JP2023167726A - 高速炉の配管破損検出装置及び配管破損検出方法 - Google Patents

高速炉の配管破損検出装置及び配管破損検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】タンク型原子炉において炉内配管の破損を検出する。【解決手段】高速炉の配管破損検出装置100は、炉心3を複数の熱出力のそれぞれで運転したときに一次系ポンプ5のポンプ電動機7に供給される電圧の電圧値と、高速炉の保護動作を開始させるときの有効電力であるトリップ設定値との関係を示す特性情報を記憶する記憶部120と、ポンプ電動機7に流入する電流の電流値を測定する電流測定部134と、ポンプ電動機7に供給される電圧の電圧値を測定する電圧測定部133と、測定した電流値と電圧値とに基づいてポンプ電動機7において消費される有効電力を算出する電力算出部135と、算出した有効電力が、測定した電圧値に関連付けられているトリップ設定値以下になると、炉内配管6が破損したことを示す破損検出信号を出力する出力部137とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、高速炉の炉内配管の破損を検出する配管破損検出装置及び配管破損検出方法に関する。
中間熱交換器、ポンプ及び一次冷却材(液体ナトリウム)等の一次系機器を主容器に収容するタンク型の原子炉が知られている(例えば、特許文献1を参照)。タンク型の原子炉では、一次系ポンプを駆動することにより、炉内配管を介して一次冷却材を炉心に供給して昇温させ、中間熱交換器により、昇温された一次冷却材と二次冷却材との熱交換を行うことにより、二次冷却材に熱エネルギーを伝達する。二次冷却材に伝達された熱は、蒸気発生器において動力に変換される。
特開2018-194350号公報
炉内配管が破損し、炉内配管からの一次冷却材の漏えいが多くなると、炉心への一次冷却材の供給量が減少し、炉心温度が上昇して炉心に損傷をもたらすという問題がある。このため、炉内配管の破損を検出できるようにすることが求められている。
従来の炉内配管の破損の検出方法として、炉心温度に基づいて炉内配管の破損を検出する方法、炉内配管の流量に基づいて炉内配管の破損を検出する方法、炉内配管を囲むように外囲管を設け、外囲管内の一次冷却材の液位や外囲管内の圧力に基づいて炉内配管の破損を検出する方法が存在する。
炉心温度に基づいて炉内配管の破損を検出する方法は、温度計案内管、案内管内ガス、温度計本体の熱伝導及び熱伝達により、応答時間が長くなるという問題がある。また、応答時間を短くするために案内管内ガスを熱伝導率の良いものとすると、ガス置換、監視のための設備の追加が必要になってしまう。また、温度計を案内管内に押し付けたり案内管を開放して温度計を一次冷却材に直接接触させたりすると、温度計の交換が困難になるという問題がある。
炉内配管の流量に基づいて炉内配管の破損を検出する方法、及び外囲管内の一次冷却材の液位や外囲管内の圧力に基づいて炉内配管の破損を検出する方法は、一次冷却材の中に流量計を設けたり、外囲管を設けたりする必要があるため、実装が難しいという問題がある。このため、他の手法で炉内配管の破損を検出することが求められている。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、タンク型原子炉において炉内配管の破損を検出することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る高速炉の配管破損検出装置は、タンク型原子炉である高速炉に設けられ、前記高速炉の炉内を流通する一次冷却材を一次系ポンプから炉心に供給するための炉内配管の破損を検出する高速炉の配管破損検出装置であって、前記炉心を複数の熱出力のそれぞれで運転したときに前記一次系ポンプに設けられているポンプ電動機に供給される電圧の電圧値と、前記高速炉の保護動作を開始させるときの有効電力であるトリップ設定値との関係を示す特性情報を記憶する記憶部と、前記ポンプ電動機に流入する電流の電流値を測定する電流測定部と、前記ポンプ電動機に供給される電圧の電圧値を測定する電圧測定部と、前記電流測定部が測定した前記電流値と、前記電圧測定部が測定した前記電圧値とに基づいて、前記有効電力を算出する電力算出部と、前記電力算出部が算出した前記有効電力が、前記電圧測定部が測定した前記電圧値に関連付けられて前記記憶部に記憶されている前記トリップ設定値以下になると、前記炉内配管が破損したことを示す破損検出信号を出力する出力部と、を有する。
前記高速炉の配管破損検出装置は、前記炉心の熱出力に対応する前記電圧を設定する設定部と、前記設定部が設定した前記電圧を、前記電圧に対する比が一定になる周波数で前記ポンプ電動機に印加されるように前記ポンプ電動機をVVVFインバータ制御する電動機制御部と、をさらに有してもよい。
本発明の第2の態様に係る高速炉の配管破損検出方法は、タンク型原子炉である高速炉に設けられ、前記高速炉の炉内を流通する一次冷却材を一次系ポンプから炉心に供給するための炉内配管の破損を検出するコンピュータが実行する、前記高速炉の炉心を複数の熱出力のそれぞれで運転したときに前記一次系ポンプに設けられているポンプ電動機に流入する電流の電流値を測定するステップと、前記ポンプ電動機に供給される電圧の電圧値を測定するステップと、測定した前記電流値と、前記電圧値とに基づいて、前記ポンプ電動機において消費される有効電力を算出するステップと、前記炉心を複数の熱出力のそれぞれで運転したときに前記ポンプ電動機に供給される電圧の電圧値と、前記高速炉の保護動作を開始させるときの有効電力であるトリップ設定値との関係を示す特性情報を参照し、算出した前記有効電力が、測定した前記電圧値に関連付けられている前記トリップ設定値以下になると、前記炉内配管が破損したことを示す破損検出信号を出力するステップと、を有する。
本発明によれば、タンク型原子炉において炉内配管の破損を検出することができるという効果を奏する。
タンク型原子炉の概略構成を示す図である。 ポンプ電動機に供給される電圧に対する有効電力の電力値である運転計画値と、トリップ設定値との関係を示す図である。 配管破損検出装置の構成を示す図である。 破損検出信号が出力されるときのシミュレーション結果の一例を示す図である。 配管破損検出装置における炉内配管の配管破損の検出に係る処理の流れを示すフローチャートである。
[タンク型原子炉1の構造の概要]
本実施形態に係る高速炉の配管破損検出装置100は、タンク型原子炉1である高速炉に設けられ、高速炉の炉内を流通する一次冷却材としてのナトリウムを一次系ポンプから炉心に供給するための炉内配管の破損を検出する装置である。高速炉の配管破損検出装置100を説明するにあたり、まず、図を参照しながらタンク型原子炉1の構造について説明する。図1は、タンク型原子炉1の概略構成を示す図である。なお、図1では、冷却材としてのナトリウムの流れを矢印で示している。また、以下の説明では、高速炉の配管破損検出装置100を単に配管破損検出装置100という。
タンク型原子炉1は、例えば高速炉である。タンク型原子炉1の主容器2の内部には、図1に示すように、炉心3と、中間熱交換器4と、一次系ポンプ5と、炉内配管6とが設けられている。また、主容器2の内部には、一次冷却材としての液体金属であるナトリウムが収容されている。また、一次系ポンプ5には、ポンプ電動機7が接続され、ポンプ電動機7には、インバータ8が接続されている。
主容器2は、直径が15mから20m程度の容器である。炉心3は、主容器2の内部において水平方向に支持されている。炉心3には、核分裂物質を含む炉心燃料と、炉心反応度を制御するための制御棒とが設けられている。制御棒は、制御棒駆動機構により駆動される。制御棒駆動機構は、炉心燃料の間への制御棒の挿入量を制御する。これにより、炉心燃料の核分裂が制御され、炉心3における熱出力が制御される。炉心3は、一次冷却材としてのナトリウムを昇温させる。以下の説明において、昇温する前のナトリウムを低温ナトリウム、昇温して高温状態となったナトリウムを高温ナトリウムともいう。
中間熱交換器4は、高温ナトリウムを流入させる流入窓と、熱交換された後の低温ナトリウムを流出させる流出窓とを有している。中間熱交換器4は、流入窓から流入した高温ナトリウムと、二次冷却材として機能するナトリウムとの熱交換を行う。具体的には、一次系ポンプ5の作用により、中間熱交換器4の流入口に、炉心3において約550℃まで温度が上昇した高温ナトリウムが流入する。流入した高温ナトリウムは、二次冷却材として機能する二次系のナトリウムとの熱交換が行われることにより、約400℃にまで温度が低下した低温ナトリウムとなる。低温ナトリウムは、流出窓から主容器2の下部へと流出する。二次系のナトリウムは、蒸気発生器9に流入し、水を加熱して、タービンを駆動させるための蒸気を発生させる。
一次系ポンプ5は複数基あり、図示は省略するが、複数基の中間熱交換器4が設置されている円周上に設けられている。一次系ポンプ5は、インバータ8により可変速駆動制御、すなわち、VVVF(Variable Voltage Variable Frequency)インバータ制御されるポンプ電動機7により駆動する。インバータ8は、周波数に対して出力電圧を比例して変化させるV/F一定制御によりポンプ電動機7を制御する。
一次系ポンプ5は、中間熱交換器4から流出した低温ナトリウムを炉内配管6に圧送することにより、低温ナトリウムを炉心3に供給する。炉内配管6は、一次系ポンプ5により圧送された低温ナトリウムを炉心3に案内する。
高速炉では、一次冷却材としてのナトリウムの流量は、部分負荷時から定格出力運転時にかけて原子炉熱出力に比例するよう設定されている。このため、一次系ポンプ5のポンプ電動機7は、部分負荷運転時から定格出力運転時にかけて低温ナトリウムの流量が原子炉熱出力に比例して増加するようにVVVFインバータ制御される。
ナトリウムが炉内配管6や炉心3、中間熱交換器4などを通過するときの圧力損失によりポンプ電動機7にかかる負荷トルクは、ポンプ電動機7の回転数の二乗に比例する。ポンプ電動機7の回転数は、インバータ8の出力周波数に概ね比例する。また、インバータ8の出力周波数は、ポンプ電動機7の制御方法がV/F一定制御であることから、出力電圧に比例する。このため、ナトリウムの圧力損失によりポンプ電動機7にかかる負荷トルクは、出力電圧の二乗に比例する。また、負荷トルクと釣り合うポンプ電動機7のトルクは、ポンプ電動機7に流入する電流(トルク分電流)に比例する。このため、ポンプ電動機7に流入する電流は電圧の概ね二乗特性で増加し、ポンプ電動機7における有効電力は、電圧の概ね三乗特性で増加する。
炉内配管6に破損等の異常が発生した場合、ナトリウムは抵抗の大きい炉心3や中間熱交換器4をバイパスして流れるためその圧力損失が低下し、ナトリウムの圧力損失で生じる負荷トルクが減少する。このため、負荷トルクと釣り合うポンプ電動機7のトルクも減少する。これに対し、ポンプ電動機7には、原子炉熱出力に対応して低温ナトリウムを炉心3に供給するように電圧が印加されており、ポンプ電動機7の回転数があまり変化しないことから、ポンプ電動機7に流入する電流が低下する。これにより、炉内配管6に破損等の異常が発生した場合、炉内配管6に破損等の異常が発生していない場合に比べて、同じ電圧値上における有効電力が低下する。以下の説明において、炉内配管6の破損は、例えば、炉内配管6が瞬時に真二つに切れるギロチン破断である。
炉内配管6が破損すると、ポンプ電動機7に流入する電流が低下することから、電流を監視することにより炉内配管6の破損を検出することが考えられる。しかしながら、ポンプ電動機7に流入する電流は変動量が大きいことから、炉内配管6の破損を誤検出してしまうという問題が発生し得る。この問題を防ぐために、高速炉の保護動作を開始するための基準となる電流値に大きなマージンを確保すると、炉内配管6が破損してから高速炉の保護動作が開始されるまでの時間が長くなってしまうという問題が生じる。
これに対し、電圧と電流を掛け合わせることにより算出される有効電力は、電圧と電流の変動が相殺されることから、高速炉の保護動作を開始するための基準値のマージンを小さくすることができる。その結果、ポンプ電動機7に供給される有効電力を監視して炉内配管6の破損を検出する場合、ポンプ電動機7に流入する電流を監視して炉内配管6の破損を検出する場合に比べて短時間で高速炉の保護動作を開始することができる。
高速炉の保護動作を開始する必要がある有効電力の低下により炉内配管6の破損を検出するための基準値であるトリップ設定値を決定するためには、例えば、原子炉出力運転の前に一次系ポンプ5の運転を行い、炉心3を複数の熱出力のそれぞれに対応するポンプ電動機7に供給される電圧の電圧値と、ポンプ電動機7に流入する電流の電流値を測定した結果を用いることができる。トリップ設定値は、測定した電圧値及び電流値と、冷却材の温度の違いによる冷却材の密度の違いとに基づいて、炉内配管6に破損が生じていない状態におけるポンプ電動機7に供給される電圧の電圧値に対応する有効電力との関係を特定し、特定した結果にマージンを加えることにより決定される。トリップ設定値は、電流及び電圧の測定値の誤差と、炉内配管6の破損が発生していない場合に発生するポンプ電動機7の電圧の変動とを考慮して設定される。
図2は、ポンプ電動機7に供給される電圧に対する有効電力の電力値である運転計画値と、トリップ設定値との関係を示す図である。運転計画値は、炉内配管6の破損が発生していない正常状態において原子炉の運転を行う場合の有効電力の電力値である。図2に示すように、電圧の増加に対し運転計画値が増加していることが確認できるとともに、複数の電圧それぞれにおいて、トリップ設定値が運転計画値よりも低い値に設定されていることが確認できる。
配管破損検出装置100は、高速炉の運転中におけるポンプ電動機7の電圧の電圧値と、有効電力とを測定し、測定した有効電力が、測定した電圧値に対応するトリップ設定値以下であるか否かを判定することにより炉内配管6の破損を検出する。配管破損検出装置100は、測定した有効電力がトリップ設定値以下になった場合に、高速炉の保護動作を開始するためのトリップ信号として破損検出信号を発生し、原子炉停止系に高速炉の緊急停止を行わせるトリップ制御装置(不図示)に破損検出信号を送信することで、高速炉の保護動作を開始する。上述のとおり、有効電力を用いることで、炉内配管6に破損が生じてから短時間で配管破損検出装置100が破損検出信号を発生するので、高速炉の保護動作が迅速に開始される。
[配管破損検出装置100の構成]
続いて、配管破損検出装置100の構成を説明する。図3は、配管破損検出装置100の構成を示す図である。配管破損検出装置100は、例えばコンピュータであり、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。制御部130は、設定部131と、電動機制御部132と、電圧測定部133と、電流測定部134と、電力算出部135と、判定部136と、出力部137とを有する。
通信部110は、例えば、配管破損検出装置100が、電圧計10及び電流計11等の他の装置と通信するための通信インタフェースである。電圧計10は、例えば計器用変圧器を含んで構成される。電圧計10は、インバータ8とポンプ電動機7との間に設けられており、ポンプ電動機7の一次電圧を測定する。電流計11は、例えば変流器を含んで構成される。電流計11は、インバータ8とポンプ電動機7との間に設けられており、ポンプ電動機7の一次電流を測定する。
記憶部120は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等である。記憶部120は、配管破損検出装置100を機能させるための各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部120は、配管破損検出装置100の制御部130を、設定部131、電動機制御部132、電圧測定部133、電流測定部134、電力算出部135、判定部136、及び出力部137として機能させるプログラムを記憶する。
また、記憶部120は、炉心3を複数の熱出力のそれぞれで運転したときに一次系ポンプ5に設けられているポンプ電動機7に供給される電圧の電圧値と、高速炉の保護動作を開始させるときの有効電力であるトリップ設定値との関係を示す特性情報を記憶する。特性情報は、図2において破線で示す、ポンプ電動機7に供給される複数の電圧の電圧値とトリップ設置値との関係を示す情報であり、例えば、複数の電圧値それぞれに対してトリップ設置値を関係付けたテーブルである。
制御部130は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部130は、記憶部120に記憶されている出力制御プログラムを実行することにより、設定部131、電動機制御部132、電圧測定部133、電流測定部134、電力算出部135、判定部136、及び出力部137として機能する。
設定部131は、炉心3の熱出力に対応する、ポンプ電動機7に供給する電圧を設定する。例えば、記憶部120には、複数の熱出力それぞれに対応する電圧を示す電圧設定情報が記憶されている。設定部131は、通信部110を介して原子炉の出力を制御する制御装置(不図示)から炉心3の熱出力の指示値を受信する。設定部131は、電圧設定情報を参照して、受信した指示値に関連付けられている電圧を、ポンプ電動機7に供給する電圧に設定する。
電動機制御部132は、設定部131が設定した電圧を、当該電圧に対する比が一定になる周波数でポンプ電動機7に印加されるようにポンプ電動機7をVVVFインバータ制御する。電動機制御部132は、ポンプ電動機7に接続されているインバータ8を用いて、周波数に対して出力電圧を比例して変化させるV/F一定制御によりポンプ電動機7を制御する。
なお、本実施形態では、配管破損検出装置100が、ポンプ電動機7に供給する電圧を設定し、当該電圧がポンプ電動機7に印加されるようにポンプ電動機7を制御することとしたが、これに限らない。例えば、配管破損検出装置100と異なる装置がポンプ電動機7に供給する電圧を設定し、当該電圧がポンプ電動機7に印加されるようにポンプ電動機7を制御してもよい。
電圧測定部133は、ポンプ電動機7に供給される電圧の電圧値を測定する。例えば、電圧測定部133は、ポンプ電動機7とインバータ8との間に設けられた電圧計10が測定した、ポンプ電動機7の一次電圧を示す電圧値情報を取得することにより、ポンプ電動機7に供給される電圧の電圧値を測定する。
電流測定部134は、ポンプ電動機7に流入する電流の電流値を測定する。例えば、電流測定部134は、ポンプ電動機7とインバータ8との間に設けられた電流計11が測定した、ポンプ電動機7に流入する電流の電流値を示す電流値情報を取得することにより、ポンプ電動機7に流れる一次電流の電流値を測定する。
電力算出部135は、電圧測定部133が測定したポンプ電動機7に供給される電圧の電圧値と、電流測定部134が測定したポンプ電動機7に流入する電流の電流値とに基づいて、ポンプ電動機7において消費される有効電力を算出する。電力算出部135は、電圧測定部133が測定した電圧の電圧値と、電流測定部134が測定した電流の電流値とを電圧と電流との位相差を考慮して乗算することにより、ポンプ電動機7において消費される有効電力を算出する。
判定部136は、電力算出部135が算出した有効電力が、電圧測定部133が測定した電圧値に関連付けられて記憶部120に記憶されているトリップ設定値以下であるか否かを判定する。具体的にはまず、判定部136は、記憶部120に記憶されているテーブルを参照し、電圧測定部133が測定した電圧値に関連付けられているトリップ設定値を特定する。続いて、判定部136は、電力算出部135が算出した有効電力が、特定したトリップ設定値以下であるか否かを判定する。
出力部137は、電力算出部135が算出した有効電力が、電圧測定部133が測定した電圧値に関連付けられて記憶部120に記憶されているトリップ設定値以下になると、炉内配管6が破損したことを示す破損検出信号を出力する。例えば、出力部137は、電力算出部135が算出した有効電力がトリップ設定値以下であると判定部136が判定すると、通信部110を介して、原子炉停止系に原子炉の緊急停止を行わせるトリップ制御装置に、原子炉の保護動作を開始させるための破損検出信号を出力する。
図4は、破損検出信号が出力されるときのシミュレーション結果の一例を示す図である。図4に示す例において、横軸は炉内配管6が破損した時点からの経過時間を示し、縦軸はポンプ電動機7に供給される有効電力を示している。図4は、原子炉を定格出力で運転し、ポンプ電動機7に供給される電圧が6600Vである場合において破損検出信号が出力されるときのシミュレーション結果を示している。ポンプ電動機7に供給される電圧が6600Vである場合、炉内配管6の破損が発生していない場合の有効電力は約2150kWであり、トリップ設定値は、図2に示すように約1750kWである。
また、図4において、実線は有効電力を示し、破線は、トリップ設定値を示し、点線は、ポンプ電動機7にかかる負荷トルクを示している。図4に示すように炉内配管6の破損が発生したことに応じて、ポンプ電動機7にかかる負荷トルクが急激に低下していることが確認できる。また、ポンプ電動機7にかかる負荷トルクの低下に対し若干の遅延があるものの、ポンプ電動機7に供給される有効電力が急激に低下し、約0.15秒で有効電力がトリップ設定値以下となる。これにより、出力部137は、炉内配管6が破損してから約0.15秒で破損検出信号を出力することができる。
[配管破損検出装置100における処理の流れ]
続いて、配管破損検出装置100における炉内配管6の配管破損の検出に係る処理の流れを説明する。図5は、配管破損検出装置100における炉内配管6の配管破損の検出に係る処理の流れを示すフローチャートである。図5に示す処理は、配管破損検出装置100の動作中に繰り返し実行される。
まず、電圧測定部133は、ポンプ電動機7に供給される電圧の電圧値を測定する(S1)。
続いて、電流測定部134は、ポンプ電動機7に流れる一次電流の電流値を測定する(S2)。なお、本フローチャートでは、S1に係る処理が実行された後にS2に係る処理が実行されることしたが、これに限らない。S2に係る処理が実行された後にS1に係る処理が実行されてもよいし、S1に係る処理とS2に係る処理とが並列に実行されてもよい。
続いて、電力算出部135は、S1において測定されたポンプ電動機7に供給される電圧の電圧値と、S2において測定されたポンプ電動機7に流入する電流の電流値とに基づいて、ポンプ電動機7において消費される有効電力を算出する(S3)。
続いて、判定部136は、記憶部120に記憶されているテーブルを参照し、S1において測定されたポンプ電動機7に供給される電圧の電圧値に関連付けられているトリップ設定値を特定する(S4)。
続いて、判定部136は、S3において算出した有効電力が、S4において特定されたトリップ設定値以下であるか否かを判定する(S5)。判定部136は、有効電力がトリップ設定値以下であると判定するとS6に処理を移し、有効電力がトリップ設定値よりも大きいと判定すると本フローチャートに係る処理を終了する。S6において、出力部137は、炉内配管6が破損したことを示す破損検出信号を出力する。
[本実施形態における効果]
以上のとおり、本実施形態に係る配管破損検出装置100は、炉心3を複数の熱出力のそれぞれで運転したときに一次系ポンプ5に設けられているポンプ電動機7に供給される電圧の電圧値と、高速炉の保護動作を開始させるときの有効電力であるトリップ設定値との関係を示す特性情報を記憶部120に記憶させておき、ポンプ電動機7において消費される有効電力が、ポンプ電動機7に供給される電圧の電圧値に関連付けられているトリップ設定値以下になると、炉内配管6が破損したことを示す破損検出信号を出力する。
このようにすることで、タンク型原子炉において炉内配管6の破損を短時間で検出することができる。また、電圧計10及び電流計11を構成する計器用変圧器及び変流器は、環境条件の良い電気盤室に設置可能であり、交換等が容易である。このため、炉内配管6の破損を検出するための設備を簡素化できる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
1 タンク型原子炉
2 主容器
3 炉心
4 中間熱交換器
5 一次系ポンプ
6 炉内配管
7 ポンプ電動機
8 インバータ
9 蒸気発生器
10 電圧計
11 電流計
100配管破損検出装置
110 通信部
120 記憶部
130 制御部
131 設定部
132 電動機制御部
133 電圧測定部
134 電流測定部
135 電力算出部
136 判定部
137 出力部

Claims (3)

  1. タンク型原子炉である高速炉に設けられ、前記高速炉の炉内を流通する一次冷却材を一次系ポンプから炉心に供給するための炉内配管の破損を検出する高速炉の配管破損検出装置であって、
    前記炉心を複数の熱出力のそれぞれで運転したときに前記一次系ポンプに設けられているポンプ電動機に供給される電圧の電圧値と、前記高速炉の保護動作を開始させるときの有効電力であるトリップ設定値との関係を示す特性情報を記憶する記憶部と、
    前記ポンプ電動機に流入する電流の電流値を測定する電流測定部と、
    前記ポンプ電動機に供給される電圧の電圧値を測定する電圧測定部と、
    前記電流測定部が測定した前記電流値と、前記電圧測定部が測定した前記電圧値とに基づいて、前記有効電力を算出する電力算出部と、
    前記電力算出部が算出した前記有効電力が、前記電圧測定部が測定した前記電圧値に関連付けられて前記記憶部に記憶されている前記トリップ設定値以下になると、前記炉内配管が破損したことを示す破損検出信号を出力する出力部と、
    を有する高速炉の配管破損検出装置。
  2. 前記炉心の熱出力に対応する前記電圧を設定する設定部と、
    前記設定部が設定した前記電圧を、前記電圧に対する比が一定になる周波数で前記ポンプ電動機に印加されるように前記ポンプ電動機をVVVFインバータ制御する電動機制御部と、
    をさらに有する、
    請求項1に記載の高速炉の配管破損検出装置。
  3. タンク型原子炉である高速炉に設けられ、前記高速炉の炉内を流通する一次冷却材を一次系ポンプから炉心に供給するための炉内配管の破損を検出するコンピュータが実行する、
    前記高速炉の炉心を複数の熱出力のそれぞれで運転したときに前記一次系ポンプに設けられているポンプ電動機に流入する電流の電流値を測定するステップと、
    前記ポンプ電動機に供給される電圧の電圧値を測定するステップと、
    測定した前記電流値と、前記電圧値とに基づいて、前記ポンプ電動機において消費される有効電力を算出するステップと、
    前記炉心を複数の熱出力のそれぞれで運転したときに前記ポンプ電動機に供給される電圧の電圧値と、前記高速炉の保護動作を開始させるときの有効電力であるトリップ設定値との関係を示す特性情報を参照し、算出した前記有効電力が、測定した前記電圧値に関連付けられている前記トリップ設定値以下になると、前記炉内配管が破損したことを示す破損検出信号を出力するステップと、
    を有する高速炉の配管破損検出方法。


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