JP2023170470A - 液体吐出ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】基板及びアクチュエータのサイズを低減できる液体吐出ヘッドを提供すること。
【解決手段】実施形態の液体吐出ヘッドは、基板と、アクチュエータと、複数の個別電極と、共通電極と、を備える。アクチュエータは、基板に設けられ、一方向に長く形成される。アクチュエータは、長手方向に沿って延びる第1傾斜面、前記長手方向に沿って延び、前記第1傾斜面よりも傾斜角度が大きい第2傾斜面、及び、短手方向に延びる複数の圧力室を有する。個別電極は、前記基板上及び前記第1傾斜面に形成される。複数の個別電極は、前記複数の圧力室をそれぞれ駆動する。共通電極は、前記基板上及び前記第2傾斜面に形成され、前記複数の圧力室を駆動する。
【選択図】 図9

Description

本発明の実施形態は、液体吐出ヘッドに関する。
近年、インクジェットヘッド等の液体吐出ヘッドは高生産性が求められ、高速化や液滴量増加が必須となっている。一方でヘッドサイズは小型化されることが望まれており、高生産性と小型化の両立が課題となっている。
セラミックスからなる基板上に、複数の隔壁を所定の間隔で形成し、各隔壁間をインクの流路とする圧電セラミックスをアクチュエータとして設け、隔璧端面をその頂部から底部にかけて外側に広がる傾斜面としたヘッド基板が知られている。上記のようなヘッド基板上の配線形成はフォトリソグラフィによる配線パターン形成を行う。配線パターンは、基板平面に対して垂直方向の側壁へのパターン形成が困難なため、アクチュエータの配線パターンを設ける短手方向の端面を、その頂部から底部にかけて外側に広がる傾斜面とする。
しかしながら、傾斜が緩いほどアクチュエータの短手方向のサイズが大きくなってしまう。そのため、傾斜面の角度を立てることで基板及びアクチュエータ短手方向のサイズを縮小できるが、ベース基板上の平面とアクチュエータ部の斜面とのなす角が45°以上となる場合、電極パターン形成時のフォトリソグラフィの際に傾斜面で反射した光が斜面面麓付近の基板上に形成された電極パターンに照射されてしまい、電極オープンとなる問題が生じる。
特開2012-51253号公報
本発明が解決しようとする課題は、基板及びアクチュエータのサイズを低減できる液体吐出ヘッドを提供することである。
実施形態の液体吐出ヘッドは、基板と、アクチュエータと、複数の個別電極と、共通電極と、を備える。アクチュエータは、基板に設けられ、一方向に長く形成される。アクチュエータは、長手方向に沿って延びる第1傾斜面、前記長手方向に沿って延び、前記第1傾斜面よりも傾斜角度が大きい第2傾斜面、及び、短手方向に延びる複数の圧力室を有する。個別電極は、前記基板上及び前記第1傾斜面に形成される。複数の個別電極は、前記複数の圧力室をそれぞれ駆動する。共通電極は、前記基板上及び前記第2傾斜面に形成され、前記複数の圧力室を駆動する。
実施形態に係る液体吐出ヘッドの構成を示す斜視図。 実施形態に係る液体吐出ヘッドの構成を示す下面図。 実施形態に係る液体吐出ヘッドの構成を一部省略して示す下面図。 実施形態に係る液体吐出ヘッドのヘッド本体の構成を示す斜視図。 実施形態に係るヘッド本体の構成を示す断面図。 実施形態に係るヘッド本体の構成を示す平面図。 実施形態に係るヘッド本体の構成を一部省略して示す斜視図。 実施形態に係るヘッド本体の構成を一部省略して示す平面図。 実施形態に係るヘッド本体のアクチュエータの傾斜面の構成を示す説明図。 実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示す流れ図。 実施形態に係る液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置の構成を示す説明図。
以下に、実施形態に係る液体吐出ヘッド1及び液体吐出ヘッド1を用いた液体吐出装置2について、図1乃至図12を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る液体吐出ヘッド1の構成を示す斜視図であり、図2は、液体吐出ヘッド1の構成を示す下面図である。図3は、液体吐出ヘッド1の構成を、ノズルプレート114を省略して示す下面図である。図4は、液体吐出ヘッド1のヘッド本体11の構成を、ノズルプレート114の一部を切欠して示す斜視図であり、図5は、ヘッド本体11の構成を示す断面図である。図6は、ヘッド本体11の基板111、アクチュエータ113及び電極117の構成を示す平面図である。図7は、ヘッド本体11の基板111、アクチュエータ113及び電極117の構成を拡大して示す斜視図であり、図8は、ヘッド本体11の基板111、アクチュエータ113及び電極117の構成を拡大して示す平面図である。
図9は、アクチュエータ113の傾斜面1134の構成を示すとともに、傾斜面1134とフォトリソグラフィにおける平行光LA及び反射光LBとの関係を示す説明図である。図10は、液体吐出ヘッド1の製造方法の一例として、ヘッド本体11の電極117及び防液壁1135を形成する一例を示す流れ図である。図11は、液体吐出ヘッド1を用いた液体吐出装置2の構成を示す説明図である。なお、各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して示している。
液体吐出ヘッド1は、例えば、図12に示すインクジェット記録装置などの液体吐出装置2に設けられるシェアモードのインクジェットヘッドである。液体吐出ヘッド1は、液体吐出装置2に設けられた液体収容部としての供給タンク2132を含むヘッドユニット2130に設けられる。
液体吐出ヘッド1は、供給タンク2132に貯留された液体としてのインクが供給される。なお、液体吐出ヘッド1は、インクを循環させない非循環式のヘッドであってもよく、また、インクを循環させる循環式のヘッドであってもよい。本実施形態において、液体吐出ヘッド1は、非循環式のヘッドの例を用いて説明する。また、液体吐出ヘッド1は、液体吐出装置2に設けられた温調装置2116に接続され、インクの温度制御を行う温調用液体(温調水)が供給される。
図1乃至図4に示すように、液体吐出ヘッド1は、ヘッド本体11と、マニフォールドユニット12と、回路基板13と、カバー14と、を備える。例えば、液体吐出ヘッド1は、アクチュエータ113を一対有するヘッド本体11を二組有する、サイドシュータタイプの4列一体構造ヘッドである。
ヘッド本体11は、液体を吐出する。図3乃至図6に示すように、ヘッド本体11は、基板111と、枠部材112と、複数の圧力室1131及び複数の空気室1132を有するアクチュエータ113と、ノズルプレート114と、を備える。ヘッド本体11は、アクチュエータ113の複数の圧力室1131と連通する共通液室116を有する。
また、ヘッド本体11は、基板111及びアクチュエータ113に、アクチュエータ113の複数の圧力室1131を駆動する電極117と、を有する。ヘッド本体11は、基板111上に一対のアクチュエータ113が配置され、基板111及びアクチュエータ113上に配線パターンを含む電極117が形成されたヘッド基板を、枠部材112及びノズルプレート114で覆うことで構成される。
本実施形態の例においては、ヘッド本体11がアクチュエータ113を二つ有し、共通液室116は、1つの第1共通液室1161、及び、二つの第2共通液室1162を有する例を用いて説明する。共通液室116は、例えば、アクチュエータ113の複数の圧力室1131の一方の開口と連通する第1共通液室1161と、アクチュエータ113の複数の圧力室1131の他方の開口と連通する第2共通液室1162と、第1共通液室1161の両端と二つの第2共通液室1162の両端とを連続する第3共通液室1163と、を有する。
基板111は、例えばセラミックス材料により矩形板状に形成される。基板111は、例えば、一方向に長い矩形状に形成される。基板111の一面には、電極117の一部となる配線パターンが形成される。具体例として、基板111の一面には、電極117の後述する複数の個別電極118の一部となる配線パターン、及び、単数の共通電極119の一部となる配線パターンが形成される。基板111の一面には、基板111の短手方向に並んで一対のアクチュエータ113が設けられる。基板111の一面とは、基板111の一方の面である。基板111は、例えば、単数の供給口1111と、複数の排出口1112と、を有する。供給口1111及び排出口1112は、基板111の両主面間を貫通する貫通孔である。
供給口1111は、インクを第1共通液室1161に供給する入口である。供給口1111は、基板111の短手方向の中央に形成される貫通孔である。供給口1111は、基板111の長手方向に沿って延びる。換言すると、供給口1111は、例えば、アクチュエータ113の長手方向及び第1共通液室1161の長手方向に沿って一方向に長い長孔である。供給口1111は、一対のアクチュエータ113の間に設けられ、第1共通液室1161と対向する位置に開口する。
排出口1112は、インクを共通液室116から排出する出口である。排出口1112は、複数、例えば、二つ設けられる。排出口1112は、例えば、一方向に長い長孔や丸穴に形成される。本実施形態において、排出口1112は、一方向に長い長穴に形成される。排出口1112の開口面積は、供給口1111の開口面積よりも小さい開口面積である。二つの排出口1112は、例えば、第1共通液室1161と対向する位置であって、且つ、供給口1111の長手方向の両端のそれぞれに隣接して配置される。なお、複数の排出口1112は、例えば、二つの第3共通液室1163に設けられる構成であってもよく、第2共通液室1162に設けられていても良い。
枠部材112は、基板111の一方の主面に接着剤等により固定される。枠部材112は、基板111に設けられた供給口1111、複数の排出口1112、及び、アクチュエータ113を囲う。例えば、枠部材112は、段構造を有する。
例えば、枠部材112は、矩形枠状に形成されることで、枠部材112の長手方向に沿って一方向に長い開口を形成する。枠部材112の開口には、一対のアクチュエータ113、供給口1111及び二つの排出口1112が配置される。
一対のアクチュエータ113は、基板111の実装面に接着される。一対のアクチュエータ113は供給口1111を挟んで二列に並んで基板111に設けられる。アクチュエータ113は、一方向に長い板状に形成される。アクチュエータ113は、枠部材112の開口内に配置され、基板111の主面に接着される。
図3、図4及び図6に示すように、アクチュエータ113は、一方向に長く形成される。アクチュエータ113は、長手方向に等間隔に配置された複数の圧力室1131と、長手方向に等間隔に複数配置されるとともに、隣り合う圧力室1131の間に配置された空気室1132と、を有する。換言すると、アクチュエータ113には、長手方向に沿って、複数の圧力室1131及び複数の空気室1132が交互に配置される。
アクチュエータ113の基板111とは反対側の面は、ノズルプレート114に接着される。アクチュエータ113は、長手方向に等間隔に並んで配置され、短手方向である長手方向に直交する方向に沿う複数の溝が形成される。複数の溝は、複数の圧力室1131と、複数の空気室1132と、を形成する。即ち、複数の溝は、複数の圧力室1131を構成する複数の圧力溝と、複数の空気室1132を構成する複数の空気溝とを含む。換言すると、アクチュエータ113は、長手方向に等間隔に並んで配置された、間に溝を形成する隔壁を構成する駆動素子である複数の圧電体1133を有する。複数の圧電体1133は、隣り合う圧電体1133の間に複数の圧力室1131及び複数の空気室1132を形成し、駆動電圧が印加されることで、圧力室1131の容積を変化させる。
図5、図7乃至図9に示すように、アクチュエータ113は、例えば、短手方向の幅が、頂部側から基板111側に向かって漸次大きくなる。換言すると、アクチュエータ113の長手方向に直交する方向(短手方向)に沿った断面の断面形状は、台形状に形成される。即ち、アクチュエータ113は、短手方向の側面部に傾斜する傾斜面1134を有する。ここで、傾斜面1134は、アクチュエータ113の短手方向の両側面である。換言すると、アクチュエータ113は、長手方向に沿って延びる二つの傾斜面1134を有する。二つの傾斜面1134は、一方の傾斜面1134である第1傾斜面11341と、他方の傾斜面1134である第2傾斜面11342である。
図9に示すように、二つの傾斜面1134のうち、第1傾斜面11341の傾斜は、第2傾斜面11342の傾斜よりも緩い。即ち、第1傾斜面11341の基板111の主面に対する傾斜角度θAは、第2傾斜面11342の基板111の主面に対する傾斜角度θBよりも小さい。
例えば、第1傾斜面11341の傾斜角度θAは、45°以下であって、且つ、0°よりも大きい。第1傾斜面11341の好適な例は、45°である。
例えば、第2傾斜面11342の傾斜角度θBは、45°よりも大きく、且つ、90°よりも小さい。なお、第2傾斜面11342の傾斜角度θBの上限値は、90°より小さく、且つ、第2傾斜面11342に電極117の一部を形成できる角度である。
図5及び図9に示すように、一対のアクチュエータ113は、短手方向で第2傾斜面11342が隣り合う姿勢で、基板111に設けられる。また、一対のアクチュエータ113の並び方向は、基板111の短手方向となる。
図7及び図8に示すように、第1傾斜面11341には、電極117の複数の個別電極118の一部となる配線パターンが形成される。また、図8に示すように、第2傾斜面11342には、共通電極119の一部となる配線パターンが形成される。
具体例として、アクチュエータ113は、一方向に長い矩形板状の二枚の圧電材料を、互いの分極方向が逆向きとなるように対向して接着した積層圧電部材により形成される。ここで、圧電材料は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)である。アクチュエータ113は、例えば熱硬化性を有するエポキシ系接着剤によって基板111の実装面に接着される。そして、アクチュエータ113は、例えば、切削加工等によって、傾斜面1134を構成する。また、併せて、基板111及びアクチュエータ113は、例えば、研磨加工によって、電極117の複数の個別電極118及び共通電極119がパターニングされる表面が研磨され、研磨面が形成される。例えば、研磨面は、アクチュエータ113の傾斜面1134及び傾斜面1134の麓の基板111上に形成される。また、アクチュエータ113は、例えば、切削加工により、複数の圧力室1131及び複数の空気室1132を形成する複数の溝が形成され、隣り合う溝の間を区切る側壁である圧電体(駆動素子)1133が形成される。
また、アクチュエータ113の複数の溝内及び傾斜面1134の一部には、複数の個別電極118の一部となる配線パターン、及び、単数又は複数の共通電極119の一部となる配線パターンが形成される。
圧力室1131は、液体吐出ヘッド1による印字等の動作時に、変形することで、インクをノズル1141から噴射させる。圧力室1131は、入口が第1共通液室1161に開口し、出口が第2共通液室1162に開口する。圧力室1131は、入口からインクが流入し、出口からインクが流出する。なお、圧力室1131は、入口及び出口として説明した両開口からインクが流入する構成であってもよい。
空気室1132は、図7に示すように、入口側及び出口側が、感光性樹脂等により形成された樹脂壁である防液壁1135によって塞がれることで、第1共通液室1161及び第2共通液室1162と隔てられる。具体例として、空気室1132の防液壁1135は、空気室1132を形成する溝内に紫外線硬化樹脂を注入した後、マスクプレート等を用いて、必要な部分、例えば、溝の入口側及び出口側である両端部に紫外線を照射することで形成される。このような防液壁1135は、空気室1132へのインクの侵入を防止する。また、防液壁1135は、アクチュエータ113の空気室1132の内面に形成された共通電極119上に形成される。また、空気室1132は、ノズルプレート114によって塞がれ、ノズル1141が配置されない。よって、空気室1132には、インクが流入しない。
図4及び図5に示すように、ノズルプレート114は、板状に形成される。ノズルプレート114は、枠部材112の基板111とは反対側の主面に接着剤等により固定される。ノズルプレート114は、複数の圧力室1131と対向する位置に形成された複数のノズル1141を有する。本実施形態において、ノズルプレート114は、複数のノズル1141が一方向に並ぶノズル列1142を二列有する。
第1共通液室1161は、一対のアクチュエータ113の両端部を除く中央側の間に形成され、供給口1111から各アクチュエータ113の複数の圧力室1131の一方の開口へのインクの流路を構成する。第1共通液室1161は、アクチュエータ113の長手方向に沿って延びる。
第2共通液室1162は、各アクチュエータ113と枠部材112との間にそれぞれ形成される。第2共通液室1162は、第3共通液室1163から複数の圧力室1131の他方の開口へのインクの流路を形成する。第2共通液室1162は、アクチュエータ113の長手方向に沿って延びる。
第3共通液室1163は、例えば、アクチュエータ113の長手方向の両端と隣接する。第3共通液室1163は、一対のアクチュエータ113の長手方向の両端側において、第1共通液室1161及び二つの第2共通液室1162を連通する。第3共通液室1163は、第1共通液室1161から各アクチュエータ113の複数の圧力室1131を通過せずに、第2共通液室1162へ至る一部のインクの流路を形成する。
電極117は、金属材料により膜状に形成された電極膜(金属膜)である。電極117は、例えば、多層膜により形成される。電極117は、例えば、複数の圧力室1131のそれぞれ駆動する複数の個別電極118と、複数の圧力室1131を同時に駆動する単数又は複数の共通電極119と、を有する。
図6乃至図8に示すように、電極117は、基板111の主面及びアクチュエータ113の傾斜面1134に形成される導体部分である第1電極部1171と、アクチュエータ113の複数の圧力室1131及び複数の空気室1132の底面及び側面に形成される導体部分である第2電極部1172と、を有する。
第1電極部1171は、配線パターン(引出線)である。第1電極部1171は、多層膜により形成される。第2電極部1172は、圧力室1131及び空気室1132を形成する溝の内面に形成される。第2電極部1172は、例えば、第1電極部1171と同じ層の多層膜により形成される。
例えば、電極117は、Niスパッタ膜、無電解Niめっき膜、並びに、Niスパッタ膜及び無電解Niめっき膜と異なる金属(異種金属)で形成された電解金属めっき膜を含む。なお、電極117は、無電解Niめっき膜及び電解金属めっき膜の間に、電解Niめっき膜を有する構成であってもよい。電解金属めっき膜は、例えば、Auめっき膜である。
複数の個別電極118は、駆動素子である複数の圧電体1133に個別に駆動電圧を印加する。複数の個別電極118は、各圧力室1131を個別に変形させる。個別電極118は、基板111に形成された配線パターン及びアクチュエータ113に形成された配線パターンにより形成される。個別電極118は、第1電極部1171及び第2電極部1172によって形成される配線パターンである。複数の個別電極118は、回路基板13に接続される。
具体例として、図7及び図8に示すように、複数の個別電極118は、各圧力室1131の内面、アクチュエータ113の第1傾斜面11341及び基板111上に成膜される。具体的には、個別電極118は、第2電極部1172により、圧力室1131を形成する圧電体1133の側面、及び、圧力室1131(圧力溝)の底面に形成される。また、個別電極118は、第1電極部1171により、第1傾斜面11341及び基板111の研磨面に形成される。個別電極118は、圧力室1131内から、基板111の短手方向の端部へ延び、基板111の回路基板13が接続される接続部1116に端部が配置される。個別電極118は、圧力室1131の底部及び圧電体1133を形成する圧電部材の表面に密着するように設けられる。個別電極118は、例えば、基板111上の個別電極118は、枠部材112の下面側において、枠部材112を基板111に接着させる接着剤によって覆われる。
共通電極119は、複数の圧電体1133に駆動電圧を印加する。共通電極119は、例えば、複数の圧電体1133の全てに同じ駆動電圧を印加する。共通電極119は、複数の圧力室1131を同時に変形させる。共通電極119は、基板111に形成された配線パターン及びアクチュエータ113に形成された配線パターンにより形成される。共通電極119は、基板111の供給口1111の内周面から複数の空気室1132を形成する圧電体1133に渡って設けられた配線パターンである。共通電極119は、単数の第1電極部1171及び複数の第2電極部1172によって形成される配線パターンである。共通電極119は、回路基板13に接続される。即ち、共通電極119は、回路基板13に接続される第1電極部1171から複数の第2電極部1172を介して、複数の空気室1132内に接続される。
具体例として、図8に示すように、共通電極119は、各空気室1132の内面、アクチュエータ113の傾斜面1134及び基板111上の個別電極118が形成される領域を避けた領域に成膜される。具体的には、共通電極119は、第2電極部1172により、各空気室1132を形成する圧電体1133の側面、及び、空気室1132(空気溝)の底面に形成される。また、共通電極119は、第1電極部1171により、各空気室1132内から、基板111の中央部へ向かって、第2傾斜面11342上に設けられるとともに、一対のアクチュエータ113の間の基板111の研磨面上に形成される。また、共通電極119は、基板111の短手方向の端部へ延び、基板111の回路基板13が接続される接続部1116に端部が配置される。なお、共通電極119は、供給口1111の内周面及び排出口1112の内周面に形成されていてもよい。
換言すると、共通電極119は、基板111の短手方向の端部に形成された接続部1116から複数の個別電極118が形成されていない領域、及び、一対のアクチュエータ113の間である基板111の短手方向中央側を介して、アクチュエータ113の第2傾斜面11342及び複数の空気室1132の内面に一体に設けられる。また、共通電極119のうち、空気室1132の防液壁1135が設けられる領域に設けられる共通電極119の一部は、防液壁1135の表面と空気室1132の表面との間に配置される。
図1、図4及び図5に示すように、マニフォールドユニット12は、マニフォールド121と、天板122と、インク供給管123と、インク排出管124と、一対の温調用管である温調水供給管125及び温調水排出管と、を備える。なお、インク供給管123、インク排出管124、温調水供給管125及び温調水排出管の数は適宜設定できる。
マニフォールド121は、板状又はブロック状に形成される。図5に示すように、マニフォールド121は、基板111の供給口1111と連続し、液体供給流路を形成する供給流路1211と、基板111の排出口1112と連続し、液体排出流路を形成する排出流路と、温調用の流体の流路を形成する温調用流路1213と、を備える。
マニフォールド121の一方の主面は、基板111の主面に固定される。また、マニフォールド121は、基板111が固定される主面とは反対の主面に、天板122が固定される。また、マニフォールド121には、例えば、インク供給管123、インク排出管124、温調水供給管125及び温調水排出管が天板122を介して固定される。
供給流路1211は、孔や溝によってマニフォールド121に形成される流路である。供給流路1211は、インク供給管123及び基板111の供給口1111を流体的に接続する。
排出流路は、孔や溝によってマニフォールド121に形成される流路である。排出流路は、インク排出管124及び基板111の排出口1112を流体的に接続する。
温調用流路1213は、孔や溝によってマニフォールド121に形成される流路である。温調用流路1213は、温調水供給管125及び温調水排出管を流体的に接続する。
温調用流路1213の両端は、マニフォールド121の一方の主面に設けられた温調水供給管125及び温調水排出管と接続される開口である。また、温調用流路1213は、マニフォールド121に固定される基板111と熱交換が可能に形成される。
天板122は、マニフォールド121の基板111が設けられる面とは反対の面に設けられる。天板122は、マニフォールド121を覆うことで、供給流路1211、排出流路及び温調用流路1213を封止する。
また、天板122は、各管123、124、125を接続し、各管123、124、125及び各流路1211、1213を連通させる開口を有する。
インク供給管123は、供給流路1211に接続される。インク排出管124は、排出流路に接続される。温調水供給管125及び温調水排出管は、温調用流路1213の一次側及び二次側に接続される。
図4に示すように、回路基板13は、一端が基板111の接続部1116に接続される配線フィルム131と、配線フィルム131に搭載されたドライバIC132と、配線フィルム131の他端に実装されたプリント配線基板133と、を備える。
回路基板13は、ドライバIC132により駆動電圧をアクチュエータ113の配線パターンに印加することでアクチュエータ113を駆動し、圧力室1131の容積を増減させて、ノズル1141から液滴を吐出させる。
配線フィルム131は、複数の個別電極118及び共通電極119に接続される。例えば、配線フィルム131は、基板111の接続部に熱圧着等により固定されるACF(異方導電性フィルム)である。接続される配線フィルム131は、例えば、一つのヘッド本体11に対して複数設けられる。本実施形態においては、配線フィルム131は、1つのアクチュエータ113に二つ連結される。配線フィルム131は、例えば、ドライバIC132が実装されたCOF(Chip on Film)である。
ドライバIC132は、配線フィルム131を介して複数の個別電極118及び共通電極119に接続される。なお、ドライバIC132は、配線フィルム131ではなく、ACP(異方導電ペースト)、NCF(非導電性フィルム)、及びNCP(非導電性ペースト)のような他の手段によって、複数の個別電極118及び共通電極119に接続されても良い。
プリント配線基板133は、各種電子部品やコネクタが搭載されたPWA(Printing Wiring Assembly)である。
カバー14は、例えば、一対のヘッド本体11の側面、マニフォールドユニット12及び回路基板13を覆う外郭体141と、一対のヘッド本体11のノズルプレート114側の一部を覆うマスクプレート142と、を備える。
外郭体141は、例えば、マニフォールドユニット12のうちインク供給管123、インク排出管124、温調水供給管125及び温調水排出管と、回路基板13の端部とを、外部に露出させる。
マスクプレート142は、一対のヘッド本体11のうち、複数のノズル1141及びノズルプレート114の複数のノズル1141の周囲を除く部位を覆う。
次に、液体吐出ヘッド1の製造方法の一例として、ヘッド本体11の電極117を成形する例を、図10に示す流れ図を用いて説明する。
まず、基板111及びアクチュエータ113の所定の領域に、金属膜を形成する(ACT1)。具体例として、先ず、基板111及びアクチュエータ113の所定の領域に、スパッタリングによりNiスパッタ膜を形成する。ここで、所定の領域としては、基板111上、アクチュエータ113の第1傾斜面11341及び第2傾斜面11342、並びに、アクチュエータ113の複数の圧力室1131及び複数の空気室1132を構成する複数の圧電体1133(複数の溝)の内面である。
次に、無電解めっき法を用いて、Niスパッタ膜上に無電解Niめっき膜を形成する。例えば、Niスパッタ膜を触媒として、無電解Niめっき膜を形成する。これらの工程により、基板111及びアクチュエータ113の所定の領域に、Niスパッタ膜/無電解Niめっき膜による金属膜が形成される。
次に、フォトリソグラフィにより金属膜をパターニングする(ACT2)。フォトリソグラフィにより形成する金属膜のパターンは、例えば、基板111及びアクチュエータ113に形成される複数の個別電極118及び共通電極119の電極パターンと同じパターンである。
なお、フォトリソグラフィにより金属膜をパターニングする工程においては、図9に示すように、基板111の主面に対して直交する方向から平行光LAが照射される。
このとき、第1傾斜面11341に照射された平行光LAは、第1傾斜面11341で反射する。基板111の主面に対する第1傾斜面11341の傾斜角度θAは、45°以下であることから、第1傾斜面11341で反射した光の入射角及び反射角の和θCは90°以下となる。このため、第1傾斜面11341の反射光LBは、基板111上に照射されることがない。このため、個別電極118が電極オープンとなることを防止できる。
また、第2傾斜面11342に照射された平行光LAは、第2傾斜面11342で反射する。基板111の主面に対する第2傾斜面11342の傾斜角度θBは、45°より大きいことから、第2傾斜面11342で反射した光の入射角及び反射角の和θDは90°より大きくなる。このため、第2傾斜面11342の反射光LBは、基板111上に照射される虞がある。
しかしながら、一対のアクチュエータ113は、一対のアクチュエータ113の並び方向で中央側に第2傾斜面11342が位置する姿勢で基板111上に設けられる。よって、第2傾斜面11342の反射光LBが基板111上に照射される場合には、反射光LBは、共通電極119が形成される一対のアクチュエータ113の間の基板111上に照射される。共通電極119は、配線パターンが広い領域に形成されることから、反射光LBが基板111の共通電極119が形成される領域に照射され、一部の金属膜が除去されても、共通電極119が電極オープンとなることがない。
次に、電解めっき法を用いて、パターニングした金属膜に電解Auめっき膜を形成する(ACT3)。これにより、複数の個別電極118及び共通電極119が形成される。
次に、空気室1132(空気溝)の入口側及び出口側に、樹脂壁としての防液壁1135を形成する(ACT4)。これらの工程により、ヘッド本体11の電極117及び防液壁1135が形成される。また、基板111は、パターニング後や防液壁1135を形成した後等において、サイジングされる。これらの工程の後、回路基板13の一端が基板111の接続部1116に接続され、枠部材112が基板上に接合され、ノズルプレート114が基板111、枠部材112及びアクチュエータ113上に接合されることで、ヘッド本体11が形成される。
このように構成された液体吐出ヘッド1は、アクチュエータ113の短手方向に、基板111に対する傾斜角度が異なる第1傾斜面11341及び第2傾斜面11342を有する。ここで、アクチュエータ113の短手方向は、一対のアクチュエータ113の並び方向であり、また、基板111の短手方向である。また、第2傾斜面11342の傾斜角度θBを第1傾斜面11341の傾斜角度θAよりも大きい。このため、アクチュエータ113の短手方向の幅、及び、一対のアクチュエータ113が設けられる基板111の短手方向の幅を低減することができる。
また、第1傾斜面11341の傾斜角度θAを0<θA≦45°とし、第2傾斜面11342の傾斜角度θBを45°<θB<90°とする。これにより、電極117のパターニングの平行光LAが第1傾斜面11341を反射した光の入射角及び反射角の和θCは、90°以下となり、第2傾斜面11342を反射した光の入射角及び反射角の和θDは、90°より大きくなる。
よって、第1傾斜面11341の反射光LBが基板111上の個別電極118を形成する金属膜に照射されることを防止できる。即ち、第1傾斜面11341の反射光LBが、基板111上の個別電極118が形成される箇所への意図しない露光を避けることができる。よって、液体吐出ヘッド1は、個別電極118の電極オープンが生じることを防止できる。
また、共通電極119は、複数の空気室1132と接続される構成であることから、基板111の広範囲に一体に設けられる。よって、液体吐出ヘッド1は、第2傾斜面11342の反射光LBが基板111上の共通電極119を形成する金属膜に照射されても、共通電極119の電極オープンが生じることを防止できる。
以上説明した実施形態の液体吐出ヘッド1によれば、液体吐出ヘッド1は、共通電極119が設けられる第2傾斜面11342の傾斜角度θBを第1傾斜面11341の傾斜角度θAよりも大きくすることで、電極オープンとならずに、基板111及びアクチュエータ113のサイズを低減できる。
以下、液体吐出ヘッド1を有するインクジェット記録装置2について、図11を参照して説明する。インクジェット記録装置2は、筐体2111と、媒体供給部2112と、画像形成部2113と、媒体排出部2114と、支持装置である搬送装置2115と、温調装置2116と、メンテナンス装置2117と、制御部2118と、を備える。また、インクジェット記録装置2は、液体吐出ヘッド1に供給するインクの温度を調整する温調装置を備えている。
インクジェット記録装置2は、媒体供給部2112から画像形成部2113を通って媒体排出部2114に至る所定の搬送路2001に沿って、吐出対象物である記録媒体として例えば用紙Pを搬送しながらインク等の液体を吐出することで、用紙Pに画像形成処理を行うインクジェットプリンタである。
媒体供給部2112は複数の給紙カセット21121を備える。画像形成部2113は、用紙を支持する支持部2120と、支持部2120の上方に対向配置された複数のヘッドユニット2130と、を備える。媒体排出部2114は、排紙トレイ21141を備える。
支持部2120は、画像形成を行う所定領域にループ状に備えられる搬送ベルト21201と、搬送ベルト21201を裏側から支持する支持プレート21202と、搬送ベルト21201の裏側に備えられた複数のベルトローラ21203と、を備える。
ヘッドユニット2130は、複数のインクジェットヘッドである液体吐出ヘッド1と、各液体吐出ヘッド1上にそれぞれ搭載された液体タンクとしての複数の供給タンク2132と、インクを供給するポンプ2134と、液体吐出ヘッド1と供給タンク2132とを接続する接続流路2135と、を備える。
本実施形態において、液体吐出ヘッド1としてシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの4色の液体吐出ヘッド1と、これらの各色のインクをそれぞれ収容する4色の供給タンク2132を備える。供給タンク2132は接続流路2135によって液体吐出ヘッド1に接続される。
ポンプ2134は、例えば圧電ポンプで構成される送液ポンプである。ポンプ2134は、制御部2118に接続され、制御部2118により駆動制御される。
接続流路2135は、液体吐出ヘッド1のインク供給管123に接続される供給流路を備える。また、接続流路2135は、液体吐出ヘッド1のインク排出管124に接続される回収流路を備える。例えば、液体吐出ヘッド1が非循環式の場合には、回収流路は、メンテナンス装置2117に接続され、液体吐出ヘッド1が循環式の場合には、回収流路は、供給タンク2132に接続される。
搬送装置2115は、媒体供給部2112の給紙カセット21121から画像形成部2113を通って媒体排出部2114の排紙トレイ21141に至る搬送路2001に沿って、用紙Pを搬送する。搬送装置2115は、搬送路2001に沿って配置される複数のガイドプレート対21211~21218と、複数の搬送用ローラ21221~21228と、を備えている。搬送装置2115は、用紙Pを液体吐出ヘッド1に相対移動可能に支持する。
温調装置2116は、温調水タンク21161、温調水を供給する配管やチューブ等の温調用回路21162、温調水を供給するポンプ及び温調水の温度を調整する温調器等を有する。温調装置2116は、温調器で所定の温度に調整した温調水タンク21161の温調水を、ポンプの送水によって温調用回路21162を介して液体吐出ヘッド1の温調水供給管125に供給する。また、温調装置2116は、マニフォールドユニット12を通って温調水排出管から排出された水を、温調用回路21162を介して温調水タンク21161に回収する。なお、温調器は、例えば、ヒーターやクーラーである。また、温調装置2116は、液体吐出ヘッド1に供給するインクの温度を調整する構成としてもよい。
メンテナンス装置2117は、例えば、メンテナンス時にノズルプレート114の外面に残存するインクを吸引し、回収する。また、液体吐出ヘッド1が非循環式である場合には、メンテナンス装置2117は、メンテナンス時に、ヘッド本体11内のインクを回収する。このようなメンテナンス装置2117は、回収したインクを貯留するトレイやタンク等を有する。
制御部2118は、プロセッサの一例としてのCPU21181と、各種のプログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)、各種の可変データや画像データなどを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等のメモリと、外部からのデータの入力及び外部へのデータの出力をするインターフェイス部と、を備える。
以上説明した実施形態の液体吐出装置2によれば、液体吐出ヘッド1の基板111及びアクチュエータ113のサイズを低減できる。また、液体吐出ヘッド1のサイズを低減できることから、液体吐出装置2は、液体吐出ヘッド1の配置の自由度が向上し、また、液体吐出ヘッド1を配置するスペースを低減することもできる。
なお、本発明の実施形態は上述した構成に限定されない。例えば、上述した例では、液体吐出ヘッド1は、一対のヘッド本体11を設ける構成を説明したがこれに限定されず、一つのヘッド本体11を有する構成としてもよい。
また、上述した例では、ヘッド本体11は、一対のアクチュエータ113を有する構成を説明したが、これに限定されず、一つのアクチュエータ113を有する構成としてもよい。一つのアクチュエータ113としても、液体吐出ヘッド1は、アクチュエータ113の第1傾斜面11341の傾斜角度θAよりも第2傾斜面11342の傾斜角度θBを大きくすることで、電極オープンとならずに、基板111及びアクチュエータ113の短手方向の幅を低減できる。
また、上述した例では、液体吐出ヘッド1の第1傾斜面11341の傾斜角度θAを45°以下とする構成を説明したがこれに限定されない。即ち、個別電極118が形成される第1傾斜面11341の傾斜角度θAは、共通電極119が形成される第2傾斜面11342の傾斜角度よりも小さく、そして、フォトリソグラフィの露光時の反射光LBが、個別電極118がパターニングされる基板111上の領域に照射されない角度であれば、他の角度であってもよい。即ち、基板111のサイジングする領域に第1傾斜面11341の反射光LBが照射される構成であれば、個別電極118は電極オープンとならない。但し、基板111及びアクチュエータ113の短手方向の幅の低減、電極117の形成、反射光LBの管理等を考慮すると、第1傾斜面11341の傾斜角度θAは、45°又は45°よりも若干小さい角度であることが好ましい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、液体吐出ヘッドは、共通電極が設けられる第2傾斜面の傾斜角度を第1傾斜面の傾斜角度よりも大きくすることで、電極オープンとならずに、基板及びアクチュエータのサイズを低減できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…液体吐出ヘッド(インクジェットヘッド)、2…液体吐出装置(インクジェット記録装置)、11…ヘッド本体、12…マニフォールドユニット、13…回路基板、14…カバー、111…基板、112…枠部材、113…アクチュエータ、114…ノズルプレート、116…共通液室、117…電極、118…個別電極、119…共通電極、121…マニフォールド、122…天板、123…インク供給管、124…インク排出管、125…温調水供給管、131…配線フィルム、132…ドライバIC、133…プリント配線基板、141…外郭体、142…マスクプレート、1111…供給口、1112…排出口、1116…接続部、1131…圧力室、1132…空気室、1133…圧電体(駆動素子)、1134…傾斜面、1135…防液壁、1141…ノズル、1142…ノズル列、1161…第1共通液室、1162…第2共通液室、1163…第3共通液室、1171…第1電極部、1172…第2電極部、1211…供給流路、1213…温調用流路、11341…第1傾斜面、11342…第2傾斜面、2001…搬送路、2111…筐体、2112…媒体供給部、2113…画像形成部、2114…媒体排出部、2115…搬送装置、2116…温調装置、2117…メンテナンス装置、2118…制御部、2120…支持部、2130…ヘッドユニット、2132…供給タンク、2134…ポンプ、2135…接続流路、21121…給紙カセット、21141…排紙トレイ、21181…CPU、21201…搬送ベルト、21202…支持プレート、21203…ベルトローラ、21211…ガイドプレート対、21212…ガイドプレート対、21213…ガイドプレート対、21214…ガイドプレート対、21215…ガイドプレート対、21216…ガイドプレート対、21217…ガイドプレート対、21218…ガイドプレート対、21221…搬送用ローラ、21222…搬送用ローラ、21223…搬送用ローラ、21224…搬送用ローラ、21225…搬送用ローラ、21226…搬送用ローラ、21227…搬送用ローラ、21228…搬送用ローラ、P…用紙。

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板に設けられ、一方向に長く形成され、長手方向に沿って延びる第1傾斜面、前記長手方向に沿って延び、前記第1傾斜面よりも傾斜角度が大きい第2傾斜面、及び、短手方向に延びる複数の圧力室を有するアクチュエータと、
    前記基板上及び前記第1傾斜面に形成され、前記複数の圧力室をそれぞれ駆動する複数の個別電極と、
    前記基板上及び前記第2傾斜面に形成され、前記複数の圧力室を駆動する共通電極と、
    を備える液体吐出ヘッド。
  2. 前記第1傾斜面は、前記基板の前記アクチュエータが設けられる面に対する傾斜角度が45°以下であり、
    前記第2傾斜面は、前記基板の前記アクチュエータが設けられる面に対する傾斜角度が45°よりも大きい、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記第1傾斜面は、前記複数の個別電極及び前記共通電極を形成するフォトリソグラフィによる光の入射角及び反射角の和が90°以下であり、
    前記第2傾斜面は、前記光の入射角及び反射角の和が90°より大きい、請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記アクチュエータは、前記短手方向で前記基板に一対設けられ、
    前記一対のアクチュエータの前記第2傾斜面は前記短手方向で隣り合う、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記アクチュエータは、前記複数の圧力室と交互に配置される複数の空気室を有する、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
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