JP2023165355A - 製造評価システム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、製造評価システムに関する。
製造装置の消費エネルギーもしくは消費電力量を計算し表示する装置が特許文献1に記載されている。特許文献1には、「加工プログラムに従って被加工物を加工する工作機械の消費電力量表示装置であって、前記工作機械は、前記加工プログラムを実行することによって前記被加工物を加工する加工状態において電力消費する第一電力消費要素と、前記非加工状態において、前記加工プログラムの実行開始指令が出力された場合に前記加工プログラムを実行できるように運転準備状態にするために電力消費する第二電力消費要素と、前記非加工状態において、前記加工プログラムの実行とは無関係に電力消費する第三電力消費要素と、を備え、前記消費電力量表示装置は、加工状態と、非加工状態における運転準備状態と、前記非加工状態における運転準備OFF状態とを判別する加工状態判別手段と、前記加工状態判別手段により前記非加工状態と判定されている間の前記工作機械の消費電力量を計測すると共に、前記運転準備状態における消費電力量および前記運転準備OFF状態における消費電力量のうち少なくとも何れかを計測する消費電力量計測手段と、前記消費電力量計測手段により計測された前記消費電力量を表示する表示手段と、を備え、前記加工状態は、前記工作機械に電力を供給する主電源スイッチがオンの場合に、前記加工プログラムを実行することによって前記被加工物を加工する状態であり、前記非加工状態は、前記加工プログラムが実行されていない状態であり、前記運転準備状態は、前記非加工状態において、前記第一電力消費要素が電力消費しておらず前記第二電力消費要素が電力消費している状態であり、前記運転準備OFF状態は、前記非加工状態において、前記第一電力消費要素および前記第二電力消費要素が電力消費しておらず前記第三電力消費要素が電力消費している状態である工作機械の消費電力量表示装置。」と記載されている。
製造コストを試算するシミュレータおよびプログラムが、特許文献2に記載されている。特許文献2には、「日々追加される原価データがどのように複雑な仕様条件であってもシステムの改造なしにコストを求めることが出来る原価見積もりパラメータ最適化方法、原価シミュレーション装置およびプログラムを提供すること。」と記載されている。また、特許文献2には、「コストを絞り込む仕様条件パラメータを生成する条件生成機構を持つ原価シミュレーション装置は、データベースから類似コストおよび類似仕様の部品を検索し、部品のどの仕様条件が価格の変動要素となっているかのファクタを判断し指示して、価格の差異を各ファクタに重み付け配分し、条件パラメータとして登録する。」と記載されている。
製造設備の消費電力量の可視化は、生産コストの削減だけではなく、製造業におけるカーボンニュートラルの実現にも貢献する。エンジニアリングチェーンの下流工程における製造工程では、製造設備の情報を上流工程である設計工程に展開することで、製造工程自身の消費電力抑制だけでなく、製造工程での消費電力を低減可能な製品自身の省エネ設計が可能となる。また、設計段階での作りこみにより、エンジニアリングチェーン上で発生し得る不具合の発生を抑制することも可能である。このため、製造工程における設備の消費電力詳細を可視化し、その情報を製造現場だけでなくほかの工程に展開するシステムが重要となる。特許文献1は、工作機械の消費電力を表示する装置であって、主に回転軸、テーブル駆動軸、クーラントポンプの消費電力量を、加工状態と非加工状態を比較して求める。これにより、加工プロセスの消費電力量の変化を可視化し、非加工状態を抽出してその部分の回転軸の回転数やクーラントポンプの駆動を停止することで、無駄な消費電力を低減できるとしている。消費電力の情報は、工作機械のオペレータ、NCプログラムを作成するプログラマーなど、直接工作機械を制御・操作する担当者に展開し、一定の工程改善に寄与できると考えられる。しかしながら、工作機械において電力を消費する部分は上記以外にも、温度コントローラ、ミストコレクタ、制御パネル、コンプレッサーなど多岐にわたり、特にコンプレッサーなどは消費電力量が無視できないレベルにある。また、工作機械の消費電力は設備の駆動以外にも、被削材である金属が精錬される過程で発生する消費電力やエネルギーが加味されていない。さらに限定的な消費電力量の情報だと、活用先が製造現場におけるプロセス改善に限定され、波及効果をねらえる上流工程での省エネ設計には活用が難しい。
特許文献2では、製品・部品の仕様条件から製造原価を見積もることができるシミュレータであり、蓄積したデータベースから計算するパラメータを絞り込んで製造原価を求める。製造工程で発生するコストは、労務費にあたる人件費、経費にあたる光熱費や減価償却費、材料費にあたる材料仕入の費用などが基本とされる。しかしながら、製造における環境負荷は含まれていない。消費される電力量からCO2の排出量を計算し、それをコスト化する必要がある。また、製造プロセスにおける詳細な消費電力の内訳を求める手段がないため、プロセス改善による消費電力の抑制や省エネ設計が難しい。
そこで本発明は、製造プロセスにおける設備の消費電力詳細をデータベース化し、製造コスト、製品の作りこみや機能に影響する品質コスト、製造工程の消費電力量などから試算される環境コストを計算する製造評価システムを提供することを目的とする。また、計算結果をグラフ表示し、データベースおよびグラフデータを他工程に展開する手段も提供する。
上記目的を達成するため、本発明の製造評価システムの態様は、製造工程で発生するコストを評価する製造評価システムであって、3次元CADデータを入力として、製造工程を解析する製造工程解析部と、製造における仕上げ工程を解析する品質解析部と、製造工程で発生する環境負荷を解析する環境負荷解析部と、解析結果を表示する解析結果表示部とを有する。
本発明の代表的な形態によれば、製造プロセスにおける設備の消費電力詳細をデータベース化し、製造コスト、製品の作りこみや機能に影響する品質コスト、製造工程の消費電力量から試算される環境コストを計算し、データベースおよびグラフデータを他工程に展開できる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明より明らかにされる。
以下、実施例を図面を用いて説明する。
本実施例では、製造評価システムの例を説明する。本実施例の製造評価システム100は、ハードウェア構成として、プロセッサ、主記憶装置、副記憶装置、入力装置、出力装置、ネットワークI/F、これらを接続するバスなどを有している。製造評価システム100は、例えば、パーソナルコンピュータや、ワークステーションまたはメインフレームなどの一般的な情報処理装置で実現することができる。また、製造評価システム100を複数の情報処理装置で実現しても良い。以下で説明する機能部(「~部」)は、副記憶装置に記憶されたデータやプログラムを主記憶装置に読み出して、プログラムによって定められた処理を実行することによって、実現されている。また、機能部(「~部」)は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)等の専用回路で実現しても良い。
図1は、実施例1の製造評価システム100の概略構成の例を示す図である。製造評価システム100は、3次元CADデータ1を入力として、製造工程解析部2と、品質解析部3と、環境負荷解析部4と、解析結果表示部5から構成される。製造工程解析部2に入力された3次元CADデータ1は、素材が目的形状に加工されるまでの製造方法、準備時間や加工時間が含まれる製造リードタイム、人件費や設備費などの労務データ等が含まれ、製造原価のコスト計算がされる。製造工程解析部2で求まった製造方法が品質解析部3に入力されると、仕上げ工程におけるコスト計算が行われる。ここでは、設計仕様で決められた寸法公差に対するばらつきから、品質に関わるコストが出力される。次に環境負荷解析部4では、製造工程解析部2で求まった製造方法から、設備のデータ、材質のデータ、製造リードタイムから消費電力量が計算され、環境負荷に関する環境コストが計算され出力される。これらで求まった製造コスト、品質コスト、環境コストが解析結果表示部5で表示される。
図2を用いて、製造評価システム100の詳細構成の例を説明する。3次元CADデータ1には、加工前データ10と、加工後データ11と、材質データ12などが含まれる。例えば、加工後データ11と加工前データ10の差分をとることで、加工量が求まり、そこから加工リードタイムを計算するパラメータとして応用できる。また、材質データは、具体的に被加工材の材質のことであり、加工条件や環境負荷を計算する際に使用される。製造工程解析部2には、原価データ13をデータベースとして有している。原価データは、労務費にあたる人件費、経費にあたる光熱費や減価償却費、材料費にあたる材料仕入の費用など、製造に関わるコストのデータベースを有している。工程候補出力部14では、複数の工程案が出力される。例えば、板材の板金加工から、機械加工で成形する工程案A、ブロック材から全てを高精度5軸加工機で成形する工程案B、3軸加工機とレーザ肉盛りで成形する工程案Cなどと、複数案出力する。なお、この工程候補出力部14は、市販の製造シミュレータで求めても良いし、工場で所有する設備から手動で組み合わせを選んで入力しても良い。次に、製造コスト出力部15にて、それぞれの工程候補の製造コストを出力する。以上まとめると、製造コスト出力部15にて、予め用意された計算式に、入力パラメータとして3次元CADデータ1のCADデータと、原価データ13のデータベースと、工程候補出力部14で出力された候補案を入れることで、コスト計算が実行され、製造コストが出力される。例えば、工作機械を使った金属部品の加工プロセスの場合、CADデータと原価データ13のデータベースにある設備条件と加工条件から、製造時間が求まる。加工条件が切削工具の送り速度F、軸切込みap、径切込みaeで表される場合、CADデータから得られる加工体積をMとすると、製造時間TはT = M/(F×ap×ae)で求まる。製造時間Tは製造コストにおける変動費の計算に使われ、製造時間Tと人件費である賃率をかけることで変動費の中の労務費を求めて良い。また、製造時間に一定の比率をかけることで、段取り時間をすることで、段取費を追加しても良い。さらに、CADデータから質量もしくは体積が得られるため、データベースの材料単価をかけることで材料コストを追加しても良い。これらの労務費、段取費、材料コストを含む変動費と、原価データ13に格納している固定費に関するデータを足し合わせることで、製造コストを出力する。
品質解析部3では、ばらつきデータをデータベースとして有している。ばらつきの要因となる人で作業による人為的なばらつき、工具たわみなどによって発生する機械的要因のばらつき、非加工材の材質によるばらつきなどが挙げられる。それらをばらつきデータベースとして格納している。加工プロセス解析部17では、製品の品質や精度に関係する仕上げ工程の部分を抽出し、プロセス解析する。目標の寸法公差を達成するために、データベースを使って必要な加工条件や加工時間をばらつき解析部18で解析する。これら一連の動作で、品質に関わるコストが品質コスト出力部19で求まる。以上まとめると、品質コスト出力部にて、予め用意された計算式に、入力パラメータとしてばらつき解析部18で出力される加工条件と加工時間のデータを入れることで、コスト計算が実行され、品質コストが出力される。例えば、工作機械を使った金属部品の加工プロセスの場合、ばらつき解析部18で、仕上げ加工工程で使用する工具や加工条件、および加工時間が求まる。すると、使用する工具が決まれば、工具費用は求まる。また加工時間と人件費である賃率をかけることで、労務費を求めて良い。仕上げ加工に関係する工具費、労務費などの原価を足すことで、品質コストとしても良い。
続いて、環境負荷解析部4では、エネルギー換算係数20をデータベースとして有する。製造設備ごとの電力データベースを主としている。例えば、工作機械の場合は、主軸モータ、クーラントポンプ、コンプレッサーなどの機能や設備から構成され、それぞれの消費電力をデータベースとして格納しておく。消費電力のデータベースを使って、工程候補出力部14で求まる加工リードタイムの内訳と掛け合わせると、消費電力量の詳細内訳が求まる。消費電力量が決まると、エネルギー原単位を使えばCO2排出量が求まり、環境コスト計算部21でCO2排出量ベースの環境コストが計算される。計算結果は環境コスト出力部22から出力さる。これら出力結果が、解析結果表示部5に入力され、結果が表示される。
製造評価システム100の動作フローを、図3を用いて説明する。ステップ30で3Dモデルを作成し、ステップ31で製造評価システム100のGUIを起動する。ステップ32でGUIの設定を入力する。ステップ33、34で適用可能な製造設備を選択し、寸法公差や表面粗さなどの、必要な設計仕様を入力する。ステップ35で製造工程解析部2における工程候補が出力される。ここでは工程候補がN個出力される例を説明する。ステップ36でi個目の候補が選択され、ステップ37でi個目の製造コストが計算される。ステップ38で個数の確認がされ、N個全ての製造コストが計算されていない場合は、全てされるまでループする。ステップ39でN個全ての製造コストが出力される。次に品質解析部3にて、ステップ40と41でi個目の加工プロセスが解析され、仕上げ工程のばらつき解析がステップ42で実施される。ステップ43で個数確認され、全て終わっていない場合はステップ40に戻りループする。ステップ44でN個全ての品質コストが出力される。次に環境負荷解析部4にて、ステップ45と46でi個目の環境コストが解析される。ステップ47個数確認され、全ての環境コストが解析されていない場合はステップ45に戻りループする。ステップ50にて、N個全ての製造コスト、品質コスト、環境コストがまとまり、解析結果をGUI表示する。
図4は、環境コスト計算部21の詳細を説明する図である。環境負荷解析部4にあるエネルギー換算係数20のデータベースは、製造方法A60、製造方法B61、製造方法AA62のように、複数の製造方法のデータベースを有する。例えば、切削加工の3軸工作機械や、板金加工のサーボプレス加工や、溶接による肉盛り処理などである。それぞれの製造方法に関係する付帯設備を含めた電量データベースを格納している。原価データ13を含むデータベースは、工程候補出力部14を通って、環境コスト計算部21に入力される。原価データに関わるデータベースは、稼働率処理部63と加工体積処理部64と使用材料処理部65に分類される。稼働率処理部63は、例えば実加工時間、アイドリング時間、停止時間など、稼働率に関する時間の情報が含まれる。加工体積処理部64は、除去体積、変形量、加工距離など、加工前と加工後のデータから求まる情報が含まれている。使用材料処理部65は、材料の使用量などが含まれている。エネルギー換算係数20は、設備パラメータ66と、付帯設備パラメータ67と、加工パラメータ68に分類される。設備パラメータ66は、設備本体に関係する機器類であり、例えば工作機械の場合はクーラントポンプ、温度コントローラ、ミストコレクタ、制御パネルなどがある。付帯設備パラメータ67は、圧縮空気を設備本体に送るコンプレッサーがある。加工パラメータ68は、加工負荷の変動で決定する機器類のものであり、駆動モータトルクなどが含まれる。稼働率処理部63、加工体積処理部64のグループと、設備パラメータ66、付帯設備パラメータ67、加工パラメータ68のグループがそれぞれ掛け合わせることで、使用する電力消費量が求まる。例えば、設備パラメータ66に含まれるクーラントポンプの場合は、稼働率処理部63の実稼働時間と掛け合わせることで、クーラントポンプの消費電力量が求まる。使用材料処理部65は、使用する材質と量、およびCO2排出量原単位からCO2排出量が求まる。例えばCO2の排出量からコストを求めるには、CO2の価格付けであるカーボンプライシングを使用しても良い。CO2の排出量取引で使われる炭素税の値でも良いし、民間企業で設備投資で使われるようなインターナルカーボンプライシングの値を入れても良い。例えば、ある企業のインターナルカーボンプライシングの係数をCO2の1トンあたり、10000円と定義している場合、環境コスト計算部21で求まったCO2排出量に10000円をかけ合わせれば、環境コストとなり、その値が環境コスト出力部22から出力される。
図5は、製造評価システム100の入力用GUIの例を説明する図である。入力設定80では、プロジェクトファイル名を入力する部分、CADファイル設定、原価データ、ばらつきデータ、エネルギー換算係数のデータベースを入力する部分等で構成されても良い。また、ラジオボタンとして、(1)工程解析開始81で解析を開始する。(2)設計仕様入力82で表面粗さや寸法公差などの設計仕様を入力する。(3)比較候補選択83で、複数の工程候補から、表示したい工程候補を選択する。(4)結果出力84で、表やグラフ表示する。
図6は、製造評価システム100の出力用GUIの例を説明する図である。表85は、工程案、名称、製造コスト、品質コスト、環境コスト、消費エネルギーを表形式で表示する。グラフ86は、各工程案のコストを棒グラフで表示する。棒グラフは、環境コスト、品質コスト、製造コストの内訳を示す。グラフ87は、各工程案のコストを棒グラフで表示するのと同時に、CO2排出量もしくは消費エネルギーもしくは消費電力量などの環境負荷を表示する。コストと環境負荷はトレードオフの関係にあると想定されるため、このグラフではトレードオフ表示する。例えば、最新の高効率な装置や工具を使うと、消費エネルギーが低減できるが、工具単価が増加するため、コストが増加すると想定される。
図7を用いて、ばらつきデータを含まない品質解析部3を有する場合の製造評価システム100の例を説明する。品質解析部3は、品質決定抽出部90と品質コスト出力部19から構成される。製造工程解析部2の工程候補出力部14で複数の工程案が出力され、品質決定抽出部90では、各工程案における仕上げ工程が抽出される。仕上げ工程における製造原価関係のパラメータ(時間、工具費、電気代等)から品質コストが品質コスト出力
図8を用いて、実施例3の製造評価システム100の例を説明する。実施例3の製造評価システム100は、少なくとも1つのデータ共有装置200が接続されたネットワークNWに接続している。製造評価システム100を製造工程だけではなく、設計工程を含むエンジニアリングチェーン上の他の工程に展開するためには、ネットワークを通じた活用方法が重要となる。解析結果表示部5で出力された表やグラフデータ、またそれらのベースとなる数値データは、ネットワークNWを介してデータ共有装置200に送信される。データ共有装置200は、製造評価システム100から送信された、上記のデータ(解析結果表示部5で出力された表やグラフデータ、またそれらのベースとなる数値データのうち、少なくとも1つのデータ)を保存できる。
データ共有装置200は、ハードウェア構成として、プロセッサ、主記憶装置、副記憶装置、入力装置、出力装置、ネットワークI/F、これらを接続するバスなどを有している、例えば、携帯端末や、パーソナルコンピュータや、ワークステーションまたはメインフレームなどの一般的な情報処理装置で実現することができる。データ共有装置200は、クラウドでも社内サーバーでも良い。複数の関係者で共有できる形であればよい。
ネットワークNWを用いて様々なデータが蓄積、送信、受信、共有される。ネットワークを使った事例を図9に示す。ネットワークNWに接続されたデータ共有装置200に共有できるデータは、例えばグラフデータ102、表データ103、原価データ13、ばらつきデータ16、エネルギー換算係数20などがある。エンジニアリングチェーン上の様々なステークホルダーが端末を使ってやり取りをする例である。例えば、製品設計者端末101を操作する製品設計者が製造評価システム100を使って評価した結果をネットワークNWにて展開する。
製品設計者端末101、プロセス設計者端末104、工作機械オペレータ端末105、調達担当端末106、検査・保守担当者端末107、運送担当端末108は、データ共有装置200の例である。
製品設計者端末101を操作する製品設計者は、複数の工程案から、製造コストが高くても、将来的なエネルギー単価増加を見越して、消費エネルギーが低い工程を選択する。その結果を踏まえて、調達担当端末106を操作する調整担当者や、運送担当端末108を操作する運送担当者は、設定された納期を見て業務調整する。また、プロセス設計者端末104を操作するプロセス設計者や、工作機械オペレータ端末105を操作する工作機械オペレータは、設備の更新などの製造ラインの状況や、新しい加工プログラムをネットワークNWにアップして、製品設計者端末101を操作する製品設計者が使う製造評価システム100のライブラリのアップデートが可能となる。検査・保守担当者端末107を操作する検査・保守担当者は、検査結果で得られたばらつきデータの更新を実施したり、設備の保守の計画を見越して原価データに反映したりすることができる。このように、本システムを使うことで、エンジニアリングチェーンがシームレスになり、より全体が適正される設計や製造の実現につながる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換することが可能である。
1…3次元CADデータ、2…製造工程解析部、3…品質解析部、4…環境負荷解析部、5…解析結果表示部、13…原価データ、16…ばらつきデータ、20…エネルギー換算係数、80…入力設定、100…製造評価システム、200…データ共有装置、NW…ネットワーク
Claims (11)
- 製造工程で発生するコストを評価する製造評価システムであって、
3次元CADデータを入力として、製造工程を解析する製造工程解析部と、製造における仕上げ工程を解析する品質解析部と、製造工程で発生する環境負荷を解析する環境負荷解析部と、解析結果を表示する解析結果表示部と、を有することを特徴とする、
製造評価システム。 - 請求項1に記載の製造評価システムであって、
前記製造工程解析部は、前記3次元CADデータの加工体積と原価データをパラメータ入力として製造コストを算出し、
前記品質解析部は前記製造工程解析部で得られた製造時間とばらつきデータをパラメータ入力として品質コストを算出し、
前記環境負荷解析部は前記製造工程解析部の加工時間とエネルギー換算係数をパラメータ入力として環境コストを算出し、
前記解析結果表示部は前記解析結果として前記製造工程で発生するコストを表示することを特徴とする、製造評価システム。 - 請求項1に記載の製造評価システムであって、
前記3次元CADデータは、加工前データと、加工後データと、材質データと、を含む、製造評価システム。 - 請求項1に記載の製造評価システムであって、
前記製造工程解析部は、原価データを有するデータベースと、複数の工程候補を出力する工程候補出力部と、出力した各工程候補の製造コストを出力する製造コスト出力部とを含む、製造評価システム。 - 請求項1に記載の製造評価システムであって、
前記品質解析部は、ばらつきデータを有するデータベースと、出力された複数の工程候補における加工プロセスを解析する加工プロセス解析部と、加工プロセスの仕上げ工程におけるばらつきを評価するばらつき解析部と、ばらつき結果から品質コストを求める品質コスト出力部とを含む、製造評価システム。 - 請求項1に記載の製造評価システムであって、
前記環境負荷解析部は、各設備の消費電力データから消費電力量を計算するために必要なエネルギー換算係数を有するデータベースと、設備の消費電力量とエネルギー原単位等のパラメータから環境コストを計算する環境コスト計算部と、環境コストを出力する環境コスト出力部とを含む、製造評価システム。 - 請求項6に記載の製造評価システムであって、
前記環境コスト計算部は、原価データのデータベースから実加稼働時間を求める稼働率処理部と、加工前と加工後の3DCADデータから変化する加工体積を求める加工体積処理と、使用する材料の決める使用材料処理と、製造設備のエネルギー換算係数から設備本体に関係する設備パラメータと、本体以外の付帯設備に関係する付帯設備パラメータと、加工時の負荷で決定する加工パラメータと、エネルギー原単位からCO2排出量を計算し、計算結果から環境コストを求めるエネルギー原単位計算部とを、含む製造評価システム。 - 請求項1に記載の製造評価システムであって、
前記解析結果表示部は、複数の工程案におけるコスト計算結果と、CO2排出量などの環境負荷評価結果を表示することを特徴とする、製造評価システム。 - 請求項1に記載の製造評価システムであって、
前記品質解析部は、出力された複数の工程候補における加工プロセスから仕上げ工程を抽出する品質決定抽出部と、抽出された工程におけるコストを求める品質コスト出力部とを含む、製造評価システム。 - 請求項1に記載の製造評価システムであって、
さらに、少なくとも1つのデータ共有装置に接続されたネットワークに接続しており、
前記解析結果表示部は、解析結果を前記データ共有装置に送信して、解析結果をネットワークに展開することを特徴とする、製造評価システム。 - 請求項10に記載の製造評価システムであって、
前記解析結果表示部は、解析結果として、グラフデータと、表データと、原価データと、ばらつきデータと、エネルギー換算係数とのうちの少なくとも1つのデータを前記データ共有装置に送信して、解析結果として、前記グラフデータと、前記表データと、前記原価データと、前記ばらつきデータと、前記エネルギー換算係数とのうちの少なくとも1つのデータをネットワークに展開することを特徴とする、製造評価システム。
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