JP2023178592A - 放射線評価方法、核燃料デブリの撤去方法、および放射線評価装置 - Google Patents

放射線評価方法、核燃料デブリの撤去方法、および放射線評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 撤去作業を行う対象領域の放射線源強度を従来に比べて容易に評価することができる放射線評価方法、核燃料デブリの撤去方法、および放射線評価装置を提供する。【解決手段】 指向性を有する放射線検出器120,130を2以上の異なる位置に設置し、撤去作業の対象となる領域101の放射線計数率cを2箇所以上で計測する工程と、対象とする領域101に対する放射線検出器120,130の検出効率εを推定する工程と、異なる位置での計測結果から、放射線計数率cを検出効率εで割った値を比較することで領域101に存在する放射線源強度を評価する工程と、を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、放射線評価方法、核燃料デブリの撤去方法、および放射線評価装置に関する。
検知対象の状態変化に依存することなく、迅速性・信頼性に優れる臨界検知技術の一例として、核燃料の溶融凝固物を破壊する破壊位置を交点とする第1半直線上において交点から第1距離離れた位置を通過する中性子を検出する第1中性子検出器と、この第1半直線上において交点から第2距離離れた位置を通過する中性子を検出する第2中性子検出器と、破壊位置を交点とし第1半直線とは異なる第2半直線上において交点から第1距離離れた位置を通過する中性子を検出する第3中性子検出器と、第2半直線上において交点から第2距離離れた位置を通過する中性子を検出する第4中性子検出器と、を備えている臨界検知装置が記載されている。
特開2017-78585号公報
本技術分野の背景技術として、特許文献1に記載の技術がある。上述の特許文献1に示している通り、撤去作業の継続あるいは中止の判断材料となる実効増倍率kを導出するには、予め補正係数を導く等複雑な工程を経る必要がある。これにより、撤去作業に時間を要するため、作業従事者の被ばく線量が増大する。
一方で、特許文献1では、開示されているフローチャートの工程を進める前提として、ガスモニタや炉雑音法等で実効増倍率kを直接導いて、未臨界度を計測するものとしている。従って、実際の核燃料デブリの撤去作業では、実効増倍率kを直接導く測定法が必須となるため、従来の課題である実効増倍率kを導出する過程を省くことが出来ない、との課題がある。
本発明は、撤去作業を行う対象領域の放射線源強度を従来に比べて容易に評価することができる放射線評価方法、核燃料デブリの撤去方法、および放射線評価装置を提供する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、指向性を有する放射線検出器を2以上の異なる位置に設置し、撤去作業の対象となる核燃料デブリ領域の放射線計数率を2箇所以上で計測する工程と、対象とする前記核燃料デブリ領域に対する前記放射線検出器の検出効率を推定する工程と、異なる位置での計測結果から、前記放射線計数率を検出効率で割った値を比較することで前記核燃料デブリ領域に存在する放射線源強度を評価する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、撤去作業を行う対象領域の表面近傍における放射線源強度を従来に比べて容易に評価することができるため、撤去作業を効率的に進めることが可能となり、作業従事者の被ばく低減に効果がある。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
実施例1に係る放射線評価装置の概要を示す図。 実施例1に係る放射線評価装置における放射線検出器の構造の一例を示す図。 実施例1に係る放射線評価装置における放射線検出器の構造の一例を示す図。 実施例1に係る放射線評価装置による放射線評価方法の一例を示す図。 実施例1に係る放射線評価方法の具体例であって、核燃料デブリが放出する放射線の強度を評価するフローの例を示す図。 実施例1に係る放射線評価装置による放射線評価方法の他の一例を示す図。 実施例1に係る放射線評価方法の具体例であって、核燃料デブリが放出する放射線の強度を評価するフローの他の例を示す図。 実施例2に係る放射線評価装置における放射線検出器の構造の一例を示す図。 実施例2に係る放射線評価装置による放射線評価方法の一例を示す図。 実施例2に係る放射線評価方法の具体例であって、核燃料デブリが放出する放射線の強度を評価するフローの例を示す図。 本発明に係る放射線評価方法の応用例であって、実施例3に係る核燃料デブリの撤去作業のフローの一例を示す図。 本発明に係る放射線評価方法の応用例であって、実施例3に係る核燃料デブリの撤去作業のフローの一例を示す図。
以下に本発明の放射線評価方法、核燃料デブリの撤去方法、および放射線評価装置の実施例を、図面を用いて説明する。なお、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一、または類似の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
<実施例1>
本発明の放射線評価方法、および放射線評価装置の実施例1について図1乃至図7を用いて説明する。
最初に、放射線評価装置の全体構成について図1乃至図3を用いて説明する。図1は実施例1に係る放射線評価装置の概要を示す図、図2は実施例1に係る放射線評価装置における放射線検出器の構造の一例を示す図、図3は実施例1に係る放射線評価装置における放射線検出器の構造の一例を示す図である。
図1に示す放射線評価装置は、指向性を有する放射線検出器120,130、カメラ140、処理装置150等で構成される。
核燃料デブリ100の撤去作業において、1回の作業で撤去できる領域は限定されるため、本実施例では、撤去作業の対象とする核燃料デブリ100の領域を領域101と設定する。
ここで、この領域101は、核燃料デブリ100の表面近傍に存在するものとすることが望ましい。なお、ここでの「領域101」は、10cm×10cm×10cmもしくは20cm×20cm×20cm程度のサイズとすることが考えられるが、核燃料デブリ100の除去の手順などにより適宜定義を変更することが可能である。
図2は、実施例1に係る放射線検出器120,130の構造の例を示す図である。
図2に示す放射線検出器120,130は、コリメータ122,132を用いた単チャネルの検出器、いわゆるピンホールコリメータであり、それぞれ、交線123,133に対する放射線感度が高くなる(指向性が高くなる)ように、放射線センサ部分121,131の周辺に特定方向105以外の放射線を遮蔽するコリメータ122,132を有する。
これら放射線検出器120,130は、主に中性子、特に高速中性子の成分を計測することを想定している。高速中性子を測定する場合には、一般的に熱中性子成分も同時に計測する他、必要に応じて外部中性子源を用いて二次的に生成された中性子を含むものとする。
また、指向性を持たすための中性子コリメータに関しては、ポリエチレン、カドミウムなどの材質や、コリメータ径などの構造を問わず、内包する検出器の感度を特定方向に高める機能を有するものに広く定義されるものとする。
また、必要に応じてγ線計測なども組み合わせることとする。ガンマ線に関しても、中性子と同様の指向性のある検出器を異なる位置に配置して計測することを考える。
放射線検出器120は撤去作業の対象とする核燃料デブリ100の領域101とその周辺領域102に放射線源がある場合、放射線検出器130は撤去作業の対象とする核燃料デブリ100の領域101とその周辺領域103に放射線源がある場合に、その放射線源から放出される放射線を計測する。
2つの放射線検出器120,130は、それぞれの指向性の方向を示す交線123,133がその領域101の内側、特に中心110で交わるように設置される以外の限定は特になく、対象とする核燃料デブリ100の領域101の中心110に対して任意の角度に配置する。このとき、角度の組合せにより計測領域が変化することに留意する。
一般的には、放射線検出器120,130の指向性と同じ方向である交線123,133のなす角度が90度に近いほど、立方体に近くなる。例えば対象とする核燃料デブリ100の領域101は、1辺の長さが均一な立方体に近い形で定義される可能性が高いので、90度に近い角度で設置するのが望ましいと言える。しかし一方で、放射線検出器120,130が核燃料デブリ100自体に接近すると、対象とする核燃料デブリ100の領域101以外からの放射線の影響を大きく受けることになるため、核燃料デブリ100からある程度の距離が離れるように調整することが望まれる。
カメラ140は、核燃料デブリ100の表面状態の観察、放射線検出器120,130と核燃料デブリ100との位置関係の把握、あるいは対象とする核燃料デブリ100の性状の推定、等の適用が想定されるものである。なお、カメラ140である必要は無く、同等の機能を有する装置と代替しても良い。
処理装置150は、放射線検出器120,130により2以上の異なる位置で計測された、撤去作業の対象となる領域101の放射線計数率cと、対象とする領域101に対して推定された放射線検出器120,130の検出効率εと、に基づいて、放射線計数率cを検出効率εで割った値を比較することで領域101に存在する放射線源強度を評価する。
処理装置150は、検出効率εを、サンプル回収による組成分析に基づく過去の調査結果、あるいはカメラ140等による領域101の直接観察結果に基づき、解析的モデルあるいはモンテカルロシミュレーションにより評価する。
この処理装置150は、CPU等の演算装置、半導体メモリ等の主記憶装置とハードディスク等の補助記憶装置、キーボードやUSBポート等の入力装置、モニタ等で構成される出力装置などのハードウェアを備えたPC(Personal Computer)などによって実現することができ、各機器の動作の制御や後述する各種演算処理等が様々なプログラムに基づいて実行される。
プログラムは内部の記憶部や外部記録媒体、データサーバ(いずれも図示省略)等に格納されており、CPUによって読み出され、実行されるものとすることができる。なお、制御処理は、1つのプログラムにまとめられていても、それぞれが複数のプログラムに別れていてもよく、それらの組み合わせでもよい。また、プログラムの一部または全ては専用ハードウェアで実現してもよく、モジュール化されていてもよい。更には、各種プログラムは、プログラム配布サーバや内部記憶媒体や外部記録媒体からインストールされるものとしてもよい。
図3は、実施例1に係る放射線検出器の構造の別の例を示す図である。
図3に示す放射線検出器410は、検出素子400a,400b,…を1次元に配列して検出素子400a,400b,…毎の検出応答が比較可能な検出器、いわゆる長尺型検出器であり、一次元に並んだ各々の検出素子400a,400b,…からの信号を増幅し、デジタル信号に変換する信号処理基板401を有している。
放射線検出器410では、その指向性は、図1の対象とする核燃料デブリの領域101の中心110を通る交線に一致するものとする。信号処理基板401は、検出素子400a,400b、…と構造上分離していても構わない。
図2に示す放射線検出器120,130では、放射線に対するコリメータ122,132が必要であるため、放射線検出器120,130が重厚になり、遠隔操作において運用上の負荷が高く恐れがなる。一方で、図3に示す放射線検出器410は放射線に対するコリメータが不要なため、その分だけ小型かつ軽量化が可能である。しかしながら、複数の検出素子400a,400b,…における計測が必要となるため、計測上のノイズ対策や素子間の感度校正等の処理が必要となるため、それぞれの特性を生かして適宜使い分けることが望ましい。
次に、好適には放射線評価装置により実行される、本実施例に係る放射線評価方法について図4乃至図7を参照して説明する。
まず、異なる2つの角度から計測する放射線評価方法の一例について図4および図5を用いて説明する。図4は実施例1に係る放射線評価装置による放射線評価方法の一例を示す図、図5は実施例1に係る放射線評価方法の具体例であって、核燃料デブリが放出する放射線の強度を評価するフローの例を示す図である。
図4で用いられる放射線検出器は、一方向に対する指向性を持つ図2に示した放射線検出器120,130、あるいは図3に示した放射線検出器410である。
図4に示すように、指向性を有する放射線検出器120,130,410を2以上の異なる位置に設置し、撤去作業の対象となる領域101の放射線計数率cを2箇所以上で計測する。ここで、図1および図2に示すように2つの放射線検出器120,130を異なる箇所に設置する形態でも良いし、図3に示す放射線検出器410、あるいは図1等に示す放射線検出器120,130のうちいずれか1つ移動させて、異なる位置にて計測する形態としてもよい。
その後は、対象とする領域101に対する放射線検出器120,130,410の検出効率εを推定し、異なる位置での計測結果から、放射線計数率cを検出効率εで割った値を比較することで領域101に存在する放射線源強度を評価する。
次いで、図4の方法により表面近傍の放射線源を評価する流れについて図5を用いて説明する。以下の各ステップの好適な実行主体は処理装置150である。以下に示す他のフローも同じである。
まず、図5に示すように、過去の調査、カメラ140、あるいはサンプリング分析の結果をもとに、異なる角度に設置した放射線検出器120,130のそれぞれの放射線の検出効率ε,εを推定する(S501)。
次いで、核燃料デブリ100の領域101の放射線計数率C,Cをそれぞれの放射線検出器120,130で計測する(S502)。
その後、処理装置150は、先のS501およびS502で推定、計測したそれぞれの放射線検出器120,130での放射線計数率C,Cをそれぞれの検出効率ε,εで割った値を比較し、C/εかC/εのうちいずれかが基準以上であるか否かを判定する(S503)。
S503において各々の放射線検出器120,130の放射線計数率C,Cを検出効率ε,εで割った値C/εとC/εの両方が基準未満であったと判定された場合は、対象の領域101およびその周囲に放射線源はなしと判定し(S506)、処理を完了する。
これに対し、S503において値C/εとC/εのいずれかが基準以上であったと判定された場合は、次いで、処理装置150は、値C/εとC/εとを比較し、C/ε=C/εであるか否かを判定する(S504)。
S504においてC/εとC/εとが等しいと判定された場合には、対象とする核燃料デブリ100の領域101内に放射線源が存在すると判定し(S505)、処理を完了する。
これに対し、S504においてC/εとC/εとが等しくないと判定された場合には、対象とする核燃料デブリ100の領域101の周辺領域102あるいは周辺領域103内に放射線源が存在すると判定し(S507)、処理を完了する。
ここでは、基本的にはC/ε>C/εの場合は放射線検出器120の交線123の延長線上に位置する周辺領域103に放射線源が存在すると判断でき、C/ε<C/εの場合は放射線検出器130の交線133の延長線上に位置する周辺領域103に放射線源が存在すると判断できることになる。
図5の判定が成立する理由は以下の通りである。
異なる角度に設置した放射線検出器120,130を、ここではそれぞれ放射線検出器Aおよび放射線検出器B、撤去対象となる核燃料デブリ100の領域101、その周辺にある核燃料デブリ100の周辺領域102および周辺領域103をそれぞれ核燃料デブリA、核燃料デブリB、核燃料デブリCと表現する。
このとき、撤去対象となる核燃料デブリ100の領域Aに対する放射線検出器1および放射線検出器2の検出効率をそれぞれε1A,ε2Aと定義し、撤去対象の周辺にある核燃料デブリ100の領域Bに対する放射線検出器1および放射線検出器2の検出効率をε1A,ε2Aと定義し、核燃料デブリの領域A,B,Cにおける放射線源強度をそれぞれS,S,Sと定義する。
放射線検出器1および放射線検出器2で計測される計数率をそれぞれC1,C2としたとき、
=(ε1A+ε1B)/(1-k) (1)
=(ε2A+ε2C)/(1-k) (2)
である。kは実効増倍率である。
放射線検出器の検出感度は表面近傍にある核燃料デブリの方が高いことから、ε1A≫ε1B、ε2A≫ε2Bが成り立つため、式(1)をε1A、式(2)をε2Aで割ると、
/ε1A=(S+S(ε1B/ε1A))/(1-k) (3)
/ε2A=(S+S(ε2C/ε2A))/(1-k) (4)
となる。
ここで、対象とする核燃料デブリ100の領域Aに強い放射線源が存在する場合、すなわちS>SかつS>Sが成り立つ場合には式(3)および式(4)の左辺は近似的に等価になる(C/ε1A=C/ε2A)。
一方で、対象とする核燃料デブリ100の領域Aの放射線源強度Sより周辺の領域SやSの放射線源強度が高い場合、あるいは対象とする核燃料デブリ100の領域Aがその周辺と同じ放射線源強度の場合には、式(3)と式(4)の左辺は等価にならない(C/ε1A≠C/ε2A)。
核燃料デブリ100は、溶けた核燃料が周囲のコンクリートや金属と混ざり合ったものであるため、周辺の物質と均質に混ざりあうのではなく、偏在する場合が多いと想定される。ゆえに、核燃料デブリ100は、その領域に応じて放射線源強度が極端に高い場所と低い場所とが混在している可能性が高いと仮定することができる。
したがって、核燃料デブリ100の臨界安全性が高い場所、すなわちRPV底部から核燃料が落下した可能性が低い場所から計測を進める場合には、対象領域およびその周辺すべてに核燃料が溶け落ちていることはないと仮定することができる。
これらのことから、C/ε1A=C/ε2Aが成立するのは対象とする核燃料デブリ100の領域Aの放射線源強度Sが高い場合である。
一方で、C/ε1A≠C/ε2Aが成立するのは、対象とする核燃料デブリ100の領域Aには強い放射線源がないが、周辺B,Cには強い放射線源がある場合、あるいは対象とする核燃料デブリ100の領域Aおよびその周辺B,Cに放射線源が存在しない場合である。すなわち、C/ε1A≠C/ε2Aが成立する場合には、対象とする核燃料デブリ100の領域101中には強い放射線源が存在しないことを意味する。
次いで、1つの放射線検出器により異なる複数角度から円を描くように計測する放射線評価方法の一例について図6および図7を用いて説明する。図6は実施例1に係る放射線評価装置による放射線評価方法の一例を示す図、図7は実施例1に係る放射線評価方法の具体例であって、核燃料デブリが放出する放射線の強度を評価するフローの例を示す図である。
図6で用いられる放射線検出器も、一方向に対する指向性を持つ図2に示した放射線検出器120,130、あるいは図3に示した放射線検出器410であり、領域101に対して1つの放射線検出器120,130,410を設置して、領域101の中心を通る軸810を中心にして回転させることで設置位置を変えながら複数位置で計測を行うものである。
次いで、図6の方法により表面近傍の放射線源を評価する流れについて図7を用いて説明する。
まず、図7に示すように、過去の調査、カメラ140、あるいはサンプリング分析の結果をもとに、異なる角度に設置した放射線検出器120,130,410のそれぞれの放射線の検出効率εiA(i=1、2、….、N)を推定する(S701)。
次いで、核燃料デブリ100の領域101の放射線計数率C(i=1、2、….、N)をそれぞれの位置で計測する(S702)。
その後、処理装置150は、先のS701およびS702で推定、計測した、放射線検出器120,130,410の放射線計数率Cをそれぞれの検出効率εで割った値を比較し、C/εのいずれか1つ以上が基準以上であるか否かを判定する(S703)。
S703において全ての計測位置iでのいずれのC/εも基準未満であったと判定された場合は、対象の領域101および周囲に放射線源はなしと判定し(S706)、処理を完了する。
これに対し、S703においていずれかのC/εが基準以上であったと判定された場合は、次いで、処理装置150は、全ての計測位置iに対するC/εの大小関係を比較し、全ての計測位置iに対するC/εが全て等しいか否かを判定する(S704)。
S704においてC/εが全て等しいと判定された場合には、対象とする核燃料デブリ100の領域101内に放射線源が存在すると判定し(S705)、処理を完了する。
これに対し、S704においてC/εが全て等しいと判定されなかった場合には、対象とする核燃料デブリ100の領域101の周辺領域に放射線源が存在すると判定し(S707)、処理を完了する。
図6および図7の方法は、図4および図5の方法に比べて、測定回数の増加により測定時間が必要となるが、例えば、C/ε(i=1、2、….、N)が異なる、具体的には特定のiに対して高くなる場所があるのなら、その角度iにおける指向性の方角に強い放射線源があることを示唆していることがある。
また、図4および図5の方法では、核燃料デブリ100の領域101に応じて放射線源強度が極端に高い場所と低い場所が存在している可能性が高いと仮定していたが、例外的な場合を想定すれば対象とする核燃料デブリ100の領域101に強い放射線源がない場合にも偶発的に等式が成立する状況が発生する可能性は否定できない。その場合、図6および図7の方法のほうがS704における等式比較の数が多いため、核燃料デブリ100の領域101に強い放射線源がない場合にも偶発的に等式が成立する確率がより少なくなるといえる。
なお、図4のように2台以上の検出器を配置して各々を回転軸を中心に回転させて計測する形態としてもよい。この場合、準備する検出器が多いほど回転させる回数が減らせる。
次に、本実施例の効果について説明する。
上述した本発明の実施例1の放射線評価方法は、指向性を有する放射線検出器120,130,410を2以上の異なる位置に設置し、撤去作業の対象となる領域101の放射線計数率cを2箇所以上で計測する工程と、対象とする領域101に対する放射線検出器120,130,410の検出効率εを推定する工程と、異なる位置での計測結果から、放射線計数率cを検出効率εで割った値を比較することで領域101に存在する放射線源強度を評価する工程と、を有する。
これによって、補正係数を導く等複雑な工程を経る必要がある実効増倍率kを導出せずに撤去作業可否の判定が可能となり、核燃料の溶融凝固物(核燃料デブリ)の撤去作業を実施するにあたり、その撤去作業により核分裂反応が臨界に達することがないように、その撤去作業可否を事前に判定することが可能となる。従って、臨界安全を担保しつつ迅速な核燃料デブリ100の撤去作業を提供することができる。
また、検出効率εを推定する工程は、サンプル回収による組成分析に基づく過去の調査結果、あるいは領域101の直接観察結果に基づき、解析的モデルあるいはモンテカルロシミュレーションにより評価するものとするため、高い精度での検出効率εの推定が可能となる。
更に、放射線検出器120,130,410として、コリメータ122,132を用いた単チャネルの検出器、あるいは検出素子400a,400b,…を1次元に配列して検出素子400a,400b,…毎の検出応答が比較可能な検出器のいずれかを用いることで、容易な構造で指向性を出した検出器を用いることができる。
また、放射線計数率cを計測する工程は、領域101に対して1つの放射線検出器120,130,410を設置するとともに、異なる放射線検出器120,130,410を領域101の中心から異なる角度に設置して計測を行うものとすることにより、短時間での計測が可能となる。
更に、放射線計数率cを計測する工程は、領域101に対して1つの放射線検出器120,130,410を設置して、領域101の中心を通る軸810を中心にして回転させることで設置位置を変えながら複数位置で計測を行うものとすることで、複数の放射線検出器を準備する必要がないとともに、対象の領域101の周囲領域に放射線源が存在する場合の該当の領域の特定がより容易となる。
また、検出効率εを推定する工程では、それぞれの放射線検出器120,130,410の検出効率ε,εを推定し、放射線源強度を評価する工程では、それぞれの放射線検出器120,130,410での放射線計数率C,Cをそれぞれの検出効率ε,εで割った値を比較し、同じ値であれば領域101に放射線源があると判定することにより、短時間での評価が可能となる。
更に、検出効率εを推定する工程では、異なる角度に設置した放射線検出器120,130,410の検出効率ε(i=1,2,…,N(Nは自然数))を推定し、放射線源強度を評価する工程では、複数の放射線検出器120,130,410での放射線計数率Cをそれぞれの検出効率εで割った値を比較し、同じ値であれば領域101に放射線源があると判定することで、複数の放射線検出器を準備する必要がないとともに、対象の領域101の周囲領域に放射線源が存在する場合の該当の領域の特定がより容易となる。
<実施例2>
本発明の実施例2の放射線評価方法、および放射線評価装置について図8乃至図10を用いて説明する。
図8は実施例2に係る放射線評価装置における放射線検出器の構造の一例を示す図、図9は放射線評価装置による放射線評価方法の一例を示す図、図10は放射線評価方法の具体例であって、核燃料デブリが放出する放射線の強度を評価するフローの例を示す図である。
図8に示すように、本実施例の放射線検出器は、コリメータ501を用いた複数チャネルの検出器アレイ510である。
この検出器アレイ510は、放射線遮蔽材で構成されたコリメータ501の2次元あるいは1次元に並列して設けられた各々の格納領域に、検出素子500が配置されている。このため、検出器アレイ510を構成する検出素子500の指向性503a,503b,…は図8に示すように複数方向への指向性を有する検出器となっている。
次いで、検出器アレイ510による放射線評価方法の一例について図9および図10を用いて説明する。
図9に示すように、撤去対象となる核燃料デブリ100の領域101の真上を横切るように、検出器アレイ510を核燃料デブリ100の領域101面に対して水平に動かし、異なる位置で複数回、放射線を計測する。
次いで、図9の方法により表面近傍の放射線源を評価する流れについて図10を用いて説明する。
図9において、計測対象となる核燃料デブリ100の領域位置をj=1,2,…,N、検出器アレイ検出素子をk=1,2,…Mとする。検出素子kは、異なる方向に指向性を有することから、核燃料デブリ100の領域jに対して異なるM個の角度から放射線を計測することと等価となる。
まず、図10に示すように、過去の調査、カメラ140、あるいはサンプリング分析の結果をもとに、検出器アレイ510の各々の検出素子kにおける放射線の検出効率εjk(j=1,2,…N, k=1,2,…,M)を推定する(S1001)。
次いで、検出器アレイ510を水平に動かしながら、核燃料デブリ100の領域101の上を含む各位置jに対する各々の検出素子kの放射線計数率Cjkをそれぞれの位置で計測する(S1002)。
その後、処理装置150は、先のS1001およびS1002で推定、計測した、核燃料デブリ100の領域jに対する検出素子kの計数率Cjkを検出効率εjkで割った値を比較し、Cjk/εjkのいずれか1つ以上が基準以上であるか否かを判定する(S1003)。
S703において全ての計測位置jでの全ての検出素子kにおけるCjk/εjkも基準未満であったと判定された場合は、対象の領域101および周囲に放射線源はなしと判定し(S1006)、処理を完了する。
これに対し、S1003においていずれかのCjk/εjkが基準以上であったと判定された場合は、次いで、処理装置150は、全ての計測位置jに対するCjk/εjkの大小関係を比較し、全ての計測位置jに対するCjk/εjkが全て等しいか否かを判定する(S1004)。
S1004においてCjk/εjkが全て等しいと判定された場合には、対象とする核燃料デブリ100の領域101内に放射線源が存在すると判定し(S1005)、処理を完了する。
これに対し、S1004においてCjk/εjkが全て等しいと判定されなかった場合には、対象とする核燃料デブリ100の領域101の周辺領域に放射線源が存在すると判定し(S1007)、処理を完了する。
その他の構成・動作は前述した実施例1の放射線評価方法、および放射線評価装置と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例2の放射線評価方法、および放射線評価装置においても、前述した実施例1の放射線評価方法、および放射線評価装置とほぼ同様な効果が得られる。
また、実施例1のように一つの方向に対する指向性を有する放射線検出器120,130,410を用いる場合は、計測系が小型軽量化しやすいのに対し、本実施例2では放射線検出器は、コリメータ501を用いた複数チャネルの検出器アレイ510であることにより、計測系が大型重量化しやすいものの、同時に複数位置を計測可能であるため、広範囲を短時間で評価することができる。
更に、放射線計数率cを計測する工程は、領域101に対して1つの検出器アレイ510を設置して、検出器アレイ510を領域101に対して水平に動かしながら計測を行うものとすることで、短時間で広範囲の計測を行うことができる。
また、放射線計数率cを2箇所以上で計測する工程では、各々の検出位置jに対する検出素子500の放射線計数率Cjkをそれぞれ計測し、検出効率εを推定する工程では、各々の検出位置jに対する検出素子500の検出効率εjkを推定し、放射線源強度を評価する工程では、各位置jに対するそれぞれの放射線計数率Cjkを検出効率εjkで割った値Cjk/εjkを比較し、全てのkに対するCjk/εjkが同じ値であれば、位置jの存在する領域101に放射線源があると判定することにより、短時間で広範囲の評価を行うことができる。
<実施例3>
本発明の実施例3の放射線評価方法および放射線評価装置を用いた核燃料デブリの撤去方法について図11および図12を用いて説明する。図11および図12は実施例3に係る核燃料デブリの撤去作業のフローの一例を示す図である。
図11は、実施例1に係る放射線評価方法を用いた核燃料デブリの撤去作業の例である。これは実施例1,2に関わらず、全ての検出構造、計測方法、放射線源強度の評価時にも適用できる。
核燃料デブリ100の撤去方法では、図11に示すように、まず、撤去予定の領域101の放射線を計測する。
具体的には、撤去対象の領域101の放射線計数率の基準値をもとに核燃料デブリ撤去作業可否を判定するにあたり、対象とする核燃料デブリ100の領域101を選定し(S1100)、対象とする核燃料デブリ100の領域101の付近に放射線検出器120,130,410、検出器アレイ510配置する(S1101)。
その後、対象とする領域101の核燃料デブリ100の組成から検出効率ε1A,ε2Aを推定する(S1102)。このS1102は、上述の図5のS501、図7のS701、図10のS1001に相当する。
次いで、異なる角度、あるいは異なる位置からの放射線計数率C,Cを計測して(S1103)、対象とする領域101の放射線源強度を評価する(S1104)。このS1102は、上述の図5のS502,S503、図7のS702,S703、図10のS1002,S1003に相当する。
次いで、領域101の放射線源強度が臨界安全に基づく基準未満であるか否かを判定する(S1105)。臨界安全に基づく基準未満であると判定されたときは処理をS1108に進め、臨界安全に基づく基準以上であると判定されたときは処理をS1106に進める。
S1105において領域101の放射線源強度が臨界安全に基づく基準以上と判定されたときには、次いで、臨界近接監視臨界による実効増倍率kの評価を行い(S1106)、評価した実効増倍率kが臨界安全に基づく基準未満であるか否かを判定する(S1107)。臨界安全に基づく基準未満であると判定されたときは処理をS1108に進める。
S1105において領域101の放射線源強度が臨界安全に基づく基準未満であると判定されたとき、あるいはS1107において実効増倍率kが臨界安全に基づく基準未満であると判定されたときは、対象とする領域101を撤去作業可能と判定して撤去し(S1108)、次の領域101の選定に入るために処理をS1100に戻す。
これに対し、S1107において実効増倍率kが臨界安全に基づく基準以上であると判定されたときは、撤去作業を行わずに対象とする領域101の位置を変更するために処理をS1100に戻す。
ここで、放射線源強度の評価における臨界安全に基づく判定基準未満(S1105のYes)に該当するのは、図5ではS506あるいはS507,図7ではS706あるいはS707,図10ではS1006あるいはS1007である。
また、放射線源強度の評価における臨界安全に基づく判定基準以上(S1105のNo)に該当するのは、図5ではS505,図7ではS705,図10ではS1005である。
次に、図12を用いて核燃料デブリの撤去作業の別の例について説明する。図11と同様に、実施例1,2に関わらず、全ての検出構造、計測方法、放射線源強度評価方法時にも適用できる。
図12に示すS1201乃至S1204は、図11に示すS1101乃至S1104と同じである。
次いで、領域101の放射線源強度が臨界安全に基づく基準未満であるか否かを判定する(S1205)。臨界安全に基づく基準未満であると判定されたときは処理をS1206に進める。
これに対し、臨界安全に基づく基準以上であると判定されたときは、撤去作業を行わずに対象とする領域101の位置を変更するために処理をS1200に戻す。
次いで、臨界近接監視臨界による実効増倍率kの評価を行い(S1206)、評価した実効増倍率kが臨界安全に基づく基準未満であるか否かを判定する(S1207)。臨界安全に基づく基準未満であると判定されたときは処理をS1208に進め、対象とする領域101を撤去作業可能と判定して撤去し(S1208)、次の領域101の選定に入るために処理をS1200に戻す。
これに対し、S1207において実効増倍率kが臨界安全に基づく基準以上であると判定されたときは、撤去作業を行わずに対象とする領域101の位置を変更するために処理をS1200に戻す。
放射線評価方法および放射線評価装置の構成・動作は前述した実施例1あるいは実施例2と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例3の核燃料デブリの撤去方法によれば、前述した実施例1あるいは実施例2の放射線評価方法および放射線評価装置を利用していることにより、従来に比べて核燃料デブリ100の撤去をより短時間で行うことができるようになる。
また、図11に示す手順では、実施例1等の放射線の評価判定で臨界安全に基づく判定基準未満の場合には対象とする核燃料デブリの領域を撤去可能と判定しているが、この場合にはS1105に基づく判定基準は未臨界性と結びついた基準値となるため、厳格な値になると推定される。
一方、図12に示す手順では、放射線源強度の評価判定で臨界安全に基づく判定基準未満を満たし、臨界近接監視での実効増倍率の臨界安全に基づく判定基準未満も両方満たした場合のみ、撤去可能と判定しており、図11に示す手順より安全性が高いと言えるが、安全確認のためのプロセスが増えることが想定される。ただし、図11および図12の手順においては、臨界近接監視における実効増倍率野評価に時間がかかることから、このプロセスで全ての臨界安全を評価しないフローとすることで、臨界安全正の高い位置から核燃料デブリの撤去を行うことで、撤去作業を迅速に進めることが可能となる。
<その他>
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
更には、原理上は強度の精度は落ちるものの、評価できる領域101は核燃料デブリ100の表面近傍に限定されることはない。
100…核燃料デブリ
101…領域
102,103…周辺領域
105…特定方向
110…中心
120,130…放射線検出器
121,131…放射線センサ部分
122,132…コリメータ
123,133…交線
140…カメラ
150…処理装置(演算部)
400a,400b…検出素子
401…信号処理基板
410…放射線検出器
500…検出素子
501…コリメータ
503a,503b…指向性
510…検出器アレイ
810…軸

Claims (14)

  1. 指向性を有する放射線検出器を2以上の異なる位置に設置し、撤去作業の対象となる核燃料デブリ領域の放射線計数率を2箇所以上で計測する工程と、
    対象とする前記核燃料デブリ領域に対する前記放射線検出器の検出効率を推定する工程と、
    異なる位置での計測結果から、前記放射線計数率を検出効率で割った値を比較することで前記核燃料デブリ領域に存在する放射線源強度を評価する工程と、を有する
    放射線評価方法。
  2. 請求項1に記載の放射線評価方法において、
    前記検出効率を推定する工程は、サンプル回収による組成分析に基づく過去の調査結果、あるいは前記核燃料デブリ領域の直接観察結果に基づき、解析的モデルあるいはモンテカルロシミュレーションにより評価するものとする
    放射線評価方法。
  3. 請求項1に記載の放射線評価方法において、
    前記放射線検出器として、コリメータを用いた単チャネルの検出器、前記コリメータを用いた複数チャネルの検出器、あるいは検出素子を1次元に配列して検出素子毎の検出応答が比較可能な検出器のいずれかを用いる
    放射線評価方法。
  4. 請求項3に記載の放射線評価方法において、
    前記放射線計数率を計測する工程は、前記核燃料デブリ領域に対して1つの前記放射線検出器を設置するとともに、異なる前記放射線検出器を前記核燃料デブリ領域の中心から異なる角度に設置して計測を行うものとする
    放射線評価方法。
  5. 請求項3に記載の放射線評価方法において、
    前記放射線計数率を計測する工程は、前記核燃料デブリ領域に対して1つの前記放射線検出器を設置して、前記核燃料デブリ領域の中心を通る軸を中心にして回転させることで設置位置を変えながら複数位置で計測を行うものとする
    放射線評価方法。
  6. 請求項3に記載の放射線評価方法において、
    前記放射線計数率を計測する工程は、前記核燃料デブリ領域に対して1つの前記放射線検出器を設置して、前記放射線検出器を前記核燃料デブリ領域に対して水平に動かしながら計測を行うものとする
    放射線評価方法。
  7. 請求項4に記載の放射線評価方法において、
    前記検出効率を推定する工程では、それぞれの前記放射線検出器の前記検出効率ε,εを推定し、
    前記放射線源強度を評価する工程では、それぞれの前記放射線検出器での前記放射線計数率C,Cをそれぞれの前記検出効率ε,εで割った値を比較し、同じ値であれば前記核燃料デブリ領域に放射線源があると判定する
    放射線評価方法。
  8. 請求項5に記載の放射線評価方法において、
    前記検出効率を推定する工程では、異なる角度に設置した前記放射線検出器の前記検出効率ε(i=1,2,…,N(Nは自然数))を推定し、
    前記放射線源強度を評価する工程では、複数箇所での前記放射線検出器での前記放射線計数率Cをそれぞれの前記検出効率εで割った値を比較し、同じ値であれば前記核燃料デブリ領域に放射線源があると判定する
    放射線評価方法。
  9. 請求項6に記載の放射線評価方法において、
    前記放射線計数率を2箇所以上で計測する工程では、各々の検出位置jに対する前記検出素子kの前記放射線計数率Cjkをそれぞれ計測し、
    前記検出効率を推定する工程では、各々の検出位置jに対する前記検出素子kの前記検出効率εjkを推定し、
    前記放射線源強度を評価する工程では、各位置jに対するそれぞれの前記放射線計数率Cjkを前記検出効率εjkで割った値Cjk/εjkを比較し、全てのkに対するCjk/εjkが同じ値であれば、位置jの存在する前記核燃料デブリ領域に放射線源があると判定する
    放射線評価方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線評価方法と、
    前記核燃料デブリ領域の前記放射線源強度が臨界安全に基づく基準未満であるか否かを判定する工程と、
    前記核燃料デブリ領域の前記放射線源強度が臨界安全に基づく基準以上と判定されたときには実効増倍率kが臨界安全に基づく基準未満であるか否かを判定する工程と、
    前記核燃料デブリ領域の前記放射線源強度が臨界安全に基づく基準未満であると判定されたとき、あるいは前記実効増倍率kが臨界安全に基づく基準未満であると判定されたときは、前記核燃料デブリ領域を撤去作業可能と判定する工程と、
    前記実効増倍率kが臨界安全に基づく基準以上と判定されたときは、対象とする前記核燃料デブリ領域の位置を変更する工程と、を有する
    核燃料デブリの撤去方法。
  11. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線評価方法と、
    前記核燃料デブリ領域の前記放射線源強度が臨界安全に基づく基準未満であるか否かを判定する工程と、
    前記核燃料デブリ領域の前記放射線源強度が臨界安全に基づく基準未満であると判定されたときには実効増倍率kが臨界安全に基づく基準未満であるか否かを判定する工程と、
    前記実効増倍率kが臨界安全に基づく基準未満であると判定されたときは、前記核燃料デブリ領域を撤去作業可能と判定する工程と、
    前記核燃料デブリ領域の前記放射線源強度が臨界安全に基づく基準以上と判定されたとき、あるいは前記実効増倍率kが臨界安全に基づく基準以上と判定されたときは、対象とする前記核燃料デブリ領域の位置を変更する工程と、を有する
    核燃料デブリの撤去方法。
  12. 指向性を有する放射線検出器と、
    前記放射線検出器により2以上の異なる位置で計測された、撤去作業の対象となる核燃料デブリ領域の放射線計数率と、対象とする前記核燃料デブリ領域に対して推定された前記放射線検出器の検出効率と、に基づいて、前記放射線計数率を前記検出効率で割った値を比較することで前記核燃料デブリ領域に存在する放射線源強度を評価する演算部と、を備えた
    放射線評価装置。
  13. 請求項12に記載の放射線評価装置において、
    前記演算部は、前記検出効率を、サンプル回収による組成分析に基づく過去の調査結果、あるいは前記核燃料デブリ領域の直接観察結果に基づき、解析的モデルあるいはモンテカルロシミュレーションにより評価する
    放射線評価装置。
  14. 請求項12に記載の放射線評価装置において、
    前記放射線検出器は、コリメータを用いた単チャネルの検出器、前記コリメータを用いた複数チャネルの検出器、あるいは検出素子を1次元に配列して検出素子毎の検出応答が比較可能な検出器のいずれかである
    放射線評価装置。
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