JP2023178874A - 医用情報提供装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳房における生体組織の解剖学的構造の境界について、例えば、乳腺領域と隣接する脂肪との境界のように鮮明度が低くその境界が不明瞭な組織間の場合であっても生体組織の外縁であるその境界領域を明確に画定するとともに、当該境界における様々な診断支援情報を提示することができる医用情報提供装置を提供する。【解決手段】超音波CT撮像装置1によって撮影された被検体である乳房が映る画像データにおける生体組織の解剖学的構造の境界を把握する境界把握部51と、境界把握部が把握した生体組織の解剖学的構造の境界を表示させる表示制御部52と、を備え、境界把握部51は、機械学習により生成された解剖学的客体検出モデルを用いて生体組織である乳腺、脂肪、皮膚、或いは、これらの結合組織のいずれかが存在する領域をそれぞれ乳腺領域、脂肪領域、皮膚領域、或いは、結合組織領域として把握し、各領域の境界を特定する。【選択図】図5

Description

本発明の実施の形態は、医用情報提供装置に関する。
乳がんの疑いに対しては、例えば検診において、乳房用X線撮影装置、いわゆるマンモグラフィを用いて検査されることが多く行われている。そして、得られたX線画像を基に、医師や技師等の医療従事者が読影を行い、乳がんの疑いに対する所見(判定)が記載されているレポート(以下、適宜「読影レポート」と表す)が作成される。診断医は、当該読影レポートを参照して最終的な診断を下す。
そして、乳がん等の検診においては、例えば、乳腺密度に関する情報についても求められる。これは乳腺密度が、例えばX線画像上での腫瘤の検出能に影響を与える可能性があるからである。
すなわち、例えば、マンモグラフィを用いると、乳腺と腫瘤がいずれも白色に映し出されることから、腫瘤が見つけにくくなる。特に高濃度乳房(デンスブレスト)と言われる乳腺密度が全体または局所的に高い状態の乳房の場合は、白色に映し出される乳腺の領域が広くなるため、画像上における腫瘤に対する感度が低下し、ますます腫瘤の発見が困難となりかねない。
また、乳腺密度の情報の他、乳腺が存在する領域(以下、このような領域を、適宜「乳腺領域」と表す)の特定についても望まれている。これは、近年乳腺領域と当該領域に接する脂肪の境界付近に腫瘤が生ずるというような、乳腺領域と腫瘤との位置関係の関連性が示唆されているからである。
この点について、以下に示す特許文献1には、マンモグラフィを用いて撮影された画像を用いて、乳房画像中の乳腺領域を示す乳腺分布マップを作成し、可視化して出力する診断支援情報出力方法等に関する発明が開示されている。
特開2005-065857号
上述した特許文献1に開示されている発明においては、マンモグラフィを用いて撮影された画像が使用されるが、乳腺と脂肪とのコントラストは概ね明瞭であって、乳腺領域を抽出することは比較的容易に行うことができる。
ここで近年では、乳がんの検診において、乳房全体についての超音波断層像を取得することができる超音波CT撮像装置が提案されている。これは、超音波画像診断装置は、マンモグラフィのように検査対象となる乳房をつぶして撮影する必要はなく、またX線を使用することもないため、被検者に対して非侵襲だからである。
そして、当該超音波CT撮像装置では、取得される画像は、ハンドヘルド型の汎用超音波画像診断装置のように超音波プローブが接触した領域を含むその近傍に限定されるものではなく、乳房の全体像を3次元画像として取得することができる。
そこでこのような超音波CT撮像装置を用いて乳腺領域を画定して提示することが考えられるが、超音波CT撮像装置では、マンモグラフィの画像や従来のハンドヘルド型の汎用超音波画像診断装置によるBモード画像に比べて乳腺領域と隣接する脂肪の領域との境界の鮮明度が低い。また、乳腺は網目状に広がる腺状組織であるため、断層画像において脂肪と乳腺の境界を連続的な一義の境界線で分割することは、困難であることが多い。
本発明は、乳房における生体組織の解剖学的構造の境界について、例えば、乳腺領域と隣接する脂肪との境界のように鮮明度が低くその境界が不明瞭な組織間の場合であっても生体組織の外縁であるその境界領域を明確に画定するとともに、当該境界における様々な診断支援情報を提示することができる医用情報提供装置を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態における医用情報提供装置は、超音波CT撮像装置によって撮影された被検体である乳房が映る画像データにおける生体組織の解剖学的構造の境界を把握する境界把握部と、境界把握部が把握した生体組織の解剖学的構造の境界を表示させる表示制御部と、を備え、境界把握部は、機械学習により生成された解剖学的客体検出モデルを用いて生体組織である乳腺、脂肪、皮膚、或いは、これらの結合組織のいずれかが存在する領域をそれぞれ乳腺領域、脂肪領域、皮膚領域、或いは、結合組織領域として把握し、各領域の境界を特定することを特徴とする。
また、境界把握部は、乳腺と脂肪との境界を把握し、表示制御部は、境界把握部によって把握された境界における診断支援情報を表示させる。
また、境界把握部は、機械学習により生成された乳腺領域推定モデルを用いて乳房において乳腺が存在する確率を基に乳腺が存在する領域を乳腺領域として把握し、乳腺領域の外縁を脂肪との境界として把握する。
さらに、乳房において乳腺が存在する確率を基に画定される乳腺領域の外縁たる境界について、境界把握部は、新たな確率が設定された場合には、改めて新たな確率に基づいて把握された乳腺領域を基に境界を把握する。
また表示制御部は、境界を線状に表示させることを特徴とする。或いは、表示制御部は、境界把握部が用いた複数の確率ごとに、境界を複数の線状に分けて表示させる。さらには、境界把握部が複数の確率を用いて境界を複数把握した場合に、表示制御部は、隣接する2つの境界の間を乳腺境界領域として帯状に認識し、表示させることができる。
また境界は、乳房における前方境界線であることを特徴とする。
医用情報提供装置は、さらに、境界把握部によって把握された乳腺領域に関する情報を取得する演算部を備え、当該演算部は、取得した乳腺領域に関する情報を基に、乳腺と脂肪との境界における診断支援情報を算出する。
また演算部は、乳腺領域に関する情報を基に、境界と特定された病変推定領域との位置関係を算出する。
さらに、同一人物における左右の前記乳房に対してそれぞれの乳腺領域に関する情報が把握された場合に、演算部は、左右の乳房における乳腺領域の非対称性を特定する。
また演算部は、乳腺領域の内部における乳腺密度を算出する。また、同一人物における左右の乳房に対してそれぞれの乳腺領域に関する情報が把握された場合に、演算部は、算出された左右の乳房における乳腺密度を比較する。
さらに演算部は、スライス画像ごとに把握された乳腺領域に関する情報を基に、乳腺領域の撮像漏れの有無の判定をする。
演算部は、隣接する2つの境界の間を示す乳腺境界領域を、病変存在確率の高い注目領域として出力する。
このような本発明の実施の形態における医用情報提供装置であれば、乳房における生体組織の解剖学的構造の境界について、例えば、乳腺領域と隣接する脂肪との境界のように鮮明度が低くその境界が不明瞭な組織間の場合であっても生体組織の外縁であるその境界領域を明確に画定するとともに、当該境界における様々な診断支援情報を提示することができる。
本発明の実施の形態における医用情報提供システムの全体構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態における超音波CT撮像装置を示す外観斜視図である。 本発明の実施の形態における超音波CT撮像装置を用いて被検者への検査が行われる様子を抜粋して示す説明図である。 本発明の実施の形態における医用情報提供装置の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態において境界把握部が画定した乳腺領域とその他の領域との境界を示す画面例である。 本発明の実施の形態において境界把握部が画定した乳腺領域とその他の領域との境界を示す画面例である。 本発明の実施の形態において境界把握部が画定した乳腺領域とその他の領域との境界を示す画面例である。 前方境界線(境界)を表示させることによって乳腺領域と腫瘤との位置関係を明確に表すことができることを説明するために用いる模式図である。 本発明の実施の形態において乳腺領域が示されている画像に腫瘤も併せて表示させた画面例である。 乳房における非対称性の比較方法の一例を説明する模式図である。 乳房における非対称性の比較方法の一例を説明する模式図である。 乳房における非対称性の比較方法の一例を説明する模式図である。 本発明の実施の形態における診断支援情報の提供の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[医用情報提供システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態における医用情報提供システムSの全体構成を示す構成図である。医用情報提供システムSは、情報通信ネットワークNに医用情報提供システムSを構成する各機器が接続されることによって構成される。図1に示す医用情報提供システムSでは、超音波CT撮像装置1と、医用画像保存システム2と、医用情報提供装置3とが情報通信ネットワークNに接続されている。
医用情報提供システムSは、乳がんの検診等においてモダリティを使用して取得された被検者の医用画像を基に、読影医や診断医といった医療従事者が被検者における乳がんの有無、再検査の必要性等を判定する際に使用される。そして医用情報提供装置3が、超音波CT撮像装置1において撮影された医用画像を基に医療従事者に対して医用情報である、例えば診断支援情報を提供する。
なお、図1における情報通信ネットワークNに接続される医用情報提供システムSは、読影を行って被検者の乳がんの有無について、医療従事者が判定を行う際に必要とされる装置のみを記載している。
また、図1における医用情報提供システムSでは、超音波CT撮像装置1A,1Bの2台の超音波CT撮像装置1が情報通信ネットワークNに接続されている状態を示している。一方、医用画像保存システム2及び医用情報提供装置3については、それぞれ1台ずつが接続されている。
但し、超音波CT撮像装置1、医用画像保存システム2、医用情報提供装置3がそれぞれ何台情報通信ネットワークNに接続されて医用情報提供システムSを構成するかについては自由である。例えば、医療機関の各科にそれぞれ医用情報提供装置3が設置される場合にはその分医用情報提供システムSを構成する装置が増えることになる。
なお、図1には上述したように2台の超音波CT撮像装置1A,1Bが示されているが、いずれも機能としては同じ装置であることから、以下においてはこれらをまとめて超音波CT撮像装置1として説明する。
さらに、情報通信ネットワークNに接続される装置としては、これらの装置に限られず、例えば、医療機関内に構築される各システム、装置、或いは、その他のモダリティ等が任意に接続可能とされていて良い。また、接続の仕方も有線、無線を問わない。
[超音波CT撮像装置の構成]
超音波CT撮像装置は、検査対象となる被検体である乳房の全体を、例えばリング状に配置された超音波振動子を用いて走査し、超音波CT画像を取得する装置である。図2は、本発明の実施の形態における超音波CT撮像装置1を示す外観斜視図である。
超音波CT撮像装置1は、寝台11と、図2においては図示されていないが、寝台11の内部に配置される測定モジュール12を備えている。寝台11は、検査を受ける被検者を載せる台である。検査に当たって被検者は、当該寝台11のX-Y面で示される上面111に、寝台11の長手方向であるY方向に頭から足先まで伸ばすように、うつぶせになって載る。
なお、図2に示す寝台11には特段示していないが、被検者が寝台11に乗り降りする際の便宜を考えて、昇降機能が付されていても良い。また、寝台11は水平面から傾斜していてもよいし、その上面111は平らでなくてもよい。
寝台11には、開口部112が設けられている。当該開口部112は、被検者が寝台11に載った際に、Y方向において概ね胸の辺りであって、被検体である乳房が挿入可能な大きさとなるように形成されている。なお、開口部112の位置、サイズ、形状は例示である。また、左右の乳房それぞれに対応する位置に開口部112を2つ設けてもよい。
図3は、本発明の実施の形態における超音波CT撮像装置1を用いて被検者への検査が行われる様子を抜粋して示す説明図である。図3に示すように、検査は被検者の被検体となる片側の乳房の少なくとも一部が開口部112に挿入されるように、うつぶせ(伏臥位)になった状態で行われる。
すなわち、被検者の測定対象である乳房が浴槽121内で下垂された状態で、超音波CT撮像装置1はリングアレイ122をZ方向に走査させて、乳房の検査対象全域のデータを収集する。
本発明の実施の形態における超音波CT撮像装置1の場合、測定は片側の乳房毎に行う。従って図2に示すように、開口部112が1つのみ設けられる場合において、両方の乳房を測定する必要がある場合は、片側の乳房の測定完了後、被検者は体勢を直して反対側の乳房を浴槽121に挿入することになる。
寝台11の内部であって、当該開口部112の直下には、乳房の計測を行うための測定モジュール12が配置されている。このように測定モジュール12は寝台11の内部に配置されていることから、図3では、測定モジュール12が破線で示されている。
測定モジュール12は、浴槽121とリングアレイ122とを含む。浴槽121は、脱気水等の超音波の伝搬性が良好な媒質が注入され、被検体である乳房を測定の間保持するための容器である。そのため、本発明の実施の形態における超音波CT撮像装置1においては、被検者が寝台11にうつぶせになった場合に、浴槽121には、被検体となる片方の乳房の少なくとも一部が収容される。
なお、測定モジュール12には、図示しないバルブやタンクと接続する管などの注水・排水を行う機構が備えられており、この機構によって浴槽121への注水及び排水が行われる。
また、測定モジュール12には、図示しない位置特定センサを備えてもよい。本発明の実施の形態における超音波CT撮像装置1では、浴槽121に被検体である乳房が挿入された後、測定デバイスの自動走査によって撮像が終了する。従って、被検体の乳腺領域を漏れなく撮像するために、被検体の検査領域全体が測定モジュール12に配置されている必要がある。
この点について、撮像の初期位置を特定する方法としては、カメラやレーザースキャナ等による、例えば乳頭などの被検体の生体表面組織から得られる情報に基づいて当該位置を特定する方法を挙げることができる。また、測定モジュール12の底面に、被検体のZ軸方向の生体組織情報を取得する超音波センサ等を配置することで、大胸筋や肋骨など被検体である乳房の生体表面組織に基づく情報や乳房外の外部組織の位置情報を取得することもできる。
ここで位置情報には、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)のヘッダに記されているスライスの位置や向きを示す座標情報が含まれる。
このような位置測定センサにより、大胸筋や肋骨など被検体である乳房の生体表面組織に基づく情報や乳房外の外部組織の情報を取得することで、相対的な位置を算出し、他のモダリティとの位置合わせに利用することも可能となる。
リングアレイ122は、被検体の生体情報の測定を行うための測定デバイスである。リングアレイ122は、平面状(図3に示すリングアレイ122の例ではXY面内)に、被検体の少なくとも一部を取り囲むように配置された複数の測定用超音波素子を備えている。リングアレイ122は、浴槽121内へ超音波を照射し、散乱した超音波を受信する超音波素子群である。
リングアレイ122は、電気信号を超音波に変換し、複数の振動子から位相等を調整しつつ超音波ビームを生成して被検体である乳房に向けて出射する。そして乳房からの複数の散乱超音波を受信し、この散乱超音波をそれぞれ電気信号に変換して出力する。これらの処理が行われることにより、超音波素子群の配置面(XY面)にある乳房内部の組織の断面の情報が得られる。これをスライスデータと呼ぶ。
ここで、散乱超音波とは、反射波及び透過波の少なくともいずれかを含む。すなわち、リングアレイ122は、反射波を受信するタイプでも良いし、透過波を受信するタイプでも良く、或いは、反射波及び透過波を受信するタイプであっても良い。
リングアレイ122は、支持部材123によって浴槽121の内部において所定の方向に移動可能に固定される。また、支持部材123は移動機構124を備える。図3に示す測定モジュール12の例では、移動機構124は、リングアレイ122を深さ方向(Z方向)に移動させるためのスライド機構を示している。
そして、当該移動機構124を用いてリングアレイ122を移動させつつ超音波測定を行い、撮影断面の位置が異なる情報を繰り返し取得していくことで、被検体である乳房内部全体の組織の情報を得る。ここで、走査の間隔は、例えば1mmである。従って、測定範囲の深さが20mmの場合、計21枚の断層画像が得られることになる。なお、走査の方向は、Z方向上から下でも、下から上でもよいが、一方向であることが好ましい。
また、走査方向は撮像面に垂直である必要はない。例えば、螺旋運動のように、回転運動と並行移動とを組み合わせた動きができるように移動機構124を構成しても良い。すなわち、浴槽121内に下垂された状態の被検体である乳房の検査対象範囲を網羅するように超音波が出射できれば良い。
従って、出射ビームを制御することができれば、リングアレイ122の「移動」は、超音波ビームの出射方向の制御による測定位置のみの移動であってもよく、移動機構124等を用いたリングアレイ122の物理的な移動を必ずしも伴わなくても良い。
なお、リングアレイ122の形状は、円状、楕円状、あるいは多角形状であっても良い。またこのリングアレイ122は、一体物であっても、単数、ないし、複数の素子で構成されたユニットを、例えば、環状等の所定形状に配列させたものであっても良い。
さらに、このリングアレイ122の平面形状は、環状ではなく、半円状や、C字型であっても良い。或いは、素子が直線状に配置されたリニアアレイであっても良い。アレイ構造が被検体の全周に配置されない場合、例えば測定モジュール12を水平方向に回転させることで、全方位からの超音波照射によるスライスデータを取得することとしても良い。さらにこれを平面に垂直方向(Z方向)に移動させることで、ボリュームデータの取得が可能となる。
また、本発明の実施の形態では測定モジュール12としてリングアレイ122を用いて説明するが、測定モジュール12は、乳房全体の超音波3次元画像を撮像できればよい。従って、例えば、半球状に被検体の周囲に超音波振動子を配置し電子的走査によって3次元画像を撮像することができる測定デバイスであってもよい。
超音波CT撮像装置1の検査に関係する主な構造は上述した通りであるが、その他例えば、図示しない送信部と、受信部と、送受信制御部と、信号処理部と、画像処理部と、駆動制御部と、各部を制御する制御部とを備えていても良い。
送信部は、制御部による制御に基づき、リングアレイ122に超音波を発生させるための駆動信号、すなわち各圧電振動子に印加する電気パルス信号である駆動パルスを生成し、その駆動パルスをリングアレイ122に送信する。送信部は、図示しない、例えば、基準パルス発生部、遅延制御部、駆動パルス発生部等の各部を備えており、各部が上述した機能を果たす。
また、受信部は、リングアレイ122において受信した反射信号、或いは、透過信号の受信を行う。そしてその受信信号に対して整相加算を行い、その整相加算により取得した信号を信号処理部に出力する。
送受信制御部は、リングアレイ122を構成する複数の超音波素子のうち、送信に寄与する送信開口および受信に寄与する複数の受信開口を決定する。1か所の送信開口から送信された超音波を複数の受信開口で受信したのち、送信開口の位置をずらしながら受信を繰り返すことで、被検体に対し全方位から超音波を照射し、リングアレイ122の配置された平面における断面のスライスデータを取得する。
信号処理部は、受信部から供給されたリングアレイ122からの受信信号を用いて各種のデータを生成し、画像処理部や制御部に出力する処理を行う。信号処理部は、いずれも図示しない、例えば、Bモード処理部(或いは、Bcモード処理部)やドプラモード処理部、カラードプラモード処理部などを有している。
Bモード処理部は、受信信号の振幅情報の映像化を行い、Bモード信号を基にしたデータを生成する。ドプラモード処理部は、受信信号からドプラ偏移周波数成分を取り出し、さらに、FFT(Fast Fourier Transform)処理などを施し、血流情報のドプラ信号のデータを生成する。カラードプラモード処理部は、受信信号に基づいて血流情報の映像化を行い、カラードプラモード信号を基にしたデータを生成する。
画像処理部は、信号処理部から供給されたデータに基づいてスキャン領域に関する2次元や3次元の超音波画像を生成する。
例えば、画像処理部は、供給されたスライスデータからスキャン断面に関する2次元のスライス画像を生成する。そしてその生成したスライスデータからMPR処理(多断面再構成法)やボリュームレンダリング処理により3次元の超音波画像のデータを生成する。そして画像処理部は、生成した2次元や3次元の超音波画像をディスプレイに出力する。なお、超音波画像としては、例えば、Bモード画像やドプラモード画像、カラードプラモード画像、Mモード画像などがある。
駆動制御部は、測定モジュール12の駆動を制御する。すなわち、移動機構124を深さ方向(Z方向)に移動させることで、リングアレイ122をスライドさせる。また、制御部は、超音波CT撮像装置1の各部を統括的に制御する。例えば、画像処理回路において生成された超音波画像をディスプレイに表示させる。
医用画像保存システム2は、超音波CT撮像装置1において撮影された被検者の乳房に関する医用画像を保存する。また、これらの画像に対して医療従事者が読影や判定を行いその結果をまとめた、所見や読影レポートを併せて保存しても良い。
医用画像保存システム2としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やサーバといった記憶媒体、記憶装置からなる。或いは、医療機関内に構築される管理システムである医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving Communication System)を挙げることができる。
また、病院情報管理システム(HIS:Hospital Information System)や放射線科情報システム(RIS:Radiology Information System)を医用画像保存システム2として用いても良い。
なおここでは、超音波CT撮像装置1によって取得された画像データは、上述したように医用画像保存システム2に保存されている。但し、これら画像データについては、医用画像保存システム2に保存されず、適宜取得されたそれぞれの超音波CT撮像装置1の内部に保存されていても良い。
[医用情報提供装置の内部構成]
医用情報提供装置3は、超音波CT撮像装置1にて撮影、取得された被検体である乳房に関する画像を基に、医療従事者が読影、判定を行うために使用される装置である。そして当該医用情報提供装置3を用いて判定結果である読影レポートが作成される。この読影レポートは、最終的に医師が診断を行う際に、必要とされる医用情報を提供するものとして用いられる。
従って、医用情報提供装置3としては、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)やワークステーション等が使用され、汎用機であっても専用機であっても良い。また、据え置き型であっても、例えば、スマートフォン、タブレットやPDA(Personal Digital Assistant)といった携帯型であっても良く、医用情報提供装置3が使用される場所、環境も医療従事者によって適宜選択される。
図4は、本発明の実施の形態における医用情報提供装置3の内部構成を示すブロック図である。なお、図4においては、医療従事者が超音波CT撮像装置1において取得された医用画像を用いて被検者に対する乳がんの有無を読影、判定する際に用いるに必要な構成のみを示している。但し、医用情報提供装置3の構成は描画されている構成に限定されず、その他の構成を備えていても良い。
医用情報提供装置3は、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33及び入出力インターフェイス34がバスBを介して接続される構成を備えている。さらに当該入出力インターフェイス34には、入力部35と、表示部36と、通信制御部37と、記憶部38と、制御部39とが接続される。
CPU31は、入力部35からの入力信号に基づいてROM32から医用情報提供装置3を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶部38に格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。
さらにCPU31は、RAM33や記憶部38等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAM33にロードするとともに、RAM33から読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、例えば、後述する乳腺領域の画定処理を実行するために必要なデータの計算、加工等、一連の処理を実現する処理装置である。
入力部35は、医用情報提供装置3を用いる医療従事者が各種の操作を入力する、例えばタッチパネル等の入力デバイスにより構成されている。入力部35を介した医療従事者の操作に基づいて入力信号が作成されバスBを介してCPU31に送信される。
この入力部35としては、例えば、GUI、或いは、ボタンやキーボード、トラックボール、次に説明する表示部36に表示されるタッチパネル、或いは、表示部36とは別体のディスプレイを用いたタッチパネルといった入力デバイスを用いることが可能である。
また、この他、マイク、カメラ等、医用情報提供装置3に設けられている装置、または、当該医用情報提供装置3に接続可能な各種装置も入力部35の一種として挙げることができる。
表示部36は、上述した、例えば、超音波CT撮像装置1の画像処理部により生成された超音波画像、或いは、操作画面(例えば、ユーザから各種指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface))などの各種画像を制御部39の制御に従って表示する。すなわち表示部36は、CPU31からバスBを介して出力信号を受信し、例えば、乳房が映し出されている医用画像における乳腺領域、或いは、読影レポート等を表示し、或いは、CPU31の処理結果を表示する。
具体的にこの表示部36は、例えばモニタであり、その種類としては、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどを用いることが可能である。
なお、本発明の実施の形態においては、図4に示すように、入力部35、表示部36を医用情報提供装置3の1つの構成要素として記載しているが、このような構成に限られない。また、表示部36としては、例えば1つのモニタを使用しても、或いは、複数のモニタを使用して適宜必要な情報を表示させることも可能である。
通信制御部37は、LANカードやモデム等の手段であり、医用情報提供装置3をインターネットやLAN等の情報通信ネットワークNに接続することを可能とする手段である。通信制御部37を介して情報通信ネットワークNと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス34及びバスBを介してCPU31に送受信される。
なお、通信制御部37及び情報通信ネットワークNを介して他の機器とやり取りされる情報や医用画像に関する規格は、上述したDICOM等、いずれの規格であっても良い。
通信制御部37は、医用情報提供装置3を情報通信ネットワークNに接続し、当該情報通信ネットワークNに接続されている装置との間で必要な医用情報をやり取りする。特に超音波CT撮像装置1から読影や診断の対象となる被検者に関する撮像結果(画像データ)を取得する。
記憶部38は、半導体や磁気ディスクで構成されており、CPU31で実行される、例えば、医療従事者に対して提示する診断支援情報としての乳腺領域とその外縁を画定するための乳腺領域推定モデル、その他診断支援情報を表示させるために必要なプログラムやデータが記憶されている。
なお、本発明の実施の形態においては、医用情報提供装置3の内部に記憶部38を備えた例を挙げて以下説明を行うが、例えば、記憶部38の機能の一部を医用画像保存システム2に委ねる構成としても良い。また、医用情報提供装置3の内部に複数の記憶部38を設ける構成としても良い。
制御部39は、医用情報提供装置3の各部を統合的に制御する。例えば制御部39は、入力部35を介した医療従事者からの指示に基づき、乳腺領域と脂肪との境界線を表示させたり、算出された乳腺密度等の様々な診断支援情報を表示部36に表示させる。
境界把握部51は、乳房における生体組織の境界を、解剖学的客体検出モデルを用いて画定し、その境界を把握する。具体的には、機械学習により生成された解剖学的客体検出モデルを用いて生体組織である乳腺、脂肪、皮膚、或いは、これらの結合組織のいずれかが存在する領域をそれぞれ乳腺領域、脂肪領域、皮膚領域、或いは、結合組織領域として把握し、各領域の境界を特定する。
このように境界把握部51は、様々な生体組織の境界を特定することができるが、以下においては、生体組織として乳腺を例に挙げて説明する。また、当該乳腺が存在する領域(乳腺領域)を画定し、その境界を把握するために用いられる解剖学的客体検出モデルとして、乳腺領域推定モデルを用いる。
境界把握部51が用いる乳腺領域推定モデルは、例えば、ディープラーニングといった機械学習により生成される。より具体的には、超音波CT撮像装置1において撮影された複数のスライス画像ごとに、それぞれのスライス画像に表示されているであろう乳腺領域を画定(セグメンテーション)する。
乳腺領域を画定し特定する乳腺領域推定モデルには、U-Netあるいはその派生手法による深層学習ベースのセグメンテーションアルゴリズムが使用される。しかし、U-Netは画素毎の判別精度のみを目的として学習が行われるため、抽出対象の境界線の形状が不明瞭であったり、分割が粗いことが多いという問題点がある。
そこで本発明においては、乳腺境界を精確に描画することが目的であるため、セグメンテーションアルゴリズムの1つである、例えばInf-Netを用いる。Inf-Netは画素毎の判断精度に加えて抽出対象の境界線が精確に描かれることを目的として学習が行われるため、より境界領域を精度良く描画できることが知られているからである。このようにInf-Netを用いることが好ましいが、境界線の曖昧な画像に適した、例えば、ET-NET等、他のセグメンテーションアルゴリズムを適用することを排除するものではない。
そして識別閾値を設定し、画素ごとに当該識別閾値よりも高い値を示す画素には乳腺が示されていると分類し、その集合領域を乳腺領域とする。換言すれば、識別閾値よりも低い値を示す画素は乳腺が示されていないとする。
すなわち、上述したような手法を用いて乳腺領域を画定することから、使用される識別閾値は、セグメンテーションの対象となる画素が乳腺を示しているか否かを表す確率を基準に算出されるスコアである。そのため当該「スコア」が大きい程乳腺である見込みは高い、ということになる。なお、以下においては当該「スコア」は「確率」と同義として「確率」を用いて説明する。
このような手法を採用することによって、たとえ医用画像の鮮明度が低い場合であっても人(医療従事者)の介入なしに自動的に確実に境界を画することができる。
MRI(磁気共鳴断層撮影装置:Magnetic resonance Imager)と超音波CT撮像装置による研究では、乳がんの多くの割合が乳腺と脂肪の境界領域 (以下、適宜「FGI(fat-gland interface)と表す」)で生じていることが示されている。超音波CT撮像装置による研究では、乳がん78症例中74症例がFGIに存在していた。一方良性のシストなどは194症例中98症例のみがFGIに存在していた(Spatial Relationship of Malignant and Benign Breast Lesions with Respect to the Fat-Gland Interface on Magnetic Resonance Imaging. Sci Rep. 2016;6:39085. Published 2016 Dec 14. doi:10.1038/srep39085、Littrup, Peter J., et al. "The fat-glandular interface and breast tumor locations: appearances on ultrasound tomography are supported by quantitative peritumoral analyses." Journal of Breast Imaging 3.4 (2021): 455-464.)。このことから、FGIにあるか否かを元に良悪性の判断の一助とすることができる。
本発明においては、上述した乳腺領域推定モデルを用いることによって、本来明確な境界線を確定するのが困難な超音波CT撮像装置による画像においても乳腺領域と隣接するその他の領域とを分ける境界を明示することができ、医療従事者が視認した病変候補領域が、境界の上や内外にあるという位置関係から、偽陽性や偽陰性を推定させることができる。
なお、当該乳腺領域推定モデルの精度は、当該モデルにより推定された乳腺領域と、超音波CT撮像装置の画像をみた医療従事者により推定した乳腺領域とを比較した際のダイス類似度計数(DSC)の値が十分に高いか低いか、すなわち、どの程度比較対象領域が一致したかで証明される。本件発明者らにより行われたInf-Netによる乳腺領域推定モデルの検証においては、本モデルによれば、平均DCSは0.80±0.13であった。従って、当該乳腺領域推定モデルを用いた乳腺領域の画定の手法は適切な手法であるといえる。
このように生成された乳腺領域推定モデルは、例えば、医用情報提供装置3の記憶部38内に格納されている。乳房が映し出されている医用画像に対して乳腺領域の画定処理を実行する際には、境界把握部51が当該乳腺領域推定モデルに超音波CT撮像装置1によって撮影された画像データを入力してこの画像における乳腺領域のセグメンテーションを行う。そして境界把握部51は、乳腺領域が画定されることによって、乳腺領域の外縁を乳腺とその外側に存在する脂肪との境界として把握する。
なおここでは、乳腺領域推定モデルを用いて、乳腺領域の画定と画定された乳腺領域とその外側の領域との境界を検出することを前提に説明を行っている。但し、例えば、画定される乳腺領域が複数の非連続な領域であることも考えられることから、乳腺領域の画定の処理と、境界を検出する処理とを分け、前者の処理は乳腺領域推定モデルを用いて実行し、後者の処理は、例えば境界検出モデルを用いて検出することとしても良い。
そして上述した手法で境界把握部51が乳腺領域推定モデルに画像データを当てはめてその境界を把握する場合に利用される識別閾値は、単数であっても複数であっても良い。すなわち、当該識別閾値については事前に設定されているものではあるが、その設定を変更することも可能とされている。具体的には、診断支援情報の提供を受ける医療従事者によって入力部35を介して識別閾値の設定が可能とされている。
例えば識別閾値が単数である場合には、当該識別閾値をもって識別の対象となる画素が乳腺領域に含まれるか否かが判定されることになるため、その境界は線状に示されることになる。一方、識別閾値が複数設定された場合には、境界把握部51は複数の境界を把握することができる。
このように識別閾値を単数、或いは、複数設定することで乳腺領域の画定が可能となるが、このような画定処理は、識別閾値を用いることで画像データ上あいまいでその境界を決定しにくい領域の境界線を医療従事者に対して示唆することを可能とする処理であると言える。
またこのように識別閾値を複数設定することが可能とされていることで、画定される乳腺領域の面積も狭い場合から広い場合まで様々に表示することができる。また、境界についても、それぞれの識別閾値によって画定されるので、いわば等高線(確率等高線)のように表示させることも可能である。
ここで上述したように、乳がんは乳腺領域とその外側近傍に存在する領域との間に発生しやすいという両者の位置関係の関連性が示唆されている。このことからすれば、画定された乳腺領域の外側にある幅をもった領域を医療従事者に対して診断支援情報として提示することは非常に有益である。
そこで、本発明の実施の形態における医用情報提供装置3では複数の識別閾値を設定することを可能とし、複数の識別閾値が設定された場合には、境界把握部51はそれぞれの境界の間に存在する領域を、例えば、乳腺境界領域として帯状に画定することも可能とされている。
表示制御部52は、境界把握部51において把握された乳腺領域に関する情報に基づいて、その境界を表示部36に表示させる。もちろん、当該乳腺領域の境界だけではなく、医療従事者が入力部35を介して入力した内容や後述する演算部53が算出した診断支援情報についても表示部36に表示させる。
図5ないし図7は、本発明の実施の形態において境界把握部51が画定した乳腺領域とその他の領域との境界を示す画面例である。図5ないし図7には、超音波CT撮像装置1において撮影された乳房の画像のうち、1枚のスライス画像が示されている。
なお、後述する図9も含め、図5ないし図7、及び、図9は、本来であれば表示部36に表示されるが、ここでは説明の都合上、表示部36の描画は省略して1枚のスライス画像のみを示している。また、実際に表示部36に境界が示されたスライス画像をどのように表示させるかについては、任意に設定することができる。
上述したように、超音波CT撮像装置1はリングアレイ122を備えており、被検者の乳房を撮影すると図5ないし図7に示すように円形状に表示される撮影結果(画像)を取得することができる。また、縦軸及び横軸に示されている数字は、画素数を示している。ここでは、512×512の画素を備える画像データである。
図5において、その画像の略中央部に、破線が示されている。この破線が囲む領域が乳腺領域Mであり、当該乳腺領域Mの外縁を示す破線が境界Lである。すなわち、境界Lが乳腺領域Mと乳腺領域Mの外側に存在する脂肪の領域とを画している。そして図5に示す画像では、当該境界Lが1本のみ線状に示されている。従って、境界把握部51では、1つの識別閾値を用いて乳腺領域Mを画定していることが分かる。
一方、境界把握部51において複数の識別閾値を用いて乳腺領域Mが画定された場合には、複数の線が表示部36に表示されることになる。図6に示す画像では、破線で示される境界L1と一点鎖線で示される境界L2とが示されている。そして境界L2の方が境界L1よりも外側に描画されている。
境界L1で囲まれる領域も境界L2で囲まれる領域もいずれも乳腺領域Mである。但し境界L1の方が境界L2よりも内側に描画されていることから、前者の乳腺領域M1よりも後者の乳腺領域M2の方が乳腺領域Mの面積が広い。すなわち、乳腺領域M2は乳腺領域M1を含む。上述したように乳腺領域の外側近傍において腫瘤が生じやすい、ということに鑑みれば、乳腺領域Mの範囲を変えてその外側近傍を詳細に確認することは、乳がんの早期発見からも求められるものである。
図7に示す画像では、図6で示した境界L1の外側であって境界L2の内側の領域である乳腺境界領域が斜線で帯状に示されている。なお、図7においては、説明の都合上当該領域を明確に示すべく、帯状に示される領域については、白色地の上に斜線を乗せるように示している。従って、この表示の仕方はあくまでも例示であって、実際に医用情報提供装置3が医療従事者対して診断支援情報として提示する際には、このような表示を行わずとも良い。
例えば、境界L1で囲まれる乳腺領域M1の内部が乳腺領域Mとして最も確からしい領域であるとすると、その外側において境界L2で囲まれる乳腺領域M2とで囲まれる斜線で帯状に示される乳腺境界領域Aは、乳房における他の領域に比して腫瘤が生じやすい領域であると言える。
換言すれば、このような乳腺境界領域Aは、病変が存在する確率が高い病変推定領域であるとも言える。このように乳腺境界領域Aを表示制御部52が診断支援情報の1つとして表示部36に表示させることによって、医療従事者の診断の支援を行うことができる。
以上説明したように、境界把握部51によって乳腺領域Mの領域が画定されるとともに表示制御部52を介してその境界を様々な態様で表示部36に表示させることができる。当該乳腺領域と隣接する脂肪の領域との境界については、超音波CT撮像装置1によって撮影される際に、超音波が乳腺に当たって反射する際の境界線である。従って、当該境界は、いわば超音波画像を基に診断する際に重要な判断基準の1つである前方境界線ともいえる。
すなわち、ハンドヘルド型の汎用超音波画像診断装置を用いた場合において、超音波が乳腺に当たることによって乳腺領域と隣接する脂肪の領域との境界を把握することができる。但しハンドヘルド型の場合、超音波はプローブから1方向にしか送波されないことからその境界は乳腺領域の一部のみを区切る境界だけを映し出すことになる。従って、前方境界線についても一部が表示されるだけである。
一方、上述したように超音波CT撮像装置1の場合、超音波が360度全周で送受波されるので、乳腺領域Mの境界Lは、そのまま前方境界線を示していることになる。そして例えば、当該前方境界線の一部が断絶して見えるような場合には、何らかの異変が生じていることを強く推定させることになる。
この点について図を用いて説明する。図8は、前方境界線(境界)を表示させることによって乳腺領域と腫瘤との位置関係を明確に表すことができることを説明するために用いる模式図である。
図8には、実際の乳房の断層面(スライス画像)を模式化した図8(a)と、実際には表示部36には表示されないサジタル断面図である図8(b)が示されている。図8(a)には、2つの断面(断面CS1及び断面CS2)が示されている。断面CS1と断面CS2とは、乳房を異なる断層面で示していることから、その乳房の輪郭の大きさが異なる。図8(a)では、断面CS1の輪郭の方が断面CS2の輪郭よりも大きく示されている。
さらに、断面CS2よりも内側に破線で示される乳腺領域と隣接する脂肪との境界を表す境界Lが示されており、その内部にドット模様で示される腫瘤Gが表示されている。
一方、図8(b)は、上述したように乳房をサジタル面で示したものであり、一番外側に山なりに実線で示されているのが図8(a)において断面CS1で示される乳房の輪郭である。一方、境界Lは破線で示されており、腫瘤Gも示されている。
ここで図8(a)及び図8(b)をつなぐ縦の破線は、断面CS2の位置を示すものであり、当該縦の破線と図8(b)において示される横の破線と実線で示される断面CS1との交点が、サジタル断面図における断面CS2の位置を示している。
ここで前方境界線は、図8(b)の破線で示される境界Lである。この前方境界線がスライスに垂直に近い場合は、腫瘤Gと前方境界層(境界L)との幾何学的な位置関係を把握することは断層面上でも容易である。
一方、サジタル面上で前方境界線とスライス面が並行に近くなると、例えば、腫瘤Gが前方境界線の下側に収まっているのか、上に突き出しているのかといった腫瘤Gと前方境界線(境界L)の位置関係については、断層面上において目視でその関係を把握することは困難である。
そこで本発明の実施の形態においては、各断面において乳腺領域の境界を画定した乳腺ボリュームの形状から推定するので、医療従事者が頭の中で前方境界線を想像して腫瘤との位置関係を考察する際の再現性を高め、医療従事者個人ごとの解釈差を小さくすることが期待できる。
また、境界把握部51によって乳腺領域が画定された画像データについては、当該画像データを教師データとして使用することによって、境界把握部51による乳腺領域を画定する処理について、さらに精度を高めることができる。
また、乳腺領域の画定により定められる境界の付近は、上述したように腫瘤が存在する確率の高い領域であるといえる。そのため、上述したように機械学習に当たって教師データとして乳腺領域が画定された画像データを使用する際に、腫瘤が存在する確率の高い領域を示すアテンションマップとして使用することも可能である。
演算部53は、境界把握部51において取得された乳腺領域に関する情報を基に当該情報を利用して、医療従事者に提示する診断支援情報を算出する。すなわち、例えば、医療従事者からの要求に基づいて、乳がんに関する診断を行う際に必要となる情報を算出して提示する。
演算部53の機能の一部としては、以下に挙げるような機能を備えている。例えば、図5を用いて説明した乳腺領域Mの表示は、超音波CT撮像装置1を用いて被検者の乳房を撮影したうちの1枚のスライス画像に示されるものである。
ここで超音波CT撮像装置1を用いて撮影すると、乳房のうち被検者の最も背骨に近い位置から乳頭までの乳房の全域にわたって複数のスライス画像を画像データをして取得することができる。そして、これら複数の画像データに対して境界把握部51は乳腺領域推定モデルを用いた乳腺領域Mの把握をすることができる。
演算部53では、それぞれの画像データにおける乳腺領域Mの位置を把握し、互いに隣接する画像データにおける乳腺領域Mの位置情報を用いて演算を行い1枚ずつ画定された乳腺領域Mを統合することで、乳房における乳腺領域Mを3次元のデータとして把握することができる。
そして把握された乳腺領域Mの3次元データを表示制御部52を介して表示部36に表示させることによって、被検者の乳房における乳腺領域Mを立体的に表示させることができる。このように診断支援情報の1つとして立体的な乳腺領域Mを表示させることによって、医療従事者は乳腺領域Mの位置をより具体的に詳細に把握することができる。
さらに、境界把握部51において把握された乳腺領域Mを腫瘤と併せて表示できるようにすることで乳腺領域Mと腫瘤との位置関係を明確にし、医療従事者が浸潤、非浸潤の判定を行うに有益な診断支援情報を提示することもできる。
乳がんは、乳腺の内部に留まっている場合(非浸潤の状態である場合)、未だ被検者の体内に腫瘤が存在することにはならない。それは腫瘤が乳腺内に存在する場合は、その場所は未だ被検者の体外だからである。
一方、乳腺領域とその外側にある脂肪領域との境界を破って乳腺から脂肪領域へと腫瘤が出てきた場合には、乳がんが被検者の体内に浸潤した、ということになる。このような状態になると、乳がんの進行状態の診断と治療計画が必要となる。
すなわち、乳腺を葡萄の房のような構造として例えると、浸潤は個々の葡萄の粒から外に出る段階から始まり、粒と粒の隙間の領域に浸潤が起こる。本発明の実施の形態における医用情報提供装置3において画像上で画定している乳腺領域とは、葡萄の房の輪郭に相当するので、この浸潤の最初の段階を捉えるのは容易ではない。
しかし浸潤がさらに進むと、房の輪郭から外側の領域への浸潤に進む。最初の段階でも、後者の段階でも全身への転移のリスクが生じているという観点では同じだが、そのリスクの大きさからすると後者の転移リスクの方がより大きいと考えられる。もちろん、現実には房の外側に接する粒で発生する浸潤のように、最初の段階での浸潤の時点で房外への浸潤が発生する場合もある。
そこで、演算部53は腫瘤と乳腺領域とを併せて表示できるように演算を行う。ここで腫瘤の位置については、例えば、医療従事者が事前に対象となる画像データに注目領域(ROI)として確定させておくことができる。或いは、医用情報提供装置3が機械学習等によって、腫瘤が存在する可能性の高い位置に自動的に表示させることも可能である。
図9は、乳腺領域Mが示されている画像に腫瘤Gも併せて表示させた画面例である。図9の画面例において、乳腺領域M(境界L)については、図5ないし図7で示したように破線で示されている。そして腫瘤Gについては実線で示されている。図9の画面例を見ると、腫瘤Gの周囲を囲むように乳腺領域Mと脂肪の領域とを区切る境界Lが示されている。従って、図9の画面例に示されている腫瘤Gは、乳腺領域Mの外側に存在し、浸潤の状態にあると判定することができる。
このように乳腺領域Mと腫瘤Gとの位置合わせを演算部53が行うことによって、両者を1つの画像上に合わせて表示させることができる。このように乳腺領域Mと腫瘤Gとの位置関係を示すことによって、腫瘤Gの性質を把握する上で医療従事者の有益な診断支援情報を提供することができる。
また、乳腺領域の境界線L1と腫瘤Gとの距離に閾値を設定し、一定の閾値内にある腫瘤Gについて、浸潤の確率を算出してもよい。すなわち乳がんは乳腺に発生するため、その多くは本発明で画定された乳腺領域内に存在することが推測される。
しかし、乳腺と脂肪との境界領域においては、乳腺と脂肪が混ざっている領域が重なり、浸潤がんの集合の一部が画定された乳腺境界領域をまたぐように広がる症例や、画定した領域のすぐ外に浸潤がんが発生している可能性がある。そのため、腫瘤と脂肪の輝度のコントラストが小さい超音波CT撮像装置によって撮影される断層像においては、このような乳腺と脂肪の境界領域においては、腫瘤と脂肪を輝度に応じて識別することは、医療従事者の目によっては非常に困難である。
そこで本発明の実施の形態における医用情報提供装置3によれば、医療従事者の力によらずに自動的に乳腺境界領域を画定するのみならず、診断支援情報として医療従事者にとって最も視認による識別が困難な領域を通知することができる。また、視認が困難な領域を診断支援モデルのパラメータとして、深層学習に利用することも可能である。
上述したように、超音波CT撮像装置1によって撮影された画像では乳腺密度が高い部分はより白っぽく表示される。また腫瘤についても白く映し出されることから、乳腺密度が高いほど腫瘤を見つけにくくなる。そのため、診断支援情報の1つとして乳腺密度を医療従事者に提示することは非常に有益である。
そこで演算部53は、乳腺領域に関する情報を用いて乳腺領域における乳腺密度を算出する機能を備えており、例えば乳腺比率推定プログラム等を用いて乳腺密度を算出することができる。より具体的には、乳腺密度は、乳房における乳腺の割合から算出することができる。従って、乳腺密度は乳腺の量を乳房の量で除することによって算出される。
ここで「乳腺の量」や「乳房の量」における「量」とは、例えば、面積や体積を挙げることができる。例えば、面積の場合、1枚の画像データにおける乳腺領域に含まれる面積であり、乳房全体の面積である。面積の算出の仕方は様々考えられるが、例えば、乳腺領域に含まれる画素の数、乳房全体を示す画素の数を用いることができる。同様の考え方で、体積を用いることもできる。また、これらの算出結果と乳がん画像診断の総合ガイドラインであるBI-RADSとの相関を算出し、乳腺タイプを推定してもよい。
演算部53によって算出された乳腺密度は、例えば、数値として提示することができる。また数値を直接提示するのではなく、例えば、乳腺密度に関する分類を用いて表示しても良い。さらには、演算部53は、乳腺領域における輝度分布から乳腺の散在や乳腺の不均一化等についても算出することができるようにされていても良い。
さらに上述したように、境界把握部51によって乳腺領域が画定されその境界が表示部36に表示される。そのため被検者が左右それぞれの乳房について超音波CT撮像装置1による撮影をされていれば、左右の乳房それぞれの画像データを用いて乳腺領域を画する境界を把握することができる。
ここで被検者が同時期に左右両方の乳房について撮影を行っていれば、左右の乳房において、例えば境界を表示した場合であってもその差異は少なく、概ね対称であると考えられる。換言すれば、左右の乳房において非対称性が目立つ状態にあると、左右いずれかの乳房に注意を払う必要がある。
そこで、同一の被検者に対して左右の乳房について撮影がされた場合には、境界把握部51によって把握された境界のずれ(非対称性)を演算部53が算出する。そして、算出されたずれが、予め定められている閾値を下回っていれば、左右の乳房について概ね対称であり、異常がないと推定することができる。一方、閾値を上回っている場合には、左右の乳房は非対称であるとして、その算出結果を診断支援情報として提示する。
ここで左右非対称性の定量化には、例えば類似度指標を用いた演算を行うことができる。左右のボリュームについて、本発明により取得した乳腺領域と、例えば皮膚領域を乳房領域境界線として特定することができる。これら境界線において、例えば超音波CT撮像装置によって取得される左右の3次元(3D)画像・3D乳房領域・3D乳腺領域の3チャネルを用いてレジストレーション (位置合わせ) を行う。
レジストレーションには一例として相互情報量 (mutual information)などの画像類似度指標を用いることができるが、これに限らない。また、レジストレーション手法としてOptical flow などのnon-rigid transformation手法等が適している。
こうして位置合わせされた左右の超音波CT撮像装置によって取得された3D画像同士の類似度を左右非対称性の指標とする。そして、超音波CT撮像装置によって取得された3D画像同士の類似度として、相互情報量 (mutual information、normalized mutual informationやsymmetric uncertainty coefficientなどでもよい。)などの画像類似度指標を用いる。
さらに別の方法では以下のような手順で計算することも可能である。この方法については、図10ないし図12に示す模式図を用いて説明する。図10ないし図12は、乳房における非対称性の比較方法の一例を説明する模式図である。
まず、左右の乳房に関する画像データのうち、片方の乳房の画像を反転させる。そして片方の乳房を反転させた状態で左右の乳房の重心を一致させ、さらに輪郭が合うようにアフィン変換を行う。この処理を実行することによって、乳房全体の輪郭の左右が概略一致することになる。
次に変換後の左右の乳房における乳腺領域の重心位置を求め、それぞれの乳腺領域の重心を第一撮像面に投影する。この状態で、重心から乳腺領域の境界への距離をプロットして展開した曲線を作成する。
図10には、模式図で左右の乳房が表わされている。例えば図10において向かって左側に右の乳房が、右側に左の乳房が示されている。右の乳房を例に挙げると、最も外側に略円形状に示されているのが乳房の輪郭である。そしてその内側において囲まれた領域は乳腺領域であり、乳腺領域を示す線が境界(乳腺領域の輪郭)RLである。また、境界RLの内部に黒点で示されるのが乳腺領域の重心Cである。同様に左の乳房における重心Cが境界LLの内部に示されている。
重心Cからは、図において垂直方向上側に延びる直線が示されているが、この線が重心Cから乳腺領域の境界RL,LLへの距離を測定する際の基準となる線である。この線から、例えば、右側に時計回りに360度にわたって重心Cから乳腺領域の境界RL,LLへの距離を測定する。
そして測定された結果を示すのが、図11に示す模式図である。この模式図では、横軸に度数θが示されており、縦軸は距離である。なお、横軸に示す単位は、0度から360度までの度数ではなく、例えば、回転速度や周期といった単位でも良い。
図11を見ると、2本の曲線が示されており、下側が重心Cから境界RLまでの距離を示しており、上側は重心Cから境界LLまでの距離を示している。なお、最初(0度)と最後(360度)は同じ位置を示していることから、距離は当然同じくなる。
なお、これまで説明した処理については、1枚のスライス画像に対する処理、すなわち、1つの断面に対する処理であるが、当該処理は断面ごとに行われ、断面ごとに図11に示すような曲線が作成される。
また、説明の都合上、図10や図11に示す模式図を使用したが、医用情報提供装置3の演算部53における実際の処理においては、当該模式図に該当する画像を表示部36に表示させずとも良い。
そして、得られた曲線の構造的な特徴を数値化する(ボリュームから演算する)。また断面ごと複数の曲線についても構造特長を数値化する(各撮像面上で演算する)。
また、演算された複数の特長指数を組み合わせた関数である事前評価などにより病変に関連した乳腺構造の左右差に対応して、評価値が大きくなるようにされた合成パラメータについては、事前に調整しておくと良い。ここで構造特徴としては、例えば、周波数変換を行った、第1から第Nまでの主たる成分の空間周波数とその成分の大きさのベクトルなどが考えれる。
また、複数の指標の中には図12に示すように、片方の乳房について反転させて示される輪郭(図12においては右の乳房を破線で示している)と、もう片方の乳房(左の乳房)の輪郭を重ねて、差集合の面積と和集合の面積の比や、差集合の空間上の偏りを数値化した指標なども用いることができる。
このような手法を用いることで、上述したような、画素間の違い以外にもトポロジカルな相違量(ずれ)を指標する診断支援情報を提供することが可能となる。
なお、ずれの表示の方法については、それぞれの乳房における境界を表示部36に並べて表示させることや、数値で表すことも、或いは、閾値との関係で表示させることも可能である。また、図12に示すように、演算部53からの指示に基づいて表示制御部52において左右の乳腺領域の境界を重ね合わせて表示させることもできる。さらには、左右の乳房の乳腺密度を算出して比較し、その差異を表示させることも可能である。
次に、超音波CT撮像装置1による撮像が行われる際は、被検体である乳房のうち、乳腺が存在する最も胸筋側先端部分から乳頭まで漏れなく撮影されていることが必要である。しかし、とりわけ胸筋側の先端部分には、撮り漏らしが懸念される。
これは被検者が寝台11にうつぶせになって開口部112から乳房を入れた場合に、例えば被検者の体勢や挿入角度のずれ、乳房の大きさと開口部112の開口の大きさとの関係などから乳房や乳腺領域の全体が第一撮像面まで入っていない等の状態が生じうるからである。そのため超音波CT撮像装置1の機能としても乳房の撮り漏らしがあるか否かを、水槽内部に配置するカメラ等位置センサにより検出する方法が開示されている(例えば、国際公開2019/069898)。
しかし、乳がんは乳腺周辺に発生するため、乳腺こそが診断すべき範囲であり、それを直接観測している乳腺領域推定モデルによるセグメンテーションの方法を用いた推定は、外部センサによる推定よりも真値に近いと考えられる。
本発明の実施の形態によれば、これまで説明してきたように、境界把握部51によって乳腺領域の外縁である境界が把握されている。そこで、演算部53は、乳腺領域に関する情報を基に超音波CT撮像装置1による画像データに乳腺領域の取り漏れの有無の推定根拠となる情報を医療従事者や深層学習による診断支援モデルに提供する。このような乳腺領域の撮り漏らしに関する情報を診断支援情報として医療従事者に提供することによって、撮り漏らしが推定される場合には、再度の撮影を行うことを促し、より確実な画像データの取得を図ることができる。
すなわち、演算部53の撮り漏らしの機能の実施様態の1つとしては、例えば、検出された乳腺領域の連続性を計測し、超音波CT撮像装置1による第一撮像面よりも胸筋側の撮像領域外にある乳腺領域の大きさを見積もるものである。
具体的には、乳腺の大きさに着目して撮像領域内にある乳腺領域の面積を全てまたは一部のスライス画像分算出する。演算部53は取漏らし確認モデルとして、超音波CT撮像画像とMRI等による胸腺側の乳腺境界データを学習して、乳腺の取漏らし領域の体積を算出するよう生成された学習器を有し、検査データの乳腺領域検出結果を、当該撮り漏らし確認モデルに入力することで、その出力結果として撮像領域外にある乳腺領域の大きさを見積もる。
そして、撮り漏らしがあるか否かの可能性について表示制御部52を介して表示部36に表示させる。なお例えば、撮り漏らしが疑われる乳腺領域の大きさや再度の撮影が必要である旨等、どのような情報を診断支援情報として表示させるかは任意に設定することができる。
このように、本発明の実施態様によれば、超音波CT撮像装置1に、別途の取漏らし検出要センサを取り付けることなく、検査対象である乳腺領域を直接観測することで、より正確に診断時における取漏らしによる見逃しのリスクを推定し、リスク要素を診断支援情報として医療従事者に提供することができる。
[動作]
次に、医用情報提供装置3が、超音波CT撮像装置1による撮像で取得された画像データを用いて乳腺領域を把握し境界と特定する処理の流れについて、図13を用いて説明する。図13は、本発明の実施の形態における診断支援情報の提供の流れを示すフローチャートである。
医療従事者は、まず、読影、或いは、診断の対象となる被検者を選択し、医用情報提供装置3に当該被検者を識別する、例えば患者ID等を入力する(ST1)。なおここでは特段示していないが、医用情報に触れることから事前に医療従事者のID等が入力され、アクセス権限の確認等が行われる。
さらに医用情報提供装置3は、医療従事者によって入力部35から入力された超音波CT撮像装置1が撮影した対象となる被検者の画像データの取得指示を検出し、通信制御部37を介して医用画像保存システム2にアクセスする。そして、医用画像保存システム2から当該被検者の乳房に関する画像データを取得する(ST2)。
境界把握部51では、取得された画像データを乳腺領域推定モデルに入力し、例えば図5に示すように、乳腺領域Mを画定するとともに、その外縁を境界Lとして特定する(ST3)。
なお、ここでは取得された被検者の乳房に関する画像データの全てを乳腺領域推定モデルに入力して乳腺領域の画定を行うことを前提としている。但し、医療従事者においては、例えば、取得された画像データのうち、ある特定の画像データについてのみ乳腺領域の画定を要求する場合も考えられる。
この場合には、例えば、医用情報提供装置3が医用画像保存システム2から取得した画像データを一覧で表示部36に表示させ、その中から医療従事者が必要なスライス画像を選択できるように制御しても良い。
医用情報提供装置3は、さらに医療従事者に対して画定された乳腺領域の境界以外の診断支援情報の要求がないか医療従事者に対して問い合わせる(ST4)。具体的には、演算部53が表示制御部52を介して表示部36に問い合わせを表示させる。
演算部53では、例えば、乳腺密度の情報に関する診断支援情報の取得が要求されているか否かを判定する(ST5)。要求されている場合には(ST5のYES)、演算部53は表示制御部52を介して、要求された診断支援情報に合わせた条件設定画面を表示部36に表示させる(ST6)。
演算部53では例えば、左右の乳房の非対称性に関する診断支援情報の場合には、医療従事者によって、どのスライス画像が選択されたのか、左右の乳房を並べて表示させるのか、重複して表示させるのかといった、非対称性の表示の仕方等の条件が入力されたか否かを判定する(ST7)。
そして演算部53では入力がない場合には、条件が入力されるまで待機し(ST7のNO)、条件が入力された場合には(ST7のYES)、入力された条件に従って演算処理を実行する(ST8)。
そして演算処理が終了すると、表示部36に表示制御部52を介して医療従事者によって要求された診断支援情報を表示させる(ST9)。また、乳腺領域を画定する境界の表示以外の診断支援情報の要求がない場合には(ST5のNO)、当該境界が診断支援装置として表示部36に表示される(ST9)。
なお、ここでは、乳腺領域の境界も診断支援情報の一種であることから、他の診断支援情報とともに最後に表示部36に表示させる場合を例に挙げている。しかし乳腺領域の境界だけを特に表示させたいという要求も考えられることから、例えば、乳腺領域の画定の処理が終了した時点で境界についてはすぐに表示させるようにしても良い。
また、乳腺領域の境界以外の診断支援情報の提供に関して、ここでは上記ステップST4のように、医用情報提供装置3が医療従事者に対して診断支援情報取得要求の問い合わせを行うことを前提に説明を行った。
しかしながら、このような流れで診断支援情報の提供を行うのではなく、例えば、医用情報提供装置3が提供可能な診断支援情報については、事前に表示部36に表示させておき、当該表示を介して医療従事者が適宜条件等を入力することによって、医療従事者にとって所望の診断支援情報を提供することとしても良い。
以上説明したような本発明の実施の形態における医用情報提供装置であれば、乳房における生体組織の解剖学的構造の境界について、例えば、乳腺領域と隣接する脂肪との境界のように鮮明度が低くその境界が不明瞭な組織間の場合であっても生体組織の外縁であるその境界領域を明確に画定するとともに、当該境界における様々な診断支援情報を提示することができる。
そして、当該医用情報提供装置によれば、医療従事者の労力や介入なしに、自動的に生体組織の外縁であるその境界領域を明確に画定し、診断支援情報の提供を行うことができる。
なお、境界把握部51、表示制御部52及び演算部53については、制御部39とは別の処理部であることを前提にこれまで説明してきた。但し、このような構成ではなく、例えば、制御部39が境界把握機能、表示制御機能、及び、演算機能を備えており、制御部39が各々の機能に従って処理を実行しても良い。
また、境界把握部51、表示制御部52及び演算部53、或いは、制御部39における境界把握機能、表示制御機能、及び、演算機能については、記憶部38、或いは、医用画像保存システム2内に記憶されている乳腺領域推定モデルを用いた乳腺領域推定プログラムといったプログラムをプロセッサに実行させることによって実現することも可能である。
そしてここで本明細書における「プロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit) arithmetic circuit(circuitry)、或いは、特定用途向け集積部(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の部を意味する。
プロセッサは、例えば記憶部38や医用画像保存システム2に保存された、又は、プロセッサの部内に直接組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。プログラムを記憶する記録部は、プロセッサごとに個別に設けられるものであっても構わないし、上述したような記憶部38や医用画像保存システム2の構成を採用しても構わない。記憶部の構成には、例えば、半導体や磁気ディスクといった一般的なRAM(Random Access Memory)やHDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置が適用される。
なお、本発明の実施の形態において説明した技術については、以下のような構成を採用することもできる。
(1)超音波CT撮像装置によって撮影された被検体である乳房が映る画像データにおける生体組織の解剖学的構造の境界を把握する境界把握部と、
前記境界把握部が把握した前記生体組織の解剖学的構造の境界を表示させる表示制御部と、を備え、
前記境界把握部は、機械学習により生成された解剖学的客体検出モデルを用いて前記生体組織である乳腺、脂肪、皮膚、或いは、これらの結合組織のいずれかが存在する領域をそれぞれ乳腺領域、脂肪領域、皮膚領域、或いは、結合組織領域として把握し、各領域の境界を特定することを特徴とする医用情報提供装置。
(2)前記境界把握部は、前記乳腺と前記脂肪との境界を把握し、
前記表示制御部は、前記境界把握部によって把握された前記境界における診断支援情報を表示させることを特徴とする上記(1)に記載の医用情報提供装置。
(3)前記境界把握部は、機械学習により生成された乳腺領域推定モデルを用いて前記乳房において前記乳腺が存在する確率を基に前記乳腺が存在する領域を乳腺領域として把握し、前記乳腺領域の外縁を前記脂肪との前記境界として把握することを特徴とする上記(2)に記載の医用情報提供装置。
(4)前記乳房において前記乳腺が存在する確率を基に画定される前記乳腺領域の外縁たる前記境界について、前記境界把握部は、新たな前記確率が設定された場合には、改めて新たな前記確率に基づいて把握された前記乳腺領域を基に前記境界を把握することを特徴とする上記(3)に記載の医用情報提供装置。
(5)前記表示制御部は、前記境界を線状に表示させることを特徴とする上記(2)ないし(4)のいずれかに記載されている医用情報提供装置。
(6)前記表示制御部は、前記境界把握部が用いた複数の前記確率ごとに、前記境界を複数の線状に分けて表示させることを特徴とする上記(2)ないし(4)のいずれかに記載されている医用情報提供装置。
(7)前記境界把握部が複数の前記確率を用いて前記境界を複数把握した場合に、前記表示制御部は、隣接する2つの前記境界の間を乳腺境界領域として帯状に認識し、表示させることを特徴とする上記(2)ないし(4)のいずれかに記載されている医用情報提供装置。
(8)前記境界は、前記乳房における前方境界線であることを特徴とする上記(2)ないし(7)のいずれかに記載の医用情報提供装置。
(9)前記医用情報提供装置は、さらに、前記境界把握部によって把握された前記乳腺領域に関する情報を取得する演算部を備え、
前記演算部は、取得した前記乳腺領域に関する情報を基に、前記乳腺と前記脂肪との境界における診断支援情報を算出することを特徴とする上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の医用情報提供装置。
(10)前記演算部は、前記乳腺領域に関する情報を基に、前記境界と特定された病変推定領域との位置関係を算出することを特徴とする上記(9)に記載の医用情報提供装置。
(11)同一人物における左右の前記乳房に対してそれぞれの前記乳腺領域に関する情報が把握された場合に、前記演算部は、左右の前記乳房における乳腺領域の非対称性を特定することを特徴とする上記(9)に記載の医用情報提供装置。
(12)前記演算部は、前記乳腺領域の内部における乳腺密度を算出することを特徴とする上記(9)に記載の医用情報提供装置。
(13)同一人物における左右の前記乳房に対してそれぞれの乳腺領域に関する情報が把握された場合に、前記演算部は、算出された左右の前記乳房における前記乳腺密度を比較することを特徴とする上記(12)に記載の医用情報提供装置。
(14)前記演算部は、スライス画像ごとに把握された前記乳腺領域に関する情報を基に、前記乳腺領域の撮像漏れの有無の判定することを特徴とする上記(9)に記載の医用情報提供装置。
(15)前記演算部は、隣接する2つの境界の間を示す乳腺境界領域を、病変存在確率の高い注目領域として出力する上記(9)に記載の医用情報提供装置。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1・・・超音波CT撮像装置
11・・・寝台
12・・・測定モジュール
121・・・浴槽
122・・・リングアレイ
123・・・支持部材
124・・・移動機構
2・・・医用画像保存システム
3・・・医用情報提供装置
31・・・CPU
32・・・ROM
33・・・RAM
34・・・入出力インターフェイス
35・・・入力部
36・・・表示部
37・・・通信制御部
38・・・記憶部
39・・・制御部
51・・・境界把握部
52・・・表示制御部
53・・・演算部

Claims (15)

  1. 超音波CT撮像装置によって撮影された被検体である乳房が映る画像データにおける生体組織の解剖学的構造の境界を把握する境界把握部と、
    前記境界把握部が把握した前記生体組織の解剖学的構造の境界を表示させる表示制御部と、を備え、
    前記境界把握部は、機械学習により生成された解剖学的客体検出モデルを用いて前記生体組織である乳腺、脂肪、皮膚、或いは、これらの結合組織のいずれかが存在する領域をそれぞれ乳腺領域、脂肪領域、皮膚領域、或いは、結合組織領域として把握し、各領域の境界を特定することを特徴とする医用情報提供装置。
  2. 前記境界把握部は、前記乳腺と前記脂肪との境界を把握し、
    前記表示制御部は、前記境界把握部によって把握された前記境界における診断支援情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載の医用情報提供装置。
  3. 前記境界把握部は、機械学習により生成された乳腺領域推定モデルを用いて前記乳房において前記乳腺が存在する確率を基に前記乳腺が存在する領域を乳腺領域として把握し、前記乳腺領域の外縁を前記脂肪との前記境界として把握することを特徴とする請求項2に記載の医用情報提供装置。
  4. 前記乳房において前記乳腺が存在する確率を基に画定される前記乳腺領域の外縁たる前記境界について、前記境界把握部は、新たな前記確率が設定された場合には、改めて新たな前記確率に基づいて把握された前記乳腺領域を基に前記境界を把握することを特徴とする請求項3に記載の医用情報提供装置。
  5. 前記表示制御部は、前記境界を線状に表示させることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載されている医用情報提供装置。
  6. 前記表示制御部は、前記境界把握部が用いた複数の前記確率ごとに、前記境界を複数の線状に分けて表示させることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載されている医用情報提供装置。
  7. 前記境界把握部が複数の前記確率を用いて前記境界を複数把握した場合に、前記表示制御部は、隣接する2つの前記境界の間を乳腺境界領域として帯状に認識し、表示させることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載されている医用情報提供装置。
  8. 前記境界は、前記乳房における前方境界線であることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の医用情報提供装置。
  9. 前記医用情報提供装置は、さらに、前記境界把握部によって把握された前記乳腺領域に関する情報を取得する演算部を備え、
    前記演算部は、取得した前記乳腺領域に関する情報を基に、前記乳腺と前記脂肪との境界における診断支援情報を算出することを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の医用情報提供装置。
  10. 前記演算部は、前記乳腺領域に関する情報を基に、前記境界と特定された病変推定領域との位置関係を算出することを特徴とする請求項9に記載の医用情報提供装置。
  11. 同一人物における左右の前記乳房に対してそれぞれの前記乳腺領域に関する情報が把握された場合に、前記演算部は、左右の前記乳房における乳腺領域の非対称性を特定することを特徴とする請求項9に記載の医用情報提供装置。
  12. 前記演算部は、前記乳腺領域の内部における乳腺密度を算出することを特徴とする請求項9に記載の医用情報提供装置。
  13. 同一人物における左右の前記乳房に対してそれぞれの乳腺領域に関する情報が把握された場合に、前記演算部は、算出された左右の前記乳房における前記乳腺密度を比較することを特徴とする請求項12に記載の医用情報提供装置。
  14. 前記演算部は、スライス画像ごとに把握された前記乳腺領域に関する情報を基に、前記乳腺領域の撮像漏れの有無の判定することを特徴とする請求項9に記載の医用情報提供装置。
  15. 前記演算部は、隣接する2つの境界の間を示す乳腺境界領域を、病変存在確率の高い注目領域として出力する請求項9に記載の医用情報提供装置。
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