JP2023506488A - 家族性自律神経失調症を処置するための化合物 - Google Patents

家族性自律神経失調症を処置するための化合物 Download PDF

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Abstract

本明細書は、細胞におけるpre-mRNAスプライシングを改善するのに有用な化合物に関する。詳細には、本明細書の別の態様は、置換チエノ[3,2-d]ピリミジン化合物、その形態及び医薬組成物、ならびに家族性自律神経失調症を処置する、または寛解させるための使用方法に関する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月12日に出願された米国仮出願第62/947,049号に対する優先権を主張するものである。
共同研究契約の声明
特許請求されている発明の有効な出願日に、またはその前に実施された共同研究契約に対する1名または複数名の当事者により、または当事者の代理として、開示されている主題が開発され、特許請求されている発明が創出された。特許請求されている発明は、共同研究契約の範囲内で取り組まれた活動の結果として創出されたものである。共同研究契約の当事者は、PTC Therapeutics, Inc.及びThe General Hospital Corporation, d/b/a Massachusetts General Hospitalである。
本明細書の態様は、細胞におけるpre-mRNAスプライシングを改善するのに有用な化合物に関する。詳細には、本明細書の別の態様は、置換チエノ[3,2-d]ピリミジン化合物、その形態及び医薬組成物、ならびに家族性自律神経失調症を処置する、または寛解させるための使用方法に関する。
家族性自律神経失調症(FD)は、広範な知覚性の、及び変動的な自律神経性の機能異常を特徴とする、中枢及び末梢神経系の遺伝性感覚自律性ニューロパチー(HSAN)である。FDは、神経の発達に影響を与え、進行性のニューロン変性に関連している。複数の系が影響を受け、クオリティオブライフの著しい低下及び早期死亡をきたす。FDは、IKBKAP(ELP1とも呼ばれる)遺伝子における変異によって引き起こされ、今日までに説明されているすべての症例において、イントロン20の6位におけるTのCへの変異を保有する少なくとも1つの対立遺伝子が存在し、これにより、組織特異的なエクソンスキッピングの特有なパターンが生じる。
pre-mRNAスプライシング機構の治療標的化、及びFDの処置に有用なキネチン誘導体は、国際特許出願第WO2016/115434号に記載されており、その開示は、参照によりその全体が組み込まれる。
本明細書で言及されている他の文書はすべて、本明細書においてあたかも完全に明記されているかのように、参照により本出願に組み込まれる。
本明細書の態様は、式(I)の化合物を含む化合物、またはその一形態を含む。
Figure 2023506488000001
(式中、R1、R2、R3、及びR4は、本明細書で定義されている)
本明細書の態様は、FDを処置する、または寛解させるための式(I)の化合物、またはその一形態もしくは組成物の使用を必要とする対象におけるその使用方法であって、対象に有効量の式(I)の化合物、またはその一形態もしくは組成物を投与することを含む前記方法を含む。
本明細書の態様は、FDを処置する、または寛解させるための式(I)の化合物またはその一形態の使用を必要とする対象におけるその使用であって、対象に有効量の式(I)の化合物またはその一形態を投与することを含む前記使用を含む。
本明細書の態様は、FDを処置する、または寛解させるための医薬を必要とする対象におけるその医薬の製造での、式(I)の化合物またはその一形態の使用であって、対象に有効量の医薬を投与することを含む前記使用を含む。
本明細書の態様は、式(I)の化合物を含む化合物、またはその一形態であって、その塩、水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体、及び互変異性体形態からなる群から選択される前記化合物の形態に関する。
Figure 2023506488000002
(式中、
1は、1、2、3または4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよいアリールまたはヘテロアリールであり、
1aは、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり、
2は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、
1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよく、
1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、及びヘテロシクリルの各例は、(R)または(S)配置を有するキラル炭素を含有してもよく、
2aは、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、ハロ-C1-6アルコキシ、カルボキシル、アミノ、C1-6アルキル-アミノ、ハロ-C1-6アルキル-アミノ、ジュウテロ-C1-6アルキル-アミノ、(C1-6アルキル)2-アミノ、C3-10シクロアルキル-アミノ、アリール-アミノ、ヘテロシクリル-アミノ、ヘテロアリール-アミノ、C1-6アルキル-チオ、C1-6アルキル-スルホニル、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、
3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a´置換基で置換されてもよく、
2a´は、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり、
3は、水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミノ、C1-6アルキル-アミノ、(C1-6アルキル)2-アミノ、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、
1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されてもよく、
3aは、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり、
4は、水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、カルバモイル、C3-10シクロアルキル、アリール、またはヘテロシクリルである)
一態様は、R1が、1、2、3または4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよいアリールまたはヘテロアリールである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、1または2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよいアリールまたはヘテロアリールである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、1、2、3または4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよいアリールである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、1個のR1a置換基で置換されてもよいアリールである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、1、2、3または4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよいフェニル及びナフチルから選択されるアリールである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、1、2、3または4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよいフェニルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、1個のR1a置換基で置換されてもよいフェニルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、1、2、3または4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよいヘテロアリールである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、1または2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよいヘテロアリールである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル及びキノリニルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル及びキノリニルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、1または2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル及びキノリニルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、1個のR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル及びキノリニルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、及びピラジニルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、及びピラジニルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、1または2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、及びピラジニルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、1個のR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラニル、チオフェニル、1H-ピロリル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、及びピラジニルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-1-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-1-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-1-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-3-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、テトラゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,3-チアジアゾール-4-イル、1,2,3-チアジアゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピラジン-2-イル、ピリダジン-3-イル、ピリダジン-4-イル、ベンゾフラン-2-イル、ベンゾフラン-5-イル、及びキノリン-4-イルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-1-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-1-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-1-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-3-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、テトラゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,3-チアジアゾール-4-イル、1,2,3-チアジアゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピラジン-2-イル、ピリダジン-3-イル、ピリダジン-4-イル、ベンゾフラン-2-イル、ベンゾフラン-5-イル、及びキノリン-4-イルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、1または2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-1-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-1-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-1-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-3-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、テトラゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,3-チアジアゾール-4-イル、1,2,3-チアジアゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピラジン-2-イル、ピリダジン-3-イル、ピリダジン-4-イル、ベンゾフラン-2-イル、ベンゾフラン-5-イル、及びキノリン-4-イルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、1個のR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-1-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-1-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-1-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-3-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、テトラゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,3-チアジアゾール-4-イル、1,2,3-チアジアゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピラジン-2-イル、ピリダジン-3-イル、ピリダジン-4-イル、ベンゾフラン-2-イル、ベンゾフラン-5-イル、及びキノリン-4-イルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、及びピラジン-2-イルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、及びピラジン-2-イルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、1または2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、及びピラジン-2-イルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、1個のR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1が、フラン-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1,2-チアゾール-4-イル、1,2-チアゾール-5-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-4-イル、1,3-チアゾール-5-イル、1,2-オキサゾール-3-イル、1,2オキサゾール-4-イル、1,2-オキサゾール-5-イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3-オキサゾール-4-イル、1,3-オキサゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、及びピラジン-2-イルから選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリールの各例は、2個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
一態様は、R1aが、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1aがハロまたはC1-6アルキルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1aが、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードから選択されるハロである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1aがフルオロである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1aが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルから選択されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1aがメチルである、式(I)の化合物を含む。
一態様は、R2が水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよく、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、及びヘテロシクリルの各例は、(R)または(S)配置を有するキラル炭素を含有してもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が水素である、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいC1-6アルキルであり、C1-6アルキルは、(R)または(S)配置を有するキラル炭素を含有してもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいC1-6アルキルであり、C1-6アルキルは、(R)配置を有するキラル炭素を含有する、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいC1-6アルキルであり、C1-6アルキルは、(S)配置を有するキラル炭素を含有する、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルから選択されるC1-6アルキルであり、C1-6アルキルは、(R)または(S)配置を有するキラル炭素を含有してもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルから選択されるC1-6アルキルであり、C1-6アルキルは、(R)配置を有するキラル炭素を含有する、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルから選択されるC1-6アルキルであり、C1-6アルキルは、(S)配置を有するキラル炭素を含有する、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチルから選択されるC1-6アルキルであり、C1-6アルキルは、(R)または(S)配置を有するキラル炭素を含有してもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチルから選択されるC1-6アルキルであり、C1-6アルキルは、(R)配置を有するキラル炭素を含有する、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチルから選択されるC1-6アルキルであり、C1-6アルキルは、(S)配置を有するキラル炭素を含有する、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは、(R)または(S)配置を有するキラル炭素を含有してもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは、(R)配置を有するキラル炭素を含有する、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは、(S)配置を有するキラル炭素を含有する、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいアゼチジニル、オキセタニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2H-ピラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、1,3-オキサジナニル、1,3-オキサジナン-2-オン-イル、及びアゼパニルから選択されるヘテロシクリルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいアゼチジニル及びピロリジニルから選択されるヘテロシクリルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいアゼチジン-2-イル、アゼチジン-3-イル、オキセタン-2-イル、オキセタン-3-イル、ピラゾリジン-1-イル、ピラゾリジン-2-イル、ピラゾリジン-3-イル、ピラゾリジン-4-イル、ピラゾリジン-5-イル、テトラヒドロフラン-1-イル、テトラヒドロフラン-2-イル、オキサゾリジン-2-イル、オキサゾリジン-4-イル、オキサゾリジン-5-イル、チアゾリジン-2-イル、チアゾリジン-4-イル、チアゾリジン-5-イル、イソチアゾリジン-3-イル、イソチアゾリジン-4-イル、イソチアゾリジン-5-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、ピペラジン-1-イル、ピペラジン-2-イル、ピペラジン-3-イル、2H-ピラン-2-イル、2H-ピラン-3-イル、2H-ピラン-4-イル、2H-ピラン-5-イル、2H-ピラン-6-イル、テトラヒドロピラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イル、モルホリン-4-イル、1,3-オキサジナン-2-イル、1,3-オキサジナン-3-イル、1,3-オキサジナン-4-イル、1,3-オキサジナン-2-オン-6-イル、アゼパン-1-イル、アゼパン-2-イル、アゼパン-3-イル、及びアゼパン-4-イルから選択されるヘテロシクリルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよいアゼチジン-3-イル及びピロリジン-3-イルから選択されるヘテロシクリルである、式(I)の化合物を含む。
一態様は、R2aが、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、ハロ-C1-6アルコキシ、カルボキシル、アミノ、C1-6アルキル-アミノ、ハロ-C1-6アルキル-アミノ、ジュウテロ-C1-6アルキル-アミノ、(C1-6アルキル)2-アミノ、C3-10シクロアルキル-アミノ、アリール-アミノ、ヘテロシクリル-アミノ、ヘテロアリール-アミノ、C1-6アルキル-チオ、C1-6アルキル-スルホニル、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a´置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aが、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミノ、C1-6アルキル-アミノ、C3-10シクロアルキル-アミノ、C3-10シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、C3-10シクロアルキルまたはヘテロシクリルの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a´置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aが、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードから選択されるハロである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aがフルオロである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aがヒドロキシである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルから選択されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aがメチルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、及びtert-ブトキシから選択されるC1-6アルコキシである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aがメトキシである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aがアミノである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aがC1-6アルキル-アミノであり、C1-6アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、イソブチル、及びtert-ブチルから選択される、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aがメチル-アミノである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aがC3-10シクロアルキル-アミノであり、C3-10シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルから選択され、C3-10シクロアルキルの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a´置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aがシクロブチル-アミノである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aがC3-10シクロアルキルであり、C3-10シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルから選択され、C3-10シクロアルキルの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a´置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aがシクロプロピルであり、C3-10シクロアルキルの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a´置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aが、アゼチジニル、オキセタニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2H-ピラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、1,3-オキサジナニル、1,3-オキサジナン-2-オン-イル、及びアゼパニルから選択されるヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a´置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aが1,3-オキサジナン-2-オン-イルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aが、アゼチジン-2-イル、アゼチジン-3-イル、オキセタン-2-イル、オキセタン-3-イル、ピラゾリジン-1-イル、ピラゾリジン-2-イル、ピラゾリジン-3-イル、ピラゾリジン-4-イル、ピラゾリジン-5-イル、テトラヒドロフラン-1-イル、テトラヒドロフラン-2-イル、オキサゾリジン-2-イル、オキサゾリジン-4-イル、オキサゾリジン-5-イル、チアゾリジン-2-イル、チアゾリジン-4-イル、チアゾリジン-5-イル、イソチアゾリジン-3-イル、イソチアゾリジン-4-イル、イソチアゾリジン-5-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、ピペラジン-1-イル、ピペラジン-2-イル、ピペラジン-3-イル、2H-ピラン-2-イル、2H-ピラン-3-イル、2H-ピラン-4-イル、2H-ピラン-5-イル、2H-ピラン-6-イル、テトラヒドロピラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イル、モルホリン-4-イル、1,3-オキサジナン-2-イル、1,3-オキサジナン-3-イル、1,3-オキサジナン-4-イル、1,3-オキサジナン-2-オン-6-イル、アゼパン-1-イル、アゼパン-2-イル、アゼパン-3-イル、及びアゼパン-4-イルから選択されるヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a´置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2aが1,3-オキサジナン-2-オン-6-イルである、式(I)の化合物を含む。
一態様は、R3が、水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミノ、C1-6アルキル-アミノ、(C1-6アルキル)2-アミノ、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、C1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3が、水素、シアノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C3-10シクロアルキル、またはアリールであり、C1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、またはアリールの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3が水素である、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3がシアノである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3が、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードから選択されるハロである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3がブロモである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3がヒドロキシである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3が、1、2、3または4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルから選択されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3が、1、2、3または4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されてもよいメチル及びエチルから選択されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3が、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、及びtert-ブトキシから選択されるC1-6アルコキシである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3がメトキシである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3が、1、2、3または4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されてもよいシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルから選択されるC3-10シクロアルキルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3が、1、2、3または4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されてもよいシクロプロピルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3が、1、2、3または4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されてもよいフェニル及びナフチルから選択されるアリールである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3が、1、2、3または4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されてもよいフェニルである、式(I)の化合物を含む。
一態様は、R3aが、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3aがハロまたはC1-6アルコキシである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3aが、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードから選択されるハロである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3aがクロロである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3aが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、及びtert-ブトキシから選択されるC1-6アルコキシである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3aがメトキシである、式(I)の化合物を含む。
一態様は、R4が、水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、カルバモイル、C3-10シクロアルキル、アリール、またはヘテロシクリルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4が、水素、シアノ、ハロ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、カルバモイル、C3-10シクロアルキル、またはアリールである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4が水素である、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4がシアノである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4が、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードから選択されるハロである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4が、クロロ及びブロモから選択されるハロである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルから選択されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4が、メチル及びエチルから選択されるC1-6アルキルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4がハロ-C1-6アルキルであり、C1-6アルキルは、利用できる価数により可能であれば、1個または複数のハロゲン原子で部分的に、または完全に置換されるメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルから選択される、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4がハロ-C1-6アルキルであり、C1-6アルキルは、3個のフッ素原子で置換されているメチルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4がカルバモイルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルから選択されるC3-10シクロアルキルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4がシクロプロピルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4が、フェニル及びナフチルから選択されるアリールである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4がフェニルである、式(I)の化合物を含む。
式(I)の化合物またはその形態の一態様は、
Figure 2023506488000003
Figure 2023506488000004
Figure 2023506488000005
Figure 2023506488000006
Figure 2023506488000007
Figure 2023506488000008
Figure 2023506488000009
Figure 2023506488000010
Figure 2023506488000011
Figure 2023506488000012
Figure 2023506488000013
からなる群から選択される化合物を含み、化合物の形態は、その塩、水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体、及び互変異性体形態からなる群から選択される。
式(I)の化合物またはその形態の態様(化合物番号(#1)は、塩形態が単離されていることを指し示す)は、
Figure 2023506488000014
Figure 2023506488000015
Figure 2023506488000016
Figure 2023506488000017
Figure 2023506488000018
Figure 2023506488000019
Figure 2023506488000020
からなる群から選択される化合物を含み、化合物の形態は、その塩、水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体、及び互変異性体形態からなる群から選択される。
式(I)の化合物またはその形態の別の態様は、
Figure 2023506488000021
Figure 2023506488000022
Figure 2023506488000023
Figure 2023506488000024
Figure 2023506488000025
からなる群から選択される化合物塩であり、化合物の形態は、その水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体、及び互変異性体形態からなる群から選択される。
本出願は、本明細書で提供される化合物、または医薬として許容できるその塩、及び少なくとも1種の医薬として許容できる担体を含む医薬組成物をさらに提供する。
本出願は、1つまたは複数のpre-mRNAスプライシング欠陥に関連する中枢及び末梢神経系の疾患である、家族性自律神経失調症の処置を必要とする対象におけるその処置方法であって、対象に治療有効量の本明細書で提供される化合物、または医薬として許容できるその塩を投与することを含む前記方法をさらに提供する。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本発明に使用するための方法及び材料は本明細書に記載されているが、当該技術分野において公知の他の好適な方法及び材料も使用することができる。
材料、方法、及び例は、例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。本明細書で言及されているすべての公報、特許出願、特許、配列、データベースエントリ及び他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。矛盾する場合には、定義を含めて本明細書が優先する。
化学的定義
上記及び本明細書の記載全体で使用される化学用語は、別途具体的に定義されていない限り、以下で指し示されている意味を有すると当業者により理解されるものとする。
本明細書で使用されている「C1-6アルキル」という用語は、一般的に、直鎖または分岐鎖配置において1~8個の炭素原子を有する飽和炭化水素ラジカルを指し、メチル、エチル、n-プロピル(プロピルまたはプロパニルとも呼ばれる)、イソプロピル、n-ブチル(ブチルまたはブタニルとも呼ばれる)、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル(ペンチルまたはペンタニルとも呼ばれる)、n-ヘキシル(ヘキシルまたはヘキサニルとも呼ばれる)などを含むが、それらに限定されない。ある態様では、C1-6アルキルは、C1-6アルキル、C1-4アルキルなどを含むが、それらに限定されない。C1-6アルキルラジカルは、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されてもよい。
本明細書で使用されている「ジュウテロ」または「ジュウテロ-C1-6アルキル」という用語は、一般的に、直鎖または分岐鎖配置において1~6個の炭素原子を有し、そこで1個または複数の炭素原子員が、構造的な安定性により可能であれば、1個または複数の重水素原子で置換されている飽和炭化水素ラジカルを指し、ジュウテロ-メチル、ジュウテロ-エチル、ジュウテロ-プロピル、ジュウテロ-ブチル、ジュウテロ-ペンチル、ジュウテロ-ヘキシルなどを含むが、それらに限定されない。ある態様では、ジュウテロ-C1-6アルキルは、ジュウテロ-C1-4アルキルなどを含むが、それらに限定されない。ジュウテロ-C1-6アルキルラジカルは、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されてもよい。
本明細書で使用されている「ヘテロ-C1-6アルキル」という用語は、一般的に、直鎖または分岐鎖配置において1~6個の炭素原子を有し、そこで1個または複数のヘテロ原子、例えばO、SまたはN原子が、鎖における員である飽和炭化水素ラジカルを指し、ヘテロ-メチル、ヘテロ-エチル、ヘテロ-プロピル、ヘテロ-ブチル、ヘテロ-ペンチル、ヘテロ-ヘキシルなどを含むが、それらに限定されない。ある態様では、ヘテロ-C1-6アルキルは、ヘテロ-C2-6アルキル、ヘテロ-C1-4アルキル、ヘテロ-C2-4アルキルなどを含むが、それらに限定されない。ヘテロ-C1-6アルキルラジカルは、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されてもよい。
本明細書で使用されている「C2-6アルケニル」という用語は、一般的に、直鎖または分岐鎖配置において2~8個の炭素原子を有し、かつそこにおいて1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を有する部分的不飽和炭化水素ラジカルを指し、エテニル(ビニルとも呼ばれる)、アリル、プロペニルなどを含むが、それらに限定されない。ある態様では、C2-6アルケニルは、C2-6アルケニル、C2-4アルケニルなどを含むが、それらに限定されない。C2-6アルケニルラジカルは、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されてもよい。
本明細書で使用されている「C2-6アルキニル」という用語は、一般的に、直鎖または分岐鎖配置において2~8個の炭素原子を有し、かつそこにおいて1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を有する部分的不飽和炭化水素ラジカルを指し、エチニル(アセチレニルとも呼ばれる)、プロピニル、ブチニルなどを含むが、それらに限定されない。ある態様では、C2-6アルキニルは、C2-6アルキニル、C2-4アルキニルなどを含むが、それらに限定されない。C2-6アルキニルラジカルは、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されてもよい。
本明細書で使用されている「C1-6アルコキシ」という用語は、一般的に、式:-O-C1-6アルキルの直鎖または分岐鎖配置において1~8個の炭素原子を有する飽和炭化水素ラジカルを指し、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシなどを含むが、それらに限定されない。ある態様では、C1-6アルコキシは、C1-6アルコキシ、C1-4アルコキシなどを含むが、それらに限定されない。C1-6アルコキシラジカルは、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されてもよい。
本明細書で使用されている「オキソ」という用語は、式:=Oのラジカルを指す。
本明細書で使用されている「カルボキシル」という用語は、式:-COOH、-C(O)OHまたは-CO2Hのラジカルを指す。
本明細書で使用されている「カルバモイル」という用語は、式:-C(O)NH2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている「C3-10シクロアルキル」という用語は、一般的に、飽和または部分的不飽和単環式、二環式または多環式炭化水素ラジカルを指し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1H-インダニル、インデニル、テトラヒドロ-ナフタレニルなどを含むが、それらに限定されない。ある態様では、C3-10シクロアルキルは、C3-8シクロアルキル、C5-8シクロアルキル、C3-10シクロアルキルなどを含むが、それらに限定されない。C3-10シクロアルキルラジカルは、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されてもよい。
本明細書で使用されている「アリール」という用語は、一般的に、単環式、二環式または多環式芳香族の炭素原子による環構造のラジカルを指し、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、アズレニル、フェナントレニルなどを含むが、それらに限定されない。アリールラジカルは、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されてもよい。
本明細書で使用されている「ヘテロアリール」という用語は、一般的に、単環式、二環式または多環式芳香族の炭素原子による環構造のラジカルにおいて、1個または複数の炭素原子環員が、構造的な安定性により可能であれば、1個または複数のヘテロ原子、例えばO、SまたはN原子で置き換えられているそのラジカルを指し、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、1,3-チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、インドリル、インダゾリル、インドリジニル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、1,3-ベンゾチアゾリル、1,3-ベンゾオキサゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニルなどを含むが、それらに限定されない。ヘテロアリールラジカルは、炭素または窒素原子環員上で、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されてもよい。
ある態様では、ヘテロアリールラジカルの命名法は、例えば非限定的な例では異なり得、フラニルは、フリルとも呼ばれ得、チオフェニルは、チエニルとも呼ばれ得、ピリジニルは、ピリジルとも呼ばれ得、ベンゾチオフェニルは、ベンゾチエニルとも呼ばれ得、1,3-ベンゾオキサゾリル(1,3-benzoxazolyl)は、1,3-ベンゾオキサゾリル(1,3-benzooxazolyl)とも呼ばれ得る。
ある他の態様では、ヘテロアリールラジカルに関する用語は、例えば非限定的な例では他の位置異性体も含み得、ピロリルという用語は、2H-ピロリル、3H-ピロリルなども含み得、ピラゾリルという用語は、1H-ピラゾリルなども含み得、イミダゾリルという用語は、1H-イミダゾリルなども含み得、トリアゾリルという用語は、1H-1,2,3-トリアゾリルなども含み得、オキサジアゾリルという用語は、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリルなども含み得、テトラゾリルという用語は、1H-テトラゾリル、2H-テトラゾリルなども含み得、インドリルという用語は、1H-インドリルなども含み得、インダゾリルという用語は、1H-インダゾリル、2H-インダゾリルなども含み得、ベンゾイミダゾリルという用語は、1H-ベンゾイミダゾリルも含み得、プリニルという用語は、9H-プリニルなども含み得る。
本明細書で使用されている「ヘテロシクリル」という用語は、一般的に、飽和または部分的不飽和単環式、二環式または多環式の炭素原子による環構造のラジカルにおいて、1つまたは複数の炭素原子環員が、構造的な安定性により可能であれば、ヘテロ原子、例えばO、SまたはN原子で置き換えられているそのラジカルを指し、オキシラニル、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、トリアゾリニル、トリアゾリジニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、テトラゾリニル、テトラゾリジニル、ピラニル、ジヒドロ-2H-ピラニル、テトラヒドロピラニル、チオピラニル、1,3-ジオキサニル、1,3-オキサジナニル、1,2,5,6-テトラヒドロピリジニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,4-ジアゼパニル、1,3-ベンゾジオキソリル、1,4-ベンゾジオキサニルなどを含むが、それらに限定されない。ヘテロシクリルラジカルは、炭素または窒素原子環員上で、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されてもよい。
本明細書で使用されている「C1-6アルキル-アミノ」という用語は、式:-NH-C16アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている「ハロ-C1-6アルキル-アミノ」という用語は、式:-NH-C1-6アルキル(式中、C1-6アルキルは、利用できる価数により可能であれば1個または複数のハロゲン原子で部分的にまたは完全に置換されている)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている「ジュウテロ-C1-6アルキル-アミノ」という用語は、式:-NH-C1-6アルキル(式中、C1-6アルキルは、利用できる価数により可能であれば1個または複数の重水素原子で部分的にまたは完全に置換されている)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている「(C1-6アルキル)2-アミノ」という用語は、式:-N(C1-6アルキル)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている「C1-6アルキル-カルボキシル-アミノ」という用語は、式:-NH-C(O)-のラジカルを指す。
本明細書で使用されている「アリール-アミノ」という用語は、式:-NH-アリールのラジカルを指す。
本明細書で使用されている「ヘテロシクリル-アミノ」という用語は、式:-NH-ヘテロシクリルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている「ヘテロアリール-アミノ」という用語は、式:-NH-ヘテロアリールのラジカルを指す。
本明細書で使用されている「C1-6アルキル-チオ」という用語は、式:-S-C1-6アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている「C1-6アルキル-スルホニル」という用語は、式:-SO2-C1-6アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、一般的に、ハロゲン原子ラジカルを指し、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを含む。
本明細書で使用されている「ハロ-C1-6アルコキシ」という用語は、式:-O-C1-6アルキル-ハロ(式中、C1-6アルキルは、利用できる価数により可能であれば、1個または複数のハロゲン原子で部分的にまたは完全に置換されている)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている「ハロ-C1-6アルキル」という用語は、式:-C1-6アルキル-ハロ(式中、C1-6アルキルは、利用できる価数により可能であれば、1個または複数のハロゲン原子で部分的にまたは完全に置換されている)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている「ジュウテロ-C1-6アルキル」という用語は、式:-C1-6アルキル-ジュウテロ(式中、C1-6アルキルは、利用できる価数により可能であれば、1個または複数の重水素原子で部分的にまたは完全に置換されている)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている「ヒドロキシ」という用語は、式:-OHのラジカルを指す。
本明細書で使用されている「ヒドロキシ-C1-6アルキル」という用語は、式:-C1-6アルキル-OH(式中、C1-6アルキルは、利用できる価数により可能であれば、1個または複数のヒドロキシラジカルで部分的にまたは完全に置換されている)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている「置換基」という用語は、指定された原子位置で、指定された原子上の1つまたは複数の水素と置き換わり置換されるが、但し、指定された原子の通常の価数を超えないこと、及び置換により安定な化合物が生じることを条件とする、中核分子の原子上における位置可変基を意味する。置換基及び/または可変基の組合せは、そのような組合せにより安定な化合物が生じる場合にのみ許容される。当業者は、本明細書に記載されているまたは示されているように、価数が満たされていないように思われる任意の炭素ならびにヘテロ原子が、記載されているまたは示されている価数を満たすのに十分な数の水素原子(複数可)を有すると推定されることに留意すべきである。ある例では、付着点として二重結合を有する1個または複数の置換基(例えば「オキソ」または「=O」)は、本明細書では置換基内に記載され得るか、示され得るか、または列挙され得、構造では、式(I)の中核構造への付着点として単結合しか示されないことがある。当業者であれば、単結合しか示されていなくても、そのような置換基に対しては二重結合が意図されていることを理解するであろう。
本明細書で示されている化学用語の定義に関して、本明細書で使用されている「など」という用語は、当業者が予想できる化学構造における変形が、異性体(鎖、分岐または位置構造異性体を含む)、環系の水和(単環式、二環式または多環式環構造の飽和または部分的不飽和を含む)、及び利用できる価数により可能であれば、安定な化合物を生じる他の変形すべてを含むが、それらに限定されないことを意味する。
この説明の目的に関して、式(I)の化合物またはその一形態の1個または複数の置換可変基(substituent variables)が、式(I)の化合物に組み込まれている官能基を包含する場合、開示されている化合物内の任意の場所に現れる各官能基は、独立して選択され得、必要に応じて独立して、かつ/または任意に置換され得る。
本明細書で使用されている「独立して選択される」または「それぞれ選択される」という用語は、式(I)の構造上で1回超発生し得る置換基リスト中の官能可変基を指し、それぞれの出現における置換パターンは、任意の他の発生におけるパターンとは無関係である。さらに、本明細書に記載されている化合物に対する、任意の式または構造上の一般的な置換可変基の使用は、特定の属内に含まれる種の置換基を用いた一般的な置換基の置き換えを含み、例えば、アリールは、フェニルまたはナフタレニルなどで置き換えられ得、生じた化合物は、本明細書に記載されている化合物の範囲内に含まれることになると理解される。
本明細書で使用されている「の各例」または「存在する場合、各例において」という用語は、例えば「…C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル、アリール、アリール-C1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-4アルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリル-C1-4アルキル」という語句に続いて使用される場合、それぞれが単独で、または置換基として存在する際に、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル環系を指すよう意図されている。
本明細書で使用されている「置換されてもよい」という用語は、特定の置換可変基、基、ラジカルまたは部分での任意選択の置換を意味する。
化合物の形態
本明細書で使用されている「形態」という用語は、その遊離酸、遊離塩基、プロドラッグ、塩、水和物、溶媒和物、包摂化合物、アイソトポログ、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体、多形体及び互変異性体形態からなる群から選択される形態を有する式(I)の化合物を意味する。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、その遊離酸、遊離塩基または塩である。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、その塩である。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、そのアイソトポログである。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、その立体異性体、ラセミ化合物、鏡像異性体またはジアステレオ異性体である。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、その互変異性体である。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、医薬として許容できる形態である。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物、またはその一形態は、使用するために単離されている。
本明細書で使用されている「単離されている」という用語は、単離もしくは精製プロセスまたは本明細書に記載されている、もしくは当業者に周知のプロセス(例えば、クロマトグラフィー、再結晶化など)に従って、本明細書に記載されている、または当業者に周知の標準的な分析技術により特徴付けられるのに十分な純度で、合成プロセスから(例えば反応混合物から)、または天然供給源から、あるいはそれらの組合せから、単離及び/または精製された後における、式(I)の化合物またはその一形態の物理的状態を意味する。
本明細書で使用されている「保護されている」という用語は、式(I)の化合物またはその一形態における官能基が、化合物に反応が施された場合、保護部位における望ましくない副反応を除外するように修飾されている形態であることを意味する。好適な保護基は、当業者により、ならびに標準的なテキストブック、例えば、T.W. Greene et al, Protective Groups in organic Synthesis (1991), Wiley, New Yorkを参照することにより把握される。そのような官能基としては、ヒドロキシ、フェノール、アミノ及びカルボン酸が挙げられる。ヒドロキシまたはフェノールに好適な保護基としては、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジル、置換ベンジル、メチル、メトキシメタノールなどが挙げられる。アミノ、アミジノ及びグアニジノに好適な保護基としては、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。カルボン酸に好適な保護基としては、アルキル、アリールまたはアリールアルキルエステルが挙げられる。ある例では、保護基は、ポリマー樹脂、例えばWang樹脂または2-クロロトリチル-クロリド樹脂でもあり得る。保護基は、当業者に周知の、また本明細書に記載されている標準的技術に従って添加または除去され得る。本明細書に記載されている化合物のそのような保護誘導体は、それ自体で薬理学的活性を所有しないことがあるが、それらは対象に投与され、その後体内で代謝されて、薬理学的に活性な本明細書に記載されている化合物を形成し得ることも当業者により認識される。したがって、そのような誘導体は「プロドラッグ」として記載され得る。本明細書に記載されている化合物のプロドラッグはすべて、本明細書に記載されている使用の範囲内に含まれる。
本明細書で使用されている「プロドラッグ」という用語は、in vivoで変換されて、式(I)の活性化合物またはその一形態が得られる本化合物の形態(例えば、薬物前駆体)を意味する。変換は、様々な機構により(例えば、代謝及び/または非代謝化学プロセスにより)、例えば、血液、肝臓ならびに/または他の器官及び組織における加水分解及び/または代謝により発生し得る。プロドラッグの使用に関する考察は、T. Higuchi and W. Stella, “Pro-drugs as Novel Delivery Systems,” Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Seriesにより、またBioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987において示されている。
一例では、式(I)の化合物またはその一形態が、カルボン酸官能基を含有する場合、プロドラッグは、酸性基の水素原子を官能基、例えばアルキルなどで置き換えることにより形成されるエステルを含み得る。別の例では、式(I)の化合物またはその一形態が、ヒドロキシル官能基を含有する場合、プロドラッグ形態は、ヒドロキシルの水素原子を、別の官能基、例えばアルキル、アルキルカルボニルまたはホスホン酸エステルなどで置き換えることにより調製され得る。別の例では、式(I)の化合物またはその一形態が、アミン官能基を含有する場合、プロドラッグ形態は、1個または複数のアミン水素原子を、官能基、例えばアルキルまたは置換カルボニルで置き換えることにより調製され得る。式(I)の化合物またはその一形態の医薬として許容できるプロドラッグは、適切であれば、以下の基:カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミノ酸エステル、ホスホン酸エステル及び一、二もしくは三リン酸エステルまたはアルキル置換基の1つまたは複数で置換されている化合物を含む。本明細書に記載されているように、そのような置換基の1つまたは複数を使用して、式(I)の化合物、またはその一形態をプロドラッグとして得ることができることは、当業者により理解される。
本明細書に記載されている1種または複数の化合物は、非溶媒和形態、ならびに医薬として許容できる溶媒、例えば水、エタノールなどとの溶媒和形態で存在し得、本明細書の説明は、溶媒和形態及び非溶媒和形態の両方を包含するように意図されている。
本明細書で使用されている「溶媒和物」という用語は、本明細書に記載されている化合物と、1つまたは複数の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、様々な程度のイオン結合及び水素結合を含む共有結合を伴う。ある例では、溶媒和物は、例えば1つまたは複数の溶媒分子が、結晶性固体の結晶格子に組み込まれる場合であれば単離することができる。本明細書で使用されている「溶媒和物」は、溶液相及び単離可能な溶媒和物の両方を包含する。好適な溶媒和物の非限定的な例としては、エタノレート、メタノレートなどが挙げられる。
本明細書で使用されている「水和物」という用語は、溶媒分子が水である溶媒和物を意味する。
式(I)の化合物は、本明細書の範囲内に含まれるよう意図されている塩を形成し得る。本明細書の式(I)の化合物またはその一形態への言及は、別段指示がない限り、その塩の形態への言及を含むと理解される。本明細書で用いられる「塩(複数可)」という用語は、無機酸及び/または有機酸で形成された酸性塩、ならびに無機塩基及び/または有機塩基で形成された塩基性塩を表す。さらに、式(I)の化合物またはその一形態が、塩基部分、例えば、以下に限らないがアミン部分、及び酸性部分、例えば、以下に限定されないがカルボン酸の両方を含有する場合、双性イオン(「分子内塩」)が形成され得、本明細書で使用されている「塩(複数可)」という用語内に含まれ得る。
本明細書で使用されている「医薬として許容できる塩(複数可)」という用語は、哺乳動物における使用に関して、安全かつ有効な(すなわち、非毒性、生理学的に許容できる)、また、生物学的活性を所有する本明細書に記載されている化合物の塩を意味するが、他の塩も有用である。式(I)の化合物の塩は、例えば、式(I)の化合物またはその一形態を、媒体中、例えば塩が沈殿している媒体中または水性媒体中の、一定量、例えば当量の酸または塩基と反応させ、続いて凍結乾燥させることにより形成され得る。
医薬として許容できる塩は、本明細書に記載されている化合物に存在する、酸性または塩基性基の1種または複数の塩を含む。酸付加塩の詳細な態様は、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、酪酸塩、塩化物、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩(glucaronate)、グルタミン酸塩、ヨウ化物、イソニコチン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、糖酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシレートとしても公知)、トリフルオロ酢酸塩などを含み、それらに限定されない。酸付加塩のある詳細な態様は、塩化物または二塩化物を含む。
さらに、塩基性医薬化合物からの医薬として有用な塩の形成に好適である、と一般的に考えられている酸については、例えばP. Stahl et al, Camille G. (eds.) Handbook of Pharmaceutical Salts. Properties, Selection and Use. (2002) Zurich: Wiley-VCH、S. Berge et al, Journal of Pharmaceutical Sciences (1977) 66(1) 1-19、P. Gould, International J. of Pharmaceutics (1986) 33, 201-217、Anderson et al, The Practice of Medicinal Chemistry (1996), Academic Press, New Yorkにより、また、The Orange Book (Food & Drug Administration, Washington, D.C. on their website)で論じられている。これらの開示は、それらを参照することにより本明細書に組み込まれる。
好適な塩基性塩としては、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩及び亜鉛塩が挙げられるが、それらに限定されない。
このような酸性塩及び塩基性塩はすべて、本明細書に記載されている医薬として許容できる塩の範囲内に含まれるように意図されている。さらに、このような酸性塩及び塩基性塩はすべて、この説明の目的に関して、対応する化合物の遊離形態に等しいと考えられる。
式(I)の化合物及びその形態は、さらに互変異性形態で存在し得る。そのような互変異性形態はすべて、本明細書に記載されている式(I)の化合物またはその一形態の範囲内に含まれると想定され、かつ意図されている。
式(I)の化合物またはその一形態は、不斉またはキラル中心を含有し得るので、異なる立体異性形態として存在し得る。本明細書は、式(I)の化合物の立体異性形態すべて、ならびにラセミ混合物を含むその混合物を含むよう意図されている。
本明細書に記載されている化合物は、1つまたは複数のキラル中心を含み得、それ自体が、ラセミ混合物(R/S)として、または実質的に純粋な鏡像異性体及びジアステレオ異性体として存在し得る。化合物は、実質的に純粋な(R)または(S)鏡像異性体としても存在し得る(キラル中心が1つ存在する場合)。特定の一態様では、本明細書に記載されている化合物は、(S)異性体であり、(S)異性体のみを実質的に含む鏡像異性的に純粋な組成物として存在し得る。別の特定の態様では、本明細書に記載されている化合物は、(R)異性体であり、(R)異性体のみを実質的に含む鏡像異性的に純粋な組成物として存在し得る。当業者が把握するように、1つ超のキラル中心が存在する場合、本明細書に記載されている化合物は、IUPAC命名法勧告により定義されている(R,R)、(R,S)、(S,R)または(S,S)異性体としても存在し得る。
本明細書で使用されている「キラル」という用語は、同一ではない4つの置換基に結合されている炭素原子を指す。本明細書で使用されている立体化学の定義及び慣例は、一般的に、S. P. Parker, Ed., McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw-Hill Book Company, New York、及びEliel, E. and Wilen, S., “Stereochemistry of Organic Compounds”, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994に従う。光学活性化合物の説明において、接頭辞D及びLまたはR及びSは、そのキラル中心(複数可)周囲の分子の絶対配置を表すために使用される。考慮されるキラル中心に付着した置換基は、カーン・インゴルド・プレローグ順位則に従って順位付けされる(Cahn et al. Angew. Chem. Inter. Edit. 1966, 5, 385;errata 511)。
本明細書で使用されている「実質的に純粋」という用語は、90%以上の量の、92%以上の量の、95%以上の量の、98%以上の量の、99%以上の量の単一の異性体または100%に等しい量の単一の異性体から実質的になる化合物を指す。
本明細書の一態様では、式(I)の化合物またはその一形態は、90%以上の量で、92%以上の量で、95%以上の量で、98%以上の量で、99%以上の量で、または100%に等しい量で存在する、実質的に純粋な(S)鏡像異性体形態である。
本明細書の一態様では、式(I)の化合物またはその一形態は、90%以上の量で、92%以上の量で、95%以上の量で、98%以上の量で、99%以上の量で、または100%に等しい量で存在する、実質的に純粋な(R)鏡像異性体形態である。
本明細書で使用されている「ラセミ化合物」は、「鏡像異性的に純粋」ではない任意の等軸形態の混合物であり、例えば、以下に限定されないが、約50/50、約60/40、約70/30、または約80/20の比の混合物を含む。
さらに、本明細書では、幾何学的及び位置異性体をすべて包含する。例えば、式(I)の化合物またはその一形態が、二重結合または縮合環を組み込む場合、cis-及びtrans-形態の両方、ならびに混合物は、本説明の範囲内に包含される。ジアステレオ異性体混合物は、当業者に周知である方法、例えば、クロマトグラフィー及び/または分別結晶により、それらの物理化学的な差に基づいて、それらの個々のジアステレオ異性体に分離され得る。鏡像異性体は、キラルHPLCカラム、または当業者に周知である他のクロマトグラフィー法を使用することにより分離され得る。鏡像異性体は、適切な光学活性化合物(例えば、キラル助剤、例としてキラルアルコールまたはモッシャー酸クロリド)との反応、ジアステレオ異性体の分離、及び個々のジアステレオ異性体の対応する純粋な鏡像異性体への変換(例えば、加水分解)による、鏡像異性体混合物のジアステレオ異性体混合物への変換によっても分離され得る。また、式(I)の化合物のいくつかは、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)であり得、本説明の一部として考慮される。
本化合物(化合物の塩、溶媒和物、エステル及びプロドラッグ、ならびにプロドラッグの塩、溶媒和物及びエステルのものを含む)の立体異性体すべて(例えば、幾何異性体、光学異性体など)、例えば、(不斉炭素なしでさえも存在し得る)鏡像異性体形態、回転異性体形態、アトロプ異性体及びジアステレオ異性体形態を含む、様々な置換基上の不斉炭素により存在し得るものは、位置異性体(例えば、4-ピリジル及び3-ピリジル)のように、本説明の範囲内と想定される。本明細書に記載されている化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含まないことがあるか、または上に記載されているラセミ混合物で存在することがある。
「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」などという用語の使用は、本化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ化合物またはアイソトポログの塩、溶媒和物、エステル及びプロドラッグに等しく適用されるよう意図されている。
「アイソトポログ」という用語は、1個または複数の原子が、自然に通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子により置き換えられていることを除いて、本明細書で挙げられているものと同一の、本明細書に記載されている同位体濃縮化合物を指す。本明細書に記載されている化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体、例えばそれぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、35Cl及び36Clが挙げられ、これらのそれぞれもこの説明の範囲内である。
本明細書に記載されている、ある同位体濃縮化合物(例えば、3H及び14Cで標識されているもの)は、化合物及び/または基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム化同位体(すなわち、3H)及び炭素-14同位体(すなわち、14C)は、それらの調製の容易さ及び検出性から特に好ましい。さらに、より重い同位体、例えば重水素(すなわち、2H)での置換により、代謝安定性の高さに起因する、ある一定の治療利点(例えば、in vivo半減期の増加または必要投与量の減少)が得られるので、ある状況では好ましいことがある。
式(I)の化合物、ならびに、式(I)の化合物の塩、溶媒和物、水和物、エステル及びプロドラッグの結晶多形及び非晶質形態は、本説明に含まれるようさらに意図されている。
化合物の使用
疾患の処置を必要とする対象におけるその処置方法が本明細書で提供される。本明細書で使用されている「対象」という用語は、哺乳動物を含む任意の動物、例えば、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、霊長類及びヒトを指す。いくつかの態様では、対象はヒトである。いくつかの態様では、方法は、対象に治療有効量の本明細書で提供される化合物(例えば、式(I)の化合物)または医薬として許容できるその塩を投与することを含む。特定の態様では、疾患は、1つまたは複数のpre-mRNAスプライシング欠陥に関連する中枢及び末梢神経系の疾患である、家族性自律神経失調症である。
本出願は、家族性自律神経失調症の処置を必要とする対象におけるその処置方法であって、対象に、治療有効量の本明細書で提供される化合物(すなわち、式(I)の化合物)を投与することを含む前記方法をさらに提供する。
本明細書で提供される方法のいくつかの態様では、化合物は、式(I)の化合物または医薬として許容できるその塩の群から選択される。
いくつかの態様では、IKBKAP遺伝子のpre-mRNAスプライシングを改善する方法は、遺伝子を、本明細書で提供される化合物(例えば、式(I)の化合物)と接触させる(例えば、遺伝子を発現する細胞または対象において)ことを含む。
本明細書で使用されている「治療有効量」という語句は、研究者、獣医、医師または他の臨床家により、組織、系、動物、個体またはヒトにおいて求められている生物学的または薬物的応答を誘発する活性化合物または医薬品の量を指す。いくつかの態様では、対象または個体に投与される化合物、または医薬として許容できるその塩の投与量は、約1mg~約2g、約1mg~約1000mg、約1mg~約500mg、約1mg~約100mg、約1mg~50mg、または約50mg~約500mgである。
本明細書で使用されている「処置すること」または「処置」という用語は、(1)疾患を防止すること;例えば、疾患、病状または障害に罹りやすい傾向があり得るが、まだ疾患の病変または総体症状をきたさない、または呈さない個体において、疾患、病状または障害を防止すること;(2)疾患を抑制すること;例えば、疾患、病状または障害の病変または総体症状をきたしている、または呈している個体において、疾患、病状または障害を抑制すること(すなわち、病変及び/または総体症状のさらなる発症を抑止すること);ならびに(3)疾患を寛解させること;例えば、疾患、病状または障害の病変または総体症状をきたしている、または呈している個体において、疾患、病状または障害を寛解させること(すなわち、病変及び/または総体症状を無効にすること)、例えば疾患の重症度を低下させること、または疾患の1つもしくは複数の症状を軽減もしくは緩和することの1つまたは複数を指す。
IKBKAP(ELP1とも呼ばれる)タンパク質発現の増加を必要とする患者におけるその増加方法であって、有効量の本明細書で提供される化合物(すなわち、式(I)の化合物または医薬として許容できるその塩)を患者に投与することを含む前記方法も本明細書で提供される。例えば、そのような方法は、患者からの血清試料において、IKBKAPタンパク質発現を増加させることを含む。IKBKAPタンパク質発現の平均パーセンテージの上昇を必要とする患者におけるその上昇方法であって、有効量の本明細書で提供される化合物(すなわち、式(I)の化合物または医薬として許容できるその塩)を患者に投与することを含む前記方法が本明細書でさらに提供される。
細胞において(例えば、ex vivoまたはin vivoで)IKBKAPタンパク質発現を増加させるための方法であって、細胞を、治療有効量の本明細書で提供される化合物(すなわち、式(I)の化合物または医薬として許容できるその塩)と接触させることを含む前記方法も本明細書で提供される。いくつかの態様では、方法は、in vitro方法である。いくつかの態様では、方法は、in vivo方法である。いくつかの態様では、IKBKAPタンパク質発現の量は、肺細胞、筋細胞、肝細胞、心臓細胞、脳細胞、腎臓細胞、及び神経細胞(例えば、座骨神経細胞もしくは三叉神経細胞)、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される細胞において増加する。そのいくつかの態様では、IKBKAPタンパク質の発現量は、血漿中で増加する。
IKBKAPタンパク質レベルの上昇を必要とする患者におけるその上昇方法であって、有効量の本明細書で提供される化合物(すなわち、式(I)の化合物または医薬として許容できるその塩)を患者に投与することを含む前記方法も本明細書で提供される。例えば、そのような方法は、患者からの血清試料中でIKBKAPタンパク質レベルを上昇させることを含む。IKBKAPタンパク質レベルの平均パーセンテージの上昇を必要とする患者におけるその上昇方法であって、有効量の本明細書で提供される化合物(すなわち、式(I)の化合物または医薬として許容できるその塩を患者に投与することを含む前記方法が本明細書でさらに提供される。
細胞において(例えば、ex vivoまたはin vivoで)IKBKAPタンパク質レベルを上昇させるための方法であって、細胞を、治療有効量の本明細書で提供される化合物(すなわち、式(I)の化合物または医薬として許容できるその塩)と接触させることを含む前記方法も本明細書で提供される。
いくつかの態様では、方法は、in vitro方法である。いくつかの態様では、方法は、in vivo方法である。いくつかの態様では、IKBKAPタンパク質量のレベルは、肺細胞、筋細胞、肝細胞、心臓細胞、脳細胞、腎臓細胞、及び神経細胞(例えば、座骨神経細胞もしくは三叉神経細胞)、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される細胞において上昇する。そのいくつかの態様では、IKBKAPタンパク質量のレベルは、血漿において上昇する。
完全長IKBKAP mRNAの増加を必要とする患者におけるその増加方法であって、有効量の本明細書で提供される化合物(すなわち、式(I)の化合物または医薬として許容できるその塩)を患者に投与することを含む前記方法も本明細書で提供される。例えば、そのような方法は、患者からの血清試料における完全長IKBKAP mRNAの濃度を上昇させることを含む。エクソン包含の平均パーセンテージ(すなわち正確にスプライシングされた、または完全長IKBKAP mRNAのパーセンテージ)の上昇を必要とする患者におけるその上昇方法であって、有効量の本明細書で提供される化合物(すなわち、式(I)の化合物または医薬として許容できるその塩を患者に投与することを含む前記方法が本明細書でさらに提供される。
いくつかの態様では、完全長IKBKAP mRNAは、血清、例えば、本明細書で提供される化合物の投与前に患者から得た血液試料において、及び本明細書で提供される化合物の投与後に患者から得た血液試料において測定され得る。いくつかの態様では、投与後の患者から得られた血液試料は、本明細書で提供される化合物の投与から1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、14日、21日、28日、及び/または30日後に得られる。例えば、F.B. Axelrod et al., Pediatr Res (2011) 70(5): 480-483;及びR.S. Shetty et al., Human Molecular Genetics (2011) 20(21): 4093-4101を参照されたく、それら両方は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
細胞における完全長IKBKAP mRNAを増加させる方法であって、細胞を治療有効量の本明細書で提供される化合物(すなわち、式(I)の化合物)と接触させることを含む前記方法が本明細書でさらに提供される。処置した細胞における完全長IKBKAP mRNAの量は、本明細書で提供される化合物を用いない対象における細胞と比較して増加する。細胞における完全長IKBKAP mRNAの量を増加させる方法は、細胞を、本明細書で提供される化合物(すなわち、式(I)の化合物または医薬として許容できるその塩形態)とin vitroで接触させ、それにより細胞の完全長IKBKAP mRNAの量をin vitroで増加させることにより行うことができる。完全長IKBKAP mRNAの量を増加させるそのようなin vitro方法の使用は、スクリーニングアッセイにおける使用を含むが、それらに限定されない(例えば、本明細書で提供される化合物は、完全長IKBKAP mRNAの量を増加させる際に、活性または効力が不明な化合物(複数可)に対する陽性対照または標準として使用される)。
いくつかの態様では、完全長IKBKAP mRNAの量は、肺細胞、筋細胞、肝細胞、心臓細胞、脳細胞、腎臓細胞及び神経細胞(例えば、座骨神経細胞もしくは三叉神経細胞)またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される細胞において増加させる。そのいくつかの態様では、完全長IKBKAP mRNAの量は、血漿において増加する。
細胞における完全長IKBKAP mRNAを増加させる方法は、例えば、細胞(例えば、肺細胞、筋細胞、肝細胞、心臓細胞、脳細胞、腎臓細胞、または神経細胞)を、本明細書で提供される化合物(すなわち式(I)の化合物または医薬として許容できるその塩)と、in vivoで接触させ、それにより対象における完全長IKBKAP mRNAの量をin vivoで増加させることにより行われ得る。接触は、本明細書で提供される化合物または医薬として許容できるその塩形態を、完全長IKBKAP mRNAの量の増加を達成するのに有効な量で対象内に存在させることにより達成される。これは、例えば、有効量の本明細書で提供される化合物または医薬として許容できるその塩形態を対象に投与することにより達成され得る。完全長IKBKAP mRNAの量を増加させるそのようなin vivo方法の使用は、完全長IKBKAP mRNAの量の増加が有益な、疾患または病状を処置する方法における使用を含むが、それらに限定されない。
そのいくつかの態様では、完全長IKBKAP mRNAの量は、例えば本明細書で示されている疾患または障害(例えば、家族性自律神経失調症)に罹患した患者における肺細胞、筋細胞、肝細胞、心臓細胞、脳細胞、腎臓細胞、及び神経細胞(例えば、座骨神経細胞もしくは三叉神経細胞)またはそれらの任意の組合せからなる群から選択される細胞において増加する。方法は、好ましくは、有効量の本明細書で提供される化合物または医薬として許容できるその塩形態を、家族性自律神経失調症に罹患している対象に投与することにより行われる。
いくつかの態様では、本明細書で提供される化合物の1種または複数は、それを必要とする対象に、少なくとも1種の追加の医薬品と組合せられて投与され得る。いくつかの実施形態では、追加の医薬品は、本明細書で提供される化合物(例えば、式(I)の化合物)である。
本明細書で示されている疾患の処置のために本出願の化合物と組合せられて使用される好適な追加医薬品の追加例としては、抗酸化剤、抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制剤、または他の作用剤、例えば治療抗体が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの態様では、本明細書で提供される化合物は、それを必要とする対象に、家族性自律神経失調症を処置するための少なくとも1種の追加の医薬品と組合せられて投与され得る。いくつかの実施形態では、追加の医薬品は、ホスファチジルセリンである。
治療剤として用いられる場合、本明細書で提供される化合物は、医薬組成物の形態で投与され得るので、本明細書に記載されている方法は、医薬組成物を投与することを含み得る。これらの組成物は、本明細書または他に記載されているように調製され得、局所処置または全身処置のどちらが望ましいか、及び処置される領域に応じて、多彩な経路により投与され得る。投与は、肺内(例えば、ネブライザーによるものを含む、粉末またはエアロゾルの吸入または吹送によるもの;気管内もしくは鼻腔内)、経口または非経口であり得る。非経口投与は、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内注入もしくは注射;または頭蓋内(例えば、髄腔内、眼内または脳室内)投与を含み得るが、それらに限定されない。非経口投与は、単回ボーラス投与の形態であり得、または、例えば、持続灌流ポンプによるものであり得る。従来の医薬担体、水溶液、粉末または油性基剤、増粘剤などが、必須または望ましいことがある。いくつかの態様では、本明細書で提供される化合物は、経口及び非経口投与に好適である。いくつかの態様では、本明細書で提供される化合物は、経口投与に好適である。いくつかの態様では、本明細書で提供される化合物は、非経口投与に好適である。いくつかの態様では、本明細書で提供される化合物は、静脈内投与に好適である。いくつかの態様では、本明細書で提供される化合物は、経皮投与(例えば、パッチまたはマイクロニードルを使用した投与)に好適である。局所投与のための医薬組成物としては、経皮パッチ(例えば、通常型または電気刺激型)、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、ドロップ剤、坐剤、噴霧剤、液剤及び散剤を挙げることができる。従来の医薬担体、水溶液、粉末または油性基剤、増粘剤などが、必須または望ましいことがある。
活性成分として、本明細書で提供される化合物(例えば、式(I)の化合物)または医薬として許容できるその塩を、1種または複数の医薬として許容できる担体(賦形剤)と組合せて含有する医薬組成物も提供される。本明細書で提供される組成物を作る際は、活性成分は通常、賦形剤と混合されるか、賦形剤により希釈されるか、または、例えば、カプセル、サシェ、紙、もしくは他の入れ物の形態にあるそのような担体内に封入される。賦形剤が希釈剤として機能する場合、賦形剤は活性成分のビヒクル、担体または媒体として作用する固体、半固体または液体材料であり得る。したがって、組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液剤、エマルション剤、液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(固体としてまたは液体媒体中で)、軟膏剤、ソフト及びハードゼラチンカプセル剤、坐剤、無菌注入液剤、ならびに無菌包装散剤の形態であり得る。
好適な賦形剤のいくつかの例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギナート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、及びメチルセルロースが挙げられるが、それらに限らない。製剤としては、潤滑剤、例えば滑石、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱油;湿潤剤;乳化剤及び懸濁剤;保存剤、例えば安息香酸メチル及びヒドロキシ安息香酸プロピル;甘味剤;香味剤、またはそれらの組合せをさらに挙げることができるが、それらに限らない。
活性化合物は、広い投与量範囲にわたり有効であり得、一般的に医薬的有効量で投与される。投与される化合物の量及び投与スケジュールは通常、処置される病状、選択される投与経路、投与される実際の化合物、個々の対象の年齢、体重及び反応、対象の症状の重症度などを含む関連状況に応じて、医師により判定されることが理解されるであろう。
本明細書で提供される化合物、より詳細には式(I)の化合物または医薬として許容できるその塩を含むキットも本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、キットは、例えば、本明細書で提供される化合物または医薬として許容できるその塩の1種または複数の送達系、及びキットの指示書(例えば、対象を処置するための説明書)を含み得る。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書で提供される化合物または医薬として許容できるその塩、及び1種または複数の本明細書で示されている追加の作用剤を含み得る。
いくつかの態様では、キットは、1種または複数の本明細書で提供される化合物もしくは追加の医薬品、または医薬として許容できるその塩、及び、内容物が、家族性自律神経失調症の処置に使用される標準のケア剤またはアジュバントに耐性がある対象に投与されるべきであることを指し示すラベルを含み得る。いくつかの態様では、追加の医薬品は、ホスファチジルセリンである。別の態様では、キットは、本明細書で提供される化合物または医薬として許容できるその塩、及び、内容物が、異常なIKBKAP pre-mRNAスプライシングが発現している細胞を有する対象に投与されるべきであることを指し示すラベルを含み得る。別の態様では、キットは、1種または複数の本明細書で提供される化合物もしくは追加の医薬品、または医薬として許容できるその塩、及び、内容物が、異常なpre-mRNAスプライシングにより生じた中枢神経系または末梢神経系の疾患を有する対象に投与されるべきであることを指し示すラベルを含み得る。
別の態様では、キットは、1種または複数の本明細書で提供される化合物もしくは追加の医薬品、または医薬として許容できるその塩、及び、内容物が、家族性自律神経失調症を有する対象に投与されるべきであることを指し示すラベルを含み得る。いくつかの態様では、キットは、1種もしくは複数の本明細書で提供される化合物または医薬として許容できるその塩、及び、内容物が、1種または複数の本明細書で示される追加の医薬品と共に投与されるべきであることを指し示すラベルを含み得る。
別の態様では、式(I)の化合物またはその一形態に関して認められる濃度-生物学的効果の関係は、およそ0.001μg・時間/mL~およそ50μg・時間/mL、およそ0.01μg・時間/mL~およそ20μg・時間/mL、およそ0.05μg・時間/mL~およそ10μg・時間/mLまたはおよそ0.1μg・時間/mL~およそ5μg・・時間/mLの範囲の標的血漿中濃度を指し示す。そのような血漿中濃度を達成するために、本明細書に記載されている化合物は、例えば、限定しないが、1.0ng~10,000mgで変動する用量で投与され得る。
一態様では、有効な標的血漿中濃度を達成するために投与される用量は、対象または患者に固有の要因に基づいて投与され得、重量ベースで投与される用量は、約0.001mg/kg/日~約3500mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約3000mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約2500mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約2000mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約1500mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約1000mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約500mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約250mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約200mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約150mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約100mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約50mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約25mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約10mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約5mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約1mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約0.5mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約0.1mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約3500mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約3000mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約2500mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約2000mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約1500mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約1000mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約500mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約250mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約200mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約150mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約100mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約50mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約25mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約10mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約5mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約1mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約0.5mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約0.1mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約3500mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約3000mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約2500mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約2000mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約1500mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約1000mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約500mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約250mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約200mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約150mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約100mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約50mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約25mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約10mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約5mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約1mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約0.5mg/kg/日の範囲であり得る。
所定の対象に対する有効量は、対象に関連する要因を踏まえて、臨床家または当業者の技術及び判断の範囲内にある日常的な実験により判定され得る。用法用量は、活性剤(複数可)のレベルを十分にするように、または望ましい効果を維持するように調整され得る。考慮される要因としては、遺伝子スクリーニング、疾患状態の重症度、疾患進展のステータス、対象の全般的健康、民族性、年齢、体重、性、食事、投与時刻及び投与頻度、薬物の組合せ(複数可)、反応感受性、他の治療法の経験、及び治療に対する忍容性/反応が挙げられる。
有効な標的血漿中濃度を達成するために投与される用量は、1日1回(およそ24時間に1回、すなわち「q.d.」)、1日2回(およそ12時間に1回、すなわち「b.i.d.」または「q.12h」)、1日3回(およそ8時間に1回、すなわち「t.i.d.」または「q.8h」)、または1日4回(およそ6時間に1回、すなわち「q.d.s.」「q.i.d.」または「q.6h」)経口投与され得る。
ある態様では、有効な標的血漿中濃度を達成するために投与される用量は、約40~約200kgの範囲の体重を有する患者または対象(用量は、この範囲を上回るか、もしくは下回る患者または対象、特に40kgに達しない小児に対して調整され得る)に、単回、分割または持続投与でも投与され得る。典型的な成人対象は、約70kgの範囲の体重の中央値を有すると予想される。長時間作用する医薬組成物は、特定の製剤の半減期及びクリアランス速度に応じて、2日、3日もしくは4日ごとに、1週間ごとに1回、または2週間ごとに1回投与され得る。
本明細書に記載されている化合物及び組成物は、当業界で公知の任意の薬物送達経路を経由して対象に投与され得る。非限定的な例としては、経口、眼内、直腸内、バッカル、局所、経鼻、舌下、経皮、皮下、筋肉内、静脈内(ボーラス及び注射)、脳内、及び肺内経路の投与が挙げられる。
別の態様では、投与される用量は、約0.02、0.025、0.03、0.05、0.06、0.075、0.08、0.09、0.10、0.20、0.25、0.30、0.50、0.60、0.75、0.80、0.90、1.0、1.10、1.20、1.25、1.50、1.75、2.0、3.0、5.0、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、400、500、1000、1500、2000、2500、3000または4000mg/日で送達するために製剤化された、本明細書に記載されている剤形に基づいて調整され得る。
いずれの化合物でも、有効量は、最初に細胞培養アッセイまたは関連動物モデル、例えばマウス、モルモット、チンパンジー、マーモセットもしくはタマリン動物モデルで評価され得る。関連動物モデルは、適切な濃度範囲及び投与経路を判定するためにも使用され得る。次いで、そのような情報は、ヒトにおける有用な用量及び投与経路を判定するために使用され得る。治療効能及び毒性は、細胞培養または実験動物における標準的な医薬手順、例えば、ED50(集団の50%において治療的に有効な用量)及びLD50(集団の50%において致死的な用量)により判定され得る。治療効果と毒性効果との間における用量比が治療指数であり、LD50/ED50比として表現され得る。ある態様では、有効量は、治療指数が大きくなるようにする。さらなる特定の態様では、投与量は、毒性がほとんどない、または毒性がないED50を含む循環濃度の範囲内である。投与量は、用いられる剤形、患者の感受性、及び投与経路に応じて、この範囲内で変動し得る。
本明細書の範囲内に含まれる別の態様は、本明細書に記載されている化合物の、in vivo代謝生成物の使用である。そのような生成物は、例えば、主に酵素プロセスによる、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化に由来し得る。したがって、本説明は、本明細書に記載されている化合物を、哺乳動物の組織または哺乳動物と、その代謝生成物を得るのに十分な一定期間接触させることを含むプロセスにより生成された化合物の使用を含む。
そのような生成物は、典型的には、本明細書に記載されている化合物の放射性標識アイソトポログ(例えば、14Cまたは3H)を調製すること、放射性標識化合物を検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kg超)で哺乳動物、例えばラット、マウス、モルモット、イヌ、サルまたはヒトに投与すること、代謝が発生するのに十分な時間を設けること(典型的には約30秒~約30時間)、及び尿、胆汁、血液または他の生体試料から代謝変換生成物を同定することにより同定される。変換生成物は、同位体濃縮されることによって「放射性標識される」ので、容易に単離される(代謝産物中に残存する抗原決定基に結合することが可能な抗体を使用することにより単離されるものもある)。代謝産物の構造は、従来の手法で、例えばMSまたはNMR分析により判定される。一般に、代謝産物の分析は、当業者に周知の従来の薬物代謝研究と同じように行われ得る。変換生成物は、in vivoにて別途見出されない限り、それら自体が生物学的活性を持っていない場合でさえ、本明細書に記載されている化合物の治療的投与に関する診断アッセイに有用である。
化合物の調製
一般的合成例
本明細書で開示されているように、本明細書に記載されている式(I)の化合物またはその一形態を調製するための方法は、一般に、標準的な周知の合成方法論を用いる。出発材料の多くは市販されているか、または当業者に公知の技術を用いる以下の特定の合成例で調製することができる。置換基を修飾するための機能的変換も、化学的に実行可能であれば行ってもよく、一般的スキーム及び当業者の知見の範囲内に含まれると考えられる。式(I)の化合物またはその一形態は、以下のスキームに記載されているようにして調製することができる。
スキームA:
式(I)の化合物は、以下のスキームAに記載されているようにして調製してもよい。
Figure 2023506488000026
化合物A1(X=ハロゲン)を、適切な温度にて、好適な溶媒(例えばDMSO)を使用し、塩基(例えばTEA)の存在下、置換されていてもよいアリール/ヘテロアリールメチルアミンで処理して、化合物A2を得る。
触媒としてのDMAPの存在下、Boc2OでA2を保護することにより、A3が得られる。あるいは、化合物A1をアンモニアで処理して化合物A4を得、それに続いて、触媒としてのDMAPの存在下、Boc2Oで化合物A4を保護してA5を得てもよい。A5と、置換されていてもよいアリール/ヘテロアリールメチルアルコールとを、典型的なMitsunobu反応条件(例えばDEAD/PPh3)下、好適な溶媒(例えばTHF)中で反応させることで、A3が得られる。
化合物A3を、適切な温度(例えば-78℃)にて、好適な溶媒(例えばTHF)中、強塩基(例えばLDA)の存在下で、対応するアミノアルコールから調製される、置換されていてもよい環状スルファミデートと反応させて、A6を得ることができる。酸(例えばジオキサンまたはTFA中のHCl)で処理することで脱保護を完了させて、化合物A7を得ることができる。
スキームB:
式(I)の化合物は、以下のスキームBに記載されているようにして調製してもよい。
Figure 2023506488000027
化合物B1を、適切な温度(例えば-78℃)にて、好適な溶媒(例えばTHF)中、強塩基(例えばLDA)の存在下で、ヨウ素と反応させて、B2を得る。化合物B2は、適切な温度にて、好適な溶媒(例えばTHF)中、触媒(例えばPd(dppf)Cl2)の存在下で、置換されていてもよく、かつ適切に保護されているアミノ含有アルキル/シクロアルキル亜鉛試薬を用いるNegishi(Negeshi)反応により、化合物B3に変換され得る。B3を酸(例えばジオキサンまたはTFA中のHCl)で処理して、化合物B4を得る。
あるいは、化合物B2は、適切な温度にて、好適な溶媒(例えばTHF)中、触媒(例えばPd(dppf)Cl2)の存在下で、置換されていてもよく、かつ適切に保護されているエステル含有アルキル/シクロアルキル亜鉛試薬を用いるNegishi反応により、化合物B5に変換され得る。化合物B5は、好適な溶媒(例えばTHF)中、還元剤(例えばLAH)により、対応するアルコールB6にさらに変換され得る。アルコールB6のアジドB7へのさらなる変換は、好適な溶媒(例えばDCM)中、塩基(例えばTEA)の存在下でメシルクロリドと反応させ、続いて、好適な溶媒(例えばDMF)中でアジ化ナトリウムと反応させることにより達成することができる。アジドB7を典型的なStaudinger反応条件(水及びTHF中のPPh3)に供することにより対応するアミンB8が得られ、これを酸(ジオキサンまたはTFA中のHClなど)で脱保護して、化合物B9を得ることができる。
スキームC:
式(I)の化合物は、以下のスキームCに記載されているようにして調製してもよい。
Figure 2023506488000028
化合物C1は、適切な温度(例えば-78℃)における強塩基(例えばLDA)での処理、続いて好適な溶媒(例えばTHF)中のDMFでの処理により、対応するアルデヒドC2に変換することができる。化合物C2を、適切な温度にて、好適な溶媒(例えばDCE)中、ルイス酸(例えばCuSO4)の存在下で、Ellmanのスルフィンアミドと縮合して、化合物C3を得ることができる。C3を好適な溶媒(例えばTHF)中でGrignard試薬と反応させて化合物C4を得て、これをさらに酸(例えばジオキサンまたはTFA中のHCl)で脱保護して、化合物C5を得ることができる。
スキームD:
式(I)の化合物は、以下のスキームDに記載されているようにして調製してもよい。
Figure 2023506488000029
化合物D1(X=ハロゲン)を、適切な温度にて、好適な溶媒(例えばTHF)中、ナトリウムチオメトキシドと反応させることにより、D2に変換する。化合物D2を、適切な温度(例えば-78℃)にて、好適な溶媒(例えばTHF)中、強塩基(例えばLDA)の存在下で、対応するアミノアルコールから調製される、置換されていてもよい環状スルファミデートと反応させて、D3を得る。次いで、化合物D3を、好適な溶媒(例えばDCM)中で酸化剤(例えばmCPBA)により酸化させてD4にする。D4を、適切な温度にて、好適な溶媒(例えばDMSO)を使用し、塩基(例えばTEA)の存在下、置換されていてもよいアリール/ヘテロアリールメチルアミンと反応させることにより、化合物D5が得られる。D5を酸(例えばジオキサンまたはTFA中のHCl)で処理することにより脱保護して、化合物D6を得ることができる。
あるいは、化合物D4を、ジオキサンなどの溶媒中のアンモニアで処理し、それに続いて、触媒としてのDMAPの存在下、Boc2Oで保護して、D7を得てもよい。D7と、置換されていてもよいアリール/ヘテロアリールメチルアルコールとを、典型的なMitsunobu反応条件(例えばDEAD/PPh3)下、好適な溶媒(例えばTHF)中で反応させることでD8が得られ、これを、酸(例えばジオキサンまたはTFA中のHCl)を用いて脱保護して、化合物D6を得ることができる。
化合物の調製
特定の合成例
より詳細に説明し、理解を補助するために、本明細書に記載されている化合物の範囲をより十分に例証する非限定的な例を以下に示すが、その範囲を具体的に限定するものと解釈されるべきではない。当業者が確認できる範囲内にあるはずの現在公知であり得るか、または後に開発され得る、本明細書に記載されている化合物の同様の変形形態は、本明細書に記載されている化合物の範囲内にあると考えられ、特許請求されている。これらの例は、ある化合物の調製を例証する。当業者は、これらの例に記載されている技術が、当業者により説明されるように、合成の実践において十分に機能し、したがってその実践で好ましい様式を構成する技術を表していると理解するであろう。しかし、当業者は、本開示を踏まえ、本明細書の精神及び範囲から逸脱することなく、開示されている特定の方法では多くの変更が行われ得、同様の、または類似した結果がさらに得られることを認識すべきであると理解されたい。
具体化されている化合物の以下の例以外に、そうではないと指し示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される原料の量、反応条件、実験データなどを表現する数はすべて、「約」という用語により修飾されていると理解されるべきである。したがって、そのような数はすべて、反応により得られることが求められている望ましい性質に応じて、または様々な実験条件の結果として変動し得る近似値を表す。故に、予想される実験再現性の範囲内で、生じたデータに関する「約」という用語は、データの範囲を指すが、但し、平均からの標準偏差に従って変動し得ることを条件とする。同様に、得られた実験結果に関して、生じたデータでは、有効数字の損失なしで、当データに対する切り上げまたは切り下げが一貫して行われ得る。最低限でも、また特許請求の範囲に対する均等の原則の適用を限定するようには企図せず、各数字パラメーターは、当業者により使用される有効桁数及び切り上げ技術を踏まえて解釈されるべきである。
本明細書の広い範囲を明記する数字範囲及びパラメーターは近似値であるが、以下に明記されている例で明記されている数値は、可能な限り正確に報告されている。しかし、いずれの数値も、それぞれのテスト測定で見出される標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を本質的に含有する。
化合物例
上で使用されているように、また、本明細書を通じて、以下の略語は、別段指示がない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする。
Figure 2023506488000030
Figure 2023506488000031
Figure 2023506488000032
中間体1
tert-ブチル(S)-4-メチル-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート2,2-ジオキシド
Figure 2023506488000033
30L丸底フラスコ内のi-PrOAc(10L)中イミダゾール(3108g、45.66mol、8.0eq.)溶液を、ドライアイス/アセトン浴で-20~-25℃に冷却し、そこにSOCl2(2040g、17.13mol、3.0eq.)を15分かけて滴加し、続いてi-PrOAc(10L)中の(S)-(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(1000g、5.71mol、1.0eq.)を20分かけて滴加した。温度を15~25℃に上昇させ、次いで、その温度で混合物を15時間撹拌した。次いで、混合物を氷7.5kg及び水1.5kg中に注いだ。有機相を分離し、ブライン(5L×2)で洗浄した。得られた有機相を50Lのジャケット式リアクターに移し、そこにMeCN(17L)及びH2O(3L)を添加した。混合物を4℃に冷却し、そこにRuCl3・3H2O(29.8g、0.11mol、0.02eq.)、続いてNaIO4(1342g、6.2mol、1.1eq.)を、温度を8~10℃に維持しながら1時間かけて少しずつ添加した。混合物は水(10L)中に注いだ。有機相を分離し、20%のNa2SO3(aq.)及びブライン(5L×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、次いで、シリカゲルパッドで濾過した。濾液を蒸発させて残留固体を得、これをMTBE/石油エーテル(v/v=1:1、1.2L)で30分間トリチュレートし、ブフナー漏斗で濾過した。固形ケーキを石油エーテル(1L)で洗浄し、CH2Cl2(5.4L)中に再溶解させ、溶液をシリカゲルパッドで濾過した。濾液を蒸発させ、続いて43℃でMTBE(1000mL×2)と共沸蒸発させて、tert-ブチル(S)-4-メチル-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート2,2-ジオキシド(1040g、収率76.8%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 4.69 (dd, J= 9.2, 6.0 Hz, 1 H), 4.47 - 4.40 (m, 1 H), 4.22 (dd, J= 8.8, 2.8 Hz, 1 H), 1.57 (s, 9 H), 1.53 (s, J= 6.4 Hz, 3H).
中間体2
tert-ブチル(S)-4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート2,2-ジオキシド
Figure 2023506488000034
ステップ1:N-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-L-セリナート
CH2Cl2(250mL)中のメチル(tert-ブトキシカルボニル)-L-セリナート(25g、114.0mmol)溶液に、イミダゾール(62.1g、912mmol)及びTBSCl(32g、205.9mmol)を0℃で添加した。混合物を2時間撹拌し、次いで、CH2Cl2(300mL)及び水(200mL)の混合物中に注いだ。有機相を分離し、水(2×100mL)及びブライン(1×100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、N-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-L-セリンメチル(35.5g、収率93.3%)を油状物として得た。LC-MS: m/z: 356.2 [M+Na]+
ステップ2:(R)-(1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(200mL)及びEtOH(100mL)中のN-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-L-セリンメチル(35.5g、106mmol)溶液に、CaCl2(23.6g、213mmol)、続いてNaBH4(16.1g、426mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、室温まで16時間撹拌してから、EtOAc(200mL)及び水(150mL)の混合物中に注いだ。有機相を分離し、水(2×200mL)及びブライン(1×150mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、(R)-(1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(30g、収率92.3%)を白色固体として得た。LC-MS: m/z: 328.2 [M+Na]+;RT=1.93 min.
ステップ3:tert-ブチル(4S)-4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート2-オキシド
CH2Cl2(300mL)中のイミダゾール(54g、785.3mmol)溶液に、SOCl2(12.9mL、176.0mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、(R)-(1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(30g、98.2mmol)を添加した。混合物を0℃でさらに1時間撹拌し、次いで、EtOAc(500mL)及び水(400mL)の混合物中に注いだ。有機層を分離し、水(2×800mL)及びブライン(800mL)で洗浄し、次いで、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、tert-ブチル(4S)-4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート2-オキシド(32.6g、収率94.4%)を白色固体として得た。LC-MS: m/z: 374.1 [M+Na]+;RT=2.08 min.
ステップ4:tert-ブチル(4S)-4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-2,2-ジオキソ-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート
水(300mL)及びCH2Cl2(300mL)中のtert-ブチル(4S)-4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート2-オキシド(32.6g、92.7mmol)溶液に、NaIO4(31.8g、148.0mmol)及びRuCl3(1.94g、9.3mmol)を室温で添加した。混合物を一晩撹拌し、次いで、CH2Cl2(3×500mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和NaHSO3(aq.500mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、CH2Cl2/ヘキサン(50~100%)で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(シリカ)により精製して、tert-ブチル(4S)-4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-2,2-ジオキソ-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート(18g、収率52.8%)を白色固体として得た。LC-MS: m/z: 390.2 [M+Na]+;RT=2.05 min;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 4.53-4.51 (m, 2 H), 4.2 (s, 1 H), 3.76-3.69 (m, 2 H), 1.46 (s, 9 H), 0.81 (s, 9 H), 0.00 (s, 6 H).
中間体3
tert-ブチル(S)-4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート2,2-ジオキシド
Figure 2023506488000035
ステップ1:N-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-L-ホモセリン
CH2Cl2(210mL)中の(tert-ブトキシカルボニル)-L-ホモセリン(21g、96.0mmol)及びイミダゾール(52g、770mmol)溶液に、TBSCl(23g、153mmol)を添加した。混合物を室温で5時間撹拌した。次いで、水(100mL)を添加し、有機相を分離し、ブライン(80mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、N-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-L-ホモセリン(31.9g、収率99%)を無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 5.85 (d, 1H), 4.22 (m, 1 H), 3.69-3.75 (m, 2 H), 1.93-2.01 (m, 2 H), 1.36 (s, 9H), 0.83 (s, 9 H), 0.00 (s, 6 H);COOHは認められない.
ステップ2:(S)-(4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-ヒドロキシブタン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(300mL)中のN-(tert-ブトキシカルボニル)-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-L-ホモセリン(31.9g、96mmol)及びN-メチルモルホリン(10.7g、105mmol)溶液に、クロロぎ酸イソプロピル(12.8g、105mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、濾過した。濾液を0℃に冷却し、そこに水中のNaBH4(4g、105.0mmol)溶液をゆっくりと添加した。混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、水(100mL)で希釈した。有機相を分離し、ブライン(2×100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、(S)-(4-((tertブチルジメチルシリル)オキシ)-1-ヒドロキシブタン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(20g、収率57%)を無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 5.41 (s, 1 H), 3.75-3.79 (m, 1 H), 3.66 (t, 1H), 3.55-3.58 (m, 2 H), 1.69-1.99 (m, 2 H), 1.85-1.66 (m, 2 H), 1.36 (s, 9 H), 0.83 (s, 9 H), 0.00 (s, 6 H).
ステップ3:tert-ブチル(4S)-4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート2-オキシド
CH2Cl2(200mL)中のイミダゾール(22g、313mmol)溶液に、SOCl2(13.5g、113mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、0℃に冷却し、CH2Cl2(100mL)中の(S)-(4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-ヒドロキシブタン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(20g、62.7mmol)溶液を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、水(100mL)で希釈した。有機相を分離し、ブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、tert-ブチル(4S)-4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート2-オキシドを無色油状物として得た(23g、収率99%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 3.83-4.05 (m, 1 H), 3.62-3.69 (m, 2 H), 3.53-3.59 (m, 2 H), 1.60-1.78 (m, 2 H), 1.36 (d, 9 H), 0.81 (d, 9 H), 0.02 (d, 6 H).
ステップ4:tert-ブチル(S)-4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート2,2-ジオキシド
CH2Cl2(300mL)及び水(310mL)中のtert-ブチル(4S)-4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート2-オキシド(23g、62.7mmol)及びNaIO4(31g、144mmol)の混合物に、RuCl3(0.83g、4mmol)を添加した。反応物を室温で5時間撹拌した。有機相を分離し、10%のNaHSO3(4×150mL)及びブライン(150mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、石油エーテル及び酢酸エチル(20:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル(S)-4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-1,2,3-オキサチアゾリジン-3-カルボキシレート2,2-ジオキシドを白色固体として得た(5g、収率21%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 4.95 (q, 2 H), 4.30-3.35 (m, 1 H), 3.64-3.77 (m, 2 H), 1.96-2.11 (m, 2 H), 1.52 (s, 9 H), 0.83 (s, 9 H), 0.00 (s, 6 H).
中間体4
7-ブロモ-2,4-ジクロロチエノ[3,2-d]ピリミジン
Figure 2023506488000036
ステップ1:7-ブロモチエノ[3,2-d]ピリミジン-2,4-ジオール
5L丸底フラスコに、N2ガス下、16~20℃で、チエノ[3,2-d]ピリミジン-2,4-ジオール(250.0g;1.48mol、1.00eq.)及びAcOH(3.0L)を添加した。混合物を75℃に加熱し、そこにBr2(594.0g、3.71mol、2.5eq.)を60分かけて滴加した。この温度で反応を6時間継続した後、それを16℃に冷却した。混合物を、水(8L)中のNa2SO3(856.8g、6.8mol、5.00eq.)撹拌溶液中に注いだ。混合物を濾過し、濾過ケーキを水で洗浄し、次いで、エアブラスト乾燥機内で12時間90℃にて乾燥させ、7-ブロモチエノ[3,2-d]ピリミジン-2,4-ジオール(328g、収率89%)を、オフホワイト固体として得た。LC-MS: m/z = 248.9 [M+H]+ (純度83.6%(UV 214 nm, 1.64 min);1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.54 (s, 1H), 11.44 (s, 1H), 8.37 (s, 1H).
ステップ2:7-ブロモ-2,4-ジクロロチエノ[3,2-d]ピリミジン
MeCN(2.7L)中の7-ブロモチエノ[3,2-d]ピリミジン-2,4-ジオール(297.0g、1.20mol、1.00eq.)混合物に、N,N-ジメチルアニリン(98.00g、0.82mol、0.68eq.)及びPOCl3(1836.6g、5.95mol、5.5eq.)を30分かけて20℃で滴加した。次いで、混合物を85℃に加熱し、その温度で36時間撹拌してから、冷却し、20分かけて撹拌用の氷片(4Kg)中に注いだ。10℃でさらに30分間撹拌した後、混合物を濾過し、濾過ケーキを水で洗浄し、エアブラスト乾燥機内で12時間60℃にて乾燥させて、7-ブロモ-2,4-ジクロロチエノ[3,2-d]ピリミジン(272g、収率80%)を、オフホワイト固体として得た。LC-MS: m/z 284.9 [M+H]+ (純度88.0%, RT=3.66 min);1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.85 (s, 1H).
実施例1(化合物2)
2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000037
ステップ1:2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
アセトニトリル(0.5mL)中の2,4-ジクロロチエノ[3,2-d]ピリミジン(59mg、0.28mmol、1.0eq.)、2-フリルメタンアミン(33mg、0.030mL、0.33mmol、1.2eq.)及びNEt3(85mg、0.12mL、0.84mmol、3.0eq.)の混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで、酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥及び蒸発させた。残渣をジクロロメタン中の酢酸エチル(0~10%グラジエント)によりシリカゲル上で精製して、2-クロロ-N-(2-フリルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(71mg、収率96%)を得た。MS m/z 266.0, 268.0 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ : 7.77 (d, J= 5.4 Hz, 1H), 7.43 (dd, J= 1.6, 0.9 Hz, 1H), 7.39 (d, J= 5.4 Hz, 1H), 6.40 (qd, J= 3.4, 1.3 Hz, 2H), 5.43 (br s, 1H), 4.88 (d, J= 5.4 Hz, 2H).
以下の化合物を、実施例1の手順に従って、適切な出発材料、試薬及び反応条件を代用することにより調製した。
Figure 2023506488000038
実施例2(化合物25)
N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-2-(トリフルオロメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000039
ステップ1:7-メチル-2-(トリフルオロメチル)-3H-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-オン
エタノール(12mL)中の3-アミノ-4-メチルチオフェン-2-カルボン酸メチル(1770mg、10.0mmol、1.0eq.)、2,2,2-トリフルオロアセトアミジン(2640mg、20.0mmol、2.0eq.)及びTFA(2280mg、1.53mL、20.0mmol、2.0eq.)混合物を、150℃で4時間撹拌し、次いで、冷却した。混合物を蒸発させ、残渣を酢酸エチル及び水で処理した。有機層を分離し、水及びブラインで洗浄し、次いで、蒸発させた。残渣をジクロロメタン中のメタノール(0~10%グラジエント)によりシリカゲル上で精製して、7-メチル-2-(トリフルオロメチル)-3H-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(830mg、収率35%)を得た。MS m/z: 235.1 [M+H]+
ステップ2:4-クロロ-7-メチル-2-(トリフルオロメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン
7-メチル-2-(トリフルオロメチル)-3H-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-オン(560mg、2.4mmol、1.0eq.)及びPOCl3(4900mg、3.0mL、32mmol、13eq.)の混合物を105℃で8時間撹拌し、次いで蒸発させた。残渣を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム(aq.)との間に分割した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣をヘキサン中の酢酸エチル(3~15%グラジエント)によりシリカゲル上で精製して、4-クロロ-7-メチル-2-(トリフルオロメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン(170mg、収率28%)を得た。MS: m/z: 253.1, 255.1 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ: 7.85 (d, J= 1.1 Hz, 1H), 2.59 (d, J= 0.9 Hz, 3H).
ステップ3:N-(2-フリルメチル)-7-メチル-2-(トリフルオロメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
アセトニトリル(2.0mL)中の4-クロロ-7-メチル-2-(トリフルオロメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン(170mg、0.67mmol、1.0eq.)溶液にフルフリルアミン(330mg、0.30mL、3.4mmol、5.0eq.)を添加した。次いで、混合物を60℃で1時間撹拌し、次いで、冷却し、酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、次いで、乾燥及び蒸発させた。残渣をヘキサン中の酢酸エチル(5~30%グラジエント)によりシリカゲル上で精製して、N-(2-フリルメチル)-7-メチル-2-(トリフルオロメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンを得た。MS: m/z: 314.1 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ: 7.46 (d, J= 1.1 Hz, 1H), 7.42 (d, J= 1.1 Hz, 1H), 6.41 (d, J= 3.2 Hz, 1H), 6.38 (dd, J= 3.2, 1.8 Hz, 1H), 5.41 (br s, 1H), 4.91 (d, J= 5.5 Hz, 2H), 2.51 (d, J= 1.1 Hz, 3H).
実施例3(化合物3)
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000040
ステップ1:(2-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
実施例1の手順に従って調製した2-クロロ-N-(2-フリルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(0.265g、1.0mmol、1.0eq.)混合物を、ジクロロメタン(3.0mL)中に溶解させ、続いて、二炭酸ジ-tert-ブチル(0.467g、2.12mmol、2.0eq.)及び4-ジメチルアミノピリジン(13mg、0.11mmol、0.1eq.)を添加し、完了するまで1.5時間撹拌させた。次いで、反応物を酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥及び蒸発させた。その物質をヘキサン中の酢酸エチル(5~25%グラジエント)でシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(2-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(0.374g、収率96.6%)を得た。MS m/z 366.2, 368.6 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ : 7.98 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 7.43 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 6.30 (ddd, J= 14.0, 3.2, 1.2 Hz, 2H), 5.24 (s, 2H), 1.54 (s, 9H).
ステップ2:N-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(1.0mL)中の(2-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(128mg、0.35mmol、1.0eq.)溶液に、LDA(2.0M、0.24mL、0.49mmol、1.4eq.)を-78℃で滴加した。15分後、THF(0.5mL)中の(4S)-4-メチル-2,2-ジオキソ-オキサチアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(103mg、0.42mmol、1.2eq.)溶液を添加し、温度を1時間かけて0℃まで上昇させた。反応物を1.0Mのクエン酸でクエンチした。混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和NaHCO3溶液及びブラインで洗浄し、次いで、乾燥及び蒸発させた。残渣をジクロロメタン中の酢酸エチル(0~10%グラジエント)によりシリカゲル上で精製して、N-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(51mg、収率28%)を得た。MS m/z 545.2, 547.1 [M+Na]+1H NMR (CDCl3) δ : 7.30 (dd, J= 1.8, 0.8 Hz, 1H), 7.15 (s, 1H), 6.28 - 6.33 (m, 2H), 5.21 (s, 2H), 4.32 - 4.56 (m, 1H), 3.95 - 4.10 (m, 1H), 3.14 (d, J= 5.0 Hz, 2H), 1.54 (s, 9H), 1.43 - 1.47 (m, 9H), 1.19 (d, J= 6.7 Hz, 3H).
ステップ3:N-[(1S)-2-(2,4-ジクロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル
ジオキサン中HClを用いた一般的なBoc除去手順。N-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(21mg、0.040mmol)、アニソール(0.25mL)及びジオキサン中HCl(4.0N、1.0mL)の混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで、エーテルで希釈し、濾過した。固体を収集し、乾燥させて、N-[(1S)-2-(2,4-ジクロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(15mg、収率94%)を得た。MS m/z 323.2, 325.2 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ : 7.46 - 7.50 (m, 1H), 7.29 - 7.31 (m, 1H), 6.38 - 6.43 (m, 2H), 4.85 (s, 2H), 3.69 - 3.75 (m, 1H), 3.35 - 3.41 (m, 1H), 3.27 - 3.31 (m, 1H), 1.40 (d, J= 6.6 Hz, 3H);3NHは認められない.
以下の化合物を、実施例3の手順に従って、適切な出発材料、試薬及び反応条件を代用することにより調製した。
Figure 2023506488000041
Figure 2023506488000042
Figure 2023506488000043
実施例4(化合物19)
(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール二塩酸塩
Figure 2023506488000044
ステップ1:N-[(1R)-1-[[2-クロロ-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]メチル]-2-ヒドロキシ-エチル]カルバミン酸tert-ブチル
THF(0.5mL)中のN-[(1R)-1-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-2-[2-クロロ-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]エチル]カルバミン酸tert-ブチル(50mg、0.088mmol、1.0eq.、実施例3ステップ2の手順に従って調製)溶液に、TBAF(THF中1.0M)(0.18mL、0.18mmol、2.0eq.)を0℃で添加した。室温で2時間後、混合物をエーテルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣をヘキサン中の酢酸エチル(5~50%グラジエント)によりシリカゲル上で精製して、N-[(1R)-1-[[2-クロロ-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]メチル]-2-ヒドロキシ-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(31mg、収率78%)を得た。MS m/z 575.5, 577.5 [M+Na]+1H NMR (CDCl3) δ : 7.29 (s, 1H), 6.26 - 6.31 (m, 2H), 5.20 (s, 2H), 4.86 - 5.00 (m, 1H), 3.88 - 3.99 (m, 1H), 3.70 - 3.77 (m, 1H), 3.60 - 3.69 (m, 1H), 3.22 (d, J= 7.3 Hz, 2H), 2.42 (s, 3H), 1.53 (s, 9H), 1.44 (s, 9H), 1OHは認められない.
ステップ2:(2R)-2-アミノ-3-[2-クロロ-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]プロパン-1-オール二塩酸塩
ジオキサン中HClを用いた一般的な脱Boc手順に従って、(2R)-2-アミノ-3-[2-クロロ-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]プロパン-1-オール二塩酸塩(10mg、収率34%)を得た。MS m/z 353.3, 355.3 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ : 7.23 - 7.37 (m, 1H), 6.17 - 6.27 (m, 2H), 4.63 (s, 2H), 3.60 - 3.69 (m, 1H), 3.49 (s, 1H), 3.40 - 3.45 (m, 1H), 3.21 - 3.26 (m, 1H), 3.09 - 3.15 (m, 1H), 2.21 (s, 3H);3NH及び1OHは認められない.
以下の化合物を、実施例4の手順に従って、適切な出発材料、試薬及び反応条件を代用することにより調製した。
Figure 2023506488000045
実施例5(化合物79)
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩
Figure 2023506488000046
ステップ1:(S)-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)プロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(1mL)中の(S)-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(111mg、0.21mmol、1.0eq.、実施例3ステップ2の手順に従って調製)溶液に、LiHMDS(THF中1.0M、0.23mL、1.1eq.)を-50℃で滴加した。30分後、THF(1mL)中のMeI(35mg、0.25mmol、1.2eq.)を添加し、混合物を1時間かけて徐々に室温まで温めた。混合物をさらに1時間室温で撹拌し、次いで、-50℃に冷却し、数滴のクエン酸(1.0M、aq.)でクエンチした。室温に温めた後、反応物を水及びEtOAcで希釈した。有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗製物質を、シリカゲル上で、CH2Cl2中EtOAc(0~10%)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、未反応出発物質及び所望の生成物の混合物を得、これを、0.1%のギ酸を含有する水中CH3CN(20~100%)で溶出する分取HPLCでさらに精製して、(S)-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)プロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(67mg、収率59%)を白色固体として得た。MS m/z 573.3, 575.3 [M+Na]+
ステップ2:(S)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-メチル-6-(2-(メチルアミノ)プロピル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
HCl溶液(ジオキサン中4M、1mL)中で(S)-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)プロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバメート(67mg、0.12mmol)を、室温で1時間撹拌し、次いで、揮発性有機物を除去した。粗製固体をジエチルエーテルでトリチュレートし、濾過して、(S)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-メチル-6-(2-(メチルアミノ)プロピル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(33mg、収率50%)を塩酸塩として得た。MS m/z 351.1, 353.1 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.46 (dd, J=1.8, 0.9 Hz, 1H), 6.32-6.45 (m, 2H), 4.80 (s, 2H), 3.55-3.63 (m, 1H), 3.42-3.48 (m, 1H), 3.17-3.23 (m, 1H), 2.80 (s, 3H), 2.38 (s, 3H), 1.27-1.38 (d, J=6.6 Hz, 3H);, 2NHは認められない.
実施例6(化合物28)
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000047
ステップ1:2-クロロ-7-メチル-4-メチルスルファニル-チエノ[3,2-d]ピリミジン
真空下で、丸底フラスコに2,4-ジクロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン(3.0g、14mmol、1.0eq.)及びナトリウムメタンチオラート(1.1g、14mmol、1.05eq.)を入れ、次いで、窒素を充填した。次いで、THF(55mL)を丸底フラスコに添加し、35℃で5.5時間撹拌した。次いで混合物を濾過した。濾液を蒸発させ、真空下で乾燥させて、2-クロロ-7-メチル-4-メチルスルファニル-チエノ[3,2-d]ピリミジン(2.8g、収率84%)を得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。MS m/z 231.0, 233.0 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ: 7.52 (d, J=0.92 Hz, 1 H) 2.77 (s, 3 H) 2.48 (d, J=1.07 Hz, 3 H).
ステップ2:N-[(1S)-2-(2-クロロ-7-メチル-4-メチルスルファニル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル
THF(9.0mL)中の2-クロロ-7-メチル-4-メチルスルファニル-チエノ[3,2-d]ピリミジン(500mg、2.16mmol、1.0eq.)溶液に、LDA(THF/ヘプタン/エチルベンゼン中2.0M)(1.3mL、2.60mmol、1.2eq.)を-78℃で滴加した。15分後、THF(9.0mL)中の(4S)-4-メチル-2,2-ジオキソ-オキサチアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(617.1mg、2.60mmol、1.2eq.)溶液を滴加した。混合物を-78℃で10分間撹拌し、次いで、1.0Mのクエン酸でクエンチし、その後、室温で15分間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水、重炭酸ナトリウム及びブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下で濃縮した。粗製残渣をヘキサン中の酢酸エチル(2~25%)によりシリカゲル上で精製して、N-[(1S)-2-(2-クロロ-7-メチル-4-メチルスルファニル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(605mg、収率72%)を白色固体として得た。MS m/z 388.4, 390.4 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ: 4.42 - 4.50 (m, 1 H), 3.98 - 4.08 (m, 1 H), 3.05 - 3.21 (m, 2 H), 2.75 (s, 3 H), 2.40 (s, 3 H), 1.44 (s, 9 H), 1.19 (d, J=6.87 Hz, 3 H).
ステップ3:N-[(1S)-2-(2-クロロ-7-メチル-4-メチルスルホニル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル
CH2Cl2(25mL)中のN-[(1S)-2-(2-クロロ-7-メチル-4-メチルスルファニル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(605mg、1.6mmol、1.0eq.)及びmCPBA(1435mg、6.2mmol、4.0eq.)溶液を、室温で2時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、チオ硫酸ナトリウム(aq.)、重炭酸ナトリウム及びブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣をジクロロメタン中の酢酸エチル(0~10%)によりシリカゲルで精製して、N-[(1S)-2-(2-クロロ-7-メチル-4-メチルスルホニル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(286mg、収率44%)をオフホワイト固体として得た。MS m/z 442.1, 444.1 [M+Na]+1H NMR (CDCl3) δ: 4.44 - 4.61 (m, 1 H), 4.05 (br d, J=5.65 Hz, 1 H), 3.38 (s, 3 H), 3.22 - 3.29 (m, 1 H), 3.15 - 3.22 (m, 1 H), 2.48 (s, 3 H), 1.42 - 1.45 (m, 9 H), 1.23 (d, J=6.87 Hz, 3 H).
ステップ4:N-[(1S)-2-[2-クロロ-7-メチル-4-(2-チエニルメチルアミノ)チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル
DMF(1.5mL)中のN-[(1S)-2-(2-クロロ-7-メチル-4-メチルスルホニル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(147mg、0.35mmol、1.0eq.)溶液に、2-チエニルメタンアミン(79mg、0.70mmol、2.0eq.)を添加し、室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、NH4Cl、水及びブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下で濃縮した。粗製残渣をヘキサン中の酢酸エチル(10~50%)によりシリカゲルで精製して、N-[(1S)-2-[2-クロロ-7-メチル-4-(2-チエニルメチルアミノ)チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(120mg、収率76%)を黄色固体として得た。MS m/z 453.2, 455.2 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.26 (dd, J=5.11, 1.14 Hz, 1 H), 7.07 (d, J=2.90 Hz, 1 H), 6.94 (dd, J=5.11, 3.43 Hz, 1 H), 4.90 (d, J=5.49 Hz, 2 H), 3.85 - 3.94 (m, 1 H), 2.99 - 3.07 (m, 2 H), 2.30 (s, 3 H), 1.34 (s, 9 H), 1.17 (d, J=7.20 Hz, 3 H);2NHは認められない.
ステップ5:6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-(2-チエニルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
N-[(1S)-2-[2-クロロ-7-メチル-4-(2-チエニルメチルアミノ)チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(120mg、0.26mmol、1.0eq.)を有する反応管に、ジオキサン中HCl(4.0M、2.5mL)を添加した。反応混合物を30分間撹拌し、次いで、ジエチルエーテルで希釈し、濾過し、追加のジエチルエーテルでリンスした。固体を24時間真空下に置いて、6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-(2-チエニルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(90mg、収率96%)を白色固体として得た。MS m/z 353.1, 355.1 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.32 (dd, J=5.11, 1.14 Hz, 1 H), 7.14 (d, J=2.59 Hz, 1 H), 6.97 (dd, J=5.04, 3.51 Hz, 1 H), 5.01 (s, 2 H), 3.61 - 3.65 (m, 1 H), 3.33 - 3.39 (m, 1 H), 3.20 - 3.27 (m, 1 H) 2.40 (s, 3 H) 1.36 (d, J=6.56 Hz, 3 H);3NHは認められない.
以下の化合物を、実施例6の手順に従って、適切な出発材料、試薬及び反応条件を代用することにより調製した。
Figure 2023506488000048
Figure 2023506488000049
Figure 2023506488000050
Figure 2023506488000051
Figure 2023506488000052
Figure 2023506488000053
実施例7(化合物92)
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(4-フルオロ-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000054
ステップ1:N-[(1S)-2-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル
N-[(1S)-2-(2-クロロ-7-メチル-4-メチルスルホニル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(500mg、1.2mmol、1.0eq.、実施例6の手順に従って調製)、及びジオキサン中アンモニア(0.5mol/L)(10mL、4.8mmol、4.0eq.)を丸底フラスコに入れ、室温で2時間撹拌した。揮発性有機物を窒素気流により除去した。次いで、粗製残渣をCH2Cl2(10mL)中に溶解させ、そこに二炭酸ジ-tert-ブチル(660mg、3.0mmol、2.5eq.)及び4-(ジメチルアミノ)ピリジン(15mg、0.12mmol、0.10eq.)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。残渣をメタノール(10mL)中に溶解させ、そこに炭酸カリウム(1700mg、12mmol、10eq.)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣を酢酸エチルと水との間に分割した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣を酢酸エチル及びジクロロメタン(0~10%)によりシリカゲル上で精製して、N-[(1S)-2-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(170mg、収率31%)を白色固体として得た。1H NMR (CDCl3) δ: 7.66 (br s, 1H), 4.51 (d, J=7.6 Hz, 1H), 4.03 (br s, 1H), 3.02-3.19 (m, 2H), 2.38 (s, 3H), 1.55 (s, 9H), 1.43 (s, 9H), 1.18 (d, J=6.7 Hz, 3H).
ステップ2:N-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-[(4-フルオロチアゾール-2-イル)メチル]カルバミン酸tert-ブチル
THF(1mL)中のN-[(1S)-2-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(170mg、0.37mmol、1.0eq.)、(4-フルオロチアゾール-2-イル)メタノール(74mg、0.56mmol、1.5eq.)、及びPPh3(157mg、0.59mmol、1.6eq.)溶液に、DEAD(トルエン中40%)(0.25mL、0.59mmol、1.5eq.)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン中の酢酸エチル(0~20%)によりシリカゲル上で精製して、N-[6-[(2S)-2-(tertブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-[(4-フルオロチアゾール-2-イル)メチル]カルバミン酸tert-ブチル(180mg、収率84%)を得た。MS m/z 572.2, 574.2 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ: 6.49 (d, J=4.7 Hz, 1H), 5.35 (s, 2H), 4.49 (br d, J=2.3 Hz, 1H), 3.99-4.08 (m, 1H), 3.20 (br dd, J=14.0, 4.6 Hz, 1H), 3.04-3.11 (m, 1H), 2.40 (s, 3H), 1.50 (s, 9H), 1.44 (s, 9H), 1.18 (d, J=6.7 Hz, 3H).
ステップ3:6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(4-フルオロチアゾール-2-イル)メチル]-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
N-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-[(4-フルオロチアゾール-2-イル)メチル]カルバミン酸tert-ブチル(180mg、0.31mmol、1.0eq.)を有する反応管に、ジオキサン(3mL)中の塩酸(4mol/L)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、ジエチルエーテルで希釈し、濾過し、次いで、ジエチルエーテルでリンスした。固体を真空下で乾燥させて、6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(4-フルオロチアゾール-2-イル)メチル]-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(60mg、収率51%)を白色固体として得た。MS m/z 372.1, 374.1 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ: 6.82 (d, J=4.7 Hz, 1H), 5.02 (s, 2H), 3.66-3.68 (m, 1H), 3.36-3.39 (m, J=6.7 Hz, 1H), 3.26-3.29 (m, J=8.2 Hz, 1H), 2.41 (s, 3H), 1.41 (d, J=6.6 Hz, 3H);3NHは認められない.
以下の化合物を、実施例7の手順に従って、適切な出発材料、試薬及び反応条件を代用することにより調製した。
Figure 2023506488000055
実施例8(化合物64)
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3,5-ジフルオロピリジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩
Figure 2023506488000056
ステップ1:N-[(1S)-2-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル
実施例6の手順に従って調製したN-[(1S)-2-(2-クロロ-7-メチル-4-メチルスルホニル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(500mg、1.2mmol、1.0eq.)、及びジオキサン中アンモニア(0.5mol/L)(10mL、4.8mmol、4.0eq.)の混合物を、室温で2時間撹拌した。揮発性有機物を窒素気流により除去した。残渣をCH2Cl2(10mL)中に懸濁させて、そこにBoc2O(660mg、0.69mL、3.0mmol、2.5eq.)及びDMAP(15mg、0.12mmol、0.10eq.)を添加した。室温で2時間後、混合物を濃縮した。残渣をMeOH(10mL)中に再溶解させ、そこにK2CO3(1.7g、12mmol、10eq.)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、有機溶媒を蒸発させた。残渣を酢酸エチルと水との間に分割した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣を酢酸エチル及びジクロロメタン(0~10%グラジエント)によりシリカゲル上で精製して、N-[(1S)-2-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(180mg、収率33%)を得た。MS m/z 457.3, 455.4 [M-H]-1H NMR (CDCl3) δ : 7.56 (br s, 1H), 4.44 - 4.58 (m, 1H), 3.95 - 4.11 (m, 1H), 2.99 - 3.23 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 1.57 (s, 9H), 1.45 (s, 9H), 1.20 (d, J= 6.7 Hz, 3H).
ステップ2:N-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-[(3,5-ジフルオロ-4-ピリジル)メチル]カルバミン酸tert-ブチル
THF(1.0mL)中のN-[(1S)-2-[4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(40mg、0.088mmol、1.0eq.)、(3,5-ジフルオロ-4-ピリジル)メタノール(19mg、0.13mmol、1.5eq.)、及びPPh3(37mg、0.14mmol、1.6eq.)の混合物に、DEAD(トルエン中40%)(0.060mL、0.13mmol、1.5eq.)を添加した。室温で2時間後、LC/MSで完全な反応を認め、混合物を濃縮した。残渣をジクロロメタン中の酢酸エチル(0~20%グラジエント)によりシリカゲル上で精製して、N-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-[(3,5-ジフルオロ-4-ピリジル)メチル]カルバミン酸tert-ブチル(51mg、収率100%)を得た。MS m/z 606.2, 608.3 [M+Na]+1H NMR (CDCl3) δ : 8.28 (s, 2H), 5.38 (s, 2H), 4.41 - 4.57 (m, 1H), 3.93 - 4.10 (m, 1H), 3.18 (d, J= 4.4 Hz, 1H), 2.99 - 3.12 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 1.51 (s, 9H), 1.45 (s, 9H), 1.18 (d, J= 6.7 Hz, 3H).
ステップ3:6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3,5-ジフルオロ-4-ピリジル)メチル]-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩
N-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-[(3,5-ジフルオロ-4-ピリジル)メチル]カルバミン酸tert-ブチル(51mg、0.087mmol)を、室温にて2時間ジオキサン中HCl(1.0mL)で処理し、次いで、エーテルで希釈し、濾過した。固体を収集し、乾燥させて、6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3,5-ジフルオロ-4-ピリジル)メチル]-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩(40mg、収率100%)を得た。MS m/z 384.1, 386.1 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ : 8.57 (br s, 2H), 5.02 (s, 2H), 3.63 - 3.67 (m, 1H), 3.36 - 3.45 (m, 1H), 3.30 (s, 1H), 2.41 (s, 3H), 1.38 (d, J= 6.3 Hz, 3H);3NHは認められない.
以下の化合物を、実施例8の手順に従って、適切な出発材料、試薬及び反応条件を代用することにより調製した。
Figure 2023506488000057
実施例9(化合物8)
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩
Figure 2023506488000058
ステップ1:N-[(1S)-2-(4-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル
THF(8.0mL)中の4-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン(340mg、2.0mmol、1.0eq.)溶液に、LDA(2.0M)(970mg、1.2mL、2.4mmol、1.2eq.)を-78℃で添加した。30分後、THF(8.0mL)中の(4S)-4-メチル-2,2-ジオキソ-オキサチアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(620mg、2.6mmol、1.3eq.)溶液を滴加した。温度をゆっくりと-20℃に温めながら、混合物を1時間撹拌した。1.0Nのクエン酸を添加することにより、反応物をクエンチした。混合物を室温で90分間撹拌し、次いで、酢酸エチルで希釈し、水、飽和重炭酸ナトリウム、水及びブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣をジクロロメタン中の酢酸エチル(0~15%グラジエント)によりシリカゲル上で精製して、N-[(1S)-2-(4-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(160mg、収率24%)を得た。MS m/z 328.2, 330.2 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ : 8.86 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 4.36 - 4.53 (m, 1H), 3.90 - 4.06 (m, 1H), 3.12 (d, J= 6.0 Hz, 2H), 1.37 (s, 9H), 1.15 (d, J= 6.7 Hz, 3H).
ステップ2:N-[(1S)-2-[4-(2-フリルメチルアミノ)チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチルエチル]カルバミン酸tert-ブチル
アセトニトリル(0.5mL)中のN-[(1S)-2-(4-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(50mg、0.15mmol、1.0eq.)及び2-フリルメタンアミン(74mg、0.067mL、0.76mmol、5.0eq.)の混合物を、室温で一晩撹拌した。LC/MSでは、反応がゆっくりと進行していることが示された。次いで、混合物を70℃で4時間加熱し、次いで、冷却し、蒸発させた。混合物を水及び酢酸エチルで処理した。有機層を分離し、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣をジクロロメタン中の酢酸エチル(0~100%グラジエント)によりシリカゲル上で精製して、N-[(1S)-2-[4-(2-フリルメチルアミノ)チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチルを得た。MS m/z 389.4, 390.4 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ : 8.65 (s, 1H), 7.41 (dd, J= 1.7, 0.8 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 6.33 - 6.40 (m, 2H), 5.42 - 5.73 (m, 1H), 4.89 (d, J= 5.3 Hz, 2H), 4.43 - 4.59 (m, 1H), 3.90 - 4.08 (m, 1H), 3.12 (d, J= 5.2 Hz, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.19 (d, J= 6.7 Hz, 3H).
ステップ3:6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-(2-フリルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩
上で得られたN-[(1S)-2-[4-(2-フリルメチルアミノ)チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチルを、アニソール(0.2mL)及びHCl(ジオキサン中4M)(2.0mL)で処理した。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、多量のエーテルで希釈し、濾過した。固体を収集し、乾燥させて、6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-(2-フリルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩(36mg、2ステップにわたり収率65%)を得た。MS m/z 289.3, 290.3 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ : 8.75 (s, 1H), 7.36 - 7.49 (m, 2H), 6.29 - 6.45 (m, 2H), 4.92 (s, 2H), 3.65 - 3.72 (m, 1H), 3.36 - 3.44 (m, 1H), 3.29 - 3.35 (m, 1H), 1.35 (d, J= 6.6 Hz, 3H);3NHは認められない.
以下の化合物を、実施例9の手順に従って、適切な出発材料、試薬及び反応条件を代用することにより調製した。
Figure 2023506488000059
実施例10(化合物15)
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-2,7-ジメチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩
Figure 2023506488000060
ステップ1:N-[(1S)-2-[4-(2-フリルメチルアミノ)-2,7-ジメチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル
ジオキサン(1.0mL)及び水(0.1mL)中のN-[(1S)-2-[2-クロロ-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(60mg、0.14mmol、1.0eq.、実施例3の手順に従って調製)、トリメチルボロキシン(35mg、0.039mL、0.27mmol、2.0eq.)、Cs2CO3(130mg、0.41mmol、3.0eq.)及びPdCl2dppf・CH2Cl2錯体(11mg、0.014mmol、0.10eq.)の混合物を、Ar下、120℃で2時間撹拌した。冷却後、反応物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄し、次いで、乾燥させ濃縮した。残渣をヘキサン中の酢酸エチル(5~50%グラジエント)によりシリカゲル上で精製して、N-[(1S)-2-[4-(2-フリルメチルアミノ)-2,7-ジメチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(60mg、収率100%)を得た。MS m/z 417.5 [M+H-Boc]+1H NMR (CDCl3) δ : 7.26 (d, 1H), 6.23 - 6.27 (m, 1H), 6.20 (d, J= 3.1 Hz, 1H), 5.17 (s, 2H), 4.40 - 4.58 (m, 1H), 3.94 - 4.11 (m, 1H), 3.17 (br s, 1H), 2.99 - 3.11 (m, 1H), 2.81 (s, 3H), 2.41 (s, 3H), 1.49 (s, 9H), 1.46 (s, 9H), 1.16 (d, J= 6.9 Hz, 3H).
ステップ2:6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-(2-フリルメチル)-2,7-ジメチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩
N-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2,7-ジメチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバメート(60mg、0.12mmol、1.0eq.)、アニソール(0.2mL)及びHCl(ジオキサン中4M)(1.0mL)の混合物を、室温で2時間撹拌した。メタノールを数滴加えて混合物をホモジナイズし、混合物をさらに1時間撹拌した後、それを多量のエーテルで希釈した。混合物を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させて、6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-(2-フリルメチル)-2,7-ジメチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩(38mg、収率84%)を得た。MS m/z 317.3 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ : 7.36 (s, 1H), 6.26 - 6.37 (m, 2H), 4.84 (s, 2H), 3.51 - 3.62 (m, 1H), 3.27 - 3.34 (m, 1H), 3.14 - 3.19 (m, 1H), 2.68 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 1.27 (d, J= 6.6 Hz, 3H);3NHは認められない.
以下の化合物を、実施例10の手順に従って、適切な出発材料、試薬及び反応条件を代用することにより調製した。
Figure 2023506488000061
実施例11(化合物20及び21)
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボキサミドトリフルオロ酢酸
及び
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリルトリフルオロ酢酸
Figure 2023506488000062
ステップ1:N-[(1S)-2-[2-シアノ-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル
DMSO(1.0mL)及び水(0.1mL)中のN-[(1S)-2-[2-クロロ-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(60mg、0.14mmol、1.0eq.、実施例3の手順に従って調製)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(16mg、0.14mmol、1.0eq.)、及びシアン化ナトリウム(10mg、0.21mmol、1.5eq.)の混合物を、80℃で2時間、次いで、100℃で4時間撹拌し、次いで、冷却し、酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄し、乾燥及び蒸発させた。残渣をヘキサン中の酢酸エチルによりシリカゲル上で精製して、N-[(1S)-2-[2-シアノ-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(29mg、収率49%)を得た。MS m/z 428.5 [M+H-Boc]+
ステップ2:6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボキサミド2,2,2-トリフルオロ酢酸及び6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリル2,2,2-トリフルオロ酢酸
N-[(1S)-2-[2-シアノ-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチルを、ジオキサン(1.0mL)中のHClと共に2時間撹拌し、次いで、エーテルで希釈し、濾過した。固体を収集し、分取HPLCで精製して、6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボキサミド2,2,2-トリフルオロ酢酸(4,8mg、収率15%))を得た。[MS m/z 346.3 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ : 7.38 - 7.44 (m, 1H), 6.33 - 6.40 (m, 2H), 4.91 (s, 2H), 3.57 - 3.67 (m, 1H), 3.16 - 3.25 (m, 1H), 2.46 (s, 3H), 1.36 (d, J= 6.6 Hz, 3H), 1HはMeODにより不明確;5NHは認められない] 及び6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリル2,2,2-トリフルオロ酢酸(10.0mg、収率33%). MS m/z 328.3 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ : 7.38 - 7.44 (m, 1H), 6.31 - 6.38 (m, 2H), 4.78 (s, 2H), 3.54 - 3.64 (m, 1H), 3.28 - 3.31 (m, 1H), 3.14 - 3.22 (m, 1H), 2.39 (s, 3H), 1.35 (d, J= 6.6 Hz, 3H);3NHは認められない.
実施例12(化合物68)
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩
Figure 2023506488000063
ステップ1:N-[(1S)-2-[7-ブロモ-2-クロロ-4-[(3-フルオロ-4-ピリジル)メチルアミノ]チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル
アセトニトリル(0.1mL)中のN-[(1S)-2-[2-クロロ-4-[(3-フルオロ-4-ピリジル)メチルアミノ]チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(29mg、0.064mmol、1.0eq.、実施例6の手順に従って調製)、及びNBS(14mg、0.077mmol、1.2eq.)の混合物を80℃で8時間撹拌し、次いで、冷却し、酢酸エチルで希釈し、次いで、ブラインで洗浄し、乾燥及び蒸発させた。残渣をジクロロメタン中の酢酸エチル(0~75%グラジエント)によりシリカゲル上で精製して、N-[(1S)-2-[7-ブロモ-2-クロロ-4-[(3-フルオロ-4-ピリジル)メチルアミノ]チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(7mg、収率20%)を得た。MS m/z 530.0, 531.9, 533.9 [M+H]+
ステップ2:6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(3-フルオロ-4-ピリジル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩
N-[(1S)-2-[7-ブロモ-2-クロロ-4-[(3-フルオロ-4-ピリジル)メチルアミノ]チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]-1-メチル-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(7.0mg、0.01mmol、1.0eq.)及びHCl(ジオキサン中4M)(0.5mL、2mmol、200eq.)の混合物を、室温で2時間撹拌し、次いで、エーテルで希釈し、濾過した。固体を収集し、乾燥させて、6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(3-フルオロ-4-ピリジル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩(6.0mg、収率90%)を得た。1H NMR (メタノール-d4) δ : 9.00-9.14 (m, 1H), 8.66-8.78 (m, 1H), 8.08-8.22 (m, 1H), 5.11 (s, 2H), 3.76-3.84 (m, 1H), 3.43-3.49 (m, 1H), 3.35-3.41 (m, 1H), 1.41 (d, J=6.4 Hz, 3H);3NHは認められない.
実施例13(化合物77)
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-エチル-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000064
ステップ1:2-クロロ-7-エチル-N-(フラン-2-イルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
7-ブロモ-2-クロロ-N-(2-フリルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(400mg、1.2mmol、1.0eq.、実施例1の手順に従って調製)、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(15mg、0.05mmol、0.03eq.)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(24mg、0.03mmol、0.015eq.)を20mLのシンチレーションバイアル内に量り入れた。THF(5mL)、続いてヘキサン中のジエチル亜鉛(1.0mol/L)(1.3mL、1.3mmol、1.1eq.)を添加した。室温で1時間撹拌した後、反応物を飽和NaHCO3でクエンチし、H2O中に注いだ。水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製残渣を、シリカゲル上でヘキサン中のEtOAc(0~30%)により溶出して精製して、2-クロロ-7-エチル-N-(2-フリルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(210mg、収率62%)を白色固体として得た。MS m/z 293.9, 295.9 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ: 7.40-7.42 (m, 1H), 7.38-7.39 (m, 1H), 6.38 (s, 2H), 4.83-4.89 (m, 2H), 2.90 (dd, J=7.5, 1.1 Hz, 2H), 1.34 (t, J=7.5 Hz, 3H);1NHは認められない.
ステップ2:(2-クロロ-7-エチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
2-クロロ-7-エチル-N-(2-フリルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(210mg、0.7mmol、1.0eq.)、二炭酸ジ-tert-ブチル(200mg、0.9mmol、1.1eq.)、4-ジメチルアミノピリジン(25mg、0.2mmol、0.2eq.)、及びジクロロメタン(2mL)溶液を室温で30分撹拌した。減圧下で濃縮後、粗製残渣を、シリカゲル上でヘキサン中のEtOAc(0~10%)により溶出して精製して、N-(2-クロロ-7-エチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(260mg、収率92%)を白色固体として得た。MS m/z 393.9, 395.9 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ: 7.59 (t, J=1.1 Hz, 1H), 7.27-7.31 (m, 1H), 6.19-6.36 (m, 2H), 5.21 (s, 2H), 2.93 (qd, J=7.5, 0.9 Hz, 2H), 1.52 (s, 9H), 1.35 (t, J=7.5 Hz, 3H).
ステップ3:(S)-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-2-クロロ-7-エチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(4mL)中のN-(2-クロロ-7-エチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(260mg、0.7mmol、1.0eq.)溶液に、THF/ヘプタン/エチルベンゼン中のリチウムジイソプロピルアミド(2.0mol/L)(0.36mL、0.72mmol、1.1eq.)を-78℃で添加した。-78℃で1時間撹拌した後、THF(4mL)中の(4S)-4-メチル-2,2-ジオキソ-オキサチアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(216mg、9.1mmol、1.3eq.)溶液を滴加した。浴から外して、反応混合物を室温で1時間撹拌し、その時点でそれを1Mのクエン酸(4mL)でクエンチし、室温で0.5時間撹拌させておいた。反応混合物をEtOAcで希釈し、H2Oで洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を、シリカゲル上でジクロロメタン中のEtOAc(0~10%)により溶出して精製して、N-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-7-エチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(226mg、収率62%)を淡黄色油状物として得た。MS m/z 573.3, 575.2 [M+Na]+1H NMR (CDCl3) δ: 7.28 (s, 1H), 6.26-6.29 (m, 2H), 5.17 (s, 2H), 3.95-4.07 (m, 1H), 3.18 (dd, J=14.3, 5.5 Hz, 1H), 3.00-3.10 (m, 1H), 2.87 (q, J=7.5 Hz, 2H), 1.51 (s, 9H), 1.43 (s, 9H), 1.22 (t, J=7.5 Hz, 3H), 1.17 (d, J=6.7 Hz, 3H);1NHは認められない.
ステップ4:(S)-6-(2-アミノプロピル)-2-クロロ-7-エチル-N-(フラン-2-イルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
HCl(ジオキサン中4M)(2mL)中のN-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-7-エチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(200mg、0.4mmol、1.0eq.)溶液を、室温で4時間撹拌した。沈殿物を濾過し、ジエチルエーテルでリンスして、6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-エチル-N-(2-フリルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩(137mg、収率97%)をオフホワイト固体として得た。MS m/z 351.1, 353.1 [M+H]+1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.80 (br t, J=5.6 Hz, 1H), 8.31 (br s, 3H), 7.59 (d, J=0.9 Hz, 1H), 6.40 (dd, J=3.1, 1.8 Hz, 1H), 6.32 (d, J=3.1 Hz, 1H), 4.65 (d, J=5.5 Hz, 2H), 3.36-3.43 (m, 1H), 3.31-3.35 (m, 1H), 3.03-3.19 (m, 1H), 2.63-2.82 (m, 2H), 1.22 (d, J=6.4 Hz, 3H), 1.12 (t, J=7.5 Hz, 3H).
実施例14(化合物87)
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-フェニル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000065
ステップ1:(S)-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-2-クロロ-7-フェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(チオフェン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
N-[7-ブロモ-6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(100mg、0.2mmol、1.0eq.、実施例3の手順に従って調製)、1,1´-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(7mg、0.008mmol、0.04eq.)、フェニルボロン酸(23mg、0.2mmol、1.0eq.)、1,4-ジオキサン(1mL)及び炭酸カリウム水溶液(2M)(0.25mL、0.50mmol、2.5eq.)の混合物を、80℃で2時間加熱し、冷却し、次いで、酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製残渣を、シリカ上でヘキサン中のEtOAc(0~20%)で溶出して精製して、N-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-7-フェニル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(75mg、収率75%)をオフホワイト固体として得た。MS m/z 615.3, 617.4 [M+H]+
ステップ2:(S)-6-(2-アミノプロピル)-2-クロロ-7-フェニル-N-(チオフェン-2-イルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
HCl(ジオキサン中4M)(1mL)中のN-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-7-フェニル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(75mg、0.12mmol、1.0eq.)溶液を、室温で2時間撹拌した。反応物を濃縮し、粗製残渣を、シリカゲル上でジクロロメタン中のMeOH(0~10%)により溶出して精製して、6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-フェニル-N-(2-チエニルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩(18mg、収率25%)を淡黄色の固体として得た。MS m/z 415.3, 417.4 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.54 (m, 2H), 7.45-7.50 (m, 1H), 7.39-7.45 (m, 2H), 7.28-7.33 (m, 1H), 7.09-7.15 (m, 1H), 6.95-7.00 (m, 1H), 4.96 (s, 2H), 3.44-3.54 (m, 1H), 3.34-3.37 (m, 1H), 3.21-3.28 (m, 1H), 1.19 (d, J=6.7 Hz, 3H);3NHは認められない.
以下の化合物を、実施例14の手順に従って、適切な出発材料、試薬及び反応条件を代用することにより調製した。
Figure 2023506488000066
実施例15(化合物51及び52)
6-[(2S)-2-アミノ-4-フルオロブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩
及び
(4S)-4-[(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)メチル]-1,3-オキサジナン-2-オン
Figure 2023506488000067
ステップ1:[(3S)-3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-[4-[tert-ブトキシカルボニル(2-フリルメチル)アミノ]-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]ブチル]メタンスルホネート
0℃に冷却したCH2Cl2(2.0mL)中のN-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-ヒドロキシ-ブチル]-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(125mg、0.220mmol、1.0eq.、実施例4の手順に従って調製)及びDIPEA(58.1mg、0.0770mL、0.441mmol、2.0eq.)溶液に、塩化メタンスルホニル(CH2Cl2中1.0M)(490mg、0.33mL、0.331mmol、1.50eq.)を添加した。LC/MSにより、反応が直ちに完了したことが示された。混合物を冷水及びCH2Cl2で希釈し、1.0MのKHSO4、重炭酸ナトリウム及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて[(3S)-3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-[4-[tert-ブトキシカルボニル(2-フリルメチル)アミノ]-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]ブチル]メタンスルホネート(148mg、収率104%)を得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。MS m/z 646.0, 648.0 [M+H]+
ステップ2:(S)-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-フルオロブチル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル及び(S)-(2-クロロ-7-メチル-6-((2-オキソ-1,3-オキサジナン-4-イル)メチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
[(3S)-3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-[4-[tert-ブトキシカルボニル(2-フリルメチル)アミノ]-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]ブチル]メタンスルホネート(88.0mg、0.14mmol)及びTBAF(1.0M、1.0mL)の混合物を、65℃で1時間撹拌し、次いで、冷却し、濃縮した。残渣を、シリカゲル上でジクロロメタン中の酢酸エチル(0~10%グラジエント)により溶出して精製して、(S)-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-フルオロブチル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(20mg、収率26%)を得た。MS m/z 569.1, 571.1 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ : 7.29-7.32 (m, 1H), 6.24-6.34 (m, 2H), 5.20 (s, 2H), 4.45-4.68 (m, 3H), 3.99-4.09 (m, 1H), 3.22-3.33 (m, 1H), 3.10-3.21 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 1.95-2.05 (m, 1H), 1.79-1.94 (m, 1H), 1.53 (s, 9H), 1.43 (s, 9H);及び(S)-(2-クロロ-7-メチル-6-((2-オキソ-1,3-オキサジナン-4-イル)メチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(20mg、収率30%)。[MS m/z 515.1, 517.1 [M+Na]+1H NMR (CDCl3) δ : 7.30-7.34 (m, 1H), 6.25-6.35 (m, 2H), 5.55-5.69 (m, 1H), 5.22 (s, 2H), 4.35-4.44 (m, 1H), 4.22-4.31 (m, 1H), 3.83-3.93 (m, 1H), 3.08-3.21 (m, 2H), 2.36-2.44 (m, 3H), 2.07-2.14 (m, 1H), 1.79-1.91 (m, 1H), 1.55 (s, 9H).
ステップ3:(S)-6-(2-アミノ-4-フルオロブチル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩
ジオキサン中HClを用いた一般的な脱Boc手順を(S)-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-フルオロブチル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル適用して、(S)-6-(2-アミノ-4-フルオロブチル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩(16mg、収率90%)を得た。MS m/z 369.1, 371.1 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ : 7.45 (s, 1H), 6.36 (s, 2H), 4.78 (s, 2H), 4.57-4.76 (m, 2H), 3.71-3.82 (m, 1H), 3.34-3.42 (m, 2H), 2.37 (s, 3H), 2.07-2.19 (m, 2H);3NHは認められない.
ステップ4:(S)-4-((2-クロロ-4-((フラン-2-イルメチル)アミノ)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)メチル)-1,3-オキサジナン-2-オン
ジオキサン中HClを用いた一般的な脱Boc手順を(S)-(2-クロロ-7-メチル-6-((2-オキソ-1,3-オキサジナン-4-イル)メチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチルに適用して、(S)-4-((2-クロロ-4-((フラン-2-イルメチル)アミノ)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)メチル)-1,3-オキサジナン-2-オン(10mg、収率63%)を得た。MS m/z 393.1, 395.1 [M+H]+1H NMR (CDCl3) d: 7.41 (s, 1H), 6.38 (s, 2H), 5.64 (br s, 1H), 5.39 (br s, 1H), 4.79 - 4.93 (m, 2H), 4.32 - 4.41 (m, 1H), 4.21 - 4.30 (m, 1H), 3.79 - 3.91 (m, 1H), 3.13 (d, J= 6.7 Hz, 2H), 2.38 (s, 3H), 2.03 - 2.13 (m, 1H), 1.78 - 1.89 (m, 1H).
実施例16(化合物76)
6-[(2R)-2-アミノ-3-メトキシプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000068
ステップ1:(R)-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メトキシプロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
DMF(0.5mL)及びTHF(1.5mL)混合物中のN-[6-[(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシ-プロピル]-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(100.0mg、0.2mmol、1.0eq.、実施例4の手順に従って調製)撹拌溶液に、鉱油中の水素化ナトリウム(60質量%)(10mg、0.25mmol、1.3eq.)を0℃で添加した。0℃で30分間撹拌した後、tert-ブチルメチルエーテル中のヨードメタン(2.0M)(100μL、0.20mmol、1.1eq.)溶液を添加した。反応物を室温に温め、さらに12時間撹拌した。反応物をH2O(約5mL)でクエンチし、次いで、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を、シリカゲル上で、10%のジクロロメタンをドープしたヘキサン中のEtOAc(0~30%)により溶出して精製して、N-[6-[(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メトキシ-プロピル]-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(49.0mg、収率43%)をオフホワイト泡状物として得た。MS m/z 567.2, 569.2 [M+H]+1H NMR (アセトン-d6) δ: 7.36-7.45 (m, 1H), 6.27-6.36 (m, 2H), 5.17-5.24 (m, 2H), 3.99-4.05 (m, 1H), 3.41-3.47 (m, 2H), 3.33-3.37 (m, 3H), 3.27-3.33 (m, 1H), 3.11-3.19 (m, 1H), 2.76 (s, 3H), 1.53 (s, 9H), 1.32-1.37 (m, 9H);1NHは認められない.
ステップ2:(R)-6-(2-アミノ-3-メトキシプロピル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
アニソール(0.40mL、3.6mmol、57eq.)中のN-[(1R)-1-[[2-クロロ-4-(2-フリルメチルアミノ)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]メチル]-2-メトキシ-エチル]カルバミン酸tert-ブチル(30.0mg、0.06mmol、1.0eq.)及び1,4-ジオキサン(3.0mL)中の塩酸(4M)の混合物を、室温で2時間撹拌した。反応混合物をエーテル(約10mL)で希釈し、得られた不均一性混合物を室温で15分間撹拌した。沈殿物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄して、オフホワイト固体を得、これを高真空下で乾燥させて、6-[(2R)-2-アミノ-3-メトキシ-プロピル]-2-クロロ-N-(2-フリルメチル)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩(16.0mg、収率57%)をオフホワイト固体として得た。MS m/z 367.2, 369.2 [M+H]+1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.72-8.84 (m, 1H), 8.19-8.24 (m, 2H), 7.59-7.62 (m, 1H), 6.40-6.44 (m, 1H), 6.32-6.35 (m, 1H), 4.67 (d, J=5.5 Hz, 2H), 3.51-3.55 (m, 1H), 3.47-3.51 (m, 1H), 3.36-3.41 (m, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.18-3.25 (m, 2H), 2.24 (s, 3H).
実施例17(化合物78)
2-クロロ-6-[(2S)-2-(シクロブチルアミノ)プロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000069
ジクロロエタン(0.3mL)中の(S)-6-(2-アミノプロピル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(HCl塩、63mg、0.17mmol、1.0eq.、実施例3の手順に従って調製)、シクロブタノン(24mg、0.34mmol、2.0eq.)、トリエチルアミン(34mg、2.0eq.)及び酢酸(31mg、3.0eq.)の混合物を、室温で30分間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(111mg、0.51mmol、3.0eq.)を添加し、混合物を50℃で16時間撹拌した。冷却後、水(数滴)を添加することにより反応物をクエンチした。粗生成物を濾過し、メタノールで洗浄し、濾液を濃縮し、0.1%のギ酸を含有する水中のCH3CN(5~60%)で溶出する分取HPLCにより精製して、(S)-2-クロロ-6-(2-(シクロブチルアミノ)プロピル)-N-(フラン-2-イルメチル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(36mg、収率55%)をギ酸塩として得た。MS m/z 391.2, 393.2 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 8.43 (s, 1H), 7.32 (d, J=1.2 Hz, 1H), 6.18-6.30 (m, 2H), 4.63 (s, 2H), 3.50-3.60 (m, 1H), 3.06-3.15 (m, 2H), 2.78-2.85 (m, 1H), 2.12-2.25 (m, 5H), 1.78-1.93 (m, 2H), 1.63-1.73 (m, 2H), 1.04 (d, J=6.1 Hz, 3H), 2NHは認められない.
実施例18(化合物65)
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-(4-メトキシフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000070
ステップ1:N-[2-クロロ-7-(4-メトキシフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
実施例3の手順に従って調製したN-(7-ブロモ-2-クロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(500mg、1.1mmol、1.0eq.)、4-メトキシフェニルボロン酸(193mg、1.2mmol、1.1eq.)、炭酸カリウム(3.0eq.)、及び1,1´-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(94mg、0.11mmol、0.1eq.)の混合物に、ジオキサン(5mL)を添加し、反応物を100℃で24時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、水、重炭酸ナトリウム及びブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。次いで、粗製残渣を、ヘキサン中の酢酸エチル(0~20%)によりシリカゲル上で精製して、N-[2-クロロ-7-(4-メトキシフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(306mg、収率57%)を得た。MS m/z 472.4, 474.4 [M+H]+
ステップ2:N-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-7-(4-メトキシフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(0.4mL)中のN-[2-クロロ-7-(4-メトキシフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(93mg、0.19mmol、1.0eq.)溶液に、ヘキサン中のn-ブチルリチウム(2.5mol/L)(0.08mL、0.21mmol、1.1eq.)を-78℃で滴加した。15分後、THF(0.4mL)中の(4S)-4-メチル-2,2-ジオキソ-オキサチアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(51mg、0.21mmol、1.1eq.)溶液を滴加した。混合物を-78℃で10分間撹拌し、次いで、1.0Mのクエン酸でクエンチし、続いて、室温で15分間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水、重炭酸ナトリウム及びブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を、ヘキサン中の酢酸エチル(2~30%)によりシリカゲル上で精製して、N-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-7-(4-メトキシフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(55mg、収率44%)を得た。MS m/z 629.6, 631.6 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ: 7.32 (d, J=8.7 Hz, 2H), 7.30-7.31 (m, J=0.9 Hz, 1H), 7.02 (d, J=8.7 Hz, 2H), 6.28-6.32 (m, 2H), 5.20 (s, 2H), 4.39 (br s, 1H), 3.97 (br s, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.07-3.20 (m, 2H), 1.54 (s, 9H), 1.41 (s, 9H), 1.03 (d, J=6.7 Hz, 3H).
ステップ3:6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-(2-フリルメチル)-7-(4-メトキシフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
N-[6-[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]-2-クロロ-7-(4-メトキシフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(55mg、0.31mmol、1.0eq.)を有する反応管に、ジオキサン(3mL)中の塩酸(4M)を添加し、次いで、室温で1時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、濾過し、ジエチルエーテルでリンスした。固体を24時間真空下に置いて、6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-(2-フリルメチル)-7-(4-メトキシフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(18mg、収率48%)をオフホワイト固体として得た。MS m/z 429.4, 431.4 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.44 (d, J=0.9 Hz, 1H), 7.33 (d, J=8.7 Hz, 2H), 7.07 (d, J=8.7 Hz, 2H), 6.33-6.37 (m, 2H), 4.77 (s, 2H), 3.86 (s, 3H), 3.43-3.49 (m, 1H), 3.28 (br d, J=6.3 Hz, 1H), 3.23 (br d, J=8.5 Hz, 1H), 1.17 (d, J=6.4 Hz, 3H);3NHは認められない.
実施例19(化合物99)
(2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-7-メトキシ-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール
Figure 2023506488000071
ステップ1:N-(2-クロロ-7-ヒドロキシ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(4mL)中の実施例3の手順に従って調製したN-(7-ブロモ-2-クロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(1.85g、1.12mmol、1.0eq.)、及び2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(dioxoboralane)(1mL、4.82mmol、1.2eq.)の混合物に、ヘキサン(1.9mL)中のn-BuLi(2.5mol/L)を-78℃で滴加した。反応物を-78℃で1時間撹拌した後、浴から外し、反応物を室温に温めた。反応をNH4Cl(sat.)(3mL)でクエンチし、水で希釈し、次いで、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、次いで濃縮した。粗製残渣をジエチルエーテル(40mL)中に溶解させ、水中の過酸化水素(35質量%)(1.2mL、12.0mmol、3.0eq.)を添加した。反応混合物を12時間撹拌し、0℃に冷却し、Na2SO3でクエンチした。次いで、粗製混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下で濃縮した。粗製残渣を、ヘキサン中の酢酸エチル(0~50%)によりシリカゲル上で精製して、N-(2-クロロ-7-ヒドロキシ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(540mg、収率34%)を得た。MS m/z 398.1, 400.1 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ: 7.22 (dd, J=5.1, 1.1 Hz, 1H), 7.12 (d, J=2.9 Hz, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.93 (dd, J=5.0, 3.5 Hz, 1H), 5.38 (s, 2H), 1.59 (s, 9H);1OHは認められない.
ステップ2:N-[7-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2-クロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
N-(2-クロロ-7-ヒドロキシ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(540mg、1.3mmol、1.0eq.)、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(253mg、1.6mmol、1.2eq.)、イミダゾール(0.1mL、1.7mmol、1.3eq.)の混合物に、CH2Cl2(5.5mL)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、CH2Cl2で希釈し、水、重炭酸ナトリウム及びブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製残渣を、ヘキサン中酢酸エチル(0~20%)によりシリカゲル上で精製して、N-[7-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2-クロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(590mg、収率84%)を得た。MS m/z 512.3, 514.3 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ: 7.20 (dd, J=5.0, 0.9 Hz, 1H), 7.08 (d, J=3.1 Hz, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.90 (dd, J=5.0, 3.7 Hz, 1H), 5.35 (s, 2H), 1.56 (s, 9H), 1.03 (s, 9H), 0.27 (s, 6H).
ステップ3:N-[6-[(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-プロピル]-7-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2-クロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(2.0mL)中のN-[7-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2-クロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(590mg、1.1mmol、1.0eq.)溶液に、LDA(THF/ヘプタン/エチルベンゼン中2.0M)(0.7mL、1.3mmol、1.2eq.)を-78℃で添加した。15分後、THF(2.0mL)中の(4S)-4-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-2,2-ジオキソ-オキサチアゾリジン-3-カルボン酸tert-ブチル(550mg、1.5mmol、1.3eq.)溶液を滴加した。混合物を-78℃で10分間撹拌し、次いで、1.0Mのクエン酸でクエンチし、続いて、室温で15分間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水、重炭酸ナトリウム及びブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下で濃縮した。粗製残渣を、ヘキサン中の酢酸エチル(2~35%)によりシリカゲル上で精製して、N-[6-[(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-プロピル]-7-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2-クロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(267mg、収率29%)を得た。MS m/z 799.6, 801.6 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ: 7.19 (d, J=5.0 Hz, 1H), 7.08 (s, 1H), 6.89-6.92 (m, J=3.1 Hz, 1H), 5.32 (s, 2H), 4.92 (br s, 1H), 3.91 (br s, 1H), 3.56-3.68 (m, 2H), 3.05-3.17 (m, 2H), 1.55 (s, 9H), 1.37 (s, 9H), 1.06 (s, 9H), 0.91 (s, 9H), 0.31 (s, 6H), 0.06 (s, 6H).
ステップ4:N-[6-[(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシ-プロピル]-2-クロロ-7-ヒドロキシ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(2.7mL)中のN-[6-[(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-プロピル]-7-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2-クロロ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(267mg、0.3mmol、1.0eq.)の混合物に、THF中のフッ化テトラブチルアンモニウム(1M)(0.6mL、0.6mmol、2eq.)を0℃で滴加した。反応混合物を24時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。粗製残渣を、ヘキサン中の酢酸エチル(0~50%)によりシリカゲル上で精製して、N-[6-[(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシ-プロピル]-2-クロロ-7-ヒドロキシ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(152mg、収率90%)を得た。MS m/z 571.3, 573.3 [M+H]+1H NMR (CDCl3) δ: 7.21 (d, J=5.0 Hz, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.93 (d, J=3.2 Hz, 1H), 5.36 (s, 2H), 5.09-5.15 (m, 1H), 3.85-3.91 (m, J=3.7, 1.7, 1.7 Hz, 1H), 3.67 (s, 2H), 3.18-3.26 (m, 1H), 3.10 (dd, J=14.0, 5.3 Hz, 1H), 1.77-2.18 (m, 2H), 1.59 (s, 9H), 1.45 (s, 9H).
ステップ5:N-[6-[(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシ-プロピル]-2-クロロ-7-メトキシ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
N-[6-[(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシ-プロピル]-2-クロロ-7-ヒドロキシ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(152mg、0.26mmol、1.0eq.)及びトリフェニルホスフィン(77mg、0.29mmol、1.1eq.)の混合物に、THF(2.6mL)を添加した。次いで、混合物を0℃に冷却し、そこにトルエン中のアゾジカルボン酸ジエチル(40質量%)(0.1mL、0.29mmol、1.1eq.)を滴加した。1時間後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗製残渣を、酢酸エチル及びヘキサン(0~50%)によりシリカゲル上で精製して、N-[6-[(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシ-プロピル]-2-クロロ-7-メトキシ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(30mg、収率19%)を得た。MS m/z 585.1, 587.1 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.22 (br d, J=5.0 Hz, 1H), 7.02 (br s, 1H), 6.86 (t, J=3.8 Hz, 1H), 5.27 (br s, 2H), 4.05 (s, 3H), 3.80 (br d, J=3.5 Hz, 1H), 3.46-3.57 (m, 2H), 3.27 (br d, J=1.2 Hz, 1H), 2.86 (br dd, J=14.6, 9.3 Hz, 1H), 1.51 (s, 9H), 1.31 (s, 9H);1NH及び1OHは認められない.
ステップ6:(2R)-2-アミノ-3-[2-クロロ-7-メトキシ-4-(2-チエニルメチルアミノ)チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]プロパン-1-オール
N-[6-[(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシ-プロピル]-2-クロロ-7-メトキシ-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-チエニルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(30mg、0.05mmol、1.0eq.)を有する反応管に、ジオキサン(1mL)中の塩酸(4M)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、ジエチルエーテルで希釈し、次いで、濾過し、ジエチルエーテルでリンスした。固体を真空下で24時間乾燥させて、(2R)-2-アミノ-3-[2-クロロ-7-メトキシ-4-(2-チエニルメチルアミノ)チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]プロパン-1-オール(18mg、収率91%)を黄色固体として得た。MS m/z 385.1, 387.1 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.30 (d, J=5.0 Hz, 1H), 7.11 (br s, 1H), 6.96 (br t, J=3.4 Hz, 1H), 4.96 (s, 2H), 4.07 (s, 3H), 3.78 (br dd, J=11.4, 2.7 Hz, 1H), 3.59-3.65 (m, 1H), 3.57 (br d, J=3.1 Hz, 1H), 3.25-3.27 (m, 1H), 1HはMeODピークにより不明確;3NH及び1OHは認められない.
実施例20(化合物66及び70)
(2S)-3-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-2-メチルプロパン-1-オール
及び
6-[(2S)-3-アミノ-2-メチルプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000072
ステップ1:(2-クロロ-6-ヨード-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(8mL)中の実施例3の手順に従って調製した(2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(890mg、2.34mmol、1.0eq.)溶液に、LDA(THF中2.0M、1.3mL、1.1eq.)を-78℃で添加した。45分間撹拌した後、THF(5mL)中のヨウ素(624mg、2.46mmol、1.05eq.)溶液を滴加し、撹拌を-78℃で1時間続けた。反応物をEtOAc及びNH4Cl(sat.aq.)の添加によりクエンチし、室温に温めた。有機層を、チオ硫酸ナトリウム溶液、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣を、ヘキサン中EtOAc(0~15%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、(2-クロロ-6-ヨード-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(1100mg、収率93%)を得た。1H NMR (アセトン-d6) δ: 7.40-7.50 (m, 1H), 6.37 (s, 2H), 5.26 (s, 2H), 2.38 (s, 3H), 1.58 (s, 9H).
ステップ2:(S)-3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(フラン-2-イルメチル)アミノ)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-2-メチルプロパン酸メチル
THF(0.3mL)中の(2-クロロ-6-ヨード-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(134mg、0.26mmol、1.0eq.)及びPd(PPh34(18mg、0.016mmol、0.06eq.)の混合物に、Ar下、(R)-(3-メトキシ-2-メチル-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミド(Rieke Metalsから、THF中0.5M、0.7mL、1.3eq.)を添加した。混合物を65℃で2時間加熱した。冷却後、混合物を、NH4Cl(sat.aq.)の添加によりクエンチし、EtOAcで希釈した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。粗製物質を、ヘキサン中のEtOAc(0~30%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、(S)-3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(フラン-2-イルメチル)アミノ)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-2-メチルプロパン酸メチル(72mg、収率57%)を無色油状物として得た。MS m/z 502.3, 504.3 [M+Na]+
ステップ3:(S)-(2-クロロ-6-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル及び(S)-3-(2-クロロ-4-((フラン-2-イルメチル)アミノ)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-2-メチルプロパン-1-オール
THF(1.2mL)中の(S)-3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(フラン-2-イルメチル)アミノ)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-2-メチルプロパン酸メチル(72mg、0.15mmol、1.0eq.)溶液に、LAH(THF中1.0M、0.18mL、1.2eq.)を0℃で滴加した。反応を0℃で1時間続け、次いで、クエン酸(1.0M、aq.、1mL)でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。粗製物質を、ヘキサン中のEtOAc(0~60%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、(S)-(2-クロロ-6-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(41mg、収率60%)MS m/z 452.3, 454.3 [M+H]+、及び(S)-3-(2-クロロ-4-((フラン-2-イルメチル)アミノ)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(19mg、収率36%)を得た。MS m/z 352.3, 354.3 [M+H]+1H NMR (メタノール-d) 4 δ: 7.44 (s, 1H), 6.30-6.50 (m, 2H), 4.75 (s, 2H), 3.47-3.52 (m, 2H), 3.08-3.14 (m, 1H), 2.73 (dd, J=14.6, 8.9 Hz, 1H), 2.29 (s, 3H), 1.96-2.08 (m, 1H), 0.97 (d, J=6.7 Hz, 3H);1NH及び1OHは認められない.
ステップ4:(S)-(6-(3-アジド-2-メチルプロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
CH2Cl2(1mL)中の(S)-(2-クロロ-6-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(80mg、0.17mmol、1.0eq.)及びDIPEA(47mg、2.0eq.)溶液に、CH2Cl2(1mL)中のMsCl(30mg、0.26mmol、1.5eq.)溶液を、0℃でゆっくりと添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、NaHCO3(sat.aq.)でクエンチし、CH2Cl2で抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をさらに精製することなく、次のステップで直接使用した。DMSO(0.3mL)中の上記粗生成物(93mg、0.17mmol、1.0eq.)及びアジ化ナトリウム(35mg、3.0eq.)の混合物を、室温で一晩撹拌し、次いで、NaHCO3(sat.aq.)でクエンチした。混合物をEtOAcで希釈した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。粗製物質を、ヘキサン中のEtOAc(0~30%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、(S)-(6-(3-アジド-2-メチルプロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(66mg、収率79%)を得た。1H NMR (アセトン-d6) δ: 7.42 (dd, J=1.8, 0.9 Hz, 1H), 6.28-6.37 (m, 2H), 5.21 (s, 2H), 3.44 (qd, J=12.4, 6.0 Hz, 2H), 3.14 (dd, J=14.6, 6.4 Hz, 1H), 2.93 (dd, J=14.6, 8.2 Hz, 1H), 2.36 (s, 3H), 2.21 (dt, J=7.9, 6.6 Hz, 1H), 1.53 (s, 9H), 1.06 (d, J=6.7 Hz, 3H).
ステップ5:(S)-(6-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-メチルプロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(1.3mL)中の(S)-(6-(3-アジド-2-メチルプロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(66mg、0.14mmol、1.0eq.)溶液に、トリフェニルホスフィン(110mg、0.42mmol、3.0eq.)及び水(25mg、1.4mmol、10eq.)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。反応物をNH4Cl(sat.aq.)でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮後、粗製物質をさらに精製することなく次のステップで使用した。MS m/z 451.3, 453.3 [M+H]+.CH2Cl2(1mL)中の上記粗製中間体(62mg、0.14mmol、1.0eq.)溶液に、4-DMAP(12mg、0.097mmol、0.50eq.)、続いて、二炭酸ジ-tert-ブチル(47mg、0.21mmol、1.5eq.)を添加した。室温で1時間撹拌した後、反応物をNaHCO3(sat.aq.)でクエンチし、次いで、CH2Cl2で抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。粗製物質を、ヘキサン中のEtOAc(0~30%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、(S)-(6-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-メチルプロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(30mg、収率39%)を得た。MS m/z 573.2, 574.2 [M+Na]+
ステップ6:(S)-6-(3-アミノ-2-メチルプロピル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
HCl(ジオキサン中4M)(1mL)中の(S)-(6-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-メチルプロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(30mg、0.054mmol、1.0eq.)溶液を、室温で1時間撹拌した。沈殿物を濾過し、ジエチルエーテルでリンスして、(S)-6-(3-アミノ-2-メチルプロピル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(6mg、収率32%)を塩酸塩として得た。MS m/z 351.2, 353.2 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.46 (dd, J=1.5, 0.9 Hz, 1H), 6.24-6.45 (m, 2H), 4.81 (s, 2H), 3.00-3.14 (m, 2H), 2.84-2.97 (m, 2H), 2.34 (s, 3H), 2.21-2.29 (m, 1H), 1.09 (d, J=6.7 Hz, 3H);3NHは認められない.
以下の化合物を、実施例20の手順に従って、適切な出発材料、試薬及び反応条件を代用することにより調製した。
Figure 2023506488000073
実施例21(化合物41)
6-(アゼチジン-3-イル)-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000074
ステップ1:3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(フラン-2-イルメチル)アミノ)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル
(1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-イル)ヨウ化亜鉛(II)の調製:乾燥機で乾燥させた窒素充填フラスコに、アルゴン下、亜鉛粉末(243mg、3.7mmol、2.0eq.)及びDMA(0.5mL)を充填した。この灰色の懸濁液を40℃に加熱し、DMA(0.5mL)中の1,2-ジブロモエタン(113mg、0.32eq.)溶液、続いて、DMAc(0.5mL)中のTMSCl(26mg、0.13eq.)溶液を滴加した。40℃で10分間撹拌した後、DMA(2mL)中の3-ヨードアゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(520mg、1.84mmol、1.0eq.)溶液を添加し、撹拌を40℃で30分間続けた。冷却後、この有機亜鉛試薬(DMA中約0.5M)を次のステップで直ちに使用した。
DMA(0.5mL)中の実施例20ステップ1の手順に従って調製した(2-クロロ-6-ヨード-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(105mg、0.21mmol、1.0eq.)、Pd(dppf)Cl2(8.6mg、0.05eq.)及びCuI(4.0mg、0.10eq.)の混合物に、アルゴン下、上記有機亜鉛試薬(DMA中約0.5M、0.8mL、1.5eq.)を添加した。次いで、混合物を90℃で1時間撹拌した。冷却後、反応物をNH4Cl(sat.aq.)でクエンチし、EtOAcで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。粗製物質を、ヘキサン中のEtOAc(0~100%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(フラン-2-イルメチル)アミノ)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(88mg、収率79%)を得た。MS m/z 535.2, 537.3 [M+H]+
ステップ2:6-(アゼチジン-3-イル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
3-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(フラン-2-イルメチル)アミノ)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)アゼチジン-1-カルボン酸tert-ブチル(88mg、0.2mmol)を、ジオキサン(2mL)中のメタンスルホン酸(422mg、20eq.)溶液中で1時間、室温で撹拌し、次いで、ジエチルエーテルでトリチュレートし、濾過した。粗製固体を、0.1%のTFAを有する水中のCH3CN(5~50%)で溶出する分取HPLCで精製して、6-(アゼチジン-3-イル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(15mg、収率28%)を、トリフルオロ酢酸塩として得た。MS m/z 335.3, 337.3, [M+H]+1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.05 (br s, 1H), 8.82 (t, J=5.6 Hz, 1H), 8.73 (br s, 1H), 7.54 (dd, J=1.7, 0.8 Hz, 1H), 6.35 (dd, J=3.1, 1.8 Hz, 1H), 6.26 (d, J=2.7 Hz, 1H), 4.54-4.64 (m, 3H), 4.32 (br s, 2H), 4.02 (br s, 2H), 2.13 (s, 3H).
以下の化合物を、実施例21の手順に従って、適切な出発材料、試薬及び反応条件を代用することにより調製した。
Figure 2023506488000075
実施例22(化合物85及び83)
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-2,7-ジカルボニトリル
及び
6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリル
Figure 2023506488000076
ステップ1:(S)-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-2,7-ジシアノチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(チオフェン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル及び(S)-(7-ブロモ-6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-2-シアノチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(チオフェン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
DMF(1mL)中の実施例3の手順に従って調製した(S)-(7-ブロモ-6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-2-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(チオフェン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(136mg、0.22mmol、1.0eq.)脱気溶液に、アルゴン下、シアン化亜鉛(15.8mg、0.60eq.)、Pd2(dba)3(10.4mg、0.05eq.)及びXantphos(13.1mg、0.10eq.)を添加した。密閉したチューブを120℃で1時間撹拌し、次いで、冷却した。反応物をNH4Cl(sat.aq.)でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ、濃縮した。粗製物質を、CH2Cl2中のEtOAc(0~20%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、それぞれ、(S)-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-2,7-ジシアノチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(チオフェン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル、MS m/z 553.3 [M-H]-;及び(S)-(7-ブロモ-6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-2-シアノチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(チオフェン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル、MS m/z 506.1, 508.1 [M-H-Boc]-を得た。
ステップ2:(S)-6-(2-アミノプロピル)-4-((チオフェン-2-イルメチル)アミノ)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2,7-ジカルボニルニトリル
HCl(ジオキサン中4M、1mL)溶液中で、ステップ1から得られた(S)-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-2,7-ジシアノチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(チオフェン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチルを、室温で1時間撹拌し、次いで、揮発性有機物を除去した。粗製固体をジエチルエーテルでトリチュレートし、濾過して、(S)-6-(2-アミノプロピル)-4-((チオフェン-2-イルメチル)アミノ)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2,7-ジカルボニトリル(5mg、2ステップでの全体収率5%)を塩酸塩として得た。MS m/z 355.1 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.32 (dd, J=5.2, 1.2 Hz, 1H), 7.06-7.21 (m, 1H), 6.98 (dd, J=5.2, 3.4 Hz, 1H), 4.99 (s, 2H), 3.73-3.89 (m, 1H), 3.56-3.63 (m, 1H), 3.45-3.55 (m, 1H), 1.42 (d, J=6.4 Hz, 3H);3NHは認められない.
ステップ3:(S)-6-(2-アミノプロピル)-7-ブロモ-4-((チオフェン-2-イルメチル)アミノ)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリル
HCl(ジオキサン中4M、1mL)溶液中で、ステップ1から得られた(S)-(7-ブロモ-6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロピル)-2-シアノチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(チオフェン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチルを、室温で1時間撹拌し、次いで、揮発性有機物を除去した。粗製固体を、0.1%のギ酸を含有する水中のCH3CN(5~40%)で分取HPLCにより精製して、(S)-6-(2-アミノプロピル)-7-ブロモ-4-((チオフェン-2-イルメチル)アミノ)チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリル(10mg、2ステップでの全体収率11%)を、ギ酸塩として得た。MS m/z 408.1, 410.1 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 7.31 (dd, J=5.2, 1.2 Hz, 1H), 7.06-7.20 (m, 1H), 6.98 (dd, J=5.0, 3.5 Hz, 1H), 4.99 (s, 2H), 3.71-3.89 (m, 1H), 3.40-3.47 (m, 1H), 3.35-3.39 (m, 1H), 1.40 (d, J=6.7 Hz, 3H);3NHは認められない.
実施例23(化合物84)
2-クロロ-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボニトリル
Figure 2023506488000077
DMF(1mL)中の(7-ブロモ-2-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(チオフェン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(101mg、0.22mmol、1.0eq.)脱気溶液に、アルゴン下、シアン化亜鉛(15.8mg、0.60eq.)、Pd2(dba)3(10.4mg、0.05eq.)及びXantphos(13.1mg、0.10eq.)を添加し、次いで、密閉したチューブを120℃で1時間撹拌した。冷却後、混合物をNH4Cl(sat.aq.)でクエンチし、次いで、EtOAcで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ、濃縮した。粗製物質を、CH2Cl2中のMeOH(0~10%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いて、0.1%のギ酸を含有する水中のCH3CN(10~100%)によるHPLCでさらに精製して、2-クロロ-4-((チオフェン-2-イルメチル)アミノ)チエノ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボニトリル(5mg、収率7%)を得た。MS m/z 306.9, 308.9 [M+H]+1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.42 (br t, J=5.2 Hz, 1H), 9.07 (s, 1H), 7.35 (dd, J=5.0, 1.1 Hz, 1H), 7.03 (d, J=2.7 Hz, 1H), 6.91 (dd, J=5.0, 3.5 Hz, 1H), 4.77 (d, J=5.2 Hz, 2H).
実施例24(化合物46)
6-[(1S)-1-アミノエチル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000078
ステップ1:(7-ブロモ-2-クロロ-6-ホルミルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(4mL)中の実施例3の手順に従って調製した(7-ブロモ-2-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(500mg、1.12mmol、1.0eq.)溶液に、LDA(THF中2.0M、0.67mL、1.2eq.)を-78℃で添加した。30分後、DMF(823mg、11.2mmol、10eq.)を滴加した。温度を-50℃まで上昇させ、反応物を飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、次いで、EtOAcで希釈した。混合物を水、続いてブラインで洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。残渣を、ヘキサン中のEtOAc(0~25%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、(7-ブロモ-2-クロロ-6-ホルミルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(399mg、収率75%)を黄色固体として得た。1H NMR (アセトン-d6) δ ppm 10.41 (s, 1H), 7.47-7.49 (m, 1H), 6.43-6.44 (m, 1H), 6.39-6.41 (m, 1H), 5.30-5.31 (m, 2H), 1.58-1.62 (m, 9H).
ステップ2:(R,E)-(7-ブロモ-6-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)メチル)-2-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
DCE(0.4mL)中の(7-ブロモ-2-クロロ-6-ホルミルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(162mg、0.34mmol、1.0eq.)、R-(+)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(50mg、0.41mmol、1.2eq.)及びCuSO4(85mg、0.51mmol、1.5eq.)の混合物を、55℃で18時間撹拌した。冷却後、混合物を、ヘキサン中のEtOAc(0~50%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、(R,E)-(7-ブロモ-6-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)メチル)-2-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチルを黄色固体(121mg、収率61%)として得た。MS m/z 577.4, 579.4 [M+H]+
ステップ3:(7-ブロモ-6-((S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)エチル)-2-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(1.0mL)中の(R,E)-(7-ブロモ-6-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)メチル)-2-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(110mg、0.19mmol、1.0eq.)溶液に、MeMgBr(Et2O中3.0M、0.096mL、1.5eq.)を-78℃で添加した。混合物を1時間かけて徐々に-20℃に温め、NH4Cl飽和溶液でクエンチし、次いで、EtOAcで希釈した。合わせた有機層を乾燥させ、濃縮した。残渣を、ヘキサン中のEtOAc(0~100%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、(7-ブロモ-6-((S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)エチル)-2-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(86mg、収率76%)を得た。1H NMR (アセトン-d6) δ 7.45 (s, 1H), 6.31-6.40 (m, 2H), 5.45-5.49 (m, 1H), 5.26 (s, 2H), 5.13-5.19 (m, 1H), 1.68 (d, J= 6.6 Hz, 3H), 1.56 (s, 9H), 1.23 (s, 9H).
ステップ4:(S)-6-(1-アミノエチル)-7-ブロモ-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩
HCl(ジオキサン中4M、1mL)中の(7-ブロモ-6-((S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)エチル)-2-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(86mg、0.14mmol)溶液を、室温で1時間撹拌した。揮発性有機物を除去し、残渣をジエチルエーテルでトリチュレートし、濾過して、(S)-6-(1-アミノエチル)-7-ブロモ-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(12mg、収率74%)を塩酸塩として得た。MS m/z 387.2, 389.2 [M+H]+1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.35 (br t, J=5.5 Hz, 1H), 8.87 (br s, 1H), 8.82 (br s, 2H), 7.62 (s, 1H), 6.43 (dd, J=3.1, 1.8 Hz, 1H), 6.37 (d, J=3.1 Hz, 1H), 4.84-5.06 (m, 1H), 4.70 (br t, J=5.2 Hz, 2H), 1.65 (d, J=6.7 Hz, 3H).
以下の化合物を、実施例24の手順に従って、適切な出発材料、試薬及び反応条件を代用することにより調製した。
Figure 2023506488000079
実施例25(化合物58及び61)
6-[(1S)-1-アミノエチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-フェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
及び
6-[(1S)-1-アミノエチル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-2,7-ジフェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000080
ステップ1:(6-((S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)エチル)-2-クロロ-7-フェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル及び(6-((S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)エチル)-2,7-ジフェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
実施例24の手順に従って調製した(7-ブロモ-6-((S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)エチル)-2-クロロチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(55mg、0.093mmol、1.0eq.)、1,1´-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(3.8mg、0.005mmol、0.05eq.)、フェニルボロン酸(13mg、0.1mmol、1.1eq.)、1,4-ジオキサン(0.8mL)、及び炭酸カリウム水溶液(水中2.0M、0.14mL、3.0eq.)の混合物を、75℃で3時間加熱した。冷却後、混合物をNH4Cl飽和溶液でクエンチし、次いで、EtOAcで希釈した。合わせた有機相を乾燥させ、濃縮した。残渣を、ヘキサン中のEtOAc(0~100%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、2種の中間体混合物、(6-((S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)エチル)-2-クロロ-7-フェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(MS m/z 611.5, 613.5 [M+Na]+)及び(6-((S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)エチル)-2,7-ジフェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(MS m/z 631.6 [M+H]+)を得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ2:(S)-6-(1-アミノエチル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-フェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン及び(S)-6-(1-アミノエチル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-フェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
HCl(ジオキサン中4M、1mL)溶液中で、ステップ1の生成物の混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、揮発性有機物を除去した。粗製固体を、0.1%のギ酸を含有する水中のACN(5~50%)で溶出する分取HPLCで精製して、(S)-6-(1-アミノエチル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-フェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(10mg、2ステップで収率28%)及び(S)-6-(1-アミノエチル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-フェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(7mg、2ステップで収率18%)をそれぞれ得た。(S)-6-(1-アミノエチル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-フェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(ギ酸塩):MS m/z 385.4, 387.4 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 8.38 (s, 1H), 7.39-7.43 (m, 2H), 7.29-7.37 (m, 4H), 6.19-6.30 (m, 2H), 4.64-4.69 (m, 2H), 4.58-4.63 (m, 1H), 1.46 (d, J=6.4 Hz, 3H);3NHは認められない. (S)-6-(1-アミノエチル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-フェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(ギ酸塩):MS m/z 427.5 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 8.44 (s, 1H), 8.26 (dd, J=6.6, 3.2 Hz, 2H), 7.40-7.52 (m, 4H), 7.32-7.39 (m, 2H), 7.25-7.32 (m, 3H), 6.26 (bs, 2H), 4.81-4.85 (m, 2H), 4.62 (q, J=6.5 Hz, 1H), 1.41 (d, J=6.7 Hz, 3H);3NHは認められない.
実施例26(化合物121)
6-[(S)-(1-(1-アミノエチル)シクロプロピル)]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 2023506488000081
ステップ1:1-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(フラン-2-イルメチル)アミノ)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル
THF(1mL)中のN-(2-クロロ-6-ヨード-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(70mg、0.1384mmol、1.0eq.、実施例20ステップ1の手順に従って調製)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(8mg、0.009mmol)、及び1,2,3,4,5-ペンタフェニル-1´-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン(8mg、0.01mmol)溶液に、ブロモ-(1-メトキシカルボニルシクロプロピル)亜鉛(1mL、0.4mmol、0.4mol/L)を室温で添加した。撹拌を1時間続け、次いで、NH4Cl(sat.aq.)でクエンチした。反応混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製残渣を、ヘキサン中のEtOAc(0~30%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、1-[4-[tert-ブトキシカルボニル(2-フリルメチル)アミノ]-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]シクロプロパンカルボン酸メチル(40mg、収率60%)を、透明の油状物として得た。MS m/z 478.3, 480.3 [M+H]+1H NMR (クロロホルム-d) δ: 7.29 (s, 1H), 6.28-6.33 (m, 2H), 5.19 (s, 2H), 3.68 (s, 3H), 2.39 (s, 3H), 1.82-1.87 (m, 2H), 1.54 (s, 9H), 1.39-1.44 (m, 2H).
ステップ2:(2-クロロ-6-(1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
0℃に冷却した、THF(10mL)中の1-[4-[tert-ブトキシカルボニル(2-フリルメチル)アミノ]-2-クロロ-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]シクロプロパンカルボン酸メチル(600mg、1.255mmol、1.0eq.)溶液に、LiAlH4(THF中2.0M、1mL、2mmol、1.5eq.)を滴加した。撹拌してから5分後、生成物へと完全に変換されたことがUPLCにより示された。NH4Cl(sat.aq.)でクエンチし、EtOAcで希釈した。有機物を水及びブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製残渣を、ヘキサン中のEtOAc(0~60%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、N-[2-クロロ-6-[1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(400mg、収率71%)を透明の油状物として得た。MS m/z 450.3 [M+H]+1H NMR (クロロホルム-d) δ: 7.29 (s, 1H), 6.28-6.32 (m, 2H), 5.19 (s, 2H), 3.72 (s, 2H), 2.50 (s, 3H), 1.54 (s, 9H), 1.08-1.14 (m, 4H);1OHは認められない.
ステップ3:(2-クロロ-6-(1-ホルミルシクロプロピル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
ジクロロメタン(6mL)中のN-[2-クロロ-6-[1-(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(400mg、0.8mmol、1.0eq.)溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(560mg、1.3mmol、1.3eq.)を室温で添加した。室温で20分間撹拌した後、反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、NaHCO3(sat.aq.)で洗浄した。合わせた有機物をNaSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製残渣を、ヘキサン中のEtOAc(0~40%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、N-[2-クロロ-6-(1-ホルミルシクロプロピル)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(340mg、収率85%)を透明の油状物として得た。MS m/z 448.3 [M+H]+1H NMR (クロロホルム-d) δ: 9.17 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 6.28-6.35 (m, 2H), 5.22 (s, 2H), 2.40 (s, 3H), 1.80-1.87 (m, 2H), 1.61-1.67 (m, 2H), 1.55 (s, 9H).
ステップ4:(R,E)-(6-(1-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)メチル)シクロプロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
THF(2mL)中のN-[2-クロロ-6-(1-ホルミルシクロプロピル)-7-メチル-チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]-N-(2-フリルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(100mg、0.2mmol、1.0eq.)及び(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(42mg、0.3mmol、1.5eq.)溶液に、チタン(IV)エトキシド(0.1mL、0.5mmol、2.5eq.)を室温で添加した。室温で8時間撹拌した後、反応物を水(1mL)でクエンチし、Celiteで濾過し、濃縮した。粗製残渣を、ヘキサン中のEtOAc(0~50%)で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、(R,E)-(6-(1-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)メチル)シクロプロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(110mg、収率82%)を透明の油状物として得た。MS m/z 573.2, 575.2 [M+Na]+1H NMR (クロロホルム-d) δ: 9.10 (s, 1H), 7.53-7.62 (m, 1H), 6.17-6.27 (m, 2H), 5.12 (s, 2H), 2.30 (s, 3H), 1.54-1.70 (m, 4H), 1.44 (s, 9H), 1.04 (s, 9H).
ステップ5:(6-(1-((S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)エチル)シクロプロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル
0℃に冷却した、ジクロロメタン(3mL)中の(R,E)-(6-(1-(((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)メチル)シクロプロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(122mg、0.2mmol、1.0eq.)溶液に、メチルマグネシウムブロミド(0.1mL、ジエチルエーテル中3.0M、1.5eq.)を添加した。0℃で1時間撹拌した後、反応物をNH4Cl(sat.aq.)でクエンチし、EtOAcで希釈した。有機物をMgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、(6-(1-((S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)エチル)シクロプロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(82mg、収率65%)を透明の油状物として得た。これをさらに精製することなく次のステップで使用した。MS m/z 589.2, 591.2 [M+Na]+
ステップ6:6-[(S)-(1-(1-アミノエチル)シクロプロピル)]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
HCl(ジオキサン中4M)(1mL)中の(6-(1-((S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)エチル)シクロプロピル)-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル)(フラン-2-イルメチル)カルバミン酸tert-ブチル(82mg、0.15mmol、1.0eq.)混合物を、室温で3時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗製残渣を、0.1%のギ酸を含有する水中のCH3CN(5~40%)で分取HPLCにより精製して、(S)-6-(1-(1-アミノエチル)シクロプロピル)-2-クロロ-N-(フラン-2-イルメチル)-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン(46mg、80%)を、ギ酸塩として得た。MS m/z 363.2, 365.2 [M+H]+1H NMR (メタノール-d4) δ: 8.41-8.49 (m, 1H), 7.26 (s, 1H), 6.18-6.32 (m, 2H), 4.64 (s, 2H), 2.66-2.77 (m, 1H), 2.30 (s, 3H) 1.16 (br d, J=6.4 Hz, 3H), 1.14-0.99 (br m, 4H);3NHは認められない.
以下の化合物を、実施例26の手順に従って、適切な出発材料、試薬及び反応条件を代用することにより調製した。
Figure 2023506488000082
生物学的実施例
以下のin vitro生物学的実施例は、家族性自律神経失調症の処置に対する本明細書の化合物の有用性を実証するものである。
本明細書をより詳細に説明し、その理解を補助するために、以下の非限定的な生物学的実施例は、本明細書の範囲をより十分に例証するために提供されており、その範囲を具体的に限定すると解釈されるべきではない。当業者が確認できる範囲内にあるはずの現在公知であり得るか、または後に開発され得る本明細書の同様の変形形態は、本明細書の範囲内にあると考えられ、特許請求されている。
実施例1
IKBKAP-HTRFアッセイ
本アッセイは、HTRF(登録商標)(均一系時間分解蛍光)技術を使用した、細胞溶解物中のエロンゲーター複合体タンパク質1(ELP1、IKBKAPとも呼ばれる)濃度の定量的測定に使用される。IKBKAPは、ドナーで標識した抗IKAP抗体、及びアクセプターで標識した抗IKAP抗体を使用することにより、サンドウィッチHTRFアッセイで検出される。
Figure 2023506488000083
プロトコル
細胞を解凍し、DMEM-10%FBS中で72時間インキュベートした。細胞をトリプシン処理し、カウントし、DMEM-10%FBS中50,000細胞/mLの濃度に再懸濁した。細胞懸濁液のアリコート(199μL)を、96ウェルマイクロタイタープレートのウェル当たり10,000細胞で播種し、3~5時間インキュベートした。対照シグナルを得るために、3つのウェルには細胞を播種せず、それらをブランク対照ウェルとして機能させた。テスト化合物を100%DMSO中で3.16倍に段階希釈して、7ポイント濃度曲線を生成した。200×化合物溶液のアリコート(1μL)を、細胞含有ウェルに移し、細胞を、細胞培養インキュベーター(37℃、5%CO2、100%相対湿度)中で48時間インキュベートした。3通りの試料を各化合物濃度に設定した。48時間後、上清を細胞から除去し、プロテアーゼ阻害剤を含有する50μLの1×LB4溶解バッファーを細胞に添加し、室温で1時間振とうしながらインキュベートした。続いて、この溶解物のアリコート(36μL)を、4μLの抗体溶液(検出バッファーで1:50に希釈した抗IKAP d2及び抗IKAP K(9+8))を含有する384ウェルプレートに移した。次いで、384ウェルプレートを1分間遠心分離して、溶液をプレート底に寄せて、一晩4℃でインキュベートした。プレートの各ウェルにおける665nm及び620nmの蛍光を、EnVisionプレートリーダー(Perkin Elmer)で測定した。各試料に対するδFは、以下により計算される。
Figure 2023506488000084
(式中、シグナルは、各試料ウェルでの正規化された蛍光であり、ブランクは、ブランク対照ウェルでの正規化された平均蛍光である)
式(I)の化合物またはその一形態での、ビヒクル対照と比較したIKBKAPタンパク質存在量の最大倍率増加(maximum fold increase)(MFI)を、表1に示している。MFIは、各試料ウェルでのδF値を、ビヒクル対照ウェルでの試料δFで割ることにより計算した。
MFI≦1.9は、星印1つ(*)により指し示され、>1.9~≦2.9は、星印(**)2つにより指し示され、>2.9~≦3.9は、星印3つ(***)により指し示され、>3.9~≦4.9は、星印4つ(****)により指し示され、>4.9は、星印5つ(*****)により指し示される。
生物学的実施例1におけるプロトコルに従って各テスト化合物で生成された7ポイント濃度曲線から得られた、IKBKAPタンパク質発現に対するEC2xも、表1に示している。「IKBKAPタンパク質発現に対するEC2x」という用語は、DMSOビヒクル対照から生成された量と比較して2倍の量のIKBKAPタンパク質を、FD患者細胞において生成するのに有効なテスト化合物の濃度と定義される。
EC2x>1μMは、星印1つ(*)により指し示され、>0.5μM~≦1μMは、星印(**)2つにより指し示され、>0.02μM~≦0.5μMは、星印3つ(***)により指し示され、>0.005μM~≦0.02μMは、星印4つ(****)により指し示され、≦0.005μMは、星印5つ(*****)により指し示される。
Figure 2023506488000085
Figure 2023506488000086
本明細書で引用される文書が、参照により組み込まれると具体的に、また個々に指し示されているか否かにかかわらず、本明細書で言及されている文書はすべて、いかなる目的でも、個々の参考文献それぞれが本明細書に完全に明記されるのと同程度に、参照により本出願に組み込まれる。
特許請求の範囲の主題は今や十分に記載されており、同様のものが、幅広い均等物の範囲内で、本明細書に記載されている主題または特定の態様の範囲に影響を与えることなく行われ得ることは、当業者により理解される。添付の特許請求の範囲は、そのような均等物すべてを含むように解釈されることが意図されている。

Claims (25)

  1. 式(I)の化合物、またはその一形態であって、前記化合物の前記形態は、その塩、水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体、及び互変異性体形態からなる群から選択される、前記式(I)の化合物、またはその一形態。
    Figure 2023506488000087
    (式中、
    1は、1、2、3または4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよいアリール及びヘテロアリールからなる群から選択され、
    1aは、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群から選択され、
    2は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
    1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよく、
    1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、及びヘテロシクリルの各例は、(R)または(S)配置を有するキラル炭素を含有してもよく、
    2aは、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、ハロ-C1-6アルコキシ、カルボキシル、アミノ、C1-6アルキル-アミノ、ハロ-C1-6アルキル-アミノ、ジュウテロ-C1-6アルキル-アミノ、(C1-6アルキル)2-アミノ、C3-10シクロアルキル-アミノ、アリール-アミノ、ヘテロシクリル-アミノ、ヘテロアリール-アミノ、C1-6アルキル-チオ、C1-6アルキル-スルホニル、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
    3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a´置換基で置換されてもよく、
    2a´は、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、ジュウテロ-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群から選択され、
    3は、水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミノ、C1-6アルキル-アミノ、(C1-6アルキル)2-アミノ、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群から選択され、
    1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR3a置換基で置換されてもよく、
    3aは、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群から選択され、
    4は、水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、ハロ-C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、カルバモイル、C3-10シクロアルキル、アリール、及びヘテロシクリルからなる群から選択される)
  2. 1は、1、2、3または4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよいフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 1は、フラニル、チオフェニル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、イソキサゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、テトラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル及びキノリニルからなる群から選択されるヘテロアリールであって、前記ヘテロアリールは、1、2、3または4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよい、請求項1に記載の化合物。
  4. 1は、フラニル、チオフェニル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、1,2-チアゾリル、1,3-チアゾリル、1,2-オキサゾリル、1,3-オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、及びピラジニルからなる群から選択されるヘテロアリールであって、前記ヘテロアリールは、1、2、3または4個の独立して選択されるR1a置換基で置換されてもよい、請求項1に記載の化合物。
  5. 1aは、ハロ及びC1-6アルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  6. 2は、水素、C1-6アルキル、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、C1-6アルキル及びヘテロシクリルの各例は、1、2、3または4個の独立して選択されるR2a置換基で置換されてもよく、C1-6アルキル及びヘテロシクリルの各例は、(R)または(S)配置を有するキラル炭素を含有してもよい、請求項1に記載の化合物。
  7. 2は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びペンチルからなる群から選択されるC1-6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  8. 2はC1-6アルキルであって、前記C1-6アルキルは前記(R)配置を有するキラル炭素を含有する、請求項1に記載の化合物。
  9. 2はC1-6アルキルであって、前記C1-6アルキルは前記(S)配置を有するキラル炭素を含有する、請求項1に記載の化合物。
  10. 以下:
    2-クロロ-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2R)-2-アミノ-3-メチルブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2R,3S)-2-アミノ-3-メチルペンチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2R)-2-アミノ-3,3-ジメチルブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-2,7-ジメチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-エチル-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-シクロプロピル-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    (2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボキサミド;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリル;
    (2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール;
    2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(5-メチルフラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-2-(トリフルオロメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-2-(トリフルオロメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(3-メチルフラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(5-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピラジン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-ベンジル-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-シクロプロピル-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-ブロモ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-(アゼチジン-3-イル)-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    7-ブロモ-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    7-ブロモ-2-クロロ-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(2-フルオロフェニル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(1S)-1-アミノエチル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(1S)-1-アミノエチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(1S)-1-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(1R)-1-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリミジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノ-4-フルオロブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    (4S)-4-[(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)メチル]-1,3-オキサジナン-2-オン;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリミジン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    (2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-7-メチル-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール;
    2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-6-(ピロリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(1S)-1-アミノエチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-フェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(2-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(1S)-1-アミノエチル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-2,7-ジフェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-チアゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    3-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3,5-ジフルオロピリジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-(4-メトキシフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    (2S)-3-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-2-メチルプロパン-1-オール;
    6-(3-アミノプロピル)-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-オキサゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-3-アミノ-2-メチルプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    (2R)-3-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)-2-メチルプロパン-1-オール;
    6-[(2R)-3-アミノ-2-メチルプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-オキサゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2R)-2-アミノ-3-メトキシプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-エチル-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    2-クロロ-6-[(2S)-2-(シクロブチルアミノ)プロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-6-[(2S)-2-(メチルアミノ)プロピル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    7-ブロモ-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリル;
    2-クロロ-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-7-カルボニトリル;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-2,7-ジカルボニトリル;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-シクロプロピル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-フェニル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-(4-クロロフェニル)-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリミジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(4-フルオロ-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロ-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    6-[(1R)-1-アミノエチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    2-クロロ-N-[(ピリミジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    2-クロロ-N-[(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    (3S)-3-アミノ-4-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)ブタン-1-オール;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロピリミジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、及び
    (2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-7-メトキシ-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール;
    からなる群から選択される化合物、またはその一形態であって、前記化合物の前記形態は、その塩、水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体、及び互変異性体形態からなる群から選択される、前記化合物、またはその一形態。
  11. 前記化合物は、以下:
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(チオフェン-3-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1H-ピラゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-3-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1H-ピロール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-オキサゾール-3-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-オキサゾール-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-チアゾール-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1H-ピラゾール-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-オキサゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-オキサゾール-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(1H-イミダゾール-5-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1H-テトラゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1H-ピロール-3-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(S)-(1-(1-アミノエチル)シクロプロピル)]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(S)-(1-(アミノ(シクロプロピル)メチル)シクロプロピル)]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン
    6-[(2R)-2-アミノ-2-シクロプロピルエチル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン、及び
    6-[(2R)-2-アミノ-2-シクロプロピルエチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン;
    からなる群から選択され、前記化合物の前記形態は、その塩、水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体、及び互変異性体形態からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその一形態。
  12. 以下:
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2R)-2-アミノ-3-メチルブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2R,3S)-2-アミノ-3-メチルペンチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2R)-2-アミノ-3,3-ジメチルブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-2,7-ジメチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-エチル-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-シクロプロピル-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    (2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(5-メチルフラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-2-(トリフルオロメチル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミントリフルオロ酢酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(3-メチルフラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(5-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピラジン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-N-ベンジル-2-クロロ-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-シクロプロピル-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミントリフルオロ酢酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-ブロモ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミントリフルオロ酢酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-オキサゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-(アゼチジン-3-イル)-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミントリフルオロ酢酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(2-フルオロフェニル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(1S)-1-アミノエチル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    6-[(1S)-1-アミノエチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    6-[(1S)-1-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    6-[(1R)-1-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリミジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノ-4-フルオロブチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリミジン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    (2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-7-メチル-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール二塩酸塩;
    2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-6-(ピロリジン-3-イル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンギ酸塩;
    6-[(1S)-1-アミノエチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-フェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンギ酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(2-フルオロピリジン-3-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(1S)-1-アミノエチル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-2,7-ジフェニルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンギ酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,2-チアゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンギ酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3,5-ジフルオロピリジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-(4-メトキシフェニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンギ酸塩;
    6-(3-アミノプロピル)-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(3-フルオロピリジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-オキサゾール-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-3-アミノ-2-メチルプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    6-[(2R)-3-アミノ-2-メチルプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(1H-イミダゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-チアゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1,3-オキサゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2R)-2-アミノ-3-メトキシプロピル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-エチル-N-[(フラン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    2-クロロ-6-[(2S)-2-(シクロブチルアミノ)プロピル]-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンギ酸塩;
    2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチル-6-[(2S)-2-(メチルアミノ)プロピル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-7-ブロモ-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-2-カルボニトリルギ酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-2,7-ジカルボニトリル塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-シクロプロピル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンギ酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-フェニル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-7-(4-クロロフェニル)-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(ピリミジン-4-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノブチル]-2-クロロ-N-[(3-フルオロチオフェン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(4-フルオロ-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロ-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    6-[(1R)-1-アミノエチル]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩;
    (3S)-3-アミノ-4-(2-クロロ-4-{[(フラン-2-イル)メチル]アミノ}-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)ブタン-1-オール二塩酸塩;
    6-[(2S)-2-アミノプロピル]-2-クロロ-N-[(5-フルオロピリミジン-4-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンギ酸塩、及び
    (2R)-2-アミノ-3-(2-クロロ-7-メトキシ-4-{[(チオフェン-2-イル)メチル]アミノ}チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル)プロパン-1-オール二塩酸塩;
    またはその形態からなる群から選択される化合物、またはその一形態であって、前記化合物塩の前記形態は、その水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体、及び互変異性体形態からなる群から選択される、前記化合物、またはその一形態。
  13. 前記化合物塩は、以下:
    6-[(S)-(1-(1-アミノエチル)シクロプロピル)]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンギ酸塩
    6-[(S)-(1-(アミノ(シクロプロピル)メチル)シクロプロピル)]-2-クロロ-N-[(フラン-2-イル)メチル]-7-メチルチエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミンギ酸塩
    6-[(2R)-2-アミノ-2-シクロプロピルエチル]-7-ブロモ-2-クロロ-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩、及び
    6-[(2R)-2-アミノ-2-シクロプロピルエチル]-2-クロロ-7-メチル-N-[(チオフェン-2-イル)メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-アミン二塩酸塩;
    からなる群から選択され、前記化合物塩の前記形態は、その水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体、及び互変異性体形態からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその一形態。
  14. 家族性自律神経失調症の処置を必要とする対象に、有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、その処置方法。
  15. 家族性自律神経失調症の処置を必要とする対象に、有効量の請求項10または12のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、その処置方法。
  16. 家族性自律神経失調症の処置を必要とする対象に、有効量の請求項11または13のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、その処置方法。
  17. 医薬として許容できる賦形剤と混合された請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
  18. 医薬として許容できる賦形剤と混合された請求項10または12のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
  19. 医薬として許容できる賦形剤と混合された請求項11または13のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
  20. 医薬として使用するための請求項1に記載の化合物。
  21. 医薬として使用するための請求項10または12のいずれか1項に記載の化合物。
  22. 医薬として使用するための請求項11または13のいずれか1項に記載の化合物。
  23. 家族性自律神経失調症の処置に使用するための請求項1に記載の化合物。
  24. 家族性自律神経失調症の処置に使用するための請求項10または12のいずれか1項に記載の化合物。
  25. 家族性自律神経失調症の処置に使用するための請求項11または13のいずれか1項に記載の化合物。
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