JP2023170286A - ピント調節剤 - Google Patents

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洋介 中澤
Yosuke Nakazawa
尚紀 森下
Hisanori Morishita
伸 遠藤
Shin Endo
正樹 三宅
Masaki Miyake
仁志 三皷
Hitoshi Miko
元詞 早野
Motoshi Hayano
一男 坪田
Kazuo Tsubota
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Hayashibara Co Ltd
Tsubota Laboratory Inc
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Hayashibara Co Ltd
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Abstract

【課題】手軽で簡便かつ長期間安全に摂取することができ、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を予防、緩和及び改善し得る新たなピント調節剤を提供することを課題とする。【解決手段】グリコシルヘスペレチンを有効成分として含有してなるピント調節剤を提供することにより、上記の課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、グリコシルヘスペレチンを有効成分として含有してなるピント調節剤に関する。
老視は、40歳以上の全てのヒトが発症すると言われており、日本では6,500万人、世界では18億人の罹患者が存在すると推定されている。高齢化社会である現代において、老視は、生活の質(QOL:Qualityof life)に直結する問題として重要視されており、効果的な老視対策が望まれている。さらに、近年、加齢に伴い発生する典型的な老視のみならず若年性の老視、すなわち、比較的低年齢の子供でもピント調節が困難となり、老視の症状を訴えることがあることが明らかとなってきており、より幅広い世代に容易かつ安全に適用できる老視対策方法の開発の重要性が増している。
老視は、眼のピントを調節する力が衰えることにより起こり、近くのものを見る際に困難をきたした状況を指していうもので、典型的には、加齢とともに発症することから、俗に「老眼」とも呼ばれている。しかしながら、加齢などの原因によって、前記毛様体の筋力が低下すること等で、ピント調節が困難となり、特に近くを見る力(近見視力)が低下する。
老視への対策としては、一般的には老視用眼鏡、老視用コンタクトレンズなどによる矯正が選択肢として挙げられる。しかし、老視用眼鏡やコンタクトレンズを使っての生活には掛け外しの煩わしさがあり、例えば、日常的なサプリメントの摂取により老視が予防、緩和及び改善するのであれば、QOLは著しく向上する。
本発明は上記従来技術に鑑みて為されたもので、手軽で簡便かつ長期間安全に摂取することができ、老視などのピント調節不良や近見視力の低下を予防、緩和及び改善し得る新たなピント調節剤を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明者等は、鋭意研究努力を重ねた結果、意外にもグリコシルヘスペレチンを経口摂取することで老視などのピント調節されることを新規に見出し、本発明のピント調節剤を完成した。
すなわち、本発明は、一実施形態において、グリコシルヘスペレチンを有効成分として含有してなるピント調節剤を提供することにより、上記の課題を解決するものである。
本発明の一実施形態に係るピント調節剤は、グリコシルヘスペレチンを有効成分として含有してなるピント調節剤であって、ヒトが日常的に継続的に安全かつ容易に、そして、不快感なく経口摂取することなどができ、しかも、工業的に安価に提供され得る。また、一実施形態において、本発明に係るピント調節剤によれば、老視などのピント調節不良や近見視力の低下を効果的に抑制することができる。
グリコシルヘスペレチンを含有する被験試料及び対照試料を3ヶ月間摂取させた時のヒト(40歳代)の近見視力の変化量を示す図である。 グリコシルヘスペレチンを含有する被験試料及び対照試料を3ヶ月間摂取させた時のヒト(40歳代後半)の近見視力の変化量を示す図である。
以下、本発明の実施態様について説明するが、それらは本発明を実施するうえでの好ましい態様のあくまで例示であり、本発明は、それら実施態様に何ら限定されるものではない。
本発明は、ある一側面において、グリコシルヘスペレチンを有効成分として含有してなるピント調節剤、及び、グリコシルヘスペレチンを有効成分として用いることを特徴とするピント調節方法に関するものである。
本発明のピント調節剤の有効成分として用いられるグリコシルヘスペレチンとは、ヘスペレチンに糖類が結合した化合物全般を包含し、一実施形態において、その好適な具体例としては、へスペリジン、α-グリコシルヘスペリジン、及び7-O-β-グルコシルヘスペレチンから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
ヘスペリジンは、ビタミンPとも呼ばれ、ラムノースとグルコースとからなるルチノースがヘスペレチンに結合した構造を有する、下記化学式1に示す構造式で表わされる化合物で、柑橘類の果皮等に多く含まれている成分である。
化学式1:
Figure 2023170286000001
また、7-O-β-グルコシルヘスペレチンは、下記化学式2で表わされる、ヘスペリジンのルチノースを構成するラムノース基が離脱した構造を有する化合物であり、ヘスペリジンと比べ、水溶性が高い特徴を有している。7-O-β-グルコシルヘスペレチンは、例えば、特開平10-323196号公報に示されるとおり、ヘスペリジンを含有する溶液にα-L-ラムノシダーゼ(EC 3.2.1.40)を作用させて製造することができる。
化学式2:
Figure 2023170286000002
更に、α-グリコシルヘスペリジンは、ヘスペリジンに糖類(例えば、D-グルコース、D-フルクトース、又はD-ガラクトースなどの糖類)が等モル以上α-結合した化合物である。α-グリコシルヘスペリジンの代表例としては、ヘスペリジンのルチノース構造におけるグルコースにグルコースが1分子α-1,4結合した、下記化学式3で表わされるα-グルコシルヘスペリジン(別名:酵素処理ヘスペリジン、糖転移ヘスペリジン、水溶性ヘスペリジン、又は糖転移ビタミンP)が挙げられる。α-グルコシルヘスペリジン含有製品としては、例えば、商品名『林原ヘスペリジンS』(株式会社林原販売)が市販されている。
化学式3:
Figure 2023170286000003
グリコシルヘスペレチンは、従来から、各種飲食品、化粧品、医薬部外品、医薬品などの素材として広く用いられている、安全で汎用性の高い物質である。中でも、α-グリコシルヘスペリジンは、ヘスペリジンや7-O-β-グルコシルヘスペレチンと比べ水溶性が高く、取り扱い性に優れ、生体内においては、ヘスペリジンや7-O-β-グルコシルヘスペレチンと同様、生体内酵素の作用を受けてヘスペレチンにまで加水分解され、ヘスペレチン本来の生理活性を発揮する。
なお、本発明において、グリコシルヘスペレチンは、グリコシルヘスペレチンである限り、その由来、製法、純度等にかかわりなく用いることができるが、ある好適な一態様において、不純物のより少ない高純度品が好適に用いられ得る。高純度品としては、例えば、結晶化工程を経て得られる高純度グリコシルヘスペレチンやクロマトグラフィーによる精製工程を経て得られる高純度グリコシルヘスペレチンが含まれ得る。
ヘスペリジンは、例えば、ヘスペリジンを含有する植物である柑橘類の果実、果皮、種子、未熟果などを原料とし、水やアルコールなどの溶媒を適宜用いて抽出することにより、工業的にその所望量を製造することができる。また、α-グリコシルヘスペリジンは、例えば、特開平11-346792号公報などに開示されるとおり、ヘスペリジンとα-グルコシル糖化合物とを含有する溶液に、糖転移酵素を作用させて、α-グリコシルヘスペリジンを生成せしめ、これを採取することにより、工業的にその所望量を安価に製造することができる。更に、7-O-β-グルコシルヘスペレチンは、ヘスペリジンにα-L-ラムノシダーゼを作用させ、ヘスペリジンからラムノースを遊離させることにより生成させ、これを採取することにより、工業的にその所望量を安価に製造することができる。
また、本願と同じ出願人は、従来グリコシルヘスペレチンの欠点であるとされた、雑味、着色などを解消する目的で、その製造方法を改良することにより、雑味と着色はもとより、臭気(以下、「雑味、着色、及び臭気」を纏めて「雑味等」と言う場合がある。)が低減されたグリコシルヘスペレチンとその製造方法を確立し、国際公開第2015/133483号パンフレットに開示した。雑味等が低減された上記グリコシルヘスペレチンは、ヒトが日常的に継続的に安全かつ容易に、しかも、不快感なく経口摂取することなどができるとともに、工業的に安価に提供されるという優れた利点を有している。したがって、雑味等が低減された上記グリコシルヘスペレチンは、本発明のある好適な一態様において、好適なグリコシルヘスペレチンとして有利に用いることができる。
また本願明細書において、単にグリコシルヘスペレチンという場合、特に断らない限り、ヘスペリジン、α-グリコシルヘスペリジン、及び7-O-β-グルコシルヘスペレチンから選ばれる1種又は2種以上を含むグリコシルヘスペレチン混合物を意味することがある。また、ある好適な一態様において、有効成分として用いられるグリコシルヘスペレチンは、α-グリコシルヘスペリジンを含むものであることが好ましく、α-グリコシルヘスペリジンとしてα-グルコシルヘスペリジンを含むものが、本発明における所期の作用効果、すなわち、老視などのピント調節不良抑制作用や近見視力の低下抑制作用などの効果がより顕著に奏せられることからより好ましい。
以上述べたとおり、一実施形態において、本発明のピント調節剤の有効成分として含有せしめるグリコシルヘスペレチンは、ヘスペレチン骨格を有する化合物である(1)ヘスペリジン、α-グリコシルヘスペリジン(α-グルコシルヘスペリジンなど)、及び7-O-β-グルコシルヘスペレチンから選ばれる1種又は2種以上を主成分として含む組成物、つまり、グリコシルヘスペレチン混合物であり得、他に、その製造原料に由来するか、その製造工程で副次的に生成すると考えられる(2)ナリルチン、ジオスミン、ネオポンシリン、グルコシルナリルチンなどのフラボノイド、及び(3)塩類などの微量成分を含んでいてもよい。なお、一実施形態において、本発明のピント調節剤の有効成分として含有せしめる前記グリコシルヘスペレチンは、本発明の所期の作用効果が妨げられない範囲で、ヘスペレチンを含んでいてもよく、また、既知の物理的ないしは化学的手法等により水などの溶媒への分散性が高められたヘスペレチンを含んでいてもよい。
一実施態様において、本発明のピント調節剤の有効成分として含有せしめるグリコシルヘスペレチン、或いは、グリコシルヘスペレチン混合物は、乾燥固形物当たりのグリコシルヘスペレチン含量が合計で、通常、50質量%以上100質量%未満、好適には、60質量%以上100質量%未満、より好適には、70質量%以上100質量%未満、更に好適には、80質量%以上100質量%未満、より更に好適には、85質量%以上100質量%未満である。一実施態様において、本発明のピント調節剤の有効成分として含有せしめるグリコシルヘスペレチン、或いは、グリコシルヘスペレチン混合物の、乾燥固形物当たりのグリコシルヘスペレチン含量の上限は、通常、工業的に比較的大量、安価かつ容易に提供できる99質量%以下、より安価に提供するには98質量%以下、更により安価に提供するには97質量%以下であってもよい。しかし、当該グリコシルヘスペレチン、或いは、グリコシルヘスペレチン混合物の乾燥固形物当たりのグリコシルヘスペレチン含量が低い場合には、グリコシルヘスペレチン含量が高いものと比べ、必然的に多量用いられることとなり、その結果、操作が煩雑となり、取り扱い性が悪くなることから、ある好適な一態様において、グリコシルヘスペレチン含量の下限は、通常、50質量%以上、好適には、60質量%以上、より好適には、70質量%以上、更に好適には、80質量%以上、より更に好適には、85質量%以上とするのが望ましい。
なお、本願明細書で言うグリコシルヘスペレチン含量とは、グリコシルヘスペレチン含有組成物を試料とし、これを精製水により固形物濃度0.1%(w/v)になるよう希釈又は溶解し、0.45μmメンブランフィルターにより濾過した後、下記の条件による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析に供し、試薬ヘスペリジン(富士フィルム和光純薬株式会社販売)を標準物質として用い、UV280nmにおけるクロマトグラムに出現したピークの面積と、ヘスペリジン、α-グリコシルヘスペリジン(α-グルコシルヘスペリジンなど)などの各成分の分子量に基づき計算し、無水物質量換算した組成におけるグリコシルヘスペレチンに該当する各成分の含量の総和を意味する。当該HPLC分析によるグリコシルヘスペレチンに該当する各成分含量の定量方法は、例えば、下記(1)乃至(4)に示すとおりである。
<HPLC分析条件>
HPLC装置:『LC-20AD』(株式会社島津製作所製)
デガッサー:『DGU-20A3』(株式会社島津製作所製)
カラム:『CAPCELL PAK C18 UG 120』(株式会社資生堂製)
検出:UV検出器『SPD-20A』(株式会社島津製作所製)
データ処理装置:『クロマトパックC-R7A』(株式会社島津製作所製)
サンプル注入量:10μL
溶離液:水/アセトニトリル/酢酸(80/20/0.01(容積比))
流速:0.7mL/分温度:40℃
測定波長:280nm
<グリコシルヘスペレチンの定量>
(1)ヘスペリジン含量:HPLCにて分析し、そのピーク面積と、所定濃度の標準物質の試薬ヘスペリジン(富士フィルム和光純薬株式会社販売)のピーク面積との比に基づいて算出する。
(2)α-グルコシルヘスペリジン含量:HPLCにて分析し、そのピーク面積と、所定濃度の標準物質の試薬ヘスペリジン(富士フィルム和光純薬株式会社販売)のピーク面積との比と、α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンの分子量比に基づいて算出する。
(3)7-O-β-グルコシルヘスペレチン含量:HPLCにて分析し、そのピーク面積と、所定濃度の標準物質の試薬ヘスペリジン(富士フィルム和光純薬株式会社販売)のピーク面積との比と、7-O-β-グルコシルヘスペレチンとヘスペリジンの分子量比に基づいて算出する。
(4)その他のグリコシルヘスペレチン含量:HPLCにて分析し、そのピーク面積と、所定濃度の標準物質の試薬ヘスペリジン(富士フィルム和光純薬株式会社販売)のピーク面積との比と、その他のグリコシルヘスペレチンとヘスペリジンとの分子量比に基づいて算出する。
ある好適な一態様において、本発明のピント調節剤の有効成分として含有せしめるグリコシルヘスペレチンは、α-グルコシルヘスペリジンを含むα-グリコシルヘスペリジンであり得る。この場合、グリコシルヘスペレチン中のα-グルコシルヘスペリジンの好適な含量は、通常、乾燥固形物当たり、60質量%以上100質量%未満、好適には、70質量%以上100質量%未満、より好適には75質量%以上100質量%未満である。また、本発明のピント調節剤の有効成分として含有せしめるグリコシルヘスペレチンにおけるα-グルコシルヘスペリジン含量の上限は、基本的には上記した100質量%未満であるが、ある好適な一態様において、本発明に係るピント調節剤をより安価に提供するという観点からは、通常、工業的に比較的大量、安価かつ容易に提供できる99質量%以下、より好適には95質量%以下、更により好適には90質量%以下であってもよい。また、ある好適な一態様において、本発明のピント調節剤の有効成分として含有せしめるグリコシルヘスペレチンにおけるα-グルコシルヘスペリジン含量の下限は、上記グリコシルヘスペレチン混合物中のグリコシルヘスペレチン含量と同様の理由により、通常、60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上であるのが望ましい。
また、本発明のピント調節剤の摂取量に特段の制限はなく、当該剤の摂取頻度や摂取者の体の状態などによって、適宜調節することができるが、ある好適な一態様において、有効成分であるグリコシルヘスペレチンを全てヘスペリジンと見做して質量換算(以下、本願明細書においては、単に「ヘスペリジン換算」と言う。)したとき、一日あたり、ヘスペリジン換算で、通常、0.2乃至100mg/kg、好適には、0.4乃至80mg/kg、より好適には、0.6乃至40mg/kg、更に好適には、0.8乃至20mg/kg、更により好適には、1乃至10mg/kgの範囲としても良い。すなわち、例えば、体重50kgのヒトが摂取する場合、一日あたり、ヘスペリジン換算で、通常、10乃至5,000mg、好適には、20乃至4,000mg、より好適には、30乃至2,000mg、更に好適には、40乃至1,000mg、更により好適には、50乃至500mgの範囲としても良い。
別の好適な実施形態において、一日あたり、ヘスペリジン換算で、例えば、好適には、70mg以上、75mg以上、100mg以上、150mg以上、180mg以上、200mg以上、225mg以上、250mg以上、300mg以上、325mg以上、350mg以上であってよく、600mg以下、500mg以下、450mg以下、400mg以下、375mg以下であってもよく、例えば、150mg乃至500mg、150mg乃至400mg、180mg乃至400mg、180mg乃至375mg、180mg乃至350mg、150mg乃至200mg、150mg乃至225mg、175mg乃至225mg、175mg乃至200mg、200mg乃至300mg、225mg乃至275mg、250mg乃至300mg、250mg乃至275mg、300mg乃至400mg、300mg乃至450mg、350mg乃至450mg、350mg乃至400mg、400mg乃至600mg、450mg乃至550mg、500mg乃至600mg、500mg乃至550mgなどであってもよい。摂取回数は、何回であっても良いが、好適には3回以下、より好適には2回以下、更に好適には1回である。また、本発明のピント調節剤の摂取期間にも特段の制限はなく、単回乃至数回の摂取でもあっても良いが、ある好適な一態様においては、通常、1週間以上、好適には、2週間以上、より好適には、4週間以上、更に好適には、8週間以上、より更に好適には12週間以上に亘って摂取するのが望ましい。
以上のとおり、本発明の一実施形態に係るピント調節剤は、各種グリコシルヘスペレチンを有効成分として含有してなるものである。詳細は後述するものの、グリコシルヘスペレチンを有効成分として含有してなるピント調節剤をヒトが日常的に継続的に経口摂取することなどにより、老視などのピント調節不良抑制作用や近見視力の低下抑制作用の効果が発揮される。また、ある好適な一態様において、グリコシルヘスペレチンを有効成分として含有してなるピント調節剤は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下などの症状の予防、緩和や改善ができるだけでなく、老視などのピント調節不良や近見視力の低下などに起因する、目の疲労、目のかすみ、目の痛み、ドライアイ、肩こり、頭痛、首・肩・腕・背中の痛みやだるさ、手足のしびれ、めまい、不眠、ストレスの増大、活動量低下、体重減少、筋力低下、筋肉量低下、骨強度低下、骨密度低下、活力低下、認知機能低下、うつ病などの各種症状や転倒リスクの増大等、加齢に起因する白内障、緑内障、網膜剥離、網膜症、黄斑症、脈絡膜新生血管、後部ぶどう腫及び視神経症等の眼疾患などの各種疾患の予防、緩和や改善をするための所謂機能性食品として、また、サプリメント、健康食品、健康補助食品、美容食品、栄養補助食品、栄養機能食品、保健機能食品、機能性表示食品、特定保健用食品、特別用途食品、医薬部外品、医薬品として有利に用いることができる。また、ある好適な一態様において、グリコシルヘスペレチンを有効成分として含有してなるピント調節剤は、他の機能性食品、健康食品、美容食品、栄養機能食品、保健機能食品、機能性表示食品、特定保健用食品、医薬部外品、医薬品、或いは飲食品に適宜配合して利用することも随意である。
また、後述する実験例に示されるとおり、ある好適な一態様において、本発明では、近見視力の低下の予防、緩和、及び改善、とりわけ、加齢に伴う近見視力の低下の予防、緩和、及び改善に好適に用いられ得る。ここで近見視力とは、約30乃至40cmの距離の視力であり、好ましくは、両眼遠見視力が小数視力0.7以上の屈折矯正下で測定した近見視力である。近見視力の低下の予防、緩和、及び改善とは、グリコシルヘスペレチンを摂取しない場合と比較して、近見視力の低下を遅らせること、近見視力の低下の程度が小さくなること、或いは、近見視力が上昇することを含み得る。本発明が近見視力の低下の予防、緩和、及び改善に用いられる場合、その投与対象に特段の制限はないが、ある好適な一態様において、両眼遠見視力が小数視力0.7以上の屈折矯正下における近点距離の平均値が15乃至45cmの者、より好ましくは20乃至40cmの者、さらに好ましくは25乃至35cmの者であり得る。ここで近点距離は、ピントが合った状態で対象を見ることができる最も近い距離をいい、例えば、後述する実験例に示される方法により測定することができる。一方、投与対象者の年齢にも特段の制限はないが、ある好適な一態様において、加齢に伴う近見視力の低下が顕著に観察されるという観点から、投与対象者は成人であることが好ましく、より好適には、投与対象者の年齢は20歳乃至70歳、好ましくは30歳乃至60歳、より好ましくは、40歳乃至50歳、さらに好ましくは45歳乃至50歳であり得る。しかしながら、20歳未満の者を投与対象者としても良いことは言うまでもない。近年、ピント調節不良や老視の症状は、比較的低年齢の子供でも見られることが明らかとなってきており、一実施形態において、本発明のピント調節剤はこのような比較的低年齢の子供、例えば、20歳未満の者におけるピント調節不良や老視の症状を予防、緩和、乃至改善するために好適に用いられ得る。
また、ある好適な一態様において、グリコシルヘスペレチンを含有するピント調節剤は、視力低下の予防、緩和及び視力改善作用を有するその他の動植物由来物質やその抽出物又は化合物などの1種又は2種以上の成分と併用すると、グリコシルヘスペレチンが奏する老視などのピント調節不良や近見視力の低下などの症状の予防、緩和や改善、また、前述した各種疾患の予防、緩和や改善がより一層効果的に発揮されるので好ましい。
視力低下の予防、緩和及び視力改善作用を有するその他の動植物由来物質やその抽出物又は化合物としては、ウシ胆石、シンジュ、ボレイ、マムシ、ミミズ表皮、ユウタン、レイヨウカク、ロクジョウなどの動物性物質やその抽出物;アーティチョーク、アイブライト、アオダモ、アオミズ、アカザ、アカネ、アカヤジオウ、アキグミ、アグリモニー、アグニ果実、アケビ、アサイ果実、アサツキ、アサフェティダ、アシュワガンダ、アスナロ、アセンヤクノキ、アヒ・アマリージョ、アヒ・リモン、アブラナ、アベマキ、アマチャヅル、アニス、アメリカンマンサク、アリスチン、アルニカ、アンゼリカ、イカリソウ、イタドリ、イタリアンパセリ、イチョウ、イチヤクソウ、イチゴ、イトハユリ、イトフノリ、イヌハッカ、イヌビワ、イノンド、イペ樹皮、イロハモミジ、イワトユリ、インドセンダン、ウイキョウ、ウイッチヘーゼル、ウインターグリーン、ウコン、ウスベニタチアオイ、ウド、ウメ、ウラジロガシ、ウルピカ、エピメジウム・ブレビコルヌム、エイジツ、エキナセア、エゴマ、エシャロット、エゾウコギ、エニシダ、エルカンプーレ、エルダー、エルバ・マテ、オート麦、オールスパイス、オウギ、オウギヤシ、オウバク、オウレン、オオアザミ、オオツヅラフジ、オオバゲッキツ、オオバコ、オオバタネツケバナ、オオムギ、オカヒジキ、オタネニンジン、オトメユリ、オニタ、オニユリ、オレガノ、オレンジ、カヴァ、カキオドシ、カキカズラ、カホクザンショウ、カボチャ種子、カツアバ樹皮、カノコソウ、カノコユリ、カブ、カボス、カモミール、カラシナ、カラタチ、ガラナ、カルカデ、カルダモン、カレープラント、カンアオイ、カンゾウ、カントウ、キキョウ、ギシギシ、キダチトウガラシ、キャラウェイ、ギョウジャニンニク、キョウニン、キンカン、キンセンカ、キンマ、クサギ、クスノハガシワ、クズ、クチナシ、クミン、クララ根、クラリセージ、クルマユリ、クルミ、グレープフルーツ、クレソン、クローブ、クロガラシ、ケイガイ、ケッパー、ケツメイシ、ゲンノショウコ、コケモモ、コショウ、コナギ、コリアンダー、サガラメ、ザクロ、サツマイモ、サネブトナツメ、サフラン、サルサパリラ、サンザシ、サンショウ、シークヮーサー、シシウド、シシトウガラシ、シソ、シカクマメ、シコン、シナニッケイ樹皮・樹枝・根皮、シモツケソウ、シャクヤク、ジャスミン、シャクヤク、ジャノヒゲ、ショウガ、ショウマ、ショウヨウダイオウ、シラヤマギク、シロガラシ、シロザ、シロヨメナ、ジンコウ、スダチ、ステビア、スペインカンゾウ、セージ、セイボリー、セイヨウイラクサ、セイヨウオオバコ、セイヨウオトギリソウ、セイヨウカノコソウ、セイヨウカラシナ、セイヨウタンポポ、セイヨウニワトコ、セイヨウフキ、セイヨウワサビ、セイロンニッケイ樹皮・樹枝・根皮、セキセツソウ、セリ、センキュウ、センブリ、ソバ、ソレル、ダイオウ、ダイコン、タイマツバナ、タイム、タカサゴユリ、タデ、タネツケバナ、ダビラ・ルゴサ、タマネギ、タモトユリ、タラゴン、チコリ、チャービル、チャイブ、チャデブグレ、チョウジ、チンネベリーセンナ、ツボクサ、ツリーオニオン、ツルドクダミ、デイジー、ディル、デビルスクロー、ツワブキ、テッポウユリ、デビルスクロー根、テンチャ、トウガラシ、トウキ根、トウシキミ果実、トウニン、ドクダミ、トケイソウ、トゲナシ、トチバニンジン、トチュウ葉、トマト、トルメンチラ、ナガバギシギシ、ナツシロギク、ナツメ、ニガヨモギ、ニラ、ニワトコ、ニンニク、ノウゼンハレン、ノコギリヤシ、ノコンギク、ノビル、ネギ、バジル、ハッカ、ハカタユリ、ハギ、ハゴロモグサ、ハジカミ、ハスイモ、パセリ、パチョリ、パッションフラワー、パッションフルーツ、ハトムギ、バニラ、ハバネロ、パフィア根、パプリカ、ハマスゲ、ハマビシ、パラミツ、ハラペーニョ、ピーマン、ヒカンザクラ、ヒソップ、ヒノキ、ヒハツ、ヒハツモドキ、ヒマワリ、ヒメウワバミソウ、ヒメニラ、ヒメユリ、ビラコ、ピリピリ、ビンロウジュ、ブート・ジョロキア、フウトウカズラ、フェヌグリーク種子、フェンネル、フキ、フジマメ、ブラックコホシュ、ブンタン、ヘチマ、ベニバナ、ベニバナボロギク、ヘンナ、ヘンルーダ、ボウフウ、ボタン、ホップ、マオウ、マジョラム、マタタビ、マチルス、マツ、マテバシイ、マテ茶、マドンナ・リリー、マリアアザミ種子、マロニエ種子、ミカン、ミシマサイコ根、ミツバ、ミツバウツギ、ミョウガ、ムベ、ムラサキバレンギク、モズク、ヤナギ、ヤブカンゾウ、ヤマトゲバンレイシ、ヤマノイモ、ヤマユリ、ヤマラッキョウ、ユズ、ヨウサイ、ヨメナ、ライチ種子、ライム、ラッキョウ、ラベージ、ラベンダー、ラムズイヤー、リーガル・リリー、リーキ、リュウキュウチク、リュウキュウバライチゴ、リンゴ未熟果、リンデン花、ルイボス、ルッコラ、ルバーブ、ルリジサ、レタス、レモン、レモングラス、レモンタイム、レモンバーベナ、レモンバーム、レモンマートル、レンギョウ、ローズヒップ、ローズピンクバッツ、ローズマリー、ローズレッド、ローゼル、ローレル、ロコト、ロゼア、ロッグウッド、ワケギ、ワサビ、ワレモコウ、レンゲ草、柿葉、甘草葉、黒大豆種皮、黒米種子、月桃葉、細葉百合、西洋ヤナギ、長明草などの植物またはその抽出物;ハナフノリ、フクロフノリ、マフノリなどの海藻の抽出物;生コーヒー豆、甘藷焼酎粕、サルノコシカケ菌糸体やアガリクス菌糸体などの抽出物;及びレスベラトロール、ケルセチン、クロロゲン酸、アントシアニン、クルクミン、ケンフェロール、カテキン類、フラボノイド類などのポリフェノール;アスタキサンチン、β-クリプトキサンチン、リコペン、フコキサンチン、ルテイン、クロセチン、レチノール、レチナール、レチノイン酸、β-カロテンなどのカロテノイド、塩酸ピロカルピンなどのピロカルピン類、エフェドリン,アスピリン,サリチル酸ナトリウム,インスリン,アドレナリン,アセチルコリン、サリシン、サリチル酸、サリチル酸コリン、ジフルニサル、エテンザミド、メフェナム酸、ジクロフェナック、スリンダク、インドメタシン、フェルビナク、エトドラク、トルメチン、ナプトメン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトブロフェン、ナプロキセン、フェノブロフェン、オキサブロジン、ロキソプロフェン、ザルトプロフェン、ケトロラク、ピロキシカム、アンピロキシカム、メロキシカム、ロルノキシカム、テノキシカム、セレコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブナトリウム、塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、エピリゾール、エモルファゾン、メピリゾール、アセトアミノフェン、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、ケトフェニルブタゾン、フェプラゾン、スルフィンピラゾン、アンチピリン、スルピリン、イソプロピルアンチピリン、グリシン、テアニン、GABA、清酒酵母、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ゾルピデム酒石酸塩、トリアゾラム、ゾピクロン、エスゾピクロン、エチゾラム、ブロチゾラム、リルマザホン塩酸塩、ロルメタゼパム、フルニトラゼパム、エスタゾラム、ニトラゼパム、クアゼパム、フルラゼパム塩酸塩、ハロキサゾラム、ラメルテオン、スボレキサント、ミルタザピン、アミトリプチリン、ミアンセリン、トラゾドン、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、レボメプロマジン、クロルプロマジン、アリイン、アリシン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ショウガオール、ジンゲロール、ジンゲロン、ジンギベレン、ピペリン、サンショオール、サンショアミド、ゲランオール、アリルイソチオシアネート、フェネチルイソチオシアネート、シニグリン、シナルビン、スルフォラファングルコシノレート、エクオール、イソフラボン、L-チロシン、L-フェニルアラニン、L-トリプトファン、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸、L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、4-(2-アミノエチル)ベンゼン-1,2-ジオール、ノルアドレナリン、アドレナリン、5-ヒドロキシトリプタミン、カフェ酸、イフェンプロジル、α-リポ酸、4-ヒドロキシカルコン、エルゴチオネイン、レスベラトロール、カルノシン、カルニチン、サルソリノール臭化水素酸塩、シナピン酸、フェルラ酸、ケイ皮酸、トコフェリルニコチネート、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノール、ニコチン酸アミド、プロアントシアニン、加水分解性タンニン、カテコール、クロロゲン酸、イソクロロゲン酸、ネオクロロゲン酸、クリプトクロロゲン酸、カフェオイルキナ酸などのクロロゲン酸類、シアニジン、ロイコシアニジン、プルニン、プロシアニドール・オリゴマー、グルコシルルチン、グルコシルナリンギン、ルテイン、アスタキサンチン、デルフィニジン、デルフィニジングルコシド、ベリーエキス、ブルーベリーエキス、ビルベリーエキス、プルーンエキス、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、β-カロテン、アルファリポ酸、レシチン、亜鉛、セレン、L-グルタチオン、N-アセチル-L-システイン、リコピン、セサミン、ゼアキサンチン、タウリン、乳酸菌、コエンザイムQ10、緑茶エキス、イチョウ葉エキス、ブドウ種子エキス、松樹皮エキス、またはこれらの誘導体などが挙げられる。
本発明のピント調節剤の形態に特段の制限はないが、ある好適な一態様において、例えば、トローチ、肝油ドロップ、複合ビタミン剤、口中清涼剤、口中香錠、経口・経管栄養剤、内服薬などの各種固状、顆粒状、粉末状、懸濁状、ペースト状、ゼリー状、カプセル状、液状の形態とすることができ、また、前記形態にある各種組成物に配合して利用することも随意である。また、前記形態とする方法、及び、前記形態にある各種組成物に含有せしめる方法に特段の制限はないが、例えば、それらの形態にある組成物が完成するまでの工程で、混和、混捏、混合、添加、溶解、浸漬、浸透、散布、塗布、噴霧、注入などの公知の1種又は2種以上の方法を適宜用いることができる。なお、本発明のピント調節剤の有効成分として含有せしめるグリコシルヘスペレチンの当該剤への配合量は、所期の作用効果を奏する限り随意である。
上記の方法において、有効成分として用いられるグリコシルヘスペレチンの好適な組成、製造方法、含量、摂取量、及び、他の成分との併用等についてはピント調節剤について述べたと同様である。グリコシルヘスペレチンを有効成分として用いることを特徴とする本発明の一実施形態に係るピント調節方法は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下などの症状を予防、緩和や改善する方法として、更には、老視などのピント調節不良や近見視力の低下などに起因する、目の疲労、目のかすみ、目の痛み、ドライアイ、肩こり、頭痛、首・肩・腕・背中の痛みやだるさ、手足のしびれ、めまい、不眠、ストレスの増大、活動量低下、体重減少、筋力低下、筋肉量低下、骨強度低下、骨密度低下、活力低下、認知機能低下、うつ病などの各種症状や転倒リスクの増大等、加齢に起因する白内障、緑内障、網膜剥離、網膜症、黄斑症、脈絡膜新生血管、後部ぶどう腫及び視神経症等の眼疾患などの各種疾患を予防、緩和や改善するための方法として有利に使用され得る。
本発明について、以下の実験によって更に詳細に説明する。
<実験1:グリコシルヘスペレチンの摂取が近見視力及びピント調節機能に及ぼす影響>
ヒトに、グリコシルヘスペレチンを摂取させた後の近見視力を測定し、ヒトの近見視力及びピント調節機能に対するグリコシルヘスペレチン摂取の影響を検討した。
<実験1-1:被験者の選定>
被験候補者として健常成人51名(31才乃至61才)の男女に対し、被験者を選抜するために近点距離を測定した。近点距離は、老視の指標のひとつであり、近点距離測定器具を作製して測定を行った。詳細には、被験候補者は、測定前5分間、着座状態、屈折矯正下(眼鏡を使用している人は眼鏡を使用したまま)、スマートフォンやPCディスプレイ等を見せない環境下で安静にさせた。近点距離の測定は、近点距離測定器具の額固定板に被験者の額を接触させた後、被験者自身の手で、新聞記事を貼付した可動板を額固定板と接触させた状態から床と平行方向に徐々に遠ざけさせ、可動板上に貼付した新聞記事の文字に焦点(ピント)が合う点(近点)で可動板を止めさせ、額固定板から可動板までの距離を測定者が定規で測定した。この測定値に額固定板の厚さを加えた値を近点距離とした。近点距離は3回測定し、両眼遠見視力が小数視力0.7以上の屈折矯正下における近点距離の平均値が、初期老視の指標である25乃至35cmであった者32名(40才乃至61才)を被験者とし、後述する近見視力、性別及び年齢が均等になるよう二群に群分けを行った。
近見視力は、被験者を測定前5分間、着座姿勢で、屈折矯正下でスマートフォンやPCディスプレイ等を見せない環境下で安静にさせた後、C&E・近見視力カード40cm紐付(#7280、株式会社テイエムアイ社販売)を用いて、両眼遠見視力が小数視力0.7以上の屈折矯正下における両眼で測定した。詳細には、直立した状態において、被験者の眼の高さと同じ高さに、ランドルト環などの視標記号が表示されたカードを設置し、カードに接続された40cmの紐が弛まないようにしながら、眼とカードの距離を保持した状態で視標記号を回答させた。被験者が視標記号の識別を躊躇するか失敗するまで、より小さな視標記号を使用して測定を続けた。被験者32名の近見視力の平均値は0.12であり、その範囲は-0.15乃至0.65であった。ここで、近見視力の表記には、数値処理が可能なlogMAR視力を用いた。
<実験1-2:各被験試料の調製>
常法に従い、グリコシルヘスペレチンとして、グルコシルヘスペリジン(「林原ヘスペリジンS」、株式会社林原販売)を含有し、下記表1に示す組成からなるタブレット形態にある被験試料1(質量:755mg/1錠)及び同様の外観性状、風味を呈する対照試料(質量:758mg/1錠)を調製した。
<実験1-3:グリコシルヘスペレチン長期摂取が近見視力及びピント調節機能に及ぼす影響>
被験者には、摂取試料が被験試料1と対照試料のいずれであるかを知らせることなく、被験試料1または対照試料を任意の時間帯に一日一回二錠、3ヶ月連続で摂取させた。近見視力の測定は、上記実験1-1と同様の方法を用いて行い、摂取開始前と摂取開始1、2、3ヶ月後に実施した。なお、試験デザインは無作為化プラセボ対照二重盲検試験とした。一般的に加齢に伴う近見視力及びピント調節機能の低下が最も顕著に観察される40歳代及び40歳代後半の被験者について、摂取開始前を基準としたときの近見視力の変化量を解析した結果を表2及び図1及び2に示した。
<統計解析>
測定値は平均値±標準誤差(SE)で表した。統計解析には、IBM SPSS Statistics26(日本アイ・ビー・エム株式会社販売)を用い、統計処理は、各測定ポイントでマンホイットニーのU検定にて行った。有意水準(p値)として0.05未満(危険率5%未満)を有意差ありと判断した。
表2に示されるように、年齢が40歳代(40乃至49歳、n=17)の被験者において、対照試料を摂取させた被験者(43乃至49歳、n=9)の近見視力の変化量の平均値は、試料摂取開始1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後において、それぞれ、0.05±0.03、0.01±0.04、及び0.02±0.04であり、近見視力が徐々に低下する傾向が見られたのに対し、被験試料1を摂取させた被験者(40乃至49歳、n=8)の近見視力の変化量の平均値は、試料摂取開始1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後において、それぞれ、-0.04±0.02、-0.04±0.02、及び-0.06±0.02であり、むしろ、近見視力が徐々に改善する傾向が見られた。特に、試料摂取開始後1ヶ月後及び3ヶ月後において、対照試料を摂取させた被験者と比べて、被験試料1を摂取させた被験者においては、顕著な近見視力の変化量の低下が認められた。この結果は、被験試料1を摂取した40代の被験者においては、近見視力の低下が顕著に抑制されていること、さらには、驚くべきことに、近見視力の低下が抑制されるにとどまらず、近見視力が改善されていることを示している。さらに驚くべきことに、被験者が40歳代後半(46乃至49歳、n=10)の場合は、対照試料を摂取させた被験者(46乃至49歳、n=5)の近見視力の変化量の平均値が、試料摂取開始1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後において、それぞれ、0.12±0.01、0.10±0.02、及び0.10±0.02であり、近見視力が低下する傾向が40歳代の被験者全体と比べて顕著に見られたのに対し、被験試料1を摂取させた被験者(46乃至49歳、n=5)の近見視力の変化量の平均値は、試料摂取開始1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後において、それぞれ、-0.05±0.02、-0.06±0.02、及び-0.07±0.03であり、更に顕著な近見視力の変化量の低下、すなわち、近見視力が向上する傾向が認められた。この結果は、被験試料1を摂取した40歳代後半の被験者においては、近見視力の低下が抑制されていること、そして、それに留まらず、近見視力が顕著に改善されていることを示している。以上の結果は、グリコシルヘスペレチンの経口摂取によって、加齢に伴う近見視力の低下が抑制されるとともに、近見視力が改善されることを示している。この結果は、グリコシルヘスペレチンは加齢による近見視力の低下やピント調節不良を予防乃至改善する作用を有し、ピント調節剤の有効成分として極めて有用であることを物語っている。
以下、実施例に基づき、本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例1
<粉末形態のピント調節剤>
市販のα-グルコシルヘスペリジン含有粉末(商品名『林原ヘスペリジンS』、株式会社林原販売)をピント調節剤とした。本品は、ピント調節作用または近見視力の低下抑制作用を発揮し、水、お茶、紅茶、コーヒーなどの各種飲料や他の飲食品に添加し、日常的に経口摂取することができる、保存安定性及び熱安定性に優れたピント調節剤である。
実施例2
<錠剤形態のピント調節剤>
グリコシルヘスペレチン含有粉末(α-グルコシルヘスペリジン82質量%、ヘスペリジン1質量%、7-O-β-グルコシルヘスペレチン8質量%、その他成分9質量%)(株式会社林原調製品)1質量部と、α,α-トレハロース二含水結晶含有粉末(登録商標『トレハ』、株式会社林原販売)19質量部、ルテイン0.1質量部、アスタキサンチン0.1質量部を均一に混合し、常法に従って打錠し、一錠250mgの錠剤形態のピント調節剤を得た。本品は、老視を発症している患者、ピント調節や近見視力の低下に不具合を感じているヒト或いは老視の発症が危惧されるヒトに、通常、成人1日当たり、上記グリコシルヘスペレチンとして、ヘスペリジン換算で、10~5000mg相当を目安に日常的に摂取させることにより、その症状を緩和又は改善できるとともに、その発症を効果的に改善、遅延乃至は予防することができる。
実施例3
<清涼飲料水形態のピント調節剤>
水5000質量部に、砂糖200質量部、α,α-トレハロース二含水結晶含有粉末(登録商標『トレハ』、株式会社林原販売)100質量部、クエン酸6質量部、塩化ナトリウム6質量部、塩化カリウム0.2質量部、乳酸カルシウム0.05質量部、塩化マグネシウム0.01質量部、α-グルコシルヘスペリジン結晶粉末(純度99質量%以上、株式会社林原調製品)5質量部と、アスコルビン酸2-グルコシド無水結晶含有粉末(登録商標『アスコフレッシュ』、株式会社林原販売)0.1質量部を均一に溶解して、清涼飲料水形態のピント調節剤を得た。本品は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防するための、風味、呈味ともに良好なピント調節剤である。
実施例4
<ハードキャンディー形態のピント調節剤>
α,α-トレハロース二含水結晶含有粉末(登録商標『トレハ』、株式会社林原販売)10質量部と水20質量部とを155℃の減圧下で、水分約2%以下になるまで濃縮し、次いで、120℃まで冷却し、これにアスコルビン酸2-グルコシド無水結晶粉末(登録商標『アスコフレッシュ』、株式会社林原販売)0.5質量部及びα-グルコシルヘスペリジン含有粉末(商品名『林原ヘスペリジンS』、株式会社林原販売)0.5質量部、ルテイン0.01質量部、アントシアニン0.01質量部及びレモン香料を適量混和し、次いで常法に従って、成形、包装してハードキャンディー形態のピント調節剤を得た。本品は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防するための、風味、呈味ともに良好なピント調節剤として有用である。
実施例5
<チューイングガム形態のピント調節剤>
ガムベース3質量部を柔らかくなるまで加熱融解し、α,α-トレハロース(登録商標『トレハ』、株式会社林原販売)6質量部及びグリコシルヘスペレチン含有粉末(α-グルコシルヘスペリジン82質量%、ヘスペリジン1質量%、7-O-β-グルコシルヘスペレチン8質量%、その他成分9質量%)(株式会社林原調製品)を1質量部加え、さらに、ベリーエキス0.1質量部と適量の着色料、着香料をそれぞれ混合した後、常法により練り合わせ、成型し、包装してα-グルコシルヘスペリジンを含有するチューインガムを得た。本品は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防するための、風味、テクスチャーともに良好なピント調節剤として有用である。
実施例6
<経管経口栄養剤形態のピント調節剤>
マルトース(商品名『マルトースPH』、株式会社林原販売)30質量部、グルタミン酸ナトリウム3質量部、グリシン2質量部、塩化ナトリウム2質量部、炭酸マグネシウム0.3質量部、乳酸カルシウム1質量部、α-グルコシルヘスペリジン結晶粉末(純度99質量%以上、株式会社林原調製品)5質量部、ビタミンA 0.02質量部、ビタミンB2 0.02質量部、ビタミンB6 0.02質量部及びビタミンB12 0.02質量部からなる配合物を調製した。この配合物を30gずつラミネートアルミ袋に小分けし、ヒートシールして経管経口栄養剤形態のピント調節剤を調製した。本品は、一袋約250乃至500mLの滅菌水に溶解し経管又は経口的に、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防するための液剤として有利に利用できる。
実施例7
<カプセル剤形態のピント調節剤>
酢酸カルシウム1水塩10質量部、L-乳酸マグネシウム3水塩50質量部、マルトース57質量部、α-グルコシルヘスペリジン含有粉末(商品名『林原ヘスペリジンS』、株式会社林原販売)20質量部、及びビタミンE20%含有γ-シクロデキストリン包接化合物12質量部、及びブルーベリーエキス粉末1質量部を均一に混合し、顆粒成形機にかけて顆粒とした後、常法に従って、ゼラチンカプセルに封入して、1カプセル当たり内容物を150mg含有するカプセル剤形態のピント調節剤を得た。本品は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防するための液剤として有利に利用できる。
実施例8
<カプセル剤形態のピント調節剤>
酢酸カルシウム1水塩10質量部、L-乳酸マグネシウム3水塩50質量部、マルトース57質量部、グリコシルヘスペレチン含有粉末(α-グルコシルヘスペリジン82質量%、ヘスペリジン1質量%、7-O-β-グルコシルヘスペレチン8質量%、その他成分9質量%)(株式会社林原調製品)20質量部、及びビタミンA20%含有γ-シクロデキストリン包接化合物10質量部、DHA20%含有γ-シクロデキストリン包接化合物0.5質量部、EPA20%含有γ-シクロデキストリン包接化合物0.5質量部、β-カロテン20%含有γ-シクロデキストリン包接化合物0.5質量部及びアルファリポ酸20%含有γ-シクロデキストリン包接化合物0.5質量部を均一に混合し、顆粒成形機にかけて顆粒とした後、常法に従って、ゼラチンカプセルに封入して、1カプセル当たり内容物を150mg含有するカプセル剤形態のピント調節剤を得た。本品は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防するための液剤として有利に利用できる。
実施例9
<ソフトカプセル剤形態のピント調節剤>
α-グルコシルヘスペリジン結晶粉末(純度99質量%以上、株式会社林原調製品)10質量部、ブルーベリー果実抽出物10質量部、カシス抽出物2質量部、デルフィニジングルコシド1質量部、β-カロテン30%懸濁物2質量部、ビタミンA0.1質量部、ビタミンE0.1質量部、アスタキサンチン0.1質量部、ルテイン0.1質量部、グリセリン脂肪酸エステル5質量部、及び大豆レシチン20質量部、及びサフラワー油65質量部を均一に混合した後、常法に従って、ゼラチン及びグリセリンを含有するソフトカプセル皮膜で被覆し、1カプセル当たり内容物を350mg含有するソフトカプセル剤形態のピント調節剤を得た。本品は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防するための液剤として有利に利用できる。
実施例10
<錠剤形態のピント調節剤>
α-グルコシルヘスペリジン含有粉末(登録商標『林原ヘスペリジンS』、株式会社林原販売)29質量部、マルトース(登録商標『サンマルト』、株式会社林原販売)70質量部、及びショ糖ステアリン酸エステル1質量部、アスタキサンチン0.1質量部、緑茶エキス0.1質量部、イチョウ葉エキス0.1質量部、ブドウ種子エキス0.1質量部をそれぞれ均一に混合した後、常法により打錠して錠剤形態のピント調節剤を得た。本品は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防する効果を有し、健康食品としても有用である。
実施例11
<粉末形態のピント調節剤>
グリコシルヘスペレチン含有粉末(α-グルコシルヘスペリジン82質量%、ヘスペリジン1質量%、7-O-β-グルコシルヘスペレチン8質量%、その他成分9質量%)(株式会社林原調製品)を10質量部、蔗糖3質量部、マルチトール1質量部、及び水溶性食物繊維15質量部(登録商標『ファイバリクサ』、株式会社林原販売)を撹拌混合し、スティック状の遮光・防湿性包装容器に5gずつ収容し、粉末形態のピント調節剤を得た。本品は、一日当たり、その1乃至3包を水、お茶、紅茶、コーヒーなどの各種飲料や他の飲食品に添加し、日常的に経口摂取することができる。本品は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防する効果を有し、健康食品としても有用である。
実施例12
<錠剤形態のピント調節剤>
L-アスコルビン酸10質量部、α-グルコシルヘスペリジン結晶粉末(純度99質量%以上、株式会社林原調製品)19質量部、マルトース(登録商標『サンマルト』、株式会社林原販売)70質量部、ショ糖ステアリン酸エステル1質量部、亜鉛0.01質量部、セレン0.01質量部及びL-グルタチオン0.01質量部をそれぞれ均一に混合した後、常法により打錠して錠剤形態のピント調節剤を得た。本品は、風味、テクスチャーともに良好なピント調節剤として有用である。本品は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防する効果を有し、健康食品としても有用である。
実施例13
<グミキャンディー形態のピント調節剤>
市販のα-マルトシルトレハロース含有シラップ(登録商標『ハローデックス』、株式会社林原販売)150質量部を減圧下で加熱して水分含量15質量%まで濃縮し、常法に従ってゼラチン13質量部を水18質量部に溶解したものとα-グルコシルヘスペリジン含有粉末(商品名『林原ヘスペリジンS』、株式会社林原販売)2質量部、クエン酸2質量部、アスコルビン酸2-グルコシド無水結晶粉末(登録商標『アスコフレッシュ』、株式会社林原販売)0.1質量部、グルコシルルチン0.1質量部及び塩化ナトリウム0.1質量部並びに適量の着色料及び着香剤を均一に混合した後、成型し、包装してα-グルコシルヘスペリジンを含有するグミキャンディー形態のピント調節剤を得た。本品は、風味、テクスチャーともに良好なピント調節剤として有用である。本品は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防する効果を有し、健康食品としても有用である。
実施例14
<サプリメント形態のピント調節剤>
グリコシルヘスペレチン含有粉末(α-グルコシルヘスペリジン82質量%、ヘスペリジン1質量%、7-O-β-グルコシルヘスペレチン8質量%、その他成分9質量%)(株式会社林原調製品)1質量部、水溶性食物繊維(登録商標『ファイバリクサ』、株式会社林原販売)50質量部、α,α-トレハロース二含水結晶含有粉末(登録商標『トレハ』、株式会社林原販売)10質量部、リコピン0.1質量部、セサミン0.1質量部、ゼアキサンチン0.1質量部、タウリン0.1質量部を均一に混合し、内面がアルミ箔でコーティングされたスティック状紙製容器に3gずつ充填し、サプリメント形態のピント調節剤を得た。本品は、風味、呈味ともに良好なピント調節剤として有用である。本品は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防する効果を有し、健康食品としても有用である。
実施例15
<ヨーグルト形態のピント調節剤>
α-グルコシルヘスペリジン結晶粉末(純度99質量%以上、株式会社林原調製品)40質量部、脱脂粉乳800質量部、及び精製水4,000質量部を混合して、発酵乳の原料(ヨーグルトミックス)を調製し、これを95℃、10分間加熱殺菌した後、45℃に冷却した。次いで、混合スターター100gを接種し、タンク内において、47℃で5時間発酵させた後、8℃以下に冷却してヨーグルト形態のピント調節剤を得た。本品は、風味、呈味ともに良好なピント調節剤として有用であり、老視を発症している患者、加齢によるピント調節に不具合を感じているヒト或いは老視の発症が危惧されるヒトに、通常、成人1日当たり、100~500gを日常的に摂取させることにより、その症状を緩和又は改善できるとともに、その発症を効果的に遅延乃至は予防することができる。本品は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防する効果を有し、健康食品としても有用である。
実施例16
<粉末形態のピント調節剤>
α-グルコシルヘスペリジン含有粉末(登録商標『林原ヘスペリジンS』、株式会社林原販売)を10質量部、α,α-トレハロース二含水結晶含有粉末(登録商標『トレハ』、株式会社林原販売)9質量部、ラクトスクロース(登録商標『乳果オリゴ』、株式会社林原販売)1質量部及びデキストリン30質量部、アスコルビン酸2-グルコシド無水結晶含有粉末(登録商標『アスコフレッシュ』、株式会社林原販売)0.1質量部、ルテイン0.1質量部及びコエンザイムQ10 0.1質量部を撹拌混合し、スティック状の遮光・防湿性包装容器に5gずつ収容し、粉末形態のピント調節剤を得た。本品は、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防する効果を有し、一日当たり、その1乃至2包を水、お茶、紅茶、コーヒーなどの各種飲料や他の飲食品に添加し、日常的に経口摂取することができる。
実施例17
<混合甘味料形態のピント調節剤>
異性化液糖100質量部、α,α-トレハロース二含水結晶含有粉末(登録商標『トレハ』、株式会社林原販売)1質量部、ラクトスクロース(登録商標『乳果オリゴ』、株式会社林原販売)1質量部、及びグリコシルヘスペレチン含有粉末(α-グルコシルヘスペリジン82質量%、ヘスペリジン1質量%、7-O-β-グルコシルヘスペレチン8質量%、その他成分9質量%)(株式会社林原調製品)2質量部を80℃で30分間加熱処理して混合甘味料形態のピント調節剤を得た。本品は、風味、呈味ともに良好であり、各種飲食品の加熱調理が容易であり、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防する作用に優れた液状混合甘味料として有用である。
実施例18
<健康補助飲料形態のピント調節剤>
異性化糖40質量部、マルチトール2質量部、黒酢10質量部、リンゴ酢5質量部、クエン酸2質量部、リンゴ酸2質量部、濃縮リンゴ果汁2質量部、α-グルコシルヘスペリジン結晶粉末(純度99質量%以上、株式会社林原調製品)3質量部を混合・溶解して健康補助飲料形態のピント調節剤を調製した。本品は、風味、呈味ともに良好であり、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を改善・緩和・予防する効果を有するピント調節剤として有用である。
叙上のとおり、本発明は、グリコシルヘスペレチンを有効成分として含有してなるピント調節剤に係るものである。本発明のピント調節剤は、健常人や病人が常用することにより、加齢や種々の疾患によって生じる老視などのピント調節不良や近見視力の低下を予防、緩和及び改善し得るものと期待される。
符号の説明
図1において、
○:対照試料摂取群
■:被験試料1摂取群
図2において、
○:対照試料摂取群
■:被験試料1摂取群

Claims (9)

  1. グリコシルヘスペレチンを有効成分として含有する、ピント調節剤。
  2. 前記グリコシルヘスペレチンが、へスペリジン、α-グリコシルヘスペリジン、及び7-O-β-グルコシルヘスペレチンから選ばれる1種又は2種以上である、請求項1に記載のピント調節剤。
  3. 前記α-グリコシルヘスペリジンが、α-グルコシルへスペリジンである、請求項1に記載のピント調節剤。
  4. 経口摂取用である、請求項1に記載のピント調節剤。
  5. 4日以上連続摂取して用いるための、請求項1に記載のピント調節剤。
  6. 成人を対象とする、請求項1に記載のピント調節剤。
  7. 前記ピント調節が、加齢に伴うものである、請求項1に記載のピント調節剤。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のピント調節剤を含んでなる飲食品、サプリメント、健康食品、健康補助食品、保健機能食品、栄養補助食品、栄養機能食品、機能性表示食品、特定保健用食品、特別用途食品、医薬部外品又は医薬品。
  9. グリコシルヘスペレチンを有効成分として用いることを特徴とするピント調節方法。
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