JP2023169755A - 眼鏡レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】互いに異なる色を帯びた複数の領域により新規の機能を発揮可能な眼鏡レンズを提供する。【解決手段】本発明の眼鏡レンズ1は、基材2と、基材2に対して形成される凸面側光学多層膜4の第1部分20(第1の反射防止膜)及び第2部分22(第2の反射防止膜)と、を有している。そして、第1部分20に係る反射色と、第2部分22に係る反射色とが、互いに相違している。又、基材2は、より近くの距離にある物を見るための近用部12を有している。第1部分20は、近用部12に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック眼鏡レンズ、ガラス眼鏡レンズ、サングラス等の眼鏡レンズに関する。
眼鏡レンズとして、特許第6270306号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。
この眼鏡レンズは、動いている対象物を認識し易く、且つ暗い状況下で交通標識を認識し易くする目的で、青色ないし緑色に着色された第一領域と、黄色に着色された第二領域と、を有している。これらの着色は、基材上の対応する領域に対するインクの塗布によりなされる。
特許第6270306号公報
上記眼鏡レンズでは、互いに異なる色に着色された複数の領域を有することで、動いている対象物及び交通標識の視認性が向上しているものの、他の機能は発揮されない。
又、上記眼鏡レンズでは、インクの塗布により着色されているため、色が強く出る傾向にあり、動いている対象物及び交通標識以外の視認性を低下させる可能性がある。
そこで、本発明における第1の主な目的は、互いに異なる色を帯びた複数の領域により新規の機能を発揮可能な眼鏡レンズを提供することである。
又、本発明における第2の主な目的は、色を帯びることによる視認性の低下が抑制される眼鏡レンズを提供することである。
本明細書は、眼鏡レンズを開示する。この眼鏡レンズは、基材と、前記基材に対して形成される第1の反射防止膜及び第2の反射防止膜と、を有している。又、眼鏡レンズでは、前記第1の反射防止膜に係る反射色と、前記第2の反射防止膜に係る反射色とが、互いに相違している。
本発明の第1の主な効果は、互いに異なる色を帯びた複数の領域により新規の機能を発揮可能な眼鏡レンズが提供されることである。
又、本発明の第2の主な効果は、色を帯びることによる視認性の低下が抑制される眼鏡レンズが提供されることである。
本発明に係る眼鏡レンズに属する眼鏡レンズの模式的な前面図である。 図1の眼鏡レンズ及びユーザーの眼球の模式的な側面図である。 図1の眼鏡レンズの模式的な断面図である。 実施例1の近用部及び遠用中間部における可視域の各分光透過率分布を示すグラフである。 実施例2の近用部及び遠用中間部における可視域の各分光透過率分布を示すグラフである。 実施例3の近用部及び遠用中間部における可視域の各分光透過率分布を示すグラフである。 実施例4の近用部及び遠用中間部における可視域の各分光透過率分布を示すグラフである。 実施例5の近用部及び遠用中間部における可視域の各分光透過率分布を示すグラフである。 実施例1~5に共通する凹面側光学多層膜単独での可視域の分光反射率分布を示すグラフである。
以下、本発明に係る実施の形態の例が、適宜図面に基づいて説明される。尚、本発明の形態は、これらの例に限定されない。
本発明に係る眼鏡レンズ1は、図1に示されるように、装用時のレンズの姿勢を基準として、装用者(ユーザー)の前方からみて円形である(丸レンズ)。眼鏡レンズ1は、度数を付与するため、ユーザーの側方からみて前方へ凸となる状態で反っている。眼鏡レンズ1は、右眼用と左眼用とで異なり、図1では右眼用が示されている。図1において、上が装用時の上であり、右が装用者の鼻側である。
眼鏡レンズ1は、丸レンズにおいて度数等が調整された後、眼鏡フレームの形状に合わせる玉型加工がなされたうえで、眼鏡フレームに枠入れされる。装用者は、実際には玉型加工後の眼鏡レンズ1が枠入れされた眼鏡フレームを装用する。
尚、玉型加工前の眼鏡レンズ1は、円形以外であっても良い。又、眼鏡レンズ1は、度なしであっても良く、側方視で反りのないフラットなものであっても良い。更に、眼鏡レンズ1は、右眼用と左眼用とで互いに同一であっても良い。
眼鏡レンズ1は、基材2と、凸面側光学多層膜4(装用時の前面側の光学多層膜)と、凹面側光学多層膜6(装用時の後面側の光学多層膜)と、を有する。
又、眼鏡レンズ1は、累進屈折力レンズであり、近用部12と、遠用中間部14と、を有する。
近用部12は、眼鏡レンズ1の下部に配置されている。近用部12は、近景に対応する屈折力を有している。近用部12は、近くの距離にある物を見るための部分である。
遠用中間部14は、眼鏡レンズ1における近用部12以外の部分を占めている。遠用中間部14は、遠用部16と、中間部18と、を有する。
遠用部16は、眼鏡レンズ1の上部に配置されている。遠用部16は、遠景に対応する屈折力を有している。遠用部16は、近用部12における近くの距離よりも遠くの距離にある物を見るための部分である。遠景及び近景、並びに遠用及び近用等は、何れも相対的なものである。
中間部18は、近用部12と遠用部16の間に配置されている。中間部18の度数は、近用部12と遠用中間部14との間において、連続的に変化する。中間部18の度数は、遠用中間部14から近用部12へと累進する。
尚、遠用中間部14は、遠用部16及び中間部18の何れか一方のみ有していても良い。
眼鏡レンズ1は、各種の基準点を有している。
眼鏡レンズ1の円形の中心は、幾何学中心GCである。
又、眼鏡レンズ1は、光学中心OCを有する。光学中心OCは、装用時における装用者の前側からみた瞳孔の位置との対応を想定する点である。
更に、眼鏡レンズ1は、遠用基準点FVを有する。遠用基準点FVは、遠用部16内に配置され、ここでは遠用中間部14の下辺部であって、幾何学中心GCの上方の点とされる。遠用基準点FVは、眼鏡レンズ1の遠用度数を測定する基準点である。遠用基準点FVでの屈折力は、例えば、処方により指定された遠用度数(処方遠用度数)に基づいて設定される。
又更に、眼鏡レンズ1は、近用基準点NVを有する。近用基準点NVは、近用部12内に配置され、ここでは近用部12の上辺部であって、幾何学中心GCの下方の点とされる。近用基準点NVは、眼鏡レンズ1の近用度数を測定する基準点である。近用基準点NVでの屈折力は、例えば、処方遠用度数、及び処方により指定された加入度数(処方加入度数)に基づいて設定される。近用基準点NV及びその隣接部は、近方が最も見易い位置である近用アイポイントNEとなっている。
光学中心OCは、遠用基準点FVと近用基準点NVの間にあり、処方遠用度数に対して所定の加入度数を有している。光学中心OCにおける加入度数の絶対値は、近用基準点NVにおける処方加入度数の絶対値より小さい。
そして、光学中心OCを原点とする座標が設定可能である。原点を通る水平な(鼻耳方向の)直線がX軸とされ得る。耳側がX軸における正の方向とされ得る。原点を通る鉛直な(上下方向の)直線がY軸とされ得る。上側がY軸における正の方向とされ得る。
尚、各種の基準点の配置(レイアウト)、設定の有無、座標の原点、座標軸の種類、座標軸の方向等は、上述のものに限られない。
図2は、眼鏡レンズ1及びユーザーの眼球EBの模式的な側面図である。
眼球EBは、回旋点TPを中心に回旋可能である。
ユーザーが眼球EBにより前方を真っ直ぐ見る場合、視線ELは光学中心OCを通る。光学中心OCと回旋点TPとの間の距離Δzは、一般に25mm(ミリメートル)に設定される。
又、ユーザーが、眼球EBにより、近方が想定された下方を見る場合、眼球運動の最適範囲に鑑み、真っ直ぐ前方に伸びる視線ELを含む水平面からの角度θが20°である方向DDが見易く、近方視の基準となる。
すると、近方視の基準の方向DD(近用視線の方向)が眼鏡レンズ1と交わる点DPと光学中心OCとの上下方向の距離Δyは、次の式(1)の通りとなる。
Δy=25×tan20°≒9[mm] ・・・(1)
そこで、近用部12と遠用中間部14との境界は、光学中心OCからΔy≒9mmだけ下方に設定されている。即ち、近用部12は、基材2における光学中心OCから9mm下方の境界の下側に配置されている。
基材2は、眼鏡レンズ1の大部分を占める。基材2は、眼鏡レンズ1のベースとなる部分である。
基材2の材料として、例えばガラス、あるいは合成樹脂が用いられ、好ましくは、熱硬化性樹脂が用いられ、例えばポリウレタン樹脂、チオウレタン樹脂、エピスルフィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリ4-メチルペンテン-1樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂、あるいはこれらの組合せが用いられる。又、屈折率が高く好適なものとして、例えばポリイソシアネート化合物と、ポリチオール及び含硫黄ポリオールの少なくとも一方と、を付加重合して得られるポリウレタン樹脂を挙げることができ、更に屈折率が高く好適なものとして、エピスルフィド基と、ポリチオール及び含硫黄ポリオールの少なくとも一方と、を付加重合して得られるエピスルフィド樹脂を挙げることができる。
基材2には、好ましくは紫外線吸収剤が添加される。
基材2の厚みは、特に限定されない。
凸面側光学多層膜4は、基材2の凸面F(前面)に対して形成される。
凸面側光学多層膜4は、凸面F上に直接形成されても良いし、凸面Fに対し中間膜を介して間接的に形成されても良い。
中間膜として、例えばハードコート膜が形成されていても良い。
ハードコート膜は、好適には、基材2の表面にハードコート液を均一に施すことで形成される。
又、ハードコート膜として、好ましくは無機酸化物微粒子を含むオルガノシロキサン系樹脂を用いることができる。オルガノシロキサン系樹脂は、アルコキシシランを加水分解し縮合させることで得られるものが好ましい。又、オルガノシロキサン系樹脂の具体例として、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルシリケート、又はこれらの組合せが挙げられる。これらアルコキシシランの加水分解縮合物は、当該アルコキシシラン化合物あるいはそれらの組合せを、塩酸等の酸性水溶液で加水分解することにより製造される。
一方、無機酸化物微粒子の材質の具体例として、酸化亜鉛、二酸化ケイ素(シリカ微粒子)、酸化アルミニウム、酸化チタン(チタニア微粒子)、酸化ジルコニウム(ジルコニア微粒子)、酸化スズ、酸化ベリリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化セリウムの各ゾルを単独であるいは何れか2種以上を混晶化したものが挙げられる。無機酸化物微粒子の直径は、ハードコート膜の透明性確保の観点から、1nm(ナノメートル)以上100nm以下であることが好ましく、1nm以上50nm以下であるとより好ましい。又、無機酸化物微粒子の配合量(濃度)は、ハードコート膜における硬度及び強靱性の適切な度合での確保という観点から、ハードコート膜の全成分中の40wt%(重量パーセント)以上60wt%以下を占めることが好ましい。加えて、ハードコート液には、硬化触媒としてアセチルアセトン金属塩、及びエチレンジアミン四酢酸金属塩の少なくとも一方等を付加することができ、更に基材2に対する密着性確保及び形成の容易化の少なくとも何れか等の必要に応じて、界面活性剤、着色剤、溶媒等を添加することができる。
ハードコート膜の物理膜厚は、0.5μm(マイクロメートル)以上4.0μm以下とすると好ましく、1.0μm以上3.0μm以下とするとより好ましい。この膜厚範囲の下限は、これより薄いと充分な硬度を得難いことから定まる。一方、上限は、これより厚くするとクラック及び脆さの少なくとも一方の発生等、物性に関する問題の生ずる可能性が飛躍的に高まることから定まる。
更に、中間膜として、ハードコート膜と基材2表面の間に、ハードコート膜の密着性を向上する観点からプライマー膜を付加しても良い。プライマー膜の材質として、例えばポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、有機ケイ素系樹脂、又はこれらの組合せが挙げられる。プライマー膜は、好適には基材2の表面にプライマー液を均一に施すことで形成される。プライマー液は、水又はアルコール系の溶媒に上記の樹脂材料と無機酸化物微粒子を混合させた液である。
図3に示されるように、凸面側光学多層膜4は、第1の反射防止膜としての第1部分20と、第2の反射防止膜としての第2部分22と、を有する。第1部分20は、近用部12に対応する状態で形成される。第2部分22は、遠用中間部14に対応する状態で形成される。第1部分20と第2部分22とは、重複していない。
第1部分20は、可視光の反射を抑制する反射防止膜である。可視光は、波長域を可視域とする光である。可視域は、ここでは380nm以上780nm以下である。尚、可視域の下限は、390nmであっても良いし、400nmであっても良いし、410nmであっても良いし、420nmであっても良い。又、可視域の上限は、700nmであっても良いし、720nmであっても良いし、750nmであっても良いし、760nmであっても良い。
第1部分20は、好ましくは低屈折率材料から形成された低屈折率層Lと、高屈折率材料から形成された高屈折率層Hとを交互に積層して形成される。尚、第1部分20は、更に中屈折率層を含み得る。
高屈折率層H及び低屈折率層L(並びに中屈折率層)の層数及び材質の選択、並びに各層における厚み(層に係る物理膜厚あるいは光学膜厚)の増減といった設計要素の変更により、第1部分20の設計が変更され、第1部分20の層構造が変更される。
高屈折率層Hは、好ましくは誘電体材料を用いた無機層である。高屈折率材料は、例えば酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(Ta)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化セレン(CeO)、酸化ランタン(La)、若しくは酸化プラセオジム(Pr)、又はこれらの二種以上の混合物であり、好ましくはZrOである。
低屈折率層Lは、好ましくは誘電体材料を用いた無機層である。低屈折率材料は、例えば酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化マグネシウム(MgF)、酸化アルミニウムと酸化プラセオジムとの組合せ(Al-Pr)、酸化アルミニウムと酸化ランタンとの組合せ(Al-La)、若しくは酸化アルミニウムと酸化タンタルとの組合せ(Al-Ta)、又はこれらの二種以上の混合物であり、好ましくはSiOである。
中屈折率層は、例えばAl、Pr、La、Al-Pr、Al-La、といった中屈折率材料から形成される。これらの中屈折率材料の少なくとも何れかは、低屈折率材料として扱われても良いし、高屈折率材料として扱われても良い。
第1部分20では、膜設計の容易さ及び成膜コストの少なくとも一方の観点から、高屈折率材料及び低屈折率材料がそれぞれ2種以下で用いられることが好ましく、高屈折率材料及び低屈折率材料が1種ずつ用いられることがより好ましい。
第1部分20の低屈折率層L及び高屈折率層H(並びに中屈折率層)は、例えば物理蒸着により形成され、より詳しくは真空蒸着法あるいはイオンアシスト蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法の少なくとも何れか等により形成される。
他方、第2部分22は、層構造が異なることを除き、第1部分20と同様に成る。
第2部分22の層構造は、好ましくは、第1部分20における少なくとも1つの層を取り除いたものである。尚、第2部分22の層構造は、第1部分20における少なくとも1つの層の膜厚を変化させたものであっても良いし、第1部分20の層構造における何れかの層の下側(基材2側)あるいは上側(大気側)に対して1以上の層を追加したものであっても良いし、これらの組合せであっても良い。
第2部分22の形成は、第1部分20と同時に行われることが好ましく、第1部分20又は第2部分22を覆うマスクが用いられることが好ましい。
尚、第1部分20と第2部分22とは、互いに別個に形成されても良い。
かように層構造の異なる第1部分20及び第2部分22の形成により、可視光の反射が抑制されつつ、最大15%以下程度で僅かに生じる反射光の可視域における反射率分布が、近用部12と遠用中間部14とで異なることとなる。
よって、ユーザーが注意すれば認識可能である反射光の色(反射色)が、近用部12と遠用中間部14とで異なるものとなる。例えば、ユーザーは、近用部12において透明に近い青紫色を認識可能であり、遠用中間部14において透明に近い青色を認識可能である。
従って、眼鏡レンズ1において、ユーザーは、近用部12と遠用中間部14とを区別可能である。即ち、眼鏡レンズ1では、ユーザーに対し、近用部12の範囲と遠用中間部14の範囲とが、より分かり易く示される。
又、近用部12と遠用中間部14とを区別するための色の相違は、反射色で示される。よって、染色により着色される場合に比べ、色を帯びることによる視認性の低下が抑制される。
第1部分20と第2部分22との境界における凸面側光学多層膜4の状態は、どのようなものであっても良い。
例えば、凸面側光学多層膜4は、帯状の境界部分において、第1部分20及び第2部分22の中間的な構造を呈していても良い。
近用部12と遠用中間部14とをより明確にユーザーに示す観点からは、第1部分20及び第2部分22の各層構造は、線状の境界において急激に切り替わることが好ましい。
尚、互いに相違する反射色の付与は、近用部12及び遠用中間部14に対するものに限られない。又、互いに相違する反射色は、全2色に限られない。例えば、かような反射色の付与は、近用部12、遠用部16、及び中間部18に対してそれぞれ行われても良い。又、かような反射色の付与は、ユーザーの鼻側の部分と耳側の部分とに対してそれぞれ行われても良い。反射光による色の付与は、反射光の補色によっても良い。第1部分20及び第2部分22の一部又は全部は、互いに離れていても良い。
又、凹面側光学多層膜6は、基材2の凹面B(後面)に対して形成される。
凹面側光学多層膜6は、凹面B上に直接形成されても良いし、凹面Bに対し中間膜を介して間接的に形成されても良い。中間膜は、例えば凸面F側の中間膜と同様に成る。
凹面側光学多層膜6は、可視光の反射を抑制する反射防止膜である。凹面側光学多層膜6は、主にユーザー側への可視光の反射を抑制する。
尚、第1部分20及び第2部分22並びに凹面側光学多層膜6の少なくとも何れかは、反射防止機能に代えて、あるいは反射防止機能と共に、特定色(例えば青色)の光をカットする機能をはじめとする他の機能を有していても良い。特定色の光のカットには、特定色の光の平均透過率が、特定色以外の光の平均透過率に対してより一層小さくなることが含まれる。
凹面側光学多層膜6は、形成される範囲及び層構造が異なることを除き、凸面側光学多層膜4の第1部分20と同様に成る。
凹面側光学多層膜6は、凹面Bの全体に形成される。
又、凹面側光学多層膜6は、ここでは高屈折率層H及び低屈折率層Lに係る全5層の交互膜である。ここでの高屈折率材料及び低屈折率材料の少なくとも一方は、使用する材料の種類の低減によるコストの抑制の観点から、凸面側光学多層膜4における材料と好ましくは同じである。
尚、凹面側光学多層膜6における高屈折率材料及び低屈折率材料の少なくとも一方は、凸面側光学多層膜4における材料と異なっていても良い。又、凹面側光学多層膜6は、省略されても良いし、反射防止膜以外であっても良い。更に、凹面側光学多層膜6として、凸面側光学多層膜4と同様に、近用部12に対応する第1部分と遠用中間部14に対応する第2部分とを有するものが用いられても良く、この場合、第1部分及び第2部分の少なくとも一方は、凸面側光学多層膜4の第1部分20、第2部分22と同じ膜構造を有していても良い。凸面側光学多層膜4が凸面Fの全体で同じ構造であり、且つ凹面側光学多層膜6が第1部分及び第2部分を有していても良い。
次に、本発明の上記実施形態に準じた実施例が示される。
但し、実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
又、本発明の捉え方により、実施例が、本発明の範囲外となる比較例となったり、比較例が実施例となったりすることがある。
[実施例1~5]
≪基材2等≫
実施例1~5は、何れもプラスチック製の眼鏡レンズ1であり、それらの基材2は、何れも眼鏡用の熱硬化性樹脂製であって、眼鏡レンズ1として標準的な大きさの円形である。
基材2は、実施例1~5において共通しており、レンズ中心厚が1.9mmで度数がS-0.00である球面レンズであって、屈折率が1.60であるチオウレタン樹脂製である。尚、各基材2自体は無色透明である。
≪ハードコート膜等≫
又、これらの実施例1~5においては、中間膜として、ハードコート膜が各基材2の両面に付与された。
尚、基材2に接するハードコート膜は、ハードコート液を基材2へ塗布して加熱することにより、次のように形成され得るものとした。
即ち、まず、反応容器中に、メタノール206g、メタノール分散チタニア系ゾル300g(日揮触媒化成株式会社製,固形分30%)、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン60g、γーグリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン30g、テトラエトキシシラン60gが滴下され、その混合液中に0.01N(規定濃度)の塩酸水溶液を滴下、撹拌して加水分解が行われた。
次に、フロー調整剤0.5gおよび触媒1.0gが加えられ、室温で3時間撹拌されてハードコート液が形成された。
そして、このハードコート液が基材2の両面に塗布され、120℃で1.5時間加熱硬化されて、膜厚2.5μmのハードコート膜が形成された。
≪凸面側光学多層膜4及び凹面側光学多層膜6等≫
更に、実施例1~5では、各基材2の凸面Fにおけるハードコート層の上に、互いに層構造の異なる凸面側光学多層膜4が形成された。
又、実施例1~5では、各基材2の凹面Bにおけるハードコート層の上に、同一の層構造に係る凹面側光学多層膜6が形成された。
実施例1~5における各凸面側光学多層膜4の層構造が、基材2側を1層目として(以下同様)、次の表1に示される。
又、実施例1~5における各凹面側光学多層膜6の層構造が、次の表2に示される。
Figure 2023169755000002
Figure 2023169755000003
実施例1の凸面側光学多層膜4は、例えば次に示される通り、真空蒸着法により形成され得る。
即ち、基材2を保持するホルダが、当初マスクを有する状態で真空チャンバー内のドームに取り付けられる。マスクは、ホルダに対し、基材2における遠用中間部14(凸面F側)を覆い、近用部12を覆わない状態で固定される。そして、近用部12の1層目(高屈折率層HとしてのZrO(キヤノンオプトロン株式会社)製のZrO層)が、20.00nmの物理膜厚を有するように蒸着される。尚、マスクにより、この時点では、遠用中間部14にはZrO層が形成されない。
次いで、マスクを取り出し、近用部12の2層目であって遠用中間部14の1層目(低屈折率層LとしてのSiO(キヤノンオプトロン株式会社)製のSiO層)が、10.00nmの物理膜厚を有するように蒸着される。
続いて、順次、近用部12の3層目であって遠用中間部14の2層目(ZrO層)、近用部12の4層目であって遠用中間部14の3層目(SiO層)、近用部12の5層目であって遠用中間部14の4層目(ZrO層)、近用部12の6層目であって遠用中間部14の5層目(SiO層)、近用部12の7層目であって遠用中間部14の6層目(ZrO層)、近用部12の8層目であって遠用中間部14の7層目(SiO層)が、上記表1に記載された各物理膜厚を有するように蒸着される。
尚、実施例1の凸面側光学多層膜4は、
実施例1の凹面側光学多層膜6は、マスク無しの通常の真空蒸着法により形成され得る。
実施例2~5の凸面側光学多層膜4は、各層に係る蒸着時間及び蒸着レートの少なくとも一方の変更により物理膜厚を異ならせることを除き、実施例1の凸面側光学多層膜4と同様に形成され得る。尚、実施例2~5の凸面側光学多層膜4は、実施例1と同様の変更例を有する。
又、凹面側光学多層膜6は、実施例1の凹面側光学多層膜6と同様に形成され得る。
≪反射率分布等≫
実施例1~5について、近用部12及び遠用中間部14における可視域での各分光反射率分布(垂直入射,片面反射率)が測定された(図4~図8)。又、実施例1~5について、近用部12及び遠用中間部14における青色域(ここでは380nm以上500nm以下)での各平均反射率、及び近用部12及び遠用中間部14における視感度反射率(D65光源,2°視野)が算出された(次の表3の上部,中部)。更に、近用部12の青色域平均反射率から遠用中間部14の青色域平均反射率を減算した青色域平均反射率差分が算出された(次の表3の最下部)。
他方、実施例1~5に共通する、凹面側光学多層膜6単独での可視域の反射率分布が測定された(図9)。
Figure 2023169755000004
実施例1~5では、何れも、可視域における反射率分布が近用部12と遠用中間部14とで異なっている。又、実施例1~5では、何れも、近用部12の視感度反射率が2%以下である。更に、実施例1~5では、遠用中間部14の視感度反射率が2.5%以下であり、特に実施例1~4の遠用中間部14の視感度反射率は、何れも2%以下である。よって、実施例1~5では、近用部12と遠用中間部14とで、可視光の反射が抑制されつつ、透過光に比べて小さい割合で生じる反射色が互いに異なっている。
又更に、実施例1~5では、何れも、可視光の反射防止機能を有しつつ、近用部12の青色域平均反射率が8%以上9%以下の範囲に入っており、遠用中間部14の青色域平均反射率が2%以上8%以下の範囲に入っている。よって、実施例1~5では、青色光をカットする機能が設けられている。
又、実施例1~3,5では、青色域平均反射率差分が3以上(7以下)の範囲に入っており、特に実施例1~2,5では、青色域平均反射率差分が5以上(7以下)の範囲に入っている。よって、反射色の相違が、より顕著に表れる。特に、一般的な青色光カット膜における青色域平均反射率から一般的な反射防止膜(代表的には緑色の反射色)における青色域平均反射率を減じた差分は4程度であることから、青色域平均反射率差分が4以上であれば、ユーザーが反射色の違いをより認識し易い。
そして、実施例1,2では、近用部12及び遠用中間部14の各視感度反射率が2%以下であり、且つ青色域平均反射率差分が4以上である。よって、実施例1,2では、可視光の反射が青色光をカットしつつ十分に抑制され、しかも近用部12(青紫色)と遠用中間部14(青色)との色の差がより顕著なものとなっている。
≪耐久性等≫
又、実施例1~5について、耐久性を調べるため、これらの耐久性試験が、3種類行われた。
第1の耐久性試験は、次のように行われる。即ち、丸レンズである試料(実施例1~5)が、それぞれ、温度60℃で相対湿度95%に保持された恒温恒湿槽に、3日間入れられた後で取り出され、試料の様子が観察される(恒温恒湿試験)。
上記表3の「恒温恒湿試験」の行(2か所)において、第1の耐久性試験の結果が示される。
かような第1の耐久性試験では、全ての試料において、近用部12及び遠用中間部14の双方とも外観異常等の問題は見受けられない。
第2の耐久性試験は、試料に玉型加工を施したうえで、第1の耐久性試験と同様に行われる(玉型加工後の恒温恒湿試験)。
上記表3の「恒温恒湿(玉型加工)」の行(2か所)において、第2の耐久性試験の結果が示される。
かような第2の耐久性試験では、全ての試料において、近用部12及び遠用中間部14の双方とも外観異常等の問題は見受けられない。
第3の耐久性試験は、第2の耐久性試験と同じ工程を行った後、更に各試料を乾燥オーブンに投入することで行われる(玉型加工後の恒温恒湿試験+耐熱試験)。各試料は、70℃に維持された乾燥オーブンに、30分間入れられる。第3の耐久性試験は、恒温恒湿試験により長期間での劣化を短期間で促進させて実現すると共に、模擬的な長期劣化後の試料に耐熱試験を施すものであり、一般的な眼鏡レンズ1の使用を的確に模したものとなっている。
上記表3の「恒温恒湿(玉型加工)+オーブン」の行(2か所)において、第3の耐久性試験の結果が示される。
かような第3の耐久性試験では、全ての試料において、近用部12及び遠用中間部14の双方とも外観異常等の問題は見受けられない。
耐久性が、以下更に検討される。
実施例1~5において、凸面側光学多層膜4の第1部分20の1層目はZrO層であり、第1部分20の2層目及び第2部分22の1層目は何れもSiO層であり、第1部分20の3層目及び第2部分22の2層目は何れもZrO層である。
ZrO層は、引張応力を有している。ZrO層の引張応力の大きさは、その層の物理膜厚に比例する。
第1部分20の3層目以降及び第2部分22の2層目以降のZrO層の引張応力は、基材2側及び大気側の両側で隣接しており圧縮応力を有する2つのSiO層により緩和されている。他方、第1部分20の1層目のZrO層は、基材2側において、SiO層ではなくハードコート膜に接しており、引張応力の緩和作用を比較的に弱く受けていて、比較的に強い残存引張応力を有している。
実施例1~5とは別に、1層目をZrO層とする全6層のSiO層との交互膜(反射防止膜)が、1層目の物理膜厚を種々変更した状態で複数作成され、これらについて耐久試験を行ったところ、1層目の物理膜厚が40nm以上となると、第3の耐久性試験において、耐熱試験後、凸面側光学多層膜4にクラックが発生した。よって、第1部分20の1層目のZrO層の物理膜厚は、実施例1~5のように、40nm未満であることが好ましく、30nm以下であるとより好ましい。
他方、第1部分20の1層目のZrO層の存在が、第2部分22との構造上の差異であり、第1部分20及び第2部分22の各反射色の差異の根拠となっている。よって、第1部分20の1層目のZrO層の物理膜厚は、実施例1~5のように、10nm以上であることが好ましく、実施例1~2のように、20nm以上であるとより好ましい。
第1部分20の1~3層目については、次のように捉えることもできる。即ち、反射防止を基調とする光学的機能の実現において、第1部分20の1,3層目を合わせた物理膜厚のZrO層が配置されれば足り、2層目のSiO層は必須ではない。但し、最も基材2側のZrO層の物理膜厚が40nm以上となると、耐久性が比較的に劣ることとなる。そこで、最も基材2側のZrO層を2層目のSiO層で分割し、最も基材2側のZrO層における引張応力の緩和が図られ、耐久性の向上が図られる。かような観点から、2層目のSiO層の物理膜厚はなるべく小さいことが好ましく、10nm以下であることが好ましい。
≪まとめ等≫
実施例1~5のように、基材2と、基材2に対して形成される凸面側光学多層膜4の第1部分20(第1の反射防止膜)及び第2部分22(第2の反射防止膜)と、を有しており、第1部分20に係る反射色と、第2部分22に係る反射色とが、互いに相違している。
よって、互いに異なる色を帯びた複数の領域(近用部12及び遠用中間部14)により、ユーザーに、これらの範囲を、視認性の低下が抑制された状態で提示可能な眼鏡レンズが提供される。
又、実施例1~5では、基材2は、より近くの距離にある物を見るための近用部12を有しており、第1部分20は、近用部12に配置されている。よって、累進屈折力レンズにおいてユーザーに近用部12の範囲が提示され、ユーザーは、近くを見る際に用いる近用部12を、より明確に把握可能である。
更に、実施例1~5では、近用部12は、基材2における光学中心OCから9mm下方の境界の下側に配置されている。よって、近用部12を通じた視認により自然に対応する位置に、近用部12の範囲が設定される。
加えて、実施例1~5では、第1部分20は、低屈折率材料製の低屈折率層Lと高屈折率材料製の高屈折率層Hとを、基材2に最も近い層である1層目を低屈折率層Lとして交互に配置した全8層の交互膜であり、第2部分22は、第1部分20における1層目の低屈折率層Lを省いた、1層目を高屈折率層Hとする全7層の交互膜である。又、実施例1~5では、低屈折率材料は、ZrOであり、高屈折率材料は、SiOである。よって、第1部分20及び第2部分22が、より容易に形成可能である。
更に、実施例1~5では、第1部分20における1層目の高屈折率層Hの物理膜厚は、40nm未満である。よって、眼鏡レンズ1の耐久性がより一層向上する。
又更に、第1部分20における2層目の低屈折率層Lの物理膜厚は、10nm以下である。よって、第1部分20に係る2層目の光学的な影響を抑制しつつ、1層目の高屈折率層Hの応力が緩和される。従って、眼鏡レンズ1の耐久性がより一層向上する。
又、実施例1~4では、第1部分20及び第2部分22の各視感度反射率は、2%以下である。よって、眼鏡レンズ1の反射防止性が、より一層向上する。
更に、実施例1~2,5では、第1部分20における青色域(380nm以上500nm以下の波長域)の平均反射率と、第2部分22における青色域の平均反射率との差分である青色域平均反射率差分は、4以上である。よって、近用部12と遠用中間部14との区別が、よりつき易い。又、近用部12等において、更に青色光カット機能が付与される。
1・・眼鏡レンズ、2・・基材、4・・凸面側光学多層膜、6・・凹面側光学多層膜、12・・近用部、20・・第1部分(第1の反射防止膜)、22・・第2部分(第2の反射防止膜)、H・・高屈折率層、L・・低屈折率層。

Claims (9)

  1. 基材と、
    前記基材に対して形成される第1の反射防止膜及び第2の反射防止膜と、
    を有しており、
    前記第1の反射防止膜に係る反射色と、前記第2の反射防止膜に係る反射色とが、互いに相違している
    ことを特徴とする眼鏡レンズ。
  2. 前記基材は、より近くの距離にある物を見るための近用部を有しており、
    前記第1の反射防止膜は、前記近用部に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡レンズ。
  3. 前記近用部は、前記基材における光学中心から9mm下方の境界の下側に配置されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の眼鏡レンズ。
  4. 前記第1の反射防止膜は、低屈折率材料製の低屈折率層と高屈折率材料製の高屈折率層とを、前記基材に最も近い層である1層目を前記低屈折率層として交互に配置した全8層の交互膜であり、
    前記第2の反射防止膜は、前記第1の反射防止膜における1層目の前記低屈折率層を省いた、1層目を前記高屈折率層とする全7層の交互膜である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の眼鏡レンズ。
  5. 前記低屈折率材料は、ZrOであり、
    前記高屈折率材料は、SiOである
    ことを特徴とする請求項4に記載の眼鏡レンズ。
  6. 前記第1の反射防止膜における1層目の前記高屈折率層の物理膜厚は、40nm未満である
    ことを特徴とする請求項4に記載の眼鏡レンズ。
  7. 前記第1の反射防止膜における2層目の前記低屈折率層の物理膜厚は、10nm以下である
    ことを特徴とする請求項4に記載の眼鏡レンズ。
  8. 前記第1の反射防止膜及び前記第2の反射防止膜の各視感度反射率は、2%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡レンズ。
  9. 前記第1の反射防止膜における380nm以上500nm以下の波長域の平均反射率と、前記第2の反射防止膜における前記波長域の平均反射率との差分である青色域平均反射率差分は、4以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡レンズ。
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