JP2023169066A - 時系列データを解析し、予測値を求めるための方法、プログラムおよびプログラムを記録した記憶媒体 - Google Patents

時系列データを解析し、予測値を求めるための方法、プログラムおよびプログラムを記録した記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】任意の周期変動を持つ時系列データに適用でき、かつ自動化された、時系列データを変動の性質別に分解する手順を提供する。そして分解された結果をもとに予測値を算出する自動化された手順を提供する。【解決手段】「1周期のデータ数」が2以上の整数の場合に対応するX-11の手順により、時系列データを変動の性質別に分解する。そして分解により得られた傾向循環変動と不規則変動の変化率の割合を基準に傾向循環変動の近似曲線を推計するための時系列データの範囲を定め、推計した近似曲線を用いて傾向循環変動の予測値を算出する。また、季節変動と不規則変動の変化率の割合を基準に選択した、非対称のウェイト付けをした加重移動平均を用いて季節変動の予測値を算出する。得られた傾向循環変動と季節変動の予測値を合算し、時系列データの予測値を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、時系列データを季節調整法の手順で変動の性質別に分解し、時系列データの予測値を求める技術に関するものである。
時系列データを変動の性質別に分離し、予測値を求めるアプリケーションプログラムとして、アメリカセンサス局のX-13ARIMA-SEATSがある(非特許文献1)。このアプリケーションプログラムにより、Regression ARIMAモデル等で事前調整した、「1周期の時間的長さ」が1年の月次データまたは四半期データを、移動平均法を発展させた季節調整法の一つであるX-11の手順を用いて、傾向循環変動、季節変動および不規則変動に分解することができる。また「1周期の時間的長さ」が1週間の日次データに、修正したX-11の手順を用いて、傾向循環変動、季節変動および不規則変動に分離する手段も示されている(非特許文献2)。
なお季節変動は、必ずしも「1周期の時間的長さ」を1年とする周期変動に限るものではなく、秒、分、日、月、四半期、年および世紀を含む、任意の時間的長さを1周期とする周期変動を指す。
関連する技術として、月次データに12ヶ月移動平均処理により傾向循環変動を求め、これをもとに最適な回帰次数を求める手段が公知である(特許文献1)。また、トレンドの代わりに、カーネル法により過去のレベル値に基づき推計した非線形関数を用いたレベル値の推計値を用いる修正を加えたホルトウィンター平滑化を用い、時系列データの予測値を求める手段も公知である(特許文献2)。このほか、ボックス・ジェンキンス法を用いた技術も、季節変動を含む時系列データの予測値を求める手段として公知である。
特開平7-56890号公報 特開2011-159282号公報
U.S. Census Bureau (2017). X-13ARIMA-SEATS Reference Manual (Version 1.1). U.S. Census Bureau 有田帝馬,「日次データへの季節調整の適用 ─家計調査による実例─」,統計研究彙報,第79号,21-40,2022年3月 有田帝馬,「入門季節調整」,東洋経済新報社,2012年3月 Arita, Tetsuma. ‘Assessment of the Spread of COVID-19 in Seven Countries Using a Seasonal Adjustment Method’. Statistical Journal of the IAOS, vol. Pre-press, no. Pre-press, pp. 1-21, 2022
電力需給やエネルギーマネジメントシステム対象となる時系列データには「1周期のデータ数」が24(具体的には「1周期の時間的な長さ」が1日の時次データ)のものがある。また携帯電話GPSデータや金融市場データには、分単位の高頻度の時系列データがあり、これらのデータにも周期変動(具体的には「1周期の時間的な長さ」が1時間の分次データ)が含まれる場合もある。このほか、工場などの製造現場や販売拠点などから収集されるデータの高頻度化が進んでおり、これらのデータにも周期変動が含まれる場合がある。このようにビッグデータの収集の多様化が進み、その解析や活用を進めることの重要性が高まる中、それぞれのデータが持つ多様な周期変動に対応できる解析技術の必要性も高くなっている。
しかし従来の技術のうちX-11の手順を用いるものは、適用できる時系列データが、「1周期のデータ数」が4の時系列データ(「1周期の時間的な長さ」が1年の四半期データ)、7の時系列データ(「1周期の時間的な長さ」が1週間の日次データ)、12の時系列データ(「1周期の時間的な長さ」が1年の月次データ)に制限される。この制限は、ビッグデータが持つ多様な周期変動に対応する上で課題であった。
またカーネル法により過去のレベル値に基づき推計した非線形関数を用いたレベル値の推計値を用いる修正を加えたホルトウィンター平滑化を用いる技術によれば、任意の周期変動を持つ時系列データの解析を行うことは可能ではある。しかし、カーネル法には逆行列計算のプロセスが含まれるため、このプロセスだけでデータ数の3乗のオーダーの計算量が必要になる。また、ホルトウィンター平滑化を利用するにあたっては平滑化係数を定める必要があるが、この平滑化係数は時系列データからパラメータ推計により定める必要がある。これらが必要となることは、時系列データの解析の自動化およびシステムへの組み込みにおいて課題であった。
この他、ボックス・ジェンキンス法を用いた技術でも、任意の周期変動を持つ時系列データの解析を行うことが可能ではある。しかし、この技術には手作業でのモデル識別のプロセスが含まれる。また、選択したモデルの係数をパラメータ推計により定める必要がある。これらは、やはり時系列データの解析の自動化およびシステムへの組み込みにおいて課題であった。
本発明が解決しようとする課題は、任意の周期変動を持つ時系列データに適用でき、かつ自動化された、時系列データを変動の性質別に分解する手順を提供することにある。また、分解された結果をもとに予測値を算出する自動化された手順を提供することも、本発明が解決しようとする課題とする。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、時系列データを入力するステップと、「1周期のデータ数」を2以上の整数で指定するステップと、「1周期のデータ数」が2以上の整数の場合に対応するX-11の手順により、時系列データを変動の性質別に分解するステップを備えることを特徴とする、時系列データを解析する方法である。
また本発明は、上記の時系列データを解析する方法を備え、さらに、時系列データの傾向循環変動と不規則変動の変化率の割合を基準に、傾向循環変動の近似曲線を推計するための時系列データの範囲を定めるステップと、定めた範囲の時系列データを元に推計した近似曲線を用いて、傾向循環変動の予測値を算出するステップと、時系列データの季節変動と不規則変動の変化率の割合を基準に選択した、非対称のウェイト付けをした加重移動平均を用いて季節変動の予測値を算出するステップを備えることを特徴とする、過去の値からを未来の値を予測する方法である。
本発明によれば、時系列データを入力し、「1周期のデータ数」を指定することで、「1周期のデータ数」が2以上の整数の場合に対応するX-11の手順により、手作業がないという意味で自動的に、時系列データを変動の性質別に分解した結果を得ることができる。また、自動的に未来の値を予測できる。これらの方法は自動化されていることから、システムや計算機、集積回路へプログラムを組み込み、実行させることもできる。
本発明の実施形態における、データの入出力を示す図である。 事前調整後の時系列データから傾向循環変動、季節変動および不規則変動を分離するための実施例の手順の流れ図である。 データの性質をもとにヘンダーソン移動平均の項数を自動的に選択される手順の流れ図である。 データの性質をもとに3×3 、3×5 、3×9 の加重移動平均の中から、適切な加重移動平均を自動的に選択する手順の流れ図である。 1周期のデータ数が2の場合のシミュレーション実験結果である。 1周期のデータ数が4の場合のシミュレーション実験結果である。 1周期のデータ数が7の場合のシミュレーション実験結果である。 1周期のデータ数が10の場合のシミュレーション実験結果である。 1周期のデータ数が12の場合のシミュレーション実験結果である。 1周期のデータ数が24の場合のシミュレーション実験結果である。 1周期のデータ数が48の場合のシミュレーション実験結果である。 1周期のデータ数が60の場合のシミュレーション実験結果である。 1周期のデータ数が100の場合のシミュレーション実験結果である。 1周期のデータ数が365の場合のシミュレーション実験結果である。 1周期のデータ数が500の場合のシミュレーション実験結果である。 1周期のデータ数が2の場合のシミュレーション実験結果のパワースペクトルである。 1周期のデータ数が4の場合のシミュレーション実験結果のパワースペクトルである。 1周期のデータ数が7の場合のシミュレーション実験結果のパワースペクトルである。 1周期のデータ数が10の場合のシミュレーション実験結果のパワースペクトルである。 1周期のデータ数が12の場合のシミュレーション実験結果のパワースペクトルである。 1周期のデータ数が24の場合のシミュレーション実験結果のパワースペクトルである。 1周期のデータ数が48の場合のシミュレーション実験結果のパワースペクトルである。 1周期のデータ数が60の場合のシミュレーション実験結果のパワースペクトルである。 1周期のデータ数が100の場合のシミュレーション実験結果のパワースペクトルである。 1周期のデータ数が365の場合のシミュレーション実験結果のパワースペクトルである。 1周期のデータ数が500の場合のシミュレーション実験結果のパワースペクトルである。
以下、本発明の実施形態を請求項3の実施例で説明する。「事前調整後の時系列データ」を「時系列データ」に読み替えることで、請求項1および2の実施例になる。
図1に、本発明の実施例におけるデータの入出力を示す図を示す。
入力データは、時系列データおよび周期変動の「1周期のデータ数」である。時系列データのうち時点tの値をOt と表す。時系列データの長さは5周期以上とし、10周期以上あることが望ましい。また、周期変動の「1周期のデータ数」をp と表す。例えば、「1周期の時間的な長さ」が1日の時次データを入力する場合、p =24 となる。また「1周期の時間的な長さ」が1年の日次データの場合、p =365 になる。
また加法的外れ値要因の変動データ、水準的外れ値要因の変動データ、特殊な周期性要因の変動データを、オプションで入力データに加えることが可能である。これらの変動データは、時系列データに異常値や特殊な変動が含まれる場合において、その変動の影響を調整することで傾向循環変動、季節変動および不規則変動の分離ならびに予測値の精度を高めたい場合に、任意で入力データに加える。入力データに欠損値がある場合も、加法的外れ値要因の変動データを用いて、欠損値を補完する。
時系列データから、加法的外れ値要因の変動、水準的外れ値要因の変動および特殊な周期性要因の変動を取り除いたものを、事前調整後の時系列データとする。加法的外れ値要因の変動データ、水準的外れ値要因の変動データおよび特殊な周期性要因の変動データのいずれも入力しなかった場合、時系列データには変化はないが、この場合を含め、以下では事前調整後の時系列データとする。時系列データと事前調整後の時系列データとの関係は、以下の数式で表される。
Figure 2023169066000002
ここでadj_Otは事前調整後の時系列データのうち時点t の値、ao_efftは加法的外れ値要因の変動データのうち時点t の値、ls_efftは水準的外れ値要因の変動データのうち時点tの値、sp_efft は特殊な周期性要因の変動データのうち時点t の値を、それぞれ表す。加法的外れ値要因の変動データ、水準的外れ値要因の変動データ、特殊な周期性要因の変動データのうち入力されなかった変動データは、すべての時点で1とする。
以下、事前調整後の時系列データから傾向循環変動、季節変動および不規則変動を分離する、実施例を示す。
はじめに、図2に、事前調整後の時系列データから傾向循環変動、季節変動および不規則変動を分離するための実施例の手順の流れ図を示す。
初期傾向循環変動を算出する手順(図2の手順1)では、事前調整後の時系列データ(adj_Ot)の、p を項数とする移動平均を算出する。これを初期傾向循環変動(Tt (1))とする。
p が奇数の場合、時点t の移動平均値は、t-(p-1)/2 以上、t+(p-1)/2 以下の期間の平均値とする。t-(p-1)/2 以上、t+(p-1)/2以下の期間に時系列データが存在しない時点がある場合、時点t の移動平均値は0とする。
p が偶数の場合、t-p/2 以上、t+p/2以下の期間の平均値と、t-p/2+1 以上、t+p/2+1以下の期間の平均値を求め、その2つの値の平均を、時点t の移動平均値とする。t-p/2 以上、t+p/2+1以下の期間に時系列データが存在しない時点がある場合、時点t の移動平均値は0とする。
初期季節・不規則変動を算出する手順(図2の手順2)では、事前調整後の時系列データ(adj_Ot)を初期傾向循環変動(Tt (1))で除す。これを初期季節・不規則変動(SIt (1))とする。初期傾向循環変動(Tt (1))が0の時点については、その時点の初期季節・不規則変動(SIt (1))も0とする。
初期暫定季節変動を算出する手順(図2の手順3)では、初期季節・不規則変動(SIt (1))の季節移動平均を算出する。これを初期暫定季節変動(S^t (1))とする。ここで「S^」は、Sの上にハット「^」が付されていることを示す。
季節移動平均は、対象とする時系列データを周期内の同じ期に限定した移動平均である。例えば、「1周期の時間的な長さ」が1日の時次データの場合、周期内の同じ期とは、同じ時刻(例えば午後3時)を指す。
初期暫定季節変動の算出にあたっては、季節変動が線形に変化しない可能性があることを考慮し、デフォルトでは、2次曲線を抽出するようにウェイトを調整した加重移動平均の一つである 3×3 加重移動平均を季節移動平均として用いる。時点t の初期暫定季節変動(S^t (1))は、初期季節・不規則変動(SIt (1))と、p を用い、以下の数式で算出される。
Figure 2023169066000003
3×3 加重移動平均を算出するにあたり、一部の項の値が欠けるまたは0となる場合は、非対称のウェイト付けをした3×3 加重移動平均を用いて、初期暫定季節変動を算出する。非対称のウェイト付けをした加重移動平均およびそのウェイトについては非特許文献3参照。
デフォルトでは3×3 加重移動平均を用いるが、3×5 、3×9 の加重移動平均を含む他の加重移動平均を利用して、初期暫定季節変動を求めることも可能である。
初期季節変動を算出する手順(図2の手順4)では、初期暫定季節変動(S^t (1))を、初期暫定季節変動(S^t (1))のp を項数とする移動平均値で除す。これを初期季節変動(St (1))とする。
移動平均値を算出するにあたり、必要な項の一部が欠ける、または0となる時点については、初期暫定季節変動(S^t (1))を初期季節変動(St (1))とする。
初期季節調整値を算出する手順(図2の手順5)では、事前調整後の時系列データ(adj_Ot)を初期季節変動(St (1))で除す。これを初期季節調整値(At (1))とする。
中期傾向循環変動を算出する手順(図2の手順6)では初期季節調整値(At (1))のヘンダーソン移動平均を算出する。これを中期傾向循環変動(Tt (2))とする。
ヘンダーソン移動平均は、3次曲線を抽出するようにウェイトを調整した加重移動平均である。ヘンダーソン移動平均を算出するにあたり、必要な項の一部が欠けるまたは0となる時点については、非対称のウェイト付けをしたヘンダーソン移動平均を用いる。ヘンダーソン移動平均、非対称のウェイト付けをしたヘンダーソン移動平均およびそのウェイトについては非特許文献3参照。
ヘンダーソン移動平均の種類(項数)は多数ある。デフォルトでは、データの性質(傾向循環変動と不規則変動の変化率の割合)をもとに、9項、13項、23項のヘンダーソン移動平均の中から、適切な項数のヘンダーソン移動平均を自動的に選択する。
図3に、データの性質をもとにヘンダーソン移動平均の項数を自動的に選択する手順の流れ図を示す。
デフォルトでは9項、13項、23項のヘンダーソン移動平均を用いるが、他の項数のヘンダーソン移動平均を利用して、中期傾向循環変動を求めることも可能である。単純な移動平均を含む、他の種類の移動平均を用いることも可能である。また、図3のデータの性質をもとにヘンダーソン移動平均の項数を自動的に選択する手順について、項数を選択する基準を変更することも可能である。
中期季節・不規則変動を算出する手順(図2の手順7)では、事前調整後の時系列データ(adj_Ot)を中期傾向循環変動(Tt (2))で除す。これを、中期季節・不規則変動(SIt (2))とする。
暫定季節変動を算出する手順(図2の手順8)では、中期季節・不規則変動(SIt (2))の季節移動平均を算出する。これを暫定季節変動(S^t (2))とする。ここで「S^」は、Sの上にハット「^」が付されていることを示す。
暫定季節変動の算出にあたっては、デフォルトでは、以下の数式で示される3×3 、3×5 、3×9 の加重移動平均のいずれかを用いる。
Figure 2023169066000004
デフォルトでは、データの性質(季節変動と不規則変動の変化率の割合)をもとに、3×3 、3×5 、3×9 の加重移動平均の中から、適切な加重移動平均を自動的に選択する。図4に、データの性質をもとに3×3 、3×5 、3×9 の加重移動平均の中から、適切な加重移動平均を自動的に選択する手順の流れ図を示す。
デフォルトでは3×3 、3×5 、3×9 の加重移動平均を用いるが、他の加重移動平均を利用して、暫定季節変動を求めることも可能である。単純な移動平均を含む、他の種類の移動平均を用いることも可能である。また、図4の、データの性質をもとに3×3 、3×5 、3×9 の加重移動平均の中から適切な加重移動平均を自動的に選択する手順について、選択する基準を変更することも可能である。
季節変動を算出する手順(図2の手順9)では、暫定季節変動(S^t (2))を、暫定季節変動(S^t (2))のp を項数とする移動平均値で除す。これを季節変動(St (2))とする。
季節調整値を算出する手順(図2の手順10)では、事前調整後の時系列データ(adj_Ot)を季節変動(St (2))で除す。これを季節調整値(At (2)) とする。
傾向循環変動を算出する手順(図2の手順11)では、季節調整値(At (2)) のヘンダーソン移動平均を算出する。これを、傾向循環変動(Tt (3)) とする。
ヘンダーソン移動平均を算出するにあたり、必要な項の一部が欠けるまたは0となる時点については、非対称のウェイト付けをしたヘンダーソン移動平均を用いる。
デフォルトでは、データの性質(傾向循環変動と不規則変動の変化率の割合)をもとに、9項、13項、23項のヘンダーソン移動平均の中から、適切な項数のヘンダーソン移動平均を自動的に選択する。データの性質をもとにヘンダーソン移動平均の項数を自動的に選択する手順は、図3のうち、初期季節調整値(At (1))を季節調整値(At (2))に置き換えたものを用いる。
デフォルトでは9項、13項、23項のヘンダーソン移動平均を用いるが、他の項数のヘンダーソン移動平均を利用して、中期傾向循環変動を求めることも可能である。単純な移動平均を含む、他の種類の移動平均を用いることも可能である。また、図3のデータの性質をもとにヘンダーソン移動平均の項数を自動的に選択する手順について、項数を選択する基準を変更することも可能である。
不規則変動を算出する手順(図2の手順12)では、季節調整値(At (2)) を傾向循環変動(Tt (3))で除す。これを不規則変動(It (3)) とする。
以上が、事前調整後の時系列データから傾向循環変動、季節変動および不規則変動を分離する、実施例である。
以下、事前調整後の時系列データの傾向循環変動および季節変動から、事前調整後の時系列データの予測値を得る、実施例を示す。
事前調整後の予測値は、傾向循環変動(Tt (3)) と季節変動(St (2)) に分けて推計する。なお不規則変動(It (3))は予測値には含める必要はない。
傾向循環変動(Tt (3))は、3次の次数の近似曲線を推計し、この曲線を用いて予測値を得る。近似曲線を推計するために利用するデータ数は、図2の手順11で選択したヘンダーソン移動平均の項数の数とすることで、傾向循環変動(Tt (3))の実績値との連続性が高い予測値を得ることができる。なお、線形回帰を含む他の次数の近似曲線による回帰など、他の方法で傾向循環変動(Tt (3))を延長推計することも可能である。
季節変動(St (2))は、図2の手順8で選択した加重移動平均に対応する、非対称のウェイト付けをした加重移動平均を用いて予測値を得る。これにより、季節変動(St (2))の実績値との連続性が高い予測値を得ることができる。なお、線形回帰を含む他の方法で、季節変動(St (2)) 延長推計することも可能である。
傾向循環変動(Tt (3))の予測値と季節変動(St (2))の予測値を合算することで、事前調整後の時系列データの予測値を得る。
以上が、事前調整後の時系列データの傾向循環変動および季節変動から、事前調整後の時系列データの予測値を得る、実施例である。
加法的外れ値要因の変動データ、水準的外れ値要因の変動データ、特殊な周期性要因の変動データを、オプションで入力データに加えていた場合は、加法的外れ値要因の変動、水準的外れ値要因の変動、特殊な周期性要因の変動を、それぞれ不規則変動、傾向循環変動、季節変動に加える。それを事前調整前の時系列データから分離された不規則変動、傾向循環変動、季節変動とする。
以上が、加法的外れ値要因の変動データ、水準的外れ値要因の変動データ、特殊な周期性要因の変動データを、オプションで入力データに加えた場合における、時系列データから傾向循環変動、季節変動および不規則変動を分離する、実施例である。
以下に、疑似的な時系列データに対し、本発明の請求項1に関する実施例を適用した、シミュレーション実験の概要と結果をしめす。
シミュレーション実験に用いる疑似的な時系列データは、傾向循環変動、季節変動、不規則変動別にサブ時系列データを作成し、これらの変動を合成して作成する。
0時点の値が1000で「1周期の時間的な長さ」の間に5%増加する値を傾向変動、「5周期の時間的な長さ」を1周期とし1を中心に0.2の振幅をとる正弦関数の値を循環変動とし、両者を乗じたものを傾向循環変動とする。
「5周期の時間的な長さ」を1周期とし1を中心に0.2の振幅をとる余弦関数の値を季節変動とする。平均を1、標準偏差を0.1とする正規分布に従う乱数を不規則変動とする。
傾向循環変動、季節変動、不規則変動を乗じて疑似的な時系列データとする。
疑似的な時系列データの期間長は10周期とする。
季節移動平均およびヘンダーソン移動平均はデフォルトのものを用いた。また加重移動平均およびヘンダーソン移動平均を利用する基準も、デフォルトのものを用いた。
上記の手順で、1周期のデータ数が2、4、7、10、12、24、48、60、100、365、500の疑似的な時系列データを作成し、それぞれの疑似的な時系列データに対しシミュレーション実験を行った。
なお、1周期のデータ数が4のケースは「1周期の時間的な長さ」が1年の四半期データ、同じく7は「1周期の時間的な長さ」が1週間の日次データ、同じく12は「1周期の時間的な長さ」が1年の月次データ、同じく24は「1周期の時間的な長さ」が1日の時次データ、同じく60は「1周期の時間的な長さ」が1時間の分次データ、同じく365は「1周期の時間的な長さ」が1日の日次データを想定したものである。
1周期のデータ数が2、4、7、10、12、24、48、60、100、365、500の疑似的な時系列データおよび、本発明の請求項1に関する実施例をこれらの時系列データに適用した結果を示すグラフが図5~15である。また、時系列データが変動の性質別に適切に分解されているか、パワースペクトルにより検証した結果を示すグラフが図16~26である。なお、図の横軸は周波数でありデータ数の逆数になる。
結果、1周期のデータ数がどの値のケースについても、本発明の請求項1に関する実施例を適用することで、変動の性質別に、傾向循環変動、季節変動、不規則変動に分解されていることが確認できる。特にパワースペクトルにより検証した結果をみると、時系列データから、指定した「1周期のデータ数」に対応する周期変動のみが季節変動として分解され、それ以外の変動のうち、周期の長い変動が傾向循環変動、周期の短い変動が不規則変動に分解されていることが確認できる。
なお、本シミュレーション実験では、循環変動を正弦関数、季節変動を余弦関数で表現したが、本発明の適用対象は三角関数の変動に制約はされず、循環変動は任意の変動、季節変動は任意の周期変動に対し適用できる。
本シミュレーション実験では、季節移動平均およびヘンダーソン移動平均はデフォルトのものを用いた。仮に傾向循環変動や季節変動の性質が事前に判明している場合、デフォルト以外の加重移動平均やヘンダーソン移動平均を用いることで、事前に判明している性質に沿う様に微調整することも可能である。本シミュレーション実験の場合であれば、仮に傾向循環変動や季節変動が滑らかな変動であることが事前に判明しているのであれば、1周期のデータ数が多いケースについて、その情報を用いてデフォルトより高次の加重移動平均(例えば3×15 加重移動平均)やより多項のヘンダーソン移動平均を用いることで、傾向循環変動や季節変動を滑らかな変動にする微調整を行うこともできる。
本シミュレーション実験では、コンピュータに実行させるためのプログラミング言語としてFortranを用いた。もっとも、Python、C、Javaを含めた他のプログラミング言語やハードウェア記述言語を用いることも可能である。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよい。
手順1 初期傾向循環変動を算出する手順
手順2 初期季節・不規則変動を算出する手順
手順3 初期暫定季節変動を算出する手順
手順4 初期季節変動を算出する手順
手順5 初期季節調整値を算出する手順
手順6 中期傾向循環変動を算出する手順
手順7 中期季節・不規則変動を算出する手順
手順8 暫定季節変動を算出する手順
手順9 季節変動を算出する手順
手順10 季節調整値を算出する手順
手順11 傾向循環変動を算出する手順
手順12 不規則変動を算出する手順

Claims (7)

  1. 時系列データを解析する方法であって、
    時系列データを入力するステップと、
    周期変動の「1周期のデータ数」を、2以上の整数で指定するステップと、
    「1周期のデータ数」が、4,7,12以外の整数を含む2以上の整数の場合に対応するX-11の手順により、時系列データを変動の性質別に分解するステップと、
    を備えたことを特徴とする時系列データを解析する方法。
  2. 時系列データの過去の値からを未来の値を予測する方法であって、
    請求項1記載の方法を実行するステップを備え、さらに、
    時系列データの傾向循環変動と不規則変動の変化率の割合を基準に、傾向循環変動の近似曲線を推計するための時系列データの範囲を定めるステップと、
    定めた範囲の時系列データを元に推計した近似曲線を用いて、傾向循環変動の予測値を算出するステップと、
    時系列データの季節変動と不規則変動の変化率の割合を基準に選択した、非対称のウェイト付けをした加重移動平均を用いて季節変動の予測値を算出するステップと、
    を備えたことを特徴とする過去の値からを未来の値を予測する方法。
  3. 時系列データを解析する方法であって、
    時系列データを入力するステップと、
    水準的外れ値要因の変動データ、特殊な周期性要因の変動データ及び加法的外れ値要因の変動データを入力するステップと、
    時系列データから、水準的外れ値要因の変動、特殊な周期性要因の変動及び加法的外れ値要因の変動を除去し、事前調整後の時系列データを算出するステップと、
    請求項1記載の方法を、時系列データを事前調整後の時系列データに置き換えた上で実行するステップを備え、さらに、
    事前調整後の時系列データの傾向循環変動に水準的外れ値要因の変動を加え、時系列データの傾向循環変動を算出するステップと、
    事前調整後の時系列データの季節変動に特殊な周期性要因の変動を加え、時系列データの季節変動を算出するステップと、
    事前調整後の時系列データの不規則変動に加法的外れ値要因の変動を加え、時系列データの不規則変動を算出するステップと、
    を備えたことを特徴とする時系列データを解析する方法。
  4. 請求項1に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  5. 請求項2に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  6. 請求項3に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  7. 請求項4~6に記載のプログラムを記録した記憶媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN118013237A (zh) * 2024-04-09 2024-05-10 卡松科技股份有限公司 基于大数据分析的润滑油使用寿命智能预测方法

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