JP2023172029A - 電池およびガスケット - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスケットのクラックに対する耐性を向上させ、または、ガスケットを透過する水分の透過量を低減する。【解決手段】電池は、正極缶と、正極缶の内部に配置される正極と、正極の内側に配置される負極と、負極に埋め込まれる集電棒と、正極缶の開口部を塞ぐ負極端子板と、封口ガスケット14とを備え、封口ガスケット14は、集電棒が固定されるボス部34と、ボス部に固定される中間部33と、負極端子板と正極缶との間に形成される隙間を塞ぐ周縁部31と、中間部33と周縁部31との間に配置される応力緩衝部32とを有し、応力緩衝部32には、中間部33を囲む第1溝35と第2溝36とが形成され、中間部33の厚さTは、第1溝35と第2溝36とのうちの深い第2溝36の深さD2の150%以上である。【選択図】図2
Description
本開示の技術は、電池およびガスケットに関する。
負極端子板と正極缶との間を封止するガスケットが設けられているアルカリ乾電池が知られている。ガスケットには、圧力開放弁が形成され、アルカリ乾電池の内部圧力が高まったときに、圧力開放弁が破断して漏液することにより、アルカリ乾電池が破裂することを防止することができる。ガスケットには、正極缶がかしめられたときに変形する応力緩衝部が形成され、圧力開放弁が形成されている部分の変形を低減することができる。このようなアルカリ乾電池は、圧力開放弁が形成されている部分の変形が低減されることにより、圧力開放弁が適切に機能させることができる。
さらに、正極と負極とを隔てるセパレータの開口端がガスケットによりすぼめられて耐衝撃性が向上されたアルカリ乾電池が知られている(特許文献1)。しかしながら、このようなアルカリ乾電池は、ガスケットのクラックに対する耐性が低下したり、ガスケットを透過する水分の透過量が上昇したりすることがある。
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、ガスケットのクラックに対する耐性を向上させ、または、ガスケットを透過する水分の透過量を低減する電池およびガスケットを提供することを目的とする。
本開示の一態様による電池は、正極缶と、前記正極缶の内部に配置される正極と、前記正極の内側に配置される負極と、前記負極に埋め込まれる集電棒と、前記正極缶の開口部を塞ぐ負極端子板と、ガスケットとを備え、前記ガスケットは、前記集電棒が固定されるボス部と、前記ボス部に固定される中間部と、前記負極端子板と前記正極缶との間に形成される隙間を塞ぐ周縁部と、前記中間部と前記周縁部との間に配置される応力緩衝部とを有し、前記応力緩衝部には、複数の溝が形成され、前記中間部の厚さは、前記複数の溝のうちの最も深い1つの溝の深さの150%以上である。
開示の電池およびガスケットは、ガスケットのクラックに対する耐性を向上させることができ、または、ガスケットを透過する水分の透過量を低減することができる。
以下に、本願が開示する実施形態にかかる電池およびガスケットについて、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
実施形態の電池1は、アルカリ乾電池であり、図1に示されているように、電池ケース2と正極3と負極5と集電棒6とセパレータ7とを備えている。図1は、実施形態の電池1を示す断面図である。電池ケース2は、正極缶11と負極端子板12と封口ガスケット14とを備えている。正極缶11は、金属に例示される導体から形成されている。正極缶11は、有底円筒形に形成され、側面部分15と底面部分16とを備えている。側面部分15は、円柱の側面に沿うように、筒形に形成されている。底面部分16は、概ね円板状に形成され、円柱の一方の底面に沿うように配置されている。底面部分16は、底面部分16の縁が側面部分15の一方の端に隣接するように、側面部分15に一体に形成されている。
底面部分16の中央には、正極端子部分17が形成されている。正極端子部分17は、正極缶11の内側から外側に向かって突出するように形成されている。正極缶11には、開口部18が形成されている。開口部18は、側面部分15のうちの円柱の他方の底面に対応する部位に形成されている。正極缶11の内部は、開口部18を介して正極缶11の外部に繋がっている。
負極端子板12は、金属に例示される導体から形成され、概ね円板状に形成されている。負極端子板12は、円柱の他方の底面に沿うように配置され、正極缶11の開口部18を塞いでいる。電池ケース2の内部には、負極端子板12が開口部18を塞ぐことにより、正極缶11と負極端子板12とに囲まれる内部空間19が形成されている。
正極3は、二酸化マンガンMnO2と黒鉛Cと水酸化カリウム水溶液とバインダーとを含んでいる。バインダーは、たとえば、高分子化合物を含有し、二酸化マンガンMnO2と黒鉛Cとから形成される粉体を互いに接着させて固形物に形成する。正極3は、管状に形成され、正極3の外側の面が正極缶11の側面部分15の内側の面に対向するように、電池ケース2の内部空間19に配置されている。正極3は、二酸化マンガンMnO2と黒鉛Cとが正極缶11に電気的に接続されるように、正極缶11に密着している。
負極5は、亜鉛粉と水酸化カリウム水溶液とゲル化剤とを含有し、ゲル状に形成されている。負極5は、電池ケース2の内部空間19のうちの正極3の内側に配置されている。なお、負極作用物質に含まれる亜鉛粉は、亜鉛を含有する亜鉛合金から形成される亜鉛合金粉に置換されてもよい。
集電棒6は、導体から形成され、棒状に形成されている。集電棒6は、側面部分15が沿う円柱の中心軸に沿うように内部空間19に配置されている。集電棒6は、さらに、負極5に埋め込まれ、負極5に電気的に接続されている。集電棒6の一端は、集電棒6が負極端子板12に電気的に接続されるように、負極端子板12に接合されている。集電棒6は、負極端子板12に固定されている。
セパレータ7は、ビニロンやパルプ等に例示される絶縁体から形成されている。セパレータ7は、有底中空円筒形に形成され、側面部分21と底面部分22とを備えている。側面部分21は、筒状に形成され、円柱の側面に沿っている。底面部分22は、円いシート状に形成され、円柱の一方の底面に沿っている。底面部分22は、側面部分21と底面部分22との間に隙間が形成されないように、側面部分21に繋がっている。側面部分21のうちの底面部分22に隣接する端の反対側のセパレータ開口端23には、セパレータ7の内部と外部とを連通させる開口部が形成されている。側面部分21は、内部空間19のうちの正極3と負極5との間に配置され、正極3と負極5とを隔てている。底面部分22は、内部空間19のうちの負極5と正極缶11の底面部分16との間に配置され、正極缶11の底部と負極5とを隔てている。負極5は、側面部分21が正極3と負極5とを隔てていることにより、正極3から電気的に絶縁され、底面部分22が負極5と正極缶11とを隔てていることにより、正極缶11から電気的に絶縁されている。
電池1は、電解液をさらに備えている。電解液は、水酸化カリウムKOHを含有する水溶液から形成されている。電解液は、正極3と負極5とが電解液に浸漬されるように、内部空間19に配置され、正極3と負極5とセパレータ7とに染み込んでいる。
図2は、電池1に取り付けられていない封口ガスケット14を示す縦断面図である。封口ガスケット14は、ナイロンに例示される絶縁体から形成されている。封口ガスケット14は、軸30に対して概ね対称に形成され、周縁部31と応力緩衝部32と中間部33とボス部34とを備えている。周縁部31は、概ね筒状に形成されている。
応力緩衝部32は、概ね環状に形成されている。応力緩衝部32は、応力緩衝部32の外縁が周縁部31の一端に隣接するように、周縁部31に一体に形成され、周縁部31に固定されている。応力緩衝部32には、第1溝35と第2溝36とが形成されている。第1溝35は、応力緩衝部32のうち、軸30に平行である軸方向の一方の側の面から凹むように、形成されている。第1溝35は、図3に示されているように、周縁部31が沿う円の同心円に沿っている。図3は、電池1に取り付けられていない封口ガスケット14を示す下面図である。第1溝35は、図2に示されているように、さらに、第1溝35の深さが深さD1に等しくなるように、形成されている。第2溝36は、応力緩衝部32のうちの他方の側の面から凹むように、形成されている。第2溝36は、図4に示されているように、周縁部31が沿う円の同心円に沿っている。図4は、電池1に取り付けられていない封口ガスケット14を示す上面図である。第2溝36は、図2に示されているように、さらに、第2溝36の深さが深さD2に等しくなるように、形成されている。深さD2は、深さD1より大きい。
中間部33は、概ね円板状に形成されている。中間部33は、図2に示されているように、中間部33の外縁が応力緩衝部32の内側の面に隣接するように、応力緩衝部32に一体に形成され、応力緩衝部32に固定されている。中間部33には、セパレータ案内穴37が形成されている。セパレータ案内穴37は、中間部33のうちの軸方向の一方の側の面から凹むように、形成されている。セパレータ案内穴37は、さらに、セパレータ案内部内径が値Wに等しくなるように、形成されている。セパレータ案内部内径は、セパレータ案内穴37の径に等しく、軸方向に垂直である径方向におけるセパレータ案内穴37の幅を示し、セパレータ案内穴37の外縁が沿う円の直径を示している。値Wは、封口ガスケット14のセパレータ開口端23の径に基づいて設定され、たとえば、セパレータ開口端23の径の105%の値以上である。セパレータ開口端23の径は、封口ガスケット14のセパレータ開口端23が最大の円に沿うときに、その円の直径に等しい。中間部33のうちのセパレータ案内穴37の内部には、セパレータ案内面38が形成されている。セパレータ案内面38は、応力緩衝部32から遠ざかるにつれてセパレータ案内穴37が単調に深くなるように、形成されている。このとき、封口ガスケット14は、図3に示されているように、第1溝35が中間部33を囲むように、形成されている。さらに、封口ガスケット14は、図4に示されているように、第2溝36が中間部33を囲むように、形成されている。
ボス部34は、管状に形成されている。ボス部34は、図2に示されているように、中間部33の中央を貫通し、中間部33に一体に形成され、中間部33に固定され、中間部33を介して応力緩衝部32に固定されている。
中間部33には、圧力開放弁39がさらに形成されている。圧力開放弁39は、中間部33のうちのボス部34の近傍に形成されている。圧力開放弁39は、中間部33のうちの厚さが薄い部分であり、中間部33のうちの圧力開放弁39が形成されている部分の厚さは、中間部33のうちの圧力開放弁39が形成されていない部分の厚さより薄い。中間部33は、さらに、中間部33のうちの応力緩衝部32に隣接する部分の厚さが最大になるように、かつ、中間部33のうちの応力緩衝部32に隣接する部分の厚さが厚さTに等しくなるように、形成されている。厚さTは、深さD2に150%(1.5)を乗算した値より大きい。
図5は、実施形態の電池1を示す拡大断面図である。正極缶11の側面部分15には、ビーディング部41とカール部42とが形成されている。ビーディング部41は、側面部分15のうちの開口部18が形成される側の開口側端43の近傍に形成されている。ビーディング部41は、側面部分15の内側の面から突出するように、すなわち、側面部分15のうちのビーディング部41が形成されている部分の内径が他の部分より小さくなるように、形成されている。カール部42は、ビーディング部41と開口側端43との間に形成されている。カール部42は、開口側端43に近づくにつれて側面部分15の内径が小さくなるように、形成されている。
封口ガスケット14は、中間部33のセパレータ案内面38が負極5に対向するように、正極缶11の内部のうちの開口部18の近傍に配置されている。このとき、周縁部31は、周縁部31の外側の面が正極缶11の側面部分15の内側の面に密着するように、配置されている。周縁部31は、さらに、負極端子板12の縁を取り囲み、負極端子板12の縁と正極缶11とに挟まれ、負極端子板12の縁と正極缶11との間に形成される隙間を塞いでいる。周縁部31は、さらに、周縁部31の開口部18から遠い側の他端がビーディング部41に接触することにより、封口ガスケット14が正極缶11の底面部分16に向かって移動しないように、正極缶11に固定されている。周縁部31は、周縁部31の開口部18に近い側の一端がカール部42に接触することにより、封口ガスケット14が正極缶11の内部から抜け出ないように、正極缶11に固定されている。
集電棒6は、封口ガスケット14のボス部34を貫通し、ボス部34に固定され、封口ガスケット14に固定され、封口ガスケット14を介して正極缶11に固定されている。
セパレータ7には、開口45が形成されている。開口45は、側面部分21のうちの底面部分22が接合されている一端の反対側の他端に形成されている。セパレータ7の内部は、開口45を介して、セパレータ7の外部に繋がっている。セパレータ7の側面部分21のうちの底面部分22に隣接する端の反対側のセパレータ開口端23の近傍には、セパレータ開口端部分46が形成されている。セパレータ開口端部分46は、セパレータ開口端23に近づくにつれて細くなるように、すぼまっている。セパレータ開口端部分46は、セパレータ案内穴37の内部に配置され、封口ガスケット14のセパレータ案内面38に沿っている。電池1は、セパレータ7のセパレータ開口端部分46がすぼまっていることにより、負極5がセパレータ7の内部から外部に漏れ出ることを抑制することができる。
[電池製造方法]
電池1を製造する電池製造方法では、正極3が準備され、ビーディング部41とカール部42とが形成されていない正極缶11が準備される。正極3は、正極3の外周面が正極缶11の内側の面に接触するように、開口部18を介して正極缶11の内部に挿入される。正極缶11は、正極3が正極缶11の内部に挿入された後に、ビーディング部41が形成されるように、加工される。ビーディング部41は、正極3が開口部18を介して正極缶11から抜け出ることを防止する。
電池1を製造する電池製造方法では、正極3が準備され、ビーディング部41とカール部42とが形成されていない正極缶11が準備される。正極3は、正極3の外周面が正極缶11の内側の面に接触するように、開口部18を介して正極缶11の内部に挿入される。正極缶11は、正極3が正極缶11の内部に挿入された後に、ビーディング部41が形成されるように、加工される。ビーディング部41は、正極3が開口部18を介して正極缶11から抜け出ることを防止する。
電池製造方法では、さらに、セパレータ7が準備される。正極3が正極缶11の内部に挿入された後に、セパレータ7の底面部分22が正極缶11の底面部分16に対向するように、セパレータ7が開口部18を介して正極3の内側に挿入される。電池製造方法では、さらに、電解液が準備される。電解液は、セパレータ7が正極3の内側に挿入された後に、開口部18を介して正極3の内側に注入される。電解液が正極3の内側に注入されることにより、電解液は、セパレータ7に染み込み、正極3に染み込む。電池製造方法では、さらに、負極5が準備される。負極5は、電解液がセパレータ7と正極3とに染み込んだ後に、予め定められた量だけセパレータ7の内側に注入される。
電池製造方法では、さらに、集電棒6と負極端子板12と封口ガスケット14とが準備される。集電棒6が負極端子板12に電気的に接触するように、かつ、負極端子板12の縁が封口ガスケット14の周縁部31に覆われるように、集電棒6と負極端子板12と封口ガスケット14とが組み立てられて互いに固定され、封口体が作製される。負極5が注入された後に、集電棒6が負極5に埋め込まれるように、かつ、封口ガスケット14の周縁部31の一端がビーディング部41に接触するように、封口体が正極缶11に取り付けられる。封口体は、封口ガスケット14の一端がビーディング部41に接触することにより、正極缶11に対して適切な位置に配置される。
セパレータ7のセパレータ開口端23は、封口体が正極缶11に取り付けられるときに、封口ガスケット14のセパレータ案内面38に接触する。セパレータ開口端23は、セパレータ開口端23がセパレータ案内面38に接触した後に、封口体が正極缶11に取り付けられることにより、セパレータ案内面38に沿って移動する。セパレータ開口端部分46は、セパレータ開口端23がセパレータ案内面38に沿って移動することにより、封口体が正極缶11に適切に取り付けられたときに、セパレータ案内面38に沿い、セパレータ案内穴37の内部に適切に配置される。すなわち、封口ガスケット14は、封口体が正極缶11に取り付けられるときにセパレータ開口端23がセパレータ案内面38に接触するようにセパレータ案内穴37が形成されていることにより、セパレータ開口端23がセパレータ案内穴37の内部に入らずに押し潰される潰れが発生することを防止することができる。
封口体が正極缶11に対して適切な位置に配置された後に、正極缶11は、かしめられ、正極缶11にカール部42が形成される。封口ガスケット14は、正極缶11にカール部42が形成されることにより、図6に示されているように、封口ガスケット14の周縁部31が正極缶11の側面部分15の内周面に沿うように、変形する。図6は、電池1に取り付けられる前の封口ガスケット14と、電池1に取り付けられているときの封口ガスケット14とを示す縦断面図である。正極缶11にカール部42が形成されることにより、さらに、負極端子板12と正極缶11との間に形成される隙間が封口ガスケット14により封止され、内部空間19が外部から密閉され、電池1が作製される。
周縁部31は、封口ガスケット14が正極缶11に取り付けられることにより、さらに、周縁部31が沿う円の直径が小さくなるように、変形する。応力緩衝部32は、周縁部31が沿う円の直径が小さくなるように周縁部31が変形することにより、第1溝35の径方向における幅W1が小さくなるように、かつ、第2溝36の径方向における幅W2が小さくなるように、変形する。封口ガスケット14は、応力緩衝部32が変形することにより、封口ガスケット14が正極缶11に取り付けられるときに、中間部33が変形する程度を低減することができる。封口ガスケット14は、中間部33が変形する程度が低減されることにより、圧力開放弁39が変形する程度を低減することができる。
電池1は、誤使用されたときに、内部空間19の圧力が上昇することがある。電池1は、内部空間19の圧力が上昇したときに、圧力開放弁39が破断する漏液が発生したり、漏液が発生せずに封口体が正極缶11から外れる破裂が発生したりすることがある。電池1は、圧力開放弁39が変形する程度が低減されることにより、内部空間19の圧力が上昇したときに、破裂が発生する前に漏液を発生させて内部空間19の圧力を降下させることができ、破裂が発生することを防止することができる。
[電池1の評価試験]
実施形態の電池1の効果を確認するために、複数の電池試料が作製され、複数の電池試料の各々に複数の評価試験が実行されている。表1は、複数の電池試料に対応する複数の作製条件と複数の評価結果とを示している。
複数の電池試料は、比較例1の電池と比較例2の電池と比較例3の電池と実施例1の電池と実施例2の電池と実施例3の電池と実施例4の電池と実施例5の電池と実施例6の電池と実施例7の電池と実施例8の電池と実施例9の電池と実施例10の電池と実施例11の電池とを含んでいる。
実施形態の電池1の効果を確認するために、複数の電池試料が作製され、複数の電池試料の各々に複数の評価試験が実行されている。表1は、複数の電池試料に対応する複数の作製条件と複数の評価結果とを示している。
複数の電池試料は、比較例1の電池と比較例2の電池と比較例3の電池と実施例1の電池と実施例2の電池と実施例3の電池と実施例4の電池と実施例5の電池と実施例6の電池と実施例7の電池と実施例8の電池と実施例9の電池と実施例10の電池と実施例11の電池とを含んでいる。
複数の電池試料は、作製条件が互いに異なるように、作製されている。作製条件は、案内部内径と肉厚比とにより示される。案内部内径は、セパレータ7のセパレータ開口端23を円に沿わせたときのその円の直径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径を示し、セパレータ案内穴37が沿う円の直径を、セパレータ開口端23が沿う円の直径で除算した値に100を乗算した値を示している。肉厚比は、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さを示し、中間部33の厚さを第1溝35の深さで除算した値に100を乗算した値を示している。
比較例1の電池の案内部内径は、「101%」を示している。比較例1の電池の肉厚比は、「120%」を示している。すなわち、比較例1の電池は、セパレータ7の径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径が101%に等しくなるように、かつ、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さが120%に等しくなるように、作製されている。
比較例2の電池の案内部内径は、「101%」を示している。比較例2の電池の肉厚比は、「130%」を示している。すなわち、比較例2の電池は、セパレータ7の径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径が101%に等しくなるように、かつ、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さが130%に等しくなるように、作製されている。
比較例3の電池の案内部内径は、「101%」を示している。比較例3の電池の肉厚比は、「140%」を示している。すなわち、比較例3の電池は、セパレータ7の径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径が101%に等しくなるように、かつ、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さが140%に等しくなるように、作製されている。
実施例1の電池の案内部内径は、「105%」を示している。実施例1の電池の肉厚比は、「150%」を示している。すなわち、実施例1の電池は、セパレータ7の径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径が105%に等しくなるように、かつ、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さが150%に等しくなるように、作製されている。
実施例2の電池の案内部内径は、「105%」を示している。実施例2の電池の肉厚比は、「160%」を示している。すなわち、実施例2の電池は、セパレータ7の径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径が105%に等しくなるように、かつ、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さが160%に等しくなるように、作製されている。
実施例3の電池の案内部内径は、「105%」を示している。実施例3の電池の肉厚比は、「170%」を示している。すなわち、実施例3の電池は、セパレータ7の径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径が105%に等しくなるように、かつ、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さが170%に等しくなるように、作製されている。
実施例4の電池の案内部内径は、「105%」を示している。実施例4の電池の肉厚比は、「180%」を示している。すなわち、実施例4の電池は、セパレータ7の径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径が105%に等しくなるように、かつ、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さが180%に等しくなるように、作製されている。
実施例5の電池の案内部内径は、「105%」を示している。実施例5の電池の肉厚比は、「190%」を示している。すなわち、実施例5の電池は、セパレータ7の径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径が105%に等しくなるように、かつ、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さが190%に等しくなるように、作製されている。
実施例6の電池の案内部内径は、「105%」を示している。実施例6の電池の肉厚比は、「200%」を示している。すなわち、実施例6の電池は、セパレータ7の径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径が105%に等しくなるように、かつ、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さが200%に等しくなるように、作製されている。
実施例7の電池の案内部内径は、「104%」を示している。実施例7の電池の肉厚比は、「160%」を示している。すなわち、実施例7の電池は、セパレータ7の径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径が104%に等しくなるように、かつ、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さが160%に等しくなるように、作製されている。
実施例8の電池の案内部内径は、「103%」を示している。実施例8の電池の肉厚比は、「160%」を示している。すなわち、実施例8の電池は、セパレータ7の径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径が103%に等しくなるように、かつ、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さが160%に等しくなるように、作製されている。
実施例9の電池の案内部内径は、「102%」を示している。実施例9の電池の肉厚比は、「160%」を示している。すなわち、実施例9の電池は、セパレータ7の径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径が102%に等しくなるように、かつ、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さが160%に等しくなるように、作製されている。
実施例10の電池の案内部内径は、「101%」を示している。実施例10の電池の肉厚比は、「160%」を示している。すなわち、実施例10の電池は、セパレータ7の径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径が101%に等しくなるように、かつ、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さが160%に等しくなるように、作製されている。
実施例11の電池の案内部内径は、「100%」を示している。実施例11の電池の肉厚比は、「160%」を示している。すなわち、実施例11の電池は、セパレータ7の径に対するセパレータ案内穴37の径方向における径が100%に等しくなるように、かつ、第1溝35の深さに対する中間部33の厚さが160%に等しくなるように、作製されている。
複数の電池試料は、作製条件が互いに異なること以外は、互いに同様に作製されている。すなわち、複数の電池試料は、電池サイズがLR6(単3電池)になるように、正極3と集電棒6とセパレータ7と正極缶11と負極端子板12と封口ガスケット14とが作製されている。
複数の評価結果は、複数のクラック評価結果と複数の水分透過評価結果と複数の成形性評価結果と複数の形状評価結果と複数の落下試験評価結果とを含んでいる。
複数のクラック評価結果は、複数の電池試料に対応している。複数のクラック評価結果のうちのある電池試料に対応するクラック評価結果は、その電池試料に対してクラック評価試験が実行されることにより導出されている。ある電池試料に対して実行されるクラック評価試験では、その電池試料として作製された50個の電池が高温高湿の雰囲気に100日以上の予め定められた期間保存され、その50個の電池の封口ガスケット14の応力緩衝部32にクラックが発生しているか否が確認される。
複数のクラック評価結果は、複数の電池試料に対応している。複数のクラック評価結果のうちのある電池試料に対応するクラック評価結果は、その電池試料に対してクラック評価試験が実行されることにより導出されている。ある電池試料に対して実行されるクラック評価試験では、その電池試料として作製された50個の電池が高温高湿の雰囲気に100日以上の予め定められた期間保存され、その50個の電池の封口ガスケット14の応力緩衝部32にクラックが発生しているか否が確認される。
複数のクラック評価結果の各々は、「〇」または「△」を示している。複数のクラック評価結果は、複数のクラック評価結果のうちのある電池試料のクラック評価結果が「〇」を示すときに、その電池試料として作製された50個の電池のうちの全部の電池の応力緩衝部32にクラックが発生していなかったことを示している。複数のクラック評価結果は、複数のクラック評価結果のうちのある電池試料のクラック評価結果が「△」を示すときに、その電池試料として作製された50個の電池のうちの一部の電池の応力緩衝部32にクラックが発生していたことを示し、かつ、50個の電池のうちの全部の電池に不具合が発生していなかったことを示している。その不具合としては、封口ガスケット14が破断していること、内部空間19から封口ガスケット14を介して液体が漏れ出る漏液が発生していることが例示される。
複数のクラック評価結果のうちの比較例1~3の電池に対応するクラック評価結果は、「△」を示し、複数のクラック評価結果のうちの実施例1~11の電池に対応するクラック評価結果は、「〇」を示している。すなわち、複数のクラック評価結果は、比較例1~3の電池として作製された50個の電池の一部の電池の応力緩衝部32にクラックが発生していたことを示し、実施例1~11の電池として作製された50個の電池の全部の電池の応力緩衝部32にクラックが発生していなかったたことを示している。複数のクラック評価結果は、肉厚比が140%以下である電池が応力緩衝部32にクラックが発生しやすいことを示し、肉厚比が150%以上である電池が応力緩衝部32にクラックが発生することを防止することができることを示している。
複数の水分透過評価結果は、複数の電池試料に対応している。複数の水分透過評価結果のうちのある電池試料に対応する水分透過評価結果は、その電池試料に対して水分透過評価試験が実行されることにより導出されている。ある電池試料に対して実行される水分透過評価試験では、その電池試料として作製された10個の電池が高温高湿の雰囲気に100日以上の予め定められた期間保存され、その10個の電池の重量がその保存により変化したか否かが確認される。複数の水分透過評価結果の各々は、「〇」または「△」を示している。複数の水分透過評価結果は、複数の水分透過評価結果のうちのある電池試料の水分透過評価結果が「〇」を示すときに、その電池試料として作製された10個の電池のうちのその保存により変化した重量の差の平均が、保存前の電池の重量の1%以下であることを示している。複数の水分透過評価結果は、複数の水分透過評価結果のうちのある電池試料の水分透過評価結果が「△」を示すときに、その電池試料として作製された10個の電池のうちのその保存により変化した重量の差の平均が、保存前の電池の重量の1.1%以上であり、かつ、5%以下であるであることを示している。
複数の水分透過評価結果のうちの比較例1~3の電池に対応する水分透過評価結果は、「△」を示し、複数の水分透過評価結果のうちの実施例1~11の電池に対応する水分透過評価結果は、「〇」を示している。すなわち、複数の水分透過評価結果は、比較例1~3の電池として作製された電池が、予め定められた所定量より大きい量の水分が透過することを示し、実施例1~11の電池として作製された電池から透過する水分の量が所定量より小さいことを示している。複数の水分透過評価結果は、肉厚比が140%以下である電池が水分を透過しやすいことを示し、肉厚比が150%以上である電池が水分を透過しにくいことを示している。
複数の成形性評価結果は、複数の電池試料に対応している。複数の成形性評価結果のうちのある電池試料に対応する成形性評価結果は、その電池試料に対して成形性評価試験が実行されることにより導出されている。ある電池試料に対して実行される成形性評価試験では、その電池試料として作製された複数の電池の封口ガスケット14にウェルドまたはショートショットが発生しているか否かが確認される。複数の成形性評価結果の各々は、「〇」または「△」を示している。複数の成形性評価結果は、複数の成形性評価結果のうちのある電池試料の成形性評価結果が「〇」を示すときに、その電池試料の部品として作製された封口ガスケット14にウェルドまたはショートショットが発生していなかったことを示している。複数の成形性評価結果は、複数の成形性評価結果のうちのある電池試料の成形性評価結果が「△」を示すときに、その電池試料の封口ガスケット14を作製するときの成形条件を調整することにより、封口ガスケット14にウェルドまたはショートショットが発生しないように、封口ガスケット14が適切に作製可能であることを示している。複数の成形性評価結果は、「〇」を示す成形性評価結果に対応する電池試料の成形性が、「△」を示す形状評価結果に対応する電池試料の成形性に比較して、良好であることを示している。
複数の成形性評価結果のうちの比較例1~3の電池に対応する成形性評価結果は、「△」を示し、複数の成形性評価結果のうちの実施例1~11の電池に対応する成形性評価結果は、「〇」を示している。すなわち、複数の成形性評価結果は、比較例1~3の電池として作製された電池の成形性に比較して、実施例1~11の電池として作製された電池の成形性が良好であることを示している。複数の成形性評価結果は、肉厚比が140%以下である封口ガスケット14の成形性が、肉厚比が150%以上である封口ガスケット14の成形性より良好であることを示している。
複数の形状評価結果は、複数の電池試料に対応している。複数の形状評価結果のうちのある電池試料に対応する形状評価結果は、その電池試料に対して形状評価試験が実行されることにより導出されている。ある電池試料に対して実行される形状評価試験では、その電池試料として作製された複数の電池が分解され、その複数の電池のセパレータ7の開口部の形状が適切であるか否かが確認される。複数の形状評価結果の各々は、「〇」または「△」または「×」を示している。複数の形状評価結果は、複数の形状評価結果のうちのある電池試料の形状評価結果が「〇」を示すときに、その電池試料として作製された複数の電池のセパレータ7のセパレータ開口端部分46が封口ガスケット14のセパレータ案内面38に沿うように、セパレータ開口端部分46が適切に形成されていたことを示している。複数の形状評価結果は、複数の形状評価結果のうちのある電池試料の形状評価結果が「△」を示すときに、その電池試料として作製された複数の電池のセパレータ7に潰れが発生していないが、セパレータ開口端部分46がセパレータ案内面38に沿わないように、セパレータ開口端部分46が不適切に形成されていたことを示している。複数の形状評価結果は、複数の形状評価結果のうちのある電池試料の形状評価結果が「×」を示すときに、その電池試料として作製された複数の電池のセパレータ7に潰れが発生していたことを示している。
複数の形状評価結果のうちの比較例1~3の電池に対応する形状評価結果は、「×」を示し、複数の形状評価結果のうちの実施例1~6の電池に対応する形状評価結果は、「〇」を示している。複数の形状評価結果のうちの実施例7~9の電池に対応する形状評価結果は、「△」を示し、複数の形状評価結果のうちの実施例10~11に対応する形状評価結果は、「×」を示している。複数の形状評価結果は、比較例1~3と実施例10~11との電池として作製された電池に比較して、実施例1~9の電池として作製された電池のセパレータ7に潰れが発生しにくいことを示している。すなわち、複数の形状評価結果は、封口ガスケット14の案内部内径が101%以下である電池に比較して、封口ガスケット14の案内部内径が102%以上である電池のセパレータ7に潰れが発生しにくいことを示している。
複数の形状評価結果は、さらに、実施例7~9の電池として作製された電池に比較して、実施例1~6の電池として作製された電池のセパレータ7に不適切な変形が発生しにくいことを示している。すなわち、複数の形状評価結果は、封口ガスケット14の案内部内径が104%以下である電池に比較して、封口ガスケット14の案内部内径が105%以上である電池のセパレータ7の開口部に不適切な変形が発生しにくいことを示している。
複数の落下試験評価結果は、複数の落下試験評価結果は、複数の電池試料に対応している。複数の落下試験評価結果のうちのある電池試料に対応する落下試験評価結果は、その電池試料に対して落下試験評価試験が実行されることにより導出されている。ある電池試料に対して実行される落下試験評価試験では、その電池試料として作製された20個の電池が、電池1のうちの負極端子板12が配置されている側の端が床にぶつかるように、床の1m上から落下され、落下前開路電圧と落下後開路電圧とが導出される。落下前開路電圧は、その電池試料が床に落下する前に、その電池試料が負荷に接続されていないときの、その電池試料の電池電圧を示している。落下後開路電圧は、その電池試料が床に落下した後に、その電池試料が負荷に接続されていないときの、その電池試料の電池電圧を示している。複数の落下試験評価結果の各々は、「〇」または「×」を示している。複数の落下試験評価結果は、複数の落下試験評価結果のうちのある電池試料の落下試験評価結果が「〇」を示すときに、その電池試料として作製された複数の電池における電圧差が1mV以上でないことを示している。複数の落下試験評価結果は、複数の落下試験評価結果のうちのある電池試料の落下試験評価結果が「×」を示すときに、その電池試料として作製された複数の電池における電圧差が1mV以上であることを示している。ある電池における電圧差が1mV以上であることは、その電池の負極5の一部がセパレータ7のセパレータ開口25から漏れ出た可能性があることを示している。複数の落下試験評価結果は、「〇」を示す落下試験評価結果に対応する電池試料の衝撃・振動に対する耐性が、「×」を示す形状評価結果に対応する電池試料に比較して、良好であることを示している。
複数の落下試験評価結果のうちの比較例1~3と実施例1~10との電池に対応する落下試験評価結果は、「〇」を示し、複数の落下試験評価結果のうちの実施例11の電池に対応する落下試験評価結果は、「×」を示している。このため、複数の落下試験評価結果は、実施例11の電池として作製された電池に比較して、比較例1~3と実施例1~10との電池として作製された電池の衝撃・振動に対する耐性が良好であることを示している。すなわち、複数の落下試験評価結果は、封口ガスケット14の案内部内径が100%以下である電池に比較して、封口ガスケット14の案内部内径が101%以上である電池の衝撃・振動に対する耐性が良好であることを示している。
[実施形態の電池1の効果]
実施形態の電池1は、正極缶11と、正極缶11の内部に配置される正極3と、正極3の内側に配置される負極5と、負極5に埋め込まれる集電棒6と、正極缶11の開口部18を塞ぐ負極端子板12と、封口ガスケット14とを備えている。封口ガスケット14は、集電棒6が固定されるボス部34と、ボス部に固定される中間部33と、負極端子板12と正極缶11との間に形成される隙間を塞ぐ周縁部31と、中間部33と周縁部31との間に配置される応力緩衝部32とを備えている。応力緩衝部32には、中間部33を囲む第1溝35と第2溝36とが形成されている。中間部33の厚さは、第1溝35と第2溝36とのうちの深い第2溝36の深さの150%以上である。このとき、実施形態の電池1は、封口ガスケット14のクラックに対する耐性を向上させることができ、または、封口ガスケット14を水分が透過する透過量を低減することができる。実施形態の電池1は、さらに、成形性が良好である。
実施形態の電池1は、正極缶11と、正極缶11の内部に配置される正極3と、正極3の内側に配置される負極5と、負極5に埋め込まれる集電棒6と、正極缶11の開口部18を塞ぐ負極端子板12と、封口ガスケット14とを備えている。封口ガスケット14は、集電棒6が固定されるボス部34と、ボス部に固定される中間部33と、負極端子板12と正極缶11との間に形成される隙間を塞ぐ周縁部31と、中間部33と周縁部31との間に配置される応力緩衝部32とを備えている。応力緩衝部32には、中間部33を囲む第1溝35と第2溝36とが形成されている。中間部33の厚さは、第1溝35と第2溝36とのうちの深い第2溝36の深さの150%以上である。このとき、実施形態の電池1は、封口ガスケット14のクラックに対する耐性を向上させることができ、または、封口ガスケット14を水分が透過する透過量を低減することができる。実施形態の電池1は、さらに、成形性が良好である。
また、実施形態の電池1の中間部33の厚さは、第2溝36の深さの200%以下である。このとき、実施形態の電池1は、封口ガスケット14が薄い分、正極3または負極5の量を増加させることができ、放電性能を向上させることができる。
また、実施形態の電池1は、負極5と正極3とを隔てるセパレータ7をさらに備えている。中間部33には、応力緩衝部32に近付くにつれて浅くなるセパレータ案内穴37が形成されている。セパレータ7の開口45は、セパレータ案内穴37の内部に配置されている。セパレータ案内穴37の径は、セパレータ7のうちの開口45が形成されるセパレータ開口端23の径の101%以上である。このとき、実施形態の電池1は、セパレータ開口端23がセパレータ案内穴37の内部に入らずに押し潰される潰れが発生することを防止することができる。実施形態の電池1は、潰れが発生することが防止されることにより、衝撃・振動に対する耐性を向上させることができる。
また、実施形態の電池1のセパレータ案内穴37の径は、セパレータ開口端23の径の102%以上である。このとき、実施形態の電池1は、潰れが発生することをより防止することができる。また、実施形態の電池1のセパレータ案内穴37の径は、セパレータ開口端23の径の105%以上である。このとき、実施形態の電池1は、潰れが発生することをより防止することができる。
ところで、既述の電池1のセパレータ案内穴37の径は、セパレータ開口端23の径に基づいて設定されているが、セパレータ開口端23の径に無関係に設定されてもよい。電池1は、セパレータ案内穴37の径がセパレータ開口端23の径に無関係に設定されている場合でも、中間部33の厚さが3つ以上の溝のうちの深い溝の深さの150%以上であることにより、封口ガスケット14のクラックに対する耐性を向上させることができ、または、封口ガスケット14を水分が透過する透過量を低減することができる。
ところで、既述の電池1の封口ガスケット14の応力緩衝部32には、第1溝35と第2溝36の2つの溝が形成されているが、3つ以上の溝が形成されてもよい。電池1は、応力緩衝部32に3つ以上の溝が形成されている場合でも、中間部33の厚さが3つ以上の溝のうちの深い溝の深さの150%以上であることにより、封口ガスケット14のクラックに対する耐性を向上させることができ、または、封口ガスケット14を水分が透過する透過量を低減することができる。
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
1 :電池
3 :正極
5 :負極
6 :集電棒
7 :セパレータ
11:正極缶
12:負極端子板
14:封口ガスケット
17:正極端子部分
18:開口部
19:内部空間
23:セパレータ開口端
31:周縁部
32:応力緩衝部
33:中間部
34:ボス部
35:第1溝
36:第2溝
37:セパレータ案内穴
38:セパレータ案内面
39:圧力開放弁
43:開口側端
46:セパレータ開口端部分
3 :正極
5 :負極
6 :集電棒
7 :セパレータ
11:正極缶
12:負極端子板
14:封口ガスケット
17:正極端子部分
18:開口部
19:内部空間
23:セパレータ開口端
31:周縁部
32:応力緩衝部
33:中間部
34:ボス部
35:第1溝
36:第2溝
37:セパレータ案内穴
38:セパレータ案内面
39:圧力開放弁
43:開口側端
46:セパレータ開口端部分
Claims (6)
- 正極缶と、
前記正極缶の内部に配置される正極と、
前記正極の内側に配置される負極と、
前記負極に埋め込まれる集電棒と、
前記正極缶の開口部を塞ぐ負極端子板と、
ガスケットとを備え、
前記ガスケットは、
前記集電棒が固定されるボス部と、
前記ボス部に固定される中間部と、
前記負極端子板と前記正極缶との間に形成される隙間を塞ぐ周縁部と、
前記中間部と前記周縁部との間に配置される応力緩衝部とを有し、
前記応力緩衝部には、前記中間部を囲む複数の溝が形成され、
前記中間部の厚さは、前記複数の溝のうちの最も深い1つの溝の深さの150%以上である
電池。 - 前記厚さは、前記深さの200%以下である
請求項1に記載の電池。 - 前記負極と前記正極とを隔てるセパレータをさらに備え、
前記中間部には、前記応力緩衝部に近付くにつれて浅くなるセパレータ案内穴が形成され、
前記セパレータの開口は、前記セパレータ案内穴の内部に配置され、
前記セパレータ案内穴の径は、前記セパレータのうちの前記開口が形成されるセパレータ開口端の径の101%以上である
請求項1または請求項2に記載の電池。 - 前記セパレータ案内穴の径は、前記セパレータ開口端の径の102%以上である
請求項3に記載の電池。 - 前記セパレータ案内穴の径は、前記セパレータ開口端の径の105%以上である
請求項3に記載の電池。 - 正極缶と、
前記正極缶の内部に配置される正極と、
前記正極の内側に配置される負極と、
前記負極に埋め込まれる集電棒と、
前記正極缶の開口部を塞ぐ負極端子板
とを備える電池
に設けられるガスケットであり、
前記集電棒が固定されるボス部と、
前記ボス部に固定される中間部と、
前記負極端子板と前記正極缶との間に形成される隙間を塞ぐ周縁部と、
前記中間部と前記周縁部との間に配置される応力緩衝部とを有し、
前記応力緩衝部には、複数の溝が形成され、
前記中間部の厚さは、前記複数の溝のうちの最も深い1つの溝の深さの150%以上である
ガスケット。
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