JP2023173153A - 電界検知システム - Google Patents

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Yoshimasa Abe
光児 吉元
Koji Yoshimoto
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Abstract

Figure 2023173153000001
【課題】電界の状態を広域にわたって精度よくかつ低コストに検知する。
【解決手段】電界検知システム12は、二つの電極17,18と、二つの電極17,18の間に配設される誘電体19とを有するコンデンサ15と、コンデンサ15の帯電状態を評価する帯電状態評価部16とを備え、帯電状態評価部16で評価した帯電状態に基づいて、コンデンサ15の周囲の電界を検知可能に構成される。何れか一方の電極17は、車両11のボデー金属部である。
【選択図】図4

Description

本発明は、電界検知システムに関する。
例えば半導体製造工場など、安定的な稼働が求められる施設においては、安定的な電力供給が必要とされている。その一方で、落雷などの自然現象などによって、電力線等の電力設備が損傷して、停電や瞬低(瞬時電圧低下)などの電力トラブルが不可避的に発生しているのが現状である。
ここで、落雷の発生を予測して当該施設に警告を発するためのシステムが特許文献1に記載されている。詳述すると、この特許文献に記載のシステムでは、タワー等の建造物の建設作業現場あるいは建設作業現場の周辺の地点に落雷検出装置を設置すると共に、建造物の建設作業現場または建設作業現場の近隣の地点に静電界検出装置を設置する。そして、落雷検出装置により落雷の発生を検出すると共に、静電界検出装置により雲・大地間の静電界の電界強度を検出し、両検出装置から出力された検出信号のレベルに基づいて、警告出力装置により警告情報のランクを決定して、そのランク付けされた警告情報を警告出力装置から出力する。また、この際、静電界検出装置の検出レベルを優先的に採用して、警告情報を出力する。
また、特許文献2には、雷雲の位置を検出するための方法が提案されている。この検出方法では、複数の鉄塔の頂部にそれぞれコンデンサが設けられ、雷雲が発生した際、この雷雲によってコンデンサの周囲に生じた電界の強度に応じて、各コンデンサに電荷が蓄積され、蓄積された電荷の量に基づいて、雷雲の位置を算出する。
特開2013-250211号公報 特開平11-304950号公報
ところで、製造工場においては、設置された各種機器が高度に電気制御され、また電気によりネットワーク化されているため、施設への落雷による機器の破損などの直接的な被害だけでなく停電や瞬低等による間接的な被害に対する対策(雷害対策)が重要となる。特に、半導体工場などは上述の影響を受けやすいため、従来にも増して精度の高い落雷発生予測が求められる。例えば特許文献1に記載のシステムにおいて落雷発生の予測精度を高めるためには、静電界検知装置の数を増やして広範囲に設置することが考えられるが、数を増やすほど設備コストの高騰につながるため、例えば落雷予測を有料サービスとして相手(工場など)に提供することを考えると、現実的でない。
特許文献2に記載のように、複数の地点に設けられたコンデンサにより、雷雲の発生により生じた電界の強度を検出し、検出した電界強度に基づいて、雷雲の位置を検出する方法によれば、落雷の際に生じるノイズ等の影響を受けることなく、雷雲の位置を検出できるため、より高精度に落雷の発生を予測することができると思われる。しかしながら、この方法においても、落雷の発生予測を広範囲にわたって高精度に実施しようとすると、予測エリア全域をカバーし得るだけの多数のコンデンサが必要となるため、コスト面で問題がある。
なお、以上述べた問題は何も落雷予測の場合にのみ該当するわけではなく、他の自然災害となり得る現象を電界の状態から予測する場合にも起こり得る。
以上の事情に鑑み、本明細書では、電界の状態を広域にわたって精度よくかつ低コストに検知可能とすることを、解決すべき技術課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係る電界検知システムによって達成される。すなわち、この検知システムは、二つの電極と、二つの電極の間に配設される誘電体とを有するコンデンサと、コンデンサの帯電状態を評価する帯電状態評価部と、帯電状態評価部で評価した帯電状態に基づいて、コンデンサの周囲の電界を検知する電界検知システムであって、何れか一方の電極は、車両のボデー金属部である点をもって特徴付けられる。
本発明に係る電界検知システムでは、コンデンサの帯電状態を評価し、評価した帯電状態に基づいて、コンデンサの周囲の電界を検知する場合に、コンデンサを構成する二つの電極のうち何れか一方の電極を、車両のボデー金属部とした。このように、車両のボデー金属部を利用してコンデンサを構成することにより、車両の位置に応じて電界を検知できる。すなわち、走行中の車両の位置に応じて電界を検知することができるので、一つのコンデンサで実質的に複数の地点における電界を検知することができる。よって、それほど多くのコンデンサを使用せずとも広域の電界を検知することができ、低コストに広域の電界検知が可能となる。また、車両のボデー金属部を一方の電極としてコンデンサを構成することにより、コンデンサの製作コストを下げることもできるので、これによっても広域の電界検知を低コストに実施することが可能となる。また、コンデンサの帯電状態は、コンデンサの周囲の電界の状態を正確に反映しているので、評価した帯電状態に基づいてコンデンサの周囲の電界を検知することで、例えば車両が帯びている静電気の影響を極力受けることなく高精度に周囲の電界を検知することができる。高精度に電界を検知できれば、例えば雷雲の位置又は規模についても高精度に予測することが可能になるので、高精度な落雷予測が可能となる。
また、本発明に係る電界検知システムにおいて、誘電体は、ボデー金属部の表面に形成される塗膜であってもよい。
通常、車両のボデー金属部は、ドアアウタやルーフパネルなど車両の外観部を構成するため、その外表面には塗装が施され、所定厚みの塗膜が形成される。ここで、塗膜の厚みは非常に小さい(通常、数百μm以下のオーダー)ため、この塗膜をコンデンサの誘電体として用いることが可能となる。この場合、コンデンサを構成する要素のうち一方の電極と誘電体は車両の既存の要素であるため、他方の電極のみを用意すれば足りる。よって、車両自体の設計を変更することなく電界の検知に必要な性能を有するコンデンサをより容易にかつ低コストに製作することが可能となる。
また、本発明に係る電界検知システムにおいて、他方の電極は金属箔であってもよい。
車両のボデー金属部は、完全に平坦な形状であることは珍しく、複雑な三次元形状をなす。そのため、このボデー金属部を、コンデンサを構成する一方の電極として用いる場合に、他方の電極を金属箔とすれば、ボデー金属部の表面形状に倣った形状に金属箔を取付けることができる。これにより、ボデー金属部と金属箔との隙間を容易に一定にすることができ、高精度なコンデンサを容易に制作できる。特に、ボデー金属部の表面に形成される塗膜を誘電体として利用する場合には、この塗膜上に金属箔を貼り付けるだけで形状精度に優れたコンデンサを製作できる。また、金属箔のように薄肉の電極であれば、例えば塗膜をなす二層以上の塗膜層(下塗り層、中塗り層、上塗り層、クリア層など)の間に金属箔を配置することもできる。これにより、車両全体の外観品質を損なくことなくコンデンサを設けることが可能となる。
また、本発明に係る電界検知システムにおいて、コンデンサは、車両のルーフ部に設けられてもよい。
雷雲は、地上を走行する車両の上方(上空)に位置することを鑑みた場合、雷雲によって発生する電界の向きは概ね鉛直方向であると推測される。ここで、コンデンサを車両のルーフ部に設けた場合、コンデンサを構成する他方の電極の法線方向を上向きにすることができる。そのため、コンデンサの向きを、雷雲による電界の向きに合わせることができ、より高精度に電界を検知することが可能となる。
以上の構成に係る電界検知システムは、例えば複数の車両に設けられた電界検知システムと、各々の車両の位置情報を取得する車両位置情報取得装置と、車両位置情報取得装置で取得した各車両の位置情報と、各車両の電界検知システムで検知した電界に関する情報とに基づき雷雲の位置を予測する雷雲位置予測装置とを具備する雷雲位置予測システムとして好適に提供可能である。
以上のように、本発明に係る電界検知システムによれば、電界の状態を広域にわたって精度よくかつ低コストに検知することが可能となる。また、このことにより高精度な雷雲の位置予測ひいては落雷予測を低コストに実現することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る雷雲位置予測システムの概念図である。 図1に示す電界検知システムの構成を説明するための車両側面図である。 図2に示すコンデンサを矢印Aの向きから見た平面図である。 図2に示すコンデンサの概略断面図である。 本発明の他の実施形態に係るコンデンサの概略断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る電界検知システム、及びこの検知システムを備えた雷雲位置予測システムの内容を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る雷雲位置予測システム10の概念図を示している。この予測システム10は、複数の車両11に設けられた電界検知システム12と、車両位置情報取得装置13と、データ処理装置14とを具備する。以下、各構成要素の詳細を順に説明する。
電界検知システム12は、後述する電界に関する情報の取得対象となる全ての車両11に設けられるもので、図2に示すように、コンデンサ15と、コンデンサ15の電極間電圧を測定するための電圧測定器16とを具備する。ここで、電圧測定器16が、本発明に係る帯電状態評価部に相当する。
コンデンサ15は、図3及び図4に示すように、互いに向かい合う二つの電極と、これら対向する二つの電極間に位置する誘電体とを有する。ここで、一方の電極は、車両11のボデー金属部である。本実施形態では、ボデー金属部は、車両11のルーフパネル17である。また、他方の電極は、金属箔18である。誘電体は、塗膜19である。この場合、図4に示すように、ルーフパネル17の外表面に塗膜19が形成され、塗膜19表面に金属箔18が配置される。また、車両11を上方から見た場合、金属箔18が視認され得る。ルーフパネル17と金属箔18とに電圧測定器16が電気的に接続される。また、本実施形態では、ルーフパネル17と金属箔18とが抵抗部20を介して電気的に接続される。
ここで、金属箔18の面積をs、電極間距離をd、誘電率をεとした場合、コンデンサ15の静電容量Cは、以下の数式1で表される。
C=ε・s/d …(数1)
この場合、電極間距離dは塗膜19の厚み寸法に一致する。
また、この場合、電極間電圧をV、帯電時におけるコンデンサ15の電荷をQとした場合、電荷Qは、以下の数式2で表される。
Q=C・V …(数2)
よって、電極間電圧Vは、数式3で表される。
V=Q/C=Q・d/(ε・s) …(数3)
よって、コンデンサ15の電極間電圧を測定することによりコンデンサ15の電極帯電量である電荷量を評価することができ、ひいてはコンデンサ15の周囲の電界の状態(例えば電界強度など)を評価することが可能となる。本実施形態では、電圧測定器16で測定した電圧値をコンデンサ15の周囲の電界に関する情報として取得する。電圧測定器16は、電圧測定器16で測定された電圧の値を電圧データとして、車両11に設けたデータ通信装置21に送信する。なお、電圧測定器16による電圧の測定は、例えば一定の時間おきに実施される。もちろん、データ処理装置14からの指令を受けてその都度測定を実施してもよい。
データ通信装置21は、少なくとも電界に関するデータとしての電圧データと、車両11の位置情報に関するデータ、及び各データの取得時刻に関するデータとをデータ処理装置14に送信可能に構成される。もちろん、上記以外の気象に関するデータであって、車両位置データを取得したエリアの気象に関するデータを送信してもよく、例えば温度、湿度、降雨量(降雪量)、降雨エリア、風速、風量、気圧など、およそ一般に気象情報と認識される事象に関する情報を送信可能に構成される。また、これら気象データは、各種計測機器により直接的に計測したデータであってもよく、あるいは例えばワイパーの動作回数など当該自然現象に関連する動作に関するデータから間接的に算出して得たデータであってもよい。
なお、データ通信装置21としては、既存のデータ通信可能な装置を幅広く適用することができ、例えば本実施形態に係るデータの通信を専用に行うためのデータ通信機器をデータ通信装置21として車両11に据え付け固定してもよい。あるいは、タブレットやスマートフォンなどの汎用データ通信端末に専用のアプリをインストールしたものを車両11内に設置し、これをデータ通信装置21として使用してもよい。
車両位置情報取得装置13は、例えばGPS等の衛星測位システム用の衛星(測位衛星)との通信を可能とする衛星測位システムの受信部で構成される。車両位置情報取得装置13は、測位衛星との通信により車両11の位置を取得(算出)し、取得した車両11の位置情報を車両11の位置データとしてデータ通信装置21に送信する。位置データを受信したデータ通信装置21は、上述した電界強度データや気象データと共に、データ処理装置14に位置データを送信可能とされている。この場合、車両位置情報取得装置13は、例えばカーナビゲーションシステムで構成されてもよい。あるいはカーナビゲーションシステムとは別の専用の機器で構成されてもよい。
データ処理装置14は、例えば図1に示すように、データ蓄積部22と、データ処理部23とを有する。このうちデータ蓄積部22は、複数の車両11から送信される位置データ、電圧データ、及び気象データを蓄積する。これらのデータは、例えば各車両11から所定時刻おきに送信される。また、車両11以外から送信されるデータがある場合、当該データをデータ蓄積部22に蓄積する。図1に示す例では、気象情報提供機関24から提供される気象データを受信し、データ蓄積部22に蓄積する。この気象データには、例えば実際に発生した雷雲に関連するデータ(雷雲の位置、規模など)が含まれる。落雷に関連するデータ(地域、時刻、強さなど)が含まれてもよい。
データ処理部23は、データ通信装置21により送信され、データ蓄積部22に蓄積された各種データに基づいて、雷雲の位置と規模の少なくとも一方を予測(ここでは、雷雲の位置を予測)する処理を実行する。
ここで、雷雲の位置予測処理は、例えば以下の考え方に基づいて行われる。すなわち、雷雲の電界強度をEとした場合、その単位はv/mであるから、雷雲から電圧V[v]を測定した地点までの距離をD[m]とした場合、電界強度Eは、以下の数式4で表される。
E=V/D …(数4)
従って、例えば図1に示すように、所定時刻において複数の車両11で電圧Vに関するデータが測定された場合、各車両11で測定された全ての電圧Vについて数式4が成立するような一つの電界強度Eと電圧Vデータ分の数の距離Dの組み合わせ(解)を求める。そして、このようにして求めた距離Dから雷雲の位置を予測する。あるいは、上述のようにして求めた電界強度Eから雷雲の規模を予測する。
なお、この際、気象情報提供機関24から提供され、データ蓄積部22に蓄積された気象データを考慮に加えて、雷雲の位置等を予測してもよい。この場合の処理(雷雲の位置等を予測するためのプログラムの実行)は、例えばAI(人工知能)を用いて行うことが可能である。具体的には、まずデータ蓄積部22に蓄積された各種データを教師データとして用いて、データ処理部23により、雷雲の位置、規模に関する情報を出力とする学習モデルを生成する(学習モデル生成ステップP1)。この際、使用する教師データとしては、各車両11の位置データと電圧データ、及び実際に発生した雷雲の位置等に関するデータ(以後、単に雷雲位置データと称する。)が用いられる。言い換えると、過去の雷雲位置データに対応する位置データと電圧データ、すなわち、データ蓄積部22に蓄積された各種データから、実際に発生した雷雲の位置等に関するデータを、対応する位置データを利用して抽出する。そして、抽出した電圧データとその他の気象データを入力とし、雷雲位置データを出力とする学習モデルを生成する。このうち雷雲位置データについては、例えば図1に示すように、気象情報提供機関24から提供される気象データのうち過去に発生した雷雲の位置等に関するデータを用いることができる。
このようにして雷雲の位置等に関する学習モデルを生成した後、この学習モデルを用いて雷雲の位置等を予測する(雷雲位置予測ステップP2)。具体的には、学習モデル生成ステップで生成した学習モデルに、各車両11の位置データ、電圧データ、その他の気象データを入力して、雷雲の位置等に関するデータを雷雲位置の予測結果として出力するプログラムをデータ処理部23により実行する。これにより、雷雲の位置予測結果に関する情報を取得する。
データ処理部23は、上述のようにして取得した雷雲の位置予測結果に関する情報を、必要とされる施設25に提供され得る(図1を参照)。
なお、データ処理部23は、上述したAIにより当該雷雲による落雷の発生を予測するためのプログラムを実行してもよい。また、この場合、上述のようにして取得した雷雲の位置予測結果を考慮に加えて、落雷の発生を予測するためのプログラムを実行してもよい。このようにして取得した落雷発生予測結果に関する情報は、必要とされる施設25に提供され得る(図1を参照)。
以上述べたように、本実施形態に係る電界検知システム12によれば、コンデンサ15の帯電状態を評価し、評価した帯電状態に基づいて、コンデンサ15の周囲の電界を検知する場合に、コンデンサ15を構成する二つの電極のうち何れか一方の電極を、車両11のボデー金属部(ここではルーフパネル17)とした。このように、車両11のボデー金属部を利用してコンデンサ15を構成することにより、走行中の車両11の位置に応じて電界を検知することができるので、一つのコンデンサ15で実質的に複数の地点における電界を検知することができる。よって、それほど多くのコンデンサ15を使用せずとも広域の電界を検知することができ、低コストに広域の電界検知が可能となる。また、車両11のボデー金属部を一方の電極としてコンデンサ15を構成することにより、コンデンサ15の製作コストを下げることもできるので、これによっても広域の電界検知を低コストに実施することが可能となる。
また、コンデンサ15の帯電状態は、コンデンサ15の周囲の電界の状態を正確に反映しているので、評価した帯電状態に基づいてコンデンサ15の周囲の電界を検知することで、高精度に周囲の電界を検知することができる。特に本実施形態のように、帯電状態評価部として電圧測定器16を用いて、コンデンサ15の電極間電圧を測定し、測定した電圧の値に基づいてコンデンサ15の周囲の電界を検知することで、車両11が帯びている静電気の影響を排除して、より高精度にコンデンサ15の周囲の電界を検知することが可能となる。
また、本実施形態に係る雷雲位置予測システム10によれば、上述した電界検知システム12による高精度な電界検出能に加えて、複数の車両11から電圧データや位置データを取得することで、非常に広範囲にわたって多数の電圧データを位置データと紐づけした状態で取得することができる。そのため、上述したように、これら多数の電圧データと電圧データ取得地点の位置データとに基づいて雷雲位置予測を行うことで、従来の雷雲位置予測技術に比べて、各段に信頼性の高い雷雲の位置予測が可能となる。また、これら位置データや電圧データは、車両11に既設のデータ通信装置21を利用することで、収集(蓄積)可能であるから、大幅なコストアップを招くことなく上述した予測システム10を構築することが可能となる。
また、本実施形態では、データ処理部23により、位置データと電圧データ、及び位置データを取得したエリアの気象情報に関するデータを車両11から取得すると共に、気象情報提供機関24から実際に発生した雷雲の位置等に関するデータを含む気象データを取得し、取得した各種データに基づいて、雷雲の位置等を予測するようにしたので、さらに高精度な雷雲位置予測ひいては落雷予測が可能となる。
図5は、本発明の他の実施形態に係る電界検知システム32の要部断面図、具体的にはコンデンサ35の概略断面図を示している。このコンデンサ35は、基本的な構成において図4に示すコンデンサ15と同一であるが、要素の配置態様において図4に示すコンデンサ15と相違する。具体的に、本実施形態に係るコンデンサ35は、一方の電極をボデー金属部(ルーフパネル17)、他方の電極を金属箔18、及び誘電体を塗膜19とすることは、図4に示すコンデンサ15と同じである。一方で、金属箔18の外表面が塗膜19の一部で覆われている点で、図4に示すコンデンサ15と相違する。
すなわち、このコンデンサ15は、双方の電極としてのルーフパネル17と金属箔18との間に、塗膜19を構成する内側塗膜層19aが誘電体として配設されると共に、金属箔18の外側に、内側塗膜層19aと共に塗膜19を構成する外側塗膜層19bが設けられている。この場合、内側塗膜層19aは、塗膜19を構成する複数の塗膜層(下塗り層、中塗り層、上塗り層、クリア層のうち少なくとも二つ)の一部で構成され、外側塗膜層19bは、塗膜19を構成する複数の塗膜層の残部で構成される。
上記構成のコンデンサ35は、例えばルーフパネル17の塗装工程時、内側塗膜層19aを形成した後、内側塗膜層19aの表面に金属箔18を配置し、然る後、外側塗膜層19bを形成することによって、容易に製作することが可能である。
本実施形態に係るコンデンサ35であれば、車両11の外観品質を全く落とすことなく、高精度な電界検知システム32を低コストに構築できる。
なお、上記実施形態では、ボデー金属部としてルーフパネル17を適用した場合を例示したが、もちろんこれには限られない。電界の検知精度が保証される限りにおいて、任意のボデー金属部を一方の電極としてもよい。
また、他方の電極についても、金属箔18に限ることなく任意の要素を適用可能である。要は、ボデー金属部とでコンデンサ15(35)を構成可能な限りにおいて、任意の構成に係る要素を他方の電極に適用することが可能である。例えば適当な範囲に導電領域を区画できるのであれば、図示は省略するが、他方の電極をボデー金属部のアウタパネル、一方の電極をボデー金属部のインナパネルとすることも可能である。この場合、誘電体は空間(空気)であってもよい。
また、上記実施形態では、誘電体として塗膜19を適用した場合を例示したが、もちろんこれには限られない。例えば図示は省略するが、他方の電極としての金属箔18の一方の表面に粘着層を設けて、この金属箔18をボデー金属部としての金属板の外表面に張り付けることで、粘着層が誘電体として機能し、コンデンサ15が構成され得る。
また、上記実施形態では、複数の車両11で取得された位置データ及び電圧データに基づいて、雷雲の位置予測をデータ処理装置14で実施した場合を例示したが、もちろんこれ以外の形態をとることも可能である。例えば図示は省略するが、車両11にデータ処理部を設けて、このデータ処理部により、電圧測定器16で取得した同一車両11における複数の電圧データに基づいて、コンデンサ15の周囲の電界を検知し、あるいは雷雲の位置を予測してもよい。この際、データ処理部は、車両11に既存のデータ処理装置(ECU)などを利用してもよい。
また、上記実施形態では、コンデンサ15の帯電状態評価部として電圧測定器16を適用した場合を例示したが、もちろんこれには限られない。例えば静電容量測定器など、コンデンサ15の帯電状態を定量的に評価可能な限りにおいて、任意の評価機器を適用することも可能である。この場合、取得した帯電状態に関するデータに基づいてコンデンサ15の周囲の電界を検知してもよい。あるいは、雷雲の位置を予測してもよい。
また、本発明に係る電界検知システムを具備した落雷発生予測システムについて、上記実施形態では、データ処理装置14が、複数の車両11から電圧データ(電界の状態に関するデータ)と位置データ、及び車両11で取得した気象データ(以後、第一気象データと称する。)を取得すると共に、気象情報提供機関24から雷雲位置データを含む気象データ(以後、第二気象データと称する。)を取得し、取得したこれらの各種データに基づいて雷雲位置予測を行う場合を説明したが、もちろんこれ以外の形態を採ることも可能である。例えば、各車両11から取得した電圧データと位置データ、及び第一気象データのみに基づいてデータ処理部23が雷雲位置予測を行ってもよい。あるいは、各車両11から取得した電圧データと位置データ、及び気象情報提供機関24から提供された第二気象データのみに基づいてデータ処理部23が雷雲位置予測を行ってもよい。また、あるいは、上記例示したデータ以外の種類のデータを、位置データ及び電圧データと共に取得し、取得したこれらのデータに基づいて雷雲位置予測を行ってもよい。要は、車両11の位置データと電圧データ(電界の状態に関するデータ)が含まれる限りにおいて、雷雲位置予測に用いられるデータの種類は任意である。
また、以上の説明では、本発明に係る電界検知システムを、雷雲位置予測システム、又は落雷発生予測システムに適用した場合を例示したが、本発明に係る電界検知システムは、電界の状態変動が発生の予兆として認識されている自然現象を予測するためのシステムに対しても適用可能である。もちろん、予測に限らず、今まさに発生している自然現象の状態を電界の状態から検知する場合に、本発明に係る電界検知システムを適用することも可能である。あるいは、電界の状態変動を伴う事故の検知など、電界の状態変動を伴う種々の事象の検知又は予測に、本発明に係る電界検知システムを適用することも可能である。
10 雷雲位置予測システム
11 車両
12,32 電界検知システム
13 車両位置情報取得装置
14 データ処理装置
15,35 コンデンサ
16 電圧測定器
17 ルーフパネル
18 金属箔
19 塗膜
19a 内側塗膜層
19b 外側塗膜層
20 抵抗部
21 データ通信装置
22 データ蓄積部
23 データ処理部
24 気象情報提供機関
25 施設
C 静電容量
d 電極間距離
Q 電荷
s 電極面積
V 電極間電圧
D 電圧測定地点から雷雲までの距離
E 電界強度
Q 電荷

Claims (2)

  1. 二つの電極と、前記二つの電極の間に配設される誘電体とを有するコンデンサと、
    前記コンデンサの帯電状態を評価する帯電状態評価部とを備え、
    前記帯電状態評価部で評価した前記帯電状態に基づいて、前記コンデンサの周囲の電界を検知する電界検知システムであって、
    前記何れか一方の電極は、前記車両のボデー金属部である、電界検知システム。
  2. 前記誘電体は、前記ボデー金属部の表面に形成される塗膜である請求項1に記載の電界検知システム。
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