン成分の生合成前駆体である。其れ故に、今日迄、其れ等はFAWのフェロモン成分として同定されてはいないが、其れ等がFAWのフェロモン腺に於いて生起するという事は可能である。
商業的なFAWルアー製剤は、典型的には、此れ等の成分の2つ、即ちZ9-14:OAc及びZ7-12:OAcと、他の成分の1つ以上、最も普通にはZ9-12:OAc及びZ11-16:OAcとを包含する。本開示の主題に従って、雌のFAWはノナナール(9炭素アルデヒド;9:Ald)をもまた生産するという事と、先に同定された性フェロモン成分にノナナールを追加する事はトラップ捕獲を有意に増大させ得るという事とが見出された。現行では、公知のフェロモン成分はノナナールなしの商業的なルアーに製剤される。本明細書に記載される通り、商業的なルアーとのノナナールの組み合わせ及び公知のフェロモン成分の混合物とのノナナールの組み合わせが研究された。
此処で、本開示の主題がより詳しく記載される。然し乍ら、本開示の主題は異なる形態で実施され得、下で本明細書に於いて及び付随する例に於いて提出される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。寧ろ、此れ等の実施形態は、本開示が徹底的且つ完全であり、実施形態の範囲を当業者に詳しく伝えるであろう様に提供される。
全ての特許、特許出願、及び其れ等の公報、並びに科学雑誌記事を包含するが、此れ等に限定されない本明細書に列記される全ての参照は、其れ等が本明細書に於いて採用される方法論、技術、及び/又は組成物を補足、説明し、其の背景を提供、又は教示する程度に、其れ等の全体が参照に依って本明細書に組み込まれる。
I.定義
本明細書に於いて用いられる全ての技術及び科学用語は、下で別様に定義されない限り、当業者に依って普通に理解される同じ意味を有する事が意図される。本明細書に於いて採用される技術を言う事は、当分野に於いて普通に理解される技術を言う事が意図され、其れ等の技術の変形、又は当業者には明らかであろう同等の技術の代用を包含する。次の用語は当業者には良く理解されていると考えられるが、次の定義は、本開示の主題の説明を容易にする為に提出される。
特定の化学官能基及び化学用語の定義は、当業者に依って理解されるであろう物である。本開示の目的の為には、化学元素は元素の周期表,CAS版,化学・物理学ハンドブック(Handbook of Chemistry and Physics),第75版,中表紙に従って同定され、特定の官能基は一般的に其れに記載される通り定義される。加えて、有機化学の一般的原理、並びに特定の官能部分及び反応性は、トーマス・N・ソレル(Thomas N. Sorrell)著(2006年)有機化学(Organic Chemistry),第2版,ユニバーシティ・サイエンス・ブックス(University Science Books),サウスオレンジ,ニュージャージー;スミス(Smith)&マーチ(March)著(2001年)有機化学(March’s Advanced Organic Chemistry)第5版,ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インク(John Wiley & Sons, Inc.),ニューヨーク;ラロック(Larock)著(1989年)有機変換ガイド(Comprehensive Organic Transformations),VCHパブリッシャーズ・インク(VCH Publishers, Inc.),ニューヨーク;カラザース(Carruthers)著(1987年)最新有機合成法(Some Modern Methods of Organic Synthesis),第3版、ケンブリッジ大学出版局,ケンブリッジ,1987年に記載されている;此れ等の其々の内容全体は参照に依って本明細書に組み込まれる。
本明細書及び添付の請求項に於いて用いられる単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明瞭に別様に命じない限り、複数のリファレントを包含する。例えば、フェロモン成分は1つ以上のフェロモン成分を言う。従って、用語「a」、「an」、「1つ以上」及び「少なくとも1つ」は交換可能に用いられ得る。
用語「及び/又は」は、2つ以上の項目又は条件を記載する事に用いられる時に、全ての名指しされた項目若しくは条件が存在するか若しくは適用可能である状態を、又は項目若しくは条件の1つのみ(又は全てよりも少し)が存在するか若しくは適用可能である状態を言う。
請求項に於ける用語「又は」の使用は、選択肢のみを言う事を明白に指示されないか又は選択肢が相互に排他的でない限り、「及び/又は」を意味する事が意図されるが、本開示は選択肢のみ及び「及び/又は」を言う定義を支持する。本明細書に於いて用いられる「別の」は、少なくとも第2の物又はより多くを意味し得る。
「包含する」、「含有する」、又は「特徴とする」と同義的である用語「含む」は、包含的又は開放的であり、追加の記載されていない要素又は方法ステップを排除しない。「含む」は請求項の文言に用いられる専門用語であり、此れは、名指しされた要素が必須であるが、他の要素が追加され得、依然として請求項の範囲内の構成物を形成し得るという事を意味する。
本明細書に於いて用いられる言い回し「から成る」は、請求項で規定されていない何れかの要素、ステップ、又は構成成分を排除する。言い回し「から成る」が前提部の直後よりも寧ろ請求項の本体部の節に現れる時には、其れは其の節で提出される要素のみを限定する;他の要素は全部としての請求項からは排除されない。
本明細書に於いて用いられる言い回し「から本質的に成る」は、請求項の範囲を、規定された材料又はステップ、プラス請求される主題の基本的な且つ新規の特徴(単数又は複数)に実質的には影響しない物に限定する。
用語「含む」、「から成る」、及び「から本質的に成る」について、此れ等の3つの用語の1つが本明細書に於いて用いられる所では、本開示の且つ請求される主題は、他の2つの用語の何方かの使用を包含し得る。
別様に指示されない限り、本明細書及び請求項に於いて用いられる濃度、体積、重量、長さ、幅、直径、厚さ、温度、酵素活性、pH、時間、質量比等の数量を表現する全ての数は、全ての場合に用語「約」に依って修飾されていると理解されるべきである。従って、逆に指示されない限り、本明細書及び添付の請求項に於いて提出される数的パラメータは、本開示の主題に依って得られる事を求められる所望の特性に依存して変わり得る概算である。
値を言う時に本明細書に於いて用いられる用語「約」は、規定された量からの1つの例では±20%又は±10%、別の例では±5%、別の例では±1%、依然として別の例では±0.1%のばらつきを、斯かるばらつきが開示される方法を行なう為に適当である様に包摂する事を意味する。
エンドポイントに依って本明細書に記載される数的範囲は、其の範囲内に含められる全ての数及び小数を包含する(例えば、1から5は1、1.5、2、2.75、3、3.90、4、4.24、及び5を包含する)。類似に、エンドポイントに依って本明細書に記載される数的範囲は、其の範囲内に含められる部分範囲を包含する(例えば、1から5は1~1.5、1.5~2、2~2.75、2.75~3、3~3.90、3.90~4、4~4.24、4.24~5、2~5、3~5、1~4、及び2~4を包含する)。
本明細書に於いて用いられる用語「任意の」及び「任意に」は、爾後に記載される事象、状況、要素、及び/又は方法ステップが生起及び/又は存在し得るか或いはせずにあり得るという事と、記載が前記の事象、状況、要素、又は方法ステップが生起及び/又は存在する場合並びに其れがしない場合を包含するという事とを指示する。
用語「ポリマー」及び「ポリマー系」は、繰り返し単位(即ち、所与の部分化学構造の複数コピー)を有する化学構造を言う。本明細書に於いて用いられるポリマーは、幾つかの実施形態に於いては、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10よりも多くの繰り返し単位を有する構造を、及び/又は繰り返し単位がメチレン以外である構造を言い得る。ポリマーは重合可能なモノマーから形成され得る。重合可能なモノマーは、反応して他の分子との結合を形成し得る1つ以上の反応性部分(例えばシロキシエーテル、ヒドロキシル、アミン、ビニル系基(即ち、炭素-炭素二重結合)、ハロゲン化物(即ち、Cl、Br、F、及びI)、エステル、カルボン酸、活性化エステル、及び同類)を含む分子である。一般的に、各重合可能なモノマー分子は2つ以上の他の分子に結合し得る。幾つかのケースでは、重合可能なモノマーは、1つの他の分子にのみ結合し、ポリマー系材料の末端を形成するであろう。幾つかのポリマーは、其れ等が生体条件下で経時的に分解し得る様に、生分解性の連結部分、例えばエステル又はアミドを含有する。
本明細書に於いて用いられる用語「フェロモン」、「性フェロモン」、「フェロモン化合物」、「フェロモン成分」、及び同類は、反対の性の昆虫(例えば雄の昆虫)を誘引する交尾の時に又は先行して昆虫(例えば雌の昆虫)に依って生産及び放出される揮発性の種内特異的なシグナル分子を言い得る。
幾つかの実施形態に於いて、化学的な化合物(例えばフェロモン化合物)は、本明細書に於いては、化合物に又は化合物の主炭素鎖に存在する炭素原子数に依って言われる。例えば、C12-C16アルデヒドは12、13、14、15、又は16炭素原子鎖を含有する化合物であり、炭素原子鎖の炭素原子の1つはアルデヒド基(即ち、式-C(=O)-Hを有する基)の炭素原子である。幾つかの実施形態に於いて、アルデヒド基の炭素原子は炭素原子鎖の端部にある。類似に、C7-C11アルデヒドは其々7、8、9、10、又は11炭素原子鎖を含有する化合物であり、鎖の炭素原子の1つはアルデヒド基の炭素原子である。
C12-C16アセテート(又は酢酸エステル)は、12、13、14、15、又は16個の炭素原子を含む炭素原子鎖を含む化合物であり、炭素原子の1つは酸素原子に依って置換され(即ち、其れに共有結合され)、此れがアセチル基(即ち、-C(=O)CH3基)にもまた取り付けられ、其れに依って式RO-C(=O)CH3のエステルを形成し、RはC12-C16炭素原子鎖である。幾つかの実施形態に於いて、アセチル基に共有結合した酸素原子は炭素原子鎖の1つの端部の炭素原子に取り付けられる。幾つかの実施形態に於いて、アセチル基は、類似のアシル基、例えば-C(=O)-CH2CH3、-C(=O)CH(CH3)2、又は-C(=O)CH2CH2CH3に依って置き換えられ得る。
C12-C16第一級アルコールは、12、13、14、15、又は16個の炭素原子を含む炭素原子鎖を含む化合物であり、炭素原子の1つは第一級アルコール基(即ち、-CH2OH基)の炭素原子である。其れ故に、C12-C16第一級アルコールは、(Z)-7-ドデセン-1-オール、(Z)-9-テトラデセン-1-オール、及び(Z)-11-ヘキサデセン-1-オールを包含するが、此れ等に限定されない。
本明細書に記載されるアルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコールの炭素原子鎖は、完全飽和であり得るか、又は1つ以上の不飽和部位(即ち、1つ以上のアルケン又はアルキン基)を有し得る。幾つかの実施形態に於いて、本明細書に記載されるアルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコールは1つ以上の(例えば1つの又は2つの)アルケン基を包含し得る。酢酸エステル、アルデヒド、及び第一級アルコールの炭素原子鎖は直鎖又は分枝であり得る。幾つかの実施形態に於いて、本明細書に記載されるアルデヒド及び/又は酢酸エステル及び/又は第一級アルコールは直鎖化合物である。
本明細書に記載されるフェロモンは、IUPAC命名法又は種々の略称及び派生語を用いて言われ得る。例えば、(Z)-ヘキサデカ-11-エン-1-アールは、Z-11-ヘキサデセン-1-アール、Z-11-ヘキサデセナール、又はZ-x-y:Aldともまた書かれ得、xは二重結合の位置を表し、yは炭化水素骨格の炭素数を表す。炭化水素骨格上の官能基を同定する為の本明細書に於いて用いられる且つ当業者に公知の略称は、アルデヒドを指示する「Ald」、アルコールを指示する「OH」、及びアセチルを指示する「Ac」を包含する。又、鎖の炭素数は、書かれた名称を用いるよりも寧ろ数字を用いて指示され得る。其れ故に、本明細書に於いて用いられる16個の炭素から構成される不飽和炭素鎖は、ヘキサデセン又は16と書かれ得る。
本明細書に於いて用いられる用語「異性体」は、別の分子と同じ化学式を有するが異なる化学構造を有する分子を言う。詰まり、異性体は各元素の同じ数の原子を含有するが、其れ等の原子の異なる配置を有する。異性体は「構造(structural)異性体」及び「立体異性体」を包含する。「構造異性体」(「構造(constitutional)異性体」ともまた言われる)では、原子は異なる結合の配列を有する。構造異性体は異なるIUPAC名称を有し、炭化水素鎖が可変的な量の分枝を有する骨格異性体、及び鎖上の官能基の位置を扱う位置異性体;並びに分子式は同じであるが官能基が異なる官能基異性を包含し得る。用語「位置異性体」は、第2の化合物と同じ炭素骨格及び官能基を有するが、炭素骨格上の又は中の官能基の場所が異なる第1の化合物を言う。立体異性体では、結合構造は同じであるが、空間に於ける原子及び官能基の幾何的な位置付けが異なる。異性体の此のクラスは、互いの重ね合わせ不可能な鏡像である異性体であるエナンチオマー、及び鏡像ではない立体異性体であるジアステレオマーを包含する。幾何異性体又はシス/トランス異性体は、異なる立体化学的な方向性を結合に於いて有するジアステレオマーである。幾何異性体のサブセットであるE/Z異性体は、異なる幾何配置を二重結合に於いて有する異性体である。別の型の異性体の配座異性体(コンフォーマー)は、正に其の化合物に依存してロータマー、ジアステレオマー、又はエナンチオマーであり得る。
「有効量」は、所望の結果に影響する為に十分である組成物又は其の成分の量を意味する。有効量は1つ以上の投与に依って投与され得る。例えば、組成物の有効量は、所与の昆虫を所与の場所に誘引する為に十分であるフェロモン組成物の量を言い得る。幾つかの実施形態に於いて、組成物の有効量は、所与の用地に於ける目当ての具体的な昆虫集団の交尾を撹乱する為に十分である量を言い得る。
本明細書に於いて用いられる用語「害虫」及び「農業害虫」は、植物種、典型的には農作物に損害を引き起こす何れかのスポドプテラ種、例えばスポドプテラ・フルギペルダを言う。
本明細書に於いて用いられる用語「害虫コントロール薬剤」は、害虫集団をコントロールするか又はコントロールする事を助ける為に用いられ得る化合物、生物、又は他の薬剤を言う。害虫コントロール薬剤は、誘引物質、例えばフェロモン、並びに害虫を殺除し得る化学的及び生物学的薬剤、例えば化学殺虫剤、並びに殺虫剤微生物、例えば細菌(例えばバチルス・チューリンゲンシス)、ウイルス、真菌等を包含する。本明細書に於いて用いられる用語「殺除剤」は、害虫が薬剤を別の害虫に渡すには余りに速やかに害虫を殺除する薬剤(例えば化学殺虫剤)を言い得る。其れ故に、殺除剤は、即効性の殺虫剤、昆虫を数分又は数時間以内に殺除し得る化学薬剤を包含する。然し乍ら、殺除剤は毒性の化学物質に限定されない。其れ等は、昆虫を溺死、窒息死、又は感電死させる為に用いられ得る薬剤をもまた包含する。
本明細書に於いて用いられる用語「殺虫剤」は、昆虫又は昆虫害虫を殺除する何れかの化合物を言う。幾つかの実施形態に於いて、用語の殺虫剤は、昆虫を殺除するか又は昆虫に毒性である化学薬剤を言う。
本明細書に於いて用いられる用語「活性化合物」は、スポドプテラ種、任意にスポドプテラ・フルギペルダの性フェロモンを言う。活性化合物は、スポドプテラ種の1つの性別に依って(例えば雌のフェロモン腺に於いて)生産される化合物、又は1つ以上のスポドプテラ種の個体をまた誘引し得る構造的に其れに近縁の化合物であり得る。
用語「ルアー」は、誘引物質として作用する活性化合物を含む組成物を言う。
用語「ベイト剤」は、摂餌刺激物質との混合物で誘引物質として作用する活性化合物を含む組成物を言う。
本明細書に於いて用いられる用語「粘着剤」は、昆虫が粘着するであろう粘着性である化合物又は材料を言う。粘着剤の限定しない例は、糊、澱粉、蜂蜜、ペクチン、グルテン、粘着テープ等を包含するが、此れ等に限定されない。
II.組成物及びデバイス
FAW性フェロモンの主要な構成成分は、雌のFAWフェロモン腺からの化合物のガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)分析を用いて30年超前に同定された。然し乍ら、此れにも拘らず、FAWの為の現行で利用可能なルアーは限定されたトラップの成功を有し、FAWの様に見える非標的昆虫をもまた誘引し得る。1つの態様に従うと、本開示の主題は、新たなFAWフェロモン成分の発見と、FAWの為の現行の商業的に利用可能なフェロモンルアーの性能を改善する為の其れ等の使用とに関する。
例えば、FAWの性フェロモンを同定する為の先に用いられたGC-MSに基づくアプローチは、多くの場合に、昆虫に高度に誘引性であり得る低存在量化合物を見落とす。本開示の主題に従って、生物学的検出器として働く昆虫の嗅覚器官の昆虫触角にGCをカップリングするデバイスのGC-触角電図検出器(GC-EAD)が、追加の性フェロモン成分を検出する為に用いられた。此のデバイスでは、GCが混合物中の化学物質を分離し、其れ等を触角に提示し、其の電気生理学的応答が、其れが何の化学物質を感知するかを明らかにする。数百万年の進化に依って、触角はMS検出器よりも数百から数千倍多大な感度で種特異的なフェロモン成分に対してチューニングされている。簡潔には、下で本明細書に於いて更に記載される通り、FAW雌に於いて極く僅かな量で生起する追加の有機化合物が同定された。先にはGC-MS法に依ってFAW性フェロモンとして同定されていないが、此の化合物、即ちノナナール(ノナンアルデヒド、ペラルゴンアルデヒド、アルデヒドC9、又は9:Aldとしてもまた公知)は、GC-EADに於いて確かな触角応答を与えた。実験室及び圃場条件下での行動研究は、此の化合物が商業的なFAWルアーへの誘引を有意に改善するという事をもまた指示した。
其れ故に、幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題は雄のFAW(即ち、スポドプテラ・フルギペルダ種の雄の農業害虫)及び/又は他のスポドプテラ種の雄を誘引する為の組成物を提供し、組成物はノナナール及び/又は近縁の化合物(例えば別のC7-C11アルデヒド、例えばヘプタナール、オクタナール、デカナール、又はウンデカナール)を含む。組成物は、スポドプテラ種の1つ以上の追加の先に同定された性フェロモン成分、例えば少なくとも1つ以上の飽和又は不飽和C12-C16アルデヒド、C12-C16酢酸エステル、又はC12-C16第一級アルコール(例えば1つ以上の飽和又は不飽和C12、C14、又はC16アルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコール)を更に含み得る。幾つかの実施形態に於いて、組成物は、1つ以上の追加の害虫コントロール薬剤、例えば即又は遅効性の殺虫剤又は生物学的な害虫コントロール薬剤を更に含み得る。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題は、スポドプテラ種の雄の農業害虫を誘引する為の組成物を提供し、前記の組成物は:(a)少なくとも1つのC7-C11アルデヒドを含むか、本質的に其れから成るか、又は其れから成る第1の活性成分と;(b)少なくとも1つのC12-C16アルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコールを含むか、本質的に其れから成るか、又は其れから成る第2の活性成分とを含む。幾つかの実施形態に於いて、組成物に依って誘引される雄の農業害虫は、雄のFAW(スポドプテラ・フルギペルダ)を含むか又は其れから成る。組成物に依って誘引され得る他のスポドプテラ種は(FAWに加えて又は代わりに何方かで)、S.シリウム(クシナシスジキリヨトウ)、S.ドリチョス(サツマイモアーミーワーム)、S.エリダニア(南部アーミーワーム)、S.エグゼンプタ(アフリカシロナヨトウ)、S.エキシグア(シロイチモジヨトウ)、S.ラティファスキア(ベルベットアーミーワーム)、S.リトラリス(アフリカコットンリーフワーム)、S.リツラ(ハスモンヨトウ)、S.マウリティア(芝生アーミーワーム)、S.ペクチニコルニス(ウォーターレタス蛾)、S.プラエフィカ(西部黄縞アーミーワーム)、及びS.プルケラ(カリビアンアーミーワーム蛾)を包含するが、此れ等に限定されない。幾つかの実施形態に於いて、組成物は単一のスポドプテラ種を誘引する。幾つかの実施形態に於いて、組成物は1つよりも多くのスポドプテラ種を誘引する。
幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分はノナナール(9:Ald)を含むか、本質的に其れから成るか、又は其れから成る。幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分は、別の直鎖C7-C11アルデヒド、即ちヘプタナール、オクタナール、デカナール、又はウンデカナール等だが、此れ等に限定されない別のC7-C11アルデヒドを含むか又は其れから成る。幾つかの実施形態に於いて、C7-C11アルデヒドは1つ以上の不飽和部位を包含し得る及び/又は分枝炭素原子鎖を有し得る。今日迄、此れ等の他のC7-C11アルデヒド化合物はFAWの雌のフェロモン腺には見出されていないが、FAWフェロモン受容体はノナナールに近縁のアルデヒドに対して幅広くチューニングされ得るという事、及び/又は此れ等の他のアルデヒドの1つ以上が、より濃縮されたFAWの雌のフェロモン腺抽出物中に検出されるであろうという事が可能である。
幾つかの実施形態に於いて、第2の活性成分は、C12、C14、及びC16酢酸エステル及びアルデヒドを包含するが、此れ等に限定されないC12-C16アルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコールの1つ以上を含む。幾つかの実施形態に於いて、酢酸エステル又はアルデヒドは一価不飽和であり、C12、C14、又はC16酢酸エステル又はアルデヒドは1つのアルケン基を含む。例えば、幾つかの実施形態に於いて、酢酸エステル又はアルデヒドは、酢酸(Z)-9-テトラデセニル(Z9-14:OAc)、(Z)-9-テトラデセナール(Z9-14:Ald)、酢酸(Z)-10-テトラデセニル(Z10-14:OAc)、酢酸(Z)-11-テトラデセナール(Z11-14:OAc)、酢酸(Z)-7-ドデセニル(Z7-12:OAc)、酢酸(E)-7-ドデセニル(E7-12:OAc)、酢酸(Z)-9-ドデセニル(Z9-12:OAc)、酢酸(Z)-11-ドデセニル(Z11-12:OAc)、酢酸(Z)-11-ヘキサデセニル(Z11-16:OAc)、及び(Z)-11-ヘキサデセナール(Z11-16:Ald)を含む群から選択される。幾つかの実施形態に於いて、第2の活性成分は、飽和C12-C16アルデヒド又は酢酸エステル、例えば酢酸テトラデシル(14:OAc)又は酢酸ドデシル(12:OAc)を包含する。幾つかの実施形態に於いて、第2の活性成分は1つ以上のC12-C16第一級アルコールを含む。幾つかの実施形態に於いて、第一級アルコールは一価不飽和である。幾つかの実施形態に於いて、第一級アルコールは、(Z)-7-ドデセン-1-オール、(Z)-9-テトラデセン-1-オール、及び(Z)-11-ヘキサデセン-1-オールから選択される。幾つかの実施形態に於いて、第2の活性成分は、C12-16酢酸エステル、C12-C16アルデヒド、及びC12-C16第一級アルコールを含む群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はより多くの化合物を含む。
幾つかの実施形態に於いて、第2の活性成分は、C12酢酸エステル及び/又はC14酢酸エステル及び/又はC16酢酸エステルを含む。幾つかの実施形態に於いて、C12酢酸エステル及び/又はC14酢酸エステル及び/又はC16酢酸エステルは一価不飽和である(即ち、1つのアルケン基を含む)。幾つかの実施形態に於いて、第2の活性成分は、Z9-14:OAc、Z7-12:OAc、Z9-12:OAc、Z11-16:OAc、又は其れ等の何れかの組み合わせを含む。幾つかの実施形態に於いて、第2の活性成分は、Z9-14:OAc、Z7-12:OAc、Z9-12:OAc、及びZ11-16:OAcの少なくとも2つを含む。幾つかの実施形態に於いて、第2の活性成分は、Z9-14:OAc、Z7-12:OAc、Z9-12:OAc、及びZ11-16:OAcの少なくとも1つ又は少なくとも2つ、並びにZ10-14:OAc、14:OAc、Z11-14:OAc、E7-12:OAc、12:OAc、Z11-12:OAc、Z9-14:Ald、及びZ11-16:Aldを含む群から選択される1つ以上の追加の成分を含む。
幾つかの実施形態に於いて、第1及び第2の活性成分の1つ又は両方は、1つ以上のフェロモンに加えて、担体を更に包含する。担体は不活性な液体又は固体であり得るが、此れに限定されない。例示的な固体担体は、フィラー、例えばカオリン、ベントナイト、ドロマイト、炭酸カルシウム、タルク、粉末マグネシア、フラー土、ワックス、石膏、珪藻土、ゴム、プラスチック、陶土、鉱物土類、例えばシリカ、シリカゲル、シリケート、アタクレイ、石灰石、白亜、黄土、粘土、ドロマイト、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成材料、肥料、例えば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、チオ尿素及び尿素、野菜起源の産物、例えば穀物粉、樹皮粉、木粉、及び堅果殻粉、セルロース粉末、アタパルジャイト、モンモリロナイト、雲母、バーミキュライト、合成シリカ及び合成珪酸カルシウム、又は此れ等の組成物を包含するが、此れ等に限定されない。例示的な液体担体は、水;アルコール、例えばエタノール、ブタノール、又はグリコール、及び其れ等のエーテル又はエステル、例えば酢酸メチルグリコール;ケトン、例えばアセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はイソホロン;アルカン、例えばヘキサン、ペンタン、又はヘプタン;芳香族炭化水素、例えばキシレン若しくはアルキルナフタレン;鉱物又は野菜油;脂肪族塩素化炭化水素、例えばトリクロロエタン又は塩化メチレン;芳香族塩素化炭化水素、例えばクロロベンゼン;水溶性又は強極性溶媒、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又はN-メチルピロリドン;液化ガス;ワックス、例えば蜜蝋、ラノリン、シェラックワックス、カルナウバワックス、果実ロウ(例えば、シロヤマモモ又はサトウキビロウ)、カンデリラワックス、他のワックス、例えば微結晶、オゾケライト、セレシン、又はモンタン;塩、例えばモノエタノールアミン塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、硫酸水素アンモニウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、蟻酸アンモニウム、蓚酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、二リン酸水素アンモニウム、一リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、チオシアン酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、又はカルバミン酸アンモニウム、及び其れ等の混合物を包含するが、此れ等に限定されない。ベイト剤又は摂餌刺激物質もまた担体に追加され得る。
幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分及び第2の活性成分は別個に製剤される。幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分及び第2の活性成分は同じ製剤に依って提供される。幾つかの実施形態に於いて、第1及び第2の活性成分の1つ又は両方は、雰囲気中への成分の徐放を提供する様に及び/又は放出後の分解から保護される様に、徐放製剤に製剤される。例えば、フェロモン組成物又は其の個々の成分は、マイクロカプセル、生分解性のフレーク、及びパラフィンワックスに基づくマトリックス等の担体に依って製剤され得る。代替的には、フェロモン組成物又は其の個々の成分は徐放噴霧剤として製剤され得る。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物又は其の個々の成分は、当業者に公知の1つ以上のポリマー系薬剤を包含し得る。ポリマー系薬剤は環境への組成物の放出速度をコントロールし得る。幾つかの実施形態に於いて、ポリマー系薬剤含有組成物は環境条件に対して不透性である。ポリマー系薬剤は、組成物が持続的な様式で環境に放出される事を可能にする持続放出剤でもまたあり得る。ポリマー系薬剤の例は、セルロース、蛋白質、例えばカゼイン、フルオロカーボンに基づくポリマー、水素化ロジン、リグニン、メラミン、ポリウレタン、ビニルポリマー、例えばポリ酢酸ビニル(PVAC)、ポリカーボネート、ポリビニリデンジニトリル、ポリアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド-アルデヒド、ポリビニルアルデヒド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニリデン、シリコーン、及び其れ等の組み合わせを包含するが、此れ等に限定されない。セルロースの例は、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸-酪酸セルロース、酢酸-プロピオン酸セルロース、プロピオン酸セルロース、及び其れ等の組み合わせを包含するが、此れ等に限定されない。幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物又は其の個々の成分は、1つ以上の活性成分の小さい液滴がポリマーカプセルに内包されるマイクロカプセル化フェロモンとして製剤され得る。カプセルは、周囲の環境中へのフェロモン活性成分の放出速度をコントロールし得、殺虫剤を噴霧する為に用いられる同じ方法で適用される為に十分に小さくあり得る。マイクロカプセル化フェロモン製剤の圃場有効寿命は、天候条件、カプセルサイズ、及び化学的特性に依存して、数日から1週よりもやや多くの範囲であり得る。徐放又は持続放出製剤に用いられ得る他の薬剤は、脂肪酸エステル(例えば、セバシン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、又はアラキジン酸エステル)及び脂肪族アルコール(例えば、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、トリデセノール、テトラデカノール、テトラデセノール、テトラデカジエノール、ペンタデカノール、ペンタデセノール、ヘキサデカノール、ヘキサデセノール、ヘキサデカジエノール、オクタデセノール、及びオクタデカジエノール)を包含する。
ノナナール等の化合物のアルデヒド基は、無生物的な環境因子(例えば酸素及び水)と反応して他の化学基(例えば酸及びアルコール)を形成し得る。其れ故に、ノナナールは、FAW誘引物質としての其の活性を縮減し得る化学分解に対して敏感であり得る。加えて、ノナナール及び他のC7-C11アルデヒドは先に同定されたFAWフェロモン成分よりも揮発性である。因って、幾つかの実施形態に於いては、例えばより高い揮発性を補償する為に及びC7-C11アルデヒドを分解から保護する為に、其れは、ルアー又はトラップの他のフェロモン成分とは異なって処置(例えば異なって製剤)され得る。例えば、幾つかの実施形態に於いて、C7-C11アルデヒド(即ち第1の活性成分)は、C12-C16酢酸エステル、アルデヒド、又は第一級アルコールを含む別のフェロモンディスペンサー(例えば、現行で市販のFAWの為の商業的なフェロモンディスペンサー)の隣の別個のディスペンサーに置かれる。
幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分(即ちC7-C11アルデヒド)は徐放の為に製剤される。幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分は油中に製剤される。幾つかの実施形態に於いて、油はパラフィンオイル又は別の不揮発性の且つ無臭の油である。幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分の油製剤は光から保護されたディスペンサー又はコンテナに置かれる。例えば、アルカンの混合物であるパラフィンオイルに対するノナナールの高い親和性故に、ノナナールの放散は縮減及び延長される。
幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分はノナナールを含むか、本質的に其れから成るか、又は其れから成り、第2の活性成分はZ9-14:OAcを含むか、本質的に其れから成るか、又は其れから成る。幾つかの実施形態に於いて、ノナナールは、Z9-14:OAcの重量と比較して、約0.10重量(wt)%から約50wt%の範囲である量(例えば約0.10、0.20、0.30、0.40、0.50、0.60、0.70、0.80、0.90、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10、15、20、25、30、35、40、45、又は約50wt%)で存在する。幾つかの実施形態に於いて、ノナナールは、Z9-14:OAcの重量と比較して、約0.10wt%から約10wt%(例えば約0.10、0.50、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、又は約10wt%)で存在する。幾つかの実施形態に於いて、ノナナールはZ9-14:OAcの重量と比較して約0.50wt%から約5wt%で存在する。幾つかの実施形態に於いて、ノナナールはZ9-14:OAcの重量と比較して約1wt%で存在する。
其れ故に、幾つかの実施形態に於いては、少なくともZ7-12:OAcが、ノナナール及び/又は別のC7-C11アルデヒドを含む第1の成分との組み合わせで、第2の活性成分として提供される。幾つかの実施形態に於いて、本開示の誘引物質組成物は、少なくともノナナール(及び/又は別のC7-C11アルデヒド)、Z9-14:OAc、及びZ7-12OAcを含む組み合わせを含み得る。幾つかの実施形態に於いて、組成物は、追加の公知のFAWフェロモン成分(例えば少なくとも1つ以上の追加の又は少なくとも2つ以上の追加の公知のFAWフェロモン成分)、例えば上で本明細書に記載される物を更に含む。幾つかの実施形態に於いて、組成物は、公知のFAWフェロモン成分及び/又は追加の公知のスポドプテラフェロモン成分の追加の生合成前駆体を更に含む(例えばC12-C16第一級アルコール、例えばC12-C16一価不飽和第一級アルコール)。幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題は、ノナナール(及び/又は別のC7-C11アルデヒド)及び3つ又は4つの(又はより多くの)先に公知のFAW/スポドプテラフェロモン成分(又は其れ等の生合成前駆体)の組み合わせを提供する。
幾つかの実施形態に於いて、組成物は、1つ以上の非フェロモン昆虫コントロール薬剤、例えば殺害虫剤、遅効性の殺虫剤、又は生物学的薬剤を更に含む。例えば、生物学的薬剤は細菌、真菌、ウイルス、及び線虫から選択され得る。幾つかの実施形態に於いて、殺害虫剤は即効性の殺虫剤である。化学殺虫剤の例は化学殺虫剤を包含するが、此れ等に限定されず、アバメクチン、AC303630、アセフェート、アクリナトリン、アラニカルブ、アルジカルブ、アルファメトリン、アミトラズ、アベルメクチン、AZ60541、アザジラクチン、アジンホスA、アジンホスM、アゾシクロチン、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベータシフルトリン、ビフェントリン、ビオレスメトリン、BPMC、ブロフェンプロックス、ブロモホスA、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブトカルボキシン、ブチルピリダベン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタプ、CGA157419、CGA184699、クロエトカルブ、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホスM、シス-レスメトリン、クロシトリン、クロフェンテジン、シアノホス、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シパーメトリン、シロマジン、デルタメトリン、デメトンM、デメトンS、デメトン-S-メチル、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス、ジクリホス、ジクロトホス、ジエチオン、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオキサチオン、ジスルホトン、エジフェンホス、エマメクチン、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチオン、エトフェンプロックス、エトプロホス、エトリムホス、フェナミホス、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピラド、フェンピロキシメート、フェンチオン、フェンバレレート、フィプロニル、フルアジナム、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェノクスロン、フルフェンプロックス、フルバリネート、ホノホス、ホルモチオン、ホスチアゼート、フブフェンプロックス、フラチオカルブ、HCH、ヘプテノホス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、イミダクロプリド、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、イソプロカルブ、イソキサチオン、イベルメクチン、ラムダ-シハロトリン、ルフェヌロン、マラチオン、メカルバム、メルビンホス、メスルフェンホス、メトアルデヒド、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メトミル、メトルカルブ、ミルベメクチン、モノクロトホス、モキシデクチン、ナレド、NC184、NI25、ニテンピラム、オメトエート、オキサミル、オキシデメトンM、オキシデプロホス、パラチオンA、パラチオンM、ペルメトリン、フェノトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、フォキシム、ピリミカルブ、ピリミホスM、ピリミホスA、プロフェノホス、プロメカルブ、プロパホス、プロポクスル、プロチオホス、プロトエート、ピメトロジン、ピラクロホス、ピラダフェンチオン、ピレスメトリン、ピレトラム、ピリダベン、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、キナルホス、レスメトリン、RH5992、サリチオン、セブホス、シラフルオフェン、スルホテプ、スルプロホス、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリミホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、ターバム、ターブホス、テトラクロルビンホス、チアフェノックス、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオナジン、チューリンギエンシン、トラロシトリン、トラロメトリン、トリアラテン、トリアゾホス、トリアズロン、トリクロルホン、トリフルムロン、トリメタカルブ、トランスフルトリン、バミドチオン、XMC、キシリルカルブ、及びゼタメトリンを包含するが、此れ等に限定されない。生物学的殺虫剤の例は、アザジラクチン(ニーム油)、天然のピレトリンからの毒素、バチルス・チューリンゲンシス、及びボーベリア・バシアーナ、ウイルス、及びペプチドを包含するが、此れ等に限定されない。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物の1つ又は両方の成分(例えば、第1及び/又は第2の活性成分(単数又は複数))は相乗剤と製剤され得る。本明細書に於いて用いられる用語「相乗剤」は、農業害虫の少なくとも1つのスポドプテラ種を誘引する為の第1及び/又は第2の活性成分の用量を縮減する又は有効性を増強する為に用いられ得る物質を言う。幾つかの実施形態に於いて、相乗剤はフェロモンの不在下に於いて昆虫の独立の誘引物質であり得る。幾つかの実施形態に於いて、相乗剤はフェロモンの不在下では昆虫の独立の誘引物質ではない。幾つかの実施形態に於いて、相乗剤は、スポドプテラの少なくとも1つの種(例えばFAW)を誘引する揮発性のフィトケミカルである。本明細書に於いて用いられる用語「フィトケミカル」は、植物種に於いて天然に生起する化合物を言う。幾つかの実施形態に於いて、相乗剤は、β-カリオフィレン、イソ-カリオフィレン、α-フムレン、イナロール、酢酸Z3-ヘキセノール/イル、β-ファルネセン、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、及び其れ等の組み合わせを含む群から選択される。
幾つかの実施形態に於いて、組成物は1つ以上の任意のアジュバント及び/又は他の化合物を更に包含し得るが、但し、斯かる任意のアジュバント又は他の化合物は活性成分の活性に実質的に干渉しない。幾つかの実施形態に於いて、任意のアジュバント及び/又は他の化合物は:濡れ剤、相容化剤(compatibilizing agent)(「相容化剤(compatibility agent)」ともまた言われる)、消泡剤、クリーニング剤、封鎖剤、ドリフト縮減剤、中和剤及び緩衝剤、腐食抑制剤、色素、匂い物質、展着剤(「スプレッダー」ともまた言われる)、浸透助剤(「浸透剤」ともまた言われる)、固着剤(sticking agent)(「固着剤(sticker)」又は「結合剤」ともまた言われる)、分散剤、フィラー、増粘剤(「シックナー」ともまた言われる)、安定化剤、乳化剤、凝固点降下剤、抗微生物薬剤、及び同類を包含するが、此れ等に限定されない群から選択され得る。安定化剤の例は、脂肪酸及び野菜油、例えば、例えばオリーブ油、大豆油、コーン油、サフラワー油、キャノーラ油、及び其れ等の組み合わせを包含するが、此れ等に限定されない。フィラーの例は1つ以上の鉱物粘土(例えばアタパルジャイト)を包含するが、此れ等に限定されない。幾つかの実施形態に於いて、フィラーは有機シックナーである。斯かるシックナーの例は、メチルセルロース、エチルセルロース、及び其れ等の何れかの組み合わせを包含するが、此れ等に限定されない。
幾つかの実施形態に於いて、組成物は1つ以上の溶媒を包含し得る。溶媒を含有する組成物は、使用者が液体組成物を採用するであろう時に望ましい。此れは、使用者がフェロモンコーティング(例えばルアー)を提供する事を欲する基材に液体組成物をブラシ塗布、ディップ塗布、ロール塗布、噴霧、又は別様に適用する事に依って適用され得る。幾つかの実施形態に於いて、用いられるべき溶媒(単数又は複数)は、組成物の1つ以上の構成成分(例えば1つ以上の活性成分、又は其れ等の個々の化合物)を可溶化又は実質的に可溶化する様に選択される。溶媒の例は、水、水性の溶媒(例えば、水及びエタノールの混合物)、エタノール、メタノール、塩素化炭化水素、石油溶媒、テレビン油、キシレン、及び其れ等の何れかの組み合わせを包含するが、此れ等に限定されない。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物は1つ以上の有機溶媒を含み得る。有機溶媒は、例えば、乳化性濃縮物、ULV製剤、及びより少ない程度に顆粒製剤の製剤に用いられ得る。場合に依っては、溶媒の混合物が用いられる。幾つかの実施形態に於いて、有機溶媒は、脂肪族パラフィン系オイル、例えばケロシン又は精製パラフィンを包含し得る。幾つかの実施形態では、有機溶媒は、芳香族溶媒、例えばキシレン、及びより高分子量の画分のC9及びC10芳香族溶媒を含み得る。幾つかの実施形態に於いては、製剤が水中に乳化される時の結晶化を防止する為に、塩素化炭化水素が共溶媒として有用である。幾つかの実施形態に於いては、アルコールが、溶媒力を増大させる為の共溶媒として用いられ得る。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物は1つ以上の可溶化剤を含み得る。可溶化剤は界面活性剤を包含し、此れ等は、臨界ミセル濃度よりも上の濃度で水中のミセルを形成し得る。其れから、ミセルはミセルの疎水性部内に於いて水不溶性の材料を溶解又は可溶化する事ができる。幾つかの実施形態に於いて、界面活性剤は、非イオン系、例えばモノオレイン酸ソルビタン;モノオレイン酸ソルビタンエトキシレート;及びオレイン酸メチルエステルである。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物は1つ以上の結合剤を含み得る。結合剤は、前記の組成物がコーティングされる材料の表面との組成物の結び付きを促進する為に用いられ得る。幾つかの実施形態に於いて、結合剤は、組成物の第1及び/若しくは第2の活性成分並びに/又は材料の表面への別の添加剤(例えば殺虫剤、昆虫成長制御剤、及び同類)の結び付きを促進する為に用いられ得る。例えば、結合剤は、塗料及びコーティングに典型的に用いられる合成又は天然樹脂を包含し得る。依然としてコーティングの構造的インテグリティを維持し乍ら、昆虫が組成物の成分(例えば殺虫剤、昆虫成長制御剤、及び同類)を齧り取り摂取する事を許す為に、此れ等は、コーティングされた表面が十分に粉砕性である事を引き起こす様に改変され得る。
結合剤の限定しない例は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、部分加水分解ポリ酢酸ビニル、カルボキシメチルセルロース、澱粉、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー及びポリ酢酸ビニル、又は此れ等の組成物;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、タルク、若しくはポリエチレングリコール、又は此れ等の組成物;消泡剤、例えばシリコーンエマルション、長鎖アルコール、リン酸エステル、アセチレンジオール、脂肪酸若しくは有機フッ素化合物、及び錯化剤、例えば:エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の塩、トリニトリロ三酢酸の塩、若しくはポリリン酸の塩、又は此れ等の組成物を包含する。幾つかの実施形態に於いて、結合剤はフィラー及び/又はシックナーとしてもまた作用する。斯かる結合剤の例は、シェラック、アクリル、エポキシ、アルキド、ポリウレタン、亜麻仁油、桐油、及び其れ等の何れかの組み合わせの1つ以上を包含するが、此れ等に限定されない。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物は1つ以上の界面活性剤を含み得る。幾つかの実施形態に於いて、界面活性剤は本開示の主題の液体組成物に追加される。幾つかの実施形態に於いて、界面活性剤は、固体製剤、例えば適用前に担体に依って希釈される様にデザインされた物に追加される。其れ故に、幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物は1つ以上の界面活性剤を含む。界面活性剤は、場合に依っては、単独で又は他の添加剤、例えば鉱物若しくは野菜油との組み合わせで何方かで、アジュバントとしてスプレータンクミックスに用いられて、標的に対する組成物の生物学的性能を改善する。界面活性剤は性格がアニオン性、カチオン性、又は非イオン性であり得、乳化剤、濡れ剤、懸濁剤として、又は他の目的で採用され得る。幾つかの実施形態に於いて、界面活性剤は、非イオン性、例えば:アルキルエトキシレート、リニア脂肪族アルコールエトキシレート、及び脂肪族アミンエトキシレートである。幾つかの実施形態に於いて、界面活性剤は、芳香族スルホン酸、例えばリグノ、フェノール、ナフタレン、及びジブチルナフタレンスルホン酸の、並びに脂肪酸の、アリールスルホネートの、アルキルエーテルの、ラウリルエーテルの、脂肪族アルコールサルフェートの、及び脂肪族アルコールグリコールエーテルサルフェートのアルカリ金属、アルカリ土類金属、若しくはアンモニウム塩、ホルムアルデヒドとのスルホン化ナフタレン及び其の誘導体の縮合物、フェノール及びホルムアルデヒドとのナフタレン若しくはナフタレンスルホン酸の縮合物、ホルムアルデヒドとのフェノール若しくはフェノールスルホン酸の縮合物、ホルムアルデヒド及び亜硫酸ナトリウムとのフェノールの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシル化イソオクチル、オクチル、若しくはノニルフェノール、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、エトキシル化ひまし油、エトキシル化トリアリールフェノール、リン酸化トリアリールフェノールエトキシレート、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビトールエステル、リグニン-亜硫酸廃液、若しくはメチルセルロースの塩、又は此れ等の組成物を包含し得る。
幾つかの実施形態に於いて、界面活性剤(単数又は複数)は、アルキルサルフェートの塩、例えばジエタノールアンモニウムラウリルサルフェート;アルキルアリールスルホネートの塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム;アルキルフェノール-アルキレンオキシド付加産物、例えばノニルフェノール-C18エトキシレート;アルコール-アルキレンオキシド付加産物、例えばトリデシルアルコール-C16エトキシレート;石鹸、例えばステアリン酸ナトリウム;アルキルナフタレン-スルホネート塩、例えばジブチル-ナフタレンスルホン酸ナトリウム;スルホ琥珀酸塩のジアルキルエステル、例えばジ(2-エチルヘキシル)スルホ琥珀酸ナトリウム;ソルビトールエステル、例えばオレイン酸ソルビトール;第四級アミン、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロリド;脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えばステアリン酸ポリエチレングリコール;エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー;モノ及びジアルキルリン酸エステルの塩;野菜油、例えば大豆油、菜種/キャノーラ油、オリーブ油、ひまし油、向日葵種子油、ココナッツ油、コーン油、綿実油、亜麻仁油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、胡麻油、桐油、及び同類;並びに上の野菜油のエステル、具体的にはメチルエステルを包含し得る。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物は1つ以上の濡れ剤を含み得る。濡れ剤は、液体に追加される時に、液体と其れが広がろうとする表面との間の界面張力を縮減する事に依って、液体の展着又は浸透力を増大させる物質である。濡れ剤は、農芸化学製剤では、可溶性の液体の濃縮物若しくは懸濁液濃縮物を作る為に水に依る粉末の濡れ速度を増大させる為に、処理及び製造の間に;並びに/又は水和剤粉末の濡れ時間を縮減する為に及び水分散性の顆粒中への水の浸透を改善する為に、スプレータンク若しくは他のベッセルに於ける水との産物の混合の間に用いられ得る。幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物(又は其の成分)に用いられる濡れ剤の例は、水和剤粉末、懸濁液濃縮物、及び水分散性の顆粒製剤を包含し:ラウリル硫酸ナトリウム;スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム;アルキルフェノールエトキシレート;及び脂肪族アルコールエトキシレートである。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物は1つ以上の分散剤を含む。分散剤は、粒子の表面に吸着し、粒子の分散の状態を保存する事を助け、其れ等が再凝集する事を防止する物質である。幾つかの実施形態に於いて、分散剤は、本開示の主題の組成物に追加されて、製造の間の分散及び懸濁を容易にし、粒子がスプレータンクの水中に再分散するという事を保証する。幾つかの実施形態に於いて、分散剤は水和剤粉末、懸濁液濃縮物、及び水分散性の顆粒に用いられる。分散剤として用いられる界面活性剤は、粒子表面に強く吸着する能力を有し、粒子の再凝集に対する荷電した又は立体障害的なバリアを提供する。幾つかの実施形態に於いて、界面活性剤はアニオン性、非イオン性、又は2つの型の混合物である。
幾つかの実施形態に於いて、水和剤粉末製剤では、分散剤は1つ以上のリグノスルホン酸ナトリウムを含む。幾つかの実施形態に於いて、懸濁液濃縮物は、高分子電解質、例えばナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物を用いて良好な吸着及び安定化を提供する。幾つかの実施形態に於いては、トリスチリルフェノールエトキシル化リン酸エステルが用いられる。幾つかの実施形態に於いては、アルキルアリールエチレンオキシド縮合物及びEO-POブロックコポリマーが、懸濁液濃縮物の為の分散剤としてアニオン系と組み合わせられる。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物は1つ以上のポリマー系界面活性剤を含み得る。幾つかの実施形態に於いて、ポリマー系界面活性剤は非常に長い疎水性「バックボーン」と「櫛型」界面活性剤の「歯」を形成する多数のエチレンオキシド鎖とを有する。幾つかの実施形態に於いて、此れ等の高分子量ポリマーは、良好な長期安定性を懸濁液濃縮物に与え得る。何故なら、疎水性バックボーンは粒子表面への多くの係留点を有するからである。幾つかの実施形態に於いて、分散剤は:リグノスルホン酸ナトリウム;ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物;トリスチリルフェノールエトキシレートリン酸エステル;脂肪族アルコールエトキシレート;アルキルエトキシレート;EO-POブロックコポリマー;及びグラフトコポリマーから選択される。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物は1つ以上の乳化剤を含み得る。乳化剤は、別の液相中の1つの液相の液滴の懸濁液を安定化する物質である。乳化剤なしでは、2つの液体は2つの非相溶性の液相に分離するであろう。幾つかの実施形態に於いて、乳化剤は、約12以上のエチレンオキシド単位を有するアルキルフェノール又は脂肪族アルコールとドデシルベンゼンスルホン酸の油溶性カルシウム塩とを含む。8から18の親水親油バランス(「HLB」)値の範囲が、正常では、良好な安定なエマルションを提供し得る。幾つかの実施形態に於いて、エマルション安定性は場合に依っては小量のEO-POブロックコポリマー界面活性剤の追加に依って改善され得る。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物(又は其の第1又は第2の活性成分を含む製剤)は1つ以上のゲル化剤を含み得る。シックナー又はゲル化剤は、液体のレオロジー又は流動特性を改変する為に並びに分散した粒子又は液滴の分離及び沈降を防止する為に、懸濁液濃縮物、エマルション、及びサスポエマルションの製剤に用いられ得る。増粘、ゲル化、及び沈降防止剤は、一般的に、2つのカテゴリー:水不溶性の微粒子及び水溶性のポリマーに属し得る。粘土及びシリカを用いて懸濁液濃縮物製剤を生ずる事が可能である。幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物は:モンモリロナイト、例えばベントナイト;珪酸マグネシウムアルミニウム;及びアタパルジャイトを包含するが、此れ等に限定されない1つ以上のシックナーを含む。幾つかの実施形態に於いては、多糖が増粘剤として用いられ得る。典型的に増粘剤として用いられる多糖の型は、種子及び海藻の天然の抽出物、又はセルロースの合成誘導体である。幾つかの実施形態に於いて、増粘剤はキサンタン及び/又はセルロースを含む。幾つかの実施形態に於いて、増粘剤は、グアーガム;ローカストビーンガム;カラギーナン;アルギン酸;メチルセルロース;カルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC);ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を包含するが、此れ等に限定されない群から選択され得る。幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題の組成物は、1つ以上の他の型の沈降防止剤、例えば加工澱粉、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、及びポリエチレンオキシドを包含し得る。
幾つかの実施形態に於いて、界面張力を低める界面活性剤の存在は、生産に於ける及びスプレータンクからの適用に於ける混合操作の間に、水系の製剤が発泡する事を引き起こし得る。其れ故に、幾つかの実施形態に於いては、発泡する傾向を縮減する為に、生産段階の間に又はボトル/スプレータンクへの充填前に何方かで、消泡剤が多くの場合に追加される。一般的に、2つの型の消泡剤、シリコーン及び非シリコーンがある。シリコーンは通常はジメチルポリシロキサンの水性のエマルションであり、非シリコーン消泡剤は、水不溶性の油、例えばオクタノール及びノナノール、又はシリカである。両方のケースで、消泡剤の機能は界面活性剤を空気-水界面から追い出す事である。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物は保存料を含み得る。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題の組成物は1つ以上の昆虫摂餌刺激物質を包含し得る。昆虫摂餌刺激物質の例は、粗製綿実油、フィトールの脂肪酸エステル、ゲラニルゲラニオールの脂肪酸エステル、他の植物アルコールの脂肪酸エステル、植物抽出物、及び其れ等の組み合わせを包含するが、此れ等に限定されない。
幾つかの実施形態に於いて、組成物は1つ以上の昆虫成長制御剤(「IGR」)を包含し得る。IGRは、昆虫の成長を変調させ、奇形の昆虫を生ずる為に用いられ得る。昆虫成長制御剤の例は例えばジミリンを包含する。幾つかの実施形態に於いて、組成物は1つ以上の昆虫不稔剤を包含し得る。此れ等は、トラップされた昆虫を不稔化するか又は其れ等の生殖能を別様にブロックし、其れに依って次の世代の集団を縮減する。幾つかの実施形態に於いては、不稔化した昆虫が生残し、トラップされない昆虫と相手について競合する事を許す事は、其れ等を即座に殺除する事よりも有効である。
幾つかの実施形態に於いて、本明細書に於いて開示される組成物(又は其れ等の活性成分の1つ)は、噴霧剤組成物(即ち、噴霧剤フェロモン組成物)として製剤され得る。水性の溶媒、例えば水、又は水及びアルコール、グリコール、ケトン、若しくは他の水相溶性の溶媒の混合物が、噴霧剤組成物に用いられ得る。幾つかの実施形態に於いて、斯かる混合物の水含量は少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、又は少なくとも約90%である。幾つかの実施形態に於いて、噴霧剤組成物は、濃縮物、即ち、水性の溶媒中の第1及び/又は第2の活性成分(単数又は複数)並びに他の添加剤(例えばワックス系物質、安定化剤、及び同類)の濃縮された懸濁液であり、溶媒(例えば水)の追加に依って最終的な使用濃度に希釈され得る。
幾つかの実施形態に於いては、ワックス系物質が、噴霧剤組成物の第1及び/又は第2の活性成分の為の担体として用いられ得る。ワックス系物質は、例えば生分解性のワックス、例えば蜜蝋、カルナウバワックス及び同類、カンデリラワックス(炭化水素ワックス)、モンタンワックス、シェラック及び類似のワックス、飽和又は不飽和脂肪酸、例えばラウリン、パルミチン、オレイン、又はステアリン酸、脂肪酸アミド及びエステル、ヒドロキシル化脂肪酸エステル、例えばヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピル脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、及び低分子量ポリエステル、例えばポリアルキレンサクシネートであり得る。
幾つかの実施形態に於いては、安定化剤が噴霧剤組成物に用いられ得る。安定化剤は、濃縮物の粒子サイズを制御する為に及び/又は組成物の安定な懸濁液の調製を許す為に用いられ得る。幾つかの実施形態に於いて、安定化剤はヒドロキシル化及び/又はエトキシル化ポリマーから選択される。例は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドコポリマー、澱粉、マルトデキストリン、及び他の可溶性炭水化物を包含するポリアルコール、又は其れ等のエーテル若しくはエステル、セルロースエーテル、ゼラチン、ポリアクリル酸、並びに其れ等の塩及び部分エステル、並びに同類を包含する。他の実施形態では、安定化剤は、ポリビニルアルコール及び其れ等のコポリマー、例えば部分加水分解ポリ酢酸ビニルを包含し得る。安定化剤は、例えば水溶液の0.1%及び15%の間の、粒子サイズを制御する及び/又は安定な懸濁液を調製する為に十分なレベルで用いられ得る。
幾つかの実施形態に於いては、結合剤が噴霧剤組成物に用いられ得る。幾つかの実施形態に於いて、結合剤は、分散体を更に安定化する及び/又は標的箇所(例えばトラップ、ルアー、植物等)への噴霧された分散体の粘着を改善する為に作用し得る。結合剤は、多糖、例えばアルギン酸、セルロース誘導体(アセテート、アルキル、カルボキシメチル、ヒドロキシアルキル)、澱粉若しくは澱粉誘導体、デキストリン、ガム(アラビア、グアー、ローカストビーン、トラガカント、カラギーナン、及び同類)、スクロース、及び同類であり得る。結合剤は、非炭水化物の水溶性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン、又は酸及び/若しくは塩形態の酸性ポリマー、例えばポリアクリル酸若しくはポリメタクリル酸、又は斯かるポリマーの混合物でもまたあり得る。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物は、具体的な環境に於ける組成物又は個々の活性成分の放出の為のディスペンサーと共に用いられ得る。当分野に於いて公知の何れかの好適なディスペンサーが用いられ得る。斯かるディスペンサーの例は、エアロゾル放散器、手動式ディスペンサー、フェロモンがゆっくり放出される透過性のバリアを有するリザーバを含むバブルキャップ、組成物が含浸されているゴム、プラスチック、皮革、綿、脱脂綿、木材、又は木材産物から構成されたパッド、ビーズ、チューブ、ロッド、スパイラル、又はボールを包含するが、此れ等に限定されない。例えば、組成物が蒸発するポリ塩化ビニルラミネート、ペレット、顆粒、ロープ、若しくはスパイラル、又はゴムセプタムである。当業者は、適用、貯蔵、輸送、又は取り扱いの所望のモードについて、好適な担体及び/又はディスペンサーを選択する事ができるであろう。
従って、幾つかの実施形態に於いては、本開示の主題の組成物は固体基材上にコーティング又は噴霧され得、此れが例えばポリマー、ガラス、ゴム、エラストマー、セルロース、木材、及びフェルトを含むディスペンサーとして用いられ得るか、又は基材は本開示の主題の組成物又は其の第1若しくは第2の活性成分を別様に含浸し得る。
別の実施形態では、活性成分を含有する粉末に依って雄の昆虫を汚染するディスペンサーが用いられ得る。其れから、汚染した雄は飛び去り、活性なフェロモン成分を雰囲気に広げる事に依って又は他の雄を本物の雌よりも寧ろ汚染した雄に誘引する事に依って交尾撹乱の発生源を提供する。
第1及び第2の活性成分は同じか又は別個のディスペンサーに依って提供され得る。幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分は第2の活性成分とは別個のディスペンサーに依って提供される。幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分は油中に製剤され、第1のディスペンサーに依って提供され、第2の活性成分は第2のディスペンサーに依って提供される。幾つかの実施形態に於いて第2のディスペンサーはゴムを含む(例えばゴムセプタム)。
幾つかの実施形態に於いて、C7-C11アルデヒドは徐放製剤に製剤される。幾つかの実施形態に於いて、ノナナールは、パラフィンオイルの様な油担体、又は別の不揮発性の且つ無臭の油に依って希釈され、光から保護されたディスペンサー又はコンテナに置かれ得る。例えば、アルカンの混合物であるパラフィンオイルに対するノナナールの高い親和性故に、ノナナールの放散は縮減及び延長される。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題は、日光をブロックし得るアルミニウム箔又は別の材料に依ってカバーされたガラス(例えば硼珪酸)バイアル(例えば2mLバイアル)を含むノナナールディスペンサー(又は他のC7-C11アルデヒドディスペンサー)を提供する。バイアルは、不活性処理済グラスウール(例えば約50mgの不活性処理済グラスウール)又は別の繊維系基材を更に含有し得る。アルミニウム箔又は他のカバー材料は、環境因子との化学反応を容易にし得る日光に対するノナナールの暴露を防止し得る。グラスウール又は他の繊維系基材はノナナール溶液の表面を増大させ得、バイアル内に設置された溶液を保持し得る。ノナナール溶液がバイアルに仕込まれた後に、バイアルはキャップをされ得る。例えば、幾つかの実施形態に於いて、キャップはPTFEライナーを有するシリコーンセプタムを有し、此れを通してマイクロキャピラリーガラス(例えば、L:1.25インチ;O.D.:0.034インチ;I.D.:0.0157インチ;4μL内容積を有する)が挿入されて、揮発性のノナナールがバイアルから蒸発する事を許す。
下の例に記載される通り、圃場に於いて最も高い数のトラップ捕獲を呈したノナナールのパーセンテージ(フェロモン主成分、例えば典型的には約1から10mgで存在するZ9-14:OAcと比較して)は、1%(重量/重量)である。然し乍ら、研究は、最適なパーセンテージはより幅広い範囲をカバーし得るという事を示した。更に其の上、当業者には理解されるであろう通り、最適なパーセンテージは、如何にノナナールが其の徐放の為に製剤されるかに依存して変わり得る。因って、幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題は、Z9-14:OAcの量と比較して約0.10wt%から約50wt%の間のノナナールを含む組成物(例えばFAWルアー)を提供する。幾つかの実施形態に於いて、組成物は、ノナナール(及び/又は別のC7-C10アルデヒド)に加えて、Z9-14:OAc(例えば98.44wt%)及びZ7-12:OAc(0.57wt%)を含む。幾つかの実施形態に於いて、組成物は、1つ以上の又は2つ以上の追加の公知のFAW/スポドプテラフェロモン成分、例えば上で本明細書に記載される他の公知のFAW/スポドプテラフェロモン成分の1つを更に含む。例えば、Z9-12:OAc及びZ11-16:OAcは、典型的には4成分の商業的なルアーに製剤され、本組成物にもまた包含され得る(例えば、ノナナール(及び/又は別のC7-C11アルデヒド)、Z9-14:OAc、及びZ7-12:OAcをもまた含む組成物の一部として)。
ノナナールの量は、フェロモンを吐出する為に用いられる材料の型に依存して改変され得る。例えば、多くのフェロモンディスペンサーはゴムセプタムから作られ、ノナナールは他のフェロモン化合物とは違って此の材料から比較的速やかに放出される。幾つかの実施形態に於いて、ノナナール及び/又は他のC7-C11アルデヒドは、アルデヒドをゆっくり且つ一定で放出するディスペンサーに依って提供され得る。斯かる実施形態では、ノナナール(及び/又は他のC7-C11アルデヒド)の量はより長く続く様に増大させられ得る。例えば、幾つかの実施形態に於いて、ノナナール(及び/又は他のC7-C11アルデヒド)は、約2週及び約2ヶ月の間に渡ってアルデヒドを継続的に吐出する様に製剤され得る。幾つかの実施形態に於いて、アルデヒドは2ヶ月超に渡って継続的に吐出する様に製剤され得る。
幾つかの実施形態に於いて、ノナナールを含むルアー又はディスペンサーは、FAW又は別のスポドプテラ種の監視及び/又はモニタリングの為に用いられ得る。幾つかの実施形態に於いて、ルアー又はディスペンサーは、例えば「誘引・殺除」アプローチに依って、マストラップに依って、交尾撹乱に依って、又は自己接種アプローチに依って、FAW又は他のスポドプテラ種をコントロールする為に用いられ得る。
詳説すると、害虫の性フェロモンを模倣する合成ルアーに依るトラップの活用は、新たな昆虫農業害虫発生を早い段階で検出し、定着した発生をモニタリングし、及び誘導多発生害虫集団をコントロールする為のアプローチを提供する。雄は高度に移動性であり、極めて低い量の高度に種特異的な性フェロモンに応答するので、性フェロモンは害虫管理の為の良好な誘引物質である。加えて、其れ等は、何時成虫の昆虫害虫が飛翔し、成虫の昆虫が幼虫段階よりも殺虫剤及び殺生物剤処置に対してずっとアクセス可能且つ感受性であるかを確実に予測する。更に、高い用量に於いては、性フェロモンは「交尾撹乱」と呼ばれるプロセスの交尾を抑制する事に有効であり、此れは最小限のインプットに依って害虫集団を有効にコントロールする。
従って、幾つかの実施形態に於いて、組成物(又は本開示の組成物の1つ以上の成分を含むルアー若しくはディスペンサー)は、昆虫又は昆虫害虫をトラップする為のハウジングを含むトラップ又は多成分デバイスに組み込まれ得る。幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物は、何れかの昆虫種、例えばスポドプテラ種昆虫を誘引する為に普通に用いられるトラップに用いられ得る。斯かるトラップは当業者には周知であり、多くの州及び国に於いて昆虫根絶プログラムに普通に用いられる。斯かるトラップは、バケツ型のトラップ(例えば、グレートレイクスIPM(Great Lakes IPM)、ベスタベリ、ミシガン、米国から利用可能なユニトラップ(Unitrap))、スリーブ型のトラップ、ハートスタック(Hartstack)トラップ、及び粘着性のトラップ(例えば、其の中に挿入された粘着性のライナーを有するプラスチックのデルタ形状ハウジング)等だが此れ等に限定されない何れかのデザインを有し得る。トラップの追加の型は例えばコーク(Cork)(「フェロモンマニュアル(A Pheromone Manual)」、天然資源研究所(Natural Resources Institute)、チャタム・マリタイムME4 4TB、英国(2004年))に記載されている。
幾つかの実施形態に於いて、トラップは、組成物を保持する為の1つ以上のセプタム、コンテナ、又は貯蔵容器を包含する。其れ故に、幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題は本開示の2成分組成物を仕込まれたトラップを提供する。トラップは、例えば、昆虫モニタリング、マストラップ、交尾撹乱の為の戦略の一部として昆虫を誘引、又は捕獲された昆虫を殺除する為に例えばトラップに毒性の物質を組み込む事に依ってルアー/誘引及び殺除する為に用いられ得る。
マストラップには、昆虫の高い割合が作物が損害される前に取り除かれる様に、保護されるべき作物に高密度のトラップを置く事が関わり得る。昆虫がルアーに誘引された後に其れが殺除剤に晒されるという事を例外として、ルアー/誘引・殺除技術は類似である。殺除剤が殺虫剤である所では、ディスペンサーは、有効量の殺虫剤を摂取する様に昆虫を誘い得るベイト剤又は摂餌刺激物質をもまた含有し得る。殺虫剤は当業者に公知の殺虫剤であり得る。殺虫剤は本開示の主題の組成物(又は其の単一の成分)と混合され得るか、又は別個にトラップに存在し得る。斯かるトラップは何れかの好適な形態を取り得、殺除トラップは必ずしも毒性の物質を組み込む必要はなく、昆虫は任意に他の手段、例えば溺死又は感電死に依って殺除される。代替的には、トラップは、後程に昆虫を殺除する真菌又はウイルスに依って昆虫を汚染し得る。昆虫が殺除されない所であっても、トラップは、雌の昆虫のロカールから雄の昆虫を取り除いて繁殖を防止する様に働き得る。
幾つかの実施形態に於いて、トラップは、ウォータートラップ、粘着性のトラップ、及び一方向トラップを包含するが、此れ等に限定されない群から選択される。粘着性のトラップは多くの種類で手に入る。粘着性のトラップの1つの例は、断面が三角又は楔形状の厚紙構造物であり、内部表面は不乾性の粘着性の物質に依ってコーティングされる。昆虫は粘着性の表面に接触し、捕獲される。ウォータートラップは、昆虫をトラップする為に用いられる水及び洗剤のパンを包含する。洗剤は水の表面張力を壊し、パンに誘引される昆虫が水中で溺死する事を引き起こす。一方向トラップは、昆虫がトラップに入る事を許すが、其れが脱出する事を防止する。幾つかの実施形態に於いて、トラップは昆虫に対する追加の誘引を提供する為に明るく着色され得る。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物を含有するトラップは、他の種類のトラップ機構と組み合わせられ得る。例えば、本開示の組成物に加えて、トラップは、1つ以上の蛍光ライト、1つ以上の粘着性の基材、及び/又は1つ以上の有色表面を昆虫を誘引する為に包含し得る。他の実施形態では、本開示の組成物を含有するトラップは他の種類のトラップ機構を有さない。
トラップは1年の何れかの時間に於いて圃場にセットされ得る。当業者は、具体的なトラップに用いられるべき組成物の適当な量を難なく決定し得、保護されるべき作物圃場のトラップ/エーカーの適当な密度をもまた決定し得る。トラップは、昆虫が発生した(又は可能性として発生した)エリアに位置付けられ得る。幾つかの実施形態に於いて、トラップは樹木又は植物に又は其の近くに置かれる。本開示の組成物中のフェロモン(即ち、第1及び/又は第2の活性成分)の芳香は、昆虫をトラップに誘引し得る。其れから、昆虫は、例えばトラップに存在する殺除剤に依って、トラップ内に於いて捕獲、不動化、及び/又は殺除され得る。
幾つかの実施形態に於いては、雄が単純に雌を見つけ得ない様に、1つ以上のトラップが、雌に依って放散されるフェロモンを圧倒する為に、圃場若しくは果樹園又は他の現場内に置かれ得る。此れについては、トラップは、単純な装置、例えば第1及び第2の活性成分を吐出する為の保護された吸上芯であり得る。
トラップは、本開示の組成物が既に適用されている完成した形態で提供され得る。斯かる場合には、組成物の活性成分の半減期に依存して、活性成分は、他の芳香族ディスペンサーで標準的である様な従来の様式で暴露され得るか又はシールされ得、シールはトラップが設置された後にのみ取り除かれる。代替的には、トラップは組成物とは別個に提供され得、組成物は、トラップが設置された後に或る量がトラップに適用され得る様な吐出可能なフォーマットで提供され得る。幾つかの実施形態に於いて、本開示の組成物は、2つの活性成分の其々について、小袋若しくは他のディスペンサー、又は小袋若しくは他のディスペンサーを含むキットとして提供され得る。
従って、幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題は、雄のスポドプテラ・フルギペルダ又は別のスポドプテラ種の雄を誘引及び捕捉する為の多成分デバイス(即ち「トラップ」)を提供し、トラップは、少なくとも1つのC7-C11アルデヒドを含む第1の活性成分と、少なくとも1つの飽和又は不飽和C12-C16アルデヒド、C12-C16酢酸エステル、又はC12-C16第一級アルコールを含む第2の活性成分と、ハウジングと、1つ以上のディスペンサー(例えば、活性成分の1つ以上を吐出する為の1つ以上のフェロモンディスペンサー)とを含む。其れ故に、幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題は、スポドプテラ種の雄の農業害虫を誘引及び捕捉する為の多成分デバイスを提供し、デバイスは:(a)少なくとも1つのC7-C11アルデヒドを含む第1の活性成分と;(b)少なくとも1つのC12-C16アルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコールを含む第2の活性成分と;(c)前記の雄の農業害虫が入る為の1つ以上の開口部を含むハウジングと;(d)1つ以上のディスペンサーとを含み、第1の活性成分(a)は、前記の1つ以上のディスペンサーの少なくとも1つに組み込まれ、第2の活性成分(b)は、前記の1つ以上のディスペンサーの少なくとも1つに組み込まれる。幾つかの実施形態に於いて、前記の1つ以上のディスペンサーの少なくとも1つは、ポリマー、ガラス、ゴム、エラストマー、セルロース、木材、及びフェルトを含む群から選択される化学的に中性の材料から作られる。
幾つかの実施形態に於いて、ハウジングは、固定された場所にデバイスをマウント又は懸架する様に構成されたマウント(例えば、ブラケット及び/又は締着機構)又は懸架部を更に含む。幾つかの実施形態に於いて、ハウジングは、粘着剤を含むインサートを更に含み、此れが前記の害虫に粘着して、前記の害虫をハウジングから脱出しないようにし得る。
幾つかの実施形態に於いて、デバイスは(e)更なる活性な薬剤を更に含む。幾つかの実施形態に於いて、更なる活性な薬剤は殺除剤、遅効性の殺虫剤、又は生物学的薬剤を含む。幾つかの実施形態に於いて、生物学的薬剤は、細菌、ウイルス、真菌、及び線虫を含む群から選択される。
III.方法
幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題は、FAW(スポドプテラ・フルギペルダ)及び/又は他のスポドプテラ種を誘引する為のノナナール(例えば、ノナナールを含む組成物)の使用に関する。幾つかの実施形態に於いて、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、又はより多くの先に同定されたFAW性フェロモン成分(例えば少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、又はより多くのC12-C16酢酸エステル及び/又はアルデヒド及び/又はアルコール(例えば第一級アルコール)、例えば少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、又はより多くのC12、C14、又はC16酢酸エステル及び/又はアルデヒド及び/又はアルコール(例えば第一級アルコール))は、ノナナールとの組み合わせで用いられ得る。ノナナールに加えて又は代替として、類似の化合物、例えばヘプタナール(7:Ald)、オクタナール(8:Ald)、デカナール(10:Ald)、及びウンデカナール(11:Ald)が用いられ得る。今日迄、此れ等の他のC7-C11アルデヒド化合物はFAWの雌のフェロモン腺に見出されていないが、FAWフェロモン受容体はノナナールに近縁のアルデヒドに対して幅広くチューニングされ得るという事、及び/又は此れ等の他のアルデヒドの1つ以上が、より濃縮されたFAWの雌のフェロモン腺抽出物中に検出されるであろうという事が可能である。
幾つかの実施形態に於いて、本開示の主題は、スポドプテラ種の雄の農業害虫、例えば雄のスポドプテラ・フルギペルダを誘引する方法を提供し、方法は、(a)C7-C11アルデヒドを含む第1の活性成分と(b)1つ以上の飽和又は不飽和C12-C16アルデヒド、C12-C16酢酸エステル、又はC12-C16第一級アルコールを含む第2の活性成分とを併せて含む1つ以上のベイト剤又はルアーを提供する事を含む。幾つかの実施形態に於いて、方法は、スポドプテラ種集団サイズを推定する事及び/又は斯かる集団のサイズをコントロールする事を更に含む(例えば、スポドプテラの交尾を撹乱する事に依るか、又は一時的に若しくは永久的に雄のスポドプテラを集団から取り除く事に依る)。
幾つかの実施形態に於いて、農業害虫はスポドプテラ・フルギペルダ(FAW)である。幾つかの実施形態に於いて、農業害虫は、上で本明細書に記載される1つ以上の追加のスポドプテラ種を更に含む。幾つかの実施形態に於いて、農業害虫はスポドプテラ・フルギペルダ以外の1つ以上のスポドプテラ種である。
幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分は、ノナナールを含むか、本質的に其れから成るか、又は其れから成る。幾つかの実施形態に於いて、第2の活性成分は、C12酢酸エステル及び/又はC14酢酸エステル及び/又はC16酢酸エステルを含むか、本質的に其れから成るか、又は其れから成る。幾つかの実施形態に於いて、前記のC12酢酸エステル及び/又は前記のC14酢酸エステル及び/又は前記のC16酢酸エステルは1つ以上のアルケン基を含む。幾つかの実施形態に於いて、前記のC12酢酸エステル及び/又は前記のC14酢酸エステル及び/又は前記のC16酢酸エステルは1つのアルケン基を含む(即ち、一価不飽和炭素鎖を含む)。幾つかの実施形態に於いて、前記の第2の活性成分は、Z9-14:OAc、Z7-12:OAc、Z9-12:OAc、及びZ11-16:OAcを含む群の1つ以上を含む。幾つかの実施形態に於いて、第2の活性成分は、Z9-14:OAc、Z7-12:OAc、Z9-12:OAc、及びZ11-16:OAcの少なくとも2つを含む。幾つかの実施形態に於いて、第2の活性成分は1つ以上の追加の成分(即ち、1つ以上の追加のC12-C16アルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコール)を更に含む。幾つかの実施形態に於いて、1つ以上の追加の成分は、Z10-14:OAc、14:OAc、Z11-14:OAc、E7-12:OAc、12:OAc、Z11-12:OAc、Z9-14:Ald、及びZ11-16:Aldを含む群から選択される。
幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分はノナナールを含むか、本質的に其れから成るか、又は其れから成り、第2の活性成分はZ9-14:OAcを含む。幾つかの実施形態に於いて、ノナナールは、Z9-14:OAcの重量と比較して、約0.10wt%から約50wt%の範囲である量(例えば約0.10、0.50、1.0、5.0、10、15、20、25、30、35、40、45、又は約50wt%)で存在する。幾つかの実施形態に於いて、ノナナールは、Z9-14:OAcの重量と比較して、約0.10wt%から約10wt%の範囲である量(例えば約0.10、0.20、0.30、0.40、0.50、0.60、0.70、0.80、0.90、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、又は約10wt%)で存在する。幾つかの実施形態に於いて、ノナナールはZ9-14:OAcの重量と比較して約0.50wt%から約5wt%で存在する。幾つかの実施形態に於いて、ノナナールはZ9-14:OAcの重量と比較して約1重量%で存在する。
第1及び第2の活性成分は別個に又は一緒に製剤され得る。幾つかの実施形態に於いて、第1及び第2の活性成分は別個に製剤される。幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分は第2の活性成分とは別個のディスペンサーに依って提供される。其れ故に、幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分は第1のディスペンサーに依って提供され、第2の活性成分は第2のディスペンサーに依って提供される。幾つかの実施形態に於いて、第1及び第2の活性成分の1つ又は両方は徐放製剤に製剤される。幾つかの実施形態に於いて、徐放製剤は、油、例えばパラフィンオイル又は別の無臭の不揮発性の油を含む。幾つかの実施形態に於いて、第1の活性成分は油中に製剤され、第1のディスペンサーに依って提供され、第2の活性成分は第2のディスペンサーに依って提供される。幾つかの実施形態に於いて、第2のディスペンサーは、ポリマー、ガラス、ゴム、エラストマー、セルロース、木材、及びフェルトを含む群から選択される化学的に中性の材料を含む。幾つかの実施形態に於いて、第2のディスペンサーはゴムを含む。
幾つかの実施形態に於いて、1つ以上のベイト剤又はルアーは、1つ以上の害虫をトラップする為のハウジングと結び付けて提供され、方法は、ハウジング内にスポドプテラ種の1つ以上の雄の農業害虫(例えば雄のFAW)を収集する事を更に含む。幾つかの実施形態に於いて、方法は、ハウジングにトラップされた害虫数を分析する事に基づいて害虫集団サイズを推定する事を更に含む。幾つかの実施形態に於いて、方法は、トラップされた雄の害虫を前記のハウジングに留める事又は前記のトラップされた害虫を別のハウジングに移す事を更に含み、其れに依って、雄の害虫をトータルの害虫集団から取り除く事及び交尾に利用可能な雄の害虫数を縮減する事に依って害虫集団をコントロールする。
幾つかの実施形態に於いて、方法は、誘引された(又は誘引及びトラップされた)雄の害虫(例えば雄のFAW)を遅効性の殺虫剤又は生物学的コントロール薬剤に依って処置する事と;処置された雄の害虫を放虫する事とに依って、害虫集団をコントロールする事を更に含み、処置された雄の害虫は、遅効性の殺虫剤又は生物学的コントロール薬剤を交尾に依って雌の害虫に移す。幾つかの実施形態に於いて、方法は、誘引された(又は誘引及びトラップされた)雄の害虫を殺害虫剤に依って処置する事に依って、害虫集団をコントロールする事を更に含む。幾つかの実施形態に於いて、殺害虫剤は即効性の殺虫剤である。
幾つかの実施形態に於いて、方法は、1つ以上のベイト剤又はルアーの複数を選ばれた場所に提供する事に依って害虫集団をコントロールする事を更に含み、其れに依って、場所に第1及び第2の成分を充満させて、雄の農業害虫を混乱させ、前記の雄の農業害虫が相手を見つける事をより困難にする。
幾つかの実施形態に於いて、方法は入国ポートに於いて又は其の近くで行なわれて、例えば、国から輸入又は輸出されようとする貨物に結び付けられた前記の入国ポートに於ける又は其の近くの害虫種の集団を推定する。例えば、方法は、港、空港、道路、及び/又は電車の国境検問所の輸入コンテナに於いて又は其の近くで行なわれて、前記の害虫の存在又は不在を検出し得る。
次の例は、本開示の主題の代表的な実施形態を実施する為の手引きを当業者に提供する為に包含されている。本開示及び一般技術水準に照らして、当業者は、次の例は例示的である事のみが意図されるという事と、本開示の主題の範囲から逸脱する事なしに、数々の変更、改変、及び変調が採用され得るという事とを了解し得る。
例1
一般的な材料及び方法
電気生理学:10匹の3~4日齢のFAW雌の性フェロモン腺を切除し、30μlヘキサン(SupraSolv(登録商標);ミリポアシグマ(MilliporeSigma)、バーリントン、マサチューセッツ、米国)を含有するガラスインサート中に置いた。10min後に、ヘキサン抽出物を第2のインサートに移し、穏やかな窒素流下で10μl迄濃縮した。
触角電図検出器にカップリングされたガスクロマトグラフ(GC-EAD)を用いて、FAW雄の触角に依って知覚される生物活性化合物を同定した。何故なら、触角は昆虫の主な嗅覚器官であるからである。GCは化学物質ミックスを個々の化合物に分離し、其れ等を昆虫触角に導き、此れは増幅器EADに接続される。GCと平行して、触角の電気生理学的応答が記録されて、活性化合物を同定する。フェロモン腺抽出物の1μlのアリコートを、雄のFAW触角がマウントされたGC-EADに注入した。腺なしで同じ様式で取り扱われた混じり気のないヘキサンをコントロールとして用いた。
新たなEAD活性化合物の同定:腺抽出物をGC-MS(6890GC及び5975MS、アジレント・テクノロジーズ(Agilent Technologies)、パロアルト、カリフォルニア、米国)に依って分析した。パルス式のスプリットレスモード(0.5minの15psi、其れから6psi)で操作され、DB-WAXetrカラム(30m × 0.25mm、df = 0.25μm、アジレント・テクノロジーズ(Agilent Technologies)、パロアルト、カリフォルニア、米国)を備えた。ヘリウムを34cm/sの平均速度でキャリアガスとして用いた。オーブンプログラムは2minに渡って40℃にセットし、250℃迄10℃/minで増大させた。インジェクター温度は250℃にセットされ、トランスファーライン温度は260℃であり、MS四重極は150℃であった。質量電荷比範囲は33から650であった。化合物は、コバッツ(Kovats)指数、電子イオン化質量スペクトル、及び基準の合成標準との比較に基づいて同定された。
合成ミックスの調製:合成化合物は商業的なベンダーから購入した。Z9-14:OAcはベドウキアン・リサーチ・インク(Bedoukian Research Inc.)(ダンベリー、コネチカット、米国)から購入した。Z7-12:OAcはケンタッキー大学のケネス・ヘインズ(Kenneth Haynes)教授からの贈与物であったが、商業的なベンダー、例えばベドウキアン・リサーチ・インク(Bedoukian Research Inc.)(ダンベリー、コネチカット、米国)及びミリポア・シグマ(Millipore Sigma)(バーリントン、マサチューセッツ、米国)からもまた購入され得る。此れ等の化合物をヘキサンに依って希釈して、其々10及び0.1μg/μLのストック溶液を生じた。ノナナールはシグマ・アルドリッチ(Sigma-Aldrich)(セントルイス、ミズーリ、米国)から購入した。実験室条件に於ける行動アッセイでは(オルファクトメーター)、ノナナールをヘキサンに依って希釈して0.1μg/μLのストック溶液を生じた。圃場アッセイでは、ノナナールをパラフィンオイル(ICNバイオメディカルズ(ICN Biomedicals)、コスタメサ、カリフォルニア、米国)に依って異なる濃度で希釈した(圃場アッセイを見よ)。
行動アッセイ:選択肢なしのリニアオルファクトメーターアッセイを用いて、異なる製剤に対するFAW雄の行動を試験した。オルファクトメーターはリニアプレキシガラス(登録商標)チューブ(φ=6cm i.d.、長さ=145cm)から成り、此れは0.1m/sという内部の空気流速を作り出すエアポンプに接続された。活性チャコールを充填した短いプレキシガラス(登録商標)チャンバーをオルファクトメーターの反対の端部に接続して、内部への空気を濾過した。雌の蛾との何れかの接触を有さなかった交尾していない雄の蛾(3~4日齢)をリリースケージ内に置き、此れをエアポンプの前に風下にマウントした。製剤をヘキサン中に調製した。10μLのアリコートを濾紙片に追加し、溶媒を室温で30minに渡って放置して蒸発させた。濾紙を、チャコールフィルタから4cm離してオルファクトメーターの頂部の開口部(φ=2cm)からオルファクトメーターに導入した。濾紙は1回のみ試験した。蛾を5分に渡って試験し、其れ等の行動応答のシーケンスを:活性化(羽ばたき及び風上に移動し始める事)、オルファクトメーターの中間点に到達する事(HW)、匂い発生源への接近(CA)、及び発生源接触(接触)として記録した。実験は暗期迄4~7時間執り行なった。
試験された製剤は以下であった。
Figure 2023506600000002
圃場アッセイ:製剤を圃場条件下で試験した。Z9-14:OAc及びZ7-12:OAcをヘキサンに依って希釈し、其々の化合物の100μg及び0.58μgを含有する100μLの溶液を、ゴムセプタム(11mm;ウィートン(Wheaton)、DWKライフサイエンシズ(DWK Life Sciences)、ミルビル、ニュージャージー、米国)に仕込んだ。セプタムをヒュームフード内に15hrに渡って放置して溶媒を蒸発させ、其れから圃場アッセイで試験した。ノナナールをパラフィンオイルに依って希釈し、100μLの溶液をバイアルディスペンサーに移した。溶液は0.1μg又は1μg何方かを含有し、此れ等はZ9-14:OAcの量の0.1%及び1%に対応した。此のディスペンサーは、アルミニウム箔に依ってカバーされた2ml硼珪酸バイアルを構成し、50mgの不活性処理済グラスウールを含有した。バイアルにノナナール溶液を仕込み、キャップをした。オートサンプラーキャップはPTFEライナーを有するシリコーンセプタムを有し、此れを通して、マイクロキャピラリーガラスが挿入されて(L:1.25インチ;O.D.:0.034インチ;I.D.:0.0157インチ;4μL内容積)、揮発性のノナナールがバイアルから出る事を許した。真っ直ぐにした金属ペーパークリップがフェロモンを仕込んだゴムセプタムの小さいカップを刺通し、ノナナールを仕込んだバイアルの首に結ばれた。此のセットを、ハートスタック(Hartstack)トラップ内にインストールされたスチールアリゲータークリップに依って保持した。我々は次の処置への雄のFAWの誘引を試験した:
・コントロール:ゴムセプタムに仕込まれた混じり気のないヘキサン及びバイアルディスペンサーの混じり気のないパラフィンオイル、
・フェロモンミックス:ゴムセプタムの100μgのZ9-14:OAc及び0.58μgのZ7-12:OAc、並びにバイアルディスペンサーの混じり気のないパラフィンオイル。
・フェロモン+0.1%ノナナール:ゴムセプタムのフェロモンミックス及びバイアルディスペンサーの0.1μgのノナナール、
・フェロモン+1%ノナナール:ゴムセプタムのフェロモンミックス及びバイアルディスペンサーの1μgのノナナール。
ハートスタック(Hartstack)トラップは、取り外し頂部を有する金属メッシュから作られた円錐形の本体部から成り(H:15cm、φ=14cm)、此れに雄がトラップされた。トラップは地面に固定された鉄筋(L:1.5m)に依って作物キャノピーの上方に立てられた。トラップを、15m離間して作物の列に沿って綿圃場に1週に渡ってセットした。各実験ブロックは互いから15mの4つのトラップから成った。次のブロックは、第1のブロックから15mに、其れに対して平行にセットされた。各処置はブロック内で1回検証され、トラップ位置にランダムに割り当てられた。トラップされた雄のFAW蛾及び他の種の数を毎日カウントし、トラップをローテーションした。
第2の研究は、上に記載されている同じ手続きを繰り返したが、ミックス中のZ9-14:OAc及びZ7-12:OAcの量を其々1000μg及び5.8μgに、ノナナールを10、20、及び40μgに増大させた。次の処置への雄のFAWの誘引を試験した:
・コントロール:ゴムセプタムに仕込まれた混じり気のないヘキサン及びバイアルディスペンサーに仕込まれた混じり気のないパラフィンオイル、
・フェロモンミックス:ゴムセプタムの1000μgのZ9-14:OAc及び5.8μgのZ7-12:OAc、並びにバイアルディスペンサーの混じり気のないパラフィンオイル(ノナナールなし)、
・フェロモン+1%ノナナール:ゴムセプタムのフェロモンミックス及びバイアルディスペンサーの10μgのノナナール、
・フェロモン+2%ノナナール:ゴムセプタムのフェロモンミックス及びバイアルディスペンサーの20μgのノナナール、
・フェロモン+4%ノナナール:ゴムセプタムのフェロモンミックス及びバイアルディスペンサーの40μgのノナナール。
商業的な製剤に依る圃場試験:ノナナールを商業的な製剤に追加する事の効果を、モロコシ作物で5日に渡って試験した。ルアーを2つの商業的なサプライヤーから購入した。本明細書に於いては、「商業的なサプライヤーA」(セントリー・バイオロジカルズ・インク(Scentry Biologicals Inc.)、ビリングス、モンタナ、米国からのL105A)及び「商業的なサプライヤーB」(トレセ(Trece)、アデア、オクラホマ、米国からのFAW3143)と言われる。此れ等のルアーは其々の企業に依ってゴムセプタムに製剤された。ノナナールは上に記載されている同じやり方で製剤され、真っ直ぐにした金属ペーパークリップが、ノナナールを仕込んだバイアル及び商業的なルアー両方を一緒に保持した。此のセットがハートスタック(Hartstack)トラップ内にインストールされ、トラップは上に記載されている同じ様式で位置付けられた。次の処置への雄のFAWの誘引を試験した:
・バイアルディスペンサーの混じり気のないパラフィンオイルと組み合わせた商業的なサプライヤーBルアー(ノナナールなし)、
・バイアルディスペンサーの20μgのノナナールと組み合わせた商業的なサプライヤーBルアー、
・バイアルディスペンサーの混じり気のないパラフィンオイルと組み合わせた商業的なサプライヤーAルアー(ノナナールなし)、
・バイアルディスペンサーの20μgのノナナールと組み合わせた商業的なサプライヤーAルアー。
異なる用量のノナナールを商業的なサプライヤーAルアーとの組み合わせで検討する事を狙った第2の研究を、同じ作物で第2の5日期間に渡って執り行なった。上に記載されている同じ手続きを用いて、次の処置への雄のFAWの誘引を試験した:
・バイアルディスペンサーの混じり気のないパラフィンオイルと組み合わせた商業的なサプライヤーAルアー(ノナナールなし)、
・バイアルディスペンサーの10μgのノナナールと組み合わせた商業的なサプライヤーAルアー、
・バイアルディスペンサーの20μgのノナナールと組み合わせた商業的なサプライヤーAルアー、
・バイアルディスペンサーの40μgのノナナールと組み合わせた商業的なサプライヤーAルアー、
・バイアルディスペンサーの80μgのノナナールと組み合わせた商業的なサプライヤーAルアー。
統計分析:全ての統計分析はR(バージョン3.5.1)で行なった。オルファクトメーターに依る製剤に対する雄のFAWの行動応答は、二項一般化線形モデルに依って分析した。処置当たりの同じ日の雄のFAW捕獲数を組み合わせ、ポアソン一般化線形モデル(GLM)に依って分析した。捕獲を有さなかった処置は分析には包含されなかった。
例2
電気生理学及び化学分析
フェロモン腺活性化合物を、触角電図検出にカップリングされたガスクロマトグラフィー(GC-EAD)を用いて雄の触角に依って認識した。混じり気のないヘキサン(コントロール)の化合物は、何れかのEAD応答を誘起しなかった。図1のI及びIIを見よ。公知のフェロモン成分に加えて、腺抽出物からの1つの追加の活性化合物がずっと早い保持時間(10.2min;図1のIII及びIVを見よ)に於いて溶出し、質量分析に依ってノナナールとして同定された。ノナナールの量はフェロモン主成分Z9-14:OAcに対して相対的に1.12%であった。
例3
行動応答
合成2成分フェロモン製剤へのノナナールの追加は、オルファクトメーターアッセイに於いて雄のFAWの誘引を増強した。図2を見よ。Z9-14:OAc及びZ7-12:OAcに依る2成分フェロモン製剤は、試験された雄の80%を活性化したが、40%のみがフェロモン発生源に到達した。然し乍ら、ノナナールの追加は全ての用量に於いて雄の活性化を100%迄増大させ、66%よりも多くが発生源に到達した。此れ等の中で、1%ノナナールの追加は最も誘引性の製剤を生み出し、試験された雄の100%を誘導してフェロモン発生源に到達させた。コントロールのヘキサンは雄の6.6%のみを活性化し、此れ等の何れもフェロモン発生源には到達しなかった。
例4
圃場試験
綿圃場に於ける雄のFAWの圃場捕獲に対する、2成分フェロモン製剤(100μgのZ9-14:OAc及び0.58μgのZ7-12:OAc)に追加された時のノナナールの効果。ノナナールを異なる用量の0.1及び1μgで試験した。此れ等はフェロモン主成分Z9-14:OAcの量の0.1%及び1%に対応する。ノナナールの追加は、1%ノナナールの追加に依ってトラップの雄のFAW数を有意に増大させ、フェロモンミックス単独と比較して捕獲を155%改善した。図3を見よ。0.1%ノナナールの追加は、単独の及び1%ノナナールの追加に依るフェロモンミックスの間の中間的なトラップ捕獲を有した。コントロールトラップは何れかの雄を捕獲しなかった。
第2のアッセイに於いては、同じプロットで、フェロモン成分Z9-14:OAc及びZ7-12:OAcの量が其々1mg及び5μgに増大させられ、より高い割合のノナナールを包含した。先の実験の通り、1%ノナナールをフェロモン製剤に追加する事は、1日当たりの最も高い雄の捕獲数を生み出したが(フェロモン単独に依る捕獲よりも100%多い)、2%及び4%ノナナールの追加は捕獲された雄の数を減少させ、フェロモン製剤単独と有意には異ならなかった。図4を見よ。ノナナール単独は何れかの捕獲を生み出さなかった。図4を見よ。
例5
改変された商業的なルアーに依る圃場試験
ノナナールを、2つの企業の商業的なサプライヤーA(セントリー・バイオロジカルズ(Scentry Biologicals)、ビリングス、モンタナ、米国)及び商業的なサプライヤーB(トレセ(Trece)、アデア、オクラホマ、米国)からの商業的なルアーに追加した。2つの成分を含有した例4に用いられた製剤とは違って、此れ等のルアーは、4つの成分、即ちZ9-14:OAc、Z7-12:OAc、Z9-12:OAc、及びZ11-16:OAcを含有した。企業代表者との通信に基づくと、商業的なルアー中のフェロモン主成分Z9-14:OAcの量は2mgであると推定された。フェロモン主成分に対して相対的に1%ノナナールの追加は、例4の圃場試験に於いて最も高いトラップ捕獲を生み出したので、20μg(1%)ノナナールを此れ等の商業的なルアーに追加した。ノナナールの追加は、商業的なルアー単独と比較して1日当たりの捕獲された雄数を有意に増大させたが、例4の圃場試験に於いて捕獲された雄数程高くではなかった。図5A及び5Bを見よ。ノナナールは、其々商業的なサプライヤーA及び商業的なサプライヤーBルアーについてトラップ捕獲を46.5%及び53%増大させた。
商業的なルアーへの20μgノナナール(1%)の追加は、2成分フェロモン製剤への追加で先に観察された様には捕獲された雄数を倍加しなかったので、他のノナナール用量の効果を商業的なサプライヤーAルアーを用いて検討した。結果は、ノナナールの量を80μg(4%)に増大させる事が、商業的なルアー単独と比較して捕獲された雄数を52.4%迄増大させたという事を示している。図6を見よ。1%及び2%の追加はトラップ捕獲をやや増大させたのみであり、8%の追加はトラップ捕獲を減少させた。図6を見よ。
概要として、前には記載された事がなく且つ圃場アッセイに於いて捕獲された雄の蛾数を有意に増大させる新たなFAWフェロモン成分が同定された。ノナナールは、蛾ではなく植物及び鳥の様な幾つかの動物に於いて普通に検出された短鎖アルデヒドである。先の研究は、化学的な技術及び行動アッセイを用いてだが、触角からの何れかの電気生理学的データなしに、FAWの性フェロモン腺を評価したのみであった。微量のノナナールの単純な追加は、世界的に広がった此の害虫についての監視、モニタリング、及びコントロールツールを改善し得る。
従って、先行のFAWフェロモンルアーへのノナナールの追加は、FAWの雄をトラップ、殺虫剤、又は考案された他の害虫管理に誘引する事を要求する何れかの適用を改善し得る。此れ等の適用は害虫の検出を包含し、其れが先には存在していない所に於ける、例えば港又は空港のコンテナを包含する入国ポートに於ける、及びFAWの集団サイズを推定する為に用いられるモニタリングシステムに於けるFAWを検出する為の監視システムを包含する。モニタリングは統合的な害虫管理の或るステップであり、此れは経済的損失の前にコントロール方法が適用される事を必要とするかどうかを農家に通知する。其れは、害虫コントロール作業が成功した(即ち、より少数の蛾がトラップされる様に、幼虫及び成虫の蛾を殺除した)かどうかをもまた農家に通知し得る。害虫のコントロールの為の適用は、農業圃場に於けるFAW集団を縮減する為のトラップ・殺除方法を包含し、此れ等は、殺除剤(例えば殺虫剤)をもまた含有するディスペンサーに雄の蛾を誘引する事を含む。他のコントロール方法はマストラップを包含し、此れには、フェロモンを含有するトラップに多数の蛾を誘引し、其れ故に集団から雄を取り除く事が関わる。別のコントロール方法は交尾撹乱であり、此れは、例えばフェロモンのディスペンサーを複数の場所に適用する事に依って、圃場にフェロモンを充満させる事を含む。其れから、雄の蛾は合成フェロモンに依って混乱し、フェロモンを放出している雌を見つける事に困難を有し、遂にはFAWのライフサイクルを撹乱する。自己接種は、雄がフェロモンルアーに誘引され、其処では其れ等が遅効性の殺虫剤又は生物学的コントロール薬剤(例えば細菌、ウイルス、真菌、線虫等)を投薬され、其れから、其れ等は此れを交尾に依って雌に移すコントロール方法である。
本明細書に記載される商業的なサプライヤーA及び商業的なサプライヤーBルアーに加えて、ノナナールは、FAWの為の他の商業的なルアー(例えば、Z9-14:OAc及びZ7-12:OAcを含有する2成分ルアー;Z9-14:OAc、Z7-12:OAc、Z9-12:OAc、及びZ11-16:OAcを含有する4成分ルアー、又は先に同定されたFAWフェロモン成分の何れかを含有する他の製剤を包含する)にもまた追加され得る。構造的にノナナールに類似だが異なる炭化水素鎖長を有する他のアルデヒド、例えばヘプタナール、オクタナール、デカナール、及びウンデカナールもまた、ノナナールとの組み合わせで又は其れとは別個に何方かで、現行の商業的なルアーを改善する為に包含され得る。
本開示の主題の範囲から逸脱する事なしに、本開示の主題の種々の詳細は変更され得るという事は理解されるであろう。更に其の上、前述の記載は限定の目的の為ではなく例解の目的のみの為である。

Claims (31)

  1. スポドプテラ種の雄の農業害虫を誘引する為の組成物であって、前記の組成物が:
    (a)少なくとも1つのC7-C11アルデヒドを含む第1の活性成分と;
    (b)少なくとも1つのC12-C16アルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコールを含む第2の活性成分と、
    を含む、組成物。
  2. 農業害虫がスポドプテラ・フルギペルダである、請求項1に記載の組成物。
  3. 第1の活性成分がノナナールを含むか又は其れから成る、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
  4. 第2の活性成分がC12酢酸エステル及び/又はC14酢酸エステル及び/又はC16酢酸エステルを含み、任意に、前記のC12酢酸エステル及び/又はC14酢酸エステル及び/又はC16酢酸エステルがアルケン基を含む、請求項1~3の何れか1項に記載の組成物。
  5. 第2の活性成分が、酢酸(Z)-9-テトラデセニル(Z9-14:OAc)、酢酸(Z)-7-ドデセニル(Z7-12:OAc)、(Z)-9-ドデセニル酢酸エステル(Z9-12:OAc)、酢酸(Z)-11-ヘキサデセニル(Z11-16:OAc)、又は其れ等の組み合わせを含み;任意に、第2の活性成分がZ9-14:OAc、Z7-12:OAc、Z9-12:OAc、及びZ11-16:OAcの少なくとも2つを含み;更に任意に、第2の活性成分が、酢酸(Z)-10-テトラデセニル(Z10-14:OAc)、酢酸テトラデシル(14:OAc)、酢酸(Z)-11-テトラデセニル(Z11-14:OAc)、酢酸(E)-7-ドデセニル(E7-12:OAc)、酢酸ドデシル(12:OAc)、酢酸(Z)-11-ドデセニル(Z11-12:OAc)、(Z)-9-テトラデセナール(Z9-14:Ald)、及び(Z)-11-ヘキサデセナール(Z11-16:Ald)から成る群から選択される1つ以上の追加の成分を更に含む、請求項4に記載の組成物。
  6. 第1及び第2の活性成分の1つ又は両方が徐放製剤に製剤され、任意に、前記の第1の活性成分が油中に製剤される、請求項1~5の何れか1項に記載の組成物。
  7. 第1の活性成分がノナナールを含み、第2の活性成分がZ9-14:OAcを含み;ノナナールが、Z9-14:OAcの重量と比較して約0.10重量%から約50重量%の範囲である量で存在する、請求項1~6の何れか1項に記載の組成物。
  8. ノナナールがZ9-14:OAcの重量と比較して約1重量%で存在する、請求項7に記載の組成物。
  9. 第1の活性成分及び第2の活性成分が別個に製剤される、請求項1~8の何れか1項に記載の組成物。
  10. 殺害虫剤、遅効性の殺虫剤、又は生物学的薬剤を更に含み、任意に、前記の生物学的薬剤が細菌、真菌、ウイルス、及び線虫から選択され、任意に、前記の殺害虫剤が即効性の殺虫剤である、請求項1~9の何れか1項に記載の組成物。
  11. スポドプテラ種の雄の農業害虫を誘引する方法であって、方法が、1つ以上のベイト剤又はルアーを提供する事を含み、前記の1つ以上のベイト剤又はルアーが、(a)少なくとも1つのC7-C11アルデヒドを含む第1の活性成分と;(b)少なくとも1つのC12-C16アルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコールを含む第2の活性成分とを併せて含む、方法。
  12. 農業害虫がスポドプテラ・フルギペルダである、請求項11に記載の方法。
  13. 第1の活性成分がノナナールを含むか又は其れから成る、請求項11又は請求項12に記載の方法。
  14. 第2の活性成分がC12酢酸エステル及び/又はC14酢酸エステル及び/又はC16酢酸エステルを含み、任意に、前記のC12酢酸エステル及び/又は前記のC14酢酸エステル及び/又は前記のC16酢酸エステルがアルケン基を含む、請求項11~13の何れか1項に記載の方法。
  15. 第2の活性成分が酢酸(Z)-9-テトラデセニル(Z9-14:OAc)、酢酸(Z)-7-ドデセニル(Z7-12:OAc)、(Z)-9-ドデセニル酢酸エステル(Z9-12:OAc)、酢酸(Z)-11-ヘキサデセニル(Z11-16:OAc)、又は其れ等の組み合わせを含み;任意に、第2の活性成分がZ9-14:OAc、Z7-12:OAc、Z9-12:OAc、及びZ11-16:OAcの少なくとも2つを含み;更に任意に、第2の活性成分が、酢酸(Z)-10-テトラデセニル(Z10-14:OAc)、酢酸テトラデシル(14:OAc)、酢酸(Z)-11-テトラデセニル(Z11-14:OAc)、酢酸(E)-7-ドデセニル(E7-12:OAc)、酢酸ドデシル(12:OAc)、酢酸(Z)-11-ドデセニル(Z11-12:OAc)、(Z)-9-テトラデセナール(Z9-14:Ald)、及び(Z)-11-ヘキサデセナール(Z11-16:Ald)から成る群から選択される1つ以上の追加の成分を更に含む、請求項14に記載の方法。
  16. 第1及び第2の活性成分の1つ又は両方が徐放製剤に製剤され、任意に、第1の成分が油中に製剤される、請求項11~15の何れか1項に記載の方法。
  17. 第1の活性成分がノナナールを含み、第2の活性成分がZ9-14:OAcを含み;ノナナールが、Z9-14:OAcの重量と比較して約0.10重量%から約50重量%の範囲である量で存在する、請求項11~16の何れか1項に記載の方法。
  18. ノナナールがZ9-14:OAcの重量と比較して約1重量%で存在する、請求項17に記載の方法。
  19. 第1の活性成分及び第2の活性成分が別個に製剤され、任意に、第1の活性成分が第2の活性成分とは別個のディスペンサーに依って提供される、請求項11~18の何れか1項に記載の方法。
  20. 第1の活性成分が油中に製剤され、第1のディスペンサーに依って提供され、第2の活性成分が第2のディスペンサーに依って提供され、任意に、前記の第2のディスペンサーがゴムを含む、請求項19に記載の方法。
  21. 1つ以上のベイト剤又はルアーが、1つ以上の害虫をトラップする為のハウジングと結び付けて提供され、方法が、ハウジング内にスポドプテラ種の1つ以上の雄の農業害虫を収集する事を更に含む、請求項11~20の何れか1項に記載の方法。
  22. ハウジングにトラップされた害虫数を分析する事に基づいて害虫集団サイズを推定する事を更に含む、請求項21に記載の方法。
  23. 方法が、トラップされた雄の害虫を前記のハウジングに留める事又は前記のトラップされた害虫を別のハウジングに移す事を更に含み、其れに依って、雄の害虫をトータルの害虫集団から取り除く事及び交尾に利用可能な雄の害虫数を縮減する事に依って害虫集団をコントロールする、請求項21又は請求項22に記載の方法。
  24. 方法が、誘引された任意にトラップされた雄の害虫を遅効性の殺虫剤又は生物学的コントロール薬剤に依って処置する事と;処置された雄害虫を放虫する事とに依って、害虫集団をコントロールする事とを更に含み、処置された雄の害虫が、遅効性の殺虫剤又は生物学的コントロール薬剤を交尾に依って雌の害虫に移す、請求項11~22の何れか1項に記載の方法。
  25. 方法が、1つ以上のベイト剤又はルアーの複数を選ばれた場所に提供する事に依って害虫集団をコントロールする事を更に含み、其れに依って、場所に第1及び第2の成分を充満させて、雄の農業害虫を混乱させ、前記の雄の農業害虫が相手を見つける事をより困難にする、請求項11~22の何れか1項に記載の方法。
  26. 方法が、誘引された任意にトラップされた雄の害虫を殺害虫剤、任意に即効性の殺虫剤に依って処置する事に依って、害虫集団をコントロールする事を更に含む、請求項11~22の何れか1項に記載の方法。
  27. 方法が、入国ポートに於いて又は其の近くで、任意に、港、空港、道路、及び/又は電車の国境検問所の輸入コンテナに於いて又は其の近くで行なわれて、前記の害虫の存在又は不在を検出する、請求項11~22の何れか1項に記載の方法。
  28. スポドプテラ種の雄の農業害虫を誘引及び捕捉する為の多成分デバイスであって、デバイスが:
    (a)少なくとも1つのC7-C11アルデヒドを含む第1の活性成分と;
    (b)少なくとも1つのC12-C16アルデヒド、酢酸エステル、又は第一級アルコールを含む第2の活性成分と;
    (c)前記の雄の農業害虫が入る為の1つ以上の開口部を含むハウジングと(任意に、前記のハウジングは、固定された位置にデバイスをマウントする様に構成されたマウントを更に含む);
    (d)1つ以上のディスペンサーと、
    を含み、
    第1の活性成分(a)が前記の1つ以上のディスペンサーの少なくとも1つに組み込まれ、第2の活性成分(b)が前記の1つ以上のディスペンサーの少なくとも1つに組み込まれる、
    多成分デバイス。
  29. 前記の1つ以上のディスペンサーの少なくとも1つが、ポリマー、ガラス、ゴム、エラストマー、セルロース、木材、及びフェルトから成る群から選択される化学的に中性の材料から作られる、請求項28に記載のデバイス。
  30. ハウジングが、粘着剤を含むインサートを更に含み、此れが前記の害虫に粘着して、前記の害虫をハウジングから脱出しないようにし得る、請求項28又は29に記載のデバイス。
  31. (e)殺除剤、遅効性の殺虫剤、又は生物学的薬剤を含む更なる活性な薬剤を更に含み、任意に、前記の生物学的薬剤が細菌、ウイルス、真菌、及び線虫から成る群から選択される、請求項28~30の何れか1項に記載のデバイス。
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