JP2023171092A - ミスト分離捕集装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンパクトであり、設置する姿勢に関係なく高効率でミストを捕集することができるミスト分離捕集装置を提供する。【解決手段】 ミスト分離捕集装置101は、支柱110と、支柱110を取り囲み、支柱との間の空間内の気流に含まれるミストを分離して通過させる第1筒体130と、支柱110の外側面から略垂直に突出して第1筒体130の内側面に接触し、支柱110廻りに旋回しつつ支柱110の軸方向に延びるヘリカル旋回板120と、第1筒体130を取り囲み、第1筒体130を通過したミストを捕集するミスト捕集室150を第1筒体130との間に形成する第2筒体140とを有する。【選択図】図1

Description

この発明は、ミストを含む気流からミストを分離して捕集するミスト分離捕集装置に関する。
気流からミスト等の微粒子を分離し捕集する装置として、重力を利用した装置、遠心力を利用した装置がある。
重力を利用した微粒子の分離捕集装置は、ミストエリミネータやフラッシュドラムと呼ばれる。この装置は、バッフルまたはメッシュパッドに気流を衝突させ、比重差で分離されたミストを重力により気流から分離するものである。
遠心力を利用した微粒子の分離捕集装置の例として、特許文献1および2に開示されたものがある。
特許文献1では、配管内に遠心力型分離部材としてプロペラ状または螺旋状の分離板が配置される。そして、特許文献1では、遠心力型分離部材により、配管内の気流に旋回が与えられ、気流に含まれるミストが遠心力により配管の内壁近くに分離され、気流から分離されたミストが配管から取り出される。
特許文献2では、所定の長さL0で所定の幅W0の金属帯鋼(例えば、ステンレス帯鋼)が所定のピッチP0でねじられたねじリボンを螺旋流発生手段とし、これによりミストを含む気流に旋回を与え、気流からミストを分離する。図7は特許文献2に開示されたねじりリボン20を示している。
特開平10-128024号公報
特開2003-62416号公報
製品を製造する現場において、製品製造に用いられる気流中の微粒子を分離して確実に捕集することは、製品純度を高め、あるいは環境や機器を保護するためにも極めて重要である。このため、高効率でかつコンパクトにすべての方位の配管形状に対応できる気流中の微粒子の分離捕集装置が求められている。
しかしながら、重力のみを利用した分離捕集装置では、気流中の微粒子を合一させた後、気流から微粒子を分離する工程において、上向きの流体速度を微粒子の終末速度以下に小さくして、微粒子が流体中を落下できるようにする必要がある。そのため、配管径に比して分離捕集装置の径が大きくならざるを得ない。
また、特許文献1に開示された分離捕集装置では、分離板により気流から微粒子の遠心力分離が行われた後、気流から分離された液滴は配管の内壁に集まり重力により落下するのみである。このため、気流が下降流の場合に、下部に行けば行くほど上部からの微粒子負荷が配管の内壁側に累積していき、最下部において気流からの十分な微粒子分離ができる保証がない。また、気流が上昇流ないし水平流だと、配管の内壁に衝突した微粒子が内壁から重力により下降する際に、上昇してくるガスと接触して再分散され、より細かい粒子となり再飛散する可能性が高く、下降流よりもミスト回収率が低下することが予想される。
特許文献2に開示された分離捕集装置では、図7のねじりリボン20により螺旋流を発生させて気液分離を行う。しかし、このねじりリボン20は、平板状の金属帯鋼をねじったものであるため、これを螺旋流発生手段として利用すると、旋回することなく、中心軸に平行に流れる気流が発生し易い問題がある。また、ねじりリボン20は、ピッチの短いものを作製するのが困難である。一方、平板を長いピッチでねじると、遠心力が小さくなるという問題がある。このため、ねじりリボンは、流体の混合にはよく使われているが、微粒子の分離には適していない。
この発明は以上に説明した課題に鑑みてなされたものであり、コンパクトであり、設置する姿勢に関係なく高効率でミストを捕集することができるミスト分離捕集装置を提供することを目的とする。
この発明の一態様によるミスト分離捕集装置は、支柱と、前記支柱を取り囲み、前記支柱との間の空間内の気流に含まれるミストを分離して通過させる第1筒体と、前記支柱の外側面から略垂直に突出して前記第1筒体の内側面に接触し、前記支柱廻りに旋回しつつ前記支柱の軸方向に延びるヘリカル旋回板と、前記第1筒体を取り囲み、前記第1筒体を通過したミストを捕集するミスト捕集室を前記第1筒体との間に形成する第2筒体とを有することを特徴とする。
この態様において、前記第1筒体は、壁面に複数の開口部が形成されていてもよい。
また、前記支柱は中空領域を有する円筒形状の支柱であり、前記支柱の中空領域および前記ヘリカル旋回板に沿った通路を気流が通過してもよい。
この発明によれば、支柱と第1筒体との間に導入された気流は、ヘリカル旋回板に案内され、支柱廻りを旋回するヘリカル旋回流となる。このヘリカル旋回流中のミストには大きな遠心力が働き、ミストはヘリカル旋回流から分離され、ミスト捕集室内に捕集される。従って、本発明によれば、コンパクトであり、設置する姿勢に関係なく高効率でミストを捕集することができるミスト分離捕集装置を提供することができる。
この発明の第1実施形態であるミスト分離捕集装置の構成を示す透視図である。 同ミスト分離捕集装置における支柱およびヘリカル旋回板の断面図である。 この発明の第2実施形態であるミスト分離捕集装置の構成を示す透視図である。 この発明の第3実施形態であるミスト分離捕集装置の構成を示す透視図である。 この発明の第4実施形態であるミスト分離捕集装置の構成を示す透視図である。 この発明の第5実施形態であるミスト分離捕集装置の構成を示す透視図である。 従来の螺旋流発生手段であるねじりリボンを示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1はこの発明の第1実施形態であるミスト分離捕集装置101の構成を示す透視図である。図1において、支柱110は円筒状の筒体である。第1筒体130および第2筒体140は、理想的には中空円筒体である。支柱110、第1筒体130および第2筒体140は、同軸をなしており、第1筒体130が支柱110を取り囲み、第2筒体140が第1筒体130を取り囲んでいる。第2筒体140は、上下の端部が気流入口ノズルフランジ160ないしは気流出口ノズルフランジ170に接続されている。支柱110の上下端は、気流入口ノズルフランジ160ないし気流出口ノズルフランジ170に設置した十字形の支持バーなどで固定されている。また、第1筒体130と第2筒体140との間の空間は、第1筒体130の上下両端において閉塞されている。
第1筒体130の側面をなす壁面には、下側の一部領域を除いて、一定の開口比率でシーブ孔、スリット、角孔等の開口部が形成されている。第1筒体130は、第1筒体130と支柱110との間の空間内の気流に含まれるミストを通過させるフィルタとして機能する。第1筒体130と第2筒体140との間の空間は、第1筒体130を通過したミストを捕集するミスト捕集室150となっている。このミスト捕集室150の上端および下端は閉塞端となっている。これは、ミスト捕集室150内に流体の連続した流れを生じさせないようにするためである。第1筒体130における開口部の径や深さは、捕集対象であるミスト微粒子の大きさに応じて1mmから20mm程度とするのが望ましい。また、開口部の個数は、開口比率が50%以上となるように決めることが望ましい。
支柱110の外周には、螺旋流発生手段として機能するヘリカル旋回板120が固定されている。図2は支柱110およびヘリカル旋回板120を支柱110の中心軸を含む平面により切断した断面図である。図1および図2に示すように、ヘリカル旋回板120は、支柱110の外側面から略垂直に突出して第1筒体130の内側面に接触し、支柱110廻りに旋回しつつ支柱110の軸方向に延びている。ここで、「略垂直」の「略」とは、ヘリカル旋回板120の支柱110の側面に対する角度が製造ばらつきの影響により90°から僅かにずれるのを許容するという意味である。このヘリカル旋回板120により、支柱110と第1筒体130との間の空間に、支柱110廻りに旋回しつつ支柱110の軸方向に進むヘリカル旋回通路が形成される。各ピッチ間の幅Wとピッチ長さLで構成されるヘリカル旋回通路の断面(断面積W・L)を気流が流れるため、許容配管圧力損失に応じて、ヘリカル旋回板幅Wとピッチ長さLを調整することが望ましい。
第2筒体140の下端には気流入口ノズルフランジ160が下向きに取り付けられてフランジ161で配管165と接続されている。本実施形態では、配管165に流れるミストを含んだ気流が、この気流入口ノズルフランジ160により、支柱110と第1筒体130との間の空間内に導入される。また、第2筒体140の上端には気流出口ノズルフランジ170が上向きに取り付けられてフランジ171で配管175と接続されている。本実施形態では、支柱110と第1筒体130との間の空間において、ミストを含んだ気流が流れ、第2筒体140の上側にいくにつれミストが除去される。このミストが除去された気流は、気流出口ノズルフランジ170により、配管175に排出される。第2筒体140の外側面の下端近傍の位置には、ドレン出口ノズル180が横向きに取り付けられている。第1筒体130の開口部は、ドレン出口ノズル180より高い位置に形成されており、下部側面は塞がっていて第2筒体140との間にミストが溜まり、ドレン出口ノズル180から流出するようになっている。
以上の構成において、気流入口ノズルフランジ160により支柱110および第1筒体130間の空間に気流が導入されると、この気流は、支柱110の外側面から略垂直に第1筒体130の内側面まで突出したヘリカル旋回板120に案内されて、支柱110廻りに旋回しつつ支柱110の軸方向の上方に進むヘリカル旋回流となる。このヘリカル旋回流が発生することにより、気流中のミストに遠心力が作用する。この遠心力の作用により、ヘリカル旋回流中のミストがヘリカル旋回の径方向外側(すなわち、第1筒体130の内壁側)に向かって分離され、ミストが第1筒体130を通過してミスト捕集室150内に捕集される。ここで、ミスト捕集室150は、気流との接触面のみに開口部があり、上端および下端が閉塞されており、ミスト捕集室150内の流体にとって行き止まりになっているため、上端および下端における流体の出入りはない。このため、ミスト捕集室150内のミストは重力によってのみミスト捕集室150の底部に集まることになる。このようにして捕集室150の底部に集まったミストがドレン出口ノズル180により回収される。
上述した特許文献2のねじりリボンは、平板状の金属帯鋼をねじったものであるため、このねじりリボンを螺旋流発生手段とすると、ねじりリボンの中心軸に平行な気流が発生し易い。また、ねじりリボンの中心軸の方向に対し、ねじりリボンの表面は緩やかな傾斜角をなしているため、ねじりリボンに案内される気流中のミストに働く遠心力は小さい。このため、分離捕集装置の入口から入った気流中のミストのうち、ねじりリボンを取り囲む管の内壁に到達することなく、分離捕集装置の出口に到達するミストの量が多くなる可能性がある。
これに対し、本実施形態の螺旋流発生手段であるヘリカル旋回板120は、支柱110の外周および第1筒体130の内周に接触固定される。このため、本実施形態では、螺旋流発生手段の中心軸に平行な気流が発生しない。また、本実施形態では、支柱110に対して略垂直なヘリカル旋回板120が中心軸に平行な方向の気流を妨げ、気流を支柱110廻りに旋回させる。従って、本実施形態では、気流入口ノズルフランジ160から導入された気流中のミストに対して大きな遠心力が与えられ、導入された気流中のミストの殆どが第1筒体130の内壁に到達する。従って、本実施形態によれば、特許文献2のものに比べて、格段に高いミスト捕集率が得られる。
本願発明者らは、本実施形態の効果を確認するため、支柱110および第1筒体130間の空間に上昇気流を導入することによるミスト除去定常運転試験を空気および水を用いて5時間行った。空気流量を140m/h、噴霧水量を30mL/minで一定として、空気および水を混合した気流を発生し、支柱110および第1筒体130間の空間に導入した。ミストの空気中での蒸発を抑えるため、温水噴霧器を設置したタンクからブロワへ空気を供給して相対湿度を86%に加湿した。1時間ごとにミスト分離捕集装置からドレン水を採取して計測した。装置出口の空気の状態および回収した液水量を評価した結果、噴霧した液水をほぼ全量回収していることが確認された。また、装置頂部からの排気空気中においてミストは確認されず、ヘリカル流路内で液滴分離が行われていることを確認した。なお、装置内部の多孔板上および透明樹脂容器内壁には温水供給の影響で凝縮水が液滴として付着していることが確認された。
<第2実施形態>
図3はこの発明の第2実施形態であるミスト分離捕集装置102の構成を示す透視図である。このミスト分離捕集装置102では、気流入口ノズルフランジ160が第2筒体140の上端に取り付けられ、気流出口ノズルフランジ170が第2筒体140の下端に取り付けられている。他の点は上記第1実施形態によるミスト分離捕集装置101と同様である。
本実施形態において、気流入口ノズルフランジ160により支柱110および第1筒体130間の空間の頂部に気流が導入されると、この気流は、ヘリカル旋回板120に案内されて、支柱110廻りに旋回しつつ支柱110の軸方向の下方に進むヘリカル旋回流となる。このヘリカル旋回流に含まれるミストが遠心力により分離されて第1筒体130を通過し、ミスト捕集室150内に捕集される。このミストは重力によりミスト捕集室150の底部に集まり、ドレン出口ノズル180により回収される。
本願発明者らは、本実施形態の効果を確認するため、支柱110および第1筒体130間の空間に下降気流を導入することによるミスト除去定常運転試験を空気および水を用いて行った。空気流量を140m/h、噴霧水量を30および60mL/minの2通りで一定とし、空気および水を混合して、支柱110および第1筒体130間の空間に導入した。噴霧した水の空気中での蒸発を抑えるため、混合部入口の相対湿度85%に加湿した。装置出口での空気の状態から推定したミスト除去を評価した結果、すべての実験条件において装置出口での液水は確認されず、装置で完全に水滴が捕集されていることが確認された。なお装置内部の多孔板(第1筒体130)上および透明樹脂容器(第2筒体140)の内壁にも液水は目視確認されなかった。
<第3実施形態>
図4はこの発明の第3実施形態であるミスト分離捕集装置103の構成を示す透視図である。このミスト分離捕集装置103は、上記第1実施形態によるミスト分離捕集装置101を軸方向が水平方向を向くように寝かせたものである。ドレン出口ノズル180は、第2筒体140の外側面において、最も気流入口ノズルフランジ160側にあり、かつ、下側にある位置に下向きに取り付けられている。他の点は、上記第1実施形態と同様である。
本実施形態において、気流入口ノズルフランジ160により支柱110および第1筒体130間の空間の右側端部に気流が導入されると、この気流は、ヘリカル旋回板120に案内されて、支柱110廻りに旋回しつつ支柱110の軸方向の左側に進むヘリカル旋回流となる。このヘリカル旋回流に含まれるミストが遠心力により分離されて第1筒体130を通過し、ミスト捕集室150内に捕集される。このミスト捕集室150内に捕集されたミストのうちの一部は、重力の作用により、第1筒体130内に戻ろうとするが、この一部のミストは遠心力の作用により再びミスト捕集室150内に捕集される。このため、ヘリカル旋回流に含まれるミストは高効率でミスト捕集室150内に捕集される。そして、ミストは重力によりミスト捕集室150の底部に集まり、ドレン出口ノズル180により回収される。
本願発明者らは、本実施形態の効果を確認するため、支柱110および第1筒体130間の空間内に水平気流を発生することによるミスト除去定常運転試験を空気および水を用いて行った。空気流量を140m/h、噴霧水量は30mL/minで一定として、空気および水を混合し、支柱110および第1筒体130間の空間内に導入した。混合部入口の相対湿度99.7%に加湿した。装置出口では噴霧と液水は確認されず、装置で完全に水滴が捕集されていることが確認された。なお装置内部の多孔板(第1筒体130)上および透明樹脂容器(第2筒体140)内壁にも液水は目視確認されなかった。
以上、第1~第3実施形態の効果が示すように、本発明によるミスト分離捕集装置によれば、設置する姿勢に関係なく高効率でミストを捕集することができる。
<第4実施形態>
図5はこの発明の第4実施形態であるミスト分離捕集装置104の構成を示す透視図である。本実施形態では、上記第1実施形態における支柱110が中空円筒形状の支柱110aに置き換えられている。この支柱110aの下端は、第2筒体140の下側の閉塞端により閉塞されている。また、支柱110aの上側の開放端は、第2筒体140の上側の閉塞端との間に間隔を空けている。気流入口ノズルフランジ160は支柱110aの、気流出口ノズルフランジ170は第1筒体130の、およびドレン出口ノズル180は第2筒体140の外側面の、下端近傍に横向きに各々取り付けられている。気流入口ノズルフランジ160は、図示しない配管に流れるミストを含む気流を支柱110a内の中空領域に導入する。気流出口ノズルフランジ170は、支柱110aと第1筒体130との間の空間からミストの除去された気流を回収する。ドレン出口ノズル180は、捕集室150内からミストを回収する。
本実施形態は、ミスト分離捕集装置104の上流の配管と下流の配管が水平であり、気流入口ノズルフランジ160、気流出口ノズルフランジ170およびドレン出口ノズル180のノズル間距離に余裕がない場合に有効である。
本実施形態において、気流入口ノズルフランジ160により導入された気流は、支柱110aの中空領域を介して一旦上昇し、その後、第2筒体140の頂上部において反転され、ヘリカル旋回板120に沿って旋回しながら支柱110aの軸方向に下降し、気流出口ノズルフランジ170により回収される。その際、支柱110a廻りに発生するヘリカル旋回流から遠心力の作用によりミストが分離され、ミスト捕集室150内に捕集され、ミストがドレン出口ノズル180により回収される。従って、本実施形態においても上記第1実施形態と同様な効果が得られる。
<第5実施形態>
図6はこの発明の第5実施形態であるミスト分離捕集装置105の構成を示す透視図である。本実施形態では、上記第4実施形態と同様、中空円筒形状の支柱110aが支柱として用いられている。
気流入口ノズルフランジ160および気流出口ノズルフランジ170は、第2筒体140の外側面の上端近傍に横向きに各々取り付けられている。ドレン出口ノズル180は、第2筒体140の下側の閉塞端に下向きに取り付けられている。第1筒体130は、下端が閉塞端となっており、この第1筒体130の下側の閉塞端は、第2筒体140の下側の閉塞端に対して間隔を空けている。第1筒体130の側面をなす壁面には、上端から下端に至るまで、開口部が形成されている。また、第1筒体130と第2筒体140との間の空間は、第1筒体130の上端において閉塞されている。この第1筒体130と第2筒体140との間の空間がミスト捕集室150となっている。ドレン出口ノズル180は、このミスト捕集室150からミストを回収する。支柱110aの下側の開放端は、第1筒体130の下側の閉塞端から間隔を空けている。また、第2筒体140内において、最上段のヘリカル旋回板120よりも上側の領域は、支柱110aの上端付近の一部の側壁面により2つの領域に区切られている。1つは気流入口ノズルフランジ160および支柱110aと第1筒体130との間のヘリカル旋回通路に通じる領域であり、もう1つは気流出口ノズルフランジ170および支柱110a内の中空領域に通じる領域である。気流入口ノズルフランジ160は、前者の領域を介してヘリカル旋回通路に気流を導入する。また、気流出口ノズルフランジ170は、後者の領域を介して支柱110a内の中空領域から気流を回収する。
本実施形態において、気流入口ノズルフランジ160により導入された気流は、支柱110aおよび第1筒体130間のヘリカル旋回板120に沿って旋回しながら支柱110aの軸方向に下降する。その際、支柱110a廻りに発生するヘリカル旋回流から遠心力の作用によりミストが分離され、ミスト捕集室150内に捕集され、ミストがドレン出口ノズル180により回収される。また、ヘリカル旋回流は、第1筒体130の下側の閉塞端において反転され、支柱110a内の中空領域を上昇し、気流出口ノズルフランジ170により回収される。
<他の実施形態>
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば上記の各実施形態では、ミストを除去ないし回収することが可能であるが、8~10μm以下の径の微粒子を捕集する場合は、気流がミスト分離捕集装置内に入った直後にグラスファイバーパッドを設置して微粒子の合一による粒径増大を図るようにしてもよい。
101~105……ミスト分離捕集装置、110,110a……支柱、120……ヘリカル旋回板、130……第1筒体、140……第2筒体、150……ミスト捕集室、160……気流入口ノズルフランジ、170……気流出口ノズルフランジ、180……ドレン出口ノズル、161,171……フランジ、165,175……配管、20……ねじりリボン。

Claims (3)

  1. 支柱と、
    前記支柱を取り囲み、前記支柱との間の空間内の気流に含まれるミストを分離して通過させる第1筒体と、
    前記支柱の外側面から略垂直に突出して前記第1筒体の内側面に接触し、前記支柱廻りに旋回しつつ前記支柱の軸方向に延びるヘリカル旋回板と、
    前記第1筒体を取り囲み、前記第1筒体を通過したミストを捕集するミスト捕集室であって、気流との接触面のみに開口部があるミスト捕集室を前記第1筒体との間に形成する第2筒体と
    を有するミスト分離捕集装置。
  2. 前記第1筒体は、壁面に複数の開口部が形成されている請求項1に記載のミスト分離捕集装置。
  3. 前記支柱は中空領域を有する円筒形状の支柱であり、前記支柱の中空領域および前記ヘリカル旋回板に沿った通路を気流が通過する請求項1または2に記載のミスト分離捕集装置。
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