JP2023503817A - カプノグラフィ信号処理のための方法及びシステム - Google Patents

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Abstract

本発明は、光吸収信号内のスペクトルバックグラウンド信号を抑制することによって、フィルタリングされたカプノグラフィ信号を得る方法を提供する。光吸収信号は、ある波長範囲にわたり、被検体から得られ、光吸収信号は、調査を受ける呼吸空気のサンプルを光信号が通過するときに吸収される光信号の割合を表し、光吸収信号はスペクトルバックグラウンド信号を有する。第二高調波信号が光吸収信号から分離され、スペクトルバックグラウンド信号の周期が識別される。第二高調波信号は、最大の二酸化炭素吸収を示す第二高調波信号の中心波長、及び第二高調波信号の偏心波長でサンプリングされ、偏心波長と中心波長とは、スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数だけ離れている。次に、サンプリングされた第二高調波信号に基づいて、フィルタリングされたカプノグラフィ信号が生成される。

Description

本発明は、レーザ源を備えるカプノグラフィセンサにおける信号処理の分野に関し、より具体的には、カプノグラフィ信号におけるスペクトルバックグラウンド信号を抑制する分野に関する。
カプノグラフィ装置は、被験者が吐き出した空気中のCO濃度を監視するために使用される。カプノグラフィセンサは、前記吐き出した空気における光学的な光吸収の量を検出することにより、前記CO濃度を測定する。この光は通例、熱中赤外(thermal mid-infrared)光源により生成される。しかしながら、中赤外光源を備えるカプノグラフィ装置は、ポンプを組み込んでおり、典型的には、呼吸する空気の一部をカプノグラフィ装置にある光学CO検出ユニットに向けて搬送するための試料採取管に接続されているので、これら装置は、消費電力が高く、大きな装置となる。
半導体レーザを備えるカプノグラフィ装置、及びCO検出のための光を、レーザ源から口鼻カニューレ、又は換気回路における気道アダプタに誘導するための光ファイバの適用は、小型サイズ(small form factor)で、低電力消費を与えるという利点を提供し、現在の側流カプノグラフィ装置に存在するような波形の遅延及び汚れのない検出を提供する。
光ファイバを備えるカプノグラフィ装置は、波長可変の近赤外半導体レーザを光源として使用することができる。近赤外領域において、ファイバ技術は、中赤外領域とは対照的に十分に開発されているが、近赤外領域におけるCO吸光度は、中赤外領域におけるよりもはるかに小さい。波長変調及びロックイン検出は、近赤外線領域における小さな吸収信号の信号対雑音比を改善するために、波長可変半導体レーザ吸収分光法(TDLAS)に一般的に使用されている。
レーザベースのカプノグラフィ装置における進行中の問題は、スペクトルバックグラウンド信号の存在であり、この信号は、光路内にある光学構成要素の表面上の反射から生じる干渉効果によって、カプノグラフィ信号の品質劣化をもたらす。
従って、レーザベースのカプノグラフィシステムにおいて、前記スペクトルバックグラウンド信号を抑制する必要がある。
本発明は、請求項により規定される。
本発明の一態様による被験者によれば、光吸収信号内のスペクトルバックグラウンド信号を抑制することによって、フィルタリングされたカプノグラフィ信号を得る方法を提供し、前記方法は、
ある波長範囲にわたり、被験者から光吸収信号を得るステップであり、前記光吸収信号は、調査を受ける呼吸空気のサンプルを含む呼吸アダプタを光信号が通過するときに吸収される前記光信号の割合を表し、光吸収信号がスペクトルバックグラウンド信号を含む、ステップ、
前記光吸収信号から第二高調波信号を分離するステップ、
前記スペクトルバックグラウンド信号の周期を識別するステップ、
前記第二高調波信号の複数の波長成分をサンプリングするステップであり、前記第二高調波信号をサンプリングするステップは、
前記第二高調波信号の中心波長で第二高調波信号のサンプルを得るステップであり、前記中心波長は、最大の二酸化炭素吸収を示す、ステップ、及び
前記第二高調波信号の偏心波長で第二高調波信号のサンプルを得るステップであり、前記偏心波長と中心波長とは、前記スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数だけ離れている、ステップ
を有する、ステップ、並びに
前記サンプリングされた第二高調波信号に基づいて、フィルリングされたカプノグラフィ信号を生成するステップ
を有する。
前記方法は、スペクトルバックグラウンド信号の前記周期が大きく変化しないので、例えば、温度変動のような干渉に対してロバストであるカプノグラフィ信号におけるのスペクトルバックグラウンド信号を抑制する手段を提供する。
スペクトルバックグラウンド信号の前記周期に基づいて、当該スペクトルバックグラウンド信号の抑制を行うことにより、この抑制は、スペクトルバックグラウンド信号における波長シフトに無関係であり、この抑制は、そうしなければ、典型的なフィルタリング方法の精度を低下させる。さらに、結果生じるフィルタリングした信号も、スペクトルバックグラウンド強度に無関係であり、これは、正確なフィルタリングした第二高調波信号が、最初に得たカプノグラフィ信号に存在するスペクトルバックグラウンドのレベルに関係なく得られることを意味する。
一実施形態において、スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数は、スペクトルバックグラウンド信号の全周期の倍数である。
一実施形態において、スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数は、スペクトルバックグラウンド信号の半周期の倍数である。
一実施形態において、中心波長で第二高調波信号のサンプルを得るステップは、第1の時間期間にわたり行われ、偏心波長で第二高調波信号のサンプルを得るステップは、第2の時間期間にわたり行われ、第1の時間期間及び第2の時間期間の長さは等しい。
このようにして、サンプリング時間のかなりの割合が、第二高調波信号の中心波長をサンプリングすることに向けられ、それにより、COの検出の精度を維持しつつ、スペクトルバックグラウンド信号も抑制する。
一実施形態において、第二高調波信号をサンプリングするステップは、第二高調波信号の複数の偏心波長で第二高調波信号の複数のサンプルを得るステップを更に有し、複数の偏心波長と中心波長とは、スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数だけ離れている。
このようにして、スペクトルバックグラウンド信号の抑制は、スペクトルバックグラウンド信号の周期の変化をさらに考慮することができる。
さらなる実施形態において、中心波長で第二高調波信号のサンプルを得るステップは、第1の時間期間にわたり行われ、複数の偏心波長において第二高調波信号の複数のサンプルを得るステップは、第2の時間期間にわたり行われ、第1の時間期間及び第2の時間期間の長さは等しい。
このようにして、サンプリング時間のかなりの割合が、第二高調波信号の中心波長をサンプリングすることに向けられ、それにより、COの検出の精度を維持しつつ、スペクトルバックグラウンド信号も抑制する。
一実施形態において、前記方法は、
光吸収信号から第三高調波信号を分離するステップ、
前記第三高調波信号の複数の波長成分をサンプリングするステップであり、前記第三高調波信号をサンプリングするステップは、
前記第三高調波信号の中心波長で前記第三高調波信号のサンプルを得るステップ、及び
前記第三高調波信号の偏心波長で前記第三高調波信号のサンプルを得るステップであり、前記偏心波長と前記中心波長とは、前記スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数だけ分離される、ステップ
を有する、前記サンプリングするステップ、並びに
前記中心波長及び前記偏心波長に対する波長補正を生成するステップ
を有する。
このようにして、スペクトルバックグラウンドは、カプノグラフィ信号の第三高調波信号において抑制されることができ、このカプノグラフィ信号に対する波長補正を生成することができる。
一実施形態において、前記方法は、被験者の呼吸サイクルから得られる光吸収信号を処理する際に使用するためのものである。
さらなる実施形態において、スペクトルバックグラウンド信号の周期は、前記呼吸サイクルの吸気相中に識別される。
このようにして、スペクトルバックグラウンドは、被験者が吐き出した空気と比較すると、比較的に低いCO濃度を有する空気中で識別され、これは、スペクトルバックグラウンド信号がより顕著であり、故に、識別される周期の精度が増大することを意味する。
さらなる実施形態において、スペクトルバックグラウンド信号の周期は、複数の呼吸サイクルにわたり平均化することによって識別される。
このようにして、識別された期間の精度をさらに高めることができる。
一実施形態において、前記方法は、別個のバックグラウンド信号を得るステップをさらに有し、スペクトルバックグラウンド期間は、この別個のバックグラウンド信号から識別される。
このようにして、識別される期間の精度がさらに高められることができる。
本発明の一態様による例によれば、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるとき、上述した方法を実施するように適応するコンピュータプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムを提供する。
本発明の一態様による例によれば、光吸収信号内のスペクトルバックグラウンド信号を抑制することによって、フィルタリングされたカプノグラフィ信号を得るためのシステムを提供し、前記システムは、プロセッサを有し、前記プロセッサは、
ある波長範囲にわたり、被験者から光吸収信号を得て、光吸収信号は、調査を受ける呼吸空気のサンプルを含む呼吸アダプタを光信号が通過するときに吸収される前記光信号の割合を表し、前記光吸収信号は、スペクトルバックグラウンド信号を有する、
光吸収信号から第二高調波信号を分離する、
スペクトルバックグラウンド信号の周期を識別する、
第二高調波信号の複数の波長成分をサンプリングし、第二高調波信号をサンプリングことは、
第二高調波信号の中心波長で前記第二高調波信号のサンプルを得て、前記中心波長は、最大の二酸化炭素吸収を示し、及び
第二高調波信号の偏心波長で前記第二高調波信号のサンプルを得て、前記偏心波長と前記中心波長とは、スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数だけ離れている、
ことを有し、並びに
前記サンプリングされた第二高調波信号に基づいて、フィルリングされたカプノグラフィ信号を生成する
ように適応する。
一実施形態において、前記システムは、
上述したようなプロセッサ、
ある範囲波長にわたり変調されるレーザ光信号を生成するように適応する波長可変レーザ光源であり、前記プロセッサは、前記光源の変調の周波数を基準として使用して前記第二高調波信号を分離するようにさらに適応し、
前記前記波長可変レーザ光源と通信する光ファイバ、
被験者の気道に接続可能であるように適応するキャビティを持つ呼吸アダプタであり、前記レーザ光信号を前記キャビティに放射するように、前記光ファイバと連通している、呼吸アダプタ、及び
記呼吸アダプタの前記キャビティと連通し、前記キャビティを通して伝えられる前記レーザ光信号を受信するように適応する光検出器
をさらに有する。
ある実施形態において、スペクトルバックグラウンド周期を第二高調波信号の最大及び最小と位置合せるために、
光源の変調度、及び
呼吸アダプタの寸法
の1つ以上が調整され、それにより、スペクトルバックグラウンド周期を調整する。
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、これを参照して説明される。
本発明の例は、添付図面を参照して詳細に説明される。
図1は、レーザベースのカプノグラフィシステムの概略図を示す。 図2は、ファイバライトガイドを備える波長可変半導体レーザ吸収分光法の研究のためのシステムの概略図を示す。 図3は、第二高調波のCO吸収線信号の波長に対する信号振幅のグラフを示す。 図4は、スペクトルバックグラウンドのみの第二高調波信号の波長に対する信号振幅のグラフを示す。 図5は、スペクトルバックグラウンド抑制を行った後のCO濃度の矩形波変調から生じるカプノグラムを示す。 図6は、本発明の方法を示す。 図7は、波長制御のためのフィードバックループを含む本発明の方法を示す。
本発明は、図面を参照して説明される。
詳細な説明及び特定の例は、装置、システム及び方法の例示的な実施形態を示しているが、これらは単に例示を目的としたものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではないことを理解されたい。本発明の装置、システム及び方法のこれら及び他の特徴、態様並びに利点は、以下の記載、添付の特許請求の範囲及び添付の図面からより良く理解される。図面は単に概略的なものであり、一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。同じ又は類似の部分を示すために、同じ参照番号が図面全体にわたり使用されることも理解されたい。
本発明は、光吸収信号内のスペクトルバックグラウンド信号を抑制することによって、フィルタリングされたカプノグラフィ信号を得るための方法を提供する。光吸収信号は、ある波長範囲にわたり、被験者から得られ、この光吸収信号は、調査を受ける呼吸空気のサンプルを含む呼吸アダプタを光信号が通過するときに吸収される光信号の割合を表し、光吸収信号はスペクトルバックグラウンド信号を有する。第二高調波信号は、前記光吸収信号から分離され、スペクトルバックグラウンド信号の周期が識別される。前記第二高調波信号は、この第二高調波信号の中心波長でサンプリングされ、前記中心波長は、最大の二酸化炭素吸収を示し、第二高調波信号は、第二高調波信号の偏心波長でサンプリングされ、前記偏心波長及び前記中心波長は、スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数だけ離れている。次いで、サンプリングされた第二高調波信号に基づいて、フィルタリングされたカプノグラフィ信号が生成される。
図1は、本発明の一態様によるレーザベースのカプノグラフィシステム100の概略図を示す。
図1に示されるカプノグラフィシステム100は、レーザ光源120及び光検出器130と通信するプロセッサ110を有する。光源120は、被験者160の呼吸経路150内に置かれる呼吸アダプタ140と光学的に連通している。
光源120は、光ファイバ170を介して呼吸アダプタ140に光学的に接続される。光源120は、例えば近赤外線範囲内の光のような、カプノグラフィを行うのに適した任意の波長の光を生成することができる。例えば、光源120は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)又は分布帰還型(DFB)レーザでもよい。
前記光源は、光検出器130に衝突する前に、光ファイバ170及び呼吸アダプタ140を通過する光線180を生成する。光線180が呼吸アダプタ140を通過すると、呼吸アダプタ内にある二酸化炭素によって光が部分的に吸収され、それにより光検出器130に到達する光の量が減少し、レーザ光源における光線の強度に比べ、より低い光強度が検出される。次いで、この光強度の差は、呼吸アダプタ内、従って被験者が吐き出した呼吸空気のCOの濃度を決定するために使用される。
特に、図1に示されるシステム100のようなカプノグラフィシステムは、光源120として2μmに近い波長で放射するVCSELを含むことができ、このVCSELは、換気回路における鼻カニューレ、口鼻カニューレ又は気道アダプタの形式の呼吸アダプタ140内のCOの濃度を決定するように適応する。
光検出器を呼吸アダプタ上に位置決める代わりに、第2の光ファイバを使用して、伝送される光をプロセッサ110の近くにある光検出器に誘導するか、又は単一のファイバを使用して、呼吸アダプタ内の逆反射器(retro-reflector)を用いて光を呼吸アダプタに、及び呼吸アダプタから光を誘導する。
図2は、ファイバライトガイドを備える波長可変半導体レーザ吸収分光法(Fiber-TDLAS)の研究のための概略図200を示し、これは、後述する測定信号を得るために使用され、本明細書において、本文脈をそれらの結果に提供する目的で説明される。
図2に示されるシステム200において、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)220から鼻カニューレ230へ光を誘導するために、光ファイバ210が使用される。VCSELは、中央制御ユニット250と通信するレーザ制御240により制御及び駆動される。このレーザ制御は、波長制御及び波長変調のための出力信号をVCSELに供給する。
前記システムは、VCSELからの光を光ファイバ210の芯部内に集束させるVCSEL-ファイバ結合ユニット260を含む。ファイバスプリッタ270は、光の一部、例えば10%を基準光検出器280に向けて誘導し、残りの光は、パッチケーブル290を介して、光検出器300を有する鼻カニューレ230に誘導される。この光検出器300は、InGaAs光検出器でもよい。別個の光検出器280を設けることにより、VCSEL-ファイバ結合ユニット260におけるスペクトルバックグラウンド及び環境CO吸収を評価及び補償することができる。
パッチケーブル290は、シングルモード(SM)ファイバ、一方の側に標準光コネクタ及び他方の側に折率率分布型(GRIN)レンズを組み込んだ特殊コネクタを実装する。鼻カニューレ230の光検出器300は、中央制御ユニット250に接続される。
鼻カニューレ230は、CO、O及びNを混合して、様々なCO濃度を持つガス流にするための、質量流量コントローラを備えるガス混合局310に接続される。前記システムの動的挙動を評価するために、ガス混合局と鼻カニューレとの間に応答時間装置320が配される。前記ガス混合局は、中央制御ユニット250と通信するガス制御器330により制御される。
中央制御ユニット250は、ガス制御器330を通るガス組成、及びレーザ制御240を通る時間の関数としてVCSELのパワー及び波長を制御することができる。
使用時、VCSEL220により生成される光の波長は、VCSELハウジング内にある小型の熱電冷却(TEC)ユニットを用いてVCSELの温度を変化させることにより、ゆっくりと(時間の尺度は、秒以上のオーダーで)調整され、100kHzの領域に及ぶレートの注入電流を介してより迅速に調整される。VCSELの温度を監視するTEC及び温度センサは、レーザ制御240に接続される。
ゆっくりと調整する方法と迅速に調整する方法の両方は、VCSELから放射される光のパワーに影響し、これは、残留振幅変調(RAM)と呼ばれる。TECの温度を制御することにより、VCSELにより放出される光の波長は、所望する吸収線、すなわちカプノグラフィに関連するCOガスの吸収線の近くに設定される。
上述した調整する方法は、特定の吸収線を選択する、吸収線にわたりスキャンする、又は特定の時間間隔中に特定の波長における信号強度を決定するために使用されてもよい。さらに、AC電流変調が、VCSELに適用され、生成される光線の放射波長の正弦波変調を与え、これは、吸収線にわたりディザー(dither)として作用し、ロックイン検出(lock-in detection)を可能にする。AC電流変調は、波長変調分光法(WMS)と呼ばれ、直接吸収測定に比べ、測定の信号対雑音比及びゼロ安定性を改善する。WMSは、カプノグラフィの鼻カニューレ230における短い吸収経路の制限と組み合わせて、COの弱い2μmの吸収領域におけるカプノグラフィ測定に適切である。
測定信号の第一高調波fは、RAMオフセットに最も敏感である一方、第二高調波f及び第三高調波fは、RAMの寄与が大幅に小さい。f信号は、鼻カニューレ内のCO濃度を提供し、f信号は、吸収線の中心でゼロ交差を持ち、波長安定化のためのフィードバックループに使用されることができる。f及びf信号がDCレベル(f)に正規化され、測定値がVCSELの放射パワーに依存するのを取り除く。
上述したように、カプノグラフィシステム200の検出感度は、検出器のショット雑音(shot noise)により与えられる理論的な感度限界ではなく、光吸収信号におけるスペクトルバックグラウンド、すなわち光学干渉縞により制限される。TDLASにおけるガス吸収線を分解するために、狭線幅の放射を持つレーザの使用が必要である。この狭線幅の結果は、長いコヒーレンス長であり、これが干渉効果を導入する。鼻カニューレ230内の干渉に寄与するインターフェース及びVCSEL-ファイバ結合ユニット260内の光学部品の典型的な間隔は、吸収線の幅に匹敵する縞(フリンジ)変調の周期となる。残念なことに、WMSは、吸収特性だけでなく、縞特性も強調する。
呼吸中、例えば、患者の呼吸運動及び呼吸流の温度変化による温度及び/又は振動の変動は、干渉縞がベースライン信号の単純な減算によって取り除くことができないように、干渉縞を波長シフトさせる。しかしながら、干渉縞の波長周期は、温度及び振動の変動に対してそれほど敏感ではない。
図3は、第二高調波(f)のCO吸収線信号410に対する波長(λ)に対する信号振幅のグラフ400を示し、スペクトルバックグラウンド振動は、呼吸アダプタ内のガス検知キャビティ内の干渉から生じる。
スペクトルバックグラウンドは、ファイバ-TDLASが、鼻カニューレ内の吸収経路長が約1cmのカプノグラフィに必要な±2mmHg(±0.27kPa)の精度に達するのを妨げる。スペクトルバックグラウンド周期は、吸収線の特徴に匹敵するので、例えば、周波数領域における分解のようなスペクトルバックグラウンド抑制のための既知の方法は正確ではない。他の既知の方法は、かなりの処理時間を必要とし、この処理時間は、呼気中に正確なカプノグラフィ波形を取得できるようにするために、CO濃度の変化に対する約100ミリ秒の時間応答のカプノグラフィ要件と互換性がない。
より具体的には、図3は、図2を参照して上述した配置及びWMS法を用いて、2004.4nm付近の波長の第二高調波(f)のCO吸収線及びスペクトルバックグラウンド信号を示す。図3に示される計測値を取得するために使用される呼吸アダプタのキャビティにおける吸収経路は、7.5mmであり、CO濃度は、55mmHg(7.3kPa)である。呼吸アダプタ内の干渉から生じるスペクトルバックグラウンド振動は、線410の全域に存在しているが、特に、両翼、すなわち、中央のピーク部から離れている部分に見られる。
図4は、純粋な窒素ガスが呼吸アダプタのキャビティを流れるときの、スペクトルバックグラウンド460のみに対する第二高調波(f)の波長(λ)に対する信号振幅のグラフ450を示す。示される測定値に対し、ピークピーク(peak-to-peak)のスペクトルバックグラウンドは、±4mmHg(±0.53kPa)CO、すなわちカプノグラフィに必要な精度の2倍に相当する。
本明細書に説明されるスペクトルバックグラウンド抑制方法は、測定されるカプノグラフィ信号及びスペクトルバックグラウンドを、スペクトルバックグラウンド周期により決定される多波長でサンプリングすることに基づいている。この方法のより詳細な説明は、以下にさらに提供される。
あるサンプリングは、カプノグラフィ信号の第二高調波の中心波長(すなわち、最大のCO吸収の位置)、又は第三高調波の中心波長(ゼロ交差)で行うのに対し、少なくとも1つの他のサンプリングは、前記中心波長から離れたスペクトルバックグランド周期の半整数倍又は整数倍で行う。サンプリングされた信号を加算又は減算することにより、スペクトルバックグラウンド信号が抑制され、バックグラウンドのない吸収信号強度が得られ、それにより、CO濃度の正確な測定値を提供する。結果生じる値は、様々な波長でのサンプリングが、これらの変動に比べ速い時間スケールで起こるので、例えば温度変化が原因であるような、変動が原因によるスペクトルバックグラウンドの波長シフトとは無関係である。この結果生じる値は、スペクトルバックグラウンド強度とも無関係である。
さらに、第二高調波の中心波長でのサンプリングに加え、追加のサンプリングが、中心周波数の両側に1スペクトルバックグラウンド周期離れた2つ以上の偏心波長で行われる。
かなりの量のサンプリング時間、例えば50%のサンプリング時間は、中心波長に集中し、これは、このスペクトルバックグラウンド抑制方法によるCO検出の信号精度の低下は限られることを意味する。このスペクトルバックグラウンド抑制方法は、限られた処理能力を必要とし、それにより、呼吸中のリアルタイムのCO測定を可能にする。
例えば、最初のサンプリングは、第二高調波の中心波長より下の1スペクトルバックグラウンド周期で行われ、その後、前記中心波長でのサンプリングが行われ、最後のサンプリングは、前記中心波長より上の1スペクトルバックグラウンド周期で行われる。中心波長及び偏心波長でのサンプリングの時間は、均等に分割されてもよく、これは、典型的には、CO濃度の決定において最も高い信号対雑音比をもたらすが、別の比率が適用されてもよい。
図5は、上述したスペクトルバックグラウンド抑制が行われた後の、CO濃度の矩形波変調から生じるカプノグラム500を示す。この測定のために、ある波長は、カプノグラフィ信号の第二高調波信号の中心波長、すなわち最大のfに設定され、別の波長は、吸収強度が小さい、前記最大のfから1スペクトルバックグラウンド周期離れて設定される。図5から分かるように、カプノグラムは、安定したゼロレベル及び最大レベル、並びにCOの変化に対する素早い応答を示す。
スペクトルバックグラウンド抑制をより詳細に見ると、スペクトルバックグラウンドに対して補正される中心波長におけるf信号強度は、以下の式
Figure 2023503817000002
から生じ、これは、
Figure 2023503817000003
により与えられる。ここで、f(x)及びf2,sb(x)は、夫々、スペクトルバックグラウンドを持たない及びスペクトルバックグラウンドを持つ正規化した波長(x)の関数としての第二高調波信号である。正規化した波長は、中心波長に対する波長の差で与えられ、線幅に正規化される。比率kは、以下の関数
Figure 2023503817000004
により与えられる。ここで、psbは、スペクトルバックグラウンド周期であり、H(x,m)は、
Figure 2023503817000005
を用いて、
Figure 2023503817000006
により与えられる、第二高調波の線形(line shape)関数であり、ここで、mは、変調振幅を吸収線幅で割った比率で与えられる正規化したWMS変調度(modulation depth)である。
或いは、例えば、上述したシステムのようなカプノグラフィシステム内で考慮されるとき、スペクトルバックグラウンド周期は、比較的一定であり、信号Fが、
Figure 2023503817000007
と定義されることを意味し、ここでFは、CO濃度に対して較正される。後続するCO濃度の測定において、f2,sb(-psb)、f2,sb(0)、f2,sb(psb)から計算されるF及び較正により結果生じる傾きは、CO濃度を決定するために使用される。この場合、上述したk値及び線形関数はもはや必要とされない。
前記スペクトルバックグラウンド抑制に続いて、補正される第二高調波信号は、スペクトルバックグラウンドの大きさ及び波長シフトとは無関係である。1つの偏心波長のサンプルを用いた方式よりも、多重の偏心波長のサンプルを使用する利点は、最終的な第二高調波信号もスペクトルバックグラウンド周期の小さな変化に対してロバストであることである。しかしながら、スペクトルバックグラウンド周期がより大きく変動すると、スペクトルバックグラウンドが抑制された前記補正される第二高調波信号は、スペクトルバックグラウンドの波長シフトに敏感になる可能性がある。
スペクトルバックグラウンド抑制を行うために、少なくとも、1つの偏心波長での信号サンプリングが存在する。1つの偏心波長、又は少数の偏心波長でのサンプリングは、より多くのサンプルよりも短いサンプリング時間という利点を持ち、それにより、良好な信号対雑音比となる一方、より多くの偏心波長でのサンプルは、より有効なスペクトルバックグラウンド抑制を提供する。従って、偏心波長のサンプル数は、スペクトルバックグラウンド抑制方法の適用に従って調整されてもよい。
第三高調波信号fがVCSELの波長の安定化のために使用される場合、f信号は、H(x,m)の代わりに、第三高調波の線形関数H3(x,m)を用いて、供述したのと同じ方法で、スペクトルバックグラウンド信号に対して補正されてもよい。
上述した例において、偏心波長のサンプリングは、中心波長と1スペクトルバックグラウンド周期又は1スペクトルバックグラウンド周期の倍数だけ異なる波長で行われる。或いは、偏心波長のサンプリングは、中心波長と1スペクトルバックグラウンド周期の半分又は1スペクトルバックグラウンド周期の半分の倍数だけ異なる波長で行われることも可能である。中心波長からスペクトルバックグラウンド周期の半分だけ離れる2つの偏心波長で検出するために、スペクトルバックグラウンド補正されたf信号の表現は、
Figure 2023503817000008
を用いて、
Figure 2023503817000009
となる。
半整数倍のスペクトルバックグラウンド周期でサンプリングするために、符号は、整数倍のスペクトルバックグラウンド周期でのサンプリングと比較して、数式が変わったことに注意すべきである。
スペクトルバックグラウンド周期は、カプノグラフィシステムの干渉経路長により決定される。図2を参照して上述したような、スペクトルバックグラウンドを無視できるVCSEL-ファイバユニット、又はスペクトルバックグラウンド抑制のための前記VCSELユニットにおける基準検出器を使用する場合、測定されるカプノグラフィ信号における支配的なスペクトルバックグラウンドは、被験者の換気回路における鼻カニューレ又は気道アダプタ内の光インターフェースでの反射による光学干渉から生じる。実際には使い捨ての構成要素である、この構成要素の交換は、スペクトルバックグラウンド周期の変化につながる。
カプノグラフィにおいて、関連する情報は、呼吸サイクルの呼気相中にカプノグラムから、及び呼吸数から得られる。これは、吸気相は、呼気相中に行われる測定を中断することなく、スペクトルバックグラウンド周期を導出するために使用されることを意味する。吸気相中、被験者により吐き出される空気よりもはるかに低いCO濃度を持つ環境空気が吸い込まれ、これは、スペクトルバックグラウンド信号が、呼気相中よりも吸気相中の方がより顕著であることを意味する。
吸気相の少なくとも一部の間、線形波長のサンプリング掃引が行われ、スペクトルバックグラウンド周期の信号の分析が続く。この分析は、正弦曲線との適合(fitting)によって又はフーリエ解析を行うことによって行われ、得られる吸気相信号における優勢周波数を決定する。スペクトルバックグラウンド周期の精度をさらに改善するために、多重の吸気周期にわたり平均化が行われる。
上述したように、スペクトルバックグラウンド周期は、システムの光路及び呼吸アダプタにおける反射に依存する。より大きなWMS変調振幅において、fの線幅及びfの極小の間隔は、前記変調振幅により決定される。この組合せを利用して、偏心波長サンプルをf線上の好ましい位置に位置決めることができる。
例えば、スペクトルバックグラウンド周期がfの線幅に比べて大きく、偏心波長サンプルに対するf線の翼部分における強度が無視できる場合、k=0であるため、上記の式は簡略化され、それにより、スペクトルバックグラウンド信号を抑制するために必要とされる計算が簡略化される。
或いは、変調度及び/又は呼吸アダプタの寸法は、スペクトルバックグラウンド周期が、f腺の最小と最大との間にある間隔に対応するように選択されてもよい。この場合、
Figure 2023503817000010
となる。
Figure 2023503817000011
及び
Figure 2023503817000012
は、
Figure 2023503817000013
に対し反対の符号を持ち、f線上の最大の大きさの点に対応するので、これらの位置でのサンプリングは、フィルタリングされたf信号の信号対雑音比を最大化し、CO濃度検出の精度を改善することができる。
図6は、光吸収信号内のスペクトルバックグラウンド信号を抑制することによって、フィルタリングされたカプノグラフィ信号を得るための方法600を示す。
前記方法は、ステップ610において、ある波長範囲にわたり、被験者から光吸収信号を得ることによって開始し、前記光吸収信号は、調査を受ける呼吸空気のサンプルを含む呼吸アダプタを光信号が通過するときに吸収される前記光信号の割合を表し、前記光吸収信号は、スペクトルバックグラウンド信号を含む。前記光吸収信号は、鼻カニューレ又は被験者からガスサンプルを得るための他の何れかの装置から直接得られる。或いは、前記光吸収信号は、処理システムのメモリから得られてもよく、これは、スペクトルバックグラウンド信号の抑制が、何れかの適切な処理システムにより行われてよいことも意味する。
ステップ620において、前記光吸収信号から第二高調波信号が分離され、ステップ630において、スペクトルバックグラウンド信号の周期が識別される。
ステップ640において、第二高調波信号の複数の波長成分がサンプリングされ、ここで、第二高調波信号をサンプリングするステップは、第二高調波信号の中心波長で第二高調波信号のサンプルを得るステップ644であって、前記中心波長は最大の二酸化炭素吸収を示す、ステップ、及び前記第二高調波信号の偏心波長で第二高調波信号のサンプルを得るステップ648であって、前記偏心波長と前記中心波長とは、スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数だけ離れている、ステップを有する。
ステップ650において、スペクトルバックグラウンド補正は、ステップ640からのサンプリングされた第二高調波のサンプルに基づいて、中心波長に対して計算される。
ステップ660において、CO濃度は、スペクトルバックグラウンド補正が適用された吸収サンプルに基づいて計算される。
ステップ640、650及び660が繰り返され、ステップ670において、フィルタリングされたカプノグラフィ信号を提供する時系列のCO濃度値を生成する。ステップ640、650及び660の単一ループは、例えば100ミリ秒を要し、これは、100ミリ秒毎の一連のCO値を有する時系列のCO濃度値をもたらす。
スペクトルバックグラウンド周期の変動が存在し、システム性能を改善するためにスペクトルバックグラウンド周期の定期的な調整が必要であるとき、ステップ610、620及び630が、フィードバックループ内でも繰り返されてもよい。このようなスペクトル周期の調整は、ステップ640、650及び660のカプノグラフィ信号生成ループを通過するのに要する時間に比べ長い時間スケールで行われる。
図7は、光吸収信号の第二高調波及び第三高調波に基づく、前記光吸収信号内のスペクトルバックグラウンド信号を抑制することによって、フィルタリングされたカプノグラフィ信号を得る方法700を示す。
前記方法は、ステップ710において、ある波長範囲にわたり、被験者から光吸収信号を得ることで開始し、前記光吸収信号は、調査を受ける呼吸空気のサンプルを含む呼吸アダプタを光信号が通過するときに吸収される前記光信号の割合を表し、前記光吸収信号は、スペクトルバックグラウンド信号を含む。前記光吸収信号は、鼻カニューレ又は被験者からガスサンプルを得るための他の何れかの装置から直接得られる。或いは、前記光吸収信号は、処理システムのメモリから得られてもよく、これは、スペクトルバックグラウンド信号の抑制が、何れかの適切な処理システムにより行われてよいことも意味する。
ステップ720において、第二高調波信号及び第三高調波信号が光吸収信号から分離され、ステップ730において、スペクトルバックグラウンド信号の周期が識別される。
ステップ740において、第二高調波信号及び第三高調波信号の複数の波長成分がサンプリングされ、ここで、これら高調波信号をサンプリングするステップは、これら高調波信号の中心波長で高調波信号のサンプルを得るステップ744、及び前記高調波信号の偏心波長で前記高調波信号のサンプルを得るステッ7648を有し、ここで、前記偏心波長と前記中心波長とは、スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数だけ離れている。信号処理中、特定の波長における吸収信号サンプルを使用して、第二高調波のサンプル及び第三高調波のサンプルの両方を生成する。
ステップ750において、ステップ740からのサンプルに基づいて、中心波長における第二高調波及び第三高調波の両方に対するスペクトルバックグラウンド補正が計算される。
ステップ760において、CO濃度は、スペクトルバックグラウンド補正が適用された吸収信号に基づいて計算され、波長補正は、サンプルの第三高調波信号に基づいて計算される。前記波長補正は、ステップ740において、前記サンプリングのための波長を調整するために、後続のループステップにおいて適用される。
ステップ770において、フィルタリングされたカプノグラフィシグナルは、計算されたCO濃度に基づいて生成される。
さらに、図7の方法700は、図6を参照して上述したものと同様のフィードバックループを含むことができる。
開示される実施形態に対する他の変形例は、図面、本開示及び添付の特許請求の範囲の検討から、請求する発明を実施する当業者により理解及び実施され得る。請求項において、「有する」という用語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、要素が複数あることを述べなくても、その要素が複数あることを排除するものではない。ある特定の方法が互いに異なる従属請求項に挙げられているという単なる事実は、これらの方法の組み合わせが有利に使用され得ないことを示さない。請求項における如何なる参照符号も、その範囲を限定すると解釈されるべきではない。

Claims (15)

  1. 光吸収信号内のスペクトルバックグラウンド信号を抑制することによって、フィルタリングされたカプノグラフィ信号を得る方法において、前記方法は、
    ある波長範囲にわたり、被験者から光吸収信号を得るステップであり、前記光吸収信号は、調査を受ける呼吸空気のサンプルを含む呼吸アダプタを光信号が通過するときに吸収される前記光信号の割合を表し、前記光吸収信号は、スペクトルバックグラウンド信号を有する、ステップ、
    前記光吸収信号から第二高調波信号を分離するステップ、
    前記スペクトルバックグラウンド信号の周期を識別するステップ、
    前記第二高調波信号の複数の波長成分をサンプリングするステップであり、前記第二高調波信号をサンプリングするステップは、
    前記第二高調波信号の中心波長で第二高調波信号のサンプルを得るステップであり、前記中心波長は、最大の二酸化炭素吸収を示す、ステップ、及び
    前記第二高調波信号の偏心波長で第二高調波信号のサンプルを得るステップであり、前記偏心波長と前記中心波長とは、前記スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数だけ離れている、ステップ、
    を有する、ステップ、並びに
    前記サンプリングされた第二高調波信号に基づいて、フィルリングされたカプノグラフィ信号を生成するステップ
    を有する方法。
  2. 前記スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数は、スペクトルバックグラウンド信号の全周期の倍数である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数は、前記スペクトルバックグラウンド信号の半周期の倍数である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記中心波長で前記第二高調波信号のサンプルを得るステップは、第1の時間期間にわたり行われ、前記偏心波長で前記第二高調波信号のサンプルを得るステップは、第2の時間期間にわたり行われ、前記第1の時間期間及び前記第2の時間期間の長さは等しい、請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法。
  5. 前記第二高調波信号をサンプリングするステップは、前記第二高調波信号の複数の偏心波長で前記第二高調波信号の複数のサンプルを得るステップをさらに有し、前記複数の偏心波長と前記中心波長とは、前記スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数だけ離れている、請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法。
  6. 前記中心波長で前記第二高調波信号のサンプルを得るステップは、第1の時間期間にわたり行われ、前記複数の偏心波長で前記第二高調波信号の複数のサンプルを得るステップは、第2の時間期間にわたり行われ、前記第1の時間期間及び前記第2の時間期間の長さは等しい、請求項5に記載の方法。
  7. 前記方法は、
    前記光吸収信号から第三高調波信号を分離するステップ、
    前記第三高調波信号の複数の波長成分をサンプリングするステップであり、前記第三高調波信号をサンプリングするステップは、
    前記第三高調波信号の中心波長で前記第三高調波信号のサンプルを得るステップ、及び
    前記第三高調波信号の偏心波長で前記第三高調波信号のサンプルを得るステップであり、前記偏心波長と前記中心波長とは、前記スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数だけ離れている、ステップ
    を有する、ステップ、並びに
    前記中心波長及び前記偏心波長のための波長補正を生成するステップ
    をさらに有する、請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法。
  8. 前記方法は、被験者の呼吸サイクルから得られる光吸収信号を処理するのに使用するためのものである、請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法。
  9. 前記スペクトルバックグラウンド信号の周期は、前記呼吸サイクルの吸気相中に識別される、請求項8に記載の方法。
  10. スペクトルバックグラウンド信号の周期は、複数の呼吸サイクルにわたる平均化により識別される、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 前記方法は、別個のバックグラウンド信号を得るステップをさらに有し、前記スペクトルバックグラウンドの周期は、前記別個のバックグラウンド信号から識別される、請求項1乃至10の何れか一項に記載の方法。
  12. コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるとき、請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法を実施するように適応するコンピュータプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム。
  13. 光吸収信号内のスペクトルバックグラウンド信号を抑制することによって、フィルタリングされたカプノグラフィ信号を得るためのシステムであり、前記システムは、プロセッサを有し、前記プロセッサは、
    ある波長範囲にわたり、被験者から光吸収信号を得て、前記光吸収信号は、調査を受ける呼吸空気のサンプルを含む呼吸アダプタを光信号が通過するときに吸収される前記光信号の割合を表し、前記光吸収信号は、スペクトルバックグラウンド信号を有する、
    前記光吸収信号から第二高調波信号を分離し、
    前記スペクトルバックグラウンド信号の周期を識別し、
    前記第二高調波信号の複数の波長成分をサンプリングし、前記第二高調波信号をサンプリングすることは、
    前記第二高調波信号の中心波長で第二高調波信号のサンプルを得て、前記中心波長は、最大の二酸化炭素吸収を示す、及び
    前記第二高調波信号の偏心波長で第二高調波信号のサンプルを得て、前記偏心波長と前記中心波長とは、前記スペクトルバックグラウンド信号の周期の倍数だけ離れている、
    ことを有し、並びに
    前記サンプリングされた第二高調波信号に基づいて、フィルリングされたカプノグラフィ信号を生成する
    ように適応する、システム。
  14. 前記システムは、
    請求項13に記載のプロセッサ、
    ある波長範囲にわたり変調されるレーザ光信号を生成するように適応する波長可変レーザ光源であり、前記プロセッサは、前記光源の変調の周波数を基準として使用して前記第二高調波信号を分離するようにさらに適応する、波長可変レーザ光源、
    前記波長可変レーザ光源と連通する光ファイバ、
    被験者の気道に接続可能であるように適応するキャビティを持つ呼吸アダプタであり、前記レーザ光信号が前記キャビティに入るように、前記光ファイバと連通している、呼吸アダプタ、
    前記呼吸アダプタの前記キャビティと連通し、前記キャビティを通り伝送された前記レーザ光信号を受信するように適応する光検出器
    を有する、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記スペクトルバックグラウンドの周期を、前記第二高調波信号の最大及び最小と位置合せるために、
    前記光源の変調度、及び
    前記呼吸アダプタの寸法
    の1つ以上が調整され、それにより、前記スペクトルバックグラウンド周期を調整する、請求項13又は14に記載のシステム。
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