JP2023173155A - 電界検知システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両が帯びる静電気の影響を考慮して、電界の状態を精度よくかつ低コストに検知可能とする。【解決手段】この電界検知システムは、車両11に設けられ、車両11が位置する空間の電界に関する情報を検知する電界センサ12と、電界センサ12で検知した電界に関する情報に基づいて、車両11が位置する空間の電界強度を取得する電界強度取得部19とを有する。電界強度は、車両11の走行時に車両11が帯びる静電気に関する情報に基づいて補正されるように構成される。【選択図】図4

Description

本発明は、電界検知システムに関する。
例えば半導体製造工場など、安定的な稼働が求められる施設においては、安定的な電力供給が必要とされている。その一方で、落雷などの自然現象などによって、電力線等の電力設備が損傷して、停電や瞬低(瞬時電圧低下)などの電力トラブルが不可避的に発生しているのが現状である。
ここで、落雷の発生を予測して当該施設に警告を発するためのシステムが特許文献1に記載されている。詳述すると、この特許文献に記載のシステムでは、タワー等の建造物の建設作業現場あるいは建設作業現場の周辺の地点に落雷検出装置を設置すると共に、建造物の建設作業現場または建設作業現場の近隣の地点に静電界検出装置を設置する。そして、落雷検出装置により落雷の発生を検出すると共に、静電界検出装置により雲・大地間の静電界の電界強度を検出し、両検出装置から出力された検出信号のレベルに基づいて、警告出力装置により警告情報のランクを決定して、そのランク付けされた警告情報を警告出力装置から出力する。また、この際、静電界検出装置の検出レベルを優先的に採用して、警告情報を出力する。
製造工場においては、設置された各種機器が高度に電気制御され、また電気によりネットワーク化されているため、施設への落雷による機器の破損などの直接的な被害だけでなく停電や瞬低等による間接的な被害に対する対策(雷害対策)が重要となる。特に、半導体工場などは上述の影響を受けやすいため、従来にも増して精度の高い落雷発生予測が求められる。例えば特許文献1に記載のシステムにおいて落雷発生の予測精度を高めるためには、静電界検知装置の数を増やして広範囲に設置することが考えられるが、数を増やすほど設備コストの高騰につながるため、例えば落雷予測を有料サービスとして相手(工場など)に提供することを考えると、現実的でない。
そこで、本出願人は、特願2021-48863号において、新たな電界検知システムを提案している。すなわち、この検知システムは、電界効果トランジスタと、電界効果トランジスタのゲート電極に接続されるアンテナと、電界効果トランジスタのソース電極とドレイン電極との間に所定の電圧を付与するためのバイアス電源とを具備した電界検知システムであって、アンテナが、車両のボデー金属部であることを特徴としている。
上記構成の電界検知システムであれば、電界効果トランジスタの特性を活用して、電界の状態を検知できるので、受信した電界の状態を精度よく検知することができる。また、アンテナを車両のボデー金属部とすることで、非常に大きな面積で電界を検知できるので、電界の状態を感度よく検出することが可能となる。
特開2013-250211号公報
ところで、実際に車両のボデー金属部をアンテナとして車両が位置する空間の電界強度を検知しようとした場合、車両が帯びる静電気の影響が無視できない。すなわち、車両の大半は金属で構成されており、車両には無視できない大きさの静電気が帯電していると考えられるため、上述のようにボデー金属部をアンテナとして電界強度を検知した場合、検知した電界強度に静電気の影響が反映されている可能性が高い。これでは、原理的に高精度な検知が可能な検知システムであっても、実用性に乏しい。
もちろん、以上述べた問題は何も落雷予測の場合にのみ該当するわけではなく、他の自然災害となり得る現象を電界の状態から予測する場合にも起こり得る。
以上の事情に鑑み、本明細書では、車両が帯びる静電気の影響を考慮して、電界の状態を精度よくかつ低コストに検知可能とすることを、解決すべき技術課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係る電界検知システムによって達成される。すなわち、この検知システムは、車両が位置する空間の電界強度を検知するための電界検知システムであって、車両に設けられ、車両が位置する空間の電界に関する情報を検知する電界センサと、電界センサで検知した電界に関する情報に基づいて、車両が位置する空間の電界強度を取得する電界強度取得部とを有し、電界強度は、車両の走行時に車両が帯びる静電気に関する情報に基づいて補正されるように構成される点をもって特徴付けられる。
本発明は、主たる静電気の発生が車両の走行時であることに着目してなされたものである。すなわち、車両に発生する静電気は、主にタイヤと路面との摩擦、車体表面と空気との摩擦、及び車両駆動系並びに動力伝達系で生じる要素間の摩擦などにより生じるものと考えられる。これらの摩擦は何れも車両の走行時に発生するものであるから、電界センサ及び電界強度取得部で取得した電界強度を、車両の走行時に車両が帯びる静電気に関する情報に基づいて補正することにより、静電気の影響をキャンセルして、電界強度を高精度に検知することが可能となる。もちろん、本発明に係る電界検知システムであれば、走行中の車両の位置に応じて電界強度を検知することができるので、一つの電界センサで実質的に複数の地点における電界強度を検知することができる。よって、それほど多くの電界センサを使用せずとも広域の電界強度を検知することができ、低コストに電界強度を検知することが可能となる。
また、本発明に係る電界検知システムにおいて、車両が帯びる静電気に関する情報は、晴天時又は曇天時に電界強度取得部によって取得される電界強度を少なくとも含んでもよい。
このように、晴天時又は曇天時に電界強度取得部によって取得される電界強度であれば、雷雲の接近に伴い発生した電界の影響を排除して、車両の走行により車両に帯電した静電気に関する情報のみを評価することができる。よって、本構成によれば、車両が帯びる静電気の大きさを正確に検知することが可能となる。
また、この場合、本発明に係る電界検知システムにおいて、車両が帯びる静電気に関する情報は、電界強度の取得時における車両が位置する空間の湿度をさらに含んでもよい。
車両が帯びる静電気は、例えば当該車両が位置する空間の湿度によっても影響を受ける。すなわち、湿度が高いほど車両が帯びる静電気の量は少なく、湿度が低いほど車両が帯びる静電気の量は多い傾向にある。従って、上述のように電界強度取得時の湿度を考慮に加えて電界強度を補正することによっても、車両が帯びる静電気の大きさを正確に検知することが可能となる。
また、本発明に係る電界検知システムにおいて、車両が帯びる静電気に関する情報は、前記車両の車種に関する情報をさらに含んでもよい。
車両が帯びる静電気は、例えば当該車両の車種によっても影響を受ける。すなわち、静電気の発生源となる駆動系や動力伝達系は、車種によって異なるため、これら駆動系や動力伝達系の作動により生じる静電気の量も車種によって異なる。従って、電界強度を取得した車両の車種を考慮に入れて電界強度を補正することによっても、車両が帯びる静電気の大きさを正確に検知することが可能となる。
以上のように、本発明に係る電界検知システムによれば、車両が帯びる静電気の影響を考慮して、電界の状態を精度よくかつ低コストに検知することが可能となる。また、このことにより高精度な落雷予測を低コストに実現することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る落雷発生予測システムの概念図である。 図1に示す電界検知システムの構成を説明するための車両側面図である。 図1に示す予測システムを用いた予測方法の一例に係るフローチャートである。 静電気情報取得ステップの詳細な手順に係るフローチャートである。 各車両とデータ処理装置との間における静電気に関するデータの通信態様の一例を示す概念図である。 落雷発生予測処理ステップの詳細な手順に係るフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係る電界検知システム、及びこの検知システムを備えた落雷発生予測システムの内容を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る落雷発生予測システム10の概念図を示している。この予測システム10は、複数の車両11に設けられた電界強度検出装置12と、車両位置情報取得装置13と、データ処理装置14とを具備する。この場合、電界強度検出装置12と、データ処理装置14とで、本発明に係る電界検知システムが構成される。以下、各構成要素の詳細を順に説明する。
電界強度検出装置12は、後述する電界強度データの取得対象となる全ての車両11に設けられるもので、例えば本実施形態では、図2に示すように、電界効果トランジスタ(FET)15と、電界効果トランジスタ15のゲート電極15aに接続されるアンテナ16と、電界効果トランジスタ15のソース電極15bとドレイン電極15cとの間に所定の電圧V1を付与可能なバイアス電源17とを具備する。また、本実施形態では、電界強度検出装置12は、ソース電極15bとドレイン電極15cとの間を流れる電流Iの大きさを計測するための計測装置18、及び電界強度算出部19とをさらに具備する。この場合、電界強度検出装置12が本発明に係る電界センサに相当し、電界強度算出部19が本発明に係る電界強度取得部に相当する。
電界効果トランジスタ(FET)15としては、後述の通り、ゲート電極15aに付与される電圧V2の大きさに応じて電流Iの流れ易さ(電流量)が変化する限りにおいて、言い換えると、電流Iの値から電圧V2ひいてはアンテナ16で受信可能な電界の状態(例えば電界強度)に換算可能な限りにおいて、任意の種類(接合型FET、MOSFETなど)の電界効果トランジスタが適用可能である。本実施形態では、電界効果トランジスタ15としてMOSFETが適用される。
アンテナ16は、車両11が位置する地表付近の電界を受信し、受信した電界の状態に応じた電圧V2をゲート電極15aに付与可能に構成される。例えば本実施形態では、受信した電界の強さ(電界強度)に、ゲート電極15aに付与される電圧V2の大きさが比例するように、アンテナ16が構成される。
上記構成のアンテナ16は、本実施形態では、車両11のボデー金属部で構成される。また、本実施形態では、図2に示すように、車両11のドアアウタ11aでアンテナ16が構成されている。すなわち、車両11の金属外板となるドアアウタ11aに電界効果トランジスタ15のゲート電極15aを導線等により電気的に接続することで、ドアアウタ11aがアンテナ16本体として機能し得る。
この際、ゲート電極15aに対するドアアウタ11aの接続箇所は原則として任意であるが、地表付近の電界における電荷の鉛直方向への偏りを考慮した場合、ドアアウタ11aの上下方向一方の側にゲート電極15aを接続するのがよい。本実施形態では、図2に示すように、ドアアウタ11aの下部にゲート電極15aを接続している。
バイアス電源17としては、任意の電源が適用可能である。例えば車両11のECU用電源など車両11に搭載されている既存の電源を利用することがコストの面で好適である。
計測装置18は、例えば電流計で構成され、電界効果トランジスタ15のソース電極15bとドレイン電極15cとの間を流れる電流Iの大きさ(電流値)を計測可能な位置に設けられる。この計測装置18は、計測して得た電流値に関する情報を電界強度算出部19に送信する。なお、計測装置18による電流値の計測は、例えば一定の時間おきに実施される。もちろん、データ処理装置14からの指令を受けてその都度計測を実施してもよい。
電界強度算出部19は、計測装置18で計測して得た電流値に関する情報に基づいて、車両11まわり、より正確にはアンテナ16まわりの電界の状態(ここでは電界強度)を算出可能に構成される。また、この電界強度算出部19は、算出した電界強度に関する情報を、車両11に設けたデータ通信装置20に送信する。この場合、電界強度算出部19は、算出した全ての電界強度に関する情報をデータ通信装置20に送信してもよく、あるいは予め設定しておいた閾値以上の電界強度に関する情報のみ、データ通信装置20に送信してもよい。
データ通信装置20は、少なくとも電界強度データと、車両11の位置情報に関するデータ、車両11が位置する空間の湿度データ、及び各データの取得時刻に関するデータとをデータ処理装置14に送信可能に構成される。この場合、湿度データは、図2に示すように、車両11に設けた湿度計21により測定してもよい。もちろん、上記以外の気象に関するデータであって、車両位置データを取得したエリアの気象に関するデータを送信してもよく、例えば湿度、降雨量(降雨の有無を含む)、降雨エリア、降雪量、降雪エリア、風速、風量、気圧など、およそ一般に気象情報と認識される事象に関する情報を送信可能に構成される。また、これら気象データは、各種計測機器により直接的に計測したデータであってもよく、あるいは例えばワイパーの動作回数など当該自然現象に関連する動作に関するデータから間接的に算出して得たデータであってもよい。
なお、データ通信装置20としては、既存のデータ通信可能な装置を幅広く適用することができ、例えば本実施形態に係るデータの通信を専用に行うためのデータ通信機器をデータ通信装置20として車両11に据え付け固定してもよい。あるいは、タブレットやスマートフォンなどの汎用データ通信端末に専用のアプリをインストールしたものを車両11内に設置し、これをデータ通信装置20として使用してもよい。
車両位置情報取得装置13は、例えばGPS等の衛星測位システム用の衛星(測位衛星)との通信を可能とする衛星測位システムの受信部で構成される。この場合、車両位置情報取得装置13は、例えばカーナビゲーションシステムで構成される。車両位置情報取得装置13は、測位衛星との通信により車両11の位置を取得(算出)し、取得した車両11の位置情報を車両11の位置データとしてデータ通信装置20に送信する。位置データを受信したデータ通信装置20は、上述した電界強度データや気象データと共に、データ処理装置14に位置データを送信可能とされている。もちろん、車両位置情報取得装置13を、カーナビゲーションシステムとは別の専用の機器として車両11に設けてもよい。
データ処理装置14は、例えば図1に示すように、データ蓄積部22と、データ処理部23とを有する。このうちデータ蓄積部22は、複数の車両11から送信される位置データ、電界強度データ、各車両11が帯びる静電気に関するデータ、及び各車両11が位置する空間の気象データ(上述したデータ以外の気象データ)を蓄積する。これらのデータは、例えば各車両11から所定時刻おきに送信される。また、車両11以外から送信されるデータがある場合、当該データをデータ蓄積部22に蓄積する。図1に示す例では、気象情報提供機関24から提供される気象データを受信し、データ蓄積部22に蓄積する。この気象データには、例えば実際に発生した落雷に関連するデータ(地域、時刻、強さなど)が含まれる。あるいは、実際に発生した落雷に関連するデータに加えて、各車両が位置するエリアの気象データ(天気、湿度など)が含まれる。
データ処理部23は、データ通信装置20により送信され、データ蓄積部22に蓄積された各種データに基づいて、落雷の発生予測処理を実行する。
ここで、落雷の発生予測処理(具体的には落雷の発生予測を行うためのプログラムの実行)は、例えばAI(人工知能)を用いて行うことが可能である。具体的には、まずデータ蓄積部22に蓄積された各種データを教師データとして用いて、データ処理部23により、落雷の発生地域、時刻、及び強さに関する情報を出力とする学習モデルを生成する(学習モデル生成ステップP1)。この際、使用する教師データとしては、各車両11の位置データと電界強度データ、及び実際に発生した落雷に関するデータ(以後、単に落雷データと称する。)が用いられる。言い換えると、過去の落雷データに対応する位置データと電界強度データ、すなわち、データ蓄積部22に蓄積された各種データから、実際に落雷が発生した地域及び時刻における電界強度データを、対応する位置データを利用して抽出する。そして、抽出した電界強度データとその他の気象データを入力とし、落雷データを出力とする学習モデルを生成する。このうち落雷データについては、例えば図1に示すように、気象情報提供機関24から提供される気象データのうち過去に発生した落雷に関するデータを用いることができる。
このようにして落雷発生に関する学習モデルを生成した後、この学習モデルを用いて落雷の発生を予測する(落雷発生予測ステップP2)。具体的には、学習モデル生成ステップで生成した学習モデルに、各車両11の位置データ、電界強度データ、その他の気象データを入力して、落雷の発生地域、時刻、及び強さの少なくとも一つを落雷発生の予測結果として出力するプログラムをデータ処理部23により実行する。これにより、落雷の発生予測結果に関する情報を取得する。
次に、上記構成の落雷発生予測システム10を用いた落雷発生予測方法の一例を図1~図6に基づいて説明する。
図3は、落雷発生予測システム10を用いた落雷発生予測方法の手順を説明するためのフローチャートを示している。このフローチャートに示すように、本実施形態に係る落雷発生予測方法は、各車両11が帯びる静電気に関する情報(データ)を取得する静電気情報取得ステップS1と、各車両11から電界強度データ、位置データ、及び気象データを取得する第一データ取得ステップS2と、車両11以外から気象データを取得する第二データ取得ステップS3と、取得した各種データに基づいて落雷の発生予測を行う落雷発生予測ステップS4と、落雷の発生予測結果に基づいて、必要な場合に、必要な施設25(例えば半導体工場などの各種生産施設)に落雷の発生予測結果に関する情報を提供する落雷発生予測情報提供ステップS5とを具備する。
(S1)静電気情報取得ステップ
このステップでは、対象となる複数の車両11から、各車両11が帯びる静電気に関する情報を取得する。本実施形態では、図4に示すフローチャートに則って、静電気に関する所定のデータを取得する。本ステップS1では、まず車両11が位置する空間が晴天又は曇天であるか否かを判定する(天気判定ステップS11)。そして、晴天又は曇天であると判定した場合、車両11が現在又は直前まで走行中である(あった)か否かを判定する(走行状態判定ステップS12)。そして、走行中である(あった)と判定した場合、車両11の走行時に車両11が帯びる静電気に関するデータ、ここでは電界強度データ、湿度データ、及び車種データを取得する(静電気データ取得ステップS13)。
なお、天気判定ステップS11において、車両11が位置する空間が晴天又は曇天であるか否かの判定は、車両11に設けられたECUなどの演算記憶装置により実行されてもよく、あるいは、データ処理装置14により実行されてもよい。車両11に設けられた演算記憶装置により実行する場合、例えば図示は省略するが、日照計などの晴天に関連する事象を数値として計測可能な計測機器を車両11に設け、晴天又は曇天であるか否かを判定してもよく、ワイパーなど天気の状態に応じて作動する機器の作動状態を検知するセンサを利用して、晴天又は曇天であるか否かを判定してもよい。あるいは、データ処理装置14により実行する場合、気象情報提供機関24により提供された車両11が位置するエリアの天気情報に基づいて、晴天又は曇天であるか否かを判定してもよい。
また、走行状態判定ステップS12において、車両11が現在又は直前まで走行中である(あった)か否かの判定は、車両11に設けられた各種計測装置又はECUなどの演算記憶装置により実行されてもよい。また、走行中であると判定された場合、車両11の速度が一定の大きさ以上である場合、あるいは走行開始時から所定の時間が経過した後であることを、静電気データ取得ステップS13の実施条件としてもよい。走行開始時から所定の時間が経過した後であれば、走行開始に伴い車両11に蓄積される静電気の量が一定の値に収束する傾向にあるため、次ステップS13において高精度かつ安定した静電気関連データ(静電気としての電界強度データ)の取得が可能となる。
また、静電気データ取得ステップS13において、電界強度データについては、電界強度検出装置12により検出(取得)する。湿度データについては、湿度計21により取得する。また、車種データについては、車両11に既存の又は新規の演算記憶装置により取得する。なお、走行状態判定ステップS12において、直前まで走行中であったと判定された場合、停止後の経過時間に応じて静電気の減少量を推定し、検出した電界強度データに反映させてもよい。
上述した一連のステップS11~S13に係る処理は、例えば定期的に実施してもよく、データ処理装置14からの指示に基づいて任意のタイミングで実施してもよい。あるいは、車両11の走行状態に応じて車両11側が判断したタイミングで実施してもよい。
上述のようにして取得した静電気に関する各種データを、データ通信装置20によりデータ処理装置14に送信する(図5を参照)。これら各種データを受信したデータ処理装置14は、受信した各種データをデータ蓄積部22に蓄積する。このようにして、対象となる各車両11の走行時に各車両11が帯びる静電気に関するデータを取得する。これら各種データは、互いに紐付けされた状態でビッグデータとして蓄積され得る。
(S2)第一データ取得ステップ
このステップでは、データ取得の対象となる複数の車両11から、各車両11の位置データ、電界強度データ、及び、気温、雨量、風速などの気象データ(以後、便宜的に第一気象データと称する。)を取得する。具体的には、電界強度検出装置12により車両11が位置する空間の電界強度を検出し、検出した電界強度に関する情報を電界強度データとしてデータ通信装置20によりデータ処理装置14に送信する。同様に、車両位置情報取得装置13により取得した車両11の位置情報を位置データとしてデータ通信装置20によりデータ処理装置14に送信する。また、図示しない各種センサ等により検出した車両11が位置する空間の気象情報を第一気象データとしてデータ通信装置20によりデータ処理装置14に送信する。これら各種データを受信したデータ処理装置14は、受信した各種データをデータ蓄積部22に蓄積する。このようにして、所定エリア内の複数箇所における所定時刻の電界強度データ、及び第一気象データを取得する。
(S3)第二データ取得ステップ
このステップでは、気象情報提供機関24から、所定エリア内で過去に発生した落雷に関するデータ(落雷データ)を含む気象データ(以後、便宜的に第二気象データと称する。)を取得する。データ処理装置14は、取得した落雷データ等の気象データ(第二気象データ)をデータ蓄積部22に蓄積する。これにより、所定エリア内の所定時刻における落雷データと、同エリア及び同時刻における電界強度データと各種気象データが、相互に関連付けられた状態でデータ蓄積部22に蓄積される。なお、第一データ取得ステップS2と第二データ取得ステップS3のタイミングはともに任意であり、図3に示すように、第二データ取得ステップS3と第一データ取得ステップS2の実施順が制限されることはない。
(S4)落雷発生予測ステップ
このステップでは、ステップS1~S3で取得した各種データに基づいて、データ処理部23により、所定エリア内における落雷の発生予測処理を行う。具体的には、図6に示すように、まずステップS2で取得した電界強度データの取得対象となった車両11が位置する空間が、雨天であるか否かを判定する(雨天判定ステップS41)。そして、雨天ではないと判定された場合、ステップS1で取得した静電気に関する各種データに基づいて、ステップS2で取得した電界強度データを補正する(補正ステップS42)。すなわち、ステップS2で取得した電界強度データの取得対象となった車両11の車種及び湿度データに対応する電界強度データをデータ蓄積部22から抽出し、当該電界強度データを静電気に関するデータ(いわばノイズデータ)として、ステップS2で取得した電界強度データから減じる補正を行う。そして、このようにして補正した後の電界強度データを含む各種データを入力とし、落雷の発生予測結果を出力とするプログラムをデータ処理部23により実行する(予測処理実行ステップS43)。
あるいは、雨天判定ステップS41において、雨天であると判定された場合、ステップS2で取得した電界強度データを補正することなく、当該電界強度データを含む各種データを入力とし、落雷の発生予測結果を出力とするプログラムをデータ処理部23により実行する。
なお、雨天判定ステップS41において、車両11が位置する空間が雨天であるか否かの判定は、車両11に設けられたECUなどの演算記憶装置により実行されてもよく、あるいは、データ処理装置14により実行されてもよい。車両11に設けられた演算記憶装置により実行する場合、例えば図示は省略するが、ワイパーの作動状態を検知するセンサを利用して、雨天であるか否かを判定してもよい。あるいは、データ処理装置14により実行する場合、気象情報提供機関24により提供された車両11が位置するエリアの天気情報に基づいて、雨天であるか否かを判定してもよい。
また、電界強度データの補正ステップS42において、電界強度データの補正処理は、車両11に設けられた各種計測装置又はECUなどの演算記憶装置により実行されてもよく、あるいは、データ処理装置14により実行されてもよい。
また、予測処理実行ステップS43において、実行可能なプログラムは任意であり、本実施形態では上述した学習モデルを用いた落雷発生予測プログラムを実行する。すなわち、学習モデル生成ステップP1では、ステップS2,S3で取得した過去の電界強度データ、位置データ、気象データ、及び落雷データを教師データとして、落雷発生に関する学習モデルを生成する。然る後、所定時刻に取得した電界強度データ、位置データ、及び気象データを学習モデルに入力して、所定時刻以降に発生する落雷の発生地域、時刻、及び強さの少なくとも一つを落雷の発生予測結果として出力するプログラムをデータ処理部23により実行する。これにより、所定時刻以降における落雷の発生予測結果に関する情報を取得する。
(S5)予測情報提供ステップ
このステップでは、ステップS4で取得した落雷の発生予測結果に関する情報を、必要とされる施設25に提供する。このようにして落雷の発生予測情報が、必要とされる施設25において活用(可否判断を含む落雷に対する事前対策の実施など)され得る。
以上述べたように、本実施形態に係る電界検知システムでは、電界強度検出装置12及び電界強度算出部19で取得した電界強度を、車両11の走行時に車両11が帯びる静電気に関する情報に基づいて補正したので、静電気の影響をキャンセルして、電界強度を高精度に検知することが可能となる。もちろん、本発明に係る電界検知システムであれば、走行中の車両11の位置に応じて電界強度を検知することができるので、一つの電界強度検出装置12で実質的に複数の地点における電界強度を検知することができる。よって、それほど多くの電界強度検出装置12を使用せずとも広域の電界強度を検知することができ、低コストに電界強度を検知することが可能となる。
また、本実施形態では、晴天時又は曇天時に電界強度算出部19によって取得される電界強度を静電気に関するデータとして取得するようにしたので、雷雲の接近に伴い発生した電界の影響を排除して、車両11の走行により車両11に帯電した静電気のみを評価することができる。よって、本構成によれば、車両11が帯びる静電気の大きさを正確に検知することが可能となる。
加えて、本実施形態では、電界強度の取得時における車両11が位置する空間の湿度と、車両11の車種に関する情報をさらに考慮に加えて、電界強度を補正するようにしたので、車両11が帯びる静電気の大きさをより正確に検知することが可能となる。
また、本実施形態では、電界効果トランジスタ15と、アンテナ16と、バイアス電源17とを備えた電界強度検出装置12を用いて、車両1が位置する空間の電界(ここでは電界強度)を検知可能とした。アンテナ16が置かれた空間の電場をアンテナ16が受信することで、受信した電場の状態(電界強度)に応じた電圧V2がゲート電極15aに付与される。電界強度とゲート電極15aに付与される電圧V2(ゲート電圧)との間には一定の相関が見られるので、上記電圧V2がゲート電極15aに付与された際に生じるソース電極15bとドレイン電極15c間の電流Iの変動を正確に評価することで、車両11まわりの電界強度を精度よく検出することができる。ここで、電界強度検出装置12のアンテナ16を車両11のボデー金属部、具体的にはドアアウタ11aとすることによって、非常に大きな面積で電界を検知できる。そのため、電界強度を感度よく検出することができ、より高精度に落雷の発生を予測することが可能となる。また、電界効果トランジスタ15は非常に安価に入手し易く、また車両11のボデー金属部(ここではドアアウタ11a)をアンテナ16とすることで、別個にアンテナ16を用意する手間及びコストを低減できる。また、バイアス電源17は、車両11に搭載された既存の電源(ECU用電源など)を利用できるので、この点でも低コストに電界強度検出装置12を作製できる。
また、本実施形態に係る落雷発生予測システム10によれば、上述した電界強度検出装置12による高精度な電界検出能に加えて、複数の車両11から電界強度データや位置データを取得することで、非常に広範囲にわたって多数の電界強度データを位置データと紐づけした状態で取得することができる。そのため、これら多数の電界強度データに基づいて落雷発生予測を行うことで、従来の落雷警告技術に比べて、各段に信頼性の高い落雷予測が可能となる。また、これら位置データや電界強度データは、車両11に既設のデータ通信装置20を利用することで、収集(蓄積)可能であるから、大幅なコストアップを招くことなく上述した予測システム10を構築することが可能となる。また、本発明のように車両11の走行時に車両1が帯びる静電気に関する情報についても、各車両11で取得した静電気に関するデータ(晴天又は曇天時における電界強度データ、湿度データ、車種データ)として、収集(蓄積)可能であるから、これらのデータをビッグデータとして活用することで、車両11が帯びる静電気に関する情報を各車両11側で必ずしも取得せずとも、データ蓄積部22に蓄積した上記静電気に関するデータを利用して、電界強度データを適正に補正することが可能となる。
また、本実施形態では、データ処理部23により、位置データと電界強度データ、及び位置データを取得したエリアの気象情報に関するデータを車両11から取得すると共に、気象情報提供機関24から実際に発生した落雷に関するデータを含む気象データを取得し、取得した各種データに基づいて、落雷の発生を予測するようにしたので、さらに高精度な落雷予測が可能となる。
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明に係る電界検知システム、及びこの検知システムを備えた落雷発生予測システムは、その趣旨を逸脱しない範囲において、上記以外の構成を採ることも可能である。
例えば、上記実施形態では、データ処理装置14により静電気情報取得ステップS1を実行した場合を例示したが、もちろんこれには限定されない。例えば静電気情報取得ステップS1を構成する各ステップS11~S13の一部又は全部を車両11側の演算処理装置で実行してもかまわない。この場合、補正後の電界強度データをデータ通信装置20によりデータ処理装置14に送信されるので、データ蓄積部22には補正後の電界強度データが蓄積(記憶)され得る。
例えば、上記実施形態では、電界効果トランジスタ15と、アンテナ16としてのボデー金属部と、バイアス電源17とを備えた電界強度検出装置12を用いて、車両1が位置する空間の電界(ここでは電界強度)を検知可能とした場合を例示したが、もちろんこれには限定されない。例えばボデー金属部以外の要素をアンテナ16とする電界強度検出装置12を用いてもよい。あるいは、車両11が位置する空間の電界強度を検出可能な限りにおいて、他の構成に係る電界強度検出装置12を用いてもよい。
また、上記実施形態では、車両11の走行時に車両11が帯びる静電気に関する情報として、晴天又は曇天時における電界強度データと、湿度データと、車種データを用いた場合を挙げたが、もちろんこれは一例に過ぎない。上記以外のデータを静電気に関する情報として加えてもよい。あるいは、晴天又は曇天時における電界強度データのみで足りると判断される場合には、電界強度データのみを用いて車両11が帯びる静電気の大きさを評価してもよい。あるいは、電界強度以外の特性値でもって車両11が帯びる静電気の大きさを評価し得る場合には、電界強度データに代えて上記特性値を用いてもよい。要は、車両11の走行時に車両11が帯びる静電気に関する情報である限りにおいて、任意のデータを用いることが可能である。
また、以上の説明では、本発明に係る電界検知システムを、落雷発生予測システムに適用した場合を例示したが、本発明に係る電界検知システムは、電界の状態変動が発生の予兆として認識されている自然現象を予測するためのシステムに対しても適用可能である。もちろん、予測に限らず、今まさに発生している自然現象の状態を電界の状態から検知する場合に、本発明に係る電界検知システムを適用することも可能である。あるいは、電界の状態変動を伴う事故の検知など、電界の状態変動を伴う種々の事象の検知又は予測に、本発明に係る電界検知システムを適用することも可能である。
10 落雷発生予測システム
11 車両
11 ドアアウタ
12 電界強度検出装置
13 車両位置情報取得装置
14 データ処理装置
15 電界効果トランジスタ
16 アンテナ
17 バイアス電源
18 計測装置
19 電界強度算出部
20 データ通信装置
21 湿度計
22 データ蓄積部
23 データ処理部
24 気象情報提供機関
25 施設
S1 静電気情報取得ステップ
S11 天気判定ステップ
S12 走行状態判定ステップ
S13 静電気データ取得ステップ
S2 第一データ取得ステップ
S3 第二データ取得ステップ
S4 落雷発生予測ステップ
S41 雨天判定ステップ
S42 補正ステップ
S43 予測処理実行ステップ

Claims (2)

  1. 車両が位置する空間の電界強度を検知するための電界検知システムであって、
    前記車両に設けられ、前記車両が位置する空間の電界に関する情報を検知する電界センサと、
    前記電界センサで検知した前記電界に関する情報に基づいて、前記車両が位置する空間の電界強度を取得する電界強度取得部とを有し、
    前記電界強度は、前記車両の走行時に前記車両が帯びる静電気に関する情報に基づいて補正されるように構成される、電界検知システム。
  2. 前記車両が帯びる静電気に関する情報は、晴天時又は曇天時に前記電界強度取得部によって取得される電界強度を少なくとも含む、請求項1に記載の電界検知システム。
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