JP2023175422A - 温度変化検出装置及び加熱治療装置 - Google Patents

温度変化検出装置及び加熱治療装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光パワーが大きく横方向への光の広がりも大きくなるファイバプローブ構造を有する温度変化検出装置及び加熱治療装置を提供する。【解決手段】先端にセンサ体Sを設けたシングルモードの光とマルチモードの光を同時に伝搬させることができる導光用光ファイバ14と、この導光用光ファイバの基端から入射させる光を出力する投光器11,12と、センサ体で生じさせるとともに導光用光ファイバで導いた反射光を検出する受光器16と、そこから出力された信号を解析する解析器17とを備える加熱治療装置であって、投光器は、照射領域を加温する第1の光と、反射光を生じさせる第2の光とを照射し、センサ体は、導光用光ファイバのコアの延長線上にコアを位置させたセンサ用光ファイバとし、このセンサ用光ファイバは、導光用光ファイバの先端に第1空隙を介在させて接続し、センサ用光ファイバの先端には第2空隙を介在させて先端部材19を装着した。【選択図】図1

Description

本発明は、温度変化検出装置及び加熱治療装置に関し、特に、温度変化検出装置で温度変化を計測しながら加熱治療を実施可能とした加熱治療装置に関する。
ガンの治療方法の一つとして温熱療法が知られている。温熱療法では、ガン細胞が正常細胞と比較して、40~45℃の温度範囲において生存率が低いという現象を利用しており、対象患部を加温することで治療を行っている。また、加熱によってがん細胞を直接焼く、焼灼療法もある。
患部を所定の温度とする加温手段としては、一般的には、熱風、温水、赤外線などの熱伝導による外部加温手段が用いられている。しかし、外部加温手段による加温では、体内のガン細胞を局所的に加温することが困難な場合が多い。そこで、最近では、マイクロ波や電磁波を電極針を通じて照射して加温する方法や、超音波を照射して加温する方法などの内部加温手段が検討されている。
外部加温手段を用いた加熱療法の場合でも、内部加温手段を用いた加熱療法の場合でも、目的の患部を加温すると同時に、患部の加温状態を確認するための温度計測を行うことは、非常に難しい。温度計測が必要な場合には、加温手段による患部の加熱を一旦停止して、温度センサ等で温度を計測することになるため、加温の停止による温度計測部位での温度低下の影響が生じやすく、比較的長い時間にわたって安定的に一定温度を維持することが重要な温熱療法に最適な状況となっていなかった。特に、内部加温手段を用いた温熱療法では、マイクロ波や電磁波あるいは超音波等を利用して加温を行っていることで、加温中の温度計測において温度センサが電磁的あるいは振動的な干渉を受けることで正常動作しないこともあり、温度計測を困難としていた。
このような電磁的あるいは振動的な干渉を受ける環境下での温度の計測方法として、光ファイバとレーザ光を利用した温度の計測方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。光ファイバとレーザ光を利用した温度計測では、光ファイバの先端に設けたセンサ体でレーザ光の反射を生じさせ、特に、第1反射光と第2反射光とを生じさせることで干渉光を生じさせ、その干渉スペクトルの波長変化を検出することで温度変化を検出することとしている。しかも温度計測とともに、レーザ光によって患部の加熱も可能となっている。
特開2018-68673号公報 特開2021-65292公報
既存の光ファイバを利用した温度計測では、干渉スペクトルの安定化のためにシングルモード光ファイバが用いられてきた。しかしながら、シングルモード維持のため光を導波するコア径は8~9μmしかない。
また、シングルモード光ファイバから出射される光ビームが細いため(後述する比較例1と図23を参照)、少し大きながん治療に応用するには、特殊な光拡散構造などが必要となる懸念があるとともに、導波できる光パワーも小さいため、加熱領域を大きくするために十分な光パワーを出力できないという問題があった。
本発明の目的は、このような現状に鑑み、導波できる光パワーが大きくなると同時に横方向への光の広がりの大きくなるファイバプローブ構造を有する、温度変化検出装置及び加熱治療装置を提供することにある。
本発明者は、このような現状に鑑み、導波できる光パワーが大きくなると同時に横方向への光の広がりの大きくなるファイバプローブ構造を発明し、加熱領域が大幅に大きくなる本発明を成すに至った。
本発明の温度変化検出装置では、先端にセンサ体を設けたシングルモードの光とマルチモードの光を同時に伝搬させることができる導光用光ファイバと、この導光用光ファイバの基端から入射させる光を出力する投光器と、センサ体で生じさせるとともに導光用光ファイバで導いた反射光を検出する受光器と、受光器から出力された信号を解析する解析器とを備えた温度変化検出装置であって、センサ体は、導光用光ファイバのコアの延長線上にコアを位置させたセンサ用光ファイバとし、このセンサ用光ファイバは、導光用光ファイバの先端に第1空隙を介在させて接続し、センサ用光ファイバの先端には、第2空隙を介在させて先端部材を装着しているものである。
さらに、本発明の温度変化検出装置では、第1空隙の存在によって入射光から生じさせたシングルモードの第1反射光と、第2空隙の存在によって入射光から生じさせたシングルモードの第2反射光とが干渉して生成される干渉光を受光器で検出していることにも特徴を有するものである。
また、本発明の加熱治療装置では、先端にセンサ体を設けたシングルモードの光とマルチモードの光を同時に伝搬させることができる導光用光ファイバと、この導光用光ファイバの基端から入射させる光を出力する投光器と、センサ体で生じさせるとともに導光用光ファイバで導いた反射光を検出する受光器と、受光器から出力された信号を解析する解析器とを備え、センサ体を介して光を照射させることで、この光による照射領域を加温する加熱治療装置であって、投光器は、照射領域を加温する第1のマルチモード光と、反射光を生じさせる第2の光とを照射し、センサ体は、導光用光ファイバのコアの延長線上にコアを位置させたセンサ用光ファイバとし、このセンサ用光ファイバは、導光用光ファイバの先端に第1空隙を介在させて接続し、センサ用光ファイバの先端には、第2空隙を介在させて先端部材を装着しているものである。
さらに、本発明の加熱治療装置では、以下の点にも特徴を有するものである。
(1)受光器は、第1空隙の存在によって第2の光から生じさせたシングルモードの第1反射光と、第2空隙の存在によって第2の光から生じさせたシングルモードの第2反射光とが干渉して生成される干渉光を検出し、解析器で照射領域の温度変化を検出していること。
(2)センサ用光ファイバは、シングルモードの光を伝搬させる光ファイバとしていること。
(3)センサ用光ファイバは、グレーデッドインデックスマルチモード光ファイバとしていること。
(4)センサ用光ファイバは、ステップインデックスマルチモード光ファイバとしていること。
(5)センサ用光ファイバは、フォトニック結晶構造ファイバとしていること。
(6)シングルモードの光とマルチモードの光を同時に伝搬させることができる導光用光ファイバとセンサ用光ファイバとは、第1円筒管を介して接続することで第1空隙を形成し、センサ用光ファイバと先端部材は、第2円筒管を介して接続することで第2空隙を形成していること。
(7)先端部材を、先端を閉塞した第2円筒管で代用していること。
(8)先端部材は、シングルモードの光またはマルチモードの光を伝搬させる光ファイバとし、フォトニック結晶構造ファイバの基端側のコア部分を熱融解することで第1空隙を形成し、フォトニック結晶構造ファイバの先端側のコア部分を熱融解することで前記第2空隙を形成していること。
(9)先端部材の先端面を、前記センサ用光ファイバの光軸と90°以外の角度で交差する傾斜面としていること。
(10)センサ用光ファイバの基端面を、導光用光ファイバに向けて膨出させた凸レンズ面としていること。
(11)導光用光ファイバは、シングルモード光用のコアとその外側の第一クラッドと第二クラッドを有し、第一クラッドにマルチモード光の導波が可能である特徴を有すること。
(12)センサ用光ファイバの先端の第2空隙を介在させた先端部材において、先端面の外周縁に丸みをもたせたレンズ作用よる集光効果を有すること。
(13)センサ用光ファイバの先端に第2または第3空隙を介在させた先端部材を装着し、その内面が傾斜を有する円錐形状であり、進行光が屈折作用によって外周方向に広がる効果を有すること。
本発明の温度変化検出装置によれば、導波できる光パワーが大きくなると同時に横方向への光の広がりの大きくなるファイバプローブ構造により、温度変化検出を行ないながら、同時に光を照射する際の照射領域の拡大と高出力化を図ることができる。
また、本発明の加熱治療装置によれば、導波できる光パワーが大きくなると同時に横方向への光の広がりの大きくなるファイバプローブ構造により、加熱領域が大幅に大きくなり、サイズの大きながんや治療部位の大きさに柔軟に対応できるようになり、医療機器としての利便性を高めることができる。
本発明に係る加熱治療装置の一例の概略構成図である。 第1実施例のセンサ体の説明図である。 第1実施例のセンサ体における加熱用マルチモード光の導波の様子の説明模式図である。 干渉光の光スペクトルのグラフである。 温度-波長シフト量の相関を示すグラフである。 第2実施例のセンサ体の説明図である。 第2実施例のセンサ体の変形例の説明図である。 第2実施例のセンサ体における加熱用マルチモード光の導波の様子の説明模式図である。 干渉光の光スペクトルのグラフである。 温度-波長シフト量の相関を示すグラフである。 第3実施例のセンサ体の説明図である。 第3実施例のセンサ体の変形例の説明図である。 第4実施例のセンサ体の説明図である。 第4実施例のセンサ体の変形例の説明図である。 第5実施例のセンサ体と中間部材における光の導波の様子の説明模式図である。 第6実施例のセンサ体と中間部材における光の導波の様子の説明模式図である。 第7実施例のセンサ体の説明模式図である。 第7実施例のセンサ体における光の導波の様子の説明模式図である。 第8実施例のセンサ体の説明模式図である。 第8実施例のセンサ体の変形例の説明模式図である。 第8実施例のセンサ体の変形例の説明模式図である。 第8実施例のセンサ体における光の導波の様子の説明模式図である。 従来(比較例1)のセンサ体における光の導波の様子の説明模式図である。
本発明の温度変化検出装置及び加熱治療装置では、センサ体を用いて生じさせた第1反射光と第2反射光とを干渉させて干渉光とし、この干渉光のスペクトルを検出することで温度変化を検出可能としているものであり、特にセンサ体への導光にシングルモードの光とマルチモードの光を同時に伝搬させることができる導光用光ファイバで構成することで、導波できる光パワーが大きくなると同時に横方向への出射光の広がりが大きくなり、加熱領域が大幅に大きくなるものである。
以下において具体的な実施例を示しながら詳説する。なお、実施例としては加熱治療装置として説明し、この加熱治療装置において温度変化検出装置を使用している。
第1実施例では、センサ用光ファイバとしてフォトニック結晶構造ファイバの一種のホーリーファイバを用いた加熱治療装置としている。
まず、加熱治療装置の全体構成を説明する。加熱治療装置は、図1の概略構成図に示すように、照射領域の患部を加温するための波長域としたレーザ光を出射する第1投光器11と、温度計測に用いる波長帯域の広い光を出射する第2投光器12を備えている。具体的には、本実施例では、第1投光器11は、1.3 μmの波長のマルチモード半導体レーザ光を照射する投光器を用い、第2投光器12は、1.53~1.565 μmの波長の光を照射する投光器を用いている。
第1投光器11から出射したマルチモードレーザ光と第2投光器12から出射した光は、それぞれ適宜の光ファイバを介して波長多重分離装置13に入射させている。波長多重分離装置13では、第1投光器11から入射されたレーザ光と第2投光器12から入射された光とを合波して合波光として出射している。本実施形態では、第1投光器11と第2投光器12の2つの投光器を用いているが、第1投光器11と第2投光器12と波長多重分離装置13とを組み合わせて1つの投光器として見なしている。
波長多重分離装置13から出射した合波光は、シングルモードの光とマルチモードの光を同時に伝搬させることができる導光用光ファイバ14に出射している。
導光用光ファイバ14は、第2投光器12から出射した光が、シングルモードの光として導光用光ファイバ14のコアを伝搬し、第1投光器11から出射した光は、マルチモードの光として導光用光ファイバ14の第一クラッドおよびコアを伝搬させることにより、導光用光ファイバ14の基端に入射された合波光を、先端に設けたセンサ体Sに導いている。
センサ体Sは、センサ用光ファイバ18を用いて構成している。特に、本実施例では、センサ用光ファイバ18はフォトニック結晶構造ファイバとしている。センサ用光ファイバ18は、そのコアを導光用光ファイバ14のコアの延長線上に位置させて、導光用光ファイバ14で導かれた合波光をセンサ用光ファイバ18に導いている。導光用光ファイバ14とセンサ用光ファイバ18は、熱融着させることで簡単に接続できる。
センサ用光ファイバ18の先端には、本実施例ではシングルモードの光を伝搬させる光ファイバを先端部材19として装着している。この先端部材19とセンサ用光ファイバ18も、熱融着させることで簡単に接続できる。光ファイバで構成した先端部材19は、そのコアを、センサ用光ファイバ18のコアの延長線上、さらには導光用光ファイバ14のコアの延長線上に位置させておくことが望ましい。
センサ用光ファイバ18と先端部材19を設けることで、後述するように第1反射光L1と第2反射光L2とを生成し(図2参照)、この第1反射光L1と第2反射光L2を導光用光ファイバ14によって波長多重分離装置13に入射させている。導光用光ファイバ14において第1反射光L1と第2反射光L2とは互いに干渉して干渉光となり、波長多重分離装置13には干渉光を入射させている。
波長多重分離装置13内にはファイバ型光サーキュレータ(方向性結合器)が組み込まれており、第2投光器12から入射した光と反射光の干渉光成分は分離されている。
また、波長多重分離装置13では、入射された干渉光に対して、第2投光器12から入力された光の波長成分のみを波長分離し、この波長分離した光、すなわち、第1反射光L1と第2反射光L2との干渉光のみをシングルモードの光ファイバ15を介して受光器16に入射させている。
受光器16は、光スペクトラムアナライザの機能を有しており、入射された干渉光に基づいて、各波長成分の光強度に比例した電気信号を生成して、解析器17に入力している。
解析器17は、本実施形態ではパーソナルコンピュータで構成し、受光器16に入力された第1反射光L1と第2反射光L2とによって生じる干渉光の波長毎の光強度の出力信号を検出し、後述するように波長シフト量を検出することで温度変化を計測することとしている。本実施形態では、解析器17はパーソナルコンピュータで構成しているが、専用の処理を実行する装置を構築してもよい。
以下において、図2を用いながら、第1反射光L1と第2反射光L2の生成方法について説明する。
本実施例では、センサ用光ファイバ18としてフォトニック結晶構造ファイバを用いている。図2に示すように、フォトニック結晶構造ファイバは、コアの周囲にコアと平行に複数の空洞が配置されている。そこで、フォトニック結晶構造ファイバでは、端面のコアに向けて短時間の放電プラズマを照射することで、コアを含む中心部分のみに局所的な融解を生じさせることができ、凹状の窪みを形成することができる。
本実施例のセンサ用光ファイバ18では、図2に示すように、基端側のコア部分に凹状の第1窪みC1を形成しており、さらに、先端側のコア部分に凹状の第2窪みC2を形成している。第1窪みC1が形成されたセンサ用光ファイバ18の基端と導光用光ファイバ14の先端とを接続することで第1空隙V1を形成している。また、第2窪みC2が形成されたセンサ用光ファイバ18の先端と先端部材19の基端とを接続することで第2空隙V2を形成している。
導光用光ファイバ14によって第1空隙V1に導かれた合波光は、導光用光ファイバ14の端面を第1反射面P1として第1反射光L1を生じさせている。また、第1空隙V1と接するセンサ用光ファイバ18の基端面でも反射光が生じるが、この反射光は反射面が平面ではないため、第1反射面P1で生じる第1反射光L1と比較して強度が十分に小さく、干渉光の生成に大きな影響を与えていないと考えられる。
導光用光ファイバ14によって第1空隙V1に導かれ、センサ用光ファイバ18に入射した合波光は、センサ用光ファイバ18によって第2空隙V2に導かれる。
第2空隙V2に導かれた合波光は、第2空隙と接する先端部材19を基端面を第2反射面P2として第2反射光L2を生じさせている。ここで、光ファイバで構成した先端部材19の基端面は、強い第2反射光L2を生じさせるために、平坦面としておくことが望ましい。また、良好な平坦面を得られやすくするために先端部材19にはシングルモードの光を伝搬させる光ファイバを用いている。なお、第2空隙と接するセンサ用光ファイバ18の先端面でも反射光が生じるが、この反射光も反射面が平面ではないため、第2反射面P2で生じる第2反射光L2と比較して強度が十分に小さく、干渉光の生成に大きな影響を与えていないと考えられる。
第1投光器11から出射されたマルチモードレーザ光は、導光用光ファイバ14の第一クラッドおよびコアを導波され、センサ用光ファイバ18に到達するが、その接合面B1で導波モードの不一致により、多くの光がファイバの外側に放射され、ファイバ内を導波できた成分も接合面B2で一部がファイバの外側に放射され、残りが先端部材19の先端から出射される。この様子を模式的に図3に示す。第一クラッドの面積はコアの面積より100倍以上あるため、コアのみで導波するシングルモード光パワーに対して100倍以上の光パワーの導波が可能となる。また、波長1.3μmのレーザ光で水中に照射して加熱領域(40℃以上)を比較した場合、マルチモードレーザ光(コア径105μm)は、シングルモードレーザ光(コア径8.2μm)と比較して、同じ出力(250mW)でも1.5倍の最大幅の加熱領域となり、出力を変えた実験から、更に高出力化することによって、更に同比率が高まる(1.5倍以上)と推定される。
更に、上述のように、接合面B1, B2で横方向に出射されるため、前方方向だけでなく、横方向に大きな光パワーで出射され、シングルモード時に比べて大幅な加熱領域の拡大が実現される。また、この構造では、接合面B1, B2間で横方向への放射成分があるため、センサ用光ファイバ18の長さによって加熱長が変化できる新たな機能が実現される。
主に、第1投光器11から出射されたレーザ光によって、センサ用光ファイバ18および先端部材19の周囲に存在している物体、特に加熱治療装置として使用している場合には患部であり、所定の患部にレーザ光を照射して、照射領域を加温可能としている。
先端部材19の先端側は、センサ用光ファイバ18の光軸と90°以外の角度で交差する傾斜面Tとしている。本実施例では、傾斜面Tは、センサ用光ファイバ18の光軸と約82°の角度で交差させている。先端部材19の先端面を傾斜面Tとすることで、先端部材19の先端面で生じた反射光がセンサ用光ファイバ18及び導光用光ファイバ14に導かれることを抑制している。
本実施例では、先端部材19をシングルモードの光を伝搬させる光ファイバで構成しているが、これは後述する第2反射光L2を生じさせることを目的とした場合に好適であるためであり、必ずしも光ファイバである必要はなく、十分な強度の第2反射光L2を生成可能な適宜の部材を用いてもよい。
本実施例では、導光用光ファイバ14は、コア径が9 μmで、第一クラッド径が105 μm、第二クラッド径が125 μmであるダブルクラッド光ファイバを用い、先端部材19は、コア径が8.2 μmで、クラッド径が125 μmであるシングルモードの光ファイバを用い、センサ用光ファイバ18は、ファイバ外径が125 μmであり、シングルモード用コアの外側に光軸に沿って円筒状の穴のあいた石英製のホーリーファイバを用いた。また、センサ用光ファイバ18の長さは、約175 μmとした。
上記の構造としたセンサ体Sの周囲の温度を変えることで、図4に示すように、第1反射光L1と第2反射光L2との干渉光のスペクトルが波長シフトすることを確認した。特に、センサ体Sの温度を30.9 ℃から71.4 ℃に変化させることで、第1反射光L1と第2反射光L2との干渉光における光強度の凹凸が明瞭に見られるとともに、その凹凸の大きさである消光比は約15 dBと十分な測定精度が得られる信号となっていた。
さらに、センサ体Sの温度を変化させながら干渉光のスペクトルの波長シフト量を測定した結果を図5に示す。このような干渉光のスペクトルの波長シフトは、センサ体Sのセンサ用光ファイバ18の熱膨張に伴う光路長の増大だけでなく、センサ体Sのセンサ用光ファイバ18の屈折率変化によっても第2反射光L2の位相が大きく変化していることにより生じているものと考えられる。従って、干渉波長の変化から逆に周囲温度を見積もることができ、温度変化検出装置として利用できることがわかる。
第2実施例では、センサ用光ファイバとしてグレーデッドインデックスマルチモード光ファイバを用いた加熱治療装置としている。
本実施例では、上述した第1実施例とセンサ体の構成が異なるだけであるため、以下においてはセンサ体の構成と、第1反射光と第2反射光の生成方法のみを説明し、重複する説明は省略する。また、機能的に同じ構成部位については、上述した第1実施例で使用した符号と同じ符号を使用する。
図6に示すように、本実施例でも導光用光ファイバ14は、シングルモードの光とマルチモードの光を同時に伝搬させることができる光ファイバであって、導光用光ファイバ14の基端に入射された合波光を、先端に設けたセンサ体Sに導いている。
本実施例のセンサ体Sは、グレーデッドインデックスマルチモード光ファイバで構成したセンサ用光ファイバ28と、導光用光ファイバ14とセンサ用光ファイバ28との間に介設した第1円筒管D1と、センサ用光ファイバ28と先端部材19との間に介設した第2円筒管D2とで構成している。本実施例でも、先端部材19はシングルモードの光を伝搬させる光ファイバとしている。
第1円筒管D1は、第1実施例の第1窪みの代替であり、第2円筒管D2は、第1実施例の第2窪みC2の代替であって、それぞれ第1空隙V1及び第2空隙V2を形成するためにセンサ用光ファイバ28の端部にそれぞれ装着している。第1円筒管D1及び第2円筒管D2は、それぞれ石英管とすることで、熱融着によって容易にセンサ用光ファイバ28の端部に装着できる。
センサ体Sは、導光用光ファイバ14の先端に第1円筒管D1を熱融着することで導光用光ファイバ14に接続して、第1空隙V1を形成している。さらに、センサ体Sは、先端部材19の基端を第2円筒管D2に熱融着して、第2空隙V2を形成している。
センサ用光ファイバ28は、導光用光ファイバ14のコアの延長線上にコアを位置させており、さらに、光ファイバで構成した先端部材19も、導光用光ファイバ14のコアの延長線上にコアを位置させている。
導光用光ファイバ14によって第1空隙V1に導かれた合波光は、導光用光ファイバ14の端面を第1反射面P1として第1反射光L1を生じさせている。また、第1空隙V1と接するセンサ用光ファイバ28の基端面でも反射光が生じるが、導光用光ファイバ14から第1空隙V1に出射された合波光は、光の回折によって広がり角をもって第1空隙V1内を進行するため、センサ用光ファイバ28の基端面に達した際に導光用光ファイバ14のコアに向けて反射する光の強度が第1反射光L1と比較して十分に小さく、干渉光の生成に大きな影響を与えていないと考えられる。
導光用光ファイバ14のコアによって導波されたシングルモードの第2投光器12からの光は第1空隙V1に導かれ、センサ用光ファイバ28に入射した合波光は、センサ用光ファイバ28がグレーデッドインデックスマルチモード光ファイバであることによって、周期的に拡大と集光を繰り返しながら進行し、第2空隙V2に導かれる。なお、センサ用光ファイバ28は、センサ用光ファイバ28の先端において合波光が丁度集光する状態となる長さとしておくことが望ましい。
第2空隙V2に導かれた合波光は、センサ用光ファイバ28の先端面を第2反射面P2として第2反射光L2を生じさせている。ここで、第2空隙V2に導かれて光ファイバで構成した先端部材19の基端面に達した合波光による反射光も生じるが、センサ用光ファイバ28から第2空隙V2に出射された合波光は、光の回折によって広がり角をもって第2空隙V2内を進行するため、先端部材19の基端面に達した際にセンサ用光ファイバ28のコアに向けて反射する光の強度が第2反射光L2と比較して十分に小さく、干渉光の生成に大きな影響を与えていないと考えられる。
また、センサ用光ファイバ28の長さを、センサ用光ファイバ28の先端において合波光が丁度集光する状態となる長さとした場合には、センサ用光ファイバ28の先端面で最大の反射効率で第2反射光L2が生成することができる。
一方、先端部材19の基端面で生じる反射光の影響を低減するために、図7に示すように、先端部材29を第2円筒管D2と一体形成により構成してもよい。この先端部材29は、第2円筒管D2をセンサ用光ファイバ28の先端に熱融着した後に、第2円筒管D2の先端側に放電プラズマを照射して先端部分を融解させ、整形することで先端部分を閉塞させた構造としている。このとき、第2空隙V2は、円錐台に近い形状となっている。先端部材29の先端面も、センサ用光ファイバ28の光軸と90°以外の角度で交差する傾斜面Tとして、この傾斜面Tで生じる反射光がセンサ用光ファイバ28及び導光用光ファイバ14に導かれることを抑制している。
この先端部材29では、先端面の外周縁を融解させて丸みを持たせた形状とすることでレンズ状としており、先端部材29にまで導かれた合波光が先端部材29の先端から照射される際にレンズ作用による集光効果を生じさせて、目的の照射領域を効率的に加温できる。
また、このような先端面の外周縁に丸みをもたせたレンズ作用よる集光効果は実施例1やその他実施例おいても同様に利用できる。この集光効果は、一旦集光された後は、逆に大きく光が広がっていくため、加熱領域が径方向に広がる効果をもたらす。
図7に示すように、第2円筒管D2の先端を閉塞させて形成した先端部材を、説明の便宜上、以下においては「先端部材代用円筒管」と呼ぶこととする。
本実施例では、導光用光ファイバ14は、コア径が9 μmで、第一クラッド径が105 μm、第二クラッド径が125 μmであるダブルクラッド光ファイバを用い、センサ用光ファイバ28は、コア径が100 μmで、クラッド径が125 μmであるグレーデッドインデックスマルチモード光ファイバを用い、第1円筒管D1と第2円筒管D2は、外径が125 μmである石英管を用いた。また、センサ用光ファイバ28の長さは約700 μmとし、第1円筒管D1の長さは約170 μmとした。
上記の構造としたセンサ体Sの周囲の温度を変えることで、図9に示すように、第1反射光L1と第2反射光L2との干渉光のスペクトルが波長シフトすることを確認した。特に、センサ体Sの温度を31.2 ℃から50.7 ℃に変化させることで、第1反射光L1と第2反射光L2と干渉光における光強度の凹凸が明瞭に見られるとともに、その凹凸の大きさである消光比は約9 dBと十分な測定精度が得られる信号となっていた。
さらに、センサ体Sの温度を変化させながら干渉光のスペクトルの波長シフト量を測定した結果を図10に示す。このような干渉光のスペクトルの波長シフトは、センサ体Sのセンサ用光ファイバ28の熱膨張に伴う光路長の増大だけでなく、センサ体Sのセンサ用光ファイバ28の屈折率変化によっても第2反射光L2の位相が大きく変化していることにより生じているものと考えられる。従って、干渉波長の変化から逆に周囲温度を見積もることができ、温度変化検出装置として利用できることがわかる。
図8に示すように、第1投光器11から出射されたマルチモードレーザ光は、導光用光ファイバ14の第一クラッドおよびコアを導波され、センサ用光ファイバ28に到達するが、導光用光ファイバ14と第1円筒管D1との接合面で導波モードの不一致により、多くの光がファイバの外側に放射され、ファイバ内を導波できた成分も第2円筒管D2との接合面で一部がファイバの外側に放射され、残りが先端部材19,29の先端から出射される。この様子は模式図3と同様である。第一クラッドの面積はコアの面積より100倍以上あるため、コアのみで導波するシングルモード光パワーに対して100倍以上の光パワーの導波が可能となる。また、上述のように、第1円筒管D1及び第2円筒管D2との接合面で横方向に出射されるため、前方方向だけでなく、横方向に大きな光パワーで出射され、シングルモード時に比べて大幅な加熱領域の拡大が実現される。また、この構造では、第1円筒管D1及び第2円筒管D2との接合面の間で横方向への放射成分があるため、センサ用光ファイバ28の長さによって加熱長が変化できる新たな機能が実現される。
主に、第1投光器11から出射されたレーザ光によって、センサ用光ファイバ28および先端部材19,29の周囲に存在している物体、特に加熱治療装置として使用している場合には患部であり、所定の患部にレーザ光を照射して、照射領域を加温可能としている。
第3実施例では、センサ用光ファイバとしてステップインデックスマルチモード光ファイバを用いた加熱治療装置としている。
本実施例でも、上述した第1実施例とセンサ体の構成が異なるだけであるため、以下においてはセンサ体の構成と、第1反射光と第2反射光の生成方法のみを説明し、重複する説明は省略する。また、機能的に同じ構成部位については、上述した第1実施例及び第2実施例で使用した符号と同じ符号を使用する。
図11に示すように、本実施例でも導光用光ファイバ14は、シングルモードの光とマルチモードの光を同時に伝搬させることができる光ファイバであって、導光用光ファイバ14の基端に入射された合波光を、先端に設けたセンサ体Sに導いている。
本実施例のセンサ体Sは、ステップインデックスマルチモード光ファイバで構成したセンサ用光ファイバ38と、導光用光ファイバ14とセンサ用光ファイバ38との間に介設した第1円筒管D1と、センサ用光ファイバ38の先端に装着した先端部材代用円筒管D2'で構成している。センサ用光ファイバ38の先端に先端部材代用円筒管D2'を装着することで、第2空隙V2を形成している。なお、先端部材代用円筒管D2'の装着は、上述したように、センサ用光ファイバ38の先端に第2円筒管を装着し、この第2円筒管の先端側を閉塞させることで先端部材代用円筒管D2'の装着としている。
センサ体Sは、導光用光ファイバ14の先端に第1円筒管D1を熱融着することで導光用光ファイバ14に接続し、第1空隙V1を形成している。
センサ用光ファイバ38は、導光用光ファイバ14のコアの延長線上にコアを位置させている。
導光用光ファイバ14のコアによって導波されたシングルモードの第2投光器12からの光は第1空隙V1の導光用光ファイバ14の端面を第1反射面P1として第1反射光L1を生じさせる。また、第1空隙V1と接するセンサ用光ファイバ38の基端面でも反射光が生じるが、導光用光ファイバ14から第1空隙V1に出射された合波光は、光の回折によって広がり角をもって第1空隙V1内を進行するため、センサ用光ファイバ38の基端面に達した際に導光用光ファイバ14のコアに向けて反射する光の強度が第1反射光L1と比較して十分に小さく、干渉光の生成に大きな影響を与えていないと考えられる。
導光用光ファイバ14によって第1空隙V1に導かれ、センサ用光ファイバ38に入射した合波光は、センサ用光ファイバ38によって第2空隙V2に導かれる。
第2空隙V2に導かれた合波光は、センサ用光ファイバ38の先端面を第2反射面P2として第2反射光L2を生じさせる。一方、第2空隙V2に入射した合波光は、先端部材代用円筒管D2'を透過して、先端部材代用円筒管D2'の先端から先方へ照射されて、目的の照射領域を加温する。
本実施例では、第2反射光L2の強度が小さいことが予想される。そこで、図12に示すように、センサ用光ファイバ38の基端面を、導光用光ファイバ14に向けて膨出させた凸レンズ面Rとして、第2反射光L2を集光させながら導光用光ファイバ14に入射させることで、第2反射光L2の強度を向上させてもよい。これにより第1反射光L1と第2反射光L2との干渉光の消光比を大幅に向上できる。
第1投光器11から出射されたマルチモードレーザ光は、導光用光ファイバ14の第一クラッドおよびコアを導波され、センサ用光ファイバ38に到達するが、導光用光ファイバ14と第1円筒管D1との接合面で導波モードの不一致により、多くの光がファイバの外側に放射され、ファイバ内を導波できた成分も先端部材代用円筒管D2'との接合面で一部がファイバの外側に放射され、残りが先端部材代用円筒管D2'の先端から出射される。この様子は模式図8と同様である。第一クラッドの面積はコアの面積より100倍以上あるため、コアのみで導波するシングルモード光パワーに対して100倍以上の光パワーの導波が可能となる。また、上述のように、第1円筒管D1及び先端部材代用円筒管D2'との接合面で横方向に出射されるため、前方方向だけでなく、横方向に大きな光パワーで出射され、シングルモード時に比べて大幅な加熱領域の拡大が実現される。また、この構造では、第1円筒管D1及び先端部材代用円筒管D2'との接合面の間で横方向への放射成分があるため、センサ用光ファイバ38の長さによって加熱長が変化できる新たな機能が実現される。
第4実施例では、センサ用光ファイバとしてシングルモードの光を伝搬させる光ファイバを用いた加熱治療装置としている。
本実施例でも、上述した第1実施例とセンサ体の構成が異なるだけであるため、以下においてはセンサ体の構成と、第1反射光と第2反射光の生成方法のみを説明し、重複する説明は省略する。また、機能的に同じ構成部位については、上述した第1~3実施例で使用した符号と同じ符号を使用する。
図13に示すように、本実施例でも導光用光ファイバ14は、シングルモードの光とマルチモードの光を同時に伝搬させることができる光ファイバであって、導光用光ファイバ14の基端に入射された合波光を、先端に設けたセンサ体Sに導いている。
本実施例のセンサ体Sは、シングルモードの光を伝搬させる光ファイバで構成したセンサ用光ファイバ48と、導光用光ファイバ14とセンサ用光ファイバ48との間に介設した第1円筒管D1と、センサ用光ファイバ48の先端に装着した先端部材代用円筒管D2'で構成している。センサ用光ファイバ48の先端に先端部材代用円筒管D2'を装着することで、第2空隙V2を形成している。なお、先端部材代用円筒管D2'の装着は、上述したように、センサ用光ファイバ48の先端に第2円筒管を装着し、この第2円筒管の先端側を閉塞させることで先端部材代用円筒管D2'の装着としている。
センサ体Sは、導光用光ファイバ14の先端に第1円筒管D1を熱融着することで導光用光ファイバ14に接続し、第1空隙V1を形成している。
センサ用光ファイバ48は、導光用光ファイバ14のコアの延長線上にコアを位置させている。
導光用光ファイバ14のコアによって導波されたシングルモードの第2投光器12からの光は第1空隙V1の導光用光ファイバ14の端面を第1反射面P1として第1反射光L1を生じさせる。また、第1空隙V1と接するセンサ用光ファイバ48の基端面でも反射光が生じるが、導光用光ファイバ14から第1空隙V1に出射された合波光は、光の回折によって広がり角をもって第1空隙V1内を進行するため、センサ用光ファイバ48の基端面に達した際に導光用光ファイバ14のコアに向けて反射する光の強度が第1反射光L1と比較して十分に小さく、干渉光の生成に大きな影響を与えていないと考えられる。
導光用光ファイバ14によって第1空隙V1に導かれ、センサ用光ファイバ48に入射した合波光は、センサ用光ファイバ48によって第2空隙V2に導かれる。
第2空隙V2に導かれた合波光は、センサ用光ファイバ48の先端面を第2反射面P2として第2反射光L2を生じさせる。一方、第2空隙V2に入射した合波光は、先端部材代用円筒管D2'を透過して、先端部材代用円筒管D2'の先端から先方へ照射されて、目的の照射領域を加温する。
本実施例でも、第2反射光L2の強度が小さいことが予想される。そこで、図14に示すように、センサ用光ファイバ48の基端面を、導光用光ファイバ14に向けて膨出させた凸レンズ面Rとして、第2反射光L2を集光させながら導光用光ファイバ14に入射させることで、第2反射光L2の強度を向上させてもよい。これにより第1反射光L1と第2反射光L2とで生じる干渉光の消光比を大幅に向上できる。
第1投光器11から出射されたマルチモードレーザ光は、導光用光ファイバ14の第一クラッドおよびコアを導波され、センサ用光ファイバ48に到達するが、導光用光ファイバ14と第1円筒管D1との接合面で導波モードの不一致により、多くの光がファイバの外側に放射され、ファイバ内を導波できた成分も先端部材代用円筒管D2'との接合面で一部がファイバの外側に放射され、残りが先端部材代用円筒管D2'の先端から出射される。この様子は模式図8と同様である。第一クラッドの面積はコアの面積より100倍以上あるため、コアのみで導波するシングルモード光パワーに対して100倍以上の光パワーの導波が可能となる。また、上述のように、第1円筒管D1及び先端部材代用円筒管D2'との接合面で横方向に出射されるため、前方方向だけでなく、横方向に大きな光パワーで出射され、シングルモード時に比べて大幅な加熱領域の拡大が実現される。また、この構造では、第1円筒管D1及び先端部材代用円筒管D2'との接合面の間で横方向への放射成分があるため、センサ用光ファイバ48の長さによって加熱長が変化できる新たな機能が実現される。
先の実施例1では、導光用光ファイバ14の先端に、ホーリーファイバを用いたセンサ体Sを直接設けた例を示したが、図15に示すように、導光用光ファイバ14とセンサ体Sとの間にホーリーファイバ等の中間部材20を介在させて、長手方向に加熱領域を拡大することも可能である。その際、センサ体Sを長手方向に拡大した加熱領域の中央付近に配置することができる。この場合においても、先の実施例1等と同様にして、センサ体Sの基端側と先端側で、第1反射光L1と第2反射光L2を生じさせて、第1反射光L1と第2反射光L2との干渉光を導光用光ファイバ14等を介して受光器16に入射させ、波長シフト量を検出することで温度変化を計測することができる。
その際、第1投光器11から出射されたマルチモードレーザ光は、導光用光ファイバ14の第一クラッドおよびコアを導波され、中間部材20に到達するが、導光用光ファイバ14と中間部材20との接合面で導波モードの不一致により、多くの光がファイバの外側に放射される。また、中間部材20内を導波できた成分も、中間部材20とセンサ体Sとの導波モードが異なる場合には、センサ体Sとの接合面で一部がファイバの外側に放射され、残りが先端部材19の先端から出射される。
このような中間部材20としては、ホーリーファイバの他、シングルモードの光ファイバなど干渉スペクトルの安定なシングルモード導波のファイバが使用可能である。例えば、図15には、ホーリーファイバを用いたセンサ体Sとホーリーファイバを用いた中間部材20を組み合わせた例を示したが、中間部材20をシングルモードの光ファイバにより構成してもよい。
主に、第1投光器11から出射されたレーザ光によって、中間部材20、センサ体S、および先端部材19の周囲に存在している物体、特に加熱治療装置として使用している場合には患部であり、所定の患部にレーザ光を照射して、照射領域を加温可能としている。このとき、長手方向に加熱領域を拡大した状態で加熱治療を行ないながら、加熱領域の中央付近の温度を計測できる。
先の実施例5では、導光用光ファイバ14とセンサ体Sとの間にホーリーファイバ等の中間部材20を介在させて、長手方向に加熱領域を拡大する例を示したが、図16に示すように、導光用光ファイバ14と中間部材20との間にセンサ体Sを介在させて、長手方向に加熱領域を拡大することも可能である。この構成により、実施例5と比較して、センサ体Sを加熱領域のより基端側に配置することができる。この場合においても、先の実施例1等と同様にして、センサ体Sの基端側と先端側で、第1反射光L1と第2反射光L2を生じさせて、第1反射光L1と第2反射光L2との干渉光を導光用光ファイバ14等を介して受光器16に入射させ、波長シフト量を検出することで温度変化を計測することができる。
その際、第1投光器11から出射されたマルチモードレーザ光は、導光用光ファイバ14の第一クラッドおよびコアを導波され、センサ体Sに到達するが、導光用光ファイバ14とセンサ体Sとの接合面で導波モードの不一致により、多くの光がファイバの外側に放射される。また、センサ体S内を導波できた成分も、センサ体Sと中間部材20との導波モードが異なる場合には、中間部材20との接合面で一部がファイバの外側に放射され、残りが先端部材19の先端から出射される。なお、この場合、中間部材は第1反射光L1と第2反射光L2の後方に位置するため、シングルモード導波の必要性は不要となり、中間部材20としては、ホーリーファイバの他、シングルモードの光ファイバ、ステップインデックスマルチモード光ファイバ、グレーデッドインデックスマルチモード光ファイバなどが使用可能である。例えば、図16には、ホーリーファイバを用いたセンサ体Sとシングルモードの光ファイバを用いた中間部材20を組み合わせた例を示したが、中間部材20をホーリーファイバなどの上記ファイバにより構成してもよい。
主に、第1投光器11から出射されたレーザ光によって、中間部材20、センサ体S、および先端部材19の周囲に存在している物体、特に加熱治療装置として使用している場合には患部であり、所定の患部にレーザ光を照射して、照射領域を加温可能としている。このとき、長手方向に加熱領域を拡大した状態で加熱治療を行ないながら、加熱領域の周辺付近の温度を計測できる。特に、ガン細胞の温熱療法では、ガン細胞組織を42.5℃以上に加温することが望ましいが、その周辺組織は、免疫力を活性化する上で41℃以下に抑制することが望ましく、上記の構成によると、加熱領域の周辺付近の温度を計測できるため、より好適に周辺組織の温度を制御できるようになる。
第2実施例では、センサ用光ファイバとしてグレーデッドインデックスマルチモード光ファイバを用いた加熱治療装置を示している。ここで、図7に示すように、先端部材29を第2円筒管D2と一体形成により構成し、この先端部材29は、第2円筒管D2をセンサ用光ファイバ28の先端に熱融着した後に、第2円筒管D2の先端側に放電プラズマを照射して先端部分を融解させ、整形することで先端部分を閉塞させた構造としていた。
この第2円筒管D2の空洞部V2を図17に示すように、先端側に放電プラズマの条件を調節することで、第2円筒管D2''の第2空隙V2を、円錐形の形状とすることができる。温度計測に関わる第2投光器からの光の第1反射光L1と第2反射光L2は実施例2と全く同じであるので、ここでは説明を省略する。この第2空隙V2の円錐形の形状によって前方への光は第2空隙V2の内面の傾斜によって大きく屈折し、図18に示すように、径方向に強い強度で放射されるようになり、径方向の加熱領域が大きく広がる。
実施例3、4においても同様に第2空隙V2の円錐形の形状にすることで、同様の効果が得られることは言うまでもない。
第1実施例では、センサ用光ファイバとしてフォトニック結晶構造ファイバの一種のホーリーファイバを用いた加熱治療装置を示している。ここで、図19に示すように、先端部材29を第2円筒管D2と一体形成により構成し、この先端部材29は、第2円筒管D2をセンサ用光ファイバ18の先端に熱融着した後に、第2円筒管D2の先端側に放電プラズマを照射して先端部分を融解させ、先端側に放電プラズマの条件を調節することで、第2円筒管D2''の第2空隙V2を、円錐形の形状とすることができる。温度計測に関わる第1反射光L1の反射は実施例1と全く同じであるが、第2反射光L2の反射は、フォトニック結晶構造ファイバの一種のホーリーファイバの後端面で良好な反射が起きるように、一例として平坦面としている。図20のように、ホーリーファイバの後端に短いシングルモードファイバスペーサ層SPを挿入することで、その後端面において第2反射光L2を生成することもできる。反射光に対して凹面形状になるようにしてコアへの結合効率を上げ、温度計測用の第2投光器からの光の反射率を向上させる工夫を行ったり、実施例1の先端部材19の先に図21のような第3空隙V3の円錐形の形状を作製しても同様の効果が得られる。この第1反射光L1と第2反射光L2の干渉光で温度の計測を行う原理は実施例1と同じであるので、ここでは説明を省略する。この第2空隙V2の円錐形の形状によって前方への光は第2空隙V2の内面の傾斜によって大きく屈折し、図22に示すように、径方向に強い強度で放射されるようになり、径方向の加熱領域が大きく広がる。
実施例5においても同様に第2空隙V2の円錐形の形状にすることで、同様の効果が得られることは言うまでもない。
先の実施例1等では、温度計測のための第2投光器12から出射した光のみを、導光用光ファイバ14のシングルモードの光を伝搬させるコアに出射する例を示したが、第2投光器12から出射した光に加えて、加熱のためのシングルモードレーザ光を導光用光ファイバ14のコアに出射してもよい。この構成により、導光用光ファイバ14の第一クラッドおよびコアを導波させるマルチモードレーザ光に加えて、波長や強度などが異なるシングルモードレーザ光を先端部材19から照射させることができるようになる。
比較例1
図23には、従来から存在するような、比較例1のセンサ体における光の導波の様子の説明模式図を示している。光ファイバを利用した温度計測では、従来、干渉スペクトルの安定化のためにシングルモード光ファイバが、導光用光ファイバ14として用いられてきた。つまり、シングルモード光ファイバで導かれた光から第1反射光L1と第2反射光L2とを生成し、導光用光ファイバ14において第1反射光L1と第2反射光L2とは互いに干渉して干渉光となり、干渉光の波長毎の光強度の出力信号を検出することで温度変化を計測することができる。
しかし、シングルモード光ファイバでは、シングルモード維持のため光を導波するコア径は8~9μmしかなく、センサ体Sから出射されるまで、光が横方向へ広がらない。
このため、図23に示すように、本発明の光の導波の様子を示す図3、図15等と比較して、センサ体Sの先端側に設けた先端部材19付近の比較的狭い領域のみが加熱領域となっていた。また、導波できる光パワーも小さいため、加熱領域を大きくするために十分な光パワーを出力できないという問題があった。
これに対して、本発明では、図3、図15等に示すように、導波できる光パワーが大きくなると同時に横方向への光の広がりの大きくなるファイバプローブ構造により、温度変化検出を行ないながら、同時に光を照射する際の照射領域の拡大と高出力化を図ることができる。
11 第1投光器
12 第2投光器
13 波長多重分離装置
14 導光用光ファイバ
15 シングルモード光ファイバ
16 受光器
17 解析器
18 センサ用光ファイバ
19 先端部材
20 中間部材
29 先端部材
38 センサ用光ファイバ
48 センサ用光ファイバ
S センサ体
C1 第1窪み
C2 第2窪み
V1 第1空隙
V2 第2空隙
P1 第1反射面
P2 第2反射面
L1 第1反射光
L2 第2反射光
D1 第1円筒管
D2 第2円筒管
D2' 先端部材代用円筒管
D2'' 先端部材代用円筒管
SP シングルモード光ファイバスペーサ層
T 傾斜面
R 凸レンズ面

Claims (17)

  1. 先端にセンサ体を設けたシングルモードの光とマルチモードの光を同時に伝搬させることができる導光用光ファイバと、
    この導光用光ファイバの基端から入射させる光を出力する投光器と、
    前記センサ体で生じさせるとともに前記導光用光ファイバで導いた反射光を検出する受光器と、
    前記受光器から出力された信号を解析する解析器と
    を備えた温度変化検出装置であって、
    前記センサ体は、前記導光用光ファイバのコアの延長線上にコアを位置させたセンサ用光ファイバとし、
    このセンサ用光ファイバは、前記導光用光ファイバの先端に第1空隙を介在させて接続し、
    前記センサ用光ファイバの先端には、第2空隙を介在させて先端部材を装着している温度変化検出装置。
  2. 前記受光器は、前記第1空隙の存在によって前記光から生じさせたシングルモードの第1反射光と、前記第2空隙の存在によって前記光から生じさせたシングルモードの第2反射光とが干渉して生成される干渉光を検出している請求項1に記載の温度変化検出装置。
  3. 先端にセンサ体を設けたシングルモードの光とマルチモードの光を同時に伝搬させることができる光ファイバ導光用光ファイバと、
    この導光用光ファイバの基端から入射させる光を出力する投光器と、
    前記センサ体で生じさせるとともに前記導光用光ファイバで導いた反射光を検出する受光器と、
    前記受光器から出力された信号を解析する解析器と
    を備え、
    前記センサ体を介して前記光を照射させることで前記光による照射領域を加温する加熱治療装置であって、
    前記投光器は、前記照射領域を加温する第1のマルチモード光と、前記反射光を生じさせる第2の光とを照射し、
    前記センサ体は、前記導光用光ファイバのコアの延長線上にコアを位置させたセンサ用光ファイバとし、
    このセンサ用光ファイバは、前記導光用光ファイバの先端に第1空隙を介在させて接続し、
    前記センサ用光ファイバの先端には、第2空隙を介在させて先端部材を装着している加熱治療装置。
  4. 前記受光器は、前記第1空隙の存在によって前記第2の光から生じさせたシングルモードの第1反射光と、前記第2空隙の存在によって前記第2の光から生じさせたシングルモードの第2反射光とが干渉して生成される干渉光を検出し、前記解析器で前記照射領域の温度変化を検出している請求項3に記載の加熱治療装置。
  5. 前記センサ用光ファイバは、シングルモードの光を伝搬させる光ファイバとしている請求項3に記載の加熱治療装置。
  6. 前記センサ用光ファイバは、グレーデッドインデックスマルチモード光ファイバとしている請求項3に記載の加熱治療装置。
  7. 前記センサ用光ファイバは、ステップインデックスマルチモード光ファイバとしている請求項3に記載の加熱治療装置。
  8. 前記センサ用光ファイバは、フォトニック結晶構造ファイバとしている請求項3に記載の加熱治療装置。
  9. 前記導光用光ファイバと前記センサ用光ファイバとは、第1円筒管を介して接続することで前記第1空隙を形成し、
    前記センサ用光ファイバと前記先端部材は、第2円筒管を介して接続することで前記第2空隙を形成している請求項5~7のいずれか1項に記載の加熱治療装置。
  10. 前記先端部材を、先端を閉塞した前記第2円筒管で代用している請求項9に記載の加熱治療装置。
  11. 前記先端部材は、シングルモードの光またはマルチモードの光を伝搬させる光ファイバとし、
    前記フォトニック結晶構造ファイバの基端側のコア部分を熱融解することで前記第1空隙を形成し、
    前記フォトニック結晶構造ファイバの先端側のコア部分を熱融解することで前記第2空隙を形成している請求項8に記載の加熱治療装置。
  12. 前記先端部材の先端面を、前記センサ用光ファイバの光軸と90°以外の角度で交差する傾斜面としている請求項3に記載の加熱治療装置。
  13. 前記センサ用光ファイバの基端面を、前記導光用光ファイバに向けて膨出させた凸レンズ面としている請求項5または請求項7に記載の加熱治療装置。
  14. 前記導光用光ファイバは、シングルモード光用のコアとその外側の第一クラッドと第二クラッドを有し、第一クラッドにマルチモード光の導波が可能である特徴を有する、請求項1又は2に記載の温度変化検出装置。
  15. 前記導光用光ファイバは、シングルモード光用のコアとその外側の第一クラッドと第二クラッドを有し、第一クラッドにマルチモード光の導波が可能である特徴を有する、請求項3に記載の加熱治療装置。
  16. 前記センサ用光ファイバの先端の第2空隙を介在させた先端部材において、先端面の外周縁に丸みをもたせたレンズ作用よる集光効果を有する、請求項3に記載の加熱治療装置。
  17. 前記センサ用光ファイバの先端に第2または第3空隙を介在させた先端部材を装着し、その内面が傾斜を有する円錐形状であり、進行光が屈折作用によって外周方向に広がる効果を有する、請求項3に記載の加熱治療装置。
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