JP2023166981A - 河川取水工の設置構造及び設置方法 - Google Patents

河川取水工の設置構造及び設置方法 Download PDF

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【課題】塵芥を減らす効果に優れており、メンテナンス性にも優れ、既存の頭首工に対して増設することも可能で河川管理者の許可が不要な技術を提供する。【解決手段】 水を堰き止める固定堰(11)と、水を用水路に導く取入口(12)を有する頭首工(1)に、底面側に取水開口(21)及びグレーチング(23)有し、下流側となる背面側に取水口(22)を有する底面吸込型取水工(2)を、川底(3)との間に間隔を有するように設置した後に、該底面吸込型取水工(2)の上流側及び側面側の川底(3)に、蛇籠(6)を設置する。【選択図】図1

Description

本発明は、河川取水工の設置構造及び設置方法に関し、特に、上流域の河川である渓流に設置する頭首工に、増設若しくは一体となって設置するのに適した、河川取水工の設置構造及び設置方法に関する。
渓流に設置するのに適した河川取水工に係る小規模な取水設備において、水を導水する取水口に流入する塵芥を減らすと共に、除去した塵芥の処理作業を縮減する技術として、例えば、特許文献1に記載の発明が知られている。
該特許文献1に記載の発明は、渓流等小規模な河川における河川取水設備であって、河川を流れる水を導水する取水口と、前記取水口の上端近傍において河川の水面と略平行に配置された塵芥除去スクリーンと、を備え、前記塵芥除去スクリーンは、複数の穴部が形成されており、前記取水口は、前記塵芥除去スクリーンの穴部から下方に通過した水を導水するものである。
特開2006-274706号公報
特許文献1に記載の発明によると、河川などから農業用水を用水路へ引き入れるための施設である頭首工の取水口に流入する塵芥を減らす一定の効果を得ることが可能であるが、より塵芥を減らす効果に優れた発明が求められていた。
また、特許文献1に記載の河川取水設備を設置する際には、既存の頭首工と置き換えて設置する必要があり、新たに河川管理者に許可を得る必要があった。
なお、周知技術として、以下に説明するような技術があるが、各々が課題を有している。
渓流取水で多く用いられるバースクリーン方式は、流木などの目詰まりが生じやすく、取水を阻害してしまう欠点がある。
これを解決するために後方取水方式、複合方式といったバースクリーン方式を組み合わせたものも提案されているが、構造が複雑で、設置には新たに河川管理者との協議を要する課題が残る。
稼働水門を要する取水堰による取水方式では、潜りオリフィス状態にすることで塵芥の侵入をある程度防ぐことができるが、取水量の低下、堰貯留部の塵芥の滞留、定期的な水門の調整などが課題となる。
サイフォン方式は、塵芥混入は少なく、取水量の低下もほとんど無いため、多くの地点で導入されているが、固定堰の上部に構造物を追加するため、河川管理者との協議が必要となる。また、山間部の渓流で洪水時に固定堰を越流する濁流に耐える必要があるため、より強固でメンテナンスの容易なものである必要があり、その点で課題が残る。
浸透水取水方式は、塵芥混入が少なく、取水量の低下もほとんど無いため、渓流での設置でもっとも優れた方式である。しかし、従来用いられる多孔管タイプは、必要取水量が大きくなると、管を大きく長く若しくは多数設置する必要があり、維持管理が難しくなる。
透水マット・グレーチングタイプでは、貯留部の水深がある程度の深さが必要で、かつ長期の運用で目詰まりが懸念される。
取水口にふとん籠を置くタイプは、設置が容易で簡単であるが、やはり長期運用での目詰まりが課題となる。
従って、本発明が解決しようとする課題は、塵芥を減らす効果に優れており、メンテナンス性にも優れ、既存の頭首工に対して増設することも可能で河川管理者の許可が不要な技術を提供することにある。
本発明の課題を解決するための手段は、下記のとおりである。
第1に、
河川の水を堰き止める固定堰と、河川の水を用水路に導く取入口を有する頭首工に、
底面側に取水開口を有し、下流側となる背面側に取水口を有する箱状の底面吸込型取水工を、
川底との間に間隔を有するように設置したことを特徴とする、河川取水工の設置構造。
第2に、
前記底面吸込型取水工の取水開口に、グレーチングを設けることを特徴とする、前記第1に記載の河川取水工の設置構造。
第3に、
前記底面吸込型取水工の天井面側が、取り外し可能な蓋であることを特徴とする、前記第1または第2に記載の河川取水工の設置構造。
ここで、頭首工とは、一般に、河川から農業用水を取水する目的で設置する施設の総称で、取入口、取水堰、附帯施設及び管理施設から構成されるものであるが、本発明においては、主に上流域の河川である渓流に設置するものを対象とする。
底面吸込型取水工を、川底との間に間隔を有するようにして既存の頭首工に設置するには、例えば、川底にコンクリートブロック、岩、礫等の間隔保持部材を設置し、その上に載せることで、浸透性を保ちつつ、底面吸込型取水工を取り外し可能に設置する他にも、頭首工を構成する固定堰や取入口を構成する部分に一体化として設置することもできる。
なお、新規に河川取水工を設置する場合には、頭首工と底面吸込型取水工を一体構造物として、設置することもできる。
第4に、
河川の水を堰き止める固定堰と、河川の水を用水路に導く取入口を有する頭首工に、
底面側に取水開口を有し、下流側となる背面側に取水口を有する箱状の底面吸込型取水工を、
川底との間に間隔を有するように設置した後に、
該底面吸込型取水工の上流側及び側面側の川底に、蛇籠を設置することを特徴とする、河川取水工の設置方法。
第5に、
前記蛇籠の高さが、頭首工の取入口の最低位置より低く、底面吸込型取水工の底面位置より高いことを特徴とする、前記第4に記載の河川取水工の設置方法。
ここで、蛇籠とは、竹材や鉄線で粗く編んだ籠に、種々の大きさの岩、礫、玉石、割石、砕石等による充填物を詰め込んだもので、形状としては円筒形や長方形に限定されず任意の形状を採用することができるが、高さについては、設置箇所の川底と取水工の位置関係を考慮したものを採用することが望ましい。
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
底面側に取水開口を有した底面吸込型取水工を、川底との間に間隔を有するように設置することで、塵芥が取水開口に侵入する可能性を小さくできるので、塵芥を減らす効果に優れている。
特に、蛇籠を、頭首工の取入口の最低位置より低く、底面吸込型取水工の底面位置より高く設置することで、塵芥が取水開口のグレーチングに侵入する可能性をより小さくできるので、塵芥を減らす効果がより優れたものとなる。
また、取水開口のグレーチングに塵芥が侵入して詰まる可能性が少ないので、メンテナンス性にも優れている。
特に、着脱可能な上蓋で構成した底面吸込型取水工は、上蓋を外すことで、掃除等の内部管理が容易にできるので、よりメンテナンス性に優れたものとなる。
既存の頭首工に対して底面吸込型取水工を増設することも可能であり、この場合、該増設箇所は、頭首工の固定堰によって堰き止められた貯留部内にあるので、河川管理者の許可が不要となる。
本発明に係る河川取水工の設置構造の設置状態を示す斜視図である。 本発明に係る河川取水工の設置構造の設置状態における概要の正面図(a)、平面図(b)である。 本発明に係る河川取水工の設置構造における底面吸込型取水工を置いた状態の斜視図である。 図3に示す河川取水工の設置構造の平面図(a)、正面図(b)、側面図(c)である。 図3に示す河川取水工の設置構造の長手方向縦断面図(a)、短手方向縦断面図(b)である。 試験例1による頭首工の斜視図である。 試験例1による上部取水グレーチング型取水工の斜視図である。 試験例1による上流壁オリフィス取水型取水工の斜視図である。 試験例2に関する現地の堆砂状況図である。 試験例2に関する再現した堆砂状況を示す写真である。 試験例2に関する堆砂条件における塵芥混入量の結果を示すグラフである。 試験例2に関する堆砂条件における低水流量時の取水量の経時変化を示すグラフで、(A)は堰高100%、(B)は堰高75%における結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ここで、添付図面において同一の部材には同一符号を付しており、また重複した説明は省略されている。
なお、ここでの説明は本発明が実施される一形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
本実施例の河川取水工の設置構造は、実際の渓流に設置されている幅13メートル程度、貯留部深さ3メートル弱程度の頭首工に底面吸込型取水工を増設する場合を想定し、フルード相似則三分の一のスケールの模型タイプによって、各図を示している。
そのため、川底や川壁等は板状物として図示され、固定堰は一部のみが図示され、図1~図5の設置状態については、頭首工の上流側が主に図示されている。
図1、図3に示すように、本実施例の河川取水工の設置構造は、渓流の水を堰き止める固定堰11と、渓流の水を用水路に導く取入口12を有する頭首工1に、細長い箱状の底面吸込型取水工2を、川底3との間に間隔を有するように設置したものである。
該箱状の底面吸込型取水工2は、天井面側の高さが固定堰11の上端側と同じであり、底面側に河川水を吸い込むことで取水するための溝状の取水開口21が形成され、下流側となる背面側に取入口12と同形状同位置の取水口22を有している。
前記取水開口21には、スリット状のグレーチング23が設置され、塵芥や土砂の侵入を阻止している。
なお、図1、図3中、符号4は、渓流の一方の川壁を示している。
図示は省略するが、箱状の底面吸込型取水工2の天井面側を全面的に着脱可能な構造とし、天井面を上蓋として形成することで内部の管理が容易となる。
ここで、上蓋は、洪水時に流されないようにロック手段を施すことが望ましい。
なお、降雨時等の渓流の水が多いときには、底面吸込型取水工の天井面および固定堰の上端側より洪水が越流するので、流れが阻害されることはない。
細長い箱状の底面吸込型取水工2を、川底3との間に間隔を有するように設置するには、図1、図3、図4、図5に示すように、例えば、川底3にブロック5を配置し、その上に底面吸込型取水工2を載せることで、設置が完了する。
ここで、底面吸込型取水工2と川底3との間の空間には、大きい岩、礫を敷き詰めて、水が浸透し易いようにすることもできる。
なお、本実施例の場合は模型タイプなので、頭首工1と底面吸込型取水工2の背面側が密接し、予め川底3との間に間隔を有するように接着して構成され、また、底面吸込型取水工2の一側面は川壁4と密接して構成されている。
図3に示すように、川底3にブロック5を配置し、その上に底面吸込型取水工2を載せて設置した後に、図1に示すように、鉄線で編んだ鉄線籠に岩や砕石等の充填物を詰めた蛇籠6を、底面吸込型取水工2の上流側及び側面側の川底3に設置することで、本実施例に係る河川取水工の設置が完了する。
ここで、図2の(a)に示すように、蛇籠6の高さh3は、頭首工1の取入口12の最低位置h2より低く、底面吸込型取水工2の底面位置h4より高く形成することで、取水開口21への塵芥や土砂の侵入防止効果を高めることが可能となると共に、底面吸込型取水工2の固定を強固にすることが可能となる。
なお、図2の(a)に示す土砂吐13は、通常は堰板を填めることで形成する堰上げ高h1が、取入口12の最低位置h2より高くなるように水位を調整することで、取水量の調整が可能となる。
固定堰11内に土砂が溜まれば、堰板を除去して、内部の土砂を土砂吐13から下流に流すこともできる。
図2の(b)は、天井面に上蓋を設置可能な底面吸込型取水工2について、上蓋を外した状態を示しており、取水開口21に取り付けたグレーチング23が図示されている。
次に、上記の河川取水工の設置構造の作用について説明する。
渓流に設置された頭首工1の固定堰11によって堰き止められた河川の水は、蛇籠6の隙間を通り、底面吸込型取水工2の取水開口21から内部に吸い込まれる。
この際、塵芥や土砂は、蛇籠6によって侵入が阻止され、更に、グレーチング23によっても侵入が阻止される。
内部に吸い込まれた塵芥の侵入が無い水は、背面側に形成された取水口22及び該取水口22と密接している頭首工1の取入口12を通り、例えば、農業用水として使用される。
[試験例1]
以下、本実施例の河川取水工の設置構造について、十分に取水が可能で、塵芥の侵入が無いことを確認するために、水理模型による試験例1について説明する。
図6に示す水理模型による頭首工1は、固定堰11と取入口12を有している。
図6中、符号3は川底を示し、符号4は川壁を示している。
本発明区として、図1に示すように、頭首工1に、底面吸込型取水工2をブロック5の上に載せることで設置し、更に、上流側及び側面側に蛇籠6を設置したものを準備した。
対照区1として、図6に示す、いずれの取水工も設置しない頭首工1だけのものを準備した。
該頭首工1は、固定堰11と取入口12を有するものである。
対照区2として、図7に示すように、頭首工1に上部取水グレーチング型取水工30を設置したものを準備した。
該上部取水グレーチング型取水工30は、天井面に取水開口を有し、該取水開口に格子状グレーチング31を取り付けたものである。
符号32は、取入口12と同位置同形状の取水口である。
対照区3として、図8に示すように、頭首工1に上流壁オリフィス取水型取水工40を設置したものを準備した。
該上流壁オリフィス取水型取水工40は、上流側の側面に多数の開孔41を有するものである。
符号42は、取入口12と同位置同形状の取水口である。
上記4種(本発明区、対照区1、対照区2、対照区3)の各区について、30分毎に乾燥重量10gの枝葉を投入して、水位や取水量、目詰まりなどを確認する試験を、15回(150g)連続で行うことで、実時間8時間になる試験を各区毎に実施した。
結果について、取水への混入の有無(防塵性能)、目詰まりの有無(管理性能)、取水量とその安定性(取水性能)を、○、×、△で評価した。
その結果を、次表に示す。
[試験例1の結果]
試験例1の結果、本発明区は、防塵性能が極めて高く、かつ取水量の減少がほとんど無く安定しているので取水性能も高く、更に、管理負担が少なく管理性能も高いものであることが確かめられた。
本発明による河川取水工の設置構造によると、既存固定堰の貯留部内に十分納まるため、河川管理者との新たな協議を必要とせず、設置作業を迅速に行うことが可能となる。
また、通常は、人の手はほとんど必要無いため、山奥の渓流での設置に適している。
さらに、取水工内部の清掃なども容易なため、数年に一度のメンテナンスにより、定期的な運用が可能であると推察される。
ここで、長期間運用すると、底面吸込型取水工の底部に、塵芥や土砂が侵入して通水を阻害するような場合が想定される。
その際には、周辺の蛇籠を取り替え、実際の現場では土砂吐の堰板を除去した上で、底面吸込取水工の内部の水を一旦抜いて、底面吸込取水工の上蓋を外して内部の土砂等の除去を行うことにより、取水性能の回復が期待できる。
[試験例2]
渓流部の頭首工では、堰によって貯留された部分に土砂が堆積する。
特に、梅雨期や台風接近時に上流より運ばれた土砂によって、堰上流部に堆砂し、通水を阻害することが頻発する。
そこで、本発明に係る「下部浸透型渓流取水工」が、ある程度堆砂した状況でもその機能を十分に発揮することができるかどうかを確かめるために、試験例2として水理模型による試験を行った。
本試験例2でも、試験例1と同様に、図1に示すように、頭首工1に、底面吸込型取水工2をブロック5の上に載せ、上流側及び側面側に、蛇籠6を設置したタイプのものを準備した。
そして、基本的な試験設備、模型縮尺、試験流量等は、試験例1と同じ条件で試験を実施した。
ただし、頭首工内部についてのみ図9に示す2021年8月に行った現地の堆砂状況調査に基づいて、図10のように試験水槽内で堆砂状況を再現した。
まず現地で採取した土砂を篩分けし、粒径加積曲線を作成して粒度組成を明らかにした。
別途入手した、約4tの清武川の川砂を篩分けして、現地の粒度組成をできるだけ再現した土砂を作成し、これを水槽内に堆砂させた。
堆砂時の頭首工では、特に低水流量時の取水が問題となる。
そこで、本試験例2では、流量を基準と低水の2パターン、堰高を100%、85%、75%の3パターンに設定した合計6パターンについて各試験を実施した。
[試験例2の結果]
図11に、本取水工の基本性能である塵芥除去性能について、堆砂条件で行った試験結果を示す。
このように堆砂条件でも、塵芥の混入は全くないことを確認した。
図12に、堆砂条件で懸念される取水性能への影響について、取水量の経時変化の中から一例として低水流量条件時の堰高100%、75%の試験結果をグラフで示す。
なお、図12中、(A)は堰高100%、(B)は堰高75%における結果を示している。
いずれも時間的な変動等もなく、終始安定した取水ができていることを確認した。
試験例2の結果、現況の頭首工で見られるような堆砂が発生したとしても、基本的な取水性能には支障が無いことを確かめることができた。
1 頭首工
2 底面吸込型取水工
3 川底
4 川壁
5 ブロック
6 蛇籠
11 固定堰
12 取入口
13 土砂吐
21 取水開口
22 取水口
23 グレーチング
30 上部取水グレーチング型取水工
31 格子状グレーチング
32 取水口
40 上流壁オリフィス取水型取水工
41 開孔
42 取水口

Claims (5)

  1. 水を堰き止める固定堰と、水を用水路に導く取入口を有する頭首工に、
    底面側に取水開口を有し、下流側となる背面側に取水口を有する吸込型取水工を、
    川底との間に間隔を有するように設置したことを特徴とする、河川取水工の設置構造。
  2. 前記吸込型取水工の取水開口に、グレーチングを設けることを特徴とする、請求項1に記載の河川取水工の設置構造。
  3. 前記吸込型取水工の天井面側が、取り外し可能な蓋であることを特徴とする、請求項1または2に記載の河川取水工の設置構造。
  4. 水を堰き止める固定堰と、水を用水路に導く取入口を有する頭首工に、
    底面側に取水開口を有し、下流側となる背面側に取水口を有する吸込型取水工を、
    川底との間に間隔を有するように設置した後に、
    該吸込型取水工の上流側及び側面側の川底に、蛇籠を設置することを特徴とする、河川取水工の設置方法。
  5. 前記蛇籠の高さが、頭首工の取入口の最低位置より低く、吸込型取水工の底面位置より高いことを特徴とする、請求項4に記載の河川取水工の設置方法。
JP2023068246A 2022-05-10 2023-04-19 河川取水工の設置構造及び設置方法 Pending JP2023166981A (ja)

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