JP2023174469A - 光学素子及び液晶表示装置 - Google Patents

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良輔 三枝
ryosuke Saegusa
彰 坂井
Akira Sakai
雄一 川平
Yuichi Kawahira
雅浩 長谷川
Masahiro Hasegawa
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Abstract

Figure 2023174469000001
【課題】斜め視角において色変化抑制と輝度低減とを両立できる光学素子、及び、このような光学素子を備え、表示品質に優れる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】第一偏光板、第一位相差層、第二位相差層及び第二偏光板を備える光学素子であって、上記第一偏光板、上記第一位相差層、上記第二位相差層及び上記第二偏光板は、この順に配置されており、上記第一位相差層はnx>ny≒nzを満たし、上記第二位相差層はnz>nx≒nyを満たし、上記第一偏光板及び上記第二偏光板は、直線偏光板であり、上記第一偏光板の透過軸と、上記第二偏光板の透過軸とは、互いに平行であり、上記第一位相差層の遅相軸は、上記第一偏光板の偏光軸に対して直交する、光学素子。
【選択図】図2




Description

以下の開示は、光学素子及び液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、表示のために液晶材料を利用する表示装置であり、その代表的な構成は、バックライトを光源とし、クロスニコルに配置された一対の偏光板の間に液晶層を有する液晶パネルを挟持した構造からなる。液晶表示装置は、その優れた表示特性や、薄型、軽量及び低消費電力といった特長を活かして、幅広い分野で利用されている。
液晶表示装置においては、黒表示としたときにバックライトから装置前面に出射される光を充分に遮光できずに、光漏れが生じることがある。特に、偏光板の偏光軸に対して方位角45°の斜め方向から観察した場合、光漏れが顕著に生じ得る。この主な要因は、液晶パネルを介してクロスニコルに配置された一対の偏光板がなす角が、見かけ上90°よりも大きくなることにあると考えられる。
このような斜め方向から観察したときの光漏れ、即ち斜め視角の光漏れを抑制する手法として、通常は視野角補償フィルムを用いることで、斜め方向からの光漏れを補正して視野角を拡大する手法が採用されている。また、特許文献1には、光源、反射型直線偏光層、複屈折層、透過軸が該反射型直線偏光層の透過軸と略平行に配置された吸収型直線偏光層、液晶セル、直線偏光層及び光拡散層がこの順に配置された液晶表示装置が開示されており、このうち複屈折層が、所定範囲の厚み方向レタデーションを有し、かつ正面方向の光の偏光状態を実質的に変換せず、斜め方向の光の偏光状態を変換するという特徴を有することで、斜め方向の光漏れを抑制することが記載されている。
特開2013-130882号公報
図26A及び図26Bは、従来の液晶表示装置の代表的な例を示す断面模式図である。従来の液晶表示装置としては、図26Aに示すように、クロスニコルに配置された偏光板60Aと偏光板30Bとの間に液晶層を有する液晶パネル50が配置された構成のものや、図26Bに示すように、クロスニコルに配置された偏光板60Aと偏光板30Bとの間に液晶層を有する液晶パネル50が配置され、更に偏光板30Bの背面側(バックライト10側)に、偏光板30Aが偏光板30Bとパラレルニコルに配置された構成のもの等が例として挙げられる。これらの構成では、上述したように斜め方向から観察した場合に光漏れが顕著に生じ得る。
斜め視角の光漏れを抑制する手法としては、上述した通り視野角補償フィルムを用いる技術が通常採用されているが、光漏れ抑制効果は未だ充分であるとは言えない。
その他の手法として、液晶パネルの背面側(即ちバックライト側)に一対の偏光板をパラレルニコルに配置し、該偏光板の間に位相差層を配置する技術が考えられる。例えば特許文献1に記載の装置もこの手法の一例である。しかしながら、バックライトからの光が偏光板を介して位相差層を通過した後の偏光状態は波長によって異なるため、パラレルニコルに配置されたもう一つの偏光板を通過した後の透過率は波長に依存することになる。その結果、位相差層の影響が出やすい方位(例えば方位角45°等)から液晶表示装置を観察すると、色変化(色味の変化)が発生し、表示品質が充分とはならないことがある(後述の比較例2、3を参照)。従って、色変化を抑えたまま斜め視角の透過率(即ち輝度)を低減できるようにするための工夫の余地があった。
本発明は上記現状に鑑みてなされたものであり、斜め視角において色変化抑制と輝度低減とを両立できる光学素子、及び、このような光学素子を備え、表示品質に優れる液晶表示装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の一実施形態は、第一偏光板、第一位相差層、第二位相差層及び第二偏光板を備える光学素子であって、上記第一偏光板、上記第一位相差層、上記第二位相差層及び上記第二偏光板は、この順に配置されており、上記第一位相差層及び上記第二位相差層は、その一方が下記式(i)を満たす位相差層であり、かつ他方が下記式(ii)を満たす位相差層であるか、又は、その一方が下記式(iii)を満たす位相差層であり、かつ他方が下記式(iv)を満たす位相差層であり、上記第一偏光板及び上記第二偏光板は、直線偏光板であり、上記第一偏光板の透過軸と、上記第二偏光板の透過軸とは、互いに平行であり、上記第一位相差層及び上記二位相差層のうち下記式(i)又は(iii)を満たす位相差層の遅相軸は、上記第一偏光板の偏光軸に対して直交する、光学素子。
nx>ny≒nz (i)
nz>nx≒ny (ii)
ny<nx≒nz (iii)
nz<nx≒ny (iv)
但し、nxは、各位相差層の面内における遅相軸方向の主屈折率を表す。nyは、各位相差層の面内における進相軸方向の主屈折率を表す。nzは、各位相差層の面に対して垂直方向の主屈折率を表す。
(2)また、本発明のある実施形態は、上記(1)の構成に加え、上記第一位相差層は、上記式(i)を満たす位相差層であり、上記第二位相差層は、上記式(ii)を満たす位相差層である、光学素子。
(3)また、本発明のある実施形態は、上記(1)又は上記(2)の構成に加え、波長550nmの光に対して、上記第一位相差層及び上記二位相差層のうち上記式(i)又は(iii)を満たす位相差層の面内リタデーションRe(nm)と、上記第一位相差層及び上記第二位相差層のうち上記式(ii)又は(iv)を満たす位相差層の厚み方向リタデーションRth(nm)とが、下記式(1)、(2)及び(3)を満たす、光学素子。
Re≧0.47×Rth+278 (1)
Re≦1.29×Rth+285 (2)
Re≦-0.54×Rth+750 (3)
(4)また、本発明のある実施形態は、上記(1)又は上記(2)の構成に加え、波長550nmの光に対して、上記第一位相差層及び上記二位相差層のうち上記式(i)又は(iii)を満たす位相差層の面内リタデーションRe(nm)と、上記第一位相差層及び上記第二位相差層のうち上記式(ii)又は(iv)を満たす位相差層とが、下記式(4)、(5)及び(6)を満たす、光学素子。
Re≧0.45×Rth+320 (4)
Re≦3.13×Rth-490 (5)
Re≦-0.42×Rth+644 (6)
(5)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、(2)、(3)又は(4)の構成に加え、上記第一偏光板の背面側から光を照射したときに、上記第二偏光板を透過した斜め光(方位角45°、極角60°)の透過率T2が、上記第一位相差層及び上記第二位相差層を有さない構成での上記透過率T1を100%とすると40%以下であり、かつ、極角を60°に固定したときの方位角0°と方位角45°との間の色変化Δxyが0.005以下である、光学素子。
(6)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、(2)、(3)又は(4)の構成に加え、上記第一偏光板の背面側から光を照射したときに、上記第二偏光板を透過した斜め光(方位角45°、極角60°)の透過率T2が、上記第一位相差層及び上記第二位相差層を有さない構成での上記透過率T1を100%とすると20%以下であり、かつ、極角を60°に固定したときの方位角0°と方位角45°との間の色変化Δxyが0.015以下である、光学素子。
(7)また、本発明のある実施形態は、上記(6)の構成に加え、上記第一位相差層及び上記第二位相差層のうち上記式(ii)又は(iv)を満たす位相差層の厚み方向リタデーションRth(nm)が、500nm以上である、光学素子。
(8)また、本発明のある実施形態は、観察面側から、液晶パネルと、上記(1)~(7)のいずれかに記載の光学素子と、バックライトとをこの順に備える液晶表示装置であって、上記バックライトの観察面側に、上記光学素子の上記第一偏光板側の面が対向配置されている、液晶表示装置。
(9)また、本発明のある実施形態は、上記(8)の構成に加え、上記液晶パネルの観察面側に、更に第三偏光板を備える、液晶表示装置。
本発明によれば、斜め視角において色変化抑制と輝度低減とを両立できる光学素子、及び、このような光学素子を備え、表示品質に優れる液晶表示装置を提供することができる。
実施形態1及び3~5に係る光学素子を備える液晶表示装置の一例を示す断面模式図である。 実施形態2に係る光学素子を備える液晶表示装置の一例を示す断面模式図である。 光漏れ抑制効果の評価方法を説明するための図である。 光漏れ抑制効果の評価方法を説明するための図である。 色変化の評価方法を説明するための図である。 比較例1の光学素子20Aの断面模式図である。 比較例1の評価結果である。 比較例2の光学素子20Aの断面模式図である。 比較例2の評価結果である。 比較例3の光学素子20Aの断面模式図である。 比較例3の評価結果である。 実施例1の光学素子20の断面模式図である。 実施例2の光学素子20の断面模式図である。 実施例3の光学素子20の断面模式図である。 実施例4の光学素子20の断面模式図である。 実施例5の光学素子20の断面模式図である。 実施例6の光学素子20の断面模式図である。 実施例7の光学素子20の断面模式図である。 実施例8の光学素子20の断面模式図である。 実施例9の光学素子20の断面模式図である。 実施例10の光学素子20の断面模式図である。 実施例11の光学素子20の断面模式図である。 実施例12の光学素子20の断面模式図である。 実施例13で作製した光学素子20の断面模式図である。 位相差層41(+A-plate)の面内位相差Reを縦軸とし、位相差層42(+C-plate)の厚み方向位相差Rthを横軸としたグラフに、実施例1~11をプロットした図である。 実施例14で作製した光学素子20の断面模式図である。 実施例15で作製した光学素子20の断面模式図である。 実施例16で作製した光学素子20の断面模式図である。 実施例17で作製した光学素子20の断面模式図である。 従来の液晶表示装置の一例を示す断面模式図である。 従来の液晶表示装置の別の一例を示す断面模式図である。
(用語の定義)
本明細書中、観察面側とは、液晶表示装置の画面(表示面)に対してより近い側を意味し、背面側とは、液晶表示装置の画面(表示面)に対してより遠い側を意味する。
偏光板とは、無偏光(自然光)、部分偏光又は偏光から、特定方向にのみ振動する偏光(直線偏光)を取り出す機能を有する直線偏光板を意味し、円偏光板とは区別される。吸収型偏光板とは、特定方向に振動する光を吸収し、それに垂直な方向に振動する偏光(直線偏光)を透過する機能を有する偏光板である。反射型偏光板とは、特定方向に振動する光を反射し、それに垂直な方向に振動する偏光(直線偏光)を透過する機能を有する偏光板である。
位相差層とは、少なくとも面内リタデーション(面内位相差とも称す)Reと厚み方向リタデーション(厚み方向位相差とも称す)Rthとのいずれかが、10nm以上の値を有する層を意味する。好ましくは、20nm以上の値を有するものを意味する。
なお、本明細書中、Re及びRthとして記載する数値は、絶対値である。
面内位相差Reは、Re=(nx-ny)×dで定義される。
厚み方向位相差Rthは、Rth={nz-(nx+ny)/2}×dで定義される。
NZ係数(2軸性パラメータ)は、nx≧nyとしたときに、NZ=(nx-nz)/(nx-ny)で定義される。
nxは、各位相差層の面内における遅相軸方向の主屈折率を表す。
nyは、各位相差層の面内における進相軸方向の主屈折率を表す。
nzは、各位相差層の面に対して垂直方向の主屈折率を表す。
遅相軸方向とは、屈折率が最大となる方位であり、進相軸方向とは、屈折率が最小となる方位である。dは、位相差層の厚みを示す。
半波長板(λ/2波長板とも称す)とは、波長λの入射光に対して1/2波長の面内位相差を付与する位相差板を意味する。
λ/4波長板とは、波長λの入射光に対して1/4波長の面内位相差を付与する位相差板を意味する。
主屈折率、位相差、NZ係数等の光学パラメータの測定波長は、特に断りのない限り、550nmとする。
極角θとは、対象となる方向(例えば測定方向)と、光学素子の表面又は液晶パネルの画面の法線方向とのなす角度を意味する。
方位φとは、対象となる方向を光学素子の表面又は液晶パネルの画面上に射影したときの方向を意味し、基準となる方位との間のなす角度(方位角)で表現される。
ここで、基準となる方位(φ=0°)は、光学素子の表面又は液晶パネルの画面の水平右方向に設定される。角度及び方位角は、基準となる方位から反時計回りを正の角度、基準となる方位から時計回りを負の角度とする。反時計回り及び時計回りは、いずれも光学素子の表面又は液晶パネルの画面を観察面側(正面)から見たときの回転方向を表す。また、角度は、光学素子の表面又は液晶パネルの画面を平面視した状態で測定された値を表し、2つの直線(軸、方向及び稜線を含む)が互いに直交するとは、光学素子の表面又は液晶パネルの画面を平面視した状態で直交することを意味する。
軸方位とは、特に断りのない限り、偏光板の偏光軸の方位又は位相差層の遅相軸の方位を意味する。偏光板の偏光軸とは、吸収型偏光板であれば吸収軸を意味し、反射型偏光板であれば反射軸を意味する。位相差層の遅相軸とは、面内遅相軸を意味する。
以下、本発明の実施形態に係る光学素子及びこれを備えた液晶表示装置について説明する。本発明は、以下の実施形態に記載された内容に限定されるものではなく、本発明の構成を充足する範囲内で適宜設計変更を行うことが可能である。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る光学素子を備える液晶表示装置の一例を示す断面模式図である。図1に示す通り、液晶表示装置100は、観察面側から、液晶パネル50、光学素子20及びバックライト10をこの順に備える。即ち言い換えれば、背面側から、バックライト10、光学素子20及び液晶パネル50をこの順に備える。光学素子20は、背面側から、第一偏光板31、第一位相差層41、第二位相差層42及び第二偏光板32をこの順に備える。つまり光学素子20は、液晶表示装置100において、バックライト10の観察面側に、光学素子20の第一偏光板31側の面が対向配置されている。
(光学素子)
第一偏光板31、第一位相差層41、第二位相差層42及び第二偏光板32を備える光学素子20は、光学的なルーバーとして機能するため、偏光板ルーバーとも称す。光学素子20は通常、粘着層(図示せず)により液晶パネル50に貼付されている。
第一偏光板31及び第二偏光板32は、第一偏光板31の透過軸と第二偏光板の透過軸とが互いに平行になるように配置される。即ち第一偏光板31及び第二偏光板32は、パラレルニコルに配置される。「互いに平行」とは、透過軸同士が0°±10°の範囲内の角度をなすことを意味する。この角度は0°±5°の範囲内であることが好ましい。
第一偏光板31及び第二偏光板32は、直線偏光板である。第一偏光板31は、バックライト10からの波長に対応した偏光板であり、バックライト10からの光が第一偏光板31に入射し、第一偏光板31の偏光透過軸に沿って振動する直線偏光のみが透過する。第一偏光板31及び第二偏光板32はまた、吸収型偏光板であることが好ましいが、反射型偏光板であっても同様の効果が得られる。例えば、第一偏光板31と第二偏光板32との両方が吸収型偏光板である形態であってもよいし、第一偏光板31が反射型偏光板であって、第二偏光板32が吸収型偏光板である形態であってもよい。
吸収型偏光板として具体的には、例えば、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素錯体(又は染料)等の異方性材料を染色及び吸着させてから延伸配向させた偏光板等が挙げられる。一般的には、機械強度及び耐湿熱性を確保するために、ポリビニルアルコールフィルムの両側に、トリアセチルセルロースフィルム等の保護フィルムが積層された状態で実用に供される。また、反射型偏光板として具体的には、例えば、誘電体の薄膜を複数積層したフィルム、屈折率異方性が異なる薄膜を複数積層したフィルム、ナノワイヤーグリッド偏光板、コレステリック液晶の選択反射を用いた偏光板等が挙げられる。
第一偏光板31及び第二偏光板32の軸方位は適宜設定することができるが、例えば、0°±10°又は90°±10°の範囲内に設定されることが好ましい。中でも、0°±5°又は90°±5°の範囲内に設定されることがより好ましく、実質的に0°又は90°に設定されることが更に好ましい。これにより、法線方向と上下左右方向で明るい表示を得ることができる。
第一位相差層41は、その遅相軸が第一偏光板31の偏光軸に対して直交するように配置されている。「直交する」とは、90°±10°の範囲内の角度をなすことを意味する。この角度は、90°±5°の範囲内であることが好ましい。
第一位相差層41は、nx>ny≒nz(上記式(i))を満たす。即ち第一位相差層41は、nx>ny≒nzを満たす一軸性の位相差層である。第二位相差層42は、nz>nx≒ny(上記式(ii))を満たす。即ち第二位相差層42は、nz>nx≒nyを満たす一軸性の位相差層である。
「≒」は、実質的に同じ(「略同じ」ともいう)であることを意味する。
このように本実施形態は、第一偏光板31、第一位相差層41、第二位相差層42及び第二偏光板32を備える光学素子20であって、上記第一偏光板31、上記第一位相差層41、上記第二位相差層42及び上記第二偏光板32は、この順に配置されており、上記第一位相差層41は、nx>ny≒nzを満たし、上記第二位相差層42は、nz>nx≒nyを満たし、上記第一偏光板31及び上記第二偏光板32は、直線偏光板であり、上記第一偏光板31の透過軸と、上記第二偏光板32の透過軸とは、互いに平行であり、上記第一位相差層41の遅相軸は、上記第一偏光板31の偏光軸に対して直交する、光学素子、である。
ここで、上述の通り、液晶パネルの背面側に一対の偏光板をパラレルニコルに配置し、該偏光板の間に位相差層を配置すると、斜め視角の光漏れを抑制することができる一方で、位相差層の影響が出やすい方位(例えば、方位角45°等)から液晶表示装置を観察すると、色変化が発生し、表示品質が低下することがある。だが本実施形態では、パラレルニコルに配置された一対の偏光板31、32の間に、バックライト10側から順に、nx>ny≒nzを満たす第一位相差層41と、nz>nx≒nyを満たす第二位相差層42とを積層し、かつ第一位相差層41を、その遅相軸が第一偏光板31の偏光軸に対して直交するように配置することで、斜め視角での輝度抑制と色変化抑制との両立を可能にした。
第一位相差層41は、単層から構成されるものであってもよいし、2層以上の層から構成されるものであってもよい。第一位相差層41が2層以上の層から構成される場合は、第一位相差層41全体としてnx>ny≒nz(式(i))を満たす。また第一位相差層41全体として、以下の、式(i)を満たす位相差層の好ましい形態を満たすことが好ましい。
上記式(i)を満たす位相差層(本実施形態では第一位相差層41)は、面内位相差Reが10nm以上であればよく、好ましくは20nm以上であるが、より好ましくは100nm以上、更に好ましくは200nm以上、特に好ましくは400nm以上である。また、上記面内位相差Reは、1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは800nm以下、更に好ましくは600nm以下である。
上記式(i)を満たす位相差層としては、いわゆるポジティブAプレート(「+A-plate」とも称す)を用いることができる。
第二位相差層42は、単層から構成されるものであってもよいし、2層以上の層から構成されるものであってもよい。第二位相差層42が2層以上の層から構成される場合も、第二位相差層42全体としてnz>nx≒ny(式(ii))を満たす。また第二位相差層42全体として、以下の、式(ii)を満たす位相差層の好ましい形態を満たすことが好ましい。
上記式(ii)を満たす位相差層(本実施形態では第二位相差層42)は、厚み方向位相差Rthが10nm以上であればよく、好ましくは20nm以上であるが、より好ましくは50nm以上、更に好ましくは80nm以上、特に好ましくは200nm以上である。また、上記厚み方向位相差Rthは、1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは800nm以下、更に好ましくは600nm以下である。
上記式(ii)を満たす位相差層はまた、正波長分散特性を有していてもよい。本発明では、当該位相差層が正波長分散特性を有していても、色変化を抑制することができる。当該位相差層が正波長分散特性を有する場合には、波長550nmでの厚み方向位相差Rthに対する波長450nmでの厚み方向位相差Rthの比率である(R450/R550)が1.01以上、1.20以下であることが好ましく、1.02以上、1.18以下であることがより好ましい。また、波長550nmでの厚み方向位相差Rthに対する波長650nmでの厚み方向位相差Rthの比率である(R650/R550)が0.80以上、0.99以下であることが好ましく、0.90以上、0.98以下であることがより好ましい。
上記式(ii)を満たす位相差層としては、いわゆるポジティブCプレート(「+C-plate」とも称す)を用いることができる。具体的には、例えば、固有複屈折が負の材料を成分として含むフィルムを縦横二軸延伸加工したものや、ネマチック液晶等の液晶性材料を塗布したもの等が好ましい。固有複屈折が負の材料としては、例えば、アクリル系樹脂及びスチレン系樹脂を含む樹脂組成物、ポリスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリビニルビフェニル、ポリビニルピリジン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、N置換マレイミド共重合体、フルオレン骨格を有するポリカーボネート、トリアセチルセルロース(特にアセチル化度の小さいもの)等が挙げられる。
本実施形態では、波長550nmの光に対して、第一位相差層41の面内位相差Re(nm)と第二位相差層42の厚み方向位相差Rth(nm)とが、下記式(1)、(2)及び(3)を満たすことが特に好適である。これにより、斜め視角における色変化抑制効果及び輝度低減効果をより一層発揮することができる。
Re≧0.47×Rth+278 (1)
Re≦1.29×Rth+285 (2)
Re≦-0.54×Rth+750 (3)
中でも、第一位相差層41の面内位相差Re(nm)と第二位相差層42の厚み方向位相差Rth(nm)とが下記式(4)、(5)及び(6)を満たすことが最も好適である。
Re≧0.45×Rth+320 (4)
Re≦3.13×Rth-490 (5)
Re≦-0.42×Rth+644 (6)
光学素子20においては、第一偏光板31と第一位相差層41とが隣接配置されていることが好ましい。また、第一位相差層41と第二位相差層42とが隣接配置されていることが好ましい。更に、第二位相差層42と第二偏光板32とが隣接配置されていることが好ましい。中でも、第一偏光板31と第一位相差層41とが隣接配置され、第一位相差層41と第二位相差層42とが隣接配置され、かつ第二位相差層42と第二偏光板32とが隣接配置されていることが、特に好適である。即ち言い換えれば、第一偏光板31と第二偏光板32との間に、第一位相差層41及び第二位相差層42以外の位相差層が存在しないことが特に好適である。
本実施形態に係る光学素子20は、第一偏光板31の背面側から光を照射したときに、第二偏光板32を透過した斜め光(方位角45°、極角60°)の透過率T2が、80%以下であることが好ましい。但し、光学素子のうち第一位相差層41及び第二位相差層42を有さない構成の構造体について、第一偏光板31の背面側から光を照射したときに、第二偏光板32を透過した斜め光(方位角45°、極角60°)の透過率T1を100%とする。上記透過率T2が80%以下であれば、液晶表示装置として、実用上、光漏れ抑制効果が高いと判断することができる。より好ましくは60%以下、更に好ましくは40%以下、特に好ましくは20%以下である。なお、測定機器によっては、斜め光の極角を60°に設定できない場合があるが、その場合は極角を50°として透過率T2、T1を求めるものとする。この場合も透過率T2が上記範囲内にあることが好ましい。
透過率T2、T1の算出・測定方法については、後述する通りである。なお、透過率や後述する色変化の算出及び測定に使用される光源は、輝度スペクトルがフラットな白色光源を使用することが好適である。具体的には、白色光源(CIE標準光源D65)を用いることが好ましい。
光学素子20はまた、第一偏光板31の背面側から光を照射したときに、第二偏光板32を透過した光の正面透過率T0(方位角45°、極角0°)は、高いことが好適である。具体的には例えば、無偏光光源を使用したときに、上記正面透過率T0が30%以上であることが好ましい。より好ましくは40%以上である。また、上限は50%以下であることが好ましい。
本実施形態に係る光学素子20はまた、第一偏光板31の背面側から光を照射し、極角を60°に固定したときの方位角0°と方位角45°との間の色変化Δxyが、0.025未満であることが好ましい。この色変化Δxyが0.025未満であれば、液晶表示装置として、実用上、斜め視角での色変化が小さいと判断することができる。より好ましくは0.015以下、更に好ましくは0.007以下、特に好ましくは0.005以下である。色変化Δxyの算出・測定方法については、後述する通りである。
光学素子20は特に、(A)上記透過率T2が40%以下であり、かつ上記Δxyが0.005以下である形態、又は、(B)上記透過率T2が20%以下であり、かつ上記Δxyが0.015以下である形態のいずれか1以上を満たすことが好適である。このような光学素子20を用いれば、極めて高性能な液晶表示装置を得ることができる。
なお、上記(B)の形態では、第二位相差層42の厚み方向位相差Rthは500nm以上であることが好ましい。より好ましくは500~1000nm、更に好ましくは500~800nm、特に好ましくは500~600nmである。
(液晶パネル)
液晶パネル50の構成は特に限定されないが、例えば、一方の基板に画素電極及び共通電極が形成された一対の基板間に液晶層を狭持し、画素電極及び共通電極の間に電圧を印加して液晶層に横電界(フリンジ電界を含む)を印加することで表示を行うもの、一方の基板に画素電極、他方の基板に共通電極が形成された一対の基板間に液晶層を狭持し、画素電極及び共通電極の間に電圧を印加して液晶層に縦電界を印加することで表示を行うもの等が挙げられる。より具体的には、横電界方式としては、電圧無印加時に液晶層中の液晶分子が基板面に対して平行に配向する、FFS(Fringe Field Switching)モードやIPS(In Plane Switching)モード等が挙げられ、縦電界方式としては、電圧無印加時に液晶層中の液晶分子が基板面に対して垂直に配向する、垂直配向(VA:Vertical Alignment)等が挙げられる。
液晶パネル50の液晶モードは特に限定されず、液晶層中の液晶分子を基板面に垂直に配向させることで黒表示を行うものであってもよいし、液晶層中の液晶分子を基板面に平行又は垂直でも平行でもない方向に配向させることで黒表示を行うものであってもよい。また、液晶パネルの駆動形式としては、TFT方式(アクティブマトリクス方式)のほか、単純マトリクス方式(パッシブマトリクス方式)、プラズマアドレス方式等であってもよい。
(バックライト)
バックライト10は、光を照射するものであれば特に限定されず、直下型やエッジ型やその他のどの方式でもよい。具体的には例えば、バックライト10は、導光板及び光源を含む光源ユニットと、反射シートと、拡散シートとを備えるものが好ましい。光源としては、例えば、発光ダイオード(LED)を用いることができる。
(その他の部材)
本実施形態の液晶表示装置は、上述した部材の他、TCP(テープ・キャリア・パッケージ)、PCB(プリント配線基板)等の外部回路;視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム等の光学フィルム;ベゼル(フレーム);等の複数の部材により構成されるものであり、部材によっては、他の部材に組み込まれていてもよい。既に説明した部材以外の部材については特に限定されず、液晶表示装置の分野において通常使用されるものを用いることができるので、説明を省略する。
(実施形態2)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、上記実施形態1と重複する内容については説明を省略する。実施形態2は、液晶表示装置が更に、液晶パネル50の観察面側に、第三偏光板60を備える形態について説明する。
図2は、本実施形態に係る光学素子を備えた液晶表示装置の一例を示す断面模式図である。図2に示す通り、液晶表示装置100は、観察面側から、第三偏光板60、液晶パネル50、光学素子20及びバックライト10をこの順に備える。言い換えれば、背面側から、バックライト10、光学素子20、液晶パネル50及び第三偏光板60をこの順に備える。光学素子20は、背面側から、第一偏光板31、第一位相差層41、第二位相差層42及び第二偏光板32をこの順に備える。
第三偏光板60は、その透過軸が、第二偏光板32の透過軸に対して直交するように配置されることが好ましい。即ち第三偏光板60は、第二偏光板32とクロスニコルに配置されることが好適である。第三偏光板60はまた、その透過軸が、第一偏光板31の透過軸に対して直交するように配置されることが好ましい。即ち第三偏光板60は、第一偏光板31とクロスニコルに配置されることが好適である。「直交する」とは、90°±10°の範囲内の角度をなすことを意味する。この角度は、90°±5°の範囲内であることが好ましい。
第三偏光板60は、直線偏光板であることが好ましく、また、吸収型偏光板であることが好適であるが、反射型偏光板であってもよい。吸収型偏光板及び反射型偏光板の具体例は上述した通りである。
(実施形態3)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、上記実施形態1と重複する内容については説明を省略する。実施形態3は、第一位相差層41が、nz>nx≒ny(上記式(ii))を満たす位相差層であり、かつ第二位相差層42が、nx>ny≒nz(上記式(i))を満たす位相差層である形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る光学素子を備えた液晶表示装置の一例を示す断面模式図でもある。図1に示す通り、液晶表示装置100は、観察面側から、液晶パネル50、光学素子20及びバックライト10をこの順に備える。即ち言い換えれば、背面側から、バックライト10、光学素子20及び液晶パネル50をこの順に備える。光学素子20は、背面側から、第一偏光板31、第一位相差層41、第二位相差層42及び第二偏光板32をこの順に備える。
第一位相差層41は、nz>nx≒ny(上記式(ii))を満たす。即ち第一位相差層41は、nz>nx≒nyを満たす一軸性の位相差層である。第二位相差層42は、nx>ny≒nz(上記式(i))を満たす。即ち第二位相差層42は、nx>ny≒nzを満たす一軸性の位相差層である。
このように本実施形態は、第一偏光板31、第一位相差層41、第二位相差層42及び第二偏光板32を備える光学素子20であって、上記第一偏光板31、上記第一位相差層41、上記第二位相差層42及び上記第二偏光板32は、この順に配置されており、上記第一位相差層41は、nz>nx≒nyを満たし、上記第二位相差層42は、nx>ny≒nzを満たし、上記第一偏光板31及び上記第二偏光板32は、直線偏光板であり、上記第一偏光板31の透過軸と、上記第二偏光板32の透過軸とは、互いに平行であり、上記第二位相差層42の遅相軸は、上記第一偏光板31の偏光軸に対して直交する、光学素子、である。
本実施形態のように、パラレルニコルに配置された一対の偏光板31、32の間に、バックライト10側から順に、nz>nx≒nyを満たす第一位相差層41と、nx>ny≒nzを満たす第二位相差層42とを積層し、かつ第二位相差層42を、その遅相軸が第一偏光板31の偏光軸に対して直交するように配置することによっても、斜め視角での輝度抑制と色変化抑制との両立を実現することができる。
第一位相差層41は、単層から構成されるものであってもよいし、2層以上の層から構成されるものであってもよい。第一位相差層41が2層以上の層から構成される場合は、第一位相差層41全体として式(ii)を満たす。また第一位相差層41全体として、上述した、式(ii)を満たす位相差層の好ましい形態を満たすことが好ましい。
第二位相差層42は、単層から構成されるものであってもよいし、2層以上の層から構成されるものであってもよい。第二位相差層42が2層以上の層から構成される場合は、第二位相差層42全体として式(i)を満たす。また第二位相差層42全体として、上述した、式(i)を満たす位相差層の好ましい形態を満たすことが好ましい。
本実施形態では、波長550nmの光に対して、第二位相差層42の面内位相差Re(nm)と第一位相差層41の厚み方向位相差Rth(nm)とが、上記式(1)、(2)及び(3)を満たすことが特に好適である。これにより、斜め視角における色変化抑制効果及び輝度低減効果をより一層発揮することができる。中でも、第二位相差層42の面内位相差Re(nm)と第一位相差層41の厚み方向位相差Rth(nm)とが上記式(4)、(5)及び(6)を満たすことが最も好適である。
本実施形態の光学素子20もまた、(A)上記透過率T2が40%以下であり、かつ上記Δxyが0.005以下である形態、又は、(B)上記透過率T2が20%以下であり、かつ上記Δxyが0.015以下である形態のいずれか1以上を満たすことが特に好適である。なお、上記(B)の形態では、第一位相差層41の厚み方向位相差Rthは500nm以上であることが好ましい。より好ましくは500~1000nm、更に好ましくは500~800nm、特に好ましくは500~600nmである。
(実施形態4)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、上記実施形態1と重複する内容については説明を省略する。実施形態4は、第一位相差層41が、ny<nx≒nz(上記式(iii))を満たす位相差層であり、かつ第二位相差層42が、nz<nx≒ny(上記式(iv))を満たす位相差層である形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る光学素子を備えた液晶表示装置の一例を示す断面模式図でもある。図1に示す通り、液晶表示装置100は、観察面側から、液晶パネル50、光学素子20及びバックライト10をこの順に備える。即ち言い換えれば、背面側から、バックライト10、光学素子20及び液晶パネル50をこの順に備える。光学素子20は、背面側から、第一偏光板31、第一位相差層41、第二位相差層42及び第二偏光板32をこの順に備える。
第一位相差層41は、ny<nx≒nz(上記式(iii))を満たす。即ち第一位相差層41は、ny<nx≒nzを満たす一軸性の位相差層である。第二位相差層42は、nz<nx≒ny(上記式(iv))を満たす。即ち第二位相差層42は、nz<nx≒nyを満たす一軸性の位相差層である。
このように本実施形態は、第一偏光板31、第一位相差層41、第二位相差層42及び第二偏光板32を備える光学素子20であって、上記第一偏光板31、上記第一位相差層41、上記第二位相差層42及び上記第二偏光板32は、この順に配置されており、上記第一位相差層41は、ny<nx≒nzを満たし、上記第二位相差層42は、nz<nx≒nyを満たし、上記第一偏光板31及び上記第二偏光板32は、直線偏光板であり、上記第一偏光板31の透過軸と、上記第二偏光板32の透過軸とは、互いに平行であり、上記第一位相差層41の遅相軸は、上記第一偏光板31の偏光軸に対して直交する、光学素子、である。
本実施形態のように、パラレルニコルに配置された一対の偏光板31、32の間に、バックライト10側から順に、ny<nx≒nzを満たす第一位相差層41と、nz<nx≒nyを満たす第二位相差層42とを積層し、かつ第一位相差層41を、その遅相軸が第一偏光板31の偏光軸に対して直交するように配置することによっても、斜め視角での輝度抑制と色変化抑制との両立を実現することができる。
第一位相差層41は、単層から構成されるものであってもよいし、2層以上の層から構成されるものであってもよい。第一位相差層41が2層以上の層から構成される場合は、第一位相差層41全体としてny<nx≒nz(式(iii))を満たす。また第一位相差層41全体として、以下の、式(iii)を満たす位相差層の好ましい形態を満たすことが好ましい。
上記式(iii)を満たす位相差層(本実施形態では第一位相差層41)は、面内位相差Re(絶対値)が10nm以上であればよく、好ましくは20nm以上であるが、より好ましくは100nm以上、更に好ましくは200nm以上、特に好ましくは400nm以上である。また、上記面内位相差Reは、1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは800nm以下、更に好ましくは600nm以下である。
上記式(iii)を満たす位相差層としては、いわゆるネガティブAプレート(「-A-plate」とも称す)を用いることができる。
第二位相差層42は、単層から構成されるものであってもよいし、2層以上の層から構成されるものであってもよい。第二位相差層42が2層以上の層から構成される場合は、第二位相差層42全体としてnz<nx≒ny(式(iv))を満たす。また第二位相差層42全体として、以下の、式(iv)を満たす位相差層の好ましい形態を満たすことが好ましい。
上記式(iv)を満たす位相差層(本実施形態では第二位相差層42)は、厚み方向位相差Rth(絶対値)が10nm以上であればよく、好ましくは20nm以上であるが、より好ましくは50nm以上、更に好ましくは80nm以上、特に好ましくは200nm以上である。また、上記厚み方向位相差Rthは、1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは800nm以下、更に好ましくは600nm以下である。
上記式(iv)を満たす位相差層はまた、正波長分散特性を有していてもよい。本発明では、当該位相差層が正波長分散特性を有していても、色変化を抑制することができる。当該位相差層が正波長分散特性を有する場合には、波長550nmでの厚み方向位相差Rthに対する波長450nmでの厚み方向位相差Rthの比率である(R450/R550)が1.01以上、1.20以下であることが好ましく、1.02以上、1.18以下であることがより好ましい。また、波長550nmでの厚み方向位相差Rthに対する波長650nmでの厚み方向位相差Rthの比率である(R650/R550)が0.80以上、0.99以下であることが好ましく、0.90以上、0.98以下であることがより好ましい。
上記式(iv)を満たす位相差層としては、いわゆるネガティブCプレート(「-C-plate」とも称す)を用いることができる。
本実施形態でも、波長550nmの光に対して、第一位相差層41の面内位相差Re(nm)と第二位相差層42の厚み方向位相差Rth(nm)とが、上記式(1)、(2)及び(3)を満たすことが特に好適である。これにより、斜め視角における色変化抑制効果及び輝度低減効果をより一層発揮することができる。中でも、第一位相差層41の面内位相差Re(nm)と第二位相差層42の厚み方向位相差Rth(nm)とが上記式(4)、(5)及び(6)を満たすことが最も好適である。
本実施形態の光学素子20もまた、(A)上記透過率T2が40%以下であり、かつ上記Δxyが0.005以下である形態、又は、(B)上記透過率T2が20%以下であり、かつ上記Δxyが0.015以下である形態のいずれか1以上を満たすことが特に好適である。なお、上記(B)の形態では、第二位相差層42の厚み方向位相差Rth(絶対値)は500nm以上であることが好ましい。より好ましくは500~1000nm、更に好ましくは500~800nm、特に好ましくは500~600nmである。
(実施形態5)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、上記実施形態1と重複する内容については説明を省略する。実施形態5は、第一位相差層41が、nz<nx≒ny(上記式(iv))を満たす位相差層であり、かつ第二位相差層42が、ny<nx≒nz(上記式(iii))を満たす位相差層である形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る光学素子を備えた液晶表示装置の一例を示す断面模式図でもある。図1に示す通り、液晶表示装置100は、観察面側から、液晶パネル50、光学素子20及びバックライト10をこの順に備える。即ち言い換えれば、背面側から、バックライト10、光学素子20及び液晶パネル50をこの順に備える。光学素子20は、背面側から、第一偏光板31、第一位相差層41、第二位相差層42及び第二偏光板32をこの順に備える。
第一位相差層41は、nz<nx≒ny(上記式(iv))を満たす。即ち第一位相差層41は、nz<nx≒nyを満たす一軸性の位相差層である。第二位相差層42は、ny<nx≒nz(上記式(iii))を満たす。即ち第二位相差層42は、ny<nx≒nzを満たす一軸性の位相差層である。
このように本実施形態は、第一偏光板31、第一位相差層41、第二位相差層42及び第二偏光板32を備える光学素子20であって、上記第一偏光板31、上記第一位相差層41、上記第二位相差層42及び上記第二偏光板32は、この順に配置されており、上記第一位相差層41は、nz<nx≒nyを満たし、上記第二位相差層42は、ny<nx≒nzを満たし、上記第一偏光板31及び上記第二偏光板32は、直線偏光板であり、上記第一偏光板31の透過軸と、上記第二偏光板32の透過軸とは、互いに平行であり、上記第二位相差層42の遅相軸は、上記第一偏光板31の偏光軸に対して直交する、光学素子、である。
本実施形態のように、パラレルニコルに配置された一対の偏光板31、32の間に、バックライト10側から順に、nz<nx≒nyを満たす第一位相差層41と、ny<nx≒nzを満たす第二位相差層42とを積層し、かつ第二位相差層42を、その遅相軸が第一偏光板31の偏光軸に対して直交するように配置することによっても、斜め視角での輝度抑制と色変化抑制との両立を実現することができる。
第一位相差層41は、単層から構成されるものであってもよいし、2層以上の層から構成されるものであってもよい。第一位相差層41が2層以上の層から構成される場合は、第一位相差層41全体として式(iv)を満たす。また第一位相差層41全体として、上述した、式(iv)を満たす位相差層の好ましい形態を満たすことが好ましい。
第二位相差層42は、単層から構成されるものであってもよいし、2層以上の層から構成されるものであってもよい。第二位相差層42が2層以上の層から構成される場合は、第二位相差層42全体として式(iii)を満たす。また第二位相差層42全体として、上述した、式(iii)を満たす位相差層の好ましい形態を満たすことが好ましい。
本実施形態では、波長550nmの光に対して、第二位相差層42の面内位相差Re(nm)と第一位相差層41の厚み方向位相差Rth(nm)とが、上記式(1)、(2)及び(3)を満たすことが特に好適である。これにより、斜め視角における色変化抑制効果及び輝度低減効果をより一層発揮することができる。中でも、第二位相差層42の面内位相差Re(nm)と第一位相差層41の厚み方向位相差Rth(nm)とが上記式(4)、(5)及び(6)を満たすことが最も好適である。
本実施形態の光学素子20もまた、(A)上記透過率T2が40%以下であり、かつ上記Δxyが0.005以下である形態、又は、(B)上記透過率T2が20%以下であり、かつ上記Δxyが0.015以下である形態のいずれか1以上を満たすことが特に好適である。なお、上記(B)の形態では、第一位相差層41の厚み方向位相差Rth(絶対値)は500nm以上であることが好ましい。より好ましくは500~1000nm、更に好ましくは500~800nm、特に好ましくは500~600nmである。
以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、図5A~図20及び図22~図25において、各断面模式図の各層の右に示した角度は、吸収型偏光板であれば吸収軸の方位角を、反射型偏光板であれば反射軸の方位角を、位相差層であれば面内遅相軸の方位角を、それぞれ意味する。
(評価試験)
以下の例では、方位角45°、かつ極角60°という斜め方向から観察した場合、即ち斜め視角における光漏れ抑制効果と色変化とを評価した。評価方法を以下に述べる。
なお、この評価試験では、バックライト光源として白色光源(CIE標準光源D65)を用いるものとする。より具体的には、実施例13では、オプトサイエンス社製「AxoScan」搭載の波長可変光源を用いて透過率を測定し、日本電色工業社製「GC5000」搭載の白色光源を用いて色度を測定した。
比較例1~3では、位相差層40の面内位相差Re又は厚み方向位相差Rthを60~450nmの範囲で変化させて評価を行った。また、位相差層の波長分散がシミュレーション結果に若干の影響を及ぼす可能性を考慮して、比較例1~3及び実施例1~12、14、15では、+A-plateとして、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルムを想定してフラット分散の値を、+C-plateとして、典型的な正分散の値を、それぞれ使用した。
なお、光学素子20以外の部材等(例えば、液晶パネル50や第三偏光板60)は、以下で評価する物性に大きく影響するものではない。それゆえ、光学素子20が光漏れと色変化との抑制効果を発揮できる場合は、当該光学素子20を備える液晶表示装置としても当該効果を発揮できると判断することができる。
(1)光漏れ抑制効果
図3A及び図3Bは、光漏れ抑制効果の評価方法を説明するための図である。
図3Bに示すように、背面側にあるバックライト10から光学素子20に向けて光を照射し、当該光学素子20のうち最も観察面側にある第二偏光板32を透過した斜め光(方位角45°、かつ極角60°)の透過率を求め、これを「透過率T2」とする。ここでの光学素子20とは、一対の偏光板31、32の間に位相差層40を有するものであり、位相差層40は2層以上の層(位相差層41、42等)からなる場合もある(図4も同様である)。一方、図3Aに示すように、光学素子20が位相差層40を有さない構成についても同様に、第二偏光板32を透過した斜め光(方位角45°、かつ極角60°)の透過率を求め、これを「透過率T1」とする。
透過率T1を100%としたときの透過率T2、即ち「(透過率T2/透過率T1)×100」により算出される値を、光漏れ抑制効果の指標とする。
比較例1~3及び実施例1~12、14~17では、透過率T1及びT2を、シンテック社製の液晶シミュレータ「LCD Master」を用いて計算により求めた。
実施例13では、透過率T2及びT1を、オプトサイエンス社製「AxoScan」を用いて実際に測定した(但し、測定器の都合上、斜め光の極角は50°に設定した。)。
(2)色変化
図4は、色変化の評価方法を説明するための図である。
図4に示すように、背面側にあるバックライト10から光学素子20に向けて光を照射し、極角を60°に固定したときの方位角0°における色度(x,y)=(x,y)を求める。同様に、極角を60°に固定したときの方位角45°における色度(x,y)=(x,y)を求める。これらの色度に基づき、下記式(7);
Δxy={(x-x)×2+(y-y)×2}/2 (7)
により色変化Δxyを算出する。
比較例1~3及び実施例1~12、14~17では、色度を、シンテック社製の液晶シミュレータ「LCD Master」を用いて計算により求めた。
実施例13では、色度を、日本電色工業社製「GC5000」を用いて実際に測定した。
(比較例1)
比較例1の光学素子20Aは、図5Aに示す通り、背面側(バックライト10側)から順に、第一偏光板31と、遅相軸が該第一偏光板31の吸収軸と直交するように配置された位相差層40と、該第一偏光板31とパラレルニコルに配置された第二偏光板32とを備える。位相差層40として+A-plateを用い、第一、第二偏光板31、32として吸収型偏光板を用いた。図5Aは、比較例1の光学素子20Aの断面模式図である。
比較例1の光学素子20Aについて、斜め方向における光漏れ抑制効果及び色変化を、上記方法に従って評価した。結果を図5Bに示す。図5Bは、比較例1の評価結果である。横軸は、位相差層40(+A-plate)の面内位相差Re(nm)であり、光漏れ抑制効果グラフの縦軸は、T1を100%としたときのT2(%)であり、色変化グラフの縦軸は、色変化Δxyである。図5Bより、位相差層40(+A-plate)の面内位相差Reが250nmである場合に色変化が極小値となり、その値Δxyは0.001であることが分かる。この色変化が極小となる設計値(Re=250nm)では、光漏れ抑制効果(即ち、T1を100%としたときのT2)は85%であり、光漏れ抑制効果が充分に得られない。
(比較例2)
比較例2の光学素子20Aは、位相差層40として+C-plateを用いたこと以外は、比較例1の光学素子20Aと同じ構成からなる。図6Aは、比較例2の光学素子20Aの断面模式図である。
比較例2の光学素子20Aについて、斜め方向における光漏れ抑制効果及び色変化を、上記方法に従って評価した。結果を図6Bに示す。図6Bは、比較例2の評価結果である。横軸は、位相差層40(+C-plate)の厚み方向位相差Rth(nm)であり、光漏れ抑制効果グラフの縦軸は、T1を100%としたときのT2(%)であり、色変化グラフの縦軸は、色変化Δxyである。図6Bより、位相差層40(+C-plate)の厚み方向位相差Rthが600nmである場合に色変化が極小値となるが、その値Δxyは0.088と大きいことが分かる。この場合、液晶表示装置の表示品質は優れたものとはならない。なお、この色変化が極小となる設計値(Rth=600nm)では、光漏れ抑制効果は9%であった。
(比較例3)
比較例3の光学素子20Aは、位相差層40としてNZ=-9.5である2軸位相差板を用いたこと以外は、比較例1の光学素子20Aと同じ構成からなる。図7Aは、比較例3の光学素子20Aの断面模式図である。なお、比較例3の設計値には、特許文献1に開示された構成の中でも、色変化が小さく、かつ光漏れ抑制効果の大きくなる構成の値を選択した。
比較例3の光学素子20Aについて、斜め方向における光漏れ抑制効果及び色変化を、上記方法に従って評価した。結果を図7Bに示す。図7Bは、比較例3の評価結果である。横軸は、位相差層40(2軸位相差板)の厚み方向位相差Rth(nm)であり、光漏れ抑制効果グラフの縦軸は、T1を100%としたときのT2(%)であり、色変化グラフの縦軸は、色変化Δxyである。図7Bより、位相差層40(2軸位相差板)の厚み方向位相差Rthが600nmである場合に色変化が極小値となり、その値(Δxy)は0.025と大きいことが分かる。この場合も、液晶表示装置の表示品質は優れたものとはならない。なお、この色変化が極小となる設計値(Rth=600nm)では、光漏れ抑制効果は21%であった。
(実施例1)
実施例1の光学素子20は、図8に示す通り、背面側(バックライト10側)から順に、第一偏光板31と、遅相軸が該第一偏光板31の吸収軸と直交するように配置された第一位相差層41と、第二位相差層42と、該第一偏光板31とパラレルニコルに配置された第二偏光板32とを備える。第一位相差層41として+A-plateを使用し、第二位相差層42として+C-plateを用い、第一、第二偏光板31、32として吸収型偏光板を用いた。図8は、実施例1の光学素子20の断面模式図である。
ここで、第一位相差層41の面内位相差Reを520nmとし、第二位相差層42の厚み方向位相差Rthを256nmとした。第二位相差層42の厚み方向位相差Rthは、正波長分散を示し、かつ波長λでの厚み方向位相差Rthを「R(λ)」で表したときに、下記式(8)及び(9);
R(450nm)/R(550nm)=1.05 (8)
R(650nm)/R(550nm)=0.97 (9)
を満たすように設定した。後述する実施例2~13でも同様に、第二位相差層42の厚み方向位相差Rthが、正波長分散を示し、かつ上記式(8)及び(9)を満たすように設定した。
実施例1の光学素子20について、斜め視角における光漏れ抑制効果及び色変化を上記方法に従って評価した。結果を表1に示す。表1に示すRthは、波長550nmでの厚み方向位相差であり、後述する表2~表13に示すRthも同様である。表1には、比較のために、比較例1において色変化が極小値となったときの位相差層40の面内位相差Reの値及び比較例1の評価結果を併記した。後述する表2~表11にも同様に併記した。
Figure 2023174469000002
(実施例2)
実施例2の光学素子20が有する偏光板及び位相差層の配置は実施例1と同様である。図9は、実施例2の光学素子20の断面模式図である。この光学素子20について、第一位相差層41(+A-plate)の面内位相差Reを400nmとし、第二位相差層42(+C-plate)の厚み方向位相差Rthを256nmとして、斜め視角における光漏れ抑制効果及び色変化を上記方法に従って評価した。結果を表2に示す。
Figure 2023174469000003
(実施例3)
実施例3の光学素子20が有する偏光板及び位相差層の配置は実施例1と同様である。図10は、実施例3の光学素子20の断面模式図である。この光学素子20について、第一位相差層41(+A-plate)の面内位相差Reを590nmとし、第二位相差層42(+C-plate)の厚み方向位相差Rthを256nmとして、斜め視角における光漏れ抑制効果及び色変化を上記方法に従って評価した。結果を表3に示す。
Figure 2023174469000004
(実施例4)
実施例4の光学素子20が有する偏光板及び位相差層の配置は実施例1と同様である。図11は、実施例4の光学素子20の断面模式図である。この光学素子20について、第一位相差層41(+A-plate)の面内位相差Reを350nmとし、第二位相差層42(+C-plate)の厚み方向位相差Rthを80nmとして、斜め視角における光漏れ抑制効果及び色変化を上記方法に従って評価した。結果を表4に示す。
Figure 2023174469000005
(実施例5)
実施例5の光学素子20が有する偏光板及び位相差層の配置は実施例1と同様である。図12は、実施例5の光学素子20の断面模式図である。この光学素子20について、第一位相差層41(+A-plate)の面内位相差Reを510nmとし、第二位相差層42(+C-plate)の厚み方向位相差Rthを176nmとして、斜め視角における光漏れ抑制効果及び色変化を上記方法に従って評価した。結果を表5に示す。
Figure 2023174469000006
(実施例6)
実施例6の光学素子20が有する偏光板及び位相差層の配置は実施例1と同様である。図13は、実施例6の光学素子20の断面模式図である。この光学素子20について、第一位相差層41(+A-plate)の面内位相差Reを550nmとし、第二位相差層42(+C-plate)の厚み方向位相差Rthを352nmとして、斜め視角における光漏れ抑制効果及び色変化を上記方法に従って評価した。結果を表6に示す。
Figure 2023174469000007
(実施例7)
実施例7の光学素子20が有する偏光板及び位相差層の配置は実施例1と同様である。図14は、実施例7の光学素子20の断面模式図である。この光学素子20について、第一位相差層41(+A-plate)の面内位相差Reを490nmとし、第二位相差層42(+C-plate)の厚み方向位相差Rthを416nmとして、斜め視角における光漏れ抑制効果及び色変化を上記方法に従って評価した。結果を表7に示す。
Figure 2023174469000008
(実施例8)
実施例8の光学素子20が有する偏光板及び位相差層の配置は実施例1と同様である。図15は、実施例8の光学素子20の断面模式図である。この光学素子20について、第一位相差層41(+A-plate)の面内位相差Reを510nmとし、第二位相差層42(+C-plate)の厚み方向位相差Rthを320nmとして、斜め視角における光漏れ抑制効果及び色変化を上記方法に従って評価した。結果を表8に示す。
Figure 2023174469000009
(実施例9)
実施例9の光学素子20が有する偏光板及び位相差層の配置は実施例1と同様である。図16は、実施例9の光学素子20の断面模式図である。この光学素子20について、第一位相差層41(+A-plate)の面内位相差Reを460nmとし、第二位相差層42(+C-plate)の厚み方向位相差Rthを304nmとして、斜め視角における光漏れ抑制効果及び色変化を上記方法に従って評価した。結果を表9に示す。
Figure 2023174469000010
(実施例10)
実施例10の光学素子20が有する偏光板及び位相差層の配置は実施例1と同様である。図17は、実施例10の光学素子20の断面模式図である。この光学素子20について、第一位相差層41(+A-plate)の面内位相差Reを490nmとし、第二位相差層42(+C-plate)の厚み方向位相差Rthを352nmとして、斜め視角における光漏れ抑制効果及び色変化を上記方法に従って評価した。結果を表10に示す。
Figure 2023174469000011
(実施例11)
実施例11の光学素子20が有する偏光板及び位相差層の配置は実施例1と同様である。図18は、実施例11の光学素子20の断面模式図である。この光学素子20について、第一位相差層41(+A-plate)の面内位相差Reを490nmとし、第二位相差層42(+C-plate)の厚み方向位相差Rthを368nmとして、斜め視角における光漏れ抑制効果及び色変化を上記方法に従って評価した。結果を表11に示す。
Figure 2023174469000012
(実施例12)
実施例12の光学素子20が有する偏光板及び位相差層の配置は実施例1と同様である。図19は、実施例12の光学素子20の断面模式図である。この光学素子20について、第一位相差層41(+A-plate)の面内位相差Reを490nmとし、第二位相差層42(+C-plate)の厚み方向位相差Rthを597nmとして、斜め視角における光漏れ抑制効果及び色変化を上記方法に従って評価した。結果を表12に示す。表12には、比較のために、比較例2、3において色変化が極小値となったときの位相差層40(+C-plate又は2軸位相差板)の厚み方向位相差Rth等の値、及び、比較例2、3の評価結果を併記した。
Figure 2023174469000013
(実施例13)
本実施例では、実際にサンプルを作製して検討を行った。まず図20に示される構成の光学素子20を作製した。この光学素子20は、図20に示す通り、背面側(バックライト10側)から順に、第一偏光板31と、遅相軸が該第一偏光板31の吸収軸と直交するように配置された第一位相差層41と、第二位相差層42と、該第一偏光板31とパラレルニコルに配置された第二偏光板32とを備える。第一位相差層41として+A-plateを用い、第二位相差層42として+C-plateを用いた。図20は、実施例13の光学素子20の断面模式図である。
具体的には、第一、第二偏光板31、32として吸収型偏光板を使用し、バックライト10の光源として日本電色工業社製「GC5000」に搭載された白色光源を使用した。第一位相差層41として、半波長板(Re=270nm)とλ/4波長板(Re=140nm)とを積層したもの(フラット分散のシクロオレフィンポリマー(COP)フィルム)を使用し、第一位相差層41全体としての面内位相差Reを410nmとした。第二位相差層42としては、正分散の重合性液晶塗布型フィルムを使用した。
実施例13で得た光学素子20について、斜め視角における光漏れ抑制効果及び色変化を上記方法に従って評価した。結果(測定値)を表13に示す。
Figure 2023174469000014
表1~13より、実施例1~13の光学素子20は、光漏れ及び色変化の抑制効果が高いと判断できる基準(光漏れ抑制効果が85%以下、かつ色変化Δxyが0.025未満)を満たしており、効果が確認された。従って、実施例1~13の光学素子20を備える液晶表示装置は、斜め視角において色変化抑制と輝度低減とを両立でき、表示品質に特に優れるものと判断できる。
図21は、位相差層41(+A-plate)の面内位相差Reを縦軸とし、位相差層42(+C-plate)の厚み方向位相差Rthを横軸としたグラフに、実施例1~11をプロットした図である。外側の三角枠(a)で囲まれた領域は、上述したReとRthとの関係式である式(1)、(2)及び(3)を満たす範囲であるが、この範囲内であれば、斜め視角における色変化抑制効果及び輝度低減効果がより充分に発揮される。実施例13もこの範囲内に属している。また、内側の三角枠(b)で囲まれた領域は、上述した式(4)、(5)及び(6)を満たす範囲である。この範囲内であれば、上記効果がより一層顕著に発現されるため特に好適である。
(実施例14)
実施例14の光学素子20は、図22に示す通り、背面側(バックライト10側)から順に、第一偏光板31と、遅相軸が該第一偏光板31の吸収軸と直交するように配置された第一位相差層41と、第二位相差層42と、該第一偏光板31とパラレルニコルに配置された第二偏光板32と、を備える。第一位相差層41として+A-plateを使用し、第二位相差層42として+C-plateを用い、第一、第二偏光板31、32として吸収型偏光板を用いる。図22は、本例の光学素子20の断面模式図である。
ここで、+A-plateの面内位相差Reを480nmとし、+C-plateの厚み方向位相差Rthを350nmとする。
+C-plateの厚み方向位相差Rthは、正波長分散を示し、かつ波長λでの厚み方向位相差Rthを「R(λ)」で表したときに、下記式(8)及び(9);
R(450nm)/R(550nm)=1.05 (8)
R(650nm)/R(550nm)=0.97 (9)
を満たすように設定した。
+A-plateの面内位相差Reは、フラットな波長分散を示し、かつ波長λでの面内位相差Reを「R(λ)」で表したときに、下記式(10)及び(11);
R(450nm)/R(550nm)=1.00 (10)
R(650nm)/R(550nm)=1.00 (11)
を満たすように設定した。
(実施例15)
実施例15の光学素子20は、実施例14の光学素子20における+A-plateと+C-plateとの位置を入れ替えたものである。即ち本例の光学素子20は、図23に示す通り、背面側(バックライト10側)から順に、第一偏光板31と、第一位相差層41(+C-plate)と、遅相軸が該第一偏光板31の吸収軸と直交するように配置された第二位相差層42(+A-plate)と、該第一偏光板31とパラレルニコルに配置された第二偏光板32と、を備える。図23は、本例の光学素子20の断面模式図である。
(実施例16)
実施例16の光学素子20は、実施例14の光学素子20における+A-plate及び+C-plateをそれぞれ、-A-plate及び-C-plateに置き換えたものである。即ち本例の光学素子20は、図24に示す通り、背面側(バックライト10側)から順に、第一偏光板31と、遅相軸が該第一偏光板31の吸収軸と直交するように配置された第一位相差層41(-A-plate)と、第二位相差層42(-C-plate)と、該第一偏光板31とパラレルニコルに配置された第二偏光板32と、を備える。図24は、本例の光学素子20の断面模式図である。
(実施例17)
実施例17の光学素子20は、実施例15の光学素子20における+A-plate及び+C-plateをそれぞれ、-A-plate及び-C-plateに置き換えたものである。即ち本例の光学素子20は、図25に示す通り、背面側(バックライト10側)から順に、第一偏光板31と、第一位相差層41(-C-plate)と、遅相軸が該第一偏光板31の吸収軸と直交するように配置された第二位相差層42(-A-plate)と、該第一偏光板31とパラレルニコルに配置された第二偏光板32と、を備える。図25は、本例の光学素子20の断面模式図である。
実施例14~17の光学素子20について、斜め視角における光漏れ抑制効果及び色変化を上記方法に従って評価した。結果を表14に示す。
Figure 2023174469000015
実施例14(及び実施例1~13)の光学素子では、第一位相差層41が上記式(i)を満たす位相差層であり、第二位相差層42が上記式(ii)を満たす位相差層である。
実施例15の光学素子では、第一位相差層41が上記式(ii)を満たす位相差層であり、第二位相差層42が上記式(i)を満たす位相差層である。
実施例16の光学素子では、第一位相差層41が上記式(iii)を満たす位相差層であり、第二位相差層42が上記式(iv)を満たす位相差層である。
実施例17の光学素子では、第一位相差層41が上記式(iv)を満たす位相差層であり、第二位相差層42が上記式(iii)を満たす位相差層である。
表14より、実施例15~17では、実施例14とほぼ同等の効果(即ち光漏れ抑制効果及び色変化抑制効果)を発揮できることが確認できる。即ち、第一位相差層41及び第二位相差層42の組み合わせが、その一方が上記式(i)を満たす位相差層であり、かつ他方が上記式(ii)を満たす位相差層である組み合わせ、又は、その一方が上記式(iii)を満たす位相差層であり、かつ他方が上記式(iv)を満たす位相差層である組み合わせ、のいずれかである場合、斜め視角において色変化抑制と輝度低減とを両立でき、表示品質に特に優れる液晶表示装置が得られると判断できる。
以上に示した本発明の各態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよい。
10:バックライト
20、20A:光学素子
30A、30B、60A:偏光板
30X:偏光板の偏光軸(吸収軸又は反射軸)
31:(第一)偏光板
32:(第二)偏光板
40:位相差層
41:(第一)位相差層
42:(第二)位相差層
50:液晶パネル
60:(第三)偏光板
100、100A:液晶表示装置

Claims (9)

  1. 第一偏光板、第一位相差層、第二位相差層及び第二偏光板を備える光学素子であって、
    前記第一偏光板、前記第一位相差層、前記第二位相差層及び前記第二偏光板は、この順に配置されており、
    前記第一位相差層及び前記第二位相差層は、その一方が下記式(i)を満たす位相差層であり、かつ他方が下記式(ii)を満たす位相差層であるか、又は、その一方が下記式(iii)を満たす位相差層であり、かつ他方が下記式(iv)を満たす位相差層であり、
    前記第一偏光板及び前記第二偏光板は、直線偏光板であり、
    前記第一偏光板の透過軸と、前記第二偏光板の透過軸とは、互いに平行であり、
    前記第一位相差層及び前記二位相差層のうち下記式(i)又は(iii)を満たす位相差層の遅相軸は、前記第一偏光板の偏光軸に対して直交することを特徴とする光学素子。
    nx>ny≒nz (i)
    nz>nx≒ny (ii)
    ny<nx≒nz (iii)
    nz<nx≒ny (iv)
    但し、nxは、各位相差層の面内における遅相軸方向の主屈折率を表す。nyは、各位相差層の面内における進相軸方向の主屈折率を表す。nzは、各位相差層の面に対して垂直方向の主屈折率を表す。
  2. 前記第一位相差層は、前記式(i)を満たす位相差層であり、
    前記第二位相差層は、前記式(ii)を満たす位相差層であることを特徴とする光学素子。
  3. 波長550nmの光に対して、前記第一位相差層及び前記二位相差層のうち前記式(i)又は(iii)を満たす位相差層の面内リタデーションRe(nm)と、前記第一位相差層及び前記第二位相差層のうち前記式(ii)又は(iv)を満たす位相差層の厚み方向リタデーションRth(nm)とが、下記式(1)、(2)及び(3)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
    Re≧0.47×Rth+278 (1)
    Re≦1.29×Rth+285 (2)
    Re≦-0.54×Rth+750 (3)
  4. 波長550nmの光に対して、前記第一位相差層及び前記二位相差層のうち前記式(i)又は(iii)を満たす位相差層の面内リタデーションRe(nm)と、前記第一位相差層及び前記第二位相差層のうち前記式(ii)又は(iv)を満たす位相差層の厚み方向リタデーションRth(nm)とが、下記式(4)、(5)及び(6)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
    Re≧0.45×Rth+320 (4)
    Re≦3.13×Rth-490 (5)
    Re≦-0.42×Rth+644 (6)
  5. 前記第一偏光板の背面側から光を照射したときに、
    前記第二偏光板を透過した斜め光(方位角45°、極角60°)の透過率T2が、前記第一位相差層及び前記第二位相差層を有さない構成での前記透過率T1を100%とすると40%以下であり、かつ、極角を60°に固定したときの方位角0°と方位角45°との間の色変化Δxyが0.005以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  6. 前記第一偏光板の背面側から光を照射したときに、
    前記第二偏光板を透過した斜め光(方位角45°、極角60°)の透過率T2が、前記第一位相差層及び前記第二位相差層を有さない構成での前記透過率T1を100%とすると20%以下であり、かつ、極角を60°に固定したときの方位角0°と方位角45°との間の色変化Δxyが0.015以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  7. 前記第一位相差層及び前記第二位相差層のうち前記式(ii)又は(iv)を満たす位相差層の厚み方向リタデーションRth(nm)が、500nm以上であることを特徴とする請求項6に記載の光学素子。
  8. 観察面側から、液晶パネルと、請求項1~7のいずれかに記載の光学素子と、バックライトとをこの順に備える液晶表示装置であって、
    前記バックライトの観察面側に、前記光学素子の前記第一偏光板側の面が対向配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
  9. 前記液晶パネルの観察面側に、更に第三偏光板を備えることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。

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