JP2023173912A - 振動計測装置、振動計測方法及びプログラム - Google Patents

振動計測装置、振動計測方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2023173912A
JP2023173912A JP2022086465A JP2022086465A JP2023173912A JP 2023173912 A JP2023173912 A JP 2023173912A JP 2022086465 A JP2022086465 A JP 2022086465A JP 2022086465 A JP2022086465 A JP 2022086465A JP 2023173912 A JP2023173912 A JP 2023173912A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
physical quantity
light
exposure
timing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022086465A
Other languages
English (en)
Inventor
壮真 綿引
Soma Watabiki
由幹 加藤
Yoshimiki Kato
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kozo Keikaku Engineering Inc
Institute of National Colleges of Technologies Japan
Original Assignee
Kozo Keikaku Engineering Inc
Institute of National Colleges of Technologies Japan
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kozo Keikaku Engineering Inc, Institute of National Colleges of Technologies Japan filed Critical Kozo Keikaku Engineering Inc
Priority to JP2022086465A priority Critical patent/JP2023173912A/ja
Priority to PCT/JP2023/019316 priority patent/WO2023228972A1/ja
Publication of JP2023173912A publication Critical patent/JP2023173912A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B11/00Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B11/00Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques
    • G01B11/16Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques for measuring the deformation in a solid, e.g. optical strain gauge
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01HMEASUREMENT OF MECHANICAL VIBRATIONS OR ULTRASONIC, SONIC OR INFRASONIC WAVES
    • G01H9/00Measuring mechanical vibrations or ultrasonic, sonic or infrasonic waves by using radiation-sensitive means, e.g. optical means

Abstract

Figure 2023173912000001
【課題】圧縮センシングと画像解析を用いた振動計測装置、振動計測方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】振動計測装置1は、受光素子を複数回にわたり露光させ、振動する対象物に関する光学的な物理量を露光毎に取得する受光部10と、露光毎に、露光時間内のランダムなタイミングで一度のみ発光する光源20と、制御装置40と、を含み、制御装置40は、光学的な物理量に基づいて、対象物の振動に関わる物理量を算出する解析処理部402と、発光のタイミングと、対象物の振動に関わる物理量と、に基づいて圧縮センシングを実行することで対象物の振動挙動を再構成する圧縮センシング処理部403と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は振動計測装置、振動計測方法及びプログラムに関し、特に圧縮センシングと画像解析を用いた振動計測手法に関する。
構造物の振動挙動は、その構造物の状態や特性を調べる上で重要な情報である。そのため、構造物の設計開発から維持管理等に至るまで幅広い分野や状況で計測が行われている。
振動挙動の計測には、構造物表面に直接貼り付ける加速度センサが一般に用いられてきた。しかしながら、加速度センサは貼り付け箇所に制約があり、かつ貼り付けた箇所の局所的な情報しか得ることができないため、構造物全体の挙動を把握することが難しいという問題がある。また、複数のセンサを貼り付ける場合には、センサおよびロガー等のコストがかさむことや電源管理の困難性等の価格上および運用上の課題がある。また、計測対象の構造物が軽量な場合には、センサを貼り付けることで構造物の振動挙動が変わってしまうという課題もある。
一方で、近年はカメラで撮影した画像を解析することによって構造物の変形を計測する技術が提案されている(特許文献1及び非特許文献1参照)。画像による変形計測は、画像中の幅広い領域を面的に分析することができることから、直感的な理解や力学的解釈が容易である。また、非接触であることから構造物自体の振動に影響を与えることなく計測することができる。さらに、振動の空間情報(モード)を捉えることができるため、モードの変化に基づいて構造物の異常状態を検知することができる。
特開2020-201146号公報 「アンサンブルカルマンフィルタによる弾塑性有限要素解析のデータ同化」,中ノ智史 他2名,第31回計算力学講演会(CMD2018)講演論文集,No.18-8,一般社団法人日本機械学会,2018年11月23日 三村和史、「圧縮センシング-疎情報の再構成とそのアルゴリズム-」、[online]、2012年7月、[2021年9月1日検索]、インターネット(https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1803-03.pdf) 「Coded Strobing Photography: Compressive Sensing of High Speed Periodic Videos.」、Veeraraghavan外、IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence、2010年4月8日、Volume 33、Issue 4、第671-686頁
ところで、振動を計測するためには、振動数の2倍の周波数(ナイキスト周波数)でサンプリングしなければならないとされている(サンプリング定理)。そのため、従来の画像による変形計測技術を高速な振動挙動の計測に適用しようとすると、高速度カメラが必要となる。しかし、高速度カメラの採用は、コストが非常に高く、かつ膨大な画像データの分析を行うための長い計算時間と膨大な記録ストレージを必要とするという点で問題がある。また、高速度カメラは、解像度が低く抑えられていることが少なくなく、狭い範囲しか計測できなかったり、小さい振動を捉えられなかったりすることがある。
本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、圧縮センシングと画像解析を用いた振動計測装置、振動計測方法及びプログラムを提供することを目的とする。
一実施の形態によれば、振動計測装置は、受光素子を複数回にわたり露光させ、振動する対象物に関する光学的な物理量を前記露光毎に取得する受光部と、前記露光毎に、前記露光時間内のランダムなタイミングで一度のみ発光する光源と、制御装置と、を含み、前記制御装置は、前記光学的な物理量に基づいて、前記対象物の振動に関わる物理量を算出する解析処理部と、前記発光のタイミングと、前記対象物の振動に関わる物理量と、に基づいて圧縮センシングを実行することで前記対象物の振動挙動を再構成する圧縮センシング処理部と、を含む。
一実施の形態によれば、振動計測装置は、所定時間内にランダムなタイミングで一度のみ受光素子を露光させ、振動する対象物に関する光学的な物理量を取得する工程を複数回繰り返す受光部と、制御装置と、を含み、前記制御装置は、前記光学的な物理量に基づいて、前記対象物の振動に関わる物理量を算出する解析処理部と、前記露光のタイミングと、前記対象物の振動に関わる物理量と、に基づいて圧縮センシングを実行することで前記対象物の振動挙動を再構成する圧縮センシング処理部と、を含む。
一実施の形態によれば、振動計測方法は、受光素子を複数回にわたり露光させ、振動する対象物に関する光学的な物理量を前記露光毎に取得する受光ステップと、前記露光毎に、前記露光時間内のランダムなタイミングで一度のみ光源を発光させる発光ステップと、前記光学的な物理量に基づいて、前記対象物の振動に関わる物理量を算出する解析処理ステップと、前記発光のタイミングと、前記対象物の振動に関わる物理量と、に基づいて圧縮センシングを実行することで前記対象物の振動挙動を再構成する圧縮センシング処理ステップと、を含む。
一実施の形態によれば、振動計測方法は、複数回にわたり光源を発光させる発光ステップと、前記発光毎に、前記発光時間内のランダムなタイミングで一度のみ受光素子を露光させ、振動する対象物に関する光学的な物理量を取得する受光ステップと、前記光学的な物理量に基づいて、前記対象物の振動に関わる物理量を算出する解析処理ステップと、前記露光のタイミングと、前記対象物の振動に関わる物理量と、に基づいて圧縮センシングを実行することで前記対象物の振動挙動を再構成する圧縮センシング処理ステップと、を含む。
一実施の形態によれば、プログラムは、コンピュータに、受光素子を複数回にわたり露光させ、振動する対象物に関する光学的な物理量を前記露光毎に取得するための第1の制御信号を生成するステップと、前記露光毎に、前記露光時間内のランダムなタイミングで一度のみ光源を発光させるための第二の制御信号を生成するステップと、前記光学的な物理量に基づいて、前記対象物の振動に関わる物理量を算出する解析処理ステップと、前記発光のタイミングと、前記対象物の振動に関わる物理量と、に基づいて圧縮センシングを実行することで前記対象物の振動挙動を再構成する圧縮センシング処理ステップと、を実行させる。
一実施の形態によれば、プログラムは、コンピュータに、複数回にわたり光源を発光させるための第一の制御信号を生成するステップと、前記発光毎に、前記発光時間内のランダムなタイミングで一度のみ受光素子を露光させ、振動する対象物に関する光学的な物理量を取得するための第二の制御信号を生成するステップと、前記光学的な物理量に基づいて、前記対象物の振動に関わる物理量を算出する解析処理ステップと、前記露光のタイミングと、前記対象物の振動に関わる物理量と、に基づいて圧縮センシングを実行することで前記対象物の振動挙動を再構成する圧縮センシング処理ステップと、を実行させる。
本発明により、圧縮センシングと画像解析を用いた振動計測装置、振動計測方法及びプログラムを提供することができる。
振動計測装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。 制御装置40の機能構成を示すブロック図である。 圧縮センシングを振動計測に適用するための方法を説明した図である。 圧縮センシングを振動計測に適用するための方法を説明した図である。 振動計測装置1を利用した構造物の振動計測方法を示すフローチャートである。 圧縮センシングを振動計測に適用するための方法を説明した図である。 実証実験の内容及び結果を示す図である。
<概要>
はじめに、本発明が採用する圧縮センシングと呼ばれるデータサイエンス技術の特徴について簡潔に説明する。圧縮センシング(compressed sensing, compressive sampling)は、対象となる高次元の信号を、少ない観測から復元する枠組みである(非特許文献2参照)。本発明では、医療機器であるMRIの高速化や天文学で多く活用されている圧縮センシングに着目し、これを画像解析による振動計測へ適用することで上述の課題を解決した。
圧縮センシングによれば、非常に少ない量の観測データから広範囲かつ詳細な情報を推定(再構成)できる。圧縮センシングは、理論的には空間及び時間方向の両方向について適用することが可能であるが、空間的な情報を復元することを目的とした応用例が多い。これは、時間方向について高い性能を発揮するためには、上述のように高速度カメラなど高価な機材が必要だったことが理由のひとつと考えられる。
これは、圧縮センシングの適用にランダムサンプリングと呼ばれる計測手法が必要であることに起因する。ランダムサンプリングとは、文字通り不規則に計測することを意味し、時間方向の再構成を行う場合には不規則なタイミングで計測することが必要となる。このとき、圧縮センシングで再構成可能な情報の細かさ(再構成できる振動周波数の高さ)は、この時間間隔の調整時間の短さ(時間分解能)で決定され、この時間分解能より短い時間の振動は再構成することができない。一般的なカメラや計測器において設定できる計測間隔(撮影速度)の上限は、圧縮センシングを用いて高速な現象を再構成するためには力不足であり、高速度カメラのような非常に高価な機材が必要不可欠と考えられていた。
本発明の一実施の形態では、発光時間の短いストロボ光源、その発光タイミングを制御する信号発生装置および制御プログラムを組み合わせることで、カメラの撮影速度に対して数百倍程度の非常に高速な振動現象であっても非常に安価な機材を用いて再構成可能にした。
さらに、本発明の一実施の形態では、時間方向について再構成された情報を利用して、空間方向にも圧縮センシングを適用することで、非常に少ない計測点から空間的な振動挙動(振動モード)を再構成することを可能にした。
出願人らが実施した検証実験では、10コマ/秒という一般的な撮影速度のカメラを用いて、3210回/秒で振動する現象の周波数(ある計測点における振動の態様)と、空間的な振動形状(構造物の形状の変動の態様)とを再構成することに成功した。また、単一の周波数だけでなく、90~160回/秒の10種類の振幅が異なる振動を合成した波形が構造物に入力された場合においても、全ての周波数と空間的な振動形状とを個別に分解して再構成することに成功した。
本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1にかかる振動計測装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。振動計測装置1は、受光部10、光源20、信号生成装置30、制御装置40を含む。
受光部10は、典型的には対象物から発せられる可視光を捉えて可視画像を形成するカメラである。又は、非可視光線に感度を持つ赤外線カメラや紫外線カメラ、対象物の形状や変位を計測するレーザ変位計等であっても良い。すなわち、受光部10は、光学的な手段(受光素子)により対象物に関する光学的な物理量を計測可能な装置である。以下、説明の簡略化のため、受光部10による物理量の計測処理を「撮影」、計測されたデータを「画像」と称する。
受光部10は外部から制御信号が入力されたタイミングで撮影を行う。すなわち、制御信号の入力タイミングで露光を開始し、所定の露光時間が経過したなら露光を終了し、撮影データの転送及び保存等の処理を行う。又は、受光部10は外部から制御信号が入力されたタイミングで撮影を開始し、予め定められたインターバルで繰り返し撮影を行う。すなわち、制御信号の入力タイミングで露光を開始し、所定の露光時間が経過したなら露光を終了し、撮影データの転送及び保存等の処理を行う。そして、前回の露光から所定の時間が経過したなら再び露光、撮影データの転送及び保存等の一連の処理を行う。制御信号は、例えばレリーズ等のコントローラーが出力するものでも良く、信号生成装置30が出力するパルス波列などの電気信号であっても良い。このとき制御信号の出力側で信号出力時刻を記録しておくことにより、画像の撮影時刻を特定できる。
光源20は、典型的にはストロボである。又は、レーザ発振器等であっても良い。すなわち、光源20は、受光部10が撮影を行うために必要な光を発生する装置である。
光源20は外部から入力される制御信号に応じて指定のタイミングで発光する。すなわち、制御信号の入力タイミングで発光を開始し、所定の発光時間が経過したなら発光を終了する。制御信号は、例えば信号生成装置30が出力するパルス波列などの電気信号である。このとき制御信号の出力側で信号出力時刻を記録しておくことにより、光源20の発光時刻を特定できる。なお実施の形態1においては、光源20は、発光時間が短く、発光間隔(発光から次の発光までに必要な準備時間)が短く、光量が大きいほど望ましい。光源20の発光時間及び発光間隔が短いほど、振動計測装置1は高い振動周波数の現象を再構成できる。
信号生成装置30は、受光部10の撮影タイミングおよび光源20の発光タイミングを制御するために、予め設定されたタイミングで電気的な制御信号を生成及び出力する装置である。この処理の時間分解能が高いほど、すなわち制御信号の出力タイミングを細かく調整可能であるほど、振動計測装置1は高い振動周波数の現象を再構成できる。時間分解能は、信号生成装置30の内部クロック等に依存して決定される。信号生成装置30は、例えばファンクションジェネレーター等の専用装置、又はマイクロコンピュータやFPGA(Field Programmable Gate Array)等の汎用装置を利用して構成することができる。信号生成装置30が出力する信号波形は受光部10や光源20の仕様に合わせて変更されうるが、一般にはパルス列を用いる。
制御装置40は、典型的にはパーソナルコンピュータやマイクロコンピュータであり、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを読み出して実行することにより所定の機能的要素すなわち処理部を実現する。図2は、制御装置40の機能構成を示すブロック図である。制御装置40は、信号生成処理部401、解析処理部402、圧縮センシング処理部403を含む。
信号生成処理部401は、信号生成装置30に対し、制御信号の出力タイミングを設定する処理を行う。制御信号の出力タイミングは、受光部10の露光時間(シャッタースピード)や撮影速度(単位時間あたりの撮影可能枚数であって、露光時間+データ転送時間等により決まる)、光源20の最小発光間隔や発光時間等に応じて計算される。受光部10の露光時間は、例えば設定可能な範囲内でできるだけ長く設定しておくことができる。受光部10の撮影タイミングは、一定間隔でも不規則でも構わない。本実施の形態では、光源20の発光タイミングは、受光部10の各露光時間内に一度とする。また、発光タイミングは、信号発生装置30の時間分解能に応じ、一様乱数または正規分布乱数などの任意の確率分布に従って決定される。すなわち、光源20は、受光部10の各露光中にランダムなタイミングで一度だけ発光し、露光後のデータ転送時間等には発光を行わないよう設定される。信号生成処理部401は、ここで計算された制御信号の出力タイミングの設定値を、図示しない記憶領域に保存することができる。制御信号の出力タイミングの設定値は何度も繰り返し使用することができ、同一の受光部10および光源20と撮影条件のもとであれば計測ごとに再計算する必要はない。ここで計算された制御信号の出力タイミングの設定値は、後述の圧縮センシング処理部403でも利用される。
解析処理部402は、ランダムサンプリングされた画像データ、すなわち振動計測装置1の制御下で受光部10が撮影した一連の画像データを取得する。そして、取得した各画像から、変位やひずみをはじめとする、対象物の振動に関わる局所的な物理量を算出する。この解析にはデジタル画像相関法(DIC)やサンプリングモアレ法の公知技術を用いることができる。
圧縮センシング処理部403は、解析処理部402が計算した物理量の時系列データ、および信号生成処理部401が作成した制御信号の出力タイミングの設定値を用いて、圧縮センシングを実行する。
図3は、圧縮センシングを振動計測に適用するための具体的な方法を説明した図である。
圧縮センシングとは、未知ベクトルxを、線形観測に基づいて推定する手法である。信号xを直接観測することはできなくても、信号xに観測行列Aを乗算したものが観測可能であれば(線形観測)、その観測結果yと観測行列Aとを用いて、xを推定することが可能である(再構成)。なお再構成の具体的な手順については、本稿では詳細な説明を省略する(非特許文献2参照)。
本実施の形態においては、未知ベクトルxは、対象物の振動(変位やひずみをはじめとする物理量の時間経過に伴う変化)を表す波形である。
観測行列Aとしては、観測のタイミングすなわち対象物を撮影したタイミングを表す行列を用いることができる。例えば、露光時間を時間分解能で分割した時間スロットを想定し、光源20が発光した時間スロットには1を、無発光の時間スロットには0を立てたビット列を生成し、これを行列の要素とすることができる。具体的な例を挙げるならば、露光時間が0.6秒、時間分解能が0.1秒(0.1秒間隔で光源20の発光タイミングを制御できる)、発光タイミングが露光開始から0.4秒後であった場合、ビット列は000010となる。撮影をM回行った場合、M個のビット列を生成できる。これらM個のビット列を、図3に示すようにM行にわたって配置することにより観測行列Aを作成できる。
観測結果yとしては、撮影画像に基づいて解析処理部402が算出する、変位やひずみをはじめとする局所的な物理量を用いることができる。撮影をM回行った場合、M個の物理量を、図3に示すようにM行にわたって配置することにより観測結果yを作成できる。
なお、図4に示すように、圧縮センシングを適用して再構成を行う際には、基底、すなわち振動を構成する基準要素を設定する必要がある(非特許文献2参照)。基底には、例えば離散フーリエ基底、連続ウェーブレット基底、離散ウェーブレット基底などの信号の分解において一般的に用いられる基底を使用することができる。
つぎに、図5のフローチャートを用いて、振動計測装置1を利用した構造物の振動計測方法について説明する。
S101:
計測対象物の表面に画像解析用のパターンを設置する。例えば、対象物の表面にパターンを塗布またはシール等を貼り付ける。パターンの形状は任意であるが、例えば丸形状、ARマーカーなどの幾何学的な模様、ランダムパターン、規則的または不規則な格子パターンなどを使用することができる。対象物表面に形成されている自然な模様や汚れなどをパターンとして利用しても良い。
なお、再帰性反射材を用いたパターンを利用すると、環境光(例えば照明灯など)の影響を抑え、安定した計測が可能になる。再帰性反射材とは、光源からの光をほぼ入射光と同じ光路で反射する素材である。光源20を受光部10の近傍に設置することで、受光部10による撮影の際に光源20以外の環境光等の影響が抑制され、安定した計測を行うことが可能となる。
S102:
計測範囲全体が画像中に収まるように受光部10を設置し、光源20が発光したタイミングのみ画像解析パターンが写るように光源の位置や光量、レンズの絞りを調整する。
S103:
制御装置40の信号生成処理部401が、制御信号の出力タイミングの設定値を計算し、信号生成装置30に設定する。すなわち、信号生成装置30の図示しない記憶領域に設定値を書き込む。
なお、信号生成処理部401は、制御信号の出力タイミングの設定値を都度計算しても良いが、過去に同条件で計測を行なった経験などがある場合は、過去に計算されて保存されている設定値を再利用しても良い。
S104:
信号生成装置30を受光部10の外部制御端子および光源20の外部制御端子に接続する。信号生成装置30は、制御信号の出力タイミングの設定値に従って、受光部10および光源20に制御信号を出力する。これにより、受光部10および光源20は、対象物が振動する様子を、信号生成処理部401が予め計算したタイミングで記録する。
S105:
解析処理部402が、受光部10が取得した画像を解析し、物理量の時系列データ(ランダムサンプリングデータ)を取得する。
S106:
圧縮センシング処理部403が、S105で得られた物理量のランダムサンプリングデータと、信号生成処理部401が生成した制御信号の出力タイミングの設定値とに従って、受光部10の撮影間隔より非常に高い周波数の振動の空間モードおよび周波数を分解した再構成結果を得る。
<実施の形態2>
実施の形態1では、受光部10の露光中に、光源20がランダムなタイミングで一度だけ発光した。一方、実施の形態2では、光源20の発光中に、受光部10がランダムなタイミングで一度だけ露光することを特徴とする。以下、実施の形態1との相違点を中心に、実施の形態2にかかる振動計測装置1について説明する。実施の形態1と共通する構成及び動作等については、適宜説明を省略する。
実施の形態2にかかる振動計測装置1のハードウェア構成は、図1に示すとおりである。
なお、実施の形態2においては、受光部10は、露光時間(シャッタースピード)が短く、撮影速度(単位時間あたりの撮影可能枚数であって、露光時間+データ転送時間等により決まる)が速く、感度が高いほど望ましい。受光部10の露光時間が短く、撮影速度が速いほど、振動計測装置1は高い振動周波数の現象を再構成できる。
実施の形態2では、光源20の発光時間は、例えば設定可能な範囲内でできるだけ長く設定しておくことができる。光源20の発光タイミングは、一定間隔でも不規則でも構わない。
受光部10の露光タイミングは、光源の各発光時間内に一度とする。また、露光タイミングは、信号発生装置30の時間分解能に応じ、一様乱数または正規分布乱数などの任意の確率分布に従って決定される。すなわち、受光部10は、光源20の各発光中にランダムなタイミングで一度だけ露光する。
なお、光源20の各発光間の時間的ギャップは0以上であれば良い。タイムギャップが0を超える場合、光源20は断続的に発光する。すなわち点滅する。例えば毎回の発光時間が0.6秒、各発光間の時間的ギャップが0.1秒の場合、光源20は発光(0.6秒)と無発光(0.1秒)とを交互に繰り返して点滅する。一方、タイムギャップが0の場合、光源20は連続光となり、例えば太陽光を光源20として用いることも可能である。例えば毎回の発光時間が0.6秒、各発光間の時間的ギャップが0の場合、光源20は客観的には連続光となるが、振動計測装置1は光源20が0.6秒間の発光を時間的ギャップ0で繰り返しているものとみなして処理を行う。
図6は、実施の形態2において、圧縮センシングを振動計測に適用するための具体的な方法を説明した図である。
本実施の形態においても、観測行列Aとして、観測のタイミングすなわち対象物を撮影したタイミングを表す行列を用いることができる。例えば、発光時間を時間分解能で分割した時間スロットを想定し、受光部10が露光した時間スロットには1を、無露光の時間スロットには0を立てたビット列を生成し、これを行列の要素とすることができる。具体的な例を挙げるならば、発光時間が0.6秒、時間分解能が0.1秒(0.1秒間隔で受光部10の露光タイミングを制御できる)、露光タイミングが発光開始から0.4秒後であった場合、ビット列は000010となる。撮影をM回行った場合、M個のビット列を生成できる。これらM個のビット列を、図3に示すようにM行にわたって配置することにより観測行列Aを作成できる。
未知ベクトルx、観測結果yは実施の形態1と同様に作成できる。
実施の形態2にかかる振動計測装置1を利用した構造物の振動計測方法は、図5に示すとおりである。
<実証実験>
出願人は、本発明の実施の形態1の構成を備えた振動計測装置1を用いて、振動計測実験を行なった。その内容及び結果を図7及び以下に示す。
内容:振動台を使用し、アルミ合金製の平板の中央に、170Hzと1130Hzの合成振動を入力した。この状態の平板を、10Hz(10fpsすなわち1秒間に10コマ)の撮影速度を有する受光部10を使用して撮影した。受光部10の露光中、光源20をランダムなタイミングで1回発光させた。
結果:圧縮センシング処理部403は、合成振動をモード分解し、170Hz及び1130Hzのモードを抽出した。これはナイキスト周波数の226倍にあたる。これにより、振動計測装置1はナイキスト周波数以上の波形をモード分解することが可能であることが裏付けられた。また、このとき分解された170Hz及び1130Hzのモードの波形は、有限要素法解析(FEM)により求められた波形とほぼ同一であった。このことから、振動計測装置1による計測結果の正確性が裏付けられた。
なお、他の実験では、10Hzのカメラを使用して3210Hz(ナイキスト周波数の642倍)のモードを特定し、10の周波数の分解が可能であった。また、定常、ランダム、減衰の構造振動に対応可能であることを確認した。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。本発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
また、本発明の情報処理はハードウェアにより実現されても良く、CPUがコンピュータプログラムを実行することにより実現されても良い。コンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)又は一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によりコンピュータに供給され得る。
1 振動計測装置
10 受光部
20 光源
30 信号生成装置
40 制御装置
401 信号生成処理部
402 解析処理部
403 圧縮センシング処理部

Claims (6)

  1. 受光素子を複数回にわたり露光させ、振動する対象物に関する光学的な物理量を前記露光毎に取得する受光部と、
    前記露光毎に、前記露光時間内のランダムなタイミングで一度のみ発光する光源と、
    制御装置と、を含み、
    前記制御装置は、
    前記光学的な物理量に基づいて、前記対象物の振動に関わる物理量を算出する解析処理部と、
    前記発光のタイミングと、前記対象物の振動に関わる物理量と、に基づいて圧縮センシングを実行することで前記対象物の振動挙動を再構成する圧縮センシング処理部と、を含む
    振動計測装置。
  2. 所定時間内にランダムなタイミングで一度のみ受光素子を露光させ、振動する対象物に関する光学的な物理量を取得する工程を複数回繰り返す受光部と、
    制御装置と、を含み、
    前記制御装置は、
    前記光学的な物理量に基づいて、前記対象物の振動に関わる物理量を算出する解析処理部と、
    前記露光のタイミングと、前記対象物の振動に関わる物理量と、に基づいて圧縮センシングを実行することで前記対象物の振動挙動を再構成する圧縮センシング処理部と、を含む
    振動計測装置。
  3. 受光素子を複数回にわたり露光させ、振動する対象物に関する光学的な物理量を前記露光毎に取得する受光ステップと、
    前記露光毎に、前記露光時間内のランダムなタイミングで一度のみ光源を発光させる発光ステップと、
    前記光学的な物理量に基づいて、前記対象物の振動に関わる物理量を算出する解析処理ステップと、
    前記発光のタイミングと、前記対象物の振動に関わる物理量と、に基づいて圧縮センシングを実行することで前記対象物の振動挙動を再構成する圧縮センシング処理ステップと、を含む
    振動計測方法。
  4. 複数回にわたり光源を発光させる発光ステップと、
    前記発光毎に、前記発光時間内のランダムなタイミングで一度のみ受光素子を露光させ、振動する対象物に関する光学的な物理量を取得する受光ステップと、
    前記光学的な物理量に基づいて、前記対象物の振動に関わる物理量を算出する解析処理ステップと、
    前記露光のタイミングと、前記対象物の振動に関わる物理量と、に基づいて圧縮センシングを実行することで前記対象物の振動挙動を再構成する圧縮センシング処理ステップと、を含む
    振動計測方法。
  5. コンピュータに、
    受光素子を複数回にわたり露光させ、振動する対象物に関する光学的な物理量を前記露光毎に取得するための第1の制御信号を生成するステップと、
    前記露光毎に、前記露光時間内のランダムなタイミングで一度のみ光源を発光させるための第二の制御信号を生成するステップと、
    前記光学的な物理量に基づいて、前記対象物の振動に関わる物理量を算出する解析処理ステップと、
    前記発光のタイミングと、前記対象物の振動に関わる物理量と、に基づいて圧縮センシングを実行することで前記対象物の振動挙動を再構成する圧縮センシング処理ステップと、を実行させるためのプログラム。
  6. コンピュータに、
    複数回にわたり光源を発光させるための第一の制御信号を生成するステップと、
    前記発光毎に、前記発光時間内のランダムなタイミングで一度のみ受光素子を露光させ、振動する対象物に関する光学的な物理量を取得するための第二の制御信号を生成するステップと、
    前記光学的な物理量に基づいて、前記対象物の振動に関わる物理量を算出する解析処理ステップと、
    前記露光のタイミングと、前記対象物の振動に関わる物理量と、に基づいて圧縮センシングを実行することで前記対象物の振動挙動を再構成する圧縮センシング処理ステップと、を実行させるプログラム。
JP2022086465A 2022-05-26 2022-05-26 振動計測装置、振動計測方法及びプログラム Pending JP2023173912A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022086465A JP2023173912A (ja) 2022-05-26 2022-05-26 振動計測装置、振動計測方法及びプログラム
PCT/JP2023/019316 WO2023228972A1 (ja) 2022-05-26 2023-05-24 振動計測装置、振動計測方法及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022086465A JP2023173912A (ja) 2022-05-26 2022-05-26 振動計測装置、振動計測方法及びプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023173912A true JP2023173912A (ja) 2023-12-07

Family

ID=88919380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022086465A Pending JP2023173912A (ja) 2022-05-26 2022-05-26 振動計測装置、振動計測方法及びプログラム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2023173912A (ja)
WO (1) WO2023228972A1 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107250716B (zh) * 2015-02-24 2020-07-24 国立大学法人东京大学 动态高速高灵敏度成像装置及成像方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023228972A1 (ja) 2023-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zappa et al. Uncertainty assessment of digital image correlation method in dynamic applications
JP6981997B2 (ja) 距離測定装置
Busca et al. Vibration monitoring of multiple bridge points by means of a unique vision-based measuring system
US20050279172A1 (en) Visualization, measurement and analysis of vibrating objects
US7123363B2 (en) Speckle pattern analysis method and system
AU2016308995B2 (en) Method, device, and program for measuring displacement and vibration of object by single camera
JP2009264852A (ja) 格子画像の位相解析方法およびそれを用いた物体の変位測定方法ならびに物体の形状測定方法
WO2010086044A1 (en) Measurement of vibration characteristics of an object
JP2011221024A (ja) 3次元運動特性の測定
KR101555153B1 (ko) 온도 분포 측정 장치 및 방법
US11763476B2 (en) System and method for determining operating deflection shapes of a structure using optical techniques
Zhou et al. Vibration measurement with video processing based on alternating optimization of frequency and phase shifts
WO2023228972A1 (ja) 振動計測装置、振動計測方法及びプログラム
Lavatelli et al. An experimental investigation on uncertainty in measuring vibration deflection shapes with digital image correlation
KR20180056324A (ko) 분산된 레이저 스페클 이미지를 이용한 면 변위와 변형률 계측 장치 및 방법
KR101960022B1 (ko) 반도체소자검사방법 및 장치
Medhi et al. Time-resolved quantitative visualization of complex flow field emitted from an open ended shock tube using a wavefront measuring camera
CN113076517B (zh) 基于希尔伯特变换的土木工程结构动态监测相位评估方法
JP2006119099A (ja) 周期可動物の変位測定装置
Turrisi et al. Experimental validation of a vision-based technique to estimate the crowd loading on stadium grandstands
Grantham et al. Speckle measurements of sample deformation in the split Hopkinsons pressure bar
CN113029317B (zh) 一种基于激光多普勒测振仪的图像振动测量系统
Shangguan et al. Research on full-field vibration displacement measurement based on grid CCD moiré method
Khan et al. Frequency and Amplitude Measurement of A Cantilever Beam Using Image Processing: With A Feedback System
Zhang et al. Vibration measurement method based on single-frame coded illumination and compressive sensing