JP2023167556A - クラッチ装置 - Google Patents

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彰 岩野
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Abstract

【課題】構成部品として組み込まれる装置全体の重量および配置スペースの増大を抑制することができるトルク伝達方向切り替え式のクラッチ装置を提供すること。【解決手段】第1の切り替えプレート451と第2の切り替えプレート551とを回転可能に支持する切り替えプレート作動部材361とを有し、第1の切り替えプレート451と切り替えプレート作動部材361との間には、第1のラチェット型クラッチ101が切り替えプレート作動部材361に対する第1の切り替えプレート451の相対回転により収縮可能な弾性部材477が複数介装されたものと同軸で付帯し、第2の切り替えプレート551と切り替えプレート作動部材361との間には、第2のラチェット型クラッチ201が切り替えプレート作動部材361に対する第2の切り替えプレート551の相対回転により収縮可能な弾性部材577が複数介装されたものと同軸で付帯している構造を取ること。【選択図】図1

Description

本発明は、車両や産業機械等においてトルク伝達用の装置として用いられるクラッチ装置に関し、特にトルク伝達方向切り替え式のクラッチ装置に関する。
従来、ラチェット機構を用いたクラッチであって、外輪部材に対する内輪部材或いは内輪部材に対する外輪部材の回転方向に関し、一方向または反対方向の何れかの回転方向への回転のみをロックする状態と、一方向および反対方向の両方の回転方向への回転を同時にロックする状態と、一方向および反対方向の何れの回転方向への回転もロックしない状態とを切り替えることにより、トルク伝達方向を切り替えることができるものがある(例えば特許文献1、2を参照)。
特許文献1、2に記載されたクラッチは、変位することによってラチェット機構の係合状態を変更可能な環状の切り替えプレートを、アクチュエータ等の外部装置を用いて変位させることにより内外輪間の回転伝達方向すなわちトルク伝達方向を切り替えている。
特表2016-508582号公報 特開2021-038755号公報
近年、変速装置の電動化制御は複雑化してきている。このため、特許文献1または2に記載のクラッチにおいては、例えば爪部材と相手側歯部とが噛み合っている状態で急激な回転方向の切り替えが発生した場合、当該切り替え制御にクラッチの作動が追随できず、爪部材と相手側歯部との噛み合いが未解除の状態のまま切り替えプレートが噛み合い解除制御の作動となってしまい、切り替えプレートが破損してしまう虞がある。
このような懸念から、制御をさらに複雑化させることは、制御装置の増加、或いはクラッチ自体の構造の複雑化すなわち部品数の増加を招き、クラッチを変速装置の構成部品として用いる場合には、変速装置全体の重量および車両への搭載スペースが増大してしまう虞がある。このことは、近年の厳しい軽量化および省スペースの要求の達成を困難にする虞がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、構成部品として組み込まれる装置全体の重量の増大および当該装置の配置スペースの増大を抑制することができるトルク伝達方向切り替え式のクラッチ装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るクラッチ装置は、
同軸上に配置され相対回転可能な第1の環状部材と第2の環状部材と、
トルク伝達可能に前記第1の環状部材と前記第2の環状部材とを係合可能な第1のラチェット機構とを備えた第1のラチェット型クラッチと、
前記第1のラチェット型クラッチと同軸に配置され、相対回転可能な第3の環状部材と第4の環状部材と、トルク伝達可能に前記第3の環状部材と前記第4の環状部材とを係合可能な第2のラチェット機構とを備えた第2のラチェット型クラッチと、
前記第1のラチェット型クラッチおよび前記第2のラチェット型クラッチと同軸上に配置され、前記第1のラチェット型クラッチのトルク伝達方向と前記第2のラチェット型クラッチのトルク伝達方向とを切り替え可能な切り替え機構とを備え、
前記切り替え機構は、
前記第1および第2の環状部材と同軸に且つ前記第1および第2の環状部材と相対回転可能に設けられた第5の環状部材と、
前記第3および第4の環状部材と同軸に且つ前記第3および第4の環状部材と相対回転可能に設けられた第6の環状部材と、
前記第5の環状部材および前記第6の環状部材と同軸に配置され、前記第5の環状部材と前記第6の環状部材とを回転可能に支持する第7の環状部材とを有し、
前記第5の環状部材には、前記第1のラチェット機構の爪部材と接触することにより前記第1のラチェット機構の爪部材と前記第1のラチェット機構の歯部との噛み合いを制限可能な第1の制限部が形成され、
前記第6の環状部材には、前記第2のラチェット機構の爪部材と接触することにより前記第2のラチェット機構の爪部材と前記第2のラチェット機構の歯部との噛み合いを制限可能な第2の制限部が形成され、
前記第1の制限部は、前記第5の環状部材の回転によって、前記第1のラチェット機構の爪部材との接触と非接触とが切り替わり、
前記第2の制限部は、前記第6の環状部材の回転によって、前記第2のラチェット機構の爪部材との接触と非接触とが切り替わり、
前記第5の環状部材と前記第7の環状部材との間には、前記第1のラチェット機構の爪部材が前記第1のラチェット機構の歯部と噛み合っている状態において、前記第7の環状部材に対する前記第5の環状部材の相対回転により収縮可能な第1の弾性部材が複数介装され、
前記第6の環状部材と前記第7の環状部材との間には、前記第2のラチェット機構の爪部材が前記第2のラチェット機構の歯部と噛み合っている状態において、前記第7の環状部材に対する前記第6の環状部材の相対回転により収縮可能な第2の弾性部材が複数介装されていることを特徴とする。
本発明によれば、構成部品として組み込まれる装置全体の重量の増大および当該装置の配置スペースの増大を抑制することができるトルク伝達方向切り替え式のクラッチ装置を提供することができる。
図1は、実施形態に係るクラッチ装置の軸方向に沿った断面図である。 図2は、第1のラチェット型クラッチの要部を軸方向一方側から見た状態を示す正面図であり、爪機構部とその周辺部分を示している。 図3は、切り替えプレートおよび切り替えプレート作動部材の斜視図である。 図4は、第1のラチェット型クラッチの要部を軸方向一方側から見た状態を示す正面図であり、第2の爪部材と歯部との噛み合い状態を示している。 図5は、第1のラチェット型クラッチの要部を軸方向一方側から見た状態を示す正面図であり、第2の爪部材と歯部との非噛み合い状態を示している。 図6は、切り替えプレート作動部材を軸方向一方側から見た状態を示す正面図であり、第1のラチェット型クラッチの第2の爪部材と歯部とが噛み合い状態の際の作動状態を示している。 図7は、切り替えプレート作動部材を軸方向一方側から見た状態を示す正面図であり、第1のラチェット型クラッチの第2の爪部材と歯部とが非噛み合い状態の際の作動状態を示している。
以下、本発明の実施形態に係るトルク伝達方向切り替え式のクラッチ装置を、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係るトルク伝達方向切り替え式のクラッチ装置は、車両の変速装置の構成部品として用いられる例として説明する。
まず、本実施形態におけるクラッチ装置に係る方向について定義する。本実施形態において、「中心軸線C」とはクラッチ装置の中心軸線、すなわち後述する第1および第2のラチェット型クラッチの外輪および内輪の中心軸線のことをいい、軸方向、径方向、周方向とは、中心軸線Cに関する軸方向、径方向、周方向のことをいう。また、軸方向について、図1においては紙面左方側を軸方向一方側とし、紙面右方側を軸方向他方側とし、図2、4~7においては紙面手前側を軸方向一方側とし、紙面奥側を軸方向他方側とする。周方向について、図2、4~7において、紙面に向かって時計回りに回転する方向を周方向一方とし、紙面に向かって反時計回りに回転する方向を周方向他方とする。
なお、クラッチ装置の回転方向については、説明の便宜上、第1のラチェット型クラッチの外輪に対する内輪の回転方向について説明するが、外輪の回転と内輪の回転とは相対的なものである。例えば、内輪が時計回りに回転可能な場合、外輪も反時計回りに回転可能であり、また、内輪と外輪とが同方向に回転する場合であっても、外輪と内輪との回転速度が異なれば、外輪と内輪とは相対的にいずれかの方向に回転していると言える。また、第2のラチェット型クラッチに関する外輪に対する内輪の回転についても同様である。
図1は、実施形態に係るクラッチ装置の軸方向に沿った断面図である。
図2は、第1のラチェット型クラッチの要部を軸方向一方側から見た状態を示す正面図であり、1つの爪機構部とその周辺部分を示している。
図3は、切り替えプレートおよび切り替えプレート作動部材の斜視図である。
本実施形態に係るクラッチ装置1は、図1に示すように、中心軸線C上に、第1のラチェット型クラッチ101と、第1のラチェット型クラッチ101の軸方向他方側に隣接して配置された第2のラチェット型クラッチ201とを備えている。第1のラチェット型クラッチ101と第2のラチェット型クラッチ201とは、同様の構成を有している。第1のラチェット型クラッチ101は、軸方向から見た全体の形状は、上記特許文献2の図2に示された形状と同様の円環状であり、複数の爪機構部と複数の歯部とを備えている。同様に、第2のラチェット型クラッチ201の形状も円環状であり、複数の爪機構部と複数の歯部とを備えている。なお、図2においては、第1のラチェット型クラッチ101の1つの爪機構部とその周辺部分のみを示している。
第1のラチェット型クラッチ101と第2のラチェット型クラッチ201との間の中心軸線C上には、環状の切り替えプレート作動部材361が配置されている。切り替えプレート作動部材361は、後述するように、第1の切り替えプレート451と第2の切り替えプレート551とを駆動することによって第1のラチェット型クラッチ101と第2のラチェット型クラッチ201のそれぞれのトルク伝達方向を切り替えることができる。切り替えプレート作動部材361と第1の切り替えプレート451と第2の切り替えプレート551とによって、切り替え機構が構成されている。第1のラチェット型クラッチ101と切り替えプレート作動部材361と第2のラチェット型クラッチ201とは、中心軸線C上に、軸方向一方側から軸方向他方側に向かってこの順に配置されている。
次に第1のラチェット型クラッチ101の構成を説明する。なお、上述したように第2のラチェット型クラッチ201の構成は第1のラチェット型クラッチ101と同様であるので、第2のラチェット型クラッチ201の構成の説明については、以下の第1のラチェット型クラッチ101の説明で用いる符号の百の位の数字「1」を「2」に読み替えるものとする。ただし、第2のラチェット型クラッチ201の構成のうち、第1のラチェット型クラッチ101と同様の構成であるが、第1のラチェット型クラッチ101とは軸方向の向きが反対になるものについては、以下の説明中において補足して説明する。
第1のラチェット型クラッチ101は、環状の外輪103と、外輪103に対して径方向内方に離間し、外輪103の中心軸線Cと同軸に且つ外輪103と相対回転可能に配置された環状の内輪105と、外輪103と内輪105との間でトルク伝達を可能とするトルク伝達機構と、を有している。本実施形態におけるトルク伝達機構は、ラチェット機構である。
外輪103は、軸方向に所定の長さを有する円筒状に形成されている。外輪103の内周部には、後述する複数の爪機構部が保持される。外輪103は、図示しない嵌合構造により、外側部材(図示省略)に対して相対回転不能に固定されている。なお、第2のラチェット型クラッチ201の外輪203は、第1のラチェット型クラッチ101の外輪103が嵌合する外側部材とは別の外側部材(図示省略)に嵌合している。
図2に示すように、外輪103の内周部には、第1の爪部材131と、第1の爪部材131の周方向他方側に隣接し、第1の爪部材131と対をなす第2の爪部材137とが設けられている。第1の爪部材131と第2の爪部材137とで爪機構部を構成している。すなわち、外輪103には、軸方向一方側から見て、周方向一方側から周方向他方側に向かって順に並んで対をなす第1の爪部材131と第2の爪部材137とを含む爪機構部が設けられている。外輪103にはこのような爪機構部が、周方向に所定間隔で複数設けられている。第1の爪部材131は、円柱部127から周方向一方側に向かって延在する爪部129を有し、第2の爪部材137は、円柱部133から周方向他方側に向かって延在する爪部135を有する。第1の爪部材131の円柱部127と第2の爪部材137の円柱部133との間の外輪103の内周部には、第1の爪部材131の円柱部127と第2の爪部材137の円柱部133とを回動可能に保持する保持器138が固定されている。
第1の爪部材131の円柱部127の軸方向他方側端部には、径方向外方に向けて突出するフランジ部128が形成されている。フランジ部128の軸方向一方側の面は外輪103の軸方向他方側の端面に摺動可能に接触している。フランジの部128の軸方向他方側の面は、切り替えプレート作動部材361の後述する外径側部材363の軸方向一方側の端面に摺動可能に接触している。このような構成により、第1の爪部材131は軸方向の移動が規制されている。
第2の爪部材137の円柱部133の軸方向他方側端部には、径方向外方に向けて突出するフランジ部134が形成されている。フランジ部134の軸方向一方側の面は外輪103の軸方向他方側の端面に摺動可能に接触している。フランジの部134の軸方向他方側の面は、切り替えプレート作動部材361の外径側部材363の軸方向一方側の端面に摺動可能に接触している。このような構成により、第2の爪部材137は軸方向の移動が規制されている。
なお、第2のラチェット型クラッチ201においては、第1の爪部材231の円柱部227の軸方向一方側端部に径方向外方に向けて突出するフランジ部228が形成されている。フランジ部228の軸方向他方側の面は外輪203の軸方向一方側の端面に摺動可能に接触し、フランジの部228の軸方向一方側の面は、切り替えプレート作動部材361の外径側部材363の軸方向他方側の端面に摺動可能に接触している。このような構成により、第1の爪部材231は軸方向の移動が規制されている。
また、第2の爪部材237の円柱部233の軸方向一方側端部に径方向外方に向けて突出するフランジ部234が形成されている。フランジ部234の軸方向他方側の面は外輪203の軸方向一方側の端面に摺動可能に接触し、フランジ部234の軸方向一方側の面は、切り替えプレート作動部材361の外径側部材363の軸方向他方側の端面に摺動可能に接触している。このような構成により、第2の爪部材237は軸方向の移動が規制されている。
第1のラチェット型クラッチ101の内輪105は外輪103の径方向内方に配置されている。内輪105の外周部には、多数の歯部113が全周に亘って等間隔に形成されている。各歯部113は径方向外方に突出し、中心軸線C方向に延在している。外輪103の内周面と内輪105の外周部すなわち歯部113とは、所定の空間を介して径方向に対向している。歯部113は、第1の爪部材131および第2の爪部材137が噛み合うラチェット歯を構成している。具体的には、各歯部113の周方向他方側の側面は第1の爪部材131と噛み合う第1の噛み合い部113aを構成し、各歯部113の周方向一方側の側面は第2の爪部材137と噛み合う第2の噛み合い部113bを構成している。
内輪105の内周面には、スプライン111が全周に亘って設けられている。内輪105の内周側には、スプライン111を介して出力用或いは入力用の図示しない軸部材がスプライン嵌合される。なお、第2のラチェット型クラッチ201の内輪205は、第1のラチェット型クラッチ101の内輪105が嵌合する軸部材とは別の軸部材(図示省略)に嵌合している。
第1の爪部材131は、円柱部127を中心に爪部129が径方向に揺動可能に、外輪103の内周部に形成された保持部139および保持器138に保持されている。保持部139は、外輪103の軸方向一方側端面および内周面に開口する凹部である。なお、第2のラチェット型クラッチ201の保持部239は、外輪203の軸方向他方側端面および内周面に開口する凹部である。保持部139には第1の爪部材131の爪部129を径方向内方すなわち内輪105の外周面に向けて常に付勢しているコイル状のスプリング141が設けられている。例えば、図2において、第2の爪部材137が内輪105の歯部113と噛み合ってない場合、内輪105が反時計回りに回転すると、第1の爪部材131の爪部129は内輪105の歯部113の第1の噛み合い部113aと噛み合う。一方、内輪105が時計回りに回転すると、第1の爪部材131の爪部129は、スプリング141の付勢力に抗して内輪105の歯部113によって径方向外側へ押され、内輪105の回転を許す。これにより、第1の爪部材131は、内輪105の周方向他方の回転をロックし、内輪105の周方向一方の回転を可能としている。
第2の爪部材137は、円柱部133を中心に爪部135が径方向に揺動可能に、外輪103の内周部に形成された保持部143および保持器138に保持されている。保持部143は、外輪103の軸方向一方側端面および内周面に開口する凹部である。なお、第2のラチェット型クラッチ201の保持部243は、外輪203の軸方向他方側端面および内周面に開口する凹部である。保持部143には第2の爪部材137の爪部135を径方向内方すなわち内輪105の外周面に向けて常に付勢しているコイル状のスプリング145が設けられている。例えば、図2において、第1の爪部材131が内輪105の歯部113と噛み合ってない場合、内輪105が時計回りに回転すると、第2の爪部材137の爪部135は内輪105の歯部113の第2の噛み合い部113bと噛み合う。一方、内輪105が反時計回りに回転すると、第2の爪部材137の爪部135は、スプリング145の付勢力に抗して内輪105の歯部113によって径方向外側へ押され、内輪105の回転を許す。これにより、第2の爪部材137は、内輪105の周方向一方の回転をロックし、内輪105の周方向他方の回転を可能としている。
このように、外輪103の保持部139、143に保持された第1の爪部材131および第2の爪部材137と、スプリング141、145と、内輪105に形成された歯部113とで、ラチェット機構が構成されている。
次に、第1のラチェット型クラッチ101と第2のラチェット型クラッチ201のそれぞれのトルク伝達方向を切り替えるための切り替え機構について説明する。
切り替え機構は、第1のラチェット型クラッチ101のトルク伝達方向を切り替えるための第1の切り替えプレート451と、第2のラチェット型クラッチ201のトルク伝達方向を切り替えるための第2の切り替えプレート551と、第1の切り替えプレート451と第2の切り替えプレート551とをそれぞれ回転可能に支持する切り替えプレート作動部材361とを備えている。
第1の切り替えプレート451と第2の切り替えプレート551とは同様の構成であるが、軸方向の向きが逆となっている。以下に第1の切り替えプレート451の構成を説明する。第2の切り替えプレート551の説明については、第1の切り替えプレート451の説明で用いる符号の百の位の数字「4」を「5」に読み替えるとともに、第1のラチェット型クラッチ101の構成を第2のラチェット型クラッチ201の構成に読み替えるものとする。さらに、軸方向に関する説明は、第1の切り替えプレート451の説明とは逆方向とする。
図1に示すように、外輪103の内周側には、外輪103と同軸上に環状の第1の切り替えプレート451が配置されている。第1の切り替えプレート451の軸方向一方側の端面は、内輪105の軸方向他方側端部と軸方向に対向している。第1の切り替えプレート451の外周面は、外輪103の内周面、第1の爪部材131の内径側の面、および第2の爪部材137の内径側の面と、所定の空間を介して径方向に対向している。第1の切り替えプレート451の軸方向他方側の端面の外縁部には、径方向外方に向けて突出するフランジ部453が形成されている。フランジ部453の外縁部は、外輪103の内周面の軸方向他方側部分に相対回転可能に係合している。これにより第1の切り替えプレート451の軸方向位置が位置決めされている。フランジ部453の軸方向一方側の面は、第1の爪部材131の軸方向他方側の端面、および第2の爪部材137の軸方向他方側の端面と、軸方向に対向している。
第1の切り替えプレート451の外周面には、図3に示すように、径方向外方に突出し、周方向に所定範囲に亘って延在する凸部459が周方向所定間隔に複数設けられている。凸部459の頂部は、内輪105の歯部113の頂部よりも僅かに径方向外方に位置し、外輪103の内周面に沿って延在し、外輪103の内周面とは僅かな隙間を介して径方向に対向している。すなわち凸部459の頂部は外輪103の内周面とは非接触である。凸部459の頂部の周方向両端部は、それぞれ斜面460を介して第1の切り替えプレート451の外周面と滑らかに連続している。この構成により、第1の爪部材131および第2の爪部材137は、第1の切り替えプレート451の回転によって第1の切り替えプレート451の外周面から凸部459の頂部へと滑らかに押し上げられる。
凸部459の頂部は、第1の切り替えプレート451の回転によって第1の爪部材131の内径側に位置すると、第1の爪部材131の内径側の面に接触し、第1の爪部材131の内径側の面を内輪105の歯部113よりも外径側に押上げ保持する。これにより凸部459は第1の爪部材131と歯部113との噛み合いを制限する。同様に、凸部459の頂部は、第2の爪部材137の内径側に位置すると、第2の爪部材137の内径側の面に接触し、第2の爪部材137の内径側の面を内輪105の歯部113よりも外径側に押上げ保持し、これにより凸部459は第2の爪部材137と歯部113との噛み合いを制限する。このように凸部459は、第1の爪部材131と第2の爪部材137とを外径側に押上げ保持する押上げ部を構成している。
第1の切り替えプレート451は、周方向一方または周方向他方へ回転することによって、爪機構部に対する凸部459の周方向位置を変更する。これにより、爪機構部すなわち対をなす第1の爪部材131と第2の爪部材137とに対する凸部459の接触または非接触の組み合わせ状態を変更する。具体的には、第1の切り替えプレート451は、爪機構部に対する凸部459の接触または非接触の4つの組み合わせ状態を切り替え、これよりラチェット型クラッチ101のトルク伝達方向を切り替えている。
爪機構部に対する凸部459の接触または非接触の第1の組み合わせ状態は、図2に示すように、凸部459は第1の爪部材131と第2の爪部材137との何れにも接触せず、外輪103の内周面に対向している状態である。この状態において第1の爪部材131および第2の爪部材137は、それぞれスプリング141および145の付勢力によって内輪105の歯部113に噛み合っている。したがってこの状態において、内輪105は外輪103に対して周方向一方および周方向他方の何れの方向への回転もロックされた状態である。すなわち、内輪105を入力側とすると、内輪105は外輪103に対して周方向一方および周方向他方の両方向に対して係止状態である。
爪機構部に対する凸部459の接触または非接触の第2の組み合わせ状態は、1つの凸部459が第2の爪部材137の内径側の面に接触し、第1の爪部材131には凸部459が接触していない状態である。この状態において、第2の爪部材137に接触している凸部459は、第2の爪部材137に対してスプリング145を圧縮した状態で接触し、第2の爪部材137の内径側の面を内輪105の歯部113よりも外径側に押上げ保持し、第2の爪部材137と内輪105の歯部113との噛み合いを制限する。一方、第1の爪部材131は、スプリング141の付勢力によって内輪105の歯部113に噛み合っている。したがってこの状態において、内輪105は外輪103に対して周方向一方への回転が可能であり、周方向他方への回転がロックされた状態である。すなわち、内輪105を入力側とすると、内輪105から外輪103へは周方向他方へのトルク伝達がなされ、周方向一方へのトルク伝達はなされない。
爪機構部に対する凸部459の接触または非接触の第3の組み合わせ状態は、1つの凸部459が第1の爪部材131の内径側の面に接触し、第2の爪部材137には凸部459が接触していない状態である。この状態において、第1の爪部材131に接触している突出部459は、第1の爪部材131に対してスプリング141を圧縮した状態で接触し、第1の爪部材131の内径側の面を内輪105の歯部113よりも外径側に押上げ保持し、第1の爪部材131と内輪105の歯部113との噛み合いを制限する。一方、第2の爪部材137は、スプリング145の付勢力によって内輪105の歯部113に噛み合っている。したがってこの状態において、内輪105は外輪103に対して周方向他方への回転が可能であり、周方向一方への回転がロックされた状態である。すなわち、内輪105を入力側とすると、内輪105から外輪103へは周方向一方へのトルク伝達がなされ、周方向他方へのトルク伝達はなされない。
爪機構部に対する凸部459の接触または非接触の第4の組み合わせ状態は、1つの凸部459が第1の爪部材131の内径側の面に接触し、さらに当該1つの凸部459または他の1つの凸部459が第2の爪部材137の内径側の面に接触している状態である。この状態において、第1の爪部材131に接触している凸部459は第1の爪部材131と内輪105の歯部113との噛み合いを制限すると共に、第2の爪部材137に接触している凸部459は第2の爪部材137と内輪105の歯部113との噛み合いを制限する。したがってこの状態において、内輪105は外輪103に対して周方向一方への回転も周方向他方への回転もロックされておらず、周方向一方と周方向他方の何れの方向への回転も可能である。すなわち、内輪105を入力側とすると、内輪105から外輪103へは周方向一方と周方向他方の何れの方向へもトルク伝達はなされない。
第1の切り替えプレート451の複数の凸部459は、爪機構部に対する上記4つの組み合わせ状態を切り替えられるように、それぞれの頂部の周方向長さ、および隣り合う凸部459間の周方向間隔が設計されている。
次に、切り替えプレート作動部材361の構成について説明する。
第1の切り替えプレート451と切り替えプレート作動部材361と第2の切り替えプレート551とは、中心軸線C上に、軸方向一方側から軸方向他方側に向けてこの順に並んで配置されている。第1の切り替えプレート451は、切り替えプレート作動部材361の軸方向一方側に支持され、第2の切り替えプレート551は、切り替えプレート作動部材361の軸方向他方側に支持されている。切り替えプレート作動部材361における第1の切り替えプレート451を支持するための構造と、第2の切り替えプレート551を支持するための構造とは同様の構造であるが、軸方向の向きが逆となっている。以下に切り替えプレート作動部材361における第1の切り替えプレート451を支持するための構造を説明する。第2の切り替えプレート551を支持するための構造の説明については、特に説明がない限り、第1の切り替えプレート451を支持するための構造の説明で用いる符号の百の位の数字「4」を「5」に読み替えるとともに、第1のラチェット型クラッチ101の構成を第2のラチェット型クラッチ201の構成に読み替えるものとする。さらに、軸方向に関する説明は、第1の切り替えプレート451を支持するための構造の説明とは逆方向とする。
第1の切り替えプレート451は、環状の切り替えプレート作動部材361に回転可能に支持されている。切り替えプレート作動部材361は、環状の外径側部材363と、外径側部材363の内径側において外径側部材363と同軸に且つ外径側部材363と相対回転可能に配置された環状の内径側部材365とを有している。
内径側部材365の軸方向一方側の端面には、軸方向一方に向けて突出する突出部467が、周方向所定間隔で複数形成されている。本実施形態においては、3つの突出部467が形成されている。第1の切り替えプレート451には、内径側部材365の各突出部467に対応する位置に、各突出部467と嵌合する孔469が形成されている。第1の切り替えプレート451の孔469と内径側部材365の突出部467とが嵌合することにより、第1の切り替えプレート451は切り替えプレート作動部材361に回転可能に支持されている。
外径側部材363は、クラッチ装置1が組み込まれる図示しない変速装置内の図示しない駆動機構に接続され、当該駆動機構によって回転駆動されている。ここで外径側部材363が接続される変速装置内の駆動機構とは、例えば、直動機構、回転機構、或いは直動機構と回転機構とを組み合わせた機構等を用いることができる。このような駆動機構は、例えば、変速装置内のギヤを切り替えるためのウォームギヤ(図示省略)とすることができる。また、外径側部材363の外周部に歯切り(図示省略)を設け、当該歯切りと噛み合う噛み合い部材(図示省略)を駆動させる構成とすることもできる。
外径側部材363の内周部には、外径側部材363の内周面および軸方向一方側端面に開口し、周方向所定長さに亘って延在する切り欠き部471が複数形成されている。本実施形態においては、6つの切り欠き部471が周方向所定間隔で形成されている。一方、内径側部材365の外周部には、内径側部材365の外周面および軸方向一方側端面に開口し、周方向所定長さに亘って延在する切り欠き部473が複数形成されている。切り欠き部473は外径側部材363の切り欠き部471と同等の周方向長さを有し、切り欠き部471と同数が周方向所定間隔で形成されている。外径側部材363の切り欠き部471と内径側部材365の切り欠き部473とはそれぞれ径方向に対向し、周方向に延在する空間である弾性体収容部475を形成している。
さらに、外径側部材363の内周部には、外径側部材363の内周面および軸方向他方側端面に開口し、切り欠き部471と同等の周方向所定長さに亘って延在する切り欠き部571が、切り欠き部471と同数すなわち6つ形成されている。切り欠き部471と切り欠き部571とは、互いに周方向にずれて設けられており、軸方向に重ならないように形成されている。また、内径側部材365の外周部には、内径側部材365の外周面および軸方向他方側端面に開口し、周方向所定長さに亘って延在する切り欠き部573が複数形成されている。切り欠き部573は外径側部材363の切り欠き部571と同等の周方向長さを有し、切り欠き部571と同数が周方向所定間隔で形成されている。外径側部材363の切り欠き部571と内径側部材365の切り欠き部573とはそれぞれ径方向に対向し、周方向に延在する空間である弾性体収容部575を形成している。
このような構成により、6つの弾性体収容部475と6つの弾性体収容部575とは、互いに周方向にずれて設けられており、軸方向に重ならないように形成されている。
各弾性体収容部475の内部には、弾性体477が収容されている(図6、7参照)。弾性体477は、例えばコイルスプリングを用いても良いし、板バネを用いても良く、限定はされない。弾性体477は、自然状態あるいは少し圧縮された状態で、周方向に伸縮可能に、弾性体収容部475に収容されている。弾性体477の周方向一方側端部および周方向他方側端部は、それぞれ支持部材479および支持部材481に固定されている。支持部材479および支持部材481は、例えば円柱状の部材であり、弾性体収容部475の内部を周方向に摺動可能な大きさに形成されている。
外径側部材363に対して内径側部材365が相対回転していない自然状態において、支持部材479の周方向一方側端面は、外径側部分が切り欠き部471の周方向一方側端面と接触し、内径側部分が切り欠き部473の周方向一方側端面と接触している(図6、7参照)。また、支持部材481の周方向他方側端面は、外径側部分が切り欠き部471の周方向他方側端面と接触し、内径側部分が切り欠き部473の周方向他方側端面と接触している(図6、7参照)。
このような構成により、外径側部材363に対して内径側部材365および第1の切り替えプレート451が周方向一方に相対回転すると、内径側部材365の切り欠き部473の周方向他方側端面が周方向一方側へ移動することにより支持部材481が弾性体収容部475内を周方向一方へ移動し、弾性体477は収縮する。また、外径側部材363に対して内径側部材365および第1の切り替えプレート451が周方向他方に相対回転すると、内径側部材365の切り欠き部473の周方向一方側端面が周方向他方側へ移動することにより支持部材479が弾性体収容部475内を周方向他方へ移動し、弾性体477は収縮する。同様に、弾性体収容部575に収容された弾性体577は、外径側部材363に対して内径側部材365および第2の切り替えプレート551が周方向一方または周方向他方に相対回転すると、収縮する。
次に、第1のラチェット型クラッチ101の作動について説明する。
以下の説明は、第1のラチェット型クラッチ101の第2の爪部材137と歯部113との噛み合い動作についての説明である。なお、第1の爪部材131と歯部113との噛み合い動作は、第2の爪部材137の場合と同様であるが、第2の爪部材137の場合とは周方向が逆となる。
また、第2のラチェット型クラッチ201の作動は第1のラチェット型クラッチ101の作動と同様である。
図4は、第1のラチェット型クラッチ101の要部を軸方向一方側から見た状態を示す正面図であり、第2の爪部材137と歯部113との噛み合い状態を示している。
図5は、第1のラチェット型クラッチ101の要部を軸方向一方側から見た状態を示す正面図であり、第2の爪部材137と歯部113との非噛み合い状態を示している。
図6は、切り替えプレート作動部材361を軸方向一方側から見た状態を示す正面図であり、第1のラチェット型クラッチ101の第2の爪部材137と歯部113とが噛み合い状態の際の作動状態を示している。
図7は、切り替えプレート作動部材361を軸方向一方側から見た状態を示す正面図であり、第1のラチェット型クラッチ101の第2の爪部材137と歯部113とが非噛み合い状態の際の作動状態を示している。
図4に示すように、第2の爪部材137と歯部113とが噛み合い状態の際は、第1の切り替えプレート451の凸部459は、第2の爪部材137の爪部135の内径側の面の軸方向一方側に隣接している。詳細には、凸部459は、凸部459の周方向他方側端部の斜面460が、爪部135の内径側の面に接触した状態で配置される。この状態において、切り替えプレート作動部材361は、図6に示すように、外径側部材363に対して内径側部材365が周方向一方に相対回転し、弾性体477が所定量収縮している状態である。したがって、収縮した弾性体477の弾性復帰力により、内径側部材365に固定された第1の切り替えプレート451は、外径側部材363に対して周方向他方へ回転する方向に付勢されている。この付勢力により、第1の切り替えプレート451の凸部459は、第2の爪部材137の爪部135の内径側の面に接触する方向に付勢されている。
この状態において内輪105が周方向一方すなわち時計方向へ回転すると、第2の爪部材137を介して外輪103へトルクが伝達される。このとき、内輪105から第2の爪部材137に伝達されたトルクは、第2の爪部材137に接触している第1の切り替えプレート451にも伝達され、第1の切り替えプレート451には周方向一方へ回転する方向の力が加わる。ここで、第1の切り替えプレート451に伝達されたトルクは弾性体477に伝達され、当該トルクが所定値、すなわち収縮した弾性体477の弾性復帰力よりも大きいと、弾性体477が収縮することによって吸収される。第2の爪部材137に一時的に通常のトルクよりも大きな超過トルクが伝達された際も、超過トルクは弾性体477が収縮することによって吸収される。したがって切り替えプレート451が第2の爪部材137から伝達されたトルクを受け止めることがないので、切り替えプレート451の破損を防ぐことができる。
第2の爪部材137と歯部113とが噛み合っている状態(図4)から、内輪105の回転方向が切り替わる際、内輪105の回転速度が低下すると、内輪105から第2の爪部材137に伝達されるトルクも小さくなる。内輪105から第2の爪部材137に伝達されるトルクの大きさが所定値すなわち収縮した弾性体477の弾性復帰力よりも小さくなると、弾性体477は弾性復帰して延伸する。弾性体477が延伸するに従い、第1の切り替えプレート451は周方向他方に回転し、第2の爪部材137を、凸部459の斜面460を介して凸部459の頂部に持ち上げ保持する。これにより、図5に示すように、第2の爪部材137と歯部113との噛み合いが解除され、内輪105は外輪103に対して空転状態となる。すなわち第1のラチェット型クラッチ101自体が空転状態となる。この状態において、切り替えプレート作動部材361は、図7に示すように、外径側部材363に対して内径側部材365は相対回転せず、弾性体477は自然状態または少し圧縮された状態である。
このように本実施形態において、第1のラチェット型クラッチ101は、第1の切り替えプレート451に伝達されたトルクが弾性体477が収縮することによって吸収されるため、第1の切り替えプレート451の破損を防ぐことができる。また、弾性体477の弾性復帰力によって第1の爪部材131または第2の爪部材137と歯部113との噛み合い状態を解除することができるため、制御装置を簡素化できる。
同様に、第2のラチェット型クラッチ201は、第2の切り替えプレート551に伝達されたトルクが弾性体577が収縮することによって吸収されるため、第2の切り替えプレート551の破損を防ぐことができる。また、弾性体577の弾性復帰力によって第1の爪部材231または第2の爪部材237と歯部213との噛み合い状態を解除することができるため、制御装置を簡素化できる。
さらに、本実施形態のクラッチ装置1は、1つの切り替えプレート作動部材361を用いて第1の切り替えプレート451と第2の切り替えプレート551とを駆動するため、制御装置をさらに簡素化できる。その結果、本実施形態によれば、クラッチ装置1が構成部品として組み込まれる装置全体の重量の増大および当該装置の配置スペースの増大を抑制することができる。本実施形態のようにクラッチ装置1が構成部品として組み込まれる装置が車両の変速装置であれば、変速装置全体の重量の増大および車両への搭載スペースの増大を抑制することができる。
また、本実施形態のクラッチ装置1は、1つの切り替えプレート作動部材361を用いて第1の切り替えプレート451と第2の切り替えプレート551を駆動する構成である。すなわち1つの切り替えプレート作動部材361によって、第1のラチェット型クラッチ101のトルク伝達方向と第2のラチェット型クラッチ201のトルク伝達方向を、別の方向とする制御が可能である。また、第1のラチェット型クラッチ101のトルク伝達方向と第2のラチェット型クラッチ201のトルク伝達方向を同じ方向とする制御も可能である。このように本実施形態のクラッチ装置1は、クラッチ装置1が構成部品として組み込まれる装置全体の重量の増大および当該装置の配置スペースの増大を抑制しつつ、より複雑な制御が可能となる。
なお、本発明のクラッチ装置1は、上記実施形態に限定されず、変形が可能である。例えば、第1および第2のラチェット型クラッチ101、201において、爪機構部を内輪側に設け、爪機構部と噛み合う歯部を外輪の内周面に設ける構成としても良い。また、爪機構部の数は、伝達するトルク容量により適宜変更が可能である。
1 クラッチ装置
101 第1のラチェット型クラッチ
201 第2のラチェット型クラッチ
103、203 外輪
105、205 内輪
113、213 歯部
131、231 第1の爪部材
137、237 第2の爪部材
451 第1の切り替えプレート
551 第2の切り替えプレート
459 凸部
361 切り替えプレート作動部材
363 外径側部材
365 内径側部材
475、575 弾性体収容部
477、577 弾性体

Claims (7)

  1. 同軸上に配置され相対回転可能な第1の環状部材と第2の環状部材と、
    トルク伝達可能に前記第1の環状部材と前記第2の環状部材とを係合可能な第1のラチェット機構とを備えた第1のラチェット型クラッチと、
    前記第1のラチェット型クラッチと同軸に配置され、相対回転可能な第3の環状部材と第4の環状部材と、トルク伝達可能に前記第3の環状部材と前記第4の環状部材とを係合可能な第2のラチェット機構とを備えた第2のラチェット型クラッチと、
    前記第1のラチェット型クラッチおよび前記第2のラチェット型クラッチと同軸上に配置され、前記第1のラチェット型クラッチのトルク伝達方向と前記第2のラチェット型クラッチのトルク伝達方向とを切り替え可能な切り替え機構とを備え、
    前記切り替え機構は、
    前記第1および第2の環状部材と同軸に且つ前記第1および第2の環状部材と相対回転可能に設けられた第5の環状部材と、
    前記第3および第4の環状部材と同軸に且つ前記第3および第4の環状部材と相対回転可能に設けられた第6の環状部材と、
    前記第5の環状部材および前記第6の環状部材と同軸に配置され、前記第5の環状部材と前記第6の環状部材とを回転可能に支持する第7の環状部材とを有し、
    前記第5の環状部材には、前記第1のラチェット機構の爪部材と接触することにより前記第1のラチェット機構の爪部材と前記第1のラチェット機構の歯部との噛み合いを制限可能な第1の制限部が形成され、
    前記第6の環状部材には、前記第2のラチェット機構の爪部材と接触することにより前記第2のラチェット機構の爪部材と前記第2のラチェット機構の歯部との噛み合いを制限可能な第2の制限部が形成され、
    前記第1の制限部は、前記第5の環状部材の回転によって、前記第1のラチェット機構の爪部材との接触と非接触とが切り替わり、
    前記第2の制限部は、前記第6の環状部材の回転によって、前記第2のラチェット機構の爪部材との接触と非接触とが切り替わり、
    前記第5の環状部材と前記第7の環状部材との間には、前記第1のラチェット機構の爪部材が前記第1のラチェット機構の歯部と噛み合っている状態において、前記第7の環状部材に対する前記第5の環状部材の相対回転により収縮可能な第1の弾性部材が複数介装され、
    前記第6の環状部材と前記第7の環状部材との間には、前記第2のラチェット機構の爪部材が前記第2のラチェット機構の歯部と噛み合っている状態において、前記第7の環状部材に対する前記第6の環状部材の相対回転により収縮可能な第2の弾性部材が複数介装されていることを特徴とするクラッチ装置。
  2. 前記第1の弾性部材は、前記第1のラチェット機構の爪部材が前記第1のラチェット機構の歯部と噛み合っている状態において、前記第5の環状部材から前記第1のラチェット機構の爪部材に所定値よりも大きなトルクが伝達されると収縮することを特徴とする請求項1に記載のラチェット型クラッチ。
  3. 前記第1の弾性部材は、前記第1のラチェット機構の爪部材が前記第1のラチェット機構の歯部と噛み合っている状態において、前記第1のラチェット機構の爪部材に伝達されるトルクが前記所定値よりも小さくなると延伸し、前記第1の制限部が前記第1のラチェット機構の爪部材と接触する方向へ前記第5の環状部材を回転させることを特徴とする請求項2に記載のラチェット型クラッチ。
  4. 前記第5の環状部材は、前記第1のラチェット機構の爪部材と径方向に対向する周面を有し、
    前記第1の制限部は、前記周面に形成され、前記第1のラチェット機構の爪部材と接触することにより前記第1のラチェット機構の爪部材を前記第1のラチェット機構の歯部との非噛み合い方向に変位させる第1の凸部であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のラチェット型クラッチ。
  5. 前記第2の弾性部材は、前記第2のラチェット機構の爪部材が前記第2のラチェット機構の歯部と噛み合っている状態において、前記第6の環状部材から前記第2のラチェット機構の爪部材に所定値よりも大きなトルクが伝達されると収縮することを特徴とする請求項1に記載のラチェット型クラッチ。
  6. 前記第2の弾性部材は、前記第2のラチェット機構の爪部材が前記第2のラチェット機構の歯部と噛み合っている状態において、前記第2のラチェット機構の爪部材に伝達されるトルクが前記所定値よりも小さくなると延伸し、前記第2の制限部が前記第2のラチェット機構の爪部材と接触する方向へ前記第6の環状部材を回転させることを特徴とする請求項5に記載のラチェット型クラッチ。
  7. 前記第6の環状部材は、前記第2のラチェット機構の爪部材と径方向に対向する周面を有し、
    前記第2の制限部は、前記周面に形成され、前記第2のラチェット機構の爪部材と接触することにより前記第2のラチェット機構の爪部材を前記第2のラチェット機構の歯部との非噛み合い方向に変位させる第2の凸部であることを特徴とする請求項1から3、5、6の何れか一項に記載のラチェット型クラッチ。
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