JP2023168423A - 軟磁性ナノワイヤーおよびそれを含む塗料ならびにそれを塗布してなる積層体 - Google Patents

軟磁性ナノワイヤーおよびそれを含む塗料ならびにそれを塗布してなる積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】飽和磁化と比透磁率がより十分に高く、かつ保磁力がより十分に低い軟磁性ナノワイヤーを提供すること。【解決手段】鉄とホウ素を含有する軟磁性ナノワイヤーであって、平均長が5μm以上であり、かつSEM-EDS法により測定した該ナノワイヤー中の鉄/ホウ素のモル比が5未満である、軟磁性ナノワイヤー。【選択図】なし

Description

本発明は、軟磁性ナノワイヤーおよびそれを含む塗料ならびにそれを塗布してなる積層体に関するものである。
軟磁性材料は、モーターのコア、電磁弁、各種センサー、磁界シールドや電磁波吸収材等のさまざまな用途で広く用いられている。一般的に、各用途において良好な性能を得るには、軟磁性材料は、高い透磁率、高い飽和磁化、低い保磁力を有することが好ましい。これらの特性値が良好であるほど、各用途で優れた性能を発揮する。
特に鉄は飽和磁化が高い軟磁性材料であり、センサー、コア材、磁界シールド等に応用されている。さらに、鉄材料の中でも異方性が高い材料は、低い反磁界とパーコレーション閾値を有することから、軟磁性材料として期待されている。
軟磁性材料は異方性を付与することにより、反磁界が抑制でき、透磁率が高くなる。そのため、特許文献1や非特許文献1等の軟磁性のナノワイヤーは軟磁性の粒子と比較し、透磁率が優れた材料になることが知られている。
異方性を有する軟磁性材料としては、例えば、非特許文献2および3に鉄とホウ素を含むナノワイヤーが開示されている。
国際公開2021/107136号パンフレット
Advanced Powder Technology(2016), 27, p704-710. Journal of Applied Physics (2011), 109, 07B527 J. Chin. Chem. Soc. 2012, 59、"Synthesis and Characterization of Iron Nanowires"
しかしながら、特許文献1のナノワイヤーは十分な保磁力を有していなかった。非特許文献1~3のナノワイヤーは長さが比較的短く異方性に乏しいため、軟磁性材料としての性能、特に比透磁率が不十分であった。
本発明は、飽和磁化と比透磁率がより十分に高く、かつ保磁力がより十分に低い軟磁性ナノワイヤーを提供することを目的とするものである。
本発明はまた、鉄の純度が高く、平均長が長い軟磁性ナノワイヤーを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、鉄塩を含む溶液を、ホウ素を含む還元剤を用いて還元する方法において、鉄塩/還元剤のモル比を特定比とすることにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
<1> 鉄とホウ素を含有する軟磁性ナノワイヤーであって、
平均長が5μm以上であり、かつSEM-EDS法により測定した該ナノワイヤー中の鉄/ホウ素のモル比が5未満である、軟磁性ナノワイヤー。
<2> 前記ナノワイヤー中の鉄の含有量が70質量%以上であり、
前記ナノワイヤー中のホウ素の含有量が3.5質量%以上であり、
前記ナノワイヤー中の鉄とホウ素以外の元素の含有量が25質量%以下である、<1>に記載の軟磁性ナノワイヤー。
<3> 前記ナノワイヤー中の鉄の含有量が85質量%以上である、<1>または<2>に記載の軟磁性ナノワイヤー。
<4> 前記ナノワイヤー中のホウ素の含有量が3.5質量%以上であり、
前記ナノワイヤー中の鉄とホウ素以外の元素の含有量が15質量%以下である、<3>に記載の軟磁性ナノワイヤー。
<5> 前記ナノワイヤー中の鉄の含有量が89質量%以上であり、
前記ナノワイヤー中のホウ素の含有量が4質量%以上である、<1>または<2>に記載の軟磁性ナノワイヤー。
<6> 前記ナノワイヤー中の鉄とホウ素以外の元素の含有量が8質量%以下である、<5>に記載の軟磁性ナノワイヤー。
<7> 振動試料型磁力計を用いて測定した飽和磁化を鉄の純度で除算した値が150emu/g以上である、<1>~<6>のいずれかに記載の軟磁性ナノワイヤー。
<8> 振動試料型磁力計を用いて測定した飽和磁化が40emu/g以上である、<1>~<7>のいずれかに記載の軟磁性ナノワイヤー。
<9> 振動試料型磁力計を用いて測定した保磁力が500Oe未満である、<1>~<8>のいずれかに記載の軟磁性ナノワイヤー。
<10> 振動試料型磁力計を用いて測定した比透磁率が5以上である<1>~<9>のいずれかに記載の軟磁性ナノワイヤー。
<11> <1>~<10>のいずれかに記載の軟磁性ナノワイヤーを製造する方法であって、
反応開始前の溶存酸素量が0.5~4.0mg/Lである反応溶媒中において、鉄イオンを原料とし、ホウ素原子を含んだ還元剤を用いて、磁場中で液相還元反応をおこなう、軟磁性ナノワイヤーの製造方法。
<12> <1>~<10>のいずれかに記載の軟磁性ナノワイヤーを含む塗料。
<13> <12>に記載の塗料を基材上に塗布してなる塗膜を有する積層体。
<14> <1>~<10>のいずれかに記載の軟磁性ナノワイヤーを含む成形体。
<15> <1>~<10>のいずれかに記載の軟磁性ナノワイヤーを含むシート。
<16> <1>~<10>のいずれかに記載の軟磁性ナノワイヤーを含む電磁波遮蔽材料。
本発明によれば、飽和磁化と比透磁率がより十分に高く、保磁力がより十分に低い軟磁性ナノワイヤーを提供することができる。
[軟磁性ナノワイヤー]
本発明の軟磁性ナノワイヤーは、鉄とホウ素を含む。
本発明の軟磁性ナノワイヤー中の鉄/ホウ素のモル比は、5未満とする必要があり、飽和磁化および比透磁率のさらなる増加ならびに保磁力のさらなる低減の観点から、好ましくは4未満、より好ましくは3未満である。当該モル比が5以上である場合、飽和磁化および比透磁率が低下する。当該モル比は通常、0.1以上、特に1以上である。
本明細書中、鉄/ホウ素のモル比は、走査型電子顕微鏡(SEM)-EDS法により測定された値を用いている。詳しくは、当該モル比は、SEMによる任意の10視野において、EDS法により各元素の構成比率を測定することにより、算出された平均値を用いている。
本発明の軟磁性ナノワイヤー中の鉄の含有量は、特に限定されず、飽和磁化および比透磁率のさらなる増加ならびに保磁力のさらなる低減の観点から、70質量%以上とすることが好ましく、85質量%以上とすることがより好ましく、88質量%以上とすることがさらに好ましく、89質量%以上とすることが十分に好ましく、90質量%以上とすることがより十分に好ましく、93質量%以上とすることが特に好ましく、95質量%以上とすることが最も好ましい。鉄の含有量は通常、98質量%以下、特に95質量%以下である。
本発明の軟磁性ナノワイヤー中のホウ素の含有量は、特に限定されず、飽和磁化および比透磁率のさらなる増加ならびに保磁力のさらなる低減の観点から、3.5質量%以上とすることが好ましく、4質量%以上とすることがより好ましく、4.85質量%以上とすることが十分に好ましく、5質量%以上とすることがより十分に好ましい。ホウ素の含有量は通常、15質量%以下、特に8質量%以下である。
本来、鉄の含有量が高いほど飽和磁化等の軟磁性材料としての性能が向上するが、鉄は酸化しやすいため、ナノワイヤー中に酸素等を含み純度が低下する。しかしながら、本発明においてはナノワイヤー中にホウ素を含ませることにより、酸化を抑制しながらナノワイヤーを成長させることができ、鉄の純度が高いナノワイヤーを作製することができる。また、ナノワイヤー中にホウ素を含ませることにより、作製後貯蔵する際にも高い純度を維持することができる。ナノワイヤーが鉄を含まない場合、飽和磁化が低くなるので好ましくない。ナノワイヤーがホウ素を含まない場合、所定の平均長を有するナノワイヤーを作製することができない場合がある。
本明細書中、鉄およびホウ素の各元素の含有量は、ナノワイヤー全量に対する値(質量%)で表されている。当該各元素の含有量は、ナノワイヤーが溶解された溶液を、ICP-AES法に基づく多元素同時分析法および検量線法に供することにより測定された値を用いている。
本発明の軟磁性ナノワイヤー中の鉄とホウ素以外の元素の含有量は特に限定されず、飽和磁化および比透磁率のさらなる増加ならびに保磁力のさらなる低減の観点から、25質量%以下とすることが好ましく、15質量%以下とすることがより好ましく、8質量%以下とすることがさらに好ましく、7質量%以下とすることが十分に好ましく、6質量%以下とすることがより十分に好ましく、5質量%以下とすることがさらに十分に好ましく、3質量%以下とすることがもっと十分に好ましく、1質量%未満とすることが特に好ましく、0.1質量%以下とすることが最も好ましい。鉄とホウ素以外の元素の含有量は、検出限界値(例えば0.1質量%)未満であってもよい。
鉄とホウ素以外の元素とは、本発明の軟磁性ナノワイヤーに含まれる、鉄でもホウ素でもない元素のことである。鉄とホウ素以外の元素の具体例として、例えば、酸素、炭素、ケイ素等が挙げられる。
本明細書中、鉄とホウ素以外の元素の含有量は、それらの元素の合計含有量のことであり、ナノワイヤー全量に対する値(質量%)で表されている。当該元素の含有量は、ナノワイヤーが溶解された溶液を、ICP-AES法に基づく多元素同時分析法および検量線法に供することにより測定された値を用いている。詳しくは、ICP-AES法に基づく検量線法により測定した鉄およびホウ素の含有量を、ナノワイヤー全量から減ずることにより算出された値を用いている。
本発明の軟磁性ナノワイヤーにおいて、例えば、コバルトおよびニッケルそれぞれの含有量は通常、ナノワイヤー全量に対して0.1質量%以下、特に0質量%である。なお、コバルトおよびニッケルそれぞれの含有量が0質量%であるとは、本発明の軟磁性ナノワイヤーがコバルトおよびニッケルを含まないこと、詳しくは当該コバルトおよびニッケルそれぞれの含有量がICP-AES法に基づく測定法による検出限界値未満(例えば0.1質量%未満)であることを意味する。
本発明の軟磁性ナノワイヤー中の鉄、コバルト、ニッケル、ホウ素およびケイ素の合計含有量(以下、「合計含有量X」ということがある)は、飽和磁化および比透磁率のさらなる増加ならびに保磁力のさらなる低減の観点から、当該ナノワイヤー全量に対して、75質量%以上が好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが十分に好ましく、98質量%以上であることがより十分に好ましい。合計含有量Xのナノワイヤー全量に対する割合は通常、100質量%以下である。
本明細書中、鉄、コバルト、ニッケル、ホウ素およびケイ素の合計含有量(すなわち「合計含有量X」)のナノワイヤー全量に対する割合(質量%)は、ICP-AES法に基づく検量線法により測定された値を用いている。
本発明の軟磁性ナノワイヤーの平均長は、5μm以上であることが必要で、飽和磁化および比透磁率のさらなる増加ならびに保磁力のさらなる低減の観点から、8~40μmであることが好ましく、10~35μmであることがより好ましく、10~30μmであることがさらに好ましい。上記のようにホウ素を特定量含ませることにより、平均長が5μm以上のナノワイヤーを作製することができる。ナノワイヤーは、長いほど、異方性が高まり反磁界を低減することができる。ナノワイヤーの平均長が5μm未満である場合、飽和磁化および比透磁率が低下する。
本発明の軟磁性ナノワイヤーの平均径は特に限定されないが、飽和磁化および比透磁率のさらなる増加ならびに保磁力のさらなる低減の観点から、20~300nmであることが好ましく、50~200nmであることがより好ましく、50~150nmであることがさらに好ましい。前記平均径は、反応条件により制御することができ、用途に応じて適宜選択することができる。ナノワイヤーは細いほど、アスペクト比が大きくなり、反磁界が低減される。本発明の軟磁性ナノワイヤーのアスペクト比は特に限定されず、例えば、20~500であってもよく、飽和磁化および比透磁率のさらなる増加ならびに保磁力のさらなる低減の観点から、好ましくは40~300、より好ましくは50~200である。
本明細書中、ナノワイヤーの平均長および平均径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による撮影に基づく、任意の100点での平均値を用いている。
本発明の軟磁性ナノワイヤーの飽和磁化は、40emu/g以上であることが好ましく、60emu/g以上であることがより好ましく、70emu/g以上であることがさらに好ましく、150emu/g以上であることが特に好ましい。飽和磁化が40emu/g未満の場合、軟磁性材料として性能が不足し扱いにくい。当該飽和磁化は通常、300emu/g以下、特に200emu/g以下である。
本発明の軟磁性ナノワイヤーにおいて、飽和磁化を鉄の純度で除算した値は、40emu/g以上であることが好ましく、60emu/g以上であることがより好ましく、70emu/g以上であることがさらに好ましく、150emu/g以上であることが特に好ましい。鉄の純度とは、ナノワイヤー中の鉄の含有量に基づく値であり、ナノワイヤーの全質量を「1」としたときの値である。
本発明の軟磁性ナノワイヤーの比透磁率は、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、40以上であることがさらに好ましく、100以上であることが十分に好ましい。比透磁率が5未満の場合、軟磁性材料として性能が不足し扱いにくい。当該比透磁率は通常、300以下、特に200以下である。
本発明の軟磁性ナノワイヤーの保磁力は、500Oe未満であることが好ましく、400Oe未満であることがより好ましく、200Oe未満であることがさらに好ましい。保磁力が500Oe以上の場合、磁界への反応が鈍く、軟磁性材料として扱いにくい。一般に、異方性が高い材料ほど、保磁力が高くなるが、ホウ素を含有させることにより保磁力の上昇を抑制することができる。当該保磁力は通常、50Oe以上、特に100Oe以上である。
本明細書中、飽和磁化、比透磁率および保磁力は、25℃にて振動試料型磁力計(VSM)により求めた値(2回の測定値)の平均値を用いている。
[軟磁性ナノワイヤーの製造方法]
本発明の軟磁性ナノワイヤーの製造方法としては、例えば、特定の溶存酸素量の反応溶媒中において、鉄イオンを原料とし、ホウ素原子を含んだ還元剤を用いて、磁場中で液相還元反応をおこなう方法が挙げられる。
鉄イオンを還元する際、鉄塩を反応溶媒に溶解させて鉄イオンを供給することが好ましい。鉄塩の形態は、用いる反応溶媒に溶解し、還元可能な状態で鉄イオンを供給できるものであれば特に限定されない。鉄塩としては、例えば、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、酢酸鉄等が挙げられる。これらの塩は、水和物でも、無水物でもよい。鉄イオンの価数は特に限定されない。鉄イオンは、飽和磁化および比透磁率のさらなる増加ならびに保磁力のさらなる低減の観点から、鉄(II)イオンであることが好ましい。
鉄イオンの濃度は、10~1000mmol/Lとすることが好ましく、ナノワイヤーを形成しやすく、収率が向上しやすいことから、30~300mmol/Lとすることがより好ましく、50~200mmol/Lとすることがさらに好ましい。
鉄イオンを含む反応溶液は、反応開始前の溶存酸素量を0.5~4.0mg/Lに制御することが好ましく、1.0~3.0mg/Lに制御することが特に好ましい。前記溶存酸素量が4.0mg/Lを超える場合、ナノワイヤーの平均長が5μm以上の長さまで成長しない場合がある。一方、前記溶存酸素量が0.5mg/L未満の場合、再イオン化等が起こりやすい不安定なナノワイヤーになる場合がある。溶存酸素量の制御は、不活性ガスによる脱気や脱酸素剤を用いることでおこなうことができる。
本発明においては、還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ジメチルアミンボラン等のホウ素原子を含んだ還元剤である必要があり、中でも、水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。ホウ素原子を含まない還元剤を用いる場合、ナノワイヤーを得ることができない場合がある。
還元剤の濃度は特に限定されないが、50~2000mmol/Lとすることが好ましく、100~1000mmol/Lとすることがより好ましく、150~600mmol/Lとすることがさらに好ましい。還元剤の濃度が50mmol/L未満の場合、還元反応が十分進行しない場合があり、還元剤の濃度が2000mmol/Lを超える場合、還元反応の進行により急激な発泡が起こる場合がある。
反応溶媒は、鉄イオンおよび還元剤が溶解できる限り特に限定されないが、溶解性、価格、環境負荷等の観点から、水が好ましい。
還元反応に際しては、鉄イオン溶液および還元剤溶液について、一方の溶液を他方の溶液に滴下して、反応液を形成することが好ましい。詳しくは、還元剤溶液を鉄イオン溶液に滴下してもよいし、または鉄イオン溶液を還元剤溶液に滴下してもよい。飽和磁化および比透磁率のさらなる増加ならびに保磁力のさらなる低減の観点から、還元剤溶液を鉄イオン溶液に滴下することが好ましい。なお、上記した鉄イオンおよび還元剤の濃度は、反応液(すなわち鉄イオン溶液および還元剤溶液の混合液)中における濃度である。
還元反応は、バッチ法で行ってもよいし、フロー法で行ってもよい。
鉄イオンを還元する際に印加する磁場は、バッチ法、フロー法いずれの場合であっても、中心磁場を10~200mTとすることが好ましい。中心磁場が10mT未満の場合、ナノワイヤーが生成しにくい場合がある。200mTを超える強い磁場は発生させることが困難である。
還元反応をおこなう温度は特に限定されないが、室温(例えば、25℃)から溶媒の沸点までの温度が好ましく、簡便性の観点から室温でおこなうことがより好ましい。
還元反応の時間は軟磁性ナノワイヤーが作製できれば特に限定されない。バッチ法で行う場合は、1分~1時間が好ましい。フロー法で行う場合、所定の時間が経過すれば反応後の溶液を取り出してもよいし、連続的に反応後の溶液を取り出してもよい。
還元反応に際しては、系中の溶存酸素量を低減させるべく、窒素、アルゴンの不活性ガスによるバブリングを行ってもよいし、または行わなくてもよい。飽和磁化および比透磁率のさらなる増加ならびに保磁力のさらなる低減の観点から、当該バブリングを行うことが好ましい。
還元反応後、遠心分離、ろ過、磁石による吸着等で軟磁性ナノワイヤーを精製回収することができる。
還元反応後、あるいは精製回収後の軟磁性ナノワイヤーについて、水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性水溶液を用いて表面処理を行うことで、軟磁性ナノワイヤー表面に酸化層を形成することができる。当該処理を行う場合は、不活性ガスによるバブリングを行わない場合でも、純度が高く、飽和磁化及び比透磁率が高く、保磁力が低いナノワイヤーを得ることができる。塩基性水溶液を用いて表面処理を行うとは、還元反応後、反応液に塩基性水溶液を添加して0.5~3時間保持すること、または精製回収後、軟磁性ナノワイヤーを塩基性水溶液中に分散して0.5~3時間保持することである。
[軟磁性ナノワイヤーの使用および用途]
本発明の軟磁性ナノワイヤーは、各種材料と混合し成形加工することで、電磁波遮蔽材料とすることができる。電磁波遮蔽材料は、電界シールド、磁界シールド等の電磁波シールド;および電磁波吸収体等を包含する。電磁波シールドとは、電磁波の透過を抑制し電磁波を反射するものである。電磁波吸収体とは、電磁波の透過や反射を抑制し電磁波を吸収するものである。電磁波遮蔽材料が遮蔽する電磁波の周波数は、例えば、26.5~40GHz、70~80GHz、287.5~312.5GHz等の帯域である。前記電磁波遮蔽材料は、モーターのコア、電磁弁、各種センサー等のさまざまな用途に使用できる。
本発明の軟磁性ナノワイヤーと混合される各種材料は、有機材料、無機材料を問わない。本発明の軟磁性ナノワイヤーは、各種材料として、例えば、エポキシ等の熱硬化性樹脂;ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂;イソプレンゴムやシリコーンゴム等のゴム;ガラス、セラミックと混合することができる。また、混合の際、揮発性の溶媒等を用いることもできる。有機材料は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴムを包含する。
本発明の軟磁性ナノワイヤーを含む成形体は、本発明の軟磁性ナノワイヤーおよび上記各種材料(例えば、有機材料)を含み、かつあらゆる形状を有していてもよい成形加工品である。成形加工方法としては、特に限定されず、例えば、キャスト法、溶融混錬法、塗布法、射出成形法、押出成形法等が挙げられる。
本発明の軟磁性ナノワイヤーを含む成形体の一例として、例えば、本発明の軟磁性ナノワイヤーを含む塗膜を有する積層体がある。例えば、本発明の軟磁性ナノワイヤーを含む塗料を基材上に塗布(および必要により乾燥)することで本発明の軟磁性ナノワイヤーを含む塗膜を有する積層体を形成することができる。本発明の積層体は特に、磁界シールドや電磁波吸収体等に用いることができる。塗料は、軟磁性ナノワイヤーの他に、上記各種材料(例えば、有機材料)および/または溶媒を含んでもよい。塗料における軟磁性ナノワイヤーの含有量は、特に限定されず、例えば、0.1~70質量%であってもよく、特に1~50質量%であることが好ましい。塗料における上記各種材料(特に有機材料)の含有量は、特に限定されず、例えば、1~99質量%であってもよく、特に10~90質量%であることが好ましい。
積層体を構成する基材としては特に限定されず、塗膜を支持し得るものでれば特に限定されない。基材を構成し得る材料としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド等の有機材料;金属箔、セラミック、ガラス等の無機材料または;それらの複合材料が挙げられる。
積層体を得るための塗布方法は特に限定されないが、例えば、ワイヤーバーコーター塗り、フィルムアプリケーター塗り、スプレー塗り、グラビアロールコーティング法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング法、リップコーティング、エアナイフコーティング法、カーテンフローコーティング法、浸漬コーティング法、ダイコート法、スプレー法、凸版印刷法、凹版印刷法、インクジェット法が挙げられる。
本発明の軟磁性ナノワイヤーを含む成形体の別の一例として、例えば、本発明の軟磁性ナノワイヤーを含むシートがある。例えば、本発明の軟磁性ナノワイヤーを含む塗料を基材上に塗布(および必要により乾燥)して得られたシートを基材から剥離することで形成することができる。本発明のシートは、シート単体で市場にて取引の対象となるものである。本発明のシートは、上記した積層体と同様に、磁界シールドや電磁波吸収体等に用いることができる。塗料は、積層体を得るための塗料と同様に、軟磁性ナノワイヤーの他に、上記各種材料(例えば、有機材料(特に、ポリマーまたはゴム))および/または溶媒を含んでもよい。
シートを得るための基材としては、シートを剥離可能である限り特に限定されず、積層体を構成する基材と同様の範囲内の基材から選択されてもよい。
シートを得るための塗布方法は特に限定されず、積層体を得るための塗布方法と同様の範囲内から選択されてもよい。
本発明の軟磁性ナノワイヤーは、飽和磁化と比透磁率がより十分に高く、保磁力がより十分に低く、かつ異方性がより十分に高いため、軟磁性材料として好適に用いることができる。異方性とは、ナノワイヤーのアスペクト比がより十分に大きいことである。本発明の軟磁性ナノワイヤーは、前記したような、より十分に大きいアスペクト比を有することが好ましい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、ナノワイヤーの評価は、以下の方法によりおこなった。
(1)ナノワイヤー化
得られた生成物を真空乾燥したのち、マイクロスコープで観察するとともに、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて10万倍で撮影した。任意の10視野中における任意の100点において、ナノワイヤーの長さおよび径を測定し、それぞれ平均値を算出した。また、平均長を平均径で除算することでアスペクト比を算出した。アスペクト比に基づいて、形状を以下の基準で評価した。
○:繊維状(アスペクト比10以上);
×:非繊維状(アスペクト比10未満);
××:繊維状および非繊維状の生成物いずれも得られなかった。
(2)ナノワイヤーの平均長、平均径およびアスペクト比
上記項目(1)において、繊維状の生成物が得られた場合、ナノワイヤーの平均長、平均径およびアスペクト比を示した。
ナノワイヤーの平均長は以下の基準で評価した。
◎:10μm以上(優良);
○:5μm以上、10μm未満(良);
×:5μm未満(実用上問題あり)。
(3)ナノワイヤーのモル比率
得られた生成物を真空乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて10万倍で撮影した。任意の10視野においてEDS法により各元素の構成比率を測定し、鉄/ホウ素のモル比を算出した。
ナノワイヤー中の鉄/ホウ素のモル比率は以下の基準で評価した。
◎◎:3未満(最良);
◎:3以上、4未満(優良);
○:4以上、5未満(良);
×:5以上(実用上問題あり)。
(4)構成比率(質量比)および合計量
得られた生成物を真空乾燥したのち、希塩酸と希硝酸との混合溶液に溶解した。得られた溶解液を、ICP-AES法の多元素同時分析法に供することより、ホウ素、ケイ素およびその他の金属元素の含有の有無を確認した。その他の金属元素としては、鉄、コバルト、ニッケルが挙げられ、これらの金属元素以外の金属元素は確認されなかった。各金属元素の検出限界値は0.1質量%であった。
ケイ素が検出されない場合、ICP-AES法により、鉄、コバルト、ニッケル、ホウ素標準液を用いて検量線法により、鉄、コバルト、ニッケル、ホウ素の含有量を定量した。
ケイ素が検出された場合、ICP-AES法により、鉄、コバルト、ニッケル、ホウ、ケイ素標準液を用いて検量線法により、鉄、コバルト、ニッケル、ホウ素およびケイ素の含有量を定量した。
定量された各元素の含有量をナノワイヤー全量(100質量%)に対する割合として示した(表中の(1))。
定量された各元素の含有量から、ナノワイヤー中の「Fe,Co,Ni,BおよびSiの合計含有量Xに対する各元素の含有量」(表中の(2))および「ナノワイヤー全量に対する合計含有量Xの割合」(表中の(3))を算出した。
ナノワイヤー中の鉄、コバルト、ニッケル、ホウ素、ケイ素以外の含有量は、ナノワイヤーの質量から、鉄、コバルト、ニッケル、ホウ素、ケイ素の含有量を差し引いて求めることができる。
(5)磁気特性(飽和磁化、比透磁率および保磁力)
得られた生成物を真空乾燥したのちに、振動試料型磁力計(VSM)により求めた。測定は室温(25℃)でおこなった。なお、測定は生成物を配向させない状態でおこなった。
飽和磁化は、以下の基準により評価した。
◎◎:150emu/g以上(最良);
◎:60emu/g以上、150emu/g未満(優良);
○:40emu/g以上、60emu/g未満(良);
×:40emu/g未満(実用上問題あり)。
比透磁率は、以下の基準により評価した。
◎◎:100以上(最良);
◎:40以上100未満(優良);
○:10以上40未満(良);
△:5以上10未満(可:実用上問題なし);
×:5未満(実用上問題あり)。
保磁力は、以下の基準により評価した。
◎◎:200Oe未満(最良);
◎:200Oe以上400Oe未満(優良);
○:400Oe以上500Oe未満(良);
×:500Oe以上(実用上問題あり)。
(6)磁気特性の総合評価
上記した磁気特性(飽和磁化、比透磁率および保磁力)の評価結果を総合的に評価した。詳しくは、これらの評価結果のうち、最低の評価結果を総合評価の結果として用いた。
◎◎:最良;
◎:優良;
○:良;
△:可(実用上問題なし);
×:不可(実用上問題あり)。
(7)反応溶液中における溶存酸素濃度
飯島電子工業社製DOメーターB-506を用いて、大気圧下、25℃で測定した。
実施例1
塩化鉄(II)四水和物8.55質量部(43モル部)を水300質量部に溶解し、中心磁場が130mTの磁気回路に入れ、窒素ガスのバブリングを開始した。バブリング開始から10分経過した後、溶存酸素量が2mg/Lであることを確認した後、水素化ホウ素ナトリウム7.00質量部(185モル部)を水175質量部に溶解した水溶液の滴下を開始した。15分かけて滴下後、さらに10分間静置した。反応液中の鉄イオンおよび還元剤の濃度は以下の通りであった:鉄イオン(91mmol/L、還元剤389mmol/L。)
その後、磁場の印加と窒素ガスのバブリングを停止し、反応液を200質量部の水に注いで希釈した。生じた黒色のナノワイヤーをT100A090CのPTFE製フィルターを用いてろ過回収後、水、メタノールでそれぞれ3回ずつ洗浄し、室温で24時間真空乾燥してナノワイヤーを得た。
実施例2
水素化ホウ素ナトリウム水溶液の滴下にかける時間を10分とした以外は、実施例1と同様の操作を行って、ナノワイヤーを得た。
実施例3
水素化ホウ素ナトリウム7.00質量部(185モル部)を水175質量部に溶解し、中心磁場が130mTの磁気回路に入れ、窒素ガスのバブリングを開始した。バブリング開始から10分経過した後、溶存酸素量が2mg/Lであることを確認した後、塩化鉄(II)四水和物8.55質量部(43モル部)を水300質量部に溶解した水溶液の滴下を開始した。10分かけて滴下後、さらに10分間静置した。
その後、磁場の印加と窒素ガスのバブリングを停止し、反応液を200質量部の水に注いで希釈した。生じた黒色のナノワイヤーをT100A090CのPTFE製フィルターを用いてろ過回収後、水、メタノールでそれぞれ3回ずつ洗浄し、室温で24時間真空乾燥してナノワイヤーを得た。
実施例4
原料の塩化鉄(II)四水和物を塩化鉄(III)六水和物に変更した以外は実施例1と同様の操作を行って、ナノワイヤーを得た。
実施例5
塩化鉄(II)四水和物8.55質量部(43モル部)を水300質量部に溶解し、大気に開放した中心磁場が130mTの磁気回路に入れた。溶存酸素量が7mg/Lであることを確認した後、バブリングを行うことなく、水素化ホウ素ナトリウム7.00質量部(185モル部)を水175質量部に溶解した水溶液の滴下を開始した。15分かけて滴下後、さらに10分間静置した。得られた反応液に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12ないし13に調整し、1時間静置した。
その後、磁場の印加を停止し、反応液を200質量部の水に注いで希釈した。生じた黒色の固体をT100A090CのPTFE製フィルターを用いてろ過回収後、水、メタノールでそれぞれ3回ずつ洗浄し、室温で24時間真空乾燥してナノワイヤーを得た。
比較例1
塩化鉄(II)四水和物8.55質量部(43モル部)を水300質量部に溶解し、大気に開放した中心磁場が130mTの磁気回路に入れた。溶存酸素量が7mg/Lであることを確認した後、水素化ホウ素ナトリウム7.00質量部(185モル部)を水175質量部に溶解した水溶液の滴下を開始した。15分かけて滴下後、さらに10分間静置した。
その後、磁場の印加を停止し、反応液を200質量部の水に注いで希釈した。生じた黒色の固体をT100A090CのPTFE製フィルターを用いてろ過回収後、水、メタノールでそれぞれ3回ずつ洗浄し、室温で24時間真空乾燥してナノワイヤーを得た。
比較例2
塩化鉄(II)四水和物8.55質量部(43モル部)を水300質量部に溶かし、150mTの磁場を印加した反応容器中に入れた。脱酸素剤としてヒドラジン一水和物を0.5質量部添加し、溶存酸素量が0.2mg/Lであることを確認した後、水素化ホウ素ナトリウム7.00質量部(185モル部)を水175質量部に溶解した水溶液の滴下を開始した。15分かけて滴下後、さらに10分間静置した。その後、磁場の印加を停止し、反応液を200質量部の水に注いで希釈した。
生じた黒色の固体をT100A090CのPTFE製フィルターを用いてろ過回収後、水、メタノールでそれぞれ3回ずつ洗浄し、室温で24時間真空乾燥して黄色の不定形粒子を得た。
比較例3
水酸化ナトリウム1.00質量部をエチレングリコール472質量部に溶解させて90℃に加熱した溶液Aを調製した。塩化鉄(II)四水和物3.34質量部(16.9モル部)をエチレングリコール99.3質量部に溶解させた溶液Bを調製した。溶液A、28%アンモニア水25.0質量部、溶液Bおよびヒドラジン一水和物2.50質量部をこの順で、90~95℃に加熱した反応容器に添加した。各液の添加は、撹拌をおこないながら、上記の順序にて10秒間隔でおこなった。すべてを添加後、150mTの磁場を印加し、90~95℃を保って90分間静置したが、反応は進行せず、生成物は得られなかった。
実施例および比較例で得られた生成物の評価結果を表1に示す。
実施例1~5の軟磁性ナノワイヤーは、鉄/ホウ素のモル比が5未満であり、平均長が長く、飽和磁化と比透磁率がより十分に高く、保磁力がより十分に低く、軟磁性材料としての性能より十分に優れていた。
比較例1のナノワイヤーは、鉄の純度が低く、平均長が短く、飽和磁化と比透磁率が低く、保磁力が高く、軟磁性材料としての性能が劣っていた。
比較例2は、不定形の劣化物が見られ、鉄/ホウ素のモル比が5以上であり、鉄の純度が低く、飽和磁化と比透磁率が低く、軟磁性材料としての性能が劣っていた。
比較例3では、ホウ素を含んでいなかったため、還元反応が進行せず、生成物が得られなかった。
本発明の軟磁性ナノワイヤーは、軟磁性が要求されるあらゆる用途(例えば、モーターのコア、電磁弁、各種センサー、磁界シールドや電磁波吸収材等)に有用である。

Claims (16)

  1. 鉄とホウ素を含有する軟磁性ナノワイヤーであって、
    平均長が5μm以上であり、かつSEM-EDS法により測定した該ナノワイヤー中の鉄/ホウ素のモル比が5未満である、軟磁性ナノワイヤー。
  2. 前記ナノワイヤー中の鉄の含有量が70質量%以上であり、
    前記ナノワイヤー中のホウ素の含有量が3.5質量%以上であり、
    前記ナノワイヤー中の鉄とホウ素以外の元素の含有量が25質量%以下である、請求項1に記載の軟磁性ナノワイヤー。
  3. 前記ナノワイヤー中の鉄の含有量が85質量%以上である、請求項2に記載の軟磁性ナノワイヤー。
  4. 前記ナノワイヤー中のホウ素の含有量が3.5質量%以上であり、
    前記ナノワイヤー中の鉄とホウ素以外の元素の含有量が15質量%以下である、請求項3に記載の軟磁性ナノワイヤー。
  5. 前記ナノワイヤー中の鉄の含有量が89質量%以上であり、
    前記ナノワイヤー中のホウ素の含有量が4質量%以上である、請求項2に記載の軟磁性ナノワイヤー。
  6. 前記ナノワイヤー中の鉄とホウ素以外の元素の含有量が8質量%以下である、請求項5に記載の軟磁性ナノワイヤー。
  7. 振動試料型磁力計を用いて測定した飽和磁化を鉄の純度で除算した値が150emu/g以上である、請求項1に記載の軟磁性ナノワイヤー。
  8. 振動試料型磁力計を用いて測定した飽和磁化が40emu/g以上である、請求項1に記載の軟磁性ナノワイヤー。
  9. 振動試料型磁力計を用いて測定した保磁力が500Oe未満である、請求項1に記載の軟磁性ナノワイヤー。
  10. 振動試料型磁力計を用いて測定した比透磁率が5以上である請求項1に記載の軟磁性ナノワイヤー。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載の軟磁性ナノワイヤーを製造する方法であって、
    反応開始前の溶存酸素量が0.5~4.0mg/Lである反応溶媒中において、鉄イオンを原料とし、ホウ素原子を含んだ還元剤を用いて、磁場中で液相還元反応をおこなう、軟磁性ナノワイヤーの製造方法。
  12. 請求項1~10のいずれかに記載の軟磁性ナノワイヤーを含む塗料。
  13. 請求項12に記載の塗料を基材上に塗布してなる塗膜を有する積層体。
  14. 請求項1~10のいずれかに記載の軟磁性ナノワイヤーを含む成形体。
  15. 請求項1~10のいずれかに記載の軟磁性ナノワイヤーを含むシート。
  16. 請求項1~10のいずれかに記載の軟磁性ナノワイヤーを含む電磁波遮蔽材料。
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