JP2023173785A - マイクロアレイチップおよびマイクロアレイチップを用いた細胞培養方法 - Google Patents

マイクロアレイチップおよびマイクロアレイチップを用いた細胞培養方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 多数の単一細胞を確実に分離し、高い効率でモノクローンコロニーを培養可能なマイクロアレイチップを提供する。【解決手段】 細胞を収容可能な複数のウェル2が形成されたマイクロチップアレイ1であって、複数のウェルのそれぞれは、複数の細胞を収容可能な第1の部分21と、単一細胞のみを収容可能な第2の部分22とを有し、前記第1の部分は、前記マイクロチップアレイの表面から凹んだ凹部として形成され、前記第2の部分は、前記第1の部分の底面から凹んだ凹部として形成されている、マイクロアレイチップ。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロアレイチップおよびマイクロアレイチップを用いた細胞培養方法に関する。とくに、多数の単一細胞を確実に分離し、モノクローンの細胞コロニーを高効率で培養可能なマイクロアレイチップ、及びこれを用いた細胞培養方法に関する。
がんを構成する細胞は、一細胞ごとに抗がん剤への耐性が異なっており、薬剤耐性株の検出のためには多数の細胞を単一細胞に分離し、分離した単一細胞を培養して評価する必要がある。しかし、例えば、血液や組織中の大量の細胞の中から標的の単一がん細胞を検出し、分離すること、さらに分離した単一細胞を培養して評価することは非常に困難である。細胞集団をシャーレなどで培養する方法では、一細胞レベルでの効率的な耐性株の検出とそのクローニングは困難である。そこで、細胞のトラップと培養を行うために、微細な構造のマイクロ流路を有する種々の形状のマイクロ流路デバイスが提案されている。
例えば、単一細胞分離のためのマイクロ流路デバイスであって、スライドグラスの上層と、マイクロ流路およびウェルを有するPDMS製の下層とを備え、各ウェルの下流端に、単一細胞を捕捉して保持するU字形状のトラップが形成されたものが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。各ウェルには、トラップに加えて、大きな表面エリアも形成され、捕捉された単一細胞を拡張、増殖させるための空間が提供されている。
また、微小なサイズのマイクロウェルと、それよりも大きなマイクロウェルを上下に向かい合うように配置し、単一細胞の捕捉と培養とを行うように構成されたデュアルウェルタイプのマイクロ流路デバイスが知られている(例えば、非特許文献2を参照)。
H. Chen et al., High-throughput, deterministic single cell trapping and long-term clonal cell culture in microfluidic devices, Lab Chip, 15, 1072-1083, 2015 C. Lin et al., A microfluidic dual-well device for high-throughput single-cell capture and culture, Lab Chip, 15, 2928-2938, 2015
上述した非特許文献1および非特許文献2には、マイクロ流路デバイスを用いて細胞のトラップと培養を行う方法が開示されている。しかし、操作の煩雑性やマイクロ流路からの細胞回収の難しさから、依然として、多くの単一細胞を確実に分離し、高効率で培養することが可能なデバイスおよび方法が望まれている。
本発明は、上記のような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、多数の単一細胞を確実に分離し、高い効率でモノクローンコロニーを培養可能なマイクロアレイチップおよびマイクロアレイチップを用いた細胞培養方法を提供することにある。
本発明は一実施形態によれば、細胞を収容可能な複数のウェルが形成されたマイクロチップアレイであって、複数のウェルのそれぞれは、複数の細胞を収容可能な第1の部分と、単一細胞のみを収容可能な第2の部分とを有し、前記第1の部分は、前記マイクロチップアレイの表面から凹んだ凹部として形成され、前記第2の部分は、前記第1の部分の底面から凹んだ凹部として形成されている、マイクロアレイチップに関する。
本発明は別の実施形態によれば、前述のマイクロアレイチップを用いた、細胞培養方法であって、
(a)前記マイクロアレイチップ上に、複数の細胞を含む液体を適用する工程と、
(b)前記工程(a)で得られたマイクロアレイチップの表面を洗浄することにより、前記複数のウェルの前記第2の部分に単一細胞のみを収容する工程と、
(c)前記工程(b)で得られた前記複数のウェルに収容された単一細胞を培養する工程と
を含む方法に関する。
本発明はまた別の実施形態によれば、前述のマイクロアレイチップを用いた、単一細胞の評価方法であって、
(A)前記マイクロアレイチップ上に、複数の細胞を含む液体を適用する工程と、
(B)前記工程(A)で得られたマイクロアレイチップの表面を洗浄することにより、前記複数のウェルの前記第2の部分に単一細胞のみを収容する工程と、
(C)前記工程(B)で得られた前記複数のウェルに収容された単一細胞を培養する工程と、
(D)前記工程(C)の培養後の状態に基づき、単一細胞の細胞特性を評価する工程と
を含む方法に関する。
本発明はまた別の実施形態によれば、前述のマイクロアレイチップを用いた、モノクローンの細胞コロニーの製造方法であって、
(a)前記マイクロアレイチップ上に、複数の細胞を含む液体を適用する工程と、
(b)前記工程(a)で得られたマイクロアレイチップの表面を洗浄することにより、前記複数のウェルの前記第2の部分に単一細胞のみを収容する工程と、
(c)前記工程(b)で得られた前記複数のウェルに収容された単一細胞を培養する工程と
を含む方法に関する。
本発明によれば、多数の単一細胞を確実に分離し、高い効率でモノクローンコロニーを得ることが可能なマイクロアレイチップおよびマイクロアレイチップを用いた細胞培養方法を実現することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るマイクロアレイチップにおけるウェルの構成を模式的に示す上面斜視図である。 図2は、図1のA-A断面図である。 図3は、マイクロアレイチップを模式的に示す上面図である。 図4は、ウェルの変形例を示す図である。 図5は、ウェルの変形例を示す図である。 図6は、本発明の第2実施形態に係るマイクロアレイチップを用いた細胞培養方法において、単一のウェルにおける細胞の挙動の一例を示す概念図である。 図7は、マイクロアレイチップへのHeLa細胞の播種後3時間(a)及び播種後7日(b)のウェルの蛍光イメージである。 図8は、マイクロアレイチップのウェルの構造を変化させた場合の、各ウェルにおけるHeLa細胞の一細胞収容率を示すグラフである。 図9は、マイクロアレイチップへのHeLa細胞の播種直後(a)及び培養15日後(b)のマイクロアレイチップの蛍光イメージである。 図10は、ウェル間のピッチと、HeLa細胞の一細胞収容率との関係を示すグラフである。 図11は、ウェル間のピッチが異なるマイクロアレイチップを用いた培養における、HeLa細胞の一細胞増殖率を示すグラフである。 図12は、第1の部分21の内径Yが110μmのウェルを備えるマイクロアレイチップの、HeLa細胞の培養6日の蛍光イメージである。 図13は、第1の部分21の内径Yが110μmのウェルを備えるマイクロアレイチップを用いた培養における、HeLa細胞の一細胞増殖率を示すグラフである。 図14は、第1の部分21の内径Yが130μmのウェルを備えるマイクロアレイチップの、HeLa細胞の培養6日の蛍光イメージである。 図15は、第1の部分21の内径Yが130μmのウェルを備えるマイクロアレイチップを用いた培養における、HeLa細胞の一細胞増殖率を示すグラフである。 図16は、比較例1のマイクロアレイチップを用いた培養における、HeLa細胞の播種直後(a)、及び培養15日目(b)のマイクロアレイチップの蛍光イメージである。 図17は、比較例2のマイクロアレイチップを用いた培養における、HeLa細胞の播種直後(a)、及び培養15日目(b)のマイクロアレイチップの蛍光イメージである。 図18は、比較例3のマイクロアレイチップを用いた培養における、HeLa細胞の播種直後(a)、及び培養15日目(b)のマイクロアレイチップの蛍光イメージである。 図19は、比較例4のマイクロアレイチップを用いた培養における、HeLa細胞の播種直後(a)、及び培養15日目(b)のマイクロアレイチップの蛍光イメージである。 図20は、本発明のマイクロアレイチップを用いた培養における、PC9細胞の播種直後(a)、及び5μMのGefitinibでの培養3日目(b)のマイクロアレイチップの蛍光および明視野イメージである。 図21は、PC9細胞の一細胞増殖率を示すグラフである。
[1.マイクロアレイチップ]
以下、本発明の第1実施形態によるマイクロアレイチップについて、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るマイクロアレイチップにおけるウェルの構成を模式的に示す上面斜視図であり、図2は、図1のA-A断面図である。
図1および図2に示すように、マイクロアレイチップ1は、細胞を収容可能な複数のウェル2が形成されており、複数のウェル2のそれぞれは、複数の細胞を収容可能な第1の部分21と、単一細胞のみを収容可能な第2の部分22とを有している。第1の部分21は、マイクロアレイチップ1の表面3から凹んだ凹部として形成されている。第2の部分22は、第1の部分21の底面211から凹んだ凹部として形成されている。すなわち、各ウェル2は、上段の1つの第1の部分21と、下段の1つの第2の部分22とを有する2段構造のウェルとして構成されている。なお、第1の部分21の底面211は、表面3に対して平行であっても、傾斜していてもよい。底面211を傾斜した形状とする場合は、例えば底面211の中心に向かって下り傾斜とすることができる。また、第1の部分22の底面221は、表面3に対して平行であっても、底面221が若干くぼんだ形状としてもよい。
第2の部分22は、単一細胞のみを分離して捕捉するトラップとして機能する。一方、第1の部分21は、第2の部分22に捕捉された単一細胞を培養し、増殖させるためのチャンバとして機能する。そのため、第2の部分22の開口部の内径Xは、第1の部分21の内径Yよりも小さく設定されている(X<Y)。
第1の部分21および第2の部分22の開口部の形状は、例えば図1に示すように円形とすることができる。ただし、これには限定されず、後述するように開口部の形状を正多角形とすることもできる。以下では、一例として、第1の部分21および第2の部分22の開口部がそれぞれ円形、かつ同心円である場合を説明する。
第2の部分22の内径Xは、単一細胞のみを収納可能となるように寸法決めされる。すなわち、第2の部分22内には、捕捉対象とする2つ以上の細胞を、第2の部分22の径方向に並べて配置することはできない。そこで、第2の部分22の内径Xは、捕捉対象とする単一細胞のサイズに若干の余裕を持たせた寸法に設定される。なお、単一細胞のサイズは、補足対象の細胞の取得源、特性や、サイズ分布に応じて、当業者が適宜設定することができる。好ましくは、内径Xは、単一細胞のサイズに対し、0から50μm程度の余裕を持たせた寸法、または、細胞のサイズに対し、100%から300%の寸法に設定することができる。例えば、内径Xは、数十μmとすることができ、例えば、細胞の種類に応じて約5~100μmとすることができる。ただし、これには限定されず、細胞種に応じて変更可能であり、捕捉対象の細胞のサイズに合わせて適切な寸法を内径Xとして設定することができる。
第1の部分21の内径Yは、第2の部分22に捕捉した単一細胞から、細胞コロニーを形成できるように寸法決めされる。すなわち、第1の部分21内において、例えば複数の細胞を径方向に並んで配置することができるような寸法に設定される。なお、第1の部分21の内径Yは、細胞が第1の部分21から大きくはみ出して隣接するウェル2とクロスコンタミネーションを引き起こさなければ、複数の細胞が径方向に並ばずに、ウェル2の上方から見て複数の細胞が重なるような寸法としてもよい。これらを踏まえて、例えば、内径Yは、数百μmとすることができ、例えば約50~500μmとすることができる。ただし、これには限定されず、細胞種に応じて変更可能であり、培養対象の細胞のサイズに合わせて適切な寸法を内径Yとして設定することができる。
第2の部分22の深さS、すなわち、第1の部分21の底面211から第2の部分22の底面221までの長さは、単一細胞のみを収納可能となるように寸法決めされる。すなわち、第2の部分22内には、捕捉対象とする2つ以上の細胞を、第2の部分22の深さ方向に並べて配置することはできない。そこで、第2の部分22の深さSは、一細胞のサイズに若干の余裕を持たせ、一細胞のサイズよりも若干大きい(深い)寸法、あるいは一細胞のサイズよりも若干小さい(浅い)寸法に設定される。深さSについて、若干の余裕を持たせた寸法は、内径Xの設計と同様に設定することができ、細胞のサイズより、例えば0~50μm程度大きい(深い)寸法、または、細胞のサイズに対し、100~300%の寸法に設定することができる。一方、一細胞のサイズよりも若干小さい寸法は、細胞のサイズに対し、50~100%の寸法に設定することができる。例えば、深さSは、数十μmとすることができ、例えば細胞の種類に応じて約5~40μmとすることができる。ただし、これには限定されず、細胞種に応じて変更可能であり、捕捉対象の細胞のサイズに合わせて適切な寸法を深さSとして設定することができる。
第1の部分21の深さT、すなわち、マイクロアレイチップ1の表面から第1の部分21の底面211までの長さは、細胞の増殖を制限できる寸法に設定される。例えば、第1の部分21内において、第1の部分21の深さ方向に細胞の複数の層が形成されないような深さ、すなわち、細胞の単一の層のみが形成されるような深さとすることができる。なお、第1の部分21の深さTは、細胞が第1の部分21から大きくはみ出して隣接するウェル2とクロスコンタミネーションを引き起こさなければ、深さ方向に複数の層が形成可能となるような寸法としてもよい。これらを踏まえて、例えば、深さTは、数十μmとすることができ、例えば約1~50μmとすることができる。ただし、これには限定されず、細胞種に応じて変更可能であり、培養対象の細胞のサイズに合わせて適切な寸法を深さTとして設定することができる。
第1の部分21および第2の部分22の壁面角度Uは、第1の部分21および第2の部分22の内壁面と第1のマイクロアレイチップ1の表面に直交する線とのなす角度である。壁面角度Uは、マイクロアレイチップ1の作製時の条件等によって決定されるが、例えば約0~45°とすることができ、0~20°とすることが好ましい。壁面角度Uが0°の場合、第1の部分21および第2の部分22は、それぞれ円筒形状となり、壁面角度Uが0°よりも大きい場合、第1の部分21および第2の部分22は、それぞれ円錐台形状となる。なお、第1の部分21の壁面角度Uと第2の部分22の壁面角度Uとを異なる値としてもよい。
隣接するウェル2間のピッチV、すなわち、ウェル2の第2の部分22の開口部の中心と、隣接するウェル2の第2の部分22の開口部の中心との間の距離は、第1の部分21内で細胞を培養する際にクロスコンタミネーションを低減するのに十分な距離とすることができる。ピッチVは、細胞種、第1の部分21の内径Yおよび第2の部分22の内径X等にも依存するが、例えば、約100~500μmとすることができる。
マイクロアレイチップ1の材料は、とくには制限されないが、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、環状オレフィンコポリマー(COC)等のポリマー、シリコン等の金属、ガラス、石英ガラス、またポリマーとガラスや金属等を貼り合わせたような複数の素材を組み合わせたもの(例えばPDMSとガラス)等が例示される。好ましくは、ポリスチレン、PMMA、ガラス、シリコン等である。
マイクロアレイチップ1の透明性および透過性は、とくには制限されないが、ウェル2に収容された細胞を観察するのに適した透明性および透過性を有することが好ましい。例えば、マイクロアレイチップ1を倒立顕微鏡で観察する場合には、ウェル2が透光性を有することが好ましい。ここで、透明とは、観察する所定の光の透過率が80%以上であることをいい、90%以上であることが好ましい。
マイクロアレイチップ1は、既知の種々の方法によって作製することが可能である。例えば、基板材料にウェル2を直接加工する方法、貫通孔またはウェル2が形成されたフィルムを基板材料に貼り付ける方法、プラスチック成型による方法等によって作製することができる。例えば、プラスチック成型によってマイクロアレイチップ1を作製する場合、具体的には、半導体技術分野におけるリソグラフィ技術(光リソグラフィ、電子線リソグラフィ等)、マイクロドリル等を用いた切削加工、レーザ加工などを利用することができる。
一例として、リソグラフィ技術を用いてプラスチック成型により作製する場合、具体的には、リソグラフィとエッチングによりマイクロアレイチップ1のプラスチック製のマスターを作製し、マスターに電気鋳造を施すことによって金型を作製する。その後、作製した金型を用いて射出成型によりマイクロアレイチップ1を作製する。このように金型を用いた射出成型を採用することにより、表面が滑らかなマイクロアレイチップ1を作製することができる。
マイクロアレイチップ1には、必要に応じて表面処理を施してもよい。表面処理方法は、とくには限定されないが、プラズマ処理、コロナ放電処理等を利用することができる。マイクロアレイチップ1の基板材料が疎水性の材料(例えば、ポリスチレン、PMMA等のポリマー)の場合、プラズマ処理、例えば酸素プラズマ処理等の親水化処理を行うことができる。マイクロアレイチップ1の基板材料が親水性の材料(例えば、シリコンやガラス等)の場合、親水化処理を行う必要はない。また、タンパク質や脂質等でウェル2をコーティングすることにより表面処理を行うことができ、コラーゲン、フィブロネクチン、Poly-D-Lysine、Poly-L-Lysine、Laminin、Vitronectin、マトリゲル等による表面処理が挙げられるが、これらには限定されない。
図3に、マイクロアレイチップ1の全体を模式的に示す上面図を示す。図3に示すように、マイクロアレイチップ1は、全体として長方形の板状の部材として形成される。マイクロアレイチップ1の表面3には、複数のウェル2が規則的に配置されている。図3に示す一例においては、マイクロアレイチップ1には、マイクロアレイチップ1の長辺11,12に沿った複数の行1~6と、短辺13,14に沿った複数の列A~Pとからなる行列の状態で複数のブロック4が配置されている。
複数のブロック4は、マイクロアレイチップ1の長辺11,12,および短辺13,14から隙間を空けて配置されている。複数のブロック4は、とくには限定されないが、マイクロアレイチップ1上において、例えば約50mm×約15~18mmの範囲内に配置される。
各ブロック4には、上述した複数のウェル2が行列状に配置されている。例えば、各ブロック4には数千個のウェル2を配置することができる。例えば、各ブロック4に1000個のウェル2が含まれているとすると、図3に示すマイクロアレイチップ1全体には、96,000個のウェル2が配置されていることになる。なお、マイクロアレイチップ1に配置されるウェル2の数は限定されない。マイクロアレイチップ1は、少なくとも2個のウェル2を備えることができる。なお、1つのマイクロアレイチップに複数のブロックが形成されることは必須ではなく、1つのマイクロアレイチップに1つのブロックのみを備えていてもよい。
本実施の形態によるマイクロアレイチップは、ウェルの上方にカバーや蓋の存在しない開放型のマイクロアレイチップであってよい。これにより、後述する培養方法において、多数の細胞を実質的に同時にマイクロアレイチップに適用することができ、また、培養において用いる培地や薬剤を細胞と接触させる操作や、細胞を回収する操作等が容易となる。
以上説明した本実施の形態によるマイクロアレイチップ1によると、以下のような作用効果を奏することができる。
マイクロチップアレイ1は、細胞を収容可能な複数のウェル2が形成されており、複数のウェル2のそれぞれは、複数の細胞を収容可能な第1の部分21と、単一細胞のみを収容可能な第2の部分22とを有し、第1の部分21は、マイクロチップアレイ1の表面3から凹んだ凹部として形成され、第2の部分22は、第1の部分21の底面211から凹んだ凹部として形成されている。
マイクロアレイチップ1は、各ウェル2が上段の第1の部分21と下段の第2の部分22の2段構造を有するように構成されている。下段の第2の部分22は単一細胞のみを収容可能に構成されているため、多数の細胞を単一細胞に分離するのに適している。一方、上段の第1の部分21は複数の細胞を収容可能に構成されているため、第2の部分22に収容された単一細胞を培養し、増殖させるのに適している。このように、マイクロアレイチップ1は、単一細胞の確実な分離と、分離された細胞の高い効率での培養とを、2段構造の1つのウェル2によって実現することができる。これにより、マイクロアレイチップ1を用いた薬剤耐性株の検出、クローニングが可能となり、例えば予後が極めて悪い脳腫瘍(例えば、悪性グリオーマ等)において、腫瘍組織を一細胞ごとにチップに展開し、抗がん剤耐性や感受性試験を行うことが可能となる。
第2の部分22の内径Xは、第1の部分21の内径Yよりも小さいので、単一細胞の確実な分離を実現できる。
第1の部分21の開口部および第2の部分22の開口部は、円形の形状を有するので、細胞種、マイクロアレイチップ1の作製方法等の種々の条件に基づいて適切な形状を選択することができる。
-変形例-
(1)上述した一実施の形態においては、2段構造のウェル2を構成する第1の部分21および第2の部分22の開口部がそれぞれ円形である例を説明したが、開口部の形状は、円形には限定されない。開口部の形状を真円ではなく、楕円形としてもよい。また、開口部を、三角形、四角形、六角形等の多角形、好ましくは正多角形とすることもできる。図4に、ウェル2の変形例を示す。図4(a)は、第1の部分21および第2の部分22の開口部が正五角形である例を示し、図4(b)は、第1の部分21および第2の部分22の開口部が正三角形である例を示している。
開口部の形状が正多角形である場合、正多角形の外接円CCの直径を、開口部の内径として、上述したように第1の部分21の内径Yおよび第2の部分22の内径Xを設定することができる。なお、図4(b)に示す正三角形の場合は、外接円の直径の代わりに、正三角形の各辺の長さを、開口部の直径として、上述したように第1の部分21の内径Yおよび第2の部分22の内径Xを設定してもよい。第1の部分21の開口部および第2の部分22の開口部を正多角形の形状を有するように構成することによって、上述した円形の場合と同様に、細胞種、マイクロアレイチップ1の作製方法等の種々の条件に基づいて適切な形状を選択することができる。
(2)上述した一実施の形態においては、2段構造のウェル2を構成する第1の部分21および第2の部分22の開口部が同心円である例を説明したが、第1の部分21と第2の部分22の位置関係は、これには限定されない。図5に、ウェル2の変形例を示す。図5(a)は、第1の部分21および第2の部分22の開口部が同心円である例を示し、図5(b)~(e)は、第1の部分21の開口部の中心に対して第2の部分22の開口部の中心がずれている例を示している。なお、ここでは、第1の部分21と第2の部分22の位置関係について、図5(b)~(e)に示すウェル2が、図示した向きのまま、図3に示すマイクロアレイチップ1に配置されていると仮定して説明する。
図5(b)の例では、第1の部分21の開口部の中心に対して、第2の部分22の開口部の中心が、図3に示すマイクロアレイチップ1の長辺11寄りに配置されている。図5(c)の例では、第1の部分21の開口部の中心に対して、第2の部分22の開口部の中心が、マイクロアレイチップ1の長辺12寄りに配置されている。図5(d)の例では、第1の部分21の開口部の中心に対して、第2の部分22の開口部の中心が、図3に示すマイクロアレイチップ1の短辺13寄りに配置されている。図5(e)の例では、第1の部分21の開口部の中心に対して、第2の部分22の開口部の中心が、マイクロアレイチップ1の短辺14寄りに配置されている。
なお、図5(b)~(e)においては、ウェル2の上方から見たときに第1の部分21の開口部と第2の部分22の開口部とが接するように配置されているが、これには限定されず、第1の部分21の開口部と第2の部分22の開口部とが互いに離れて配置されてもよい。
(3)上述した一実施の形態では、第1の部分21の開口部の形状と第2の部分22の開口部の形状を同一にしたが、これには限定されず、第1の部分21の開口部の形状と第2の部分22の開口部の形状を異なるように形成してもよい。例えば、第1の部分21の開口部を円形とし、第2の部分22の開口部を正多角形とすることができ、あるいは、第1の部分21の開口部を正多角形とし、第2の部分22の開口部を円形とすることもできる。
(4)上述した一実施の形態では、マイクロアレイチップ1の外形が長方形である例を説明したが、これには限定されず、長方形以外の形状とすることもできる。
(5)上述した一実施の形態では、マイクロアレイチップ1上に複数のウェル2を行列状に配置したが、これには限定されず、複数のウェル2を互い違いに配置してもよい。また、マイクロアレイチップ1上に配置される複数のウェル2の開口部の形状および寸法は、それぞれ同一としてもよいし、例えばブロック4ごとに異なるように設定してもよい。
[2.マイクロアレイチップを用いた細胞の培養方法]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、マイクロアレイチップを用いた細胞培養方法に関する。第2実施形態による、細胞培養方法は、別の観点からは、マイクロアレイチップの使用方法、またはモノクローンの細胞コロニーの製造方法とも捉えることができる。当該方法は、以下の工程を含む。
(a)マイクロアレイチップ上に、複数の細胞を含む液体を適用する工程
(b)前記工程(a)で得られたマイクロアレイチップの表面を洗浄することにより、前記複数のウェルの前記第2の部分に単一細胞のみを収容する工程
(c)前記工程(b)で得られた前記複数のウェルに収容された細胞を培養する工程
図6は、第1実施形態によるマイクロアレイチップを用いた細胞培養方法を説明する図であって、図1~3に例示するマイクロアレイチップ1上の1つのウェル2における細胞の様子を概念的に示す図である。
工程(a)では、マイクロアレイチップ1上に、複数の細胞を含む液体を適用する。すなわち、細胞をマイクロアレイチップ1に播種する。液体における細胞濃度は、細胞を含む液体を適用する時点で、マイクロアレイチップ1の表面3全体を、細胞の単一層で覆うことができる程度の濃度以上であればよく、例えば、1.0×10cells/mL以上とすることが好ましい。また、例えば、1.0×1010cells/mL以下程度、好ましくは1.0×10cells/mL以下程度、あるいは、1.0×10cells/mL以下程度とすることができる。細胞濃度が低すぎると、十分な数の細胞がチャンバにトラップされない場合があり、細胞濃度が高すぎると、培地や細胞を浪費するおそれがある。播種に用いる液体の一種としては、培地もあってよく、播種した状態のまま培養する場合もありうる。
マイクロアレイチップ上への液体の適用方法は特には限定されない。例えば、ピペットにより液体をマイクロアレイチップ上に滴下することができる。滴下量は、マイクロアレイチップの面積により異なるため、特には限定されない。当業者が滴下量を適宜決定することができる。滴下後は、次の工程までの間に、細胞がウェルの下部にまで沈降するのに十分な静置時間を確保することが好ましい。
図6(a)は、工程(a)を実施した後のウェル2及び細胞Hの状態を模式的に示す。ウェル2の第2の部分22には単一細胞が収容されている。これに加え、第1の部分21にも複数の細胞が収容され、ウェル2の周囲のマイクロアレイチップ1の表面3にも細胞が存在する。
続く工程(b)では、前記工程(a)で得られたマイクロアレイチップ1の表面3を洗浄する。これにより、余剰細胞を除去する。洗浄は、例えば、マイクロアレイチップ1の表面3に存在する余剰の細胞を、ピペットを用いて緩衝液や培養液などの液体で流し取ることにより、実施することができる。別の例としては、スクレイパーを、マイクロアレイチップ1の表面3に沿って移動させ、マイクロアレイチップの表面3に存在する余剰の細胞を除去することができる。
図6(bI)は、余剰の細胞が除去される様子を概念的に示す図であり、(bII)は、余剰の細胞が除去された結果、1つのウェル2の第2の部分22に単一細胞が収容された様子を概念的に示す図である。これにより、1つのウェル2に、効率的に単一細胞を収容することが可能となる。
工程(b)では、洗浄の操作を行った後、顕微鏡を用いたイメージングを行い、単一細胞が収容されたウェルを特定する。この操作より、モノクローンの細胞コロニーを製造可能なウェルが特定される。
工程(a)及び(b)の実施には、本発明によるマイクロアレイチップ1以外には、ピペットやスクレイパーなど、細胞実験において一般的に用いる道具を用いればよく、マイクロアレイチップ1は通常の実験室の条件にて取り扱うことができる。また、マイクロアレイチップ1のサイズにもよるが、工程(a)及び(b)は、例えば、30~120分程度で実施することができる。また、例えば、一般的なスライドガラスのサイズ(76×26mm)のマイクロアレイチップ1について、概ね30000~40000個、最大で60000個程度の細胞を、同時に、1つずつ分離して、各ウェルに収容した状態とすることができる。しかし、所要時間及び収容可能な細胞の数は、例示された値に限定されるものではない。
任意選択的に、工程(a)及び(b)の終了後に、単一細胞の収容率を取得する工程を行うことができる。この工程は、顕微鏡を用いたイメージングにより実施することができる。
次いで、工程(c)では、前記工程(b)で得られたマイクロアレイチップ1のウェル2に収容された細胞を、所定の条件下で培養する。すなわち、工程(b)で得られたマイクロアレイチップ1をそのまま使用して、培養を行うことができる。培養条件は、収容された細胞によって異なり、特に限定されるものではない。任意選択的に、工程(b)の後であって、工程(c)の前に、細胞の培養に必要な培地を添加する工程、もしくは培地中にマイクロアレイチップを浸漬する工程を含んでもよい。マイクロアレイチップ1は、開放型であり、かつ一体型で取り扱いが容易であるため、あらゆる培養条件に適合させることができる。図6(c)は、工程(c)により所定の期間の培養を経て、細胞が増殖し、モノクローンの細胞コロニーCが得られた状態のウェル2を示す。
図6では、一つのウェルにおける細胞の挙動を例示したが、マイクロアレイチップの、一細胞が収容された他のウェルについても同様に細胞が増殖し、モノクローンの細胞コロニーを得ることができる。なお、一細胞が収容されないウェルが存在する場合もあり、二以上の細胞が収容されるウェルもあり、全てのウェルについて、図示したような増殖ができない場合もありうる。しかし、第1実施形態によるマイクロアレイチップを用いることで、全体として、少なくとも3割程度の一細胞収容率を達成することができる。
本発明に係るマイクロアレイチップ1を用いることで、工程(a)~(c)により、簡便にかつ、クロスコンタミネーションなどの不利益なく細胞を培養することができ、モノクローンの細胞コロニーを得ることができる。
任意選択的な工程(d)として、工程(c)の完了後、各ウェルから細胞コロニーを回収する工程を含んでもよい。細胞コロニーの回収には、ピペットを用いることもできるし、マニピュレータを用いることもできる。このようにして回収された細胞コロニーは、任意の用途、例えば、各種の分析工程や、さらなる増殖工程に供することができる。
[3.単一細胞の評価方法]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、単一細胞の評価方法に関する。
単一細胞の評価方法は、以下の工程を含む。
(A)前記マイクロアレイチップ上に、複数の細胞を含む液体を適用する工程
(B)前記工程(A)で得られたマイクロアレイチップの表面を洗浄することにより、前記複数のウェルの前記第2の部分に単一細胞のみを収容する工程
(C)前記工程(B)で得られた前記複数のウェルに収容された細胞を培養する工程
(D)前記工程(C)の培養後の状態に基づき、単一細胞の細胞特性を評価する工程
任意選択的に、前記工程(C)が、細胞の特性に影響を与えうる候補物質の存在下で細胞を培養する工程を含んでいてもよい。
ここで、本発明の第3実施形態による単一細胞の評価とは、工程(A)でマイクロアレイチップに適用した細胞集団に含有される複数の細胞のそれぞれについて、個別に特性を評価することをいうものとする。複数の細胞の個数は、理論上は限定されないが、取り扱い上の観点から、概ね10~10000個の細胞について、実質的に同時に、個別の特性を評価することができる。
単一細胞の評価方法における工程(A)から工程(C)は、第2実施形態の工程(a)から工程(c)と同様であってよい。工程(C)において、評価する特性と関連して、細胞の特性に影響を与えうる候補物質の存在下で細胞を培養する工程を含んでもよい。例えば、候補物質は、疾患に対する候補薬剤となる低分子化合物、高分子化合物、生体由来物質、またはそれらの組み合わせであってよく、抗がん剤、抗生物質等であってもよい。工程(C)の完了後、すなわちモノクローンの細胞コロニーの生成後に、評価する特性と関連して、細胞の特性に影響を与える候補物質と細胞コロニーを接触させる工程を含んでもよい。
工程(D)では、前記工程(C)の培養後の状態に基づき、複数のウェルのそれぞれに収容された各単一細胞について、または各単一細胞が増殖して生成したモノクローンの細胞コロニーについて、細胞特性を評価する。細胞特性の評価は、例えば、細胞の増殖率、細胞の生死、細胞の特定の生理活性、細胞のチップへの接着強度等であってよく、特には限定されない。これにより、工程(A)で、マイクロアレイチップに適用した細胞集団中に含まれる各細胞の個別の特性を得ることができる。
より具体的な応用例として、工程(A)において、培養の対象となる細胞が、悪性腫瘍由来の細胞である場合について説明する。悪性腫瘍由来の細胞は、悪性腫瘍に罹患したヒト末梢血から採取されたものであってよい。例えば、ヒト末梢血から、循環がん細胞(CTC)を採取することができる。あるいは、悪性グリオーマ腫瘍組織の組織切片から、悪性腫瘍由来の細胞を採取することができる。これらの細胞を用いて工程(A)、及び(B)を実施する。次いで、工程(C)における培養時に、マイクロアレイチップ1の各ウェルに、例えば、抗がん剤を適用する。所定の期間の培養後、工程(D)にて細胞の状態を観察し、評価することで、例えば、抗がん剤耐性株を同定することができる。同様にして、複数種の抗がん剤に対して細胞の感受性を確認する工程を実施することもできる。これにより、特定の患者の単一がん細胞の培養及び評価が可能となり、がんの予後診断や、治療方針の決定に大きく寄与することができる。
第3実施形態による単一細胞の評価方法によれば、マイクロアレイチップ上で、複数のモノクローンの細胞コロニーを評価することができる。そのため、従来、一般的なクローニングを必須としていた単一細胞の評価を、より簡便、かつ正確に実施することができる。
以下に、実施例を参照して、本発明をより詳細に説明する。しかし、以下の実施例は、本発明を限定するものではない。
(1)マイクロアレイチップの製造
図3に示す実施例のマイクロアレイチップを製造した。材料は、ポリスチレンを用い、金型を用いて、特定の形状、サイズ、ピッチを持つウェルを備えるマイクロアレイチップを製造した。2段構造を持たない比較例のマイクロアレイチップも同様にして製造した。
(2)細胞培養
GFPを発現するHeLa細胞を、Dulbecco’s modified Eagle’s medium(DMEM,12800-017;Thermo Fisher Scientific)に、10v/v% fetal bovine serum(FBS;Sigma-Aldrich Co.LLC)と、5v/v% penicillin(P4333;Sigma-Aldrich Co.LLC)を加えた溶液に懸濁し、1.0×10cells/mLの細胞懸濁液を調製した。この細胞懸濁液を、ピペットを用いてマイクロアレイチップに滴下し(播種)、約30~60分間静置して細胞をウェルに沈降させた。次いで、余剰細胞を、スクレイパーを用いて洗浄した。この操作により、ウェルの第2の部分に単一細胞を収容し、倒立顕微鏡(IX-73;Olympus)とCCD camera(DP80;Olympus)により一細胞収容率を取得した。次いで、CO incubator(37°C,5% CO)で、5~14日間細胞の培養を行い、倒立顕微鏡(IX-73;Olympus)とCCD camera(DP80; Olympus)を用いて細胞状態を観察した。
(3)結果
(a)モノクローンの細胞コロニーの観察
図7は、マイクロアレイチップへのHeLa細胞の播種後3時間(a)及び播種後7日(b)のウェルの蛍光イメージである。図7(a)から、単一細胞が、ウェルの第2の部分に収容されていることが確認された。また、図7(b)から、7日間の培養により、ウェルにおいてモノクローンの細胞コロニーが製造されたことが確認された。
(b)ウェル構造の検討
図3のマイクロアレイチップにおいて、ブロックごとに、ウェルのサイズ及び構造を変化させて、一細胞の収容率を評価した。
ウェルの構造の配置は、以下のようにした。図3の列ABOPは図5の構造(e)、図3の列CDMNは図5の構造(d)、図3の列EFは図5の構造(c)、図3の列GHは図5の構造(b)、図3の列IJKLは図5の構造(a)とした。
ウェルの詳細構造は、図2に示すパラメータX、Y、T、S、U、Vを以下のように設定した。ウェルの第1の部分の深さTは20μm、第2の部分の深さSは28μmとした。各ブロックにおける、1つのウェルの第2の部分22の開口部の内径X、及び第1の部分21の内径Yは、図3のブロックの行1から行6、列Aから列Pに対応して、以下の表のとおりとした。表中の数値は、「X(μm)/Y(μm)」を表す。ウェル間のピッチVは、Yが110μmの場合は130μm、Yが130μmの場合は150μmとした。ウェル壁の角度Uは、15°とした。
図8に、各ウェルにおける一細胞収容率のグラフを示す。図8のグラフにおいて、AからJは、図3のブロックの列Aから列Jに対応する。また、径は、第2の部分22の開口部の内径Xの値である。図8の結果から、内径Xが約26~36μmの範囲、かつ、内径Yが約110~130μmの範囲であれば、HeLa細胞を対象とする場合に、単一細胞の収容が可能であることが確認された。
(c)ウェル間ピッチの検討
次に、Xを34μm、Tを20μm、Sを28μmに固定し、内径YとピッチVの値を変えて、一細胞収容率及び一細胞増殖率を評価した。一細胞増殖率の評価は、一細胞が増殖したウェル数をカウントすることで行った。クロスコンタミネーションはカウントしなかった。変化させたYとVの値の組み合わせは以下の通りとした。単位はいずれもμmである。
図9は、播種直後(a)、及び培養15日後(b)の、Y=100、V=130としたウェルを備えるマイクロアレイチップの蛍光イメージである。第2の部分に単一細胞が収容されたウェルは、14個存在し、図9(a)のイメージ中、これらを白色の矢印で示した。そのうち15日間の培養で10個のウェルがクロスコンタミなく増殖し、モノクローンのコロニーを形成した。図9(b)中、モノクローンのコロニーを形成した10個のウェルを白色の矢印で示す。図示はしないが、マイクロアレイチップ全体では、割合は低いものの、2個以上の細胞が収納されたウェルが存在していた。
図10は、ウェル間のピッチと、一細胞収容率との関係を示すグラフである。図10から、HeLa細胞については、上段径が130から300μm程度であれば20~30%の収納率となることが確認された。図11は、一細胞増殖率を示すグラフである。図11から、HeLa細胞を対象とする場合には、ピッチVが概ね300μm以下の場合に、増殖可能であることが確認された。
次に、Xを26~36μm、Tを20μm、Sを28μmに固定し、YとVの値を変えて、一細胞収容率及び一細胞増殖率を評価した。変化させたYとVの値(単位はμm)の組み合わせを以下の表3に示す。
図12は、Yが110μmのウェルを用いた培養7日のマイクロアレイチップの蛍光イメージであり、図13は、一細胞増殖率を示すグラフである。図14は、Yが130μmのウェルを用いた培養7日のマイクロアレイチップの蛍光イメージであり、図15は、一細胞増殖率を示すグラフである。細胞増殖率自体は、Yが110μmの場合と、Yが130μmの場合とで同等であった(データ詳細は示さず)。Yが110μmの場合はクロスコンタミネーションを生じる場合があるために一細胞増殖率は低くなったが、モノクローンのコロニーが形成可能であった。Yが110μmよりも少し小さい場合、例えば、80~100μm程度であっても、HeLa細胞のモノクローンのコロニーが形成可能であると考えられる。
(d)比較例
ウェルを2段構造ではなく、1段構造とした比較例のマイクロアレイチップを製造し、一細胞の収容及び細胞増殖について評価した。比較例のマイクロアレイチップについて、ウェルの開口部径をF、ウェルの深さをG、ウェル間のピッチをHとし、以下の4種のウェルを設計した。F、G、Hの値(単位はμm)と播種細胞濃度を以下の表4に示す。
図16は、比較例1の播種直後(a)、及び培養15日目(b)のマイクロアレイチップの蛍光イメージである。一細胞は収容されるものの、15日間の培養により細胞が増殖してクロスコンタミネーションが生じることが確認された。図17は、比較例2の播種直後(a)、及び培養15日目(b)のマイクロアレイチップの蛍光イメージである。播種細胞濃度の影響で一細胞が収容されたウェルは少なく、15日間の培養による増殖が殆どみられなかった。図18は、比較例3の播種直後(a)、及び培養15日目(b)のマイクロアレイチップの蛍光イメージである。一細胞が収容されたウェルは存在するもの、15日間の培養による増殖が確認できなかった。図19は、比較例4の播種直後(a)、及び培養15日目(b)のマイクロアレイチップの蛍光イメージである。播種直後から、1つのウェルに複数の細胞が収容され、15日間の培養により細胞が増殖してクロスコンタミネーションが生じることが確認された。
(4)薬剤耐性株の検出
PC9細胞を、RPMI1640(30264-56,ナカライテスク)に10v/v% fetal bovine serum(FBS;Sigma-Aldrich Co. LLC)と5v/v% penicillin(P4333;Sigma-Aldrich Co.LLC)を加えた溶液に懸濁し、1.0×10cells/mLの細胞懸濁液を調製した。この細胞懸濁液を、ピペットを用いてマイクロアレイチップに滴下し、30~60分間静置した。マイクロアレイチップのウェルの仕様は、Xを34μm、Tを20μm、Sを28μm、Vを110~150μmとし、Yは110μmまたは130μmとした。次いで、余剰細胞を、スクレイパーを用いて洗浄した。この操作により、ウェルの第2の部分に単一細胞を格納し、先の実施例と同様にして一細胞収容率を取得した。次いで、抗がん剤(Gefitinib(ZD1839))を含む培地中にマイクロアレイチップを浸漬し、7日間の培養を行った。播種直後及び3日後に倒立顕微鏡(IX-73;Olympus)とCCD camera(DP80;Olympus)を用いて細胞状態を観察した。Gefitinibの濃度は、0、1、5、10、100μMで変化させた。
図20は、PC9細胞の播種直後(a)、及び5μMのGefitinibでの培養3日目(b)のマイクロアレイチップの蛍光および明視野イメージである。図20から、一部のPC9細胞はチャンバ内で増殖していることがわかる。図21は、PC9細胞の一細胞増殖率を示すグラフである。図21から、1細胞が増殖したチャンバ数が抗がん剤濃度に反比例することがわかり、本マイクロチップを用いて薬剤耐性を有する細胞のみを培養できることがわかった。
1 マイクロアレイチップ
2 ウェル
21 第1の部分
211 底面
22 第2の部分
221 底面
3 表面

Claims (7)

  1. 細胞を収容可能な複数のウェルが形成されたマイクロチップアレイであって、
    複数のウェルのそれぞれは、複数の細胞を収容可能な第1の部分と、単一細胞のみを収容可能な第2の部分とを有し、
    前記第1の部分は、前記マイクロチップアレイの表面から凹んだ凹部として形成され、
    前記第2の部分は、前記第1の部分の底面から凹んだ凹部として形成されている、マイクロアレイチップ。
  2. 前記第2の部分の内径は、前記第1の部分の内径よりも小さい、請求項1に記載のマイクロアレイチップ。
  3. 前記第1の部分の開口部および前記第2の部分の開口部は、円形または正多角形の形状を有する、請求項1または2に記載のマイクロアレイチップ。
  4. 請求項1に記載のマイクロアレイチップを用いた、細胞培養方法であって、
    (a)前記マイクロアレイチップ上に、複数の細胞を含む液体を適用する工程と、
    (b)前記工程(a)で得られたマイクロアレイチップの表面を洗浄することにより、前記複数のウェルの前記第2の部分に単一細胞のみを収容する工程と、
    (c)前記工程(b)で得られた前記複数のウェルに収容された単一細胞を培養する工程と
    を含む方法。
  5. 請求項1に記載のマイクロアレイチップを用いた、単一細胞の評価方法であって、
    (A)前記マイクロアレイチップ上に、複数の細胞を含む液体を適用する工程と、
    (B)前記工程(A)で得られたマイクロアレイチップの表面を洗浄することにより、前記複数のウェルの前記第2の部分に単一細胞のみを収容する工程と、
    (C)前記工程(B)で得られた前記複数のウェルに収容された細胞を培養する工程と、
    (D)前記工程(C)の培養後の状態に基づき、単一細胞の細胞特性を評価する工程
    を含む方法。
  6. 前記工程(C)が、細胞の特性に影響を与えうる候補物質の存在下で細胞を培養する工程を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 請求項1に記載のマイクロアレイチップを用いた、モノクローンの細胞コロニーの製造方法であって、
    (a)前記マイクロアレイチップ上に、複数の細胞を含む液体を適用する工程と、
    (b)前記工程(a)で得られたマイクロアレイチップの表面を洗浄することにより、前記複数のウェルの前記第2の部分に単一細胞のみを収容する工程と、
    (c)前記工程(b)で得られた前記複数のウェルに収容された単一細胞を培養する工程と
    を含む方法。
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