<第1制御例>
以下、本発明の制御例について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図85を参照し、第1制御例として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一制御例について説明する。図1は、第1制御例におけるパチンコ機10の正面図であり、図4はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図5はパチンコ機10の遊技盤13の正面視下領域に設けられた可変入賞装置65の構造を模式的に示した模式図であり、図3はパチンコ機10の後面図である。図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。内枠12には、多数の釘や球が入球可能な入球口63,64,640等を有する遊技盤13(図4参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニット112a(図21参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。尚、遊技盤13に設けられた多数の入球口の内容については、図4を参照して後述する。内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。ここで、内枠12と正面枠14との施錠が解除されている間は、音量の段階をエラー報知用の最大音量に対応する段階に変更した上で扉が開放されている旨のエラーを報知し、専用の鍵に対して解除状態から施錠状態に復帰するための操作を行うことで、エラーの報知が終了されて音量の段階を最大音量よりも低い段階に低下させることが可能となっている。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図21参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図4参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図4参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。つまり、本制御例では、球を遊技盤13に形成された遊技領域へと発射させるための発射手段と、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に基づいて発射強度を可変させる発射強度可変手段と、を有している。これにより、遊技者は、操作ハンドル51を操作するだけで、発射手段を用いた球の発射行為と、球の発射強度を可変させる発射強度可変行為と、を実行することができる。よって、遊技盤13に形成される遊技領域のうち、特定の遊技領域に向けて球を発射させる操作を片手で実行することができ、遊技者に過度な負担を強いること無く、遊技を実行させることができる。本制御例では、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に基づいて発射強度を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が発射強度を選択可能な発射強度選択ボタンを設け、その発射強度選択ボタンの操作結果(選択結果)に対応する発射強度で発射手段が球を発射するように構成しても良い。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。図4に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図4を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図21参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図4の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。返しゴム69の左上側には第1図柄表示装置37が設けられている。この第1図柄表示装置37は、透明の樹脂(例えば、ABS)にて形成されている遊技盤13の裏面(遊技領域を形成する面とは反対側の面)に覆われるように配設されており、発射された球が第1図柄表示装置37に衝突しないように構成している。
この第1図柄表示装置37には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110(図21参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本制御例では、球が、第1入球口64、或いは第2入球口640へ入球(入賞)した場合に第1図柄表示装置37が作動し得るように構成されている。つまり、第1図柄表示装置37は、第1入球口64に球が入球した場合に実行される第1特別図柄抽選(特図1抽選)、及び、第2入球口640に球が入球した場合に実行される第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果を示すための表示手段である。なお、本制御例では、特別図柄の種別を2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)有するパチンコ機10を用いているため、第1図柄表示装置37にて2種類の特別図柄抽選(特図抽選)の結果が表示されるが、例えば、特別図柄の種別を1種類(第1特別図柄)のみ有するパチンコ機10であれば、第1図柄表示装置37に1種類の特別図柄に応じた表示領域を設ければ良い。
また、第1図柄表示装置37は、LEDにより、現在のパチンコ機10の遊技状態(例えば、通常状態、時短状態、確変状態)が何れであるかを点灯状態により示したり、特別図柄(第1図柄)が変動中(抽選結果を示すための図柄の組み合わせを停止表示させるための動的表示中)であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が遊技者に有利な大当たりに対応した図柄か不利な大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。また、特別図柄の変動を一時的に停止(中断)させている状態であることも点灯状態にて示すことが可能に構成している。複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。なお、本制御例では、発光手段(7セグメント表示装置)の発光色の組み合わせにより各種遊技状態を報知するように構成しているが、遊技者が各種遊技状態を識別可能な構成であれば良く、例えば、発光手段が点灯している期間と消灯している期間との長さ(点滅態様)を可変させることにより各種遊技状態を報知するように構成しても良い。尚、本パチンコ機10では、第1入球口64、或いは第2入球口640への入球(入賞)があったことを契機として抽選(特別図柄の抽選)が行われる。そして、その特別図柄の抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行う。ここで、大当たりに当選したと判定されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技状態となる大当たり遊技が実行される。
大当たり遊技が実行されると、可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を容易に入賞させることが可能な開放状態となり、特定入賞口65aに球を入賞させることで多くの賞球を短期間で獲得可能な遊技が実行される。この大当たり遊技は、特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)された後に(場合に)実行されるものであり、所定時間(例えば1秒)のオープニング期間(可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を入球させ難い閉鎖状態が設定される期間)と、開放状態が設定されるラウンド遊技期間と、1のラウンド遊技期間が終了した後に、次のラウンド遊技が開始されるまでの所定期間(例えば、0.5秒)、閉鎖状態が設定されるインターバル期間と、最後のラウンド遊技期間が終了した後に、所定期間(例えば、2秒)の閉鎖状態が設定されるエンディング期間と、からなる大当たり遊技期間が設定される。なお、可変入賞装置65は、遊技者が発射ハンドルを操作することで遊技球を発射し、特図始動口(第1入球口64等)に遊技球が入球したことに基づいて実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合に可動制御される可動手段の別形態である。このように、大当たり当選を示す特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)された後に、オープニング期間が設定することにより、大当たり遊技中において特定入賞口65aが開放状態となるタイミングに合わせて球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、大当たり遊技を円滑に行わせることができる。また、このオープニング期間を、今回の大当たり遊技の遊技内容を遊技者に報知する期間として用いることができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
また、大当たり遊技の最終期間としてエンディング期間を設定することにより、最後のラウンド遊技が終了した直後から、新たな特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができるため、大当たり遊技の終了後に実行される遊技に向けて、球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、遊技の切り替えを円滑に行わせることができる。なお、大当たり遊技のうち、可変入賞装置65の可動制御が終了した後に設定されるエンディング期間中に実行される各種制御は、1の制御が終了した後に実行される制御である。詳細な説明は後述するが、本制御例では、複数種類の大当たり遊技を実行可能に構成しており、当選した大当たりの種別に応じて、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数(ラウンド数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態と、が異なるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄の抽選による大当たり当選の有無だけでは無く、当選した大当たり種別や、当選時における遊技状態にも興味を持たせることができる。なお、特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技の各期間(オープニング期間、ラウンド期間、エンディング期間)の長さについても、大当たり当選した時点に設定されている遊技状態や、当選した大当たりの種別に応じて異なる長さを設定しても良く、例えば、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容として、大当たり当選時の遊技内容とは異なる遊技内容が設定される大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技のエンディング期間(例えば、10秒)が、他の大当たり遊技のエンディング期間(例えば、2秒)よりも長くなるように設定しておき、そのエンディング期間中に遊技者に対して大当たり遊技終了後に実行される遊技内容を事前に案内する演出を実行可能に構成すると良い。これにより、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。
一方、大当たり当選時の遊技内容と、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容とが同一となる大当たりに当選した場合には、その大当たりのエンディング期間(例えば、1秒)を、他の大当たり遊技のエンディング期間(例えば、2秒)よりも短くなるように設定するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して効率良く遊技を行わせることができる。また、大当たり当選時の遊技内容と、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容とを実際に判別する構成を用いること無く、例えば、当選した大当たりの種別と、大当たり当選した時点における遊技状態とに基づいて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予め規定しておき、その規定内容に応じて、各大当たり遊技のエンディング期間を予め設定しておけば良い。具体的な説明は後述するが、本制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たり当選する確率が異なる2つの状態(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)と、後述する普通図柄の抽選で当たり当選する確率が異なる2つの状態(普通図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)と、を組み合わせ、3種類の遊技状態を設定可能に構成している。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成している。特別図柄の抽選も、普通図柄の抽選も、高確率状態である場合のほうが、低確率状態である場合よりも当たり当選し易くなるように構成しているため、本制御例におけるパチンコ機10にて設定可能な複数の遊技状態のうち、確変状態が、それ以外の遊技状態よりも特別図柄抽選で大当たりに当選し易い遊技状態となり、確変状態と時短状態が、それ以外の遊技状態よりも普通図柄抽選で当たりに当選し易い遊技状態となる。
また、普通図柄抽選で当たり当選した場合には、特別図柄抽選が実行され易くなる当たり遊技(普図当たり遊技)が実行されるように構成している。具体的には、第2入球口640に付設されている電動役物640aが開放し、第2入球口640に球を入球させ易い状態が提供される普図当たり遊技が実行されるように構成している。よって、確変状態と時短状態、即ち、普通図柄の高確率状態が設定されている場合は、それ以外の遊技状態よりも、特別図柄抽選を実行し易い遊技状態となる。さらに、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(動的表示期間)として、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、短い期間が設定され易くなるように構成している。よって、変状態と時短状態、即ち、普通図柄の高確率状態が設定されている場合は、それ以外の遊技状態よりも、特別図柄抽選を短期間で実行させることができるため、新たな特別図柄抽選を実行し易い遊技状態となる。詳細な説明は後述するが、本制御例では、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置65内に、特定領域を設けており、大当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に限り、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定可能に構成している。そして、当選した大当たり種別に応じて、大当たり遊技中に球が特定領域を通過し易い大当たり遊技(有利大当たり遊技)と、大当たり遊技中に球が特定領域を通過し難い大当たり遊技(不利大当たり遊技)と、を実行可能に構成している。以後、有利大当たり遊技、即ち、大当たり遊技中に球が特定領域を通過し易い大当たり遊技のことを確変大当たり遊技と称し、確変大当たり遊技が実行される大当たりのことを確変大当たりと称す。また、不利大当たり遊技、即ち、大当たり遊技中に球が特定領域を通過し難い大当たり遊技のことを通常大当たり遊技と称し、通常大当たり遊技が実行される大当たりのことを通常大当たりと称す。
なお、本制御例では、特別図柄の抽選で大当たりに当選しなかった場合は外れと判定され、遊技者に特典が付与されないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり抽選の抽選結果として上述した大当たりでは無い外れと判定された場合の一部において、上述した大当たりよりも遊技者に付与される特典が少ない(例えば、1ラウンドのみ可変入賞装置65を開放させる特典)小当たり遊技が実行されるように構成しても良い。第1図柄表示装置37には、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否か(小当たりであるか否か)が示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。図4に戻り説明を続ける。遊技盤13の表面に形成される遊技領域の左下方側には、球が入球することにより10個の球が賞球として払い出される複数の左一般入球口63aが配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64、或いは第2入球口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37にて実行される特別図柄の変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過をトリガとして普通図柄(第2図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、15インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列(Z1~Z3)が表示される(図114(a)参照)。第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(第1特別図柄(特図1)または第2特別図柄(特図2)の変動表示に対応して変動する装飾図柄)は、「1」から「9」の数字を模した識別情報が付された10種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示(動的表示)されるようになっている。本制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図21参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。図6(b)に示した通り、本制御例のパチンコ機10では、主図柄szが数字を模した識別情報毎に異なる種類のキャラクタ(魚等)を用いて形成されている。このように、各識別情報に対応させたキャラクタを用いることで、遊技者に対して特別図柄の抽選結果を視覚的に報知することができるため分かり易い遊技を行わせることができる。また、本制御例のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たり遊技が発生するよう構成されている。つまり、第3図柄は、主制御装置110による特別図柄の抽選結果を示すための図柄として第3図柄表示装置81に表示されるものである。主表示領域Dmは、上・中・下のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1~Z3は、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1~Z3毎に周期性をもって左右方向へスクロールして変動表示が行われる。
具体的には、上図柄列Z1は右から左に向かって数字が昇順となるように図柄列が形成され、右から左へとスクロールして変動表示されるように構成されており、中図柄列Z2と下図柄列Z3は左から右に向かって数字が昇順となるように図柄列が形成され、右から左へとスクロールして変動表示されるように構成されている。さらに、各図柄列には、主図柄szの間に特別図柄の抽選結果を示さない副図柄(ブランク図柄)fzも形成されている。図6(b)では三角を模した図柄を用いてブランク図柄(副図柄)fzを表示している。そして、図6(a)に示した通り、主表示領域Dmは、上下方向に形成される3つの有効ラインL1~L3、及び、斜め方向に形成される2つの有効ラインL4,L5を有しており、各図柄列Z1~Z3が停止表示された状態で、第3図柄(主図柄sz)が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本制御例では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。図6(a)に示した通り、本制御例では、各有効ライン(L1~L5)が、各図柄列Z1~Z3の図柄表示位置を含むように形成されているため、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される各図柄列Z1~Z3の全てが停止表示されるまで、対応する特別図柄の抽選結果を分かり難くすることができる。よって、最後の図柄列(本制御例では、中図柄列V2)が停止表示されるまでの間、主表示領域Dmにて実行される第3図柄の変動表示に興味を持たせることができる。なお、本制御例では、上述した3つの図柄列(Z1~Z3)のうち、特定の図柄列(図柄列Z2)、即ち、複数の図柄列のうち変動表示が最後に停止表示される図柄列に対して、他の図柄列よりも主図柄の数が多くなるように構成している。具体的には、特定の数字(例えば、「4」の数字)が付された主図柄の数を、他の図柄列よりも多くしている。これにより、特定の数字を模した識別情報がリーチ状態となった場合には、他の識別情報でリーチ状態となった場合よりも、有効ライン上を通過する大当たり図柄(特定の数字を模した識別情報)の数を増やすことができるため、遊技者に対して大当たり当選の期待度が高いのではと視覚的に予測させることができる。
なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。さらに、第3図柄が変動表示される領域を可変させる構成にしてもよく、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面上で特定の演出が実行される場合は、第3図柄の変動表示領域を小さくしたり、変動表示領域を遊技者が視認し難い位置(例えば、表示画面の隅部)へと移動させたりすることで、第3図柄が変動しているか否かを遊技者が分かり難くするようにしてもよい。また、特別図柄が変動している期間中に、第3図柄の変動を一旦停止(仮停止)させ、再度変動させるように構成してもよい。さらに、本制御例では、第1特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様と、第2特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様とが同一(遊技者が識別困難な程度の相違も含む)となるように構成しているが、変動している特別図柄の種別に対応するように第3図柄の表示態様や表示領域を異ならせても良い。なお、変動表示されている第3図柄とは異なる種別の図柄を追加表示(切替表示)することで、大当たり当選を示す情報とは異なる追加情報を遊技者に付与可能な場合において、追加情報が付与されることを煽る演出は、大当たりを示す組合せ以外が表示された場合に遊技者に有利な特典が付与されることを示唆する演出である。さらに、変動表示されている全ての第3図柄の種別を最終停止図柄の停止表示態様へと切り替える構成を用いても良く、この場合、変動表示されている全ての第3図柄の種別を最終停止図柄の停止表示態様へと切り替える構成は、所定条件が成立した場合に通常とは異なる演出態様が表示される構成である。
次に、第3図柄表示装置81に実際に表示される内容について図6(b)を参照して説明をする。図6(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける正面視左上には小表示領域Dm1が形成され、正面視右上には小表示領域Dm2が形成されている。この小表示領域Dm1は、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報(第4図柄)が表示される領域であって、第1特別図柄(特図1)の抽選状況を示すための第4図柄(特図1第4図柄)、或いは、第2特別図柄(特図2)の抽選状況を示すための第4図柄(特図2第4図柄)が小表示領域Dm1に表示されるように構成している。また、小表示領域Dm2は、普通図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報が表示される領域であって、普通図柄(普図)の抽選状況を示すための第4図柄(普図第4図柄)が小表示領域Dm1に表示されるように構成している。このように小表示領域Dm1,Dm2を設けることにより、特別図柄の抽選状況や普通図柄の抽選状況を遊技者に報知することができる。なお、詳細は後述するが、本制御例のパチンコ機10では、第4図柄を、丸印とバツ印といった図形を模した表示態様で示しており、小表示領域Dm1,Dm2にて第4図柄を変動表示させることで(図6(b)の小表示領域Dm1参照)、特別図柄が変動している状況を示し、小表示領域Dm1,Dm2にて第4図柄を停止表示させることで(図6(b)の小表示領域Dm2参照)、特別図柄の抽選結果を示すように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第4図柄として数字を用いた表示態様や、複数の色を示す表示態様を用いて、数字や、色を可変させる表示態様によって特別図柄が変動していることを示し、特定の図柄や色を示す表示態様を停止表示させることで、特別図柄の抽選結果を示すように構成しても良い。
さらに、本制御例では、第4図柄を用いて、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄が抽選中(変動中)であるか否かのみを報知するように構成しても良い。また、図6(b)に示した通り、本制御例では、特別図柄の抽選状況を示すための第4図柄が表示される第4図柄表示領域(小表示領域Dm1)を主表示領域Dmの左上側に、普通図柄の抽選状況を示すための普図第4図柄が表示される普図第4図柄表示領域(小表示領域Dm2)を主表示領域Dmの右上側に形成する例を示しているが、この第4図柄表示領域が形成される位置や、大きさを、主表示領域Dmの中央部分で実行される変動演出の演出態様に応じて可変させるように構成しても良い。このように構成することで、第4図柄表示領域や普図第4図柄表示領域によって、変動演出が実行される領域が制限されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。なお、この場合、第4図柄表示領域や普図第4図柄表示領域を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmから削除し、可変表示装置ユニット80に設けられた発光手段(LED等)を用いて第4図柄の変動表示を実行するように構成しても良い。図6(a)に示すように、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、獲得済みの特別図柄抽選の権利(保留記憶)の数に対応させた保留図柄が表示されるように構成している。上述した通り、本制御例のパチンコ機10は、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている場合や、当たり遊技が実行されている場合、即ち、新たな特別図柄抽選を実行することができない状態で、球が第1入球口64、或いは第2入球口640へ入球すると、その入球回数が各入球口に対して最大4回まで保留される。副表示領域Dsに対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本実施形態では、第1入球口64への球の入球に対して記憶される保留球数の最大値が4個、第2入球口640への球の入球に対して記憶される保留球数の最大値が4個に設定されているので、副表表示領域Dsには、保留図柄が最大8個表示される。なお、保留図柄は第1入球口64または第2入球口640に遊技球が入球したことに対応して表示される演出であり、第1入球口64または第2入球口640への遊技球の入球に対応して規定の賞球が払い出される。つまり、保留図柄の表示が実行される場合には、遊技者に対して賞球が付与されることとなる。言い換えると、保留図柄の表示は、遊技者にとって付加価値のある演出である。
具体的には、図6(b)に示した通り、副表示領域Dsは、実行中領域Ds1aと、待機中領域Ds1bに区画形成される。待機中領域Ds1bは、特別図柄の保留球数に対応させた数の保留図柄を表示するための領域であって、保留記憶可能な上限数(8個)に対応した8つの台座hr1~hr8が左から順に表示されている。そして、特別図柄の保留球を獲得した場合には、8つの台座hr1~hr8のうち、保留図柄が表示されていない最も若い番号の台座に対して保留図柄が表示される。図6(b)に示した例では、第1特別図柄の保留球を4つ保留記憶している状態であって、待機中領域Ds1bには、第1特別図柄の保留球(特図1保留球)に対応した表示態様(白色の丸印)の保留図柄が4つ(hz1~hz4)、第1台座hr1~第4台座hr4に表示されている。実行中領域Ds1aは、現在実行中の特別図柄変動に対応して表示されていた保留図柄がシフトして表示される表示領域であって、実行中台座hr0に、実行中保留図柄hz0が表示される。つまり、新たな特別図柄変動が開始される場合には、待機中領域Ds1bの台座hr1に表示されていた保留図柄hz1が、実行中領域Ds1aの台座hr0へとシフトして表示される。このように構成することにより、例えば、待機中領域Ds1bに表示されている保留図柄に対して大当たり当選の期待度を示す予告演出(例えば、保留図柄の表示態様を可変させる演出)を実行した場合に、その予告演出が実行された保留図柄に対応した特別図柄変動が実行されていることを遊技者に容易に判別させることができる。また、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄を表示可能とすることで、保留図柄の表示態様を可変させる演出を、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄に対しても実行することができるため、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄が表示されない場合よりも長い間、保留図柄の標示態様が可変されることを期待させながら遊技を行わせることができる。なお、保留図柄の表示態様を可変させる保留変化演出の実行タイミングとしては、新たに保留球数図柄が表示される第1タイミングや、新たな特別図柄抽選が実行されることによって保留球数図柄の表示位置がシフトする第2タイミングや、実行される変動演出の演出パターンに応じて規定される第3タイミング等が考えられる。そして、保留変化演出の実行タイミングによっても大当たり当選や時短状態への期待度を異ならせることが可能となる。この場合、保留変化演出は、実行タイミングによって特典の内容や特典付与の期待度を切り替えて報知することが可能な演出である。なお、保留変化演出は上記した態様に限るものではなく、新たな入賞情報によって既に実行されている演出(保留図柄)を変容させる演出である保留変化演出を実行しても良い。例えば、大当たり当選する保留球を獲得した場合に、当該保留球に対応する保留図柄よりも前に表示されている保留図柄の表示態様を可変させる演出を実行しても良い。より具体的には、大当たり当選する保留球を獲得した時点で3つの保留図柄が既に表示されている場合には、その3つの保留図柄をそれぞれ「激」「ア」「ツ」という文字が表示された態様に可変させ、大当たり当選する保留球に対応する保留図柄を「!」という記号が表示された態様で表示させる。なお、4つの保留図柄で「激アツ!」という文字列が作られた場合には、4つ目の保留球が大当たり当選する可能性が高いことを遊技者に示唆している。一方、4つ目の保留図柄が「?」という記号が表示された態様で表示される場合もあり、この場合は今回の保留変化演出が単なる賑やかしである可能性が高いことを示唆している。大当たり当選する保留球を獲得した時点で2つの保留図柄が既に表示されている場合には、その2つの保留図柄をそれぞれ「激」「ア」という文字が表示された態様で表示させ、大当たり当選する保留球に対応する保留図柄を「ツ」という文字が表示された態様で表示させる。この場合、4つ目の保留図柄が表示されていないため、遊技者には今回の保留変化演出が単なる賑やかしなのか否かが分からない状態となる。つまり、上限まで保留球を獲得している場合には、上限まで保留球を獲得していない場合よりも抽選結果を早く知ることができる構成である。このように構成することで、いち早く抽選結果を知りたい遊技者に対して、できる限り保留球を上限まで獲得した状態を維持させようと遊技を行わせることが可能となる。なお、特定の識別情報の表示態様を段階的に可変させることで大当たり当選期待度を段階的に示唆可能な演出を実行可能なパチンコ機10であれば、大当たり当選期待度を段階的に示すための表示態様を入れ替えた演出モード(ハプニングモード)を設定可能に構成しても良い。例えば、大当たり当選期待度に対応させてエフェクトの色を段階的に表示させることが可能なパチンコ機10において、通常であれば、エフェクトの色が「青→赤→金」の順で大当たり当選期待度が高くなるのに対して、上述したハプニングモードが設定されることで、「金→赤→青」の順で大当たり当選期待度が高くなるように構成すると良い。なお、所定条件(大当たり変動中)が成立している場合において、選択可能な演出モードを限定するように構成し、大当たり祝福モードのみを選択可能にしても良い。この構成は、所定条件が成立した場合に通常とは異なる演出態様が表示される構成の別形態である。
本制御例では、副表示領域Dsの待機中領域Ds1bに表示される保留図柄の表示態様によって、表示されている保留図柄が第1特別図柄の保留球を示す保留図柄(特図1保留図柄)であるか、第2特別図柄の保留球を示す保留図柄(特図2保留図柄)であるかを遊技者が識別可能に構成しており、特図1保留図柄は白色の丸印(図6(b)参照)で、特図2保留図柄は黒色の丸印(図8(a)参照)で表示される。これにより、遊技者に対して現在の保留球数を特別図柄の種別毎に把握させることができるため、保留図柄の表示内容に基づいて第1入球口64へと球を入球させるための遊技を続行するか否かの判断を行わせ易くすることができる。なお、図6(b)に示した通り、本制御例では、各特別図柄に対応する保留球数の個数に対応する数の保留図柄を表示し、若い番号の台座(最も若い番号の台座は台座hr1)に表示されている保留図柄に対応する保留球を用いて特別図柄抽選を実行するように構成している。つまり、特別図柄抽選に用いられる順に保留図柄を表示するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、保留球を獲得した順に保留図柄を表示し、各保留図柄に対して特別図柄抽選に用いられる順番を示すための消化順情報を付すように構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングで獲得した保留球がどの保留図柄に対応しているかを遊技者に分かり易く報知することができる。また、本制御例では、図6(b)に示した通り、最大で8個の保留図柄を横並びで表示可能に構成しているが、これに限ること無く、特図1保留図柄の表示領域と、特図2保留図柄の表示領域と、を区分けして表示するように構成しても良い。この場合、例えば、特図2保留を獲得し難い遊技状態(通常状態)が設定されている場合は、特図1保留図柄の表示領域を特図2保留図柄の表示領域よりも目立たせて表示し、特図2保留を獲得し易い遊技状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合は、特図2保留図柄の表示領域を特図1保留図柄の表示領域よりも目立たせて表示するように構成しても良い。
なお、本第1制御例では、図2を参照して説明をした通り、パチンコ機10の遊技盤13が左右対象に構成されており、右打ち遊技を行った場合と、左打ち遊技を行った場合とで、同様の遊技結果が付与されるように構成しているため、表示されることが無いが、例えば、設定されている遊技状態に応じて、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが有利な遊技方法となる場合と、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが有利な遊技方法となる場合とを設定可能にしたパチンコ機10であれば、第3図柄表示装置81の表示画面に、遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)を案内するための案内表示態様が表示されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者は案内表示領域に表示されている案内表示態様を視認するだけで、遊技盤のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。なお、図8(a)に示した通り、通常状態において第3図柄表示装置81の表示面に表示される保留図柄は、後述する先読み処理の結果を示すように表示態様を可変表示可能に構成している。つまり、第3図柄表示装置81の表示面に表示される保留図柄は、獲得済みの特図保留数に対応する情報と、獲得した入賞情報(各種カウンタ値)に関する情報と、を表示する表示態様となるため、入球手段への遊技球の入球に基づいて獲得した複数種類の賞球に関する情報(合算賞球数)を表示する表示態様の別形態である。
より詳細に説明をすると、案内表示領域として、遊技者に対して右打ち遊技を行わせることを案内するための「右打ち」の表示態様と、遊技者に対して左打ち遊技を行わせることを案内するための「左打ち」の表示態様と、が表示されるように構成すると良く、「右打ち」の表示態様は、右打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、例えば、確変状態、時短状態中及び、大当たり遊技中に表示され、「左打ち」の表示態様は、右打ち遊技が終了してから所定期間(例えば、10秒間)表示されるように構成すれば良い。また、左打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、即ち、通常状態中に、右打ち遊技が実行されていることを検知した場合にも、所定期間(例えば、10秒間)「左打ち」の表示態様が表示されるように構成すると良い。また、上述した各制御例において説明をした第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種表示態様を適宜表示可能に構成しても良い。
<第1制御例の演出内容について>
次に、図7~図15を参照して、本第1制御例のパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種演出内容のうち、特徴的な演出内容について説明をする。まず、図7(a)を参照して、通常状態中におけるリーチ成立時の表示画面について説明をする。図7(a)は、通常時(通常状態)にてリーチ状態となった場合に表示される表示画面の一例を示した模式図である。本制御例では、変動表示される第3図柄が、上図柄列Z1、下図柄列Z2の順で停止表示され、有効ラインL1~L5(図6(a)参照)の何れかにて、大当たり当選を示す第3図柄の組合せの一部として上図柄列Z1、下図柄列Z2が停止表示された場合にリーチ状態となり、大当たり当選を示す第3図柄の組合せの一部として上図柄列Z1、下図柄列Z2が停止表示された有効ラインをリーチ有効ラインとして、中図柄列Z2が変動表示されるように構成している。そして、リーチ状態となってからは、中図柄列Z2が各識別情報(第3図柄)を遊技者が視認可能な低速度(主図柄(数字を模した第3図柄)が1つ移行するのに要する時間が約0.5秒の速度)で変動表示されるように構成している。上述した通り、本制御例では、中図柄列が主図柄を10個(「1」~「3」,「5」~「9」の数字が付された主図柄が各1個、「4」の数字が付された主図柄が2個)有しているため、中図柄列Z2が低速度で変動表示されている場合には、1周するまでに要する時間が5秒(0.5×10)となる。そして、低速度で変動表示されている中図柄列Z2が、そのまま停止表示される。或いは、特定の移行条件が成立したことに基づいて異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成している。さらに、本制御例では、図7(a)に示した通り、どの第3図柄(図7(a)では、「9」を模した識別情報(カニを模した第3図柄))でリーチ状態となった場合であっても、リーチ中に変動表示される中図柄列Z2(図6(a)参照)が数字の「1」を模した識別情報(タコを模した第3図柄)が最初に視認可能となるように低速変動表示が実行されるように構成している。
加えて、本制御例では、リーチ状態となってからの中図柄列Z2の変動態様に応じて、変動演出の演出態様が可変するように構成しており、例えば、リーチ状態となってから中図柄列Z2が1周したタイミング(低速変動表示が実行されてから5秒経過後)や、2周したタイミング(低速変動表示が実行されてから10秒経過後)に異なる演出態様(リーチ態様)へと可変し得るように構成している。よって、本制御例のように、リーチ状態となってから最初に視認可能となる中図柄列Z2の識別情報を統一させることにより、遊技者に対して、どのタイミングで異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するのかを分かり易くすることができる。
なお、本制御例では、異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するタイミングをリーチ状態となってから中図柄列Z2が1周したタイミングや、2周したタイミングとしているがこれに限ること無く、例えば、リーチ状態となってから大当たりを示す組合せとなる識別情報(リーチ停止されている識別情報と同一の識別情報)がリーチ有効ラインを通過するタイミングや、大当たりを示す組合せとなる識別情報から一つずれた識別情報がリーチ有効ラインを通過するタイミングにて異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成してもよい。このように、リーチ停止されている識別情報の種別に対応した特定の識別情報がリーチ有効ラインを通過することに基づいて異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成することで、遊技者に対して、大当たりとなる組合せで中図柄列Z2が停止表示されるタイミングと、異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するタイミングとに関係性を持たせることができる。具体的には、リーチ状態となってから大当たりを示す組合せとなる識別情報(リーチ停止されている識別情報と同一の識別情報)がリーチ有効ラインを通過するタイミングで異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成した場合には、遊技者に対して、大当たりとなる組合せで中図柄列Z2が停止表示されるタイミングと、異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するタイミングとを重複させることができるため、大当たりを示す組合せとなる識別情報(リーチ停止されている識別情報と同一の識別情報)がリーチ有効ラインに接近する際に遊技者に大きな期待感を持たせながら変動演出を注視させることができる。なお、リーチ状態において変動表示される中図柄列Z2の図柄(第3図柄)が大当たりを示す組合せとは異なる態様で停止表示(例えば、1コマズレ)した場合に、更なる変動演出へと発展する場合(擬似連)や、次に実行される特別図柄抽選の結果が当たり当選であることを示す場合(チャンス目)において、実行中のリーチ状態にて大当たりでは無く、擬似連やチャンス目の停止を示唆する演出を実行するように構成しても良い。この場合、擬似連やチャンス目の停止を示唆する演出は、大当たりを示す組合せ以外が表示された場合に遊技者に有利な特典が付与されることを示唆する演出である。
ここで、本制御例では、上述した通り、どの第3図柄でリーチ状態となった場合であっても、特定の識別状態(数字の「1」を模した第3図柄)が最初に視認可能となるように中図柄列Z2が低速変動表示されるように構成しているため、例えば、最終的に停止表示させる第3図柄の組合せを大当たりとなる第3図柄の組合せに対して1種類ずらした組合せ(リーチ1コマ外れ)とする場合(最終停止表示態様を予め決定する場合)には、リーチ状態となってから全ての第3図柄が停止表示されるまで(最終停止表示態様が停止表示されるまで)の期間が、リーチ状態となる第3図柄の種別によって異なってしまうという新たな問題が発生する。具体的には、数字の「1」を模した第3図柄でリーチ状態となった場合には、中図柄列Z2は数字の「1」を模した第3図柄を特定の図柄として低速変動表示するため、最終停止表示態様としてリーチ1コマ外れで中図柄列Z2を停止表示させるには、リーチ状態となってから5.5秒(1周目)、10.5秒(2周目)を要し、数字の「6」を模した第3図柄でリーチ状態となった場合には、中図柄列Z2は数字の「1」を模した第3図柄を特定の図柄として低速変動表示するため、最終停止表示態様としてリーチ1コマ外れで中図柄列Z2を停止表示させるには、リーチ状態となってから8秒(1周目)、13秒(2周目)を要することになる。よって、同一の変動時間が設定される変動パターンにて、異なる種別の第3図柄でリーチ状態を成立させるためには、第3図柄の停止表示タイミングからリーチ状態となるタイミングを逆算して設定する処理を実行する必要があった。つまり、変動開始タイミングからリーチ状態となるまでの期間がリーチ状態となる第3図柄の種別に応じて可変する統一性の無いリーチ演出が実行されてしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、特別図柄の抽選の実行に伴って、特別図柄の抽選結果を示すための第1図柄の変動時間を主制御装置110において抽選により決定し、その決定した変動時間を、変動パターンコマンドにより音声ランプ制御装置113に対して通知する構成としている。そして、音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドにより通知された変動時間に適合する演出期間の変動表示演出を選択して、第1図柄の変動表示に同期させて、第3図柄の変動表示演出を実行する構成としている。ここで、変動パターンコマンドを受信すると、まず、遊技者が設定(調節)可能な音量レベルや光量レベル等の設定された要素の状態によらない処理により演出態様を決定した後で、設定された要素の状態を反映させた処理により、最終的に出力される変動表示態様が決定される。そして、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドは、基本の変動時間を示す基本時間コマンドと、加算される変動時間を示す加算時間コマンドとで構成されており、加算時間コマンドに含まれる変動時間の長さに基づいてリーチ状態となる第3図柄の種別を可変させるように構成している。より具体的には、30秒の変動時間の変動パターンが決定された場合には、基本時間コマンドとして30秒に対応するコマンドが通知されると共に、加算時間として0秒に対応するコマンドが通知される。一方で、37秒の変動時間の変動パターンが決定された場合には、基本時間コマンドとして30秒に対応するコマンドが通知されると共に、加算時間として7秒に対応するコマンドが通知される。つまり、加算時間コマンドの通知内容により、基本時間よりも7秒長い変動種別であることを音声ランプ制御装置113側で識別可能に構成されている。これにより、加算時間コマンドの内容を確認するだけで、リーチ状態とする第3図柄の種別を設定することができる。
次に、図7(b)~図10を参照して、通常状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄変動(抽選)に関する演出内容について説明をする。まず、図7(b)を参照して、通常状態において、当たり当選している普通図柄変動の実行中における第3図柄表示装置81の表示内容について説明をする。図7(b)は、通常状態において、当たり当選している普通図柄変動の実行中に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。図7(b)に示した通り、普通図柄変動が実行されると、小表示領域Dm2に、普通図柄変動が実行されていることを示す変動表示態様(図では矢印で表示)が表示される。そして、主表示領域Dmの右下側に小表示領域Dm3が形成され、その中に普図当たり遊技にて開放動作される電動役物640aを含む第2入球口640を模したアイコンが表示されると共に、小表示領域Dm3が形成されたことを遊技者に報知するための強調表示(図では、6本の線で表示)が実行される。なお、図7(b)で示した状況は、当たり当選している普通図柄変動の実行中であるため、小表示領域Dm3に表示されるアイコンは、閉鎖状態の電動役物640aを含む第2入球口640を模した表示態様となっている。このように構成することで、遊技者に対して、間もなく普図当たり遊技が実行されるのでは?と予測させることができ遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図7(b)では、当たり当選している普通図柄変動の実行中を一例に挙げて説明をしたが、抽選結果が外れである普通図柄変動の実行中の一部(例えば、外れ変動の1/100の確率)で小表示領域Dm3を形成し、電動役物640aを含む第2入球口640を模したアイコンを表示する演出(ガセ演出)を実行するように構成している。この場合、実行中の普通図柄変動(外れ変動)が停止表示するまでに、小表示領域Dm3が消滅する演出態様が設定される。このように構成することで、普通図柄抽選で当たり当選していない場合にも小表示領域Dm3が形成される演出表示が実行されることになるため、遊技者に対して普図当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。また、図7(b)では、小表示領域Dm3にて電動役物640aを含む第2入球口640を模したアイコンを表示させることで普図当たり遊技の開始を示唆する演出について例示したが、これに限ること無く、例えば、副表示領域Dsや主表示領域Dmの一部にて普図当たり遊技の開始を示唆するコメントを表示するように構成しても良い。また、主表示領域Dmにて実行中の第3図柄変動表示の表示態様を用いて普図当たり遊技の開始を示唆するように構成しても良い。この場合、普通図柄変動を実行させながら特別図柄変動も実行させている場合にのみ、普図当たり遊技が実行されることを示唆する演出が実行されることになるため、例えば、特別図柄抽選の実行契機となる第1入球口64よりも球を入球させ易いスルーゲート67に球を通過させ、普通図柄抽選のみを実行している遊技者に対しては普通図柄抽選の結果を予め示唆することが無くなる。よって、特別図柄変動も普通図柄変動も共に実行させる正常な遊技を行っている遊技者に対して特典(普通図柄抽選の結果を事前に示唆する演出の実行)を付与することができる。同様に、本制御例で用いられる小表示領域Dm3を用いた演出を、特別図柄変動が実行されていること、或いは、球を発射する遊技が継続して実行されていることを実行条件として設定しても良い。
加えて、実行されている遊技内容に応じて、普図当たり遊技の開始を示唆する示唆演出の期待度を異ならせるように構成しても良く、例えば、正常に遊技を行っている場合には、普図当たり遊技の開始を示唆する示唆演出が実行された場合に、ほぼ100%の割合で普図当たり遊技が実行され、特別図柄抽選を実行させることなく普通図柄抽選のみを実行させる遊技(止め打ち遊技)を行っている場合、即ち、正常な遊技を行っていない場合には、普図当たり遊技の開始を示唆する示唆演出が実行されたとしても約10%の割合でしか普図当たり遊技が実行されないように構成しても良い。このように構成することで、止め打ち遊技を実行している遊技者に対して、実行される示唆演出に基づいて普図当たり遊技の開始タイミングを把握され難くすることができ、ペナルティを科すことができる。詳細は後述するが、本制御例では、普通図柄の抽選権利も最大で4個保留可能に構成しており、新たな抽選権利(普図保留)を獲得した場合に、獲得した抽選権利を用いた普通図柄抽選の結果を事前判別可能に構成している。そして、その事前判別結果を示すコマンド(情報)を、音声ランプ制御装置113へと出力可能に構成している。よって、普図当たり遊技の実行を示唆する示唆演出を当たり当選している普通図柄変動が実行されるよりも前段階、即ち、事前判別結果が当たり当選である普図保留を獲得している段階から普図当たり遊技が間もなく実行されることを示唆する示唆演出を実行することができる。この場合、図7(b)に示した示唆演出よりも、遊技者に分かり難い演出態様で示唆演出を実行するように構成すると良く、例えば、実行中の特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果、或いは、獲得している特図保留に対する事前判別結果、を示唆する演出と同一の演出態様で示唆演出を実行するように構成し、実行された示唆演出によって、遊技者に有利な状況が間もなく訪れることのみを遊技者に報知するように構成しても良い。
このように、実際に普図当たり遊技が実行されるタイミングと、示唆演出の実行タイミングとが乖離するほど遊技者に普図当たり遊技が実行されることを示すための示唆演出の演出態様を分かり難く、ひいては、示唆演出の対象が普図当たり遊技であることを分かり難くすることにより、示唆演出が実行された場合における遊技の興趣を向上させることができる。次に、図8(a)を参照して、通常状態中に普図当たり遊技(ロング開放当たり遊技)が実行された場合の演出内容について説明をする。図8(a)は、通常時(通常状態中)において普図当たり遊技(ロング開放当たり遊技)が実行された場合に表示される演出内容の一例を模式的に示した模式図である。本制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている通常状態中では、普通図柄抽選で当たり当選する確率が1/100に設計されており、普通図柄の低確率状態で実行される普通図柄変動の変動時間が10秒に設計されている。そして、図4を参照して上述した通り、右打ち遊技を実行した場合、左打ち遊技を実行した場合の何れにおいても発射した球の約1/2がスルーゲート67を通過するように構成している。また、普通図柄の抽選権利(普図保留)を最大で4個記憶可能に構成している。つまり、通常状態にて遊技を継続している間は、継続して普通図柄抽選が実行され、約1000秒に1回の割合で普図当たりに当選するように構成している。さらに、通常状態で普図当たり当選した場合には、電動役物640aが5秒間開放される普図当たり遊技(ロング開放当たり)が実行されるように構成している。また、図4に示した通り、電動役物640aは第1入球口64の下方に設けられているため、第1入球口64を狙う遊技を継続するだけで発射された球が第2入球口640へと入球し得るように構成している。よって、低確率で発生する普通図柄の低確率状態中における普図当たり遊技にて遊技者が球を第2入球口640へと入球させることが出来ない事態が発生することを抑制している。
通常状態にて普通図柄抽選で当たり当選した場合には、図8(a)に示した通り、小表示領域Dm2にて、普通図柄抽選の結果が当たりであることを示す組合せ(図では2つの丸印)で、識別情報(図柄)が停止表示され、普図当たり遊技が実行される。そして、主表示領域Dmの上側にて「電チューを狙ってね」のコメントが表示され、小表示領域Dm3には開状態の電チュー(電動役物640aを含む第2入球口640)を模したアイコンが表示される。なお、普通図柄抽選と、特別図柄抽選とは並行して(重複して)実行可能に構成しているため、特別図柄変動に対応して実行される第3図柄の変動表示、及び、小表示領域Dm1にて実行される第4図柄の変動表示は普図当たり遊技中も継続して実行される。また、副表示領域Dsの待機中領域Ds1bには、第2入球口640に球が入球したことに基づいて獲得した第2特別図柄の保留記憶(特図2保留球)の数を示す特図2保留図柄(図では、黒丸で表示)が、獲得している第1特別図柄の保留記憶(特図1保留球)の数を示す特図1保留図柄(図では、白丸で表示)よりも優先して(待機中領域Ds1bの左側に)表示される。つまり、図8(a)に示した状態では、普図当たり遊技中に第2入球口640に球を4個以上入球させた後の状態であって、特図2保留を上限数である4個獲得した後の状態を示したものである。本制御例では、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選を優先して実行するように構成しているため、後に獲得した特図2保留球のほうが先に獲得している特図1保留球よりも優先して特別図柄抽選が実行される。このように構成することで、通常状態中に普図当たり遊技が実行され、複数の特図2保留球を獲得した場合に、第2特別図柄抽選を優先的に連続して実行することが可能となるため、第2特別図柄の抽選が実行される1つの期間を遊技者に有利な有利期間(チャンスゾーン)として専用の演出を実行することができ、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
なお、本制御例では、待機中領域Ds1bに、獲得した特図1保留球と特図2保留球とを横並びに表示(最大で8個表示)するように構成しているが、例えば、特図1保留球のみを表示する特図1保留球表示領域と、特図2保留球のみを表示する特図2保留球表示領域と、を用いる場合であれば、優先して特別図柄抽選が実行される第2特別図柄の保留球を獲得していない場合は、特図1保留球表示領域を特図2保留球表示領域よりも目立たせるように表示し、第2特別図柄の保留球を獲得した場合に、特図1保留球表示領域よりも特図2保留球表示領域を目立たせるように切替表示すると良い。このように構成することで、遊技者に対して次に第1特別図柄の抽選が実行されるのか、第2特別図柄の抽選が実行されるのかを分かり易く報知することができる。図8(a)に示した表示画面は、通常状態中における普図当たり遊技の終了タイミング、或いは、通常状態中における第2特別図柄変動の開始タイミングのうち何れかのタイミングとなるまで継続表示されるように構成している。つまり、普図当たり遊技中であっても、第2特別図柄変動が開始された場合には図8(b)を参照して後述するチャンスゾーン演出が実行される。一方、普図当たり遊技の終了タイミングを迎えても第2特別図柄変動が開始されない場合、例えば、長時間の変動時間(例えば60秒)が選択された第1特別図柄変動が実行されている間に普図当たり遊技(5秒)が実行された場合には、主表示領域Dmの上側に『チャンスゾーン待機中』の文字を表示し、現在実行中の第1特別図柄変動が終了すると、第2特別図柄変動が開始されることを遊技者に報知する待機画面が表示される。
なお、本制御例では、図8(a)に示した通り、第1特別図柄変動中に普図当たり遊技が実行された場合、実行中の第1特別図柄変動に対応して主表示領域Dmにて実行される第3図柄変動演出(図では、3本の矢印で表示)を継続表示しながら、主表示領域Dmの一部領域(図では右下に形成される小表示領域Dm3)にて普図当たり遊技中であることを報知しているが、この場合、実行中の第1特別図柄変動の抽選結果に基づいて普図当たり遊技が実行されたことを表示するために用いる表示領域の大きさを可変させるように構成すると良く、例えば、実行中の第1特別図柄変動が大当たり当選している場合は、小表示領域Dm3を図8(a)に示した例よりも小さく形成したり、小表示領域Dm3を形成しないように構成したりすると良い。このように構成することで、小表示領域Dm3が形成されることにより、大当たり当選を示す第3図柄変動演出の視認性が低下してしまうことを抑制することができる。また、小表示領域Dm3が形成されること無く普図当たり遊技が開始された場合に、実行中の特別図柄変動(第1特別図柄変動)が大当たり変動であることを遊技者に報知することができるため、小表示領域Dm3にて普図当たり遊技が実行されたことが報知されていない状態であっても、遊技者に対して電動役物640aの作動状況を注視させることができる。このような構成を用いる場合には、実行中の特別図柄変動が大当たり変動で無い(外れ変動である)場合の一部においても、大当たり変動と同一の演出態様が実行されるように構成すると良い。一方、実行中の特別図柄変動(第1特別図柄変動)が外れ変動である場合や、特別図柄変動が実行されていない場合は、小表示領域Dm3を図8(a)に示した例よりも大きく形成したり、主表示領域Dmの全面を用いて普図当たり遊技が実行されたことを表示するように構成しても良い。
つまり、第3図柄表示装置81の表示領域という限られた領域内において、複数の情報(抽選結果や当たり遊技状況)を、重複して表示する必要がある場合に、遊技者に有利となる情報が優先して表示されるように構成していれば良く、その技術思想に基づいて様々な表示態様で表示すれば良い。この場合、遊技者によって有利となる情報が異なる場合があり、例えば、特別図柄抽選で大当たり当選したことを示す情報を有利な情報とする遊技者もいれば、特別図柄抽選の結果よりも、出現率の低い演出を有利な情報とする遊技者もいる。そこで、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作に基づいて第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種情報の有利度合いを遊技者が任意に選択可能な有利度合い選択手段と、を設け、有利度合い選択手段により選択された有利度合いに基づいて第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種情報に対応した表示態様を設定するように構成すると良い。これにより、遊技者に不快感を与え難い表示態様で各種情報を表示させることができる。次いで、通常状態中に第2特別図柄抽選(変動)が実行されるチャンスゾーン中の演出内容について、図8(b)から図10を参照して説明する。図8(b)は、チャンスゾーンが設定された場合に実行される演出内容の一例を模式的に示した模式図である。図8(b)に示した通り、通常状態中に第2特別図柄抽選(変動)が実行されると、主表示領域Dmの上側に「チャンスゾーン突入」のコメントが表示される。このチャンスゾーンは通常状態中に獲得した全ての特図2保留を消化するまでの期間に設定される有利期間であって、基本的に最初の第2特別図柄抽選(変動)が開始されてから最後の第2特別図柄抽選(変動)が終了するまでの期間、第3図柄表示装置81の表示面に表示されるように構成している。これにより、遊技者に対して現在が有利期間であることを分かり易く報知することができる。
また、副表示領域Dsには、チャンスゾーン中に大当たり当選した場合には、高確率で確変状態を獲得できることを示すための案内表示態様として「確変GET高確率中」の文字が表示される。詳細な説明は後述するが、本制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで大当たり当選する確率は同一だが、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合のほうが、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され易くなるように構成している。よって、第1特別図柄抽選が主として実行される通常状態中において、第2特別図柄抽選が実行されるチャンスゾーンの期間は、通常状態におけるチャンスゾーン以外の期間よりも確変状態となる大当たり当選を獲得し易い期間となるため、図8(b)に示したように、高確率で確変状態を獲得できることを示すための案内表示態様として「確変GET高確率中」の文字が表示される。
なお、詳細な説明は後述するが、このチャンスゾーン中には、1回の特別図柄変動(第2特別図柄変動)中に、複数回の特別図柄変動が実行されたように見せる疑似変動演出を実行するように構成している。よって、副表示領域Dsにて表示されていた特別図柄の保留記憶数を示す表示態様(図8(a)参照)が非表示となり、主表示領域Dmの右上側に形成された小表示領域Ds11にて特図1保留数(図では特図1保留数が2個であることを示す「2」)が、小表示領域Ds12にて特図2保留数(図では、特図2保留数が3個であることを示す「3」)が表示される。つまり、本第1制御例では、通常状態中に特図保留を獲得した場合には、即座に保留図柄(図8(a)参照)を表示し、チャンスゾーン中では保留図柄を表示すること無く小表示領域Ds11、または小表示領域Ds12に保留数のみを表示するように構成している。そして、小表示領域Ds11、または小表示領域Ds12に保留数が表示されている状態で通常状態へと移行した場合には、小表示領域Ds11、または小表示領域Ds12に表示されている保留数に対応した保留図柄を表示するように構成している。つまり、小表示領域Ds11、または小表示領域Ds12に表示される保留球数は、保留図柄の表示が禁止される期間において、禁止期間が解除された後に保留図柄の表示が実行されることを事前報知する態様である。よって、本第1制御例における獲得した特別図柄の保留記憶(特図保留)に対する保留図柄を表示する処理は、小当たり遊技中に獲得した賞球数は即座に報知し、擬似小当たり演出中に獲得した賞球数は擬似小当たり演出が終了した後に報知する処理の別形態である。
図8(b)に示した通り、小表示領域Ds11、及びDs12に表示される表示態様は、副表示領域Dsの待機中領域Ds1b(図8(a)参照)に表示される表示態様よりも遊技者が視認し難くなりように構成しているため、チャンスゾーン中は遊技者に特図保留数を把握させ難くすることができる。よって、チャンスゾーン中に疑似変動演出が実行された際に、実際に複数回の特別図柄抽選(変動)が実行されたのではと思わせることができ演出効果を高めることができる。なお、本制御例では、主表示領域Dmの一部領域(小表示領域Ds11、及びDs12)を用いて、特図保留数を表示するように構成しているが、これに限ること無く、チャンスゾーン中は特図保留数を遊技者に報知しないように構成しても良いし、第3図柄表示装置81の表示面以外の領域(例えば、可変表示ユニット80に設けられたLED)にて特図保留数を報知するように構成しても良い。さらに、遊技者に特図保留数を識別させ難く構成すれば良く、例えば、遊技者が容易に特図保留数を識別可能な数字を用いた表示態様から、各特図保留数に対応させて色を可変させる表示態様へと切替えても良い。このように構成した場合には、特図保留数を示すための表示態様を遊技者が容易に把握できたとしても、現在の特図保留数が容易に識別されてしまうことを抑制することができるため、本制御例と同様の効果を奏することができる。なお、本第1制御例における小表示領域Ds11、及び小表示領域Ds12に表示される表示態様は、獲得済みの特図保留数のみを表示し、獲得済みの特図保留に含まれる入賞情報に関する情報を表示しないものである。つまり、本第1制御例における小表示領域Ds11、及び小表示領域Ds12に表示される表示態様は、確変状態が設定されている期間において第1入球口64、又は第2入球口640へと遊技球が入球した場合に取得される各種情報のうち、一部の情報に対応する表示態様であるため、大当たり遊技中(有利遊技期間中)に表示される賞球数の表示態様の別形態である。
また、図8(b)に示した通り、主表示領域Dmの右下側には、現在が第2特別図柄の変動中であることを示すウサギを模したキャラクタ1801が表示される。上述した通り、特別図柄抽選(変動)と、普通図柄抽選(変動)とは並行して(重複)して実行されるため、普図当たり遊技が実行されている期間が、第1特別図柄の変動期間中と重複する場合(図8(a)参照)と、重複しない場合とがある。第1特別図柄の変動期間中と重複して普図当たり遊技が実行された場合には、実行中の第1特別図柄変動が終了した後に第2特別図柄抽選が実行され、第1特別図柄の変動期間中と重複していない場合には、普図当たり遊技中に球が第2入球口640へと入球した直後(普図当たり遊技中)に第2特別図柄抽選が実行される。つまり、普図当たり遊技が実行された際の第1特別図柄の変動状況に応じて、第2特別図柄抽選の実行タイミングが異なることになり、現在実行されている特別図柄変動が第1特別図柄変動であるか第2特別図柄変動であるかを遊技者が正確に判別し難くなるという問題は発生する。これに対して本制御例では、第2特別図柄変動が実行されると、主表示領域Dmにてキャラクタ1801が表示されるように構成しているため、現在実行されている特別図柄変動が第1特別図柄変動であるか第2特別図柄変動であるかを遊技者に分かり易く報知することができる。次に、図9(a)、及び、図10を参照して、チャンスゾーン中に実行される変動演出のうち、疑似変動演出(特殊変動演出)の演出内容について説明をする。図9(a)は、特殊変動演出中において第3図柄が仮停止した際の表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図9(b)は、特図2保留球を獲得している状態で実行される特殊変動演出において第3図柄が再始動した際の表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図10は、特図2保留球を獲得していない状態で実行される特殊変動演出において第3図柄が再始動した際の表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
ここで、特殊変動演出(疑似変動演出)の演出内容について説明をする。この特殊変動演出は、1回の第2特別図柄変動の変動期間中に第3図柄を停止表示(仮停止表示)させ、その後再始動させる変動演出であり、遊技者に対して複数回の特別図柄変動が実行されたと思わせる疑似的な変動演出である。まず、特殊変動演出の前半期間(約10秒)を用いて、リーチ演出を実行し、前半期間の終了タイミングにて、図9(a)に示した通り、外れを示す組合せ(図では「353」で表示)で第3図柄を仮停止表示(図では、第3図柄に波線を付して表示)させる。このタイミング、即ち、特殊変動演出の前半期間の終了タイミングでは、副表示領域Dsに特別図柄抽選の結果が外れであることを示唆する「残念」の文字が表示され、遊技者に対して、チャンスゾーン中に実行された1の第2特別図柄抽選が外れであったと思わせるように構成している。つまり、特殊変動演出の前半期間では、大当たり当選に期待を持たせたリーチ演出が外れを示す演出結果で停止表示(仮停止表示)される特殊前半演出が実行される。その後、特殊変動演出の後半期間(約30秒)にて、仮停止していた第3図柄を再始動させる変動演出(特殊後半演出)が実行される。この特殊後半演出は、獲得済みの特図2保留数に応じてその演出態様を異ならせるように構成しており、例えば、特図2保留球を確保している状態では、図9(b)に示した通り、チャンスゾーン中の第2特別図柄変動に対応させた演出態様で特殊後半演出が実行され、特図2保留球を確保していない状態では、図10に示した通り、チャンスゾーンが終了した後に実行される第1特別図柄変動に対応させた演出態様で特殊後半演出が実行される。つまり、本制御例では、特殊変動演出として、実行中の第2特別図柄変動が終了した後に実行される特別図柄変動の種別を特図保留数に基づいて判別し、その判別結果に対応した演出態様で特殊後半演出の演出態様を設定している。よって、遊技者に対して、1回の第2特別図柄変動中に複数回の特別図柄変動が実行されたとより強く思わせることができる。
さらに、本制御例では、チャンスゾーン中の第2特別図柄変動に対応させた演出態様で特殊後半演出が実行される場合(図9(b)参照)には、獲得済みの特図2保留数に対応させて後半期間中に第3図柄を仮停止させる回数を異ならせるように構成している。なお、詳細な説明は省略するが特殊変動演出が実行される際に、特図2保留球、及び特図1保留球の何れも確保していない場合は、図9(a)に示した第3図柄の仮停止表示を実行することなく、第2特別図柄変動の変動期間の全てを用いて1回の変動演出(第3図柄を一度も仮停止表示させることの無い変動演出)を実行するように構成している。これにより、特図保留数を確保している状態にのみ上述した特殊変動演出が実行されることになるため、1回の第2特別図柄変動中に複数回の特別図柄変動が実行されたとより強く思わせることができる。加えて、第2特別図柄抽選の結果が大当たりである場合にのみ、後半期間中に実行される第3図柄の仮停止回数を、獲得済みの特図2保留数と異ならせた演出態様が設定されるように構成している。よって、例えば、第3図柄が5回以上仮停止した場合には実行中の第2特別図柄変動が大当たり当選しているのではと遊技者に期待を持たせることができる。なお、上述した通り、本制御例では、第3図柄が仮停止表示された場合と、停止表示された場合とを遊技者が識別困難に構成しているため、仮停止回数を正確に判別し難い。よって、仮停止表示回数と停止表示回数とを混在させて5回以上仮停止表示したと思わせたり、仮停止表示の一部を停止表示と思い込み、実際には5回以上仮停止表示されたにも関わらず、仮停止表示回数が5回に到達していない状態と思わせたりすることができ、遊技者に演出結果を予測する楽しみを提供することができる。
なお、特殊変動演出の演出態様としてこれ以外の構成を用いても良く、例えば、1回の第2特別図柄変動中に仮停止表示された第3図柄の回数を遊技者に容易に把握させるための仮停止表示回数を示す表示態様を第3図柄表示装置81の表示面に表示するように構成しても良いし、1回の第2特別図柄変動中に仮停止表示された第3図柄の回数に応じて特殊変動演出の演出態様の少なくとも一部(例えば、背景の色や、第3図柄のエフェクト等)が段階的に可変するように構成しても良い。また、仮停止している第3図柄を再表示させるタイミングにて一時的に仮停止表示された回数を示す表示態様(例えば、1回目、2回目)を表示するように構成しても良い。図10に示した通り、特図2保留球を確保していない状態で特殊変動演出が実行された場合には、チャンスゾーンが終了したことを示す表示態様として「チャンスゾーン終了」の文字が副表示領域Dsに表示され、主表示領域Dmにて実行される第3図柄の変動表示が第1特別図柄変動に対応する変動表示(水平方向へと第3図柄が変動する変動表示)となる演出態様が特殊後半演出として実行されるため、遊技者に対してチャンスゾーンが終了したと思わせた後に、特殊変動演出の演出結果、即ち、第2特別図柄の抽選結果が停止表示されることになる。よって、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。詳細な説明は後述するが、本制御例では、通常状態中における第2特別図柄変動のうち、一部において上述した特殊変動演出が実行され、それ以外は、1回の第2特別図柄変動に対して1回の変動演出が実行されるように構成している。よって、普図当たり遊技において複数個(最大で4個)の特図2保留球を獲得した場合に特殊変動演出が無用に長く実行されてしまうことを抑制することができる。
次に、図11を参照して、本制御例における大当たりエンディング期間中実行される演出内容について説明をする。図11(a)は、通常大当たり遊技のエンディング期間のうち、前半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図であって、図11(b)は、確変大当たり遊技のエンディング期間のうち、前半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図であって、図11(c)は、通常大当たり遊技のエンディング期間のうち、後半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図であって、図11(d)は、確変大当たり遊技のエンディング期間のうち、後半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図である。本制御例では、通常状態中に大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技が、遊技者にとって有利な遊技状態である確変状態が設定され易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)である場合は、遊技者にとって有利な遊技状態である確変状態が設定され難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)である場合よりも、大当たりエンディング期間が長く設定されるように構成している。具体的には、確変大当たり遊技では大当たりエンディング期間として17秒が、通常大当たり遊技では大当たりエンディング期間として15秒が設定されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技を介して遊技内容が大きく変わる(通常状態から確変状態へと移行する)ことをエンディング期間中(確変状態が設定されるよりも前)に、遊技者に分かり易く報知することができる。また、大当たり遊技終了後に実行すべき遊技の内容を長いエンディング期間を用いて遊技者に告知することができる。また、本制御例では、上述した通り、確変大当たり遊技が実行された場合であっても、可変入賞装置65に入賞した球を特定領域(Vゲート)65v(図5参照)へと流下させないと確変状態が設定されないように構成している。よって、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vへと流下させることができなかった場合には、確変大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることなく、通常大当たり遊技と同様に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される。
この場合、確変大当たり遊技のエンディング期間において確変状態が設定されることを示す報知演出が実行されてしまうと、報知演出の演出内容と実際に設定される遊技状態とが相違してしまい遊技者に不満感を与えてしまうという問題があった。さらに、確変大当たり遊技のエンディング期間(17秒)において実行される報知演出の演出態様を、通常大当たり遊技のエンディング期間(15秒)において実行される報知演出の演出態様へと切り替えた場合には、実際のエンディング期間の長さと報知演出の演出期間の長さが異なってしまい、遊技者に違和感のある報知演出を実行することになるという問題があった。そこで、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、さらに、後半期間の長さを大当たり遊技の種別に関わらず統一の期間(7秒間)とするように構成している。そして、後半期間に実行される報知演出の演出態様を大当たり遊技終了後に設定される遊技状態に応じて決定するように構成している。具体的には、図11に示した通り、通常大当たり遊技が実行される場合には、大当たりエンディング期間中に実行される報知演出として、前半期間(8秒)に対して、時短状態が設定されることを示唆する「チャンスモード100回」の文字が表示され(図11(a)参照)、その後、後半期間(7秒)に対して、時短状態中に大当たり当選すると(第2特別図柄抽選で大当たり当選すると)、確変状態が設定され易いことを示すための遊技案内態様として「チャンスモード中に当たりとスーパーチャンスGET」の文字が表示される報知演出(図11(c)参照)を実行するように構成している。一方、確変大当たり遊技が実行される場合には、大当たりエンディング期間中に実行される報知演出として、前半期間(10秒)に対して、確変状態が設定されることを示唆する「スーパーチャンスモード100回」の文字が表示され(図11(b)参照)、その後、後半期間(7秒)に対して、遊技内容とは直接関係の無い注意喚起態様として「カードの取り忘れにご注意下さい」の文字が表示される報知演出(図11(d)参照)を実行するように構成している。
本制御例では、上述した大当たりエンディング期間中に実行される報知演出の演出態様が、大当たり遊技が実行されるタイミングにて予め設定されるように構成されている。これにより、様々な制御処理が実行される大当たり遊技中において、報知演出の演出態様を決定するための処理を毎回実行する必要が無くなるため、大当たり遊技中に実行される制御処理の処理負荷を軽減させることができる。ここで、確変大当たり遊技が実行されたにも関わらず、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vへと球を流下させることができなかった場合について説明をする。この場合、図11(b)に示した表示態様のうち、「スーパー」の文字を非表示にさせる処理と、大当たりエンディング期間の後半期間(7秒)にて実行される報知演出を、通常当たり遊技のエンディング期間の後半期間(7秒)にて実行される報知演出(図11(c)参照)へと切り替える処理とが実行される。より具体的には、図11(a)に示した表示態様として「スーパー」の文字が表示される表示レイヤ(表示画層)と、「チャンスモード100回」の文字が表示される表示レイヤ(表示画層)とを異ならせており、大当たり遊技中に特定ゲートへと球を流下させることができたか否かの判別結果に基づいて「スーパー」の文字が表示される表示レイヤ(表示画層)に対する表示指示の有無を切り替え可能に構成している。これにより、簡易的な制御処理によって、大当たり遊技中に特定ゲートへと球を流下させることができたか否かの判別結果に対応した報知演出を実行することが可能となる。さらに、大当たりエンディング期間の後半期間という同一の長さで設定される期間において、演出態様を切り替えるように構成しているため遊技者に違和感を与えること無く報知演出の演出態様を切り替えることができる。
なお、本制御例では、大当たり種別によって大当たりエンディング期間の長さを異ならせているが、これに限ること無く、全ての大当たり種別に対して大当たりエンディング期間の長さを統一しても良い。また、本制御例では、全ての大当たり種別に対して同一の長さとなる期間として大当たりエンディング期間の後半期間を設定しているが、これに限ること無く、大当たりエンディング期間の前半期間が全ての大当たり種別に対して同一の長さとなるように構成しても良い。さらに、大当たり種別が3以上ある場合には、その全ての大当たり種別に対して同一の期間を設定する必要は無く、例えば、大当たり種別Aと大当たり種別Bとでは大当たりの前半期間が同一の長さとなり、大当たり種別Bと大当たり種別Cとでは大当たりの後半期間が同一の長さとなるように構成しても良い。また、本制御例では、当選した大当たり種別に応じて異なる長さのエンディング期間を設定するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技中の遊技結果に応じてエンディング期間の長さを異ならせるように構成しても良い。次に、図12~図14を参照して、チャンスモード中に実行される演出内容について説明をする。本制御例のパチンコ機10は、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が100回設定されるように構成している。さらに、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が50回設定されるように構成している。さらに、詳細な説明は後述するが、大当たり遊技中の球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを報知するV報知演出を実行する場合と、V報知演出を実行しない場合とを設定可能に構成している。
そして、大当たり遊技中にV報知演出が実行された場合は、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されたことを遊技者に報知するための演出モード(スペシャルチャンスモード)が設定され、大当たり遊技中にV報知演出が実行されなかった場合、即ち、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過しなかった場合、或いは、球が特定領域(Vゲート)65vを通過したにも関わらずV報知演出が実行されなかった場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されているか否かを遊技者が把握困難な演出モード(チャンスモード)が設定されるように構成している。演出モードとしてチャンスモードが設定された場合には、主表示領域Dmの上側に「チャンスモード中」の文字が表示されると共に、副表示領域Dsの小表示領域Ds2に普通図柄の高確率状態が終了するまでの期間を示すための残期間報知態様が表示される(図12(a)参照)。図12(a)に示した例は、チャンスモードが設定されてから20回目の特別図柄変動が実行されている状態を示したものであり、残期間報知態様として、特別図柄変動があと80回実行された場合にチャンスモードが終了することを示す態様として、複数の数字で構成された表示態様である「80回」の文字が表示されている。このように、演出モードとしてチャンスモードが設定された場合には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種表示態様から、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者に把握させ難くすることができるため、現在の遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(確変状態)であることを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、大当たり遊技中にV報知演出が実行されなかった場合に限り、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合であっても演出モードとしてチャンスモードを設定可能に構成しているため、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したこと、即ち、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを報知したにも関わらず、大当たり遊技終了後にチャンスモードが設定されてしまい、遊技者が戸惑ってしまう事態が発生することを抑制することができる。加えて、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したこと報知するV報知演出が実行された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されていることを示すための演出モードとしてスーパーチャンスモードが設定されるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。なお、本制御例では、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したにも関わらずV報知演出が実行されなかった場合には、大当たり遊技終了後の演出モードとしてチャンスモードが設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したにも関わらずV報知演出が実行されなかった場合の一部において、スーパーチャンスモードが設定されるように構成しても良い。この場合、例えば、大当たり遊技のエンディング時(今回の大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vへと球を通過させることが不可能(困難)となった後)に、今回の大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したかの判別と、V報知演出が実行されたかの判別を実行し、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したとの判別結果と、V報知演出が実行されていないとの判別結果と、を得た場合の一部(所定の抽選で特定の抽選結果となった場合)において、大当たり遊技のエンディング期間中に、確変状態が設定されることを示す表示態様(図11(b)、及び図11(d))を表示するように構成し、大当たり遊技終了後の演出モードとしてスーパーチャンスモードを設定するように構成すると良い。
このように構成することで、大当たり遊技中にV報知演出が実行されなかった場合であっても、スーパーチャンスモードが設定される可能性を残すことができるため、大当たり遊技が終了するまで遊技者に期待感を持たせて遊技を行わせることができる。以上、説明をした通り、本制御例では、大当たり遊技終了後に設定される演出モードとしてチャンスモードが設定された場合には、遊技状態として時短状態が設定されている場合と、確変状態が設定されている場合とが発生することになる。そして、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、普通図柄の高確率状態が継続する期間の残期間が表示される。つまり、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態として、通常状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態として、第1有利遊技状態(確変状態)と、第2有利遊技状態(時短状態)と、を設定可能に構成し、第1有利遊技状態は、所定の第1期間(大当たり遊技の終了後、特別図柄変動が50回実行されるまでの期間)継続し、第2有利遊技状態は、上述した第1期間よりも長い第2期間(大当たり遊技の終了後、特別図柄変動が100回実行されるまでの期間)継続するように構成し、大当たり遊技終了後に第1有利遊技状態が設定された後、第1期間が経過した場合には、第2期間を経過するまで第2有利遊技状態が設定されるように構成し、第2期間が経過した場合に通常状態が設定されるように構成した遊技機において、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されるか否かに関わらず、有利遊技状態が終了するまでの期間(第2期間)の残期間を示すための残期間報知を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して、通常状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態が継続する期間を分かり易く報知することができる。さらに、本制御例では、第2期間の残期間(チャンスモードの残期間)が設定されている状態において、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者に示唆するための遊技状態示唆演出を、残期間報知の報知態様(表示態様)を用いて実行可能に構成している。
ここで、図12(b)を参照して、チャンスモード中に実行される遊技状態示唆演出の演出内容について説明をする。図12(b)は、チャンスモード中に実行される遊技状態示唆演出の表示内容の一例を模式的に示した模式図である。図12(b)に示した通り、確変状態が設定されている状態でチャンスモードが設定された場合に所定の報知条件が成立すると、小表示領域Ds2に表示される残期間報知の表示態様が可変される遊技状態示唆演出(図12(b)では、白抜きの表示態様で表示)が実行される。なお、この構成は、所定条件が成立した場合に通常とは異なる演出態様が表示される構成の別形態である。そして、副表示領域Dsの小表示領域Ds1には、「大当たり期待度UP」のコメントが表示される。このように構成することで、遊技者に有利な有利遊技状態が終了するまでの期間を遊技者に報知しながら、有利遊技状態のうち、どの遊技状態が設定されているのかを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。なお、詳細な説明は省略するが、本制御例では、図12(b)に示した表示態様と同一の表示態様を、実行中の特別図柄変動が大当たり変動である場合、或いは、獲得済みの特図2保留球に大当たり当選する情報が含まれている場合であって、チャンスモードのうち、確変状態が設定され得る期間内(大当たり遊技終了後、特別図柄変動が50回実行されるまでの期間内)において表示可能に構成している。このように構成することで、遊技者に有利な有利遊技状態が継続する期間示すチャンスモード中において、遊技者に対してより有利な様々な情報(確変状態が設定されていることを示す情報、大当たり当選に関する情報)を同一の表示態様を用いて表示することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。また、実際には時短状態が設定されている場合であっても、大当たり当選に基づいて確変状態が設定されている場合に表示され易い表示態様を表示することができるため、設計値よりも高い割合で確変状態が設定されていると遊技者に思わせることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
なお、上述した本制御例の技術思想とは別の技術思想を用いてチャンスモード中の演出を実行するように構成しても良く、例えば、確変状態中にチャンスモードが設定されている状態で、大当たり当選、或いは、獲得済みの特図2保留球に大当たり当選する情報が含まれている場合に、現在設定されている遊技状態が時短状態であることを示唆するための示唆演出(例えば、残期間報知の表示態様を、図12(a),(b)とは異なる表示態様(漢数字表示にする表示態様)で表示する演出)を実行するように構成しても良い。これにより、有利遊技状態において、確変状態よりも遊技者に不利となる時短状態中に大当たり当選したと遊技者に思わせることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。また、遊技履歴として確変状態が設定された割合を実際よりも低く見せることができるため、次の大当たり遊技で確変状態が設定されることをより期待させながら遊技を行わせることができる。以上、図12(a),(b)を参照して説明をした通り、本第1制御例では、チャンスモードが継続する期間(残期間)を示すための残期間報知態様の表示態様を可変させることにより、現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆可能に構成することで、チャンスモードの残期間を注意深く見ている遊技者に対して、現在設定されている遊技状態を示唆する遊技状態示唆演出を把握させ易くすることができるように構成しているが、遊技状態示唆演出を、残期間報知態様以外を用いて実行しても良く、例えば、確変状態が設定されている場合のほうが、時短状態が設定されている場合よりも表示され易い第1表示態様(例えば、「チャンス」の文字)や、時短状態が設定されている場合のほうが、確変状態が設定されている場合よりも表示され易い第2表示態様(例えば、「ピンチ」の文字)を第3図柄表示装置81の表示面に表示するように構成しても良いし、第3図柄表示装置81の表示面に表示される第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の表示態様を可変させることにより遊技状態示唆演出を実行するように構成しても良い。
なお、本第1制御例では、特別図柄の高確率状態も、普通図柄の高確率状態も、特別図柄変動の実行回数が所定回数に到達した場合に終了するように構成しているため、図12(a),(b)に示した通り、チャンスモードが継続する残期間(特別図柄の高確率状態、或いは普通図柄の高確率状態が継続し得る残期間)を報知する残期間報知の表示態様を用いて、現在の遊技状態を示唆可能に構成しているが、例えば、特別図柄の高確率状態が、次に大当たり遊技が実行されるまで継続するように構成されたパチンコ機10にて、上述したチャンスモードの構成を用いても良い。この場合、チャンスモードの継続期間として、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定された場合に、その普通図柄の高確率状態が終了するまでの残期間(時短状態が終了するまでの期間)を残期間報知によって報知するように構成し、その残期間報知によって報知された残期間を経過した場合において、時短状態が設定されている場合には、通常状態へと移行したことを報知する演出を実行し、確変状態が設定されている場合には、次に大当たり遊技が実行されるまで特別図柄の高確率状態が継続することを示す表示態様、即ち、確変状態が継続する残期間が次回大当たりまでの期間であることを示す表示態様として「おめでとう」の文字が表示される演出を実行可能とし、チャンスモードが設定されている期間中において、所定の報知条件が成立した場合に、「おめでとう」の文字を表示させるように構成しても良い。
つまり、特別図柄抽選が実行される毎に更新されるチャンスモードの残期間に対応させて随時更新される残期間報知態様(図12(a)参照)に替えて、チャンスモードの残期間が存在していることを示すだけの表示態様、即ち、図12(a)に示した残期間報知態様のように、チャンスモード中に実行可能な特別図柄の残抽選回数を示さない残期間報知態様を用いても良いし、チャンスモードの残期間の長さに対応させて表示態様を可変(例えば、表示色を可変)させることにより、大まかにチャンスモードの残期間の長さを報知可能な残期間報知態様を用いても良い。さらに、残期間報知態様を複数表示可能に構成し、表示された複数の残期間報知態様の表示態様を組み合わせることにより、遊技者がチャンスモードの残期間の長さを把握可能となるように構成しても良い。次に、図13及び図14を参照して、チャンスモード中において遊技者が操作手段を操作した場合に実行される演出内容について説明をする。本制御例では、遊技者が枠ボタン22(図4参照)に対して所定の操作を実行すると、その操作内容と、操作タイミングとに基づいて様々な演出(操作演出)を実行可能に構成している。詳細な説明は省略するが、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される背景画像を変更する操作演出や、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて実行される変動演出の一部として遊技者に枠ボタン22を操作させるための案内報知を実行し、遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、遊技者が枠ボタン22を操作しない場合とは異なる演出態様の演出を実行する操作演出や、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて実行される変動演出を賑やかすための操作演出等が実行されるように構成している。これにより、遊技者に対して、球を発射させる行為以外の遊技を意欲的に行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
ここで、上述した操作演出のうち、チャンスモード中に実行される各種操作演出の内容について説明をする。詳細は、図27を参照して後述するが、本制御例では、有利遊技状態(時短状態、確変状態)が設定された場合に、有利遊技状態が設定されてからの特別図柄変動回数に応じて異なる変動時間が選択され得るように構成している。具体的には、有利遊技状態が設定されてから特別図柄変動回数が「1回目~20回目」の期間が、短い変動時間(例えば、5秒)が選択され易い第1期間(高速変動期間)となり、「21回目~49回目」の期間が、第1期間よりも長い変動時間(例えば、10~30秒)が設定され易い第2期間となり、「50回目」のみ、特定の変動時間(例えば、20秒)が設定される特定期間となり、「51回目~100回目」の期間が、第2期間と同程度の変動時間(例えば、10~30秒)が設定され易い第3期間となるように構成している。つまり、チャンスモードが設定されてからの所定期間(第1期間)、即ち、大当たり遊技終了後の所定期間は、短い変動時間で特別図柄変動が実行され易くなるため、この第1期間中に大当たり当選した場合には、短い間隔で複数回の大当たり遊技を実行させ易くすることができる。これにより、前回実行された大当たり遊技の一環として次の大当たり遊技が実行されたのでは?と遊技者に思わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。そして、上述した第2期間や第3期間では、通常状態が設定されている場合よりは短い変動時間の特別図柄変動が実行され易く、第1期間よりは長い変動時間の特別図柄変動が実行され易くなるように構成している。これにより、チャンスモード中において、1回の特別図柄変動中に現在設定されている遊技状態が時短状態であるか確変状態であるかを示唆するための示唆演出を実行する期間を確保することができる。また、特定期間(有利遊技状態が設定されてから50回目の特別図柄変動)では、必ず特定の変動時間(20秒)の特別図柄変動が実行され、遊技者に対して確変状態が設定されていた(されている)状態であるか否かを示唆するための20秒間の示唆演出が実行されるように構成している。
このように、特別図柄変動の実行回数に応じて異なる変動時間を選択可能に構成することで、各変動回数に応じた演出を適切な期間を用いて実行することができる。図13(a)は、演出モードとしてチャンスモードが設定されている状態であって、内部的に通常状態が設定されており、高速変動期間以外の期間中(通常変動期間中)に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図であって、図13(b)は、図13(a)に表示された表示演出中に枠ボタン22を操作した場合の演出態様を模式的に示した模式図である。本制御例では、チャンスモード中における通常変動期間では、第3図柄表示装置81の表示面に表示される背景画像を遊技者が任意に選択可能となり、枠ボタン22を遊技者が押下(操作)することで、海背景(海モード)と山背景(山モード)とを交互に切替表示されるように構成している。図13(a)に示した通り、背景画像を切替可能な場合には、主表示領域Dmの右側下方に枠ボタン22を模したアイコンHR10が、操作可能な状態であることを示す表示態様(図では、ボタン押下方向に向けて矢印表示)で表示され、副表示領域Dsの小表示領域Ds1には、現在、海モードが設定されていることを示す「海モード」の文字が表示されている。この状態で遊技者が枠ボタン22を操作すると、図13(b)に示した通り、「海モード」から「山モード」へと切替表示される。
次に、図14を参照して、チャンスモードのうち、高速変動期間中における操作演出の内容について説明をする。本制御例では、高速変動期間(時短状態、確変状態が設定されてから20回目の特別図柄変動が終了するまでの期間)中に枠ボタン22を操作した場合に、背景画像が切替表示されない(難くなる)ように構成している。つまり、1回の特別図柄変動の変動時間として短い変動時間(5秒)が選択される高速変動期間において、背景画像を切替表示してしまうと、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様が頻繁に変化してしまい、特別図柄抽選の結果を遊技者が把握し難くなるため、背景画像が切替表示されない(難く)なるように構成している。しかしながら、高速変動期間中における枠ボタン22に対する遊技者の操作を全て無効にしてしまうと、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。そこで、本制御例では、高速変動期間中に遊技者が枠ボタン22を操作した場合には、背景画像の切替表示では無く、別の演出が実行されるように構成している。具体的には、図14(a)に示した通り、チャンスモードにおける高速変動期間中は、副表示領域Dsの小表示領域Ds1に「スペシャルモード」の文字が表示され、現在が高速変動期間中であることが遊技者に報知される。この「スペシャルモード」中は、特別図柄抽選の結果に関わらず、5秒の変動時間が設定された特別図柄変動が実行され、第3図柄の変動演出も「スペシャルモード」専用の変動演出が実行される。そして、「スペシャルモード」中も主表示領域Dmの右側下方にアイコンHR10が表示され、遊技者が枠ボタン22を押下すると、図14(b)に示した通り、小表示領域Ds2に表示される残期間報知の表示態様が可変される遊技状態示唆演出が実行される。
このように、遊技者が同一の操作(枠ボタン22の押下)をした場合であっても、その操作タイミングによって、実行される操作演出の演出内容を異ならせることにより、遊技者に対して様々なタイミングで枠ボタン22を操作しようと意欲的に遊技を行わせることができる。また、本制御例では、図13(a)、或いは図14(a)に示した通り、遊技者に対して枠ボタン22に対する操作(押下)を案内するための案内表示(アイコンHR10)を同一にし、遊技者が同一の操作(枠ボタン22の押下)をした場合に、その操作タイミングによって、実行される操作演出の演出内容を異ならせている。よって、枠ボタン22を実際に操作(押下)するまでは、どのような操作演出が実行されるのかを遊技者に分かり難くすることができるため、より意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。なお、詳細は図32及び図33を参照して後述するが、本制御例では、高速変動期間に枠ボタン22を操作した場合に複数の操作演出を実行可能に構成しており、各操作演出が選択される割合を、設定されている遊技状態に応じて異ならせている。つまり、高速変動期間中に実行される各操作演出の出現割合によって、現在設定されている遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを予測することができる。よって、高速変動期間中に同一の操作演出が繰り返し実行された場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
さらに、本制御例では、高速変動期間中であっても所定条件が成立している場合にのみ、枠ボタン22を押下した際に背景画像の切替表示が行われるように構成している。具体的には、高速変動期間中に獲得した第2特別図柄の保留球(特図2保留球)内に大当たり当選する情報が含まれている場合に、その大当たり当選する情報が含まれる特図2保留球に対応する大当たり特別図柄変動と、その大当たり特別図柄変動よりも前に実行される特別図柄変動(大当たり当選する情報が含まれている特図2保留球よりも前に獲得していた特図2保留球に対応する特別図柄変動)と、の変動時間を用いた特殊変動演出を実行可能に構成しており、その特殊変動演出を実行可能な条件を満たしている状態で遊技者が枠ボタン22を押下すると、現在表示されている背景画像(例えば、海モード)から専用の特殊背景画像(例えば、宇宙モード)へと背景画像の切替表示が行われるように構成している。つまり、高速変動期間中において遊技者が枠ボタン22を押下したことに基づいて背景画像の切替表示が実行された場合には、大当たり当選の期待度が高くなるやめ、遊技者に対して積極的に枠ボタン22を押下させることができる。加えて、高速変動期間中であっても、枠ボタン22に対して特殊操作(長押し)を行うことで、背景画像の切替表示を実行可能に構成している。この特殊操作(長押し)は、遊技者が枠ボタン22を2秒間継続して押下した場合に操作が実行されたと判別されるものであり、枠ボタン22に対する通常操作(押下)よりも、操作が行われたと判別されるまでの期間を長くしている。よって、通常操作(押下)に比べて頻繁に実行し難い操作となるため、背景画像の切替表示を実行可能に構成しても、背景画像の切替表示が頻繁に行われてしまうことを抑制することができる。なお、本制御例では、通常操作よりも操作時間を長くした特殊操作として長押し操作を用いているが、これに限ること無く、例えば、操作手段として枠ボタン22に加えて、複数の操作部を有する操作手段(例えば、十字キー)を設け、複数の操作部を所定の順序で操作することにより行われる特殊操作を規定しても良い。
次に、図15を参照して、確変状態が設定されていることが遊技者に報知される「スーパーチャンスモード」中に実行される演出内容について説明をする。図15(a)は、「スーパーチャンスモード」中に第1特別図柄変動が実行された場合の演出内容の一例を模式的に示した模式図であって、図15(b)は、「スーパーチャンスモード」中に第2特別図柄変動が実行された場合の演出内容の一例を模式的に示した模式図である。本制御例では、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合には、第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。そして、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、高確率で確変状態が設定される(大当たり遊技中に特定ゲートへと容易に球を流下させることができる確変大当たり遊技が必ず実行される)ように構成している。そして、確変状態は特別図柄抽選が所定回数(50回)実行されるまで継続するように構成している。つまり、一度確変状態が設定されると、所定回数(50回)の特別図柄抽選が実行されるまでに第2特別図柄抽選で大当たり当選(特別図柄の高確率状態での大当たり確率は1/50)に当選する限り、高確率で確変状態をループさせることができるように構成している。よって、確変状態中の遊技を実行している遊技者に対して、いち早く第2特別図柄抽選で大当たり当選するように意欲的に遊技を行わせることができる。
一方、確変状態が設定されている状態であっても、例えば、通常状態にて実行された第1特別図柄抽選で確変大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に確変状態が設定された直後、即ち、確変状態が設定された状態において、特図2保留球を獲得しておらず、且つ、特図1保留球を獲得している状態では、第1特別図柄抽選が実行される。本制御例では、上述した通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には100%の割合で確変大当たり遊技が実行されるのに対して、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には50%の割合で確変大当たり遊技が実行され、残りの50%では通常大当たり遊技が実行されるように構成している。つまり、確変状態が設定されている状態であっても、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、確変状態をループさせることが出来ない場合がある。このように確変状態中に第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、当選した大当たりが通常大当たり遊技が実行される大当たり種別(通常大当たり)であることを遊技者に早期に判別されてしまうと、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題が発生するため、本制御例では、確変状態中に実行される第1特別図柄変動に対応する変動演出として、確変大当たりに対応する第3図柄(奇数の数字が付された識別情報)と、通常大当たりに対応する第3図柄(偶数の数字が付された識別情報)と、が同時にリーチ状態となる変動演出であるダブルリーチ演出が実行され易くなるように構成している。より具体的には、確変状態中に実行される第1特別図柄抽選で通常大当たりに当選した場合には、必ず上述したダブルリーチ演出が実行されるように構成している(図15(a)参照)。これにより、確変状態中に実行される第1特別図柄抽選で通常大当たりに当選した場合において、通常大当たりに対応する第3図柄(偶数の数字が付された識別情報)のみがリーチ状態となるリーチ演出が実行されることを防止することができ、特別図柄の変動期間中に通常大当たりに当選することを遊技者に事前に予測されることを抑制することができる。
また、図15(a)に示した通り、本制御例では、「スーパーチャンスモード」中は、上述した「チャンスモード」中と同様に、小表示領域Ds11、及びDs12が形成され、遊技者に対して特図保留数が把握され難くなるように構成している。そして、主表示領域Dmの上側には現在が確変状態中であることを遊技者に報知するための表示態様として「スーパーチャンスモード中」の文字が表示される。ここで、スーパーチャンスモード中において、図15(a)に示したダブルリーチ(確変大当たりに対応する第3図柄(1の数字が付された識別情報)と、通常大当たりに対応する第3図柄(2の数字が付された識別情報)と、が同時にリーチ状態となる変動演出であるダブルリーチ演出)が実行された場合には、実行中の特別図柄変動が第1特別図柄変動であることを遊技者に容易に把握されてしまう虞があるため、本制御例では、第2特別図柄変動に対応させて実行される変動演出においても、図15(a)に示したダブルリーチ演出を実行可能に構成している。即ち、大当たり当選した場合には必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選に対応させた変動演出にて、通常当たりに対応する第3図柄を用いたダブルリーチ演出を実行可能に構成している。このように構成することで、図11(a)に示したダブルリーチ演出が実行されたとしても、実行中の特別図柄変動が第1特別図柄変動であるか第2特別図柄変動であるかを遊技者に容易に判別させ難くすることができる。さらに、本制御例では、第2特別図柄抽選に対応させた変動演出としてダブルリーチ演出が実行された場合には、中図柄列Z2が1周したタイミングでリーチ状態となる第3図柄の種別を図15(b)に示した通り、確変大当たりに対応する第3図柄(1の数字が付された識別情報と9の数字が付された識別情報)とに可変させる演出(確変ダブルリーチへの昇格演出)が実行されるように構成している。
このように構成することで、実行中の特別図柄抽選が大当たり当選している場合に、必ず確変大当たり遊技が実行されることを遊技者に事前に報知することができる。また、第1特別図柄抽選に対応させた変動演出としてダブルリーチ演出が実行された場合であっても、途中で確変ダブルリーチへと昇格するのではと遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。なお、本制御例では、実行中のダブルリーチ演出を確変ダブルリーチ演出へと可変(昇格)させるための可変条件として、中図柄Z2の変動態様が所定態様(1周経過)となった場合に成立する可変条件を設定しているが、これに限ることなく、例えば、中図柄列Z2にて変動表示される第3図柄としてリーチ状態に対応する第3図柄(大当たりとなる組合せとなる第3図柄)がリーチ有効ラインを通過した場合に成立する可変条件を設定しても良いし、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)に対する操作結果が特定の操作結果である場合に成立する可変条件を設定するように構成しても良い。また、本制御例では、可変条件が成立した場合にリーチ状態となっている第3図柄の種別を可変するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、リーチ状態となる第3図柄の数を増加させるように構成しても良い。より具体的には、図15(a)に示したダブルリーチ状態から、ブランク図柄(図では三角印で表示)を消去し、上図柄列Z1として左から順に「3.2.1」を表示させ、下図柄列Z3として左から順に「1.2.3」を表示させた、トリプルリーチ演出を実行するように構成しても良い。このように構成した場合であっても、ダブルリーチ演出よりもトリプルリーチ演出のほうが、確変大当たりに対応した第3図柄のリーチ数を多くすることができるため、今回の特別図柄抽選にて確変大当たりに当選している可能性が高いことを遊技者に視覚的に報知することができる。
加えて、上述した技術思想を通常状態中に実行される変動演出に適用しても良く、例えば、通常大当たりに対応する第3図柄(偶数の数字が付された識別情報)のみがリーチ状態となる通常シングルリーチ演出中に可変条件が成立した場合に、リーチ状態である第3図柄の種別を確変大当たりに対応した第3図柄の種別へと切り替えても良いし、リーチ状態となる第3図柄の数を増加させるように構成しても良い。これにより、変動演出が終了するまで遊技者に対してより有利な演出結果が提供されることを期待させながら遊技を行わせることができる。次に、図16を参照して、本制御例において選択される特別図柄の変動パターンと、実行される演出態様との関係について説明をする。図16(a)は、第3図柄の変動演出として、非リーチ変動演出が実行される変動パターンが設定された場合の演出の流れを示した模式図であって、図16(b)は、第3図柄の変動演出として、リーチ変動演出が実行される変動パターンが設定された場合の演出の流れを示した模式図である。詳細な説明は、図26を参照して後述するが、本制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための変動パターン(変動時間)として、基本時間と加算時間とを合算させた変動パターンを規定している。そして、基本時間に該当する期間を共通変動パターンとし、加算時間に該当する期間を特有変動パターンとするように構成している。つまり、本制御例では、特別図柄抽選の結果を示すために第3図柄表示装置81の表示面にて実行される第3図柄変動の演出態様として、リーチ状態が表示されてから第3図柄が停止表示されるまでの期間を、リーチ状態となる第3図柄の種別に応じて異ならせるように構成している。そして、加算時間として設定された時間に応じた第3図柄をリーチ状態となる第3図柄として設定するように構成している。このように構成することで、第3図柄が変動を開始してからの所定期間の間に実行される第3図柄変動演出(基本時間に対応させて実行される第3図柄変動演出)を共通化させることができる。
具体的には、図16(a)に示した通り、非リーチ変動演出の場合は、加算時間が設定されないため、基本時間(8秒)に対応させた共通変動パターンが設定され、第3図柄変動演出が開始されてから所定期間が経過したタイミング(例えば、5秒経過タイミング)で上図柄列Z1が停止表示され、その1秒後に下図柄列Z3が有効ライン上にリーチ状態が発生しない停止表示態様で停止表示され、その2秒後に抽選結果が外れを示す停止表示態様で中図柄列Z2が停止表示される。その後、1秒間の停止表示期間(確定時間)を経て、特別図柄抽選の抽選結果が確定表示される。図16(b)に示した通り、リーチ変動演出が実行される場合は、基本時間(30秒)が設定され、30秒間の共通変動パターンとして、リーチ状態となってから5秒が経過するまでの演出態様が設定される。つまり、リーチ状態となってから中図柄列Z2が1周するまでの演出態様が共通変動パターンとして設定される。その後、加算時間に応じた演出態様(リーチパターン、停止図柄)が設定される。次に、図17を参照して、大当たり遊技のエンディング期間中に実行されるエンディング演出の演出態様について説明をする。図17(a)は、通常大当たり、図17(b)は、確変大当たりを対象としたエンディング期間の演出の流れを示したものであり、図17(c)は、確変大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)を流下しなかった場合の流れを示したものである。図17に示した通り、本制御例では通常大当たりと確変大当たりとでエンディング期間(ED期間)を異ならせており、通常大当たりは15秒、確変大当たりでは17秒のED期間が設定されるように構成している。そして、それぞれ前半期間と後半期間とに区分けされたエンディング演出が実行されるように構成している(図11参照)。本制御例では、大当たり遊技の開始タイミングにてエンディング期間における演出態様がセットされ、大当たり期間中にV入賞したか否か(特定ゲートへと球が流下したか否か)の判別をエンディング期間(ED期間)の開始タイミングで判別し、その判別結果に基づいてエンディング表示態様を切り替えるように構成している。
まず、図17(a)を参照して、通常大当たり遊技が実行された場合における大当たり遊技のエンディング期間中の演出内容について説明をする。本制御例では、大当たり遊技中に実行される各種処理が煩雑化してしまい、大当たり遊技中における処理負荷が増大してしまうことを抑制するために、大当たり遊技中のラウンド遊技(賞球を獲得可能な遊技)が実行されるよりも前(大当たり遊技の開始前、或いは、大当たり遊技におけるオープニング期間中)に大当たり遊技のエンディング期間中に実行される演出(エンディング表示演出)の演出態様を決定するように構成している。通常大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技のオープニング期間が終了するまでに、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定される(時短状態が設定される)ことを遊技者に示すためのエンディング演出の表示態様(図11(a),(c)参照)を設定する。そして、通常大当たり遊技では、その大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過することが無いため、大当たり遊技のエンディング演出として、予め設定してあるエンディング演出が実行される。
次に、図17(b)、及び図17(c)を参照して、確変大当たり遊技が実行された場合における大当たり遊技のエンディング期間中の演出内容について説明をする。確変大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技のオープニング期間が終了するまでに、大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを判定し、その判定結果に基づいてエンディング演出の演出態様を決定する。具体的には、特定領域(Vゲート)65vを球が通過し易いラウンド遊技(Vラウンド遊技)が実行される場合に、遊技者に対して特定領域(Vゲート)65vに球を通過させることを案内する案内報知と、実際に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを遊技者に報知するV通過報知と、が実行されるV報知演出を実行するか否かを判定し、V報知演出を実行すると判定した場合は、エンディング演出として、大当たり遊技の終了後に「スーパーチャンスモード」が設定される(確変状態が設定される)ことを遊技者に示すための表示態様(図11(b),(d)参照)を設定する。一方、V報知演出を実行しないと判定した場合は、エンディング演出として、大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定されることを遊技者に示すための表示態様(図11(b)の表示態様に対して『スーパー』の表示を削除した表示態様と、図11(c)参照)を設定する。
V報知演出を実行する場合には、Vラウンド(1ラウンド目)遊技の開始に合わせて「Vを狙え」のコメント、及び、可変入賞装置65内の特定領域(Vゲート)65vの位置を模式的に示した模式図が第3図柄表示装置81の表示面に表示される案内報知が実行される。そして、球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合に、「V獲得!!」のコメントが第3図柄表示装置81の表示面に表示されるV通過報知が実行される。一方で、案内報知が実行されたにも関わらず、所定期間の間(例えば、3秒間)、球が特定領域(Vゲート)65vを通過していない場合は、遊技者に対して特定領域(Vゲート)65vへの球通過をより強調して案内する強調案内報知が実行される。そして、Vラウンド遊技が終了するまでに球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、上述したV通過報知が実行され、特定領域(Vゲート)65vに球を通過させること無くVラウンド遊技が終了した場合には、「V獲得ならず、残念!」の文字が表示される。その後、大当たり遊技のエンディング期間が到来すると、実際のVラウンド遊技の遊技結果に基づいて、予め設定してあるエンディング演出の表示態様を差し替えるか否かの判別が実行される。ここで、上述した通り、大当たり遊技開始時において、V報知演出を実行すると判定した場合には、エンディング演出として「スーパーチャンスモード」が設定されることを示す表示態様(図11(b),(d)参照)が予め設定されているため、Vラウンド遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vに通過させている場合は、エンディング演出の表示態様を切り替えることなく、エンディング演出が実行される。一方、Vラウンド遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vに通過させることができなかった場合は、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることになるため、エンディング演出の表示態様を「チャンスモード」が設定されることを示すための表示態様へと切り替える処理(差替処理)を実行し、差し替え後の表示態様(図11(b)の表示態様に対して『スーパー』の表示を削除した表示態様と、図11(c)参照)でエンディング演出が実行される。
また、V報知演出を実行しない場合には、通常大当たり遊技と同様に、大当たり遊技中にV報知演出が実行されず、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種演出表示からは、Vラウンド遊技が実行されていること、及び、球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを把握することができない大当たり遊技が実行される。そして、Vラウンド遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したか否かに関わらず、予め設定された表示態様でエンディング演出が実行される。これにより、実際には確変状態が設定されているにも関わらず、大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定される状態を提供することができる。さらに、確変状態が設定されている状態で「チャンスモード」が設定される場合は、大当たり遊技中(確変大当たり遊技中)にV報知演出が実行されないため、大当たり遊技中の演出によって確変状態が設定されることを事前に把握され難くすることができる。なお、本制御例では、V報知演出が実行されない大当たり遊技において球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合に、実際には確変状態が設定されているにも関わらず、大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、V報知演出が実行されている状態で球が特定領域(Vゲート)65vを通過したにも関わらず、所定の割合でV通過報知を実行しないように構成し、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したにも関わらず、V通過報知が実行されなかった場合に、大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定されるように構成しても良い。また、この場合、通常大当たり遊技が実行される場合にも、V報知演出を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、V報知演出が実行されたにも関わらず、V通過報知が実行されない事象を現出させ易くすることができるため、V報知演出が実行された大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定されることに対して遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
次に、図18を参照して、大当たり遊技終了後に設定される演出モードの流れについて説明をする。上述した通り、本第1制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技の終了後に普通図柄の高確率状態が予め定められた第1特定期間(特別図柄変動が100回実行されるまでの期間)設定される。そして、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態が予め定められた第2特定期間(特別図柄変動が50回実行されるまでの期間)設定される。そして、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)である場合は、演出モードとして「チャンスモード」が設定される(図18(b)参照)。また、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)である場合は、大当たり遊技中の演出内容に応じて(V報知演出の有無に応じて)、大当たり遊技終了後に設定される演出モードを異ならせており、図18(a)に示した通り、大当たり遊技中(大当たり遊技のエンディング期間中)に、確変状態が設定されることが報知された場合、即ち、エンディング演出として「スーパーチャンスモード」突入の表示態様(図11(b)参照)が表示された場合は、演出モードとして「スーパーチャンスモード」が設定され(図18(a)の表示a参照)、大当たり遊技中(大当たり遊技のエンディング期間中)に、確変状態が設定されることが報知されなかった場合、即ち、エンディング演出として「チャンスモード」突入の表示態様(図11(a)参照)が表示された場合は、演出モードとして「チャンスモード」がされる(図18(a)の表示b参照)。
図18(a)の表示aに示した通り、大当たり遊技終了後に「スーパーチャンスモード」が設定された場合、その「スーパーチャンスモード」は、確変状態が終了するまで継続し、遊技状態が確変状態から時短状態へと移行する場合に、「チャンスモード」へと切替表示される。この場合、「スーパーチャンスモード」が設定されている間は、図15(a)に示した通り、残期間態様として確変状態が終了するまでの期間(最大で50回)が小表示領域Ds2に表示される。これにより、遊技者に最も有利な遊技状態が継続する期間を遊技者に分かり易く報知することができる。なお、図15(a)に示した表示内容に加え、確変状態が終了した後に、時短状態が50回設定されることを遊技者に予め報知する事前報知演出を実行するように構成しても良く、例えば、小表示領域Ds2に表示されている確変状態の残期間を示す残期間態様(図15(a)では、白抜きで「49回」と表示)が、所定期間以下(例えば、「10回」以下)となった場合に、後に設定される時短状態が継続する回数(50回)を示す残期間態様を、確変状態の残期間を示す残期間態様とは異なる表示態様(例えば、黒抜きで「50回」と表示)で表示させるように構成すると良い。これにより、確変状態が終了した後にも、通常状態よりも有利な遊技状態(時短状態)が設定されることを遊技者に事前に報知することができる。また、「スーパーチャンスモード」が設定された時点で、確変状態の残期間を示す残期間態様(50回)と、時短状態の残期間を示す残期間態様(100回)と、を表示し、特別図柄変動が実行される毎に、各残期間態様を1ずつ減算させるように構成しても良いし、確変状態の残期間を示す残期間態様(50回)と、確変状態が終了した後に設定される時短状態の残期間を示す残期間態様(50回)と、を表示し、先に確変状態の残期間を示す残期間態様を減算していき、確変状態の残期間が0となり、時短状態へと移行した場合に、時短状態の残期間を示す残期間態様を減算していくように構成しても良い。このように構成した場合であっても、確変状態中の遊技を行っている遊技者に対して、確変状態が終了した後に通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態が設定されることを事前に報知することができる。
次に、図18(a)の表示bと、図18(b)とを用いて、チャンスモード中の演出について説明をする。本制御例では、確変状態が設定される場合の一部と、時短状態が設定される場合に、演出モードとしてチャンスモードが設定される。そして、チャンスモード中には、図12を参照して上述した通り、残期間報知の報知態様を可変させる遊技状態示唆演出を実行される。この遊技状態示唆演出は、確変状態中のチャンスモードのほうが、時短状態中のチャンスモードよりも出現率が高くなるように設定されている。次に、図19を参照して、チャンスモード中における操作演出の内容について説明をする。本制御例では、チャンスモード中に実行される操作演出(遊技者による枠ボタン22(操作手段)への操作に基づいて実行される演出)の演出態様を、遊技者による枠ボタン22(操作手段)の操作タイミング、操作方法、及び、設定されている遊技状態と、に応じて可変させるように構成している。具体的には、図19(a)に示した通り、時短状態が設定されている場合におけるチャンスモード中は、操作方法としてボタンPUSH「通常押し」を実行した場合には、特別図柄変動が20回実行されるまでの高速変動期間中において、実行中の変動演出がリーチ状態となるか否かを、第3図柄変動中に示唆する「リーチ示唆」、或いは、現在設定されている遊技状態を示唆する「状態示唆」の操作演出を実行可能に構成し、それ以降(特別図柄変動回数が21回目以降)は、背景モードを移行させる「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成している。また、操作方法として、ボタン長押し「長押し」を実行した場合には、特別図柄変動が20回実行されるまでの高速変動期間中に、背景モードを移行させる「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成し、特別図柄変動の回数が21回~50回までの期間(第2期間中)に、現在設定されている遊技状態を示唆する「状態示唆」の操作演出を実行可能に構成し、それ以降(特別図柄変動回数が51回目以降)は、過去(「チャンスモード」が設定された時点(大当たり遊技終了後))に設定されていた遊技状態を示唆するため「過去状態示唆」の操作演出を実行可能に構成している。
また、図19(b)に示した通り、確変状態が設定されている場合におけるチャンスモード中は、操作方法としてボタンPUSH「通常押し」を実行した場合には、特別図柄変動が20回実行されるまでの高速変動期間中において、実行中の変動演出がリーチ状態となるか否かを、第3図柄変動中に示唆する「リーチ示唆」、現在設定されている遊技状態を示唆する「状態示唆」、或いは、背景モードを移行させる「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成し、特別図柄変動の回数が21回~50回までの期間(第2期間中)に、「背景モード移行」、或いは「状態示唆」の操作演出を実行可能に構成し、それ以降(特別図柄変動回数が51回目以降)は、「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成している。また、操作方法として、ボタン長押し「長押し」を実行した場合には、特別図柄変動の回数に関わらず、背景モードを移行させる「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成している。以上、説明をした通り、本制御例では、時短状態が設定される場合、或いは、確変状態が設定される場合の一部において、演出モードとして「チャンスモード」を設定可能に構成しており、そのチャンスモード中に実行される特別図柄変動の回数に応じて、チャンスモードの継続期間(時短100回)を複数の期間に区分けし、設定されている遊技状態及び期間毎に、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作した場合に実行される操作演出の演出態様を異ならせるように構成している。これにより、チャンスモードが設定された場合において、操作演出により実行される操作演出の内容に基づいて現在設定されている遊技状態を遊技者に予測させることが可能となるため、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させる遊技を実行させることができる。
以上、説明をした通り、本制御例では、大当たり遊技終了後の所定期間の間が高速変動期間となり、枠ボタン22に対して「通常押し」の操作を実行したとしても「背景モード移行」の操作演出が、他の期間よりも実行され難くなるように構成しているが、高速変動期間(背景モード移行され難い期間)を、他のタイミングで設定しても良く、例えば、大当たり遊技終了後に実行される1回の特別図柄変動が終了するまでの期間を、通常時短変動期間とし、大当たり遊技終了後の2回目の特別図柄変動が実行されてから20回目の特別図柄変動が実行されるまでの期間が高速変動期間として設定されるように構成しても良い。このように構成することで、例えば、大当たり遊技終了後の1回目の特別図柄変動期間中において、高速変動期間が設定されることを予告する予告態様として、「次変動から背景モードを変更できないよ!今のうちに希望の背景を選択してね」のコメントを副表示領域Dsに表示することで、遊技者に対して、背景モードを変更できない期間(高速変動期間)が急に設定されてしまい、所望する背景モードで遊技を実行することができず、遊技意欲が低下してしまう事態を抑制することができる。さらに、大当たり遊技終了後の1回の特別図柄変動期間を用いて、「チャンスモード」の遊技内容を遊技者に説明するための案内態様として、「チャンスモードは、確変状態の可能性もあるよ!諦めないで!」のコメントや「残回数の表示態様が変わるとチャンス!」のコメントも併せて表示するように構成しても良い。なお、本第1制御例のように、大当たり終了後の1回目の特別図柄変動から高速変動期間が設定される場合においては、高速変動期間が設定される前に実行された大当たり遊技の遊技期間中(例えば、大当たり遊技のエンディング期間中)に、「チャンスモード」中の背景モードを選択可能に構成すると共に、「チャンスモード」が設定されると、所定期間の間(高速変動期間中)、背景モードを変更できない旨を遊技者に報知するように構成すれば良い。
図2に戻り、説明を続ける。第2図柄表示装置は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本制御例においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態(開放状態)となる当たり遊技(普図当たり遊技)が実行されるよう構成している。第2図柄の変動表示にかかる時間(普図変動時間)は、設定されている普通図柄の確率状態(低確率状態、高確率状態)に応じて異ならせており、普通図柄の低確率状態(通常状態)が設定されている場合は、普図変動時間として10秒が、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合は、普図変動時間として3秒が設定されるように構成されている。これにより、普通図柄の低確率状態において普図当たり遊技が実行される頻度と、普通図柄の高確率状態において普図当たり遊技が実行される頻度とを大きく乖離させることが可能となる。つまり、普通図柄の低確率状態に対して普通図柄の高確率状態のほうが、普図変動時間を短くすることで単位時間当たりに実行され得る普通図柄抽選(普図抽選)の回数を増加させることができ、さらに、実行される普図抽選にて当たり当選し易くすることができる。よって、普通図柄の低確率状態が設定されている場合に普図当たり遊技を実行させ難くしながらも、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に普図当たり遊技を実行させ易くすることができる。
なお、本制御例では、普通図柄の低確率状態よりも、普通図柄の高確率状態のほうが、設定される普図変動時間も、当たり当選確率も遊技者に有利となるように構成しているが、これに限ること無く、何れか一方のみが遊技者に有利となるように構成してもよい。例えば、普通図柄の確率状態に関わらず、同一時間の普図変動時間(例えば、3秒)が設定されるように構成し、当たり当選確率のみに差を持たせても良い。これにより、例えば、普通図柄の低確率状態中(通常状態中)に普図当たり遊技が実行され難くするために、普通図柄の変動表示にかかる時間(普図変動時間)が時短状態中よりも通常状態中のほうが長くなるように構成したパチンコ機10において、普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)が実行され難い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、普図当たり遊技が実行され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が移行する場合に、通常状態中に実行された長時間の普通図柄変動(時短状態中よりも遊技者に不利となる普図当たり遊技)の実行中に時短状態へと移行してしまい、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない期間が長時間設定されてしまうことを抑制することができる。
図2を参照して上述した通り、本制御例におけるパチンコ機10は、遊技盤13の遊技領域に各種装置が配設されており、可変表示ユニット80の左側に形成される左側領域に球を流下させる遊技(左打ち遊技)を実行しても、右側領域に球を流下させる遊技(右打ち遊技)を実行しても、遊技者が得る遊技価値に差が生じ無い(生じ難い)ように遊技盤13が構成されている。具体的には、図2に示した通り、遊技盤13の中央部の垂線に対して左右対称に各種装置が配設されており、可変表示ユニット80の下側領域に、球が入球することにより第1特別図柄の抽選契機となり得る第1入球口64と、その第1入球口64の下方位置に設けられ、球が入球することにより第2特別図柄の抽選契機となり得る第2入球口640と、その第2入球口640に付設され、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技にて開放動作される電動役物640aと、その第2入球口640の下方位置に設けられ、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技にて開放動作される可変入賞装置65と、が配設されている。なお、本第1制御例における可変入賞装置65は、ソレノイド(図示なし)を駆動源として可動されるため、装飾用可動役物の別形態である。左打ち遊技によって発射された球は、左側領域を流下し1/2の割合で左側領域に設けられたスルーゲート67を通過し、スルーゲート67を通過した球も、スルーゲート67を通過しなかった球も、遊技盤13に植設された釘によって、下側領域に設けられた第1入球口64に向けて流下する。ここで、釘の間から直下方向へと流下した球は、2つの一般入球口63へと入球する。なお、本制御例では、左側領域を流下する球の約1/50が2つの一般入球口63の何れかへと入球するように構成されており、一般入球口63へと球が入球した場合には、10個の賞球(特典)が付与されるように構成している。
第1入球口64には、15球に1球の割合で球が入球し得るように構成されており、球が入球した場合には、4個の球が賞球として払い出されるように構成している。第2入球口640は、電動役物640aが閉鎖している状態(図2にて白色で示した状態)では、殆ど球が入球せず、電動役物640aが開放している状態(図2にて黒色で示した状態)では、左打ち遊技にて発射され、左側領域を流下する球の約2球に1球の割合で球が入球するように構成されており、球が入球した場合には、1個の球が賞球として払い出されるように構成している。また、可変入賞装置65は、大当たり遊技が実行されていない状態では、殆ど球が入球せず、大当たり遊技中には約3球に2球の割合で球が入球するように構成されており、球が入球した場合には、15球の球が賞球として払い出されるように構成している。ここで、可変入賞装置65について説明をする。この可変入賞装置65は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技にて開放動作される可変入球手段であって、大当たり遊技中に可変入賞装置65へと入賞した球が可変入賞装置65の内部領域に設けられた特定領域(Vゲート)を通過することによって、その大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定することができるように構成している。また、当選した大当たりの種別に応じて、可変入賞装置65へと入賞した球が特定領域(Vゲート)を通過し易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)と、通過し難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)と、を実行可能に構成しており、本制御例では、可変入賞装置65へと入賞した球が特定領域(Vゲート)を通過し易い大当たり遊技、即ち、大当たり遊技中に正常な遊技を行えば特定領域(Vゲート)へと球を容易に流下させることが可能な大当たり(遊技)を確変大当たり(遊技)、可変入賞装置65へと入賞した球が特定ゲートを通過し難い大当たり遊技、即ち、大当たり遊技中に正常な遊技を行ったとしても特定領域(Vゲート)へと球を通過させることが困難な大当たり(遊技)を通常大当たり(遊技)と称して説明をする。なお、本制御例では、第1入球口64へと遊技球が入球したことに基づいて最大で4個の第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を保持可能に構成している。つまり、特図1保留を4個保持している状況において新たに第1入球口64へと遊技球が入球した場合(オーバーフロー入賞した場合)には、賞球を払い出す処理は実行され、新たな特図1保留を獲得する処理は実行されることが無い。つまり、第1入球口64への遊技球の入球に基づいて取得した遊技情報の一部を破棄する処理である。
なお、上述した通り、確変大当たり遊技が実行されたとしても、その大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)へと球を通過させることができなかった場合は、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されることが無い。つまり、本制御例では、大当たり遊技が実行されたタイミングでは、その大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確定しないことになる。詳細な説明は後述するが、本制御例では、大当たり遊技の1ラウンド目に実行されるラウンド遊技にて、最も球を特定領域(Vゲート)へと通過させ易いラウンド遊技(Vラウンド遊技)が実行されるように構成している。よって、このVラウンド遊技が終了するまで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を確定させることができない。このように大当たり遊技中の遊技結果によって大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確定するように構成することで、遊技者は大当たり遊技にて様々な特典(賞球、特別図柄の高確率状態)を獲得するための遊技を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。一方で、上述した構成を用いた場合、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を遊技者に報知するための報知演出の演出態様(例えば、大当たりエンディング期間の演出態様)を予め(例えば、大当たり遊技開始時に)設定しておくことが出来ず、出球に関する制御処理や表示に関する制御処理が密に実行される大当たり遊技中に報知演出の演出態様を設定しなければならず、パチンコ機10の制御処理が煩雑になってしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、確変大当たり遊技が実行される場合には、予め(大当たり遊技開始時に)報知演出の演出態様として大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す演出態様を設定しておき、報知演出が実行される直前に(例えば、大当たりエンディング期間の開始時に)特定領域(Vゲート)への球の通過結果に基づいて報知演出の演出態様を切り替えるか否かの判別を実行し、特定領域(Vゲート)を球が通過している場合には、予め設定しておいた演出態様の報知演出を実行し、特定領域(Vゲート)を球が通過していない場合にのみ、報知演出の演出態様を切り替えるように構成している。このように、大当たり遊技中に正常な遊技を行った場合、大当たり遊技終了後に設定され易い遊技状態を想定して予め報知態様の演出態様を設定しておき、想定外の遊技状態が設定されると判別された場合にのみ、報知態様の演出態様を切り替えるようにすることで、大当たり遊技中に報知演出の演出態様を設定するための制御処理が実行される頻度を低減することができる。さらに、本制御例では、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たり遊技と通常大当たり遊技とで異ならせており、遊技者にとって有利となる確変大当たり遊技のほうが通常大当たり遊技よりも長いエンディング期間が設定されるように構成している。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを、実際に確変状態が設定されるよりも前に(大当たり遊技中に)遊技者に分かり易く報知することができる。一方、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されない場合には、その旨を長期間報知したとしても遊技者に不快感を与えてしまうだけであるため、エンディング期間が短くなるように構成している。
このように、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たり遊技と通常大当たり遊技とで異ならせてしまうと、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)へと流下させることができなかった場合に、大当たりエンディング期間の演出態様を単に通常当たり遊技のエンディング期間に実行される演出態様へと切り替える処理を実行するだけでは、エンディング期間の長さが異なるためエンディング期間中に違和感のある報知演出が実行されてしまうという問題があった。また、確変大当たり遊技において球を特定領域(Vゲート)へと流下させることができなかった場合にのみ設定される専用の演出態様を予め用意してしまうと、その演出態様に対する画像データ(演出データ)を予め表示制御装置114のキャラクタROM234に記憶させておく必要があり、記憶容量が増加してしまうという問題があった。これに対して、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さが大当たり種別(確変大当たり、通常大当たり)に関わらず共通の長さとなるように構成し、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)へと流下させることが出来なかった場合に、大当たりエンディング期間の後半期間に対応する演出態様のみ通常当たり遊技のエンディング期間の後半期間に対して設定される演出態様へと切り替えるように構成している。これにより、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)へと流下させることが出来なかった場合にのみ用いられる専用の演出態様を設けること無く、且つ、遊技者に違和感を与えることの無い報知演出を実行することができる。
なお、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さを大当たり種別に関わらず共通の長さとするように構成することで、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)へと流下させることが出来なかった場合に実行される報知演出の演出態様を切替設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技の最終ラウンド期間中から報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも長い期間実行される報知演出を実行可能に構成しても良いし、大当たりエンディング期間が設定されてから所定期間の間、大当たり遊技の最終ラウンド期間中に実行されるラウンド演出を継続して実行し、その後、報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも短い期間の報知演出を実行するように構成しても良い。なお、本制御例では、図2に示した通り、パチンコ機10の遊技盤13の構成を左右対称に構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が獲得可能な特典量が左打ち遊技を行った場合と、右打ち遊技を行った場合とで大きく乖離しないように構成すれば良く、例えば、左側領域に設けられる一般入球口63の数を、右側領域に設けられる一般入球口63の数よりも少なくし、且つ、第1入球口64へと球が入球する割合を、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが高くなるように構成し、左打ち遊技のほうが右打ち遊技よりも賞球を獲得し難いが第1特別図柄抽選を実行し易くし、右打ち遊技のほうが左打ち遊技よりも賞球を獲得し易いが第1特別図柄抽選を実行し難くするように構成しても良い。このように構成した場合には、通常状態中、即ち、第1入球口64へと球を入球させる遊技を実行している間は、遊技者が任意の遊技方法で遊技を行うことができ、第2入球口640へと球を入球させる遊技(時短状態や確変状態中の遊技)においては、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技とすることができる。
図2に戻り、説明を続ける。普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の左側の領域(左側領域)、及び、可変表示装置ユニット80の右側の領域(右側領域)の何れにも組み付けられており、左側領域のスルーゲート67は、遊技盤13の左側領域を流下する球の1/2が通過可能に構成されている。また、右側領域のスルーゲート67は、遊技盤13の右側領域を流下する球の1/2が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。この第2図柄の当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大1回まで保留され、その保留球数が上述した第2図柄保留ランプ84において表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の1つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。なお、第2図柄の変動表示は、本制御例のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は1回に限定されるものでなく、2回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の右方でも良い。また、本制御例では、左打ち遊技によって遊技盤13の左側領域を流下する球の殆どがスルーゲート67を通過するように構成しているが、これに限ること無く、一部の球のみがスルーゲート67を通過するように構成しても良い。
図2に戻り説明を続ける。可変表示装置ユニット80の下方(電動役物640aの下方)には、左打ち遊技によって発射され左側領域を流下する球も、右打ち遊技によって発射され右側領域を流下する球も入賞し得るように、開口幅が約50ミリの可変入賞装置65が配設されている。このように、広い開口幅を有する可変入賞装置65を設けることにより、左打ち遊技によって電動役物640aの左側を流下した球も、右打ち遊技によって電動役物640aの右側を流下した球も可変入賞装置65へと入賞させることができる。ここで、図5を参照して、可変入賞装置65の具体的な構成について説明をする。図5(a)は、可変入賞装置65の構造を模式的に示した模式図であり、図5(b)は、可変入賞装置65に入賞した球の流下経路を模式的に示した模式図である。図5(a)に示した通り、可変入賞装置65の内部には、案内部材65dが設けられており、開状態である開閉扉65b上を流下し特定入賞口65aに入賞した球が左右方向へと流下するように構成されている。具体的には、左側領域を流下し、可変入賞装置65の左側から特定入賞口65aに入賞した球は、案内部材65dの左側斜面上の左案内流路65d1を流下し、第1開口部65a1へと誘導される。また、右側領域を流下し、可変入賞装置65の右側から特定入賞口65aに入賞した球は、案内部材65dの右側斜面上の右案内流路65d2を流下し、第2開口部65a2へと誘導される。そして、第1開口部65a1或いは第2開口部65a2の下方には、可変入賞装置65に入賞した球を検知するための球検知センサ(65s1,65s2)が設けられており、この球検知センサが球を検知した場合に、賞球として15個の球を払い出すための払出制御が実行される。このように、左側領域を流下し可変入賞装置65へと入賞した球が通過し得る開口部(第1開口部65a1)と、右側領域を流下し可変入賞装置65へと入賞した球が通過し得る開口部(第2開口部65b1)と、を設け、各開口部に対して球検知センサを設けることにより、遊技者が大当たり遊技中に左打ち遊技を行っても、右打ち遊技を行っても、差の無い遊技を実行させることができる。
次に、図5(b)を参照して、特定入賞口65aに入賞した球の球流れについて説明する。図5(b)に示した通り、第1開口部65a1を通過した球は、第1球検知センサ65s1を通過し、誘導路65e上の第1流路65e1、第2流路65e2を流下し、切替弁65yの切替状態に応じて第3流路65e3、或いは第4流路65e4の何れかを流下する。第3流路65e3の下流端には排出口65h1が設けられており、第3流路65e3を流下した球は、排出口65hに入球し、パチンコ機10の外部へと排出される。なお、図示はしていないが排出口65h1に入球した球が流下する排出路には球検知センサが設けられており、排出口65h1に入球した球数をカウント可能に構成されている。第4流路65e4には特定領域(Vゲート)65vが設けられており、下流端には特定領域(Vゲート)65vを通過した球が入球する排出口65h2が設けられている。特定領域(Vゲート)には、通過した球を検知するための検知センサが設けられており、大当たり遊技中の所定期間内に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したことを検知した場合にその検知結果を記憶しておき、大当たり遊技が終了する場合に、記憶結果を参照して大当たり遊技終了後の遊技状態が設定されるように構成している。ここで、大当たり遊技中における切替弁65yの動作内容について説明をする。切替弁65yは図示しないVソレノイド209a(図21参照)を駆動源とする可変部材であって、Vソレノイド209aが通電していない状態(オフ状態)では、第2流路65e2を流下した球を第3流路65e3へと流下させるための閉状態(図5(b)参照)を維持し、Vソレノイド209aが通電した状態(オン状態)では、第2流路65e2を流下した球を第4流路65e4へと流下させるための開状態を維持するように構成されている。
このVソレノイド209aは通常オフ状態であり、大当たり遊技中の所定期間のみオン状態となるように駆動制御されている。具体的には、大当たり遊技中に実行される複数回のラウンド遊技のうち、特定のラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)が開始された場合にオン状態となり、特定のラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)が終了した場合、或いは、特定のラウンド遊技の遊技時間が所定時間(例えば、20秒)を経過した場合にオフ状態となるように駆動制御されている。つまり、大当たり遊技中に実行される大当たり制御の一環として切替弁65yが切替動作されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技が実行されている場合(大当たり制御が実行されている場合)のみ、可変入賞装置65に球を入賞させることができると共に、可変入賞装置65へと入賞した球を特定領域(Vゲート)65vへと流下させることが可能となる。また、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したことに基づいて付与される特典(特別図柄の高確率状態の設定)は、大当たり遊技の終了タイミング(大当たり遊技の終了時に実行される処理)にて付与されるように構成しているため、大当たり遊技中以外のタイミングにおいて球を特定領域(Vゲート)65vへ通過させる不正行為が行われたとしても、遊技者に特典が付与されることが無い。
なお、本制御例では、大当たり遊技中に実行される大当たり制御処理において、特定のラウンド遊技が開始されたタイミングに基づいて予め定められた規則に沿って切替弁65yを切り替えるための切替制御を実行するように構成しているが、それ以外の契機に基づいて切替制御を実行するように構成しても良く、例えば、大当たり遊技が開始されたことを切替制御の実行契機としても良いし、大当たり遊技のオープニング期間が終了したことを切替制御の実行契機としても良いし、大当たり遊技中に可変入賞装置65に入賞した球数を計測し、その計測結果が特定数となったことを切替制御の実行契機としても良い。また、可変入賞装置65に入賞した球数が特定数となったことを切替制御の実行契機とする場合には、大当たり遊技全体における球数を判別対象としても良いし、ラウンド遊技単位における球数を判別対象としても良い。このように構成することで、大当たり遊技中のどのタイミングで特定領域(Vゲート)へと球を通過させ易い状態が設定されるのかを遊技者に分かり難くすることができる。さらに、大当たり遊技が実行される場合に設定されるオープニング期間の長さや、開閉扉65bの開閉パターンを大当たり種別毎に異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり種別に関わらず切替弁65yに対して同一の切替制御を実行するように構成した場合であっても、特定領域(Vゲート)へと球を通過させ易い状態が設定される期間中に球を特定領域(Vゲート)65vへと到達させ易い大当たり遊技と、通過させ難い大当たり遊技と、を実行することができる。
次に、図3を参照して、本制御例におけるパチンコ機10の後面側の構成について説明をする。図3は、本第1制御例におけるパチンコ機10の背面図である。図3に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図21参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図21参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1制御例におけるパチンコ機の遊技の流れについて>
次に、図20を参照して、本制御例における遊技の流れについて説明をする。図20は、第1制御例のパチンコ機10における遊技の流れを模式的に示した模式図である。本制御例のパチンコ機10は、図20に示した通り、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)との3種類の遊技状態を設定可能に構成しており、初期状態(パチンコ機10の出荷時の状態、或いは、RAM消去スイッチ122を操作(押下)した状態で電源を投入した後の状態)では、通常状態が設定されるように構成している。そして、通常状態中は、第1入球口64に球を入球させることで実行される第1特別図柄抽選を主とした遊技が実行される。特別図柄の低確率状態が設定される通常状態では、特別図柄の大当たり確率が1/200に設定されており、大当たり当選した場合には、大当たり種別として「大当たりA」(選択率1/2)と「大当たりB」(選択率1/2)との何れかが選択される。「大当たりA」が選択された場合には、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vへと球を通過させ易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)が実行され、「大当たりB」が選択された場合には、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vへと球を通過させ難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)が実行される。
そして、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される。この確変状態は、特別図柄抽選(変動)の実行回数が50回に到達した場合、或いは、大当たり当選した場合に終了条件が成立し、他の遊技状態へと移行する。具体的には、確変状態が設定されている状態で、特別図柄抽選の実行回数が50回に到達した場合には、51回目の特別図柄抽選が実行されるまでに、遊技状態が確変状態から時短状態へと移行される。なお、本制御例では、確変状態から時短状態へと遊技状態を移行させる処理を、50回目の特別図柄抽選に対応する特別図柄変動が停止表示されたタイミングで実行するように構成しているが、51回目の特別図柄抽選が特別図柄の高確率状態が設定されている状態で実行されなければ良く、例えば、50回目の特別図柄抽選を実行した直後(50回目の特別図柄変動の開始時)に遊技状態を移行させても良いし、51回目の特別図柄抽選の実行直前(51回目の特別図柄抽選の実行条件は成立しているが、特別図柄抽選が実行されていないタイミング)に遊技状態を移行させても良い。確変状態は普通図柄の高確率状態であるため、普通図柄の低確率状態である通常状態よりも普図当たり遊技により電動役物640aが開状態となり易く、第2特別図柄抽選を主とした遊技が実行される。特別図柄の高確率状態が設定される確変状態では、特別図柄の大当たり確率が1/50に設定されており、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として「大当たりC」(選択率3/10)、「大当たりD」(選択率4/10)、「大当たりE」(選択率3/10)の何れかが選択される。「大当たりC」は、4ラウンドの確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であり、「大当たりD」は、7ラウンドの確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であり、「大当たりE」は、16ラウンドの確変大当たり遊技が実行される大当たり種別である。つまり、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず、確変大当たり遊技が実行される。よって、確変大当たり遊技の実行確率の点では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な抽選となる。
また、詳細は、図25を参照して後述するが、本制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず7ラウンド遊技が実行され、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、平均で8.8ラウンド(4ラウンドが30%、7ラウンドが40%、16ラウンドが30%)のラウンド遊技が実行される。よって、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数の平均値の点でも第2特別図柄抽選のほうが第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利となる。なお、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、4ラウンド遊技が実行される可能性があるため、大当たり遊技中に獲得し得る賞球数が最も少なくなり得るのは第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合となる。よって、大当たり遊技中に最低限獲得可能な賞球数の点では第1特別図柄抽選のほうが第2特別図柄抽選よりも遊技者に有利となる。次に、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)について説明をする。通常状態中に実行された第1特別図柄抽選で「大当たりB」に当選した場合、確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数が50回を超えた場合、或いは、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vへと通過させることができなかった場合には、時短状態が設定される。この時短状態は、前回の大当たり遊技の終了後に実行された特別図柄抽選の回数が100回に到達するまで、或いは、100回に到達するまでに大当たり当選した場合に消滅するように構成している。つまり、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定された場合(大当たりBに当選した場合)は、大当たり遊技終了後から特別図柄変動が100回実行されるまでの期間、時短状態が設定される(時短回数100回が設定される)。一方、確変状態に実行される特別図柄抽選の回数が50回を超えた場合には、確変状態終了後に、時短回数が50回設定される。
この時短状態中は、上述した確変状態と同様に普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態であることから、電動役物640aが開放されやすく、第2特別図柄抽選が主として実行される遊技状態となる。また、時短状態中に実行される特別図柄抽選の抽選確率は、通常状態と同一である。よって、時短状態は、通常状態と比べて第2特別図柄抽選が実行され易く、通常状態と同一の大当たり確率で特別図柄抽選が実行される遊技状態となる。つまり、第2特別図柄抽選の実行のし易さの点から、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となる。一方、時短状態は、確変状態よりも低い大当たり確率で特別図柄抽選が実行され、第2特別図柄抽選の実行のし易さは確変状態と同一である。つまり、特別図柄抽選による大当たり当選確率の点から、時短状態は、確変状態よりも遊技者に不利な遊技状態となる。なお、本制御例では、確変状態と時短状態とで、第2特別図柄抽選の実行のし易さが同一となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、確変状態中に実行される第2特別図柄抽選の変動時間と、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の変動時間と、を異ならせ、例えば、確変状態中のほうが、通常状態中よりも短い変動時間で特別図柄変動を実行可能に構成しても良い。
<第1制御例における電気的構成について>
次に、図21を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図21は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図22を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図22は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタ(C3)と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、普通図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図40参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図51参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第1球口64への入球に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aと、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第2入球口640への入球に対応する第2特別図柄保留球格納エリア203bと、が設けられており、第1特別図柄保留球格納エリア203aには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納され、第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1の各値が格納される。
そして、特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている各種値、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値のうち、次に抽選が実行される特別図柄種別に対応する特別図柄の情報を有している各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。なお、本制御例では、特別図柄の種別が2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)の構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別を1種類としても良い。そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)、或いは、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、対応する特別図柄種別の特別図柄保留球格納エリアの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始されるように構成すれば良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別を用いたパチンコ機10であっても、各々の特別図柄変動を円滑に実行することができる。さらに、本制御例のように、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)を有するパチンコ機10であれば、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成しても良く、この場合、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)がそれぞれ特別図柄実行エリアを有するように構成すれば良い。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たりと外れのみとなるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、大当たり当選時よりも少ない特典(大当たり当選時とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合であっても、遊技者に特典を付与する機会を設けることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。この場合、主制御装置110のRAM203内に、小当たり種別カウンタを設け、取得した小当たり種別カウンタの値を特別図柄保留球格納エリアに格納可能に構成し、特別図柄の抽選を実行する場合に参照するように構成すれば良い。加えて、特別図柄抽選で小当たり当選可能に構成した場合には、例えば、大当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、小当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、を異ならせるように構成しても良く、例えば、大当たり当選した場合は、大当たり遊技の開始時に遊技状態を通常状態へと移行させ、さらに、設定された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に新たな遊技状態を設定可能に構成し、小当たり当選した場合は、小当たり当選時の遊技状態を維持したまま小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技終了後も遊技状態を移行させないように構成しても良い。このように構成することで、当選した当たり種別(大当たり、小当たり)に応じて、遊技状態の移行の有無や、移行内容を異ならせることができるため、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。さらに、本実施形態のRAM203には、4つの保留エリア(保留第1エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203bには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタCS2の各値がそれぞれ格納される。
そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。次に、図22を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図40参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図51参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
ここで、図24(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図24(a)は、第1当たり乱数テーブル202aに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の抽選において、大当たりと判別される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。具体的には、第1当たり乱数テーブル202aには、大当たりと判定される判定値を遊技状態(特別図柄の確率状態)に応じて異ならせて規定している。図24(a)に示した通り、遊技状態として特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0~4」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「5~999」)が外れの判定値として規定されている。また、遊技状態として特別図柄の高確率状態(確変状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0~19」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「20~999」)が外れの判定値として規定されている。つまり、第1当たり乱数テーブル202aの更新範囲は「0~999」の1000個であるため、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される確率は1/200(1000個のうち5個)となり、特別図柄の高確率状態において、大当たりと判定される確率は1/50(1000個のうち20個)となる。なお、本制御例では、2種類の大当たり確率が遊技状態に応じて設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たりに当選する確率を遊技状態に関わらず同一の確率となるように構成しても良いし、3種類以上の大当たり確率が設定されるように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率を設定するように構成しても良い。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果として、「大当たり」と「外れ」の2種類の抽選結果が判定されるように構成しているが、これに加えて、第3の抽選結果として、「外れ」の1種として「小当たり」を判定可能に構成しても良い。この「小当たり」に当選した場合には、可変入賞装置65を「大当たり」よりも短い期間(1ラウンド分)開放させる小当たり遊技が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合において、少量の特典(賞球)を遊技者に付与することができる。なお、「小当たり」を「外れ」の1種とする場合には、遊技者に対して小当たり遊技による賞球を付与可能であるが、大当たり当選していないため、遊技状態を可変させる(当選時の遊技状態とは異なる遊技状態を設定する)処理が実行されないように構成すると良い。これにより、大当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、小当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、を明確に異ならせることができる。上述した通り、特別図柄の抽選結果として「小当たり」に当選し得るように構成する場合は、第1当たり乱数テーブル202aに「小当たり」に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を規定するように構成すれば良い。このように構成することで、特別図柄の大当たり抽選と小当たり抽選と、を同一の処理で実行することができるため、大当たり抽選と小当たり抽選とを異なる処理で実行する場合に比べ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、1つの特別図柄抽選において、大当たりと小当たりとに重複して当選してしまうことを禁止することができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。本制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本制御例では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択テーブル202dを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図25を参照して第1当たり種別選択テーブル202dの内容について説明をする。図25(a)は、第1当たり種別選択テーブル202dに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図25(a)に示した通り、この第1当たり種別選択テーブル202dは、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図1大当たり用テーブル202d1と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図2大当たり用テーブル202d2と、を有している。まず、図25(b)を参照して、特図1大当たり用テーブル202d1の内容について説明をする。図25(b)は、特図1大当たり用テーブル202d1に規定されている内容を示した模式図である。上述した通り、この特図1大当たり用テーブル202d1は、第1特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に設定する大当たり種別を選択するためのデータテーブルであって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて異なる大当たり種別が規定されているものである。
具体的には、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値(更新範囲「0~99」)が「0~49」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203iの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203jaの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりA」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が50個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA」が決定される割合は50%(50/100)である。また、図25(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、通常大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203jaの値に「0」が設定される大当たり種別である。さらに、「大当たりB」では、大当たり遊技のエンディング期間として「15秒」が設定されるように規定している。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が50個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB」が決定される割合は50%(50/100)である。
即ち、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る2個の大当たり種別(大当たりA、大当たりB)は、大当たり遊技のラウンド数は同一であるが、大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vへの球の通過のさせ易さを異ならせており、「大当たりA」のほうが「大当たりB」よりも大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させ易い大当たり遊技が実行されるように構成している。よって、「大当たりA」は、「大当たりB」よりも有利な大当たり種別となる。次に、図25(c)を参照して、特図2大当たり用テーブル202d2に規定されている内容について説明をする。図25(c)は、特図2大当たり用テーブル202d2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この特図2大当たり用テーブル202d2は、第2特別図柄抽選で大当たり当選し、大当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。図25(c)に示した通り、本第1制御例における特図2大当たり用テーブル202d2には、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別として、「大当たりC」~「大当たりE」の3個の大当たり種別が規定されている。具体的には、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別として、特別当たり種別カウンタC2の値が「0~29」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC」が対応付けて規定されている。この「大当たりC」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203iの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203iの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりC」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。
特別当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が30個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC」が決定される割合は30%(30/100)である。また、図25(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「30~69」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD」が対応付けて規定されている。この「大当たりD」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203iの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203iの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりD」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が40個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC」が決定される割合は40%(40/100)である。また、図25(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「70~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE」が対応付けて規定されている。この「大当たりE」は、大当たりのラウンド数が16ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203iの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203iの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりE」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が30個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりE」が決定される割合は30%(30/100)である。即ち、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る3個の大当たり種別(大当たりC、大当たりD、大当たりE)は、何れも確変大当たり遊技が実行されるが、大当たり遊技のラウンド数を異ならせており、最も多くのラウンド遊技が実行される「大当たりE」が最も遊技者に有利な大当たり種別となり、「大当たりA」が最も遊技者に不利な大当たり種別となる。以上、説明をした通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず確変大当たり遊技が実行されるため、50%の割合で確変大当たり遊技が実行される第1特別図柄抽選よりも、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の面では、有利な大当たり種別となる。また、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数、即ち、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数の面では、獲得し得る最大数は第2特別図柄抽選のほうが多く、獲得し得る最低数も第2特別図柄抽選のほうが少なくなるように規定している。また、平均的に獲得可能な賞球数では、第2特別図柄抽選のほうが多くなるように規定している。よって、最低の条件において獲得可能な賞球数の面では、第1特別図柄抽選のほうが有利となり、それ以外の面では第2特別図柄抽選のほうが有利となる。なお、本制御例では、図25に示した大当たり種別を規定しているが、これに限ること無く、上述した各制御例にて設定され得る各大当たり種別と同一の技術思想に基づいて様々な大当たり種別を設定可能に構成しても良い。
なお、本制御例では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、全ての大当たりで同一のラウンド数の大当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ることなく、選択された大当たり種別に応じて異なる数のラウンド遊技を実行可能に構成しても良い。また、本制御例では、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、全ての大当たりで大当たり遊技終了後に時短状態を同一期間(時短回数100回)設定するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり当選の一部(設定される大当たり種別の一部)にて時短状態が設定されないように構成しても良いし、大当たり種別に応じて時短回数(時短終了条件)を異ならせるように構成しても良い。さらに、選択される大当たり種別に応じて大当たり遊技終了時に時短状態が設定される大当たり種別と、通常状態が設定される大当たり種別と、を設けても良い。図22に戻り説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図51参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図26参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図26を参照して変動パターン選択テーブル202bの内容について説明をする。図26(a)は変動パターン選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図26(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202bには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用テーブル202b1と、確変状態、或いは時短状態を設定している状態で用いられる確変・時短用テーブル202b2と、が規定されている。詳細については後述するが、本制御例では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。次に、変動パターン選択テーブル202bに規定されている各テーブルの詳細な内容について、図26(b)及び図27を参照して説明をする。図26(b)は通常用テーブル202b1に規定されている内容を模式図に示した模式図である。この通常用テーブル202b1は、遊技状態として通常状態が設定されている場合に参照されるデータテーブルであって、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように規定しており、抽選が実行された特別図柄の種別と、実行された特別図柄抽選の結果に応じて異なる変動パターンが規定されている。
まず、図26(b)を参照して、通常用テーブル202b1について説明する。図26(b)は、この通常用テーブル202b1の規定内容を示した図である。この通常用テーブル202b1には、特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ規定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、変動種別カウンタCS1の値が割り付けされている。具体的には、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、当否判定結果が大当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~19」の場合は、変動パターンとして変動時間が33秒~42秒のノーマル(リーチ)が規定されている。このノーマルが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間、加算時間が3秒~12秒の何れかを示す組合せのコマンドが出力される。詳細な説明は省略するが、本制御例では、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて加算時間が0.5秒単位でより詳細に設定されるように構成しており、例えば、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0」である場合には加算時間が「3秒」、「1」である場合には加算時間が「3.5秒」、「2」である場合には加算時間が「4秒」、「3」である場合には加算時間が「4.5秒」、「3」である場合には加算時間が「5秒」、「4」である場合には加算時間が「5.5秒」、「5」である場合には加算時間が「6秒」、「6」である場合には加算時間が「6.5秒」、「7」である場合には加算時間が「7秒」、「8」である場合には加算時間が「7.5秒」、「9~11」である場合には加算時間が「8秒」、「12」である場合には加算時間が「8.5秒」、「13」である場合には加算時間が「9秒」、「14」である場合には加算時間が「9.5秒」、「15」である場合には加算時間が「10秒」、「16」である場合には加算時間が「10.5秒」、「17」である場合には加算時間が「11秒」、「18」である場合には加算時間が「11.5秒」、「19」である場合には加算時間が「12秒」となるように規定されている。
そして選択された基本時間(30秒)を示すコマンド(基本コマンド)と、加算時間を示すコマンド(加算コマンド)と、が音声ランプ制御装置113に対して通知された場合には、基本コマンドに含まれる情報に基づいて変動パターン(ノーマルリーチ)を設定し、加算コマンドに含まれる情報に基づいてリーチ図柄(第3図柄の種別)を設定するように構成している。これにより、リーチ状態となった場合に最初に遊技者が視認可能となる中図柄列Z2の第3図柄の種別を、常に特定の第3図柄(本制御例では数字の1を付した第3図柄)となるように構成したとしても、変動演出が実行されてからリーチ状態となるまでの期間を可変させること無く、様々な第3図柄の種別でリーチ演出を実行することができる。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「20~169」の場合は、変動パターンとして変動時間が43秒~52秒のスーパー(リーチ)が規定されている。このスーパーが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間、加算時間が13秒~22秒の何れかを示す組合せのコマンドが出力される。本制御例では、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて加算時間が0.5秒単位でより詳細に設定されるように構成しており、その内容は上述したノーマルのパターンと同一であるため詳細な説明を省略する。ここで、本制御例では、加算コマンドに含まれる情報(秒数)に応じて、リーチ演出の演出態様を可変可能に構成しており、具体的には、加算コマンドに含まれる秒数が「3秒~12秒」の場合は、ノーマルリーチ演出(中図柄列Z2が1周程度変動した後に停止表示される演出)が、「13秒~22秒」の場合は、スーパーリーチ演出(中図柄列Z2が2周程度変動した後に停止表示される演出)が実行されるように構成している。
このように構成することで、例えば、最初の所定期間中は同一の演出態様で変動演出が実行され、その後、演出態様が分岐する変動演出を実行する場合において、同一の演出態様が実行される期間を基本コマンド(基本時間を示す情報が含まれるコマンド)に基づいて設定し、分岐後の変動演出を加算コマンド(加算時間を示す情報が含まれるコマンド)に基づいて設定することが可能となる。よって、例えば、全体の変動時間が同一の場合であっても、その変動時間のうち、基本時間が占める割合、加算時間が示す割合を変更するだけで、音声ランプ制御装置113側で容易に異なる変動演出を設定することができる。なお、本制御例では、ノーマルリーチが実行される場合の基本時間(30秒)と、スーパーリーチが実行される場合の基本時間(30秒)と、を同一にし、加算時間として設定された変動時間の長さに応じて、リーチ演出の演出態様を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、ノーマルリーチ用の基本時間を30秒、スーパーリーチ用の基本時間を40秒に規定し、第3図柄の種別を決定するためだけに加算時間を「3~12秒」の範囲から選択するように構成しても良い。次いで、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「170~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が90秒のSP(リーチ)が規定されている。このSPが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が55秒間、加算時間が35秒を示す組合せのコマンドが出力される。ここで、SPが決定された場合には、一旦リーチ状態となった第3図柄の変動演出が別の変動演出へと切り替わる演出が実行されるため、リーチ状態となった場合に最初に遊技者が視認可能となる中図柄列Z2の第3図柄の種別を、常に特定の第3図柄(本制御例では数字の1を付した第3図柄)となるように構成したとしても、遊技者に違和感を与えること無く、変動の途中で中図柄列Z2の第3図柄の表示順序を最終的に停止させる第3図柄に対応させて変更させることができるため、上述したノーマル、スーパーのように、加算時間を可変させてリーチ状態となる第3図柄の種別を設定する必要が無い。
また、図柄種別が特図1で、当否判定結果が外れの場合についても同様に、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~179」の場合は、変動パターンとして変動時間が8秒の外れが規定されている。この外れが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間8秒、加算時間0秒を示す組合せのコマンドが出力される。ここで、外れが決定された場合には、第3図柄の変動演出として、リーチ状態にならずに外れを示す組合せで第3図柄が停止表示される変動演出が実行される。よって、加算時間を設定する必要が無い。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「180~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が33秒~52秒のリーチ外れが規定されている。このリーチ外れが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間、加算時間が3秒~22秒の何れかを示す組合せのコマンドが出力される。本制御例では、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて加算時間が0.5秒単位でより詳細に設定されるように構成しており、その内容は上述したノーマルのパターンと同一であるため詳細な説明を省略する。つまり、抽選結果が外れである場合にも、抽選結果が当たりである場合と同様の変動パターンコマンドが設定されるように構成している。なお、抽選結果が外れである場合には、最終的に停止表示される第3図柄が大当たりとなる組合せ以外となるように停止表示される第3図柄の種別を設定する必要があるため、音声ランプ制御装置113側では、当たり当選している場合に参照される加算コマンドに基づく第3図柄種別の設定内容から1つずらした第3図柄が設定されるように補正処理が実行される。これにより、リーチ外れ演出が実行されると、大当たりの組合せとなる第3図柄の近辺で第3図柄が停止表示(外れ停止表示)される演出態様を容易に設定することができる。
一方、特別図柄の種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)である場合は、当否判定結果が大当たりであって、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~99」の場合は、変動パターンとして変動時間が40秒の特殊リーチが規定されている。この特殊リーチが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が10秒間、加算時間が30秒を示す組合せのコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「100~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が10秒の特殊リーチが規定されている。この特殊リーチが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が10秒間、加算時間が0秒を示す組合せのコマンドが出力される。ここで、本制御例では、通常状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行されると、図8(b)から図10を参照して上述したように、チャンスゾーン中の変動演出が実行されるように構成している。そして、音声ランプ制御装置113に対して基本時間(10秒)を示すコマンド(基本コマンド)と、加算時間(30秒)を示すコマンド(加算コマンド)が通知された場合には、基本コマンドに含まれる情報に基づいて変動パターン(特殊変動)を設定し、加算コマンドに含まれる情報に基づいて特殊リーチを設定するように構成している。より具体的には、通常状態が設定されている状態で第2特別図柄の変動パターンコマンドとして基本時間10秒を示す基本コマンドが通知された場合には、図8(b)に示した通り、上下方向に第3図柄が変動する特殊変動演出の演出態様が設定される。そして、基本時間の経過タイミングにて図9(a)に示したように第3図柄を停止表示(仮停止表示)させる演出態様が設定される。そして、加算時間0秒を示す加算コマンドを受信している場合は(変動パターンが特殊外れである場合は)、そのまま第3図柄を確定表示し変動演出を終了する。一方、加算時間30秒を示す加算コマンドを受信している場合は(変動パターンが特殊リーチである場合は)、図9(b)や図10に示したように、仮停止している第3図柄が再始動する変動演出が設定される。
次に、図27を参照して、確変・時短用テーブル202b2の内容について説明をする。図27は、確変・時短用テーブル202b2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この確変・時短用テーブル202b2は、確変状態、或いは時短状態が設定されている場合において変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルであって、特別図柄の種別と、変動回数(大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数)と、特別図柄の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に応じて異なる変動パターンが選択されるように各変動パターンが規定されている。ここで、本制御例では、大当たり遊技終了後には必ず普通図柄の高確率状態(確変状態、又は時短状態)が設定されるように構成されている。そして、設定された普通図柄の高確率状態が、時短終了条件が成立するまで継続するように構成している。本制御例では、時短終了条件として、普通図柄の高確率状態が設定されてからの特別図柄変動の実行回数が100回に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行された特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に成立する第2時短終了条件と、を設けており、何れかの時短終了条件が成立した場合に、普通図柄の高確率状態から普通図柄の低確率状態へと移行するように構成している。この普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)中は、普通図柄の低確率状態(通常状態)よりも短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように設定されている。よって、単位時間当たりに実行され得る特別図柄抽選の回数を増加させることができるため、遊技者に対して効率の良い遊技(特別図柄の抽選遊技)を提供することができる。
具体的には、図27に示した通り、普通図柄の高確率状態が設定されてからの特別図柄変動回数が「1回~20回」の期間は、特別図柄の種別、特別図柄抽選の結果、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「5秒」の変動パターン(短変動)が選択されるように規定している。つまり、普通図柄の高確率状態が設定されてからの所定期間(特別図柄変動が20回実行されるまでの期間)は、他の期間よりも短い変動時間で特別図柄抽選が実行される高速変動期間(第1期間)となる。この高速変動期間を設定することで、大当たり遊技の終了後に短期間で次の大当たり遊技を実行させ易くすることができるため、遊技者に対して、一の大当たり遊技に関連して次の大当たり遊技が実行されたのではと思わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、この高速変動期間中は、変動時間が「5秒」の変動パターンが常に選択されるため、複数回の特別図柄抽選を跨ぐ演出(連続演出)の演出期間を設定し易くすることができる。加えて、通常状態(普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で大当たり当選した場合には、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了時点では第2特別図柄の保留球(特図2保留球)を獲得していない可能性が高いため、獲得済みの第1特別図柄の保留球(特図1保留球)を用いた特別図柄抽選(特図1抽選)が実行され易く、確変状態、或いは時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定されている常態で大当たり当選した場合には、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了時点にて、特図2保留球を獲得している可能性が高いため、特図2保留球を用いた特別図柄抽選(特図2抽選)が実行され易くなる。
このように、普通図柄の高確率状態が設定された直後では、何れの図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)の特別図柄抽選も実行され得るため、図27に示した通り、普通図柄の高確率状態が設定されてからの所定期間(特別図柄変動が20回実行されるまでの期間)は、図柄種別に関わらず同一の変動パターンが選択されるように構成している。これにより、何れの図柄種別の特別図柄抽選が実行された場合であっても同一の特別図柄変動を実行することができ、複数回の特別図柄抽選を跨ぐ演出(連続演出)の演出期間を設定し易くすることができる。なお、本制御例は、図4を参照して上述した通り、左打ち遊技によって発射された球も、右打ち遊技によって発射された球も、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、第2入球口640へと2球に1球の割合で到達するように構成しているため、普通図柄の高確率状態中に球を発射させる遊技を継続して実行するだけで、特別図柄抽選を途切れること無く実行することができるように構成している。よって、普通図柄の高確率状態が設定された場合に、高速変動期間が終了するまでの期間、即ち、20回目の特別図柄変動が終了するまでの期間(5秒×20回)となる100秒を高速変動期間として予め設定しておき、20回の特別図柄抽選を跨ぐ連続演出として、100秒間の連続演出を容易に実行することができる。この場合、高速変動期間中に大当たり当選した場合にのみ、既に設定されている連続演出の演出態様を切り替える切替処理を実行すれば良く、高速変動期間中における演出を実行するための処理を簡素化することができる。
また、高速変動期間中において設定された100秒間の連続演出を一時的に停止するか否かの判別を行う判別手段を設け、例えば、実行中の特別図柄変動が停止表示されてから、次の特別図柄変動が実行されるまでの期間が所定期間(例えば、1秒)以上であると判別した場合、即ち、特別図柄変動が途切れたと判別した場合には、実行中の連続演出を一時的に停止させる処理を実行するように構成しても良い。これにより、高速変動期間中に遊技者が離席した場合であっても連続演出のみ先に進行してしまうことを抑制することができる。加えて、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、枠ボタン22)を設け、その操作手段に対して所定の操作を実行した場合に、実行中の連続演出を一時的に停止させる処理を実行するように構成しても良い。なお、本制御例では、高速変動期間中に選択される変動パターン(変動時間)として、同一の変動時間(5秒)が選択されるように構成しているが、これに限ること無く、5秒以外の変動時間が設定される変動パターンが選択されるように構成しても良い。この場合、特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合のほうが、大当たり当選していない場合よりも5秒以上の変動時間が設定され易くすると良い。このように構成することで、予め設定されていた100秒間の連続演出の演出態様を切り替えてから大当たり当選を示す特別図柄が停止表示されるまでの期間を長くし易くすることができるため、遊技者が抽選結果を十分に把握可能な演出態様で大当たり当選を報知することができ、演出効果を高めることができる。また、高速変動期間として想定される時間(100秒)に対して、一括で連続演出の演出態様を設定するのでは無く、高速変動期間(100秒)を複数の期間に区分けし、例えば、第1高速変動期間(50秒)中に実行する第1連続演出を高速変動期間(第1高速変動期間)の開始タイミングで設定し、第2高速変動期間(50秒)中に実行する第2連続演出を、第2高速変動期間の開始タイミングで設定するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、高速変動期間の前半で大当たり当選した場合に実行されない演出態様(連続演出の後半期間の演出態様)を予め設定する事態が発生することを抑制することができる。
さらに、高速変動期間の全期間に対して連続演出を実行する必要は無く、高速変動期間のうち特定の第1期間(例えば、高速変動期間中に実行される特別図柄変動(計20回)のうち、10回目から20回目の変動期間)のみ連続演出を実行するように構成しても良い。図27に戻り説明を続ける。特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「21回~49回(第2期間)」であって、抽選結果(特別図柄の抽選結果)が「当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」、即ち、全範囲において、変動時間が「30秒」の変動パターン(当たり)が選択されるように規定しており、抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~179」の範囲に対して変動時間が「30秒」の変動パターン(長外れ)が選択され、「180~198」の範囲に対して変動時間が「5秒」の変動パターン(短外れ)が選択されるように規定している。本制御例では、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合には、主として第2特別図柄抽選が実行されるように構成されており、普通図柄の高確率状態が設定されてから21回以上の特別図柄変動が実行されている第2期間中は、継続して遊技を行っている限り第2特別図柄抽選が実行され易く構成されている。しかしながら、図4にて上述した通り、本制御例のパチンコ機10は、左打ち遊技を行っても、右打ち遊技を行っても第1入球口64、及び第2入球口640へと球を入球させることが可能な遊技盤13の構成を有しているため、例えば、確変状態、或いは時短状態中に遊技を中断した場合は、遊技再開後に第1特別図柄抽選が実行される場合がある。
上述した通り、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合は、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合とは異なり、通常大当たり遊技が実行される可能性(大当たり当選の50%)があり、第2特別図柄抽選が主として実行される遊技状態(確変状態、時短状態)にて、第1特別図柄抽選で通常大当たり遊技が実行される大当たりに当選した場合には、大当たり当選した中では遊技者に不利な抽選結果となる。また、本制御例では、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出(第3図柄を用いた変動演出)にて、大当たり当選の有無に加え、大当たり種別も遊技者に示唆可能に構成しており、例えば、奇数の数字が付されている主図柄szが大当たり当選を示す組合せで停止表示された場合には、確変大当たり遊技が実行される大当たり当選を示唆し、偶数の数字が付されている主図柄szが大当たり当選を示す組合せで停止表示された場合には、通常大当たり遊技が実行される大当たり当選を示唆するように構成している。よって、確変状態、或いは、時短状態中に実行される変動演出にて、偶数の数字が付されている主図柄szにてリーチ状態(通常大当たり遊技が実行される大当たり当選を示す組合せとなる主図柄szの一部が停止表示され、残りの図柄列が変動表示されている状態)が創出された場合には、特別図柄変動が停止表示されるよりも前の時点から不利な大当たりに当選したのではと遊技者に思わせてしまい、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。そこで、本制御例では、第2特別図柄抽選が主として実行される遊技状態(確変状態、時短状態)にて、第1特別図柄抽選で通常大当たり遊技が実行される大当たりに当選した場合には、図15(a)に示した通り、必ず、奇数の数字が付されている主図柄szと、偶数の数字が付されている主図柄szとの何れもがリーチ状態となる変動演出(ダブルリーチ演出)が実行されるように構成している。これにより、特別図柄変動が停止表示されるよりも前の時点から不利な大当たりに当選したのではと遊技者に思わせてしまうことを抑制することができる。
このダブルリーチ演出を実行するために、第2期間中における第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、変動時間が「30秒」の変動パターンが選択される。なお、確変状態、或いは、時短状態中に実行される変動演出として上述したダブルリーチ演出が、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合にのみ実行されてしまうと、ダブルリーチ演出が実行された時点で第1特別図柄の大当たり当選について遊技者に把握されてしまうため、本制御例では、第1特別図柄抽選で外れ当選した場合の一部(約80%)と、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部(約25%)と、第2特別図柄抽選で外れ当選した場合の一部(約5%)とで、ダブルリーチ演出を実行するための変動パターン(30秒の変動時間)が選択されるように構成している。このように構成することで、確変状態、或いは時短状態中にダブルリーチ演出が実行された場合に、該当する特別図柄抽選が第1特別図柄の抽選であるか第2特別図柄の抽選であるかを分かり難くすると共に、抽選結果が大当たりであるか否かも分かり難くすることができ、ダブルリーチ演出の演出結果が表示されるまで遊技者に期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。さらに、大当たり当選した場合には必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選に対しても、ダブルリーチ演出を実行するように構成しているため、ダブルリーチ演出全体に対して確変大当たり遊技が実行される大当たりに当選したことを示す演出結果(奇数の数字を付した主図柄szが大当たり当選を示す組合せで停止表示する演出結果)を、第1特別図柄抽選に対してのみダブルリーチ演出を実行する場合に比べて創出し易くすることができる。よって、ダブルリーチ演出が実行された場合における確変大当たり遊技に対する期待度を高めることができる。図27に戻り、説明を続ける。特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「50回(特定期間)」である場合には、抽選結果(特別図柄の抽選結果)、及び、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「20秒」の変動パターン(中変動)が選択されるように規定している。
本制御例では、大当たり遊技中に球が可変入賞装置65内の特定領域(Vゲート)65vを通過した場合に、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるように構成しており、特別図柄の高確率状態を終了させるための確変終了条件として、特別図柄変動の実行回数が50回に到達した場合に成立する第1確変終了条件と、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で特別図柄の大当たりに当選した場合に成立する第2確変終了条件と、を設けており、何れかの確変終了条件が成立した場合に、特別図柄の高確率状態から特別図柄の低確率状態へと移行するように構成している。つまり、大当たり遊技中の遊技結果に応じて、大当たり遊技終了後に、特別図柄変動の実行回数が50回となるまで確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、その後、特別図柄の実行回数が50回となるまで時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される場合と、大当たり遊技終了後に特別図柄変動の実行回数が100回となるまで時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される場合と、がある。第3図柄表示装置81の表示面では、現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆するための遊技状態示唆演出が実行されるように構成しており、例えば、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを報知するV報知演出が実行された場合には、現在の遊技状態が確変状態であることを遊技者に報知する報知演出(スーパーチャンスモード演出)が実行され、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合であってもV報知演出が実行されないように大当たり遊技中の演出態様が設定されている場合には、現在の遊技状態が確変状態であるかを分かり難くする共通演出(チャンスモード演出)が実行される。
そして、スーパーチャンスモード演出が実行されている場合には、特別図柄変動の50回目(特定期間)にて、確変状態が終了することになるため、特別図柄変動50回目に設定される「20秒」の変動時間を用いて、確変状態が終了し、次いでチャンスモード(時短)が設定されることを示す演出が実行される。また、チャンスモードが実行されている場合には、特定期間にて、確変状態が設定されていたか否かを示唆する演出が実行される。このように、特定期間における特別図柄の抽選結果を示すための特別図柄変動期間を用いて、特別図柄の抽選結果以外の情報(遊技状態が移行することを案内するための情報や、過去に設定されていた遊技状態を示唆するための情報)を遊技者に報知する情報報知演出を実行する場合に、選択される特別図柄変動の変動時間を固定することで、特別図柄の抽選結果以外の情報を遊技者に報知するための情報報知演出の演出態様(演出時間も含む)のバリエーションを少なくすることが可能となる。なお、本制御例では、確変状態が終了することとなる特別図柄変動(大当たり終了後50回目の特別図柄変動)の実行期間を特定期間とし、特別図柄変動の変動時間を「20秒」に固定しているが、これに限ること無く、確変状態が終了することとなる特別図柄変動の前後も含めて、例えば、大当たり終了後45回目~52回目の特別図柄変動の実行期間が特定期間(固定された変動時間が選択される期間)とし、その特定期間中に実行される特別図柄変動の変動時間を用いて、情報報知演出を実行可能に構成しても良い。また、上述した特定期間中に実行される特別図柄抽選の結果に応じて、情報報知演出の演出態様を可変させても良く、例えば、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、確変状態が終了することを示す情報を報知しない演出態様へと可変させても良いし、実際に設定された遊技状態に関わらず、過去に設定された遊技状態(前回の大当たり遊技終了後に設定された遊技状態)が遊技者に不利な遊技状態(例えば、時短状態)であることを示す演出態様へと可変させても良い。
加えて、特定期間中において情報報知演出が実行されるタイミングを、特別図柄抽選の結果に応じて可変させても良く、例えば、特別図柄抽選で大当たり当選した場合のほうが、大当たり当選していない場合よりも、情報報知演出の実行タイミングが遅くなり易くすると良い。これにより、情報報知演出の演出内容だけで無く、実行タイミングについても遊技者に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。また、上述した例のように、特定期間中において情報報知演出が実行されるタイミングを、特別図柄抽選の結果に応じて可変させる場合には、予め特定タイミングで情報報知演出が実行されるように設定しておき、特定期間中に実行される特別図柄抽選の結果が所定の結果(例えば、大当たり)である場合に、情報報知演出が実行されるタイミングを上述した特定タイミングから可変させるように構成しても良いし、情報報知演出が実行されるタイミングを予め設定すること無く、特定期間中に実行される特別図柄抽選の結果に応じて複数の実行タイミングの中から一の実行タイミングを決定するように構成しても良い。次に、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「51回~100回(第3期間)」であって、抽選結果(特別図柄の抽選結果)が「当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」、即ち、全範囲において、変動時間が「30秒」の変動パターン(当たり)が選択されるように規定しており、抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~179」の範囲に対して変動時間が「30秒」の変動パターン(長外れ)が選択され、「180~198」の範囲に対して変動時間が「60秒」の変動パターン(第2超変動)が選択されるように規定している。
この第3期間は、遊技状態が時短状態となる期間である。つまり、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されていた場合であっても、確変終了条件が成立し時短状態が設定される期間である。この第3期間中も、上述した第2期間と同様に、第2特別図柄抽選が主として実行される期間ではあるが、実行される遊技方法によっては第1特別図柄抽選が実行される。時短状態中は第2特別図柄抽選を実行させたほうが、第1特別図柄抽選を実行させる場合よりも遊技者に有利な遊技となるため、この第3期間中に実行される第1特別図柄抽選は長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成されている。これにより、万が一、時短状態の第3期間中に第1特別図柄抽選が実行された場合であっても、長い変動時間が設定される変動パターンで第1特別図柄変動が実行されるため、その間に、第2特別図柄の保留球を獲得し易くすることができる。よって、時短状態中に頻繁に第1特別図柄抽選が実行されてしまうことを抑制することができる。なお、この第3期間中も、上述した第2期間中と同様にダブルリーチ演出(図15参照)が実行されるように構成しているため、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合、外れ当選の一部、及び第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部、外れ当選した場合の一部で、変動時間が「30秒」の変動パターンが選択されるように規定している。次に、確変状態、或いは、時短状態が設定されている場合における第2特別図柄抽選に対して規定されている各種変動パターンの内容について説明をする。図27に示した通り、特別図柄の種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「1回~20回(第1期間)」である場合には、抽選結果(特別図柄の抽選結果)、及び、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「5秒」の変動パターン(短変動)が選択されるように規定している。即ち、第1期間中は、第1特別図柄抽選が実行された場合と、第2特別図柄抽選が実行された場合とで同一の変動パターン(5秒変動)が選択される。
次に、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「21回~49回(第2期間)」であって、抽選結果(特別図柄の抽選結果)が「当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が「10秒」の変動パターン(第2短変動)が、「150~198」の範囲に対して、変動時間が「30秒」の変動パターン(長変動)が選択されるように規定しており、抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~191」の範囲に対して変動時間が「10秒」の変動パターン(第2短変動)が選択され、「192~198」の範囲に対して変動時間が「30秒」の変動パターン(長変動)が選択されるように規定している。主として第2特別図柄抽選が実行される普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)である第2期間中は、上述したダブルリーチ演出が実行される変動パターン(30秒の変動時間が設定される変動パターン)以外は、変動時間が「10秒」の変動パターンが選択される。つまり、第2入球口640へと容易に球を入球可能な状態において第2特別図柄変動が短期間で終了するようにし、第2特別図柄抽選が効率良く実行されるように構成している。これにより、特図2保留球が上限まで記憶されている状態で第2入球口640へと多量の球が入球してしまう事態が発生することを抑制することができ、遊技者に気持ちの良い遊技を行わせることができる。なお、本制御例では、短時間の変動時間として「10秒」を規定しているが、この変動時間をさらに短く規定しても良く、この場合、遊技盤13へと発射された球が第2入球口640へと到達し得る間隔(約1.2秒)よりも長い時間(例えば、3秒)を規定すると良い。このように構成することで、遊技者が継続して球を発射しているにも関わらず、特図2保留球が減少していき、第2特別図柄抽選よりも非優先に設定してある第1特別図柄抽選が実行されてしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「50回(特定期間)」である場合には、抽選結果(特別図柄の抽選結果)、及び、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「20秒」の変動パターン(中変動)が選択されるように規定している。この特定期間中に設定される変動パターンについては、上述した第1特別図柄抽選に対応して選択される変動パターンと同一であるため、その詳細な説明を省略する。次に、特別図柄の種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「51回~100回(第3期間)」であって、抽選結果(特別図柄の抽選結果)が「当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が「10秒」の変動パターン(第2短変動)が、「150~198」の範囲に対して、変動時間が「30秒」の変動パターン(長変動)が選択されるように規定しており、抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~191」の範囲に対して変動時間が「5秒」の変動パターン(短変動)が選択され、「192~198」の範囲に対して変動時間が「30秒」の変動パターン(長変動)が選択されるように規定している。以上、説明をした通り、本第1制御例では、変動パターン選択テーブル202bとして、通常用テーブル202b1と、確変・時短用テーブル202b2と、を有しており、設定されている遊技状態に応じて、変動パターンを選択する際に参照するデータテーブルを異ならせるように構成している。これにより、設定されている遊技状態に応じて選択される変動パターンの種類を異ならせることができ、遊技者に多様な変動パターンで特別図柄抽選の結果を示すことができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、遊技状態として確変状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合とで同一のデータテーブル(確変・時短用テーブル202b2)を参照して変動パターンを選択するように構成している。よって、時短状態が設定されているか確変状態が設定されているかを遊技者に分かり難くする演出モードである「チャンスモード」が設定されている状態において、実行される特別図柄抽選に対応して選択される変動パターンの種類によって、設定されている遊技状態が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、本制御例では、確変状態中の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルと、時短状態中の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルと、を同一としているが、これに限ること無く、異なるデータテーブルを参照させるように構成しても良い。この場合、確変状態中の変動パターンを選択する際に参照される確変用データテーブルと、時短状態中の変動パターンを選択する際に参照される時短用データテーブルと、を設け、僅かな確率(例えば、5%)で選択される変動パターンの種別として、一方のデータテーブルにのみ規定されている特定変動パターンを設けると良い。これにより、特定変動パターンが選択された場合にのみ、選択された変動パターンの種別に基づいて現在設定されている遊技状態を遊技者が把握することができる。加えて、確変用データテーブルと、時短用データテーブルとで、各変動パターンが選択される割合を異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、「チャンスモード」中に実行される特別図柄抽選に対して選択される変動パターンの偏りを分析することによって、遊技者に現在設定されている遊技状態を予測させる楽しみを提供することができる。
なお、上述した通り、本制御例では、設定される遊技状態に応じて、変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルを異ならせるように構成しているが、遊技状態以外の条件によって参照するデータテーブルを選択するように構成しても良く、例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合において、前回の大当たり当選時に設定されていた遊技状態や、前回の大当たり当選時に設定された大当たり種別(特別図柄の停止表示態様)や、第3図柄表示装置81に停止表示された第3図柄の表示態様や、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65Vへと球が通過したか否か(V入賞したか否か)の結果等に基づいて、同一の時短状態中において変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルを異ならせるように構成しても良い。この場合、選択された変動パターンを示すコマンド(変動パターンコマンド)を設定する際に、参照されたデータテーブル(変動パターン選択テーブル)の種別を示す情報が含まれるコマンドを設定するように構成すると良い。これにより、音声ランプ制御装置113側で、変動パターンコマンドを受信した場合に、今回設定された変動パターンの種別に加え、現在の遊技状態が設定された経緯も判別することが可能となる。よって、受信した変動パターンコマンドに基づいて、例えば、確変大当たり遊技が実行されたにも関わらず、球をV入賞させることが出来ず時短状態が設定されたことを判別し、専用の演出モード(例えば、「残念モード」)を設定することができる。なお、本第1制御例において、設定されている遊技状態に応じて、大当たり当選してから大当たり遊技が実行されるまでの期間の長さを異ならせる技術は、所定の遊技状態を設定するための条件が成立してから実際に設定されるまでの期間の長さを現在の遊技状態に応じて異ならせる技術の別形態である。図22に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図40参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202cによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。この第2当たり乱数テーブル202cに規定されている内容について、図24(b)を参照して説明をする。図24(b)は、第2当たり乱数テーブル202cに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図24(b)に示した通り、普通図柄の低確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0~2」の値に普図当たりが規定され、普通図柄の高確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0~149」の範囲に普図当たりが規定されている。つまり、本制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/100)が低確率に設定されている。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態と、普通図柄の高確率状態である時短状態と、で同一の遊技方法(左打ち遊技)が実行される本実施形態において、通常状態中に普図当たりに当選し難くすることができるため、通常状態中に普図当たり遊技が実行され第2入球口640内に球が入球する事態を発生し難くすることができる。一方、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/2)が高確率に設定されている。これにより、時短状態中において普通図柄の当たり当選に基づく普図当たり遊技を実行し易くすることができる。
また、本制御例では、設定されている遊技状態に応じて普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄変動の変動時間として異なる長さの変動時間が設定されるように構成されており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも長い変動時間(例えば、10秒)が設定されるように構成している。このように、普通図柄抽選で当たり当選する確率と、普通図柄変動の変動時間の長さと、を遊技状態に応じて可変させることにより、普通図柄抽選で当たり当選し、第2入球口640へと球を入球させ易い遊技状態(確変状態、時短状態)を容易に設定することができる。さらに、本制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で実行された普通図柄抽選にて当たり当選した場合に、第2入球口640へと球を複数個入球させることが可能な動作態様(ロング開放)で電動役物640aが開放動作される普図当たり遊技を実行可能に構成している。よって、普通図柄抽選で当たり当選し難い遊技状態(通常状態)であっても、一時的に第2入球口640へと球を入球させ易くすることができるため、どのような遊技状態が設定されている状態であっても、遊技者に対して第2特別図柄抽選が実行される可能性を残すことができ、遊技の興趣を向上させることができる。第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~299)、タイマ割込処理(図40参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図51参照)の残余時間内で繰り返し更新される。このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図21に戻り説明を続ける。ROM202は、図22に図示した各種カウンタに対応して規定される各種データテーブル等を有している。ここで、図23(a)を参照して、本実施形態のパチンコ機10における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図23(a)は、本実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。図23(a)に示した通り、本実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202は、第1当たり乱数テーブル202a、変動パターン選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、第1当たり種別選択テーブル202dを少なくとも有している。なお、第1当たり乱数テーブル202a、変動パターン選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、第1当たり種別選択テーブル202dについては、図22に図示した各種カウンタを説明する際に上述したため、その説明を省略する。図21に戻り、説明を続ける。RAM203は、図22に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図51参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図50参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図49参照)が即座に実行される。また、RAM203は、図23(b)に示すように、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、遊技状態格納エリア203g、時短カウンタ203h、確変カウンタ203i、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203k、確変設定フラグ203m、確変通過カウンタ203n、入賞個数カウンタ203o、残球タイマフラグ203p、残球タイマ203q、確変有効フラグ203r、確変有効タイマ203s、排出個数カウンタ203t、その他メモリエリア203zを有している。第1特別図柄保留球格納エリア203aは、上限個数(本制御例では、4個)まで、第1入球口64に球が入球(始動入賞)したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。第2特別図柄保留球格納エリア203bは、上限個数(本制御例では、4個)まで、第2入球口640に球が入球(始動入賞)したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、特別図柄の変動表示を開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、特別図柄が変動停止した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203a、或いは第2特別図柄保留球格納エリア203bに各種カウンタ値が記憶されている場合に、その各種カウンタ値がシフトして記憶される記憶エリアである。本制御例では、第1特別図柄抽選よりも優先して第2特別図柄抽選が実行されるように構成しているため、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203bの何れにも各種カウンタ値が記憶されている場合には、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている各種カウンタ値が特別図柄保留球実行エリアへとシフトして記憶される。第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図22参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値がそれぞれ記憶される。MPU201は、タイマ割込処理(図40参照)の中で、球が第1入球口64へ入球(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1~C3,CS1の値を取得し、第1特別図柄保留球格納エリア203aにそれぞれ格納する。また、球が第2入球口640へ入球(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1~C3,CS1の値を取得し、第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する。MPU201は、特別図柄変動(抽選)の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した第1特別図柄保留球格納エリア203a、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1~C3,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この特別図柄保留球実行エリアへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
普通図柄保留球格納エリア203cはスルーゲート67への球の通過(始動入賞)検出に伴ってカウンタ用バッファ(図22参照)より取得した第2当たり乱数カウンタC4の値が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図40参照)の中で、球がスルーゲート67を通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから第2当たり乱数カウンタC4の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203cに格納する。普通図柄保留球格納エリア203cは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203cには、スルーゲート67へ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に記憶される。また、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞に基づいて、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、各カウンタ値が格納され、普通図柄の当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示装置83の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203cに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(第2当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球実行エリア(図示せず)へシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図40参照)の中で検出される第1入球口64への入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図50のS1701参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。また、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(即ち、保留球数)は、第1入球口64に球が入球(始動入賞)したことに基づいて、第1特別図柄保留球格納エリア203aにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第1特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第1特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1特別図柄保留球数カウンタ203dが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図40参照)の中で検出される第2入球口640への入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図50のS1701参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
また、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、保留球数)は、第2入球口640に球が入球(始動入賞)したことに基づいて、第2特別図柄保留球格納エリア203bにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第2特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第2特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第2特別図柄保留球数カウンタ203eが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。MPU201は、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)にカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1~C3,CS1の各値がそれぞれ記憶された場合には、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されたデータを、特別図柄大当たり判定処理(図42のS301参照)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示が行われる。また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、特図変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図40参照)の中で検出されるスルーゲート67を球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第2図柄表示装置83で行われる変動表示の保留球数(待機回数)を最大1回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67を球が通過したことに基づいて記憶される保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図50のS1701参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値まで1加算される(図48のS904参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通図柄の変動表示が実行される毎に1減算される(図47のS805参照)。遊技状態格納エリア203gは、現在設定されている遊技状態を一時的に格納するための記憶領域であって、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(時短カウンタ203hの設定状況、確変カウンタ203iの設定状況)に対応した遊技状態が記憶される。具体的には、時短カウンタ203hの値が0で、且つ、確変カウンタ203iの値が0である場合に通常状態が記憶され、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい値で、確変カウンタ203iの値が0である場合に時短状態が記憶され、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい値で、確変カウンタ203iの値が0よりも大きい値である場合に確変状態が記憶される。さらに、大当たり遊技が実行されている状態では、大当たり遊技が実行されている状態であることを示す当たり遊技状態(大当たり状態)と、実行されている大当たり遊技に対応する大当たり種別を示す種別情報も記憶されるように構成されている。加えて、普図当たり遊技の実行中であることを示す普図当たり遊技中情報も記憶されるように構成されている。そして、遊技状態格納エリア203gに格納(記憶)された情報に基づいて、状態コマンドが設定され、その状態コマンドが音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113では出力された状態コマンドを受信し、従状態設定エリア223gに一時的に記憶する。
この遊技状態格納エリア203gに記憶された情報は、パチンコ機10の電源が断された場合であっても、その情報を保持可能に構成されており、パチンコ機10の電源を入れた際に実行される立ち上げ処理(図50参照)において、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する状態コマンドを設定するように構成している。これにより、停電等によりパチンコ機10の電源が断された場合であっても、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113側が判別可能にすることができる。時短カウンタ203hは、普通図柄の高確率状態が設定されている状態を示すためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に対応する値が設定される。この時短カウンタ203hには、大当たり遊技終了後に、その当選した大当たり種別に対応した値が設定される(図54のS2103参照)。そして、大当たり遊技に当選した場合に0にクリアされる。これにより、大当たり遊技中は普通図柄の高確率状態が設定されないため、大当たり遊技中において遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。なお、本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定されると、時短カウンタ203jの値がセットされ、特別図柄抽選(変動)に基づいて、時短カウンタ203hの値が減算され、時短カウンタ203hの値が0となった場合に、普通図柄の高確率状態が終了し、普通図柄の低確率状態へと移行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、次回の大当たり遊技が実行されるまで(大当たり当選するまで)は、普通図柄の高確率状態が継続するように構成しても良い。この場合、時短カウンタ203hの値として、「10000」を設定するように構成すれば良い。
また、本実施形態では、普通図柄の高確率状態を終了させるための条件、時短カウンタ203hの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて時短カウンタ203hの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、時短カウンタ203hの値を減算するように構成してもよい。具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、時短カウンタ203hの値を減算させるように構成しても良い。加えて、本実施形態では、時短カウンタ203hの値を1ずつ減算するように構成しているが、成立した終了条件の種別に応じて、時短カウンタ203hの値を複数まとめて(例えば、2)減算するように構成しても良いし、現状の時短カウンタ203hの値に関わらず、時短カウンタ203hの値が「0」になるように減算するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、時短状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。さらに、時短状態が設定される条件の成立内容(大当たり種別)に応じて、時短状態を終了させる条件を異ならせても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
確変カウンタ203iは、特別図柄の高確率状態が設定されている状態を示すためのカウンタであって、特別図柄の高確率状態が設定されている場合に対応する値が設定される。この確変カウンタ203iには、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことに基づいて、その大当たり遊技終了後に値が設定される(図54のS2102参照)。そして、大当たり遊技に当選した場合に0にクリアされる。これにより、大当たり遊技中は特別図柄の高確率状態が設定されないため、大当たり遊技中において遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。なお、本実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されると、確変カウンタ203iの値がセットされ、特別図柄抽選(変動)に基づいて、確変カウンタ203iの値が減算され、確変カウンタ203iの値が0となった場合に、特別図柄の高確率状態が終了し、特別図柄の低確率状態へと移行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、次回の大当たり遊技が実行されるまで(大当たり当選するまで)は、特別図柄の高確率状態が継続するように構成しても良い。この場合、確変カウンタ203iの値として、「10000」を設定するように構成すれば良い。また、本実施形態では、特別図柄の高確率状態を終了させるための条件、確変カウンタ203iの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて確変カウンタ203iの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、確変カウンタ203iの値を減算するように構成してもよい。具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、確変カウンタ203iの値を減算させるように構成しても良い。
さらに、当選した大当たり種別と、特定領域(Vゲート)65vへの球の通過状況とに基づいて確変カウンタ203iに設定される値を異ならせても良いし、上述した時短カウンタ203hの値を減算する内容と同様に、特別図柄の変動回数以外の条件によって確変カウンタ203iの値を減算可能に構成しても良いし、確変カウンタ203iの値を減算するための減算条件が成立した場合に、確変カウンタ203iの値を一度に複数個減算可能に構成しても良い。これにより、特別図柄の高確率状態がいつまで継続するのかを遊技者に把握させ難くすることができるため、特別図柄の高確率状態中に実行される特別図柄抽選の結果を飽きること無く注視させることができる。また、本制御例では、確変状態を終了させるための条件、即ち、確変カウンタ203iの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて確変カウンタ203iの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、確変カウンタ203iの値を減算するように構成してもよい。具体的には、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、確変カウンタ203iの値を減算させるように構成しても良いし、球が特定の入球口(例えば、第1入球口64、第2入球口640等)に入球したことに基づいて確変カウンタ203iの値を減算するように構成してもよい。加えて、本制御例では、確変カウンタ203iの値を1ずつ減算するように構成しているが、成立した終了条件の種別に応じて、確変カウンタ203iの値を複数まとめて(例えば、2)減算するように構成しても良いし、現状の確変カウンタ203iの値に関わらず、確変カウンタ203iの値が「0」になるように減算するように構成しても良い。このように構成することで、確変状態がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、確変状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、確変状態が設定される条件の成立内容(大当たり種別)に応じて、確変状態を終了させる条件を異ならせても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。大当たり開始フラグ203jは、大当たりを開始させるか否かを示すフラグである。この大当たり開始フラグ203jがオンであれば、大当たりを開始させるタイミングであることを意味し、オフであれば、大当たりを開始させるタイミングではないことを意味する。この大当たり開始フラグ203jは、大当たりを示す変動表示の終了タイミングとなった場合にオンに設定される。また、大当たり開始フラグ203jは、大当たりの開始を設定した場合にオフに設定される(図52のS1903参照)。大当たり中フラグ203kは、大当たり遊技(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203kがオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たり中フラグ203kは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり遊技(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図52のS1903参照)。また、大当たり遊技(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図54のS2105参照)。そして、特別図柄変動処理(図41参照)では、この大当たり中フラグ203kが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図41のS201参照)。
確変設定フラグ203mは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65v(図5参照))に球が入球(流下)したか否かにより決定される。ここで、この特定領域(Vゲート)65vへと球が入球(流下)したこと(特定領域(Vゲート)65vに設けられている確変スイッチの通過)を検出すると、確変設定フラグ203mがオンに設定される(図55のS2215参照)。一方、この確変設定フラグ203mは、大当たり遊技の終了時にオフに設定される(図54のS2105参照)。なお、この確変設定フラグ203mは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。なお、電源投入時に確変設定フラグ203mがオンに設定されている場合には、確変スイッチに電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203mを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチを通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203nが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203mのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203nは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりの1ラウンド)で確変スイッチを通過した(特定領域を流下した)球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203nと後述する排出個数カウンタ203tとの合計により可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203nは、確変スイッチを球が通過した(特定領域を流下した)場合に1ずつ加算されて更新される。また、可変入賞装置65に入賞した球の数と排出個数が一致するか否かの判定処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この確変通過カウンタ203nは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。入賞個数カウンタ203oは、大当たり遊技における1つのラウンドで可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した球の数をカウントするためのカウンタであり、特定入賞口65aへの入賞が検出されたことに基づいて、1ずつ加算されて更新される。一方、1つのラウンドが終了した場合に、可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203oの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203tと確変通過カウンタ203nとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203oの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。残球タイマフラグ203pは、1のラウンドが終了し、特定入賞口65aが閉鎖した後の球はけ期間であるか否かを示すフラグである。この残球タイマフラグ203pがオンに設定されている場合は、球はけ期間であることを意味する。この残球タイマフラグ203pがオンに設定されている間は、後述する残球タイマ203qが1ずつ加算されて更新される。残球タイマ203qは、特定入賞口65aが閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203qは、予め設定されている1のラウンドが終了して可変入賞装置65の特定入賞口65aが閉鎖した場合に、可変入賞装置65に入賞した球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、可変入賞装置65に入賞した球が排出されるまでに必要な時間は0.5秒であり、本実施形態では、予め0.8秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203qの上限値として設定されている。この残球タイマ203qの上限値(本実施形態では、0.8秒)となったことに基づいて、可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される。一致しない場合には、特定の報知態様を設定するための条件が成立してエラーコマンドが設定され、エラーが発生したことを示すための特定の報知態様によりその旨が報知される。よって、可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチを遊技球が通過しても確変設定フラグ203mをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変状態が付与されることを抑制できる。確変有効フラグ203rは、切替弁65yが球を特定領域(Vゲート)65vへと振り分け不可能な配置に切り替わった後に、遊技球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合に、その通過(入球)を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203rがオンに設定されている場合には、特定領域(Vゲート)65vを遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。確変有効タイマ203sは、上述した確変有効フラグ203rがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203sにより切替弁65yが特定領域(Vゲート)65vを球が流下不可能な配置に切り替わった後に、確変スイッチを正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、切替弁65yに到達した遊技球が確変スイッチを通過するのに要する時間は0.3秒である。確変有効タイマ203sの上限値は0.5秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に特定領域(Vゲート)65vを通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、不正に遊技球を特定領域(Vゲート)65v(V領域)に入球させて確変スイッチを通過させたり、確変スイッチの下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。排出個数カウンタ203tは、1のラウンドで可変入賞装置65から排出された遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203tは、可変入賞装置65に入賞した球の数と排出個数との一致が判別された後に、初期値である0にリセットされる。その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。なお、本第1制御例における遊技球は、発射ソレノイドが励磁されることで動作することが可能なため、傾倒役物600の別形態である。音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、パチンコ機10に設けられる演出用の駆動役物を動作させるための各種駆動モータが含まれる。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。なお、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、枠ボタン22への操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、枠ボタン22への操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。ここで、本制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。音声ランプ制御装置113のROM222には、図28(a)に示すように、従変動パターン選択テーブル222aと、通常中特図2演出選択テーブル222bと、確変中演出選択テーブル222cと、連続予告実行選択テーブル222dと、V報知実行選択テーブル222eと、ボタン操作時演出選択テーブル222fと、が少なくとも記憶されている。
従変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。なお、後述する各制御例において、同一の符号(222a)を付した要素の名称として変動パターン選択テーブルと称する場合があるが、その意味する所は同一である。なお、本制御例では、実行される特別図柄変動に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が横スクロールで変動表示される変動演出(図7参照)が実行される。この変動演出では、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンが決定されるため、遊技者は、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出を視認することで今回の特別図柄変動が大当たり当選しているか否かを予測しながら遊技(特図遊技)を行うことができる。通常中特図2演出選択テーブル222bは、通常状態が設定されている間に実行された第2特別図柄変動のうち、加算時間が30秒の変動パターンが選択された場合の第3図柄の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、第2特別図柄抽選の抽選結果(当否判定結果)、特図2保留数、特図1保留数、演出カウンタ223fの値に対応させて異なる演出態様(演出内容)が規定されている。
本制御例では、通常状態が設定されている状態において普通図柄抽選で当たり当選すると、電動役物640aが5秒間開状態となる普図当たり遊技が実行される。そして、普図当たり遊技中に第2入球口640へと球を入球させることで第2特別図柄抽選を実行させることが可能に構成している。つまり、第2特別図柄抽選が実行され難い遊技状態(通常状態)において、所定の実行条件が成立した場合に(普図当たり当選した場合に)、所定期間の間(普図当たり遊技期間の間)、第2特別図柄抽選の抽選契機(特図2保留球)を獲得し易く(第2入球口640へと球を入球させ易く)することができるように構成している。通常状態中に実行される第2特別図柄抽選では、通常用テーブル202b1(図26(b)参照)に示した通り、変動時間が「10秒」の変動パターンと、変動時間が「40秒」の変動パターンとが選択可能に構成されており、変動時間が「40秒」の変動パターンが設定されている第2特別図柄抽選が実行される場合に、通常中特図2演出選択テーブル222bを参照して変動演出の演出態様が設定される。ここで、図29を参照して、通常中特図2演出選択テーブル222bの内容について説明をする。図29は、通常中特図2演出選択テーブル222bの内容を模式的に示した図である。この通常中特図2演出選択テーブル222bは、通常状態が設定されている間に実行された第2特別図柄変動のうち、加算時間が30秒の変動パターンが選択された場合の第3図柄の変動演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、第2特別図柄抽選の抽選結果(当否判定結果)、特図2保留数、特図1保留数、演出カウンタ223fの値に対応させて異なる演出態様(演出内容)が規定されている。通常用テーブル202b1(図26(b)参照)に示した通り、本制御例では、通常状態中に第2特別図柄変動が実行されると、基本時間(10秒)に対応させて、共通の外れリーチ演出が実行され(図9(a)参照)、その後、通常中特図2演出選択テーブル222bを参照して選択された演出内容(演出態様)として疑似変動演出(図9(b)~126参照)が加算時間(30秒)の間に実行されるように構成している。
具体的には、抽選結果が大当たりであって、特図2保留数が3の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に、変動パターンとして「疑似3演出」が、「80~99」の範囲に、変動パターンとして「特殊疑似2演出」が規定されており、特図2保留数が2の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の範囲に、変動パターンとして「疑似2演出」が、特図2保留数が1の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に、変動パターンとして「疑似1演出」が、「90~99」の範囲に、変動パターンとして「特殊疑似4演出」が規定されている。また、抽選結果が大当たりであって、特図2保留数が0の場合は、特図1保留数が1~4の場合に「特殊終了演出」が、特図1保留数が0の場合に「疑似無し演出」が設定される。抽選結果が外れである場合には、特図2保留数が3の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の範囲に、変動パターンとして「疑似3演出」が規定されており、特図2保留数が2の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の範囲に、変動パターンとして「疑似2演出」が、特図2保留数が1の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の範囲に、変動パターンとして「疑似1演出」が、特図2保留数が0の場合は、「疑似無し演出」が規定されている。以上、説明をした通り、本実施形態では、第2特別図柄の疑似変動演出の演出態様を設定する際に、特図2保留数及び特図1保留数の有無を判別し、次に実行される特別図柄抽選に対応する演出態様で疑似変動演出を実行するように構成している。このように構成することで、1の特別図柄変動期間中に実行される疑似変動演出を、あたかも次の特別図柄変動に対応させた変動演出と思わせ易くすることができる。
さらに、疑似変動演出にて実行される疑似変動回数(第3図柄の仮停止回数)が、獲得済みの特図2保留数に対応させた回数となるように構成しているため、通常状態中に実行された普図当たり遊技中に獲得した特図2保留が全て使用されたと思わせることができる。よって、大当たり当選している疑似変動演出が実行された場合は、通常状態中に実行された普図当たり遊技中に多くの特図2保留を獲得した結果として、大当たり当選したと遊技者に思わせることができる。また、外れ当選している疑似変動演出が実行された場合は、特図2保留を全て消化したと思わせた後に、次に特図2保留を用いた変動演出が実行されるため(チャンスゾーンが継続するため)、遊技者に以外性のある演出を提供することができる。また、本制御例では、大当たり当選した場合にのみ設定される疑似変動演出(特殊疑似2演出、疑似4演出)を設けているため、疑似変動演出にて実行される疑似変動回数と、特図2保留数とに対して遊技者に興味を持たせることができる。
次に、図30を参照して、確変中演出選択テーブル222cの内容について説明をする。図30は、確変中演出選択テーブル222cの内容を模式的に示した模式図である。この確変中演出選択テーブル222cは、確変状態(時短状態)中、即ち、普通図柄の高確率状態中に実行される特別図柄変動の変動パターンとして、基本時間が30秒の変動パターンが選択された場合における変動演出を設定する際に参照されるデータテーブルである。この確変中演出選択テーブル222cは、実行される特別図柄変動に対する変動演出の演出態様を設定する際に参照されるものであり、変動表示設定処理(図66のS4113参照)にて実行される特図1演出態様設定処理(図67のS4903参照)にて、確変状態であることを遊技者に報知する演出モードである「スーパーチャンスモード」中であって(図67のS5005:Yes)、今回実行される変動パターンの変動時間(基本変動時間)が「30秒」である場合(図67のS5007:Yes)、又は、変動表示設定処理(図66のS4113参照)にて実行される特図2演出態様設定処理(図68のS4907参照)にて、確変状態であることを遊技者に報知する演出モードである「スーパーチャンスモード」中であって(図68のS5112:Yes)、今回実行される変動パターンの変動時間(基本変動時間)が「30秒」である場合(図68のS5114:Yes)、に参照される。本制御例では、普通図柄の高確率状態において第1特別図柄抽選が実行された場合に、第1特別図柄抽選でのみ当選し得る大当たり(通常大当たり遊技が実行される大当たり)に当選したことが、第1特別図柄抽選の抽選結果が停止表示されるよりも前に遊技者が把握してしまう事態が発生することを抑制するために、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、通常大当たり遊技が実行される大当たり当選を示すための第3図柄(偶数の数字が付された第3図柄)と、確変大当たり遊技が実行される大当たり当選を示すための第3図柄(奇数の数字が付された第3図柄)と、が何れもリーチ状態となるダブルリーチ演出を実行するように構成している。
さらに、普通図柄の高確率状態である確変状態、或いは、時短状態において、上述したダブルリーチ演出が実行された場合に、実行中の特別図柄抽選が第1特別図柄抽選であることを遊技者に把握させ難くするために、大当たり当選した場合には必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選に対応する変動演出においても、上述したダブルリーチ演出を実行するように構成している。また、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動とは、何れも変動時間が「30秒」の変動パターンを選択可能に構成しており、この「30秒」の変動パターンが選択された場合においてダブルリーチ演出が実行されるように構成している。このように、特別図柄の種別に関わらず、同一の変動時間(30秒)を設定し、同一の変動演出となるダブルリーチ演出を実行するように構成しているため、実行される変動演出によって実行中の特別図柄変動の図柄種別を遊技者に把握されてしまうことを抑制することが出来ると共に、変動演出に用いられる演出データを共通化することにより、パチンコ機10にて実行される各種演出に用いられる演出データの容量を抑えることができる。図30に示した通り、確変中演出選択テーブル222cには、図柄種別(特別図柄の種別)と、抽選結果(特別図柄抽選の結果)と、演出カウンタ223fの値とに応じて異なる演出態様が規定されている。具体的には、図柄種別が第1特別図柄(特図1)であって、抽選結果が確変大当たり(大当たりA)である場合は、演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に「確変シングルリーチ」が、「50~99」の範囲に「ダブルリーチ」が規定され、通常大当たり(大当たりB)である場合は「ダブルリーチ」が、外れの場合は「非リーチ」が規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)であって、抽選結果が確変大当たりである場合は、演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に「特殊ダブルリーチ」が、「50~99」の範囲に「確変ダブルリーチ」が規定され、外れの場合は、演出カウンタ223fの値が「0~4」の範囲に「ダブルリーチ」が、「5~10」の範囲に「確変ダブルリーチ」が、「11~99」の範囲に「非リーチ」が規定されている。
このように構成することで、確変状態において第1特別図柄抽選が実行される場合も、第2特別図柄抽選が実行される場合も「ダブルリーチ」(図15(a)に示した、通常当たりに対応する第3図柄を含む2以上の第3図柄がリーチ状態となるリーチ演出)が実行されることになるため、遊技者に対して、「ダブルリーチ」が実行された場合に、何れの特別図柄抽選に対応する第3図柄変動演出が実行されているのかを分かり難くすることができる。さらに、「特殊ダブルリーチ」が設定されると、最初に「ダブルリーチ」の演出態様が設定され、その後、図15(b)に示した「確変ダブルリーチ」へと演出態様が可変するリーチ演出が実行される。よって、第1特別図柄抽選に対応して「ダブルリーチ」が実行された場合であっても、途中で「確変ダブルリーチ」へと昇格することを期待させながら遊技を行わせることができる。なお、この「特殊ダブルリーチ」において、リーチ演出の演出態様が可変するタイミングは、中図柄列Z2が1周、或いは2周したタイミングとしているが、これに限ること無く、遊技者が操作ボタン22を操作したタイミングに基づいて演出態様を可変しても良い。なお、通常状態中に第2特別図柄変動が実行される場合において、変動時間が「10秒(基本時間10秒、加算時間0秒)」の変動パターン(特殊外れ)が選択された場合には、図9(a)に示した外れリーチ演出が実行された後、そのまま外れを示す表示態様で第3図柄が停止表示される。一方、変動時間が「10秒(基本時間10秒、加算時間0秒)」の変動パターン(特殊当たり)が選択された場合には、10秒間の図柄変動の後、大当たり当選を示す表示態様(例えば、「777」)で第3図柄が停止表示される。このように、通常状態中に実行される第2特別図柄変動に対応する変動演出として、1回の特別図柄変動期間中に疑似的に複数回の変動演出を実行する特殊変動パターンと、1回の特別図柄変動期間中に1回の変動演出を実行する通常変動パターンと、を設けることにより、どのタイミングで新たな第2特別図柄変動が実行されたのかを遊技者に分かり難くすることができるため、チャンスゾーンが継続することを期待しながら遊技を行わせることができる。
また、チャンスゾーン中の実行される変動演出(疑似含む)の回数が多い程、大当たり当選の期待度を高めることができるため、チャンスゾーンが長時間継続することを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。加えて、本制御例では、1回の特別図柄変動期間中に疑似的に複数回の変動演出を実行する特殊変動パターンにて実行される1回の疑似変動時間(10秒)と同一時間となるように通常変動パターンの変動時間(10秒)が規定されているため、例えば、特殊変動パターンで実行された第2特別図柄変動の後に、通常変動パターンで実行された第2特別図柄変動が実行された場合に、第3図柄表示装置81の表示面では、10秒間の変動演出が繰り返し実行されることになる。よって、特殊変動パターンとして疑似変動演出が繰り返し実行されているのか、特殊変動パターンと通常変動パターンとが連続して実行されているのかを遊技者に分かり難くすることができる。よって、どのタイミングで新たな第2特別図柄変動が実行されたのかを遊技者に分かり難くすることができるため、チャンスゾーンが継続することを期待しながら遊技を行わせることができる。なお、本制御例では、通常状態中の第2特別図柄変動として、変動時間が「40」秒の変動パターンが選択された場合に、特殊変動パターンの変動演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、通常状態中に実行される第2特別図柄変動に対応する変動時間として「40秒」以外の変動時間を選択可能に構成しても良い。また、本制御例では、特殊変動パターンの変動演出の一部である疑似変動時間を基本的に10秒で固定し、大当たり期待度が高い場合に、10秒以外の長さで疑似変動演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、1回の変動演出の実行期間が長くなることを、期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
図28(a)に戻り、説明を続ける。連続予告実行選択テーブル222dは、主制御装置110側から受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報(大当たり当選の有無)に基づいて、複数の特別図柄変動の期間を跨いで実行される連続予告演出の実行条件を成立させるか否かを決定する際に参照されるデータテーブルである。ここで連続予告演出の実行条件が成立すると、枠ボタン22への操作を有効に判別する特殊有効時間が設定される。そして、特殊有効時間内に枠ボタン22が操作された場合に、連続予告演出が実行される。この連続予告演出が実行されると、通常の背景モード(海モード、山モード)とは異なる背景モード(空モード)へと移行し、実行条件の成立対象となった入賞情報に対応する特別図柄抽選の結果が表示されるまでの期間を用いた連続演出が実行される。詳細な説明は後述するが、本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定されている期間のうち、高速変動期間(普通図柄の高確率状態が設定されてから、20回目の特別図柄変動が実行されるまでの期間)中は、他の期間に比べて枠ボタン22への操作に基づいて背景モードが移行し難くなるように構成している。そのような高速変動期間中であっても、枠ボタン22を操作することにより背景モードを移行させることができるため、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。また、通常の背景モード移行とは異なり、大当たり当選の期待度を高めた背景モード移行を実行させることができるため、演出効果を高めることができる。さらに、高速変動期間中は、他の期間に比べて特別図柄変動の変動時間が短くなり易いため、他の期間のように背景モードを移行させてしまうと、肝心な特別図柄抽選の結果を見逃してしまう虞があることから、背景モード移行し難くなるように構成している。しかしながら、連続予告演出が実行されることに基づいて背景モード移行する場合には、複数回の特別図柄変動の変動時間を用いた連続予告演出が実行されるため、背景モード移行後に即座に連続予告演出の演出結果が表示されることが無い。よって、背景モード移行を実行したとしても、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
さらに、本制御例では、高速変動期間中に枠ボタン22を操作した場合に、背景モード移行以外の演出(操作演出)を実行可能にし、高速変動期間中であっても、遊技者に意欲的に枠ボタン22を操作させることで遊技に早期に飽きてしまうことを抑制するように構成している。その中で、連続予告演出の実行条件が成立したことに基づいて背景モード移行が実行されることにより、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。ここで、図31(a)を参照して、連続予告実行選択テーブル222dの内容について説明する。図31(a)は、連続予告実行選択テーブル222dの内容を模式的に示した模式図である。図31(a)に示した通り、連続予告実行選択テーブル222dには、受信した入賞情報に含まれる抽選結果(特別図柄の抽選結果)と、特図2保留数(第2特別図柄の保留球数)と、取得した演出カウンタ223fの値と、に対応させて、連続予告演出の実行条件を成立させるか否かが規定されている。具体的には、抽選結果が「大当たり」で、特図2保留数が「3」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立する「連続予告有」が、「80~198」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立しない「連続予告無」が規定されている。また、特図2保留数が「4」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~149」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立する「連続予告有」が、「150~198」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立しない「連続予告無」が規定されている。一方、抽選結果が「外れ」で、特図2保留数が「3」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~194」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立しない「連続予告無」が、「195~198」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立する「連続予告有」が規定されている。また、特図2保留数が「4」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~189」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立しない「連続予告無」が、「190~198」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立する「連続予告有」が規定されている。
上述した通り、本制御例では、特図2保留数が多いほど、連続予告演出の実行条件が成立し易く、さらに、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも連続予告演出の実行条件が成立し易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して連続予告演出を実行させようと意欲的に遊技(第2入球口640へと球を入球させる遊技)を行わせることができ、パチンコ機10の稼働を高めることができる。加えて、特図2保留数が多い程、連続予告演出の実行条件が成立した場合における大当たり期待度が高くなるように構成している。よって、大当たり期待度の高い連続予告演出を実行させるために、意欲的に遊技(第2入球口640へと球を入球させる遊技)を行わせることができ、パチンコ機10の稼働を高めることができる。本制御例では、主制御装置110側から入賞情報コマンド(特別図柄に対する入賞情報コマンド)を受信した場合に、連続予告実行選択テーブル222dを参照して、連続予告演出の実行条件の成立の有無のみを判定(決定)するように構成しており、連続予告演出の実行条件が成立した場合であっても、その時点で連続予告演出が実行されず、実行条件が成立した後、特定の期間内にて枠ボタン22を操作した場合に連続予告演出が実行されるように構成している。これにより、1回の特別図柄変動期間中に第2入球口640へと球が複数入球し、複数の入賞情報コマンドを受信した場合には、実行条件の成立対象となる入賞情報を遊技者に分かり難くすることができる。よって、連続予告演出が実行された場合に、その連続予告演出がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、連続予告演出の演出内容が単調になることを抑制することができる。
なお、本制御例では、上述した通り、連続予告演出の実行条件が成立したことを遊技者に報知(示唆)しないように構成しているが、これに限ること無く、実行条件が成立したことを遊技者に報知(示唆)するための報知(示唆)演出を実行するように構成しても良く、例えば、副表示領域Dsに「待機中」の文字を表示することで、連続予告演出の実行条件が成立したことを遊技者に報知(示唆)するように構成しても良い。このように構成することで報知(示唆)演出が実行された場合に、連続予告演出を実行させようと意欲的に枠ボタン22を操作させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、本制御例では、図13(a)に示した通り、遊技者による枠ボタン22への操作を有効に判別する有効期間が設定されていることを(有効期間中であることを)遊技者に報知可能な有効期間報知態様として、主表示領域Dmの右側下方に枠ボタン22を模したアイコンHR10を表示するように構成しているが、連続予告演出の実行条件が成立した場合に設定される特殊有効時間が設定されているのか、通常の有効時間が設定されているのかを、アイコンHR10の表示態様からは判別できない(し難い)ように構成している。このように構成することで、遊技者は、枠ボタン22を操作するまで連続予告演出が実行されるのか、通常の操作演出が実行されるのかが分からないため、連続予告演出を実行させようと枠ボタン22を意欲的に操作させることができる。
なお、本制御例の構成とは異なり、アイコンHR10の表示態様によって、現在設定されている有効期間が特殊有効時間であるか、通常有効時間であるかを遊技者が判別可能となるように構成しても良いし、アイコンHR10が第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示タイミングによって現在設定されている有効期間が特殊有効時間であるか、通常有効時間であるかを判別させるように構成しても良い。また、特殊有効時間が設定される期間を、通常有効時間が設定される期間(例えば、特別図柄変動が開始されてから3秒間)とは異ならせ、さらに、特殊有効時間が設定されていることを遊技者に報知(示唆)しないように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対してどのタイミングで枠ボタン22を操作したら連続予告演出が実行されるのかを分かり難くすることができるため、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。同様に、特殊有効時間が設定されていることを遊技者に報知(示唆)しないように構成した場合において、連続予告演出の実行条件が成立していることを報知(示唆)する演出(例えば、副表示領域Dsに「待機中」の文字を表示)のみ実行可能に構成しても良い。これにより、連続予告演出の実行条件が成立していない状態で無駄に枠ボタン22を操作させてしまうことを抑制することができる。加えて、連続予告演出の実行条件が成立している状態であって、特殊有効時間外に枠ボタン22を操作した場合に、現在が特殊有効時間外であることを遊技者に報知するための報知表示(例えば、副表示領域Dsに「今じゃない」の表示)を実行しても良いし、特殊有効時間を案内するための案内表示(例えば、副表示領域Dsに「2秒後にもう一度押してね」の表示)を実行しても良い。また、本制御例では、第2特別図柄に対する入賞情報が含まれる入賞情報コマンドを受信した場合に、連続予告演出テーブル222dを参照して、連続予告演出の実行条件を成立させるための処理を実行するが、これに限ること無く、第1特別図柄に対する入賞情報が含まれる入賞情報コマンドを受信した場合にも連続予告演出の実行条件が成立するように構成しても良い。
図28に戻り説明をする。V報知実行選択テーブル222eは、大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを決定する際に参照されるデータテーブルである。本制御例では、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置65内に特定領域(Vゲート)65vを設けており、可変入賞装置65内に入賞した球が特定領域(Vゲート)65vを通過すると、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されるように構成している。そして、実行される大当たり遊技の種別に応じて、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過し易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)と、その確変大当たり遊技よりも、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過し難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)と、を実行可能に構成している。具体的には、図5(b)に示した通り、可変入賞装置65内に切替弁65yを設け、切替弁65yの配置状況によって可変入賞装置65内に流入した球が、特定領域(Vゲート)65vを通過不可能(困難)な第3流路65e3と、特定領域(Vゲート)65vを通過可能な第4流路65e4とに振り分けられるように構成している。この切替弁65yは、確変大当たり遊技が実行された場合の1ラウンド目のラウンド遊技中にのみ球を第4流路65e4へと振り分け可能な配置状況へと切り替わるように駆動制御される。V報知演出は、大当たり遊技を実行している遊技者に対して、球が特定領域(Vゲート)65vを通過可能な期間(V期間)、及び、特定領域(Vゲート)65vを狙うための遊技方法を案内するV案内演出と、現在がV期間であることを報知するV期間演出と、V期間中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを報知するV成功演出と、V期間中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過しなかったことを報知するV失敗演出と、を実行可能な演出である。このV報知演出を実行することにより、確変大当たり遊技が実行された場合において、特定領域(Vゲート)65vに球を通過させるための遊技を容易に行わせることができると共に、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したことが遊技者に報知されるため、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを遊技者に分かり易く報知することができる。
ここで、本制御例では、通常大当たり遊技が実行された後には、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように構成しており、時短状態が設定された場合には、演出モードとして「チャンスモード」が設定されるように構成している(図18参照)。さらに、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定される場合の一部においても「チャンスモード」が設定されるように構成している。これにより、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定された場合であっても、内部的には確変状態が設定されている可能性を残すことができるため、遊技者に確変状態であることを期待させながら遊技を行わせることができる。しかしながら、大当たり遊技中にV報知演出が実行されてしまうと、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したか否かを大当たり遊技中に容易に把握できてしまうため、ひいては、球が特定領域(Vゲート)65vを通過したにも関わらず、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定されてしまうと、確変状態が消滅したと不信感を持たれてしまうという問題があった。特に、本制御例のように確変状態を終了させるための確変終了条件として、特別図柄変動が50回実行された場合に成立する確変終了条件を有するパチンコ機10においては、特別図柄抽選で大当たり当選することなく確変状態が終了してしまうため、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したにも関わらず、確変状態が設定されなかったと強く思われてしまう虞があった。そこで、本制御例では、大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを決定する処理を実行し、その処理結果に基づいて大当たり遊技中のV報知演出の有無を決定する。そして、V報知演出を実行しない大当たり遊技中にて、球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合(大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合)に、その大当たり遊技終了後に「チャンスモード」を設定するように構成している。このように構成することで、内部的に確変状態が設定されているか否かを遊技者が判別することが困難となるため、「チャンスモード」を遊技している遊技者に対して不信感を与えること無く、確変状態が設定されていることを期待させながら遊技を行わせることができる。
ここで、図31(b)を参照して、V報知実行選択テーブル222eの内容について説明をする。図31(b)は、V報知実行選択テーブル222eに規定されている内容を模式的に示した模式図である。このV報知実行選択テーブル222eは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図58参照)にて実行される大当たり関連処理(図64のS4218参照)において、確変大当たり遊技を開始するタイミングであると判別された場合に(図64のS4701:Yes)、今回の大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを決定する際に参照される(図64のS4704)。図31(b)に示した通り、V報知実行選択テーブル222eには、今回実行される大当たり遊技に対応する大当たり種別(大当たり当選した大当たり種別)と、取得した演出カウンタ223fの値とに対応させてV報知有無(V報知演出を実行するか否かの判定結果)が規定されている。具体的には、大当たり種別が「大当たりA」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~149」の範囲には、V報知演出を実行することを示す「V報知有」が、「150~198」の範囲には、V報知演出を実行しないことを示す「V報知無」が規定されている。また、大当たり種別が「大当たりC,D,E」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~189」の範囲には、「V報知有」が、「190~198」の範囲には、「V報知無」が規定されている。第1特別図柄抽選で大当たり当選し、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別「大当たりA」が設定された場合には、約75%の割合でV報知演出が実行される。ここで、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、50%が確変大当たり遊技(「大当たりA」)となり、残りの50%が通常大当たり遊技(「大当たりB」)となるように構成されている。よって、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の約37.5%の割合で大当たり遊技中にV報知演出が実行され、約62.5%の割合で大当たり遊技中にV報知演出を実行報知演出が実行されないことになる。また、V報知演出が実行されなかった場合のうち、確変大当たり遊技が実行されている割合が約20%となるように構成されている。
一方、第2特別図柄抽選で大当たり当選し、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別「大当たりC,D,E」が設定された場合には、約90%の割合でV報知演出が実行される。ここで、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合は、必ず確変大当たり遊技(「大当たりC,D,E」)となるように構成されている。よって、実際には第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の約10%の割合でV報知演出が実行されない大当たり遊技が実行されることになる。このように、必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選による大当たり当選に対してもV報知演出を実行しない場合を設けることにより、V報知演出が実行されなった場合、即ち、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定された場合において、遊技状態が確変状態である割合を高めることができる。また、上述した通り、第1特別図柄抽選で確変大当たり遊技が実行される大当たり(「大当たりA」)に当選した場合と、第2特別図柄抽選で確変大当たり遊技が実行される大当たり(「大当たりC,D,E」)に当選した場合とで、V報知演出が実行される割合を異ならせている。具体的には、実際に確変大当たり遊技が実行され易い第2特別図柄抽選よりも、確変大当たり遊技が実行され難い第1特別図柄抽選のほうが、確変大当たり遊技が実行される場合において、V報知演出が実行され難くなるように構成している。このように構成することで、第1特別図柄抽選で大当たりに当選した場合に、その大当たり遊技中にV報知演出が実行されない頻度を高めることができるため、通常大当たり遊技が実行され得る第1特別図柄抽選に基づく大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定された場合にも遊技者に期待感を持たせ易くすることができる。
なお、本制御例では、図31(b)に示した通り、V報知演出の実行割合を、大当たり種別に応じて異ならせているが、それ以外の要素に応じてV報知演出の実行割合を異ならせても良く、例えば、大当たり当選した時点における遊技状態に応じてV報知演出の実行割合を異ならせたり、通常状態へ移行すること無く大当たり当選した回数(所謂、連荘回数)に応じてV報知演出の実行割合を異ならせたり、遊技者が枠ボタン22を操作した操作結果に応じてV報知演出の実行割合を異ならせても良い。このように様々な条件に応じてV報知演出の実行割合を異ならせることで、見た目上の確変割合(大当たり当選全体におけるV報知演出が実行される割合)を複数設定することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。なお、上述した技術思想のうち、大当たり当選した回数に応じてV報知演出の実行割合を異ならせる技術思想についてより具体的な例を説明すると、例えば、前回の大当たり当選時にV報知演出が実行された場合には、今回の大当たり当選時にはV報知演出とは異なる演出を実行するように構成しても良いし、連続する大当たり当選にてV報知演出が実行される場合においては、同一態様のV報知演出が実行されないようにV報知演出の演出態様を異ならせるように構成しても良い。この場合、1の大当たり当選に基づいて実行されるV報知演出の演出態様(表示態様)が、次の大当たり当選に基づいて実行されるV報知演出の演出態様(表示態様)として決定されることが無いため、短期間で同一条件(大当たり当選)が成立した場合に決定されない演出態様(表示態様)となる。本制御例では、確変大当たり遊技が実行される場合、即ち、特定領域(Vゲート)65vに球を通過させることが可能な大当たり遊技が実行される場合にのみ、上述したV報知演出を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、通常大当たり遊技が実行される場合にもV報知演出を実行可能に構成しても良い。この場合、確変大当たり遊技にてV期間(特定領域(Vゲート)65vに球を通過させることが可能な期間)が設定されるタイミング(1ラウンド目のラウンド遊技が実行されるタイミング)に合わせてV報知演出を実行し、最終的にV期間中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過しなかったことを報知するV失敗演出を実行するように構成すれば良い。さらに、大当たり遊技中に正常に遊技を行ったにも関わらず、V失敗演出が実行されるように構成した場合には、例えば、確変大当たり遊技にて特定領域(Vゲート)65vに球を通過させたにも関わらずV失敗演出を実行し、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」を設定するように構成しても良い。また、本制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、確変大当たり遊技中にV報知演出を実行しないパターンを設定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり当選した場合には必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には必ずV報知演出を実行するように構成しても良い。
図28(a)に戻り、説明を続ける。ボタン操作時演出選択テーブル222fは、演出モードとして「チャンスモード」が設定されている場合に、遊技者が操作手段である枠ボタン22を操作したことに基づいて実行される操作演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図58参照)にて実行される枠ボタン入力監視・演出処理(図70のS4107参照)にて、チャンスモード中に枠ボタン22に対して有効な操作が実行されたと判別された場合に(図70のS5314:Yes)、参照される(図70のS5315参照)。このように、遊技者が枠ボタン22を操作した場合に実行される操作演出の演出態様を、ボタン操作時演出選択テーブル222fを参照して可変させることにより、遊技者に対してバリエーションに富んだ操作演出を提供することができる。ここで、図32(a)を参照して、ボタン操作時演出選択テーブル222fの内容について説明をする。図32(a)は、ボタン操作時演出選択テーブル222fに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図32(a)に示した通り、ボタン操作時演出選択テーブル222fには、時短状態が設定されている場合に参照される時短状態選択テーブル222f1と、確変状態が設定されている場合に参照される確変状態選択テーブル223f2と、が規定されている。
本制御例では、時短状態が設定される場合と、確変状態が設定される場合の一部において、演出モードとして「チャンスモード」が設定されるように構成されている。そして、設定されている遊技状態に関わらず、「チャンスモード」中は共通の変動演出が実行されるように構成されている。さらに、確変状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合とで、同一の変動パターンテーブル(確変・時短用テーブル202b2)を参照して変動パターン(変動時間)が選択されるように構成されている。これにより、「チャンスモード」中に実行される特別図柄変動、及び、その特別図柄変動に対応して実行される第3図柄の変動演出からは、現在設定されている遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを把握し難くすることができるため、遊技者に対して現在が確変状態であることを期待させながら遊技を行わせることができる。しかしながら、「チャンスモード」を遊技している遊技者に対して、現在設定されている遊技状態を示唆可能な情報を提供しないと、「チャンスモード」中の遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。そこで、本制御例では、「チャンスモード」中に複数種類の操作演出を実行可能に構成し、設定されている遊技状態に応じて、各操作演出の実行割合を異ならせるように構成している。つまり、実行され得る操作演出の種類は同一だが、各操作演出が選択される割合を異ならせることにより、実際に実行される複数の操作演出に基づいて現在の遊技状態を予測することができるように構成している。これにより、遊技者に対して遊技状態を予測する楽しみを提供することができる。なお、通常状態が設定されている場合に実行される操作演出の演出態様や、確変状態が設定されていることを報知する演出モードである「スーパーチャンスモード」中に実行される操作演出の演出態様や、変動演出の一環として実行される操作演出の演出態様についても同様に複数種類の演出態様のうち、何れかの演出態様を決定して実行するように構成しているが、その詳細な説明は省略する。
次に、図32(b)を参照して、操作時演出選択テーブル222fに規定されている時短状態選択テーブル223f1の内容について説明をする。図32(b)は、時短状態選択テーブル223f1の内容を模式的に示した模式図である。この時短状態選択テーブル223f1は、時短状態が設定されている「チャンスモード」中における操作演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、枠ボタン22が操作されたタイミングと、遊技者が枠ボタン22に対して実行した操作方法の種別と、取得した演出カウンタ223fの値とに応じて異なる操作演出の演出態様が規定されている。具体的には、図32(b)に示した通り、操作タイミングが高速変動期間(第1期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~149」の範囲には、操作演出が実行されないことを示す「無」が、「150~189」の範囲には、実行中の変動演出がリーチ状態となるか否かを、第3図柄変動中に示唆する演出を示す「リーチ示唆」が、「190~198」の範囲には、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。ここで、本制御例では、遊技者が枠ボタン22に対して実行可能な操作方法が複数設定されており、枠ボタン22を押下した状態が2秒未満である場合に判定される「通常押し」と、枠ボタン22を押下した状態が2秒以上継続した場合に判定される「長押し」と、が設定されている。そして、遊技者の操作方法に応じて異なる操作演出が実行されるように構成している。これにより、遊技者が任意に操作方法を選択することで様々な操作演出を実行することができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することが出来る。
なお、本制御例では、遊技者が操作可能な操作方法として、上述した2種類の操作方法を用いているが、これに限ること無く、例えば、パチンコ機10に枠ボタン22以外の操作手段(例えば、第2枠ボタン)を設け、遊技者が押下した枠ボタンの種類に応じて異なる操作演出が選択されるように構成しても良いし、所定期間(例えば、2秒間)の間に、複数の操作手段に対して実行された操作の順序に対応させて複数の操作方法を設定するように構成しても良い。さらに、遊技者が枠ボタン22を押下した時点で「通常押し」と判定し、その後、その押下状態が所定期間(例えば、2秒)継続した場合に、「長押し」と追加判定することで、「長押し」専用の操作演出を実行するように構成しても良い。さらに、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下可能な枠ボタン22の構成以外に、遊技者が上下左右方向に傾倒操作可能なレバー部材や、遊技者が回動操作可能な回動部材から成る操作手段を設けても良い。また、遊技者が部材を直接操作するのでは無く、所定の検知領域を有する近接センサを設け、その検知領域内に進入させた手を近接センサに検知させることで所定の操作を実行したと判定可能な操作手段(例えば、タッチセンサ等)を設けても良く、遊技者が任意に所定の操作を実行可能であって、その操作内容に応じて異なる操作方法を選択できるものであれば良い。また、本制御例では、「通常押し」と、「長押し」の2種類の操作方法を有する構成について説明をしたが、これに限ること無く、3種類以上の操作方法を設けても良いし、操作方法を1種類しか設けなくても良い。ここで、操作方法を1種類しか設けない場合には、当該操作が実行される間隔に応じて異なる操作演出が実行されるように構成しても良い。これにより、操作方法自体は1種類であっても、様々な操作演出を遊技者に選択させることが可能となる。
図32(b)に戻り、時短状態選択テーブル223f1の内容の説明を続ける。操作タイミングが通常時短変動期間(第2期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。そして、操作タイミングが特定期間(50回目の特別図柄変動中)の場合、操作方法、及び取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、操作演出が実行されないように構成されている。最後に、操作タイミングが通常時短変動期間(第3期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、過去(「チャンスモード」が設定された時点(大当たり遊技終了後))に設定されていた遊技状態を示唆するための演出を示す「過去状態示唆」が規定されている。次に、図33を参照して、操作時演出選択テーブル222fに規定されている確変状態選択テーブル223f2の内容について説明をする。図33は、確変状態選択テーブル223f2の内容を模式的に示した模式図である。この確変状態選択テーブル223f2は、確変状態が設定されている「チャンスモード」中における操作演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、枠ボタン22が操作されたタイミングと、遊技者が枠ボタン22に対して実行した操作方法の種別と、取得した演出カウンタ223fの値とに応じて異なる操作演出の演出態様が規定されている。
具体的には、図33に示した通り、操作タイミングが高速変動期間(第1期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~119」の範囲には、操作演出が実行されないことを示す「無」が、「120~139」の範囲には、実行中の変動演出がリーチ状態となるか否かを、第3図柄変動中に示唆する演出を示す「リーチ示唆」が、「140~189」の範囲には、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」、「190~198」の範囲は、背景モードを移行することを示す「背景モード移行」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。また、操作タイミングが通常時短変動期間(第2期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~169」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が、「170~198」の範囲には、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。そして、操作タイミングが特定期間(50回目の特別図柄変動中)の場合、操作方法、及び取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、操作演出が実行されないように構成されている。最後に、操作タイミングが通常時短変動期間(第3期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、過去(「チャンスモード」が設定された時点(大当たり遊技終了後))に設定されていた遊技状態を示唆するための演出を示す「過去状態示唆」が規定されている。
以上、説明をした通り、大当たり遊技終了後の演出モードとして「チャンスモード」が設定された場合には、時短状態である場合と、確変状態である場合と、で異なるデータテーブルを参照して操作演出の演出態様が選択されるように構成しており、設定されている遊技状態に応じて各演出態様が選択される割合を異ならせている。よって、実行される操作演出の演出態様に基づいて現在設定されている遊技状態を遊技者に予測させることが可能となるため、遊技者に意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。また、特定の操作タイミングにおいて、演出モードとして「チャンスモード」が設定され得る複数の遊技状態(確変状態、時短状態)のうち、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)が設定されている場合に実行され易い演出態様(有利演出態様)として、例えば、「第1期間」中の「通常押し」により実行される「状態示唆」の操作演出を設けているため、「第1期間」中の「通常押し」により「状態示唆」の操作演出が実行された場合に、有利遊技状態が設定されているのでは?と期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。さらに、「第1期間」中に操作演出を複数回実行可能に構成しているため、「第1期間」中に上述した有利演出態様で操作演出が実行された回数が増加すればするほど、有利遊技状態が設定されている期待度を高めることができるため、遊技者により意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。加えて、特定の操作タイミングにおいて、演出モードとして「チャンスモード」が設定され得る複数の遊技状態(確変状態、時短状態)のうち、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)が設定されている場合にのみ実行される演出態様(確定演出態様)として、例えば、「第1期間」中の「通常押し」により実行される「背景モード移行」の操作演出を設けているため、「第1期間」中の「通常押し」により「背景モード移行」の操作演出が実行された場合に、有利遊技状態が設定されていることを把握することができる。
また、上述した有利演出態様や、確定演出態様として、他の条件下(例えば、「第2期間」中の「通常押し」)において選択され得る演出態様を用いている。より詳細には、「状態示唆」の演出態様は、「第1期間」中の「通常押し」により実行された場合には、確変状態が設定されている期待度が高くなり、「第2期間」中の「通常押し」により実行された場合には、時短状態が設定されている期待度が高くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、「チャンスモード」が設定されているどの期間中にどの演出態様で操作演出が実行されたのかを分析しながら遊技を行わせる楽しみを提供することができる。以上、図32、及び図33を参照して、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作した場合に、選択され得る操作演出の演出態様の内容、及び、選択される際に参照されるデータテーブル(ボタン操作時演出選択テーブル222f)の内容について説明をしたが、本第1制御例では、設定されている遊技状態に応じて異なるデータテーブルを参照するように構成している。そして、各データテーブルには、同一の演出態様が、選択割合を異ならせて規定されている。これにより、実行される操作演出の演出態様だけでは現在の遊技状態を遊技者に把握させ難くし、複数回の操作演出を実行することより、各演出態様の選択割合を把握することで現在の遊技状態を把握可能にすることができる。よって、遊技者に対して操作演出を複数回実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。なお、本制御例では、設定されている遊技状態に応じて異なるデータテーブルを参照するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、現在設定されている遊技状態と、現在設定されている演出モードと、に基づいて、異なるデータテーブルを参照して操作演出の演出態様を選択するように構成しても良い。これにより、確変状態が設定されている場合において、演出モードとして「スーパーチャンスモード」が設定されている場合と、「チャンスモード」が設定されている場合とで、異なる操作演出を実行することができる。
ここで、演出モードとして「スーパーチャンスモード」が設定されている場合には、例えば、現在の遊技状態が設定されていることを示唆する演出態様である「状態示唆」を実行する必要が無いため、代わりに、「リーチ示唆」の演出態様や、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報に特定の抽選結果(大当たり当選や、所定時間以上の変動時間が設定される変動パターン)を示す情報が含まれているか否かを示唆する「先読み示唆」の演出態様を規定すると良い。これにより、「スーパーチャンスモード」が設定されている状態においても、遊技者に操作演出を意欲的に実行させることができる。さらに、操作演出の演出態様を選択するためのデータテーブル(ボタン操作時演出選択テーブル222f)の種別を、大当たり当選時の遊技状態や、大当たり種別(特別図柄の停止表示態様)、第3図柄表示装置81の表示面に表示された第3図柄の停止表示態様、或いは、大当たり遊技中におけるV入賞の有無に応じて異ならせるように構成しても良い。この場合、例えば、遊技状態として時短状態が設定され、且つ、演出モードとして「チャンスモード」が設定される場合において、通常大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定される場合と、確変大当たり遊技中に球をV入賞させることができず、その大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定される場合と、で「チャンスモード」中に実行される操作演出の演出態様を異ならせることができる。具体的には、確変の大当たり遊技終了後に時短状態が設定された「チャンスモード」中には、前回の大当たり遊技が確変大当たり遊技であったことを示唆する「過去大当たり種別示唆」の演出態様を規定すると良い。これにより、実際には時短状態が設定されているにも関わらず、確変状態が設定されているのではと遊技者に思わせることができる。また、前回の大当たり遊技が確変大当たり遊技であったにも関わらず、V入賞させることができなかったことを報知する「過去遊技履歴報知」の演出態様を規定しても良い。これにより、今後実行する遊技の内容を改め易くすることができる。
次に、図28(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図28(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、コマンド記憶領域223a、入賞情報格納エリア223b、特別図柄保留球数カウンタ223c、特図変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、従状態設定エリア223g、普通図柄保留球数カウンタ223h、特殊演出中フラグ223i、V入賞フラグ223j、V演出実行フラグ223k、V報知フラグ223m、従時短カウンタ223n、特殊連続予告フラグ223o、演出モード記憶エリア223p、連続予告実行中フラグ223q、SW有効時間カウンタ223r、特殊有効時間カウンタ223s、操作中カウンタ223t、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図59参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。入賞情報格納エリア223bは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(第1エリア~第4エリア)とを特別図柄に対して有しており、これらの各エリアには、主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに含まれる入賞情報が第1エリアから順に格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
本制御例では、第1特別図柄の保留球を最大で4個、第2特別図柄の保留球を最大で4個、それぞれ保留記憶可能に構成しているため、入賞情報格納エリア223bには、第1特別図柄用の4つの保留エリアと、第2特別図柄用の4つの保留エリアとが形成される。なお、本制御例では、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とは同時に実行されないように構成しており、第1特別図柄の保留球と、第2特別図柄の保留球とをともに有している状態で新たな特別図柄抽選を実行する場合には、第2特別図柄の保留エリアのうち、最古に記憶された入賞情報(第1エリアに記憶された入賞情報)が実行エリアへと移行するように構成されている。そして、第2エリア~第4エリアに格納されている各入賞情報が1つ若い番号の保留エリアへとシフトするように構成されている。即ち、本制御例のパチンコ機10は、第2特別図柄抽選が第1特別図柄抽選よりも優先して実行されるように構成されている。なお、本制御例のパチンコ機10とは異なり、例えば、特別図柄の種別に関わらず、保留球を獲得した順番に応じて特別図柄抽選が実行されるパチンコ機10(所謂、入賞順消化のパチンコ機10)であれば、入賞情報格納エリア223bに8つの保留エリアを設け、主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに含まれる入賞情報が第1エリアから順に記憶されるように構成すれば良い。また、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選と、を同時に(重複して)実行可能なパチンコ機10(所謂、同時変動タイプのパチンコ機10)であれば、本制御例の構成に対して、1つの実行エリアに替えて、第1特別図柄用の第1実行エリアと、第2特別図柄用の第2実行エリアと、を設け、各特別図柄に対応した保留エリアの第1エリアに記憶されている入賞情報が各特別図柄に対応した実行エリアへと移行するように構成すれば良い。
特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110から送信された保留球数コマンドに対応する値を計数するためのカウンタであって、第1特別図柄の保留球数を計数するための第1特別図柄保留球数カウンタ223c1と、第2特別図柄の保留球数を計数するための第2特別図柄保留球数カウンタ223c2と、を有している。即ち、特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて各特別図柄の保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を管理するようになっている。具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって第1特別図柄の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において新たな第1特別図柄抽選を実行するために第1特別図柄の保留球数を減算した場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を、音声ランプ制御装置113へ送信する。また、第2入球口640への入球によって第2特別図柄の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において新たな第2特別図柄抽選を実行するために第2特別図柄の保留球数を減算した場合に、加算後または減算後の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド、特図2保留球数コマンド)を受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、或いは、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223c(第1特別図柄保留球数カウンタ223c1、第2特別図柄保留球数カウンタ223c2)に格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eと同期させながら、その値を更新することができる。特別図柄保留球数カウンタ223cの値は、保留図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223cの値分の保留球数を第3図柄表示装置81の副表示領域Ds1(図6(b)参照)に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223dは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、特別図柄抽選の実行が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特図変動開始フラグ223dは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された特別図柄の変動パターンを通知する特図変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。なお、特図変動開始フラグ223dは、第1特別図柄に対応する第1特図変動開始フラグ223d1と、第2特別図柄に対応する第2特図変動開始フラグ223d2と、を有しており、主制御装置110から送信された特図変動パターンコマンドが示す特別図柄の種別に対応させてオン、オフの設定がされる。特図停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から出力される特別図柄の変動停止種別を通知する停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。なお、この特図停止種別選択フラグ223eは、第1特別図柄に対応する第1特図停止種別選択フラグ223e1と、第2特別図柄に対応する第2特図停止種別選択フラグ223e2と、を有しており、主制御装置110から送信された停止種別コマンド(特図停止種別コマンド)に含まれる特別図柄の種別に対応させてオン、オフの設定がされる。
演出カウンタ223fは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタであって、「0~198」の範囲で繰り返し更新される。なお、メイン処理が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。なお、詳細な説明は省略するが、この演出カウンタ223fは、複数のカウンタから構成されており、それぞれ更新規則が異なるように規定されている。何れのカウンタも、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図58参照)が実行される毎にカウンタの更新処理が実行されるように構成している。そして、メイン処理の実行間隔内において変動パターンの選択や、各種演出の選択処理を複数種類実行する場合には、演出カウンタ223fが有する異なるカウンタの値を取得して処理を実行するように構成している。これにより、同一タイミング(メイン処理の同一周期内)において演出カウンタ223fの値を用いる処理が複数回実行された場合であっても、演出カウンタ223fの同一値を用いて各種演出等を選択することを抑制することができる。
従状態設定エリア223gは、主制御装置110から出力される状態コマンドに対応したデータが設定される。従状態設定エリア223gに設定されるデータにより、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113でも判別することができる。なお、状態設定コマンドは、電源投入時にも主制御装置110より出力されて、バックアップされた遊技状態が音声ランプ制御装置113により判別可能に構成されている。さらに、従状態設定エリア223gには、現在設定されている遊技状態を記憶する現遊技状態記憶領域と、現在の遊技状態が設定される以前に設定されていた遊技状態を記憶する過去遊技状態記憶領域と、を有しており、現在の遊技状態がどのような過程を経て設定されたのかを算出可能に構成している。これにより、例えば、時短状態が設定されている場合において、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されたのか、それとも、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、その後、確変終了条件が成立したことを契機に時短状態が設定されたのかを判別し、その判別結果に基づいた演出(過去の遊技状態を遊技者に示唆するための過去状態示唆演出)を実行することができる。また、従状態設定エリア223gは、通常状態、確変状態、時短状態の他に、大当たり遊技状態、普図当たり遊技状態、といった遊技状態も記憶することができるように構成している。普通図柄保留球数カウンタ223hは、主制御装置110から送信された普図保留球数コマンドに対応する値を計数するためのカウンタであって、主制御装置110のMPU201のRAM203が有する普通図柄の保留球数を計数するための普通図柄保留球数カウンタ203fの値と同期してその値が加算、減算されるものである。なお、詳細な内容は、上述した特別図柄保留球数カウンタ223cに対して、対象を特別図柄から普通図柄へと変更した点で相違するだけでありそれ以外は同一であるため省略する。
特殊演出中フラグ223iは、通常状態中に第2特別図柄変動が実行されることを示すためのフラグであって、通常状態中に第2特別図柄変動が実行される条件が成立した場合にオンに設定される。具体的には、通常状態において第2特別図柄変動が実行される場合、或いは、第1特別図柄変動が実行されている状態で特図2保留を獲得した場合にオンに設定される。そして、特殊演出中フラグ223iがオンに設定されている状態で第1特別図柄変動が実行される場合、即ち、特図2保留が0の場合にオフに設定される。本制御例では、特殊演出中フラグ223iがオンに設定される期間を示すために、「チャンスゾーン」演出(図8(b)参照)が実行される。V入賞フラグ223jは、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを示すためのフラグであって、球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合にオンに設定される。具体的には、主制御装置110にてV入賞コマンドが設定された場合に(図55のS2216参照)、そのV入賞コマンドが送信される。そして、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図59のS4112参照)にて実行される入賞コマンド処理(図61のS4212参照)においてV入賞コマンドを受信したと判別した場合に(図61のS4407:Yes)、オンに設定される。このV入賞フラグ112jは、大当たり関連処理(図64のS4218参照)において実行されるエンディング処理(図65のS4715参照)にて参照され(図65のS4801)、今回の大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したか(V入賞したか)が判別される。そして、エンディング処理(図65のS4715参照)にてオンに設定されていると判別した場合に(図65のS4801:Yes)、オフに設定される。
本制御例では、大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vに通過させる(V入賞)ための演出としてV報知演出を実行可能に構成しており、V入賞の有無に応じて、V入賞時(Vラウンド終了時)と、大当たり遊技のエンディング時とに実行される演出の演出態様を可変させるように構成している。さらに、V報知演出が実行されているか否かに応じて、V入賞時の演出態様と、大当たり遊技のエンディング時の演出態様とを可変させるように構成している。このように、V入賞の有無に基づいて可変設定される演出を、V入賞時とは異なるタイミング(エンディング時)で実行可能とするために、V入賞の有無をV入賞フラグ112jの設定状況により判別可能に構成している。V演出実行フラグ223kは、大当たり遊技中にV報知演出を実行することを示すためのフラグであって、大当たり遊技中にV報知演出を実行すると決定した場合にオンに設定されるものである。具体的には、大当たり関連処理(図64のS4218参照)において、大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合(図64のS4701:Yes)であって、今回の大当たりが確変大当たりである場合に(図64のS4703:No)、V報知実行選択テーブル222eを参照してV報知演出の実行の有無が決定される。そしてV報知演出を実行すると判別した場合に(図64のS4705:Yes)、オンに設定される(図64のS4706参照)。そして、大当たり関連処理(図64のS4218参照)において実行されるエンディング処理(図65のS4715参照)にて、V入賞フラグ112jがオンに設定されていない場合、即ち、大当たり遊技中にV入賞が発生しなかった場合に参照され(図65のS4802)、オンに設定されていると判別した場合には(図65のS4802:Yes)、エンディング演出の演出態様を切り替えるための処理を実行し(図65のS4804)、その後、オフに設定される(図65のS1804)。
本制御例では、確変大当たり遊技が実行される場合には、その大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを決定し、V報知演出の実行を決定した場合には、その時点でエンディング期間中の演出態様として、確変状態が設定されることを示すための演出態様(図11(b),(d)参照)を設定するように構成している。つまり、確変大当たり遊技中にV報知演出を実行する場合には、V入賞した時点で遊技者に対してその旨が報知されるため、エンディング期間に実行されるエンディング演出においても、遊技者に確変状態が設定されることを示すための演出態様(図11(b),(d)参照)が設定されるように構成している。よって、大当たり遊技中にV入賞しなかった場合には、エンディング演出の演出態様を、時短状態が設定されることを示すための演出態様(図11(a),(c)参照)へと切り替える処理を実行する。一方、確変大当たり遊技中にV報知演出を実行しない場合には、V入賞したとしてもその旨を遊技者に報知すること無く、エンディング演出の演出態様として、時短状態が設定されることを示すための演出態様(図11(a),(c)参照)が予め設定されるため、大当たり遊技中にV入賞しなかった場合であっても、エンディング演出の演出態様を切り替える処理を実行する必要が無い。従時短カウンタ223nは、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される期間を計測するためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定される場合に(大当たり遊技終了後に)、予め定められた値(本制御例では「100」)が設定される。そして、従時短カウンタ223nの値が1以上である状態で特別図柄変動が実行されると、その値が1減算され、従時短カウンタ223nの値が「0」となった場合に、普通図柄の低確率状態へと移行したと判別する。また、従時短カウンタ223nの値に基づいて、普通図柄の高確率状態における詳細な期間を判別するように構成している。なお、後述する各制御例において、同一の符号(223n)を付した要素の名称として時短中カウンタと称する場合があるが、その意味する所は同一である。
特殊連続予告フラグ223oは、演出モードとして「チャンスモード」が設定されている高速変動期間(第1期間)中に連続予告演出の実行条件が成立したことを示すためのフラグであって、連続予告演出の実行条件が成立した場合にオンに設定される。この特殊連続予告フラグ223oがオンに設定されると、操作手段に対する操作を有効に判別可能となる特殊有効期間が設定され、その特殊有効期間中に操作手段に対して特定の操作が行われた場合に、連続予告演出が実行される。具体的には、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図59のS4112参照)の一部である入賞コマンド処理(図61のS4212参照)にて、特図用入賞情報コマンド(特別図柄に対応する入賞情報コマンド)を受信した場合に実行される特図用入賞情報コマンド処理(図62のS4406参照)において、現在が高速変動期間中である(従時短カウンタ223nの値が75よりも大きい)と判別された場合に(図62のS4502:Yes)、連続予告実行選択テーブル222dを参照して連続予告演出を実行すると判別した場合に(図62のS4506:Yes)、オンに設定される(図62のS4507)。そして、第2特別図柄変動に対応する変動演出を選択するための特図2演出態様設定処理(図68のS4907参照)にて、「チャンスモード」が設定されている場合に実行されるチャンスモード中演出設定処理(図69のS5116参照)にて、特殊連続予告フラグ223oの設定状況が参照され(図69のS5210)、オンに設定されている場合に、枠ボタン22への操作を有効に判別可能な特殊有効期間として、特殊有効時間タイマ223sに3秒に対応する値が設定され(図65のS5211)、その後、オフに設定される。
このように、連続予告演出の実行条件が成立した場合にのみ、操作手段への操作が有効に判別される特殊有効期間を設定し、その特殊有効期間内に遊技者が操作手段に対して特定の操作を実行した場合にのみ、連続予告演出を実行可能とすることで、連続予告演出を実行しようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。また、連続予告演出を実行するための複数の情報(連続予告演出の実行条件が成立したか否かを示す情報や、特殊有効期間が設定される期間(設定されている期間)を示す情報や、連続予告演出を実行させために操作手段に対して行う操作内容を示す情報)を、遊技者に報知するための報知演出の報知態様を可変させることにより、連続予告演出の実行難易度を容易に可変調整することができる。なお、この場合、特別図柄抽選で大当たり当選した場合(する場合)に、連続予告演出の実行条件が成立し易くなるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して連続予告演出を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。加えて、連続予告演出の実行条件が成立している状態において、特殊有効期間外に遊技者が操作手段に対して特定の操作を実行した場合に、特殊有効期間が設定されるタイミングを遊技者に案内する案内報知演出を実行するように構成すると良い。これにより、遊技者に対してより意欲的に操作手段を操作させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。演出モード記憶エリア223pは、普通図柄の高確率状態中に設定される各種演出モードが格納される記憶領域であって、従時短カウンタ223nの値に応じて異なる演出モードが記憶される。そして、現在の演出モードを判別する際に、格納されている演出モードが読み出される。具体的には、チャンスモード中演出設定処理(図69のS5012参照)にて、従時短カウンタ223nの値が読み出され(図69のS5201)、読み出した値に対応する演出モード(高速期間(高速変動期間)、通常第1期間(第1期間)、通常第2期間(第2期間))が設定され記憶される。そして、普通図柄の高確率状態が低確率状態へと移行した場合に記憶されている情報がクリアされる。
連続予告実行中フラグ223qは、第3図柄の変動演出として連続予告演出が設定されていることを示すためのフラグであって、連続予告演出が実行されている場合にオンに設定される。そして、チャンスモード中演出設定処理(図69のS5012参照)にて、設定状況が判別され(図69のS5208)、オンに設定されている場合には(図69のS5208:Yes)、連続予告演出に対応する演出態様が決定される。そして、連続予告演出が終了した場合にオフに設定される。このように構成することで、連続予告演出中に実行される新たな変動演出において、連続予告演出に対応しない別の演出態様が設定されることを抑制することができる。SW有効時間タイマ223rは、第3図柄の変動表示期間内に設定される枠ボタン22の操作を有効に判別する操作有効期間を計測するためのタイマであって、操作有効期間が設定される場合に、操作有効期間の長さに対応する値が設定され、時間の経過に伴って、値が減算されるように構成している。そして、操作有効期間中に遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、その値が0にクリアされる。このように、枠ボタン22の操作を有効に判別する操作有効期間を設定することにより、操作手段(枠ボタン22)を操作した場合に実行される演出(操作演出)が過剰に実行されることを抑制することができる。なお、本制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として枠ボタン22のみを設けているが、例えば、操作手段として、枠ボタン22(第1操作手段)以外に、第2操作手段等の複数の操作手段を設ける場合には、各操作手段に対して異なる操作有効期間を設定する場合がある。その場合は、各操作手段に対してSW有効時間タイマ223rを設けることで、各操作手段の操作有効期間を重複して設定することができる。
特殊有効時間タイマ223sは、特殊連続予告フラグ223oがオンに設定されている状態で、チャンスモード中演出設定処理(図69のS5012参照)が実行された場合にのみ設定される、枠ボタン22への操作を有効に判別する操作有効期間(特殊操作有効期間)を計測するためのタイマであって、特殊操作有効時間が設定される場合に、その特殊操作有効時間の長さに対応する値が設定され、時間の経過に伴って、値が減算されるように構成している。そして、枠ボタン入力監視・演出処理(図70のS4107参照)において、特殊操作有効期間内であるか否かが判別され(図70のS5306)、有効時間内であると判別した場合に(図70のS5306:Yes)、枠ボタン22の操作が有効に取り扱われる。本制御例では、通常の操作有効期間(SW有効時間タイマ223rの値が0よりも大きい期間)内に枠ボタン22を操作した場合と、特殊操作有効期間(特殊有効時間タイマ223sの値が0よりも大きい期間)内に枠ボタン22を操作した場合とで異なる操作演出が実行されるように構成しており、具体的には、特殊操作有効期間内に枠ボタン22を操作した場合には、次に実行される特別図柄変動から対象となる特別図柄変動が終了するまでの複数の特別図柄変動期間を跨いだ連続予告演出が実行されるように構成している。そして、その連続予告演出が実行された場合には、背景モードが専用の背景モード(天国モード)へと移行するように構成している。よって、通常の枠ボタン22への操作により背景モード移行が抑制されている期間内においては、背景モード移行が実行されるだけで遊技者に対して大当たり当選の期待度を高めさせることができる。操作中カウンタ223tは、遊技者が枠ボタン22を押下している期間を計測するためのカウンタであって、遊技者が枠ボタン22を計測して押下している場合に、時間経過に伴ってカウンタの値が更新されるものである。この操作中カウンタ223tが計測した値に基づいて、遊技者が枠ボタン22に対して実行した操作の種別が判別される(図70のS5313参照)。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。図21に戻り説明を続ける。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。以上、説明をした通り、本第1制御例におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201によって実行される遊技に関する抽選(特別図柄抽選)の結果に対応する情報を含むコマンドを音声ランプ制御装置113や払出制御装置111に対して送信するように構成している。また、主制御装置110と払出制御装置111とは双方向に通信可能に構成され、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とは一方向(主制御装置110から音声ランプ制御装置113への方向)にのみ通信可能に構成している。このように構成することで、遊技の結果に基づいて特典(例えば、賞球)を付与するための制御を実行する払出制御装置111に対しては複数の制御装置(主制御装置110、払出制御装置111)を用いて制御内容を監視することで適正な遊技を提供し易くすると共に、遊技の結果を遊技者に興味を持たせるように報知するための各種演出を行うための制御を実行する音声ランプ制御装置113に対しては主制御装置110へとコマンドを送信できないように構成することで不正な遊技が行われることを抑制することができる。ここで、詳細な説明は省略するが、従来よりパチンコ機10では、主制御装置110や音声ランプ制御装置113の接続環境(仕様)を統一し、各制御装置に設けられているROMやRAMの内容を異ならせることで複数種類のパチンコ機10を提供可能に構成されているものが知られている。このように構成することで、複数種類のパチンコ機10を製造するにあたって共通部品を増加させ易くなると共に、製造工程の共通化も図ることで製造コストを削減することができるように構成している。このように構成されたパチンコ機10では、例えば、主制御装置110にパチンコ機Aに対応するROM202やRAM203が搭載され、音声ランプ制御装置113にパチンコ機Aとは異なるパチンコ機Bに対応するROM222やRAM223が搭載された状態で主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが接続されてしまう虞があった。この場合、主制御装置110側では、コマンドの出力先である音声ランプ制御装置113の中身を把握することができないため、特別図柄抽選の実行契機が成立した場合(第1入球口64へと遊技球が入球した場合)には特別図柄抽選を実行し、その抽選結果に対応するコマンドを音声ランプ制御装置113へと送信することになる。そして、音声ランプ制御装置113側では、受信したコマンドに含まれる情報に対応する演出コマンドを設定し、パチンコ機Bの演出を実行することになる。また、受信したコマンドに含まれる情報に対応する演出コマンドをパチンコ機Bが有していない場合には、新たな演出を実行しない、或いは、演出期間が類似する別演出を実行することになる。このように、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とで対応するパチンコ機10の種別が異なる場合であっても、主制御装置110では主制御装置110に対応するパチンコ機10の種別(パチンコ機A)で遊技を実行可能であるため、遊技者が遊技を行い特別図柄抽選の実行条件を成立させたにも関わらず、特別図柄抽選が実行されないといった不具合が発生してしまうことを抑制することができる。また、実行される演出の内容が異なる種別のパチンコ機Bに対応する演出態様で実行されるため、遊技中のパチンコ機10が正常では無いことを遊技者に把握させ易くすることができる。より具体的には、遊技者に枠ボタン22を押下させるための「ボタンを押せ」といった表示画面が表示されている状況で遊技者が枠ボタン22を押下しても何ら演出が進行しない状況が発生したり、特別図柄変動の変動時間とは異なる長さの変動演出が実行されたりすることで遊技者に正常ではない遊技が実行されていることを把握させ易くすることができる。なお、これに限ること無く、例えば、パチンコ機10に電源が投入された際に実行される立ち上げ処理において、主制御装置110側からパチンコ機10の種別に対応する固有の機種コードを音声ランプ制御装置113へと出力し、音声ランプ制御装置113側のROM222にも固有の機種コードを記憶させておくことで、音声ランプ制御装置113側で主制御装置110と音声ランプ制御装置113とが同一種別のパチンコ機であるかを判別し、同一種別のパチンコ機では無いと判別した場合に第3図柄表示装置81の表示面にエラー報知を表示するように構成しても良い。なお、この場合であっても、遊技者が遊技を行い特別図柄抽選の実行条件を成立させた場合には第3図柄表示装置81の表示面に表示されているエラー報知に関わらず特別図柄抽選を実行可能に構成することで、遊技者に不利な遊技が実行されてしまうことを抑制しても良いし、エラー報知の実行期間中に所定の禁止条件が成立した場合(例えば、エラー報知が開始されてから所定時間(5分)が経過した場合や、エラー報知中に実行された特別図柄抽選の回数が所定回数(5回)に到達した場合)には、特別図柄抽選の実行条件が成立した場合であっても特別図柄抽選が実行されないように構成しても良い。
<第1制御例における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図34~図39を参照して、本第1制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図34は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。なお、詳細については後述するが、本制御例において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本制御例では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。ここで、本制御例において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図71のS6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図71のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図39参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)の中で並列処理する。画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図73(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、特図入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図71のS6003,S6004参照)。ここで、図35を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図35は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図35(a)に示す、所定の操作が有効と判別された(電源ボタンの操作が有効と判別された)ことを示す態様である電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図35(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図35(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図35(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図35(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、特図入球口64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図35(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に特図入球口64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。図34に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図36を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図36は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図36(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図36(b)は、「森ステージ」、「川ステージ」、および「空ステージ」に対応する背面B~Dに対してそれぞれ示したものである。各背面A~Dに対応する背面画像は、図36に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A~Dに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。背面種別選択テーブル(図示せず)に基づいて背面種別の変更が決定され、ステージが「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a~位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。一方、背面Eにおける背面画像は、時間の経過とともに、(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Eは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
ステージが「島ステージ」に変更されると、背面Eの初期背面画像として、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、朝やけ示す背面画像に戻る繰り返し背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図36(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「街中ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「街中ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。一方、「森ステージ」に対応する背面B、「川ステージ」に対応する背面C、および「空ステージ」に対応する背面Dは、図36(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。また、島ステージに対応する背面Eに対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面B~Dの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面B~Dについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。また、背面B~Dは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Eは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて画像を表示させている間に、残りの画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、画像データの範囲が設定されている。これにより、画像を表示させている間に残りの画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、残りの画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。なお、背面B~Eにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図34参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。また、背面B~Dにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a~位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。図34に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、特図入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、特定の報知態様を設定するための条件が成立したと判断されて設定される特定の報知態様としてのデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。また、本制御例では、設定される背景モード(背面画像)に応じて表示態様が異なる第3図柄が表示されるように構成している。よって、第3図柄エリア235dには、背景モードが切り替わる毎に、切り替わり後の背景モードに対応する第3図柄の表示画像データが格納される。これにより、第3図柄エリア235dに全ての背景モードに対応する全ての第3図柄に対する画像データを格納する必要が無くなるため、記憶容量の削減を図ることができる。なお、本制御例では、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作することにより背景モードを切替可能に構成しているため、短期間の間に複数回の背景モード移行が実行される場合がある。そこで、本制御例では、背景モードを切り替えた後の所定期間(例えば、10秒間)は、切替前の背景モードに対応する画像データを第3図柄エリア235dから消去しないように構成している。これにより、頻繁に背景モードを切り替える事象が発生したとしても、第3図柄エリア235dへと画像データを格納する処理が煩雑に実行されることを抑制することができる。また、第3図柄記憶エリア235dに対して、予め、複数の背景モード毎に対応させた複数の第3図柄の画像データを格納するように構成しても良い。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。なお、各種エラーの発生を検出した場合にエラーメッセージ等のエラー報知を設定する制御は、特定の報知態様を設定するための制御であり、エラー報知の実行中に対応するエラーが解消された後で所定期間が経過した場合に実行されるエラー報知を終了させるための制御は、特定の報知態様を設定するための制御とは少なくとも異なる制御の別形態である。通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている大開放口が繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。ここで、図37を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図37は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A~Eのいずれかを表示させるか、背面A~Eとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A~Eとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。MPU231は、この背面種別によって、背面A~Eのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A~Eのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A~Eとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。なお、本制御例では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図37の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図39参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図38を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図38は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図38のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図38のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図38の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図39参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図38の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図35(a)~(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図71参照)の中でオンに設定される(図71のS6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図83(b)のS7605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図73(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図73(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図73(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図74~図79参照)および表示設定処理(図80~図82参照)が実行される。また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図83(a)のS7501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図83(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図84参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図39参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図39参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図39参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図73(b)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図82のS7205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図39参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。ここで、図39を参照して、描画リストの詳細について説明する。図39は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図39に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)で割った値である。そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図73(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図80のS7207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図71のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図84参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図84のS7713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図84のS7714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図85のS7802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図73(b)のS6306参照)が実行される度に行われる。即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図79(a)のS7001参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図84のS7709参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図84のS7710参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図79(a)のS7002参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図80参照)において、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図80のS7221参照)、デモ用表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図75(a)のS6505、図76(a)のS6705、図76(b)のS6805、図77のS6905参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図80参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図80のS7214)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図75(a)のS6505、図76(a)のS6705、図76(b)のS6805、図77のS6905参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1制御例における主制御装置により実行される制御処理について>
次に、図40から図56のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。本第1制御例では、上述した通り、第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)と、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)と、を共に記憶している状態において、第2特別図柄の抽選を優先的に実行するように構成している。また、大当たり遊技が実行されている間に、可変入賞装置65内に配設された特定領域(Vゲート)65Vに球を通過させることにより、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるように構成している。さらに、遊技者に有利な遊技状態である確変状態を終了させるための終了条件として、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に成立する終了条件以外に、特別図柄抽選が所定回数(例えば、50回)実行された場合に成立する終了条件を設けるように構成している。図40は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、999,99,999)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64への球の入球(始動入賞)や第2入球口640への球の入球(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図41~図46を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図47および図48を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、次いで、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。次に、図41を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104)を説明する。図41は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図41のS104参照)は、特別図柄を、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定(当否判定)や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37に変動表示を可能に制御したり、第3図柄表示装置81にて第3図柄、第4図柄の変動表示演出を実行させるための各種コマンドを設定したり、判定結果(当否判定結果)を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図41のS104参照)について説明する。この特別図柄変動処理(S104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であるかを判別する(S201)。具体的には、大当たり中フラグ203kがオンであるかを判別する。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S201の処理において、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)ではないと判別した場合は(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、即ち、新たな特別図柄抽選(変動)を実行可能な状態であれば、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)と、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいかを判別する(S204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、S208の処理へ移行する。
一方、S204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0である場合は(S204:No)、S203の処理で取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいかを判別する(S210)。S210の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S210:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S210の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S210:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S211)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S212)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。S212の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータを、S207の処理と同一の手法によりシフトして(S213)、処理をS208の処理へと移行する。S207、またはS213の処理後に実行されるS208の処理では、特別図柄大当たり判定処理を実行し(S208)、次いで、特別図柄変動パターン選択処理を実行し(S209)、その後、本処理を終了する。この特別図柄大当たり判定処理(S208)および特別図柄変動パターン選択処理(S209)の詳細については図42および図43を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、次いで、変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。変動時間が経過していなければ(S214:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S215)、その後、本処理を終了する。S215の処理では、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間カウンタの値が更新され、更新後の変動時間カウンタの値に対応させて第1図柄表示装置81の表示が更新される。この変動時間カウンタには、特別図柄変動パターン選択処理(S209)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値が、特別図柄変動の開始タイミングでセットされ、その後、S215の処理を実行する毎に更新(減算)される。一方、S214の処理で変動時間が経過したと判別された場合は(S214:Yes)、即ち、S215の処理で更新された変動時間カウンタの値が0である場合は、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S216)。停止図柄の設定は、特別図柄変動パターン選択処理(S209)によって予め行われる。この特別図柄変動パターン選択処理(S209)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA~Eのいずれかが決定される。尚、本制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりDとなる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S217)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S217:Yes)、大当たり開始フラグ203jをオンに設定し(S218)、時短カウンタ203h、確変カウンタ203iの値をクリア(0に設定)し(S219)、S220の処理へと移行する。S218の処理によって、大当たり開始フラグ203jがオンに設定されると、主制御装置110にて実行されるメイン処理の大当たり制御処理(図51のS1804参照)が実行された場合に、S1901:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(S1902)。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。S217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S217:No)、S218,S219の処理をスキップして、更新処理を実行し(S221)、その後、S220へと移行する。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。S220の処理では、特図確定コマンドを設定し(S220)、本処理を終了する。次に、図42を参照して、特別図柄変動処理(図41のS104)の一処理である特別図柄大当たり判定処理(S208)について説明する。図42は、この特別図柄大当たり判定処理(S208)を示すフローチャートである。
特別図柄大当たり判定処理(図42のS208)では、まず、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に記憶されている各カウンタ値を取得する(S301)。そして、第1当たり乱数テーブル202a(図24(a)参照)に基づいて、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり判定値と一致するか否かを判定し、その抽選結果(判定結果)を取得する(S302)。S302の処理を終えると、次に、今回の抽選結果が大当たりであるかを判別し(S303)、大当たりであると判別した場合は(S303:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S304)、取得した当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S305)、本処理を終了する。一方、S303の処理において今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S303:No)、第1図柄表示装置37に特別図柄の外れ図柄をセットし(S306)、本処理を終了する。次に、図43を参照して、特別図柄変動処理(図41のS104)の一処理である特別図柄変動パターン選択処理(S209)について説明する。図43はこの特別図柄変動パターン選択処理(S209)を示すフローチャートである。特別図柄変動パターン選択処理(図43のS209)では、まず、特別図柄大当たり判定処理(図42のS208)において、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S401)。S401の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S401:Yes)、第1当たり種別選択テーブル202d(図25(a)~(c)参照)と、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(S402)。次いで、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(S403)、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、潜伏状態、確変状態)に対応した変動パターン選択テーブル202dを読み出す(S404)。
そして、S403の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S404の処理で読み出した変動パターン選択テーブル202dとに基づいて変動パターンを選択し(S405)、S405の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S406)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理(図51のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S407)、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S408)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を特図変動時間カウンタ(図示せず)の値にセットし(S409)、本処理を終了する。S407の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理(図51)の外部出力処理(図51のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。一方、S401の処理において、特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(S401:No)、S402の処理をスキップしてS403の処理へ移行する。次に、図44を参照して、特別図柄変動処理(図41のS104参照)にて実行される更新処理(S221)の内容について説明をする。図44は、更新処理(S221)の内容を示したフローチャートである。この更新処理(S221)では、特別図柄変動の変動時間が経過した場合(変動停止時)に実行される処理であって、確変状態が継続して設定される期間の残期間を更新したり、時短状態が継続して設定される期間の残期間を更新したりするための処理が実行される。
更新処理(S221)が実行されると、まず確変カウンタ203iの値が0よりも大きい、即ち、現在が特別図柄の高確率状態であるかを判別し(S501)、確変カウンタ203iの値が0よりも大きいと判別した場合は(S501:Yes)、確変カウンタ203iの値を1減算(更新)し(S502)、次いで、更新後の確変カウンタ203iの値が0であるかを判別し(S503)、0であると判別した場合は(S503:Yes)、遊技状態格納エリア203gに時短状態を設定し(S504)、S505の処理へ移行する。また、S501の処理において確変カウンタ203iの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合(S501:No)は、現在が特別図柄の高確率状態では無いため、確変カウンタ203iの値を更新するための上述したS502~S504の処理をスキップしてS505の処理へ移行する。また、S503の処理において、確変カウンタ203iの値が0では無い、即ち、確変カウンタ203iの値が0よりも大きく、確変状態(特別図柄の高確率状態)が継続する場合も(S503:No)、S504の処理をスキップしてS505の処理へ移行する。S505の処理では、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいかを判別し、0よりも大きいと判別した場合、即ち、現在が普通図柄の高確率状態である場合は(S505:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S506)、減算後の時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S507)。S507の処理において時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は、遊技状態格納エリア203gに通常状態を設定し(S508)、確変カウンタ203iの値、時短カウンタ203hの値、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S509)、本処理を終了する。また、S505の処理において時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合(S505:No)、或いは、S507の処理において時短カウンタ203hの値が0では無いと判別した場合(S507:No)は、そのままS509の処理へ移行する。
次に、図45を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図40)の一処理である始動入賞処理(S105)を説明する。図45は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図45のS105)は、第1入球口64、第2入球口640のいずれかにに球が入球(始動入賞)したか判別して、始動入賞した場合には、保留上限個数(第1入球口64、第2入球口640に最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する処理である。なお、本第1制御例における始動入賞に基づいて取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する処理は、入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて付与される特典(抽選権利)を記憶するものであるため、賞球情報を記憶するための処理の別形態である。また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理(所謂、先読み処理)が実行される。以下、始動入賞処理(図45のS105)について説明する。始動入賞処理(図45のS105)では、まず、球が第1始動口である第1入球口64に入球(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。ここでは、第1入球口64内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。球が第1入球口64に入球した(始動入賞があった)と判別する(S601:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(S602)、その取得した値(N1)が4未満であるかを判別する(S603)。
つまり、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別した場合には(S603:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算し(S604)、音声ランプ制御装置113に対して第1入球口64の保留個数(第1特別図柄の抽選権利保留数)を通知するための保留球数コマンドを設定する(S605)。なお、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する処理は、入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて付与される特典に関する情報(保留数)を記憶するものであるため、入賞数を記憶するための処理の別形態である。そして、各種カウンタ値(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1)の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球実行エリアの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)し(S606)、S607の処理へ移行する。また、S601の処理で球が第1入球口64に入球していないと判別した場合(S601:No)、或いは、S603の処理で、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値であると判別した場合(S603:No)は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を加算する処理をスキップして、S607の処理へ移行する。なお、本第1制御例では、第1入球口64への入球があった場合に、現時点における第1入球口64に対する保留個数が上限値であるかを判別し、上限値で無い場合は保留個数を加算し、上限値である場合は保留個数を加算しないため、本第1制御例における第1入球口64へと遊技球が入球した場合における処理は、賞球数を払い出すための処理の別形態である。次に、S607~S612までの各処理については、S601~S606までの各処理で実行された第1始動口(第1入球口64)への球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2入球口640に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。
S601~S612までの各処理を実行後、先読み処理を実行し(S613)、本処理を終了する。この先読み処理(S613)については、図46を参照して後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された各カウンタ値から当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。なお、本制御例では、新たに記憶された各カウンタ値に基づいて当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、新たな始動入賞があった場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶(格納)されている全ての保留記憶に対して当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しても良い。また、本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな情報(入賞情報)を格納する場合、即ち、特別図柄の抽選権利を新たに獲得した場合に、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別する構成としているが、これに限ること無く、例えば、球がスルーゲート67を通過した場合や、普通図柄の抽選結果に応じて、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別するように構成しても良い。
上述した通り、本制御例では、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を加算した場合に、加算された入賞に関する情報(入賞情報)に基づいた先読み処理(S613)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、S603の処理で第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限数(4)であると判別した場合(S603:No)、即ち、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に先読み処理(S613)を実行することができるように構成しても良い。これにより、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態においても、先読み処理を実行させるために遊技者に継続して遊技を行わせることができる。また、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に付加価値を付与することができるため、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球が入球した際に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。次に、図46を参照して、始動入賞処理(図45のS105)の一処理である先読み処理(S613)について説明する。図46は、この先読み処理(S613)を示すフローチャートである。先読み処理(図46のS613)では、まず、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を読み出す(S701)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する(S702)。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(S703)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(S703:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、大当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S704)、その後、本処理を終了する。一方、S703の処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S703:No)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、外れ当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S705)、その後、本処理を終了する。ここで、S704、或いはS705の処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S701の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図51参照)にて実行される外部出力処理(S1801)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。
なお、本制御例では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりであることを事前判別した場合のみ大当たりを示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。さらに、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。次に、図47を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S106)について説明する。図47は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S106)は、第2図柄(普通図柄)の変動表示や、電動役物640aの開放時間などを制御するための処理であり、普通図柄変動(抽選)に関連する様々な処理(普通図柄変動を実行する処理、実行する普通図柄変動の変動態様(変動時間)を設定する処理、実行中の普通図柄変動を更新する処理、普通図柄変動を停止させる処理、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に実行される普図当たり遊技の遊技内容を決定する処理)が実行される処理である。
この普通図柄変動処理(図47のS106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるかを判別する(S801)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから(当たり図柄が停止表示してから)電動役物640aの開閉制御がなされている最中まで(当たり遊技が終了するまで)が含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合には(S801:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別した場合には(S801:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるかを判別する(S802)。普通図柄の変動表示中では無い、即ち、現在が新たな普通図柄変動(抽選)を実行可能な状態であると判別した場合は(S802:No)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し(S803)、その値が0よりも大きいかを判別する(S804)。S804の処理で普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であると判別された場合には(S804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値が0よりも大きいと判別した場合は(S804:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S805)。つまり、S804の処理において新たな普通図柄変動を実行するための条件(普通図柄変動に用いるための入賞情報が保留記憶されていること)が成立していると判別された場合は、保留記憶されている入賞情報を用いて普通図柄変動を実行するため、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を1減算する。次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S806)。S806の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの普通図柄保留1~普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S807)。
次に、時短カウンタ203hがオンであるか否か、即ち、現在が普通図柄の高確率状態(時短中)であるか否かを判別し(S808)、時短カウンタ203hがオンに設定されていると判別した場合は(S808:Yes)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図24(b)参照)の当たり判定値に基づいて当否判定結果(抽選結果)を取得し(S809)、S811の処理へ移行する。一方、時短カウンタ203hがオフであると判別した場合は(S808:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図24(b)参照)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得され(S810)、S811の処理へ移行する。S811の処理では、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりであるかを判別し(S811)、当たりであると判別した場合は(S811:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定し(S812)、S814の処理へ移行する。一方、S811の処理で、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S811:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(S813)、S814の処理へ移行する。S814の処理では、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203hの値を参照して判別し(S814)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S814:Yes)、普通図柄の変動時間を3秒に設定し(S815)、本処理を終了する。一方、S814の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S814:No)、普通図柄の変動時間を10秒に設定し(S816)、本処理を終了する。
なお、本制御例では、上述した通り、設定される普通図柄の確率状態に応じて、普通図柄の変動時間を異ならせているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態に関わらず、常に変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技状態が切り替わるタイミングにおいて、具体的には、一般的に長い変動時間が設定され易い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、短い変動時間が設定され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が切り替わる大当たり遊技終了のタイミングにおいて、長い変動時間の普通図柄変動が実行されており、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない事態が発生することを抑制することができる。なお、普通図柄の変動時間の設定方法については、本制御例の構成に限ること無く、遊技状態に応じて変動時間を異ならせたり、普図保留球数に応じて変動時間を異ならせたり、取得した所定値に応じて変動時間を異ならせたりしても良く、例えば、本制御例では、普通図柄変動の変動時間を、設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)と、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普図保留数)と、に基づいて可変設定するように構成しても良い。さらに、設定された普通図柄の変動時間によって、第2入球口640への球の入球のし易さが異なるように構成しても良い。このように、設定される普通図柄の変動時間の長さに応じて、第2入球口640への球の入球具合を可変させるように構成することで、第2入球口640への球の入球のし易さを遊技状態に応じて容易に可変することができるため、様々な遊技性を創り出すことができる。一方、S802の処理において、普通図柄(第2図柄)が変動表示中ではないと判別した場合には(S802:No)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したかを判別し(S817)、変動時間が経過していないと判別した場合は(S817:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S817の処理において変動時間が経過していると判別した場合は(S817:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S818)。S818の処理では、今回の普通図柄の抽選が当たりである場合には、第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定する。一方、普通図柄の抽選が外れである場合には、第2図柄表示装置83には「×」図柄が停止表示(点灯表示)される。つまり、上述したS812、或いはS813の処理で設定された表示態様を停止表示させるための設定が行われる。S818の処理により、停止表示を設定すると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S812の処理、或いはS813の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかを判別する(S819)。普通図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S819:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別した場合には(S819:Yes)、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203hの値を参照して判別し(S820)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S820:Yes)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間が1秒間×2回の遊技内容(開放動作)を設定し(S823)、S822の処理へ移行する。一方、S820の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S820:No)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間が5秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(S821)、S822の処理へ移行する。S822の処理では、S821、或いはS823の処理において設定されたシナリオに基づいて電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S822)、本処理を終了する。
次に、本制御例における電動役物640aの開閉制御態様(開放パターン)について説明をする。本制御例のパチンコ機10では、普通図柄の当否判定を行うタイミング(S808~S811の処理を行うタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミング(S817の処理で変動時間が経過したと判別したタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。即ち、本制御例では、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)と、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)とが独立して実行されるように構成されており、さらに、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果に基づいて普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)が可変するように構成している。よって、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)が実行されている期間中に並行して実行される特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果によっては、普通図柄の当否判定を行うタイミングでは普通図柄の高確率状態が設定され、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでは普通図柄の低確率状態が設定される場合が発生する。このような状況において、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングにて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定してしまうと、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、電動役物640aがロング開放(普通図柄の高確率状態中が設定されている場合に実行される開放パターン)してしまうという問題があった。そこで、本制御例では、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)を判別し、その判別結果に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。これにより、設定されている遊技状態に応じた開放パターンで電動役物640aを開放させることができる。
なお、本制御例では、普通図柄の当否判定を行うタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されており、且つ普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでも普通図柄の高確率状態が設定されている場合にのみ、電動役物640aがロング開放するように構成しても良いし、普通図柄の当否判定を行うタイミングで設定されている遊技状態に基づいて、電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しても良い。また、詳細な説明は省略しているが、普通図柄変動処理(図40のS106参照)において決定された各種情報(普通図柄抽選の結果、普通図柄変動の変動時間、普図当たりシナリオ等)は、それぞれ各種情報の内容を示すコマンドが設定され、主制御装置110のメイン処理(図51参照)の外部出力処理(図51のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。次に、図48を参照してスルーゲート通過処理(S107)の内容について説明をする。図48は、スルーゲート通過処理(S164参照)の内容を示したフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図40参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し実行エリアに格納するための処理である。また、取得した普通当たり乱数カウンタC5の値を用いて、実際の当否判定が実行されるよりも前に(普通図柄変動処理(図47のS106参照)にて当否判定(S811参照)が実行されるよりも前に)、抽選結果(当否判定結果)を事前に取得するための処理である。
スルーゲート通過処理(S107)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S901)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S901:Yes)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し(S902)、次いで、その取得した普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きくないか(普通図柄の保留球数が上限値に到達していないか)を判別する(S903)。S903の処理で、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きい(上限値の4である)と判別した場合は(S903:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きくないと判別した場合は(S903:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)に1を加算し(S904)、第2当たり乱数カウンタC4の値を普通図柄保留球格納エリア203cに格納し(S905)、第2当たり乱数テーブル202c(図24(b)参照)に基づいて抽選結果を事前に取得し(S906)、普通当たり判定結果(S906の処理にて取得した事前判別結果)を含む普図用入賞情報コマンドを設定し(S907)、本処理を終了する。S907の処理で設定された普図用入賞情報コマンドは、上述した各制御例にて設定される特別図柄の事前判別結果を示す入賞情報コマンドと同一の処理によって音声ランプ制御装置113へと通知される。このように構成することで、保留記憶されている普通図柄の抽選権利に対応する普通図柄抽選の抽選結果を事前に判別し、その事前判別結果に基づいた演出を実行することが可能となる。
具体的には、チャンスゾーンが設定されている状態において、即ち、通常状態中に普図当たり遊技が実行されたことに基づいて第2特別図柄抽選が実行されている状態において受信した普図用入賞情報コマンドに普通図柄の当たり当選を示す情報が含まれている場合には、次に普図当たり遊技が実行されるまでチャンスゾーンを継続させる演出を実行することができる。この場合、次に普図当たり遊技が実行されるまでの間に、第2特別図柄抽選が全て終了し、第1特別図柄抽選が実行される場合であっても、その第1特別図柄抽選に対応して実行される変動演出の演出態様として、第1特別図柄抽選に対応した演出態様(例えば、図6(b)に示した水平方向に第3図柄を変動させる演出態様)では無く、第2特別図柄抽選に対応した演出態様(例えば、図8(b)に示した垂直方向に第3図柄を変動させる演出態様)が設定されるように構成すると良い。このように構成することで、通常状態において所定期間内に複数回の普図当たり遊技が実行される場合には、チャンスゾーンを長期間設定することができ演出効果を高めることができる。また、チャンスゾーンが設定されてから所定回数の第2特別図柄抽選が実行されたにも関わらず、チャンスゾーンが終了しない場合には、間もなく次の普図当たり遊技が実行されることを遊技者が把握することができるため、チャンスゾーン中に実行される第2特別図柄抽選の回数に対して遊技者に興味を持たせることができる。加えて、本制御例では、チャンスゾーン中に実行される第2特別図柄抽選に対応した変動演出として、第3図柄を複数回仮停止させる疑似変動演出を実行するように構成している。つまり、遊技者に対して第2特別図柄抽選の実行回数を分かり難くすることができる。よって、チャンスゾーンがいつ終了するのか、或いは、チャンスゾーンが延長されている期間であるか否かを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
次に、図49を参照して、NMI割込処理について説明をする。図49は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1601)、NMI割込処理を終了する。なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。次に、図50を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図50は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図50)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(S1702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1703)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1704)、オンされていれば(S1704:Yes)、処理をS1712へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1705)、記憶されていなければ(S1705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1712へ移行する。RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1705:Yes)、RAM判定値を算出し(S1706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1712へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。S1712の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1712)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1713、S1714)を実行する。上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1713、S1714)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1713、S1714)を実行する。RAMの初期化処理(S1713、S1714)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1713)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1714)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1710の処理へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1708)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1709)、S1710の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1710)。その後、割込みを許可し(S1711)、後述するメイン処理に移行する。次に、図51を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図51は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図51参照)においては、まず、タイマ割込処理(図40参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1801)。具体的には、タイマ割込処理(図40参照)におけるスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図41参照)や始動入賞処理(図45参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(図51のS1801)により、主制御装置110の各種処理にて設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、第3図柄表示装置81にて表示される各種演出(変動演出、装飾演出等)を設定するための情報とする。また、大当たり制御処理(図42参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。さらに、その他制御処理において設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1802)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1803)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、音声ランプ制御装置113にて大当たり演出を実行させるためのコマンドの設定や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放動作するための大当たり制御処理を実行する(S1804)。
大当たり制御処理(S1804)の詳細な内容については、図52~図56を参照して後述するが、この大当たり制御処理(S1804)では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65a(以下、入賞口等と称す)を開放し、入賞口等(特定入賞口65a)の最大開放時間が経過したか、又は入賞口等(特定入賞口65a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると入賞口等(特定入賞口65a)を閉鎖する。この入賞口等(特定入賞口65a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本制御例では、大当たり制御処理(S1804)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。次いで、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1806)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図47参照)のS822の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS821の処理、S823の処理、によって設定された期間が終了するまで継続される。次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1807)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理(図43のS209)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本制御例では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理(図43のS209)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動パターン選択処理(図43のS209参照)のS407で設定された表示態様で、停止図柄を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。さらに、本制御例では、一方の特別図柄が大当たりを示す表示態様(大当たり図柄)で停止表示された場合に、他方の特別図柄を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示させるように構成しており、そのための停止表示も実行される。次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1808)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図47参照)のS815の処理、S816の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S1808)では、普通図柄変動処理(図47参照)のS818の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図47参照)のS812の処理またはS813の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1809)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1809:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1810)、既に所定時間が経過していれば(S1810:Yes)、処理をS1801へ移行し、上述したS1801以降の各処理を繰り返し実行する。一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1810:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1811,S1812)。まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1811)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999、999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1811の処理と同一の方法によって実行する(S1812)。なお、このS1812の処理では、変動種別カウンタCS1の値と同様に普図変動種別カウンタCS2の値も更新される。
ここで、S1801~S1808の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、普図変動種別カウンタCS2の値についてもランダムに更新することができる。よって、特別図柄や普通図柄の抽選に関する判定値を更新するための処理内容を把握され難くすることができ、当たりに対応する判定値が取得されるタイミングを狙った不正遊技が実行されることを抑制することができる。また、S1809の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1809:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図49のNMI割込処理が実行されたということなので、S1813以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1813)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1814)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1815)、RAM203のアクセスを禁止して(S1816)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1809の処理は、S1801~S1808で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1811とS1812の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1801の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1801の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図50,S1701)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1801の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。次に、図52を参照して、大当たり制御処理(S1804)の内容について説明をする。図52は、大当たり制御処理(S1804)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理(S1804)は、主制御装置110のメイン処理(図51参照)において、実行される処理であって、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。なお、特に大当たり変動中に電源が遮断され、電源投入時にRAMクリアスイッチ122が押下されていたことによりパチンコ機10の各種設定が全て初期化される動作(初期設定)が行われた場合には、初期化により大当たり当選に基づく開閉板65bの開閉動作も行われなくなる(回避される)ため、この一連の動作は、所定の動作部材の動作を回避させるための制御の別形態である。
大当たり制御処理(S1804)では、まず、大当たり開始フラグ203jがオンであるか否かを判別する(S1901)。大当たり開始フラグ203jがオンであると判別した場合は(S1901:Yes)、大当たり用オープニングコマンドを設定し(S1902)、大当たり開始フラグ203jをオフ、大当たり中フラグ203kをオンにそれぞれ設定し(S1903)、本処理を終了する。一方、S1901の処理において、大当たり開始フラグ203jがオフであると判別した場合は(S1901:No)、次に、現在が特別図柄の大当たり中であるか(即ち、大当たり中フラグ203kがオンであるか)否かを判別する(S1904)。S1904の処理において、現在が大当たり中ではない(大当たり中フラグ203kがオフである)と判別した場合は(S1904:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1904の処理において、現在が大当たり中である(大当たり中フラグ203kがオンである)と判別した場合は(S1904:Yes)、次いで、新たなラウンドの開始タイミングであるか否かを判別する(S1905)。S1905の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S1905:Yes)、ラウンド数に応じた特定入賞口65aの開閉動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行し(S1906)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理の詳細については図53を参照して後述する。
一方、S1905の処理において、新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合は(S1905:No)、次に、現在実行されているラウンドのエンディング期間の開始タイミングであるかを判別する(S1907)。ここで、本制御例では、大当たりの最終ラウンドが終了した場合に、エンディング期間の開始タイミングであると判別する。エンディング期間の開始タイミングであると判定した場合は(S1907:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1908)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。本第1制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、第1当たり種別選択テーブル202d(図25(a)参照)を用いて大当たり種別を決定する処理を実行し(図43のS402)、決定された大当たり種別に対応するエンディング期間が設定されるように構成している。よって、S1908の処理では、大当たり種別に対応して決定されたエンディング期間の長さに対応した表示用エンディングコマンドが設定される。なお、本第1制御例のように、大当たり当選時にエンディング期間の長さを設定するのでは無く、大当たり遊技中におけるV入賞の有無(特定領域(Vゲート65V)への球の通過の有無)に応じて大当たり遊技のエンディング期間の長さを決定しても良い。
具体的には、大当たり制御処理(図52のS1804参照)において、エンディング期間の開始タイミング(最終ラウンドの終了タイミング)と判別した場合に、今回の大当たり遊技中にV入賞したか(確変設定フラグ203mがオンに設定されているか)を判別し、確変設定フラグ203mがオンに設定されていると判別した場合は、確変状態が設定されることを示す17秒間のエンディング表示(図11(b),(d)参照)を行うために大当たり遊技のエンディング期間として17秒を設定し、確変設定フラグ203mがオンに設定されていないと判別した場合は、時短状態が設定されることを示す15秒間のエンディング表示(図11(a),(c)参照)を行うために大当たり遊技のエンディング期間として15秒を設定するように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技中の遊技結果に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせることが可能なパチンコ機10において、実際に設定される遊技状態に応じたエンディング期間を設定することができる。また、このように大当たり遊技中の遊技結果に応じて大当たり遊技のエンディング期間を異ならせる構成を用いる場合には、大当たり遊技中の遊技結果が確定してからエンディング期間が開始するまでの間の何れかのタイミングにて大当たり遊技のエンディング期間を決定するように構成すれば良く、例えば、本第1制御例のパチンコ機10であれば、1ラウンド目のラウンド遊技が終了した後に(球を特定領域(Vゲート65V)へと入賞させることが可能なラウンド遊技が終了した後に)、V入賞の有無を判別し、その判別結果に基づいて、2ラウンド目~最終ラウンド目のラウンド遊技が実行されている期間中に大当たり遊技のエンディング期間を設定するように構成しても良い。
さらに、上述した例では、大当たり遊技中におけるV入賞の有無に基づいてエンディング期間の長さを設定するように構成しているが、これに替えて、例えば、本第1制御例のように当選した大当たり種別に基づいて、予め大当たり遊技のエンディング期間を設定しておき、具体的には、確変大当たりに当選した場合には17秒、通常大当たりに当選した場合には15秒のエンディング期間を予め設定しておき、大当たり遊技中の遊技結果に基づいてエンディング期間の長さを可変させる必要が生じた場合、即ち、確変大当たり遊技が実行されたにも関わらず、大当たり遊技中にV入賞させることができなかった場合に、予め設定されているエンディング期間の長さを可変させるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技中にエンディング期間の長さを設定する頻度を抑制することができる。一方、S1907の処理において、現在実行されているエンディング期間の開始タイミングではないと判別した場合は(S1907:No)、次に、大当たりの終了タイミングであるかを判別する(S1909)。ここで、大当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。S1909の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S1909:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(S1910)、本処理を終了する。この大当たり終了処理の詳細については図54を参照して後述する。一方、S1909の処理において、大当たり終了のタイミングではないと判別した場合には(S1909:No)、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための入賞処理を実行し(S1911)、特定入賞口65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための異常処理を実行し(S1912)、その後、本処理を終了する。入賞処理および異常処理の詳細については図55および図56を参照して後述する。
次に、図53のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり動作設定処理(S1906)の詳細について説明する。図53は、この大当たり動作設定処理(S1906)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理(S1906)は、大当たり制御処理の中で実行され、上述した通り、ラウンド数に応じた特定入賞口65aの開閉動作を設定するための処理である。この大当たり動作設定処理(図53参照)が開始されると、まず、1ラウンドの開始タイミングであるかを判別する(S2001)。S2001の処理において、1ラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S2001:Yes)、切替弁65y(Vソレノイド209a)の動作シナリオの開始を設定して(S2002)、大当たり種別に対応する特定入賞口65aの開放パターンを設定する(S2003)。ここで、詳細な説明は省略するが、本制御例では、1回の大当たり遊技中に複数回実行されるラウンド遊技のうち、特定のラウンド数(1ラウンド目)に実行されるラウンド遊技の内容を、大当たり種別に応じて異ならせており、具体的には、特定の大当たり種別(確変大当たり)の場合のみ、1ラウンド目のラウンド遊技として、球が特定領域(Vゲート65V)へと流下させ易くなるように切替弁65yを動作させるラウンド遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、長期間実行される大当たり遊技のうち、特定の期間のみ球を特定領域(Vゲート65V)へと流下させる確率を高めることができるため、遊技者が集中力を切らすこと無く大当たり遊技中の遊技を実行することができる。
なお、本制御例では、確変大当たり遊技における1ラウンド目が実行される場合に、第3図柄表示装置81の表示面にて遊技者に対して特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させるチャンス期間であることを示すための案内報知態様として「Vを狙え」の文字が表示されるV報知演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して、長期間実行される大当たり遊技のうち、特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させ易い特定の期間を分かり易く報知することができる。さらに、球が特定領域(Vゲート65V)を流下したことを検知手段が検知したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示面に球が特定領域(Vゲート65V)を流下したことを案内するための案内報知態様として「VGET」の文字が表示されるように構成している。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される条件を満たしたことを分かり易く報知することができる。なお、上述した案内報知の報知態様を、条件成立に応じて可変させても良く、例えば、特定ゲートへと球を流下させ易い特定期間の経過時間、或いは残時間に基づいて「Vを狙え」の文字色を可変させたり、表示領域の大きさを可変させたり、より強調した内容の文字(例えば「早くVを狙うんだ」)に可変させたりすると良い。これにより、特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させ易い状況にて遊技者が球を発射しない事態が発生することを抑制することができる。
また、本制御例では、可変入賞装置65へと入賞した球の流路を切り替えるためのV役物として切替弁65yを設け、その切替弁65yの動作パターンを可変させることで球が特定ゲートへと流下しやすい期間とし難い期間とを設定可能としているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技開始時から共通の動作パターンで切替弁65yを動作させるように構成し、特定入賞口65aが開放状態となるタイミングを大当たり種別によって可変させることにより、球が特定領域(Vゲート65V)へと流下しやすい期間とし難い期間とを設定可能に構成しても良い。これにより、切替弁65yの動作パターンを共通化することができるため、切替弁65yの動作内容を把握されたとしても今回の大当たり遊技が球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易い大当たり遊技であるか否かを遊技者に把握され難くすることができる。また、切替弁65yの動作内容を統一化することができるため、Vソレノイド209aに対する負荷を軽減することができ、V役物(切替弁65y)の故障を抑制することができる。一方、S2001の処理において、今回のラウンドが1ラウンド目ではないと判別した場合は(S2001:No)、S2002,S2003の処理をスキップして、通常の特定入賞口65aの開放を設定し(S2004)、処理をS2005へと移行する。S2005の処理では、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定して(S2005)、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、新たに開始されたラウンド数を第3図柄表示装置81において表示するための表示用ラウンド数コマンドを設定する。これにより、大当たりのラウンド数に合わせて第3図柄表示装置81の表示内容を更新することができる。
この大当たり動作設定処理(図53参照)を実行することにより、大当たりの各ラウンドにおいて特定入賞口65aを開放することができると共に、1ラウンド目に特定領域(Vゲート65V)を球が通過可能に設定することができる。これにより、大当たりA,C~Eでは、1ラウンド目に遊技者が球を発射するだけで、ほぼ確実に球が特定領域(Vゲート65V)を通過するので、大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定することができる。次に、図54のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり終了処理(S1910)の詳細について説明する。図54は、この大当たり終了処理(S1910)を示すフローチャートである。この大当たり終了処理(S1910)は、大当たり制御処理(図52のS1804参照)の中で実行され、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。この大当たり終了処理(S1910)では、まず、確変設定フラグ203mがオンであるかを判別する(S2101)。S2101の処理において、確変設定フラグ203mがオンであると判別した場合は(S2101:Yes)、大当たり中にVゲート(特定領域)65vを球が通過したことを意味するので、確変カウンタ203iの値に50を設定し(S2102)、S2103の処理へ移行する。一方、S2101の処理において、確変設定フラグ203mがオフであれば(S2101:No)、S2102の処理をスキップして、S2103の処理へ移行する。
S2103の処理では、時短カウンタ203hの値に100を設定し(S2103)、次いで、時短カウンタ203hの値、確変カウンタ203iの値に基づいて、状態コマンドを設定する(S2104)。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、その状態コマンドで通知された遊技状態に合わせて従状態設定エリア223gを更新する。これにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。次いで、大当たり中フラグ203kおよび確変設定フラグ203mを共にオフに設定して(S2105)、本処理を終了する。この大当たり終了処理(図54参照)を実行することにより、大当たり遊技中にVゲート(特定領域)65vを球が通過したか否かに応じて大当たり終了後の遊技状態を正確に設定することができる。次に、図55のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理(S1911)の詳細について説明する。図55は、この入賞処理(S1911)を示すフローチャートである。この入賞処理(S1911)は、大当たり制御処理(図52参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。この入賞処理(S1911)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S2201)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口65aの開放状態からインターバル期間が終了するまでの期間である。S2201の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S2201:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2201の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S2201:Yes)、次いで、特定入賞口65aへの入賞を検出したかを判別し(S2202)、特定入賞口65aに対する入賞を検出していれば(S2202:Yes)、通過した遊技球数を計測するカウンタである入賞個数カウンタ203oの値に1を加算して更新し(S2203)、特定入賞口65aへの入賞を検出したことを示す入賞コマンドを設定して(S2204)、S2205の処理へ移行する。これに対し、S2202の処理において、特定入賞口65aへの入賞を検出していなければ(S2202:No)、S2203,S2204の処理をスキップし、S2205の処理へ移行する。S2205の処理では、入賞個数カウンタ203oの値が10以上であるかを判別し(S2205)、入賞個数カウンタ203oの値が10以上であれば(S2205:Yes)、S2207の処理へ移行する。一方、S2205の処理において、入賞個数カウンタ203oの値が9以下であると判別した場合は(S2205:No)、ラウンド時間(30秒)が経過したかを判別し(S2206)、ラウンド時間が経過していれば(S2206:Yes)、S2207の処理へと移行する。なお、このS2206の処理では、今回の大当たりの各ラウンド遊技の開始から30秒間が経過した場合にラウンド時間が経過したと判別する。なお、本制御例では、大当たり種別、ラウンド数に関わらず同一のラウンド時間経過及び個数入賞によってラウンド遊技の終了条件が成立するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり種別に応じてラウンド遊技の終了条件を異ならせても良いし、実行されるラウンド数によってラウンド遊技の終了条件を異ならせてもよい。
S2207の処理では、特定入賞口65aの閉鎖を設定し(S2207)、特定入賞口65aの閉鎖が設定されたことを示す閉鎖コマンドを設定する(S2208)。なお、本第1制御例における入賞個数カウンタ203oの値が10以上である場合に、ラウンド時間(30秒)が経過したかを判別する処理をスキップして特定入賞口65aの閉鎖を設定する処理は、駆動手段の励磁の中断を開始するタイミング(励磁時間)を可変させる処理の別形態である。次いで、今回の特定入賞口65aの閉鎖が1ラウンドの終了に基づく閉鎖であるかを判別し(S2209)、1ラウンドの終了に基づく閉鎖であると判別した場合は(S2209:Yes)、Vソレノイド209aをオフに設定して(S2210)、処理をS2211へと移行する。一方、S2209の処理において、今回の特定入賞口65aの閉鎖が1ラウンド以外のラウンドが終了したことによる閉鎖であると判別した場合は(S2209:No)、流路ソレノイド(確変ソレノイド)2665kがオンに設定されていないので、S2210の処理をスキップして、処理をS2212へと移行する。S2211の処理では、残球タイマフラグ203p、確変有効フラグ203r、ラウンド終了フラグ203をオンに設定し(S2211)、処理をS2212へと移行する。また、S2205の処理において入賞個数カウンタ203oの値が9以下と判別され(S2205:No)、且つ、S2206の処理においてラウンド時間が経過していないと判別された場合には(S2206:No)、S2207~S2211の処理をスキップして、処理をS2212へと移行する。S2212の処理では、ラウンド終了フラグ203がオンであるかを判定し(S2212)、ラウンド終了フラグ203がオフであれば(S2212:No)、S2213の処理へ移行する。一方、S2212の処理においてラウンド終了フラグ203がオンであると判定した場合は(S2212:Yes)、次いで、確変有効フラグ203rがオンであるかを判別する(S2217)。S2217の処理において、確変有効フラグ203rがオフであれば(S2217:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、確変有効フラグ203rがオンであれば(S2217:No)、確変有効タイマ203sの値に1を加算し(S2218)、次いで、確変有効タイマ203sの値が上限値であるかを判別する(S2219)。そして、確変有効タイマ203sの値が上限値でなければ(S2219:No)、S2213の処理へ移行し、特定領域(Vゲート65V)への球の通過を監視して確変設定フラグ203mを更新する処理を実行する。これにより、確変有効タイマ203sが上限値でないと、特定領域(Vゲート65V)を球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に特定領域(Vゲート65V)に球を通過させて確変状態が付与されることを抑制できる。一方、確変有効タイマ203sの値が上限値であれば(S2219:Yes)、確変有効フラグ203r、ラウンド終了フラグ203をオフに設定し(S2220)、確変有効タイマ203sの値をリセットして(S2221)、本処理を終了する。また、S2213の処理では、球が特定領域(Vゲート65V)を通過したか否かを判別し(S2213)、球が特定領域(Vゲート65V)を通過していなければ(S2213:No)、本処理を終了する。一方、球が特定領域(Vゲート65V)を通過していれば(S2213:Yes)、確変通過カウンタ203nの値に1を加算し(S2214)、確変設定フラグ203mをオンに設定し(S2215)、V入賞コマンドを設定し(S2216)、本処理を終了する。次に、図56のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される異常処理(S1912)を説明する。図56は、この異常処理(S1912)を示すフローチャートである。この異常処理(S1912)は、大当たり制御処理(図52参照)の中で実行される処理であり、上述した通り、特定入賞口65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための処理である。
異常処理(S1912)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別し(S2301)、ラウンド有効期間でなければ(S2301:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間であると判別した場合は(S2301:Yes)、次いで、球が排出口65h1を通過したかを判別する(S2302)。このS2302の処理では、排出口65h1(図5(b)参照)を通過した球を検知可能な球排出口スイッチ(図示せず)が球の通過を検知している否かで判別される。S2302の処理において、球が排出口65h1を通過したと判別した場合は(S2302:Yes)、排出個数カウンタ203tの値に1を加算し(S2303)、S2304の処理へ移行する。一方、S2302の処理において、球が排出口65h1を通過していなければ(S2302:No)、S2303の処理をスキップしS2304の処理へ移行する。S2304の処理では、残球タイマフラグ203pがオンであるかを判別する(S2304)。残球タイマフラグ203pがオフであると判別した場合は(S2304:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203pがオンであれば(S2304:Yes)、球はけ期間中であるので、残球タイマ203qの値に1を加算して更新する(S2305)。次に、残球タイマ203qの値が上限値であるかを判別し(S2306)、残球タイマ203qの値が上限値でなければ(S2306:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマ203qの値が上限値であると判別した場合は(S2306:Yes)、次いで、排出個数(確変通過カウンタ203nの値と、排出個数カウンタ203tの値との合計値)が入賞個数(入賞個数カウンタ203oの値)と一致しているかを判別する(S2307)。
S2307の処理において、排出個数と入賞個数とが一致していないと判別した場合は(S2307:No)、エラーコマンドを設定し(S2308)、S2309の処理へ移行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、第4流路65e4(図5(b)参照)が閉鎖されている期間(切替弁65yが閉状態となる期間)に、不正に球を第4流路65eへと流入させて特定領域(Vゲート65V)を通過させる不正行為を抑制できる。一方、S2307の処理において、排出個数と入賞個数とが一致したと判別した場合は(S2307:Yes)、S2308の処理をスキップし、S2309の処理へと移行する。S2309の処理では、残球タイマフラグ203pをオフに設定し(S2309)、次いで、残球タイマ203qの値をリセットする(S2310)。その後、入賞個数カウンタ203o、排出個数カウンタ203t、確変通過カウンタ203nの値をそれぞれリセットし(S2311)、本処理を終了する。この異常処理(図56参照)を実行することにより、可変入賞装置65の内部で球詰まりが生じる等により、特定入賞口65aへと入球した球が正常に排出されなくなってしまう不具合の発生を早期に検出し、報知することができる。
<第1制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図57から図70を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。まず、図57を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図57は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S4001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S4117の電源断処理(図58参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S4002)。図58を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断の発生情報を受信すると(図58のS4114参照)、S4117の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S4117の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。電源断処理中フラグがオフであれば(S4002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S4003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S4006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S4003:Yes)、S4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S4003:No)、S4008へ移行する。なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S4003:Yes)、S4004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S4003:No)、S4008へ移行する。電源断処理中フラグがオンであれば(S4002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S4004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S4004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S4005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S4006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S4005:No)、RAM223の異常を報知して(S4007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S4008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S4008)。電源断フラグはS4117の電源断処理の実行時にオンされる(図4のS4116参照)。つまり、電源断フラグは、S4117の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S4008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S4009)、RAM223の初期値を設定した後(S4010)、割込み許可を設定して(S4011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。一方、電源断フラグがオフされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S4008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS4009をスキップして、処理をS4010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S4010)。なお、S4009のクリア処理をスキップするのは、S4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至った場合には、S4004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図58を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図58は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S4101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S4101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S4101:No)、S4102~S4111の処理を行わずにS4112の処理へ移行する。S4101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S4102~S4111が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S4112のコマンド判定処理やS4113の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S4112の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S4112の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。S4101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S4101:Yes)、まず、S4103~S4113の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信するコマンド出力処理を実行する(S4102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS4108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S4103)、その後電源投入報知処理を実行する(S4104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS4105の処理へ移行する。
S4105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S4106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S4107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)の詳細については、図70を参照して後述する。枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S4108)、その後音編集・出力処理を実行する(S4109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。S4109の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S4110)、次に、演出更新処理を実行する(S4111)。S4111の処理を実行後、S4112の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS4108のランプ編集処理が実行される。なお、S4109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S4111の処理後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理(S4112)が実行され、S4113の処理へ移行する。このコマンド判定処理(S4112)の詳細については、図59を参照して後述する。S4113の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図66を参照して後述する。S4113の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S4114)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S4114の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S4114:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S4116)、電源断処理を実行する(S4117)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S4118)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S4114の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S4114:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S4115)、RAM223が破壊されていなければ(S4115:No)、S4101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S4115:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。次に、図59を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4112)について説明する。図59は、このコマンド判定処理(S4112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図58参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S4112)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(S4112)が実行されるとまず、状態コマンドを受信したかを判別し(S4201)、受信したと判別した場合は(S4201:Yes)、状態コマンド受信処理を実行し(S4202)、本処理を終了する。この状態コマンド受信処理(S4202)は、現在の遊技状態を示す状態コマンドを受信し、その遊技状態に応じたモード演出態様を設定し、第3図柄表示装置81の表示面にて対応する演出態様(例えば、背面画像)を表示するための表示用コマンドが設定される。例えば、確変状態を示す状態コマンドを受信した場合は、図15に示したスーパーチャンスモードに対応する表示用コマンドが設定され、時短状態を示す状態コマンドを受信した場合は、図12に示すチャンスモードに対応する表示用コマンドが設定される。なお、実際に設定される遊技状態と、実行されるモード演出における演出態様の切替制御の詳細については後述する。この状態コマンド受信処理(S4202)の詳細については図60を参照して後述する。S4201の処理において状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S4201:No)、次に、特図変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S4203)、受信したと判別した場合は(S4203:Yes)、受信した特図変動パターンコマンドに対応する特図変動開始フラグ223dをオンに設定し(S4204)、受信したコマンドから変動パターンコマンドを抽出する(S4205)。そして、本処理を終了する。S4203の処理において特図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S4203:No)、次に、特図停止種別コマンドを受信したかを判別し(S4206)、受信したと判別した場合は(S4206:Yes)、受信した特図停止種別コマンドに対応する停止種別選択フラグ223e(第1特図停止種別フラグ223e1、第2特図停止種別フラグ223e2)をオンに設定し(S4207)、受信したコマンドから停止種別を抽出する(S4208)。そして、本処理を終了する。
S4206の処理において特図停止種別コマンドを受信していないと判別した場合は(S4206:No)、次に、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別する(S4209)。ここで、保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S4209:Yes)、受信した保留球数コマンドから保留球数を抽出し、対応する値を特別図柄保留球数カウンタ223c、普通図柄保留球数カウンタ223hに格納する(S4210)。具体的には、特別図柄の保留球数コマンドを受信した場合は、その保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d,第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、特別図柄の変動表示の保留球数)を抽出し、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新する。また、普通図柄の保留球数コマンドを受信した場合は、その保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203fの値(即ち、普通図柄の変動表示の保留球数)を抽出し、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた普通図柄保留球数カウンタ223hの値を更新する。ここで、保留球数コマンドは、球が各種入球口(第1入球口64、第2入球口640、スルーゲート67)に入球(始動入賞)し、各種保留球数カウンタの値が加算された場合、或いは、各種変動開始処理を実行する際に、各種保留球数カウンタの値が減算されたときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞時や変動表示設定時毎に、S4210の処理によって、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223c、普通図柄保留球数カウンタ223hの値を、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d,第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。
よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のRAM223が有する特別図柄保留球数カウンタ223cの値が、主制御装置110の各種保留球数カウンタ203d,203e,203dの値とずれてしまっても、始動入賞時、変動表示設定時、即ち、各種保留球数変更されることに基づいて保留球数コマンドが通知されれば、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の各種保留球数カウンタ第1特別図柄保留球数カウンタ203d,第2特別図柄保留球数カウンタ203e,普通図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。また、S4209の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4209:No)、主制御装置110より入賞コマンドを受信したか判別する(S4211)。S4211の処理において、入賞コマンドを受信したと判別した場合は(S4211:Yes)、入賞コマンド処理を実行し(S4212)、本処理を終了する。この入賞コマンド処理(S4212)は、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対応する図柄種別(特別図柄、普通図柄)を解析し、その解析結果に対応する記憶領域(音声ランプ制御装置113のRAM223内の入賞情報格納エリア223b)に格納(記憶)する処理と、受信した入賞情報に基づいた演出(先読み演出)を実行するための処理を行うものである。なお、入賞コマンド処理(S4212)の詳細な内容については、図61を参照して後述する。S4211の処理において、入賞コマンドを受信していないと判別した場合は(S4211:No)、次に、図柄確定コマンドを受信したかを判別し(S4213)、図柄確定コマンドを受信したと判別した場合は(S4213:Yes)、第3図柄の停止表示を設定し(S4214)、本処理を終了する。停止コマンドを受信していないと判別した場合は(S4213:No)、次いで、普図関連コマンドを受信したかを判別し(S4215)、受信したと判別した場合は(S4215:Yes)、普図関連処理を実行し(S4216)、その後、本処理を終了する。なお、普図関連処理を実行し(S4216)の詳細な説明は、図8を参照して後述する。
S4215の処理において、普図関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4215:No)、大当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S4217)、受信したと判別した場合は(S4217:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S4218)、その後、本処理を終了する。なお、大当たり関連処理(S4218)の詳細な説明は、図64を参照して後述する。一方、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4217:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S4219)、本処理を終了する。次に、図60を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド受信処理(S4202)について説明する。図60は、この状態コマンド受信処理(S4202)を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理(S4202)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図59参照)の中で実行されるものであって、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される表示モードを異ならせて設定するための処理を実行するものである。以下、状態コマンド受信処理(S4202)の詳細を説明する。状態コマンド受信処理(S4202)が実行されると、まず、現在設定されている遊技状態が変更されるか否かを判別する(S4301)。ここでは、従状態設定エリア223gに設定されている遊技状態と、今回受信した状態コマンドが示す遊技状態とが、相違するか否かが判別される。S4301の処理において、遊技状態に変更がないと判別した場合は(S4301:No)、そのまま本処理を終了する。遊技状態に変更があると判別した場合は(S4301:Yes)、変更後の遊技状態が通常状態であるかを判別する(S4302)。S4302の処理において、変更後の遊技状態が通常状態であると判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドである場合)は(S4302:Yes)、通常モードを示す表示用コマンドを設定し(S4303)、S4304の処理へ移行する。
S4302の処理において、変更後の遊技状態が通常状態では無いと判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドでは無い場合)は(S4302:No)、次いで、変更後の遊技状態が時短状態であるかを判別し(S4306)、遊技状態が時短状態である(今回受信した状態コマンドが時短状態を示すコマンドである)と判別した場合は(S4306:Yes)、従時短カウンタ223nの値に100を設定し(S4307)、チャンスモードを示す表示用コマンドを設定し(S4308)、S4304の処理へ移行する。S4306の処理において、遊技状態が時短状態はないと判別した場合は(S4306:No)、次いで、V報知フラグ223mがオンであるか否かを判別する(S4309)。V報知フラグ223mがオフの場合は(S4309:No)、上述したS4308の処理へ移行する。V報知フラグ223mがオンである場合は(S4309:Yes)、V報知フラグ223mをオフに設定し(S4310)、スーパーチャンスモードを示す表示用コマンドを設定し(S4311)、S4304の処理へ移行する。S4304の処理では、従状態設定エリア223gの現状態エリアに設定されている遊技状態を過去状態エリアに設定し(S4304)、従状態設定エリア223gの現状態エリアに受信した状態コマンドが示す情報に対応する遊技状態を設定し(S4305)、本処理を終了する。ここで、S4308およびS4311の処理で設定されたコマンドが表示制御装置114に通知されることにより通常状態中における変動演出表示が実行されることになる。このように、本制御例では、音声ランプ制御装置113にて、主制御装置110から出力された状態コマンドに基づいて第3図柄表示装置81の表示領域にて表示される各種表示態様の種別(モード、背景)を設定し、その種別を示すコマンドを表示制御装置114へと出力するように構成している。
このように構成することで、例えば、音声ランプ制御装置113側で設定されている遊技状態に対してそれぞれ変動演出表示の表示態様を設定する必要を無くすことが可能となる。つまり、現在設定されている遊技状態に対応する各種表示態様の種別を示すコマンド(種別コマンド)と、特別図柄の変動表示に対応する変動パターンコマンド(共通コマンド)とを表示制御装置114に出力するだけで、表示制御装置114側で受信した種別コマンドと、共通コマンドとに基づいて、現在の遊技状態と受信した変動パターンとに対応した表示態様で第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定することができる。よって、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。なお、上述したように、音声ランプ制御装置113から受信した複数のコマンドを表示制御装置114側で組み合わせることにより第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定するように構成した場合には、表示制御装置114側から音声ランプ制御装置113側へと設定後の表示データの内容を示す情報(確認情報)を出力するように構成し、音声ランプ制御装置113側で受信した確認情報が適正であるかを判別する判別手段を設け、その判別結果が適正では無いと判別した場合に、適正な情報を示す簡易的な表示用変動パターンコマンドを設定し、既に設定されている表示データの内容を簡易的な表示データに書き換えるように構成すると良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から受信した各種コマンドに対して適正な表示データが設定されなかった場合に、適正な情報を示す簡易的な表示データを設定することができ、その簡易的な表示データに基づく変動演出表示を表示することができる。よって、実際の遊技結果(特別図柄の抽選結果)とは異なる内容の変動演出表示が実行されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、上述した簡易的な表示データにとしては、例えば、どの遊技状態にも対応しない特殊モード(例えば、黒背景のモード)を表示する表示データや、第4図柄の変動表示を実行する表示データといった、通常の変動演出表示にて用いる表示データよりもデータ量の少ない表示データを用いれば良い。
なお、本制御例では、上述した構成を用いているがこれに限ること無く、音声ランプ制御装置113側で、現在の遊技状態と、受信した変動パターンとに基づいた表示用変動パターンコマンドを設定するように構成しても良い。次に、図61を参照して、コマンド判定処理(図59のS4112参照)にて実行される入賞コマンド処理(S4212参照)の内容を説明する。図61は、入賞コマンド処理(S4212)の内容を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理(S4212)は、主制御装置110から特別図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される入賞コマンド(入賞情報コマンド)や、普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される普図用入賞情報コマンドや、大当たり遊技中に球が特定ゲート(確変スイッチ)を流下(通過)した場合に設定されるV入賞コマンドを受信した場合に実行される処理である。入賞コマンド処理(S4212)が実行されると、まず、受信した入賞コマンド(入賞情報コマンド)の情報を入賞情報格納エリア(入賞情報記憶エリア)223bの対応する領域に格納(設定)し(S4401)、今回受信したコマンドが普図用入賞情報コマンドであるかを判別し(S4402)、普図用入賞情報コマンドであると判別した場合は(S4402:Yes)、受信したコマンドの中に当たり情報(普図当たり当選している入賞情報)が含まれているかを判別し(S4403)当たり情報があると判別した場合は(S4403:Yes)、次いで、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が普通図柄の高確率状態であるかを判別する(S4404)。
ここで、現在が普通図柄の高確率状態では無い、即ち、通常状態であると判別した場合は(S4404:No)、通常状態中に普図当たり当選する普通図柄抽選の抽選権利を獲得した状態であって、チャンスゾーンが設定される可能性が高い場合であるため、電チューロング開放を示唆するための表示用コマンドを設定し(S4405)、S4406の処理へと移行する。S4405の処理で表示用コマンドが設定されると、他の音声ランプ制御装置での制御処理にて設定される各種表示用コマンドと同一の制御内容で表示制御装置114へと通知され、通常状態中に普図当たり遊技が実行され電動役物640aがロング開放(5秒間開放)することを示唆する示唆演出(例えば、第3図柄表示装置81の表示面の主表示領域Dmに小表示領域Dm3が形成されるか否かを煽る演出)が実行される。なお、本制御例では、通常状態中に普図当たり当選する普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合にのみ上述した示唆演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、普図用入賞情報コマンドに特定の外れ当選を示す入賞情報が含まれていると判別した場合にも、上述した示唆演出が実行されるように構成すると良い。これにより、示唆演出が実行された場合に普図当たり遊技が実行される場合と、実行されない場合とを設定することができるため、遊技者に今後実行される遊技内容を予測させながら遊技を行わせることができる。さらに、本制御例では、通常状態中に普図当たり当選する普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に、示唆演出が実行されるように構成しているが、この構成に加え、実行中の特別図柄抽選、或いは、入賞情報格納エリア223bに格納されている特別図柄抽選の事前判別結果に基づいて、実際に普図当たり遊技が実行されるタイミング、即ち、普図当たり当選を示す普図用入賞情報コマンドに対応する普通図柄抽選が実行されるタイミング(普図当たり遊技が実行されるタイミング)の遊技状態が通常状態であるか否かを判別する事前遊技状態処理を実行し、通常状態であると判別した場合に、上述した示唆演出を実行するように構成しても良い。これにより、チャンスゾーンが設定されることをより的確に示唆することが可能となる。
図61に戻り説明を続ける。S4402の処理で、普図用入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合(S4402:No)、S4403の処理で当たり情報が無いと判別した場合(S4403:No)、S4404の処理で時短カウンタ203hの値が0よりも大きいと判別した場合(S4404:Yes)もS4406の処理へ移行する。S4406の処理では、特図用入賞情報コマンド処理を実行し(S4406)、S4407の処理へ移行する。この特図用入賞情報コマンド処理(S4406)の詳細については図62を参照して後述する。S4407の処理では、今回受信したコマンドがV入賞コマンド(入賞処理(図55のS1911参照)にて確変スイッチ(特定ゲート)へと球が流下した場合に設定されるコマンド(S2216参照))であるかを判別し(S4407)、V入賞コマンドである場合は(S4407:Yes)、V入賞フラグ223jをオンに設定し(S4408)、S4409の処理へ移行する。また、S4407の処理において、V入賞コマンドを受信していないと判別した場合は(S4407:No)、S4413の処理へ移行する。S4409の処理では、V演出実行フラグ223kがオンであるか否かを判別する(S4409)。V演出実行フラグ223kがオンである場合は(S4409:Yes)、V演出実行フラグ223kをオフに設定し(S4410)、V入賞を報知するための表示用コマンドを設定し(S4411)、V報知フラグ223mをオンに設定し(S4412)、S4413の処理へ移行する。また、S4409の処理において、V演出実行フラグ223kがオフである場合も(S4409:No)、S4413の処理へ移行する。S4413の処理では、その他の処理を実行し(S4413)、本処理を終了する。次に、図62を参照して、入賞コマンド処理(図61のS4212)にて実行される特図用入賞情報コマンド処理(S4406)の内容を説明する。図62は、特図用入賞情報コマンド処理(S4406)の内容を示したフローチャートである。
特図用入賞情報コマンド処理(S4406)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gに設定されている情報に基づいて現在の遊技状態を抽出し(S4501)、従時短カウンタ223nの値が75より大きいか否かを判別する(S4502)。従時短カウンタ223nの値が75より大きいと判別した場合は(S4502:Yes)、次いで、特殊連続予告フラグ223oがオンであるか否かを判別する(S4503)。特殊連続予告フラグ223oがオフであると判別した場合は(S4503:No)、連続予告実行選択テーブル222d(図31(a))を用いて連続予告の有無を選択し(S4504)、次いで、連続予告の実行があるか否かを判別する(S4505)。連続予告の実行があると判別した場合は(S4505:Yes)、特殊連続予告フラグ223oをオンに設定し(S4506)、S4507の処理へ移行する。また、S4502の処理において、従時短カウンタ223nの値が75以下であると判別した場合と(S4502:No)、S4503の処理において、特殊連続予告フラグ223oがオンであると判別した場合と(S4503:No)、S4505の処理において、連続予告の実行がないと判別した場合も(S4505:No)、S4507の処理へ移行する。S4507の処理では、受信した特図用入賞情報コマンドに含まれる情報に基づいた表示用コマンドを設定し(S4507)、本処理を終了する。次に、図63を参照して、コマンド判定処理(図59のS4112参照)にて実行される普図関連処理(S4216)の内容を説明する。図63は、普図関連処理(S4216)の内容を示したフローチャートである。この普図関連処理(S4216)は、主制御装置110から普通図柄抽選が実行されたことを示す普図変動パターンコマンドや、普図当たり遊技が開始されたことを示す普図当たり開始コマンドや、普図当たり遊技の終了を示す普図当たり終了コマンドを受信した場合に実行される処理である。
普図関連処理(S4216)が実行されると、まず、普図変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S4601)、受信したと判別した場合は(S4601:Yes)、表示用普図変動開始コマンドを設定し(S4602)、次いで、従時短カウンタ223nの値が0よりも大きいか、即ち、普通図柄の高確率状態であるかを判別する(S4603)。従時短カウンタ223nの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4603:Yes)、そのまま本処理を終了し、0よりも大きく無いと判別した場合は(S4603:No)、今回受信した普図変動パターンコマンドが普図当たりに当選している普通図柄抽選に対応する普図変動パターンコマンドであるかを判別し(S4604)、普図当たりに当選していないと判別した場合は(S4604:No)、そのまま本処理を終了する。一方で、普図当たりに当選していると判別した場合は(S4604:Yes)、ロング開放当たりが実行される普図当たり変動であるため、ロング開放待機中を示す表示用コマンドを設定し(S4605)、本処理を終了する。S4605の処理で表示用コマンドが設定されることで、図7(b)に示した表示態様が第3図柄表示装置81の表示面に表示される。これにより、遊技者に対して間もなくチャンスゾーンが設定される可能性が高い状態であることを容易に予測させることができる。なお、本制御例では、普通図柄変動が当たり変動であるか否かに基づいて図7(b)に示した表示態様(小表示領域Dm3を形成する表示態様)を表示させる処理を用いているが、これに限ること無く、特定の普図外れ変動(例えば、普図当たり変動と同一の変動時間が設定される普図外れ変動の一部)にて図7(b)に示した表示態様(小表示領域Dm3を形成する表示態様)を表示させるように構成しても良い。
また、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出(第3図柄変動演出)の内容に応じて小表示領域Dm3の表示領域の大きさを可変させるように構成しても良く、例えば、第3図柄変動演出にて大当たり期待度の高い変動演出(例えば、リーチ演出)が実行されている場合は、大当たり期待度の高い変動演出(例えば、リーチ演出)が実行されていない場合よりも小表示領域Dm3の表示領域が小さくなるように表示内容を可変させるように構成すると良い。このように、独立して実行される特別図柄抽選の抽選結果を示唆する変動演出と普通図柄抽選の抽選結果を示唆する変動演出とに関係性を持たせて表示内容を可変制御することにより、遊技者に対して無駄に多くの遊技情報が提供されてしまい遊技者が混乱してしまうことを抑制し、分かり易い遊技を提供することができる。図63に戻り、説明を続ける。S4601の処理にて普図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S4601:No)、次に、普図当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S466)、普図当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S4606:Yes)、次いで、従時短カウンタ223nの値が0よりも大きいかを判別し(S4607)、0よりも大きく無いと判別した場合は(S4607:No)、ロング開放中を示す表示用コマンドを設定し(S4608)、本処理を終了する。S4608の処理で表示用コマンドが設定されることで、図8(a)に示した表示態様が第3図柄表示装置81の表示面に表示される。これにより、遊技者に対してロング開放当たりが実行されていることを容易に把握させることができる。また、S4607の処理にて、従時短カウンタ223nの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4607:Yes)、S4608の処理をスキップして本処理を終了する。
S4606の処理で、普図当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S4606:No)、普図当たり終了コマンドを受信したかを判別し(S4609)、受信したと判別した場合は(S4609:Yes)、従時短カウンタ223nの値が0よりも大きいかを判別し(S4610)、従時短カウンタ223nの値が0であると判別した場合は(S4610:No)、次いで、普通図柄保留球数カウンタ223hの値が1以上であるかを判別し(S4611)、1以上であると判別した場合は(S4611:Yes)、特殊演出中フラグ223iがオンに設定されているかを判別し(S4612)、オンに設定されていないと判別した場合は(S4612:No)、チャンスゾーン突入を示す表示用コマンドを設定し(S4613)、特殊演出中フラグ223iをオフに設定し(S4614)、本処理を終了する。一方、S4610~S4612の処理において、上述した判別結果以外の判別結果であると判別した場合は、そのまま本処理を終了する。次に、図64を参照して、大当たり関連処理(S4218)の内容について説明をする。図64は、大当たり関連処理(S4218)の内容を示したフローチャートである。大当たり関連処理(S4218)では、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。大当たり関連処理(S4218)では、まず、今回受信したコマンドが、大当たり開始コマンドであるかを判別する(S4701)。大当たり開始コマンドであると判別した場合には(S4701:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定する(S4702)。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図58参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
次いで、今回の大当たり遊技が通常大当たり(遊技)であるかを判別し(S4703)、通常大当たりであると判別した場合は(S4703:Yes)、チャンスモード突入(時短状態が設定される)ことを示すエンディング表示態様を設定し(S4708)、本処理を終了する。一方、通常大当たりでは無いと判別した場合(S4703:No)、即ち、確変大当たりであると判別した場合は、V報知実行選択テーブル222e(図31(b))を用いてV報知演出の実行有無を選択し(S4704)、次いで、V報知演出があるか否かを判別する(S4705)。V報知演出があると判別した場合は(S4705:Yes)、V演出実行フラグ223kをオンに設定し(S4706)、スーパーチャンスモード突入(確変状態が設定される)ことを示すエンディング表示態様を設定し(S4707)、本処理を終了する。一方、S4705の処理において、V報知演出がないと判別した場合は(S4705:No)、上述したS4708の処理へ移行する。
つまり、本制御例では、図25を参照して上述した通り、設定される大当たり種別(通常大当たり、確変大当たり)に応じて異なる長さのエンディング期間が設定されており、大当たり遊技が開始されるタイミングにて今回実行される大当たり遊技のエンディング期間に対応させたエンディング表示態様(図17参照)を予め設定するように構成している。このように構成することで、各種制御(大当たり遊技の進行状況に応じて可変表示させる大当たり遊技情報の可変表示制御(例えば、獲得した賞球数を示すための情報を表示させる制御や実行中のラウンド遊技数を示すための情報を表示させる制御)や、大当たり遊技中に可変入賞装置65へと入賞した球数に応じて賞球を払い出すための賞球払出制御)が頻繁に実行される大当たり遊技期間中にエンディング表示態様を設定するための表示制御を実行する必要が無くなるため、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114の処理負荷を軽減させることができる。なお、本制御例では、大当たり遊技の開始タイミングにてエンディング表示態様を設定する処理を実行しているが、これに限ること無く、大当たり遊技が実行されることが確定している特別図柄の大当たり変動中にエンディング表示態様を設定しても良いし、大当たり遊技期間のうち、制御処理が少ない期間に実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理の残余期間を用いて設定するように構成しても良い。
一方、S4701の処理にて、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S4701:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S4709)、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S4709:Yes)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S4710)、今回のラウンド数が1ラウンド(Vラウンド)であるかを判別する(S4711)。1ラウンド(Vラウンド)であると判別した場合は(S4711:Yes)、V演出実行フラグ223kがオンであるか否かを判別する(S4712)。V演出実行フラグ223kがオンであると判別した場合は(S4712:Yes)、V入賞を案内する表示用コマンドを設定し(S4713)、本処理を終了する。また、S4711の処理で今回のラウンド数が1ラウンド(Vラウンド)では無い、即ち、1ラウンド目以外のラウンド遊技が開始されると判別した場合と(S4711:No)、S4712の処理において、V演出実行フラグ223kがオフであると判別した場合も(S4712:No)、そのまま本処理を終了する。S4709の処理でラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4709:No)、次に、エンディングコマンドを受信したかを判別し(S4714)、受信したと判別した場合は(S4714:Yes)、エンディング処理を実行し(S4715)、本処理を終了する。また、S4786の処理にてエンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4714:No)、そのまま本処理を終了する。次に、図65を参照して、エンディング処理(S4715)の処理について説明をする。図65は、エンディング処理(S4715)の内容を示したフローチャートである。このエンディング処理(S4715)は、上述した大当たり関連処理(図64のS4218参照)にてエンディングコマンドを受信したと判別した場合に実行される処理であって、エンディング期間中に実行されるエンディング表示態様を最終的に決定するための処理を実行するものである。
エンディング処理(S4715)が実行されると、まず、V入賞フラグ223jがオンに設定されているかを判別し(S4801)、オンに設定されていると判別した場合は(S4801:Yes)、V入賞フラグ223jをオフに設定し(S4805)、既に設定されているエンディング表示態様に対応するエンディング表示の実行を設定し(S4804)、本処理を終了する。また、S4801の処理においてV入賞フラグ223jがオンに設定されていないと判別した場合は(S4801:No)、V演出実行フラグ223kがオンであるかを判別し(S4802)、V演出実行フラグ223kがオフであると判別した場合は(S4802:No)、そのままS4804の処理へ移行する。一方、S4802の処理において、V演出実行フラグ223kがオンであると判別した場合は(S4802:Yes)、エンディング期間のうち、後半期間(7秒)の表示態様を切り替えるための表示切替コマンドを設定し(S4803)、S4804の処理へ移行する。S4803の処理において表示切替コマンドが設定されると、表示制御装置114へと通知され、予め確変状態が設定されることに対応して設定されていたエンディング期間の後半期間の表示態様(図120(d)参照)を、時短状態が設定されることに対応する表示態様(図120(c)参照)へと切り替える処理が実行される。本制御例では、この表示切替コマンドに基づいて切り替えられる表示態様の表示期間を一定(7秒)にしているため、容易に表示態様を切り替えることができる。次に、図66を参照して、変動表示設定処理(S4113)の内容について説明をする。図66は、変動表示設定処理(S4113)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図58参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(S4113)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223d1がオンかを判別する(S4901)。そして、特図1変動開始フラグ223d1がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4901:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4905の処理へ移行する。一方、特図1変動開始フラグ223d1がオンであると判別した場合(S4901:Yes)、特図1変動開始フラグ223d1をオフに設定し(S4902)、次いで、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを取得した変動パターン種別に基づいて生成するための特図1演出態様設定処理を実行し(S4903)、入賞情報格納エリア223bのうち第1特別図柄に対応するデータをシフトし(S4904)、S4905の処理へ移行する。特図1演出態様設定処理(S4903)の詳細については図67を参照して後述する。S4905の処理では、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223d2がオンかを判別する(S4905)。そして、特図2変動開始フラグ223d2がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4905:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4909の処理へ移行する。一方、特図2変動開始フラグ223d2がオンであると判別した場合(S4905:Yes)、特図2変動開始フラグ223d2をオフに設定し(S4906)、次いで、特図2演出態様設定処理を実行し(S4907)、入賞情報格納エリア223bのデータのうち第2特別図柄に対応するデータをシフトし(S4908)、S4909の処理へ移行する。特図2演出態様設定処理(S4907)の詳細については図68を参照して後述する。
S4909の処理では、RAM223に設けられた特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2がオンかを判別する(S4909)。そして、特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4909:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、そのまま本処理を終了する。一方、特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2がオンであると判別した場合(S4909:Yes)、オンに設定されている特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2をオフに設定し(S4910)、次いで、コマンドから抽出した停止種別に基づいて表示用特図1または特図2停止種別コマンドを設定し(S4911)、その後、本処理を終了する。次に、図67を参照して、特図1演出態様設定処理(S4903)の内容について説明をする。図67は、特図1演出態様設定処理(S4903)の内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理(S4903)は、変動表示設定処理(図66のS4113参照)にて、第1特別図柄の変動演出を設定する際に実行されるものであって、設定されている遊技状態に対応した変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。特図1演出態様設定処理(S4903)が実行されると、まず、従時短カウンタ223nの値が0より大きいか否かを判別する(S5001)。従時短カウンタ223nの値が0より大きいと判別した場合は(S5001:Yes)、従時短カウンタ223nの値を1減算し(S5002)、減算後の従時短カウンタ223nの値を示すための表示用コマンドを設定し(S5003)、S5004の処理へ移行する。S5001の処理において、従時短カウンタ223nの値が0であると判別した場合は(S5001:No)、S5002およびS5003の処理をスキップし、S5004の処理へ移行する。
S5004の処理では、演出モード記憶エリア223pに記憶されている演出モードを読み出し(S5004)、次いで、スーパーチャンスモードであるか否かを判別する(S5005)。スーパーチャンスモードであると判別した場合は(S5005:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに含まれる変動時間(基本時間)を抽出し(S5006)、基本変動時間(基本時間)が30秒であるかを判別する(S5007)。基本変動時間が30秒であると判別した場合には(S5007:Yes)、確変中演出選択テーブル222c(図30参照)に基づいて演出態様(演出内容)を決定し(S5008)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5009)、本処理を終了する。一方、基本変動時間が30秒では無いと判別した場合には(S5007:No)、S5011の処理へ移行する。一方、S5005の処理において、スーパーチャンスモードではないと判別した場合は(S5005:No)、次いで、チャンスモードであるか否かを判別する(S5010)。チャンスモードではないと判別した場合は(S5010:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5011)、上述したS5009の処理へ移行する。S5010の処理において、チャンスモードであると判別した場合は(S5010:Yes)、チャンスモード中演出設定処理を実行し(S5012)、S5009の処理へ移行する。チャンスモード中演出設定処理(S5012)の詳細については図69を参照して後述する。次に、図68を参照して、特図2演出態様設定処理(S4907)の内容について説明をする。図68は特図2演出態様設定処理(S4907)の内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理(S4907)は、変動表示設定処理(図66のS4113参照)にて、第2特別図柄の変動演出を設定する際に実行されるものであって、設定されている遊技状態に対応した変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
特図2演出態様設定処理(S4907)が実行されると、まず、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(S5101)、通常状態であると判別した場合は(S5101:Yes)、チャンスゾーン突入を示す表示用コマンドを設定し(S5102)、次いで、特殊演出中フラグ223iをオンに設定し(S5103)、通常中特図2演出選択テーブル222b(図29参照)に基づいて演出態様を決定し(S5104)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5105)、本処理を終了する。一方、S5101の処理において、通常状態では無いと判別した場合は(S5101:No)、次に、従時短カウンタ223nの値が0より大きいか否かを判別し(S5106)、従時短カウンタ223nの値が0より大きいと判別した場合は(S5106:Yes)、従時短カウンタ223nの値を1減算し(S5107)、減算後の従時短カウンタ223nの値を示すための表示用コマンドを設定し(S5108)、S5109の処理へ移行する。S5106の処理において、従時短カウンタ223nの値が0であると判別した場合は(S5106:No)、S5107およびS5108の処理をスキップし、S5109の処理へ移行する。S5109の処理では、演出モード記憶エリア223pに記憶されている演出モードを読み出し(S5109)、次いで、スーパーチャンスモードであるか否かを判別する(S5110)。スーパーチャンスモードであると判別した場合は(S5110:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに含まれる変動時間(基本時間)を抽出し(S5111)、基本変動時間(基本時間)が30秒であるかを判別する(S5112)。基本変動時間が30秒であると判別した場合には(S5112:Yes)、確変中演出選択テーブル222c(図30参照)に基づいて演出態様(演出内容)を決定し(S5113)、上述したS5105の処理を実行し、本処理を終了する。一方、基本変動時間が30秒では無いと判別した場合には(S5112:No)、S5115の処理へ移行する。
一方、S5110の処理において、スーパーチャンスモードではないと判別した場合は(S5110:No)、チャンスモード中演出設定処理を実行し(S5114(S5012))、S5115の処理へ移行する。チャンスモード中演出設定処理(S5114(S5012))の詳細については図69を参照して後述する。S5115の処理では、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5115)、上述したS5105の処理を実行し、本処理を終了する。次に、図69を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるチャンスモード中演出設定処理(S5012(S5114))について説明する。図69は、この特図1演出態様設定処理(図67のS4903参照)および特図2演出態様設定処理(図68のS4907参照)にて実行されるチャンスモード中演出設定処理(S5012(S5114))を示したフローチャートである。
チャンスモード中演出設定処理(S5012(S5114))では、まず、従時短カウンタ223nの値を読み出し(S5201)、読み出した従時短カウンタ223nの値が99であるか否かを判別する(S5202)。従時短カウンタ223nの値が99であると判別した場合は(S5202:Yes)、演出モード記憶エリア223pに高速期間を設定し(S5203)、S5208の処理へ移行する。S5202の処理において、従時短カウンタ223nの値が99ではないと判別した場合は(S5202:No)、次いで、読み出した従時短カウンタ223nの値が79であるか否かを判別する(S5204)。従時短カウンタ223nの値が79であると判別した場合は(S5204:Yes)、演出モード記憶エリア223pに通常第1期間を設定し(S5205)、S5208の処理へ移行する。S5204の処理において、従時短カウンタ223nの値が79ではないと判別した場合は(S5204:No)、次いで、読み出した従時短カウンタ223nの値が49であるか否かを判別する(S5206)。従時短カウンタ223nの値が49であると判別した場合は(S5206:Yes)、演出モード記憶エリア223pに通常第2期間を設定し(S5207)、S5208の処理へ移行する。S5206の処理において、従時短カウンタ223nの値が49ではないと判別した場合は(S5206:No)、S5207の処理をスキップし、S5208の処理へ移行する。
S5208の処理では、連続予告実行中フラグ223qがオンであるか否かを判別する(S5208)。連続予告実行中フラグ223qがオンであると判別した場合は(S5208:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する連続演出態様を決定し(S5209)、S5214の処理へ移行する。S5208の処理において、連続予告実行中フラグ223qがオフであると判別した場合は(S5208:No)、特殊連続予告フラグ223oがオンであるか否かを判別する(S5210)。特殊連続予告フラグ223oがオンであると判別した場合は(S5210:Yes)、特殊有効時間タイマに3秒に対応する値を設定し(S5211)、特殊連続予告フラグ223oをオフに設定し(S5212)、S5213の処理へ移行する。S5210の処理において、特殊連続予告フラグ223oがオフであると判別した場合にも(S5210:No)、S5213の処理へ移行する。S5213の処理では、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5213)、S5214の処理へ移行する。S5214の処理では、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5214)、本処理を終了する。次に、図70を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)について説明する。図70は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図58参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において演出効果を高めるために遊技者の操作に応じた演出(操作演出)を実行させるために、枠ボタン22の操作に基づいて表示用コマンドを生成し設定する。
本制御例では、遊技者が複数の操作方法で枠ボタン22を操作可能に構成しており、具体的には、枠ボタン22を短時間(2秒未満)押下する「通常押し」と、枠ボタン22を長時間(2秒以上)押下し続ける「長押し」と、を判別可能に構成している。そして、判別された操作内容に応じて異なる操作演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して様々な操作演出を実行しようと枠ボタン22を様々な操作方法で操作させることができるため、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、本制御例では、判別可能な操作方法として2種類の操作方法を用いているが、これに限ること無く、操作方法を1種類にしても良いし、3種類以上設けても良い。また、本制御例では、遊技者が操作可能な操作手段を枠ボタン22の1種類としているが、これに限ること無く、遊技者が操作可能な操作手段を複数個設けても良い。そして、判別可能な操作方法を、個々の操作手段に対する操作だけで無く、複数の操作手段に対して実行された操作内容の組合せで判別するように構成しても良い。加えて、複数の操作手段を設けた場合には(例えば、第1操作手段と第2操作手段)、第1操作手段に対して第1操作を実行した場合と、第2操作手段に対して第2操作を実行した場合とで、同一の操作が実行されたと判別(同一の操作方法と判別)するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、第1操作手段の配置位置と、第2操作手段の配置位置とを離間させている場合において、遊技者が操作し易い操作手段を選択して操作を楽しむ行うことができる。
枠ボタン入力監視・演出処理(図70のS4107)では、まず、SW有効時間が0より大きいか、即ち、SW有効時間が設定されているか(SW有効時間カウンタ223rの値が0よりも大きいか)を判別する(S5301)。なお、このSW有効時間は、枠ボタン22を使用する変動パターンの演出が選択されている場合に各変動パターンに対応して設定されるものである。SW有効時間が設定されていると判別した場合には(S5301:Yes)、SW有効時間カウンタ223rの値を経過に対応する値を減算し(S5302)、S5303の処理へ移行する。一方、S5301の処理において、SW有効時間カウンタ223rの値が0であると判別した場合は(S5301:No)、S5302の処理をスキップし、S5303の処理へ移行する。S5303の処理では、特殊有効時間タイマの値が0より大きいか否かを判別する(S5303)。特殊有効時間タイマの値が0より大きいと判別した場合は(S5303:Yes)、特殊有効時間タイマの値を減算し(S5304)、S5305の処理へ移行する。特殊有効時間タイマの値が0であると判別した場合は(S5303:No)、S5304の処理をスキップし、S5305の処理へ移行する。S5305の処理では、操作中カウンタ223tの値が0より大きいか否かを判別する(S5305)。操作中カウンタ223tの値が0であると判別した場合は(S5305:No)、次いで、有効時間内であるか否かを判別する(S5306)。有効時間内であると判別した場合は(S5306:Yes)、次いで、枠ボタン22が押下されたか判別する(S5307)。枠ボタン22が押下されたと判別された場合には(S5307:Yes)、操作中カウンタ223tの値に2秒に対応する値を設定し(S5308)、S5309の処理へ移行する。)。S5306の処理において、有効時間内ではないと判別した場合と(S5306:No)、S5307の処理において、枠ボタン22が押下されていないと判別した場合には(S5307:No)、S5308の処理をスキップし、S5309の処理へ移行する。
一方、S5305の処理において、操作中カウンタ223tの値が1以上であると判別した場合は(S5305:Yes)、次いで、枠ボタン22を押下中であるか否かを判別する(S5310)。枠ボタン22を押下中であると判別した場合は(S5310:Yes)、操作中カウンタ223tの値を減算し(S5312)、減算した操作中カウンタ223tの値が0であるか否かを判別する(S5313)。減算した操作中カウンタ223tの値が0であると判別した場合は(S5313:Yes)、S5314の処理へ移行する。減算した操作中カウンタ223tの値が0ではないと判別した場合は(S5313:No)、S5309の処理へ移行する。一方、S5310の処理において、枠ボタン22を押下中ではないと判別した場合は(S5310:No)、操作中カウンタ223tの値をクリアし(S5311)、S5314の処理へ移行する。S5314の処理では、現在がチャンスモード中であるか否かを判別する(S5314)。現在がチャンスモード中であると判別した場合は(S5314:Yes)、ボタン操作時演出選択テーブル222f(図32参照)を用いて実行する演出を選択し(S5315)、S5309の処理へ移行する。S5314の処理において、現在がチャンスモード中ではないと判別した場合は(S5314:No)、今回の操作方法と、実行中の演出内容と、に対応したボタン演出を設定し(S5316)、S5309の処理へ移行する。S5309の処理では、その他のボタン処理(背景変更等)が実行される。図70を参照して上述した枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)では、省略したが、本制御例では、SW有効時間と特殊有効時間とは、枠ボタン22の操作を受け付けた時点で残期間が0になるように構成している。即ち、各有効時間が設定されている期間中に実行される操作演出の回数が1回となるように構成している。これにより、操作演出が過剰に実行されることを抑制することができる。
なお、SW有効時間と特殊有効時間の残期間に対する処理は、これに限ること無く、例えば、10秒間の有効時間が設定された場合において、有効時間が設定されてから所定期間内(例えば、1秒以内)に、枠ボタン22の操作を受け付けた場合(図70のS5310:No,S5313:Yes)に、当該特別図柄変動期間中に、新たな有効時間を設定するように構成しても良い。このように構成することにより、遊技者が枠ボタン22を操作するタイミングによって、1回の特別図柄変動期間中に実行される操作演出の回数を異ならせることができる。
<第1制御例における表示制御装置の制御処理について>
次に、図71から図85を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。まず、図71を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図71は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。これに対し、本制御例のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。ここで、図72を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図72は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。上述したように、本制御例では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図71のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図71のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図72に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103~S6105の処理を実行するようにしてもよい。また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103~S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。また、本制御例では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101及びS6102の処理を行わずに、S6103~S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。ここで、図71の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図83(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図83(a)のS7502参照)。また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図73(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図73(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図73(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、特図入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。次いで、図73(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図73(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。次いで、図73(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図73(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図73(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図74~図79を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図80~図82を参照して後述する。表示設定処理(S6303)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図83および図84を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図39に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S6306)。なお、描画処理の詳細については、図85を参照して後述する。次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。次いで、図74~図79を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図74は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図74に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。ここで、図75(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図75(a)は、変動パターンコマンド処理(S6405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S6405)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。これに対し、本制御例のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。そして、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6503)、ポインタ233fを0に初期化する(S6504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図74の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。ここで、図75(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図75(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。停止種別コマンド処理(S6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA~G、小当たりA~C、リーチ外れ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図73(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本制御例のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。図74に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6409)、S6401の処理へ戻る。ここで、図76(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図76(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図74に戻り、説明を続ける。S6408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S6410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。ここで、図76(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図76(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6802)。そして、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6803)、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。図74に戻って説明を続ける。S6410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S6412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図77を参照して、エンディングコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図77は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。次いで、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。図74に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動停止コマンドがあるか否かを判別し(S6414)、表示用変動停止コマンドがあれば(S6414:Yes)、変動停止コマンド処理を実行して(S6415)、S6401の処理へ戻る。ここで、図78(a)を参照して、変動停止コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図78(a)は、変動停止コマンド処理を示すフローチャートである。この変動停止コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動停止コマンドに対応する処理を実行するものである。
この表示用変動停止コマンドとは、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図66のS4112参照)において設定された表示用変動パターンコマンドの終了タイミング、即ち、主制御装置110における各特別図柄の変動パターンを設定する処理にて設定された変動パターン(変動時間)の終了タイミング(主制御装置110が停止コマンドを設定するタイミング)にて、音声ランプ制御装置113から出力される表示用停止コマンド(正常停止コマンド)を示すものである。変動停止コマンド処理では、まず、表示用変動停止コマンドによって示される変動停止データテーブルを決定し、その決定した変動停止データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6931)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6932)。次いで、S6931の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動停止データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6933)、ポインタ233fを0に初期化する(S6934)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6935)、変動停止コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。図74に戻り、説明を続ける。S6414の処理において、変動停止コマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用報知コマンドがあるか否かを判別し(S6416)、表示用報知コマンドがあれば(S6416:Yes)、報知コマンド処理を実行して(S6417)、S6401の処理へ戻る。ここで、図78(b)を参照して、報知コマンド処理(S6417)の詳細について説明する。図78(b)は、報知コマンド処理を示すフローチャートである。この報知コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した(表示用)報知コマンドに対応する処理を実行するものである。
この報知コマンドは、主制御装置110にて設定された各種異常状態を示すためのコマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合に設定される各種報知コマンドのうち、表示制御装置114に出力された表示用報知コマンドを表示制御装置114が受信した場合に実行される処理である。報知コマンド処理では、まず、報知コマンドによって示される報知態様に対応した表示(報知)データテーブルを決定し、その決定した表示(報知)データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6951)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6952)。次いで、S6951の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示(報知)データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6953)、ポインタ233fを0に初期化する(S6954)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6955)、報知コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113の設定した各種報知コマンドのうち、報知対象が第3図柄表示装置81(表示装置)であることを示す表示用コマンドのみを表示制御装置114が判別するように構成しているが、これに限ること無く、表示用コマンド以外の発光用コマンドや、音声出力用コマンドや、役物駆動用コマンドといった関連コマンドも一旦受信し、表示制御装置114の処理にて設定されたデータ内容(表示態様)を示すための情報を追加した状態で、関連コマンドを対応する制御装置に出力するように構成しても良い。図74に戻り、説明を続ける。S6416の処理において、表示用報知コマンドがないと判別されると(S6416:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6418)、背面画像変更コマンドがあれば(S6418:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6419)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図79(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6419)の詳細について説明する。図79(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S7503)に通知する背面画像変更フラグ233wをオンに設定する(S7001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグ233xの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(S7002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。通常画像転送設定処理では、S7001の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、S7002の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xから、変更後の背面画像種別を特定する。また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7002によって設定された背面画像判別フラグ233xから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。ここで、図74の説明に戻る。S6418の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6418:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6420)、エラーコマンドがあれば(S6420:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6421)、S6401の処理へ戻る。ここで、図79(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6421)の詳細について説明する。図79(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。表示設定処理では、S7101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。ここで、図74の説明に戻る。S6416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6420:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6422)、S6401の処理へ戻る。各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402~S6422の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401~S6422の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図73(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図75(a)参照)および停止種別コマンド処理(図75(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図75(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。次いで、図80~図82を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図80は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図80に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7201:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7202~S7204の処理をスキップし、S7205の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7202)、S7203~S7204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。S7203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7204)。ここで、図81を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図81は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7301)。タスク処理(S6304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。そして、警告画像設定処理では、S7301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7302)、表示設定処理に戻る。ここで、図80の説明に戻る。警告画像設定処理(S7204)の後、又は、S7203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7203:No)、次いで、S7205の処理へ移行する。
S7205では、ポインタ更新処理を実行する(S7205)。ここで、図82を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図82は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。S7401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7402)。その結果、End情報であれば(S7402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7403)、デモ用表示データテーブルであれば(S7403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。一方、S7403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。ここで、図80に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S7206)。タスク処理(S6304)では、先に展開された警告画像などと共に、S7206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7209)。その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。なお、S7215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7209の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7209:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S7217)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。S7216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図73(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。次いで、図83及び図84を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図83(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図83(b)を参照して後述する。一方、S7501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図84を参照して後述する。
次いで、図83(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7502)について説明する。図83(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7502)を示すフローチャートである。この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7601)、転送指示を送信していれば(S7601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7602)。このS7602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7602:Yes)、S7603の処理へ移行する。また、S7601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7601:No)、S7603の処理へ移行する。S7603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7604)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。S7603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7605)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図73(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図73(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図73(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図74~図79参照)および表示設定処理(図80~図82参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図84参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図83(a)のS7501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。次いで、図84を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7503)について説明する。図84は、この通常画像転送設定処理(S7503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7702)、転送データ情報であれば(S7702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7704)、S7705の処理へ移行する。また、S7702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7702:No)、S7703及びS7704の処理をスキップして、S7705の処理へ移行する。S7705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7705)、転送指示を設定していれば(S7705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7706)。
このS7706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7706:Yes)、S7707の処理へ移行する。また、S7705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7705:No)、S7707の処理へ移行する。S7707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7707)、転送開始フラグがオンであれば(S7707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7708)、S7703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7707:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S7709)。そして、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S7709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S7709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S7710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7712)、S7713の処理へ移行する。S7713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7713)。このS7713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。そして、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。S7714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、本制御例では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。次いで、図85を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図85は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、描画リスト(図39)を生成する(S7801)。即ち、S7801の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。描画処理は、S7802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図73(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明をした通り、本第1制御例では、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが重複して(並行して)実行されることが無いように構成しており、第2特別図柄の抽選のほうが、第1特別図柄の抽選よりも優先して実行されるように構成している。そして、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが遊技者に有利となる抽選が実行されるように構成している。さらに、設定されている遊技状態に応じて第2特別図柄の抽選の実行し易さを異ならせるように構成している。具体的には、普通図柄の低確率状態が設定されている場合(通常状態)よりも、普通図柄の高確率状態が設定されている場合(時短状態、確変状態)が設定されている場合のほうが、第2特別図柄の抽選権利を取得し易くなるように、普通図柄の当たり当選時に実行される当たり遊技(普図当たり遊技)にて開放動作される電動役物640aが付随する入球口(第2入球口640)に球が入球した場合に、第2特別図柄の抽選権利を取得し得るように構成している。つまり、初期の遊技状態である通常状態にて遊技を行う場合には、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選のほうが実行され易く構成し、第1特別図柄の抽選にて大当たり当選したことを契機に、普通図柄の高確率状態を設定可能にし、普通図柄の高確率状態が設定された場合に、第1特別図柄の抽選よりも有利となる第2特別図柄の抽選を実行するように構成している。このように構成することで、設定される遊技状態に応じて遊技者への有利度合いを大きく異ならせることができるため、遊技者に対して有利度合いの高い遊技状態が設定されることを期待しながら意欲的に遊技を行わせることができる。また、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で実行される普通図柄抽選にて当たり当選した場合に、電動役物640aが5秒間開放される普図当たり遊技を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に不利な遊技状態である通常状態であっても、一時的に第2特別図柄抽選を実行させ易い期間を提供することが可能となるため、通常状態を遊技している遊技者に対して、特別図柄抽選大当たり当選を目指す遊技と、普通図柄抽選で当たり当選を目指す遊技と、を実行させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本制御例では、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選に対応して第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特図2変動演出の演出態様を、記憶している第2特別図柄の抽選権利数、即ち、特図2保留数に基づいて可変させるように構成している。具体的には、第2特別図柄抽選の結果が大当たりである場合に実行される特図2変動演出の演出態様として、変動演出の前半期間に抽選結果が外れであることを示す疑似外れ変動演出を実行し、後半期間において、疑似外れ変動演出にて停止(仮停止)された第3図柄を再始動させて抽選結果が大当たりであることを示す疑似当たり変動演出を実行するように構成し、その疑似当たり変動演出にて第3図柄が一時的に停止(仮停止)する回数を、特図2保留数に対応させて可変させるように構成している。このように構成することで、第2特別図柄抽選の結果が大当たりであることを示す組合せで第3図柄が停止表示(確定表示)されるまでに、第3図柄を複数回疑似停止させる変動演出を実行することが可能となる。つまり、複数回の第2特別図柄抽選を経て大当たり当選したと思わせることができる。これにより、普図当たり遊技中に獲得した複数の特図2保留のうち、最初に実行される第2特別図柄抽選に用いられた特図2保留で大当たり当選した場合であっても、遊技者に対して、複数の特図2保留を普図当たり遊技中に獲得したため大当たり当選したと思わせることができるため、普図当たり遊技中により意欲的に特図2保留を獲得するための遊技を行わせることができる。
また、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合における特図2保留数が0の場合は、上述した疑似当たり変動演出として、第1特別図柄抽選が実行される場合に第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出(第1特別図柄抽選に対応して第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特図1変動演出の演出態様)を模した変動演出を実行するように構成している。このように構成することで、特図2保留を獲得していない状況で疑似的に特図2変動演出が繰り返されることを抑制することができるため、遊技者に対して疑似的な変動演出が実行されていることを識別させ難くすることができる。また、特図1変動演出を模した疑似的な変動演出が実行された後に、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことを示す組合せで第3図柄が停止表示(確定表示)されるため、遊技者に対して意外性のある変動演出を実行することが可能となる。本制御例では、確変大当たり遊技が実行される場合には、予め(大当たり遊技開始時に)報知演出の演出態様として大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す演出態様を設定しておき、報知演出が実行される直前に(例えば、大当たりエンディング期間の開始時に)特定ゲートへの球の流下結果に基づいて報知演出の演出態様を切り替えるか否かの判別を実行し、特定ゲートを球が流下している場合には、予め設定しておいた演出態様の報知演出を実行し、特定ゲートを球が流下していない場合にのみ、報知演出の演出態様を切り替えるように構成している。さらに、本制御例では、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たりと通常大当たりとで異ならせており、遊技者にとって有利となる確変大当たりのほうが通常大当たりよりも長いエンディング期間が設定されるように構成している。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを、実際に確変状態が設定されるよりも前に遊技者に分かり易く報知することができる。一方、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されない場合には、その旨を長期間報知したとしても遊技者に不快感を与えてしまうだけであるため、エンディング期間が短くなるように構成している。
このように、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たりと通常大当たりとで異ならせている場合において、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることができなかった場合には、大当たりエンディング期間の演出態様を単に通常当たり遊技のエンディング期間に実行される演出態様へと切り替える処理を実行するだけではエンディング期間の長さが異なるためエンディング期間中に違和感のある報知演出が実行されてしまうという問題があった。また、確変大当たり遊技において球を特定ゲートへと流下させることができなかった場合にのみ設定される専用の演出態様を予め容易してしまうと、その演出態様に対する画像データ(演出データ)を予め表示制御装置114のキャラクタROM234に記憶させておく必要があり、記憶容量が増加してしまうという問題があった。これに対して、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さを大当たり種別に関わらず共通の長さとするように構成し、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合に、大当たりエンディング期間の後半期間に対応する演出態様のみ通常当たり遊技のエンディング期間の後半期間に対して設定される演出態様へと切り替えるように構成している。これにより、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合にのみ用いられる専用の演出態様を設けること無く、且つ、遊技者に違和感を与えることの無い報知演出を実行することができる。
なお、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さを大当たり種別に関わらず共通の長さとするように構成することで、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合に実行される報知演出の演出態様を切替設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技の最終ラウンド期間中から報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも長い期間実行される報知演出を実行可能に構成しても良いし、大当たりエンディング期間が設定されてから所定期間の間、大当たり遊技の最終ラウンド期間中に実行されるラウンド演出を継続して実行し、その後、報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも短い期間の報知演出を実行するように構成しても良い。この場合、大当たり遊技の最終ラウンド期間を、実行済のラウンド数を加算した加算ラウンド数で判別するのでは無く、大当たり遊技の残ラウンド数を用いて判別するものであれば、カウンタの残回数を用いて実行される演出と言える。また、大当たりエンディング期間および演出態様を大当たり種別にかかわらず共通化する(若しくは区別困難な程度に類似させる)ことで大当たりの種別によらない共通の演出態様を含んで構成される演出とし、エンディング演出が終了して大当たり終了後の遊技状態が開始されたことに基づいて報知演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、エンディング期間およびエンディング演出の演出態様を共通化することができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。以上、説明をした通り、本制御例では、設定されている遊技状態に関わらず、ひいては大当たり遊技が実行されているか否かに関わらず、遊技者が右打ち遊技を実行しても左打ち遊技を実行しても同様の特典が付与されるように構成している。よって、遊技者は自分の気分に合わせて任意の遊技方法で遊技を行うことができる。
なお、本制御例では、図114に示した通り、パチンコ機10の遊技盤13の構成を左右対称に構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が獲得可能な特典量が左打ち遊技を行った場合と、右打ち遊技を行った場合とで大きく乖離しないように構成すれば良く、例えば、左側領域に設けられる一般入球口63の数を、右側領域に設けられる一般入球口63の数よりも少なくし、且つ、第1入球口64へと球が入球する割合を、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが高くなるように構成し、左打ち遊技のほうが右打ち遊技よりも賞球を獲得し難いが第1特別図柄抽選を実行し易くし、右打ち遊技のほうが左打ち遊技よりも賞球を獲得し易いが第1特別図柄抽選を実行し難くするように構成しても良い。このように構成した場合には、通常状態中、即ち、第1入球口64へと球を入球させる遊技を実行している間は、遊技者が任意の遊技方法で遊技を行うことができ、第2入球口640へと球を入球させる遊技(時短状態や確変状態中の遊技)においては、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技とすることができる。上記各制御例では、主制御装置110において第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、第2特別図柄保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各制御例においては、第1入球口64への入賞は最大4回まで、スルーゲート67の通過は最大1回まで保留されるように構成したが、最大保留球数はこれに限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。また、上記各制御例に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。また、特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の動的表示の表示態様と、普通図柄の抽選結果を示すための装飾図柄の動的表示の表示態様と、を遊技者が識別困難となるように、例えば、表示制御装置114が有する共通の画像データを用いて各表示態様を設定するように構成しても良い。上述した各制御例では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各制御例では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合と、その時短状態よりも遊技者に不利となる遊技状態(通常状態)の場合とで、遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、遊技状態に応じて異なる遊技盤13の狙う領域を異ならせるように構成しても良く、例えば、通常状態の場合は遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行され、時短状態の場合は遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が実行されるように構成しても良い、また、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。さらに、上述した各制御例では、何れの遊技状態が設定されている場合も、大当たり遊技が設定されている場合も、遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、時短状態が設定されている場合と、大当たり遊技中は右打ち遊技を実行させ、通常状態中のみ左打ち遊技を実行させるように構成しても良い。このように構成することで、実行させる遊技方法(右打ち遊技、左打ち遊技)に応じて遊技者に有利な状態であるか否かを遊技者に分かり易く理解させることができる。
上述した各制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、枠ボタン22を音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続させており、枠ボタン22を、パチンコ機10にて実行される演出の演出態様を、遊技者の操作に基づいて可変させるための演出用操作手段として用いているが、枠ボタン22に対する遊技者の操作に基づいてパチンコ機10で実行される各種演出の演出態様を可変させることができれば良く、例えば、枠ボタン22を表示制御装置114に対して電気的に接続させても良いし、操作手段(枠ボタン22)からの出力信号を入力可能にし、表示制御装置114、音声ランプ制御装置113、音声出力装置226、ランプ表示装置227へと出力可能な演出設定信号を生成可能な制御装置を設けても良い。このように構成することで、演出用操作手段を複数設けた場合であっても、複数の演出用操作手段から出力される出力信号(操作信号)を集中管理することができるため、演出用操作手段への遊技者の操作に対する演出態様を円滑に設定することができる。さらに、上述した第1制御例では、大当たり遊技終了後に有利遊技状態(確変状態、時短状態)が設定された場合に、所定期間の間(特別図柄変動が20回実行されるまでの間)、短時間の変動時間が選択される高速変動期間を設定可能に構成し、その高速変動期間中は、枠ボタン22を操作した場合に背景モード移行演出が実行されない(され難い)ように構成している。これにより、短時間の変動時間が選択され易い期間中に、操作演出として背景モード移行演出が実行されてしまい、特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄の停止表示態様を遊技者が把握し難くなる事態が発生することを抑制することができる。
また、第1制御例では、高速変動期間中に枠ボタン22に対して第1操作、即ち、通常状態が設定されている状態においては、背景モード移行演出が実行される操作(「通常押し」)を行った場合に、背景モード移行演出とは異なる演出態様の操作演出が実行されるように構成している。これにより、高速変動期間中においても遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。加えて、本第1制御例では、高速変動期間中であっても、上述した第1操作(「通常押し」)以外の第2操作(「長押し」)を実行することで、背景モード移行演出を実行可能に構成している。このように構成することで、第3図柄の停止表示態様が把握し難くなることを承知した上で背景モード移行演出を実行させようとする遊技者に対して背景モード移行演出を提供することができる。本第1制御例では、第1操作が実行されたと判別するのに要する期間よりも第2操作が実行されたと判別するのに要する期間のほうが長くなるように構成している。これにより、背景モード移行演出が実行される頻度を抑えることができるため、過剰に第3図柄の停止表示態様が把握し難くなることを抑制することができる。なお、本実施形態のように、所定条件が成立していない場合において、操作手段に対して第1操作を行うことで実行される第1操作処理を、所定条件が成立した場合においては、操作手段に対して第1操作を行ったとしても実行されないようにする(され難くする)技術思想を他の技術に用いても良く、例えば、パチンコ機10にて出力される音声の大きさ(音量)を調整する音量調整処理や、第3図柄表示装置81として液晶ディスプレイを用いた場合に、その液晶ディスプレイの輝度を調整する輝度調整処理を上述した第1操作処理として適用し、所定条件が成立していない場合(例えば、特別図柄変動が実行されていない場合)には第1操作処理を実行可能にし、所定条件が成立している場合(例えば、特別図柄変動が実行されている場合)には第1操作処理を実行困難にするように構成しても良い。
また、上述した所定条件として、特別図柄変動の有無だけでは無く、パチンコ機10において異常が発生した場合に成立する条件や、大当たり遊技中に成立する条件を設定可能に構成しても良い。さらに、このように構成されたパチンコ機10において、所定条件が成立している場合に、上述した第1操作を実行した場合に、第1操作処理とは異なる第2操作処理(例えば、第1操作処理が実行されないことを報知する処理)を実行するように構成すると良い。これにより、第1操作処理が実行されないことを遊技者が容易に把握することができる。なお、これに限ること無く、第1操作処理とは関連しない別の操作演出を実行するように構成しても良い。加えて、上述した所定条件が成立している場合においても、本制御例と同様に第1操作とは異なる第2操作を実行することにより、上述した第1操作処理が実行されるように構成すると良い。また、本第1制御例では、1の操作手段(枠ボタン22)に対する操作方法を異ならせることで第1操作と第2操作とを実行可能に構成しているが、これに限ること無く、複数の操作手段をパチンコ機10に設け、第1操作手段(例えば、枠ボタン22)を操作することで第1操作を実行可能にし、第2操作手段(例えば、枠ボタン22以外に設けられた枠ボタン)を操作することで第2操作を実行可能にするように構成しても良い。また、この場合、第1操作よりも第2操作のほうが実行し難くなるように構成すると良く、例えば、第1操作手段を遊技者が常時操作可能なパチンコ機10の前面側に配置し、第2操作手段を遊技者が操作困難なパチンコ機10の背面側(図3参照)に配置するように構成すると良い。
さらに、上述した第1操作手段と第2操作手段と、を設けた場合には、第1操作手段に対する操作を有効に判別する第1操作有効判別期間と、第2操作手段に対する操作を有効に判別する第2操作有効判別期間と、を統一して設定しても良いし、異なる期間を設定しても良い。各操作有効判別期間を統一した場合には、有効期間の判別処理を簡素化することができる。また、異なる期間を設定した場合には、操作する操作手段の種別に応じて、その操作を有効と判別する期間が異なるため、様々な操作手段を様々なタイミングで操作しようと意欲的に遊技を行わせることができる。以上、説明をした第1制御例では、通常状態と、その通常状態よりも遊技者に有利となる複数の有利遊技状態(確変状態、時短状態)を設定可能に構成し、有利遊技状態のうち、何れかの遊技状態が設定された場合において、設定された遊技状態が終了するまでの期間では無く、次に通常状態が設定されるまでの期間(残期間)を、遊技者に報知可能に構成している。ここで、従来より、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(例えば、確変状態や時短状態)が設定された場合に、その有利遊技状態が継続する期間(特別図柄変動回数)を遊技者に報知するものがある。具体的には、有利遊技状態が継続する期間を示す残期間表示態様として「100回」を表示し、特別図柄抽選が実行される毎に、残期間表示態様の値を1減算表示するものがある。これにより、現在設定されている有利遊技状態中にあと何回の特別図柄抽選を実行することができるのかを遊技者に容易に把握させることができるものであった。また、近年の遊技機では、遊技者にとって有利となる有利遊技状態として複数の状態種別を設定可能なものがあり、有利遊技状態として、通常有利遊技状態(例えば、時短状態)と、その第1有利遊技状態よりもさらに有利な最有利遊技状態(例えば、確変状態)と、を設定可能なものがある。
このように構成されたパチンコ機10では、遊技状態が、最有利遊技状態から通常有利遊技状態へと移行する場合において、最有利遊技状態が継続する期間を示すための残期間表示態様を遊技者に報知し、その後、通常有利遊技状態が設定されると、通常有利遊技状態が継続する期間を示すための残期間表示態様を用いて遊技者に報知するものであった。つまり、最有利遊技状態が設定されている状態において、最有利遊技状態が継続する期間(残期間)を遊技者に把握させることは可能であるが、最有利遊技状態が終了した後に設定される遊技状態がどのような遊技状態であるか、また、最有利遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が継続する期間がどの程度であるかを遊技者が把握することができないものであった。よって、遊技者は最有利遊技状態が終了した場合に、最有利遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態が設定されるのか、それとも最有利遊技状態よりも遊技者に不利となる遊技状態(例えば、通常状態)が設定されるのかを把握することができず、最有利遊技状態中において、何を目指して遊技を行えば良いのかを分かり難くしてしまうという問題があった。これに対して、本制御例では、上述した通り、複数種類の有利遊技状態が連続して設定される場合において、その複数種類の有利遊技状態が終了するまでの期間、即ち、次に通常状態が設定されるまでの期間を対象として有利遊技状態残期間表示態様を表示するように構成している。このように構成することで、異なる種別の有利遊技状態が連続して設定される場合には、連続して設定される有利遊技状態を跨ぐように有利状態残期間表示態様が表示されるため、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができる。さらに、本第1制御例では、連続して設定される複数の有利遊技状態(確変状態、時短状態)を跨いだ一つの有利遊技状態期間の残期間を報知している場合に、現在設定されている遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者が識別困難な演出を実行可能に構成している。よって、有利遊技状態期間中において設定されている遊技状態を分かり難くすることができるため、遊技者により有利な遊技状態が設定されていることを期待させながら遊技を行わせることができる。
本第1制御例では、連続して設定される複数の有利遊技状態(確変状態、時短状態)を跨いだ一つの有利遊技状態期間の残期間を報知している場合に、現在設定されている遊技状態や、過去に設定されていた遊技状態を示唆可能な示唆演出を実行可能に構成している。これにより、遊技状態期間中に実行される示唆演出の内容に対して遊技者に興味を持たせることができる。さらに、第1制御例では、有利遊技状態期間に中に複数種類の演出態様で操作演出を実行可能に構成しており、設定されている遊技状態に応じて各演出態様の選択割合を異ならせている。よって、有利遊技状態期間中に実行される操作演出の演出態様に基づいて現在の遊技状態を遊技者に予測させることができるため演出効果を高めることができる。また、設定されている遊技状態に応じて各演出態様の選択割合を異ならせているだけであるため、有利遊技状態期間中に実行される操作演出の回数を増加させるほど予測精度を高めることができる。よって、遊技者に対して意欲的に操作手段(枠ボタン22)を操作させることができる。なお、本制御例では、図33を参照して上述した通り「チャンスモード」中に枠ボタン22が操作された場合であって、操作演出の演出態様として「リーチ示唆」が選択された場合には、実行中の特別図柄変動がリーチ状態となるか否か、リーチ状態となる場合にはそのリーチラインやリーチ図柄を遊技者に示唆する「リーチ示唆」演出が実行されるように構成していたが、これに限ること無く、例えば、入賞情報格納エリア223bに格納されている第2特別図柄に関する入賞情報の中にリーチ状態となる入賞情報があるかを判別し、その判別結果に基づいてリーチ状態となる第2特別図柄変動が実行される旨を当該第2特別図柄変動が実行されるよりも前に遊技者に報知するように構成しても良い。このように、操作演出の演出対象を、実行中の特別図柄変動だけでは無く、保留記憶されている特別図柄変動(今後実行される特別図柄変動)にまで広げることにより、より演出効果を高めることができる。
また、上述した第1制御例では、枠ボタン22を遊技者が操作することにより、背景モード移行や特別図柄抽選の結果を示すための演出が実行されるように構成していたが、遊技者が操作手段を操作することにより実行可能な機能として、例えば、パチンコ機10の音声出力装置226(図21参照)から出力される音量を調整する音量調整機能や、液晶ディスプレイで形成される第3図柄表示装置81の表示面における輝度を調整する輝度調整機能を用いても良い。この、音量調整機能や、輝度調整機能についても、上述した背景モード移行と同様に、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される第3図柄の変動演出を見え難くする虞があるため、所定条件が成立した場合、具体的には、特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択され易い期間(高速変動期間)が設定された場合に、それ以外の期間が設定されている場合よりも実行され難くなるように構成しても良い。また、上述した第1制御例では、ループカウンタで構成される当たり乱数カウンタC1等の各種カウンタ値を、遊技機の状態によらず、電源が投入されている間、定期的に更新可能に構成していた。つまり、更新タイミングとなる毎に、値を1ずつ更新し、カウンタが一周したら新たな初期値に設定する構成としているが、この各種カウンタ値を更新する制御は、カウンタ値に所定の初期値を設定する第1制御手段と、カウンタ値を所定の更新規則に従って更新する第2制御手段と、の別形態である。
上述した第1制御例では、高速変動期間が設定されている間も、背景モード移行を実行し得る構成としているが、これに限ること無く、完全に背景モード移行が実行されないように構成しても良い。また、上述した第1制御例では、操作手段を操作することにより実行される操作演出として特定の演出態様(背景モード移行)が実行され易い第1期間と、その第1期間よりも実行され難い第2期間と、を設けているが、特定の演出態様で操作演出が実行される割合を異ならせた期間を3つ以上設定可能に構成しても良い。また、上述した第1制御例では、第2特別図柄の大当たりの平均ラウンド数の方が、第1特別図柄の大当たりの平均ラウンド数よりも多くなっているので、大当たりが開始されてから終了するまでの期間が、確変状態中の大当たりの方が通常状態中の大当たりよりも長くなり易くなっていた。これに対し、大当たり変動の変動時間を変形することで、大当たりに当選した場合に、大当たり変動が開始されてから大当たりが終了するまでの期間(特図抽選が実行されてから新たな抽選が可能となるまでの期間)の長さを、通常状態中よりも確変状態中に大当たりに当選した場合の方が長くなり易く構成してもよい。この変形例における通常状態および確変状態は、遊技者が有利となる有利期間が設定されることが確定してからその有利期間が終了するまでの長さを現在の遊技状態に応じて異ならせる構成の別形態である。
<大当たり遊技中に実行される切替弁の切替制御について>
上述した各制御例では、大当たり動作設定処理(図53のS1906参照)や、Vラウンド処理(図103のS2251参照)を用いて説明をした通り、特定のラウンド遊技(Vラウンド遊技)が開始されたと判別された場合に、切替弁65y(図5(b)、或いは、図97(b)参照)に対する制御処理を実行するように構成していた。つまり、実行される大当たり遊技が確変大当たり遊技である場合にのみ、特定のラウンド遊技(Vラウンド遊技)が実行されるように構成し、通常大当たり遊技である場合には、特定のラウンド(Vラウンド遊技)が実行されないように構成していた。このように構成することで通常大当たり遊技中に球がV入賞(特定領域(Vゲート65V)へと通過)することを抑制することができるものであったが、実行される大当たり遊技の種別に応じて、切替弁65yに対する制御処理の内容を可変させる必要があるため、大当たり遊技中の処理負荷を増大させてしまうという問題があった。そこで、上述した各制御例にて用いられた切替弁65yに対する制御処理内容以外の制御処理を用いても良く、例えば、通常大当たり遊技においてもVラウンド遊技が実行されるが、そのVラウンド遊技を終了させる条件を確変大当たり遊技と異ならせ、Vラウンド遊技中に球が可変入賞装置65へと入賞し得ないように構成しても良い。また、Vラウンド遊技が実行されてからの球の入賞数に基づいて切替弁65yを切替制御する場合には、通常大当たり遊技においては、切替弁65yを切替制御するための球の入賞数を、Vラウンド遊技を終了させるための入賞数(例えば、10個)よりも多い数に設定することで切替弁65yの切替制御が実行されないように構成しても良い。また、切替弁65yの制御内容(切替条件)を、確変大当たり遊技と、通常大当たり遊技とで同一に設定し、通常大当たり遊技の実行中に球が特定領域(Vゲート65V)を通過したとしても、その通過を有効に処理しないように構成しても良い。つまり、通常大当たり遊技中に球が特定領域を通過したとしても、その大当たり遊技中に特別図柄の高確率状態が設定されないように構成しても良い。
さらに、大当たり遊技の種別に関わらず、大当たり遊技が開始されてから(大当たり遊技のオープニング期間が設定されてから)、所定期間経過した場合に切替弁65yが所定期間の間、開状態となるように切替制御を実行し、大当たり遊技における開閉扉65bの開放パターンを大当たり遊技の種別に応じて異ならせるように構成することで、大当たり遊技種別毎のV入賞確率を異ならせるように構成しても良い。以上、説明をした通り、上述した第1制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、その通常状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態として、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、の2種類の有利遊技状態を設定可能に構成している。さらに、確変状態が終了した後に時短状態が設定されるように構成している。そして、有利遊技状態が設定された場合には、次に、通常状態が設定されるまでの期間、例えば、確変状態が設定された場合には、確変状態の終了後に設定される時短状態が終了し、通常状態が設定されるまでの期間を有利遊技状態の継続期間として遊技者に報知可能に構成している。このように構成することで、現在設定されている遊技状態が終了するまでの期間では無く、遊技者に有利となる有利遊技状態が終了するまでの期間を遊技者に報知することができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。加えて、複数の有利遊技状態が連続して継続する期間を1の有利遊技状態の継続期間として報知する場合において、第3図柄表示装置81にて実行される各種演出の内容及び実行頻度によって、現在設定されている詳細な遊技状態を遊技者に把握させることができるように構成している。このように構成することで、通常状態が設定されるまでの期間を把握しながらも、現在の遊技状態を予測しながら遊技を行わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述した第1制御例では、複数の有利遊技状態のうち、遊技者により有利となる最有利遊技状態(確変状態)が先に設定され、その後、最有利遊技状態(確変状態)よりも不利となる通常有利遊技状態(時短状態)が設定されるように構成しているが、複数の有利遊技状態が連続して設定され得る構成であれば良く、例えば、遊技状態として、通常状態と、確変状態と、時短状態と、に加え、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)も設定であって、確変状態よりも潜確状態のほうが遊技者に有利となるように構成したパチンコ機10では、特別図柄、或いは、普通図柄が高確率状態である遊技状態(確変状態、時短状態、潜確状態)が、遊技者に有利な有利遊技状態となる。そして、特別図柄の高確率状態が継続する期間を示す確変カウンタ203iの値のほうが、普通図柄の高確率状態が継続する期間を示す時短カウンタ203hの値よりも大きくなるように設定可能に構成する。なお、潜確状態を確変状態よりも有利にする方法としては、例えば、特別図柄として第1特別図柄と第2特別図柄とを設け、第2特別図柄の抽選で高確率で小当たりに当選し得る構成とし、小当たりに当選した場合に所定の入賞口が所定期間開放される構成としてもよい。そして、潜確状態においては、第2特別図柄の変動時間が通常状態よりも短くなると共に小当たりに当選した場合に所定の入賞口へと遊技球が入球し易くなり、確変状態では第2特別図柄の変動時間は短くなるが所定の入賞口へと遊技球が入球し難くなることで、潜確状態の方が所定の入賞口への入球に基づく賞球の払い出しを頻繁に受けることができる分有利となるように構成してもよい。
このように構成されたパチンコ機10にて、例えば、大当たり遊技終了後に確変状態として、確変カウンタ203iの値として「100」を、時短カウンタ203hの値として「50」を設定可能に構成することで、大当たり遊技終了後には、有利遊技状態として確変状態が設定され、その後、潜確状態が設定されることになる。このような場合であっても、上述した第1制御例のように、複数の有利遊技状態が連続して継続する期間、即ち、確変状態の後に設定される潜確状態が終了するまでの期間を1の有利遊技状態の継続期間として報知すると良い。また、この場合、有利遊技状態の継続期間中に、現在設定されている遊技状態が他の遊技状態へと移行する可能性があるか否かを遊技者に示唆可能な移行示唆演出を実行可能に構成すると良い。これにより、有利遊技状態中に他の遊技状態へと移行する可能性があることのみを遊技者に把握させることができるため、有利遊技状態中に実行される遊技の内容を、予測させる楽しみを提供することができる。さらに、有利遊技状態の継続期間中に、現在設定されている遊技状態が他の遊技状態へと移行する可能性がある場合において、移行後の遊技状態が遊技者により有利となる遊技状態であるか否かを示唆可能な有利移行示唆演出を実行可能に構成しても良い。さらに、有利遊技状態中に遊技状態が移行するタイミングを示唆する示唆演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、通常状態が設定されるまでの期間を把握しながらも、その期間内における遊技を楽しませることができる。
また、上述した第1制御例では、有利遊技状態中に大当たり当選した場合には、有利遊技状態が終了するように構成しているが、複数の有利遊技状態のうち、遊技者により有利となる最有利遊技状態(確変状態)が先に設定され、その後、最有利遊技状態(確変状態)よりも不利となる通常有利遊技状態(時短状態)が設定されるように構成しているため、有利遊技状態中に大当たり当選することにより遊技者に不利とならないが、例えば、複数の有利遊技状態のうち、遊技者により有利となる通常有利遊技状態(確変状態)が先に設定され、その後、通常有利遊技状態(確変状態)よりも遊技者に有利となる最有利遊技状態(潜確状態状態)が設定されるように構成したパチンコ機10では、通常有利遊技状態中に大当たり当選するよりも、大当たり当選すること無く、最有利遊技状態が設定される場合のほうが、遊技者に有利となり得る場合がある。
よって、有利遊技状態中に実行される特別図柄抽選の結果として大当たり当選することが遊技者に有利となる期間と、不利となる期間とを遊技者が識別可能な期間演出を実行するように構成すると良い。これにより、期間演出によって識別した内容に基づいて特別図柄抽選の結果を注視することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別として、通常有利遊技状態中に設定されると遊技者に不利となる大当たり種別と、通常有利遊技状態中に設定されたとしても遊技者に不利とならない大当たり種別と、を有するパチンコ機10であれば、上述した期間演出の演出内容と、大当たり当選時に設定される大当たり種別とに基づいて、遊技者に有利な大当たり当選であるか否かを示唆する演出を実行するように構成しても良い。これにより、特別図柄抽選で大当たり当選を目指すだけの遊技では無く、大当たり当選するタイミングと、大当たり当選時に設定される大当たり種別と、に対しても遊技者に興味を持たせることができる。なお、この、最有利遊技状態として潜確状態を設ける変形例において確変状態から潜確状態に移行させる制御採用した変形例では、時短制御が設定される上に、第2特別図柄の変動時間が短くなることで第2特別図柄の抽選が実行され易い確変状態において、時短カウンタ203hの値が0になるか潜確状態に直接移行する種別の大当たりに当選して潜確状態の設定条件が成立すると、時短制御のみがクリアされて第2特別図柄の変動時間が短い状態は維持されるため、本構成は、判別手段の判別を実行させ易くするための第1制御と第2制御とが設定される第1遊技状態において特定条件が成立することで第2制御が維持されたまま判別手段の判別を実行させ難くする制御に切り替える構成である。上述した第1制御例では、大当たり遊技終了後に複数種類(2種類)の有利遊技状態(確変状態、時短状態)の何れかが設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技終了後に通常状態が設定され得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技終了後に有利遊技状態が設定されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
また、上述した第1制御例では、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の演出結果に応じて、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されたことを報知する演出モード(スーパーチャンスモード)と、大当たり遊技終了後に通常状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態、或いは時短状態)が設定されたことを報知する演出モード(チャンスモード)と、を設定するように構成している。これにより、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出において、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを報知したにも関わらず、大当たり遊技終了後にチャンスモードが設定されるという無意味な演出が実行されることを抑制することができる。このように構成された第1制御例の技術に対して、例えば、大当たり遊技終了後に設定される演出モードを遊技者が任意に選択可能な演出モード選択手段を設け、予め、演出モード選択手段により任意の演出モードを選択可能にしておくことで、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の演出態様、及び、大当たり遊技終了後に設定される演出モードを、演出モード選択手段により選択された内容に対応させて設定するように構成しても良い。具体的には、演出モード選択手段により、大当たり遊技終了後に設定される演出モードとして、実際に設定される遊技状態を報知する「完全告知モード」と、有利遊技状態が設定されていることのみを報知する「チャンス告知モード」と、を選択可能に構成し、パチンコ機10にて特別図柄抽選が実行されていない期間において、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作することで何れかの演出モードを選択可能に構成する。
遊技者により選択された演出モードを一時的に記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶された演出モードを識別可能な情報を第3図柄表示装置81の表示面の一部(例えば、副表示領域Ds)に表示しておき、現在設定されている演出モードを常に遊技者が識別可能に構成する。そして、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、記憶手段に記憶されている演出モードを読み出す。例えば、記憶手段に「完全告知モード」が記憶されている場合には、大当たり遊技演出として、大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vに通過させる(V入賞)ことを案内する演出としてV報知演出を実行し、実際に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す表示態様でエンディング画面を表示し(図11(b),(d)参照)、通過しなかった場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを示す表示態様でエンディング画面を表示する(図11(a),(c)参照)そして、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合には、現在の遊技状態が確変状態であることを示す「スーパーチャンスモード」(図15(a)参照)が設定され、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合には、現在の遊技状態が時短状態であることを示す「チャンスモード」(図12(a)参照)が設定される。このように構成することで、設定される遊技状態、及び、遊技状態を決定するための契機となるV入賞の有無を遊技者に確実に報知することができる。
一方、記憶手段に「チャンス告知モード」が記憶されている場合には、大当たり遊技演出として上述したV報知演出を実行しないようにし、大当たり遊技終了後には、設定される遊技状態に関わらず「チャンスモード」が設定される。このように構成することで、設定される遊技状態、及び、遊技状態を決定するための契機となるV入賞の有無を遊技者に報知すること無く、遊技を行わせることができる。なお、演出モード選択手段による演出モードの選択がされていない場合は、パチンコ機10の初期状態と同様に、記憶手段には「初期モード」が記憶されており、上述した第1制御例と同様に、大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを抽選で決定し、その抽選結果に基づいた大当たり遊技演出を実行し、その大当たり遊技演出の演出結果に基づいて、大当たり遊技終了後の演出モードが設定される。このように構成することで、遊技者が所望する任意の演出モードを違和感無く提供することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、パチンコ機10にて実行される各種演出を選択可能な手段として、チャンスモードが選択されている場合に実行される操作演出に対して選択される各種演出態様(図32参照)の選択割合を遊技者が任意に選択可能な演出頻度選択手段を設けても良い。具体的には、確変状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合とで、選択される各種演出態様の選択割合を大きく乖離させたり、選択割合の相違を小さくさせたりすることができるように選択割合を遊技者が選択可能にする演出頻度選択手段を設けると良い。このような構成を用いた場合であっても、遊技者が所望する任意の演出モードを違和感無く提供することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした第1制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート65V)を球が通過することで、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されるように構成されたパチンコ機10について説明をしたが、このように、遊技者に有利となる特典遊技が実行されている状態で球が特定領域を通過したことに基づいて特典遊技とは異なる特別遊技を遊技者に提供可能な構成として、例えば、特別図柄抽選で大当たり当選とは異なる抽選結果である小当たりに当選した場合に、特典遊技(大当たり遊技)とは異なる第2特典遊技(小当たり遊技)を実行可能にし、その第2特典遊技中に開放動作される可変入球手段(可変入賞装置65でも良いし、それ以外の入賞装置を別途設けても良い)に入球した球が通過し得る特定領域を設け、第2特典遊技中に球が特定領域を通過した場合に、第2特典遊技(小当たり遊技)の終了後に特典遊技(大当たり遊技)を実行可能な構成を用いても良い。なお、第1制御例では、通常状態よりも確変状態の方が大当たり当選が発生し易くなるため、大当たり遊技は、有利な所定の遊技状態において実行され易くなる有利遊技の別形態である。なお、上述した第1制御例におけるパチンコ機10の構成として、何れの遊技状態が設定されている状態であっても、左打ち遊技を実行することで第1特別図柄抽選の実行契機となり得る第1入球口64へと遊技球を入球可能とし、右打ち遊技を実行することで第2特別図柄抽選の実行契機となり得る第2入球口640へと遊技球を入球可能とするように構成しても良い。なお、第1制御例では、時短状態が設定された場合に、100回の特別図柄の抽選が実行されるか大当たりとなるまで時短状態が継続するが、大当たりになったとしても確変状態か時短状態のどちらかに移行するため、最初に時短状態が設定されてから少なくとも100回の抽選が実行されるまでは通常状態に移行することがなく、時短状態は設定された後で少なくとも規定回数以上の抽選が実行されるまでは、たとえ途中で大当たり遊技が実行されたとしても不利な状態に移行しない状態の別形態である。
<第2制御例>
次に、図86から図122を参照して、第2制御例について説明をする。本第2制御例は、上述した第1制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点とで相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。上述した第1制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成し、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させることを可能に構成していた。また、上述した大当たり遊技の終了後、及び、他の終了条件(例えば、特別図柄抽選の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する終了条件)が成立した場合に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を高確率状態から低確率状態へと移行させることを可能に構成していた。つまり、特別図柄抽選によって大当たり当選しない限り、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させる契機が成立しないように構成していた。このように構成された第1制御例では、遊技者に対して、多くの賞球を付与可能な大当たり遊技と、遊技者に有利な抽選が実行され易い高確率状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)の設定と、が何れも特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行されるため、特別図柄抽選で大当たり当選した遊技者に対して多様な特典を付与することができ、遊技者に対して特別図柄抽選で大当たり当選することを目指して意欲的に遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、上述した第1制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合にのみ、各図柄の確率状態を高確率状態へと移行可能に構成していることから、特別図柄抽選で大当たり当選していない遊技者は特典が付与されず、長時間に渡って大当たり当選していない遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。これに対して、本第2制御例では、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させるための契機として、特別図柄抽選の大当たり当選以外の契機を設け、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選とは異なる抽選結果(外れ)の一部において、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機が成立するように構成している。つまり、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった遊技者に対しても、大当たり遊技とは異なる特典を付与可能に構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、大当たり遊技が実行される抽選結果と、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される抽選結果とを遊技者に別々に提供することができるため、遊技者に対して有利となる抽選結果の種別の多様化を図りやすくすることができる。さらに、本第2制御例では、設定されている遊技状態に応じて、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機の成立のし易さを異ならせており、具体的には、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合は、特別図柄抽選が実行された場合に大当たり当選の有無に加え、時短当選(普通図柄の高確率状態を設定させるための契機の成立の有無)の有無を判定可能に構成し、通常状態以外の遊技状態が設定されている場合は、特別図柄抽選が実行された場合に大当たり当選の有無のみを判定可能に構成している。
このように構成することで、通常状態が設定されている状態では、普通図柄の高確率状態が設定され得る契機として、特別図柄抽選において大当たり当選した場合に成立し得る契機と、特別図柄抽選で時短当選した場合に成立し得る契機と、が設定され、通常状態以外の遊技状態では、普通図柄の高確率状態が設定され得る契機として、特別図柄抽選において大当たり当選した場合に成立し得る契機が設定されることになる。即ち、時短当選の有無を判定可能となる通常状態のほうが、通常状態以外の遊技状態よりも、普通図柄の高確率状態を設定するために多くの契機が設定されるように構成している。よって、各図柄(特別図柄、普通図柄)が低確率状態に設定されており、各図柄抽選において最も当たり当選し難い遊技状態(遊技者に不利となる遊技状態)である通常状態のほうが、他の遊技状態よりも普通図柄の高確率状態を設定させ易くすることができ、通常状態中の遊技を実行している遊技者の遊技意欲を高めることができる。加えて、本第2制御例では、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(確変状態、時短状態)のほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態、第2確変状態)よりも第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成しており、且つ、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を、所定数(4個)を上限に記憶可能(保留記憶可能)に構成している。そして、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが時短当選し易くなるように構成している。つまり、普通図柄の高確率状態が設定されている何れかの遊技状態(確変状態、時短状態)から通常状態へと遊技状態が移行した場合(遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行した場合)において、移行後の通常状態中に、移行前の普通図柄の高確率状態中にて保留記憶された第2特別図柄抽選の実行権利に基づく第2特別図柄抽選が実行された場合に時短当選し易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行した場合にも所定期間の間、遊技者に有利な遊技状態へと復帰し易い特別図柄抽選を遊技者に実行させることができるため、遊技者に不利となる遊技状態である通常状態が設定された場合に遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。また、通常状態中により多くの第2特別図柄抽選を実行させるために、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を上限数(4個)獲得した状態で普通図柄の高確率状態を終了させようと、普通図柄の高確率状態が終了する最後の瞬間まで特図2保留を獲得するための遊技を意欲的に行わせることができる。上述した第1制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいてのみ普通図柄の高確率状態を設定可能に構成していた。具体的には、大当たり遊技終了後に、遊技者に有利な有利遊技状態として、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)或いは、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成していた。そして、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合には、特別図柄抽選が50回実行されるまで確変状態が継続し、その後、50回の特別図柄抽選が実行されるまで、即ち、大当たり遊技終了後からの特別図柄抽選回数が100回に到達するまで、時短状態が設定されるように構成していた。一方、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合には、特別図柄が100回実行されるまで時短状態が継続するように構成していた。これに対して、本第2制御例では、上述した通り、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に加え、特別図柄抽選で時短当選した場合にも普通図柄の高確率状態を設定可能に構成しており、大当たり当選に基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短)と、時短当選に基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短)とで、普通図柄の高確率状態を終了させるための終了条件の成立のし易さを異ならせている。
具体的には、第1時短の終了条件として設定される時短回数よりも第2時短の終了条件として設定される時短回数のほうが多くなり易くなるように構成している。このように、普通図柄の高確率状態が設定された場合において、その設定契機(普通図柄の高確率状態を設定するための成立契機)に応じて有利度合いを異ならせた普通図柄の高確率状態を設定可能とすることにより、普通図柄の高確率状態が設定されるか否かだけで無く、どのような契機で普通図柄の高確率状態が設定されるのかという遊技の過程についても遊技者に興味を持たせることができるため、遊技者に継続して遊技を行わせ易くすることができる。なお、本第2制御例では、普通図柄の高確率状態において遊技者に付与される特典の有利度合いを異ならせるために、時短終了条件の成立のし易さ(時短回数)を異ならせているが、これに限ること無く、例えば、第1時短が設定された場合と、第2時短が設定された場合とで、第2特別図柄抽選の保留記憶の獲得のし易さ(電動役物640aの開放パターン)を異ならせたり、普通図柄の高確率状態中に特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典の有利度合い(例えば、大当たり遊技中に付与される賞球数や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別)を異ならせたりするように構成しても良い。まず、図86を参照して、本第2制御例におけるパチンコ機10の構成について説明をする。図86は、本第2制御例のパチンコ機10における遊技盤13の正面図である。図86に示した通り、本第2制御例のパチンコ機10における遊技盤13は、上述した第1制御例のパチンコ機10における遊技盤13(図4参照)に対して、遊技盤13の左側領域(可変表示ユニット80の左側の領域)に設けられていたスルーゲート67を削除した点と、電動役物640aが付設された第2入球口640、少なくとも大当たり遊技が実行された場合に遊技球を入賞させることが可能となる可変入賞装置65の配設位置を異ならせた点と、で大きく相違している。また、可変入賞装置65の内部構成を変更している点で相違している。それ以外の内容は上述した第1制御例と同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図86に示した通り、本第2制御例のパチンコ機10では、普通図柄の抽選実行契機を成立させるための入球口であるスルーゲート67を、可変表示ユニット80の右側に形成された右側領域のみに配設している。このように構成することで、可変表示ユニット80の左側に形成された左側領域に向けて遊技球を発射させ、第1入球口(入賞口)64へと遊技球を入球させる左打ち遊技を行っている間は、普通図柄抽選を実行させ難くすることができる。第1入球口64は、可変表示ユニット80の下方に配置されている。可変表示ユニット80が遊技盤13上の遊技領域を左右に区画するように配置されており、可変表示ユニット80の左側には遊技球が流下可能な左側流路(左側領域)が形成され、可変表示ユニット80の右側には遊技球が流下可能な右側流路(右側領域)が形成されている。そして、左側流路(領域)を流下した遊技球は、右側流路(領域)を流下すること無く、右側流路(領域)を流下した遊技球は、左側流路(領域)を流下しないように構成されている。可変表示ユニット80の下側には、左側流路(領域)を流下した遊技球も、右側流路(領域)を流下した遊技球も流下可能な下側領域(共通領域)が形成され、下側領域の最流下部(遊技盤13の最下部)にはアウト口66が設けられている。第1入球口64は、左側流路を流下した遊技球も、右側流路を流下した遊技球も入球可能な位置に配置されている。なお、本第2制御例の構成とは異ならせ、左側流路を流下する遊技球のみが第1入球口64へと入球可能となるように構成しても良い。このように構成することで、右側領域へと遊技球を流下させる右打ち遊技を実行する場合、例えば、右打ち遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させる遊技を実行する場合において、第1入球口64へと遊技球が入球し、第1特別図柄抽選が実行される事態が発生することを抑制することができる。
第2入球口640は、右側流路を流下した遊技球が、左側流路を流下した遊技球よりも入球し易い位置に配置されている。第2入球口640は、遊技盤13に横長矩形状の開口部が形成されており、その開口部に遊技球が流下することが可能な流路が形成されており、開口部に入球した遊技球を検知するフォトセンサが設けられている。開口部の前面側には開口部を塞ぐことが可能な横長矩形状の開閉板として電動役物640aが付随して設けられており、その開閉板の可変を軸として正面側に開閉駆動するための開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。なお、本第2制御例における電動役物640aは、開放口ソレノイドによって可動するため、装飾用可動役物の別形態である。第2入球口640の開口部は、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。普通図柄(第2図柄)の当たりの際には開放口ソレノイドを駆動して電動役物640aを正面下側に傾倒し、球が第2入球口640の開口部に入賞しやすい開放状態を一時的に形成し、その開放状態と通常時の閉鎖状態との状態を遊技状態により定められた所定回数繰り返すように作動する。尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入賞があったことを契機として抽選(特別図柄抽選)が行われる。パチンコ機10は、その特別図柄抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)と、普通図柄の高確率状態を設定するための時短当選の判定(時短抽選)とを行うと共に、大当たりと判定した場合(大当たり当選した場合)はその大当たり種別の判定を行い、時短当選した場合はその時短種別の判定を行うように構成している。本第2制御例では、第1入球口64に遊技球が入球した場合に抽選契機が成立する第1特別図柄と、第2入球口640に遊技球が入球した場合に抽選契機が成立する第2特別図柄と、で異なる大当たり種別が規定されており、第1特別図柄に対しては16R確変大当たり(大当たりA5)、6R確変大当たり(大当たりB5)が規定されている。また、第2特別図柄に対しては16R確変大当たり(大当たりA5)、6R確変大当たり(大当たりC5)、6R確変大当たり(大当たりD5)が規定されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「16R確変大当たり(大当たりA5)」とは、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別である。本第2制御例では、特別図柄の高確率状態が継続する期間(特図高確期間)と、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)として、異なる期間を設定可能に構成しており、大当たりA5は、特図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定され、普図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定される。つまり、大当たりA5に対しては、特図高確期間と、普図高確期間として同一条件(60回目の特別図柄変動停止)が規定されている。よって、大当たり種別として大当たりA5が設定された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、その確変状態中における60回目の特別図柄変動が停止表示された場合に特図高確期間と普図高確期間とが共に終了し通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定される。このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態から直接通常状態へと遊技状態が移行することになるため、普通図柄の高確率状態中に獲得した第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)に基づく第2特別図柄抽選を、通常状態において実行し易くすることができる。「6R確変大当たり(大当たりB5)」とは、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別である。この大当たりB5が、特図高確期間、及び普図高確期間を終了させるための終了条件として、上述した大当たりA5と同一の終了条件(60回目の特別図柄変動が停止表示された場合に成立する条件)が規定されている。つまり、大当たりB5は、大当たりA5に対して、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数(ラウンド数)のみを異ならせた大当たり種別となる。
上述したとおり、本第2制御例では、普通図柄の低確率状態である通常状態においては、第2入球口640へと遊技球を入球させることが困難となるように構成していることから、通常状態中は左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させ、第1特別図柄抽選を実行させる左打ち遊技が実行されるように構成している。そして、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として大当たりA、或いは大当たりBの何れかが設定されるように構成している。つまり、通常状態において主として実行される第1特別図柄抽選において大当たり当選した場合には、設定された大当たり種別に応じた異なるラウンド数の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に終了条件が同一の確変状態が設定されるように構成している。このように構成することで、何れの大当たり種別が設定された場合であっても、大当たり遊技が終了した後には同一条件の遊技を遊技者に行わせることができる。なお、本第2制御例では、第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に、大当たり遊技のラウンド数のみを異ならせた大当たり種別を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、設定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別を異ならせたり、同一の遊技状態に対して終了条件を異ならせたりするように構成しても良い。また、大当たり遊技の内容(ラウンド数等)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の内容(遊技状態種別、終了条件)と、を異ならせて設定可能に構成しても良い。
この場合、特別図柄の大当たり当選に基づいて遊技者に付与される第1特典(大当たり遊技)と、第2特典(普通図柄の高確率状態)と、の種別として、第1特典及び第2特典が最も遊技者に有利となる組合せに対応した大当たり種別から、第1特典及び第2特典が最も遊技者に不利となる組合せに対応した大当たり種別まで予め規定しておき、大当たり当選時にいずれかの大当たり種別が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選した後に付与され得る特典の有利度合いを、設定される大当たり種別に基づいて大きく異ならせることができるため、遊技者に対して設定される大当たり種別に対して興味を持たせることができる。なお、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて付与される特典の有利度合いを大きく異ならせないようにするためには、例えば、有利度合いの低い第1特典と、有利度合いの高い第2特典と、を組み合わせた大当たり種別や、有利度合いの高い第1特典と、有利度合いの低い第2特典と、を組み合わせた大当たり種別、即ち、大当たり種別に対して規定されている第1特典と第2特典との有利度合いが共に高い、或いは共に低い大当たり種別以外の大当たり種別のみが予め規定されるように構成し、規定されている複数の大当たり種別の中かから何れか1の大当たり種別を設定するように構成すれば良い。「6R確変大当たり(大当たりC5)」とは、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別である。そして、本第2制御例では、特別図柄の高確率状態が継続する期間(特図高確期間)と、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)として、異なる期間を設定可能に構成しており、大当たりC5は、特図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定され、普図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が56回変動されて、56回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定される。
つまり、大当たりC5は、特図高確期間を終了させるための終了条件(確変終了条件)と、普図高確期間を終了させるための終了条件(時短終了条件)とを異ならせて規定しており、確変終了条件が成立するよりも前に時短終了条件が成立するように構成されている。よって、大当たり種別として大当たりC5が設定された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、その確変状態中における56回目の特別図柄変動が停止表示された場合に、特図高確期間よりも先に普図高確期間が終了し、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定される。そして、第2確変状態が設定されてから4回目(大当たり遊技が終了してから合計で60回目)の特別図柄変動が停止表示された場合に時短終了条件が成立し、通常状態が設定されるように遊技状態が遷移する。ここで、確変状態が設定されている期間は、普通図柄の高確率状態が設定されていることから、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得し易い遊技状態であり、遊技者に対して右打ち遊技を行わせる遊技期間となるのに対して、第2確変状態が設定されている期間は、普通図柄の低確率状態が設定されていることから、通常状態と同様に特図2保留を獲得し難い遊技状態となる。よって、遊技者に対して左打ち遊技を行わせる遊技期間となる。つまり、確変状態から第2確変状態へと移行した場合には、確変状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が、第2確変状態中に実行されることになる。そして、本第2制御例では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が優先して実行され、且つ、特図2保留を最大で4個まで記憶可能に構成していることから、特図2保留を上限数(4個)獲得した状態で確変状態から第2確変状態へと移行したとしても、第2確変状態が終了するまで(特図高確期間が終了するまで)の間に、4回の第2特別図柄抽選が実行されるため、第2確変状態から通常状態へと遊技状態が移行した時点において記憶されている特図2保留の数が0個となる。
つまり、大当たり種別として大当たりCが設定された場合には、大当たり遊技終了後に主として第2特別図柄抽選が実行される普図高確期間(確変状態)が設定されるが、普図高確期間中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を、通常状態にて実行させ難い遊技が実行されることになる。よって、同一内容の大当たり遊技が実行され、且つ、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される点で同一の大当たり種別である大当たりBよりも、特図高確期間及び普図高確期間が終了し、通常状態が設定された状態における第2特別図柄抽選の実行のし易さの点で大当たりBよりも不利な大当たり種別となる。なお、詳細な説明は後述するが、本第2制御例では、確変状態が終了し第2確変状態が設定された場合と、確変状態が終了し通常状態が設定された場合と、で同一の演出態様(引き戻しモード)が設定されるように構成している。つまり、確変状態が終了した後に、第2確変状態、或いは通常状態の何れの遊技状態が設定されているのかを遊技者に把握させ難くするように構成している。このように構成することで、普図高確期間が終了した後に実行される第2特別図柄抽選が通常状態中に実行されたものであるか、第2確変状態中に実行されたものであるかを遊技者に分かり難くすることができるため、実行された第2特別図柄抽選によって時短当選し得るか否か(時短抽選が実行されているか否か)を分かり難くすることができる。よって、第2確変状態が設定されている場合であっても、時短当選を期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本第2制御例では、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されてから特図高確期間(特別図柄の高確率状態が継続する期間)よりも先に普図高確期間(普通図柄の高確率状態が継続する期間)が終了し、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)するように各終了条件が規定されている大当たり種別として大当たりC5を有しており、具体的には、大当たりC5には、確変状態中に獲得した特図2保留が第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)の間に、全て消費されるよう普図高確期間が終了してから特図高確期間が終了するまでの期間(第2確変状態が継続する期間)として、特別図柄変動が4回実行されるまでの期間を設定するように構成しているが、これに限ること無く、確変状態の後に設定される遊技状態(通常状態、第2確変状態等)に応じて、獲得済みの特図2保留に基づく特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が実行される遊技状態を異ならせる構成。即ち、獲得済みの特図保留に基づいて特別図柄抽選が実行される遊技状態として、遊技者に有利となる有利遊技状態(通常状態)で実行され得る特別図柄抽選の実行回数を異ならせることが可能な構成を用いても良い。例えば、確変状態中に獲得した特図2保留の一部が第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)の間に消費され、残りの特図2保留が通常状態中に消費されるよう、例えば、普図高確期間の終了条件として特別図柄変動58回、特図高確期間の終了条件として特別図柄変動60回が規定される大当たり種別を設けても良い。この場合、確変状態中に上限数の特図2保留を獲得した状態で普図高確期間が終了し第2確変状態へと移行すると、第2確変状態中に特図2保留を2個消化し、残りの2個の特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を通常状態において実行させることができる。このように、確変状態が設定されて特図高確期間よりも先に普図高確期間が終了するように各終了条件を規定する場合には、各終了条件の差分を異ならせるだけで通常状態にて実行され得る第2特別図柄抽選の回数を異ならせることができる。
また、本第2制御例では、第1特別図柄の保留記憶(特図1保留)と、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)と、を共に有している場合において、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が優先して実行されるように構成しているため、上述した通り、確変状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が、特図1保留の有無(特図2保留よりも先に獲得している特図1保留の有無)に関わらず優先して実行され、特図2保留を獲得し易い遊技状態(普通図柄の高確率状態)が終了した場合、即ち、特図2保留を獲得し難い遊技状態(普通図柄の低確率状態)が設定された直後から特図2保留数が減少していくが、これに限ること無く、特図1保留に基づく第1特別図柄抽選と、特図2保留に基づく第2特別図柄抽選とを、各特図保留を獲得した順に応じて実行可能に構成しても良い。「6R確変大当たり(大当たりD5)」とは、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別である。そして、本第2制御例では、特別図柄の高確率状態が継続する期間(特図高確期間)と、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)として、異なる期間を設定可能に構成しており、大当たりD5は、特図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定され、普図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が65回変動されて、65回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定される。
つまり、大当たりD5は、特図高確期間を終了させるための終了条件(確変終了条件)と、普図高確期間を終了させるための終了条件(時短終了条件)とを異ならせて規定しており、時短終了条件が成立するよりも前に確変終了条件が成立するように構成されている。よって、大当たり種別として大当たりD5が設定された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、その確変状態中における60回目の特別図柄変動が停止表示された場合に、普図高確期間よりも先に特図高確期間が終了し、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される。そして、時短状態が設定されてから5回目(大当たり遊技が終了してから合計で65回目)の特別図柄変動が停止表示された場合に時短終了条件が成立し、通常状態が設定されるように遊技状態が遷移する。ここで、時短状態が設定されている期間は、確変状態と同様に、普通図柄の高確率状態が設定されていることから、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得し易い遊技状態であり、遊技者に対して右打ち遊技を行わせる遊技期間となる。つまり、確変状態から時短状態へと移行した場合には、遊技者に対して継続して右打ち遊技を実行させ特図2保留を獲得する遊技を行わせることになる。そして、本第2制御例では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が優先して実行され、且つ、特図2保留を最大で4個まで記憶可能に構成していることから、特図2保留を上限数(4個)獲得した状態で時短状態から通常状態へと移行した時点において記憶されている特図2保留の数が4個となる。つまり、大当たり種別として大当たりD5が設定された場合には、大当たり遊技終了後に主として第2特別図柄抽選が実行される普図高確期間(確変状態)が設定され、大当たりB5と同様に普図高確期間中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を、通常状態にて実行させ易い遊技が実行されることになる。よって、同一内容の大当たり遊技が実行され、且つ、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、その後、特図高確期間及び普図高確期間が終了し、通常状態が設定された状態における第2特別図柄抽選の実行のし易さの点で大当たりB5と同等の有利度合いとなる。
ここで、時短状態は、確変状態と比べて特別図柄抽選で大当たり当選する確率が低確率(1/300)に設定されることから、時短状態は確変状態よりも特別図柄抽選で大当たり当選し難い遊技状態となる。よって、確変状態から通常状態へと移行する大当たりB5では、確変状態中に実行される特別図柄の最終変動期間中に、当該変動にて大当たり当選しているか否かを示すための演出(変動演出)と、確変状態中に特図2保留を上限数まで獲得させることを促すための案内報知(報知演出)と、を重複して実行する必要があり、異なる主旨の演出が重複して実行されることから遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうという問題があった。これに対して、大当たりD5のように、確変状態から時短状態へと移行し、その後、時短状態から通常状態へと移行するように特図高確期間の終了条件と普図高確期間の終了条件とを規定した場合には、確変状態中に実行される特別図柄の最終変動期間中は、当該変動にて大当たり当選しているか否かを示すための演出(変動演出)のみを実行することが可能となるため、遊技者に対して、特別図柄の高確率状態中(特図高確期間中)に実行される特別図柄抽選、即ち、大当たり当選の期待度が高い特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出に遊技者を注視させ易くすることができる。そして、時短状態の最終変動において、特図2保留を上限数まで獲得させることを促すための案内報知(報知演出)を実行することで、大当たり当選の期待度が高い特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出が実行される期間と、普図高確期間中に特図2保留を上限数まで獲得させることを促すための報知演出が実行される期間とが重複し難くすることができる。よって、大当たりD5は、大当たりB5に対して、実行される演出の分かり易さの点で有利な大当たり種別となる。
普通図柄の高確率状態中(普図高確期間中)は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常状態中(普通図柄の低確率状態)と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態となる。本第2制御例における普通図柄の高確率状態中(普図高確期間中)に電動役物640aを開放する時間として通常状態中(普通図柄の低確率状態)と比して長い時間を設定する制御は、駆動手段の励磁時間を可変させる制御の別形態である。よって、時短状態中は、第2入球口640へ球が入賞し易い状態となり、特別図柄抽選が行われる回数を増やすことができる。なお、時短状態中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常状態中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、時短状態中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、時短状態中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口(入球口)63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示ユニット80が配設されている。可変表示ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図94参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図94参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。第2図柄表示装置83は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本制御例においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、時短中の方が短くなるように設定される。これにより、時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選(第2図柄の変動表示回数)を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短中は、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。なお、第2入球口640に球が入球することで、賞球として遊技者に4個の球が上皿17に払い出されるので第2入球口640へ球が入賞し易い状態となることで、遊技者の持ち球が減少することを抑制しながら遊技を行うことができ、追加で球を貸し出す為の投資を抑制させることができながら、特別図柄の抽選を時短期間中行わせることができる。なお、時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、時短中に第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示ユニット80の右側流路の領域において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の左側を流下する球の一部が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。なお、第2図柄の変動表示は、本制御例のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。可変表示ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図94参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。なお、本制御例では、普通図柄始動口(スルーゲート)67を遊技球が通過した場合には、賞球は払いだされない構成としたが、それに限らず、例えば、1球等の所定数の賞球を払い出すように構成してもよい。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると4個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本制御例においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態となって、球が第2入球口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態となり、球が第2入球口640へ入賞しやすい状態となる。上述した通り、時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入球口64に球が入賞した場合と第2入球口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、第2入球口640へと遊技球が入球することで実行される第2特別図柄抽選では、特定の遊技状態(通常状態)において、大当たり当選以外の特典として時短状態を付与可能に構成している。つまり、第2特別図柄抽選の抽選結果として、大当たり当選以外(外れ)である場合の一部において、特別図柄変動が停止表示された後に、時短状態を設定する特典を付与可能に構成している。よって、第1入球口64へと遊技球が入球したことを契機に実行される第1特別図柄抽選よりも、第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な特別図柄抽選を実行することになる。つまり、第2特別図柄抽選を実行させ易くすることが可能となる普通図柄の高確率状態が設定されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。次に、図87から図91を参照して、本第2制御例のパチンコ機10において第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第2制御例では、上述した第1制御例に対して、特別図柄抽選の抽選結果として、大当たり当選以外に時短当選を設けている点で大きく相違しており、ここでは、時短当選に関わる演出について主に説明をする。なお、上述した第1制御例と同一内容の要素(表示態様)については、その詳細な説明を省略する。
図87(a)は、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技中に表示される表示画面の一例を示した図である。図87(a)に示した通り、大当たり遊技が実行されると、主表示領域Dmにはウサギを模したキャラクタ801が表示され、遊技者に特典(大当たり遊技)が付与されていることを祝福する演出が実行される。大当たり遊技中は、主表示領域Dmの右上に形成された小表示領域Dm1にて大当たり当選したことを示す第3図柄が継続して停止表示されており、図87(a)に示した例では、「777」の表示態様で第3図柄が停止表示されている。この小表示領域Dm1は、第1特別図柄に対応して変動表示される第3図柄が表示される領域であって、第1特別図柄が変動表示されている間は、第1特別図柄が変動表示されていることを示す表示態様で第3図柄が変動表示される。また、主表示領域Dm1の左側には、大当たり遊技中における遊技方法を遊技者に案内するための案内報知態様が表示される小表示領域Dm4と、現在のラウンド数(ラウンド遊技数)を遊技者に報知するためのラウンド数報知態様が表示される小表示領域Dm5と、通常状態を介さずに連続して実行された遊技において獲得した賞球数に対応する値を示すための獲得情報が表示される小表示領域Dm6と、が形成され、図87(a)に示した例では、小表示領域Dm4に「右打ち」、小表示領域Dm5に「2ラウンド」、小表示領域Dm6に「140P」の文字が表示されている。つまり、大当たり遊技中は右打ち遊技を実行することを遊技者に案内し、現在大当たり遊技の2ラウンド目が実行されていることを報知し、今回の大当たり遊技にて獲得した賞球数が140個であることを示している。このように、大当たり遊技中であること、及び、大当たり遊技中の遊技方法や、獲得した特典に関する情報を表示可能に構成することで、遊技者に対して、分かり易い遊技を提供することができる。
そして、大当たり遊技中のラウンド遊技が全て終了し、大当たり遊技のエンディング期間が設定されると、図87(b)に示した通り、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を事前に遊技者に示唆するためのエンディング画面が表示される。図87(b)は、大当たり遊技のエンディング画面に表示される表示画面の一例を示した図である。図87(b)に示した例では、大当たり遊技終了後に確変状態に対応した演出(チャンスタイム)が設定されることと、そのチャンスタイムの期間が56回(特別図柄変動56回)であることが遊技者に報知される表示画面を示している。そして、主表示領域Dm1の中央部では、チャンスタイム中に実行される演出内容を事前に遊技者に報知するための表示態様として、左方向から右方向へとキャラクタ801が走り続ける表示態様が表示される。このように、実際に確変状態が設定されるよりも前(大当たり遊技中)の一部期間を用いて、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されること、設定された確変状態の継続期間、確変状態中に実行される演出内容の説明を遊技者に報知することにより、今後実行される遊技の内容を遊技者に事前に把握させることが可能となるため、遊技者に理解し易い遊技を提供することができる。次に、確変状態中に実行されるチャンスタイム演出の演出内容について、図88を参照して説明をする。図88(a)は、チャンスタイム中に表示される表示画面の一例を示した図であり、図88(b)は、チャンスタイムの最終変動中に表示される表示画面の一例を示した図である。チャンスタイム中は、主表示領域Dm1にてキャラクタ801が走り続け、画面に表示されるVアイコ801vをゲットすることで大当たり当選が報知される演出が実行される。上述した通り、確変状態中は、普通図柄の高確率状態が設定されるため、右打ち遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させ第2特別図柄抽選を実行させる遊技(右打ち遊技)が遊技者に有利な遊技方法となる。
よって、小表示領域Dm4には、右打ち遊技を案内するための「右打ち」が表示される。そして、チャンスタイムが終了するまでの期間を示すための残期間報知態様が小表示領域Dm7に表示される。図88(a)では、チャンスタイムが終了するまでに実行可能な特別図柄変動の回数が残り50回であることを示すための表示態様として「残り50回」の文字が表示されている。ここで、チャンスタイムは確変状態に対応して実行される演出であり、チャンスタイムの終了タイミングは、確変状態が終了するタイミングのことである。ここで、本第2制御例では、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される確変大当たりの種別によって、確変状態が終了した後に、通常状態が設定される場合(大当たりA5,B5)と、第2確変状態が設定される場合(大当たりC5)と、時短状態が設定される場合(大当たりD5)と、がある。何れの大当たり種別が設定された場合であっても、確変状態が終了する特別図柄変動(確変状態における特別図柄最終変動)中は、図88(b)に示したチャンスタイム終了時の演出画面が表示される。図88(b)に示した例は、確変状態が終了した後に第2確変状態、或いは通常状態、即ち、確変状態の終了に伴い、普通図柄の高確率状態から低確率状態へと移行する場合におけるチャンスタイム終了時の演出画面の一例を示したものであって、主表示領域Dm1には、普通図柄の低確率状態が設定されることを示すための「チャンスタイム終了後は引き戻しモード突入」のコメントが表示される。そして、普通図柄の高確率状態が継続している期間、即ち、特図2保留を獲得し易い期間中に特図2保留を上限まで獲得することを促す遊技案内態様として、副表示領域Dsに「右打ちして保留を貯めてね」のコメントが表示されると共に、主表示領域Dmの右下側に獲得済みの特図2保留数を示すため小表示領域Dm9が形成される。
小表示領域Dm9には、獲得可能な特図2保留の上限数と、獲得済みの特図2保留数と、を遊技者に報知可能な保留アイコンが表示され、1個目の特図2保留に対応して第1保留アイコンh1、2個目の特図2保留に対応して第2保留アイコンh2、3個目の特図2保留に対応して第3保留アイコンh3、4個目の特図2保留に対応して第4保留アイコンh4が表示される。図88(b)では、特図2保留を3個獲得している状態であるため、第1保留アイコンh1、第2保留アイコンh2、第3保留アイコンh3が獲得済みを示すための表示態様(図では黒色)で表示され、第4保留アイコンh4は未獲得であることを示すための表示態様(図では白色)で表示されている。これにより、特図2保留を上限まで獲得できたか否かを遊技者に分かり易く報知することができる。なお、詳細な説明は省略するが、小表示領域Dm9に表示される4つの保留アイコンが全て獲得済みとなった場合、即ち、確変状態における特別図柄最終変動中に上限数(4個)の特図2保留を獲得した場合には、これ以上右打ち遊技を継続しても新たな特図2保留を獲得できない点と、確変状態における特別図柄最終変動であることから、確変状態中に特図2保留が消化されない点と、から、これ以上右打ち遊技を継続しても遊技者に有利となる特典を付与することが出来ない状況となるため、小表示領域Dm9には、特図2保留を上限数獲得したことを示すための表示態様(例えば、「MAX」)が表示されると共に、小表示領域Dm4に表示されている「右打ち」の文字を特図2保留を上限数獲得するよりも前の表示態様と異ならせ、右打ち遊技の必要性が低い表示態様(例えば、文字の大きさを小さくする)を表示するように構成している。これにより、遊技者に対して、無駄に右打ち遊技を継続させ難くすることができる。
引き戻しモードとは、普通図柄の低確率状態(通常状態、第2確変状態)において第2特別図柄抽選が実行される期間に対応して設定される演出である。本第2制御例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において実行される第2特別図柄抽選にて時短当選し得るように構成している。つまり、引き戻しモード中は、大当たり当選だけで無く、時短当選の可能性がある特別図柄抽選が実行されるため、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される可能性を高めることができる。次に、図89を参照して、引き戻しモード中に実行される演出の内容について説明をする。図89(a)は、引き戻しモードの開始時に表示される表示画面の一例を示した図であり、図89(b)は、引き戻しモード中に時短当選した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。引き戻しモードが設定されると、図89(a)に示した通り、獲得している特図2保留数に対応した数の宝箱810a~宝箱810dが表示され、第2特別図柄変動に合わせて宝箱を開放する演出が実行される。そして、対応する第2特別図柄の抽選結果を示すための表示態様が宝箱の中から出現する演出が実行される。引き戻しモードの開始時には、副表示領域Dsに引き戻しモード中の演出内容を説明するための案内態様として「宝箱から「V」が出たら大当たり、「時」が出たら時短ゲット」のコメントと、「宝箱を開けろ」のコメントが表示される。
なお、本第2制御例では、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動の変動時間が、引き戻しモード中に実行された第2特別図柄変動回数に関わらず決定されるように構成されており、1回の第2特別図柄変動の変動期間に対して、1個の宝箱を開放する演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、引き戻しモード中に実行される全ての第2特別図柄変動の変動時間を用いて1個の宝箱を開放する演出を実行可能に構成し、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動にて1個でも抽選結果が大当たりまたは時短当選している場合に、その抽選結果を示すための演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動の変動回数を遊技者に分かり難くすることができる。また、本第2制御例では、実際に時短抽選が実行される通常状態と、時短抽選が実行されない第2確変状態と、の何れの遊技状態が設定された場合にも、即ち、確変状態から普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態(通常状態、第2確変状態)へと移行した場合に、引き戻しモードが設定されるように構成している。つまり、第2確変状態が設定されている場合の引き戻しモードでは、演出結果として宝箱から「時」が出現することが無い演出が実行されることになる。このように、時短抽選を実行可能な遊技状態と、時短抽選を実行不可能(し難い)遊技状態とで、同一の演出(引き戻しモード)を実行するように構成することで、引き戻しモードの演出結果として、時短当選を示す演出結果が表示され易い引き戻しモードと、表示されにくい引き戻しモードと、を予め設定することができる。この場合、今回設定された引き戻しモードが時短当選を示す演出結果が表示されやすい引き戻しモード(有利引き戻しモード)であるか、時短当選を示す演出結果が表示され難い引き戻しモード(不利引き戻しモード)であるかを、遊技者に示唆することが可能となる。
本第2制御例では、引き戻しモード中に表示される背景の種別に応じて、今回実行される引き戻しモードが有利引き戻しモードであるか否かを遊技者に示唆可能に構成しており、図89(a)に示した表示画面には、有利引き戻しモードの可能性が高いことを示唆するための背景種別として「天国」を模した背景画像が表示されている。つまり、本第2制御例では、既に獲得済みの特図2保留に対応する特別図柄抽選の結果を先読みすること無く(事前判定すること無く)、設定されている遊技状態に応じて引き戻しモードの背景種別を決定可能に構成している。このように構成することで、どの背景種別の背景画像が表示されたとしても、時短当選、或いは、大当たり当選の可能性を残し易くすることができるため遊技者の遊技意欲を高めることができる。そして、引き戻しモード中に時短当選した場合には、図89(b)に示した演出が実行される。図89(b)は、引き戻しモード中における3回目の第2特別図柄抽選にて時短当選した場合に表示される表示内容の一例を示した図であり、既に2回の第2特別図柄変動が実行されたことを示すための履歴表示態様としてバツ印が付された宝箱810aと、宝箱810bとが表示され、実行中の第2特別図柄変動(3回目の第2特別図柄変動)の抽選結果が時短当選であることを示す表示態様が宝箱810cの中から出現する演出が実行され、抽選結果が時短当選であり、付与される時短回数が「10000回」、即ち、実質、次回大当たり当選するまで時短状態(普通図柄の高確率状態)が付与されることを示すための表示態様として「「時」×10000」が表示される。また、主表示領域Dmの右下側には、実行中の第2特別図柄変動も含めて、引き戻しモード中に実行されえる第2特別図柄抽選の残回数を分かり易く報知することができる。
次に、引き戻しモード中に実行された第2特別図柄抽選で時短当選した場合に実行される演出の内容について説明をする。本第2制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合のほうが、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて確変状態が設定される場合に比べて普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)が長く設定され易く(普図高確期間が終了し難く)なるように構成している。具体的には、時短当選した場合の一部において、特別図柄変動の実行回数が大当たり当選すること無く10000回に到達するまで普図高確期間が継続する時短状態(ロング時短)を設定可能に構成している。そして、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄抽選で時短当選し、ロング時短が設定された場合には、図90(a)に示した演出画面が表示される。図90(a)は、ロング時短が設定された場合に実行される延長タイム中の表示画面の一例を示した図である。ロング時短が設定された場合には、特別図柄変動の実行回数が10000回に到達するよりも前に、特別図柄抽選で大当たり当選することが殆どであるため、図90(a)に示した通り、ロング時短が設定された場合には、普通図柄の高確率状態が継続する普図高確期間の残期間を示すための残期間報知態様として「無限(図では記号で表示)」が小表示領域Dm7に表示される。このように構成することで、遊技者に対して、普図高確期間の残期間を気にすること無く時短状態中の遊技を行わせることができると共に、小表示領域Dm7の表示領域として5桁の数字を表示可能な領域を設ける必要が無くなるなり、小表示領域Dm7を小さくすることができるため、主表示領域Dmの表示領域を他の演出に有効に活用することができる。そして、副表示領域Dsには、実質、次回の大当たり当選まで時短状態(普図高確期間)が継続することを遊技者に案内するための案内態様として「次の大当たりまで右打ちでサクサク消化だ」のコメントが表示される。
ここで、ロング時短が設定された場合は、確率的に実質次回大当たり当選まで時短状態が継続するまで時短状態が継続することが殆どであるが、万が一、ロング時短が設定されてから大当たり当選すること無く特別図柄変動の回数が10000回を超えた場合には、普図高確期間が終了してしまい、表示画面にて表示された内容と、実際の遊技内容とが異なり、遊技者に不信感を与えてしまうことになるため、ロング時短が設定されてから実行された特別図柄変動の実行回数が所定回数(例えば、9850回)を超えた場合には、ロング時短中の表示画面を異ならせるように構成している。図90(b)は、ロング時短中において実行された特別図柄変動の実行回数が9900回に到達した場合の表示画面の一例を示した図である。図90(b)に示した通り、ロング時短が設定されてからの特別図柄変動回数が所定回数を超えた場合には、小表示領域Dm7に普図高確期間の残期間を示すための残期間報知態様として「残り100回」が表示され、主表示領域Dmには、キャラクタ801が疲れた表情で走る演出態様が表示される。このように構成することで、実質次回大当たりまで時短状態が継続し得る普図高確期間が設定された場合であっても、実際に普図高確期間が終了し得る状況が発生した場合には、具体的な残期間を遊技者に報知することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。次に、図91を参照して、チャンスタイム終了後に時短状態が設定される場合の演出内容について説明をする。図91は、チャンスタイム終了後に時短状態中に実行される準備タイムの演出画面の一例を示した図である。上述した通り、確変大当たりの種別として、大当たりD5が設定された場合には、確変状態から時短状態へと移行し、時短状態から通常状態へと遊技状態が移行する。そして、時短状態中は準備タイム演出が実行される。この準備タイムは、時短状態が設定されている期間、実行される演出であって、時短状態における特別図柄最終変動の期間中には、上述した図88(b)に示した確変状態における特別図柄最終変動と同様に特図2保留を上限まで獲得することを促す態様が表示される。
次に、引き戻しモード中に表示される背景種別の内容について、図92(a)を参照して説明をする。図92(a)は、引き戻しモード中に表示される背景種別と、各背景が示す内容との関係性を示す図である。図92(a)に示した通り、本第2制御例では、引き戻しモード中の背景種別として4つの背景(天国、夜、夕、昼)を表示可能に構成している。そして、表示された背景の種別に応じて今回の引き戻しモード中における特典(大当たり、時短当選)の期待度を遊技者に示唆可能に構成している。詳細な説明は図102を参照して後述するが、本第2制御例では、引き戻しモードを設定する場合(確変状態から第2確変状態、或いは通常状態へと移行する場合)に、獲得済みの特図2保留数と、移行後の遊技状態の種別と、保留内の大当たり当選、時短当選の有無と、に基づいて4つのモード種別の中から1のモード種別を決定可能に構成し、決定されたモード種別に対応させた背景種別を引き戻しモード中の背景として表示可能に構成している。
引き戻しモード中のモード種別は、特典付与の期待度が異なるように規定されており、遊技者に最も有利なモードAから、遊技者に最も不利なモードDまでの4つのモード種別を有している。「モードA」は、引き戻しモード中に大当たり当選または時短当選の可能性が極めて高いモードであって、対応する背景種別として「天国」が規定されている。つまり、引き戻しモード中の背景として、天国を模した背景が表示された場合には、引き戻しモードが終了するまでに、何らかの特典が付与される可能性が高い状態であることを遊技者に理解させ易くすることができる。次いで、「モードB」は、引き戻しモード中に大当たり当選または時短当選の可能性が2番目に高いモードであって、対応する背景種別として「夜」が規定されている。つまり、引き戻しモード中の背景として、夜を模した背景が表示された場合には、引き戻しモードが終了するまでに、何らかの特典が付与される可能性が2番目に高い状態であることを遊技者に理解させ易くすることができる。「モードC」は、引き戻しモード中に大当たり当選または時短当選の可能性が3番目に高いモードであって、対応する背景種別として「夕」が規定されている。つまり、引き戻しモード中の背景として、夕方を模した背景が表示された場合には、引き戻しモードが終了するまでに、何らかの特典が付与される可能性が若干高い状態であることを遊技者に理解させ易くすることができる。最後に「モードD」は、引き戻しモード中に大当たり当選または時短当選の可能性が低いモードであって、対応する背景種別として「昼」が規定されている。つまり、引き戻しモード中の背景として、昼を模した背景が表示された場合には、引き戻しモードが終了するまでに、何らかの特典が付与される可能性が低い状態であることを遊技者に理解させ易くすることができる。
なお、本第2制御例では、引き戻しモード突入時における特図2保留数が上限数では無い場合には、高モードのモード種別が選択されないように構成している。さらに、引き戻しモード突入時における特図2保留数が上限数では無い場合には、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄抽選にて時短抽選が実行されるか否かを判別すること無くモード種別を決定するように構成している。つまり、引き戻しモードのモード種別を予測し易くするためには、特図2保留数を上限数獲得した状態で引き戻しモードへと移行する必要がある。このように構成することで、確変状態、或いは時短状態が設定されている状態において特図2保留を上限数まで獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。次に、図92(b)を参照して、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動の抽選結果を示すための示唆態様について説明をする。図92(b)は、引き戻しモード中の示唆態様の種別と、各示唆態様が示す示唆内容との関係性を示した図である、図92(b)に示した通り、引き戻しモード中の示唆態様としては、後述する示唆態様選択テーブル222db(図103参照)を参照して、宝箱(図89参照)の表示態様を可変させたり、宝箱を開放するまでの間にキャラクタ801の表示態様を可変させたりする示唆態様(示唆A~示唆D)が設定される。具体的には、当該変動における大当たり当選、或いは時短当選の期待度に応じて示唆種別として「示唆A」,「示唆B」を設定可能に構成され、設定されている遊技状態に応じて示唆種別として「示唆C」,「示唆D」を設定可能に構成されている。
「示唆A」が選択された場合には、引き戻しモード中(図89(b)参照)において表示される宝箱810cの表示態様として、通常とは異なる色(金色)の宝箱が表示される。この「示唆A」に対応する金色の宝箱が表示された場合は、当該変動で大当たり当選、又は時短当選している可能性が高いことを遊技者に示唆することになる。「示唆B」が選択された場合には、引き戻しモード中(図89(b)参照)において表示される宝箱810cの表示態様として、通常よりも大きな宝箱が表示される。この「示唆B」に対応する金色の宝箱が表示された場合は、当該変動で大当たり当選、又は時短当選している可能性が高いことを遊技者に示唆することになる。なお、「示唆A」が選択されたほうが「示唆B」が選択された場合よりも大当たり又は時短当選している可能性が高くなるように構成している。「示唆C」、及び「示唆D」が選択された場合には、引き戻しモード中(図89(b)参照)において表示されるキャラクタ801が装飾品を備えた表示態様が表示され、通常とは異なる態様でキャラクタ801が表示される。そして表示される装飾品の種別に応じて現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆される。「示唆C」が選択された場合には、図89(b)に示した通り、キャラクタ801に天使の輪を模した装飾品801wが表示され、現在設定されている遊技状態が通常状態である可能性が高いことを遊技者に示唆し、「示唆D」が選択された場合には、キャラクタ801の頭上にチャンスの文字を模したアイコンが表示されることで遊技状態が通常状態である可能性が高いことを遊技者に示唆する。なお、「示唆C」が選択されたほうが「示唆D」が選択された場合よりも通常状態が設定されている可能性が高くなるように構成している。
このように、本第2制御例では、引き戻しモードが設定される時点における遊技状況に応じて引き戻しモードのモード種別が決定され、且つ、引き戻しモード中に実行される特別図柄変動に対して示唆態様が決定されるように構成している。そしてモード種別と示唆態様の種別とを複合的に判別することにより現在の遊技状況を遊技者により正確に予測させることが可能となる。よって、遊技者に対して実行されている様々な演出の態様に興味を持たせることができる。
<第2制御例におけるゲームフローについて>
次に、図93を参照して、本第2制御例におけるゲームフローについて説明をする。図93は、本第2制御例におけるゲームフロー、即ち、遊技状態の移行の流れを模式的に示した図である。図93に示した通り、本第2制御例では、遊技状態として、通常状態(特図1通常、特図2通常)、時短状態(第1時短、第2時短)、確変状態、第2確変状態の遊技状態を設定可能に構成しており、特別図柄抽選における大当たり判定の結果、及び、時短当選判定の結果に応じて様々な遊技状態を設定可能に構成している。
<第2制御例における電気的構成について>
次に、図94から図103を参照して、本第2制御例における電気的構成について説明をする。図94は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。なお、本第2制御例における電気的構成のうち、上述した第1制御例におけるパチンコ機10の電気的構成(図21参照)と同一の内容については、その説明を一部省略する。主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図95を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図95は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタ(C3)と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、時短当選時における時短種別を選択するために使用する時短種別選択カウンタCC1が用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、普通図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図40参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図51参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第1球口64への入球に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aと、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第2入球口640への入球に対応する第2特別図柄保留球格納エリア203bと、が設けられており、第1特別図柄保留球格納エリア203aには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1時短種別選択カウンタCC1の各値がそれぞれ格納され、第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1、時短種別選択カウンタCC1の各値が格納される。そして、特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている各種値、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値のうち、次に抽選が実行される特別図柄種別に対応する特別図柄の情報を有している各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。
なお、本制御例では、特別図柄の種別が2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)の構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別を1種類としても良い。そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)、或いは、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、対応する特別図柄種別の特別図柄保留球格納エリアの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始されるように構成すれば良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別を用いたパチンコ機10であっても、各々の特別図柄変動を円滑に実行することができる。さらに、本制御例のように、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)を有するパチンコ機10であれば、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成しても良く、この場合、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)がそれぞれ特別図柄実行エリアを有するように構成すれば良い。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。また、本第2制御例では、特別図柄の抽選結果として、大当たり当選しなかった場合に時短当選し得るように、大当たり当選の判定値と、時短当選の判定値と、を異ならせているが、これに限ること無く、大当たり当選の判定値と時短当選の判定値との少なくとも一部を重複させるように構成しても良い。このように構成することで、取得した判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)によって、大当たり当選のみ、時短当選のみ、大当たり当選と時短当選の重複当選の抽選結果を遊技者に提供することができる。この場合、重複当選した場合のほうが、何れか一方に当選した場合よりも遊技者に有利な特典が付与されるように構成すると良く、例えば、重複当選したことに基づいて設定される時短状態を、他の当選に基づいて設定される時短状態よりも終了させ難くするように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して重複当選することを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たりと外れに加え、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、当たり遊技を実行すること無く時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定可能となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、大当たり当選時よりも少ない特典(大当たり当選時とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合であっても、遊技者に特典を付与する機会を設けることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。この場合、主制御装置110のRAM203内に、小当たり種別カウンタを設け、取得した小当たり種別カウンタの値を特別図柄保留球格納エリアに格納可能に構成し、特別図柄の抽選を実行する場合に参照するように構成すれば良い。加えて、特別図柄抽選で小当たり当選可能に構成した場合には、例えば、大当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、小当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、を異ならせるように構成しても良く、例えば、大当たり当選した場合は、大当たり遊技の開始時に遊技状態を通常状態へと移行させ、さらに、設定された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に新たな遊技状態を設定可能に構成し、小当たり当選した場合は、小当たり当選時の遊技状態を維持したまま小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技終了後も遊技状態を移行させないように構成しても良い。このように構成することで、当選した当たり種別(大当たり、小当たり)に応じて、遊技状態の移行の有無や、移行内容を異ならせることができるため、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。また、1の特別図柄抽選の抽選結果として、大当たり当選、小当たり当選、時短当選、外れの4つの抽選結果に当選可能に構成しても良いし、特別図柄種別に応じて、特別図柄抽選で当選し得る特典を異ならせるように構成しても良い。
この場合、例えば、第1特別図柄抽選が実行された場合に付与され得る特典として、大当たり当選と、時短当選と、を規定し、第2特別図柄抽選が実行された場合に付与され得る特典として、大当たり当選と、小当たり当選と、を規定するように構成し、且つ、同一の遊技状態が設定されている場合に、遊技者が遊技球を発射させる方向を選択することで(左打ち遊技、右打ち遊技を選択することで)、実行される特別図柄抽選の種別を選択可能に構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して、大当たり当選以外の特典(付加特典)の種別を選択させることが可能となる。さらに、本制御例のRAM203には、4つの保留エリア(保留第1エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203bには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタCS2の各値がそれぞれ格納される。そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。次に、図95を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~899)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~899の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、主制御装置110のタイマ割込処理の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図51参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202daによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202daによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、特別図柄抽選で時短当選となる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される時短当たり乱数テーブル202deによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、時短当たり乱数テーブル202daによって設定された時短当選となる乱数の値と一致する場合に、時短当選と判定する。ここで、図97(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル202daについて説明する。図97(a)は、第1当たり乱数テーブル202daに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202daは、特別図柄の抽選において、大当たりと判別される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。
具体的には、第1当たり乱数テーブル202daには、大当たりと判定される判定値を遊技状態(特別図柄の確率状態)に応じて異ならせて規定している。図97(a)に示した通り、遊技状態として特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0~2」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「3~899」)が外れの判定値として規定されている。また、遊技状態として特別図柄の高確率状態(確変状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0~14」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「15~899」)が外れの判定値として規定されている。つまり、第1当たり乱数テーブル202daの更新範囲は「0~899」の900個であるため、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される確率は1/300(900個のうち3個)となり、特別図柄の高確率状態において、大当たりと判定される確率は1/60(900個のうち15個)となる。なお、本制御例では、2種類の大当たり確率が遊技状態に応じて設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たりに当選する確率を遊技状態に関わらず同一の確率となるように構成しても良いし、3種類以上の大当たり確率が設定されるように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率を設定するように構成しても良い。また、本制御例では、特別図柄の抽選結果として、「大当たり」と「外れ」の2種類の抽選結果に加え「時短当選」が判定されるように構成している。ここで、図97(c)を参照して、時短当たり乱数テーブル202deについて説明する。図97(a)は、時短当たり乱数テーブル202deに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この時短当たり乱数テーブル202deは、特別図柄の抽選において、時短当選と判別される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。
具体的には、時短当たり乱数テーブル202deには、時短当選と判定される判定値を特別図柄種別、及び遊技状態に応じて異ならせて規定している。図97(a)に示した通り、特別図柄種別として第1特別図柄に対しては、時短当選に対応する判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)が規定されていない。また、特別図柄種別として第2特別図柄に対しては、遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)である場合のみ時短当選に対応する判定値が規定されており、それ以外の遊技状態(確変状態、第2確変状態、時短状態)である場合には、時短当選に対応する判定値が規定されていない。遊技状態として通常状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄抽選に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「51~200」が時短当選判定値として規定されており、それ以外の値(「3~50,201~899」)が外れの判定値として規定されている。なお、詳細な説明は後述するが、この時短当たり乱数テーブル202deは、第1当たり乱数テーブル202daを参照して実行された大当たり判定の結果が「外れ」であった場合に参照されるものであるため、通常状態において実行される第2特別図柄抽選の抽選結果が大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(「0~2」)以外の値を取得している場合に参照されることになる。よって、第1当たり乱数テーブル202daの更新範囲は「0~899」の900個であるため、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される確率は1/300(900個のうち3個)となり、時短当選と判定される確率は1/6(900個のうち150個)となる。つまり、通常状態において実行される第2特別図柄抽選は、大当たり当選する確率が3/900、時短当選する確率が150/900、外れ確率が747/900となり、通常状態において実行される第1特別図柄抽選(外れ確率897/900)に対して、外れ当選し難い(特典が付与され易い)特別図柄抽選となる。
なお、本制御例では、特定の遊技状態(通常状態)であり、且つ、特定の特別図柄種別(第2特別図柄)の特別図柄抽選でのみ時短当選の判定を実行するように構成しているが、これに限ること無く、何れの特別図柄種別に対しても時短当選の判定を実行可能に構成しても良い。さらに、通常状態以外の遊技状態が設定されている場合でも時短当選の判定を実行可能に構成しても良く、例えば、普通図柄の低確率状態(第2確変状態)が設定されている状態で実行される第2特別図柄抽選においても時短当選の判定を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、引き戻しモード(図89参照)中に実行される第2特別図柄抽選では必ず時短当選の判定(時短抽選)を実行させることができる。この場合、通常状態中に実行される時短抽選と、第2確変状態中に実行される時短抽選と、で時短当選と判定される確率(時短当選確率)を異ならせると良く、例えば、通常状態が設定されている場合のほうが、第2確変状態が設定されている場合よりも時短当選し易くなるように構成すると良い。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が第2確変状態(特別図柄の高確率状態)よりも低い通常状態(特別図柄の低確率状態)において、時短当選確率を高めることができるため、遊技者に過剰に不利な遊技を実行させてしまうことを抑制することができる。なお、これに限ること無く、通常状態よりも第2確変状態のほうが、時短当選確率を高めるように構成しても良い。この場合、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が高確率に設定されている遊技状態(特別図柄の高確率状態)において、時短当選する確率も高めることができるため、確変状態中に実行される特別図柄抽選よりも、第2確変状態中に実行される特別図柄抽選のほうが、何らかの特典(大当たり、時短)が付与される抽選結果となる確率(外れに当選しない確率)を高めることができる。
さらに、本第2制御例では、特定の遊技状態であり、且つ、特定の特別図柄抽選が実行される場合にのみ時短抽選を実行可能に構成しているため、時短当選確率は常に固定されているが、異なる条件下(特別図柄種別、遊技状態)において時短抽選が実行されるように構成した場合には、時短抽選の成立契機に合わせて時短当選確率を異ならせるように構成しても良い。また、時短抽選の成立契機だけでは無く、例えば、遊技状態が可変されること無く実行された特別図柄変動の変動回数が所定回数を超えた場合に、時短当選確率を高めるように構成しても良い。これに加えて、第3の抽選結果として、「外れ」の1種として「小当たり」を判定可能に構成しても良い。この「小当たり」に当選した場合には、可変入賞装置650を「大当たり5」よりも短い期間(1ラウンド分)開放させる小当たり遊技が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合において、少量の特典(賞球)を遊技者に付与することができる。なお、「小当たり」を「外れ」の1種とする場合には、遊技者に対して小当たり遊技による賞球を付与可能であるが、大当たり当選していないため、遊技状態を可変させる(当選時の遊技状態とは異なる遊技状態を設定する)処理が実行されないように構成すると良い。これにより、大当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、小当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、を明確に異ならせることができる。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果として、「大当たり」と「外れ」と「時短当選」の3種類の抽選結果が判定されるように構成しているが、これに加えて、第4の抽選結果として、「外れ」の1種として「小当たり」を判定可能に構成しても良い。この「小当たり」に当選した場合には、可変入賞装置650を「大当たり」よりも短い期間(1ラウンド分)開放させる小当たり遊技が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合において、少量の特典(賞球)を遊技者に付与することができる。なお、「小当たり」を「外れ」の1種とする場合には、遊技者に対して小当たり遊技による賞球を付与可能であるが、大当たり当選していないため、遊技状態を可変させる(当選時の遊技状態とは異なる遊技状態を設定する)処理が実行されないように構成すると良い。これにより、大当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、小当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、を明確に異ならせることができる。上述した通り、特別図柄の抽選結果として「小当たり」に当選し得るように構成する場合は、第1当たり乱数テーブル202aに「小当たり」に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を規定するように構成すれば良い。このように構成することで、特別図柄の大当たり抽選と小当たり抽選と、を同一の処理で実行することができるため、大当たり抽選と小当たり抽選とを異なる処理で実行する場合に比べ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、1つの特別図柄抽選において、大当たりと小当たりとに重複して当選してしまうことを禁止することができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。本制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本制御例では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択テーブル202dcを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図98(a)を参照して大当たり種別選択テーブル202ddの内容について説明をする。図98(a)は、大当たり種別選択テーブル202ddに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図98(a)に示した通り、この大当たり種別選択テーブル202ddは、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図1大当たり用テーブル202dd1と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図2大当たり用テーブル202dd2と、を有している。まず、図98(b)を参照して、特図1大当たり用テーブル202dd1の内容について説明をする。図98(b)は、特図1大当たり用テーブル202dd1に規定されている内容を示した模式図である。上述した通り、この特図1大当たり用テーブル202dd1は、第1特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に設定する大当たり種別を選択するためのデータテーブルであって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて異なる大当たり種別が規定されているものである。なお、各データテーブルに規定されている詳細な内容については上述したため省略する。
図95に戻り説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図51参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202db(図99参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。ここで、図99を参照して変動パターン選択テーブル202dbの内容について説明をする。図99(a)は変動パターン選択テーブル202dbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図99(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202dbには、遊技状態として通常状態、或いは第2確変状態を設定している状態で用いられる通常・第2確変用テーブル202db1と、確変状態、或いは時短状態を設定している状態で用いられる確変・時短用テーブル202db2と、が規定されている。詳細については後述するが、本制御例では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。
次に、変動パターン選択テーブル202dbに規定されている各テーブルの詳細な内容について、図99(b)及び図100(a)を参照して説明をする。図99(b)は通常・第2確変用テーブル202db1に規定されている内容を模式図に示した模式図である。この通常・第2確変用テーブル202db1は、遊技状態として通常状態、或いは第2確変状態、即ち、普通図柄の低確率状態が設定されている場合に参照されるデータテーブルであって、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように規定しており、抽選が実行された特別図柄の種別と、実行された特別図柄抽選の結果に応じて異なる変動パターンが規定されている。また、特別図柄の抽選結果が時短当選(外れの一部)である場合には、特別図柄の抽選結果が外れ(時短当選以外)である場合よりも、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合と同一の変動時間が選択され易くなるように規定している。
まず、図99(b)を参照して、通常・第2確変用テーブル202db1について説明する。図99(b)は、この通常・第2確変用テーブル202db1の規定内容を示した図である。この通常・第2確変用テーブル202db1には、特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ規定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、変動種別カウンタCS1の値が割り付けされている。具体的には、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、当否判定結果が大当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~19」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のノーマル(リーチ)が規定されている。このノーマルが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「20~169」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパー(リーチ)が規定されている。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「170~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が55秒のSP(リーチ)が規定されている。つまり、変動時間が30秒と同一であっても、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に応じて、異なる変動パターンを選択可能に構成している。このように主制御装置110にて同一の変動時間に対して異なる変動パターンを選択可能に構成することで、変動パターンを示すコマンドを受信した音声ランプ制御装置113側にて変動演出を決定するための処理を簡略化することができる。
なお、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて基本時間に加え、加算時間を付加可能に構成しても良く、加算時間を付加可能に構成した場合には、基本時間と加算時間とを合算した合算時間を変動時間として設定し、その基本時間を示すコマンドと、加算時間を示すコマンドと、を出力するように構成する。この場合、付加される加算時間を決定する際に、変動種別選択カウンタCS1の値を用いても良いし、加算時間を選択するために用いる専用のカウンタの値を取得するように構成しても良い。そして選択された基本時間(例えば、30秒)を示すコマンド(基本コマンド)と、加算時間を示すコマンド(加算コマンド)と、が音声ランプ制御装置113に対して通知された場合には、基本コマンドに含まれる情報に基づいて変動パターン(ノーマルリーチ)を設定し、加算コマンドに含まれる情報に基づいてリーチ図柄(第3図柄の種別)を設定するように構成すると良い。これにより、リーチ状態となった場合に最初に遊技者が視認可能となる中図柄列Z2の第3図柄の種別を、常に特定の第3図柄(本制御例では数字の1を付した第3図柄)となるように構成したとしても、変動演出が実行されてからリーチ状態となるまでの期間を可変させること無く、様々な第3図柄の種別でリーチ演出を実行することができる。また、図柄種別が特図1で、当否判定結果が外れの場合についても同様に、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~179」の場合は、変動パターンとして変動時間が8秒の外れが規定されており、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「180~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のリーチ外れが規定されている。一方、特別図柄の種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)である場合は、当否判定結果が大当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~149」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパー(リーチ)が規定されている。このスーパーが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「150~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が55秒のSP(リーチ)が規定されている。
当否判定結果が外れ(時短)、即ち、当否判定結果が時短当選であって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~169」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパー(リーチ)が規定されている。このスーパーが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「170~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が55秒のSP(リーチ)が規定されている。当否判定結果が外れであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~19」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のリーチ外れが規定されている。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「20~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が8秒の外れが規定されている。次に、図100(a)を参照して、確変・時短用テーブル202db2の内容について説明をする。図100(a)は、確変・時短用テーブル202db2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この確変・時短用テーブル202db2は、確変状態、或いは時短状態が設定されている場合において変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルであって、設定されている遊技状態と、特別図柄の種別と、変動回数(大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数)と、特別図柄の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に応じて異なる変動パターンが選択されるように各変動パターンが規定されている。ここで、本第2制御例では、大当たり遊技終了後には必ず普通図柄の高確率状態(確変状態)が設定されるように構成されている。そして、設定された普通図柄の高確率状態が、時短終了条件が成立するまで継続するように構成している。本第2制御例では、時短終了条件として、普通図柄の高確率状態が設定されてからの特別図柄変動の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行された特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に成立する第2時短終了条件と、を設けており、何れかの時短終了条件が成立した場合に、普通図柄の高確率状態から普通図柄の低確率状態へと移行するように構成している。
そして、大当たり種別に応じて第1時短終了条件として設定される特別図柄変動の実行回数(時短回数)を異ならせており、例えば、大当たり種別として大当たりA5、B5が設定された場合には特別図柄変動の実行回数が60回に到達した場合に第1時短終了条件が成立し(時短回数60回)、大当たりC5が設定された場合には特別図柄変動の実行回数が56回に到達した場合に第1時短終了条件が成立し(時短回数56回)、大当たりD5が設定された場合には特別図柄変動の実行回数が65回に到達した場合に第1時短終了条件が成立(時短回数65回)するように構成している。加えて、本第2制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった場合(外れの場合)の一部において、時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定可能(時短当選可能)に構成しており、時短当選した場合に設定される時短種別によって、第1時短終了条件を異ならせている。例えば、時短種別として時短Aが設定された場合には、特別図柄変動の実行回数が10000回に到達した場合に第1時短終了条件が成立(時短回数10000回)し、時短Bが設定された場合には、特別図柄変動の実行回数が100回に到達した場合に第1時短終了条件が成立(時短回数100回)するように構成している。そして、普通図柄の高確率状態が設定されている場合であっても、遊技状態、及び、時短種別に応じて異なる変動パターンが選択されるように構成している。このように構成することで、設定されている遊技状態や時短種別に対応させた変動演出を実行させ易くすることができる。
具体的には、図100(a)に示した通り、時短種別が「大当たり後時短」、即ち、大当たり当選に基づいて普通図柄の高確率状態が設定された場合は、特別図柄変動回数が「1回~60回」の期間は、特別図柄の種別に関わらず、抽選結果(当否判定結果)が当たりに対して、変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が選択されるように規定している。また、抽選結果(当否判定結果)が外れに対しては、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~189」の範囲に対して、変動時間が「5秒」の変動パターン(ショート変動)が、「190~198」の範囲に対して、変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が規定されている。さらに、特別図柄変動回数が「61回~65回」の期間は、特別図柄の種別、抽選結果、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「5秒」の変動パターン(特殊変動)が規定されている。ここで、特別図柄変動回数が「61回~65回」の期間が参照される場合は、大当たり種別として大当たりD5が設定された場合、即ち、確変状態が終了した後に5回転の時短状態が設定される場合である。この時短状態中は、準備タイム(図91参照)の演出が実行される期間であり、当否判定結果に関わらず常に一定の変動時間(5秒)が設定される。よって、準備タイム全体の期間を固定することができるため、引き戻しモードが設定されるまでの残期間を遊技者に把握させ易くすることができる。なお、図91を参照して準備タイム中の表示画面について上述したが、図91に示した表示態様に加え、準備タイムの残期間(秒数)を報知可能に構成しても良く、例えば、獲得済みの特図2保留数が、準備タイム(時短状態)を終了させる条件を満たした場合に、時短状態中に実行可能な特別図柄の残変動回数に5秒を加えた時間を表示画面に表示するように構成すると良い。このように構成することで、準備タイムが終了し引き戻しモードが設定されるタイミングを遊技者により分かり易く報知することができる。
さらに、準備タイムの残期間を報知可能に構成した場合には、報知されている残期間のうち、時短状態中における特別図柄最終変動に対応する期間、即ち、獲得した特図2保留が時短状態中に新たに消費されないことが確定している期間に該当する範囲を遊技者に予め示唆可能な演出を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、準備タイム中における特別図柄の最終変動が実行される期間を遊技者に分かりする報知することができる。一方、設定されている時短種別が「時短A」で、図柄種別(特別図柄種別)が特図1(第1特別図柄)の場合は、変動回数(特別図柄変動回数)、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「20秒」の変動パターン(ロング変動)が規定され、図柄種別が特図2(第2特別図柄)の場合は、特別図柄変動回数が「1回~99回」の期間は、抽選結果(当否判定結果)が当たりに対して、変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が選択されるように規定している。また、抽選結果(当否判定結果)が外れに対しては、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~189」の範囲に対して、変動時間が「5秒」の変動パターン(ショート変動)が、「190~198」の範囲に対して、変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が規定されている。そして、特別図柄変動回数が「100回」に対しては、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「10秒」の変動パターン(特殊変動)が規定されている。さらに、特別図柄変動回数が「101回~200回」に対しては、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「2秒」の変動パターン(超短変動)が規定され、特別図柄変動回数が「201回~10000回」に対しては、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「0.5秒」の変動パターン(特殊短変動)が規定されている。
また、設定されている時短種別が「時短B」で、図柄種別(特別図柄種別)が特図1(第1特別図柄)の場合は、変動回数(特別図柄変動回数)、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「20秒」の変動パターン(ロング変動)が規定され、図柄種別が特図2(第2特別図柄)の場合は、特別図柄変動回数が「1回~99回」の期間は、抽選結果(当否判定結果)が当たりに対して、変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が選択されるように規定している。また、抽選結果(当否判定結果)が外れに対しては、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~189」の範囲に対して、変動時間が「5秒」の変動パターン(ショート変動)が、「190~198」の範囲に対して、変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が規定されている。そして、特別図柄変動回数が「100回」に対しては、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「10秒」の変動パターン(特殊変動)が規定されている。上述した通り、本第2制御例では、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて時短状態が設定された場合(大当たり遊技を介さずに時短状態が設定された場合)には、設定される時短種別に関わらず、特別図柄変動が100回実行されるまで共通の内容で変動パターンが選択されるように構成している。よって、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動パターンに基づいて設定されている時短種別を遊技者に把握され難くすることができる。さらに、100回目の特別図柄変動に対しては、特別図柄抽選の結果に関わらず、変動時間が10秒の変動パターンが選択されるように構成している。ここで、本第2制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合に、時短種別として時短A、或いは時短Bを設定可能に構成しており、時短Aが設定された場合には時短回数10000回が設定され、時短Bが設定された場合には時短回数100回が設定されるように構成している。
そして、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて時短状態が設定された場合には、100回目の特別図柄変動の変動期間を用いて、時短状態が終了するか否か(時短種別が時短Aであるか時短Bであるか)を示唆するための演出(継続演出)を実行するように構成している。つまり、何れの時短種別が設定されている場合であっても、且つ、当該変動の抽選結果が何れであっても、固定秒数(10秒)の変動パターンが選択されるため、継続演出を実行し易くすることができる。また、時短Aが設定された場合には、最大で10000回の特別図柄抽選が実行されるまで時短状態が継続することになるが、時短状態中は特別図柄の低確率状態が設定されているため特別図柄抽選で大当たり当選する確率は通常状態と同一である。よって、通常状態よりも特別図柄抽選を実行させ易い時短状態において、大当たり当選すること無く、特別図柄抽選が実行され続ける場合がある。この場合、時短状態中は右打ち遊技によって第2入球口640へと頻繁に遊技球を入球させて賞球を獲得することが出来るため、遊技者の持ち玉が大きく減少する事態は発生し難いが、次に大当たり当選するまでの期間が間延びしてしまい遊技時間に制限のある遊技者が時短状態中に遊技を断念せざるを得ない事態が発生してしまう虞があった。そこで、本第2制御例では、時短状態中に実行された特別図柄抽選の実行回数が増加するほど、短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成している。このように構成することで、時短状態中において大当たり当選すること無く多くの特別図柄抽選が実行される場合における遊技の時間効率を高めることができる。また、時短状態が設定されてから所定回数(100回)の特別図柄抽選が実行されるまでの期間は、短縮変動時間が選択され難くなるように構成しているため、複数回の大当たり遊技が短時間で実行されてしまい、短時間で遊技者に過剰に多くの賞球が提供されてしまうことを抑制することができる。
図95に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本制御例ではタイマ割込処理(図40参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納されるなお、第2当たり乱数テーブル202cの構成については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。時短種別選択カウンタCC1は、特別図柄抽選で時短当選した場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。時短種別選択カウンタCC1の値は、例えば、定期的に(本制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。本制御例のパチンコ機10における時短種別選択カウンタCC1の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本制御例では取得した時短種別選択カウンタCC1の値を用いて、時短種別選択テーブル202dfを参照して時短当選した場合の時短種別を選択するように構成している。ここで、図100(b)を参照して時短種別選択テーブル202dfの内容について説明をする。
図100(b)は、時短種別選択テーブル202dfに規定されている内容を示した図である。この時短種別選択テーブル202dfには、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対して異なる時短種別が規定されている。具体的には、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0~89」の範囲に対して時短種別「時短A」が規定されており、「90~99」の範囲に対して時短種別「時短B」が規定されている。ここで、時短種別として「時短A」が設定された場合には、時短カウンタ203hの値に10000が設定され、「時短B」が設定された場合には、時短カウンタ203hの値に100が設定される。つまり、時短Aは時短回数10000回の時短状態となり、時短Bは時短回数100回の時短状態となる。図94に戻り説明を続ける。ROM202は、図95に図示した各種カウンタに対応して規定される各種データテーブル等を有している。ここで、図96(a)を参照して、本第2制御例のパチンコ機10における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図96(a)は、本制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。図96(a)に示した通り、本制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202は、第1当たり乱数テーブル202da、変動パターン選択テーブル202db、第2当たり乱数テーブル202dc、大当たり種別選択テーブル202dd、時短当たり乱数テーブル202de、時短種別選択テーブル202dfを少なくとも有している。なお、第1当たり乱数テーブル202a、変動パターン選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、大当たり種別選択テーブル202d、時短当たり乱数テーブル202de、時短種別選択テーブル202dfについては、図95に図示した各種カウンタを説明する際に上述したため、その説明を省略する。
図94に戻り、説明を続ける。RAM203は、図95に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図51参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図50参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図49参照)が即座に実行される。また、RAM203は、図96(b)に示すように、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、遊技状態格納エリア203g、時短カウンタ203h、確変カウンタ203i、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203k、その他メモリエリア203zを有している。なお、上述した各格納エリア、及び各カウンタ、各フラグの内容は、上述した第1制御例と同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、パチンコ機10に設けられる演出用の駆動役物を動作させるための各種駆動モータが含まれる。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。なお、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、枠ボタン22への操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、枠ボタン22への操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。ここで、本第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。本第2制御例における音声ランプ制御装置113のROM222は、上述した第1制御例における音声ランプ制御装置113のROM222(図28(a)参照)に対して、通常中特図2演出選択テーブル222bと、確変中演出選択テーブル222cと、連続予告実行選択テーブル222dと、V報知実行選択テーブル222eと、ボタン操作時演出選択テーブル222fを削除し、引き戻しモード選択テーブル222daと、示唆態様選択テーブル222dbと、を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素に対しては同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
引き戻しモード選択テーブル222daは、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態で普通図柄の高確率状態を終了させる終了条件(時短終了条件)が成立した場合に設定される遊技状態(通常状態、第2確変状態)に対応させて実行される演出モードである引き戻しモードにおけるモード種別を選択する際に参照されるデータテーブルであって、確変状態において時短終了条件が成立した場合の特図2保留数(第2特別図柄の保留記憶数)と、時短抽選回数カウンタ223dbの値と、保留内(特図2保留内)大当たりの有無、保留内(特図2保留内)時短当選の有無、演出カウンタ223fの値に対応させて4種類のモード種別(背景)が規定されている。具体的には、特図2保留数が「4」、即ち、上限数の特図2保留を獲得しており、時短抽選回数カウンタ223dbの値が「4」、保留内大当たりが「有」の場合は、保留内時短当選の有無に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して「モードA」が、「50~99」の範囲に対して「モードB」が規定されている。また、保留内大当たりが「無」で、保留内時短当選が「有」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して「モードB」が、「80~99」の範囲に対して「モードA」が規定され、保留内時短当選が「無」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して「モードB」が、「20~59」の範囲に対して「モードC」が、「60~99」の範囲に対して「モードD」が規定されている。また、特図2保留数が「4」、即ち、上限数の特図2保留を獲得しており、時短抽選回数カウンタ223dbの値が「0」、保留内大当たりが「有」の場合は、保留内時短当選の有無に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~59」の範囲に対して「モードB」が、「60~99」の範囲に対して「モードC」が規定されており、保留内大当たりが「無」の場合は、保留内時短当選の有無に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して「モードC」が、「80~99」の範囲に対して「モードB」が規定されている。
一方で、特図2保留数が「1~3」、即ち、上限数の特図2保留を獲得していない状態では、時短抽選回数カウンタ223dbの値に関わらず、保留内大当たりが「有」の場合は、保留内時短当選の有無に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して「モードB」が、「20~59」の範囲に対して「モードC」が、「60~99」の範囲に対して「モードD」が規定されており、保留内大当たりが「無」の場合は、保留内時短当選が「有」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して「モードB」が、「50~99」の範囲に対して「モードD」が規定されており、保留内時短当選が「無」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して「モードB」が、「20~99」の範囲に対して「モードD」が規定されている。詳細な内容は、図92(b)を参照して上述したため、その説明を省略するが、引き戻しモード選択テーブル222daを参照して選択される4種類のモード種別(モードA~モードD)は、遊技者への特典付与期待度を異ならせるように規定されており、モードAが最も遊技者に有利なモード種別(引き戻しモード中に特典(大当たり、時短当選)が付与される期待度が最も高い)となり、モードBが次に有利なモード種別となり、次いで、モードC、モードDの順で特典付与期待度が低くなるように各モード種別が選択されるよう、引き戻しモード選択テーブル222daの内容が規定されている。さらに、確変状態が終了するタイミングにおける特図2保留数に応じて、選択されるモード種別を大きく異ならせるように構成しており、確変状態が終了するタイミングにおける特図2保留数が上限数では無い場合には、時短抽選回数カウンタ223dbの値や、特図2保留内の先読み結果(大当たり、時短当選の有無)に関わらず、最も遊技者に有利となるモード種別(モードA)が選択されない(され難くなる)ように構成している。このように構成することで、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄抽選の抽選結果を予測しようと、遊技者に対して特図2保留数が上限数となるように積極的に右打ち遊技を実行させることができる。
示唆態様選択テーブル222dbは、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動に対応する変動演出において表示される示唆態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、設定されているモード種別と、当該変動の抽選結果と、演出カウンタ223fの値とに対応させて異なる種別の示唆態様が規定されている。次に、図101(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図101(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、コマンド記憶領域223a、入賞情報格納エリア223b、特別図柄保留球数カウンタ223c、特図変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、従状態設定エリア223g、普通図柄保留球数カウンタ223h、時短中カウンタ223da、時短抽選回数カウンタ223db、モード種別格納エリア223dc、ロング時短中フラグ223dd、初回設定フラグ223de、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。なお、コマンド記憶領域223a、入賞情報格納エリア223b、特別図柄保留球数カウンタ223c、特図変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、従状態設定エリア223g、普通図柄保留球数カウンタ223hの内容については、上述した第1制御例の内容と同一であるためその詳細な説明を省略する。時短中カウンタ223daは、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される期間を計測するためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定される場合に(大当たり遊技終了後、或いは、時短当選した特別図柄変動の停止表示後に)、予め定められた値が設定される。そして、時短中カウンタ223daの値が1以上である状態で特別図柄変動が実行されると、その値が1減算され、時短中カウンタ223daの値が「0」となった場合に、普通図柄の低確率状態へと移行したと判別する。また、時短中カウンタ223daの値に基づいて、普通図柄の高確率状態における詳細な期間を判別するように構成している。
時短抽選回数カウンタ223dbは、普通図柄の低確率状態(通常状態、第2確変状態)中に実行される第2特別図柄抽選のうち、通常状態中に実行され得る第2特別図柄抽選の回数、即ち、時短当選し得る第2特別図柄抽選の実行回数を計測するためのカウンタであって、普通図柄の確率状態が高確率状態から低確率状態へと移行する際に獲得している特図2保留数と、普通図柄の高確率状態から低確率状態へと移行した場合に設定される遊技状態(通常状態、第2確変状態)とに基づいて値が設定される。具体的には、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)から通常状態へと移行したことを示す状態コマンドを受信した場合(図116のS9102:No)、或いは、確変状態から第2確変状態へと移行したことを示す状態コマンドを受信した場合(図119のS9402:Yes)に実行される引き戻しモード設定処理(図117のS9104参照)において、獲得済みの特図2保留に基づいて通常状態中に実行される(され得る)第2特別図柄抽選の回数が特定され、特定した回数を示す値が時短抽選回数カウンタ223dbの値に設定される。そして、引き戻しモード選択テーブル222daを参照して、引き戻しモードのモード種別を選択する際に参照される。また、引き戻しモード中において第2特別図柄抽選が実行される場合において、時短抽選カウンタ223dbの値が読み出され、1よりも大きい値が設定されていると判別された場合には、第2特別図柄抽選が実行される毎にその値が1減算される(図121のS9607参照)。
つまり、本第2制御例では、普通図柄の高確率状態中に獲得した特図2保留を普通図柄の低確率状態が設定された後に実行する場合に、設定されている遊技状態に関わらず同一態様の演出を実行するように構成している。つまり、普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態として、時短当選し得る特別図柄抽選が実行される通常状態と、時短当選し得ない特別図柄抽選が実行される第2確変状態とで、同一の態様(引き戻しモード)の演出が実行されるように構成し、実行中の第2特別図柄抽選の抽選結果として時短当選が表示され得る遊技状態であるか否かを遊技者に容易に判別させ難くするように構成している。このように構成することで、時短当選し得ない特別図柄抽選が実行される第2確変状態が設定されている場合であっても、遊技者に対して、時短当選に期待しながら遊技を行わせることができる。さらに、実際に時短当選し得る特別図柄抽選の実行回数を判別し、その判別結果に基づいて引き戻しモードのモード種別を選択可能に構成している。このように構成することで、時短当選し得る特別図柄抽選が実行される通常状態と、時短当選し得ない特別図柄抽選が実行される第2確変状態とで、同一の態様(引き戻しモード)の演出が実行されながらも、何れの遊技状態が設定されているかを遊技者に予測させるための要素(モード種別)を提供することができるため、現在設定されている遊技状態が時短当選の可能性がある遊技状態であるかをいち早く判別したい遊技者に対して、実行中の演出の内容を注視させることができるため、演出効果を高めることができる。モード種別格納エリア223dcは、引き戻しモード選択テーブル222daを参照して選択されたモード種別を格納するための格納エリアである。このモード種別格納エリア223dcに格納された情報(モード種別)は、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定する際に読み出される。そして、引き戻しモードが終了した場合に、格納されている情報がクリアされる。
ロング時短中フラグ223ddは、長期間(特別図柄変動10000回)の時短状態が設定されたことを示すためのフラグであって、長期間の時短状態(時短種別「時短A」)が設定された場合にオンに設定され、時短状態が終了した場合にオフに設定される。このロング時短中フラグ223ddの設定状況は、残時短回数(普通図柄の高確率状態の残期間)を示すための表示態様を決定する際に参照される。具体的には、時短状態中に実行される第2特別図柄変動に対応する特図2演出態様を決定する場合において(図121のS9613:Yes)、ロング時短中フラグ223ddがオンに設定されているかを判別し(図121のS9615)、ロング時短中フラグ223ddがオンに設定されていない場合は(図121のS9615:No)、第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域Dm7に表示されている残回数を減算表示するための表示用コマンドを設定する(図121のS9614)。一方、ロング時短中フラグ223ddがオンに設定されている場合は(図121のS9615:Yes)、時短中カウンタ223daの値が150未満であるかを判別し(図121のS9616)、150未満では無いと判別した場合は(図121のS9616:No)、図90(a)に示した通り、小表示領域Dm7に「無限」が表示されている状態であるため、残時短回数を減算表示する処理をスキップし、150未満であると判別した場合は(図121のS9616:Yes)、小表示領域Dm7の表示態様を「無限」から「149」へと切り替えるための演出態様を決定する(図121のS9617)。初回設定フラグ223deは、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄抽選のうち、初回の第2特別図柄抽選が実行済であることを示すためのフラグであって、引き戻しモード中に実行される初回の第2特別図柄変動に対応する特図2演出態様を決定した後にオンに設定される(図121のS9605参照)。そして、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動に対応する特図2演出態様を設定する際に参照され、初回設定フラグ223deがオンに設定されていると判別した場合は(図121のS9602:Yes)、初回の特図2演出態様を設定するための処理(図121のS9603,S9604)がスキップされる。
<第2制御例のパチンコ機10における制御処理内容について>
次に、図104から図122を参照して、本第2制御例のパチンコ機10における各種制御処理の内容について説明をする。本第2制御例では、上述した第1制御例のパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。まず、図104から図113を参照して、本第2制御例における主制御装置110にて実行される制御処理について説明をする。本第2制御例では、上述した第1制御例に対して、特別図柄変動処理(図41のS104参照)に代えて、特別図柄変動処理(図104のS104)を、特別図柄大当たり判定処理(図42のS208)に代えて特別図柄判定処理(図105のS251参照)を、特別図柄変動パターン選択処理(図43のS209)に代えて特別図柄変動パターン選択処理(図107のS252)を、更新処理(図44のS221)に代えて更新処理(時256のS253)を、始動入賞処理(図45のS105)に代えて始動入賞処理(図110のS195)を。先読み処理(図46のS613)に代えて先読み処理(図111のS653)を、大当たり制御処理(図52のS1804)に代えて大当たり制御処理(図112のS1894参照)を、大当たり終了処理(図54のS1910参照)に代えて大当たり終了処理(図113のS8403参照)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。まず、図104を参照して、特別図柄変動処理(図104のS104)の処理内容について説明をする。図104は、特別図柄変動処理(S104)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)では、上述した特別図柄変動処理(図41のS104参照)に対して、特別図柄変動を開始させる際に実行する処理の一部と、特別図柄変動の変動時間が経過した場合に実行する処理の一部を変更した点で相違している。
具体的には、特別図柄変動処理(S104)が実行されると、上述した特別図柄変動処理(図41のS104参照)と同一のS201~S207,S210~S213の処理を実行する。そして、S207の処理、或いは、S213の処理を終えると、特別図柄判定処理(S251)を実行し、その後、特別図柄変動パターン選択処理(S252)を実行し、本処理を終了する。また、特別図柄変動の変動時間が経過したと判別した場合は(S214:Yes)、上述した特別図柄変動処理(図41のS104参照)と同一のS216~S220の処理を実行し本処理を終了すると共に、S217の処理において、今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合に(S217:No)、更新処理を実行し(S253)、その後、時短設定処理を実行し(S254)、S220の処理へと移行する。次に、図105を参照して、特別図柄判定処理(S251)の処理内容について説明をする。図105は、特別図柄判定処理(S251)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄判定処理(S251)は、上述した第1制御例の特別図柄大当たり判定処理(図42のS208)に代えて実行されるものであり、特別図柄抽選における大当たり判定に加え、時短当選の判定(時短抽選処理)が実行される。特別図柄判定処理(S251)が実行されると、まず、特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(S8001)、第1当たり乱数テーブル202daに基づいて抽選結果を取得し(S8002)、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(S8003:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S8004)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S8005)、本処理を終了する。一方、抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S8003:No)、時短抽選処理を実行し(S8006)、本処理を終了する。
ここで、時短抽選処理(S8006)は、今回の特別図柄抽選における時短当選の判定を実行するための処理である。つまり、本第2制御例では、特別図柄抽選において、まず、大当たり当選の判定を実行し(S8003)、大当たり当選した場合には、時短当選の判定を実行することなく特別図柄抽選を終了し、大当たり当選していない場合にのみ時短当選の判定を実行するように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、複数の特典(特別図柄の大当たり当選、時短当選)を遊技者に付与することが無いため、遊技者に過剰に有利な遊技を提供してしまうことを抑制することができる。次に、図106を参照して、時短抽選処理(S8006)の処理内容について説明をする。図106は、時短抽選処理(S8006)の内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理(S8006)では、現在の遊技状況が時短抽選(時短当選判定)を実行可能な遊技状況であるかを判別し、実行可能であると判別した場合に時短当選判定を実行する処理が行われる。時短抽選処理(S8006)が実行されるとまず、今回の対象(抽選対象)が特図2(第2特別図柄)であるかを判別し(S8101)、特図2であると判別した場合は(S8101;Yes)、遊技状態格納エリアに格納されている現在の遊技状態を読み出し(S8102)、読み出した遊技状態が通常状態であるかを判別する(S8103)。S8103の処理において、通常状態であると判別した場合に(S8103:Yes)、時短当たり乱数テーブル202deに基づいて抽選結果(時短当選判定結果)を取得し(S8104)、時短当選しているかを判別し(S8105)、時短当選していると判別した場合は(S8105:Yes)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄をセットし(S8106)、本処理を終了する。
一方、S8101の処理において、今回の対象が特図2では無い(第1特別図柄である)と判別した場合(S8101:No)、S8103の処理において、現在の遊技状態が通常状態では無いと判別した場合(S8103:No)、或いは、S8105の処理において時短当選していない(S8105:No)と判別した場合は、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の外れ図柄をセットし(S8107)、本処理を終了する。つまり、本第2制御例では、特別図柄抽選において時短当選判定を実行するための実行条件として、当該特別図柄抽選で大当たり当選していないこと、第2特別図柄抽選であること、通常状態が設定されていることが規定されている。このように、時短当選判定を実行可能な条件を設けることにより、特別図柄抽選の実行状況に応じて、大当たり判定のみを実行する場合と、大当たり判定と時短当選判定とを実行する場合とを創出することができる。よって、状況に応じて1回の特別図柄抽選において遊技者に特典(大当たり、又は時短)が付与される確率を異ならせることができる。また、本第2制御例では、確変状態、時短状態、といった通常状態よりも遊技者に有利となる遊技状態が、特別図柄抽選の実行回数が所定回数(例えば60回)を超えた場合に終了し通常状態へと移行するように構成している。つまり、大当たり当選すること無く特別図柄抽選が所定回数実行された場合において、時短当選判定の実行条件が成立し易くすることができる、よって、特別図柄抽選が大当たり当選すること無く所定回数実行された場合には、所定回数実行される前よりも1回の特別図柄抽選において遊技者に特典(大当たり、又は時短)が付与される確率を高めることができる。このように構成することで、所定期間大当たり当選していない遊技者に対して遊技意欲が極端に低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図107を参照して、特別図柄変動パターン選択処理(S252)について説明をする。図107は、特別図柄変動パターン選択処理(S252)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動パターン選択処理(S252)では、まず、特別図柄判定処理(図105のS251)において、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S8201)。S8201の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S8201:Yes)、大当たり種別選択テーブル202ddと、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(S8202)。次いで、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(S8203)、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、第2確変状態、確変状態)に対応した変動パターン選択テーブル202dbを読み出す(S8204)。そして、S8203の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S8204の処理で読み出した変動パターン選択テーブル202dbとに基づいて変動パターンを選択し(S8205)、S8205の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S8206)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S8207)、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S8208)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を特図変動時間カウンタ(図示せず)の値にセットし(S8209)、本処理を終了する。S8207の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
一方、S8201の処理において、特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(S8201:No)、次に、時短抽選結果(時短当選判定結果)が時短当選であるかを判別し(S8209)、時短当選であると判別した場合は(S8209:Yes)、時短種別選択テーブル202dfを参照して時短種別を決定し(S8210)、S8203の処理へ移行する。また、S8209の処理において時短当選していないと判別した場合は(S8209:No)、S8210の処理をスキップしてS8203の処理へ移行する。次に、図108を参照して、更新処理(S253)の処理内容について説明をする。図108は、更新処理(S253)の処理内容を示したフローチャートである。この、更新処理(S253)では、上述した、更新処理(図44のS221参照)と同様の処理が実行されるため、その詳細な説明を省略する。次に、図109を参照して、時短設定処理(S254)の処理内容について説明をする。図109は、時短設定処理(S254)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理(S254)では、時短当選判定により時短当選した場合に時短状態を設定するための処理が実行される。時短設定処理(S254)が実行されると、まず、今回の抽選結果が時短当選であるかを判別し(S8351)、時短当選であると判別した場合に(S8351:Yes)、決定された時短種別に対応する値を時短カウンタ203hに設定し(S8352)、遊技状態格納エリアに時短状態を設定し(S8353)、時短カウンタ203hの値、時短種別遊技状態(時短状態を示す情報と、設定された時短種別を示す情報)を示す状態コマンドを設定し(S8354)、本処理を終了する。一方、S8351の処理において、時短当選していないと判別した場合は(S8351:No)、そのまま本処理を終了する。
つまり、本第2制御例では、時短当選契機に応じて、異なるタイミングで時短状態が設定されるように構成しており、特別図柄抽選で時短当選した場合には、当該特別図柄変動の停止タイミングにて時短状態が設定され、特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて時短状態が設定される場合には、当該特別図柄変動の停止タイミングでは無く、大当たり遊技終了タイミングで時短状態が設定される。このように構成することで、時短状態が設定されるタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して飽き難い遊技を提供することができる。次に、図110を参照して始動入賞処理(S195)の処理内容について説明をする。図110は、始動入賞処理(S195)の処理内容を示したフローチャートである。この始動入賞処理(S195)では、上述した始動入賞処理(図45のS105参照)に対して、各特別図柄保留球格納エリアに格納するカウンタ値の種別に時短種別選択カウンタCC1の値を追加した点(S651,S652)と、先読み処理(S653)を実行する点で相違しているだけであり、それ以外の処理内容は同一であるため、その詳細な説明を省略する。次いで、図111を参照して先読み処理(S653)の処理内容について説明をする。図111は、先読み処理(S653)の処理内容を示したフローチャートである。この先読み処理(S653)が実行されると、まず、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1、時短種別選択カウンタCC1の各値を読み出す(S750)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する(S702)。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(S703)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(S703:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、大当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S751)、その後、本処理を終了する。一方、S703の処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S703:No)、次いで、時短当選かを判別し(S752)、時短当選していないと判別した場合は(S752:No)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、外れ当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S705)、その後、本処理を終了する。一方、S752の処理において時短当選と判別した場合は(S752:Yes)、当該保留変動時が通常状態であるかを判別し(S753)、通常状態であると判別した場合は(S753:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、時短当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S754)、本処理を終了する。
ここで、S704、S705、或いはS754の処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S701の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図51参照)にて実行される外部出力処理(S1801)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果(大当たり当否、時短当選当否)を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。なお、本制御例では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりや時短当選であることを事前判別した場合のみ大当たりや時短当選を示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
さらに、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。また、本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。
次に、図112を参照して、大当たり制御処理(S1894)の処理内容について説明する。図112は、大当たり制御処理(S1894)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理(S1894)では、上述した大当たり制御処理(図52のS1804参照)に対して、新たなラウンドの開始タイミングと判別した場合(S1905:Yes)に実行する処理を、特定入賞口の開放を設定し(S8401)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S8402)点と、大当たりの終了タイミングであると判別した場合(S1909:Yes)に、大当たり終了処理(S8403)を実行する点で相違し、それ以外は同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。次に、図113を参照して、大当たり制御処理(図112のS1894参照)にて実行される大当たり終了処理(S8403)の処理内容について説明する。図113は、大当たり終了処理(S8403)の内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理(S8403)が実行されると、現在実行中お大当たり種別を特定し(S8501)、特定した大当たり種別に対応する値(時短終了条件)を、確変カウンタ203i、時短カウンタ203hに設定し(S8502)、確変カウンタ203i、時短カウンタ203hの値に対応する遊技状態を遊技状態格納エリアに設定し(S8503)、設定した確変カウンタ203iの値、時短カウンタ203hの値、遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S8504)、大当たり中フラグをオフに設定し(S8505)、本処理を終了する。
次に、図114から図122を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理内容について説明をする。本第2制御例では、上述した第1制御例に対して、コマンド判定処理(図59のS4112参照)に代えてコマンド判定処理(図114のS4182)を、状態コマンド受信処理(図60のS4202参照)に代えて、状態コマンド受信処理(図115のS4282)を、特図1演出態様設定処理(図67のS4903参照)に代えて、特図1演出態様設定処理(図120のS4983)を、特図2演出態様設定処理(図68のS4907参照)に代えて、特図2演出態様設定処理(図121のS4987参照)を実行する点で相違しており、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。図114は、コマンド判定処理(図114のS4182)を示したフローチャートである。図114に示した通り、コマンド判定処理(図114のS4182)では、上述したコマンド判定処理(図59のS4112参照)に対して、状態コマンド受信処理を状態コマンド受信処理(S4282)に代えている点で相違し、それ以外は同一である。図115は、状態コマンド受信処理(S4282)を示したフローチャートである。図115に示した通り、この状態コマンド受信処理(S4282)では、主制御装置110から受信した状態コマンドに基づいて、新たに設定された遊技状態を判別し、その判別結果に基づいた各種演出を設定するための処理が実行される。状態コマンド受信処理(S4282)では、まず、遊技状態に変更があるか判別する(S9001)。遊技状態に変更がないと判別した場合には(S9001:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S9001の処理において、遊技状態に変更があると判別した場合には(S9001:Yes)、従状態設定エリア223gに設定されている情報をシフトし、今回主制御装置110より受信したコマンドに対応する遊技状態を従状態設定エリア223gに設定する(S9002)。
次に、今回受信したコマンドが通常状態への変更を示すコマンドであるか判別する(S9003)。今回受信したコマンドが通常状態への変更を示すコマンドであると判別した場合には(S9003:Yes)、通常状態演出設定処理を実行し(S9004)、本処理を終了する。通常状態演出設定処理(S9004)の詳細な説明については、図116を参照し、後述する。一方、S9003の処理において、今回受信したコマンドが通常状態への変更を示すコマンドではないと判別した場合には(S9003:No)、S9005の処理に移行する。S9005の処理では、今回受信したコマンドが時短状態への変更を示すコマンドであるか判別する(S9005)。今回受信したコマンドが時短状態への変更を示すコマンドであると判別した場合には(S9005:Yes)、時短状態演出設定処理を実行し(S906)、本処理を終了する。時短状態演出設定処理(S9006)の詳細な説明については、図118を参照して後述する。一方、S9005の処理において、今回受信したコマンドが時短状態への変更を示すコマンドではないと判別した場合には(S9005:No)、S9007の処理に移行する。S9007の処理では、今回受信したコマンドが第2確変状態への変更を示すコマンドであるか判別する(S9007)。今回受信したコマンドが第2確変状態への変更を示すコマンドであると判別した場合には(S9007:Yes)、第2確変状態演出設定処理を実行し(S9008)、本処理を終了する。第2確変状態演出設定処理(S9008)の詳細な説明については、図119を参照し後述する。一方、S9007の処理において、今回受信したコマンドが第2確変状態への変更を示すコマンドではないと判別した場合には(S9007:No)、S9009の処理に移行する。
S9009の処理では、今回受信したコマンドが確変状態への変更を示すコマンドであるか判別する(S9009)。確変状態への変更を示すコマンドであると判別した場合には(S9009:Yes)、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ203daの値に設定し(S9010)、本処理を終了する。一方、S9009の処理において、今回受信したコマンドが確変状態への変更を示すコマンドではないと判別した場合には(S9009:No)、そのまま本処理を終了する。図116は、通常状態演出設定処理(S9004)を示したフローチャートである。この通常状態演出設定処理(S9004)は、状態コマンド受信処理(図115のS4282参照)において、通常状態を示す状態コマンドを受信した場合に実行される処理である。この通常状態演出設定処理(S9004)では、図116に示した通り、通常状態が設定される前の遊技状態が第2確変状態であるか否かに応じて、異なる演出態様が設定されるものであり、第2確変状態では無い場合、即ち、確変状態、或いは時短状態から通常状態へと移行したと判別した場合は、引き戻しモード(引き戻しゾーン)に対応する演出態様を設定するための、引き戻しモード設定処理を実行する。通常状態演出設定処理(S9004)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態の読み出しを実行する(S9101)。次に、S9101の処理で読み出した変更前の遊技状態は、第2確変状態であるか判別する(S9102)。変更前の遊技状態が第2確変状態であると判別した場合には(S9102:Yes)、第1通常モードに対応する演出モード用の表示コマンドを設定し(S9103)、本処理を終了する。一方、S9102の処理において、読み出した変更前の遊技状態が第2確変状態ではないと判別した場合には(S9104:No)、引き戻しモード設定処理を実行し(S9104)、本処理を終了する。引き戻しモード設定処理(S9104)の詳細な説明については、図117を参照し、後述する。
図117は、引き戻しモード設定処理(S9104)を示したフローチャートである。この引き戻しモード設定処理(S9104)では、図117に示した通り、図89に示した演出画面に関わる表示態様(演出態様)を示すための表示用コマンドを設定するための様々な処理が実行される。引き戻しモード設定処理(S9104)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態の読み出しを実行する(S9201)。次に、第2特別図柄に保留球があるか判別する(S9202)。第2特別図柄に保留球があると判別した場合には(S9202:Yes)、通常状態中に実行される第2特別図柄の抽選回数を特定する(S9203)。次に、S9203の処理において特定した通常状態中に実行される第2特別図柄の抽選回数の値を時短抽選回数カウンタ223dbに設定する(S9204)。次に、第2特別図柄の保留数と、時短抽選回数カウンタ223dbの値と、特図2保留情報とを用いて、引き戻しモード選択テーブル222da(図102参照)を参照して、モード種別を決定し(S9205)、S9205の処理において決定したモード種別を、モード種別格納エリア223dcに格納し(S9206)、本処理を終了する。一方、S9202の処理において、第2特別図柄に保留球がないと判別した場合には(S9202:No)、第1通常モードに対応する演出モード用表示コマンドを設定し(S9207)、本処理を終了する。図118は、時短状態演出設定処理(S9006)を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理(S9006)は、状態コマンド受信処理(図115のS4282参照)において、時短状態を示す状態コマンドを受信した場合に実行される処理である。この時短状態演出設定処理(S9006)では、図118に示した通り、時短状態が設定される前の遊技状態が確変状態である場合は準備タイム(図91参照)に対応する表示態様(演出態様)を設定するための処理を実行し、通常状態である場合は、時短状態に突入したことを示すための表示態様や、ロング時短に対応する延長タイム(図90参照)に対応する表示態様(演出態様)を設定するための処理を実行する。
時短状態演出設定処理(S9006)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態を実行する(S9301)。次に、S9301の処理において読み出した変更前の遊技状態は確変状態であるか判別する(S9302)。変更前の遊技状態は確変状態であると判別した場合には(S9302:Yes)、準備タイム中に対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9303)、本処理を終了する。一方、S9301の処理において読み出した変更前の遊技状態は、確変状態ではないと判別した場合には(S9302:No)、変更前の遊技状態は通常状態であるか判別する(S9304)。変更前の遊技状態は通常状態ではないと判別した場合には(S9304:No)、そのまま本処理を終了する。一方、変更前の遊技状態は通常状態であると判別した場合には(S9304:Yes)、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定し(S9305)、今回設定される時短種別は、時短Aであるか判別する(S9306)。S9306の処理において、今回設定される時短種別は時短Aであると判別した場合には(S9306:Yes)、ロング時短中フラグ223ddをオンに設定し(S9307)、延長タイムに対応する演出態様を示すためのコマンドを設定し(S9308)、本処理を終了する。一方、今回設定される時短種別は時短Aではないと判別した場合には(S9306:No)、本処理を終了する。図119は、第2確変状態演出設定処理(S9008)を示したフローチャートである。この第2確変状態演出設定処理(S9008)は、状態コマンド受信処理(図115のS4282参照)において、第2確変状態を示す状態コマンドを受信した場合に実行される処理である。この第2確変状態演出設定処理(S9008)では、図119に示した通り、第2確変状態が設定される前の遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる演出態様が設定されるものであり、確変状態である場合は、引き戻しモード(引き戻しゾーン)に対応する演出態様を設定するための、引き戻しモード設定処理を実行する。
第2確変状態演出設定処理(S9008)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態の読み出しを実行する(S9401)。次に、S9401の処理において読み出した変更前の遊技状態は確変状態であるか判別する(S9402)。変更前の遊技状態は確変状態であると判別した場合には(S9402:Yes)、引き戻しモード設定処理(図117のS9104参照)を実行し(S9403)、そのまま本処理を終了する。一方、S9402の処理において、変更前の遊技状態は確変状態ではないと判別した場合には(S9402:No)、そのまま本処理を終了する。図120は、特図1演出態様設定処理(S4983)を示すためのフローチャートである。この特図1演出態様設定処理(S4983)では、実行される第1特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。特図1演出態様設定処理(S4983)では、まず、時短中カウンタ223daの値が0より大きいか判別する(S9501)。時短中カウンタ223daの値が0より大きい値であると判別した場合には(S9501:Yes)、時短中カウンタ223daの値を1減算し(S9502)、減算後の時短中カウンタ223daの値を示すための表示用コマンドを設定し(S9503)、S9504の処理に移行する。一方、S9501の処理において、時短中カウンタ223daの値が0より大きい値ではないと判別した場合には(S9501:No)S9502~S9503の処理をスキップし、S9504の処理に移行する。S9504の処理では、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S9504)、本処理を終了する。図121は、特図2演出態様設定処理(S4987)を示すためのフローチャートである。この特図2演出態様設定処理(S4987)では、図121に示した通り、第2特別図柄抽選が実行される遊技状態に応じて、様々な演出態様を設定するための処理が実行される。
特図2演出態様設定処理(S4987)では、まず、現在の遊技状態が通常状態、又は、第2確変状態であるか判別する(S9601)。現在の遊技状態が通常状態、又は、第2確変状態であると判別した場合には(S9601:Yes)、初回設定フラグ223deはオンであるか判別する(S9602)。初回設定フラグ223deはオンではないと判別した場合には(S9602:No)、時短抽選回数カウンタ223dbの値に基づいて、引き戻しゾーン中に実行される第2特別図柄の抽選回数を決定し(S9603)、決定した第2特別図柄の抽選回数に対応する演出態様を決定する(S9604)。次に、初回設定フラグ223deをオンに設定し(S9605)、S9606の処理に移行する。一方、S9602の処理において、初回設定フラグ223deがオンであると判別した場合には(S9602:Yes)、S9603~S9605の処理をスキップしてS9606の処理に移行する。S9606の処理では、示唆態様選択テーブル222db(図103参照)を参照して、示唆態様を決定する(S9606)。次に、時短抽選回数カウンタ223dbの値を1減算し(S9607)、減算後の時短抽選回数カウンタ223dbの値が0であるか判別する(S9608)。減算後の時短抽選回数カウンタ223dbの値が0であると判別した場合には(S9608:Yes)、引き戻しゾーン最終変動に対応する演出態様を決定し(S9609)、初回設定フラグ223deをオフに設定する(S9610)。そして、決定した演出態様を示す表示用コマンドを設定し(S9611)、本処理を終了する。一方、S9608の処理において、減算後の時短抽選回数カウンタ223dbの値が0ではないと判別した場合には(S9608:No)、S9609~S9610の処理をスキップし、上述したS9611の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S9601の処理において、通常状態、又は、第2確変状態ではないと判別した場合には(S9601:No)、時短中カウンタ223daの値を1減算する(S9612)。次に、現在の遊技状態が時短状態であるか判別する(S9613)。現在の遊技状態が時短状態ではないと判別した場合、即ち、確変状態であると判別した場合には(S9613:Yes)、減算後の時短中カウンタ223daの値を示すための表示用コマンドを設定し(S9614)、チャンスタイム中演出設定処理を実行し(S9619)、上述したS9611の処理を実行し、本処理を終了する。チャンスタイム中演出設定処理(S9619)の詳細な説明については、図122を参照して後述する。一方、S9613の処理において、時短状態であると判別した場合には(S9613:Yes)、ロング時短中フラグ223ddがオンであるか判別する(S9615)。ロング時短中フラグ223ddがオンではないと判別した場合には(S9615:No)、上述したS9614の処理に移行する。一方、ロング時短中フラグ223ddがオンであると判別した場合には(S9615:Yes)、時短中カウンタ223daの値が150より少ない値であるか否かを判別する(S9616)。S9616の処理において、時短中カウンタ223daの値が150より少ない値であると判別した場合には(S9616:Yes)、残時短回数を示すための演出態様を決定し(S9617)、上述したS9614の処理に移行する。一方、S9616の処理において、時短中カウンタ223daの値が150より少ない値ではないと判別した場合には(S9616:No)次回大当たり当選まで時短状態が継続することを示す表示用コマンドを設定し(S9618)、チャンスタイム中演出設定処理(S9619)に移行する。図122は、チャンスタイム中演出設定処理(S9619)を示すためのフローチャートである。この、チャンスタイム中演出設定処理(S9619)は、特図2演出態様設定処理(図121のS4987参照)において、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に実行される変動演出の演出態様を設定するための処理であって、図122に示した通り、残期間表示の表示態様を更新するための処理が実行される。
チャンスタイム中演出設定処理(S9619)では、まず、特図2演出態様設定処理(図121のS4987参照)のS9612の処理において減算した時短中カウンタ223daの値が0であるか判別する(S9701)。減算後の時短中カウンタ223daの値が0であると判別した場合には(S9701:Yes)、特図2保留を貯めさせるための案内態様を含む演出態様を決定し(S9702)、次に、ロング時短中フラグ223ddがオンであるか判別する(S9703)。S9703の処理において、ロング時短中フラグ223ddがオンであると判別した場合には(S9703:Yes)、ロング時短中フラグ223ddをオフに設定し(S9704)、変動パターンコマンドに対応する演出態様を決定し(S9705)、本処理を終了する。一方、S9701の処理において、減算後の時短中カウンタ223daの値が0ではない(S9701:No)、或いは、S9703の処理において、ロング時短中フラグ223dbがオンではないと判別した場合には(S9703:No)、上述したS9705の処理を実行し、本処理を終了する。
<第2制御例の第1変形例>
次に、図123から図129を参照して、上述した第2制御例の第1変形例について説明をする。上述した第2制御例では、通常状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄抽選でのみ時短当選し得るように構成していた。これに対して、本第1変形例では、通常状態が設定されている場合に実行される第1特別図柄抽選でも時短当選し得るように構成している点で相違している。それ以外の構成については同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。上述した第2制御例では、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている状態で第2特別図柄抽選を実行する遊技を行わせ、普通図柄の高確率状態中に第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得可能に構成していた。そして、普通図柄の高確率状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を普通図柄の低確率状態が設定されている通常状態において実行した場合に、大当たり抽選に加え、時短抽選も実行されるように構成することで、遊技者に有利となる普通図柄の高確率状態中の遊技(有利遊技)を体験した遊技者に対して、有利遊技が終了した後に、通常時よりも高確率で有利遊技へと復帰し易い遊技(引き戻し遊技)を実行させることができるものであった。しかしながら、上述した第2制御例では、通常状態において実行される特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)にて大当たり当選し、普通図柄の高確率状態が設定された遊技(有利遊技)を実行しない限り、時短抽選の恩恵を受けることが出来ないため、時短抽選の恩恵を受けること無く遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。これに対して、本第1変形例では、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選においても時短当選し得るように構成しているため、遊技者に対して時短抽選の恩恵を受け易くすることができる。
さらに、上述した第2制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)よりも、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(時短状態)のほうが、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)が長くなり易くなるように構成していた。つまり、特別図柄抽選で時短当選した場合に、次の大当たり当選まで普図高確期間を継続させ易くするという特典を遊技者に付与可能に構成していた。これに対して、本第1変形例では、第1特別図柄抽選で時短当選した場合には、短期間(例えば、時短回数1回)の時短状態を設定可能に構成し、その短期間の時短状態が設定される期間(普図高確期間)において、第2特別図柄抽選の実行権利を獲得させる遊技を実行可能に構成している。つまり、本第1変形例では、上述した第2制御例における引き戻し遊技を、大当たり当選すること無く実行させ得るように構成している。このように構成することで、通常状態において実行される第1特別図柄抽選にて大当たり当選すること無く、通常状態中に第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。さらに、詳細な説明は省略するが、本第1変形例では、時短状態中に実行される第1特別図柄抽選の変動パターンとして、複数の変動時間を選択可能に構成している。本第1変形例では、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選にて時短当選すると、所定の変動時間の変動を経て時短当選を示すための表示態様(時短図柄)で第1特別図柄が停止表示された後に時短状態(時短回数1回)が設定され、次に実行される特別図柄変動が停止表示されるまでの間、時短状態が継続するように構成している。つまり、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間に対応して時短状態が継続する期間の長さが決定することになる。よって、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間が長ければ長い程、時短状態中に多くの特図2保留を獲得し易くなるため遊技者に有利な時短状態とすることができる。
<第2制御例の第1変形例の演出内容について>
図123~図125を参照して、第2制御例の第1変形例のパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。まず、上述した第2制御例では、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が継続する期間(特図高確期間)と普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)が所定期間(例えば、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間)設定され、普図高確期間中には第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を獲得可能であり、特図高確期間および普図高確期間が終了し通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定された場合に、普図高確期間中に獲得した特図2保留に基づいて実行される第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果が大当たり当選でなかった場合にのみ時短判定が実行され、時短判定によって時短当選した場合に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される構成であった。なお、特図2保留とは、第2入球口640に遊技球が入球した場合に、既に特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動中である場合に、第2特別図柄の抽選権利が保留されることであり、その抽選権利は最大4個まで保留(保留記憶)される。第2制御例では、通常状態が設定されている場合には、普通図柄の当たり確率が低確率であるため、時短状態に比べて普通図柄抽選(普図抽選)において当たり当選し難く、電動役物640aが開放状態となる普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)が実行され難いことから、第2入球口640に遊技球を入球させることが困難に構成されており、通常状態において特図2抽選が実行されるのは、上述のように、大当たり遊技終了後に設定される普図高確期間中に特図2保留を獲得し、特図高確期間および普図高確期間終了後に通常状態が設定された場合に、特図2保留が存在する場合のみであった。
したがって、通常状態よりも有利な状態(例えば、時短状態)が設定されるためには、少なくとも1度は大当たりに当選しなければならず、第1入球口64に遊技球が入球したことに基づいて実行される第1特別図柄抽選(特図1抽選)において大当たり当選できない遊技者は、不利な遊技状態である通常状態の遊技を長期間行うこととなるため、遊技意欲が低下してしまう虞があった。これに対して、第2制御例の第1変形例では、通常状態において、特図1抽選の抽選結果が大当たり当選でなかった場合においても時短判定が実行され、時短当選であった場合に、時短状態が所定期間(例えば、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が1回変動されて、その特別図柄の変動が停止するまでの期間)設定され、時短状態中に特図2保留を獲得可能である、つまり、大当たり当選しなくても特図2保留を獲得可能に構成している点で、第2制御例と相違する。具体的には、特図1抽選の抽選結果が大当たり当選でなかった場合に時短判定を実行し、この場合の時短当選確率を第2特別図柄の時短当選確率よりも低確率(例えば、第2特別図柄の時短当選確率を1/6、第1特別図柄の時短当選確率を1/200)とする。また、第1特別図柄で時短当選した場合に付与される時短回数(時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が継続する期間)を第2特別図柄で時短当選した場合よりも少ない回数(例えば、第2特別図柄の時短当選時は特別図柄が10000回変動されて、10000回目の特別図柄変動が停止するまでの期間、第1特別図柄の時短当選時は特別図柄が1回変動されて、その特別図柄の変動が停止するまでの期間)とする。
ここで、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中の第2特別図柄抽選(特図2抽選)における時短当選確率を、例えば、1/200とした場合、普図高確期間中に第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を上限数(実施例では、最大4個)まで獲得したとしても、4回の特図2抽選で少なくとも1回時短当選する確率は約2%であり、特図高確期間および普図高確期間が終了し、通常状態が設定された場合に、特図2保留に基づく特図2抽選において時短当選することで有利状態が再度設定されることを遊技者はほとんど期待しないため、遊技者に通常状態中の特図2抽選を特別な期間であると思わせることが難しく、遊技者が普図高確期間が終了する最後の瞬間まで特図2保留を獲得しようと意欲的に遊技をしない虞がある。したがって、通常状態中の特図2抽選における時短当選確率は、普図高確期間中に特図2保留を上限数(本実施例では、最大4個)まで獲得した場合に、その獲得した特図2保留に基づく特図2抽選で時短当選が十分に期待できる確率(例えば、1/6)とするのが望ましく、このように構成することで、4回の特図2抽選で少なくとも1回時短当選する確率は約50%となり、特図高確期間および普図高確期間が終了し、通常状態が設定されても、特図2保留に基づく特図2抽選において時短当選することで有利状態が再度設定されることを遊技者に期待させることが可能となり、通常状態中の特図2抽選が特別な期間であると思わせることで、普図高確期間が終了する最後の瞬間まで多くの特図2保留を獲得しようと意欲的に遊技をさせることができる。これに対して、通常状態中の第1特別図柄抽選(特図1抽選)における時短当選確率を、通常状態中の特図2抽選における時短当選確率と同確率または特図2抽選における時短当選確率よりも高確率とした場合、通常状態において頻繁に時短当選し、時短状態が設定され易くなることで、過度に遊技者に有利となってしまう虞がある。したがって、本実施例においては、通常状態中の特図1抽選における時短当選確率を、通常状態中の特図2抽選における時短当選確率よりも低く設定している。
また、詳細は後述するが、本実施例においては、特図1抽選において時短当選した場合に時短回数1回、つまり、特別図柄が1回変動されて、その特別図柄の変動が停止するまでの期間、時短状態が設定される構成としている。例えば、時短回数が2回以上付与される場合、遊技者が正しく遊技していれば、特図2保留を上限まで獲得可能であるが、このような構成の場合、特図1抽選において時短当選した場合には毎回特図2保留を上限数まで獲得し得ることにより、時短当選のし易さは常に一定となり、特図1抽選において時短当選したことに基づいて設定される時短状態中の遊技が、単に特図2保留を上限数まで獲得するだけの単調な遊技になってしまう虞があった。これに対して、第1特別図柄抽選(特図1抽選)において時短当選した場合に付与される時短回数が1回の場合、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合の特別図柄の変動時間、普通図柄の変動時間、或いは普通図柄抽選の当たり当選による特典として開放状態となる電動役物640aの開放パターン、の組み合わせによって、遊技者が時短状態中に獲得可能な第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)の個数を異ならせることが可能となり、獲得し得る特図2保留数によって時短当選確率を可変させずに時短当選のし易さを異ならせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。このように、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中の特図1抽選においても時短判定が実行され、時短当選した場合には、特図2保留を獲得可能な時短状態が設定されることで、長期間に渡って遊技者が大当たりに当選できない場合にも、特図2保留を獲得できる機会を得られるため、遊技者に不利な通常状態が長期間続くことによって遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。以上のように、第2制御例の第1変形例では、通常状態中の特図1抽選においても時短判定が実行されるため、時短当選後に遊技状態を可変させることに伴い、遊技者の遊技方法も変わることから、遊技者に時短当選したことを分かり易く報知する必要がある。
また、通常状態中の特図1抽選で時短当選した場合に設定される時短状態と、通常状態中の第2特別図柄抽選(特図2抽選)で時短当選した場合に設定される時短状態と、で遊技の内容が異なる(特図1抽選における時短当選によって設定される時短状態では、特図2保留を多く獲得し、獲得した特図2保留に基づき実行される通常状態中の特図2抽選で時短当選を目指す遊技、特図2抽選で時短当選した場合に設定される時短状態では、特別図柄抽選の大当たり当選を目指す遊技)ため、遊技者が混乱しないように時短状態中の表示態様を異なる表示態様とし、どちらの特図抽選における時短当選に基づいて設定されている時短状態であるかを遊技者に分かり易くする必要がある。以上を踏まえて、図123~図125を参照して、本第2制御例の第1変形例における演出例について説明する。図123(a)は、通常状態において特図1抽選の抽選結果が大当たり当選、又は時短当選した場合の変動表示画面の一例である。図123(a)に示したように、通常状態において特図1抽選の抽選結果が大当たり当選、又は時短当選である場合には、主表示領域Dmにうさぎのキャラクタ801と宝箱810eが表示され、副表示領域Dsに「宝箱から「V」が出たら大当たり!!「時」が出たら時短GET!!宝箱を開けろ」と表示される。つまり、図123(a)が表示された時点では、大当たり、又は時短の何れに当選したのかが遊技者に分からないように構成している。このように構成することで、宝箱810eが表示された場合に、大当たり当選と時短当選のどちらかに当選したことを遊技者に期待させることが可能となり、宝箱810eが開くまでの期間、遊技者に大当たり当選と時短当選のどちらに当選したのかを予測させることで、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
図123(b)は、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において第1特別図柄抽選(特図1抽選)の抽選結果が時短当選であった場合の表示画面の一例である。主表示領域Dmには、図123(a)で表示された宝箱810eが開き、中から「時×1」と記載された玉tm1が出現する演出が実行され、副表示領域Dsには「時短1回GET」と表示されることで、遊技者に時短当選したことを報知する構成としている。なお、特図1抽選の抽選結果が大当たり当選であった場合には、図123(b)の主表示領域Dmにおいて宝箱810eが開き、中から「V」と記載された玉が出現する演出が実行され、副表示領域において「おめでとう!大当たり!」と表示され、遊技者に大当たり当選したことを報知する。このように構成することで、変動中の第1特別図柄が停止した後に設定される遊技状態が大当たり遊技状態なのか時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)なのかを遊技者に分かり易くすることができる。なお、実施例では、大当たり当選、又は時短当選した場合に図123(a)および(b)の演出が実行される構成としたが、特図1抽選の抽選結果が何れの判定においても外れであった場合の一部で図123(a)および(b)の演出を実行しても良く、この場合、図123(b)において外れであることを示す表示態様(例えば、宝箱810eの中身が空で副表示領域Dsに「残念」と表示される)が表示される構成とする。なお、この場合、図123(a)で表示される宝箱810eの表示態様を可変させることで大当たり当選、又は時短当選の期待度を示唆しても良い(例えば、青色の宝箱810eが表示された場合には外れ当選である可能性が高く、金色の宝箱810eが表示された場合には何れかに当選している可能性が高いことを示す)。このように構成することで、長期間特図1抽選の抽選結果が何れの判定においても外れである状況が続き、演出が実行されないことで遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、詳細は後述するが、小表示領域Dm10は獲得した第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)の個数を表示するための表示領域であり、図123(b)では、保留h5および保留h6が黒く表示され、保留h7および保留h8が白く表示され、黒く表示されている保留数に対応する特図1保留が存在していることを示している(図123(b)の場合は、特図1保留が2つ存在している状態を示す)。すなわち、実施例は、特図1保留が存在する場合に、通常状態中の特図1抽選において時短当選した場合に実行される演出例である。ここで、有利状態(例えば、時短状態)が設定されている場合においては第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が短い変動時間が設定され易い構成の遊技機が一般的である。このように構成することで、有利状態(例えば、時短状態)が設定されている場合には第2特別図柄抽選(特図2抽選)が主として実行されるため、抽選結果が外れであった場合の特別図柄の変動時間を短くすることで有利状態における遊技が間延びすることを抑制し、遊技者が快適に遊技を行うことができる。しかしながら、本第2制御例の第1変形例において、特図1保留が存在しない状況で、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中の第1特別図柄抽選(特図1抽選)において時短当選した場合に、図123(b)のように時短当選したことを報知すると、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されていることから遊技者は遊技機の盤面右側領域にある第2入球口640に向けて遊技球を発射する遊技(右打ち遊技)を開始し、第2入球口640に遊技球が入球したことに基づいて、第2特別図柄の変動が開始される。つまり、時短状態が設定されている状態で第1特別図柄よりも短い変動時間が設定され易い第2特別図柄が変動を開始することとなり、その第2特別図柄の変動が停止すると時短状態が終了するため、遊技者は第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を上限数まで獲得できない可能性が高くなり、遊技者に不利な状況となってしまう。
また、時短状態において第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が長い変動時間が設定され易い構成である場合、特図1抽選で時短当選したことに基づいて時短状態が設定されている場合に、第2特別図柄を変動させることで特図2保留を上限数まで獲得し易くなるため、通常状態における遊技中に第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)を獲得しないよう遊技球を1球ずつ発射させる不正な遊技を行う遊技者が現れる虞がある。したがって、特図1保留が存在しない状況で特図1抽選において時短当選した場合には、時短当選した第1特別図柄の変動を停止しても時短当選したことを報知せず(例えば、宝箱810eの中身が空である表示がされる)、次に第1入球口64或いは、大2入球口640に遊技球が入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始された場合に、時短状態中の演出(図124(a)参照)を実行する構成としても良い。このように構成することで、特図1保留が存在しない状況では特図1抽選において時短当選しても、遊技者は時短当選したか否かが分からず、第1入球口64に遊技球を入球させる遊技(左打ち遊技)を継続するため、特図1抽選で時短当選したことに基づいて設定される時短状態中に、第1特別図柄による変動を実行させ易くすることができる。なお、特図1抽選における時短当選に基づいて設定される時短状態中に、第1特別図柄を変動させるために、遊技機の盤面右側領域にある第2入球口640よりも上部に第1特別図柄を変動させることが可能な始動口を設ける構成としても良い。図124(a)および(b)を参照して、通常状態中に特図1抽選において時短当選したことに基づいて時短状態が設定されている場合に実行される演出について説明する。詳細は後述するが、第2制御例の第1変形例では、通常状態中に特図1抽選において時短当選した場合には、時短当選した第1特別図柄の変動が停止してから次に実行される1の特別図柄の変動が終了するまでの期間、時短状態が設定される。
なお、上述したように、時短状態が設定されると、普通図柄の当たり確率がアップし、通常状態に比べて電動役物640aが開放状態となる普図当たり遊技が実行され易いことから、第2入球口640へ遊技球が入球し易くなり、遊技者は特図2保留を獲得することが可能となる。そして、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)中に遊技者が獲得し得る特図2保留数は、特別図柄の変動時間、普通図柄の変動時間、普図当たり遊技による電動役物640aの開放パターンの組み合わせによって可変させることが可能である。例えば、時短状態が設定されている場合の第1特別図柄の変動時間として30秒が設定され、普通図柄の変動時間3秒、普図当たり遊技として電動役物640aが1秒×2回開放状態となる場合には、最大で12回電動役物640aが開放状態となるため、遊技者は保留記憶可能な上限数(実施例では、4回)まで第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を獲得することが可能となる。一方、時短状態が設定されている場合の第1特別図柄の変動時間として5秒が設定され、普通図柄の変動時間4秒、普図当たり遊技として電動役物640aが1秒×1回開放状態となる場合には、最大で1回しか第2入球口640へ遊技球を入球させることができないため、遊技者は特図2保留を1個しか獲得できない。そして、特別図柄の変動が停止し時短状態が終了すると、時短状態中に遊技者が獲得した特図2保留に基づいて、第2特別図柄抽選(特図2抽選)が実行される。なお、実施例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における第2特別図柄の時短当選確率は第1特別図柄の時短当選確率よりも高く(実施例では、1/6)、時短当選時に付与される時短回数も多く(実施例では、10000回)構成されている。即ち、時短中に獲得した特図2保留が多いほど、特図2抽選を多く受けることができるため、時短状態が設定されている場合の特別図柄の変動時間が長いほど、遊技者に有利となる。
なお、時短状態が設定されている場合の特別図柄の変動時間、普通図柄の変動時間、或いは普図当たり遊技による電動役物640aの開放パターンの何れかを固定値とする構成としても良い。図124(a)は、通常状態において時短当選した第1特別図柄が停止し、次に実行される第1特別図柄の変動時間として30秒、普通図柄の変動時間として2秒、電動役物640aの開放パターンとして1秒×1回が設定されている場合の時短状態中の表示画面である。小表示領域Dm1には第1特別図柄が変動表示されており、小表示領域Dm8には第2特別図柄が変動表示していないことを示す表示がされ、どちらの特別図柄が変動しているかを遊技者に分かり易くしている。小表示領域Dm4には時短状態が設定されていることに対応して、遊技者に遊技機の盤面右側領域にある第2入球口640へ向けて遊技球を発射させることを促す「右打ち」という表示がされ、副表示領域Dsには「右打ちして保留を貯めてね!」と表示されることで、初めて遊技する遊技者でも遊技状態に適した遊技方法で遊技できるように構成している。主表示領域Dmでは、中央部に「チャージ中制限時間内にカプセルを集めろ!」と表示され、うさぎのキャラクタ801がカプセルを獲得する演出(チャージ演出)が実行される。なお、カプセルは第2入球口640に遊技球が入球したことを報知するための表示であり、第2入球口640に遊技球が入球し、小表示領域Dm9の保留図柄が黒く点灯したことに合わせて、カプセルが1つ表示される。ここで、小表示領域Dm9は、遊技者が第2入球口640に遊技球を入球させたことによって獲得した特図2保留数を示すための表示領域であり、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)が存在しない場合には保留h1~保留h4が白く表示され、遊技者が特図2保留を獲得した場合には、保留h1から若い順に黒く点灯し、保留記憶が上限数まで貯まると保留h1~保留h4の全てが黒く点灯される。
また、小表示領域Dm10は、遊技者が第1入球口64に遊技球を入球させたことによって獲得した第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)の個数を示すための表示領域であり、特図1保留が存在しない場合には、保留h5~保留h8が白く表示され、遊技者が特図1保留を獲得した場合には、保留h5から若い順に黒く点灯し、特図1保留を上限数(実施例では、4回)まで獲得すると保留h5~h8の全てが黒く点灯する。つまり、図124(a)に示す例では、特図1保留を1個と特図2保留を1個獲得した状態であることを示している。このように構成することで、それぞれの特別図柄の保留の上限数と現在の特別図柄の保留獲得状況が遊技者に分かり易くなり、それぞれの特別図柄の保留数を上限数まで獲得した場合には遊技球が第1入球口64、又は第2入球口640に入球してもそれぞれの特別図柄の抽選権利は保留されないため、保留獲得状況に応じて遊技者に第1入球口64、又は第2入球口640へと遊技球を入球させるための遊技を続行するか否かの判断を行わせ易くすることができる。なお、小表示領域Dm9において保留h1~保留h3が黒く表示されている状態で第2入球口640に遊技球が入球したことに基づいて保留h4が黒く表示された場合、つまり、特図2保留が上限数である4個記憶された場合には、主表示領域Dmにおいて「MAX獲得完了!」の表示がされることにより、遊技者に特図2保留を上限数まで獲得したことを報知する。このように構成することで、特図2保留を上限数まで獲得したことが遊技者に分かり易くなり、遊技者を安心させることができる。なお、主表示領域Dmにおいて「MAX獲得完了!」が表示された場合、即ち、特図2保留が上限数となったことに基づいて演出抽選を実行し、演出抽選の結果に応じて遊技者に有利となる特典演出を実行するように構成しても良い。この場合、演出抽選の結果に応じて特典演出を実行する処理は、大当たり当選を経由すること無く遊技者に特典を付与する処理である。
小表示領域Dm5には、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が終了するまでの残時間、つまり、変動中の特別図柄の残変動時間が表示され、小表示領域Dm11には「カプセル上限獲得期待度MAX」と表示されている。小表示領域Dm11に表示される内容は、時短状態中に獲得し得る特図2保留数に対応しており、図124(a)に示す例では、第1特別図柄の変動時間として30秒、普通図柄の変動時間として2秒、電動役物640aの開放パターンとして1秒×1回が設定されているため、上述の通り、特図2保留を上限数の4個まで獲得し得ることから「カプセル上限獲得期待度MAX」と表示される。これに対して、第1特別図柄の変動時間として5秒、普通図柄の変動時間として3秒、電動役物640aの開放パターンとして1秒×2回が設定された場合には、特図2保留を最大で1個しか獲得できないため、「カプセル上限獲得期待度低」の表示がされる。このように構成することで、小表示領域Dm11の表示内容から遊技者が時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)中に獲得し得る特図2保留数を予測する楽しみを付与できるとともに、特別図柄の変動時間として短い変動時間が設定された場合に、遊技者に急いで遊技球を発射させることが可能となり、時短状態が設定されているにも関わらず、遊技球の発射が遅れたために遊技者が時短状態の遊技をし損なうという不具合を抑制することができる。なお、カプセル上限期待度の表示は高低が分かるものであれば良く、例えば、星の数で期待度を示唆しても良い。なお、実施例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中に第1特別図柄抽選(特図1抽選)において時短当選した場合に、第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)が存在し、時短状態中にその特図1保留に基づいて第1特別図柄の変動が実行される場合を例として説明したが、時短当選した時点で特図1保留が存在しない場合には、チャージ演出は、次に第1入球口64、又は第2入球口640に遊技球が入球し、第1特別図柄、又は第2特別図柄の何れかの変動が開始された時点で開始される。なお、時短状態は特図1保留が存在するか否かに関わらず、時短当選した第1特別図柄の変動が停止した時点で設定される。
図124(b)は、特別図柄の変動が停止し、時短状態が終了した場合に表示される表示画面の一例である。小表示領域Dm1には、第1特別図柄が停止表示されており、小表示領域Dm5においては、「残り0秒」と表示され、時短状態が設定されている期間が終了したことを報知している。小表示領域Dm9においては保留h1~保留h4が黒く点灯し、主表示領域Dmの中央部に「Total4GET」という文字とカプセルcp1~cp4が表示されることで、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を4個獲得したことが遊技者に報知される。カプセルcp1~カプセルcp4はそれぞれ保留1~保留4に対応しており、例えば、保留h2(チャージ演出中に2番目に獲得した特図2保留)の保留情報を事前に判別した結果(先読み結果)、時短当選の期待度が高い場合には、カプセルcp2が他のカプセルとは異なる表示態様(黒色のカプセル)で表示される。これにより、遊技者に特図2保留内に時短当選する可能性が高い保留が存在するという期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、主表示領域Dmの中央部に「チャージ終了昇格チャンスゾーン突入!」と表示され、副表示領域Dsには、「昇格チャンスゾーン中に「時」GETのチャンス!」と表示されることで、時短状態が終了した後に第2特別図柄抽選(特図2抽選)が実行されることを示している。なお、上述のチャージ演出中にカプセルを獲得できなかった場合、即ち、特図2保留を1個も獲得できなかった場合には、チャージ演出終了後に昇格チャンスゾーンには突入せずに通常モードに移行する。なお、実施例では、小表示領域Dm9および小表示領域Dm10において、特図1保留または特図2保留が存在しない場合にも保留h1~保留h8が白く表示されることで、それぞれ最大4個まで保留が可能であることを示す構成としたが、これに限ることなく、特図1保留または特図2保留が存在しない場合には、小表示領域Dm9または小表示領域Dm10に何も表示せず、特別図柄の保留を獲得した場合に保留図柄が表示される構成としても良い。
このように構成することで、遊技者にそれぞれの特別図柄の抽選権利を何個まで保留できるかが分かり難くなり、保留を上限数まで獲得した場合にも保留を上限数まで獲得したことに気付かせずに遊技球の発射を継続させることが可能となる。なお、実施例では、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている特別図柄の変動が停止した場合に、図124(b)の表示画面が表示されている構成としているが、これに限らず、特別図柄の変動が停止するまでの残変動時間が残っている状態で第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を上限数まで獲得した場合に、図124(b)の表示画面を表示する構成としても良い。なお、このように構成する場合、第2入球口640に遊技球が入球するとカプセルの表示態様が可変し、特図2保留の大当たり当選期待度、或いは時短当選期待度が示唆される構成としても良い。このように構成することで、まだ特別図柄の変動時間が多く残っている状態で特図2保留を上限数まで獲得した遊技者に対して、第2入球口640に遊技球を入球させればカプセルの表示態様が可変するかもしれないと期待させることによって、特別図柄が変動を停止する最後の瞬間まで第2入球口640に遊技球を入球させる遊技を継続させることが可能となる。なお、実施例では、保留h1~保留h4にそれぞれ対応するカプセルcp1~カプセルcp4を表示する構成としたが、これに限ることなく、特図2保留を1個獲得しても4個獲得しても1個のカプセルしか表示されない構成としても良い。つまり、後述する昇格チャンスゾーンにおいて、保留1~保留4に基づく第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果を1回のカプセル開放によって報知する。このように構成することで、チャージ演出中に特図2保留を何個獲得したかが遊技者に分かり難くなり、遊技者は獲得した特図2保留数を気にせずに昇格チャンスゾーン演出を楽しむことができる。
なお、このように構成する場合、チャージ演出において、特図2保留を獲得した場合に、特図2保留を獲得したことを遊技者に分からないようにすることが望ましく、例えば、特図2保留を獲得した場合にカプセルは表示せず、小表示領域Dm9を表示しないことで特図2保留の獲得状況を分からないようにし、特図2保留を上限数まで獲得した場合にのみ、主表示領域Dmに「MAX獲得完了」の表示をする構成としても良い。このように構成することで、特図2保留の獲得状況が分かり難くなるため、チャージ演出中に特図2保留が思うように獲得できないことで遊技者が不満に思うことを抑制することができる。図125は昇格チャンスゾーン中に特図2保留に基づく特図2抽選で時短当選した場合に表示される表示画面の一例である。小表示領域Dm1では第1特別図柄が変動表示していないことを示す表示がされ、小表示領域Dm8では第2特別図柄が時短当選したことを示す表示態様が表示されている。また、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されているため、遊技者に第1入球口64に向けて遊技球を発射することを促す「左打ち」という表示がされ、遊技者が誤った遊技方法で遊戯しないようにしている。主表示領域Dmの中央部には、既に開放された状態であることを示す「済」と記載されたカプセルcp1と、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)に基づく特図2抽選の結果が時短当選であったことを示す「時×10000」と記載されたダイヤdy1と開放されたカプセルcp2と、まだ開放されていない状態のカプセルcp3およびcp4が表示されている。図125の例では、チャージ演出中に獲得した4つの特図2保留の内、最初に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選(特図2抽選)では大当たりおよび時短に当選せず、2番目に獲得した特図2保留に基づく特図2抽選で時短に当選したことを示している。
なお、小表示領域Dm5には「あと3回」と表示され、特図2保留に基づく第2特別図柄の変動回数が残り3回であることを示しており、残り回数の表示は第2特別図柄の変動表示が開始された場合に更新される。例えば、1つめの特図2保留に基づく第2特別図柄の変動表示が開始された時点では、「あと4回」と表示され、2つめの特図2保留に基づく変動表示が開始された時点で「あと3回」と表示される。また、小表示領域Dm9の表示は、特図2保留に基づいて新たに第2特別図柄の変動が開始された場合に、保留h1に表示されていた保留表示が黒い表示から白い表示へと可変し、保留h2が黒い表示である場合、つまり、特図2保留が他にも存在する場合には、保留h1にシフトして表示され保留h1が黒い表示となり、保留h2が白い表示となる。その際、保留h3、保留h4が黒い表示である場合には、それぞれ、保留h2と保留h3にシフトして表示される。図125に示す例では、特図2保留に基づく第2特別図柄の変動が2回実行されたため、2つの保留h3および保留h4が白く表示されている。このように構成することで、特図2保留に基づく第2特別図柄の変動があと何回実行されるのかを遊技者に分かり易くすることができる。なお、図125では、特図2保留に基づく特図2抽選で時短当選した場合の演出例について説明したが、特図2保留に基づく特図2抽選で大当たり当選した場合には、カプセルの中身を異なる表示態様(例えば、「V」と記載された玉)として表示することで遊技者に大当たり当選を報知する構成としても良いし、カプセル自体を異なる表示態様(例えば、赤色のカプセル)で表示する構成としても良い。また、特図2保留に基づく特図2抽選の結果が何れの判定においても外れであった場合には、カプセルが開放された場合に中身が空である構成としても良いし、カプセルの中から外れを示す表示態様(例えば、「残念」と書かれた紙)を表示する構成としても良い。また、実施例では、特図2保留の保留情報を事前に判別した結果(先読み結果)、時短当選する可能性が高い場合には、時短当選する可能性が高い特図2保留に対応するカプセルを異なる表示態様で表示する構成としたが、これに限るものではない。
例えば、3番目に獲得した特図2保留の保留情報を先読みした結果、時短当選する可能性が高い場合に、2番目に獲得した特図2保留に基づくカプセル開放演出において、カプセルの中から「次回大チャンス!」と書かれた紙を出現させることで、次の第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)(つまり、3番目に獲得した特図2保留)に基づく特図2抽選において大当たり当選または時短当選する可能性が高いことを遊技者に示唆する構成としても良いし、或いは、2番目に獲得した特図2保留に基づくカプセル開放演出が終了した後に表示される「済」と書かれたカプセルの表示態様を異なる表示態様(例えば、「次回大チャンス」と書かれたカプセル)としても良い。このように構成することで、昇格チャンスゾーンにおいて表示態様が異なるカプセルが表示されている場合に、そのカプセルに対応する特図2保留の前に実行される特図2保留に基づく第2特別図柄の変動において、次に実行される特図2保留に関する情報が表示されるのではないかと期待させることが可能となり、通常の表示態様で表示されるカプセルの開放演出にも興味を持たせることができる。なお、昇格チャンスゾーンにおいて、特図2保留は獲得した順(h1から若い順)に消化されていき、消化される特図2保留に対応するカプセルが順(カプセルcp1から若い順)に開放される構成としたが、これに限ることなく、消化される特図2保留と開放されるカプセルが対応しない構成としても良い。例えば、最初に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果が時短当選であった場合に、カプセルcp1ではなくカプセルcp4が選択される場合には時短当選する可能性が高いことを示す構成とすることで、遊技者にカプセルの表示態様だけでなくカプセルの開放順にも興味を持たせることが可能となり、更に遊技の興趣を向上させることができる。
<第2制御例の第1変形例における電気的構成について>
次に、図126を参照して、本第1変形例における電気的構成について説明をする。本第1変形例では、上述した第2制御例に対して、第1特別図柄抽選において時短当選し得る点と、第1特別図柄抽選にて時短当選した場合に設定される時短種別を第2特別図柄抽選で時短当選した場合に設定される時短種別とは異ならせている点で相違している。また、時短状態中に実行される第1特別図柄変動の変動時間を異ならせている点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。図126(a)は、時短当たり乱数テーブル202daeに規定されている内容を示した図である。図126(a)に示した通り、時短当たり乱数テーブル202daeは、上述した第2制御例の時短当たり乱数テーブル202deに対して、第1特別図柄に対しても、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)時において時短当選の判定値を規定している点で相違し、それ以外は同一である。具体的には、特別図柄種別が第1特別図柄であって、設定されている遊技状態が特別図柄及び普通図柄の低確率状態(通常状態)である場合に、取得した第1当たり乱数カウンタC1が「51~54」の範囲に時短当選する当たり判定値が規定されている。つまり、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲が900個であるため、通常状態において実行される第1特別図柄抽選において、4/900の確率で時短当選するように構成している。次に、図126(b)を参照して、時短種別選択テーブル202dafの内容について説明をする。図126(b)は、時短種別選択テーブル202dafに規定されている内容を示した図である。時短種別選択テーブル202dafは、上述した第2制御例の時短種別選択テーブル202dfに対して、第1特別図柄抽選で時短当選した場合に設定される時短種別を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
具体的には、特別図柄種別(特図種別)が第1特別図柄で有る場合は、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に関わらず、時短種別「時短C」が規定されている。この時短Cが設定された場合には、時短カウンタ203hの値に1が設定される。つまり、時短回数1回の時短状態が設定される。
<第2制御例の第1変形例における制御処理について>
次に、図127から図129を参照して、本第1変形例における制御処理の処理内容について説明をする。本第1変形例では、上述した第2制御例に対して、主制御装置110にて実行される処理内容の一部と、音声ランプ制御装置113にて実行される処理内容の一部と、を変更している点で相違し、それ以外は同一である。ここでは、上述した第2制御例との相違点について説明をする。図127は、時短抽選処理(S8021)の処理内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理(S8021)では、上述した第2制御例の時短抽選処理(S8001)に対して、時短抽選(時短当選判定)を実行するための条件を異ならせている。つまり、上述した第2制御例では、実行されている特別図柄抽選の種別が第2特別図柄である場合のみ時短当否判定を実行する条件が成立し得るように制御処理を実行していた(S8101参照)のに対して、本第1変形例では、特別図柄種別に関わらず時短当否判定を実行する条件が成立し得るように構成している。即ち、上述した第2制御例の時短抽選処理(S8001)に対して、S8101の処理を削除している点で相違している。それ以外の処理内容は同一である。このように構成することで、第1特別図柄抽選においても時短当否判定を実行することが可能となる。図128は、時短状態演出設定処理(S9026)の処理内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理(S9026)は、上述した第2制御例の時短状態演出設定処理(図118のS9006参照)に対して、第1特別図柄抽選にて時短当選した場合に設定される時短種別(時短C)が設定された場合における処理内容(S9321,S9322)を追加した点で相違し、それ以外は同一であるため説明を省略する。
時短状態演出設定処理(S9026)が実行されると、上述した第2制御例の時短状態演出設定処理(図118のS9006参照)と同一のS9301~S9308の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S9306の処理において、時短種別が時短Aでは無いと判別した場合は(S9306:No)、次に、時短種別が時短Cであるかを判別し(S9321)、時短Cであると判別した場合は(S9321:Yes)、チャージタイム(図124参照)に対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9322)、本処理を終了する。図129は、特図1演出態様設定処理(S4993)の処理内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理(S4993)では、上述した第2制御例における特図1演出態様設定処理(図120のS4983)に対して、第1特別図柄抽選で時短当選した場合における演出態様を設定するための処理と、時短状態中に実行される第1特別図柄変動の演出態様を設定するための処理を異ならせている点で相違している。特図1演出態様設定処理(S4993)が実行されると、まず、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいかを判別し(S9501)、0よりも大きいと判別した場合は(S9501:Yes)、時短中カウンタ223daの値を1減算し(S9502)、従状態設定エリア223gから時短種別を読み出し(S9521)、読み出した時短種別が時短Cであるかを判別し(S9522)、時短Cである場合は、今回の特別図柄の残変動時間に対応する時短演出態様を決定し(S9523)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S9524)、本処理を終了する。つまり、S9523にて決定された時短演出態様によって、図124(a)に示した小表示領域Dm5に表示される時短残期間を案内する表示態様が表示される。これにより、遊技者に対して時短状態が継続する残時間を分かり易く報知することができる。
また、S9522の処理において時短Cでは無いと判別した場合は(S9522:No)、他の時短種別が設定されている状態で第1特別図柄変動が実行される場合であるため、減算後の時短抽選回数カウンタ223dbの値を示すための表示用コマンドを設定し(S9525)、S9524の処理へ移行する。一方、S9501の処理において、時短抽選回数カウンタ223dbの値が0であると判別した場合、即ち、現在が時短状態では無いと判別した場合は(S9501:No)、次いで、時短当選変動であるかを判別し(S9526)、時短当選変動であると判別した場合に(S9526:Yes)、時短当選を示すための演出態様を決定し(S9527)、S9524の処理へ移行する。ここで、S9527の処理において決定された演出態様によって、図123(b)に示した時短当選変動の変動演出が実行される。
<第2制御例の第2変形例>
図130から図134を参照して、第2制御例の第2変形例について説明をする。上述した第2制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態(第1時短)を設定可能にし、且つ、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態(第2時短)を設定可能に構成していた。これにより、複数の契機で普通図柄の高確率状態を設定可能にすることができ、遊技のバリエーションを増加させることで遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるものであった。本第2変形例では、更なる興趣向上を目指すために、普通図柄の高確率状態が設定されている状態において実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典の内容を、普通図柄の高確率状態が設定された契機(第1時短又は第2時短)に応じて異ならせるように構成している。つまり、第1時短中に大当たり当選した場合と、第2時短中に大当たり当選した場合とで、同一の大当たり種別が設定された場合に付与される特典の内容を異ならせている。このように構成することで、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定された場合において、どの契機で時短状態が設定されたのかについても遊技者に興味を持たせることができるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。さらに、本第2変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技として、ラウンド数が少なく、且つ、1回のラウンド遊技の遊技時間が短い大当たり遊技(2R大当たり)を実行可能に構成し、その2R大当たり遊技が実行された後に、時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて時短状態が設定される場合、即ち、第1時短が設定される場合と、大当たり遊技が実行されること無く時短状態が設定される場合、即ち、第2時短が設定される場合とで、実行される遊技の内容の相違を遊技者に気付かれ難くすることができる。
加えて、本第2変形例では、第1時短が設定される過程において実行される変動演出と、第2時短が設定される過程において実行される変動演出と、を同様の演出態様で実行可能に構成している。具体的には、第1時短が設定される大当たり当選(2R大当たり当選)したことを示すための特別図柄変動が開始されてから、その特別図柄変動が停止表示され、その後、2R大当たり遊技が終了するまでの第1期間と、第2時短が設定される時短当選したことを示すための特別図柄変動の変動時間である第2期間と、が略同期間となるように設定し、その期間を用いて共通の演出態様で演出を実行するように構成している。このように構成することで、第1時短が設定される場合と、第2時短が設定される場合とで、特別図柄変動が開始されてから、時短状態が設定されるまでの期間において共通の演出態様の演出を実行させることができるため、何れの契機で時短状態が設定されたのかを遊技者により分かり難くすることができる。
<第2制御例の第2変形例における演出内容について>
図130および図131を参照して、第2制御例の第2変形例のパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。上述した第2制御例では、大当たり遊技終了後に付与される時短回数(普通図柄の高確率状態中に実行可能な特別図柄抽選の回数)と、時短当選によって付与される時短回数に違いはあるものの、大当たり当選に基づいて設定されている時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)中に特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、時短当選に基づいて設定されている時短状態中に特別図柄抽選で大当たり当選した場合とで、大当たり種別が同一であれば付与される特典(例えば、大当たり遊技終了後に付与される時短回数)も同一である構成であった。したがって、大当たり当選と時短当選のどちらを契機に時短状態が設定されたとしても、時短状態中に大当たり当選した場合の大当たり種別の割合や同一の大当たり種別であっても付与される特典に差がなく、単調な遊技となってしまう虞があった。これに対して、第2制御例の第2変形例では、大当たり当選に基づいて設定されている時短状態中に大当たり当選した場合と、時短当選に基づいて設定されている時短状態中に大当たり当選した場合とで、大当たり種別の割合や同一の大当たり種別であっても付与される特典が異なる構成としている点で第2制御例と相違する。このように構成することで、時短状態が設定されることとなった契機によって、遊技者に有利な特典が付与される大当たり種別(例えば、大当たり遊技のラウンド数が多い大当たり)の割合を可変させたり、同一の大当たり種別でも付与される特典を異ならせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
具体的には、第2制御例の第2変形例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において第1特別図柄抽選(特図1抽選)および第2特別図柄抽選(特図2抽選)において大当たり判定と時短判定が実行される構成であり、大当たり当選したことに基づいて第1時短状態を設定し、時短当選に基づいて第2時短状態を設定することが可能である。そして、例えば、第1時短状態が設定されている状態で大当たりAに当選した場合には、大当たり遊技終了後に最大で100回の時短回数が付与されるが、第2時短状態が設定されている状態で大当たりAに当選した場合には、大当たり遊技終了後に最大で10000回の時短回数が付与される。このように、大当たり当選した場合に設定されている遊技状態が第1時短状態か第2時短状態かによって、大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典が異なり、第2時短状態が設定されている場合の方が、第1時短状態が設定されている場合よりも大当たり当選したことに基づいて有利な特典(例えば、大当たり遊技終了後に付与される時短回数が多い)が付与され易く構成されているため、遊技者は第1時短状態よりも第2時短状態が設定されることを期待しながら遊技を行うこととなる。なお、後述するが、第2制御例の第2変形例では、大当たり遊技中に賞球を獲得可能であり、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される16R確変大当たりと、大当たり遊技中に賞球の獲得が困難であり、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定される2R時短大当たりが用意されている。このため、大当たり当選した場合に選択された大当たり種別が2R時短大当たりであった場合に、大当たり当選したにも関わらず賞球を得ることができず、更に第2時短状態に比べて不利な第1時短状態が設定されることから、2R大当たりに当選した遊技者の遊技意欲を低下させる虞がある。したがって、第2制御例の第2変形例においては、第1時短状態が設定される2R時短大当たりに当選した場合と、第2時短状態が設定される時短当選した場合とで実行される演出を同一にし、2R時短大当たり当選か時短当選かを遊技者が判別し難くなるように構成している。
このように構成することで、16R確変大当たりに比べて不利な2R時短大当たりに当選した場合であっても、時短当選ではないかと遊技者に期待させることが可能となり、2R時短大当たりに当選した場合の遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。図130(a)は、通常状態中の第1特別図柄抽選(特図1抽選)において第1時短状態が付与される大当たりに当選した場合に実行されるチャンスタイム獲得演出の一例である。主表示領域Dmの中央部には、数字の「2」が2つ表示され、その間に「チャンスタイム」と記載された図柄が表示され、副表示領域Dsには、「チャンスタイムGET!!」と表示されており、この後にチャンスタイムに移行することを報知している。ここで、チャンスタイムとは、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されてから、時短状態が終了するまでの期間に表示される演出モードのことを示している。なお、第1時短状態と第2時短状態のどちらの時短状態が設定されている場合であっても、表示される演出モードはチャンスタイムとなる。したがって、表示される演出モードから現在設定されている時短状態が何れの時短状態かを遊技者が判別することができない構成としている。なお、チャンスタイム中に実行される演出を用いて、設定されている時短状態を示唆する構成としても良く、例えば、チャンスタイム中に表示される背景画像を複数用意し、第2時短状態が設定されている場合には第1時短状態が設定されている場合に比べて、特定の背景画像が設定され易い構成としても良い。このように構成することで、時短状態の種別を推測しようと遊技者にチャンスタイム中の表示態様に注目させることが可能となり、チャンスタイム中の遊技の興趣を向上させることができる。
小表示領域Dm1には、第1特別図柄が2R時短大当たりに当選したことを示す表示態様が示されている。ここで、図130(a)においては、小表示領域Dm1における表示を遊技者が視認可能な大きさとしているが、遊技者が視認できないように構成(例えば、小表示領域Dm1を表示しない)することが望ましく、遊技者が視認できないように構成することで2R時短大当たり当選か時短当選かを遊技者が更に判別し難くすることができる。そして、第1特別図柄が2R時短大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が実行されるため、小表示領域Dm4には、遊技者に遊技機の盤面右側領域にある特定入賞口65aに向けて遊技球を発射する大当たり遊技中であることを報知するために「右打ち」と表示される。ここで、2R時短大当たりに当選した場合は、大当たり遊技における大当たり期間中に開閉板65bが高速で開閉動作を2回行う。一方、時短当選した場合は大当たり遊技が実行されないため開閉板65bが閉鎖状態のままとなる。つまり、遊技者は開閉板65bの動作状況を確認することで2R時短大当たり当選か時短当選かが判別できてしまう。よって、本実施例では、これを抑制するためにチャンスタイム獲得演出においては画面を激しく発光させることで、遊技者が第3図柄表示装置81に注目することで開閉板65bに注目しないように構成している。なお、実施例では、画面を激しく発光させることで、遊技者が開閉板65bに注目させない構成としているが、これに限るものではなく、ボタンを操作させる演出を実行することで遊技者をボタンに注目させる構成としても良いし、2R時短大当たり当選に基づく大当たり遊技が実行される場合にのみ作動する小さな可変入賞装置を可変入賞装置65よりも目立たない位置に設置する構成としても良い。図130(b)は、通常状態の第1特別図柄において時短当選した場合に実行されるチャンスタイム獲得演出の一例である。2R時短大当たりに当選した場合と異なるのは、小表示領域Dm1において、時短当選したことを示すための表示態様が表示されている点であり、その他の表示は2R時短大当たりに当選した場合に表示される表示画面と同一である。
なお、時短当選した第1特別図柄の変動が停止した場合にも、小表示領域Dm4において「右打ち」と表示されるが、これは時短状態が設定されているため、遊技者に遊技機の盤面右側領域にある第2入球口640へ向けて遊技球を発射させる遊技を行うよう促すための表示である。このように、2R時短大当たりに当選した場合と時短当選した場合のチャンスタイム獲得演出を同一の表示態様とし、どちらに当選したのかを遊技者が判別し難くすることで、2R大時短当たりに当選した場合にも、時短当選ではないかと遊技者に期待させることが可能となり、特別図柄抽選の抽選結果が2R時短大当たりであった場合に遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。ここで、2R時短大当たりに当選した場合にはチャンスタイム獲得演出中に大当たり遊技が実行されるが、時短当選した場合には大当たり遊技が実行されないため、同じタイミングで特別図柄の変動が停止した場合に、2R時短大当たりに当選した場合の方が時短当選した場合よりも大当たり遊技が実行される期間分、チャンスタイム獲得演出の表示からチャンスタイムが開始されるまでの期間が長くなり、チャンスタイム獲得演出の表示時間の長短で2R時短大当たりに当選したのか時短当選したのかを遊技者が判別できてしまう虞がある。そこで、第2制御例の第2変形例では、2R時短大当たりに当選した場合と時短当選した場合とでチャンスタイム獲得演出が開始されてから実際に特別図柄が変動を停止するまでの期間(確定期間)が異なる構成としている。図131を参照して、大当たり当選時の特別図柄の変動パターンと時短当選時の変動パターンについて説明する。図131(a)と(b)に示すように、特別図柄の変動開始からチャンスタイム獲得演出が終了するまでの演出態様は同一である。しかし、図131(a)では、チャンスタイム獲得演出が開始されてから1秒後に特別図柄の変動が停止し、4秒間の大当たり遊技が実行されているのに対して、図131(b)においては、チャンスタイム獲得演出が開始されてから約5秒後に特別図柄の変動が停止している。
このように、2R時短大当たりに当選した場合よりも時短当選した場合のチャンスタイム獲得演出が開始されてから実際に特別図柄が変動を停止するまでの期間(確定期間)を長く設定する構成とすることによって、チャンスタイム獲得演出が表示されている間に大当たり遊技が実行された場合と、チャンスタイム獲得演出が表示されている間に大当たり遊技が実行されない場合とで、チャンスタイム獲得演出の表示時間が変わらないため、チャンスタイム獲得演出の表示時間の長短で遊技者が2R時短大当たり当選したのか時短当選したのかを判別し難くしている。なお、実施例では、2R時短大当たりに当選した場合と、時短当選した場合とで、異なる確定期間を設定する構成とし、チャンスタイム獲得演出の表示時間を同一とする構成としたが、これに限るものではない。例えば、2R時短大当たりに当選した場合と、時短当選した場合とで、確定期間は同一とし、時短当選した場合には特別図柄の変動が停止してから、次の特別図柄の変動が一定期間開始されない待機期間を設けることでチャンスタイム獲得演出の表示時間を同一とする構成としても良い。なお、実施例では、2R時短大当たりに当選した場合と時短当選した場合とが遊技者に判別し難く構成したが、これに限られるものではない。例えば、時短当選した特別図柄が変動している場合に、第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)が存在し、その特図1保留の保留情報に基づいて事前に判定した結果(先読み結果)が大当たり当選であった場合には、変動中の特別図柄において実行されるチャンスタイム獲得演出の表示態様を特殊な表示態様(例えば、「チャンスタイム」図柄を虹色で表示する)とし、遊技者に時短当選した後に大当たり当選することを示唆する構成としても良い。
<第2制御例の第2変形例における電気的構成について>
次に、図132、図133を参照して第2制御例の第2変形例における電気的構成について説明をする。図132(a)は、時短当たり乱数テーブル202dbeの内容を示した図である。図132(a)に示した通り、時短当たり乱数テーブル202dbeは、上述した第2制御例の時短当たり乱数テーブル202deに対して、第1特別図柄抽選においても時短当選と判定される規定値を設定している点で相違し、それ以外は同一である。図132(b)は、大当たり用テーブル202dbd1の内容を示した図である。図132(b)に示した通り、大当たり用テーブル202dbd1は、上述した第2制御例の大当たり種別選択テーブル202ddの内容を第1特別図柄と第2特別図柄とで共通して参照されるように規定したものであり、大当たり当選時の遊技状態と、取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、に応じて、大当たり種別と、各大当たり種別に対応する時短カウンタ203hの値と確変カウンタ203iの値とが規定されている。本第2変形例では、上述した通り、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態(第1時短)を設定可能にし、且つ、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態(第2時短)を設定可能に構成しており、図132(b)に示した通り、大当たり用テーブル202dbd1には、普通図柄の高確率状態の種別として第1時短が設定されている場合と、第2時短が設定されている場合とで、大当たり遊技終了後に設定される時短回数(時短カウンタ203hに設定する値)を異ならせている。また、図132(b)に示した通り、本第2変形例では、大当たり当選した場合に選択される大当たり種別として、大当たり遊技が2ラウンドで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が時短状態となる大当たりB5bを選択可能に構成している。ここで、大当たり種別として大当たりB5bが選択された場合に、図130、及び図131を参照して上述した演出、即ち、第1時短が設定されたか第2時短が設定されたかを遊技者に分かり難くする特定演出が実行される。
つまり、第2時短が設定された場合と同一の遊技状態(時短状態)を設定可能とし、且つ、大当たり遊技期間が短い大当たり遊技を実行可能に構成している。このように構成することで、第1時短が設定されたか第2時短が設定されたかを遊技者に分かり難くすることができる。図133は、時短種別選択テーブル202dbfの内容を示した図である。時短種別選択テーブル202dbfは、上述した第2制御例における時短種別選択テーブル202dfに対して、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて規定している時短種別を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。図133に示した通り、本第2変形例では、第2時短が設定された場合の時短終了条件(時短カウンタ203hに設定する値)が、第1時短が設定された場合の時短終了条件(図132(b)参照)と同一となるように構成している。具体的には、時短カウンタ203hの値に「50」,「200」,「10000」のいずれかが設定される時短種別が選択されるように構成している。このように構成することで、例えば、特定演出が実行された後に、普通図柄の高確率状態が設定され、特別図柄変動回数が50回に到達し普通図柄の高確率状態(時短状態)が低確率状態(通常状態)へと移行した場合において、先程まで第1時短が設定されていたか、第2時短が設定されていたかを遊技者に分かり難くすることができる。
<第2制御例の第2変形例における制御処理について>
次に、図134を参照して本第2変形例のパチンコ機10において実行される制御処理内容について説明をする。図134は、時短状態演出設定処理(S9056)の内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理(S9056)では、上述した第2制御例における時短状態演出設定処理(図118のS9006参照)に対して、通常状態から時短状態へと遊技状態が移行したと判別した場合において実行される制御処理内容を異ならせている点で相違しており、具体的には、時短当選したと判別した時点において特図2保留内に大当たり当選があるかを先読み判別し(S9352)、大当たり当選を含む特図2保留があると判別した場合に特殊時短モードが実行されるように構成している。時短状態演出設定処理(S9056)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態の読み出しを実行する(S9301)。次に、S9301の処理において読み出した変更前の遊技状態は確変状態であるか判別する(S9302)。変更前の遊技状態が確変状態であると判別した場合には(S9302:Yes)、準備タイム中に対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9303)、本処理を終了する。一方、S9302の処理において、変更前の遊技状態は確変状態ではないと判別した場合には(S9302:No)、次に、変更前の遊技状態は通常状態であるか判別する(S9303)。変更前の遊技状態は通常状態であると判別した場合には(S9304:Yes)、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定する(S9305)。そして、今回設定された時短状態が時短当選を契機に設定された時短状態であるかを判別する(S9351)。
S9351の処理において、時短当選を契機に設定された時短状態であると判別した場合には(S9351:Yes)、次に、第2特別図柄の保留内に大当たりに当選する保留があるか判別する(S9352)。大当たりに当選する保留があると判別した場合には(S9352:Yes)特殊時短モードに対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9353)、本処理を終了する。一方、S9351の処理において、今回の抽選で時短当選していないと判別した場合(S9351:No)、或いは、S9352の処理において、第2特別図柄の保留内に大当たりに当選する保留がないと判別した場合には(S9352:No)、時短モードに対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9354)、本処理を終了する。
<第3制御例>
次に、図135から図169を参照して、第3制御例の内容について説明をする。本第3制御例は、上述した第2制御例に対して、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選では無い(外れである)場合の一部において、小当たり当選し得るように構成し、小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと入球させることで大当たり遊技を実行可能に構成している点で相違している。加えて、上述した第2制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選していない場合にのみ時短当選の判定を実行するように構成していたのに対して、本第3制御例では、1回の特別図柄抽選で大当たり当選と、時短当選と、を重複して判定可能に構成している点で相違している。さらに、上述した第2制御例では、大当たり当選の判定を実行した後に、時短当選の判定を実行するように構成し、時短当選した場合には、時短当選した特別図柄変動が停止表示されたタイミングにて時短状態を設定するように構成していたのに対して、本第3制御例では、大当たり当選の判定が実行される前に時短当選の判定を実行するように構成し、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選にて大当たり当選の判定が実行されるよりも前に時短状態を設定し、時短状態が設定されている状態で当該特別図柄抽選における大当たり当選の判定を実行し、当該特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄変動が実行されるタイミングにて時短状態を終了させることが可能に構成している。
具体的には、通常状態における第1特別図柄抽選で時短当選した場合において、上述した通り、当該特別図柄抽選にて大当たり判定が実行されるタイミングを含む短期間の間、時短状態となるように構成している。つまり、上述した第2制御例では、次の大当たり当選に向けて遊技者に有利な遊技(特別図柄抽選を実行させ易い遊技)を、大当たり遊技を介すること無く所定期間(最大で10000回)実行させるために特別図柄抽選にて時短当選可能な機能(時短期間設定機能)を設けていたのに対して、本第3制御例では、上述した時短期間設定機能に加え、通常状態において、特別図柄抽選を実行させ易くすること無く、特別図柄抽選による大当たり判定が実行されるタイミングが時短状態となるように構成することで通常状態にて実行される遊技(左打ち遊技)の最中に時短状態における特別図柄抽選の大当たり判定を実行可能にする機能(特殊抽選機能)を設けている。このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄抽選で時短当選したことを把握され難くしながら時短状態における特別図柄抽選の大当たり判定を実行することができるため、特別図柄抽選の結果として意外性のある抽選結果を報知することが可能となる。また、本第3制御例では、第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に付与される特典を、通常状態にて大当たり当選した場合と、時短状態にて大当たり当選した場合とで、異ならせており、通常状態よりも時短状態で大当たり当選した場合のほうが、遊技者に有利な特典(例えば、ラウンド数の多い大当たり遊技)が付与されるように構成している。つまり、通常状態において実行される第1特別図柄抽選において、時短当選と大当たり当選とに重複当選した場合のほうが、大当たりのみ当選した場合よりも有利な特典が付与されることになる。加えて、本第3制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様として、時短当選の有無を示唆可能な示唆態様(報知態様)と、大当たり当選の有無を示唆可能な示唆態様(報知態様)と、を設定可能に構成している。
つまり、実行される変動演出の演出態様を把握することで実行中の特別図柄抽選に対して実行された大当たり判定の結果と、時短当選判定の結果と、を遊技者に予測させることが可能に構成している。さらに、変動演出として、時短当選の有無を報知するタイミングと、大当たり当選の有無を報知するタイミングを異ならせるように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選に対して異なる複数の特典を付与するための判定を実行可能なパチンコ機10において、少なくとも1の判定結果を把握(予測)した状態で、他の判定結果を示唆するための示唆態様を把握させることができる。また、本第3制御例では、時短当選の有無を示唆可能な示唆態様を含む演出(時短演出)の演出結果が、時短非当選を示唆する示唆態様を含む演出結果であった場合のほうが、時短演出が実行されない場合よりも大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。このように、付与判定を異ならせた複数の特典を1回の特別図柄抽選にて付与可能な構成を用いたパチンコ機10において、1の特典に対する付与判定の結果を示唆可能な判定結果示唆演出が実行された場合に、その判定結果示唆演出の演出結果が1の特典が付与されないことを示唆する演出結果であることで、判定結果示唆演出が実行されなかった場合に比べて他の特典が付与される期待度が高くなるように構成することで、判定結果示唆演出が実行された時点で、判定結果示唆演出が実行されなかった場合に比べて、何れかの特典が付与され易い状態であることを遊技者に報知することができる。以下、本第3制御例のパチンコ機10について説明をするが、上述した各制御例と同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。まず、図135から図140を参照して、第3制御例におけるパチンコ機10の構造について説明する。図135は第3制御例のパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図136は第3制御例のパチンコ機10の遊技盤13の正面視右下領域を拡大した拡大図であり、図137~図140は第3制御例のパチンコ機10の遊技盤13に設けられたV入賞装置650の構造を模式的に示した模式図である。
図135に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図94参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図135の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図135の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。遊技領域の正面視右側上部(図135の右側上部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37a,37bが配設されている。第1図柄表示装置37a,37bは、主制御装置110(図94参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。第3制御例では、第1図柄表示装置37a,37bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37bが作動するように構成されている。また、第1図柄表示装置37a,37bは、LEDにより、パチンコ機10が時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が時短大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定される大当たり)に対応した図柄か普通大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として通常状態が設定される大当たり)に対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、大当たり遊技のラウンド数が15ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される15R時短大当たり(15R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される5R時短大当たり(5R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が5Rで大当たり終了後に時短状態が付与されない5R通常大当たり(5R時短無大当たり)が用意されている。また、大当たり抽選の抽選結果として上述した大当たりでは無い外れと判定された場合の一部において、上述した大当たりよりも遊技者に付与される特典が少ない(例えば、1ラウンドのみV入賞装置650を開放させる特典)小当たりが用意されている。第1図柄表示装置37a,37bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否か(小当たりであるか否か)が示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。ここで、「15R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり、「5R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことである。また、「5R通常大当たり」は、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に時短状態へと移行せずに通常状態へと移行する大当たりのことである。
つまり、本パチンコ機10では、特別図柄の大当たりに当選した場合に提供される大当たり遊技として、遊技者に最も多くの特典を付与可能な「15R時短大当たり」と、その次に多い特典を付与可能な「5R時短大当たり」と、大当たり遊技のうち最も遊技者に付与される特典が少ない「5R通常大当たり」と、のうち、何れかの大当たり遊技が提供されるように構成されている。これにより、特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合であっても付与され得る特典が異なる大当たり遊技のうち、最も多くの特典が付与される大当たり遊技が提供されることを期待させながら遊技を行わせることができる。なお、第3制御例では、大当たり遊技のラウンド数(大当たり遊技中に獲得可能な賞球数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の内容と、に応じて遊技者に付与される特典の大小を定義しているが、これに限ること無く、上述した条件以外を用いて遊技者に付与される特典の大小を定義しても良いし、特典に大小を定義付けることなく、異なる特典が付与されるように大当たり遊技の内容を異ならせるだけでも良い。また、「時短状態」とは、大当たり終了後に遊技者に付与される付加価値(特典)として、大当たり確率は通常状態と同じであるが、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態である。この第2入球口640へ球が入球し易い状態とするために、第3制御例では、第2図柄の変動時間を通常状態よりも短くし、且つ、第2図柄の抽選結果が当たりの場合に動作させる電動役物640aの動作態様を通常状態よりも第2入球口640へ球が入球し易い期間が長くなるように設定している。なお、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態を設定するためにそれ以外の構成を用いても良く、上述した設定内容の一部のみを用いても良いし、上述した内容以外にも、第2図柄の当たり確率を通常状態よりも高く設定するように構成しても良い。
加えて、本第3制御例では、第1入球口64へと遊技球が入球した場合に実行契機が成立し得る第1特別図柄抽選、及び、第2入球口640へと遊技球が入球した場合に実行契機が成立し得る第2特別図柄抽選において、上述した大当たり当選、小当たり当選以外に時短当選し得るように構成している。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で実行される特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)において、時短当選の判定が実行されるように構成している。ここで、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選において大当たり判定が実行されるよりも前に時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定され、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が開始されるタイミングにて、時短状態を終了させるか否かを判定する処理(更新処理)が実行される。例えば、時短回数1(時短カウンタ203hの値が1)に設定される時短状態の場合は、時短当選した当該特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が開始されるタイミングで実行される更新処理において、残時短回数(時短カウンタ203hの値)が更新(減算)され、時短終了条件が成立し、時短状態を終了させると判定される。一方、時短回数として複数回(例えば、100回)の値が設定される時短状態の場合は、更新処理によって実行される残時短回数の更新の結果に基づいて時短終了条件が成立するまで時短状態が継続する。つまり、本第3制御例にて用いられる時短状態の設定タイミングと、時短状態の終了タイミングと、を用いることにより、設定される時短回数に応じて、特別図柄抽選の大当たり判定タイミングのみ(特別図柄変動期間を除外して)時短状態を設定したり、特別図柄変動期間を含めて時短状態を設定したりすることが可能となる。
なお、同様の効果を奏する手法として、別の処理タイミングを設定しても良く、例えば、上述した第2制御例と同様に時短当選した当該特別図柄変動の停止タイミングに時短状態を設定し、次に実行される特別図柄変動が開始されるよりも前に時短状態の更新処理(時短状態を終了させるか否かを判定する処理)を実行可能に構成しても良い。このように構成した場合も、設定される時短回数を異ならせることで特別図柄変動期間が含まれるように時短状態を設定したり、特別図柄変動期間が含まれないように時短状態を設定したりすることが可能となる。なお、この場合、時短状態が設定された特別図柄変動が停止表示され、時短状態が設定された状態で次の特別図柄抽選が開始されない場合は、時短終了条件が成立し得ないため時短状態が継続することになる。よって、この場合、時短当選した特別図柄変動が停止表示されるまでに(時短状態が設定されるまでに)、次に実行される特別図柄抽選の実行権利(特図保留)を獲得しているかを判別し、特図保留を獲得していると判別した場合、即ち、時短状態が設定された後、ただちに次の特別図柄変動が開始され、時短状態が終了し得る場合のみ、時短当選したことを遊技者に報知するように構成すると良い。このように構成することで、時短当選したことを把握した遊技者が、第1特別図柄抽選を実行させること無く、右打ち遊技を行い、第2特別図柄抽選を実行させる行為を抑制することができる。
さらに、詳細は後述するが、第3制御例では「時短状態」が終了する条件として、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて付与される時短状態に対しては、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数(合計変動回数)が第1所定回数(100回)に到達した場合(第1終了条件)、或いは、特別図柄の抽選において小当たりに当選した(小当たり遊技が実行された)回数が第2所定回数(例えば、1回)に到達した場合(第2終了条件)の何れかの終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行するように構成している。このように、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行させるための終了条件を複数用意し、その複数の終了条件のうち何れかの終了条件が成立した場合に時短状態から通常状態へと移行させることで、時短状態が終了するタイミングを複数設定することが可能となり、遊技者に対して、通常状態よりも遊技者に有利な時短状態がいつまで継続するのかドキドキさせながら遊技を行わせることができる。さらに、第3制御例では特別図柄の抽選(第2特別図柄抽選)において当選し得る小当たりとして、複数の小当たり種別(例えば、小当たりA,B)が用意されており、各小当たり種別に対してそれぞれ第2終了条件が成立する回数が異ならせて設定されている。このように構成することで、時短状態中に当選した小当たり回数だけで時短状態が終了するか否かを予測することが困難となるため、遊技者に対して常に緊張感を持たせて時短遊技を行わせることができる。一方で、本第3制御例では、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて時短状態(第2時短)が設定された場合には、大当たり当選に基づいて時短状態(第1時短)が設定された場合とは異なる終了条件が設定されるように構成しており、具体的には、時短回数「1」が設定されるように構成している。つまり、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される第1時短は、特別図柄抽選の大当たり判定のみ時短状態で実行させるための特殊抽選機能として時短状態が利用される。
また、第3制御例では、小当たり遊技中に開放されるV入賞装置650内に特定領域を設け、小当たり遊技中に球が特定領域を通過することで(特定領域である特別排出流路650e2に設けられたVスイッチ650e3が球を検知することで)大当たり(所謂、2種当たり)となるように構成されている(図139参照)。加えて、詳細は後述するが、当選した小当たりの小当たり種別に応じて小当たり遊技中に球が特定領域を通過する期待度(V入賞期待度)が異なるように構成している。そして、各小当たり種別に対して設定される第2終了条件が成立する回数(小当たり回数)を、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行される小当たり種別の方が少なくなるように構成している。このように構成することで、時短遊技中において小当たりに当選した場合に2種当たりを獲得するためのV入賞期待度と、時短状態が終了するかもしれない不安感とを関連付けることができ、遊技者により意欲的に遊技を行わせることができる。なお、第3制御例では、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動回数に対して、上述した通り第1所定回数(100回)を終了条件(第1終了条件)として設定しているが、特別図柄の変動回数に対してそれ以外の終了条件を設定しても良く、例えば、第1特別図柄のみの変動回数が第3所定回数(例えば、50回)となった場合や、第2特別図柄のみの変動回数が第4所定回数(例えば、80回)となった場合に時短状態の終了条件が成立するように構成しても良い。また、上述した多数の終了条件の一部のみを用いても良いし、それぞれを適宜組み合わせても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより10個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への球の入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図94参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される(図6参照)。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。第3制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図94参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37a,37bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37a,37bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。つまり、第1図柄表示装置37a,37bにおいて第1図柄が可変表示(変動表示)されている期間(動的表示期間)に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が可変表示(変動表示)され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて特別図柄の抽選結果を示す表示態様で第1図柄が停止表示されるタイミングに対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が特別図柄の抽選結果に応じた表示態様で停止表示される。
即ち、判別条件(第1入球口64或いは第2入球口640への球の入賞)が成立することに基づいて判別手段による判別が実行され(特別図柄の抽選が実行され)、所定の動的表示期間が経過するまで識別情報(第3図柄)が動的表示(変動表示)された後に、判別手段の判別結果(特別図柄の抽選結果)を示した表示態様(図柄の組み合わせ)で、識別情報(第3図柄)が停止表示される。これにより、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される第3図柄を把握することで特別図柄の抽選結果を把握することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。なお、第3図柄表示装置81に停止表示される第3図柄は、特別図柄の抽選結果に応じた表示態様であれば良く、特別図柄の抽選結果の一部(例えば、大当たり或いは外れ、時短当選といった当否判定結果のみ)に対応した表示態様でも良いし、特別図柄の抽選結果の詳細(例えば、当選した大当たりの種別)に対応した表示態様でも良い。また、特別図柄の抽選結果として、4種類の抽選結果(例えば、大当たり、小当たり、外れ、時短)を有する場合には、第3図柄の表示態様として、特別図柄の抽選結果が上述した3種類の抽選結果のうち特定の2種類(例えば、大当たり或いは小当たり)の何れかであることを示す表示態様を用いても良い。また、重複して当選可能な判定(例えば、大当たり安定、時短判定)にて重複して当選した場合には、重複当選を示すための表示態様を用いても良いし、重複当選したことに基づいて実行される遊技の内容が、大当たり当選のみに基づいて実行される遊技の内容と同一である場合には、同一の表示態様を用いても良い。また、第3制御例で用いられる表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良いし、パチンコ機10に複数の表示装置を設けても良い。本第3制御例では時短状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合には、通常状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合よりも電動役物640aを作動させる期間(電動役物640aを突出させて球が第2入球口640に入球し易くする期間)が長くなるように構成している。これにより、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とすることができる。
なお、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とするための構成は上述した内容に限られる物では無く、例えば、第2図柄の当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすといった構成を用いても良い。また、電動役物640aの作動パターンを異ならせることにより時短状態を第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。さらに、設定される遊技状態に応じて第2図柄の変動表示にかかる時間を可変させ、且つ、電動役物640aの開放時間や開放回数を可変させる場合において、第2図柄の変動表示が開始される時点にて設定されている遊技状態に応じて第2図柄の変動表示時間を決定し、第2図柄の変動表示が停止し、当たりを示す第2図柄が表示されたタイミング(第2図柄の当たり遊技、即ち、電動役物640aを作動させるタイミング)において設定されている遊技状態に応じて電動役物640aの開放時間や開放回数を決定するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、時短状態中に変動が開始された第2図柄が通常状態中に当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、通常状態中に対応する電動役物640aの作動パターンで作動させることができる。よって、設定されている遊技状態と実行される電動役物の作動パターンとをより正確に対応付けることができる。なお、遊技状態と第2図柄の変動時間および電動役物640aの作動パターンの関係は上述した内容以外を規定しても良く、例えば、第2図柄の変動開始タイミングと、電動役物640aの作動開始タイミングとの何れか一方のタイミングにおいて遊技状態として時短状態が設定されていると判別した場合には、電動役物640aの作動パターンとして遊技者に有利な作動パターン(時短状態中に実行される作動パターン)を設定するように構成しても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図94参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37aで示される。図135に示した通り、第1入球口64は可変表示装置ユニット80の左側を球が流下するように行われる遊技(所謂、左打ち遊技)の方が、可変表示装置ユニット80の右側を球が流下するように行われる遊技(所謂、右打ち遊技)よりも球が入球し易くなるように遊技盤13上に釘が植設されている。よって、第2入球口640に球が入球し難い遊技状態(通常状態)が設定されている場合には、第1入球口64に球を入球させるために左打ち遊技が実行される。一方、第1入球口64の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図94参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37bで示される。また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、第3制御例においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
加えて、第3制御例では特別図柄の抽選契機(大当たりの抽選契機)となる球を検知するスイッチ(第1入球口スイッチ、第2入球口スイッチ)を入球口内に設けているため、特別図柄の抽選契機を獲得すると共に、賞球を獲得できる構成としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、球が通過可能な領域(ゲート)を設け、その領域(ゲート)を通過する球を検知するスイッチ(検知手段)が球の通過を検知した場合に、特別図柄の抽選契機を獲得し得るように構成しても良い。なお、この場合、特別図柄の抽選契機となり得る領域(ゲート)を通過した球の少なくとも一部が入球可能となり、球が入球した場合に所定数(例えば5個)の賞球が払い出される入球口を設けると良い。このように構成することで、特別図柄の抽選契機の獲得回数と、賞球獲得回数とを異ならせることができるため、多様な遊技性を提供することができる。第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは遊技盤13から手前側(図135の視点で手前側)に突出した突出状態(許容状態)と、遊技盤13側に待避した待避状態(規制状態)と、に可変可能に構成されており、通常(第2図柄の当たりに当選していない場合)は電動役物640aが待避状態(規制状態)となって、球が第2入球口640へ入球し難い状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、即ち、第2図柄の抽選において当たりに当選した場合は、電動役物640aが突出状態(許容状態)となり、球が第2入球口640へ入球し易い状態となる。
ここで、第3制御例のパチンコ機10に設けられた第2入球口640への球流れについて説明をする。第3制御例では図135に示した通り、遊技盤13の遊技領域の略中央位置に可変表示装置ユニット80を配設し、遊技領域を可変表示装置ユニット80の左方側(左打ち領域)と右方側(右打ち領域)とに区画しており、遊技者が操作ハンドル51の操作量を調整することで発射された球の行き先を右打ち領域或いは左打ち領域へと打ち分けることが可能に構成している。以下、遊技者が操作ハンドル51を操作して遊技領域のうち左打ち領域へと球を発射させる遊技を左打ち遊技、右打ち領域へと球を発射させる遊技を右打ち遊技と称す。第3制御例では、図135に示した通り、第2入球口640と、第2入球口640に付随する電動役物640a、及び、電動役物640aを動作させるか否かの抽選のトリガとなる普通図柄始動口(スルーゲート)67が右打ち領域に配設されており、遊技状態として時短状態が設定されている場合には右打ち遊技が行われるように構成している。左打ち遊技により発射された球が第2入球口640に入球することが無いように可変表示装置ユニット80の下方には釘が植設されており、左打ち遊技中に第2入球口640に球が入球することが無いように構成している。このように構成することで、左打ち遊技では第1特別図柄を変動させるために球を第1入球口64へと入球させる遊技を行わせ、右打ち遊技では第2特別図柄を変動させるために球を第2入球口640へと入球させる遊技を行わせることができ、遊技方法に応じて異なる遊技性を適切に提供することができる。第3制御例のパチンコ機10では、図135に示した通り、右打ち領域には、その上面が左下方向(図135の正面視で左下方向)に向けて下り傾斜しているV入賞装置650が配設され、そのV入賞装置650の上面を流下した球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し、電動役物640aに向けて流下するように各機構が配設されている。
そして、電動役物640aが待避状態に位置している場合は、待機状態の電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて球が流下する。一方、電動役物640aが突出状態に位置している場合は、電動役物640aに到達した球が右下方向(図2の正面視で右下方向)に向けて流下する。そして、電動役物640aの右端まで到達した球は第2入球口640へ入球し、電動役物640aの右端に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変した場合は、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球するように構成している。さらに、本パチンコ機10は上述した電動役物640a、第2入球口640、一般入賞口63を覆うように透過性のカバー部材655を設けている。このカバー部材655は入射する光を乱反射させるためのカット加工が表面に施されている。このカバー部材655を設けることで、遊技中はパチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)や第3図柄表示装置81から発せられる様々な光によってカバー部材655の内部を遊技者に視認させ難くすることができる。よって、電動役物640aの動作タイミングを図って右打ち遊技を行う行為を抑制することができる。また、遊技が行われていない状態(遊技機の電源がオフになっている状態)では、カバー部材への入射光が抑えられるため、カバー部材655の内部を容易に視認することができ、パチンコ機10のメンテナンスを容易に行うことができる。なお、このようにカバー部材655を用いて内部の視認性を可変させる構成を用いる場合には、上述したように装飾用に発光する発光手段を利用可能に構成することで発光手段を共有することができ、パチンコ機10を構成する部品点数を削減することができるが、カバー部材655の内部を視認困難とするための発光手段を専用に設けても良い。
また、電動役物640aの動作が行われる期間を含む所定期間の間カバー部材655の内部を視認困難にすればよく、例えば、電動役物640aの動作が実行されると判別した場合(即ち、普通図柄の抽選により当たりに当選した場合)に、カバー部材655の表面に電動役物640aが動作する旨を報知する文字(例えば、「オープン」)が表示されるように発光手段を制御し、その表示された文字により、カバー部材655の内部を視認困難にするように構成しても良い。これにより、電動役物640aが動作することを遊技者に把握させるとともに、その詳細な動作タイミングを把握させ難くすることができる。ここで、図136を参照して、本パチンコ機10の右打ち領域の構成について説明をする。図136に示した通り、右打ち遊技により発射された球のうち、スルーゲート67を通過した球は、電動役物640aが配設されている領域に向けて流下する。具体的に説明をすると、電動役物640aは、50mmの長さを有し、その上面を球が流下可能な板状部材で構成され、右下方向(図136の正面視で右下方向)に向けて下り傾斜となるように遊技盤13に配設されている。そして、スルーゲート67を通過した球は電動役物640aの左端から20mmの範囲に該当する領域a(図136参照)に流下する。領域aに到達した球は、電動役物640aが待避状態に位置している場合は電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて流下する。一方、電動役物640aが突出位置に位置している場合は電動役物640aの上面を右端位置に向けて球が流下する。そして、領域b(電動役物640aの左端から20mmから40mmが該当する領域)に球が到達した状態で電動役物640aが待避状態へと可変した場合には、電動役物640aの下方に設けられた一般入賞口63に向けて球が流下するように構成されている。最後に、領域c(電動役物640aの右端から20mmが該当する領域)に球が到達すると、その球は第2入球口640へ入球するように構成されている。
なお、本第3制御例では、遊技状態(普通図柄の確率状態)において電動役物640aが連続して動作する期間が異なる様に構成されており、遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で電動役物640aが動作する場合には、突出状態に位置する電動役物640a上を流下する球が領域b(図136参照)に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変し、時短状態が設定されている状態では、電動役物640a上を流下する球が領域c(図136参照)に到達するのに十分な期間の間、電動役物640aが突出位置に位置するように構成されている。具体的には、電動役物640aの動作期間(継続して突出状態に位置される期間)が、時短状態中は2秒、通常状態中は0.2秒となるように構成している。そして、電動役物640aは図136に示した領域(領域aから領域cまでの範囲)を球が流下するための流下期間が0.2秒よりも長く、且つ2秒よりも短くなるように構成されている(第3制御例では、0.8秒)。このように構成することで、通常状態中に右打ち遊技を行い、普通図柄の当たりに当選し、動作中の電動役物640aの上面を球が流下する状態になった場合であっても、電動役物640aの上面を流下する球が第2入球口640に到達するまでに電動役物640aの動作が終了するため、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されることを確実に防止することができる。また、時短状態中においては、電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.4秒)よりも長い期間電動役物640aを動作させるため、誘導状態(突出状態)である電動役物640aの上面を流下した球が第2入球口640へ到達し易くし、第2特別図柄の抽選を実行され易くすることができる。
さらに、時短状態中において、例えば、電動役物640aが作動してから1.5秒後に電動役物640aに到達した球は電動役物640aの上面を流下し、領域bに到達したタイミングで電動役物640aの作動が終了する(電動役物640aが作動してから2秒経過する)ことになる。このような球は図3に示した通り、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球し、10個の球が賞球として払い出される。このように、時短状態中において右打ち遊技をした場合には、電動役物640aの作動タイミングと、電動役物640aへの球の到達タイミングとによって、異なる入球口(第2入球口640或いは一般入賞口63)へと球を誘導することができるように構成することで、遊技者に対して時短状態中に継続して右打ち遊技を行わせることができる。上述したように、一般入賞口63への入球に応じた賞球数が10個で、第2入球口640への入球に応じた賞球数が5個となるように構成しているため、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得る状態であれば、第2入球口640へ球が入球するほうが一般入賞口63に球が入球するよりも遊技者に有利な特典(即ち、特図2の抽選および5個の賞球)を付与することができ、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得ない状態(特別図柄変動中)であれば、第2入球口640よりも一般入賞口63に球が入球するほうが遊技者に有利な特典(即ち、10個の賞球)を付与することができるように構成している。これにより、遊技の状況(特別図柄の変動の有無)に応じて、遊技者が入球を所望する入球口(多くの特典を獲得可能な入球口)が可変させることができるため、時短状態中における右打ち遊技を遊技者に楽しませることができる。また、電動役物640aの一回の動作中に第2入球口640と、一般入賞口63との両方に球を入球させるためには、右打ち遊技を継続して実行する必要があるため遊技の稼働を高めることができる。
尚、第3制御例では時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと到達する期間(0.8秒)よりも十分に長い期間(2秒)を設定し、電動役物640aが動作した場合に第2入球口640へ球を確実に入球させるように構成しているが、それ以外に、例えば、時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.8秒)よりも若干長い期間(例えば、0.9秒)となるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中においてスルーゲート67に球を通過させた後、球の打ち出しを止め、電動役物640aが動作したことを確認した後に再度球の打ち出しを開始する行為(所謂、止め打ち)を抑制することができるため、時短状態中において右打ち遊技を継続して行わせ遊技の稼働を向上させることができる。図135に戻り説明を続ける。図136を参照して上述した通り、右打ち遊技により発射された球は、まずV入賞装置650に到達する。次に、V入賞装置650の構成について説明をする。V入賞装置650は、球が入賞可能な開放状態と入賞困難な閉鎖状態とに可変可能に構成されているものであり、第2特別図柄の抽選結果が「小当たり」である場合にV入賞装置650の開閉扉650f1が動作し特定入賞口(V入賞口)650aに球が入賞可能な開放状態へと可変するように構成されている。なお、特別図柄の「大当たり」に当選したうちの一部において、V入賞装置650の開閉扉650f1を、上述した「小当たり」に当選した場合と同様に動作させるように構成してもよい。これにより、V入賞装置650の開閉扉650f1が動作した場合に特別図柄の「大当たり」に当選したのか「小当たり」に当選したのかを把握し難くすることができる。
ここで、図136~図140を参照してV入賞装置650の構成について詳細に説明をする。まず、図136に示した通り、V入賞装置650の開閉扉650f1が特定入賞口(V入賞口)650aを閉鎖している閉鎖状態である場合は、閉鎖状態である開閉扉650f1の上面を球が流下可能に構成されており、V入賞装置650が閉鎖状態中にV入賞装置650に到達した球は、開閉扉650f1上を左下側(図136の正面視で左下側)に向けて流下し、スルーゲート67に向けて流出される。一方、V入賞装置650が開放状態(即ち、小当たり遊技中)である場合は、球がV入賞装置650内へと入賞する。第3制御例では、小当たり遊技中におけるV入賞装置650の開放期間が0.1秒×12回となるように構成されており、V入賞装置650が開放するタイミングにおいて開閉扉650f1上を流下している球が、V入賞装置650へと入賞する。V入賞装置650に入賞した球は、第1規制部材651或いは第2規制部材652上を流下しながら検出口650a1(図139(a)参照)に向けて整列して流下するように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が開閉扉650f1のどの位置からV入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、円滑に球を流下させることができる。なお、第3制御例ではV入賞装置650の開閉扉650f1が継続して開放される期間を0.1秒に設定しているが、開閉扉650f1の開放期間中に開閉扉650f1上を流下している球がV入賞装置650へと入賞可能な期間であればその他の期間を設定しても良い。また、第3制御例では1回の小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を開放する回数を12回としているが、それ以外の回数を設定しても良い。
詳細は後述するが、第3制御例では小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を1回開放させてから次に開放させるまでの期間(開放間インターバル期間)として、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後には5秒が設定され、それ以外のタイミングでは0.5秒が設定されている。これは、小当たり遊技が行われている期間中にV入賞装置650へ球を入賞させ易くさせるためのものである。具体的には、小当たり遊技中において5回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合には、5回目の開放動作終了後の開放間インターバル期間中に、遊技者に右打ち遊技を強調して促す遊技案内表示を第3図柄表示装置81に表示するように構成している。そして、第3図柄表示装置81に表示された遊技案内表示を把握することで右打ち遊技を開始した場合にも、V入賞装置650へ球を入球させることができるように、開放間インターバル期間を通常よりも長く設定している。また、小当たり遊技中の10回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合にも同様の制御処理が実行される。このように構成することで、小当たり遊技中に適切な遊技をしていない遊技者(右打ち遊技をしていない遊技者)に対しても適切な遊技を実行させ易くすることができる。このように、複数回の開放動作が実行される特定遊技(小当たり遊技)中において、一部の開放間インターバル期間を他よりも長く設定し、適正な遊技を行っていないと判別した場合に、適正な遊技内容を促すための遊技案内表示を表示可能とすることで、誤った遊技を行っている遊技者に対して、安心して遊技を行わせることができる。
第3制御例では、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後に他よりも長い特別開放間インターバル期間を設定している。このように1回の小当たり遊技中に遊技者に遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設けることで、遊技者に適切な遊技をより行わせ易くすることができる。なお、遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設ける場合では少なくとも2回目移行の報知タイミングを、正常に遊技を行っている遊技者が到達し得ないタイミングに設定するとよい。即ち、詳細は後述するが、第3制御例では小当たり遊技中に継続して右打ち遊技を行うことにより、V入賞装置650の開閉扉650f1の1回の開放動作において少なくとも1個の球が入球し得るように構成されているため、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っていれば、10回目の開放動作中に小当たり遊技の終了条件となる入賞個数(10個)に到達し、小当たり遊技が終了されることになる。つまり、小当たり遊技中の開放動作10回目以降に実行される開放間インターバル期間は正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている場合には到達し得ないタイミングとなる。よって、このタイミングを利用して遊技案内表示を表示させるタイミングを設定することで、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている遊技者に対して無用に長い特別開放間インターバル期間が実行されることが無くなり、小当たり遊技を円滑に実行することができる。
なお、第3制御例のように1回目の特別開放間インターバル期間を、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っても到達するタイミング(5回目の開放動作終了後)に設定する場合は、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されるタイミング(5回目の開放動作終了タイミング)、或いは、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されてから所定期間経過したタイミング(5回目の開放動作中に入球した球がV入賞装置650から排出されるまでに要する期間を経過したタイミング)においてVスイッチ650e3が球を検知しているかを判別し、Vスイッチ650e3が球を検知していると判別した場合は、1回目の特別開放間インターバル期間中にその旨を報知する報知演出を表示し、Vスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合は、上述したように遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に設定した特別開放間インターバル期間を遊技内容に応じて有効に用いることができる。さらに、2回目の特別開放間インターバル期間においては、既にVスイッチ650e3が球を検知している場合にも遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に所定個数(10個)の球をV入賞装置650へ入賞させることなく小当たり遊技が終了してしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、図137を参照してV入賞装置650の構造について詳細に説明をする。図137は、このV入賞装置650の分解斜視図である。V入賞装置650は、図137に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材650b、その開口部形成部材650bの背面側に組み合わされて、V入賞装置650を遊技盤13にビス留めするためのベース部材650cと、そのベース部材650cの背面側に配置されてベース部材650cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板650dと、そのLED基板650dをベース部材650cと狭持する裏カバー体650eと、開口部形成部材650bに形成されている特定入賞口(V入賞口)650aを開閉するための開閉扉650f1を有した開閉ユニット650fと、裏カバー体650eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体650gと、裏カバー体650eと流路カバー体650gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材650hと、その切替部材650hと係止されるリンク部材650iと、流路カバー体650gの背面側に配置される背面カバー体650jと、その背面カバー体650jの背面側に固定されて、リンク部材650iを作動させる流路ソレノイド650kと、その流路ソレノイド650kを背面側から覆って背面カバー体650jにビスにより固定するための固定用カバー体650mとで構成されている。
図138は、V入賞装置650の断面図である。図138(c)はV入賞装置650の上面図であり、図138(b)は、V入賞装置650のLb-Lb断面図である。図138(b)に示すように、V入賞装置650には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口(V入賞口)650aが形成されている。特定入賞口(V入賞口)650aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図138(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ(球検知スイッチ)650c1で構成された検出口650a1が配置されている。この検出口650a1を通過した遊技球は、図138(a)で示す裏カバー体650eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。なお、図138(b)に示すように特定入賞口(V入賞口)650aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉650f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉650f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉650f1は、ベース部材650cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口(V入賞口)650a内から退避されるように構成されている。なお、シャッター機構で構成された特定入賞口(V入賞口)650aを開閉可能な開閉扉650f1は、閉鎖動作中において、特定入賞口(V入賞口)650aの開口面に進入している遊技球の位置に応じて遊技球の異なる位置に対して接触可能に構成されている。つまり、開閉扉650f1が開放状態から閉鎖状態に可動している期間において、衝突した遊技球の位置によって開放状態からの可動幅が異なる状況を創出するものであるので、開閉扉650f1と遊技球とが接触する状況は、当接した移動部材の当接位置に応じて変位幅が可変する可変状況と言える。このように構成することで、時短遊技中と、大当たり遊技中と、小当たり遊技中とを継続して右打ち遊技させることができるため、遊技状態に応じて遊技方法を変更させる手間を軽減することができる。従って、より楽に遊技を行うことができる。また、開閉扉650f1の開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面をV入賞装置650の開口として構成できるので、遊技球を効率よく特定入賞口(V入賞口)650a内に入賞させることができる。よって、小当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図138(a)は、図138(b)に示すLa-La断面図である。図138(a)に示すように検出口650a1を有する磁気センサ650c1は、裏カバー体650eの振り分け流路側へと検出口650a1が傾くようにベース部材650cに固定されている。次に、図139を参照して、裏カバー体650eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路650e1と特別排出流路650e2とに振り分けられる構成について説明する。図139(a)は、遊技球が特別排出流路650e2に振り分けられるように切替部材650hが作動された状態を示す裏カバー体650eの背面図である。図139(a)に示すように、切替部材650hは、リンク部材650iの突部が挿入される係止穴650h1と遊技球を誘導する誘導片650h2とを有しており、流路カバー体650gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体650gには、この誘導片650h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体650gの背面側より振り分け流路内に誘導片650hを回動可能に配置することが可能に構成されている。図139(a)に示すように、検出口650a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片650h2の上面に誘導されて特別排出流路650e2に誘導される。特別排出流路650e2を通過した遊技球は特別排出流路650e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成されたVスイッチ650e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、第3制御例におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中に上記したVスイッチ650e3を遊技球が通過することにより、小当たり遊技後に大当たり遊技が設定される。即ち、Vスイッチ650e3は、大当たり遊技を開始させるためのトリガとして構成されている。また、切替部材650hは、小当たり中にV入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3を通過可能な流路(特別排出流路650e2)、或いはVスイッチ650e3を通過不可能(困難)な流路(通常排出流路650e1)の何れかを連通させるためのものであって、流路ソレノイド650kをオンに設定することでV入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替える(図139(b)参照)ように構成している。第3制御例で用いられるパチンコ機10は、通常に遊技を行っている間は流路ソレノイド650kがオフに設定されており、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように構成している。そして、小当たりに当選した場合に、図145を参照して後述する開放シナリオテーブル202fgに規定されている内容に従って流路ソレノイド650kをオンに設定し、V入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下可能となるように構成している。このように、流路ソレノイド650kをオフに設定している場合に、パチンコ機10において長期間維持される状態、即ち、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように切替部材650hを維持する状態(図139(a)参照)を提供するように構成することで、パチンコ機10の使用電力を抑えることが出来る。
このように、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球の流下ルートにより小当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、小当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、V入賞装置650の開口(特定入賞口)から特別排出流路650e2の入り口(切替部材650hの誘導片650h2により閉鎖される開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。このように構成することで、小当たりに当選していないにも関わらず開閉扉650f1が開放されたことを検知してから切替部材650hにより球の流下ルートを切り替えたとしても、確実に球が特別排出流路650e2を流下する事態を抑制することができる。また、通常排出流路650e1の端部には球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ650e4が設けられている。これにより、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ650e4とVスイッチ650e3との合計により判別できる。なお、小当たり遊技の終了タイミング(小当たり遊技の終了条件(V入賞装置650に所定数(10個)の入賞があった場合、或いは、V入賞装置650の開放シナリオが終了した場合)が成立した後に実行される小当たりエンディング期間を経過したタイミング)において、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されていない場合には、V入賞装置650内部の異常と判別し、外部に異常を報知したり、大当たり遊技や通常遊技が開始されないように遊技を停止させたりするように構成すると良い。これにより、パチンコ機10の一部において異常が発生している状態で遊技が進行してしまい2次的な異常が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した遊技球が磁気センサ650c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(第3制御例では1球入賞に対して10個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、Vスイッチ650e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるか否かを振り分けることができる。よって、大当たり遊技を付与するための専用の入賞口(特定領域)をV入賞装置650とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。さらに、第3制御例では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA,B)に応じて、流路ソレノイド650kをオンに設定する期間やタイミングが異なる小当たり遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技の内容によって、その小当たり遊技中に球がVスイッチ650e3を通過する期待度(V入賞期待度)を異ならせることができる。よって、遊技者は小当たりに当選することだけではなく、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。次に、図140を参照して、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉する開閉扉650f1の球流下面の構造について説明をする。図140(a)は、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉扉650f1が閉鎖している状態を平面視した模式図である。第3制御例の開閉扉650f1は、図140(a)に示した通り、V入賞装置650の上面に到達した球は、V入賞装置650上面の傾斜(図135参照)に沿って、V入賞装置650の右側上面650y1から開閉扉650f1の上面を介して左側上面650y2を流下し、可変入賞装置65に向けて流出するように構成されている。
そして、開閉扉650f1の上面には、球の流下を遅延させるための遅延部材として第1遅延部材650fa、第2遅延部材650fb、第3遅延部材650fcが設けられており、球が開閉扉650f1上面を流下する流下期間が0.6秒となるように構成している。この流下期間(0.6秒)は、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aが小当たり遊技によって複数回開放される際の間隔(閉鎖期間(0.5秒))よりも長くなるように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が、小当たり遊技により特定入賞口(V入賞口)650aが開放された場合に確実に入賞するように構成している。図140(a)に示した状態で、小当たり遊技が実行され、開閉扉650f1が開放状態に可変すると、図140(b)に示した状態へと移行する。図140(b)は、V入賞装置650のV入賞口650aが開放している状態を平面視した模式図である。図140(b)に示した通り、開閉扉650f1は開放状態になると、遊技盤13の内部に待避するように可動し、右側上面650y1を流下した球が特定入賞口(V入賞口)650aに入賞可能となるように特定入賞口(V入賞口)650aが開放状態となる。また、開閉扉650f1上を流下中の球も、開閉扉650f1が待避位置に位置することで、特定入賞口(V入賞口)650aへ入賞する。なお、開閉扉650f1は、開放状態から閉鎖状態になる場合において、開閉扉650f1の先端に当たった遊技球を特定入賞口650a外へと移動させる場合と特定入賞口650a内へと移動させる場合とが発生し得るように構成されているので、開閉扉650f1が開放状態から閉鎖状態へと可動する期間中における開閉扉650f1と遊技球との接触状況は、所定方向へと変位する手段と移動する物体とが接触した場合に、該物体が異なる方向へ移動し得る状況と言える。
また、V入賞装置650には、開閉扉650f1上を流下していた球がどの位置から特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、入賞後の球流れを円滑にするための第1規制部材651と、第2規制部材652が設けられており(図135参照)、開閉扉650f1上面上流側で特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した球は第1規制部材651、第2規制部材652を介して一列に整列させてから、球1個分の通路幅である検出口650a1に向けて流下するように構成されている。このように第1規制部材651、第2規制部材652を設けることで、第1規制部材の下方位置に検出口650a1を設けたとしても、開閉扉650f1から勢いよく入賞した球が直接検出口650a1に衝突することを防止することができるため、検出口650a1に設けられた球検知スイッチ650c1が故障することを抑制することができる。加えて、球1個分の通路幅の検出口650a1を球が通過するまでに球を整列させるための流路(第1規制部材651、第2規制部材652上を流下する流路)を確保することができるため、V入賞装置650内で球詰まりが発生し、遊技に支障を来す事態が発生することを抑制することができる。以上、説明をしたように、第3制御例では判別手段の判別結果(特別図柄の抽選の結果)が所定の判別結果(小当たり)である場合に付与される特典遊技(小当たり遊技)において作動する可変部材(開閉扉650f1)の開放間インターバル期間(0.5秒)よりも、その可変部材(開閉扉650f1)上を球が流下するのに要する流下期間(0.6秒)が長くなるように構成しているため、小当たり遊技中の開放間インターバル(開閉扉650f1が閉鎖状態のタイミング)中に可変部材上を流下する球を確実に次の開放タイミングでV入賞装置650へ入賞させることができる。
また、可変部材上を流下中の球のみを小当たり遊技中にV入賞装置650へ入賞させるだけでも小当たり遊技中に所定個数(10個)を入賞させることができるように、1回の小当たり遊技における開放動作回数(12回)を、小当たり遊技の終了条件入賞個数(10個)よりも多く設定しているため、1回の開放期間(0.1秒)を短く設定したとしても、充分の入賞個数を確保することができる。加えて、1回の開放期間を長く設定しまうことにより、小当たり遊技中に過剰な個数の球をV入賞装置650へ入賞させてしまうという事態が発生することを抑制することができる。
<第3制御例のパチンコ機10における演出内容について>
図141~図143を参照して、第3制御例のパチンコ機10にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。上述した第2制御例では、第1入球口64及び第2入球口640へ遊技球が入球したことを契機として実行される抽選(特別図柄抽選)における大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)において外れであった場合に、普通図柄の高確率状態を設定するための時短当選の判定(時短抽選)が実行される構成であったため、大当たり当選した場合には時短当選することがない構成であった。これに対して、第3制御例では、特別図柄抽選において大当たり当選と時短当選が重複可能な構成としている点で第2制御例と相違する。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における第1特別図柄抽選において大当たり抽選が実行される前に時短抽選を実行し、時短当選した場合には時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、時短状態が設定されている期間中に大当たり抽選が実行され、その大当たり抽選が終了し第1特別図柄の変動が開始された時点で時短状態が終了する構成としている。つまり、時短当選により時短状態が設定されている期間は大当たり抽選が実行される期間のみとなる。そして、通常状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合と、で大当たり当選した場合に決定される大当たり種別の割合が異なる構成としており、例えば、通常状態が設定されている期間で大当たり当選した場合に15R大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり)が決定される割合は10%であるのに対して、時短状態が設定されている期間で大当たり当選した場合に15R大当たりが決定される割合は50%となる。つまり、時短当選したことに基づいて時短状態が設定されている期間に大当たり当選すると、通常状態が設定されている期間に大当たり当選した場合よりも15R大当たりが決定される可能性が高くなるため、時短当選と大当たり当選が重複した場合には遊技者に有利となる。
なお、本実施例では、時短当選した場合に設定される時短状態では、時短当選してから次に第1特別図柄の変動が開始されるまでの僅かな期間しか時短状態が継続しないため、遊技者は第2入球口640に遊技球を入球させる遊技(右打ち遊技)を行うことはできないが、大当たり当選に基づいて設定される時短状態では、右打ち遊技を行うことが可能である。ここで、大当たり当選していない場合に遊技者に時短当選したことを報知した場合、遊技者に対して変動中の特別図柄が停止した後に設定される遊技状態が通常状態なのか時短状態なのか遊技者が混乱してしまい、時短状態が設定されていると誤認した遊技者が誤って右打ち遊技を行ってしまう虞がある。一方で、時短当選と大当たり当選が重複した場合は、時短当選したことを報知したことによって、変動中の特別図柄が停止した後に設定されるのが通常状態か時短状態か遊技者が混乱したとしても、大当たり当選したことが報知されることにより、遊技者に特別図柄停止後には大当たり遊技が実行されると認識させることができる。したがって、第3制御例においては、特別図柄抽選において時短当選と大当たり当選が重複した場合には時短当選したことを報知或いは示唆するが、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合には、時短当選したことを遊技者に報知或いは示唆しない構成としている。このように構成することで、時短当選と大当たり当選が重複した場合には、どの遊技状態が設定されている場合の大当たり当選であったかを遊技者が判別することが可能となる一方で、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合には、変動中の特別図柄が停止した後に設定される遊技状態を遊技者が誤認し、遊技者に誤った遊技方法で遊技させてしまうことを抑制することができる。図141および図142を参照して、第1特別図柄の変動中に時短抽選結果を示唆する場合の表示画面について説明する。
図141(a)は、第1特別図柄の変動中に時短抽選結果示唆演出(時短抽選の結果を示唆するための演出)が実行される場合に表示される表示画面の一例である。本実施例では、特別図柄抽選において実行された時短抽選の抽選結果を遊技者に報知する場合には、「おみくじタイム演出」を実行する。おみくじタイム演出は、主表示領域Dmに表示されるカプセルcp5の中身によって時短当選か時短非当選かを遊技者に示唆する演出である。主表示領域Dmには、閉じたカプセルcp5とともに「この変動は時短当選かな?」と表示されることで、おみくじタイム演出が変動中の第1特別図柄が時短当選したか否かをカプセルcp5の中身によって示唆する演出であることを遊技者に認識させることができる。ここで、おみくじタイム演出は第1特別図柄の変動毎に実行されるものではなく、時短当選した場合であってもおみくじタイム演出が実行されない場合もある構成としている。つまり、おみくじタイム演出が実行されなかった場合には、変動中の第1特別図柄が時短当選したのか否かを遊技者が認識できず、おみくじタイム演出が実行された場合には、変動中の第1特別図柄が時短当選したのか時短非当選であったのかを遊技者が認識できるように構成している。図141(b)は、第1特別図柄の変動中に時短当選したことを示唆する場合の表示画面の一例である。主表示領域Dmでは、カプセルcp5が開放され、中から「○」と書かれた紙k1が出現する演出が実行される。紙k1は変動中の第1特別図柄が時短当選したことを示すための表示態様であり、これにより遊技者は時短当選したことを認識することができる。
なお、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における第1特別図柄の変動中に時短当選したことが遊技者に示唆されるのは、時短当選と大当たり当選が重複した場合のみとしており、大当たり抽選(特別図柄抽選において実行される大当たりか否かの当否判定)の結果が外れであった場合には時短当選した場合であっても遊技者に時短当選したことが示唆されない(つまり、おみくじタイム演出が実行されない)。したがって、おみくじタイム演出において時短当選したことを示唆する紙k1が表示された場合には、大当たり当選したことを示す表示態様の第3図柄が表示される前に遊技者は大当たり当選したことを認識可能となる。なお、後述するが、本実施例では、通常状態が設定されている場合と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合と、で大当たりに当選した場合の大当たり種別の割合が異なり、通常状態中に大当たり当選した場合に15R大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり)が決定される割合は10%であるのに対して、時短状態中に大当たり当選した場合に15R大当たりが決定される割合は50%となる。したがって、実施例では、おみくじタイム演出において時短当選したことを示唆する紙k1が表示された場合には、主表示領域Dmに「スーパーチャンス到来!この変動で当たれば15R大当たりの大チャンス!」と表示される「スーパーチャンス到来演出」が実行されることで、変動中の第1特別図柄が15R大当たりに当選している可能性が高いことを遊技者に示唆し、おみくじタイム演出が終了してから大当たり抽選の結果が報知されるまでの期間で遊技者に15R大当たりに当選していることを期待させることで遊技の興趣を向上させることができる。図142(a)は、第1特別図柄の変動中に時短非当選であったことを示唆する場合の表示画面の一例である。時短当選した場合と異なり、おみくじタイム演出においてカプセルcp5の中から「×」と書かれた紙k2が出現する演出が実行される。紙k2は変動中の第1特別図柄が時短非当選であったことを示すための表示態様であり、これにより遊技者は時短非当選であったことを認識することができる。
なお、後述するが、本実施例では、時短非当選であったことが遊技者に示唆されるのは、大当たりA(15R時短有大当たり)に当選した場合と大当たり抽選が外れであった場合のみとしている。ここで、本実施例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における第1特別図柄の大当たり種別として3つの大当たり種別が規定されており、「大当たりA」は大当たりのラウンド数が15ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別であって、「大当たりB」は大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別であって、「大当たりC」は大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり種別である。つまり、大当たりAは大当たりB,Cよりも遊技者に付与される大当たり遊技のラウンド数が多く、大当たりCと異なり大当たり遊技終了後には通常状態よりも有利な時短状態が設定されることから、最も有利な大当たり種別である。したがって、おみくじタイム演出において、時短非当選であったことを示唆する紙k2が表示された場合には、主表示領域Dmに「一か八か!大当たりA?orハズレ?」と表示される「一か八か演出」が実行されることで、最も有利な大当たりAに当選している可能性が高いことを遊技者に示唆し、おみくじタイム演出が終了してから大当たり抽選(特別図柄抽選において実行される大当たりか否かの当否判定)の結果が報知されるまでの期間で遊技者に大当たりAに当選していることを期待させることで遊技の興趣を向上させることができる。
図142(b)は、時短当選と大当たり当選が重複している場合の大当たり当選報知画面の一例である。小表示領域Dm1では第1特別図柄が大当たりに当選したことを示す表示態様で停止表示され、主表示領域Dmでは、うさぎのキャラクタ801によって宝箱810fを開放され、宝箱810fの中から「V」と書かれた玉tm2が出現する演出が実行される。玉tm2は、第1特別図柄が大当たりに当選したことを遊技者に報知するための表示態様であり、玉tm2が表示されることで遊技者は大当たりに当選したことを認識することができる。また、主表示領域Dmには、図141(b)で示した「スーパーチャンス到来!この変動で当たれば15R大当たりの大チャンス!」と表示されるスーパーチャンス到来演出が大当たり抽選の結果が報知される時にも継続して表示される。なお、時短非当選であったものの大当たりBまたはCに当選した場合には、図142(b)の主表示領域Dmにスーパーチャンス到来演出および一か八か演出のどちらも表示されていない状態でうさぎのキャラクタ801が宝箱810fを開放して玉tm2が出現する演出が実行される。一方、時短非当選であったが大当たりAに当選し、上述したおみくじタイム演出中に一か八か演出が実行されている場合には、図142(b)の大当たり当選報知画面においても、主表示領域Dmには一か八か演出が継続して表示され、玉tm2が表示されたことで大当たりAに当選したことを遊技者が認識することができる。なお、図142(b)の大当たり当選報知画面が表示された後に、決定された大当たり種別を報知する演出を実行する(図示しない)。なお、変動中の第1特別図柄が時短非当選且つ大当たり非当選であった場合に、おみくじタイム演出が実行され、おみくじタイム演出において主表示領域Dmに「一か八か!大当たりA?orハズレ?」と表示される一か八か演出が実行された場合には、図142(b)においても主表示領域Dmに一か八か演出が継続して表示される。この場合、宝箱810fの中から「残念」と書かれた玉が出現する演出が実行されることで、大当たり非当選であったことが遊技者に報知される。
なお、実施例では、おみくじタイム演出によって時短抽選(特別図柄抽選において実行される普通図柄の高確率状態を設定するための時短当選の判定)の結果を示唆する構成としたが、これに限るものではなく、特定のキャラクタや背景画像を表示させることで時短抽選結果を遊技者が認識できる構成としても良い。また、例えば、図141(a)に示すスーパーチャンス到来演出において、主表示領域Dmに「スーパーチャンス到来!スーパーチャンス表示中に大当たり図柄が停止すれば、15R大当たりの大チャンス!」と表示される構成とし、大当たり当選報知画面までスーパーチャンス到来演出が継続して表示されていれば、15R大当たりが確定し、大当たり当選報知画面が表示される前にスーパーチャンス到来演出が終了した場合、つまり、図142(b)においてスーパーチャンス到来演出が表示されていない場合には、15R大当たりの可能性が低いことを遊技者に示唆する構成としても良い。このように構成することで、スーパーチャンス到来演出が実行されてから大当たり当選報知画面が表示されるまでの期間、遊技者にスーパーチャンス到来演出が継続して表示されることを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるとともに、スーパーチャンス到来演出が表示された状態で大当たり当選が報知されたにも関わらず、大当たり種別が15R大当たりでなかった場合に、遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができる。なお、図142(b)において、玉tm2の表示態様によって大当たり種別を報知する構成としても良く、例えば、玉tm2の色が虹色であれば大当たりA(15R時短有大当たり)、青色であれば大当たりC(5R時短無大当たり)であることを示す構成としても良い。次に、図143を参照して、時短抽選および大当たり抽選に当選した場合の報知パターンについて説明する。図143は、時短抽選(特別図柄抽選において実行される普通図柄の高確率状態を設定するための時短当選の判定)または大当たり抽選(特別図柄抽選において実行される大当たりか否かの当否判定)に当選した場合の報知パターンの一例を示すタイミングチャートである。
図143(a)は、時短当選と大当たり当選が重複した場合の報知パターンの一例であり、リーチ前演出期間において、おみくじタイム演出(図141(a)参照)が実行され、時短当選したことを示唆するための表示態様である紙k1(図141(b)参照)および「スーパーチャンス到来演出」(図141(b)参照)が表示されることで時短当選したことが遊技者に示唆され、リーチ演出期間を経て大当たり当選報知画面が表示されることで、大当たり当選したことが遊技者に報知される。したがって、時短当選と大当たり当選が重複した場合には、時短当選と大当たり当選が重複したことを遊技者が認識できることとなる。図143(b)は時短当選したものの大当たり当選しなかった場合の報知パターンの一例であり、この場合には、図143(a)の場合とは異なり、リーチ前演出期間においておみくじタイム演出(図141(a)参照)は実行されないため時短抽選の結果を遊技者が知ることはできず、リーチ演出後に第3図柄が大当たり非当選であることを示すための表示態様で表示されることで大当たり当選しなかったことが遊技者に報知される。したがって、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合には、遊技者は時短抽選の結果を知ることはできず、大当たり非当選であったことのみ認識することができる。図143(c)は、時短非当選であったものの、大当たり当選した場合の報知パターンであり、上述した通り、大当たりAに当選した場合の一部を除き、リーチ前演出期間においておみくじタイム演出(図141(a))は実行されないため、302(b)と同様に時短抽選の結果を遊技者が知ることはできず、リーチ演出後に第3図柄が大当たり当選したことを示すための表示態様で表示されることで大当たり当選したことのみが報知される。したがって、大当たり当選したものの時短非当選であった場合には、遊技者は時短抽選の結果を知ることはできず、大当たり当選したことのみ認識することができる。
このように構成することで、時短当選と大当たり当選が重複した場合には、どの遊技状態が設定されている場合の大当たり当選であったかを遊技者が判別することが可能となる一方で、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合には、変動中の特別図柄が停止した後に設定される遊技状態を遊技者が誤認し、遊技者に誤った遊技方法で遊技させてしまうことを抑制することができる。なお、実施例では、時短当選を示唆する演出をリーチ前演出期間で実行する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、リーチ演出期間で時短当選示唆演出(時短当選したことを示唆するための演出)を実行しても良いし、大当たり当選報知画面が表示される期間において時短当選示唆演出を実行しても良い。このように構成することで、リーチ前演出期間で時短当選示唆演出が発生しなくても、大当たり当選したことが報知される画面においても時短当選示唆演出が実行される可能性があるため、リーチ前演出期間で時短当選示唆演出が出なかったとしても遊技者を落胆させることなく時短当選を期待させながら第1特別図柄の変動表示を楽しませることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、実施例では、時短当選しても大当たり当選しなかった場合には、時短当選を報知しない構成としたが、これに限るものではなく、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合であっても、時短当選を報知する構成としても良い。例えば、実施例では、スーパーチャンス到来演出(図141(b)参照)が実行されるのは、時短当選と大当たり当選が重複した場合のみであったため、スーパーチャンス到来演出(図141(b)参照)が発生することで、遊技者は大当たり当選が報知される前に大当たり当選であることを知ることとなるが、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合の一部でスーパーチャンス到来演出(図141(b))を実行する構成とすることで、スーパーチャンス到来演出(図141(b)参照)が発生しても大当たり当選が確定せず、大当たり抽選の結果が報知される最後の瞬間まで大当たり抽選の結果を予測させる楽しみを遊技者に付与することが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
<第3制御例のパチンコ機10における電気的構成について>
次に、図144を参照して、本第3制御例のパチンコ機10のMPU201が有する各カウンタについて説明する。なお、上述した各制御例にて用いられた各カウンタについては、カウンタの更新範囲を一部異ならせている点で相違しているが、基本的な構成は同一であるため、その詳細な説明を省略する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~999の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~999の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図155参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図166参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第3制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aや、特別図柄保留球実行エリアに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202faによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202faによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
また、この第1当たり乱数テーブル202faには、第1特別図柄用の第1特別図柄乱数テーブル202fa1と、第2特別図柄用の第2特別図柄乱数テーブル202fa2との2種類が設けられており、大当たりとなる乱数の個数は同一であるが、小当たりとなる乱数の個数を異ならせて設定している(図146参照)。このように、小当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで、遊技者への特典(大当たり又は小当たり)付与に対する期待度を異ならせることができる。この第1特別図柄乱数テーブル202fa1と、第2特別図柄乱数テーブル202fa2とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。ここで、図146を参照して、第1当たり乱数テーブル202faについて説明する。図146(a)は、第1当たり乱数テーブル202faに規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図146(b)は、第1特別図柄乱数テーブル202fa1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図146(c)は、第2特別図柄乱数テーブル202fa2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202faは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、大当たりと判定される乱数値(判定値)と小当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、第1特別図柄の抽選を実行する場合には第1特別図柄乱数テーブル202fa1が参照される。図146(b)に示した通り、第1特別図柄乱数テーブル202fa1は、乱数カウンタC1の値のうち「0~4」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値が大当たり以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第1特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0~4」のいずれかである場合に大当たりであると判別される。
第2特別図柄の抽選を実行する場合には第2特別図柄乱数テーブル202fa2が参照される。図146(c)に示した通り、第2特別図柄乱数テーブル202fa2は、乱数カウンタC1の値のうち「0~4」が大当たり判定値として規定されており、「5~144」が小当たり判定値として規定されており、「145~999」がそれ以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第2特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0~4」のいずれかである場合に大当たりと判別され、「5~144」のいずれかである場合に小当たりと判別される。第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第3制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。また、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)では球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりや小当たりであると判別される乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れであると判別される乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。第3制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0~999の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、第1特別図柄、第2特別図柄の抽選時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は5個あり、その乱数値である「0~4」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202faの第1特別図柄乱数テーブル202fa1、第2特別図柄乱数テーブル202fa2に格納されている。このように第3制御例のパチンコ機10では乱数値の総数が1000ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が5なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/200」となる。第3制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。第3制御例では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択テーブル202bを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図147を参照して大当たり種別選択テーブル202fbの内容について説明をする。
図147(a)は、大当たり種別選択テーブル202fbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図147(a)に示した通り、第3制御例では、第1特別図柄(特図1)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図1大当たり種別選択テーブル202fb1と、第2特別図柄(特図2)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図2大当たり種別選択テーブル202fb2と、を有している。これにより、特図1の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別と、特図2の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別とを異ならせる、或いは、複数種類の大当たり種別のそれぞれが選択される割合を異ならせることができるため、第1特別図柄(特図1)を用いた遊技と、第2特別図柄(特図2)を用いた遊技とで異なる遊技性を遊技者に提供することができ遊技の興趣を向上することができる。次に、図147(b)を参照して第1特別図柄(特図1)の抽選時に用いられる特図1大当たり種別選択テーブル202fb1について説明をする。図147(b)は特図1大当たり種別選択テーブル202fb1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図147(b)に示した通り、遊技状態として通常状態が設定されている場合に、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0~9」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりA」となり、「10~49」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりB」となり、「50~99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりC」となる。遊技状態として時短状態が設定されている場合に、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0~9」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりD」となり、「10~49」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりA」となり、「50~99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりB」となる。
「大当たりA」は、大当たり遊技としてラウンド数が15ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりA」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA」が選択される乱数値が10個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が選択される割合は10%である。「大当たりB」は、大当たり遊技としてラウンド数が5ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数は上述した「大当たりA」よりも少ないが、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりB」は、遊技者にとって有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB」が選択される乱数値が40個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が選択される割合は40%である。「大当たりC」は、大当たり遊技としてラウンド数が5ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が通常状態(非時短状態)に設定される大当たり種別である。ラウンド数も少なく、大当たり後に通常状態が設定されるので、「大当たりC」は、遊技者にとって不利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC」が選択される乱数値が50個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が選択される割合は50%である。
「大当たりD」は、大当たり遊技としてラウンド数が15ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりD」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。さらに、「大当たりD」は、上述した「大当たりA」に対して、終了し難い時短状態が設定されるように構成している。よって、同一内容の大当たり遊技が実行され、且つ、大当たり遊技終了後に同一の遊技状態が設定される「大当たりA」よりも、遊技者に有利な大当たり種別となる。以上、説明をしたように、第3制御例のパチンコ機10では、通常状態が設定されている第1特別図柄(特図1)の抽選において大当たりに当選した場合の10%の割合で15ラウンドの大当たり遊技が選択され、90%の割合で5ラウンドの大当たり遊技が選択される。また、50%の割合で大当たり遊技終了後の遊技状態が時短状態へと移行する大当たりが選択される。一方、時短状態が設定されている状態で実行された第1特別図柄(特図1)の抽選において大当たりに当選した場合の50%の割合で15ラウンドの大当たり遊技が選択され、50%の割合で5ラウンドの大当たり遊技が選択される。また、時短状態中に特図1抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に必ず時短状態が設定される。つまり、通常状態で大当たり当選するよりも時短状態で大当たり当選したほうが、大当たり遊技の内容、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の点で遊技者に有利となる。よって、大当たり当選時点の遊技状態としては、通常状態よりも時短状態のほうが遊技者に有利となる。
次に、図147(c)を参照して、第2特別図柄(特図2)の抽選時に用いられる特図2大当たり種別選択テーブル202fb2について説明をする。図147(c)は特図2大当たり種別選択テーブル202fb2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図147(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0~99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりD」となる。即ち、第2特別図柄(特図2)の抽選において大当たりに当選した場合は、大当たり種別として遊技者にとって最も有利な「大当たりD」が必ず選択されるように構成している。第3制御例では、大当たりの種類は4種類としたが、それに限らず、1種類でもよいし、5種類以上設けるように構成してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ第1当たり種別カウンタC2の値であっても、異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、第2特別図柄で大当たりした場合に、よりラウンド数が多く実行される大当たり種別を設定しておくことで、第2特別図柄での当たりをより遊技者に期待させることができる。よって、高確率遊技状態での当たりをより遊技者に有利にすることができ、高確率状態中における遊技の趣向性を向上させることができる。従って、高確率状態へ移行させたいと遊技者に強く思わせることができ、より長く遊技を行わせることができる。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される大当たり種別の種類と、各大当たり種別の選択率(振分率)を同一にし、各大当たり種別に対応させる第1当たり種別カウンタC2の範囲のみを異ならせるように構成しても良い。これにより特定のカウンタ値を狙って第1当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が第1特別図柄と第2特別図柄との両方で実行されることを抑制することができる。
小当たり種別カウンタC5は、特別図柄の小当たりとなった場合に、小当たり種別を決定して、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタC5の値は、例えば、定期的に(第3制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納され、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)において球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。第3制御例のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC5の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、第2特別図柄に対する大当たり抽選の結果が小当たりである場合に、実行される小当たりの種別を決定するための小当たり種別選択テーブル202ff(図148参照)が主制御装置110のROM202に設定されている。ここで、図148を参照して小当たり種別選択テーブル202ffの内容について説明をする。図148は小当たり種別選択テーブル202ffに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図148に示した通り、小当たり種別選択テーブル202ffには第2特別図柄の小当たり種別として小当たりA,Bの2種類が小当たり種別カウンタC5の値により選択されるように規定されている。具体的には、取得している小当たり種別カウンタC5の値が「0~89」である場合の小当たり種別は、「小当たりA(V通過時大当たりA)」となり、「90~99」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりB(V通過時大当たりB)」となる。
ここで、各小当たり種別(小当たりA,B)には、それぞれ小当たり遊技においてV入賞装置650内のVスイッチ650e3を球が通過した場合に、その小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の種別が設定されている。小当たりAの場合には、大当たりA(15R時短有大当たり)が設定されており、小当たりAの実行後に、可変入賞装置65が15R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態(特別図柄の変動が100回或いは、小当たりAに1当選、或いは、小当たりBに3回当選するまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりBの場合には、大当たりB(5R時短有大当たり)が設定されており、小当たりBの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態(特別図柄の変動が100回或いは、小当たりAに1当選、或いは、小当たりBに3回当選するまでの期間)が設定されるように構成されている。このように、選択される小当たり種別によって、小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の内容およびその大当たり遊技後に設定される遊技状態を異ならせることができる。具体的には、小当たりAは、大当たり遊技において実行されるラウンド数が多く(15R)、且つ、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる時短状態が設定されるため、遊技者にとって最も有利な小当たりとして設定されており、小当たりBは、大当たり遊技において実行されるラウンド数は少なく(5R)、上述した小当たりAよりも不利に設定されているが、大当たり遊技後に時短状態が設定される。
なお、詳細な説明は後述するが、第3制御例では、時短状態の終了条件として、第2特別図柄抽選の抽選結果に基づいて成立する時短終了条件(小当たりA当選の回数、或いは小当たりB当選の回数等)、或いは、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の変動回数に基づいて成立する時短終了条件を設定可能に構成している。このように構成することで、第1特別図柄の保留球数が1以上ある状態で大当たりに当選し、大当たり終了後に時短状態が設定された場合において、大当たり終了後に第1特別図柄(特図1)の変動が実行されたとしても時短状態が終了することが無い。また、第2特別図柄(特図2)の変動が実行され、大当たり遊技を実行させることが可能な小当たり(小当たりA、小当たりB)に当選した場合には、特別図柄の変動回数に基づいて時短終了条件が成立するよりも前に時短終了条件が成立し時短状態を終了させることができるため、時短状態中に有利な小当たり(小当たりA)に当選するまで小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと通過させない遊技を第2終了条件が成立するまで繰り返し実行されることを抑制することができる。次に、図149(a)を参照して変動パターンテーブル202fdの内容について説明をする。図149(a)は変動パターンテーブル202fdに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図149(a)に示した通り、変動パターンテーブル202fdには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用変動パターンテーブル202fd1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用変動パターンテーブル202fd2とが規定されている。詳細については後述するが、第3制御例では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。図149(b)は、変動パターンテーブル202fdに設けられる通常用変動パターンテーブル202fd1に規定された内容を模式的に示した模式図である。図149(b)に示した通り、通常用変動パターンテーブル202fd1には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図149(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に変動時間が7秒の短外れが対応付けて規定され、「140~149」の範囲に変動時間が20秒のガセ外れが対応付けて規定され、「150~179」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「180~198」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチaが対応付けて規定されている。また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「30~189」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチが対応付けて規定され、「190~198」の範囲に変動時間が140秒のスペシャルリーチ各種が対応付けて規定されている。次に、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング外れが規定され、抽選結果が「大当たり、または小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング外れが規定されている。このように、特別図柄の抽選結果に応じて、変動時間が7秒~180秒の変動パターンのうち何れかの変動パターンが設定され、この変動パターンを示すコマンドを音声ランプ制御装置113へと送信することで、変動時間に対応する変動演出が第3図柄表示装置81にて実行される。
ここで、第3制御例では、上述した通り、遊技状態として通常状態が設定されている状態において右打ち遊技を実行した場合には第2入球口640に球が入球しないように構成されていることから、通常状態中は第1入球口64に球を入球させる遊技、即ち、第1特別図柄の抽選を実行する遊技が行われるように構成されている。このように構成されている通常状態中において第2特別図柄の抽選が実行される場合としては、遊技者が不正に球を第2入球口640に入球させた場合であるため、通常状態における第2特別図柄の変動は長い変動時間を有する変動パターンが選択される。これにより、短期間の間に不正に第2特別図柄の抽選が行われる事態を抑制することができる。なお、通常状態中に第2特別図柄の抽選(変動)が実行されたと判別した場合は、その抽選結果が表示されるまでの期間(180秒間)を用いて、不正に第2特別図柄の抽選(変動)が実行されたことを外部に報知するように構成しても良い。また、不正に第2特別図柄の抽選(変動)が実行された場合には、その不正に実行された第2特別図柄の抽選(変動)結果として、外れの抽選(変動)結果を強制的に創出し、表示するように構成しても良い。図149(b)に示した通り、通常用変動パターンテーブル202fd1にて選択される変動パターン(変動時間)は、図柄種別が特図1で抽選結果が外れの場合には7秒(選択割合が約70%)、40秒(選択割合が約15%)、80秒(選択割合が約10%)、20秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。また、抽選結果が大当たりの場合には80秒(選択割合が約80%)、40秒(選択割合が約15%)、140秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果と選択される変動パターン(変動時間)には関連性があり、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合と、特別図柄の抽選結果が外れの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合とによって、特定の変動時間(変動パターン)が選択された場合における大当たり期待度を示唆することができるように構成している。このように構成することで、選択される変動時間(変動パターン)によって大当たりに当選しているか否かを遊技者に予測させることができる。なお、第3制御例では当選した大当たり種別に関わらず、同一の変動パターンテーブルを用いる構成としているが、これに限ること無く、大当たり種別が遊技者に有利となる大当たり(例えば、大当たりA)を示す大当たり種別である場合と、それ以外の大当たり(大当たりB、大当たりC)を示す大当たり種別である場合とで、異なる変動パターンテーブルを用いる構成としても良い。この場合、例えば、有利大当たり(大当たりA)を示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、それ以外の大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成すると良い。これにより、実行される変動パターンに設定される変動時間が長ければ長いほど遊技者に有利となる遊技結果に期待することができるため、遊技者に対して特別図柄の変動時間に興味を持たせることができる。また、確変大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、通常大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成しても良い、これにより、短い変動時間で大当たりに当選した場合に、遊技者に意外性のある遊技結果を提供することができ、短い変動時間が選択された場合であっても、最後まで期待を持たせることができる。
次に、図150を参照して変動パターンテーブル202fdに設けられた時短用変動パターンテーブル202fd2の内容について説明をする。図150は時短用変動パターンテーブル202fd2に規定された内容を模式的に示した模式図である。図150に示した通り、時短用変動パターンテーブル202fd2には、図柄種別、変動回数、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。具体的には、図150に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が1~4回、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が2秒の短外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が2秒の短当たりが規定されている。図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が5回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が20秒の外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が20秒の当たりが規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、変動回数が1回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が30秒の中外れが規定され、抽選結果が「小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~160」の範囲に変動時間が10秒の短小当たりが規定され、「161~198」の範囲に変動時間が30秒の中小当たりが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動時間が30秒の中大当たりが規定されている。
図144に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、第3制御例ではタイマ割込処理(図155参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の第2図柄保留球実行エリアに格納される。そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202fcによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202fcによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。なお、第3制御例では、普通図柄の当たりに当選する確率がパチンコ機10の遊技状態に関わらず常に一定となるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良い。例えば、第2当たり乱数テーブル202fcとして、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類を設けても良い。この場合、それぞれに含まれる当たりとなる乱数の個数が異なるように設定する。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率を変更することができる。球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、現在の遊技状態が時短状態であるかを判別し、遊技状態が時短状態であれば第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。一方、遊技状態が時短状態では無ければ第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。
取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。そして、第2図柄が停止表示(確定表示)された時点における遊技状態が時短状態であるかを判別し、第2図柄が停止表示(確定表示)された時点が時短状態であって、且つ、第2図柄の変動開始時点も時短状態である場合には第2入球口640が「2秒間×2回」開放されるように電動役物640aを動作制御(ロング開放制御)する。一方、それ以外の場合は、第2入球口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるように電動役物640aを動作制御(ショート開放制御)する。尚、第2入球口640開放時間や回数は任意に設定すれば良い。このように、普通図柄の変動時間、及び、当たり当選時における電動役物640aの動作内容(第2入球口640の開放期間、開放回数)は、設定されている遊技状態によって可変されように構成されており、普通図柄の変動開始時における遊技状態が時短状態の場合は、通常状態の場合と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、時短状態が設定されている期間中に変動を開始した第2図柄の抽選結果が当たりであって電動役物640aが動作を開始する時点も時短状態が設定されている場合は、それ以外の場合と比較して、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
尚、第3制御例では、普通図柄(第2図柄)の変動開始時における遊技状態と、普通図柄の当たり当選に基づいて実行される電動役物640aの動作開始タイミングにおける遊技状態とに応じて、第2図柄の変動時間、及び電動役物640aの動作内容を異ならせて設定するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、普通図柄(第2図柄)の変動開始タイミングから電動役物640aの動作開始タイミングまでの間、継続して時短状態が設定されていることを判別する判別手段を設け、その判別手段の判別結果を用いて第2図柄の変動時間、及び電動役物640aの動作内容を設定するように構成しても良い。上述したように、第3制御例では電動役物640aの動作として遊技者に有利となる動作(ロング開放)を実行するためには、普通図柄変動開始時、及び電動役物640aの動作開始時の何れタイミングにおいても時短状態が設定されている必要がある。このように構成することで、例えば、通常状態が設定されているタイミングで変動を開始した第2図柄が、時短状態が設定されているタイミングにて当たりを示す識別情報で停止表示した場合、或いは、時短状態が設定されているタイミングで変動を開始した第2図柄が、通常状態が設定されているタイミングにて当たりを示す識別情報で停止表示した場合といった、一つの第2図柄の抽選に基づいて実行される第2図柄の変動及び電動役物640aの動作が複数の遊技状態を跨ぐ場合において、遊技者に有利となる電動役物640aの動作制御(ロング開放)が実行されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して過剰に有利な状態を提供することを防止することができる。第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~239)、タイマ割込処理(図155参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図166参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。次に、図145(a)を参照して、第3制御例のパチンコ機10に設けられる主制御装置110ROM202の内容について、説明する。図145(a)に示した通り、主制御装置110のROM202には、固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202fa、大当たり種別選択テーブル202fb、第2当たり乱数テーブル202fc、および変動パターンテーブル202fd、時短付与テーブル202fe、小当たり種別選択テーブル202ff、開放シナリオテーブル202fg、時短当たり乱数テーブル202fh、時短種別選択テーブル202fiが少なくとも記憶されている。尚、ROM202に記憶されている固定値データのうち、第1当たり乱数テーブル202fa、大当たり種別選択テーブル202fb、第2当たり乱数テーブル202fc、変動パターンテーブル202fd、小当たり種別選択テーブル202ffについては、既にその詳細な内容について説明をしているため説明を省略する。時短付与テーブル202feは、時短状態を終了させる複数の時短終了条件を、当選した大当たりの大当たり種別毎に異ならせて設定する際に参照されるデータテーブルであり、大当たり遊技が終了(大当たり遊技のエンディング期間が終了)した場合に(図167のS1612:Yes)参照され、大当たり種別に応じて異なる時短回数(時短終了条件)が設定される。
ここで、図147(d)を参照して時短付与テーブル202feに規定されている内容について説明をする。図147(d)は時短付与テーブル202feに規定されている内容を模式的に示した模式図である。第3制御例では大当たり終了後に時短状態が設定される大当たり種別(大当たりA,B,D)と、大当たり終了後に時短状態が設定されない(通常状態が設定される)大当たり種別(大当たりC)とを有しており、図147(d)に示した通り、各大当たり種別に対応させて複数の時短終了条件が規定されている。第3制御例では特別図柄の変動回数に応じて成立する第1時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりAに当選した回数に応じて成立する第2時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりBに当選した回数に応じて成立する第3時短終了条件と、を有している。図147(d)に示した通り、時短付与テーブル202feには複数の時短終了条件のそれぞれに対応した各種カウンタに設定する値が規定されており、上述した第1時短終了条件として設定する値は時短中カウンタ203hにセットされ、第2時短終了条件として設定する値は小当たりAカウンタ203fgにセットされ、第3時短終了条件として設定する値は小当たりBカウンタ203fhにセットされる。具体的には、大当たり種別が大当たりA及びBの場合には、時短終了条件として、時短中カウンタ203h(第1時短終了条件)に「100」、小当たりAカウンタ203fgに「1」、小当たりBカウンタ203fhに「3」の値をセットするように規定され、大当たりDの場合には、時短終了条件として、時短中カウンタ203h(第1時短終了条件)に「100」、小当たりAカウンタ203fgに「2」、小当たりBカウンタ203fhに「10」の値をセットするように規定されている。
なお、上述した通り、第3制御例では、大当たり種別が大当たりCの場合では、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されないため、時短付与テーブル202feの大当たりCには上述した各種カウンタに対して設定する値が規定されていない。このように、当選した大当たり種別毎に大当たり遊技終了後に設定される時短状態の終了条件を異ならせることで、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される旨を事前に報知したとしても、具体的な時短内容を把握させ難くすることができるため、最後まで(時短状態が終了するまで)遊技意欲を高めた状態で遊技を行うことができる。なお、第3制御例では時短付与テーブル202feを用いて設定される時短終了状態以外にも特別図柄の大当たりに当選した場合にも時短状態が終了するように構成しているが、この大当たり当選に基づいて成立する時短終了条件は、設定される大当たり種別に応じて異なるものでは無いため、時短付与テーブル202feからは省略しているが、上述した時短終了条件(特図の大当たり当選に基づいて成立する時短終了条件)についても時短付与テーブル202feに値を規定するように構成しても良い。さらに、本第3制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合にも時短状態(第2時短)を設定するように構成しているが、第2時短に対して設定される時短終了条件については、後述する時短種別選択テーブル202fiを参照して説明をする。なお、本第3制御例では、時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)に対する時短終了条件を、時短付与テーブル202feでは無く、時短種別選択テーブル202fiを参照して設定するように構成しているが、これに限ること無く、時短付与テーブル202feに第2時短に対応する時短終了条件を規定するように構成しても良い。
また、第3制御例では複数の時短終了条件として、上述した第1時短終了条件~第3時短終了条件を有する構成を用いているが、それ以外の条件を時短終了条件として設定しても良く、例えば、第1特別図柄の変動回数が所定回数(例えば50回)となった場合に成立する時短終了条件や、第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば80回)となった場合に成立する時短終了条件や、小当たりに当選しV入賞装置が作動した回数(小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhの値を合算した回数)が所定回数(例えば、10回)となった場合に成立する時短終了条件を設定しても良い。さらに、特別図柄の変動回数や抽選結果に基づかず、別の要因によって成立する時短終了条件を設定しても良く、例えば、普通図柄の変動回数や普通図柄の当たり当選回数(電動役物640aの作動回数)が所定回数となった場合に成立する時短終了条件や、特定の入球口(例えば、一般入賞口63)に入球した球数が所定個数(例えば、50個)となった場合に成立する時短終了条件等を予め設定するように構成しても良い。上述したように、遊技者に有利な遊技状態である時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定し、その時短終了条件の何れかが設定した場合に時短状態が終了するように構成することで、時短状態がどれくらいの期間継続するのかを遊技者が事前に把握することが困難となるため単調な遊技が行われることを抑制することができる。さらに、第3制御例では複数の時短終了条件のうち何れかの時短終了条件が成立した場合に時短状態を終了させる制御を用いているが、これ以外にも例えば、複数の時短終了条件が所定数(例えば2つ)成立した場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。この場合、成立した時短終了条件の数を判別する成立数判別手段と、成立数判別手段により判別された成立数が所定数(例えば2つ)に到達したかを判別する条件到達判別手段と、を設け、条件到達判別手段により成立数が所定数(例えば2つ)に到達したと判別された場合に時短状態を終了(通常状態を設定)するように構成すると良い。
また、最初に成立した時短終了条件の内容を判別する内容判別手段を設け、その内容判別手段の判別結果に基づいて、条件到達判別手段の判別基準となる所定数(例えば2つ)を可変させる判別基準数可変手段を設けても良い。これにより、最初に成立した時短終了条件の種類に応じて、終了し易い時短状態や、終了し難い時短状態を設定することができるため、時短状態が設定された後でも遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。上述した内容に加え、時短状態が設定されてからの所定期間(例えば、特別図柄の変動回数が10回に到達するまで)を計測する所定期間計測手段と、その所定期間計測手段の計測結果を判別する結果判別手段とを設け、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別した場合には、上述した時短終了条件が成立したとしても所定期間が経過するまでは時短状態の終了を遅延させる時短終了遅延手段を設けても良いし、結果判別手段により現在が所定期間内であると判別した場合に成立した時短終了条件を無効にする終了条件無効手段を設けても良い。また、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別している間は時短終了条件の成立の有無判別や、各時短終了条件に対応して設定された各種カウンタの値を更新(減算)する処理を実行しないようにしても良い。このように構成することで、時短状態が設定された直後に時短状態が終了してしまう事態を確実に防止することが出来ると共に、時短状態の終了タイミングを複雑に設定することができる。また、上述したように複数の時短終了条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させる処理を用いる場合においては、複数の時短終了条件を、優先時短終了条件(例えば、特別図柄の変動回数が100回に到達した場合に成立する時短終了条件)と、非優先時短終了条件(例えば、小当たり回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件)とを設定しておき、優先時短終了条件が成立した場合は直ちに時短状態を終了させ、非優先時短終了条件のみ複数成立した場合に時短状態を終了させるように構成すると良い。このように優先時短終了条件を設けることで、遊技者に対して過剰に時短状態を提供してしまうことを抑制することができる。
開放シナリオテーブル202fgは、特別図柄の抽選によって大当たり或いは小当たりに当選した場合に実行される当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)において、可変入賞装置65、或いは、V入賞装置650の開放パターン(各入賞装置に設けられた各種ソレノイドを動作させるパターン)をシナリオ化した開放シナリオが記憶されるデータテーブルであって、当選した大当たりに設定されている大当たり種別、或いは、当選した小当たりに設定されている小当たり種別に対応させて開放シナリオの内容が規定されている。このように、当選結果(大当たり或いは小当たり)および当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に応じて開放動作される入賞装置(可変入賞装置65、V入賞装置650)や開放動作内容(開放シナリオ)を異ならせることで、特典遊技の有利度合を複数段階設定することができるため、大当たり又は小当たりに当選した後も、遊技者に対してどの種別の当たりに当選したのかを楽しませることができる。開放シナリオテーブル202fgには、当選した当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に対応して当たり遊技中の開始インターバル期間(当たり遊技が開始されてから最初に入賞装置が開放動作するまでの期間)と、入賞装置の開放動作態様(開放動作される入賞装置の種別、1回の開放動作(ラウンド遊技)の秒数、総開放動作回数(ラウンド数))と、ラウンド間インターバル期間(ラウンド遊技間に設定される入賞装置が閉鎖される期間)と、終了インターバル期間(全てのラウンド遊技が終了してから、当たり遊技が終了するまでの期間(新たな特別図柄変動の開始を許容するまでの期間))と、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1あるいは特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替えるための流路ソレノイド650kのオンオフ切替動作態様が、それぞれ規定されている。
具体的には、当選した当たり種別が大当たりAに対応して、開始インターバル期間として「2秒」が、入賞装置の開放動作態様として「可変入賞装置65」を「15ラウンド」、1回のラウンド遊技として「継続して29秒」開放する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。よって、大当たり種別が大当たりAの大当たりに当選した場合は、可変入賞装置65が15ラウンド分開放される大当たり遊技が実行されることになり、遊技者に多くの賞球が払い出される大当たり遊技となる。さらに、大当たり種別が大当たりAの場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定される大当たりであるため、大当たりAは遊技者にとって最も有利となる特典が付与される大当たりである。次に、当たり種別が大当たりB,Cに対応して、開始インターバル期間として「2秒」が、入賞装置の開放動作態様として「可変入賞装置65」を「5ラウンド」、1回のラウンド遊技として「継続して29秒」開放する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。よって、大当たり種別が大当たりB,Cの大当たりに当選した場合は、可変入賞装置65が5ラウンド分開放される大当たり遊技が実行されることになり、遊技者に対して大当たりAに対応する大当たり遊技の約1/3の賞球が払い出される大当たり遊技となる。また、大当たり種別が大当たりBの場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定され、大当たりCの場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されないように構成されているため、大当たりBは大当たりAよりも不利で大当たりCよりも有利な特典が付与される大当たりとなる。
当たり種別が大当たりDに対応して、開始インターバル期間として「1秒」が、入賞装置の開放動作態様として「V入賞装置650」を「1ラウンド目」に開放動作し、「可変入賞装置65」を「2~15ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技として、1ラウンド目は「0.1秒開放を0.5秒間の開放間インターバルを設けて12回」開放し、2~15ラウンド目は「29秒間継続開放」する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。つまり、大当たりDの開始インターバル期間と2ラウンド目が実行されるまでの期間(1ラウンド目のラウンド遊技内容(開閉動作態様)、及び、1ラウンド目終了後のラウンド間インターバル期間)に規定されている内容が、後述する小当たり遊技に規定されている内容と同一となるように構成している。このように構成することで、今回実行されている当たり遊技が大当たり遊技であるか小当たり遊技であるかを、1ラウンド目が終了するタイミングまで(小当たり遊技であればその小当たり遊技が終了するタイミングまで)遊技者に把握させ難くすることができる。これにより、小当たりに当選して小当たり遊技が実行されていると認識していた遊技者に対して意外性のある当たり遊技を提供することができる。なお、第3制御例では、大当たりDは第2特別図柄によって大当たりに当選した場合に必ず選択される大当たり種別であり、且つ、第2特別図柄の抽選では殆どが小当たりに当選するように設定されている(図146(c)参照)。よって、遊技状態として時短状態が設定され、第2特別図柄の変動を主に行う期間中は、特別図柄の変動が停止表示された後に何らかの当たり遊技が開始される。この場合において、大当たりに当選した場合も、小当たりに当選した場合も、同一の開放動作から開始される当たり遊技を実行するため、遊技者により何れの当たり(大当たり又は小当たり)に当選したのかを把握させ難くすることができる。
加えて、第2特別図柄の抽選においては、大当たりに当選する確率の方が小当たりに当選する場合よりも低くなるように設定されており、又、大当たりDに対応する大当たり遊技の終了後には時短状態が付与されるように設定されている。よって、大当たりに当選した遊技者に対して、小当たりに当選した場合よりも不利な特典が提供されることが無いため、意外性のある遊技(大当たりDに対応した大当たり遊技)を、遊技者に有利な遊技とすることができるため、遊技者をより興奮させることができる。なお、大当たりDに当選した場合と、各種小当たりに当選した場合とでは、第3図柄表示装置81にて表示される変動表示(変動演出)として同一の演出態様が実行されるようにし、且つ、特別図柄の抽選結果を示す第1図柄表示装置37a,37bの表示態様により遊技者に抽選結果を識別され難くするために、特別図柄の停止表示タイミングと、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の停止表示タイミングを異ならせたり、特別図柄の停止表示タイミングと第3図柄の停止表示タイミングは同期させるが、その停止表示タイミング或いはその前後の期間において、第3図柄の表示をそれ以外の期間よりも遊技者が識別し難くするために、表示態様や表示領域を可変させたり、特別図柄の停止表示タイミングにおいて、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される演出用の図柄を第3図柄から普通図柄の変動表示に対応させた演出用普通図柄に切り替えたりすると良い。加えて、当たり遊技が実行された場合に開放動作する入賞装置(V入賞装置650)と第1図柄表示装置37a,37bを離れて配設し、特別図柄の停止表示タイミング(何れかの当たりに当選したことを遊技者に報知するタイミング)に第3図柄表示装置81にてV入賞装置650を遊技者に注目させる演出表示を実行したり、第3制御例のように第1図柄表示装置37a,37bの表示領域を第3図柄表示装置81の表示領域よりも小さくし、第3図柄よりも第1図柄が視認し難くなるように構成すると良い。これにより、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであるか小当たりであるかを第1図柄表示装置37a,37bの停止表示態様により識別され難くすることができ、当たり遊技中も継続して大当たりに当選したことを期待させることができる。
当たり種別が小当たりA,Bに対応して規定される内容には、小当たり遊技(1ラウンド遊技)に加え、その小当たり遊技中にVスイッチ650e3が球を検知することにより、小当たり遊技終了後に継続して実行される大当たり遊技(2~15ラウンド遊技)の開放シナリオも併せて規定されている。これにより、当選した小当たり種別の小当たり遊技内容と、その小当たり遊技終了後に実行し得る大当たり遊技内容とを確実に対応付けすることができるため、適正な遊技を提供することができる。具体的には、当たり種別が小当たりAに対して、小当たり遊技として、開始インターバル期間「1秒」が、入賞装置の開放動作態様「V入賞装置650」を「1ラウンド」開放が、1回のラウンド遊技「0.1秒開放を12回」、開放間インターバル期間「5回目と10回目の開放終了後以外に0.5秒(開放間インターバル1)、5回目と10回目の開放終了後に5秒(開放間インターバル2)」が規定されている。そして、小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技として「可変入賞装置65」が、「2~15ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技「29秒間継続開放」が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、開始インターバル「2秒」、終了インターバル期間「8秒」が規定されている。また、当たり種別が小当たりBに対して、小当たり遊技として、開始インターバル期間「1秒」が、入賞装置の開放動作態様「V入賞装置650」を「1ラウンド」開放が、1回のラウンド遊技「0.1秒開放を12回」、開放間インターバル期間「5回目と10回目の開放終了後以外に0.5秒(開放間インターバル1)、5回目と10回目の開放終了後に5秒(開放間インターバル2)」が規定されている。そして、小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技として「可変入賞装置65」が、「2~5ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技「29秒間継続開放」が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、開始インターバル「2秒」、終了インターバル期間「8秒」が規定されている。
つまり、小当たりBに対応する小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技は、上述した小当たりAに対応する大当たり遊技よりもラウンド遊技数が少なくなるように設定されている。また、小当たり種別が小当たりBの場合には、対応する大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定されるように構成されているため、小当たりBは小当たりAよりも不利な特典が付与される小当たりとなる。時短当たり乱数テーブル202fhは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、時短当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(判定値)が遊技状態に対応させて規定されているデータテーブルである。ここで、図151(a)を参照して、時短当たり乱数テーブル202fhの内容について説明をする。図151(a)は、時短当たり乱数テーブル202fhに規定されている内容を示した図である。具体的には、特別図柄種別に関わらず、遊技状態が通常状態(特別図柄及び普通図柄の低確率状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値が「3,4,140~287」の範囲に時短当選の判定値として規定されており、それ以外の遊技状態に対しては、時短当選の判定値を設けないように構成されている。
ここで、本第3制御例では、1回の特別図柄抽選において大当たり当選の判定と時短当選の判定とを重複して実行可能に構成している。また、小当たり当選の判定と時短当選の判定とを重複して実行可能に構成している。よって、例えば、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「3,4」である場合には、第1当たり乱数テーブル202fa(図146(a)参照)を用いて実行される大当たり判定において大当たりと判定され、且つ、時短当たり乱数テーブル202fh(図151(a)参照)を用いて実行される時短当選判定において時短当選と判定されるため、大当たりと時短とに重複当選することになる。同様に、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「140~144」である場合には、特別図柄2乱数テーブル202fa2(図146(c)参照)を用いて実行される小当たり判定において小当たりと判定され、且つ、時短当たり乱数テーブル202fh(図151(a)参照)を用いて実行される時短当選判定において時短当選と判定されるため、小当たりと時短とに重複当選することになる。上述した通り、本第3制御例では、時短当選の判定を実行した後に、大当たり(小当たり)判定を実行するように構成しているため、重複当選した場合には、時短状態において大当たり(小当たり)当選したことになる。よって、時短当選すること無く大当たり(小当たり)当選した場合に比べて遊技者に有利な特典を付与することができる。なお、本第3制御例では、1回の特別図柄抽選において取得した第1当たり乱数カウンタC1の値を用いて、大当たり(小当たり)の判定と、時短当選の判定を実行するように構成し、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、何れの判定においても当選判定値である場合に重複当選し得るように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄抽選の実行権利を獲得した際に、大当たり(小当たり)判定用の乱数カウンタの値と、時短当選用の乱数カウンタの値と、を別々に取得し、取得した各値を用いて大当たり(小当たり)判定と、時短当選判定を実行するように構成しても良い。
時短種別選択テーブル202fiは、特別図柄抽選で時短当選した場合に設定される時短状態(第2時短)に対する時短終了条件を設定する際に参照されるデータテーブルであって、時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて時短種別が規定されている。ここで、図151(b)を参照して、時短種別選択テーブル202fiの内容について説明をする。図151(b)は、時短種別選択テーブル202fiに規定されている内容を示した図である。図151(b)に示した通り、時短種別選択テーブル202fiには、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて時短種別が規定されており、規定されている時短種別に対応する時短終了条件が規定されている。具体的には、取得した時短種別選択カウンタCC1の全範囲(「0~99」)に対して時短種別として時短Aが規定されている。そして、時短Aに対応する時短終了条件として時短カウンタ203h(第1時短終了条件)に「1」が設定される時短終了条件が規定されている。つまり、特別図柄時短カウンタ203hの値を更新する処理が1回実行された時点で時短状態が終了する時短終了条件が設定される。よって、特別図柄抽選で時短当選した場合には、時短当選した時点で時短状態が設定され、その後当該特別図柄抽選における大当たり判定が実行され、当該特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が開始されるまでの間、時短状態が設定されることになる。つまり、特別図柄抽選で時短当選した場合には、特別図柄抽選における大当たり判定を時短状態中に実行させる(特殊抽選を実行させる)ためだけの時短状態を設定することができる。よって、特別図柄抽選で時短当選した場合には、遊技者に時短当選したことを気付かれること無く大当たり判定のみ時短状態中に実行することが可能となるため、大当たり当選した場合に遊技者に意外性のある特典(大当たり遊技内容、大当たり遊技終了後の時短状態)を付与することができる。
なお、図151(b)に示した通り、本第3制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合に時短種別として時短Aが必ず設定されるように構成しているがこれに限ること無く、例えば、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に応じて時短Aとは異なる時短種別を選択可能に構成しても良い。この場合、例えば、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0~94」の範囲に対して時短種別として時短Aを規定し、「95~99」の範囲に対して時短種別として時短Aとは異なる時短Zを規定するように構成し、時短Zに対応する時短終了条件として時短カウンタ203h(第1時短終了条件)に「100」が設定される時短終了条件を規定すると良い。このように構成することで、特別図柄抽選で時短当選した場合の一部において、特殊抽選を実行させるための時短状態では無く、第2特別図柄抽選を継続して実行させるための時短状態を設定することが可能となるため、遊技者に対してより意外性のある遊技を提供することができる。次に、図145(b)を参照して、本第3制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図145(b)は、第3制御例におけるパチンコ機10のRAM203の構成を模式的に示した図である。図145(b)に示すように、本第3制御例におけるRAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、遊技状態格納エリア203g、時短カウンタ203h、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203k、小当たり種別格納エリア203fa、小当たり開始フラグ203fb、小当たり中フラグ203fc、V通過大当たり種別格納エリア203fd、Vフラグ203fe、V通過フラグ203ff、小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fh、その他メモリエリア203zを有している。
つまり、上述した第2制御例におけるパチンコ機10のRAM203(図96(b)参照)に対して、小当たり種別格納エリア203fa、小当たり開始フラグ203fb、小当たり中フラグ203fc、V通過大当たり種別格納エリア203fd、Vフラグ203fe、V通過フラグ203ff、小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。小当たり種別格納エリア203faは、当選した小当たりに設定される小当たり種別を一時的に格納するための記憶領域であって、小当たりに当選したと判別した場合に(図158のS10306:Yes)、取得した小当たり種別が一時的に格納される(図158のS10310)。そして、小当たり遊技中においてV入賞装置650の開放数が所定数に到達し(図168のS11707:Yes)、Vフラグ203feがオンに設定されていないと判別した場合(図168のS11708:No)に、格納されている小当たり種別が参照され(図168のS11709)、参照した小当たり種別に対応した指示コマンドが設定される。なお、詳細な説明は省略するが、小当たり種別格納エリア203faに格納された情報(小当たり種別を示すための情報)は、小当たり遊技終了時にクリアされるように構成されている。小当たり開始フラグ203fbは、小当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図161のS10404)。小当たり開始フラグ203fbがオンであることが判別されて、小当たり遊技の開始タイミングであると識別されるとオフに設定される(図168のS11703)。この小当たり開始フラグ203fbは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり中フラグ203fcは、小当たり遊技中であることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図161のS10404)。一方、小当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている小当たりのラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定される(図168のS11720)。この小当たり中フラグ203fcは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。V通過大当たり種別格納エリア203fdは、小当たり遊技が実行されている場合に、V入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3により検知された場合に設定される大当たり種別を判別するためのデータが記憶される記憶エリアである。V通過大当たり種別格納エリア203fdは、判定結果が小当たりとなる特別図柄の変動が停止する場合に、判定されている小当たり種別に対応した大当たり種別に対応するデータ値が記憶される(図161のS10402)。V入賞装置650内の特別排出流路650e2を球が流下し、Vスイッチ650e3により球を検知すると、V通過大当たり種別格納エリア203fdに記憶されているデータ値に対応する大当たり種別に対応するVフラグ203feがオンに設定されるように構成されている。小当たり遊技の終了時に、V通過大当たり種別格納エリア203fdに記憶されているデータ値がクリアされるように構成されている。このV通過大当たり種別格納エリア203fdは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
Vフラグ203feは、小当たり遊技中にV入賞装置650内の特別排出流路650e2を球が流下し、Vスイッチ650e3により球が検知された場合に、実行している小当たり遊技の種別に対応した大当たり種別に対応したフラグがオンに設定されるものである。小当たり遊技の終了時に、このVフラグ203feがオンであるかを判別し(図168のS11716)、Vフラグ203feがオンであると判別した場合に(図168のS11716:Yes)、オンに設定されているフラグより実行される大当たり種別が判別されて対応する大当たり遊技の開始が設定される(図168のS11718)。このVフラグ203feは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。V通過フラグ203ffは、小当たり遊技中において、Vフラグ203feがオンに設定されている状態を判別するために用いられるフラグであって、Vフラグ203feがオンに設定されている場合にオンに設定される。第3制御例では、小当たり遊技中においてV入賞装置650に入賞した球の殆どが特別排出流路650e2を流下するように構成されており、特別排出流路650e2に最初に入賞した球に対応したV通過処理(図164参照)においてオンに設定される(図164のS11207)。そして、V通過処理(図164参照)では、V通過フラグ203ffがオンに設定しているか判別し(図164のS11201)、オンに設定していると判別した場合は(図164のS11201:Yes)、V通過処理(図164参照)のうちS11202~S11208の処理をスキップするように構成している。これにより、1回の小当たり遊技中にVスイッチ650e3が複数の球を検知した場合であっても、最初に検知した球に対応したV通過処理のみが実行されることになる。よって、小当たり遊技中に実行される処理を簡素化することが出来ると共に、音声ランプ制御装置113へV通過コマンドを複数回送信してしまい、音声ランプ制御装置113側でのV通過管理は煩雑になることを抑制することができる。
時短カウンタ203hは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図167のS11504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図167のS11612:Yes)、時短付与テーブル202feに規定されている値(100)が設定される(図167のS11614)。そして、特別図柄変動処理(図156のS10104)にて実行される更新処理(図160のS8253)においてカウンタの値が参照され(図160のS10601)、カウンタの値が0よりも大きいと判別した場合に(図160のS10601:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の時短中カウンタ203kの値が0であると判別すると(図160のS10604:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図160のS10605)。なお、第3制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、小当たり当選回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図162のS10505)。このように、複数の時短終了条件のうち、時短カウンタ203hの値を参照した時短終了条件(第1時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、時短カウンタ203hの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず時短カウンタ203hの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
小当たりAカウンタ203fgは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりAが設定された小当たりの当選回数の計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図167のS11504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図167のS11612:Yes)、時短付与テーブル202feに規定されている値(1)が設定される(図167のS11614)。そして、特別図柄変動処理(図156のS10104)の小当たり開始設定処理(図161のS10223)にて実行される小当たり用時短更新処理(図162のS10405)に今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりAであると判別した場合に(図162のS10502:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりAカウンタ203fgの値が0であると判別すると(図162のS10504:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図162のS10507)。なお、第3制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図160のS10606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりAカウンタ203mの値を参照した時短終了条件(第2時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりAカウンタ203mの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりAカウンタ203mの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
小当たりBカウンタ203fhは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりBが設定された小当たりの当選回数の計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図167のS11504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図167のS11612:Yes)、時短付与テーブル202feに規定されている値(3)が設定される(図167のS11614)。そして、特別図柄変動処理(図156のS10104)の小当たり開始設定処理(図161のS10223)にて実行される小当たり用時短更新処理(図162のS10405)に今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりBであると判別した場合に(図162のS10510:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりBカウンタ203fhの値が0であると判別すると(図162のS10512:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図162のS10507)。なお、第3制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図160のS10606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりBカウンタ203fhの値を参照した時短終了条件(第3時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりBカウンタ203fhの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりBカウンタ203fhの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
次に、図152(a)を参照して、本第3制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222について説明する。図152(a)は、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成を示した図である。図152(a)に示した通り、本第3制御例のROM222は、上述した第2制御例のROM222(図101(a)参照)に対して、引き戻しモード選択テーブル222daと、示唆態様選択テーブル222dbとを削除し、抽選結果報知態様選択テーブル222faを追加した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。抽選結果報知態様選択テーブル222faは、特別図柄変動の変動時間に対応して実行される変動演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、特別図柄抽選の結果(大当たり判定の判定結果と、時短当選判定の判定結果)を示唆(報知)するための態様として複数の態様の中から1の態様が選択される。この抽選結果報知態様選択テーブル222faは、第1特別図柄抽選の結果を示すための変動演出(特図1変動演出)の演出態様を設定するための特図1演出態様設定処理(図169のS14893参照)において参照される(図169のS19502参照)。ここで、図153を参照して、抽選結果報知態様選択テーブル222faに規定されている内容について説明をする。図153は、抽選結果報知態様選択テーブル222faに規定されている内容を模式的に示した図である。図153に示した通り、抽選結果報知態様選択テーブル222faには、大当たり判定時の遊技状態と、大当たり判定結果と、取得した演出カウンタ223fの値とに対応させて異なる抽選結果報知態様が規定されており、選択された報知態様を用いて特別図柄抽選の結果を示すための演出態様が設定される。
具体的には、大当たり判定時の遊技状態が通常状態、即ち、当該特別図柄抽選における時短当選判定において時短当選しなかった場合であって、大当たり判定結果が「大当たりA(15R大当たり)」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~64」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり当選報知」が規定されており、「65~79」の範囲に対して「時短非当選示唆+大当たり非当選報知」が規定されており、「80~99」の範囲に対して「大当たり当選報知」が規定されている。また、大当たり判定結果が「大当たりB,C(5R大当たり)」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~4」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり当選報知」が規定されており、「5~99」の範囲に対して「大当たり当選報知」が規定されている。大当たり判定結果が「外れ」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~98」の範囲に対して「大当たり非当選報知」が規定されており、「99」の値に対して「時短非当選示唆+大当たり非当選報知」が規定されている。一方、大当たり判定時の遊技状態が時短状態、即ち、当該特別図柄抽選における時短当選判定において時短当選した場合であって、大当たり判定結果が「大当たりA,D(15R大当たり)」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり当選報知」が規定されており、「90~99」の範囲に対して「大当たり当選報知」が規定されている。また、大当たり判定結果が「大当たりB,C(5R大当たり)」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり当選報知」が規定されており、「80~99」の範囲に対して「大当たり当選報知」が規定されている。大当たり判定結果が「外れ」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり非当選報知」が規定されており、「10~99」の値に対して「大当たり非当選報知」が規定されている。
次に、図152(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図152(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223a、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、変動開始フラグ223c、停止種別選択フラグ223d、演出カウンタ223e、遊技状態格納エリア223f、時短情報更新エリア223g、仮当たり判定フラグ223h、仮時短情報更新エリア223i、仮時短終了フラグ223j、時短下限フラグ223k、準終了条件フラグ223m、時短終了前変動フラグ223n、状態演出カウンタ223o、その他メモリエリア223z、が少なくとも設けられている。入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア~第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。この入賞情報格納エリア223aには、音声ランプ制御装置113の入賞コマンド処理(図61のS4212参照)が実行される場合に、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに基づいた入賞情報が第1エリアから順に格納されていく、なお、主制御装置110から送信される入賞情報コマンドは、主制御装置110の先読み処理(図111のS653)が実行された場合に設定され、主制御装置110のメイン処理(図166参照)にて実行される外部出力処理(図166のS11501)によって音声ランプ制御装置113へと送信される。この入賞情報格納エリア223aの第1エリア~第4エリアに格納された各入賞情報は、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図66のS4113参照)が実行される毎に、1つずつシフト(第2エリアに格納されていた入賞情報を第1エリアに移行)される(図66のS4904,S4908参照)。これにより、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が何時実行されるのかを、音声ランプ制御装置113側で確実に把握することができる。
また、入賞情報コマンドによって送信された入賞情報(特別図柄の先読み情報)を実行エリア(現在実行中の特別図柄変動に対応するエリア)までシフトさせることを可能に構成しているため、例えば、入賞情報コマンドを受信したことに基づいて、次に実行される特別図柄変動の開始タイミングから当該入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が終了するまでのタイミングまでの期間を用いた演出(所謂、先読み連続演出)を実行する際に、当該入賞情報コマンドに対応する入賞情報を上述した先読み連続演出が終了するまでの間、保持することができる。なお、第3制御例では入賞情報(第1入球口64に球が入球した場合に取得し得る情報)を4つまで保留記憶可能に構成しているため、入賞情報格納エリア223aが実行エリア以外に、第1エリア~第4エリアを有するように構成しているが、例えば、第2入球口640に球が入球した場合に取得し得る入賞情報(第2特別図柄に関わる入賞情報)も4つまで保留記憶可能に構成した場合には、入賞情報格納エリア223aに、実行エリア以外に、第1特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)と、第2特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)を設けるように構成すれば良い。第1特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、第1特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得して、第1特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図114のS4182参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、第1特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
なお、主制御装置から送信される保留球数コマンドに含まれる情報としては、実際の保留球数、即ち、特別図柄保留球数カウンタ203aの値を示す情報でも良いし、特別図柄保留球数カウンタ203aの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報でも良い。なお、保留球数コマンドとして特別図柄保留球数カウンタ203aの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報を送信する場合には、音声ランプ制御装置113に受信した保留球数コマンドに含まれる情報に基づいて現在の保留球数を演算管理する演算手段を設ければ良い。変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図114のS4204参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図66のS4902,S4906参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図166参照)の外部出力処理(図166のS11501)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図114のS4207参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図66のS4910参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、表示用停止種別が設定される(図66のS4911)。
演出カウンタ223eは、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用されるカウンタであって、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図166参照)が実行される毎に更新される。第3制御例では、演出カウンタ223eとして複数のループカウンタ(例えば、0~99の範囲で繰り返し更新されるカウンタ)を有しており、各カウンタの値が同期すること無く更新するように構成されている。具体的には、例えば、メイン処理(図166参照)が実行される毎に更新される値が異なるカウンタを複数設け、各カウンタの更新後の値が同期しないように構成している。さらに、各カウンタの値を演算することで別の値を算出し、その算出した値を用いて各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用する値として用いても良い。遊技状態格納エリア223fは、主制御装置110から遊技状態に関する状態コマンドを受信した場合に、その状態コマンドに対応する遊技状態を格納するための領域である。この遊技状態格納エリア223fに格納された情報(遊技状態)を参照することで、音声ランプ制御装置113側で現在の遊技状態を識別可能に構成している。なお、第3制御例では、音声ランプ制御装置113のRAM223は、パチンコ機10の電源が遮断された場合にデータが消去されるため、停電等の発生による電源遮断時には遊技状態格納エリア223fに格納されている現在の遊技状態を示す情報も消去されることとなる。しかしながら、第3制御例では電源投入後に実行される主制御装置110の立ち上げ処理(主制御装置)7(図165参照)にて状態コマンドが設定されるため(図165のS11412)、電源復旧後、直ちに遊技状態格納エリア223fに電源遮断前に設定されていた遊技状態を示す情報が格納されることになる。よって、パチンコ機10に電源が投入されている状態では音声ランプ制御装置113側で常に遊技状態を識別することができる。また、主制御装置110において遊技状態を可変設定する場合にも、可変設定された後の遊技状態を示す状態コマンドが設定される(図162のS10509、図160のS10607、図167のS11616等)。
時短情報更新エリア223gは、時短状態の終了条件と、各終了条件に対する進捗状況(終了条件の対象となる事象(例えば、特別図柄の変動や小当たり、大当たりの当選)が実行された回数)とを格納するためのデータ領域である。この時短情報更新エリア223aに格納される情報(時短状態の終了条件及び進捗状況)に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される状態(状況)表示態様Dm3aが選択される。この時短情報更新エリア223gは、主制御装置110から時短設定情報を含む時短関連コマンド、即ち、主制御装置110の大当たり制御処理(図167のS11504)にてエンディング演出の終了タイミングと判別し(図167のS11612)、時短状態の終了条件を設定した場合に(図167のS11614)設定される時短設定情報コマンドを受信した場合に、今回の時短状態を終了させるための終了条件が設定される。そして、音声ランプ制御装置113の時短更新処理において、時短情報を更新させるための更新情報(特別図柄変動が実行されたことを示すための変動情報や、小当たりに当選したことを示すための小当たり情報)を受信したと判別した場合に、受信した更新情報に対応させて現在の時短状況が更新される。この時短情報更新エリア223g内のデータ領域について具体的に説明をすると、時短情報更新エリア223gには、時短状態の終了条件になり得る各項目(例えば、第1特別図柄の変動回数、第2特別図柄の変動回数、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを合算した合算変動回数、小当たり種別(小当たりA,B)毎の当選回数(V入賞装置600の動作を開始した回数)、小当たり当選回数(各小当たり種別の当選回数を合算した合算当選回数)等)に対応して情報を一時的に格納できるように形成されており、各項目に対して、時短設定情報(時短状態の終了条件が成立する回数)と、時短状態が継続して設定されている期間中における各項目の更新情報(実際に実行された回数を示す情報)と、がそれぞれ格納されるように構成されている。
第3制御例では、この時短情報更新エリア223gに格納されている情報を用いて、複数の終了条件の中から他の終了条件よりも成立し易い終了条件を判別したり、各終了条件が成立するまでの残実行回数を判別したりするように構成している。さらに、時短情報更新エリア223gに格納されている時短設定情報や更新情報を用いて、例えば、時短設定情報に含まれる各項目の終了条件を示す値に対する更新情報が示す値の割合を算出し、時短進行度合いを数値(例えばパーセント)で表示するように構成しても良い。また、第3制御例では、時短情報更新エリア223gに格納される情報として、更新情報(既に実行された回数(変動回数、当選回数)を示す情報)を格納するように構成しているが、これに限ること無く、時短状態の終了条件が成立するまでの残回数を算出し、算出した残回数を示す情報を時短情報更新エリア223gに格納するように構成しても良い。上述した通り、第3制御例では、時短設定情報と、更新情報と、を区分けして記憶(格納)するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短設定情報として記憶した情報を直接更新するように構成しても良い。このように構成することで、時短情報更新エリア223gの容量を削減することができる。
仮当たり判定フラグ223hは、特別図柄の抽選(変動)が実行される前の入賞情報(保留記憶されている入賞情報)に大当たりに当選する入賞情報が含まれていることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで保留記憶されている入賞情報に大当たりに当選する入賞情報が含まれていることを示すものである。この仮当たり判定フラグ223hは、主制御装置110の先読み処理にて取得された入賞情報コマンドを、音声ランプ制御装置113側で受信した場合に実行される入賞情報関連処理において、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドの入賞情報に当たり情報があると判別した場合に、オンに設定される。そして、入賞情報関連処理において参照され、オンに設定されていると判別した場合は、以降に受信した入賞情報コマンドに対する各種判別処理をスキップするように構成している。また、変動表示設定処理にて実行される演出設定処理においても参照され、オンに設定されていると判別した場合は、状態表示態様を示す表示用状態表示コマンドを設定するための処理をスキップするように構成している。以上、説明をしたように、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報や、大当たり終了時点において保留記憶されている入賞情報の中に、大当たりに当選する入賞情報が含まれている場合には、それ以降に新たに受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対して大当たりに当選する入賞情報が含まれているかの判別や、現在設定されている遊技状態の終了条件が成立するか否かの判別を実行しないように構成している。つまり、大当たりに当選したことにより時短状態が終了すると判別された場合は、それ以降に獲得した入賞情報に基づいて、現在設定している時短状態が終了するか否かの判別が不要となるため、その不要な処理をスキップするように構成している。よって、音声ランプ制御装置113が実行する処理の処理負荷を軽減させることができる。
なお、第3制御例では、新たな入賞情報コマンドを受信した場合と、大当たり遊技の終了した場合とで入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しているが、それ以外のタイミングとして、例えば、停電等でパチンコ機10の電源がオフとなった後に、主制御装置110の立ち上げ処理(主制御装置)7(図165参照)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている各入賞情報を示すための復帰時入賞情報コマンドを設定し、全て音声ランプ制御装置113へと送信するように構成し、音声ランプ制御装置113側で上述した復帰時入賞情報コマンドを受信した場合に、上述した入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しても良い。また、第3制御例では、新たな入賞情報コマンドを受信した場合や、大当たり遊技が終了した場合に、必ず入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、所定の禁止条件が成立している場合には入賞情報の内容を判別しないように構成しても良い。この場合、所定の禁止条件としては、例えば、パチンコ機10が複数の演出モードを有しており、そのうちの1の演出モードが設定されている場合に成立する演出モード禁止条件や、特別図柄の抽選結果として大当たり以外(外れ)が所定回数(例えば、500回)連続した場合に成立するハマリ中禁止条件や、入賞情報に含まれる大当たり抽選結果(当否判定結果)に基づいて複数の特別図柄変動に跨がって実行される連続演出が実行されている間に成立する連続演出中禁止条件や、その連続演出が終了してからの所定期間(例えば、特別図柄の変動が2回実行されるまでの期間)の間に成立する多発禁止条件等を設けると良い。
このように構成することで、入賞情報に基づいて事前に判別された内容に応じた演出(所謂、先読み演出)を実行可能な期間と、実行不能な期間とを設定することができるため、遊技者に対して先読み演出が実行されなかった場合であっても大当たりへの期待感を維持することができる。なお、上述した禁止条件が成立している場合に、入賞情報の内容を判別する頻度を低くするように構成しても良いし、禁止条件が成立していない場合に、必ず入賞情報の内容を判別するのでは無く、入賞情報の内容を判別する頻度を高くするように構成しても良い。さらに、上述した禁止条件が成立しているか否かは遊技者に把握されないように構成すると良い。仮時短情報更新エリア223iは、入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に応じて事前に更新させた時短情報(仮時短情報)を一時的に格納するためのデータ領域である。第3制御例では、この仮時短情報更新エリア223iに格納されている仮時短情報を参照して、時短状態が終了するタイミングを事前に判別可能に構成している。以上、説明をしたように、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報によって、時短終了条件が成立する場合には、それ以降に新たに受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対して大当たりに当選する入賞情報が含まれているかの判別や、現在設定されている遊技状態の終了条件が成立するか否かの判別を実行しないように構成している。つまり、大当たりに当選したことにより時短状態が終了すると判別された場合は、それ以降に獲得した入賞情報に基づいて、現在設定している時短状態が終了するか否かの判別が不要となるため、その不要な処理をスキップするように構成している。よって、音声ランプ制御装置113が実行する処理の処理負荷を軽減させることができる。時短下限フラグ223kは、特別図柄の変動回数に基づいて成立する終了条件に対して、特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態中の特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのものである。
このように、時短終了条件が成立するまでの進行具合に応じてオンに設定されるフラグを設け、そのフラグの設定状況に応じて演出態様を可変させるように構成することで、遊技者に対して、時短終了条件が成立するタイミングを予測させることが可能となる。よって、時短状態の終了タイミングを示唆する演出の演出効果を高めることができる。なお、第3制御例では、時短終了条件が成立するまでの進行具合を2段階で判別するように構成しているが、より多くの段階を設けても良い。この場合、例えば、時短状態が設定されている状態において特別図柄の変動が10回実行される毎にその状態を識別可能なフラグ(カウンタ)を設け、そのフラグ(カウンタ)に応じて演出態様を可変するように構成すれば良い。準終了条件フラグ223mは、特別図柄の抽選によって小当たりに当選したこと基づいて成立する終了条件に対して、特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態中の特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのものである。時短終了前変動フラグ223nは、時短状態が終了する(時短終了条件が成立する)前の変動が実行されることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態が終了する1つ前の変動が実行されることを示すものである。具体的には、複数設定される時短状態の終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて設定される時短終了条件が成立するまでの期間(変動回数)が残り1回となった場合にオンに設定される。この時短終了前変動フラグ223nがオンに設定されている状態で変動表示設定処理(図66参照)を実行することで、当該変動が時短状態の最終変動と判別することが可能となり、時短状態の最終変動に対応した演出を実行することができる。
なお、第3制御例では、時短が終了する前の変動が完了した(実行された)ことを判別するために、時短終了前変動フラグ223nを設定するようにしているが、それ以外にも、例えば、第2特別図柄の入賞情報を保留記憶可能な構成を設け、保留記憶されている入賞情報に対しても先読み処理(図111参照)を実行するように構成し、その先読み処理の結果を示す入賞コマンドを受信するように構成し、受信した入賞コマンドに基づいて、小当たり当選する第2特別図柄の入賞情報を事前に判別するように構成する。そして、事前判別の結果に基づいて、時短状態の終了条件が成立する小当たり当選が実行される特別図柄変動の前の変動が実行される場合に、時短終了前変動フラグ223nがオンになるような構成を追加しても良い。これにより、複数の時短終了条件を有する遊技機において、確実に時短終了条件が成立する1つ前の特別図柄変動を判別することができる。状態演出カウンタ223oは、音声ランプ制御装置113によって実行される各種演出の演出態様を設定する際に用いられる各種抽選に使用されるカウンタであって、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理が実行される毎に1ずつ更新される。状態演出カウンタ223oは、上述した演出カウンタ223eと同一のループカウンタで構成されている。なお、詳細な構成については、上述した演出カウンタ223eと同一であるため省略する。このように、特定の規則性(当否判定結果、各種フラグの設定状況)に応じて特定の表示態様を選択する場合において、ランダムに更新される値(状態演出カウンタ223oの値)に基づいて選択される表示態様を更に詳細に区分けするように構成することで、表示態様の多様化を図るとともに、選択される表示態様(第3図柄表示装置81に表示される表示態様)によって現在の遊技状態(時短状態の更新状況)を遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
次に図154を参照して、第3制御例におけるパチンコ機10の遊技の流れについて説明をする。図154は、第3制御例におけるパチンコ機10の遊技の流れを模式的に示した模式図である。図154に示した通り、第3制御例におけるパチンコ機10は、上述したように通常状態中(通常状態中)は、左打ち遊技が行われ第1入球口64を狙う特1(特図1)遊技が実行される。ここで、第1入球口64へと遊技球が入球し、第1特別図柄抽選が実行されると、まず、時短当選の判定が行われる。そして、時短当選の判定にて時短当選しないと判定された場合は、遊技状態が通常状態のまま第1特別図柄抽選の大当たり判定が実行される。そして、通常状態において第1特別図柄の大当たりに当選すると、当選した大当たり種別によって大当たり終了後に異なる遊技状態へと移行する。具体的には、当選した大当たりの大当たり種別が大当たりC(全体の50%)である場合は、大当たり終了後に再度通常状態が設定され、大当たり種別が大当たりAまたは大当たりBである場合は、大当たり終了後に通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態である時短遊技状態(時短状態)へと移行する。なお、通常状態中において第2入球口640に球を入球させて第2特別図柄の抽選を実行し、大当たりに当選した場合はその大当たり終了後に遊技状態として、通常状態が設定されるように構成している。これは、図136を参照して上述した通り、第3制御例のパチンコ機10は通常状態中(通常遊技中)に右打ち遊技を行ったとしても第2入球口640に球が入球しない(し難い)ように構成していることから、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行される行為を不正行為とみなし、不正行為を行った遊技者に対して有利な遊技を行わせないための対策である。後述するように、第3制御例では時短状態中では第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利な抽選(遊技)を行わせることができるように構成しているため、不正行為を行って第2特別図柄の抽選を行われる虞があった。そこで、上述した対策を施すことにより、不正行為により第2特別図柄の抽選が行わせることを抑制することができる。
さらに、第3制御例では、第2特別図柄の入賞情報(第2入球口640に球が入球した場合に取得される入賞情報)を保留記憶する構成を有していないため、例えば、時短状態中(電動役物640aが突出位置に動作され易い状態中)に第2特別図柄の入賞情報を保留記憶し、その保留記憶された入賞情報に基づいて通常状態中の第2特別図柄の抽選(変動)が実行されてしまうことが無い。これにより、正常な遊技を行っている場合に、遊技状態として通常状態が設定されている状態において、第2特別図柄の抽選(変動)が実行されることを確実に防止することができる。一方で、通常状態が設定されている状態で実行される第1特別図柄抽選において時短当選した場合(時短当選の判定で時短当選したと判定された場合)は、時短状態にて大当たり判定が実行される。この状態にて実行された大当たり判定にて大当たり当選した場合は、その大当たり遊技終了後に、100%の割合で時短状態が設定される。また、第1特別図柄抽選において実行される時短当選の判定で時短当選した場合には、当該第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動が開始されるタイミングで時短状態が終了し、通常状態が設定されるように構成しているため、引き続き通常状態の遊技(左打ち遊技)が実行される。特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて時短状態が設定された場合には、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作(突出動作)により第2入球口640に容易に球を入球させることが可能な期間時短状態が継続するように時短状態が設定されるため、右打ち遊技が行われ第2入球口640を狙う特2遊技が実行される。
ここで、第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選(当選確率140/1000)した場合は、小当たり遊技としてV入賞装置650が開放動作され、V入賞装置650内のVスイッチ650e3が球を検知することで(球が特定領域を通過することで)、大当たり遊技が開始される。第3制御例では、小当たり遊技経由で大当たり遊技が設定(実行)された場合には、その大当たり遊技終了後に、遊技状態として必ず時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技経由の大当たりを獲得した遊技者に対して不快感を与えることを無くすことができる。なお、第3制御例では第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA,B)によって、その小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性(Vスイッチ650e3が球を検知する可能性)が異なる小当たり遊技が実行されるように構成されている。加えて、第3制御例では、大当たり当選に基づいて設定された時短状態を終了させる終了条件(時短終了条件)として、特別図柄(第1特別図柄或いは第2特別図柄)の変動回数(抽選回数)が規定変動回数(100回)に到達した場合に成立する変動回数終了条件(第1時短終了条件)と、特別図柄(第2特別図柄)の抽選の結果、小当たりに当選した当選回数(小当たり当選に基づいて動作されるV入賞装置650の動作回数)が規定動作回数に到達した場合に成立する動作回数終了条件(第2時短終了条件)と、が設定されている。また、第2時短終了条件は、更に、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(実行される小当たり遊技)に応じてそれぞれ設定されるように構成している。そして、時短状態が設定されている状態(状況)において、上述した第1時短終了条件、或いは、第2時短終了条件が成立するよりも前に、特別図柄の大当たり抽選に当選(1種当たりに当選)、或いは、特別図柄の抽選にて小当たりに当選し、当選した小当たりに応じた小当たり遊技(小当たり種別に応じた小当たり遊技)中に、球を特定領域に通過させ大当たりを獲得(2種当たりを獲得)した場合には、時短状態が繰り返し設定される。
一方、時短状態が設定されている状態(状況)において、1種当たり、或いは2種当たりを獲得する前に上述した第1時短終了条件(特別図柄の変動回数に応じた終了条件)或いは第2時短終了条件(小当たり当選(V入賞装置650の動作)に応じた終了条件)の何れかが成立した場合には、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行(設定)される。このように構成された第3制御例のパチンコ機10は、時短状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄の抽選において小当たりに当選した場合に、時短状態を終了させる可能性(第2時短終了条件が成立する可能性)と、2種当たりを獲得する可能性の両方を遊技者に提供することができる。よって、時短状態中に実行される遊技(第2特別図柄の抽選)に対する遊技者の興味を高め、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、第3制御例では図154に示した通り、時短状態が設定されている場合に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、遊技状態として通常状態が設定されている状態、即ち、左打ち遊技が行われている状態であって、第1特別図柄の保留球数(保留記憶数)が上限数(4個)である場合に大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合に実行され得る「時短状態中における第1特別図柄変動(抽選)」において、大当たりに当選したとしても、遊技者に不利となる結果を遊技者に提供することを抑制することができる。
<第3制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図155から図168のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(第3制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理(主制御装置)7とメイン処理とを説明する。なお、本第3制御例における主制御装置110により実行される制御処理のうち、上述した第2制御例と同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。図155は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S10101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S10102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第3制御例では999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第3制御例では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5、時短種別選択カウンタCC1の値(図示せず)の更新を実行する(S10103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタC5、時短種別選択カウンタCC1の値(図示せず)をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第3制御例ではそれぞれ、999,99,99,239,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C5,CC1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S10104)。その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S10105)。尚、特別図柄変動処理の詳細は、図156を参照して後述する。始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S10106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S10107)。尚、始動入賞処理(S10105)、普通図柄変動処理(S10106)、及び、スルーゲート通過処理(S10107)の詳細な内容については、上述した第2制御例における始動入賞処理、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理と同一であるため、その詳細な説明を省略する。スルーゲート通過処理(S10107)を実行した後は、V入賞装置650への入球に伴うV入口通過処理を実行する(S10108)。その後、V入賞装置650のV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3への入賞に伴うV通過処理を実行する(S10109)。尚、V入口通過処理及びV通過処理の詳細は、図163及び図164を参照して後述する。
次いで、発射制御処理を実行し(S10110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S10111)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。次に、図156を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S10104)について説明する。図156は、この特別図柄変動処理(S10104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S10104)は、タイマ割込処理(図155参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。この特別図柄変動処理(S10104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S10201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている期間が含まれるものであり、大当たり遊技の開始を示す期間(オープニング期間)と、大当たり遊技中の期間(ラウンド遊技期間)と、ラウンド遊技期間が終了し、次に新たな特別図柄の抽選(変動)が開始されるまでの猶予期間(エンディング期間)と、が含まれる。ここで、現在が大当たり中であるか否かの判別をするために、具体的には、大当たり中フラグ203kがオンに設定されているかを判別している。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり中フラグ203kがオンに設定されている)と判別した場合は(S10201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ、即ち、大当たり中フラグ203kがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S10201:No)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S10202)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中でなければ(S10202:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)と第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を取得する(S10203)。そして、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きいか判別する(S10204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S10204:Yes)、即ち、変動(抽選)を開始させる第2特別図柄の保留球を確保している状態であれば、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を減算し(S10205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S10206)。S10206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S10207)。その後、時短抽選処理(S10208)、特別図柄判定処理(S10209)、特別図柄変動パターン選択処理(S10210)の処理を実行し、本処理を終了する。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合には(S10204:No)、現時点において変動(抽選)を開始させる第2特別図柄の保留球を確保していない状態であるため、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか判別する(S10211)。第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合には(S10211:No)、現時点において変動(抽選)を開始させる第1特別図柄の保留球を確保していない状態であるため、特別図柄変動を実行するための本処理を終了する。
一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でなければ(S10211:Yes)、即ち、変動(抽選)を開始させる第1特別図柄の保留球を確保している状態であれば、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を減算し(S10212)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S10213)。S10213の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S10214)。その後、時短抽選処理(S10208)、特別図柄判定処理(S10209)、特別図柄変動パターン選択処理(S10210)の処理を実行し、本処理を終了する。S10202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であれば(S10202:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S10211)。第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S10215:No)、即ち、現在が特別図柄の変動期間中であれば、第1図柄表示装置の表示を更新し(S10216)、本処理を終了する。一方、S10215の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S10215:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bの停止図柄に対応した表示態様(停止表示)を設定する(S10217)。停止表示の設定は、図159を参照して後述する特別図柄変動パターン選択処理(S10252)によって予め行われる。詳細な説明は省略するが、第3制御例では、S10217の処理において設定された停止表示を所定期間(0.5秒)第1図柄表示装置に表示するように構成している。このように停止図柄の表示態様(停止表示)を所定期間継続して表示させることにより、変動中の図柄が一瞬表示された場合とは異なり、遊技者に対して確実に停止表示された第1図柄の内容を認識させることができる。
上述した第1図柄の停止態様を表示する所定期間(確定期間)として、第3制御例では0.5秒を設定しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、第1図柄が変動中であることを示すために点灯状態と消去状態とを繰り返す点滅表示を行う場合であれば、その点滅表示を行う際の1回の点灯表示期間(例えば、0.2秒)よりも長い期間を上述した確定期間として設定すれば良い。このように構成することで、第1図柄が変動中であるか停止中(確定中)であるかを遊技者に容易に判別させることができる。S10217の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行中の特別図柄の変動表示が開始された際に、特別図柄判定処理(図158のS10209参照)によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の判別結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(S10218)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであると判別した場合は(S10218:Yes)、大当たり開始フラグ203jと大当たり中フラグ203kとをオンに設定し(S10219)、時短カウンタ203hを0に設定して(S10220)、S10221の処理へ移行する。S10221の処理では、特図確定コマンドを設定し(S10221)、本処理を終了する。
つまり、第3制御例では、S10220の処理にて説明をした通り、特別図柄の大当たりに当選した場合には、その特別図柄の変動が終了(第1図柄の確定表示が終了)してから、大当たり遊技が開始されるまでのタイミングで時短状態が終了するように構成している。なお、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させるタイミングについては、予め定められているタイミングで有れば良く、上述した第3制御例のように、特別図柄(第1図柄)の確定表示後以外にも、例えば、大当たりに当選した特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了しても良いし、特別図柄が停止表示されたタイミング(確定表示が開始されるタイミング)で時短状態を終了しても良い。また、当選した大当たりに対応した大当たり遊技を開始するタイミングや大当たり遊技が開始されてから所定期間後(例えば、可変入賞装置65が開放されるラウンド遊技開始タイミング)に時短状態を終了しても良いし、大当たり遊技が終了したタイミングで時短状態を終了しても良い。さらに、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させる終了タイミング(特別図柄の大当たりに当選した場合に成立する時短終了条件を成立させるタイミング)を、上述した複数のタイミングの中から1つだけ予め設定するように構成しても良いし、当選した大当たりの大当たり種別に応じて異なるタイミングで時短状態が終了するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了させた場合には、遊技者に対して、時短状態が終了し(例えば、特別図柄の変動回数が規定回数(100回)に到達し)通常状態が設定されたのか、それとも、時短状態中に大当たりに当選したことにより時短状態が終了したのかを分かり難くすることができる。よって、時短状態が終了した際に実行される特別図柄変動に対応する第3図柄の演出表示(変動表示)の内容を遊技者に注視させることができ、演出効果を高めることができる。
また、複数の大当たり種別毎に時短終了条件が成立するタイミング(大当たりに当選した場合に時短状態を終了させるタイミング)を異ならせるように設定することで、時短状態の終了タイミングに基づいて特別図柄の抽選結果(判別結果)が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、複数の大当たり種別毎に設定される時短終了条件が成立するタイミングの一部に、時短状態が終了したタイミングを遊技者が識別した場合に、今回の特別図柄の抽選結果(判別結果)が大当たりであることを遊技者に報知できるタイミング、即ち、大当たりに当選したことにより成立する時短終了条件が成立した場合にのみ時短状態が終了する大当たり専用の時短終了タイミングを設けても良い。このように構成することで、時短状態が終了するタイミングを把握することで、大当たりに当選したことをいち早く知ることができ、優越感に浸る期間を長くすることができる。また、このような効果をより奏するために、上述した大当たり専用の時短終了タイミングを、特別図柄変動が実行されてから特別図柄変動が終了するまでの変動期間のうち、前半期間に設定するように構成すると良い。一方、S10218の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S10218:No)、今回の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S10222)。S10222の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S10222:Yes)、小当たり開始設定処理を実行し(S10223)、本処理を終了する。一方、S10222の処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判別された場合は(S10222:No)、小当たり開始設定処理(S10223)をスキップして、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、第3制御例の特別図柄変動処理(図156のS10104)では、第1特別図柄の抽選(変動)条件の成立の有無よりも優先して(先に)、第2特別図柄の抽選(変動)条件の成立の有無を判別するように構成している(図156のS10204の処理)。これは、遊技者にとって有利な特別図柄である第2特別図柄は遊技状態として時短状態が設定されている場合に変動可能(変動容易)となり、通常状態が設定されている場合は、変動不能(変動困難)となる第2特別図柄のほうが、第1特別図柄よりも変動(抽選)を実行し難い特別図柄となるように構成されているためである。このように構成されたパチンコ機10において、万が一、第1特別図柄の抽選(変動)条件と、第2特別図柄の抽選(変動)条件が同時(主制御装置110のタイマ割込処理(図155参照)の処理期間である2ミリ秒分の誤差は含む)に成立した場合に、変動(抽選)が実行され難い第2特別図柄よりも優先して第1特別図柄の変動が開始されてしまうと、遊技者に対して不快感を与えてしまうことになる。さらに、第3制御例では第1特別図柄の抽選(変動)よりも第2特別図柄の抽選(変動)のほうが遊技者に有利となる抽選結果に当選し易くなるように(小当たりに当選し易くなるように)構成しているため、第1特別図柄の抽選(変動)条件と、第2特別図柄の抽選(変動)条件が同時(主制御装置110のタイマ割込処理(図155参照)の処理期間である2ミリ秒分の誤差は含む)に成立した場合に、変動(抽選)が実行され難い第2特別図柄よりも優先して第1特別図柄の変動が開始されてしまうと、より不快感を与えてしまうという問題があった。これに対して、第3制御例では、第1特別図柄、或いは第2特別図柄の変動を開始させる処理を実行する場合に、遊技者にとって付加価値の高い(小当たりの当選確率が第1特別図柄よりも高い、実際に抽選(変動)が実行され難い)特別図柄(第3制御例では第2特別図柄)の抽選(変動)条件を優先して(最初に)判別するように構成しているため、上述した問題が発生することを抑制することができる。
次に、図157を参照して、時短抽選処理(S10208)の処理内容について説明をする。図157は、時短抽選処理(S10208)の処理内容を示したフローチャートである。図157に示した通り、時短抽選処理(S10208)は、上述した第2制御例における時短抽選処理(図106のS8006参照)に対して、時短抽選を実行するための条件と、時短抽選の抽選結果(時短当選の有無)を判定する際に参照されるデータテーブルを異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。時短抽選処理(S10208)が実行されると、まず、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(S18103)、通常状態では無い(時短状態である)と判別した場合は(S18103:No)、そのまま本処理を終了する。一方、通常状態であると判別した場合は(S18103:Yes)、時短当たり乱数テーブル202fhに基づいて抽選結果(時短当選の判定結果)を取得し(S18104)、時短当選したかを判別し(S18105)、時短当選したと判別した場合は(S18105:Yes)、時短種別選択テーブル202fiに規定されている内容に基づいて時短カウンタ203hの値に1を設定し(S18106)、本処理を終了する。また、S18105の処理において時短当選していないと判別した場合は(S18105:No)、そのまま本処理を終了する。以上、説明をした通り、本第3制御例では、特別図柄種別に関わらず、特別図柄抽選が通常状態にて実行される場合を時短当選判定の実行条件としている。そして、本第3制御例におけるパチンコ機10は、遊技状態として、通常状態と時短状態との2種類を設定可能に構成している。つまり、第3制御例では、時短状態が設定されていない状態で実行される特別図柄抽選の全てにおいて、時短当選の判定が実行されるように構成している。よって、遊技者に対して常に時短状態が設定される可能性を持たせたまま遊技を行わせることができる。
なお、上述した通り、本第3制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合には、その時短当選に基づいて設定される時短状態が、当該特別図柄抽選にて大当たり判定が実行される期間のみ設定されるように構成していることから、大当たり当選しない限り時短当選したか否かを遊技者に把握させ難くすることができる。次に、特別図柄判定処理(S10209)の処理内容について、図158を参照して説明をする。図158は、特別図柄判定処理(S10209)の処理内容を示したフローチャートである。特別図柄判定処理(S10209)は、上述した特別図柄変動処理(図156のS10104参照)において、時短抽選処理(図157のS10208参照)が実行された後に実行される処理であって、特別図柄抽選における大当たり判定(小当たり判定)を行うための処理が実行される。図158に示した通り、この特別図柄判定処理(S10209)は、上述した第2制御例における特別図柄判定処理(図105のS251参照)に対して、小当たり判定された場合に実行される処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。なお、図158では、上述した特別図柄判定処理(図105のS251参照)と同一の処理内容に対して、説明の便宜上、異なる符号を付しているが記載内容が同一の処理についてはその処理内容は同一である。特別図柄判定処理(S10209)が実行されると、まず、特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(S10301)、第1当たり乱数テーブル202fhに基づいて抽選結果(大当たり(小当たり)判定結果)を取得し(S10302)、取得した抽選結果が大当たり当選であるかを判別する(S10303)。大当たり当選であると判別した場合は(S10303:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S10304)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S10305)、本処理を終了する。
一方、S10303の処理において大当たり当選していないと判別した場合は(S10303:No)、次いで、小当たり当選しているかを判別し(S10306)、小当たり当選していると判別した場合は(S10306:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S10307)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の小当たり図柄をセットし(S10308)、本処理を終了する。なお、詳細な図示は省略しているが、S10305の処理、及びS10308の処理では、当該特別図柄抽選にて時短当選した場合と、時短当選していない場合とで異なる当たり図柄をセットするように構成している。つまり、第1図柄表示装置37には、特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄の表示態様として、時短当選の有無と当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)の有無とを複合した表示態様を設定可能に構成している。次に、図159を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動パターン選択処理(S10210)について説明する。図159は、特別図柄変動パターン選択処理(S10210)の内容を示したフローチャートである。図159に示した通り、特別図柄変動パターン選択処理(S10210)では、特別図柄変動の開始を設定する前に更新処理(S8253)を実行するように構成している。このように構成することで、特別図柄変動が開始されるよりも前に時短状態を終了させることができる。さらに、本第3制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンが選択されてから、実際に特別図柄変動が開始されるまでの間に、更新処理(S8253)を実行するように構成している。よって、特別図柄抽選が実行された時点における遊技状態に対応させて特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンを選択することができるため、遊技者に対して、更新処理(S8253)が実行されたことにより遊技状態が切り替わった場合であっても、実行される特別図柄変動の変動パターンによって現在の遊技状態を予測させ難くすることができる。
また、時短状態が終了した後に実行される特別図柄変動であっても、その特別図柄変動に対応する特別図柄抽選が時短状態中に実行された場合であれば、特別図柄変動の変動パターンを時短状態中に参照されるデータテーブルを用いて決定することができるため、例えば、時短状態中に実行される特別図柄抽選に基づいてのみ付与可能な特典を有しているパチンコ機10において、その特典が付与されることを示すための専用演出を時短状態中に選択される特別図柄変動の変動パターンに対応して規定しておくだけで円滑に専用演出を実行することができる。なお、これに限ること無く、例えば、図159のS8252の処理が実行されるよりも前に更新処理(S8253)を実行するように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄変動の変動パターンを選択するよりも前に時短状態を終了させることが可能となるため、例えば、通常状態と時短状態とで異なる変動パターンを選択可能に構成されたパチンコ機10において、選択された変動パターンに基づいて、時短状態中に特別図柄抽選の大当たり判定が実行されたか否かを判別されてしまうことを抑制することができる。特別図柄変動パターン選択処理(S10210)が実行されると、まず、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S8201)。S8201の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S8201:Yes)、大当たり種別選択テーブル202fb(図147(a)参照)を参照して大当たり種別を決定し(S8251)、S8203の処理に移行する。一方、S8201の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S8201:No)、特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否か、即ち、特別図柄の小当たりが設定されているか否かを判別する(S8209)。S8209の処理において特別図柄の小当たりが設定されていると判別した場合には(S8209:Yes)、小当たり種別選択テーブル202ff(図148参照)を参照して小当たり種別を決定し(S8254)、S8203の処理に移行する。
また、S8209の処理において、特別図柄の小当たりが設定されていない、即ち、特別図柄の外れが設定されていると判別した場合には(S8209)、S8254の処理をスキップし、S8203の処理に移行する。S8203の処理では、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得する(S8203)。次に、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて現在の遊技状態(通常状態、時短状態)を特定し、特定した遊技状態に対応したデータテーブルを変動パターン選択テーブル202fdから読み出す(S8252)。そして、S8203の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S8252の処理で読み出した変動パターン選択テーブル202fd(図149(a)参照)が有するデータテーブルとに基づいて変動パターンを選択し(S8205)、S8205の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S8206)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S8207)、更新処理を実行する(S8253)。更新処理(S8253)の詳細な説明については、図160を参照して後述する。そして、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S8208)、本処理を終了する。S8207の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、図160を参照して、特別図柄変動パターン選択処理(図159のS10210参照)にて実行される更新処理(S8253)の処理内容について説明をする。図160は、更新処理(S8253)の処理内容を示したフローチャートである。この更新処理(S8253)では、上述した第2制御例における更新処理(図108のS253参照)と同様に、遊技状態(時短状態)を終了させるための終了条件に関する情報を更新するための処理と、更新後の情報が終了条件を満たしているかを判別するための処理と、終了条件を満たしていると判別した場合に遊技状態(時短状態)を終了させる処理と、が実行される。図160に示した通り、本第3制御例では、遊技状態として通常状態と、時短状態と、を設定可能に構成しているため、更新処理(S8253)では、時短状態を終了させるための時短終了条件に関する情報を更新し、更新後の情報に基づいた処理を実行するように構成している。つまり、時短カウンタ203hの値を減算し、時短終了条件が成立したかを判別し、その判別結果に基づいて時短状態を終了させる処理(時短終了条件が成立したか否かの判別を実行する際に参照される各種カウンタの値をクリアする処理)が実行される。この更新処理(S8253)は、タイマ割込処理(図155参照)の特別図柄変動処理(図156参照)の中で実行される処理であり、時短回数を更新し、遊技状態を通常状態に設定するための処理である。更新処理(S8253)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が時短中であるかを判別する(S10601)。S10601の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)、即ち、時短中ではないと判別した場合は(S10601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい、即ち、時短中であると判別した場合は(S10601:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S10602)、S10603の処理へ移行する。
S10603の処理では、演算により変更された(1減算された)時短カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S10603)。ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理(図166参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。その後、時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S10604)。時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(S10604:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S10605)、小当たりAカウンタ203fgおよび小当たりBカウンタ203fhを0に設定する(S10606)。次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S10607)、本処理を終了する。一方、S10604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合は(S10604:No)、そのまま本処理を終了し、特別図柄変動処理(図156参照)へ戻る。以上、説明をしたとおり、第3制御例では、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件(変動回数終了条件)の成立の有無は、更新処理(図160参照)により判別され、特別図柄の小当たり当選の当選回数に基づいて成立する時短終了条件(当選回数終了条件)の成立の有無は、小当たり用時短更新処理(図162参照)により判別されるように構成している。そして、何れかの処理において、複数設定される時短終了条件のうち、何れかの時短終了条件が成立した場合には、他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すための各種カウンタの値を全て時短終了条件が成立した状態を示すための値(0)に設定するように構成している。よって、何れの時短終了条件が成立した場合においても、時短状態を終了させるための処理内容を統一することができる。
なお、第3制御例では、各時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すために、時短状態が設定されたタイミングで各種カウンタに、各時短終了条件を示す値を設定し、各時短終了条件に対応する時短情報を判別した場合に、各種カウンタの値を減算し、減算した値が0となった場合に、対応する時短終了条件が成立したと判別する構成を用いているが、それ以外にも、時短状態が設定された時点で各種カウンタの値を0にセットし、対応する時短情報を判別した場合に、カウンタの値を1加算し、加算後のカウンタの値が時短終了条件を示す値であると判別した場合に時短状態を終了するように構成しても良い。つまり、時短終了条件の成立の有無を判別する手段と、時短状態が設定されている状態において、各種時短終了条件に対応する時短情報(特別図柄の変動回数や小当たり当選回数等)を更新する更新手段と、を設ける構成であれば良い。次に、図161を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開始設定処理(S10223)について説明する。図161は、小当たり開始設定処理(S10223)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理(S10223)は、タイマ割込処理(図155参照)の特別図柄変動処理(図156参照)の中で実行される処理であり、小当たり種別(小当たりA,B)に基づいて、小当たり遊技の開始を設定し、当選した小当たりに応じて時短情報を更新するための処理(当選回数終了条件に対する更新処理)が実行される。ここで、本パチンコ機10は、小当たり遊技が開始されるとV入賞装置650を球が入賞可能(容易)な開放状態に可変し、そのV入賞装置650に入賞した球が特定領域(V入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3)を通過することで、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行(設定)されるよう構成されている。
即ち、小当たり遊技が実行される遊技状態は、V入賞装置650に球が入賞可能となる(賞球を得ることが出来る)有利状態、且つ、通常遊技状態に比べて大当たり遊技が実行される可能性が高くなる有利状態となるよう構成されている。なお、詳細は後述するが第3制御例では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA,B)に対応して異なる小当たり遊技が実行されるように構成されており、各小当たり種別に応じて、小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性が異なるようにしている。このように構成することで、実行される小当たり遊技によって大当たり遊技(2種当たり)が実行(設定)される可能性(期待度)を可変させることができるため、遊技者に対して小当たりに当選するか否かだけでは無く、当選した小当たりの種別に対しても興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。小当たり開始設定処理(S10223)が実行されると、まず、小当たり種別と対応した開放シナリオを設定する(S10401)。その後、V通過大当たり種別格納エリア203fdに小当たり種別に応じた大当たり種別を設定する(S10402)。より具体的には、小当たり種別と小当たり種別選択テーブル202ffに基づいて、V通過大当たり種別(小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に設定(実行)される大当たり遊技)を判別する。上述したように、小当たり種別がAであれば、大当たりA(15ラウンド時短有大当たり)であると判別し、小当たり種別がBであれば、大当たりB(5ラウンド時短有大当たり)であると判別する(図148参照)。つまり、第3制御例では、小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に設定(実行)される大当たり(2種当たり)の大当たり遊技の内容と、特別図柄の抽選によって大当たり(1種当たり)に当選した場合に実行される大当たり遊技とで同一の大当たり遊技が実行されるように、2種当たりを獲得した場合に(特定領域を球が通過した場合に)、1種当たりにおいて設定される大当たり種別(大当たりA或いはB)が実行された小当たりの種別に応じて設定されるように構成されている。
このように、2種当たりを獲得した場合に、大当たり種別を設定し、設定された大当たり種別に基づいて大当たり遊技を開始させる処理を実行することで、1種当たりに当選した場合と、2種当たりを獲得した場合とで、大当たり遊技に関する処理を共通化することができ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。なお、第3制御例の構成に限ること無く、1種当たりに当選した場合のみ、或いは、2種当たりに当選した場合のみ、実行され得る大当たり遊技を設定可能に構成しても良いし、1種当たりと2種当たりとで異なる大当たり遊技処理を実行するように構成しても良い。図161に戻り、説明を続ける。S10402の処理を終えると、次いで、小当たり種別に基づいて、小当たりの開始を設定し(S10403)、小当たり開始フラグ203fbと小当たり中フラグ203fcをオンに設定する(S10404)。その後、小当たり用時短更新処理を実行し(S10405)、本処理を終了する。この小当たり用時短更新処理(S10405)は、小当たりに当選した場合に成立し得る時短状態の終了条件である当選回数終了条件に対応する時短情報を更新するための処理と、時短情報を更新したことにより当選回数終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行させるための処理と、を実行するためのものであって、その詳細は図162を参照して後述する。ここで、図162を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり用時短更新処理(S10405)について説明する。図162は、小当たり用時短更新処理(S10405)の内容を示したフローチャートである。この小当たり用時短更新処理(S10405)は、タイマ割込処理(図155参照)の特別図柄変動処理(図156参照)の小当たり開始設定処理(図161参照)の中で実行される処理であり、当選した小当たりに基づいて時短情報を更新し、時短終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと更新するための処理である。
小当たり用時短更新処理(S10405)では、まず、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいかを判別する(S10501)。即ち、現在が時短状態であるかを判別する。S10501の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S10501:No)、時短状態以外の遊技状態において小当たりに当選した状態であるため、時短情報を更新するために本処理を全てスキップし、本処理を終了する。なお、第3制御例では、時短状態が設定されている状態以外では小当たりに当選することが無いように(第2特別図柄の抽選(変動)が実行されないように)構成しているため、S10501の処理にて時短状態が設定されていない状態であると判別した場合に、エラー報知(異常報知)を実行するためのエラーコマンドを設定するように構成しても良い。一方、S10501の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい、即ち、時短状態が設定されている状態であると判別した場合は(S10501:Yes)、次に、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりA」であるかを判別する(S10502)。ここで、S10502の処理では、特別図柄判定処理(図158参照)のS10310の処理において小当たり種別格納エリア203faに格納された小当たり種別を読み出して判別を実行する。S10502の処理において、今回の小当たり種別が「小当たりA」であると判別した場合は(S10502:Yes)、小当たりAカウンタ203fgの値を1減算し(S10503)、減算後の小当たりAカウンタ203fgの値が0であるかを判別し(S10504)、0であると判別した場合は(S10504:Yes)、今回の小当たり当選で時短終了条件(小当たりAに対応する当選回数終了条件)が成立した場合であるため、変動回数終了条件が成立するまでの期間を計測していた時短カウンタ203hの値を0に設定し(S10505)、各種当選回数終了条件を計測していた小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhのそれぞれの値を0に設定し(S10506)、遊技状態として通常状態を設定する(S10507)。
上述したS10505~S10507の処理を実行することにより、複数設定される時短終了条件のうち、1つの時短終了条件が成立した場合に、他の時短終了条件が成立するまでの期間を計測するためのカウンタの値をそれぞれ時短終了条件が成立したことを示す値に設定することができるため、時短終了条件が成立した後に(遊技状態として通常状態が設定された後に)、時短情報を更新するための処理(小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fh、時短カウンタ203hの値を更新するための処理)が実行されることを確実に防止することができる。よって、不必要な処理が実行されることを抑制できるため、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。なお、第3制御例では、複数の時短終了条件のうち、何れかの終了条件が成立した場合に、複数の時短終了条件のそれぞれに対応する時短情報を更新するための各種カウンタの値を0(時短終了条件が成立したことを示す値)に設定するように構成するだけであるため、時短状態が終了した後に、前回の時短状態がどの時短終了条件が成立して終了したのかを判別することができないが、例えば、成立した時短終了条件を記憶可能な記憶手段を設け、過去に成立した時短終了条件の種別や成立回数を判別可能に構成しても良い。このように構成することで、例えば、成立し易い時短終了条件を、設計値から算出した算出結果と、実際の成立回数とに基づいて決定し、その決定した内容に基づいて遊技者に成立し易い時短終了条件を示唆(報知)するように構成することができる。さらに、1の時短終了条件が成立した場合における他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況(例えば、時短カウンタ203hの値が0になった時点における小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhの各値)を記憶可能に構成し、最も成立し難い時短終了条件、即ち、複数の時短終了条件のうち、1の時短終了条件が成立した時点において、最も大きな値の時短情報を有する時短終了条件を判別するように構成しても良い。
S10507の処理を終えると、次に、減算された各小当たりカウンタの値に対応する残時短回数コマンドを設定し(S10508)、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S10509)、本処理を終了する。ここで、S10508及びS10509で設定されたコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理(図166参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、受信した残時短回数コマンドに基づいて時短情報を管理し、時短状況(時短状態が終了するまでの期間)を示唆(報知)するための状態表示態様を設定する。また、受信した状態コマンドに基づいて現在の遊技状態を把握する。一方、S10504の処理において、小当たりAカウンタ203fgの値が0では無いと判別した場合は(S10504:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了するためのS10505~S10507の処理をスキップしてS10508の処理へ移行する。上述したS10502の処理に戻り説明を続ける。S10502の処理において、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりA」では無い(「小当たりB」である)と判別した場合は(S10502:No)、次に、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりB」であるかを判別し(S10510)、「小当たりB」であると判別した場合は(S10510:Yes)、小当たりBカウンタ203fhの値を1減算し(S10511)、その後、減算した小当たりBカウンタ203fhの値が0であるかを判別する(S10512)。S10512の処理において、小当たりBカウンタ203fhの値が0であると判別した場合は(S10512:Yes)、今回の小当たり当選で時短終了条件(小当たりBに対応する当選回数終了条件)が成立した場合であるため、上述したS10505の処理へ移行し、時短状態を終了させるための処理を実行する。
一方、S10512の処理において、小当たりBカウンタ203fhの値が0では無い(1以上である)と判別した場合は(S10512:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了するためのS10505~S10507の処理をスキップしてS10508の処理へ移行する。S10510の処理において、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりB」では無い場合は(S10510:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了するためのS10505~S10507の処理をスキップしてS10508の処理へ移行する。以上説明をした通り、第3制御例では小当たりに当選した特別図柄の変動時間が経過した場合に、その小当たり当選に対応するカウンタの値を減算し、小当たり当選に基づいて成立する時短終了条件(当選回数終了条件)の成立の有無を判別するように構成している。このように構成することで、小当たり遊技が実行される前に当選回数終了条件により時短状態を終了させることが可能となる。よって、変動回数終了条件、当選回数終了条件の何れの時短終了条件が成立した場合であっても、時短状態を終了させるタイミングに大きな差が発生することを防止することができる。具体的には、第3制御例では、変動回数終了条件、即ち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件が成立した場合には、特別図柄(第1図柄)の確定表示が終了したタイミングで時短状態が終了するように構成され、当選回数終了条件、即ち、特別図柄の抽選で小当たりに当選した当選回数に基づいて成立する時短終了条件が成立した場合には、特別図柄(第1図柄)の確定表示後の、小当たり遊技の開始設定タイミングで時短状態が終了するように構成されている。
つまり、何れの時短終了条件が成立した場合であっても、対応する特別図柄の変動が停止した直後に時短状態が終了するように構成している。これにより、今回設定された時短状態がどの時短終了条件が成立して終了したのかを遊技者に分かり難くすることができる。なお、時短状態が終了したか否かを遊技者が判別するためには、例えば、普通図柄(第2図柄)の変動時間の長短や、電動役物640aの開放パターンを識別する必要があるが、例えば、第3制御例のように小当たり開始設定時(小当たり遊技が開始される直前)に時短状態を終了するように設定することで、小当たり遊技が開始された直後には時短状態が終了したか否かを判別し難くすることができる。なお、第3制御例では、複数の時短終了条件のうち、変動回数終了条件と当選回数終了条件との何れの終了条件が成立した場合にも、略同一のタイミング(遊技者が判別困難な程度の時間差を含む概念)で時短状態を終了させるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には特別図柄(第1図柄)の確定表示直後に時短状態を終了させ、当選回数終了条件が成立した場合には特別図柄(第1図柄)の確定表示後に実行される小当たり遊技終了後に時短状態を終了させるように構成しても良い。このように構成することで、小当たり遊技が実行されている期間中を時短状態とすることができる。よって、小当たり遊技中は今回の小当たり当選によって時短状態が終了したのか否かを遊技者が判別することができず、小当たり遊技が終了するまで(2種当たりを獲得したか否かの遊技結果が報知されるまで)、時短状態が終了したのか否かを分かり難くすることができる。さらに、第3制御例のように、小当たり遊技中に2種当たりを獲得可能な遊技性を有するパチンコ機10では、小当たり遊技終了後に時短状態が終了したか否かを遊技者に報知するように構成することで、今回の小当たり遊技が時短状態を終了させる小当たり当選に基づくものでは?と予測しながらの遊技を行うことになるため、時短状態中に実行される小当たり遊技に対して常に意欲的に2種当たりを狙わせることができる。
次に、図163を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入口通過処理(S10108)について説明する。図163は、タイマ割込処理(図155参照)の中で実行されるV入口通過処理(S10108)を示すフローチャートである。V入口通過処理(S10108)では、まず球通過センサ(球検知スイッチ)650c1がオンであるか否かを判定する(S11101)。S11101の処理において、球通過センサ650c1がオンでないと判別された場合は(S11101:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S11101の処理において、球通過センサ650c1がオンであると判別された場合(S11101:Yes)、V入賞口650aの開放期間中であるか否かを判別する(S11102)。S11102の処理において、V入賞口650aの開放期間中であると判別された場合(S11102:Yes)、V入口通過コマンドを設定し(S11103)、本処理を終了する。ここで設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図166参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、V入賞装置650への入球に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる(図154参照)。一方、V入賞口650aの開放期間中でないと判別された場合は(S11102:No)、小当たり遊技でないにも関わらず、V入賞装置650へ球が入球した場合であるので、エラーコマンドを設定する(S11104)。その後、流路ソレノイド209aをオンに設定し(S11105)、本処理を終了する。
次に、図164を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過処理(S10109)について説明する。図164は、V通過処理(S10109)を示すフローチャートである。このV通過処理(S10109)は、タイマ割込処理(図155参照)の中で実行される処理である。V通過処理では、まず、V通過フラグ203ffがオンであるか否かを判別する(S11201)。S11201の処理において、V通過フラグ203ffがオンであると判別された場合は(S11201:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S11201の処理において、V通過フラグ203ffがオンでないと判別された場合は(S11201:No)、V通過ありか否かを判別する(S11202)。即ち、遊技球がV入賞装置650のV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3を通過したか否かを判別する。S11202の処理において、V通過なしと判別された場合は(S11202:No)、そのまま本処理を終了する。S11202の処理において、V通過ありと判別された場合は(S11202:Yes)、V通過有効期間中であるか否かを判別する(S11203)。V通過有効期間中であると判別された場合は(S11203:Yes)、V通過大当たり種別格納エリア203fdに格納されているV通過時大当たり種別値を取得し(S11204)、取得したV通過大当たり種別を示すVフラグ203feをオンに設定する(S11205)。そして、V通過コマンドを設定する(S11206)。次いで、V通過フラグ203ffをオンに設定し(S11207)する。その後、時短カウンタ203hを0に設定して(S11208)、本処理を終了する。一方、S11203の処理において、V通過有効期間中でないと判別された場合は(S11203:No)、エラーコマンドを設定し(S11209)、本処理を終了する。V通過有効期間中でない場合に、遊技球がV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3を通過した場合は、不正にV入賞スイッチ650e3へ球が入賞された場合であると考えられる。この場合、S11209の処理においてエラーコマンドが設定されることにより、エラーの出力が実行され、不正行為を発見することができる。
次に、図165を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理(主制御装置)7について説明する。図165は、この立ち上げ処理(主制御装置)7を示すフローチャートである。この立ち上げ処理(主制御装置)7は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定を実行する(S11401)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(第3制御例では1秒)を実行する(S11402)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S11403)。その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S11404)、オンされていれば(S11404:Yes)、処理をS11415へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S11404:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S11405)、記憶されていなければ(S11405:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS11415へ移行する。RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S11405:Yes)、RAM判定値を算出し(S11406)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S11407:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS11415へ移行する。なお、図166のS11515の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S11415の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S11415)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S11416,S11417)を実行する。上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S11416,S11417)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S11416,S11417)を実行する。RAMの初期化処理(S11416,S11417)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S11416)、その後、RAM203の初期値を設定する(S11417)。RAM203の初期化処理の実行後は、S11410の処理へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S11404:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S11405:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S11407:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S11408)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S11409)、S11410の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S11410の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、時短カウンタ203hの値を読み出し(S11411)、読み出した値に基づく状態コマンドを設定する(S11412)。そして、流路ソレノイド209aをオフに設定する(S11413)。その後、割込みを許可して(S11414)、後述するメイン処理に移行する。次に、図166を参照して、上記した立ち上げ処理(主制御装置)7後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図166は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS11501~S11508の各処理が実行され、その残余時間でS11511,S11512のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。メイン処理(図166参照)においては、まず、タイマ割込処理(図155参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S11501)。具体的には、タイマ割込処理(図155参照)におけるS10101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図156参照)や始動入賞処理(図45参照)で設定された特図1保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(S11501)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図167,S11504)で設定されたオープニングコマンド(S11602)、ラウンド数コマンド(S11607)、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する(S11611)。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S11502)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第3制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。変動種別カウンタCS1の更新(S11502)が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S11503)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S11504)。大当たり制御処理(S11504)では、大当たり状態のラウンド毎に対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の最大開放時間が経過したか、又は対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖する。この対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、第3制御例では、大当たり制御処理(S11504)をメイン処理(図166参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図155参照)において実行しても良い。
次に、特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための小当たり制御処理を実行する(S11505)。小当たり制御処理(S11505)では、開放シナリオに基づいて対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の最大開放時間が経過したか、又は対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖する。尚、第3制御例では、小当たり制御処理(S11505)をメイン処理(図166参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図155参照)において実行しても良い。次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S11506)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図47参照)のS822の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS821の処理またはS823の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37a,37b(図2参照)の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S11507)。第1図柄表示更新処理(S11507)では、特別図柄変動パターン選択処理(図159参照)のS8206の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37a,37bにおいて開始する。第3制御例では、第1図柄表示装置37a,37bのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。なお、メイン処理(図166参照)は4m秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。また、第1図柄表示更新処理(S11507)では、特別図柄変動パターン選択処理(図159参照)のS8206の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37a,37b(図135参照)において実行されている変動表示を終了し、特別図柄判定処理(図158参照)のS10305、またはS10308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37a,37bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S11508)。第2図柄表示更新処理(S11508)では、普通図柄変動処理(図47参照)のS815の処理またはS816の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S11508)では、普通図柄変動処理(図47参照)のS818の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図47参照)のS812の処理またはS813の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S11509)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S11509:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(第3制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S11510)、既に所定時間が経過していれば(S11510:Yes)、処理をS11501へ移行し、上述したS11501以降の各処理を繰り返し実行する。一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S11510:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S11511,S11512)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S11511)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、各カウンタ値が最大値(第3制御例では999、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S11502の処理と同一の方法によって実行する(S11512)。ここで、S11501~S11508の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより(S11511)、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。また、S11509の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S11509:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図49のNMI割込処理が実行されたということなので、S11513以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S11513)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S11514)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S11515)、RAM203のアクセスを禁止して(S11516)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S11509の処理は、S11501~S11508で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS11511とS11512の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理(主制御装置)7の終了後、処理をS11501の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理(主制御装置)7において初期化された場合と同様に、処理をS11501の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S11401)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S11501の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。次に、図167のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S11504)を説明する。図167は、この大当たり制御処理(S11504)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S11504)は、メイン処理(図166参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(図167,S11504)では、まず、特別図柄の大当たり開始タイミングであるかを判別する(S11601)。具体的には、大当たり開始フラグ203jの設定状況を解析することにより判別する。この大当たり開始フラグ203jは、特別図柄変動処理(図156参照)のS10215の処理により大当たりの開始を設定した場合に、オンに設定される(S10216)。S11601の処理において、大当たりの開始タイミングであると判別した場合(大当たり開始フラグ203jがオンであると判別した場合)は(S11601:Yes)、オープニングコマンドを設定し(S11602)、次いで、大当たり開始フラグ203jをオフに設定して(S11603)、本処理を終了する。一方、S11601の処理において、特別図柄の大当たりの開始タイミングでは無い(大当たり開始フラグ203jがオフに設定されている)と判別した場合には(S11601:No)、次に、現在が大当たり中であるかを判別する(S11604)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれるものであり、上述した大当たり中フラグ203kがオンに設定されている期間が該当する。S11604の処理において、特別図柄の大当たり中では無い(大当たり中フラグ203kがオフである)と判別した場合(S11604:No)は、そのまま本処理を終了する。一方、S11604の処理において、特別図柄の大当たり中である(大当たり中フラグ203kがオンに設定されている)と判別した場合には(S11604:Yes)、大当たり中における複数タイミングで実行される各種処理を実行するタイミングであるかを判別するための判別処理(S11605~S11612)が実行される。
S11604の処理において、現在が大当たり中であると判別した場合は(S11604:Yes)、次に、現在が新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S11605)。このS11605の処理では、今回の大当たり遊技に対応して設定される開放シナリオに基づいて現在のタイミングが新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する。S11605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S11605:Yes)、開放シナリオテーブル202fgに基づき、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し(S11606)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S11607)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図166参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、ラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
なお、詳細な説明は省略するが、大当たりが継続して(例えば、複数の大当たり遊技が実行される間の特別図柄変動回数(抽選回数)が50回未満の場合や、大当たり遊技中を挟んで時短状態が繰り返し設定されている期間中に)実行される場合には、音声ランプ制御装置113側にて継続して実行される大当たり遊技のラウンド数を累積して表示するように構成している。つまり、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から送信される状態コマンドや変動パターンコマンドに基づいて大当たりが継続して実行されていると判別する期間(連チャン期間)を設定する期間設定手段と、その期間設定手段によって設定された期間中に新たな大当たり遊技が実行された場合に、前に実行された大当たり遊技におけるラウンド遊技数(ラウンド数)に新たな大当たり遊技のラウンド遊技数(ラウンド数)を加算するラウンド数累積手段と、そのラウンド数累積手段により累積されたラウンド累積数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114に送信し、大当たり遊技中の第3図柄表示装置81に表示するラウンド累積数表示制御手段と、を有している。これにより、大当たりが長く継続していることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。なお、この場合の、累積して表示されるラウンド数も、特典をまとめた表示態様である。一方、S11605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでは無いと判別した場合は(S11605:No)、次に、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したかを判別する(S11608)。具体的には、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、可変入賞装置65又はV入賞装置650に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S11608の処理において、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したと判別した場合は(S11608:Yes)、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖して(S11609)、本処理を終了する。一方、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立していないと判別した場合には(S11608:No)、次に、現在がエンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S11610)。エンディング演出の開始タイミングは、15ラウンド(今回の大当たり遊技において予め設定される最終ラウンド遊技)が終了して開閉扉650f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(第3制御例では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。S11610の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S11610:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S11611)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図166参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。一方、S11610の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S11610:No)、S11612の処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S11612)。S11612の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S11612:No)、本処理を終了する。
S11612の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S11612:Yes)、次に、実行中の大当たり種別が大当たりA~大当たりDの何れであるかを判別する(S11613)。このS11613の処理では設定される大当たり種別を一時的に格納する格納エリア(図示しない)に格納されている大当たり種別が読み出される。次に、読み出した大当たり種別に基づいて、時短付与テーブル202feを用いて対応する時短終了条件を設定する(S11614)。具体的には、大当たり種別が大当たりA(15R時短有大当たり)または大当たりB(5R時短有り大当たり)の場合は、時短カウンタ203hに100を、小当たりAカウンタ203fgに1を、小当たりBカウンタ203fhに3を、それぞれ設定する。また、大当たり種別が大当たりD(15R時短有大当たり)の場合は、時短カウンタ203hに100を、小当たりAカウンタ203fgに2を、小当たりBカウンタ203fhに10を、それぞれ設定する。なお、大当たり種別が大当たりC(5R時短無大当たり)の場合は、大当たり終了後に時短状態が設定されない大当たり種別であるため、時短カウンタ203h、小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fh、のそれぞれに値(時短終了条件)が設定されない用に構成している。上述したS11614の処理を終えると、次に、S11614の処理にて設定した時短終了条件を示す各種カウンタの値に対応した情報を示すための時短設定情報コマンドを設定する(S11615)。
ここで設定された時短設定情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図166参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、時短設定情報コマンドを受信すると、時短情報更新エリア223gおよび仮時短情報更新エリア223iに今回の時短状態の時短終了条件を示す時短情報を設定する。ここで設定された時短情報と、特別図柄の変動(抽選)に基づいて更新される時短状態の更新情報に基づいて、時短状態の残回数(残条件)を判別し、その残回数に基づいて様々な演出態様が第3図柄表示装置81にて表示される。S11615の処理を終えると、次に、大当たり後に設定される遊技状態に対応する状態コマンドを設定する(S11616)。なお、この状態コマンドを設定することにより大当たり終了後の遊技状態を音声ランプ制御装置113へと通知することができ、設定されている遊技状態に対応する報知を行うことができる。より具体的には、今回の大当たり種別が時短有大当たり(大当たりA,B,Dのいずれか)である場合は、状態コマンドによって時短状態が通知されることにより、大当たりの終了に基づいて時短状態に対応する右打ち遊技が報知される。一方で、今回の大当たり種別が時短無大当たり(大当たりC)である場合は、状態コマンドによって通常状態が通知されることにより、大当たりの終了に基づいて通常状態に対応する左打ち遊技が報知される。S11616の処理が終了すると、次いで、大当たりの終了を設定し(S11617)、大当たり中フラグ203kをオフに設定し(S11618)、本処理を終了する。以上、説明をした通り、第3制御例では、大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、時短状態の終了条件を異ならせて設定することができるように構成している。さらに、第3制御例では、第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合に比べて、第2特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合のほうが、時短状態の終了条件(時短終了条件)として成立し難い時短終了条件が設定されるように構成している。このように構成することで、時短状態が設定されている間の右打ち遊技中に、2種当たりでは無く1種当たりに当選した際の付加価値を遊技者に提供することができる。なお、第3制御例では、第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別(大当たりA、B)では、同一の時短終了条件が設定されるように構成しているが、それに限ること無く、例えば、大当たり種別が大当たりAの場合のほうが成立し難い時短終了条件を設定するように構成しても良い。また、複数の時短終了条件の一部を大当たりAのほうが成立し易くし、他を大当たりBの方が成立し易くなるように設定しても良い。
さらに、図147(d)に示した通り、第3制御例では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄の変動回数に関する変動回数終了条件(時短カウンタ203hの値に基づいた終了条件)と、特別図柄の抽選の結果、小当たりに当選した当選回数に関する当選回数終了条件(各小当たりカウンタの値に基づいた終了条件)と、を設定するように構成している。加えて、当選回数終了条件として、小当たり当選時に設定される複数の小当たり種別に対応させた終了条件を設定するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄の変動回数が所定回数(100回)に到達するまでの間に、どの小当たり種別に対応する小当たり遊技が実行され、あとどれくらいで時短状態が終了するのかを分かり難くすることができる。なお、第3制御例では、変動回数終了条件として特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)の変動回数「100回」のみを設定するように構成しているが、大当たり種別に応じて異なる変動回数終了条件を設定しても良い。また、変動回数終了条件として、第1特別図柄の変動回数のみを計測する第1特別図柄変動計測手段を設け、その第1特別図柄変動計測手段の計測結果が所定結果となった場合に成立する第1特別図柄変動終了条件や、第2特別図柄の変動回数のみを計測する第2特別図柄変動計測手段を設け、その第2特別図柄変動計測手段の計測結果が所定結果となった場合に成立する第2特別図柄変動終了条件を設けても良い。さらに、第3制御例では、当選回数終了条件として各小当たり種別に対応させたカウンタ(小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fh)の計測結果に基づく終了条件を設定するように構成しているが、これに限ること無く、単に小当たりに当選した回数を合算した値に基づいて成立する時短終了条件を設定しても良いし、複数(3以上)の小当たり種別のうち、所定数(2つ)の小当たり種別が設定された小当たり遊技が実行された回数を合算して計測する手段を設け、その手段の計測結果に基づく終了条件を設定するように構成しても良い。
また、第3制御例では、小当たり当選時に設定され得る小当たり種別の全てに対して、時短終了条件を設定するように構成しているが、これに限ることなく、小当たり当選時に何回設定されたとしても時短終了条件が成立し得ない小当たり種別として小当たり種別Zを設定可能に構成しても良い。これにより、時短状態中に小当たりに当選したことを遊技者が把握したとしても、今回の小当たりによって時短状態が終了に近づいているのかを判別し難くすることができる。加えて、上述した小当たり種別Zを設ける場合には、当選回数終了条件が設定されている小当たり遊技と同一内容の小当たり遊技を実行するように構成すると良い。このように構成することで、時短状態中に実行される小当たり遊技の遊技内容を識別したとしても、今回の小当たり遊技によって時短状態が終了に近づいているのかを判別し難くすることができる。このように、小当たりに当選したことを判別したり、或いは、小当たりに当選したことに基づいて実行される小当たり遊技の遊技内容を判別したりすることで、つまり、パチンコ機10の遊技内容を判別することで、時短状態の進捗(終了に近づいているか否か)を把握困難とすることにより、時短状態の進捗(終了に近づいているか否か)を示唆(報知)する演出に対して、遊技者に強い興味を持たせることができる。なお、第3制御例において第3図柄表示装置81で実行される演出の制御内容については、後述する音声ランプ制御装置113の制御処理説明の中で詳細に説明をする。次に、図168のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理(S11505)を説明する。図168は、この小当たり制御処理(S11505)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理(S11505)は、メイン処理(図166参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
小当たり制御処理(図168,S11505)では、まず、特別図柄の小当たりが開始されるかを判定する(S11701)。具体的には、小当たり開始設定処理(図161参照)のS10404の処理により小当たり開始フラグ203fbがオンに設定されていれば、特別図柄の小当たりが開始されると判定する。S11701の処理において、特別図柄の小当たりが開始される場合には(S11701:Yes)、オープニングコマンドを設定する(S11702)。そして、小当たり開始フラグ203fbをオフに設定して(S11703)、本処理を終了する。一方、S11701の処理において、特別図柄の小当たりが開始されない場合には(S11701:No)、特別図柄の小当たり中であるかを判別する(S11704)。特別図柄の小当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の小当たり(特別図柄の小当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の小当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S11704の判別は小当たり中フラグ303fcがオンに設定されているかを解析することで判別する。S11704の処理において、特別図柄の小当たり中では無いと判別した場合は(S11704:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S11704の処理において、特別図柄の小当たり中であると判別した場合には(S11704:Yes)、S11705の処理を実行する。S11705の処理では、V入賞口開放タイミングであるか判別する(S11705)。S11705の処理において、V入賞口開放タイミングであると判別した場合には(S11705:Yes)、開放シナリオテーブル202fgに基づき、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を開放し(S11706)、今回が5回目又は10回目の開放タイミングであるかを判別する(S11707)。
S11707の処理において、今回が5回目又は10回目の開放タイミングでは無いと判別した場合は(S11707:No)、本処理を終了する。一方、S11707の処理で今回が5回目又は10回目の開放タイミングであると判別した場合は(S11707:Yes)、次に、S11708の処理において、Vフラグ203feがオンに設定されているかを判別し(S11708)、オンではない(オフである)と判別した場合には(S11708:No)、小当たり種別格納エリア203faに格納されている小当たり種別を読み出し(S11709)、次いで、読み出した小当たり種別に対応する指示コマンドを設定する(S11710)。S11710の処理において設定される指示コマンドとしては、例えば、小当たり種別として小当たり遊技中に球が特定領域を通過し易い小当たり(例えば、小当たりA)と、小当たり遊技中に球が特定領域を通過し難い小当たり(例えば、小当たりB)と、によって第3図柄表示装置81に表示する表示態様を異ならせるための指示コマンドが設定される。図168に戻り、説明を続ける。S11705の処理において、V入賞口650aの開放タイミングではないと判別した場合には(S11705:No)、V入賞口650aの閉鎖条件が成立したか、即ち、V入賞口650aの閉鎖タイミングであるか判別する(S11711)。V入賞口650aの閉鎖タイミングであると判別した場合には(S11711:Yes)、V入賞口650aを閉鎖し(S11712)、本処理を終了する。
一方、S11711の処理において、現在がV入賞口650aの閉鎖タイミングでは無いと判別した場合には(S11711:No)、次に、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S11713)。S11713の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S11713:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S11714)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図166参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。一方、S11713の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S11713:No)、S11715の処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S11715)。S11715の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S11715:No)、本処理を終了する。S11715の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S11715:Yes)、Vフラグ203feがオンに設定されているかを判別し(S11716)、オンに設定されていると判別した場合は(S11716:Yes)、Vフラグ203feの内容に対応する大当たり種別に基づく開放シナリオを設定し(S11717)、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203kをオンに設定し(S11718)、Vフラグ203feをオフに設定し(S11719)、V通過フラグ203ffをオフに設定し(S11720)、小当たり中フラグ203fcをオフに設定し(S11721)、本処理を終了する。
次に、図169を参照して、本第3制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理内容について説明をする。図169は、特図1演出態様設定処理(S14983)の処理内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理(S14983)では、時短状態中における第1特別図柄抽選に対応する変動演出の演出態様を設定するために、抽選結果報知態様選択テーブル222faを参照して決定した演出態様を用いる処理(S19502参照)を実行する。特図1演出態様設定処理(S14983)が実行されると、まず、現在の遊技状態が時短状態であるか判別する(S19501)。現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合には(S19501:Yes)、抽選結果報知態様選択テーブル222fa(図153参照)を参照して、報知態様を決定する(S19502)。そして、S19502の処理において決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S19503)、本処理を終了する。一方、S19501の処理において、現在の遊技状態が時短状態ではないと判別した場合には(S19501:No)、S19502の処理をスキップし、上述したS19503の処理を実行し、本処理を終了する。以上、説明をした通り、本第3制御例では、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選の判定と、時短当選の判定とを何れも実行可能に構成し、大当たりと、時短とに重複して当選した場合において、遊技者に有利となる特典を付与可能に構成している点で、他の制御例とは異なる技術思想を有しているが、この第3制御例特有の技術思想を他の制御例に記載されているパチンコ機10に適用しても良い。また、通常状態以外の遊技状態が設定されている場合においても時短当選の判定を実行可能に構成しても良い。
また、本第3制御例では、特別図柄抽選に関する処理が実行された場合に、大当たり当選を判定する処理よりも前に時短当選を判定する処理を実行可能に構成し、時短当選した場合には、大当たり当選の判定が実行されるよりも前に時短状態を設定し、大当たり当選の判定が実行されてから、その判定結果を示すための特別図柄変動が開始されるまでの間に時短状態を終了させるように構成している。つまり、特別図柄抽選における大当たり当選の判定が実行される際の遊技状態を変更させる目的のみで時短状態を設定可能に構成している。このように構成することで、従来型のパチンコ機10のように、特別図柄抽選を実行させ易くすることを目的として時短状態を設定する場合とは異なる目的で時短状態を用いることができるため、遊技者に対して多彩な遊技を提供することができる。なお、特別図柄抽選における大当たり当選の判定が実行される際の遊技状態を変更させる目的のみで時短状態を設定可能にする構成として、本第3制御例に記載されている構成以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおいて時短状態を設定し、次の特別図柄抽選において大当たり当選の判定が実行された後に時短状態を終了させるように構成しても良い。この場合、特別図柄抽選の実行権利(特図保留)を獲得している場合には、時短状態が設定される期間が一瞬となるため、本第3制御例と同様に、特別図柄抽選における大当たり当選の判定が実行される際の遊技状態を変更させる目的で時短状態を設定することが可能となる。一方、特図保留を獲得していない場合は、次の特別図柄抽選が実行されるまでの間、時短状態が継続することになるため、特別図柄抽選を実行させ易い期間を設定することが可能となる。よって、特別図柄抽選を円滑に実行することができない遊技者に対してのみ、次の特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。
また、本第3制御例では、1回の特別図柄抽選にて大当たり当選と、時短当選とに重複当選可能に構成し、重複当選した場合に、重複当選していない場合よりも遊技者に有利な特典を付与可能に構成しているが、これに限ること無く、重複当選した場合に、重複当選しなかった場合よりも遊技者に不利となる特典を付与可能に構成しても良い。また、重複当選し得る判定として、大当たり当選の判定、時短当選の判定、だけで無く、時短終了条件成立の判定や、転落抽選当選の判定を用いても良い。つまり、特定の実行契機が成立したことに基づいて複数種類の判定を実行可能に構成し、その複数種類の判定結果の組合せが所定の組合せとなった場合に、所定の組合せとは異なる組合せとなった場合とは異なる特典を付与可能に構成すれば良い。なお、本第3制御例では、時短遊技状態において左打ちを行うと小当たり当選が発生しないため時短状態が長く継続し易くなる一方で、右打ちを行うと高確率で小当たり当選が発生して時短終了条件が比較的短い期間で成立し易くなるため、本第3制御例における左打ち遊技および右打ち遊技は、それぞれ有利な所定の遊技状態が長く継続し易い遊技方法、および有利な所定の遊技状態が長く継続し難い遊技方法の別形態である。
<パチンコ機10の遊技盤構成の変形例>
次に、図170を参照して、パチンコ機10の遊技盤13の変形例について説明をする。上述した第2制御例から第3制御例においては、通常状態において第1入球口64へと遊技球を入球させるための左打ち遊技を実行し、時短状態が設定された場合に入球し易くなる第2入球口640へと遊技球を入球させるための右打ち遊技を実行可能な遊技盤13を有していた。つまり、遊技状態に応じて第1特別図柄抽選を実行させる遊技と、第2特別図柄抽選を実行させる遊技とを切り替える遊技性を有したパチンコ機10について説明をした。これに対して本変形例では、図170に示した通り、通常状態において、左打ち遊技を実行することで第1入球口64へと遊技球を入球させて第1特別図柄抽選を実行可能にし、右打ち遊技を実行することで第2入球口1641へと遊技球を入球させて第2特別図柄抽選を実行可能に構成している。このように構成することで、同一の遊技状態が設定されている状態において遊技者が遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を選択することで(操作ハンドル21を操作して発射強度を調整することで)、任意の特別図柄種別の特別図柄抽選を実行させることができるため、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。次に、図170に示した遊技盤13を用いた斬新な遊技性について説明をする。
<遊技性1>
上述した第3制御例にて用いた遊技性を有するパチンコ機10において、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで、同一の選択割合で大当たり当選するように構成し、加えて、第1特別図柄抽選において、大当たり当選に加えて時短当選の判定も実行可能に構成し、第2特別図柄抽選において、大当たり当選に加えて小当たり当選の判定も実行可能に構成する。そして、時短当選したことに基づいて時短状態が設定された場合には、第2入球口1640へと遊技球が入球し易くなり、右打ち遊技を実行させ、小当たり当選によって大当たり遊技を狙わせる遊技を実行可能に構成する。このように構成することで、通常状態において、左打ち遊技によって、第1特別図柄の大当たり当選を経由して時短状態が設定されることを目指す、或いは、第1特別図柄の時短当選を経由して時短状態が設定されることを目指す遊技(第1遊技)と、右打ち遊技によって、第2特別図柄の大当たり当選を経由して時短状態が設定されることを目指す、或いは、第2特別図柄の小当たり当選を経由して時短状態が設定されることを目指す遊技(第2遊技)と、を遊技者に選択させることが可能となる。この場合、例えば、時短当選した場合に設定される時短状態(第2時短)は時短終了条件が成立し易くし、第2時短が設定された場合の約50%の割合で、第2時短中に小当たり当選を経由して大当たり遊技が実行されるように構成し、第1特別図柄抽選で時短当選する確率を、第2特別図柄抽選で小当たり当選する確率よりも高くするように構成すると良い。このように構成することで、第2特別図柄抽選の小当たり当選を経由して大当たり遊技が実行される遊技過程を実行するために第1遊技を実行するか第2遊技を実行するかを遊技者の趣向に合わせて選択させることができる。なお、この場合、通常状態において左打ち遊技を行った場合と、右打ち遊技を行った場合とで、規定数の遊技球を発射した場合における獲得賞球数の割合が均等となるように、各入球口への遊技球の入球割合や、時短当選確率や、小当たり当選確率や、小当たり当選時における大当たり遊技の実行確率を規定すると良い。これにより、何れの遊技を実行した場合であっても、遊技者に公平な遊技を提供することができる。
さらに、この場合、規定数の遊技球を発射した場合における獲得賞球数の割合が均等となるのに要する期間を第1遊技と第2遊技とで異ならせたり、獲得賞球数の偏差を異ならせたりするように構成すると良い。このように構成することで、遊技者の趣向に合った遊技を提供することができる。
<その他の遊技性:時短種別によって通常状態よりも不利な時短状態と有利な時短状態とを設定可能>
上述した第2制御例のように、通常状態において実行される特別図柄抽選において大当たり当選経由で設定される時短状態(第1時短)と、時短当選経由で設定される時短状態(第2時短)とを設定可能に構成し、第2時短に当選した場合に設定される時短種別として遊技者に有利な第2時短Aと、不利な第2時短Bと、を設定可能に構成する。第2時短Aが設定された場合には、上述した第2制御例と同様に、特別図柄抽選を通常状態よりも実行され易くなるように電動役物640aが開放動作する時短状態が設定される。一方で、第2時短Bが設定された場合には、通常状態と同程度の入球割合でしか第2入球口640へと遊技球が入球し得ない開放動作で電動役物640aが開放動作制御される。そして、第2時短Bが設定された場合、即ち、通常状態以外の遊技状態では、時短当選判定が実行されないように構成する。このように構成することで、通常状態が設定された場合は、特別図柄抽選において大当たり当選判定と時短当選判定と、が実行される遊技となり、第2時短Bが設定された場合は、特別図柄抽選において大当たり当選判定のみが実行される遊技となる。つまり、通常状態に対して時短当選判定が実行されない分、第2時短Bのほうが遊技者に不利な遊技が実行されることになる。そして、第2時短Bに対して時短終了条件として異なる回数の特別図柄抽選回数(例えば、10回、50回、100回)を設定可能に構成する。さらに、通常状態で実行される特別図柄抽選における抽選結果の選択割合として、大当たり当選する確率が1/200とし、時短当選する確率が199/200とする。そして、時短当選した場合に第2時短Aが選択される割合を10%、第2時短Bが選択される割合を90%に設定する。つまり、通常状態において特別図柄抽選が実行された場合には、その抽選結果が大当たり当選以外である場合に、必ず時短当選するように構成する。
このように構成することで、通常状態において特別図柄抽選が実行されるタイミングが、大当たり当選終了後第2時短Bの時短終了条件が成立し、通常状態が設定された場合における特別図柄抽選、即ち、特定周期において実行される特別図柄抽選のみとなる。これにより、遊技者に有利な特別図柄抽選(通常状態における特別図柄抽選)を、周期的に(第2時短Bの終了条件が成立する毎に)実行させることができる。また、第2時短Bの時短終了条件として異なる特別図柄抽選回数を設定可能に構成することで、遊技者に有利な特別図柄抽選が実行される周期を可変させることができるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。なお、この場合、図170を参照して上述した遊技盤13の構成のように、通常状態において第1特別図柄抽選も第2特別図柄抽選も実行可能とするパチンコ機10を用いた場合には、通常状態における第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とで、時短当選確率を異ならせたり、時短当選時に設定される時短種別の選択割合を異ならせたり、第2時短Bが設定された場合の時短終了条件の内容を異ならせたりするように構成すると良い。このように構成することで、周期的に実行される遊技者に有利な特別図柄抽選(通常状態における特別図柄抽選)が何れの種別の特別図柄で実行されるかに応じて、遊技者に有利な第2時短Aが設定される確率を異ならせることができる。また、第2時短Bの時短終了条件として、特別図柄抽選の実行回数に基づいて成立する時短終了条件では無く、特別図柄抽選の結果が特定の判別結果(例えば、小当たり)である場合に成立する時短終了条件を設定可能に構成し、特別図柄抽選の抽選結果として、大当たり、時短当選とは異なる小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、第2時短Bが設定された場合に、いち早く第2時短Bを終了させて通常状態における特別図柄抽選を実行させようと、小当たり当選を目指すという斬新な遊技性を提供することができる。
<遊技性2:同時変動仕様の遊技機と、時短当選の組合せ>
第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成し、両方の特別図柄が大当たりに当選した場合には、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)された側の特別図柄の抽選結果に基づく大当たり遊技を実行し、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)した時点で大当たり種別によっては、他方の特別図柄変動を抽選結果が外れであることを示す表示態様で強制的に停止表示するように構成している遊技機において、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選判定を実行可能に構成する。そして、上述した第2制御例と同様に各特別図柄変動開始前に時短抽選(時短当選判定)を実行し、時短当選した場合には、特別図柄変動停止タイミングにて時短状態を設定する。この場合、第1特別図柄抽選で時短当選した場合は、第1特典となる時短状態が設定され、第2特別図柄抽選で時短当選した場合は、第1特典とは異なる第2特典となる時短状態が設定される。さらに、時短当選している第1特別図柄変動中に実行された第2特別図柄抽選において、時短当選した場合には、第1特典及び第2特典よりも有利な第3特典が付与される時短状態を設定可能に構成する。このように構成することで、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成したパチンコ機10において、各特別図柄抽選で時短当選するタイミングに応じて異なる特典が付与される時短状態を設定することが可能となる。付与される特典については、例えば、第1特典又は第2特典よりも時短終了条件が成立し難い第3特典としても良いし、第1特典又は第2特典よりも特別図柄抽選が実行され易い第3特典としても良い。
さらに、第3特典の時短状態が設定されるタイミングは、並行して実行されている各特別図柄変動のうち、先に特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良いし、後に特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良い。また、停止表示タイミングの前後に関わらず、先に実行された特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良いし、後に実行された特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良い。また、特定の特別図柄種別が停止表示されたタイミングでも良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別の抽選を同時に(並行して)実行可能なパチンコ機10において各特別図柄の抽選で大当たりに当選してしまい、遊技者に対して同時に過剰な特典(大当たり遊技)が付与されてしまう事態の発生を抑制することができる。さらに、一方の特別図柄抽選で遊技者に不利となる大当たりに当選したとしても、その当選結果が停止表示(確定表示)されるまでに、他方の特別図柄抽選で遊技者に有利となる大当たりに当選させることが可能となる。この場合、特別図柄の抽選結果が停止表示されるまでの変動時間を用いて、遊技者に不利当たりに当選したことを示唆する変動演出を実行すると良い。これにより、遊技者に対して不利当たりに当選したのではと思わせることができるため、その変動時間中に他方の特別図柄抽選を意欲的に実行させることができる。加えて、遊技者に不利となる大当たりに当選した場合よりも、遊技者に有利となる大当たりに当選したほうが、短い変動時間が設定され易くなるように構成しても良い。これにより、不利当たりに当選した一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄抽選で有利当たりに当選させ、その当選結果を不利当たりの当選結果よりも先に停止表示(確定表示)させることができる。
<時短回数(普通図柄の高確率状態中に実行可能な特別図柄抽選の回数)無限を設定可能な遊技機について>
上述した第1制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部において、その大当たり遊技終了後に特別図柄抽選が100回実行されるまでの期間、普通図柄の高確率状態(時短状態)を設定可能に構成していたが、時短状態が継続する期間を特別図柄抽選が100回実行されるまでに限らずに100回以上の特別図柄抽選が実行されるまでとしても良く、無限(次回大当たりに当選するまで)としても良い。例えば、上述した第1制御例において、大当たり遊技終了後に設定される時短状態が終了する終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成し、第1変動回数を100回、第2変動回数を200回、第3変動回数を300回、第4変動回数を500回、第5変動回数を10000回(実質次回大当たり当選まで)とする。第3図柄表示装置81に表示される演出態様としては、時短状態が設定された時点では何れの終了条件が設定されていても「残り100回」と表示され、100回以上の変動回数(例えば、第4変動回数)が設定されている場合には、所定のタイミングで表示されている残り変動回数の値に所定回数を上乗せする演出(例えば、「+30回」)を実行する。なお、この上乗せする演出は、大当たりを経由すること無く付与特典を加算する演出である。また、残時短回数を増加させるための演出の実行条件として遊技者による枠ボタン22への所定の操作を実行条件としても良い。
このように構成することで、大当たり遊技終了後にスーパーチャンスモード(特別図柄抽選が50回実行されるまでの期間限定の特別図柄の高確率状態(確変状態))が設定されなかった場合であっても、時短状態が継続する期間として10000回の特別図柄変動が実行されるまでの期間が設定された場合には、確変状態が設定された場合よりも第2入賞口640へ球が入球し易い状態が長期間継続することにより、特別図柄の大当たり確率は低確率であるものの、獲得した遊技球数を維持したまま、より多くの特別図柄の大当たり抽選を実行させることが可能となり、大当たりに当選する可能性が高くなるため、大当たり遊技終了後にチャンスモード(時短状態)が設定されても、遊技者に長期間の時短状態が設定されることを期待させることで遊技意欲が低下することを抑制し、時短状態がいつまで継続するのかにも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過することで確変状態が設定され、通過しなかった場合には時短状態が設定される構成であるため、特別図柄の高確率状態となるが普通図柄の高確率状態が継続する期間である時短回数が100回の確変状態での遊技と、特別図柄の低確率状態が設定されるが普通図柄の高確率状態が継続する期間である時短回数が最大で10000回付与される可能性がある時短状態での遊技と、の何れの遊技状態で遊技するかを遊技者に選択させることができる。
<大当たり遊技終了後、終了条件が成立するまでの間、特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定される構成(所謂、ST仕様)を有する遊技機について>
特別図柄抽選において大当たり当選した場合に、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定し、確変状態が設定されてからの特別図柄変動回数が特定回数(例えば、100回)に到達した場合に確変状態の終了条件が成立する構成(所謂、ST仕様)の遊技機において、終了条件を複数規定し、その中から1つの終了条件を設定する構成としても良い。例えば、大当たり遊技終了後に設定される確変状態が終了する終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成し、第1変動回数を100回、第2変動回数を200回、第3変動回数を300回、第4変動回数を500回、第5変動回数を10000回(実質次回大当たり当選まで)とする。そして、第3図柄表示装置81に表示される演出態様としては、確変状態が設定された時点では何れの終了条件が設定されていても「残り100回」と表示され、終了条件として100回以上の変動回数(例えば、第4変動回数)が設定されている場合には、所定のタイミングで表示されている残り変動回数の値に所定回数を上乗せする演出(例えば、「+30回」)を実行する。このように構成することで、確変状態が継続する残り期間が遊技者に分かり難くなるため、表示されている確変状態が終了するまでの残り期間(特別図柄の残変動回数)が少ない場合でも、遊技者に上乗せ演出が発生することを期待させることが可能となり、確変状態が終了する最後の瞬間まで確変状態が継続するかもしれないという期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。なお、上述した構成を特別図柄の抽選で大当たりとなった場合、または特定領域へと遊技球が入球した場合に大当たりが付与される仕様の遊技機(所謂1種2種混合機)に適用しても良い。
<高確率状態を連続して設定可能な期間に上限を設ける機能(リミット機能)を有する遊技機について>
なお、上述した時短回数無限を設定可能な構成を高確率状態を連続して設定可能な期間に上限を設ける機能(リミット機能)を有する遊技機に適用しても良い。ここで、リミット機能とは、大当たり遊技終了後に特別図柄または普通図柄の高確率状態(高確状態)が設定され得る大当たり種別の大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に特別図柄または普通図柄の低確率状態(低確状態)を設定させるための処理を実行させる閾値を指す。例えば、低確状態において大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定される種別の大当たり(確変大当たり)に当選し、確変リミット回数として3回がセットされた場合、確変状態が設定されてから3回連続で確変大当たりに当選した場合には、3回目の確変大当たり当選で確変リミットに到達し、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確状態が設定される。なお、確変リミット回数とは、特別図柄の低確状態において大当たり当選し、その大当たりに基づいて実行された大当たり遊技の終了後に確変状態が設定される場合にセットされる値である。確変状態において、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たりに当選し、その大当たり当選に基づいて実行された大当たり遊技の終了時に値が更新され、更新後の値を用いて確変リミットに到達したか否かの判別が実行される。従来の確変リミットを有する遊技機では、例えば、特別図柄の大当たりに当選した場合の大当たり種別の振分が、確変大当たり90%、通常大当たり10%であり、確変リミット回数3回とした場合に、低確状態において確変大当たりに当選し、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された後、3回連続で確変大当たりに当選した場合には、3回目の確変大当たりで確変リミットに到達し、3回目の大当たり遊技終了後に所定期間(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまで)の時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、特別図柄の大当たりに当選しないまま所定期間が経過すると、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)に移行する。
また、確変リミットに到達する前に通常大当たりに当選した場合にも、大当たり遊技終了後に所定期間(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまで)の時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、特別図柄の大当たりに当選しないまま所定期間が経過すると、通常状態に移行する。なお、時短状態において確変大当たりに当選すると、新たに確変リミット回数3回がセットされる。つまり、従来の確変リミットを有する遊技機では、通常大当たりに当選した場合に確変リミット回数が解除されるものの、限られた期間内(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまでの期間)に特別図柄の低確率状態で特別図柄の大当たりに当選しなければ通常状態に移行するため、遊技者にとっては、通常大当たりは確変大当たりよりも不利な大当たりであり、確変状態が設定された後に確変大当たりが2回連続した場合、次回当選する大当たりが確変大当たりと通常大当たりの何れの大当たりであっても、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態は同じであるため、確変リミット到達までの残回数が1回の場合の確変状態において遊技者の遊技意欲が低下する虞があった。これに対して、時短回数無限(次回大当たりに当選するまで)が付与される通常大当たりを設定することで、確変状態が設定された後に通常大当たりに当選することによって、確変リミット回数が解除される特別図柄の低確率状態が設定されるものの、時短状態が次回大当たりまで継続するため、確変リミット到達までの残回数が1回の場合の確変状態においては、確変大当たりに当選するよりも通常大当たりに当選する方が遊技者に有利となり、確変リミット到達までの残回数が1回の場合の確変状態においても遊技者に通常大当たりに当選することを期待させることで遊技意欲が低下することを防ぎ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、この場合、同一の確変状態が設定されている場合であっても、確変リミット到達までの残回数が多い確変状態と確変リミット到達までの残回数が少ない確変状態とで大当たり遊技終了後に設定される確変状態の有利度合いを異ならせている状態となる。また、確変リミット到達までの残回数が1回の場合は、確変状態が規制されている状態である。
なお、時短回数無限が付与される通常大当たりに当選する場合には、確変大当たりに当選した場合と異なる特殊演出(例えば、表示されている確変リミット到達までの残回数が巻き戻される演出等)を実行しても良い。
<第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを同時に(並列して)実行可能な構成(所謂、同時変動方式)を有しない遊技機における大当たり2回ループが実行可能な構成について>
第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを同時に(並列して)実行可能な構成(所謂、同時変動方式)を有しない遊技機において、大当たり遊技終了後に特別図柄および普通図柄の高確率状態(確変状態)が次回大当たりに当選するまで設定される確変大当たりと、大当たり遊技終了後に所定期間(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまで)特別図柄の低確率状態且つ普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定される通常大当たりの2つの大当たり種別を有する遊技機(所謂、確変ループ機。)が一般に知られている。従来の確変ループ機では、確変大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、あと1回の大当たり当選が確約されることとなるが、確変大当たりに当選した後に通常大当たりに当選すると、所定期間設定される時短状態に大当たり当選しなければ、通常状態が設定されるため、確変大当たりの割合を変えることなく、あと2回の大当たり当選を確約することはできなかった。しかし、上述した時短回数無限回(次回大当たりに当選するまで)を設定可能な構成とすることで、確変大当たりの割合を変えずに確変大当たりに当選した場合にあと2回の大当たり当選を確約することが可能となる。具体的には、確変状態が設定されている場合に通常大当たりに当選した場合には、時短回数無限(次回大当たりに当選するまで)の時短状態が設定され、通常状態または時短状態が設定されている場合に通常大当たりに当選した場合には時短回数無限よりも少ない期間(例えば、特別図柄抽選が20回実行されるまで)の時短状態が設定される構成とする。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合には、次回当選した大当たりが何れの大当たり種別であってもさらにもう1回の大当たりが確約されるため、1度確変大当たりに当選することであと2回の大当たりが確約されることとなる。したがって、確変大当たりに当選することで遊技者は多くの賞球を得ることが可能となるため、確変大当たりに当選することを期待して意欲的に遊技を行わせることができる。
<時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定されている場合に、大当たり当選しても時短状態をリセットしない構成について>
従来の遊技機において、大当たり遊技終了後に所定期間(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまで)時短状態を設定し、時短状態中に大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が開始された場合に設定されていた時短状態を終了し、その大当たり遊技終了後に新たに所定期間の時短状態を設定する(時短状態をリセットする)構成が一般的である。このような構成の遊技機に対して、更なる興趣向上を目指すために、時短状態が設定されている場合に、大当たり当選しても時短状態をリセットしない構成とすることで、所定期間内に如何に多くの大当たりに当選できるかを遊技者に楽しませることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において大当たりに当選した場合(初当たり)の大当たり遊技終了後に時短状態が設定され、時短状態が終了する終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成し、第1変動回数を100回、第2変動回数を300回、第3変動回数を500回、第4変動回数を10000回(実質次回大当たり当選まで)とする。そして、例えば、終了条件として第3変動回数が設定されている場合に、20回目に実行された特別図柄変動で大当たりに当選した場合、大当たり遊技開始時に時短状態を終了させない(リセットしない)ため、大当たり遊技終了後の時短状態の終了条件成立までの残変動回数は480回となる。このように、初当たりに基づいて設定されている時短状態が、時短状態中に大当たりに当選したことによって終了せず、初当たりに基づく大当たり遊技の終了後に設定された時短状態が新たに実行された大当たり遊技終了後にも引き継がれるため、初当たりに基づく大当たり遊技終了後に設定された時短状態の終了条件である変動回数が何回であるかによって遊技者が時短状態中に獲得し得る大当たり当選回数を異ならせることが可能となり、斬新な遊技を提供することができる。
なお、時短状態を終了させる条件として、終了条件として設定された変動回数が0回になった場合(つまり、時短状態中に所定回数の特別図柄変動が実行された場合)と時短状態中の大当たり当選回数が特定回数に到達した場合、例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定され、時短状態が設定されてから3回目の大当たりに当選した場合に、大当たり遊技開始時に時短状態を終了させ、その大当たり遊技終了後に新たに時短状態を設定する構成としても良い。このように構成することで、通常状態よりも有利な状態(例えば、時短状態)を継続させるために連チャンを目指すという斬新な遊技を提供することができ、更に遊技の興趣を向上させることができる。
<第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)よりも第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されているほうが遊技者に有利となる構成の遊技機について>
遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、第1確変状態、第2確変状態の少なくとも4つの遊技状態が設定可能であり、各遊技状態の遊技者の有利度合いとして、第1確変状態よりも、少なくとも、第2確変状態のほうが遊技者に有利な構成の遊技機にて、上述した特別図柄抽選において時短抽選(特別図柄抽選における時短状態を設定するか否かの判定)を実行する構成としても良い。具体的には、特別図柄の低確率状態と高確率状態での大当たり当選確率の差を少なく設定し(例えば、特別図柄の低確率状態での大当たり当選確率を1/50.1、高確率状態での大当たり当選確率を1/50)、第1特別図柄で大当たり当選した場合に第1確変大当たり(大当たり遊技終了後に第1確変状態が設定される大当たり種別)が決定される割合を95%、時短大当たり(大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別)が決定される割合を5%とし、大当たり遊技中には賞球を得ることができない構成とする。なお、通常状態、時短状態、第1確変状態においては第1特別図柄抽選が主として実行され、第2確変状態においてのみ第2特別図柄抽選が実行される構成とする。そして、第2特別図柄抽選において大当たり当選しなかった場合にのみ、小当たり抽選(特別図柄抽選における小当たり当選か否かの判定)が実行され、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技によって遊技者は賞球を得ることができる。なお、通常状態における特別図柄抽選において大当たり当選しなかった場合には時短抽選を実行し、時短当選すると所定期間(例えば、特別図柄変動が20回実行されるまでの期間)時短状態が設定される。
また、通常状態において第1確変大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に第1確変状態が設定される。ここで、第1確変状態では特別図柄の高確率状態は次回大当たりに当選するまで継続するが、普通図柄の高確率状態は終了条件が成立すると低確率状態が設定される構成とし、終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成し、例えば、第1変動回数を1回、第2変動回数を50回、第3変動回数を100回、第4変動回数を200回、第5変動回数を300回とする。このように構成することで、第1確変状態において普通図柄の高確率状態の終了条件が成立した場合に、特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態、つまり、遊技者に有利な第2確変状態が設定されることとなるため、第1確変状態においては大当たり当選せずに普通図柄の高確率状態が終了することを目指す斬新な遊技を遊技者に提供することができる。なお、第2特別図柄で大当たり当選した場合に第2確変大当たり(大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される大当たり)が決定される割合を95%、時短大当たりが決定される割合を5%とする。なお、時短状態が設定されている場合に第1特別図柄が大当たり当選した場合には100%第2確変状態が設定される構成とする。なお、普通図柄の高確率状態を連続して設定可能な期間に上限を設ける(時短リミット)構成としても良く、例えば、時短リミット回数を10回とし、第1確変大当たりに10回当選することで10回目の大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される。このように構成することで、大当たりを連チャンさせることで更に有利な遊技状態が設定されるという斬新な遊技を提供することが可能となり、遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。
なお、第1特別図柄抽選においても小当たり抽選を実行する構成としても良く、小当たり当選した場合に、少なくとも小当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される小当たり種別を含む複数の小当たり種別の中から小当たり種別が決定される構成としても良い。このように構成することで、第2確変状態へ移行する契機が増えるため、更に遊技の興趣を向上させることができる。なお、第1確変状態が設定されている場合に、設定されている普通図柄の高確率状態の終了条件が成立するまでの特別図柄の残変動回数を遊技者に示唆する演出を実行しても良い。例えば、終了条件として第5変動回数(変動回数300回)が設定されている場合に、第3図柄表示装置81において「300ポイント貯めろ」と表示され、特別図柄の1変動毎に1ポイント貯まり、300ポイント貯まった場合に、第2確変状態が設定される構成としても良い。この場合、第1確変状態において大当たり当選した場合には、獲得したポイントがリセット(つまり、0に戻る)される構成とする。なお、終了条件として、例えば、第1変動回数(変動回数1回)が設定されている場合にも、第3図柄表示装置81において「300ポイント貯めろ」と表示され、特別図柄の1変動が終了したら300ポイント獲得できる構成としても良く、設定されている終了条件の変動回数に応じて特別図柄の1変動で付与されるポイント数を異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、普通図柄の高確率状態の終了条件としてどの変動回数が設定されているのかを遊技者が分かり難くなるため、付与されるポイント数からどの変動回数が設定されているかを予測する楽しみを提供でき、遊技の興趣を向上させることができる。
<技術思想まとめ>
次に、上述した各制御例に記載された各技術思想について簡単に説明をする。まず、時短中に獲得した特図2保留を用いた特図2抽選の実行回数が所定回数を超えると、特図2抽選により有利特典が付与される確率が高くなる技術思想について、上述した第2制御例のパチンコ機10によれば、第2入球口640に遊技球が入球した場合には、第2特別図柄抽選の実行権利を取得する手段を有し(情報を取得することが可能な取得手段)と、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を上限数(4個)まで保留記憶可能な手段を有する(取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段)。そして、保留記憶されている第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)に基づいて、第2特別図柄抽選が実行される(記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段)。そして、第2特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選(第1判別結果)であることに基づいて大当たり遊技(特定遊技)が実行される。そして、大当たり遊技が終了した後には、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなる普通図柄の高確率状態(特定設定)が、普通図柄の高確率状態を終了させるための終了条件(時短終了条件)が成立するまでの間継続する。また、第2特別図柄抽選では、大当たり当選の判定とは別に時短当選判定を実行可能に構成しており、時短当選判定において時短当選したと判別された場合は(第2判別結果であると判別された場合は)、大当たり遊技を実行すること無く、普通図柄の高確率状態(特定設定)を設定可能である。さらに、上述した第2制御例では、複数の遊技状態を設定可能に構成しているが、その中で、通常状態(特定期間)が設定されている状態においてのみ、時短当選判定を実行可能である。
このように構成することで、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態が設定される場合は、特別図柄変動の停止タイミングでは無く、大当たり遊技の終了タイミングにて普通図柄の高確率状態が設定され、第2特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態が設定される場合は、特別図柄変動の停止タイミングにて普通図柄の高確率状態が設定される。よって、普通図柄の高確率状態を設定されるタイミングを時短状態の設定契機に応じて異ならせることができる。また、時短当選判定を実行可能な期間(通常状態が設定されている期間)と、実行不可能な期間(通常状態が設定されていない期間)と、を設けることができるため、特別図柄抽選が実行される期間についても遊技者に興味を持たせることができる。なお、上述した第2制御例では、通常状態でのみ時短当選判定を実行するように構成しているが、時短当選判定を実行可能な期間と、実行しない期間と、を設ければ良く、例えば、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態、第2確変状態)において時短当選判定を実行可能とし、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(時短状態、確変状態)において時短当選判定を実行しないように構成しても良い。さらに、時短当否判定の実行の有無を設定されている遊技状態に応じて切り替えるのでは無く、時短当否判定において時短当選する確率を遊技状態に応じて異ならせても良く、例えば、通常状態が設定されている場合における時短当否判定では1/6の確率で時短当選し、それ以外の遊技状態においては、1/200の確率で時短当選するように構成しても良い。このように構成することで、時短当選し易い遊技状態と、時短当選し難い遊技状態と、を設定することができるため、上述した技術思想と同様に効果、即ち、特別図柄抽選が実行される期間についても遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、上述した第2制御例では、遊技球が入球することにより、第1特別図柄抽選の実行契機となり得る第1入球口64(遊技球が入球可能な第1入球手段)と、第2特別図柄抽選の実行契機となり得る第2入球口640(その第1入球手段とは異なる第2入球手段)と、を設けており、時短当選判定は、第2特別図柄抽選でのみ実行可能に構成している。つまり、第1特別図柄抽選では、何れの遊技状態が設定されていても時短当選判定が実行されず、第2特別図柄抽選では特定期間(通常状態)において時短当選判定を実行可能としている。このように構成することで、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とで、ひいては、第1入球口64への遊技球の入球と、第2入球口640への遊技球の入球とで、後に遊技者へと付与される価値の量を大きく異ならせることができる。なお、上述した第2制御例では、第1特別図柄抽選では時短当選判定を実行せずに、第2特別図柄抽選では特定期間(通常状態)において時短当選判定を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1特定期間(通常状態)においては第2特別図柄抽選のみ時短当選判定を実行し、第1特定期間とは異なる第2特定期間(第2確変状態)においては、第1特別図柄抽選のみが時短当選判定を実行可能に構成してもよい。このように構成することで、設定されている期間によって、第1入球口64への遊技球の入球が、第2入球口640への遊技球の入球より遊技者に有利な価値を付与し易い状況と、第1入球口64への遊技球の入球よりも、第2入球口640への遊技球の入球が遊技者に有利な価値を付与し易い状況と、を創出することが可能となる。よって、遊技者に対してより有利な価値が付与され易い遊技を実行しようと意欲的に遊技を行わせることができる。さらに、この場合、図170に示した変形例のように、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、第1入球口64への遊技球の入球度合いと、第2入球口640への遊技球の入球度合いとが同様となるようにパチンコ機10の遊技盤13を構成すると良い。このように構成することで、遊技者の判断によって、何れの入球口へと遊技球を入球させるかを選択することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、各制御例に記載した通り、大当たり当選に基づいて設定される時短状態(第1時短)よりも、時短当選判定により時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)のほうが、遊技者に有利な時短状態、即ち、時短終了条件が成立し難い時短状態が設定され易くなるように構成している。つまり、時短状態の設定契機に応じて、設定された時短状態の有利度合いを異ならせるように構成している。これにより、時短状態(特定設定)が設定される期間(時短終了条件)を判別された判別結果(設定契機)により可変させることが可能となるので、遊技を多様にすることができ興趣をより向上できるという効果がある。この場合、時短状態が設定される前の遊技状態に応じて、第1時短よりも第2時短のほうが遊技者に有利な時短状態となる場合と、第2時短よりも第1時短のほうが遊技者に有利な時短状態となる場合と、を設けると良い。このように構成することで、どの状況で時短状態が設定されたかについても遊技者に興味を持たせることができる。より具体的には、例えば、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)が所定数を超えた場合のほうが、超えていない場合よりも、有利な時短状態となり易くなるように構成しても良い。次に、上述した第3制御例では、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選と、時短当選とに重複して当選可能に構成している(図156参照)。これにより、大当たり当選(第1判別結果)と時短当選(第2判別結果)とを重複して判別することが可能に構成されているので、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選、時短当選、大当たりと時短との両方に当選と、様々な抽選結果を期待することができる。さらに、第3制御例では、時短当選と大当たり当選とが重複した場合に、重複して当選しなかった場合よりも遊技者に有利な大当たり遊技が実行されるように構成している(図147(b)参照)。よって、重複して判別されることで遊技者に有利となる種別の特定遊技が実行され易いので、遊技者に多様な判別結果に対応した特典を付与することで遊技を多様にすることができるという効果がある。
なお、重複当選した場合のほうが、重複当選していない場合よりも、遊技者に有利な特典を付与する構成として、上述した第3制御例の構成以外を用いても良く、例えば、大当たり遊技が終了した後に設定される遊技状態が、重複当選した場合のほうが、重複当選していない場合よりも、有利な遊技状態(例えば、確変状態、時短状態等)を設定可能に構成しても良い。また、上述した第3制御例では、時短当選の判定(第2判別結果であるか否かの判別)を実行した後に、大当たり判定(第1判別結果であるか否かの判別)を実行するように構成しており、1の特別図柄抽選において、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選における大当たり判定を時短状態で実行することができるように構成している。このように構成することで、重複当選した場合に実行される特典遊技の有利度合いと、重複当選しなかった場合に実行される特典遊技の有利度合いと、を異ならせることができる。次に、上述した第2制御例の第2変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短)と、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短)と、で普通図柄の高確率状態が設定されている状態で大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典の種別(大当たり遊技終了後に付与される時短回数)を異ならせている(図132(b)参照)。よって、設定種別(第1時短、第2時短)に応じて特典遊技の種別における選択割合(大当たり遊技の内容と、付与される時短回数)が可変されるので、同じ普通図柄の高確率状態(第2遊技状態)であっても遊技者へと付与される特典を異なるものとすることができ、遊技状態を多数設定しなくとも遊技を多様にして遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。なお、上述した第2制御例の第2変形例では、設定種別(第1時短と第2時短)とに応じて、付与される時短回数に差を設けているが、これに限ること無く、実行される大当たり遊技の内容(例えば、ラウンド遊技数)を異ならせるように構成しても良い。
さらに、上述した第2制御例の第2変形例では、第1時短よりも第2時短が設定された場合、即ち、大当たり遊技が実行されること無く普通図柄の高確率状態が設定された場合のほうが、終了条件が成立し難い普通図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成している。つまり、大当たり遊技中に賞球を獲得すること無く、普通図柄の高確率状態が設定された場合、即ち、第1時短よりも普通図柄の高確率状態が設定されるまでに付与される特典が少ない第2時短のほうが、普通図柄の高確率状態を長くすることができるため、遊技者に対して公平に特典を付与することができるという効果がある。さらに、上述した第2制御例の第2変形例では、上述した第2制御例や第2制御例の第1変形例と同様に、通常状態でのみ時短当選判定(第2判別結果の判別)を実行可能に構成している。換言すれば、通常状態以外では、時短当選判定が実行されることを規制している。よって、遊技状態に応じて時短当選判定が実行されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。加えて、上述した第2制御例の第2変形例では、第1時短が設定されたか第2時短が設定されたかを、遊技者に判別させ難くするように、特別図柄抽選の結果を示すための演出態様を設定可能に構成している(図130、及び図131参照)。つまり、第1時短が設定される場合には、特別図柄変動時間と、その後の大当たり遊技期間とを合算した第1期間に対して特定演出(図130(a)参照)を実行し、第2時短が設定される場合には、特別図柄変動時間(確定時間含む)である第2期間に対して特定演出(図130(b)参照)を実行するように構成している。
より具体的には、上述した第1期間と第2期間とが略同一期間となるように、各特別図柄抽選結果に対応させて変動時間や、大当たり遊技期間を予め規定しておき、特定演出の演出期間が同一となるように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される演出として、演出期間、及び、演出態様が同一の特定演出が実行された後に、普通図柄の高確率状態を示す演出が実行されることになる。よって、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出を注視している遊技者に対して、何れの設定契機で普通図柄の高確率状態が設定されたのかを判別させ難くすることができる。なお、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合に実行される特別図柄抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)と、普通図柄の高確率状態を設定するための時短当選の判定(時短抽選)とを行う技術思想について上述したが、これに限るものではなく、通常状態以外の遊技状態(確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、時短状態(普通図柄の高確率状態))が設定されている場合の特別図柄抽選においても時短抽選を実行可能に構成してもよい。また、このように構成する場合、時短当選した際に設定されている遊技状態に応じて設定される時短状態の時短種別を異ならせるとよい。具体的には、遊技者の有利度合いを異ならせた時短種別を複数規定する。例えば、時短種別として時短Aが設定された場合には、特別図柄抽選の実行回数が10000回に到達した場合に時短終了条件が成立(時短回数10000回)し、時短Bが設定された場合には、特別図柄抽選の実行回数が100回に到達した場合に時短終了条件が成立(時短回数100回)し、時短Cが設定された場合には、特別図柄抽選の実行回数が1回に到達した場合に時短終了条件が成立(時短回数1回)するように構成する。この場合、時短A、時短B、時短Cの順に遊技者に有利な時短種別となる。そして、時短当選した場合の遊技状態が通常状態である場合には時短A、時短B、時短Cの設定割合が「3:6:1」となるように規定し、時短状態である場合には「6:3:1」となるように規定し、確変状態である場合には「1:2:7」となるように規定する。つまり、時短状態が設定されている場合に時短当選すると、時短状態以外の遊技状態で時短当選した場合よりも最も有利な時短Aが設定され易く、確変状態が設定されている場合に時短当選すると、確変状態以外の遊技状態で時短当選した場合よりも最も不利な時短Cが設定され易く構成する。このように構成することで、時短状態中に時短当選した場合には、時短回数の多い時短種別が設定され易くなるため、大当たり遊技が実行され易くなり、確変状態が設定されなくても遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。一方、確変状態中に時短当選した場合には、時短回数の少ない時短種別が設定され易くなるため、遊技者が過剰に有利になることを抑制することができるとともに、時短当選する前に大当たり当選しないと確変状態よりも不利な遊技状態に移行するという新たな遊技性を提供することができる。なお、特定の遊技状態で時短当選した場合のみ設定される時短種別を規定しても良い。例えば、時短Aは通常状態および時短状態でしか設定されず、時短Cは確変状態でしか設定されないように構成する。このように構成することで、設定されている遊技状態によって、時短当選を期待する遊技性と、時短当選を期待しない遊技性の異なる遊技性を提供することができる。なお、何れの遊技状態が設定されている場合であっても時短当選確率(時短抽選において時短当選する確率)を同一に規定しても良いし、設定されている遊技状態に応じて時短当選確率を異ならせても良い。例えば、通常状態が設定されている場合には第1当たり乱数カウンタC1の値が「51~200」であれば時短当選し、確変状態では「51~53」、時短状態では「51~500」で時短当選するように構成する。つまり、時短状態が設定されている場合は、時短状態以外の遊技状態が設定されている場合よりも時短当選し易く、確変状態が設定されている場合は、確変状態以外の遊技状態が設定されている場合よりも時短当選し難い構成である。このように構成することで、確変状態では遊技者が過剰に有利になってしまうことを抑制し、時短状態では時短終了条件が成立する前に新たな時短状態が設定され易くなるため、通常状態に移行する前に大当たり当選し易くなり、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
なお、それ以外に例えば、前回の大当たり遊技が実行されてからの特別図柄抽選回数に応じて時短当選確率を異ならせても良い。この場合、前回の大当たり遊技が実行されてからの特別図柄抽選回数が所定回数(例えば、200回)を超えた場合に、時短当選確率が高くなるように構成すると良い。このように構成することで、特別図柄抽選で長時間大当たり当選していない遊技者に対して、大当たり遊技とは異なる時短当選という特典を付与し易くすることができる。なお、本技術思想は、他の制御例にも適用可能であることは言うまでも無い。
図170を参照して説明をした遊技機では、第1判別を実行可能な第1判別手段(第1特別図柄抽選)と、その第1判別手段により実行される第1判別の結果が、第1判別結果(大当たり当選)であることに基づいて第1特典(大当たり遊技)を付与可能であり、第1判別の結果が、第1判別結果とは異なる第2判別結果(時短当選)であることに基づいて第2特典(普通図柄の高確率状態)を付与可能な第1特典付与手段と、第1判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段(第2特別図柄抽選)と、第2判別手段により実行される第2判別の結果が、第3判別結果(大当たり当選)であることに基づいて第1特典を付与可能であり、第2判別の結果が第3判別結果とは異なる第4判別結果(小当たり当選)であることに基づいて、第1特典及び第2特典とは異なる第3特典(小当たり遊技)を付与可能な第2特典付与手段と、を有し、第1判別手段により実行される第1判別に基づいて第3特典が付与されることが無く、且つ、第2判別手段により実行される第2判別に基づいて第2特典が付与されることが無いように構成されている。これにより、第1判別が実行された場合と、第2判別が実行された場合とで、異なる特典を付与可能に構成しているため、遊技者に対して、異なる判別を実行させようと意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調となることを抑制できるという効果がある。
上述した<遊技性2>に係る遊技機では、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成し、両方の特別図柄が大当たりに当選した場合には、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)された側の特別図柄の抽選結果に基づく大当たり遊技を実行し、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)した時点で大当たり種別によっては、他方の特別図柄変動を抽選結果が外れであることを示す表示態様で強制的に停止表示するように構成している遊技機において、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選判定を実行可能に構成する。そして第1判別手段により第1条件が成立した(時短当選した)と判別されてから第1状態設定手段により第1有利状態(第1特典の時短状態)が設定されるまでの間に、第2判別手段により第2条件が成立した(時短当選した)と判別されたことに基づいて、第1有利状態、及び第2有利状態よりも遊技者に有利となる第3有利状態(第3特典の時短状態)を設定可能である。よって、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成したパチンコ機10において、各特別図柄抽選で時短当選するタイミングに応じて異なる特典が付与される時短状態を設定することが可能となる。
上述した<その他の遊技性>では、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、遊技状態設定手段は、第1遊技状態(通常状態)が設定されている状態において実行された判別手段(特別図柄抽選)による判別の結果が第1判別結果とは異なる第2判別結果(第2時短B当選)であることに基づいて第2遊技状態(第2時短B)を設定可能であり、第2遊技状態が設定されている状態において終了条件(時短終了条件)が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定可能であり、第1遊技状態が設定されている状態において実行された判別手段による判別の結果が第1判別結果及び第2判別結果とは異なる第3判別結果(第2時短A当選)であることに基づいて、第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態(第2時短A)を設定可能である。また、判別手段は、判別の結果が第2判別結果となる確率(選択割合90%)よりも第3判別結果となる確率(選択割合10%)のほうが低くなるように判別を実行可能である。さらに、終了条件(第2時短Bの時短終了条件)として、第2遊技状態が設定されている状態において実行される判別手段による判別の回数(特別図柄抽選回数)が所定回数に到達したことに基づいて成立可能な第1終了条件を少なくとも設定可能である。加えて、判別手段による判別の結果が特定判別結果(小当たり当選)であることに基づいて成立可能な第2終了条件を設定可能である。
この場合、遊技状態設定手段により第2遊技状態を設定するための設定種別として、特典遊技実行手段の終了後に第2遊技状態を設定可能な第1設定(通常の時短状態)と、判別手段により実行される判別の結果が第1判別結果とは異なる第2判別結果(第2時短B当選)であることに基づいて特典遊技を実行すること無く、第2遊技状態(時短状態)を設定可能な第2設定と、を少なくとも設定可能な種別設定手段を有し、遊技状態設定手段は、種別設定手段により設定された設定種別(時短種別)に応じて、第1遊技状態(通常状態)よりも有利となる有利第2遊技状態(通常の時短状態)と、第1遊技状態よりも不利となる不利第2遊技状態(第2時短B)と、を設定可能である。なお、上述した各種技術思想、及び遊技性に記載されている各種構成については、後述する各制御例に用いても良く、後述する各制御例に記載されている新たな課題を解決するための手法として適宜採用すれば良い。
<第4制御例>
次に、図171~図203を参照して、第4制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した各制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄の一方が変動表示されている期間は、他方の特別図柄の大当たり抽選が実行されない構成であった。これに対して、本第4制御例は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)している点で相違している。このように構成することで、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。また、本第4制御例では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選の両方で時短抽選を実行可能に構成し、第1特別図柄または第2特別図柄の一方のみが時短当選した場合よりも、一方の特別図柄が時短当選し、その特別図柄の変動表示が停止するまでの期間で、他方の特別図柄でも時短当選した場合に遊技者に有利な特典が付与されるように構成している点で相違している。詳細は後述するが、本第4制御例では、通常状態において第1特別図柄または第2特別図柄が時短当選した場合に時短A状態が設定される。一方、通常状態において第1特別図柄が時短当選した場合には、長時間(300秒)の変動時間が設定され(時短当選変動状態)、第1特別図柄の変動が終了するまで(つまり、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまで)の期間で第2特別図柄が時短当選した場合には、時短A状態よりも遊技者に有利な時短B状態が設定される。このように構成することで、一方の特別図柄が時短当選した場合に、他方の特別図柄でも時短当選することで遊技者に有利な特典が付与されるため、一方の特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す特別図柄の変動中に、他方の特別図柄でも時短当選したいと遊技者に思わせることで、意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
加えて、大当たり遊技終了後に時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定され得る大当たり種別の大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に通常状態(普通図柄の低確率状態)を設定させるための処理を実行する構成としている。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が長時間に渡って継続することで遊技者が過剰に有利になることを抑制し、遊技者の射幸心の向上を抑制することができる。また、同時変動仕様の遊技機において、一方の特別図柄抽選において大当たり(または小当たり)に当選した場合に、他方の特別図柄の変動表示を強制的に停止させる(破棄させる)か、或いは、仮停止させる(中断させる)かの一方のみを実行する仕様であることが一般的であるが、本第4制御例では、大当たり種別(または小当たり種別)によって、他方の特別図柄の変動表示を強制停止させるか、仮停止させるかを決定する構成としている。つまり、他方の特別図柄の変動を強制停止させる(破棄させる)大当たり種別と、他方の特別図柄の変動表示を仮停止させる(中断させる)大当たり種別が規定されている。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態が設定されている状態において、一方の特別図柄が停止表示されることにより遊技者に不利な遊技状態が設定され得る場合に、他の特別図柄の変動を破棄することができる大当たり種別の大当たりに当選した場合には不利な遊技状態が設定されることを防ぐことができるが、他の特別図柄を中断させる大当たり種別の大当たりに当選した場合には不利な遊技状態が設定され得る状況が継続するので、大当たり当選した場合に、遊技者に他の特別図柄の変動を破棄できたか否かに興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。ここで、本第4制御例のパチンコ機10の概要について説明する。本第4制御例のパチンコ機10の大当たり確率は1/50であり、第1特別図柄と第2特別図柄で共通である。また、時短当選確率は1/50であり、第1特別図柄と第2特別図柄で共通である。また、小当たり確率は1/50であるが、小当たり抽選は第2特別図柄のみで実行される。
詳細は後述するが、大当たりに当選した場合に決定される大当たり種別は、第1特別図柄と第2特別図柄とで異なるテーブル(図175、図176参照)によって決定され、第1特別図柄で大当たり当選した場合には、遊技状態に関わらず、100%大当たりA(5R時短A大当たり)が決定される。一方、第2特別図柄で大当たり当選した場合、図176に示す通り、遊技状態に応じて大当たり種別が決定される。図176に示す通り、通常状態において第2特別図柄が大当たりに当選した場合には、100%大当たりAが設定される。つまり、通常状態においては、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たり当選した場合に決定される大当たり種別は同一である。なお、第2特別図柄では小当たり抽選も実行され、小当たり当選し、小当たり遊技において特定領域1650に遊技球が入球すると大当たりAよりも有利な大当たりBまたはCとなるため、第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が遊技者に有利な特別図柄であると言える。本第4制御例のパチンコ機10では、通常状態(普通図柄の低確率状態)と時短状態(普通図柄の高確率状態)とで、第1特別図柄の変動時間と第2特別図柄の変動時間が異なり、通常状態では、第2特別図柄の変動時間よりも第1特別図柄の変動時間の方が短く設定されるため、第1特別図柄の方が先に停止し易い。時短状態では、第1特別図柄の変動時間よりも第2特別図柄の変動時間の方が短く設定されるため、第2特別図柄の方が先に停止し易い。このように構成することで、通常状態では第2特別図柄抽選の実行回数を抑制し、遊技者が過剰に有利になることを抑制し、時短状態では第2特別図柄よりも先に第1特別図柄が停止することで遊技者に比較的不利な遊技状態が設定されることを抑制することができ、メリハリのある遊技を提供することが可能となる。なお、通常状態では、第1特別図柄の変動時間よりも第2特別図柄の変動時間の方が短く設定され、時短状態では、第2特別図柄の変動時間よりも第1特別図柄の変動時間の方が短く設定される構成としても良い。
ここで、本第4制御例のパチンコ機10において設定される遊技状態について説明する。本第4制御例では、遊技状態として、通常状態(普通図柄の低確率状態)と、時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定可能である。時短状態には、時短状態が設定されてからの特別図柄の変動が5回実行されると終了する時短A状態と、時短状態が設定されてからの特別図柄の変動が10000回実行されると終了する時短B状態の2つの時短種別があり、時短A状態が設定された場合に、5回の特別図柄抽選で大当たり(大当たり当選確率:1/50)または小当たり(小当たり当選確率1/50)に当選する確率は約18%と低く、時短B状態が設定された場合には、ほぼ100%大当たりまたは小当たりに当選可能であるため、時短A状態よりも時短B状態の方が遊技者に有利な時短種別である。本第4制御例のパチンコ機10では、通常状態において第1特別図柄または第2特別図柄が大当たり当選した場合の大当たり遊技終了後に設定される遊技状態は時短A状態のみである。また、第1特別図柄または第2特別図柄の一方のみが時短当選した場合に設定される遊技状態は時短A状態のみであり、時短B状態は設定されない。ここで、本第4制御例では、図179に示す通り、通常状態において第1特別図柄が時短当選した場合に、第1特別図柄の変動時間として長時間(300秒)が設定される構成としている。そして、図181に示す通り、第1特別図柄の長時間変動中(時短当選変動状態)は、第2特別図柄の変動時間として極めて短い変動時間(0.5秒)が設定される。これにより、時短当選変動状態では、通常状態に比べて第2特別図柄抽選を多く実行可能となる。そして、図176に示す通り、時短当選変動状態中に第2特別図柄が大当たり当選した場合には、100%大当たりB(10R時短B大当たり)が決定され、大当たり遊技終了後に時短B状態が設定される。また、時短当選変動状態中に第2特別図柄が時短当選すると時短B状態が設定される。
このように構成することで、第1特別図柄が時短当選した場合に、その第1特別図柄が停止表示されるまでの期間で可能な限り多くの第2特別図柄抽選を実行させ、時短B状態を設定させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、詳細は後述するが、時短当選変動状態において、第2特別図柄の大当たり(又は小当たり)当選、或いは時短当選により時短B状態が設定された場合に、時短当選した第1特別図柄の変動表示が継続して実行され、その第1特別図柄が停止表示された場合には、設定されている時短B状態が破棄され、新たに時短A状態が設定される。つまり、時短B状態は第1特別図柄が停止表示されるまでの期間しか継続しないこととなる。一方、時短当選した第1特別図柄の変動表示を破棄することができれば、後述する時短リミット到達まで時短B状態での遊技を実行することが可能となり、大量の賞球を得ることができる。なお、時短リミットとは、大当たり遊技終了後に時短状態が設定され得る大当たり種別の大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に非時短状態を設定させるための処理を実行させる閾値を指す。このように、本第4制御例のパチンコ機10では、同じ時短B状態であっても、第1特別図柄の破棄を目指す遊技と、時短リミット到達まで連チャンさせることで大量の賞球を得ることを目指す遊技の異なる遊技性を遊技者に提供することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本第4制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄が時短当選した場合に時短当選変動状態を設定する構成としたが、これに限るものではなく、第2特別図柄が時短当選した場合にも時短当選変動状態を設定する構成としても良い。この場合、特別図柄種別によって時短当選変動の変動時間を異ならせる構成とすることで、特別図柄種別によって遊技者に比較的有利な時短当選変動状態と比較的不利な時短当選変動状態とを設けることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第4制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄の一方のみが時短当選した場合に設定される時短種別を時短A状態としたが、これに限るものではなく、第1特別図柄のみが時短当選した場合と、第2特別図柄のみが時短当選した場合と、で異なる時短種別の時短状態を設定する構成としても良く、例えば、第2特別図柄が時短当選した場合には、時短A状態よりも遊技者に有利であるが、時短B状態よりも遊技者に不利な時短C状態(例えば、時短回数が100回)を設定する構成としても良い。次に、図171を参照して、本第4制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図171は、本第4制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13を模式的に示した正面図である。まず、図171を参照して、遊技盤13の右側領域の構成について説明をする。本第4制御例では、遊技盤13の右側領域に第2特別図柄抽選を実行させるための入球口(始動入球口)として、第2入球口1640と、右第2入球口1641と、を配設している。
第2入球口1640には、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される当たり遊技(普図当たり遊技)にて開閉作動する電動役物1640aが付随しており、設定されている遊技状態に応じて遊技球を入球させ易い状態(普通図柄の高確率状態)と、遊技球を入球させ難い状態(普通図柄の低確率状態)と、を創出可能に構成している。なお、普通図柄抽選の内容や、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される当たり遊技(普図当たり遊技)において開閉作動される電動役物1640aの動作制御内容等については、上述した各制御例において説明をした電動役物制御の内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。一方、右第2入球口1641は、設定されている遊技状態に関わらず、右打ち遊技によって発射された遊技球が一定の割合で入球し得るように配設されており、本第4制御例では、左打ち遊技によって発射された遊技球が第1入球口64へと入球する割合と、同程度の入球割合となるように右第2入球口1641が配設されている。このように構成することで、通常状態において左打ち遊技によって実行される第1特別図柄抽選と、右打ち遊技によって実行される第2特別図柄抽選と、を同程度の頻度で実行させることができるため、遊技者が何れの遊技方法を選択した場合であっても、違和感無く遊技を行わせることができる。また、時短状態が設定された場合には、右打ち遊技を実行することにより、第2入球口1640へと遊技球を入球させ易くすることができるように普通図柄の高確率状態に基づく普通図柄抽選、及び、電動役物1640aを開閉動作させる普図当たり遊技が実行されるため、時短状態中は右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となる。なお、普通図柄の高確率状態に基づく普通図柄抽選、及び、電動役物1640aを開閉動作させる普図当たり遊技の内容については、上述した第3制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
さらに、遊技盤13の右側領域下方には、小当たり遊技中に開放動作されるV入賞装置1650と、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置1065が配設されている。このV入賞装置1650は、上述した第3制御例における第2可変入賞装置650(図135参照)と同一内容であり、可変入賞装置1050は、上述した第3制御例における可変入賞装置65(図135参照)と同一内容であるため、その詳細な説明については省略する。
<第4制御例における電気的構成について>
次に、図172から図181を参照して、本第4制御例における電気的構成について説明をする。本第4制御例では、上述した第3制御例に対して、主制御装置110が有するROM202およびRAM203の構成の一部を変更している点で相違する。それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。図172に示す通り、本第4制御例における主制御装置110が有するROM202は、上述した第3制御例における主制御装置110が有するROM202の構成(図145(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202faに代えて第1当たり乱数テーブル202kaを、大当たり種別選択テーブル202fbに代えて、大当たり種別選択テーブル202kbを、第2当たり乱数テーブル202fcに代えて、第2当たり乱数テーブル202kcを、変動パターンテーブル202fdに代えて、変動パターンテーブル202kdを、小当たり種別選択テーブル202ffに代えて、小当たり種別選択テーブル202kfを、時短当たり乱数テーブル202fhに代えて、時短当たり乱数テーブル202khを、時短種別選択テーブル202fiに代えて、時短種別選択テーブル202kiを用いている点と、小当たり乱数テーブル202keを追加した点とで相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。次に、RAM203の詳細について、図173を参照して説明する。図173は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。本第4制御例におけるRAM203は、上述した第3制御例におけるRAM203の構成(図145(b)参照)対して、時短リミット回数カウンタ203jaと、特図1変動時間タイマ203kaと、特図2変動時間タイマ203kbと、特図1仮停止フラグ203kcと、特図2仮停止フラグ203kdと、特図1変動停止フラグ203keと、特図2変動停止フラグ203kfと、時短当選変動状態フラグ203kgと、時短リミット到達フラグ203khと、を追加して点で相違する。それ以外の構成については、上述した第3制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
時短リミット回数カウンタ203jaは、普通図柄の高確率状態が連続して設定される回数を計測するためのカウンタである。ここで、本第4制御例におけるパチンコ機10は、大当たり遊技中を除いて、普通図柄の低確率状態が設定されること無く、普通図柄の高確率状態が連続して設定される回数(普通連続設定回数)を計測可能に構成しており、その普通連続設定回数が所定数(10回)に到達した場合(時短リミットに到達した場合)に、普通図柄の高確率状態を設定可能な条件が成立している場合であっても、普通図柄の低確率状態を強制的に設定する処理(時短リミット処理)を実行可能に構成し、遊技者に対して有利な遊技状態(第1確変状態)が過剰に連続して設定されてしまうことを抑制している。この時短リミット回数カウンタ203jaには、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で大当たり終了後に普通図柄の高確率状態が設定される種別の大当たり遊技が実行された場合に、当該大当たり遊技の終了時に初期値として「10」がセットされる(図203のY3005参照)。そして、普通連続設定回数が更新される毎にカウンタの値が減算され(図203のY3002参照)、時短リミットに到達したか否かの判別処理にて減算後のカウンタ値が参照される(図203のY3003参照)。そして、時短リミットに到達した場合に時短リミット到達フラグ203khがオンに設定されることで、大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定される(図202のY2703)。この時短リミット回数カウンタ203jaの値を示す情報は、大当たり終了処理において、音声ランプ制御装置113へと出力するために状態コマンドとして設定される。
なお、本第4制御例では、上述した通り、普通連続設定回数を計測するための時短リミット回数カウンタ203jaの値に、時短リミットに到達するまでの普通連続設定回数をセットし、普通連続設定回数が減算される毎に、カウンタ値を減算するように構成しているが、これに限ること無く、普通図柄の高確率状態が設定された場合に時短リミット回数カウンタ203jaの値に「1」をセットし、以降、普通連続設定回数が更新される毎に、時短リミット回数カウンタ203jaの値を1加算するように構成し、加算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が時短リミットに到達したことを示す値(例えば、10)であるかを判別し、その判別の結果が時短リミットに到達したことを示す判別結果である場合に、時短リミット処理を実行するように構成しても良い。このように構成した場合、例えば、普通図柄の高確率状態が連続して設定されている期間内において第2特別条件(例えば、特定の大当たり種別の大当たりに当選)が成立した場合に、時短リミットの成立条件(到達条件)を変更させるように構成した場合であっても、変更後の成立条件(到達条件)と、時短リミット回数カウンタ203jaの値とを比較するだけで、時短リミットに到達したか否かを判別することが可能となる。なお、上述した例示内容における特別条件が成立した場合に、時短リミットの成立条件を、変更前よりも成立し難くするように変更しても良いし、変更前よりも成立し易くするように変更しても良い。また、時短リミットの成立条件(到達条件)が変更された場合に、現時点における時短リミット回数カウンタ203jaの値が時短リミットの成立条件(到達条件)を満たしているか否かを即座に判別するように構成しても良いし、時短リミットの成立条件(到達条件)が変更された場合であっても、時短リミット回数カウンタ203jaの成立条件(到達条件)を満たしているか否かの判別は大当たり遊技終了時に実行するように構成しても良い。特に、後者の場合は、時短リミットの成立条件(到達条件)が変更された場合において直ちに普図図柄の高確率状態が終了してしまうことを抑制すると共に、普通図柄の高確率状態が設定されている期間中に特別図柄抽選の大当たり当選が最低限(1回分)保証されることになるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
特図1変動時間タイマ203ka、および特図2変動時間タイマ203kbは、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄の変動時間を計時するためのタイマであり、第1特別図柄、および第2特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される。この特図1変動時間タイマ203ka、および特図2変動時間タイマ203kbの計時結果によって各特別図柄の変動時間が終了したか否かが判別される(図189のY701、図198のY901参照)。特図1仮停止フラグ2030kcは、特図1の変動時間の更新(減算)を停止する期間を示すフラグであって、オンに設定されている場合に変動時間の更新(減算)を停止し、オンに設定された状態からオフに設定された場合に、停止されていた変動時間の更新(減算)が再開されるものである。この特図1仮停止フラグ203kcは、抽選結果が大当たりD以外の大当たりである第2特別図柄(特図2)の変動を停止する際にオンに設定され(図198のY903)、第1特別図柄変動実行中処理(図87参照)および第1特別図柄変動停止処理(図189、Y708参照)において参照される。参照した結果、オンに設定されている場合には、特図1に対応する第1図柄表示装置の表示を変動中と同様に更新する処理が実行される。つまり、特図1仮停止フラグ2030bcがオンに設定されている間は、変動時間の更新(減算)は停止しているが、第1図柄表示装置は変動表示が継続して実行される状態となる。これにより、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されたことにより、特図1の変動が強制停止されていないことを報知することができる。そして、第1特別図柄変動実行中処理(図188参照)においてオンに設定されていると判別された場合に(図188のY2801:Yes)、オフに設定される(図188のY2803)。なお、詳細な説明および図示は省略するが、この特図1仮停止フラグ203kcは、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が小当たりである場合にも大当たりである場合と同一の処理が実行されオンに設定される。
特図2仮停止フラグ203kdは、特図2の変動時間の更新(減算)を停止する期間を示すフラグであって、オンに設定されている場合に変動時間の更新(減算)を停止し、オンに設定された状態からオフに設定された場合に、停止されていた変動時間の更新(減算)が再開されるものである。この特図2仮停止フラグ203kdは、抽選結果が大当たりである第1特別図柄(特図1)の変動を停止する際にオンに設定され(図189のY703)、第2特別図柄変動実行中処理(図197参照)および第2特別図柄変動停止処理(図198参照)において参照される。なお、本処理において参照される内容については、上述した特図1仮停止フラグ203kcと同一であるため、その説明を省略する。そして、第2特別図柄変動実行中処理(図197参照)においてオンに設定されていると判別された場合に(図197のY2901:Yes)、オフに設定される(図197のY2903)。特図1変動停止フラグ203keは、変動中の第1特別図柄を強制停止するタイミングであることを示すフラグである。この特図1変動停止フラグ203keは、第2特別図柄に対して、大当たりDまたは小当たりBの変動が停止される場合にオンに設定される(図198のY905、図200のY932参照)。一方、第1特別図柄の変動中に、特図1変動停止フラグ203keがオンであると判別された場合にオフに設定される(図190のY722参照)。これにより、第2特別図柄の大当たりDまたは小当たりBの変動が先に停止するタイミングに合わせて、第1特別図柄を強制的に停止させることができる。特図2変動停止フラグ203kfは、変動中の第2特別図柄を強制停止するタイミングであることを示すフラグである。この特図2変動停止フラグ203kfは、第1特別図柄が時短当選し、変動表示が開始される場合にオンに設定される(図186のY405)。一方、第2特別図柄の変動中に、特図2変動停止フラグ203kfがオンであると判別された場合にオフに設定される(図199のY632)。これにより、第1特別図柄が時短当選し、変動が開始されたタイミングに合わせて、第2特別図柄を強制的に停止させることができる。
時短当選変動状態フラグ203kgは、時短当選した第1特別図柄が変動表示中であること(即ち、時短当選変動状態であること)を示すフラグである。この時短当選変動状態フラグ203kgは、第1特別図柄抽選の結果が時短当選であった場合に、オンに設定される(図186のY403参照)。一方、時短当選した第1特別図柄が停止表示され、時短A状態が設定される場合(図191のY8352参照)と、第2特別図柄が大当たりDまたは小当たりBに当選し、第1特別図柄の変動が破棄された場合(図190のY726参照)にオフに設定される。これにより、第1特別図柄が時短当選し、その第1特別図柄の変動が終了するまでの期間で時短当選変動状態を設定することができる。時短リミット到達フラグ203khは、普通図柄の高確率状態が連続して設定された回数(普図連続設定回数)が上限値に到達したことを示すためのフラグであり、普図連続設定回数が上限値に到達し、普通図柄の高確率状態を強制的に低確率状態へと変更する状態となった場合にオンに設定されるものである。次に、図174(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル202kaに規定されている内容について説明をする。図174(a)は、第1当たり乱数テーブル202kaに規定に規定されている内容を模式的に示した図である。本第4制御例は、図174(a)に示す通り、第1特別図柄と第2特別図柄で大当たり当選確率は同一であり、18/900(即ち、1/50)の確率で大当たりに当選する。なお、本第4制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たり確率を同一の確率としたが、これに限るものではなく、第1特別図柄と第2特別図柄とで異なる大当たり確率となるように構成しても良い。なお、本第4制御例のパチンコ機10では、何れの遊技状態においても大当たり確率が可変しない構成としたが、これに限るものではなく、特定の大当たり種別が決定された場合に、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(所謂、確変状態)を設定する構成としても良い。
次に、図174(b)を参照して、ROM202に規定されている、第2当たり乱数テーブル202kcの内容について説明をする。図174(b)は、第2当たり乱数テーブル202kcの内容を模式的に示した図である。第2当たり乱数テーブル202kcは、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0~2」が規定されている。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0~149」が規定されている。本第4制御例のパチンコ機10では、普通入賞口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202kcとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。ここで、図171を参照して、本第4制御例のパチンコ機10では、普通図柄抽選で当たり当選した場合に、遊技盤13の右側領域に配設されている電動役物1640aが開放動作し、右第2入球口1640に入球可能となるように構成している。従って、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定されると、電動役物1640aが開放動作し易くなり、右第2入球口1640へと遊技球が入球し易くなるため、通常状態に比べて第2特別図柄抽選が実行され易くなる。次に、図174(c)を参照して、時短当たり乱数テーブル202khの内容について説明をする。図174(c)は、時短当たり乱数テーブル202khの内容を模式的に示した図である。図174(c)に示す通り、本第4制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄および第2特別図柄の両方で時短抽選が実行される。各特別図柄での時短当選確率は共通であり、18/900(1/50)である。なお、時短抽選は通常状態でのみ実行され、時短状態では時短抽選が実行されない構成としている。なお、本第4制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、時短当選確率を同一とする構成としたが、これに限るものではなく、第1特別図柄のよりも第2特別図柄の方が時短当選確率が高くなるように構成としても良いし、低くなるように構成しても良い。
なお、本第4制御例のパチンコ機10では、通常状態でのみ時短抽選が実行される構成としたが、これに限るものではなく、時短状態においても時短抽選が実行される構成としても良い。次に、409(d)を参照して、小当たり乱数テーブル202keの内容について説明する。図174(d)は、小当たり乱数テーブル202keの内容を模式的に示した図である。図174(d)に示す通り、本第4制御例のパチンコ機10では、第2特別図柄のみ小当たり抽選が実行される。小当たり当選確率は18/900(1/50)である。なお、本第4制御例のパチンコ機10では、第2特別図柄の小当たり抽選を実行する構成としたが、これに限るものではなく、第1特別図柄でも小当たり抽選を実行する構成としても良い。なお、本第4制御例のパチンコ機10では、大当たり当選確率、時短当選確率、小当たり当選確率の何れも1/50であるが、これに限るものではなく、大当たり当選確率、時短当選確率、小当たり当選確率を全て異なる確率で構成しても良い。例えば、大当たり当選確率を1/300、時短当選確率を1/30、小当たり当選確率を1/100としても良い。次に、図175(a)を参照して、大当たり種別選択テーブル202kbの内容について説明をする。図175(a)は、図175(a)は、大当たり種別選択テーブル202kbの内容を模式的に示した図である。大当たり種別選択テーブル202kbには、特図1大当たり用テーブル202kb1と特図2用大当たり用テーブル202kb2が規定されている。図175(b)は、大当たり種別選択テーブル202kbに規定されている特図1大当たり用テーブル202kb1の内容を模式的に示した図である。図175(b)に示す通り、本第4制御例のパチンコ機10において、第1特別図柄が大当たり当選した場合には、100%大当たりAが選択される。大当たりAは、5ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に時短A状態が設定される大当たり種別である。なお、大当たりAの大当たり遊技終了後には、時短カウンタ203hのカウンタ値として5回がセットされる。
なお、本第4制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄の大当たり種別は1種類としたが、これに限るものではなく、複数種類の大当たり種別を設定しても良い。また、遊技状態に応じて選択される大当たり種別が異なる構成としても良い。図176は大当たり種別選択テーブル202kbに規定されている特図2大当たり用テーブル202kb2の内容を模式的に示した図である。第2特別図柄で大当たり当選した場合には、大当たり当選時に設定されている遊技状態と、遊技状態が変更されてからの第2特別図柄の変動回数と、第1当たり種別カウンタCS2の値に応じて大当たり種別を選択する。なお、変動回数のカウントは、例えば、時短B状態において大当たりに当選し、大当たり遊技終了後に再度時短B状態が設定される場合にもリセットされる。まず、遊技状態が通常状態の場合には、非時短当選変動状態と時短当選変動状態とがあり、非時短当選変動状態とは、時短当選変動状態フラグ20kgがオフである状態、即ち、時短当選した第1特別図柄が変動表示されていない状態である。時短当選変動状態は、時短当選変動状態フラグ203kgがオンである状態、即ち、時短当選した第1特別図柄が変動表示中である状態である。通常状態の非時短当選変動状態では、第2特別図柄の変動回数に関わらず、100%大当たりA(5R時短A大当たり)が選択され、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hのカウンタ値に5がセットされる。通常状態の時短当選変動状態では、第2特別図柄の変動回数に関わらず、100%大当たりB(10R時短B大当たり)が選択され、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hのカウンタ値に10000がセットされる。このように、通常状態においては、大当たり当選時に時短当選変動状態フラグ203kgがオンであるか否かで遊技者に付与される特典が異なるように構成することで、第2特別図柄抽選のみを実行させる遊技を行う遊技者が過剰に有利になることを抑制している。
なお、本第4制御例のパチンコ機10では、通常状態においては第2特別図柄の変動回数に関わらず、100%大当たりA(または大当たりB)が選択される構成としたが、これに限るものではなく、複数の大当たり種別の中から変動回数に応じて大当たり種別が選択される構成としても良い。例えば、通常状態の非時短当選変動状態において、大当たりA、大当たりBの何れかを選択可能に構成し、0~50回転目までは大当たりBよりも大当たりAが選択され易く、51回転目以降は大当たりAよりも大当たりBが選択され易い構成としても良い。このように構成することで、通常状態において外れ当選が続いた場合であっても、遊技者に有利な大当たり種別が選択され易くなるので、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。また、0~50回転目までは大当たりBよりも大当たりAが選択され易く、51~100回転目までは大当たりAよりも大当たりBが選択され易く、101~150回転目までは大当たりBよりも大当たりAが選択され易い、といったような特定の期間で選択され易い大当たり種別が可変する構成としても良い。このように構成することで、周期的に遊技者に有利な期間が発生し、遊技者に第2特別図柄の変動回数にも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、時短状態には、時短A状態と時短B状態とがあり、時短A状態においては第2特別図柄の変動回数に関わらず50%で大当たりB(10R時短B大当たり)が選択され、50%で大当たりC(5R時短B大当たり)が選択される。時短B状態においては、第2特別図柄の変動回数に応じて選択される大当たり種別が可変し、0~50回転目までは100%大当たり(10R時短B大当たり)が選択され、51回転目以降は50%で大当たりB(10R時短B大当たり)が選択され、50%で大当たりD(10R時短B大当たり)が選択される。大当たりBと大当たりDは、ともに10ラウンドの大当たり遊技と、大当たり遊技終了後に時短B状態が設定される大当たり種別であるが、大当たりBに当選した場合には変動中の第1特別図柄を仮停止させる(中断させる)処理を実行し、大当たりDに当選した場合には変動中の第1特別図柄を強制的に停止させる(破棄させる)処理を実行する点で異なる大当たり種別となっている。つまり、第2特別図柄の外れ当選が特定回数まで続いた場合には、第1特別図柄の変動表示を破棄させ易くなる。このように構成することで、時短当選した第1特別図柄が変動表示されている状態で第2特別図柄の外れ当選が続き、第1特別図柄の変動時間が残り少なくなった場合でも、第1特別図柄の変動を破棄できる可能性が高くなるので、第2特別図柄の外れ当選が続いた場合に遊技者の遊技意欲を向上させることができる。なお、本第4制御例のパチンコ機10では、時短B状態の場合のみ、第2特別図柄の変動回数に応じて選択され易い大当たり種別を可変させる構成としたが、これに限るものではなく、時短A状態においても第2特別図柄の変動回数に応じて選択され易い大当たり種別を可変させる構成としても良い。
なお、本第4制御例のパチンコ機10では、0~50回転目までは100%大当たりBが選択される構成としたが、これに限るものではなく、0~50回転目であっても異なる大当たり種別に当選可能な構成としても良く、例えば、80%で大当たりBが選択され、20%で大当たりDが選択される構成としても良い。このように構成することで、時短B状態が設定されたばかりの期間においても遊技者に大当たりDに当選し、第1特別図柄の変動表示を破棄できるかもしれないと期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本第4制御例のパチンコ機10では、「0~50回転目まで」と「51回転目以降」とで、選択され易い大当たり種別を切り替える構成としたが、これに限るものではなく、例えば、0~50回転目までは大当たりDよりも大当たりBが選択され易く、51~100回転目までは大当たりBよりも大当たりDが選択され易く、101~150回転目までは大当たりDよりも大当たりBが選択され易い、といったような特定の期間で選択され易い大当たり種別を可変させる構成としても良い。このように構成することで、周期的に遊技者に有利な期間が発生し、遊技者に第2特別図柄の変動回数にも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。次に、図177を参照して、小当たり種別選択テーブル202kfの内容について説明をする。図177は、小当たり種別選択テーブル202kfの内容を模式的に示した図である。図177に示す通り、本第4制御例のパチンコ機10では、2種類の小当たり種別が規定されている。なお、上述したように、本第4制御例のパチンコ機10では、第2特別図柄のみ小当たり抽選が実行される構成である。
小当たりAは、小当たり当選時の80%で選択される小当たり種別であり、小当たり遊技において特定領域1650aを通過(V通過)した場合に、大当たりC(5R時短B大当たり)が付与される。詳細は後述するが、本第4制御例のパチンコ機10では、小当たり種別によって、実行中の第1特別図柄の変動表示を強制的に停止させる(破棄する)場合と、仮停止させる(中断させる)場合とがあり、小当たりAが実行される場合には、実行中の第1特別図柄の変動を仮停止させる(中断させる)処理を行う。一方、小当たりBは、小当たり当選時の20%で選択される小当たり種別であり、小当たり遊技においてV通過した場合に、大当たりB(10R時短B大当たり)が付与される。小当たりBが実行される場合には、実行中の第1特別図柄の変動を強制的に停止させる(破棄する)処理を実行する。なお、本第4制御例のパチンコ機10における小当たり種別は2種類としたが、これに限るものではなく、3種類以上の小当たり種別を設けても良い。次に、図178を参照して、変動パターンテーブル202kdの内容について説明をする。図178は、変動パターンテーブル202kdの内容を模式的に示した図である。変動パターンテーブル202kdには、通常状態用変動パターンテーブル202kd1、時短状態用変動パターンテーブル202kd2、時短当選変動状態用変動パターンテーブル202kd3が規定されており、それぞれの変動パターンテーブルは遊技状態に応じて参照される。図179は、変動パターンテーブル202kdに規定されている、通常状態用変動パターンテーブル202kd1の内容を模式的に示した図である。通常状態用変動パターンテーブル202kd1では、特別図柄の図柄種別と、抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値と、に基づいて変動パターンが設定される。
具体的には、図柄種別が「第1特別図柄」では、当否判定結果が「外れ」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に、変動時間が7秒(7000ミリ秒)の「短外れ」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「140~149」の範囲に、変動時間が20秒(20000ミリ秒)の「ガセ外れ」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「150~179」の範囲に、変動時間が40秒(40000ミリ秒)の「ノーマルリーチ各種」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「180~189」の範囲に、変動時間が80秒(80000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が規定されている。また、当否判定結果が「当たり」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に、変動時間が40秒(40000ミリ秒)の「ノーマルリーチ」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「30~189」の範囲に、変動時間が80秒(80000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「190~198」の範囲に、変動時間が140秒(140000ミリ秒)の「スペシャルリーチ」が規定されている。また、当否判定結果が「時短当選」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲に、変動時間が300秒の「ロング時短当たり」が規定されている。一方、図柄種別が「第2特別図柄」では、当否判定結果が「外れ」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲に、変動時間が600秒(600000ミリ秒)の「ロング外れ」が規定されており、当否判定結果が「時短当選」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲に、変動時間が600秒(600000ミリ秒)の「時短当たり」が規定されており、当否判定結果が「大当たり、小当たり」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲に、変動時間が600秒(600000ミリ秒)の「ロング当たり」が規定されている。
このように、本第4制御例のパチンコ機10では、通常状態においては第2特別図柄よりも第1特別図柄の方が短い変動時間が設定され易い構成としている。これは、第2特別図柄のみ小当たり抽選を実行する構成であり、小当たり当選した場合には、遊技者に最も有利な時短B状態が設定されることから、第2特別図柄の変動時間を長くすることで遊技効率を悪くし、第2特別図柄抽選のみを実行させる遊技を行う遊技者が過剰に有利になることを抑制するためである。また、第1特別図柄の抽選結果が「時短当選」である場合には、「ロング時短当たり」が設定される。ロング時短当たり変動中は、時短当選変動状態となり、ロング時短当たりが設定された第1特別図柄が停止表示される(或いは、破棄される)までは、時短当選変動状態用パターンテーブル202kd3が参照され、第2特別図柄の変動が短変動(0.5秒)となるため、複数回の第2特別図柄抽選が実行可能となる。なお、ロング時短当たり変動中(時短当選変動状態中)に大当たり(または、小当たり)当選、時短当選に基づいて時短状態が設定された場合にもロング時短当たり変動が継続している期間は、時短当選変動状態用パターンテーブル202kd3が参照される。なお、本第4制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄が時短当選した場合には、100%「ロング時短当たり」が設定される構成であったが、これに限るものではなく、複数の変動パターンの中から変動種別カウンターCS1の値に基づいて選択する構成としても良い。例えば、50%で変動時間300秒の「ロング時短当たり」が選択され、30%で変動時間が200秒の「ショート時短当たり」が選択され、20%で変動時間が500秒の「スーパー時短当たり」が選択される構成としても良い。このように構成することで、選択された第1特別図柄の変動時間によって、時短当選変動状態における遊技者の有利不利を可変させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第4制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄が時短当選した場合にのみ時短当選変動状態となる構成としたが、これに限るものではなく、第2特別図柄で時短当選した場合にも時短当選変動状態が設定可能な構成としても良く、この場合、特別図柄の図柄種別によって時短当選した場合の変動時間を異ならせる(例えば、第1特別図柄の場合は変動時間300秒、第2特別図柄の場合は変動時間600秒)構成とすることで、どちらの特別図柄で時短当選したかによって遊技者に有利な時短当選変動状態と、遊技者に比較的不利な時短当選変動状態を設定可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。図180は、変動パターンテーブル202kdに規定されている、時短状態用変動パターンテーブル202kd2の内容を模式的に示した図である。時短状態用変動パターンテーブル202kd2では、特別図柄の図柄種別と、抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値と、に基づいて変動パターンが設定される。時短状態用変動パターンテーブル202kd2は、遊技状態として時短状態が設定されている場合に参照される変動パターンテーブルであり、時短A状態と時短B状態で共通である。なお、上述したように、第1特別図柄のロング時短当たり変動が実行されている場合には、時短状態用変動パターンテーブル202kd2ではなく、時短当選変動状態用変動パターンテーブル202kd3が参照される。図180に示す通り、時短状態用変動パターンテーブル202kd2では、第1特別図柄が長変動(600秒)となり、第2特別図柄が短変動(3~5秒)となる。上述したように、時短B状態が設定されている状態で第1特別図柄が大当たり当選した場合には、時短B状態よりも遊技者に不利な時短A状態が設定されるため、第2特別図柄の変動が先に停止表示され易く構成することで、遊技者に有利な時短B状態が継続して設定され易くなるようにしている。
図181は変動パターンテーブル202kdに規定されている、時短当選変動状態用変動パターンテーブル202kd3の内容を模式的に示した図である。時短当選変動状態用変動パターンテーブル202kd3では、特別図柄の図柄種別と、抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値と、に基づいて変動パターンが設定される。図181に示す通り、本第4制御例のパチンコ機10では、時短当選変動状態が設定されている場合には、第2特別図柄の抽選結果が何れの判定であっても短変動(0.5秒)が設定される。時短当選変動状態では、時短当選した第1特別図柄が停止表示されると終了してしまうため、時短当選変動状態における遊技効率を高めるために、第2特別図柄の変動時間が短くし、多くの第2特別図柄抽選を実行可能に構成している。なお、時短当選変動状態では第1特別図柄が既に変動中であり、第1特別図柄の変動が終了すると時短当選変動状態も終了するため、時短当選変動状態において第1特別図柄の変動パターンが設定されることはない。従って、時短当選変動状態用変動パターンテーブル202kd3では第2特別図柄の変動パターンのみを選択する構成としている。なお、上述したように、遊技状態が通常状態または時短状態であっても、第1特別図柄のロング時短当たり変動中(時短当選変動状態フラグ203kgがオンに設定されている場合)には、変動パターン選択時には、時短当選変動状態用変動パターンテーブル202kd3が参照される。
<第4制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図181~図202を参照して、第4制御例における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明を行う。本第4制御例における主制御装置110の制御処理は、上述した第2制御例における主制御装置110の制御処理に対して、特別図柄変動処理(図104参照)に代えて特別図柄変動処理(図181参照)、更新処理(図108参照)に代えて遊技状態更新処理(図187参照)、大当たり制御処理(図112参照)に代えて大当たり制御処理(図200参照)を実行する点で相違し、その他は同一の処理が実行される。なお、同一の処理については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。上述したように、本第4制御例では、上述した第2制御例に対して、特別図柄(以下、特図と称す)である第1特別図柄(以下、特図1と称す)と、第2特別図柄(以下、特図2と称す)とが同時に(並行して)変動表示を実行可能に構成している点で大きく相違している。まず、図182を参照して、本第4制御例における特別図柄変動処理(Y104)の内容について説明をする。図181は特別図柄変動処理(Y104)の内容を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(Y104)が実行されると、まず、現在が大当たり又は小当たり中であるかを判別し、(Y231)。大当たり中又は小当たり中であると判別した場合は(Y231:Yes)、次に、特図1仮停止フラグ203kcまたは特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されているかを判別する(Y232)。このY232の処理では、一方の特図が当たりを示す図柄で停止表示されたことにより、変動中の他方の特図変動時間の減算を中断している状態かを判別している。Y232の処理において、特図1仮停止フラグ203kcまたは特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されていると判別した場合は(Y232:Yes)、仮停止されている特図に対応する第1図柄表示装置37の表示を更新し(Y233)、即ち、変動時間の減算が中断されている特図に対して、第1図柄表示装置37の変動表示を継続させる処理を実行して、本処理を終了する。これにより、特図変動を強制停止していないことを遊技者に報知することができる。
一方、Y231の処理において、現在が大当たり又は小当たり中であると判別した場合は(Y231:No)、特図1変動時間タイマ203kaの値が0よりも大きいか(即ち、特図1が変動中であるか)を判別し(Y234)、特図1変動時間タイマ203kaの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Y234:No)、第1特別図柄変動開始処理(Y237)と同一の処理を実行し、その後、特図2に関する変動処理を実行するY238に移行する。Y234の処理において、特図1変動時間タイマ203kaの値が0よりも大きいと判別した場合は(Y234:Yes)、第1特別図柄変動実行中処理(Y235)を実行する。この第1特別図柄変動実行中処理(Y235)は、特図1変動中の処理を実行するものであり、図187を参照してその詳細な説明を後述する。第1特別図柄変動実行中処理(Y235)を終えると、次に、第1特別図柄変動停止処理(Y236)を実行し、その後、Y238へ移行する。Y238~Y241の処理では、特図1に対して実行したY234~Y237と同一の処理が実行される。Y238の処理が実行されると、まず、特図2変動時間タイマ203kbの値が0よりも大きいか(即ち、特図2が変動中であるか)を判別し(Y238)、特図2変動時間タイマ203kbの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Y238:No)、第2特別図柄変動開始処理(Y239)を実行し、その後、本処理を終了する。一方、Y238の処理において、特図2変動時間タイマ203kbの値が0よりも大きいと判別した場合は(Y238:Yes)、第2特別図柄変動実行中処理(Y240)を実行する。この第2特別図柄変動実行中処理(Y240)は、特図2変動中の処理を実行するものであり、図196を参照してその詳細な説明を後述する。第2特別図柄変動実行中処理(Y240)を終えると、次に、第2特別図柄変動停止処理(Y241)を実行し、本処理を終了する。
次に、図183を参照して、特別図柄変動処理(図182、Y104)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(Y237)について説明する。図89は、この第1特別図柄変動開始処理(Y237)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動開始処理(図182、Y237)では、まず、特図1仮停止フラグ203kcがオンであるか判別する(Y301)。Y301の処理において、特図1仮停止フラグがオンであると判別した場合には(Y301:Yes)、本処理を終了する。一方、Y301の処理において、特図1仮停止フラグがオンでないと判別した場合には(Y301:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(Y302)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(Y303)。Y303の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(Y303:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算して(Y304)、減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(Y305)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図4参照)の外部出力処理(Y2001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM230の第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同期させながら、その値を更新することができる。
Y305の処理が終了すると、次に、第1特別図柄保留球格納エリア203aのデータを一つ前のデータにシフトする(Y306)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。Y306の処理が終了すると、次いで、第1特別図柄判定処理を実行する(Y307)。この第1特別図柄判定処理(図183、Y307)については、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。なお、遊技状態更新処理(Y309)をY307の処理の前に実行しても良く、このように構成することで、遊技状態が更新された後に特別図柄抽選が実行されることとなる。Y307の処理が終了すると、次に、第1特別図柄変動パターン選択処理を実行する(図185、Y308)。詳細については後述するが、この第1特別図柄変動パターン選択処理(Y308)は、第1特別図柄の当否判定結果、および第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。第1特別図柄変動パターン選択処理(Y308)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理を実行する(Y309)。この遊技状態更新処理(図186、Y309)は、詳細については後述するが、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタ(時短カウンタ203h)の値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。Y309の処理が終了すると、特図1待受フラグ2030iをオフに設定すると共に、オフを示す特図1待機コマンドを設定して(Y310)、本処理を終了する。
一方、Y303の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(Y303:No)、特図1待受フラグ2030iがオンであるか否か判別し(Y311)、オンであると判別した場合は(Y311:Yes)、本処理を終了する。Y311の処理において、オフである(即ち、オンでない)と判別した場合は(Y311:No)、特図1待受フラグ2030iをオンに設定し(Y312)、オンを示す特図1待機コマンドを設定(Y313)した後、本処理を終了する。次に、図184を参照して、第1特別図柄判定処理(Y307)の処理内容について説明をする。図184は、第1特別図柄判定処理(Y307)の処理内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄判定処理(Y307)は、上述した第2制御例の特別図柄判定処理(図105のS251)に代えて実行されるものであり、特別図柄抽選における大当たり判定に加え、時短当選の判定(特図1時短抽選処理)が実行される。第1特別図柄判定処理(Y307)が実行されると、まず、第1特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(Y8001)、第1当たり乱数テーブル202kaに基づいて抽選結果を取得し(Y8002)、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(Y8003:Yes)、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(Y8004)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(Y8005)、現在の遊技状態を示す値を当選時状態格納エリアに格納し(Y8006)、本処理を終了する。一方、抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(Y8003:No)、特図1時短抽選処理を実行し(Y8007)、本処理を終了する。
ここで、特図1時短抽選処理(Y8007)は、今回の特別図柄抽選における時短当選の判定を実行するための処理である。つまり、本第4制御例では、第1特別図柄抽選において、まず、大当たり当選の判定を実行し(Y8003)、大当たり当選した場合には、時短当選の判定を実行することなく特別図柄抽選を終了し、大当たり当選していない場合にのみ時短当選の判定を実行するように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、複数の特典(特別図柄の大当たり当選、時短当選)を遊技者に付与することが無いため、遊技者に過剰に有利な遊技を提供してしまうことを抑制することができる。次に、図185を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図183、Y237)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(Y308)について説明する。図185はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(Y308)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動パターン選択処理(図185、Y308)では、まず、第1特別図柄判定処理(図184、Y307)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第1特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(Y501)。Y501の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(Y501:Yes)、上述した第1特別図柄判定処理(図184参照)におけるY8005の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、特図1大当たり用テーブル202kb(図175(b)参照)より大当たり種別を決定し(Y502)、Y503の処理へ移行する。一方、Y501の処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(Y501:No)、Y502の処理をスキップして、Y503の処理へ移行する。
Y503の処理では、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得する(Y503)。次いで、遊技状態に応じた変動パターン選択テーブル(図178~図181参照)を読み出して(Y504)、Y505の処理へ移行する。なお、遊技状態は、時短当選変動フラグの値と、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて判別される。Y505の処理では、読み出した変動パターン選択テーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(Y505)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(Y506)。Y506の処理が終了すると、停止図柄を示す特図1停止種別コマンドを設定する(Y507)。次いで、第1図柄表示装置37で第1特別図柄の変動開始を設定し(Y508)、本処理を終了する。次に、図186を参照して、特図1時短抽選処理(Y8007)の処理内容について説明をする。図186は、特図1時短抽選処理(Y8007)の内容を示したフローチャートである。特図1時短抽選処理(Y8007)が実行されると、まず、時短当たり乱数テーブル202khに基づいて抽選結果(時短当選判定結果)を取得し(Y401)、時短当選しているかを判別し(Y402)、時短当選していると判別した場合は(Y402:Yes)、時短当選変動状態フラグ203kgをオンに設定し(Y403)、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄として時短Aをセットし(Y404)、特図2変動停止フラグkfをオンに設定し(Y8105)、本処理を終了する。一方、Y402の処理において時短当選していない(Y402:No)と判別した場合は、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の外れ図柄をセットし(Y406)、本処理を終了する。次に、図187を参照して、遊技状態更新処理(Y309)の内容について説明をする。図187は、遊技状態更新処理(Y309)の内容を示すフローチャートである。
遊技状態更新処理(Y309)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であるかが判別され(Y601)、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であると判別された場合には(Y601:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(Y602)、時短カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(Y603)。次に、時短カウンタ203hの値が0であるかを判別し(Y604)、0であると判別した場合には(Y604:Yes)、時短遊技が付与されていない状態(即ち、通常状態)であるため、通常状態を示す状態コマンドを設定し(Y605)、本処理を終了する。一方、Y604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合(Y604:No)は、Y605の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。次に、図188を参照して、特別図柄変動処理(図182のY104参照)において実行される第1特別図柄変動実行中処理(Y235)の内容について説明をする。図188は、第1特別図柄変動実行中処理(Y235)の内容を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動実行中処理(Y235)では、特図1の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第1特別図柄変動実行中処理(Y235)が実行されると、まず、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されているかを判別する(Y2801)。ここで、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されている状態で本処理が実行される場合について簡単に説明をする。特図1仮停止フラグ203kcは、特図1が変動中において、特図2が特定の当たり(大当たりA~C、又は小当りA)を示す図柄で停止表示される場合にオンに設定されるものである。そして、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されると、その処理内で大当たり中フラグ203kがオンに設定されるため、主制御装置110にて2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理がループし、次回(特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定された2ミリ秒後)の特別図柄変動処理(図182)が実行される際には、Y231の処理において大当たり中であると判別されるため、第1特別図柄変動実行中処理(Y235)が実行されることがない。そして、大当たり遊技(又は小当り遊技)が終了し、Y231の処理において大当たり中(又は小当り中)では無いと判別されることで、第1特別図柄変動実行中処理(Y235)が実行されることになる。このように構成することで、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されている状態で第1特別図柄変動実行中処理(Y235)が実行される状態が、大当たり(又は小当り)遊技が終了し、変動時間の減算を中断していた特図変動の変動時間の減算を再開するタイミングとなるように構成している。図188に戻り説明を続ける。Y2801の処理において、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されていると判別した場合は(Y2801:Yes)、次に、特図1変動再開コマンドを設定し(Y2802)、特図1仮停止フラグ203kcをオフに設定し(Y2803)、Y2804へ移行する。一方、Y2801の処理において、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(Y2801:No)、Y2802,Y2803の処理をスキップしてY2804の処理へ移行する。Y2804の処理では特図1変動時間タイマ203kaを1減算して更新し(Y2804)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(Y2805)、本処理を終了する。
次に、図189を参照して、特別図柄変動処理(図182、Y104)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(Y236)について説明する。図189はこの第1特別図柄変動停止処理(Y236)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動停止処理(図189、Y236)では、まず、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングであるか否かを判別する(Y701)。Y701の処理において、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングであると判別した場合には(Y701:Yes)、第1特別図柄(特図1)の大当たりが設定されているか判別する(Y702)。第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別した場合には(Y702:Yes)、特図2仮停止フラグ203kdをオンに設定する(Y703)。図示は省略したが、Y703の処理が実行されると、特図2変動停止フラグ203kdがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドが設定される。Y703の処理を終えると、設定されている停止種別を示す特図1停止種別コマンドを設定する(Y704)。そして、選択されている大当たり種別に基づいた大当たりシナリオが設定される(Y705)。その後、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図1確定コマンドを設定する(Y706)。そして、第1特別図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(Y707)、本処理を終了する。一方、Y702の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていなければ(Y702:No)、第1特別図柄の時短当選が設定されているかを判別する(Y710)。Y710の処理において、時短当選が設定されていると判別した場合(Y710:Yes)には、時短設定処理(Y711)を実行し、Y706の処理に移行する。この時短設定処理(Y711)では、当選した時短種別に対応した時短状態の設定に関する処理が実行される。なお、この時短設定処理(Y711)については、図191を参照して詳細について後述する。
一方、Y701の処理において、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングでないと判別した場合には(Y701:No)、次いで、特図1仮停止フラグ203kcまたは特図1変動停止フラグ203keがオンであるか否かを判別する(Y708)。Y708の処理において特図1仮停止フラグ203kcまたは特図1変動停止フラグ203keがオフであると判別された場合は(Y708:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y708の処理において特図1仮停止フラグ203kcまたは特図1変動停止フラグ203keがオンであると判別した場合は(Y708:Yes)、第2特別図柄が大当たりまたは小当たりで停止された場合であるので、実行中の第1特別図柄に基づく変動を停止(仮停止)させるために、特図1強制停止処理を実行する(Y709)。尚、この特図1強制停止処理の詳細については、図190を参照して後述する。このように、第1特別図柄停止処理(Y236)では、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に(Y701:Yes)、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(Y703からY707またはY711)が実行される。また、第2特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止され、第2抽選遊技の大当たり遊技(または小当たり遊技)が実行される場合に(Y708:Yes)、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止する処理(Y709)が実行される。なお、第1特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止された場合には(Y702:Yes)、変動表示中の第2特別図柄の変動を中断(仮停止)するように構成してもよい。次に、図190を参照して、第1特別図柄変動停止処理(図189、Y236)の一処理である特図1強制停止処理(Y709)について説明する。図190は、この特図1強制停止処理(Y709)を示すフローチャートである。
特図1強制停止処理(図190、Y709)では、まず、特図1変動停止フラグ203keがオンであるかを判別する(Y721)。特図1変動停止フラグ203keがオンであると判別した場合(Y721:Yes)には、特図1変動停止フラグ203keをオフに設定し(Y722)、次に、特図1変動停止フラグ203keのオフを示す特図1変動停止コマンドを設定する(Y723)。そして、第1特別図柄の変動種別を外れに設定し(Y724)、時短当選変動状態フラグ203kgはオンであるかを判別する(Y725)。なお、図示しないが、Y725の処理の前に第1図柄表示装置37の第1特別図柄を外れ図柄で変動停止させ、第1特別図柄の特図1確定コマンドを設定する。Y725の処理において、時短当選変動状態フラグ203kgがオンである(即ち、第1特別図柄抽選の結果が時短当選であった場合)と判別した場合(Y725:Yes)には、時短当選変動状態フラグ203kgをオフに設定し(Y726)、本処理を終了する。一方、Y725の処理において、時短当選変動状態フラグ203kgがオンでない(即ち、第1特別図柄抽選の結果が時短当選ではなかった場合)には(Y725:No)、Y726をスキップし、本処理を終了する。なお、第1特別図柄の変動を破棄することが可能な大当たりDに当選可能なのは時短B状態が設定されている場合のみであるため、通常状態において第2特別図柄の大当たり当選に基づいて時短当選変動状態フラグ203kgがオフに設定されることはない構成としているが、これに限るものではなく、例えば、通常状態において大当たりDに当選可能な構成としても良い。その場合、Y725の処理の後に、通常状態において大当たりDに当選した場合にスペシャルフラグをオンに設定する処理を設けて、時短B状態よりも有利な遊技状態(例えば、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態))が設定される構成としても良い。このように構成することで、通常状態の時短当選変動状態において大当たりDに当選した場合と、時短状態の時短当選変動状態において大当たりDに当選した場合とで、異なる遊技状態が設定され、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
一方、Y721の処理において、特図1変動時間フラグ203keがオンでないと判別された場合(Y721:No)は、特図1仮停止フラグ203kcがオンである場合であるため、第1特別図柄の変動を仮停止(中断)させるコマンドを設定し(Y729)、本処理を終了する。このように、本第4制御例では、特図1仮停止フラグ203kcまたは特図1変動停止フラグ203keがオンにされる(第2特別図柄で大当たりまたは小当たりとなる変動が停止するタイミング)と、第1特別図柄の変動時間が未経過であっても強制的に変動を中断、或いは外れの判定結果として強制停止される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄で同時に抽選結果が変動表示されていても、一方の抽選結果のみ対する小当たりや大当たりを実行すればよく、射幸性を抑制することができる。さらに、遊技の効率を上げることができる。また、本第4制御例では、第2特別図柄の大当たりまたは小当たりの種別によって第1特別図柄の変動を強制的に外れとして停止させる場合と、仮停止(中断)させる場合と、を設ける構成としている。上述したように本第4制御例では、時短状態の種別として、時短Aと時短Bを設定可能である。そして、時短Aは時短回数が5回(図176参照)であり、時短回数5回で第2特別図柄が大当たり(当選確率1/50)または小当たり(当選確率1/50)に当選する確率は約18%と低確率であるため、時短A状態中の第2特別図柄での大当たりまたは小当たり当選はほとんど期待できない。一方、時短Bは時短回数が10000回(図176参照)であるため、時短Bが設定されると高確率で次回の大当たりまたは小当たり当選が期待できる。したがって、時短A状態よりも時短B状態の方が遊技者に有利な時短状態であると言える。
ここで、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間(即ち、時短当選変動状態が設定されている場合)に、第2特別図柄が大当たり当選、小当たり当選、或いは時短当選したことによって時短B状態が設定された場合に、第1特別図柄の変動を強制的に外れ図柄として停止させることができずに時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示された場合には、設定されている時短B状態が破棄され、新たに時短A状態が設定される。つまり、この場合、時短B状態が継続するのは、時短当選した第1特別図柄の変動時間(本第4制御例では、300秒)が経過するまでの期間のみとなり、時短リミットに到達する前に時短状態が終了してしまう可能性が高くなる。一方、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間(即ち、時短当選変動状態が設定されている場合)に、第2特別図柄が大当たり当選、小当たり当選、或いは時短当選したことによって時短B状態が設定された場合に、特定の大当たり(大当たりD)または小当たり(小当たりB)に当選し、第1特別図柄の変動を強制的に外れ図柄として停止させることができた場合には、時短リミット到達まで時短B状態を継続させることが可能となり、遊技者は大量の賞球を獲得可能となる。このように、本第4制御例では、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間(即ち、時短当選変動状態が設定されている場合)に、第2特別図柄が大当たり当選、小当たり当選、或いは時短当選したことによって時短B状態が設定された場合に、変動表示されている第1特別図柄を強制的に外れとして停止(破棄)し、有利な時短状態を継続させることができるかという新たな遊技性を遊技者に提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図191を参照して、時短設定処理(Y711)の処理内容について説明をする。図191は、時短設定処理(Y711)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理(Y711)では、時短当選判定により時短当選した場合に時短状態を設定するための処理が実行される。時短設定処理(Y711)が実行されると、まず、今回の時短種別が時短Aであるかを判別し(Y8351)、時短Aであると判別した場合に(Y8351:Yes)、時短当選変動状態フラグ203kgをオフに設定する(Y8352)し、決定された時短種別に対応する値を時短カウンタ203hに設定し(Y8353)、遊技状態格納エリアに時短状態を設定し(Y8354)、時短カウンタ203hの値、時短種別遊技状態(時短状態を示す情報と、設定された時短種別を示す情報)を示す状態コマンドを設定し(Y8355)、本処理を終了する。一方、Y8351の処理において、時短Aではないと判別した場合(即ち、時短Bである場合)は(Y8351:No)、Y8352の処理をスキップし、Y8353の処理を行う。なお、図示しないが、Y8353の処理では、時短カウンタ203hの値をクリアした後、決定された時短種別に対応する値を新たに設定する。したがって、時短当選に基づいて時短A状態が設定される場合に、既に時短カウンタ203hに時短Bに対応する値(例えば、10000回)が設定されている場合には、時短Bに対応する値を破棄し、時短Aに対応する値(5回)を設定する。このように、本第4制御例では、時短当選契機に応じて、異なるタイミングで時短状態が設定されるように構成しており、特別図柄抽選で時短当選した場合には、当該特別図柄変動の停止タイミングにて時短状態が設定され、特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて時短状態が設定される場合には、当該特別図柄変動の停止タイミングでは無く、大当たり遊技終了タイミングで時短状態が設定される。このように構成することで、時短状態が設定されるタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して飽き難い遊技を提供することができる。
次に、図192を参照して、特別図柄変動処理(図182、Y104)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(Y239)について説明する。図91は、この第2特別図柄変動開始処理(Y239)を示すフローチャートである。第2特別図柄変動開始処理(図192、Y239)では、まず、特図2仮停止フラグ203kdがオンであるか判別する(Y831)。Y831の処理において、特図2仮停止フラグ203kdがオンであると判別した場合には(Y831:Yes)、本処理を終了する。一方、Y831の処理において、特図2仮停止フラグ203kdがオンでないと判別した場合には(Y831:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を取得し(Y832)、取得した第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(Y833)。Y833の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(Y833:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1減算して(Y834)、減算後の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(Y835)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM230の第2特別図柄保留球数カウンタ223dに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第2特別図柄保留球数カウンタ223dの値を更新するので、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
Y835の処理が終了すると、次に、第2特別図柄保留球格納エリア203bのデータを一つ前のデータにシフトする(Y836)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。Y836の処理が終了すると、次いで、第2特別図柄判定処理を実行する(Y837)。この第2特別図柄判定処理(図193、Y837)については、詳しく後述するが、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。Y837の処理が終了すると、次に、第2特別図柄変動パターン選択処理を実行する(図196、Y838)。詳細については後述するが、この第2特別図柄変動パターン選択処理(Y838)は、第2特別図柄の当否判定結果、および第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。第2特別図柄変動パターン選択処理(Y838)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理を実行する(Y839(Y309))。この遊技状態更新処理(図186、Y839(Y309))は、第1特別図柄において実行されるものと同一の処理が実行され、細部は図187を参照して説明しているため、詳細な説明は省略する。Y839の処理が終了すると、特図2待受フラグをオフに設定すると共に、オフを示す特図1待機コマンドを設定して(Y840)、本処理を終了する。なお、遊技状態更新処理(Y839)をY837の処理の前に実行しても良く、このように構成することで、遊技状態が更新された後に特別図柄抽選が実行されることとなる。
一方、Y833の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0であると判別した場合は(Y833:No)、特図2待受フラグがオンであるか否か判別し(Y841)、オンであると判別した場合は(Y841:Yes)、本処理を終了する。Y841の処理において、オフである(即ち、オンでない)と判別した場合は(Y841:No)、特図2待受フラグをオンに設定し(Y842)、オンを示す特図2待機コマンドを設定(Y843)した後、本処理を終了する。次に、図193を参照して、第2特別図柄判定処理(Y837)の処理内容について説明をする。図193は、第2特別図柄判定処理(Y837)の処理内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄判定処理(Y837)では、上述した第1特別図柄判定処理(図184のY307)とは異なり、特別図柄抽選における大当たり判定において外れであると判定された場合に、時短当選の判定(特図2時短抽選処理)に加えて小当たり当選の判定(小当たり抽選処理)が実行される。第2特別図柄判定処理(Y837)が実行されると、まず、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアのデータを取得し(Y8101)、第1当たり乱数テーブル202kaに基づいて抽選結果を取得し(Y8102)、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(Y8103:Yes)、第2特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(Y8104)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(Y8105)、現在の遊技状態を示す値を当選時状態格納エリアに格納し(Y8107)、本処理を終了する。一方、抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(Y8103:No)、特図2時短抽選処理を実行し(Y8106)、本処理を終了する。
このように、本第4制御例では、第2特別図柄の大当たり抽選において大当たり判定でなかった場合には、時短抽選と小当たり抽選が実行される構成となっているため、第1特別図柄に比べて遊技者に有利な状態(時短状態)となる契機が多く設定されており、第2特別図柄は第1特別図柄よりも有利な特別図柄であるといえる。なお、上述したように、通常状態における第2特別図柄の変動時間は長時間(600秒)が設定され、通常状態で第2特別図柄抽選のみを実行しようとする遊技者の遊技効率が悪くなるように構成している。また、細部については後述するが、特図2時短抽選処理(Y8106)では、特図1時短抽選処理(図186のY8007)と異なり、時短当選した場合に、時短当選変動状態フラグ203kgがオンであるか否かによって設定する時短種別を決定する。具体的には、時短当選変動状態フラグ203kgがオンである場合にのみ時短B状態が設定される。つまり、時短当選したことを示す第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄が時短当選した場合にのみ時短B状態が設定され、それ以外の場合には時短A状態が設定される構成としている。このように構成することで、時短当選変動状態でない場合に第2特別図柄が時短当選しても遊技者に有利な時短状態である時短B状態は設定されないため、第1特別図柄を変動させない状態で第2特別図柄抽選のみを実行する遊技者が過剰に有利になることを抑制することができる。次に、図194を参照して、特図2時短抽選処理(Y8107)の処理内容について説明をする。図194は、特図2時短抽選処理(Y8107)の内容を示したフローチャートである。特図2時短抽選処理(Y8107)が実行されると、まず、時短当たり乱数テーブル202khに基づいて抽選結果(時短当選判定結果)を取得し(Y8201)、時短当選しているかを判別し(Y8202)、時短当選していると判別した場合は(Y8202:Yes)、時短当選変動状態フラグ203kgがオンであるかを判別し(Y8203)、時短当選変動状態フラグ203kgがオンであると判別された場合(Y8203:Yes)には、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄として時短Bをセットし(Y8205)、本処理を終了する。
Y8202の処理において時短当選していない(Y8202:No)と判別した場合は、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の外れ図柄をセットし(Y8206)、本処理を終了する。Y8203の処理において、時短当選変動状態フラグ203kgがオフであると判別された場合(Y8203:No)には、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄として時短Aをセットし(Y8204)、本処理を終了する。このように本第4制御例では、時短当選変動状態フラグkgがオンの場合(即ち、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄の変動表示が実行中である場合)のみ、第2特別図柄が時短当選した場合に時短B状態が設定される構成としている。このように構成することで、時短当選変動状態でない場合に第2特別図柄が時短当選しても遊技者に有利な時短状態である時短B状態は設定されないため、第1特別図柄を変動させない状態で第2特別図柄抽選のみを実行する遊技者が過剰に有利になることを抑制することができる。また、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間内で、第2特別図柄の時短当選を目指すという新たな遊技性を遊技者に提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。次に、図195を参照して、第2特別図柄判定処理(図193、Y837)の一処理である小当たり抽選処理(Y8108)について説明する。図195はこの小当たり抽選処理(Y8108)を示すフローチャートである。小当たり抽選処理(図195、Y8108)では、まず、第2特別図柄の抽選結果が時短当選と判定されたか、即ち、第2特別図柄の時短当選が設定されているか否かを判別する(Y8301)。Y8301の処理において、第2特別図柄の時短当選が設定されていると判別された場合には、(Y8301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y8301の処理において、第2特別図柄の時短当選が設定されていないと判別された場合には、(Y8301:No)、小当たり乱数テーブルに基づいて抽選結果を取得し(Y8302)、小当たり当選であると判別された場合には(Y8304:Yes)、小当たり種別カウンタC5の値を取得し、小当たり種別選択テーブル202kfから小当たり種別を選択し、第1図柄表示装置に表示する特別図柄の小当たり図柄をセットする(Y8305)。一方、Y8304の処理において、小当たり当選ではないと判別された場合には(Y8304:No)、Y8305の処理をスキップし、本処理を終了する。このように、本第4制御例では、1度の第2特別図柄抽選において大当たり当選、時短当選、小当たり当選が重複しないことで、遊技者に複数の特典が付与されることを抑制し、遊技者が過剰に有利にならないように構成している。なお、大当たり当選または小当たり当選と、時短当選が重複する構成としても良く、この場合、例えば、大当たり当選と時短当選が重複した場合には、大当たり当選のみした場合よりも大当たり遊技終了後に有利な時短状態が設定される構成とすることで、同種の大当たり種別の大当たりに当選した場合でも、時短当選したか否かで、大当たり遊技終了後の遊技状態に多様性を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。次に、図196を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図192、Y239)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(Y838)について説明する。図196はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(Y838)を示すフローチャートである。第2特別図柄変動パターン選択処理(図196、Y838)では、まず、第2特別図柄判定処理(図193、Y8103)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第2特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(Y921)。
Y921の処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(Y921:Yes)、上述した第2特別図柄判定処理(図193参照)におけるY8105の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、特図2大当たり用テーブル202kb2(図176参照)より大当たり種別を決定し(Y922)、Y923の処理へ移行する。一方、Y921の処理において、第2特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(Y921:No)、Y922の処理をスキップして、Y923の処理へ移行する。Y923の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得する(Y923)。次いで、遊技状態に応じた変動パターンテーブル(図178~図181参照)を読み出して(Y924)、Y925の処理へ移行する。なお、遊技状態は、時短当選変動フラグの値と、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて判別される。Y925の処理では、読み出した変動パターンテーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(Y925)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定する(Y926)。Y926の処理が終了すると、停止図柄を示す特図2停止種別コマンドを設定する(Y927)。次いで、第1図柄表示装置37で第2特別図柄の変動開始を設定し(Y928)、本処理を終了する。次に、図197を参照して、特別図柄変動処理(図182のY104参照)において実行される第2特別図柄変動実行中処理(Y240)の内容について説明をする。図197は、第2特別図柄変動実行中処理(Y240)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動実行中処理(Y240)では、第2特別図柄の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第2特別図柄変動実行中処理(Y240)が実行されると、まず、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されているかを判別する(Y2901)。ここで、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されている状態で本処理が実行される場合について簡単に説明をする。上述したように特図2仮停止フラグ203kdは、特図2が変動中において、特図1が当たり(大当たり)を示す図柄で停止表示される場合にオンに設定されるものである。そして、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されると、その処理内で大当たり中フラグ203kがオンに設定されるため、主制御装置110にて2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理がループし、次回(特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定された2ミリ秒後)の特別図柄変動処理(図182、Y104)が実行される際には、Y231の処理において大当たり中であると判別されるため、第2特別図柄変動実行中処理(Y240)が実行されることがない。そして、大当たり遊技が終了し、Y231の処理において大当たり中では無いと判別されることで、第2特別図柄変動実行中処理(Y240)が実行されることになる。このように構成することで、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されている状態で第2特別図柄変動実行中処理(Y240)が実行される状態が、大当たり遊技が終了し、変動時間の減算を中断していた特図変動の変動時間の減算を再開するタイミングとなるように構成している。図197に戻り説明を続ける。Y2901の処理において、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されていると判別した場合は(Y2901:Yes)、次に、特図2変動再開コマンドを設定し(Y2902)、特図2仮停止フラグ203kdをオフに設定し(Y2903)、Y2904へ移行する。一方、Y2901の処理において、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(Y2901:No)、Y2902,Y2903の処理をスキップしてY2904の処理へ移行する。Y2904の処理では特図2変動時間タイマ203kbを1減算して更新し(Y2904)、第1図柄表示装置の表示を更新し(Y2905)、本処理を終了する。
次に、図198を参照して、第2特別図柄変動停止処理(Y241)の内容について説明をする。図198は、第2特別図柄変動停止処理(Y241)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理(Y241)は、特図2の変動を停止する際の処理を実行するものであって、上述した第1特別図柄変動停止処理(図189参照)に対して、特図2の抽選結果が大当たりであった場合において、特図1の変動を中断させる(変動時間の減算を中断させる)構成に加えて、特図2の抽選結果が特定の大当たり種別(大当たりD)であった場合には、特図1の変動を強制停止する構成を設けた点と、特図2の抽選結果が小当たりの場合に実行される処理を追加した点で相違している。第2特別図柄変動停止処理(Y241)が実行されると、まず、第2特別図柄の変動時間が終了したか否かが判別される(Y901)。第2特別図柄の変動時間が終了したか否かは、特図2変動時間タイマ203kbのカウンタ値が0であるか否かによって判別される。Y901の処理において変動時間が終了したと判別された場合には(Y901:Yes)、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が大当たりであるかを判別し(Y902)、大当たりではない(外れである)と判別した場合は(Y902:No)、次いで、特図2の抽選結果が小当たりであるかを判別する(Y912)。Y910の処理において、小当たりではないと判別した場合は(Y912:No)、次いで、特図2の抽選結果が時短当選であるかを判別する(Y914)。時短当選ではないと判別した場合は、第2特別図柄の確定コマンドをセットし(Y908)、第1図柄表示装置の第2特別図柄の変動を停止し(Y909)、本処理を終了する。Y914の処理において、時短当選であると判別された場合には(Y914:Yes)、時短設定処理が実行され(Y915)、その後、Y908の処理を行う。なお、時短設定処理は、上述した第1特別図柄変動停止処理(図189、Y236)の一処理として実行される時短設定処理(Y711)と同一の処理であるため、詳細な説明は省略する。
Y912の処理において、小当たり当選であると判別された場合には(Y912:Yes)、特図2小当たり停止処理を実行し(Y913)、その後、Y908の処理を行う。特図2小当たり停止処理(Y913)は、当選した小当たりの小当たり種別によって、第1特別図柄の変動表示を強制的に停止させる(破棄させる)か、仮停止させる(中断させる)か、を設定する処理を実行するものであり、詳細な説明は図200を参照して後述する。Y902の処理において、大当たりであると判別した場合には(Y902:Yes)、大当たり種別が大当たりDであるかを判別し(Y903)、大当たりDではないと判別された場合(Y903:No)には、特図1仮停止フラグ203kcをオンに設定し(Y904)、設定されている停止種別を示す特図2停止種別コマンドを設定し(Y906)、大当たりシナリオを設定し(Y907)し、その後、Y908、Y909の処理を行う。一方、Y903の処理において、大当たりDであると判別された場合には、特図1変動停止フラグkeをオンに設定し(Y905)、Y906~Y909の処理を実行する。このように本第4制御例のパチンコ機10では、大当たり種別が大当たりDである場合には、特図1変動停止フラグkeをオンに設定し、それ以外の大当たり種別の場合には、特図1仮停止フラグ203kcをオンに設定することで、大当たり種別によって第1特別図柄の変動が強制的に停止される(破棄される)場合と、仮停止される(中断される)場合とを可変させることができる。なお、図176に示す通り、第2特別図柄が大当たりした場合に決定される大当たり種別は、実行された第2特別図柄の変動回数によって異なり、大当たりDは51回転目以降に大当たり当選した場合に、決定され易い構成としている。このように構成することで、第2特別図柄で大当たり当選できずに外れ当選が続いた場合(所謂、ハマった場合)であっても、遊技者に有利な大当たり種別が決定され易くなるため、ハマった場合の遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
Y901の処理において、実行中の第2特別図柄に基づく変動の終了タイミングでないと判別した場合には(Y901:No)、次いで、特図2仮停止フラグ203kdまたは特図2変動停止フラグ203kfがオンであるか否かを判別する(Y910)。Y910の処理において特図2仮停止フラグ203kdまたは特図2変動停止フラグ203kfがオフであると判別された場合は(Y910:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y910の処理において特図2仮停止フラグ203kdまたは特図2変動停止フラグ203kfがオンであると判別した場合は(Y910:Yes)、第1特別図柄が大当たりで停止された場合または時短当選した場合であるので、実行中の第2特別図柄に基づく変動を停止(仮停止)させるために、特図2強制停止処理を実行する(Y911)。尚、この特図2強制停止処理の詳細については、図199を参照して後述する。このように、第2特別図柄停止処理(Y241)では、変動表示中の第2特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に(Y901:Yes)、第2特別図柄抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。また、第1特別図柄が大当たりを示す図柄で変動停止され、第1特別図柄の大当たり遊技が実行される場合、または第1特別図柄が時短当選し、時短当選変動状態が設定される場合に(Y910:Yes)、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止する処理(Y911)が実行される。次に、図199を参照して、第2特別図柄変動停止処理(図198、Y241)の一処理である特図2強制停止処理(Y911)について説明する。図199は、この特図2強制停止処理(Y911)を示すフローチャートである。
特図2強制停止処理(図199、Y911)では、まず、特図2変動停止フラグ203kfがオンであるかを判別する(Y631)。特図2変動停止フラグ203kfがオンであると判別した場合(Y631:Yes)には、特図2変動停止フラグ203kfをオフに設定し(Y632)、次に、特図2変動停止フラグ203kfのオフを示す特図2変動停止コマンドを設定する(Y633)。そして、第2特別図柄の変動種別を外れに設定する(Y634)。なお、図示しないが、Y634の処理の後に第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で変動停止させ、第2特別図柄の特図2確定コマンドを設定する。一方、Y631の処理において、特図2変動停止フラグ203kfがオンでないと判別された場合(Y631:No)は、特図2仮停止フラグ203kdがオンである場合であるため、第2特別図柄の変動を仮停止(中断)させるコマンドを設定し(Y635)、本処理を終了する。このように、本第4制御例では、特図2仮停止フラグ203kdがオンにされる(第1特別図柄で大当たりとなる変動が停止するタイミング)と、第2特別図柄の変動時間が未経過であっても強制的に変動を中断して強制停止される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄で同時に抽選結果が変動表示されていても、一方の抽選結果のみに対する大当たり遊技を実行すればよく、射幸性を抑制することができる。さらに、遊技の効率を上げることができる。また、本第4制御例では、第1特別図柄が時短当選した場合の第1特別図柄の変動開始時に、第2特別図柄の変動停止フラグkfをオンにする構成としている。本第4制御例では、上述したように、通常状態においては第2特別図柄の変動時間は長時間(600秒)が設定されるため、第1特別図柄が時短当選した時点で既に第2特別図柄の変動表示が開始されている場合に、そのまま第2特別図柄の変動が継続されると、設定された時短当選変動状態が変動中の第2特別図柄の停止表示前に終了してしまい、遊技者が時短当選変動状態で第2特別図柄の抽選を実行することができないという不具合が生起し得る。
ここで、第1特別図柄が時短当選した場合の第1特別図柄の変動開始時に、第2特別図柄の変動停止フラグkfをオンにする構成とすることで、時短当選した第1特別図柄の変動が開始された場合に、変動中の第2特別図柄の変動が破棄されるため、時短当選変動状態で新たに第2特別図柄の抽選を受けることができ、遊技者が時短当選変動状態で第2特別図柄の抽選を実行することができないという不具合を防ぐことができる。次に、図200を参照して、第2特別図柄変動停止処理(図198、y241)の一処理である特図2小当たり停止処理(Y913)について説明をする。図200は特図2小当たり停止処理(Y913)の内容を示すフローチャートである。特図2小当たり停止処理(図200、Y913)では、まず、小当たり種別が小当たりBであるか判別し(Y931)、小当たりBであると判別された場合(Y931:Yes)には、特図1変動停止フラグkeをオンに設定し(Y932)、特図1変動停止フラグ203keのオンを示す特図1変動停止コマンドを設定する(Y933)。そして、選択されている小当たり種別に対応する小当たりシナリオを設定し(Y934)、本処理を終了する。一方、Y931の処理において、小当たりBでないと判別された場合(Y931:No)には、特図1仮停止フラグkcをオンに設定し、(Y937)、特図1仮停止フラグkcのオンを示す特図1仮停止コマンドを設定し(Y938)、Y934の処理を行う。このように、本第4制御例では、特定の大当たり種別だけでなく、特定の小当たり種別によっても、変動中の第1特別図柄を破棄させることが可能に構成されている。これにより、遊技者に小当たり種別にも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本第4制御例のパチンコ機10では、小当たりB当選を示す第2特別図柄の変動停止時に特図1変動停止フラグをオンに設定する構成としたが、これに限るものではなく、小当たりBに当選した第2特別図柄の変動開始時に特図1変動停止フラグをオンに設定する構成としても良い。また、小当たり遊技の開始時に第1特別図柄を破棄する構成としても良いし、小当たり遊技の終了時に破棄する構成としても良い。
次に、図201を参照して、メイン処理において実行される大当たり制御処理(Y1004)の内容について説明をする。図201は大当たり制御処理(Y1004)の内容を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(Y1004)は、上述した各制御例における大当たり制御処理に対して、エンディング演出の終了タイミングにて大当たり終了処理(S11613)を実行する点で相違し、それ以外は同一であるため、その詳細な説明については省略する。次に、図202を参照して、大当たり終了処理(Y11613)の内容について説明する。図202は大当たり終了処理(Y11613)の内容を示すフローチャートである。大当たり終了処理が実行されると、まず、時短リミット更新処理(Y2701)が実行される。時短リミット更新処理(Y2701)の詳細な説明については、図203を参照して後述するが、連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な上限値を時短リミット回数カウンタ203jaにセットしたり、設定済の時短リミット回数カウンタ203jaの値を更新(減算)したりするための処理を実行する。ここで、図203を参照して、大当たり終了処理(図202のY11613参照)内の一処理である時短リミット更新処理(Y2701)の詳細について説明する。図203は、時短リミット更新処理(Y2701)の内容を示したフローチャートである。この時短リミット更新処理(Y2701)では、連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な上限値を設定したり、設定済の上限値に対する残回数数を更新するための処理が実行される。時短リミット更新処理(Y2701)では、まず、時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値であるか判別する(Y3001)。時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値ではない、即ち、大当たり当選時における普通図柄の確率状態が低確率状態であると判別した場合には(Y3001:No)、時短リミット回数カウンタ203jaの値に連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な値が設定されていないため、時短リミット回数カウンタ203jaの値に10を設定し(Y3005)、時短フラグをオンに設定する(Y3006)。そして、本処理を終了する。
一方、Y3001の処理において、時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値であると判別した場合には(Y3001:Yes)、時短リミット回数カウンタ203jaの値を1減算し(Y3002)、次に、減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0であるか否かを判別する(Y3003)。減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0であると判別した場合には(Y3003:Yes)、連続して普通図柄の高確率状態が設定できる上限値に達したため、時短リミット到達フラグ203khをオンに設定し(Y3004)、本処理を終了する。一方、Y3004の処理において、減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0ではないと判別した場合には(Y3004:No)、本処理を終了する。なお、本制御例では、時短リミット回数として10回が設定されるよう構成したが、これに限ることなく、20回や30回など、複数の設定回数の中から決定するよう構成してもよい。図202に戻り説明を続ける。時短リミット更新処理(Y2701)を実行した後、時短リミット到達フラグ203khはオンであるかを判別し(Y2702)、時短リミット到達フラグ203khがオンであると判別された場合(Y2702:Yes)には、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)を示す情報を遊技状態格納エリア203gに格納し(Y2703)、大当たり遊技終了後の遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(Y2707)し、本処理を終了する。一方、Y2702の処理において、時短リミット到達フラグ203khがオンではないと判別された場合(Y2702:No)には、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として時短状態(普通図柄の高確率状態)を示す情報を遊技状態格納エリア203gに格納し、(Y2704)、図175および図176に示す大当たり種別選択テーブル202kbに基づき、実行中の大当たり種別に対応する時短回数を時短カウンタ203hのカウンタ値に設定し(Y2705)、設定内容に対応する時短設定情報コマンドを設定し(Y2706)、Y2707の処理を行う。
このように、本第4制御例のパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に連続して時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定可能な上限値を定め、遊技者に有利な状態が連続して設定される回数を制限することで、過剰に賞球を得ることにより遊技者の射幸心を煽ることを抑制することができる。なお、本第4制御例のパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されない構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される構成としても良い。なお、図示しないが、本第4制御例のパチンコ機10における第3図柄表示装置81において実行される演出の内容について説明する。従来のパチンコ機では、特定の結果を示すための特別図柄(例えば、大当たり図柄)が停止表示されたことを契機に、対応する遊技状態が設定されるものが一般的である。例えば、特別図柄が大当たり当選した場合に、大当たり当選したことを示す特別図柄の変動表示中の演出によって、遊技者は大当たり当選ではないかと予測し、特別図柄が停止表示され、大当たり当選であることを示す表示態様が表示されることで遊技者は大当たり当選したことを認識することができる。この場合、特別図柄の停止表示後に異なる遊技状態が設定されることを遊技者が事前に予測することができるため、円滑に遊技状態の変化に対応することができる。一方、本第4制御例のパチンコ機10では、上述したように、第1特別図柄が時短当選し、その第1特別図柄の変動が開始された場合に、時短当選変動状態が設定される。図171に示す通り、本第4制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄抽選の始動契機となる第1入球口64は、遊技球が盤面の左側領域を流下した場合と、右側領域を流下した場合の何れであっても入球可能な位置に配置されているが、第2特別図柄の始動契機となる第2入球口1641は、遊技球が盤面の右側領域を流下した場合のみ入球可能な位置に配置されている。
これにより、例えば、遊技球の盤面の左側領域を流下させて第1入球口64へ入球させる遊技(所謂、左打ち遊技)を行っている遊技者が時短当選した場合に、時短当選変動状態が設定されているにも関わらず左打ち遊技を継続して行うと、第2特別図柄抽選を実行しないまま時短当選変動状態が終了してしまうという不具合が生起し得る。従って、本第4制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄が時短当選した場合に、その第1特別図柄が停止表示される前に時短当選し、時短当選変動状態中であることを報知する演出を実行する。具体的には、第1特別図柄が時短当選した場合に、その第1特別図柄の変動表示が開始されると、所定時間経過した時点(例えば、10秒経過後)で疑似図柄が停止し、時短当選変動状態が設定されたことを示す表示態様が表示され(例えば、「時短当選変動ゾーン突入」)、遊技者に第2入球口1641を狙って遊技球を発射させるために「右打ち」と表示される。このように表示されることで、遊技者は時短当選変動状態が設定されたことを認識し、遊技状態に適した遊技方法で遊技を行うことができる。なお、併せて、時短当選変動状態中に第2特別図柄で大当たり(または小当たり)当選または時短当選することで時短B状態が設定されることを遊技者に報知する表示を行うと良い。また、通常状態において保留されている第1特別図柄の入賞情報(特図1保留)の中に時短当選する入賞情報が存在することを、その入賞情報を先読みした結果判別した場合には、時短当選する第1特別図柄の変動の直前に実行された第1特別図柄の停止表示画面で、次の第1特別図柄の変動において時短当選変動状態が設定されることを報知する構成を加えても良い。つまり、特図1保留が存在する場合には、時短当選変動状態が設定される直前の第1特別図柄の変動において次の変動が時短当選変動状態であることを報知し、特図1保留が存在しない場合には、時短当選変動状態が設定される第1特別図柄の変動の開始から所定時間経過後に時短当選変動状態が設定されていることを報知する構成とする。
このように、特図1保留が存在しない場合には、時短当選変動が開始されてから時短当選変動状態であることが報知されるまでの変動時間のロスがあるが、特図1保留が存在する場合には、事前に時短当選変動状態が設定されることが報知されるので、時短当選変動が開始されてから時短当選変動状態であることが報知されるまでの変動時間のロスが無くなる。よって、遊技者は、時短当選変動状態における変動時間のロスを無くすために、常に保留を貯めた状態を維持させようと思わせることで、意欲的に遊技を行わせることができる。なお、時短当選変動状態における第1特別図柄の変動時間を遊技者に分かり易く報知する構成としても良い。以上、説明したように、本第4制御例は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成し、両方の特別図柄が大当たりに当選した場合には、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)された側の特別図柄の抽選結果に基づく大当たり遊技を実行し、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)した時点で大当たり種別によっては、他方の特別図柄変動を抽選結果が外れであることを示す表示態様で強制的に停止表示するように構成している遊技機において、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選判定を実行可能に構成している。そして、上述した第2制御例と同様に各特別図柄変動開始前に時短抽選(時短当選判定)を実行し、時短当選した場合には、特別図柄変動停止タイミングにて時短状態を設定する。この場合、第1特別図柄または第2特別図柄の一方のみが時短当選した場合には、第1特典となる時短状態が設定される。なお、第1特別図柄抽選で時短当選した場合は、第1特典となる時短状態(時短A状態)が設定され、第2特別図柄抽選で時短当選した場合は、第1特典とは異なる第2特典となる時短状態(時短C)が設定される構成としても良い。
さらに、時短当選している第1特別図柄変動中に実行された第2特別図柄抽選において、時短当選した場合には、第1特典及び第2特典よりも有利な第3特典が付与される時短状態(時短B状態)を設定可能に構成している。このように構成することで、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成したパチンコ機10において、各特別図柄抽選で時短当選するタイミングに応じて異なる特典が付与される時短状態を設定することが可能となる。付与される特典については、例えば、第1特典又は第2特典よりも時短終了条件が成立し難い第3特典としても良いし、第1特典又は第2特典よりも特別図柄抽選が実行され易い第3特典としても良い。さらに、第3特典の時短状態が設定されるタイミングは、並行して実行されている各特別図柄変動のうち、先に特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良いし、後に特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良い。また、停止表示タイミングの前後に関わらず、先に実行された特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良いし、後に実行された特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良い。また、特定の特別図柄種別が停止表示されたタイミングでも良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別の抽選を同時に(並行して)実行可能なパチンコ機10において各特別図柄の抽選で大当たりに当選してしまい、遊技者に対して同時に過剰な特典(大当たり遊技)が付与されてしまう事態の発生を抑制することができる。さらに、一方の特別図柄抽選で遊技者に不利となる大当たりに当選したとしても、その当選結果が停止表示(確定表示)されるまでに、他方の特別図柄抽選で遊技者に有利となる大当たりに当選させることが可能となる。この場合、特別図柄の抽選結果が停止表示されるまでの変動時間を用いて、遊技者に不利当たりに当選したことを示唆する変動演出を実行すると良い。これにより、遊技者に対して不利当たりに当選したのではと思わせることができるため、その変動時間中に他方の特別図柄抽選を意欲的に実行させることができる。
加えて、遊技者に不利となる大当たりに当選した場合よりも、遊技者に有利となる大当たりに当選したほうが、短い変動時間が設定され易くなるように構成しても良い。これにより、不利当たりに当選した一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄抽選で有利当たりに当選させ、その当選結果を不利当たりの当選結果よりも先に停止表示(確定表示)させることができる。なお、本第4制御例では、時短当選した特別図柄を長変動させ、時短当選変動状態を設定する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、大当たり当選した特別図柄を長変動させて、大当たり当選変動状態を設定し、大当たり当選変動状態中は他方の特別図柄が短変動となる構成とすることで、小当たり遊技による賞球の獲得を可能としても良い。
<第5制御例>
次に、図204から図228を参照して、第5制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第5制御例におけるパチンコ機10は、上述した第2制御例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点とで相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。上述した第2制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定可能に構成し、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させることを可能に構成していた。また、上述した大当たり遊技の終了後、及び、他の終了条件(例えば、特別図柄抽選の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する終了条件)が成立した場合に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を高確率状態から低確率状態へと移行させることを可能に構成していた。さらに、上述した第2制御例では、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させるための契機として、特別図柄抽選の大当たり当選以外の契機を設け、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選とは異なる抽選結果(外れ)の一部において、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機が成立するように構成していた。
つまり、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった遊技者に対しても、普通図柄の高確率状態が設定される特典を付与可能に構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、大当たり遊技が実行される抽選結果と、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される抽選結果とを遊技者に別々に提供することができるため、遊技者に対して有利となる抽選結果種別の多様化を図りやすくすることができるものであった。しかしながら、上述した第2制御例におけるパチンコ機10においても、実行される特別図柄抽選の抽選結果に基づいて特典が付与される性質上、特別図柄抽選が複数回実行されたにも関わらず、何れの特典も付与されないという事態が長時間継続し得るものであり、実行される特別図柄抽選の結果によっては、遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。これに対して、本第5制御例におけるパチンコ機10は、特別図柄抽選が実行された回数(特別図柄抽選回数)が所定条件を満たした場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選を実行させる遊技を長時間実行した遊技者に対して、特別図柄抽選の結果に関わらず特典を付与することができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。ここで、特別図柄抽選が実行された回数(特別図柄抽選回数)が所定条件を満たした場合に付与される特典(天井特典)とは、抽選結果が大当たり当選以外(外れ)となる特別図柄抽選が連続して所定回数(例えば、500回)実行された場合に付与される特典であって、特別図柄抽選を比較的実行させ易くする遊技状態(第3時短状態)が設定されるように構成している。つまり、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における特別図柄抽選において、500回連続で大当たり当選しなかった場合(ハマリ回数が500回に到達した場合)に、天井特典が付与され、遊技者に有利となる遊技状態(第3時短状態)が設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選において大当たり当選しない遊技が長時間継続している遊技者に対して、遊技を継続させ易くすることができ、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。
また、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選回数が多いパチンコ機10(所謂、ハマリ台)であっても、天井特典が付与されることを目的としている新たな遊技者により遊技が実行されるため、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。特に、大当たり当選確率が異なる複数段階の設定値を設定可能に構成されているパチンコ機10において、大当たり当選確率が比較的低い設定値(低設定)のパチンコ機10であっても、天井特典が付与されることを目的としている遊技者が継続して遊技を実行し得るため、低設定のパチンコ機10を設置することによりパチンコ機10の稼働が著しく低下してしまうことを抑制することができる。また、本第5制御例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合の一部、具体的には、時短抽選に当選したことに基づいて設定される時短状態が設定されている場合(第1時短状態)と、で略同一内容の遊技が実行されるように構成しており、現在設定されている遊技状態が通常状態であるのか第1時短状態であるのかを遊技者に把握させ難くするように構成している。そして、天井特典が付与される(第3時短状態が設定される)条件が成立した時点における遊技状態(ハマリ回数が500回に到達した時点における遊技状態)に応じて、天井特典として付与される特典の内容を異ならせている。具体的には、通常状態が設定されている状態で天井特典が付与されるよりも、第1時短状態が設定されている状態で天井特典が付与される場合のほうが、遊技者に有利な特典(終了し難い第3時短状態)が付与されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して設定されている遊技状態を予測する楽しみを提供することができる。
さらに、本第5制御例におけるパチンコ機10は、特別図柄抽選が実行される場合において高確率(1/2)で時短当選するように構成されており、時短当選した場合の殆どで、短期間(特別図柄変動1回分)の第1時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、天井特典が付与されるまでの間に、遊技状態として、通常状態と、第1時短状態とが頻繁に切り替わることになる。よって、天井特典が付与される条件が成立した時点における遊技状態を遊技者に予測させ難くすることができる。また、本第5制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選が実行された場合において、天井特典が付与されるまでの特別図柄抽選の回数が更新される遊技状態(有効遊技状態)と、更新されない遊技状態(無効遊技状態)と、を設定可能に構成している。具体的には、本第5制御例におけるパチンコ機10は、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定可能に構成しており、第2確変状態が設定されている場合には、通常状態、及び、第1時短状態と同様の遊技(左打ち遊技)が実行されるように構成している。つまり、遊技者に対して、設定されている遊技状態が通常状態であるか、第1時短状態であるか、第2確変状態であるかを判別させ難くするように構成している。そして、第2確変状態が設定されている状態が無効遊技状態となり、第2確変状態中に特別図柄抽選が実行された場合には、天井特典が付与されるまでの特別図柄抽選の回数が更新されないように構成している。
このように構成することで、左打ち遊技を実行している遊技者(通常状態、第1時短状態、第2確変状態の何れかの遊技を実行している遊技者)に対して、現在が有効遊技状態であるか無効遊技状態であるかを判別させ難くすることができるため、天井特典が付与されるまでに必要となる特別図柄抽選の回数を遊技者に予測させ難くすることができる。また、第2確変状態が設定される期間の長さに応じて、天井特典が付与される条件を満たす特別図柄抽選回数(前回の大当たり遊技が終了してから実行される特別図柄抽選回数)を異ならせることができるため、天井特典が付与される特別図柄抽選回数として同一の回数(例えば、500回)のみを規定した場合であっても、多様なタイミングで天井特典を付与させることができ、天井特典が付与されることを目指す遊技者に対して、天井特典が付与されるまでの特別図柄抽選回数を予測させる楽しみを提供することができる。また、上述した第2制御例では、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させることにより、特別図柄抽選が比較的実行され易い遊技(右打ち遊技)を実行可能に構成していたが、本第5制御例では、上述した第2制御例にて用いた構成に加え、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させること無く、特別図柄抽選が比較的実行され易い遊技(右打ち遊技)を実行されることが可能に構成している。具体的には、天井特典として付与される第3時短状態では、普通図柄の低確率状態を設定したまま、普通図柄の変動時間のみを可変させることにより、特別図柄抽選が比較的実行され易い遊技(右打ち遊技)を実行可能に構成している。つまり、本第5制御例では、通常状態よりも特別図柄抽選が実行され易い遊技状態として、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(第2時短状態)と、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(第3時短状態)と、を設定可能に構成している。
このように構成することで、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行するための契機(例えば、大当たり当選)が成立していない状況においても、特別図柄抽選の実行のされ易さを異ならせる(特別図柄抽選が比較的実行され難い状態から、特別図柄抽選が比較的実行され易い状態へと移行させる)ことが可能となるため、遊技者に対して多様なタイミングで特別図柄抽選の実行のされ易さを異ならせた遊技を提供することができる。なお、上述した第2制御例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合よりも、特別図柄抽選が実行され易い遊技状態として、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(時短状態、確変状態)のみを設定可能に構成していたため、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態を、特別図柄抽選が実行され易い遊技状態(時短状態、右打ち遊技状態)と称していたが、本第5制御例では、上述した通り、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態の一部(第1時短状態)において、特別図柄抽選の実行のされ易さが通常状態と同一となるように構成し、且つ、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態の一部(第2時短状態)において、通常状態よりも特別図柄抽選を実行させ易くなるように構成している。よって、実際に設定されている各図柄の確率状態を説明するのでは無く、単に特別図柄抽選の実行のし易さを説明する際には、普通図柄の確率状態に関わらず、特別図柄抽選の実行のし易さが通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と同一(同程度)となる遊技状態(第1時短状態、第2確変状態)を通常状態、或いは、左打ち遊技状態と称し、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)よりも特別図柄抽選が実行され易い遊技状態(第2時短状態、第3時短状態)を時短状態、或いは、右打ち遊技状態と称して説明をする。
また、本第5制御例では、左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2確変状態)中に実行される特別図柄抽選の結果に基づいて、天井特典と同様の特典を付与可能に構成している。具体的には、左打ち遊技状態中に実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部において、他の大当たり当選よりも大当たり遊技が実行される期間(ラウンド遊技数)が短く、且つ、大当たり遊技終了後に、天井特典として付与可能な第3時短状態と同一の時短終了条件(時短回数)が設定される第2時短状態を設定可能に構成している。更に、左打ち遊技状態中に実行される特別図柄抽選で時短当選した場合の一部において、第2時短状態を設定可能に構成し、時短当選に基づいて第2時短状態が設定された場合に、天井特典として付与可能な第3時短状態と同一の時短終了条件(時短回数)を設定可能に構成している。このように構成することで、左打ち遊技を実行している遊技者に対して、天井特典の付与条件が成立するよりも前に、天井特典と同等の特典を付与することが可能となるため、天井特典の付与条件を把握させ難くすることができる。また、特別図柄抽選で大当たり当選、或いは、時短当選したことに基づいて第2時短状態が設定される事象を、天井特典の付与条件が成立し第3時短状態が設定されたと遊技者に思わせることができるため、天井特典の付与条件として、少ない特別図柄抽選回数が設定される場合があると思い込んでいる遊技者に対して、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数が、天井特典の付与条件が成立する特別図柄抽選の回数と乖離している状態であっても、天井特典が付与されることを目指して意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させることができる。また、詳細な説明は後述するが、本第5制御例では、左打ち遊技中において、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間(残特別図柄抽選回数)を遊技者に示唆するための示唆演出(天井到達示唆演出)を実行可能に構成している。このように構成することで、天井到達示唆演出の演出結果に基づいて天井特典の付与条件が成立し易い(間もなく成立する)状況であるか否かを遊技者に予測させることが可能となるため、天井特典が付与されることを期待しながら長時間の遊技を行わせ易くすることができる。
なお、この天井到達示唆演出の演出態様を決定する際には、天井特典の付与条件が成立するまでの情報に加え、上述した天井特典として付与され得る第3時短状態と同様の第2時短状態が設定される条件の成立の有無に関する情報も加味して演出態様が決定されるように構成している。このように構成することで、天井特典として付与され得る第3時短状態と同様の第2時短状態が設定される条件を満たした場合には、天井到達示唆演出として、天井特典の付与条件が成立する可能性が高い状況である場合と同一の演出態様が決定されることになる。よって、特別図柄抽選で大当たり当選、或いは、時短当選したことに基づいて天井特典と同様の第2時短状態が設定される事象を、天井特典の付与条件が成立し第3時短状態が設定されたと遊技者に思わせ易くすることができる。
<第5制御例の演出内容について>
まず、図204から図206を参照して、本第5制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第5制御例におけるパチンコ機10は、上述した第2制御例におけるパチンコ機10に対して、特別図柄抽選の実行回数に基づいて遊技者に有利な遊技状態(右打ち遊技状態)を設定可能に構成している。具体的には、特別図柄抽選の実行回数が所定回数(500回)に到達したと判別された場合に、その特別図柄抽選(500回目の特別図柄抽選)の抽選結果を示すための特別図柄変動が停止表示された後に、救済措置として天井特典を付与可能に構成している。本第5制御例では、天井特典として、左打ち遊技状態よりも特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)を実行させ易くすることが可能な右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定される特典を付与するように構成している。そして、左打ち遊技状態(例えば、通常状態や第1時短状態)中において、特別図柄抽選が実行された場合に、天井特典が付与されるまでの期間(特別図柄抽選回数)を遊技者に予測させるための演出として、天井到達示唆演出を実行可能に構成している。このように構成することで、天井到達示唆演出の演出態様を把握することにより、天井特典が付与されるまでの期間(特別図柄抽選回数)を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。また、実際に天井特典が付与されるよりも前に、間もなく天井特典が付与されることを(付与される可能性が高いことを)、遊技者に把握させることができるため、何の前触れも無く天井特典が付与されてしまい、遊技者が天井特典の恩恵を受け難くなる事態が発生してしまうことを抑制することができる。
本第5制御例では、天井到達示唆演出の演出態様として、天井特典が付与される期待度が高い「示唆強」の演出態様と、その「示唆強」の演出態様よりも、天井特典が付与される期待度が低い「示唆弱」の演出態様と、を少なくとも設定可能に構成しており、後述する天井到達示唆演出選択テーブル222la(図213参照)を用いて、演出態様が選択されるように構成している。具体的な説明は、図213を参照して後述するが、本第5制御例では、天井到達示唆演出の演出態様を選択する際に、前回の大当たり遊技終了後に実行された特別図柄抽選回数、即ち、抽選結果が大当たり以外(外れ)となる特別図柄抽選が連続して実行された回数(ハマリ回数)と、天井到達示唆演出が実行される変動演出の対象となる特別図柄抽選の結果と、に基づいて演出態様を選択するように構成している。このように、ハマリ回数に基づいて演出態様を選択するように構成することで、天井特典が付与されるまでの実際の期間(残ハマリ回数)に基づいて天井到達示唆演出の演出態様を選択することができるため、遊技者に対して信頼度の高い演出を実行することができる。また、本第5制御例では、特別図柄抽選の結果に基づいて(大当たり抽選、時短抽選の結果に基づいて)天井特典と同様の特典を付与可能に構成しており、天井到達示唆演出の対象となる特別図柄抽選の結果が天井特典と同様の特典を付与する可能性がある場合にも、天井特典が付与される期待度が高い「示唆強」の演出態様が選択され易くなるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果に基づいて(大当たり抽選、時短抽選の結果に基づいて)天井特典と同様の特典が付与される場合においても遊技者に対して、天井特典が付与されたと思わせ易くすることができる。よって、予め定められている天井特典の付与条件(特別図柄抽選回数)が成立するタイミングよりも多くのタイミングにて天井特典が付与されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
天井到達示唆演出では、図204に示した通り、天井到達後の演出モード(天井中モード)にて表示されるキャラクタが表示画面に表示される演出が実行されるように構成しており、図204(a)は、天井到達示唆演出の演出態様として、天井特典が付与されるまでの期間が短い場合よりも、長い場合のほうが選択され易い演出態様である「示唆弱」が設定された場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図204(b)は、天井到達示唆演出の演出態様として、天井特典が付与されるまでの期間が長い場合よりも、短い場合のほうが選択され易い演出態様である「示唆強」が設定された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。「示唆弱」の演出態様が設定された天井到達示唆演出が実行されると、図204(a)に示した通り、天使を模したキャラクタ809が第3図柄表示装置81の表示画面上を横切る演出が実行される。そして、副表示領域Dsには、天井到達示唆演出が実行されたことを遊技者に案内するための案内態様として「天使発見!天井?・・・」のコメントが表示される。ここで、上述した通り、図204(a)に示した演出態様「示唆弱」は、天井到達示唆演出として設定される演出態様としては天井到達の期待度が低い演出態様であるが、本第5制御例では、天井到達示唆演出が実行される頻度が、天井特典が付与されるまで(天井到達するまで)の期間が短くなるほど高くなるように構成している。よって、図204(a)に示した演出態様「示唆弱」であっても、天井到達示唆演出が実行されただけで天井特典が付与されるまでの期間が短いことを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。図204(a)に示した表示画面は、前回の大当たり遊技終了後から250回目の特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄変動中の表示画面であって、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数を示すためのハマリ回数報知態様として小表示領域Dm7に「250回」が表示されている。つまり、本第5制御例では、左打ち遊技状態が継続している期間における特別図柄抽選回数の累積値(ハマリ回数)を遊技者に把握させ易くするために、ハマリ回数を示す表示態様を表示可能に構成している。
このように構成することで、実行される天井到達示唆演出の演出態様と、小表示領域Dm7に表示されているハマリ回数と、に基づいて天井特典が付与されるまでの期間(天井到達までの期間)を遊技者に予測させ易くすることができる。また、図204(a)に示した通り、左打ち遊技状態において、主として実行される第1特別図柄抽選の保留記憶(特図1保留)に対応させた保留アイコンhr1~hr4が小表示領域Dm9に表示されるように構成しており、図204(a)に示した例では、特図1保留を3個獲得している状態(小表示領域Dm1a参照)であるため、小表示領域Dm9には3個の保留アイコンhr1~hr3が表示されている。一方、天井到達示唆演出の演出態様として「示唆強」が設定された場合には、図204(b)に示した通り、「示唆演出弱」よりも遊技者に対して天井到達示唆演出が実行される期待度が高いことを示すための演出が実行される。図204(b)は、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数が499回目となる特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動中の表示画面であって、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数を示すためのハマリ回数報知態様として小表示領域Dm7に「499回」が表示されている。そして、今回実行されている天井到達示唆演出が「示唆強」であることを示すための表示態様として、「示唆弱」のキャラクタ809(図204(a)参照)よりも、豪華なキャラクタ809zが表示される。このように、天井到達示唆演出の演出態様として、天井特典が付与され易い(されるまでの期間が短い)場合に設定され易い演出態様「示唆強」のほうが、他の演出態様「示唆弱」よりも、見た目上で豪華なキャラクタを表示するように構成することで、天井到達示唆演出が実行された場合に表示されるキャラクタの態様によって、天井特典が付与され易い(されるまでの期間が短い)状況であるか否かを視覚的に判別させ易くすることができる。
加えて、副表示領域Dsには、今回実行された天井到達示唆演出が「示唆強」であることを遊技者に案内するための案内態様として「大天使だ!天井までもうすぐ」のコメントが表示される。このように構成することにより、天井特典が付与され易い(されるまでの期間が短い)状況であるか否かを遊技者に判別させ易くすることができる。また、図204(b)に示した表示画面では、特図1保留を2個獲得している状態(小表示領域Dm1a参照)であるため、小表示領域Dm9には2個の保留アイコンhr1,hr2が表示されている。なお、天井特典が付与されるタイミングが近付いていることを、表示画面の主表示領域Dmにて実行される天井到達示唆演出にて実行するのでは無く、小表示領域Dm9に表示される保留アイコンの表示態様を可変させることで示唆可能に構成しても良く、例えば、獲得済みの特図1保留のうち、左打ち遊技状態中に消化される特図1保留の範囲を特定する特定手段を設け、その特定手段によって特定された範囲と、それ以外の範囲とで、保留アイコンの表示態様を異ならせたり、表示される保留アイコンの大きさを異ならせたり、表示される領域を異ならせたりするように構成しても良い。また、保留アイコンを用いて実行される先読み演出として、大当たり当選する期待度が高い表示態様が、天井特典が付与されるよりも前に実行される第1特別図柄抽選に対応する特図1保留の保留アイコンに設定される場合と、天井特典が付与された後に実行される第1特別図柄抽選に対応する特図1保留の保留アイコンに設定される場合と、で異なる表示態様を設定可能に構成しても良い。さらに、天井特典が付与される前に大当たり当選する場合と、天井特典が付与された後に大当たり当選する場合とで、大当たり当選に基づいて付与される特典の内容を異ならせるように構成されたパチンコ機10であれば、大当たり当選に基づいて付与される特典の内容を示唆可能な表示態様で保留アイコンを表示するように構成すると良い。このように構成することで、保留アイコンを用いた先読み演出によって、大当たり当選期待度と、天井特典付与の期待度と、を組合せた情報を遊技者に提供することができる。
加えて、先読み演出として、天井特典が付与されるタイミングを示唆するための第1示唆態様と、大当たり当選を示唆するための第2示唆態様と、時短抽選による時短当選を示唆するための第3示唆態様と、をそれぞれ保留アイコンの表示態様として設定可能に構成して場合において、1の保留アイコンの表示態様として、上述した2つ以上の示唆態様を組み合わせた組合せ表示態様を表示可能に構成すると良い。また、この場合、異なる組合せに対応する組合せ表示態様として同一(遊技者が識別困難な程度の相違も含む概念)の表示態様を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、先読み演出として表示された保留アイコンの表示態様に基づいて、後の遊技状況を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。また、他の表示画面に表示されている各種情報(例えば、スタート回数等)を含めて複合的に遊技状況を判別することにより、先読み演出として表示された保留アイコンの表示態様が示す後の遊技状況を予測する精度を高めることができる。次に、天井特典が付与される場合に実行される演出の演出内容について説明をする。図205(a)は、実行中の特別図柄変動が停止表示した後に天井特典(右打ち遊技状態)が設定される特別図柄変動(天井到達変動)中に表示される表示画面の一例を示した図であって、図205(b)は、天井特典として付与された右打ち遊技状態中(天井中モード)に表示される表示画面の一例を示した図である。ここで、本第5制御例では、左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態)中に大当たり当選すること無く、特別図柄抽選が所定回数(例えば、500回)実行された場合に、天井特典(右打ち遊技状態)を設定可能に構成している。また、天井特典が設定される場合において設定されている遊技状態(通常状態、又は第1時短状態)に応じて、天井特典の内容(遊技者への有利度合い)を異ならせるように構成している。
そして、天井特典が付与されることを報知するための天井到達変動演出の演出態様によって、今回付与される天井特典の内容の少なくとも一部を遊技者に報知するように構成している。このように構成することで、天井特典が付与される時点で遊技者に対して天井特典が付与されることを報知するだけで無く、その内容も報知することができるため、分かり易い遊技を提供することができる。具体的には、図205(a)に示した通り、天井到達変動演出が実行されると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの背景画像として天井中モードに対応する天国背景が表示され、小表示領域Dm7には天井に到達した(する)ことを示すための表示態様として「天井!?」の文字が表示される。そして、天井到達示唆演出にて表示されたキャラクタ809が、天井特典が付与されることを祝福する演出態様で天井到達変動演出が実行される。また、今回の天井特典の内容を報知するための情報「100」を含む表示態様で宝箱810の中身810aが表示される。さらに、主表示領域Dmの右下側には、天井特典として右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定された後の遊技方法を遊技者に案内するための案内態様として「右打ちしてね」のコメントが表示される。また、副表示領域Dsには、天井特典が付与されることを示唆するための報知態様として、「天井到達!!時短100GET!!」のコメントが表示される。図205(a)に示した通り、天井特典の付与条件が成立した特別図柄変動の変動期間中に実行される天井到達変動演出では、小表示領域Dm7に前回の大当たり遊技終了後からの特別図柄抽選回数を示す情報(図204(a)の小表示領域Dm7に表示される情報)が表示されないように構成している。このように構成することで、天井到達変動演出が実行された特別図柄抽選回数を遊技者が容易に判別し難くすることができる。よって、天井特典が付与される条件が成立し得る特別図柄抽選回数を把握するためには、天井到達変動演出が実行されるよりも前の特別図柄抽選回数を常に把握する必要があり、遊技者に対して、左打ち遊技状態中においても第3図柄表示装置81に表示される表示態様に常に興味を持たせ易くすることができる。
また、上述した天井到達変動演出は、前回の大当たり遊技終了後から実行された特別図柄抽選の抽選回数が天井特典の付与条件が成立する回数(500回)となった場合だけで無く、天井特典と同様の特典(右打ち遊技状態)が付与される大当たりに当選した場合や、天井特典と同様の特典(右打ち遊技状態)が付与される特定の時短に当選した場合にも実行されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、今回付与される特典が天井特典であるか否かを判別させ難くすることができる。なお、複数の特典付与過程にて図205(a)に示した天井到達変動演出を実行することで、遊技者に対して、実際に付与される特典の種別を判別させ難くする場合には、特典の種別に応じて実行される天井到達変動演出の演出態様の少なくとも一部を変更するように構成すると良い。このように構成することで実行される天井到達変動演出の演出態様の若干の違いを識別可能な遊技者に対してのみ今回付与される特典の種別を判別させることが可能となる。
また、実行される天井到達変動演出の演出態様を変えること無く、天井到達変動演出が実行される演出期間、即ち、天井到達変動演出が実行される特別図柄変動の変動時間を異ならせるように構成しても良く、例えば、天井特典が付与されることとなる特別図柄変動の変動時間(外れ当選した特別図柄変動の変動時間)を基本時間(例えば、10秒)とした場合において、大当たり当選に基づいて天井到達変動演出が実行される場合の特別図柄変動の変動時間(特定の大当たり当選に対応する特別図柄変動の変動時間)が11秒、時短当選に基づいて天井到達変動演出が実行される場合の特別図柄の変動時間(特定の時短当選に対応する特別図柄変動の変動時間)が12秒となるように構成しても良い。このように構成することで、同一の演出態様で天井到達変動演出を実行させながら、天井到達変動演出の演出期間を付与される特典の種別に応じて異ならせることができる。よって、天井到達変動演出を実行するための演出データの増加を抑制しながらも、付与される特典の種別に応じて異なる態様の天井到達変動演出を実行させることが可能となるため、実行される天井到達変動演出の若干の違い(演出期間の違い)を識別可能な遊技者に対してのみ今回付与される特典の種別を判別させることが可能となる。なお、詳細な説明は省略するが、本第5制御例では、図205(a)に示した天井到達変動演出を、天井特典が付与されない場合においても実行可能に構成している。この場合に実行される天井到達変動演出(ガセ天井到達演出)では、図205(a)に示した表示画面と同様に、天井中モードの背景画像(天国画像)が表示され、キャラクタ809が登場し、宝箱810を開放しようとする演出が実行される。そして、宝箱810の中から天井特典が付与されないことを示す表示態様(「残念」の文字が付された中身810a)が表示された後、背景画像が通常の背景画像へと切り替わる演出が実行される。
このガセ天井到達演出の実行期間のうち、天井特典が付与される場合に実行される天井特典演出と同一の演出態様を用いて演出が実行されている間は、副表示領域Dsにて天井特典が付与される可能性が高いことを示す態様として「天井到達!?」のコメントが表示され、ガセ天井到達演出の演出結果を示す演出が実行されると、副表示領域Dsにて天井特典が付与されないことを示す態様として「残念!!」のコメントが表示される。このように、実際に天井特典が付与されることの無い状況にてガセ天井到達演出を実行可能に構成することで、天井到達演出の演出結果として天井特典が付与されないことを示す演出結果を一時的に表示した後に、天井特典が付与されない演出が実行される演出態様(復活演出)が実行される場合において、実行中の天井到達演出が、実際に天井特典が付与されることの無いことを示すガセ天井到達演出であると思わせ易くすることができる。上述した通り、本第5制御例では、天井到達演出(ガセ天井到達演出を含む)が実行された場合であっても、天井特典が付与されることを報知するものでは無く、天井特典が付与される可能性があることを遊技者に示すだけである。よって、図205(a)に示した第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域Dm7には「天井!?」の表示態様、即ち、天井特典が付与される可能性があることを示す表示態様が表示される。換言すれば、図205(a)に示した第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域Dm7に表示される「天井!?」の文字のうち「!?」の文字は、天井特典が付与されることを確定報知するものでは無いことを示す表示態様となる。なお、本制御例、及び、他の制御例においても、表示画面に表示される文字として「!?」が表示される場合には、その文字が付随する対象が確定している状態では無いことを示すものとして用いている。
また、本第5制御例では、図204(a)、及び図204(b)に示した通り、左打ち遊技状態中は、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄変動回数(スタート回数)を表示するように構成し、天井特典が付与されるまで(天井特典の付与条件が成立するまで)に必要となる特別図柄変動回数(残変動回数)を表示しないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、天井特典が付与されるまでの残変動回数を報知可能に構成しても良い。このように構成することで、天井特典が付与されるまでに必要とされる特別図柄変動回数を把握した上で、遊技を継続するか否かを遊技者に選択させることができる。また、天井特典が付与されるまでに必要とされる特別図柄変動回数(残変動回数)に対応した情報(例えば、残り回数)を遊技者に報知可能に構成した場合には、実際の残変動回数とは異なる値に対応した演出用情報(例えば、残り回数よりも多い回数)を表示画面に表示するように構成し、実際に天井特典が付与される時点で表示画面に表示されている演出用情報が、天井特典が付与されるまでに必要とされる残変動回数が0であることを示す演出用情報となるように構成しても良い。この場合、例えば、天井特典が付与されるまでの残変動回数が200回である場合において、表示画面に表示される演出用情報として「残り300回」の表示態様を表示する。つまり、実際の残変動回数よりも大きい残り回数を演出用情報として表示する。そして、実行される特別図柄変動の変動時間が長い場合や、大当たり当選の期待度が高い演出態様で変動演出が実行された場合や、遊技者が操作手段を操作可能な操作演出が実行され、その操作演出中に遊技者が操作手段を操作した場合といった更新条件が成立したことに基づいて、表示画面に表示されている演出用情報が示す値が、実際の残変動回数に近付くように更新(減算)されるように構成すると良い。
このように構成することで、演出用情報として表示されている残り回数を、特別図柄抽選の実行回数よりも大きく減算させることが可能となるため、遊技者に対して、実行される演出の演出結果によって、天井特典が付与され易くなった(天井特典が付与されるまでの残変動回数が短縮された)と思わせることが可能となり、演出効果を高めることができる。また、演出用情報として表示されている残り回数を、特別図柄抽選の実行回数よりも大きく減算させることが可能に構成することで、天井特典が付与されるよりも前に、特別図柄抽選の結果が、天井特典と同等の特典(第2時短状態)を付与可能な抽選結果(大当たりC13当選、或いは、第2時短状態が設定される時短当選)となる場合に、その特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄が停止表示されるまでに、演出用情報として表示されている残り回数を、天井特典が付与されるまでに必要とされる残変動回数が0であることを示す演出用情報へと大幅に更新(減算)する演出を遊技者に違和感を与えること無く実行させ易くすることができる。このように構成することで、天井特典と同等の特典(第2時短状態)が付与される場合に実行される演出の内容と、天井特典が付与される場合に実行される演出の内容とが乖離してしまうことを抑制することがでるため、遊技者に対して、何れの特典が付与されたのかを分かり難くすることができる。よって、様々なタイミング(ハマり回数)で天井特典が付与されると思わせながら遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。次に、天井特典(第3時短状態が設定される右打ち遊技状態)が付与されている期間を示すための天井中モードでは、図205(b)に示した通り、主表示領域Dmにてウサギを模したキャラクタ801が、天国を飛び回る演出が実行され、現在が天井中モードであることを示すための「天井中」の文字が表示される。そして、遊技者に対して遊技方法を案内するための案内表示態様として、小表示領域Dm4には「右打ち」の文字が表示され、天井特典が終了するまでの残期間を報知するための残期間表示態様として、小表示領域Dm7に「ラスト90回」の文字が表示されている。
図205(b)に示した表示画面は、天井到達変動演出にて天井特典の内容として、時短回数100回が付与されることを示す「100」が表示された(図205(a)参照)後、特別図柄抽選が10回実行された時点の表示画面であるため、天井特典が付与された時点にて遊技者に報知された天井特典の内容を示す「100」の値が、特別図柄抽選が実行される毎に減算されていき「90」が表示されている。このように、天井特典が終了するまでの期間(天井中モードが継続する期間)を遊技者に報知することで、天井特典が急に終了してしまうことを抑制することができる。また、本第5制御例では、左打ち遊技状態が設定されている場合よりも、右打ち遊技状態が設定されている場合の方が、大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典(大当たり遊技内容や大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)として、遊技者に有利となる有利特典が付与され易くなるように構成している。よって、副表示領域Dsには「今大当たりするといいことあるよ!」のコメントが表示される。詳細な説明は後述するが、本第5制御例では、通常状態や第1時短状態が設定されている左打ち遊技状態と、第3時短状態が設定されている右打ち遊技状態と、では、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が同一(5/1000)となるように構成しており、通常状態や第1時短状態が設定されている左打ち遊技状態にて、大当たり当選しない特別図柄抽選を連続で500回実行した場合に天井特典の付与条件が成立し、天井特典として第3時短状態(右打ち遊技状態)が設定されるように構成している。そして、左打ち遊技状態よりも右打ち遊技状態の方が、大当たり当選時に遊技者に有利となる特典を付与し易くなるように構成している。
つまり、上述した右打ち遊技状態中において、天井特典が付与されるまでの残期間(残特別図柄抽選回数)が少なくなった場合には、左打ち遊技状態中に実行される特別図柄抽選にて大当たり当選することを期待するのでは無く、特別図柄抽選で大当たり当選しないことを期待しながら遊技を行わせ、右打ち遊技状態が設定された後に特別図柄抽選で大当たり当選することを期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。ここで、従来型のパチンコ機10では、設定されている遊技状態に応じて大当たり当選に基づいて付与される特典に対して有利度合いを異ならせるものはあるが、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、特別図柄抽選で大当たり当選する場合の方が、大当たり当選しない場合よりも特典が付与される点で遊技者に有利となるように構成しているため、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、遊技者に対して特別図柄抽選で大当たり当選を目指すという単調な遊技性を有するものであった。これに対して、本第5制御例におけるパチンコ機10は、特別図柄抽選の抽選結果では無く、抽選回数に基づいて特典を付与可能に構成している。具体的には、通常状態、或いは第1時短状態が設定されている左打ち遊技状態中に、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選すること無く500回実行された場合に右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定されるように構成している。そして、通常状態、或いは、第1時短状態が設定されている場合よりも、第3時短状態が設定されている状態で大当たり当選した場合のほうが、ラウンド遊技数が多い大当たり遊技が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、通常状態、或いは第1時短状態が設定されている左打ち遊技状態中に実行された特別図柄抽選の回数が500回に近付いた場合に、実行される特別図柄抽選にて大当たり当選しないことを期待するという斬新な遊技性を提供することができる。つまり、遊技者が特別図柄抽選を実行する遊技期間の一部を、大当たり当選を期待しない特殊期間として設定することが可能となるように構成している。
よって、遊技者に対して、特別図柄抽選で大当たり当選することを期待する遊技期間と、特別図柄抽選で大当たり当選しない(外れ当選する)ことを期待する遊技期間(特殊期間)と、を提供することができるため、常に大当たり当選を目指す従来型のパチンコ機10よりも遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。次に、図206を参照して、天井中モードの残期間が上乗せされる場合の演出(上乗せ演出)について説明をする。図206は、天井中モードの残期間を示すための情報(残回数)表示が加算(上乗せ)される上乗せ演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。本第5制御例では、天井特典が付与される場合に実行される天井到達変動演出(図205(a)参照)において、今回付与される特典の内容(時短回数)を遊技者に報知可能に構成しているが、天井到達変動演出にて報知される特典の内容(時短回数)は、内部的に設定される時短回数を上限に、専用の選択テーブル(天井到達時演出選択テーブル222lb)を参照して決定するように構成している。そして、天井到達変動演出にて報知される特典の内容(時短回数)と、内部的に設定されている時短回数とに差が生じた場合には、天井中モード中に、天井中モードの残期間(図205(b)の小表示領域Dm7に表示される残回数)を増加(上乗せ)する上乗せ演出を実行するように構成している。このように構成することで、天井中モードが設定された遊技者に対して、天井中モードが継続する最低限の期間を把握させた状態で安心して遊技を行わせることができると共に、天井中モードが継続する期間が延長されることを期待しながら遊技を行わせることができる。
さらに、本第5制御例では、天井特典が付与される時点において設定されている遊技状態に応じて天井特典として付与される特典の内容を異ならせるように構成しており、具体的には、特別図柄変動の開始時における天井特典の付与判定処理が実行されるタイミングにおいて設定されている遊技状態が通常状態である場合には、天井特典として時短回数が100回の右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定され、特別図柄変動の開始時における天井特典の付与判定処理が実行されるタイミングにおいて設定されている遊技状態が第1時短状態である場合には、天井特典として時短回数が300回の右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定されるように構成している。つまり、通常状態にて天井特典が付与されるよりも、第1時短状態にて天井特典が付与される場合の方が、遊技者に有利な天井特典が付与されるように構成している。そして、天井到達変動演出にて報知される天井特典の内容(時短回数)として、時短回数が300回の天井特典が付与された場合において、遊技者に不利となる天井特典の内容(時短回数100回)を報知可能に構成している。このように構成することで、天井到達変動演出が実行された時点において、今回付与された天井特典が遊技者に有利な天井特典(時短回数300回)であるか、遊技者に不利な天井特典(時短回数100回)であるかを遊技者に把握させ難くすることができる。なお、本第5制御例におけるパチンコ機10では、天井到達変動演出にて報知される天井特典の内容が、実際に設定される天井特典の内容の範囲内となるように構成し、遊技者に対して報知された内容に従って安心して遊技を行わせることを可能にしているが、これに限ること無く、天井到達変動演出にて報知される天井特典の内容(時短回数)を、天井中モードが設定されている期間において減算する減算演出を実行するように構成しても良い。
例えば、遊技者に不利な天井特典(時短回数100回)が設定された場合において、天井到達変動演出にて遊技者に有利な天井特典(時短回数300回)が付与されたことを示すための情報を報知し(小表示領域Dm7に「300回」と表示し)、天井中モードにて、小表示領域Dm7に表示されている情報(残時短回数)を、特別図柄抽選の実行回数よりも多く減算させるように構成しても良い。このように構成することで、何れの天井特典が付与される場合であっても、天井到達変動演出にて遊技者に有利な天井特典(時短回数300回)が設定された可能性があることを遊技者に把握させることができるため、実際に有利な天井特典が付与されていることに期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。なお、上述した通り、本第5制御例におけるパチンコ機10は、通常状態が設定されている場合と、第1時短状態が設定されている場合とで、同一内容の遊技(左打ち遊技)が実行されるように構成しており、左打ち遊技が実行される左打ち遊技状態中は、同一内容の変動演出が実行されるように構成している。つまり、左打ち遊技状態中において設定されている遊技状態を遊技者が識別することが困難となるように構成している。よって、左打ち遊技状態中に天井特典の付与条件が成立した場合には、天井特典として付与される特典の内容(時短回数)が何れであるのかを遊技者に把握させ難くすることができるため、天井到達変動演出にて報知される天井特典の内容に興味を持たせることができる。また、本第5制御例におけるパチンコ機10では、通常状態、及び、第1時短状態が設定されている場合において実行される特別図柄抽選において大当たり当選しなかった場合に、時短当選の判定(時短抽選)を実行するように構成しており、その時短当選の判定(時短抽選)の結果が当たりである場合には、時短当選した特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が停止表示された後に、大当たり遊技を介すること無く時短状態(第1時短状態、第2時短状態)を設定可能に構成している。
そして、時短抽選の結果に基づいて第1時短状態が設定された場合には、第1時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄変動が1回実行された場合に成立する時短終了条件が設定されるように構成している。つまり、本第5制御例におけるパチンコ機10は、左打ち遊技状態中において、遊技状態が通常状態と第1時短状態とに頻繁に切り替わるように構成している。このように構成することで、天井特典の付与条件(特別図柄抽選500回)が成立する時点において設定されている遊技状態を異ならせ易くすることができるため、天井特典として付与される特典の内容(時短回数)を遊技者により分かり難くすることができる。図206に示した表示画面は、天井特典として遊技者に有利な天井特典(時短回数300回)が設定された状態で、天井到達変動演出にて遊技者に不利な天井特典(時短回数100回)に対応する特典の内容を示す表示態様が表示され(図205(a)参照)、天井中モードにて100回の特別図柄抽選が実行された(小表示領域Dm7に表示される残時短回数が1回(ラスト))時点における表示画面であって、小表示領域Dm7には、天井中モードの最終期間であることを示すための「ラスト」が表示されている。そして、天井中モードの残期間を上乗せさせるための上乗せ演出として、キャラクタ809が天井中モードの残期間を延長させるため上乗せ態様809aが表示される演出が実行される。図206では、上乗せ態様809aとして、天井中モードの残期間が特別図柄抽選200回分延長されることを示すための「+200」が表示されている。そして、上乗せ態様809aが小表示領域Dm7に向かって移動し、小表示領域Dm7に表示される残期間が「ラスト200回」へと可変される上乗せ演出が実行される。そして、副表示領域Dsには、天井中モードが延長することを案内する案内態様と、延長内容を示すための案内態様として「天井延長!!プラス200回!!」の文字が表示される。
なお、図206に示した例では、天井中モードの最終期間(小表示領域Dm7に「ラスト」が表示される特別図柄変動期間)において上乗せ演出が実行された場合における表示画面を示しているが、上乗せ演出を天井中モードの最終期間以外に実行しても良く、例えば、天井中モードの残期間として所定期間(例えば、残り時短回数90回)を示す情報が小表示領域Dm7に表示されている状態(図205(b)参照)にて上乗せ演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングで上乗せ演出が実行されるかを遊技者に予測させ難くすることができるため、天井中モード中に実行される演出に対して継続して興味を持たせることができる。また、図206に示した通り、本第5制御例におけるパチンコ機10では、上乗せ演出として専用の演出が実行されるように構成しているが、上乗せ演出の一部演出態様が他の演出の演出態様と同一となるように構成しても良く、例えば、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出において対象となる特別図柄抽選の結果が外れである場合に、特別図柄抽選の結果が外れであることを示すと共に、天井中モードの残期間が延長されることを示すための情報を含む表示態様を表示させるように構成しても良い。このように構成することで、天井中モード中に実行される各種演出(変動演出等)にて天井中モードの残期間が延長されることを示す演出結果が表示される可能性を残すことができるため、天井中モード中に実行される各種演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、本第5制御例におけるパチンコ機10では、天井中モード期間中に天井中モードの残期間を延長させるための上乗せ演出を実行するように構成しているが、天井中モードの終了を示す表示態様が表示された後に、天井中モードが再度設定される復活演出を実行可能に構成しても良い。この場合、例えば、図206に示した天井中モードの最終変動演出にて上乗せ演出を実行せずに、一旦、天井中モードの終了を示す終了画面を表示し、左打ち遊技状態が設定されることを示唆する演出(例えば、「左打ちに戻してください」との案内報知が設定された場合に実行される演出の一部演出)を実行した後に、天井中モードが終了していないことを示す演出(「天井中モード突入!!右打ち遊技を継続してください」との案内報知を含む演出)を実行し、天井中モードの残期間を示すための表示態様として小表示領域Dm7に「残り200回」を表示するように構成すると良い。このように構成することで、天井中モードが単に継続したのでは無く、1の天井中モードが終了した後に、新たな天井中モードが設定されたと遊技者に思わせることができるため、遊技者に対して天井中モードが設定される条件(第3時短状態の付与条件)を分かり難くすることができる。よって、左打ち遊技状態の遊技を実行している遊技者に対して、第3時短状態(右打ち遊技状態)が設定されることを期待させながら継続して遊技を行わせることができる。なお、右打ち遊技すべきではない左打ち遊技状態中に右打ち遊技が行われたこと、即ち、遊技盤の右側領域を遊技球が流下していると判定された場合には、適正な遊技方法を案内するための「左打ちに戻してください」等の音声が繰り返し出力される(ループ再生される)。この出力制御は、特定の報知態様を設定するための制御であり、「左打ちに戻してください」等の音声の出力中に遊技盤の右側領域に向けた遊技球の発射(右打ち遊技)が終了された後で、当該終了時点で出力中の「左打ちに戻してください」等の音声の末尾まで出力しきってから実行される、「左打ちに戻してください」等の音声の出力を終了させる制御は、特定の報知態様を設定するための制御とは少なくとも異なる制御である。
<第5制御例における遊技状態の遷移について>
次に、図207を参照して、本第5制御例における遊技状態の遷移内容について説明をする。図207は、本第5制御例のパチンコ機10における遊技状態の遷移内容を示した図である。図207に示した通り、本第5制御例におけるパチンコ機10は、第1特別図柄抽選の実行契機となる第1入球口64(図86参照)へと遊技球を入球させることを目指して遊技盤13に形成される遊技領域のうち、左側領域(可変表示ユニット80よりも左側)に向けて遊技球を発射させる左打ち遊技が遊技者に有利な発射遊技の遊技方法となる左打ち遊技状態と、第2特別図柄抽選の実行契機となる第2入球口640(図86参照)へと遊技球を入球させることを目指して遊技盤13に形成される遊技領域のうち、右側領域(可変表示ユニット80よりも右側)に向けて遊技球を発射させる右打ち遊技が遊技者に有利な発射遊技の遊技方法となる右打ち遊技状態と、を設定可能に構成している。より具体的には、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、第1時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合は左打ち遊技状態となり、第2時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、第3時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合は右打ち遊技状態となるように構成している。ここで、第1時短状態と、第2時短状態とは、共に、特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態であるが、普通図柄変動の変動時間(普図変動時間)として異なる長さの普図変動時間が設定されるように構成しており、第1時短状態が設定された場合には、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも高確率で普通図柄抽選にて当たり当選するが、当たり当選に基づいて実行される普図当たり遊技中に遊技球が第2入球口640へと入球し難くなるように普図変動時間が規定されている。よって、第1時短状態が設定されている状態では、普通図柄の高確率状態が設定されているにも関わらず、右打ち遊技よりも左打ち遊技の方が遊技者に有利な遊技方法となる。
また、第3時短状態とは、特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態であるが、普通図柄変動の変動時間として専用の変動時間を設定可能に構成することで、左打ち遊技によって発射された遊技球が第1入球口64へと入球する割合よりも、右打ち遊技によって発射された遊技球が第2入球口640へと入球する割合の方が高くなる遊技状態である。よって、第3時短状態が設定されている状態では、普通図柄の低確率状態が設定されているにも関わらず、左打ち遊技よりも右打ち遊技の方が遊技者に有利な遊技方法となる。まず、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中における遊技内容について説明をする。通常状態は、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させることで第1特別図柄抽選を主として実行させる遊技(特図1遊技)が行われる遊技状態である。通常状態中に第1特別図柄抽選が実行されると、1/200の確率で大当たり当選し、大当たり当選しなかった場合において1/2の確率で時短当選する特別図柄抽選が実行される。通常状態にて実行される第1特別図柄抽選において大当たり当選した場合には、4種類の大当たり種別(大当たりA13、大当たりB13、大当たりC13、大当たりD13)のうち、何れかの大当たり種別が設定されるように構成しており、大当たり種別の選択割合として、大当たりA13が20%、大当たりB13が30%、大当たりC13が30%、大当たりD13が20%の選択割合となるように規定されている。大当たり種別として、大当たりA13が設定された場合には、ラウンド遊技数が10ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される。大当たりB13が設定された場合には、ラウンド数が10ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に第2時短状態が設定される。大当たりC13が設定された場合には、ラウンド数が2ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に第2時短状態が設定される。大当たりD13が設定された場合には、ラウンド数が10ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される。
一方、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選において大当たり当選すること無く、時短当選した場合には、その第1特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が停止表示された後に時短状態が設定される。本第5制御例では、特別図柄抽選において時短当選した場合には、2種類の時短種別のうち何れかの時短種別が設定されるように構成しており、第1時短状態が設定される時短種別の選択割合が99%、第2時短状態が設定される時短種別の選択割合が1%となるように構成している。なお、図207に示した図では、遊技状態の主な遷移の流れを示しているため、時短当選した場合には第1時短状態へと移行する流れのみを示しているが、実際には、時短当選時の1%にて第2時短状態へと移行する。次に、時短当選した場合において設定される第1時短状態について説明をする。第1時短状態は、上述した通り、特別図柄抽選の低確率状態、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態ではあるが普通図柄の変動時間として、後述する第2時短状態よりも短い変動時間(0.1秒)が設定される変動時間短縮(変短)状態が設定されることにより、右打ち遊技を実行したとしても第2入球口640へと遊技球を入球させることが困難となるように構成している。よって、通常状態と同様に左打ち遊技が右打ち遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となる。なお、本第5制御例では、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態であることから、遊技状態を示す用語としては第1時短状態と称すが、実際には、通常状態と同一の遊技が実行される遊技状態であることから、遊技内容を示すための用語として、通常状態を第1通常モード、第1時短状態を第2通常モードと称す場合もある。この第1時短状態は、特別図柄抽選で時短当選した場合にのみ設定される遊技状態であって、時短当選にて第1時短状態が設定された場合には、第1時短状態を終了させるための時短終了条件として「時短回数1回」が設定される。なお、第1時短状態中に特別図柄抽選が実行された場合にも、通常状態と同一の時短抽選(時短当選の判定)が実行されるように構成しており、第1時短状態中に時短当選した場合にも、上述した通常状態と同一の選択割合、同一の内容で時短種別が選択されるように構成している。
つまり、第1時短状態中に実行される1回目の特別図柄抽選の抽選結果が大当たり、時短の何れにも当選しなかった場合には、その抽選結果を示すための特別図柄変動が停止表示された後に時短終了条件が成立し、通常状態が設定される。一方、第1時短状態中に実行される1回目の特別図柄抽選の抽選結果が時短当選である場合には、特別図柄変動が停止表示されたタイミングで新たな第1時短状態が設定されるため、第1時短状態が繰り替えし設定されることになる。よって、第1時短状態が設定されると、特別図柄抽選にて時短当選する限り、第1時短状態における特別図柄抽選が継続し、特別図柄抽選にて時短当選しなかった場合に、通常状態における特別図柄抽選が実行されるように構成している。このように構成することで、左打ち遊技状態中において、通常状態と、第1時短状態と、を頻繁に切り替えることが可能となる。また、左打ち遊技が実行される通常状態(第1通常モード)と、第1時短状態(第2通常モード)では、第3図柄表示装置81を用いて実行される変動演出も同一の演出態様が設定されるように構成している。よって、通常状態と第1時短状態の何れが設定されているかを遊技者に把握させ難くすることができる。さらに、本第5制御例では、通常状態、或いは第1時短状態にて抽選結果が外れとなる特別図柄抽選が連続して実行された回数(ハマリ回数)が500回に到達した場合に、天井特典として第3時短状態が設定されるように構成している。詳細は後述するが、第3時短状態が設定された場合には、上述した第2時短状態と同様に、第2入球口640へと遊技球を入球させる右打ち遊技を行った方が、第1入球口64へと遊技球を入球させる左打ち遊技を行うよりも遊技者に有利となる右打ち遊技状態となるように構成している。加えて、左打ち遊技状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)が、天井特典が付与される回数に到達した時点で設定されている遊技状態に応じて、天井特典の内容を異ならせるように構成しており、通常状態が設定されている場合よりも、第1時短状態が設定されている場合の方が遊技者に有利となる天井特典が付与されるように構成している。
つまり、本第5制御例のパチンコ機10では、左打ち遊技状態中に通常状態と第1時短状態とが頻繁に切り替わり、且つ、通常状態と第1時短状態の何れが設定されているかを遊技者に把握させ難く構成しているため、天井特典として第3時短状態が設定される場合において、何れの遊技状態(通常状態、第1時短状態)から第3時短状態へと移行したのかを遊技者に把握させ難くすることができる。図207に戻り、説明を続ける。第1時短状態中に第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合には、上述した通常状態中に第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合と同一の4種類の大当たり種別(大当たりA13、大当たりB13、大当たりC13、大当たりD13)のうち、何れかの大当たり種別が設定されるように構成している。そして、通常状態にて大当たり当選した場合とは異なる選択割合で各大当たり種別が選択されるように構成しており、大当たり種別の選択割合として、大当たりA13が50%、大当たりB13が20%、大当たりC13が10%、大当たりD13が20%の選択割合となるように規定している。本第5制御例におけるパチンコ機10では、大当たり当選した場合に設定されている遊技状態と、設定された大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせるように構成しており、第1時短状態中に大当たり当選し、大当たり種別として、大当たりA13が設定された場合には、大当たり遊技終了後に通常状態が設定され、大当たりB13、及び大当たりC13が設定された場合には、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定され、大当たりD13が設定された場合には、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定されるように構成している。つまり、第1時短状態で大当たり当選した場合は、50%の割合で大当たり遊技終了後に通常状態が設定され、30%の割合で大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定され、20%の割合で大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定されることになる。よって、通常状態で大当たり当選した場合よりも、第1時短状態で大当たり当選した場合の方が、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の面で遊技者に不利な特典が付与されることになる。
以上、説明をした通り、本第5制御例におけるパチンコ機10では、通常状態、或いは、第1時短状態が設定されている状態で実行される特別図柄抽選のハマリ回数(外れ当選した特別図柄抽選が連続して実行される回数)が特定回数(500回)に到達した場合に、天井特典として、左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態)よりも遊技者に有利となる右打ち遊技状態(第3時短状態)を設定可能に構成しており、天井特典が付与される場合に設定されている遊技状態が通常状態である場合よりも、第1時短状態である場合の方が、遊技者に有利となる天井特典(時短終了条件が成立し難い第3時短状態)を設定可能に構成している。一方で、左打ち遊技状態中に実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典(大当たり特典)としては、第1時短状態が設定されている場合よりも、通常状態が設定されている場合の方が、遊技者に有利となる大当たり特典(大当たり遊技終了後に右打ち遊技状態が設定され易い特典)が付与され易くなるように構成している。よって、左打ち遊技状態中において設定される遊技状態として、通常状態の方が第1時短状態よりも遊技者に有利となる期間(天井特典が付与されるハマリ回数に到達するまでの期間)と、第1時短状態の方が通常状態よりも遊技者に有利となる期間(天井特典が付与されるハマリ回数に到達した期間)と、が創出されるため、単に何れか一方の遊技状態が設定されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせる場合に比べて、遊技状況に応じて設定されることを期待する遊技状態の種別を異ならせることができる分、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、通常状態にて実行された特別図柄抽選で大当たり当選し、大当たり種別として大当たりB13,C13の何れかが設定された場合には、その大当たり遊技の終了後に第2時短状態が設定される。この第2時短状態は、上述した第2制御例のパチンコ機10において設定される時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と同様に、普通図柄抽選の当たり確率が、普通図柄の低確率状態(通常状態、第2確変状態等)よりも高く設定され、継続して右打ち遊技を実行した場合において、普図当たり遊技中に第2入球口640へと遊技球を容易に入球させることが可能となるように普図変動時間が設定される。この第2時短状態は、特別図柄抽選で大当たり当選し、特定の大当たり種別(大当たりB13,C13)が設定された場合、或いは、図207では図示を省略したが時短抽選にて時短当選した場合の一部(1%)において設定される遊技状態である。なお、本第5制御例では、第2時短状態が設定されている場合に時短抽選が実行されないように構成している。よって、遊技者に有利となる第2時短状態中に実行される時短抽選にて時短当選し、第2時短状態よりも遊技者に不利となる第1時短状態が設定されてしまうことを抑制することができる。本第5制御例では、第2時短状態の設定契機に応じて、第2時短状態を終了させるための時短終了条件の内容を異ならせて設定可能に構成しており、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に大当たりB13が設定された場合には、時短終了条件として時短100回が、大当たりC13が設定された場合には、時短終了条件として時短300回が設定されるように構成している。また、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて第2時短状態が設定される場合には、時短終了条件として時短300回が設定されるように構成している。このように第2時短状態の設定契機に応じて、第2時短状態を終了させるための時短終了条件の内容を異ならせることで、第2時短状態が設定された場合に、いつまで第2時短状態が継続するのかを遊技者に分かり難くすることができる。
通常状態、或いは、第1時短状態が設定されている状態で実行される特別図柄抽選のハマリ回数(外れ当選した特別図柄抽選が連続して実行される回数)が特定回数(500回)に到達すると、第3時短状態が設定される。第3時短状態は天井特典として設定される遊技状態であって、特別図柄抽選の結果に基づいて設定されることの無い特殊遊技状態である。第3時短状態は、特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態であるが、右打ち遊技をした場合における第2入球口640への遊技球の入球割合が上述した第2時短状態と同一になるように構成している。具体的には、本第5制御例のパチンコ機10は、普通図柄の低確率状態時における当たり当選確率が、普通図柄の高確率状態時における当たり当選確率に比べて若干低確率となる程度にしか差を設けておらず、且つ、第3時短状態が設定されている状態と、第2時短状態が設定されている状態とで、普通図柄変動の変動時間や、普図当たり遊技中に実行される電動役物の開放動作パターンとが同一に設定されている。よって、第2時短状態が設定されている場合と、第3時短状態が設定されている場合とでは、遊技者に対して同一の遊技(右打ち遊技)が実行されることになる。このように構成することで、右打ち遊技を実行している遊技者に、現在設定されている遊技状態が第2時短状態であるのか第3時短状態であるのかを把握させ難くすることができる。上述した通り、本第5制御例では、通常状態、或いは、第1時短状態において実行された特別図柄抽選において連続して大当たり当選しなかった回数(ハマリ回数)が規定回数(500回)に到達したことを契機に第3時短状態(右打ち遊技状態)が設定される特典(天井特典)を付与可能に構成している。
さらに、通常状態、或いは、第1時短状態において実行された特別図柄抽選において大当たり当選した場合の一部(大当たりC13が設定される大当たり当選)にて、他の大当たり当選に比べて少ないラウンド数の大当たり遊技(2ラウンド大当たり)を実行し、その大当たり遊技終了後に第3時短状態と同様の遊技(右打ち遊技)を遊技者に行わせる第2時短状態(右打ち遊技状態)が設定されるように構成している。加えて、通常状態、或いは、第1時短状態にて実行された特別図柄抽選において時短当選した場合の一部(第2時短状態が設定される時短当選)にて、時短当選したことを示すための特別図柄変動が停止表示された後に第3時短状態と同様の遊技(右打ち遊技)を遊技者に行わせる第2時短状態(右打ち遊技状態)が設定されるように構成している。つまり、左打ち遊技状態中における特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)が天井特典の付与条件を満たした場合、或いは、左打ち遊技状態にて実行される特別図柄抽選の結果(大当たり当選の有無、時短当選の有無)が特定の抽選結果である場合に遊技者に有利となる右打ち遊技状態を設定可能に構成している。そして、右打ち遊技状態が設定されることを示すための演出として、上述した何れの契機が成立した場合であっても同一内容の演出を実行することで遊技者に対して右打ち遊技状態が設定される契機を把握させ難くすることができるように構成している。このように構成することで、右打ち遊技状態を設定するための成立契機に応じて有利度合いの異なる右打ち遊技状態を設定可能に構成したパチンコ機10において、設定される右打ち遊技状態が遊技者に有利な遊技状態であるかを事前に判別させ難くすることができる。
<第5制御例における電気的構成について>
次に、図208から図214を参照して、本第5制御例における電気的構成について説明をする。本第5制御例では、上述した第2制御例のパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部、RAM203の構成の一部、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な内容について説明を省略する。まず、図208から図211を参照して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図208(a)は、本第5制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図208(a)に示した通り、本第5制御例におけるROM202の構成は、上述した第2制御例におけるROM202の構成(図96(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202daに代えて第1当たり乱数テーブル202laを、第2当たり乱数テーブル202cに代えて第2当たり乱数テーブル202lcを、大当たり種別選択テーブル202ddに代えて大当たり種別選択テーブル202ldを、時短当たり乱数テーブル202deに代えて時短当たり乱数テーブル202leを、時短種別選択テーブル202dfに代えて時短種別選択テーブル202lfを設けている点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。なお、詳細な説明は省略するが、本第5制御例におけるパチンコ機10では、変動パターン選択テーブル202dbに規定されている変動パターン(変動時間)の一部を、上述した第2制御例と異ならせており、第2制御例における変動パターン選択テーブル202dbが有する通常・第2確変用テーブル202db1に代えて、左打ち遊技状態用テーブル(図示せず)を設けている。そして、左打ち遊技状態用テーブルには、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合、時短当選である場合、大当たりにも時短にも当選していない場合の何れにおいても変動時間が15秒の特殊変動パターンが選択され得るように変動パターンが規定されている。
つまり、特別図柄抽選の結果に関わらず、同一の変動時間(15秒)の変動パターンが選択されるように構成している。このように構成することで、特別図柄が停止表示されるよりも前に設定されている特別図柄変動の変動パターンを特定することにより特別図柄抽選の結果を遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。本第5制御例では、特別図柄変動の変動パターンとして特殊変動パターン(変動時間15秒)が選択され、選択された変動パターンを示すための情報を含む変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113側が受信した場合に、演出期間が15秒の天井到達示唆演出を実行するように構成している。つまり、天井到達示唆演出は特別図柄変動の変動パターンとして特殊変動パターンが選択された場合に実行される演出となる。このように主制御装置110から出力された変動パターン種別に対応させた変動演出(天井到達示唆演出)を実行可能とすることで、音声ランプ制御装置113側において受信した変動パターンに対応した変動演出を決定するための処理を軽減させることが可能となる。また、天井到達示唆演出が実行される特別図柄変動の変動時間を15秒に固定することができるため、天井到達示唆演出の演出期間を特別図柄抽選の抽選結果に関わらず15秒に固定することができる。よって、天井到達示唆演出の演出態様に対応する演出データの量を削減し易くすることができる。次に、図209(a)を参照して、本第5制御例における第1当たり乱数テーブル202laについて説明する。図209(a)は、本第5制御例における第1当たり乱数テーブル202laの規定内容を示した図である。
図209(a)に示した通り、第1当たり乱数テーブル202laは、上述した第1当たり乱数テーブル202da(図97(a)参照)に対して、大当たり当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲を異ならせている点で相違している。また、本第5制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を異ならせている。具体的には、上述した第2制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を「0~899」の900個に規定しているが、本第5制御例では、「0~999」の1000個に規定している。このように構成することで、第1当たり乱数カウンタC1の値を参照して決定される各種判定において、より低確率な判定結果を規定することができる。なお、本第5制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を異ならせているだけであり、第1当たり乱数カウンタC1の値を更新するための処理や、更新後の値を格納する構成については同一であるためその詳細な説明を省略する。具体的には、特別図柄の確率状態が「低確率状態」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~4」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、「5~999」の範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されており、「高確率状態」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~19」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、「20~999」の範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されている。つまり、特別図柄の確率状態が「低確率状態」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値が1000個に対して、大当たりと判定される値が5個であるため、大当たり当選確率が5/1000(1/200)となる。一方、特別図柄の確率状態が「高確率状態」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値が1000個に対して、大当たりと判定される値が20個であるため、大当たり当選確率が20/1000(1/50)となる。
次に、図209(b)を参照して、本第5制御例における第2当たり乱数テーブル202lcについて説明する。図209(b)は、第2当たり乱数テーブル202lcの規定内容を示した図である。この第2当たり乱数テーブル202lcは、上述した第2当たり乱数テーブル202cと同様に、普通図柄抽選の抽選結果を決定する際に参照されるデータテーブルであって、第2当たり乱数カウンタC4の取り得る値の範囲(0~299)に対して、普通図柄の確率状態毎に当たりと判定される値が規定されている。具体的には、図209(b)に示した通り、普通図柄の確率状態が「低確率状態」である場合には、第2当たり乱数カウンタC4の値が「0~298」の範囲に対して抽選結果「当たり」が、「299」の値に対して抽選結果「外れ」が規定されており、「高確率状態」である場合には、第2当たり乱数カウンタC4の値が「0~299」の範囲、即ち、全範囲に対して抽選結果「当たり」が規定されている。つまり、本第5制御例では、普通図柄の確率状態に関わらず、普通図柄抽選が実行された場合には、その殆どで当たり当選するように構成している。このように構成することで、普通図柄抽選の結果に応じて(普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技の実行有無に応じて)、現在設定されている普通図柄の確率状態が「低確率状態」であるか「高確率状態」であるかを判別させ難くすることができる。なお、本第5制御例では、普通図柄の確率状態に関わらず、普通図柄抽選で当たり当選する確率を高く設定することにより、現在設定されている普通図柄の確率状態が「低確率状態」であるか「高確率状態」であるかを判別させ難くしているが、これに限ること無く、普通図柄の「低確率状態」と、「高確率状態」とで、当たりと判定される第2当たり乱数カウンタC4の値の範囲がほぼ同一となるように規定すれば良い。
また、詳細な説明は省略するが、図209(b)に示した通り、本第5制御例では、普通図柄の「高確率状態」が設定されている場合には、普通図柄抽選で外れ当選すること無く、普通図柄の「低確率状態」が設定されている場合には、普通図柄抽選にて低確率(1/300)で外れ当選するように構成している。よって、普通図柄抽選にて外れ当選したことを把握することにより、普通図柄の「低確率状態」が設定されていることを把握することが可能となる。このように構成することで、普通図柄抽選の抽選結果が外れとなるか否かについて遊技者に興味を持たせることができる。なお、この場合、普通図柄変動の変動パターンとして、普通図柄抽選の結果が外れである場合に設定される変動パターンとして、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に設定される変動パターンよりも、変動時間(普通図柄変動時間)が長い変動パターンが設定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技が実行されない期間が長くなるほど、普通図柄の低確率状態が設定されている可能性が高くなるため、普通図柄の確率状態を把握しようとしている遊技者に対して、普図当たり遊技の実行頻度について興味を持たせることができる。次に、図209(c)を参照して、時短当たり乱数テーブル202leについて説明をする。この時短当たり乱数テーブル202leは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選以外(外れ)である場合に実行される時短判定(時短抽選)にて参照されるデータテーブルであって、上述した時短当たり乱数テーブル202de(図97(c)参照)に対して、時短当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(範囲)が規定されている条件(特別図柄種別、遊技状態)を異ならせている点で相違している。具体的には、特別図柄種別は「共通」で、遊技状態として、通常状態、或いは、第1時短状態である場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「500~999」の範囲が時短当選の判定値として規定されている。また、遊技状態が通常状態、第1時短状態以外である場合には、時短当選の判定値が規定されていない(図では「-」で表示)。
ここで、本第5制御例では、特別図柄抽選において時短当選の判定(時短抽選)が、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった場合、即ち、大当たり抽選で外れ当選した場合に実行されるように構成しており、通常状態、或いは、第1時短状態で特別図柄抽選が実行された場合には、1/2の確率で時短当選するように構成している。つまり、本第5制御例では、特別図柄の確率状態として低確率状態が設定される遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2時短状態、第3時短状態)のうち、一部の遊技状態において時短抽選にて時短当選し得るように構成している。また、普通図柄の確率状態として高確率状態が設定される遊技状態(第1時短状態、第2時短状態)のうち、一部の遊技状態において時短抽選にて時短当選し得るように構成している。このように、各図柄(特別図柄、普通図柄)に対して設定される確率状態に応じて時短抽選にて時短当選し得るか否かを規定するのでは無く、設定されている遊技状態に応じて時短抽選にて時短当選し得るか否かを規定しているため、遊技者に対して、時短当選し得る特別図柄抽選が実行されているか否かを判別させ難くすることができる。さらに、本第5制御例では、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させる遊技が主な遊技となる左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2確変状態)のうち、一部の左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態)において時短抽選にて時短当選し得るように構成している。そして、左打ち遊技状態のうち第2確変状態が設定されている場合には、時短当選し得ないように構成している。そして、左打ち遊技状態が設定されている場合には、遊技者に対して実際に設定されている遊技状態が判別され難くなるように構成している。よって、左打ち遊技状態中の遊技を実行している遊技者に対して、常に時短抽選が実行されていると思わせ易くすることができる。
なお、詳細な説明は後述するが、本第5制御例では、時短抽選にて時短当選し得る遊技状態以外の遊技状態が設定されている場合には、時短抽選(時短当選の判定)が実行されないようにすることで確実に時短当選し得ないように構成しているが、これに限ること無く、何れの遊技状態が実行される場合であっても時短抽選が実行されるように構成し、時短当選し得ない遊技状態に対して、時短抽選の結果として時短当選と判定される判定値を設定しないように構成しても良い。次に、図210を参照して、本第5制御例における大当たり種別選択テーブル202ldについて説明する。図210は、大当たり種別選択テーブル202ldの規定内容を示した図である。図210に示した通り、大当たり種別選択テーブル202ldには、第1特別図柄、第2特別図柄に対して共通の大当たり種別が規定されている。つまり、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、共通のデータテーブルを参照して大当たり種別が選択される。本第5制御例では、大当たり当選した場合に設定される大当たり種別として大当たりA13、大当たりB13、大当たりC13、大当たりD13、大当たりE13の5種類の大当たり種別が設けられており、大当たり当選した時点で設定されている遊技状態に応じて、各大当たり種別の選択割合を異ならせている。また、大当たり当選時の遊技状態に応じて、同一の大当たり種別が設定された場合における時短カウンタ203hの値、及び、時短状態の種別を異ならせている。具体的には、図210に示した通り、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲には、「大当たりA13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として通常状態が設定される大当たり種別(10ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA13」となるカウンタ値は20個なので、通常状態における特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA13」が決定される割合は20%(20/100)である。
大当たり当選時の遊技状態が「通常状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「20~49」の範囲には、「大当たりB13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB13」となるカウンタ値は30個なので、通常状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB13」が決定される割合は30%(30/100)である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~79」の範囲には、「大当たりC13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC13」は、ラウンド数が2ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短300回)が設定される大当たり種別(2ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC13」となるカウンタ値は30個なので、通常状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC13」が決定される割合は30%(30/100)である。そして、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「80~99」の範囲には、「大当たりD13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変30回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD13」となるカウンタ値は20個なので、通常状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD13」が決定される割合は20%(20/100)である。
つまり、通常状態における特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態(通常状態、第2確変状態)が設定される割合が40%、右打ち遊技状態(第2時短状態)が設定される割合が60%となる。また、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態が設定される大当たり種別(大当たりA13、大当たりD13)は、何れも同一内容の大当たり遊技(10ラウンド大当たり遊技)が実行されるため、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態が設定された場合に、通常状態、第2確変状態の何れが設定されているのかを分かり難くすることができる。また、大当たりC13が決定された場合には、他の大当たり種別に対応する大当たり遊技よりも少ないラウンド数(2ラウンド)の大当たり遊技が実行され、遊技者に対して大当たり遊技が実行される(されている)ことを把握させ難くなるように構成している。詳細な説明は省略するが、大当たりC13が設定される大当たりに当選した場合には、他の大当たり種別が設定される大当たりに当選した場合に比べて、大当たり当選したことを遊技者に把握させ難い演出態様で変動演出が実行されるように構成している。具体的には、天井特典が付与される際に実行される天井到達示唆演出が実行されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部、即ち、大当たり種別として大当たりC13が設定される大当たりに当選した場合には、大当たり当選したのでは無く、天井特典が付与される遊技状況であると遊技者に思わせ易くすることができる。よって、大当たりC13が設定される大当たりに当選することで、予め定められている天井特典の付与条件(ハマリ回数500回)を成立させること無く、天井特典と同等の特典(時短300回)を遊技者に付与することができるため、遊技者に対して、天井特典が付与されるタイミングを予測させ難くすることができる。これにより、左打ち遊技状態中において、天井特典が付与される付与条件として、異なるハマリ回数が設定され得ると思わせることが可能となり、天井特典が付与されることを期待させながら継続して遊技を行わせることができる。
また、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定された場合には、第2確変状態が終了し、通常状態へと移行するまでの間(確変カウンタ203iの値が0になるまでの間)、時短抽選が実行されず、且つ、特別図柄抽選が実行されたとしても、天井特典を付与させるためのハマリ回数が加算されないように構成している。つまり、第2確変状態が設定される場合は、大当たり遊技終了後に530回の特別図柄抽選が実行された時点でハマり回数が500回に到達し、天井特典が付与されることになるため、天井特典付与の観点からは、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される場合よりも遊技者に不利となる。また、第2確変状態が設定されている期間は、時短当選の判定(時短抽選)が実行されないため、時短抽選が実行される通常状態が設定されている期間に対して、時短当選した場合の一部(0.1%)にて第2時短状態(時短300回)が設定されることを目指す遊技が実行されない分、第2時短状態設定の観点からは遊技者に不利な遊技状態となる。一方で、第2確変状態中は特別図柄の高確率状態が設定されるため、第2確変状態中に実行される特別図柄抽選は1/50の確率で大当たり当選することになる。よって、第2確変状態が設定されている期間は、通常状態が設定されている場合よりも特別図柄抽選で大当たり当選を目指す観点では遊技者に有利な遊技状態となる。次に、図210に示した通り、大当たり当選時の遊技状態が「第1時短状態(第2通常モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲には、「大当たりA13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として通常状態が設定される大当たり種別(10ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA13」となるカウンタ値は50個なので、第1時短状態における特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA13」が決定される割合は50%(50/100)である。
大当たり当選時の遊技状態が「第1時短状態(第2通常モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~69」の範囲には、「大当たりB13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第1時短状態(時短100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB13」となるカウンタ値は20個なので、第1時短状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB13」が決定される割合は20%(20/100)である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「70~79」の範囲には、「大当たりC13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC13」は、ラウンド数が2ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第1時短状態(時短300回)が設定される大当たり種別(2ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC13」となるカウンタ値は10個なので、第1時短状態(第2通常モード)における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC13」が決定される割合は10%(10/100)である。そして、大当たり当選時の遊技状態が「第1時短状態(第2通常モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「80~99」の範囲には、「大当たりD13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変30回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD13」となるカウンタ値は20個なので、第1時短状態(第2通常モード)における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD13」が決定される割合は20%(20/100)である。
つまり、第1時短状態(第2通常モード)における特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2確変状態)が設定される割合が100%となる。よって、第1時短状態(第2通常モード)中は、大当たり当選した場合であっても、その大当たり遊技終了後に、特別図柄抽選を左打ち遊技状態よりも実行させ易い右打ち遊技状態が設定されないため、通常状態よりも遊技者に不利な遊技状態となる。また、上述した通り、通常状態では、大当たりC13が設定される大当たりに当選した場合に第2時短状態が設定されるため、天井特典の付与条件が成立していない状況であっても、天井特典と同等の特典(時短300回の第2時短状態)を遊技者に付与可能であったのに対して、第1時短状態では、大当たりC13が設定される大当たりに当選した場合であっても、第2時短状態では無く、第1時短状態が設定されるため、大当たり当選に基づいて天井特典と同等の特典(時短300回の第2時短状態)を遊技者に付与することができない。次に、大当たり当選時の遊技状態が「第2時短状態(時短モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲には、「大当たりA13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として通常状態が設定される大当たり種別(10ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA13」となるカウンタ値は10個なので、第2時短状態における特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA13」が決定される割合は10%(10/100)である。
大当たり当選時の遊技状態が「第2時短状態(時短モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「10~59」の範囲には、「大当たりB13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB13」となるカウンタ値は50個なので、第2時短状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB13」が決定される割合は50%(50/100)である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「60~79」の範囲には、「大当たりC13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC13」は、ラウンド数が2ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短300回)が設定される大当たり種別(2ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC13」となるカウンタ値は20個なので、第2時短状態(時短モード)における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC13」が決定される割合は20%(20/100)である。そして、大当たり当選時の遊技状態が「第2時短状態(時短モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「80~99」の範囲には、「大当たりD13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変30回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD13」となるカウンタ値は20個なので、第2時短状態(時短モード)における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD13」が決定される割合は20%(20/100)である。
つまり、第2時短状態中に実行された特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態(通常状態、第2確変状態)が設定される割合が30%、右打ち遊技状態(第2時短状態)が設定される割合が70%となる。また、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定される場合には、第1時短状態(特別図柄抽選の実行のし易さが通常状態と同程度の時短状態)では無く、第2時短状態(特別図柄抽選の実行のし易さが通常状態よりも高い時短状態)が必ず設定される。よって、第2時短状態は、上述した通常状態、及び、第1時短状態よりも、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に遊技者に有利な特典が付与され易い遊技状態となる。次に、大当たり当選時の遊技状態が「第2確変状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~29」の範囲には、「大当たりA13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として通常状態が設定される大当たり種別(10ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA13」となるカウンタ値は30個なので、第2確変状態における特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA13」が決定される割合は30%(30/100)である。大当たり当選時の遊技状態が「第2確変状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「30~49」の範囲には、「大当たりB13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB13」となるカウンタ値は20個なので、第2確変状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB13」が決定される割合は20%(20/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~79」の範囲には、「大当たりC13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC13」は、ラウンド数が2ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短300回)が設定される大当たり種別(2ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC13」となるカウンタ値は30個なので、第2確変状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC13」が決定される割合は30%(30/100)である。そして、大当たり当選時の遊技状態が「第2確変状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「80~89」の範囲には、「大当たりD13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変30回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD13」となるカウンタ値は10個なので、第2確変状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD13」が決定される割合は10%(10/100)である。さらに、大当たり当選時の遊技状態が「第2確変状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~99」の範囲には、「大当たりE13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりE13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE13」となるカウンタ値は10個なので、第2確変状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE13」が決定される割合は10%(10/100)である。
上述した通り、第2確変状態が設定されている場合に大当たり当選した場合に、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される大当たり種別を複数選択可能に構成されており、選択された大当たり種別に応じて、確変回数(第2確変状態が継続する期間の長さ)を異ならせるように構成している。上述した通り、第2確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数は、天井特典を付与させるためのハマリ回数の値に加算されないため、第2確変状態が継続する期間の長さに応じて、前回の大当たり遊技終了後から天井特典が付与されるまでの期間(特別図柄抽選回数)を異ならせることができる。よって、遊技者に対して、天井特典が付与されるまでの特別図柄抽選の残期間を容易に把握させ難くすることができる。なお、図210に示した通り、本第5制御例では、第2確変状態が設定されている場合にのみ、確変回数(確変カウンタ203iに設定される値)を異ならせた第2確変状態が設定される大当たり(大当たりD13、大当たりE13)に当選し得るように構成しているが、これに限ること無く、他の遊技状態が設定されている状態で大当たり当選した場合においても、異なる確変回数が設定される大当たり種別を設定可能に構成しても良い。また、本第5制御例では、第2確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数は、天井特典を付与させるためのハマリ回数の値に加算されないように構成しているが、実行された特別図柄抽選の回数が、天井特典を付与させるためのハマリ回数の値に加算されない遊技状態として他の遊技状態を設定可能に構成しても良く、例えば、第1時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数がハマリ回数の値に加算されないように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり当選すること無く実行される複数回の特別図柄抽選にて時短当選し第1時短状態が設定されるほど、天井特典の付与条件を成立させ難くすることができる。また、本第5制御例では、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(第2確変状態)中に実行される特別図柄抽選の回数が天井特典を付与させるためのハマリ回数の値に加算されないように構成しているため、予め定められている第2確変状態が継続する期間(確変カウンタ203iの値が0になるまでの期間)分、天井特典が付与されるタイミングを遅らせることが可能となるが、予め定められた期間(第2確変状態が継続する期間)しか天井特典が付与されるタイミングを遅らせることが出来ないため、長時間パチンコ機10を遊技している遊技者に対して、天井特典が付与されるタイミングを予測され易くなるという問題があった。これに対して、第1時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数がハマリ回数の値に加算されないように構成した場合には、通常状態、或いは、第1時短状態中に実行された時短抽選の結果に応じて、大当たり遊技が終了してから天井特典の付与条件が成立するハマリ回数に到達するまでの間に、第1時短状態が設定される期間の長さを異ならせることができるため、ハマリ回数の値に更新されない特別図柄抽選の実行回数が予め定められた回数では無く、時短抽選の結果に応じて可変させることが可能となる。よって、天井特典が付与されるタイミングを遊技者に予測させ難くすることができる。次に、図211(a)を参照して、時短種別選択テーブル202lfの内容について説明をする。図211(a)は、時短種別選択テーブル202lfに規定されている内容を示した図である。この時短種別選択テーブル202lfは、大当たり当選に基づくこと無く時短状態が設定される場合、具体的には、時短抽選にて時短当選した場合や、天井特典の付与条件が成立した場合において、設定される時短状態の種別(第1時短状態~第3時短状態)の決定する際に参照されるデータテーブルであって、時短当選した場合における時短種別を決定する際に参照される時短当選用テーブル202lf1と、天井用テーブル202lf2とが規定されている。
ここで、時短当選時に参照される時短当選用テーブル202lf1に規定されている内容について、図211(b)を参照して説明をする。図211(b)は、時短当選用テーブル202lf1に規定されている内容を示すための図である。図211(b)に示した通り、時短当選用テーブル202lf1には、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対して異なる時短種別が規定されている。具体的には、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0~998」の範囲に対して時短種別「第1時短」が規定されており、「999」の範囲に対して時短種別「第2時短」が規定されている。そして、「第1時短」が選択された場合には第1時短状態が設定され、その第1時短状態の時短終了条件として、時短カウンタ203hの値に「1」が設定される時短終了条件が規定されている。また、「第2時短」が選択された場合には第2時短状態が設定され、その第2時短状態の時短終了条件として、時短カウンタ203hの値に「300」が設定される時短終了条件が規定されている。つまり、時短当選した場合に第1時短状態が設定される割合が99.9%となり、時短当選した場合に第2時短状態が設定される割合が0.1%となるように構成している。そして、時短当選に基づいて、第1時短状態が設定された場合には、特別図柄抽選が1回実行された時点で時短終了条件が成立する。ここで、本第5制御例では、第1時短状態中も時短抽選を実行可能に構成しているため、第1時短状態が設定された状態で実行される特別図柄抽選にて時短当選した場合には、新たな時短状態が設定されることになる。よって、第1時短状態中に実行された特別図柄抽選にて時短当選し、時短種別として「第1時短」が設定された場合には、特別図柄変動が停止表示した後に第1時短状態が設定されるため、時短終了条件として時短1回(時短カウンタ203hの値が「1」)が設定される第1時短状態にて連続して特別図柄抽選が実行される。一方、第1時短状態中に実行された特別図柄抽選にて時短当選しなかった場合には、その特別図柄変動が停止表示した時点で第1時短状態が終了し、通常状態が設定されることになる。よって、次の特別図柄抽選が通常状態にて実行されることになる。
このように構成することで、大当たり当選すること無く特別図柄抽選を連続して実行する左打ち遊技期間(ハマリ期間)において、通常状態と第1時短状態とを頻繁に切り替えながら遊技者に遊技を行わせることができる。また、1回の時短抽選の結果だけで無く、連続して実行される複数回(2回)の時短抽選の結果に応じて、特別図柄抽選が実行される遊技状態が切り替わるように構成しているため、連続して実行される複数回の特別図柄抽選に興味を持たせることができる。次に、図211(c)を参照して、天井特典が付与される際(第3時短状態が設定される際)における時短種別を決定する際に参照される天井用テーブル202lf2の内容について説明をする。図211(c)は、天井用テーブル202lf2に規定されている内容を示した図である。この天井用テーブル202lf2は、時短種別選択テーブル202lfが有するデータテーブルであって、天井特典の付与条件が成立した場合に、今回設定される時短種別(時短回数)を決定するために参照される。図211(c)に示した通り、天井用テーブル202lf2には、天井到達時(天井特典の付与条件成立時)における遊技状態に応じて異なる内容の天井特典(時短回数)が規定されており、具体的には、天井到達時の遊技状態が通常状態である場合には、時短カウンタ203hの値として「100」が、天井到達時の遊技状態が第1時短状態である場合には、時短カウンタ203hの値として「300」がそれぞれ規定されている。なお、天井特典の付与条件が成立した場合には、普通図柄の高確率状態が設定されること無く普通図柄の低確率状態が設定されたまま右打ち遊技状態となる第3時短状態が設定される。つまり、特別図柄抽選の実行回数に基づいて左打ち遊技状態よりも遊技者に特別図柄抽選を実行させ易くする右打ち遊技状態を設定する場合には、各種図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を可変させること無く右打ち遊技状態を設定することができる。よって、特別図柄抽選の結果(大当たり抽選の結果、時短抽選の結果)に基づくこと無く各種図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を可変させる処理を実行するための処理負荷を軽減することができる。
なお、本第5制御例では、上述した通り、天井特典の付与条件が成立した場合には、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を可変させること無く、遊技者に特典を付与可能に構成しているが、これに限ること無く、天井特典の付与条件が成立したことに基づいて各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を可変させる(遊技者に不利な確率状態から遊技者に有利な確率状態へと可変させる)特典を付与するように構成しても良い。この場合、天井特典の付与条件が成立した場合に、第3時短状態では無く、第2時短状態が設定されるように構成すると良い。これにより、右打ち遊技状態中に設定される遊技状態を第2時短状態のみとすることができるため、遊技状態を管理するための処理を簡素化することができる。次に、図208(b)を参照して、本第5制御例における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図208(b)は、本第5制御例における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成を示した図である。図208(b)に示した通り、上述した第2制御例におけるRAM203(図96(b)参照)に対して、特図抽選カウンタ203la、第1天井待機フラグ203lb、第2天井待機フラグ203lcを追加した点で相違している。それ以外は同一であり、同一の内容には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。特図抽選カウンタ203laは、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)を計測するためのカウンタであって、天井特典特別図柄抽選の実行回数が天井特典の付与条件を満たしているか否かを判別する際にカウンタ値が参照される。
具体的には、特別図柄変動処理(図215のS30104参照)の特別図柄判定処理(図216のS30251参照)にて実行される天井判定処理(図217のS38051参照)にて特別図柄の低確率状態が設定されていると判別された場合(図217のS38102:Yes)、即ち、特別図柄の低確率状態中に特別図柄抽選(特別図柄変動)が開始される場合に、カウンタの値が1加算される(図217のS38103)。そして、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることを示すための態様で特別図柄が停止表示される場合(図215のS217:Yes)、或いは、天井特典が付与される場合(図220のS38351:Yes、或いは、図220のS38358:Yes)に、特図抽選カウンタ203laの値が0にクリアされる。本第5制御例では、天井特典の付与条件が成立したか否かを判別する際に、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)を参照するように構成しており、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)が500回に到達した場合に天井特典が付与されるように構成している。特図抽選カウンタ203laの値は、上述した通り、実行された特別図柄抽選の回数と同期するのでは無く、ハマリ回数と同期してカウンタの値が加算されるように構成している。
なお、本第5制御例では、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数をハマリ回数として加算するように構成しているが、天井特典の付与条件として既定されるハマリ回数を加算させる条件を異ならせても良く、例えば、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)のうち、特定の特別図柄種別(第1特別図柄)に対する特別図柄抽選が実行される場合にのみ特図抽選カウンタ203laの値を加算(ハマリ回数を加算)させるように構成しても良いし、特定の遊技状態(例えば、通常状態)が設定されている状態で特別図柄抽選が実行された場合の方が、他の遊技状態(例えば、第1時短状態)が設定されている状態で特別図柄抽選が実行された場合よりも、1の特別図柄抽選が実行されることに基づいて加算される特図抽選カウンタ203laの値(ハマリ回数)が多くなるように構成しても良い。このように構成することで、天井特典が付与されるまでに必要となる特別図柄抽選の残実行回数(残ハマリ回数)を遊技者により把握させ難くすることができる。さらに、本第5制御例では、特図抽選カウンタ203laの値を加算させる条件のみを規定しており、大当たり当選した場合(天井特典の付与条件がクリアされた場合)、天井特典が付与された場合に、特図抽選カウンタ203laの値を0にクリアするように構成している。よって、ハマリ回数が500回に到達し、天井特典として第3時短状態(時短100回、又は300回)が設定される際に、特図抽選カウンタ203laの値が0にクリアされ、その後、第3時短状態にて特別図柄抽選が実行される毎に、特図抽選カウンタ203laの値が加算されるように構成している。よって、天井特典として第3時短状態が設定されてから、再度、ハマリ回数が500回に到達した場合、即ち、前回の大当たり遊技が終了してからのハマリ回数が1000回に到達した場合には、2回目の天井特典が付与されるように構成している。
このように構成することで、天井特典として付与された第3時短状態が設定されている期間においても大当たり当選しなかった遊技者に対して、再度、天井特典を付与可能とすることができる。また、本第5制御例では、天井特典が付与されるタイミングにて特図抽選カウンタ203laの値が0にクリアされるため、時短回数100回の第3時短状態が設定された場合には、その第3時短状態が終了した時点で特図抽選カウンタ203laの値が100となり、時短回数300回の第3時短状態が設定された場合には、その第3時短状態が終了した時点で特図抽選カウンタ203laの値が300となる。よって、2回目の天井特典を目指す遊技を行う場合には、1回目の天井特典を目指す遊技よりも左打ち遊技状態にて実行させる特別図柄抽選の回数を少なくし易くすることができる。なお、本第5制御例では、天井特典が付与されるハマリ回数を500回に規定しており、2回目以降の天井特典に対してもハマリ回数が500回に到達した場合に天井特典の付与条件が成立するように構成しているが、これに限ること無く、ハマリ回数が500回に到達した場合に1回目の天井特典が付与され、次に、1回目の天井特典が付与されてからのハマリ回数が300回に到達した場合、即ち、前回の大当たり遊技が終了してからのハマリ回数が800回に到達した場合に、2回目の天井特典が付与されるように構成しても良い。このように構成することで、例えば、1回目の天井特典として時短回数300回の第3時短状態が設定された場合には、その第3時短状態の終了条件(300回の特別図柄抽選)が成立した直後に2回目の天井特典を付与することが可能となり、継続して第3時短状態を設定することができ、遊技者に継続して遊技を行わせ易くすることができる。また、本第5制御例では、特別図柄抽選が実行された場合に、設定されている遊技状態に応じて、特図抽選カウンタ203laの値を加算する、或いは加算しない処理が実行されるように構成しているが、これに加えて、実行される特別図柄抽選が特定条件を満たした場合に、特図抽選カウンタ203laの値を減算する処理を実行可能に構成しても良い。
第1天井待機フラグ203lbは、通常状態が設定されている状態で天井特典の付与条件が成立したことを示すためのフラグであって、天井特典の付与条件が成立した場合(特図抽選カウンタ203laの値が500に到達した場合)にオンに設定される。そして、特別図柄変動を停止表示する際に実行される時短設定処理(図220のS30254)において、第1天井待機フラグ203lbの設定状況が判別され(図220のS38351)、オンに設定されていると判別した場合は(図220のS38351:Yes)、天井特典の内容として、天井特典の付与条件が成立した時点の遊技状態が通常状態である場合に対応する特典(時短100回)が付与され(図220のS38352)、その後、第1天井待機フラグ203lbがオフに設定される。第2天井待機フラグ203lcは、第1時短状態が設定されている状態で天井特典の付与条件が成立したことを示すためのフラグであって、天井特典の付与条件が成立した場合(特図抽選カウンタ203laの値が500に到達した場合)にオンに設定される。そして、特別図柄変動を停止表示する際に実行される時短設定処理(図220のS30254)において、第2天井待機フラグ203lcの設定状況が判別され(図220のS38358)、オンに設定されていると判別した場合は(図220のS38358:Yes)、天井特典の内容として、天井特典の付与条件が成立した時点の遊技状態が第1時短状態である場合に対応する特典(時短300回)が付与され(図220のS38359)、その後、第2天井待機フラグ203lcがオフに設定される。本第5制御例では、天井特典の付与条件が成立したか否かを判別する処理(天井判定処理)を、特別図柄変動の開始タイミングにて実行し、実際に天井特典を付与する処理(時短設定処理)を、特別図柄変動の停止タイミングにて実行するように構成している。そして、特別図柄変動の開始タイミングにて実行された天井判定処理の結果を、第1天井待機フラグ203lb、或いは第2天井待機フラグ203lcの設定状況に基づいて、特別図柄変動の停止タイミングにて実行される時短設定処理にて判別可能に構成している。
このように構成することで、例えば、特別図柄変動の実行期間中に遊技状態が切り替わる遊技性を有するパチンコ機10や、天井判定処理が実行されてから特別図柄変動が開始されるまでの間に遊技状態が切り替わる遊技性を有するパチンコ機10や、特別図柄変動が停止表示されてから時短設定処理が実行されるまでの間に遊技状態が切り替わる遊技性を有するパチンコ機10を用いた場合であったとしても、適正な天井特典を付与することができる。次に、図212から図214を参照して、本第5制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有する電気的構成の内容について、上述した第2制御例と相違する点を中心に説明する。なお、上述した第2制御例と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。まず、図212(a)を参照して、本第5制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図212(a)は、本第5制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている構成を模式的に示した図である。図212(a)に示した通り、本第5制御例におけるROM222は、上述した第2制御例におけるROM222(図101(a)参照)に対して、天井到達示唆演出選択テーブル222laと、天井到達時演出選択テーブル222lbを追加した点で相違している。天井到達示唆演出選択テーブル222laは、左打ち遊技状態中の特別図柄変動に対応する変動演出として天井到達示唆演出が実行される場合において、その天井到達示唆演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルである。本第5制御例では、天井特典が付与されるハマリ回数に到達するまでの期間において、天井特典が付与されるまでの残期間を遊技者に示唆するための天井到達示唆演出を実行可能に構成している。
このように天井到達示唆演出を実行することにより、左打ち遊技を実行している遊技者に対して、天井特典が付与されるまでの残期間を予測させることが可能となり、天井特典が付与されることを期待させながら遊技を行わせることができる。また、本第5制御例では、天井到達示唆演出として、天井特典が付与されるまでの残期間だけでは無く、特別図柄抽選の結果に基づいて天井特典と同等の特典(第2時短状態)が設定されることも示唆可能に構成している。これにより、遊技者にとって想定外のタイミング(例えば、大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数が20回程度のタイミング)にて天井特典が付与される可能性が高いことを示す天井到達示唆演出が実行され、その天井到達示唆演出が実行された後に、第2時短状態が設定されるという意外性のある遊技を提供することができる。このように構成することで、遊技者に対して、天井特典が付与されるハマリ回数として、少ないハマリ回数が設定される場合があるのではと思わせることができ、遊技者に対して意欲的に左打ち遊技を実行させることができる。さらに、天井特典(第3時短状態)は、特別図柄抽選の実行回数に基づいて付与(設定)されることから、天井特典が付与されるまでの残期間が特定され易いのに対して、天井特典と同等の特典(第2時短状態)は、特別図柄の抽選結果に基づいて付与(設定)されることから、その付与タイミングが第3時短状態よりもランダムになり易い性質を持つ。よって、遊技者に対して、天井特典(第3時短状態)、或いは天井特典と同等の特典(第2時短状態)が設定される右打ち遊技状態へとどのタイミングで移行するのかを分かり難くすることができるため、右打ち遊技状態へと移行するタイミングをいち早く把握しようと、実行される天井到達示唆演出の演出態様に興味を持たせることができる。
ここで、図213を参照して天井到達示唆演出選択テーブル222laの詳細な内容について説明をする。図213は、天井到達示唆演出選択テーブル222laに規定されている内容を模式的に示した図である。図213に示した通り、天井到達示唆演出選択テーブル222laには、特図抽選回数カウンタ223lcの値と、獲得している特図保留(特別図柄の保留記憶)に対応する先読み結果(事前判別結果)と、取得した演出カウンタ223fの値と、に対応付けて天井到達示唆演出の演出態様として2種類の演出態様がそれぞれ規定されている。具体的には、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「0~200」であって、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「80~99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選を示す情報が含まれていない場合(それ以外)には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されている。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「201~460」であって、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「80~99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「時短当選」を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「20~39」の範囲に対して「示唆態様(弱)」が、「40~99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選、及び「時短当選」を示す情報が含まれていない場合(それ以外)には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~4」の範囲に対して「天井示唆(弱)」が、「5~99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されている。さらに、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「461~495」であって、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「20~99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「時短当選」を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~39」の範囲に対して「天井示唆(弱)」が、「40~99」の範囲に対して「示唆態様(強)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選、及び「時短当選」を示す情報が含まれていない場合(それ以外)には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して「天井示唆(弱)」が、「50~69」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「70~99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されている。
最後に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「496~500」の場合には、先読み結果に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が、「10~39」の範囲に対して「天井示唆(弱)」が、「40~99」の範囲に対して「天井示唆(強)」が天井到達示唆演出の演出態様として規定されている。つまり、天井特典が付与されるハマリ回数までの残期間が少ないほど、つまり、特図抽選回数カウンタ223lcの値が大きいほど、天井示唆態様が設定され易く、且つ、示唆態様として残期間が少ないことを強調して示唆するための「天井示唆(強)」が設定され易くなるように天井到達示唆演出選択テーブル222laの内容が規定されている。また、天井特典と同等の特典(第2時短状態)が設定される「大当たりC13」に当選する特図保留を有している場合には、特図抽選回数カウンタ223lcの値に関わらず「天井示唆(強)」が選択され易くなるように規定されている。よって、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて右打ち遊技状態(第2時短状態)が設定される場合であっても、大当たり当選する特別図柄変動が実行されるよりも前に、その旨を遊技者に示唆することが可能となる。さらに、先読み結果として時短当選を示す情報が含まれている場合には、時短当選に基づいて第2時短状態が設定される可能性が若干ではあるが残されているため、先読み結果として時短当選を示す情報が含まれていない場合よりも、天井示唆態様が設定され易くなるように構成している。なお、本第5制御例では、時短抽選で時短当選した場合の一部(0.01%)にて第2時短状態(右打ち遊技状態)を設定可能に構成している。そして、天井到達示唆演出の演出態様を選択する際に用いる情報として、時短抽選によって第2時短状態が設定される時短に当選したか否かの情報を用いるのでは無く、単に時短当選したか否かの情報を用いるように構成している。
このように構成することで、第2時短状態(右打ち遊技状態)が設定されることの無い時短に当選した場合と、第2時短状態(右打ち遊技状態)が設定される時短に当選した場合とで、同一の選択割合で天井到達示唆演出の演出態様(示唆態様)が選択されることになる。よって、右打ち遊技状態が設定されない場合であっても、適度な割合で天井示唆態様を含む天井到達示唆演出(所謂、ガセ演出)を実行することができる。なお、本第5制御例の内容に限定されること無く、例えば、第2時短状態が設定される時短に当選することを示す先読み結果を有している場合に、第2時短状態が設定される時短に当選することを示す先読み結果を有していない場合によりも、天井示唆態様が設定され易くなるように構成しても良い。天井到達時演出選択テーブル222lbは、天井特典を付与する条件が成立した特別図柄変動にて実行される天井到達時演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、今回付与される天井特典の内容(時短回数)と、天井特典を付与する条件が成立した特別図柄変動が示す特別図柄抽選の結果(大当たり、外れ)と、取得した演出カウンタ223fの値と、に基づいて異なる演出態様が規定されている。天井到達時演出が実行されると、図205(a)に示した通り、天井特典が付与されることを示す態様と、天井特典の内容(時短回数)を示す態様と、を含んだ演出態様で天井到達時演出が実行される。これにより、遊技者に対して天井特典が付与されること(第3時短状態が設定されること)を、実際に天井特典が付与されるよりも前に把握させることができる。また、天井特典の付与条件が成立する特別図柄変動にて大当たり当選した場合、即ち、天井特典が付与されること無く大当たり遊技が開始される場合には、天井到達時演出の演出態様として、天井特典が付与されないことを示すための演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、天井特典(例えば、時短300回)が付与されることを報知した直後に、右打ち遊技を行うこと無く大当たり遊技が実行されてしまい、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、本第5制御例では、特図抽選回数カウンタ223lcの値が天井特典の付与条件を満たした場合(500に到達した場合)に天井到達時演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、特図抽選カウンタ223lcの値が所定値(例えば、100の倍数)となった場合に、天井到達時演出を実行するように構成し、実際に天井特典の付与条件が成立していない場合には、天井特典が付与されないことを示すための演出態様が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、天井特典が付与されないことを示すための演出態様で天井到達時演出が実行された場合に、大当たり当選している可能性を残すことができるため、演出効果を高めることができる。ここで、図214を参照して、天井到達時演出選択テーブル222lbに規定されている内容について説明をする。図214は、天井到達時演出選択テーブル222lbに規定されている内容を示した図である。図214に示した通り、天井到達時演出選択テーブル222lbには、天井特典(時短回数)と、対象となる特別図柄抽選の結果と、取得した演出カウンタ223fの値と、に対応付けて演出態様(演出A~演出C)が規定されており、各演出態様に対応させて、天井時短カウンタ223laに設定する値と、後乗せフラグ223lbの設定内容とが規定されている。具体的には、付与される天井特典の内容が「時短100」である場合、即ち、通常状態中に天井特典の付与条件が成立した場合であって、特別図柄抽選の結果が「大当たり」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「演出A」が規定されている。この場合は、天井到達時演出として天井特典が付与されないことを示す天井未到態様が設定される。そして、天井時短カウンタ223laには値がセットされず、後乗せフラグ223lbがオフに設定される(オンに設定されない)。
詳細な説明は後述するが、天井時短カウンタ223laは、遊技者に予め報知されている天井特典の内容(時短回数)に関する値を計測するためのカウンタであって、天井到達時演出の演出態様が設定された場合に値がセットされる。そして、特別図柄変動が実行される毎に値が減算され、減算後の値が0となった際に、天井特典として付与された第3時短状態の残時短回数が判別され、残時短回数が存在する場合に、その残時短回数に対応した演出(上乗せ演出)が実行される。後乗せフラグ223lbは、天井到達時演出にて設定された天井時短カウンタ223laの値が、天井特典として付与された第3時短状態の時短回数を示す値では無いことを示すためのフラグであって、天井特典として付与された第3時短状態の時短回数を示す値以外の値(第3時短状態の時短回数よりも少ない回数に対応する値)が天井時短カウンタ223laの値にセットされた場合にオンに設定されるものである。つまり、特別図柄抽選の結果が「大当たり」である場合には、天井特典として付与される第3時短状態による遊技を実行することができない状態であるため、天井到達時演出の演出態様として、天井特典が付与されないことを示す「演出A」の演出態様が設定され、天井時短カウンタ223laの値がセットされること無く、後乗せフラグ223lbがオフのままとなる。一方、天井特典の内容が「時短100」で特別図柄抽選の結果が「外れ」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して、演出態様「演出A」が設定され、天井時短カウンタ223laの値に「1」がセットされ、後乗せフラグ223lbがオンに設定されるように規定されている。
この場合、実際には、天井特典として第3時短状態(時短100回)が付与される状態であるが、天井到達時演出として、天井特典が付与されないことを示す演出が実行され、天井到達時演出の終了後に、時短100回を上乗せ報知する上乗せ演出(図206参照)が実行される。このように、実際に天井特典が付与される場合であっても天井到達時演出にて天井特典が付与されないことを示す「演出A」の演出態様を設定可能に構成することで、天井特典の付与条件が成立する特別図柄抽選の抽選結果が、天井特典が付与されなくなる抽選結果(大当たり当選)である場合以外でも、天井特典が付与されないことを示す天井到達時演出を実行することが可能となるため、「演出A」の演出態様が設定された天井到達時演出の実行頻度を高めることができる。また、取得した演出カウンタ223fの値が「20~99」の範囲に対して、演出態様「演出B」が設定される。この演出態様「演出B」は、天井到達時演出として、天井特典が付与されることを示す態様と、天井特典として付与される特典の内容が「時短100回」であることを示す態様と、を含む演出が実行される演出態様である。この場合、天井特典として付与される特典の内容(時短100回)と、天井到達時演出にて遊技者に報知される特典の内容(時短100回)と、一致することから、上乗せ演出が実行されることが無いため、天井時短カウンタ223laの値に「101」がセットされ、後乗せフラグ223lbがオフに設定される。次に、付与される天井特典の内容が「時短300」である場合、即ち、第1時短状態中に天井特典の付与条件が成立した場合であって、特別図柄抽選の結果が「大当たり」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「演出A」が規定されている。この場合は、天井到達時演出として天井特典が付与されないことを示す天井未到態様が設定される。そして、天井時短カウンタ223laには値がセットされず、後乗せフラグ223lbがオフに設定される(オンに設定されない)。
また、特別図柄抽選の結果が「外れ」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して、演出態様「演出A」が設定され、天井時短カウンタ223laの値に「1」がセットされ、後乗せフラグ223lbがオンに設定されるように規定されている。この場合、実際には、天井特典として第3時短状態(時短300回)が付与される状態であるが、天井到達時演出として、天井特典が付与されないことを示す演出が実行され、天井到達時演出の終了後に、時短300回を上乗せ報知する上乗せ演出(図206参照)が実行される。このように、実際に天井特典が付与される場合であっても天井到達時演出にて天井特典が付与されないことを示す「演出A」の演出態様を設定可能に構成することで、天井特典の付与条件が成立する特別図柄抽選の抽選結果が、天井特典が付与されなくなる抽選結果(大当たり当選)である場合以外でも、天井特典が付与されないことを示す天井到達時演出を実行することが可能となるため、「演出A」の演出態様が設定された天井到達時演出の実行頻度を高めることができる。また、取得した演出カウンタ223fの値が「20~49」の範囲に対して、演出態様「演出B」が設定される。この演出態様「演出B」は、天井到達時演出として、天井特典が付与されることを示す態様と、天井特典として付与される特典の内容が「時短100回」であることを示す態様と、を含む演出が実行される演出態様である。この場合、天井特典として付与される特典の内容(時短300回)と、天井到達時演出にて遊技者に報知される特典の内容(時短100回)とが一致しておらず、天井到達時演出にて報知された時短期間に対応する天井中モード演出(図205(b)参照)の終了時に、時短回数200回を上乗せする上乗せ演出が実行されるため、天井時短カウンタ223laの値に「101」がセットされ、後乗せフラグ223lbにオンが設定される。
さらに、取得した演出カウンタ223fの値が「50~99」の範囲に対して、演出態様「演出C」が設定される。この演出態様「演出C」は、天井到達時演出として、天井特典が付与されることを示す態様と、天井特典として付与される特典の内容が「時短300回」であることを示す態様と、を含む演出が実行される演出態様である。この場合、天井特典として付与される特典の内容(時短300回)と、天井到達時演出にて遊技者に報知される特典の内容(時短300回)とが、一致することから、上乗せ演出が実行されることが無いため、天井時短カウンタ223laの値に「301」がセットされ、後乗せフラグ223lbがオフに設定される。次に、図212(b)を参照して、本第5制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図212(b)は、本第5制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を示した図である。図212(b)に示した通り、本第5制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第2制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223(図101(b)参照)に対して、天井時短カウンタ223la、後乗せフラグ223lb、特図抽選回数カウンタ223lcを追加した点で相違している。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。天井時短カウンタ223laは、遊技者に予め報知されている天井特典の内容(時短回数)に関する値を計測するためのカウンタであって、天井到達時演出の演出態様が設定された場合に値がセットされる。そして、特別図柄変動が実行される毎に値が減算され、減算後の値が1となった際に、天井特典として付与された第3時短状態の残時短回数が判別され、残時短回数が存在する場合に、その残時短回数に対応した演出(上乗せ演出)が実行される。
天井時短カウンタ223laは、天井到達時演出(第3時短状態が設定される直前の特別図柄変動に対応する演出)が実行される際に値がセットされるため、第3時短状態の時短回数として天井到達時演出にて報知する値に1を加算した値がセットされ(図228のS34503参照)、天井時短カウンタ223laの値がセットされている状態で特別図柄変動に対応する変動演出を設定する毎にその値が1減算される(図227のS34408参照)。これにより、天井到達時演出にて遊技者に報知された第3時短状態の残時短回数が1回(ラスト)となる特別図柄変動の変動演出が設定されるタイミングを、天井時短カウンタ223laの値を用いて判別することができる(図227のS34410参照)。後乗せフラグ223lbは、天井到達時演出にて設定された天井時短カウンタ223laの値が、天井特典として付与された第3時短状態の時短回数を示す値では無いことを示すためのフラグであって、天井特典として付与された第3時短状態の時短回数を示す値以外の値(第3時短状態の時短回数よりも少ない回数に対応する値)が天井時短カウンタ223laの値にセットされた場合にオンに設定されるものである。この後乗せフラグ223lbは、実際に設定される天井特典の内容(時短回数)と、天井到達時演出の演出態様とに対応させて、オンに設定され(図228のS34504)、天井時短カウンタ223laの値が1となった場合に(図227のS34410:Yes)、フラグの設定状況が判別される(図227のS34411)。これにより、天井到達時演出にて遊技者に報知された第3時短状態の時短回数(天井時短カウンタ223laの値)が、実際に設定された第3時短状態の時短回数と一致しているか否かの判別をすることができ、一致していない場合(後乗せフラグ223lbがオンに設定されている場合)には、上乗せ演出が実行される。
特図抽選回数カウンタ223lcは、天井特典の付与条件を成立させるための特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)を計測するためのカウンタであって、主制御装置110にて計測される特図抽選カウンタ203laの値を示すためのコマンドを受信した場合に(図224のS9093:Yes)、受信したコマンドが示す値が設定される(図224のS9094参照)。そして、天井到達示唆演出の演出態様を決定する際に参照される(図228のS34508参照)。
<第5制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図215~図222を参照して、第5制御例における主制御装置110の制御処理内容のうち、上述した第2制御例とは異なる点を中心に説明をする。本第5制御例のパチンコ機10は、上述した第2制御例のパチンコ機10に対して、特別図柄抽選の実行回数に基づいて天井特典を付与するか否かを決定する処理と、天井特典を付与するための処理とを追加した点と、時短抽選を実行可能な遊技状態を異ならせた点と、普通図柄抽選に基づく処理の内容を詳細に説明している点で相違している。具体的には、特別図柄変動処理(図104のS104参照)に代えて特別図柄変動処理(図215のS30104参照)と、普通図柄変動処理(図221のS30106参照)、及び、立ち上げ処理(図222参照)を図示した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。まず、図215を参照して、特別図柄変動処理(S30104)の内容について説明をする。図215は、特別図柄変動処理(S30104)の処理内容を示したフローチャートである。図215に示した通り、特別図柄変動処理(S30104)は、上述した特別図柄変動処理(図104のS104参照)に対して、特別図柄判定処理(図104のS251)に代えて、特別図柄判定処理(S30251)を、特別図柄変動パターン選択処理(図104のS252参照)に代えて、特別図柄変動パターン選択処理(S30252)を、時短設定処理(図104のS254)に代えて、時短設定処理(S30254)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
次に、図216を参照して、特別図柄判定処理(S30251)の処理内容について説明をする。図216は、特別図柄判定処理(S30251)の処理内容を示したフローチャートである。図216に示した通り、特別図柄判定処理(S30251)が実行されると、まず、特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(S8001)、第1当たり乱数テーブル202laに基づいて抽選結果(大当たり)判定結果)を取得し(S8002)、取得した抽選結果が大当たり当選であるかを判別する(S8003)。大当たり当選であると判別した場合は(S8003:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S8004)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S8005)、本処理を終了する。一方、S8003の処理において大当たり当選していないと判別した場合は(S8003:No)、次いで、天井判定処理を実行し(S38051)、その後、時短抽選処理を実行し(S38006)、本処理を終了する。つまり、本第5制御例にて実行される特別図柄判定処理(S30251)は、上述した第2制御例にて実行される特別図柄判定処理(図105のS251参照)に対して、天井判定処理(S38051)を追加し、時短抽選処理(図105のS8006)に代えて時短抽選処理(S38006)を設けた点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。次に、図217を参照して、天井判定処理(S38051)の内容について説明をする。図217は、天井判定処理(S38051)の処理内容を示したフローチャートである。この天井判定処理(S38051)では、今回実行される特別図柄抽選が、天井特典を付与するための付与条件(ハマリ回数)を更新可能な特別図柄抽選であるかを判別し、判別結果に基づいて付与条件(ハマリ回数)を更新するための処理と、更新後のハマリ回数によって天井特典の付与条件が成立したかを判別するための処理と、天井特典の付与条件が成立したことを示すための情報を天井特典の設定条件が成立するまで保持するための処理とが実行される。
天井判定処理(S38051)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア203gから現在の遊技状態を読み出し(S38101)、現在の遊技状態が特別図柄の低確率状態であるかを判別する(S38102)。特別図柄の低確率状態であると判別した場合は(S38102:Yes)、特図抽選カウンタ203laの値の1を加算し(S38103)、加算後の特図抽選カウンタ203laの値が500に到達したかを判別する(S38104)。S38104の処理において、特図抽選カウンタ203laの値が500に到達していないと判別した場合は(S38104:No)、現在の特図抽選カウンタ203laの値を示す情報を含む状態コマンドを設定し(S38105)、本処理を終了する。S38105の処理によって設定された状態コマンドは、上述した第2制御例にて設定される他の状態コマンドと同様に音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113側では、特図抽選カウンタ203laの値を示す状態コマンドを受信した場合に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が更新される。これにより、音声ランプ制御装置113側においても、特図抽選カウンタ203laの値、即ち、ハマリ回数を判別可能となる。一方、S38104の処理において、特図抽選カウンタ203laの値が500であると判別した場合、即ち、天井特典の付与条件が成立したと判別した場合は(S38104:Yes)、次に、現在の遊技状態、即ち、天井特典の付与条件が成立した時点における遊技状態が通常状態であるかを判別し(S38106)、通常状態であると判別した場合は(S38106:Yes)、第1天井待機フラグ203lbをオンに設定し(S38107)、天井待機中を示す情報と、天井種別(第1天井)を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38108)、本処理を終了する。
また、S38106の処理において、現在が通常状態では無い、即ち、第1時短状態、第2時短状態であると判別した場合は(S38106:No)、第2天井待機フラグ203lcをオンに設定し(S38109)、S38108の処理へ移行する。一方で、S38102の処理において、特別図柄の低確率状態では無いと判別した場合、即ち、ハマリ回数の更新条件を満たしていないと判別した場合は(S38102:No)、そのまま本処理を終了する。以上、説明をした通り、本第5制御例では、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の実行回数(ハマり回数)が規定値(500回)に到達した場合に、天井特典の付与条件を成立させるように構成し、実行される特別図柄抽選の全てに対応させてハマり回数を更新(加算)するのでは無く、ハマり回数の更新条件を満たす特別図柄抽選が実行された場合に(図217のS38102:Yesに相当)、ハマり回数(特図抽選回数カウンタ223lcの値)を更新(加算)するように構成している。このように構成することで、大当たり遊技終了後に実行された特別図柄抽選回数と、ハマり回数とを異ならせることができるため、天井特典の付与条件が成立するハマり回数として特定回数(500回)を規定している場合であっても、ハマり回数が特定回数となるまでに実行される特別図柄抽選回数を異ならせることが可能となる。よって、遊技者に対して、どのタイミング(特別図柄抽選回数)で天井特典が付与されるのかを予測させ難くすることができる。
なお、本第5制御例では、図217に示した通り、特別図柄の低確率状態中に特別図柄抽選が実行された場合にはハマり回数が更新され、特別図柄の高確率状態中に特別図柄抽選が実行された場合にはハマり回数が更新されないように構成している。つまり、ハマり回数の更新条件として、特別図柄の低確率状態が設定されていることが更新条件となるように構成しているが、ハマり回数の更新条件はこれに限ること無く、例えば、特定の遊技状態(第1時短状態)が設定されている場合にはハマり回数の更新条件が成立しないように構成しても良いし、特定の特別図柄種別(第2特別図柄)の特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が実行される場合にはハマり回数の更新条件が成立しないように構成しても良いし、特別図柄抽選の抽選結果が、特定の抽選結果となった場合に、それ以降の所定期間(特別図柄抽選が10回実行されるまでの期間)は、ハマり回数の更新条件が成立しないように構成しても良い。このように構成することで、ハマり回数が特定回数となるまでに実行される特別図柄抽選回数を異ならせることが可能となる。よって、遊技者に対して、どのタイミング(特別図柄抽選回数)で天井特典が付与されるのかを予測させ難くすることができる。また、本第5制御例では、図217に示した通り、ハマり回数の更新条件が成立した場合には、特別図柄抽選が1回実行される毎に、ハマり回数を1回更新(加算)するように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄抽選1回に対して、ハマり回数を2回以上、或いは、1回未満(0.5回)更新するように構成しても良いし、特別図柄抽選1回に対して、ハマり回数を減算するように構成しても良い。このように構成した場合も、どのタイミング(特別図柄抽選回数)で天井特典が付与されるのかを予測させ難くすることができる。
次に、図218を参照して、時短抽選処理(S38006)の処理内容について説明をする。図218は、時短抽選処理(S38006)の処理内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理(S38006)は、上述した第2制御例にて実行される時短抽選処理(図106のS8006参照)に代えて実行されるものであって、時短抽選(時短当選の判定)を実行するための条件を遊技仕様に対応させて変更している点で相違している。具体的には、時短抽選処理(S38006)が実行されると、遊技状態格納エリア203gから現在の遊技状態を読み出し(S8102)、現在の遊技状態が通常状態、又は第1時短状態であるかを判別する(S38151)。そして、現在の遊技状態が通常状態、又は第1時短状態であると判別した場合は(S38151:Yes)、時短抽選の実行条件が成立しているため、時短当たり乱数テーブル202leに基づいて時短抽選の抽選結果を取得し(S38152)、その後、上述した時短抽選処理(図106のS8101参照)と同一のS8105,S8106の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S38151の処理において、現在の遊技状態が通常状態、又は第1時短状態では無い、即ち、時短抽選の実行条件が成立していない遊技状態であると判別した場合は(S38151:No)、時短抽選を実行すること無く、本処理を終了する。
次に、図219を参照して、特別図柄変動パターン選択処理(S30252)の処理内容について説明をする。図219は、特別図柄変動パターン選択処理(S30252)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動パターン選択処理(S30252)は、上述した第2制御例にて実行される特別図柄変動パターン選択処理(図107のS252参照)に対して、大当たり当選時において大当たり種別を決定するために参照するデータテーブルを、大当たり種別選択テーブル202dd(図98参照)から大当たり種別選択テーブル202ldに変更した処理を実行する点(S38251)と、時短当選時において時短種別を決定するために参照するデータテーブルを、時短種別選択テーブル202df(図100(b)参照)から時短種別選択テーブル202lfに変更した処理を実行する点(S38253)と、特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルを、変動パターン選択テーブル202db(図99参照)から変動パターン選択テーブル202dbに変更した処理を実行する点(S38252参照)とで相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その説明を省略する。次に、図220を参照して、時短設定処理(S30254)の内容について説明をする。図220は、時短設定処理(S30254)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理(S30254)では、上述した時短設定処理(図109のS254参照)に対して、天井判定処理(図217のS38051参照)にて天井特典の付与条件が成立していることを示す情報が設定された場合(第1天井待機フラグ203lb、又は、第2天井待機フラグ203lcがオンに設定された場合)において時短状態(第3時短状態)を設定するための処理を追加している点で相違している。
また、1の特別図柄抽選の実行に基づいて、天井判定処理(図217のS38051参照)による天井特典の付与条件の成立と、時短抽選による時短当選とが、重複した場合には、天井特典の付与条件の成立に基づく時短状態の設定が優先して処理され、時短当選に関わる情報を破棄するための処理が実行されるように、複数の時短状態の設定に対して予め優先順位を設けている点で相違している。時短設定処理(S30254)が実行されると、まず、第1天井待機フラグ203lbがオンに設定されているかを判別し(S38351)、オンに設定されていると判別した場合は(S38351:Yes)、時短カウンタ203hの値に100を設定し(S38352)、第1天井待機フラグ203lbをオフに設定し(S38353)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を設定し(S38354)、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38355)、第3時短状態を示す情報と、時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38356)、特図抽選カウンタ203laの値をクリアし(S38357)、本処理を終了する。S38351の処理において、第1天井待機フラグ203lbがオンに設定されていないと判別した場合は(S38351:No)、次に、第2天井待機フラグ203lcがオンに設定されているかを判別し(S38358)、オンに設定されていると判別した場合は(S38358:Yes)、時短カウンタ203hの値に300を設定し(S38359)、第2天井待機フラグ203lcをオフに設定し(S38360)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を設定し(S38354)、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38355)、第3時短状態を示す情報と、時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38356)、特図抽選カウンタ203laの値をクリアし(S38357)、本処理を終了する。
そして、S38358の処理において、第2天井待機フラグ203lcがオンに設定されていないと判別した場合、即ち、今回実行された特別図柄抽選に基づいて、天井特典の付与条件が成立していないと判別した場合は(S38358:No)、上述した第2制御例における時短設定処理(図109のS254参照)と同一のS8351~S8354の処理を実行し、本処理を終了する。以上、説明をした通り、本第5制御例では、特別図柄変動が停止表示される場合に実行される制御処理(時短設定処理(S30254))にて時短状態の設定条件が成立しているか(時短状態が設定可能な抽選結果であるか、或いは、各種天井待機フラグの何れかがオンに設定されているか)を判別し、設定条件が成立していると判別した場合に、時短状態を設定するように構成しているが、時短状態を設定するタイミングとして別のタイミングを採用しても良く、例えば、特別図柄変動が開始されるタイミング(特別図柄変動を開始させるための処理を実行するタイミング)にて時短状態の設定条件が成立しているかを判別し、設定条件が成立していると判別した場合に、時短状態を設定するように構成しても良い。また、時短状態の設定条件が成立してから、次の特別図柄抽選が実行されるまでの間に時短状態が設定されれば良く、例えば、時短状態の設定条件が成立した際に時間経過を計測可能な計測手段(タイマ)に対して所定の値をセットし、計測手段にセットされた値に対応した時間が経過した場合に時短状態を設定可能に構成しても良いし、時短状態の設定条件が成立している場合(各種天井待機フラグの何れかがオンに設定されている場合)に、定期的に設定抽選(例えば、主制御装置110にて定期的に実行されるメイン処理にて実行される抽選)を実行可能に構成し、その設定抽選に当選したタイミングで時短状態を設定するように構成しても良い。このように、時短状態の設定条件が成立してから、次の特別図柄抽選が実行されるまでの期間の範囲内において様々なタイミングで時短状態を設定可能に構成することで、遊技者に対して時短状態が設定されるタイミングを把握させ難くすることができる。
また、本第5制御例では、時短状態を設定させるための時短設定条件を複数設定可能に構成しており、1回の特別図柄抽選に基づいて、複数の時短設定条件が重複して成立し得るように構成している。具体的には、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて成立する抽選結果時短設定条件と、特別図柄抽選の実行回数に基づいて成立する抽選回数時短設定条件と、を設定可能に構成している。そして、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され易い時短設定条件(抽選回数時短設定条件)の成立有無を優先して判別可能に構成し、抽選回数時短設定条件が成立していると判別した場合に、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され難い抽選結果時短設定条件の成立有無に関わらず抽選回数時短設定条件の成立に基づく時短状態を設定可能に構成している。このように構成することで、複数の時短設定条件が重複して成立した場合であっても遊技者に有利となる時短状態を優先して設定し易くすることができるため、遊技者に対して、不利な遊技が実行され易くなることを抑制することができる。なお、複数の時短設定条件が重複して成立し得るように構成されたパチンコ機10において、上述した本第5制御例とは異なる時短状態の設定方法を採用しても良く、例えば、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され難い時短設定条件(抽選結果時短設定条件)の成立有無を優先して判別可能に構成し、抽選結果時短設定条件が成立していないと判別した場合に、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され易い抽選回数時短設定条件の成立有無を判別可能に構成し、抽選回数時短設定条件が成立していると判別した場合に抽選回数時短設定条件の成立に基づく時短状態を設定可能に構成してもよい。
つまり、複数の時短設定条件が重複して成立した場合には、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され難い時短設定条件(抽選結果時短設定条件)の成立に基づく時短状態が設定され、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され易い時短設定条件(抽選回数時短設定条件)のみが成立している場合に、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され易い時短設定条件(抽選回数時短設定条件)の成立に基づく時短状態が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、複数の時短設定条件が重複して成立する場合よりも、特定の時短設定条件のみが成立する場合の方が、遊技者に有利な時短状態を設定し易くすることができる。つまり、特定の時短設定条件が成立することとなる特別図柄抽選に基づいて、他の時短設定条件が成立しないことを遊技者に期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。この場合、例えば、特定の時短設定条件(抽選回数時短設定条件)が成立する特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出(天井到達演出)と、特定の時短設定条件(抽選回数時短設定条件)が成立しない特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出(通常演出)と、で、他の時短設定条件(抽選結果時短設定条件)が成立するか否か(例えば、時短抽選で時短当選するか否か)の結果を示すための演出態様を異ならせると良く、天井到達演出では、時短当選しない方が、時短当選した場合よりも結果的に有利な時短状態が設定され易くなるため、時短抽選の結果が外れ当選である場合の方が、時短抽選の結果が時短当選である場合よりも、遊技者を祝福する演出態様が設定され易く、通常演出では、時短当選した方が、時短当選しない場合よりも時短状態が設定され易くなるため、時短抽選の結果が時短当選である場合の方が、時短抽選の結果が外れ当選である場合よりも、遊技者を祝福する演出態様が設定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対しては、自身に有利な遊技状況が設定され易いか否かを実行される演出の内容を把握することで容易に把握させることができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
また、複数の時短設定条件が重複して成立した場合にのみ特殊時短状態(第4時短条件)を設定可能に構成しても良い。次に、図221を参照して、普通図柄変動処理(S30106)の内容について説明をする。図221は、普通図柄変動処理(S30106)の処理内容を示したフローチャートである。この普通図柄変動処理(S30106)は、上述した各制御例において図示を省略していた処理内容を図示したものである。本第5制御例を含む各制御例において、普通図柄の高確率状態が設定されている状態において、普図当たり遊技中に遊技球を第2入球口640へと入球させ易い遊技状態(本制御例では、第2時短状態)と、普図当たり遊技中に遊技球を第2入球口640へと入球させ難い遊技状態(本制御例では、第1時短状態)と、を設定可能に構成している。具体的には、時短抽選によって時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短状態)と、大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短状態)と、で異なる長さの普通図柄変動時間が設定されるように構成している。そして、第1時短状態が設定された場合は、図221のS30807に示した通り、非常に短時間(0.1秒)の普通図柄変動時間が設定されるように構成している。このように構成することで、普通図柄抽選の実行契機となるスルーゲート67を遊技球が通過してから、その通過した遊技球が電動役物640aへと到達するまでに、普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)を終了させることが可能となり、遊技球が第2入球口640へと入球し難い時短状態となる。一方で、第2時短状態が設定された場合は、図221のS30805に示した通り、短時間(1秒)の普通図柄変動時間が設定されるように構成している。このように構成することで、普通図柄抽選の実行契機となるスルーゲート67を遊技球が通過してから、その通過した遊技球が電動役物640aへと到達するタイミングが、普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)中とさせることが可能となり、遊技球が第2入球口640へと入球し易い時短状態となる。
さらに、本第5制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている状態において、第2入球口640へと遊技球を上述した第2時短状態と同程度入球させることが可能な第3時短状態を設定可能に構成している。具体的には、第3時短状態が設定されている場合は、図221のS30805に示した通り、短時間(1秒)の普通図柄変動時間が設定されるように構成している。そして、普通図柄抽選の当たり確率が、普通図柄の低確率状態(299/300)、普通図柄の高確率状態(299/300)となるように構成している。よって、普通図柄の低確率状態が設定されている場合であっても、普通図柄の変動時間として、第2時短状態と同一の長さとすることにより、第2入球口640へと遊技球を入球させ易い遊技状態(右打ち遊技状態)を設定することが可能となる。なお、普通図柄の低確率状態が設定される通常状態や第2確変状態においては、図221のS30808に示した通り、他の遊技状態よりも長い変動時間(60秒)が普通図柄変動時間として設定されるため、第2入球口640へと遊技球を入球させ難くなり、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させた方が特別図柄抽選を実行させ易い遊技状態(左打ち遊技状態)となる。また、図221のS30809、及びS30810に示した通り、普通図柄の高確率状態が設定されている場合の方が、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、普図当たり遊技において電動役物640aが開放状態となる時間が長くなるように構成しているが、何れの場合であっても、普通図柄変動時間として1秒が設定される場合には、第2入球口640へと遊技球が入球可能となるため、第2時短状態と、第3時短状態とでは、同程度の遊技球を第2入球口640へと入球させることができる。
次に、図222を参照して、本第5制御例における主制御装置110の立ち上げ処理について説明をする。図222は、本第5制御例における主制御装置110の立ち上げ処理の処理内容を示したフローチャートである。図222に示した通り、本第5制御例における主制御装置110の立ち上げ処理では、パチンコ機10が正常に立ち上がったと判別した場合に(S1707:Yes)、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報を含む状態コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信する処理(S31701)と、遊技状態格納エリア203gに格納されている情報を含む状態コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信する処理(S31702)と、を実行する点で、上述した各制御例における立ち上げ処理と相違している。それ以外は同一である。このように構成することで、パチンコ機10の電源供給が断たれた場合であっても、電源供給が復帰した時点で、パチンコ機10の遊技状況を示す情報を音声ランプ制御装置113へと送信することが可能となる。よって、パチンコ機10の遊技状況に基づいて実行される演出を適正に設定し易くすることができる。
<第5制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図223から図228を参照して、本第5制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の内容について説明をする。本第5制御例では、上述した第2制御例に対して、コマンド判定処理(図223のS34182参照)と、変動表示設定処理(図226のS34113参照)と、を実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。まず、図223を参照して、コマンド判定処理(S34182)の処理内容について説明をする。図223は、コマンド判定処理(S34182)の処理内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S34182)では、上述した第2制御例のコマンド判定処理(図114のS4182参照)に対して、状態コマンド受信処理(S4282)に代えて状態コマンド受信処理(図224のS34251参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。次に、図224を参照して、状態コマンド受信処理(S34251)の処理内容について説明をする。図224は、状態コマンド受信処理(S34251)の処理内容を示したフローチャートである。図224に示した通り、状態コマンド受信処理(S34251)では、上述した第2制御例における状態コマンド受信処理(図115のS4282参照)に対して、主制御装置110から受信した状態コマンドに含まれる情報に基づいて遊技状態が時短状態へと変更されたと判別した場合(S9005:Yes)に実行される処理内容を変更した点と、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報を含む状態コマンドを受信した場合の処理を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であるためその詳細な説明を省略する。
状態コマンド受信処理(S34251)が実行されると、上述した第2制御例における状態コマンド受信処理(図117のS4282参照)と同一のS9001,S9002の処理が実行される。その後、S9005の処理が実行され、遊技状態が時短状態へと変更されたと判別した場合(S9005:Yes)は、時短状態演出設定処理を実行し(S9091)、その後、S9093の処理へ移行する。時短状態演出設定処理(S9091)の内容については、図225を参照して後述する。また、S9005の処理において、時短状態に変更していないと判別した場合は(S9005:No)、変更後の遊技状態に対応する背面種別を示すための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S9092)、S9093の処理へ移行する。S9093の処理では、今回受信した状態コマンドに、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報、即ち、ハマリ回数を示す情報が含まれているかを判別し(S9093)、含まれていると判別した場合は(S9093:Yes)、受信した値に対応する値を特図抽選カウンタ203laの値に設定し(S9094)、本処理を終了する。一方、S9093の処理において、ハマリ回数を示す情報が含まれていないと判別した場合は(S9093:No)、そのまま本処理を終了する。次に、図225を参照して、状態コマンド受信処理(図224のS34251参照)にて実行される時短状態演出設定処理(S9091)の処理内容について説明をする。図225は、時短状態演出設定処理(S9091)の処理内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理(S9091)は、上述した時短状態演出設定処理(図118のS9006参照)に対して、通常状態から時短状態へと移行した場合における処理内容を変更している点で相違しており、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
時短状態演出設定処理(S9091)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gから、変更前の遊技状態を読み出し(S34301)、変更前の遊技状態が通常状態であるかを判別する(S34302)。S34302の処理において、通常状態であると判別した場合は(S34302:Yes)、今回受信したコマンドに含まれる時短種別を示す情報が、第1時短状態を示す情報であるかを判別し(S34303)、第1時短状態では無いと判別した場合は(S34303:No)、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定し(S34304)、その後、今回設定された時短状態の時短種別が第3時短状態であるかを判別し(S34305)、第3時短状態であると判別した場合は(S34305:Yes)、天井モードに対応する背面種別(図205(b)参照)を示すための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S34306)、本処理を終了する。また、S34305の処理において、今回設定された時短状態の時短種別が第3時短状態では無いと判別した場合(S34305:No)は、次に、今回設定された時短状態の時短種別が大当たりC13に基づく大当たり遊技終了後に設定された第2時短状態であるかを判別し(S34307)、大当たりC13に基づく大当たり遊技終了後に設定された第2時短状態であると判別した場合は(S34307:Yes)、上述したS34306の処理を実行し、本処理を終了する。S34307の処理において、大当たりC13に基づく大当たり遊技終了後に設定された第2時短状態では無いと判別した場合は(S34307:No)、次に、時短当選後に設定された第2時短状態であるかを判別し(S34308)、時短当選後に設定された第2時短状態であると判別した場合は(S34308:Yes)、上述したS34306の処理を実行し、本処理を終了する。そして、S34308の処理において、時短当選後に設定された第2時短状態では無いと判別した場合は(S34308:No)、設定された時短種別に対応する背面種別を示すための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S34309)、本処理を終了する。
このように構成することで、天井特典が付与され第3時短状態が設定された場合に実行される天井中モードの背面画像を、大当たり種別「大当たりC13」に基づく大当たり遊技終了後に設定される第2時短状態、及び、時短抽選にて時短当選した場合の一部(0.1%)にて設定される第2時短状態が設定された場合にも表示することが可能となる。これにより、遊技者に対して、天井特典の付与条件が成立することなく設定される上述した第2時短状態が設定された場合であっても、天井特典の付与条件が成立したと思わせることができるため、天井特典が様々なタイミングで付与されることに期待しながら遊技を行わせることができる。次に、図226を参照して、変動表示設定処理(S34113)の内容について説明をする。図226は、変動表示設定処理(S34113)の処理内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S34113)は、上述した変動表示設定処理(図66のS4113参照)に対して、変動演出の演出態様を設定するために、特図1演出態様設定処理(図66のS4903)、及び特図2演出態様設定処理(図66のS4907)に代えて、演出態様設定処理(図226のS4991)を実行するように構成した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、本第5制御例では、第1特別図柄の変動演出の演出態様を設定する処理と、第2特別図柄の変動演出の演出態様を設定する処理とが同一処理となるため、何れの特別図柄の変動演出の演出態様を設定する場合にも、演出態様設定処理(図226のS4991参照)が実行される。
次に、図227を参照して、演出態様設定処理(S4991)の内容について説明をする。図227は、演出態様設定処理(S4991)の処理内容を示したフローチャートである。この演出態様設定処理(S4991)は、特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定するための処理が実行されるものであって、演出態様を設定する対象となる特別図柄抽選の結果や、設定されている遊技状態に応じて、様々な演出態様を設定するための処理が実行される。また、第3図柄表示装置81の表示面にて特別図柄抽選の実行回数を示すための表示態様や、特定の遊技状態(例えば、第3時短状態)が継続し得る残期間(残時短回数)を示すための表示態様が表示されている場合において、その表示態様が示す値を更新するための処理が実行される。演出態様設定処理(S4991)が実行されると、まず、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいか、即ち、現在が第2時短状態、或いは、第3時短状態であるかを判別し(S34401)、0よりも大きく無いと判別した場合は(S34401:No)、通常モード用演出設定処理を実行し(S34402)、その後、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S34407)、本処理を終了する。一方、S34401の処理において、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいと判別した場合は(S34401:Yes)、時短中カウンタ223daの値を1減算し(S34403)、次に、天井時短カウンタ223laの値が0よりも大きいかを判別する(S34404)。天井時短カウンタ223laの値が0よりも大きく無い、即ち、天井中モードが設定されていない右打ち遊技状態(第2時短状態)であると判別した場合は(S34404:No)、減算後の時短中カウンタ223daの値を示すための表示用コマンドを設定し(S34405)、各種カウンタの値に対応する演出態様を決定し(S34406)、上述したS34407の処理へ移行し、本処理を終了する。
S34404の処理において、天井時短カウンタ223laの値が0よりも大きいと判別した場合は(S34404:Yes)、天井時短カウンタ223laの値を1減算し(S34408)、減算後の天井時短カウンタ223laの値を示すための表示用コマンドを設定し(S34409)、減算後の天井時短カウンタ223laの値が1であるかを判別する(S34410)。S34410の処理において、天井時短カウンタ223laの値が1では無い、即ち、天井中モードの最終変動では無いと判別した場合は(S34410:No)、上述したS34406,S34407の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S34410の処理において、天井時短カウンタ223laの値が1である(即ち、天井中モードの最終変動である)と判別した場合は(S34410:Yes)、次に、後乗せフラグ223lbがオンに設定されているかを判別し(S34411)、オンに設定されていると判別した場合は(S34411:Yes)、後乗せフラグ223lbをオフに設定し(S34412)、時短中カウンタ223daの値に対応した値を天井時短カウンタ223laの値に加算し(S34413)、残時短回数表示が増加する後乗せ演出(上乗せ演出)の演出態様を決定し(S34414)、上述したS34407の処理を実行し、本処理を終了する。また、S34411の処理において、後乗せフラグ223lbがオンに設定されていないと判別した場合は(S34411:No)、天井中モードが設定されている第3時短状態、第2時短状態が終了する特別図柄変動に対応する変動演出となるため、天井中モード(天井モード)が終了することを示す演出態様を決定し(S34415)、上述したS34407の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図228を参照して、通常モード用演出設定処理(S34402)の内容について説明をする。図228は、通常モード用演出設定処理(S34402)の処理内容を示したフローチャートである。この通常モード用演出設定処理(S34402)では、特別図柄変動が停止表示された際に、天井中モード(天井モード)が設定されることを示すための天井到達時演出の演出態様を決定する処理と、左打ち遊技状態が設定されている状態にて実行される特別図柄変動に対応して実行される変動演出として、天井特典が付与されるまでの残期間を遊技者に示唆することが可能な天井到達示唆演出の演出態様を決定するための処理が実行される。通常モード用演出設定処理(S34402)が実行されると、まず、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500であるか、即ち、今回実行される特別図柄抽選によって、天井特典の付与条件が成立するかを判別する(S34501)。S34501の処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500であると判別した場合は(S34501:Yes)、天井到達時演出選択テーブル222lbを参照して、天井到達時演出の演出態様を決定し(S34502)、決定した演出態様に対応した値を、天井時短カウンタ223laの値に設定し(S34503)、決定した演出態様に対応させた後乗せフラグ223lbの設定状況を決定し(S34504)、本処理を終了する。また、S34501の処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500では無い、即ち、天井特典の付与条件が成立しないと判別した場合には(S34501:No)、次に、今回の特別図柄変動が、大当たりC13に当選する特別図柄変動であるかを判別し(S34505)、大当たりC13に当選する特別図柄変動であると判別した場合は(S34505:Yes)、特別図柄変動の停止表示後に疑似的に天井モード(天井中モード)となる第2時短状態が設定されるため、上述したS34502~S34504の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S34505の処理において、大当たりC13に当選する特別図柄変動では無いと判別した場合は(S34505:No)、次に、今回の特別図柄変動が、第2時短状態が設定される時短当選変動であるかを判別し(S34506)、第2時短状態が設定される時短当選変動であると判別した場合は(S34506:Yes)、特別図柄変動の停止表示後に疑似的に天井モード(天井中モード)となる第2時短状態が設定されるため、上述したS34502~S34504の処理を実行し、本処理を終了する。S34506の処理において、第2時短状態が設定される時短当選変動では無いと判別した場合、即ち、今回の特別図柄変動が停止表示された後に、天井中モード(天井モード)が設定されることの無い特別図柄変動であると判別した場合は(S34506:No)、次に、今回の特別図柄変動が特殊変動(15秒変動)であるかを判別し(S34507)、特殊変動(15秒変動)であると判別した場合は(S34507:Yes)、天井到達示唆演出選択テーブル222laを参照して、示唆演出の演出態様を決定し(S34508)、本処理を終了する。また、S34507の処理において特殊変動(15秒変動)では無いと判別した場合は(S34507:No)、受信した変動パターンに対応した演出態様を決定し(S34509)、本処理を終了する。なお、上述した第5制御例の構成では、通常状態において大当たりに当選する場合は、天井直前で大当たりになるよりも天井が遠い間に大当たりに当選する方が遊技者にとって望ましい。つまり、通常状態において、天井直前という状況で時短状態を終了させ得る大当たり当選が発生するよりも、天井までの残回数が多い状況で大当たり当選が発生した方が、有利度合いが高くなり易い構成となっている。つまり、特定の遊技状態において第1の状況で特定条件が成立するか、第2の状況で特定条件が成立するかに応じて有利度合いが可変する構成である。
<第5制御例における第1変形例について>
次に、図229から図235を参照して、上述した第5制御例の第1変形例について説明をする。上述した第5制御例では、遊技状態が通常状態、或いは、第1時短状態の場合に時短抽選を実行可能に構成し、時短抽選で時短当選し、第1時短状態が設定された場合には、時短回数1回の第1時短状態が設定されるように構成していた。そして、通常状態又は第1時短状態が設定されている間に、大当たり当選すること無く、特別図柄抽選が500回実行されることで天井特典の付与条件が成立し、天井特典として第3時短状態が設定されるように構成していた。加えて、天井特典の付与条件が成立した場合に設定されている遊技状態に応じて、天井特典として付与される特典の内容を異ならせるように構成し、通常状態が設定されている状態で天井特典の付与条件が成立した場合には、時短100回の第3時短状態が設定され、第1時短状態が設定されている状態で天井特典の付与条件が成立した場合には、時短300回の第3時短状態が設定されるように構成していた。つまり、上述した第5制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選を目指す従来型の遊技性に加え、大当たり当選しない期間が長時間継続した場合に、特別図柄抽選の実行回数に基づいて付与される天井特典を目指す遊技を遊技者に実行させることができるものであった。さらに、時短抽選の結果に基づいて、通常状態と、第1時短状態と、を頻繁に切り替えることで、天井特典として付与される特典の内容(時短回数)が、遊技者に有利な有利特典(時短300回)となるか、有利特典よりは不利となる不利特典(時短100回)となるかを遊技者に予測させ難くすることができるものであった。これに対して、本第1変形例では、時短抽選で時短当選する確率を低確率(1/500)に設定し、通常状態のみ時短抽選を実行可能に構成し、時短当選した場合には、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)よりも多い時短回数の第1時短状態が設定されるように構成している。
つまり、本第1変形例では、通常状態にて時短当選し、第1時短状態が設定された場合には、大当たり当選しない限り、天井特典の付与条件が成立するまで第1時短状態が継続するように構成している。このように構成することで、時短抽選に当選したことによる付加価値として、天井特典で有利特典が付与されるため遊技者に対して、天井特典を目指した遊技を意欲的に実行させることができる。さらに、本第1変形例では、左打ち遊技状態が実行されている期間において、現在設定されている遊技状態が通常状態であるか、第1時短状態であるかを遊技者に予測させるための遊技状態示唆演出を実行可能に構成している。このように構成することで、大当たり当選すること無く、左打ち遊技状態を長時間遊技している遊技者に対して、現在設定されている遊技状態を予測させ易くすることができるため、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間と、現在の遊技状態とを鑑みて、遊技を続行するか否かを選択させることができる。また、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間が長い状況であっても、第1時短状態が設定されている可能性が高いことを示す演出態様で遊技状態示唆演出が実行された場合には、有利特典を目指した遊技を遊技者に行わせ易くすることができるため、左打ち遊技状態が実行されている期間において、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出が実行されない場合に比べて、パチンコ機10の稼働を向上させ易くすることができる。
<第5制御例の第1変形例にて実行される演出内容について>
まず、図229を参照して、本第5制御例の第1変形例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第5制御例の第1変形例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、左打ち遊技状態にて実行される時短抽選の結果に基づいて第1時短状態が設定されている間は時短抽選が実行されず、且つ、第1時短状態として天井特典が付与されるハマリ回数(500回)よりも多い1000回の時短回数が設定されるように構成している。よって、左打ち遊技状態にて実行される時短抽選の結果に基づいて第1時短状態が設定されると、その時点で、天井特典として有利特典(時短300回の第3時短状態)が設定されることが確定する。そこで、本第1変形例では、左打ち遊技状態中において、第1時短状態が設定されているか否かを遊技者に予測させるための遊技状態示唆演出を実行可能に構成している。図229(a)は、遊技状態示唆演出の演出画面の一例を示した図であって、図229(b)は、左打ち遊技状態において、第1時短状態が設定されている可能性が高いことを遊技者に示唆するための示唆演出中における表示画面の一例を示した図である。図229(a)に示した通り、遊技状態示唆演出が実行されると、主表示領域Dmの中央部に複数の領域が形成されたルーレット861が回転表示され、指標863に対応する位置に停止した領域が演出結果となる遊技状態示唆演出が実行される。ルーレット861には、第1時短状態が設定されていることを示す「準備」の表示態様が表示されている第1領域862a、第1時短状態が設定されている可能性を示唆する「チャンス」の表示態様が表示されている第2領域862b、大当たり当選を示す「V」の表示態様が表示されている第3領域862c、何れの情報も示唆することのない「?」の表示態様が表示されている第4領域862dの4つの領域が占有範囲を異ならせて形成されている。
そして、主表示領域Dmには、遊技状態示唆演出が実行されていることを示すための「状態示唆チャンス」の文字が表示され、副表示領域Dsには、遊技状態示唆演出の演出内容を遊技者に説明するための説明態様として「どこで止まるかな?「準備」で止まれば「天井準備」へ、「V」で止まれば「大当たり!」」のコメントが表示されている。ここで、本第1変形例では、天井特典が付与されるまでの残期間の長さや、実行される特別図柄抽選の結果に基づいて、遊技状態示唆演出の実行頻度や、演出態様を異ならせるように構成しており、天井特典が付与されるまでの残期間が短くなるほど、又は、特定回数目(例えば、50の倍数)の特別図柄抽選であるほど、実際に設定されている遊技状態を把握し易い演出態様で遊技状態示唆演出が実行されるように構成している。このように構成することで、設定されている遊技状態を把握しようとする遊技者に対して、次の特定回数目の特別図柄抽選が実行されるまで遊技を行わせ易くすることができるため、パチンコ機10の稼働を向上させ易くすることができる。また、図229(a)に示した通り、主表示領域Dmに形成される小表示領域Dm7には、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数が表示されるように構成しており、図229(a)に示した図では、250回目の特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動期間中を示している。
そして、遊技状態示唆演出にて第1領域862aが、指標863に対応する位置に停止表示された場合には、図229(b)に示した通り、天井準備モードが設定される。この天井準備モードは、第1時短状態が設定されていることを示すための演出モードであって、小表示領域Dm7には、前回の大当たり遊技終了後から実行された特別図柄抽選の回数では無く、天井特典が付与されるまでの残期間(残特別図柄変動回数)が表示され、天井モード(天井中モード)中に出現するキャラクタ809が表示される。また、副表示領域Dsには、天井準備モードの演出内容を説明するための説明態様として、「あと90回ハマったら、時短300回GET」の文字が表示される。このように構成することで、遊技状態示唆演出にて、現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆するだけで無く、天井特典が付与されるまでの残期間を遊技者に報知することが可能となるため、天井特典の付与を目指した遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
<第5制御例の第1変形例における電気的構成について>
次に、図230~図232を参照して、本第1変形例における電気的構成について説明をする。本第5制御例の第1変形例は、上述した第5制御例に対して、時短抽選の当選確率を低確率に変更した点と、時短当選時に設定される時短回数を異ならせた点と、で主制御装置110の電気的構成を異ならせており、遊技状態示唆演出の演出態様を決定するためのデータテーブルを追加した点と、天井準備モードが設定されている状態を示すためのフラグを追加した点で、音声ランプ制御装置113の電気的構成を異ならせている。それ以外の要素については同一であり、同一の内容については、その説明を省略する。まず、図230(a)を参照して、時短当たり乱数テーブル202laeの内容について説明をする。図230(a)は、時短当たり乱数テーブル202laeに規定されている内容を示した図である。この時短当たり乱数テーブル202laeは、上述した時短当たり乱数テーブル202le(図209(c)参照)に対して、時短抽選で当り当選する判定値の数を異ならせている点で相違している。具体的には、特別図柄種別は「共通」で、遊技状態として、通常状態である場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「998,999」の範囲が時短当選の判定値として規定されている。また、遊技状態が通常状態以外である場合には、時短当選の判定値が規定されていない(図では「-」で表示)。このように構成することで、時短抽選で時短当選し得る遊技状態が通常状態のみとなり、さらに、時短抽選で時短当選させ難くすることができる。よって、時短抽選で時短当選したことによる付加価値として遊技者に有利な有利特典(時短300回の第3時短状態)を付与可能に構成したとしても、遊技者に対して過剰に有利特典が付与されてしまうことを抑制することができる。
次に、図230(b)を参照して、時短当選用テーブル202laf1の内容について説明をする。図230(b)は、時短当選用テーブル202laf1に規定されている内容を示した図である。図230(b)に示した通り、時短当選用テーブル202laf1は、上述した第5制御例の時短当選用テーブル202lf1に対して、各時短種別に対して設定される時短回数(時短カウンタ203hにセットする値)を異ならせており、それ以外は同一である。同一の内容については、その説明を省略する。具体的には、時短種別として第1時短状態が設定された場合には、時短回数として「1000回」が設定される点で相違している。このように構成することで、時短当選して第1時短状態が設定された場合に、ハマリ回数を超えるまで継続して第1時短状態を設定することができる。次に、図231(a)を参照して、本第1変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。本第1変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222は、上述した第5制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222(図212(a)参照)に対して、天井到達示唆演出選択テーブル222laに代えて、遊技状態示唆演出選択テーブル222laaを設けた点で相違し、それ以外は同一である。遊技状態示唆演出選択テーブル222laaは、遊技状態示唆演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、通常モード(通常状態、第1時短状態、第2確変状態)中において、特殊変動(15秒変動)の変動パターンが選択された場合に参照される(図235のS34532参照)。
ここで、図232を参照して、遊技状態示唆演出選択テーブル222laaに規定されている内容について説明をする。図232は、遊技状態示唆演出選択テーブル222laaに規定されている内容を示した図である。図232に示した通り、遊技状態示唆演出選択テーブル222laaには、特図抽選回数カウンタ223lcの値と、設定されている遊技状態と、当該変動に対応する特別図柄抽選の結果と、取得した演出カウンタ223fの値に対応させて異なる示唆態様(演出態様)が規定されている。この遊技状態示唆演出選択テーブル222laaを参照して決定された演出態様で遊技状態示唆演出の演出態様、即ち、図229(a)を参照して説明をした遊技状態示唆演出にて、最終的に指標863に対応して停止表示される領域862a~862dが決定される。具体的には、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「1~200までの50の倍数以外」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して、演出態様「V」が、「80~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して、演出態様「?」が、「90~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「1~200までの50の倍数以外」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して、演出態様「V」が、「80~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、演出態様「?」が、「50~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
次に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「50,100,150,200」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「V」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~39」の範囲に対して、演出態様「?」が、「40~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「50,100,150,200」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「V」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して、演出態様「?」が、「20~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。特図抽選回数カウンタ223lcの値が「201~490までの50の倍数以外」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して、演出態様「V」が、「90~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~69」の範囲に対して、演出態様「?」が、「70~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「201~490までの50の倍数以外」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して、演出態様「V」が、「90~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して、演出態様「?」が、「20~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。次に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「250,300,350,400,450」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「V」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、演出態様「?」が、「50~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「250,300,350,400,450」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「V」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が、「50~99」の範囲に対して、演出態様「準備」が規定されている。
そして、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「491~500」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~69」の範囲に対して、演出態様「V」が、「70~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「491~500」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して、演出態様「V」が、「80~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~98」の範囲に対して、演出態様「準備」が規定されており、「99」の値に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。ここで、演出態様「V」が決定された場合は、図229(a)に示した遊技状態示唆演出として、最終的に指標863に対応する位置に、Vが表示されている領域862cが停止表示される演出が実行され、演出態様「チャンス」が決定された場合は、図229(a)に示した遊技状態示唆演出として、最終的に指標863に対応する位置に、チャンスが表示されている領域862bが停止表示される演出が実行され、演出態様「?」が決定された場合は、図229(a)に示した遊技状態示唆演出として、最終的に指標863に対応する位置に、「?」が表示されている領域862dが停止表示される演出が実行され、演出態様「準備」が決定された場合は、図229(a)に示した遊技状態示唆演出として、最終的に指標863に対応する位置に、準備が表示されている領域862aが停止表示される演出が実行される。
以上、説明をした通り、遊技状態示唆演出では、特図抽選回数カウンタ223lcの値が大きいほど、つまり、天井特典が付与されるまでの残期間が少ないほど、現在設定されている遊技状態に対応した示唆態様が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、左打ち遊技状態を長時間遊技している遊技者に対して、徐々に現在設定されている遊技状態の予測精度を高めさせることができるため、継続して遊技を行わせ易くすることができる。また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が特定の値(50の倍数)のタイミングで遊技状態示唆演出の実行条件が成立した場合には、他のタイミングで遊技状態示唆演出が実行される場合よりも、現在設定されている遊技状態を把握し易い演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、現在設定されている遊技状態を把握しようとする遊技者に対して、特図抽選回数カウンタ223lcの値が特定の値となるまで特別図柄抽選を実行させようと継続して遊技を行わせ易くすることができる。次に、図231(b)を参照して、本第1変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。本第1変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第5制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223(図212(b)参照)に対して、報知済フラグ223laaを追加した点で相違している。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
報知済フラグ223laaは、遊技状態示唆演出において、第1時短状態が設定されていることを示す報知が実行されたことを示すためのフラグであって、遊技状態示唆演出の演出結果として天井準備モード(図229(b)参照)が設定される場合にオンに設定される(図235のS34534参照)。そして、報知済フラグ223laaの設定状況は、遊技状態示唆演出を実行するか否かを決定する際に参照され(図235のS34531参照)、報知済フラグ223laaがオンに設定されている場合には(図235のS34531:Yes)、新たな遊技状態示唆演出が実行されないように構成している。このように構成することで、既に、第1時短状態が設定されていることを報知している状態において、無用に遊技状態示唆演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
<第5制御例の第1変形例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図233を参照して、本第1変形例における主制御装置110にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第1変形例は、上述した第5制御例に対して、時短抽選の実行条件を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、その詳細な説明を省略する。ここで、図233を参照して、時短抽選処理(S38006a)の内容を説明する。図233は、本第1変形例における時短抽選処理(S38006a)の処理内容を示したフローチャートである。図233に示した通り、時短抽選処理(S38006a)は、上述した第5制御例の時短抽選処理(S38006)に対して、遊技状態が通常状態である場合にのみ時短抽選の実行条件が成立する点(S38151a:Yes)と、時短抽選時に参照されるデータテーブルを、時短当たり乱数テーブル222iaeとしている点(S38152a)で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
<第5制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図234および図235を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理内容について説明をする。本第1変形例では、上述した第5制御例に対して、時短状態演出設定処理(図225のS9091参照)に代えて、時短状態演出設定処理(図234のS9091a参照)を実行する点と、通常モード用演出設定処理(図228のS34402参照)に代えて、通常モード用演出設定処理(図235のS34402a参照)を実行する点と、で相違している。それ以外は同一であるため、その説明を省略する。まず、図234を参照して、時短状態演出設定処理(S9091a)の処理内容について説明をする。図234は、時短状態演出設定処理(S9091a)の処理内容を示したフローチャートである。図234に示した通り、時短状態演出設定処理(S9091a)が実行されると、上述した時短状態演出設定処理(図225のS9091参照)と同一のS34301~S34304の処理が実行される。そして、S34305の処理において、第3時短状態と判別した場合(S34305:Yes)、S34307の処理において、大当たりC13後の第2時短状態と判別した場合(S34307:Yes)、時短当選後の第2時短状態と判別した場合(S34308:Yes)に、報知済フラグ223laaがオンに設定されているかを判別し(S34331)、オンに設定されていると判別した場合は(S34331:Yes)、報知済フラグ223laaをオフに設定し(S34332)、上述した時短状態演出設定処理(図225のS9091参照)と同一のS34306の処理を実行し、本処理を終了する。また、S34331の処理において、報知済フラグ223laaがオンに設定されていないと判別した場合は(S34331:No)、S34332の処理をスキップして、上述した時短状態演出設定処理(図225のS9091参照)と同一のS34306の処理を実行し、本処理を終了する。このように構成することで、報知済フラグ223laaを確実にオフに設定することができる。
次に、図235を参照して、通常モード用演出設定処理(S34402a)の処理内容について説明をする。図235は、通常モード用演出設定処理(S34402a)の処理内容を示したフローチャートである。この通常モード用演出設定処理(S34402a)は、上述した第5制御例における通常モード用演出設定処理(図228のS34402参照)に対して、通常モードにおいて特殊変動(15秒変動)が実行される場合に演出態様を設定するための処理内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その説明を省略する。通常モード用演出設定処理(S34402a)が実行されると、まず、上述した第5制御例における通常モード用演出設定処理(図228のS34402参照)と同一のS34501~S34507の処理を実行し、S34507の処理にて15秒変動(特殊変動)であると判別した場合に(S34507:Yes)、報知済フラグ223laaがオンに設定されているかを判別する(S34531)。S34531の処理において、報知済フラグ223laaがオンに設定されていないと判別した場合は(S34531:No)、第1時短状態が設定されていることを遊技者に報知するための天井準備モードが設定されていない状態であるため、遊技状態示唆演出選択テーブル222laaを参照して、示唆演出(遊技状態示唆演出)の演出態様を決定し(S34532)、その後、今回決定した演出態様が天井準備態様であるかを判別し(S34533)、天井準備態様であると判別した場合は(S34533:Yes)、報知済フラグ223laaをオンに設定する(S34534)。そして、特図抽選回数カウンタ223lcの値を読み出し(S34535)、読み出した値が500になるまでの残回数、即ち、天井特典の付与条件が成立するまでのハマリ回数の残回数を算出し(S34536)、算出した残回数を示すための表示用コマンドを設定し(S34537)、本処理を終了する。S34537の処理によって設定された表示用コマンドを表示制御装置114側で受信することにより、図229(b)に示した表示画面にて小表示領域Dm7に表示される天井到達までの残回数が表示される。
なお、詳細な説明は省略するが、S34536の処理によって算出された残回数は、専用のカウンタ(残回数カウンタ)に設定され、特別図柄抽選が実行される毎に、設定された値が1減算され、減算後の値を示すための表示用コマンドが表示制御装置114へと出力されるように構成している。これにより、天井準備モードが設定された場合には、特別図柄抽選が実行される毎に、天井までの残回数を示す値が、徐々に減算表示されるため、遊技者に対して、天井特典が付与されるタイミングが近付いていることを容易に把握させることができる。また、S34531の処理において、報知済フラグ223laaがオンに設定されていると判別した場合(S34531:Yes)は、すでに天井準備モードが設定されている状態であるため、遊技状態示唆演出を実行するための処理をスキップして、S34535の処理へ移行する。また、S34533の処理において、天井準備態様以外の演出態様を決定したと判別した場合は(S34533:No)、新たな遊技状態示唆演出を実行可能な状態であるため、S34534の処理をスキップして、S34535の処理へ移行する。以上、説明をした通り、本第5制御例の第1変形例では、時短抽選で時短当選する確率を低確率(1/500)に設定し、通常状態のみ時短抽選を実行可能に構成し、時短当選した場合には、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)よりも多い時短回数の第1時短状態が設定されるように構成し、通常状態にて時短当選し、第1時短状態が設定された場合には、大当たり当選しない限り、天井特典の付与条件が成立するまで第1時短状態が継続するように構成している。このように構成することで、時短抽選に当選したことによる付加価値として、天井特典で有利特典が付与されるため遊技者に対して、天井特典を目指した遊技を意欲的に実行させることができる。
なお、本第5制御例の第1変形例では、第1時短状態中には時短抽選を実行しないように構成しているが、第1時短状態中においても、時短抽選を実行可能に構成し、第1時短状態中に時短当選した場合には、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)よりも多い時短回数の第1時短状態が新たに設定されるように構成し、天井特典の付与条件が成立するまでに時短当選した回数に応じて、天井特典として付与される特典の内容(時短回数)を異ならせるように構成しても良い。この場合、時短当選回数が多い程、天井特典として付与される時短回数が多くなるように構成すると良い。このように構成することで、時短抽選に当選したことによる付加価値をより高めることができる。また、天井特典として付与される時短回数が少なくなるように構成しても良い。さらに、本第5制御例の第1変形例では、上述した第5制御例と同様に、通常状態と第1時短状態とが切り替わった場合でも、ハマり回数は継続して更新(加算)されるように構成しているが、これに限ること無く、通常状態から第1時短状態へと遊技状態が切り替わる場合や、第1時短状態から通常状態へと遊技状態が切り替わる場合には、ハマり回数をリセットするように構成しても良い。このように構成した場合であっても、本第5制御例の第1変形例では、通常状態にて時短当選した場合に、天井特典が付与される特別図柄抽選回数(ハマリ回数500回)よりも大きな値の時短回数の第1時短状態が設定されるため、確実に天井特典を付与することができる。なお、本第5制御例の第1変形例では、通常状態にて時短当選した場合に、天井特典が付与される特別図柄抽選回数(ハマリ回数500回)よりも大きな値の時短回数を有する第1時短状態が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、通常状態にて時短当選した場合の一部において、天井特典が付与される特別図柄抽選回数(ハマリ回数500回)よりも小さな値の時短回数(例えば、100回、150回等)を有する第1時短状態を設定可能に構成しても良い。
このように構成することで、通常状態にて時短当選したタイミング(時短当選時のハマり回数)や、時短当選に基づいて設定される時短状態種別によって、第1時短状態が設定される時点において、第1時短状態中に天井特典が付与されることが確定するか否かを決定することができる。そして、この場合、通常状態にて実行される演出として、時短当選時に第1時短状態が設定される各時短状態種別の選択割合に基づいて、時短当選時に設定される第1時短状態が天井到達時まで継続し得る期待度を示唆可能な示唆演出と、時短当選時において、今回設定される第1時短状態が天井到達時まで継続し得る期待度を示唆可能な示唆演出と、を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、通常状態において実行される時短抽選に対して、その時短抽選結果が遊技者に有利となるか否かを遊技者に予測させながら遊技を行わせることができる。また、本第1変形例では、左打ち遊技状態が実行されている期間において、現在設定されている遊技状態が通常状態であるか、第1時短状態であるかを遊技者に予測させるための遊技状態示唆演出を実行可能に構成している。このように構成することで、大当たり当選すること無く、左打ち遊技状態を長時間遊技している遊技者に対して、現在設定されている遊技状態を予測させ易くすることができるため、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間と、現在の遊技状態とを鑑みて、遊技を続行するか否かを選択させることができる。また、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間が長い状況であっても、第1時短状態が設定されている可能性が高いことを示す演出態様で遊技状態示唆演出が実行された場合には、有利特典を目指した遊技を遊技者に行わせ易くすることができるため、左打ち遊技状態が実行されている期間において、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出が実行されない場合に比べて、パチンコ機10の稼働を向上させ易くすることができる。
<第5制御例の第1変形例における演出変形例について>
次に、図229(a)を参照して説明をした第5制御例の第1変形例にて実行される演出の変形例について説明をする。上述した第5制御例の第1変形例では、左打ち遊技状態において、現在設定されている遊技状態が通常状態であるか第1時短状態であるかを遊技者に示唆するための遊技状態示唆演出を実行可能に構成していた。そして、遊技状態示唆演出として、図229(a)に示した表示画面が表示される演出を実行可能に構成していた。上述した通り、第5制御例の第1変形例にて実行される遊技状態示唆演出では、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選回数(ハマり回数)が近付く程、現在設定されている遊技状態を遊技者が把握し易い態様で遊技状態示唆演出が実行されるように構成することで、遊技者に対して継続して遊技を行わせ易くするものであったが、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選回数(ハマり回数)が遠い状態では、遊技状態示唆演出の演出結果として、何れの遊技状態が設定されているのかを遊技者が把握困難な演出結果(指標863に対応する位置に「?」が付された領域862dが停止する演出結果)が実行され易くなり、演出効果が低下してしまうという問題があった。また、遊技状態示唆演出の演出結果として、何れの遊技状態が設定されているのかを遊技者が把握困難な演出結果(指標863に対応する位置に「?」が付された領域862dが停止する演出結果)となる遊技状態示唆演出が連続して複数回実行される場合であっても、同様の演出が繰り返し実行されるだけであり、実行される演出が単調となるという問題があった。これに対して、本演出変形例では、遊技状態示唆演出の演出態様の一部(ルーレット861の態様)を上述した第5制御例の第1変形例とは異ならせている。具体的には、上述した第5制御例の第1変形例において「?」が付された領域862dに対して、本演出変形例では、「インジケータ」が設けられている。このインジケータには10個の目盛りが付されていて、領域862dの一端側(領域862cと隣接する側)から順に、1目盛り単位で値が上昇するように表示態様が可変されるように構成している。
そして、遊技状態示唆演出の演出結果として「?」が選択された場合には、指標863に対応する位置に「インジケータ」が付された領域862dが位置した場合(表示された場合)に、領域862dに付された「インジケータ」が1目盛り毎上昇し、「インジケータ」の可変後の表示態様が、領域862dの他端側(領域862dに隣接する側)に設けられた最大値まで上昇した場合に、「準備」が付された領域862aが指標863に対応する位置に位置した(表示された)場合と同一の演出結果となるように構成している。つまり、特定期間(天井特典が付与されるまでの期間)中に実行された特定演出(遊技状態示唆演出)の演出結果として、特定の演出結果(「?」が表示される演出結果)となる(なった)回数を記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶されている情報(特定の演出結果となった演出回数)に基づいて、特定演出(遊技状態示唆演出)の演出態様を可変可能に構成している。よって、同一の演出態様が繰り返し実行されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。さらに、記憶手段に記憶されている回数が所定回数を満たした場合には、特定の演出結果を示すための表示領域を、特定の演出結果よりも遊技者に有利となる他の演出結果(「準備」)を示すための表示領域へと可変させることができるため、特定の演出結果となる遊技状態示唆演出が連続して実行される程、他の演出結果となる遊技状態示唆演出の実行頻度を高くすることができ、遊技者に対して遊技状態示唆演出が繰り返し実行されることを期待させることができる。なお、本演出変形例では、「インジケータ」が最大値まで上昇した場合に、「インジケータ」が付された領域862dが示す遊技状態示唆演出の演出結果を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、「インジケータ」が付された領域862dのうち、既に値が上昇している領域の範囲を、他の演出結果を示すための領域として表示するように構成しても良い。この場合、「インジケータ」が示す値が上昇する毎に、他の演出結果を示す領域が徐々に拡大していくため、遊技者に対して遊技状態示唆演出が繰り返し実行されることを期待させることができる。
また、上述した第5制御例の第1変形例、及び、本演出変形例では、遊技状態示唆演出中に最初に表示されるルーレット961の表示態様として1種類の表示態様(図229(a)参照)を示しているが、これに限ること無く、遊技状態示唆演出が最初に実行された時点におけるハマり回数(天井特典が付与されるまでの残特別図柄変動回数)に基づいて、遊技状態示唆演出中に最初に表示されるルーレット961の表示態様を異ならせても良い。このように構成することで、遊技状態示唆演出の演出結果が表示されるよりも前に、表示されているルーレット961の表示態様に基づいて、天井特典が付与されるまでの残期間を遊技者に予測させることが可能となる。
<第5制御例に関する別技術思想について>
上述した第5制御例、及び、第5制御例の第1変形例では、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異なる天井特典として、時短回数の異なる第3時短状態を設定可能に構成しているが、遊技者に付与される天井特典の内容として別の特典を付与可能に構成しても良く、例えば、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて、時短状態中に実行され易い特別図柄抽選の種別を異ならせるように構成しても良く、例えば、通常状態にて天井特典が付与される場合には、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選の方が実行され易くなる時短状態が設定され、第1時短状態にて天井特典が付与される場合には、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が実行され易くなる時短状態が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて、天井特典が付与されている期間中に実行される特別図柄抽選の回数を異ならせるのでは無く、天井特典が付与されている期間中に実行される特別図柄抽選の結果を異ならせることができる。また、他の天井特典として、電動役物1640が開放する期間の長さを、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異ならせるように構成しても良い。この場合、例えば、時短状態中における普通図柄抽選の当たり確率を天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異ならせて設定したり、時短状態中における普通図柄変動の変動時間を天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異ならせて設定したり、時短状態中における普図当たり遊技にて、電動役物1640が開放状態となる期間の長さを天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異ならせて設定したりすると良い。このように構成することで、天井特典の内容によって、天井特典中に払い出される賞球数の数を異ならせることができる。さらに、この場合、天井特典として付与される特典の一部において、天井特典中に発射した遊技球の個数よりも、天井特典中に払い出された賞球の個数の方が多くなる時短状態を設定可能に構成しても良い。
また、天井特典中に発射した遊技球の個数よりも、天井特典中に払い出された賞球の個数の方が多くなる時短状態を天井特典として付与可能に構成した場合には、その遊技球の増加割合を、天井特典が付与されるまでのハマリ回数に応じて決定すれば良く、天井特典が付与されるまでのハマり回数が多い程、天井特典が付与されるまでに多くの遊技球を使用しているため、天井特典中に、天井特典が付与されるまでに使用した遊技球の3割程度が持ち玉として増加し得るように構成すると良い。このように構成することで、天井特典を目指した遊技を遊技者に行わせ易くすることができる。また、天井特典を設けていることから、同一の遊技状態でもハマり回数が多くなるほど有利度合いが高くなるため、示唆弱の天井到達示唆演出、および示唆強の天井到達示唆演出は、それぞれ特定の遊技状態において実行される第1演出と、その第1演出よりも高い有利度合いを示唆可能な第2演出と、の別形態である。さらに、上述した第5制御例、及び、第5制御例の第1変形例では、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異なる天井特典として、主制御装置110の制御処理内容を異ならせる特典(異なる時短回数を設定する特典)を付与可能に構成しているが、これに限ること無く、音声ランプ制御装置113の制御処理範囲において付与可能な特典を天井特典として設けても良く、例えば、特別図柄抽選の結果を示すために実行される変動演出として、天井特典が付与されている場合の方が、付与されていない場合よりも実行され易い出現頻度の低いプレミア演出を実行させ易くするように構成しても良いし、異なる大当たり確率を複数段階に設定可能な設定機能を有しているパチンコ機10においては、設定されている設定値を遊技者に示唆可能な設定示唆演出を、天井特典が付与されている場合の方が、付与されていない場合よりも実行させ易くするように構成しても良い。このように構成した場合であっても、天井特典が付与されているパチンコ機10にて遊技を行おうと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、上述した第5制御例では、天井特典が付与されるまでの間、通常状態と、第1時短状態とが頻繁に切り替わるように構成しているため、上述した第5制御例の第1変形例のように、天井特典が付与されるまでの期間において、設定されている遊技状態を遊技者に示唆(報知)可能な演出(遊技状態示唆演出)を実行しないように構成しているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態を遊技者に示唆(報知)可能な演出(遊技状態示唆演出)を実行するように構成しても良い。この場合、所定期間の間、継続して同一の遊技状態が設定されていることを判別した場合に、その旨を報知可能に構成すると良い。このように構成することで、例えば、天井特典として遊技者に有利な特典が付与される第1時短状態が終了しないように不正な遊技を行っている遊技者を特定し易くすることができる。なお、本第5制御例における第2時短状態で小表示領域Dm9に表示される保留アイコンの個数は、保留球を貯める余地があるか否かを遊技者が認識可能な演出態様の別形態である。
<第6制御例>
次に、図236から図263を参照して、第6制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第4制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成した上で、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選判定を実行可能に構成している。また、上述した第4制御例では、時短状態として有利度合い(時短回数)が異なる複数の時短状態(時短A、時短B)を設ける構成とすることで、遊技者の興趣向上を図っていた。これに対して本第6制御例におけるパチンコ機10では、時短状態として、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選が実行され易い時短状態(第2時短状態A、第3時短状態A)と、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態(第2時短状態B、第3時短状態B)と、を設ける構成とし、大当たりに当選せずに規定回数の特別図柄の抽選が実行された(天井抽選回数に到達した)場合は、まず第3時短状態Bが設定されるように構成する一方で、通常状態において大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の時短状態が高い割合で有利度合いの低い第2時短状態Aに設定されるように構成した。このように構成することで、大当たりに当選するよりも、天井抽選回数に到達することをより強く期待して遊技を行わせることができる。また、本第6制御例では、時短状態中に時短図柄に当選した場合に、当選した時短図柄に対応する時短回数が上乗せされるように構成している。そして、第2特別図柄の抽選では、第1特別図柄の抽選よりも高確率(例えば、90%の割合)で時短図柄に当選するように構成している。また、第2時短状態Bまたは第3時短状態Bに移行した場合、特定回数(例えば、10回)の特別図柄の抽選が実行されることで第2時短状態Aまたは第3時短状態Aに移行する構成としている。つまり、第2時短状態Bまたは第3時短状態Bの間は、第2特別図柄の抽選が実行される毎に高確率で時短図柄に当選して時短回数が上乗せされていくため、特定回数の特別図柄の抽選が経過した後に移行する第2時短状態Aまたは第3時短状態Aの継続回数を可変させることができるという斬新な遊技性を実現している。
この第6制御例におけるパチンコ機10が、上述した第4制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、パチンコ機10の遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第4制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第4制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。まず、図236を参照して、本第6制御例におけるパチンコ機10の盤面構成について説明する。図236は、本第6制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。図236に示した通り、本第6制御例における遊技盤13では、第4制御例における遊技盤13(図171参照)に対して、第1入球口64の直下に小当たり用可変入賞装置2650が設けられている点で相違している。この小当たり用可変入賞装置2650の上方は第1入球口64および釘によって塞がれており、遊技球が入球困難に配置されている。この小当たり用可変入賞装置2650は、第1特別図柄の抽選が小当たりとなった場合に開放される可変入賞装置である。つまり、第1特別図柄の抽選結果が小当たりになったとしても、遊技球を小当たり用可変入賞装置2650へと入球させることが困難となるため、本第6制御例における第1特別図柄の小当たりは、ほぼ、一般的な遊技機における外れと同様の価値となる。本第6制御例において第1特別図柄の小当たりを設けている意義は、第2特別図柄のロング変動を強制的に外れで停止させる機能にある。
ここで、本第6制御例では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並列して実行可能に構成した上で、両方の特別図柄が変動中に一方の特別図柄が大当たり若しくは小当たりとなった場合に、実行中の他方の特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制的に停止表示させる仕様を採用している。そして、第1特別図柄の抽選では高確率(49/50)で小当たりに当選する構成としている。このように構成することで、通常状態において右打ちを行って第2特別図柄の抽選が実行され、600秒間のロング変動が設定されたとしても、第1特別図柄の抽選を実行することにより、600秒間を待つこと無く、第2特別図柄のロング変動を外れ図柄で強制停止させることができる。よって、第2特別図柄の抽選が延々と実行され続けてしまう不具合を抑制することができる。また、本第6制御例における遊技盤13は、第4制御例における遊技盤13に対して、可変入賞装置1065が削除され、V入賞装置1650に可変入賞装置1065の役割(大当たりの各ラウンドで所定期間開放される大入賞口としての役割)も兼ねさせている点でも相違している。これにより、遊技盤13の盤面構成をシンプルにすることができる。更に、本第6制御例における遊技盤13は、上述した第4制御例における右側第2入球口1640と右側第2入球口1640を開閉する電動役物1640aとに代えて、右側第1入球口64rと右側第1入球口64rを開閉する電動役物64raと、が設けられている点でも相違する。この右側第1入球口64rは、第1入球口64と同様に、第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口の一種として構成される。また、電動役物64raは、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に、遊技状態に応じた開放パターンで開閉制御される。
次に、図237、および図238を参照して、本第6制御例における特徴的な演出態様について説明する。ここで、上述した通り、本第6制御例では、主として有利度合いが低い(ほぼ時短図柄に当選しない)第1特別図柄の抽選が実行される時短状態A(第2時短状態A、第3時短状態A)と、主として有利度合いが高い(高確率で時短図柄に当選する上に、小当たりに当選した場合に実質的に大当たりも確定する)第2特別図柄の抽選が実行される時短状態B(第2時短状態B、第3時短状態B)と、の2種類の時短状態が設けられている。そして、本第6制御例では、時短状態において時短図柄に当選した場合に、当該当選した時短図柄に対応する時短回数を上乗せする制御を採用すると共に、時短状態Bにおいて特定回数(例えば、11回)の特別図柄の抽選が実行されることで時短状態Aに移行する構成としている。つまり、時短図柄に当選し易い時短状態Bにおいて時短図柄当選によって多くの時短回数が上乗せされるほど、その後(特定回数経過後)に移行する時短状態Aの時短回数が多くなるという極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現する構成としている。つまり、時短状態Bは、実質的な大当たりの当選確率が高い(小当たりに当選した場合も実質的に大当たりが確定する)第2特別図柄の抽選が主として実行される極めて有利度合いが高い状態であることに加え、その後に移行する時短状態Aの継続回数を決定するための状態でもある。この時短状態Bにおける演出態様について、図237、および図238を参照して説明する。図237(a)は、天井抽選回数(本第6制御例では150回)に渡って大当たりとは異なる抽選結果(即ち、小当たり含む外れ)となり、第3時短状態へと移行した後において第3図柄表示装置81で実行される演出態様の一例を示した図である。上述した通り、第3時短状態に移行すると、まず、主として第2特別図柄の抽選が実行される第3時短状態Bが設定され、第3時短状態Bにおいて特定回数の特別図柄の変動表示が実行されることで第3時短状態Aに移行する。図237(a)は、第3時短状態Bの間の表示態様を示した図である。
図237(a)に示した通り、第3時短状態Bにおいては、主表示領域Dmの上方に「~上乗せRUSH~」という文字が表示されると共に、第2特別図柄の抽選が実行される毎に、ウサギを模したキャラクタ801が天使を模したキャラクタ809から宝箱810の中に入っている特典を付与される演出が実行される。図237(a)では、宝箱810の中から時短回数5回が上乗せされた(時短回数が5回の時短図柄に当選した)ことを示す、「5」という数字が付された図柄を含む中身810aがキャラクタ801に付与された場合を例示している。また、図237(a)に示した通り、主表示領域Dmにおける左上には、「右打ち」という文字が付された小表示領域Dm4と、その小表示領域Dm4の下方に、「ラスト8回」という文字が付された小表示領域Dm7と、その小表示領域Dm7の下方に、「ストック50+10回」という文字が付された小表示領域Dm13と、が形成される。小表示領域Dm7は、時短状態Bが終了される(時短状態Aに移行する)までの残りの第2特別図柄の抽選回数を示す表示内容が表示され、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選が実行される毎に値が1ずつ減算表示される。また、小表示領域Dm13は、時短状態Aに移行後の時短回数を示す表示内容が表示され、左側には時短状態Bに移行した時点で確定している時短回数が、右側には時短状態Bにおいて時短図柄当選により獲得(上乗せ)した時短回数が、それぞれ表示される。つまり、図237(a)の例では、天井抽選回数に到達した(第3時短状態Bに移行した)時点で、50回の時短状態Aが保証されており、更に、第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選することにより10回分の時短回数の獲得(上乗せ)に成功したという状況を例示している。なお、本第6制御例では、天井抽選回数到達に係る第3時短状態の時短回数は一律61回に設定される。このうち11回が第3時短状態Bに設定され、50回が第3時短状態Aに設定される。
また、副表示領域Dsには、「チャンスタイム回数を増やせ!」という文字が表示される。これらの表示内容により、第2特別図柄の抽選が実行される毎にチャンスタイム(時短状態A)の時短回数が上乗せ(ストック)されていくということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、本第6制御例では、時短状態において、右打ちにより第1入球口64rにも第2入球口1641にも頻繁に遊技球が入球するように構成されている。このため、第3時短状態Bに移行した後で右打ちを行うと、第2特別図柄の抽選だけでなく、第1特別図柄の抽選もほぼ確実に実行される。ここで、本第6制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることが可能な同時変動仕様を採用しており、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄の変動表示を開始させることおよび第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の変動表示を開始させることの両方が許容されている。また、時短状態Bにおいては、第1特別図柄に対して比較的長い変動時間(例えば、120秒)が設定されるように構成している。このため、第1特別図柄の変動表示が1回実行されている間に、第2特別図柄による抽選遊技を時短状態Aへと移行するまでの残り回数分実行させることができる。時短状態Bの継続回数を11回という中途半端な回数にしているのは、第1特別図柄の抽選1回分と、第2特別図柄の抽選10回分とを合算していることによる。これにより、時短状態Aへと移行するまでの間の第2特別図柄の抽選回数を、きりの良い回数である10回に設定することができる。
図237(b)は、本第6制御例における第3時短状態Bで、11回目の変動表示が終了した後における演出態様を示した図である。第3時短状態Bにおいて11回目の変動表示が終了すると、その後に移行する第3時短状態Aの時短回数を報知する演出が実行される。具体的には、図237(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける中央部分に、時短回数を示す文字が表示される。図237(b)の例では、「TOTAL110回」という文字が表示された場合を例示しており、時短状態Bの開始時から確定していた50回の時短回数に加え、時短状態Bの間に60回の時短回数を上乗せした状況が例示されている。また、副表示領域Dsに対して、「チャンスタイム突入」という文字が表示される。これらの表示内容により、第3時短状態Aの時短回数を遊技者に対して容易に理解させることができる。次に、図238を参照して、時短状態B(上乗せRUSH)の間に大当たりまたは小当たりに当選した場合の演出態様について説明する。本第6制御例では、時短状態Bの間に大当たりに当選するか、小当たり当選後にV入賞が発生して大当たりに当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態に設定される。この第2時短状態では、天井抽選回数到達に基づく第3時短状態と同様に、まず、11回の時短状態Bが設定された後で、時短状態Aへと移行する。よって、遊技者の視点で見ると、時短状態B(上乗せRUSH)の間に大当たりに当選すると、大当たり後に時短状態B(上乗せRUSH)が再度開始されるかのような動きとなる。更に、第2特別図柄の大当たり後における時短回数は86回が設定されるように構成されているため、時短状態Bで消化する11回を除くと、時短状態Bの後で移行する時短状態Aの時短回数として75回が保証されている状態で時短状態Bが最初から再開される。よって、天井抽選回数到達に伴う第3時短状態よりも多い時短回数が設定されるため、時短状態Bの間に大当たりになることを期待させることができる。
図238に示した通り、時短状態Bの間に大当たりまたは小当たりに当選すると、宝箱810から「RUSH」という文字が付された図柄を含む中身810aが出現して、キャラクタ801に付与される演出が実行される。また、小表示領域Dm13に表示される時短回数を示す表示が「ストック75回」という表示内容に変更される。更に、副表示領域Dsに対して、「上乗せRUSH再セット確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、75回の時短回数を獲得した上で、上乗せRUSHを最初からやり直すことができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。次に、図239を参照して、本第6制御例における遊技状態間の移行方法について説明する。図239に示した通り、本第6制御例では、遊技状態として通常状態、第2時短状態A、第2時短状態B、第3時短状態A、および第3時短状態Bの5種類の遊技状態が設けられている。通常状態は、普通図柄の低確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動しない遊技状態で構成されている。つまり、左打ちにより有利度合いが低い第1特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行させる必要がある遊技者にとって不利な遊技状態で構成されている。
また、第2時短状態Aは、普通図柄の高確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されるため、右打ちにより右側第1入球口64rにも第2入球口1641にも遊技球が頻繁に入球するが、第2特別図柄の変動時間として極めて長い変動時間(例えば、600秒)が設定されるため、右側第1入球口64rへの入球に基づく第1特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態で構成される。また、第2時短状態Bは、第2時短状態Aと同様に普通図柄の高確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されるが、第2時短状態Aとは異なり、第1特別図柄の変動時間が長くなると共に第2特別図柄の変動時間が大幅に短くなるため、第2入球口1641への入球に基づく第2特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態で構成される。ここで、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が有利度合いが高いため、第2時短状態Aよりも、第2時短状態Bの方が有利度合いが高い遊技状態となる。また、第3時短状態Aは、特別図柄の低確率状態、および普通図柄の低確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されている。また、第2時短状態Aと同様に、右打ちにより右側第1入球口64rにも第2入球口1641にも遊技球が頻繁に入球するが、第2特別図柄の変動時間として極めて長い変動時間(例えば、600秒)が設定されるため、右側第1入球口64rへの入球に基づく第1特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態で構成される。つまり、第2時短状態Aに対して、普通図柄の当たり確率が低い分、有利度合いが低くなるが、通常状態よりは有利度合いが高い遊技状態で構成される。ここで、本第6制御例では、普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が1個しか異ならないように構成している。このため、有利度合いの差(第2時短状態Aに対して第3時短状態Aの有利度合いが低いこと)を遊技者が体感困難にすることができる。よって、第3時短状態Aに移行した場合に、第2時短状態Aに移行した場合と同等の価値を得たかのように遊技者に思わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、第3時短状態Bは、第3時短状態Aと同様に普通図柄の低確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されるが、第3時短状態Aとは異なり、第1特別図柄の変動時間が長くなると共に第2特別図柄の変動時間が大幅に短くなるため、第2入球口1641への入球に基づく第2特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態で構成される。よって、第3時短状態Bは、第3時短状態Aよりも有利度合いが高い遊技状態となる。まず、図239の上部を参照して、通常状態から他の遊技状態への移行方法について説明する。図239の上部に示した通り、通常状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合、および大当たりに当選することなく天井抽選回数に到達した場合に移行する可能性がある。具体的には、図239の上部に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に90%の割合で決定される大当たりA17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Aに設定される。また、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に10%の割合で決定される大当たりB17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Aよりも有利度合いが高い第2時短状態Bに設定される。更に、通常状態において大当たりに当選することなく天井抽選回数(150回)に到達した場合は、第3時短状態Bに設定される。第2時短状態Bと第3時短状態Bとは有利度合いがほぼ同等であり、第2時短状態Aは第2時短状態Bや第3時短状態Bよりも有利度合いが明確に低い遊技状態で構成されるため、通常状態においては、有利度合いが低い第2時短状態Aに移行する可能性が高い大当たり当選よりも、大当たりに当選せずに天井抽選回数に到達することをより強く期待して遊技を行わせることができる。つまり、大当たりに当選しないことをより強く期待しながら遊技を行う斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図239の中段左側を参照して、第2時短状態Aから他の遊技状態への移行方法について説明する。図239の中段左側に示した通り、第2時短状態Aから他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合、大当たりに当選することなく時短回数が経過した場合、および大当たりに当選することなく天井抽選回数に到達した場合に移行する可能性がある。具体的には、図239に示した通り、第2時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に10%の割合で決定される大当たりB17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Bに設定される。また、第2時短状態Aにおいて時短回数が経過した場合は、遊技者に不利な通常状態に設定される。更に、第2時短状態Aにおいて大当たりに当選することなく天井抽選回数(150回)に到達した場合は、第2時短状態Bに設定される。なお、時短状態Aのまま天井抽選回数に到達するためには、一旦第2時短状態Bへと移行し、当該第2時短状態Bにおいて天井抽選回数を超える抽選回数分の時短回数を上乗せした状態で時短状態Aへと移行し、更に、大当たりに当選することなく天井抽選回数に到達する必要がある。第2時短状態Bへと移行する場合に大当たり終了時に付与される時短回数は61回又は86回であるため、天井抽選回数を超える時短回数を上乗せするためには、第2時短状態Bの間に最低でも64回以上の上乗せを発生させる必要がある。しかしながら、1の第2特別図柄の抽選で上乗せされる時短回数は80%が5回であり、10回以上の時短回数が上乗せされる割合は20%しかないため、そもそも天井抽選回数を超える時短回数を上乗せすることが困難となる。更に、大当たりに当選せずに天井抽選回数まで到達するという事象もそもそも比較的起り難い事象であるため、第2時短状態Aを維持したまま天井抽選回数(大当たり終了後150回)に到達するケースは極めて希であるといえる。
これらに対し、第2時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に90%の割合で決定される大当たりA17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が再度、第2時短状態Aに設定される(第2時短状態Aをループする)。よって、第2時短状態Aにおいては、基本的に大当たりに当選すること、および大当たりに当選した場合に低い割合(10%の割合)で決定される大当たりB17が決定されることを期待して遊技を行う遊技性となる。
次に、図239の下段左側を参照して、第2時短状態Bから他の遊技状態への移行方法について説明する。図239の下段左側に示した通り、第2時短状態Bから他の遊技状態へは、大当たりにも小当たりにも当選することなく特定回数(6回又は11回)の特別図柄の抽選が実行された場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図239の下段左側に示した通り、第2時短状態Bにおいて特定回数(6回又は11回)の特別図柄の抽選が終了すると、第2時短状態Bよりも有利度合いが低い第2時短状態Aへと移行する。これに対し、第2時短状態Bにおいて特定回数の特別図柄の抽選が実行されるよりも前に第2特別図柄の抽選で大当たりに当選するか、または実質的に大当たりが確定する小当たりとなって大当たりに当選すると、大当たり終了後の遊技状態が再度、第2時短状態Bに設定される(最も有利な第2時短状態Bをループする)。よって、第2時短状態Bにおいては、特定回数の特別図柄の抽選が終了するまでに大当たりまたは小当たりに当選することを期待して遊技を行う遊技性となる。なお、第2特別図柄の抽選で大当たりと小当たりとのどちらかとなる確率は1/10であり、特定回数の特別図柄の抽選が終了するまでにおける第2特別図柄の抽選回数は基本的に5回又は10回となるので、第2時短状態Bをループする可能性は、第2特別図柄の抽選回数が5回の場合におよそ41%、第2特別図柄の抽選回数が10回の場合におよそ65%となる。なお、上述した通り、第2時短状態Bの間に大当たりにも小当たりにも当選しなかったとしても、第2時短状態Bにおいては第2特別図柄の抽選毎に高確率で時短回数を5回以上獲得(上乗せ)することができるので、特定回数の特別図柄の抽選が終了した後で設定される第2時短状態Aの有利度合い(継続回数)を、通常(大当たりA17に当選したことに基づいて設定された第2時短状態A)よりも高くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図239の中段右側を参照して、第3時短状態Bから他の遊技状態への移行方法について説明する。図239の中段右側に示した通り、第3遊技状態Bから他の遊技状態へは、大当たりまたは小当たりに当選した場合、および大当たりにも小当たりにも当選することなく特定回数(11回)の特別図柄の抽選が実行された場合に移行する可能性がある。具体的には、図239の中段右側に示した通り、第3時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選するか、または実質的に大当たりが確定する小当たりとなって大当たりに当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Bに設定される。また、第3時短状態Bにおいて特定回数(11回)の特別図柄の抽選が終了すると、第3時短状態Bよりも有利度合いが低い第3時短状態Aへと移行する。よって、第3時短状態Bにおいては、特定回数(11回)以内の特別図柄の抽選で大当たり又は小当たりのどちらかに当選することを強く期待して遊技を行わせることができる。なお、上述した第2時短状態Bと同様に、第3時短状態Bにおいては第2特別図柄の抽選毎に高確率で時短回数を5回以上獲得(上乗せ)することができるので、特定回数の特別図柄の抽選が終了した後で設定される第3時短状態Aの有利度合い(継続回数)を向上させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、第3時短状態Bにおいて変動パターンテーブルを切り替えることにより第2特別図柄の変動時間を異ならせて(第2特別図柄の遊技効率を異ならせて)第3時短状態Aに設定する制御は、特定の遊技状態において特定条件が成立した場合に、特定の遊技状態を異なる有利度合いに設定する設定手段の別形態である。
次に、図239の下段右側を参照して、第3時短状態Aから他の遊技状態への移行方法について説明する。図239の下段右側に示した通り、第3時短状態Aから他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合、大当たりに当選することなく時短回数が経過した場合、および大当たりに当選することなく天井抽選回数に到達した場合に移行する可能性がある。具体的には、図239に示した通り、第3時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に90%の割合で決定される大当たりA17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Aに設定される。また、第3時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に10%の割合で決定される大当たりB17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Bに設定される。また、第3時短状態Aにおいて時短回数が経過した場合は、遊技者に不利な通常状態に設定される。更に、第3時短状態Aにおいて大当たりに当選することなく天井抽選回数(150回)に到達した場合は、第3時短状態Bに設定される。なお、第2時短状態Aと同様に、第3時短状態Aにおいて天井抽選回数に到達するのは極めて希なケース(第3時短状態Bにおいて65回以上の時短回数の上乗せを発生させた上で、天井抽選回数までハマらなければ起き得ない事象)である。このため、第3時短状態Aにおいては、第2時短状態Aと同様に、基本的に大当たりに当選すること、および大当たりに当選した場合に低い割合(10%の割合)で決定される大当たりB17が決定されることを期待して遊技を行う遊技性となる。このように、本第6制御例では、5種類の遊技状態を互いに行き来する遊技性となる上に、同じ時短状態であっても、時短状態A(第2時短状態A、第3時短状態A)と時短状態B(第2時短状態B、第3時短状態B)とで大幅に有利度合いおよび遊技性を異ならせる構成としているので、遊技にメリハリをつけることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第6制御例における電気的構成>
次に、図240を参照して、本第6制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図240は、本第6制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図240に示した通り、本第6制御例におけるROM202は、上述した第4制御例におけるROM202の構成(図172参照)に対して、大当たり種別選択テーブル202kbに代えて大当たり種別選択テーブル202qbが設けられている点、第2当たり乱数テーブル202kcに代えて第2当たり乱数テーブル202qcが設けられている点、変動パターンテーブル202kdに代えて変動パターンテーブル202qdが設けられている点、小当たり乱数テーブル202keに代えて小当たり乱数テーブル202qeが設けられている点、小当たり種別選択テーブル202kfに代えて小当たり種別選択テーブル202qfが設けられている点、時短当たり乱数テーブル202khに代えて時短当たり乱数テーブル202qhが設けられている点、時短当たり種別選択テーブル202qiが追加されている点、および変動パターンシナリオテーブル202qjが追加されている点である。その他の構成については上述した第4制御例におけるROM202と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。まず、図242(a)を参照して、本第6制御例における大当たり種別選択テーブル202qbの詳細について説明する。図242(a)は、本第6制御例における大当たり種別選択テーブル202qbの構成を示したブロック図である。図242(a)に示した通り、本第6制御例における大当たり種別選択テーブル202qbは、第1特別図柄の大当たり種別を選択するために参照される特図1大当たり用テーブル202qb1と、第2特別図柄の大当たり種別を選択するために参照される特図2大当たり用テーブル202qb2と、で少なくとも構成されている。
図242(b)は、特図1大当たり用テーブル202qb1の規定内容を示した図である。図242(b)に示した通り、本第6制御例における特図1大当たり用テーブル202qb1には、第1特別図柄の大当たり種別として、「大当たりA17」と、「大当たりB17」と、の2種類が規定されている。即ち、特図1大当たり用テーブル202qb1において、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~89」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB17」が対応付けて規定されている。「大当たりA17」は、大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短回数51回の第2時短状態A(主として第1特別図柄の抽選が実行される時短状態)に設定される種別の大当たりである。また、「大当たりB17」は、大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短回数56回の第2時短状態B(主として第2特別図柄の抽選が実行される時短状態)に設定される種別の大当たりである。なお、第2時短状態Bにおいて11回の特別図柄の抽選が実行されると、第2時短状態Aへと移行し、以降は基本的に、時短回数が経過(終了)するか大当たりに当選するまでの間、第2時短状態Aが維持される。上述した通り、第2時短状態Aよりも第2時短状態Bの方が遊技者にとって有利度合いが高いため、「大当たりB17」の方が「大当たりA17」よりも有利度合いが高い大当たり種別となる。なお、「大当たりA17」には第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち90個の乱数値が対応付けられている一方で、「大当たりB17」には10個の乱数値(カウンタ値)が対応付けられているので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、90%の割合で「大当たりA17」となり、10%の割合で「大当たりB17」となる。
次に、図242(c)を参照して、上述した特図2大当たり用テーブル202qb2の詳細について説明する。図242(c)は、この特図2大当たり用テーブル202qb2の規定内容を示した図である。図242(c)に示した通り、本第6制御例における特図2大当たり用テーブル202qb2には、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりC17」と、「大当たりD17」と、「大当たりE17」と、の3種類が規定されている。即ち、特図2大当たり用テーブル202qb2において、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~84」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「85~89」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE17」が対応付けて規定されている。図242(c)に示した通り、「大当たりC17」と、「大当たりD17」と、「大当たりE17」とは、それぞれ大当たりのラウンド数が15ラウンド、8ラウンド、4ラウンドと異なっているが、大当たり終了後の遊技状態としては時短回数86回の第2時短状態Bが共通して設定される。よって、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、100%の割合で有利度合いが高い第2時短状態Bが設定されるので、第2特別図柄の抽選の方が第2特別図柄の抽選よりも有利度合いが高くなる。なお、「大当たりC17」には第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち85個の乱数値が対応付けられ、「大当たりD17」には5個の乱数値(カウンタ値)が対応付けられ、「大当たりE17」には10個の乱数値(カウンタ値)が対応付けられているので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、85%の割合で「大当たりC17」となり、5%の割合で「大当たりD17」となり、10%の割合で「大当たりE17」となる。
このように、本第6制御例では、第1特別図柄の抽選で大当たりになったとしても、有利な第2時短状態Bへと10%の割合でしか移行しないのに対し、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、必ず有利な第2時短状態Bが設定されるように構成されているので、第2特別図柄の抽選が実行された場合により強く大当たりに当選することを期待させることができる。よって、遊技にメリハリをつけることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。次に、図243(a)を参照して、本第6制御例における第2当たり乱数テーブル202qcの詳細について説明する。この第2当たり乱数テーブル202qcは、上述した第4制御例における第2当たり乱数テーブル202kcと同様に、普通図柄の抽選を行う際に参照され、普通図柄の当たりとなる乱数値(第2当たり乱数カウンタC2のカウンタ値)が規定されたデータテーブルである。より具体的には、図243(a)に示した通り、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~298」の299個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている一方で、普通図柄の高確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~299」の300個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4は「0~299」の範囲の値を取り得るので、普通図柄の低確率状態で普通図柄の当たりとなる確率は299/300であり、普通図柄の高確率状態で普通図柄の当たりとなる確率は1(300/300)である。つまり、本第6制御例では、普通図柄の低確率状態であっても、ほぼ毎回の普通図柄の抽選で当たりと判定されるように構成されている。これは、第2時短状態と第3時短状態との有利度合いの差をほぼ無くす目的である。このように構成することで、天井抽選回数に到達して第3時短状態に移行した場合における有利度合いを第2時短状態とほぼ同等にすることができるので、天井抽選回数に到達することをより強く期待して遊技を行わせることができる。
なお、通常状態においても右打ちによりスルーゲート67を通過させて普通図柄の抽選を実行させることにより高確率で普通図柄の当たりとなるが、通常状態では普通図柄の変動短縮機能が作動しない上に、電動役物64raの開放期間も短くなる(例えば、0.1秒間になる)ため、右打ちを行い続けたとしても右側第1入球口64rへと遊技球を入球させることはほとんどできない。つまり、左打ちにより第1入球口64を狙って遊技球を発射し続けるよりも遊技効率が悪くなるので、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。次に、図243(b)を参照して、本第6制御例における変動パターンテーブル202qdの詳細について説明する。この変動パターンテーブル202qdは、上述した第4制御例における変動パターンテーブル202kdと同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図243(b)は、本第6制御例における変動パターンテーブル202qdの構成を示したブロック図である。
図243(b)に示した通り、本第6制御例における変動パターンテーブル202qdは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される通常用テーブル202qd1と、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態A(第2時短状態A、第3時短状態A)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される特1時短用テーブル202qd2と、第2特別図柄の抽選が主として実行される時短状態B(第2時短状態B、第3時短状態B)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される特2時短用テーブル202qd3と、で少なくとも構成されている。ここで、通常用テーブル202qd1に関しては、上述した第4制御例における通常状態用変動パターンテーブル202kd1(図179参照)と同等の規定内容となるため、ここではその詳細な説明については省略する。なお、本第6制御例では、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選する可能性が無い点、特別図柄の抽選で高確率で小当たりを伴う外れとなる点で第4制御例と相違している。このため、本第6制御例の通常用テーブル202qd1の第1特別図柄の小当たりに係る規定内容は、第4制御例の通常状態用変動パターンテーブル202kd1における第1特別図柄の外れに係る規定内容と同一になる。次に、図243(c)を参照して、上述した変動パターンテーブル202qdを構成する特1時短用テーブル202qd2の詳細について説明する。図243(c)は、この特1時短用テーブル202qd2の規定内容を示した図である。図243(c)に示した通り、第1特別図柄の抽選結果が外れ(小当たり)に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲(0~198)に対して、変動パターンとして変動時間が3秒間の短外れが対応付けて規定されている。また、第1特別図柄の抽選結果が大当たりに対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒間の短当たりが対応付けて規定されている。
これに対して、図243(c)に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が時短当選に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲(0~198)に対して、変動パターンとして変動時間が600秒間のロング外れが対応付けて規定されている。また、第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりに対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が600秒間のロング当たりが対応付けて規定されている。このため、特1時短用テーブル202qd1が参照される第2時短状態Aおよび第3時短状態Aでは、右打ちにより第1特別図柄の抽選が実行される毎に、5秒以下の短い変動時間が設定される一方で、第2特別図柄の抽選が実行されると抽選結果によらず極めて長い600秒間の変動時間が設定されるため、第1特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態を形成することができる。なお、上述した通り、本第6制御例では、時短状態において右打ちを行うと、右側第1入球口64rと第2入球口1641との両方に頻繁に遊技球が入球し、且つ、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並列して実行可能に構成されているので、時短状態Aでは第2特別図柄がロング変動している間に第1特別図柄の抽選を複数回実行することができる。つまり、主として第1特別図柄の抽選により遊技を進行する遊技状態として構成されている。
なお、特2時短用テーブル202qd3に関しては、上述した第4制御例の時短状態用変動パターンテーブル202kd2(図180参照)に対して、第1特別図柄の変動時間が抽選結果によらず120秒間となっている点で相違するのみであるため、ここではその詳細な説明については省略する。この特2時短用テーブル202qd3が参照される遊技状態(第2時短状態B、第3時短状態B)では、第1特別図柄のロング変動(120秒)が行われている間に第2特別図柄の5秒以下の変動を連続して実行させることができるため、主として第2特別図柄の抽選により遊技を進行する遊技状態を形成する。なお、第1特別図柄の変動時間を第4制御例における600秒間から120秒間に変更しているのは、時短状態Bにおいて当たりとならずに時短状態Aへと移行した場合に、第1特別図柄の抽選が長い時間残ってしまい、第1特別図柄の抽選を実行することができない期間が長く継続してしまうことを回避する趣旨である。一方で、第1特別図柄の抽選時間を短くしすぎると、第2時短状態Bや第3時短状態Bにおいて第1特別図柄の抽選が複数回実行されてしまい、第2特別図柄の抽選回数が減ってしまう可能性があるため、ある程度長い120秒という期間を設定している。次に、図244(a)を参照して、小当たり乱数テーブル202qeの詳細について説明する。この小当たり乱数テーブル202qeは、上述した第4制御例における小当たり乱数テーブル202ke(図174(d)参照)と同様に、特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)が規定されているデータテーブルである。図244(a)は、本第6制御例における小当たり乱数テーブル202qeの規定内容を示した図である。図244(a)に示した通り、本第6制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、対応付けられている乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)を異ならせている。つまり、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とで、小当たりに当選する確率を異ならせている。
より具体的には、図244(a)に示した通り、第1特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「18~899」が規定されている一方で、第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「18~89」が規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~899」の900個の乱数値(カウンタ値)のうち、第1特別図柄の抽選および第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)はそれぞれ882個、および72個であるので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなる確率は49/50(882/900)であり、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる確率は2/25(72/900)である。特別図柄の抽選で大当たりとなる確率が1/50であることを加味すると、第1特別図柄の抽選では、大当たり若しくは小当たりのどちらかに当選する。また、第2特別図柄の抽選では、1/10(2/25+1/10)の確率で大当たり若しくは小当たりに当選する。ここで、詳細については後述するが、第1特別図柄の小当たりは、大当たりに当選し得ない(V入賞が発生し得ない)不利な小当たり種別のみが選択されるため、他の制御例における外れと実質的に同一である。一方で、第2特別図柄の小当たりは、小当たり遊技中に右打ちを行うことでほぼ確実にV入賞が発生して大当たりに当選する有利な小当たり種別のみが選択される。よって、第1特別図柄の大当たり確率は、小当たりの影響を受けないため、1/50となるに対し、第2特別図柄の大当たり確率は、実質的に大当たりと小当たりとの合算の確率となるため、1/10となる。よって、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利となる。
次に、図244(b)を参照して、本第6制御例における小当たり種別選択テーブル202qfの詳細について説明する。この小当たり種別選択テーブル202qfは、上述した第4制御例における小当たり種別選択テーブル202kfと同様に、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、小当たりの種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図244(b)は、この小当たり種別選択テーブル202qfの規定内容を示した図である。図244(b)に示した通り、本第6制御例における小当たり種別選択テーブル202qfには、第1特別図柄の小当たり種別として、「小当たりA17」の一種類のみが規定されている一方で、第2特別図柄の小当たり種別として、「小当たりB17」~「小当たりD17」の3種類が規定されている。「小当たりA17」は、小当たり用入賞装置2650が開閉される小当たりである。つまり、大当たりの当選契機となる特定領域1650aが設けられているV入賞装置1650が開放されない小当たりであるため、大当たりに当選する(V入賞が発生する)可能性がない小当たり種別である。また、「小当たりB17」~「小当たりD17」は、いずれもV入賞装置1650が開放される種別の小当たりであり、右打ちにより特定領域1650aへと容易に遊技球を入球させることができるため、実質的に大当たり当選が確定する小当たり種別である。また、「大当たりB17」は、V入賞が発生した場合に大当たりC17(15ラウンド特図2時短大当たり)が実行され、「大当たりC17」は、V入賞が発生した場合に大当たりD17(8ラウンド特図2時短大当たり)が実行され、「大当たりD17」は、V入賞が発生した場合に大当たりE17(4ラウンド特図2時短大当たり)が実行される。このため、第2特別図柄の小当たりの中では、「小当たりB17」が最も有利度合いが高く、「小当たりD17」が最も有利度合いが低くなる。
図244(b)に示した通り、「小当たりA17」には、小当たり種別カウンタC5の取り得る全範囲(0~99)の値が対応付けられている。よって、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、必ずV入賞が発生し得ない「小当たりA17」が決定される。よって、第1特別図柄の小当たりは、実質的に他の制御例における外れと同等の抽選結果となる。また、図244(b)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容として、小当たり種別カウンタC5の値が「0~49」の範囲に対して、「小当たりB17」が対応付けて規定され、小当たり種別カウンタC5の値が「50~69」の範囲に対して、「小当たりC17」が対応付けて規定され、小当たり種別カウンタC5の値が「70~99」の範囲に対して、「小当たりD17」が対応付けて規定されている。このため、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりB17」が決定される割合は50%であり、「小当たりC17」が決定される割合は20%であり、「小当たりD17」が決定される割合は30%である。第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、最も有利な「大当たりA17」の振り分けが85%に設定されていた(図242(c)参照)ことを鑑みると、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が、小当たりに当選してV入賞を発生させた場合よりも有利度合いが高くなり易く設定されているといえる。よって、時短状態Bにおいては、確率の高い(2/25の)小当たりよりも、確率の低い(1/50の)大当たりに当選することをより強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図244(c)を参照して、本第6制御例における時短当たり乱数テーブル202qhの詳細について説明する。この時短当たり乱数テーブル202qhは、上述した第4制御例における時短当たり乱数テーブル202khと同様に、特別図柄の抽選で時短図柄当選と判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)が規定されているデータテーブルである。図254(c)は、この時短当たり乱数テーブル202qhの規定内容を示した図である。図244(c)に示した通り、本第6制御例では、第2特別図柄の抽選で時短当選と判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)として、「90~899」の810個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~899」の900個の乱数値(カウンタ値)のうち、時短当選と判定される乱数値(カウンタ値)の個数が810個であるため、第6制御例において第2特別図柄の抽選が実行された場合に時短当選と判定される確率は9/10(810/900)である。一方で、図244(c)に示した通り、第1特別図柄に対しては、時短当選と判定される乱数値(カウンタ値)が対応付けられていないため、第1特別図柄の抽選で時短当選と判定される可能性は0である。このように、本第6制御例では、第2特別図柄の抽選が実行された場合に高確率(9/10の確率)で時短図柄に当選する構成としている。このように構成することで、主として第2特別図柄の抽選が実行される時短状態Bにおいて、限られた抽選回数において、ほぼ毎変動で時短図柄に当選して時短回数を上乗せすることができる。よって、時短状態Aにおける有利度合いを、時短状態Aよりも前に設定される時短状態Bにおける抽選内容に応じて決定することができるという、極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図245(a)を参照して、本第6制御例におけるROM202に追加されている時短当たり種別選択テーブル202qiの詳細について説明する。この時短当たり種別選択テーブル202qiは、時短図柄に当選した場合に、時短図柄の種別を選択するために参照されるデータテーブルである。図245(a)に示した通り、この時短当たり種別選択テーブル202qiには、時短図柄の種別(時短当たり種別)と、第1当たり種別カウンタC2の値と、が対応付けて規定されている。具体的には、図245(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値「0」に対して、時短当たり種別として時短回数が50回の「時短図柄A」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「1~19」の範囲に対して、時短当たり種別として時短回数が10回の「時短図柄B」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「20~99」の範囲に対して、時短当たり種別として時短回数が5回の「時短図柄C」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の乱数値(カウンタ値)のうち、「時短図柄A」、「時短図柄B」、および「時短図柄C」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)はそれぞれ1個、19個、および80個であるので、第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に「時短図柄A」が決定される割合は1%であり、「時短図柄B」が決定される割合は19%であり、「時短図柄C」が決定される割合は80%である。よって、第2特別図柄の抽選が実行される時短状態B(第2時短状態B、第3時短状態B)においては、時短図柄に当選した場合に1%の割合で時短回数が50回上乗せされ(時短図柄Aが決定され)、19%の割合で時短回数が10回上乗せされ(時短図柄Bが決定され)、80%の割合で時短回数が5回上乗せされる(時短図柄Cが決定される)。これにより、時短状態B(上乗せRUSHの実行中)に上乗せされる時短回数にバリエーションを設けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図245(b)を参照して、本第6制御例におけるROM202に追加されている変動パターンシナリオテーブル202qjの詳細について説明する。この変動パターンシナリオテーブル202qjは、前回の大当たり種別、現在設定されている遊技状態、および大当たり終了後における特別図柄の抽選回数に応じて、参照される変動パターンテーブルの種別(通常用テーブル202qd1、特1時短用テーブル202qd2、特2時短用テーブル202qd3のいずれか)が規定されているデータテーブルである。特別図柄の抽選が実行されると、この変動パターンシナリオテーブル202qjを用いて、変動パターン(変動時間)を選択するために参照される変動パターンテーブルの種別を決定し、その決定した変動パターンテーブルを参照して変動パターンが選択される。図245(b)は、この変動パターンシナリオテーブル202qjの規定内容を示した図である。図245(b)に示した通り、この変動パターンシナリオテーブル202qjには、前回の大当たり種別、現在設定されている遊技状態、および大当たり終了後における特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)の組み合わせ毎に、参照する変動パターンテーブルの種別が対応付けて規定されている。具体的には、前回の大当たり種別が「大当たりA17」、現在の遊技状態が通常状態という状況において、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が52~150の範囲、および212~300の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定されている。よって、これらの抽選回数の範囲内で特別図柄の抽選が実行された場合は、通常用テーブル202qd1が参照されて変動パターン(変動時間)が選択される。一方、その他の範囲には変動パターンテーブルが対応付けられていない。これは、大当たりA17の終了後1回~51回の範囲は、必ず第2時短状態に設定される(大当たりA17の終了時に時短カウンタ203hの値に51が設定される)し、大当たりA17の終了後151回~211回の範囲は、必ず天井抽選回数到達に基づいて第3時短状態に設定されるので、通常状態で特別図柄の抽選が実行される可能性がないためである。
なお、本第6制御例では、特図抽選カウンタ203qaの値が300に到達した場合(当たりに当選せずに特別図柄の抽選回数が300回に到達した場合)に、特図抽選カウンタ203qaの値を150に更新する構成としている。つまり、天井抽選回数に到達した後で、更に1又は複数回天井抽選回数に到達した場合についても、天井抽選回数に到達する毎に第3時短状態Bを設定することができる。よって、所謂大ハマりが発生したとしても、遊技者にとって過剰に不利となることを抑制することができる。また、変動パターンシナリオテーブル202qjに対して、300回を超える特図抽選回数のシナリオを規定する必要がなくなるため、変動パターンシナリオテーブル202qjのデータ量を低減することができる。よって、ROM202の容量を削減することができる。図245(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりA17」、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が1~51の範囲、および163~300の範囲に対して、特1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が151~162の範囲に対して、特2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、大当たりA17の終了後51回以内の抽選回数、および163回以上では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、大当たりA17の終了後151回~162回の抽選回数では、特2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。
また、図245(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりB17」、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、前回の大当たり種別が「大当たりA17」である場合と同一の変動パターンシナリオが規定されている。つまり、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が52~150の範囲、および212~300の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定されている。よって、これらの抽選回数の範囲内で特別図柄の抽選が実行された場合は、通常用テーブル202qd1が参照されて変動パターン(変動時間)が選択される。これに対し、大当たり種別が「大当たりB17」、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が7~150の範囲、および163~300の範囲に対して、特1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が1~6の範囲、および151~162の範囲に対して、特2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、大当たりB17の終了後7回~150回の抽選回数、および163回以上の抽選回数では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、大当たりB17の終了後1回~6回、および151回~162回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。なお、「大当たりA17」と異なり、抽選回数が52回~150回の範囲でも時短状態が継続する可能性があるのは、大当たり終了直後の第2時短状態Bにおいて上乗せされる時短回数次第で天井抽選回数を超える時短回数を上乗せする可能性があるためである。
また、図245(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりC17」~「大当たりE17」のいずれか、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、前回の大当たり種別が「大当たりA17」や「大当たりB17」である場合と同一の変動パターンシナリオが規定されている。つまり、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が52~150の範囲、および212~300の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定されている。よって、これらの抽選回数の範囲内で特別図柄の抽選が実行された場合は、通常用テーブル202qd1が参照されて変動パターン(変動時間)が選択される。これに対し、大当たり種別が「大当たりC17」~「大当たりE17」のいずれか、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が12~150の範囲、および163~300の範囲に対して、特1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が1~11の範囲、および151~162の範囲に対して、特2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、大当たりC17~大当たりE17の終了後12回~150回の抽選回数、および163回以上の抽選回数では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、大当たりC17~大当たりE17の終了後1回~11回、および151回~162回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。なお、「大当たりB17」と同様に、「大当たりC17」~「大当たりE17」においても、大当たり終了直後の第2時短状態Bが設定されるため、当該第2時短状態Bにおいて上乗せされる時短回数次第で天井抽選回数を超える時短回数を上乗せする可能性がある。
また、図245(b)に示した通り、大当たりに未当選の状況(パチンコ機10を初期化した後、大当たりに1回も当選していない状況)で、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が1~150の範囲、および212~300の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定されている。よって、これらの抽選回数の範囲内で特別図柄の抽選が実行された場合は、通常用テーブル202qd1が参照されて変動パターン(変動時間)が選択される。これに対し、大当たりに未当選で、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が163~300の範囲に対して、特1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が151~162の範囲に対して、特2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、パチンコ機10の初期化後163回以上の抽選回数では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、パチンコ機10の初期化後151回~162回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。このように、本第6制御例では、変動パターンシナリオテーブル202qjによって変動パターンシナリオを規定し、前回の大当たり種別、現在の遊技状態、および特別図柄の抽選回数に応じた変動パターンテーブルを選択する構成としているので、比較的複雑な遊技状態の移行方式を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図241を参照して、本第6制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図241は、本第6制御例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図241に示した通り、本第6制御例におけるRAM203は、上述した第4制御例におけるRAM203の構成(図173参照)に対して、特図抽選カウンタ203qaと、大当たりフラグ203qbと、特図1小当たりフラグ203qcと、特図2小当たりフラグ203qdと、が追加されている点で相違している。また、小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhが削除されている点でも相違している。特図抽選カウンタ203qaは、大当たり終了後(若しくはパチンコ機10の初期化後)に実行された特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタである。この特図抽選カウンタ203qaは、特別図柄の変動表示の開始を設定するタイミングで値が1ずつ加算して更新される(図252のS38103参照)。この特図抽選カウンタ203qaの値を参照して、天井抽選回数への到達有無を判別したり、変動パターンシナリオテーブル202qjから抽選回数に対応する変動パターンテーブルの選択処理が実行される。
大当たりフラグ203qbは、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にオンに設定されるフラグである(図249のY8011、図256のY8111参照)。この大当たりフラグ203qbは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図253のY727、図259のY925参照)。この大当たりフラグ203qbは、第1特別図柄用の大当たりフラグと、第2特別図柄用の大当たりフラグとが設けられており、第1特別図柄用の大当たりフラグがオンの状態で、且つ、第2特別図柄の変動表示が実行中の場合に第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図253のY726参照)。また、第2特別図柄用の大当たりフラグがオンの状態で、且つ、第1特別図柄の変動表示が実行中の場合に第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図259のY924参照)。これにより、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との一方が大当たりとなり、他方が大当たりまたは小当たりとなった場合に、大当たりと大当たり、若しくは大当たりと小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。特図1小当たりフラグ203qcは、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合にオンに設定されるフラグである(図250のY8055参照)。この特図1小当たりフラグ203qcは、第1特別図柄の小当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図254のY759参照)。特図1小当たりフラグ203qdがオンの状態で、且つ、第2特別図柄の変動表示が実行中の場合に第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図254のY753参照)。これにより、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との一方が小当たりとなり、他方が大当たりまたは小当たりとなった場合に、小当たりと大当たり、若しくは小当たりと小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。
特図2小当たりフラグ203qdは、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合にオンに設定されるフラグである(図250のY8055参照)。この特図2小当たりフラグ203qdは、第2特別図柄の小当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図254のY759参照)。特図1小当たりフラグ203qdがオンの状態で、且つ、第2特別図柄の変動表示が実行中の場合に第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図261のY959参照)。これにより、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との一方が小当たりとなり、他方が大当たりまたは小当たりとなった場合に、小当たりと大当たり、若しくは小当たりと小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。次に、図246を参照して、本第6制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図246は、本第6制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図246に示した通り、本第6制御例におけるRAM223は、上述した第4制御例(および第2制御例)におけるRAM223の構成(図101(b)参照)に対して、特図抽選回数カウンタ223lc、上乗せRUSH中カウンタ223qa、ベース回数カウンタ223qb、上乗せ回数カウンタ223qcが追加されている点で相違する。また、時短抽選回数カウンタ223db、モード種別格納エリア223dc、ロング時短中フラグ223dd、初回設定フラグ223deが削除されている点でも相違する。特図抽選カウンタ223lcは、上述した第5制御例等の特図抽選カウンタ223lcと同一の機能を有するカウンタである。即ち、主制御装置110内のRAM223に設けられている特図抽選カウンタ203qaの値に同期して更新されるカウンタであり、主制御装置110から状態コマンドによって特図抽選カウンタ203qaの値が通知される毎に値が更新される。この特図抽選カウンタ223lcによって、主制御装置110側で把握する大当たり終了後の特別図柄の抽選回数と、音声ランプ制御装置113側で把握する大当たり終了後の特別図柄の抽選回数とを常に一致させることができる。
上乗せRUSH中カウンタ223qaは、上乗せRUSH(時短状態B)が終了するまでの残り回数を示すカウンタである。この上乗せRUSH中カウンタ223qaは、初期値が0に設定されており、時短状態B(第2時短状態、第3時短状態のどちらか)が設定されると、設定契機に応じたカウンタ値(時短状態Aへと移行するまでの特別図柄の抽選回数に応じた値)が設定される。即ち、天井抽選回数(150回)到達に基づく時短状態Bへの移行、または、大当たりC17~E17に当選したことに基づく時短状態Bへの移行の場合は、時短状態Bの抽選回数が11回に設定されるので、上乗せRUSH中カウンタ223qaに対して11が設定される(図262のS9314A参照)。また、大当たりB17に当選したことに基づく時短状態Bへの移行の場合は、時短状態Bの抽選回数が6回に設定されるので、上乗せRUSH中カウンタ223qaに対して6が設定される(図262のS9317A参照)。また、上乗せRUSHにおいて特別図柄の抽選が1回時実行される毎に、値が1ずつ減算して更新される。この上乗せRUSH中カウンタ223qaの値に応じて、上乗せRUSH終了までの残り回数の表示が設定される。
ベース回数カウンタ223qbは、時短状態B(上乗せRUSH)が終了した後で移行する時短状態Aの時短回数のうち、時短状態B(上乗せRUSH)に突入した時点で既に確定している(保証されている)時短回数(ベースの時短回数)を示すカウンタである。このベース回数カウンタ223qbは、初期値が0に設定されており、時短状態Bへと移行した場合に、当該移行に伴って設定される時短回数から時短状態Bの間の特別図柄の抽選回数を減じた値が設定される。より具体的には、大当たりC17~E17のいずれかに当選したことに基づいて時短状態Bが設定された場合は、このベース回数カウンタ223qbに対して75が設定される(図262のS9316A参照)。また、大当たりB17に当選したことに基づいて時短状態Bが設定された場合、および天井抽選回数に到達したことに基づいて時短状態Bが設定された場合は、このベース回数カウンタ223qbに対して50が設定される(図262のS9318A参照)。このベース回数カウンタ223qbに設定された値が、時短状態B(上乗せRUSH)の間、小表示領域Dm13における左側に表示され続ける。上乗せ回数カウンタ223qcは、時短状態B(上乗せRUSH)において上乗せされた時短回数をカウントするためのカウンタである。この上乗せ回数カウンタ223qcは、初期値が0に設定されており、時短状態B(上乗せRUSH)において第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選し、時短回数が上乗せされる(時短カウンタ203hに対して当選した時短図柄に応じた時短回数が加算される)毎に、当該上乗せされた時短回数に応じたカウンタ値が加算して更新される(図263のS9629A参照)。この上乗せ回数カウンタ223qcに設定された値が、時短状態B(上乗せRUSH)の間、小表示領域Dm13における右側に表示され続ける。
<第6制御例における主制御装置の制御処理について>
次いで、図247~図261を参照して、第6制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。具体的には、本第6制御例では、第4制御例における特別図柄変動処理(図182参照)に代えて特別図柄変動処理(図247参照)を実行する点で相違する。その他の構成については、第4制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。なお、特別図柄変動処理(図182参照)から特別図柄変動処理(図247参照)への変更は、主として、一方の特別図柄の変動表示中に他方の特別図柄が大当たりまたは小当たり図柄で停止表示された場合に、変動表示中の一方の特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させる仕様への変更に伴うものである。まず、図247を参照して、本第6制御例における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理(Y111)について説明する。図247は、この特別図柄変動処理(Y111)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理(Y111)のうち、Y231、Y234およびY238の各処理では、それぞれ第4制御例における特別図柄変動処理(図182参照)の、Y231、Y234およびY238の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の特別図柄変動処理(Y111)では、Y234の処理において、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値ではない(即ち0である)と判別した場合には(Y234:No)、第4制御例における第1特別図柄変動開始処理(図183参照)に代えて第1特別図柄変動開始処理を実行し(Y251)、処理をY238へと移行する。この第1特別図柄変動開始処理(Y251)の詳細については、図248を参照して後述する。
一方、Y234の処理において、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値であると判別した場合には(Y234:Yes)、特図1変動時間タイマ203kaを減算して更新し(Y252)、第1図柄表示装置の第1特別図柄の表示を更新し(Y253)、次いで、上述した第4制御例における第1特別図柄変動停止処理(図189参照)に代えて第1特別図柄変動停止処理を実行し(Y254)、処理をY238へと移行する。この第1特別図柄変動停止処理(Y254)の詳細については、図252を参照して後述する。また、本第6制御例における特別図柄変動処理(図247参照)では、Y238の処理において、特図2変動時間タイマ203kbは0より大きい値ではない(即ち0である)と判別した場合には(Y238:No)、上述した第4制御例における第2特別図柄変動開始処理(図192参照)に代えて第2特別図柄変動開始処理を実行し(Y255)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理(Y255)の詳細については、図255を参照して後述する。一方、Y238の処理において、特図2変動時間タイマ203kbが0より大きい値であると判別した場合には(Y238:Yes)、特図2変動時間タイマ203kbを減算して更新し(Y256)、第1図柄表示装置の第2特別図柄の表示を更新し(Y257)、上述した第4制御例における第2特別図柄変動停止処理(図198参照)に代えて第2特別図柄変動停止処理を実行し(Y258)、本処理を終了する。第2特別図柄変動停止処理(Y258)の詳細については、図259を参照して後述する。次いで、図248を参照して、本第6制御例における特別図柄変動処理(図247)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(Y251)について説明する。図248は、この第1特別図柄変動開始処理(Y251)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄変動開始処理(Y251)のうち、Y302~Y306およびY309の各処理では、それぞれ第4制御例における第1特別図柄変動開始処理(図183参照)のY302~Y306およびY309の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6制御例における第1特別図柄変動開始処理(Y251)では、第4制御例における第1特別図柄変動開始処理(図183参照)のY301の処理が削除されている。また、本第6制御例における第1特別図柄変動開始処理(図248参照)では、Y306の処理を実行した後、第4制御例における第1特別図柄判定処理(図184参照)に代えて、第1特別図柄判定処理を実行し(Y321)、第4制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理(図185参照)に代えて第1特別図柄変動パターン選択処理を実行し(Y322)、処理をY309へと移行する。更に、本第6制御例における第1特別図柄変動開始処理(図248参照)では、Y309の処理が終了すると、次いで、天井抽選回数に到達したか否かを判定して、天井抽選回数に到達した場合に第3時短状態を設定するための天井判定処理を実行し(Y323)、本処理を終了する。第1特別図柄判定処理(Y321)、第1特別図柄変動パターン選択処理(Y322)、天井判定処理(Y323)の詳細については、図249、図251、および図252を参照して後述する。次いで、図249を参照して、本第6制御例における第1特別図柄変動開始処理(図248参照)の一処理である第1特別図柄判定処理(Y321)について説明する。図249は、この第1特別図柄判定処理(Y321)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄判定処理(Y321)のうち、Y8001~Y8006の各処理では、それぞれ第4制御例における第1特別図柄判定処理(図184参照)のY8001~Y8006の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第1特別図柄判定処理(Y321)では、Y8003において、抽選結果が大当たりであると判別した場合には、(Y8003:Yes)、第1特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbをオンに設定し(Y8011)、処理をY8004へと移行する。一方、抽選結果が大当たりではないと判別した場合には、(Y8003:No)、小当たり抽選処理を実行し(Y8012)、本処理を終了する。次いで、図250を参照して、本第6制御例における第1特別図柄判定処理(図249)の一処理である小当たり抽選処理(Y8012)について説明する。図250は、この小当たり抽選処理(Y8012)の内容を示したフローチャートである。この小当たり抽選処理(Y8012)では、まず、今回の特別図柄の抽選結果が時短当選であるか否かを判別する(Y8051)。Y8051の処理において、抽選結果が時短当選であると判別した場合には(Y8051:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、時短当選ではないと判別した場合には(Y8051:No)、小当たり乱数テーブル202qeに基づいて抽選結果を取得し(Y8052)、抽選結果が小当たり当選であるか否かを判別し(Y8053)、抽選結果が小当たり当選ではないと判別した場合には(Y8053:No)、そのまま本処理を終了する。一方、抽選結果が小当たり当選であると判別した場合には(Y8053:Yes)、取得した小当たり種別カウンタC5の値に基づいて、小当たり種別選択テーブル202qfから小当たり種別を選択し、第1図柄表示装置に表示する特別図柄の小当たり図柄をセットし(Y8054)、今回小当たりに当選した特別図柄に対応する小当たりフラグをオンに設定し(Y8055)、本処理を終了する。一方、Y5053の処理において、抽選結果が小当たり当選ではないと判別した場合には(Y8053:No)、Y8054およびY8055の処理をスキップし、本処理を終了する。
次いで、図251を参照して、本第6制御例における第1特別図柄変動開始処理(図248参照)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(Y322)について説明する。図251は、この第1特別図柄変動パターン選択処理(Y322)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄変動パターン選択処理(Y322)のうち、Y501~Y503およびY505~Y508の各処理では、それぞれ第4制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理(図185参照)のY501~Y503およびY505~Y508の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第1特別図柄変動パターン選択処理(Y322)では、Y503の処理を実行した後、変動パターンシナリオテーブル202qjを参照して現在の特図抽選カウンタ203qaの値に対応する変動パターン選択テーブルを特定し(Y511)、特定した変動パターン選択テーブルを読み出し(Y512)、処理をY505へと移行する。次いで、図252を参照して、本第6制御例における第1特別図柄変動開始処理(図248参照)の一処理である天井判定処理(Y323)について説明する。図252は、この天井判定処理(Y323)の内容を示したフローチャートである。この天井判定処理(Y323)では、まず、特図抽選カウンタ203qaの値に1を加算し(S38103)、特図抽選カウンタ203qaの値が300であるか否かを判別し(S38121A)、特図抽選カウンタ203qaの値が300であると判別した場合には(S38121A:Yes)、特図抽選カウンタ203qaの値を150に更新し(S38122A)、特図抽選カウンタ203qaの値を示す情報を含む状態コマンドを設定し(S38105)、本処理を終了する。一方で、S38121Aの処理において、特図抽選カウンタ203qaの値が300ではないと判別した場合には(S38121A:No)、次いで、特図抽選カウンタ203qaの値が151であるか否かを判別し(S38123A)、特図抽選カウンタ203qaの値が151ではないと判別した場合には(S38123A:No)、処理をS38105へ移行する。
これに対し、S38123Aの処理において、特図抽選カウンタ203qaの値が151であると判別した場合には(S38123A:Yes)、天井抽選回数に到達したことを意味するため、時短カウンタ203hに61を加算することで第3時短状態を設定し(S38124A)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を示す情報を設定する(S38112A)。次に、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38113A)、第3時短状態を示す情報と時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38114A)、本処理を終了する。次いで、図253を参照して、本第6制御例における特別図柄変動処理(図247)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(Y254)について説明する。図253は、この第1特別図柄変動停止処理(Y254)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理(Y254)のうち、Y701およびY704~Y707の各処理では、それぞれ第4制御例における第1特別図柄変動停止処理(図189参照)のY701およびY704~Y707の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第1特別図柄変動停止処理(Y254)では、Y701の処理において、変動時間が終了していないと判別した場合は(Y701:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y701の処理において、変動時間が終了したと判別した場合は(Y701:Yes)、第1特別図柄の大当たりフラグ203qbがオンであるか否かを判別し(Y721)、第1特別図柄の大当たりフラグ203qbがオンではないと判別した場合には(Y721:No)、今回の第1特別図柄の抽選結果が大当たりではないことを意味するため、特図1外れ停止処理を実行し(Y722)、本処理を終了する。なお、特図1外れ停止処理(Y722)の詳細については、図254を参照して後述する。
一方、Y721の処理において、第1特別図柄の大当たりフラグ203qbがオンであると判別した場合には(Y721:Yes)、特図2変動時間タイマ203kbが0より大きい値であるか否かを判別し(Y723)、特図2変動時間タイマ203kbが0より大きい値である(つまり、第2特別図柄の変動表示中である)と判別した場合には(Y723:Yes)、特図2変動停止フラグ203kfをオンに設定し(Y724)、特図2の変動停止を示す特図2変動停止コマンドを設定し(Y725)、第1図柄表示装置の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示し(Y726)、処理をY727へと移行する。一方、Y723の処理において、特図2変動時間タイマ203kbが0である(つまり、第2特別図柄の変動表示中ではない)と判別した場合には(Y723:No)、Y724~Y726の処理をスキップし、処理をY727へと移行する。次に、第1特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbをオフに設定し(Y727)、処理をY704へと移行する。次いで、図254を参照して、本第6制御例における第1特別図柄変動停止処理(図253)の一処理である特図1外れ停止処理(Y722)について説明する。図254は、この特図1外れ停止処理(Y722)の内容を示したフローチャートである。
この特図1外れ停止処理(Y722)では、まず、特図1小当たりフラグ203qcがオンであるか否かを判別し(Y751)、特図1小当たりフラグ203qcがオンであると判別した場合には(Y751:Yes)、特図2変動停止コマンドを設定し(Y752)、第1図柄表示装置の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示し(Y753)、小当たりシナリオを設定する(Y754)。次いで、小当たり開始フラグ203fbをオンに設定し(Y755)、小当たり中フラグ203fcをオンに設定し(Y756)、特図1確定コマンドをセットする(Y757)。次いで、第1図柄表示装置の第1特別図柄を小当たり図柄で変動停止し(Y758)、特図1小当たりフラグ203qcをオフに設定し(Y759)、本処理を終了する。一方、Y751の処理において、特図1小当たりフラグ203qcがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y751:No)、特図1確定コマンドをセットし(Y760)、第1図柄表示装置の第1特別図柄を外れ図柄で変動停止し(Y761)、本処理を終了する。次いで、図255を参照して、本第6制御例における特別図柄変動処理(図247)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(Y255)について説明する。図255は、この第2特別図柄変動開始処理(Y255)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動開始処理(Y255)のうち、Y832~Y836およびY839(Y309)の各処理では、それぞれ第4制御例における第2特別図柄変動開始処理(図192参照)のY832~Y836およびY839(Y309)の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第2特別図柄変動開始処理(Y255)では、まず、特図2変動停止フラグ203kfがオンであるか否かを判別し(Y851)、特図2変動停止フラグ203kfがオンであると判別した場合には(Y851:Yes)、特図2変動停止フラグ203kfをオフに設定し(Y852)、本処理を終了する。一方、特図2変動停止フラグ203kfがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y851:No)、処理をY832へと移行する。
また、Y836の処理を実行した後、第2特別図柄判定処理を実行し(Y853)、第2特別図柄変動パターン選択処理を実行し(Y854)、次いで、Y839(Y309)を実行し、天井判定処理を実行し(Y855(Y323))、本処理を終了する。なお、第2特別図柄判定処理(Y853)および第2特別図柄変動パターン選択処理(Y854)の詳細については、図256および図258を参照して後述する。また、天井判定処理(Y855(Y323))は、上述した図252と同一の内容のため、その説明を省略する。次いで、図256を参照して、本第6制御例における第2特別図柄変動開始処理(図255)の一処理である第2特別図柄判定処理(Y853)について説明する。図256は、この第2特別図柄判定処理(Y853)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄判定処理(Y853)のうち、Y8101~Y8106の各処理では、それぞれ第4制御例における第2特別図柄判定処理(図193参照)のY8101~Y8106の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第2特別図柄判定処理(Y853)では、Y8103の処理において、抽選結果が大当たりであると判別した場合には(Y8103:Yes)、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbをオンに設定し(Y8111)、処理をY8104へと移行する。一方、Y8103の処理において、抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(Y8103:No)、特図2時短抽選処理を実行し(Y8112)、小当たり抽選処理を実行し(Y8113(Y8012))、本処理を終了する。なお、特図2時短抽選処理(Y8112)の詳細については、図257を参照して後述する。また、小当たり抽選処理(Y8113(Y8012))は、上述した図250と同一の内容のため、その詳細な説明については省略する。次いで、図257を参照して、本第6制御例における第2特別図柄判定処理(図256)の一処理である特図2時短抽選処理(Y8112)について説明する。図257は、この特図2時短抽選処理(Y8112)の内容を示したフローチャートである。
この特図2時短抽選処理(Y8112)のうち、Y8202およびY8206の各処理では、それぞれ第4制御例における特図2時短抽選処理(図194参照)のY8202およびY8206の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の特図2時短抽選処理(Y8112)では、まず、時短当たり乱数テーブル202qhに基づいて抽選結果を取得し(Y8211)、処理をY8202へと移行する。また、本第6制御例における特図2時短抽選処理(図257参照)では、Y8202の処理において、抽選結果が時短当選であると判別した場合には(Y8202:Yes)、第1図柄表示装置に表示する特別図柄として時短図柄をセットし(Y8212)、本処理を終了する。次いで、図258を参照して、本第6制御例における第2特別図柄変動開始処理(図255)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(Y854)について説明する。図258、この第2特別図柄変動パターン選択処理(Y854)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動パターン選択処理(Y854)のうち、Y921~Y928の各処理では、それぞれ第4制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理(図196参照)のY921~Y928の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第2特別図柄変動パターン選択処理(Y854)では、Y923の処理を実行した後、変動パターンシナリオテーブル202qj(図245(b)参照)を参照して現在の特図抽選カウンタ203qaの値と現在の遊技状態と前回の大当たり種別とに対応する変動パターン選択テーブルを特定し(Y931)、特定した変動パターン選択テーブルを読み出し(Y932)、処理をY924へと移行する。次いで、図259を参照して、本第6制御例における特別図柄変動処理(図247)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(Y528)について説明する。図259、この第2特別図柄変動停止処理(Y528)の内容を示したフローチャートである。
この第2特別図柄変動停止処理(Y528)のうち、Y901、Y906~Y909、およびY914の各処理では、それぞれ第4制御例における第2特別図柄変動停止処理(図198参照)のY901、Y906~Y909、およびY914の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6制御例における第2特別図柄変動停止処理(Y528)では、Y901の処理において、変動時間の終了タイミングであると判別した場合は(Y901:Yes)、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbがオンであるか否かを判別し(Y921)、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbがオンであると判別した場合には(Y921:Yes)、次いで、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値であるか否かを判別する(Y922)。特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値であると判別した場合には(Y922:Yes)、第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の大当たり図柄の停止表示タイミングになったことを意味するため、実行中の第1特別図柄の変動を停止表示させるべく、特図1の変動停止を示す特図1変動停止コマンドを設定し(Y923)、第1図柄表示装置の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示し(Y924)、次いで、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbをオフに設定し(Y925)、処理をY906へと移行する。一方、Y922の処理において、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y922:No)、Y923,Y924の処理をスキップし、処理をY925へと移行する。
一方、Y921の処理において、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y921:No)、Y914の処理を実行し、Y914の処理において、第2特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であると判別した場合には(Y914:Yes)、第4制御例における時短設定処理(図191参照)に代えて時短設定処理を実行し(Y926)、処理をY908へと移行する。一方、第2特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合には(Y914:No)、特図2外れ停止処理を実行し(Y927)、本処理を終了する。なお、時短設定処理(Y926)および特図2外れ停止処理(Y927)の詳細については、図260および図261を参照して後述する。次いで、図260を参照して、本第6制御例における第2特別図柄変動停止処理(図259)の一処理である時短設定処理(Y926)について説明する。図260、この時短設定処理(Y926)の内容を示したフローチャートである。この時短設定処理(Y926)は、上述した第4制御例における時短設定処理(図191参照)と同様に、特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に、時短図柄に対応する時短状態の設定を行うための処理である。この第6制御例における時短設定処理(図260参照)のうち、Y8354,Y8455の各処理では、それぞれ第4制御例における時短設定処理(図191参照)のY8354,Y8455の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6制御例における時短設定処理(図260参照)では、まず、今回当選した時短図柄に対応する値を時短カウンタ203hに加算し(Y8361)、処理をY8354へと移行する。このように、本第6制御例では、時短図柄に当選する毎に、時短図柄に対応する時短回数を時短カウンタ203hに加算していくことができるので、90%の割合で時短当選する第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選が実行される毎に、ほぼ毎回時短回数が上乗せされていく斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次いで、図261を参照して、本第6制御例における第2特別図柄変動停止処理(図259)の一処理である特図2外れ停止処理(Y927)について説明する。この特図2外れ停止処理(Y927)は、第2特別図柄の外れ(小当たり含む)図柄の停止表示を設定するための処理である。図261は、この特図2外れ停止処理(Y927)の内容を示したフローチャートである。この特図2外れ停止処理(Y927)では、まず、特図2小当たりフラグ203qdがオンであるか否かを判別し(Y951)、特図2小当たりフラグ203qdがオンであると判別した場合には(Y951:Yes)、特図1変動停止コマンドを設定し(Y952)、第1図柄表示装置の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示し(Y953)、小当たりシナリオを設定する(Y954)。次に、小当たり開始フラグ203fbをオンに設定し(Y955)、小当たり中フラグ203fcをオンに設定し(Y956)、特図2確定コマンドをセットする(Y957)。そして、第1図柄表示装置の第2特別図柄を小当たり図柄で変動停止し(Y958)、特図2小当たりフラグ203qdをオフに設定し(Y959)、本処理を終了する。一方、Y951の処理において、特図2小当たりフラグ203qdがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y951:No)、特図2確定コマンドをセットし(Y960)、第1図柄表示装置の第2特別図柄を外れ図柄で変動停止し(Y961)、本処理を終了する。この特図2外れ停止処理(図261参照)を実行することにより、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選して、当該小当たり当選に基づく小当たり図柄を停止表示させる際に、第1特別図柄の変動表示を外れ図柄で停止表示させることができる。これにより、第1特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりである場合に、大当たりと小当たり、若しくは小当たりと小当たりとが重複して実行されてしまうことを抑制することができる。
<第6制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図262から図263を参照して、本第6制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本第6制御例では、上述した第4制御例(および第2制御例)に対して、状態コマンド受信処理(図115参照)の1処理である時短状態演出設定処理(S9011A)の内容が変更された点、特図2演出態様設定処理(図121参照)の内容が変更された点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした内容と同一の要素について詳細な説明を省略している箇所については、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした内容が適応されるものである。また、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした技術思想については、本第6制御例にも当然適用されるものであり、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした変形例や追加例についても本第6制御例に当然適用されるものである。まず、図262を参照して、本第6制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される時短状態演出設定処理(S9011A)について説明をする。図262は、この時短状態演出設定処理(S9011A)の内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理(S9011A)では、まず、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定し(S9311A)、次いで、時短状態Bに変更したか否かを判別し(S9312A)、時短状態Bに変更していないと判別した場合には(S9312A:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S9312Aの処理において、時短状態Bに変更したと判別した場合には(S9312A:Yes)、大当たりB17を契機とする時短状態であるか否かを判別し(S9313A)、大当たりB17を契機とする時短状態ではないと判別した場合には(S9313A:No)、上乗せRUSH中カウンタ223qaに11を設定し(S9314A)、天井到達を契機とする時短状態であるか否かを判別する(S9315A)。天井到達を契機とする時短状態ではないと判別した場合には(S9315A:No)、ベース回数カウンタ223qbに75を設定し(S9316A)、処理をS9319Aへと移行する。一方、S9313Aにおいて、大当たりB17を契機とする時短状態であると判別した場合には(S9313A:Yes)、上乗せRUSH中カウンタ223qaに6を設定し(S9317A)、ベース回数カウンタ223qbに50を設定し(S9318A)、処理をS9319Aへと移行する。また、S9315Aの処理において、天井到達を契機とする時短状態であると判別した場合は(S9315A:Yes)、処理をS9318Aへと移行する。次に、各カウンタ値に応じて上乗せRUSHの残り回数および初期ストック回数の表示を設定し(S9319A)、本処理を終了する。次に、図263を参照して、本第6制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図2演出態様設定処理(S4991A)について説明をする。図263は、この特図2演出態様設定処理(S4991A)の内容を示したフローチャートである。
この特図2演出態様設定処理(S4991A)のうち、S9611の処理では、第4制御例における特図2演出態様設定処理(図121参照)のS9611の処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の特図2演出態様設定処理(S4991A)では、まず、時短状態であるか否かを判別し(S9621A)、時短状態ではないと判別した場合には(S9621A:No)、受信した変動パターンに対応した演出態様を決定し(S6922A)、S9611の処理を実行し、本処理を終了する。一方、時短状態であると判別した場合には(S9621A:Yes)、時短状態Aであるか否かを判別し(S9623A)、時短状態Aであると判別した場合には(S9623A:Yes)、上乗せRUSH終了後1回目の特図2変動であるかを判別し(S9624A)、上乗せRUSH終了後1回目の特図2変動であると判別した場合には(S9624A:Yes)、特図1の残変動時間の終了まで継続するチャンスタイム突入表示(図237(b)参照)を設定し(S9625A)、TOTAL回数として、ベース回数カウンタ223qbの値と上乗せ回数カウンタ223qcの値とを加算した値の表示を設定し(S9626A)、処理をS9622Aへと移行する。一方、S9624Aの処理において、上乗せRUSH終了後1回目の特図2変動ではないと判別した場合には(S9624A:No)、S9625AおよびS9626Aの処理をスキップし、処理をS9622Aへと移行する。
一方、S9623Aの処理において、時短状態Aではないと判別した場合には(S9623A:No)、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S9627A)、時短図柄当選であると判別した場合には(S9627A:Yes)、当選した時短図柄に応じた上乗せ回数を報知する変動表示態様(図237(a)参照)を決定し(S9628A)、当選した時短図柄に対応する時短回数を時短中カウンタ223daおよび上乗せ回数カウンタ223qcに加算し(S9629A)、処理をS9611へと移行する。一方、S9627Aの処理において、時短当選ではない(即ち、大当たりまたは実質的に大当たりが確定する小当たりである)と判別した場合には(S9627A:No)、上乗せRUSHの再セットを報知する変動表示態様(図238参照)を決定し(S9630A)、上乗せ回数カウンタ223qcの値を0クリアし(S9631A)、処理をS9611へと移行する。この特図2演出態様設定処理(図263参照)を実行することにより、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選が実行されて時短図柄に当選する毎に、時短図柄に対応する時短回数の上乗せを報知することができる。よって、ほぼ毎変動で時短図柄が上乗せされるという極めて斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。以上説明した通り、本第6制御例におけるパチンコ機10では、時短状態として、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選が実行され易い時短状態(第2時短状態A、第3時短状態A)と、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態(第2時短状態B、第3時短状態B)と、を設ける構成とし、天井抽選回数に到達した場合は、まず第3時短状態Bが設定されるように構成する一方で、通常状態において大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の時短状態が高い割合で有利度合いの低い第2時短状態Aに設定されるように構成した。このように構成することで、大当たりに当選するよりも、天井抽選回数に到達することをより強く期待して遊技を行わせることができる。
また、本第6制御例では、時短状態中に時短図柄に当選した場合に、当選した時短図柄に対応する時短回数が上乗せされるように構成している。そして、第2特別図柄の抽選では、第1特別図柄の抽選よりも高確率(例えば、90%の割合)で時短図柄に当選するように構成している。また、第2時短状態Bまたは第3時短状態Bに移行した場合、特定回数(例えば、10回)の特別図柄の抽選が実行されることで第2時短状態Aまたは第3時短状態Aに移行する構成としている。つまり、第2時短状態Bまたは第3時短状態Bの間は、第2特別図柄の抽選が実行される毎に高確率で時短図柄に当選して時短回数が上乗せされていくため、特定回数の特別図柄の抽選が経過した後に移行する第2時短状態Aまたは第3時短状態Aの継続回数を時短状態Bの間に実行される特別図柄の抽選結果に応じて可変させることができるという斬新な遊技性を実現している。なお、本第6制御例では、第1特別図柄の小当たりとして、V入賞が発生し得ない「小当たりA17」のみを設ける構成としていたが、第1特別図柄の小当たりでも、一部はV入賞が発生し得るように構成してもよい。そして、天井間際(例えば、天井抽選回数に到達するまでの抽選回数が残り5回以内)にV入賞が発生し得る第1特別図柄の小当たりの抽選結果がある場合は、小当たりにおいてV入賞を発生させないように促す演出を実行する構成としてもよい。つまり、特に、V入賞を発生させることで第2時短状態Aが設定される「大当たりA17」に当選する種別の小当たりとなった場合、V入賞を発生させて第2時短状態Aに移行するよりも、天井抽選回数に到達して第3時短状態Bへと移行した方が有利になる可能性が高くなるので、係る場合には、V入賞を避けるように遊技者に促す斬新な演出を実行してもよい。このように構成することで、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第6制御例では、時短状態B(上乗せRUSH)において第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選する毎に、当選した時短図柄に対応する時短回数を上乗せする演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、時短状態Bにおいて途中まで(例えば、9回目の第2特別図柄の抽選が実行されるまで)は時短回数の上乗せ回数を報知せずに秘匿し、所定の報知タイミング(例えば、時短状態Bにおける最後の第2特別図柄の変動表示に係る変動表示演出)で上乗せ回数をまとめて報知する構成としてもよい。このように構成することで、どれだけの時短回数が上乗せされているかを所定の報知タイミングまで遊技者に予測させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、この場合において、特別図柄の抽選が実行される毎に、上乗せされた時短回数を示唆する演出を実行してもよいし、時短回数に関する情報を一切示唆しない構成としてもよい。前者の場合は、時短回数の上乗せ状況を予測し易くすることができるし、後者の場合は、報知タイミングとなるまで、第2特別図柄の抽選で大当たりとなるか否かに注目して遊技を行わせることができる。
本第6制御例では、第2特別図柄の抽選で1/10の確率で大当たり又は小当たりに当選し、9/10の確率で時短図柄に当選する構成としていたが、これに限られるものではない。所定の確率(例えば、1/2の確率)で時短図柄に当選するように構成してもよい。つまり、本第6制御例では、単なる外れの抽選結果を設けていなかったが、外れを設ける構成としてもよい。このように構成することで、時短状態Bにおいて時短図柄に当選するだけで遊技者を喜ばせることができるので、時短状態Bにおける遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第6制御例では、第3時短状態Aであるか、第3時短状態Bであるかに応じて、参照する変動パターンテーブルを異ならせることで有利な第2特別図柄抽選の実行され易さを異ならせて有利度合いを異ならせていたが、同一の遊技状態で参照する変動パターンテーブルを異ならせることで実質的な有利度合いを異ならせる方法はこれに限られない。例えば、第3時短状態Aと第3時短状態Bとで、共に同一の特別図柄(例えば、第1特別図柄)の抽選が実行され易くなるように構成し、遊技効率を異ならせて有利度合いを異ならせてもよい。本第6制御例では、天井抽選回数に到達した場合に第3時短状態へと移行させる構成としていたが、天井抽選回数に到達した場合に設定される遊技状態は第3時短状態に限られるものではなく、任意の遊技状態に設定することができる。具体的には、例えば、第3時短状態よりも有利な第2時短状態へと移行させる構成としてもよいし、より有利な第2確変状態へと移行させる構成としてもよい。このように構成することで、天井抽選回数到達時の有利度合いを可変させることができるので、設計の自由度を高めることができる。
本第6制御例では、固定の天井抽選回数に到達した場合に有利な遊技状態(第3時短状態)へと移行する構成としていたが、天井抽選回数を固定化しなくてもよい。例えば、天井抽選回数として設定され得る回数を複数(例えば、50回、300回、500回、1000回等)設ける構成とし、パチンコ機10が初期化された(RAMクリアスイッチ122をオンにした状態で電源が投入された)場合や大当たり終了時に、天井抽選回数を抽選により決定する構成としてもよい。このように構成することで、天井抽選回数として少ない抽選回数が選択されることを期待して遊技を行わせる遊技性を付加することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。この場合において、パチンコ機10が初期化された場合(例えば、初期化後1回目の変動表示演出中)や大当たり終了時(例えば、エンディング演出中や終了後1回目の変動表示演出中)に、天井抽選回数を示唆する演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、天井抽選回数を示唆する演出から天井抽選回数を予測する遊技性を更に付加することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、例えば、大当たりの種別毎に、大当たり終了後の天井抽選回数を異ならせる構成としてもよい。このように構成することで、大当たりの種別により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、この場合において、ラウンド数および大当たり終了後の遊技状態が共通で、大当たり終了後の天井抽選回数が異なる大当たり種別を設けてもよい。具体的には、例えば、4ラウンド時短大当たりとして、天井抽選回数が100回の種別と1000回の種別とを設けたり、8ラウンド時短大当たりとして天井抽選回数が400回の種別と600回の種別とを設けたりしてもよい。このように構成することで、4ラウンド時短大当たりとなった場合に、天井抽選回数が少ない可能性があるので、遊技者の興趣を向上させることができる。また、8ラウンド時短大当たりとなった場合に、1000回という極めて多い天井抽選回数が設定される可能性が無くなるため、安心して遊技を行わせることができる。
本第6制御例では、パチンコ機10が初期化された場合にRAM203も初期化されることに伴って、特図抽選カウンタ203laの値がリセットされるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機10が初期化された場合でも、特図抽選カウンタ203laの値がリセットされないように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が初期化された可能性が高い(例えば、大当たりや第2確変状態の間にパチンコ機10が設置されているホールの閉店時間となってしまった場合等)パチンコ機10での遊技を避けることを抑制することができるので、初期化された可能性の有無によらず、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
<第7制御例>
以下、図264から図341を参照し、第7制御例について説明する。図264は、第7制御例におけるパチンコ機10の正面図であり、図265はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図266はパチンコ機10の遊技盤13の正面視右下領域を拡大した拡大図であり、図267から図270は、パチンコ機10に設けられたV入賞装置650の構造を示した模式図であり、図271は、パチンコ機10に設けられた各種ボタンの構成を示した図であり、図272は、パチンコ機10の後面図である。図264に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図264参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図265参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面(遊技領域)を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、遊技球を遊技盤13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニット112a(図290参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域(遊技領域)まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図264参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。正面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図264参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、遊技者が操作可能な枠ボタン22と、選択ボタン600(図示せず)とが設けられている。枠ボタン22は、第3図柄表示装置81(図265参照)等で実行される各種演出の演出態様を可変させるために遊技者に操作させるものであって、図271に後述するように、演出ボタン22aが設けられている。本第7制御例におけるパチンコ機10では、遊技者による演出ボタン22aへの操作に基づいて演出態様が可変される操作演出を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
また、選択ボタン600は、パチンコ機10の遊技環境を決定するために遊技者に操作させるものであって、図271に後述するように、中ボタン600a、上ボタン600b、右ボタン600c、下ボタン600d、左ボタン600eが設けられている。本第7制御例におけるパチンコ機10では、パチンコ機10の遊技環境として、音声出力装置226(図290参照)から出力される音声の音量レベルと、第3図柄表示装置81(図265参照)に表示される表示画面を照らすバックライト(図示せず)や、パチンコ機10に付設された装飾用LEDの光量レベルと、を遊技者が調節可能に構成している。つまり、本第7制御例では、選択ボタン600に対して音量レベルや光量レベル等の段階を低い段階に低下させることが可能な操作および高い段階に増加させることが可能な操作を行うことができる構成となっている。さらに、第3図柄表示装置81にて実行される各種表示演出の演出パターンが異なる複数の演出モードから、1の演出モードを遊技者が選択可能に構成している。このように構成することで、異なる嗜好を持った様々な遊技者がパチンコ機10を遊技したとしても、各遊技者が自身の嗜好に適した遊技環境を選択(決定)することが可能となるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、本第7制御例におけるパチンコ機10は、遊技者が操作可能な操作手段として、操作演出時に操作される枠ボタン22と、遊技環境を選択する際に操作される選択ボタン600と、を有している。即ち、使用用途を異ならせた複数の操作手段が設けられているが、これに限ること無く、遊技環境を選択する際に枠ボタン22を操作可能にしたり、操作演出として選択ボタン600を操作可能に構成したりしても良い。また、本第7制御例では、操作演出中に操作される操作手段(枠ボタン22)として、演出ボタン22aを1個有する構成を用いているが、これに限ること無く、枠ボタン22として、2個以上の操作手段を有するように構成しても良い。
さらに、本第7制御例におけるパチンコ機10では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下したことを検知することで操作手段が操作されたことを判別可能なボタン構成を用いているが、遊技者による操作を検知可能な構成であればボタン構成以外の構成を用いても良く、例えば、遊技者が触れていることを検知可能な検知手段や、遊技者が押下以外の動作(例えば、引っ張り動作等)を行っていることを検知可能な検知手段を有する操作手段を用いても良い。また、遊技者が操作手段に直接触れるのでは無く、所定の空間領域(センサの検知範囲)に遊技者の体の一部(例えば、手など)が存在していることを検知可能な非接触型の操作検知手段(センサ等)を用いても良く、この場合、単に遊技者の体の一部(例えば、手など)を検知するのでは無く、所定の空間領域内において、遊技者の体の一部が所定の規則に従って移動していることを検知可能な操作検知手段を用いると良い。このように構成することで、例えば、遊技者がパチンコ機10の遊技を一時的に中断しようと離席する場合に、誤って、遊技者の体の一部(例えば、頭など)が操作検知手段の検知範囲内に侵入したとしても、それを契機に操作演出が実行されてしまうことを抑制することができる。正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図264参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図265参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された遊技球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図265に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置(V入賞装置)650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図264参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置(V入賞装置)650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図264参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図265を参照して、遊技盤13の構成について説明する。遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図264参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された遊技球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図290参照)から発射された遊技球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図265の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図265の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。遊技領域の正面視右側上部(図265の正面視で右側上部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37として、第1特別図柄に対応した表示装置37aと、第2特別図柄に対応した表示装置37bが配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110(図290参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本第7制御例では、第1図柄表示装置37は、遊技球が、第1入球口64へ入球したか、第2入球口640へ入球したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、遊技球が、第1入球口64へ入球した場合には、表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入球した場合には、表示装置37bが作動するように構成されている。また、第1図柄表示装置37は、パチンコ機10に設定されている遊技状態を点灯状態によって報知可能なLED(状態LED)を点灯表示したり、停止図柄が時短大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判別(大当たり抽選)を行うと共に、当否判別の結果が大当たりであると判別した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、6R時短大当たり(大当たりA)、6R通常大当たり(大当たりB)、9R時短大当たり(大当たりC)が用意されている。第1図柄表示装置37には、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。ここで、「6R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり遊技の後に、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)よりも遊技者に有利となる遊技状態である時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)へ移行する大当たり種別(大当たりA)のことであり、「6R通常大当たり」とは、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり遊技の後に通常状態へ移行する大当たり種別(大当たりB)のことである。また、「9R時短大当たり」は、最大ラウンド数が9ラウンドの大当たり遊技の後に、時短状態へ移行する大当たり種別(大当たりC)のことである。ここで、本第7制御例におけるパチンコ機10の遊技の流れについて簡単に説明をする。本第7制御例におけるパチンコ機10では、遊技領域に発射された遊技球が第1入球口64へと入球したことに基づいて実行条件が成立した場合に抽選が実行される第1図柄(第1特別図柄)と、第2入球口640へと入球したことに基づいて実行条件が成立した場合に抽選が実行される第1図柄(第2特別図柄)と、を有している。そして、各第1図柄(特別図柄)の抽選の結果として、大当たり、小当たり、外れの何れかが判定されるように構成している。
特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、第1可変入賞装置65の開閉扉65b(図265参照)が開放され、特定入賞口65a(図265参照)へと遊技球を入賞させ易くなる大当たり遊技が実行されるように構成している。特定入賞口65aへと遊技球が入賞すると、入賞した遊技球1個に対して11個の賞球が払い出されるように構成されている。よって、遊技者はパチンコ機10における遊技にて多くの賞球を獲得するために、特別図柄の抽選で大当たり当選することを目指して意欲的に遊技を行わせることができる。さらに、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合には、第2可変入賞装置(V入賞装置)650の開閉扉650f(図265参照)が開放され、V入賞口650a(図265参照)へと遊技球を入賞させ易くなる小当たり遊技が実行されるように構成している。V入賞口650aへと遊技球が入賞すると、入賞した遊技球1個に対して11個の賞球が払い出されるように構成されている。加えて、本第7制御例では、V入賞口650aへと入賞した遊技球が第2可変入賞装置(V入賞装置)650内に設けられた特定領域(V領域)650e4を通過した場合には、小当たり遊技の終了後に第1可変入賞装置65の開閉扉65bを開放させる大当たり遊技を実行可能に構成している。つまり、本第7制御例では、大当たり遊技を実行させるための実行契機として、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に成立する第1大当たり契機と、小当たり遊技中に遊技球が特定領域(V領域)650e4を通過した場合に成立する第2大当たり契機と、を有している。このように構成することで、様々な契機で大当たり遊技を実行させることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、上述した通り、本第7制御例におけるパチンコ機10では、遊技者へ賞球を付与可能な当たり遊技として、大当たり遊技と、小当たり遊技と、を実行可能に構成しており、小当たり遊技中よりも、大当たり遊技中の方が、遊技者に多くの賞球を付与可能(多くの遊技球を入賞させることが可能)となるように、各当たり遊技の内容が予め決定されている。つまり、大当たり遊技は、小当たり遊技よりも遊技者が獲得可能な賞球数の点で遊技者に有利な当たり遊技となる。また、大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技の終了後に大当たり種別に対応した遊技状態を設定可能に構成しているのに対して、小当たり遊技の終了後には、小当たり遊技が開始される時点で設定されていた遊技状態が再度設定されるように構成している。つまり、例えば、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技の大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に通常状態とは異なる遊技状態(時短状態)が設定可能となり、通常状態が設定されている状態で小当たり遊技が実行された場合には、小当たり遊技終了後に通常状態が設定されるように構成している。よって、現在設定されている遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態が設定されることを期待しながら遊技を行っている遊技者に対しては、新たな遊技状態を設定可能な大当たり遊技の方が、小当たり遊技よりも有利な当たり遊技となる。また、本第7制御例におけるパチンコ機10では、上述した特別図柄の抽選(特別図柄抽選)以外に、普通図柄(第2図柄)の抽選を実行可能に構成しており、遊技盤13に設けられたスルーゲート67へと遊技球を通過(入球)させたことに基づいて実行条件が成立した場合に、普通図柄の抽選が実行される。そして、普通図柄(第2図柄)の抽選の結果として、当たり、外れの何れかが判定されるように構成している。普通図柄の抽選で当たり当選した場合には、電動役物640a(図265参照)を作動させることで、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くする普図当たり遊技が実行される。
つまり、普図当たり遊技が実行されることで、普図当たり遊技が実行されていない場合よりも、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くすることができる。よって、遊技者に対して、第1入球口64へと遊技球を入球させることで第1特別図柄抽選を実行し大当たり遊技を目指す遊技と、スルーゲート67へと遊技球を入球(通過)させ普通図柄抽選を実行し、第2入球口640へと遊技球を入球させることで第2特別図柄抽選を実行し大当たり遊技を目指す遊技と、を実行させることが可能となるため、遊技者に多彩な遊技を提供することができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。さらに、詳細な説明は後述するが、本第7制御例におけるパチンコ機10では、普通図柄の確率状態として、「低確率状態」と、「高確率状態」を設定可能に構成しており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合は、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも、1回の普通図柄抽選の結果に基づいて第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となる期待度が低くなるように構成している。具体的には、「普通図柄の高確率状態」とは、普通図柄(第2図柄)抽選の当たり確率がアップし、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ遊技球が入球しやすい状態となる。よって、普通図柄の高確率状態中は、第2入球口640へ遊技球が入球し易い状態となり、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が行われる回数を増やすことができる。
なお、普通図柄の高確率状態中の普図当たり遊技として、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を長くするのではなく、または、その開放時間を長くすることに加えて、1回の普図当たり遊技で電動役物640aが開放する回数を普通図柄の低確率状態中に実行される普図当たり遊技よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、普通図柄の高確率状態中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の普図当たり遊技で電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、普通図柄の高確率状態中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の普図当たり遊技で電動役物640aを開放する回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、普通図柄の低確率状態中と比してアップするよう変更するものであってもよい。なお、本第7制御例では、上述した通り、普通図柄の確率状態を「低確率状態」、「高確率状態」と変更可能に構成し、特別図柄の確率状態は変更されないように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄の確率状態も、上述した普通図柄の確率状態と同様に「低確率状態」、「高確率状態」と変更可能に構成しても良い。この場合、特別図柄の高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる確率(大当たり確率)を高めるように構成すると良い。また、大当たり確率だけで無く、特別図柄の抽選結果が小当たりとなる確率(小当たり確率)を高めるように構成しても良いし、大当たり確率、小当たり確率を共に高めるように構成しても良いし、特別図柄の高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、特別図柄の抽選結果が外れとなる確率(外れ確率)が低くなるように構成しても良い。
遊技領域には、遊技球が入球することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入球口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、装飾用の第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への遊技球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図290参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本第7制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図290参照)の制御に伴った特別図柄の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本制御例においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。第2図柄(普通図柄)の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常状態(普通図柄の低確率状態)の場合よりも、時短状態(普通図柄の高確率状態)の方が短くなるように設定される。これにより、時短状態中は、第2図柄(普通図柄)の変動表示が短い時間で行われるので、単位期間当たりにおける普通図柄抽選の実行回数を通常状態よりも多くすることができる。よって、普通図柄抽選の結果が当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会(普図当たり遊技が実行される機会)を遊技者に多く与えることができる。よって、時短状態(普通図柄の高確率状態)中は、第2入球口640へ遊技球が入球しやすい状態とすることができる。普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された遊技球のうち、遊技盤13の右方を流下する遊技球の一部が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を遊技球が通過すると、第2図柄(普通図柄)の抽選が行われる。普通図柄抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、普通図柄抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、普通図柄抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
遊技球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数(普図保留数)が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。なお、第2図柄の変動表示は、本第7制御例のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の遊技球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方(右側領域)に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方(左側領域)でも良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。可変表示装置ユニット80の下方には、遊技球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図290参照)で特別図柄抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37の表示装置37aで示される。
一方、遊技盤13の右側領域下方には、遊技球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図290参照)で特別図柄抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37の表示装置37bで示される。また、第1入球口64に遊技球が入球すると、4個の遊技球が賞球として払い出され、第2入球口640に遊技球が入球すると1個の球が賞球として払い出されるように構成している。つまり、第1入球口64、及び、第2入球口640は、特別図柄抽選を実行させるための始動入賞口の役割と、賞球を払い出すための入賞口の役割を兼ね備えている。なお、本第7制御例においては、第1入球口64へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異ならせるように構成したが、第1入球口64へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同一の数、例えば、第1入球口64へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数を1個とし、第2入球口640へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数と同一となるように構成してもよい。第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(埋設状態)となって、遊技球が第2入球口640へ入球しにくい状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(突出状態)となり、遊技球を第2入球口640へと入球させ易い状態となる。
上述した通り、時短状態中は、通常状態中と比して第2図柄(普通図柄)の当たり確率が高く、また、第2図柄(普通図柄)の変動表示にかかる時間(普図変動時間)も短いので、第2図柄(普通図柄)の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(突出状態)となる回数が増える。更に、時短状態中は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態中より長くなる。よって、時短状態中は、通常状態中と比して、第2入球口640へ遊技球が入球しやすい状態を作ることができる。より具体的には、普通図柄の低確率状態が設定される通常状態においては、遊技者が遊技盤13の右側領域に向けて遊技球を発射させる右打ち遊技を実行し、スルーゲート67へと遊技球を通過させることで普図当たり遊技を実行させたとしても、第2入球口640へと遊技球を殆ど入球させることができず、遊技盤13の左側領域に向けて遊技球を発射させる左打ち遊技を実行し、第1入球口64へと遊技球を入球させる遊技を行った方が、より多くの特別図柄抽選を実行させることが可能となるように構成している。一方で、普通図柄の高確率状態が設定される時短状態においては、遊技者が遊技盤13の右側領域に向けて遊技球を発射させる右打ち遊技を実行し、スルーゲート67へと遊技球を通過させることで普図当たり遊技を実行させた場合に、第2入球口640へと容易に遊技球を入球させることができ、遊技盤13の左側領域に向けて遊技球を発射させる左打ち遊技を実行し、第1入球口64へと遊技球を入球させる遊技を行った場合よりも、より多くの特別図柄抽選を実行させることが可能となる。
つまり、本第7制御例におけるパチンコ機10では、通常状態が設定されている場合には右打ち遊技よりも左打ち遊技の方が特別図柄抽選を実行させる視点から遊技者に有利な遊技となり、時短状態が設定されている場合には左打ち遊技よりも右打ち遊技の方が特別図柄抽選を実行させる視点から遊技者に有利な遊技となる。このように、本第7制御例では、設定されている遊技状態に応じて、遊技者に有利となる遊技方法を異ならせているため、長時間遊技を行っている遊技者に対して遊技方法を変更させながら遊技を行わせることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。ここで、第1入球口64に遊技球が入球した場合に実行される第1特別図柄抽選と、第2入球口640へと遊技球が入球した場合に実行される第2特別図柄抽選とで、抽選結果が大当たりとなる確率が同一(約1/300)となるように構成している。しかしながら、大当たり当選した場合に選定される大当たりの種別として、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数が最大の9ラウンド(R)となる確率は、第2特別図柄抽選の方が第1特別図柄抽選よりも高く設定されている。また、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として、遊技者に有利な時短状態が設定される確率は、第2特別図柄抽選の方が第1特別図柄抽選よりも高く設定されている。一方で、第1入球口64は、第2入球口640のように電動役物640aを有しておらず、遊技球が常時入球可能な状態となっている。よって、通常状態においては、第2入球口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640へと遊技球を入球させ難いので、電動役物640aのない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように遊技球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって第1特別図柄抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、時短状態中は、普通図柄始動口(スルーゲート)67に球を通過させることで、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640へと入球させ易い状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように遊技球を発射し(所謂「右打ち」)、普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入球口640への入球によって大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。そして、上述した通り、本第7制御例のパチンコ機10では、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、遊技者に有利な大当たり遊技(ラウンド数が多い大当たり遊技)が実行され易く構成しており、且つ、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成している。よって、第1特別図柄抽選が主として実行される通常状態よりも、第2特別図柄抽選が主として実行される時短状態の方が、遊技者に有利な遊技状態となる。このように、本第7制御例のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(時短状態中であるか、通常状態中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。ここで、図265、及び図266を参照して本第7制御例のパチンコ機10に設けられた第2入球口640への球流れについて説明をする。第7制御例では図265に示した通り、遊技盤13の遊技領域の略中央位置に可変表示装置ユニット80を配設し、遊技領域を可変表示装置ユニット80の左方側(左打ち領域)と右方側(右打ち領域)とに区画しており、遊技者が操作ハンドル51の操作量を調整することで発射された球の行き先を右打ち領域或いは左打ち領域へと打ち分けることが可能に構成している。以下、遊技者が操作ハンドル51を操作して遊技領域のうち左打ち領域へと球を発射させる遊技を左打ち遊技、右打ち領域へと球を発射させる遊技を右打ち遊技と称す。
図265に示した通り、第2入球口640と、第2入球口640に付随する電動役物640a、及び、電動役物640aを動作させるか否かの抽選のトリガとなる普通図柄始動口(スルーゲート)67が右打ち領域に配設されており、遊技状態として時短状態が設定されている場合には右打ち遊技が行われるように構成している。左打ち遊技により発射された球が第2入球口640に入球することが無いように可変表示装置ユニット80の下方には釘が植設されており、左打ち遊技中に第2入球口640に球が入球することが無いように構成している。このように構成することで、左打ち遊技では第1特別図柄の抽選を実行させるために遊技球を第1入球口64へと入球させる遊技を行わせ、右打ち遊技では第2特別図柄の抽選を実行させるために遊技球を第2入球口640へと入球させる遊技を行わせることができ、遊技方法に応じて異なる遊技性を適切に提供することができる。第7制御例のパチンコ機10では、図265に示した通り、右打ち領域には、上流側から順にスルーゲート67、第2可変入賞装置650、電動役物640a、第1可変入賞装置65の順で各機構が配設されており、右側領域のスルーゲート67よりも上流側に植設された複数の釘によって右側領域を流下する遊技球の流下速度や流下方向を不規則に可変させながら、右側領域を流下する遊技球の約2/3がスルーゲート67を通過するように構成している。そして、スルーゲート67を通過した遊技球は、スルーゲート67の下方に植設された複数の釘によって、第2可変入賞装置650の上流側へと誘導されながら、第2可変入賞装置650に到達するように構成している。一方で、スルーゲート67を通過すること無く(スルーゲート67の左側に形成された流路を流下して)第2可変入賞装置650に到達した遊技球は、スルーゲート67を通過した遊技球よりも、第2可変入賞装置650の下流側に到達する、或いは、第2可変入賞装置650に到達すること無く、第2可変入賞装置650よりも下流側に配設されている電動役物640aへと到達するように構成している。
図265に示した通り、第2可変入賞装置650は、その上面が左下方向(図265の正面視で左下方向)に向けて下り傾斜する球流路となるように遊技盤13に配設されており、その第2可変入賞装置650の上面(閉鎖状態である開閉扉650f1の上面)を流下した遊技球は、電動役物640aに向けて流下するように構成している。詳細は後述するが、この第2可変入賞装置650は、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技によって、開閉作動するものであって、小当たり遊技が実行されていない状態では、第2可変入賞装置650のV入賞口650aの開口部が閉鎖状態の開閉扉650f1によって覆われており、第2可変入賞装置650に到達した遊技球の殆どがV入賞口650aへと入賞すること無く、下流側に向けて排出される。一方、小当たり遊技が実行されている間は、開閉扉650f1が開放状態と閉鎖状態とに繰り返し切り替わる開閉作動が実行されることにより、第2可変入賞装置650の上流側に到達した遊技球(スルーゲート67を通過した遊技球)がV入賞口650aへと入賞し易くなる。つまり、右側領域には、小当たり遊技中に遊技球を第2可変入賞装置650へと入賞させ易い第1流路(スルーゲート67を通過した遊技球が流下する流路)と、第2可変入賞装置650へと入賞させ難い第2流路(スルーゲート67を通過しない遊技球が流下する流路)と、が形成されている。よって、小当たり遊技が実行された場合に、発射した遊技球数に対する第2可変入賞装置650への入賞数の割合が高くなることを期待しながら、右側領域を流下する遊技球の挙動に注目させることができる。上述した通り、本第7制御例では、右打ち遊技によって発射された遊技球のうち、約2/3がスルーゲート67を通過し、第2可変入賞装置650の上流側に向けて流下し、残りの約1/2がスルーゲート67を通過すること無く、第2可変入賞装置650に向けて流下するように構成している。そして、小当たり遊技が実行されていない間は、右打ち遊技によって発射され、右側領域を流下した全ての遊技球が、第2可変入賞装置650のV入賞口650aへと入賞すること無く、電動役物640aに到達することになる。
そして、電動役物640aが待避状態(埋設状態)に位置している場合は、退避状態の電動役物640aを通過し第1可変入賞装置65に向けて遊技球が流下する。一方、電動役物640aが突出状態に位置している場合は、電動役物640aに到達した遊技球が突出状態の電動役物640aの上面を右下方向(図265の正面視で右下方向)に向けて流下する。そして、電動役物640aの右端まで到達した球は第2入球口640へ入球し、電動役物640aの右端に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変した場合は、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球するように構成している。さらに、本パチンコ機10は上述した電動役物640a、第2入球口640、一般入賞口63を覆うように透過性のカバー部材655を設けている。このカバー部材655は入射する光を乱反射させるためのカット加工が表面に施されている。このカバー部材655を設けることで、遊技中はパチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)や第3図柄表示装置81から発せられる様々な光によってカバー部材655の内部を遊技者に視認させ難くすることができる。よって、電動役物640aの動作タイミングを図って右打ち遊技を行う行為を抑制することができる。また、遊技が行われていない状態(遊技機の電源がオフになっている状態)では、カバー部材への入射光が抑えられるため、カバー部材655の内部を容易に視認することができ、パチンコ機10のメンテナンスを容易に行うことができる。なお、このようにカバー部材655を用いて内部の視認性を可変させる構成を用いる場合には、上述したように装飾用に発光する発光手段を利用可能に構成することで発光手段を共有することができ、パチンコ機10を構成する部品点数を削減することができるが、カバー部材655の内部を視認困難とするための発光手段を専用に設けても良い。
また、電動役物640aの動作が行われる期間を含む所定期間の間カバー部材655の内部を視認困難にすればよく、例えば、電動役物640aの動作が実行されると判別した場合(即ち、普通図柄の抽選により当たりに当選した場合)に、カバー部材655の表面に電動役物640aが動作する旨を報知する文字(例えば、「オープン」)が表示されるように発光手段を制御し、その表示された文字により、カバー部材655の内部を視認困難にするように構成しても良い。これにより、電動役物640aが動作することを遊技者に把握させるとともに、その詳細な動作タイミングを把握させ難くすることができる。ここで、図266を参照して、本パチンコ機10の右打ち領域に設けられた電動役物640aの構成について、より詳細に説明をする。図266に示した通り、右打ち遊技により発射された球のうち、第2可変入賞装置650から流下した遊技球は、電動役物640aが配設されている領域に向けて流下する。具体的に説明をすると、電動役物640aは、50mmの長さを有し、その上面を球が流下可能な板状部材で構成され、右下方向(図265の正面視で右下方向)に向けて下り傾斜となるように遊技盤13に配設されている。そして、第2可変入賞装置650から流下した遊技球は電動役物640aの左端から20mmの範囲に該当する領域a(図266参照)に流下する。領域aに到達した遊技球は、電動役物640aが待避状態に位置している場合は電動役物640aを通過し第1可変入賞装置65に向けて流下する。一方、電動役物640aが突出状態に位置している場合は電動役物640aの上面を右端側に向けて遊技球が流下する。そして、領域b(電動役物640aの左端から20mmから40mmが該当する領域)に球が到達した状態で電動役物640aが待避状態へと可変した場合には、電動役物640aの下方に設けられた一般入賞口63に向けて遊技球が流下するように構成されている。最後に、領域c(電動役物640aの右端から10mmが該当する領域)に球が到達すると、その球は第2入球口640へ入球するように構成されている。
なお、本第7制御例では、遊技状態(普通図柄の確率状態)によって、電動役物640aが突出状態を継続する期間が異なるように構成しており、遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で電動役物640aが動作する(普図当たり遊技を実行する)場合には、突出状態に位置する電動役物640a上を流下する遊技球が領域b(図266参照)に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変し、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定されている状態では、電動役物640a上を流下する遊技球が領域c(図266参照)へと到達するのに十分な期間の間、電動役物640aが突出状態を継続させるように構成している。具体的には、電動役物640aの動作期間(継続して突出状態に位置する期間)が、時短状態中は2秒、通常状態中は0.2秒となるように構成している。そして、電動役物640aは図266に示した領域(領域aから領域cまでの範囲)を球が流下するための流下期間が0.2秒よりも長く、且つ2秒よりも短くなるように構成されている(第7制御例では、0.8秒)。このように構成することで、通常状態中に右打ち遊技を行い、普通図柄の当たりに当選し、動作中の電動役物640aの上面を遊技球が流下する状態になった場合であっても、電動役物640aの上面を流下する遊技球が第2入球口640に到達するまでに電動役物640aの動作が終了し、退避状態となる、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができる。また、時短状態中においては、電動役物640aの上面を遊技球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.8秒)よりも長い期間、電動役物640aの突出状態を継続させるため、突出状態である電動役物640aの上面を流下した遊技球が第2入球口640へ到達し易くし、第2特別図柄の抽選を実行させ易くすることができる。
さらに、時短状態中において、例えば、電動役物640aが作動してから1.5秒後に電動役物640aに到達した遊技球は電動役物640aの上面を流下し、領域bに到達したタイミングで電動役物640aの作動が終了する(電動役物640aが作動してから2秒経過する)ことになる。このような遊技球は図266に示した通り、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球し、10個の球が賞球として払い出される。このように、時短状態中において右打ち遊技をした場合には、電動役物640aの作動タイミングと、電動役物640aへの遊技球の到達タイミングとによって、異なる入球口(第2入球口640或いは一般入賞口63)へと遊技球を誘導することができるように構成することで、遊技者に対して時短状態中に継続して右打ち遊技を行わせることができる。また、本第7制御例では、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を最大で1個保持(保留記憶)可能に構成している。つまり、新たな特別図柄抽選を実行させるための実行条件が成立していない状態であっても、第2入球口640へと遊技球を入球させることで特図2保留を獲得し、特図2保留を獲得している状態で、特別図柄抽選を実行させるための実行条件が成立した場合には、特図2保留を用いて第2特別図柄抽選を実行させることができるように構成している。よって、時短状態が設定されている状態において、特別図柄抽選を実行させるための実行条件が成立していない場合、例えば、特別図柄変動が実行されている場合であっても、特図2保留を獲得するために意欲的に遊技者に右打ち遊技を行わせることができる。さらに、特図2保留を既に最大数(1個)獲得している状態であっても、時短状態中に右打ち遊技を行うことで、第2入球口640の下方に設けられた一般入賞口63へと遊技球を入賞させ易くすることができるため、時短状態中に多くの賞球を獲得しようとする遊技者に対して、意欲的に右打ち遊技を行わせ易くすることができる。
なお、本第7制御例では、第2入球口640へと遊技球が入球した場合に払い出される賞球数(1個)よりも、第2入球口640の下方に設けられた一般入賞口63へと遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数(10個)の方が多くなるように構成することで、時短状態中において、特図2保留の獲得を目指す遊技に加え、多くの賞球獲得を目指す遊技を遊技者に提供するように構成している。このように構成することで、時短状態における遊技状況に応じて目的を異ならせた遊技を遊技者に行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。本第7制御例では、上述した通り、時短状態中において、特図2保留の獲得を目指す遊技とは異なる遊技として、多くの賞球獲得を目指す遊技を実行させることが可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、一般入賞口63へと遊技球が入球したことに基づいて、賞球とは異なる特典を遊技者に提供するように構成しても良いし、一般入賞口63の代わりに、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得可能な入賞口や、普通図柄抽選の実行権利(普図保留)を獲得可能な入賞口を設けるように構成しても良い。上述したように、一般入賞口63への入球に応じた賞球数が10個で、第2入球口640への入球に応じた賞球数が1個となるように構成しているため、第2特別図柄抽選(特図2抽選)の実行条件が成立している状態であれば、第2入球口640に遊技球が入球する場合の方が一般入賞口63に遊技球が入球するよりも遊技者に有利な特典(即ち、特図2抽選および1個の賞球)を付与することができ、第2特別図柄抽選(特図2抽選)の実行条件が成立しておらず、且つ、特図2保留を条件数獲得している状態であれば、第2入球口640よりも一般入賞口63に遊技球が入球するほうが遊技者に有利な特典(即ち、10個の賞球)を付与することができるように構成している。
これにより、遊技の状況(特別図柄の変動の有無)に応じて、遊技者が入球を所望する入球口(多くの特典を獲得可能な入球口)を可変させることができるため、時短状態中における右打ち遊技を遊技者に楽しませることができる。また、電動役物640aの一回の動作中に第2入球口640と、一般入賞口63との両方に球を入球させるためには、右打ち遊技を継続して実行する必要があるため遊技の稼働を高めることができる。尚、第7制御例では時短状態中における電動役物640aの動作期間として、電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと到達する期間(0.8秒)よりも十分に長い期間(2秒)を設定し、電動役物640aが動作した場合に第2入球口640へ遊技球を確実に入球させるように構成しているが、それ以外に、例えば、時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を遊技球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.8秒)よりも若干長い期間(例えば、0.9秒)となるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中においてスルーゲート67に遊技球を通過させた後、遊技球の打ち出しを止め、電動役物640aが動作したことを確認した後に再度遊技球の打ち出しを開始する行為(所謂、止め打ち)を抑制することができるため、時短状態中において右打ち遊技を継続して行わせ遊技の稼働を向上させることができる。第1入球口64の下方右側には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64又は第2入球口640への入球に起因して行われた特別図柄抽選の結果が大当たり当選であると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たり当選を示すための停止図柄となるよう第1図柄表示装置37にて特別図柄を点灯表示させると共に、その大当たり当選に対応した第3図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、遊技者に対して大当たり当選が報知される。
そして、遊技球が第1可変入賞装置65へと入賞し易い大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技が実行されている特別遊技状態では、通常時(非大当たり遊技中)には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。なお、10個入賞した場合に成立する終了条件は、発射ハンドルを操作したことに基づいて成立し得る終了条件の別形態である。また、30秒経過した場合に成立する終了条件は、発射ハンドルを操作した場合よりも操作しなかった場合に成立し易い終了条件の別形態である。そして、遊技球が第1可変入賞装置65へと入賞し易い大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技が実行されている特別遊技状態では、通常時(非大当たり遊技中)には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。なお、10個入賞した場合に成立する終了条件は、操作手段を操作したことに基づいて成立し得る終了条件の別形態である。また、30秒経過した場合に成立する終了条件は、操作手段を操作した場合よりも操作しなかった場合に成立し易い終了条件の別形態である。
第1可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aの開口部を覆う横長矩形状の開閉扉65bと、その開閉扉65bを前後方向(図265の視点で奥行き方向)へと開閉駆動するための特定入賞口ソレノイド209a(図290参照)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉鎖状態、具体的には、開閉扉65bが手前側(図265の視点で手前側)に突出している閉鎖状態となり、特定入賞口65aの開口部が閉鎖状態の開閉扉65bに覆われるように構成されている。なお、閉鎖状態に開閉扉65bが位置している状態では、開閉扉65bの上面に遊技球が流下可能な流路が形成されており、閉鎖状態の第1可変入賞装置65へと遊技球が到達した場合には、開閉扉65bの上面に形成された球流路を流下し、特定入賞口65aへと入賞すること無く、第1可変入賞装置65の下流側に流下し、遊技盤13の遊技領域の下側に設けられたアウト口66に入球し、パチンコ機10の外部へと排出される。そして、大当たり遊技が実行されると特定入賞口ソレノイド209aを駆動して開閉扉65bが奥側(図265の視点で奥側)へと作動することにより、遊技球が特定入賞口65aに入賞しやすい開放状態を一時的に形成し、その開放状態と閉鎖状態とを交互に繰り返すように作動する。なお、特別遊技状態(大当たり遊技の内容)は上記した構成に限定されるものではなく、特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たり当選を示す特別図柄が表示された場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入球口64の下方右側や、第1入球口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
第2可変入賞装置(V入賞装置)650は、具体的には、V入賞口650aの開口部を覆う横長矩形状の開閉扉650f1と、その開閉扉650f1を前後方向(図265の視点で奥行き方向)へと開閉駆動するためのV入賞口ソレノイド209b(図290参照)とを備えている。V入賞口650aは、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉鎖状態、具体的には、開閉扉650f1が手前側(図265の視点で手前側)に突出している閉鎖状態となり、V入賞口650aの開口部が閉鎖状態の開閉扉650f1に覆われるように構成されている。なお、閉鎖状態に開閉扉650f1が位置している状態では、開閉扉650f1の上面に遊技球が流下可能な流路が形成されており、閉鎖状態の第2可変入賞装置650へと遊技球が到達した場合には、開閉扉650f1の上面に形成された球流路を流下し、V入賞口650aへと入賞すること無く、第2可変入賞装置650の下流側に流下し、第2可変入賞装置650よりも右側領域の下流側に設けられた電動役物640aに向けて流下する。そして、小当たり遊技が実行されるとV入賞口ソレノイド209bを駆動して開閉扉650f1が奥側(図265の視点で奥側)へと作動することにより、遊技球がV入賞口650aに入賞しやすい開放状態を一時的に形成し、その開放状態と閉鎖状態とを交互に繰り返すように作動する。なお、第2可変入賞装置650の詳細な構造については、図267から図270を参照して後述する。ここで、図267から図270を参照してV入賞装置650の構成について詳細に説明をする。まず、図265に示した通り、V入賞装置650の開閉扉650f1が特定入賞口(V入賞口)650aを閉鎖している閉鎖状態である場合は、閉鎖状態である開閉扉650f1の上面を遊技球が流下可能に構成されており、V入賞装置650が閉鎖状態中にV入賞装置650に到達した遊技球は、開閉扉650f1上を左下側(図265の正面視で左下側)に向けて流下し、スルーゲート67に向けて流出される。一方、V入賞装置650が開放状態(即ち、小当たり遊技中)である場合は、遊技球がV入賞装置650内へと入賞する。
本第7制御例では、小当たり遊技中におけるV入賞装置650の開放動作として、2秒間の閉状態(オープニング期間)の後、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(1.5秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(1.5秒)、開状態(0.2秒)、閉状態(4.8秒)、開状態(0.8秒)、閉状態(9秒)となる開放期間(ラウンド遊技期間)が実行されるように構成されている。このように、1回の開状態(開放期間)が継続する期間は最短で0.1秒と短く設定されているが、V入賞装置650が開放するタイミングにおいて開閉扉650f1上を流下している遊技球がV入賞装置650へと入賞するのに十分な期間である。V入賞装置650に入賞した遊技球は、第1規制部材或いは第2規制部材上を流下しながら検出口650a1(図269(a)参照)に向けて整列して流下するように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が開閉扉650f1のどの位置からV入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、円滑に球を流下させることができる。なお、第7制御例ではV入賞装置650の開閉扉650f1が継続して開放される期間の最短期間を0.1秒に設定しているが、開閉扉650f1の開放期間中に開閉扉650f1上を流下している遊技球がV入賞装置650へと入賞可能な期間であればその他の期間を設定しても良い。また、第7制御例では1回の小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を開放させる回数を8回としているが、それ以外の回数を設定しても良い。
詳細は後述するが、本第7制御例では小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を1回開放させてから次に開放させるまでの閉鎖期間(開放間インターバル期間)として、小当たり遊技中の5回目の開放動作までよりも、5回目開放動作以降の方が長い閉鎖期間が設定されるように構成している。これは、小当たり遊技が行われている期間中にV入賞装置650へ遊技球を入賞させ易くさせるためのものである。具体的には、小当たり遊技中において5回目の開放動作が終了した時点で特定領域(Vスイッチ)650e3が球を検知していないと判別した場合には、遊技者に右打ち遊技を強調して促す遊技案内表示を第3図柄表示装置81に表示するように構成している。そして、第3図柄表示装置81に表示された遊技案内表示を把握することで右打ち遊技を開始した場合にも、V入賞装置650へ遊技球を入球させることができるように、開放間インターバル期間を長く設定している。このように構成することで、小当たり遊技中に適切な遊技をしていない遊技者(右打ち遊技をしていない遊技者)に対しても適切な遊技を実行させ易くすることができる。このように、複数回の開放動作が実行される特定遊技(小当たり遊技)中において、一部の開放間インターバル期間を他よりも長く設定し、適正な遊技を行っていないと判別した場合に、適正な遊技内容を促すための遊技案内表示を表示可能とすることで、誤った遊技を行っている遊技者に対して、安心して遊技を行わせることができる。また、小当たり遊技中に実行される5回目の開放動作までは、閉鎖期間が短く(0.4秒)設定されているため、小当たり遊技が実行された直後から右打ち遊技を実行している遊技者に対して、5回目の開放動作が終了するまでの間に、遊技球を所定数(10個)V入賞装置650へと入賞させることで小当たり遊技の終了条件を成立させることで、長い閉鎖期間が設定されるよりも前に小当たり遊技を終了させ易くすることが可能となる。よって、小当たり遊技中に実行される1回目の開放動作終了後から長い閉鎖期間が設定される場合と比べて、小当たり遊技期間が無用に長くなってしまい適正な遊技を実行している遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図267を参照してV入賞装置650の構造について詳細に説明をする。図267は、このV入賞装置650の分解斜視図である。V入賞装置650は、図267に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材650b、その開口部形成部材650bの背面側に組み合わされて、V入賞装置650を遊技盤13にビス留めするためのベース部材650cと、そのベース部材650cの背面側に配置されてベース部材650cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板650dと、そのLED基板650dをベース部材650cと狭持する裏カバー体650eと、開口部形成部材650bに形成されている特定入賞口(V入賞口)650aを開閉するための開閉扉650f1を有した開閉ユニット650fと、裏カバー体650eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体650gと、裏カバー体650eと流路カバー体650gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材650hと、その切替部材650hと係止されるリンク部材650iと、流路カバー体650gの背面側に配置される背面カバー体650jと、その背面カバー体650jの背面側に固定されて、リンク部材650iを作動させる流路ソレノイド650kと、その流路ソレノイド650kを背面側から覆って背面カバー体650jにビスにより固定するための固定用カバー体650mとで構成されている。
図268は、V入賞装置650の断面図である。図268(c)はV入賞装置650の上面図であり、図268(b)は、V入賞装置650のLb-Lb断面図である。図268(b)に示すように、V入賞装置650には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口(V入賞口)650aが形成されている。特定入賞口(V入賞口)650aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図268(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ(球検知スイッチ)650c1で構成された検出口650a1が配置されている。この検出口650a1を通過した遊技球は、図269(a)で示す裏カバー体650eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。なお、図268(b)に示すように特定入賞口(V入賞口)650aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉650f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉650f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉650f1は、ベース部材650cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口(V入賞口)650a内から退避されるように構成されている。このように構成することで、時短遊技中と、大当たり遊技中と、小当たり遊技中とを継続して右打ち遊技させることができるため、遊技状態に応じて遊技方法を変更させる手間を軽減することができる。従って、より楽に遊技を行うことができる。また、開閉扉650f1の開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面をV入賞装置650の開口として構成できるので、遊技球を効率よく特定入賞口(V入賞口)650a内に入賞させることができる。よって、小当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図268(a)は、図268(b)に示すLa-La断面図である。図268(a)に示すように検出口650a1を有する磁気センサ650c1は、裏カバー体650eの振り分け流路側へと検出口650a1が傾くようにベース部材650cに固定されている。次に、図269を参照して、裏カバー体650eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路650e1と特別排出流路650e2とに振り分けられる構成について説明する。図269(a)は、遊技球が特別排出流路650e2に振り分けられるように切替部材650hが作動された状態を示す裏カバー体650eの背面図である。図269(a)に示すように、切替部材650hは、リンク部材650iの突部が挿入される係止穴650h1と遊技球を誘導する誘導片650h2とを有しており、流路カバー体650gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体650gには、この誘導片650h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体650gの背面側より振り分け流路内に誘導片650hを回動可能に配置することが可能に構成されている。図269(a)に示すように、検出口650a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片650h2の上面に誘導されて特別排出流路650e2に誘導される。特別排出流路650e2を通過した遊技球は特別排出流路650e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成されたVスイッチ650e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、第7制御例におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中に上記したVスイッチ(特定領域)650e3を遊技球が通過することにより、小当たり遊技後に大当たり遊技の開始が設定される。即ち、Vスイッチ(特定領域)650e3は、大当たり遊技を開始させるためのトリガとして構成されている。また、切替部材650hは、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球がVスイッチ650e3を通過可能な流路(特別排出流路650e2)、或いはVスイッチ650e3を通過不可能(困難)な流路(通常排出流路650e1)の何れかを連通させるためのものであって、流路ソレノイド650kをオンに設定することでV入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替える(図269(b)参照)ように構成している。第7制御例で用いられるパチンコ機10は、通常に遊技を行っている間は流路ソレノイド650kがオフに設定されており、V入賞装置650に入賞した遊技球が通常排出流路650e1を流下するように構成している。そして、小当たりに当選した場合に、図292を参照して後述する開放シナリオテーブル202gに規定されている内容に従って流路ソレノイド650kをオンに設定し、V入賞装置650に入賞した遊技球が特別排出流路650e2を流下可能となるように構成している。このように、流路ソレノイド650kをオフに設定している場合に、パチンコ機10において長期間維持される状態、即ち、V入賞装置650に入賞した遊技球が通常排出流路650e1を流下するように切替部材650hを維持する状態(図269(a)参照)を提供するように構成することで、パチンコ機10の使用電力を抑えることが出来る。
このように、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球の流下ルートにより小当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、小当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、V入賞装置650の開口(特定入賞口)から特別排出流路650e2の入り口(切替部材650hの誘導片650h2により閉鎖される開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。このように構成することで、小当たりに当選していないにも関わらず開閉扉650f1が開放されたことを検知してから切替部材650hにより球の流下ルートを切り替えたとしても、確実に球が特別排出流路650e2を流下する事態を抑制することができる。また、通常排出流路650e1の下流端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ650e4が設けられている。これにより、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ650e4とVスイッチ650e3との検知数の合計により判別できる。なお、小当たり遊技の終了タイミング(小当たり遊技の終了条件(V入賞装置650に所定数(10個)の入賞があった場合、或いは、V入賞装置650の開放シナリオが終了した場合)が成立した後に実行される小当たりエンディング期間を経過したタイミング)において、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されていない場合には、V入賞装置650内部の異常と判別し、外部に異常を報知したり、大当たり遊技や通常遊技が開始されないように遊技を停止させたりするように構成すると良い。これにより、パチンコ機10の一部において異常が発生している状態で遊技が進行してしまい2次的な異常が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、第2可変入賞装置(V入賞装置)650のV入賞口650aに入賞した遊技球が磁気センサ650c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(1個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、Vスイッチ650e4通過するか否かを振り分け可能に構成することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるか否かを振り分けることができる。よって、大当たり遊技を付与するための専用の入賞口(特定領域)をV入賞装置650とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。なお、本第7制御例では、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に複数種類の小当たり種別の中から1の小当たり種別(小当たりA~C)を設定可能に構成し、何れの小当たり種別が設定された小当たり遊技が実行された場合にも、小当たり遊技中に特定領域へと遊技球を入球させることができるように、流路ソレノイド650kがオンに設定されるように構成しているがこれに限ること無く、設定される小当たり種別に応じて、小当たり遊技中にV入賞装置650へと入賞した遊技球が特定領域(Vスイッチ650e3)を通過する確率を異ならせるように構成しても良い。例えば、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA~C)に応じて、流路ソレノイド650kをオンに設定する期間やタイミングが異なる小当たり遊技が実行されるように構成し、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技の内容によって、その小当たり遊技中に球がVスイッチ650e3を通過する期待度(V入賞期待度)を異ならせるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して、小当たりに当選することだけではなく、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図270を参照して、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉する開閉扉650f1の球流下面の構造について説明をする。図270(a)は、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉扉650f1が閉鎖している状態を平面視した模式図である。第7制御例の開閉扉650f1は、図270(a)に示した通り、V入賞装置650の上面に到達した遊技球は、V入賞装置650上面の傾斜(図265参照)に沿って、V入賞装置650の右側上面650y1から開閉扉650f1の上面を介して左側上面650y2を流下し、可変入賞装置65に向けて流出するように構成されている。そして、開閉扉650f1の上面には、遊技球の流下を遅延させるための遅延部材として第1遅延部材650fa、第2遅延部材650fb、第3遅延部材650fcが設けられており、球が開閉扉650f1上面を流下する流下期間が0.6秒となるように構成している。この流下期間(0.6秒)は、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aが小当たり遊技によって複数回開放される際の間隔(閉鎖期間(0.4秒))よりも長くなるように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している遊技球が、小当たり遊技により特定入賞口(V入賞口)650aが開放された場合に確実に入賞するように構成している。なお、1のラウンド遊技中に開閉扉650f1を複数回開閉する可動制御を実行する場合において、ラウンド遊技を終了することの無い閉状態における制御は、可動役物が特定位置に位置しているにも関わらず、終了条件の成立有無を判別しない制御である。
図270(a)に示した状態で、小当たり遊技が実行され、開閉扉650f1が開放状態に可変すると、図270(b)に示した状態へと移行する。図270(b)は、V入賞装置650のV入賞口650aが開放している状態を平面視した模式図である。図270(b)に示した通り、開閉扉650f1は開放状態になると、遊技盤13の内部に待避するように可動し、右側上面650y1を流下した球が特定入賞口(V入賞口)650aに入賞可能となるように特定入賞口(V入賞口)650aが開放状態となる。また、開閉扉650f1上を流下中の球も、開閉扉650f1が待避位置に位置することで、特定入賞口(V入賞口)650aへ入賞する。また、V入賞装置650には、開閉扉650f1上を流下していた球がどの位置から特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、入賞後の球流れを円滑にするための第1規制部材651と、第2規制部材652が設けられており、開閉扉650f1上面上流側で特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した球は第1規制部材651、第2規制部材652を介して一列に整列させてから、遊技球1個分の通路幅である検出口650a1に向けて流下するように構成されている。このように第1規制部材651、第2規制部材652を設けることで、第1規制部材の下方位置に検出口650a1を設けたとしても、開閉扉650f1から勢いよく入賞した遊技球が直接検出口650a1に衝突することを防止することができるため、検出口650a1に設けられた球検知スイッチ650c1が故障することを抑制することができる。加えて、遊技球1個分の通路幅の検出口650a1を遊技球が通過するまでに遊技球を整列させるための流路(第1規制部材651、第2規制部材652上を流下する流路)を確保することができるため、V入賞装置650内で球詰まりが発生し、遊技に支障を来す事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をしたように、本第7制御例では判別手段の判別結果(特別図柄の抽選の結果)が所定の判別結果(小当たり)である場合に実行される特典遊技(小当たり遊技)において作動する可変部材(開閉扉650f1)の開放間インターバル期間(0.4秒)よりも、その可変部材(開閉扉650f1)上を球が流下するのに要する流下期間(0.6秒)が長くなるように構成しているため、小当たり遊技中の開放間インターバル(開閉扉650f1が閉鎖状態のタイミング)中に可変部材上を流下する遊技球を確実に次の開放タイミングでV入賞装置650へ入賞させることができる。また、可変部材上を流下中の遊技球のみを小当たり遊技中にV入賞装置650へ入賞させるだけでも小当たり遊技中に所定個数(10個)を入賞させることができるように、1回の小当たり遊技における開放動作回数(8回)を設定しているため、1回の開放期間(0.1秒)を短く設定したとしても、充分の入賞個数を確保することができる。加えて、1回の開放期間を長く設定してしまうことにより、小当たり遊技中に過剰な個数の球をV入賞装置650へ入賞させてしまうという事態が発生することを抑制することができる。図264に戻り、説明を続ける。遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図265参照)を通じて視認することができる。遊技盤13には、アウト口66が設けられている。遊技領域を流下する遊技球であって、いずれの入賞口(入球口)63,64,65a,640,650aにも入賞(入球)しなかった遊技球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口66は、第1入球口64の下方に配設される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。この各種部材は、遊技領域を流下する遊技球の流下方向や流下速度を可変させるための調整手段として機能する。
図272に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図290参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図290参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。ここで、図273を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。第3図柄表示装置81の表示面には、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応させた第3図柄が表示されるように構成しており、第3図柄の表示態様として「0」から「9」の数字を模した10種類の主図柄を含む表示態様が表示されるように構成されている。また、本第7制御例のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
この第3図柄は、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動期間においては、変動している特別図柄と同様に変動表示され、特別図柄抽選の結果を示す表示態様で特別図柄が停止表示された場合に、停止表示された特別図柄に対応した表示態様で停止表示されるように構成している。つまり、遊技者は、第3図柄表示装置81の表示面に表示される第3図柄の変動表示(変動演出)を見ながら特別図柄抽選の結果を予測し、その後、停止表示された第3図柄を視認することで、特別図柄抽選の結果を把握するように構成している。ここで、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される第3図柄の変動表示内容について説明する。本第7制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に複数の第3図柄を変動表示させることが可能に構成しており、停止表示された複数の第3図柄の表示態様(組合せ)によって、特別図柄抽選の結果を報知するように構成している。具体的には、主表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1~Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1~Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。また、主表示領域Dmには、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。なお、第3図柄表示装置81における図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。
主表示領域Dmにおける正面視右上には、小表示領域Dm4が形成されている。この小表示領域Dm4は、第3図柄の変動表示を簡易的に表示させることが可能に構成されている。ここで、小表示領域Dm4において変動表示を実行する場合とは、例えば、主表示領域Dmにおいて、所定のキャラクタがアクションを行う演出や、枠ボタン22の押下を促す演出等の表示演出を実行している場合である。表示演出の実行中は、より大きな主表示領域Dmで演出を表示させることによって、より分かり易い演出を提供することができる。また、表示演出の実行中に、第3図柄の変動表示を小表示領域Dm4に簡易的に表示させておくことで、第3図柄の変動表示が継続していることを遊技者に対して容易に理解させることができる。図273(a)に示すように、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、図273(b)に示すように、黒色の円形からなる保留図柄が表示される。上述した通り、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64や第2入球口640へ入球すると、その入球回数が所定数(第1入球口64は4回、第2入球口640は1回)保留される。副表示領域Dsに対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本制御例では、保留球数の最大値が第1特別図柄で4個、第2特別図柄で1個に設定されており、副表示領域Dsには、第1特別図柄に対応する保留図柄(特図1保留図柄)を表示可能に構成しているため、副表示領域Dsには、最大で4個の保留図柄(特図1保留図柄)が表示される。なお、図273(b)では、副表示領域Dsに保留図柄(特図1保留図柄)を表示させる例を示しているが、保留図柄の表示位置はこれに限ること無く、主表示領域Dsの一部領域に保留図柄を表示させるように構成しても良い。
また、保留記憶されている全ての保留図柄を表示させる必要も無く、例えば、第2入球口640に球を入球させ易い普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定されている場合には、第2特別図柄の保留図柄(特図2保留図柄)のみを表示させ、普通図柄の低確率状態(通常状態)が設定されている場合には、第1特別図柄の保留図柄(特図1保留図柄)のみを表示させるように構成しても良いし、各特別図柄種別に対応させた保留図柄の視認度合いを遊技状態に応じて異ならせても良く、例えば、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定されている場合には、特図2保留図柄のほうが特図1保留図柄よりも遊技者が視認し易いように表示し、普通図柄の低確率状態(通常状態)が設定されている場合には、特図1保留図柄のほうが特図2保留図柄よりも遊技者に視認させ易く表示するように構成しても良い。このように構成することで、設定されている遊技状態に応じて主として実行される特別図柄種別を遊技者に分かり易く報知することができる。なお、本第7制御例では、保留図柄の個数を保留球数に対応させて可変させていたが、保留球数を表示する方法はこれに限られるものではない。例えば、保留球数を数字で表示させる構成としてもよい。また、表示されている保留図柄が特図1保留図柄であるか特図2保留図柄であるかを遊技者が識別可能となるように特別図柄種別に応じて保留図柄の表示態様を異ならせるように構成しても良いし、何れの特別図柄種別に対応した保留図柄が何個あるのかを遊技者に分かり難くさせるために同様の表示態様(完全に同一の表示態様も含む思想)で各保留図柄を表示するように構成しても良い。
<第7制御例における演出内容について>
次に、図274から図288を参照して、本第7制御例のパチンコ機10において実行される各種演出内容について説明をする。本第7制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後に、遊技状態として通常状態又は時短状態が設定されるように構成している。そして、通常状態中に実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選(初当たり当選)した場合に実行される大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出によって、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に報知するように構成している。このように構成することで、賞球を獲得するだけの単調な遊技となる大当たり遊技中において、遊技者が強く興味を持つ演出を実行することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。本第7制御例では、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を報知するための大当たり遊技演出として、所定数の敵を味方キャラが複数回の攻撃によって討伐していく討伐演出を実行可能に構成している。この討伐演出は、演出結果として敵数が0体となった場合に、実行中の大当たり遊技が終了した後に遊技者に有利な時短状態が設定されることを報知し、演出結果として敵数が0体以外(例えば、12体)となった場合に、実行中の大当たり遊技が終了した後に遊技者に不利な通常状態が設定されることを報知するものである。ここで、従来より、表示されている所定値を、遊技者が操作可能な操作手段を操作することで複数回減算させる演出を実行し、所定値が特定値まで減算された場合に、遊技者に有利な特典が付与されることを報知する操作減算演出を実行するものがある。
この従来型の操作減算演出では、最初に表示される所定値と、最終的に表示される値とを予め決定しておき、決定された範囲内において値を減算するための各演出が複数回実行されるように構成されているものが一般的であり、遊技者が操作手段を短期間で操作した場合には、操作減算演出が開始されてから直ぐに最終的に表示される値が表示され、操作手段への操作に基づいて値が減算されない期間が長時間継続してしまうことから遊技者の操作意欲が低下してしまうという問題があった。本第7制御例にて実行される討伐演出では、演出ボタン22aへの操作に基づいて敵数を減算させる攻撃演出の実行回数と、攻撃演出の個々の実行機会に対して減算(討伐)可能な敵の討伐数(残敵数)と、を予め決定可能に構成している。そして、各攻撃演出が実行される間に、遊技者が操作手段を操作することで、予め決定されている残敵数を攻撃演出の演出結果として表示可能に構成し、各攻撃演出において遊技者が操作手段を操作しなかった場合、或いは、操作手段を操作したにも関わらず予め決定されている残敵数よりも多い数の敵数が表示された場合には、実際に表示されている残敵数を追加攻撃によって減算させる追加攻撃演出を実行可能としている。また、追加攻撃演出が実行された場合において、予め決定されている残敵数まで敵数を減少させる第1攻撃演出と、実際に表示されている残敵数と、予め決定されている残敵数との範囲内であって、特定の残敵数まで敵数を減少させる第2攻撃演出と、を実行可能に構成している。このように構成することで、追加攻撃演出の演出結果が常に予め決定されている残敵数となることを抑制することができる。さらに、本第7制御例では、全ての敵を討伐した場合(残敵数が0体となった場合)以外にも、討伐演出中に残敵数が特定数(例えば、「111」等のぞろ目)で表示されることで、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを討伐演出が終了するよりも前に報知可能に構成している。このように構成することで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態をいち早く察知したい遊技者に対して、討伐演出の演出内容(各攻撃演出の演出結果)を注視させ易くすることができ、演出効果を高めることができる。
加えて、本第7制御例では、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを討伐演出が終了するよりも前に報知可能な残敵数の特定数として、大当たり当選を示すための第3図柄種別(大当たり図柄の種類)に関わらず共通の共通特定数に加え、大当たり当選を示すための第3図柄種別(大当たり図柄の種別)に対応させた固有特定数を設定可能に構成している。このように固有特定数を設定可能に構成することで、大当たり当選した際に表示された第3図柄の種別に応じて、討伐演出中に表示されることを期待する残敵数を異ならせることができ、遊技者が討伐演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、本第7制御例では、上述した第2攻撃演出の演出結果として、特定数の残敵数を決定可能に構成している。つまり、1回の攻撃演出において予め決定されている残敵数まで表示されている残敵数を減少させるのでは無く、1回の攻撃演出において予め決定されている残敵数まで表示されている残敵数を減少させなかった場合であって、表示されている残敵数と、予め決定されている残敵数との範囲内に特定数が含まれており、且つ、特定数の敵残数を表示させるための表示条件が成立した場合に、第2攻撃演出の演出結果として、特定数の残敵数が表示されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、各攻撃演出にて操作手段(演出ボタン22a)を操作するか否かを選択させる楽しみを提供することができる。また、攻撃演出が開始される時点で表示されている残敵数を把握し、今回の攻撃演出にて減少させることが可能な残敵数(予め決定されている残敵数)を予測することで、今回の攻撃演出にて減少させることが可能な敵数の範囲内に特定数が含まれているかを予測し、その予測結果に基づいて、各攻撃演出にて操作手段(演出ボタン22a)を操作するか否かを選択させることができるため、演出効果を高めることができる。
加えて、特定数となる残敵数として、共通特定数に加え固有特定数を設定可能にすることで、今回の攻撃演出にて減少させることが可能な敵数の範囲内に特定数が含まれているかを遊技者に予測させ難くすることができるため、各攻撃演出にて操作手段(演出ボタン22a)を操作するか否かの選択結果が単調になってしまうことを抑制することができる。なお、本第7制御例では、大当たり当選を示すための第3図柄種別(大当たり図柄の種別)に対応させた固有特定数として、大当たり当選を示すための第3図柄に付された数字(例えば「444」の第3図柄が停止表示された場合には、「4」)が少なくとも含まれている残敵数の一部を設定可能に構成している。そして、大当たり当選を示すための第3図柄に付された数字の数が多い程、固有特定数として設定され易くなるように構成している。具体的には、「444」の第3図柄が停止表示されたことに基づいて実行される大当たり遊技中の討伐演出では、固有特定数として「444」が最も設定され易く、次いで、下二桁が「44」となる残敵数、「4」の数字を2つ有する残敵数、下一桁が「4」となる残敵数の順に、固有特定数が設定され難く構成されている。このように構成することで、遊技者に対して固有特定数としてどの残敵数が設定されたのかを予測する楽しみを提供することができる。また、大当たり当選を示すための第3図柄に付された数字を含む複数種類の残敵数の何れかが表示された場合に、表示された残敵数が固有特定数であることに期待させることができるため、遊技者に対して飽きること無く討伐演出を実行することができる。なお、本第7制御例では、固有特定数を抽選で決定可能に構成しているが、これに限ること無く、大当たり当選を示すための第3図柄に付された数字に対応させて、固有特定数を予め決定しておくように構成しても良い。また、固有特定数を1個のみ決定しても良いし、3個以上決定しても良い。
加えて、討伐演出が実行されている間に、今回設定されている固有特定数を遊技者に予測させ易くするための情報を含む固有特定数示唆演出を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選を示すための第3図柄に付された数字を含む残敵数が表示される毎に、無用に固有特定数であると遊技者に期待させてしまうことを抑制することができる。まずは、図274から図277を参照して、大当たり遊技中に実行される演出内容について説明をする。図274(a)は、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に報知するための演出として討伐演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。ここで、討伐演出とは、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の一部であって、所定数の敵を味方キャラが討伐していく演出であり、演出結果として敵数が0体となった場合に、実行中の大当たり遊技が終了した後に遊技者に有利な時短状態が設定されることを報知し、演出結果として敵数が0体以外(例えば、12体)となった場合に、実行中の大当たり遊技が終了した後に遊技者に不利な通常状態が設定されることを報知するものである。具体的には、大当たり遊技の最初のラウンド遊技(1ラウンド目)にて、今回の討伐演出における敵数が表示され、大当たり遊技が終了するまでに実行される以降のラウンド遊技(2ラウンド目~6ラウンド目)毎に、敵を倒す攻撃演出が実行され、最後の攻撃演出が終了した後に表示される敵数が今回の討伐演出の演出結果として表示される。
図274(a)は、大当たり遊技の1ラウンド目を示す表示画面であって、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの右上には、第1特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が表示される表示領域Dm1に、大当たり当選を示すための第3図柄の停止表示態様として「444」が停止表示されている。なお、図274(a)では、大当たり遊技中の表示画面を示すために、表示領域Dm1に遊技者が識別可能な態様で第3図柄を停止表示させているが、これに限ること無く、遊技者が識別困難な態様で第3図柄を停止表示させても良いし、大当たり遊技中において第3図柄を停止表示させないように構成しても良い。さらに、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報(第3図柄)に代えて、大当たり当選したことを示すための識別情報(特殊図柄)として、「V」を模した特殊図柄を主表示領域Dm1に停止表示させるように構成しても良い。また、主表示領域Dmの左上側には、遊技者に遊技方法を案内するための案内表示態様が表示される表示領域Dm4が形成され、大当たり遊技中に遊技者が実行すべき遊技方法を案内するための表示態様として右打ち遊技を案内するための「右打ち」の文字が表示されている。また、表示領域Dm4の下方には、大当たり遊技の進行状況を遊技者に報知するための大当たり遊技状況表示態様として、実行中のラウンド遊技数を示す「ラウンド1」が表示されている。
主表示領域Dmの右下側には、遊技者に有利な遊技状態が継続している期間において獲得した賞球数の合計値に対応する情報を示すためのポイント表示態様が表示される表示領域Dm6が形成される。図274(a)は、通常状態において大当たり当選(初当たり当選)したことに基づいて実行される大当たり遊技の1ラウンド目の表示画面を示しており、表示領域Dm6には、今回の大当たり遊技中に既に獲得した賞球数に対応する情報として「33P」が表示されている。つまり、本第7制御例では、大当たり遊技が実行された場合に第1可変入賞装置65が開閉動作され、第1可変入賞装置65の特定入賞口65aへと遊技球が入球した場合に11個の賞球が払い出されるように構成しており、図274(a)は、1ラウンド目のラウンド遊技にて3個の遊技球を特定入賞口65aへと入賞させ、合計で33個の賞球が払い出された時点における表示画面を示している。そして、主表示領域Dmの中央部には、今回の討伐演出において討伐対象となる敵の総数を表示するための表示領域HR1が形成され、「残り500体」の文字が表示される。つまり、今回の討伐演出の演出態様が500体の敵を討伐する演出態様であることが報知される。ここで、本第7制御例では、討伐演出における敵の総数として異なる値を決定可能に構成しており、具体的には、「1000体」,「500体」,「777体」の何れかが決定されるように構成しており、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される場合の方が、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合よりも「1000体」が決定され易くなるように構成し、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合の方が、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される場合よりも「500体」が決定され易くなるように構成している。また、敵の総数「777体」は、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合にのみ決定されるように構成している。
このように構成することで、討伐演出が開始された直後(大当たり遊技の1ラウンド目)にて表示領域HR1に表示される敵の総数を把握することで、討伐演出の演出結果が表示されるよりも前に、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に予測させることができ、演出効果を高めることができる。さらに、敵の総数「777体」が表示された場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを、討伐演出が開始された時点で遊技者に把握させることが可能となる。よって、討伐演出が実行されている演出期間において、様々なタイミングにて時短状態が設定されることを報知することができるため、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態をいち早く把握したい遊技者に対して討伐演出が実行されている演出期間の間、継続して演出を注視させることができる。また、主表示領域の右上側には、演出ボタン22aを模した複数のボタンアイコンPu1~Pu5が表示される表示領域Dm7が形成される。この表示領域Dm7には、今回の討伐演出にて敵の総数を減少させるための攻撃演出が実行される回数と、1回の攻撃演出において減少させる敵の数(討伐数)を示唆する情報と、に基づいて決定された表示態様で複数のボタンアイコンPu1~Pu5が表示される。図274(a)に示した例では、左から順に第1ボタンアイコンPu1、第2ボタンアイコンPu2、第3ボタンアイコンPu3、第4ボタンアイコンPu4、第5ボタンアイコンPu5が表示されており、今回の討伐演出では演出ボタン22aを用いた攻撃演出が5回実行されることを遊技者に報知している。また、第1ボタンアイコンPu1、第3ボタンアイコンPu3、第4ボタンアイコンPu4、第5ボタンアイコンPu5が、通常の攻撃演出が実行されることを示唆する通常表示態様で表示され、第2ボタンアイコンPu2が、強攻撃演出が実行されることを示唆する強表示態様(図では、通常よりも厚みを持たせた表示態様で表示)で表示されている。このように構成することで、討伐演出が実行されてから1回目の攻撃演出が実行されるまでの間に、今回の討伐演出にて実行される攻撃演出の回数と、各攻撃演出の演出内容と、を遊技者に予測させ易くすることができるため、分かり易い演出を提供することができる。
さらに、本第7制御例では、1回目の攻撃演出にて第1ボタンアイコンPu1に対応する攻撃演出が、2回目の攻撃演出にて第2ボタンアイコンPu2に対応する攻撃演出が、3回目の攻撃演出にて第3ボタンアイコンPu3に対応する攻撃演出が、4回目の攻撃演出にて第4ボタンアイコンPu4に対応する攻撃演出が、5回目の攻撃演出にて第5ボタンアイコンPu5に対応する攻撃演出が実行されるように構成している。つまり、表示領域Dm7に表示されている複数のボタンアイコンは、討伐演出にて実行される攻撃演出の回数だけで無く、各攻撃演出における演出態様も示唆可能に構成している。このように構成することで、討伐演出における何回目の攻撃演出が残敵数を大きく減少させる演出結果となるかを遊技者に事前に予測させることができるため、各攻撃演出の演出結果(残敵数)と、表示領域Dm7に表示されている残りのボタンアイコンの表示態様と、を把握しながら敵の残数が固有特定数や共通特定数へと可変することを期待させることができる。また、副表示領域Dsには、討伐演出の演出内容を遊技者に案内するための案内表示態様として「敵を全て倒すとラッシュ突入!!」の文字が表示されている。このように構成することで、討伐演出が実行された場合に、残り500体と表示された値が0体になることで何らかの特典が付与されると遊技者が把握し易くなるため、討伐演出の実行中において残敵数が減少していく過程を楽しませることができる。討伐演出における1回目の攻撃演出が実行されると、図274(b)に示した表示画面が表示される。図274(b)は、討伐演出における1回目の攻撃演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。本第7制御例では、上述した通り、大当たり遊技の2ラウンド目~6ラウンド目にかけて討伐演出における攻撃演出が実行されるように構成しており、1回目の攻撃演出は2ラウンド目に実行されるため、図274(b)に示した通り、表示領域Dm5には、2ラウンド目のラウンド遊技中を示す「ラウンド2」が表示されている。
そして、討伐演出開始時には主表示領域Dmの中央部に形成されていた表示領域HR1が表示領域Dmの中央上方側に縮小形成され、代わりに、主表示領域Dmの中央部には、遊技者に対して演出ボタン22aの押下を促す表示態様として、第1ボタンアイコンPu1と、押下方向を示す表示態様(図では下向きの矢印で表示)と、1回目の攻撃演出における演出ボタン22aの操作が有効に判別される期間(SW有効期間)を示す表示態様として、タイムゲージga1と、が表示されている。本第7制御例では、1回の攻撃演出に対応するSW有効期間として3秒間が設定されるように構成しており、タイムゲージga1の表示態様は、残期間を示すための残期間表示ga1aと、経過期間を示すための経過期間表示ga1bとから形成されており、SW有効期間が設定されてから期間が経過する毎に、経過期間表示ga1bが占める割合が増加し、残期間表示ga1aが占める割合が減少するように、タイムゲージga1の表示態様が可変するように構成している。なお、図274(b)に示した例では、SW有効期間が設定されてから1秒が経過した時点を示しており、タイムゲージga1全体で示すSW有効期間(3秒)に対して、経過期間表示ga1bが1秒分、残期間表示ga1aが2秒分の範囲を示している状態が表示されている。このように構成することで、SW有効期間が経過するまでの残期間を遊技者に視覚的に把握させることができるため、攻撃演出中に遊技者が演出ボタン22aへの操作を忘れてしまうことを抑制することができる。さらに、今回の攻撃演出にて実行される演出内容を示唆するための表示態様としてウサギを模したキャラクタ801aが表示されている。本第7制御例では、攻撃演出中に演出ボタン22aを押下したことに基づいて実行される残敵数を減少させる演出に用いられる味方キャラを示すための表示態様を、遊技者が演出ボタン22aを押下するよりも前(SW有効期間が設定された後)に第3図柄表示装置の表示画面に表示するように構成している。
そして、攻撃演出では、味方キャラの種別と、実行される攻撃種別とに応じて減少させることが可能な残敵数の範囲を異ならせるように構成している。具体的には、味方キャラの種別として、ウサギを模したキャラクタ801a(図274(b)参照)と、キャラクタ801aよりも高い攻撃力を有する勇者を模したキャラクタ801b(図275(a)参照)と、を設定可能に構成しており、各キャラクタが通常攻撃と、その通常攻撃よりも敵数を多く減少させ易い強攻撃とを実行可能に構成している。よって、キャラクタ801aによる通常攻撃が最も残敵数を減少させ難い組合せの攻撃演出となり、キャラクタ801bによる強攻撃が最も残敵数を減少させ易い組合せの攻撃演出となる。このように、1回の攻撃演出にて減少させることが可能な残敵数の範囲を、攻撃演出の演出態様を形成する複数の構成要素の少なくとも一部を事前に遊技者に報知可能に構成することで、遊技者に対して、今回実行される攻撃演出の演出結果を予測させ易くすることができる。なお、本第7制御例では、攻撃演出に用いられる味方キャラの種別を2種類有しているが、味方キャラの種別を1種類にしても良いし、3種類以上としても良い。また、味方キャラが実行可能な攻撃の種類を、3種類以上にしても良いし、味方キャラの種別に応じて実行される攻撃の種類を異ならせても良い。このように構成することで、攻撃演出に用いられる味方キャラの種別としてどの種別が選択されるかについてより興味を持たせることができる。攻撃演出中に表示される第1ボタンアイコンPu1は、討伐演出開始時に表示領域Dm7に表示されていた第1ボタンアイコンPu1と同一の表示態様で表示されるように構成している。具体的には、攻撃演出が開始された場合に、表示領域Dm7に表示されている第1ボタンアイコンPu1が拡大しながら主表示領域Dmの中央部へと移動していくボタンアイコン移動演出が実行される。このように構成することで、討伐演出の開始時に表示領域Dm7に表示された各ボタンアイコンを実際に用いて攻撃演出が実行される演出を創出することができるため、討伐演出開始時に表示領域Dm7に表示される表示態様に対して遊技者に興味を持たせることができる。
そして、第1ボタンアイコンPu1が攻撃演出に用いられたため、表示領域Dm7には、未使用の第2ボタンアイコンPu2~第5ボタンアイコンPu5のみが表示され、過去に第1ボタンアイコンPu1が表示されていた領域には、攻撃演出に用いられたことを示すための表示態様(図では「-」で表示)が表示されている。このように構成することで、表示領域Dm7に表示されている各ボタンアイコンを確認することで、討伐演出中に既に実行された攻撃演出の回数と、残りの攻撃演出の回数と、を容易に把握することができる。図274(b)に示した状態で遊技者が演出ボタン22aを押下すると、キャラクタ801aが敵を攻撃する演出が実行され、攻撃後の残敵数が表示される。次に、図275(a)を参照して、1回目の攻撃演出が実行された2ラウンド目のラウンド遊技が終了した後のインターバル期間中の演出内容について説明をする。図275(a)は、2ラウンド目終了後のインターバル中に表示される表示画面の一例を示した図である。2ラウンド目~6ラウンド目のラウンド遊技間に設定されるインターバル期間では、前のラウンド遊技にて実行された攻撃演出の演出結果(残敵数)を示す表示態様と、次のラウンド遊技にて実行される攻撃演出の演出内容を示す表示態様と、が表示される。本第7制御例では、インターバル期間として1.5秒間が設定されるように構成しており、前のラウンド遊技にて実行される攻撃演出中(SW有効期間中)に演出ボタン22aが押下されなかった場合には、インターバル期間を用いて、前のラウンド遊技にて実行された攻撃演出の演出結果(残敵数)が表示される。一方で、前のラウンド遊技にて実行される攻撃演出中(SW有効期間中)に演出ボタン22aを押下した場合には、演出ボタン22aを押下した直後に、味方キャラが攻撃を行う演出が実行された後に今回の攻撃演出の演出結果(残敵数)が表示されたままインターバル期間に移行し、攻撃演出の演出結果(残敵数)を表示したまま、次のラウンド遊技にて実行される攻撃演出の演出内容を示す表示態様と、が表示される。
より詳細に説明をすると、本第7制御例では大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の終了条件として第1可変入賞装置65へと10個の遊技球が入賞した場合に成立する第1終了条件と、ラウンド遊技が開始されてから第1終了条件が成立すること無く30秒が経過した場合に成立する第2終了条件と、を有している。ここで、本第7制御例におけるパチンコ機10は、図265を参照して上述した通り、大当たり遊技中は右打ち遊技が実行され、右打ち遊技によって発射された遊技球の殆どが第1可変入賞装置65に到達するように遊技盤13を構成している。本パチンコ機10は、1分(60秒)間で100個の遊技球を発射可能に構成していることから、大当たり遊技中に継続して遊技球は発射した場合には、ラウンド遊技が開始されてから約6秒で第1終了条件が成立しラウンド遊技が終了する。そして、ラウンド遊技中に実行されるラウンド遊技演出としては、ラウンド遊技が開始されてから3秒後に3秒間のSW有効時間が設定される攻撃演出が実行されるように構成している。つまり、ラウンド遊技中に実行される攻撃演出におけるSW有効時間の長さ(3秒)が、通常に遊技した場合において継続するラウンド遊技期間の長さ(約6秒)よりも短くなるように構成している。このように構成することで、ラウンド遊技中において効率良く遊技球が第1可変入賞装置65へと入賞する場合であっても、SW有効時間が設定されている際中にラウンド遊技が終了してしまうことを抑制することができるため、SW有効時間内に演出ボタン22aを操作しようとする遊技者に対して、演出ボタン22aを操作する前にラウンド遊技が終了してしまい演出ボタン22aを操作する操作意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本第7制御例では、ラウンド遊技中に設定されるSW有効時間を、通常の遊技が実行されている場合に継続し得るラウンド遊技期間(約6秒)よりも短くなるように予め規定しておき、ラウンド遊技期間(約6秒)が経過するよりも前にSW有効時間が経過するように攻撃演出を実行することで、SW有効時間内に演出ボタン22aを操作しようとする遊技者に対して、演出ボタン22aを操作する前にラウンド遊技が終了してしまい演出ボタン22aを操作する操作意欲が低下してしまうことを抑制しているが、これに限ること無く、例えば、ラウンド遊技中に設定されるSW有効時間の長さを、ラウンド遊技中に第1可変入賞装置65へと入賞した遊技球の個数に応じて可変させるように構成しても良い。具体的には、ラウンド遊技中に設定されるSW有効時間として、経過時間に基づいてラウンド遊技を終了させる第2終了条件(30秒経過)が成立する期間と同一の長さ(30秒)を設定し、その後、ラウンド遊技中に第1可変入賞装置65へと遊技球が1個入賞する毎に、SW有効時間の残期間が3秒減算されるように構成する。このように構成することで、ラウンド遊技が終了するまでに、確実にSW有効時間を終了させることができる。また、ラウンド遊技中において、遊技球の発射を中断し、演出ボタン22aへの操作を実行しようとする遊技者に対しては、長時間(最大で30秒)のSW有効時間を提供することができるため、SW有効時間内に演出ボタン22aを操作しようとする遊技者に対して、演出ボタン22aを操作する前にSW有効時間が経過してしまい演出ボタン22aを操作する操作意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
図275(a)に戻り、説明を続ける。図275(a)に示した通り、2ラウンド目終了後のインターバル期間では、2ラウンド目にて実行された攻撃演出(図274(b)参照)の演出結果として表示領域HR1に「残り385体」が表示されている。また、3ラウンド目にて実行される攻撃演出の内容を示唆するための表示態様として、主表示領域Dmの左側に勇者を模したキャラクタ801bが表示されており、表示領域Dm7には、次の攻撃演出に対応する第2ボタンアイコンPu2が強表示態様で表示されている。そして、副表示領域Dsには、今回の討伐演出における攻撃演出の残回数と、次の攻撃演出が敵の残数を大きく減少させる攻撃演出であることを案内するための表示態様として「残り4回!!次は大量討伐のチャンス!!」のコメントが表示されている。よって、図275(a)に示した表示画面を目視した遊技者は、3ラウンド目に実行される攻撃演出にて、敵の残数が大きく減少することを事前に把握することができるため、敵の残数が0体になることを期待しながら3ラウンド目の攻撃演出を楽しませることができる。なお、本第7制御例では、図275(a)に示した通り、次のラウンド遊技にて実行される攻撃演出の演出内容を3つの表示要素(表示領域Dm7の表示態様、キャラクタ801bの表示、副表示領域Dsのコメント)によって遊技者に示唆可能に構成している。この各表示要素は、全てのインターバル期間において表示するものでは無く、少なくとも1の表示要素を用いて次のラウンド遊技にて実行される攻撃演出の演出内容を示唆可能に構成しても良い。この場合、上述した3つの表示要素のうち、用いられた表示要素の数が多いほど、次の攻撃演出が敵の残数を大きく減少させる攻撃演出である可能性を高くしたり、3つの表示要素が示唆する攻撃演出の内容に矛盾が発生している場合に次の攻撃演出が敵の残数を大きく減少させる攻撃演出である可能性を高くしたりするように構成すると良い。このように構成することで、インターバル期間にて表示される各種表示態様に対しても遊技者に興味を持たせることができ演出効果を高めることができる。
さらに、本第7制御例では、上述した3つの表示要素のうち、表示態様Dm7のみ事前に表示し、残りの2つの表示要素をインターバル期間が設定され、次のラウンド遊技にて実行される攻撃演出の演出内容を示す表示態様が表示されるタイミングにて同時に表示するように構成しているが、これに限ること無く、次のラウンド遊技にて実行される攻撃演出に用いられるキャラクタを示唆する表示態様(第1表示要素)の表示タイミングと、副表示領域Dsのコメント表示(第2表示要素)の表示タイミングと、を異ならせるように構成しても良い。この場合、例えば、各表示要素のうち、遊技者に有利な表示態様が決定された表示要素を後に表示するように各表示要素の表示タイミングを設定可能に構成すると良い。このように構成することで、インターバル期間中に表示される表示内容を遊技者が注視する期間を長くすることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、各表示要素のうち、遊技者に有利な表示態様が決定された表示要素を先に表示するように各表示要素の表示タイミングを設定可能に構成しても良い。このように構成することで、先に表示された表示要素が遊技者に有利な表示態様である場合に、2つの表示要素が何れも遊技者に有利な表示態様である可能性を残すことができるため、後に表示される表示要素に対して遊技者を注視させることができる。
なお、本第7制御例では、各攻撃演出にて用いられるボタンアイコンの種別(強表示態様、通常表示態様)を、討伐演出が開始される時点で事前に遊技者に表示する(図274(a)参照)ように構成しているが、これに限ること無く、例えば、討伐演出が開始される時点では、今回の討伐演出にて実行される攻撃演出の回数に対応させた数のボタンアイコンとして、第1ボタンアイコンPu1のみ1回目の攻撃演出の演出内容に応じて種別を決定し、残りの第2ボタンアイコンPu2~第5ボタンアイコンPu5を通常表示態様で表示させておき、討伐演出が開始される時点では、今回の討伐演出にて実行される攻撃演出の回数と、1回目の攻撃演出の演出内容のみを遊技者に報知する表示態様を表示し、2ラウンド目以降のインターバル期間にて第2ボタンアイコンPu2~第5ボタンアイコンPu5の表示態様を、対応する攻撃演出の演出内容に応じて可変表示させるように構成しても良い。このように構成した場合には、インターバル期間中に表示される各表示要素の表示タイミングを決定する処理において、上述した第1表示要素、第2表示要素に加え、可変させたボタンアイコンの表示態様(第3表示要素)の表示タイミングも含めて表示タイミングを決定するように構成すると良い。また、2ラウンド目以降のインターバル期間にて第2ボタンアイコンPu2~第5ボタンアイコンPu5の表示態様を可変させる構成を用いた場合には、討伐演出にて実行される各攻撃演出の演出内容を、討伐演出が開始されるまでに予め決定しておくのでは無く、インターバル期間中に決定するように構成しても良いし、討伐演出の開始時に予め決定しておいた攻撃演出の内容を、前に実行された攻撃演出の演出結果(演出ボタン22aの操作状況)に応じて、可変させるように構成しても良い。このように、討伐演出が実行されている際中に残りの攻撃演出の演出内容(減少させる残敵数)を可変させるように構成したとしても、可変後の攻撃演出の演出内容に応じた表示態様でボタンアイコンを表示させることができるため、遊技者に違和感を与える演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
そして、討伐演出にて実行される最後の攻撃演出(6ラウンド目の攻撃演出)にて、敵を全て討伐した場合には、図275(b)に示した表示画面が表示される。図275(b)は、討伐演出にて敵を全て討伐した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図275(b)に示した通り、表示領域HR1に表示される敵残数を示す表示態様として「残り0体」が表示され、攻撃演出にて用いられたキャラクタ801a、及びキャラクタ801bが祝福する演出態様が主表示領域Dmに表示される。また、表示領域Dm7には、今回の討伐演出にて実行された攻撃演出の回数を把握可能な表示態様として、消費済アイコン(図では「-」で表示)が、攻撃演出が実行された回数に対応させて5個表示されている。副表示領域Dsには、今回の討伐演出が遊技者に有利な演出結果であることを案内するための案内表示態様として「討伐完了!!ラッシュ突入!!」の文字が表示されている。このように構成することで、討伐演出の演出結果が遊技者に有利な成功演出であることと、大当たり遊技の終了後に時短状態(ラッシュ)が設定されることを遊技者に分かり易く報知することができる。なお、この「討伐完了!!ラッシュ突入!!」との文字は、初めて時短状態へと移行する場合に表示されるものであり、時短状態中に大当たり当選し、その大当たり遊技終了後に再度時短状態が設定される場合には、「討伐完了!!ラッシュ突入!!」に代えて「ラッシュ継続」の文字が表示される。この表示態様の切替は、短期間で同一条件が成立した場合(時短状態が設定される場合)に異なる表示態様を表示する構成である。
次に、上述した討伐演出にて実行される攻撃演出中における演出ボタン22aに対する操作の有無に応じて表示される表示画面の表示内容について、図276、及び図277(a)を参照して説明をする。図276(a)は、図275(a)に表示したインターバル期間が経過した後に実行される3ラウンド目の攻撃演出中であって、SW有効時間中に表示される表示画面の一例を示した図であり、図276(b)は、図276(a)に表示した攻撃演出のSW有効時間内に遊技者が演出ボタン22aを操作(押下)した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図277(a)は、図276(a)に表示した攻撃演出のSW有効時間内に遊技者が演出ボタン22aを操作(押下)しなかった場合に表示される表示画面の一例を示した図である。本第7制御例では、討伐演出の演出結果が遊技者に有利な演出結果(大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを報知する演出結果)であることを示すために残敵数が共通特定数(0体)となる演出態様を決定可能に構成している。さらに、遊技者に有利な演出結果となる討伐演出において残敵数が共通特定数(0体)となるよりも前に、残敵数として固有特定数(例えば、333といったぞろ目や、大当たり図柄に対応した値)を表示することで、討伐演出の際中に今回の討伐演出の演出結果を遊技者に報知可能に構成している。加えて、各攻撃演出における演出ボタン22aの操作状況(押下の有無)に応じて、各攻撃演出の演出結果を異ならせるように構成しており、例えば、攻撃演出中に演出ボタン22aを押下した場合には、予め定められた各攻撃演出の演出結果(残敵数)を表示し、攻撃演出中に演出ボタン22aを押下しなかった場合には、予め定められている演出結果(残敵数)よりも多い残敵数を表示可能に構成している。つまり、攻撃演出の演出結果を予め決定しておき、攻撃演出中に成立する条件に応じて予め定められている演出結果が示す残敵数を上限に複数の残敵数を表示可能に構成している。
このように構成することで、討伐演出にて実行される各攻撃演出にて減少させることが可能な敵の総数を予め規定しておくことで、討伐演出の演出期間中に偏って残敵数を減少させてしまうことを抑制すると共に、各攻撃演出にて減少させる残敵数にバリエーションを持たせることができる。さらに、攻撃演出の演出結果として予め決定されている残敵数と、攻撃演出開始時に表示されている残敵数との間に、固有特定数が含まれている状態であって、当該攻撃演出中に遊技者が演出ボタン22aを操作(押下)しなかった場合に、残敵数を固有特定数とする追加攻撃演出を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して、攻撃演出中に演出ボタン22aを操作するか否かを選択させる楽しみを提供することができる。また、上述した通り、固有特定数は大当たり図柄に含まれる数字に応じて決定されるように構成しており、遊技者に対して固有特定数として決定された残敵数を報知しないように構成しているため、攻撃演出が実行される毎に、今回の攻撃演出にて減少される残敵数の範囲内に固有特定数が含まれているか否かを予測する楽しみを提供することができる。加えて、次に実行される攻撃演出にて減少させる残敵数の大小を遊技者に報知することで、実行される攻撃演出中に減少される残敵数を予測するためのヒントを提供可能に構成しているため、今回の攻撃演出にて減少される残敵数の範囲を予測させ易くすることができる。図276(a)に示した通り、3ラウンド目の攻撃演出が実行されると、2ラウンド目終了後のインターバル期間中の表示画面(図275(b)参照)に表示されたキャラクタ801bが主表示領域Dmに表示され、主表示領域Dmの中央部には、強表示態様の第2ボタンアイコンPu2が表示され、今回の攻撃演出にて設定されたSW有効時間を示すためのタイムゲージga1が表示される。このタイムゲージga1は、図274(b)にて示したタイムゲージga1と同様に、3秒間のSW有効時間の経過時間を示すように残期間表示ga1aと、経過期間表示ga1bとで表示される。
また、3ラウンド目の攻撃演出は第2ボタンアイコンPu2を用いた攻撃演出が実行されるため、表示領域Dm7には第3ボタンアイコンPu3~第5ボタンアイコンPu5が表示されており、表示領域HR1には、2ラウンド目の攻撃演出の演出結果である残敵数を示す「残り385体」が表示されている。このように、遊技者に対して演出ボタン22aを操作させる期間(攻撃演出のSW有効時間内)にて、今回の攻撃演出によって減少させることが可能な残敵数を示唆するボタンアイコンの表示態様と、現在の残敵数と、を表示することで、遊技者に対して、実行中の攻撃演出に対して演出ボタン22aを操作するか否かを決定させ易くすることができる。3ラウンド目の攻撃演出中に演出ボタン22aを押下した場合には、図276(b)に示した表示画面が表示される。図276(b)は、3ラウンド目の攻撃演出中に演出ボタン22aを操作(押下)した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図276(b)に示した通り、攻撃演出中に演出ボタン22aを操作(押下)すると、ラウンド遊技の終了を待つこと無く、味方キャラ801bが攻撃アクションを実行する演出が実行され、その後、今回の攻撃演出の演出結果を示すための表示態様として表示領域HR1に「残り99体」の文字が表示される。つまり、図276(b)に示した例では、討伐演出の演出態様として、敵の総数「500体」が決定され、さらに、3ラウンドに実行される攻撃演出(2回目の攻撃演出)の演出結果として、「残り99体」が予め決定されており、2回目の攻撃演出によって予め決定されている残敵数まで残敵数を減少させた演出結果が表示されている。残敵数を示す表示領域HR1は、表示されている残敵数の数に応じて表示態様(背景)が可変設定されるように構成しており、図276(b)では、敵の残り数(残敵数)が100体以下となったことを示すための表示態様(ヒビ割れ背景)が表示されている。そして、副表示領域Dsには、残敵数が100体以下であることを遊技者に報知するための案内表示態様として「あと少しだ!!」の文字が表示される。
なお、本第7制御例では、残敵数が表示される表示領域の表示態様を、残敵数に応じて可変可能に構成しているが、表示態様を可変させる条件として残敵数以外の条件を設定しても良く、討伐演出の総敵数(最初に表示領域HR1に表示される残敵数)に対する現在の残敵数が占める割合が所定割合以下となった場合(例えば、1000体の敵を討伐する討伐演出にて、残敵数が100体(総敵数の一割以下))となった場合)に、表示態様を可変させる条件が成立するように構成しても良い。このように構成することで、残敵数では無く、討伐演出の総敵数に対する敵数の減少度合いによって表示領域HR1の表示態様を可変させることができるため、討伐演出にてどの程度敵を討伐したかを遊技者に把握させ易くすることができる。次に、3ラウンド目の攻撃演出中に演出ボタン22aを押下しなかった場合には、図277(a)に示した表示画面が表示される。図277(a)は、図276(a)に示した状態から、演出ボタン22aを操作すること無く3ラウンド目が終了した場合における3ラウンド目終了後のインターバル期間中に表示される表示画面の一例を示した図である。図276(a)に示した状態(残敵数「385体」の状態)で、演出ボタン22aを操作すること無くSW有効時間が経過すると、タイムゲージga1の残期間表示ga1aが減少し、SW有効時間が終了する。その状態で3ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、3ラウンド目のラウンド遊技終了後に設定されるインターバル期間へと移行し、演出ボタン22aが操作されなかった場合に実行される追加攻撃演出を実行し、追加攻撃演出の演出結果として、表示領域HR1に「残り333体」が表示される。つまり、図277(a)に示した図は、今回の大当たり遊技は、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり遊技であり、成功演出が実行される討伐演出の固有特定数として「333」が設定されている討伐演出が実行されている場合における表示画面の一例を示した図である。
そして、3ラウンド目に実行される攻撃演出の演出結果として、残敵数「99体」が決定されており、遊技者が演出ボタン22aを操作した場合には、図276(b)に示した通り、残敵数が「385体」から「99体」まで減少する演出結果が表示される。一方、遊技者が演出ボタン22aを操作しなかった場合には、残敵数を「385体」から所定数減少させるための追加攻撃演出が実行される。この追加攻撃演出が実行される条件が成立した場合には、専用の抽選によって追加攻撃演出の演出態様(演出結果)が決定されるように構成している。具体的には、演出ボタン22aを操作すること無くSW有効時間が経過した場合に、追加攻撃演出の実行条件が成立し、現時点の残敵数(例えば、「385体」)と、攻撃演出の演出結果として予め決定されていた残敵数(例えば、「99体」)と、の間に、今回の討伐演出にて決定された固有特定数(例えば、「333体」)が含まれているかを判別し、固有特定数が含まれていないと判別した場合には、70%の割合で攻撃演出の演出結果として予め決定されていた残敵数(例えば、「99体」)まで減少させる演出態様が決定され、20%の割合で下一桁が大当たり図柄の数(例えば、「4」)となる第1擬似残敵数(例えば、「104体」)まで減少させる演出態様が決定され、10%の割合で下二桁が大当たり図柄の数(例えば、「4」)となる第2擬似残敵数(例えば、「144体」)まで減少させる演出態様が決定される。一方、固有特定数が含まれていると判別した場合には、40%の割合で攻撃演出の演出結果として予め決定されていた残敵数(例えば、「99体」)まで減少させる演出態様が決定され、30%の割合で固有特定数(例えば、「333体」)まで減少させる演出態様が決定され、10%の割合で下一桁が大当たり図柄の数(例えば、「4」)となる第1擬似残敵数(例えば、「104体」)まで減少させる演出態様が決定され、20%の割合で下二桁が大当たり図柄の数(例えば、「4」)となる第2擬似残敵数(例えば、「144体」)まで減少させる演出態様が決定される。
そして、決定された演出態様に応じた追加攻撃演出が実行される。このように構成することで、攻撃演出中に演出ボタン22aを操作した場合と、しなかった場合とで1の攻撃演出の演出結果を異ならせることができるため、攻撃演出のバリエーションを増加させることができる。また、残敵数の減少範囲内に固有特定数が含まれていない場合であっても、大当たり図柄に含まれる数字に関連する残敵数(擬似残敵数)へと敵の数を減少させ易くしているため、遊技者に対して、追加攻撃演出の演出結果が固有特定数であると思わせ易くすることができる。さらに、残敵数の減少範囲内に固有特定数が含まれている場合、即ち、実行中の討伐演出が成功演出となる討伐演出(時短状態が設定される大当たり遊技中に実行される討伐演出)である場合には、残敵数の減少範囲内に固有特定数が含まれていない場合と比べて、擬似残敵数が決定され易くなるように構成している。よって、固有特定数へと残敵数を減少させることが出来なかった場合であっても、1の討伐演出において、追加攻撃演出が複数回実行されるように遊技を行い、擬似残敵数が複数回表示されることにより、今回の討伐演出が成功演出となる討伐演出であることを遊技者に予測させることが可能となる。また、図277(a)に示した通り、表示領域HR1に固有特定数(「333体」)の残敵数が表示された場合、即ち、残敵数が「0体」となるよりも前に遊技者に対して成功演出(時短状態が設定されることを報知する討伐演出)が実行されることが報知された場合は、表示領域HR1の表示態様が通常とは異なる表示態様(図では輝いている態様で表示)で表示され、表示領域Dm7に表示されるボタンアイコン(第3ボタンアイコンPu3~第5ボタンアイコンPu5)が、最終的に残敵数が「0体」となるように残りの攻撃演出が実行される旨を示すための特殊表示態様(図では輝いている態様で表示)で表示される。
本第7制御例では、討伐演出の途中段階で残敵数として固有特定数が表示された場合であっても、残りの攻撃演出を予め決定した内容に従って実行するように構成している。つまり、固有特定数が表示された後も残敵数が0体になるまで残敵数を減少させる攻撃演出が実行される。よって、一度固有特定数の残敵数が表示された場合であっても、討伐演出が進行した場合に、表示領域HR1には固有特定数とは異なる残敵数が表示されることになる。よって、固有特定数が表示されたことを報知するための表示態様で表示領域Dm7に表示されるボタンアイコンの表示態様や、表示領域HR1の表示態様を表示可能に構成することで、討伐演出の途中段階にて残敵数として固有特定数が表示されたことを討伐演出の残期間に渡って継続して遊技者に把握させ易くすることができる。本第7制御例では、上述した通り、討伐演出の途中段階で残敵数として固有特定数が表示された場合であっても、残りの攻撃演出を予め決定した内容に従って実行するように構成することで、討伐演出を実行するための制御処理の負荷が増大してしまうことを抑制している。つまり、既に、成功演出が実行されていることを遊技者が把握している状態では、各攻撃演出における残敵数の減少度合いに対する遊技者の興味が低くなることから、固有特定数が表示された後に実行される攻撃演出の演出態様として専用の演出態様(例えば、各攻撃演出の演出結果として残敵数が全てぞろ目となる演出態様)を設定可能に構成したとしても演出効果を効果的に高めることが困難であるため、予め決定されている攻撃演出の演出態様をそのまま使用するように構成し、討伐演出を実行するための制御処理の負荷が過剰に増大してしまうことを抑制することができる。
なお、本第7制御例にて用いた構成に限ること無く、討伐演出の途中段階で残敵数として固有特定数が表示された場合において、予め決定されている攻撃演出の演出態様に代えて、専用の演出態様を実行するように構成しても良く、例えば、残敵数として固有特定数が表示されている状態において次の攻撃演出が実行される場合には、討伐演出における攻撃演出の残回数に関わらず残敵数が「0体」となる攻撃演出を実行するように構成し、その後、討伐演出が終了するまでの残期間(確定後時間)を用いて、残りの攻撃演出を実行すること無く遊技者を祝福するための祝福演出を実行するように構成しても良いし、上述した確定後時間中に実行される攻撃演出を用いて遊技者に対して別の特典(例えば、保留連の有無)が付与されるか否かを報知可能な第2演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、成功演出となる討伐演出が実行される場合において、演出結果が表示されるまでの演出の進行状況(固有特定数の表示の有無)に応じて、遊技者に対して異なる特典を付与させることができるため、遊技者に対して、討伐演出が実行される期間中に演出ボタン22aを押下するか否かを選択させる楽しみを提供することができる。また、固有特定数が表示された後に実行される攻撃演出の演出態様として専用の演出態様(例えば、各攻撃演出の演出結果として残敵数が全てぞろ目となる演出態様)を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、表示領域HR1に表示される残敵数を把握するだけで、固有特定数が表示されたことを遊技者に分かり易く報知することができるため、表示領域HR1以外の表示領域(例えば、表示領域Dm7)に表示される表示要素(例えば、ボタンアイコン)の表示態様として専用の表示態様(例えば、輝いている態様)を表示するための表示データを用意する必要が無くなる。図277(b)は、討伐演出における最後の攻撃演出において固有特定数が表示された場合における表示画面の一例を示した図である。本第7制御例では、成功演出となる討伐演出において、最後の攻撃演出の演出結果として残敵数「0体」では無く、固有特定数(例えば「44体」)が表示され、その後、追加攻撃演出によって残敵数を「0体」にする復活演出を実行可能に構成している。
つまり、今回実行される攻撃演出が討伐演出における最後の攻撃演出であることを遊技者に把握させた状態で、その最後の攻撃演出の演出結果として「0体」以外の残敵数を表示し、遊技者に対して失敗演出(大当たり遊技終了後に時短状態が設定されないことを報知する演出)が実行されたと思わせた後に、復活演出を実行し残敵数を「0体」へと可変表示可能に構成している。このように構成することで、討伐演出が終了する最後まで遊技者に対して成功演出が実行されていることに期待を持たせることができる。この場合、図277(b)に示した通り、6ラウンド目のラウンド遊技中に、最後の攻撃演出の演出結果を示すための表示態様として表示領域HR1に「残り44体」が表示される。図277(b)に示した例では、固有特定数として大当たり図柄に含まれる「4」の数字を用いた「44」が決定されており、表示領域HR1に表示されている「44体」が固有特定数となる。そして、主表示領域Dmには、復活演出に対応するキャラクタ801cが表示領域HR1を攻撃し、一旦表示された固有特定数をさらに減少させる復活演出(追加攻撃演出)が実行される。この復活演出が終了すると、図275(b)に示した表示画面と同様に、成功演出を示すための表示態様として表示領域HR1に「残り0体」が表示され、遊技者に対して成功演出が実行されたことを報知する。なお、図示は省略したが、本第7制御例では、討伐演出の演出結果が失敗演出である場合において、最後の攻撃演出の演出結果として固有特定数以外の残敵数がランダムに決定されるのでは無く、大当たり図柄に含まれる数字を用いた擬似残敵数が決定され易くなるように構成している。つまり、「444」で大当たり当選した場合における討伐演出では、失敗演出の演出結果を示すための表示画面(最後の攻撃演出の結果を示す表示画面)の表示領域HR1に「4」の数字が付された残敵数であって、固有特定数として決定されていない擬似残敵数(例えば、「14体」や「4体」等)が表示され易くなるように構成している。このように構成することで、失敗演出の演出結果が表示された場合において、復活演出が実行される可能性を残した状態で失敗演出の演出結果を表示することができる。
以上、説明をした通り、本第7制御例では、初回大当たりの大当たり遊技中に実行される討伐演出の演出結果を用いて、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを事前に報知可能に構成していた。さらに、討伐演出の演出結果(最後の攻撃演出の演出結果)が表示されるよりも前に、討伐演出の演出結果を報知可能にすることで、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態をいち早く察知したい遊技者が討伐演出の演出結果だけで無く、討伐演出の演出過程(各攻撃演出の演出結果)についても興味を持ちやすくするように構成していた。具体的には、各攻撃演出の演出結果として特定数(共通特定数、固有特定数)を表示することで、討伐演出の演出結果が、時短状態が設定されることを示すための演出結果(残敵数0表示)が表示されることを事前に報知可能に構成していた。つまり、本第7制御例では、討伐演出として、特定数が表示される場合と、時短状態が設定されることを示すための演出結果(残敵数0表示)が表示される場合とで、同一の特典が付与されることを、報知タイミングを異ならせて報知可能に構成している。なお、特定数が表示される場合に遊技者に付与される特典の内容と、討伐演出の演出結果が表示された場合に遊技者に付与される内容と、を異ならせるように構成しても良く、例えば、討伐演出の演出結果が表示されることで付与される特典として、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを示す特典を設定し、特定数が表示される場合に付与される特典として、大当たり遊技終了後に直ぐに次の大当たり遊技が実行される(保留連する)ことを示す特典を付与するように構成しても良い。このように構成することで、討伐演出によって、複数の特典を遊技者に付与することが可能となるため、遊技者に対して、討伐演出の演出結果だけで無く、その演出過程に対してもより注視させ易くすることができる。
次に、図278を参照して、時短状態(ラッシュ)中に実行される変動演出の演出内容について説明をする。本第7制御例のパチンコ機10は、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成しており、通常状態が設定されている場合よりも、時短状態が設定されている場合の方が、遊技者に有利な第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。そして、第2特別図柄抽選は、高確率(1/2の確率)で小当たり当選するように規定されており、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に開放される第2可変入賞装置(V入賞装置)650へと入賞した遊技球が特定領域を通過可能に構成され、特定領域を遊技球が通過したことに基づいて大当たり(V大当たり)遊技が実行されるように構成している。また、本第7制御例のパチンコ機10では、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動の変動時間として短時間(例えば、1秒)の変動時間を設定可能に構成し、1の大当たり遊技が終了してから次の大当たり遊技が実行されるまでの期間を短くすることで、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させ易くするように構成している。このように構成されたパチンコ機10では、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出として、通常状態中に実行される変動演出、即ち、抽選結果を示すための第3図柄を少なくとも含む複数の図柄列(例えば、左列、中列、右列)に含まれる複数の図柄を変動表示させた後に、一部の図柄列(例えば、左列、右列)に含まれる第3図柄を、大当たり当選を示す組合せで停止表示させたリーチ状態を創出し、残りの図柄列(例えば、中列)にて変動表示されている第3図柄の停止表示態様を遊技者に予測させながら楽しませるリーチ演出を実行すること無く、時短状態中専用の変動演出を実行するように構成している。本第7制御例では、時短状態中において更新条件の成立に基づいて所定のカウント値を更新する処理は行うが、当該処理による更新結果を示す表示態様を表示しない技術として、時短状態中において第3図柄表示装置81の表示面に獲得済みの第1特別図柄抽選の実行権利数(特図1保留数)に対応する特図1保留図柄を表示させないように構成している。
つまり、上述したリーチ演出は、特別図柄変動が実行されている変動期間を用いて、大当たり当選への期待度を徐々に高めて行く変動演出であって、特別図柄抽選が頻繁に実行されることを防ぐために長めの変動時間(例えば、60秒)を設定した場合であっても、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるが、本第7制御例のパチンコ機10のように、時短状態中において短い変動時間(例えば、1秒)の特別図柄変動が実行され易く構成されている場合には、1回の特別図柄変動の変動時間を用いてリーチ演出を実行したとしても、リーチ状態を創出してから特別図柄抽選の結果を停止表示させるまでに費やす時間が短くなってしまい、遊技者に分かり難い演出を提供してしまうという問題があった。そこで、本第7制御例におけるパチンコ機10では、時短状態が設定されているラッシュ期間において、時短状態中に実行可能な第2特別図柄変動の残回数(残特図2変動回数)をカウントダウンする演出を主に実行し、第2特別図柄抽選の結果が当たり当選である場合には、カウントダウン表示される数字に代えて特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄の表示態様を表示するように構成している。このように構成することで、短い変動時間の特別図柄変動が連続して実行される時短状態において、時短状態が継続する期間を遊技者に分かり易く報知しながら、特別図柄抽選で当り当選したことを分かり易く報知することができる。図278(a)は、時短状態(時短3回)が設定されてから、1回目の第2特別図柄変動が実行されている間に表示される表示画面の一例を示した図である。図278(a)に示した通り、時短状態中の演出モードであるラッシュ中は、キャラクタ801が攻撃をチャージしている演出が実行され、その前面側に残特図2変動回数を示すための表示態様として数字アイコン808が表示される。図278(a)に示した図では、1回目の第2特別図柄変動が実行されている状態であるため、実行中の第2特別図柄変動を含めて3回の第2特別図柄変動が実行されることを示す「3」の表示態様で数字アイコン808が表示されている。
また、主表示領域Dmの右側には、時短状態(ラッシュ)が継続している期間を示すための継続期間表示が表示される表示領域Dm8が形成され、時短状態(ラッシュ)期間の継続期間を示す表示態様として「00:02:44」の表示態様が表示されている。この「00:02:44」は、時短状態が設定されてから2秒が経過したことを示している。具体的には、表示領域Dm8に表示される継続期間表示は、最大で99分59秒の期間を表示可能に構成している。なお、秒単位の時間が表示される領域(真ん中の2桁領域)の右側の領域(右側の2桁領域であって、図278(a)では「44」が表示されている領域)は、擬似経過時間表示領域として形成されており、最小で「00」から最大で「99」までの値を表示可能に構成している。そして、1秒が経過するまでの間に、最小値から最大値まで値を更新可能に構成し、最大値に到達した後は再度最小値が表示され繰り返し値が更新されるように構成している。つまり、擬似経過時間表示領域は1/100秒単位で値が更新されているように見せる表示領域である。なお、表示領域Dm8に表示される継続期間表示の最大値(99分59秒)を超えて時短状態が継続した場合には、それ以上の継続期間の表示を行わず、時短状態が長時間継続したことを示すための祝福表示(例えば「エクセレント!!」の表示)が表示されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して特別感のある演出を提供することができる。なお、本第7制御例では、時短状態が継続している期間(途中に実行される大当たり遊技、或いは、小当たり遊技の期間も含む)は、遊技の有無に関わらず、継続期間の表示を更新するように構成しているため、例えば、時短状態中に遊技を長時間中断した場合には、継続期間表示が最大値に到達し易くなる。そこで、上述した祝福表示を実行する条件として、継続期間表示が最大値に到達したことに加え、ラッシュ期間中に獲得した賞球数が所定数を超えた場合に成立する条件や、ラッシュ期間中に実行された大当たり遊技回数、或いは、時短状態中に実行された特別図柄抽選回数が所定回数を超えた場合に成立する条件が成立することを祝福表示を実行する条件としても良い。
このように構成することで、ラッシュ期間中に多くの遊技(特別図柄抽選)を実行した遊技者のみ祝福表示を表示させることができるため、祝福表示が表示された遊技者の満足感を高めることができる。なお、この場合、祝福表示の実行条件が成立していない状態で継続期間表示が最大値に到達すると、最大値である継続期間表示を継続して表示するように構成し、最大値である継続期間表示が継続している状態で祝福表示の実行条件が成立した場合に、祝福表示を実行するように構成すると良い。このように構成することで、ラッシュ期間が長時間継続している遊技者に対して、祝福表示を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。副表示領域Dsには、ラッシュ期間(時短状態)中に実行される変動演出の演出内容を示すための案内表示態様として「カウントダウンが0になるまでに画面を破壊しろ」の文字が表示されている。このように構成することで、キャラクタ801が画面を攻撃して破壊した場合に特典(当たり)が付与されることを遊技者に分かり易く把握させることができる。そして、ラッシュ期間中に実行された第2特別図柄抽選で当り当選した場合には、図278(b)に示した表示画面が表示される。図278(b)は、ラッシュ期間中に当たり当選した特別図柄変動が停止表示された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。当たり当選した第2特別図柄変動が実行されると、攻撃をチャージしていたキャラクタ801が画面を破壊する攻撃演出が実行され、画面が破壊されカウントダウン表示されていた数字アイコン808が非表示になり、代わりに、当たり当選を示す組合せで第3図柄(図では「555」)が表示領域HR2に表示される。
次に、図279、及び図280を参照して、特別図柄抽選で小当り当選した場合に実行される小当たり遊技中の演出内容について説明をする。図279(a)は、小当たり遊技が開始された直後に表示される表示画面の一例を示した図であり、図279(b)は、小当たり遊技が開始されてから4秒以内に遊技球を特定領域(V領域)へと入球させた場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図280は、小当たり遊技が開始されてから4秒以内に遊技球を特定領域(V領域)へと入球させた状態で、小当たり遊技が開始されてからの経過時間が4秒を過ぎた場合に表示される表示画面の一例を示した図である。上述した通り、本第7制御例におけるパチンコ機10は、単位時間当たりに実行される大当たり遊技の実行回数を増加させるために、時短状態(ラッシュ期間)中に実行される第2特別図柄変動の変動時間を短くしている。さらに、小当たり当選してから小当たり遊技が実行されるまでの期間や、小当たり遊技が実行されてから遊技球を特定領域(V領域)へと入球させることが可能となるまでの期間も短く構成している。ここで、従来より、小当たり遊技中に特定領域(V領域)へと遊技球を入球させることで、大当たり遊技の実行権利を獲得し、小当たり遊技終了後に大当たり遊技を実行させるパチンコ機10が知られている。この従来型のパチンコ機10では、小当たり遊技が実行される限られた期間内に特定領域へと遊技球を入球させるために、特別図柄抽選の結果が小当たり当選となってから小当たり遊技が開始されるまでの期間、或いは、小当たり遊技が開始されてから遊技球を特定領域へと入球させることが可能となる期間を用いて、小当たり遊技中に実行すべき遊技内容(例えば、「右打ちをしてVを狙え」の表示)を遊技者に予め報知する遊技案内報知を実行するように構成していた。
このように構成された従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選の結果が小当たり当選となってから小当たり遊技が開始されるまでの期間、或いは、小当たり遊技が開始されてから遊技球を特定領域へと入球させることが可能となる期間として、上述した遊技案内報知を繰り返し実行可能な程度の長さを設定することで、遊技者に対して小当たり遊技中に実行すべき遊技内容を遊技者に把握させるように構成していた。そして、特定領域へと遊技球を入球させることが可能となるまでの間に、遊技案内報知が繰り返し実行される従来型のパチンコ機10では、特定領域へと遊技球を入球させることが可能となる状態においても遊技案内報知を繰り返し実行し、遊技球が特定領域へと入球したことに基づいて遊技案内報知を中止し、特定領域へと遊技球が入球したことを報知するための表示態様(例えば、「V」ゲット)を表示することで、遊技者に対して適正な遊技が実行されたことを分かり易く理解させるように構成していた。しかしながら、上述した従来型のパチンコ機10では、小当たり遊技中に遊技球が特定領域へと入球したことに基づいて遊技案内報知を中止し、特定領域へと遊技球が入球したことを報知するための表示態様(例えば、「V」ゲット)を表示するように構成しているため、特定領域へと遊技球を入球させることが可能な状態となるまでに、遊技案内報知を繰り返し実行させる期間を設ける必要があり、小当たり当選してから特定領域へと遊技球を入球させることが可能な状態が設定されるまでの期間が間延びしてしまい、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させ難いという問題があった。また、小当たり遊技が開始されてから特定領域へと遊技球を入球させることが可能な状態となるまでの期間を短く設定し、初回の遊技案内報知期間が終了するよりも前に、遊技球を特定領域へと入球させることが可能に構成した場合には、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させ易くすることができるが、遊技案内報知にて遊技者に報知される遊技内容を遊技者が把握する前に遊技案内報知が終了してしまい、特定領域へと遊技球が入球した後に実行される遊技に対して遊技者が困惑してしまうという問題があった。
これに対して、本第7制御例では、小当たり遊技が開始されてから、特定領域へと遊技球を入球させることが可能な状態となるまでの期間の長さが、初回の遊技案内報知期間(4秒)よりも短くなるように構成し、さらに、初回の遊技案内報知期間(4秒)が経過するまでの間に、遊技球を特定領域へと入球させた場合には、初回の遊技案内報知が経過した後に、特定領域へと遊技球が入球したことを報知するための表示態様(例えば、「Vゲット」)を表示するように構成している。そして、初回の遊技案内報知が経過した後に実行される2回目以降の遊技案内報知が実行されている期間中に、特定領域へと遊技球が入球した場合には、実行中の遊技案内報知を中止し、特定領域へと遊技球が入球したことを報知するための表示態様(例えば、「Vゲット」)を表示するように構成している。このように構成することで、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させ易くすることができると共に、特定領域へと遊技球が入球した後に実行される遊技の内容を遊技者に案内するための報知期間(初回の遊技案内報知期間)を確実に確保することができる。図279(a)に示した通り、小当たり遊技が実行されると、遊技盤13の右側領域に設けられた第2可変入賞装置(V入賞装置)650に向けて遊技球を入球させるための右打ち遊技の実行を遊技者に案内するための案内報知として、表示領域Dm4には「右打ち」が表示され、主表示領域Dmの右側に形成された表示領域Dm10には、第2可変入賞装置650の箇所を遊技者に分かり易く把握させるために、第2可変入賞装置650が配設された遊技領域付近を示す画像が表示される。さらに、小当たり遊技中における遊技内容として、第2可変入賞装置650内に設けられた特定領域(Vゲート)へと遊技球を入球させることを案内するための遊技案内報知として、第1矢印810が主表示領域Dmに表示される。
この第1矢印810は、第3図柄表示装置81の表示面に対して、第2可変入賞装置650が配設されている方向(右方向)を示す表示態様で表示されており、「右を狙え」の文字が付設されている。そして、表示面の左右方向に移動するように表示されるものであって、1の遊技案内報知期間である4秒間の間に、第1矢印810が左右方向へと2往復するように表示される。さらに、副表示領域Ds1には、小当たり遊技中における遊技方法を案内するための案内態様として「右打ちしてVアタッカーに入賞させろ!!V入賞で大当たりゲット!」の文字が表示される。また、第1矢印810が第3図柄表示装置81に表示されると共に、音声出力装置226から「右を狙え」の音声が4秒間の間に2回出力される。本第7制御例では、小当たり遊技の遊技方法を案内するための遊技案内報知として、1回の報知期間が4秒となる遊技案内報知が実行されるように構成している。そして、1回の遊技案内報知が終了した時点において、遊技案内報知を継続するか否かを判別し、継続する必要があると判別した場合には、同一の遊技案内報知を繰り返し複数回実行可能に構成している。このように構成することで、小当たり遊技が実行された状態では、右打ち遊技によって第2可変入賞装置(V入賞装置)650へと遊技球を入球させることで、大当たり遊技を実行させることが可能となることを遊技者に分かり易く報知することができる。さらに、主表示領域Dmに表示される第1矢印810の下方には、小当たり遊技において遊技球を第2可変入賞装置650へと入球させることが可能な期間(ラウンド遊技期間)の残時間を示すための第2タイムゲージga2が表示されている。この第2タイムゲージga2の表示態様は、小当たり遊技のラウンド遊技期間の残期間を示すための残期間表示ga2aと、経過期間を示すための経過期間表示ga2bとから形成されており、小当たり遊技のラウンド遊技が実行されてから時間が経過する毎に、経過期間表示ga2bが占める割合が増加し、残期間表示ga2aが占める割合が減少するように、第2タイムゲージga2の表示態様が可変するように構成している。
本第7制御例では、小当たり遊技が開始されると、2秒間のオープニング期間が経過した後に最大で20秒間のラウンド遊技が実行され、その後、2秒間のエンディング期間が設定されるように構成している。オープニング期間は、第2可変入賞装置(V入賞装置)650が開放されない期間、即ち、第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させることができない期間であって、特別図柄抽選で当り当選を目指す遊技を行っていた遊技者に対して、小当たり当選に基づいて第2可変入賞装置650が開放動作されることを報知するための期間である。オープニング期間が設定されると、小当たり遊技の開始を案内するための表示態様(例えば、「小当たり遊技開始」)を表示されると共に、初回の遊技案内報知として、図279(a)に示した第1矢印810が4秒間表示される。つまり、本第7制御例では、小当たり遊技中の遊技内容を案内するための遊技案内報知を、ラウンド遊技が実行されるよりも前の段階(オープニング期間)から実行するように構成している。このように構成することで、遊技案内報知の内容を把握することで小当たり遊技中の遊技を理解した遊技者が、小当たり遊技中の遊技を理解した段階から右打ち遊技を実行したとしても、ラウンド遊技が開始された直後から第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させ易くすることができる。小当たり遊技のラウンド遊技中は、第2可変入賞装置650へと遊技球を入賞させることが可能な開状態と、その開状態よりも遊技球を入賞させることが困難な(入賞させることが出来ない)閉状態と、に開閉扉650f1が可変動作される。具体的には、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(1.5秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(1.5秒)、開状態(0.2秒)、閉状態(4.8秒)、開状態(0.8秒)、閉状態(9秒)となるように、開閉扉650f1が可変制御される。
ここで、本第7制御例における小当たり遊技は、上述した20秒の可変制御が終了した場合、或いは、ラウンド遊技中に第2可変入賞装置650へと所定数(10個)の遊技球が入賞した場合に、ラウンド遊技の終了条件が成立し、ラウンド遊技が終了するように構成している。そして、ラウンド遊技中に実行される開閉扉650f1の可変制御内容として、ラウンド遊技の前半期間の方が、後半期間よりも、開状態となる期間が占める割合が高くなるように構成している。そして、小当たり遊技中に継続して右打ち遊技を実行した場合には、5回目の開状態となるタイミングで、第2可変入賞装置650への入賞数が10個となるように構成している。つまり、小当たり遊技が実行されてから(オープニング期間が設定されてから)、継続して右打ち遊技を実行した場合には、ラウンド遊技の遊技期間が2.1秒となり易く、ラウンド遊技中に継続して右打ち遊技を実行しなかった場合は、ラウンド遊技の遊技期間が最大で20秒となるように構成している。このように構成することで、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させたい遊技者に対して、小当たり遊技が開始された直後から意欲的に右打ち遊技を行わせることができる。また、ラウンド遊技が進行するほど、開閉扉650f1が閉状態となる期間が長くなるため、第2可変入賞装置650へと所定数(10個)の遊技球を入賞させることでラウンド遊技を終了させる場合であっても、10個目の遊技球を入賞させるタイミングによって、ラウンド遊技期間の長さが大きく異ならせることができる。よって、小当たり遊技中における遊技状況によっても、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数が異なるため、遊技者に対して小当たり遊技中の遊技状況についても興味を持たせることができる。
なお、ラウンド遊技の後半期間に設定される長時間の閉状態(9秒の閉状態)、即ち、小当たり遊技中に、正常に右打ち遊技を実行していた場合には、設定され難い閉状態が設定された場合には、例えば、小当たり遊技が実行されていることに気付かずに右打ち遊技を実行していない場合も考えられるため、既に遊技球を特定領域へと入球させているか否かを判別し、特定領域へと遊技球を入球させていないと判別した場合には、遊技者に対して、右打ち遊技を強調して案内するための強調案内報知を実行するように構成している。このように構成することで、小当たり遊技が実行されたにも関わらず、遊技球を特定領域へと入球させること無く、大当たり遊技の実行権利を獲得しないまま小当たり遊技が終了してしまうことを抑制することができる。また、小当たり遊技のラウンド遊技中において、前半期間では開閉扉650f1の開状態となる期間として0.1秒が繰り返し設定され、後半期間では、前半期間よりも長い期間(0.2秒、0.8秒)の開状態が設定されるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技を短時間で終了させることが出来なかった遊技者、例えば、小当たり遊技が実行されたことに途中まで気付かなかった遊技者に対して、確実に遊技球を第2可変入賞装置650へと入賞させる機会を残すことができる。なお、本第7制御例では、ラウンド遊技の前半期間の方が、後半期間よりも、開状態となる期間が占める割合が高くなるようにラウンド遊技中の可変制御を実行するように構成することで、ラウンド遊技を短時間で終了させることが可能としているが、ラウンド遊技中における可変制御の内容はこれに限ること無く、ラウンド遊技の全期間に対して開状態となる期間が占める割合が均等となるように構成しても良い。
また、本第7制御例では、ラウンド遊技の後半期間の方が、前半期間よりも、1回の開状態が継続する時間が長くなるように開閉扉650f1を可変制御することで、ラウンド遊技中に第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させること無くラウンド遊技が終了してしまうことを抑制するように構成しているが、これに限ること無く、ラウンド遊技の前半期間の方が、後半期間よりも、1回の開状態が継続する時間が長くなるように開閉扉650f1を可変制御するように構成しても良い。このように構成することで、ラウンド遊技の前半期間中に第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させ易くすることができるため、ラウンド遊技を短時間で終了させ易くすることができる。一方で、ラウンド遊技の前半期間にてラウンド遊技を終了させることができなかった遊技者に対して、短い開状態と、長い閉状態と、が繰り返される小当たり遊技が実行されるため、ラウンド遊技期間を無用に長くすることができる。よって、小当たり遊技を実行する遊技者に対して、ラウンド遊技が開始された直後から意欲的に第2可変入賞装置650へと遊技球を入賞させるための右打ち遊技を行わせ易くすることができる。また、小当たり遊技のエンディング期間は、上述したオープニング期間と同様に、第2可変入賞装置(V入賞装置)650が開放されない期間、即ち、第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させることができない期間であって、小当たり遊技のラウンド遊技中に実行された遊技内容に基づいた表示態様が第3図柄表示装置81の表示面に表示される。具体的には、小当たり遊技のラウンド遊技中に遊技球を特定領域へと入球させ、大当たり遊技の実行権利を獲得している場合には、小当たり遊技が終了したことを示すための情報と、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行されることを示すための情報と、を含む表示態様が表示される。一方で、小当たり遊技のラウンド遊技中に遊技球を特定領域へと入球させることが出来なかった場合には、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行されないため、小当たり遊技が終了したことを示すための情報と、小当たり遊技終了後に通常状態へと移行することを示すための情報と、を含む表示態様が表示される。
ここで、図279(a)に示した例では、小当たり遊技が開始されてから3秒が経過した時点、即ち、2秒間のオープニング期間が終了し、ラウンド遊技が実行されてから1秒が経過した時点を示しており、主表示領域Dmには、初回の遊技案内報知である第1矢印810が表示されており、タイムゲージga2全体で示すラウンド遊技期間(20秒)に対して、経過期間表示ga2bが1秒分、残期間表示ga2aが19秒分の範囲を示している状態が表示されている。そして、初回の遊技案内報知が実行されている期間中に第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球が特定領域(Vゲート)を通過した場合(V入賞した場合)、即ち、ラウンド遊技が開始されてから2秒以内に遊技球がV入賞した場合は、図279(b)に示した通り、初回の遊技案内報知期間が終了するまで、主表示領域Dmの中央部にて初回の遊技案内報知(第1矢印810)が継続して表示され、副表示領域Dsにて小当たり遊技中における遊技方法を案内するための「右打ちしてVアタッカーに入賞させろ!!V入賞で大当たりゲット!」も継続して表示される。このように構成することで、小当たり遊技のラウンド遊技が開始された直後に遊技球をV入賞させてしまった場合であっても、V入賞した後に実行される遊技内容(大当たり遊技が実行される遊技内容)を遊技者に分かり易く理解させることができる。また、図279(b)に示した通り、初回の遊技案内報知期間(4秒間)中に遊技球をV入賞させた場合には、初回の遊技案内報知が実行されている主表示領域Dmの空き領域にて、既にV入賞していることを示すためのV入賞済アイコン811を表示するように構成している。このように構成することで、初回の遊技案内報知期間中に遊技球がV入賞しているか否かを遊技者に把握させることができる。
なお、本第7制御例では、第3図柄表示装置81の表示面にV入賞済アイコン811を表示することによって、初回の遊技案内報知期間中であってもV入賞の有無を遊技者が判別可能に構成しているが、第3図柄表示装置81以外でV入賞している状態であることを報知するように構成しても良く、例えば、パチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)を発光させることによってV入賞していることを報知可能に構成しても良い。このように構成することで、初回の遊技案内報知期間中の表示画面を、V入賞の有無に関わらず統一することができるため、第3図柄表示装置81の表示面に対する表示制御を簡素化することができる。そして、V入賞した状態で、初回の遊技案内報知期間が経過すると、図280に示した通り、遊技案内報知を終了し、V入賞したことを示すためのV演出として、主表示領域Dmの中央部に拡大表示されたV入賞済アイコン811を用いて「Vゲット」を表示する。そして、副表示領域Dsには、V入賞したことに基づいて大当たり遊技が実行されることを示すための「ラッキー大当たり!!」の文字が表示される。つまり、初回の遊技案内報知期間中に遊技球をV入賞させた遊技者は、初回の遊技案内報知が終了するまでの間に遊技案内報知の内容を把握することで、V入賞させた後に大当たり遊技が実行されることを理解した状態で、V入賞後の遊技を実行することになる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。以上、説明をした通り、本第7制御例では、小当たり遊技中に実行される初回の遊技案内報知期間(4秒)の間に、小当たり遊技が終了しないように、小当たり遊技中における第2可変入賞装置(V入賞装置)650の開閉扉650f1の開放動作内容を規定しているが、これに限ること無く、例えば、小当たり遊技の実行期間をより短くするために、初回の遊技案内報知期間(4秒)が経過するよりも前に、小当たり遊技が終了し得るように小当たり遊技中における第2可変入賞装置(V入賞装置)650の開閉扉650f1の開放動作内容を規定しても良い。
この場合、例えば、小当たり遊技のオープニング期間を0.5秒、小当たり遊技が開始されてからの開閉扉650f1の開放動作内容として、0.2秒の開放と、0.3秒の閉鎖を繰り返す開放動作内容を設定し、且つ、第2可変入賞装置650へと遊技球が3個入賞した時点で小当たり遊技終了条件が成立するように構成することで、初回の遊技案内報知期間(4秒)が経過するよりも前に、第2可変入賞装置650へと遊技球が3個入球して小当たり遊技が終了することになる。そして、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球が特定領域(Vゲート)へと入球した場合には、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が開始される。このように構成されたパチンコ機10に対して、初回の遊技案内報知を、遊技の進行状況に関わらず確実に実行させる本第7制御例の技術思想を適用した場合には、大当たり遊技の実行期間中も初回の遊技案内報知が実行される可能性がある。このような場合では、初回の遊技案内報知が終了した後に、大当たり遊技中に実行される各種表示態様が表示されるように各種表示態様の表示タイミングを遅延させるように構成しても良いし、大当たり遊技中に実行される各種表示態様が表示される期間を通常よりも短くすることで、徐々にズレ幅を減少させる処理を実行しても良く、例えば、初回の遊技案内報知が終了した時点における大当たり遊技の遊技状況を判別し、判別された遊技状況に基づいて、通常の大当たり遊技にて特定の表示態様が表示されるタイミングと、遅延させて特定の表示態様を表示させるタイミングとの差分を算出する。そして、算出された差分を解消するために、各種表示態様の表示期間を短縮させる短縮処理を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、初回の遊技案内報知が遊技の進行状況に関わらず固定期間(4秒間)実行された場合であっても、後に実行される各種表示態様を全て表示させながら遊技の進行状況に応じた表示態様を表示させ易くすることができる。
また、例えば、初回の遊技案内報知が終了した時点における大当たり遊技の遊技状況を判別し、通常であれば表示される各種表示態様のうち、優先度の低い表示態様(例えば、オープニング期間中に表示される表示態様)の表示をキャンセルする処理を実行することで初回の遊技案内報知が遊技の進行状況に関わらず固定期間(4秒間)実行された場合であっても、後に実行される各種表示態様を全て表示させながら遊技の進行状況に応じた表示態様を表示させ易くするように構成しても良い。なお、上述した通り、大当たり遊技中において、実際の遊技状況と、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様とにズレが生じている場合であっても、第3図柄表示装置81の表示面に表示される一部の表示態様のみを、実際の遊技状況に対応させて表示するように構成すると良い。また、本第7制御例では、初回の遊技案内報知期間(4秒)の間に、特定領域へと遊技球を入賞(V入賞)させた場合には、図280に示した通り、初回の遊技案内報知期間が経過した時点でV入賞の有無を判別し、V入賞していると判別した場合にV演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、初回の遊技案内報知期間(4秒)の間に、V入賞した場合に、V演出を実行させるまでの期間をタイマに設定(例えば、4秒を設定)し、そのタイマによって4秒が経過したと判別した場合にV演出を実行させるように構成しても良い。つまり、V入賞したタイミングに応じて、タイマに設定する値を変更するように構成し、初回の遊技案内報知期間中にV入賞した場合には、タイマに遅延値(例えば、4秒)をセットし、初回の遊技案内報知期間経過後にV入賞した場合には、タイマに即効値(例えば、0.1秒)をセットするように構成することで、V入賞してからV演出が実行されるまでの期間の長さを、小当たり遊技が実行されてからV入賞するまでに要した期間の長さによって異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングでV入賞したとしても、V演出を実行させるために実行される処理内容を統一化することができるため、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理を簡素化することができる。
次に、図281(a)を参照して、時短状態における最終変動中に実行される変動演出の演出内容について説明をする。図281(a)は、時短状態(ラッシュ中)に実行される最後の第2特別図柄変動が外れ変動である場合に表示される表示画面の一例を示した図である。本第7制御例では、図278(a)に示した通り、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の変動時間として短い変動時間(1秒)が設定され、その変動期間中に、時短状態中に実行可能な第2特別図柄抽選の残回数と、当該変動に対応する第2特別図柄抽選の結果と、を示すための変動演出を実行可能に構成している。具体的には、時短状態中において連続して第2特別図柄抽選を実行した場合であって、その抽選結果が全て外れである場合には、時短状態中に実行可能な第2特別図柄抽選の残回数に対応させて1秒間隔で「3」、「2」、「1」と数字アイコン808の表示態様を可変させるカウントダウン表示が実行され、時短状態における第2特別図柄変動の最終変動が実行されるように構成している。一方、時短状態における第2特別図柄変動の最終変動が実行されるよりも前に、当たり当選した場合には、カウントダウン表示されている数字アイコン808が破壊され、当たり当選を示す表示態様が表示される(図278(b)参照)ように構成している。そして、時短状態中における第2特別図柄変動の最終変動では、特別図柄抽選の結果に基づいて異なる変動時間が決定され得るように構成しており、例えば、抽選結果が小当たり当選である場合の一部において、変動時間が1秒の変動パターンが決定されるように構成している。この変動パターンが決定された場合には、数字アイコン808がカウントダウン表示される演出が最終変動まで継続し、「0」を示す数字アイコン808が破壊されて小当たり当選を示す表示態様が表示される変動演出が実行される。
また、抽選結果が小当たり当選である一部、或いは、大当たり当選である場合には、変動時間が20秒の変動パターンが決定されるように構成している。この20秒の変動パターンが決定された場合には、数字アイコン808がカウントダウン表示が実行され、「0」を示す数字アイコン808が表示された後に、カウントダウン表示中に数字アイコン808が破壊されなかったことを示す表示態様(例えば「END」)が、最終変動が開始されてから10秒が経過するまで表示される。その後、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させることで、通常状態にて第2特別図柄抽選を実行させることが可能となることを遊技者に案内する案内演出(引き戻し案内演出)を実行し、その案内演出の途中で、実行中の第2特別図柄抽選の結果が当たり当選(小当たり当選、或いは大当たり当選)であることを示すための表示態様が表示される。この数字アイコン808を用いたカウントダウン表示演出の演出態様は、大当たり当選した場合、小当たり当選した場合の何れにおいても設定される演出態様であることから、異なる種別の抽選結果を示すための演出態様を共通化する処理である。また、カウントダウン表示演出中に所定条件が成立することで今回の抽選結果を遊技者に報知する演出を実行する場合は、演出実行中の特定タイミングにて特定演出を実行する処理と言える。最後に、時短状態の最終変動となる第2特別図柄抽選の結果が外れである場合には、30秒の変動パターンが決定されるように構成している。この30秒の変動パターンが決定された場合には、上述した20秒の変動パターンと同様に、数字アイコン808がカウントダウン表示が実行され、「0」を示す数字アイコン808が表示された後に、カウントダウン表示中に数字アイコン808が破壊されなかったことを示す表示態様(例えば「END」)が、最終変動が開始されてから10秒が経過するまで表示される。その後、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させることで、通常状態にて第2特別図柄抽選を実行させることが可能となることを遊技者に案内する案内演出(引き戻し案内演出)が実行される。そして、案内演出が終了した後に、特図2保留の獲得を案内するための保留球獲得演出(FINALチャージ演出)が実行される。
図281(a)は、FINALチャージ演出が実行されている場合に表示される表示画面であって、FINALチャージ演出中に特図2保留を上限数(1個)獲得した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図281(a)に示した通り、FINALチャージ演出が実行されると、主表示領域Dmの中央付近に表示領域HR11が形成され、FINALチャージ演出が実行されていることを示すための「FINALチャージ中」が表示される。そして、表示領域Dm10には、第2入球口640へと遊技球を入球させることを案内するために、遊技盤13のうち第2入球口640が配設されている付近を模した画像が表示される。この表示領域Dm10に表示される画像は、現在が第2入球口640へと遊技球を入球させ易い状態(普通図柄の高確率状態)であることを遊技者に視覚的に把握させるために、電動役物640aが誘導状態であることを強調した画像(図では、発光表示)が表示される。また、副表示領域Dsには、FINALチャージ演出中の遊技方法を遊技者に案内するための案内態様として「時間内にチャージを貯めろ」の文字が表示される。また、表示領域HR10の下方には、FINALチャージ演出が実行される演出期間の残期間を示すための第3タイムゲージga3が表示される。この第3タイムゲージga3の表示態様は、残期間を示すための残期間表示ga3aと、経過期間を示すための経過期間表示ga3bとから形成されており、FINALチャージ演出が実行されてからの時間経過応じて、経過期間表示ga3bが占める割合が増加し、残期間表示ga3aが占める割合が減少するように、第3タイムゲージga3の表示態様が可変するように構成している。なお、図281(a)に示した例では、FINALチャージ演出が実行されてから3秒が経過した時点を示しており、第3タイムゲージga3全体で示す演出期間(7秒)に対して、経過期間表示ga3bが3秒分、残期間表示ga3aが4秒分の範囲を示している状態が表示されている。
そして、主表示領域Dmの下側には、FINALチャージ演出中の遊技状況を示すための状況表示態様が表示される。図281(a)に示した図は、FINALチャージ演出が実行されてから3秒が経過した状態であって、第2入球口640へと遊技球を入球させ、特図2保留を上限数まで獲得している状態であることから、状況表示態様として、「チャージ完了」の文字が表示されている。ここで、主表示領域Dmの下側に表示される状況表示態様の表示内容について説明をする。この状況表示態様は、FINALチャージ演出が実行された時点で特図2保留を上限数まで獲得していない場合には、「未チャージ状態」の文字が表示され、遊技者に対して、現在が特図2保留を上限数まで獲得していないことを分かり易く報知可能に構成している。この「未チャージ状態」の表示は、FINALチャージ演出が実行されてから所定期間(1秒)が経過するまで、必ず表示されるように構成している。つまり、FINALチャージ演出が実行されてから0.5秒が経過したタイミングで特図2保留を上限数まで獲得した場合であっても、「未チャージ状態」を1秒間継続して表示するように構成している。そして、「未チャージ状態」が1秒間継続して表示された後に、特図2保留を上限数まで獲得したことを示す「チャージ完了」の文字が表示されるように構成している。一方、FINALチャージ演出が実行されてから1秒が経過した時点で特図2保留を上限数まで獲得していない場合には、特図2保留が上限数となるまで「未チャージ状態」の表示を継続させ、特図2保留を上限数まで獲得した場合に「チャージ完了」の文字が表示されるように構成している。また、このFINALチャージ演出は、時短状態における第2特別図柄変動の最終変動が開始されてから20秒以上経過した時点で実行されることから、既に、特図2保留を上限数まで獲得している状態でFINALチャージ演出が実行される場合もある。この場合においても、FINALチャージ演出が実行されてから1秒が経過するまでは、「未チャージ状態」の文字が表示され、その後「チャージ完了」の文字が表示されるように構成している。
このように、特図2保留を上限数まで獲得している状態であっても、FINALチャージ演出中に特図2保留を上限数まで獲得していない状態から特図2保留を上限数まで獲得した状態へと移行したことを疑似的に示す表示態様を表示可能に構成することで、遊技者に対して、特図2保留を上限数まで獲得したことを遊技者に分かり易く報知することができる。なお、本第7制御例では、特図2保留の獲得状況に関わらず、時短状態の最終変動中にFINALチャージ演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、FINALチャージ演出の実行タイミングにおいて、既に特図2保留を上限数まで獲得している場合には、FINALチャージ演出を実行しないように構成しても良い。このように構成することで、新たな特図2保留を獲得することが出来ない状態においてFINALチャージ演出が実行されてしまい、遊技者に無用に右打ち遊技を実行させてしまうことを抑制することができる。また、FINALチャージ演出が実行されるタイミングにおける特図2保留の獲得状況に応じて、FINALチャージ演出中の演出態様を異ならせるように構成しても良く、例えば、FINALチャージ演出が実行されるタイミングにて、特図2保留を上限数まで獲得していない場合には、上述した通り、特図2保留を上限数まで獲得させるための演出態様でFINALチャージ演出を実行するように構成し、FINALチャージ演出が実行されるタイミングにて、特図2保留を上限数まで獲得している場合には、FINALチャージ演出中に遊技球を第2入球口640へと入球させることで、獲得済みの特図2保留の先読み結果を遊技者に示唆可能な演出態様でFINALチャージ演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、新たな特図2保留を獲得することが出来ない状態においてFINALチャージ演出が実行された場合であっても、獲得済みの特図2保留に基づいて実行される第2特別図柄抽選の結果をいち早く察知しようと、意欲的に第2入球口640へと遊技球を入球させる遊技を行わせることができる。よって、遊技の稼働を向上させることができる。
なお、本第7制御例のように、特図2保留を上限数まで獲得させるための演出態様でFINALチャージ演出を実行するように構成した場合であっても、特図2保留を上限数まで獲得した後に、第2入球口640に遊技球が入球した場合(所謂、オーバー入賞した場合)に、獲得済みの特図2保留の先読み結果を遊技者に示唆可能な演出態様でFINALチャージ演出が実行されるように構成しても良い。このように構成することで、FINALチャージ演出が実行されている間、遊技者に意欲的に第2入球口640へと遊技球を入球させる遊技を行わせることができる。よって、遊技の稼働を向上させることができる。また、特図2保留を上限数まで獲得させるための演出態様と、獲得済みの特図2保留の先読み結果を遊技者に示唆可能な演出態様と、を重複させたFINALチャージ演出を実行可能に構成しても良い。また、本第7制御例では、時短状態中において獲得済みの特図2保留数を示すための表示態様を表示しないように構成することで、遊技者に対して特図2保留が上限数に到達しているか否かを把握させ難くし、時短状態中に右打ち遊技を継続させることで遊技の稼働を向上させるように構成しているが、これに限ること無く、時短状態中における第3図柄表示装置81の表示面に獲得済みの特図2保留数を示すための表示態様(特図2保留図柄)を表示するように構成しても良く、この場合、現在獲得済みの特図2保留数と、獲得可能な特図2保留の上限数と、を遊技者が把握可能な表示態様を表示可能に構成すると良い。加えて、時短状態における最終変動中と、それ以外とで、特図2保留数を示すための表示態様を切り替えるように構成しても良い。また、図281(b)に示した通り、本第7制御例では、時短状態の終了後、通常状態が設定された場合において、獲得済みの特図2保留に基づく第2特別図柄変動が終了するまで引き戻し演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、特図2保留を獲得したままの状態で引き戻し演出を終了させるように構成しても良いし、通常状態が設定された場合に引き戻し演出を実行しないように構成しても良い。なお、本第7制御例における特図1保留図柄表示に関する技術に、特図1保留図柄の記憶数をカウントするカウント手段を設け、そのカウント手段によってカウントされた記憶数を表示する第1状態と、表示しない第2状態と、を設定可能に構成し、第2状態が設定されている状態で所定の表示条件が成立した場合に第1状態を設定可能にする技術思想を適用することは勿論可能である。
以上、説明をした通り、本第7制御例では、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の最終変動の変動パターンとして、対応する第2特別図柄抽選の結果が小当たりである場合には、比較的短い変動時間(1秒)の変動パターンと、長い変動時間(20秒)の変動パターンと、を設定可能に構成している。つまり、時短状態中に実行される小当たり当選した第2特別図柄変動の変動パターンとして、時短状態の最終変動とならない第2特別図柄変動よりも、時短状態の最終変動となる第2特別図柄変動の方が長い変動時間が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合において、小当たり当選した変動回数に応じて単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を大きく異ならせることができる。よって、遊技者に対して、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選を目指すだけで無く、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増やすために、なるべく少ない変動回数で小当たり当選することを目指す遊技を行わせることができる。なお、本第7制御例では、時短状態中に実行される小当たり当選した第2特別図柄変動の変動パターンとして、時短状態の最終変動となる第2特別図柄変動と、時短状態の最終変動とならない第2特別図柄変動よりも長い変動時間が設定され易くなるように構成することで、小当たり当選するまでに実行された第2特別図柄変動回数に応じて、前回の大当たり遊技が終了してから次の小当たり遊技が開始されるまでに要する期間が大きく乖離するようにしているが、これに限ること無く、時短状態中に実行される小当たり当選した第2特別図柄変動の変動パターンとして同一の変動時間(例えば、1秒)が設定されるように構成しても良い。この場合であっても、時短状態中に実行される第2特別図柄変動回数が増加するほど、前回の大当たり遊技が終了してから次の小当たり遊技が開始されるまでの期間を長くすることができるため、遊技者に対して、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増やすために、なるべく少ない変動回数で小当たり当選することを目指す遊技を行わせることができる。
さらに、本第7制御例では、時短状態の最終変動となる第2特別図柄変動が小当たり当選している第2特別図柄変動である場合の一部において、他の第2特別図柄変動と同一の短変動時間(1秒)が設定される変動パターンが選択されるように構成している。このように構成することで、時短状態の最終変動までを対象として、短変動時間の変動パターンを用いた変動演出(カウントダウン表示)を実行することができる。また、時短状態の最終変動にて小当たり当選した場合には、設定される変動パターンの種別に応じて、前回の大当たり遊技が終了してから、次の小当たり遊技が開始されるまでに要する期間を大きく異ならせることができるため、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させたい遊技者に対して、時短状態の最終変動にて実行される第2特別図柄抽選の結果だけで無く、変動パターンにも興味を持たせることができる。加えて、時短状態の最終変動となる第2特別図柄変動では、小当たり当選した場合に設定される変動パターンとして、異なる変動時間の変動パターンを選択可能に構成しているため、第2特別図柄変動の変動時間を把握することで小当たり当選しているか否かを遊技者に把握させ難くすることができる。つまり、時短状態の最終変動となる第2特別図柄変動(特図2最終変動)に対して短変動時間(例えば、1秒)の変動パターンのみを設定可能に構成した場合には、特図2最終変動の変動時間が1秒を経過した時点で、実行中の特図2最終変動が小当たり当選していないことを遊技者が把握してしまい、特図2最終変動が停止表示されるまでに遊技者の遊技意欲が低下してしまうが、本第7制御例のように、小当たり当選している特図2最終変動の変動パターンとして、異なる変動時間の変動パターンを設定可能に構成することで、小当たり当選しているか否かを把握可能なタイミングを複数設けることができるため、遊技者に対して、小当たり当選の有無を把握させ難くすることができる。
以上、説明をした通り、本第7制御例では、特図2最終変動に設定される変動パターンとして、外れ当選している場合に設定される変動パターンが最も長い変動時間(30秒)の変動パターンが設定されるように構成している。そして、外れ当選している特図2最終変動の変動パターン(30秒変動)に対して、残りの10秒を用いて、遊技者に対して第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得させるための演出(FINALチャージ演出)を実行するように構成している。このように構成することで、特図2最終変動が停止表示された後に当たり遊技が実行される場合(特図2最終変動が小当たり変動、又は、大当たり変動である場合)であって、当たり遊技終了後に再度時短状態が設定される場合、即ち、後に新たな特図2保留を獲得可能な期間(時短状態)が設定される場合には、FINALチャージ演出が実行されないため、遊技者に対して、特図2保留を獲得するための右打ち遊技を無用に行わせることを抑制することができる。なお、本第7制御例における構成に限ること無く、例えば、特図2最終変動が当たり変動である場合において、外れ変動である場合と同一の長さの変動時間(30秒)、或いは、外れ変動である場合よりも長い変動時間(例えば、40秒)の変動パターンを設定可能に構成しても良い。このように構成することで、特図2最終変動が外れ変動であることを覚悟した遊技者に対して当たり変動を提供することができるため、意外性のある遊技を提供することができる。また、この場合、当たり変動中であっても、FINALチャージ演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、特図2保留を獲得した状態で大当たり遊技を実行させ易くすることができるため、獲得済みの特図2保留に対する先読み結果(事前判別結果)を遊技者に示唆するための演出(保留連演出)を、大当たり遊技中に実行し易くすることができる。なお、この場合、保有している小当たり保留の数(先読み結果で当たりと判定された数)に対応した演出態様で保留連演出を実行可能に構成し、例えば、複数個の小当たり保留を保有している場合にのみ保留連演出を実行可能な状況を創出可能に構成すると良い。この場合、保有している小当たり保留が1個の場合は、複数個の小当たり保留を有していることを示す保留連演出の実行条件を満たしていないため、小当たり保留の報知(保留連演出の実行)がストックされることになる。この場合における、獲得済みの特図保留内に事前報知されていない小当たり保留を記憶しておく処理も、特典をストックする処理である。
そして、時短状態における最終変動である第2特別図柄変動が停止表示し、通常状態が設定された後に、時短状態中に獲得していた特図2保留に基づく第2特別図柄変動が開始されると、図281(b)に示した引き戻し演出が実行される。図281(b)は、引き戻し演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。図281(b)に示した引き戻し演出は、通常状態中に実行される変動演出であるため、遊技者に対して遊技方法を案内するための案内態様が表示される表示領域Dm4が非表示となる。これにより、時短状態が終了した後に実行される引き戻し演出中に、時短状態中に実行していた右打ち遊技が継続して行われることを抑制することができる。なお、この引き戻し演出に対応する第2特別図柄抽選(通常状態にて実行される第2特別図柄抽選)は、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選と同一の確率(約1/2)で当たり当選するように構成しているため、引き戻し演出後に当たり遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)が実行されることで遊技者に右打ち遊技を行わせる可能性が高いことから、通常状態が設定されたことに基づいて遊技方法を左打ち遊技へと切り替えさせるための案内報知も実行されないように構成している。このように構成することで、実行される遊技方法の案内報知に従って遊技方法を変更する遊技者が、右打ち遊技と左打ち遊技とを頻繁に切り替えることで遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。なお、本第7制御例では、引き戻し演出が実行されている間の第3図柄表示装置81の表示画面に、遊技者に対して遊技方法を案内するための案内報知を表示しないように構成しているが、これに限ること無く、時短状態中に実行される案内報知である「右打ち」の表示態様とは異なる表示態様で「右打ち」を示す案内報知を表示するように構成しても良く、例えば、時短状態中に実行される案内報知よりも、遊技者が識別困難な表示態様で案内報知を実行するように構成し、引き戻し演出の終了後に再度右打ち遊技が実行される可能性が高いことを遊技者に報知可能に構成しても良い。なお、本第7制御例のように、設定される遊技状態に応じて、実行権利を獲得し易い特別図柄種別が異なるように構成されたパチンコ機10において、例えば、第1特別図柄抽選の実行権利を獲得し易い通常状態であって、第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動が実行されている期間中に第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得した場合には、特図2保留を獲得したことを報知するための報知演出を実行したり、獲得済みの特図2保留を示すための表示態様を特図1保留図柄よりも小さく表示するように構成したりしても良い。
さらに、引き戻し演出が実行されている間に表示される案内報知として、遊技球の発射を中断させる遊技方法を案内する表示態様(例えば、「遊技球の打ち出しを止めてね」の表示)を表示するように構成し、さらに、引き戻し演出の演出結果に応じた遊技方法を事前に案内可能な表示態様(例えば、「引き戻し成功で右打ち遊技、引き戻し失敗で左打ち遊技」の表示)を表示するように構成すると良い。このように構成することで、引き戻し演出の演出結果に基づいて次に実行させる遊技方法を事前に遊技者に案内することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。加えて、引き戻し演出に対応する第2特別図柄抽選の結果に基づいて、引き戻し演出中に実行される案内報知の表示態様を異ならせるように構成しても良く、例えば、引き戻し演出に対応する第2特別図柄抽選の結果が当たり当選である場合には、外れである場合よりも、右打ち遊技を案内するための「右打ち」の表示態様を強調するように構成すると良い。このように構成することで、引き戻し演出中に実行される案内報知の表示態様に基づいて、右打ち遊技を継続した場合の方が、継続しない場合よりも有利となる遊技状況、即ち、引き戻し演出の終了後に当たり遊技が実行される遊技状況であることを分かり易く報知することができる。引き戻し演出が実行されると、主表示領域Dmには、演出ボタン22aを模したボタンPuが表示され、遊技者に対して演出ボタン22aを押下させるための演出(図ではボタンPuの押下を促す下方向の矢印を表示)が実行される。そして、ボタンPuの下方には、遊技者による演出ボタン22aへの押下操作を有効に判別可能な操作有効期間の長さを示すためのタイムゲージga1が表示される。なお、図281(b)に示したタイムゲージga1の表示態様、及び、表示態様の可変内容については、上述した図274(b)に示したタイムゲージga1と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
なお、図281(b)に示した図では、通常の表示態様でボタンPuが表示されているが、引き戻し演出の対象となる第2特別図柄抽選の抽選結果に基づいてボタンPuの表示態様や、遊技者に対して演出ボタン22aを押下させるための演出(図では矢印表示)の表示態様といった引き戻し演出の演出態様を可変させるように構成しても良く、例えば、当たり当選している場合の方が、外れである場合よりも選択され易い演出態様として、ボタンPuの表示態様が特殊表示態様(例えば、厚みを持たせたボタンを模した表示態様や、ボタンPuの色を赤色にした表示態様)となる演出態様や、表示される矢印の表示態様が特殊表示態様(矢印の大きさを通常よりも大きくした表示態様や、矢印の色を赤色にした表示態様)となる演出態様を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、引き戻し演出が実行されている期間のうち、遊技者が演出ボタン22aを押下する前の段階で、引き戻し演出の演出結果(対応する特別図柄抽選の抽選結果)を予測することが可能となり、演出効果を高めることができる。さらに、時短状態(ラッシュ)が継続している期間を示すための継続期間表示が表示される表示領域Dm8が非表示となる。本第7制御例では、時短状態が終了し通常状態が設定された際に特図2保留が存在している場合、即ち、引き戻し演出が実行される場合は、継続期間表示に用いられるカウンタ(ラッシュ期間計測カウンタ223m)の値をクリアすること無く、継続して更新するように構成し、引き戻し演出が実行される第2特別図柄抽選にて当たり当選し、時短状態へと復帰した場合には、継続期間表示も継続するように構成している。
このように、継続期間表示に用いられるカウンタ(ラッシュ期間計測カウンタ223m)の値が継続して更新されている期間であっても、引き戻し演出が実行されている間は、継続期間表示を実行しないように構成することで、時短状態(ラッシュ)が終了したことを遊技者に把握させ易くすることができるため、引き戻し演出の実行期間中も継続して継続期間表示が実行される場合に比べて、時短状態(ラッシュ)が終了した状態から再度時短状態(ラッシュ)へ突入させる遊技が実行されていることを把握させ易くすることができる。よって、引き戻し演出の演出内容に注視させることができる。そして、引き戻し演出中に遊技者が演出ボタン22aを押下すると、対応する第2特別図柄抽選の結果に基づく演出結果が表示される。具体的には、対応する第2特別図柄抽選の結果が当たり当選である場合には、演出ボタン22aを押下した直後に当たり当選を示すための表示態様(例えば、「V」の表示)が表示され、その後、時短状態中における小当たり当選時の表示画面(図278(b)参照)と同様の表示画面が表示される。次に、引き戻し演出に対応する第2特別図柄抽選の結果が外れである場合における演出内容について、図282を参照して説明する。図282(a)は、引き戻し演出として、対応する第2特別図柄抽選の結果が外れである場合に対応する失敗演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図282(b)は、引き戻し演出として失敗演出が実行された後に表示される遊技結果表示画面の一例を示した図である。対応する第2特別図柄抽選の結果が外れである引き戻し演出にて、遊技者が演出ボタン22aを押下すると、図282(a)に示した通り、当たり当選を示すための表示態様(例えば、「V」の表示)が表示されず、佇むキャラ801が表示される。そして、副表示領域Dsには、ラッシュ期間(時短状態)が終了することを示すための案内態様として「残念!ラッシュ終了!」の文字が表示される。
図282(a)に示した表示画面が表示され、失敗演出となった引き戻し演出が終了すると、図282(b)に示した遊技結果表示画面が表示される。この遊技結果表示画面には、今回の時短状態(ラッシュ)中に実行された遊技の結果として、時短状態(ラッシュ)中に獲得した賞球数に対応する値を示す獲得ポイント表示k1と、時短状態(ラッシュ)が継続した期間を示す継続期間表示k2と、大当たり遊技を介して時短状態(ラッシュ)が設定(再設定)された回数を示すラッシュ継続回数表示k3と、1の時短状態期間(ラッシュ期間)中に実行された大当たり遊技の回数を示す大当たり回数表示k4と、が表示される。図282(b)に示した例では、獲得ポイント表示k1として「合計660P」が表示され、継続期間表示k2として「00:36:44」が表示され、ラッシュ継続回数表示k3として「ラッシュ1回」が表示され、大当たり回数表示k4として「ボーナス0回」が表示されている。つまり、今回実行された時短状態(ラッシュ)は、通常状態にて実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行された6ラウンドの時短大当たり遊技が1回実行され、その大当たり遊技終了後に設定された時短状態(ラッシュ)にて1度も大当たり遊技が実行されなかった遊技結果が表示されており、時短状態が設定されてからの経過時間が36秒であることが表示されている。そして、継続期間表示k2が示す時短状態(ラッシュ)が継続した期間を示す表示態様のうち、秒数の単位よりも小さな単位に該当する右から2桁の値k2aは、実際の経過期間に関わらず、引き戻し演出の対象となる第2特別図柄抽選の結果に基づいて決定されるように構成しており、抽選の結果が当たり当選である場合には値k2aに「ぞろ目」の表示態様が表示され、抽選の結果が外れである場合には値k2aに「ばらけ目」の表示態様が表示されるように構成している。
図282(b)に示した図では、継続期間表示k2として表示される値k2aとして「44」が表示されている。つまり、図282(b)に示した表示画面は、実行中の第2特別図柄抽選の結果が当たり当選であって、引き戻し演出にて失敗演出が設定された場合に表示されるものである。このように、引き戻し演出の対象となる第2特別図柄抽選の結果が当たり当選である場合の一部において、引き戻し演出として失敗演出が実行され、遊技結果表示画面が表示された後に、当たり当選していることを遊技者に報知する復活演出を実行可能に構成することで、引き戻し演出にて失敗演出が表示された後も、当たり当選に期待を持たせながら遊技者に遊技を行わせることができる。ここで、本第7制御例では、引き戻し演出の対象となる第2特別図柄抽選の結果が当たり当選であるにも関わらず、上述した復活演出が実行される条件として、引き戻し演出の対象となる第2特別図柄変動が開始されるタイミングにて実行される変動演出の演出態様を決定する抽選にて特定の抽選結果となった場合に成立する条件を設けているが、これに限ること無く、引き戻し演出にて遊技者が演出ボタン22aを押下したタイミングに基づいて成立する条件を設定可能に構成しても良い。この場合、例えば、引き戻し演出中に設定される操作有効期間の残期間が所定期間よりも長い状態で演出ボタン22aが押下された場合、つまり、実行中の第2特別図柄変動の残変動時間が多く残っている状態で演出ボタン22aが押下された場合に、復活演出が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、引き戻し演出中に早期に演出ボタン22aを押下した場合に、成功演出が長時間継続してしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
また、遊技結果表示画面は、時短状態が終了したことを遊技者に示すための表示態様であるため、表示領域Dm4が形成され、通常状態中における適切な遊技方法である左打ち遊技を案内するための「左打ち」が表示される。そして、副表示領域Dsには、時短状態(ラッシュ)が終了したことを案内するための案内態様として「お疲れさまでした」の文字が表示される。このように構成することで、図282(b)に示した表示画面が表示された時点で、遊技者に有利な遊技期間が終了したと強く思わせることができるため、復活演出が実行された場合の意外性をより強くすることができる。次に、図283から図286を参照して、本第7制御例のパチンコ機10における大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の演出内容について説明をする。本第7制御例のパチンコ機10では、時短状態中(ラッシュ中)における第2特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技(ラッシュ中大当たり遊技)の実行期間中に、大当たり遊技の遊技内容(ラウンド数)を報知するための大当たり遊技演出(昇格演出)と、大当たり遊技終了後に実行される第2特別図柄抽選が当たり当選(小当たり当選)することを報知するための大当たり遊技演出(保留連演出)と、を実行可能に構成しており、昇格演出、保留連演出の何れが実行される場合であっても、同一態様の演出画面が表示されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技演出が実行された場合において、今回実行された大当たり遊技の演出結果が、大当たり遊技の遊技内容(ラウンド数)を示す演出結果となるか、大当たり遊技終了後に再度大当たり遊技が実行される可能性が高い状態(保留連状態)であることを示す演出結果となるかを遊技者に予測させ難くすることができる。よって、実行される大当たり遊技演出の演出内容に興味を持たせ易くすることができる。
また、本第7制御例では、大当たり遊技演出として、保留連演出が実行された場合には、その実行された保留連演出の演出対象となる特図保留に基づいた大当たり遊技の大当たり遊技演出として、再度保留連演出が実行され易くなるように構成している。つまり、大当たり遊技演出として、保留連演出が実行される条件として、大当たり遊技の所定タイミング(例えば、最終ラウンド遊技の開始タイミング)までに獲得済みの特図保留が、特別図柄抽選で当り当選する特図保留である場合に成立する第1条件と、第1条件が成立している場合において、大当たり遊技演出として保留連演出を実行するか否かを決定するための処理において保留連演出の実行が決定された場合に成立する第2条件と、が共に成立した場合に保留連演出を実行するように構成しており、保留連演出が実行されている状態(保留連演出によって報知された大当たり遊技中、又は、保留連演出によって報知された小当たり遊技中に実行権利を獲得した大当たり遊技中)の方が、保留連演出が実行されていない状態である場合よりも、第2条件が成立し易くなるように構成している。つまり、第1条件が成立している場合において、保留連演出の実行が決定される可能性が高くなるように構成している。このように構成することで、一度保留連演出が実行された遊技者は、連続して保留連演出が実行されることを目指して意欲的に遊技を行うことができる。さらに、本第7制御例では、保留連演出が連続して実行された場合において、大当たり遊技の遊技内容を示す情報を累積するように構成し、その累積された情報を示す表示態様を表示可能に構成している。具体的には、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技数を表示するための表示態様を、累積表示するように構成している。このように構成することで、連続して保留連演出が実行された場合には、ラウンド遊技数の表示態様として、複数回の大当たり遊技にて実行されたラウンド遊技数を累積した表示態様が表示されることになる。このように構成することで、ラウンド遊技数の表示態様として、より多くのラウンド数に対応した表示態様が表示されることを目指して遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
加えて、本第7制御例では、連続して保留連演出が実行された場合において累積される大当たり遊技の遊技内容に関する情報が、所定条件を満たした場合に、特典演出を実行可能に構成している。具体的には、ラウンド遊技数の表示態様として、1回の大当たり遊技にて実行可能となる最大ラウンド遊技数(例えば、9ラウンド)よりも大きなラウンド数に対応する表示態様が表示された場合に、遊技者に対して、保留連演出が連続して実行されたことを祝福するための祝福演出を実行可能に構成している。なお、この場合の累積される大当たり遊技の遊技内容に関する情報の表示態様も、特典をまとめた表示態様である。このように構成することで、遊技を行っている遊技者だけで無く、その周りの遊技者に対しても連続して保留連演出が実行されている状態であることを報知することができるため、優越感を持って遊技を行うことができる。なお、本第7制御例では、連続して保留連演出が実行される場合に、ラウンド遊技数を累積するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技中に楽曲が再生されるように構成されたパチンコ機10において、連続して保留連演出が実行された回数を累積し、その累積回数に応じて再生される楽曲が切り替わるように構成しても良いし、大当たり遊技中に再生させる楽曲を、複数の楽曲の中から遊技者が選択可能に構成されたパチンコ機10であれば、連続して保留連演出が実行された累積回数に応じて、遊技者が選択可能な楽曲の種類を増加させるように構成しても良い。加えて、連続して保留連演出が実行された累積回数が特定回数(例えば、5回)に到達した場合には、遊技者が選択すること無く、特定の祝福楽曲が再生されるように構成しても良い。
このように構成することで、保留連演出が連続して所定回数実行されない限り再生することが出来ない楽曲を提供することができるため、様々な楽曲を再生しようとする遊技者に対して、保留連演出を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。また、上述した例では、大当たり遊技中に再生される楽曲を例に挙げているが、これに限ること無く、大当たり遊技中に表示される静止画像や動画に対して、上述した技術思想を転用しても良いし、保留連演出の演出態様自体に対して、上述した技術思想を転用しても良い。図283(a)は、大当たり遊技演出として、NEXT演出が実行された場合に表示される表示画面を示した図であり、図283(b)は、NEXT演出の演出結果が、遊技者に追加特典が付与されることの無い演出結果である場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図284(a)は、NEXT演出の演出結果が、大当たり遊技内容(ラウンド数)が増加することを示すための追加特典が付与される演出結果である場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図284(b)は、NEXT演出の演出結果が、保留連演出が実行されることを示すための追加特典が付与される演出結果である場合に表示される表示画面の一例を示した図である。なお、各図において表示されている各表示要素(大当たり遊技中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示要素)のうち、上述した各制御例にて説明をした表示要素と同一内容のものについては、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。ラッシュ期間中に実行された大当たり遊技(3ラウンド大当たり遊技、又は、9ラウンド大当たり遊技)の2ラウンド目のラウンド遊技が実行されると、図283(a)に示した通り、主表示領域Dmの中央部にNEXT演出が開始されてことを示すNEXTの文字が表示され、その文字の下側に形成され、NEXT演出の演出結果を表示するための表示領域Dm9に、演出結果が表示されるまでの演出態様(図では矢印)が表示される。そして、副表示領域Dsには、NEXT演出が実行されたことを遊技者に案内するための案内態様として、「追加特典は何だろう?」の文字が表示される。
本第7制御例では、時短状態中に実行される大当たり遊技のうち、最小数のラウンド遊技が実行される3ラウンド大当たり遊技における最終ラウンド遊技(3ラウンド目のラウンド遊技)の1つ前のラウンド遊技(2ラウンド目のラウンド遊技)にてNEXT演出が開始され、NEXT演出が実行されたラウンド遊技(2ラウンド目のラウンド遊技)の次に実行されるラウンド遊技(3ラウンド目のラウンド遊技)にてNEXT演出の演出結果が表示されるように構成している。つまり、何れのラウンド数の大当たり遊技が実行された場合であっても、NEXT演出が実行されるラウンド数が特定ラウンド数(2ラウンド目)となるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して大当たり遊技中においてNEXT演出が実行されるタイミング(ラウンド数)を分かり易くすることができる。そして、NEXT演出の演出結果が表示されるラウンド遊技(3ラウンド目のラウンド遊技)が開始されると、NEXT演出の演出結果を示すための表示態様が表示される。ここで、実行中の大当たり遊技が3ラウンド大当たり遊技であって、3ラウンド目のラウンド遊技が開始された時点にて獲得している特図2保留内に当たり当選を示す特図2保留が無い場合には、NEXT演出の演出結果として、ラウンド昇格を示す演出結果が決定される表示条件も、保留連を示す演出結果が決定される表示条件も満たしていないため、図283(b)に示した通り、表示領域Dm9にはNEXT演出の演出結果として「ラッシュ継続」の文字が表示される。本第7制御例では、ラッシュ期間中に実行された大当たり遊技が終了した後には、必ず時短状態が設定されるように構成している(ラッシュが継続するように構成している)ため、図283(b)に示した通り、ラウンド昇格を示す演出結果が決定される表示条件も、保留連を示す演出結果が決定される表示条件も満たしていない場合、即ち、遊技者に対して追加特典(ラウンド昇格、保留連)が付与されない場合であっても、NEXT演出の演出結果として、遊技者に有利となる基本情報(時短状態の設定)を示すための表示態様(「ラッシュ継続」)が表示されるように構成している。
このように構成することで、ラッシュ期間中に実行された大当たり遊技の終了後に必ず時短状態が設定されることを把握していない遊技者に対して、ラッシュ期間が継続するという追加特典が付与されたと思わせることができる。また、図283(b)に示した通り、NEXT演出の演出結果として「ラッシュ継続」が表示される場合には、副表示領域Dsには、今回の演出結果に対応する遊技方法を遊技者に案内するための案内態様として、「ラッシュで当たりを引き戻せ」の文字が表示される。なお、図283(b)に示した図では、表示領域Dm5に「最終ラウンド」が表示されているが、この表示は、表示領域Dm9にNEXT演出の演出結果が表示された後に表示されるように構成している。詳細な図示は省略したが、NEXT演出の演出結果として「ラッシュ継続」が表示される場合には、3ラウンド目のラウンド遊技が開始された時点では、表示領域Dm5に、3ラウンド目のラウンド遊技が開始されたことを示すための表示態様として「ラウンド3」が表示される。そして、演出結果が表示されるまでの演出態様(図では矢印)が表示されている表示領域Dm9に、演出結果を示すための表示態様(「ラッシュ継続」)が表示された後に、表示領域Dm5に表示される表示態様が「ラウンド3」から「最終ラウンド」へと切り替え表示されるように構成している。このように構成することで、NEXT演出の演出結果が表示されるよりも前に、表示領域Dm5に表示される表示態様によって、今回の大当たり遊技が3ラウンド大当たり遊技であることを遊技者が把握してしまい、NEXT演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。さらに、NEXT演出の演出結果が表示された後も「ラウンド3」を継続して表示する場合に比べて、実行中のラウンド遊技が最終ラウンドであることを遊技者に把握させ易くすることができるため、大当たり遊技が急に終了してしまい遊技者が困惑してしまうことを抑制することができる。
なお、これに限ること無く、3ラウンド目の開始時から表示領域Dm5に「最終ラウンド」と表示するように構成しても良い。このように構成することで、NEXT演出の演出結果が表示されるよりも前に、実行中の大当たり遊技が3ラウンド大当たり遊技であることを遊技者に把握させることができるため、実行中のNEXT演出の演出結果として表示され得る演出結果の選択肢を遊技者が限定しながら予測することができる。よって、NEXT演出以外の表示要素を用いて、NEXT演出の演出結果を予測する楽しみを提供することができる。この場合、例えば、NEXT演出の演出結果を表示するための演出態様として、NEXT演出の演出結果となり得る表示態様を複数表示し、そのうちの1の表示態様が最終的な演出効果として表示される演出態様を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、NEXT演出の途中段階で表示される演出結果となり得る複数の表示態様が示す特典の内容と、今回の大当たり遊技の内容(3ラウンド大当たり遊技)を示す情報と、を複合的に分析することで、遊技者に対して、NEXT演出の演出結果として表示される表示態様をいち早く特定させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。また、NEXT演出の演出結果として示される追加特典のうち、大当たり遊技の内容(ラウンド遊技数)以外の特典に関する何れかの情報をNEXT演出の演出結果が表示されるまでに報知可能に構成しても良い。一方、NEXT演出の演出結果として、大当たり遊技のラウンド数が3ラウンド以外(9ラウンド)であることを示すための演出結果が表示される場合(昇格演出が実行される場合)は、図284(a)に示した通り、表示領域Dm9に、大当たり遊技の内容が3ラウンド遊技では無いことを示すための演出結果として「ラッシュ昇格」が表示され、副表示領域Dsには、「ラッシュ昇格」の演出結果が表示された場合の遊技内容を案内するための案内態様として「9ラウンド大当たりに昇格おめでとう」の文字が表示される。
この場合は、NEXT演出の演出結果が表示される3ラウンド目のラウンド遊技が、実行中の大当たり遊技(9ラウンド大当たり遊技)の途中段階であるため、NEXT演出の演出結果が表示された後も、表示領域Dm5には「ラウンド3」が継続表示される。また、NEXT演出の演出結果として、獲得済みの特図2保留内に当たり当選を示すための特図2保留が含まれていることを示すための演出結果(保留連演出が実行される場合)は、図284(b)に示した通り、表示領域Dm9に、保留連することを示すための演出結果として「ボーナス」が表示され、副表示領域Dsには、「ボーナス」の演出結果が表示された場合の遊技内容を案内するための案内態様として「連続ボーナスおめでとう」の文字が表示される。ここで、図284(b)に示した例は、3ラウンド大当たり遊技中に実行されたNEXT演出の演出結果として、保留連演出が実行された場合に表示される表示画面を示したものであるため、NEXT演出の演出結果が表示されるラウンド遊技は、実行中の大当たり遊技における最終ラウンド遊技となる。しかし、本第7制御例では、保留連演出が実行された場合において、実行中の大当たり遊技の遊技内容を示す表示態様(表示領域Dm5に表示されるラウンド数)を、次の大当たり遊技まで引き継いで表示するように構成している。よって、表示領域Dm5には「ラウンド3」が表示され、実行中の大当たり遊技の最終ラウンドであることを示す「最終ラウンド」が表示されないように構成している。このように構成することで、保留連演出が実行された場合に、実行中の大当たり遊技と、次に実行される大当たり遊技(保留連演出の対象となる当たり遊技)と、が1つの大当たり遊技であると思わせ易くすることができる。
次に、図285を参照して、保留連演出が実行された後の演出内容について説明をする。図285(a)は、大当たり遊技中に保留連演出が実行された場合であって、その保留連演出の対象である小当たり遊技中に表示される表示画面の一例を示した図であり、図285(b)は、保留連演出の対象となる大当たり遊技中に、再度保留連演出が実行された場合(保留連演出が連続して実行された場合)に表示される表示画面の一例を示した図であり、図286は、保留連演出が連続して実行されたことに基づいて実行される特殊演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。図284(b)に示した保留連演出が実行される大当たり遊技が終了すると、既に獲得している特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が実行される。本第7制御例では、特図2保留を最大で1個記憶可能に構成していることから、保留連演出が実行された場合には、大当たり遊技終了後1回目の第2特別図柄抽選が当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)することになる。その第2特別図柄抽選の抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)が短時間(1秒)となるように構成しており、その特別図柄変動期間中は、図284(b)に示した表示画面が継続して表示される。そして、大当たり遊技終了後1回目の第2特別図柄抽選が小当たり当選を示す表示態様で停止表示され、小当たり遊技が開始されると、図285(a)に示した表示画面が表示される。図285(a)に示した通り、保留連演出の対象となる小当たり遊技中は、保留連演出の対象では無い通常の小当たり遊技中に表示される表示画面(図279(a)参照)とは異なる表示画面が表示されるように構成している。
具体的には、表示領域Dm5に、前回の大当たり遊技にて表示されたラウンド数に1加算したラウンド数を示すための表示態様「ラウンド4」が表示される。また、通常であれば、主表示領域Dmの中央部に大きく表示されていた「右を狙え」の文字が付された矢印810が表示されず、代わりに、表示領域Dm11に「Vを狙え」の文字が表示される。そして、主表示領域Dmの中央部には、大当たり遊技が継続していることを示すためのキャラクタ801a、つまり、図284(b)に示した通り、前回の大当たり遊技中に表示されていた表示態様であるキャラクタ801aが継続して表示される。このように、前回の大当たり遊技中に表示された表示態様のうち、少なくとも一部の表示態様を継続して表示することによって、複数回の大当たり遊技が実行される場合であっても、1つの大当たり遊技が連続して実行されているように遊技者に思わせ易くすることができる。また、小当たり遊技中における遊技内容を示す表示態様(「右を狙え」、「Vを狙え」)を異ならせることにより、現在が小当たり遊技中では無く、大当たり遊技中の一部であると遊技者に思わせ易くすることができる。なお、本第7制御例では、保留連演出の対象では無い通常の小当たり遊技中に表示される表示画面(図279(a)参照)と、保留連演出の対象となる小当たり遊技中に表示される表示画面(図285(a)参照)と、で、小当たり遊技中における遊技内容を示す表示態様(「右を狙え」、「Vを狙え」)を異ならせているが、これに限ること無く、例えば、保留連演出の対象となる小当たり遊技中は、それ以外の小当たり遊技中よりも、矢印810を小さく表示するように構成しても良い。図285(a)に示した小当たり遊技中に遊技球を特定領域(Vゲート)650e3へと入球させたことにより、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行された場合には、図285(b)に示した通り、表示領域Dm5には、前回の大当たり遊技、及び、前回の小当たり遊技にて実行されたラウンド遊技数に今回の大当たり遊技のラウンド数が累積した表示態様が表示される。
図285(b)に示した表示画面は、保留連演出の対象となる小当たり遊技の終了後に3ラウンド大当たり遊技が実行され、その3ラウンド大当たり遊技の最終ラウンド(3ラウンド目)を示す表示画面である。よって、表示領域Dm5には「ラウンド7」が表示されている。そして、NEXT演出の演出結果として、保留連演出が実行されている状態である。保留連演出が連続して実行された場合には、NEXT演出の演出結果として、表示領域Dm9に「ラウンド8」が表示されると共に、連続して実行された保留連演出の回数に対応したキャラクタ801a,801bが表示される。その後、図286に示した通り、保留連演出が連続して実行されたことによって、大当たり遊技中に表示される表示領域Dm5の表示態様が、1回の大当たり遊技における最大ラウンド数(9ラウンド)よりも大きなラウンド数を示す特殊表示態様(「ラウンド10」)になると表示領域Dm5が通常とは異なる特殊領域として表示形成され(図では、二重線で表示)、表示領域Dm9にて、「MAXオーバー」の文字が表示される。そして、副表示領域Dsには「この大当たりどこまで続くか?」の文字が表示される。このように構成することで、大当たり遊技が連続して実行されていることを遊技者に分かり易く報知することができる。なお、本第7制御例では、特殊表示態様を表示するための条件として、連続して保留連演出が実行されている期間中のラウンド遊技数の累積値が1回の大当たり遊技にて実行され得るラウンド遊技数の上限を超えた場合に成立する条件を設けているが、これに限ること無く、連続して保留連演出が実行されている期間中のラウンド遊技数の累積値が特定数(例えば、10の倍数)となった場合や、保留連演出が連続して実行された回数が特定数(例えば、5回)を超えた場合や、ラッシュ期間中に獲得した賞球数を示す表示領域Dm6に表示されているポイント表示が特定数(例えば、10000P)となった場合に同一情報を用いた別表示態様として別領域にポイント表示を表示させる条件を設けても良い。
また、特殊表示態様として複数の表示態様を段階的に表示可能に構成し、且つ、各表示態様を表示するための条件を、連続して保留連演出が実行されている期間中のラウンド遊技数の累積値や、保留連演出が連続して実行された回数が特定数や、ラッシュ期間中に獲得した賞球数を示す表示領域Dm6に表示されているポイント表示が特定数に対して段階的に設けるように構成し、段階的に設けられた表示条件が成立する毎に異なる表示態様を段階的に表示するように構成しても良い。このように構成することで、より多彩な特殊表示態様を表示させようと、より意欲的に遊技者に対して遊技を行わせることができる。次に、図287を参照して、本第7制御例のパチンコ機10における遊技環境を設定する際に表示される表示画面について説明をする。本第7制御例では、パチンコ機10の遊技環境を変更するための操作として、音声出力装置226から出力される音声の音量レベルを4段階から選択可能な音量レベル選択操作と、パチンコ機10に配設されている装飾発光用LEDや第3図柄表示装置81に設けられた液晶ディスプレイのバックライトの光量レベルを4段階から選択可能な光量レベル操作と、第3図柄表示装置81の表示面に表示される演出態様の種別(ステージ種別)が切り替わる頻度を変更するモード種別選択操作と、を実行可能に構成している。パチンコ機10が遊技されていない状態(待機状態)では、図287(a)に示した表示画面が表示される。図287(a)は、待機状態中に表示される表示画面の一例を示した図である。図287(a)に示した通り、待機状態中は、表示領域Dm5に現在設定されているステージ種別(図では「ウサギステージ」)が表示され、表示領域Dm6に現在設定されているモード種別(図では「ノーマルモード」)が表示され、表示領域Dm1には、現在が遊技中では無いことを示す表示態様として、最後に実行された特別図柄抽選の結果を示す表示態様(図では「316」)が表示されている。
そして、主表示領域Dmの下側には、音量調整に関する表示領域HR1、光量調整に関する表示領域HR2、モード種別選択に関する表示領域HR3が形成される。表示領域HR1には、音量レベルとして選択可能な範囲(LV1~LV4(MAX))を示す表示態様と、現在設定されている音量レベルを示す表示態様(図では、黒色で表示)とが表示され、その下方に、音量レベルを変更するための操作方法を示すための表示態様として、選択ボタン600のうち、右ボタン600c、又は左ボタン600eを操作することで音量レベルを変更可能であることを示すために、右ボタン600cに対応する右ボタンアイコンSw2と、左ボタン600eに対応する左ボタンアイコンSw4が表示されている。また、表示領域HR2には、光量レベルとして選択可能な範囲(LV1~LV4(MAX))を示す表示態様と、現在設定されている光量レベルを示す表示態様(図では、黒色で表示)とが表示され、その下方に、光量レベルを変更するための操作方法を示すための表示態様として、選択ボタン600のうち、上ボタン600b、又は下ボタン600dを操作することで光量レベルを変更可能であることを示すために、上ボタン600bに対応する上ボタンアイコンSw5と、下ボタン600dに対応する下ボタンアイコンSw3が表示されている。表示領域HR3には、モード種別を選択するための選択画面(メニュー)を表示するための操作方法を示すための表示態様として、選択ボタン600のうち、決定ボタン(中ボタン)600aに対応する中ボタンアイコンSw1が表示されている。図287(a)に示した表示画面が表示されている状態で、遊技者が右ボタン600cを押下することで、音量レベルが1段階上がり、左ボタン600eを押下することで、音量レベルが1段階下がる。また、上ボタン600bを押下することで光量レベルが1段階上がり、下ボタン600dを押下することで光量レベルが1段階下がる。そして、遊技者による選択ボタン600に対する操作に基づいて選択された音量レベル、及び光量レベルが、後述する遊技環境格納エリア223uに格納される。
また、図287(a)に示した表示画面が表示されている状態で、遊技者が決定ボタン(中ボタン)600aを押下すると、図287(b)に示した表示画面が表示される。図287(b)は、演出モードを選択可能な演出モード選択画面を模式的に示した図である。図287(b)に示した通り、演出モード選択画面が表示されている状態では、上ボタン600b、又は下ボタン600dを押下することで、選択されるモード種別を示す矢印アイコンya1が上下方向に移動し、演出ボタン22aを押下することで、矢印アイコンya1が示しているモード種別を決定することが可能な操作方法を示す表示態様が表示領域Dm8に表示されている。また、主表示領域Dmには、現在が演出モード選択画面を表示していることを示すための表示態様として、表示領域Dm7に「演出モード選択画面」と表示され、選択可能なモード種別と、各モード種別の内容が表示されている。具体的には、本第7制御例では、モード種別として「ノーマルモード」、「アクティブモード」、「固定モード」を選択可能に構成しており、各モード種別を示す表示態様としてノーマルモードM1、アクティブモードM2、固定モードM3が上下方向に並んで表示されている。そして、固定モードM3の下方には、モード種別を変更すること無く、演出モード選択画面を終了させる際に選択する表示態様として戻るアイコンM4が表示されている。なお、各モード種別の内容については後述する。以上、説明をした通り、本第7制御例では、遊技者が遊技をしていない状態において、遊技環境を選択可能に構成しているため、遊技者自身が自分に適した遊技環境を設定した状態で遊技を開始することができる。なお、本第7制御例では、ステージ種別(ウサギステージ、勇者ステージ)を遊技者が選択できないように構成しているが、これに限ること無く、待機状態中において、遊技者が任意のステージ種別を選択可能に構成しても良い。なお、本第7制御例では、待機状態中において遊技環境(音量・光量)を調整する構成について説明したが、これに限るものではなく、特別図柄の変動表示中に遊技環境を調整可能に構成しても良い。具体的には、特別図柄の変動表示中に遊技者によって右ボタン600cまたは左ボタン600eが操作されると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて音量調整に関する表示領域HR1を表示し、上ボタン600b、下ボタン600dが操作されると光量調整に関する表示領域HR2を表示する。この場合、音量調整に関する表示領域HR1、光量調整に関する表示領域HR2が主表示領域Dmにおいて変動表示される第3図柄の一部と重なる位置に表示されるため、音量調整に関する表示領域HR1、光量調整に関する表示領域HR2の表示は、第3図柄が隠された状況を創出する演出である。また、このように特別図柄の変動表示中にも音量・光量調整を可能に構成する場合、音量調整に関する表示領域HR1、または光量調整に関する表示領域HR2が表示されてから所定時間(例えば、10秒)経過した場合に第3図柄が隠された状況を復旧させる処理(表示領域HR1、表示領域HR2を非表示とする処理)を実行しても良いし、所定時間が経過する前に決定ボタン600aが操作された場合に第3図柄が隠された状況を復旧させる処理(表示領域HR1、表示領域HR2を非表示とする処理)を実行しても良い。なお、第3図柄の変動表示中に音量に関する表示領域HR1に表示される音量レベル、または光量に関する表示領域HR2に表示される光量レベルを可変させると、それに対応して第3図柄変動に対応する変動演出における音量・光量も可変する。つまり、この表示領域HR1または、表示領域HR2に表示される音量レベルと光量レベルの表示は、実行中の変動演出の演出態様に関連する演出情報を付与する態様である。また、音量に関する表示領域HR1、または光量に関する表示領域HR2を表示する制御は、特別図柄変動中のボタン操作により変動演出の演出態様を可変させることが可能な第1演出を実行可能な制御である。また、選択ボタン600b~600eを操作することにより、遊技者が音量・光量を調整可能な表示領域HR1、HR2の表示は、その複数の演出態様から1の演出態様を遊技者に決定させるための第1の演出である。
次に、図288(b)を参照して、特別図柄変動中に実行可能な遊技環境変更操作について説明をする。図288(b)は、特別図柄変動中に固定モードを設定した際の表示画面を示した図である。本第7制御例では、特別図柄変動が実行されている際中であっても、決定ボタン(中ボタン)600aを押下することで、現在設定されているステージ種別を固定可能に構成している。つまり、本パチンコ機10を初めて遊技する遊技者は、待機状態中において自身の好みにあったステージ種別が他のステージ種別へと切り替わることを抑制するために固定モードを選択することが困難であった。一方、遊技を実行し、各ステージ種別にて実行される演出の概要を把握した状態では、各ステージ種別のうち、自身の好みにあったステージ種別を決定することが可能となる。この場合、遊技を一旦中断し待機状態とした後に固定モードを設定する操作を実行させてしまうと、遊技の稼働が低下してしまうという問題があった。そこで、本第7制御例では、特別図柄変動中であっても、遊技者が所定の操作(決定ボタン600aの押下)を実行することで、モード種別を固定モードへと切り替えることができるように構成している。このように構成することで、遊技中の遊技者が好みのステージ種別を見つけた直後に固定モードを設定することができる。また、決定ボタン600aを押下するという単純な操作、即ち、待機状態中において固定モードを設定するための操作よりも単純な操作で固定モードを設定することができるため、遊技中の遊技者に対して、固定モードを設定する煩わしさを与えることが無い。特別図柄変動中に固定モードを設定した場合には、図288(b)に示した通り、表示領域Dm5にステージ種別が変更しないことを示すための表示態様として、カギを模したアイコンが表示される。これにより、固定モードが設定されたことを分かり易く報知することができる。なお、詳細な説明は省略するが、固定モードが設定された状態で再度遊技者が決定ボタン600aを押下することで、固定モードが解除される。
なお、詳細な説明は省略するが、本第7制御例では、待機状態が継続する期間が所定期間(例えば、1分)経過する毎に、ステージ種別が切り替わるように構成している。つまり、特別図柄変動が実行されている場合よりも、待機状態が設定されている場合の方が、ステージ種別が切り替わり易くなるように構成している。このように構成することで、待機状態中に固定モードを設定する際のステージ種別を選択し易くすることができる。次に、図288(a)を参照して、本第7制御例にて実行される変動演出の演出内容について説明をする。図288(a)は、特別図柄変動中におけるステージ移行演出が実行された場合の演出画面を示した図である。図288(a)に示した通り、本第7制御例では、ステージ種別の移行条件(特別図柄変動回数や特別図柄抽選結果に基づいて成立する条件)が成立した場合に、第3図柄表示装置81の表示面を覆うシャッターst1,st2が表示される移行示唆演出を実行し、その後、シャッターst1,st2が非表示となり、移行後のステージ種別に応じた表示態様が表示されるように構成している。さらに、この移行示唆演出を用いて、ステージ種別が移行すること以外の変動演出を実行可能に構成しており、例えば、移行示唆演出が実行されたにも関わらず、ステージ種別が移行しなかった場合に、実行中の特別図柄抽選が当り当選している可能性が上昇するステージチェンジ演出を実行可能に構成している。このステージチェンジ演出が実行されると、図288(a)に示した通り、シャッターst1,st2が表示され、その後、シャッターst1,st2の表面にステージチェンジ演出の実行中であることを示すための表示態様として、案内表示領域st1a,st1bが形成され「ステージチェンジ!?」の文字が表示される。そして、副表示領域Dsには、ステージチェンジ演出の演出内容を遊技者に案内するための案内態様として「ステージが変わらないと大チャンス」の文字が表示される。
このように構成することで、ステージ種別が移行することを示唆するための移行示唆演出を、大当たり当選期待度を遊技者に示す演出(ステージチェンジ演出)の一部として用いることができるため、ステージ種別を移行させるためのシャッターst1,st2が表示された場合に、ステージ種別が移行しないことを期待するという斬新な遊技性を提供することができる。なお、詳細な図示は省略するが、この移行示唆演出を含むステージチェンジ演出を、固定モード中に実行しても良く、例えば、固定モード中に移行示唆演出が実行された場合には、副表示領域Dsに「ステージが変わるとチャンス」の案内態様を表示すると良い。ここで、本第7制御例では、固定モードが設定されている場合であっても、大当たり当選している特別図柄変動中にステージ種別を移行可能に構成している。よって、固定モード中にステージチェンジ演出が実行され、演出結果としてステージ種別が移行した場合には、大当たり当選を報知することができる。また、上述したステージチェンジ演出を、特別図柄変動の期間中だけで無く、大当たり遊技期間中に実行可能に構成しても良い。この場合、例えば、固定モードが設定されている状態で大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技のエンディング期間中に、ステージチェンジ演出を実行する。そして、大当たり遊技終了後に設定されるステージ種別が、大当たり遊技前に設定されていたステージ種別と異ならせることで、保留連することを遊技者に報知するように構成すると良い。このように構成することで、大当たり遊技の前後に設定されるステージ種別、即ち、大当たり遊技演出の実行期間を挟んで表示されるステージ種別が同一であるか異なっているかを遊技者が把握し難くなるため、ステージチェンジ演出の演出結果(シャッターst1,st2非表示後のステージ種別)が表示された後に保留連が実行されるか否かを予測する楽しみを提供することができる。
<第7制御例における遊技状態の遷移について>
次に、図289を参照して、本第7制御例における遊技内容(各遊技状態の遷移内容)を説明する。図289は、遊技状態の遷移内容を示したゲームフローである。図289に示した通り、本第7制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成しており、通常状態では左打ち遊技が、時短状態中は右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となるように構成している。パチンコ機10の初期状態としては、特図1保留、及び、特図2保留を獲得していない状態で通常状態が設定される。この通常状態では、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させるための遊技が行われる。この通常状態では、特別図柄の低確率状態が設定されているため、208/65536(約1/300)の確率で大当たり当選し、1/65536の確率で小当たり当選する第1特別図柄抽選が実行される。ここで、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として「大当たりA」、或いは、「大当たりB」が設定され、大当たり種別「大当たりA」が設定された大当たり遊技の終了後には時短状態が、「大当たりB」が設定された大当たり遊技の終了後には通常状態が設定される。大当たり当選した場合に設定される大当たり種別の割合は、予め規定されており、通常状態において第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、60%の確率で「大当たりA」が、40%の確率で「大当たりB」が設定される。また、第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、小当たり種別として「小当たりA」が設定される小当たり遊技が実行される。この「小当たりA」は、小当たり遊技中に開放動作される第2可変入賞装置650へと遊技球を入賞させるための正常な遊技(右打ち遊技)を実行することで、遊技球を特定領域へと入球させる(V入賞させる)ことが可能な小当たり遊技であり、V入賞した場合には、小当たり遊技終了後に、「大当たりC」が設定された大当たり遊技が実行される。
「大当たりA」,「大当たりC」の大当たり遊技が終了すると、時短状態が設定される。一方で、「大当たりB」の大当たり遊技が終了した場合、或いは、小当たり遊技中にV入賞させること無く小当たり遊技が終了した場合(非V入賞の場合)は、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される。次に、本第7制御例のパチンコ機10における時短状態の内容について説明をする。図289に示した通り、本第7制御例では、時短状態中は特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態が設定され、通常状態に対して、普通図柄抽選の結果に基づいて第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなる遊技状態となる。この時短状態は、所定の終了条件が成立した場合に終了するように構成しており、具体的には、時短終了条件として、第2特別図柄変動(特図2変動)が3回実行された(3回目の特図2変動が停止表示された)場合、小当たり当選したことを示す特別図柄が停止表示された場合、第1特別図柄変動(特図1変動)と、特図2変動の合算回数が10回に到達した(10回目の特図変動が停止表示された)場合の何れかの条件を満たした場合に成立する時短終了条件が設けられている。時短状態中は、右打ち遊技によってスルーゲート67に球を通過させ、普通図柄抽選を実行し、普図当たり遊技中に第2入球口640へと球を入球させる遊技が実行される。そして、第2入球口640へと遊技球が入球した場合には、1/2の確率で小当たり当選し、208/65536(約1/300)の確率で大当たり当選する第2特別図柄抽選が実行される。つまり、時短状態が設定された場合には、第2特別図柄抽選が3回実行されるまでに小当たり当選、或いは、大当たり当選することを目指す遊技が行われる。本第7制御例では、時短状態中に第2特別図柄抽選が実行された場合には、第1特別図柄抽選よりも高確率で、大当たり当選、或いは、小当たり当選するように構成しており、小当たり遊技が実行された場合には小当たり遊技中に正常に遊技(右打ち遊技)を実行することで、確実に大当たり遊技の実行権利(特定領域(Vゲート)650e3への遊技球の入球)を獲得可能に構成している。
時短状態中において、特図2抽選で小当たり当選した場合に設定される小当たり種別として「小当たりB」と「小当たりC」とを設定可能に構成している。そして、何れの小当たり種別が設定された場合であっても、V入賞可能な小当たり遊技が実行され、V入賞したことに基づいて実行される大当たり遊技の内容が異なる大当たり遊技が実行される。なお、何れの小当たり種別が設定された場合であっても、大当たり遊技の終了後には時短状態が設定される。つまり、本第7制御例では、時短状態中に実行可能な3回の第2特別図柄抽選の何れかで、1/2の確率で当選する小当たりに当選する限り、連続して時短状態中の遊技を実行することができる。一方、時短終了条件が成立した第2特別図柄変動が停止表示された場合において、特図2保留を獲得している場合は、遊技状態として通常状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行される通常状態(引き戻し遊技)へと移行する。この引き戻し遊技中は、図281(b)に示した引き戻し演出が実行される。通常状態(引き戻し遊技)において第2特別図柄抽選が実行された場合には、時短状態中と同一の確率(1/2)で小当たり当選する第2特別図柄抽選が実行される。そして、時短状態中における第2特別図柄抽選と同一の選択割合で小当たり種別が選択される。なお、本第7制御例では、通常状態における小当たり種別の選択割合と、時短状態における小当たり種別の選択割合と、を同一に設定しているが、これに限ること無く、一方の遊技状態の方が、他方の遊技状態よりも遊技者に有利な小当たり種別が選択され易くなるように構成しても良く、例えば、通常状態が設定されている場合の方が遊技者に有利な小当たり種別(小当たりC)を選択させ易くするように構成すると良い。このように構成することで、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選よりも、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な遊技状態とすることが可能となる。よって、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させることの有利度合いを高めることができる。
<第7制御例における電気的構成について>
次に、図290を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図290は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図291を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図291は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄の小当たり種別を選択するために使用する小当たり種別カウンタC5と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図303参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図318参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第1入球口64への入球に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aと、1つの保留エリア(保留第1エリア)からなる第2入球口640への入球に対応する第2特別図柄保留球格納エリア203bと、が設けられており、第1特別図柄保留球格納エリア203aには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5、及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納され、第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5、及び、変動種別カウンタCS1の各値が格納される。
そして、特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている各種値、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値のうち、次に抽選が実行される特別図柄種別に対応する特別図柄の情報を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動(特別図柄抽選)が開始される。なお、本第7制御例では、特別図柄の種別が2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)の構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別を1種類としても良い。そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)、或いは、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、対応する特別図柄種別の特別図柄保留球格納エリアの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始されるように構成しても良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別を用いたパチンコ機10であっても、各々の特別図柄変動を円滑に実行することができる。さらに、本第7制御例では、特別図柄抽選の実行条件(特別図柄変動の始動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている情報よりも、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている情報を優先して読み出すように構成している。つまり、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選を優先して実行可能に構成している。また、第2特別図柄抽選の方が、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な抽選が実行されるように構成している。このように構成することで、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203bの何れにも情報が格納されている状態で特別図柄抽選の実行条件が成立した場合であっても、遊技者に有利な特別図柄抽選を優先して実行させることができる。
なお、本第7制御例のように、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)を有するパチンコ機10であれば、何れか一方の特別図柄種別の抽選を、他の特別図柄種別の抽選よりも優先して実行するのでは無く、第1特別図柄保留球格納エリア203a、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203bに情報が格納された順序を記憶可能な格納順序記憶手段を設け、その格納順序記憶手段に記憶されている順序(入賞順)に基づいて特別図柄抽選を実行可能に構成しても良い。さらに、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成しても良く、この場合、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)がそれぞれ特別図柄実行エリアを有するように構成すれば良い。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。また、本第7制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たりと小当たりと外れとなるように構成している。具体的には、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、大当たり当選時よりも少ない特典(大当たり当選時とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合であっても、遊技者に特典を付与する機会を設けることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
本第7制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、小当たり当選した場合も、抽選結果を示すための特別図柄が停止表示された場合に通常状態が設定され、設定された当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に対応した当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が通常状態にて実行されるように構成している。そして、大当たり遊技が終了した後には、設定された大当たり種別に応じた遊技状態が設定されるのに対して、小当たり遊技が終了した後は通常状態が継続する(小当たり種別に応じて遊技状態を設定する機能を有していない)ように構成している。つまり、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて遊技者に付与される大当たり(第1特典)と、小当たり(第2特典)とでは、実行される当たり遊技の内容だけで無く、遊技状態の移行内容も異なるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果に基づいて遊技者に付与される特典の種類にバリエーションを持たせ易くすることができる。なお、大当たり当選した場合と、小当たり当選した場合とで遊技状態の移行内容を異ならせる手法として、本第7制御例に用いた手法以外を用いても良く、例えば、大当たり当選した場合は、大当たり遊技の開始時に遊技状態を通常状態へと移行させ、さらに、設定された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に新たな遊技状態を設定可能に構成するのに対して、小当たり当選した場合は、小当たり当選時の遊技状態を維持したまま小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技終了後も遊技状態を移行させないように構成しても良い。このように構成することで、当選した当たり種別(大当たり、小当たり)に応じて、遊技状態の移行の有無や、移行内容を異ならせることができるため、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。さらに、本第7制御例のRAM203には、4つの保留エリア(保留第1エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203cには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタ(図示せず)の各値がそれぞれ格納される。
そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。次に、図291を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~65535)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~65535の値を取り得るカウンタの場合は65535)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~65535の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~65535の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図303参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図318参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、特別図柄の小当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された小当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の小当たりと判定する。ここで、図293を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図293(a)は、第1当たり乱数テーブル202aに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の抽選において、大当たり、或いは、小当たりと判定される乱数値(判定値)が規定されたテーブルであって、特別図柄抽選に用いられる特別図柄種別に応じて異なる乱数値(判定値)が規定されているデータテーブルを有している。具体的には、図293(a)に示した通り、第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄1乱数テーブル202a1と、特別図柄2乱数テーブル202a2と、を有している。この特別図柄1乱数テーブル202a1は、第1特別図柄抽選が実行された場合に抽選結果を判定するために参照されるデータテーブルであって、特別図柄2乱数テーブル202a2は、第2特別図柄抽選が実行された場合に抽選結果を判定するために参照されるデータテーブルである。
次に、図293(b)を参照して、特別図柄1乱数テーブル202a1の内容について説明をする。図293(b)は、特別図柄1乱数テーブル202a1に規定されている内容を模式的に示した図である。特別図柄1乱数テーブル202a1には、大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)と、小当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)とが規定されている。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~207」の範囲に対して大当たり当選と判定する大当たり判定値を規定し、第1当たり乱数カウンタC1の値が「65535」に対して小当たり当選する小当たり判定値を規定している。つまり、第1当たり乱数カウンタC1の更新範囲は「0~65535」であり、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値は全部で65536個であって、そのうち大当たり判定値が208個で、小当たり判定値が1個に規定しているため、第1特別図柄抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、208/65536(約1/300)となり、小当たりと判定される確率は、1/65536となる。よって、第1特別図柄抽選が実行された場合には、小当たり当選する確率よりも大当たり当選する確率の方が高確率となるため、第1特別図柄抽選が主として実行される通常状態が設定されている場合には、第1特別図柄抽選を実行し、大当たり当選を目指す遊技が行われる。次に、図293(c)を参照して、特別図柄2乱数テーブル202a2の内容について説明をする。図293(c)は、特別図柄2乱数テーブル202a2に規定されている内容を模式的に示した図である。特別図柄2乱数テーブル202a2には、大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)と、小当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)とが規定されている。
具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~207」の範囲に対して大当たり当選と判定する大当たり判定値を規定し、第1当たり乱数カウンタC1の値が「32768~65535」の範囲に対して小当たり当選と判定する小当たり判定値を規定している。つまり、第1当たり乱数カウンタC1の更新範囲は「0~65535」であり、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値は全部で65536個であって、そのうち大当たり判定値が208個で、小当たり判定値が32768個に規定しているため、第2特別図柄抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、208/65536(約1/300)となり、小当たりと判定される確率は、32768/65536(約1/2)となる。よって、第2特別図柄抽選が実行された場合には、大当たり当選する確率よりも小当たり当選する確率の方が高確率となるため、第2特別図柄抽選が主として実行される時短状態が設定される場合には、第2特別図柄抽選を実行し、小当たり当選を目指す遊技が行われる。以上、説明をした通り、本第7制御例では、特別図柄種別に応じて、特別図柄抽選に基づいて付与され易い特典の種別(大当たり、小当たり)を異ならせるように構成している。このように構成することで、第1特別図柄抽選が実行された場合と、第2特別図柄抽選が実行された場合とで、異なる特典が付与され易くなるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、本第7制御例では、設定されている遊技状態に応じて、特別図柄抽選が実行され易い特別図柄種別を異ならせるように構成しており、具体的には、通常状態が設定されている場合には、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選が実行され易く、時短状態が設定されている場合には、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。さらに、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立することで(特定領域(V領域)へと遊技球が入賞することで)、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技を実行可能に構成している。
このように構成することで、設定されている遊技状態に応じて、大当たり遊技を実行させるための過程を異ならせ易くすることができる。具体的には、通常状態が設定されている場合には、第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技の実行条件(第1実行条件)を成立させて大当たり遊技を実行することを目的とした遊技を遊技者に主として行わせ、時短状態が設定されている場合には、第2特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいて小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技中に特定領域(V領域)へと遊技球を入球させることによって大当たり遊技の実行条件(第2実行条件)を成立させて大当たり遊技を実行することを目的とした遊技を遊技者に主として行わせるように構成している。このように構成することで、設定されている遊技状態に応じて成立し易い大当たり遊技の実行条件を異ならせることができるため、様々な実行条件の成立に基づいて大当たり遊技を実行させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。さらに、本第7制御例では、第1特別図柄抽選が実行される場合よりも第2特別図柄抽選が実行された場合の方が、大当たり遊技を実行させるための実行条件が成立し易く(第2実行条件が成立し易く)なるように構成しており、且つ、通常状態よりも時短状態の方が第2特別図柄抽選を実行させ易く構成している。また、時短状態は、大当たり遊技の終了後に設定されるように構成している。このように構成することで、通常状態中の遊技を行っている遊技者に対して、まず、第1特別図柄抽選で大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たりの当選を目指し、その後、時短状態にて第2特別図柄抽選で小当たり当選を目指す遊技、即ち、遊技者に対して最も有利となる遊技を実行するために、段階を踏んだ遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きることの無いパチンコ機10を提供することができる。
なお、本第7制御例では、設定されている遊技状態(通常状態、時短状態)に応じて、大当たり判定値が可変しないように構成しているが、これに限ること無く、遊技状態に応じて大当たり判定値を可変させるように構成しても良い。この場合、例えば、遊技状態として特別図柄の低確率状態が設定される遊技状態と、特別図柄の高確率状態が設定される遊技状態と、を設定可能に構成し、特別図柄の低確率状態よりも特別図柄の高確率状態の方が、大当たり判定値を増加するように構成すると良い。また、特別図柄の高確率状態は、特定の大当たり種別が設定された場合において大当たり遊技終了後に設定されるように構成すると良い。このように構成することで、第1特別図柄抽選が主として実行される遊技状態であったとしても、設定されている特別図柄の確率状態に応じて、大当たり当選する確率を異ならせることができるため、遊技者への有利度合いを異ならせた遊技状態を複数設定することが可能となる。よって、様々な有利度合いの遊技状態で遊技者に遊技を行わせることで遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、本第7制御例では、設定されている遊技状態(通常状態、時短状態)に応じて、小当たり判定値が可変しないように構成しているが、これに限ること無く、遊技状態に応じて小当たり判定値を可変させるように構成しても良い。この場合、例えば、遊技状態として特別図柄の低確率状態が設定される遊技状態と、特別図柄の高確率状態が設定される遊技状態と、を設定可能に構成し、特別図柄の低確率状態よりも特別図柄の高確率状態の方が、小当たり判定値を増加するように構成すると良い。また、特別図柄の高確率状態は、特定の大当たり種別が設定された場合において大当たり遊技終了後に設定されるように構成すると良い。このように構成することで、第1特別図柄抽選が主として実行される遊技状態であったとしても、設定されている特別図柄の確率状態に応じて、小当たり当選する確率を異ならせることができるため、遊技者への有利度合いを異ならせた遊技状態を複数設定することが可能となる。よって、様々な有利度合いの遊技状態で遊技者に遊技を行わせることで遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、特別図柄の確率状態として特別図柄の高確率状態と、特別図柄の低確率状態と、を設定可能に構成した場合には、特別図柄の高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、大当たり当選確率も小当たり当選確率も高くなるように構成しても良いし、一方のみが特別図柄の低確率状態よりも高確率となるように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の高確率状態として、第1高確率状態、第2高確率状態、第3高確率状態を設定可能に構成し、第1高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、大当たり当選確率も小当たり当選確率も高くなるように構成し、第2高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、大当たり当選確率のみが高くなるように構成し、第3高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、小当たり当選確率のみが高くなるように構成すると良い。このように構成することで、特別図柄の確率状態としてより多彩な状態を設定することが可能となるため、遊技者が遊技に飽きてしまうことをより抑制することができる。また、特別図柄の確率状態として、大当たり確率、小当たり確率を3種類以上設定可能に構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率、又は小当たり確率を設定するように構成しても良い。本第7制御例では、図293(b)、及び図293(c)に示した通り、第1特別図柄抽選における大当たり確率と、第2特別図柄抽選における大当たり確率と、が同一となるように構成しているが、これに限ること無く、実行される特別図柄抽選の種別(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)に応じて、大当たり当選する確率を異ならせても良い。
また、本第7制御例では、図293(b)、及び図293(c)に示した通り、第1特別図柄抽選における小当たり確率と、第2特別図柄抽選における小当たり確率と、を異ならせているが、これに限ること無く、第1特別図柄抽選の小当たり確率と、第2特別図柄抽選の小当たり確率と、が同一となるように構成しても良い。さらに、本第7制御例では、当選確率は異なるが、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選との何れでも小当たり当選し得るように構成しているが、これに限ること無く、何れか一方の特別図柄種別のみ小当たり当選し得る特別図柄抽選を実行可能に構成しても良い。第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄抽選が大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本第7制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。本第7制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本制御例では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、大当たり種別選択テーブル202bを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判定するように構成している。ここで、図294(a)を参照して大当たり種別選択テーブル202bの内容について説明をする。図294(a)は、大当たり種別選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図294(a)に示した通り、この大当たり種別選択テーブル202bは、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される情報と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される情報と、が規定されている。
具体的には、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値(更新範囲「0~99」)が「0~59」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、大当たり遊技のラウンド数が6ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「10」が、小当たりカウンタ203sの値に「1」が、特図2カウンタ203tの値に「3」が、それぞれ設定される大当たり種別である。詳細な説明は、図294(b)を参照して後述するが、本第7制御例におけるパチンコ機10では、時短状態を終了させるための時短終了条件として複数の時短終了条件を同時に設定可能に構成しており、設定されている複数の時短終了条件のうち、何れか1の時短終了条件が成立した場合に、時短状態を終了させるように構成している。上述した時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tは、それぞれ異なる時短終了条件が成立したか否かを判定する際に参照されるカウンタであって、時短状態中に実行された特別図柄抽選に基づいて対応するカウンタ値が更新されるように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行された特別図柄抽選の内容に応じて、異なる時短終了条件が成立し、時短状態を終了させることが可能となるため、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が設定されている状態において、故意に不適切な遊技(例えば、第2特別図柄抽選を実行させるための右打ち遊技では無く、第1特別図柄抽選を実行させるための左打ち遊技)を実行した場合であっても、時短状態を終了させることができるため、時短状態が過剰に長時間継続してしまうことを抑制することができる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が60個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA」が決定される割合は60%(60/100)である。
また、図294(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「60~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、大当たり遊技のラウンド数が6ラウンドであり、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される通常大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「0」が、小当たりカウンタ203sの値に「0」が、特図2カウンタ203tの値に「0」が設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が40個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB」が決定される割合は40%(40/100)である。即ち、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る2個の大当たり種別(大当たりA、大当たりB)は、大当たり遊技のラウンド数は同一であるが、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせており、「大当たりA」のほうが「大当たりB」よりも大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)が設定される分、有利な大当たり種別となる。一方、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~99」の全範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC」が対応付けて規定されている。この「大当たりC」は、大当たり遊技のラウンド数が9ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される時短大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「10」が、小当たりカウンタ203sの値に「1」が、特図2カウンタ203tの値に「3」が設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が100個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC」が決定される割合は100%(30/100)である。
即ち、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、特定の大当たり種別(大当たりC)が必ず設定されるように構成しており、「大当たりC」は、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別(大当たりA、大当たりB)よりも大当たり遊技のラウンド数が大きくなるように構成している。また、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態も、「大当たりA」と同様に、遊技者に有利となる時短状態が設定されるように構成している。よって、第2特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に設定される「大当たりC」が最も遊技者に有利な大当たり種別となり、次いで、第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に設定される「大当たりA」が遊技者に有利な大当たり種別となる。そして、「大当たりB」が遊技者に最も不利な大当たり種別となる。ここで、本第7制御例では、第2特別図柄抽選が実行された場合には、約1/2の確率で小当たり当選し、その小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立し易くなり、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行される遊技が主として実行されるように構成している。また、第2特別図柄抽選が実行され易い時短状態は、所定回数(1回)の小当たり当選に基づいて時短終了条件が成立するように構成している。つまり、第2特別図柄抽選で大当たり当選するには、約1/2の確率で当選する小当たりに当選すること無く、約1/300の確率で当選する大当たりに当選する必要がある。このように大当たり遊技を実行させることが可能であって、且つ、高確率で当選し得る小当たりでは無く、その小当たりの当選確率よりも低確率に設定されている大当たりに当選したことの付加価値を遊技者に付与するために「大当たりC」が最も遊技者に有利な大当たり種別となるように構成している。このように構成することで、時短状態中に大当たり当選した遊技者に対して、付加価値を付与することができるため、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選にて小当たり当選よりも先に大当たり当選した遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず時短大当たり遊技が実行されるため、60%の割合で時短大当たり遊技が実行される第1特別図柄抽選よりも、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の面では、有利な特別図柄抽選となる。また、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数、即ち、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数の面においても、獲得し得る最大数、最小数、平均数の何れにおいても第2特別図柄抽選のほうが多くなるように規定している。なお、本制御例では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、全ての大当たりで同一のラウンド数の大当たり遊技が実行されるように構成し、大当たり遊技期間が同一となるように構成している。そして、この同一の大当たり遊技期間を用いて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を事前に示唆するための大当たり遊技演出(討伐演出)を実行するように構成している。このように構成することで、実行される大当たり遊技の遊技内容に基づいて大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に把握されてしまうことを抑制し、大当たり遊技中に実行される討伐演出に対して遊技者に興味を持たせ易くすることができる。なお、これに限ることなく、選択された大当たり種別に応じて異なる数のラウンド遊技を実行可能に構成しても良い。この場合、討伐演出の演出期間を、少ない数のラウンド遊技が実行される大当たり遊技期間に対応させるように構成し、多い数のラウンド遊技が実行される大当たり遊技では、討伐演出の演出期間が経過した後に、残りのラウンド数に対応させた大当たり遊技演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、少なくとも討伐演出の演出期間中は、大当たり遊技の遊技内容に基づいて大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に把握させ難くすることができる。また、この場合、少ないラウンド遊技が実行される大当たり遊技に対応する大当たり種別の方が、多いラウンド遊技が実行される大当たり遊技に対応する大当たり種別よりも、大当たり遊技終了後に時短状態が設定され易くなるように大当たり種別選択テーブル202bの内容を規定すると良い。
このように構成することで、討伐演出の演出結果として時短状態が設定されることを示す演出結果(成功演出)が表示された直後に、時短状態を設定することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。また、遊技者に有利な遊技状態が設定される大当たり遊技の方が、遊技者に不利な遊技状態が設定される大当たり遊技よりも、大当たり遊技中に遊技者が獲得可能な賞球数を少なくすることで、遊技者に対して過剰に賞球数を獲得されてしまう事態が発生することを抑制することができる。加えて、大当たり遊技終了後に不利な遊技状態(通常状態)が設定される遊技者に対して、大当たり遊技終了後に有利な遊技状態(時短状態)が設定される遊技者よりも、1回の大当たり遊技で多めに賞球を獲得させることができるため、大当たり遊技を実行したにも関わらず少ない賞球を獲得しただけで通常状態へ移行してしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、本第7制御例では、時短状態が設定された場合に時短状態を同一期間(時短回数3回)設定するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり種別に応じて時短回数(時短終了条件)を異ならせるように構成しても良い。図291に戻り説明を続ける。小当たり種別カウンタC5は、例えば、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタC5の値は、例えば、定期的に(本第7制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。本第7制御例のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC5の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本制御例では取得した小当たり種別カウンタC5の値を用いて、小当たり種別選択テーブル202fを参照して小当たりに当選した場合の小当たり種別を判定するように構成している。ここで、図295を参照して小当たり種別選択テーブル202fの内容について説明をする。
図295は、小当たり種別選択テーブル202fに規定されている内容を模式的に示した図である。図295に示した通り、この小当たり種別選択テーブル202fは、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に参照される情報と、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に参照される情報と、が規定されている。具体的には、第1特別図柄(特図1)の小当たり種別としては、小当たり種別カウンタC5の値(更新範囲「0~99」)が「0~99」の全範囲に対して、小当たり種別として「小当たりA」が対応付けて規定されている。この「小当たりA」は、小当たり遊技中に特定領域(V領域)へと遊技球を容易に入球させることが可能な小当たり遊技が実行される小当たり種別であって、特定領域(V領域)へと遊技球を入球させたことに基づいて大当たり種別「大当たりC」が設定される小当たり種別である。一方、第2特別図柄(特図2)の小当たり種別としては、小当たり種別カウンタC5の値(更新範囲「0~99」)が「0~79」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりB」が対応付けて規定されており、「80~99」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりC」が対応付けて規定されている。この「小当たりB」は、小当たり遊技中に特定領域(V領域)へと遊技球を容易に入球させることが可能な小当たり遊技が実行される小当たり種別であって、特定領域(V領域)へと遊技球を入球させたことに基づいて大当たり種別「大当たりD」が設定される小当たり種別である。また、「小当たりC」は、小当たり遊技中に特定領域(V領域)へと遊技球を容易に入球させることが可能な小当たり遊技が実行される小当たり種別であって、特定領域(V領域)へと遊技球を入球させたことに基づいて大当たり種別「大当たりC」が設定される小当たり種別である。
つまり、第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が100個であるので、第1特別図柄の抽選で小当たりになった場合に、「小当たりA」が決定される割合は100%(100/100)である。一方、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が80個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に、「小当たりB」が決定される割合は80%(80/100)である。また、「小当たりC」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が20個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に、「小当たりC」が決定される割合は20%(20/100)である。ここで、各小当たり遊技が実行されたことに基づいて設定され得る大当たり種別について説明をする。本第7制御例では、小当たり遊技中に開放動作される第2可変入賞装置(V入賞装置)650へと入賞した遊技球が通過可能な遊技球流路内に特定領域(V領域)を設け、小当たり遊技中に遊技球が特定領域(V領域)を通過した場合に、大当たり遊技の実行条件(V条件)が成立し、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技を実行可能に構成している。そして、V条件が成立した場合に実行される大当たり遊技の内容は、小当たり当選時に設定される小当たり種別に応じて予め決定されている。つまり、小当たり当選した場合に設定される小当たり種別には、V条件が成立したことに基づいて実行される大当たり遊技に関する大当たり種別が規定されている。具体的には、図295に示した通り、「小当たりA」、及び「小当たりC」に対しては、「大当たりC」の大当たり種別が規定されており、「小当たりB」に対しては、「大当たりD」の大当たり種別が規定されている。
ここで、「大当たりC」が設定された場合には、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(「大当たりC」が設定される大当たり遊技)と同一の大当たり遊技、即ち、大当たり遊技のラウンド数が9ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される時短大当たり遊技が実行される。一方、「大当たりD」は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合には設定されることの無い大当たり種別であり、大当たり遊技のラウンド数が3ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される時短大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「10」が、小当たりカウンタ203sの値に「1」が、特図2カウンタ203tの値に「3」が設定される大当たり種別である。つまり、本第7制御例では、パチンコ機10全体として、4種類の大当たり種別(大当たりA~大当たりD)を設定可能に構成しており、「大当たりA」、「大当たりB」は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合にのみ設定され得る大当たり種別となり、「大当たりC」は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合、及び、特別図柄抽選で小当たり当選時に設定され得る大当たり種別となり、「大当たりD」は、特別図柄抽選で小当たり当選した場合にのみ設定され得る大当たり種別となる。このように、大当たり遊技を実行するための複数の実行条件のうち、成立した実行条件に応じて異なる大当たり種別の大当たり遊技を実行可能に構成することで、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させるために様々な実行条件を成立させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本第7制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部と、小当たり遊技中にV条件が成立した場合の一部とで同一内容の大当たり遊技(「大当たりC」に基づく大当たり遊技)を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、小当たり遊技中にV条件が成立した場合とで異なる内容の大当たり遊技が実行されるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技を実行するための実行条件を複数有するパチンコ機10において、成立させた実行条件に応じて異なる内容の大当たり遊技を実行させることができる。図291に戻り説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図318参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図296(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図296(a)を参照して変動パターン選択テーブル202dの内容について説明をする。図296(a)は変動パターン選択テーブル202dに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図296(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202dには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用変動パターンテーブル202d1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用変動パターンテーブル202d2、特殊時短用変動パターンテーブル202d3、時短最終変動パターンテーブル202d4、が規定されている。詳細については後述するが、本制御例では特別図柄変動の変動パターンを決定する際に参照する変動パターン選択テーブル202dの種別を、変動パターンシナリオテーブル202hに規定されている内容に応じて決定するように構成している。このように構成することで、同一の遊技状態が設定されている場合であっても、変動パターンシナリオテーブル202hに規定されている内容に基づいて異なる種別の変動パターン選択テーブルを参照して特別図柄変動の変動パターンを決定することが可能となる。図291に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図303参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202cによって規定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たり(普図当たり)と判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。この第2当たり乱数テーブル202cに規定されている内容について、詳細に説明をすると、普通図柄の低確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0~2」の値に普図当たりが規定され、普通図柄の高確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0~149」の範囲に普図当たりが規定されている。つまり、本第7制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/100)が低確率に設定されている。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態と、普通図柄の高確率状態である時短状態と、で同一の遊技方法(左打ち遊技)が実行される本実施形態において、通常状態中に普図当たりに当選し難くすることができるため、通常状態中に普図当たり遊技が実行され第2入球口640内に球が入球する事態を発生し難くすることができる。一方、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/2)が高確率に設定されている。これにより、時短状態中において普通図柄の当たり当選に基づく普図当たり遊技を実行し易くすることができる。
また、本第7制御例では、設定されている遊技状態に応じて普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄変動の変動時間として異なる長さの変動時間が設定されるように構成されており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも長い変動時間(例えば、10秒)が設定されるように構成している。このように、普通図柄抽選で当たり当選する確率と、普通図柄変動の変動時間の長さと、を遊技状態に応じて可変させることにより、普通図柄抽選で当たり当選し、第2入球口640へと球を入球させ易い遊技状態(時短状態)を容易に設定することができる。さらに、本第7制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で実行された普通図柄抽選にて当たり当選した場合には、第2入球口640へと球を入球させることが困難な動作態様(ショート開放)で電動役物640aが開放動作される普図当たり遊技が実行されるように構成している。よって、普通図柄抽選で当たり当選し難い遊技状態(通常状態)において普通図柄抽選で当り当選しても、第2入球口640へと遊技球が入球してしまうことを抑制することができるため、通常状態が設定されている場合において、第1特別図柄抽選が実行されることを目指す左打ち遊技では無く、第2特別図柄抽選が実行されることを目指す右打ち遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第7制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態)にて、第2入球口640へと遊技球を入賞させ難くするために、普通図柄の低確率状態中は、普通図柄の高確率状態中に比べて、普通図柄抽選で当り当選し難くし、且つ、普通図柄抽選で当り当選(普図当たり当選)した場合であっても、第2入球口640へと遊技球を入球させることが困難となる動作態様で電動役物640aを動作させる普図当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、左打ち遊技を実行している際中にも普通図柄抽選が実行されるように、スルーゲート67を左打ち遊技によって発射された遊技球が通過可能な右打ち領域(可変表示ユニット80の左側に形成される遊技領域)に設け、通常状態中に実行された普通図柄抽選によって当たり当選した場合の一部において、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能な動作態様(ロング開放)で電動役物640aを動作される普図当たり遊技(ロング普図当たり遊技)を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、普通図柄抽選で当たり当選し難い遊技状態(通常状態)であっても、一時的に第2入球口640へと遊技球を入球させ易くすることができるため、どのような遊技状態が設定されている状態であっても、遊技者に対して第2特別図柄抽選が実行される可能性を残すことができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、この場合、ロング普図当たり遊技が実行される普図当たりに当選したことを示すための普通図柄変動の変動時間(ロング普図当たり変動時間)が、他の普通図柄の変動時間よりも長くなるように構成し、ロング普図当たり変動時間中に、遊技者に対して、ロング普図当たり遊技が実行されることを示すための情報と、遊技方法を右打ち遊技へと切り替えることを案内するための情報と、を少なくとも含む普図当たり演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、通常状態中であって、左打ち遊技を実行している遊技者に対して、ロング普図当たり遊技が実行された場合に第2入球口640へと遊技球を入球させ易くすることができる。
さらに、普通図柄の低確率状態中における普通図柄の当たり確率を極端に低確率(例えば、1/65536)に設定しておき、普通図柄の低確率状態中に実行された普通図柄抽選で当り当選した場合に、ロング普図当たり遊技が必ず実行されるように構成しても良い。また、この場合、1回のロング普図当たり遊技を契機に第2特別図柄抽選が複数回実行されるように構成すると良い。具体的には、ロング普図当たり遊技の動作パターンとして、遊技球が第1期間の間隔を空けて第2入球口640へと複数回入球し得るよう動作パターンを決定し、且つ、第2特別図柄変動の変動時間が、第1期間よりも短い第2期間となるように構成すると良い。このように構成することで、ロング普図当たり遊技中に第2入球口640へと遊技球が入球する毎に、新たな第2特別図柄変動を実行させ易くすることができるため、1回のロング普図当たり遊技を契機に第2特別図柄抽選を複数回実行させ易くすることができる。このように構成することで、通常状態(普通図柄の低確率状態)の遊技を行っている遊技者に対して、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定することで第2特別図柄抽選が実行されることを目指す第1遊技と、普通図柄抽選の抽選結果に基づいてロング普図当たり遊技を実行することで第2特別図柄抽選が実行されることを目指す第2遊技と、を並行して実行させることができるため、単調な遊技が継続し遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。加えて、この場合、1回のロング普図当たり遊技によって実行可能となる第2特別図柄抽選の実行回数が、時短状態中に実行可能となる第2特別図柄抽選の実行回数よりも多くなるように構成しても良い。つまり、第2特別図柄抽選が実行され易くなる時短状態が設定されてから、時短状態の時短終了条件が成立するまでの期間において実行可能な第2特別図柄抽選の実行回数(本第7制御例では3回)よりも、普通図柄の低確率状態(通常状態)中に実行された普通図柄抽選で当り当選し、ロング普図当たり遊技が実行された場合の方が、多くの第2特別図柄抽選を実行させることが可能となるように構成しても良い。
このように構成することで、第2特別図柄抽選を実行させ易くする状態への移行契機として、成立し難い移行契機が成立した場合の方が、成立し易い移行契機が成立した場合よりも多くの第2特別図柄抽選を実行させ易くすることが可能となるため、成立し難い移行契機を成立させた遊技者に対して、付加価値を付与することができる。第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~299)、タイマ割込処理(図303参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図318参照)の残余時間内で繰り返し更新される。このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。図290に戻り説明を続ける。ROM202は、図291に図示した各種カウンタに対応して規定される各種データテーブル等を有している。ここで、図292(a)を参照して、本第7制御例のパチンコ機10における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図292(a)は、本第7制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。図292(a)に示した通り、本第7制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202は、第1当たり乱数テーブル202a、大当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターン選択テーブル202d、時短付与テーブル202e、小当たり種別選択テーブル202f、開放シナリオテーブル202g、変動パターンシナリオテーブル202hを少なくとも有している。なお、第1当たり乱数テーブル202a、大当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、小当たり種別選択テーブル202fについては、図291に図示した各種カウンタを説明する際に上述したため、その説明を省略する。
図296(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202dには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用変動パターンテーブル202d1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用変動パターンテーブル202d2、特殊時短用変動パターンテーブル202d3、時短最終変動パターンテーブル202d4、が規定されている。詳細については後述するが、本制御例では特別図柄変動の変動パターンを決定する際に参照する変動パターン選択テーブル202dの種別を、変動パターンシナリオテーブル202hに規定されている内容に応じて決定するように構成している。通常用変動パターンテーブル202d1は、遊技状態として通常状態が設定されている状態で実行される特別図柄抽選の変動パターンを決定する際に参照されるデータテーブルである。ここで、図296(b)を参照して、通常用変動パターンテーブル202d1に規定されている内容について説明をする。図296(b)は、通常用変動パターンテーブル202d1に規定されている内容を模式的に示した図である。図296(b)に示した通り、通常用変動パターンテーブル202d1には、実行される特別図柄抽選に用いられる特別図柄種別と、実行される特別図柄抽選の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に対応させて異なる変動パターン(変動時間)が規定されている。つまり、特別図柄種別と、抽選結果とに応じて異なる変動時間の変動パターンを決定可能に構成している。具体的には、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が7秒の「外れ」が、「140~149」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「ガセ外れ」が、「150~179」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「180~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が規定されている。
また、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「30~189」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が、「190~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が140秒の「スペシャルリーチ」が規定されている。さらに、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が90秒の「長小当たり」が規定されている。つまり、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選では、抽選結果が外れである場合の方が、抽選結果が外れ以外(大当たり、又は小当たり)である場合よりも、短い変動時間の変動パターンが決定され易くなるように構成しており、より長い変動時間の変動パターンが決定された場合の方が、特別図柄抽選の結果が大当たり、又は小当たりである可能性が高くなるように構成している。このように構成することで、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して、抽選結果が外れである特別図柄変動が長時間継続してしまい、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の実行回数が極端に少なくなってしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の実行回数が少なくなる場合、即ち、長時間の特別図柄変動が実行される場合には、当たり(大当たり、小当たり)当選していることへの期待感を高めることができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、通常状態における第1特別図柄変動として決定可能な変動パターンのうち、所定時間(80秒)よりも長い変動時間(90秒、140秒)となる変動パターンを、特別図柄抽選の結果が外れ以外である場合に決定可能に構成しているため、過剰に長い変動時間の変動パターンで特別図柄変動が実行されている場合には、特別図柄変動が停止表示されるよりも前に、遊技者に対して特別図柄抽選の結果を把握させることが可能となる。よって、過剰に長い変動時間で特別図柄変動が実行された場合であっても、遊技者の遊技意欲を高めることができる。また、特別図柄抽選の結果が外れである場合の少なくとも一部と、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合の少なくとも一部において、同一の変動時間(40秒、80秒)が設定される変動パターンを決定可能に構成している。このように構成することで、実行されている特別図柄変動の変動時間を特別図柄変動が停止表示されるよりも前に把握したとしても、実行されている特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果を遊技者に予測させ難くすることができる。ここで、通常用変動パターンテーブル202d1を参照して変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを示すための変動パターンコマンドを設定し、主制御装置110のメイン処理(図318参照)にて実行される外部出力処理(図318のS1801参照)によって、音声ランプ制御装置113に向けて出力される。そして、音声ランプ制御装置113が変動パターンコマンドを受信すると、受信した変動パターンコマンドに含まれる情報(抽選結果、変動時間等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出の演出態様を決定する処理が実行される。一方、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「外れ」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」、「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「当たり」が規定されている。
本第7制御例では、通常状態が設定されている状態では、第2入球口640へと遊技球が入球し難く(不可能)なるように遊技盤13に各種機構を配設しており、通常状態中に右打ち遊技を実行し、普図当たり遊技を実行したとしても、第2特別図柄抽選が実行され難く構成している。また、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を最大で1個獲得可能に構成している。よって、通常状態において第2特別図柄抽選が実行される遊技状況としては、第2特別図柄抽選を容易に実行することが可能な時短状態中に特図2保留を獲得し、獲得した特図2保留を保持した状態で時短状態から通常状態へと移行し、通常状態が設定された後に、保持している特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が実行される遊技状況となる。つまり、第2特別図柄抽選を容易に実行させることが可能な時短状態が終了し、その時短状態を契機に実行される最後の第2特別図柄抽選として通常状態にて第2特別図柄抽選が実行されることになる。よって、本第7制御例では、通常状態にて実行される第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動の変動時間として、抽選結果に関わらず一定の長さ(20秒)の変動時間が設定される変動パターンが決定されるように構成している。そして、本変動時間を用いて時短状態終了後の引き戻し演出(図281(b)参照)を実行するように構成している。このように、特定の特別図柄種別(第2特別図柄)の特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が、特定の遊技状態(通常状態)で実行された場合に、抽選結果に関わらず同一の長さの変動時間が設定される変動パターンを決定するように構成することで、その特別図柄変動中に実行される特定演出の演出期間を特別図柄抽選の結果に関わらず統一することができる。
次に、図297(a)を参照して、時短用変動パターンテーブル202d2の内容について説明をする。図297(a)は、時短用変動パターンテーブル202d2に規定されている内容を模式的に示した図である。この時短用変動パターンテーブル202d2は、時短状態中に実行される特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンを決定する際に主として参照されるデータテーブルであって、時短状態中に参照される他のデータテーブル(特殊時短用変動パターンテーブル202d3、時短最終変動パターンテーブル202d4)よりも頻繁に参照されるデータテーブルである。具体的には、この時短用変動パターンテーブル202d2は、時短状態が設定されてからの実行回数が1~4回目の第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動の変動パターンを決定する場合、又は、時短状態が設定されてからの実行回数が1,2回目の第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動の変動パターンを決定する場合において参照される。本第7制御例では、時短状態が設定されると、普通図柄抽選で当り当選した場合に第2入球口640へと遊技球を入球させ易い動作態様で普図当たり遊技(ロング普図当たり遊技)が実行されるように構成している。よって、時短状態が設定されている間は、右打ち遊技を行うことで第2特別図柄抽選が実行されることを目指す遊技が行われる。
ここで、例えば、通常状態において実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選し、大当たり遊技が実行された後に時短状態が設定された場合には、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得している状態で時短状態が設定されることになり、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得するまでの間に、第1特別図柄抽選が実行される場合があった。本第7制御例におけるパチンコ機10は、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させるために、時短状態中に実行される第2特別図柄変動にて設定される変動時間が短くなるように構成しているが、時短状態で第2特別図柄抽選が実行されるよりも前に第1特別図柄抽選が実行された場合には、実行された第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動が停止表示されるまで、第2特別図柄抽選を実行することができず、結果として時短状態が設定されている期間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行回数が少なくなってしまうという問題があった。加えて、本第7制御例におけるパチンコ機10は、特図2保留を最大で1個記憶可能に構成しており、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の変動時間として短時間(1秒)の変動時間が設定されるように構成している。つまり、時短状態中は、特図2保留を用いた第2特別図柄抽選が頻繁に実行されるため、右打ち遊技によって発射された遊技球の流下状況によっては、特図2保留を獲得していない状態が発生し得る。このような状態において特図1保留を獲得している場合には第1特別図柄抽選が実行されてしまうため、新たに特図2保留を獲得したとしてもその時点が第1特別図柄変動中である場合には、新たに獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄変動を即座に実行することが出来ず、結果として時短状態が設定されている単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行回数が少なくなってしまうという問題があった。
これに対して、本第7制御例では、時短状態中に実行される第1特別図柄変動の変動時間として、短い変動時間を決定可能に構成し、特図2保留を獲得しておらず、特図1保留のみを獲得している状態で時短状態が設定された場合に、特図1保留を短時間で消化するように構成している。このように構成することで特図1保留を獲得したままの状態で特図2保留を獲得し、特図1保留に基づいて実行される第1特別図柄変動によって、第2特別図柄抽選が実行される効率が低下してしまうことを抑制することができる。具体的には、図297(a)に示した通り、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が2秒の「短大当たり」が規定され、抽選結果が「小当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が90秒の「長小当たり」が規定されている。一方、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が1秒の「短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が1秒の「超短大当たり」が規定され、抽選結果が「小当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が1秒の「超短小当たり」が規定されている。
以上、説明をした通り、時短用変動パターンテーブル202d2を参照して変動パターンが決定される1~4回目の第1特別図柄変動、即ち、特図1保留として獲得可能な上限数(4個)に該当する変動回数であって、通常状態中に獲得した特図1保留に基づいて時短状態中に実行され得る回数の第1特別図柄変動に対しては、抽選結果が外れである場合には、変動時間が0.5秒の変動パターンが設定される。このように構成することで、特図1保留を獲得している状態で、時短状態が設定されたとしても、特図2保留を獲得するまで(時短状態中に実行された普通図柄抽選で当り当選したことに基づく普図当たり遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させるまで)の間に、獲得済みの特図1保留を全て消化させ易くすることができる。また、時短状態中に実行される第1特別図柄抽選の抽選結果が外れ当選以外の場合(大当たり、小当たり)には、遊技者が抽選結果を把握可能な程度の変動時間が設定され、時短状態中に実行された第1特別図柄抽選にて当たり当選したことを遊技者に報知するための専用演出が実行される。このように構成することで、時短状態が設定されたにも関わらず、第2特別図柄抽選が実行されるよりも前に当たり遊技が実行された経緯を遊技者に分かり易く理解させることができる。なお、時短状態中に第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、通常状態中に第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合と、同一の変動パターン(90秒)が決定されるように構成している。そして、小当たり当選に対応した特別図柄変動中は、遊技状態に関わらず同一の変動演出が実行されるように構成している。
また、時短用変動パターンテーブル202d2を参照して変動パターンが決定される1,2回目の第2特別図柄変動では、抽選結果に関わらず変動時間が1秒の変動パターンが決定される。この期間は、カウントダウン演出(図278(a)参照)が実行されるように構成している。このように構成することで、カウントダウン演出によって残時短回数を示すための数字アイコン808(図278(a)参照)が可変表示されるタイミングと、数字アイコン808を非表示にして当たり当選を示す第3図柄が停止表示させるタイミングと、を一致させ易くすることができるため、カウントダウン演出の一環として当たり当選を示す第3図柄を停止表示させることができ、演出効果を高めることができる。次に、図297(b)を参照して、特殊時短用変動パターンテーブル202d3の内容について説明をする。図297(b)は、特殊時短用変動パターンテーブル202d3に規定されている内容を模式的に示した図である。この特殊時短用変動パターンテーブル202d3は、時短状態中に実行される一部の第1特別図柄変動の変動時間を決定する際に参照されるデータテーブルであって、時短状態が設定されてから5~10回目の第1特別図柄変動の変動時間を決定する際に参照されるものである。図297(b)に示した通り、特殊時短用変動パターンテーブル202d3には、特別図柄種別として第1特別図柄に対応する変動パターンのみが規定されており、抽選結果が「外れ」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「当たり」が規定され、抽選結果が「小当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が90秒の「長小当たり」が規定されている。
本第7制御例では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、時短状態中に実行された第2特別図柄変動回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件と、時短状態中に実行された第1特別図柄変動回数と、第2特別図柄変動回数との合算回数が10回に到達した場合に成立する時短終了条件と、を少なくとも有している。つまり、本制御例におけるパチンコ機10は、第2特別図柄抽選を実行し易くなる時短状態が設定されている間に第2特別図柄抽選を3回実行し、何れかの第2特別図柄抽選において約1/2の確率で当選する当たり(小当たり、大当たり)に当選することで、大当たり遊技を介しながら時短状態を繰り返し、時短状態中に実行される3回の第2特別図柄抽選において当たり当選しなかった場合に、時短状態が終了し、残された特図2保留を用いた第2特別図柄抽選(1回)においても当たり当選しなかった場合に、通常状態へと移行する(連チャン状態が終了する)遊技性を有している。ここで、時短状態を終了させるための時短終了条件として、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件のみを設定した場合には、第1特別図柄抽選が3回実行された場合にも時短終了条件が成立することとなり、時短状態が設定されたにも関わらず、第2特別図柄抽選が実行されることなく時短状態が終了してしまうという事態が発生してしまう虞があった。つまり、本第7制御例では、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を最大で4個獲得可能に構成しており、例えば、特図1保留を4個、特図2保留を0個獲得している状態で時短状態が設定された場合には、第2特別図柄変動よりも先に第1特別図柄変動が実行されることになる。この場合、第2特別図柄抽選が3回実行されるよりも前に、時短終了条件が成立してしまい、本来の遊技性を発揮すること無く時短状態が終了してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
また、時短状態が設定される際に特図1保留を4個獲得している状態であっても、時短状態中に第2特別図柄変動を3回実行させるために、例えば、特別図柄抽選の実行回数が7回に到達した場合に時短終了条件が成立するように構成した場合には、特図1保留を獲得していない状態で時短状態が設定された場合において、第2特別図柄変動を3回よりも多く実行させることが可能となり、本来の遊技性に対して遊技者に過剰に有利な遊技を提供してしまうという問題があった。そこで、本第7制御例では、第2特別図柄変動の実行回数のみに基づいて成立する時短終了条件と、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動との合算回数に基づいて成立する時短終了条件と、を設定し、何れかの時短終了条件が成立した場合に時短状態が終了するように構成している。このように構成することで、特図1保留の獲得状況に関わらず、所定回数の第2特別図柄変動を実行させることが可能となると共に、所定回数の第2特別図柄変動が実行された場合に確実に時短状態を終了させることができる。さらに、本第7制御例では、時短状態中において効率良く第2特別図柄抽選を実行させるために、特図1保留の上限数(4個)に対応する第1特別図柄変動、即ち、時短状態が設定されてから4回目の第1特別図柄変動が実行されるまでは、時短用変動パターンテーブル202d2(図297(a)参照)を用いて、短時間(0.5秒)の変動時間が設定されるように構成し、それ以降の第1特別図柄変動に対しては、20秒の変動時間が設定されるように構成している。つまり、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態における遊技方法を把握していない遊技者が左打ち遊技を行った場合に、時短状態中に実行される第1特別図柄変動の変動時間として常に短時間(0.5秒)の変動時間が設定されてしまうと、新たな第1特別図柄変動が次々と実行されてしまい、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動との合算回数に基づいて成立する時短終了条件が成立してしまう虞があった。
これに対して、本第7制御例では、時短状態が設定されてから実行される5回目以降の第1特別図柄変動、即ち、時短状態中において新たに特図1保留を獲得した場合にのみ実行される第1特別図柄変動に対しては、長時間(20秒)の変動時間を設定するように構成し、1回の第1特別図柄変動が終了するまでに要する期間を長くすることで、遊技者に対して時短状態中における遊技方法を把握させるための期間を確保させることができるように構成している。つまり、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動との合算回数に基づいて成立する時短終了条件が成立してしまうことを抑制するように構成している。さらに、時短状態中に第1特別図柄変動が5回以上実行された場合には、その第1特別図柄変動の変動演出として、右打ち遊技によって第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得することを促す演出態様を含む変動演出が実行されるように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行すべき遊技方法を把握していない遊技者に対して、正しい遊技方法をより分かり易く把握させることができる。なお、上述した時短状態中における5回目以降の第1特別図柄変動は、正常な遊技、即ち、大当たり遊技中から継続して右打ち遊技を実行する遊技を行っている場合には実行され得ない第1特別図柄変動となるため、長い変動時間(20秒)が設定されるように構成したとしても、正常な遊技を行っている遊技者に対して、時短状態中における遊技効率を低下させるものではない。次に、図297(c)を参照して、時短最終変動パターンテーブル202d4の内容について説明をする。図297(c)は、時短最終変動パターンテーブル202d4に規定されている内容を模式的に示した図である。この時短最終変動パターンテーブル202d4は、時短終了条件が成立する第2特別図柄変動、即ち、時短状態が設定されてから3回目の第2特別図柄変動が実行された場合に、設定される変動パターンを決定する場合に参照されるデータテーブルであって、特別図柄種別として第2特別図柄に対する変動パターンのみが規定されている。
具体的には、時短最終変動パターンテーブル202d4には、特別図柄種別として第2特別図柄に対応する変動パターンのみが規定されており、抽選結果が「外れ」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒の「外れ」が規定され、抽選結果が「小当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~99」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が1秒の「超短小当たり」が規定され、「100~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「小当たり」が規定されている。そして、抽選結果が「大当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「大当たり」が規定されている。つまり、時短最終変動となる第2特別図柄変動の変動期間中には、時短状態中に実行されるカウントダウン演出の最終結果(数字アイコン808の「0」表示)を表示した後、時短状態が終了するまでの間に特図2保留の獲得を促すためのチャージ演出(図281(a)参照)が実行されるように構成している。よって、時短状態が設定されてから1回目、又は2回目の第2特別図柄変動よりも3回目(最終)の第2特別図柄変動の方が、チャージ演出の演出期間を確保するために長い変動時間が設定されるように構成している。このように構成することで、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させ易くすることができる。また、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で当り当選する場合であっても、1回目、或いは2回目の第2特別図柄抽選で当り当選する場合と、3回目の第2特別図柄抽選で当り当選する場合とで、時間効率(時短状態の単位時間当たりに実行される第2特別図柄抽選回数)を大きく異ならせることができるため、遊技者に対して、時短状態中に第2特別図柄抽選で当り当選するか否かだけで無く、時短状態中における何回目の第2特別図柄抽選で当り当選するかについても興味を持たせることができる。
また、図297(c)に示した通り、時短最終変動(3回目)となる第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、2種類の変動時間を設定可能に構成している。ここで、変動パターンとして変動時間が1秒の「超短小当たり」が設定された場合には、カウントダウン演出の演出結果として、数字アイコン808の「1」が表示されている状態で画面が破壊され、当たり当選を示す第3図柄が停止表示される演出、即ち、1回目、2回目の第2特別図柄抽選にて小当たり当選した場合と同様の演出態様を用いて小当たり当選を示す変動演出が実行されるように構成している。そして、変動パターンとして変動時間が20秒の「小当たり」が設定された場合には、カウントダウン演出の演出結果として、数字アイコン808の「1」が表示されている状態から、カウントダウンが終了することを示す「LAST」の文字が表示され、チャージ演出へと切り替わる際に表示画面が破壊され、当たり当選を示す第3図柄が停止表示される演出が実行される。このように、時短最終変動(3回目)の第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、短時間(1秒)で小当たり当選を示す第3図柄を停止表示させる変動パターンと、長時間(20秒)で小当たり当選を示す第3図柄を停止表示させる変動パターンと、を設定可能に構成することで、遊技者に対して、時短最終変動(3回目)の第2特別図柄抽選で小当たり当選したことを様々なタイミングで報知することができるため、カウントダウン演出の演出効果を高めることができる。また、長時間(20秒)の変動時間が設定された場合には、時短最終変動(3回目)の第2特別図柄抽選が外れであったことを示すための演出態様でカウントダウン演出を実行した後に、小当たり当選を示す演出結果が表示されるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
加えて、図297(c)に示した通り、時短最終変動(3回目)の第2特別図柄抽選が外れであった場合、即ち、実行中の第2特別図柄変動が停止表示された後に通常状態が設定される場合の方が、時短最終変動(3回目)の第2特別図柄抽選が当りであった場合、即ち、実行中の第2特別図柄変動が停止表示された後に当たり遊技が実行される場合よりも、長い変動時間の変動パターンが設定されるように構成し、差分の変動時間を用いて、遊技者に特図2保留の獲得を促すチャージ演出を実行可能に構成している。よって、特図2保留を獲得している状態で時短状態を終了させ易くすることができると共に、時短状態が継続する可能性が高い場合(小当たり遊技中にV入賞させることで大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技終了後に再度時短状態が設定される場合)には、時短最終変動(3回目)の変動期間中であってもチャージ演出を実行する期間を排除することで、単位時間当たりに実行される大当たり遊技の実行回数を増加させ易くすることができる。図292(a)に戻り、説明を続ける。時短付与テーブル202eは、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定する際に参照されるデータテーブルであって、実行されている大当たり遊技に対応する大当たり種別(大当たり当選時に設定された大当たり種別)に応じた遊技状態(時短終了条件)が規定されている。ここで、図294(b)を参照して、時短付与テーブル202eの内容について説明をする。図294(b)は、時短付与テーブル202eに規定されている内容を模式的に示した図である。図294(b)に示した通り、時短付与テーブル202eには、各大当たり種別に対応させて時短終了条件の成立有無を判定する際に参照される各カウンタの値を規定している。具体的には、大当たり種別「大当たりA」,「大当たりC」,「大当たりD」に対しては、時短カウンタ203hの値に「10」が、小当たりカウンタ203sの値に「1」が、特図2カウンタ203tの値に「3」が規定されており、「大当たりB」に対しては、時短カウンタ203hの値、小当たりカウンタ203sの値、特図2カウンタ203tの値に「数値無し(図では「-」で表示)」が規定されている。
詳細な説明は後述するが、時短付与テーブル202eに情報が規定されている、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tは、何れも時短状態中に値が更新されるものであって、カウンタの値が所定条件を満たす値まで更新された場合に、時短終了条件が成立したと判別され、時短状態を終了させるための処理が実行されるように構成している。時短カウンタ203hは、時短状態中に実行された特別図柄変動の回数を計測するカウンタであって、時短状態中に第1特別図柄変動、或いは、第2特別図柄変動が実行されたことに基づいてカウンタ値が更新(減算)される。つまり、時短カウンタ203hは、時短状態中に実行された第1特別図柄変動回数と、第2特別図柄変動回数と、を合算された合算特別図柄回数に基づく時短終了条件の成立状況を判別するために用いられるカウンタである。小当たりカウンタ203sは、時短状態中に実行される小当たり遊技の実行回数を計測するためのカウンタであって、時短状態中に実行された特別図柄抽選の結果が小当たり当選となった場合にカウンタ値が更新(減算)される。つまり、小当たりカウンタ203sは、時短状態中に実行される小当たり遊技回数に基づく時短終了条件の成立状況を判別するために用いられるカウンタである。特図2カウンタ203tは、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の回数を計測するカウンタであって、時短状態中に第2特別図柄変動が実行されたことに基づいてカウンタ値が更新(減算)される。つまり、特図2カウンタ203tは、時短状態中に実行された第2特別図柄変動回数に基づく時短終了条件の成立状況を判別するために用いられるカウンタである。
図294(b)に示した通り、大当たり種別の「大当たりA」が設定された場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定する際に、時短カウンタ203hの値に「10」が、小当たりカウンタ203sの値に「1」が、特図2カウンタ203tの値に「3」が設定される。よって、大当たり種別の「大当たりA」に基づいて設定された時短状態は、合算特別変動回数が「10回」、小当たり当選回数が「1回」、第2特別図柄変動回数が「3回」の何れかの条件を満たした場合に、時短終了条件が成立する時短状態となる。本第7制御例では、上述した各カウンタの値が1以上である場合に、時短状態中であると判別するように構成している。よって、大当たり種別の「大当たりB」が設定された場合には、各カウンタの値に対して数値が設定されないように時短付与テーブル202eの内容を規定しているため、大当たり遊技終了後に時短状態では無く、通常状態が設定されることになる。なお、本第7制御例では、時短付与テーブル202eに規定されている内容として、設定された大当たり種別に関わらず時短状態が設定される場合における各カウンタの値を統一しているが、これに限ること無く、大当たり種別に応じて、各カウンタの値(特に特図2カウンタ203tの値)を異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、設定された大当たり種別に応じて異なる内容の時短終了条件を設定することができる。この場合、例えば、時短状態中に実行される第2特別図柄変動回数に基づく時短終了条件の内容を規定する特図2カウンタ203tの値を大当たり種別に応じて異ならせると良く、1の大当たり種別が設定された場合の方が、他の大当たり種別が設定された場合よりも時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動回数を増加させることができるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり遊技終了後に遊技者により有利な時短状態が設定されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、特図2カウンタ203t以外の値を異ならせるように構成しても良く、例えば、特定の大当たり種別が設定された場合には、時短カウンタ203hの値として、「10」よりも少ない「4」を設定するように構成しても良い。この場合、特図1保留を獲得しており、且つ、特図2保留を獲得していない状態で時短状態が設定されることで、時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動の回数が減少することになる(特図2カウンタ203tの値が所定条件を満たすことで時短終了条件が成立するよりも前に、時短カウンタ203hの値が所定条件を満たすことで時短終了条件成立する可能性が高くなる)ため、遊技者に対して、時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動回数を遊技者に把握させ難くすることができる。さらに、時短カウンタ203hの値として「10」よりも多い「90」を設定するように構成しても良い。この場合、時短状態中に継続して左打ち遊技を実行したとしても、時短終了条件が成立し難くなるため、時短状態中に敢えて第1特別図柄抽選を実行し、大当たり当選を目指す遊技を遊技者に行わせることが可能となる。なお、この場合、時短状態中に実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、遊技者に有利な特典、例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される確率を高めたり、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技数を増加したりする特典を付与可能に構成すると良い。このように構成することで、時短状態中に第1特別図柄抽選を実行させる左打ち遊技を行うか、第2特別図柄抽選を実行させる右打ち遊技を行うかを遊技者に選択させる楽しみを提供することができる。
図294(b)に示した通り、本第7制御例では、時短状態が設定される何れの大当たり種別に対しても、3種類の時短終了条件が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり種別に応じて、設定される時短終了条件の種類を異ならせるように構成しても良く、例えば、他の大当たり種別よりも時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動の回数を極端に増加させることで遊技者に有利な時短状態を提供可能な特殊大当たり種別が設定された場合には、特図2カウンタ203tに対して数値を設定すること無く、時短カウンタ203hの値に「1000」を設定するように構成しても良い。また、小当たりカウンタ203sに対して数値が設定されない大当たり種別を設けることによって、時短状態中において小当たり当選後に実行される小当たり遊技中にV入賞させなくても時短状態が継続するように構成しても良い。さらに、本第7制御例では、時短終了条件が成立する要素として、特別図柄変動の実行回数(第2特別図柄変動の実行回数)と、小当たり当選回数と、の要素を用いているが、これに限ること無く、別の要素を用いて時短終了条件が成立するように構成しても良い。例えば、時短状態中に獲得し易くなる第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)の獲得数を計測するためのカウンタ(特図2保留獲得数カウンタ)を設け、特図2保留獲得数カウンタの値が所定条件(例えば、「4」)を満たした場合に、時短終了条件が成立するように構成しても良いし、特定回数目の第2特別図柄変動期間中に特図2保留数が上限となったことを契機として時短終了条件を成立させるように構成しても良い。また、時短状態が設定されてからの経過時間を計測する時間計測手段を設け、その時間計測手段によって計測された経過時間が所定条件を満たした場合に、時短終了条件が成立するように構成しても良いし、特別図柄抽選が実行される毎に、時短終了条件を成立させるか否かを決定する終了抽選を実行し、その終了抽選に当選した場合に時短終了条件を成立させるように構成しても良い。
このように、様々な時短終了条件を成立させることが可能となるように構成することで、時短状態が継続する期間を遊技者に把握させ難くすることができるため、時短状態中の遊技を行っている遊技者に対して、特図2保留を獲得していない状態(少ない特図2保留を獲得している状態)で時短状態が終了してしまうことを防ぐために、常に、特図2保留が上限数となるように意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。また、本第7制御例では、第2特別図柄変動が実行される毎に、時短カウンタ203hの値、特図2カウンタ203tの値を一定数(「1」)減算するように構成しているが、例えば、第2特別図柄抽選の結果が特定の外れ結果である場合には、時短カウンタ203hの値、特図2カウンタ203tの値を減算しないように構成しても良い。つまり、実行される特別図柄抽選の結果が同一であったとしても、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて、時短終了条件の成立有無を判別するために参照される各種カウンタの値の更新内容を異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中に実行される特別図柄抽選の結果を把握したとしても時短状態が終了するタイミングを遊技者に予測させ難くすることができる。また、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、時短カウンタ203hの値を減算するように構成してもよい。具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、時短カウンタ203hの値を減算させるように構成しても良い。
加えて、本制御例では、時短カウンタ203hの値を1ずつ減算するように構成しているが、成立した終了条件の種別に応じて、時短カウンタ203hの値を複数まとめて(例えば、2)減算するように構成しても良いし、現状の時短カウンタ203hの値に関わらず、時短カウンタ203hの値が「0」になるように減算するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、時短状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。さらに、時短状態が設定される条件の成立内容(大当たり種別)に応じて、時短状態を終了させる条件を異ならせても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。開放シナリオテーブル202gは、主制御装置110によって動作制御される各種機構(第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、電動役物640a)に対する動作態様が規定されているデータテーブルであって、上述した各種機構を動作させるための動作条件が成立した場合に、実行する動作制御に対応する開放シナリオを設定する際に参照される。変動パターンシナリオテーブル202hは、遊技状態や大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数に対応させて、実行される特別図柄変動の変動パターンを決定する際に参照されるテータテーブルを規定しているものである。ここで、図298を参照して、変動パターンシナリオテーブル202hの内容について説明をする。図298は、変動パターンシナリオテーブル202hの内容を模式的に示した図である。図298に示した通り、変動パターンシナリオテーブル202hには、大当たり遊技終了後の変動回数(特図1変動回数、特図2変動回数、合算回数)と、遊技状態に対して、各種変動パターンテーブルが規定されている。本第7制御例のように時短状態における最終変動であることを時短カウンタ203hの値に基づいて決定し、最終変動専用の演出が実行される処理は、カウンタの残回数を用いて所定の演出を実行する処理である。
このように構成することで、複数の時短終了条件が設定される時短状態中であっても、例えば、特図1変動の変動回数に関わらず、時短状態の最終変動となる特図2変動にて時短最終変動用の変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定することができる。これに限ること無く、同一の条件である場合に異なる変動パターンテーブルを決定可能となるよう構成しても良く、例えば、抽選によって、決定する変動パターンシナリオテーブルを決定可能に構成しても良い。図290に戻り、説明を続ける。RAM203は、図290に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図318参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図317参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図316参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図292(b)に示すように、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、遊技状態格納エリア203g、時短カウンタ203h、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203k、小当たり種別格納エリア203m、小当たり開始フラグ203n、小当たり中フラグ203o、V通過大当たり種別格納エリア203p、Vフラグ203q、V通過フラグ203r、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203t、その他メモリエリア203zを有している。第1特別図柄保留球格納エリア203aは、図291に示すように1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1入球口64に遊技球が入球したことに基づいて取得された入賞情報(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC5、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値)がそれぞれ格納される。より具体的には、遊技球が第1入球口64へと入球(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1~C5、CS1の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い始動入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C5、CS1の各値(入賞情報)が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C5、CS1の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、始動入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア~第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。第2特別図柄保留球格納エリア203bは、第1特別図柄保留球格納エリア203aに対して、第2入球口640への始動入賞に対して取得されたカウンタ値がそれぞれ記憶される点と、保留エリアの個数を1つに変更した点で異なるのみで、その他の構成については、同一であるので、詳細な説明については省略する。普通図柄保留球格納エリア203cは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。より具体的には、遊技球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したタイミングで、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、始動入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータ(普図入賞情報)が格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されている第2当たり乱数カウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞情報のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞情報のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図310のS804参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図304のS212参照)。この第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、第1特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図304のS213、図310のS805参照)。第1特別図柄保留球数コマンドは、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される第1特別図柄保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、第1特別図柄保留球数カウンタ203dに対して、第2入球口640に始動入賞して、保留された保留球(特図2保留)の数が格納される点で相違する点で異なるので、その詳細な説明については省略する。なお、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値が変更されると、第2特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に対して通知される。普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通始動口(スルーゲート)67への遊技球の通過に基づいて第2図柄表示装置で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、遊技球が普通始動口(スルーゲート)67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図313のS1204参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図312のS1105参照)。遊技球が普通始動口(スルーゲート)67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図313のS1206参照)。一方、遊技球が普通始動口(スルーゲート)67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図313のS1203:No)。
遊技状態格納エリア203gは、現在設定されている遊技状態を一時的に格納するための記憶領域であって、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(時短カウンタ203hの設定状況、小当たりカウンタ203sの設定状況、特図2カウンタ203tの設定状況)に対応した遊技状態が記憶される。具体的には、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tの値が0である場合に通常状態が記憶され、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tの値として0よりも大きい値が設定されている場合に時短状態が記憶される。さらに、大当たり遊技が実行されている状態では、大当たり遊技が実行されている状態であることを示す大当たり遊技状態(大当たり状態)と、実行されている大当たり遊技に対応する大当たり種別を示す種別情報も記憶されるように構成されており、小当たり遊技が実行されている状態では、小当たり遊技が実行されている状態であることを示す小当たり遊技状態(小当たり状態)と、実行されている小当たり遊技に対応する小当たり種別を示す種別情報(対応する大当たり種別に関する種別情報)も記憶されるように構成されている。加えて、普図当たり遊技の実行中であることを示す普図当たり遊技中情報も記憶されるように構成されている。そして、遊技状態格納エリア203gに格納(記憶)された情報に基づいて、状態コマンドが設定され、その状態コマンドが音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113では出力された状態コマンドを受信し、従遊技状態格納エリア223gに一時的に、現在の遊技状態に関する情報を記憶する。この遊技状態格納エリア203gに記憶された情報は、パチンコ機10の電源が断された場合であっても、その情報を保持可能に構成されており、パチンコ機10の電源を入れた際に実行される立ち上げ処理(図317参照)において、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する状態コマンドを設定するように構成している。これにより、停電等によりパチンコ機10の電源が断された場合であっても、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113側が判別可能にすることができる。
時短カウンタ203hは、普通図柄の高確率状態が設定されている状態を示すためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に対応する値が設定される。この時短カウンタ203hには、主制御装置110にて実行される大当たり制御処理(図319のS1804参照)おいて、エンディング期間の終了タイミングと判別された場合に(図319のS1913:Yes)、実行中の大当たり遊技の大当たり種別に対応した値が設定される(図319のS1915参照)。そして、大当たり図柄が停止表示された場合(図304のS220参照)や、これにより、大当たり遊技中は普通図柄の高確率状態が設定されないため、大当たり遊技中において遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。なお、本第7制御例では、普通図柄の高確率状態が設定されると、時短カウンタ203hの値がセットされ、特別図柄抽選(変動)に基づいて、時短カウンタ203hの値が減算され、時短カウンタ203hの値が0となった場合に、普通図柄の高確率状態が終了し、普通図柄の低確率状態へと移行するように構成している。また、後述する小当たりカウンタ203sの値が0となった場合(図309のS703:Yes)、特図2カウンタの値が0となった場合(図308のS611:Yes)、即ち、他の時短終了条件が成立した場合にも0にクリアされる。このように構成することで、1の時短終了条件が成立した場合において時短カウンタ203hの値として0よりも大きな値が保持されてしまい、通常状態が設定されているにも関わらず、時短終了条件が成立してしまうという不具合を抑制することができる。
なお、本第7制御例では、時短状態中に実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技が開始されるよりも前に通常状態を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、次回の大当たり遊技が実行されるまで(大当たり当選するまで)は、普通図柄の高確率状態が継続するように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技中も普通図柄の高確率状態を継続させることができるため、右打ち遊技によって第1可変入賞装置65へと遊技球を入球させる遊技と、第2入球口640へと遊技球を入球させる遊技と、を並行して実行させることができる。また、本第7制御例では、時短状態中に実行される特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、小当たり遊技が開始されるよりも前に通常状態を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、小当たり遊技が終了するまでは、普通図柄の高確率状態が継続するように構成しても良い。このように構成することで、小当たり遊技中も普通図柄の高確率状態を継続させることができるため、右打ち遊技によって第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させる遊技と、第2入球口640へと遊技球を入球させる遊技と、を並行して実行させることができる。よって、時短状態が設定されてから新たな特図2保留を獲得するよりも前に小当たり遊技が開始された場合であっても、小当たり遊技中に新たな特図2保留を獲得することが可能となる。大当たり開始フラグ203jは、大当たりを開始させるか否かを示すフラグである。この大当たり開始フラグ203jがオンであれば、大当たりを開始させるタイミングであることを意味し、オフであれば、大当たりを開始させるタイミングではないことを意味する。この大当たり開始フラグ203jは、大当たりを示す変動表示の終了タイミングとなった場合にオンに設定される(図304のS219参照)。また、大当たり開始フラグ203jは、大当たりの開始を設定した場合にオフに設定される(図319のS1903参照)。
大当たり中フラグ203kは、大当たり遊技(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203kがオンであれば、大当たり遊技中であることを意味し、オフであれば大当たり遊技中でないことを意味する。大当たり中フラグ203kは、特別図柄の抽選により大当たり当選し、大当たり遊技(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図319のS1904参照)。また、大当たり遊技(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図319のS1919参照)。そして、特別図柄変動処理(図304のS104参照)では、この大当たり中フラグ203kが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図304のS201参照)。小当たり種別格納エリア203mは、当選した小当たりに設定される小当たり種別を一時的に格納するための記憶領域であって、小当たりに当選したと判別した場合に(図306のS409:Yes)、取得した小当たり種別が一時的に格納される。そして、小当たり遊技を開始させるために実行される小当たり開始設定処理(図307のS223参照)において、格納した小当たり種別が読み出され、読み出した小当たり種別に対応した開放シナリオが設定される(図307のS501参照)。また、読み出した小当たり種別に対応する大当たり種別がV通過大当たり種別格納エリア203pに格納される(図307のS502参照)。小当たり開始フラグ203nは、小当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。特別図柄抽選の抽選結果が小当たり当選である特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図307のS504参照)。小当たり開始フラグ203nがオンであることが判別されて、小当たり遊技の開始タイミングであると判別されるとオフに設定される(図320のS2003参照)。この小当たり開始フラグ203nは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり中フラグ203oは、小当たり遊技中であることを示すフラグである。特別図柄抽選の抽選結果が小当たり当選である特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図307のS504参照)。一方、小当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている小当たりのラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定される(図320のS2018参照)。この小当たり中フラグ203oは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。V通過大当たり種別格納エリア203pは、小当たり遊技が実行されている場合に、第2可変入賞装置(V入賞装置)650に入賞した遊技球が特定領域(Vスイッチ650e3)により検知された場合に設定される大当たり種別を判別するためのデータが記憶される記憶エリアである。V通過大当たり種別格納エリア203pは、特別図柄抽選の抽選結果が小当たり当選である特別図柄の変動が停止する場合に、判定されている小当たり種別に対応した大当たり種別に対応するデータ値が記憶される(図307のS502参照)。第2可変入賞装置(V入賞装置)650内の特別排出流路650e2を球が流下し、特定領域(Vスイッチ650e3)により遊技球が検知されると、V通過大当たり種別格納エリア203pに記憶されているデータ値に対応する大当たり種別に対応するVフラグ203qがオンに設定されるように構成されている。小当たり遊技の終了時に、V通過大当たり種別格納エリア203pに記憶されているデータ値がクリアされるように構成されている。このV通過大当たり種別格納エリア203pは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
Vフラグ203qは、小当たり遊技中に第2可変入賞装置(V入賞装置)650内の特別排出流路650e2を遊技球が流下し、特定領域(Vスイッチ650e3)により遊技球が検知された場合に、実行している小当たり遊技の種別に対応した大当たり種別に対応したフラグがオンに設定されるものである。小当たり遊技の終了時に、このVフラグ203qがオンであるかを判別し(図320のS2013参照)、Vフラグ203qがオンであると判別した場合に(図320のS2013:Yes)、オンに設定されているフラグより実行される大当たり種別が判別されて対応する大当たり遊技の開始が設定される(図9691のS2015参照)。このVフラグ203qは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。V通過フラグ203rは、小当たり遊技中において、Vフラグ203qがオンに設定されている状態を判別するために用いられるフラグであって、Vフラグ203qがオンに設定されている場合にオンに設定される。第7制御例では、小当たり遊技中において第2可変入賞装置(V入賞装置650)に入賞した遊技球の殆どが特別排出流路650e2を流下するように構成されており、特別排出流路650e2に最初に入賞した遊技球に対応したV通過処理(図315のS109参照)においてオンに設定される(図315のS1407参照)。
そして、V通過処理(図315のS109参照)では、V通過フラグ203rがオンに設定しているか判別し(図315のS1401)、オンに設定していると判別した場合は(図315のS1401:Yes)、V通過処理(図315のS109参照)のうちS1402~S1409の処理をスキップするように構成している。これにより、1回の小当たり遊技中にと規定領域(Vスイッチ650e3)が複数の遊技球を検知した場合であっても、最初に検知した遊技球に対応したV通過処理のみが実行されることになる。よって、小当たり遊技中に実行される処理を簡素化することが出来ると共に、音声ランプ制御装置113へV通過コマンドを複数回送信してしまい、音声ランプ制御装置113側でのV通過管理は煩雑になることを抑制することができる。小当たりカウンタ203sは、時短状態中に実行される特別図柄抽選で小当たり当選した回数を計測するためのカウンタであって、小当たり当選回数に基づいて成立する時短終了条件の成立有無を判別する際に参照される。この小当たりカウンタ203sには、大当たり制御処理(図319のS1804)において、エンディング期間の終了タイミング(大当たり遊技の終了タイミング)であると判別された場合に(図319のS1913:Yes)、時短付与テーブル202eに規定されている値が設定される(図319のS1915)。
そして、特別図柄変動処理(図304のS104)の時短更新処理(図308のS224参照)にて実行される小当たり時短更新処理(図309のS615参照)にて、小当たり当選したと判別した場合に(図309のS701:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりカウンタ203sの値が0であると判別されると(図309のS703:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図309のS704)。なお、第7制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、小当たりカウンタ203sの値が0に設定(リセット)される(図308のS606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりカウンタ203sの値を参照した時短終了条件以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりカウンタ203sの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりカウンタ203sの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。特図2カウンタ203tは、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の実行回数を計測するためのカウンタであって、第2特別図柄変動回数に基づいて成立する時短終了条件の成立有無を判別する際に参照される。この特図2カウンタ203tには、大当たり制御処理(図319のS1804)において、エンディング期間の終了タイミング(大当たり遊技の終了タイミング)であると判別された場合に(図319のS1913:Yes)、時短付与テーブル202eに規定されている値が設定される(図319のS1915)。
そして、特別図柄変動処理(図304のS104)の時短更新処理(図308のS224参照)にて、今回実行された特別図柄変動の種別が第2特別図柄変動であると判別した場合に(図308のS608:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の特図2カウンタ203tの値が0であると判別されると(図308のS611:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図308のS612)。なお、第7制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、特図2カウンタ203tの値が0に設定(リセット)される(図308のS606)。このように、複数の時短終了条件のうち、特図2カウンタ203tの値を参照した時短終了条件以外の時短終了条件が成立した場合であっても、特図2カウンタ203tの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず特図2カウンタ203tの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。図290に戻って説明を続ける。払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22、選択ボタン600、などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、パチンコ機10に設けられる演出用の駆動役物を動作させるための各種駆動モータが含まれる。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。
また、音声ランプ制御装置113に接続されている枠ボタン22は、演出ボタン22aを有しており、音声ランプ制御装置113は、演出ボタン22aからの入力を監視し、遊技者によって演出ボタン22aが操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。なお、遊技者によって演出ボタン22aが操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、演出ボタン22aへの操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、演出ボタン22aへの操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置113に接続されている選択ボタン600は、図271に示した通り、中ボタン600a、上ボタン600b、右ボタン600c、下ボタン600d、左ボタン600eを有しており、音声ランプ制御装置113は、選択ボタン600に含まれる各ボタンからの入力を監視し、入力された内容に応じて、遊技環境を変更するための処理を実行すると共に、遊技環境を変更するための表示内容や、変更後の遊技環境を示すための表示内容を表示制御装置114へ指示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。ここで、本第7制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。音声ランプ制御装置113のROM222には、図299(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222aと、討伐数選択テーブル222bと、討伐演出態様選択テーブル222cと、追加減少値選択テーブル222dと、演出ステージデータテーブル222eと、遊技環境データテーブル222fと、が少なくとも記憶されている。変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
討伐数選択テーブル222bは、大当たり遊技中に実行される討伐演出における初期段階の敵総数を決定する際に参照されるデータテーブルであって、通常状態で実行された第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(初回大当たり遊技)のオープニング期間にて参照される(図329のS3803参照)。ここで、討伐数選択テーブル222bに規定されている内容について、図300(a)を参照して詳細に説明をする。図300(a)は、討伐数選択テーブル222bに規定されている内容を模式的に示した図である。図300(a)に示した通り、討伐数選択テーブル222bは、実行される大当たり遊技に設定されている大当たり種別と、取得した第1演出カウンタ223f1の値と、に対応させて異なる討伐数が規定されている。具体的には、大当たり種別が、時短大当たりに対応する「大当たりA、大当たりC」であって、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~44」の範囲に対して、討伐数「1000」が、「45~89」の範囲に対して、討伐数「777」が、「90~99」の範囲に対して、討伐数「500」が、それぞれ規定されている。また、大当たり種別が、通常大当たりに対応する「大当たりB」であって、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~79」の範囲に対して、討伐数「1000」が、「80~99」の範囲に対して、討伐数「500」が、それぞれ規定されている。つまり、討伐演出が開始された際に表示される討伐数(敵の総数)が「1000」である場合の方が、「500」である場合よりも、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される可能性が高くなるように各討伐数の決定割合を規定している。このように構成することで、討伐演出が開始された時点で、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予測させることが可能となる。
また、時短大当たりに対応する大当たり種別が設定されている場合のみ、討伐数「777」を決定可能に討伐数選択テーブル222bの内容を規定しているため、討伐演出として「777」体の敵を討伐する演出態様が決定された場合には、討伐演出が終了するのを待たずして、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを遊技者に報知することができる。このように、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を、大当たり遊技が終了するまでに遊技者に報知する演出(討伐演出)を実行する場合において、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に時短状態(遊技者に有利となる遊技状態)が設定されることを報知するタイミングが様々なタイミングで到来するように構成することで、大当たり遊技中に実行される討伐演出を遊技者が常に注視することになるため、演出効果を高めることができる。討伐演出態様選択テーブル222cは、討伐演出における演出シナリオを決定する際に参照されるデータテーブルであって、通常状態で実行された第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(初回大当たり遊技)のオープニング期間にて参照される(図329のS3803参照)。ここで、討伐演出態様選択テーブル222cに規定されている内容について、図300(b)を参照して説明をする。図300(b)は、討伐演出態様選択テーブル222cに規定されている内容を模式的に示した図である。図300(b)に示した通り、討伐演出態様選択テーブル222cには、大当たり種別、討伐数選択テーブル222bを参照して決定された討伐数、取得した第2演出カウンタ223f2の値に対応させて、異なるシナリオ種別が規定されている。そして、各シナリオ種別には、討伐演出シナリオとして、討伐演出中に実行される5回の攻撃演出のそれぞれにおいて減少させることが可能な敵数(残敵数)の上限値と、討伐演出の演出結果として表示させることが可能な残敵数の最小値と、が規定されている。
具体的には、大当たり種別が、時短大当たりに対応する「大当たりA、大当たりC」であり、討伐数が「1000」、取得した第2演出カウンタ223f2の値が「0~49」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別1」が、「50~79」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別2」が、「80~99」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別3」が規定されている。また、討伐数が「777」の場合は、取得した第2演出カウンタ223f2の値が「0~99」の全範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別4」が規定されている。そして、討伐数が「500」、取得した第2演出カウンタ223f2の値が「0~49」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別5」が、「50~79」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別6」が、「80~99」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別7」が規定されている。一方、大当たり種別が、通常大当たりに対応する「大当たりB」であり、討伐数が「1000」、取得した第2演出カウンタ223f2の値が「0~59」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別8」が、「60~89」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別9」が、「90~99」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別10」が規定されている。そして、討伐数が「500」、取得した第2演出カウンタ223f2の値が「0~59」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別11」が、「60~79」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別12」が、「80~99」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別13」が規定されている。ここで、図274から図277を参照して上述した通り、討伐演出が実行されると、5回の攻撃演出が実行され、各攻撃演出において、遊技者が演出ボタン22aを押下することで敵を減少させる演出が実行されるように構成している。また、各攻撃演出において、遊技者が演出ボタン22aを押下しなかった場合には、攻撃演出終了後(ラウンド遊技終了後)に設定されるインターバル期間において、敵数を減少させるための追加攻撃演出を実行可能に構成している。
本第7制御例では、討伐演出中に実行される各攻撃演出において減少させることが可能な敵数(残敵数)の上限を、討伐演出シナリオに基づいて予め決定するように構成しているため、敵数の減少度合いが偏った討伐演出が実行されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。加えて、各攻撃演出の終了後に表示される残敵数をシナリオ管理するのでは無く、各攻撃演出の終了後に表示され得る最小の残敵数のみをシナリオ管理し、実際に表示される残敵数に幅を持たせるように構成しているため、予め規定されているシナリオ種別の個数よりも多くの演出パターンで討伐演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。さらに、本第7制御例では、攻撃演出中において遊技者が演出ボタン22aを押下するか否かに応じて、敵数を減少させるための演出態様を異ならせるように構成し、且つ、実行される演出態様によって、攻撃後の残敵数として表示される敵数を異ならせるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、攻撃演出中に演出ボタン22aを押下するか否かを選択させる楽しみを提供することができる。追加減少値選択テーブル222dは、討伐演出における各攻撃演出において、遊技者が演出ボタン22aを押下すること無く、インターバル期間中に追加攻撃演出が実行される場合に参照されるデータテーブルであって、初回インターバル中演出処理(図332のS3809参照)にて参照される。この追加減少値選択テーブル222dを参照して、追加攻撃演出にて減少させる敵数が決定される。
ここで、図301を参照して追加減少値選択テーブル222dに規定されている内容について説明をする。図301は、追加減少値選択テーブル222dに規定されている内容を模式的に示した図である。図301に示した通り、追加減少値選択テーブル222dには、討伐演出態様選択テーブル222cを参照して決定されたシナリオ種別と、現在の残敵数(残討伐数カウンタ223jの値)と、討伐演出シナリオに規定されている敵数との差分数と、その差分の範囲における特定数(固有特定数、共通特定数)の有無と、取得した第1演出カウンタ223f1の値と、に対応させて、追加攻撃演出にて減少させる敵数(追加減少値)が規定されている。具体的には、シナリオ種別が「シナリオ種別1,8」であり、差分数が「401以上」で、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して、追加減少値として「特定数まで減少」が規定されており、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。また、差分数が「101~400」で、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、追加減少値として「特定数まで減少」が規定されており、「50~99」の範囲に対して、追加減少値として「現状-50」が規定されている。一方、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、追加減少値として「現状-50」が規定されており、「50~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。
そして、差分数が「100以下」で、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~29」の範囲に対して、追加減少値として「特定数まで減少」が規定されており、「30~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。一方、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~29」の範囲に対して、追加減少値として「決定値+10」が規定されており、「30~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。シナリオ種別が「シナリオ種別2,3,9,10」であり、差分数が「51以上」で、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、追加減少値として「特定数まで減少」が規定されており、「50~99」の範囲に対して、追加減少値として「現状-20」が規定されている。一方、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、追加減少値として「現状-20」が規定されており、「50~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。そして、差分数が「50以下」で、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~29」の範囲に対して、追加減少値として「特定数まで減少」が規定されており、「30~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。一方、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~29」の範囲に対して、追加減少値として「決定値+10」が規定されており、「30~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。
シナリオ種別が「シナリオ種別5,11,12」であり、差分数が「21以上」で、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、追加減少値として「特定数まで減少」が規定されており、「50~99」の範囲に対して、追加減少値として「現状-5」が規定されている。一方、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、追加減少値として「現状-5」が規定されており、「50~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。そして、差分数が「20以下」で、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されており、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。シナリオ種別が「シナリオ種別6,7,13」である場合には、差分数に関わらず、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して、追加減少値として「特定数まで減少」が規定されており、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~19」の範囲に対して、追加減少値として「減少無し」が規定されており、「20~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。最後に、シナリオ種別が「シナリオ種別4」である場合には、差分数、及び、特定数の有無に関わらず、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。
演出ステージデータテーブル222eは、背景種別として設定可能な演出ステージに関する情報が予め規定されているデータテーブルであって、遊技環境として、決定されるモード種別(通常モード、アクティブモード、固定モード)に応じて、各ステージ種別(ウサギステージ、勇者ステージ)の移行条件が規定されている。本第7制御例では、遊技の進行状況と、設定されているモード種別と、に基づいて、ステージ種別の移行条件が成立したかを判別し、ステージ変更を実行するように構成している。ここで、演出ステージデータテーブル222eに規定されている内容について、図302(a)を参照して説明をする。図302(a)は、演出ステージデータテーブル222eに規定されている内容を模式的に示した図である。図302(a)に示した通り、演出ステージデータテーブル222eには、モード種別と、ステージ種別に対応させてステージ種別の移行条件が規定されており、大まかには、アクティブモードが設定されている場合が最もステージ種別の移行条件が成立し易く、通常モードが設定されている場合はアクティブモードよるも移行条件が成立し難く、固定モードが設定されている場合は、移行条件が成立しないように各内容が規定されている。具体的には、モード種別が「通常」であって、ステージ種別が「ウサギ」に対しては、ステージ種別の移行条件として、「特図変動50回」、又は「大当たり変動開始の一部(低確率)」が規定されており、ステージ種別が「勇者」に対しては、ステージ種別の移行条件として、「特図変動50回」、又は「大当たり変動開始の一部(低確率)」が規定されている。また、モード種別が「アクティブ」であって、ステージ種別が「ウサギ」に対しては、ステージ種別の移行条件として、「特図変動20回」、又は「大当たり変動開始の一部(高確率)」、「特図移行条件が成立した特図変動開始から5秒後」が規定されており、ステージ種別が「勇者」に対しては、ステージ種別の移行条件として、特図変動20回」、又は「大当たり変動開始の一部(高確率)」が規定されている。そして、モード種別が「固定」に対しては、ステージ種別に関わらず移行条件が既定されていない。
ここで、各移行条件について説明をする。「特図変動50回」とは、ステージ種別が設定されてから実行された特別図柄変動の実行回数が50回に到達した場合に成立する移行条件(特図変動移行条件)である。つまり、通常モードが設定されている場合は、特別図柄変動が50回実行される毎に、ステージ種別を変更させるためのステージ変更演出が実行されることになる。なお、本第7制御例では、特図変動移行条件として、設定されているモード種別に対して、固定の回数を予め規定しているが、これに限ること無く、所定の範囲の特図変動回数(例えば、10回~50回)を抽選で決定する手段を設け、その手段によって決定された特図変動回数を特図変動移行条件として設定可能に構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、どのタイミングでステージ変更演出が実行されるかを予測させ難くすることができる。また、この場合、設定されているモード種別に応じて抽選にて決定される特図変動回数を異ならせるように構成し、移行条件が成立し難いモード種別(例えば、「通常モード」)の方が、移行条件が成立し易いモード種別(例えば、「アクティブモード」)よりも多い回数の特図変動回数が抽選で決定され易くなるように、設定されているモード種別に応じて異なるデータテーブルを用いた抽選が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者が任意に設定したモード種別(ステージ変更演出の実行頻度)に応じた間隔でステージ変更演出を実行させ易くすることができる。
移行条件の1つである「大当たり変動開始の一部」とは、特別図柄変動の開始に基づいて設定される第3図柄の変動表示を設定するための変動演出設定処理(図335のS4304参照)において、大当たり当選する特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様として、ステージ変更演出を伴う演出態様が決定された場合に成立する移行条件(当たり変動移行条件)である。詳細な説明は省略するが、本第7制御例では、図335のS4404の処理において、設定されているモード種別と、抽選結果(大当たり当選)と、変動パターンとに基づいて、ステージ変更演出と伴う演出態様が決定されるように構成しており、移行条件が成立し難いモード種別(例えば、「通常モード」)の方が、移行条件が成立し易いモード種別(例えば、「アクティブモード」)よりも、ステージ変更演出を伴う演出態様が決定され難くなるように構成している。このように構成することで、特図変動移行条件が成立していない状態であっても、当たり変動移行条件が成立したことによりステージ変更演出を実行させることができるため、遊技者に意外性のあるタイミング、例えば、連続して実行される2回の特別図柄変動にてステージ変更演出を実行させることができる。さらに、当たり変動移行条件は大当たり当選した場合のみ成立するように構成しているため、意外性のあるタイミングでステージ変更演出が実行された場合に、大当たり当選への期待度を高めることができる。本第7制御例では、特図変動移行条件として予め規定された回数を設定しているため、遊技者に対して、特図変動移行条件によってステージ変更演出が実行される間隔を把握させ易くすることができるため、当たり変動移行条件の成立に基づいて実行されるステージ変更演出を容易に把握させることができる。よって、大当たり当選をいち早く察知したい遊技者に対して、特図変動移行条件が成立する間隔を把握しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、移行条件の1つである「特図移行条件が成立した特図変動開始から5秒後」とは、特別図柄変動の開始に基づいて設定される第3図柄の変動表示を設定するための変動演出設定処理(図335のS4304参照)において、第3図柄の変動演出の演出態様として、特図変動中にステージ変更演出を実行させる演出態様が決定された場合に成立する移行条件(特図移行条件)である。なお、本第7制御例では、上述した3つの移行条件を、ステージ変更演出を実行させるための条件として規定しているが、それ以外の移行条件を設定しても良く、特別図柄変動が実行されている状態で遊技者が操作手段(枠ボタン22、選択ボタン600)に対して操作を行うことでステージ変更演出を実行可能に構成しても良い。この場合、選択可能なステージ種別を予め遊技者に報知するように構成し、所定条件(大当たり変動中等)が成立している場合のみ選択可能なステージ種別を設けても良い。さらに、所定条件(大当たり変動中等)が成立している場合のみ選択可能なステージ種別のみ予め遊技者に報知しないように構成しても良い。加えて、操作手段に対して異なる操作を実行することで異なるステージ種別を選択可能に構成しても良い。また、上述した通り、本第7制御例では、同一のモード種別においても、設定されているステージ種別に応じて、異なる移行条件が規定されるように構成しており、具体的には、「ウサギステージ」の方が、「勇者ステージ」よりも移行条件が成立し易くなるように構成している。このように構成することで、設定されているステージ種別に基づいて、ステージ変更演出が実行された場合においてどの移行条件が成立したのかを予測する楽しみを向上させることができる。遊技環境データテーブル222fは、各遊技環境の内容が予め規定されているデータテーブルであって、遊技者によって遊技環境が選択された場合に、選択された遊技環境に対応するデータが読み出され、遊技環境格納エリア223uに格納される。
さらに、固定モードが設定されている場合には、保留連が確定している状態において大当たり遊技終了後1回目の特別図柄変動が開始された場合の一部のみでステージ変更演出が実行されるように構成している。つまり、固定モードが設定されているにも関わらず、ステージ変更演出が実行された場合には、大当たり当選を遊技者に報知することになる。よって、固定モードを選択した遊技者、即ち、ステージ変更演出が実行されないことを所望する遊技者に対しても、大当たり当選という特典を付与することを条件にステージ変更演出を実行することで演出効果を高めると共に、ステージ変更演出が実行されたことによる不快感を軽減させることができる。次に、図299(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図299(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223a、特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223c、変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f(第1演出カウンタ223f1、第2演出カウンタ223f2)、従遊技状態格納エリア223g、時短情報更新エリア223h、討伐回数カウンタ223i、残討伐数カウンタ223j、特定数表示済フラグ223k、ラッシュ期間計測カウンタ223m、賞球数カウンタ223n、保留連フラグ223o、ラウンド数カウンタ223p、SW有効時間カウンタ223q、右打ちフラグ223r、V入賞済フラグ223s、演出固定フラグ223t、遊技環境格納エリア223u、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、第1特別図柄に対応する4つのエリア(特図1用第1エリア~特図1用第4エリア)と、第2特別図柄に対応する1つのエリア(特図2用第1エリア)を有しており、これらの各エリアには、主制御装置110から出力された入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報(入賞情報)により、特別図柄抽選が実行される前に入賞情報に基づく抽選結果等が音声ランプ制御装置113によって事前判別(先読み)される。この入賞情報格納エリア223aには、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図323のS3113参照)において、入賞情報コマンドを受信したと判別された場合に(図323のS3209:Yes)、主制御装置110から送信された入賞情報コマンド(入賞コマンド)に基づいた入賞情報に含まれる特別図柄種別に対応する第1エリアから順に格納されていく。なお、主制御装置110から送信される入賞情報コマンド(入賞コマンド)は、主制御装置110の先読み処理(図311のS807参照)が実行された場合に設定され、主制御装置110のメイン処理(図318参照)にて実行される外部出力処理(図318のS1801)によって音声ランプ制御装置113へと送信される。この入賞情報格納エリア223aの各エリアに格納された各入賞情報は、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図334のS3114参照)が実行される毎に、1つずつシフト(第2エリアに格納されていた入賞情報を第1エリアに移行)される。これにより、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が何時実行されるのかを、音声ランプ制御装置113側で確実に把握することができる。
また、入賞情報コマンドによって送信された入賞情報(特別図柄の先読み情報)を実行エリア(現在実行中の特別図柄変動に対応するエリア)までシフトさせることを可能に構成しているため、例えば、入賞情報コマンドを受信したことに基づいて、次に実行される特別図柄変動の開始タイミングから当該入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が終了するまでのタイミングまでの期間を用いた演出(所謂、先読み連続演出)を実行する際に、当該入賞情報コマンドに対応する入賞情報を上述した先読み連続演出が終了するまでの間、保持することができる。なお、第7制御例では第1特別図柄に関する入賞情報(第1入球口64に球が入球した場合に取得し得る情報)を4つまで保留記憶可能に構成しているため、入賞情報格納エリア223aが実行エリア以外に、第1エリア~第4エリアを有するように構成しているが、例えば、第2入球口640に球が入球した場合に取得し得る入賞情報(第2特別図柄に関わる入賞情報)も4つまで保留記憶可能に構成した場合には、入賞情報格納エリア223aに、実行エリア以外に、第1特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)と、第2特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)を設けるように構成すれば良い。特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる特別図柄変動の実行権利の保留記憶数を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する特図1保留の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球(始動入賞)によって第1特別図柄抽選の実行権利の保留記憶数(特図1保留数)が加算された場合、又は、主制御装置110において第1特別図柄抽選が実行されて特図1保留数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を、音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を受信すると、その保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)から、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(図324のS3301参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。特別図柄1保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄(特図1保留球数を示すための表示態様)を決定する際に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される特図1保留数を特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される特図1保留数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値分の保留図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。なお、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに含まれる情報としては、実際の保留球数、即ち、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す情報でも良いし、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報でも良い。なお、保留球数コマンドとして第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報を送信する場合には、音声ランプ制御装置113に受信した保留球数コマンドに含まれる情報に基づいて現在の保留球数を演算管理する演算手段を設ければ良い。特別図柄2保留球数カウンタ223cは、上述した特別図柄1保留球カウンタ223bに対して、カウントする対象を保留球数コマンドに含まれる第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)に変更した点で相違しているものであり、それ以外は同一であるため、詳細な説明は省略する。本第7制御例では、特図2保留の上限数を1個としているため、特別図柄2保留球数カウンタ223cが計測する値の上限数も1となる。
この特別図柄2保留球数カウンタ223cによって計測された値は、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄(特図2保留球数を示すための表示態様)を決定する際に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される特図2保留数を特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される特図2保留数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄2保留球数カウンタ223cの値分の保留図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄2保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄の数も、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。さらに、本第7制御例では、時短状態における第2特別図柄の最終変動期間中において、第2入球口640へと遊技球を入球させることを促すためのチャージ演出(図281(a)参照)を実行するように構成しており、このチャージ演出が実行されている際中に、特図2保留の上限数を示す保留球数コマンドを受信したことに基づいて、新たに特図2保留を獲得することができない状態であることを示すための表示態様(「チャージ完了」)を表示可能に構成している。つまり、保留球数コマンドを受信したことに基づいて、獲得済みの特図2保留数を表示するだけでは無く、実行中の演出の演出態様を切り替えるように構成している。このように構成することで、様々な条件によって演出態様を切り替えることが可能となるため、演出効果を高めることができる。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定され(図323のS3202参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフに設定される(図334のS4302参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図322参照)のコマンド出力処理(図322のS3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図323のS3205参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図334のS4307参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、表示用停止種別が設定される(図334のS4309参照)。演出カウンタ223fは、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用されるカウンタであって、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図322参照)が実行される毎に更新される。第7制御例では、演出カウンタ223fとして、ループカウンタ(例えば、0~99の範囲で繰り返し更新されるカウンタ)を複数(第1演出カウンタ223f1、第2演出カウンタ223f2等)有しており、各演出カウンタの値が同期すること無く更新するように構成されている。
具体的には、例えば、メイン処理(図322参照)が実行される毎に更新される値が異なるカウンタを複数設け、各カウンタの更新後の値が同期しないように構成している。さらに、各カウンタの値を演算することで別の値を算出し、その算出した値を用いて各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用する値として用いても良い。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される複数演出の演出態様を同一タイミング(1回のメイン処理内)で決定する場合において、同一タイミングで決定される複数演出の演出態様が同期してしまい、多様な組合せで演出を実行することができないという不具合が発生することを抑制できる。従遊技状態格納エリア223gは、主制御装置110から遊技状態に関する状態コマンドを受信した場合に、その状態コマンドに対応する遊技状態を格納するための領域である。この従遊技状態格納エリア223gに格納された情報(遊技状態)を参照することで、音声ランプ制御装置113側で現在の遊技状態を識別可能に構成している。なお、第7制御例では、音声ランプ制御装置113のRAM223は、パチンコ機10の電源が遮断された場合にデータが消去されるため、停電等の発生による電源遮断時には従遊技状態格納エリア223gに格納されている現在の遊技状態を示す情報も消去されることとなる。しかしながら、第7制御例ではパチンコ機10への電源投入後に実行される主制御装置110の立ち上げ処理(図317参照)にて状態コマンドが設定されるため(図317のS1712参照)、電源復旧後、直ちに従遊技状態格納エリア223gに電源遮断前に設定されていた遊技状態を示す情報が格納されることになる。よって、パチンコ機10に電源が投入されている状態では音声ランプ制御装置113側で常に遊技状態を識別することができる。また、主制御装置110において遊技状態を可変設定する場合にも、可変設定された後の遊技状態を示す状態コマンドが設定される(図319のS1917等参照)。
時短情報更新エリア223hは、時短状態を終了させるための複数の時短終了条件と、各時短終了条件に対する進捗状況(時短終了条件の対象となる遊技要素(例えば、特別図柄変動や小当たり、大当たりの当選)が実行された回数)とを格納するためのデータ領域である。この時短情報更新エリア223hに格納される情報(時短終了条件、及び、進捗状況)に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示態様が選択される。この時短情報更新エリア223hは、主制御装置110から設定される時短状態の内容に関する情報を含む時短設定情報コマンド、即ち、主制御装置110の大当たり制御処理(図319のS1804)にてエンディング期間の終了タイミングと判別し(図319のS1913:Yes)、時短終了条件を設定した場合に(図319のS1916)設定される時短設定情報コマンドを受信した場合に、今回の時短状態を終了させるための時短終了条件が設定される(図325のS3412参照)。そして、主制御装置110の時短更新処理(図308のS224参照)において、時短情報を更新させるための更新情報(特別図柄変動が実行されたことを示すための変動情報や、小当たりに当選したことを示すための小当たり情報)を示すための残時短回数コマンドが設定され、その残時短回数コマンドを受信したと判別した場合に、受信した残時短回数コマンドに含まれる更新情報に対応させて時短情報更新エリア223hに含まれる各種情報が更新される。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側で、現在の遊技状態が時短状態であるか否かだけで無く、時短状態が設定されている場合において、残時短終了条件が成立するまでの残状況を、時短終了条件毎に把握することが可能となる。
この時短情報更新エリア223h内のデータ領域について具体的に説明をすると、時短情報更新エリア223hには、時短状態の終了条件になり得る各項目(例えば、第1特別図柄の変動回数、第2特別図柄の変動回数、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを合算した合算変動回数、小当たり当選回数(V入賞装置600の動作を開始した回数)に対応した情報を一時的に格納できるように形成されており、各項目に対して、時短設定情報(時短状態の終了条件が成立する回数)と、時短状態が継続して設定されている期間中における各項目の更新情報(実際に実行された回数を示す情報)と、がそれぞれ格納されるように構成されている。本第7制御例では、この時短情報更新エリア223hに格納されている更新情報のうち、第2特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件に関する更新情報に基づいて時短状態中の主たる演出態様を決定するように構成している。本第7制御例では、時短状態中に、特別図柄抽選が所定回数実行された場合、或いは、実行された特別図柄抽選の結果が当たり当選となった場合に、時短状態が終了するように構成している。ここで、当たり当選に基づいて時短状態が終了した場合には、当たり遊技を実行することで遊技者に特典が付与されると共に、大当たり遊技終了後に再度時短状態が設定され易くなるように構成している。一方で、特別図柄抽選が所定回数実行されたことに基づいて時短状態が終了した場合には、遊技者に特典を付与すること無く通常状態が設定されるように構成している。
よって、時短状態中の遊技を行っている遊技者は、当たり当選に基づいて成立する時短終了条件では無く、特別図柄抽選が実行された回数に基づいて成立する時短終了条件が成立するまでの残期間に関する情報の提供を所望する。さらに、本第7制御例では、特別図柄抽選が実行された回数に基づいて成立する時短終了条件として、第1特別図柄変動回数と第2特別図柄変動回数とを合算した合算回数に基づいて成立する合算変動時短終了条件と、第2特別図柄変動回数のみに基づいて成立する特図2変動時短終了条件と、を有している。そして、時短状態中において適正な遊技(右打ち遊技)を実行した場合には、合算変動時短終了条件よりも、特図2変動時短終了条件が成立し易くなるように構成している。つまり、時短状態中に実行される特別図柄抽選で当り当選しなかった場合には、特図2変動時短終了条件が最も成立し易くなるように構成している。よって、時短状態が設定されている間は、特図2変動時短終了条件に関する更新情報(主制御装置110にて更新される特図2カウンタ203tの値に関する情報)に基づいて、当たり当選すること無く時短状態が終了するまでの残期間を示すための演出(カウントダウン演出)を実行することで、遊技者に対して、時短状態が終了するまでの正確な残期間(時短状態中に実行可能な第2特別図柄変動の残回数)を分かり易く報知することができる。なお、本第7制御例では、上述した通り、時短状態中において適正な遊技(右打ち遊技)を実行した場合に、最も成立し易い時短終了条件(特図2変動時短終了条件)が成立するまでの残期間を遊技者に把握させるための演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態中に実行される遊技内容によって、他の時短終了条件の方が成立し易い状況が発生した場合には、時短状態が終了するまでの残期間を示すための演出に用いられる時短終了条件の種別を切り替えるように構成しても良いし、複数の時短終了条件のそれぞれに対して、各時短終了条件が成立するまでの残期間を報知可能な演出を実行するように構成しても良い。
また、本第7制御例では、時短終了条件(特図2変動時短終了条件)が成立するまでの残期間を示すカウントダウン演出として、時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動の残回数を数値で示す演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動の残回数を数値以外の態様(例えば、時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動の残回数が減算される毎に態様を異ならせるアニメーション)、即ち、遊技者に対して、時短状態が終了するまでに実行可能な第2特別図柄抽選の回数を具体的では無く、抽象的に報知可能な態様で演出を実行するように構成してもよい。また、この場合、特図2変動時短終了条件が成立するまでに要する第2特別図柄変動回数を異ならせた時短状態を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して、時短状態が終了するまでに実行可能な特図2変動回数を予測させる楽しみを提供することができる。さらに、時短情報更新エリア223hに格納されている時短設定情報や更新情報を用いて、例えば、時短設定情報に含まれる各項目の終了条件を示す値に対する更新情報が示す値の割合を算出し、時短進行度合いを数値(例えばパーセント)で表示するように構成しても良い。また、第7制御例では、時短情報更新エリア223hに格納される情報として、更新情報(既に実行された回数(変動回数、当選回数)を示す情報)を格納するように構成しているが、これに限ること無く、時短状態の終了条件(時短終了条件)が成立するまでの残回数を算出し、算出した残回数を示す情報を時短情報更新エリア223hに格納するように構成しても良い。
討伐回数カウンタ223iは、大当たり遊技中に実行される討伐演出として設定される攻撃演出の回数(討伐回数)を管理するためのカウンタであって、討伐演出の演出態様を決定するための討伐演出態様決定処理(図330のS3803参照)において、「5」の値がセットされる(図330のS3907)。そして、討伐演出が実行される大当たり遊技にて新たなラウンド遊技を開始する場合に実行される初回大当たりラウンド中演出処理(図331のS3807参照)にて、カウンタの値が減算される(図331のS4009)。この討伐回数カウンタ223iの値は、討伐演出中に実行される攻撃演出の回数を示すための表示態様(表示領域Dm7に表示されるボタンアイコンの数)を決定する際に参照される。また、設定されている討伐演出シナリオに基づいて、各ラウンド遊技にて実行される攻撃演出の演出態様を決定する際に参照される。なお、本第7制御例では、通常状態において実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、必ず6ラウンドの大当たり遊技が実行されるように構成しており、その大当たり遊技中に討伐演出を実行するように構成している。そして、1ラウンド目のラウンド遊技期間中に今回実行される討伐演出の内容(残敵数、攻撃演出回数等)を告知し、2ラウンド目~6ラウンド目の各ラウンド遊技期間中に攻撃演出が実行されるように構成している。つまり、討伐演出が実行される場合において、固定回数(5回)の攻撃演出が必ず実行されるように構成している。よって、討伐回数カウンタ223iには、初期値として「5」の値がセットされるように構成しているが、これに限ること無く、実行される討伐演出の内容に応じて、攻撃演出回数を異ならせるように構成しても良い。
例えば、通常状態において実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技として、ラウンド遊技数を異ならせた大当たり遊技を実行可能に構成し、実行される大当たり遊技のラウンド数に応じて、討伐演出中に実行される攻撃演出の回数を異ならせるように構成しても良い。この場合、少なくとも、大当たり遊技の種別として、ラウンド遊技数が標準ラウンド数(例えば、6ラウンド)となる標準大当たり遊技と、その標準大当たり遊技よりも多いラウンド遊技数(例えば、8ラウンド)となる特定大当たり遊技と、を実行可能に構成して、標準大当たり遊技が実行される場合よりも、特定大当たり遊技が実行される場合の方が、討伐演出中に実行される攻撃演出回数が増加するように構成すると良い。さらに、標準大当たり遊技(6ラウンド大当たり遊技)よりも特定大当たり遊技(8ラウンド大当たり遊技)が実行される場合の方が、大当たり遊技終了後に時短状態が設定され易くなるように構成すると良い。具体的には、標準大当たり遊技に対応する大当たり種別として、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される第1大当たり種別と、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される第2大当たり種別と、を設定可能に構成し、且つ、特定大当たり遊技に対応する大当たり種別として、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される第3大当たり種別と、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される第4大当たり種別と、を設定可能に構成する。そして、標準大当たり遊技が実行される大当たりに当選した場合における第2大当たり種別の選択割合よりも、特定大当たり遊技が実行される大当たりに当選した場合における第4大当たり種別の選択割合の方が高くなるように構成すると良い。このように構成することで、討伐演出中に実行される攻撃演出回数が増加する程、討伐演出の演出結果として、遊技者に有利となる演出結果(討伐に成功する演出結果)を表示させ易くすることができるため、遊技者に対して、討伐演出にて多くの攻撃演出が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
加えて、大当たり遊技のラウンド数が多い程、攻撃演出の実行回数を増加させ易くすることができるため、大当たり遊技中に多くの賞球数を獲得し得る場合の方が、討伐演出の演出結果として、遊技者に有利となる演出結果(討伐に成功する演出結果)を表示させ易くすることができるため、遊技者に対して、複数の特典をまとめて提供することができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。なお、本第7制御例では、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技数に対応させて討伐演出中に実行される攻撃演出の回数を決定するように構成しているが、これに限ること無く、実行されるラウンド遊技数を最大数として、討伐演出中に実行される攻撃演出の回数を抽選で決定するように構成しても良い。この場合、何れのラウンド数が設定される大当たり遊技であっても、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される場合よりも、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される場合の方が、攻撃演出の回数として多くの回数が決定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり遊技中に討伐演出が実行された場合に、実行中の大当たり遊技のラウンド数と、実行される攻撃演出の回数と、を把握しながら大当たり遊技終了後に実行される遊技状態を予測させる楽しみを提供することができる。なお、本第7制御例では、討伐演出が実行される大当たり遊技が実行される場合において、最初に実行されるラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)の遊技期間中に、今回実行される討伐演出の演出内容を遊技者に告知するための初期表示態様を表示し、残りのラウンド遊技の遊技期間を用いて複数回の攻撃演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、討伐演出の初期表示態様が表示されるラウンド遊技として、最初に実行されるラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)とは異なるラウンド遊技を設定可能に構成しても良い。
具体的には、今回実行される大当たり遊技のラウンド数を管理する管理手段と、今回実行される討伐演出中に実行される攻撃演出の回数を管理する管理手段と、を設け、今回実行される攻撃演出の回数分のラウンド数を確保可能な範囲にて、討伐演出の初期表示態様を表示するラウンド数を決定する手段を設けると良い。このように構成することで、大当たり遊技が開始されてから短時間で討伐演出が開始された方が(討伐演出の初期表示態様が表示された場合の方が)、より多くの攻撃演出が実行される可能性を高めることができるため、遊技者に対して、討伐演出の実行タイミングについても興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。以上、説明をした例では、討伐演出中に実行される攻撃演出の回数に応じて、討伐演出の演出結果を示唆可能な構成として、討伐演出中に実行される攻撃演出の回数が多くなる程、討伐演出の演出結果として、遊技者に有利となる演出結果(討伐に成功する演出結果)を表示させ易くする例を示したが、これに限ること無く、討伐演出中に実行される攻撃演出の回数が少ない程、或いは、特定回数(例えば、3回)の攻撃演出が実行される程、討伐演出の演出結果として、遊技者に有利となる演出結果(討伐に成功する演出結果)を表示させ易くするように構成しても良い。また、討伐演出が実行される大当たり遊技にて少ないラウンド数が設定される場合の方が、多いラウンド数が設定される場合よりも、大当たり遊技終了後に時短状態が設定され易くなるように構成しても良い。残討伐数カウンタ223jは、討伐演出にて実行される攻撃演出によって減算された敵数を計測するためのカウンタであって、討伐演出が実行される場合に、初期値として敵の総数に対応する値がセットされ、その後、攻撃演出が実行される毎に、実行された攻撃演出の演出結果に応じた値へと減算される。
具体的には、通常状態にて実行される大当たり遊技(初回大当たり遊技)のオープニングコマンドを受信したと判別した場合(図329のS3801:Yes)に実行される討伐演出態様決定処理(図330のS3803参照)において、決定された敵総数に対応する値がセットされ(図330のS3902参照)、ラウンド遊技終了後に設定されるインターバル期間を示すためのインターバルコマンドを受信したと判別した場合(図329のS3808:Yes)に実行される初回インターバル中演出処理(図332のS3809)において、討伐演出シナリオの内容と、残討伐数カウンタ223jの値と、が一致するかの判別を実行する際に参照される(S4102)。ここで、本第7制御例では、討伐演出の演出態様をシナリオ管理している。具体的には、討伐演出の演出態様を決定する際に、今回の討伐演出にて討伐すべき敵の総数と、攻撃演出の実行回数と、各攻撃演出にて減少させることが可能な敵数(残討伐数)と、が規定された討伐演出シナリオとして、規定されている内容を異ならせた複数の討伐演出シナリオの中から1の討伐演出シナリオを決定可能に構成している。そして、攻撃演出の演出期間(ラウンド遊技期間)中に、遊技者による演出ボタン22aへの操作を有効に判別可能な期間としてSW有効時間を設定するように構成しており、そのSW有効時間中に遊技者が演出ボタン22aを操作した場合には、決定されている討伐演出シナリオに規定されている内容に基づいて、敵数を減少させる演出を実行するように構成している。一方で、SW有効時間中に遊技者が演出ボタン22aを操作しなかった場合には、ラウンド遊技期間中に敵数を減少させる演出が実行されないように構成している。
つまり、ラウンド遊技期間終了時にて表示されている敵数は、ラウンド遊技中における演出ボタン22aへの操作の有無によって異なる。ここで、本第7制御例では、攻撃演出によって減少される敵数を残討伐数カウンタ223jの値で管理するように構成し、ラウンド遊技期間が終了し、インターバル期間が設定された時点における残討伐数カウンタ223jの値が、決定されている討伐演出シナリオの内容と一致しているかを判別し(図332のS4102)、一致していないと判別した場合は(図332のS4102:No)、インターバル期間を用いて敵数を減少させる演出(追加攻撃演出)を実行するように構成している。このように構成することで、遊技者による演出ボタン22aへの操作の有無に関わらず、決定されている討伐演出シナリオの内容に沿った内容で敵数の減少度合いを決定し易くすることができる。さらに、本第7制御例では、追加攻撃演出の演出態様として、表示されている敵数を、討伐演出シナリオに規定されている敵数まで減少させる基本演出態様に加え、今回の討伐演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果であることを報知するための特定数まで敵数を減少させる特殊演出態様を決定可能に構成している。具体的には、討伐演出シナリオに規定されている敵数(例えば、99体)と、実際に表示されている敵数(例えば、385体)とが異なる場合であって、その差分(99体~385体)の範囲内容に固有特定数(例えば、333体)が設定される場合の一部において、追加攻撃演出の演出態様として、敵数を特定数(例えば、333体)まで減少させる特殊演出態様を設定可能に構成している。つまり、攻撃演出が実行されるラウンド遊技期間において、演出ボタン22aを操作し、討伐演出シナリオに規定されている敵数(例えば、99体)まで敵数を減少させなかった場合に、特殊演出態様による追加攻撃演出を実行することで、今回の討伐演出の演出結果をいち早く遊技者に報知可能に構成している。
このように構成することで、討伐演出として実行される攻撃演出中に演出ボタン22aを操作(押下)するか否かによって、討伐演出の演出結果を把握し得るタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して、演出ボタン22aを操作するか否かを決定する楽しみを提供することができる。また、本第7制御例では、遊技者が演出ボタン22aを操作しなかった場合において、演出ボタン22aを操作した場合よりも早いタイミングで討伐演出の演出結果を把握可能な演出態様(特殊演出態様)を決定可能に構成している。即ち、討伐演出において、敵数を0体まで減少させることを目的とした場合には選択すべき操作方法を選択しなかった場合に、敵数が0体まで減少するよりも前に討伐演出の演出結果を把握可能な特定数(例えば、333体)を表示可能に構成している。よって、遊技者が目指す演出内容に対応させて演出ボタン22aへの操作方法を選択させることができるため、遊技者が選択する操作方法を偏り難くすることができる。なお、本第7制御例では、遊技者が選択した選択方法によって、実行中の討伐演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果であることを報知するタイミングを異ならせることが可能に構成している。そして、実行中の討伐演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果であることを報知するタイミングとして、1の操作方法で操作(演出ボタン22aを押下する操作)した場合よりも早いタイミングで報知可能な他の操作方法による操作(演出ボタン22aを押下しない操作)した場合には、操作方法だけで無く、表示されている敵数、及び、討伐演出シナリオに規定されている敵数に基づいて報知条件が成立した場合のみ、実行中の討伐演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果であることを示すための演出態様として、残敵数が特定数(例えば、333体)となる追加攻撃演出が実行されるように構成している。
つまり、報知条件が成立し得ない状態で演出ボタン22aを押下しない操作を実行した場合には、残敵数が特定数(例えば、333体)となる追加攻撃演出が実行されること無く、且つ、残敵数が討伐演出シナリオに規定されている敵数よりも多くなる追加攻撃演出が実行され得るように構成している。このように、いち早く実行中の討伐演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果であることを報知可能な操作方法を実行した場合には、実行中の討伐演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果であることが報知されない可能性があるため、遊技者に対して何れの操作方法を選択させるかをより楽しんで決定されることができる。なお、本第7制御例では、何れの操作方法によって演出ボタン22aを操作した場合であっても、遊技者に付与される特典(大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が設定されることを事前に報知する特典)の内容が同一であって、その付与タイミングのみを異ならせているが、これに限ること無く、1の操作方法を選択した場合には、上述した特典に加え、別の第1特典(例えば、獲得済みの特図保留内に当たり当選する特図保留があるか否かを事前に報知する特典)を付与可能に構成し、1の操作方法とは異なる他の操作方法を選択した場合には、上述した特典に加え、第1特典とは異なる第2特典(例えば、大当たり遊技中に実行される残りのラウンド遊技数を事前に報知する特典)を付与可能に構成しても良い。このように構成することで、遊技者が選択した遊技方法に応じて、異なる特典を遊技者に付与することができるため、遊技者に対して操作方法を選択させる楽しみを提供することができる。また、上述した例では、大当たり遊技中に実行される討伐演出における攻撃演出中の演出ボタン22aへの操作方法に応じて付与可能な特典として第2特典(ラウンド遊技数の事前報知)を付与可能な例を示しているが、この場合、例えば、大当たり遊技中に実行されたラウンド遊技数が増加する毎に、残りのラウンド数が減少していくことから、第2特典が付与されるメリットが低くなる。
よって、大当たり遊技中におけるラウンド遊技の進行状況に応じて、1回の討伐演出中において選択する操作方法を遊技者に切り替えさせることが可能となるため、よりメリットのある特典が付与されることを期待しながら討伐演出を注視する遊技者に対して、演出効果をより高めることができる。なお、本第7制御例では、何れの攻撃演出が実行された場合であっても、遊技者が操作方法を選択可能に構成しているが、これに限ること無く、演出ボタン22aへの操作方法を遊技者が選択することができない攻撃演出を実行可能に構成しても良く、例えば、SW有効時間が設定されない攻撃演出を実行することで、演出ボタン22aを押下するという操作方法を選択できなくしたり、SW有効時間として極めて短いSW有効時間を設定することで、演出ボタン22aを押下し難くしたりする攻撃演出を実行可能に構成しても良い。さらに、本第7制御例では、演出ボタン22aに対する操作方法として、演出ボタン22aを押下する操作と、演出ボタン22aを押下しない操作と、の2種類から遊技者が選択する構成を用いているが、これに限ること無く、演出ボタン22aを所定期間内(例えば、1秒以内)に複数回(例えば、2回以上)操作する操作方法(所謂、連打操作)や、演出ボタン22aを所定期間(例えば、1秒間)継続して押下し続ける操作方法(所謂、長押し操作)を遊技者に選択可能に構成しても良い。また、このように複数の操作方法を遊技者に選択させる場合には、第3図柄表示装置81の表示画面に、遊技者が選択可能な操作方法と、各操作方法を選択した場合に付与可能な特典の内容と、を報知可能な表示態様を表示するように構成すると良い。このように構成することで、遊技者が選択する操作方法を決定し易くすることができる。
特定数表示済フラグ223kは、討伐演出の演出態様として、特定数を示す演出態様が表示されたことを示すためのフラグであって、特定数を示す演出態様が表示された場合にオンに設定される。本第7制御例では、討伐演出にて減少させる敵数として、特定条件が成立した場合に、討伐演出の演出結果が表示されるよりも前に、実行中の討伐演出の演出結果を示すための特定数の敵数(例えば、333体)を表示可能に構成している。そして、特定数の敵数(例えば、333体)が表示された場合には、その表示態様によって討伐演出の演出結果が報知されるため、特定数の敵数が表示されてから討伐演出の演出結果が表示されるまでの残期間にて、特定数の敵数が表示されたことを示す専用の演出(祝福演出)が実行されるように構成している。つまり、特定数の敵数が表示されたことを特定数表示済フラグ223kの設定状況に基づいて判別可能に構成することで、特定数の敵数が表示された後も敵数を減少させる攻撃演出を継続した場合であっても、特定数が表示されたことに基づいて祝福演出を継続して実行することができる。なお、本第7制御例では、特定数表示済フラグ223kがオンに設定された後も、設定された討伐演出シナリオに規定されている内容に基づいて攻撃演出を実行するように構成している。つまり、特定数の敵数が表示されたか否かに関わらず、攻撃演出が継続して実行されるように構成している。そして、特定数表示済フラグ223kがオンに設定されている場合には、攻撃演出に加え、祝福演出を実行するように構成している。つまり、特定数の敵数が表示されたか否かに関わらず、討伐演出における主となる演出内容(攻撃演出の演出態様)を共通化し、特定数の敵数が表示された場合のみ、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示要素の一部(例えば、表示領域Dm7に表示されるボタンアイコンや、副表示領域Dsに表示されるコメント等)を用いて、特定数の敵数が表示されたことを示すための祝福演出を実行するように構成している。
このように構成することで、特定数の敵数が表示された場合に、攻撃演出の代わりに特別な演出を実行可能に構成した場合に比べて、討伐演出を実行するための処理負荷を軽減できると共に、討伐演出に用いる演出データを削減することができる。ここで、本第7制御例では、討伐演出が実行される場合において、特定数の敵数が表示されるか否かが、討伐演出中に実行される攻撃演出における遊技者による演出ボタン22aへの操作内容に応じて決定されるように構成している。さらに、設定されている討伐演出シナリオの内容と、実際に表示されている敵数(残敵数)と、によって、特定数の敵数を表示させることが可能なタイミングが異なるように構成している。より具体的には、2ラウンド目のラウンド遊技中に実行される1回目の攻撃演出にて減少させることが可能な敵数の範囲内に、今回の討伐演出に対して決定された固有特定数が含まれている場合には、2ラウンド目のラウンド遊技終了後に設定されるインターバル期間が、特定数の敵数を表示させることが可能なタイミングとなり、4ラウンド目のラウンド遊技中に実行される3回目の攻撃演出にて減少させることが可能な敵数の範囲内に、今回の討伐演出に対して決定された固有特定数が含まれている場合には、2ラウンド目のラウンド遊技終了後に設定されるインターバル期間が、特定数の敵数を表示させることが可能なタイミングとなる。また、固有特定数は、大当たり当選した際に表示された第3図柄に含まれる数値に基づいて、討伐演出が実行される毎に決定されるように構成しており、1桁の敵数(例えば、1体)から3桁の敵数(例えば、999体)までの範囲の中から、固有特定数を幅広く決定可能に構成しているため、特定数の敵数を表示させることが可能なインターバル期間を、大当たり遊技毎に異ならせることができる。このように構成することで、討伐演出の演出内容が単調となることを抑制し、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
しかしながら、固有特定数が表示され得るタイミングを異ならせることが可能とし、且つ、遊技者による演出ボタン22aへの操作方法に応じて、固有特定数が表示されるか否かが決定されるように構成することで、固有特定数が表示されてからの討伐演出の残期間が異なるため、固有特定数が表示されてから討伐演出が終了するまでの間に、固有特定数が表示されなかった場合とは完全に異なる専用の演出を実行するように構成した場合には、各残期間に応じた専用演出データを用意する必要があり、演出データの容量が増加してしまうという問題があった。さらに、討伐演出を実行する際に決定される演出内容に基づいて、固有特定数が表示され得るタイミング(インターバル期間)を特定した場合であっても、遊技者が行う演出ボタン22aへの操作内容に応じて、実際に固有特定数が表示されるか否かが異なるため、固有特定数が表示されることを前提として演出データを予め設定しておくことが出来ず、固有特定数が表示されてから討伐演出が終了するまでの間に、固有特定数が表示されなかった場合とは完全に異なる専用の演出を実行するように構成した場合には、演出データを設定する処理が煩雑になってしまうという問題があった。これに対して、本第7制御例では、固有特定数が表示された場合であっても、固有特定数が表示されなかった場合と同様に攻撃演出を継続して実行するように構成しているため、固有特定数が表示されてから討伐演出が終了するまでの間に、固有特定数が表示されなかった場合とは完全に異なる専用の演出を実行する場合に比べて、討伐演出に関する演出データの容量を削減することができる。また、継続して攻撃演出が実行され、表示されている敵の総数が、特定数よりも減少した場合であっても、第3図柄表示装置81の表示面の一部領域を用いて、固有特定数が表示されたことを示すための祝福演出を実行するため、遊技者に対して固有特定数が表示されたことを遡って把握させ易くすることができる。
ラッシュ期間計測カウンタ223mは、遊技者に有利となる遊技状態が継続している期間(ラッシュ期間)を計測するためのカウンタであって、ラッシュ期間を表示する際にカウンタの値が参照される。本第7制御例におけるパチンコ機10は、上述した通り、遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定された場合に、高確率で大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技終了後に、再度時短状態が設定されるように構成している。さらに、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が決定され易くなるように構成し、且つ、小当たり遊技が実行されてから遊技球がV入賞し得る状態へと遷移するまでの期間も短くなるように構成することで、単位時間当たりにおける大当たり遊技回数を増加させ易くするように構成している。そして、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数(単位時間当たりにおいて獲得した賞球数)を、ラッシュ期間の計測期間を示すための表示態様と合わせて表示する(図281(a)参照)ことで、ラッシュ期間が継続した場合における単位時間当たりの賞球数を遊技者に把握させ易くするように構成している。このように構成することで、単位時間当たりに獲得可能な賞球数を増加させるために、ラッシュ期間中に実行する遊技の内容を遊技者に決定させることができる。具体的には、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)が設定された場合に「1」の値がセットされる(図325のS3414参照)。そして、音声ランプ制御装置113において定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図322参照)において、演出更新処理(図337のS3112参照)が実行された場合に、カウンタ値が1加算(更新)される(図337のS4604)。そして、加算後のラッシュ期間計測カウンタ223mの値を示すための表示用コマンドが設定される(図337のS4605)。
図337のS4605の処理にて設定された表示用コマンドは、他の表示用コマンドと同様に、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図322参照)にて1ミリ秒毎に実行されるコマンド出力処理(S3102)よって、表示制御装置114へと出力され、第3図柄表示装置81の表示面にて表示させる演出態様(表示データ等)を決定し。決定した表示データに応じた演出態様で時短状態(ラッシュ期間)表示される。そして、遊技状態として通常状態が設定され、且つ、未使用の特図2保留が存在しないと判別した場合に、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値がクリアされる。具体的には、状態コマンド処理(図325のS3212参照)にて、通常状態が設定されたことを示すための情報を受信したと判別した場合に(図325のS3402:Yes)、特図2保留の有無が判別され(図325のS3405参照)、特図2保留が無いと判別した場合にラッシュ期間計測カウンタ223mの値がクリアされる(図325のS3406参照)。ここで、本第7制御例では、時短状態が終了し、通常状態が設定された後に、時短状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を所定回数(1回)実行可能に構成しており、その第2特別図柄抽選の抽選結果が停止表示されるまでの期間が遊技者に有利なラッシュ期間となる。つまり、遊技状態として遊技者に有利な時短状態が設定されている期間に、通常状態が設定されている期間の一部を加えた期間が、遊技者に有利な遊技が実行される有利期間(ラッシュ期間)となるように構成している。このように構成することで、遊技状態が切り替わるタイミングと、遊技者に有利な遊技が実行される有利期間が終了するタイミングと、を異ならせることができるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができる。
賞球数カウンタ223nは、少なくとも、ラッシュ期間(大当たり遊技、時短状態)中に獲得した賞球数を保持するためのカウンタであって、ラッシュ期間中において賞球が付与される場合に、付与された賞球数に対応する値が加算される(図323のS3217参照)。そして、ラッシュ期間中において第3図柄表示装置81の表示面に形成される表示領域Dm6に表示するポイント表示態様を決定する際にカウンタの値が参照される。そして、遊技状態として通常状態が設定され、且つ、未使用の特図2保留が存在しないと判別した場合に、賞球数カウンタ223nの値がクリアされる。具体的には、状態コマンド処理(図325のS3212参照)にて、通常状態が設定されたことを示すための情報を受信したと判別した場合に(図325のS3402:Yes)、特図2保留の有無が判別され(図325のS3405参照)、特図2保留が無いと判別した場合に賞球数カウンタ223nの値がクリアされる(図325のS3407参照)。このように構成することで、ラッシュ期間中(時短状態、大当たり遊技状態、時短状態中に獲得した特図2保留が消化される通常状態(引き戻し遊技状態)を含む継続期間中)に獲得した賞球数のみを累積することができる。
なお、本第7制御例では、最初に時短状態が設定された時点でラッシュ期間を計測するためのラッシュ期間計測カウンタ223mの値に1をセットするように構成し、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値が1以上である場合に受信した賞球数コマンドに基づいて賞球数カウンタ223nの値を加算するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技が実行される毎に賞球数カウンタ223nの値を加算可能に構成し、時短状態が設定される大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技中に獲得した賞球数も含めてラッシュ期間計測カウンタ223mの値を累積するように構成しても良い。このように、特定期間(ラッシュ期間)が継続する時間の長さを示すための表示態様(表示領域Dm8に表示される継続期間表示)と、その特定期間(ラッシュ期間)中に獲得した賞球数を示すための表示態様(表示領域Dm6に表示されるポイント表示態様)と、を表示可能な構成において、特定期間よりも前の期間(特定期間の設定契機となる大当たり遊技の実行期間)に獲得した賞球数も含めて、特定期間(ラッシュ期間)中に獲得した賞球数を示すための表示態様(表示領域Dm6に表示されるポイント表示態様)を表示可能に構成することで、特定期間中に獲得した賞球数を、実際に特定期間中に獲得した賞球数よりも遊技者に多く見せることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、この場合、実際に遊技者に提供される(提供されている)賞球数に対応する表示態様が表示領域Dm6に表示されることから、表示領域Dm6に表示される表示態様(ポイント表示態様)と、実際に獲得した賞球数との大きな誤差が生じることが無いため、表示領域Dm6に表示されたポイント表示態様に対して遊技者に違和感を与えることが無い。
なお、本第7制御例では、最初に時短状態が設定されてからの経過時間を、ラッシュ期間計測カウンタ223mを用いて計測可能に構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技が開始されてからの経過時間を、ラッシュ期間計測カウンタ223mを用いて計測可能に構成しても良い。この場合、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が実行される場合に、実行される大当たり遊技の種別(大当たり種別)に関わらず、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値に1をセットし、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される場合には、その時点でラッシュ期間計測カウンタ223mの値をクリアし、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される場合には、継続してラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新するように構成すれば良い。さらに、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新している期間であっても、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が実行されている期間(初回大当たり遊技期間)は、経過時間を表示しないように構成すると良い。このように構成することで、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される場合、即ち、ラッシュ遊技に突入しない場合において、無用に経過時間が表示されてしまうことを抑制することができる。このように、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新している期間であっても、第3図柄表示装置81の表示画面に経過期間を示す表示態様(継続期間表示)を表示しない制御を、上述した初回大当たり遊技期間以外に用いても良く、例えば、ラッシュ期間中において、当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)したことを示す表示態様が表示される期間や、小当たり遊技中において遊技者に対して遊技方法を案内するための案内表示態様が表示される期間といった、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて遊技内容(遊技結果)を報知する必要がある期間は、継続期間表示を非表示にする制御を実行するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に報知すべき遊技内容(遊技結果)を表示するための表示領域を拡げることができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、同様の目的を達成するために、継続期間表示の表示態様を非表示にする制御では無く、継続期間表示が表示される表示領域Dm6の大きさを縮小したり、表示領域Dm6が形成される位置を異ならせたりすることで、遊技者に報知すべき遊技内容(遊技結果)を示す表示態様を、遊技者に分かり易く表示するように構成しても良い。加えて、本第7制御例では、ラッシュ期間が設定されている間は、継続してラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、ラッシュ期間中において、遊技者が遊技を中断している中断期間、具体的には、第3図柄表示装置81の表示画面にデモ画面が表示されている期間は、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新せず、再度遊技が開始された場合に、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新する処理を再開させるように構成しても良い。このように構成することで、ラッシュ期間のうち、実際に遊技者が遊技を行っている期間のみを累積して継続期間表示として表示することができるため、ラッシュ期間における単位時間当たりの賞球数を遊技者に把握させ易くすることができる。さらに、ラッシュ期間のうち、遊技者が遊技を進行させられない期間、具体的には、小当たり当選してから小当たり遊技が実行されるまでの第1待機期間(図柄確定期間)や、小当たり遊技が実行されてから、V入賞可能となるまでの第2待機期間(小当たり遊技のオープニング期間)や、V入賞してから小当たり遊技が終了するまでの第3待機期間(小当たり遊技のエンディング期間)といった期間も、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値が更新されない制御を実行するように構成しても良い。このように構成することで、ラッシュ期間のうち、遊技者が積極的に遊技を進めることが可能な期間であって、実際に遊技者が遊技を行っている経過期間のみラッシュ期間計測カウンタ223mによって計測することができるため、ラッシュ期間における単位時間当たりの賞球数を、精度を高めて遊技者に提供することができる。
保留連フラグ223oは、保留連演出が実行されたことを示すためのフラグであって、大当たり遊技中に保留連演出が実行された場合にオンに設定される。保留連演出とは、大当たり遊技中に実行される遊技者に有利な特典が付与されることを示すための演出であって、大当たり遊技の最終ラウンドが実行される時点で獲得済みの特図2保留の中に、当たり当選を示す入賞情報が含まれているかを先読みし、当たり当選を示す入賞情報が含まれていると判別した場合(当たり特図2保留を有していると判別した場合)の一部において実行される演出である。つまり、保留連演出を実行することにより、大当たり遊技が実行されている期間において、次の大当たり遊技を実行させるための実行契機(小当たり当選)が成立することを遊技者に事前に報知することができるため、大当たり遊技終了後に設定される時短状態が短い場合であっても、安心して遊技者に遊技を行わせることができる。本第7制御例では、大当たり遊技中に保留連演出が実行された場合には、保留連演出が実行されていない場合に比べて、当たり特図2保留を有している状態で保留連演出が実行され易くなるように構成している。具体的には、保留連フラグ223oがオンに設定されていない場合では、大当たり遊技の最終ラウンドが開始されると判別した場合(図328のS3701:Yes)に、当たり保留(当たり特図2保留)があるかを判別し(図328のS3703参照)、当たり保留があると判別した場合(図328のS3703:Yes)、即ち、保留連演出の実行権利を獲得している状態であると判別した場合は、保留連演出を実行するか否かの実行抽選を行い、実行抽選に当選した場合に(図328のS3707:Yes)、保留連フラグ223oをオンに設定し(S3709参照)、その後、保留連演出の実行を決定する(図328のS3705参照)ように構成している。一方、保留連フラグ223oがオンに設定されている状態で、保留連演出の実行権利を獲得している状態であると判別した場合(図328のS3704:Yes)は、実行抽選を行うこと無く、保留連演出の実行を決定する(図328のS3705参照)ように構成している。
つまり、保留連演出が実行された場合には、その後、保留連演出の実行権利を獲得している状態では、必ず、保留連演出が実行されるように構成している。このように構成することで、保留連演出を連続して実行させたい遊技者に対して、特図2保留を獲得した状態で大当たり遊技が実行されるように、時短状態中において積極的に右打ち遊技を行わせることができる。ここで、本第7制御例では、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合、変動時間として極めて短い変動時間(1秒)で第2特別図柄抽選を3回実行可能に構成している。そして、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を、最大で1個獲得可能に構成している。さらに、大当たり遊技の最終ラウンドが開始されるタイミングで獲得している特図2保留に含まれる入賞情報を先読みし、先読み結果として、特図2保留に当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)する入賞情報が含まれていると判別した場合に、その大当たり遊技の最終ラウンドを用いて、獲得している特図2保留を用いた第2特別図柄抽選で当り当選することを示すための保留連演出(図284(b)参照)を実行可能に構成している。この場合、特図2保留の最大獲得数が1個である本第7制御例では、大当たり遊技終了後に実行される第2特別図柄抽選で当り当選することが保留連演出によって報知されることになる。つまり、大当たり遊技が終了してから1秒後に小当たりに当選することを遊技者が把握することになる。本第7制御例では、大当たり遊技中は通常状態が設定され、且つ、時短状態において小当たり当選を示す特別図柄が停止表示された場合に時短終了条件が成立し、通常状態が設定されることから、保留連演出が実行された大当たり遊技が終了した後は、時短状態が継続する期間が1秒となる。よって、通常状態である大当たり遊技の終了直前に普通図柄抽選が実行された場合には、通常状態中に実行された普通図柄抽選の結果が表示されるまでに時間を費やしてしまうことから、時短状態中に新たな特図2保留を獲得することが困難であると遊技者が予測してしまい大当たり遊技終了後から次の小当たり遊技が開始されるまでの間、遊技者が遊技球を発射する遊技(右打ち遊技)を中断してしまい、遊技の稼働が低下してしまう虞があった。
また、大当たり遊技が終了し、時短状態が設定されてから右打ち遊技を行う場合には、右打ち遊技によって発射された遊技球がスルーゲート67を通過するまでに最短でも所定期間(0.5秒)要するため、スルーゲート67を通過した直後に時短状態中における普通図柄抽選が実行された場合であっても、普図当たり遊技が実行されるまでに通常状態が設定されてしまい、新たな特図2保留を獲得することが困難となるため、大当たり遊技終了後から次の小当たり遊技が開始されるまでの間、遊技者が遊技球を発射する遊技(右打ち遊技)を中断してしまい、遊技の稼働が低下してしまう虞があった。これに対して、本第7制御例では、上述した通り、保留連演出が実行された後は、保留連演出の実行権利を獲得した場合に、必ず保留連演出を実行するように構成している。このように構成することで、保留連演出を継続して実行させようとする遊技者に対して、短時間の時短状態中に第2入球口640へと遊技球を入球させようと意欲的に右打ち遊技を行わせることができるため、遊技の稼働が低下してしまうことを抑制することができる。なお、本第7制御例では、保留連フラグ223oがオンに設定されている状態で、保留連演出を実行可能な条件(獲得済みの特図2保留内に当たり当選を示す特図2保留が含まれている場合に成立する条件)が成立した場合に、必ず保留連演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、保留連フラグ223oがオンに設定されている場合の方が、保留連フラグ223oがオンに設定されていない場合よりも保留連演出が実行される確率が高確率となるように構成すれば良い。
また、本第7制御例では、保留連演出が実行された場合に保留連フラグ223oをオンに設定しているが、これに限ること無く、他の条件で保留連フラグ223oをオンに設定する処理を実行可能に構成しても良い。例えば、ラッシュ期間中に獲得した賞球数の累積が特定数(例えば、10000個)を超えた場合に保留連フラグ223oをオンに設定可能としても良いし、ラッシュ期間中に獲得した賞球数の累積値を示すための表示態様(図284(a)の表示領域Dm6に表示されるポイント表示の表示態様)として特定の表示態様が表示されている期間、保留連フラグ223oをオンに設定する構成を用いても良い。さらに、ラッシュ状態が継続する期間(ラッシュ継続期間)の長さに基づいて保留連フラグ223oをオンに設定する構成を用いても良い。この場合、ラッシュ継続期間が所定期間(例えば、100秒)を超えた場合に保留連フラグ223oをオンに設定するように構成しても良いし、ラッシュ継続期間が所定範囲である場合のみ保留連フラグ223oをオンに設定するように構成しても良い。加えて、時短状態中に実行された第2特別図柄抽選の実行回数の累積値を計測する計測手段を設け、ラッシュ継続期間にて実行された第2特別図柄抽選の回数が所定回数を超えた場合に、保留連フラグ223oをオンに設定しても良いし、保留連フラグ223oがオフの状態において実行される第2特別図柄抽選に基づいて大当たり遊技が実行された場合に、大当たり遊技の実行契機となる第2特別図柄抽選(小当たり当選する特図2抽選)が、時短状態が設定されてから何回目の特図2抽選かを判別可能な判別手段を設け、その判別手段によって、1回目の特図2抽選(時短状態が設定されてから最初に実行された特図2抽選)と判別された場合よりも、3回目の特図2抽選(時短状態の最終変動となる特図2抽選)と判別された場合の方が、保留連フラグ223oがオンに設定され易くなるように構成しても良い。
また、本第7制御例では、保留連フラグ223oをオンに設定するための条件が成立した場合に、必ず保留連フラグ223oをオンに設定するように構成しているが、これに限ること無く、保留連フラグ223oをオンに設定するための条件が成立した場合に、保留連フラグ223oをオンに設定するか否かを決定可能な抽選手段を設け、抽選手段による抽選の結果、オンに設定すると判別した場合に保留連フラグ223oをオンに設定するように構成しても良い。このように構成することで、保留連フラグ223oがオンに設定されている状態であるか否かを、遊技状況に基づいて遊技者に予測させ難くすることができる。よって、保留連演出が実行されなかったにも関わらず、保留連演出の対象となる特図2保留に基づく第2特別図柄抽選で小当たり当選するといった意外性のある遊技を提供することができる。ラウンド数カウンタ223pは、大当たり遊技のラウンド数を計測するためのカウンタであって、新たなラウンド遊技が実行される場合にカウンタ値が更新され、更新後のカウンタ値を示す表示態様が表示領域Dm5に表示される。このように構成することで、実行中のラウンド遊技が何ラウンド目であるかを遊技者に分かり易く報知することができる。ここで、本第7制御例では、上述した保留連演出が実行された場合において、前回の大当たり遊技のラウンド数を引き継いで次に実行される大当たり遊技のラウンド数を表示領域Dm5に表示可能に構成している。
つまり、通常であれば、大当たり遊技の終了タイミングにてラウンド数カウンタ223pの値をクリアする処理(図327のS3612参照)を実行するのに対して、保留連演出が実行される場合には(図327のS3611:Yes)、ラウンド数カウンタ223pの値をクリアする処理がスキップされるように構成し、保留連演出の対象となる当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技のラウンド数として、前回の大当たり遊技にて計測されたラウンド数カウンタ223pの値に加算されたラウンド数が表示領域Dm5に表示される。このように構成することで、保留連演出が連続すればするほど、表示領域Dm5に表示されるラウンド数が増加していくため、保留連演出を連続させた遊技者に対して、付加価値を提供することができる。また、本第7制御例では、表示領域Dm5に表示されるラウンド数が、1回の大当たり遊技にて実行可能な最大ラウンド数よりも大きくなった場合に、特殊演出(図286参照)を実行するように構成している。このように構成することで、保留連演出を連続させた遊技者に対してより付加価値を付与することができる。SW有効時間カウンタ223qは、演出ボタン22aが有効として判別される操作有効期間を計測するためのカウンタあって、遊技者に対して演出ボタン22aを操作させることで演出態様を可変可能な操作演出が実行される場合に、操作有効期間をセットするタイミングを規定した演出シナリオが設定され、設定されている演出シナリオに基づいて操作有効期間の開始タイミングであると判別した場合に、予め定められた操作有効期間の長さに対応した値がセットされる。
SW有効時間カウンタ223qにセットされた値は、1ミリ秒周期で実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理(図322参照)にて実行される演出更新処理(図337のS3112参照)によって減算される(図337のS4607参照)。そして、減算されたSW有効時間カウンタ223qの値に対応した表示態様を示すための表示用コマンドが設定される(図337のS4608参照)。ここで設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図322参照)にて実行されるコマンド出力処理(図322のS3102)によって表示制御装置114へと出力され、出力された表示用コマンドを表示制御装置114が受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面に、操作有効期間の残時間を示すためのタイムゲージga1(図274(b)参照)を、表示態様を可変させて表示される。右打ちフラグ223rは、遊技者に対して右打ち遊技を実行させる遊技状態(当たり遊技状態、時短状態)が設定されたことを示すためのフラグであって、主制御装置110から右打ち遊技を実行させる遊技状態が設定されたことを示すためのコマンドが出力された場合にオンに設定される。そして、通常状態が設定されたことを示すための状態コマンドが出力された場合にオフに設定される。この右打ちフラグ223rがオンに設定されている状態では、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの表示領域Dm4に「右打ち」の案内表示が実行される。V入賞済フラグ223sは、小当たり遊技が開始されてから所定期間内(4秒以内)に遊技球が特定領域を通過したこと(V入賞したこと)を示すためのフラグであって、小当たり遊技が開始されてから所定期間内(4秒以内)に遊技球が特定領域を通過した場合にオンに設定される(図333のS4213参照)。そして、小当たり遊技が開始されてから所定期間(4秒)が経過したと判別された場合に(図338のS4701:Yes)、V入賞済フラグ223sの設定状況が判別され(図338のS4702参照)、オンに設定されていると判別した場合(図338のS4702:Yes)に、V入賞したことを示すための表示用V演出コマンドを設定し(図338のS4703参照)、その後、オフに設定される(図338のS4704参照)。
本第7制御例では、小当たり遊技が開始されると、小当たり遊技中の遊技方法を案内するための表示態様として特定期間(4秒間)の遊技案内報知を繰り返し実行可能に構成している(図279(a)参照)。そして、最初の遊技案内報知が実行されている期間(小当たり遊技が開始されてからの4秒間)中も、V入賞可能に構成している。具体的には、小当たり遊技が開始されてから2秒間の間は、第2可変入賞装置(V入賞装置)650が開放動作されないオープニング期間が設定され、オープニング期間の終了後、第2可変入賞装置(V入賞装置)650が開放動作されるラウンド遊技が実行される。そして、ラウンド遊技が開始されてから0.5秒後から切替部材650hが作動し(図269(a)参照)、特定領域650e3へと遊技球が入球可能(V入賞可能)となるように構成している。つまり、本第7制御例におけるパチンコ機10は、小当たり遊技が開始されてから初回の遊技案内報知が終了するまでの間に、遊技球をV入賞させることが可能となるように構成することで、小当たり遊技が開始されてからV入賞を契機に大当たり遊技が実行されるまでの期間を短くしているため、単位時間当たりに実行される大当たり遊技の実行回数を増加させ易くすることができ、遊技時間に制限がある遊技者に対しても、意欲的に遊技を行わせることができる。さらに、本第7制御例では、小当たり遊技中に遊技球がV入賞したタイミングに応じて、遊技球がV入賞したことを遊技者に報知するためのV演出の実行タイミングを異ならせるように構成している。具体的には、初回の遊技案内報知が実行されている間に遊技球がV入賞した場合には、初回の遊技案内報知が終了した後にV演出を実行し、初回の遊技案内報知が終了した後(2回目以降の遊技案内報知が実行されている間)に遊技球がV入賞した場合には、V入賞タイミングに合わせてV演出を実行するように構成している。
このように構成することで、初回の遊技案内報知が実行されている間に、遊技球がV入賞した場合であっても、初回の遊技案内報知が途中で終了してしまうことを防ぐことができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。また、初回の遊技案内報知が終了した後に遊技球をV入賞させた場合には、即座にV演出を実行することができるため、小当たり遊技中に遊技球をV入賞させることができたことを確実に報知することができる。なお、本第7制御例におけるパチンコ機10では、小当たり遊技の遊技期間(遊技球をV入賞させることが可能な期間)が、初回の遊技案内報知が終了するタイミングよりも長く継続するように構成している。つまり、初回の遊技案内報知が終了した後に、右打ち遊技を行ったとしても、遊技球をV入賞させることができるように構成している。このように構成することで、熟練の遊技者に対しては、小当たり遊技が開始された直後から右打ち遊技を行わせ、短時間でV入賞を目指す遊技を行わせることができると共に、初心者の遊技者に対しては、遊技案内報知によって報知される小当たり遊技中の遊技方法を理解させた上で右打ち遊技を行わせてもV入賞を目指す遊技を行わせることができる。よって、遊技者の熟練度に応じた遊技を適正に行わせることができる。さらに、本第7制御例におけるパチンコ機10は、遊技者が最短で小当たり遊技を終了させた場合の経過時間(最短小当たり遊技時間)が、初回の遊技案内報知が実行される期間(4秒間)よりも長くなるように構成している。具体的には、小当たり遊技のラウンド遊技が開始されてから、ラウンド遊技の終了条件が成立する入賞数(10個)の遊技球が第2可変入賞装置650へと入賞するまでに要する期間が、最短でも5秒となるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技が開始される前から継続して右打ち遊技を実行し、小当たり遊技のラウンド遊技が開始された直後から第2可変入賞装置650へと遊技球を入賞させる状況が発生したとしても、初回の遊技案内報知が終了するまでに、小当たり遊技が終了してしまうことを抑制することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
演出固定フラグ223tは、パチンコ機10の演出モードとして、固定モードが設定されていることを示すためのフラグであって、固定モードが設定された場合にオンに設定される。遊技環境格納エリア223uは、遊技者が選択した遊技環境に関する情報を一時的に格納するための記憶領域であって、遊技環境データテーブル222fを参照して選択された各遊技環境の内容を示すための情報が格納される。
<第7制御例における主制御装置により実行される制御処理について>
次に、図303から図320のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。本第7制御例では、上述した通り、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)と、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)と、を共に記憶している状態において、第2特別図柄抽選を優先的に実行するように構成している。また、第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選の何れにおいても、抽選結果として大当たり当選以外に、外れの一部において小当たり当選を判定可能に構成している。そして、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に、第2可変入賞装置650内に配設された特定領域(V領域)650e3に遊技球を通過(V入賞)させることにより、V入賞に基づく大当たり遊技(V大当たり遊技)の実行条件が成立し、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技を実行可能に構成している。また、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成し、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(図柄大当たり遊技)の一部、或いは、小当たり当選に基づいて実行されるV大当たり遊技の終了後に時短状態を設定可能に構成している。そして、時短状態が設定された場合には、通常状態が設定された場合よりも、第2特別図柄抽選を実行し易くなるように構成し、第2特別図柄抽選を、第1特別図柄抽選よりも、小当たり当選する確率が高くなるように規定することで、第1特別図柄抽選よりも、第2特別図柄抽選の方が、大当たり遊技(図柄大当たり遊技、V大当たり遊技)が実行され易くなるように構成している。
そして、設定された時短状態を終了させるための時短終了条件として、複数の時短終了条件を設定可能に構成し、時短状態中に無用に多くの第1特別図柄抽選が実行されることを抑制すると共に、時短状態中に規定された回数(3回)の第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。また、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利となる第2特別図柄抽選の実行権利を所定個数(1個)を上限に獲得可能に構成しており、時短状態が終了し、通常状態が設定された後も、時短状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を所定回数(1回)実行させることができるように構成している。このように構成された第7制御例におけるパチンコ機10では、初期状態である通常状態において、第1特別図柄抽選を実行させるための左打ち遊技によって、第1特別図柄抽選で大当たり当選し図柄大当たり遊技が実行されることを目指す遊技が行われ、図柄大当たり遊技の終了後に時短状態が設定された場合には、右打ち遊技によって第2特別図柄抽選を実行させ、小当たり当選に基づいてV大当たり遊技が実行されることを目指す遊技が行われる。また、時短状態の終了条件が成立し、通常状態(初期状態)が設定される場合であっても、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させるために、時短状態が終了する直前まで継続して右打ち遊技が行われる。図303は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では65536)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では299)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5、の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、65535,99,99,299,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4,C5の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64への球の入球(始動入賞)や第2入球口640への球の入球(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理(S104)、始動入賞処理(S105)の詳細は、図304~図311を参照して後述する。
始動入賞処理(S105)を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理(S106)、及び、スルーゲート通過処理(S107)の詳細は、図312および図313を参照して後述する。スルーゲート通過処理(S107)を実行した後は、V入口通過処理を実行し(S108)、その後、V通過処理(S109)を実行する。ここで、V入口通過処理(S108)、V通過処理(S109)の詳細については図314及び図315を参照して後述する。V通過処理(S109)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S111)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理(S110)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。次に、図304を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104)を説明する。図304は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図304のS104参照)は、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定(当否判定)や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37に変動表示を可能に制御したり、設定されている遊技状態の移行管理制御を実行したり、第3図柄表示装置81にて第3図柄、第4図柄の変動表示演出を実行させるための各種コマンドを設定したり、判定結果(当否判定結果)を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図304のS104参照)について説明する。
この特別図柄変動処理(S104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であるかを判別する(S201)。具体的には、大当たり中フラグ203kがオンであるかを判別する。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。S201の処理において、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)ではないと判別した場合は(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、即ち、新たな特別図柄抽選(変動)を実行可能な状態であれば、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)と、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいかを判別する(S204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納する。S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行いS209の処理へ移行する。
なお、本第7制御例では、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を、1個を上限に獲得可能に構成しているため、第2特別図柄保留球格納エリア203bは、1個の特図2保留に関するデータ(各カウンタ値)を格納するための保留第1エリアのみを有しているが、特図2保留を1個よりも多い個数(例えば、4個)獲得可能に構成した場合であれば、特図2保留を獲得可能な個数に応じた数の保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)を設ければ良く、この場合、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトすれば良い。一方、S204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0である場合は(S204:No)、S203の処理で取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいかを判別する(S211)。S211の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S211:No)、新たに特別図柄抽選を実行させることが可能なデータを保有していない状態であるため、そのまま本処理を終了する。一方、S211の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S211:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S212)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S213)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S212の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータを、S207の処理と同一の手法によりシフトして(S214)、処理をS209の処理へと移行する。S207、またはS214の処理後に実行されるS209の処理では、特別図柄判定処理を実行し(S209)、次いで、特別図柄変動パターン選択処理を実行し(S210)、その後、本処理を終了する。この特別図柄判定処理(S209)および特別図柄変動パターン選択処理(S210)の詳細については図305及び図306を参照して後述する。S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、次いで、変動時間が経過したか否かを判別する(S215)。変動時間が経過していなければ(S215:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S216)、その後、本処理を終了する。S216の処理では、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間カウンタの値が更新され、更新後の変動時間カウンタの値に対応させて第1図柄表示装置81の表示が更新される。この変動時間カウンタには、特別図柄変動パターン選択処理(S210)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値が、特別図柄変動の開始タイミングでセットされ、その後、S216の処理を実行する毎に更新(減算)される。
一方、S215の処理で変動時間が経過したと判別された場合は(S215:Yes)、即ち、S216の処理で更新された変動時間カウンタの値が0である場合は、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S217)。停止図柄の設定は、特別図柄変動パターン選択処理(S210)によって予め行われる。この特別図柄変動パターン選択処理(S210)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて、今回の特別図柄抽選の結果が大当たり、小当たり、外れの何れであるかが決定されると共に、抽選結果が大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たり種別として大当たりA~大当たりCのいずれかが決定される。また、抽選結果が小当たりである場合には、小当たり種別カウンタC5の値に応じて小当たり種別として小当たりA~小当たりCのいずれかが決定される。尚、本第7制御例では、特別図柄抽選の結果が、大当たりAが設定された大当たりである場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBが設定された大当たりである場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCが設定された大当たりである場合には、緑色のLEDを点灯させる。また、小当たりAが設定された小当たりである場合には、第1図柄表示装置37において赤色のLEDと青色のLEDとを点灯させ、小当たりBが設定された小当たりである場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDと緑色のLEDとを点灯させ、小当たりCが設定された小当たりである場合には、第1図柄表示装置37において赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させ、外れである場合には赤色のLEDと青色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
つまり、第1図柄表示装置37は、特別図柄抽選の結果を示すための表示態様として、特別図柄抽選の結果(大当たり、小当たり、外れ)だけで無く、当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)した場合に設定される当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に応じて異なる表示態様を表示するように構成している。このように構成することで、第1図柄表示装置37に表示されている表示態様を把握することで、特別図柄抽選の結果を詳細に把握させることができる。なお、本第7制御例では、上述した通り、第1図柄表示装置37に表示される表示態様と、特別図柄抽選の結果と、を遊技者が対応付けることが困難となるように構成している。つまり、何れの抽選結果である場合にも表示されている表示態様(各LEDの点灯態様)を組み合わせて特別図柄抽選の結果を表示するように構成している。また、第1図柄表示装置37では、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が実行されている間は、各LEDを点滅表示させるだけであり、今回の特別図柄抽選の結果を示唆するための示唆態様が、特別図柄変動が停止表示されるまでの間に表示されないように構成している。また、特別図柄変動が停止表示されたタイミングにて特別図柄抽選の結果を示すための表示態様が表示(各LEDを点灯表示)するように構成しているため、抽選結果を示すための表示態様が表示される期間が短くなるように構成している。このように構成することで、第1図柄表示装置37の表示態様に基づいて特別図柄抽選の結果を遊技者が把握することは困難となるため、特別図柄変動と同期して実行される第3図柄変動に基づく変動演出が実行される第3図柄表示装置81の表示画面に遊技者を注視させ易くすることができる。なお、本第7制御例では、第1図柄表示装置37に表示される抽選結果を示すための表示態様として、複数の発光色を有するLEDの点灯状態の組合せを用いているが、これに限ること無く、同一色に点灯する複数のLEDを設け、点灯させるLEDの組合せによって実行された特別図柄抽選の結果、及び、当たり種別を表示可能に構成しても良い。
S217の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(S218)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであると判別した場合は(S218:Yes)、大当たり開始フラグ203jをオンに設定し(S219)、時短カウンタ203hの値をクリア(0に設定)し(S220)、今回の特別図柄変動を停止表示したことを示すための特図確定コマンドを設定し(S221)、本処理を終了する。一方、S218の処理において、特別図柄の大当たりでは無いと判別した場合は(S218:No)、次に、今回の抽選結果が特別図柄の小当たりであるかを判別し(S222)、小当たりであると判別した場合は(S222:Yes)、小当たり開始設定処理を実行し(S223)、その後、時短更新処理を実行し(S224)、上述したS221の処理を実行し、本処理を終了する。また、S222の処理において、今回の抽選結果が小当たりでは無いと判別した場合は(S222:No)、S223の処理をスキップして時短更新処理を実行し(S224)、S221の処理へ移行する。なお、S223の処理において実行される小当たり開始設定処理(S223)の詳細な内容については、図308を参照して後述し、S224の処理において実行される時短更新処理(S224)の詳細な内容については、図309を参照して後述する。
S221の処理によって設定される特図確定コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理(図318のS1801参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図確定コマンドを受信すると、実行中の変動演出(第3図柄変動)を停止表示させるための処理を実行する。このように構成することで、例えば、変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、変動パターンコマンドに含まれる特別図柄変動の変動時間に対応させて変動演出を実行した後に、パチンコ機10への電力供給が遮断(停電等)され、音声ランプ制御装置113側で、特別図柄変動の残変動時間を管理できなくなった場合であっても、電源復旧後に出力される特図確定コマンドを受信することによって、実行中の第3図柄変動を確実に停止表示させることができる。次に、図305を参照して、特別図柄判定処理(S209)の処理内容について説明をする。図305は、特別図柄判定処理(S209)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄判定処理(S209)では、特別図柄抽選における当たり判定(大当たり判定、小当たり判定)が実行される。
特別図柄判定処理(S209)が実行されると、まず、特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(S301)、第1当たり乱数テーブル202aに基づいて抽選結果を取得し(S302)、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(S303:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S304)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S305)、本処理を終了する。一方、抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S303:No)、次に、抽選結果が小当たりであるかを判別し(S306)、抽選結果が小当たりであると判定した場合は(S306:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S307)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の小当たり図柄をセットし(S308)、本処理を終了する。また、S306の処理において小当たりでは無いと判定した場合、即ち、今回の特別図柄抽選の結果が外れである場合は(S306:No)、そのまま本処理を終了する。次に、図306を参照して、特別図柄変動処理(図304のS104)の一処理である特別図柄変動パターン選択処理(S210)について説明する。図306はこの特別図柄変動パターン選択処理(S210)を示すフローチャートである。特別図柄変動パターン選択処理(S210)では、まず、特別図柄判定処理(図305のS209参照)において、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S401)。
S401の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S401:Yes)、大当たり種別選択テーブル202bと、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(S402)。次いで、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(S403)、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、時短状態)に対応した変動パターン選択テーブル202dを読み出す(S404)。そして、S403の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S404の処理で読み出した変動パターン選択テーブル202dとに基づいて変動パターンを選択し(S405)、S405の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S406)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理(図318のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S407)、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S408)、本処理を終了する。S407の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理(図318)の外部出力処理(図318のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
一方、S401の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S401:No)、次に、特別図柄の抽選結果が小当たりであるかを判別し(S409)、小当たり当選であると判別した場合は(S409:Yes)、小当たり種別選択テーブル202fと、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、小当たり種別を決定する(S410)。そして、上述したS403の処理へ移行する。また、S409の処理において、特別図柄の抽選結果が小当たりでは無い(外れである)と判別した場合には(S409:No)、S410の処理をスキップしてS403の処理へ移行する。次に、図307を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開始設定処理(S223)について説明する。図307は、小当たり開始設定処理(S223)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理(S223)は、タイマ割込処理(図303参照)の特別図柄変動処理(図304のS104参照)の中で実行される処理であり、小当たり種別(小当たりA,B,C)に基づいて、小当たり遊技の開始を設定し、当選した小当たりに応じて時短情報を更新するための処理(当選回数終了条件に対する更新処理)が実行される。ここで、本パチンコ機10は、小当たり遊技が開始されると第2可変入賞装置(V入賞装置)650を遊技球が入賞可能(容易)な開放状態に可変し、そのV入賞装置650に入賞した球が特定領域(V入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3)を通過することで、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行(設定)されるよう構成されている。即ち、小当たり遊技が実行される遊技状態は、V入賞装置650に球が入賞可能となる(賞球を得ることが出来る)有利状態、且つ、通常遊技状態に比べて大当たり遊技が実行される可能性が高くなる有利状態となるよう構成されている。なお、詳細は後述するが本第7制御例では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA,B,C)に対応して異なる小当たり遊技が実行されるように構成されており、各小当たり種別に応じて、小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性が異なるようにしている。
このように構成することで、実行される小当たり遊技によって大当たり遊技(2種当たり)が実行(設定)される可能性(期待度)を可変させることができるため、遊技者に対して小当たりに当選するか否かだけでは無く、当選した小当たりの種別に対しても興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。小当たり開始設定処理(S223)が実行されると、まず、小当たり種別と対応した開放シナリオを設定する(S501)。その後、V通過大当たり種別格納エリア203pに小当たり種別に応じた大当たり種別を設定する(S502)。より具体的には、小当たり種別と小当たり種別選択テーブル202fに基づいて、V通過大当たり種別(小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に設定(実行)される大当たり遊技)を判別する。上述したように、小当たり種別がAであれば、大当たりA(6ラウンド時短有大当たり)であると判別し、小当たり種別がBであれば、大当たりB(6ラウンド時短無大当たり)であると判別する。このように、2種当たりを獲得した場合に、大当たり種別を設定し、設定された大当たり種別に基づいて大当たり遊技を開始させる処理を実行することで、1種当たりに当選した場合と、2種当たりを獲得した場合とで、大当たり遊技に関する処理を共通化することができ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。なお、本第7制御例の構成に限ること無く、1種当たりに当選した場合のみ、或いは、2種当たりに当選した場合のみ、実行され得る大当たり遊技を設定可能に構成しても良いし、1種当たりと2種当たりとで異なる大当たり遊技処理を実行するように構成しても良い。図307に戻り、説明を続ける。S502の処理を終えると、次いで、小当たり種別に基づいて、小当たりの開始を設定し(S503)、小当たり開始フラグ203nと小当たり中フラグ203oをオンに設定する(S504)。その後、本処理を終了する。
次に、図308を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される時短更新処理(S224)について説明する。図308は、時短更新処理(S224)を示したフローチャートである。この時短更新処理(S224)は、タイマ割込処理(図303参照)の特別図柄変動処理(図304のS104参照)の中で実行される処理であり、時短回数を更新し、遊技状態を通常状態に設定するための処理である。時短更新処理(S224)では、まず、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が時短中であるかを判別する(S601)。S601の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)、即ち、時短中ではないと判別した場合は(S601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい、即ち、時短中であると判別した場合は(S601:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S602)、S603の処理へ移行する。S603の処理では、演算により変更された(1減算された)時短カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S603)。ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理(図318参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。その後、時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S604)。時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(S604:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S605)、小当たりカウンタ203sおよび特図2カウンタ203tの値を0に設定する(S606)。次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S607)、本処理を終了する。
一方、S604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合は(S604:No)、今回実行された特別図柄変動が特図2変動(第2特別図柄変動)であるかを判別し(S608)、特図2変動であると判別した場合は(S608:Yes)、特図2カウンタ203tの値を1減算し(S609)、減算後の特図2カウンタ203tの値を示す残時短回数コマンドを設定し(S610)、減算後の特図2カウンタ203tの値が0であるかを判別する(S611)。S611の処理において、特図2カウンタ203tの値が0であると判別した場合は(S611:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S612)、時短カウンタ203hおよび小当たりカウンタ203sの値を0に設定する(S613)。次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S614)、本処理を終了する。また、S608の処理において、今回実行された特別図柄変動が特図2変動(第2特別図柄変動)では無いと判別した場合(S608:No)、或いは、S611の処理において、減算後の特図2カウンタ203tの値が0では無いと判別した場合(S611:No)は、小当たり時短更新処理を実行し(S615)、本処理を終了する。次に、図309を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり時短更新処理(S615)について説明する。図309は、小当たり時短更新処理(S615)の内容を示したフローチャートである。この小当たり時短更新処理(S615)は、タイマ割込処理(図303参照)の特別図柄変動処理(図304のS104参照)の時短更新処理(図308のS224参照)の中で実行される処理であり、当選した小当たりに基づいて時短情報を更新し、時短終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと更新するための処理である。
小当たり時短更新処理(S615)では、まず、小当たり当選したかを判別し(S701)、小当たり当選していないと判別した場合は(S701:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S701の処理において、小当たり当選していると判別した場合は(S701:Yes)、小当たりカウンタ203sの値を1減算し(S702)、小当たりカウンタ203sの値が0であるかを判別する(S703)。S703の処理において、小当たりカウンタ203sの値が0であると判別した場合は(S703:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S704)、時短カウンタ203h、および特図2カウンタ203tの値を0に設定する(S705)。次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S706)、本処理を終了する。一方、S703の処理において、小当たりカウンタ203sの値が0では無いと判別した場合は(S703:No)、小当たり当選回数に基づく時短終了条件が成立していない状態であるため、上述したS704~S706の処理を実行すること無く本処理を終了する。なお、本第7制御例では、複数の時短終了条件のうち、何れかの終了条件が成立した場合に、複数の時短終了条件のそれぞれに対応する時短情報を更新するための各種カウンタの値を0(時短終了条件が成立したことを示す値)に設定するように構成するだけであるため、時短状態が終了した後に、前回の時短状態がどの時短終了条件が成立して終了したのかを判別することができないが、例えば、成立した時短終了条件を記憶可能な記憶手段を設け、過去に成立した時短終了条件の種別や成立回数を判別可能に構成しても良い。
このように構成することで、例えば、成立し易い時短終了条件を、設計値から算出した算出結果と、実際の成立回数とに基づいて決定し、その決定した内容に基づいて遊技者に成立し易い時短終了条件を示唆(報知)するように構成することができる。さらに、1の時短終了条件が成立した場合における他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況(例えば、時短カウンタ203hの値が0になった時点における小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tの各値)を記憶可能に構成し、最も成立し難い時短終了条件、即ち、複数の時短終了条件のうち、1の時短終了条件が成立した時点において、最も大きな値の時短情報を有する時短終了条件を判別するように構成しても良い。以上、説明をしたとおり、第7制御例では、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件(変動回数終了条件)の成立の有無は、時短更新処理(図308参照)により判別され、特別図柄の小当たり当選の当選回数に基づいて成立する時短終了条件(当選回数終了条件)の成立の有無は、小当たり時短更新処理(図309参照)により判別されるように構成している。そして、何れの処理において、複数設定される時短終了条件うち、何れかの終了条件が成立した場合には、他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すための各種カウンタの値を全て時短終了条件が成立した状態を示すための値(0)に設定するように構成している。よって、何れの時短終了条件が成立した場合においても、時短状態を終了させるための処理内容を統一することができる。
なお、本第7制御例では、各時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すために、時短状態が設定されたタイミングで各種カウンタに、各時短終了条件を示す値を設定し、各時短終了条件に対応する時短情報を判別した場合に、各種カウンタの値を減算し、減算した値が0となった場合に、対応する時短終了条件が成立したと判別する構成を用いているが、それ以外にも、時短状態が設定された時点で各種カウンタの値を0にセットし、対応する時短情報を判別した場合に、カウンタの値を1加算し、加算後のカウンタの値が時短終了条件を示す値であると判別した場合に時短状態を終了するように構成しても良い。つまり、時短終了条件の成立の有無を判別する手段と、時短状態が設定されている状態において、各種時短終了条件に対応する時短情報(特別図柄の変動回数や小当たり当選回数等)を更新する更新手段と、を設ける構成であれば良い。次に、図310を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図303参照)の一処理である始動入賞処理(S105)を説明する。図310は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。始動入賞処理(S105)は、第1入球口64、第2入球口640のいずれかに遊技球が入球(始動入賞)したかを判別して、始動入賞した場合には、保留上限個数(第1入球口64は最大4個、第2入球口640は最大1個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する処理である。また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理(所謂、先読み処理)が実行される。以下、始動入賞処理(図310のS105)について説明する。
始動入賞処理(S105)では、まず、球が第1始動口である第1入球口64に入球(始動入賞)したか否かを判別する(S801)。ここでは、第1入球口64内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。球が第1入球口64に入球した(始動入賞があった)と判別した場合は(S801:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(S802)、その取得した値(N1)が4未満であるかを判別する(S803)。つまり、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別した場合には(S803:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算し(S804)、音声ランプ制御装置113に対して第1入球口64の保留個数(第1特別図柄の抽選権利保留数)を通知するための保留球数コマンドを設定する(S805)。そして、各種カウンタ値(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1)の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)し(S806)、先読み処理を実行し(S807)、S808の処理へ移行する。また、S801の処理で球が第1入球口64に入球していないと判別した場合(S801:No)、或いは、S803の処理で、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値であると判別した場合(S803:No)は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を加算する処理をスキップして、S808の処理へ移行する。次に、S808~S814までの各処理については、S801~S807までの各処理で実行された第1始動口(第1入球口64)への球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2入球口640に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。
先読み処理(S807,S814)については、図311を参照して後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された各カウンタ値から当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。なお、本制御例では、新たに記憶された各カウンタ値に基づいて当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、新たな始動入賞があった場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶(格納)されている全ての保留記憶に対して当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しても良い。また、本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな情報(入賞情報)を格納する場合、即ち、特別図柄の抽選権利を新たに獲得した場合に、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別する構成としているが、これに限ること無く、例えば、球がスルーゲート67を通過した場合や、普通図柄の抽選結果に応じて、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別するように構成しても良い。
上述した通り、本制御例では、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を加算した場合に、加算された入賞に関する情報(入賞情報)に基づいた先読み処理(S813)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、S803の処理で第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限数(4)であると判別した場合(S803:No)、即ち、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に先読み処理(S813)を実行することができるように構成しても良い。これにより、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態においても、先読み処理を実行させるために遊技者に継続して遊技を行わせることができる。また、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に付加価値を付与することができるため、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球が入球した際に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。次に、図311を参照して、始動入賞処理(図310のS105)の一処理である先読み処理(S807)について説明する。図311は、この先読み処理(S807)を示すフローチャートである。先読み処理(S807)では、まず、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を読み出す(S901)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(S902)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(S902:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、大当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S903)、その後、本処理を終了する。一方、S902の処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S902:No)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、当否判別結果が小当たりであるかを判別し(S904)、S904の当否判別結果に基づいて、外れ当選、及び、小当たり当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S905,S906)、その後、本処理を終了する。ここで、S903,S905或いはS906の処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S901の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図318参照)にて実行される外部出力処理(S1801)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。なお、本制御例では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりであることを事前判別した場合のみ大当たりを示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。さらに、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。次に、図312を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S106)について説明する。図312は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S106)は、第2図柄(普通図柄)の変動表示や、電動役物640aの開放時間などを制御するための処理であり、普通図柄変動(抽選)に関連する様々な処理(普通図柄変動を実行する処理、実行する普通図柄変動の変動態様(変動時間)を設定する処理、実行中の普通図柄変動を更新する処理、普通図柄変動を停止させる処理、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に実行される普図当たり遊技の遊技内容を決定する処理)が実行される処理である。
この普通図柄変動処理(S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるかを判別する(S1101)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから(当たり図柄が停止表示してから)電動役物640aの開閉制御がなされている最中まで(当たり遊技が終了するまで)が含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合には(S1101:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別した場合には(S1101:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるかを判別する(S1102)。普通図柄の変動表示中では無い、即ち、現在が新たな普通図柄変動(抽選)を実行可能な状態であると判別した場合は(S1102:No)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し(S1103)、その値が0よりも大きいかを判別する(S1104)。S1104の処理で普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であると判別された場合には(S1104:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値が0よりも大きいと判別した場合は(S1104:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S1105)。つまり、S1104の処理において新たな普通図柄変動を実行するための条件(普通図柄変動に用いるための入賞情報が保留記憶されていること)が成立していると判別された場合は、保留記憶されている入賞情報を用いて普通図柄変動を実行するため、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を1減算する。次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S1106)。S1106の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの普通図柄保留1~普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S1107)。
次に、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が普通図柄の高確率状態(時短中)であるか否かを判別し(S1108)、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいと判別した場合は(S1108:Yes)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cの当たり判定値に基づいて当否判定結果(抽選結果)を取得し(S1109)、S1111の処理へ移行する。一方、時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S1108:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cの当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得され(S1110)、S1111の処理へ移行する。S1111の処理では、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりであるかを判別し(S1111)、当たりであると判別した場合は(S1111:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定し(S1112)、S1114の処理へ移行する。一方、S1111の処理で、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S1111:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(S1113)、S1114の処理へ移行する。S1114の処理では、普通図柄の変動時間を3秒に設定し本処理を終了する。なお、本制御例では、上述した通り、設定される普通図柄の確率状態に応じて、普通図柄の変動時間を異ならせているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態に関わらず、常に変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技状態が切り替わるタイミングにおいて、具体的には、一般的に長い変動時間が設定され易い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、短い変動時間が設定され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が切り替わる大当たり遊技終了のタイミングにおいて、長い変動時間の普通図柄変動が実行されており、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない事態が発生することを抑制することができる。
なお、普通図柄の変動時間の設定方法については、本制御例の構成に限ること無く、遊技状態に応じて変動時間を異ならせたり、普図保留球数に応じて変動時間を異ならせたり、取得した所定値に応じて変動時間を異ならせたりしても良く、例えば、本制御例では、普通図柄変動の変動時間を、設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)と、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普図保留数)と、に基づいて可変設定するように構成しても良い。さらに、設定された普通図柄の変動時間によって、第2入球口640への球の入球のし易さが異なるように構成しても良い。このように、設定される普通図柄の変動時間の長さに応じて、第2入球口640への球の入球具合を可変させるように構成することで、第2入球口640への球の入球のし易さを遊技状態に応じて容易に可変することができるため、様々な遊技性を創り出すことができる。一方、S1102の処理において、普通図柄(第2図柄)が変動表示中であると判別した場合には(S1102:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したかを判別し(S1115)、変動時間が経過していないと判別した場合は(S1115:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1115の処理において変動時間が経過していると判別した場合は(S1115:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S1116)。S1116の処理では、今回の普通図柄の抽選が当たりである場合には、第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定する。一方、普通図柄の抽選が外れである場合には、第2図柄表示装置83には「×」図柄が停止表示(点灯表示)される。つまり、上述したS1112、或いはS1113の処理で設定された表示態様を停止表示させるための設定が行われる。S1116の処理により、停止表示を設定すると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S1112の処理、或いはS1113の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかを判別する(S1117)。普通図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S1117:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別した場合には(S1117:Yes)、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203hの値を参照して判別し(S1118)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S1118:Yes)、普図当たり遊技の遊技内容として、時短用普図当たりシナリオ動作、具体的には、電動役物640aの開放時間が1秒間×2回の遊技内容(開放動作)を設定し(S1120)、S1121の処理へ移行する。一方、S1118の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S1118:No)、普図当たり遊技の遊技内容として、通常用普図当たりシナリオ動作、具体的には、電動役物640aの開放時間が5秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(S1119)、S1121の処理へ移行する。S1121の処理では、S1119、或いはS1120の処理において設定されたシナリオに基づいて電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S1121)、本処理を終了する。次に、本制御例における電動役物640aの開閉制御態様(開放パターン)について説明をする。本制御例のパチンコ機10では、普通図柄の当否判定を行うタイミング(S1108~S1111の処理を行うタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミング(S1115の処理で変動時間が経過したと判別したタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。
即ち、本制御例では、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)と、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)とが独立して実行されるように構成されており、さらに、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果に基づいて普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)が可変するように構成している。よって、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)が実行されている期間中に並行して実行される特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果によっては、普通図柄の当否判定を行うタイミングでは普通図柄の高確率状態が設定され、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでは普通図柄の低確率状態が設定される場合が発生する。このような状況において、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングにて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定してしまうと、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、電動役物640aがロング開放(普通図柄の高確率状態中が設定されている場合に実行される開放パターン)してしまうという問題があった。そこで、本制御例では、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)を判別し、その判別結果に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。これにより、設定されている遊技状態に応じた開放パターンで電動役物640aを開放させることができる。
なお、本制御例では、普通図柄の当否判定を行うタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されており、且つ普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでも普通図柄の高確率状態が設定されている場合にのみ、電動役物640aがロング開放するように構成しても良いし、普通図柄の当否判定を行うタイミングで設定されている遊技状態に基づいて、電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しても良い。また、詳細な説明は省略しているが、普通図柄変動処理(S106参照)において決定された各種情報(普通図柄抽選の結果、普通図柄変動の変動時間、普図当たりシナリオ等)は、それぞれ各種情報の内容を示すコマンドが設定され、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。次に、図313を参照してスルーゲート通過処理(S107)の内容について説明をする。図313は、スルーゲート通過処理(S107)の内容を示したフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し実行エリアに格納するための処理である。また、取得した普通当たり乱数カウンタC5の値を用いて、実際の当否判定が実行されるよりも前に(普通図柄変動処理にて当否判定(S1111参照)が実行されるよりも前に)、抽選結果(当否判定結果)を事前に取得するための処理である。
スルーゲート通過処理(S107)では、まず、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S1201)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S1201:Yes)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し(S1202)、次いで、その取得した普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きくないか(普通図柄の保留球数が上限値に到達していないか)を判別する(S1203)。S1203の処理で、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きい(上限値の4である)と判別した場合は(S1203:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きくないと判別した場合は(S1203:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)に1を加算し(S1204)、加算後の普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を示すための普図保留球数コマンドを設定し(S1205)、第2当たり乱数カウンタC4の値を普通図柄保留球格納エリア203cに格納し(S1206)、本処理を終了する。なお、詳細な説明は省略するが、本制御例では、特別図柄の保留球(特図保留)を獲得した場合と同様に、普通図柄の保留(普図保留)を獲得した場合に、その獲得した普図保留に含まれる第2当たり乱数カウンタC4を、第2当たり乱数テーブル202cを参照して抽選結果を事前に取得可能に構成している(普図先読みを実行可能に構成している)。そして、普図先読みの結果を示す情報を含む普図用入賞情報コマンドを設定可能に構成している。ここで設定された普図用入賞情報コマンドは、上述した各制御例にて設定される特別図柄の事前判別結果を示す入賞情報コマンドと同一の処理によって音声ランプ制御装置113へと通知される。このように構成することで、保留記憶されている普通図柄の抽選権利に対応する普通図柄抽選の抽選結果を事前に判別し、その事前判別結果に基づいた演出を実行することが可能となる。
次に、図314、及び図315を参照して、V入口通過処理(S108)、及び、V通過処理(S109)の内容について説明をする。図314、及び図315に示したV入口通過処理(S108)、及び、V通過処理(S109)は、上述した制御例に記載したV入口通過処理、及び、V通過処理と同一の処理が実行されるため、その詳細な説明を省略する。次に、図316を参照して、NMI割込処理について説明をする。図316は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1601)、NMI割込処理を終了する。なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。次に、図317を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図317は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図317)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(S1702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1703)。その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122がオンされているか否かを判別し(S1704)、オンされていれば(S1704:Yes)、処理をS1715へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1705)、記憶されていなければ(S1705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1715へ移行する。RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1705:Yes)、RAM判定値を算出し(S1706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1715へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1715の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1715)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1716、S1717)を実行する。上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1716、S1717)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1716、S1717)を実行する。RAMの初期化処理(S1716、S1717)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1716)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1717)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1710の処理へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1708)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1709)、S1710の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1710)。その後、時短中カウンタの値を読み出し(S1711)、読み出した値に基づく状態コマンドを設定し(S1712)、流路ソレノイドをオフに設定し(S1713)、割込みを許可し(S1714)、後述するメイン処理に移行する。次に、図318を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図318は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。メイン処理(図318参照)においては、まず、タイマ割込処理の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1801)。具体的には、タイマ割込処理におけるスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理や始動入賞処理で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(S1801)により、主制御装置110の各種処理にて設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、第3図柄表示装置81にて表示される各種演出(変動演出、装飾演出等)を設定するための情報とする。また、大当たり制御処理で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。さらに、その他制御処理において設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1802)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1803)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、音声ランプ制御装置113にて大当たり演出を実行させるためのコマンドの設定や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放動作するための大当たり制御処理を実行する(S1804)。大当たり制御処理(S1804)の詳細な内容については、図319を参照して後述するが、この大当たり制御処理(S1804)では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65a(以下、入賞口等と称す)を開放し、入賞口等(特定入賞口65a)の最大開放時間が経過したか、又は入賞口等(特定入賞口65a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると入賞口等(特定入賞口65a)を閉鎖する。この入賞口等(特定入賞口65a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本制御例では、大当たり制御処理(S1804)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。次いで、小当たり遊技に関する各種動作制御が実行される小当たり制御処理(S1805)を実行し、S1806の処理へ移行する。次いで、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1806)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図312参照)のS1121の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS1119の処理、S1120の処理、によって設定された期間が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1807)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理(図306のS210参照)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本制御例では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動パターン選択処理のS407で設定された表示態様で、停止図柄を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。さらに、本制御例では、一方の特別図柄が大当たりを示す表示態様(大当たり図柄)で停止表示された場合に、他方の特別図柄を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示させるように構成しており、そのための停止表示も実行される。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1808)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S1808)では、普通図柄変動処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1809)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1809:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1810)、既に所定時間が経過していれば(S1810:Yes)、処理をS1801へ移行し、上述したS1801以降の各処理を繰り返し実行する。一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1810:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1811,S1812)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1811)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999、999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1811の処理と同一の方法によって実行する(S1812)。なお、このS1812の処理では、変動種別カウンタCS1の値と同様に普図変動種別カウンタCS2の値も更新される。ここで、S1801~S1808の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、普図変動種別カウンタCS2の値についてもランダムに更新することができる。よって、特別図柄や普通図柄の抽選に関する判定値を更新するための処理内容を把握され難くすることができ、当たりに対応する判定値が取得されるタイミングを狙った不正遊技が実行されることを抑制することができる。
また、S1809の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1809:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図316のNMI割込処理が実行されたということなので、S1813以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1813)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1814)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1815)、RAM203のアクセスを禁止して(S1816)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。なお、S1809の処理は、S1801~S1808で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1811とS1812の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1801の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1801の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図317,S1701)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1801の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図319を参照して、大当たり制御処理(S1804)の内容について説明をする。図319は、大当たり制御処理(S1804)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理(S1804)は、主制御装置110のメイン処理(図318参照)において、実行される処理であって、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。なお、詳細な内容は、上述した各制御例と同一であるため、詳細な説明は省略する。本第7制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、大当たり種別選択テーブル202bを用いて大当たり種別を決定する処理を実行し、決定された大当たり種別に対応するエンディング期間が設定されるように構成している。よって、S1912の処理では、大当たり種別に対応して決定されたエンディング期間の長さに対応した表示用エンディングコマンドが設定される。なお、本第7制御例のように、大当たり当選時にエンディング期間の長さを設定するのでは無く、大当たり遊技中におけるV入賞の有無(特定領域(Vゲート650e3)への球の通過の有無)に応じて大当たり遊技のエンディング期間の長さを決定しても良い。具体的には、大当たり制御処理(図319のS1804参照)において、エンディング期間の開始タイミング(最終ラウンドの終了タイミング)と判別した場合に、今回の大当たり遊技中に実行された遊技内容を判別し、その判別結果に基づいて大当たり遊技のエンディング期間の長さを決定しても良く、特に大当たり遊技中に実行される遊技の結果に基づいて大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせることが可能なパチンコ機10においては、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が遊技者に有利な遊技状態となる場合に、それ以外の場合よりもエンディング期間の長さが長くなるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技中の遊技結果に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせることが可能なパチンコ機10において、実際に設定される遊技状態に応じたエンディング期間を設定することができる。
また、このように大当たり遊技中の遊技結果に応じて大当たり遊技のエンディング期間を異ならせる構成を用いる場合には、大当たり遊技中の遊技結果が確定してからエンディング期間が開始するまでの間の何れかのタイミングにて大当たり遊技のエンディング期間を決定するように構成すれば良く、例えば、1ラウンド目のラウンド遊技が終了した後に(球を特定領域へと入賞させることが可能なラウンド遊技が終了した後に)、V入賞の有無を判別し、その判別結果に基づいて、2ラウンド目~最終ラウンド目のラウンド遊技が実行されている期間中に大当たり遊技のエンディング期間を設定するように構成しても良い。さらに、上述した例では、大当たり遊技中におけるV入賞の有無に基づいてエンディング期間の長さを設定するように構成しているが、これに替えて、例えば、当選した大当たり種別に基づいて、予め大当たり遊技のエンディング期間を設定しておき、具体的には、確変大当たりに当選した場合には17秒、通常大当たりに当選した場合には15秒のエンディング期間を予め設定しておき、大当たり遊技中の遊技結果に基づいてエンディング期間の長さを可変させる必要が生じた場合、即ち、確変大当たり遊技が実行されたにも関わらず、大当たり遊技中にV入賞させることができなかった場合に、予め設定されているエンディング期間の長さを可変させるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技中にエンディング期間の長さを設定する頻度を抑制することができる。
一方、S1911の処理において、現在実行されているエンディング期間の開始タイミングではないと判別した場合は(S1911:No)、次に、大当たりの終了タイミングであるかを判別する(S1913)。ここで、大当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。S1913の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S1913:Yes)、実行中の大当たり種別を読み出し(S1914)、読み出した大当たり種別に基づいて時短付与テーブル202eを用いて対応する時短終了条件を設定し(S1915)、S1915の処理によって設定された設定内容に対応する時短設定情報コマンドを設定し(S1916)、大当たり終了後の遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(S1917)、大当たりの終了を設定し(S1918)、大当たり中フラグ203kをオフに設定し(S1919)、本処理を終了する。次に、図320を参照して、小当たり制御処理(S1805)の処理内容について説明をする。図320は小当たり制御処理(S1805)の処理内容を示したフローチャートである。なお、本第7制御例で実行される小当たり制御処理(S1805)は、上述した各制御例における小当たり制御処理と同一であり、その詳細な説明を省略する。
<第7制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図321から図341を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。まず、図321を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図321は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S3001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S3118の電源断処理(図322参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S3002)。図322を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断の発生情報を受信すると(図322のS3115参照)、S3118の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S3118の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。電源断処理中フラグがオフであれば(S3002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS3118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S3003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S3006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S3003:Yes)、S3004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S3003:No)、S3008へ移行する。なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S3003:Yes)、S3004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS3118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S3003:No)、S3008へ移行する。電源断処理中フラグがオンであれば(S3002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S3118の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS3004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S3004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S3004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S3005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S3006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S3005:No)、RAM223の異常を報知して(S3007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S3008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S3008)。電源断フラグはS3118の電源断処理の実行時にオンされる(図322のS3117参照)。つまり、電源断フラグは、S3118の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS3008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS3118の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S3008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S3009)、RAM223の初期値を設定した後(S3010)、割込み許可を設定して(S3011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。一方、電源断フラグがオフされた状態でS3008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS3004からS3006の処理を経由してS3008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S3008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS3009をスキップして、処理をS3010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S3010)。なお、S3009のクリア処理をスキップするのは、S3004からS3006の処理を経由してS3008の処理へ至った場合には、S3004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図322を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図322は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S3101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S3101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S3101:No)、S3102~S3112の処理を行わずにS3113の処理へ移行する。S3101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S3102~S3112が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S3113のコマンド判定処理やS3114の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S3113の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S3113の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。S3101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S3101:Yes)、まず、S3103~S3114の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信するコマンド出力処理を実行する(S3102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS3108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S3103)、その後電源投入報知処理を実行する(S3104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS3105の処理へ移行する。
S3105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S3106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S3107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22(演出ボタン22a)や、選択ボタン600といった各種ボタンが押されたか否かの入力を監視し、各種ボタンの入力が確認された場合に対応した演出や遊技環境設定を行うよう設定する処理である。この処理では、各種ボタン(枠ボタン22、選択ボタン600)の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して各種ボタン(枠ボタン22、選択ボタン600)が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。この枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)の詳細については、図339を参照して後述する。枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S3108)、その後音編集・出力処理を実行する(S3109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S3109の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S3110)、次に、各種カウンタ更新処理を実行する(S3111)。その後、演出更新処理を実行する(S3112)。S3112の処理を実行後、S3113の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS3108のランプ編集処理が実行される。なお、S3109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。S3112の処理後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理(S3113)が実行され、S3114の処理へ移行する。このコマンド判定処理(S3113)の詳細については、図323を参照して後述する。S3114の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図334を参照して後述する。S3114の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S3115)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S3115の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S3115:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S3117)、電源断処理を実行する(S3118)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S3119)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S3115の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S3115:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S3116)、RAM223が破壊されていなければ(S3116:No)、S3101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S3116:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。次に、図323を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S3113)について説明する。図323は、このコマンド判定処理(S3113)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S3113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図322参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S3113)の詳細を説明する。コマンド判定処理(S3113)が実行されるとまず、変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S3201)、受信したと判別した場合は(S3201:Yes)、受信した変動パターンコマンドに対応する変動開始フラグ223dをオンに設定し(S3202)、受信したコマンドから変動パターンコマンドを抽出する(S3203)。そして、本処理を終了する。
S3201の処理において特図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S3201:No)、次に、停止種別コマンドを受信したかを判別し(S3204)、受信したと判別した場合は(S3204:Yes)、受信した停止種別コマンドに対応する停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S3205)、受信したコマンドから停止種別を抽出する(S3206)。そして、本処理を終了する。S3204の処理において停止種別コマンドを受信していないと判別した場合は(S3204:No)、次に、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別する(S3207)。ここで、保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S3207:Yes)、保留情報関連処理を実行し(S3208)、その後、本処理を終了する。保留情報関連処理では、受信した保留球数コマンドから保留球数を抽出し、対応する値を特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納する処理や、特図保留球を獲得したことに基づく演出態様を決定するための処理が行われる。なお、保留情報関連処理(S3208)の詳細な説明については、図324を参照して後述する。また、S3207の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S3207:No)、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S3209)。S3209の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S3209:Yes)、受信した入賞情報コマンドに基づいた入賞情報を入賞情報格納エリア223aに格納する処理を実行し(S3210)、本処理を終了する。具体的には、S3210の処理では、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対応する図柄種別(特別図柄、普通図柄)を解析し、その解析結果に対応する記憶領域(音声ランプ制御装置113のRAM223内の入賞情報格納エリア223a)に格納(記憶)する処理と、受信した入賞情報に基づいた演出(先読み演出)を実行するための処理を行うものである。
S3209の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S3209:No)、次に、状態コマンドを受信したかを判別し(S3211)、受信したと判別した場合は(S3211:Yes)、状態コマンド処理を実行し(S3212)、本処理を終了する。この状態コマンド処理(S3212)は、現在の遊技状態を示す状態コマンドを受信し、その遊技状態に応じたモード演出態様を設定し、第3図柄表示装置81の表示面にて対応する演出態様(例えば、背面画像)を表示するための表示用コマンドが設定される。この状態コマンド処理(S3212)の詳細については図325を参照して後述する。S3211の処理において状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S3211:No)、次に、当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S3213)、受信したと判別した場合は(S3213:Yes)、当たり関連処理を実行し(S3214)、その後、本処理を終了する。なお、当たり関連処理(S3214)の詳細な説明は、図326を参照して後述する。一方、当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S3213:No)、賞球数コマンドを受信したかを判別し(S3215)、賞球数コマンドを受信したと判別した場合は(S3215:Yes)、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値が1以上であるか、即ち、現在が賞球数の累計を計測する期間(ラッシュ期間)であるかを判別し(S3216)、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値が1以上であると判別した場合は(S3216:Yes)、今回受信した賞球数コマンドに含まれる賞球数に対応する値を賞球数カウンタ223nの値に加算し(S3217)、本処理を終了する。一方で、S3216の処理において、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値が1では無いと判別した場合は、現在がラッシュ期間では無いため、S3217の処理をスキップして、本処理を終了する。
本第7制御例におけるパチンコ機10は、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態から遊技が開始され、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させることで第1特別図柄抽選を実行させる遊技が行われる。そして、第1特別図柄抽選で当り当選(大当たり当選、小当たり当選)した場合に実行される当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が開始すると、当たり遊技中に開放動作される入賞装置(可変入賞装置65、第2可変入賞装置650)へと遊技球を入賞させるために右打ち遊技が行われる。当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定された場合には、通常状態が設定されている場合よりも右打ち遊技によって発射された遊技球が入球し易くなるように第2入球口640が配設されており、第2入球口640へと遊技球を入球させることで第2特別図柄抽選を実行させる遊技が行われる。ここで、第2特別図柄抽選は、第1特別図柄抽選よりも当たり当選する確率(小当たり当選する確率)が高くなるように構成しており、且つ、第2特別図柄抽選で当り当選した場合には、第1特別図柄抽選で当り当選した場合よりも、当たり遊技の終了後に時短状態が設定され易くなるように構成している。よって、一度時短状態が設定された場合には、複数回の当たり遊技を介しながら長時間の間、時短状態の遊技を実行させ易くなるように構成している。このように構成された本制御例のパチンコ機10では、継続して右打ち遊技が実行される期間(当たり遊技期間、時短状態が設定されている期間)を少なくとも含む遊技期間が、遊技者に有利となる有利遊技期間であることを遊技者に報知するために、演出上の遊技状態としてラッシュ状態を設定するように構成している。このように、遊技者に有利となる有利遊技期間が継続している間、共通の演出(ラッシュ中演出)を実行することにより、遊技者に対して、有利遊技期間が継続していることを分かり易く報知することができる。
そして、本第7制御例では、有利遊技期間中に遊技者が獲得した特典(賞球数)の合計値に対応する情報を示すためのポイント表示態様を表示領域Dm6に表示することで遊技者に報知可能に構成している(図274(a)の表示領域Dm6参照)。S3216の処理では、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値を参照することで、現在が有利遊技期間であるかを判別している。このラッシュ期間計測カウンタ223mの値は、遊技状態として時短状態が設定された場合に1がセットされるように構成している。そして、通常状態において特図2保留を獲得していない状態となった場合に、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値がクリアされるように構成している。このように構成することで、有利遊技期間が開始されるタイミングと、有利遊技期間が終了するタイミングとに対応させてラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新(クリア)させることができるため、有利遊技期間中に獲得した賞球数に対応する適正な値を賞球数カウンタ223nに加算させることができる。S3215の処理において賞球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S3215:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S3218)、本処理を終了する。ここで、S3218の処理において実行される詳細な処理内容の一部について説明をする。S3218の処理では、例えば、特別図柄変動が停止表示された場合に出力される特図確定コマンドを受信したことに基づく処理が実行される。具体的には、図柄確定コマンドを受信したかを判別し、図柄確定コマンドを受信したと判別した場合は、第3図柄の停止表示を設定し、本処理を終了する。本処理を実行することにより、主制御装置110が特別図柄変動を停止表示させたタイミングを、音声ランプ制御装置113側で確実に判別することができるため、例えば、特別図柄変動が実行されている際中に電源が断されたことにより、電源復帰後における特別図柄変動の残変動時間を音声ランプ制御装置113側で判別できなくなった場合であっても、特別図柄変動の停止表示タイミングに対応させて変動演出の停止表示タイミングを決定することができる。
さらに、S3218の処理では、普通図柄抽選に関する各種処理も実行される。具体的には、普通図柄の保留球数コマンドを受信した場合は、その保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203fの値(即ち、普通図柄の変動表示の保留球数)を抽出し、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた普通図柄保留球数カウンタ(図示せず)の値を更新する。ここで、保留球数コマンドは、遊技球が各種入球口(第1入球口64、第2入球口640、スルーゲート67)に入球(始動入賞)し、各種保留球数カウンタの値が加算された場合、或いは、各種変動開始処理を実行する際に、各種保留球数カウンタの値が減算されたときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞時や変動表示設定時毎に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223c、普通図柄保留球数カウンタ(図示せず)の値を、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d,第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のRAM223が有する特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223c、普通図柄保留球数カウンタ(図示せず)の値が、主制御装置110の各種保留球数カウンタ203d,203e,203fの値とずれてしまっても、始動入賞時、変動表示設定時、即ち、各種保留球数変更されることに基づいて保留球数コマンドが通知されれば、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223c、普通図柄保留球数カウンタ(図示せず)の値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d,第2特別図柄保留球数カウンタ203e,普通図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。
次に、図324を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留情報関連処理(S3208)について説明をする。図324は、保留情報関連処理(S3208)の処理内容を示したフローチャートである。この保留情報関連処理(S3208)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図323のS3113参照)の中で実行されるものであって、受信した保留球数コマンドに基づいて、音声ランプ制御装置113側で特別図柄の保留球数(特図保留数)を管理するための処理や、時短状態中において特図2保留を獲得した場合における演出態様を設定するための処理を実行するものである。以下、保留情報関連処理(S3208)の詳細を説明する。保留情報関連処理(S3208)が実行されると、まず、受信した保留球数コマンドから特別図柄種別と保留球数とを抽出し、今回受信した保留球数コマンドに対応する特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223c)に格納し(S3301)、格納した特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223c)の値に対応する表示用コマンドを設定する(S3302)。S3302の処理によって設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図322参照)のコマンド出力処理(図322のS3102参照)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、S3302の処理によって設定された表示用コマンドを受信すると、受信した表示用コマンドに含まれる特図保留数を示すための表示態様を第3図柄表示装置81に表示する。
次に、今回受信した保留球数コマンドが第2特別図柄に関する保留球数コマンド(特図2保留を示すコマンド)であるかを判別し(S3303)、特図2保留を示すコマンドでは無いと判別した場合は(S3303:No)、S3310の処理へ移行する。一方、S3303の処理において、特図2保留を示すコマンドであると判別した場合は(S3303:Yes)、次に、時短情報更新エリア223hから現在の時短状況を読み出す(S3304)。ここで、時短情報更新エリア223hには、時短状態中に実行される各種遊技内容が格納されるように構成しており、例えば、特別図柄変動が実行されている状態であるか否かを示す情報や、各時短終了条件を成立させるための要素(例えば、小当たり当選に関する情報や、特別図柄変動回数に関する情報)の更新内容を示す情報が格納されるように構成している。よって、時短情報更新エリア223hに格納されている情報を読み出すことにより、現在が時短状態であるか否かだけで無く、特別図柄変動期間中であるか否かや、時短状態の最終変動であるか否かといった情報を判別することができるため、例えば、時短状態における2回目の第2特別図柄変動が実行されている場合であっても、その第2特別図柄変動が時短状態の最終変動であるか否かに応じて異なる演出態様を決定することができる。
S3304の処理を終えると、次に、現在が時短状態における最終変動中(時短終了条件が成立する変動回数目の特別図柄変動中)であるかを判別し(S3305)、最終変動中であると判別した場合は(S3305:Yes)、チャージ完了を示すための表示用コマンドを設定し(S3306)、S3310の処理へ移行する。つまり、時短状態における最終変動中に特図2保留の獲得を示す保留球数コマンドを受信した場合には、時短状態が終了し通常状態が設定された後に、獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を実行させることが可能となることから、特図2保留を獲得している状態で時短状態が終了することを示す表示用コマンドがS3306の処理によって設定される。S3306の処理によって設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図322参照)のコマンド出力処理(図322のS3102参照)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、S3306の処理によって設定された表示用コマンドを受信すると、受信した表示用コマンドに含まれるチャージ完了を示すための表示態様を第3図柄表示装置81に表示する(図281(a)参照)。ここで、本第7制御例では、時短状態における特別図柄最終変動(特図2最終変動)のうち、抽選結果が外れであることを示すための外れ特図2最終変動の変動期間のうち、一部期間を用いて遊技者に対して、特図2保留の獲得を促す演出(FINALチャージ演出)を実行可能に構成している(図281(a))。そして、FINALチャージ演出が実行された直後(1秒以内)に、特図2保留を獲得した場合には、FINALチャージ演出が1秒経過した後に、特図2保留を獲得したことを報知する演出(「チャージ完了」表示)を実行するように構成している。
よって、S3306の処理によって設定された表示用コマンドを、表示制御装置114が受信した場合には、現在が、チャージ完了表示の待機期間(FINALチャージ演出が開始されてから1秒経過するまでの期間)であるかを判別し、待機期間では無い場合には、現在第3図柄表示装置81の表示面にて実行されている演出に対応した態様でチャージ完了したことを報知するための表示態様を表示する。一方、待機期間である場合には、チャージ完了を示す表示用コマンドを受信したことを一時的に記憶する処理(専用の待機フラグをオンに設定する処理)のみを実行し、チャージ完了したことを報知するための表示態様の表示を待機させる。そして、待機期間が経過したと判別された場合に、待機フラグがオンに設定されているか、即ち、チャージ完了したことを報知するための表示態様の表示が待機されている状態であるかが判別され、待機中であると判別された場合には、チャージ完了したことを示すための表示態様が表示され、待機中フラグがオフされる。S3305の処理において、時短最終変動中では無いと判別した場合は(S3305:No)、次に、現在が特別図柄変動中(特図変動中)であるかを判別し(S3307)、特図変動中であると判別した場合は(S3307:Yes)、保留連フラグ223oがオンに設定されているかを判別し(S3308)、保留連フラグ223oがオンに設定されていると判別した場合、即ち、時短状態が設定されてから1回目の特別図柄変動が当たり当選する特別図柄変動であって、且つ、既に、保留連演出にて報知された当たり当選に対応する特別図柄変動である場合に(S3308:Yes)、次の保留連を示唆する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S3309)、S3310の処理へ移行する。一方、S3307の処理において、現在が特図変動中では無いと判別した場合は(S3307:No)、S3308、及びS3309の処理をスキップしてS3310の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図325を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド処理(S3212)について説明する。図325は、この状態コマンド処理(S3212)を示したフローチャートである。この状態コマンド処理(S3212)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図323参照)の中で実行されるものであって、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される表示モードを異ならせて設定するための処理を実行するものである。以下、状態コマンド処理(S3212)の詳細を説明する。
状態コマンド処理(S3212)が実行されると、まず、今回受信した状態コマンドに含まれる現在の遊技状態を示すための情報を従遊技状態格納エリア223gに格納する(S3401)。そして、遊技状態が通常状態へと移行したかを判別し(S3402)、通常状態へと移行したと判別した場合は(S3402:Yes)、右打ちフラグ223rをオフに設定し(S3403)、時短情報更新エリア223hに記憶されている情報をクリアする(S3404)。具体的には、時短終了条件の成立有無を判別するための要素に関する情報(小当たり回数、特別図柄変動回数、第2特別図柄変動回数)をクリアする。このように構成することで、通常状態が設定されたにも関わらず、時短情報更新エリア223hに格納されている情報に基づく演出が実行されてしまい、遊技者に違和感のある演出が実行されてしまうことを抑制することができる。その後、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)があるかを判別し(S3405)、特図2保留があると判別した場合は(S3405:Yes)、引き戻し中を示す表示用コマンドを設定し(S3410)、本処理を終了する。S3410の処理にて設定される表示用コマンドによって、現在が引き戻し中であることを示す表示態様(図281(b)参照)が第3図柄表示装置81の表示画面に表示される。一方、S3405の処理において、特図2保留が無いと判別した場合、即ち、特図2保留を獲得していない状態で通常状態が設定されたと判別した場合は(S3405:No)、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値を0にクリアし(S3407)、通常状態(通常中)を示す表示用コマンドを設定し(S3408)、左打ちを案内する表示用コマンドを設定し(S3409)、本処理を終了する。つまり、本制御例では、遊技者に有利な遊技状態であるラッシュ期間の継続期間を、時短状態が設定されている間だけでは無く、特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が実行される通常状態中も継続して計測するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、設定されている遊技状態に関わらず、遊技者に有利な遊技期間であることを分かり易く報知することができる。また、S3402の処理において、遊技状態が通常状態へと移行していないと判別した場合は(S3402)、次に、時短状態へと移行したかを判別し(S3411)、時短状態へと移行したと判別した場合は(SW有効時間カウンタ223qの値3411:Yes)、受信した状態コマンドに含まれる時短情報を時短情報更新エリア223hに格納し(S3412)、ラッシュ中を示す表示用コマンドを設定し(S3413)、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値に1をセットし(S3414)、本処理を終了する。また、S3411の処理において、時短状態へと移行していないと判別した場合は(S3411:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図326を参照して、当たり関連処理(S3214)の処理内容について説明をする。図326は、当たり関連処理(S3214)の処理内容を示したフローチャートである。この当たり関連処理(S3214)では、大当たり遊技或いは小当たり遊技に関するコマンドを受信した場合に実行される処理であって、各当たり遊技中に実行される演出(当たり遊技演出)の演出態様を決定するための処理が実行される。当たり関連処理(S3214)が実行されると、まず、大当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S3501)、大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S3501:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S3502)、本処理を終了する。一方、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S3501:No)、次に、大当たり関連コマンド(オープニングコマンド、インターバルコマンド、エンディングコマンド等)を受信したかを判別し(S3503)、大当たり関連コマンドを受信したと判別した場合は(S3503:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S3504)、その後、本処理を終了する。S3503の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S3503:No)、次に、小当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S3505)、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S3505:Yes)、表示用小当たり開始コマンドを設定し(S3506)、本処理を終了する。S3505の処理において、小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S3505:No)、次に、小当たり関連コマンド(小当たり開始コマンド、小当たり終了コマンド、V通過コマンド等)を受信したかを判別し(S3507)、小当たり関連コマンドを受信したと判別した場合は(S3507:Yes)、小当たり関連処理を実行し(S3508)、本処理を終了する。また、S3507の処理において、小当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S3507:No)、そのまま本処理を終了する。なお、小当たり関連処理(S3508)の詳細な内容については、図333を参照して後述する。
次に、図327を参照して、大当たり関連処理(S3504)の処理内容について説明をする。図327は、大当たり関連処理(S3504)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり関連処理(S3504)では、通常状態における第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(初回大当たり遊技)と、それ以外の大当たり遊技とで異なる大当たり演出の演出態様を決定するための処理が実行される。大当たり関連処理(S3504)が実行されると、まず、今回実行される大当たり遊技が、通常状態における第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(初回大当たり遊技)であるかを判別し(S3601)、初回大当たり遊技であると判別した場合は(S3601:Yes)、初回大当たり関連処理を実行し(S3602)、S3614の処理へ移行する。また、S3601の処理において初回大当たり遊技では無いと判別した場合は(S3601:No)、次に、オープニングコマンドを受信したかを判別し(S3603)、オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S3603:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定し(S3604)、S3614の処理へ移行する。S3603の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S3603:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S3605)、受信したと判別した場合は(S3605:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S3606)、表示用ラウンド数コマンドを設定し(S3607)、ラウンド数カウンタ223pの値を1加算し(S3608)、ラウンド中演出処理を実行し(S3609)、S3614の処理へ移行する。
一方、S3605の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S3605:No)、次いで、エンディングコマンドを受信したかを判別し(S3610)、受信したと判別した場合は(S3610:Yes)、保留連フラグ223oがオンに設定されているかを判別し(S3611)、オンに設定されていないと判別した場合は(S3611:No)、ラウンド数カウンタの値をクリアし(S3612)、表示用エンディングコマンドを設定し(S3613)、S3614の処理へ移行する。また、S3611の処理において保留連フラグ223oがオンに設定されていると判別した場合は(S3611:Yes)、S3612の処理をスキップして、S3613の処理へ移行する。つまり、保留連フラグ223oがオンに設定されている場合は、大当たり遊技が終了した場合に、大当たり遊技のラウンド数を累積するラウンド数カウンタの値がクリアされることが無い。よって、保留連演出が実行された後、2回目の大当たり遊技(保留連演出の対象となる大当たり遊技)が実行された場合には、大当たり遊技のラウンド数を示す表示が、前回の大当たり遊技のラウンド数を引き継いで表示されることになる。このように構成することで、保留連演出が実行された場合には、複数回の大当たり遊技を跨いで一連の演出を実行し易くなるため、一体感のある演出を提供し易くすることができる。また、保留連演出が連続して実行された場合には、大当たり遊技のラウンド数を表示するための表示態様が、大きなラウンド数に対応する表示態様となり、例えば、1回の大当たり遊技にて実行可能なラウンド数を超えたラウンド数に対応する表示態様を表示させることが可能となる。このように構成することで、より多くのラウンド数を表示させようと、遊技者に対して保留連演出が連続して実行されることを目指して、特図2保留を獲得した状態で大当たり遊技が実行されることを目指した右打ち遊技を行わせ易くすることができる。一方、S3610の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S3610:No)、その他コマンドに応じた処理を実行し(S3614)、その後、本処理を終了する。
次に、図328を参照して、大当たり関連処理(図327のS3504参照)にて実行されるラウンド中演出処理(S3609)の処理内容について説明をする。図328は、ラウンド中演出処理(S3609)の処理内容を示したフローチャートである。このラウンド中演出処理(S3609)では、初回大当たり遊技以外、即ち、時短状態を含むラッシュ期間中に実行される大当たり遊技における大当たり演出のうち、ラウンド遊技中に実行される演出態様(保留連演出の演出態様)を決定するための処理が実行される。ラウンド中演出処理(S3609)が実行されると、まず、今回受信したラウンド数コマンドが大当たり遊技の最終ラウンドを示すコマンドであるかを判別し(S3701)、最終ラウンドを示すコマンドでは無いと判別した場合は(S3701:No)、受信したラウンド数に対応する演出態様を決定するためのその他のコマンドに応じた処理を実行し(S3708)、本処理を終了する。S3701の処理において、最終ラウンドを示すコマンドであると判別した場合は(S3701:Yes)、次に、入賞情報格納エリア223aに格納されている特図2保留の入賞情報を読み出し(S3702)、読み出した入賞情報の中に当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)する入賞情報(当たり保留)が含まれているかを判別する(S3703)。S3703の処理において、当たり保留が含まれていると判別した場合には(S3703:Yes)、保留連フラグ223oがオンに設定されているかを判別し(S3704)、オンに設定されていると判別した場合は(S3704:Yes)、保留連することを示すための演出態様(保留連演出)を決定し(S3705)、S3708の処理へ移行する。そして、1の演出であるラウンド中演出が終了した後には、インターバル演出、またはエンディング演出が実行される。
また、S3704の処理において、保留連フラグ223oがオンに設定されていないと判別した場合は(S3704:No)、保留連演出の実行有無を抽選で決定し(S3706)、保留連演出の実行を決定した場合には(S3707:Yes)、保留連フラグ223oをオンに設定し(S3709)、S3705へ移行する。S3707の処理において、保留連演出が実行されないと判別した場合は(S3707:No)、保留連演出に関する処理をスキップしてS3708の処理へ移行する。一方、S3703の処理において、当たり保留が含まれていないと判別した場合は(S3703:No)、保留連フラグ223oがオンに設定されているかを判別し(S3710)、オンに設定されていると判別した場合は(S3710:Yes)、保留連フラグ223oをオフに設定し(S3712)、S3708の処理へ移行する。また、S3710の処理において保留連フラグ223oがオンに設定されていないと判別した場合は(S3710:No)、S3712の処理をスキップしてS3708の処理へ移行する。次に、図329を参照して、大当たり関連処理(図327のS3504参照)にて実行される初回大当たり関連処理(S3602)の処理内容について説明をする。図329は、初回大当たり関連処理(S3602)の処理内容を示したフローチャートである。この初回大当たり関連処理(S3602)では、初回大当たり遊技における大当たり演出の各種演出態様(討伐演出の演出態様)を決定するための処理が実行される。
初回大当たり関連処理(S3602)が実行されると、まず、オープニングコマンドを受信したかを判別し(S3801)、オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S3801:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定し(S3802)、次いで、討伐演出態様決定処理を実行し(S3803)、S3812の処理を実行し、本処理を終了する。S3801の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S3801:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S3804)、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S3804:Yes)、受信したコマンドからラウンド数を抽出し(S3805)、表示用ラウンド数コマンドを設定し(S3806)、初回大当たりラウンド中演出処理を実行し(S3807)、S3812へと移行する。S3804の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S3804:No)、次に、インターバルコマンドを受信したかを判別し(S3808)、受信したと判別した場合は(S3808:Yes)、初回インターバル中演出処理を実行し(S3809)、S3812へ移行する。また、S3808の処理において、インターバルコマンドを受信していないと判別した場合は(S3808:No)、エンディングコマンドを受信したかを判別し(S3810)、受信したと判別した場合は(S3810:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S3811)、S3812の処理へ移行し、S3810の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S3812:No)、S3812へ移行する。次に、図330を参照して、討伐演出態様決定処理(S3803)の処理内容について説明をする。図330は、討伐演出態様決定処理(S3803)の処理内容を示したフローチャートである。この討伐演出態様決定処理(S3803)では、初回大当たり遊技中に実行される討伐演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
討伐演出態様決定処理(S3803)が実行されると、まず、今回設定された大当たり種別と、第1演出カウンタ223f1の値と、に基づいて、討伐数選択テーブル222bを参照して、敵総数を決定し(S3901)、決定した敵総数に対応する値を、残討伐数カウンタ223jにセットする(S3902)。その後、今回決定された敵総数(残討伐数カウンタ223jにセットされた値)が「777」であるかを判別し(S3903)、777体であると判別した場合は(S3903:Yes)、特定数表示済フラグ223kをオンに設定し(S3905)、特殊討伐演出シナリオを討伐演出態様選択テーブル222cから決定し(S3906)、討伐回数カウンタ223iの値に「5」をセットし(S3907)、本処理を終了する。一方、S3903の処理において、敵総数が「777」では無い(「1000」、又は「500」である)と判別した場合は(S3903:No)、決定した敵総数と、大当たり種別と、取得した第2演出カウンタ223f2の値とに基づいて、討伐演出態様選択テーブル222cを参照して討伐演出シナリオを決定し(S3904)、S3907の処理へ移行する。なお、S3904、及びS3906の処理において決定された演出シナリオは、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223のその他メモリエリア223zが有する記憶領域に一時的に記憶され、今回実行される討伐演出が終了するまで、読み出し可能に構成している。次に、図331を参照して、初回大当たりラウンド中演出処理(S3807)の処理内容について説明をする。図331は、初回大当たりラウンド中演出処理(S3807)の処理内容を示したフローチャートである。この初回大当たりラウンド中演出処理(S3807)では、討伐演出が実行される初回大当たり遊技のラウンド遊技中に実行される攻撃演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
初回大当たりラウンド中演出処理(S3807)が実行されるとまず、今回受信したラウンド数コマンドが1ラウンド目を示すコマンドであるかを判別し(S4001)、1ラウンド目を示すコマンドであると判別した場合は(S4001:Yes)、残討伐数カウンタ223jの値に対応する敵総数を示すための表示用コマンドを設定し(S4002)、次いで、特定数表示済フラグ223kがオンに設定されているかを判別し(S4003)、オンに設定されていないと判別した場合は(S4003:No)、決定した討伐演出シナリオを参照して特定した強攻撃演出の発生タイミングと、討伐回数カウンタ223iの値とに基づいて、ボタンアイコンの表示態様を決定し(S4005)、決定したボタンアイコンの表示態様を示すための表示用コマンドを設定し(S4006)、本処理を終了する。一方、S4003の処理において、特定数表示済フラグ223kがオンに設定されていると判別した場合は(S4003:Yes)、討伐回数カウンタ223iの値に基づいて、特殊表示態様で表示されるボタンアイコンの個数を決定し(S4004)、決定したボタンアイコンの表示態様を示すための表示用コマンドを設定し(S4006)、本処理を終了する。つまり、特定数表示済フラグ223kがオンに設定されている場合には、既に、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることが遊技者に報知されているため、ボタンアイコンの表示態様を用いて、討伐演出の演出内容を示唆すること無く、遊技者に対して、時短状態が設定されることを報知するための特殊表示態様が決定される。このように構成することで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を示唆するための複数の演出の演出態様に矛盾が生じてしまうことを抑制することができ、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
S4001の処理において、1ラウンド目を示すコマンドでは無いと判別した場合は(S4001:No)、次に、2~6ラウンド目を示すラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S4007)、2~6ラウンド目を示すラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S4007:Yes)、次に、討伐回数カウンタ223iの値が0よりも大きいかを判別し(S4008)、0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S4008:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4008の処理において、0よりも大きいと判別した場合は(S4008:Yes)、討伐回数カウンタ223iの値を1減算し(S4009)、決定されている討伐演出シナリオの内容に基づいて攻撃演出の演出態様を決定し(S4010)、決定した演出態様に対応する操作有効時間をSW有効時間カウンタ223qにセットし(S4011)、決定した演出態様に対応する表示用コマンドを設定し(S4012)、本処理を終了する。また、S4007の処理において、2~6ラウンド目を示すラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4007:No)、その他のコマンドに応じた処理(S4013)を実行し、本処理を終了する。次に、図332を参照して、初回インターバル中演出処理(S3809)の処理内容について説明をする。図332は、初回インターバル中演出処理(S3809)の処理内容を示したフローチャートである。この初回インターバル中演出処理(S3809)では、討伐演出が実行される大当たり遊技中において、インターバル期間が設定された場合に、前回のラウンド遊技中に実行された攻撃演出の演出結果に応じた演出態様を設定するための処理が実行される。
初回インターバル中演出処理(S3809)が実行されると、まず、残討伐数カウンタ223jの値を読み出し(S4101)、設定されている討伐演出シナリオの内容と一致する(決定値と同一である)かを判別し(S4102)、同一であると判別した場合は(S4102:Yes)、討伐演出中の通常インターバル演出態様を決定し(S4103)、決定した各演出態様に対応した表示用コマンドを設定し(S4111)、本処理を終了する。つまり、S4103の処理によってインターバル演出態様が決定された場合には、追加攻撃演出が実行されることが無い。S4102の処理において、同一では無いと判別した場合は(S4102:No)、次に、追加減少値選択テーブル222dを参照して追加減少値を決定し(S4104)、決定された追加減少値が特定減少値(特定数)であるかを判別し(S4105)、特定減少値では無いと判別した場合は(S4105:No)、追加減少値に対応した敵の総数となるインターバル演出態様(追加攻撃演出態様)を決定し(S4106)、残討伐数カウンタ223jの値を、追加減少値に対応した値へと更新し(S4107)、S4111の処理へ移行する。
また、S4105の処理において、特定減少値であると判別した場合は(S4105:Yes)、特定数表示済フラグ223kをオンに設定し(S4108)、特殊討伐演出シナリオへの書き換えを決定し(S4109)、特殊討伐演出シナリオに対応する演出態様を決定し(S4110)、S4111の処理へ移行する。次に、図333を参照して小当たり関連処理(S3508)の処理内容について説明をする。図333は、小当たり関連処理(S3508)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり関連処理(S3508)は、小当たり遊技中に実行される処理であって、小当たり遊技が開始されたタイミング(S4201:Yes)にて表示用小当たり開始コマンドを設定し(S4202)、右打ちフラグ223rがオンに設定されていない場合には(S4203:No)、右打ちフラグ223rをオンに設定し(S4204)、右打ち遊技を案内する表示用コマンドを設定する処理(S4205)を実行する。また、小当たり遊技の終了タイミングにおいて、小当たり注意フラグ(小当たり遊技中にV入賞していないことを示すフラグ)がオンに設定されていると判別した場合(S4207:Yes)には、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されないことを示す(パンクしたことを示す)表示用小当たり終了コマンドを設定したり(S4210)、小当たり注意フラグがオンでは無いと判別した場合(S4207:No)には、大当たり遊技が開始されることを示すための表示用小当たり終了コマンドを設定したりする(S4208)。さらに、小当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合において(S4211:Yes)、V通過コマンドを受信したタイミングが小当たり開始してから4秒以降であるかを判別し(S4212)、4秒経過している場合には(S4212:Yes)、V入賞したことを遊技者に報知するための表示用V演出コマンドを設定し(S4214)、小当たり注意フラグに関する処理を実行する。また、V通過コマンドを受信したタイミングが小当たり開始してから4秒以内である場合、即ち、小当たり遊技における初回の案内報知が完了していない状態であると判別した場合は(S4212:No)、表示用V演出コマンドを設定すること無く、V入賞済フラグ223sをオンに設定し(S4213)、本処理を終了する。このように構成することで、小当たり遊技中において、遊技球がV入賞したタイミングに応じて、V入賞したことを遊技者に報知するV演出の実行タイミングを異ならせることができる。
次に、図334を参照して変動表示設定処理(S3114)の処理内容について説明をする。図334は、変動表示設定処理(S3114)の処理内容を示したフローチャートである。図334に示した通り、変動表示設定処理(S3114)は、上述した第1制御例における変動表示設定処理(図66のS4113参照)と同一の処理を実行するため、その詳細な説明を省略する。次に、図335を参照して、変動演出設定処理(S4304)の処理内容について説明をする。図335は、変動演出設定処理(S4304)の処理内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理(S4304)は、変動表示設定処理(図334のS3114参照)にて実行される処理であって、特別図柄変動に対応する第3図柄の変動演出の演出態様を決定するための処理が実行される。変動演出設定処理(S4304)が実行されると、まず、従遊技状態格納エリア223gから現在の遊技状態を読み出し(S4401)、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(S4402)、通常状態であると判別した場合は(S4402:Yes)、実行される特別図柄変動が第2特別図柄変動(特図2変動)であるかを判別し(S4403)、特図2変動であると判別した場合は(S4403:Yes)、当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて引き戻しモード用(引き戻し演出用)の演出態様を決定し(S4409)、本処理を終了する。
S4403の処理において、特図2変動では無い(第1特別図柄変動である)と判別した場合は(S4403:No)、演出固定フラグ223tがオンに設定されているかを判別し(S4404)、オンに設定されていると判別した場合は(S4404:Yes)当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S4405)、本処理を終了する。一方、S4404の処理において、演出固定フラグ223tがオンに設定されていない、即ち、ステージ移行を変更可能な状態であると判別した場合は(S4404:No)、演出ステージデータテーブル222eを参照して移行条件成立の有無を特定し(S4406)、その後、ステージ移行条件が成立したかを判別し(S4407)、成立したと判別した場合は(S4407:Yes)、ステージ移行を行うための演出態様を決定し(S4408)、S4405の処理へ移行し、S4407の処理においてステージ移行の移行条件が成立していないと判別した場合は(S4407:No)、S4408の処理をスキップしてS4405の処理へ移行する。また、S4402の処理において、現在の遊技状態が通常状態では無い(時短状態である)と判別した場合は(S4402:No)、時短状態中における変動演出の演出態様を決定するための時短用演出設定処理(S4410)を実行し、本処理を終了する。ここで、図336を参照して、時短用演出設定処理(S4410)の処理内容について説明をする。図336は、時短用演出設定処理(S4410)の処理内容を示したフローチャートである。この時短用演出設定処理(S4410)では、時短状態中における変動演出の演出態様を決定するための処理と、時短状態中に実行される特図2変動に対応する変動演出のうち、時短最終変動に対して特図2保留の獲得を促すための表示態様を設定するための処理が実行される。時短用演出設定処理(S4410)が実行されると、まず、今回の特図変動が特図2(特図2変動)であるかを判別し(S4501)、特図2変動であると判別した場合は(S4501:Yes)、次に、時短最終変動であるかを判別し(S4502)、時短最終変動であると判別した場合は(S4502:Yes)、次に、抽選結果が外れであるかを判別する(S4503)。
S4503の処理において、抽選結果が外れであると判別した場合(S4503:Yes)、即ち、今回の特別図柄変動が、時短状態中における最終特図2外れ変動である場合には、特図2保留の獲得を促すための表示用コマンドを設定し(S4504)、当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S4505)、本処理を終了する。また、S4501:No,S4502:No、或いはS4503:Noの処理を実行した場合には、特図2保留の獲得を促すための表示用コマンドを設定する条件を満たしていないため、そのままS4505の処理へ移行する。次に、図337を参照して、演出更新処理(S3112)の処理内容について説明をする。図337は、演出更新処理(S3112)の処理内容を示したフローチャートである。この、演出更新処理(S3112)は、定期的(2ミリ秒)に実行される処理であって、変動演出における各種カウンタの値を更新するための処理や、更新後の各種カウンタの値に基づいて演出態様を決定するための処理が実行される。演出更新処理(S3112)が実行されると、まず、現在が小当たり遊技中であるかを判別し(S4601)、小当たり遊技中であると判別した場合は(S4601:Yes)、小当たり遊技中更新処理を実行し(S4602)、S4603の処理へ移行する。一方で、S4602の処理において、小当たり遊技中では無いと判別した場合は(S4601:No)、次に、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値が1よりも大きいか、即ち、現在がラッシュ状態中であるかを判別し(S4603)、1よりも大きいと判別した場合は(S4603:Yes)、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新し(S4604)、更新後のラッシュ期間計測カウンタ223mの値に対応するラッシュ期間を示すための表示用コマンドを設定し(S4605)、S4606の処理へ移行する。
S4606の処理では、SW有効時間カウンタ223qの値が1よりも大きいか、即ち、現在が操作有効期間(SW有効時間)中であるかを判別し(S4606)、1よりも大きいと判別した場合は(S4606:Yes)、SW有効時間カウンタ223qの値を更新し(S4607)、更新後のSW有効時間カウンタ223qの値に対応する期間を示すための表示用コマンドを設定し(S4608)、S4609の処理へ移行する。S4606の処理において、SW有効時間カウンタ223qの値が1よりも大きく無いと判別した場合(S4606:No)、或いは、S4608の処理を終えた場合は、その他演出更新処理を実行し(S4609)、本処理を終了する。ここで、S4609の処理では、図337にて図示していない様々なカウンタの値を更新するための処理が実行され、その更新結果に応じた演出態様が決定される。次に、図338を参照して、演出更新処理(図337のS3112参照)にて実行される小当たり遊技中更新処理(S4602)の処理内容について説明をする。図338は、小当たり遊技中更新処理(S4602)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり遊技中更新処理(S4602)では、小当たり遊技中における時間経過に基づいて表示される表示態様の表示を設定するための処理が実行される。小当たり遊技中更新処理(S4602)が実行されると、まず、現在が、小当たり遊技が開始してから4秒が経過したタイミングであるかを判別する(S4701)。つまり、S4701の処理では、小当たり遊技中に実行される初回遊技案内報知の報知期間が終了したかを判別する。S4701の処理において、4秒が経過したタイミングであると判別した場合には(S4701:Yes)、次いで、V入賞済フラグ223sがオンに設定されているかを判別し(S4702)、オンに設定されていると判別した場合は(S4702:Yes)、表示用V演出コマンドを設定し(S4703)、V入賞済フラグ223sをオフに設定し(S4704)、本処理を終了する。
つまり、S4703の処理では、初回遊技案内報知の報知期間中に遊技球が特定領域(Vゲート)へと入球したことで、遊技者に対してV演出の実行を待機させている状態において、V演出の実行条件が成立したことに基づいてV演出を実行させるための処理が実行される。このように構成することで、初回遊技案内報知の報知期間が経過した後に、直ぐに、V演出を実行させることができる。一方、S4701の処理において、4秒が経過したタイミングでは無いと判別した場合は(S4701:No)、次に、小当たり注意フラグがオンに設定されているかを判別し(S4705)、オンに設定されていないと判別した場合は(S4705:No)、次いで、当たり遊技開始から5秒が経過したか(小当たり遊技におけるラウンド遊技が開始してから5秒が経過したか)を判別し(S4706)、5秒が経過したと判別した場合は(S4706:Yes)、V通過しているか(既に、遊技球が特定領域へと入球済であるか)を判別し(S4707)、V通過していないと判別した場合は(S4707:No)、小当たり注意フラグをオンに設定し(S4708)、V入賞させることを促すための表示用注意喚起コマンドを設定し(S4709)、本処理を終了する。また、S4705の処理において小当たり注意フラグがオンに設定されていると判別した場合(S4705:Yes)、S4706の処理において、5秒が経過していないと判別した場合(S4706:No)、S4707の処理において、V通過あり(既に、遊技球が特定領域へと入球済である)と判別した場合(S4707:Yes)は、そのまま本処理を終了する。
次に、図339を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)について説明する。図339は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)では、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理の中で実行され、第3図柄表示装置81において演出効果を高めるために遊技者の操作に応じた演出を実行させるために、枠ボタン22や選択ボタン600の操作に基づいて表示用コマンドを生成し設定するための処理が実行される。枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)が実行されると、まず、音量調整ボタン(上ボタン600b、又は、下ボタン600d)又は、光量調整ボタン(右ボタン600c、又は、左ボタン600e)への操作があったか判別する(S4801)。操作があったと判別した場合には(S4801:Yes)、現在が待機状態中(デモ画面表示中)であるかを判別し(S4802)、待機状態中であると判別した場合は(S4802:Yes)、遊技環境格納エリア223uに各応されている環境情報をボタン操作内容に対応させて更新し(S4803)、更新後の環境情報に対応する態様を決定し(S4804)、決定した態様に対応する表示用コマンドを設定し(S4816)、本処理を終了する。一方、S4802の処理において、待機状態では無いと判別した場合は(S4802:No)、次に、モード選択状態であるかを判別し(S4805)、モード選択状態であると判別した場合は(S4805:Yes)、ボタン操作内容に対応させて選択カーソルの表示位置を決定し(S4806)、S4816の処理へ移行する。このS4806の処理によって、図287(b)を参照して上述したモード選択状態である演出モード選択画面にて矢印ya1の位置が切り替わる。S4805の処理において、モード選択状態では無いと判別した場合(S4805:No)は、そのままS4816の処理へ移行する。
また、S4801の処理において、音量調整ボタン(上ボタン600b、又は、下ボタン600d)又は、光量調整ボタン(右ボタン600c、又は、左ボタン600e)への操作が無かったと判別した場合は(S4801:No)、次に、決定ボタン600aの操作があったかを判別し(S4807)、操作があったと判別した場合は(S4807:Yes)、現在が待機状態中(デモ画面表示中)であるかを判別し(S4808)、待機状態中であると判別した場合は(S4808:Yes)、モード選択状態の表示を決定し(S4809)、S4816の処理へ移行する。一方、S4808の処理において、待機状態では無いと判別した場合は(S4808:No)、次に、モード選択状態であるかを判別し(S4810)、モード選択状態であると判別した場合は(S4810:Yes)、選択中の演出モードを遊技環境格納エリア223uに格納し(S4811)、次いで、選択された演出モードが固定モードであるかを判別し(S4812)、固定モードであると判別した場合は(S4812:Yes)、固定モード設定処理を実行し(S4813)、S4816の処理へ移行する。S4812の処理において、固定モードでは無いと判別した場合は(S4812:No)、演出固定フラグ223tをオフに設定し(S4814)、S4816の処理へ移行する。また、S4807の処理において、決定ボタン600aの操作が無いと判別した場合は(S4807:No)、次に、演出ボタン操作処理を実行し(S4815)、その後、S4816の処理へ移行する。
ここで、図340を参照して、固定モード設定処理(S4813)の処理内容について説明をする。図340は、固定モード設定処理(S4813)の処理内容を示したフローチャートである。この固定モード設定処理(S4813)は、固定モードが選択された場合における処理が実行されるものである。本第7制御例では、固定モードを遊技者が任意に選択可能に構成しており、この固定モードが設定された場合には、ステージ変更演出が実行されないように構成している。しかしながら、後で実行される特別図柄抽選の結果を示唆するための先読み演出の演出態様として、ステージ変更演出を含む演出態様が設定される場合がある。この場合、ステージ変更演出を含む演出態様の先読み演出が実行されている状態で、固定モードが選択された場合に、固定モードが設定されているにも関わらず、ステージ変更演出が実行されてしまうという問題があった。また、特別図柄変動回数が所定回数(例えば50回)に到達することでステージ変更演出が実行される他の演出モードが選択されている状態で、特別1保留を獲得している場合には、ステージ変更演出が実行された後に特別図柄抽選が実行される特図1保留に対して、ステージ変更演出を伴った先読み演出が設定される場合があり、この場合においても、ステージ変更演出を含む演出態様の先読み演出が実行されている状態で、固定モードが選択された場合に、固定モードが設定されているにも関わらず、ステージ変更演出が実行されてしまうという問題があった。これに対して、本第7制御例では、ステージ変更演出が待機している状態において固定モードが選択された場合において、ステージ変更演出の実行有無、及び、ステージ変更演出の演出態様を可変設定可能に構成している。具体的には、固定モード設定処理(S4813)が実行されると、まず、ステージ変更待機中であるかを判別し(S4901)、ステージ変更待機中では無いと判別した場合は(S4901:No)、ステージ変更演出が実行されることが決定済の状態では無いため、演出固定フラグ223tをオンに設定し(S4902)、本処理を終了する。
S4901の処理において、ステージ変更待機中であると判別した場合は(S4901:Yes)、次に、先読み演出中(先読み演出に基づくステージ変更待機中)であるかを判別し(S4903)、先読み演出中であると判別した場合は(S4903:Yes)、次変動の特別図柄抽選結果(先読み対象となる特別図柄抽選の結果)を事前判別し(S4904)、ステージ変更演出が実行されることを示唆するためのステージ変更示唆演出(図288(a)参照)を実行し(S4905)、次に、当たり当選しているかを判別し(S4906)、当たり当選していると判別した場合は(S4906:Yes)、ステージ変更態様をそのまま決定し(S4909)、S4902の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S4903の処理において、現在が先読み演出中では無い、即ち、特別図柄変動回数に基づいて実行されるステージ変動演出の待機中であると判別した場合は(S4903:No)、ステージ変更演出に関する演出情報をクリアし(S4907)、代わりにステージ変更が実行されない演出態様を決定し(S4908)、S4902の処理へ移行する。このように構成することで、固定モードが設定された後に、特別図柄抽選の結果を事前に示唆するための先読み演出では無く、賑やかし用の演出として実行されるステージ変更演出が実行されてしまうことを抑制することができるため、遊技者の所望する演出を提供し易くすることができる。また、S4906の処理において、当たり当選していないと判別した場合、即ち、事前判別結果(先読み結果)に基づく先読み演出として、ステージ変更演出が決定されている状態であって、その先読み演出の対象となる特別図柄抽選の結果(事前判別結果)が、外れである場合(S4906:No)は、上述したS4907,S4908の処理を実行し、その後、S4902の処理を実行し、本処理を終了する。
つまり、先読み演出としてステージ変更演出が決定されている場合であっても、その先読み演出の演出結果(対象となる特別図柄抽選の抽選結果)が、外れである場合には、ステージ変更演出が実行されないように新たな演出態様を決定するように構成している。このように構成することで、固定モードを任意に選択した遊技者に対して、ステージ変更演出が実行されることにより遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。以上、説明をした通り、本第7制御例では、遊技者が固定モードを選択した時点で、後に実行される演出(先読み演出)の演出態様としてステージ変更演出が決定されている場合であっても、そのステージ変更演出が実行される先読み演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果である場合以外は、ステージ変更演出が実行されないように、追加で演出態様を決定する処理を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者が任意に固定モードを選択した後に、ステージ変更演出が実行される場合、即ち、遊技者が選択したモード種別とは矛盾する演出が実行された場合には、遊技者に対して特典を付与することが出来るため、遊技者に対して、所望しない演出が実行されたことにもとづいて遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。次に、図341を参照して、演出ボタン操作処理(S4815)の処理内容について説明をする。図341は、演出ボタン操作処理(S4815)の処理内容を示したフローチャートである。この演出ボタン操作処理(S4815)では、演出ボタン22aが押下された時点における遊技内容を判別し、実行中の遊技内容に応じた演出態様を決定するための処理が実行される。演出ボタン操作処理(S4815)が実行されると、まず、現在が演出用SW有効期間中、即ち、演出ボタン22aへの押下操作を有効に判別可能な期間であるかを判別し(S5001)、演出用SW有効期間であると判別した場合は(S5001:Yes)、次いで、現在が引き戻し演出中であるかを判別し(S5002)、引き戻し演出中であると判別した場合は(S5002:Yes)、引き戻し演出の演出結果として決定されている演出結果を示すための演出態様を決定し(S5003)、S5008の処理へ移行する。
一方、S5002の処理において、引き戻し演出中では無いと判別した場合は(S5002:No)、次に、討伐演出中であるかを判別し(S5004)、討伐演出中であると判別した場合は(S5004:Yes)、決定値を上限に、今回の敵減少数を抽選で決定し(S5005)、決定した敵減少数に対応する演出態様を決定し(S5006)、決定された敵減少数に対応させて残討伐数カウンタの値を更新し(S5007)、S5008の処理へ移行する。また、S5001の処理において、演出用SW有効期間では無いと判別した場合(S5001:No)、或いは、S5004の処理において、討伐演出中ではないと判別した場合は(S5004:No)、S5008の処理へ移行する。S5008の処理では、演出ボタン22aを押下した場合に実行される各種演出態様を決定し、本処理を終了する。S5005~S5007の処理を実行することにより、攻撃演出中に演出ボタン22aを押下した場合の敵減少数が決定される。ここで、S5005の処理にて決定される敵減少数には禁則処理が実行されるように構成しており、通常大当たり遊技中に実行される攻撃演出中は、残敵数が特定数に該当する値となってしまう敵減少数が決定されないように禁則処理が実行される。このように構成することで、通常大当たり遊技中に実行される攻撃演出の演出結果として特定数が表示されてしまうことを抑制することができる。
<第8制御例>
次に、図342から図375を参照して、第8制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第7制御例におけるパチンコ機10では、遊技状態として、第2特別図柄の抽選が実行され難い普通図柄の低確率状態に設定される通常状態と、第2特別図柄の抽選が実行され易い普通図柄の高確率状態に設定される時短状態と、の2種類の遊技状態を設ける構成とし、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選の方が極めて有利度合いが高くなるように構成することにより、時短状態を遊技者に有利な遊技状態とし、通常状態を遊技者に不利な遊技状態として構成していた。より具体的には、第1特別図柄の抽選においては、約1/300の確率で大当たりに当選し、1/65536の確率で実質的に大当たりが確定する小当たりに当選する一方で、第2特別図柄の抽選においては、約1/300の確率で大当たりに当選し、約1/2の確率で実質的に大当たりが確定する小当たりに当選する構成としている。つまり、第1特別図柄の抽選では実質的な大当たり確率が約1/300であるのに対し、第2特別図柄の抽選では約1/2となるように構成していた。更に、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、大当たり終了後の遊技状態が40%の割合で不利な通常状態に設定される一方で、第2特別図柄の抽選で直接大当たりに当選した場合、および小当たりとなって特定領域(Vゲート)650e3への遊技球の入球を検出して大当たり当選した場合は、いずれも100%の割合で、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に有利な時短状態が設定される構成としていた。これらによって、上述した第7制御例におけるパチンコ機10では、不利な通常状態と有利な時短状態とで遊技性を大きく異ならせ、メリハリのついた遊技性を実現可能に構成していた。
これに対して本第8制御例におけるパチンコ機10では、遊技者に不利な遊技状態としての通常状態と、遊技者に有利な遊技状態としての時短状態と、を設けている点では第7制御例と共通しているが、有利な時短状態として有利度合いが異なる複数を設ける構成としている点で相違している。具体的には、実質的な大当たり確率が高い第1時短状態と、実質的な大当たり確率が第1時短状態よりも低く、且つ、通常状態よりも高い(第1時短状態よりも有利度合いが低く、且つ、通常状態よりも有利度合いが高い)第2時短状態と、を形成可能に構成した。ここで、第1時短状態は、大当たり終了後の遊技状態として設定され得る遊技状態であり、第2時短状態は、上述した第2制御例等と同様に、特別図柄の抽選で時短図柄に当選した(大当たりを介さずに時短状態に移行させる抽選結果になった)場合に設定され得る遊技状態である。なお、詳細については後述するが、本第8制御例では、第2特別図柄の抽選が実行された場合に、100%の割合で、大当たり、または実質的に大当たりが確定する小当たりのどちらかに当選する構成としている代わりに、時短状態において第2特別図柄の抽選が1度も実行されずに時短状態の終了条件が成立し得るように構成した。より具体的には、時短状態を終了させる契機となる時短終了条件として、第1特別図柄変動(特図1変動)と、第2特別図柄変動(特図2変動)の合算の変動回数が規定回数(10回~1000回のいずれか)に到達した(規定回数目の特図変動が停止表示された)場合に成立する第1終了条件と、小当たり当選したことを示す特別図柄が停止表示された場合に成立する第2終了条件と、に加えて、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数(1回~1000回)に到達したことに基づいて成立する第3終了条件が設定されている。この第3終了条件の存在によって、有利な第1時短状態において右打ちを行い続けたとしても、第2特別図柄の抽選が1回も実行されることなく時短状態が終了される可能性がある。なお、本第8制御例では、通常状態、第1時短状態、および第2時短状態のいずれにおいても、普通図柄の抽選が実行された場合に100%の割合出普通図柄の当たりとなる構成とし、普通図柄の当たりとなった場合に電動役物640aに対して設定される変位パターンの選択割合を遊技状態毎に異ならせる構成としている。具体的には、通常状態では、有利な第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口640へと遊技球を入球させることが極めて困難(不可能)となる第1変位パターンが必ず設定され、第1時短状態では、20%の割合で第1変位パターンが設定されると共に80%の割合で第2入球口640へと容易に遊技球を入球させることが可能となる第2変位パターンが設定され、第2時短状態では、約97%の割合で第1変位パターンが設定されると共に約3%の割合で第2変位パターンが設定されるように構成している。このため、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に第2変位パターンが設定されると、実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選を実行させることができるので、普通図柄の抽選で第2変位パターンに対応する当たりに当選することが、実質的に大当たりに当選することと同義になるという極めて斬新な遊技性を実現することができる。
また、本第8制御例では、第1特別図柄の抽選契機となる第1入球口64へと入球する遊技球が、第1入球口64へ入球するよりも前に必ず通過する位置(第1入球口64の上方)に対して、普通図柄の抽選契機となる中央スルーゲート67cを配置する構成とし、更に、第1特別図柄の変動時間よりも、普通図柄の抽選が開始されてから当該普通図柄の抽選に基づく普通図柄の当たりが終了するまでの間の期間の方が短くなるように構成している。つまり、第1特別図柄の抽選が実行される場合に、毎回、普通図柄の抽選もほぼ同時に(第1特別図柄の抽選が実行される直前で)実行されるように構成している。加えて、右打ちを行った場合に遊技球が通過可能な位置にも普通図柄の抽選契機となる右スルーゲート67rを別で設ける構成としているが、左打ちにより発射された遊技球が中央スルーゲート67cを通過する割合と、右打ちにより発射された遊技球が右スルーゲート67rを通過する割合とが、略同一となるように構成している。これらにより、特に第2時短状態においては、右打ちにより普通図柄の抽選のみを実行させるよりも、左打ちにより普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とをほぼ同時に実行させる方が、第2時短状態の間に大当たりに当選する可能性が高くなる。即ち、第2時短状態において右打ちを行った場合、普通図柄の抽選で約3%の割合で当選する第2変位パターンの当たりに当選した場合にのみ大当たりとなる(実質的に大当たり確定の第2特別図柄の抽選を実行させることが可能となる)一方で、左打ちを行った場合は、普通図柄の抽選で第2変位パターンの当たりに当選することに加えて、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する可能性もあるため、第2時短状態において左打ちにより遊技を行わせることができる。そして、上述した通り、左打ちを行うと、中央スルーゲート67cを通過した遊技球が必ず第1入球口64へと入球し、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行されるので、第1特別図柄の抽選1回あたりの実質的な大当たり確率が高くなる(実質的に、第1特別図柄の大当たりとなる確率である約1/320と、第2変位パターンが設定される普通図柄の当たりとなる確率である約1/33との合算確率になる)という、極めて斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第8制御例におけるパチンコ機10が、上述した第7制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、パチンコ機10の遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第7制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第7制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図342を参照して、本第8制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の盤面構成について説明する。図342は、本第8制御例における遊技盤13の正面図である。図342に示した通り、本第8制御例における遊技盤13は、上述した第7制御例における遊技盤13の盤面構成(図265参照)に対して、第1入球口64の上方に普通図柄の抽選契機となる中央スルーゲート67cが配置されている点で相違している。これにより、左打ちにより発射されて第1入球口64へと入球する遊技球は、第1入球口64へと入球する直前に必ず中央スルーゲート67cを通過する。つまり、左打ちを行い続けた場合、第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とが略同時に実行され易くなっている。特に、第2時短状態においては、第1特別図柄の変動時間と普通図柄の抽選が開始されてから第1変位パターン(第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)となる電動役物640aの変位パターン)に対応する普通図柄の当たりが終了するまでの期間とが同一となるように制御されるため、第1特別図柄、および普通図柄の保留球が共に0個の状態で左打ちを行った場合、第1特別図柄の抽選が実行される毎に、普通図柄の抽選がほぼ同時に開始されるように構成することができる。
また、図342に示した通り、本第8制御例における遊技盤13では、上述した第7制御例における遊技盤13の盤面構成(図265参照)に対して、可変表示装置ユニット80の正面視右側の流路(右打ち用流路)の構成が変更となっている点でも相違している。より具体的には、図342に示した通り、第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口640が右打ち用流路において右スルーゲート67rよりも上流側に移動されていると共に、第2入球口640に対して、「V」という文字を模した装飾が施されている。第2入球口640を右打ち用流路における上流側に配置し、戻り球防止部材68から第2入球口640までの距離を比較的短くしたことにより、遊技球を第2入球口640へと入球させることが可能な第2変位パターンが設定される普通図柄の当たりに当選した場合に、右打ちを行ってから普通図柄の当たりに伴って突出状態(開放状態)に変位された電動役物640aへと到達するまでの時間を短くすることができる。よって、電動役物640aが突出状態(開放状態)に設定されている期間(開放期間)の間に遊技球を第2入球口640へとより確実に入球させることができるので、第1時短状態や第2時短状態において普通図柄の抽選で実質的に大当たりが確定する第2変位パターンに対応する普通図柄の当たりに当選したにもかかわらず、電動役物640aの開放期間の間に第2入球口640へと遊技球を入球させることができず、大当たりに当選する機会(実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選を実行させる機会)を失ってしまうという遊技者にとって極めて不利な事象の発生を抑制することができる。
なお、本第8制御例では、普通図柄の当たり遊技の実行中に第2入球口640へと1個の遊技球が入球したことに基づいて普通図柄の当たりが終了される構成としている。また、第2特別図柄の保留球数は、上述した第7制御例と同様に1個のみとする構成としている。このように構成することで、1回の第2変位パターンによる開放期間の間に複数の遊技球が第2入球口640へと入球することを抑制できる上に、たとえ複数の遊技球が入球したとしても、保留球が1個のみしか増加しないように構成することができる。よって、実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の保留球が一度に複数個獲得されてしまい、遊技者にとって過剰に有利となり過ぎてしまうことを抑制することができる。また、図342に示した通り、本第8制御例では、第7制御例におけるスルーゲート67に代えて、「GO」という文字を模した装飾が施された右スルーゲート67rが設けられている。また、右スルーゲート67rの正面視左側の遊技釘の配置も第7制御例における遊技盤13(図265参照)から変更となり、第7制御例における盤面構成に対して、右打ちにより発射された遊技球が右スルーゲート67rへと比較的入球し難くなるように構成されている。より具体的には、右打ちにより発射され、閉鎖状態(埋没状態)の電動役物640aの手前側を通過した遊技球は、遊技釘群YK1に衝突するか、遊技釘群YK2に衝突するか、遊技釘群YK1と遊技釘群YK2との間の隙間から下流側(右スルーゲート67rを通過し得ない方向)へと流下する。遊技釘群YK1へと衝突した遊技球が右スルーゲート67rを通過するためには、正面視右側へと跳ねて遊技釘群YK2へと衝突し、当該衝突による衝撃で正面視右側へと跳ねて遊技釘YK3へと衝突し、当該衝突による衝撃で正面視右側へと跳ねて遊技釘YK4へと衝突し、更に、当該衝突により正面視右側へと跳ねる必要がある。いずれかの遊技釘との衝突時に、飛距離が足りなかったか、または跳ね返る方向が正面視左側だった場合は、遊技釘群YK1と遊技釘群YK2との間の隙間や、遊技釘群YK2と遊技釘群YK3との間の隙間や、遊技釘YK3と遊技釘YK4との間の隙間から下流側へと流下してしまい、右スルーゲート67rを通過することが不可能となる。
また、最初に遊技釘群YK2へと衝突した遊技球についても同様に、正面視右側へと跳ねて遊技釘YK3へと衝突し、当該衝突による衝撃で正面視右側へと跳ねて遊技釘YK4へと衝突し、更に、当該衝突により正面視右側へと跳ねた場合に右スルーゲート67rを通過可能となり、遊技釘群YK2と遊技釘群YK3との間の隙間や、遊技釘YK3と遊技釘YK4との間の隙間から下流側へと流下した場合は右スルーゲート67rを通過不可能となる。この盤面構成としたことにより、右打ちにより発射された遊技球が右スルーゲート67rを通過する割合は、左打ちにより発射された遊技球が中央スルーゲート67を通過する割合と略同一(およそ遊技球10~15個発射する毎に1個通過する程度の割合)となる。
なお、本第8制御例では、左打ちと右打ちとで、スルーゲート(中央スルーゲート67cまたは右スルーゲート67r)を遊技球が通過する割合を略同一とする構成としたが、これに限られるものではない。例えば、右打ちにより発射された遊技球が右スルーゲート67rを通過する割合を、左打ちにより発射された遊技球が左スルーゲート67cを通過する割合よりも高くなる(例えば、右打ちにより2個の遊技球を発射する毎に1個の遊技球が右スルーゲート67r通過する割合となる)ように構成してもよい。このように構成した場合、第1時短状態や第2時短状態における遊技方法を遊技者に対して選択させる遊技性を実現することができる。つまり、時短状態において左打ちを行った場合、普通図柄の抽選を実行させる頻度は低くなる(左打ちにより遊技球を10~15個発射する毎に1回実行される程度の頻度となる)一方で、普通図柄の抽選が実行される毎に第1特別図柄の抽選が実行されるため、普通図柄の抽選で第2変位パターンに対応する普通図柄の当たりとなることだけでなく、第1特別図柄の抽選で大当たりとなることにも期待させることができる。一方で、時短状態において右打ちを行った場合、普通図柄の抽選を実行させる頻度が高くなる(右打ちにより遊技球を2個発射する毎に1回実行される程度の頻度となる)ため、時短状態における普通図柄の抽選効率を高くすることができる一方で、第1特別図柄の抽選が実行されないため、時短状態の間に大当たりに当選する可能性が低くなる遊技性を実現することができる。よって、時短状態における遊技方法(左打ちを行うか右打ちを行うか)によって、遊技者に対して時短状態の間に大当たりとなる可能性が比較的高くなるが、普通図柄の抽選効率が悪くなる(時短状態の消化に比較的長い時間を要する上に、無駄球が比較的多く発生する)遊技性と、普通図柄の抽選効率は良くなるが、時短状態の間に大当たりとなる可能性が比較的低くなる(第1特別図柄の大当たり確率である1/320の分だけ大当たり期待度が低下する)遊技性と、を選択させる極めて斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者毎に、自己の趣向によりマッチした遊技性を選択させることができるので、より多くの遊技者の好みに合う遊技性を実現することができ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図342に示した通り、右スルーゲート67rの下流側において、複数の遊技釘によって、正面視左上方向から右下方向に下る向きの傾斜を形成することにより、右打ちにより発射され、第2入球口640へと入球しなかった全ての遊技球を、第2可変入賞装置650の上流側へと誘導することが可能に構成している。このように構成することで、第2特別図柄の抽選が実行されて小当たりに当選し、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1が開放された場合に、右打ちされた遊技球を第2可変入賞装置650のV入賞口650aへと確実に入球させることができるので、実質的に大当たりが確定する小当たりに当選したにもかかわらず、開閉扉650f1の開放期間の間にV入賞口650aへと遊技球を入球させることができず、大当たりに当選する機会を失ってしまうという遊技者にとって極めて不利な事象の発生を抑制することができる。
次に、図343から図348を参照して、本第8制御例における特徴的な演出について説明する。まず、図343(a)を参照して、第1特別図柄の抽選で時短図柄当選(大当たりを介さずに直接時短状態を付与する抽選結果)が発生した場合における演出態様について説明する。ここで、上述した通り、第2時短状態は、普通図柄の抽選が実行された場合に約3%の割合で第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となる第2変位パターンで電動役物640aが開放される当たり(普図当たりB)に当選する遊技状態である。即ち、普図当たりBに当選し得ない(第2入球口640へと遊技球を入球不可能な第1変位パターンの当たり(普図当たりA)にのみ当選し得る)通常状態に比較して、少なくとも実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選が実行され得ることにより、有利度合いが高くなる遊技状態である。通常状態においては、左打ち遊技を行った場合に大当たりとなる確率は第1特別図柄の抽選が1回実行される毎に約1/320となり、大当たり終了後の遊技状態として第1時短状態が設定される割合は50%に設定されているので、第1特別図柄の抽選が1回実行される毎の第1時短状態への移行可能性は、トータルで約1/500となる。これに対して、第2時短状態においては、左打ち遊技を行った場合に第1特別図柄の抽選で大当たりとなる確率が約1/320、普通図柄の抽選で第2入球口640へと入球可能となる普図当たりBに当選する確率が約1/33であり、第1特別図柄の抽選が実行される毎に普通図柄の抽選が実行されるため、第1特別図柄の抽選が1回実行される毎の実質的な大当たり確率は約1/29.8となる。加えて、時短状態の間に大当たりに当選した場合は、第1特別図柄の大当たりであっても、大当たり終了後の遊技状態が第1時短状態に設定されるため、第2時短状態において第1特別図柄の抽選が1回実行される毎の第1時短状態への移行可能性は、トータルで約1/29.8となる。このため、第2時短状態は、通常状態に比較して大幅に第1時短状態へと移行する可能性がアップする有利な状態を形成する。
図343(a)に示した通り、時短図柄当選に対応する変動表示演出が実行されると、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmで、時短図柄に当選したことを示す特殊な第3図柄が停止表示される変動表示演出が実行される。より具体的には、図343(a)に示した通り、左図柄列、および右図柄列に対して同一の数字を模した第3図柄が停止表示されてリーチ演出が発生した後で、中図柄列に対して「チャンスタイム」という文字が付された特殊図柄が停止表示される変動表示演出が実行される。また、変動停止タイミングにおいて、副表示領域Dsに対して、「チャンスタイムGET!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、通常状態よりも有利な状態(実質的な大当たり確率、第1時短状態への移行率が共に大幅に上昇する第2時短状態)が設定されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、図343(a)に示した通り、第3図柄表示装置81における右上部分には、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報(第4図柄)が表示される領域であって、第1特別図柄(特図1)の抽選状況を示すための第4図柄(特図1第4図柄)を表示させるための小表示領域Dm1が形成される。また、副表示領域Dsの右下部分には、第1特別図柄に対応する保留図柄を表示させるための小表示領域Dm9が形成される。
次に、図343(b)を参照して、時短図柄当選が報知された後(時短図柄が停止表示された後)で実行されるチャンスタイム待機演出について説明する。このチャンスタイム待機演出は、主に、当選した時短図柄の種別に応じた時短回数を報知するための演出が実行される。このチャンスタイム待機演出では、主表示領域Dmにおける左下にウサギを模したキャラクタ801が表示され、その上方において、今回設定された第2時短状態が終了するまでの特別図柄の抽選回数(普通図柄の当たり遊技の実行回数)を示唆する図柄811a~811dが回転して表示される。その更に上方には、「~チャンスタイム待機中~」という文字が表示される。更に、小表示領域Dsに対しては、「チャンスタイムの回数を決めろ!!」という文字が表示される。これらの表示内容によって、あたかも第2時短状態の時短回数が未だ設定されていないかのように遊技者に思わせることができる。換言すれば、第2時短状態が未だ開始されていない(待機されている)かのように遊技者に思わせることができる。なお、実際にはこのチャンスタイム待機演出の開始時点で第2時短状態に移行しており、時短図柄当選に伴う変動表示の終了時点(時短図柄の停止表示時点)で保留されていた第1特別図柄の変動表示が実行されている。この時短図柄当選時点の残保留に基づく変動表示は、主表示領域Dmにおける右上部分に形成される小表示領域Dm1で、遊技者が比較的視認し難い態様(狭い表示領域)にて実行される。また、保留図柄に関しても、遊技者が比較的視認し難い(表示領域が狭い)小表示領域Dm9において実行される。つまり、第1特別図柄の保留球に基づいて第1特別図柄の抽選が実行されていること(第2時短状態が既に開始されていること)を遊技者に認識され難く構成している。これは、第2時短状態が既に開始されていると判断して、遊技者が左打ちを開始することを抑制するためである。
ここで、第2時短状態に移行した後で、当該移行の前に既に保留されていた第1特別図柄の保留球が未だ残存している状態で遊技者が左打ちを行ってしまうと、残保留に基づく第1特別図柄の変動表示の実行中に中央スルーゲート67cの通過、および第1入球口64への入球が発生する可能性がある。この場合、普通図柄の抽選は即座に開始されるものの、第1入球口64に対する新たな始動入賞に基づく第1特別図柄の抽選は、保留球を全て消化しきるまで開始されないため、第1特別図柄の変動表示期間と普通図柄の変動表示期間(および普通図柄の当たり遊技期間)とがずれてしまう可能性がある。上述した通り、第2時短状態では、第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とが毎回略同時に開始されることにより、第1特別図柄の抽選が実行された場合の実質的な大当たり確率を、通常状態よりも高く構成しており、演出態様としても、第1特別図柄の変動表示演出において、第1特別図柄の抽選と略同時に開始された(直前に開始された)普通図柄の抽選結果を加味した演出を設定する構成としている。つまり、第1特別図柄の抽選が大当たりであるか、または普通図柄の抽選結果が普図当たりBに対応する抽選結果である場合に同一の数字を模した(付された)第3図柄が揃う演出態様の変動表示演出が実行され、第1特別図柄の抽選が外れであり、且つ、普通図柄の抽選結果が普図当たりAである場合は第3図柄が外れの組み合わせで停止表示される演出態様の変動表示演出を実行する構成としている。係る状況下において、第1特別図柄の抽選開始タイミングと、普通図柄の抽選開始タイミングとがずれてしまうと、第1特別図柄の変動表示期間において普通図柄の抽選結果をふまえた変動表示演出を実行することが困難となってしまう可能性がある。よって、本第8制御例では、チャンスタイム待機演出を実行することにより、あたかも第2時短状態が開始されていないかのように装うことで遊技者が遊技球を発射し難い状況を形成し、このチャンスタイム待機演出の実行中に第1特別図柄の保留球が0となる状況を成立させる構成としている。このように構成することで、第2時短状態において、第1特別図柄の保留球が0の変動停止状態となってから、左打ちを開始させ易くすることができるので、第2時短状態において、第1特別図柄の抽選開始タイミングと、普通図柄の抽選開始タイミングとがずれてしまうことを抑制することができる。よって、第1特別図柄の変動表示演出において、確実に、当該第1特別図柄の抽選が実行される直前に実行された普通図柄の抽選結果を加味した変動表示態様を設定することができる。
なお、本第8制御例では、第2時短状態の終了条件のうち、特別図柄の抽選回数が規定回数に到達したことに基づいて成立する終了条件(第1終了条件)と、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数に到達したことに基づいて成立する終了条件(第3終了条件)とで、規定回数を異ならせる構成としている。具体的には、第1終了条件に係る規定回数の方が、第3終了条件に係る規定回数よりも4回分多くなるように構成している。このように構成することで、第2時短状態が設定された時点で第1特別図柄の保留球が0個から4個のいずれの個数であっても、大当たりに当選しない場合に、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数に到達するまで、確実に第2時短状態を継続させることができる。つまり、第1特別図柄の保留球をチャンスタイム待機演出中に複数消化させたとしても、第2時短状態の間に実行させることができる普通図柄の抽選回数が減ってしまうことがないので、実質的に第1特別図柄の抽選よりも大当たりに結びつく可能性が大幅に高い普通図柄の抽選の実行回数を第1特別図柄の保留球数によらず共通化することができ、第2時短状態における大当たり期待度が低下してしまうことを抑制することができる。なお、以降の説明では、第2時短状態における時短回数と言った場合に、第4終了条件が成立する普通図柄の当たり遊技の実行回数を指すものとする。
図343(b)に戻って説明を続ける。チャンスタイム待機演出において回転して表示される図柄(アイコン)は、例えば、時短回数が少なくとも10回以上付与されたことを示唆する「10回」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811aと、時短回数が少なくとも30回以上付与されたことを示唆する「30回」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811bと、チャンスタイム待機演出が継続することを示唆する「継続」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811cと、大当たりを示唆する「祝」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811dと、で構成されている。この他にも、時短回数が100回以上付与されたことを示唆する「100回」という文字が付された示唆図柄(アイコン)や、実質的に次回の大当たりまで第2時短状態が継続することを示唆する「∞」という文字が付された示唆図柄(アイコン)も設けられている。当選した時短図柄の種別(時短回数)と、第1特別図柄の保留球数と、第1特別図柄の抽選結果と、に応じて、示唆図柄(アイコン)811a~811dとしていずれの種別の示唆図柄(アイコン)を設定するのかが抽選により決定される。チャンスタイム待機演出の開始から特定期間(例えば、5秒間)が経過すると、図344(a)に示した通り、示唆図柄(アイコン)811a~811dのうち、1の示唆図柄をウサギのキャラクタ801が殴打する演出が実行され、その殴打した示唆図柄が示す示唆内容を獲得したことが報知される。図344(a)の例では、「10回」という文字が付された示唆図柄811aが殴打される演出が実行された場合を例示している。この場合、副表示領域Dsにおいて、「10回GET!!左打ち!!」という文字が表示されることで、示唆図柄811aに表示されている「10回」が時短回数として付与されたことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図344(b)は、チャンスタイム待機演出の実行中に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合の演出態様を示した図である。つまり、時短図柄が停止表示された時点で既に保留されていた第1特別図柄の保留球の中に大当たりが含まれていた場合の演出態様を示した図である。図344(b)に示した通り、第1特別図柄の残保留で大当たりに当選した場合は、「祝」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811dをウサギのキャラクタ801が殴打する演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「大当たりGET!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たりに当選したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、本第8制御例では、第2時短状態における第1特別図柄の変動時間が5秒間に固定化される。これにあわせて、チャンスタイム待機演出において1の示唆図柄を選択する(ウサギのキャラクタ801が殴打する)演出も5秒間に固定化される。そして、第1特別図柄の保留球が1以上存在し、且つ、特別図柄の抽選結果が外れである場合は、必ず「継続」という文字が付された示唆図柄を選択する5秒間の演出が実行されて、次変動において新たな組み合わせの4つの示唆図柄が表示されてその中から1の示唆図柄を選択する5秒間の演出が再度実行される。そして、残保留に基づく特別図柄の抽選結果が外れとなり、且つ、第1特別図柄の保留球数が0となった場合は、今回の時短図柄の種別に応じた時短回数を示唆する1の示唆図柄を選択する5秒間の演出が実行されて、第2時短状態(チャンスタイム)の開始が報知される。なお、時短図柄当選時点で第1特別図柄の保留球が0であった場合の第2時短状態の開始時においても、同様に、今回の第2時短状態の時短回数を示唆する1の示唆図柄を選択する5秒間の演出が実行される。このように構成することで、今回の時短回数を知りたいと希望する遊技者に対して、チャンスタイム待機演出の演出内容に注目させることができるので、チャンスタイム待機演出が終了するまでの間、遊技球を発射され難い状況を形成することができる。よって、第1特別図柄の抽選の実行タイミングと普通図柄の抽選の実行タイミングとがずれてしまうことを抑制することができる。
ここで、本第8制御例では、チャンスタイム待機演出中に遊技球を発射せずに第1特別図柄の保留球を全て消化してから左打ちを開始した場合と、チャンスタイム待機演出の開始直後から左打ちを開始し、第1特別図柄の保留球が消化されている間に新たな第1特別図柄の保留球を貯めた場合とで、有利度合いがほぼ変わらない(保留消化を待った方が、時短状態の間に実行される第1特別図柄の抽選回数が多くなり、若干有利となる)ように構成している。即ち、本第8制御例では、上述した通り、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数に到達したことに基づいて成立する終了条件(第3終了条件)を設ける構成としており、チャンスタイム(第2時短状態)においては、チャンスタイムへと移行した時点の第1特別図柄の保留球数によらず、特別図柄の抽選回数が規定回数に到達したことに基づいて成立する終了条件(第1終了条件)よりも先に、第3終了条件が成立するように構成されている。つまり、第1終了条件が成立するまでの特別図柄の抽選回数の方が、上限個数の保留球数(4個)に対応する回数分、第3終了条件が成立するまでの普通図柄の当たり遊技の実行回数よりも多くなるように構成している。このように構成することで、第2時短状態において第1特別図柄の保留球を全て消化してから左打ちを開始したとしても、第2時短状態が設定された直後に左打ちを開始したとしても、第3終了条件に相当する回数の普通図柄の当たり遊技が実行されるまで、時短状態を継続させることができるので、実質的な大当たり確率が高い普通図柄の当たり遊技の回数を損することにより、遊技者に対して極めて不利益となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技球を発射せずにチャンスタイム待機演出に注目し続けた遊技者が損をしてしまうことを抑制できるので、好適な演出態様を実現することができる。
次に、図345から図347(a)を参照して、チャンスタイム(第2時短状態)において、実質的に大当たりが確定する第2変位パターンに対応する普通図柄の当たりに当選した場合の演出態様について説明する。まず、図345(a)は、チャンスタイム(第2時短状態)において普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行され、普通図柄の抽選で第2変位パターン(第2入球口640へと入球させることが可能なロング開放)に対応する普通図柄の当たりに当選した場合の第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。ここで、本第8制御例では、チャンスタイム(第2時短状態)に移行すると、他の制御例におけるチャンスタイムと同様に、主表示領域Dmにおいてウサギを模したキャラクタ801が雲の上に移動する演出が実行されて、以降はチャンスタイムが終了するまでの間、キャラクタ801が雲の上において各種のアクションを実行する演出が実行される。また、図345(a)に示した通り、本第8制御例におけるチャンスタイム(第2時短状態)では、主表示領域Dmにおける中央部分において第3図柄の変動表示演出が実行されると共に、主表示領域Dmにおける右上に形成される小表示領域Dm1において第4図柄の変動表示演出が実行される。第4図柄の変動表示演出は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行される特別図柄の変動表示に同期して実行されるが、第3図柄の変動表示は、必ずしも特別図柄の変動表示に同期して実行されるわけではない。即ち、本第8制御例では、チャンスタイム中に普通図柄の抽選でロング開放(第2変位パターン)に設定される普図当たりBに当選した場合は、第3図柄の変動表示によって普通図柄の抽選結果を示すことが可能に構成されている。この場合、普通図柄の変動時間に合わせて第3図柄の変動表示が実行される。
また、図345(a)に示した通り、主表示領域Dmにおける中央上部に、「~高確率中~」という文字が表示されると共に、主表示領域Dmにおける左上側に形成された小表示領域Dm4に対して、「左打ち」という文字が表示される。また、小表示領域Dm4の下方に形成された小表示領域Dm7に対して、チャンスタイム(第2時短状態)が終了されるまでの残りの抽選回数を示唆する表示内容が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して、有利なチャンスタイムにおいても左打ちにより第1入球口64へと遊技球を入球させる遊技方法で遊技を行えば良いということを容易に理解させることができる。また、チャンスタイム(第2時短状態)においては、実質的な大当たり確率が高くなるということ、および実質的な大当たり確率が高い状態がいつまで継続するのかということを遊技者に対して把握させることができる。チャンスタイムにおいて、普通図柄の抽選でロング開放(第2変位パターン)に設定される普通図柄の当たり(普図当たりB)に当選した場合、まず、当該普図当たりBに対応する普通図柄の変動表示とほぼ同時に(普図当たりBに対応する変動表示の開始直後に)開始された第1特別図柄の変動表示期間に同期して第3図柄表示装置81において実行される変動表示演出として、図345(a)に示した通り、右図柄列、中図柄列、および左図柄列に対して同一の数字を模した第3図柄が停止表示される変動表示演出が実行される。また、図柄停止時に、図345(a)に示した通り、副表示領域Dsにおいて「ボーナス確定」という文字が表示される。つまり、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に実行される変動表示演出と区別し難い(同一の)態様で普図当たりBを報知する変動表示態様の疑似当たり演出が実行される。
なお、この疑似当たり演出においては、必ず、偶数の図柄を模した第3図柄が停止表示される。これは、普図当たりBに当選した時点では、単に実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選を実行することが可能な状態(電動役物640aが比較的長い時間(例えば、2.5秒間)開放される状態)へと移行することのみが確定するに過ぎず、当選する大当たりの種別を特定することはできない(第2特別図柄の抽選契機となる第2入球手段640への入球が発生していない)からである。よって、一般的に有利度合いが高い意味合いで用いられる数字(例えば、「7」)が揃う演出態様の変動表示演出を実行してしまうと、その後に第2特別図柄の抽選で有利度合いが低い種別の大当たりまたは小当たりに当選した場合に、遊技者を困惑させてしまう可能性がある。そこで、本第8制御例では、疑似当たり演出において、一般的に比較的有利度合いが低い意味合いで用いられる偶数の数字を模した第3図柄が揃う変動表示演出を実行する構成としている。このように構成することで、遊技者を困惑させてしまうことを抑制することができる。
疑似当たり演出が終了して普図当たりBの開放期間が開始されると、次いで、普図当たりBに基づく電動役物640aの開放期間の間に右打ちにより第2入球口640へと遊技球を入球させることを遊技者に示唆可能な第1示唆演出を実行する。この第1示唆演出の演出態様について、図345(b)を参照して説明する。図345(b)は、第1示唆演出の実行中における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図345(b)に示した通り、第1示唆演出が実行されると、第3図柄表示装置81における左上側に形成される小表示領域Dm4の表示内容が、「右打ち」という文字に切り替わる。また、表示領域HR10に対して、直前の変動表示演出(疑似当たり演出)において確定表示された第3図柄が縮小表示される。また、表示領域HR10の下方に、右向きの矢印を模した矢印画像YGが形成されると共に、当該矢印画像YGに対して、「右を狙え」という文字が表示される。更に、矢印画像YGの下方には、普図当たりBにおいて遊技球を第2入球口640へと入球させることが可能な期間(ロング開放期間)の残時間を示すためのタイムゲージga2が表示されている。このタイムゲージga2の表示態様は、普図当たりBの開放期間の残期間を示すための残期間表示ga2aと、経過期間を示すための経過期間表示ga2bとから形成されており、普図当たりBのラウンド遊技が実行されてから時間が経過する毎に、経過期間表示ga2bが占める割合が増加し、残期間表示ga2aが占める割合が減少するように、タイムゲージga2が時間経過に応じて可変表示される。
また、図345(b)に示した通り、第1示唆演出が実行されている間、主表示領域Dmにおける右下部分には、遊技盤13における第2入球口640およびその周辺領域を模した画像が表示される横長略長方形形状の小表示領域Dm6が形成されると共に、副表示領域Dsに対して、「右打ちで上のVを狙え」という文字が表示される。これらの表示内容により、残期間表示ga2aが残っているうちに、「V」という文字を模した装飾が付されている第2入球口640、および第2可変入賞装置650のうち、上流側に設けられている第2入球口640へと右打ちにより遊技球を入球させれば大当たりを獲得できるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、本第8制御例では、この第1示唆演出を、普図当たりBの開放期間に同期させて実行する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、普図当たりBの開放期間が開始されるよりも所定期間(例えば、2秒間)前から第1示唆演出を開始させる構成としてもよい。このように構成することで、普図当たりBに基づく開放期間が開始されるよりも前から遊技者に右打ちを開始させることができるので、開放期間の間により確実に電動役物640aに対して遊技球を到達させることができ、より確実に第2入球口640へと遊技球を入球させることができる。
第1示唆演出(上のVを狙うことを示唆する演出)において遊技者が右打ちを行うことにより、第2入球口640へと遊技球が入球して第2特別図柄の抽選が実行されると、第2特別図柄の抽選結果を示すための第2特別図柄の変動表示演出として、例えば、図346に示すような昇格演出が実行される。この昇格演出では、図346(a)に示した通り、まず、主表示領域Dmにおいて、普図当たりBに当選した際に確定表示された第3図柄(図346(a)の例では数字の「2」を模した第3図柄)が再度表示されると共に、当該第3図柄の上方から、「7」の数字を模した第3図柄が降下してくる演出が実行される。また、表示領域HR10に対して、「図柄を昇格させろ!」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「昇格チャンス!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して、偶数の数字を模した第3図柄が「7」の図柄を模した第3図柄に入れ替わる(昇格する)ことにより、有利な大当たり種別の大当たり遊技が実行されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、遊技者にとって理解し易い演出態様を実現することができる。
なお、上述した通り、第2特別図柄の抽選が実行された場合は、小当たり若しくは大当りのどちらかに当選する上に、小当たり当選時は、小当たり遊技中に右打ちを行い続けるだけで容易に特定領域650e3へと遊技球を入球させることができるため、第2特別図柄の抽選が実行された時点で、実質的に大当たりが確定する。そして、第2特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合、および小当たりとなって小当たり種別が小当たりA40に決定され、当該小当たりA40において特定領域650e3を遊技球が通過した場合は、大当たり種別としてラウンド数が最も多い(10ラウンドの)大当たりC40が決定される。一方で、第2特別図柄の抽選結果が小当たりとなって小当たり種別が小当たりB40に決定され、当該小当たりB40において特定領域650e3を遊技球が通過した場合は、大当たり種別としてラウンド数が最も少ない(3ラウンドの)大当たりD40が決定される。昇格演出では、第2特別図柄の抽選結果が大当たりであるか、小当たりA40である場合に、昇格に成功する(偶数の数字を模した第3図柄が「7」を模した第3図柄に置き換わる)演出態様に設定される一方、第2特別図柄の抽選結果が小当たりBである場合に、昇格に失敗する演出態様に設定される。図346(b)は、昇格に成功する演出態様の昇格演出が実行された場合の演出態様を示した図である。図346(b)に示した通り、昇格に成功する演出態様の昇格演出では、偶数の数字を模した第3図柄の上方から降下してきた「7」の数字を模した第3図柄によって、偶数の数字を模した第3図柄がはじき飛ばされ、「7」の数字を模した第3図柄に置き換わる演出が実行される。また、表示領域HR10に対して、「昇格成功!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、ラウンド数が最大の大当たりに当選した(第2特別図柄の抽選で大当たり、または大当たりA40のどちらかに当選した)と言うことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図示については省略したが、第2特別図柄の抽選で有利度合いが低い(特定領域650e3を遊技球が通過した場合にラウンド数が最も少ない大当たりD40に当選する)小当たりB40に当選した場合は、「7」を模した第3図柄が偶数の数字を模した第3図柄をはじき飛ばすことができずに跳ね返されて、上方へと吹き飛ぶ演出態様の演出が実行される。これにより、昇格に失敗したこと(有利度合いが低い大当たりD40に当選すること)を遊技者に対して容易に理解させることができる。第2特別図柄の抽選で小当たりに当選していた場合は、次いで、小当たりに基づく第2可変入賞装置650の開閉扉650f1の開放期間の間に右打ちによりV入賞口650aへと遊技球を入球させることを遊技者に示唆可能な第2示唆演出を実行する。この第2示唆演出の演出態様について、図347(a)を参照して説明する。図347(a)は、第2示唆演出の実行中における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図347(a)に示した通り、第2示唆演出が実行されると、表示領域HR10に対して、直前の変動表示演出(昇格演出)において確定表示された第3図柄が縮小表示される。また、第1示唆演出(上Vを狙え演出)と同様に、表示領域HR10の下方に、右向きの矢印を模した矢印画像YGが形成されると共に、当該矢印画像YGに対して、「右を狙え」という文字が表示される。更に、矢印画像YGの下方には、小当たりにおいて遊技球をV入賞口650aへと入球させることが可能な期間の残時間を示すためのタイムゲージga2が表示されている。このタイムゲージga2の表示態様は、小当たりの開放期間の残期間を示すための残期間表示ga2aと、経過期間を示すための経過期間表示ga2bとから形成されており、小当たり遊技が開始されてから時間が経過する毎に、経過期間表示ga2bが占める割合が増加し、残期間表示ga2aが占める割合が減少するように、タイムゲージga2が時間経過に応じて可変表示される。
また、図347(a)に示した通り、第2示唆演出が実行されている間、主表示領域Dmにおける右下部分には、遊技盤13における第2可変入賞装置650およびその周辺領域を模した画像が表示される横長略長方形形状の小表示領域Dm6が形成されると共に、副表示領域Dsに対して、「右打ちで下のVを狙え」という文字が表示される。これらの表示内容により、残期間表示ga2aが残っているうちに、「V」という文字を模した装飾が付されている第2入球口640、および第2可変入賞装置650のうち、下流側に設けられている第2可変入賞装置650へと右打ちにより遊技球を入球させれば大当たりを獲得できるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。ここで、これまで説明してきたチャンスタイム(第2時短状態)における演出態様(図343から図347(a)を参照して説明した演出態様)を加味して、チャンスタイム(第2時短状態)における全体的な演出態様の推移について説明する。図349は、チャンスタイムへの移行前から大当たり当選後までの間における演出態様の推移を示したタイムチャートである。図349に示した通り、通常状態において第1特別図柄の抽選で時短図柄(突然時短)に当選すると、スーパーリーチを伴う80秒間の時短図柄変動が実行されて、最終的に中図柄列に対して「チャンスタイム」という文字が付された特殊図柄が停止表示される(図343(a)参照)。この時短図柄変動の停止表示期間(確定表示期間)が終了すると、遊技状態が通常状態から第2時短状態に変更される。第2時短状態に移行すると、まず、チャンスタイム待機演出(図344(b)、図345参照)が実行される。このチャンスタイム待機演出は、最短で5秒間、最長で20秒間実行される演出であり、上述した通り、今回のチャンスタイム(第2時短状態)の継続回数(普通図柄の当たり遊技の実行回数によって規定されている第3終了条件)を報知する演出を実行することで、遊技者の注意を演出内容に集めて遊技(遊技球の発射)を止めさせ、第2時短状態への移行時点で既に保留されていた第1特別図柄の保留球を消化させるために実行される。
チャンスタイム待機演出の実行中に第1特別図柄の保留球を消化しておくことにより、チャンスタイム待機演出の終了時点で第1特別図柄の保留球が0の状態とすることができ、その後に遊技者が左打ちを行って第1入球口64へと遊技球を入球させて第1特別図柄の抽選を実行させる場合に、毎回、第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とをほぼ同時に開始される(普通図柄の抽選が開始された直後に第1特別図柄の抽選が開始される)動作を実現することができる。よって、第1特別図柄の変動表示演出において、直前に開始された普通図柄の抽選結果を加味した演出態様を設定することができる。上述した通り、第2時短状態では、普通図柄の当たりとなった場合に有利な(実質的に大当たりが確定する)普図当たりBが選択される割合が通常状態よりも高くなる(0%→3%に上昇する)ので、実質的に、1の第1特別図柄の抽選が実行される毎に、3%超の割合で大当たりを抽選しているのと同等の挙動とすることができる。即ち、チャンスタイム(第2時短状態)では、通常状態と同様に左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する遊技状態であるにもかかわらず、見かけ上の大当たり確率が飛躍的に高くなる(実質的な大当たり確率が約1/320から約1/30に上昇する)有利な遊技状態を形成する。図349に示した通り、チャンスタイム待機演出が終了すると、ウサギのキャラクタ801が雲の上において各種のアクションを行うと共に第3図柄の変動表示が実行されることで大当たり期待度を示唆する演出態様の演出が実行されるチャンスタイム中演出に切り替わる。チャンスタイム中演出では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合、および第1特別図柄の抽選の直前に開始された普通図柄の抽選で普図当たりBとなった場合に、同一の数字を模した第3図柄が揃う変動表示演出が実行され、第1特別図柄の抽選で外れとなり、且つ、当該外れに対応する第1特別図柄の抽選の直前に開始された普通図柄の抽選で普図当たりAとなった場合に、第3図柄が外れの組み合わせで停止表示される変動表示演出が実行される。
ここで、チャンスタイムにおける第1特別図柄の変動表示における変動時間と普通図柄の変動表示における変動時間との対応関係について、図350を参照して説明する。図350は、第1特別図柄の変動表示も普通図柄の変動表示も(第2特別図柄の変動表示も)実行されていない状態でスルーゲート67および第1入球口64へと遊技球がほぼ同時に入球した場合の第1特別図柄の変動時間および普通図柄の変動時間の対応関係を示した図である。図350(a)は、普通図柄の抽選結果が普図当たりB(第2入球口640へ入球困難なショート開放の普図当たり)に当選した場合の対応関係を示しており、図350(b)は、普通図柄の抽選結果が普図当たりA(第2入球口640へと容易に入球可能となるロング開放の普図当たり)に当選した場合の対応関係を示している。
図350(a)の上段に示した通り、チャンスタイム(第2時短状態)において第1特別図柄の抽選が実行されると、変動時間が5秒間の変動パターンが設定される。この5秒間の変動時間は、抽選結果が大当たりであるか、外れであるかにかかわらず、固定の変動時間として設定される。一方で、図350(a)の中段に示した通り、チャンスタイムにおいて第1特別図柄の変動表示とほぼ同時に開始された普通図柄の変動時間は1秒間に設定される。なお、図350(a)においては、説明の簡略化のため、第1特別図柄の変動表示と普通図柄の変動表示とが全く同時に開始されているかのように図示されているが、実際には普通図柄の変動表示の方が僅かに(例えば、0.05秒前後)早く開始される。第1特別図柄の抽選の開始タイミングよりも僅かに前に普通図柄の抽選が実行される(第1入球口64よりも上流側に中央スルーゲート67cが配置されている)ため、第1特別図柄の変動表示演出として、直前に実行された普通図柄の抽選結果も加味した演出態様(変動表示態様)を設定する。図350(a)は、第2入球口640へと入球困難な普図当たりAに当選した場合を例示しているため、第1特別図柄の抽選結果が外れであれば、第1特別図柄の抽選結果を示す変動表示演出として、第3図柄が外れの組み合わせで停止表示される変動表示態様が設定され、第1特別図柄の抽選結果が大当たりであれば、第1特別図柄の抽選結果を示す変動表示態様として、同一の数字を模した第3図柄が揃う変動表示態様が設定される。
図350(a)の下段に示した通り、普通図柄の変動時間(1秒間)が経過すると、普図当たりAが開始される。普図当たりAが開始されると、1.5秒間のオープニング期間(電動役物640aの閉鎖期間)が設定された後で、0.1秒間の開放期間が設定され、以降は2.4秒間のエンディング期間(電動役物640aの閉鎖期間)が設定される。これにより、第1特別図柄の変動表示が終了するタイミングとほぼ同時に、普図当たりAのエンディング期間が終了される。つまり、第1特別図柄の新たな抽選が開始可能な状態になるのとほぼ同時に、普通図柄の新たな抽選が開始可能な状態を形成するので、次回以降の第1特別図柄の抽選でも、普通図柄の抽選をほぼ同時に開始させて第1特別図柄の変動表示演出の演出態様として、普通図柄の抽選結果を加味した演出態様を設定することができる。つまり、チャンスタイムにおいて実行される毎回の変動表示演出を、普通図柄の抽選結果と第1特別図柄の抽選結果との両方を加味した変動表示態様に設定することができる斬新な演出態様を実現することができるので、より好適な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。次に、図350(b)を参照して、普通図柄の抽選結果が普図当たりBである場合の第1特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間との対応関係について説明する。図350(b)の上段および中段に示した通り、第1特別図柄の変動時間、および普通図柄の変動時間は、それぞれ普図当たりAの場合(図350(a)参照)と共通である。つまり、第1特別図柄の変動表示は、変動時間が5秒間の変動パターンに設定され、当該第1特別図柄の変動表示とほぼ同時に(直前に)開始された普通図柄の変動時間は1秒間に設定される。なお、図350(b)の例では、普通図柄の抽選で、実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選した場合を例示しているため、第1特別図柄の変動表示に同期して実行される第3図柄の変動表示演出として、第1特別図柄の抽選結果にかかわらず、同一の数字を模した第3図柄が揃う変動表示態様が設定される。
図350(b)の下段に示した通り、普通図柄の変動時間(1秒間)が経過すると、普図当たりBが開始される。普図当たりBが開始されると、1.5秒間のオープニング期間(電動役物640aの閉鎖期間)が設定された後で、2.5秒間の開放期間が設定され、エンディング期間はほぼ0に設定されて普図当たりBが終了される。これにより、第1特別図柄の変動表示が終了するタイミングとほぼ同時に、普図当たりBが終了される。つまり、普図当たりAであるか、普図当たりBであるかによらず、第1特別図柄の新たな抽選が開始可能な状態になるのとほぼ同時に、普通図柄の新たな抽選が開始可能な状態を形成するので、次回以降の第1特別図柄の抽選でも、普通図柄の抽選をほぼ同時に開始させて第1特別図柄の変動表示演出の演出態様として、普通図柄の抽選結果を加味した演出態様を設定することができる。つまり、チャンスタイムにおいて実行される毎回の変動表示演出を、普通図柄の抽選結果と第1特別図柄の抽選結果との両方を加味した変動表示態様に設定することができる斬新な演出態様を実現することができるので、より好適な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第8制御例では、チャンスタイムにおいて、実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選した場合も、普通図柄の変動が開始されてから普図当たりBが終了するまでの期間と、第1特別図柄の変動時間とを一致させる(5秒間とする)構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、普図当たりBの場合は、普通図柄の変動時間を長くしたり(例えば、3.5秒間にしたり)、オープニング期間を長くしたり(例えば、4秒間にしたり)することで、5秒経過以降に普通図柄の開放期間が開始されるように構成してもよい。このように構成することで、5秒間の変動期間を全て用いて変動表示演出を実行することができるので、演出態様をより多様化させることができる。詳述すると、上述した第8制御例の構成では、普図当たりBに当選した場合、第1特別図柄の変動開始後、約2.5秒経過時点で普図当たりBに基づく開放期間が開始されるため、変動表示演出の演出期間として、実質的に2.5秒間しか確保できない構成となっていた。つまり、普通図柄の抽選結果によらず、第1特別図柄の変動表示の終了とほぼ同時に普通図柄の当たりを終了させる制御を採用していた。これは、仮に普図当たりBにおいて遊技者が右打ちを行わなかった等して第2入球口640へと遊技球が入球せず、そのまま普図当たりBが終了されたとしても、残りのチャンスタイムにおいて再度、第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とをほぼ同時に実行させる遊技性を確実に実現できるように配慮した結果である。つまり、第1特別図柄の抽選が5秒で終了する一方で、普図当たりBが5秒以上継続した場合、普図当たりBの実行中に次の第1特別図柄の変動表示が開始されてしまい、以降は第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とをほぼ同時に実行させることが困難となってしまうという事象が発生してしまうことを防止する趣旨である。しかしながら、普図当たりBに当選したにもかかわらず、第1示唆演出(図345(b)参照)の示唆内容を無視して左打ちを継続する遊技者はほぼいないと考えられるため、実際には、普図当たりAに基づく普通図柄の変動が開始されてから普図当たりAが終了されるまでの間の期間のみ、第1特別図柄の変動時間に一致させておけば大きな問題が生じないとも考えられる。よって、普図当たりBの開放期間が、普通図柄の変動開始から少なくとも5秒間が経過した後で開始されるように構成することで、第1特別図柄の変動時間である5秒間をフルに用いて普図当たりBとなるか(電動役物640aがロング開放するか)否かを示唆する演出を実行する構成としてもよい。これにより、演出態様をより好適に設定することができる。
図349に戻って説明を続ける。チャンスタイム(第2時短状態)において普図当たりB(電動役物640aに対して2.5秒間のロング開放が設定される普図当たり)に当選すると、当該普図当たりBに対応する普通図柄の変動表示の開始直後に開始される第1特別図柄の変動表示における変動表示態様として、疑似当たり変動演出(図345(a)参照)が実行される。この疑似当たり変動演出は、上述した通り、特別図柄の抽選で大当たりになった場合と同様に、同一の数字を模した第3図柄がそれぞれ右図柄列、中図柄列、および左図柄列に停止表示される演出態様の演出である。つまり、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合と区別困難な演出態様の演出である。図349に示した通り、疑似当たり変動演出が終了すると、上のVを狙え演出(第1示唆演出、図345(b)参照)が実行されて、遊技者に対して1回目の右打ちが促される(示唆される)。この上のVを狙え演出(第1示唆演出)の実行中に右打ちを行うことで、開放状態(突出状態)に設定された電動役物640aへと遊技球を到達させることができ、当該電動役物640aによって第2入球口640へと遊技球を入球させることができる。第2入球口640への入球を検出するか、または普図当たりBが終了することによって、上のVを狙え演出(図345(b)参照)は終了される。第2入球口640への入球を検出した(第2特別図柄の保留球を獲得した)場合は、上のVへの入球に成功したことを報知する演出態様の演出が、第1特別図柄の変動表示の終了までの期間で実行される一方、右打ちを行わなかった等により第2入球口640へと入球しなかった場合は、普通図柄の当たりの終了時に上のVを狙え演出が終了されると共に上のVへの入球に失敗したことを示す短時間(例えば、1秒間)の演出が実行される。
なお、普通図柄の抽選で普図当たりB(実質的に大当たりが確定する普図当たり)に当選し、且つ、直後に実行された第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合についても、同様に、上のVを狙え演出が実行される。この場合、第1特別図柄の変動時間の終了と共に上のVを狙え演出が終了されて、第1特別図柄の大当たりが開始される。つまり、昇格演出や下のVを狙え演出が発生せずに、いきなり大当たり演出が開始される。これにより、遊技者に対して大きな驚きと喜びとを与えることができる。当該第1特別図柄の大当たりの終了後は、上のVを狙え演出において右打ちを行って第2特別図柄の保留球を獲得していた場合、第2特別図柄の保留球に基づく変動表示が実行されて、大当たり遊技若しくは実質的に大当たり確定の小当たり遊技が実行される。つまり、第1特別図柄の大当たりと第2特別図柄の大当たりとが連続する極めて有利な状況が成立する。図349に示した通り、上のVを狙え演出(第1示唆演出、図345(b)参照)の実行中に第2入球口640への入球を検出していた(第2特別図柄の保留球を獲得していた)場合は、第2特別図柄の変動表示に同期させて、昇格演出(図346参照)が実行される。この昇格演出は、上述した通り、第2特別図柄の抽選でラウンド数が最大の大当たりに対応する抽選結果となった(大当たりまたは小当たりAに当選した)場合に昇格に成功する演出態様(図346(b)参照)に設定され、少ないラウンド数の大当たりに対応する抽選結果となった(小当たりBに当選した)場合に昇格に失敗する演出態様に設定される。
第2特別図柄の抽選で小当たりに当選していた場合は、図349に示した通り、下のVを狙え演出(第2示唆演出、図347(a)参照)が実行されて、遊技者に対して2回目の右打ちが促される(示唆される)。この下のVを狙え演出(第2示唆演出)の実行中に右打ちを行うことで、開放状態に設定されたV入賞口650aへと遊技球を入球させることができ、特定領域650e3へと遊技球を入球させることができる。特定領域650e3への入球を検出するか、または小当たり遊技が終了することによって、下のVを狙え演出(図347(a)参照)は終了される。特定領域650e3への入球を検出した(大当たりが確定した)場合は、下のVへの入球に成功したことを報知する演出態様の演出が、小当たり遊技の終了タイミングまでの期間で実行される一方、右打ちを行わなかった等により特定領域650e3へと遊技球が入球しなかった場合は、小当たり遊技の開放期間の終了時に下のVを狙え演出が終了されると共に下のVへの入球に失敗したことを示す短時間(例えば、1秒間)の演出が実行される。図349に示した通り、下のVを狙え演出の実行中に特定領域650e3への入球を検出していた場合は、大当たりが開始されると共に大当たり演出が実行される。なお、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選していた場合は、下のVを狙え演出が実行されずに、第2特別図柄の大当たり変動の終了時に大当たり遊技が開始されると共に、大当たり演出が実行される。
次に、図347(b)、および図348を参照して、本第8制御例における第1時短状態の演出態様について説明する。第1時短状態は、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態として設定され得る遊技状態である。より具体的には、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に50%の割合で設定される一方で、時短状態(第1時短状態、または第2時短状態)において第1特別図柄の抽選で大当たりになるか、第2特別図柄の抽選で直接または小当たり経由で大当たりになった場合に100%の割合で設定される遊技状態である。この第1時短状態は、80%の割合で大当たりに当選する上に、大当たりに当選した場合は、当該大当たりの終了後に再度、第1時短状態が設定される(第1時短状態をループする)ため、一度移行すると、80%の割合で第1時短状態と大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成する。上述した通り、第1時短状態では、第3終了条件として、普通図柄の当たり遊技の実行回数が1回に設定される。そして、普通図柄の抽選で実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選する割合は80%であるため、普通図柄の抽選で普図当たりBに当選しさえすれば、大当たり当選および第1時短状態のループが確定することになる。このため、本第8制御例における第1時短状態では、普通図柄の抽選が実行された場合に、大当たりとなるか否かを遊技者に対して疑似的に報知する演出態様を設定する構成としている。
図347(b)は、第1時短状態(ラッシュ状態)における演出態様の一例を示した図である。第1時短状態(ラッシュ状態)において、特別図柄の抽選も普通図柄の抽選も実行されていない状況下では、主表示領域Dmにおいて、ウサギを模したキャラクタ801が、複数の宝箱810a~810cを発見し、いずれの宝箱を開けるかを吟味する演出が実行される。また、主表示領域Dmの左上部分に形成される小表示領域Dm4に対して、「右打ち」という文字が表示される。また、表示領域HR10に対して、「選んだ箱からV出現でボーナス!?」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「GOを通して宝箱を選べ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、右打ちを行って「GO」という文字を模した装飾が付された右スルーゲート67rを通過させることにより、ウサギのキャラクタ801に対していずれか1の宝箱を選択させることができるということを容易に理解させることができる。図348(a)は、第1時短状態において遊技球が右スルーゲート67rを通過した場合の演出態様の一例を示した図である。図348(a)に示した通り、第1時短状態において右スルーゲート67rを遊技球が通過すると、当該通過に基づく普通図柄の抽選結果に応じてウサギのキャラクタ801が1の宝箱を選択する演出が実行される。具体的には、例えば、図348(a)に示したように、ウサギのキャラクタ801が宝箱810bを選択する演出が実行されると共に、副表示領域Dsに対して、「選択完了!!」という文字が表示される。また、表示領域HR10に対しては、引き続き、「選んだ箱からV出現でボーナス!?」という文字が表示され続ける。これらの表示内容により、選択した宝箱から「V」が出現することで大当たりに当選するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図347(b)や図348(a)に示した通り、宝箱には複数のバリエーションが存在する。即ち、光り輝く表示態様の宝箱810aと、通常の表示態様の宝箱810bと、大きさが小さい表示態様の宝箱810cと、の3種類が設けられている。ウサギのキャラクタ801が選択する宝箱の種別によって、普図当たりBに当選している期待度を遊技者に示唆する構成としている。具体的には、普図当たりBに当選している場合、宝箱810aの選択割合が普図当たりAに当選している場合よりも高くなる一方で、宝箱810cの選択割合が普図当たりAに当選している場合よりも低くなるように構成されている。これにより、右スルーゲート67rを遊技球が通過した場合に、キャラクタ801が選択する宝箱の種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、図348(a)の例では、ウサギのキャラクタ801が宝箱810bを選択した場合を例示している。図348(b)は、実質的に大当たりが確定する普図当たりBの当選が報知された場合の表示態様の一例を示した図である。図348(b)に示した通り、普図当たりBに当選したことを報知する場合、主表示領域Dmにおいて、ウサギのキャラクタ801が選択した宝箱の中から「V」の文字が付されたVアイコン810baが出現する演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「ボーナス確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して大当たりが確定した(実質的に大当たり当選が確定する普図当たりBに当選した)ということを、容易に理解させることができる。なお、これ以降は、チャンスタイム中に普図当たりBに当選した場合と同様に、まず、上のVを狙え演出が発生した後で、第2入球口640への始動入賞に基づく抽選結果に応じた昇格演出が実行され、第2特別図柄の抽選が大当たりである場合はそのまま大当たり遊技が開始される一方で、小当たりである場合は下のVを狙え演出を経て特定領域650e3への入球を条件として大当たり遊技が開始される。
次に、図351を参照して、本第8制御例における各状態間の移行方法について説明する。ここで、本第8制御例では、3つの遊技状態が設けられている。即ち、遊技者に不利な通常状態と、遊技者にとって最も有利な第1時短状態と、通常状態よりは有利度合いが高く、第1時短状態よりは有利度合いが低い第2時短状態と、の3種類の遊技状態が設けられている。通常状態は、普通図柄の抽選で第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能な普図当たりBが決定される可能性が無く、第1時短状態では、普通図柄の抽選で約80%の割合で普図当たりBに当選し、第2時短状態では、普通図柄の抽選で約3%の割合で普図当たりBに当選する遊技状態である。まず、図351の上段を参照して、遊技者に不利な通常状態における遊技状態の移行方法について説明する。図351の上段に示した通り、通常状態(通常モード)から他の状態には、特別図柄の抽選で大当たりに当選するか、または時短図柄に当選した場合に移行する可能性がある。より具体的には、特別図柄の抽選で約1/320の確率で当選する大当たりとなった場合に50%の割合で決定(選択)される大当たりA40が大当たり種別として決定された場合に、大当たり終了後の遊技状態として第1時短状態が設定される。また、特別図柄の抽選で約1/200の確率で当選する時短図柄(突然時短)に当選した場合に、第2時短状態が直接設定される。一方で、大当たりに当選した場合に50%の割合で決定(選択)される大当たりB40が大当たり種別として決定された場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、通常状態に設定される。このため、通常状態においては、特別図柄の抽選で大当たりに当選すること、または時短図柄に当選することにより、有利度合いが高い遊技状態へと移行するため、これらの抽選結果となることに期待して遊技を行う遊技性となる。
また、図351の下段左側に示した通り、第1時短状態から他の遊技状態には、時短状態の終了条件(第1~第3終了条件のいずれか)が成立した場合にのみ移行する可能性がある。即ち、第1特別図柄変動(特図1変動)と、第2特別図柄変動(特図2変動)の合算の変動回数が10回となることで成立する第1終了条件が成立するか、小当たりに1回当選することで成立する第2終了条件が成立するか、普通図柄の当たり遊技の実行回数(普通電動役物640aの作動回数)が1回となることで成立する第3終了条件が成立することで、遊技状態が不利な通常状態に設定される。一方で、第1時短状態において普通図柄の抽選が実行された場合に80%の割合で当選する普図当たりB(ロング開放の普図当たり)に当選すると、実質的に大当たりが確定する。つまり、大当たりまたは実質的に大当たりが確定する小当たりのどちらかに当選する第2特別図柄の抽選を実行する権利を得ることができ、大当たり終了後は再度、第1時短状態が設定される(第1時短状態をループする)。ここで、実際には、普図当たりBが開始された時点で電動役物640aの作動回数が規定回数である1回に到達し、時短状態が終了されている(第3終了条件が成立している)が、図351では、説明を分かり易くするために、普図当たりBに当選して発生する第2特別図柄の当たり(大当たりまたは小当たり)は、第1時短状態中の当たりとして取り扱っている。また、図351の下段右側に示した通り、第2時短状態から他の遊技状態には、大当たりに当選した場合、および普通図柄の抽選で普図当たりB(ロング開放の普図当たり)に当選した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図351の下段右側に示した通り、特別図柄の抽選で約1/320の確率で当選する大当たりとなった場合には、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が、必ず有利度合いが高い第1時短状態に設定される。また、実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選した場合も、演出による示唆内容に従って右打ちを行い続けることにより、第2特別図柄の抽選を実行させることができ、大当たりまたは実質的に大当たりが確定する小当たりに当選させることができるため、大当たり終了後の遊技状態が有利な第1時短状態に設定される。
このように、本第8制御例では、3つの遊技状態を設ける構成とし、各遊技状態で、実質的に大当たりが確定する普図当たりBの当選割合を異ならせることにより、有利度合いに差を設ける斬新な遊技性を実現している。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第8制御例の電気的構成>
次に、図352(a)を参照して、本第8制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図352(a)は、本第8制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図352(a)に示した通り、本第8制御例におけるROM202は、上述した第7制御例におけるROM202の構成(図292(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aに代えて第1当たり乱数テーブル202ajが設けられている点、大当たり種別選択テーブル202bに代えて大当たり種別選択テーブル202bjが設けられている点、第2当たり乱数テーブル202cに代えて第2当たり乱数テーブル202cjが設けられている点、変動パターン選択テーブル202dに代えて変動パターン選択テーブル202djが設けられている点、時短付与テーブル202eに代えて時短付与テーブル202ejが設けられている点、小当たり種別選択テーブル202fに代えて小当たり種別選択テーブル202fjが設けられている点、時短種別選択テーブル202jaが追加されている点、普図当たり種別選択テーブル202jbが追加されている点、および変動パターンシナリオテーブル202hが削除されている点で相違している。その他の構成については上述した第7制御例におけるROM202の構成と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。まず、本第8制御例における第1当たり乱数テーブル202ajの詳細について、図353(a)、および図353(b)を参照して説明する。ここで、本第8制御例における第1当たり乱数テーブル202ajは、上述した第7制御例における第1当たり乱数テーブル202a(図293(a)参照)と同様に、第1特別図柄の抽選において参照される特別図柄1乱数テーブル202aj1と、第2特別図柄の抽選において参照される特別図柄2乱数テーブル202aj2と、で少なくとも構成されている。まず、図353(a)を参照して、特別図柄1乱数テーブル202aj1の詳細について説明する。図353(a)は、特別図柄1乱数テーブル202aj1の規定内容を示した図である。
図353(a)に示した通り、本第8制御例における特別図柄1乱数テーブル202aj1には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、時短図柄当選と判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「205~532」の328個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている。一方、小当たりと判定される乱数値は対応付けられていない。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が205個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は約1/320(205/65536)である。また、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、時短図柄当選と判定される乱数値(カウンタ値)の個数が328個であるので、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選する確率は約1/200(328/65536)である。次に、図353(b)を参照して、特別図柄2乱数テーブル202aj2の詳細について説明する。図353(b)は、特別図柄2乱数テーブル202aj2の規定内容を示した図である。図353(b)に示した通り、本第8制御例における特別図柄2乱数テーブル202aj2には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「205~65535」の65331個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている。一方、時短図柄当選と判定される乱数値は対応付けられていない。
第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が205個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は、第1特別図柄の抽選と同様に、約1/320(205/65536)である。また、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が65331個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は約319/320(65331/65536)である。次に、図353(c)を参照して、本第8制御例における大当たり種別選択テーブル202bjの詳細について説明する。図353(c)は、本第8制御例における大当たり種別選択テーブル202bjの規定内容を示した図である。この大当たり種別選択テーブル202bjは、上述した第7制御例における大当たり種別選択テーブル202b(図294(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図353(c)に示した通り、本第8制御例における大当たり種別選択テーブル202bjには、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA40、および大当たりB40の2種類が規定されており、第2特別図柄の大当たり種別として大当たりC40の1種類が規定されている。
図353(c)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して、「大当たりA40」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、「大当たりB40」が対応付けて規定されている。「大当たりA40」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後に時短回数(普通図柄の当たりの規定回数)が1回の第1時短状態が設定される大当たり種別である。また、「大当たりB40」は、ラウンド数が4ラウンドであり、基本的に、大当たり終了後に時短状態が設定されない(通常状態に設定される)大当たり種別である。このため、ラウンド数の面では「大当たりA40」と「大当たりB40」とに差が無いが、大当たり終了後の遊技状態の面では、「大当たりA40」の方が「大当たりB40」よりも有利度合いが高くなる。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA40」および「大当たりB40」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ50個ずつであるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA40」、「大当たりB40」に当選する割合は、それぞれ50%ずつである。よって、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、50%の割合でしか最も有利な第1時短状態へと移行することがない。なお、時短状態において大当たりに当選した場合は、大当たり種別が「大当たりB40」であっても第1時短状態に移行する。つまり、第1時短状態や第2時短状態では、大当たりに当選することで、必ず最も有利な第1時短状態へと移行する有利な遊技状態を形成する。
また、図353(c)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、「大当たりC40」が対応付けて規定されている。この「大当たりC40」は、ラウンド数が10ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が有利な第1時短状態に設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲に「大当たりC40」が対応付けられているため、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、必ず「大当たりC40」が決定される。次に、図354(a)を参照して、本第8制御例における第2当たり乱数テーブル202cjの詳細について説明する。この第2当たり乱数テーブル202cjは、普通図柄の抽選が実行された場合に、普通図柄の当否を判定するために参照されるデータテーブルである。図354(a)に示した通り、本第8制御例における第2当たり乱数テーブル202cjでは、遊技状態によらず、普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、第2当たり乱数カウンタC4の取り得る値の全範囲(「0~299」の範囲)が対応付けられている。このため、本第8制御例では、遊技状態によらず、普通図柄の抽選が実行された場合に必ず普通図柄の当たりに当選する。なお、上述した通り、普通図柄の当たりに当選した場合に実行される普通図柄の当たり種別の選択比率が、遊技状態に応じて異なっている。詳細については後述するが、通常状態では、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能な普図当たりBが選択されることはなく、第1時短状態では80%の割合で普図当たりBが選択され、第2時短状態では、3%の割合で普図当たりBが選択される。これにより、遊技状態間の有利度合いを大きく異ならせている。
次に、図354(b)を参照して、本第8制御例における変動パターン選択テーブル202djの詳細について説明する。この変動パターン選択テーブル202djは、第7制御例における変動パターン選択テーブル202d(図296(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図354(b)は、この変動パターン選択テーブル202djの構成を示したブロック図である。図354(b)に示した通り、本第8制御例における変動パターン選択テーブル202djは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される通常用テーブル202dj1と、時短状態(第1時短状態、第2時短状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される時短用テーブル202dj2と、で少なくとも構成されている。まず、図354(c)を参照して、通常用テーブル202dj1の詳細について説明する。図354(c)は、本第8制御例における通常用テーブル202dj1の規定内容を示した図である。図354(c)に示した通り、通常用テーブル202dj1には、実行される特別図柄抽選に用いられる特別図柄種別と、実行される特別図柄抽選の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に対応させて異なる変動パターン(変動時間)が規定されている。つまり、特別図柄種別と、抽選結果とに応じて異なる変動時間の変動パターンを決定可能に構成している。具体的には、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が7秒の「外れ」が、「140~149」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「ガセ外れ」が、「150~179」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「180~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が規定されている。
また、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「30~189」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が、「190~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が140秒の「スペシャルリーチ」が規定されている。さらに、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が規定されている。つまり、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選では、抽選結果が外れである場合の方が、抽選結果が外れ以外(大当たり、又は時短図柄)である場合よりも、短い変動時間の変動パターンが決定され易くなるように構成しており、より長い変動時間の変動パターンが決定された場合の方が、特別図柄抽選の結果が大当たり、又は時短図柄である可能性が高くなるように構成している。このように構成することで、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して、抽選結果が外れである特別図柄変動が長時間継続してしまい、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の実行回数が極端に少なくなってしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の実行回数が少なくなる場合、即ち、長時間の特別図柄変動が実行される場合には、当たり(大当たり、時短図柄)に当選していることへの期待感を高めることができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
一方、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「小当たり」が規定されている。なお、上述した通り、本第8制御例では、第2特別図柄の抽選結果として大当たりまたは小当たりのどちらかのみに当選し得る構成としており、通常の(V入賞装置650の作動を伴わない)外れが存在しないようになっている。このため、通常用テーブル202dj1にも「大当たり」および「小当たり」の抽選結果のみが規定されている。
なお、上述した通り、本第8制御例では、通常状態において普通図柄の抽選が実行されて普通図柄の当たりに当選したとしても、普通図柄の当たりとして第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)な電動役物640aの開閉パターン(第1変位パターン)が設定される普図当たりAが必ず実行されるため、通常状態において普通図柄の抽選を実行させたとしても、第2入球口640へと遊技球を入球させることはできない。本第8制御例において通常状態で第2特別図柄の抽選が実行される状況としては、時短状態(第1時短状態または第2時短状態)において普通図柄の当たりに当選して第2入球口640へと容易に遊技球を入球させることが可能な普図当たりBが決定され、当該普図当たりBによる電動役物640aの作動によって先に時短終了条件(第3終了条件)が成立して時短状態が終了された後で、実行中の普図当たりBの開放期間の間に第2入球口640へと遊技球が入球した状況である。この状況は、特に、第3終了条件として普図当たりの規定回数が1回に設定される第1時短状態において成立し易い状況となっている。即ち、第1時短状態に移行した後で普図当たりBに当選した場合は、ほぼ確実に、普図当たりBの開始の方が第2入球口640への入球よりも先となるため、第1時短状態に設定された後で第2特別図柄の抽選が実行される場合は、一旦通常状態に移行(転落)してから第2特別図柄の抽選が開始される。よって、本第8制御例では、通常状態にて実行される第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動の変動時間として、抽選結果に関わらず一定の長さ(10秒)の変動時間が設定される変動パターンが決定されるように構成している。そして、本変動時間を用いて昇格演出(図346参照)を実行するように構成している。このように、特定の特別図柄種別(第2特別図柄)の特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が、特定の遊技状態(通常状態)で実行された場合に、抽選結果に関わらず同一の長さの変動時間が設定される変動パターンを決定するように構成することで、その特別図柄変動中に実行される特定演出の演出期間を特別図柄抽選の結果に関わらず統一することができる。
次に、図355(a)を参照して、上述した時短用テーブル202j2の詳細について説明する。図355(a)は、この時短用テーブル202j2の規定内容を示した図である。図355(a)に示した通り、時短用テーブル202dj2には、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短当たり」が規定され、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短突時」が規定されている。一方、図355(a)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容としては、通常用テーブル202dj1(図354(c)参照)と共通である。即ち、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「小当たり」が規定されている。
これらの規定内容により、時短状態における第1特別図柄の変動時間を5秒間に固定化できると共に、第2特別図柄の変動時間を10秒間に固定化することができる。よって、図350で上述した通り、チャンスタイム(第2時短状態)において、第1特別図柄の変動と普通図柄の変動とをほぼ同時に開始させることができると共に、第1特別図柄の変動終了タイミングと普通図柄の当たり終了タイミングとをほぼ一致させることができる。よって、チャンスタイムにおける毎回の第1特別図柄の変動表示演出として、普通図柄の抽選結果を加味した変動表示態様を設定することができる。また、第2特別図柄の変動時間を固定化することで、昇格演出の演出期間を毎回固定化することができる。次に、図355(b)を参照して、本第8制御例における時短付与テーブル202ejの詳細について説明する。この時短付与テーブル202ejは、上述した第7制御例における時短付与テーブル202e(図294(b)参照)と同様に、時短状態を設定する際に、当該時短状態の設定契機に応じた時短状態の終了条件を設定するために参照されるデータテーブルである。図355(b)は、この時短付与テーブル202ejの規定内容を示した図である。
図355(b)に示した通り、本第8制御例における時短付与テーブル202ejには、各大当たり種別、および時短図柄種別と時短終了条件の成立有無を判定する際に参照される各カウンタの値とが対応付けられて規定されている。なお、図355(b)に示した通り、本第8制御例では、時短終了条件の成立有無を判定するためのカウンタとして、時短カウンタ203hと、小当たりカウンタ203sと、普電作動カウンタ203jaと、の3つが設けられている。時短カウンタ203hは、時短状態が設定された後で実行された特別図柄の抽選回数に対応する終了条件(第1終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、小当たりカウンタ203sは、時短状態が設定された後で実行された小当たり遊技の回数に対応する終了条件(第2終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、普電作動カウンタ203jaは、時短状態が設定された後で実行された普通図柄の当たり回数に対応する終了条件(第3終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタである。図355(b)に示した通り、本第8制御例では、大当たり種別として「大当たりA40」~「大当たりD40」の4種類が設けられていると共に、時短図柄種別として「時短図柄A40」~「時短図柄E40」の4種類が設けられており、時短付与テーブル202ejには、各大当たり種別および各時短図柄種別に対して、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、普電作動カウンタ203jaの値(即ち、第1から第3終了条件)が対応付けて規定されている。
図355(b)に示した通り、大当たり種別として「大当たりA40」、「大当たりC40」、および「大当たりD40」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「1」がそれぞれ規定されている。このため、「大当たりA40」、「大当たりC40」、および「大当たりD40」のいずれかに当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数10回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、普通図柄の当たり回数1回が設定される。なお、これらの大当たり終了後は第1時短状態に設定されるため、ほぼ、普通図柄の当たり遊技が1回実行されることで成立する第3終了条件の成立によって時短終了条件が成立する。この普通図柄の当たり遊技が普図当たりBであれば、時短状態の終了条件は成立するものの、第2入球口640へと遊技球を入球させて実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選を実行させることができるため、再度第1時短状態へと移行させることができる。一方、普通図柄の当たりが普図当たりAであれば、第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)な第1変位パターンで電動役物640aが変位されるため、第2特別図柄の抽選を実行させることも不可能となる。よって、「大当たりA40」、「大当たりC40」、および「大当たりD40」の終了後に設定される第1時短状態では、普図当たりBに当選することを強く期待させる遊技性となる。なお、第1時短状態において普図当たりBに当選する割合は、普通図柄の抽選が実行された場合の80%である。
また、図355(b)に示した通り、「大当たりB40」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値、小当たりカウンタ203sの値、および普電作動カウンタ203jaの値に対して、それぞれ「数値無し(図では「-」で表示)」が規定されている。このため、通常状態において「大当たりB40」に当選した場合は、大当たり終了後が時短状態に設定されず、通常状態に設定される。よって、「大当たりB40」は、大当たり終了後の遊技状態の面で最も不利な大当たり種別である。なお、当選時の遊技状態が時短状態である場合には、他の大当たり種別(「大当たりA40」、「大当たりC40」、および「大当たりD40」)と同一の終了条件が規定されている。詳細については上述した通りであるため、ここではその説明については省略する。
また、図355(b)に示した通り、「時短図柄A40」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に対して、時短カウンタ203hの値「14」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「10」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「時短図柄A40」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数14回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、普通図柄の当たり回数10回が設定される。よって、「時短図柄A40」に当選したことに基づいて設定される第2時短状態は、特別図柄の抽選が14回実行されるか、小当たり遊技が1回実行されるか、普通図柄の当たりが10回実行されるまで継続する。ここで、上述した通り、第2時短状態は、左打ちを行った場合に第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とが毎回ほぼ同時に実行される遊技状態であり、且つ、実質的に大当たりが確定する普図当たりBの当選割合が、普通図柄の抽選1回あたり3%の割合となる遊技状態であるため、特別図柄の大当たり確率(約1/320)を加味すると、第1特別図柄の抽選が実行される毎に、実質的に約1/30の確率で大当たりに当選する有利な遊技状態を形成する。10回の特別図柄と普通図柄とのほぼ同時の抽選によって合算約1/30の大当たりに当選する可能性は、約28.5%であるので、「時短図柄A40」に当選したことに基づく第2時短状態の大当たり期待度は約28.5%である。
なお、第1終了条件(特別図柄の変動回数に基づく終了条件)を、第3終了条件(普通図柄の当たり回数に基づく終了条件)よりも4回分多く設定しているのは、時短図柄に当選した時点の保留球数がいずれの値であっても、普通図柄の当たり回数を損させることなく第2時短状態における遊技を行わせるためである。より具体的には、第1終了条件と第3終了条件を一致させた場合、第2時短状態が開始された時点で第1特別図柄の保留球が存在している場合に、普通図柄の抽選が実行されずに第1特別図柄の抽選が実行されてしまい、第1終了条件に対応する時短カウンタ203hの値が減算されてしまう。つまり、第3終了条件が成立するよりも前に第1終了条件が成立してしまう可能性があり、第1特別図柄の保留球数が多くなるほど、第1特別図柄の抽選よりも実質的な大当たりの可能性が高い普通図柄の抽選回数を損してしまう虞がある。このため、本第8制御例では、第2時短状態への移行時点における第1特別図柄の保留球数が0個~4個のいずれであっても、第3終了条件よりも先に第1終了条件が成立することを極めて困難とするために、第3終了条件よりも第1終了条件を最大の保留球数分(即ち、4回分)だけ多い回数に設定する構成としている。このように構成することで、第2時短状態において第1特別図柄の保留球を全て消化してから左打ちを開始したとしても、第3終了条件に相当する回数の普通図柄の当たり遊技が実行されるまで、時短状態を継続させることができるので、実質的な大当たり確率が高い普通図柄の当たり遊技の回数を損することにより、遊技者に対して極めて不利益となってしまうことを抑制することができる。
一方、図355(b)に示した通り、当選時の遊技状態が時短状態である場合は、時短カウンタ203hの値「1004」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「1000」がそれぞれ規定されている。このため、時短状態において「時短図柄A40」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数1004回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、普通図柄の当たり回数1000回が設定される。1000回の特別図柄と普通図柄とのほぼ同時の抽選によって合算約1/30の大当たりに当選する可能性は、ほぼ100%であるので、時短状態において「時短図柄A40」に当選したことに基づいて設定された第2時短状態は、実質的に大当たりが確定する時短状態となる。また、図355(b)に示した通り、「時短図柄B40」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「34」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「30」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「時短図柄B40」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数34回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、普通図柄の当たり回数30回が設定される。よって、「時短図柄B40」に当選したことに基づいて設定される第2時短状態は、特別図柄の抽選が34回実行されるか、小当たり遊技が1回実行されるか、普通図柄の当たりが30回実行されるまで継続する。30回の特別図柄と普通図柄とのほぼ同時の抽選によって合算約1/30の大当たりに当選する可能性は、約63.5%であるので、「時短図柄B40」に当選したことに基づく第2時短状態の大当たり期待度は約63.5%である。なお、当選時の遊技状態が時短状態である場合は、「時短図柄A40」と同様に、時短カウンタ203hの値「1004」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「1000」が対応付けて規定されているため、実質的に大当たりが確定する第2時短状態が設定される。
また、図355(b)に示した通り、「時短図柄C40」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「54」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「50」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「時短図柄C40」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数54回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、普通図柄の当たり回数50回が設定される。よって、「時短図柄C40」に当選したことに基づいて設定される第2時短状態は、特別図柄の抽選が54回実行されるか、小当たり遊技が1回実行されるか、普通図柄の当たりが50回実行されるまで継続する。50回の特別図柄と普通図柄とのほぼ同時の抽選によって合算約1/30の大当たりに当選する可能性は、約81.3%であるので、「時短図柄C40」に当選したことに基づく第2時短状態の大当たり期待度は約81.3%である。なお、当選時の遊技状態が時短状態である場合は、「時短図柄A40」や「時短状態B40」と同様に、時短カウンタ203hの値「1004」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「1000」が対応付けて規定されているため、実質的に大当たりが確定する第2時短状態が設定される。
また、図355(b)に示した通り、「時短図柄D40」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「104」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「100」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「時短図柄D40」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数104回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、普通図柄の当たり回数100回が設定される。よって、「時短図柄D40」に当選したことに基づいて設定される第2時短状態は、特別図柄の抽選が104回実行されるか、小当たり遊技が1回実行されるか、普通図柄の当たりが100回実行されるまで継続する。100回の特別図柄と普通図柄とのほぼ同時の抽選によって合算約1/30の大当たりに当選する可能性は、約96.5%であるので、「時短図柄D40」に当選したことに基づく第2時短状態の大当たり期待度は約96.5%である。なお、当選時の遊技状態が時短状態である場合は、「時短図柄A40」~「時短図柄C40」と同様に、時短カウンタ203hの値「1004」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「1000」が対応付けて規定されているため、実質的に大当たりが確定する第2時短状態が設定される。
更に、図355(b)に示した通り、「時短図柄E40」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「1004」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「1000」がそれぞれ規定されている。このため、「時短図柄E40」に当選した場合は、遊技状態によらず、第1終了条件として、特別図柄の変動回数1004回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、普通図柄の当たり回数1000回が設定される。よって、「時短図柄E40」に当選したことに基づいて設定される第2時短状態は、特別図柄の抽選が1004回実行されるか、小当たり遊技が1回実行されるか、普通図柄の当たりが1000回実行されるまで継続する。1000回の特別図柄と普通図柄とのほぼ同時の抽選によって合算約1/30の大当たりに当選する可能性は、ほぼ100%であるので、「時短図柄E40」に当選したことに基づく第2時短状態は、実質的に大当たりが確定する時短状態となる。このように、本第8制御例では、時短図柄の種別に応じて付与される第2時短状態の終了条件を異ならせることで時短図柄の種別毎の大当たり期待度を異ならせる構成としている。つまり、第2時短状態が終了するまでの普通図柄の当たり遊技の実行回数を、時短図柄の種別に応じて異ならせることで、大当たりに当選する可能性を異ならせる構成としている。このように構成することで、時短図柄に当選した場合に、時短図柄の種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図356(a)を参照して、本第8制御例における小当たり種別選択テーブル202fjの詳細について説明する。図356(a)は、この小当たり種別選択テーブル202fjの規定内容を示した図である。図356(a)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0~79」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりA40」が対応付けて規定されており、小当たり種別カウンタC5の値が「80~99」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりB40」が対応付けて規定されている。ここで、「小当たりA40」も、「小当たりB40」も、小当たり遊技の実行中に右打ちを行い続けるだけで、容易に特定領域650e3へと遊技球を入球させることができる小当たり種別であり、「小当たりA40」において特定領域650e3へと遊技球が入球した場合は大当たりC40(10ラウンド大当たり)に当選する一方で、「小当たりB40」において特定領域650e3へと遊技球が入球した場合は大当たりD40(3ラウンド大当たり)に当選するように構成されている。いずれの大当たりに当選した場合も、大当たり終了後の遊技状態は第1時短状態に設定されるため、大当たり当選時のラウンド数が多い点でのみ、「小当たりA40」の方が「小当たりB40」よりも有利度合いが高い小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりA40」および「小当たりB40」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)がそれぞれ80個および20個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に「小当たりA40」および「小当たりB40」が決定される割合は、それぞれ80%(80/100)および20%(20/100)である。
次に、図356(b)を参照して、本第8制御例における時短種別選択テーブル202jaの詳細について説明する。この時短種別選択テーブル202jaは、特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に、時短図柄の種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図356(b)に示した通り、時短種別選択テーブル202jaには、「時短図柄A40」~「時短図柄E40」の5種類の時短図柄種別のそれぞれに対して、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲が対応付けて規定されている。具体的には、図356(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~89」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄A40」が対応付けて規定されている。この「時短図柄A40」は、上述した通り、第3終了条件(普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく時短終了条件)が10回に設定される第2時短状態に対応する時短図柄種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「時短図柄A40」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が90個であるため、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に「時短図柄A40」が決定される割合は90%(90/100)である。また、図356(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~94」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄B40」が対応付けて規定されている。この「時短図柄B40」は、上述した通り、第3終了条件(普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく時短終了条件)が30回に設定される第2時短状態に対応する時短図柄種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「時短図柄B40」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が5個であるため、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に「時短図柄B40」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図356(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「95~97」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄C40」が対応付けて規定されている。この「時短図柄C40」は、上述した通り、第3終了条件(普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく時短終了条件)が50回に設定される第2時短状態に対応する時短図柄種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「時短図柄C40」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が3個であるため、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に「時短図柄C40」が決定される割合は3%(3/100)である。また、図356(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値「98」に対して、時短図柄種別として「時短図柄D40」が対応付けて規定されている。この「時短図柄D40」は、上述した通り、第3終了条件(普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく時短終了条件)が100回に設定される第2時短状態に対応する時短図柄種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「時短図柄D40」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が1個であるため、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に「時短図柄D40」が決定される割合は1%(1/100)である。また、図356(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値「99」に対して、時短図柄種別として「時短図柄E40」が対応付けて規定されている。この「時短図柄E40」は、上述した通り、第3終了条件(普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく時短終了条件)が1000回に設定される第2時短状態に対応する時短図柄種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「時短図柄E40」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が1個であるため、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に「時短図柄E40」が決定される割合は1%(1/100)である。
次に、図356(c)を参照して、本第8制御例における普図当たり種別選択テーブル202jbについて説明する。この普図当たり種別選択テーブル202jbは、普通図柄の抽選で普通図柄の当たりとなった場合に普通図柄の当たり種別を選択(決定)するために参照されるデータテーブルである。図356(c)に示した通り、この普図当たり種別選択テーブル202jbには、遊技状態毎に、普通図柄の当たり種別と、第2当たり種別カウンタC6の値の範囲とが対応付けて規定されている。具体的には、図356(c)に示した通り、普通図柄の抽選時の遊技状態が通常状態である場合には、第2当たり種別カウンタC6の値の全範囲(「0~99」の範囲)に対して、普図当たり種別として普図当たりAが対応付けて規定されている。この普図当たりAは、上述した通り、第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)な開閉パターン(第1変位パターン)で電動役物640aが開閉(変位)される種別の普図当たりである。
一方、図356(c)に示した通り、普通図柄の抽選時の遊技状態が第1時短状態である場合には、第2当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲に対して「普図当たりA」が対応付けて規定され、第2当たり種別カウンタC6の値が「20~99」の範囲に対して「普図当たりB」が対応付けて規定されている。普図当たりBは、上述した通り、第2入球口640へと遊技球を容易に入球させることが可能な開閉パターン(第2変位パターン)で電動役物640aが開閉(変位)される種別の普図当たりである。そして、第2特別図柄の抽選は、実質的に大当たりが確定する抽選であるため、普図当たりBは、実質的に大当たりが確定する種別の普図当たりであると言える。第2当たり種別カウンタC6の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、普図当たりAおよび普図当たりBに対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数はそれぞれ20個および80個であるため、第1時短状態において普通図柄の当たりに当選した場合に普図当たりAおよび普図当たりBが決定される割合は、それぞれ20%(20/100)および80%(80/100)である。第1時短状態は、普通図柄の当たり遊技が1回実行されることで終了される(通常状態に転落される)遊技状態であるので、第1時短状態では、80%の割合で実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選して大当たり遊技が実行される一方で、20%の割合で第2入球口640へと遊技球を入球させることができずにそのまま通常状態へと転落してしまう遊技状態を形成する。
また、図356(c)に示した通り、普通図柄の抽選時の遊技状態が第2時短状態である場合には、第2当たり種別カウンタC2の値が「0~96」の範囲に対して「普図当たりA」が対応付けて規定され、第2当たり種別カウンタC6の値が「97~99」の範囲に対して「普図当たりB」が対応付けて規定されている。第2当たり種別カウンタC6の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、普図当たりAおよび普図当たりBに対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数はそれぞれ97個および3個であるため、第1時短状態において普通図柄の当たりに当選した場合に普図当たりAおよび普図当たりBが決定される割合は、それぞれ97%(97/100)および3%(3/100)である。第2時短状態では、普通図柄の当たりが10回、30回、50回、100回、および1000回のいずれかの回数実行されることで終了される遊技状態であるため、第2時短状態においては、規定の普通図柄の当たり遊技回数に到達するよりも前に3%の普図当たりBに当選することを目指す遊技性となる。
次に、図352(b)を参照して、本第8制御例の主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図352(b)は、本第8制御例におけるRAM203の構成を示すブロック図である。図352(b)に示した通り、本第8制御例におけるRAM203は、上述した第7制御例におけるRAM203の構成(図292(b)参照)に対して、特図2カウンタ203tに代えて普電作動カウンタ203jaが設けられている点でのみ相違している。この普電作動カウンタ203jaは、上述した通り、時短状態が設定された後で実行された普通図柄の当たり回数に対応する終了条件(第3終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、大当たり終了時または時短図柄の停止時に、大当たり種別または時短種別に対応するカウンタ値が設定される(図359のS226A参照)。また、この普電作動カウンタ203jaは、普通図柄の当たり遊技の開始タイミングとなる毎に、値が1ずつ減算して更新される(図366(b)のS2332A参照)。この普電作動カウンタ203jaの値によって、第3終了条件(普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく時短終了条件)の成立有無が判定される。
なお、本第8制御例における時短終了条件の1つとして、普図当たり遊技の実行回数に基づく終了条件(第3終了条件)を規定している理由としては、右打ちを行うことで、第1特別図柄の抽選を実行させることなく普通図柄の抽選のみを実行させることが可能な盤面構成であり、且つ、普図当たりBに当選することで実質的に大当たりが確定する遊技性としているため、特別図柄の抽選回数に基づく終了条件(第1終了条件)および小当たり遊技の実行回数に基づく終了条件(第2終了条件)のみを時短終了条件として規定した場合、第1時短状態または第2時短状態に移行した後で右打ちを行い続けると、実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選するまで時短状態が継続してしまう不具合が生じてしまうためである。そこで、本第8制御例では、時短終了条件として、普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく終了条件(第3終了条件)を規定する構成とし、時短状態において右打ちを行い続け、特別図柄の抽選が全く行われなかったとしても、規定回数に渡って普図当たり遊技が実行されることにより時短状態が終了されるように構成している。これにより、普図当たりBに当選するまで時短状態が必ず継続してしまうという不具合が発生することを防止することができる。次に、図357(a)を参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図357(a)は、本第8制御例におけるROM222の構成を示すブロック図である。図357(a)に示した通り、本第8制御例におけるROM222は、上述した第7制御例におけるROM222の構成(図299(a)参照)に対して、待機演出選択テーブル222jaが追加されている点、および討伐数選択テーブル222b、討伐演出態様選択テーブル222c、追加減少値選択テーブル222d、演出ステージデータテーブル222e、遊技環境データテーブル222fが削除されている点で相違している。待機演出選択テーブル222jaは、チャンスタイム待機演出(図343(b)、図344参照)の演出態様を決定するために参照されるデータテーブルである。この待機演出選択テーブル222jaの詳細について、図358を参照して説明する。
図358は、待機演出選択テーブル222jaの規定内容を示した図である。図358に示した通り、この待機演出選択テーブル222jaは、今回当選した時短図柄の種別に対応する時短回数、および演出開始時の状況の組み合わせ毎に、アイコン(示唆図柄)の組み合わせと第1演出カウンタ223f1の値の範囲との対応関係が規定されている。ここで、上述した通り、チャンスタイム待機演出(図343(b)、図344参照)は、時短図柄に対応する変動表示が終了してから、第1特別図柄の保留球を全て消化しきるまで(保留球数が0個の場合は時短図柄が停止表示されてから5秒が経過するまで)の期間を用いて実行される演出であり、第1特別図柄の保留球に基づく変動表示の実行中に第1入球口64(および中央スルーゲート67c)へと遊技球が入球(通過)してしまうことを防止するために実行される演出である。このため、時短図柄が停止表示されて第2時短状態へと移行した後、最大で4回(第1特別図柄の保留球の上限個数分)の変動表示演出に渡って連続的に実行され得る演出で構成される。
図358に示した通り、チャンスタイム待機演出の演出期間内で新たな演出を実行する際の状況として、大当たり変動の開始時という状況に対しては、時短回数(第3終了条件)によらずに、第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「祝」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(当たり報知演出A)が対応付けて規定されている。同様に、第1演出カウンタ223f1の値が「50~89」の範囲に対して、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「祝」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(当たり報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「90~99」の範囲に対して、「∞」という文字が付された2つのアイコン、「祝」という文字が付された2つのアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「祝」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(当たり報知演出C)が対応付けて規定されている。
第1演出カウンタ223f1の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、当たり報知演出A、当たり報知演出B、および当たり報知演出Cに対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ50個、40個、および10個であるので、チャンスタイム待機演出の演出期間内に当たり変動が開始される場合に、当たり報知演出A、当たり報知演出B、および当たり報知演出Cが決定される割合は、それぞれ50%(50/100)、40%(40/100)、および10%(10/100)である。なお、当たり報知演出Aで最初に表示されるアイコン(示唆図柄)の組み合わせは、少ない時短回数(10回の時短回数)を報知する際にも比較的高い割合で決定される組み合わせであるため、比較的遊技者に有利な報知が行われる期待度が低い演出態様という位置付けである。また、当たり報知演出Bで最初に表示されるアイコン(示唆図柄)の組み合わせは、比較的多い時短回数(100回や1000回)が設定されている場合にも選択される組み合わせであるため、比較的遊技者に有利な報知が行われる期待度が高い演出態様という位置付けである。更に、当たり報知演出Cで最初に表示されるアイコン(示唆図柄)の組み合わせは、実質的に大当たりまで継続するに等しい1000回の時短回数が報知される状況においてのみ選択され得る組み合わせであるため、アイコンの組み合わせが表示された段階で当たりまたは実質的に大当たりが確定する1000回の時短状態のどちらかであることが確定する極めて有利な演出態様という位置づけである。
また、図358に示した通り、時短回数(第3終了条件)が10回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留0個の状態で外れ変動が開始されるか、または変動停止状態であるという状況(つまり、演出期間において最後に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~79」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「10回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(10回報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「80~98」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「10回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(10回報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値「99」に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「10回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(10回報知演出C)が対応付けて規定されている。
一方で、時短回数(第3終了条件)が10回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留球数が1以上の状態で外れ変動が開始されるという状況(つまり、演出期間において最後以外に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~94」の範囲に対して、「10回」という文字が付された3つのアイコンと、「継続」という文字が付された1つのアイコンと、の組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「95~99」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出B)が対応付けて規定されている。これらにより、10回の時短回数の第2時短状態が設定されている場合は、チャンスタイム待機演出として、保留球数が1以上の間は継続報知演出Aが高い割合で実行され、保留球数が0になると10回報知演出Aが高い割合で実行される。
また、図358に示した通り、時短回数(第3終了条件)が30回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留0個の状態で外れ変動が開始されるか、または変動停止状態であるという状況(つまり、演出期間において最後に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~39」の範囲に対して、「10回」という文字が付された2つのアイコン、「30回」という文字が付された1つのアイコン、「継続」という文字が付された1つのアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「30回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(30回報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「40~98」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「30回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(30回報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値「99」に対して、「30回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「30回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(30回報知演出C)が対応付けて規定されている。
一方で、時短回数(第3終了条件)が30回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留球数が1以上の状態で外れ変動が開始されるという状況(つまり、演出期間において最後以外に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~94」の範囲に対して、「10回」という文字が付された3つのアイコンと、「継続」という文字が付された1つのアイコンと、の組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「95~98」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値「99」に対して、「30回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出C)が対応付けて規定されている。これらにより、30回の時短回数の第2時短状態が設定されている場合は、チャンスタイム待機演出として、保留球が1以上の間は継続報知演出Aの割合が時短回数10回の場合よりも低くなると共に継続報知演出Bの割合が高くなる。また、時短回数10回では選択され得ない継続報知演出Cが選択される可能性がある。また、保留球数が0になると30回報知演出Bが比較的高い割合で実行される。
また、図358に示した通り、時短回数(第3終了条件)が50回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留0個の状態で外れ変動が開始されるか、または変動停止状態であるという状況(つまり、演出期間において最後に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~9」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「30回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(30回報知演出D)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「10~12」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「30回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(30回報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「13,14」の範囲に対して、「30回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「30回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(30回報知演出C)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「15~89」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「50回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(50回報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「90~99」の範囲に対して、「50回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「50回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(50回報知演出B)が対応付けて規定されている。
つまり、時短回数が50回の場合は、実際よりも少ない時短回数(30回)が報知される可能性があるように構成されている。このため、少ない時短回数(30回)が報知されたとしても、より多い時短回数が設定されている可能性があると遊技者に期待させることができる。なお、実際よりも少ない時短回数を報知した場合は、表示上の時短回数が0になった時点で、報知されていなかった残りの時短回数を上乗せする演出が実行される。また、チャンスタイム中に時短図柄に当選して時短回数が増加していた場合も同様に、表示上の時短回数が0になった時点で、残りの時短回数を上乗せする演出が実行される。このように構成することで、表示上の時短回数が少なくなったとしても、時短回数の上乗せが発生することを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図358に示した通り、時短回数(第3終了条件)が50回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留球数が1以上の状態で外れ変動が開始されるという状況(つまり、演出期間において最後以外に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~79」の範囲に対して、「10回」という文字が付された3つのアイコンと、「継続」という文字が付された1つのアイコンと、の組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「80~94」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「95~99」の範囲に対して、「30回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出C)が対応付けて規定されている。これらにより、50回の時短回数の第2時短状態が設定されている場合は、チャンスタイム待機演出として、保留球が1以上の間は継続報知演出Aの割合が時短回数10回や30回の場合よりも低くなると共に継続報知演出Bおよび継続報知演出Cの割合が高くなる。また、保留球数が0になると50回報知演出Aが比較的高い割合で実行される。
また、図358に示した通り、時短回数(第3終了条件)が100回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留0個の状態で外れ変動が開始されるか、または変動停止状態であるという状況(つまり、演出期間において最後に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~14」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「50回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(50回報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「15~24」の範囲に対して、「50回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「50回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(50回報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「25~69」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「100回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(100回報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「70~99」の範囲に対して、「50回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「100回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(100回報知演出B)が対応付けて規定されている。
つまり、時短回数が100回の場合についても、50回の場合と同様に、実際よりも少ない時短回数(50回)が報知される可能性があるように構成されている。このため、少ない時短回数(50回)が報知されたとしても、より多い時短回数が設定されている可能性があると遊技者に期待させることができる。
また、図358に示した通り、時短回数(第3終了条件)が100回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留球数が1以上の状態で外れ変動が開始されるという状況(つまり、演出期間において最後以外に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、「10回」という文字が付された3つのアイコンと、「継続」という文字が付された1つのアイコンと、の組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「50~89」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「90~98」の範囲に対して、「30回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出C)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値「99」に対して、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出D)が対応付けて規定されている。これらにより、100回の時短回数の第2時短状態が設定されている場合は、チャンスタイム待機演出として、保留球が1以上の間は継続報知演出Aの割合が時短回数10回~50回の場合よりも低くなると共に継続報知演出Bおよび継続報知演出Cの割合が高くなる。また、時短回数が10回~50回の場合には選択され得ない継続報知演出Dが選択される可能性がある。
また、図358に示した通り、時短回数(第3終了条件)が1000回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留0個の状態で外れ変動が開始されるか、または変動停止状態であるという状況(つまり、演出期間において最後に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、「50回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「100回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(100回報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「50~64」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「∞」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(∞報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「65~98」の範囲に対して、「50回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「∞」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(∞報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値「99」に対して、「∞」という文字が付された2個のアイコンと、「祝」という文字が付された2個のアイコンとの組み合わせが表示され、最終的に「∞」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(∞報知演出C)が対応付けて規定されている。
つまり、時短回数が1000回の場合についても、50回や100回の場合と同様に、実際よりも少ない時短回数(100回)が報知される可能性があるように構成されている。このため、少ない時短回数(100回)が報知されたとしても、より多い時短回数が設定されている可能性があると遊技者に期待させることができる。
また、図358に示した通り、時短回数(第3終了条件)が1000回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留球数が1以上の状態で外れ変動が開始されるという状況(つまり、演出期間において最後以外に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、「10回」という文字が付された3つのアイコンと、「継続」という文字が付された1つのアイコンと、の組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「50~74」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「75~94」の範囲に対して、「30回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出C)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「95~99」の範囲に対して、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出D)が対応付けて規定されている。これらにより、1000回の時短回数の第2時短状態が設定されている場合は、チャンスタイム待機演出として、保留球が1以上の間は継続報知演出Aの割合が時短回数10回~50回の場合よりも低くなると共に継続報知演出Bおよび継続報知演出Cの割合が高くなる。また、時短回数が10回~50回の場合には選択され得ない継続報知演出Dが選択される可能性が、時短回数が100回の場合よりも更に高くなる。
このように、本第8制御例では、チャンスタイム待機演出によって、時短回数を報知する演出を実行する構成とすると共に、報知演出において最初に表示されるアイコンの組み合わせの選択比率を、時短回数に応じて異ならせることにより、アイコンの組み合わせにより時短回数を予測させる遊技性を実現することができる。よって、チャンスタイム待機演出の実行中における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。次に、図357(b)を参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図357(b)は、本第8制御例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図357(b)に示した通り、本第8制御例におけるRAM223は、上述した第7制御例におけるRAM223の構成(図299(b)参照)に対して、待機演出フラグ223jaと、待機演出回数カウンタ223jbと、待機期間タイマ223jcと、が追加されている点で相違している。また、討伐回数カウンタ223iと、残討伐数カウンタ223jと、特定数表地済フラグ223kと、ラッシュ期間計測カウンタ223mと、賞球数カウンタ223nと、保留連フラグ223oと、ラウンド数カウンタ223pと、SW有効時間カウンタ223qと、右打ちフラグ223rと、V入賞済フラグ223sと、演出固定フラグ223tと、遊技環境格納エリア223uと、が削除されている点でも相違している。
待機演出フラグ223jaは、チャンスタイム待機演出(図343(b)、図344参照)の実行中であるか否かを示すフラグであり、オンであればチャンスタイム待機演出の実行中であることを意味し、オフであればチャンスタイム待機演出の実行中で無いことを意味する。この待機演出フラグ223jaは、第2時短状態へと移行したことを示す状態コマンドを主制御装置110から受信した場合にオンに設定され(図369のS3451A参照)、チャンスタイム待機演出の終了タイミングでオフに設定される(図374のS5711A、図375のS4617A参照)。この待機演出フラグ223jaがオンの状態で新たな変動表示演出を開始させる場合は、上述した待機演出選択テーブル222ja(図358参照)を参照して新たなチャンスタイム待機演出を伴う変動表示態様の変動表示演出が設定される。待機演出回数カウンタ223jbは、チャンスタイム待機演出(図343(b)、図344参照)の実行期間における変動回数をカウントするためのカウンタである。この待機演出回数カウンタ223jbは、初期値が0に設定されており、1のチャンスタイム待機演出の実行期間において新たな演出態様を実行する毎に値が1ずつ加算して更新される(図369のS3455A、図374のS5709A参照)。チャンスタイム待機演出においては、この待機演出回数カウンタ223jbが4になった場合に演出が打ち切られて通常のチャンスタイム演出に移行する。これは、チャンスタイム待機演出の実行中に遊技者が左打ちを行い続けて第1特別図柄の保留球が1以上の状態を維持する変則的な遊技方法が実行された場合に、延々とチャンスタイム待機演出が継続してしまうことを防止する趣旨である。
待機期間タイマ223jcは、チャンスタイム(第2時短状態)において、普通図柄の抽選が開始された後における経過時間を計時するタイマである。この待機期間タイマ223jcは、初期値が0に設定されており、チャンスタイム待機演出の終了後に普通図柄の抽選が実行される毎に、0.2秒に対応するタイマ値が設定される(図372のS5608A参照)と共に、演出更新処理(図375参照)が実行される毎に値が減算して更新される。この待機期間タイマ223jcが0に更新された場合は、普通図柄の抽選タイミングと第1特別図柄の抽選開始タイミングとが大幅にずれていると判断して、0.2秒前に開始された普図変動の抽選結果を報知するための疑似的な変動表示演出を開始させる(図375のS4614A参照)。これにより、第1特別図柄の抽選タイミングと普通図柄の抽選タイミングとがずれたとしても、より実質的な大当たり期待度が高い普通図柄の抽選結果に基づいて変動表示演出を実行することができるので、好適な演出態様を実現することができる。
<第8制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図359から図366を参照して、本第8制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理の詳細について説明する。まず、図359を参照して、本第8制御例における特別図柄変動処理(S104A)の詳細について説明する。図359は、この特別図柄変動処理(S104A)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104A)は、上述した第7制御例における特別図柄変動処理(図304参照)と同様に、特別図柄の変動表示中における第1図柄表示装置37a,37bの表示設定等を行うための処理である。この第8制御例における特別図柄変動処理(図359参照)のうち、S201~S207、およびS211~S223の各処理では、それぞれ上述した第7制御例における特別図柄変動処理(図304参照)のS201~S207、およびS211~S223の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8制御例における特別図柄変動処理(図359参照)では、S207の処理、またはS214の処理が終了すると、第7制御例における特別図柄判定処理(図305参照)に代えて特別図柄判定処理を実行し(S209A)、次いで、第7制御例における特別図柄変動パターン選択処理(図306参照)に代えて特別図柄変動パターン選択処理を実行して(S210A)、本処理を終了する。これらの特別図柄判定処理(S209A)、および特別図柄変動パターン選択処理(S210A)の詳細については、それぞれ図360と図361、および図362と図363を参照して後述する。
また、本第8制御例における特別図柄変動処理(図359参照)では、S218の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別された場合に(S218:No)、次いで、今回の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S225A)、時短図柄当選である場合は(S225A:Yes)、今回当選した時短図柄の種別に対応する時短終了条件を、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、普電作動カウンタ203jaに対して設定し(S226A)、本処理を終了する。一方、S225Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合は(S225A:No)、処理をS222へと移行する。また、本第8制御例における特別図柄変動処理(図359参照)では、S222の処理において今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではないと判別した場合(S222:No)、またはS223処理が終了した場合に、上述した第7制御例における時短更新処理(図308参照)に代えて時短更新処理を実行して(S224A)、本処理を終了する。この時短更新処理(S224A)の詳細については、図364を参照して後述する。次に、図360を参照して、上述した特別図柄判定処理(S209A)の詳細について説明する。この特別図柄判定処理(S209A)は、第7制御例における特別図柄判定処理(図305参照)に代えて実行される処理であり、第7制御例における特別図柄判定処理(図305参照)と同様に、特別図柄の抽選を実行するための処理である。この第8制御例における特別図柄判定処理(S209A)のうち、S301~S305の各処理では、それぞれ第7制御例における特別図柄判定処理(図305参照)のS301~S305の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8制御例における特別図柄判定処理(図360参照)では、S303の処理において特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S303:No)、外れの種別に応じた制御を実行するための外れ時処理を実行して(S311A)、本処理を終了する。この外れ時処理(S311A)の詳細について、図361を参照して説明する。
図361は、この外れ時処理(S311A)を示すフローチャートである。この外れ時処理(S311A)では、まず、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S2101A)、抽選結果が時短図柄当選であると判別した場合は(S2101A:Yes)、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する時短図柄種別を、第1図柄表示装置37a,37bに表示させる時短図柄として設定し(S2102A)、本処理を終了する。一方、S2101Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合は(S2101A:No)、次いで、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S2103A)、小当たりであると判別した場合は(S2103A:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S2104A)、小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別を、第1図柄表示装置37a,37bに表示させる小当たり図柄として設定し(S2105A)、本処理を終了する。これに対し、S2103Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S2103A:No)、S2104A,S2105Aの各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。この外れ時処理(図361参照)を実行することにより、特別図柄の抽選結果が外れ(大当たり以外)である場合に、抽選結果に応じた第1図柄の表示を好適に設定することができる。次に、図362を参照して、本第8制御例における特別図柄変動パターン選択処理(S210A)の詳細について説明する。図362は、この特別図柄変動パターン選択処理(S210A)を示すフローチャートである。この特別図柄変動パターン選択処理(S210A)は、上述した第7制御例における特別図柄変動パターン選択処理(図306参照)と同様に、特別図柄の抽選結果に応じた第1図柄の変動パターンを選択するための処理である。
この第8制御例における特別図柄変動パターン選択処理(図362参照)のうち、S401~S408の各処理では、それぞれ第7制御例における変動パターン選択処理(図306参照)のS401~S408の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8制御例における変動パターン選択処理(図362参照)では、S401の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S401:No)、外れ(小当たり、時短図柄当選含む)時の変動パターンを選択するための外れ時種別決定処理を実行して(S421A)、処理をS403へと移行する。この外れ時種別決定処理(S421A)の詳細について、図363を参照して説明する。図363は、この外れ時種別決定処理(S421A)を示すフローチャートである。外れ時種別決定処理(S421A)では、まず、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S2201A)、時短図柄当選であると判別した場合は(S2201A:Yes)、時短種別選択テーブル202ja(図356(b)参照)を参照して時短図柄の種別を決定し(S2202A)、本処理を終了する。一方、S2201Aの処理において、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合は(S2201A:No)、次いで、特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S2203A)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S2203A:Yes)、小当たり種別選択テーブル202fj(図356(a)参照)を参照して小当たり種別を決定し(S2204A)、本処理を終了する。これに対し、S2203Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではない(即ち、通常の外れ(完全外れ)である)と判別した場合は(S2203A:No)、S2204Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。この外れ時種別決定処理(図363参照)を実行することにより、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選若しくは小当たりであった場合に、時短図柄種別若しくは小当たり種別を好適に決定することができる。
次に、図364を参照して、本第8制御例における時短更新処理(S224A)の詳細について説明する。この時短更新処理(S224A)は、第7制御例における時短更新処理(図308参照)に代えて実行される処理であり、時短更新処理(図308参照)と同様に、時短終了条件を判定するための各種カウンタ値を更新すると共に、時短終了条件が成立したと判定した場合に時短状態を終了させるための処理である。この第8制御例における時短更新処理(図364参照)のうち、S601~S605、およびS607の各処理では、それぞれ上述した第7制御例における時短更新処理(図308参照)のS601~S605、およびS607の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8制御例における時短更新処理(図364参照)では、S605の処理が終了すると、小当たりカウンタ203s、普電作動カウンタ203jaの値を0にリセット(設定)して(S621A)、処理をS607へと移行する。このS621Aの処理を、第7制御例における時短更新処理(図308参照)のS606に代えて実行しているのは、単に第7制御例における第3終了条件を判定するための特図2カウンタ203tに代えて、本第8制御例では普電作動カウンタ203jaが設けられていることによる変更である。つまり、第7制御例では、第2特別図柄の抽選回数が規定回数に到達した場合に成立する時短終了条件を設けていたが、本第8制御例では、これに代えて、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数に到達した場合に成立する時短終了条件を設ける構成としていることによる変更である。
また、図364に示した通り、本第8制御例における時短更新処理(図364参照)では、S604の処理で、時短カウンタ203hの値が0に減算されていないと判別した場合に(S604:No)、次いで、今回変動停止タイミングとなった変動表示に対応する特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S622A)、小当たりでないと判別した場合は(S622A:No)、そのまま本処理を終了する。これに対して、S622Aの処理において、今回の変動表示に対応する特別図柄の抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S622A:Yes)、まず、小当たり遊技の開始を設定するために小当たり開始フラグ203nをオンに設定し(S623A)、次いで、小当たりカウンタ203sの値を1減算する(S624A)。S624Aの処理が終了すると、次いで、小当たりカウンタ203sの値が0に減算されたか否かを判別し(S625A)、小当たりカウンタ203sの値が0に減算されたと判別した場合は(S625A:Yes)、小当たり回数が規定回数に到達したことに基づく時短終了条件(第2終了条件)が成立したことを意味するため、時短状態を終了させるためのS626A~S628Aの各処理を実行する。より具体的には、遊技状態格納エリア203gのデータを通常状態に対応するデータに更新することで遊技状態を通常状態に設定し(S626A)、時短カウンタ203h、普電作動カウンタ203jaの各値を0にリセット(設定)することで時短終了条件をクリアする(S627A)。次いで、通常状態を示す状態コマンドを設定して(S628A)、本処理を終了する。これに対して、S625の処理において、小当たりカウンタ203sの値が0に減算されていないと判別した場合は(S625A:No)、第2終了条件が成立していないことを意味するため、S626A~S628Aの各処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図365を参照して、本第8制御例における普通図柄変動処理(S106A)について説明する。この普通図柄変動処理(S106A)は、上述した第7制御例における普通図柄変動処理(図312参照)に代えて実行される処理であり、普通図柄変動処理(図312参照)と同様に、普通図柄の抽選を実行すると共に、普通図柄の当たりとなった場合に電動役物640aの開閉制御を設定するための処理である。図365は、この普通図柄変動処理(S106A)を示すフローチャートである。この第8制御例における普通図柄変動処理(図365参照)のうち、S1101~S1108,S1111,S1113,S1115~S1117、およびS1121の各処理では、それぞれ上述した第7制御例における普通図柄変動処理(図312参照)のS1101~S1108,S1111,S1113,S1115~S1117、およびS1121の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8制御例における普通図柄変動処理(図365参照)では、S1108の処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値である(即ち、現在の遊技状態が第1または第2時短状態である)と判別した場合に(S1108:Yes)、時短状態用の第2当たり乱数テーブル202cj(図354(a)参照)を参照して普通図柄の抽選結果を取得し(S1131A)、処理をS1111へと移行する。これに対し、S1108の処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値ではない(即ち、現在の遊技状態が通常状態である)と判別した場合は(S1108:No)、通常状態用の第2当たり乱数テーブル202cj(図354(a)参照)を参照して普通図柄の抽選結果を取得し(S1132A)、処理をS1111へと移行する。
また、図365に示した通り、本第8制御例における普通図柄変動処理(図365参照)では、S1111の処理において、今回の普通図柄の抽選結果が普通図柄の当たりであると判別した場合に(S1111:Yes)、普通図柄の当たり種別を特定して当たり種別を音声ランプ制御装置113へと通知するための普図当たり時処理を実行し(S1133A)、処理をS1134Aへと移行する。この普図当たり時処理(S1133A)の詳細については、図366(a)を参照して後述する。S1133Aの処理、またはS1113の処理が終了した後で実行されるS1134Aの処理では、変動時間を1秒間に設定して(S1134A)、本処理を終了する。また、本第8制御例における普通図柄変動処理(図365参照)では、S1117の処理において、今回の普通図柄の抽選結果が当たりであると判別した場合に、まず、普通図柄の当たり回数に基づく時短終了条件(第3終了条件)の成立有無を判定するための第3終了条件判定処理を実行する(S1135A)。この第3終了条件判定処理(S1135A)の詳細については、図366(b)を参照して後述する。S1135Aの処理が終了すると、次いで、今回の普通図柄の当たりが普図当たりAであるか否かを判別し(S1136A)、今回の普通図柄の当たりが普図当たりAであると判別した場合は(S1136A:Yes)、電動役物640aの変位パターンを普図当たりA用の第1変位パターン(即ち、第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能な変位パターン)に設定して(S1137A)、処理をS1121へと移行する。これに対し、S1136の処理において、今回の普通図柄の当たりが普図当たりAではない(即ち、普図当たりBである)と判別した場合は(S1136A:No)、電動役物640aの変位パターンを普図当たりB用の第2変位パターン(即ち、第2入球口640へと容易に遊技球を入球させることが可能であり、実質的に大当たり当選が確定する変位パターン)に設定して(S1138A)、処理をS1121へと移行する。
次いで、図366(a)を参照して、上述した普図当たり時処理(S1133A)の詳細について説明する。図366(a)は、この普図当たり時処理(S1133A)を示すフローチャートである。この普図当たり時処理(S1133A)が実行されると、まず、普図当たり種別選択テーブル202jb(図356(c)参照)を参照して、現在の遊技状態に応じた普図当たり種別を決定し(S2301A)、次いで、決定した普図当たり種別を音声ランプ制御装置113に通知するための普図当たりコマンドを設定する(S2302A)。ここで設定された普図当たりコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、普図当たりコマンドを受信すると、その普図当たりコマンドから普通図柄の当たり種別を特定し、特定した当たり種別を加味した演出制御を行う。特に、実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選し得る時短状態においては、普通図柄の抽選が実行される毎に、普図当たりBであるか否かを示す演出を実行する。S2302Aの処理が終了した後は、普図当たりを示すための第2図柄表示装置83の表示態様を設定して(S2303A)、本処理を終了する。この普図当たり時処理(図366(a)参照)を実行することにより、遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2時短状態)に応じた割合で普図当たり種別を決定することができる。つまり、遊技状態に応じて、実質的に大当たりが確定する普図当たりBの確率を可変させることができるので、実質的な大当たり確率が異なる遊技状態を形成することができる。
次いで、図366(b)を参照して、上述した第3終了条件判定処理(S1135A)の詳細について説明する。図366(b)は、この第3終了条件判定処理(S1135A)を示すフローチャートである。図366(b)に示した通り、この第3終了条件判定処理(S1135A)が実行されると、まず、普電作動カウンタ203jaのカウンタ値が0より大きい値であるか(1以上の値であるか)否かを判別し(S2331A)、普電作動カウンタ203jaのカウンタ値が0より大きい値ではない(0である)と判別した場合は(S2331A:No)、現在の遊技状態が通常状態であり、第3終了条件の成立有無を判定する必要が無いことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、S2331Aの処理において、普電作動カウンタ203jaの値が0より大きい値である(1以上の値である)と判別した場合は(S2331A:Yes)、現在の遊技状態が時短状態(第1時短状態または第2時短状態)であることを意味するため、次いで、普電作動カウンタ203jaの値を1減算して更新し(S2332A)、減算後の普電作動カウンタ203jaの値が0に更新されたか否かを判別する(S2333A)。S2333Aの処理において、普電作動カウンタ203jaのカウンタ値が0に更新されたと判別した場合は(S2333A:Yes)、第3終了条件が成立したと判定し、時短状態を終了させるためのS2334~S2336の各処理を実行する。具体的には、遊技状態格納エリア203gのデータを通常状態に対応するデータに更新することで遊技状態を通常状態に設定し(S2334A)、次いで、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203sの値を共に0にリセットする(S2335A)。次いで、通常状態を示す状態コマンドを設定して(S2336A)、本処理を終了する。これに対し、S2333Aの処理において、減算後の普電作動カウンタ203jaのカウンタ値が0に更新されていない(1以上の値に更新された)と判別した場合は(S2333A:No)、第3終了条件が成立していないと判定して、S2334A~S2336Aの各処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
この第3終了条件判定処理(図366(b)参照)を実行することにより、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数に到達することで時短状態を終了させることができる。これにより、時短状態において第1特別図柄の抽選が実行され得ない右打ちを行い続けたとしても、規定回数の普通図柄の当たり遊技が実行されることで時短状態を終了させることができるので、継続的に右打ちを行ったとしても、必ず普図当たりBになるまで時短状態が継続してしまう不具合が発生することを防止できる。
<第8制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図367から図375を参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図367を参照して、本第8制御例におけるコマンド判定処理(S3113A)の詳細について説明する。このコマンド判定処理(S3113A)は、上述した第7制御例におけるコマンド判定処理(図323参照)に代えて実行される処理であり、コマンド判定処理(図323参照)と同様に、主制御装置110から受信した各種コマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。この第8制御例におけるコマンド判定処理(図367参照)のうち、S3201~S3211,S3213、およびS3218の各処理では、それぞれ第7制御例におけるコマンド判定処理(図323参照)のS3201~S3211,S3213、およびS3218の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8制御例におけるコマンド判定処理(図367参照)では、S3211の処理において、状態コマンドを受信したと判別した場合に(S3211:Yes)、第7制御例における状態コマンド処理(図325参照)に代えて状態コマンド処理を実行し(S3231A)、本処理を終了する。この状態コマンド処理(S3231A)の詳細については、図368および図369を参照して後述する。
また、本第8制御例におけるコマンド判定処理(図367参照)では、S3213の処理において、当たり関連のコマンドを受信したと判別した場合に(S3213:Yes)、第7制御例における当たり関連処理(図326参照)に代えて当たり関連処理を実行し(S3232A)、本処理を終了する。なお、図示については省略したが、この当たり関連処理(S3232A)では、第7制御例における当たり関連処理(図326参照)に対して、大当たり関連処理(S3504)に代えて大当たり関連処理(S3504A)が実行される点、および小当たり関連処理(S3508)に代えて小当たり関連処理(S3508A)が実行される点でのみ相違している。これらの大当たり関連処理(S3504A)、および小当たり関連処理(S3508A)の詳細については、それぞれ図370、および図371を参照して後述する。一方、S3213の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に当たり関連のコマンドが含まれていないと判別した場合は(S3213:No)、次いで、主制御装置110から受信したコマンドの中に普図当たりコマンドが含まれているか否かを判別し(S3233A)、普図当たりコマンドが含まれていると判別した場合は(S3233A:Yes)、通知された普図当たり種別に応じた制御を行うための普図当たりコマンド処理を実行して(S3234A)、本処理を終了する。これに対し、S3233Aの処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に普図当たりコマンドが含まれていないと判別した場合は(S3233A:No)、処理をS3218へと移行する。次に、図368を参照して、上述した状態コマンド処理(S3231A)の詳細について説明する。この状態コマンド処理(S3231A)は、上述した通り、第7制御例における状態コマンド処理(図325参照)に代えて実行される処理であり、状態コマンド処理(図325参照)と同様に、状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた制御を行うための処理である。
この第8制御例における状態コマンド処理(図368参照)のうち、S3401、およびS3402の各処理では、それぞれ第7制御例における状態コマンド処理(図325参照)のS3401、およびS3402の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8制御例における状態コマンド処理(図368参照)では、S3402の処理において、今回受信した状態コマンドが通常状態への移行を通知する状態コマンドであると判別した場合に(S3402:Yes)、通常状態用の背面画像を設定するための表示用背面画像コマンドを設定し(S3421A)、時短情報更新エリア223hに記憶されている情報をクリアして(S3422A)、本処理を終了する。なお、通常状態への移行タイミングが普図当たりBの開始タイミングである場合は、普図当たりBへの当選に基づく第1示唆演出(上のVを狙え演出、図345(b)参照)が背面画像よりも手前側のレイヤーに設定されるため、通常状態用の背面画像が遊技者に視認困難になり、第1示唆演出に遊技者を注目させることができる。
一方、S3402の処理において、今回受信した状態コマンドが通常状態への移行を通知する状態コマンドではないと判別した場合は(S3402:No)、次いで、第1時短状態への移行を示す状態コマンドであるか否かを判別し(S3423A)、第1時短状態への移行を示す状態コマンドであると判別した場合は(S3423A:Yes)、受信した状態コマンドに含まれる時短情報を時短情報格納エリア223hに格納し(S3424A)、ラッシュ中を示す表示用コマンドを設定して(S3425A)、本処理を終了する。これに対し、S3423Aの処理において、今回受信した状態コマンドが第1時短状態への移行を通知する状態コマンドではないと判別した場合は(S3423A:No)、次いで、受信した状態コマンドが第2時短状態への移行を通知する状態コマンドであるか否かを判別し(S3426A)、第2時短状態への移行を通知する状態コマンドであると判別した場合は(S3426A:Yes)、受信した状態コマンドに含まれる時短情報を時短情報格納エリア223hに格納し(S3424A)、チャンスタイム待機演出用の背面画像を示す表示用コマンドを設定する(S3428A)。次いで、チャンスタイム待機演出の演出態様を設定するための待機演出設定処理を実行して(S3429A)、本処理を終了する。この待機演出設定処理(S3429A)の詳細については、図369を参照して後述する。一方、S3426Aの処理において、受信した状態コマンドが第2時短状態への移行を通知する状態コマンドでないと判別した場合は(S3426A:No)、S3427A~S3429Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図369を参照して、上述した待機演出設定処理(S3429A)の詳細について説明する。図369は、この待機演出設定処理(S3429A)を示すフローチャートである。この待機演出設定処理(S3429A)では、まず、待機演出フラグ223jaをオンに設定し(S3451A)、次いで、第1特別図柄の保留球数が0であるか否かを判別する(S3452A)。S3452Aの処理において、第1特別図柄の保留球数が0であると判別した場合は(S3452A:Yes)、今回の時短種別(時短回数)に応じた演出態様を、待機演出選択テーブル222ja(図358参照)を参照して特定し(S3453A)、特定した演出態様の待機演出の実行を設定する(S3454A)。次いで、待機演出回数カウンタ223jbの値に1を設定して(S3455A)、本処理を終了する。これに対し、S3452Aの処理において、第1特別図柄の保留球数が0ではない(1以上である)と判別した場合は(S3452A:No)、S3453A~S3455Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。保留球が存在する場合は、当該保留球に基づく第1特別図柄の変動表示に同期して実行する変動表示演出の演出態様として待機演出を設定すれば良く、本処理の中で演出態様を設定する必要がないためである。この待機演出設定処理(図369参照)を実行することにより、第1特別図柄の保留球が存在しない状況で第2時短状態に移行した場合に、第2時短状態の種別(時短回数)に応じた演出態様のチャンスタイム待機演出を実行することができる。次に、図370を参照して、上述した大当たり関連処理(S3504A)の詳細について説明する。この大当たり関連処理(S3504A)は、上述した第7制御例における大当たり関連処理(図327参照)に代えて実行される処理であり、大当たり関連処理(図327参照)と同様に、大当たりに関連する各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。
この第8制御例における大当たり関連処理(図370参照)は、第7制御例における大当たり関連処理(図327参照)に対して、S3601,S3602,S3608,S3609,S3611、およびS3612の処理が削除されている点でのみ相違している。これは、大当たり中の各種演出が削除されていることによるものである。次に、図371を参照して、本第8制御例における小当たり関連処理(S3508A)の詳細について説明する。この小当たり関連処理(S3508A)は、上述した第7制御例における小当たり関連処理(図333参照)に代えて実行される処理である。図371は、この小当たり関連処理(S3508A)を示すフローチャートである。この第8制御例における小当たり関連処理(図371参照)のうち、S4201,S4206、およびS4211の各処理では、それぞれ上述した第7制御例における小当たり関連処理(図333参照)のS4201,S4206、およびS4211の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8制御例における小当たり関連処理(図371参照)では、S4201の処理において、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合に(S4201:Yes)、下のVを狙え演出(第2示唆演出、図347(a)参照)の開始を設定して(S4221A)、本処理を終了する。下のVを狙え演出(第2示唆演出)を実行することにより、遊技者に対して小当たり遊技の実行中に右打ちによりV入賞装置650を狙って遊技球を発射させることができるので、小当たり遊技における開閉扉650f1の開放期間の間に遊技球を確実にV入賞装置650へと入球させて当該遊技球を特定領域650e3に入球させることができる。
また、本第8制御例における小当たり関連処理(図371参照)では、S4206の処理において、小当たり終了コマンドを受信したと判別した場合に(S4206:Yes)、今回の小当たりが第1時短状態において実行された小当たり遊技(厳密には、第1時短状態において普図当たりBが開始されて通常状態に転落した後で、当該普図当たりBの開放期間中に第2入球口640へと遊技球が入球したことに基づいて実行された小当たり遊技)であるか否かを判別する(S4222A)。S4222Aの処理において、第1時短状態において実行された小当たり遊技であると判別した場合は(S4222A:Yes)、第1時短状態(ラッシュ)において小当たりに当選したにもかかわらず、遊技者が右打ちを行わなかった等によって小当たり遊技中に特定領域650e3を遊技球が通過しなかったことを意味し、通常状態へと移行することとなるため、ラッシュ終了を示す演出を実行するための表示用小当たり終了コマンドを設定して(S4223A)、本処理を終了する。一方で、S4222Aの処理において、第1時短状態において実行された小当たり遊技ではない(第2時短状態において普図当たりBに当選したことに基づいて実行された小当たり遊技である)と判別した場合は(S4222A:No)、第1時短状態(ラッシュ)において小当たりに当選したにもかかわらず、遊技者が右打ちを行わなかった等によって小当たり遊技中に特定領域650e3を遊技球が通過しなかったことを意味し、通常状態へと移行することとなるため、チャンスチムの終了を示す演出を実行するための表示用小当たり終了コマンドを設定して(S4224A)、本処理を終了する。また、本第8制御例における小当たり関連処理では、S4211の処理において、V通過コマンドを受信したと判別した場合に(S4211:Yes)、大当たり当選を示す演出を実行させるための表示用コマンドを設定して(S4225A)、本処理を終了する。
次に、図372を参照して、本第8制御例における普図当たりコマンド処理(S3234A)の詳細について説明する。この普図当たりコマンド処理(S3234A)は、上述した通り、普図当たりコマンドにより通知された普通図柄の当たり種別に応じた制御を行うための処理である。図372は、この普図当たりコマンド処理(S3234A)を示すフローチャートである。図372に示した通り、普図当たりコマンド処理(S3234A)では、まず、現在の遊技状態が第1時短状態であるか否かを従遊技状態格納エリア223gに格納されているデータに基づいて判別し(S5601A)、第1時短状態であると判別した場合は(S5601A:Yes)、次いで、普図当たりコマンドにより通知された普図当たり種別に応じて、ウサギのキャラクタ801が宝箱の種別を選択する演出(図347(b)、図39参照)において選択する宝箱の種別を抽選により決定し(S5602A)、決定した種別の宝箱を選択する演出態様のラッシュ中演出を、普通図柄の変動時間において実行する(S5603A)。なお、このS5602Aの処理による抽選では、例えば、今回の抽選結果が普図当たりAである場合に、通常の宝箱810bを80%の割合で選択し、小さな宝箱810cを20%の割合で選択する一方で、普図当たりBである場合に、輝く宝箱810aを35%の割合で選択し、通常の宝箱810bを55%の割合で選択し、小さな宝箱810cを10%の割合で選択するように抽選内容が規定されている。これにより、輝く宝箱810aが選択された場合は、実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選したことが確定する一方で、小さな宝箱810cが選択された場合には、不利な普図当たりAの可能性が高まってしまうため、ウサギのキャラクタ801が選択する宝箱の種別により注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
一方、S5601Aの処理において、現在の遊技状態が第1時短状態ではないと判別した場合は(S5601A:No)、次いで、現在の遊技状態が第2時短状態であるか否かを判別し(S5604A)、第2時短状態でもないと判別した場合は(S5604A:No)、普図当たりBに当選し得ない通常状態において普図当たりに当選したことを意味し、普通図柄の変動に基づく演出を設定する必要がない遊技状態であることを意味するため、そのまま本処理を終了する。これに対し、S5604Aの処理において、現在の遊技状態が第2時短状態であると判別した場合は(S5604A:Yes)、待機演出フラグ223jaがオンであるか(即ち、チャンスタイム待機演出の実行期間中であるか)否かを判別し(S5605A)、待機演出フラグ223jaがオンである(即ち、チャンスタイム待機演出の実行期間中である)と判別した場合は(S5605A:Yes)、次いで、今回の抽選結果が普図当たりBであるか否かを判別し(S5606A)、普図当たりBであると判別した場合は(S5606A:Yes)、実行中のチャンスタイム待機演出の結果を、「祝」という文字が付されたアイコン(示唆図柄)を選択する演出態様に書き替えて設定し(S5607A)、本処理を終了する。一方、S5606Aの処理において、今回の普図当たりが普図当たりBではない(即ち、普図当たりAである)と判別した場合は(S5606A:No)、S5607Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。これに対し、S5605Aの処理において、待機演出フラグ223jaがオフである(即ち、チャンスタイム待機演出の実行期間中ではない)と判別した場合は(S5605A:No)、待機期間タイマ223jcに0.2秒に対応するタイマ値を設定して(S5608A)、本処理を終了する。この普図当たりコマンド処理(図372参照)を実行することにより、普通図柄の抽選結果に応じた演出態様を設定することができる。
次に、図373を参照して、本第8制御例における変動演出設定処理(S4304A)の詳細について説明する。この変動演出設定処理(S4304A)は、上述した第7制御例における変動演出設定処理(図335参照)に代えて実行される処理であり、変動演出設定処理(図335参照)と同様に、特別図柄の変動表示に同期して第3図柄表示装置81において実行する第3図柄の変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。この第8制御例における変動演出設定処理(図373参照)のうち、S4401、およびS4403の各処理では、それぞれ第7制御例における変動演出設定処理(図335参照)のS4401、およびS4403の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8制御例における変動演出設定処理(図373参照)では、S4403の処理において、今回受信した変動パターンコマンドに基づいて開始させる変動表示演出が、第2特別図柄の変動表示に基づく変動表示演出であると判別した場合に(S4403:Yes)、次いで、今回の第2特別図柄の抽選結果が小当たりB40であるか否かを判別する(S4412A)。つまり、特定領域650e3へと遊技球が入球した場合にラウンド数が少ない(不利な)3ラウンド大当たりが実行される小当たり種別であるか否かを判別し(S4412A)、第2特別図柄の抽選結果が小当たりB40ではない(つまり、第2特別図柄の抽選結果が大当たり又は小当たりA40であり、いずれにしても有利な10ラウンド大当たりが実行される状況である)と判別した場合は(S4412A:No)、第2特別図柄の変動表示演出として、昇格に成功する演出態様の昇格演出(図346参照)を伴う変動表示態様を決定して(S4413A)、本処理を終了する。一方、S4412Aの処理において、第2特別図柄の抽選結果が不利な小当たりB40であると判別した場合は(S4412A:Yes)、第2特別図柄の変動表示演出として、昇格に失敗する演出態様の昇格演出を伴う変動表示態様を決定して(S4414A)、本処理を終了する。
これらに対し、S4403の処理において、今回受信した変動パターンコマンドに基づいて開始させる変動表示演出が、第2特別図柄の変動表示に基づく変動表示演出ではないと判別した場合は(S4403:No)、次いで、現在の遊技状態が通常状態であるか否かを判別し(S4415A)、通常状態であると判別した場合は(S4415A:Yes)、今回受信した変動パターンコマンドにより通知された抽選結果と、当該変動パターンコマンドから抽出した変動パターンとに基づいて変動表示演出の変動表示態様を決定し(S4416A)、本処理を終了する。一方で、S4415Aの処理において、現在の遊技状態が通常状態ではないと判別した場合は(S4415A:No)、チャンスタイム(第2時短状態)中の第1特別図柄の変動表示演出の開始タイミングであることを意味するため、チャンスタイム中の演出態様を設定するためのチャンスタイム中演出設定処理を実行して(S4417A)、本処理を終了する。このチャンスタイム中演出設定処理(S4417A)の詳細について、図374を参照して説明する。
図374は、このチャンスタイム中演出設定処理(S4417A)を示すフローチャートである。図374に示した通り、このチャンスタイム中演出設定処理(S4417A)が実行されると、まず、待機演出フラグ223jaがオンであるか否かを判別し(S5701A)、待機演出フラグ223jaがオフであると判別した場合は(S5701A:No)、チャンスタイム待機演出(図343(b)、図344参照)の実行中ではないことを意味し、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行される状態を形成している可能性が高いので、待機期間タイマ223jcの値が0より大きい値であるか否かを判別し(S5702A)、待機期間タイマ223jcの値が0より大きい値でない(即ち、0である)と判別した場合は(S5702A:No)、チャンスタイムに突入済みであるにもかかわらず普図当たりと第1特別図柄の抽選タイミングとが比較的長い時間(少なくとも0.2秒間以上)ずれていることを意味し、変動表示演出として普通図柄の抽選結果を示すための疑似的な変動表示演出を優先的に実行している状態であることを意味するため、まず、現在が普図当たりBに対応する普通図柄の変動表示中であるか否かを判別し(S5703A)、普図当たりBに対応する普通図柄の変動表示中である場合は(S5703A:Yes)、既に普図当たりBを示すための疑似的な当たり変動演出が設定されているはずであるため、今回の特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出を設定(上書き)せずに、そのまま本処理を終了する。一方で、S5703の処理において、現在が普図当たりBに対応する普通図柄の変動表示中ではないと判別した場合は(S5703A:No)、普図当たりAを示すための疑似的な外れ変動演出の実行中である可能性が高いため、次いで、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S5704A)、大当たりであれば(S5704A:Yes)、疑似的な外れ変動演出の終了後に復活演出によって大当たりが報知されるように設定して(S5705A)、本処理を終了する。一方で、S5704Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合は(S5704A:No)、S5705Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
これらに対し、S5702Aの処理において、待機時間タイマ223jcの値が0より大きい値であると判別した場合は(S5702A:Yes)、普通図柄の抽選が開始された直後(0.2秒以内)に第1特別図柄の抽選が開始されたことを意味し、チャンスタイムにおける正常な動作となっていることを意味するため、次いで、実行中の普通図柄の変動表示に対応する普通図柄の抽選結果と今回の第1特別図柄の抽選結果とに応じた演出態様を決定し(S5706A)、待機期間タイマ223jcの値を0にリセットして(S5707A)、本処理を終了する。S5706Aの処理により、普通図柄の抽選結果を加味した変動表示態様を設定することができ、普通図柄の抽選で3%の割合で決定される普図当たりBが決定されているか、1/320の確率の特別図柄の大当たりに当選していれば、大当たり時と同様に同一の第3図柄が揃う変動表示態様が設定されるため、チャンスタイムにおいて、見かけ上の第1特別図柄の大当たり確率が高くなったかのような斬新な挙動を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、S5701Aの処理において、待機演出フラグ223jaがオンであると判別した場合は(S5701A:Yes)、待機演出選択テーブル222ja(図358参照)を参照して、今回の抽選結果、設定されている第2時短状態の時短回数、および現在の第1特別図柄の保留球数に応じた演出態様を決定し(S5708A)、待機演出回数カウンタ223jbの値に1を加算して更新する(S5709A)。次いで、加算後の待機演出回数カウンタ223jbの値が4になったか否かを判別し(S5710A)、4になったと判別した場合は(S5710:Yes)、待機演出フラグ223jaをオフに設定して(S5711A)、本処理を終了する。一方で、S5710Aの処理において、加算後の待機演出回数カウンタ223jbの値が4ではないと判別した場合は(S5710A:No)、S5711Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。S5710A,S5711Aの各処理を実行することにより、チャンスタイム待機演出における変動回数を最大4回に限ることができるので、チャンスタイム待機演出中に遊技者が左打ちを行って第1特別図柄の保留球が途切れなかったとしても、延々とチャンスタイム待機演出が継続してしまうことを抑制することができる。次に、図375を参照して、本第8制御例における演出更新処理(S3112A)の詳細について説明する。この演出更新処理(S3112A)は、上述した第7制御例における演出更新処理(図337参照)に代えて実行される処理であり、演出更新処理(図337参照)と同様に、演出態様を更新するための処理である。
この第8制御例における演出更新処理(図375参照)では、まず、待機期間タイマ223jcのタイマ値が0より大きい値であるか否かを判別し(S4611A)、待機期間タイマ223jcのタイマ値が0より大きい値であると判別した場合は(S4611A:Yes)、次いで、待機期間タイマの値を減算することで更新し(S4612A)、更新後の待機期間タイマ223jcのタイマ値が0であるか否かを判別する(S4613A)。S4613Aの処理において、待機期間タイマ223jcの値が0に更新されたと判別した場合は(S4613A:Yes)、普通図柄の抽選が実行されてから所定期間(0.2秒間)が経過しても第1特別図柄の抽選が開始されていないことを意味し、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に行われるというチャンスタイムの基本動作から外れた動作となっているため、実行中の普図変動の抽選結果に応じた演出態様の疑似変動演出を、実行中の普通図柄の変動表示に基づく普図当たりの終了までの期間で実行し(S4614A)、本処理を終了する。一方で、S4613Aの処理において、更新後の待機期間タイマ223jcの値が0ではないと判別した場合は(S4613A:No)、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に行われるというチャンスタイムの基本動作から外れた動作となっているか否かの判断がつかないため、S4614Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
これに対し、S4611Aの処理において、待機期間タイマ223jcの値が0であると判別した場合は(S4611A:No)、チャンスタイム待機演出の終了タイミングであるか否かを判別し(S4615A)、チャンスタイム待機演出の終了タイミングであると判別した場合は(S4615A:Yes)、次いで、現在が変動停止状態であるか否かを判別する(S4616A)。S4616Aの処理において、変動停止状態であると判別した場合は(S4616A:Yes)、時短図柄当選時に第1特別図柄の保留球が0の状態で5秒間のチャンスタイム待機演出が実行され、保留球数が0のまま当該チャンスタイム待機演出が終了されたことを意味するため、待機演出フラグ223jaをオフに設定して(S4617A)、本処理を終了する。これに対し、S4615Aの処理において、待機演出の終了タイミングではないと判別した場合(S4615A:No)、およびS4616Aの処理において変動停止状態ではないと判別した場合は(S4616A:No)、S4617Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。この演出更新処理(図375参照)を実行することにより、チャンスタイムにおいて、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行されるという基本動作から外れた動作となってしまった場合に、大当たり確率が1/320の第1特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出よりも優先的に、実質的な大当たり確率(普図当たりBの決定割合)が3%の普通図柄の抽選結果を示すための疑似変動演出を実行することができるので、より好適な演出態様を実現することができる。
以上説明した通り、第8制御例におけるパチンコ機10では、通常状態よりも有利な時短状態として、実質的な大当たり確率が高い第1時短状態と、実質的な大当たり確率が第1時短状態よりも低く、且つ、通常状態よりも高い(第1時短状態よりも有利度合いが低く、且つ、通常状態よりも有利度合いが高い)第2時短状態と、を形成可能に構成している。より具体的には、大当たり終了後の遊技状態の1種として、第1時短状態が設定され得る一方で、特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に、第2時短状態が設定されるように構成している。また、本第8制御例では、第2特別図柄の抽選が実行された場合に、100%の割合で、大当たり、または実質的に大当たりが確定する小当たりのどちらかに当選する(第2特別図柄の抽選が実行された時点で実質的に大当たりが確定する)構成としている一方で、時短状態の種別に応じて、時短状態が終了するまでの間に第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口640へと入球する可能性を異ならせる構成としている。即ち、本第8制御例では、普通図柄の抽選が実行された場合に遊技状態によらず100%の割合で普通図柄の当たりに当選する構成とした上で、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となる(即ち、実質的に大当たりが確定する)普図当たり種別(普図当たりB)が決定される割合を、通常状態では低確率(0%の割合)、第1時短状態では高確率(80%の割合)、第2時短状態では第1時短状態と通常状態との間の確率(3%の割合)に設定することにより、遊技状態毎に普通図柄の抽選が実行された場合の大当たり確率を異ならせる構成とした。これにより、普通図柄の抽選が実行された場合における大当たり期待度を遊技状態毎に異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第8制御例では、第1特別図柄の抽選契機となる第1入球口64へと入球する遊技球が、第1入球口64へ入球するよりも前に必ず通過する位置(第1入球口64の上方)に対して、普通図柄の抽選契機となる中央スルーゲート67cを配置する構成とし、更に、第1特別図柄の変動時間よりも、普通図柄の抽選が開始されてから当該普通図柄の抽選に基づく普通図柄の当たりが終了するまでの間の期間の方が短くなるように構成している。つまり、第1特別図柄の抽選が実行される場合に、毎回、普通図柄の抽選もほぼ同時に(第1特別図柄の抽選が実行される直前で)実行されるように構成している。加えて、右打ちを行った場合に遊技球が通過可能な位置にも普通図柄の抽選契機となる右スルーゲート67rを別で設ける構成としているが、左打ちにより発射された遊技球が中央スルーゲート67cを通過する割合と、右打ちにより発射された遊技球が右スルーゲート67rを通過する割合とが、略同一となるように構成している。これらにより、特に第2時短状態においては、右打ちにより普通図柄の抽選のみを実行させるよりも、左打ちにより普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とをほぼ同時に実行させる方が、第2時短状態の間に大当たりに当選する可能性が高くなるように構成している。具体的には、第2時短状態において右打ちを行った場合、普通図柄の抽選で約3%の割合で当選する普図当たりB(遊技球が第2入球口640へと入球可能な第2変位パターンで電動役物640aが変位される普図当たり)に当選した場合にのみ大当たりとなる(実質的に大当たり確定の第2特別図柄の抽選を実行させることが可能となる)一方で、左打ちを行った場合は、普通図柄の抽選で普図当たりB(第2変位パターンで電動役物640aが変位される当たり)に当選する可能性に加えて、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する可能性もあるため、第2時短状態において左打ちにより遊技を行わせることができる。そして、上述した通り、左打ちを行うと、中央スルーゲート67cを通過した遊技球が必ず第1入球口64へと入球し、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行されるので、第1特別図柄の抽選1回あたりの実質的な大当たり確率が高くなる(実質的に、第1特別図柄の大当たりとなる確率である約1/320と、第2変位パターンが設定される普通図柄の当たりとなる確率である約1/33との合算確率である約1/30の大当たり確率になる)という、極めて斬新な遊技性を実現することができる。言い換えれば、右打ちよりも左打ちを行った方が有利となり、且つ、特別図柄の抽選内容(特別図柄の抽選で実質的に大当たりとなる確率)が共通となる複数の遊技状態(通常状態、および第2時短状態)において、実質的な大当たり確率を異ならせることができるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第8制御例では、時短終了条件の1つとして、普図当たり遊技の実行回数に基づく終了条件(第3終了条件)を規定している。より具体的には、第1時短状態においては、普通図柄の当たり遊技が1回実行されることで時短状態が終了されるように構成し、第2時短状態においては、当選した時短図柄の種別に応じて普通図柄の当たり遊技が10回~1000回実行されることで時短状態が終了するように構成している。この理由としては、本第8制御例においては、右打ちを行うことで、第1特別図柄の抽選を実行させることなく普通図柄の抽選のみを実行させることが可能な盤面構成であり、且つ、普図当たりBに当選することで実質的に大当たりが確定する遊技性としているため、特別図柄の抽選回数に基づく終了条件(第1終了条件)および小当たり遊技の実行回数に基づく終了条件(第2終了条件)のみを時短終了条件として規定した場合、第1時短状態または第2時短状態に移行した後で右打ちを行い続けると、実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選するまで時短状態が継続してしまう不具合が生じてしまうためである。そこで、本第8制御例では、時短終了条件として、普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく終了条件(第3終了条件)を規定する構成とし、時短状態において右打ちを行い続け、特別図柄の抽選が全く行われなかったとしても、規定回数に渡って普図当たり遊技が実行されることにより時短状態が終了されるように構成している。これにより、普図当たりBに当選するまで(即ち、実質的に大当たり当選まで)時短状態が必ず継続してしまうという不具合が発生することを防止することができる。
また、本第8制御例では、第2時短状態において、第1特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出を実行する場合に、その直前に実行された普通図柄の抽選結果を加味した演出態様を設定する構成としている。即ち、普通図柄の抽選で実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選していた場合、第1特別図柄の抽選結果が外れであったとしても、大当たりを報知する変動表示態様と区別困難な演出態様の変動表示演出を実行する構成としている。このように構成することで、1の変動表示演出によって第1特別図柄の抽選結果と普通図柄の抽選結果とを一括して報知することができるので、1の変動表示演出における見かけ上の大当たり確率が高くなったかのように遊技者に思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができると共に、好適な演出態様を実現することができる。更に、本第8制御例における第2時短状態では、第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とがほぼ同時に実行されるという基本動作からずれた動作(第1特別図柄の抽選タイミングが普通図柄の抽選タイミングから少なくとも0.2秒間以上ずれている動作)となっている場合に、変動表示演出によって第1特別図柄の抽選結果よりも、普通図柄の抽選結果を優先的に報知する構成としている。つまり、普通図柄の抽選が実行されたことに基づいて疑似的な変動表示演出を実行し、当該疑似的な変動表示演出の実行中に第1特別図柄の抽選が実行された場合は、当該第1特別図柄の抽選結果が大当たりであり、且つ、実行中の疑似的な変動表示演出が外れ(第2入球口640へと入球不可能(困難)な普図当たりA)を報知する変動表示演出である場合にのみ、第1特別図柄の抽選結果(大当たり)を報知する演出態様を設定する構成としている。このように構成することで、実質的な大当たり確率が高い普通図柄の抽選結果を、実質的な大当たり確率が低い第1特別図柄の抽選結果よりも優先的に報知することができるので、より好適な演出態様を実現することができる。
なお、本第8制御例では、左打ちと右打ちとで、スルーゲート(中央スルーゲート67cまたは右スルーゲート67r)を遊技球が通過する割合を略同一とする構成としたが、これに限られるものではない。例えば、右打ちにより発射された遊技球が右スルーゲート67rを通過する割合を、左打ちにより発射された遊技球が左スルーゲート67cを通過する割合よりも高くなる(例えば、右打ちにより2個の遊技球を発射する毎に1個の遊技球が右スルーゲート67r通過する割合となる)ように構成してもよい。このように構成した場合、第1時短状態や第2時短状態における遊技方法を遊技者に対して選択させる遊技性を実現することができる。つまり、時短状態において左打ちを行った場合、普通図柄の抽選を実行させる頻度は低くなる(左打ちにより遊技球を10~15個発射する毎に1回実行される程度の頻度となる)一方で、普通図柄の抽選が実行される毎に第1特別図柄の抽選が実行されるため、普通図柄の抽選で第2変位パターンに対応する普通図柄の当たりとなることだけでなく、第1特別図柄の抽選で大当たりとなることにも期待させることができる。一方で、時短状態において右打ちを行った場合、普通図柄の抽選を実行させる頻度が高くなる(右打ちにより遊技球を2個発射する毎に1回実行される程度の頻度となる)ため、時短状態における普通図柄の抽選効率を高くすることができる一方で、第1特別図柄の抽選が実行されないため、時短状態の間に大当たりに当選する可能性が低くなる遊技性を実現することができる。よって、時短状態における遊技方法(左打ちを行うか右打ちを行うか)によって、遊技者に対して時短状態の間に大当たりとなる可能性が比較的高くなるが、普通図柄の抽選効率が悪くなる(時短状態の消化に比較的長い時間を要する上に、無駄球が比較的多く発生する)遊技性と、普通図柄の抽選効率は良くなるが、時短状態の間に大当たりとなる可能性が比較的低くなる(第1特別図柄の大当たり確率である1/320の分だけ大当たり期待度が低下する)遊技性と、を選択させる極めて斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者毎に、自己の趣向によりマッチした遊技性を選択させることができるので、より多くの遊技者の好みに合う遊技性を実現することができ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第8制御例では、第1時短状態を大当たり終了後の遊技状態として設定され得る遊技状態として構成し、第2時短状態を時短図柄に当選した場合に設定される遊技状態として構成していたが、これに限られるものではない。例えば、時短図柄に当選した場合の一部又は全部で第1時短状態が設定されるように構成してもよいし、大当たり終了後の遊技状態として第2時短状態が設定され得るように構成してもよい。本第8制御例では、第1時短状態と第2時短状態とで、実質的に大当たりが確定する普図当たりBが決定される割合を異ならせることにより、通常状態と、第1時短状態と、第2時短状態とで、互いに実質的な大当たり確率を異ならせるように構成していたが、実質的な大当たり確率を異ならせる方法はこれに限られるものではない。例えば、特別図柄の大当たり確率が異なる3種類の状態を設ける構成としてもよい。即ち、特別図柄の大当たり確率が約1/320となる通常状態と、特別図柄の大当たり確率が約1/1.25となる第1時短状態と、特別図柄の大当たり確率が約1/30となる第2時短状態と、を形成してもよい。このように構成することで、中央スルーゲート67cを少なくとも廃止することができるので、盤面構成を簡素化することができる。
本第8制御例では、第1時短状態において右打ちを報知する一方で、第2時短状態においては左打ちを報知する構成としていたが、第2時短状態においても左打ちを報知する構成としてもよい。即ち、第2時短状態においても、左打ちを行った場合は、第1特別図柄の抽選を実行させることができる分、大当たりとなる可能性が高くなるため、左打ちにより若干有利度合いが高くなる。よって、第2時短状態において左打ちを報知することにより、遊技者の有利度合いを向上させることができる。また、本第8制御例では、第1時短状態において昇格演出(大当たりが3ラウンドで終了する3ラウンド大当たりの可能性がある「7」以外の図柄が10ラウンドまで継続する10ラウンド大当たりが確定する「7」図柄に昇格する演出)を実行する構成としていたが、この昇格演出は、有利な特定状態が特定期間を超えて継続することが決定された場合に、決定されたタイミングとは異なるタイミングで実行され、特定期間を超えて継続することを報知する演出態様の特定演出の別形態である。
本第8制御例では、時短終了条件として、特別図柄の抽選回数の合計が規定回数となったことに基づいて成立する第1終了条件と、小当たり当選回数が規定回数となったことに基づいて成立する第2終了条件と、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数となったことに基づいて成立する第3終了条件と、を規定する構成としていたが、これらに加え、例えば、特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、V入賞不可能な小当たり)となった回数が規定回数となったことに基づいて成立する第4終了条件を課す構成としてもよい。このように構成することで、特に、第2時短状態において、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数となるよりも前に第2時短状態が終了され得る構成とすることができるので、第2時短状態において、時短回数(普通図柄の当たり遊技の実行回数)に余裕がある場合でも、遊技者に対して緊張感を抱かせながら遊技を行わせることができる。なお、この場合において、所定の抽選結果となった場合の変動表示演出として、所定の抽選結果となったことを遊技者が把握し得るように固定の演出を実行する(例えば、リーチ外れ演出を実行する)構成としてもよい。このように構成することで、固定の演出の実行回数により所定の抽選結果の規定回数までの残り回数を把握し得る遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第8制御例では、天井機能(大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が天井抽選回数に到達した場合に第2時短状態を設定する機能)を設けていなかったが、天井機能を搭載してもよい。この場合において、天井抽選回数に到達したことに基づいて設定される第2時短状態は、時短図柄当選に基づいて設定される第2時短状態と同じ有利度合い(約3%の割合で実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選する普図当たりの振り分け)に設定してもよいし、異なる有利度合いに設定してもよい。時短図柄当選に基づく第2時短状態よりも高い有利度合い(例えば、約10%の割合で実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選する普図当たりの振り分け)に設定することで、天井抽選回数に到達することをより強く期待させることができるし、時短図柄当選に基づく第2時短状態よりも低い有利度合い(例えば、約1%の割合で実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選する普図当たりの振り分け)に設定することで、少ない抽選回数から天井抽選回数を目指して遊技を行い、遊技者が遊技にのめり込みすぎてしまうことを抑制することができる。また、いずれの場合においても、天井機能を設けることで、所謂ハマりが発生したとしても、天井抽選回数へと到達することを目標として遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができる。
本第8制御例では、電動役物640aが開放されている場合に、第2入球口640へと遊技球を誘導可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、所謂非電動役物(第1非電動役物)によって開閉され、第1特別図柄の抽選契機となる第1始動口と、非電動役物(第2非電動役物)によって開閉され、第2特別図柄の抽選契機となる第2始動口と、が設けられている仕様と組み合わせてもよい。更に、遊技球が通過することで第1非電動役物を開放させる第1非電作動ゲートと、遊技球が通過することで第2非電動役物を開放させる第2非電作動ゲートと、装置内部に入球した遊技球を第1非電作動ゲートと第2非電作動ゲートとのいずれかに振り分ける振分役物と、が設けられた入賞装置とを設け、普通図柄の当たりとなった場合に入賞装置を開放する位置に電動役物を設ける構成としてもよい。そして、普通図柄の当たりとなったことに基づいて振分役物を固定の変位動作で変位させ、普通図柄の当たり種別として、振分役物によって第1非電作動ゲートへと振り分けられる配置の間に入賞装置が開放される普図当たりAと、第2非電作動ゲートへと振り分けられる配置の間に入賞装置が開放される普図当たりBと、を設け、普図当たりBが選択される割合を、上述した第8制御例と同様に、通常状態、第1時短状態、および第2時短状態で互いに異ならせる構成としてもよい。このように構成することで、上述した第8制御例と同様の挙動を実現することができる。
本第8制御例では、第2時短状態へと移行した場合に、第1特別図柄の保留球を消化している間、チャンスタイム待機演出を実行することで、第1特別図柄の保留球が0個の状態にしてから左打ちを行わせ易くし、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行される基本動作から外れた動作となり難くする構成としていたが、チャンスタイム中の動作を基本動作(普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行される動作)から外れ難くする方法は、これに限られるものではない。これに代えて、又は加えて、例えば、チャンスタイム(第2時短状態)において第1特別図柄の保留球が1以上となっている場合に、第1特別図柄の変動時間を極めて短い変動時間(例えば、0.1秒間)に設定する構成としてもよい。このように構成することで、チャンスタイムへと移行してから比較的短い時間で第1特別図柄の保留球を消化することができるので、チャンスタイム中の動作を基本動作(普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行される動作)からより外れ難くすることができる。また、例えば、第1特別図柄、および普通図柄の保留記憶機能を廃止してもよい。このように構成することで、時短図柄が停止表示されてチャンスタイム(第2時短状態)に移行した時点において、確実に、第1特別図柄も普通図柄も変動停止状態にすることができる。よって、基本動作(普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行される動作)から外れた動作となってしまうことを抑制することができる。
本第8制御例では、時短図柄当選が発生してチャンスタイムに突入した場合に、第1特別図柄の保留球に基づく変動表示が終了されるまで(またはチャンスタイム突入後、特定期間が経過するまで)に渡って、チャンスタイム待機演出を実行する構成とし、チャンスタイムが開始されていないかのような演出態様に設定していたが、演出態様はチャンスタイム待機演出に限定されるものではない。例えば、時短図柄当選に基づく変動表示演出を、第1特別図柄の保留球が全て消化される期間まで継続して実行することで、チャンスタイムが開始されていないかのように遊技者に思わせる構成としてもよいし、時短図柄当選を示す第3図柄の停止表示期間を、チャンスタイム突入後も、第1特別図柄の保留球が全て消化されるまで継続して実行してもよい。また、時短図柄当選に基づく変動表示演出が終了されてから(時短図柄当選を示す第3図柄が停止表示されてから)、第1特別図柄の保留球が消化されるまで、チャンスタイムへの移行が確定したことを示す演出のみを実行し、保留球が消化された後で第1入球口64(および中央スルーゲート67c)への遊技球の入球を検出したことに基づいて、チャンスタイムが開始されたことを明確に報知する演出を実行してもよい。このように構成することで、遊技者に対してチャンスタイム(第2時短状態)が開始されていないと思わせることができるので、第1特別図柄の保留球が存在するうちに遊技者が左打ちを開始してしまい、第1特別図柄の変動表示の開始タイミングと普通図柄の変動開始タイミングとがずれてしまうことを抑制することができる。即ち、変動表示演出によって、第1特別図柄の抽選結果と、その第1特別図柄の抽選とほぼ同時に(直前に)実行された普通図柄の抽選結果と、の両方を加味した演出結果を報知する遊技性をより確実に実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第8制御例では、通常状態において普図当たりBが決定される割合を0%、第1時短状態において普図当たりBが決定される割合を80%、第2時短状態において普図当たりBが決定される割合を3%に設定する構成としていたが、これに限られるものではなく、任意の割合に設定することができる。例えば、通常状態において普図当たりBが決定され得る(例えば、0.1%の割合で決定される)ように構成することで、通常状態においても、第1特別図柄の抽選で大当たりになることに加え、普通図柄の抽選で普図当たりBとなることを期待させることもできるので、通常状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。また、第2時短状態における普図当たりBの決定割合を上昇させることで、第2時短状態における変動表示演出毎の実質的な大当たり期待度を向上させることができるし、低下させることで、第2時短状態における大当たり期待度を低下させることができる。更に、第1時短状態における普図当たりBの決定割合を上昇させることで、第1時短状態に移行した場合の大当たり当選期待度(連チャン発生率)を向上させることができるし、普図当たりBの決定割合を低下させることで、第1時短状態に移行した場合の大当たり当選期待度を低下させることができる。なお、時短状態Aにおいて第2入球口640へと入球困難な普図当たりAに係る普図当たり遊技の実行、および第2入球口640へと入球容易な普図当たりBに係る普図当たり遊技の実行は、それぞれ保留球を増加させ難い制御、および保留球を増加させ易い制御の別形態である。
本第8制御例では、普通図柄の抽選が実行された場合に、遊技状態によらず、普通図柄の当たりとなる確率を1/1(100%)とする構成としていたが、これに限られるものではなく、任意の確率に設定することができる。他の制御例と同様に、普通図柄の低確率状態、および普通図柄の高確率状態を設ける構成とし、通常状態および第2時短状態は普通図柄の低確率状態として取り扱われる一方で、第1時短状態は普通図柄の高確率状態として取り扱われるように構成してもよい。この場合において、普通図柄の当たりとなる確率を、普通図柄の高確率状態では1/1.25(80%)、普通図柄の低確率状態では3/100(3%)に設定し、時短状態(第1時短状態、第2時短状態)において普通図柄の当たりとなった場合は必ず普図当たりBに設定される(第2変位パターンで電動役物640aが変位される)一方で、通常状態で普通図柄の当たりとなった場合は必ず普図当たりAに設定される(第1変位パターンで電動役物640aが変位される)構成としてもよい。つまり、普通図柄の高確率状態に設定される第1時短状態では、普通図柄の抽選で80%の割合で普通図柄の当たりとなって実質的に大当たりが確定する普図当たりBが必ず決定され、普通図柄の低確率状態に設定される第2時短状態では、普通図柄の抽選で3%の割合で普通図柄の当たりとなって実質的に大当たりが確定する普図当たりBが必ず決定され、通常状態では、普通図柄の抽選で3%の割合で普通図柄の当たりとなるが、必ず普図当たりAが決定されるため第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)となるように構成してもよい。このように構成することで、普通図柄の当たりとなった場合に、時短状態であれば普図当たりBを決定し、通常状態であれば普図当たりAを決定するという、比較的簡単な制御により上述した第8制御例と同一の動作を実現することができるので、普通図柄の当たりに当選した後における処理負荷を低減することができる。
本第8制御例では、普図当たりAであるか普図当たりBであるかによらず、第2時短状態において普通図柄の抽選が開始されてから普通図柄の当たりが終了して次の普通図柄の抽選を実行可能となるまでの期間の長さを、第2入球口640への入球を検出しない場合に、第1特別図柄の変動時間と同一の期間となるように構成することで、第2時短状態の間、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行される遊技性を維持可能に構成していたが、少なくとも普図当たりBでは、普通図柄の当たり遊技が終了するまでの期間を必ずしも第1特別図柄の変動時間に一致させなくても良い。例えば、普図当たりBに当選した場合は、普通図柄の変動時間が1秒間、普通図柄のオープニング期間が7秒間、電動役物640aの開放期間が最大2秒間の、合計10秒間となるように構成してもよい。このように構成することで、普図当たりBとなる場合(即ち、大当たり演出を実行する場合)における演出期間をより長く確保することができるので、演出態様をより好適に設定することができる。
本第8制御例では、通常状態において時短図柄に当選することで、大当たりを介さずに、第2時短状態へと直接移行する構成としていたが、遊技状態の組合せはこれに限られるものではない。これに代えて、または加えて、例えば、第2時短状態において時短図柄に当選した場合に、第1時短状態(または第1時短状態と同等の普図当たりBの決定割合となる第2時短状態B)へと移行するように構成してもよい。このように構成することで、第2時短状態において大当たりに当選することに加え、時短図柄当選が発生した場合にも、時短状態と大当たりとを80%の割合で繰り返す(ループする)極めて有利な状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、第1時短状態において時短図柄当選が発生した場合に、普図当たりBの当選割合が低い遊技状態(例えば、第2時短状態、または第2時短状態と同等の普図当たりBの決定割合となる第1時短状態B)へと移行するように構成してもよい。このように構成することで、第1時短状態において左打ちを行った場合に、第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とをほぼ同時に実行させることができることにより第1特別図柄の大当たりに当選し得る分、大当たり期待度が高くなるというメリットが生じる代わりに、時短図柄当選が発生すると、時短状態自体の有利度合いが低下してしまうというデメリットを生じさせることができるので、メリット、デメリットを勘案して遊技方法を遊技者に選択させる斬新な遊技性を実現することができる。また、遊技状態は時短状態および通常状態には限られず、例えば、特別図柄の抽選確率が通常よりも高い特別図柄の高確率状態を設け、特別図柄の低確率状態に設定される遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2時短状態)から特別図柄の高確率状態に設定される遊技状態(高確率状態、且つ、非時短状態、高確率状態、且つ、第1時短状態、高確率状態、且つ、第2時短状態)へと、大当たりを介さずに直接移行可能に構成してもよい。また、逆に、高確率状態に設定される遊技状態から低確率状態に設定される遊技状態へと大当たりを介さずに直接移行可能に構成してもよいし、高確率状態に設定される遊技状態から高確率状態に設定される他の遊技状態へと、大当たりを介さずに直接移行可能に構成してもよい。また、上記のあらゆる場合において、大当たりを介さずに遊技状態を変更する条件は、時短図柄当選に限られるものでもなく、例えば、特定領域650e3へと遊技球を入球させることが不可能な開閉扉650f1の開放パターンに設定される小当たり(非V小当たり)に当選したことを契機として、遊技状態を変更する構成としてもよいし、特別図柄の抽選回数の合計が規定回数となったことに基づいて遊技状態を変更する構成としてもよいし、第2特別図柄の抽選回数の合計が規定回数となったことに基づいて遊技状態を変更する構成としてもよいし、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数となったことに基づいて遊技状態を変更する構成としてもよい。これにより、遊技性を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9制御例>
次に、図376から図404を参照して、第9制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第8制御例におけるパチンコ機10では、時短状態として、実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口640への入球し易さ(第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能な普図当たりBに当選する割合)が異なる複数の時短状態(第1時短状態、第2時短状態)を設ける構成とすることにより、特別図柄の抽選確率が共通であるにもかかわらず、実質的な大当たり確率が異なる複数の遊技状態を設ける構成としていた。
これに対して第9制御例におけるパチンコ機10では、上述した第8制御例と同様に、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とで実質的な大当たり確率(実質的に大当たりが確定する小当たりの確率)を異ならせているものの、第2特別図柄の抽選に完全外れの抽選結果を設けている点では第8制御例と相違している。即ち、本第9制御例におけるパチンコ機10では、第2特別図柄の抽選が実行された場合における実質的な大当たり確率(特別図柄の抽選で大当たりとなる確率と小当たりとなる確率との合算の確率)が約1/3となる(約2/3の確率で外れとなる)ように構成している点で第8制御例と相違している。また、本第8制御例におけるパチンコ機10では、時短回数が共通であるにもかかわらず、時短状態に移行してから当該時短状態の間に検出した全ての始動入賞に基づく第2特別図柄の抽選が終了するまでの間における実質的な第2特別図柄の抽選回数が異なる複数の時短状態を設けている点で相違している。より具体的には、特別図柄の抽選を実質的に2回実行可能な時短状態Aと、特別図柄の抽選を実質的に4回実行可能な時短状態Bと、を設ける構成としている。ここで、本第8制御例では、時短状態の終了条件として、特別図柄の抽選回数(第1特別図柄と第2特別図柄との合計の抽選回数)が規定回数となったことに基づいて成立する第1終了条件と、小当たり遊技の実行回数が規定回数となったことに基づいて成立する第2終了条件と、第2特別図柄の抽選回数が規定回数となったことに基づいて成立する第3終了条件と、に加え、時短最終変動の実行中に第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する第4終了条件と、が設けられている。時短状態Aと時短状態Bとでは、第1~第3終了条件が共通とされ、第4終了条件のみを異ならせることにより、実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせている。
また、本第9制御例では、時短状態A,Bに加えて、ほぼ確実に次回の大当たりまで継続する時短終了条件が設定される時短状態Cを設ける構成としている。加えて、本第9制御例では、時短状態の連続回数(通常状態を介さずに時短状態と大当たりとが繰り返される繰返し回数)に制限を設ける(時短リミット回数を設定する)構成とした上で、時短状態Cの間に大当たりに当選した場合は、時短リミット回数に到達していない限り、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Cに設定されるように構成している。つまり、一旦時短状態Cが設定されると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される(時短リミット回数分の大当たり当選がほぼ確定する)極めて有利な状態を形成する構成としている。このように構成することで、時短状態Cに移行することを遊技者に対して強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。更に、本第9制御例では、時短状態Cにおいて、容易に保留球を上限個数まで貯めることができるように普通図柄の変動時間や特別図柄の変動時間、普通図柄の開放パターンを設定することにより、時短状態Cと大当たりとが時短リミット回数に到達するまで繰り返されて通常状態へと移行した際に、上限個数(4回)の第2特別図柄の保留球が保留されている状態となり易く構成している。これにより、通常状態に転落した後においても、大当たり確率が約1/3の第2特別図柄の抽選を4回実行する機会を遊技者に対して与えることができるので、時短リミット回数に到達した後における有利度合いを、他の時短状態における有利度合い以上とすることができる。具体的には、第2特別図柄の抽選を実質的に2回実行可能な時短状態Aよりも大当たり期待度が高く、且つ、第2特別図柄の抽選を実質的に4回実行可能な時短状態Bと同等の大当たり期待度となる有利な状態を形成することができる。よって、時短リミット回数に到達した場合も、遊技者に対して大当たりに対する大きな期待感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
更に、本第9制御例では、時短状態Aや時短状態Bにおいて第2特別図柄の小当たり遊技が開始された場合に、小当たり開始時に第2終了条件が成立する(小当たりカウンタ203sを減算する)ように構成する一方で、時短状態Cにおいて第2特別図柄の小当たり遊技が開始された場合には、特定領域650e3を遊技球が通過した後で第2終了条件が成立する(小当たりカウンタ203sを減算する)ように構成している。このように構成することで、時短状態Aや時短状態Bに移行した後において小当たりに当選した場合に、時短状態の間に実行された第2特別図柄の抽選であるか、時短状態の間に保留された第2特別図柄の保留球に基づいて通常状態への移行後に開始された第2特別図柄の抽選であるかによらず、特定領域650e3を遊技球が通過した時点の遊技状態を通常状態に設定することができる。よって、時短状態の間に開始された第2特別図柄の抽選であるか、通常状態に移行した後で開始された第2特別図柄の抽選であるかによらず、大当たり当選時の有利度合いを共通化することができる。また、時短状態Cにおいては、小当たり当選した場合に、当選時の遊技状態を時短状態に固定化することができるので、時短リミット回数を超えて時短状態Cと大当たりとの繰り返しが継続してしまったり、逆に、時短リミット回数に到達する前に時短状態Cと大当たりとの繰り返しが終了されてしまうことを抑制することができる。
この第9制御例におけるパチンコ機10が、上述した第8制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、パチンコ機10の遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第8制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第8制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。まず、図376を参照して、本第9制御例における遊技盤13の盤面構成について説明する。図376は、本第9制御例における遊技盤13の正面図である。図376に示した通り、本第9制御例における遊技盤13は、第8制御例における遊技盤13の盤面構成(図342参照)に対して、第1入球口64の上方に設けられていたスルーゲート67c、および可変表示装置ユニット80の右側に設けられていた右スルーゲート67rに代えて、V入賞装置650の上流側に単一のスルーゲート67が設けられている点で相違している。図376に示した通り、このスルーゲート67は、右打ちにより可変表示装置ユニット80の正面視右側の流路へと発射され、第2入球口640に入球しなかった遊技球が必ず通過する位置に設けられている。つまり、本第9制御例では、第8制御例に対して、右打ちを行わなければ普通図柄の抽選が実行されず、電動役物640aが開放されることもない代わりに、右打ちを行った際のスルーゲート67の通過割合が高くなる盤面構成となっている点で相違している。
次いで、図377から図379を参照して、本第9制御例における特徴的な演出態様について説明する。まず、図377を参照して、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった(所謂、初当たりに当選した)後において高い割合(95%の割合)で設定される時短状態Aにおける演出態様について説明する。まず、図377(a)は、時短状態Aが開始されてから第2特別図柄の抽選が開始されるまでの間における演出態様を示した図である。図377(a)に示した通り、初当たり後に時短状態Aに移行すると、主表示領域Dmにおいて、冒険者のキャラクタ811と怪獣のキャラクタ821とがにらみ合う演出が実行される。また、主表示領域Dmにおける上方に形成される横長略長方形形状の表示領域HR10に対して、「右打ちで攻撃アイコンをストックしろ!」という文字が表示される。また、主表示領域Dmにおける左上には、「右打ち」という文字が表示された小表示領域Dm4が形成され、主表示領域Dmの左下には、後述する攻撃アイコンを表示するための攻撃アイコン表示領域AI1,AI2が形成される。更に、副表示領域Dsには、「敵を倒せばRUSH突入!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、右打ちを行うことにより攻撃アイコンを獲得(ストック)することができること、および怪獣のキャラクタ821を冒険者のキャラクタ811が討伐できればラッシュモード(時短状態Aよりも有利な時短状態B)に突入するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図377(b)は、時短状態Aにおいて右打ちにより発射された遊技球が第2入球口640へと1個入球して第2特別図柄の変動表示が開始された場合の表示態様の一例を示した図である。図377(b)に示した通り、第2入球口640へと遊技球が入球して第2特別図柄の変動表示が開始されると、比較的狭い(遊技者が視認し難い)小表示領域Dm8において、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄の変動表示が開始される。また、冒険者のキャラクタ811と怪獣のキャラクタ821との間にタイムゲージga3が表示される。このタイムゲージga3は、第2特別図柄の変動開始時に残時間表示ga3aがタイムゲージga3の全体を占める状態にて表示され、時間の経過に応じて残時間表示ga3aの右端が正面視左方向に移動して面積が狭くなると共に、経過時間表示ga3bの面積が大きくなるように構成されており、第2特別図柄の変動表示が開始されてから10秒が経過した時点で残時間表示ga3aの右端がタイムゲージga3の左端に到達して残時間表示ga3aの面積が0になると共に、タイムゲージga3の全体を経過時間表示ga3bが占める表示態様となるように構成されている。タイムゲージga3が0になった時点で、当該変動の抽選結果および第2特別図柄の残保留の先読み結果に応じて、怪獣のキャラクタ821を倒す演出が実行されるか否かが決定される。
更に、第2入球口640への入球に基づいて、攻撃アイコン表示領域AI1に対して、今回の第2特別図柄の抽選結果に応じた種別の攻撃アイコンが表示される。図377(b)の例では、「斬撃」という文字が付されたアイコンを獲得した場合を例示している。これらの表示内容により、第2特別図柄の始動入賞に基づいて、攻撃アイコンが獲得されること、および攻撃アイコンの種別によって当たりとなる(怪獣のキャラクタ821を倒す)期待度を示唆していることを遊技者に対して直感的に理解させることができる。なお、本第9制御例では、「パンチ」、「蹴り」、「斬撃」、および「必殺技」の4種類のアイコンが設けられている。「パンチ」アイコンは外れの場合に選択され易く、大当たり又は小当たりの場合に選択され難くなるように構成され、「蹴り」アイコンは時短状態Bとなる場合に他の場合よりも選択され易くなるように構成され、「斬撃」アイコンは外れの場合に選択され難くなるように構成されている。また、「必殺技」アイコンは大当たりまたは小当たりの場合にのみ選択され得る上に、大当たり後に時短状態Bへと移行する場合よりも、有利な時短状態Cへ移行する場合の方が選択割合が高くなるように構成されている。これらの選択割合により、攻撃アイコンの種別によって第2特別図柄の抽選結果を予測させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図378(a)を参照して、時短回数(第2特別図柄の規定抽選回数)が1回の時短状態Aにおいて1個目の第2特別図柄の保留球を獲得した場合の表示態様について説明する。図378(a)に示した通り、1個目の第2特別図柄の保留球を獲得し、第4終了条件(時短最終変動にて第2特別図柄の保留球数が規定個数(時短状態Aの場合、1個)に到達したことで成立する時短終了条件)が成立して時短状態Aが終了された状況を示した図である。図378(a)に示した通り、時短状態Aの1変動目(最終変動目)において第2特別図柄の保留球が1個となり、第4終了条件が成立すると、2番目の攻撃アイコン表示領域AI2に対して今回獲得した第2特別図柄の保留球の先読み結果に応じた攻撃アイコンが表示される。図378(a)の例では、「蹴り」アイコンが獲得された場合を例示している。また、タイムゲージga3に対して、「準備完了」という文字が表示される。これらの表示内容により、時短状態Aにおいて獲得可能な第2特別図柄の保留球を全て獲得できたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、実行中の第2特別図柄の変動表示および新たに獲得した第2特別図柄の保留球のそれぞれに対応する抽選結果と、各攻撃アイコンの種別とが対応しているということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図示については省略したが、第2特別図柄の保留球が貯まって時短状態が終了された後は、冒険者のキャラクタ811が攻撃アイコンを消費して怪獣のキャラクタ821に攻撃を仕掛ける演出が実行される。即ち、実行中の第2特別図柄の変動表示の後半(10秒経過~30秒経過)までの期間を用いて、攻撃アイコン表示領域AI1に表示された攻撃アイコン(図378(a)の例では、「残撃」アイコン)を用いて怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を仕掛ける演出が実行される。そして、第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりであれば、怪獣のキャラクタ821を倒す演出が実行される一方で、外れであれば、怪獣のキャラクタ821を倒しきれなかったことを報知する演出が実行される。怪獣のキャラクタ821を倒しきれなかった場合は、時短状態Aにおいて獲得していた第2特別図柄の保留球を用いた第2特別図柄の変動表示が開始されると共に、攻撃アイコン表示領域AI2に表示された攻撃アイコン(図378(a)の例では、「蹴り」アイコン)を用いて怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を仕掛ける演出が実行される。そして、第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりであれば、怪獣のキャラクタ821を倒す演出が実行される一方で、外れであれば、怪獣のキャラクタ821を倒しきれなかったことを報知する演出が実行される。
次に、図378(b)を参照して、時短状態Aにおいて大当たりに当選した(所謂、連チャンが発生した)場合に、当該連チャン大当たり後に移行し得る時短状態Bにおける演出態様について説明する。図378(b)に示した通り、主表示領域Dmの表示内容は、時短状態Aにおける演出態様と類似しており、攻撃アイコン表示領域の個数が2個から4個になっている点でのみ相違している。これは、時短状態Bにおいては、第4終了条件(時短最終変動にて第2特別図柄の保留球数が規定個数に到達したことで成立する時短終了条件)として、保留球数3個に設定されていることに対応している。つまり、時短状態Bにおいて実行される1回の第2特別図柄の抽選と、時短状態Bの間に獲得できる3個の第2特別図柄の保留球に基づく3回の第2特別図柄の抽選と、の合計4回分の第2特別図柄のそれぞれに対応する攻撃アイコンを表示させるための4個の表示領域が形成される点で相違している。また、副表示領域Dsの表示内容についても、時短状態Aと時短状態Bとでは相違している。即ち、時短状態Bでは、「攻撃がヒットすればボーナス!?敵を倒せばMAX!??」という文字が表示される。これらの表示内容により、攻撃が怪獣のキャラクタ821に当たるだけで大当たりとなる上に、怪獣のキャラクタ821を倒す演出が実行されればMAXボーナスも確定するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、MAXボーナスとは、大当たり終了後に最も有利な(実質的に次回の大当たりまで継続する)時短状態Cへと移行することを意味している。つまり、大当たりと時短状態Cとが、時短リミット回数(3回)に到達するまで繰り返される状態への移行を意味しており、合計で4回分の大当たりが保証される極めて有利な状態を形成することを示している。本第9制御例では、第2特別図柄の大当たりとして、4ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり1回あたり600個以上の賞球の払い出しが行われるため、怪獣のキャラクタ821を倒す演出が実行されることにより、16ラウンドの大当たりに当選した(2400個以上の賞球が払い出される)のと同等の恩恵を受けることができる。よって、4ラウンドの大当たりしか搭載していないにもかかわらず、大量の賞球を一度に獲得できる機会を遊技者に対して与えることができるので、メリハリのついた遊技性を実現することができる。
図379(a)は、時短状態Cに対応する大当たり(MAXボーナス)への当選が確定した(第2特別図柄の抽選で大当たりまたは小当たりA41に当選した)場合の演出態様を示した図である。図379(a)に示した通り、MAXボーナスに当選した場合は、主表示領域Dmにおいて、怪獣のキャラクタ821を冒険者のキャラクタ811が撃破する演出が実行されると共に、「7」の数字を模した第3図柄が揃う演出が実行される。また、副表示領域Dsにおいて、「MAXボーナス確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対してMAXボーナスに当選したということを容易に理解させることができる。
次に、図379(b)を参照して、MAXボーナスに当選してから時短リミット回数に到達するまでの間の各時短状態Cにおける演出態様について説明する。ここで、本第9制御例では、最初に時短状態Cに対応する大当たりに当選してから時短リミット回数に到達するまでの間(MAXボーナスモード)の、4ラウンド大当たりと時短状態Cとが繰り返されている間の演出態様を、あたかも1の大当たりが継続しているかのような演出態様に設定する構成としている。つまり、初回の大当たり終了後の1回目の時短状態Cでは、4ラウンド終了後(5ラウンド前)のインターバル演出中であるかのような演出を実行し、MAXボーナスモードにおける2回目の4ラウンド大当たりでは、疑似的に大当たりの5ラウンド目から8ラウンド目であるかのような演出を実行し、2回目の時短状態Cでは、8ラウンド終了後(9ラウンド前)のインターバル演出中であるかのような演出を実行し、MAXボーナスモードにおける3回目の4ラウンド大当たりでは、疑似的に大当たりの9ラウンド目から12ラウンド目であるかのような演出を実行し、3回目(時短リミット回数における最後)の時短状態Cでは、12ラウンド終了後(13ラウンド前)のインターバル演出中であるかのような演出を実行し、MAXボーナスモードにおける4回目の4ラウンド大当たりでは、疑似的に大当たりの13ラウンド目から16ラウンド目であるかのような演出を実行するように構成している。このように構成することで、4回の大当たりを1の大当たりかのように遊技者に思わせることができるので、実際には少ないラウンド数の大当たりが繰り返されているに過ぎないにもかかわらず、ラウンド数が極めて多く、大量の賞球を獲得可能な1の大当たりに当選したかのように思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図379(b)は、MAXボーナスモードにおける大当たり間の時短状態Cの演出態様の一例を示した図である。図379(b)に示した通り、MAXボーナスモードにおける大当たり間の時短状態Cでは、あたかもインターバル期間中であるかのような疑似インターバル演出が実行される。即ち、冒険者のキャラクタ811が宝箱810の中から出現した大量の金貨に喜ぶ演出が実行されると共に、小表示領域Dm9に対して、次の疑似的なラウンド数を示す「5ラウンド」という文字が表示される。また、小領事領域Dm2に対して、MAXモードにおいて既に払い出された賞球数を示す文字(800)と、MAXボーナスモードにおいてトータルで払い出される賞球数を示す文字(2400)と、が表示される。また、小表示領域Dm8において、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄の変動表示演出が比較的目立ち難い態様で実行される。更に、副表示領域Dsに対して、「MAXボーナス中」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対してあたかも1の16ラウンド大当たりが実行されているかのように思わせることができるので、より好適な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。次に、図380を参照して、本第9制御例において初当たり発生後に時短状態Aへと移行した場合における演出態様の推移について説明する。図380は、本第9制御例において通常モードで当選した初当たりが終了してから時短状態Aが終了して第2特別図柄の保留球を消化し、通常モードに戻るまでの間における演出態様の経時変化を示した図である。図380に示した通り、初当たりが終了すると、まず、右打ちにより保留球(攻撃アイコン)を獲得することを促す演出(保留チャージ演出、図377、図378(a)参照)が実行される。保留チャージ演出は、時短状態Aにおける初回の第2特別図柄の変動表示が開始されてから10秒間が経過するまでの間実行される。なお、第2特別図柄の変動表示演出中に右打ちを継続することで、第2特別図柄に対応する始動入賞が発生して保留球数が1になると、時短状態Aが終了されて通常状態へと移行する。
図380に示した通り、保留チャージ演出が終了してから第2特別図柄の1回目の変動表示が終了するまでの間の20秒間の期間では、怪獣のキャラクタ821に対して1個目の攻撃アイコン(攻撃アイコン表示領域AI1に表示された攻撃アイコン)に対応する攻撃を試みる演出が実行され、図柄の確定表示期間(1秒間)で演出結果が報知される。図380では、怪獣のキャラクタ821の討伐に失敗したことを示す演出結果が報知された場合を例示しており、報知期間の終了と共に2回目の変動表示演出(時短状態Aの間に獲得した第2特別図柄の保留球に基づく変動表示演出)が開始され、2個目の攻撃アイコン(攻撃アイコン表示領域AI2に表示された攻撃アイコン)に対応する攻撃を試みる演出が実行され、図柄の確定表示期間(1秒間)で演出結果が報知される。図380では、2回目の攻撃でも怪獣のキャラクタ821の討伐に失敗したことを示す演出結果が報知された場合を例示しており、報知期間の終了後に通常モード用の演出態様に切り替わる。このように、時短状態Aに移行してから、時短状態Aの間に獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化するまでの期間において、連続性(ストーリー性)のある一連の演出でラッシュモード(時短状態B)またはMAXボーナスモードに突入するか否かの報知を行うことができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図381を参照して、MAXボーナスモードにおける演出態様について説明する。図381は、本第9制御例において、時短状態Cへと移行する大当たりに当選してから時短リミット回数に到達するまでの間の演出態様の経時変化を示した図である。図381に示した通り、時短状態において時短状態Cへと移行する種別の4ラウンド大当たり(大当たりA41~大当たりC41)が実行されると、まず、MAXボーナスモードにおける1ラウンド目~4ラウンド目に対応する演出が実行され、4ラウンド目が終了すると、疑似インターバル演出が実行される。そして、1回目の時短状態Cの間、疑似インターバル演出が継続され、4ラウンド大当たり(大当たりA41~D42のいずれか)に当選すると、当該4ラウンド大当たりの1ラウンド目~4ラウンド目において、疑似的に5ラウンド目~8ラウンド目であるかのような演出が実行され、疑似的な8ラウンド目が終了すると、再度疑似インターバル演出が実行される。そして、2回目の時短状態Cの間、疑似インターバル演出が継続され、4ラウンド大当たり(大当たりA41~D42のいずれか)に当選すると、当該4ラウンド大当たりの1ラウンド目~4ラウンド目において、疑似的に9ラウンド目~12ラウンド目であるかのような演出が実行され、疑似的な12ラウンド目が終了すると、再度疑似インターバル演出が実行される。そして、3回目(時短リミット回数目)の時短状態Cの間、疑似インターバル演出が継続され、4ラウンド大当たり(大当たりA41~D42のいずれか)に当選すると、当該4ラウンド大当たりの1ラウンド目~4ラウンド目において、疑似的に13ラウンド目~16ラウンド目であるかのような演出が実行され、疑似的な16ラウンド目が終了してエンディング期間に移行すると、エンディング期間の開始時点で保留されていた第2特別図柄の保留球の数(疑似インターバル演出の実行中に継続して右打ちを行っていれば、ほぼ4個)だけ攻撃アイコンを獲得する演出が実行される。そして、大当たり終了後はエンディング期間において獲得した攻撃アイコンを消費して怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を仕掛ける最大4回の演出が実行される。つまり、時短状態Bと同じ回数の演出が実行される。
このように、本第9制御例では、大当たり終了後に時短状態Cが設定される場合に、最初の大当たりが開始されてから時短リミット回数に到達するまでの間の4回の大当たり遊技および3回の時短状態Cの間、1の大当たり遊技が継続して実行されているかのような斬新な演出態様を実行する構成としているので、遊技者に対して1の契機で大量の賞球を獲得できたかのように思わせることができ、遊技にメリハリをつけることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができると共に、好適な演出態様を実現することができる。次に、図382を参照して、本第9制御例における状態間の移行方法について説明する。ここで、図382に示した通り、本第9制御例では、主として5種類の状態(モード)が設けられている。即ち、普通図柄の通常状態(普通図柄の低確率状態、変動短縮無し、開放延長無し)に設定され、左打ちにより第1特別図柄の抽選を行わせることで遊技を進行する状態(第2特別図柄の抽選を実行不可能(困難)な状態)である通常状態A(通常モード)と、普通図柄の時短状態(普通図柄の高確率状態、変動短縮有り、開放延長有り)に設定され、右打ちにより第2特別図柄の抽選を行わせることで遊技を進行する状態である時短状態A(チャンスモード)、時短状態B(時短モード)、および時短状態C(MAXボーナスモード)と、普通図柄の通常状態(普通図柄の低確率状態、変動短縮無し、開放延長無し)に設定され、第2特別図柄の保留球が1以上存在することにより第2特別図柄の抽選が優先的に実行される状態である通常状態B(引き戻しモード)と、が少なくとも設けられている。
ここで、時短状態A~Cは、互いに異なる時短終了条件が設定される点で相違しており、第2入球口640への入球し易さについては共通となっている。より具体的には、時短状態Aでは、特別図柄の変動表示が合計10回実行されることで第1終了条件が成立し、小当たり遊技が1回実行されることで第2終了条件が成立し、第2特別図柄の変動表示が1回実行されることで第3終了条件が成立し、時短最終変動において第2特別図柄の保留球が1個以上貯まることで第4終了条件が成立する。このため、時短状態Aにおいて演出による示唆に従って右打ちを行い続けた場合、1回目の第2入球口640への入球に基づいて第2特別図柄の抽選が実行されて時短最終変動が開始され、当該時短最終変動の間に再度第2入球口640へと遊技球が入球することで第2特別図柄の保留球が1個となって時短状態が終了されるように構成されている。時短状態が終了された後は、普通図柄の当たりとなっても第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(極めて困難)となるため、2個以上の第2特別図柄の保留球を獲得することも不可能となる。なお、本第9制御例における普通図柄の当たりでは、1個の遊技球の入球を検出することで終了条件が成立し、即座に電動役物640aが閉鎖(没入)されるため、時短状態における1回の普通図柄の当たりに基づく電動役物640aの開放期間の間に1個の遊技球のみ入球が許容される(2個以上の遊技球の入球が排除される)構成となっている。よって、時短状態Aへと移行した場合は、有利な第2特別図柄の抽選の機会を合計2回得ることができる。
また、時短状態Bは、第1~第3終了条件については時短状態Aと共通である一方で、第4終了条件が3個に設定されている点で時短状態Aと相違している。このため、時短状態Bにおいて右打ちを行い続けた場合、1回目の第2入球口640への入球に基づいて第2特別図柄の抽選が実行されて時短最終変動が開始され、当該時短最終変動の間に3回第2入球口640へと遊技球が入球することで第2特別図柄の保留球が3個となって時短状態が終了されるように構成されている。これにより、時短状態Bへと移行した場合は、有利な第2特別図柄の抽選の機会を合計4回得ることができる。更に、時短状態Cでは、特別図柄の変動表示が合計100回実行されることで第1終了条件が成立し、小当たり遊技が1回実行されることで第2終了条件が成立し、第2特別図柄の変動表示が100回実行されることで第3終了条件が成立し、時短最終変動において第2特別図柄の保留球が65535個以上貯まることで第4終了条件が成立する。即ち、大当たりにも小当たりにも当選しない場合、特別図柄の抽選が100回実行されるまで時短状態が継続するように構成されている。ここで、本第9制御例では、第2特別図柄の抽選で大当たり又は小当たりに当選する確率が約1/3に設定されているため、100回の特別図柄の抽選に渡って大当たりにも小当たりにも当選しないという事象は、ほぼ起きることがない極めて低い確率(約2/3の100乗)となる。よって、時短状態Cは、実質的に次回の大当たりが確定するまで継続する時短状態という位置づけである。
まず、図382の上段を参照して、通常状態A(通常モード)から他の状態への移行方法について説明する。図382の上段に示した通り、通常状態A(通常モード)から他の状態には、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。即ち、図382に示した通り、通常状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で約1/320の確率で当選する大当たりとなり、95%の割合で決定される大当たりB41が決定されると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Aに設定される。一方、通常状態Aにおいて大当たりに当選した場合に5%の割合で決定される大当たりA41が決定されると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Aよりも時短状態Bの方が、有利な(実質的な大当たり確率が第1特別図柄の抽選よりも高い)第2特別図柄の抽選機会を多く獲得することができるので、通常状態Aにおいて大当たりに当選した場合は、大当たり種別が大当たりA41であることをより強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図382の中段左側を参照して、時短状態A(チャンスモード)から他の状態への移行方法について説明する。図382の中段左側に示した通り、時短状態A(チャンスモード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図382の中段左側に示した通り、時短状態Aにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図382の中段左側に示した通り、時短状態Aにおいて第2特別図柄の抽選で約1/3の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Cは、実質的に次回の大当たりまで継続する有利な遊技状態である一方で、時短状態Bは、有利な第2特別図柄の抽選機会が合計4回のみ与えられる遊技状態である。つまり、時短状態Bよりも時短状態Cの方が有利であるため、時短状態Aにおいて小当たりに当選した場合に、小当たりA41に当選して時短状態Cが設定されることをより強く期待させることができる。これらに対し、時短状態Aにおいて獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化した場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。よって、2回の第2特別図柄の抽選機会の間に約1/3の確率の大当たり又は小当たりに当選することを強く期待させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、厳密には、時短状態Aにおいて1個目の第2特別図柄の保留球を獲得した時点で通常状態に移行しているが、図382では、時短状態Aに移行してから第2特別図柄の保留球を全て消化しきるまでの間を時短状態Aと呼称している。
次に、図382の中段右側を参照して、時短状態B(時短モード)から他の状態への移行方法について説明する。図382の中段右側に示した通り、時短状態B(時短モード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図382の中段右側に示した通り、時短状態Bにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図382の中段右側に示した通り、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で約1/3の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、時短状態Bにおいて獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化した場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。これらに対し、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Bに設定される(時短状態Bをループする)。これらにより、時短状態Bにおいては、時短状態Aと同様に、時短状態の間に獲得した第2特別図柄の保留球で約1/3の確率の小当たり又は大当たりに当選することを強く願うと共に、小当たりに当選した場合は、より有利な時短状態Cに設定されることをより強く願わせる遊技性となるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図382の下から2段目を参照して、時短状態C(MAXボーナスモード)から他の状態への移行方法について説明する。図382の下から2段目に示した通り、時短状態C(MAXボーナスモード)から他の状態へは、時短リミット回数に到達した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図382の下から2段目に示した通り、時短状態Cにおいて約1/3の確率の大当たり又は小当たりに当選し、時短リミット回数に到達していた場合は、遊技状態が通常状態Bに設定される。これに対して、図382の下から2段目に示した通り、時短状態Cにおいて約1/3の確率の大当たり又は小当たりに当選し、時短リミット回数に未到達である場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Cに設定される(時短状態をループする)。このため、一旦時短状態Cへと移行すると、時短リミット回数に到達するまで、時短様態Cと大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成する。なお、上述した通り、本第9制御例では、大当たりのラウンド数が全て4ラウンドであり、時短リミット回数は3回に設定されるため、時短状態への移行契機となった大当たりを含め、4回の大当たりが保証される。つまり、16ラウンド分の賞球を略一度に獲得できる有利な状態を形成するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図382の下段を参照して、通常状態B(引き戻しモード)から他の状態への移行方法について説明する。図382の下段に示した通り、通常状態B(引き戻しモード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および時短状態Cの間に保留されていた第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図382の下段に示した通り、通常状態Bにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図382の下段に示した通り、通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で約1/3の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Bよりも時短状態Cの方が有利であるため、通常状態Bにおいて小当たりに当選した場合に、小当たりA41に当選して時短状態Cが設定されることをより強く期待させることができる。これらに対し、通常状態Bにおいて第2特別図柄の保留球を全て消化した(全て外れとなった)場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。このように、本第9制御例では、時短状態A、時短状態B、および通常状態Bにおいて、約1/3という高確率で当選する小当たりに当選した場合に、小当たり種別が小当たりA41に決定されるか、小当たりB41に決定されるかによって、遊技者の得られる利益を大幅に異ならせる構成としている。よって、小当たりA41に当選して時短状態Cへと移行し、一度に大量の賞球(16ラウンド分の賞球)を獲得できるのか、小当たりB41に当選して時短状態Bへと移行するのかにより注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第9制御例の電気的構成>
次に、図383(a)を参照して、本第9制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図383(a)は、本第9制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図383(a)に示した通り、本第9制御例におけるROM202は、上述した第8制御例におけるROM202の構成(図352(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202ajに代えて第1当たり乱数テーブル202akが設けられている点、大当たり種別選択テーブル202bjに代えて大当たり種別選択テーブル202bkが設けられている点、第2当たり乱数テーブル202cjに代えて第2当たり乱数テーブル202ckが設けられている点、変動パターン選択テーブル202djに代えて変動パターン選択テーブル202dkが設けられている点、時短付与テーブル202ejに代えて時短付与テーブル202ekが設けられている点、小当たり種別選択テーブル202fjに代えて小当たり種別選択テーブル202fkが設けられている点、時短種別選択テーブル202ja、および普図当たり種別選択テーブル202jbが削除されている点で相違している。その他の構成については上述した第8制御例におけるROM202の構成と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。まず、図384(a),(b)を参照して、本第9制御例における第1当たり乱数テーブル202akを構成する特別図柄1乱数テーブル202ak1、および特別図柄2乱数テーブル202ak2の詳細について説明する。図384(a)は、本第9制御例における特別図柄1乱数テーブル202ak1の規定内容を示した図であり、図384(b)は、本第9制御例における特別図柄2乱数テーブル202ak2の規定内容を示した図である。まず、図384(a)を参照して、本第9制御例において第1特別図柄の抽選が実行された場合に参照される特別図柄1乱数テーブル202ak1の詳細について説明する。
図384(a)に示した通り、本第9制御例における特別図柄1乱数テーブル202ak1には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)対応付けて規定されている一方、小当たりと判定される乱数値は対応付けられていない。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が205個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は約1/320(205/65536)である。次に、図384(b)を参照して、本第9制御例において第2特別図柄の抽選が実行された場合に参照される特別図柄2乱数テーブル202ak2の詳細について説明する。図384(b)は、特別図柄2乱数テーブル202ak2の規定内容を示した図である。図384(b)に示した通り、本第9制御例における特別図柄2乱数テーブル202ak2には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「205~22049」の21845個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が205個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は、第1特別図柄の抽選と同様に、約1/320(205/65536)である。また、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が21845個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は約1/3(21845/65536)である。
このように、本第9制御例では、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とで、特別図柄の大当たりと判定される乱数値を共通としておく(即ち、大当たり確率を共通としておく)一方で、小当たりと判定される乱数値を第2特別図柄の抽選にのみ設ける構成としている。そして、本第9制御例における小当たりは、上述した第8制御例や第7制御例等の小当たりと同様に、小当たり遊技中に右打ちを行い続けるだけで、ほぼ確実に特定領域650e3を遊技球が通過して大当たりに当選することが可能となるように構成されているため、実質的に大当たり当選が確定する抽選結果である。よって、実質的な大当たり確率(大当たりと小当たりとの合算の確率)が、第1特別図柄の抽選では約1/320であるのに対し、第2特別図柄の抽選では約1/3となるため、第1特別図柄の抽選に対して、第2特別図柄の抽選の有利度合いを極めて高くすることができる。よって、メリハリのついた遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。次に、図384(c)を参照して、本第9制御例における大当たり種別選択テーブル202bkの詳細について説明する。図384(c)は、本第9制御例における大当たり種別選択テーブル202bkの規定内容を示した図である。この大当たり種別選択テーブル202bkは、上述した第8制御例における大当たり種別選択テーブル202bj(図353(c)参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図384(c)に示した通り、本第9制御例における大当たり種別選択テーブル202bkには、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA41、および大当たりB41の2種類が規定されており、第2特別図柄の大当たり種別として大当たりC41の1種類が規定されている。
図384(c)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対して、「大当たりA41」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~99」の範囲に対して、「大当たりB41」が対応付けて規定されている。「大当たりA41」は、ラウンド数が4ラウンドであり、基本的に、大当たり終了後の遊技状態が時短状態B(第2特別図柄の抽選機会が合計4回与えられる時短状態)に設定される大当たり種別である。また、「大当たりB41」は、ラウンド数が4ラウンドであり、基本的に、大当たり終了後の遊技状態が時短状態A(第2特別図柄の抽選機会が合計2回与えられる時短状態)に設定される大当たり種別である。このため、ラウンド数の面では「大当たりA41」と「大当たりB41」とに差が無いが、大当たり終了後の遊技状態の面では、「大当たりA41」の方が有利な第2特別図柄の抽選機会を「大当たりB41」よりも2回分多く付与されるため、「大当たりA41」は、「大当たりB41」よりも有利度合いが高い大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA41」および「大当たりB41」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ5個および95個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA41」、「大当たりB41」に当選する割合は、それぞれ5%および95%である。よって、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、比較的低確率(5%の割合)で有利度合いが高い時短状態Bが設定され、比較的高確率(95%の割合)で有利度合いが低い時短状態Aが設定される。なお、これは通常状態に限った話であり、時短状態において「大当たりA41」または「大当たりB41」に当選した(大当たりが開始された)場合は、時短リミット回数に到達していないことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。
また、図384(c)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、「大当たりC41」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲に「大当たりC41」が対応付けられているため、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、必ず「大当たりC41」が決定される。この「大当たりC41」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別である。ラウンド数は他の大当たりと共通であるが、大当たり終了後の遊技状態が最も有利度合いが高い時短状態Cに設定されるため、全ての大当たり種別の中で最も有利な大当たり種別である。なお、これらの「大当たりA41」~「大当たりC41」に加えて、本第9制御例では「大当たりD41」も設けられている。この「大当たりD41」は、小当たりに当選し、小当たり種別として小当たりB41が決定されて当該小当たりB41の小当たり遊技中に特定領域650e3を通過した場合に当選する大当たり種別であり、大当たり終了後の遊技状態が、基本的に時短状態Bに設定される4ラウンド大当たりである。なお、時短状態において「大当たりD41」に当選した場合は、他の大当たり種別と同様に、時短リミット回数に到達していないことを条件として時短状態Cが設定される。
次に、図385(a)を参照して、本第9制御例における第2当たり乱数テーブル202ckの詳細について説明する。この第2当たり乱数テーブル202ckは、普通図柄の抽選が実行された場合に、普通図柄の当否を判定するために参照されるデータテーブルである。図385(a)に示した通り、本第9制御例における第2当たり乱数テーブル202ckでは、普通図柄の通常状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0」が対応付けられている。これに対し、普通図柄の時短状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、第2当たり乱数カウンタC4の取り得る値の全範囲(「0~299」の範囲)が対応付けられている。このため、本第9制御例では、普通図柄の通常状態において右打ちを行っても、低確率(1/300の確率)でしか普通図柄の当たりに当選しない一方で、普通図柄の時短状態では、普通図柄の抽選が実行される毎に普通図柄の当たりに当選する。よって、普通図柄の時短状態においては、右打ちを行うことにより容易に第2入球口640へと遊技球を入球させることができる。次に、図385(b)を参照して、本第9制御例における変動パターン選択テーブル202dkの詳細について説明する。この変動パターン選択テーブル202dkは、上述した第8制御例における変動パターン選択テーブル202dj(図354(b)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図385(b)は、この変動パターン選択テーブル202dkの構成を示したブロック図である。
図385(b)に示した通り、本第9制御例における変動パターン選択テーブル202dkは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される通常用テーブル202dk1と、時短状態A,Bにおいて特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される時短用テーブル202dk2と、時短状態C(MAXボーナスモード)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照されるMAXボーナス用テーブル202dk3と、で少なくとも構成されている。まず、図385(c)を参照して、通常用テーブル202dk1の詳細について説明する。図385(c)は、本第9制御例における通常用テーブル202dk1の規定内容を示した図である。図385(c)に示した通り、通常用テーブル202dk1には、実行される特別図柄抽選に用いられる特別図柄種別と、実行される特別図柄抽選の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に対応させて異なる変動パターン(変動時間)が規定されている。つまり、特別図柄種別と、抽選結果とに応じて異なる変動時間の変動パターンを決定可能に構成している。具体的には、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が7秒の「外れ」が、「140~149」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「ガセ外れ」が、「150~179」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「180~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が規定されている。
また、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「30~189」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が、「190~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が140秒の「スペシャルリーチ」が規定されている。つまり、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選では、抽選結果が外れである場合の方が、抽選結果が大当たりである場合よりも、短い変動時間の変動パターンが決定され易くなるように構成しており、より長い変動時間の変動パターンが決定された場合の方が、特別図柄抽選の結果が大当たりである可能性が高くなるように構成している。このように構成することで、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して、抽選結果が外れである特別図柄変動が長時間継続してしまい、単位時間あたりに実行される特別図柄抽選の実行回数が極端に少なくなってしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、単位時間あたりに実行される特別図柄抽選の実行回数が少なくなる場合、即ち、長時間の特別図柄変動が実行される場合には、大当たりに当選していることへの期待感を高めることができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。一方、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「ガセ外れ」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「小当たり」が規定されている。
なお、本第9制御例では、通常状態において普通図柄の抽選が実行されて普通図柄の当たりに当選したとしても、普通図柄の当たりとして第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)な電動役物640aの開閉パターン(0.1秒間のショート開放)が設定されるため、通常状態において普通図柄の抽選を実行させたとしても、第2入球口640へと遊技球を入球させることはできない。本第9制御例において通常状態で第2特別図柄の抽選が実行される状況としては、時短状態(時短状態A~Cのいずれか)において右打ちにより第2特別図柄の保留球を1又は複数獲得した後で、当該保留球を消化する前に時短終了条件が成立して時短状態が終了された場合である。つまり、時短状態Aや時短状態Bにおいて継続して右打ちを行い続けることで第4終了条件が成立した後、および時短状態Cにおいて継続して右打ちを行い続けて保留球を獲得した状態で時短リミット回数に到達して通常状態Bに移行した場合である。これらの場合の第2特別図柄の変動表示期間は、いずれも、冒険者のキャラクタ811が攻撃アイコンを使用して怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を仕掛ける演出が実行される期間であるため、抽選結果によらずに変動時間を20秒間に固定化することにより、演出期間を確実に確保することができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
次に、図386(a)を参照して、上述した時短用テーブル202dk2の詳細について説明する。図386(a)は、この時短用テーブル202dk2の規定内容を示した図である。図386(a)に示した通り、時短用テーブル202dk2には、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短当たり」が規定されている。つまり、抽選結果によらず、短時間(0.5秒間)の変動時間が終了するように構成している。これは、第1特別図柄の保留球を1以上保持した状態で有利度合いが高い第2特別図柄の抽選を実行可能な時短状態に移行した場合に、第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の変動表示演出(実質的な大当たり期待度が高い第2特別図柄の抽選が実行できない期間)が長く継続してしまい、遊技者をやきもきさせてしまうことを防止する趣旨である。
一方、図386(a)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容としては、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒の「ロング外れ」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒の「ロング当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒の「ロング小当たり」が規定されている。つまり、抽選結果によらず、第2特別図柄の変動時間を30秒間に固定化することができる。よって、保留チャージ演出(図377(b)、図378(b)参照)の演出期間である10秒間と、冒険者のキャラクタ811が怪獣のキャラクタ821に対して攻撃アイコンに対応する攻撃を行う演出の演出期間である20秒間と、を抽選結果によらずに確保することができる。
次に、図386(b)を参照して、上述したMAXボーナス用テーブル202dk3の詳細について説明する。図386(b)は、このMAXボーナス用テーブル202dk3の規定内容を示した図である。図386(b)に示した通り、MAXボーナス用テーブル202dk3には、時短用テーブル202dk2と同様に、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短当たり」が規定されている。つまり、抽選結果によらず、短時間(0.5秒間)の変動時間が終了するように構成している。これは、時短用テーブル202dk2を参照する場合と同様に、第1特別図柄の保留球を1以上保持した状態で時短状態Cに移行した場合に、第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の変動表示演出(実質的な大当たり期待度が高い第2特別図柄の抽選が実行できない期間)が長く継続してしまい、遊技者をやきもきさせてしまうことを防止する趣旨である。
一方、図386(b)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容として、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短外れ」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短小当たり」が規定されている。つまり、抽選結果によらず、第2特別図柄の変動時間を5秒間に固定化することができる。変動時間を時短用テーブル202dk2よりも短くしているのは、上述した通り、時短状態Cに設定されている間は、大当たり遊技中であるかのような演出態様(疑似インターバル演出)を設定することにより、大当たりと時短状態Cが時短リミット回数に到達するまで繰り返されている間の期間を、遊技者に対して1の大当たりが継続しているかのように思わせる演出動作としているためである。つまり、変動時間を長くしすぎると、疑似インターバル演出の演出期間が長くなり過ぎてしまい、遊技者に対して不信感を抱かせてしまうと共に時短状態Cにおける遊技が間延びしてしまう虞があるため、5秒間という比較的短い期間を変動時間に設定することで、1回1回の変動時間を短く抑え、疑似インターバル演出の演出期間を最低限としている。一方で、各変動時間を短くしすぎてしまうと、時短リミット回数に到達した時点で保留球が上限個数まで貯まった状態となり難くなってしまい、通常状態Bにおける第2特別図柄の抽選機会が減ってしまう可能性があるため、0.1秒や0.5秒等の極端に短い変動時間を避ける構成としている。これにより、時短状態Cにおいて適切に第2特別図柄の保留球を貯めることを可能としつつ、時短リミット回数に到達するまでの間を1の大当たりと遊技者に思わせ易くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図387(a)を参照して、本第9制御例における時短付与テーブル202ekの詳細について説明する。この時短付与テーブル202ekは、上述した第8制御例における時短付与テーブル202ej(図355(b)参照)と同様に、時短状態を設定する際に、当該時短状態の設定契機に応じた時短状態の終了条件を設定するために参照されるデータテーブルである。図387(a)は、この時短付与テーブル202ekの規定内容を示した図である。図387(a)に示した通り、本第9制御例における時短付与テーブル202ekには、大当たり種別毎に、時短終了条件の成立有無を判定する際に参照される各カウンタの値が対応付けられて規定されている。なお、図387(a)に示した通り、本第9制御例では、時短終了条件の成立有無を判定するためのカウンタとして、時短カウンタ203hと、小当たりカウンタ203sと、特図2カウンタ203tと、規定保留球数カウンタ203kaと、の4つが設けられている。時短カウンタ203hは、時短状態が設定された後で実行された特別図柄の抽選回数に対応する終了条件(第1終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、小当たりカウンタ203sは、時短状態が設定された後で実行された小当たり遊技の回数に対応する終了条件(第2終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、特図2カウンタ203tは、時短状態が設定された後で実行された第2特別図柄の抽選回数に対応する終了条件(第3終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、規定保留球数カウンタ203kaは、時短状態の最後の変動表示の実行中に貯まった第2特別図柄の保留球の個数に対応する終了条件(第4終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタである。図387(a)に示した通り、本第9制御例では、大当たり種別として「大当たりA41」~「大当たりD41」の4種類が設けられており、時短付与テーブル202ekには、各大当たり種別に対して、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tの値、および規定保留球数カウンタ203kaの値(即ち、第1から第4終了条件)が対応付けて規定されている。
図387(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりA41」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「1」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「3」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「大当たりA41」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数10回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数1回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数3個が設定されている。つまり、時短状態Bに設定される。この時短状態Bにおいて継続的に右打ちを行い続けた場合、ほぼ、第4終了条件が成立して時短状態が終了される。つまり、時短状態Bに移行した後、1回目の第2特別図柄の変動表示(時短最終変動)の実行中に3個の第2特別図柄の保留球を獲得することで第4終了条件が成立する場合がほとんどであるため、時短状態Bに移行した場合は、ほぼ、4回の第2特別図柄の抽選機会を得ることができる。一方、図387(a)に示した通り、「大当たりA41」当選時の遊技状態が時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。このため、時短状態において「大当たりA41」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数100回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数100回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数65535個が設定されている。つまり、時短状態Cに設定される。時短状態Cでは、大当たり又は実質的に大当たりが確定する小当たりに約1/3の確率で当選するため、時短状態の最終変動まで時短状態が継続する可能性はほぼ無く、第2終了条件、または大当たり当選に基づいて時短状態が終了される。
また、図387(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりB41」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「1」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「1」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「大当たりB41」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数10回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数1回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数1個が設定されている。つまり、時短状態Aに設定される。この時短状態Aにおいて継続的に右打ちを行い続けた場合、ほぼ、第4終了条件が成立して時短状態が終了される。つまり、時短状態Aに移行した後、1回目の第2特別図柄の変動表示(時短最終変動)の実行中に1個の第2特別図柄の保留球を獲得することで第4終了条件が成立する場合がほとんどであるため、時短状態Bに移行した場合は、ほぼ、2回の第2特別図柄の抽選機会を得ることができる。一方、図387(a)に示した通り、「大当たりB41」当選時の遊技状態が時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。つまり、「大当たりA41」と同様に、時短状態Cが設定される。また、図387(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりC41」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。つまり、時短状態において「大当たりA41」や「大当たりB41」に当選した場合と同様に、時短状態Cが設定される。
更に、図387(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりD41」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「1」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「3」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「大当たりD41」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数10回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数1回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数3個が設定されている。つまり、時短状態Bに設定されて、ほぼ、4回の第2特別図柄の抽選機会を得ることができる。一方、図387(a)に示した通り、「大当たりD41」当選時の遊技状態が時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。つまり、「大当たりA41」と同様に、時短状態Cが設定される。このように、本第9制御例では、通常状態において大当たりに当選した場合に、大当たり種別に応じて、時短状態A~Cのいずれかが設定される一方で、時短状態において大当たりに当選した場合には、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な時短状態Cに設定されるように構成している。これにより、通常状態において直接または小当たり経由で大当たりに当選した場合は、大当たりの種別に注目して遊技を行わせることができる。また、時短状態において大当たりに当選した場合は、最も有利な時短状態Cが確定していることに対して安心感を抱かせながら遊技を行わせることができる。なお、上述した通り、時短状態Cにおいて大当たりに当選したとしても、時短リミット回数に到達していれば、大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定される。
ここで、本第9制御例においては、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合には大当たり図柄の停止表示時の遊技状態を大当たり当選時の遊技状態として判断する一方で、特別図柄の抽選結果が小当たりとなって特定領域650e3を遊技球が通過したことに基づいて大当たりに当選した場合には、特定領域650e3を通過した時点の遊技状態を大当たり当選時の遊技状態として判断する構成としている。そして、上述した通り、時短状態Aや時短状態Bにおいては、通常の遊技方法(継続的に右打ちを行い続ける遊技方法)を行っている限り、ほぼ、1回目の第2特別図柄の変動表示の実行中に第4終了条件が成立して時短状態が終了される。つまり、1回目の第2特別図柄の変動停止タイミングよりも前に時短状態が終了されていることとなるため、1回目の特別図柄の抽選結果が大当たりであっても小当たりであっても、大当たり当選時の遊技状態を通常状態として取り扱うことができる。つまり、時短状態Aや時短状態Bにおいて、最初の第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりになった場合と、最初の第2特別図柄の抽選結果が外れとなり、通常状態に移行してから実行された第2特別図柄の保留球に基づく第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりになった場合とで、有利度合いを共通とすることができる。つまり、最初の第2特別図柄の抽選で大当たりまたは小当たりになったとしても、時短状態における大当たりとはならない(時短状態Cへの移行が確定しない)ため、時短状態において実行される1回目の第2特別図柄の抽選と、通常状態に移行した後で実行される2回目移行の第2特別図柄の抽選とで、同等の期待感を遊技者に対して抱かせることができる。よって、1回目の第2特別図柄の抽選が外れとなった場合でも、遊技者に対して過剰な失望感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
なお、時短状態Aや時短状態Bにおいて第4終了条件が成立しないように遊技を行った(保留球数が規定個数未満となるように遊技を行った)場合は、時短状態において開始された1回目の第2特別図柄の変動停止タイミングまで時短状態を継続させることができるが、この遊技方法の場合、実質的な大当たり確率が極めて高い(約1/3の確率)第2特別図柄の抽選機会を1回以上損してしまうこととなる。また、小当たり開始時には第2終了条件が成立してしまうため、特定領域650e3を遊技球が通過するよりも前に通常状態に移行済みとなるため、時短状態のまま大当たりを開始させることができるのは、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合のみとなる。更に、この場合、時短状態中の大当たりとして取り扱われ、時短リミット回数に対する残回数が1減算されるため、通常の遊技方法で時短状態Cに移行する場合に比較して、時短状態Cの設定回数が1回少なくなり、結果的に大当たり回数を1回損する結果となる。このため、リスクが大きい(第2特別図柄の抽選回数を1回以上損する)割にリターンが少ない(時短状態Cに設定されるが、通常よりも大当たり回数が1回分少なくなる)結果となるため、第4終了条件が成立しないように遊技を行う変則的な遊技方法を実行しようと遊技者に思わせ難くすることができる。よって、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図387(b)を参照して、本第9制御例における小当たり種別選択テーブル202fkの詳細について説明する。この小当たり種別選択テーブル202fkは、上述した第8制御例における小当たり種別選択テーブル202fj(図356(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に小当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図387(b)は、この小当たり種別選択テーブル202fkの規定内容を示した図である。図387(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0~53」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりA41」が対応付けて規定されており、小当たり種別カウンタC5の値が「54~99」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりB41」が対応付けて規定されている。ここで、「小当たりA41」も、「小当たりB41」も、小当たり遊技の実行中に右打ちを行い続けるだけで、容易に特定領域650e3へと遊技球を入球させることができる小当たり種別であり、「小当たりA41」において特定領域650e3へと遊技球が入球した場合は大当たりC41に当選する一方で、「小当たりB41」において特定領域650e3へと遊技球が入球した場合は大当たりD41に当選するように構成されている。大当たりC41は、上述した通り、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別であり、大当たりD41は、通常状態において当選した場合に大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される一方で、時短状態において当選した場合に大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別である。また、いずれの大当たりも、大当たりのラウンド数が4ラウンドである。よって、大当たりC41の方が大当たりB41よりも有利度合いが高くなるので、小当たりA41の方が、小当たりB41よりも有利度合いが高い小当たり種別となる。
小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりA41」および「小当たりB41」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)がそれぞれ54個および46個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に「小当たりA41」および「小当たりB41」が決定される割合は、それぞれ54%(54/100)および46%(46/100)である。次に、図383(b)を参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図383(b)は、本第9制御例におけるRAM203の構成を示すブロック図である。図383(b)に示した通り、本第9制御例におけるRAM203は、上述した第8制御例におけるRAM203の構成(図352(b)参照)に対して、特図2カウンタ203tと、規定保留球数カウンタ203kaと、時短リミットカウンタ203kbと、減算待機フラグ203kcと、当選時状態格納エリア203kdと、が追加されている点で相違している。また、普電作動カウンタ203jaが削除されている点でも相違している。特図2カウンタ203tは、時短状態中に実行される第2特別図柄の変動回数が規定回数に到達したか否かを判別するために用いられるカウンタである。この特図2カウンタ203tは、初期値が0に設定されており、大当たり終了時に、大当たり種別に応じたカウンタ値が設定される。また、この特図2カウンタ203tは、時短状態において第2特別図柄の変動停止タイミングとなる毎に、カウンタ値が1ずつ減算して更新され(図392のS634A参照)、値が0に更新されることで時短状態の第3終了条件が成立したと判定され、遊技状態が通常状態に設定される(図392のS637A参照)。
規定保留球数カウンタ203kaは、時短状態における最終変動において第2特別図柄の保留球数が規定個数に到達したか否かを判別するために用いられるカウンタである。この規定保留球数カウンタ203kaは、初期値が0に設定されており、大当たり終了時に、大当たり種別に応じたカウンタ値が設定される。時短状態の最終変動では、新たな第2特別図柄の始動入賞を検出する毎に、第2特別図柄の保留球数が規定保留球数カウンタ203kaの値以上となったか否か判別し(図395のS852A参照)、第2特別図柄の保留球数が規定保留球数カウンタ203kaの値以上となった場合に、第4終了条件が成立したと判定され、遊技状態が通常状態に設定される(図395のS853A参照)。時短リミットカウンタ203kbは、時短リミット回数に到達したか否かを判別するために用いられるカウンタである。この時短リミットカウンタ203kbは、初期値が0に設定されており、通常状態において大当たりに当選し、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定された場合に値が3に設定される。また、この時短リミットカウンタ203kbは、時短状態において大当たりに当選する毎に値が1ずつ減算して更新され(図399のS2409A参照)、値が0に更新された場合に、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定される。これにより、時短状態の連続回数を固定回数に制限することができる。
減算待機フラグ203kcは、小当たり当選時に、小当たりカウンタ203sの減算を待機させたか否かを示すフラグである。この減算待機フラグ203kcがオンであれば、小当たりカウンタ203sの減算を待機させた(小当たり当選タイミングでは小当たりカウンタ203kcを減算しなかった)ことを意味し、オフであれば、減算を待機させていないことを意味する。この減算待機フラグ203kcは、小当たり当選時の状態が時短状態C(MAXボーナスモード)である場合にオンに設定される(図393のS712A参照)。小当たり遊技中に特定領域650e3への遊技球の入球を検出した場合は、この減算待機フラグ203kcの状態がオンである場合に、待機させていた小当たりカウンタ203sの減算処理を実行するように構成されている(図397のS1413A参照)。このように構成することで、時短状態Cにおいて小当たりに当選しても、小当たり開始時でなく特定領域650e3への遊技球の入球後に小当たりカウンタ203sを減算することができるので、特定領域650e3への遊技球の入球時の遊技状態を、確実に、時短状態とすることができる。当選時状態格納エリア203kdは、大当たり当選時の遊技状態を示すデータを格納するための記憶領域である。この当選時状態格納エリア203kdには、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、大当たり図柄の停止タイミングにおける遊技状態を示すデータが格納される。また、特別図柄の抽選結果が小当たりとなった場合に、小当たり遊技において特定領域650e3へと遊技球が入球したタイミングにおける遊技状態を示すデータが格納される(図397のS1411A参照)。大当たり終了時には、この当選時状態格納エリア203kdに格納されたデータと、大当たり種別と、に応じた遊技状態(時短終了条件)が時短付与テーブル202ek(図387(a)参照)から読み出されて設定される。
次に、図388(a)を参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図388(a)は、本第9制御例におけるROM222の構成を示すブロック図である。図388(a)に示した通り、本第9制御例におけるROM222は、上述した第8制御例におけるROM222の構成(図357(a)参照)に対して、攻撃アイコン選択テーブル222kaが追加されている点、および待機演出選択テーブル222jaが削除されている点で相違している。攻撃アイコン選択テーブル222kaは、時短状態A、時短状態B、および通常状態Bにおいて、実行されるバトル演出において獲得する攻撃アイコンの種別を選択するために参照されるデータテーブルである。この攻撃アイコン選択テーブル222kaの詳細について、図388(b)を参照して説明する。図388(b)は、この攻撃アイコン選択テーブル222kaの規定内容を示した図である。図388(b)に示した通り、この攻撃アイコン選択テーブル222kaは、第2特別図柄の抽選結果毎に、第1演出カウンタ223f1の値の範囲と、攻撃アイコンの種別とが、対応付けて規定されている。より具体的には、図388(b)に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が大当たり又は小当たりA41である場合に、第1演出カウンタ223f1の値が「0~19」の範囲に対して、「必殺技」アイコンが対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「20~89」の範囲に対して、「斬撃」アイコンが対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「90~99」の範囲に対して、「蹴り」アイコンが対応付けて規定されている。よって、抽選結果が大当たり又は小当たりA41である場合(即ち、有利な時短状態Cへと移行する場合)は、比較的高い割合で「斬撃」アイコンが選択され、低い割合で「蹴り」アイコンが選択される。
また、図388(b)に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が小当たりB41である場合(有利度合いが時短状態Cよりも低い時短状態Bへと移行する場合)に、第1演出カウンタ223f1の値が「0~4」の範囲に対して、「必殺技」アイコンが対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「5~49」の範囲に対して、「斬撃」アイコンが対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「50~84」の範囲に対して、「蹴り」アイコンが対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「85~99」の範囲に対して、「パンチ」アイコンが対応付けて規定されている。よって、抽選結果が小当たりB41である場合(即ち、有利度合いが比較的低い時短状態Bへと移行する場合)は、時短状態Cへと移行する場合よりも、「必殺技」アイコンや「斬撃」アイコンの選択割合が低くなると共に、「蹴り」アイコンの選択割合が高くなる。また、時短状態Cに移行する場合には選択されない「パンチ」アイコンの選択割合が15%に設定されている。また、図388(b)に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が外れである場合に、第1演出カウンタ223f1の値が「0~9」の範囲に対して、「斬撃」アイコンが対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「10~49」の範囲に対して、「蹴り」アイコンが対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「50~99」の範囲に対して、「パンチ」アイコンが対応付けて規定されている。よって、抽選結果が外れである場合は、「必殺技」アイコンが選択されなくなる。つまり、「必殺技」アイコンは、出現した時点で大当たり又は小当たりが確定する。また、大当たりまたは小当たりに当選する場合よりも、「パンチ」アイコンの選択割合が大幅に上昇する。このように、第2特別図柄の抽選結果に応じて、攻撃アイコンの種別毎の選択比率を異ならせる構成としているため、時短状態Aや時短状態Bにおいて第2入球口640への始動入賞を検出する毎に、表示される攻撃アイコンの種別により注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図389を参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図389は、本第9制御例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図389に示した通り、本第9制御例におけるRAM223は、上述した第8制御例におけるRAM223の構成(図357(b)参照)に対して、アイコン情報格納エリア223kaと、残当たり回数カウンタ223kbと、が追加されている点、および待機演出フラグ223ja、待機演出回数カウンタ223jb、待機期間タイマ223jcが削除されている点で相違している。アイコン情報格納エリア223kaは、攻撃アイコン選択テーブル222ka(図388(b)参照)を参照して選択した攻撃アイコンの種別を示すデータを格納しておくための記憶領域である。時短状態Aや時短状態B、通常状態Bにおいては、このアイコン情報格納エリア223kaに格納されているデータを参照して、第2特別図柄の保留球が0になるまで(または大当たり当選まで)のそれぞれの第2特別図柄の変動表示演出において冒険者のキャラクタ811に対して行わせる攻撃の内容を設定する(図404のS4424A参照)。これにより、保留チャージ演出(図377(b)、図378(b)参照)において獲得された攻撃アイコンの種別と異なる内容の攻撃を行う演出を設定してしまうことを防止することができるので、より好適な演出態様を実現することができる。残当たり回数カウンタ223kbは、時短状態Cへと移行した場合において、時短リミット回数に到達するまでの残りの大当たり回数を示すカウンタである。この残当たり回数カウンタ223kbは、初期値が0に設定されており、時短状態Cへと移行する大当たりに当選した場合に値が4に設定される(図402のS3623A参照)。また、この残値回数カウンタ223kbは、大当たりのエンディング期間となる毎に値が1ずつ減算して更新される。本第9制御例では、この残当たり回数カウンタ223kbの値を参照して、時短リミット回数に到達するまでの各大当たりにおける各ラウンド数の表示を、1の大当たり遊技が継続しているかのような表示に設定している。
<第9制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図390から図399を参照して、本第9制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図390を参照して、本第9制御例における特別図柄判定処理(S231A)の詳細について説明する。この特別図柄判定処理(S231A)は、上述した第8制御例における特別図柄判定処理(図360参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄判定処理(図360参照)と同様に、特別図柄の抽選を実行するための処理である。この第9制御例における特別図柄判定処理(図390参照)のうち、S301~S305の各処理では、それぞれ第8制御例における特別図柄判定処理(図360参照)のS301~S305の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9制御例における特別図柄判定処理(図390参照)では、S303の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S303:No)、次いで、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるかを判別し(S321A)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S321A:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S322A)、小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別を示す小当たり図柄を第1図柄表示装置37a,37bに表示させる小当たり図柄としてセットして(S323A)、本処理を終了する。一方、S321Aの処理において、今回の抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S321A:No)、S322A,S323Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。次に、図391を参照して、本第9制御例における特別図柄変動パターン選択処理(S232A)の詳細について説明する。この特別図柄変動パターン選択処理(S232A)は、上述した第8制御例における特別図柄変動パターン選択処理(図362参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄変動パターン選択処理(図362参照)と同様に、特別図柄の抽選結果に応じた第1図柄の変動パターンを選択するための処理である。図391は、この特別図柄変動パターン選択処理(S232A)を示すフローチャートである。
この第9制御例における特別図柄変動パターン選択処理(図391参照)のうち、S401~S408の各処理では、それぞれ上述した第8制御例における特別図柄変動パターン選択処理(図362参照)のS401~S408の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9制御例における特別図柄変動パターン選択処理(図391参照)では、S401の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S401:No)、次いで、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S431A)、小当たりであると判別した場合は(S431A:Yes)、小当たり種別選択テーブル202fk(図387(b)参照)を参照して小当たり種別を決定し(S432A)、処理をS403へと移行する。これに対し、S431Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S431A:No)、S432Aの処理をスキップして、処理をS403へと移行する。次に、図392を参照して、本第9制御例における時短更新処理(S233A)の詳細について説明する。この時短更新処理(S233A)は、上述した第8制御例における時短更新処理(図364参照)に代えて実行される処理であり、時短更新処理(図364参照)と同様に、時短終了条件を判定するための各種カウンタ値を更新すると共に、時短終了条件が成立したと判定した場合に時短状態を終了させるための処理である。
この第9制御例における時短更新処理(図392参照)のうち、S601~S605、およびS607の各処理では、それぞれ上述した第8制御例における時短更新処理(図364参照)のS601~S605、およびS607の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9制御例における時短更新処理(図392参照)では、S605の処理が終了すると、特図2カウンタ203t、小当たりカウンタ203s、および規定保留球数カウンタ203kaの値を全て0にリセットして(S631A)、処理をS607へと移行する。このS631Aの処理は、時短終了条件を判定するための各種カウンタとして、第8制御例に対して、普電作動カウンタ203kaが削除され、特図2カウンタ203tと規定保留球数カウンタ203kaとが追加されていることに伴う変更である。また、本第9制御例における時短更新処理(図392参照)では、S604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合に(S604:No)、次いで、小当たりの当選回数に基づく時短終了条件(第2終了条件)の成立有無を判別するための小当たり時短更新処理を実行する(S632A)。この小当たり時短更新処理(S632A)の詳細については、図393を参照して後述する。S632Aの処理が終了すると、次いで、今回停止表示を設定した特別図柄の変動表示が第2特別図柄の変動表示であるか否かを判別し(S633A)、第2特別図柄の変動表示ではない(第1特別図柄の変動表示である)と判別した場合は(S633A:No)、時短終了条件が成立する可能性がないため、そのまま本処理を終了する。一方、S633Aの処理において、第2特別図柄の変動表示であると判別した場合は(S633A:Yes)、特図2カウンタ203tのカウンタ値を1減算して更新し(S634A)、減算後の特図2カウンタ203tのカウンタ値を示す残時短回数コマンドを設定する(S635A)。
S635Aの処理が終了すると、次いで、減算後の特図2カウンタ203tの値が0であるか否かを判別し(S636A)、減算後の特図2カウンタ203tの値が0であると判別した場合は(S636A:Yes)、時短状態を終了させて通常状態に設定するためのS637A~S639Aの各処理を実行する。具体的には、遊技状態格納エリア203gに対して通常状態を示すデータを格納することで遊技状態を通常状態に設定し(S637A)、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、および規定保留球数カウンタ203kaの値を全て0にリセットすることで時短終了条件をクリアする(S638A)。次に、通常状態を示す状態コマンドを設定して(S639A)、本処理を終了する。これに対して、S636Aの処理において、減算後の特図2カウンタ203tの値が0ではないと判別した場合は(S636A:No)、時短状態が継続することを意味するため、S637A~S639Aの各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。次に、図393を参照して、上述した小当たり時短更新処理(S632A)の詳細について説明する。図393は、この小当たり時短更新処理(S632A)を示すフローチャートである。この小当たり時短更新処理(S632)が実行されると、まず、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S701)、小当たりではないと判別した場合は(S701:No)、小当たり当選回数に基づく時短終了条件(第2終了条件)が成立し得ないため、そのまま本処理を終了する。一方、S701の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S701:Yes)、次いで、現在の状態がMAXボーナスモード(時短状態C)であるか否かを判別する(S711A)。
S711Aの処理において、現在の状態がMAXボーナスモード(時短状態C)であると判別した場合は(S711A:Yes)、減算待機フラグ203kcをオンに設定することで小当たりカウンタ203sの減算を待機(遅延)させ(S712A)、本処理を終了する。時短状態Cにおいて、小当たりカウンタ203sの減算を待機させることで、V入賞(特定領域650e3への遊技球の入球)の発生タイミングまで時短状態を継続させることができる。つまり、時短状態Cにおいて小当たりに当選し、当該小当たり遊技中にV入賞が発生して大当たりに当選した場合に、当該大当たりの当選時の遊技状態を時短状態とすることができる。つまり、時短状態Cにおいて大当たりに当選した場合に、大当たり種別によらず、時短状態Cが設定されるように構成することができる。よって、時短状態Cに一旦移行すると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される極めて有利な状況を確実に成立させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
一方、S711Aの処理において、現在の遊技状態がMAXボーナスモード(時短状態C)ではないと判別した場合は(S711A:No)、小当たりカウンタ203sのカウンタ値を1減算して更新し(S702)、減算後のカウンタ値が0になったか否かを判別する(S703)。S703の処理において、小当たりカウンタ203sの値が0に更新されたと判別した場合は(S703:Yes)、時短状態を終了させて通常状態に設定するためのS704,S713A、およびS706の各処理を実行する。具体的には、遊技状態格納エリア203gに対して通常状態を示すデータを格納することで遊技状態を通常状態に設定し(S704)、時短カウンタ203h、特図2カウンタ203t、および規定保留球数カウンタ203kaの値を全て0にリセットすることで時短終了条件をクリアする(S713A)。次に、通常状態を示す状態コマンドを設定して(S706)、本処理を終了する。これに対して、S703の処理において、減算後の小当たりカウンタ203sの値が0ではないと判別した場合は(S703:No)、時短状態が継続することを意味するため、S704,S713A、およびS706の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。次に、図394を参照して、始動入賞処理(S112A)の詳細について説明する。この始動入賞処理(S112A)は、上述した第8制御例(および第7制御例)における始動入賞処理(図310参照)に代えて実行される処理であり、始動入賞処理(図310参照)と同様に、第1入球口64、第2入球口640のいずれかに遊技球が入球(始動入賞)したか場合に、入球に応じて取得された各カウンタ値を、入球を検出した入球口の種別に応じた記憶領域(第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203b)に格納するための処理である。図394は、この始動入賞処理(S112A)を示すフローチャートである。
この第9制御例における始動入賞処理(図394参照)のうち、S801~S809、およびS811~S813の各処理では、それぞれ上述した第8制御例(および第7制御例)における始動入賞処理(図310参照)のS801~S809、およびS811~S813の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9制御例における始動入賞処理(図394参照)では、S809の処理が終了すると、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が4より小さい値であるか否かを判別し(S821A)、4より小さい値でない(即ち、上限値の4である)と判別した場合は(S821A:No)、そのまま本処理を終了する。一方で、S821Aの処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値が4より小さい値であると判別した場合は(S821A:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)に1を加算して更新し(S811)、次いで、更新後の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値が時短終了条件(第4終了条件)を満たすか否かを判定するための保留球数判別処理を実行して(S822A)、処理をS812へと移行する。この保留球数判別処理(S822A)の詳細については、図395を参照して後述する。このように、本第9制御例では、第2特別図柄の保留球数の上限個数を、第1特別図柄と同様に、4個に設定する構成としている。これにより、時短状態が終了されて通常状態へと戻る際の第2特別図柄の残保留球数にバリエーションを持たせることができるので、時短状態の種別に応じて実質的な第2特別図柄の抽選機会を異ならせ、大当たりとなる可能性も異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図395を参照して、上述した保留球数判別処理(S822A)の詳細について説明する。図395は、保留球数判別処理(S822A)を示すフローチャートである。保留球数判別処理(S822A)では、まず、特図2カウンタ203tの値が1であるか否かを判別し(S851A)、特図2カウンタ203tの値が1ではないと判別した場合は(S851A:No)、時短状態における最終変動ではないことを意味し、保留球数によらず時短状態が終了され得ない(または、そもそも時短状態ではない)ことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、S851Aの処理において、特図2カウンタ203tの値が1であると判別した場合は(S851:Yes)、次いで、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が、規定保留球数カウンタ203kaのカウンタ値以上の値であるか否かを判別し(S852A)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が規定保留球数カウンタ203kaのカウンタ値未満の値であれば(S852A:No)、時短状態の終了条件(第4終了条件)が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。これに対して、S852Aの処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が規定保留球数カウンタ203kaのカウンタ値以上であると判別した場合は(S852A:Yes)、第4終了条件が成立したことを意味するため、時短状態を終了させるためのS852A~S855Aの各処理を実行する。具体的には、遊技状態格納エリア203gに対して通常状態を示すデータを格納することで遊技状態を通常状態に設定し(S853A)、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203t、および規定保留球数カウンタ203kaの値を全て0にリセットすることで時短終了条件をクリアする(S854A)。次に、通常状態を示す状態コマンドを設定して(S855A)、本処理を終了する。
この保留球数判別処理(図395参照)を実行することにより、時短状態の最終変動において保留球数が規定個数に到達したことに基づいて時短状態を終了させることができる。よって、時短状態Aと、時短状態Bとで、時短回数が同一(第2特別図柄の抽選回数1回)であるにもかかわらず、実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせることができる。即ち、時短状態Aでは、時短状態に移行してから第2特別図柄の保留球を全て消化するまでに、第2特別図柄の抽選を最大でも2回しか実行させることができない一方で、時短状態Bでは、時短状態に移行してから第2特別図柄の保留球を全て消化するまでに、第2特別図柄の抽選を最大4回実行させることが可能となるので、時短状態の種別毎の有利度合いを大きく異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。次に、図396を参照して、本第9制御例における普通図柄変動処理(S113A)の詳細について説明する。この普通図柄変動処理(S113A)は、上述した第8制御例における普通図柄変動処理(図365参照)と同様に、普通図柄の抽選を実行すると共に、普通図柄の当たりとなった場合に電動役物640aの開閉制御を設定するための処理である。図396は、この普通図柄変動処理(S113A)を示すフローチャートである。
この第9制御例における普通図柄変動処理(図396参照)のうち、S1101~S1108,S1111,S1113,S1115~S1117、およびS1121の各処理では、それぞれ上述した第8制御例における普通図柄変動処理(図365参照)のS1101~S1108,S1111,S1113,S1115~S1117、およびS1121の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9制御例における普通図柄変動処理(図396参照)では、S1108の処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であると判別した場合に(S1108:Yes)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202ck(図385(a)参照)を参照して普通図柄の抽選結果を取得し(S1109)、S1111の処理へと移行する。一方、S1108の処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S1108:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202ck(図385(a)参照)を参照して普通図柄の抽選結果を取得し(S1110)、S1111の処理へと移行する。また、本第9制御例における普通図柄変動処理(図396参照)では、S1111の処理において、今回の普通図柄の抽選結果が普通図柄の当たりであると判別した場合に(S1111:Yes)、普通図柄の当たり用の第2図柄表示装置84の表示態様を設定して(S1112)、処理をS1131Aへと移行する。S1131Aの処理では、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判別し(S1131A)、時短状態であると判別した場合は(S1131A:Yes)、普通図柄の変動時間を1秒間に設定して(S1132A)、本処理を終了する。これに対し、S1131Aの処理において、時短状態ではない(通常状態である)と判別した場合は(S1131A:No)、普通図柄の変動時間を10秒間に設定して(S1133A)、本処理を終了する。
また、本第9制御例における普通図柄変動処理(図396参照)では、S1117の処理において、今回の普通図柄の抽選結果が普通図柄の当たりであると判別した場合に(S1117:Yes)、次いで、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判別し(S1134A)、時短状態ではない(通常状態である)と判別した場合は(S1134A:No)、電動役物640aの開放パターン(変位パターン)を、第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)な0.1秒間×1回のみ開放される開放パターン(変位パターン)に設定して(S1135A)、処理をS1121へと移行する。一方で、S1134Aの処理において、現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合は(S1134A:Yes)、電動役物640aの開放パターン(変位パターン)を、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能な2秒間×1回の開放パターン(変位パターン)に設定して(S1136A)、処理をS1121へと移行する。このように、本第9制御例では、時短状態(普通図柄の高確率状態)において、通常状態(普通図柄の低確率状態)よりも、普通図柄の変動時間が短くなると共に、普通図柄の当たり時の電動役物640aの開放時間が長くなるように構成している。即ち、時短状態では、普通図柄の当たり確率が上昇し、変動短縮機能が作動し、開放延長機能が作動するように構成している。これにより、時短状態において、より効率良く第2入球口640へと遊技球を入球させることができる。次に、図397を参照して、本第9制御例におけるV通過処理(S114A)の詳細について説明する。このV通過処理(S114A)は、上述した第8制御例(および第7制御例)におけるV通過処理(図315参照)に代えて実行される処理であり、V通過処理(図315参照)と同様に、V入賞装置650のV入賞スイッチ(特定領域)650e3に対する遊技球の通過を監視して、遊技球の通過を検出した場合に対応する制御を行うための処理である。
この第9制御例におけるV通過処理(図397参照)のうち、S1401~S1407、およびS1409の各処理では、それぞれ上述した第8制御例(および第7制御例)におけるV通過処理(図315参照)のS1401~S1407、およびS1409の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9制御例におけるV通過処理(図397参照)では、S1407の処理が終了すると、次いで、現在の遊技状態を示すデータを当選時状態格納エリア203kdに格納し(S1411A)、減算待機フラグ203kcがオンであるか否かを判別する(S1412A)。S1412Aの処理において、減算待機フラグ203kcがオフであると判別した場合は(S1412A:No)、小当たり開始時に既に小当たりカウンタ203sを更新済みであり、これ以上小当たりカウンタ203sの値を更新する必要がないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。
これに対して、S1412Aの処理において、減算待機フラグ203kcがオンであると判別した場合は(S1412A:Yes)、時短状態Cにおいて小当たりに当選したことにより、小当たり開始時に小当たりカウンタ203sの更新を待機(遅延)させていたことを意味するため、小当たりカウンタ203sの値を1減算して更新し(S1413A)、減算後の小当たりカウンタ203sの値が0になったか否かを判別する(S1414A)。S1414Aの処理において、小当たりカウンタ203sの値が0になったと判別した場合は(S1414A:Yes)、小当たり遊技の実行回数が規定回数に到達して第2終了条件が成立したことを意味するため、時短状態を終了させるためのS1415A~S1417Aの各処理を実行する。具体的には、遊技状態格納エリア203gに対して通常状態を示すデータを格納することで遊技状態を通常状態に設定し(S1415A)、時短カウンタ203h、特図2カウンタ203t、および規定保留球数カウンタ203kaの値を全て0にリセットすることで時短終了条件をクリアする(S1416A)。次に、通常状態を示す状態コマンドを設定して(S1417A)、本処理を終了する。一方で、S1414Aの処理において、減算後の小当たりカウンタ203sの値が0ではないと判別した場合は(S1414A:No)、第2終了条件が成立していないことを意味するため、時短状態を終了させるためのS1415A~S1417Aの各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
このV通過処理(図397参照)を実行することにより、時短状態Cにおいて小当たりに当選した場合に、小当たり開始時に待機させておいた小当たりカウンタ203sの更新処理を、V入賞(特定領域650e3への入球)が発生した後で実行することができる。つまり、大当たり当選時の遊技状態を示すデータとして、時短状態に対応するデータを当選時状態格納エリア203kdに格納した後で、時短状態を終了させることができるので、大当たり終了後の遊技状態を設定する際に、時短状態中に大当たり当選した場合の遊技状態を設定することができる。つまり、大当たり種別によらず、時短状態Cを設定することができるので、時短状態Cに移行した場合に、時短リミット回数に到達するまで時短状態Cと大当たりとを確実に繰り返させることができる。よって、時短状態Cへと移行した場合に、1の16ラウンド大当たりに当選したかのように遊技者に思わせることができるので、メリハリのついた遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。次に、図398を参照して、本第9制御例における大当たり制御処理(S1821A)の詳細について説明する。この大当たり制御処理(S1821A)は、上述した第8制御例(および第7制御例)における大当たり制御処理(図319参照)に代えて実行される処理であり、大当たり制御処理(図319参照)と同様に、大当たり遊技の実行中における各種制御を行うための処理である。この第9制御例における大当たり制御処理(図398参照)のうち、S1901~S1913の各処理では、それぞれ上述した第8制御例(および第7制御例)における大当たり制御処理(図319参照)のS1901~S1913の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9制御例における大当たり制御処理(図398参照)では、S1913の処理において、エンディング期間の終了タイミングであると判別した場合は(S1913:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了時処理を実行して(S1921A)、本処理を終了する。この大当たり終了時処理(S1921A)の詳細について、図399を参照して説明する。
図399は、大当たり終了時処理(S1921A)を示すフローチャートである。大当たり終了時処理(S1921A)では、まず、時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値が0より大きい値であるか否かを判別し(S2401A)、時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値が0より大きい値であると判別した場合は(S2401A:Yes)、次いで、当選時状態格納エリア203kdに格納されているデータが通常状態に対応するデータであるか否かを判別する(S2402A)。S2402Aの処理において、当選時状態格納エリア203kdに格納されているデータが通常状態に対応するデータであると判別した場合は(S2402A:Yes)、時短リミットカウンタ203kbの値を0クリアして(S2403A)、処理をS2404Aへと移行する。一方で、S2401Aの処理において、時短リミットカウンタ203kbの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S2401A:No)、S2402A,S2403Aの各処理をスキップして、処理をS2404Aへと移行する。S2404Aの処理では、実行中の大当たり種別を読み出して(S2404A)、読み出した大当たり種別と、当選時状態格納エリア203kdに格納されているデータに対応する遊技状態と、に応じた時短終了条件を時短付与テーブル202ek(図387(a)参照)に規定されているデータの中から特定し(S2405A)、特定した時短終了条件(各種カウンタ値)を時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203t、および規定保留球数カウンタ203kaのそれぞれに対して設定する(S2406A)。S2406Aの処理が終了すると、時短状態を設定したか否かを判別し(S2407A)、時短状態を設定したと判別した場合は(S2407A:Yes)、時短リミットカウンタ203kbの値に3を設定して(S2408A)、処理をS2414Aへと移行する。一方で、S2407Aの処理において、時短状態を設定していないと判別した場合は(S2407A:No)、S2408Aの処理をスキップして、処理をS2414Aへと移行する。
これらに対し、S2402Aの処理において、当選時状態格納エリア203kdに格納されているデータが通常状態に対応するデータではない(時短状態に対応するデータである)と判別した場合は(S2402A:No)、時短リミットカウンタ203kbの値を1減算して更新し(S2409A)、減算後の時短リミットカウンタ203kbの値が0になったか否かを判別する(S2410A)。S2410Aの処理において、減算後の時短リミットカウンタ203kbの値が0ではないと判別した場合は(S2410A:No)、実行中の大当たり種別を読み出して(S2411A)、読み出した大当たり種別と、当選時状態格納エリア203kdに格納されているデータに対応する遊技状態と、に応じた時短終了条件を時短付与テーブル202ek(図387(a)参照)に規定されているデータの中から特定する(S2412A)。次いで、特定した時短終了条件(各種カウンタ値)を時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203t、および規定保留球数カウンタ203kaのそれぞれに対して設定し(S2413A)、処理をS2414Aへと移行する。S2414Aの処理では、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203t、および規定保留球数カウンタ203kaの各地を示す時短設定情報コマンドを設定し(S2414A)、次いで、大当たり終了後の状態に対応する状態コマンドを設定する(S2415A)。そして、大当たりの終了を設定し(S2416A)、大当たり中フラグ203kをオフに設定して(S2417A)、本処理を終了する。この大当たり終了時処理(図399参照)を実行することにより、時短リミット回数を加味して大当たり終了後の遊技状態を好適に設定することができる。
<第9制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図400から図404を参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図400を参照して、本第9制御例におけるコマンド判定処理(S3121A)の詳細について説明する。このコマンド判定処理(S3121A)は、上述した第8制御例におけるコマンド判定処理(図367参照)に代えて実行される処理であり、コマンド判定処理(図367参照)と同様に、主制御装置110から受信した各種コマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。この第9制御例におけるコマンド判定処理(図400参照)のうち、S3201~S3209,S3211,S3213,S3218、およびS3231Aの各処理では、それぞれ上述した第8制御例におけるコマンド判定処理(図367参照)のS3201~S3209,S3211,S3213,S3218、およびS3231Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第9制御例におけるコマンド判定処理(図400参照)では、S3209の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に入賞情報コマンドが含まれていると判別した場合に(S3209:Yes)、受信した入賞情報コマンドにより通知された先読み結果に応じた制御を行うための入賞情報コマンド処理を実行して(S3241A)、処理をS3218へと移行する。この入賞情報コマンド処理(S3241A)の詳細については、図401を参照して後述する。
また、本第9制御例におけるコマンド判定処理(図400参照)では、S3213の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に当たり関連のコマンドが含まれていると判別した場合に(S3213:Yes)、第8制御例における当たり関連処理(S3232A)に代えて、当たり関連処理を実行して(S3242A)、処理をS3218へと移行する。なお、図示については省略したが、この当たり関連処理(S3242A)では、第8制御例における当たり関連処理(S3232A)に対して、大当たり関連処理(図370参照)に代えて大当たり関連処理(S3511A)が実行される点でのみ相違している。この大当たり関連処理(S3511A)の詳細については、図402を参照して後述する。次に、図401を参照して、上述した入賞情報コマンド処理(S3241A)の詳細について説明する。図401は、この入賞情報コマンド処理(S3241A)を示すフローチャートである。入賞情報コマンド処理(S3241A)では、まず、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドにより通知された入賞情報を入賞情報格納エリア223aに格納し(S5801A)、次いで、現在の遊技状態が時短モード(時短状態A)、またはチャンスモード(時短状態B)であるか否かを従遊技状態格納エリア223gのデータを参照して判別する(S5802A)。S5802Aの処理において、時短モード(時短状態A)またはチャンスモード(時短状態B)であると判別した場合は(S5802A:Yes)、攻撃アイコン選択テーブル222ka(図388(b)参照)を読み出して(S5803A)、読み出した攻撃アイコン選択テーブル222kaから、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報に対応する抽選結果と、第1演出カウンタ223f1のカウンタ値と、に応じた攻撃アイコン種別を決定する(S5804A)。そして、決定した攻撃アイコンの種別を報知する(攻撃アイコン表示領域AI1~AI4のいずれかに表示させる)報知演出の実行を設定し(S5805A)、決定した攻撃アイコンの種別に応じてアイコン情報格納エリア223kaの情報を更新し(S5806A)、本処理を終了する。
一方、S5802Aの処理において、現在の遊技状態が時短モードでもチャンスモードでもないと判別した場合は(S5802A:No)、今回受信した入賞情報コマンドが、第1特別図柄の始動入賞に基づく入賞情報コマンドであるか否かを判別し(S5807A)、第1特別図柄の始動入賞に基づく入賞情報コマンドであると判別した場合は(S5807:Yes)、次に、現在の遊技状態が通常モード(通常状態、且つ、第2特別図柄の保留球無し)であるか否かを判別し(S5808A)、通常モードであると判別した場合は(S5808A:Yes)、先読み演出の実行可否の抽選を行う(S5809A)。次いで、抽選結果に応じた表示態様の保留球数図柄の表示を設定して(S5810A)、本処理を終了する。一方、S5807Aの処理において、第1特別図柄の始動入賞を検出したと判別した場合(S5807A:No)、およびS5808Aの処理において、通常モードではないと判別した場合は(S5808A:No)、先読み演出の実行可否の抽選を行わずに、そのまま本処理を終了する。これにより、時短状態Aや時短状態Bにおいて獲得した第2特別図柄の残保留を消化している間は、第1特別図柄の始動入賞を検出したとしても、先読み演出を設定せずに、第2特別図柄の残保留に基づくバトル演出に注目させることができる。また、時短状態Cにおいて、疑似インターバル演出の実行中に先読み演出が実行されてしまい、大当たりのインターバル遊技中ではないと遊技者に察知されてしまうことを抑制することができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。次に、図402を参照して、本第9制御例における大当たり関連処理(S3511A)の詳細について説明する。この大当たり関連処理(S3511A)は、上述した第8制御例における大当たり関連処理(図370参照)に代えて実行される処理であり、大当たり関連処理(図370参照)と同様に、主制御装置110から大当たり関連のコマンドを受信した場合に、受信したコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。図402は、この大当たり関連処理(S3511A)を示すフローチャートである。
この第9制御例における大当たり関連処理(図402参照)のうち、S3603,S3605,S3606,S3610、およびS3614の各処理では、それぞれ上述した第8制御例における大当たり関連処理(図370参照)のS3603,S3605,S3606,S3610、およびS3614の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9制御例における大当たり関連処理(図402参照)では、S3603の処理において、主制御装置110からオープニングコマンドを受信したと判別した場合に(S3603:Yes)、大当たり種別と残当たり回数カウンタ223kbの値とに応じたオープニング演出を決定する(S3621A)。即ち、S3621Aの処理では、残当たり回数カウンタ223kbの値が0であれば、大当たり種別が大当たりC41である場合にMAXボーナスの開始を示すオープニング演出を決定する一方で、大当たりC41以外の大当たり種別であれば、4ラウンド大当たり用のオープニング演出を決定する。また、残当たり回数カウンタ223kbの値が1以上である場合は、MAXボーナスモード中の大当たりであることを意味し、複数回の大当たりで1の大当たりに見せる演出を実行中であることを意味するため、大当たり当選前の時短状態Cから引き続いて疑似インターバル演出が継続する演出態様のオープニング演出を決定する。S3621Aの処理が終了すると、決定した演出態様に対応する表示用オープングコマンドを設定し(S3622A)、今回の大当たりがMAXボーナスモードにおける初回の大当たりであるか否かを判別する(S3623A)。S3623Aの処理において、MAXボーナスモードの初回の大当たりであると判別した場合は(S3623A:Yes)、残当たり回数カウンタ223kbに4を設定して(S3624A)、処理をS3614へと移行する。一方、S3623Aの処理において、今回の大当たりがMAXボーナスモードの初回の大当たりではないと判別した場合は(S3623A:No)、S3624Aの処理をスキップして、処理をS3614へと移行する。
また、本第9制御例における大当たり関連処理(図402参照)では、S3606の処理が終了すると、S3606の処理で抽出したラウンド数と、残当たり回数カウンタ223kbの値とに応じたラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドを設定して(S3625A)、処理をS3614Aへと移行する。S3625Aの処理では、残当たり回数カウンタ223kbの値が0又は4である場合に、実際のラウンド数を設定し、残当たり回数カウンタ223kbの値が3である場合に、実際のラウンド数よりも4ラウンド分多いラウンド数を設定し、残当たり回数カウンタ223kbの値が2である場合に、実際のラウンド数よりも8ラウンド分多いラウンド数を設定し、残当たり回数カウンタ223kbの値が1である場合に、実際のラウンド数よりも12ラウンド分多いラウンド数を設定するように構成されている。これにより、MAXボーナスモードにおける4回の大当たりにおいて、ラウンド数をリセットせずに前回の大当たりからラウンド数を引き継いで表示させることができるので、MAXボーナスモードに移行してから時短リミット回数に到達するまでの間において、1の16ラウンド大当たりが継続しているかのように遊技者に思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、本第9制御例における大当たり関連処理(図402参照)では、S3610の処理において、主制御装置110からエンディングコマンドを受信したと判別した場合に(S3610:Yes)、エンディング演出を設定するためのエンディングコマンド処理を実行して(S3626A)、処理をS3614へと移行する。このエンディングコマンド処理(S3626A)の詳細について、図403を参照して説明する。
図403は、上述したエンディングコマンド処理(S3626A)を示すフローチャートである。図403に示した通り、本第9制御例におけるエンディングコマンド処理(S3626A)では、まず、残当たり回数カウンタ223kbの値が0より大きい値であるか否かを判別し(S5901A)、残当たり回数カウンタ223kbのカウンタ値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S5901A:No)、MAXボーナスモード中の大当たりではないことを意味するため、当たり種別に応じたエンディング演出を示す表示用エンディングコマンドを設定して(S5902A)、本処理を終了する。一方、S5901Aの処理において、残当たり回数カウンタ223kbの値が0より大きい値(1以上の値)であると判別した場合は(S5901A:Yes)、残当たり回数カウンタ223kbの値を1減算して更新し(S5903A)、減算後のカウンタ値が0になったか否かを判別する(S5904A)。S5904Aの処理において、減算後の残当たり回数カウンタ223kbの値が0に更新されていないと判別した場合は(S5904A:No)、大当たり終了後もMAXボーナスモードが継続することを意味するため、エンディング演出として、疑似インターバル演出が実行されるエンディング演出の開始を設定して(S5905A)、本処理を終了する。これに対し、S5904Aの処理において、減算後の残当たり回数カウンタ223kbの値が0になったと判別した場合は(S5904A:Yes)、入賞情報格納エリア223aの各データを読み出して(S5906A)、最も古い入賞情報に対応する攻撃アイコンを、攻撃アイコン選択テーブル222kaを参照して決定し(S5907A)、決定した攻撃アイコンに応じてアイコン情報格納エリア223kaのデータを更新する(S5908A)。S5908Aの処理が終了すると、次いで、前回攻撃アイコンの種別を決定するための判別において参照した入賞情報よりも新しい入賞情報に対応する攻撃アイコンを、攻撃アイコン選択テーブル222kaを参照して決定し(S5909A)、決定した攻撃アイコンに応じてアイコン情報格納エリア223kaのデータを更新する(S5910A)。
S5910Aの処理が終了すると、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンの種別を決定したか否かを判別し(S5911A)、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンの種別を決定していないと判別した場合は(S5911A:No)、処理をS5909へと戻すことにより、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンの種別を決定してアイコン情報格納エリア223kaのデータに反映されるまで、S5909~S5911Aの各処理を繰り返し実行する。そして、S5911Aの処理において、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンの種別を決定したと判別した場合は(S5911A:Yes)、アイコン情報格納エリア223kaに格納されたそれぞれのデータに対応する各攻撃アイコンを報知する演出態様のエンディング演出の実行を設定して(S5912A)、本処理を終了する。S5912Aの処理によって、時短リミット回数に到達してMAXボーナスモードが終了され、最大4個の第2特別図柄の保留球を消化する通常状態Bへと移行する場合に、通常状態Bにおいて使用される最大4個の攻撃アイコンの種別をエンディング演出によって予め遊技者に対して報知しておく斬新な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。次に、図404を参照して、本第9制御例における変動演出設定処理(S4311A)の詳細について説明する。この変動演出設定処理(S4311A)は、上述した第8制御例における変動演出設定処理(図373参照)に代えて実行される処理であり、変動演出設定処理(図373参照)と同様に、特別図柄の変動表示に同期させて実行する第3図柄の変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図404は、この変動演出設定処理(S4311A)を示すフローチャートである。
この第9制御例における変動演出設定処理(図404参照)のうち、S4401、およびS4403の各処理では、それぞれ上述した第8制御例における変動演出設定処理(図373参照)のS4401、およびS4403の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9制御例における変動演出設定処理(図404参照)では、S4403の処理において、今回受信した変動パターンコマンドが第2特別図柄に対応する変動パターンコマンドではないと判別した場合に(S4403:No)、変動パターンコマンドにより通知された当該変動の抽選結果と変動パターンコマンドから抽出した変動パターンとに基づいて変動表示演出の演出態様を決定し(S4421A)、本処理を終了する。一方、S4403の処理において、今回受信した変動パターンコマンドが第2特別図柄に対応する変動パターンコマンドであると判別した場合は(S4403:Yes)、現在がMAXボーナスモードであるか否かを判別し(S4422A)、MAXボーナスモードではないと判別した場合には(S4422A:No)、アイコン情報格納エリア223kaの各データのうち最も古いデータを読み出して(S4423A)、読み出したデータと今回の抽選結果とに応じた変動演出の演出態様を設定する(S4424A)。例えば、アイコン情報格納エリア223kaのデータが残撃アイコンに対応するデータであり、今回の第2特別図柄の抽選結果が外れであれば、残撃アイコンに対応する残撃攻撃を怪獣のキャラクタ821に対して仕掛け、当該残撃攻撃が避けられて外れが報知される演出態様が決定される。S4424Aの処理が終了すると、アイコン情報格納エリア223kaから今回読み出したデータを削除して(S4425A)、本処理を終了する。始動入賞時にアイコン情報格納エリア223kaに予め格納すると共に攻撃アイコン表示領域AI1~AI4に表示しておいた攻撃アイコンと同じ攻撃アイコンに対応する攻撃を確実に行わせることができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
これに対し、S4422Aの処理において、現在の遊技状態がMAXボーナスモードであると判別した場合は(S4422A:Yes)、疑似インターバル演出の実行中の変動表示態様(即ち、主表示領域Dmのほとんどの領域で疑似インターバル演出を行い、小表示領域Dm8において比較的目立たない態様で変動表示演出を実行する演出対応)を設定し(S4426A)、本処理を終了する。以上説明した通り、第9制御例におけるパチンコ機10では、時短回数(特別図柄の抽選回数の合計回数の規定回数、第2特別図柄の抽選回数の合計回数の規定回数)が共通であるにもかかわらず、時短状態に移行してから当該時短状態の間に検出した全ての始動入賞に基づく第2特別図柄の抽選が終了するまでの間における実質的な第2特別図柄の抽選回数が異なる複数の時短状態を設けている。より具体的には、特別図柄の抽選を実質的に2回実行可能な時短状態Aと、特別図柄の抽選を実質的に4回実行可能な時短状態Bと、を設ける構成としている。ここで、本第8制御例では、時短状態の終了条件として、特別図柄の抽選回数(第1特別図柄と第2特別図柄との合計の抽選回数)が規定回数に到達したことに基づいて成立する第1終了条件と、小当たり遊技の実行回数が規定回数に到達したことに基づいて成立する第2終了条件と、第2特別図柄の抽選回数が規定回数に到達したことに基づいて成立する第3終了条件と、に加え、時短最終変動の実行中に第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する第4終了条件と、を設ける構成としている。時短状態Aと時短状態Bとでは、第1~第3終了条件が共通とされ、第4終了条件のみを異ならせることにより、実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせている。つまり、時短状態Aでは、時短状態の最後の第2特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の保留球数が1個になった時点で時短状態が終了される一方で、時短状態Bでは、時短状態の最後の第2特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の保留球数が3個になった時点で時短状態が終了されるように構成することで、実質的な有利度合いを異ならせる構成としている。これにより、遊技性を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第9制御例では、時短状態A,Bに加えて、ほぼ確実に次回の大当たりまで継続する時短終了条件が設定される時短状態Cを設ける構成とした上で、時短状態の連続回数(通常状態を介さずに時短状態と大当たりとが繰り返される繰返し回数)に制限を設ける(時短リミット回数を設定する)構成としている。そして、時短状態の間に大当たり遊技の実行条件が成立した(大当たり遊技の実行が設定された)場合は、時短リミット回数に到達していない限り、大当たり終了後の遊技状態が、時短状態Cに設定されるように構成している。つまり、一旦時短状態Cが設定されると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される(時短リミット回数分の大当たり当選がほぼ確定する)極めて有利な状態を形成する構成としている。このように構成することで、時短状態Cに移行することを遊技者に対して強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、本第9制御例では、時短状態Cに移行してから時短リミット回数に到達するまでの間(大当たりと時短状態Cとが繰り返されている間)の演出態様として、1の大当たり遊技が継続しているかのような一連の演出態様を設定する構成としているので、実際には4ラウンドの大当たりに4回当選しているにもかかわらず、1回の大当たり当選で16ラウンド分の賞球を獲得できたかのように遊技者に思わせることができる。つまり、一度の契機で比較的多量の賞球を獲得できる極めて幸運な状況が発生したかのように思わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、本第9制御例では、時短状態A,Bについてはいずれも第2特別図柄の抽選が1回実行されるか、特別図柄の抽選が10回実行されることで時短状態が終了されるため、第2特別図柄の抽選が実行されない左打ちを行うと時短状態が長く継続し易くなる一方で、第2特別図柄の抽選が実行され得る右打ちを行うと時短終了条件が比較的短い期間で成立し易くなる。このため、本第9制御例における左打ち遊技および右打ち遊技は、それぞれ有利な所定の遊技状態が長く継続し易い遊技方法、および有利な所定の遊技状態が長く継続し難い遊技方法の別形態である。
更に、本第9制御例では、時短状態Cにおいて、容易に保留球を上限個数まで貯めることができるように普通図柄の変動時間や特別図柄の変動時間、普通図柄の開放パターンを設定することにより、時短状態Cと大当たりとが時短リミット回数に到達するまで繰り返されて通常状態へと移行した際に、上限個数(4回)の第2特別図柄の保留球が保留されている状態となり易く構成している。これにより、通常状態に転落した後においても、有利度合いが高い(大当たりおよび小当たりの合算確率が約1/3となる上に、大当たり又は小当たりに当選した場合に比較的高い割合で最も有利な時短状態Cに設定される)第2特別図柄の抽選を4回実行する機会を遊技者に対して与えることができるので、時短リミット回数に到達した後における有利度合いを、他の時短状態における有利度合い以上とすることができる。具体的には、第2特別図柄の抽選を実質的に2回実行可能な時短状態Aよりも大当たり期待度が高く、且つ、第2特別図柄の抽選を実質的に4回実行可能な時短状態Bと同等の大当たり期待度となる有利な状態を形成することができる。つまり、時短状態Cにおいて時短リミット回数に到達したことに基づいて設定される通常状態Bを、実質的に、時短状態Bと同等の有利度合いとすることができる。そして、本第9制御例においては、初当たり時以外は、大当たり終了後の遊技状態が必ず時短状態B、時短状態C、および通常状態Bの何れかとなるように構成している。換言すれば、遊技者の見た目上、大当たり終了後の遊技状態が時短状態B、または通常状態Bのどちらかとなるように構成されている(時短状態Cと大当たりとが繰り返されている間は1の大当たりが継続しているかのような見た目に設定される)ため、時短状態中に大当たりが発生した場合は、大当たり終了後に付与される第2特別図柄の抽選機会を毎回同一回数(4回)とすることができる。よって、時短リミット回数に到達した場合に有利度合いが低下してしまうことを抑制し、時短状態Cへと移行する大当たり(MAXボーナス)に当選した場合に、遊技者に対して大きな喜びを与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
加えて、本第9制御例では、時短状態Aや時短状態Bにおいて第2特別図柄の小当たり遊技が開始された場合に、小当たり開始時に第2終了条件が成立する(小当たりカウンタ203sを減算する)ように構成する一方で、時短状態Cにおいて第2特別図柄の小当たり遊技が開始された場合には、特定領域650e3を遊技球が通過した後で第2終了条件が成立する(小当たりカウンタ203sを減算する)ように構成している。このように構成することで、時短状態Aや時短状態Bに移行した後において小当たりに当選した場合に、時短状態の間に実行された第2特別図柄の抽選であるか、時短状態の間に保留された第2特別図柄の保留球に基づいて通常状態への移行後に開始された第2特別図柄の抽選であるかによらず、特定領域650e3を遊技球が通過した時点の遊技状態(大当たり遊技の実行が設定された時点の遊技状態)を通常状態に設定することができる。よって、時短状態の間に開始された第2特別図柄の抽選であるか、通常状態に移行した後で開始された第2特別図柄の抽選であるかによらず、大当たり当選時の有利度合いを共通化することができる。また、時短状態Cにおいては、小当たり当選した場合に、当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行が設定された時点の遊技状態)を時短状態に固定化することができるので、時短リミット回数を超えて時短状態Cと大当たりとの繰り返しが継続してしまったり、逆に、時短リミット回数に到達する前に時短状態Cと大当たりとの繰り返しが終了されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第9制御例では、時短リミット回数を3回に設定する構成としていたが、これに限られるものではなく、時短リミット回数は任意に定めることができる。時短リミット回数を多くすれば、MAXボーナスモードにおける大当たりの当選回数を多くすることができるので、MAXボーナスモードへと移行した場合における有利度合いをより高くすることができる。また、時短リミット回数を少なくすれば、MAXボーナスモードにおいて設定される時短状態Cの回数を少なくすることができるので、時短状態Cにおいて比較的多くの回数、連続して外れが発生することで疑似インターバル演出の演出期間が長くなってしまい、MAXボーナスモード中の遊技が間延びしてしまうという事象を発生し難くすることができる。なお、本第9制御例における時短状態Aや時短状態Bにおいて第2特別図柄の保留球が規定個数まで貯まったか否かを示すために表示されるタイムゲージga3は、保留球を貯める余地があるか否かを遊技者が認識可能な演出態様の別形態である。また、本第9制御例では、各種時短状態において左打ちを行い続けた場合に第1特別図柄の抽選が実行される頻度よりも、右打ちを行い続けて第2特別図柄の抽選が実行される頻度の方が高くなり易い盤面構成であるため、時短内に大当たりに当選する場合は、左打ちを行い続けた方が右打ちを行い続けるよりも大当たりに当選するまでの期間が長くなり易くなる。このため、第9制御例における時短状態は、遊技方法に応じて次回大当たりまでの期間を可変させ得る遊技状態の別形態である。
<第9制御例の第1の変形例>
次いで、図405から図408を参照して、上述した第9制御例における第1の変形例について説明する。上述した第9制御例におけるパチンコ機10では、時短状態の最終変動において、保留球数が規定個数に到達することで成立する時短終了条件(第4終了条件)を設け、第4終了条件が成立するまでの規定回数にバリエーションを設けることにより、性能(大当たり当選率)が異なる複数の時短状態を設ける構成としていた。
これに対して本第1の変形例では、第4終了条件を廃止することでよりシンプルな制御とし、且つ、上述した第9制御例におけるパチンコ機10に類似する遊技性を実現している。まず、図405を参照して、本第1の変形例における各状態間の移行方法について説明する。図405に示した通り、本第1の変形例では、主として4種類の状態(モード)が設けられている。即ち、上述した第9制御例における通常状態A、通常状態B、および時短状態Cが設けられている。また、時短状態A,Bが削除され、時短状態Dが新設されている。時短状態Dは、特別図柄の変動表示が合計10回実行されることで第1終了条件が成立し、小当たり遊技が1回実行されることで第2終了条件が成立し、第2特別図柄の変動表示が1回実行されることで第3終了条件が成立する遊技状態である。このため、時短状態Aにおいて右打ちを行い続けた場合、保留球数が上限(4個)まで貯まった上で、第2特別図柄の変動停止タイミングで時短状態が終了される。このように構成した場合でも、小当たり当選時は、小当たり開始時に小当たりカウンタ203sの値を減算する構成としているため、特定領域650e3を通過するよりも前に時短状態を終了させておくことができる。よって、時短状態Dにおいて実行される1回の第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合と、時短状態Dにおいて実行された第2特別図柄の変動表示中に保留された保留球に基づいて通常状態への移行後に実行される最大4回の第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合とで、当選時の遊技状態を共に通常状態とすることができる。よって、時短状態の間に開始された第2特別図柄の抽選であるか、時短状態が終了されてから開始された第2特別図柄の抽選であるかによらず、MAXボーナスモードへの移行期待度を共通化することができる。よって、時短状態Dに移行してから全ての第2特別図柄の保留球が消化されるまでの各第2特別図柄の抽選において、それぞれ略同等の期待感を遊技者に対して抱かせることができる。
まず、図405の上段を参照して、本第1の変形例において、通常状態A(通常モード)から他の状態への移行方法について説明する。図405の上段に示した通り、通常状態A(通常モード)から他の状態には、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。即ち、図405に示した通り、通常状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で約1/320の確率で当選する大当たりとなり、50%の割合で決定される大当たりA41が決定されると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Dに設定される。一方、通常状態Aにおいて大当たりに当選した場合に50%の割合で決定される大当たりB41が決定されると、大当たり終了後の遊技状態が再度、通常状態Aに設定される。よって、通常状態Aにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たりA41であることをより強く期待させることができる。
次に、図405の上から2段目を参照して、時短状態D(時短モード)から他の状態への移行方法について説明する。図405の上から2段目に示した通り、時短状態D(時短モード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図405の上から2段目に示した通り、時短状態Dにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図405の上から2段目に示した通り、時短状態Dにおいて第2特別図柄の抽選で約1/3.5の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Dに設定される(時短状態Dをループする)。本第1の変形例では、上述した第9制御例と同様に、時短状態Bよりも時短状態Cの方が有利であるため、時短状態Dにおいて小当たりに当選した場合に、小当たりA41に当選して時短状態Cが設定されることをより強く期待させることができる。これらに対し、時短状態Aにおいて獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化した場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。よって、5回の第2特別図柄の抽選機会の間に約1/3.5の確率の大当たり又は小当たりに当選することを強く期待させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図405の下から2段目を参照して、時短状態C(MAXボーナスモード)から他の状態への移行方法について説明する。図405の下から2段目に示した通り、時短状態C(MAXボーナスモード)から他の状態へは、時短リミット回数に到達した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図405の下から2段目に示した通り、時短状態Cにおいて約1/3.5の確率の大当たり又は小当たりに当選し、時短リミット回数に到達していた場合は、遊技状態が通常状態Bに設定される。これに対して、図405の下から2段目に示した通り、時短状態Cにおいて約1/3.5の確率の大当たり又は小当たりに当選し、時短リミット回数に未到達である場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Cに設定される(時短状態をループする)。このため、一旦時短状態Cへと移行すると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成する。なお、上述した第9制御例と同様に、本第1の変形例では、大当たりのラウンド数が全て4ラウンドであり、時短リミット回数は3回に設定されるため、時短状態への移行契機となった大当たりを含め、4回の大当たりが保証される。つまり、16ラウンド分の賞球を略一度に獲得できる有利な状態を形成するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図405の下段を参照して、通常状態B(引き戻しモード)から他の状態への移行方法について説明する。図405の下段に示した通り、通常状態B(引き戻しモード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および時短状態Cの間に保留されていた第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図405の下段に示した通り、通常状態Bにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図405の下段に示した通り、通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で約1/3.5の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Dに設定される。上述した通り、時短状態Bよりも時短状態Cの方が有利であるため、通常状態Bにおいて小当たりに当選した場合に、小当たりA41に当選して時短状態Cが設定されることをより強く期待させることができる。これらに対し、通常状態Bにおいて第2特別図柄の保留球を全て消化した(全て外れとなった)場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。このように、本第1の変形例では、時短状態D、および通常状態Bにおいて、約1/3.5という高確率で当選する小当たりに当選した場合に、小当たり種別が小当たりA41に決定されるか、小当たりB41に決定されるかによって、遊技者の得られる利益を大幅に異ならせる構成としている。よって、小当たりA41に当選して時短状態Cへと移行し、一度に大量の賞球(16ラウンド分の賞球)を獲得できるのか、小当たりB41に当選して時短状態Dへと移行するのかにより注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第9制御例の第1の変形例における電気的構成>
次いで、図407および図408を参照して、本第1の変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、本第1の変形例におけるROM202は、上述した第9制御例のROM202に対して、第1当たり乱数テーブル202akを構成する特別図柄2乱数テーブル202ak2の規定内容が一部変更となっている点、大当たり種別選択テーブル202bkの規定内容が一部変更となっている点、および時短付与テーブル202ekの規定内容が一部変更となっている点で相違している。まず、図407(a)を参照して、本第1の変形例における特別図柄2乱数テーブル202ak2の詳細について説明する。図407(a)は、特別図柄2乱数テーブル202ak2の規定内容を示した図である。図407(a)に示した通り、本第1の変形例における特別図柄2乱数テーブル202ak2には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、上述した第9制御例と同様に、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。一方、本第1の変形例では、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「205~18929」の18725個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている点で第9制御例から変形されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が205個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は、第9制御例と同様に、約1/320(205/65536)である。また、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が18725個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は約1/3.5(18725/65536)である。
このように、本第1の変形例では、上述した第9制御例に対して、小当たり確率が低くなるように変形している。これは、時短状態Dとして、第2特別図柄の抽選機会が5回与えられる遊技状態に設定しているため、小当たり確率が第9制御例のままの確率(約1/3)では、遊技者にとって過剰に有利となり過ぎてしまう虞があるからである。次に、図407(b)を参照して、本第1の変形例における大当たり種別選択テーブル202bkの詳細について説明する。図407(b)は、本第1の変形例における大当たり種別選択テーブル202bkの規定内容を示した図である。この大当たり種別選択テーブル202bkは、上述した第9制御例における大当たり種別選択テーブル202k(図384(c))に対して、大当たりA41および大当たりB41の決定割合が変更となっている点でのみ相違している。即ち、図407(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して、「大当たりA41」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、「大当たりB41」が対応付けて規定されている。つまり、本第1の変形例では、「大当たりA41」と「大当たりB41」とにそれぞれ乱数値(カウンタ値)が50個ずつ振り分けられており、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に半々の割合で「大当たりA41」と「大当たりB41」とが決定されるように構成している。これは、大当たりB41の終了後の遊技状態として通常状態Aが設定されるように変更したことに伴うものであり、大当たり終了後の遊技状態が通常状態Aとなる確率が高くなり過ぎて、遊技者にとって過剰に不利となってしまうことを抑制する趣旨である。
次に、図408を参照して、本第1の変形例における時短付与テーブル202ekの詳細について説明する。図408に示した通り、本第1の変形例では、第9制御例における時短付与テーブル202ek(図387(a)参照)に対して、規定保留球数カウンタ203kaのカウンタ値が削除されている点で相違している。また、通常状態において当選した大当たりA41、大当たりD41の終了後の遊技状態が時短状態Dとなるように変更されている。つまり、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および特図2カウンタ203tの値「1」が対応付けて規定されている点で相違している。更に、通常状態において当選した大当たりB41の終了後の遊技状態が通常状態Aとなるように変更している。つまり、時短カウンタ203hの値「0」、小当たりカウンタ203sの値「0」、および特図2カウンタ203tの値「0」が対応付けて規定されている点で相違している。その他の規定内容については上述した第9制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。次に、図406を参照して、本第1の変形例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図406は、本第1の変形例におけるRAM203の構成を示すブロック図である。図406に示した通り、本第1の変形例におけるRAM203は、上述した第9制御例におけるRAM203の構成(図383(b)参照)に対して、普電作動回数カウンタ203kaが削除されている点でのみ相違している。これは、時短終了条件として、上述した第9制御例における第4終了条件(時短最終変動における第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことで成立する終了条件)を廃止したことに起因している。その他の構成については上述した第9制御例におけるパチンコ機10と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
以上説明した通り、本第1の変形例におけるパチンコ機10では、保留球数が規定個数に到達することで成立する時短終了条件(第4終了条件)を廃止することで、上述した第9制御例におけるパチンコ機10よりもシンプルな制御を実現し、且つ、上述した第9制御例におけるパチンコ機10に類似する遊技性を実現している。
<第9制御例における第2の変形例>
次に、図409から図424を参照して、上述した第9制御例における第2の変形例について説明する。上述した第9制御例におけるパチンコ機10では、時短状態の終了条件として、時短状態の最後の変動表示における第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する第4終了条件を導入することにより、時短状態Bにおいて保留球数が上限個数まで貯まらないように構成し、時短状態Bに移行した後における第2特別図柄の抽選機会と、時短状態Cに移行した後で時短リミット回数に到達した場合に移行する通常状態Bにおける第2特別図柄の抽選機会とを同一回数とし、時短リミット回数に到達した場合に大当たり期待度が低下してしまうことを抑制する構成としていた。つあり、時短状態Bと通常状態Bとの大当たり期待度を、実質的に同等とする構成としていた。これに対して本第2の変形例では、上述した第9制御例における第4終了条件を採用することなく、所定の時短状態へ移行した後における第2特別図柄の抽選機会と、時短リミット回数到達後における第2特別図柄の抽選機会とを、同等にする斬新な制御を実現している。より具体的には、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されると、大当たり、小当たり、若しくは時短図柄のいずれかに当選する構成とし、且つ、第2特別図柄の保留球数の上限値を1個にする。そして、時短リミット回数に到達して通常状態Bが設定されてから、第2特別図柄の残保留に基づく抽選で時短図柄に当選し、第2時短状態が終了するまでの第2特別図柄の抽選回数を、時短状態Bにおける抽選回数と同一となるように構成した。このように構成することで、時短最終変動における保留球数を監視して時短状態の終了有無を判別するという比較的複雑な処理を行わなくても、時短状態Bが設定された場合と時短リミット回数到達後とで、第2特別図柄の抽選機会を共通化することができる。
まず、図409および図410を参照して、本第2の変形例における特徴的な演出態様について説明する。図409(a)は、本第2の変形例における初当たり発生後に比較的高確率で移行する時短状態Aの演出態様の一例を示した図である。ここで、本第2の変形例における時短状態Aでは、第2特別図柄の抽選機会が5回与えられる。即ち、第2特別図柄の抽選回数が5回に到達したことに基づいて時短状態Aが終了される。また、時短状態の間は、第2特別図柄の保留球を獲得することが不可能(困難)となるように構成されている。即ち、第2特別図柄の変動時間よりも、普通図柄の変動が開始されてから普通図柄の当たりが終了するまでの期間の方が確実に長くなるように構成されている。これにより、時短状態Aにおける第2特別図柄の抽選回数を毎回固定化することができるので、時短状態Aにおける大当たり期待度を毎回共通にすることができる。図409(a)に示した通り、時短状態Aに移行すると、冒険者のキャラクタ811と、怪獣のキャラクタ821とが睨み合う演出が実行される。また、表示領域HR10に対して、「5回以内に攻撃を当てろ!!」という文字が表示される。また、小表示領域Dm4に対して、「右打ち」という文字が表示され、小表示領域Dm5に対して、残りの時短回数を示す文字(図409(a)の例では、「残り5回」という文字)が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「突破チャレンジ」という文字が表示される。これらの表示内容により、冒険者のキャラクタ811が5回の第2特別図柄の変動表示が終了するまでに怪獣のキャラクタ821に対して攻撃をヒットさせることができれば大当たりが確定すると共にラッシュ(時短モード)に移行させることができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図409(b)は、時短状態Aにおいて第2特別図柄の変動表示が開始された場合の表示態様の一例を示した図である。図409(b)に示した通り、時短状態Aにおいて第2入球口640へと遊技球が入球し、第2特別図柄の変動表示が開始されると、第3図柄の変動表示が開始されると共に、冒険者のキャラクタ811が怪獣のキャラクタ821へと攻撃を仕掛ける演出が実行される。この演出において怪獣のキャラクタ821に攻撃をヒットさせることができれば、大当たり(または実質的に大当たりが確定する小当たり)に当選したことが報知され、攻撃が避けられた場合には、外れが報知される。次に、図410(a)を参照して、本第2の変形例における時短モード(時短状態B)、または引き戻しモード(通常状態B、第2時短状態)の開始時における表示態様について説明する。図410(a)に示した通り、本第2の変形例における時短モードおよび引き戻しモードでは、時短回数が11回に設定される。これに伴って、図410(a)に示した通り、小表示領域Dm5に表示される残時短回数が、「残り11回」に設定される。また、表示領域HR10に対して、「11回以内に攻撃を当てろ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、時短モードおよび引き戻しモードでは、11回の第2特別図柄の抽選機会を与えられるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図410(b)を参照して、本第2の変形例におけるMAXボーナスモードの最後(時短リミット回数目の)の時短状態Cにおいて大当たりまたは小当たりに当選した場合における当たり変動中の演出態様について説明する。本第2の変形例では、上述した第9制御例と同様に、時短状態Cが設定される最初の大当たりが開始されてから、時短リミット回数に到達するまでの間の期間で、1の16ラウンド大当たりが継続しているかのような一連の演出を実行する構成としている。そして、時短リミット回数に到達した後で移行する引き戻しモードでは、第2特別図柄の保留球が1個保留されていることを前提として、通常状態における最初の第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選させて第2時短状態へと移行させることにより、時短モードと引き戻しモードとでトータルの第2特別図柄の抽選回数を共通の11回とする構成としている。逆に言えば、時短リミット回数に到達した時点で第2特別図柄の保留球を獲得できていなければ、引き戻しモードが成立せず、時短リミット回数に到達した直後に不利な通常状態A(通常モード)へと移行してしまう極めて不利な状況が成立してしまう可能性がある。このため、本第2の変形例では、MAXボーナスモードにおける最後の当たり変動において、保留球を貯めることを遊技者に対して促す演出を実行する構成としている。具体的には、図410(b)に示した通り、疑似インターバル演出の実行中に、第3図柄表示装置81に対して、「右を狙え」という文字を伴う右向きの矢印画像YGが表示される。また、タイムゲージga3により残変動時間が報知される。これらにより、タイムゲージga3の残時間表示ga3aが残っている間に第2入球口640へと遊技球を入球させるべきであるということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図示については省略したが、第2入球口640へと遊技球が入球した場合に、当該入球に基づく先読み結果に応じて、大当たり又は小当たりとなる期待度を示すアイコンが宝箱810から出現する演出が実行される。これにより、右打ちを行うメリットがあると遊技者に対して思わせることができるので、時短リミット回数目の時短状態Cにおける当たり変動中に、確実に第2特別図柄の保留球を貯めさせることができる。よって、時短リミット回数に到達した直後に通常状態Aへと移行してしまう極めて不利な状況が成立してしまうことを抑制することができる。次に、図411を参照して、本第2の変形例における時短状態の間の第2特別図柄の変動表示と普通図柄の変動表示との対応関係について説明する。図411に示した通り、時短状態に移行し、遊技者が右打ちを行い続けた場合、まず、スルーゲート67を通過して普通図柄の抽選が行われると共に、普通図柄の変動表示が実行される。時短状態においては、図411に示した通り、普通図柄の変動時間が1秒間に固定化される。そして、普通図柄の変動時間が終了し、普通図柄の抽選結果が当たりであった場合、普通図柄の変動停止と共に、普通図柄の当たりが開始される。即ち、2秒間が経過するか、1個以上の遊技球が第2入球口640へと入球するまで電動役物640aが開放され、2秒間が経過するか、1個以上の遊技球が第2入球口640へと入球したことに基づいて電動役物640aが閉鎖される。電動役物640aが閉鎖されると、6秒間のエンディング期間が設定された上で、普通図柄の当たり遊技が終了される。
一方で、図411に示した通り、第2特別図柄の変動表示は、普通図柄の当たりに伴う電動役物640aの開放期間中に遊技球が第2入球口640へと入球したことを契機として開始される。時短状態においては、第2特別図柄の変動期間が5秒間に固定化されるため、普通図柄の当たり遊技のエンディング期間が終了するよりも前に特別図柄の変動表示が終了される。このため、次の普通図柄の変動開始時には、特別図柄の変動表示が既に終了した状態となっており、特別図柄の変動表示中に追加で第2特別図柄の始動入賞を発生させることが不可能(困難)となる。つまり、第2特別図柄の保留球を獲得することが不可能となるように構成されているため、基本的に、時短状態では、設定された時短回数で終了され、通常状態へと第2特別図柄の保留球を持ち越すことは無い。例外的に、時短状態Cにおいてのみ、大当たり又は小当たりに当選した場合に、第2特別図柄の保留球を貯めることが可能な長さ(15秒間)の変動時間が設定されるため、この間のみは、保留球を貯めることが可能となる。即ち、時短リミット回数到達時に、第2特別図柄の保留球を1個所持した状態とすることができ、通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選を実行させることができる。これにより、通常状態Bにおいて第2特別図柄の残保留で大当たりにも小当たりにも当選しなかった場合に、時短図柄に当選させて第2時短状態を設定することができ、時短モードと引き戻しモードとで、実質的に第2特別図柄の抽選機会を同一とすることができる。
次に、図412を参照して、本第2の変形例における状態間の移行方法について説明する。ここで、図412に示した通り、本第2の変形例では、主として6種類の状態(5種類のモード)が設けられている。即ち、通常状態A,B、時短状態A~C、および第2時短状態が設けられている。通常状態Aは、上述した第9制御例と同様に、普通図柄の通常状態(普通図柄の低確率状態、変動短縮無し、開放延長無し)に設定され、左打ちにより第1特別図柄の抽選を行わせることで遊技を進行する状態である。また、時短状態A~Cは、上述した第9制御例と同様に、普通図柄の時短状態(普通図柄の高確率状態、変動短縮有り、開放延長有り)に設定され、右打ちにより第2特別図柄の抽選を行わせることで遊技を進行する状態である。なお、時短終了条件については、第1終了条件および第3終了条件が第9制御例から変更となっている。また、第4終了条件(時短最終変動における第2特別図柄の保留球数が規定個数となった場合に成立する終了条件)が廃止されている。即ち、時短状態Aでは、特別図柄の抽選回数が合計10回となった場合に第1終了条件が成立し、第2特別図柄の抽選回数が5回となった場合に第3終了条件が成立するように構成されている。また、時短状態Bでは、特別図柄の抽選回数が合計20回となった場合に第1終了条件が成立し、第2特別図柄の抽選回数が11回となった場合に第3終了条件が成立するように構成されている。一方、時短状態Cは、第1~第3終了条件が全て第9制御例と共通となっており、第9制御例における時短状態Cに対して、第4終了条件が課されない点でのみ相違している。上述した通り、本第2の変形例では、第2特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の保留球が増加し難くなるように、普通図柄の当たり遊技の実行間隔を、第2特別図柄の変動時間よりも長くしている。つまり、普通図柄の当たりに基づく開放期間が終了されてから次の普通図柄の当たりの開放期間が開始されるまでの期間を、最短でも7秒となるように構成している一方で、第2特別図柄の変動時間を5秒間に固定化する構成としている。このように構成することで、時短状態Aや時短状態Bにおいて時短終了条件が成立し、通常状態に移行した後で、第2特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができる。つまり、時短リミット回数に到達した後の通常状態B以外の通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されることを防止でき、第2時短状態へと移行することを抑制することができる。
また、第9制御例には設けられていなかった第2時短状態は、普通図柄の時短状態(普通図柄の低確率状態、変動短縮有り、開放延長有り)に設定され、右打ちにより第2特別図柄の抽選を行わせることで遊技を進行する状態である。この第2時短状態は、時短状態A~Cとは異なり、普通図柄の低確率状態に設定される遊技状態であるが、本第2の変形例では、普通図柄の高確率状態と普通図柄の低確率状態とで普通図柄の当たり確率が略同一(普通図柄の高確率状態が300/300、低確率状態が299/300)としているため、遊技者がその差を感じ取ることを困難とすることができる。よって、第2時短状態を、時短状態A~Cと同一の性能の時短状態であると遊技者に対して思わせることができる。図412の上段を参照して、通常状態A(通常モード)から他の状態への移行方法について説明する。図412の上段に示した通り、通常状態A(通常モード)から他の状態には、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。即ち、図412に示した通り、通常状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で約1/320の確率で当選する大当たりとなり、95%の割合で決定される大当たりB41が決定されると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Aに設定される。一方、通常状態Aにおいて大当たりに当選した場合に5%の割合で決定される大当たりA41が決定されると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Aよりも時短状態Bの方が、有利な(実質的な大当たり確率が第1特別図柄の抽選よりも高い)第2特別図柄の抽選機会を多く獲得することができるので、通常状態Aにおいて大当たりに当選した場合は、大当たり種別が大当たりA41であることをより強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図412の上から2段目の左側を参照して、時短状態A(チャンスモード)から他の状態への移行方法について説明する。図412の上から2段目の左側に示した通り、時短状態A(チャンスモード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および時短回数を消化した(第1又は第3終了条件が成立した)場合に移行する可能性がある。より具体的には、図412の上から2段目の左側に示した通り、時短状態Aにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図412の上から2段目の左側に示した通り、時短状態Aにおいて第2特別図柄の抽選で約1/7.4の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Bよりも時短状態Cの方が有利であるため、時短状態Aにおいて小当たりに当選した場合に、小当たりA41に当選して時短状態Cが設定されることをより強く期待させることができる。これらに対し、時短状態Aにおいて時短回数が経過した場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。よって、時短状態Aにおいて与えられる5回の第2特別図柄の抽選機会の間に1/320の確率の大当たり又は約1/7.4の確率の小当たりに当選することを強く期待させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図412の上から2段目の右側を参照して、時短状態B(時短モード)から他の状態への移行方法について説明する。図412の上から2段目の右側に示した通り、時短状態B(時短モード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および時短回数を消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図412の上から2段目の右側に示した通り、時短状態Bにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図412の上から2段目の右側に示した通り、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で約1/7.4の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、時短状態Bにおいて獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化した場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。これらに対し、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Bに設定される(時短状態Bをループする)。これらにより、時短状態Bにおいては、時短状態Aと同様に、時短状態の間に獲得した第2特別図柄の保留球で約1/320の確率の大当たり又は約1/7.4の確率の小当たりに当選することを強く願うと共に、小当たりに当選した場合は、より有利な時短状態Cに設定されることをより強く願わせる遊技性となるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図412の下から2段目を参照して、時短状態C(MAXボーナスモード)から他の状態への移行方法について説明する。図412の下から2段目に示した通り、時短状態C(MAXボーナスモード)から他の状態へは、時短リミット回数に到達した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図412の下から2段目に示した通り、時短状態Cにおいて合算で約1/7.2の確率の大当たり又は小当たりに当選し、時短リミット回数に到達していた場合は、遊技状態が通常状態Bに設定される。これに対して、図412の下から2段目に示した通り、時短状態Cにおいて合算で約1/7.2の確率の大当たり又は小当たりに当選し、時短リミット回数に未到達である場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Cに設定される(時短状態をループする)。このため、一旦時短状態Cへと移行すると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成する。なお、上述した第9制御例や第9制御例の第1の変形例と同様に、本第2の変形例でも、大当たりのラウンド数を全て4ラウンドとし、時短リミット回数を3回に設定している。このため、時短状態への移行契機となった大当たりを含め、4回の大当たりが保証される。つまり、16ラウンド分の賞球を略一度に獲得できる有利な状態を形成するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図412の下段を参照して、引き戻しモード(通常状態B、および第2時短状態)から他の状態への移行方法について説明する。ここで、図412に示した通り、本第2の変形例における引き戻しモードは、通常状態Bと、通常状態Bにおいて第2特別図柄の残保留に基づく抽選で時短図柄に当選する(大当たりにも小当たりにもならない)ことで移行する第2時短状態と、で構成されている。第2時短状態は、時短回数(第2特別図柄の抽選回数)が10回に設定されるため、時短リミット回数到達時に保留され、通常状態Bにおいて消化される1個の第2特別図柄の保留球に基づく1回の第2特別図柄の抽選と合わせて、引き戻しモードにおいて11回の第2特別図柄の抽選機会を遊技者に与えることができる。つまり、時短状態Bと同一の回数の第2特別図柄の抽選機会を与えることができ、実質的に時短状態Bと同一の性能の状態を形成することができる。
図412の下段に示した通り、引き戻しモード(通常状態B、または第2時短状態)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および第2時短状態において時短回数を消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図412の下段に示した通り、引き戻しモードにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図412の下段に示した通り、引き戻しモードにおいて第2特別図柄の抽選で約1/7.4の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Bよりも時短状態Cの方が有利であるため、通常状態Bにおいて小当たりに当選した場合に、小当たりA41に当選して時短状態Cが設定されることをより強く期待させることができる。これらに対し、引き戻しモードにおいて時短回数を消化した場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。
このように、本第2の変形例では、時短リミット回数に到達した場合に移行する、通常常状態Bにおいて第2特別図柄の保留球を消化した場合、小当たりにも大当たりにも当選していなければ必ず時短図柄当選が発生する構成としている。そして、時短図柄当選が発生した場合は、時短回数が10回の第2時短状態に移行する構成としているので、通常状態Bと第2時短状態とで、合計11回の第2特別図柄の抽選機会を遊技者に与えることができる。つまり、時短状態Bと引き戻しモードとで、有利度合いを略同一とすることができるため、時短状態Cに移行した後で時短リミット回数に到達した場合に、有利度合いが下がってしまうことを抑制することができる。よって、時短状態Cへと移行した場合に、遊技者に対して一点の不満感も抱かせずに、大きな喜びを抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9制御例の第2の変形例における電気的構成>
次いで、図413から図416を参照して、本第2の変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、本第2の変形例におけるROM202は、上述した第9制御例におけるROM202に対して、第1当たり乱数テーブル202akを構成する特別図柄2乱数テーブル202ak2の規定内容が一部変更となっている点、第2当たり乱数テーブル202ckの規定内容が一部変更となっている点、変動パターン選択テーブル202dkを構成する各テーブルの規定内容が一部変更となっている点、および時短付与テーブル202ekの規定内容が一部変更となっている点で相違している。その他の構成については上述した第9制御例と同一であるため、その詳細な説明については省略する。まず、図413(a)を参照して、本第2の変形例における特別図柄2乱数テーブル202ak2の詳細について説明する。図413(a)は、特別図柄2乱数テーブル202ak2の規定内容を示した図である。図413(a)に示した通り、本第2の変形例における特別図柄2乱数テーブル202ak2には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、上述した第9制御例と同様に、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。一方、本第2の変形例では、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「205~9060」の8856個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている点で第9制御例から変形されている。また、図413(a)に示した通り、本第2の変形例における特別図柄2乱数テーブル202ak2には、時短図柄当選と判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲が追加されている。即ち、時短図柄当選と判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「9061~65535」の56475個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている。
第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が205個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は、第9制御例と同様に、約1/320(205/65536)である。また、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が8856個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は約1/7.4(8856/65536)である。更に、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値のうち、時短図柄当選と判定される乱数値(カウンタ値)の個数が56475個であるので、第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選する確率は、約1/1.16(56475/65536)である。このように、本第2の変形例では、上述した第9制御例に対して、小当たり確率が低くなるように変形している。これは、時短状態Aや時短状態B、引き戻しモードにおける第2特別図柄の抽選回数を多くしたことに対するバランスをとったものである。
次に、図413(b)を参照して、本第2の変形例における第2当たり乱数テーブル202ckの詳細について説明する。図413(b)に示した通り、本第2の変形例では、第9制御例における第2当たり乱数テーブル202ck(図385(a)参照)に対して、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)の範囲が変更されている点で相違している。即ち、本第2の変形例では、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「0~298」の範囲が対応付けて規定されている。つまり、本第2の変形例では、普通図柄の低確率状態でも、普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲が普通図柄の高確率状態と乱数値(カウンタ値)1個分しか異ならないように構成されているため、普通図柄の低確率状態と、普通図柄の高確率状態とで、普通図柄の当たり確率がほぼ同等となる。これは、時短図柄当選に基づいて設定される第2時短状態(普通図柄の低確率状態、変動短縮あり、開放延長あり)が設定された場合に、他の時短状態(時短状態A~C)と同等の第2入球口640への入球し易さを実現するための変形である。次に、図414および図415を参照して、本第2の変形例における変動パターン選択テーブル202dkの詳細について説明する。図414は、本第2の変形例における変動パターン選択テーブル202dkを構成する通常用テーブル202dk1、時短用テーブル202dk2、およびMAXボーナス用テーブル202dk3のうち、通常用テーブル202dk1の規定内容を示した図であり、図415(a)は、時短用テーブル202dk2の規定内容を示した図であり、図415(b)は、MAX用テーブル202dk3の規定内容を示した図である。まず、図414を参照して、通常用テーブル202dk1の詳細について説明する。
図414は、本第2の変形例における通常用テーブル202dk1の規定内容を示した図である。この通常用テーブル202dk1は、通常状態Aまたは通常状態Bにおいて特別図柄の抽選を実行する際に変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。ここで、図414に示した通り、本第2の変形例における通常用テーブル202dk1において、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」である場合の規定内容については、上述した第9制御例における通常用テーブル202dk1(図385(c)参照)と同一となっているため、ここではその詳細な説明については省略する。一方、図414に示した通り、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「小当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「突時」が規定されている。つまり、抽選結果によらず、変動時間が5秒間となるように構成されている。
なお、本第2の変形例では、上述した第9制御例と同様に、通常状態において普通図柄の抽選が実行されて普通図柄の当たりに当選したとしても、普通図柄の当たりとして第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)な電動役物640aの開閉パターン(0.1秒間のショート開放)が設定されるため、通常状態において普通図柄の抽選を実行させたとしても、第2入球口640へと遊技球を入球させることはできない。本第2の変形例において通常状態で第2特別図柄の抽選が実行される状況としては、時短状態Cにおいて右打ちにより第2特別図柄の保留球を1個獲得した状態で大当たりが開始され、当該大当たりで時短リミット回数に到達して大当たり終了後の遊技状態が通常状態Bに設定された場合である。なお、抽選結果によらずに変動時間を5秒間に固定化しているのは、時短状態A,Bにおける変動時間と合わせるためである。つまり、時短状態Aや時短状態Bにおいては、第2特別図柄の変動時間よりも、普通図柄の当たりに基づく電動役物640aの開放間隔が短くなるように構成することで第2特別図柄の保留球が0の状態を維持すべく、抽選結果によらずに変動時間を5秒間に固定化する構成としている。時短状態A,Bにおける第2特別図柄の変動時間と、通常状態Bにおける第2特別図柄の変動時間とを共に5秒間としておくことで、引き戻しモードに移行した場合の変動時間と、時短状態Bに移行した場合の変動時間とを共通化でき、時短状態Bと引き戻しモードとをあたかも同一の遊技状態であるかのように遊技者に思わせることができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。なお、通常状態Bにおいて普通図柄の当たりが開始されたとしても、第2入球口640へと遊技球を入球させることが困難な電動役物640aの開閉動作が設定されるため、電動役物640aの動作に注目された場合は、引き戻しモードが時短状態Bとは異なる状態であるということを遊技者に察知される可能性がある。
次に、図415(a)を参照して、本第2の変形例における時短用テーブル202dk2の詳細について説明する。この時短用テーブル202dk2は、時短状態A、時短状態B、または第2時短状態において特別図柄の抽選を実行する際に変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図415(a)は、この時短用テーブル202dk2の規定内容を示した図である。図415(a)に示した通り、本第2の変形例における時短用テーブル202dk2のうち、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」に対応する規定内容については、上述した第9制御例における時短用テーブル202dk2(図386(a)参照)と同一である。つまり、抽選結果によらず、短時間(0.5秒間)の変動時間が終了するように構成している。これは、第9制御例と同様に、第1特別図柄の保留球を1以上保持した状態で有利度合いが高い第2特別図柄の抽選を実行可能な時短状態に移行した場合に、第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の変動表示演出(実質的な大当たり期待度が高い第2特別図柄の抽選が実行できない期間)が長く継続してしまい、遊技者をやきもきさせてしまうことを防止する趣旨である。一方、図415(a)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容としては、通常用テーブル202dk1(図414参照)と共通となっている。即ち、抽選結果によらず、変動時間が5秒間に固定化されるように構成されている。よって、電動役物640aの開放間隔よりも短い期間で第2特別図柄の変動表示を終了させることができるので、時短状態Aや時短状態B、第2時短状態において、第2特別図柄の保留球を獲得することを防止することができる。なお、時短状態において第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合は、時短図柄当選分の時短状態が上書きも上乗せもされずに無効となる。つまり、時短状態における時短図柄当選は、実質的に他の制御例における完全外れと同等の抽選結果という位置づけである。
次に、図415(b)を参照して、MAXボーナス用テーブル202dk3の詳細について説明する。このMAXボーナス用テーブル202dk3は、時短状態Cにおいて特別図柄の抽選を実行する際に変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図415(b)は、このMAXボーナス用テーブル202dk3の規定内容を示した図である。図415(b)に示した通り、MAXボーナス用テーブル202dk3には、時短用テーブル202dk2と同様に、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短当たり」が規定されている。つまり、抽選結果によらず、短時間(0.5秒間)の変動時間が終了するように構成している。これは、時短用テーブル202dk2を参照する場合と同様に、第1特別図柄の保留球を1以上保持した状態で時短状態Cに移行した場合に、第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の変動表示演出(実質的な大当たり期待度が高い第2特別図柄の抽選が実行できない期間)が長く継続してしまい、遊技者をやきもきさせてしまうことを防止する趣旨である。
一方、図415(b)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容として、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒の「長当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒の「長小当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「突時」が規定されている。つまり、大当たり又は実質的に大当たり確定の小当たりに当選した場合は、変動時間が15秒間に設定される一方で、時短図柄当選が発生した場合は、変動時間が5秒間に設定される。
大当たりまたは小当たりにおいて設定される15秒という変動時間は、変動中に普通図柄の当たり遊技を2回前後実行可能な長さの変動時間である。即ち、時短状態Cにおいて大当たり又は小当たりに当選した場合は、第2特別図柄の保留球を貯めることが可能となり、時短図柄当選が発生した場合は、保留球を貯めることが困難となる。これにより、時短状態Cの間に継続的に右打ちを行い続けた場合、大当たり開始時に第2特別図柄の保留球(本第2の変形例では上限個数1個)が貯まった状態とすることができる。つまり、時短リミット回数に到達して通常状態Bへと移行した場合に、第2特別図柄の保留球が貯まった状態とすることができ、通常状態Bにおいて第2特別図柄の保留球に基づく第2特別図柄の抽選を実行させて、小当たりでも大当たりでもないことを条件として、第2時短状態へと移行させることができる。つまり、通常状態Bと、第2時短状態とで、合計11回の第2特別図柄の抽選機会を得ることができる引き戻しモードを形成することができる。よって、時短リミット回数に到達した場合の動作を、時短状態Bに移行した場合の動作と略同一とすることができるので、時短状態Cへと移行した場合に、遊技者に対して一点の不満感も抱かせずに、大きな喜びを抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図416を参照して、本第2の変形例における時短付与テーブル202ekの詳細について説明する。図416に示した通り、本第2の変形例では、第9制御例における時短付与テーブル202ek(図387(a)参照)に対して、規定保留球数カウンタ203kaのカウンタ値が削除されている点で相違している。また、時短状態A,時短状態Bの終了条件が第9制御例から変更になったことに伴って、通常状態において当選した大当たりA41、大当たりB41、および大当たりD41に対応付けられている各種カウンタ値が変更となっている。つまり、通常状態において当選した大当たりA41,D41に対して、時短カウンタ203hの値「20」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および特図2カウンタ203tの値「11」が対応付けて規定されている。また、通常状態において当選した大当たりB41に対して、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および特図2カウンタ203tの値「5」が対応付けて規定されている。
また、図416に示した通り、本第2の変形例における時短付与テーブル202ekには、時短図柄に対する時短付与内容が追加されている点でも相違している。具体的には、通常状態において当選した時短図柄に対して、時短カウンタ203hの値「20」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および特図2カウンタ203tの値「10」が対応付けて規定されている。一方、時短状態において当選した時短図柄に対して、時短カウンタ203hの値「0」、小当たりカウンタ203sの値「0」、および特図2カウンタ203tの値「0」が対応付けて規定されている。本第2の変形例では、時短付与条件が成立した場合に、各種カウンタに対して本時短付与テーブル202ekに規定されている各カウンタ値を加算することで時短状態を付与する構成としているため、時短状態において時短図柄に当選した場合は、各種カウンタ値に対してそれぞれ0が加算される。つまり、時短状態中に時短図柄当選が発生した場合は、実質的に時短回数に何らの影響も及ぼさないように構成している。これにより、通常状態Bにおいて時短図柄当選が発生した場合は、第2時短状態を設定することができるように構成しつつ、時短状態において時短図柄当選が発生した場合に、他の制御例における完全外れと同等の挙動を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9制御例の第2の変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図417から図422を参照して、本第2の変形例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図417を参照して、本第2の変形例における特別図柄変動処理(S104B)について説明する。この特別図柄変動処理(S104B)は、上述した第9制御例における特別図柄変動処理(S111A)に代えて実行される処理であり、特別図柄変動処理(S111A)と同様に、特別図柄の変動表示中における第1図柄表示装置37a,37bの表示設定等を行うための処理である。なお、第9制御例における特別図柄変動処理(S111A)は、第8制御例における特別図柄変動処理(図359参照)に対して、特別図柄判定処理(図360参照)に代えて特別図柄判定処理(図390参照)が実行される点、および特別図柄変動パターン選択処理(図362参照)に代えて特別図柄変動パターン選択処理(図391参照)が実行される点でのみ相違しており、その図示を省略していたため、ここでは特別図柄変動処理(図359参照)との対比によって本第2変形例における特別図柄変動処理(S104B)を説明する。この第2の変形例における特別図柄変動処理(図417参照)のうち、S201~S207,S211~S223、およびS225Aの各処理では、上述した第8制御例における特別図柄変動処理(図359参照)のS201~S207,211~S223、およびS225Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第2の変形例における特別図柄変動処理(図417参照)では、S207の処理、またはS214の処理のどちらかが終了すると、特別図柄判定処理(図360参照)に代えて特別図柄判定処理を実行し(S231B)、次いで、特別図柄変動パターン選択処理(図362参照)に代えて特別図柄変動パターン選択処理を実行して(S232B)、本処理を終了する。これらの特別図柄判定処理(S231B)、および特別図柄変動パターン選択処理(S232B)の詳細については、それぞれ図418と図419、および図420と図421を参照して後述する。
また、本第2の変形例における特別図柄変動処理(図417参照)では、S225Aの処理において、今回の抽選結果が時短図柄当選であると判別した場合に(S225A:Yes)、次いで、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判別し(S233B)、現在の遊技状態が時短状態である場合は(S233B:Yes)、処理をS233Aへと移行する。一方、S233Bの処理において、現在の遊技状態が時短状態ではない(通常状態である)と判別した場合は(S233B:No)、今回の時短図柄種別に対応する時短終了条件(各種カウンタのカウンタ値)を時短付与テーブル202ekから読み出して、読み出した終了条件を現在の各種カウンタに対して加算することで更新し(S234B)、本処理を終了する。つまり、通常状態において時短図柄に当選した場合にのみ第2時短状態を設定し、時短状態において時短図柄に当選した場合は、実質的に時短状態に何らの変更も行わないように制御する。これにより、MAXボーナスモードが終了して通常状態Bへと移行した際に実行される第2特別図柄の抽選で第2時短状態へと移行させることを可能としつつ、時短状態において時短図柄当選が発生した場合に、完全外れと同様の動作を実現することができる。次に、図418を参照して、上述した特別図柄判定処理(S231B)の詳細について説明する。この特別図柄判定処理(S231B)は、第9制御例における特別図柄判定処理(図390参照)に代えて実行される処理であり、第9制御例における特別図柄判定処理(図390参照)と同様に、特別図柄の抽選を実行するための処理である。この第2の変形例における特別図柄判定処理(S231B)のうち、S301~S305の各処理では、それぞれ第9制御例における特別図柄判定処理(図390参照)のS301~S305の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2の変形例における特別図柄判定処理(図418参照)では、S303の処理において特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S303:No)、外れの種別に応じた制御を実行するための外れ時処理を実行して(S321B)、本処理を終了する。この外れ時処理(S321B)の詳細について、図419を参照して説明する。
図419は、この外れ時処理(S321B)を示すフローチャートである。この外れ時処理(S321B)では、まず、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S2101A)、抽選結果が時短図柄当選であると判別した場合は(S2101A:Yes)、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する時短図柄種別を、第1図柄表示装置37a,37bに表示させる時短図柄として設定し(S2102A)、本処理を終了する。一方、S2101Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合は(S2101A:No)、次いで、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S2103A)、小当たりであると判別した場合は(S2103A:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S2104A)、小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別を、第1図柄表示装置37a,37bに表示させる小当たり図柄として設定し(S2105A)、本処理を終了する。これに対し、S2103Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S2103A:No)、S2104A,S2105Aの各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。この外れ時処理(図419参照)を実行することにより、特別図柄の抽選結果が外れ(大当たり以外)である場合に、抽選結果に応じた第1図柄の表示を好適に設定することができる。次に、図420を参照して、本第2の変形例における特別図柄変動パターン選択処理(S232B)の詳細について説明する。図420は、この特別図柄変動パターン選択処理(S232B)を示すフローチャートである。この特別図柄変動パターン選択処理(S232B)は、上述した第9制御例における特別図柄変動パターン選択処理(図391参照)と同様に、特別図柄の抽選結果に応じた第1図柄の変動パターンを選択するための処理である。
この第2の変形例における特別図柄変動パターン選択処理(図420参照)のうち、S401~S408の各処理では、それぞれ第9制御例における変動パターン選択処理(図391参照)のS401~S408の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2の変形例における変動パターン選択処理(図420参照)では、S401の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S401:No)、外れ(小当たり、時短図柄当選含む)時の変動パターンを選択するための外れ時種別決定処理を実行して(S421B)、処理をS403へと移行する。この外れ時種別決定処理(S421B)の詳細について、図421を参照して説明する。図421は、この外れ時種別決定処理(S421B)を示すフローチャートである。外れ時種別決定処理(S421B)では、まず、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S2201A)、時短図柄当選であると判別した場合は(S2201A:Yes)、時短図柄の種別を時短図柄Aに決定し(S2202B)、本処理を終了する。一方、S2201Aの処理において、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合は(S2201A:No)、次いで、特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S2203A)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S2203A:Yes)、小当たり種別選択テーブル202fk(図387(b)参照)を参照して小当たり種別を決定し(S2204A)、本処理を終了する。これに対し、S2203Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではない(即ち、通常の外れ(完全外れ)である)と判別した場合は(S2203A:No)、S2204Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。この外れ時種別決定処理(図421参照)を実行することにより、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選若しくは小当たりであった場合に、時短図柄種別若しくは小当たり種別を好適に決定することができる。
次に、図422を参照して、本第2の変形例における普通図柄変動処理(S113B)の詳細について説明する。この普通図柄変動処理(S113B)は、上述した第9制御例における普通図柄変動処理(図396参照)と同様に、普通図柄の抽選を実行すると共に、普通図柄の当たりとなった場合に電動役物640aの開閉制御を設定するための処理である。図422は、この普通図柄変動処理(S113B)を示すフローチャートである。この第2の変形例における普通図柄変動処理(図422参照)のうち、S1101~S1113,S1115~S1117,S1221、およびS1132A~S1136Aの各処理では、それぞれ上述した第9制御例における普通図柄変動処理(図396参照)のS1101~S1113,S1115~S1117,S1221、およびS1132A~S1136Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第2の変形例における普通図柄変動処理(図422参照)では、S1108の処理において時短カウンタ203hの値が0より大きい値である(即ち、現在が時短状態である)と判別した場合に(S1108:Yes)、次いで、現在の遊技状態が第2時短状態であるか否かを判別する(S1131B)。S1131Bの処理において、現在の遊技状態が第2時短状態であると判別した場合は(S1131B:Yes)、処理をS1110へと移行する一方で、現在の遊技状態が第2時短状態ではないと判別した場合は(S1131B:No)、処理をS1109へと移行する。これにより、本第2の変形例では、第2時短状態が設定されている場合に、普通図柄の低確率時用の第2当たり乱数テーブル202ck(図413(b)参照)を用いて普通図柄の抽選を実行することができる。つまり、第2時短状態を、普通図柄の低確率状態に設定することができる。
<第9制御例の第2の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理>
次に、図423、および図424を参照して、本第2の変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図423を参照して、本第2の変形例における変動演出設定処理(S4311B)の詳細について説明する。この変動演出設定処理(S4311B)は、上述した第9制御例における変動演出設定処理(図404参照)に代えて実行される処理であり、変動演出設定処理(図404参照)と同様に、特別図柄の変動表示に同期させて実行する第3図柄の変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図423は、この変動演出設定処理(S4311B)を示すフローチャートである。この第2の変形例における変動演出設定処理(図423参照)のうち、S4401,S4403,S4421A、およびS4422Aの各処理では、それぞれ上述した第9制御例における変動演出設定処理(図404参照)のS4401,S4403,S4421A、およびS4422Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第2の変形例における変動演出設定処理(図423参照)では、S4422Aの処理において、現在の遊技状態がMAXボーナスモード(時短状態C)でないと判別した場合に(S4422A:No)、今回の抽選結果に応じた変動演出の演出態様を決定して(S4431B)、本処理を終了する。具体的には、抽選結果が大当たり又は小当たりであれば、怪獣のキャラクタ821に攻撃がヒットして当たりが報知される5秒間の演出を設定する一方で、大当たりでも小当たりでもなければ、怪獣のキャラクタ821に攻撃を避けられて外れが報知される5秒間の演出が実行される。
一方、S4422Aの処理において、現在の遊技状態がMAXボーナスモードであると判別した場合は(S4422B:Yes)、抽選結果に応じた小表示領域Dm8における変動表示態様を決定し(S4432B)、現在が疑似13ラウンドの前の疑似インターバル演出中であるか否かを判別する(S4433B)。S4433Bの処理において、疑似13ラウンド前の疑似インターバル演出の実行中であると判別した場合は(S4433B:Yes)、次いで、今回の抽選結果が大当たり又は小当たりのどちらかであるか否かを判別し(S4434B)、今回の抽選結果が大当たり又は小当たりのどちらかであると判別した場合は(S4434B:Yes)、疑似インターバル演出における右を狙え演出(図410(b)参照)の実行を設定して(S4435B)、本処理を終了する。一方で、S4333Bの処理において、現在が疑似13ラウンド前の疑似インターバル演出中ではないと判別した場合(S4433B:No)、およびS4434Bの処理において、今回の抽選結果が大当たりでも小当たりでもないと判別した場合は(S4434B:No)、S4435Bの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。この変動演出設定処理(図423参照)を実行することにより、時短リミット回数に到達する直前の大当たり変動または小当たり変動の実行中に、右を狙え演出(図410(b)参照)を実行して第2特別図柄の保留球を貯めさせることができる。よって、時短リミット回数に到達して通常状態Bに移行した場合に、第2特別図柄の保留球に基づく抽選を実行させて時短図柄に当選させ、第2時短状態へと移行させることができる。よって、時短状態Bと引き戻しモードとを略同等の性能(大当たり期待度)の状態とすることができる。次に、図424を参照して、本第2の変形例における演出更新処理(S3121B)の詳細について説明する。図424は、上述した第9制御例(および第8制御例)における演出更新処理(図375参照)に代えて実行される処理であり、演出更新処理(図375参照)と同様に、演出態様を更新するための処理である。
この演出更新処理(図424参照)では、まず、右を狙え演出(図410(b)参照)の実行期間中であるか否かを判別し(S4621B)、右を狙え演出の実行期間ではないと判別した場合は(S4621B:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4621Bの処理において、現在が右を狙え演出の実行期間中であると判別した場合は(S4621B:Yes)、次いで、新たな第2特別図柄の始動入賞を検出した(入賞情報コマンドを受信した)か否かを判別し(S4622B)、新たな第2特別図柄の始動入賞を検出した(入賞情報コマンドを受信した)と判別した場合は(S4622B:Yes)、検出した始動入賞の先読み結果に応じて宝箱810から出現させる報知アイコンの種別を抽選により決定し(S4623B)、決定した種別の報知アイコンが宝箱810から出現する演出態様の報知演出の実行を設定する(S4624B)。そして、右を狙え演出の終了を設定して(S4626B)、本処理を終了する。一方で、S4622Bの処理において新たな始動入賞を検出していないと判別した場合は(S4622B:No)、右を狙え演出の演出期間が経過したか否かを判別し(S4625B)、演出期間が経過したと判別した場合は(S4625B:Yes)、処理をS4626Bへと移行する。即ち、報知アイコンを出現させることなく右を狙え演出を終了させる。一方で、S4625Bの処理において、右を狙え演出の演出期間が経過していないと判別した場合は(S4625B:No)、そのまま本処理を終了する。この演出更新処理(図424参照)を実行することで、右を狙え演出の実行中に右打ちを行って第2特別図柄の保留球が増加した場合にのみ、当該保留球の当たり期待度を示す報知アイコンが報知されるので、右を狙え演出の実行中に遊技者に対して積極的に右打ちを行わせることができる。
以上説明した通り、第9制御例の第2の変形例におけるパチンコ機10では、上述した第9制御例における第4終了条件(時短最終変動における第2特別図柄の保留球数が規定個数に到達したことに基づいて成立する時短終了条件)を採用することなく、所定の時短状態(時短状態B)へ移行した後における第2特別図柄の抽選機会と、時短リミット回数到達後における第2特別図柄の抽選機会とを同等にする斬新な制御を実現している。言い換えれば、第1の設定条件の成立に基づいて有利な第1遊技状態(時短状態B)が設定された場合にも、第2の設定条件の成立(時短リミット回数に到達したこと)に基づいて、第1遊技状態よりも有利度合いが低い(第2入球口640へと遊技球が入球し難い)第2遊技状態(通常状態B)が設定された場合にも、第2特別図柄の抽選が実行され得ない(実行困難な)通常状態Aへと移行するまでに、有利な第2特別図柄の抽選機会を同一の回数(11回)付与する構成としている。より具体的には、時短状態Bにおいては、第2特別図柄の保留球を貯めることが不可能となるように、特別図柄の変動時間、普通図柄の変動時間、および普図当たりの開閉パターン(変位パターン)を設定し、第2特別図柄の抽選回数に基づく終了条件(第3終了条件)が成立した時点で第2特別図柄の保留球が必ず0となるように構成した。つまり、時短状態Bに移行した場合における第2特別図柄の抽選機会を、最大でも第3終了条件が成立するまでの抽選回数(11回)となるように構成した。そして、第2特別図柄の抽選結果を、大当たり、小当たり、若しくは時短図柄の3種類のみとし、且つ、第2特別図柄の保留球数の上限値を1個にしている。そして、時短リミット回数に到達して通常状態Bが設定されてから、第2特別図柄の残保留(1個)に基づく抽選で時短図柄に当選し、第2時短状態が終了するまでの第2特別図柄の抽選回数を、時短状態Bにおける最大の抽選回数(即ち、大当たりにも小当たりにも当選せずに通常状態Aへと移行するまでの抽選回数である11回)と同一となるように構成した。このように構成することで、時短最終変動における保留球数を監視して時短状態の終了有無を判別するという比較的複雑な処理を行わなくても、時短状態Bが設定された場合と時短リミット回数到達後とで、第2特別図柄の抽選機会を共通化することができる。
なお、本第2の変形例では、時短状態B、および通常状態Bへと移行した後における第2特別図柄の抽選機会を、共に、最大で11回とする構成としていたが、抽選機会は任意の回数に設定することができる。抽選回数を多くすれば、時短状態B、および通常状態Bに移行してから通常状態Aへと移行するまでの間の遊技をより長く楽しませ易く構成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、抽選回数を少なくした場合は、時短状態Bや通常状態Bへと移行してから大当たりに当選する、または時短状態Aへと移行するまでの期間を短くすることができるので、遊技の時間効率を向上させることができる。本第2の変形例では、第2特別図柄の抽選結果が大当たり、小当たり、または時短図柄当選のいずれかにしかならない(完全外れが存在しない)ように構成していたが、完全外れを設ける構成としてもよい。この場合、時短リミット回数到達後の通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選が実行された場合に、完全外れとなることで第2時短状態へと移行させることができなくなるため、通常状態Bにおける第2特別図柄の変動表示演出において、引き戻しモードに突入する(時短図柄当選が発生する)か否かを示すためのジャッジ演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、引き戻しモードに必ず突入する訳ではないという緊張感を遊技者に対して抱かせることができるので、MAXボーナスモードへと移行した場合に、多量の賞球が得られるものの、その後に移行する引き戻しモードの有利度合いが低くなる可能性がある遊技性となる一方で、時短状態Bへと移行する4ラウンド大当たりに当選した場合は、賞球数は少なくなるものの、大当たり終了後の遊技状態として固定回数(11回)の第2特別図柄の抽選機会が保証される遊技性となるため、当選する大当たりの種別によって遊技性を大きく異ならせることができる。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第2の変形例では、時短状態Bと引き戻しモード(通常状態B、および第2時短状態)とで、第2特別図柄の最大の抽選回数(通常状態Aへと移行するまでの抽選回数)を共通化する構成としていたが、これに限られるものではなく、抽選回数を異ならせてもよい。引き戻しモードの抽選回数を時短状態Bよりも多くすることにより、MAXボーナスモードへと移行した場合における有利度合いをより高くすることができ、MAXボーナスモードへと移行したことに対する満足感をより大きくすることができる。また、引き戻しモードの抽選回数を時短状態Bよりも少なくすることにより、MAXボーナスモードへと移行した場合に遊技者にとって過剰に有利となり過ぎてしまうことを抑制することができる。また、MAXボーナスモードへと移行した場合に、多量の賞球が得られるものの、その後に移行する引き戻しモードの有利度合いが時短状態Bよりも低くなる遊技性となる一方で、時短状態Bへと移行する4ラウンド大当たりに当選した場合は、賞球数は少なくなるものの、大当たり終了後の遊技状態として抽選回数が多くなる遊技性となるため、当選する大当たりの種別によって遊技性を大きく異ならせることができる。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。本第2の変形例では、通常状態Bにおいて時短図柄当選が発生した場合に付与される第2時短状態の時短回数(第2特別図柄の抽選回数の規定回数)を10回に固定化する構成としていたが、時短図柄として、時短回数が異なる複数の時短図柄を設けておき、時短図柄当選が発生した場合は複数の時短図柄の種別のうちいずれか1の時短図柄に決定されるように構成してもよい。このように構成することで、引き戻しモードの有利度合いが時短図柄の種別に応じて可変する遊技性を実現することができる。つまり、通常状態Bにおいて実行された第2特別図柄の抽選結果(選択される時短図柄の種別)に応じて、時短状態Bと共通の有利度合い(時短回数)となるか、時短状態Bよりも低い有利度合いとなるか、時短状態よりも高い有利度合いとなるかを可変させることができるので、引き戻しモードの初回の第2特別図柄の抽選結果に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上述した第9制御例、およびその各種変形例では、確率変動機能を有さない所謂1種2種混合機仕様としていたが、確率変動機能を搭載した仕様に適用してもよい。つまり、時短リミット回数に代えて、確変リミット回数を適用し、所定の確変状態に移行してから確変リミット回数に到達するまでの間の期間で、1の大当たり遊技が継続しているかのような一連の演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、確率変動機能を搭載したパチンコ機10についても、少ないラウンド数の大当たりのみを設けておきつつ、1の大当たり当選を契機として、あたかも極めて多いラウンド数の大当たりに当選したかのように遊技者に思わせることができる斬新な遊技性を実現することができる。また、この場合において、確変リミット回数に到達した場合に、確率変動機能のみを非作動とし、時短状態については付与するように構成してもよい。このように構成することで、確変リミット回数に到達した時点で第2特別図柄の保留球が保留されていなくても、確変リミット回数到達後に時短状態へと移行させて第2特別図柄の抽選が実行され易い状態を形成することができる。
上述した第9制御例、およびその各種変形例では、時短状態Cにおいて小当たりに当選した場合に、V入賞(特定領域650e3への遊技球の入球)が発生した後で小当たりカウンタ203sの値が減算されるように構成することで、時短状態Cにおいて小当たり遊技の実行中にV入賞に基づいて大当たりに当選した場合に、当該大当たりの当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行が設定された時点の遊技状態)を、常に、時短状態に固定化するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、一部の小当たり種別(特定小当たり)では、時短状態の種別によらず、小当たり遊技の開始時に小当たりカウンタ203sを減算するように構成してもよい。つまり、時短状態Cにおいて特定小当たりに当選すると、V入賞の発生(大当たり遊技の実行が設定されるタイミング)よりも前に時短状態を終了させることができ、時短リミット回数までの残りの回数をリセットすることができるので、MAXボーナスモードが通常(4回分の大当たり)よりも長く継続したり、逆に、少ない継続回数となる可能性を設けることができる。特に、V入賞が発生した場合に遊技状態によらず大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される種別の大当たりに当選する小当たり種別(上述した小当たりA41)の一部を特定小当たりに設定した場合、時短リミット回数をリセットしつつMAXボーナスモードを継続させることができるので、当該特定小当たりに基づく大当たりを契機として、MAXボーナスモードが再セットされたかのような動作を実現することができるので、MAXボーナスモードがどこまで継続するかわからない斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上述した第9制御例、およびその各種変形例では、時短状態Cにおいて小当たりに当選した場合は、V入賞が発生した後で小当たりカウンタ203sのカウンタ値を更新する一方で、他の時短状態では、小当たり開始時に小当たりカウンタ203sのカウンタ値を更新する構成としていたが、これに限られるものではない。時短状態Cにおいては、V入賞(大当たり遊技の実行が設定されたタイミング)よりも後で小当たりカウンタ203sが更新される一方で、時短状態C以外の時短状態では、V入賞よりも前に小当たりカウンタ203sが更新されるように制御できればよく、例えば、時短状態Cにおいて小当たりに当選した場合は、小当たりの開放期間が終了したタイミングや小当たり終了時(V入賞に基づく大当たり開始時)に小当たりカウンタ203sのカウンタ値を更新する構成としてもよい。また、時短状態C以外の小当たりに当選した場合は、小当たり図柄の停止タイミングや、小当たりに基づく開閉扉650f1の開放期間の開始時、小当たりに対応する変動表示の開始時等に小当たりカウンタ203sを更新する構成としてもよい。
上述した第9制御例、およびその各種変形例では、時短状態Cであるか、時短状態C以外の時短状態であるかに応じて、小当たりカウンタ203sの更新条件が成立した(第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した)場合に当該小当たりカウンタ203sの更新タイミングを異ならせる構成としていた。即ち、時短状態の設定契機に応じて、時短状態中に小当たりカウンタ203sが更新されるタイミングを異ならせる構成としていたが、本制御は小当たりカウンタ203sに限られるものではない。少なくとも時短状態において更新され得るカウンタであれば、他のカウンタに適用してもよい。より具体的には、例えば、時短カウンタ203hに適用してもよい。即ち、時短状態Cにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、大当たり当選時の遊技状態を示すデータを当選時状態格納エリア203kdに格納した(大当たり遊技の実行を設定した)後において時短カウンタ203hを更新する一方で、時短状態C以外の時短状態においては、大当たり当選時の遊技状態を示すデータを当選時状態格納エリア203kdに格納する(大当たり遊技の実行を設定する)よりも前(例えば、変動開始時)に時短カウンタ203hを更新する構成としてもよい。このように構成することで、時短状態Cでは、大当たり当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行を設定する際の遊技状態)が時短状態としてより取り扱われ易くなる一方で、時短状態C以外の時短状態では、大当たり当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行を設定する際の遊技状態)を、より通常状態として取り扱われ易く構成することができる。また、時短カウンタ203h以外にも、規定保留球数カウンタ203kaの更新タイミングや特図2カウンタ203tの更新タイミングを時短状態の設定契機に応じて異ならせる制御を採用してもよい。更に、時短状態の終了条件を判定するためのカウンタ値に限られず、例えば、確率変動機能を搭載し、確変状態の継続回数(ST回数)が予め定められている仕様において、確変状態の終了条件を判定するためのカウンタ値を更新する際の更新タイミングを、確変状態に設定された契機によって異ならせる構成としてもよい。更に、特別図柄の抽選に関するカウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別カウンタC3、変動種別カウンタCS1、第2当たり乱数カウンタC4等)や演出用のカウンタ(演出抽選カウンタ223f1,223f2等)に対して本制御を適用する構成としてもよい。
上述した第9制御例、およびその各種変形例では、天井機能(大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が天井抽選回数に到達した場合に第2時短状態を設定する機能)を設けていなかったが、天井機能を搭載してもよい。この場合において、天井抽選回数に到達したことに基づいて設定される時短状態は、実質的にMAXボーナスモードと同等の有利度合いの第2時短状態に設定してもよいし、時短モードと同等の第2時短状態に設定してもよいし、大当たり終了後(および時短図柄当選時)に開始されるいずれの時短状態とも異なる有利度合いの第2時短状態に設定してもよい。このように構成することで、所謂ハマりが発生したとしても、天井抽選回数へと到達することを目標として遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができる。
上述した第9制御例、およびその各種変形例では、時短状態Cにおいて実行された第2特別図柄の抽選で小当たりに当選し、当該小当たりにおいてV入賞(特定領域650e3への入球)が発生して大当たりに当選した場合に、V入賞が発生した後で小当たりカウンタ203sの値を減算する一方で、他の時短状態において実行された第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、小当たり開始時に小当たりカウンタ203sの値を減算することでV入賞が発生するよりも前に時短状態が終了させるように制御していた。つまり、時短状態Cにおいては、大当たり当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行を設定した時点の遊技状態)が時短状態として取り扱われる(時短付与テーブル202ekから時短状態で当選した場合に対応する時短終了条件が読み出されて設定される)一方で、他の時短状態においては、大当たり当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行を設定した時点の遊技状態)が通常状態として取り扱われる(時短付与テーブル202ekから通常状態で当選した場合に対応する時短終了条件が読み出されて設定される)ように構成することにより、時短状態Cで実行された第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は時短リミット回数に到達していない限り必ず時短状態Cへと移行する一方で、時短状態C以外の時短状態で小当たりに当選した場合は、通常状態において小当たりに当選した場合と同一の振分けで時短状態Bと時短状態Cとのいずれかが設定されるように構成していたが、時短状態において実行された第2特別図柄の抽選では、時短状態の種別によらず、大当たり当選時の遊技状態が時短状態として取り扱われるように構成してもよい。より具体的には、例えば、大当たり当選時の遊技状態を、第2特別図柄の抽選が実行された時点の遊技状態に設定する構成としてもよい。つまり、特別図柄の抽選で大当たり又は小当たりとなった場合に、その時点(特別図柄の変動開始を設定する時点)で当選時状態格納エリア203kdに対して時短状態を示すデータを格納する構成としてもよい。このように構成することで、上述した第9制御例や第9制御例の第1の変形例においては、時短状態C以外の時短状態において最初に実行される第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、最も有利な時短状態C(MAXボーナスモード)への移行が確定する一方で、時短終了後の第2特別図柄の残保留で小当たりに当選した場合には、時短状態C以外の時短状態(次回の大当たりが確定しない時短状態)へと移行する可能性があるように構成できるので、複数回の第2特別図柄の抽選機会が付与される中で、1回目の特別図柄の抽選で大当たり又は小当たりに当選することをより強く期待させる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、上述した第9制御例の第1の変形例や第2の変形例では、大当たり当選時の遊技状態を第2特別図柄の抽選で大当たり又は小当たりとなった時点の遊技状態に設定する方法の他に、時短状態の種別によらず、V入賞が発生して大当たり遊技の実行を設定した(当選時状態格納エリア203kdに大当たり当選時の遊技状態として時短状態を示すデータを設定した)後で、小当たりカウンタ203sが更新されるように制御してもよい。このように構成することで、小当たり遊技においてV入賞が発生しなかった場合には、当選時状態格納エリア203kdへと遊技状態を示すデータを格納する制御をスキップすることができるので、無駄に当選時状態格納エリア203kdへとデータを格納する処理を行ってしまい、処理負荷が増大してしまうことを抑制することができる。
<第10制御例>
次に、図425から図464を参照して、第10制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第6制御例におけるパチンコ機10では、大当たり終了後(またはパチンコ機10の初期化後)における特別図柄の抽選回数が150の倍数となる毎に、天井抽選回数に到達したと判別して、当該天井抽選回数到達時点の遊技状態によらず、有利な第3時短状態B、または第2時短状態Bが設定される構成としていた。これに対して本第10制御例におけるパチンコ機10では、有利な特定の遊技状態において特定条件が成立した(特別図柄の抽選回数が特定回数に到達した)場合に、特定の遊技状態の有利度合い(大当たり遊技が実行された場合に大当たり終了後の遊技状態が再度特定の遊技状態に設定される割合)を可変させる構成としている。より具体的には、本第10制御例では、遊技状態として通常状態、時短状態、および確変状態の3種類の遊技状態を設ける構成とし、3種類の遊技状態のうち最も有利度合いが高い確変状態において当該確変状態が設定された後で実行された特別図柄の抽選回数が天井抽選回数(20回、40回、または60回のいずれか)に到達することにより、実質的な確変大当たりの割合をアップさせる(確変大当たり確定となるように制御する)構成としている。これにより、有利な確変状態に設定された場合に、早期に大当たりに当選するよりも、天井抽選回数まで外れ続けた後で大当たりに当選した方が、有利度合いが高くなるという斬新な遊技性を実現することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、有利度合いが異なる複数の遊技状態を設けることにより遊技にメリハリをつけているものが広く一般的に知られている。更に、係る従来型の遊技機の中には、射幸性が過剰に高くなってしまうことを抑制するために、有利な遊技状態が設定されてから次の大当たりに当選するまでの期間が長くなり易くなる制御(例えば、特別図柄の高確率状態における大当たり確率を従来の遊技機に比較して低確率にする制御や、特別図柄の変動時間を従来の遊技機に比較して長くする制御)を採用している遊技機も提案されている。しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利な遊技状態となってから大当たりに当選するまでの期間が長期化することによる弊害として、有利な遊技状態における遊技が単調となってしまったり、次に大当たりとなるまでに消費する(発射する)遊技球の個数が多くなり過ぎてしまったりする虞があるため、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下し易くなってしまうという問題点があった。これに対して本第10制御例におけるパチンコ機10では、有利な確変状態において予め定められた天井抽選回数に到達する前よりも、天井抽選回数に到達した後の方が、有利度合いが高くなるように構成している。即ち、天井抽選回数に到達するよりも前に大当たり遊技が実行された場合は、50%の割合で有利度合いが高い確変大当たり遊技が実行されて大当たり終了後の遊技状態が再度確変状態に設定され、50%の割合で有利度合いが低い通常大当たり遊技が実行されて大当たり終了後の遊技状態が確変状態よりも有利度合いが低い時短状態に設定される一方で、天井抽選回数に到達した後で大当たり遊技が実行された場合は、実質的に100%の割合で確変大当たり遊技が実行されて大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定されるように構成している。このように構成することで、確変状態に設定された場合に、少なくとも天井抽選回数に到達するまでは大当たりとならずに特別図柄の抽選で外れ続けることを期待して遊技を行わせる斬新な遊技性を実現することができるので、大当たりとなるまでに長い期間を要したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下し難く構成することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第10制御例では、天井抽選回数に到達する前後において、特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定するために参照する変動パターンテーブルを異ならせることにより、遊技状態を変えずに実質的な確変大当たりの比率を変更する制御を実現している。より具体的には、本第10制御例では、上述した第6制御例と同様に、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に(並行して)実行可能な所謂同時変動仕様を採用している。そして、本第10制御例では、両方の特別図柄の変動表示の実行中に一方の特別図柄の変動表示が大当たり又は小当たり図柄で停止表示された場合に、他方の特別図柄が抽選結果によらず外れ図柄で停止表示される制御を採用した。また、本第10制御例では、確変状態(および時短状態)において右打ちを行った場合に、第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口(右第1入球口2640)にも第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口(第2入球口1641)にも頻繁に遊技球が入球する盤面構成とした上で、確変状態においては、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選でも特別図柄の外れが全て小当たりとなる(完全外れの振り分けが無い)ように構成した。更に、本第10制御例では、確変状態において、天井抽選回数に到達するよりも前においては、必ず、第1特別図柄の変動時間の方が第2特別図柄の変動時間よりも短くなるように構成することで、基本的に第1特別図柄の抽選によってのみ大当たりに当選し得る構成とした。言い換えれば、第1特別図柄の抽選で確変大当たりになった場合も、通常大当たりになった場合も、ほぼ第2特別図柄の変動表示が停止表示されるよりも前に第1特別図柄の大当たり図柄が停止表示されるため、第1特別図柄の大当たりの振り分けが、確変状態における大当たりの振り分けと略同一となる。これに対して、天井抽選回数に到達した後においては、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合にのみ、第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間が設定されるように構成した。言い換えれば、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合は、第2特別図柄の小当たり又は大当たり変動の方が先に停止表示されるため、通常大当たり変動が外れ図柄に書き替えられる(通常大当たりが破棄される)一方で、通常大当たり以外の抽選結果(確変大当たり又は小当たり)となった場合は、第1特別図柄の変動表示の方が先に停止表示されるため、実質的に、次に確変大当たりとなるまで継続する極めて有利な状態を形成する構成とした。このように構成することで、確変状態のうち、第1特別図柄の通常大当たりの変動時間が短い(即ち、平均の変動時間が短い)天井抽選回数に到達するまでの期間を、確変大当たり遊技が実行される可能性が比較的低い(有利度合いが低い)状態として構成できる一方で、第1特別図柄の通常大当たりの変動時間のみ長くなる(即ち、平均の変動時間が長い)天井抽選回数に到達した後の期間を、確変大当たり遊技が実行される可能性が比較的高い(有利度合いが高い)状態として構成することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、1の遊技状態において所定の切替条件が成立した場合に、遊技状態を変えずに特別図柄の抽選が実行された場合の変動時間(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルを異なるテーブルに切り替えることにより、選択される変動時間(変動パターン)の傾向を異ならせ、遊技にメリハリをつけている仕様の遊技機が広く知られている。しかしながら、かかる従来型の遊技機では、特別図柄の抽選で外れとなった場合に長い変動時間が選択され易い傾向のテーブルが参照される状態に設定された場合に、特別図柄の抽選結果が示されるまでの期間が長くなり易くなることにより、遊技が間延びしてしまうと共に、テーブルが切り替わる前後で略同一のペースで遊技球を発射し続けた場合に、持ち球をより多く消費してしまう(遊技効率が悪くなってしまう)可能性が高くなるため、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させ難くなってしまうという問題点がある。これに対して本第10制御例では、通常大当たり当選時の変動時間(新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間)が短いことにより平均の変動時間としても短くなる天井抽選回数到達前の状態よりも、通常大当たり当選時の変動時間(新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間)が長いことにより平均の変動時間としても長くなる天井抽選回数到達後の状態の方が、同一の遊技状態でありながら、実質的な確変大当たり遊技の実行割合が高くなる極めて有利な状況を形成するため、一般的には遊技に対するモチベーションが低下し易い平均の変動時間が長い状態の方が、逆に、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させ易くなるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、本第10制御例では、上述した通り、確変状態において天井抽選回数に到達した場合に、遊技状態を変更すること無く、確変大当たり遊技が実行される割合という、遊技者の有利度合いを大きく左右する因子を大きく異ならせる構成としている。つまり、遊技状態を変えずに有利度合いを可変させる斬新な制御を実現可能に構成している。これに伴って、本第10制御例では、天井抽選回数に到達する前と後とで、演出態様を変更することにより、有利度合いが変更されたということを遊技者が容易に把握可能に構成している。言い換えれば、本第10制御例では、遊技状態が変更されていないにもかかわらず、異なる複数の有利度合いに対応する複数の演出態様を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者にとってより理解し易い遊技性を提供することができる。更に、本第10制御例では、天井抽選回数に到達するよりも前に、天井抽選到達(有利度合いの変更)を示唆する演出を実行可能に構成している。このように構成することで、天井抽選回数に到達することで有利度合いが高くなるということを、天井抽選回数に到達するよりも前から遊技者に対して容易に理解させることができる。この第10制御例におけるパチンコ機10が、上述した第6制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、パチンコ機10の遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第6制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第6制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図425を参照して、本第10制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の盤面構成について説明する。図425は、本第10制御例における遊技盤13の正面図である。図425に示した通り、本第10制御例における遊技盤13は、上述した第6制御例における遊技盤13の盤面構成(図236参照)に対して、第6制御例において盤面右下に設けられていたV入賞装置1650に代えて、第1可変入賞装置65が設けられている点、第6制御例において第1入球口64の下方に設けられていた小当たり用入賞装置2650が削除されている代わりに、第1入球口64の正面視右下側に第2可変入賞装置2065が設けられている点、第6制御例においてV入賞装置1650の正面視右下側に設けられていた右側第1入球口64rが削除されている代わりに、盤面右側に右第1入球口2640、および右第1入球口2640を開閉するための電動役物2640aが設けられている点、スルーゲート67の配置が右側流路における上流側に変更されている点、および右打ちされた遊技球が右第1入球口2640にも第2入球口1641にも第1可変入賞装置65にも比較的頻繁に到達するように、盤面右側流路の釘配置等の盤面構成が変更となっている点で相違している。
第1可変入賞装置65は、第1制御例において設けられていた可変入賞装置65(図4、図5参照)と同様に、大当たり終了後の遊技状態を抽選するための抽選装置としての役割を担っている入賞装置である。大当たり遊技中に第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aへと入球した遊技球が第1可変入賞装置65の内部の誘導片65h2によって確変スイッチ65e3が設けられている特別排出口65e2へと誘導された場合に、大当たり終了後の遊技状態が確変状態(特別図柄の高確率状態)に設定される一方で、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過しなかった場合は、大当たり終了後の遊技状態が時短状態(特別図柄の低確率状態)に設定される。また、遊技球が入球した場合に、特定数(15個)の賞球が払い出される入賞口としての役割も担っている。本第10制御例では、誘導片65h2が、Vラウンド(1ラウンド目)の開始を契機として、大当たり種別によらない共通の作動パターン(1ラウンド目の開始を契機として、5秒間の間特別排出口65e2へと誘導する配置に設定され、以降は大当たり終了まで特別排出口65e2を閉鎖する配置に設定される作動パターン)で作動される。一方、第1特定入賞口65aを開閉する開閉扉65f1は、確変大当たりの場合、Vラウンドの開始を契機として4.5秒間開放される一方で、通常大当たりの場合、Vラウンドの開始から5秒間が経過した後で4.5秒間開放されるように構成している。このように構成することで、確変大当たりとなった場合には、Vラウンドの間右打ちを行い続けるだけで、誘導片65h2が特別排出口65e2へと誘導する配置に設定されている間に遊技球を第1特定入賞口65aへと入球させ、当該遊技球を確変スイッチ65e3へと通過させることができる。一方、通常大当たりとなった場合には、Vラウンドの間右打ちを行い続けたとしても、第1特定入賞口65aには入球するが、確変スイッチ65e3への通過を規制することができる。よって、通常大当たりにおいて、確変スイッチ65e3を通過してしまい、遊技者に過剰に有利となってしまうことを抑制することができる。
なお、開閉扉65f1は、Vラウンド以外の各ラウンドにおいては、各ラウンドの開始を契機として開放され、各ラウンドの開始から30秒が経過するか、または第1特定入賞口65aへの10個以上の入球を検出することで閉鎖状態に設定されて当該ラウンドが終了される。よって、Vラウンド以外の各ラウンドにおいては、右打ちを行い続けるだけで、比較的容易に10個以上の遊技球を第1特定入賞口65aへと入球させて、150個(15個×10)以上の賞球を払い出させることができる。ここで、本第10制御例では、大当たり中に右打ちされた遊技球の約半数が第1可変入賞装置65へと到達するように構成されている。そして、本第10制御例では、最短で0.6秒間隔で遊技球を発射可能に構成している。つまり、30秒間の間に最大50個(30秒/0.6秒)の遊技球を発射することができ、そのうち半数の25個前後が第1可変入賞装置65へと到達する。よって、Vラウンド以外のラウンドにおいて右打ちを行い続けた場合、ほぼ、30秒が経過するよりも前に10個の遊技球を第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aへと入賞(入球)させることができる。
第2可変入賞装置2065は、小当たりにおいて開閉される入賞装置である。この第2可変入賞装置2065は、遊技球が1個入球する毎に、3個の賞球が払い出される契機となる入賞口として構成される。小当たりとなった場合には、第1特別図柄の小当たりであるか、第2特別図柄の小当たりであるかによらず、第2可変入賞装置2065が0.1秒間のみ開放される。0.1秒間の開放期間の間に第2可変入賞装置2065へと遊技球を入球させるのは極めて困難であるため、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合も、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合も、小当たり遊技中に第2特定入賞口2065aへと遊技球を入球させて賞球を獲得することはほぼ不可能である。また、運良く遊技球を入球させることができたとしても、第1特定入賞口65aへの入球に比較して少ない個数の賞球しか払い出されないため、入球に対する有利度合いも低くなる。よって、小当たりに当選したとしても、第2可変入賞装置2065の開閉動作を伴わない単なる外れ(完全外れ)になった場合とほぼ同等の有利度合いとすることができる。即ち、本第10制御例では、他方の変動表示を外れ図柄で強制的に停止表示させる(破棄する)ためだけに設けられている。即ち、確変状態における天井抽選回数に到達する前においては、全ての第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の小当たり(または大当たり)によって破棄することで、実質的に第1特別図柄の抽選のみによって遊技を進行する状況を成立させ、天井抽選回数に到達した後においては、基本的に第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の小当たり(または大当たり)によって破棄し、第1特別図柄の通常大当たりに対応する変動表示のみを、第2特別図柄の小当たり(または大当たり)によって破棄することにより、第1特別図柄の確変大当たり(または第2特別図柄の確変大当たり)に当選するまで確変状態が継続する状況を成立させるために設けられている。
右第1入球口2640は、第1入球口64と同様に、第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口として構成されている。この右第1入球口2640には、当該右第1入球口2640を開閉可能な電動役物2640aが付随して設けられており、電動役物2640aが閉鎖されている状態で電動役物2640aへと到達した遊技球は、電動役物2640aに阻害されて右第1入球口2640へと入球することができず、下流へと流下する。即ち、第2入球口1641の方向へとほぼ流下する。一方、電動役物2640aが開放されている状態で電動役物2640aへと到達した遊技球は、開放状態の電動役物2640aに誘導されて、ほぼ右第1入球口2640へと入球する。次に、図426から図433を参照して、本第10制御例における特徴的な演出態様について説明する。まず、図426(a)を参照して、確変状態で、且つ、天井抽選回数に到達する前の状態(通常ラッシュモード、確変状態A)における演出態様について説明する。図426(a)は、通常ラッシュモード(確変状態A)において第3図柄の変動表示が実行されている間の演出態様の一例を示した図である。図426(a)に示した通り、通常ラッシュモード(確変状態A)では、第3図柄表示装置81の表示画面のうち、主表示領域Dmにおいて、ウサギを模したキャラクタ801が岩山をよじ登る演出態様を背面画像として、第3図柄の変動表示が実行される。また、ウサギを模したキャラクタ801の上方には、「RUSH中」という文字が表示され、主表示領域Dmの左上部分に形成される小表示領域Dm4に対して、「右打ち」という文字が表示される。これらにより、有利なRUSH状態(通常ラッシュモード)に滞在していること、および右打ちにより遊技を進行するべきであるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図426(a)に示した通り、主表示領域Dmの右上に形成される小表示領域Dm1、および小表示領域Dm8には、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄の変動表示に対応する変動表示演出が比較的狭い表示範囲で(視認し難い表示態様で)実行される。これらの表示内容により、第1特別図柄、および第2特別図柄の個別の抽選結果を遊技者に対して示すことができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。なお、確変状態においては、主表示領域Dmの中央付近の比較的広い表示範囲で(視認し易い表示態様で)実行される第3図柄の変動表示演出によって、第1特別図柄の抽選結果が報知される。即ち、破棄され難い(変動時間が短い)側の特別図柄の抽選結果を報知する変動表示演出が実行される。これにより、両方の特別図柄の変動表示演出を並行して実行する場合に比較して、表示画面を効果的に用いることができるので、好適な演出態様を実現することができる。更に、主表示領域Dmにおける小表示領域Dm4の下方に形成された小表示領域Dm7には、「昇格チャンスまで15回」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「頂上到達で無敵RUSHに昇格!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、頂上へと到達することで、現在よりも有利度合いが高い確変状態(確変状態B、無敵モード)に昇格するということ、および小表示領域Dm7に表示された回数の変動表示が実行されることで、無敵モードに昇格するチャンスを与えられるということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、この無敵モード(無敵RUSH、確変状態B)は、天井抽選回数に到達した後の状態を意味し、上述した通り、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合は、ほぼ、第2特別図柄の小当たり(または大当たり)によって通常大当たり変動を外れ図柄で強制的に停止表示させる(通常大当たりを破棄する)ことができ、実質的に確変大当たりとなるまで他の遊技状態に移行することがない極めて有利な状態を形成する。
図426(b)は、通常ラッシュモード(確変状態A)においてリーチが発生した場合に実行されるピンチ演出の演出態様を示した図である。ここで、上述した通り、本第10制御例では、確変状態に設定されてから天井抽選回数に到達するまでの間(通常ラッシュモードに設定されている間)は、第1特別図柄の抽選で通常大当たりとなった場合も、確変大当たりとなった場合も、第2特別図柄の変動表示(小当たり又は大当たりに対応する変動表示)よりも先に大当たり図柄が停止表示されるため、第1特別図柄の大当たり種別の振り分けが、そのまま通常ラッシュモードにおける大当たり種別の振り分けとなる。即ち、50%の割合で通常大当たりとなって有利度合いが低い時短状態が設定されてしまう。つまり、天井抽選回数到達後(通常大当たり変動のみ第2特別図柄の小当たり又は大当たりによって破棄されるため実質的に確変大当たりが確定する無敵モード)に比較して、大当たり当選した場合に有利度合いが低くなる可能性が高くなる。このため、本第10制御例では、通常ラッシュモード(確変状態A)において、大当たりになると遊技者にとって不利となってしまうかのような演出態様の演出が実行される。具体的には、図426(b)に示した通り、リーチ演出が発生する変動表示演出(第1特別図柄の外れノーマルリーチ変動、外れスーパーリーチ変動、当たりノーマルリーチ変動、および当たりスーパーリーチ変動のいずれか)が実行された場合に、リーチ演出が発生したタイミングで岩山の上方からウサギを模したキャラクタ801に向けて岩861が落下してくるピンチ演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「岩を避けろ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、岩861を避けなければ遊技者にとって不利益となる可能性があるということを遊技者に対して理解させることができる。また、リーチ演出が発生する毎にピンチ演出が発生するので、リーチ演出が発生することで遊技者に不利となる可能性があるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。つまり、大当たりに当選しない方が有利になるということを遊技者に対して暗示(示唆)することができる。よって、通常ラッシュモード(確変状態A)において、大当たりに当選しない(リーチ演出が発生しない)ことを願わせながら遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図427(a)は、通常ラッシュモード(確変状態A)において大当たりに当選した場合の演出態様を示した図である。図427(a)に示した通り、通常ラッシュモードにおいて大当たりに当選した場合は、確変大当たりであるか、通常大当たりであるかによらず、ピンチ演出(図426(b)参照)を経て、落下してきた岩861を、ウサギを模したキャラクタ801が避けきれず、衝突してしまう演出が実行されると共に、偶数の数字を模した同一の第3図柄が停止表示される演出態様が主表示領域Dmにおいて実行される。また、副表示領域Dsに対して、「NEXT→チャレンジボーナス」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たりに当選したために遊技者にとって不利益となる可能性が生じたということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、このピンチ演出により示唆される不利益とは、具体的には、確変状態よりも有利度合いが低い時短状態に移行する可能性があることである。なお、図示については省略したが、ピンチ演出(図426(b)参照)がノーマルリーチ外れ、若しくはスーパーリーチ外れに対応する変動表示演出において実行された場合には、ウサギを模したキャラクタ801が岩861を避けることに成功すると共に、第3図柄がリーチ外れの組み合わせで停止表示される演出が実行されて、通常ラッシュモード(確変状態A)の継続が報知される。これにより、リーチ演出が発生した場合に、大当たりとなるよりも外れとなる方が有利度合いが高くなる示唆内容に設定される斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図427(b)、および図428(a)を参照して、通常ラッシュモード(確変状態A)において大当たり(確変大当たり、または通常大当たり)に当選した場合の大当たり遊技の実行中における演出態様について説明する。図427(b)は、通常ラッシュモード中の大当たり(以降、チャレンジボーナスと称する)におけるオープニング期間中の演出態様の一例を示した図である。図427(b)に示した通り、チャレンジボーナスのオープニング期間中に実行されるオープニング演出では、当該チャレンジボーナスが開始される直前まで実行されていた変動表示演出の演出態様の続きから演出が実行される。即ち、ウサギのキャラクタ801に対して岩861が衝突することでウサギのキャラクタ801が弾き飛ばされて岩山から落下する演出の続きから演出が実行される。より具体的には、図427(b)に示した通り、岩山から落下中のウサギのキャラクタ801の下方に、岩山の山肌から正面視左方に向かって略水平に生えている枝862を発見する演出が主表示領域Dmにおいて実行される。また、副表示領域Dsに対して、「枝を掴んでRUSHを継続させろ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、ウサギのキャラクタ801が枝を掴むことに成功すれば、大当たり(チャレンジボーナス)の終了後の遊技状態が再度、確変状態に設定される(RUSHが継続する)ということを容易に理解させることができる。また、図427(b)に示した通り、チャレンジボーナスのオープニング期間においては、小表示領域Dmに対して「右打ち」という文字が表示されると共に、主表示領域Dmの中央上部に「~チャレンジボーナス中~」という文字が表示される。これらの表示内容により、チャレンジボーナスが開始されている(大当たりのオープニング期間中である)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図428(a)は、今回のチャレンジボーナスが通常大当たりであった場合のチャレンジボーナスのオープニング演出における演出態様の一例を示した図である。図428(a)に示した通り、通常大当たりに当選した場合、チャレンジボーナス中演出として、ウサギのキャラクタ801が枝862を掴めずにそのまま地上まで落下してしまう演出が実行される。また、主表示領域Dmの中央上部に形成される表示領域HR10に対して、「チャレンジ失敗・・・」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「NEXT→チャンスタイム」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たり終了後が確変状態ではなく時短状態(チャンスタイム)に設定されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、図示については省略したが、今回のチャレンジボーナスが確変大当たりであった場合は、ウサギを模したキャラクタ801が枝862を掴むことに成功し、掴んだ枝862を伝って岩山に戻り登山を再開する演出が実行される。これらの演出内容によって、遊技者に対して大当たり(チャレンジボーナス)の終了後に確変状態が設定されるか否かを分かり易く報知することができるので、遊技者が理解し易い遊技性を実現することができる。よって、好適な演出態様を実現することができる。
なお、本第10制御例では、通常ラッシュモード中に大当たりに当選した場合に、大当たり種別(通常大当たりであるか、確変大当たりであるか)によらず、岩861を避けきれずに衝突してしまう態様のピンチ演出(図427(a)参照)を経て、チャレンジボーナスの当選が報知される構成としていたが、必ずしも全ての大当たりにおいてチャレンジボーナスの当選を報知する必要はない。例えば、確変大当たりに当選した場合の少なくとも一部で、ピンチ演出(図426(b)参照)において岩861を避けることに成功する演出が実行された上で、確変大当たりの当選が報知される演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、岩861を避ける演出が実行された場合に、単に確変状態が継続するのみならず、確変大当たりに当選する可能性もある構成とすることができるため、遊技者に対して岩861を避ける演出が実行されることをより強く期待させることができる。また、この場合において、上述した第10制御例では、ピンチ演出として、偶数の数字を模した第3図柄でリーチ演出が発生する構成としていたが、奇数の数字を模した第3図柄でリーチが発生し得る構成としてもよい。より具体的には、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりの場合に、必ず偶数の数字を模した第3図柄でリーチ演出が発生する一方で、抽選結果が外れノーマルリーチ、外れスーパーリーチ、および確変大当たりの何れかである場合に、偶数の数字を模した第3図柄でも奇数の数字を模した第3図柄でもリーチ演出が発生し得るように構成してもよい。そして、抽選結果が確変大当たりで、且つ、偶数の数字を模した第3図柄でリーチ演出が発生した場合は、チャレンジボーナスの当選が報知される(図427(a)参照)一方で、抽選結果が確変大当たりで、且つ、奇数の数字を模した第3図柄でリーチ演出が発生した場合は、確変大当たりの当選が報知される演出(岩861を避けて大当たりが報知される演出)が実行されるように構成してもよい。このように構成することで、奇数の数字を模した第3図柄でリーチ演出が発生した時点で、通常大当たりの可能性がない(通常ラッシュモードが継続するか、または確変大当たりに当選しているかのどちらかである)と遊技者に確信させることができるので、リーチ演出が発生した場合に、リーチ演出を構成する第3図柄の種別(偶数を模した第3図柄であるか、奇数を模した第3図柄であるか)にも注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。更に、確変大当たりとなった場合の少なくとも一部で、ピンチ演出を介さずに大当たりを報知する場合を設ける構成としてもよい。このように構成することで、ピンチ演出を伴わないリーチ演出が発生した場合に、その時点で確変大当たりに当選したということを遊技者に対して認識させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
次に、図428(b)、図429、および図430(a)を参照して、通常ラッシュモード(確変状態A)における大当たり終了後の特別図柄の変動回数が予め定められた特定回数となった場合に実行される昇格チャンス演出について説明する。ここで、本第10制御例では、通常ラッシュモード(確変状態A)が設定されてから20回、40回、または60回の特別図柄の抽選が終了することで、有利な(通常大当たりに当選しても大当たり遊技が実行されることなく破棄される(外れ図柄に書き替えられる)ため、実質的に確変大当たり遊技が実行されるまで継続する)無敵モード(確変状態B)へと移行する構成としている。無敵モード(確変状態B)へと移行するまでの抽選回数は、前回の確変大当たりの種別に応じて予め定められている。具体的には、大当たり種別が大当たりA48,D48のどちらかであれば、大当たり終了後の抽選回数が20回となった場合に天井抽選回数に到達したと判定されて無敵モードへと移行し、大当たり種別が大当たりB48,E48のどちらかであれば、大当たり終了後の抽選回数が40回となった場合に天井抽選回数に到達したと判定されて無敵モードへと移行し、大当たり種別が大当たりC48,F48のどちらかであれば、大当たり終了後の抽選回数が60回となった場合に天井抽選回数に到達したと判定されて無敵モードへと移行する。このため、本第10制御例では、無敵モードに移行する可能性がある抽選回数(確変大当たり終了後20回、40回、および60回)となる毎に、無敵モードへと移行するか否かを遊技者に対して報知するための昇格チャンス演出を実行する構成としている。
図428(b)は、昇格チャンス演出が実行された場合の演出態様の一例を示した図である。図428(b)に示した通り、昇格チャンス演出が実行されると、岩山を登山するウサギのキャラクタ801が、岩山の山肌から正面視左方に向かって略水平に生えている枝862を発見する演出が実行される。また、表示領域HR10に対して、「枝を使って頂上まで跳べ!!」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「昇格チャンス」という文字が表示される。これらの表示内容により、無敵モードに昇格する可能性がある抽選回数であるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。枝862を発見する演出が実行された後は、図429(a)に示した通り、ウサギを模したキャラクタ801が枝862の上に乗ることで、ウサギを模したキャラクタ801の体重による負荷で枝862を下側にしならせる(枝862が水平な状態に戻ろうとする復元力を溜める)演出が主表示領域Dmにおいて実行される。これにより、しなった状態の枝862の復元力を利用してウサギのキャラクタ801が跳躍し、岩山の頂上に到達することができれば無敵モードに移行するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。図429(b)は、昇格演出において昇格に失敗したことが報知された場合における演出態様の一例を示した図である。図429(b)に示した通り、昇格演出に失敗する場合(即ち、天井抽選回数に未到達であり、無敵モードへと移行しない場合)は、枝862の復元力を受けて跳躍したウサギのキャラクタ801の跳躍方向が右上方向となり、岩山に衝突してしまう演出が実行されると共に、第3図柄が外れ(小当たり)を示す組み合わせで停止表示される演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「昇格失敗・・・」という文字が表示される。これらの表示内容により、無敵モードへと昇格できなかった(天井抽選回数に到達していなかった)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図430(a)は、昇格チャンス演出において昇格に成功した(天井抽選回数に到達していた)ことが報知された場合の演出態様の一例を示した図である。図430(a)に示した通り、昇格成功が報知される場合は、枝862の復元力を利用して跳躍したウサギのキャラクタ801が、跳躍によって岩山の頂上まで到達する演出が実行されると共に、第3図柄が外れ(小当たり)を示す組み合わせで停止表示される演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「無敵RUSH昇格!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、無敵モードへと昇格できた(天井抽選回数に到達した)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。図430(b)は、無敵モード(確変状態B)へと移行した(天井抽選回数に到達した)後における演出態様の一例を示した図である。図430(b)に示した通り、無敵モード(確変状態B)へと移行した後においては、ウサギのキャラクタ801が雲の上を疾走する演出を背景に、第3変動の表示演出が実行される。また、通常ラッシュモード(確変状態A)において表示されていた小表示領域Dm7が非表示とされる。これは、小表示領域Dm7は、通常ラッシュモード(確変状態A)において昇格チャンス演出が実行されるまでの残りの抽選回数(変動表示演出の実行回数)を表示するための表示領域であるため、無敵モードに昇格した後は表示させる必要がないためである。更に、副表示領域Dsに対して、「大当たりするとRUSH確定!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、無敵モード(確変状態B)で大当たりに当選した場合は必ず確変大当たりになるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図431(a)を参照して、無敵モードで第1特別図柄の抽選で通常大当たり変動が実行された場合の演出態様について説明する。図431(a)は、第1特別図柄の通常大当たり変動と第2特別図柄の小当たり変動とがほぼ同時に開始され、これらの変動表示が重複して実行されている場合の演出態様の一例を示している。図431(a)に示した通り、第1特別図柄の通常大当たり変動と第2特別図柄の小当たり変動とが重複して実行されている場合、偶数の数字を模した第3図柄でリーチ演出が発生し、中図柄列にリーチ図柄以外の数字を模した第3図柄のみが変動表示される変動表示演出が実行される。つまり、停止表示を待つまでもなく、外れとなることが把握可能な特殊な演出態様の変動表示演出が実行される。これにより、第1特別図柄の通常大当たり変動が第2特別図柄の小当たりによって破棄される(外れに書き替えられる)変動表示であるということを遊技者に対して示唆することができる。なお、本第10制御例では、無敵モードで第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合の変動時間が80秒間に設定される一方で、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合の変動時間が30秒間に設定される。これにより、最悪でも通常大当たり変動が開始されてから50秒間(80秒間-30秒間)が経過するよりも前に第2特別図柄の抽選を開始させることができれば、先に第2特別図柄が停止表示されることにより実行中の第1特別図柄の通常大当たり変動を外れ図柄で停止表示させることができる。つまり、不利な通常大当たり遊技が実行されてしまうことをほぼ確実に回避することができ、確変大当たりとなるまで無敵モード(確変状態B)を継続させることができるので、遊技者にとって極めて有利な状況を形成することができる。よって、無敵モードへと移行した場合に、遊技者に対して大きな喜びや満足感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を頼向上させることができる。
次に、図431(b)、および図432(a)を参照して、無敵モード(確変状態B)において第2特別図柄の変動表示が実行されずに第1特別図柄の通常大当たり変動が単独で実行された場合の演出態様について説明する。ここで、本第10制御例では、確変状態や時短状態(即ち、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態)において右打ち遊技を行った場合に、右第1入球口2640と第2入球口1641との両方に略同一の比率で遊技球が入球する盤面構成としているため、確変状態や時短状態では、右打ち遊技を行い続けるだけで、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球との両方を容易に増加させることができる。加えて、確変状態においては、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選でも大当たりと小当たりとのどちらかになる(他方の変動表示を外れ図柄に書き替える(破棄する)ことができない完全外れの抽選結果となり得ない)構成としている。このため、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とを1以上有した状態となった後においては、少なくとも一方の保留球数が0となるまで、第1特別図柄の変動表示が開始される毎に、ほぼ、第2特別図柄の変動表示が略同時に開始される。一方の変動表示が終了したタイミングで他方の変動表示が外れ図柄で強制的に停止表示されることにより、次の変動開始タイミングが揃う(一方の小当たり遊技若しくは大当たり遊技の終了時に同時に両方の特別図柄の変動表示が開始される)ためである。従って、無敵モードでは基本的に、右打ちを行い続けている限り、第1特別図柄の通常大当たり変動が開始されたとしても、通常大当たり変動に比較して変動時間が短い第2特別図柄の小当たり変動が同時に開始されることにより、通常大当たり変動を外れ図柄で強制停止させることができる。しかしながら、遊技者が保留球を貯めないように遊技を行う等した場合に、第1特別図柄の変動表示が単独で実行されてしまう可能性がある。
図431(b)は、第1特別図柄の変動表示が単独で行われ、且つ、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合における演出態様の一例を示した図である。この場合、リーチ演出が発生すると、中図柄列においてリーチ図柄を含む全ての第3図柄が変動表示される演出が実行されると共に、ウサギのキャラクタ801が第3図柄を不安そうな面持ちで見つめる演出が実行される。また、小表示領域Dm4の直下に小表示領域Dm7が形成され、通常大当たり遊技の実行が確定する(有利な確変状態の終了が確定する)までの残り時間を示す文字(残時間表示)が表示される。即ち、第2特別図柄の変動時間(30秒)よりも、第1特別図柄の通常大当たり変動の残りの変動時間の方が短くなって、第2特別図柄の変動表示を開始させたとしても第2特別図柄の変動表示を先に停止表示させる(実行中の通常大当たり変動を外れ図柄で強制的に停止表示させる)ことが不可能となってしまうまでの残時間を表示する構成としている。更に、副表示領域Dsに対して、「右打ちで4図柄を外せ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、右打ちを行わなければ通常大当たり遊技が実行されてしまい、遊技者にとって不利益になってしまうということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図432(a)は、単独で開始された(第2特別図柄の変動表示を伴わない)第1特別図柄の通常大当たり変動の実行中に右打ち遊技を行って第2入球口1641へと遊技球が入球したことにより、通常大当たり変動を外れ図柄で停止表示させることができる状況となった場合の演出態様の一例を示した図である。図432(a)に示した通り、第2入球口1641への遊技球の入球を検出した場合は、ウサギのキャラクタ801が中図柄列において変動表示されている各第3図柄のうちリーチ図柄と同一の数字である4を模した第3図柄を殴打することにより弾き飛ばす演出が実行される。また、小表示領域Dm7において残時間表示の減算が停止されると共に、副表示領域Dsに対して、「無敵RUSH継続!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、変動表示演出において第3図柄が大当たりの組み合わせで停止表示され得なくなり、無敵RUSH(確変状態B)が継続するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、遊技者にとってより分かり易い演出態様を実現することができるので、好適な演出態様を実現することができる。
次に、図432(b)を参照して、無敵モードにおいて第2特別図柄の大当たり遊技の実行が確定した場合の表示態様について説明する。ここで、本第10制御例では、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、100%の割合で確変大当たりとなるように構成している。しかしながら、上述した通り、確変状態(および時短状態)においては、基本的に、第1特別図柄の変動時間の方が第2特別図柄の変動時間よりも短くなることにより、第2特別図柄の変動表示が実行されたとしても、第1特別図柄の小当たり又は大当たり図柄の停止表示タイミングの方が先となり、第2特別図柄が外れ図柄で強制停止(破棄)されてしまう。即ち、確変状態において第2特別図柄の方が先に停止表示されるのは、基本的に、無敵モード(確変状態B)において第1特別図柄の通常大当たり変動が実行された場合という極めて限定的な状況下のみである。本第10制御例では、この第2特別図柄の変動表示が先に終了される無敵モード中の第1特別図柄の通常大当たり変動の実行中において、第2特別図柄の大当たりとなっていた場合に、第2特別図柄の大当たり終了後の遊技状態を、無敵モードよりも更に有利なプレミアムラッシュモード(確変状態C)に設定する構成としている。このプレミアムラッシュモード(確変状態C)は、基本的に、第2特別図柄の変動時間の方が第1特別図柄の変動時間よりも短くなる遊技状態であり、第2特別図柄の大当たり遊技が実行された場合に、大当たり終了後の遊技状態が再度、プレミアムラッシュモード(確変状態C)に設定される状態である。このプレミアムラッシュモードでは、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選し、且つ、変動パターンとして変動時間が5秒間の短当たり変動が選択された場合にのみ、第1特別図柄の変動表示が先に停止表示されて、第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行される可能性がある。つまり、大当たり終了後の遊技状態が通常ラッシュモード(確変状態A)に設定される可能性がある。プレミアムラッシュモードでは、第1特別図柄の確変大当たりに当選した場合の約1/3でのみ、5秒間の短当たり変動が選択されるように構成しているため、第1特別図柄の抽選で確変大当たりとなって、且つ、1/3の短当たり変動が選択されるよりも前に、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選し続ける限り、大当たりとプレミアムラッシュモードとが繰り返される極めて有利な遊技状態を形成する。更に、第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行されたとしても、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定されるため、プレミアムラッシュモードへと移行した時点で少なくとも2回の大当たり(プレミアムラッシュモード中の少なくとも1の大当たり、および通常ラッシュモードに移行した後の少なくとも1の大当たり)が保証されることとなる。よって、プレミアムラッシュモードへと移行した場合に、遊技者に対して極めて大きな喜びと満足感とを抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図432(b)は、プレミアムラッシュモード(確変状態C)への移行が確定した場合(即ち、無敵モードにおいて第1特別図柄の通常大当たり変動と第2特別図柄の確変大当たり変動とが重複して実行された場合)の演出態様の一例を示した図である。図432(b)に示した通り、プレミアムラッシュモードへの移行が確定すると、第3図柄表示装置81の表示画面のほぼ全体が突然ブラックアウトするブラックアウト演出が実行される。即ち、画面が突然真っ暗になる極めてインパクトが大きい演出が実行される。このように構成することで、ブラックアウト演出が実行された場合に、遊技者に対して大きな驚きを与えることができると共に、通常とは大きく異なる極めて特別な演出が実行されたということを直感的に理解させることができる。よって、その後にプレミアムラッシュモードが設定された場合に、プレミアムラッシュモードの仕様をよく知らない遊技者であっても、無敵モードよりも更に有利度合いが高い特別なモード(状態)に移行したということを直感的に理解させ易くすることができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。図433は、プレミアムラッシュモードにおける演出態様の一例を示した図である。図433に示した通り、プレミアムラッシュモードでは、主表示領域Dmにおける中央部分に対して、光り輝く縦長略長方形形状の領域、および当該領域へと登るための階段が表示され、階段の周囲には、無敵モード(確変状態B)でも表示されていた雲が表示される。また、主表示領域Dmの中央上部には、「~プレミアムRUSH中~」という文字が表示される。これらの表示内容により、通常ラッシュモード(確変状態A)や無敵モード(確変状態B)よりも有利度合いが高い特別な状態に設定されているということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、主表示領域Dmの右下に形成される小領域Dm31には、「転落確率1/480」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「転落しても行き先はRUSHだよ」という文字が表示される。これらの表示内容により、特別な状態であるプレミアムラッシュモード(確変状態C)から、有利度合いが低い他の状態には、1/480という極めて低い確率(通常状態における大当たり確率である1/320よりも低い確率)でしか移行しない上に、移行先がRUSHモード(通常ラッシュモード、確変状態A)に限定されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、プレミアムRUSHモード(確変状態C)が設定された場合、当該プレミアムRUSHモード自体が長く継続し易い(有利度合いが低い他の状態に移行し難い)上に、移行したとしても有利な通常ラッシュモード(確変状態A)止まりとなる(不利な通常状態や有利度合いが比較的低い(大当たり当選が保証されない)時短状態に移行する可能性がない)極めて有利な遊技状態を形成するので、プレミアムラッシュモード(確変状態C)へと移行した場合に、遊技者に対して極めて大きな喜びと満足感とを抱かせることができる。次に、図434を参照して、本第10制御例における各状態間の移行方法について説明する。ここで、本第10制御例では、遊技状態として、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定される通常状態(非確変非時短状態)と、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される時短状態(非確変時短状態)と、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される確変状態(確変時短状態)と、の3つの遊技状態が設けられている。通常状態においては、大当たり確率が低確率(約1/320の確率)に設定される上に、電動役物2640aが開放され難い(普通図柄の変動時間が長く、普通図柄の当たり確率が低く、更に普通図柄の当たりとなった場合の電動役物2640aの開放期間が短い)ため、左打ち遊技により第1入球口64を狙って遊技球を発射する遊技を行う必要がある不利な遊技状態である。
なお、上述した通り、本第10制御例では、遊技盤13の盤面右側に、電動役物2640aが付随した右第1入球口2640に加え、右打ちにより発射された遊技球が常時入球可能な状態の第2入球口1641が設けられている。つまり、通常状態において右打ちを行った場合、右第1入球口2640には入球困難(不可能)であるものの、第2入球口1641には入球可能となり、第2特別図柄の抽選を容易に実行させることができる。しかしながら、本第10制御例における通常状態では、第2特別図柄の抽選結果によらず、変動時間として600秒という極めて長い変動時間が設定される構成としているので、通常状態において右打ちを行い続ける遊技方法を行った場合における遊技効率を極めて悪化させることができる。加えて、上述した通り、本第10制御例では、第1特別図柄の抽選が実行された場合に、高確率で大当たり又は小当たりに当選する(特別図柄の高確率状態の場合、大当たりと小当たりとのどちらかに当選し、特別図柄の低確率状態の場合でも、99%以上の割合で大当たりと小当たりとのどちらかに当選する)構成としている。このため、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行され、変動時間が10分間(600秒間)の変動表示の実行中に第1特別図柄の抽選が実行されてしまうと、99%以上の割合で小当たり又は大当たりとなって、当該小当たり又は大当たり図柄の停止時に第2特別図柄の変動表示が外れ図柄で強制停止(破棄)される。つまり、通常状態において第2特別図柄の大当たりに当選させようとした場合、第1特別図柄の抽選を全く実行させることなく、10分間隔で第2特別図柄の抽選を実行させるしかないため、極めて遊技効率が悪く、且つ、変則的な遊技方法を行っているということが比較的周囲に認識され易くなる。このため、通常状態において右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させて有利な第2特別図柄の大当たりを狙う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、時短状態は、大当たり確率は通常状態と共通(約1/320)であるが、電動役物2640aが開放され易くなる(普通図柄の通常状態よりも、普通図柄の変動時間が短くなり、普通図柄の当たり確率が高くなり、更に普通図柄の当たりとなった場合の電動役物2640aの開放期間が長くなる)ので、右打ちにより右第1入球口2640へと頻繁に遊技球が入球する結果、左打ちを行った場合に比較して効率良く第1特別図柄の抽選を実行させることができる遊技状態として形成される。即ち、通常状態よりも有利度合いが高い遊技状態として形成される。なお、時短状態においては、第1特別図柄の抽選結果によらず、第1特別図柄の変動時間よりも第2特別図柄の変動時間の方が長くなるように構成しているので、基本的に第1特別図柄の抽選結果のみが導出され、第2特別図柄の抽選結果は、ほぼ、先に停止表示される第1特別図柄の小当たりまたは大当たりによって破棄される(第2特別図柄の抽選結果によらず、外れ図柄で強制停止される)。つまり、大当たりに当選した場合は、比較的有利度合いが低い第1特別図柄の振り分けとなる(50%で通常大当たりとなり、50%で確変大当たりとなる)ため、大当たりに当選した場合の有利度合いは通常状態と同等である。この時短状態は、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との少なくとも一方が50回に到達したことに基づいて終了され、不利な通常状態が設定される。
また、確変状態は、大当たり確率が高確率(約1/80)となる上に、時短状態と同様に電動役物2640aが開放され易くなるので、右打ちにより右第1入球口2640へと頻繁に遊技球が入球する結果、左打ちを行った場合に比較して効率良く第1特別図柄の抽選を実行させることができる遊技状態として形成される。また、確変状態は、次に大当たりに当選するまで継続するため、確変状態が設定された時点で、次の大当たりが確定する有利な遊技状態として構成されている。なお、確変状態には、更に、有利度合いが異なる3種類の状態に細分化されている。即ち、主として第1特別図柄の抽選結果が導出され(第2特別図柄の変動表示が破棄され)、50%の割合で確変大当たりに当選する(50%の割合で通常大当たりに当選する)確変状態A(通常ラッシュモード)と、主として第1特別図柄の抽選結果が導出されるが、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合に、当該通常大当たりを示すための変動表示が破棄されることにより、実質的に次に確変大当たり遊技が実行されるまで継続する確変状態B(無敵モード)と、主として有利度合いが高い(大当たり当選時に100%の割合で確変大当たりとなる)第2特別図柄の抽選結果が導出される上に、低確率で第1特別図柄の抽選結果が導出された場合でも、第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行されるため、実質的に次に確変大当たり遊技が実行されるまで継続する確変状態C(プレミアムラッシュモード)と、の3種類の遊技状態が設けられている。確変状態Aは、通常大当たり遊技が実行される可能性があるため、確変状態A~Cの中では最も不利な遊技状態である。また、確変状態Bは、確変大当たり遊技が実行されることで大当たり終了後の遊技状態が確変状態Aに設定される一方で、確変状態Cは、第2特別図柄の確変大当たりに当選し続ける限り、大当たり終了後の遊技状態が再度確変状態Cに設定されるため、大当たり終了後の遊技状態の面で、確変状態Cの方が確変状態Bよりも有利となる。以下、通常状態、時短状態、および確変状態A~Cの5つの状態のそれぞれにおける状態の移行方法について説明する。
まず、図434の上段を参照して、通常状態(通常モード)から他の状態への移行方法について説明する。図434の上段に示したとおり、通常状態(通常モード)から他の状態には、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図434の上段に示した通り、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、大当たり種別が大当たりA48~F48のいずれか(いずれかの確変大当たり)であれば、確変大当たり遊技の実行中に右打ち表示に従って右打ち遊技を行い、Vラウンドにおいて確変スイッチ65e3を遊技球が通過したことを前提として、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Aに設定される。一方で、大当たり種別が大当たりG48(通常大当たり)であれば、大当たり遊技の実行中に遊技球が確変スイッチ65e3を通過不可能(困難)であるため、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。このため、通常状態においては、確変大当たりに当選した方が、通常大当たりに当選するよりも有利度合いが高くなる。次に、図434の中段左側を参照して、確変状態A(通常ラッシュモード)から他の状態への移行方法について説明する。図434の中段左側に示した通り、確変状態A(通常ラッシュモード)から他の状態には、大当たりに当選した場合の他、大当たりに当選せずに第1特別図柄の抽選回数が規定の天井抽選回数に到達した場合にも移行する可能性がある。具体的には、図434の中段左側に示した通り、確変状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、大当たり種別が大当たりG48(通常大当たり)であれば、大当たり終了後の遊技状態が有利度合いの低い時短状態に設定される。また、確変状態Aにおいて規定の天井抽選回数(20回、40回、または60回のいずれか)となった場合には、確変状態Aよりも有利度合いが高い確変状態Bに、大当たりを介さずに直接設定される。これらに対して、第1特別図柄の抽選で確変大当たり(大当たりA48~F48のいずれか)に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、確変状態Aに設定される(確変状態Aをループする)。このため、確変状態Aにおいては、確変大当たりに当選するか、または天井抽選回数に到達することを期待させる遊技性となる。
次に、図434の中段右側を参照して、時短状態(チャンスモード)から他の状態への移行方法について説明する。図434の中段右側に示した通り、時短状態(チャンスモード)から他の状態には、大当たりに当選した場合の他、大当たりに当選することなく時短回数が0になった(時短回数が経過した)場合にも移行する可能性がある。具体的には、図434の中段右側に示した通り、時短状態において第1特別図柄の抽選で確変大当たり(大当たりA48~F48のいずれか)に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Aに設定される。一方で、時短状態において時短回数が0になった(時短回数が経過した)場合は、時短状態が終了されて遊技者にとって最も不利な通常状態に移行する。これらに対して、時短状態において第1特別図柄の抽選で通常大当たり(大当たりG48)に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態に設定される(時短状態をループする)。よって、時短状態では、第1特別図柄の抽選で確変大当たりとなった場合に有利となる。
なお、図示については省略したが、時短状態において第2特別図柄の大当たり遊技が実行される可能性も極めて低確率ではあるが存在する。特別図柄の低確率状態である時短状態においては、特別図柄の高確率状態においてのみ大当たりと判定される乱数値の範囲が完全外れに設定されている。即ち、時短状態においては、約1/106.7の確率(約1/80-約1/320)で完全外れとなる。この完全外れとなった場合は、第2特別図柄の変動時間よりも短い変動時間が設定されることにより先に停止表示される点までは第1特別図柄の小当たりや大当たりと同一であるものの、完全外れ図柄が停止表示されたとしても第2特別図柄の変動表示が破棄されずに継続されるため、完全外れ変動の変動時間、および完全外れ変動の次に実行される第1特別図柄の変動表示の変動時間の合計よりも第2特別図柄の変動時間の方が短ければ、完全外れ変動の次の変動表示の実行中に先に第2特別図柄の変動時間が終了して第2特別図柄の抽選結果に応じた停止図柄が停止表示される。この場合に第2特別図柄の抽選結果が大当たりであれば、第2特別図柄の大当たり遊技が実行されて大当たり終了後の遊技状態が確変状態Cに設定される。なお、時短状態における第2特別図柄の変動時間は抽選結果によらず30秒間固定である一方で、第1特別図柄の変動時間は3秒間、10秒間、20秒間、および25秒間のいずれかの変動時間が選択される。このため、第2特別図柄の抽選結果を示す停止図柄が破棄されずに停止表示されるためには、完全外れ変動、およびその次の変動の2変動で30秒間を上回る時間となる必要がある。即ち、10秒間+25秒間、20秒間+20秒間、20秒間+25秒間、および25秒間+25秒間の4通りの何れかの組み合わせとなる必要があるが、第1特別図柄の抽選結果が完全外れの場合は大半が3秒間に設定されるため、完全外れ変動、およびその次の変動の2変動で30秒を超える変動時間となる組み合わせとなる事象がそもそも発生し難い。そして、30秒を超える変動時間になったとしても、第2特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は低確率(約1/320)であるため、時短状態において第2特別図柄の大当たり遊技が実行されるのは極めて稀である。時短状態において第2特別図柄の大当たり遊技が実行される場合は、無敵モードにおいて第2特別図柄の大当たり遊技が実行される場合と同様に、ブラックアウト演出(図432(b)参照)が実行されて確変状態C(プレミアムラッシュモード)への移行が報知される。
次に、図434の下段左側を参照して、確変状態B(無敵モード)から他の状態への移行方法について説明する。図434の下段左側に示した通り、確変状態B(無敵モード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図434の下段左側に示した通り、確変状態Bにおいて第1特別図柄の大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Aに設定される。なお、確変状態Bにおいては、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりになったとしても、通常大当たり変動の変動時間として第2特別図柄の変動時間(30秒間)よりも長い変動時間(80秒間)が設定されるため、通常大当たりの抽選結果が導出されることはない(変動中に第2特別図柄の小当たり図柄または大当たり図柄が先に停止表示されることで通常大当たり変動が破棄される)。このため、確変状態Bにおいては、第1特別図柄の大当たりとして確変大当たり遊技のみが実行され得る構成となっている。
一方、図434の下段左側に示した通り、確変状態Bにおいて第2特別図柄の大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Cに設定される。ここで、確変状態Bにおいては、基本的に、第1特別図柄の変動時間の方が第2特別図柄の変動時間よりも短くなることにより、第2特別図柄の変動表示が実行されたとしても、第1特別図柄の小当たり又は大当たり図柄の停止表示タイミングの方が先となり、第2特別図柄が外れ図柄で強制停止(破棄)されてしまう。確変状態Bにおいて第2特別図柄の方が先に停止表示されるのは、基本的に、第2特別図柄の変動時間(30秒間)よりも長い変動時間(80秒間)に唯一設定される第1特別図柄の通常大当たり変動が実行された場合である。つまり、第1特別図柄の通常大当たり変動と第2特別図柄の大当たり変動とが重複して実行されるという極めて稀な状況が発生した場合にのみ、第2特別図柄の大当たり遊技が実行されて、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Cに設定される。確変状態Bにおいて第1特別図柄の抽選で通常大当たりとなる確率は約1/160であり、第2特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は約1/80であるので、これらが重複する確率は約1/12800(約1/160×約1/80)である。この場合は、上述した通り、変動開始と共にブラックアウト演出(図432(b)参照)が発生して、確変状態Cへと移行することが報知される。
次に、図434の下段右側を参照して、確変状態C(プレミアムラッシュモード)から他の状態への移行方法について説明する。図434の下段右側に示した通り、確変状態Cから他の状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、第1特別図柄の大当たり遊技が実行された場合に、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Aに設定される。なお、確変状態Cでは、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合の100%、および確変大当たりとなった場合の約66%で、第2特別図柄の変動時間(10秒間~25秒間)よりも長い変動時間(30秒間)が設定されることにより第2特別図柄の小当たり又は大当たり図柄の停止タイミングで変動が破棄される。確変状態Cにおいて第1特別図柄の大当たり遊技が実行されるのは、第1特別図柄の抽選で確変大当たりとなり、且つ、変動時間が第2特別図柄の変動時間よりも短い変動時間(5秒間)に設定された場合(確変大当たりに当選した場合の約1/3)のみである。即ち、第1特別図柄の抽選が実行された場合の約1/480(約1/80×50%×1/3)の確率で第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行される。これに対して、確変状態Cにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、確変状態Cに設定される(確変状態Cをループする)。よって、確変状態Cにおいては、約1/480の確率の第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行されるよりも先に、約1/80の確率の第2特別図柄の大当たりに当選することを目指す遊技性となるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。このように、本第10制御例では、有利度合いが異なる3つの確変状態を設ける構成とし、大当たりまたは天井抽選回数到達等を契機として、有利度合いの異なる確変状態間を移行することが可能な画期的な状態移行方式を実現している。同一の遊技状態(確変状態)であるにもかかわらず、有利度合いを互いに異ならせることにより、見かけ上、遊技状態を多様に設けているかのような挙動を実現することができるので、遊技状態を増加させることなく、遊技を多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第10制御例では、通常状態において右打ち遊技を行う変則的な遊技方法に対する抑制を図るために、第2特別図柄の変動時間を抽選結果によらず極端に長くする(10分間に設定する)構成としているが、通常状態における右打ち遊技の抑制方法は、これに限られるものではない。例えば、通常状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、確変状態ではなく、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定される潜確状態に設定する構成としてもよい。そして、潜確状態においては、通常状態と同様に、第2特別図柄の変動時間が極端に長くなると共に、たとえ潜確状態において右打ち遊技を行って第2特別図柄の抽選で大当たりに当選したとしても、大当たり終了後の遊技状態が再度、潜確状態に設定されるように構成してもよい。このように構成することで、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合のメリット(遊技者にとって最も有利度合いが高いプレミアムラッシュモードへと移行すること)を、通常状態(および潜確状態)に限って無くすことができるので、通常状態において右打ち遊技を行って第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、右打ち遊技によって主として第1特別図柄の抽選結果が導出される時短状態、確変状態A、および確変状態Bにおいては、1個の遊技球を発射していずれかの始動口(右第1入球口2640、第2入球口1641)に入球(始動入賞)した場合は当該始動入賞に基づく変動表示が終了するまで遊技球を発射せずに待機する遊技方法(所謂、単発打ち遊技)で遊技を行った場合、第1特別図柄の変動表示を伴わずに第2特別図柄の抽選が単独で実行されてしまう可能性がある。即ち、確変状態Bにおける通常大当たり変動中以外の状況においても、第2特別図柄の抽選結果が導出されてしまう(第1特別図柄の小当たり又は大当たりによって破棄することができなくなってしまう)場合がある。この対策として、例えば、右打ち遊技によって主として第1特別図柄の抽選結果が導出される時短状態、確変状態A、および確変状態Bにおいては、第1特別図柄の保留球数が0個の状態で第2特別図柄の抽選が実行された場合は、必ず極端に長い変動時間(例えば、1800秒)が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、単発打ち遊技を行った場合の遊技効率を低下させることができると共に、仮に単発打ち遊技を実行した場合に、第2特別図柄の抽選が実行される毎に極めて長い時間待機する遊技方法となり、変則的な遊技方法(単発打ち遊技)で遊技を行っていることがホールの店員にも認識され易くなるため、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
<第10制御例における電気的構成>
次に、図435を参照して、本第10制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図435は、本第10制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図435に示した通り、本第10制御例におけるROM202は、上述した第6制御例におけるROM202の構成(図240参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202kaに代えて第1当たり乱数テーブル202Gaが設けられている点、大当たり種別選択テーブル202qbに代えて大当たり種別選択テーブル202Gbが設けられている点、第2当たり乱数テーブル202qcに代えて第2当たり乱数テーブル202Gcが設けられている点、変動パターンテーブル202qdに代えて変動パターンテーブル202Gdが設けられている点、変動パターンシナリオテーブル202qjに代えて変動パターンシナリオテーブル202Gjが設けられている点、小当たり乱数テーブル202qeに代えて小当たり乱数テーブル202Geが設けられている点、小当たり種別選択テーブル202qfが削除されている点、時短当たり乱数テーブル202qhが削除されている点、時短当たり種別選択テーブル202qiが削除されている点である。まず、図437(a)を参照して、本第10制御例における第1当たり乱数テーブル202Gaの詳細について説明する。図437(a)は、本第10制御例における第1当たり乱数テーブル202Gaの規定内容を示した図である。この第1当たり乱数テーブル202Gaは、第6制御例(および第4制御例)における第1当たり乱数テーブル202ka(図174(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に特別図柄の大当たりか否かを判定するために参照されるデータテーブルである。図437(a)に示した通り、本第10制御例における第1当たり乱数テーブル202Gaは、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(第1当たり種別カウンタC1のカウンタ値)の範囲、および特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲がそれぞれ規定されている。
より具体的には、図437(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)の範囲が規定されている。また、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~818」の819個の乱数値(カウンタ値)の範囲が規定されている。本第10制御例では、第1当たり乱数カウンタC1が「0~65535」の65536個の値を取り得るので、特別図柄の低確率状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、約1/320(205/65536)であり、特別図柄の高確率状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、約1/80(819/65536)である。なお、第1特別図柄の抽選でも、第2特別図柄の抽選でも、この第1当たり乱数テーブル202Gaが参照されて大当たりか否かの判定が行われる。次に、図437(b)を参照して、本第10制御例における大当たり種別選択テーブル202Gbの詳細について説明する。この大当たり種別選択テーブル202Gbは、上述した第6制御例における大当たり種別選択テーブル202qb(図242参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり種別を選択するために参照されるデータテーブルである。図437(b)は、本第10制御例における大当たり種別選択テーブル202Gbの規定内容を示した図である。図437(b)に示した通り、本第10制御例における大当たり種別選択テーブル202Gbには、特別図柄の種別毎に、第1当たり種別カウンタC2の値と、選択される大当たり種別とが、対応付けて規定されている。
より具体的には、図437(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対して、「大当たりA48」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~8」の範囲に対して、「大当たりB48」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値「9」に対して、「大当たりC48」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「10~17」の範囲に対して、「大当たりD48」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「18~37」の範囲に対して、「大当たりE48」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「38~49」の範囲に対して、「大当たりF48」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、「大当たりG48」が対応付けて規定されている。「大当たりA48」~「大当たりC48」は、ラウンド数が10ラウンドであり、Vラウンドにおいて確変スイッチ65e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される大当たり種別である(10ラウンド確変大当たり)。また、「大当たりA48」~「大当たりC48」は、互いに大当たり終了後の確変状態において無敵モード(確変状態B)へと移行するまでの抽選回数(天井抽選回数)が異なって構成されている。具体的には、「大当たりA48」は、大当たり終了後の確変状態において20回の特別図柄の抽選が終了した場合に無敵モード(確変状態B)へと移行し、「大当たりB48」は、大当たり終了後の確変状態において40回の特別図柄の抽選が終了した場合に無敵モードへと移行し、「大当たりC48」は、大当たり終了後の確変状態において60回の特別図柄の抽選が終了した場合に無敵モードへと移行する。このため、「大当たりA48」~「大当たりC48」は、大当たりのラウンド数および大当たり終了後の遊技状態の面では有利度合いが同等であるが、設定される天井抽選回数の面(即ち、より有利度合いが高い無敵モードへの移行し易さの面)では、「大当たりA48」が最も有利となり、「大当たりC48」が最も不利となる。
また、「大当たりD48」~「大当たりF48」は、ラウンド数が6ラウンドであり、Vラウンドにおいて確変スイッチ65e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される大当たり種別である(6ラウンド確変大当たり)。また、「大当たりD48」は、大当たり終了後の確変状態において20回の特別図柄の抽選が終了した場合に無敵モード(確変状態B)へと移行し、「大当たりE48」は、大当たり終了後の確変状態において40回の特別図柄の抽選が終了した場合に無敵モードへと移行し、「大当たりF48」は、大当たり終了後の確変状態において60回の特別図柄の抽選が終了した場合に無敵モードへと移行するように制御される。このため、「大当たりD48」~「大当たりF48」は、大当たりのラウンド数および大当たり終了後の遊技状態の面では有利度合いが同等であるが、設定される天井抽選回数の面(即ち、より有利度合いが高い無敵モードへの移行し易さの面)では、「大当たりA48」が最も有利となり、「大当たりC48」が最も不利となる。また、「大当たりG48」は、ラウンド数が6ラウンドであり、Vラウンドにおいて確変スイッチ65e3を通過不可能(困難)な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される大当たり種別である(6ラウンド通常大当たり)。この「大当たりG48」は、大当たりのラウンド数が第1特別図柄の大当たりの中で最も少ない上に、大当たり終了後の遊技状態が有利度合いの低い時短状態に設定される大当たり種別であるため、最も不利な大当たり種別である。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA48」~「大当たりG48」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ5個、4個、1個、8個、20個、12個、および50個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA48」が決定される割合は5%(5/100)であり、「大当たりB48」が決定される割合は4%(4/100)であり、「大当たりC48」が決定される割合は1%(1/100)であり、「大当たりD48」が決定される割合は8%(8/100)であり、「大当たりE48」が決定される割合は20%(20/100)であり、「大当たりF48」が決定される割合は12%(12/100)であり、「大当たりG48」が決定される割合は50%(50/100)である。即ち、確変大当たり(即ち、「大当たりA48」~「大当たりF48」のいずれか)が決定される割合は50%(5%+4%+1%+8%+20%+12%)であり、通常大当たり(即ち、「大当たりG48」)が決定される割合も50%である。また、確変大当たり(「大当たりA48」~「大当たりF48」)のうち、天井抽選回数が20回に設定される大当たり(「大当たりA48」、および「大当たりD48」)が決定される割合は13%(5%+8%)であり、天井抽選回数が40回に設定される大当たり(「大当たりB48」、および「大当たりE48」)が決定される割合は24%(4%+20%)であり、天井抽選回数が60回に設定される大当たり(「大当たりC48」、および「大当たりF48」)が決定される割合は13%(1%+12%)である。このため、確変大当たりに当選した場合における天井抽選回数の平均値は40回(20回×13%/50%+40回×24%/50%+60回×13%/50%)となる。約1/80の確率の大当たりに当選せずに平均40回の天井抽選回数に到達して確変大当たりが確定する割合は60.5%(79/80の40乗)であり、逆に、平均40回の天井抽選回数内で約1/80の大当たりに当選する割合は39.5%(100%-60.5%)であるので、確変状態おいて再度確変大当たりに当選する割合は、80.2%(60.5%×100%+39.5%×50%)となる。即ち、通常大当たりの振り分けが50%に設定されているにもかかわらず、確変状態に移行することで、実質的な確変大当たりの割合が80%以上となる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図437(b)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、「大当たりH48」が対応付けて規定されている。この「大当たりH48」は、ラウンド数が4ラウンドであり、Vラウンドにおいて確変スイッチ65e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される大当たり種別である(4ラウンド確変大当たり)。ラウンド数は全ての大当たりの中で最も少ないものの、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって最も有利な確変状態Cに設定されるので、「大当たりH48」は、遊技者にとって最も喜ばしい大当たりの一種であると言える。次に、図438(a)を参照して、本第10制御例における第2当たり乱数テーブル202Gcの詳細について説明する。この第2当たり乱数テーブル202Gcは、上述した第6制御例における第2当たり乱数テーブル202qc(図243(a)参照)と同様に、普通図柄の当たりと判定される乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)の範囲が規定されたデータテーブルである。図438(a)は、この第2当たり乱数テーブル202Gcの規定内容を示した図である。図438(a)に示した通り、本第10制御例における第2当たり乱数テーブル202Gcでは、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0」のみが規定されている。これに対し、普通図柄の高確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、第2当たり乱数カウンタC4の取り得る全範囲(「0~299」の範囲)が規定されている。このため、普通図柄の低確率(通常)状態に設定される通常状態では、普通図柄の当たり確率が1/300になる一方で、普通図柄の高確率(時短)状態に設定される時短状態や確変状態では、普通図柄の当たり確率が100%となる。よって、時短状態や確変状態において、効率良く遊技を行わせることができる。
次に、図438(b)を参照して、本第10制御例における変動パターンテーブル202Gdの詳細について説明する。この変動パターンテーブル202Gdは、上述した第6制御例における変動パターンテーブル202qd(図243(b)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図438(b)は、この変動パターンテーブル202Gdの構成を示したブロック図である。図438(b)に示した通り、本第10制御例における変動パターンテーブル202Gdは、通常モード(通常状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するための通常用テーブル202Gd1と、チャンスモード(時短状態)や通常ラッシュモード(確変状態A)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するための時短・確変A用テーブル202Gd2と、無敵モード(確変状態B)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するための確変B用テーブル202Gd3と、プレミアムラッシュモード(確変状態C)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するための確変C用テーブル202Gd4と、通常ラッシュモード(確変状態A)で、且つ、無敵モード(確変状態B)に昇格する可能性がある抽選回数(確変大当たり後20回、40回、および60回)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される昇格演出用テーブル202Gd5と、で少なくとも構成されている。まず、図438(c)を参照して、通常用テーブル202Gd1の詳細について説明する。
図438(c)は、通常用テーブル202Gd1の規定内容を示した図である。図438(c)に示した通り、「第1特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に対して、変動時間が7秒(7000ミリ秒)の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「140~149」の範囲に対して、変動時間が20秒(20000ミリ秒)の「ガセ外れ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「150~179」の範囲に対して、変動時間が40秒(40000ミリ秒)の「ノーマルリーチ各種」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「180~198」の範囲に対して、変動時間が80秒(80000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。また、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に対して、変動時間が40秒(40000ミリ秒)の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「30~189」の範囲に対して、変動時間が80秒(80000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「190~198」の範囲に対して、変動時間が140秒(140000ミリ秒)の「スペシャルリーチ」が対応付けて規定されている。一方、「第2特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が600秒(600000ミリ秒)の「ロング外れ」が規定されており、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が600秒(600000ミリ秒)の「ロング当たり」が対応付けて規定されている。
これらの規定内容により、通常状態においては、第1特別図柄の抽選が実行された場合よりも、第2特別図柄の抽選が実行された場合の方が極端に長い変動時間が選択されるため、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を行った場合における遊技効率を悪化させることができる。よって、左打ち遊技を行うべき遊技状態である通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。次に、図439を参照して、上述した時短・確変A用テーブル202Gd2の詳細について説明する。図439は、この時短・確変A用テーブル202Gd2の規定内容を示した図である。図439に示した通り、「第1特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が3秒(3000ミリ秒)の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~189」の範囲に対して、変動時間が10秒(10000ミリ秒)の「ガセ外れ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「190~196」の範囲に対して、変動時間が20秒(20000ミリ秒)の「ノーマルリーチ各種」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「197,198」の範囲に対して、変動時間が25秒(25000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。また、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が20秒(20000ミリ秒)の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「150~198」の範囲に対して、変動時間が25秒(25000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。
一方、「第2特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が30秒(30000ミリ秒)の「長外れ」が規定されており、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が30秒(30000ミリ秒)の「長当たり」が対応付けて規定されている。
これらの規定内容により、時短状態や確変状態Aにおいては、抽選結果によらず、第1特別図柄の抽選に基づく変動時間よりも、第2特別図柄の抽選に基づく変動時間の方が長くなる。また、本第10制御例では、時短状態や確変状態において右打ちを行った場合、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが略同時に開始されるように構成されている。即ち、普通図柄の時短状態に設定される時短状態や確変状態では、右打ち遊技を行った場合に、右第1入球口2640と第2入球口1641との両方に略同一の比率で遊技球が入球する盤面構成としているため、確変状態や時短状態では、右打ち遊技を行い続けるだけで、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球との両方を容易に増加させることができる。加えて、本第10制御例では、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選でもほぼ、大当たりと小当たりとのどちらかになる(他方の変動表示を外れ図柄に書き替える(破棄する)ことができない完全外れの抽選結果となる確率が時短状態では1/100未満となり、確変状態では0となる)構成としている。このため、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とを1以上有した状態となった後においては、少なくとも一方の保留球数が0となるまで、第1特別図柄の変動表示が開始される毎に、ほぼ、第2特別図柄の変動表示が略同時に開始される。一方の変動表示が終了したタイミングで他方の変動表示が外れ図柄で強制的に停止表示されることにより、次の変動開始タイミングが揃う(一方の小当たり遊技若しくは大当たり遊技の終了時に同時に両方の特別図柄の変動表示が開始される)ためである。従って、時短状態や確変状態においては、ほぼ毎回の特別図柄の抽選で変動時間が短い第1特別図柄の抽選結果が導出されると共に変動時間が長い第2特別図柄の抽選結果が外れ図柄に書き替えられる。
なお、本第10制御例では、時短状態において第1特別図柄の抽選で完全外れになった場合と、小当たりになった場合とで、同一の割合で各変動パターン(3秒間の短外れ、10秒間のガセ外れ、20秒間のノーマルリーチ、および25秒間のスーパーリーチ)を選択する構成としていたが、これに限られるものではなく、第1特別図柄の抽選結果が完全外れとなった場合は、第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間(例えば、40秒間)を必ず選択するように構成してもよい。このように構成することで、第1特別図柄の完全外れ変動が実行された場合にのみ、第2特別図柄の抽選結果を導出させることができるので、第1特別図柄の完全外れ変動と第2特別図柄の大当たり返納が重複した場合に、確変状態B(無敵モード)で第1特別図柄の通常大当たり変動と第2特別図柄の大当たり変動とが重複した場合と同様に、第2特別図柄の確変大当たり遊技を実行させることができ、大当たり終了後に遊技者にとって極めて有利度合いが高い確変状態C(プレミアムラッシュモード)へと移行させることができる。よって、特別図柄の低確率状態においてのみ発生し得る完全外れの抽選結果にも、低確率で確変状態Cへと移行する機会を遊技者に与えるという役割を持たせることができるので、時短状態において第1特別図柄の抽選で完全外れとなった場合に、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、この場合において、時短状態において第2特別図柄の抽選結果が完全外れとなった場合に、極めて短い変動時間(例えば、0.5秒間)が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、第1特別図柄の完全外れ変動と第2特別図柄の完全外れ変動とが重複して実行された場合に、第2特別図柄の完全外れ変動をすぐに終了させて、次の第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の完全外れ変動の残変動時間内で終了させることができる。よって、確変状態Cへと移行するチャンスである第1特別図柄の完全外れ変動が実行されたにもかかわらず、第2特別図柄の完全外れ変動によって第2特別図柄の抽選が無駄となってしまうことを抑制することができる。
次に、図440を参照して、上述した確変B用テーブル202Gd3の詳細について説明する。図440は、この確変B用テーブル202Gd3の規定内容を示した図である。図440に示した通り、この確変B用テーブル202Gd3は、上述した時短・確変A用テーブル202Gd2(図439参照)に対して、第1特別図柄の大当たり時の規定内容の一部が変更となっている点でのみ相違している。具体的には、図440に示した通り、第1特別図柄の当否判定結果が「確変大当たり」の場合は時短・確変A用テーブル202Gd2(図439参照)の規定内容と同一である一方で、第1特別図柄の当否判定結果が「通常大当たり」の場合には、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲に対して、変動時間が80秒(80000ミリ秒)のロングリーチが対応付けて規定されている。この規定内容により、この確変B用テーブル202Gd3が参照される確変状態B(無敵モード)においては、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合にのみ、第2特別図柄の変動時間(30秒)よりも長い変動時間(80秒)が設定されるので、確変状態Bにおいて第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選したとしても、第2特別図柄の小当たり又は大当たり図柄の方が先に停止表示されることにより、通常大当たり当選に基づく変動表示が破棄される(外れ図柄で停止表示される)ため、確変状態Bにおいて通常大当たり遊技が実行されることを回避することができる。即ち、確変大当たりに当選するまで継続する極めて有利な遊技状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図441(a)を参照して、上述した確変C用テーブル202Gd4の詳細について説明する。図441(a)は、この確変C用テーブル202Gd4の規定内容を示した図である。図441(a)に示した通り、「第1特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が30秒(30000ミリ秒)の「長外れ」が対応付けて規定されている。また、当否判定結果が「確変大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~65」の範囲に対して、変動時間が5秒(5000ミリ秒)の「短当たり」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「66~198」の範囲に対して、変動時間が30秒(30000ミリ秒)の「長当たり」が対応付けて規定されている。更に、当否判定結果が「通常大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が30秒(30000ミリ秒)の「長当たり」が対応付けて規定されている。一方、「第2特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~189」の範囲に対して、変動時間が10秒間(10000ミリ秒)の「ガセ外れ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「190~196」の範囲に対して、変動時間が20秒(20000ミリ秒)の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「197,198」の範囲に対して、変動時間が25秒(25000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。また、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が20秒(20000ミリ秒)の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「150~198」の範囲に対して、変動時間が25秒(25000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。
これらの規定内容により、第1特別図柄の抽選で確変大当たりとなって変動パターンとして「短当たり」が選択されない限り、第1特別図柄の変動時間よりも第2特別図柄の変動時間の方が短くなるため、確変C用テーブル202Gd4が参照される確変状態C(プレミアムラッシュモード)では、主として有利度合いが高い第2特別図柄の抽選結果が導出される遊技状態となる。第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、必ず確変大当たりとなる上に、大当たり終了後の確変状態が、確変状態Cに設定されるため、確変状態Cに移行した場合、大当たりと確変状態Cとが繰り返され易い極めて有利な状態を形成する。よって、確変状態Cへと移行した場合に、遊技者に対して大きな満足感と喜びとを抱かせることができる。なお、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選して、「短当たり」の変動パターンが選択されることにより第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行された場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Aに設定される。つまり、一旦確変状態Cに移行すると、確変状態Cでの少なくとも1回以上の大当たりと、確変状態Aに設定された後の少なくとも1回以上の大当たりとの2回の大当たりが保証されるため、遊技者に対して大きな安心感を抱かせることができる。なお、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選する確率は約1/160であり、「短当たり」の変動パターンが選択される確率は約1/3であるため、確変状態Cにおいて第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行される確率は約1/480である。このため、約1/480の確率の第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行されるよりも前に、約1/80の確率の第2特別図柄の大当たりに当選し続ける限り、確変状態Cが継続するという極めて有利な状態を形成する。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図441(b)を参照して、上述した昇格演出用テーブル202Gd5の詳細について説明する。図441(b)は、この昇格演出用テーブル202Gd5の規定内容を示した図である。図441(b)に示した通り、「第1特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が15秒(15000ミリ秒)の「特殊外れ」が規定されており、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が15秒(15000ミリ秒)の「特殊当たり」が対応付けて規定されている。一方、「第2特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が30秒(30000ミリ秒)の「長外れ」が規定されており、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が30秒(30000ミリ秒)の「長当たり」が対応付けて規定されている。これらの規定内容により、昇格演出用テーブル202Gd5が参照される確変状態Aに移行してからの特定回数目(20回目、40回目、および60回目)の第1特別図柄の抽選が実行された場合の変動時間として、第1特別図柄が抽選結果によらず15秒間に設定され、第2特別図柄が抽選結果によらず30秒間に設定される。よって、昇格チャンス演出(図429(a)参照)を実行するための演出期間を確実に15秒間確保することができる。
次に、図442(a)を参照して、本第10制御例における小当たり乱数テーブル202Geの詳細について説明する。図442(a)は、この小当たり乱数テーブル202Geの規定内容を示した図である。図442(a)に示した通り、本第10制御例における小当たり乱数テーブル202Geには、特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として、特別図柄の種別によらず、「819~65535」の範囲が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が64717個であるので、特別図柄の抽選で小当たりと判定される割合は約98.7%(64717/65536)である。大当たり確率を加味すると、確変状態では、100%の割合で小当たり若しくは大当りに当選する。これにより、確変状態Aでは、変動時間が長い第2特別図柄の変動表示を変動時間が短い第1特別図柄の変動表示の停止表示タイミングで破棄することができる。また、確変状態Bでは、第1特別図柄の抽選で通常大当たり以外の抽選結果となった場合は確変状態Aと同様であり、且つ、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合に、第2特別図柄の変動表示の停止タイミングで通常大当たりを破棄することができる。更に、確変状態Cでは、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合の1/3でのみ、第1特別図柄の変動表示の方が先に停止表示され、それ以外の場合は第2特別図柄の変動表示の方が先に停止表示されるので、高い割合で確変状態Cと第2特別図柄の大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成することができる。
次に、図442(b)を参照して、本第10制御例における変動パターンシナリオテーブル202Gjの詳細について説明する。図442(b)は、本第10制御例における変動パターンシナリオテーブル202Gjの規定内容を示した図である。図442(b)に示した通り、本第10制御例における変動パターンシナリオテーブル202Gjは、第1特別図柄の抽選回数毎に、特別図柄の抽選が実行された場合に参照される変動パターンテーブルの種別が対応付けて規定されている。より具体的には、図442(b)に示した通り、初期化後(即ち、大当たりに当選する前)の通常状態における変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数によらず、通常用テーブル202Gd1(図438(c)参照)が参照される変動パターンシナリオ(シナリオ1)が規定されている。また、図442(b)に示した通り、大当たり終了後の遊技状態が時短状態である場合における変動パターンシナリオとして、時短状態の設定契機となった大当たり種別によらず、第1特別図柄の抽選回数が50回以下の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図439参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が51回以上の範囲において通常用テーブル202Gd1(図438(b)参照)が参照される変動パターンシナリオ(シナリオ2)が規定されている。
また、図442(b)に示した通り、大当たり終了後の遊技状態が確変状態である場合における変動パターンシナリオとして、4種類の変動パターンシナリオが設けられている。即ち、大当たりA48,D48のいずれかに当選した後で設定される確変状態用の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が19回以下の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図439参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が20回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図441(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が21回以上の範囲において確変B用テーブル202Gd3(図440参照)が参照されるシナリオ(シナリオ3)が対応付けて規定されている。つまり、大当たりA48又は大当たりD48のどちらかが終了した後は、20回の第1特別図柄の抽選が終了するまで大当たりに当選しなかった場合に、有利な確変状態B(無敵モード)に設定される。また、大当たりB48,E48のいずれかに当選した後で設定される確変状態用の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が19回以下の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図439参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が20回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図441(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が21回から39回の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図439参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が40回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図441(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が41回以上の範囲において確変B用テーブル202Gd3(図440参照)が参照されるシナリオ(シナリオ4)が対応付けて規定されている。つまり、大当たりB48又は大当たりE48のどちらかが終了した後は、40回の第1特別図柄の抽選が終了するまで大当たりに当選しなかった場合に、有利な確変状態B(無敵モード)に設定される。即ち、大当たりA48やD48よりも、確変状態B(無敵モード)へと移行するまでの抽選回数が多くなる分有利度合いが低くなる。
また、大当たりC48,F48のいずれかに当選した後で設定される確変状態用の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が19回以下の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図439参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が20回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図441(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が21回から39回の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図439参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が40回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図441(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が41回から59回の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図439参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が60回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図441(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が61回以上の範囲において確変B用テーブル202Gd3(図440参照)が参照されるシナリオ(シナリオ5)が対応付けて規定されている。つまり、大当たりC48又は大当たりF48のどちらかが終了した後は、60回の第1特別図柄の抽選が終了するまで大当たりに当選しなかった場合に、有利な確変状態B(無敵モード)に設定される。即ち、大当たりA48やB48やD48やE48よりも、確変状態B(無敵モード)へと移行するまでの抽選回数が多くなる分有利度合いが低くなる。更に、大当たりH48に当選した後で設定される確変状態用の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数によらず確変C用テーブル202Gd4(図441(a)参照)が参照されるシナリオ(シナリオ5)が対応付けて規定されている。つまり、第2特別図柄の大当たりである大当たりH48が終了した後は、確変状態Cに設定されることにより、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選し、更に1/3の割合の5秒間の変動時間が選択されない限り、確変状態Cと第2特別図柄の大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成する。よって、第2特別図柄の大当たり遊技が実行された場合に、遊技者に対して大きな喜びを与えることができる。
次に、図436を参照して、本第10制御例における主制御装置110のRAM203の詳細について説明する。図436は、本第10制御例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図436に示した通り、本第10制御例におけるRAM203は、上述した第6制御例におけるRAM203の構成(図241参照)に対して、特図1抽選カウンタ203Gaと、シナリオ格納エリア203Gbと、確変フラグ203Gcと、確変設定フラグ203Gdと、確変通過カウンタ203Geと、入賞個数カウンタ203Gfと、動作カウンタ203Ggと、残球タイマフラグ203Giと、残球タイマ203Gjと、確変有効フラグ203Gkと、確変有効タイマ203Gmと、排出個数カウンタ203Gnと、が追加されている点で相違している。また、時短カウンタ203hに代えて、特図1時短カウンタ203h1、特図2時短カウンタ203h2がそれぞれ設けられている点でも相違している。この特図1時短カウンタ203h1、および特図2時短カウンタ203h2は、本第10制御例では第1特別図柄の時短回数と第2特別図柄の時短回数とを別々で設定していることに伴って、時短カウンタ203h1を第1特別図柄用のカウンタと第2特別図柄用のカウンタとに分けたに過ぎないため、ここではその詳細な説明については省略する。更に、小当たり種別格納エリア203fa、V通過大当たり種別格納エリア203fd、Vフラグ203fe、V通過フラグ203ff、時短リミット回数カウンタ203ja、特図1変動停止フラグ203ke、特図抽選カウンタ203qaが削除されている点でも相違している。これらの構成の削除は、第6制御例において採用していた、小当たり遊技においてV入賞を検出した場合に大当たりに当選する仕様(2種当たりの仕様)を本第10制御例では搭載していないことに基づく削除である。
特図1抽選カウンタ203Gaは、大当たり終了後(またはパチンコ機10の初期化(リセット)後)における第1特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタである。この特図1抽選カウンタ203Gaは、初期値が0に設定されており、第1特別図柄の抽選が実行される毎に値が1ずつ加算して更新される(図447のY601G参照)。特別図柄の抽選結果に応じて変動パターンを選択する際は、この特図1抽選カウンタ203Gaの値に基づいて大当たり(または初期化後)の第1特別図柄の抽選回数が判別されて、設定されている変動パターンシナリオから対応する変動パターンテーブルが特定される。シナリオ格納エリア203Gbは、現在設定されている変動パターンシナリオを示すデータが格納される記憶領域である。このシナリオ格納エリア203Gbは、初期値がシナリオ1(初期化後の通常状態に対応するシナリオ)を示す「00H」に設定されており、大当たり終了時に、シナリオ2(大当たり終了後の時短状態に対応するシナリオ)を示す「01H」、シナリオ3(大当たりA48,D48の終了後の確変状態に対応するシナリオ)を示す「02H」シナリオ4(大当たりB48,E48の終了後の確変状態に対応するシナリオ)を示す「03H」、シナリオ5(大当たりC48,F48の終了後の確変状態に対応するシナリオ)を示す「04H」、シナリオ6(大当たりH48の終了後の確変状態に対応するシナリオ)を示す「05H」のいずれかのデータに上書きされる(図458のY2706G参照)。特別図柄の抽選を実行する際は、このシナリオ格納エリア203Gbが示すデータに対応するシナリオと、第1特別図柄の抽選回数(特図1抽選カウンタ203Gaの値)とに対応する変動パターンテーブルを参照して、変動パターンを選択する。
確変フラグ203Gcは、現在の遊技状態が確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグである。この確変フラグ203Gcがオンであれば、遊技状態が確変状態であることを示し、オフである場合は、特別図柄の低確率状態(通常状態、または時短状態)であることを示している。本第10制御例では、大当たり遊技の終了時に後述する確変設定フラグ203Gdがオンに設定されている場合に確変フラグ203Gcがオンに設定される(図458のY2702G参照)。一方、大当たり遊技の開始時にオフに設定される(図448のY702G、図454のY912G参照)。なお、初期化された状態では、オフに設定され、通常の電源断が発生した場合には、電源断直前の状態がバックアップされるように構成されている。確変設定フラグ203Gdは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本第10制御例では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか否かにより決定される。ここで、この確変スイッチ65e3に遊技球が通過すると確変設定フラグ203Gdがオンに設定される(図459のY2212G)。一方、この確変設定フラグ203Gdは、大当たり終了時にオフに設定される(図458のY2705G参照)。なお、この確変設定フラグ203Gdは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。なお、電源投入時に確変設定フラグ203Gdがオンに設定されている場合には、確変スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203Gdを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203Geが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203Gdのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203Geは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本第10制御例では、大当たり遊技の1ラウンド目)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203Geと後述する排出個数カウンタ203Gnとの合計により第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203Geは、確変スイッチ65e3を通過した場合に値が1ずつ加算されて更新される(図459のY2211G)。また、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図460のY2311G)。なお、この確変通過カウンタ203Geは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。入賞個数カウンタ203Gfは、大当たり遊技における1つのラウンドで第1可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数(即ち、第1可変入賞装置65に入球した遊技球の数)をカウントするためのカウンタである。この入賞個数カウンタ203Gfは、特定入賞口65aへの遊技球の入球を検出する毎に、値が1ずつ加算されて更新される(図459のY2203G)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203Gfの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203Gnと確変通過カウンタ203Geとの合計値)とが一致しているか判別(図460のY2307G)された後に、初期値である「0」にリセットされる(図460のY2311G参照)。なお、この入賞個数カウンタ203Gfの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203Ggは、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本第10制御例では、大当たりの1ラウンド目が開始されたことに基づいて流路ソレノイド65kが5秒間オンに設定される。これに伴い、動作カウンタ203Ggには、5秒に対応するカウンタ値が設定される。一方、主制御装置110のMPU201の実行する入賞処理(図459)のY2209Gの処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203Ggの値が0と判別されたこと(図459のY2214G:Yes)に基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203Ggは、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203Ggを設定して流路ソレノイド65kを制御することで、確変スイッチ65e3への入賞を大当たり種別により制御できる。残球タイマフラグ203Giは、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203Giがオンに設定されていると、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203Giがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203Gjが1ずつ加算されて更新される(図460のY2305G参照)。残球タイマ203Gjは、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、第1可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203Gjは、予め設定されている1のラウンドが終了して第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本第10制御例では、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本第10制御例では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203Gjの上限値として設定されている。この残球タイマ203Gjの上限値(本第10制御例では、3秒)となったことに基づいて、第1可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図460のY2307G)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、第1可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。よって、不正に第1可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、1ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、実際よりも早く切替部材65hまで遊技球を到達させて、通常大当たり(大当たりG48)であっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203Gdをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。確変有効フラグ203Gkは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203Gkがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出口65e2に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変有効フラグ203Gdがオンである期間は、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203Gmは、上述した確変有効フラグ203Gkがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203Gmにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別(計測)することができる。本第10制御例では、特別排出口65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203Gmの上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。これにより、切替部材65hが特別排出口65e2に誘導しない状態で、不正に特別排出口65e2に入球させて確変スイッチ65e3に遊技球を通過させたり、確変スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサーを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。排出個数カウンタ203Gnは、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203Gnは、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図460のY2311G)。
<第10制御例における主制御装置の制御処理について>
次いで、図443から図460を参照して、第10制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。まず、図443を参照して、本第10制御例における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理(Y111G)について説明する。この特別図柄変動処理(Y111G)は、上述した第6制御例における特別図柄変動処理(図247参照)に代えて実行される処理であり、第6制御例における特別図柄変動処理(図247参照)に対して、主として、一方の特別図柄の変動表示中に他方の特別図柄が大当たりまたは小当たり図柄で停止表示された場合に、変動表示中の一方の特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させる仕様に変更されたことに伴う変更が反映されたものである。図443は、この特別図柄変動処理(Y111G)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理(Y111G)のうち、Y231、Y234、Y238、Y252、Y253、Y256およびY257の各処理では、それぞれ第6制御例における特別図柄変動処理(図247参照)の、Y231、Y234、Y238、Y252、Y253、Y256およびY257の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の特別図柄変動処理(Y111G)では、Y234の処理において、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y234:No)、第6制御例における第1特別図柄変動開始処理(図248参照)に代えて第1特別図柄変動開始処理を実行し(Y201G)、処理をY238へと移行する。この第1特別図柄変動開始処理(Y201G)の詳細については、図444を参照して後述する。
一方、Y234の処理において、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値であると判別した場合には(Y234:Yes)、Y252およびY253の処理を実行し、次いで、上述した第6制御例における第1特別図柄変動停止処理(図253参照)に代えて第1特別図柄変動停止処理を実行し(Y202G)、処理をY238へと移行する。この第1特別図柄変動停止処理(Y202G)の詳細については、図448を参照して後述する。また、本第10制御例における特別図柄変動処理(図443参照)では、Y238の処理において、特図2変動時間タイマ203kbは0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y238:No)、上述した第6制御例における第2特別図柄変動開始処理(図255参照)に代えて第2特別図柄変動開始処理を実行し(Y203G)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理(Y203G)の詳細については、図450を参照して後述する。一方、Y238の処理において、特図2変動時間タイマ203kbが0より大きい値であると判別した場合には(Y238:Yes)、Y256およびY257の処理を実行し、上述した第6制御例における第2特別図柄変動停止処理(図259参照)に代えて第2特別図柄変動停止処理を実行し(Y204G)、本処理を終了する。第2特別図柄変動停止処理(Y204G)の詳細については、図454を参照して後述する。次いで、図444を参照して、上述した本第10制御例における特別図柄変動処理(図443)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(Y201G)について説明する。この第1特別図柄変動開始処理(Y201G)は、上述した第6制御例における第1特別図柄変動開始処理(図248参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄変動開始処理(図248参照)と同様に、第1特別図柄の抽選を実行すると共に、抽選結果に応じた変動表示を開始させるための処理である。図444は、この第1特別図柄変動開始処理(Y201G)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄変動開始処理(Y201G)のうち、Y302~Y306の各処理では、それぞれ第6制御例における第1特別図柄変動開始処理(図248参照)のY302~Y306の各処理と同一の処理が実行される。また、本第10制御例における第1特別図柄変動開始処理(図444参照)では、Y306の処理を実行した後、第6制御例における第1特別図柄判定処理(図249参照)に代えて、第1特別図柄判定処理を実行し(Y301G)、第6制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理(図251参照)に代えて第1特別図柄変動パターン選択処理を実行し(Y302G)、次いで、第6制御例(および第4制御例)における遊技状態更新処理(図187参照)に代えて特図1遊技状態更新処理を実行し(Y303G)、本処理を終了する。第1特別図柄判定処理(Y301G)、第1特別図柄変動パターン選択処理(Y302G)、および特図1遊技状態更新処理(Y303G)の詳細については、それぞれ図445、図446、および図447を参照して後述する。次いで、図445を参照して、上述した本第10制御例における第1特別図柄変動開始処理(図444参照)の一処理である第1特別図柄判定処理(Y301G)について説明する。この第1特別図柄判定処理(Y301G)は、上述した第6制御例における第1特別図柄判定処理(図249参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄判定処理(図249参照)と同様に、第1特別図柄の大当たり判定を実行するための処理である。図445は、この第1特別図柄判定処理(Y301G)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄判定処理(Y301G)のうち、Y8001~Y8006およびY8011の各処理では、それぞれ第6制御例における第1特別図柄判定処理(図249参照)のY8001~Y8006およびY8011の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第1特別図柄判定処理(Y301G)では、Y8003において、抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(Y8003:No)、小当たり乱数テーブル202Geに基づいて抽選結果を取得し(Y8001G)、抽選結果が小当たり当選であるか否かを判別する(Y8002G)。抽選結果が小当たり当選ではないと判別した場合には(Y8002G:No)、本処理を終了する。一方、Y8002Gの処理において、抽選結果が小当たり当選であると判別した場合には(Y8002G:Yes)、今回小当たりに当選した特別図柄に対応する小当たりフラグをオンに設定し(Y8003G)、本処理を終了する。なお、これらの第1特別図柄判定処理(図249参照)に対する変形は、主として、本第10制御例では、時短図柄当選の抽選結果が設けられていないことに対応する変形である。次いで、図446を参照して、本第10制御例における第1特別図柄変動開始処理(図444参照)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(Y302G)について説明する。この第1特別図柄変動パターン選択処理(Y302G)は、上述した第6制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理(図251参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄変動パターン選択処理(図251参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果に応じた第1特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択するための処理である。図446は、この第1特別図柄変動パターン選択処理(Y302G)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄変動パターン選択処理(Y302G)のうち、Y501~Y503、Y505~Y508およびY512の各処理では、それぞれ第6制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理(図251参照)のY501~Y503、Y505~Y508およびY512の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第1特別図柄変動パターン選択処理(Y302G)では、Y503の処理を実行した後、シナリオ格納エリア203Gbのデータと現在の特図1抽選カウンタ203Gaの値とに対応する変動パターン選択テーブルを特定し(Y501G)、処理をY512へと移行する。この第1特別図柄変動パターン選択処理(Y302G)により、設定されている変動パターンシナリオ、および第1特別図柄の抽選回数に応じた変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを決定することができるので、第1特別図柄の確変大当たり後における確変状態においては、前回の大当たり種別に応じて、異なる抽選回数で確変状態Aから確変状態Bへと移行する遊技性を実現することができる。また、第2特別図柄の確変大当たり後における確変状態においては、基本的に、第1特別図柄の変動時間を第2特別図柄の変動時間よりも長くすることができるので、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選結果が導出され易い遊技性を実現することができる。次いで、図447を参照して、本第10制御例における第1特別図柄変動開始処理(図444参照)の一処理である特図1遊技状態更新処理(Y303G)について説明する。この特図1遊技状態更新処理(Y303G)は、上述した第6制御例(および第4制御例)における遊技状態更新処理(図187参照)に代えて実行される処理であり、遊技状態更新処理(図187参照)と同様に、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタの値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。図447は、この特図1遊技状態更新処理(Y303G)の内容を示したフローチャートである。
この特図1遊技状態更新処理(Y303G)では、まず、特図1抽選カウンタ203Gaの値に1を加算し(Y601G)、次いで、特図1時短カウンタ203h1の値が0より大きい値か否かを判別する(Y602G)。S602Gの処理において、特図1時短カウンタ203h1の値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合は(Y602G:No)、現在の遊技状態が時短状態以外の遊技状態である(通常状態、若しくは確変状態である)ことを意味し、次に大当たりに当選するまで遊技状態が変更されることがないため、そのまま本処理を終了する。一方、Y602Gの処理において、特図1時短カウンタ203h1の値が0より大きい値であると判別した場合には(Y602G:Yes)、特図1時短カウンタ203h1の値を1減算し(Y603G)、特図1時短カウンタ203h1の値を示す残時短回数コマンドを設定し(Y604G)、次いで、減算後の特図1時短カウンタ203h1の値が0である否かを判別する(Y605G)。Y605Gの処理において、特図1時短カウンタ203h1の値が0ではないと判別した場合には(Y605G:No)、時短状態の終了タイミングではないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、Y605Gの処理において、減算後の特図1時短カウンタ203h1の値が0であると判別した場合には(Y605G:Yes)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(Y605)、本処理を終了する。この特図1遊技状態更新処理(図447参照)を実行することにより、第1特別図柄の抽選回数に通常状態への移行有無を判定することができる。次いで、図448を参照して、本第10制御例における特別図柄変動処理(図443)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(Y202G)について説明する。この第1特別図柄変動停止処理(Y202G)は、上述した第6制御例における第1特別図柄変動停止処理(図253参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄変動停止処理(図253参照)と同様に、第1特別図柄の変動時間が経過した場合に第1特別図柄の停止表示を設定するための処理である。図448は、この第1特別図柄変動停止処理(Y202G)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄変動停止処理(Y202G)のうち、Y701、Y704~Y707、Y721およびY723~Y727の各処理では、それぞれ第6制御例における第1特別図柄変動停止処理(図253参照)のY701、Y704~Y707、Y721およびY723~Y727の各処理と同一の処理が実行される。また、本第10制御例の第1特別図柄変動停止処理(Y202G)では、Y721の処理において、第1特別図柄の大当たりフラグ203qbがオンであるか否かを判別し(Y721)、第1特別図柄の大当たりフラグ203qbがオンではないと判別した場合には(Y721:No)、今回の第1特別図柄の抽選結果が大当たりではないことを意味するため第6制御例における特図1外れ停止処理(図254参照)に代えて、特図1外れ停止処理を実行し(Y701G)、本処理を終了する。なお、特図1外れ停止処理(Y701G)の詳細については、図449を参照して後述する。また、本第10制御例における第1特別図柄変動停止処理(図448参照)では、Y704の処理を実行した後、時短カウンタ(特図1時短カウンタ203h1と特図2時短カウンタ203h2との両方)、および確変フラグ203Gcを初期値にリセットし(Y702G)、処理をY705へと移行する。次いで、図449を参照して、上述した本第10制御例における第1特別図柄変動停止処理(図448)の一処理である特図1外れ停止処理(Y701G)について説明する。この特図1外れ停止処理(Y701G)は、上述した第6制御例における特図1外れ停止処理(図254参照)に代えて実行される処理であり、特図1外れ停止処理(図254参照)と同様に、第1特別図柄の外れ(小当たり又は完全外れ)時における停止表示を設定するための処理である。図449は、この特図1外れ停止処理(Y701G)の内容を示したフローチャートである。
この特図1外れ停止処理(Y701G)のうち、Y751およびY753~Y761の各処理では、それぞれ第6制御例における特図1外れ停止処理(図254参照)のY751およびY753~Y761の各処理と同一の処理が実行される。また、本第10制御例の特図1外れ停止処理(Y701G)では、Y751の処理において、特図1小当たりフラグ203qcがオンであると判別した場合には(Y751:Yes)、特図2変動時間タイマ203kbの値が0より大きい値であるか否かを判別し(Y751G)、特図2変動時間タイマ203kbの値が0より大きい値であると判別した場合には(Y751G:Yes)、次いで、特図2変動停止フラグ203kfをオンに設定し(Y752G)、特図2の変動停止を示す特図2変動停止コマンドを設定し(Y753G)、処理をY753へと移行する。一方、Y751Gの処理において、特図2変動時間タイマ203kbの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y751G:No)、Y752G、Y753GおよびY753の処理をスキップし、処理をY754へと移行する。この特図1外れ停止処理(図449参照)を実行することにより、第1特別図柄の小当たりの停止表示タイミングで第2特別図柄の変動表示が実行中である場合に、第2特別図柄の変動表示を抽選結果によらず完全外れに対応する停止図柄で強制停止させる(第2特別図柄の変動表示を破棄する)ことができる。よって、基本的に第1特別図柄の変動時間の方が第2特別図柄の変動時間よりも短くなる確変状態Aや確変状態Bにおいて、主として第1特別図柄の抽選結果が導出される遊技性を実現することができる。
次いで、図450を参照して、本第10制御例における特別図柄変動処理(図443)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(Y203G)について説明する。この第2特別図柄変動開始処理(Y203G)は、上述した第6制御例における第2特別図柄変動開始処理(図255参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄変動開始処理(図255参照)と同様に、第2特別図柄の抽選を実行すると共に、抽選結果に応じた変動表示を開始させるための処理である。図450は、この第2特別図柄変動開始処理(Y203G)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動開始処理(Y203G)のうち、Y832~Y836、Y851およびY852の各処理では、それぞれ第6制御例における第2特別図柄変動開始処理(図255参照)のY832~Y836、Y851およびY852の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第2特別図柄変動開始処理(Y203G)では、Y836の処理を実行した後、第6制御例における第2特別図柄判定処理(図256参照)に代えて、第2特別図柄判定処理を実行し(Y801G)、第6制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理(図258参照)に代えて第2特別図柄変動パターン選択処理を実行し(Y802G)、次いで、第6制御例(および第4制御例)における遊技状態更新処理(図187参照)に代えて特図2遊技状態更新処理を実行し(Y803G)、本処理を終了する。第2特別図柄判定処理(Y801G)、第2特別図柄変動パターン選択処理(Y802G)、特図2遊技状態更新処理(Y803G)の詳細については、図451、図452、および図453を参照して後述する。
次いで、図451を参照して、上述した本第10制御例における第2特別図柄変動開始処理(図450)の一処理である第2特別図柄判定処理(Y801G)について説明する。この第2特別図柄判定処理(Y801G)は、上述した第6制御例における第2特別図柄判定処理(図256参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄判定処理(図256参照)と同様に、第2特別図柄の大当たり判定を実行するための処理である。図451は、この第2特別図柄判定処理(Y801G)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄判定処理(Y801G)のうち、Y8101~Y8106およびY8111の各処理では、それぞれ第6制御例における第2特別図柄判定処理(図256参照)のY8101~Y8106およびY8111の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第2特別図柄判定処理(Y801G)では、Y8103の処理において、抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(Y8103:No)、小当たり乱数テーブル202Geに基づいて抽選結果を取得し(Y8101G)、抽選結果が小当たり当選であるか否かを判別し(Y8102G)、抽選結果が小当たり当選ではないと判別した場合には(Y8102G:No)、本処理を終了する。一方、抽選結果が小当たり当選であると判別した場合には(Y8102G:Yes)、今回小当たりに当選した特別図柄に対応する小当たりフラグをオンに設定し(Y8103G)、本処理を終了する。なお、これらの第2特別図柄判定処理(図256参照)に対する変形は、主として、本第10制御例では、時短図柄当選の抽選結果が設けられていないことに対応する変形である。
次いで、図452を参照して、本第10制御例における第2特別図柄変動開始処理(図450)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(Y802G)について説明する。この第2特別図柄変動パターン選択処理(Y802G)は、上述した第6制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理(図258参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄変動パターン選択処理(図258参照)と同様に、第2特別図柄の抽選結果に応じた第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択するための処理である。図452は、この第2特別図柄変動パターン選択処理(Y802G)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動パターン選択処理(Y802G)のうち、Y921~Y923、Y925~Y928およびY932の各処理では、それぞれ第6制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理(図258参照)のY921~Y923、Y925~Y928およびY932の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第2特別図柄変動パターン選択処理(Y802G)では、Y923の処理を実行した後、シナリオ格納エリア203Gbのデータと現在の特図1抽選カウンタ203Gaの値とに対応する変動パターン選択テーブルを特定し(Y901G)、処理をY932へと移行する。
この第2特別図柄変動パターン選択処理(Y802G)により、設定されている変動パターンシナリオ、および第1特別図柄の抽選回数に応じた変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを決定することができるので、通常状態においては、右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させた場合の遊技効率を悪化させる(第2特別図柄の変動時間を極端に長くする)ことで通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。また、第1特別図柄の確変大当たり後における確変状態においては、基本的に、第2特別図柄の変動時間を第1特別図柄の変動時間よりも長くすることができるので、第1特別図柄の抽選結果が導出され易い遊技性を実現することができる。更に、第2特別図柄の確変大当たり後における確変状態においては、有利度合いが高い第2特別図柄の変動時間を、有利度合いが低い第1特別図柄の変動時間よりも短くなり易く構成することができるので、一旦第2特別図柄の大当たりに当選すると、有利度合いが高い確変状態Cと第2特別図柄の大当たりとが繰り返され易い遊技性を実現することができる。次いで、図453を参照して、本第10制御例における第2特別図柄変動開始処理(図450参照)の一処理である特図2遊技状態更新処理(Y803G)について説明する。この特図2遊技状態更新処理(Y803G)は、上述した第6制御例(および第4制御例)における遊技状態更新処理(図187参照)に代えて実行される処理であり、遊技状態更新処理(図187参照)と同様に、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタの値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。図453は、この特図2遊技状態更新処理(Y803G)の内容を示したフローチャートである。
この特図2遊技状態更新処理(Y803G)では、まず、特図2時短カウンタ203h2の値が0より大きい値であるか否かを判別し(Y851G)、特図2時短カウンタ203h2の値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y851G:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y851Gの処理において、特図2時短カウンタ203h2の値が0より大きい値であると判別した場合には(Y851G:Yes)、特図2時短カウンタ203h2の値を1減算し(Y852G)、特図2時短カウンタ203h2の値を示す残時短回数コマンドを設定する(Y853G)。次いで、特図2時短カウンタ203h2の値が0であるか否かを判別し(Y854G)、特図2時短カウンタ203h2の値が0ではないと判別した場合には(Y854G:No)、本処理を終了する。一方、Y854Gの処理において、特図2時短カウンタ203h2の値が0であると判別した場合には(Y854G:Yes)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(Y855G)、本処理を終了する。この特図2遊技状態更新処理(図453参照)、および上述した特図1遊技状態更新処理(図447参照)によって特図1時短カウンタ203h1、および特図2時短カウンタ203h2を別個に更新することにより、一方の特別図柄の抽選に偏って実行されたとしても、偏って実行された特別図柄の抽選回数が50回となった時点で時短状態を終了させることができるので、時短状態において一方の特別図柄の抽選が極端に多く実行されることを抑制することができる。次いで、図454を参照して、本第10制御例における特別図柄変動処理(図443)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(Y204G)について説明する。この第2特別図柄変動停止処理(Y204G)は、上述した第6制御例における第2特別図柄変動停止処理(図259参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄変動停止処理(図259参照)と同様に、第2特別図柄の変動時間が経過した場合に第1特別図柄の停止表示を設定するための処理である。図454は、この第2特別図柄変動停止処理(Y204G)の内容を示したフローチャートである。
この第2特別図柄変動停止処理(Y204G)のうち、Y901、Y906~Y909、およびY921~Y925の各処理では、それぞれ第6制御例における第2特別図柄変動停止処理(図259参照)のY901、Y906~Y909、およびY921~Y925の各処理と同一の処理が実行される。また、本第10制御例における第2特別図柄変動停止処理(Y204G)では、Y921の処理において、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y921:No)、第6制御例における特図2外れ停止処理(図261参照)に代えて特図2外れ停止処理を実行し(Y911G)、そのまま本処理を終了する。なお、特図2外れ停止処理(Y911G)の詳細については、図455を参照して後述する。また、Y906の処理を実行した後、時短カウンタ(特図1時短カウンタ203h1,特図2時短カウンタ203h2)および確変フラグ203Gcをリセットし(Y912G)、処理をY907へと移行する。次いで、図455を参照して、本第10制御例における第2特別図柄変動停止処理(図454)の一処理である特図2外れ停止処理(Y911G)について説明する。この特図2外れ停止処理(Y911G)は、上述した第6制御例における特図2外れ停止処理(図261参照)に代えて実行される処理であり、特図2外れ停止処理(図261参照)と同様に、第2特別図柄の外れ(小当たり又は完全外れ)時における停止表示を設定するための処理である。図455は、この特図2外れ停止処理(Y901G)の内容を示したフローチャートである。
この特図2外れ停止処理(Y911G)のうち、Y951およびY953~Y961の各処理では、それぞれ第6制御例における特図2外れ停止処理(図261参照)のY951およびY953~Y961の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の特図2外れ停止処理(Y911G)では、Y951の処理において、特図2小当たりフラグ203qdがオンであると判別した場合には(Y951:Yes)、特図1変動時間タイマ203kaの値が0より大きい値であるか否かを判別し(Y951G)、特図1変動時間タイマ203kaの値が0より大きい値であると判別した場合には(Y951G:Yes)、次いで、特図1の変動停止を示す特図1変動停止コマンドを設定し(Y952G)、処理をY953へと移行する。一方、Y951Gの処理において、特図1変動時間タイマ203kaの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y951G:No)、Y952GおよびY953の処理をスキップし、処理をY954へと移行する。これらに対し、Y951の処理において、特図2個当たりフラグ203qdがオフであると判別した場合には(Y951:No)、特図2確定コマンドをセットし(Y960)、第1特別図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示させ(Y961)、本処理を終了する。この特図2外れ停止処理(図455参照)を実行することにより、第2特別図柄の小当たりの停止表示タイミングで第1特別図柄の変動表示が実行中である場合に、第1特別図柄の変動表示を抽選結果によらず完全外れに対応する停止図柄で強制停止させる(第1特別図柄の変動表示を破棄する)ことができる。よって、確変状態Bにおいて第1特別図柄の抽選で通常大当たりとなった場合に,当該通常大当たり変動を、先に停止表示される第2特別図柄の小当たり若しくは大当たり図柄によって破棄することができ、確変状態Bを、実質的に第1特別図柄の確変大当たりまで継続する有利な遊技状態として構成することができる。また、基本的に第2特別図柄の変動時間の方が第1特別図柄の変動時間よりも短くなる確変状態Cにおいて、主として第2特別図柄の抽選結果が導出される遊技性を実現することができる。
次に、図456を参照して、メイン処理において実行される大当たり制御処理(Y1004G)の内容について説明をする。図456は大当たり制御処理(Y1004G)の内容を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(Y1004G)のうち、Y11601、Y11602、Y11604、Y11605およびY11610~Y11612の各処理では、それぞれ第6制御例(第4制御例)における大当たり制御処理(図201参照)のY11601、Y11602、Y11604、Y11605およびY11610~Y11612の各処理と同一の処理が実行される。また、本第10制御例における大当たり制御処理(Y1004G)では、Y11602の処理を実行した後、大当たり開始フラグ203jをオフに、大当たり中フラグ203kをオンにそれぞれ設定し(Y1901G)、そのまま本処理を終了する。また、Y11605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(Y11605:Yes)、新たなラウンドにおける開閉動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行し(Y1902G)、本処理を終了する。なお、大当たり動作設定処理(Y1902G)の詳細については、図457を参照して後述する。一方、Y11605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合には(Y11605:No)、次いで、開放動作のタイミングであるかを判別し(Y1903G)、開放動作のタイミングであると判別した場合には(Y1903G:Yes)、開放ソレノイドをオンに設定し(Y1904G)、確変ソレノイドをオンに設定し(Y1905G)、本処理を終了する。一方、Y1903Gの処理において、開放動作のタイミングではないと判別した場合には(Y1903G:No)、処理をY11610へと移行する。
また、Y11612の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合には(Y11612:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(Y1906G)、本処理を終了する。なお、大当たり終了処理(Y1906G)の詳細については、図458を参照して後述する。一方、Y11612の処理において、大当たりの終了タイミングではないと判別した場合には(Y11612:No)、第1可変入賞装置65への入賞に基づく制御を行うための入賞処理を実行し(Y1907G)、次いで、第1可変入賞装置65に対する異常入賞の有無を判定するための異常処理を実行し(Y1908G)、本処理を終了する。なお、入賞処理(Y1907G)および異常処理(Y1908G)の詳細については、図459、図460を参照して後述する。次いで、図457を参照して、本第10制御例における大当たり制御処理(図456)の一処理である大当たり動作設定処理(Y1902G)について説明する。図457は、この大当たり動作設定処理(Y1902G)の内容を示したフローチャートである。この大当たり動作設定処理(Y1902G)では、まず、ラウンド数に対応した開放動作を読み込む(Y1931G)。具体的には、確変ソレノイドの動作として、1ラウンド目の開始を契機として5秒間オン(特別排出口65e2を開放する位置)に可変される、5秒経過時にオフに可変され、その後の各ラウンドではオフ状態に維持される動作が読み込まれる。また、開閉扉65f1の動作として、確変大当たりの1ラウンド目では、ラウンドの開始を契機として、4.5秒が経過するか、10個以上の遊技球の入球を検出するまで開放される開閉動作が読み込まれ、他のラウンドではラウンドの開始を契機として30秒が経過するか10個以上の遊技球の入球を検出するまで開放される開閉動作が読み込まれる。また、通常大当たりの1ラウンド目では、ラウンドの開始から5秒経過時点を契機として、4.5秒が経過するか、10個以上の遊技球の入球を検出するまで開放される開閉動作が読み込まれ、他のラウンドではラウンドの開始を契機として30秒が経過するか10個以上の遊技球の入球を検出するまで開放される開閉動作が読み込まれる。
Y1931Gの処理が終了すると、次いで、Y1931Gの処理で読み込んだ確変ソレノイドの開放動作を設定すると共に(Y1932G)、Y1931Gの処理で読み込んだ第1特定入賞口(大開放口)65aの開放動作を設定し(Y1933G)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理(図457参照)を実行することにより、大当たり種別およびラウンド数に応じた動作を好適に設定することができる。次いで、図458を参照して、本第10制御例における大当たり制御処理(図456)の一処理である大当たり終了処理(Y1906G)について説明する。この大当たり終了処理(Y1906G)は、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。図458は、この大当たり終了処理(Y1906G)の内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理(Y1906G)では、まず、確変設定フラグ203Gdがオンであるか否かを判別し(Y2701G)、確変設定フラグ203Gdがオンであると判別した場合には(Y2701G:Yes)、今回の大当たり遊技のVラウンド(1ラウンド目)において遊技球が確変スイッチ65e3を通過していたことを意味するため、大当たり終了後の遊技状態を確変状態に設定するために確変フラグ203Gcをオンに設定し(Y2702G)、処理をY2704Gへと移行する。一方、Y2701Gの処理において、確変設定フラグ203Gdがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y2701G:No)、今回の大当たり遊技のVラウンド(1ラウンド目)において遊技球が確変スイッチ65e3を通過していなかったことを意味するため、大当たり終了後の遊技状態を時短回数が50回の時短状態に設定するために、特図1時短カウンタ203h1の値と特図2時短カウンタ203h2の値とにそれぞれ50を設定し(Y2703G)、処理をY2704Gへと移行する。
Y2704Gでは、確変フラグ203Gcおよび時短カウンタ(特図1時短カウンタ203h1、および特図2時短カウンタ203h2)の値に基づいて状態コマンドを設定し(Y2704G)、次いで、大当たり中フラグ203kおよび確変設定フラグ203Gdをオフに設定することで大当たり遊技の終了を設定する(Y2705G)。次いで、変動パターンシナリオテーブル202Gj(図442(b)参照)から今回の大当たり種別と設定した遊技状態とに応じた変動パターンシナリオを特定し(Y2706G)、特定したシナリオを示すデータ(01H~05Hのいずれか)をシナリオ格納エリア203Gbに格納し(Y2707G)、本処理を終了する。この大当たり終了処理(図458参照)を実行することにより、大当たり遊技中の確変スイッチ65e3に対する通過の有無に応じて大当たり終了後の遊技状態を好適に設定することができると共に、大当たり終了後に参照する変動パターンシナリオを好適に設定することができる。次いで、図459を参照して、本第10制御例における大当たり制御処理(図456)の一処理である入賞処理(Y1907G)について説明する。この入賞処理(Y1907G)は、上述した通り、第1特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。図459は、この入賞処理(Y1907G)の内容を示したフローチャートである。この入賞処理(Y1907G)では、まず、ラウンド有効期間であるかを判別し(Y2201G)、ラウンド有効期間ではないと判別した場合には(Y2201G:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間であると判別した場合には(Y2201G:Yes)、第1特定入賞口65aへの遊技球の入賞を検出したか否かを判別し(Y2202G)、第1特定入賞口65aへの入賞を検出したと判別した場合には(Y2202G:Yes)、入賞個数カウンタ203Gfを1加算し(Y2203G)、処理をY2204Gへと移行する。一方、Y2202Gの処理において、第1定入賞口65aへの入賞を検出していないと判別した場合には(Y2202G:No)、Y2203Gの処理をスキップし、処理をY2204Gへと移行する。
Y2204Gの処理では、入賞個数カウンタ203Gfの値が10以上の値である(即ち、第1特定入賞口65aに対する入球個数が10個以上となった)か否かを判別し(Y2204G)、入賞個数カウンタ203Gfの値が10以上の値ではない(第1特定入賞口65aに対する入球個数が10個未満である)と判別した場合には(Y2204G:No)、ラウンド時間が経過したかを判別し(Y2205G)、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(Y2205G:No)、処理をY2208へと移行する。一方、Y2204Gの処理において、入賞個数カウンタ203Gfの値が10以上の値である(第1特定入賞口65aに対する入球個数が10個以上になった)と判別した場合(Y2204G:Yes)、或いは、Y2205Gの処理において、ラウンド時間が経過したと判別した場合には(Y2205G:Yes)、第1特定入賞口65aを開閉する開閉扉65f1の閉鎖を設定し(Y2206G)、残球タイマフラグ203Giをオンに設定して(Y2207G)、処理をY2208Gへと移行する。Y2208Gの処理では、動作カウンタ203Ggの値が0より大きい値であるか否かを判別し(Y2208G)、動作カウンタ203Ggの値が0より大きい値であると判別した場合には(Y2208G:Yes)、動作カウンタ203Ggの値を1減算し(Y2209G)、次いで、遊技球が確変スイッチ65e3を通過したか否かを判別する(Y2210G)。Y2210Gの処理において、確変スイッチ65e3を通過したと判別した場合には(Y2210G:Yes)、確変通過カウンタ203Geの値に1を加算して更新し(Y2211G)、確変設定フラグ203Gdをオンに設定することで、確変スイッチ65e3の通過に基づいて大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定されるように制御する(Y2212G)。次いで、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したこと(V入賞が発生したこと)を示すV入賞コマンドを設定し(Y2213G)、処理をY2214Gへと移行する。一方、Y2210Gの処理において、確変スイッチ65e3を通過していないと判別した場合には(Y2210G:No)、Y2211G~Y2213Gの処理をスキップし、処理をY2214Gへと移行する。
Y2214Gの処理では、動作カウンタ203Ggの値が0であるかを判別し(Y2214G)、動作カウンタ203Ggの値が0ではないと判別した場合には(Y2214G:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y2214の処理において、動作カウンタ203Ggの値が0であると判別した場合には(Y2214G:Yes)、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオフに設定することで特別排出口65e2を閉鎖し(Y2215G)、確変有効フラグ203Gkをオンに設定して(Y2216G)、本処理を終了する。一方、Y2208Gの処理において、動作カウンタ203Ggの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y2208G:No)、確変有効フラグ203Gkがオンであるかを判別し(Y2217G)、確変有効フラグ203Gkがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y2217G:No)、そのまま本処理を終了する。一方、確変有効フラグ203Gkがオンであると判別した場合には(Y2217G:Yes)、確変有効タイマ203Gmの値を1加算し(Y2218G)、確変有効タイマ203Gmの値が上限であるかを判別する(Y2219G)。Y2219Gの処理において、確変有効タイマ203Gmの値が上限ではないと判別した場合には(Y2219G:No)、特別排出口65e2が閉鎖される直前に誘導片65h2によって特別排出口65e2側へと誘導された遊技球が確変スイッチ65e3を通過し得る期間であり、確変スイッチ65e3への通過を正常な通過として取り扱う球はけ期間内であることを意味するため、処理をY2210Gへと移行して、確変スイッチ65e3の通過の有無を判別する。一方、Y2219Gの処理において、確変有効タイマ203Gmの値が上限であると判別した場合には(Y2219G:Yes)、確変有効フラグ203Gkをオフに設定し(Y2220G)、確変有効タイマ203Gmの値をリセットし(Y2221G)、本処理を終了する。
次いで、図460を参照して、本第10制御例における大当たり制御処理(図456)の一処理である異常処理(Y1908G)について説明する。図460は、この異常処理(Y1908G)の内容を示したフローチャートである。この異常処理(Y1908G)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別し(Y2301G)、ラウンド有効期間ではないと判別した場合には(Y2301G:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y2301Gの処理において、ラウンド有効期間であると判別した場合には(Y2301G:Yes)、球排出口スイッチ65e4を通過したかを判別し(Y2302G)、球排出口スイッチ65e4を通過したと判別した場合には(Y2302G:Yes)、排出個数カウンタ203Gnの値を1加算し(Y2303G)、処理をY2304Gへと移行する。一方、Y2302Gの処理において、球排出口スイッチ65e4を通過していないと判別した場合には(Y2302G:No)、Y2303Gの処理をスキップし、処理をY2304Gへと移行する。Y2304Gの処理では、残球タイマフラグ203Giがオンであるかを判別し(Y2304G)、残球タイマフラグ203Giがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y2304G:No)、そのまま処理を終了する。一方、Y2304Gの処理において、残球タイマフラグ203Giがオンであると判別した場合には(Y2304G:Yes)、残球タイマ203Gjの値を1加算し(Y2305G)、次いで、更新後のタイマ値が残球タイマ203Gjの上限値であるかを判別し(Y2306G)、残球タイマ203Gjの上限値ではないと判別した場合には(Y2306G:No)、そのまま処理を終了する。
これに対し、Y2306Gの処理において、残球タイマ203Gjの上限値であると判別した場合には(Y2306G:Yes)、排出個数が入賞個数と一致しているかを判別し(Y2307G)、排出個数が入賞個数と一致していないと判別した場合には(Y2307G:No)、エラーコマンドを設定して(Y2308G)、残球タイマフラグ203Giをオフに設定する(Y2309G)。一方、Y2307Gの処理において、排出個数が入賞個数と一致していると判別した場合には(Y2307G:Yes)、Y2308Gの処理をスキップし、処理をY2309Gへと移行する。Y2309Gの処理を実行した後、残球タイマ203Gjをリセットし(Y2310G)、入賞個数カウンタ203Gf、排出個数カウンタ203Gnおよび確変通過カウンタ203Geをリセットし(Y2311G)、本処理を終了する。
<第10制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図461から図464を参照して、本第10制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本第10制御例では、上述した第6制御例(および第1制御例)に対して、コマンド判定処理(図59参照)の1処理である大当たり関連処理(S4218)の内容が変更された点、変動表示設定処理(図66参照)の1処理である特図1演出態様設定処理(S4903)の内容が変更された点、および変動表示設定処理(図66参照)の1処理である特図2演出態様設定処理(S4907)の内容が変更された点で相違し、それ以外は同一である。なお、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした技術思想については、本第10制御例にも当然適用されるものであり、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした変形例や追加例についても本第10制御例に当然適用されるものである。まず、図461を参照して、本第10制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理(S4201G)について説明をする。この大当たり関連処理(S4201G)は、上述した第6制御例(および第1制御例)における大当たり関連処理(図64参照)に代えて実行される処理であり、大当たり関連処理(図64参照)と同様に、主制御装置110から受信した大当たり関連のコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。図461は、この大当たり関連処理(S4201G)の内容を示したフローチャートである。
この大当たり関連処理(S4201G)のうち、S4701,S4709,S4710,S4713、およびS4714の各処理では、それぞれ第6制御例(および第1制御例)における大当たり関連処理(図64参照)のS4701,S4709,S4710,S4713、およびS4714の各処理と同一の処理が実行される。また、本第10制御例における大当たり関連処理(S4201G)では、S4701の処理において、オープニングコマンドを受信したと判別した場合に(S4701:Yes)、次いで、今回の大当たりが第2特別図柄の大当たり(即ち、大当たりH48)であるか否かを判別し(S4701G)、第2特別図柄の大当たりである(大当たりH48である)と判別した場合には(S4701G:Yes)、大当たり演出として、プレミアムラッシュへの突入を報知する演出態様のオープニング演出を決定し(S4702G)、処理をS4706Gへと移行する。
一方、S4701Gの処理において、第2特別図柄の大当たりではない(大当たりH48ではない)と判別した場合には(S4701G:No)、無敵モード中の確変大当たりであるか否かを判別し(S4703G)、無敵モード中の確変大当たりであると判別した場合には(S4703G:Yes)、通常ラッシュへの突入を示す演出態様のオープニング演出を決定して(S4704G)、処理をS4706Gへと移行する。一方、S4703Gの処理において、無敵モード中の確変大当たりではないと判別した場合には(S4703G:No)、遊技状態と大当たり図柄とに応じた演出態様のオープニング演出を決定して(S4705G)、処理をS4706Gへと移行する。S4705Gの処理では、具体的には、通常状態における確変大当たりである場合は、確変状態A(通常ラッシュモード)への移行を報知する演出態様のオープニング演出を決定し、通常状態における通常大当たりである場合は、時短状態(チャンスモード)への移行を報知する演出態様のオープニング演出を決定し、確変状態Aにおける確変大当たりである場合は、枝862を掴むことに成功してRUSH継続が報知される演出態様のオープニング演出を決定し、確変状態Aにおける通常大当たりである場合は、枝862を掴むことに失敗してチャンスモードへの移行が報知される演出態様(図428(a)参照)のオープニング演出が決定される。S4702G,S4704G、およびS4705Gの何れかが終了した後で実行されるS4706Gの処理では、S4702G,S4704G、およびS4705Gの何れかの処理において決定した演出態様のオープニング演出に対応する表示用オープニングコマンドを設定し(S4706G)、本処理を終了する。
また、本第10制御例における大当たり関連処理(図461参照)では、S4710の処理が終了すると、次いで、今回の大当たりが確変大当たりであるか否かを判別し(S4707G)、確変大当たりであると判別した場合には(S4707G:Yes)、今回開始されるラウンドがVラウンド(1ラウンド)であるか否かを判別する(S4708G)。S4708Gの処理において、今回のラウンドがVラウンド(1ラウンド)であると判別した場合には(S4708G:Yes)、V入賞を案内する表示用コマンドを設定して(S4713)、本処理を終了する。一方、S4707Gの処理において、今回の大当たりが確変大当たりではないと判別した場合(S4707G:No)、および、S4708Gの処理において、今回のラウンドがVラウンド(1ラウンド)ではないと判別した場合には(S4708G:No)、そのまま本処理を終了する。また、本第10制御例における大当たり関連処理(図461参照)では、S4714の処理においてエンディングコマンドを受信したと判別した場合に(S4714:Yes)、大当たり終了後の遊技状態(時短状態であるか、確変状態Aであるか、確変状態Cであるか)に応じた演出態様を決定し(S4709G)、決定した演出態様のエンディング演出に対応する表示用エンディングコマンドを設定し(S4710G)、本処理を終了する。この大当たり関連処理(図461参照)を実行することにより、大当たり当選時の遊技状態や当選した大当たりの種別、大当たり終了後の遊技状態等に応じて、大当たり遊技の実行中における好適な演出態様を設定することができる。次に、図462を参照して、本第10制御例における特図1演出態様設定処理(S4901G)の詳細について説明をする。この特図1演出態様設定処理(S4901G)は、上述した第6制御例(および第1制御例)における特図1演出態様設定処理(図67参照)に代えて実行される処理であり、特図1演出態様設定処理(図67参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出の演出態様を決定するための処理である。図462は、この特図1演出態様設定処理(S4901G)の内容を示したフローチャートである。
この特図1演出態様設定処理(S4901G)では、まず、現在が通常状態であるかを判別し(S5001G)、通常状態であると判別した場合には(S5001G:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5002G)、処理をS5009へと移行する。一方、S5001Gの処理において、現在の遊技状態が通常状態ではないと判別した場合には(S5001G:No)、現在が時短状態であるかを判別し(S5003G)、時短状態であると判別した場合には(S5003G:Yes)、時短中カウンタ223nの値を1減算し(S5004G)、処理をS5002Gへと移行する。これに対し、S5003Gの処理において、時短状態ではないと判別した場合には(S5003G:No)、現在の遊技状態が確変状態であることを意味するため、まず、確変状態Aにおいて、確変状態B(無敵モード)へと移行するまでの第1特別図柄の抽選回数をカウントするための昇格カウンタの値が0より大きい値であるか否かを判別する(S5005G)。図示については省略したが、この昇格カウンタは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられており、第1特別図柄の確変大当たり(大当たりA48~F48のいずれか)の終了時に、大当たり種別に応じた天井抽選回数(確変状態Bに移行するまでの第1特別図柄の抽選回数)に対応するカウンタ値が設定される。即ち、大当たりA48,D48の終了時にカウンタ値に20が設定され、大当たりB48,E48の終了時にカウンタ値に40が設定され、大当たりC48,F48の終了時にカウンタ値に60が設定される。S5005Gの処理において、昇格カウンタの値が0より大きい値である(即ち、1以上の値である)と判別した場合には(S5005G:Yes)、昇格カウンタの値を1減算し(S5006G)、処理をS5007Gへと移行する。一方、S5005Gの処理において、昇格カウンタの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S5005G:No)、S5506Gの処理をスキップし、処理をS5007Gへと移行する。
S5007Gの処理では、変動パターンコマンドにより通知された変動パターンが昇格演出用の変動パターンであるかを判別し(S5007G)、昇格演出用の変動パターンであると判別した場合には(S5007G:Yes)、次いで、昇格カウンタの値が0であるか否かを判別する(S5008G)。S5008Gの処理において、昇格カウンタの値が0であると判別した場合には(S5008G:Yes)、今回の抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S5010G)、大当たりであると判別した場合(S5010G:Yes)、および、S5008Gの処理において、昇格カウンタの値が0ではないと判別した場合には(S5008G:No)、昇格失敗演出(図429(b)参照)を伴う演出態様を決定し(S5009G)、処理をS5009へと移行する。なお、大当たりの場合には、昇格失敗演出(図429(b)参照)を経てチャレンジボーナスへの移行が報知される演出態様が設定される。具体的には、例えば、ウサギのキャラクタ801が岩山に衝突した後で、左上方向に跳ね返ることで枝862の真上に到達すると共に、チャレンジボーナスへの移行が報知される(即ち、第3図柄が同一の偶数の数字を模した図柄で停止表示される)一連の演出態様が展開される。これにより、他の状況でチャレンジボーナスに移行した場合と同様に、枝862の上方から落下してきたウサギのキャラクタ801が枝862を掴むことに成功すれば確変状態Aへの突入が報知される一方で、失敗すれば時短状態への移行が報知されるという演出内容をそのまま用いることができる。一方、S5010Gの処理において、大当たりではないと判別した場合には(S5010G:No)、天井抽選回数に到達したことを意味するため、昇格成功演出を伴う演出態様(図430(a)参照)を決定し(S5011G)、処理をS5009へと移行する。
これに対し、S5007Gの処理において、昇格演出用の変動パターンではないと判別した場合には(S5007G:No)、現在の状態が確変状態B(無敵モード)であるかを判別し(S5012G)、確変状態B(無敵モード)であると判別した場合には(S5012G:Yes)、確変状態B(無敵モード)における変動表示演出の演出態様を設定するための無敵モード中演出設定処理を実行し(S5013G)、処理をS5009へと移行する。なお、この無敵モード中演出設定処理(Y5013G)の詳細については、図463(a)を参照して後述する。一方、S5012Gの処理において、現在の状態が確変状態B(無敵モード)でなはいと判別した場合には(S5012G:No)、次いで、現在の状態が確変状態C(プレミアムラッシュモード)であるか否かを判別し(Y5014G)、確変状態C(プレミアムラッシュモード)ではないと判別した場合には(Y5014G:No)、確変状態Aで、且つ、昇格チャンス演出(図428(b)参照)の実行タイミングでもないことを意味するため、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(Y5015G)、処理をS5009へと移行する。一方、S5014Gの処理において、現在の状態が確変状態C(プレミアムラッシュモード)であると判別した場合には(Y5014G:Yes)、確変状態C(プレミアムラッシュモード)における変動表示演出の演出態様を設定するためのプレミアムラッシュ中演出設定処理を実行し(Y5016G)、処理をS5009へと移行する。なお、プレミアムラッシュ中演出設定処理(Y5016G)の詳細については、図463(b)を参照して後述する。S5002G,S5009G,S5011G,S5013G,S5015G、またはS5016Gの処理後に実行されるS5009の処理では、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5009)、本処理を終了する。この特図1演出態様設定処理(図462参照)を実行することで、第1特別図柄の抽選結果、および第1特別図柄の抽選が実行された際の状態に応じて好適に変動表示態様を設定することができる。
次に、図463(a)を参照して、上述した特図1演出態様設定処理(図462参照)の一処理である無敵モード中演出設定処理(S5013G)について説明をする。この無敵モード中演出設定処理(S5013G)は、上述した通り、確変状態B(無敵モード)において第1特別図柄の抽選が実行された場合に変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図463(a)は、この無敵モード中演出設定処理(S5013G)の内容を示したフローチャートである。この無敵モード中演出設定処理(S5013G)では、まず、変動パターンコマンドにより通知された変動パターンが通常大当たりの変動パターンであるかを判別し(S5401G)、通常大当たりの変動パターンではないと判別した場合には(S5401G:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5402G)、本処理を終了する。一方、S5401Gの処理において、通常大当たりの変動パターンであると判別した場合には(S5401G:Yes)、第2特別図柄の保留球数が1より大きい値であるか否かを判別し(S5403G)、第2特別図柄の保留球数が1より大きい値であると判別した場合には(S5403G:Yes)、第1特別図柄の通常大当たりの変動パターンの開始と略同時に、第2特別図柄の保留球に基づく変動表示が実行されることにより、第2特別図柄の小当たり又は大当たりによって通常大当たり変動が破棄される(外れ図柄で強制停止される)ことが確定しているため、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する小表示領域の外れ演出態様を決定し(S5404G)、本処理を終了する。一方、S5403Gの処理において、第2特別図柄の保留球数が1より大きい値ではないと判別した場合には(S5403G:No)、第2特別図柄の変動表示が開始されることがなく、通常大当たり変動が破棄されるか否かが不定である(通常大当たり遊技が実行され得る不利な状態である)ことを意味するため、無敵モードの終了ピンチ演出(図431(b)参照)を伴う演出態様を決定し(S5405G)、本処理を終了する。
次に、図463(b)を参照して、本第10制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図1演出態様設定処理(図462参照)の一処理であるプレミアムラッシュ中演出設定処理(S5016G)について説明をする。このプレミアムラッシュ中演出設定処理(S5016G)は、上述した通り、確変状態C(プレミアムラッシュモード)における第1特別図柄の変動表示演出の演出態様を決定するための処理である。図463(b)は、プレミアムラッシュ中演出設定処理(S5016G)の内容を示したフローチャートである。このプレミアムラッシュ中演出設定処理(S5016G)では、まず、主制御装置110から通知された変動パターンが5秒間の変動時間に対応する「短当たり」の変動パターンであるか否かを判別する(S5501G)。ここで、プレミアムラッシュモードにおいて5秒間の変動時間に対応する「短当たり」に設定されるのは、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合の約1/3のみである(図441(a)参照)。つまり、第2特別図柄の変動表示よりも先に第1特別図柄の確変大当たり図柄が停止表示されることで、確変状態C(プレミアムラッシュモード)が終了されて確変状態Aへと移行する(転落する)場合のみであるので、S5501Gの処理において、5秒間の変動時間に対応する「短当たり」の変動パターンであると判別した場合には(S5501G:Yes)、確変状態Aへの転落を報知する演出(転落演出)を伴う大当たり用の演出態様を決定し(S5503G)、本処理を終了する。一方、S5501Gの処理において、5秒間の変動時間に対応する「短当たり」の変動パターンではない(第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間に対応する変動パターンである)と判別した場合には(S5501G:No)、今回の第1特別図柄の抽選結果によらず、第2特別図柄の抽選結果によって破棄されるため、第2特別図柄の抽選結果に基づく変動表示演出を主表示領域Dmの多くの表示領域を用いて実行するべきであるため、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する小表示領域Dm1の演出態様を決定し(S5502G)、本処理を終了する。
次に、図464を参照して、本第10制御例における特図2演出態様設定処理(S4902G)について説明をする。この特図2演出態様設定処理(S4902G)は、上述した第6制御例(および第1制御例)における特図2演出態様設定処理(図68参照)に代えて実行される処理であり、特図2演出態様設定処理(図68参照)と同様に、第2特別図柄の変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図464は、この特図2演出態様設定処理(S4902G)の内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理(S4902G)では、まず、現在の状態が確変状態Cであるか否かを判別し(S5101G)、確変状態Cであると判別した場合には(S5101G:Yes)、特図1の「短当たり」に対応する5秒間の変動表示中であるか否かを判別し(S5102G)、特図1の「短当たり」変動中ではないと判別した場合には(S5102G:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5103G)、処理をS5107へと移行する。一方、S5102Gの処理において、特図1の「短当たり」変動中であると判別した場合には(S5102G:Yes)、第1特別図柄の変動表示結果を示す停止図柄が先に停止表示されることを意味し、既に第1特別図柄の変動表示態様として転落演出を設定済みであることを意味するため、転落演出を第2特別図柄の抽選結果に対応する演出で上書きしないように、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する小表示領域Dm8の外れ演出態様を決定し(S5104G)、処理をS5107へと移行する。
これに対し、S5101Gの処理において、現在の状態が確変状態C(プレミアムラッシュモード)ではないと判別した場合には(S5101G:No)、現在の状態が確変状態Bであるかを判別し(S5105G)、確変状態Bではないと判別した場合には(S5105G:No)、通常状態、時短状態、または確変状態Aのいずれかであり、主として第1特別図柄の変動表示を実行させるべき遊技状態であることを意味するため、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する小表示領域Dm8の演出態様を決定し(S5106G)、処理をS5107へと移行する。一方、S5105Gの処理において、確変状態Bであると判別した場合には(S5105G:Yes)、終了ピンチ演出(図431(b)参照)の実行中であるかを判別し(S5107G)、終了ピンチ演出(図431(b)参照)の実行中であると判別した場合には(S5107G:Yes)、今回の変動パターンコマンドにより通知された第2特別図柄の変動時間が、第1特別図柄の通常大当たり変動の残変動時間よりも短い時間であるか否かを判別し(S5108G)、第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の通常大当たり変動の残変動時間よりも短い時間であると判別した場合には(S5108G:Yes)、当たり図柄殴打演出(図432(a)参照)を伴う演出態様を決定し(S5109G)、処理をS5107へと移行する。一方、S5108Gの処理において、第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の通常大当たり変動の残変動時間よりも短い時間ではない(通常大当たり変動の残変動時間以上の時間である)と判別した場合には(S5108G:No)、処理をS5106Gへと移行する。
一方、S5107Gの処理において、終了ピンチ演出(図431(b)参照)の実行中ではないと判別した場合には(S5107G:No)、第1特別図柄の通常大当たり変動中であるかを判別し(S5110G)、第1特別図柄の通常大当たり変動中ではないと判別した場合には(S5110G:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する小表示領域Dm8の演出態様を決定し(S5111G)、処理をS5107へと移行する。一方、S5110Gの処理において、第1特別図柄の通常大当たり変動中であると判別した場合には(S5110G:Yes)、外れ確定リーチ演出(図431(a)参照)を伴う演出態様を決定し(S5112G)、処理をS5107へと移行する。S5103G,S5104G,S5106G,S5109G,S5111G、およびS5112Gのいずれかが実行された後で実行されるS5107の処理では、S5103G,S5104G,S5106G,S5109G,S5111G、およびS5112Gのいずれかの処理で決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5107)、本処理を終了する。
以上説明した通り、本第10制御例におけるパチンコ機10では、有利な特定の遊技状態において第1特別図柄の抽選回数が特定回数に到達した場合に、特定の遊技状態の有利度合い(大当たり遊技が実行された場合に大当たり終了後の遊技状態が再度特定の遊技状態に設定される割合)を可変させる構成としている。つまり、予め定められた第1の有利度合いに設定された特定の遊技状態(大当たり終了後の遊技状態が第1の割合で再度特定の遊技状態に設定される確変状態)が設定された後で特定条件が成立したこと(第1特別図柄の抽選回数が特定回数に到達したこと)に基づいて、特定の遊技状態の有利度合いを、第1の有利度合いとは異なる第2の有利度合い(第1の割合とは異なる第2の割合)に設定する設定手段を備えている。より具体的には、本第10制御例では、遊技状態として通常状態、時短状態、および確変状態の3種類の遊技状態を設ける構成とし、3種類の遊技状態のうち最も有利度合いが高い確変状態において当該確変状態が設定された後で実行された特別図柄の抽選回数が天井抽選回数(20回、40回、または60回のいずれか)に到達することにより、実質的な確変大当たりの割合をアップさせる(確変大当たり確定となるように制御する)構成としている。これにより、有利な確変状態に設定された場合に、早期に大当たりに当選するよりも、天井抽選回数まで外れ続けた後で大当たりに当選した方が、有利度合いが高くなるという斬新な遊技性を実現することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、有利度合いが異なる複数の遊技状態を設けることにより遊技にメリハリをつけているものが広く一般的に知られている。更に、係る従来型の遊技機の中には、射幸性が過剰に高くなってしまうことを抑制するために、有利な遊技状態が設定されてから次の大当たりに当選するまでの期間が長くなり易くなる制御(例えば、特別図柄の高確率状態における大当たり確率を従来の遊技機に比較して低確率にする制御や、特別図柄の変動時間を従来の遊技機に比較して長くする制御)を採用している遊技機も提案されている。しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利な遊技状態となってから大当たりに当選するまでの期間が長期化することによる弊害として、有利な遊技状態における遊技が単調となってしまったり、次に大当たりとなるまでに消費する(発射する)遊技球の個数が多くなり過ぎてしまったりする虞があるため、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下し易くなってしまうという問題点があった。これに対して本第10制御例におけるパチンコ機10では、有利な確変状態において予め定められた天井抽選回数に到達する前よりも、天井抽選回数に到達した後の方が、有利度合いが高くなるように構成している。即ち、天井抽選回数に到達するよりも前に大当たり遊技が実行された場合は、50%の割合で有利度合いが高い確変大当たり遊技が実行されて大当たり終了後の遊技状態が再度確変状態に設定され、50%の割合で有利度合いが低い通常大当たり遊技が実行されて大当たり終了後の遊技状態が確変状態よりも有利度合いが低い時短状態に設定される一方で、天井抽選回数に到達した後で大当たり遊技が実行された場合は、実質的に100%の割合で確変大当たり遊技が実行されて大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定されるように構成している。このように構成することで、確変状態に設定された場合に、少なくとも天井抽選回数に到達するまでは大当たりとならずに特別図柄の抽選で外れ続けることを期待して遊技を行わせる斬新な遊技性を実現することができるので、大当たりとなるまでに長い期間を要したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下し難く構成することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第10制御例では、天井抽選回数に到達する前後において、特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定するために参照する変動パターンテーブルを異ならせることにより、遊技状態を変えずに実質的な確変大当たりの比率を変更する制御を実現している。より具体的には、本第10制御例では、上述した第6制御例と同様に、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に(並行して)実行可能な所謂同時変動仕様を採用している。そして、本第10制御例では、両方の特別図柄の変動表示の実行中に一方の特別図柄の変動表示が大当たり又は小当たり図柄で停止表示された場合に、他方の特別図柄が抽選結果によらず外れ図柄で停止表示される制御を採用した。また、本第10制御例では、確変状態(および時短状態)において右打ちを行った場合に、第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口(右第1入球口2640)にも第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口(第2入球口1641)にも頻繁に遊技球が入球する盤面構成とした上で、確変状態においては、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選でも特別図柄の外れが全て小当たりとなる(完全外れの振り分けが無い)ように構成した。更に、本第10制御例では、確変状態において、天井抽選回数に到達するよりも前においては、必ず、第1特別図柄の変動時間(特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間)の方が第2特別図柄の変動時間(特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間)よりも短くなるように構成することで、基本的に第1特別図柄の抽選によってのみ大当たりに当選し得る構成とした。言い換えれば、第1特別図柄の抽選で確変大当たりになった場合も、通常大当たりになった場合も、ほぼ第2特別図柄の変動表示が停止表示されるよりも前に第1特別図柄の大当たり図柄が停止表示されるため、第1特別図柄の大当たりの振り分けが、確変状態における大当たりの振り分けと略同一となる。これに対して、天井抽選回数に到達した後においては、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合にのみ、第2特別図柄の変動時間(特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間)よりも長い変動時間(特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間)が設定されるように構成した。言い換えれば、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合は、第2特別図柄の小当たり又は大当たり変動の方が先に停止表示されるため、通常大当たり変動が外れ図柄に書き替えられる(通常大当たりが破棄される)一方で、通常大当たり以外の抽選結果(確変大当たり又は小当たり)となった場合は、第1特別図柄の変動表示の方が先に停止表示されるため、実質的に、次に確変大当たりとなるまで継続する極めて有利な状態を形成する構成とした。このように構成することで、確変状態のうち、第1特別図柄の通常大当たりの変動時間が短い(即ち、平均の変動時間が短い)天井抽選回数に到達するまでの期間を、確変大当たり遊技が実行される可能性が比較的低い(有利度合いが低い)状態として構成できる一方で、第1特別図柄の通常大当たりの変動時間のみ長くなる(即ち、平均の変動時間が長い)天井抽選回数に到達した後の期間を、確変大当たり遊技が実行される可能性が比較的高い(有利度合いが高い)状態として構成することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、1の遊技状態において所定の切替条件が成立した場合に、遊技状態を変えずに特別図柄の抽選が実行された場合の変動時間(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルを異なるテーブルに切り替えることにより、選択される変動時間(変動パターン)の傾向を異ならせ、遊技にメリハリをつけている仕様の遊技機が広く知られている。しかしながら、かかる従来型の遊技機では、特別図柄の抽選で外れとなった場合に長い変動時間が選択され易い傾向のテーブルが参照される状態に設定された場合に、特別図柄の抽選結果が示されるまでの期間が長くなり易くなることにより、遊技が間延びしてしまうと共に、テーブルが切り替わる前後で略同一のペースで遊技球を発射し続けた場合に、持ち球をより多く消費してしまう(遊技効率が悪くなってしまう)可能性が高くなるため、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させ難くなってしまうという問題点がある。これに対して本第10制御例では、1の特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間が比較的短い第1状態よりも、1の特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間が比較的長い第2状態の方が、有利度合いが高くなる構成としている。より具体的には、通常大当たり当選時の変動時間が短いことにより平均の変動時間としても短くなる天井抽選回数到達前の状態(確変状態A)よりも、通常大当たり当選時の変動時間が長いことにより平均の変動時間としても長くなる天井抽選回数到達後の状態(確変状態B)の方が、同一の遊技状態(確変状態)でありながら、実質的な確変大当たり遊技の実行割合が高くなる極めて有利な状況を形成するため、一般的には遊技に対するモチベーションが低下し易い平均の変動時間が長い状態の方が、逆に、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させ易くなるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、本第10制御例では、上述した通り、特定の遊技状態(確変状態)において特定条件が成立した(天井抽選回数に到達した)場合に、遊技状態を変更することなく、確変大当たり遊技が実行される割合という、遊技者の有利度合いを大きく左右する因子を大きく異ならせる構成としている。つまり、特定条件が成立した場合に、特定の遊技状態を維持したまま、当該特定の遊技状態の有利度合いを第1の有利度合いから第2の有利度合いに可変させる斬新な制御を実現可能に構成している。これに伴って、本第10制御例では、特定の遊技状態(確変状態)における演出として、第1の実行条件が成立したこと(確変状態Aが設定されたこと)に基づいて第1演出(通常ラッシュモード用の演出)を実行可能な第1演出実行手段と、特定の遊技状態において第2の実行条件が成立したこと(確変状態Aにおいて天井抽選回数に到達したこと)に基づいてその第1演出によって示唆される有利度合いよりも高い有利度合いを遊技者に示唆可能な第2演出(無敵モード用の演出)を実行可能な第2演出実行手段と、を設ける構成とし、第1演出が実行されているか、第2演出が実行されているか(即ち、天井抽選回数に到達する前であるか後であるか)に応じて、有利度合いが異なっているということを遊技者が容易に把握可能に構成している。言い換えれば、本第10制御例では、遊技状態が変更されていないにもかかわらず、異なる複数の有利度合いに対応する複数の演出態様を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者にとってより理解し易い遊技性を提供することができる。更に、本第10制御例では、天井抽選回数に到達するよりも前に、天井抽選到達(有利度合いの変更)を示唆する演出を実行可能に構成している。このように構成することで、天井抽選回数に到達することで有利度合いが高くなるということを、天井抽選回数に到達するよりも前から遊技者に対して容易に理解させることができる。
<第10制御例の第1の変形例>
次に、図465、および図466を参照して、上述した第10制御例の第1の変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第10制御例におけるパチンコ機10では、確変大当たりの割合が実質的に50%となる確変状態Aにおいて天井抽選回数に到達することで、確変大当たりの割合が実質的に100%となる確変状態Bに移行する構成としていた。即ち、第1特別図柄の抽選回数に応じて、実質的な確変大当たりの割合が2段階に可変する構成としていた。これに対して第10制御例の第1の変形例におけるパチンコ機10では、確変状態に設定された後における特別図柄の抽選回数に応じて、実質的な確変大当たりの割合が3段階に可変する構成としている。より具体的には、確変状態Aにおいて第1天井抽選回数(例えば、25回)に到達することで、実質的な確変大当たりの割合が75%になる確変状態B1に移行し、更に、大当たりに当選することなく第2天井抽選回数(例えば、60回)に到達することで、実質的な確変大当たりの割合が100%になる確変状態B2に移行する構成としている。この第10制御例の第1の変形例におけるパチンコ機10が、上述した第10制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点のみである。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第10制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第10制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第10制御例の第1の変形例における電気的構成>
図465、および図466を参照して本第1の変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、本第1の変形例におけるROM202は、上述した第10制御例におけるROM202の構成(図435参照)に対して、変動テーブル202Gd、および変動パターンシナリオテーブル202Gjの規定内容が一部変更となっている点でのみ相違している。まず、図465(a)を参照して、本第1の変形例における変動テーブル202Gdの詳細について説明する。図465(a)は、本第1の変形例における変動テーブル202Gdの構成を示したブロック図である。図465(a)に示した通り、本第1の変形例における変動テーブル202Gdは、上述した第10制御例における変動テーブル202Gdの構成(図438(b)参照)に対して、確変B用テーブル202Gd3に代えて、実質的な確変大当たりの割合が75%になる確変状態B1において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される確変B1用テーブル202Gd31と、実質的な確変大当たりの割合が100%になる確変状態B2において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される確変B2用テーブル202Gd32と、が設けられている点でのみ相違している。ここで、本第1の変形例における確変状態B2は、上述した第10制御例における確変状態B(無敵モード)と全く同一の状態であるため、本第1の変形例における確変B2用テーブル202Gd32の規定内容も、上述した第10制御例における確変B用テーブル202Gd3の規定内容と同一となる。よって、ここでは確変B1用テーブル202Gd31の詳細についてのみ説明する。
図465(b)は、上述した確変B1用テーブル202Gd31の規定内容を示した図である。図465(b)に示した通り、この確変B1用テーブル202Gd3は、上述した確変B用テーブル202Gd3(図440参照)に対して、第1特別図柄の通常大当たり時の規定内容の一部が変更となっている点でのみ相違している。具体的には、図465(b)に示した通り、第1特別図柄の当否判定結果が「通常大当たり」の場合に、変動種別カウンタCS1の値「0~49」の範囲に対して変動時間が20秒(20000ミリ秒)のノーマルリーチが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50~65」の範囲に対して変動時間が25秒(25000ミリ秒)のスーパーリーチが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「66~198」の範囲に対して変動時間が80秒(80000ミリ秒)のロングリーチが対応付けて規定されている。
この規定内容により、この確変B1用テーブル202Gd31が参照される確変状態B1においては、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合の約2/3(133/199)の割合で、第2特別図柄の変動時間(30秒)よりも長い変動時間(80秒)が設定される一方で、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合の約1/3(66/199)の割合で、第2特別図柄の変動時間(30秒)よりも短い変動時間(20秒または25秒)が設定される。つまり、第1特別図柄の通常大当たりに当選した場合の2/3は、第2特別図柄の小当たり又は大当たりによって破棄され、通常大当たりに当選した場合の1/3のみが通常大当たり遊技の実行につながる状態を形成する。言い換えれば、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で決定される確変大当たり(大当たりA48~F48のいずれか)となった場合、および50%の割合で決定される通常大当たり(大当たりG48)となって1/3の割合の25秒以下の変動時間の変動パターンに設定された場合に第1特別図柄の大当たり遊技が実行されるので、実際に実行される確変大当たりと通常大当たりとの比率は3:1である。即ち、実質的な確変大当たりの割合が75%(3/4の割合)となる比較的有利な大当たり振り分けの状態を形成することができるので、この確変B1用テーブル202Gd31が参照される確変状態B1において、遊技者に対して確変大当たりを強く期待させることができる。次に、図466を参照して、本第1の変形例における変動パターンシナリオテーブル202Gjの詳細について説明する。図466は、本第1の変形例における変動パターンシナリオテーブル202Gjの規定内容を示した図である。図466に示した通り、本第1の変形例における変動パターンシナリオテーブル202Gjは、上述した第10制御例における変動パターンシナリオテーブル202Gj(図442(b)参照)に対して、確変大当たり終了後の遊技状態として確変状態が設定された場合の変動パターンシナリオの一部が変更となっている点でのみ相違する。その他のシナリオ(シナリオ1,2、および6)については、上述した第10制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
図466に示した通り、本第1の変形例における変動パターンシナリオテーブル202Gjでは、大当たりH48以外の確変大当たりに当選した後で設定される確変状態用の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が24回以下の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図439参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が25回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図441(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が26回以上59回以下の範囲において確変B1用テーブル202Gd31(図465(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が60回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図441(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が61回以上の範囲において確変B2用テーブル202Gd32が参照されるシナリオ(シナリオ7)が対応付けて規定されている。つまり、第1特別図柄の確変大当たり終了した後は、25回の第1特別図柄の抽選が終了するまで大当たりに当選しなかった場合に、有利な確変状態B1(実質的な確変大当たりの割合が75%となる状態)に設定され、更に、60回の第1特別図柄の抽選が終了するまで大当たりに当選しなかった場合に、更に有利な確変状態B2(無敵モード)に設定されるように構成されている。また、これに伴い確変状態の有利度合い(実質的な確変大当たりの割合)の段階に応じて、段階数を遊技者が認識可能な態様の演出を実行する構成としている。具体的には例えば、確変状態Aでは上述した第10制御例と同様に、岩山を上る演出(図426(a)参照)が展開されると共に、確変状態B1へと昇格する際は、ヘリコプターに搭乗する演出が実行され、確変状態B1では、ヘリコプターで上空を目指して飛行する演出が展開されると共に、確変状態B2へと昇格する際は、雲の上に到達する演出が実行され、確変状態B2では、上述した第10制御例と同様に、雲の上をウサギのキャラクタ801が疾走する演出が展開される。このように構成することで、ウサギのキャラクタ801の高度が高くなるほど有利度合いが高くなるということを遊技者に対して示唆することができるので、遊技者にとって分かり易い演出を実現することができる。
即ち、本第1の変形例では、実質的な確変大当たりの割合が50%となる確変状態Aから、第1特別図柄の抽選回数が多くなるにつれて段階的に確変大当たりの割合が高くなっていく極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、本第1の変形例では、確変状態における実質的な確変大当たりの割合を3段階に可変可能に構成していたが、これに限られるものではなく、確変大当たりの割合の段階数はより多く設定してもよい。この場合、実現したい確変大当たりの割合に応じて、通常大当たりにおいて第2特別図柄の変動時間の長さ以上となる変動時間の選択割合を可変させた変動パターンテーブルを設けることにより、容易に実質的な確変大当たりの割合が異なる多段階の確変状態を形成することができる。
<第10制御例の第2の変形例>
次に、図484、および図485を参照して、上述した第10制御例の第2の変形例について説明する。上述した第10制御例、およびその第1の変形例では、確変状態Aにおいて、常に、第1特別図柄の変動時間よりも長くなるように構成していた。これに対して本第2の変形例では、第2特別図柄の大当たりに当選した場合に、第1特別図柄の一部の変動時間よりも短い変動時間(例えば、19秒間)が選択される構成とした。つまり、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが略同時に実行され、第1特別図柄の変動時間が20秒以上の変動時間に設定され、且つ、第2特別図柄の抽選結果が大当たりだった場合に、第2特別図柄の大当たり変動に基づく変動時間の方が先に経過し、第2特別図柄の大当たり図柄が停止表示されると共に第1特別図柄の変動表示が外れ図柄で強制停止される構成とした。つまり、図示については省略したが、時短・確変A用テーブル202Gd2(図439参照)において、第2特別図柄の大当たりに対応する変動パターンを19秒にする変形のみを施した。このように構成することで、確変状態Aにおいても、プレミアムラッシュモードへと移行する場合を設けることができるので、遊技者のプレミアムラッシュモードに対する期待感をより向上させることができる。
図484、および図485を参照して、本第2の変形例における確変状態Aにおいて実行される特徴的な演出態様について説明する。本第2の変形例では、上述した第10制御例、およびその第1の変形例と同様に、確変状態においてほぼ毎回、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とがほぼ同時に開始される。そして、上述した通り、確変状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、比較的有利な確変大当たりに決定される割合が50%となる(不利な通常大当たりに決定される割合が50%となる)一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、有利な確変状態Cへと移行することが確定する。そして、上述した通り、本第2の変形例では、確変状態Aにおいても、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合の一部(略同時に開始された第1特別図柄の変動時間が20秒以上である場合)で第2特別図柄の大当たり遊技図柄が停止表示される可能性がある。つまり、本第2の変形例では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなって大当たり図柄が停止表示されるという事象と、第2特別図柄の抽選で大当たりとなって大当たり図柄が停止表示されるという事象と、の両方が起こり得る状態として形成している。このため、本第2の変形例では、第1特別図柄の大当たり図柄が第2特別図柄よりも先に停止表示される場合の一部、および第2特別図柄の大当たり図柄が第1特別図柄よりも先に停止表示される場合に、どちらの特別図柄の大当たり図柄が停止表示されるのかを示唆するレース演出を実行する構成としている。このレース演出の詳細について、図484、および図485を参照して説明する。
図484(a)に示した通り、本第2の変形例では、確変状態Aにおいて第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが略同時に開始された場合であって、第1特別図柄の大当たり図柄が第2特別図柄よりも先に停止表示される場合の一部、および第2特別図柄の大当たり図柄が第1特別図柄よりも先に停止表示される場合に、例えば、リーチ発生を契機として、第1特別図柄に対応するウサギのキャラクタと、第2特別図柄に対応するカメのキャラクタとが徒競走を行うレース演出が実行される。図484(a)に示した通り、レース演出が開始されると、主表示領域Dmの表示画面の左側に、ウサギのキャラクタ801とカメのキャラクタ865とが縦に並んで表示され、これらのキャラクタの正面視右側に対して、縦長略長方形形状のスタートラインが表示される。また、副表示領域Dsに対して、「レースでカメが勝てばチャンス!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、カメのキャラクタ865が競争で勝利することにより遊技者にとって有利となることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図484(b)は、レース演出においてレースが開始された場合の表示態様を示している。図484(b)に示した通り、有利度合いが高い第2特別図柄の大当たりに対応するカメのキャラクタ865は、基本的に、有利度合いが低い第1特別図柄の大当たりに対応するウサギのキャラクタ801よりも遅いスピードでレースが展開される。そして、このレース演出では、第1特別図柄の大当たり図柄が先に停止表示される(第2特別図柄の変動表示が破棄される)場合には、図485(a)に示した通り、ウサギのキャラクタ801がカメのキャラクタ865よりも先にゴールする演出が実行され(図485(a)参照)、第2特別図柄の大当たり図柄が先に停止表示される(第1特別図柄の変動表示が破棄される)場合には、カメのキャラクタ865がウサギのキャラクタ801よりも先にゴールする演出が実行される(図485(b)参照)。言い換えれば、レース演出では、ウサギのキャラクタ801がスタートからゴールへと向かう一連の演出(第1演出)と、カメのキャラクタ865がスタートからゴールまで向かう一連の演出(第2演出)と、を重複して実行する演出とも言える。そして、第1特別図柄の大当たりが先に停止表示される場合は、第2特別図柄の変動表示に対応するカメのキャラクタ865がゴールに向かう途中でウサギのキャラクタ801がゴールすることにより、カメのキャラクタ865がスタートからゴールまで向かう一連の演出(第2演出)の途中で第2演出が打ち切られるとも言える。同様に、第2特別図柄の大当たりが先に停止表示される場合は、第1特別図柄の変動表示に対応するウサギのキャラクタ801がゴールに向かう途中でカメのキャラクタ865がゴールすることにより、ウサギのキャラクタ801がスタートからゴールまで向かう一連の演出(第1演出)の途中で第1演出が打ち切られるとも言える。
第1特別図柄の大当たり図柄が先に停止表示されることを示す、ウサギのキャラクタ801がカメのキャラクタ865よりも先にゴールに到達する(レースで勝利する)レース演出(図485(a)参照)が終了された後には、チャレンジボーナスへの突入が報知され、第1特別図柄の大当たりが開始された後は、チャレンジボーナス演出(図427(b)参照)が実行される。一方、カメのキャラクタ865が先にゴールに到達する(レースで勝利する)レース演出が終了された後には、第2特別図柄の大当たり、および時短状態Cへの移行を示すためのブラックアウト演出(図432(b)参照)が実行される。これらの演出態様により、遊技者に対して、カメのキャラクタ865が勝利することを強く期待してレース演出を確認させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。このように、本第2の変形例では、特定の遊技状態(確変状態)において第1の実行条件が成立したこと(第1特別図柄の保留球が1個以上存在する状態で第1特別図柄の変動表示が終了したこと)に基づいて第1演出(ウサギのキャラクタ801がスタートからゴールまで走る演出)を実行可能な第1演出実行手段と、第2の実行条件が成立したこと(第2特別図柄の保留球が1個以上存在する状態で第2特別図柄の変動表示が終了したこと)に基づいて第1演出とは異なる第2演出(カメのキャラクタ865がスタートからゴールまで走る演出)を実行可能な第2演出実行手段と、を有して構成され、第1演出と第2演出とが重複して実行された(ウサギのキャラクタ801とカメのキャラクタ865とが競争をするレース演出が実行された)場合に、第1演出の演出期間が先に経過する(ウサギのキャラクタ801が先にゴールに到達する)よりも、第2演出の演出期間が先に経過した(カメのキャラクタ865が先にゴールに到達した)方が、遊技者に有利となり易い構成としている。
なお、本第2の変形例では、第1特別図柄の大当たり図柄が先に停止表示される場合、または第2特別図柄の大当たり図柄が先に停止表示される場合にのみ、レース演出が実行され得る構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり図柄が停止表示されない場合にも、ガセのレース演出を実行する構成としてもよい。また、第1特別図柄の変動表示演出として、ウサギのキャラクタ801がスタートからゴールまで走る演出を単独で(カメのキャラクタ865を表示させずに)実行してもよいし、第2特別図柄の変動表示演出として、カメのキャラクタ865がスタートからゴールまで走る演出を単独で(ウサギのキャラクタ801を表示させずに)実行してもよい。つまり、第1特別図柄の変動表示演出として、ウサギのキャラクタ801が制限時間内にゴールに辿り着くことで第1特別図柄の大当たり遊技が実行されることや、天井抽選回数に到達したことを報知する一方で、制限時間内にゴールに辿り着けなければ抽選結果が外れ(小当たり)であったことや、天井抽選回数に未到達であることを報知する構成としてもよい。同様に、第2特別図柄の変動表示演出として、カメのキャラクタ865が制限時間内にゴールに辿り着くことで第2特別図柄の大当たり遊技が実行されることを報知する一方で、制限時間内にゴールに辿り着けなければ抽選結果が外れ(小当たり)であったことを報知する構成としてもよい。このように構成することで、演出態様をより多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上述した第10制御例、およびその各種変形例では、第1特別図柄の確変大当たり終了後の確変状態においては、大当たり終了後の変動回数が多くなるほど実質的な確変大当たりの割合が高くなる構成としていたが、逆に、大当たり終了後の変動回数が少ない方が確変大当たりの割合が高くなるように構成してもよい。この場合、変動パターンシナリオとして、少ない第1特別図柄の抽選回数(例えば、第1特別図柄の抽選回数が40回以下の範囲)に対して実質的な確変大当たりの割合が高くなる変動パターンテーブル(例えば、第10制御例における確変B用テーブル202Gd3や第10制御例の変形例における確変B1用テーブル202Gd31)を対応付けると共に、比較的多い第1特別図柄の抽選回数(例えば、第1特別図柄の抽選回数が41回以上の範囲)に対して実質的な確変大当たりの割合が低くなる変動パターンテーブル(例えば、時短・確変A用テーブル202Gd2)を対応付ける構成とすれば良い。また、例えば、特定の抽選回数の範囲(若しくは値)でのみ実質的な確変大当たりの割合が高くなる変動パターンが参照されるように構成してもよい。具体的には、例えば、確変状態Aが設定された後における第1特別図柄の抽選回数が30回~39回、50回~59回、70回~79回、100回以上の範囲に確変大当たりの割合が高くなる変動パターンテーブル(例えば、第10制御例における確変B用テーブル202Gd3や第10制御例の変形例における確変B1用テーブル202Gd31)を対応付けると共に、その他の範囲では確変大当たりの割合が低くなる変動パターンテーブル(例えば、時短・確変A用テーブル202Gd2)を対応付ける構成としてもよい。このように構成することで、特定の抽選回数の範囲において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選することを強く期待させる遊技性を実現することができるので、確変状態における遊技にメリハリをつけることができる。この場合において、確変大当たりの種別に応じて、確変大当たりの割合が高くなる変動パターンが選択される抽選回数の範囲(ゾーン)を異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、第1の種別の大当たりでは、第1特別図柄の抽選回数が30回~39回、50回~59回、70回~79回、100回以上の範囲に確変大当たりの割合が高くなる変動パターンテーブル(例えば、第10制御例における確変B用テーブル202Gd3や第10制御例の変形例における確変B1用テーブル202Gd31)を対応付け、第2の種別の大当たりでは、第1特別図柄の抽選回数が9回以下、40回~69回、100回以上の範囲に確変大当たりの割合が高くなる変動パターンテーブル(例えば、第10制御例における確変B用テーブル202Gd3や第10制御例の変形例における確変B1用テーブル202Gd31)を対応付け、第3の種別の大当たりでは、9回以下、50回~59回、および100回以上の範囲に確変大当たりの割合が高くなる変動パターンテーブル(例えば、第10制御例における確変B用テーブル202Gd3や第10制御例の変形例における確変B1用テーブル202Gd31)を対応付ける構成としてもよい。つまり、所定の大当たり種別でしか確変状態の有利度合い(確変大当たりの割合)が向上しない範囲(第1ゾーン)と、大当たり種別によらず確変状態の有利度合いが向上する範囲(第2ゾーン)と、を設ける構成としてもよい。更に、この場合において、所定の大当たり種別でしか確変状態の有利度合いが向上しない第1ゾーン(9回以下、30回~49回、60回~79回)においては、通常の確変状態用演出(第1演出)よりも、確変状態の有利度合い(確変割合)が高くなっている可能性があることを示唆する演出態様(第1演出の演出態様とは異なる演出態様)の演出(第2演出)を実行する構成とし、大当たり種別によらず確変状態の有利度合いが向上する第2ゾーン(50回~59回、100回以上)においては、確変割合が向上していることを遊技者に報知する演出態様(第1演出の演出態様とも第2演出の演出態様とも異なる演出態様)の演出(第3演出)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、実行されている演出の種別から確変状態の有利度合いを推測する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、例えば、ぞろ目の抽選回数(11回、22回、33回、・・・)に対してのみ、確変大当たりの割合が高くなる変動パターンテーブル(例えば、第10制御例における確変B用テーブル202Gd3や第10制御例の変形例における確変B1用テーブル202Gd31)を対応付ける構成としてもよい。このように構成した場合も、大当たり終了後の抽選回数に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、上述した第10制御例では、確変フラグ203Gaや時短カウンタ各種が大当たり当選時にリセットされて電動役物2640aが開放され難い状態を形成するにもかかわらず、大当たり中演出として電動役物2640aの方向への遊技球の発射を促す演出を実行する構成としているので、第10制御例における大当たり遊技中演出は、所定方向へと発射した場合に始動入賞が発生し難くなる制御が実行されているにもかかわらず所定方向への発射を促す演出の別形態である。
上述した第10制御例、およびその各種変形例では、確変状態B(無敵モード)において第1特別図柄の抽選で通常大当たりとなった場合に、第2特別図柄の小当たり(または大当たり)によって通常大当たりが破棄され易くなるように、第1特別図柄の通常大当たり変動のみ第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間に設定する構成としていたが、これに代えて、または加えて、第1特別図柄の抽選で確変大当たりとなった場合の一部又は全部で第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間が設定される(即ち、確変大当たりの割合が確変状態Aよりも低くなる、若しくは実質的に通常大当たり確定となる)確変状態(確変状態D)を設ける構成としてもよい。このように構成することで、確変状態の有利度合いを更に細分化させることができるので、設計の自由度をより向上させることができる。
上述した第10制御例、およびその各種変形例では、確変状態が設定された後で予め定められた抽選回数(天井抽選回数)に到達することで、確変状態の有利度合いが可変される(確変大当たりの割合が高くなる)ように構成していたが、必ずしも固定の回数で有利度合いを可変させなくてもよい。例えば、確変状態において第1特別図柄の抽選で所定の抽選結果となった場合に、有利度合いを可変させる構成としてもよい。より具体的には、例えば、第1特別図柄の小当たり種別として、通常小当たりと、特殊小当たりとを設ける構成とし、特殊小当たりに当選した場合(例えば、約1/40の確率)に、有利度合いを可変させる(確変B用テーブル202Gd3を参照して変動パターンを選択する状態に切り替える)構成としてもよい。また、上述した第10制御例の変形例のように、確変状態の有利度合いを3段階以上設ける構成とした上で、各有利度合いに対応する特殊小当たりを設ける構成とし、特殊小当たりに当選した場合に、当選した特殊小当たりの種別に応じた変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する状態に設定する構成としてもよい。このように構成することで、毎回の特別図柄の抽選で特殊小当たりに当選することに期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、これらの場合には、第1特別図柄の抽選で特殊小当たりに当選した場合の変動表示演出として、および通常小当たりに当選した場合の変動表示演出の一部(例えば、通常小当たりの1/10)で、昇格チャンス演出(図429、図430(a)参照)を実行する構成としてもよい。即ち、特殊小当たりに当選した場合に頂上に到達する演出(図430(a)参照)を実行する一方で、通常小当たりの変動表示演出として昇格チャンス演出が実行された場合は、岩山の山肌に衝突して昇格に失敗したことを示唆する演出(図429(b)参照)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、特殊小当たりに当選していなくても、昇格チャンス演出が実行される毎に、遊技者に対して昇格(確変割合の向上)を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、例えば、特図2小当たりに当選した場合に確変状態の有利度合いを可変させる構成としてもよい。具体的には例えば、第1特別図柄の抽選で所定確率(例えば、1/40の確率)で、第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間(例えば、60秒)に設定される小当たりに当選し得る構成とし、この長い変動時間の間に先に第2特別図柄の小当たり図柄が停止表示されることで、参照する変動パターンテーブルを確変B用テーブル202Gd3に切り替える構成としてもよい。この場合、第1特別図柄のロング変動が実行された時点で、無敵モードへ移行する可能性が高くなる上に、第2特別図柄の抽選結果が小当たりでなく大当たりとなった場合には、通常ラッシュモードからプレミアムラッシュモードへと移行させることもできるため、第1特別図柄のロング変動小当たりに当選した場合における期待感を高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、特別図柄の抽選とは別で、変動パターンテーブルを切り替えるか否かの抽選を実行する構成としてもよい。このように構成することで、特別図柄の抽選結果にとらわれずに変動パターンテーブルを切り替えることができるので、変動パターンテーブルを切り替える(確変割合を可変させる)タイミングをより多様化させることができる。
上述した第10制御例、およびその各種変形例では、天井抽選回数目の第1特別図柄の変動表示が小当たり図柄で停止表示されることで、特定の遊技状態(確変状態)の有利度合いを、遊技状態を維持したまま変更する構成としていたが、有利度合いの変更タイミングは、これに限られるものではない。変動表示の実行中の所定タイミングで有利度合いが変更される(変動パターンテーブルが切り替わる)構成としてもよいし、変動開始後、所定期間経過で有利度合いが変更される(変動パターンテーブルが切り替わる)ように構成してもよい。また、1の変動表示中に複数回、有利度合いが変更される(変動パターンテーブルが切り替わる)ように構成してもよい。このように構成することで、有利度合いの変更タイミングをより多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。上述した第10制御例、およびその各種変形例では、上述した第6制御例等と異なり、大当たりを介さずに直接第2時短状態が設定される時短図柄当選の抽選結果を設けていなかったが、時短図柄当選の抽選結果も設ける構成としてもよい。この場合、時短図柄当選に基づく第2時短状態では、大当たり終了後の時短状態と同じ変動パターンテーブル(時短・確変A用テーブル202Gd2)を参照して変動パターンを選択してもよいし、異なる変動パターンテーブル(確変B用テーブル202Gd3や、確変C用テーブル202Gd4)を参照して変動パターンを選択するように構成してもよい。特に、有利度合いが高い変動パターンテーブル(確変B用テーブル202Gd3や、確変C用テーブル202Gd4)が参照される構成とした場合、通常状態において時短図柄当選の抽選結果となることを強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上述した第10制御例、およびその各種変形例では、確変状態A(通常ラッシュモード)から確変状態B(無敵モード)や確変状態B1へと移行した場合に、通常大当たり当選時の変動時間(特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの時間)のみを長くすることで、平均の変動時間(特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの時間)が長い確変状態Bや確変状態B1の方が、平均の変動時間が短い確変状態Aよりも有利度合いが高くなるように構成していたが、通常大当たりの抽選結果以外の所定の抽選結果についても、長い変動時間(80秒間)が選択され易く構成してもよい。例えば、第1特別図柄の抽選結果が外れ(小当たり)の場合の一部や、確変大当たりの場合の一部においても、長い変動時間(80秒間)が選択され易くなるように構成してもよい。このように構成することで、第2特別図柄の抽選結果が導出される機会を増加させることができるので、より有利度合いが高い確変状態C(プレミアムラッシュモード)へと移行する可能性をより高くすることができる。換言すれば、第1特別図柄の変動時間として、長い変動時間(第2特別図柄の変動時間である30秒間よりも長い)の割合が増加する程、単に通常大当たり変動を破棄することができるのみに留まらず、プレミアムラッシュモードへと移行する可能性をも向上させることができるので、平均の変動時間が長くなる程、有利度合いがより高くなる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上述した第10制御例、およびその各種変形例では、確変状態A、確変状態B1、および確変状態B(確変状態B2)で、それぞれ実質的な確変大当たりの割合を異ならせることにより有利度合いを異ならせる構成としていたが、特定の遊技状態(確変状態)の有利度合いを、遊技状態を変えることなく変更する方法はこれに限られるものではない。例えば、確変状態の種別に応じて、第1特別図柄の小当たり遊技における第2特定入賞口2065aの開放期間の長さを可変させ、小当たり遊技の実行中に第2特定入賞口2065aに入球する遊技球の個数を異ならせる(払い出される賞球数を異ならせる)ことにより、有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、確変状態の種別に応じて普通図柄の当たりに当選した場合の電動役物2640aの開放パターンを可変させることにより、遊技効率(発射された遊技球の個数と払い出される賞球の個数との比率)を確変状態の種別毎に可変させ、有利度合いを可変させる構成としてもよい。上述した第10制御例、およびその各種変形例では、通常状態において右打ち遊技を行う変則的な遊技方法に対する抑制を図るために、第2特別図柄の変動時間を抽選結果によらず極端に長くする(10分間に設定する)構成としているが、通常状態における右打ち遊技の抑制方法は、これに限られるものではない。例えば、通常状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、確変状態ではなく、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定される潜確状態に設定する構成としてもよい。そして、潜確状態においては、通常状態と同様に、第2特別図柄の変動時間が極端に長くなると共に、たとえ潜確状態において右打ち遊技を行って第2特別図柄の抽選で大当たりに当選したとしても、大当たり終了後の遊技状態が再度、潜確状態に設定されるように構成してもよい。このように構成することで、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合のメリット(遊技者にとって最も有利度合いが高いプレミアムラッシュモードへと移行すること)を、通常状態(および潜確状態)に限って無くすことができるので、通常状態において右打ち遊技を行って第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、右打ち遊技によって主として第1特別図柄の抽選結果が導出される時短状態、確変状態A、および確変状態Bにおいては、1個の遊技球を発射していずれかの始動口(第1入球口2640、第2入球口1641)に入球(始動入賞)した場合は当該始動入賞に基づく変動表示が終了するまで遊技球を発射せずに待機する遊技方法(所謂、単発打ち遊技)で遊技を行った場合、第1特別図柄の変動表示を伴わずに第2特別図柄の抽選が単独で実行されてしまう可能性がある。即ち、確変状態Bにおける通常大当たり変動中以外の状況においても、第2特別図柄の抽選結果が導出されてしまう(第1特別図柄の小当たり又は大当たりによって破棄することができなくなってしまう)場合がある。この対策として、例えば、右打ち遊技によって主として第1特別図柄の抽選結果が導出される時短状態、確変状態A、および確変状態Bにおいては、第1特別図柄の保留球数が0個の状態で第2特別図柄の抽選が実行された場合は、必ず極端に長い変動時間(例えば、1800秒)が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、単発打ち遊技を行った場合の遊技効率を低下させることができると共に、仮に単発打ち遊技を実行した場合に、第2特別図柄の抽選が実行される毎に極めて長い時間待機する遊技方法となり、変則的な遊技方法(単発打ち遊技)で遊技を行っていることがホールの店員にも認識され易くなるため、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
<第11制御例>
次に、図467から図483を参照して、第11制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第9制御例におけるパチンコ機10では、時短状態に設定されてから時短状態の間に獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化されて通常状態に移行するまでの第2特別図柄の抽選回数が異なる3種類の時短状態(時短状態A~時短状態C)を設ける構成とし、且つ、ほぼ確実に次回の大当たりまで継続する時短終了条件が設定される時短状態Cに一旦移行すると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される(時短リミット回数分の大当たり当選がほぼ確定する)極めて有利な状態(MAXボーナスモード)を形成する構成としていた。しかしながら、第9制御例におけるパチンコ機10では、時短状態Cと大当たりとが繰り返される有利な状態が、確実に時短リミット回数分で終了されるため、時短状態Cに最初に移行してから時短リミット回数に到達するまでの遊技が、単に賞球を得るための作業のようになってしまい、遊技が単調となってしまいがちであるという問題点がある。
これに対して第11制御例におけるパチンコ機10では、時短状態Cにおいて予め定められた特定条件が成立した場合に、時短状態Cと大当たりとの繰り返しが、時短リミット回数に相当する回数を上回る回数に渡って繰り返され得るように構成した。より具体的には、時短状態Cにおいて、基本的には大当たりの実行を設定するタイミングよりも後(特別図柄の抽選で大当たりとなって大当たり遊技の実行を設定した後、若しくは小当たりとなって小当たり遊技中にV入賞を検出して大当たり遊技の実行を設定した後)で時短状態を終了させることにより、大当たり遊技の実行を設定した時点の遊技状態を時短状態とし、大当たり終了時に時短リミット回数までの残回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)を1減算するように構成する一方で、特定の種別の小当たりに当選した場合に限り、大当たりの実行を設定するタイミングよりも前(小当たり遊技の開始時)に時短状態を終了させるように構成した。即ち、特定の種別の小当たりに当選した場合は、V入賞が発生するよりも前に時短状態が終了されていることにより、大当たり遊技の実行を設定するタイミングにおける遊技状態を通常状態とし、大当たり終了時に時短リミット回数までの残回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)を初期値である3にリセットする構成としている。これにより、時短状態Cと、第2特別図柄の大当たりとの繰り返しの間に特定の種別の小当たりに当選した場合に、そこから更に時短リミット回数分の大当たり当選が保証されるので、実質的に、特定の種別の小当たりに当選したことを契機として、時短リミット回数分の大当たりを上乗せしたかのような斬新な挙動を実現することができる。よって、時短状態Cと大当たりとが繰り返されている間にも、特定の種別の小当たりに当選することに期待して遊技を行わせることができるので、時短状態Cと大当たりとがどこまで続くか分からないわくわく感を遊技者に対して抱かせることができる。これにより、時短状態Cと大当たりとが繰り返されている間における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
また、上述した第9制御例におけるパチンコ機10では、大当たり終了後に時短状態Cへと移行する種別の大当たりに最初に当選してから時短リミット回数目の大当たりが終了するまでの間の遊技(4回の4ラウンド大当たり、および各大当たり間の3回の時短状態Cの継続期間であるMAXボーナスモード)における演出として、あたかも1の16ラウンド大当たりが実行されているかのように遊技者に対して思わせる演出(疑似MAX大当たり演出)を実行する構成としていた。これにより、実際には4ラウンドの大当たりに4回当選しているにもかかわらず、1回の大当たり当選で16ラウンド分の賞球を獲得できたかのように遊技者に思わせることで、遊技者の興趣向上を図っていた。
これに加えて第11制御例におけるパチンコ機10では、特定の種別の小当たりに当選して時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)が初期値にリセットされた(特定の種別の小当たり当選に基づく大当たりを含め、更に4回分の大当たりが上乗せされた)場合に、所定契機で時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)のリセット(大当たりの上乗せが発生していたこと)を報知する演出を実行する構成としている。より具体的には、4回目の大当たりの終了タイミング(即ち、疑似MAX大当たり演出における疑似16ラウンド遊技の終了後のエンディング期間)において、大当たりが更に継続すること(疑似的なMAXラウンドである16ラウンドを突破すること)を示すMAX突破演出を実行する構成としている。そして、一旦MAX突破演出が実行された後は、大当たり毎に(即ち、疑似MAX大当たり演出における疑似4ラウンド遊技毎に)、MAXボーナスモードが継続するか否かを示す継続ジャッジ演出により時短リミット回数に到達していたか否かを報知する構成としている。言い換えれば、時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされたタイミングでは当該リセットを報知せず、予め設定されている報知タイミング(疑似16ラウンド遊技の終了タイミング)で時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされていたこと(MAXボーナスモードが疑似16ラウンドを超えて継続すること)を報知する構成としている。また、1の契機でMAXボーナスモードがどこまで継続するのかを明確に報知するのでなく、疑似4ラウンド遊技単位(即ち、1の大当たり遊技単位)で継続有無を小出しにして報知する構成としている。このように構成することで、疑似4ラウンド遊技単位(即ち、1の大当たり遊技単位)で継続するか否かに注目して遊技を行わせることができるので、MAXラウンド突破演出が実行されてから継続ジャッジ演出でMAXボーナスモードの終了(時短リミット回数への到達)が報知されるまでの間における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、極めて斬新、且つ、興趣性の高い演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、上述した第9制御例では、時短状態Aと時短状態Bとで、時短回数を共通にしているにもかかわらず、時短状態に移行してから当該時短状態の間に検出した全ての始動入賞に基づく第2特別図柄の抽選が終了するまでの間における実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせる斬新な制御を採用していた。具体的には、時短状態の終了条件として、特別図柄の抽選回数(第1特別図柄と第2特別図柄との合計の抽選回数)が規定回数となったことに基づいて成立する第1終了条件と、小当たり遊技の実行回数が規定回数となったことに基づいて成立する第2終了条件と、第2特別図柄の抽選回数が規定回数となったことに基づいて成立する第3終了条件と、に加え、時短最終変動の実行中に第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する第4終了条件と、を設ける構成としていた。上述した第9制御例では、時短状態Aと時短状態Bとで、第1~第3終了条件を共通とし、第4終了条件のみを異ならせることにより、実質的に第2特別図柄の抽選を2回実行可能な時短状態Aと、実質的に第2特別図柄の抽選を4回実行可能な時短状態Bと、を形成していた。
これに加えて第11制御例におけるパチンコ機10では、時短状態において時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)を減算するタイミングを条件に応じて異ならせることにより、同一の時短状態であっても、第2特別図柄の保留球の貯め易さを条件に応じて可変させ、同一の時短状態でも条件に応じて実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせる構成としている。より具体的には、時短状態においては、特別図柄の抽選が実行されてから当該抽選結果を示すための変動表示が終了されるまでの間における第1タイミングと、その第1タイミングとは異なる第2タイミングと、のうちいずれか一方のタイミングで時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)を減算する構成とし、第1タイミングで時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算された場合は、第2タイミングで減算された場合よりも、特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の保留球が貯め難くなるように構成している。更に詳述すると、本第11制御例では、特別図柄の抽選結果が完全外れとなった場合における完全外れの種別として、外れAと、外れBと、の2種類を設ける構成とし、時短状態において特別図柄の抽選で完全外れとなって外れ種別として外れAが決定された場合には、上述した第9制御例において完全外れになった場合と同様に、変動停止タイミング(第1タイミング)で時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算される一方で、外れ種別として外れBが決定された場合には、外れBを示す変動表示の開始タイミング(第2タイミング)で時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算されるように構成している。これにより、残時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が1の状態(即ち、時短最終変動)で外れAが決定された場合は、変動表示の終了まで特図2カウンタ203tが減算されることがないため、時短最終変動の実行中に右打ち遊技を行い続けるだけで、第4終了条件(第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する終了条件)が成立するまで第2特別図柄の保留球を貯めることができる。これに対して、残時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が1の状態(即ち、時短最終変動)で外れBが決定された場合は、変動開始時に特図2カウンタ203tが減算されることで時短状態が終了されるため、変動表示の実行中は既に通常状態に転落済みの状態となる。言い換えれば、時短最終変動において第2特別図柄の保留球を貯めることが極めて困難となるため、第2特別図柄の抽選回数を増加させることも困難となる。よって、本第11制御例では、時短最終変動において特図2カウンタ203tの減算タイミングが第1タイミング(変動停止タイミング)に設定される場合よりも、第2タイミング(変動開始タイミング)に設定された場合の方が、同一の時短状態であっても第2特別図柄の抽選回数が少なくなり易くなるので、同一の時短状態であっても有利度合い(有利な第2特別図柄の抽選の実質的な実行回数)を異ならせる斬新な遊技性を実現することができる。
この第11制御例におけるパチンコ機10が、上述した第9制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第9制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第9制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。まず、図467から図470を参照して、本第11制御例における特徴的な演出態様について説明する。まず、図467(a)を参照して、本第11制御例におけるMAXボーナスモードのエンディング演出について説明する。ここで、本第11制御例では、上述した第9制御例と同様に、大当たり終了後に最も有利な(実質的に次回の大当たりまで継続する)時短状態Cへと移行した場合に、大当たりと時短状態Cとが、時短リミット回数(3回)に到達するまで繰り返されることにより、初回の大当たりを含めて4回分の大当たり当選が保証される極めて有利な状態を形成する構成としている。本第11制御例では、上述した第9制御例と同様に、この初回の大当たりが開始されてから時短リミット回数目の大当たりが終了するまでの4回分の第2特別図柄の大当たり遊技(4ラウンド大当たり遊技)の実行期間、および各大当たり間の時短状態Cの期間において、1の16ラウンド大当たりが継続しているかのように見せる疑似MAX大当たり演出(図379参照)を実行する構成としている。
図467(a)は、本第11制御例における疑似MAX大当たり演出のエンディング演出の演出態様を示した図である。ここで、疑似MAX大当たり演出のエンディング演出は、MAXボーナスモードに移行してから4回目に当選した大当たりのエンディング期間において実行される。なお、上述した通り、本第11制御例では、大当たりに4回当選する間に時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされている可能性もあるが、時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされているか否かによらず、MAXボーナスモードに移行後4回目の大当たりのエンディング期間において、一旦、疑似MAX大当たり演出のエンディング演出を実行する構成としている。この疑似MAX大当たり演出のエンディング演出の演出態様としては、図467(a)に示した通り、疑似MAX大当たり演出の他の期間と同様に、主表示領域Dmの右上に対して、MAXモードにおいて既に払い出された賞球数を示す文字(図467(a)の例では2400)と、MAXボーナスモードにおいてトータルで払い出される賞球数を示す文字(2400)と、が示される小表示領域Dm2が形成されると共に、主表示領域Dmの左上に対して、MAXボーナスモードにおける遊技方法を示す「右打ち」という文字が付された小表示領域Dm4が形成される。また、主表示領域Dmの中央下部に冒険者のキャラクタ811が表示され、その冒険者のキャラクタ811の上方に、「NEXT」という文字が表示されると共に、その「NEXT」という文字の下方に「RUSHモード」という文字が付された横長略長方形形状の小表示領域Dm9が形成される。また、副表示領域Dsに対して、「MAXボーナス終了」という文字が表示される。これらの表示内容により、MAXボーナスモードが終了した可能性があるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図467(b)は、疑似MAX大当たり演出のエンディング演出において、MAXボーナスモードが疑似16ラウンドを超えて継続することを報知するMAX突破演出が実行された場合の演出態様の一例を示した図である。即ち、MAXボーナスモードの継続中に、少なくとも1回、特定の種別の小当たりに当選して時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされていたことにより、時短リミット回数に到達するまでの大当たり(疑似4ラウンド遊技)の残り回数が1以上残存している場合に実行される演出態様の一例を示している。MAXボーナスモードが4回の大当たりを超えて継続する場合は、4回目の大当たりのエンディング期間(疑似MAX大当たり演出のエンディング演出)において、一旦、MAXボーナスモードの終了が報知される演出(図467(a)参照)が実行された後で、図467(b)に示した通り、主表示領域Dmにおいて、「継続」という文字が付された略六角形形状の継続画像KGが小表示領域Dm9の下方から飛び出してきて、小表示領域Dm9、および「NEXT」という文字を共に弾き飛ばす演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「MAXラウンド突破!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して、MAXボーナスモードがMAXラウンド(16ラウンド)を超えて継続するということを容易に理解させることができる。
次に、図468を参照して、MAXラウンド突破演出(図467(b)参照)によりMAXボーナスモードが16ラウンドを超えて継続することが報知された後の確変状態Cで実行された大当たり遊技のエンディング期間において実行される継続ジャッジ演出について説明する。ここで、本第11制御例では、MAXボーナスモードが16ラウンド(大当たり4回)を超えて継続する場合に、疑似16ラウンド遊技の終了時に、16ラウンドを超えて継続するということのみを報知する構成とし、あと何回分の大当たり遊技が終了するまでMAXボーナスモードが継続するのかについては報知しないように構成している。よって、本第11制御例では、MAXラウンド突破演出(図467(b)参照)によりMAXボーナスモードが16ラウンドを超えて継続することを報知した後は、大当たりが終了する毎に、継続ジャッジ演出により今回の大当たりで時短リミット回数に到達したか否かを報知する構成としている。これにより、大当たりが終了する毎に、継続ジャッジ演出に注目して遊技を行わせることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
図468(a)は、この継続ジャッジ演出の開始時における演出態様の一例を示した図である。図468(a)の例では、MAXラウンド突破演出を伴う大当たりの次の大当たりのエンディング期間において継続ジャッジ演出が発生した場合を例示している。即ち、疑似20ラウンド(疑似16ラウンド+疑似4ラウンド)の終了後に継続ジャッジ演出が実行された場合を例示している。この場合、図468(a)に示した通り、小表示領域Dm2の表示内容(実際に払い出された賞球数/トータルで払い出される賞球数の表示)が、20ラウンド分に相当する「3000/3000」に設定される。また、小表示領域Dm9に対して、「継続ジャッジ」という文字が表示される。また、主表示領域Dmにおける中央部分において、冒険者のキャラクタ811の上方で略円形の4つのアイコン(「終了」という文字が付された報知アイコン811a,811b、「継続」という文字が付された報知アイコン811c,811d)が回転表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「アイコンを選べ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、冒険者のキャラクタ811が「終了」という文字が付されたアイコン(報知アイコン811a,811b)を選んでしまうとMAXボーナスモードが終了される一方で、「継続」という文字が付されたアイコン(報知アイコン811c,811d)を選ぶことができればMAXボーナスモードが更に継続するということを遊技者に対して直感的に理解させることができる。
図468(b)は、継続ジャッジ演出においてMAXボーナスモードの継続が報知された場合の演出態様の一例を示した図である。図468(b)に示した通り、MAXボーナスモードの継続が報知される場合は、主表示領域Dmにおいて、冒険者のキャラクタ811が「継続」という文字が付されたアイコン(図468(b)の例では報知アイコン811c)を剣で突き刺す演出が実行される。また、小表示領域Dm9に対して、MAXボーナスモードにおいて次に開始される疑似ラウンド数を示す文字が表示される。図468(b)では、「21ラウンド」という文字が表示されている場合を例示している。更に、副表示領域Dsに対して、「ボーナス継続!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、MAXボーナスモードが更に継続するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
このように、本第11制御例では、MAXボーナスモードにおいて特定の種別の小当たりに当選して時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされた(MAXボーナスモードが16ラウンドを超えて継続することが確定した)場合に、疑似16ラウンド遊技の終了時(疑似MAX大当たり演出のエンディング演出)において、16ラウンドを超えて継続することのみを報知するMAXラウンド突破演出(図467(b)参照)を実行する構成としている。そして、MAXラウンド突破演出(図467(b)参照)が実行された後のMAXボーナスモードにおいては、大当たりに当選する毎に、エンディング期間において、時短リミット回数に到達しておらず、MAXボーナスモードが継続するのか、時短リミット回数に到達したことでMAXボーナスモードが終了されるのか、のみを遊技者に報知する継続ジャッジ演出(図468参照)を実行する構成としている。つまり、時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされた時点では、何ら特別な演出を行わず、予め定められたタイミング(疑似16ラウンドの終了タイミング)で時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)のリセットが発生していたか否かのみを報知し、以降のMAXボーナスモードでは、大当たりに当選する毎に、今回の大当たりでMAXボーナスモードが終了されるのか否かのみを報知する構成としている。このように構成することで、疑似MAXボーナスモードが何ラウンド目まで継続するのかを遊技者に対して把握困難に構成することができるので、一旦MAXラウンド突破演出が実行された後は、疑似MAXボーナスモードがどこまで続くか分からないドキドキ感を、MAXボーナスモードが終了するまで持続的に遊技者に対して抱かせ続けることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図469、および図470(a)を参照して、本第11制御例において初当たり後に時短状態Aに移行した場合の演出態様について説明する。図469(a)に示した通り、本第11制御例においても、第9制御例と同様に、初当たり後に時短状態Aに移行すると、主表示領域Dmにおいて、冒険者のキャラクタ801と怪獣のキャラクタ821とがにらみ合う演出が実行される。また、主表示領域Dmにおける上方に形成される横長略長方形形状の表示領域HR10に対して、「右打ちで攻撃アイコンをストックしろ!」という文字が表示される。また、主表示領域Dmにおける左上には、「右打ち」という文字が表示された小表示領域Dm4が形成される。更に、副表示領域Dsには、「敵を倒せばRUSH突入!?」という文字が表示される。
一方で、本第11制御例では、第9制御例と異なり、主表示領域Dmの左下に対して、攻撃アイコンを表示するための攻撃アイコン表示領域AI1のみが形成される。即ち、上述した第9制御例では、攻撃アイコン表示領域AI1,AI2の2つの表示領域が形成されていた(図377(a)参照)のに対して、本第11制御例では、表示領域が1個に減らされている。これは、時短状態Aにおいて最初に実行される第2特別図柄の抽選結果によっては、第2特別図柄の保留球を獲得することが困難となる時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)の減算タイミング(即ち、変動開始タイミング)に設定される可能性があるためである。より具体的には、上述した通り、第2特別図柄の抽選結果が完全外れとなって外れ種別が外れAに決定された場合には、変動終了タイミング(第1タイミング)で時短回数が減算されることにより、変動表示の実行期間中に第2特別図柄の保留球を獲得する機会が与えられる一方で、外れ種別が外れBに決定された場合には、変動開始タイミング(第2タイミング)で時短回数が減算されることにより、変動表示の実行期間中には既に時短状態Aが終了されていることにより第2特別図柄の保留球を獲得する機会が与えられない(スルーゲート67を遊技球が通過しても電動役物640aが開放されない)ように構成している。よって、外れBが決定される可能性(時短状態Aが設定された後、最初に実行される第2特別図柄の抽選が最後の第2特別図柄の抽選となる可能性)を加味して、本第11制御例では、攻撃アイコン表示領域AI1の1個のみを表示させる構成としている。
図469(b)は、時短状態Aにおいて最初に第2入球口640へと遊技球が入球した場合の表示内容の一例を示した図である。図469(b)に示した通り、時短状態Aにおいて最初に第2入球口640へと遊技球が入球して第2特別図柄の変動表示が開始されると、比較的狭い(遊技者が視認し難い)小表示領域Dm8において、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄の変動表示が開始される。また、第2特別図柄の抽選結果によらず、冒険者のキャラクタ811と怪獣のキャラクタ821との間に、「準備完了」という文字が付されたタイムゲージga3が表示される。更に、第2入球口640への入球に基づいて、攻撃アイコン表示領域AI1に対して、今回の第2特別図柄の抽選結果に応じた種別の攻撃アイコンが表示される。図469(b)の例では、「斬撃」という文字が付されたアイコンを獲得した場合を例示している。これらの表示内容により、第2特別図柄の始動入賞に基づいて、攻撃アイコンが獲得されること、および攻撃アイコンの種別によって当たりとなる(怪獣のキャラクタ821を倒す)期待度を示唆していることを遊技者に対して直感的に理解させることができる。なお、第2特別図柄の抽選結果が外れBだった場合(即ち、第2特別図柄の変動表示中に追加で保留球を獲得する機会が与えられない場合)は、このまま獲得した1個の攻撃アイコンを用いて怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を仕掛ける演出が実行される。一方、外れB以外の抽選結果であった場合は、追加で第2特別図柄の保留球を獲得する機会が与えられることを遊技者に報知する演出が実行される。この演出の一例について、図470(a)を参照して説明する。
図470(a)は、時短状態Aにおける最初の第2特別図柄の抽選が外れB以外となったことにより、変動表示中に追加で第2特別図柄の保留球を獲得する機会が与えられることを遊技者に報知する演出(攻撃アイコン上乗せ演出)が実行された場合の演出態様の一例を示した図である。図470(a)に示した通り、攻撃アイコン上乗せ演出が実行されると、「準備完了」という文字が表示されていたタイムゲージga3が割れると共に、その背後から変動時間の経過に応じて残時間表示ga3aの右端が正面視左方向に移動して面積が狭くなると共に、経過時間表示ga3bの面積が大きくなる新たなタイムゲージga3が出現する演出が実行される。また、冒険者のキャラクタ811の上方に対して、「上乗せ!!」という文字が付された吹き出し画像FGが表示される。更に、攻撃アイコン表示領域AI1の上方に、新たに攻撃アイコン表示領域AI2が形成される。これらの表示内容により、追加で第2特別図柄の保留球を獲得する機会が与えられたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、時短状態Bの場合にも同様の演出が展開される。即ち、時短状態Bの開始時には、図469に示したように、1個分の攻撃アイコンのみを獲得させる演出が実行され、その後に、第2入球口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選結果が外れB以外の抽選結果であれば、図470(b)に示した通り、「準備完了」という文字が表示されていたタイムゲージga3が割れると共に、その背後から変動時間の経過に応じて残時間表示ga3aの右端が正面視左方向に移動して面積が狭くなると共に、経過時間表示ga3bの面積が大きくなる新たなタイムゲージga3が出現する演出が実行される。また、冒険者のキャラクタ811の上方に対して、「上乗せ!!」という文字が付された吹き出し画像FGが表示される。更に、新たに攻撃アイコン表示領域AI2~AI4の3つの領域が形成される演出が実行される。これらの表示内容により、追加で3個の攻撃アイコンを獲得する機会を得たということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
このように、本第11制御例では、時短状態の最終変動(時短状態Aや時短状態Bの1変動目)が外れBに対応する変動表示であるか否かに応じて、時短最終変動における第2特別図柄の保留球の貯め易さが大きく変化する構成としている。そして、本第11制御例では、上述した第9制御例と同様に、第2特別図柄の抽選1回当たりの実質的な大当たり確率(大当たりと小当たりとの合算確率)が1/3となるように構成している。即ち、第2特別図柄の保留球数が1個でも変わると、大当たり期待度が大幅に変化する構成としている。このため、攻撃アイコン上乗せ演出が発生した場合に、遊技者に対して大きな喜びと安心感とを抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第11制御例における電気的構成>
次に、図471(a)を参照して、本第11制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図471(a)は、本第11制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図471(a)に示した通り、本第11制御例におけるROM202は、上述した第9制御例におけるROM202の構成(図383(a)参照)に対して、大当たり種別選択テーブル202bkに変えて大当たり種別選択テーブル202bHが設けられている点、時短付与テーブル202ekに代えて時短付与テーブル202eHが設けられている点、小当たり種別選択テーブル202fkに代えて小当たり種別選択テーブル202fHが設けられている点、および外れ種別選択テーブル202Haが追加されている点である。その他の構成については、上述した第9制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。まず、図471(b)を参照して、本第11制御例における大当たり種別選択テーブル202bHの詳細について説明する。この大当たり種別選択テーブル202bHは、上述した第9制御例における大当たり種別選択テーブル202bk(図384(c)参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図471(b)は、本第11制御例における大当たり種別選択テーブル202bHの規定内容を示した図である。
図471(b)に示した通り、本第11制御例における大当たり種別選択テーブル202bHには、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA49、および大当たりB49の2種類が規定されており、第2特別図柄の大当たり種別として大当たりC49の1種類が規定されている。図471(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対して、「大当たりA49」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~99」の範囲に対して、「大当たりB49」が対応付けて規定されている。「大当たりA49」は、ラウンド数が4ラウンドであり、基本的に、大当たり終了後の遊技状態が時短状態B(第2特別図柄の抽選機会が最大で4回与えられる時短状態)に設定される大当たり種別である。また、「大当たりB49」は、ラウンド数が4ラウンドであり、基本的に、大当たり終了後の遊技状態が時短状態A(第2特別図柄の抽選機会が最大で2回与えられる時短状態)に設定される大当たり種別である。このため、ラウンド数の面では「大当たりA49」と「大当たりB49」とに差が無いが、大当たり終了後の遊技状態の面では、「大当たりA49」の方が有利な第2特別図柄の抽選機会を「大当たりB49」よりも2回分多く付与され得るため、「大当たりA49」は、「大当たりB49」よりも有利度合いが高い大当たり種別である。
第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA49」および「大当たりB49」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ5個および95個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA49」、「大当たりB49」に当選する割合は、それぞれ5%および95%である。よって、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、比較的低確率(5%の割合)で有利度合いが高い時短状態Bが設定され、比較的高確率(95%の割合)で有利度合いが低い時短状態Aが設定される。なお、これは通常状態に限った話であり、時短状態において「大当たりA49」または「大当たりB49」に当選した(大当たりが開始された)場合は、時短リミット回数に到達していないことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図471(b)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、「大当たりC49」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲に「大当たりC49」が対応付けられているため、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、必ず「大当たりC49」が決定される。この「大当たりC49」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別である。ラウンド数は他の大当たりと共通であるが、大当たり終了後の遊技状態が最も有利度合いが高い時短状態Cに設定されるため、全ての大当たり種別の中で最も有利な大当たり種別である。
なお、これらの「大当たりA49」~「大当たりC49」に加えて、本第9制御例では「大当たりD49」、および「大当たりE49」も設けられている。「大当たりD49」は、小当たりに当選し、小当たり種別として小当たりB49が決定されて当該小当たりB49の小当たり遊技中に特定領域650e3を通過した場合に当選する大当たり種別であり、大当たり終了後の遊技状態が、基本的に時短状態Bに設定される4ラウンド大当たりである。なお、時短状態において「大当たりD49」に当選した場合は、他の大当たり種別と同様に、時短リミット回数に到達していないことを条件として時短状態Cが設定される。また、「大当たりE49」は、小当たりに当選し、小当たり種別として小当たりC49が決定されて当該小当たりB49の小当たり遊技中に特定領域650e3を通過した場合に当選する大当たり種別であり、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される4ラウンド大当たりである。次に、図472(a)を参照して、本第11制御例における時短付与テーブル202eHの詳細について説明する。この時短付与テーブル202eHは、上述した第9制御例における時短付与テーブル202ek(図387(a)参照)と同様に、時短状態を設定する際に、当該時短状態の設定契機に応じた時短状態の終了条件を設定するために参照されるデータテーブルである。図472(a)は、この時短付与テーブル202eHの規定内容を示した図である。
図472(a)に示した通り、本第11制御例における時短付与テーブル202eHには、大当たり種別毎に、時短終了条件の成立有無を判定する際に参照される各カウンタの値が対応付けられて規定されている。なお、図472(a)に示した通り、本第11制御例では、時短終了条件の成立有無を判定するためのカウンタとして、上述した第9制御例と同様に、特図2カウンタ203tと、小当たりカウンタ203sと、特図2カウンタ203tと、規定保留球数カウンタ203kaと、の4つが設けられている。特図2カウンタ203tは、時短状態が設定された後で実行された特別図柄の抽選回数に対応する終了条件(第1終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、小当たりカウンタ203sは、時短状態が設定された後で実行された小当たり遊技の回数に対応する終了条件(第2終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、特図2カウンタ203tは、時短状態が設定された後で実行された第2特別図柄の抽選回数に対応する終了条件(第3終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、規定保留球数カウンタ203kaは、時短状態の最後の変動表示の実行中に貯まった第2特別図柄の保留球の個数に対応する終了条件(第4終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタである。図472(a)に示した通り、本第11制御例では、大当たり種別として「大当たりA49」~「大当たりD49」の4種類が設けられており、時短付与テーブル202eHには、各大当たり種別に対して、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tの値、および規定保留球数カウンタ203kaの値(即ち、第1から第4終了条件)が対応付けて規定されている。
図472(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりA49」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「1」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「3」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「大当たりA49」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数10回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数1回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数3個が設定されている。つまり、時短状態Bに設定される。この時短状態Bにおいて継続的に右打ちを行い続けた場合、最初の第2特別図柄の抽選結果が外れB以外の抽選結果となった場合には、ほぼ、第4終了条件が成立して時短状態が終了される。一方で、最初の第2特別図柄の抽選結果が外れBとなった場合には、変動開始タイミングで時短カウンタ203hの値、および特図2カウンタ203tの値が減算されることにより、特図2カウンタ203tの値が0となって時短状態が終了される。つまり、保留球を1個も増やすこと無く、時短状態Bが終了される。よって、時短状態Bに移行した後、1回目の第2特別図柄の抽選結果が外れBであるか否かに応じて、第2特別図柄の抽選回数を異ならせることができるので、外れBとならないことを強く期待させる遊技性を実現することができる。
一方、図472(a)に示した通り、「大当たりA49」当選時の遊技状態が時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。このため、時短状態において「大当たりA49」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数100回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数100回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数65535個が設定されている。つまり、時短状態Cに設定される。時短状態Cでは、大当たり又は実質的に大当たりが確定する小当たりに約1/3の確率で当選するため、時短状態の最終変動まで時短状態が継続する可能性はほぼ無く、第2終了条件、または大当たり当選に基づいて時短状態が終了される。
また、図472(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりB49」、および「大当たりD49」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「1」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「1」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「大当たりB49」、または「大当たりD49」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数10回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数1回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数1個が設定されている。つまり、時短状態Aに設定される。時短状態Aにおける最初の特別図柄の抽選結果が外れB以外である場合は、時短状態Aにおいて継続的に右打ちを行い続けることにより、ほぼ、第4終了条件が成立して時短状態が終了される。つまり、時短状態Aに移行した後、1回目の第2特別図柄の変動表示(時短最終変動)の実行中に1個の第2特別図柄の保留球を獲得することで第4終了条件が成立するため、ほぼ、2回の第2特別図柄の抽選機会を得ることができる。一方で、最初の第2特別図柄の抽選結果が外れBとなった場合には、変動開始タイミングで時短カウンタ203hの値、および特図2カウンタ203tの値が減算されることにより、特図2カウンタ203tの値が0となって時短状態が終了される。つまり、保留球を1個も増やすこと無く、時短状態Aが終了される。よって、時短状態Aに移行した後、1回目の第2特別図柄の抽選結果が外れBであるか否かに応じて、第2特別図柄の抽選回数を異ならせることができるので、外れBとならないことを強く期待させる遊技性を実現することができる。一方、図472(a)に示した通り、「大当たりB49」、および「大当たりD49」当選時の遊技状態が時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。つまり、「大当たりA49」と同様に、時短状態Cが設定される。
また、図472(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりC49」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。つまり、時短状態において「大当たりA49」や「大当たりB49」に当選した場合と同様に、時短状態Cが設定される。このように、本第11制御例では、第9制御例と同様に、通常状態において大当たりに当選した場合に、大当たり種別に応じて、時短状態A~Cのいずれかが設定される一方で、時短状態において大当たりに当選した場合には、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な時短状態Cに設定されるように構成している。これにより、通常状態において直接または小当たり経由で大当たりに当選した場合は、大当たりの種別に注目して遊技を行わせることができる。また、時短状態において大当たりに当選した場合は、最も有利な時短状態Cが確定していることに対して安心感を抱かせながら遊技を行わせることができる。なお、上述した通り、時短状態Cにおいて大当たりに当選したとしても、時短リミット回数に到達していれば、大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定される。
なお、本第11制御例においては、上述した第9制御例と同様に、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合には大当たり図柄の停止表示時の遊技状態を大当たり当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行を設定した時点の遊技状態)として判断する一方で、特別図柄の抽選結果が小当たりとなって特定領域650e3を遊技球が通過したことに基づいて大当たりに当選した場合には、特定領域650e3を通過した時点の遊技状態を大当たり当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行を設定した時点の遊技状態)として判断する構成としている。そして、上述した通り、時短状態Aや時短状態Bにおいては、通常の遊技方法(継続的に右打ちを行い続ける遊技方法)を行っている限り、ほぼ、1回目の第2特別図柄の変動表示の実行中に第4終了条件が成立して時短状態が終了される。つまり、1回目の第2特別図柄の変動停止タイミングよりも前に時短状態が終了されていることとなるため、1回目の特別図柄の抽選結果が大当たりであっても小当たりであっても、大当たり当選時の遊技状態を通常状態として取り扱うことができる。つまり、時短状態Aや時短状態Bにおいて、最初の第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりになった場合と、最初の第2特別図柄の抽選結果が外れとなり、通常状態に移行してから実行された第2特別図柄の保留球に基づく第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりになった場合とで、有利度合いを共通とすることができる。つまり、最初の第2特別図柄の抽選で大当たりまたは小当たりになったとしても、時短状態における大当たりとはならない(時短状態Cへの移行が確定しない)ため、時短状態において実行される1回目の第2特別図柄の抽選と、通常状態に移行した後で実行される2回目移行の第2特別図柄の抽選とで、同等の期待感を遊技者に対して抱かせることができる。よって、1回目の第2特別図柄の抽選が外れとなった場合でも、遊技者に対して過剰な失望感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
次に、図472(b)を参照して、本第11制御例における小当たり種別選択テーブル202fHの詳細について説明する。この小当たり種別選択テーブル202fHは、上述した第9制御例における小当たり種別選択テーブル202fk(図387(b)参照)と同様に、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に小当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図472(b)は、この小当たり種別選択テーブル202fHの規定内容を示した図である。図472(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0~48」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりA49」が対応付けて規定されており、小当たり種別カウンタC5の値が「49~94」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりB49」が対応付けて規定されており、小当たり種別カウンタC5の値が「95~99」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりC49」が対応付けて規定されている。ここで、「小当たりA49」も、「小当たりB49」も、「小当たりC49」も、小当たり遊技の実行中に右打ちを行い続けるだけで、容易に特定領域650e3へと遊技球を入球させることができる小当たり種別であり、「小当たりA49」、および「小当たりC49」において特定領域650e3へと遊技球が入球した場合は大当たりC49に当選する一方で、「小当たりB49」において特定領域650e3へと遊技球が入球した場合は大当たりD49に当選するように構成されている。
大当たりC49は、上述した通り、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別であり、大当たりD49は、通常状態において当選した場合に大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される一方で、時短状態において当選した場合に大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別である。また、いずれの大当たりも、大当たりのラウンド数が4ラウンドである。よって、大当たりC49の方が大当たりB49よりも有利度合いが高くなるので、通常状態において当選する小当たりとしては、小当たりA49および小当たりC49の方が、小当たりB49よりも有利度合いが高くなる。一方で、時短状態(MAXボーナスモード)においては、いずれの小当たりに当選したとしても、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定されるため、一見すると有利度合いは共通であるかのようにも思われる。しかしながら、小当たりC49に当選した場合は、小当たり遊技の開始時に小当たりカウンタ203sの値が減算されて時短状態が終了される(他の小当たり種別では、V入賞が発生して大当たり遊技の実行を設定した後で時短状態が終了される)。つまり、時短状態Cにおいて小当たりC49に当選し、V入賞が発生して実行が設定された大当たりは、通常状態において当選した(実行が設定された)大当たりとして取り扱われ、時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされる。これにより、MAXボーナスモードにおいて小当たりC49に当選することにより、MAXラウンド(疑似16ラウンド)を超えてMAXボーナスモードが継続するので、MAXボーナスモードにおいて小当たりに当選する毎に、小当たりC49であることに期待させることができる。よって、MAXボーナスモードにおける興趣をより向上させることができる。
小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりA49」、「小当たりB49」、および「小当たりC49」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)がそれぞれ49個、46個、および5個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に「小当たりA49」、「小当たりB49」、および「小当たりC49」が決定される割合は、それぞれ49%(49/100)、46%(46/100)、および5%(5/100)である。次に、図472(c)を参照して、本第11制御例における外れ種別選択テーブル202Haの詳細について説明する。この外れ種別選択テーブル202Haは、特別図柄の抽選で外れとなった場合に外れ種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図472(c)は、この外れ種別選択テーブル202Haの規定内容を示した図である。図472(c)に示した通り、第1特別図柄の完全外れ種別として、外れ種別カウンタC7の取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、外れ種別として「外れA」が対応付けて規定されている。この「外れA」は、変動停止時に時短回数(特図2カウンタ203tや時短カウンタ203h)が減算される外れ種別である。また、図472(c)に示した通り、第2特別図柄の完全外れ種別として、外れ種別カウンタC7の値が「0~89」の範囲に、外れ種別として「外れA」が対応付けて規定され、「90~99」の範囲に、外れ種別として「外れB」が対応付けて規定されている。この「外れB」は、変動開始時に時短回数(特図2カウンタ203tや時短カウンタ203h)が減算される外れ種別であるため、時短回数が1回に設定される(特図2カウンタ203tが1に設定される)時短状態Aや時短状態Bにおいて、1回目の特別図柄の抽選結果が外れBになった場合は、変動開始と同時に時短状態が終了され、第2特別図柄の保留球を貯める機会が得られなくなる。よって、特に、時短状態Aや時短状態Bにおいて1回目の第2特別図柄の抽選が外れBであるか、それ以外の抽選結果であるかによって、遊技者の有利度合いが大幅に変わるので、外れの種別にも注目して遊技を行わせることができる。
次に、図473を参照して、本第11制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図473は、本第11制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図473に示した通り、本第11制御例におけるRAM223は、上述した第9制御例におけるRAM223の構成(図389参照)に対して、残突破回数カウンタ223Haと、突破演出フラグ223Hbと、初回入賞済フラグ223Hcと、が追加されている点で相違している。その他の構成については上述した第9制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。残突破回数カウンタ223Haは、MAXボーナスモードの途中で時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされたことにより、MAXボーナスモードにおける基本的な大当たり回数である4回を超えて当選する大当たりの回数をカウントするためのカウンタである。この残突破回数カウンタ223Haは、初期値が0に設定されており、時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされた(即ち、MAXボーナスモードにおいて小当たりC49に当選した)場合に、4回を超えて当選する大当たりの回数に対応するカウンタ値が設定される(図481のS3637G参照)。また、MAXボーナスモードが大当たり4回を超えて継続している間に再度、小当たりC49に当選した場合には、V入賞を条件として、そこから更に4回大当たりに当選するまでMAXボーナスモードが継続するため、値が4に上書きされる(図481のS3638G参照)。大当たりのエンディング演出を設定する際は、この残突破回数カウンタ223Haの値に応じて、継続ジャッジ演出で継続を報知するか終了を報知するかが決定される。
突破演出フラグ223Hbは、MAXボーナスモードにおいて基本的な(即ち、時短リミット回数分の)大当たり回数である4回を超えてMAXボーナスモードが継続している状況であるか否かを示すフラグである。この突破演出ラグ223Hbがオンであれば、MAXボーナスモードが大当たり4回を超えて継続していることを示し、オフであれば、MAXボーナスモードが大当たり4回を超えて継続している状況ではないことを意味する。この突破演出フラグ223Hbは、MAXラウンド突破演出(図467(b)参照)の実行を設定した場合にオンに設定される(図482のS5909G参照)。初回入賞済フラグ223Hcは、時短状態Aや時短状態B(即ち、第2特別図柄の抽選が1回実行されることで終了される時短状態)に移行した後において、第2入球口640に対する初回の始動入賞を既に検出済であるか否かを示すフラグである。この初回入賞済フラグ223Hcがオンであれば、既に初回の第2特別図柄の始動入賞を検出済であることを意味し、オフであれば、初回の第2特別図柄の始動入賞を未検出であることを意味する。この初回入賞済フラグ223Hcは、初期値がオフに設定されており、時短状態Aや時短状態Bにおいて初回の第2特別図柄の始動入賞を検出した場合にオンに設定される(図479のS5835G参照)。
<第11制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図474から図477を参照して、本第11制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図474を参照して、本第11制御例における特別図柄判定処理(S201G)の詳細について説明する。この特別図柄判定処理(S201G)は、上述した第9制御例における特別図柄判定処理(図390参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄判定処理(図390参照)と同様に、特別図柄の抽選を実行するための処理である。この第11制御例における特別図柄判定処理(図474参照)のうち、S301~S305およびS321A~S323Aの各処理では、それぞれ第9制御例における特別図柄判定処理(図390参照)のS301~S305およびS321A~S323Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第11制御例における特別図柄判定処理(図474参照)では、S321Aの処理において、抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S321A:No)、特別図柄の抽選結果が完全外れとなったことを意味するため、外れ種別を決定して外れ種別に応じた制御を行うための外れ時処理の処理を実行し(S301G)、本処理を終了する。次いで、図475を参照して、本第11制御例における特別図柄判定処理(図474)の一処理である外れ時処理(S301G)について説明する。この外れ時処理(S301G)は、上述した通り、外れ種別を決定して外れ種別に応じた制御を行うための処理である。図475は、この外れ時処理(S301G)の内容を示したフローチャートである。
この外れ時処理(S301G)では、まず、特別図柄の抽選結果を完全外れに設定し(S331G)、次いで、取得した外れ種別カウンタC7の値に基づいて、外れ種別選択テーブル202Ha(図472(c)参照)から対応する外れ種別を特定して、その特定した外れ種別を第1図柄表示装置に表示する外れ図柄としてセットする(S332G)。次いで、外れ種別が外れBであるか否かを判別し(S333G)、外れ種別が外れBであると判別した場合には(S333G:Yes)、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であるかを判別する(S334G)。時短カウンタ203hの値が0より大きい値であると判別した場合には(S334G:Yes)、時短カウンタ203hの値、および特図2カウンタ203tの値をそれぞれ1減算し(S335G)、変動開始タイミングで時短回数の減算を行ったことを示すための減算済フラグをオンに設定する(S336G)。S336Gの処理が終了すると、次いで、更新後の各カウンタの値を示す残時短回数コマンドを設定し(S337G)、時短カウンタ203hの値、特図2カウンタ203tの値のいずれかが0であるか否かを判別する(S338G)。S338Gの処理において、時短カウンタ203hの値、または特図2カウンタ203tの値のどちらかが0であると判別した場合には(S338G:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S339G)、時短カウンタ203h、特図2カウンタ203t、小当たりカウンタ203sおよび規定保留球数カウンタ203kaの値をすべて0に設定し(S340G)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S341G)、本処理を終了する。これに対し、S333Gの処理において、外れ種別が外れBではないと判別した場合(S333G:No)、S334Gの処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合(S334G:No)、およびS338Gの処理において、時短カウンタ203hの値も特図2カウンタ203tの値も0ではないと判別した場合には(S338G:No)、そのまま本処理を終了する。
この外れ時処理(図475参照)を実行することにより、外れ種別に応じて時短回数の更新タイミングを異ならせることができる。即ち、外れ種別が外れAである場合は、変動終了時に時短回数を更新する一方で、外れBである場合には、変動開始時に時短回数を更新することができる。よって、特に、時短状態の最終変動が完全外れとなった場合に、当該最終変動中に貯めることができる第2特別図柄の保留球数を大きく異ならせることができる斬新な遊技性を実現することができる。次に、図476を参照して、本第11制御例における時短更新処理(S202G)の詳細について説明する。この時短更新処理(S202G)は、上述した第9制御例における時短更新処理(図392参照)に代えて実行される処理であり、時短更新処理(図392参照)と同様に、時短終了条件を判定するための各種カウンタ値を更新すると共に、時短終了条件が成立したと判定した場合に時短状態を終了させるための処理である。この第11制御例における時短更新処理(図476参照)のうち、S601~S605、S607、S631AおよびS633A~S639Aの各処理では、それぞれ上述した第9制御例における時短更新処理(図392参照)のS601~S605、S607、S631AおよびS633A~S639Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第11制御例における時短更新処理(図476参照)では、S601の処理において時短カウンタ203hの値が0より大きい値(即ち、1以上の値)であると判別した場合に(S601:Yes)、次いで、減算済フラグがオンであるか否かを判別して(S601G)、減算済フラグがオンであると判別した場合は(S601G:Yes)、変動開始時に既に時短回数が減算されており、今回(変動停止時に)時短回数を減算する必要がないことを意味するため、減算済フラグをオフに設定した上で(S602G)、本処理を終了する。これに対して、S601Gの処理において、減算済フラグがオフであると判別した場合は(S601G:No)、変動開始時において時短回数が減算されていないことを意味するため、時短回数を減算するために、処理をS602へと移行する。
また、本第11制御例における時短更新処理(図476参照)では、S604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合に(S604:No)、第9制御例における小当たり時短更新処理(図393参照)に代えて小当たり時短更新処理を実行し(S603G)、処理をS633Aへと移行する。なお、小当たり時短更新処理(S603G)の詳細については、図477を参照して後述する。次いで、図477を参照して、本第11制御例における時短更新処理(図476)の一処理である小当たり時短更新処理(S603G)について説明する。この小当たり時短更新処理(S603G)は、上述した第9制御例における小当たり時短更新処理(図393参照)に代えて実行される処理であり、小当たり時短更新処理(図393参照)と同様に、小当たり当選に基づいて時短終了条件を判定するための各種カウンタ値を更新すると共に、時短終了条件が成立したと判定した場合に時短状態を終了させるための処理である。図477は、この小当たり時短更新処理(S603G)の内容を示したフローチャートである。この第11制御例における小当たり時短更新処理(図477参照)のうち、S701~S704、S706、およびS711A~S713Aの各処理では、それぞれ上述した第9制御例における小当たり時短更新処理(図393参照)のS701~S704、S706、およびS711A~S713Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第11制御例における小当たり時短更新処理(図477参照)では、S711Aの処理において、MAXボーナスモードであると判別した場合に(S711A:Yes)、次いで、今回の小当たりが小当たりC49であるかを判別し(S701G)、小当たりC49であると判別した場合には(S701G:Yes)、処理をS702へと移行する。一方、小当たりC49ではないと判別した場合には(S701G:No)、処理をS712Aへと移行する。
これにより、MAXボーナスモード(時短状態C)において小当たりC49に当選した場合は、小当たり変動の停止時に時短回数を更新することができる。即ち、時短状態を終了させることができるので、小当たり遊技が開始されてV入賞が発生し、大当たり遊技の実行が設定された時点の遊技状態を、通常状態として取り扱うことができる。これにより、時短リミット回数までの残回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)をリセットすることができ、今回のV入賞に基づく大当たりを含む4回分の大当たりが終了するまでMAXボーナスモードを継続させることができる。一方で、小当たりC49以外の小当たりとなった場合は、V入賞が発生して大当たり遊技の実行が設定された後で時短状態を終了させることができるので、大当たり終了時に時短リミット回数までの残回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)を減算させることができる。
<第11制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図478から図483を参照して、本第11制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図478を参照して、本第11制御例(第9制御例)におけるコマンド判定処理(図400)の一処理である入賞情報コマンド処理(S3201G)の詳細について説明する。図478は、この入賞情報コマンド処理(S3201G)を示すフローチャートである。この第11制御例における入賞情報コマンド処理(図478参照)のうち、S5801A、S5802AおよびS5807A~S5810Aの各処理では、それぞれ上述した第9制御例における入賞情報コマンド処理(図401参照)のS5801A、S5802AおよびS5807A~S5810Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第11制御例における入賞情報コマンド処理(図478参照)では、S5802Aの処理において、時短モード又はチャンスモードであると判別した場合には(S5802A:Yes)、始動入賞に基づいて取得された入賞情報を参照して攻撃アイコンを選択するための攻撃アイコン選択処理を実行し(S5801G)、本処理を終了する。この攻撃アイコン選択処理(S5801G)の詳細について、図479を参照して説明する。
図479は、上述した攻撃アイコン選択処理を示すフローチャートである。この攻撃アイコン選択処理(S5801G)では、まず、攻撃アイコン選択テーブル222ka(図388(b)参照)を読み出して(S5831G)、読み出した攻撃アイコン選択テーブル222kaから、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報に対応する抽選結果と、第1演出カウンタ223f1のカウンタ値と、に応じた攻撃アイコン種別を決定する(S5832G)。そして、初回入賞済フラグ223Hcがオンであるかを判別し(S5833G)、初回入賞済フラグ223Hcがオンであると判別した場合には(S5833G:Yes)、決定したアイコン種別を報知する報知演出を設定し(S5834G)、処理をS5838Gへと移行する。一方、S5833Gの処理において、初回入賞済フラグ223Hcがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5833G:No)、初回入賞済フラグ223Hcをオンに設定し(S5835G)、外れBに対応する入賞情報であるかを判別し(S5836G)、外れBに対応する入賞情報であると判別した場合には(S5836G:Yes)、処理をS5834Gへと移行する。これに対し、外れBに対応する入賞情報ではないと判別した場合には(S5836G:Yes)、決定したアイコン種別を報知した後で回数上乗せ演出(図470参照)が発生する報知演出を設定し(S5837G)、決定したアイコン種別に応じて情報格納エリアの情報を更新し(S5838G)、本処理を終了する。この攻撃アイコン選択処理(図479参照)を実行することにより、時短状態Aや時短状態Bにおいて外れB以外の抽選結果に対応する第2特別図柄の変動表示が実行された場合に、回数上乗せ演出により第2特別図柄の保留球を追加で獲得する機会が与えられることを遊技者に対して報知することができる。
次に、図480を参照して、本第11制御例における大当たり関連処理(S3401G)の詳細について説明する。この大当たり関連処理(S3401G)は、上述した第9制御例における大当たり関連処理(図402参照)に代えて実行される処理であり、大当たり関連処理(図402参照)と同様に、主制御装置110から大当たり関連のコマンドを受信した場合に、受信したコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。図480は、この大当たり関連処理(S3401G)を示すフローチャートである。この第11制御例における大当たり関連処理(図480参照)のうち、S3603,S3605,S3606,S3610、S3614および3625Aの各処理では、それぞれ上述した第9制御例における大当たり関連処理(図402参照)のS3603,S3605,S3606,S3610、S3614および3625Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第11制御例における大当たり関連処理(図480参照)では、S3603の処理において、主制御装置110からオープニングコマンドを受信したと判別した場合に(S3603:Yes)、今回の大当たりのオープニング期間中に実行するオープニング演出の演出態様を決定するためのオープニングコマンド処理を実行し(S3601G)、処理をS3614へと移行する。なお、オープニングコマンド処理(S3601G)の詳細については、図481を参照して後述する。また、本第11制御例における大当たり関連処理(図480参照)では、S3610の処理において、エンディングコマンドを受信したと判別した場合に(S3610:Yes)、第9制御例におけるエンディングコマンド処理(図403参照)に代えてエンディングコマンド処理を実行し(S3602G)、処理をS3614へと移行する。このエンディングコマンド処理(S3602G)の詳細については、図482を参照して後述する。
次に、図481を参照して、上述したオープニングコマンド処理(S3601G)の詳細について説明する。図481は、このオープニングコマンド処理(S3601G)を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理(S3601G)では、まず、大当たり種別と残当たり回数カウンタ223kbの値と残突破回数カウンタ223Haの値とに応じたオープニング演出を決定する(S3631G)。即ち、S3631Gの処理では、残当たり回数カウンタ223kbの値と残突破回数カウンタ223Haの値とが共に0であれば、大当たり種別が大当たりC49である場合にMAXボーナスの開始を示すオープニング演出を決定する一方で、大当たりC49以外の大当たり種別であれば、4ラウンド大当たり用のオープニング演出を決定する。また、残当たり回数カウンタ223kbの値と残突破回数カウンタ223Haの値とのどちらかが1以上である場合は、MAXボーナスモード中の大当たりであることを意味し、複数回の大当たりで1の大当たりに見せる演出を実行中であることを意味するため、大当たり当選前の時短状態Cから引き続いて疑似インターバル演出が継続する演出態様のオープニング演出を決定する。S3631Gの処理が終了すると、次いで、S3631Gの処理で決定した演出態様に対応する表示用オープニングコマンドを設定し(S3632G)、MAXボーナスモードの初回大当たりであるかを判別する(S3633G)。S3633Gの処理において、MAXボーナスモードの初回大当たりであると判別した場合には(S3633G:Yes)、残当たり回数カウンタ223kbに4を設定し(S3634G)、そのまま本処理を終了する。
一方、S3633Gの処理において、MAXボーナスモードの初回大当たりではないと判別した場合には(S3633G:No)、次いで、今回の大当たりが小当たりC49を契機とする大当たりである(即ち、時短リミット回数までの残り回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされている)か否かを判別し(S3635G)、今回の大当たりが小当たりC49を契機とする大当たりではないと判別した場合には(S3635G:No)、本処理を終了する。一方、今回の大当たりが小当たりC49を契機とする大当たりである(即ち、時短リミット回数までの残り回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされている)と判別した場合には(S3635G:Yes)、次いで、残当たり回数カウンタ223kbの値が0より大きい値であるか否かを判別し(S3636G)、残当たり回数カウンタ223kbの値が0より大きい値であると判別した場合は(S3636G:Yes)、4から残当たり回数カウンタ223kbのカウンタ値を減算した値(つまり、時短リミット回数までの残り回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされたことにより、MAXボーナスモードの基本的な大当たり当選回数である4回を超えて当選する大当たりの回数)を残突破回数カウンタ223Haに設定し(S3637G)、本処理を終了する。一方、S3636Gの処理において、残当たり回数カウンタ223kbの値が0であると判別した場合は(S3636G:No)、既にMAXボーナスモードが大当たり4回を超えて継続している状況で、更に時短リミット回数までの残り回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされた(更に4回大当たり遊技が実行されるまでMAXボーナスモードが継続する)ことを意味するため、残突破回数カウンタ223Haのカウンタ値に4を上書きして(S3638G)、本処理を終了する。
次に、図482を参照して、上述したエンディングコマンド処理(S3602G)の詳細について説明する。このエンディングコマンド処理(S3602G)は、上述した第9制御例におけるエンディングコマンド処理(図403参照)に代えて実行される処理であり、エンディングコマンド処理(図403参照)と同様に、エンディング演出を設定するための処理である。図482は、このエンディングコマンド処理(S3602G)を示すフローチャートである。この第11制御例におけるエンディングコマンド処理(図482参照)のうち、S5901A~5905Aの各処理では、それぞれ上述した第9制御例におけるエンディングコマンド処理(図403参照)のS5901A~5905Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第11制御例におけるエンディングコマンド処理(図482参照)では、S5901Aの処理において、残当たり回数カウンタ223kbのカウンタ値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合に(S5901A:No)、残突破回数カウンタ223Haの値が0より大きい値であるかを判別し(S5901G)、残突破回数カウンタ223Haの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S5901G:No)、今回の大当たりがMAXボーナスモードにおける大当たりではないことを意味するため、処理をS5902Aへと移行する。
一方、S5901Gの処理において、残突破回数カウンタ223Haの値が0より大きい値であると判別した場合には(S5901G:Yes)、残突破回数カウンタ223Haの値を1減算し(S5902G)、減算後のカウンタ値が0であるかを判別する(S5903G)。S5903Gの処理において、減算後の残突破回数カウンタ223Haのカウンタ値が0ではないと判別した場合は(S5903G:No)、今回の大当たりでは時短リミット回数に到達しておらず、少なくとも次の大当たりまでMAXボーナスモードが継続することを意味するため、継続が報知される継続ジャッジ演出を伴うエンディング演出(図468(b)参照)を示す表示用エンディングコマンドを設定し(S5904G)、本処理を終了する。一方、S5903Gの処理において、減算後の残突破回数カウンタ223Haのカウンタ値が0であると判別した場合には(S5903G:Yes)、今回の大当たりで時短リミット回数に到達したことによりMAXボーナスモードの終了タイミングとなったことを意味するため、MAXボーナス終了処理を実行し(S5905G)、本処理を終了する。なお、MAXボーナス終了処理(S5905G)の詳細については、図483を参照して後述する。
また、本第11制御例におけるエンディングコマンド処理(図482参照)では、S5904Aの処理において、減算後の残当たり回数カウンタ223kbのカウンタ値が0であると判別した場合に(S5904A:Yes)、残突破回数カウンタ223Haのカウンタ値が0より大きい値であるか否かを判別し(S5906G)、残突破回数カウンタ223Haのカウンタ値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S5906G:No)、上述したMAXボーナス終了処理を実行し(S5905G)、本処理を終了する。一方、S5906Gの処理において、残突破回数カウンタ223Haの値が0より大きい値であると判別した場合には(S5906G:Yes)、残突破回数カウンタ223Haの値を1減算し(S5907G)、MAXラウンド突破演出を伴うエンディング演出(図467(b)参照)を示す表示用エンディングコマンドを設定し(S5908G)、次いで、突破演出フラグ223Hbをオンに設定し(S5909G)、本処理を終了する。次に、図483を参照して、上述したMAXボーナス終了処理(S5905G)の詳細について説明する。図483は、このMAXボーナス終了処理(S5905G)を示すフローチャートである。図483に示した通り、MAXボーナス終了処理(S5905G)では、まず、入賞情報格納エリア223aのデータを読み出して(S5931G)、攻撃アイコン選択テーブル222kaを参照して最も古い入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定し(S5932G)、次いで、決定した攻撃アイコンに応じてアイコン情報格納エリア223kaのデータを更新する(S5933G)。S5933Gの処理が終了すると、次いで、前回判別した入賞情報よりも新しい入賞情報に対応する攻撃アイコンを、攻撃アイコン選択テーブル222kaを参照して決定し(S5934G)、決定した攻撃アイコンに応じてアイコン情報格納エリア223kaのデータを更新する(S5935G)。
S5935Gの処理が終了すると、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定したか否かを判別し(S5936G)、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定していないと判別した場合には(S5936G:No)、処理をS5934Gへと戻すことにより、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンの種別を決定してアイコン情報格納エリア223kaのデータに反映されるまで、S5934G~S5936Gの各処理を繰り返し実行する。一方、S5936Gの処理において、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定したと判別した場合には(S5936G:Yes)、突破演出フラグ223Hbがオンであるかを判別し(S5937G)、突破演出フラグ223Hbがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5937G:No)、MAXボーナスの終了が報知された後でアイコン情報格納エリア223kaのデータに応じた攻撃アイコンが報知される態様のエンディング演出に決定し(S5938G)、処理をS5941Gへと移行する。一方、S5937Gの処理において、突破演出フラグ223Hbがオンであると判別した場合には(S5937G:Yes)、突破演出フラグ223Hbをオフに設定し(S5939G)、継続ジャッジ演出で終了が報知された後でアイコン情報格納エリア223kaのデータに応じた攻撃アイコンが報知される態様エンディング演出に決定し(S5940G)、次いで、決定した演出態様のエンディング演出を示す表示用エンディングコマンドを設定し(S5941G)、本処理を終了する。このMAXボーナス終了処理(図483参照)を実行することにより、MAXボーナスモードの間に保留され、通常状態Bにおいて消化される4個分の第2特別図柄の保留球の期待度を、MAXボーナスモードのエンディング演出によって予め報知することができる。
以上説明した通り、第11制御例におけるパチンコ機10では、時短状態に設定されてから時短状態の間に獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化されて通常状態に移行するまでの第2特別図柄の抽選回数が異なる複数の遊技状態を設ける構成とした。つまり、比較的有利度合いが低い第1遊技状態(時短状態A)と、比較的有利度合いが高い第2遊技状態(時短状態C)と、これらの間の有利度合いの第3遊技状態(時短状態B)と、を設ける構成とし、且つ、ほぼ確実に次回の大当たりまで継続する時短終了条件が設定される第2遊技状態(時短状態C)に一旦移行すると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される(時短リミット回数分の大当たり当選がほぼ確定する)極めて有利な状態(MAXボーナスモード)を形成する構成とした。加えて、本第11制御例では、特定のカウンタ(時短リミットカウンタ203kb)のカウンタ値に対して所定の初期値(3)を設定する初期値設定制御を実行可能な第1制御手段と、特定のカウンタのカウンタ値を所定の更新規則(時短状態中に大当たり遊技の実行が設定される毎に1減算する更新規則)に従って更新する更新制御を実行可能な第2制御手段と、を有して構成され、第1遊技状態(時短状態A)において第2遊技状態(時短状態C)が設定され得る特定特典遊技(大当たりC49)の実行条件が成立した(小当たりA49,C49のいずれかに当選した)場合に、初期値設定制御が実行され得る一方で、第2遊技状態(時短状態C)において特定特典遊技の実行条件が成立した場合に、初期値設定制御が実行される第1の状況(大当たりC49の実行契機が小当たりC49である場合)と、更新制御が実行される第2の状況(大当たりC49の実行契機が小当たりA49である場合)と、のどちらかが成立し得る構成としている。これにより、時短状態Cにおいて予め定められた特定条件が成立した場合に、時短状態Cと大当たりとの繰り返しが、時短リミット回数に相当する回数を上回る回数に渡って繰り返され得る構成とすることができる。より具体的には、時短状態Cにおいて、基本的には大当たりの実行を設定するタイミングよりも後(特別図柄の抽選で大当たりとなって大当たり遊技の実行を設定した後、若しくは小当たりとなって小当たり遊技中にV入賞を検出して大当たり遊技の実行を設定した後)で時短状態を終了させることにより、大当たり遊技の実行を設定した時点の遊技状態を時短状態とし、大当たり終了時に時短リミット回数までの残回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)を1減算するように構成する一方で、特定の種別の小当たり(小当たりC49)に当選した場合に限り、大当たりの実行を設定するタイミングよりも前(小当たり遊技の開始時)に時短状態を終了させるように構成した。即ち、特定の種別の小当たり(小当たりC49)に当選した場合は、V入賞が発生するよりも前に時短状態が終了されていることにより、大当たり遊技の実行を設定するタイミングにおける遊技状態を通常状態とし、大当たり終了時に時短リミット回数までの残回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)を初期値である3にリセットする構成としている。これにより、時短状態Cと、第2特別図柄の大当たりとの繰り返しの間に特定の種別の小当たり(小当たりC49)に当選した場合に、そこから更に時短リミット回数分の大当たり当選が保証されるので、実質的に、特定の種別の小当たり(小当たりC49)に当選したことを契機として、時短リミット回数分の大当たりを上乗せしたかのような斬新な挙動を実現することができる。よって、時短状態Cと大当たりとが繰り返されている間にも、特定の種別の小当たり(小当たりC49)に当選することに期待して遊技を行わせることができるので、時短状態Cと大当たりとがどこまで続くか分からないわくわく感を遊技者に対して抱かせることができる。これにより、時短状態Cと大当たりとが繰り返されている間における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
また、本第11制御例におけるパチンコ機10では、所定の設定条件の成立(大当たり終了後に時短状態Cへと移行する種別の大当たりに最初に当選したこと)に基づいて、特定期間(大当たり遊技が4回終了するまで)に渡って遊技者に有利な特定制御(大当たり遊技と時短状態Cとが繰り返される制御)が設定される特定状態(MAXボーナスモード)を設定する特定状態設定手段を有すると共に、特定状態(MAXボーナスモード)に移行してから特定期間が終了する(時短リミット回数目の大当たりが終了する)までの間の遊技(4回の4ラウンド大当たり、および各大当たり間の3回の時短状態Cの継続期間であるMAXボーナスモード)における演出として、あたかも1の16ラウンド大当たりが実行されているかのように遊技者に対して思わせる演出(疑似MAX大当たり演出)を実行する構成としている。これにより、実際には4ラウンドの大当たりに4回当選しているにもかかわらず、1回の大当たり当選で16ラウンド分の賞球を獲得できたかのように遊技者に思わせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。加えて第11制御例におけるパチンコ機10では、特定制御(大当たり遊技と時短状態Cとが繰り返される制御)が特定期間(4回の大当たり遊技)を超えて継続することが決定された(小当たりC49に当選して時短リミットカウンタ203kbが初期値にリセットされることが決定された)場合に、決定されたタイミングとは少なくとも異なる所定タイミング(4回目の大当たり遊技の終了タイミング)で、特定制御が特定期間を超えて継続することを遊技者に対して示唆可能な特定演出(MAXラウンド突破演出)を実行する特定演出実行手段と、を有して構成されている。つまり、特定の種別の小当たり(小当たりC49)に当選して時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされた(特定の種別の小当たり当選に基づく大当たりを含め、更に4回分の大当たりが上乗せされた)場合に、所定契機で時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)のリセット(大当たりの上乗せが発生していたこと)を報知する演出を実行する構成としている。より具体的には、4回目の大当たりの終了タイミング(即ち、疑似MAX大当たり演出における疑似16ラウンド遊技の終了後のエンディング期間)において、大当たりが更に継続すること(疑似的なMAXラウンドである16ラウンドを突破すること)を示すMAX突破演出を実行する構成としている。そして、一旦MAX突破演出が実行された後は、大当たり毎に(即ち、疑似MAX大当たり演出における疑似4ラウンド遊技毎に)、MAXボーナスモードが継続するか否かを示す継続ジャッジ演出により時短リミット回数に到達していたか否かを報知する構成としている。言い換えれば、時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされたタイミングでは当該リセットを報知せず、予め設定されている報知タイミング(疑似16ラウンド遊技の終了タイミング)で時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされていたこと(MAXボーナスモードが疑似16ラウンドを超えて継続すること)のみを報知する構成としている。また、1の契機(疑似16ラウンド遊技の終了タイミング)でMAXボーナスモードがどこまで継続するのかを明確に報知するのでなく、疑似4ラウンド遊技単位(即ち、1の大当たり遊技単位)で継続有無を小出しにして報知する構成としている。このように構成することで、疑似4ラウンド遊技単位毎(即ち、1の大当たり遊技単位)に、次の疑似ラウンドに継続するか(即ち、時短リミット回数が残っているか)否かに注目して遊技を行わせることができるので、MAXラウンド突破演出が実行されてから継続ジャッジ演出でMAXボーナスモードの終了(時短リミット回数への到達)が報知されるまでの間における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、極めて斬新、且つ、興趣性の高い演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、本第11制御例では、時短状態Aと時短状態Bとで、時短回数を共通にしているにもかかわらず、時短状態に移行してから当該時短状態の間に検出した全ての始動入賞に基づく第2特別図柄の抽選が終了するまでの間における実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせる斬新な制御を採用している。具体的には、時短状態の終了条件として、特別図柄の抽選回数(第1特別図柄と第2特別図柄との合計の抽選回数)が規定回数となったことに基づいて成立する第1終了条件と、小当たり遊技の実行回数が規定回数となったことに基づいて成立する第2終了条件と、第2特別図柄の抽選回数が規定回数となったことに基づいて成立する第3終了条件と、に加え、時短最終変動の実行中に第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する第4終了条件と、を設ける構成としている。そして、時短状態Aと時短状態Bとで、第1~第3終了条件を共通とし、第4終了条件のみを異ならせることにより、実質的に第2特別図柄の抽選を2回実行可能な時短状態Aと、実質的に第2特別図柄の抽選を4回実行可能な時短状態Bと、を形成している。加えて、第11制御例におけるパチンコ機10では、時短状態において時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)を減算するタイミングを条件に応じて異ならせることにより、同一の時短状態であっても、第2特別図柄の保留球の貯め易さを条件に応じて可変させ、同一の時短状態でも条件に応じて実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせる構成としている。より具体的には、時短状態においては、特別図柄の抽選が実行されてから当該抽選結果を示すための変動表示が終了されるまでの間における第1タイミングと、その第1タイミングとは異なる第2タイミングと、のうちいずれか一方のタイミングで時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)を減算する構成とし、第1タイミングで時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算された場合は、第2タイミングで減算された場合よりも、特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の保留球が貯め難くなるように構成している。更に詳述すると、本第11制御例では、特別図柄の抽選結果が完全外れとなった場合における完全外れの種別として、外れAと、外れBと、の2種類を設ける構成とし、時短状態において特別図柄の抽選で完全外れとなって外れ種別として外れAが決定された場合には、上述した第9制御例において完全外れになった場合と同様に、変動停止タイミング(第1タイミング)で時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算される一方で、外れ種別として外れBが決定された場合には、外れBを示す変動表示の開始タイミング(第2タイミング)で時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算されるように構成している。これにより、残時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が1の状態(即ち、時短最終変動)で外れAが決定された場合は、変動表示の終了まで特図2カウンタ203tが減算されることがないため、時短最終変動の実行中に右打ち遊技を行い続けるだけで、第4終了条件(第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する終了条件)が成立するまで第2特別図柄の保留球を貯めることができる。これに対して、残時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が1の状態(即ち、時短最終変動)で外れBが決定された場合は、変動開始時に特図2カウンタ203tが減算されることで時短状態が終了されるため、変動表示の実行中は既に通常状態に転落済みの状態となる。言い換えれば、時短最終変動において第2特別図柄の保留球を貯めることが極めて困難となるため、第2特別図柄の抽選回数を増加させることも困難となる。よって、本第11制御例では、時短最終変動において特図2カウンタ203tの減算タイミングが第1タイミング(変動停止タイミング)に設定される場合よりも、第2タイミング(変動開始タイミング)に設定された場合の方が、同一の時短状態であっても第2特別図柄の抽選回数が少なくなり易くなるので、同一の時短状態であっても有利度合い(有利な第2特別図柄の抽選の実質的な実行回数)を異ならせる斬新な遊技性を実現することができる。
なお、本第11制御例では、外れ種別として、時短回数が変動停止時に減算される外れAと、変動開始時に減算される外れBと、を設ける構成として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球の貯まり易さを可変させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり終了後の時短状態として、時短回数が変動停止時に減算される時短状態Aや時短状態Bが付与される大当たり種別と、変動開始時に減算される時短状態Aや時短状態Bが付与される大当たり種別と、を設ける構成としてもよい。このように構成した場合も、大当たり種別に応じて同じ時短状態でも第2特別図柄の保留球の貯め易さを可変させることができる。本第11制御例では、外れ種別として、時短回数が変動停止時に減算される外れAと、変動開始時に減算される外れBと、を設ける構成として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球の貯まり易さを可変させる構成としていたが、これに代えて、時短最終変動において所定割合(例えば、10%の割合)で極端に短い変動時間(例えば、0.1秒間)が選択される構成としてもよい。即ち、最終変動において第2特別図柄の保留球を貯めることが実質的に不可能となる変動時間が設定される場合と、容易に第2特別図柄の保留球を貯めることができる変動時間が設定される場合と、を設ける構成としてもよい。このように構成した場合、外れ種別を選択する制御処理を行う必要がないため、上述した第11制御例に比較して、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、時短状態の最終変動の変動時間を抽選により決定するのに代えて、大当たり種別によって時短最終変動の変動時間が予め定められるように構成してもよい。つまり、大当たり終了後の時短状態として、最終変動の変動時間が比較的長い変動時間(例えば、20秒)に設定される時短状態Aや時短状態Bが付与される大当たり種別と、最終変動の変動時間が極端に短い変動時間(例えば、0.1秒)に設定される時短状態Aや時短状態Bが付与される大当たり種別と、を設ける構成としてもよい。このように構成した場合も、大当たり種別に応じて同じ時短状態でも第2特別図柄の保留球の貯め易さを可変させることができる。
本第11制御例では、外れ種別として、時短回数が変動停止時に減算される外れAと、変動開始時に減算される外れBと、を設ける構成として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球の貯まり易さを可変させる構成としていたが、時短回数を減算するタイミングはこれに限られるものではない。例えば、変動開始後、所定期間(例えば、普通図柄の当たり遊技が1回以上、2回未満実行可能な長さの期間)経過時に時短回数を減算する構成としてもよい。このように構成することで、第2特別図柄の保留球の貯め易さを更に細分化して設定することができるので、設計の自由度を高めることができる。
本第11制御例では、MAXボーナスモード(時短状態C)において第2特別図柄の抽選で小当たりになった(大当たり遊技の実行条件が成立した)場合に、小当たり種別に応じて、小当たり開始時に時短状態を終了させることで時短リミットカウンタ203kbを初期値にリセットする制御(図399のS2408A参照)と、小当たりにおいてV入賞を検出して大当たりの実行を設定した後で時短状態を終了させることで時短リミットカウンタ203kbの値を1減算して更新する制御(図399のS2409A参照)と、のどちらかを実行する構成としていたが、大当たり遊技の実行条件が成立した場合に初期値にリセットする制御と更新する制御とのどちらも行われ得る対象は、時短リミットカウンタ203kbに限られるものではなく、遊技の制御に用いる他のカウンタに適用してもよい。例えば、時短状態Cにおいては、時短回数(特図2カウンタ203tの値)を15に設定し、大当たり当選時に特図2カウンタ203tの値を基本的に引き継ぐ(大当たり前のカウンタ値から引き継いで更新される)ように構成し、大当たり当選時の一部(例えば、特定の種別の小当たりに当選した場合)でのみ、特図2カウンタ203tのカウンタ値に時短状態C用の初期値である100を再設定する構成としてもよい。このように構成した場合、時短状態Cにおいて大当たりに当選しても、時短回数(特図2カウンタ203tの値が)が基本的に増加されず、少ない(5回以内)の抽選回数で大当たりに当選し続けなければ時短リミット回数に到達する前にMAXボーナスモードが終了されてしまう遊技性を実現することができる。よって、時短状態Cに移行した場合に、少ない抽選回数で当選することを目指させることができ、遊技に緊張感を持たせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第11制御例では、MAXボーナスモードが大当たり4回を超えて継続することが決定された場合に、当該継続が決定されたタイミングによらず、4回目の大当たりのエンディング期間中に、MAXボーナスモードが疑似16ラウンド(大当たり4回)を超えて継続することを報知する構成としていたが、MAXボーナスモードの継続を報知するタイミングはこれに限られるものではない。MAXボーナスモードが大当たり4回を超えて継続した場合の一部又は全部で、決定されたタイミング(小当たりC49に対応する変動表示演出中、小当たりC49の小当たり遊技中、若しくは小当たりC49でV入賞が発生した場合に実行される大当たり遊技中)でMAXボーナスモードが4回を超えて継続することを報知する演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者に対してMAXボーナスモードで常に、継続が示唆されることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、例えば、一旦通常状態Bに移行したと見せかけて、所定タイミング(例えば、4回目の大当たり終了後のいずれかの保留球に基づく変動表示演出中や、4回以内に大当たりに当選した場合の大当たり変動中、時短状態Cに移行した後の固定秒(例えば、5秒間)数経過時等)で、実はMAXボーナスモードが継続していたということを遊技者が認識可能な演出(復活演出)を実行し、疑似MAX大当たり演出の続きに復活させる構成としてもよい。このように構成することで、通常状態Bに移行したと思っている遊技者に対して、大きな喜びと驚きとを与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第12制御例>
次に、図486から図538を参照して、第12制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第12制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点とで相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部と、表示制御装置114にて実行される制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。上述した第5制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選が実行された回数(特別図柄抽選回数)が所定条件(500回到達)を満たした場合に、遊技者に有利となる特典(第2時短状態)を付与可能に構成し、更に、特別図柄抽選の結果が大当たり当選以外(外れ)の場合の一部において、時短図柄に当選し第2時短状態が設定されるように構成していた。つまり、上述した第5制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選で大当たり当選しなくても、通常状態よりも第2特別図柄抽選を実行させ易い遊技状態(第2時短状態)を、2種類の契機で設定可能に構成していた。これに対して、本第12制御例におけるパチンコ機10は、特別図柄抽選で時短図柄に当選しないように構成している点と、通常状態(特別図柄の低確率状態)中に実行された特別図柄抽選の回数が900回に到達したことに基づいて天井特典(第2時短状態)が設定されるように構成している点で上述した第5制御例におけるパチンコ機10と相違している。
また、本第12制御例では、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、第1時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、第2時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態、電サポあり状態)を設定可能に構成しており、第2時短状態が設定された場合には、特別図柄、及び普通図柄の確率状態は通常状態と同一であるが、通常状態よりも第2特別図柄抽選を実行させ易くなるように、普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄変動(普図変動)の変動時間を短縮し、且つ、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技にて電動役物640aが開放される期間(第2入球口640へと遊技球が比較的入球し易くなる期間)が長くなるように構成している。そして、第1時短状態、及び確変状態は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技の終了後に設定され、第2時短状態は、特別図柄の低確率状態にて大当たり当選することなく連続して特別図柄抽選が900回実行された場合に設定されるように構成しており、一度確変状態が設定されると、次の大当たりに当選するまで(実際は、10000回の特別図柄抽選が実行されるまで)確変状態が継続し、第1時短状態、及び第2時短状態が設定された場合には、特別図柄抽選が100回実行されるまで(終了条件が成立するまで)各時短状態が継続するように構成している。そして、第1時短状態、及び第2時短状態の終了条件が成立した場合には、通常状態が設定されるように構成している。つまり、特別図柄抽選にて高確率で大当たりに当選し、且つ、特別図柄抽選を実行させ易い確変状態が遊技者に最も有利な遊技状態となり、次いで、第1時短状態と第2時短状態が同様に通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるように構成している。
ここで、特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、取得した大当たり種別に応じて、確変状態が設定される確変大当たり(大当たりA,B)と、時短状態が設定される時短大当たり(大当たりC)と、の何れかが設定されるように構成しており、大当たり当選した特別図柄抽選の結果を示すための識別情報(第3図柄)の停止表示態様(図柄揃いしている第3図柄の種別)によって、今回当選した大当たり種別を遊技者に示唆可能に構成している。具体的には、第3図柄の種別として奇数図柄が揃って停止表示した場合には、確変大当たり当選したことを報知し、偶数図柄が揃って停止表示した場合には、時短大当たり、又は確変大当たりの何れかに当選したことを報知するように構成している。このように構成することで、大当たり図柄(図柄揃いの第3図柄)が停止表示されたタイミング(大当たり遊技が実行されるよりも前のタイミング)にて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に予測させることが可能となり、遊技者に対して、大当たり当選したことを示す表示態様で第3図柄が停止表示されることだけでは無く、停止表示される第3図柄の種別についても興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。ここで、通常状態が設定されている場合、即ち、遊技状態として遊技者に最も不利な遊技状態が設定されている場合には、何れの大当たり種別にて大当たり当選した場合であっても、大当たり遊技中に多くの賞球を獲得することができると共に、大当たり遊技終了後には、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態(確変状態、又は、第1時短状態)が設定されることから、第3図柄種別に関わらず、図柄揃いの第3図柄の停止表示態様が停止表示されることを目指した遊技が行われるのに対して、確変状態が設定されている場合、即ち、遊技者に最も有利な遊技状態が、次の大当たり遊技が実行されるまで継続する場合においては、設定される大当たり種別によって大当たり遊技終了後の有利度合いが大きく異なることになる。
具体的には、確変状態が設定されている状態で時短大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に、大当たり遊技が実行されるよりも前に設定されていた遊技状態(確変状態)よりも遊技者に不利な時短状態が設定され、確変大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に、大当たり遊技が実行されるよりも前に設定されていた遊技状態(確変状態)と同一の有利度合いである確変状態が設定される。このように、設定される大当たり種別によって、大当たり当選自体が遊技者に不利な遊技結果となり得る遊技性を有するパチンコ機10において、次の大当たりに当選するまで継続して遊技者に有利な遊技状態となる場合であっても、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出において大当たり当選するか否かを主として示唆する演出態様が設定されてしまうと、遊技者に不利となる大当たり(例えば、確変状態中における時短大当たり)に当選した場合にも、大当たり当選を期待させる演出(3つの第3図柄が揃うことを示唆する演出)が実行されると共に、大当たり当選を示すための停止表示態様で第3図柄が停止表示された後に、遊技者を祝福する表示態様が表示されてしまい、遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。これに対して、本第12制御例におけるパチンコ機10では、同一の大当たり種別の大当たり(時短大当たり)に当選した場合に実行される変動演出の演出態様を、現在の遊技状況(設定されている遊技状態)に基づいて切り替えて設定可能に構成している。具体的には、通常状態が設定されている場合には、変動演出の演出態様として、時短大当たりに当選した場合であっても、大当たり当選を期待させる演出態様(3つの第3図柄が揃うことを示唆する演出)を設定し、確変状態が設定されている場合には、変動演出の演出態様として、時短大当たりに当選した場合には、外れ当選を期待させる演出態様(3つの第3図柄が揃わないことを示唆する演出)を設定するように構成している。
このように、同一種別の大当たりに当選した場合であっても、設定されている遊技状態に応じて大当たり当選への期待度を異ならせた演出態様を設定可能に構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、今回当選した大当たりの種別が現在の遊技状況において遊技者に有利であるか否かを把握させ易くすることができると共に、遊技者にとって不利となる大当たりに当選した場合に、遊技者を祝福する演出が実行されてしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、本第12制御例におけるパチンコ機10は、上述した通り、通常状態において特別図柄抽選が900回実行された場合に天井特典として第2時短状態を設定可能に構成しており、第2時短状態中は通常状態よりも第2特別図柄抽選を実行させ易く構成している。そして、第2特別図柄抽選は、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な抽選(大当たり当選時にラウンド数の多い大当たりに当選し易い抽選)が実行されるように構成している。そして、天井特典が付与されるまでの特別図柄抽選の残回数が所定回数(10回)以下となった場合には、リーチ態様となる変動演出(リーチ演出)のうち、時短大当たりの可能性がある偶数図柄によるリーチ演出として外れ当選を期待させる演出態様(3つの第3図柄が揃わないことを示唆する演出)が設定されたリーチ演出を実行可能に構成している。このように構成することで、大当たり当選しない場合の方が遊技者に有利な遊技結果となることを遊技者に分かり易く報知することができる。
また、従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄表示装置81の表示面に複数の装飾図柄(第3図柄)を表示可能に構成し、その第3図柄を変動表示(動的表示)させた後に停止表示された第3図柄の表示態様(停止表示態様)で特別図柄抽選の結果を遊技者に報知可能なパチンコ機10が知られている。このような従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選の結果に応じて所定時間(例えば、60秒)の変動時間が決定され、その変動時間が経過するまでの間(変動表示期間)、複数の第3図柄を様々な演出態様で変動表示させることで特別図柄抽選の結果を示す停止表示態様が表示されるよりも前に、遊技者に特別図柄抽選の結果を示唆可能な変動演出を実行するものが一般的である。ここで、一般的に実行される変動演出の演出態様としては、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報の停止表示態様として、停止表示された3つの第3図柄の組合せによって特別図柄抽選の結果を示す停止表示態様が表示されるように構成されており、同一種別の第3図柄(同一の数字が付された第3図柄)が並んで停止表示された場合(特定停止表示態様が表示された場合)に、特別図柄抽選の結果が遊技者に有利な抽選結果(当たり当選)であることを示すパチンコ機10では、変動表示されている3つの第3図柄のうち、1の第3図柄を除く2の第3図柄が特定停止表示態様となり得る態様で停止表示された状態(所謂、リーチ状態)で、残りの1の第3図柄が特定停止表示態様となる位置で停止表示されるか否かを煽る演出態様(リーチ演出)を実行可能に構成されている。特に、近年では、変動演出の演出態様として複数種類の演出態様の中から1の演出態様をランダムに決定可能とすることで、様々な態様の変動演出を実行させることで遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制するパチンコ機10が主流となっている。
しかしながら、上述した従来型のパチンコ機10では、変動演出の演出態様がランダムに決定されることから、連続してリーチ演出が実行される場合において、同一の演出態様が決定される場合があった。また、変動演出の演出態様がランダムに決定されることから、実行され得る全ての演出態様で変動演出が実行されてしまい、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう事態が生じてしまう場合があった。これに対して、本第12制御例では、連続して実行される変動演出(第1変動演出、第2変動演出)の演出態様が何れも特定条件を満たした場合に、特定演出態様の変動演出を実行可能に構成している。具体的には、リーチ演出が実行される条件を満たした変動演出が連続して実行される場合に、第2変動演出の演出態様として特定演出態様を設定可能に構成している。このように構成することで、同一の演出態様が設定された変動演出が連続して実行され得る状況が発生した場合であっても異なる演出態様の変動演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。さらに、特定条件を満たした場合にのみ特定演出態様を設定可能に構成することにより、実行され得る全ての演出態様で変動演出を実行させ難くすることができるため、全種類の変動演出を実行させようと、遊技者に意欲的に遊技を行わせ易くすることができる。さらに、本第12制御例におけるパチンコ機10では、通常状態が設定されている状態であっても、特定条件が成立した場合に、特定条件が成立していない場合よりも第2特別図柄抽選を実行させ易くすることが可能に構成している。具体的には、通常状態において実行される普通図柄抽選で当たり当選した場合の一部で電動役物640aを長期間開放させることが可能な普図ロング当たり遊技を実行可能に構成している。また、上述した通り、通常状態において実行される特別図柄抽選が900回に到達した場合に電動役物640aを長期間開放させることが可能な普図ロング当たり遊技が通常状態よりも実行され易くなる第2時短状態を設定可能に構成している。
つまり、本第12制御例では、通常状態にて大当たり当選しない場合であっても、2種類の契機の何れかが成立したことにより、第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができるように構成している。このように構成することで、通常状態中に主として実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選しない遊技が長時間継続した場合であっても、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な抽選が実行される第2特別図柄抽選を実行させる機会を提供することができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。ここで、本第12制御例では、天井特典として第2時短状態が設定される契機として、大当たり当選することなく特別図柄抽選が900回実行された場合に成立する契機(ハマリ契機)を予め規定しており、ハマリ契機が成立した場合のみ第2時短状態が設定されるように構成している。よって、ハマリ契機が成立したことを報知するための演出(天井特典付与演出)が実行されるタイミングを遊技者に容易に把握されてしまうため、ハマリ契機が成立し難い遊技状況、例えば、通常状態中に実行された特別図柄抽選の回数が少ない遊技状況のパチンコ機10に対して積極的に遊技を行おうとする遊技意欲が低下してしまう虞があった。これに対して、本第12制御例におけるパチンコ機10では、第2時短状態が設定されることを報知するための演出(天井特典付与演出)と、普図ロング当たり遊技が実行されることを報知するための演出(普図ロング当たり変動演出)とで同一の演出態様(電チュー高確示唆演出)が設定されるように構成している。このように構成することで、通常状態中における様々なタイミングで天井特典付与演出と同一態様の演出を実行することができるため、遊技者に対してどのタイミングで天井特典が付与されるかを予測させ難くすることができる。
さらに、天井特典(第2時短状態)はハマリ契機が成立した特別図柄変動が停止表示された場合に付与されるのに対して、普図ロング当たり遊技は普図ロング当たり変動が停止表示された場合(特別図柄変動が停止表示されるタイミングとは異なるタイミング)に実行されることから、第2時短状態が設定されることを報知するための演出(天井特典付与演出)と、普図ロング当たり遊技が実行されることを報知するための演出(普図ロング当たり変動演出)とで同一の演出態様(電チュー高確示唆演出)を設定したとしても、電チュー高確示唆演出が実行されるタイミングによって遊技者に何れの契機が成立したのかを把握されてしまう虞があった。これに対して、本第12制御例では、普図ロング当たり変動が実行されている期間中に特別図柄変動が停止表示されるタイミングに合わせて電チュー高確示唆演出を実行可能に構成している。このように構成することで、天井特典が付与される場合も、普図ロング当たり遊技が実行される場合も、特別図柄変動の変動期間に対応させて電チュー高確示唆演出が実行されるため、遊技者に対して何れの契機が成立したのかを把握させ難くすることができる。さらに、電チュー高確示唆演出が実行されてから、実際に電動役物640aが開放されるまでの期間、具体的には、第2時短状態が設定されてから普図当たり遊技が実行されるまでの期間や、普図ロング当たり変動中に特別図柄変動が停止表示されてから普図ロング当たり変動が停止表示し、普図ロング当たり遊技が実行されるまでの期間に、第2特別図柄抽選を実行され易い期間であることを遊技者に報知するための演出(電チュー高確率モード演出)を実行可能に構成している。
つまり、何れの契機が成立した場合であっても、同一の演出過程(電チュー高確示唆演出が実行された後に、電チュー高確率モード演出を実行する流れ)を経て、普図ロング当たり遊技を実行させることが可能に構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出に基づいて何れの契機が成立したかを遊技者に予測させ難くすることができる。さらに、普図ロング当たり変動が実行されている期間中に電チュー高確示唆演出を実行した場合であっても、電チュー高確示唆演出が終了してから(特別図柄変動が停止表示してから)、実際に普図ロング当たり遊技が実行されるまでの期間に対して遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。さらに、本第12制御例では、天井特典として付与される第2時短状態が終了するタイミング(第2時短状態の終了条件が成立する特別図柄変動の停止表示タイミング)にて、普図ロング当たり変動が実行されている場合には、第2特別図柄抽選を実行させ易い期間が継続する、即ち、第2時短状態が終了して通常状態が設定された後に、普図ロング当たり遊技が実行されることにより、第2入球口640へと遊技球を入球させ易い状態が創出されることを報知可能に構成している。このように、複数の契機によって第2特別図柄抽選を実行させ易い状態を創出可能な遊技性を有するパチンコ機10において、各契機の成立タイミングが重複、或いは、短期間内で成立する場合には、各契機の成立によって設定される第2特別図柄抽選を実行させ易い状態を、あたかも一の契機の成立によって設定される第2特別図柄抽選を実行させ易い状態が継続しているかのように見せる演出(高確率モード継続演出)を実行可能に構成しているため、遊技者に対して、一の契機が成立したことに基づいて設定される第2特別図柄抽選を実行させ易い状態がどの程度継続するのかを予測させ難くすることができる。また、本第12制御例では、特別図柄抽選の実行権利を記憶可能に構成しており、具体的には、各特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)のそれぞれに対して、最大で4個の実行権利(特図保留)を記憶可能に構成している。
そして、上述した第5制御例におけるパチンコ機10と同様に、記憶している特図保留に含まれる入賞情報(第1入球口64、第2入球口640へと遊技球が入球したことに基づいて取得された各カウンタの値)を、特図保留に基づく特別図柄抽選が実行されるよりも前に特定可能(先読み可能)に構成している。さらに、その先読み結果に基づく演出として先読み演出を実行することで、特別図柄抽選の結果を示唆するための演出が実行される演出期間を、演出結果の対象となる特別図柄変動が実行されている期間よりも長くすることができ演出効果を高めることができるように構成している。また、複数の特別図柄変動を跨いで先読み演出を実行することにより、各特別図柄抽選の結果のみを報知するための変動演出を、各特別図柄変動が停止表示されるタイミングに合わせて実行する場合に比べて、演出結果として特別図柄抽選の結果が外れであることを報知する演出結果が表示される回数を減少させることができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるように構成している。ここで、上述した先読み演出は、特図保留を所定個数保有している状態でなければ実行条件が成立しないように構成しているため、特図保留を3個以上獲得できていない場合には、先読み演出が実行されず演出が単調となってしまうという問題があった。これに対して、本第12制御例では、上述した先読み演出の実行条件が成立していない状態、例えば、特図保留を獲得していない状態で実行中の特別図柄変動中に、2個の特図保留を獲得した状態であって、獲得した2個の特図保留のうち、後に獲得した特図保留に対する先読み結果が大当たり当選に対応する先読み結果である場合には、実行中の特別図柄変動の停止表示態様と同一の停止表示態様を、次に実行される特別図柄変動の停止表示態様として表示することで、さらに次に実行される特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることを遊技者に示唆可能に構成している。
つまり、先読み演出の実行条件が成立していない状態における先読み結果にて、遊技者に有利な先読み結果(大当たり当選に対応する先読み結果)を特定した場合には、同一態様の停止表示態様を連続して表示することで、先読み演出を実行すること無く、遊技者に対して有利となる特別図柄抽選が実行されることを、その特別図柄抽選が実行されるよりも前に報知可能に構成している。このように構成することで、先読み演出の実行条件が成立していない状態における特別図柄変動に対しても遊技者に興味を持たせることができる。また、本第12制御例では、同一の停止表示態様が連続して停止表示された場合において、同一の停止表示態様が連続して停止表示されたことを遊技者に報知可能な報知演出を実行可能に構成している。このように構成することで、同一の停止表示態様が連続して停止表示されたことを分かり易く報知することができる。さらに、本第12制御例では、同一の停止表示態様を連続して停止表示される表示制御を実行する場合において、最初に停止表示される停止表示態様は、新たに獲得した特図保留に対する先読み処理が実行されるよりも前に決定されている停止表示態様となるように構成している。このように構成することで、先読み結果を遊技者に報知する条件が成立した場合において、既に決定されている表示内容(実行中の特別図柄変動の停止表示態様)を書き換える必要が無く、同一の停止表示態様を連続して停止表示させるための処理を簡素化することができる。なお、本第12制御例では、同一の停止表示態様が連続して停止表示された場合に遊技者に有利となる特別図柄抽選が実行されることを事前に遊技者に報知可能に構成しているが、これに限ることなく、停止表示態様の少なくとも一部が同一となる停止表示態様が連続して停止表示された場合に遊技者に有利となる特別図柄抽選が実行されることを事前に遊技者に報知可能に構成しても良い。
また、特図保留の先読み結果が遊技者に不利となる先読み結果(外れ当選に対応する先読み結果)である場合の一部においても同一の停止表示態様が連続して停止表示されるように構成しても良いし、各特別図柄変動の停止表示態様をランダムの決定可能に構成することで、先読み結果に基づくこと無く同一の停止表示態様が連続して表示されるように構成しても良い。この場合であっても、同一の停止表示態様が連続して停止表示されたことを遊技者に報知可能な報知演出を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、後に実行される特別図柄抽選の結果が遊技者に有利となる場合以外でも、同一の停止表示態様が連続して停止表示される状況を創出することができるため、連続して同一の停止表示態様が表示される頻度を高めることができる。さらに、これに限ることなく、各特別図柄変動の停止表示態様を決定する処理において、前回停止表示された停止表示態様と同一の停止表示態様が、他の停止表示態様よりも決定され難くなる制限処理を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、同一の停止表示態様が連続して表示される頻度を抑えることができるため、同一の停止表示態様が連続して表示された場合における大当たり当選への期待度が無用に低下してしまうことを抑制することができる。本第12制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の一部として、遊技者に操作手段(枠ボタン22)を操作させる操作演出を実行可能に構成している。具体的には、第3図柄表示装置81の表示画面に遊技者に枠ボタン22を操作させることを促す操作案内態様を表示し、遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて、実行中の特別図柄変動が大当たり変動であるか否かを報知する報知演出(一発告知演出)を実行可能に構成している。つまり、特別図柄変動期間中において、遊技者が枠ボタン22を操作することで、特別図柄が停止表示されるよりも前に、対象となる特別図柄抽選の結果を把握可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果をいち早く把握しようとする遊技者に対して、意欲的に枠ボタン22を操作させることができるため、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
ここで、従来より、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作することで、実行中の特別図柄抽選の結果が大当たりであるか否かを報知可能な報知演出を実行するものがある。このような従来型のパチンコ機10では、大当たり当選の有無をいち早く察知することができるが、報知演出の演出結果が大当たり当選の有無を示すだけのものであるため、大当たり当選していないことに対応する演出が実行された時点で、実行中の特別図柄変動が停止表示されるまでの間、遊技者が遊技に興味を持たなくなるという問題があった。また、大当たり当選を示す演出結果が表示された場合も、その時点で大当たり当選したことを把握できるため、実行中の特別図柄変動が停止表示されるまでの残期間にて実行される演出の演出効果を高めることができないという問題があった。これに対して、本第12制御例におけるパチンコ機10では、操作演出中に遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて、枠ボタン22が操作されたことを示す第1演出と、大当たり当選の有無を報知するための第2演出と、を実行可能に構成し、第1演出の演出態様と、第2演出の演出態様とを複合させて遊技者に対して、様々な特典の付与有無を報知可能に構成している。具体的には、第2演出によって大当たり当選が報知されなかった場合でも、第1演出の演出結果が第1演出結果となることで、大当たり当選を報知したり、第2演出によって大当たり当選が報知された後に、第1演出の演出結果が第1演出結果となることで、遊技者に有利な大当たりに当選したことを報知したりするように構成している。このように構成することで、操作演出中に遊技者が枠ボタン22を操作することで大当たり当選の有無を報知する一発告知演出において、即座に大当たり当選が報知されなかった場合であっても、大当たり当選の可能性を残すことができ、残りの演出期間にて実行される演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。また、一発告知演出において、即座に大当たり当選が報知された場合であっても、残りの演出期間にて更なる特典(有利大当たり)が付与されるか否かを報知するための演出が実行されるため、残りの演出期間にて実行される演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
加えて、一発告知演出における第2演出の演出結果に応じて、第1演出の演出結果が同一の演出結果であったとしても、第1演出の演出結果によって報知される特典の内容を異ならせることができるため、演出効果を高めることができる。さらに、本第12制御例では、操作演出中に枠ボタン22を操作したタイミングによって、第1演出によって報知される特典の内容を異ならせることができるように構成している。このように構成することで、操作演出が実行された場合に、枠ボタン22を操作するか否かの選択だけで無く、どのタイミングで枠ボタン22を操作するかを遊技者に決定させる楽しみを提供することができる。
<第12制御例における遊技盤の構成について>
まず、図486を参照して、本第12制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13の構成について説明をする。図486は、パチンコ機10の遊技盤13の正面図である。本第12制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13(図4参照)に対して、大当たり遊技中に開放制御される可変入賞装置65の構成を異ならせている点で相違しており、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。図486に示した通り、本第12制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13は、ほぼ左右対称に構成されており、可変表示ユニット80の左側に形成される左側領域に向けて遊技球を流下させる左打ち遊技を実行した場合も、可変表示ユニット80の右側に形成される右側領域に向けて遊技球を流下させる右打ち遊技を実行した場合も、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65へと遊技球を到達させることが可能に構成している。また、左打ち遊技を行った場合も、右打ち遊技を行った場合も、普通図柄抽選を実行させることが可能となるように、左側領域の中流位置、右側領域の中流位置にそれぞれスルーゲート67が配設されている。つまり、本第12制御例におけるパチンコ機10では、設定されている遊技状態や大当たり遊技の有無に関わらず、遊技者が任意の遊技方法(右打ち遊技、左打ち遊技)を選択して遊技を行うことが可能となる。よって、遊技者が誤った遊技方法で遊技を行ってしまうことで、不利な遊技を行ってしまうことを抑制することができる。
また、可変入賞装置65は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10が有する可変入賞装置65(図4参照)に対して、開口幅が狭く形成されている。上述した第1制御例では、可変入賞装置65の内部に複数の遊技球流下経路を形成し、実際に遊技球が流下した経路によって特定領域への通過割合を異ならせ、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて特典(特別図柄の高確率状態)を付与可能に構成していたため、可変入賞装置65自体が幅広に形成されていたのに対して、本第12制御例におけるパチンコ機10は、大当たり遊技が実行された場合に可変入賞装置65へと遊技球が入球したことに基づいて、賞球が付与されるだけであるため、左打ち遊技、及び右打ち遊技によって発射された遊技球が何れも入球可能な程度の開口幅(約50ミリ)で形成されている。
<第12制御例におけるパチンコ機10にて実行される演出内容について>
次に、図487から図502を参照して、本第12制御例におけるパチンコ機10にて実行される演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第12制御例では、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様の一部を異ならせている点と、第2時短状態が設定されることを示すための演出と普通図柄抽選の結果を示すための演出とを一部共通化している点と、で相違している。まず、図487から図491を参照して、変動演出の一部であるリーチ演出中に実行される表示画面について説明をする。図487(a)は、通常状態中に実行されるリーチ演出におけるリーチ表示画面を模式的に示した図であり、図487(b)は、リーチ演出が発展しSPリーチとなった場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図487に示した通り、本第12制御例におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示画面は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示画面(図6参照)と同様に、表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、上、中及び下の3つの図柄列(Z1~Z3)が表示される(図114(a)参照)。第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(第1特別図柄(特図1)または第2特別図柄(特図2)の変動表示に対応して変動する装飾図柄)は、「1」から「9」の数字を模した識別情報が付された10種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示(動的表示)されるようになっている。なお、第3図柄表示装置81の表示画面に形成される各種表示領域や、各表示要素のうち、上述した第1制御例と同一のものについては、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図487(a)に示した表示画面は、変動表示される第3図柄が、上図柄列Z1、下図柄列Z2の順で停止表示され、有効ラインL2上に、大当たり当選を示す第3図柄の組合せの一部として上図柄列Z1、下図柄列Z3が「4」の数字が付された第3図柄(サメを模した識別情報)が停止表示されているリーチ演出の一例を示した図である。この時点では、中図柄列Z2は高速変動(図では、2つの左向きの矢印で速度を表示)しながら左方向へと変動表示している。その後、図487(b)に示した通り、リーチ演出が発展し、SPリーチ演出が実行されると、主表示領域Dmの左下側にウサギを模したキャラクタ801が登場し、有効ラインL2上に中図柄列Z2の「4」が付された第3図柄が停止表示することを期待させる演出態様として、有効ラインL2上を「4」が付された第3図柄が通過してしまう変動を停止させようとキャラクタ801がアクションを行いながら、セリフ801aとして「止まれ」が表示される演出態様でSPリーチ演出が実行される。このSPリーチ演出は、特別図柄抽選で大当たり当選している場合の方が、特別図柄抽選が外れである場合よりも実行され易くなるように構成しているため、遊技者は、SPリーチ演出が実行されることにより、今回の特別図柄変動が大当たり当選を示す停止表示態様で停止表示され易いことを把握しながら、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される変動演出を見ることができる。そして、SPリーチ演出中に実行されるキャラクタ801のアクションを把握することで、同一の第3図柄が有効ラインL2上に停止表示される表示態様(大当たり当選を示す組合せで第3図柄が停止表示される表示態様)が遊技者に有利となることを遊技者に容易に理解させることができる。
次に、図488から図490を参照して、確変状態中に実行されるSPリーチ演出の演出内容について説明をする。図578(a)は、確変状態中において、偶数図柄のリーチ演出が発生した場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図578(b)、及び図579(a)は、確変状態中に発生した偶数図柄のリーチ演出がSPリーチ演出へと発展した場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図579(b)は、確変状態中に発生した偶数図柄のリーチ演出として、第3図柄が仮停止した時点で表示される表示画面の一例を示した図であって、図580(a)は、確変状態中に発生した偶数図柄のリーチ演出が外れを示す表示態様で表示された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。上述した通り、本第12制御例では、確変状態が設定された場合に、特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態が、特別図柄抽選が10000回実行されるまで継続し得るように構成しており、実質、次回の大当たり当選まで確変状態が継続するように構成している。そして、確変状態中に確変大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に再度確変状態が設定されることで、遊技者に有利な遊技状態が大当たり遊技を跨いで継続し得るように構成している。このように構成されたパチンコ機10では、確変状態中に実行される特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かについては遊技者の興味が低く、当選した大当たり種別(確変大当たり、通常大当たり)に対して遊技者は強い興味を持つことになる。よって、通常大当たりに当選している可能性がある偶数図柄のリーチ演出が実行された場合、即ち、遊技者に不利となる大当たり種別が設定された大当たりに当選した可能性があるリーチ演出が実行された場合には、図488(a)に示した通り、偶数図柄のリーチ演出が実行されたことを示すセリフ810aとして「ファ!!」の文字が表示される。そして、偶数図柄のリーチ演出が、SPリーチ演出へと発展すること無く、外れを示す表示態様(有効ラインL2上にリーチ対象となる「4」が付された第3図柄以外の図柄が停止表示されるリーチ外れ表示態様)が停止表示された場合は、そのままリーチ演出が終了する。
一方、図488(a)に示した偶数図柄のリーチ演出が発展し、SPリーチ演出が実行されると、キャラクタ801が登場し、大当たり当選を示す表示態様で中図柄列Z2が停止表示されないことを期待する外れアクションを実行する。例えば、低速で変動表示中の図柄列Z2にて、リーチ対象となる「4」図柄が、有効ラインL2よりも前に到達する有効ラインL3を通過していない状態では、図488(b)に示した通り、「4」図柄が有効ラインL3上で停止表示される(リーチ外れ表示態様が表示される)ことを願って、中図柄列Z2を停止表示させるための外れアクションを実行するキャラクタ801と、「止まれ」のセリフ801aが表示される。そして、図488(b)に示した演出が実行されたにも関わらず、中図柄列Z2の変動表示が継続し、「4」図柄が有効ラインL3を通過し、有効ラインL2に向かって低速変動した場合には、図489(a)に示した通り、「4」図柄が有効ラインL2を通過するまで変動表示が継続することを願って、中図柄列Z2の変動表示を継続させるための外れアクションを実行するキャラクタ801と「止まるな」のセリフ801aが表示される。図488(b)、及び図489(a)に示した通り、SPリーチ演出中に実行される外れアクション表示の表示態様を、偶数図柄のリーチ状態となっている有効ラインL2と、中図柄列Z2の変動状況(リーチ対象である「4」図柄の変動位置)と、に応じて異ならせることにより、遊技者に対して、今回のリーチ演出(偶数図柄のリーチ演出)が大当たり当選を示す演出結果(図柄揃い)となるよりも、外れを示す演出結果(リーチ外れ)となった場合の方が、有利な遊技となることを分かり易く把握することができる。
つまり、図488(b)に示した外れアクション(止まれアクション)を、図489(a)に示した変動状況においても継続して実行した場合には、有効ラインL2上に「4」図柄が停止表示されることを願っているアクションが実行されていると遊技者に誤認させてしまうが、本第12制御例のように、次に中図柄列Z2が停止表示し得る位置が、リーチ状態となる有効ラインL2となった場合に、外れアクションの表示態様を切り替えて(止まるなアクション)を実行することで、遊技者が誤解してしまうことを抑制することができる。さらに、図488(b)、及び図489(a)に示した通り、外れアクションの内容が切り替わった場合に、キャラクタ801の表示位置も切り替えるように構成している。このように構成することで、外れアクションが示す内容(止まれ、止まるな)が切り替わったことを遊技者に識別させ易くすることができる。そして、SPリーチ演出の演出結果として、リーチ外れ表示態様が表示された場合には、偶数図柄のリーチ演出の演出結果が外れを示す演出結果となったことを祝福する表示態様(図489参照)が表示され、変動演出を終了する。一方、SPリーチ演出にて、有効ラインL2上に「4」図柄が仮停止した場合には、図489(b)に示した通り、キャラクタ801が有効ラインL2上に停止(仮停止)している3つの「4」図柄に攻撃をする再始動アクションと、セリフ801aとして「ズレろ」が表示される。なお、図489(b)に示した状態は、特別図柄変動中であり、小表示領域Dm2には、第2特別図柄変動が変動中であることを示す表示態様(図では矢印で表示)が表示されている。つまり、図489(b)は、第2特別図柄が抽選結果を示す表示態様で停止表示されるタイミングよりも前に、第3図柄表示装置81の表示面にて変動表示される第3図柄を、一時的に仮停止表示させる仮停止演出が実行されている状態を示している。よって、遊技者の誤認を防ぐために、中図柄列Z2の「4」図柄が、完全に停止表示されず、若干揺動している状態(図では、図柄アイコンの両端に揺動態様を付して表示)で表示されている。
図489(b)に示した演出が実行された後、今回の第2特別図柄抽選が通常大当たりである場合には、再始動アクションを実行したにも関わらず、第3図柄がズレること無く、有効ラインL2上に「4」図柄が揃って停止表示される演出結果が表示され、今回の特別図柄抽選が大当たり当選であることが遊技者に報知される。なお、本第12制御例では、確変大当たりに当選した場合の一部において、変動演出の演出結果として偶数図柄が3つ揃って表示される演出結果が設定され、その後に実行される大当たり遊技演出中に今回の大当たりが確変大当たりであったことを遊技者に報知する昇格演出を実行可能に構成している。よって、偶数図柄で大当たりした場合であっても、確変大当たりの可能性を残したまま大当たり遊技を行わせることができる。一方、図489(b)に示した再始動アクションの結果、第3図柄の停止表示位置がズレた場合には、図490に示した通り、リーチ外れ表示態様で第3図柄が停止表示し、今回の特別図柄抽選の結果が外れであることを遊技者に報知する。図490に示した図では、再始動アクションによって、図柄列Z3に停止表示されていた「4」図柄が、変動方向に向かって再始動し、「4」図柄が有効ラインL1上まで変動した状態で停止表示した場合の表示画面を示している。このように、リーチ状態中に変動表示されていた図柄列Z2以外の図柄列(図柄列Z1、図柄列Z3)の第3図柄を再始動させるように構成することで、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。また、再始動アクションによって再始動させる第3図柄の変動表示方向が、通常の第3図柄の変動表示方向と同一となるように構成しているため、第3図柄を再始動させる際に用いる表示データとして、通常の変動表示を実行する際に用いる表示データを流用することができ、第3図柄表示装置81の表示面に表示する各種画像に対応する表示データ量を軽減することができる。
なお、これに限ること無く、通常の変動表示方向とは異なる方向に向かって第3図柄を変動表示させるように構成しても良いし、停止表示されている第3図柄を変動表示させるのでは無く、停止表示されている第3図柄に付されている数字(「4」)を、異なる数字(例えば、「6」)へと切り替えるように構成しても良いし、第3図柄自体を異なる第3図柄へと切り替えても良い。このように、通常の変動表示とは異なる態様で第3図柄を再始動させることによって、遊技者に対して、再始動専用の演出を提供することができ、演出効果を高めることができる。また、本第12制御例では、1の図柄列のみを再始動させる演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、2以上の図柄列を再始動させる演出を実行可能に構成しても良く、この場合、複数の図柄列を再始動させることで、確変大当たり当選を示す奇数図柄が有効ライン上に大当たり当選を示す表示態様で停止表示されるように構成しても良い。つまり、偶数図柄のリーチ演出にて偶数図柄による大当たり表示態様を一旦表示した後に、第3図柄を奇数図柄の大当たり表示態様が停止表示されるように再始動させても良い。このように構成することで、確変状態中において遊技者に不利となる遊技結果(通常大当たり)に対応する演出が実行されてしまい、遊技意欲が低下している遊技者に対して、遊技者に有利となる遊技結果(確変大当たり)に対応する演出を実行することができるため、遊技者の遊技意欲を高め易くすることができる。
次に、通常状態において、天井特典(第2時短状態)が付与される直前におけるリーチ演出の演出内容について説明をする。図491は、天井間近のSPリーチ演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。本第12制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、遊技者に有利な大当たり遊技を実行し易くなるように構成している。そして、特別図柄の低確率状態中に外れとなる特別図柄抽選が連続して900回実行された場合に天井特典が付与されるように構成し、天井特典として第2時短状態が設定された場合には、通常状態にて実行される特別図柄抽選で大当たり当選しなくても、第2特別図柄抽選を実行させ易い第2時短状態(天井時短)が設定されるように構成している。つまり、特別図柄の低確率状態である通常状態中に実行された特別図柄抽選回数(特別図柄変動回数)が900回に近付いた場合(例えば、890回に到達した場合)には、天井特典が付与されるまでの間に実行される特別図柄抽選で大当たり当選しない場合の法が、大当たり当選する場合よりも遊技者に有利となり得るように構成している。このように、通常状態中であっても、特別図柄抽選で大当たり当選しない方が大当たり当選するよりも遊技者に有利な遊技が実行されている場合には、図491に示した通り、SPリーチ演出の演出態様として、大当たり当選を示す表示態様で第3図柄が停止表示されないことを願う外れアクションの表示態様が表示される。次に、図492から図494を参照して、本第12制御例のパチンコ機10にて実行される変動演出の一部であるアングル変更演出の演出内容について説明をする。本第12制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄変動が2回連続してリーチ変動であった場合に、2回目のリーチ変動として、1回目のリーチ変動では設定されることの無い演出態様を設定可能に構成している。このように構成することで、リーチ変動が2回連続した場合において、同一態様のリーチ演出が連続して実行されてしまい、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
図492(a)は、変動演出の演出態様としてアングル変更演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。このアングル演出が実行されると、主表示領域Dmにて第3図柄が変動表示されている間にキャラクタ801が表示され、主表示領域Dmの通常領域(図492(a)にて表示されている領域)の右枠外領域と、左枠外領域と、を交互に見るアクションが表示される。図492(a)に示した表示画面は、特別図柄(第3図柄)が高速変動表示されている期間において表示される表示画面であるため、表示領域Dm1には、第1特別図柄変動が実行されていることを示す表示態様(図では、3本の矢印を表示)が表示されている。そして、実行中の変動演出がリーチ変動(リーチ状態が成立する変動演出)である場合は、キャラクタ801が左枠外領域を注目する演出が実行された後、主表示領域Dmにて表示される表示領域が通常領域から左枠外領域へと切り替わる領域切り替え表示が実行され、左枠外領域の宝箱810が主表示領域Dmに表示される(図492(b)参照)。図492(b)は、リーチ変動に対応するアングル変更演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図492(b)に示した通り、本第12制御例におけるパチンコ機10では第3図柄がリーチ状態となった場合に、左枠外領域(左アングル)が表示画面に表示されるように構成しているため、表示領域Dm1には、現在がリーチ状態であることを示す表示態様(7矢印7)が表示されている。なお、詳細な説明は省略するが、本制御例では、アングル変更演出にて表示画面が左アングルへと移行するタイミングに合わせて表示領域Dm1にリーチ状態を示す表示態様が表示されるように構成しているが、これに限ること無く、通常アングルの表示画面(図492(a)参照)にて主表示領域Dmの中央箇所で変動表示されている第3図柄がリーチ状態を示す表示態様で停止表示した後に、左アングルへと移行するように構成しても良い。このように構成することで、リーチ状態が成立したことによって左アングルへと移行したことを遊技者に分かり易く報知することができる。
また、左アングルへと移行した時点でリーチ状態と同一の演出状況、即ち、通常の変動演出よりも大当たり当選の期待度が高い演出状況であることを遊技者に報知(例えば、リーチ状態が成立した場合に出力される音声(リーチ)を出力したり、表示画面に「リーチ」と表示したりする報知)し、第3図柄を、リーチ状態を示す表示態様とは異なる表示態様(例えば、第3図柄の高速変動中を示す表示態様)を表示するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、リーチ状態と同一の演出状況であることを分かり易く把握させることができると共に、リーチ状態となる第3図柄の種別(確変大当たりに対応する奇数図柄、それ以外の通常図柄)を遊技者に把握させない状態で変動演出が進展することになる。よって、大当たり当選を期待しながら、大当たり当選した場合の第3図柄の種別を予測させる楽しみを遊技者に提供することができる。なお、この場合、大当たり当選に対応するアングル変更演出が実行された場合には、確変大当たりに当選している割合が通常大当たりに当選している割合よりも高くなるように予め規定すると良い。このように構成することで、リーチ状態となる第3図柄の種別を把握できない状態で実行されるアングル変更演出にて大当たり当選を示す演出結果が表示された場合に、確変大当たりである可能性を高めることができるため、アングル変更演出の演出効果を高めることができる。また、リーチ状態である第3図柄が表示されないようにアングル変更演出を実行する場合には、第3図柄の表示態様とは異なる態様を用いて、大当たり種別を遊技者に示唆するように構成すると良く、例えば、図492(b)に表示されている宝箱810の表示態様や、宝箱810の中身を示す表示態様や、左アングル(左枠外領域)の背景画像を用いて、大当たり当選している場合における確変大当たりの期待度を示唆可能に構成すると良い。このように構成することで、アングル変更演出の演出結果が外れを示す演出結果である可能性を残した状態で、大当たり当選した場合における確変大当たり期待度を遊技者に把握させることができるため、演出効果を高めることができる。
さらに、確変状態が設定されている状態でアングル変更演出を実行可能に構成した場合には、アングル変更演出中に実行される示唆演出の演出内容を把握することで、大当たり当選した場合における確変大当たり当選の期待度を予測し、今回のアングル変更演出の演出結果が外れであることを願う遊技を行わせたり、大当たりであることを願わせる遊技を行わせたりすることができる。一方、実行中の変動演出がリーチ変動(リーチ状態が成立する変動演出)以外である場合(チャンス目が停止表示される場合)は、キャラクタ801が右枠外領域を注目する演出が実行された後、主表示領域Dmにて表示される表示領域が通常領域から右枠外領域へと切り替わる領域切り替え表示が実行され、右枠外領域の袋811が主表示領域Dmに表示される(図492(c)参照)。ここで、右枠外領域の袋811が主表示領域Dmに表示される(図492(c)参照)右アングル表示画面の表示内容について説明をする。図492(c)は、右アングル表示画面の一例を示した図である。図492(c)に示した右アングル表示画面は、通常アングル表示画面(図492(a)参照)が表示されている間に、第3図柄がチャンス目(例えば、342)で仮停止された場合に表示される表示画面である。この右アングル表示画面が表示されると、主表示領域Dmに袋811が表示され、袋811の上方に「謎の袋を発見」の文字が表示される。
ここで、左枠外領域の宝箱810が主表示領域Dmに表示される(図492(b)参照)左アングル表示画面の表示内容について説明をする。図492(b)は、左アングル表示画面の一例を示した図である。図492(b)に示した左アングル表示画面は、通常アングル表示画面(図492(a)参照)が表示された後にリーチ状態となった場合に表示される表示画面であって、キャラクタ801の視点の先に宝箱810が表示される。そして、宝箱810の上方に「宝箱発見」の文字が表示されている。この左アングル表示画面が表示された場合は、実行中の特別図柄変動が停止表示されるタイミングに対応させて宝箱810が開く演出が実行され、図493(a)に示した通り、宝箱810の中身810aを用いて特別図柄抽選の結果(アングル変更演出の演出結果)が遊技者に報知される。図493(a)は、左アングル表示画面にて特別図柄変動が停止表示された場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、特別図柄抽選の結果が外れである例を示している。図493(a)に示した通り、特別図柄抽選の結果が外れである場合には、小表示領域Dm1に第1特別図柄抽選の結果が外れであることを示す「787」の表示態様で第3図柄が停止表示しており、宝箱810の中身810aの表示態様として、特別図柄抽選の結果が外れであることを示す表示態様「残念!!」を表示している。そして、キャラクタ801が、抽選結果が外れであることに落ち込むアクション表示を表示している。なお、左アングル表示画面に対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合には、宝箱810の中身810aの表示態様として、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることを示す表示態様「V」が表示され、キャラクタ801が、抽選結果が大当たり当選であることを祝福するアクション表示(例えば、喜んで飛び上がるアクション)で表示され、小表示領域Dm1には、大当たり当選を示す表示態様「777」で第3図柄が停止表示される。
次に、左アングルへと移行する変動演出(アングル変更演出)がリーチ外れであって、次に実行される特別図柄変動がリーチ変動である場合、即ち、変動パターン種別として2回連続でリーチ変動が設定される場合には、図493(b)に示した表示画面が表示される。ここで、図493(b)の表示内容について説明をする。図493(b)は、左アングルへと移行する変動演出(アングル変更演出)の演出結果が外れ(特別図柄抽選の結果がリーチ外れ)であることを示す第3図柄の表示態様「787」が小表示領域Dm1に停止表示されている表示画面であって、次に実行される特別図柄変動がリーチ変動である場合に表示される表示画面を示した図である。図493(b)に示した通り、主表示領域Dmの上方からロープ820が垂れ下がってくる演出が実行され、「ロープ発見」のコメントを表示した上で、キャラクタ801がロープ820の先を見るアクション表示が表示される。その後、キャラクタ801がロープ820を上る演出が実行され、左アングル表示画面の上枠外領域が主表示領域Dmに表示される。つまり、図493に示した通り、アングル変更演出としてリーチ変動に対応する演出態様(左アングル移行)が設定された場合には、その演出結果を示す表示画面の態様を、次に実行される特別図柄抽選の結果に基づいて決定するように構成している。このように構成することで、実行中のアングル変更演出に対応する特別図柄抽選の結果が遊技者に不利な結果(外れ)であることを把握した状態であっても、次に実行される特別図柄抽選の結果を事前に予測するために、実行中の特別図柄変動に対応して実行される変動演出の演出内容を最後まで遊技者に注視させることができる。
なお、本第12制御例では、左アングルへと移行するアングル変更演出(リーチ変動演出)が実行された特別図柄変動の次に実行される特別図柄変動がリーチ変動である場合において、アングル変更演出の演出内容が2変動に跨がって進展するようにみせる演出態様(上アングル移行)を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、左アングルへと移行するアングル変更演出(リーチ変動演出)が実行された特別図柄変動の次に実行される特別図柄変動が大当たり当選を示す大当たり変動である場合に、アングル変更演出の演出内容が2変動に跨がって進展するようにみせる演出態様(上アングル移行)を設定するように構成しても良い。さらに、本第12制御例では、1の特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様としてアングル変更演出を設定可能に構成し、アングル変更演出に対応する特別図柄抽選の次に実行される特別図柄抽選の結果(当否結果、リーチ変動の有無)を事前に判別することでアングル変更演出の演出結果を示すための表示態様を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、1の特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様として、1の特別図柄変動の変動期間内に、左アングルから上アングルへと移行するアングル変更演出を実行可能に構成しても良い。また、獲得済みの特図保留に対応する先読み結果に基づいて複数の特別図柄変動に跨がってアングル変更演出を実行するように構成しても良い。次に、図494(a)を参照して、左アングル表示画面の上枠外領域が主表示領域Dmに表示される場合の表示画面(上アングル表示画面)の表示内容について説明をする。図494(a)は、上アングル表示画面の一例を示した図である。図493(b)に示した左アングル表示画面にてキャラクタ801がロープ820を上ると、上アングル表示画面が表示され、雲821よりも上にキャラクタ801が到達すると、飛行機822が登場し、飛行機822の機体に大当たり当選の期待度を示す表示態様(図では「大チャンス」の文字)が表示される。
以上説明をした通り、上アングル表示画面は、左アングルへと移行するアングル変更演出が実行された特別図柄変動(リーチ変動)の次に実行される特別図柄変動がリーチ変動である場合、即ち、リーチ変動が連続して実行される場合に、表示され易くなる表示画面となる。このように構成することで、リーチ変動が連続して実行される場合において、リーチ変動に対応する演出態様として同一の演出態様が設定されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。また、従来では、変動演出の演出効果が低下し得る遊技状況(リーチ変動が連続する遊技状況)において、それ以外の遊技状況よりも設定され易い演出態様(上アングル表示)を設定可能に構成することで、様々な変動演出を楽しみたい遊技者に対して、リーチ変動が継続することを期待させることができる。なお、本第12制御例では、連続してリーチ変動が実行される場合に、特殊態様の変動演出(左アングルから上アングルへと表示領域が切り替わる変動演出)を実行可能に構成しているが、同一の演出態様が短期間で設定されてしまうことを抑制すれば良く、例えば、アングル変更演出の実行を決定した段階で獲得済みの全特図保留に対する先読み結果を分析し、大当たり当選している特図保留や、大当たり当選の期待度が高い特図保留を有していると判別した場合は、アングル変更演出を当該特図保留に対応する特別図柄抽選が実行されるまで継続させ、当該特図保留に対応する特別図柄結果をアングル変更演出の追加演出結果として表示するように構成しても良い。次に、図494(b)を参照して、アングル変更演出における通常アングルが表示されている状態で実行される演出内容の別例について説明をする。図494(a)は、アングル変更演出にて通常アングル表示画面が表示されている場合の一例を示した図である。図494(b)に示した表示画面は、通常アングルの表示画面(図492(a)参照)が表示された後に、左アングルへと移行すること無く上アングルへと移行するアングル変更演出(特殊演出)が実行された場合に表示される表示画面である。
詳細な説明は省略するが、この特殊演出は大当たり当選に対応するアングル変更演出でのみ実行される演出であるため、通常アングルの表示画面から直接上アングルへと移行した場合には、上アングル表示画面にて表示される飛行機822(図494(a)参照)に「大当たり」の文字が表示される。このように、リーチ変動が連続した場合に表示され得る表示画面(上アングル表示画面)を、リーチ変動が連続しない場合であって、別の表示条件(大当たり当選)が成立した場合にも表示可能に構成することで、様々な演出を遊技者に提供し易くすることができる。なお、上述した特殊演出を実行可能に構成した場合では、アングル変更演出として左アングル又は右アングルへと移行する演出態様が設定された場合の一部において、通常アングルの表示画面にてロープ820を表示する煽り演出を実行するように構成すると良い。この場合、通常アングルの表示画面にロープ820を表示させるだけで、特殊演出が実行されることへの期待感を遊技者に持たせることができる。また、通常アングルの表示画面にロープ820を表示させる煽り演出が実行された場合の方が、煽り演出が実行されなかった場合よりも、実行中のアングル変更演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果となり易くなるように構成すると良い。このように構成することで、通常アングルの表示画面にロープ820が表示された後、左アングルや右アングルへと移行した場合であっても、遊技者に大当たり当選への期待感を持たせたまま継続して遊技を行わせ易くすることができる。次に、図495から図498を参照して、電動役物640がロング開放する場合に実行される演出の演出内容について説明をする。本第12制御例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において実行される普通図柄抽選にて普図当たりBに当選すると、電動役物640がロング開放する普図ロング当たり遊技が実行される。また、天井特典が付与された場合(第2時短状態が設定された場合)には、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で電サポ状態が付与されることにより、普通図柄抽選にて当たり当選した場合に普図当たりBが選択され易くなるように構成している。
そして、本第12制御例におけるパチンコ機10では、第2時短状態が設定されることを報知するための演出(天井特典付与演出)と、普図ロング当たり遊技が実行されることを報知するための演出(普図ロング当たり変動演出)とで同一の演出態様(電チュー高確示唆演出)が設定されるように構成している。このように構成することで、通常状態中における様々なタイミングで天井特典付与演出と同一態様の演出を実行することができるため、遊技者に対してどのタイミングで天井特典が付与されるかを予測させ難くすることができる。図495(a)は、通常状態にて普図ロング当たり変動が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図495(a)に示した図は、通常状態にて第1特別図柄変動と、普通図柄変動と、が実行されている状態であって、小表示領域Dm1には第1特別図柄変動中であることを示す表示態様(矢印で表示)で第3図柄が変動表示されており、小表示領域Dm3には、普通図柄変動中であることを示す表示態様(矢印で表示)で装飾図柄が変動表示されている。また、主表示領域Dmには実行中の特別図柄抽選の結果を示すための変動演出が実行されており、その上方には、「電チュー高確率モード突入!?」の文字が表示され、間も無く電動役物640(電チュー)がロング開放することを遊技者に示唆している。そして、図495(a)に示した状態から、普通図柄変動(普図ロング当たり変動)が停止表示するよりも先に第1特別図柄変動が停止表示すると、図495(b)に示した表示画面が表示される。図495(b)は、通常状態において普図ロング当たり変動中に特別図柄変動が停止表示された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図495(b)に示した通り、特別図柄変動が外れを示す表示態様で停止表示されると、小表示領域Dm1には、外れを示す表示態様「342」で第3図柄が停止表示し、主表示領域Dmにも第1特別図柄抽選の結果が外れであることを示す表示態様で変動演出の演出結果が表示される。この時点において、小表示領域Dm3に示した通り、普図ロング当たり変動は実行中であるが、主表示領域Dmの上方に示した文字が「電チュー高確率モード突入!?」(図495(a)参照)から「電チュー高確率モード!!」に切り替わり、主表示領域Dmの下方に「電チューが開放しやすいよ」の文字と、閉鎖状態の電動役物640を模式的に示した画像が表示領域Dm103に表示される。その後、実行中の普図ロング当たり変動が停止表示されると、図496(a)に示した表示画面が表示される。図496(a)は、通常状態において普図ロング当たり変動が停止表示された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図496(a)に示した通り、普図ロング当たり変動が停止表示されると、小表示領域Dm3には、普図ロング当たりに対応する表示態様「○○」で装飾図柄が停止表示され、主表示領域Dmの下方には「電チューを狙ってね」の文字が表示され、表示領域Dm103に開放状態の電動役物640を模式的に示した画像が表示される。つまり、本第12制御例におけるパチンコ機10では、通常状態にて普図ロング当たり変動が実行された場合に、普図ロング当たり変動中であることを示唆可能な演出(普図ロング当たり変動演出)を実行し、その普図ロング当たり変動演出の演出態様を、実行中の特別図柄変動の変動状況に応じて可変させるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄変動に基づいて何らかの契機が成立し電動役物640がロング開放したと思わせ易くすることができる。
一方、天井特典が付与される場合には、図496(b)に示した表示画面が表示される。図496(b)は、天井特典が付与された時点で表示される表示画面の一例を示した図である。図496(b)に示した通り、天井特典はハマり契機が成立した場合(900回目の特別図柄変動が外れで停止表示された場合)に付与されることから、900回目の特別図柄変動が外れであることを示す表示態様で表示された時点で、上述した図495(b)と同様の表示画面が表示される。つまり、天井特典(第2時短状態)はハマリ契機が成立した特別図柄変動が停止表示された場合に付与されるのに対して、普図ロング当たり遊技は普図ロング当たり変動が停止表示された場合(特別図柄変動が停止表示されるタイミングとは異なるタイミング)に実行されることから、第2時短状態が設定されることを報知するための演出(天井特典付与演出)と、普図ロング当たり遊技が実行されることを報知するための演出(普図ロング当たり変動演出)とで同一の演出態様(電チュー高確示唆演出)を設定したとしても、電チュー高確示唆演出が実行されるタイミングによって遊技者に何れの契機が成立したのかを把握されてしまう虞があった。これに対して、本第12制御例では、普図ロング当たり変動が実行されている期間中に特別図柄変動が停止表示されるタイミングに合わせて電チュー高確示唆演出を実行可能に構成している。このように構成することで、天井特典が付与される場合も、普図ロング当たり遊技が実行される場合も、特別図柄変動の変動期間に対応させて電チュー高確示唆演出が実行されるため、遊技者に対して何れの契機が成立したのかを把握させ難くすることができる。さらに、電チュー高確示唆演出が実行されてから、実際に電動役物640aが開放されるまでの期間、具体的には、第2時短状態が設定されてから普図当たり遊技が実行されるまでの期間や、普図ロング当たり変動中に特別図柄変動が停止表示されてから普図ロング当たり変動が停止表示し、普図ロング当たり遊技が実行されるまでの期間に、第2特別図柄抽選を実行され易い期間であることを遊技者に報知するための演出(電チュー高確率モード演出)を実行可能に構成している。
つまり、何れの契機が成立した場合であっても、同一の演出過程(電チュー高確示唆演出が実行された後に、電チュー高確率モード演出を実行する流れ)を経て、普図ロング当たり遊技を実行させることが可能に構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出に基づいて何れの契機が成立したかを遊技者に予測させ難くすることができる。さらに、普図ロング当たり変動が実行されている期間中に電チュー高確示唆演出を実行した場合であっても、電チュー高確示唆演出が終了してから(特別図柄変動が停止表示してから)、実際に普図ロング当たり遊技が実行されるまでの期間に対して遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。次に、図497(a)を参照して、通常状態(天井特典が付与されていない状態)で実行された普図ロング当たり遊技が終了したタイミングでは天井特典が付与されている場合における演出内容について説明をする。本第12制御例では、上述した各制御例と同様に特別図柄抽選と普通図柄抽選とが並行して実行されるように構成していることから普図ロング当たり変動中に複数回の特別図柄抽選が実行され、天井特典が付与される場合がある。図497(a)は、通常状態中に実行された普図ロング当たり遊技が、天井特典が付与されている(第2時短状態が設定されている)状態で終了した場合に表示されル表示画面の一例を示した図である。図497(a)に示した通り、普図ロング当たり遊技が実行されることに基づいて表示された「電チュー高確率モード!!」の表示がそのまま継続して表示され、その下方に「継続」の文字が表示される。そして、主表示領域Dmの下方には「まだまだ電チューが開放しやすいよ」の文字が表示される。このように、通常状態における普図ロング当たり変動が実行された期間と、その普図ロング当たり変動に基づいて普図ロング当たり遊技が実行された期間と、天井特典が付与される期間と、が繋がった場合には、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される電チュー高確率モードに関する演出が継続して実行されるように構成することで、どのタイミングで天井特典が付与されたのかを遊技者に把握させ難くすることができる。
次に、図497(b)、及び図498を参照して、天井特典として付与される第2時短状態が終了する際の演出内容について説明をする。図497(b)は、天井特典として付与される天井時短(第2時短状態)の終了時に表示される表示画面の一例を示した図であって、図498は、天井時短(第2時短状態)の終了タイミングにて普図ロング当たり変動が実行されている場合に表示される表画面の一例を示した図である。天井時短(第2時短状態)は、特別図柄変動が所定回数(100回)実行された場合に終了するように構成していることから、天井時短(第2時短状態)が設定されてから100回目の特別図柄変動が外れで停止表示されると、図497(b)に示した通り、変動演出の演出結果を示す表示態様を覆うように「終了」の文字が表示され、下方には「次に期待」の文字が表示される。一方、天井時短(第2時短状態)の終了タイミングで普図ロング当たり変動が実行されている場合には、天井時短(第2時短状態)が終了し、通常状態へと移行した直後に普図ロング当たり遊技が実行されることから、「終了」の文字に代えて「泣きの1回」の文字が表示され、下方には「ラストチャンス!!後1回電チュー開放するよ」の文字が表示される。つまり、本第12制御例では、天井特典として付与される第2時短状態が終了するタイミング(第2時短状態の終了条件が成立する特別図柄変動の停止表示タイミング)にて、普図ロング当たり変動が実行されている場合には、第2特別図柄抽選を実行させ易い期間が継続する、即ち、第2時短状態が終了して通常状態が設定された後に、普図ロング当たり遊技が実行されることにより、第2入球口640へと遊技球を入球させ易い状態が創出されることを報知可能に構成している。
このように、複数の契機によって第2特別図柄抽選を実行させ易い状態を創出可能な遊技性を有するパチンコ機10において、各契機の成立タイミングが重複、或いは、短期間内で成立する場合には、各契機の成立によって設定される第2特別図柄抽選を実行させ易い状態を、あたかも一の契機の成立によって設定される第2特別図柄抽選を実行させ易い状態が継続しているかのように見せる演出(高確率モード継続演出)を実行可能に構成しているため、遊技者に対して、一の契機が成立したことに基づいて設定される第2特別図柄抽選を実行させ易い状態がどの程度継続するのかを予測させ難くすることができる。次に、図499を参照して、同一態様の停止表示態様を連続して表示する演出の演出内容について説明をする。本第12制御例では、先読み連続演出の実行条件が成立していない状態(特図保留を3個以上獲得していない状態)における先読み結果にて、遊技者に有利な先読み結果(大当たり当選に対応する先読み結果)を特定した場合には、同一態様の停止表示態様を連続して表示することで、先読み連続演出を実行すること無く、遊技者に対して有利となる特別図柄抽選が実行されることを、その特別図柄抽選が実行されるよりも前に報知可能に構成している。このように構成することで、先読み演出の実行条件が成立していない状態における特別図柄変動に対しても遊技者に興味を持たせることができる。
ここで、従来より、特別図柄の実行権利(特図保留)を所定数(例えば、3個)以上獲得している状態において、先読み結果に基づく演出(先読み演出)を複数回(例えば、3回)の特別図柄変動期間を跨ぐように実行可能に構成された遊技機がある。具体的には、大当たり当選する特別図柄抽選に対応する特別図柄変動の停止表示タイミングに対応させて大当たり当選を示すための演出結果が表示される先読み演出を、大当たり当選する特別図柄抽選よりも前に実行される特別図柄抽選に対応する特別図柄変動の変動時間も用いて実行可能に構成されている。このように構成することで、大当たり当選する特別図柄抽選(先読み演出の対象となる特別図柄抽選)よりも前に実行される特別図柄抽選(外れ抽選)の結果を遊技者に報知するための変動演出を実行する必要が無くなるため、特別図柄抽選の結果が外れであったことを示すための変動演出が実行される回数を減少させることができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるものであった。また、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合の方が、外れである場合よりも、その特別図柄抽選を対象とした先読み演出が実行され易くなるように構成することで、通常の変動演出(一回の特別図柄変動期間を用いた変動演出)よりも大当たり当選の期待度が高い変動演出(複数回の特別図柄変動期間を用いた先読み演出)の演出期間を長くすることができるため、先読み演出の演出効果を高めることができるというものであった。より具体的には、特別図柄変動が開始されるタイミングにて実行される変動演出の演出態様を決定する処理において、当該変動が外れ変動であると判別した後に、獲得済みの特図保留内に先読み演出の実行条件を満たしている特図保留が存在するかを判別し、先読み演出の実行条件を満たしている特図保留が存在していると判別した場合において、当該変動の変動期間から、先読み演出の実行条件を満たしている特図保留に基づく特別図柄変動の変動期間に跨がるように実行される先読み演出の演出態様が決定されるように構成されるものであった。
この場合、特別図柄変動が開始されるタイミングにて獲得済みの特図保留が存在しない場合、又は獲得済みの特図保留が少ない場合には、先読み演出の実行条件が成立しない(し難い)ため、遊技者に先読み演出を提供できないという問題があった。これに対して、本第12制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選の結果が外れであることを示す特別図柄変動が実行されている期間中に獲得した特図保留によっても先読み演出の実行条件が成立し得るように構成し、特別図柄変動が実行されている期間中に獲得した特図保留によって先読み演出の実行条件が成立した場合に、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を用いて先読み演出を実行可能に構成している。具体的には、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出の演出結果(第3図柄の停止表示態様)を連続して停止表示させるように次以降に実行される変動演出の演出態様を設定可能に構成している。このように構成することで、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を変更すること無く、且つ、連続して実行される変動演出に関連性を持たせた先読み演出を実行することができる。また、特別図柄変動が開始される時点では先読み演出の実行条件が成立しておらず、その特別図柄変動が実行されている最中に先読み演出の実行条件が成立した場合であっても、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出に関連性を持たせた先読み演出を実行することができるため、先読み演出の実行頻度を高くすることができる。図499(a)に示した通り、同一の停止表示態様で変動演出の演出結果が表示された場合には、主表示領域Dmの下方に「前回と同じ、チャンスかも」の文字が表示され、その次変動では、1907(b)に示した通り、大当たり当選の期待度が高い変動演出として、天使を模したキャラクタ815が星を模したアイコン815aを降らせる変動演出が実行され、下方に「チャンスかも」の文字が表示される。
つまり、本第12制御例では、図499(a)に示した通り、同一の停止表示態様が連続して停止表示された場合において、同一の停止表示態様が連続して停止表示されたことを遊技者に報知可能な報知演出を実行可能に構成している。このように構成することで、同一の停止表示態様が連続して停止表示されたことを分かり易く報知することができる。なお、本第12制御例では、連続して実行される変動演出の演出結果(停止表示態様)が同一の演出結果(同一の停止表示態様)となった場合に、その旨を遊技者に報知するための連続表示態様が表示されるように構成しているが、これに限ること無く、連続表示態様を表示しないように構成しても良い。このように構成することで、連続して実行される変動演出の演出結果(停止表示態様)が同一の演出結果(同一の停止表示態様)となったことを遊技者に把握させ難くすることができる。また、本第12制御例におけるパチンコ機10では、変動演出が実行されている状態で先読み演出の実行条件が成立した場合に、実行中の変動演出の演出結果(停止表示態様)と同一の演出結果が次に実行される変動演出の演出結果として設定可能に構成することで、連続して実行される変動演出に関連性を持たせた先読み演出を実行するように構成しているが、この場合、先読み演出が実行されていない状態において連続して実行される変動演出の演出結果が同一とならないように変動演出の演出態様を設定可能に構成すると良い。つまり、特別図柄抽選の結果が外れであって、且つ、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに含まれる変動パターン(変動時間や停止種別を示す情報)が同一であった場合でも、特別図柄抽選の結果が外れであることを示すための第3図柄の停止表示態様として連続して同一の停止表示態様が設定されないように、変動演出の演出結果を示すための停止表示態様として設定された情報を記憶可能に構成し、記憶されている情報に基づいて同一の停止表示態様が連続して設定されないように変動演出の演出態様(停止表示態様)を設定するように構成すると良い。
このように構成することで、先読み演出が実行されていない状態では、連続して実行される変動演出の演出結果として同一の停止表示態様が表示されることが無いため、実行される変動演出の演出結果に基づいて先読み演出が実行されているか否かを把握させ易くすることができる。また、先読み演出が実行された場合のみ連続して同一の停止表示態様を表示させることができるため、連続して同一の停止表示態様が表示されたことを遊技者に報知するための連続表示態様を表示しないように構成した場合に、通常とは異なる違和感を感じ取った遊技者に対してのみ先読み演出が実行されていることを把握させることができる。次に、図500から図502を参照して、一発告知演出の演出内容について説明をする。本第12制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の一部として、遊技者に操作手段(枠ボタン22)を操作させる操作演出を実行可能に構成している。具体的には、第3図柄表示装置81の表示画面に遊技者に枠ボタン22を操作させることを促す操作案内態様を表示し、遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて、実行中の特別図柄変動が大当たり変動であるか否かを報知する報知演出(一発告知演出)を実行可能に構成している。つまり、特別図柄変動期間中において、遊技者が枠ボタン22を操作することで、特別図柄が停止表示されるよりも前に、対象となる特別図柄抽選の結果を把握可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果をいち早く把握しようとする遊技者に対して、意欲的に枠ボタン22を操作させることができるため、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。本第12制御例におけるパチンコ機10では、操作演出中に遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて、枠ボタン22が操作されたことを示す第1演出と、大当たり当選の有無を報知するための第2演出と、を実行可能に構成し、第1演出の演出態様と、第2演出の演出態様とを複合させて遊技者に対して、様々な特典の付与有無を報知可能に構成している。
図500(a)は、一発告知演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図500(a)に示した通り、一発告知演出が実行されると、主表示領域Dmの左右端側に花アイコンha1,ha2が表示され、下方には枠ボタン22を模したボタンBa1と、ボタンBa1に止まっている蝶アイコンBb1,Bb2が表示される。そして、主表示領域Dmの上方に「ボタンpushで花が光れば大当たり!!」の文字が表示される。その後、枠ボタン22を押下すると、図500(b)に示した通り、一発告知演出の演出結果が報知される。図500(b)は、大当たり当選を示す一発告知演出の演出結果が表示される表示画面の一例を示した図であって、枠ボタン22への押下に基づいて花アイコンha1,ha2が発光する。また、枠ボタン22への押下に応じてボタンBa1が消去され、蝶アイコンBb1,Bb2が主表示領域Dm内を飛ぶ演出が実行される。そして、図500(b)に示した表示画面、即ち、花アイコンha1,ha2を用いて大当たり当選が告知(報知)された後に、蝶アイコンBb1,Bb2が、図501(a)に示した通り、花アイコンha1,ha2に止まる演出が実行されると、今回の大当たり当選が確変大当たりに当選したことが報知(追加特典報知)され、「超蝶ラッキー確変ゲット」の文字が表示される。一方、一発告知演出にて枠ボタン22を操作した場合であって、花アイコンha1,ha2が発光しなかった場合は、図501(b)に示した表示画面、即ち、枠ボタン22が操作されたことによってボタンBa1が消去し、蝶アイコンBb1,Bb2が主表示領域Dm内を飛んでいる表示画面が表示される。
ここで、本第12制御例では、一発告知演出における枠ボタン22の押下タイミングや演出種別によって、大当たり当選に対応する一発告知演出中に枠ボタン22を押下したタイミングで花アイコンha1,ha2を発光させない演出パターンを有しており、この場合、図501(b)に示した表示画面(外れ画面)を表示した後に、1910(a)に示した表示画面、即ち、枠ボタンの押下に基づいて飛び出した2匹の蝶アイコンBb1,Bb2が一方の花アイコンha2に止まることで花アイコンha2を発光させる演出を実行可能に構成している。このように構成することで、操作演出中に遊技者が枠ボタン22を操作することで大当たり当選の有無を報知する一発告知演出において、即座に大当たり当選が報知されなかった場合であっても、大当たり当選の可能性を残すことができ、残りの演出期間にて実行される演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。さらに、図500(b)に示した表示画面、即ち、枠ボタン22の押下タイミングで花アイコンha1,ha2が発光する演出が実行された際に、図501(a)に示す表示画面、即ち、今回の大当たり種別が遊技者に有利であることを報知する演出以外の演出を実行可能に構成している。具体的には、獲得済みの特図保留内に大当たり当選する特図保留(大当たり保留)が存在していることを報知可能な演出も実行可能に構成している。この場合、図502(b)に示した通り、主表示領域Dm内を飛んでいる蝶アイコンBb1,Bb2をカゴka内に獲得する演出が実行され「蝶をゲット、次変動以降で飛べば大チャンス」の文字が表示される。図502(b)に示した表示画面が表示された場合には、実行中の大当たり変動が停止表示された後に実行される大当たり遊技期間や、大当たり遊技が終了してから実行される特別図柄変動期間を跨いでカゴkaが継続表示され、カゴkaから蝶アイコンBb1、Bb2が飛び出すタイミングによって、遊技者に異なる特典(確変大当たり、大当たり当選)の付与を報知する演出が実行される。
また、一発告知演出において、即座に大当たり当選が報知された場合であっても、残りの演出期間にて更なる特典(有利大当たり)が付与されるか否かを報知するための演出が実行されるため、残りの演出期間にて実行される演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。加えて、一発告知演出における第2演出の演出結果に応じて、第1演出の演出結果が同一の演出結果であったとしても、第1演出の演出結果によって報知される特典の内容を異ならせることができるため、演出効果を高めることができる。さらに、本第12制御例では、操作演出中に枠ボタン22を操作したタイミングによって、第1演出によって報知される特典の内容を異ならせることができるように構成している。このように構成することで、操作演出が実行された場合に、枠ボタン22を操作するか否かの選択だけで無く、どのタイミングで枠ボタン22を操作するかを遊技者に決定させる楽しみを提供することができる。なお、本第12制御例では、蝶アイコンBb1,Bb2が止まっているボタンBa1が表示されている状態で遊技者が枠ボタン22を押下した場合には、枠ボタン22への押下操作を受け付けたことを報知するために、ボタンBa1が非表示となり、蝶アイコンBb1,Bb2が飛び立つ演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、遊技者による枠ボタン22への押下操作を受け付けた後も、継続してボタンBa1を表示させるように構成しても良い。この場合、例えば、枠ボタン22への1回目の押下操作に基づいてボタンBa1に止まっている蝶アイコンBb1のみが飛び立つ演出が実行され、蝶アイコンBb2が止まっているボタンBa1を表示するように構成して、2回目の押下操作に基づいてボタンBa1を非表示にすると共に、蝶アイコンBb1が飛び立つ演出が実行されるように構成しても良い。つまり、ボタンBa1に止まっている蝶アイコンBbの数が、枠ボタン22への残押下回数に対応する演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、ボタンBa1が表示された時点で止まっている蝶アイコンBbの数に対しても遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、この場合、枠ボタン22への1回の操作に基づいて飛び立つ蝶アイコンBbの数によって、操作演出の演出結果を異ならせる(選択される演出結果の選択割合を異ならせる)ように構成しても良く、1回の操作に基づいて多くの蝶アイコンBbが飛び立った方が、少ない蝶アイコンBbが飛び立った場合よりも、遊技者に有利な演出結果(例えば、大当たり当選を示す演出結果)が表示され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、ボタンBa1が表示された時点で止まっている蝶アイコンBbの数が多い場合において、ボタン押下可能回数が多い操作演出が実行されているか、遊技者に有利な演出結果が表示される可能性が高い操作演出が実行されているかを遊技者に予測させながら意欲的に枠ボタン22を押下させることが可能となる。また、枠ボタン22への1回目の押下操作に基づいて、蝶アイコンBb1,Bb2の何れも飛び立つこと無く継続してボタンBa1を表示し、花アイコンha1,ha2を発光される演出を実行するように構成しても良い。
<第12制御例における電気的構成について>
次に、図503から図512を参照して、本第12制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第12制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部、RAM203の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部と、RAM223の構成の一部と、表示制御装置114のMPU231が有するワークRAM233の構成の一部を変更している点で相違している。それ以外の電気的構成については同一であり、同一の構成についてはその説明を省略する。まず、図503(a)を参照して、本第12制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図503(a)は、本第12制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成を模式的に示した図である。図503(a)に示した通り、本第12制御例におけるパチンコ機10のROM202は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10のROM202(図208(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202laに代えて第1当たり乱数テーブル202jaを、変動パターン選択テーブル202dbに代えて変動パターン選択テーブル202jbを、第2当たり乱数テーブル202lcに代えて第2当たり乱数テーブル202jcを、大当たり種別選択テーブル202ldに代えて大当たり種別選択テーブル202jdを設け、新たに第2当たり種別選択テーブル202jeを設けた点で相違している。
ここで、図504(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル202jaに規定されている内容について具体的に説明をする。図504(a)は、第1当たり乱数テーブル202jaに規定されている内容を示した図である。図504(a)に示した通り、第1当たり乱数テーブル202jaには、特別図柄の確率状態(特別図柄の低確率状態、特別図柄の高確率状態)に対応させて、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりと判定される範囲が異なるように規定されており、特別図柄の低確率状態に対しては、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~2」の範囲に対して大当たり判定値が規定され、特別図柄の高確率状態に対しては、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~19」の範囲に対して大当たり判定値が規定されている。つまり、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲は「0~899」の900個であり、特別図柄の低確率状態にて大当たりと判定される範囲は「0~2」の3個であるため、特別図柄の低確率状態では特別図柄抽選にて大当たり当選する確率が1/300(3/900)となる。一方、特別図柄の高確率状態にて大当たりと判定される範囲は「0~19」の20個であるため、特別図柄の高確率状態では特別図柄抽選にて大当たり当選する確率が1/45(20/900)となる。
このように、特別図柄の確率状態に応じて特別図柄抽選が実行された場合における大当たり当選の確率を異ならせることにより、遊技者に対して大当たり当選し易い遊技状態(特別図柄の高確率状態が設定される遊技状態)への移行を目指して意欲的に遊技を行わせることができる。なお、本第12制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選が実行された場合も、第2特別図柄抽選が実行された場合も、同一のデータテーブル(第1当たり乱数テーブル202ja)を参照して大当たり当選の判定を実行しているため、何れの特別図柄抽選が実行された場合も、大当たり当選確率が同一となるが、これに限ること無く、例えば、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで異なるデータテーブルを参照して大当たり当選の判定を実行するように構成しても良く、通常状態にて実行させ易い第1特別図柄抽選よりも、通常状態にて実行させ難い第2特別図柄抽選の方が、特別図柄の低確率状態にて大当たり当選し易くなるように第1当たり乱数テーブル202jaの内容を規定しても良い。このように構成することで、第2特別図柄抽選を実行させ易い時短状態中に獲得した第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を用いた第2特別図柄抽選が通常状態中に実行された場合、例えば、特図2保留を獲得している状態で遊技状態が時短状態から通常状態へと移行した場合において、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選よりも大当たり当選し易い第2特別図柄抽選を実行することができるため、通常状態よりも遊技者に有利となる時短状態が設定されたにも関わらず、その時短状態が終了してしまった遊技者に対しても特典(第1特別図柄抽選よりも大当たり当選し易い第2特別図柄抽選の実行)を提供することができる。また、より多くの特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させるために時短状態が終了する間際まで遊技者に対して特図2保留の獲得を目指した遊技を意欲的に行わせることができる。
次に、図506(a)を参照して、変動パターン選択テーブル202jbの内容について説明をする。図506(a)は、変動パターン選択テーブル202jbに規定されている内容を模式的に示した図である。この変動パターン選択テーブル202jbは、上述した変動パターン選択テーブル202db(図99参照)と同様に、特別図柄変動の変動パターンを決定する際に参照されるデータテーブルであって、設定されている遊技状態に応じて異なるデータテーブルが参照されるように、遊技状態に対応させた複数のデータテーブルが規定されている。具体的には、図506(a)に示した通り、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用テーブル202jb1と、確変状態、或いは第1時短状態を設定している状態で用いられる確変・第1時短用テーブル202jb2と、第2時短状態を設定している状態で用いられる第2時短用テーブル202jb3と、が規定されている。詳細については後述するが、本制御例では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。次に、変動パターン選択テーブル202jbに規定されている各テーブルの詳細な内容について、図506(b)及び図507を参照して説明をする。図506(b)は通常用テーブル202jb1に規定されている内容を模式図に示した模式図である。この通常用テーブル202jb1は、遊技状態として通常状態が設定されている場合に参照されるデータテーブルであって、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように規定しており、抽選が実行された特別図柄の種別と、特別図柄の変動回数(前回の大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数)と、実行された特別図柄抽選の結果に応じて異なる変動パターンが規定されている。
まず、図506(b)を参照して、通常用テーブル202jb1について説明する。図506(b)は、この通常用テーブル202jb1の規定内容を示した図である。この通常用テーブル202jb1には、特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ規定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、変動種別カウンタCS1の値が割り付けされている。具体的には、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数が「1~890,1001~」で、当否判定結果(抽選結果)が大当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~14」の場合は、変動パターンとして変動時間が20秒(基本時間20秒+加算時間0秒)のノーマル(リーチ)が規定されている。このノーマルが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が20秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「15~18」の場合は、変動パターンとして変動時間が22秒(基本時間20秒+加算時間2秒)のノーマル(リーチ)が、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「19」の場合は、変動パターンとして変動時間が25秒(基本時間20秒+加算時間5秒)のノーマル(リーチ)が規定されている。つまり、本第12制御例では、同一種別の変動パターン(ノーマルリーチ)に対して、異なる長さの変動時間を加算時間の有無によって決定可能に構成している。このように構成することで、同一種別の変動パターンが設定された場合であっても、実行される変動時間の長さに応じて、実行される演出態様を異ならせることができる。
具体的には、抽選結果が当たりであって、加算時間0秒の当たり変動パターンを受信した場合には、リーチ演出の結果として、大当たり当選を示す第3図柄がスムーズに有効ラインに停止する停止アクションが設定され、加算時間2秒の当たり変動パターンを受信した場合には、リーチ演出の結果として、大当たり当選を示す第3図柄が、一旦、有効ラインを通過した後に戻る停止アクションが設定され、加算時間5秒の当たり変動パターンを受信した場合には、リーチ演出の結果として、大当たり当選を示す第3図柄が、有効ラインを通過した後に、高速変動しながら1周回って有効ライン上に停止する停止アクションが設定される。このように構成することで、変動演出の主となる演出態様(ノーマル)を変動パターンの種別によって決定し、変動演出の一部演出(停止時アクション)が実行される期間の長さや、演出態様を加算時間の長さによって決定することができるため、バリエーションの富んだ変動演出を容易に実行することができる。又、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数が「1~890,1001~」で、当否判定結果(抽選結果)が大当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「20~149」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒(基本時間30秒+加算時間0秒)のスーパー(リーチ)が規定されている。このスーパーが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「150~159」の場合は、変動パターンとして変動時間が32秒(基本時間30秒+加算時間2秒)のスーパー(リーチ)が、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「160~169」の場合は、変動パターンとして変動時間が35秒(基本時間30秒+加算時間5秒)のスーパー(リーチ)が規定されている。
そして、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数が「1~890,1001~」で、当否判定結果(抽選結果)が大当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「170~189」の場合は、変動パターンとして変動時間が60秒(基本時間60秒+加算時間0秒)のSP(リーチ)が規定されている。このSPが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が60秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「190~197」の場合は、変動パターンとして変動時間が62秒(基本時間60秒+加算時間2秒)のSP(リーチ)が、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「198」の場合は、変動パターンとして変動時間が65秒(基本時間60秒+加算時間5秒)のSP(リーチ)が規定されている。次に、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数が「1~890,1001~」で、当否判定結果(抽選結果)が外れであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~174」の場合は、変動パターンとして変動時間が5秒(基本時間5秒+加算時間0秒)の外れが規定されている。この外れが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が5秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「175~179」の場合は、変動パターンとして変動時間が7秒(基本時間5秒+加算時間2秒)の外れが、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「180~194」の場合は、変動パターンとして変動時間が20秒又は30秒(基本時間20秒又は30秒+加算時間0秒)リーチ外れが規定され、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「195~197」の場合は、変動パターンとして変動時間が22秒又は32秒(基本時間20秒又は30秒+加算時間2秒)のリーチ外れが規定され、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「198」の場合は、変動パターンとして変動時間が25秒又は35秒(基本時間20秒又は30秒+加算時間5秒)のリーチ外れが規定されている。
一方、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数が「891~900」で、当否判定結果(抽選結果)が大当たりAであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~6」の場合は、変動パターンとして変動時間が20秒(基本時間20秒+加算時間0秒)のノーマル(リーチ)が規定されている。このノーマルが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が20秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「7~14」の場合は、変動パターンとして変動時間が22秒(基本時間20秒+加算時間2秒)のノーマル(リーチ)が、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「15~19」の場合は、変動パターンとして変動時間が25秒(基本時間20秒+加算時間5秒)のノーマル(リーチ)が規定されている。又、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数が「891~900」で、当否判定結果(抽選結果)が大当たりAであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「20~99」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒(基本時間30秒+加算時間0秒)のスーパー(リーチ)が規定されている。このスーパーが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「100~124」の場合は、変動パターンとして変動時間が32秒(基本時間30秒+加算時間2秒)のスーパー(リーチ)が、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「125~169」の場合は、変動パターンとして変動時間が35秒(基本時間30秒+加算時間5秒)のスーパー(リーチ)が規定されている。そして、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「170~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が65秒(基本時間60秒+加算時間5秒)のSP(リーチ)が規定されている。
そして、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数が「891~900」で、当否判定結果(抽選結果)が大当たりB,Cであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~6」の場合は、変動パターンとして変動時間が20秒(基本時間20秒+加算時間0秒)のノーマル(リーチ)が規定されている。このノーマルが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が20秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「7~14」の場合は、変動パターンとして変動時間が22秒(基本時間20秒+加算時間2秒)のノーマル(リーチ)が、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「15~19」の場合は、変動パターンとして変動時間が25秒(基本時間20秒+加算時間5秒)のノーマル(リーチ)が規定されている。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「20~119」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒(基本時間30秒+加算時間0秒)のスーパー(リーチ)が規定されている。このスーパーが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「120~144」の場合は、変動パターンとして変動時間が32秒(基本時間30秒+加算時間2秒)のスーパー(リーチ)が、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「145~169」の場合は、変動パターンとして変動時間が35秒(基本時間30秒+加算時間5秒)のスーパー(リーチ)が規定されている。そして、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「170~189」の場合は、変動パターンとして変動時間が60秒(基本時間60秒+加算時間0秒)のSP(リーチ)が規定され、「190~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が65秒(基本時間60秒+加算時間5秒)のSP(リーチ)が規定されている。
一方、変動回数が「891~900」で、当否判定結果(抽選結果)が外れであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~169」の場合は、変動パターンとして変動時間が5秒(基本時間5秒+加算時間0秒)の外れが規定されている。この外れが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が5秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「170~179」の場合は、変動パターンとして変動時間が7秒(基本時間5秒+加算時間2秒)の外れが、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「180~194」の場合は、変動パターンとして変動時間が20秒又は30秒(基本時間20秒又は30秒+加算時間0秒)リーチ外れが規定され、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「195,196」の場合は、変動パターンとして変動時間が22秒又は32秒(基本時間20秒又は30秒+加算時間2秒)のリーチ外れが規定され、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「197,198」の場合は、変動パターンとして変動時間が25秒又は35秒(基本時間20秒又は30秒+加算時間5秒)のリーチ外れが規定されている。そして、特別図柄の種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)に対しては、変動回数が「1~」、即ち、変動回数に関わらず、当否判定結果(抽選結果)が当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~4」の場合は、変動パターンとして変動時間が20秒(基本時間20秒+加算時間0秒)のノーマル(リーチ)が規定されている。このノーマルが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が20秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「5~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒(基本時間30秒+加算時間0秒)のスーパー(リーチ)が規定されている。一方、当否判定結果(抽選結果)が外れである場合は、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~149」の場合は、変動パターンとして変動時間が5秒(基本時間5秒+加算時間0秒)の外れが規定され、「150~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒(基本時間30秒+加算時間0秒)のリーチ外れが規定されている。
なお、本第12制御例では、上述した通り、遊技状態として通常状態が設定されている場合における第2特別図柄の変動パターンとして変動回数(前回の大当たり遊技が終了してからの特別図柄変動回数)に関わらず、当否判定結果に応じて5秒~30秒の変動時間が設定される変動パターンを決定可能に構成しているが、これに限ること無く、通常状態中に実行される第2特別図柄変動に対しては、当否判定結果に関わらず、固定の変動時間(例えば、10秒)の変動パターンのみが決定されるように構成しても良い。このように構成することで、通常状態において第2特別図柄変動が実行され易くなる状態、即ち、通常状態中に実行された普通図柄抽選でロング開放当たりに当選し、第2入球口640へと複数の遊技球が入球した場合において、固定時間(10秒)の特図2変動(第2特別図柄変動)を実行することができるため、通常状態における第2特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様として単一の演出態様を設定することができる。よって、通常状態中に電動役物640がロング開放当たりに当選し、第2特別図柄抽選が実行される遊技の流れを遊技者に分かり易く報知することができる。なお、この場合、天井特典として第2時短状態が設定された場合における第2特別図柄変動の変動パターンが、通常状態における第2特別図柄変動の変動パターンと同一となるように構成すると良い。このように構成することで、第2特別図柄変動の変動時間によって、今回実行された第2特別図柄変動が通常状態中に実行されたのか、第2時短状態中に実行されたのかを遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。よって、普通図柄抽選でロング開放当たりに当選した場合に実行される演出と、第2時短状態が設定されたことに基づいて実行される演出と、の演出態様を統一することで、遊技者に対して、天井特典が付与されたか否かを把握させ難くするという本制御例記載の課題をより解決し易くすることができる。次に、図507(a)を参照して、確変・第1時短用テーブル202jb2に規定されている内容について説明をする。図507(a)は、確変・第1時短用テーブル202jb2に規定されている内容を示した図である。
第2当たり乱数テーブル202jcは、普通図柄の抽選結果を判定する際に参照されるデータテーブルである。ここで、図504(b)を参照して、第2当たり乱数テーブル202jcの内容について説明をする。図504(b)は、第2当たり乱数テーブル202jcに規定されている内容を示した図である。図504(b)に示した通り、第2当たり乱数テーブル202jcは、上述した第5制御例における第2当たり乱数テーブル202lc(図209(b)参照)に対して、普通図柄の確率状態毎に当たりと判定される第2当たり乱数カウンタC4の範囲を異ならせている点で相違している。具体的には、図504(b)に示した通り、普通図柄の確率状態が「低確率状態」である場合には、第2当たり乱数カウンタC4の値が「0~279」の範囲に対して抽選結果「当たり」が、「280~299」の値に対して抽選結果「外れ」が規定されており、「高確率状態」である場合には、第2当たり乱数カウンタC4の値が「0~289」の範囲に対して抽選結果「当たり」が、「290~299」の値に対して抽選結果「外れ」が規定されている。つまり、本第12制御例では、普通図柄の確率状態に関わらず、普通図柄抽選が実行された場合には、高確率で当たり当選するように構成している。このように構成することで、普通図柄抽選の結果に応じて(普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技の実行有無に応じて)、現在設定されている普通図柄の確率状態が「低確率状態」であるか「高確率状態」であるかを判別させ難くすることができる。大当たり種別選択テーブル202jdは、上述した大当たり種別選択テーブル202ld(図210(a)参照)と同様に、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。
ここで、図505(a)を参照して、大当たり種別選択テーブル202jdの内容について説明をする。図505(a)は、大当たり種別選択テーブル202jdの内容を模式的に示した図である。図505(a)に示した通り、大当たり種別選択テーブル202jdは、大当たり当選した特別図柄の種別(第1特別図柄、第2特別図柄)に応じて異なるデータテーブルを参照して大当たり種別が決定されるように、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図1大当たり用テーブル202jd1と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図2大当たり用テーブル202jd2と、を有している。次に、図505(b)を参照して、特図1大当たり用テーブル202jd1に規定されている内容について説明をする。図505(b)は、特図1大当たり用テーブル202jd1に規定されている内容を模式的に示した図である。図505(b)に示した通り、特図1大当たり用テーブル202jd1には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けて3種類の大当たり種別(大当たりA50、大当たりB50、大当たりC50)が規定されている。具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0~39」の範囲に対して「大当たりA50」が、「40~59」の範囲に対して「大当たりB50」が、「60~99」の範囲に対して「大当たりC50」が、それぞれ規定されている。大当たり種別「大当たりA50」は、大当たりのラウンド数が10ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「10000」が、確変カウンタ203iの値に「10000」が設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA50」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は40個(0~39)であるので、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりA50」が決定される割合は40%(40/100)である。
大当たり種別「大当たりB50」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「10000」が、確変カウンタ203iの値に「10000」が設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB50」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は20個(40~59)であるので、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりB50」が決定される割合は20%(20/100)である。大当たり種別「大当たりC50」は、大当たりのラウンド数が10ラウンドであり、時短大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203iの値に「0」が設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC50」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は40個(60~99)であるので、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりC50」が決定される割合は40%(40/100)である。つまり、本第12制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、60%の割合で確変大当たり(大当たりA50、大当たりB50)が実行(決定)され、40%の割合で時短大当たり(大当たりC50)が実行(決定)されるように構成している。さらに、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、80%の割合で10ラウンド遊技(大当たりA50、大当たりC50)が実行(決定)され、20%の割合で2ラウンド遊技(大当たりB50)が実行(決定)されるように構成している。なお、本第12制御例では、確変大当たりが決定された場合に、時短カウンタ203hの値、及び確変カウンタ203iの値に「10000」が設定されるように構成しているが、上述した通り、特別図柄の高確率状態が設定されている場合には、特別図柄抽選にて大当たり当選する確率が1/50であるため、実質、次回の大当たり当選まで確変状態が継続することになる。
よって、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に決定される3種類の大当たり種別(大当たりA50、大当たりB50、大当たりC50)のうち、最も遊技者に有利な大当たり種別が大当たりA50(10ラウンド確変大当たり)となり、次いで、大当たりB50(2ラウンド確変大当たり)、大当たりC50(10ラウンド時短大当たり)が最も遊技者に不利な大当たり種別となる。なお、遊技者への遊技度合いを、1回の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数の観点で見た場合には、1回の大当たり遊技にて実行されるラウンド遊技数(ラウンド数)が大きくなるほど遊技者に有利な大当たりとなるため、大当たりA50と大当たりC50とが遊技者に有利な大当たり種別となり、大当たりB50が最も遊技者に不利な大当たり種別となる。次に、図505(c)を参照して、特図2大当たり用テーブル202jd2に規定されている内容について説明をする。図505(c)は、特図2大当たり用テーブル202jd2に規定されている内容を模式的に示した図である。図505(c)に示した通り、特図2大当たり用テーブル202jd2には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けて3種類の大当たり種別(大当たりA50、大当たりB50、大当たりC50)が、上述した特図1大当たり用テーブル202jd1とは選択割合を異ならせて規定されている。具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0~52」の範囲に対して「大当たりA50」が、「53~59」の範囲に対して「大当たりB50」が、「60~99」の範囲に対して「大当たりC50」が、それぞれ規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA50」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は53個(0~53)であるので、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりA50」が決定される割合は53%(53/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB50」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は7個(53~59)であるので、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりB50」が決定される割合は7%(7/100)である。最後に、第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC50」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は40個(60~99)であるので、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりC50」が決定される割合は40%(40/100)である。つまり、本第12制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、遊技者に最も有利な大当たり種別である大当たりA50が決定(実行)される割合が高くなるように構成している。このように構成することで、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が遊技者に有利な特別図柄抽選とすることができるため、第1特別図柄抽選が主として実行される遊技状態(通常状態)よりも、第2特別図柄抽選が主として実行される遊技状態(時短状態、確変状態)の方が、遊技者に有利な特別図柄抽選が実行され易い点で遊技者に有利な遊技状態となる。なお、時短状態は特別図柄の低確率状態が設定されており、確変状態は特別図柄の高確率状態が設定されていることから、1回の特別図柄抽選にて大当たり当選する確率は時短状態よりも確変状態の方が高くなる。よって、第2特別図柄抽選が主として実行される時短状態と確変状態とでは、大当たり当選し易い第2特別図柄抽選が実行される確変状態の方が遊技者に有利な遊技状態となる。
なお、本第12制御例では、図505(b),(c)に示した通り、第1特別図柄抽選が実行された場合も、第2特別図柄抽選を実行した場合も、大当たり当選時に確変大当たりが決定される割合(時短大当たりが決定される割合)が同一となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、上述した第2制御例におけるパチンコ機10のように、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、確変大当たりが決定され易くなるように構成しても良いし、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも確変大当たりが決定され易くなるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選した特別図柄種別に応じて、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される割合を異ならせることができるため、特別図柄抽選が実行される特別図柄種別に対して遊技者により興味を持たせることができると共に、より遊技者に有利となる特別図柄抽選を実行させようと、主として実行される特別図柄抽選の種別が異なる遊技状態へと移行することを目指して遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。また、本第12制御例では、図505(b),(c)に示した通り、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり種別(大当たりA50、大当たりB50)が決定された場合には、決定された大当たり種別に関わらず、同一の値(10000)が時短回数カウンタ203h、及び確変カウンタ203iに設定されるように構成しているが、これに限ること無く、確変大当たりに対応する大当たり種別であっても、決定された大当たり種別に応じて、時短カウンタ203h、及び確変カウンタ203iに異なる値を設定するように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合であっても、設定された確変状態を終了させる終了条件(確変終了条件)を、大当たり種別に応じて異ならせることができるため、遊技者に対して、確変状態が継続する期間の長さに対しても興味を持たせることができる。
また、本第12制御例では、図505(b),(c)に示した通り、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別(大当たりC50)が決定された場合には、同一の値(100)が時短回数カウンタ203hに設定されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短大当たりに対応する大当たり種別を複数設け、時短大当たりに対応する大当たり種別であっても、決定された大当たり種別に応じて、時短カウンタ203hに異なる値を設定するように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合であっても、設定された時短状態を終了させる終了条件(時短終了条件)を、大当たり種別に応じて異ならせることができるため、遊技者に対して、時短状態が継続する期間の長さに対しても興味を持たせることができる。加えて、本第12制御例では、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選にて時短図柄抽選を実行可能に構成していることから、時短状態が継続する期間の長さに対して、単に大当たり当選時に第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な大当たり種別(大当たりA54)が決定され易い第2特別図柄抽選をより多く実行させる点で興味を持たせるだけでなく、時短図柄当選回数を増加させる点でも興味を持たせることができる。つまり、大当たり遊技終了後に設定された時短状態(第1時短状態)中に実行される第2特別図柄抽選にて大当たり当選しなかった遊技者に対しても、時短図柄抽選結果が時短図柄当選となった回数がより多いことを期待させることができるため、時短状態(第1時短状態)が継続する期間の長さに対してより興味を持たせることができる。第2当たり種別選択テーブル202jeは、普通図柄(第2図柄)の抽選で当たり判定された場合に設定される普図当たり種別を設定する際に参照されるデータテーブルである。本第12制御例におけるパチンコ機10では、普通図柄抽選で当たり当選した場合に、異なる普図当たり種別を設定可能に構成しており、設定された普図当たり種別に応じて異なる内容の普図当たり遊技を実行可能に構成している。
ここで、図504(c)を参照して、第2当たり種別選択テーブル202jeの内容について説明をする。図504(c)は、第2当たり種別選択テーブル202jeに規定されている内容を模式的に示した図である。図504(c)に示した通り、第2当たり種別選択テーブル202jeには、普図当たり当選時の普通図柄の確率状態、時短カウンタ203hの値、取得した第2当たり種別カウンタC5の値に応じて異なる普図当たり種別が規定されている。具体的には、普通図柄の当たり当選時における普通図柄の確率状態が低確率状態で、時短カウンタ203hの値が「0」。即ち、通常状態が設定されている場合には、取得した第2当たり種別カウンタC5の値が「0~98」の範囲に対して、普図当たり種別「普図当たりA」は、「99」の値に対して、普図当たり種別「普図当たりB」が規定されている。ここで、遊技球が入球口へと比較的入球し易くなる状況を開始させるための開始条件である通常状態において普図当たりAに基づく普図当たり遊技が実行された場合には、電動役物640aの開放動作として、「ショート開放(0.1秒の開放動作が1回)」が設定される。また、遊技球が入球口へと比較的入球し易くなる状況を開始させるための別の開始条件である普図当たりBに基づく普図当たり遊技が実行された場合には、電動役物640aの開放動作として、「ロング開放(1秒の開放動作が3回)」が設定される。つまり、遊技球が入球口へと比較的入球し易くなる状況を開始させるための複数の開始条件として通常状態において実行される普通図柄抽選にて当たり当選した場合には、1%の割合でロング開放の普図当たり遊技が実行される。ショート開放の普図当たり遊技が実行された場合には、開放状態の電動役物640aを通過して第2入球口640へと遊技球が殆ど入賞せず、ロング開放の普図当たり遊技が実行された場合には、第2入球口640へと複数個の遊技球が入球可能となる。そして、普図当たりBが設定された普図当たり当選を示す普通図柄変動中は、図495(a)に示した演出(電チュー高確率モード演出)が実行される。このように構成することで、遊技者に対して、第2入球口640へと遊技球を入球させ易い状態が間も無く設定されることを分かり易く報知することができる。
図504(c)に戻り、説明を続ける。普通図柄の当たり当選時における普通図柄の確率状態が低確率状態で、時短カウンタ203hの値が「1以上」。即ち、第2時短状態が設定されている場合には、取得した第2当たり種別カウンタC5の値が「0」の値に対して、普図当たり種別「普図当たりA」が、「1~99」の値に対して、普図当たり種別「普図当たりB」が規定されている。そして、普図当たりAに基づく普図当たり遊技が実行された場合には、電動役物640aの開放動作として「ショート開放」が、普図当たりBに基づく普図当たり遊技が実行された場合には、電動役物640aの開放動作として「ロング開放」が設定される。このように構成することで、普通図柄の低確率状態中であっても、普図当たり遊技として「ロング開放」の普図当たり遊技を実行させ易くすることが可能となる。よって、第2時短状態中において、遊技者に対して第2入球口640へと遊技球を入球させ易くすることができる。次に、普通図柄の高確率状態が設定されている場合は、時短カウンタ203hの値が必ず「1以上」となり、取得した第2当たり種別カウンタC5の値が「0~99」の全範囲に対して普図当たり種別として「普図当たりB」が規定されている。そして、「普図当たりB」に基づく普図当たり遊技が実行された場合には、電動役物640aの開放動作として「ロング開放」が設定される。つまり、普通図柄の高確率状態中は、普図当たり抽選で当たり当選した場合には、必ずロング開放の普図当たり遊技が実行されるように構成している。以上、説明をした通り、本第12制御例では、普通図柄の高確率状態(確変状態、第1時短状態)だけで無く、普通図柄の低確率状態であって、時短カウンタ203hの値が1よりも大きい遊技状態(第2時短状態)においても、普図当たり遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させ易い遊技状態を創出可能に構成している。このように構成することで、天井特典として、特別図柄の確率状態、及び、普通図柄の確率状態を通常状態から変更すること無く、且つ、第1時短状態と同様の性能を有する第2時短状態を付与することができる。
なお、上述した通り、第2時短状態中における普通図柄抽選は、第1時短状態中における普通図柄抽選と比べて、若干、当たり当選し難く、且つ、当たり当選した場合にロング開放の普図当たり遊技が実行される割合も若干低くなるように構成しているが、その誤差は、継続して遊技を実行している遊技者が識別困難な程度の差となるように構成している。よって、普通図柄抽選に基づく遊技内容によって、現在設定されている遊技状態が第1時短状態であるか第2時短状態であるかを遊技者に把握させ難くすることができる。よって、第1時短状態と第2時短状態とを跨いで実行される演出(例えば、残時短回数表示)を、遊技者に違和感を与えること無く実行することができる。次に、図503(b)を参照して、本第12制御例におけるパチンコ機10のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図503(b)は、本第12制御例におけるパチンコ機10のRAM203の構成を模式的に示した図である。図503(b)に示した通り、本第12制御例におけるパチンコ機10のRAM203は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10のRAM203に対して、特図抽選カウンタ203jaと、天井待機フラグ203jbと、天井時短カウンタ203jcと、天井付与済フラグ203jdと、を追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その説明を省略する。特図抽選カウンタ203jaは、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)を計測するためのカウンタであって、天井特典特別図柄抽選の実行回数が天井特典の付与条件を満たしているか否かを判別する際にカウンタ値が参照される。
具体的には、特別図柄判定処理(図514のS201H参照)にて実行される天井判定処理(図515のS8002H参照)にて特別図柄の低確率状態が設定されていると判別された場合(図515のS8103H:Yes)、即ち、特別図柄の低確率状態中に特別図柄抽選(特別図柄変動)が開始される場合に、カウンタの値が1加算される(図515のS8104H)。そして、天井特典を付与するための条件(天井付与条件)が成立したかを判別する際に参照される(図515のS8105H)。また、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることを示すための態様で特別図柄が停止表示される場合に、特図抽選カウンタ203jaの値が0にクリアされる。また、本第12制御例では、特図抽選カウンタ203jaの値に基づいて変動パターンを選択するように構成していることから、特別図柄変動パターン選択処理(図513のS252参照)において変動パターンを選択する際に、特図抽選カウンタ203laの値が参照される。本第12制御例では、上述した第5制御例と同様に、天井特典の付与条件が成立したか否かを判別する際に、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)を参照するように構成しており、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)が900回に到達した場合に天井特典が付与されるように構成している。特図抽選カウンタ203jaの値は、上述した通り、実行された特別図柄抽選の回数と同期するのでは無く、ハマリ回数と同期してカウンタの値が加算されるように構成している。
なお、本第12制御例では、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数をハマリ回数として加算するように構成しているが、天井特典の付与条件として既定されるハマリ回数を加算させる条件を異ならせても良く、例えば、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)のうち、特定の特別図柄種別(第1特別図柄)に対する特別図柄抽選が実行される場合にのみ特図抽選カウンタ203jaの値を加算(ハマリ回数を加算)させるように構成しても良いし、特定の遊技状態(例えば、通常状態)が設定されている状態で特別図柄抽選が実行された場合の方が、他の遊技状態(例えば、第1時短状態)が設定されている状態で特別図柄抽選が実行された場合よりも、1の特別図柄抽選が実行されることに基づいて加算される特図抽選カウンタ203jaの値(ハマリ回数)が多くなるように構成しても良い。このように構成することで、天井特典が付与されるまでに必要となる特別図柄抽選の残実行回数(残ハマリ回数)を遊技者により把握させ難くすることができる。さらに、本第12制御例では、特図抽選カウンタ203jaの値を加算させる条件のみを規定しており、大当たり当選した場合(天井特典の付与条件がクリアされた場合)に、特図抽選カウンタ203jaの値を0にクリアするように構成している。よって、ハマリ回数が900回に到達し、天井特典として第2時短状態(時短100回)が設定されたとしても、特図抽選カウンタ203jaの値が0にクリアされることが無い。よって、大当たり当選間では、天井特典の付与条件が1回しか成立しないように構成している。
そして、天井特典によって付与された第2時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態の電サポ状態)中に実行される特別図柄抽選によっても特図抽選カウンタ203jaの値が加算され、第2時短状態が終了し通常状態が設定された後も、大当たり当選するまでは、特図抽選カウンタ203laの値が加算し続けられるように構成している。よって、本第12制御例では、通常状態が設定されている状態において、特図抽選カウンタ203laの値を参照することにより、天井特典の付与条件を成立させることが可能な遊技状態(天井特典が付与されていない天井前通常状態)であるか、天井特典の付与条件を成立させることが不可能な遊技状態(天井特典を付与した後に設定された天井後通常状態)であるかを判別可能となり、変動パターンを選択する際に特図抽選カウンタ203laの値を参照することにより、天井前通常状態と天井後通常状態とで選択される変動パターンを異ならせることができる。なお、本第12制御例の構成に限ること無く、上述した第5制御例におけるパチンコ機10の構成と同様に、天井特典として付与された第2時短状態が設定されている期間においても大当たり当選しなかった遊技者に対して、再度、天井特典を付与可能とするように構成しても良い。この場合、天井特典が付与されるタイミングにて特図抽選カウンタ203jaの値が0にクリアすることで、時短回数100回の第2時短状態が設定された場合には、その第2時短状態が終了した時点で特図抽選カウンタ203jaの値が100となる。よって、2回目の天井特典を目指す遊技を行う場合には、1回目の天井特典を目指す遊技よりも左打ち遊技状態にて実行させる特別図柄抽選の回数を少なくし易くすることができる。なお、本第12制御例では、天井特典が付与されるハマリ回数を900回に規定しているが、これに限ること無く、天井特典が付与されるハマり回数をランダムに設定可能に構成しても良いし、通常状態中に実行される特別図柄抽選の結果に基づいて、天井特典が付与されるハマり回数を短縮可能に構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングで天井特典の付与条件が成立するかを遊技者に把握させ難くすることができる。
天井待機フラグ203jbは、通常状態が設定されている状態で天井特典の付与条件が成立したことを示すためのフラグであって、天井特典の付与条件が成立した場合(特図抽選カウンタ203jaの値が900に到達した場合)にオンに設定される。そして、特別図柄変動を停止表示する際に実行される時短設定処理(図518のS205H参照)において、天井待機フラグ203jbの設定状況が判別され(図518のS8401H)、オンに設定されていると判別した場合は(図518のS8401H:Yes)、天井特典の付与条件が成立し、天井特典(第2時短状態(時短100回))が付与され(図518のS8402H)、その後、天井待機フラグ203jbがオフに設定される。天井時短カウンタ203jcは、天井特典として付与される第2時短状態(時短100回)の終了条件が成立したかを判別する際に用いられるカウンタであって、天井特典の付与条件が成立し、第2時短状態が設定される場合に終了条件を示すための値として「100」が設定される(図518のS8402H参照)。そして、天井時短カウンタ203jcの値が0よりも大きい状態で特別図柄変動が実行された場合に、カウンタの値が1減算され(図517のS8351H参照)、減算後の天井時短カウンタ203jcの値が0であるかを判別することで、第2時短状態の終了条件が成立したかが判別される(図517のS8352H参照)。ここで、第2時短状態の終了条件が成立したと判別された場合(図517のS8352H:Yes)は、第2時短状態を終了させ通常状態を設定するための処理が実行される。なお、詳細な説明は省略するが、第2時短状態が設定されている状態で実行される特別図柄抽選の結果が大当たりとなり大当たり遊技が実行される場合には、上述した時短カウンタ203hと同様に値が0にクリアされる。このように構成することで、大当たり遊技が跨いで第2時短状態が設定されてしまい遊技者に過剰に有利な遊技を提供してしまうことを抑制することができる。
なお、本第12制御例では、大当たり遊技終了後に設定される時短状態(第1時短状態)と、天井特典として設定される時短状態(第2時短状態)とで、異なるカウンタ(時短カウンタ203h、天井時短カウンタ203jc)を用いて終了条件成立の有無を判別するように構成しているが、これに限ること無く、同一のカウンタを用いて終了条件の成立有無を判別するように構成しても良い。天井付与済フラグ203jdは、天井特典が付与済であることを示すためのフラグであって、天井特典によって設定された第2時短状態が終了した場合に、具体的には、天井時短カウンタ203jcの値が0まで減算された場合にオンに設定される(図517のS8355H参照)。そして、天井特典を付与するかを判定するための天井判定処理(図515のS8002H参照)において、設定状況が判別され、オンに設定されていると判別した場合は(S1923のS8102H:Yes)、天井特典を付与するかを判定するための処理がスキップされる。また、大当たり当選した場合にオフに設定される(図513のS203H参照)。つまり、本第12制御例では、大当たり遊技間において、天井特典が1回しか付与されないように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選で連続して外れ当選し続けている遊技者に対して過剰に天井特典が付与されてしまうことを抑制することができる。また、詳細な図示は省略しているが、主制御装置110の立ち上げ処理(図520参照)において、RAM消去スイッチが操作されたと判別した場合(図520のS1704H:Yes)に実行されるS1715Hの処理においても、天井付与済フラグ203jdがオフに設定される。このように構成することで、天井付与済フラグ203jdがオンに設定されている状態であっても、RAM消去スイッチを操作する(オンする)ことにより、再度、天井特典の獲得を目指す遊技を遊技者に行わせることができる。
次に、図508を参照して、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成について説明をする。図508(a)は、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を示した図であり、図508(b)は、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を示した図である。まず、図508(a)を参照して、本第12制御例におけるパチンコ機10のROM222の構成について説明をする。図508(a)に示した通り、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、リーチ態様選択テーブル222jaと、加算時間用態様選択テーブル222jbと、一発告知態様選択テーブル222jcを追加した点で相違し、それ以外は同一である。リーチ態様選択テーブル222jaは、リーチ演出中に実行される演出態様(キャラクタ801のアクション内容)が、設定されている遊技状態と、抽選結果と、取得した演出カウンタ223fの値とに対応付けて規定されているテータテーブルである。本第12制御例では、図488から図490を参照して上述した通り、リーチ演出中に実行されるキャラクタ801の演出態様として、大当たりを示す表示態様で第3図柄が停止表示することを願う第1アクション(通常アクション)と、外れを示す表示態様で第3図柄が停止表示することを願う第2アクション(外れアクション)と、を実行可能に構成しており、設定されている遊技状態や、特別図柄抽選の結果に応じて、異なる演出態様(通常アクション、外れアクション)が選択されるように構成している。
ここで、図509を参照して、リーチ態様選択テーブル222jaに規定されている内容について詳細に説明をする。図509は、リーチ態様選択テーブル222jaに規定されている内容を示した図である。図509に示した通り、リーチ態様選択テーブル222jaには、通常状態中であれば、抽選結果が同一であったとしても、特図抽選回数カウンタ223jaの値、即ち、ハマリ回数に応じて異なるリーチ態様(演出態様)が規定されており、確変状態中であれば、大当たり当選した場合における大当たり種別に応じて異なるリーチ態様(演出態様)が規定されている。具体的には、遊技状態が通常(通常状態)であって、抽選結果が大当たりA、即ち、確変大当たりである場合には、特図抽選回数カウンタ223jaの値に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値「0~99」の全範囲に対して、通常アクションである「態様A」が規定されており、大当たりB、即ち、通常大当たり(時短大当たり)である場合には、特図抽選回数カウンタ223jaの値が「0~849」の範囲に対しては、取得した演出カウンタ223fの値「0~99」の全範囲に対して、通常アクションである「態様A」が規定されている。そして、特図抽選回数カウンタ223jaの値が「850~900」の範囲に対しては、取得した演出カウンタ223fの値「0~19」の範囲に対して、通常アクションである「態様A」が、「20~99」の範囲に対して、外れアクションである「態様B」が規定されている。また、遊技状態が通常(通常状態)であって、抽選結果が外れである場合には、特図抽選回数カウンタ223jaの値が「0~849」の範囲に対しては、取得した演出カウンタ223fの値「0~99」の全範囲に対して、通常アクションである「態様A」が規定されている。そして、特図抽選回数カウンタ223jaの値が「850~900」の範囲に対しては、取得した演出カウンタ223fの値「0~49」の範囲に対して、通常アクションである「態様A」が、「50~99」の範囲に対して、外れアクションである「態様B」が規定されている。
つまり、通常状態中に実行される特別図柄抽選において確変大当たり(大当たりA)に当選した場合には、ハマリ回数に関わらず遊技者に有利な抽選結果となるため、必ず通常アクションでキャラクタ801が動作する演出態様が設定される一方、通常大当たり(大当たりB)に当選した場合には、ハマリ回数が少ない間(特図抽選回数カウンタ223jaの値が849まで)は、大当たり当選を祝福するために通常アクションでキャラクタ801が動作する演出態様が設定され、ハマリ回数が多くなると(特図抽選回数カウンタ223jaの値が850以上になると)、通常大当たりに当選するよりも、天井特典が付与される方が遊技者に有利な遊技を実行することができるため、外れアクションでキャラクタ801が動作する演出態様が設定され易くなる。また、抽選結果が外れ当選である場合におけるキャラクタ801の演出態様についても、何れの大当たり当選であってもリーチ演出中のアクションとして通常アクションが設定される期間中は、通常アクションが設定され、ハマリ回数が多くなると(特図抽選回数カウンタ223jaの値が850以上になると)、通常アクションよりも外れアクションが選択され易くなるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合も、外れである場合も、違和感無くキャラクタ801のアクション動作を設定することができる。
一方、確変状態中に実行される特別図柄抽選において確変大当たり(大当たりA)に当選した場合には、再度確変状態が設定される遊技者に有利な抽選結果となるため、必ず通常アクションでキャラクタ801が動作する演出態様が設定される。一方、通常大当たり(大当たりB)に当選した場合には、大当たり当選しているが、遊技者に不利な大当たり当選であることから、必ず、外れアクションでキャラクタ801が動作する演出態様が設定される。また、抽選結果が外れである場合には、特図抽選回数カウンタ223jaの値が「0~849」の範囲に対しては、取得した演出カウンタ223fの値「0~99」の全範囲に対して、通常アクションである「態様A」が規定されている。そして、特図抽選回数カウンタ223jaの値が「850~900」の範囲に対しては、取得した演出カウンタ223fの値「0~49」の範囲に対して、通常アクションである「態様A」が、「50~99」の範囲に対して、外れアクションである「態様B」が規定されている。そして、通常状態が第1時短状態、或いは、第2時短状態である場合には、抽選結果が大当たりA、大当たりB、外れの何れであっても、特図抽選回数カウンタ223jaの値に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値「0~99」の全範囲に対して、通常アクションである「態様A」が規定されている。なお、本第12制御例では、図487(b)から図491を参照して示した通り、変動演出中に表示されるキャラクタ801aのアクション態様を変化させることによって、実行中のリーチ演出が外れを示す演出結果となった方が良いか、大当たりを示す演出結果となった方が良いかを遊技者に把握させ易くすることができるように構成しているが、それ以外の表示態様を可変させることで実行中のリーチ演出の演出結果として遊技者に有利となる演出結果(外れ、又は大当たり)を把握させることができるように構成しても良い。
この場合、例えば、図487(a)に示した表示画面が表示されている状態で、遊技者が枠ボタン22を押下することで変動表示している主図柄(例えば、海の生物を模したアイコン)の表示態様(例えば、目の表示態様)を変化させることが可能に構成し、通常時に表示されている通常表示態様(通常の目の表示態様)と、燃えた目を示す特殊表示態様と、を表示可能に構成したパチンコ機10において、リーチ演出が実行されている遊技状況(遊技状態)が、大当たり当選した場合よりも外れの場合の方が遊技者に有利となる遊技状況(遊技状態)である場合であって、実行中のリーチ演出が外れを示すリーチ演出である場合には、主図柄の表示態様として通常表示態様よりも特殊表示態様が設定され易く構成し、大当たり当選した場合の方が外れる場合よりも遊技者に有利となる遊技状況(遊技状態)である場合であって、実行中のリーチ演出が大当たりを示すリーチ演出である場合には、主図柄の表示態様として通常表示態様よりも特殊表示態様が設定され易く構成すると良い。このように構成することで、遊技状態やリーチ演出の結果に関わらず、主図柄の表示態様として特殊表示態様が表示された方が遊技者に有利とすることができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。さらに、図487(a)に示したように、確変状態中において通常大当たり当選の可能性を含んだ第3図柄(偶数図柄)のリーチ状態が成立した場合において、遊技者が枠ボタン22を押下することで変動表示している主図柄の表示態様が特殊表示態様となった場合には、特殊表示態様とならなかった場合よりも、リーチ外れを示す表示態様(外れを示す演出結果)が表示され易く、且つ、大当たりを示す表示態様(図柄揃い)が表示された場合であっても、確変大当たり当選している可能性が高くなるように構成すると良い。このように構成することで、特殊表示態様で変動表示している主図柄szが遊技者に不利な結果を示す表示態様(確変状態中における偶数図柄大当たりを示す表示態様)で停止表示した場合であっても、遊技者に有利な結果をなる可能性を維持し易くすることができるため、遊技者に対して特殊表示態様が表示されるか否かに興味を持たせ易くすることができる。
加えて、本第12制御例において実行されるキャラクタ801aのアクション態様と、変動表示中の主図柄szの表示態様と、を可変可能に構成し、各態様を組み合わせることによって現在の遊技状況と、遊技者に有利となる演出結果と、を遊技者に予測可能に構成しても良く、例えば、キャラクタ801aのアクション態様として「態様B」が表示されている状態で、主図柄szの表示態様が特殊表示態様である場合には、リーチ演出の演出結果として大当たり当選を示す演出結果よりも、外れを示す演出結果の方が遊技者に有利となる遊技状況となり、この状態でリーチ演出の演出結果として大当たり当選を示す演出結果が表示された場合には、その後、確変大当たり当選を示す表示態様へと主図柄szが可変する演出(昇格演出)が実行され易くなるように構成すると良い。つまり、キャラクタ801aのアクション態様として「態様B」が表示されている状態で、主図柄szの表示態様が特殊表示態様である場合には、変動演出の演出結果として何れの演出結果が表示された場合であっても、遊技者に有利な遊技状況となり易くなるように構成すると良い。このように構成することで、リーチ演出が実行されてからリーチ演出の演出結果が表示されるまでの間、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。さらに、本第12制御例では、主図柄szに付された数字(偶数、奇数)に関わらず、キャラクタ801aのアクション態様が決定されることで、リーチ演出の演出結果を示唆可能に構成しているが、これに限ること無く、主図柄szに付された数字の種別によって、遊技者に有利な演出結果となる割合を異ならせるように構成しても良い。
この場合、例えば、確変状態が設定されている状態で偶数図柄のリーチ演出が実行される場合であって、外れを所望する演出が条件を満たした場合のみ実行されるように構成されたパチンコ機10において、偶数図柄のうち、「4」が付された主図柄szでリーチ演出が実行された場合と、「6」が付された主図柄szでリーチ演出が実行された場合とで、リーチ演出の演出結果が外れとなる割合を異ならせるように構成し、「4」が付された主図柄szの方が、「6」が付された主図柄szよりも外れとなり易くなるように構成すると良い。そして、「6」が付された主図柄szでリーチ演出が実行されている最中に、外れを所望する演出(例えば、態様Bのアクション)が実行された場合には、「4」が付された主図柄szでリーチ演出が実行されている最中に、外れを所望する演出(例えば、態様Bのアクション)が実行された場合よりも、リーチ演出の演出結果が外れとなり易くなるように構成すると良い。加算時間用態様選択テーブル222jbは、加算時間を含む変動パターンコマンドを受信した場合における演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルである。本第12制御例におけるパチンコ機10は、主制御装置110にて変動パターンを選択する際に、基本時間(基本変動時間)に対応して変動パターン種別を規定しており、その基本時間に対して加算時間を付与可能に構成している(図506(b)参照)。そして、音声ランプ制御装置113側では、変動演出として、変動パターン種別に対応した基本演出態様(ノーマル、スーパー、SP等)に加え、加算時間に対応した加算時間用態様を決定可能に構成している。このように構成することで、基本演出態様で実行される変動演出に対して、加算時間を用いた加算時間用態様を付与することができるため、変動演出の演出効果を高めることができるという効果がある。
ここで、加算時間用態様選択テーブル222jbの内容について、図510を参照して詳細に説明をする。図510は、加算時間用態様選択テーブル222jbに規定している内容を模式的に示した図である。図510に示した通り、加算時間用態様選択テーブル222jbには、受信した変動パターンコマンドに含まれる変動パターン種別(基本演出態様)と、加算時間と、変動回数(特図抽選回数カウンタ223jaの値)と、取得した演出カウンタ223fの値と、に対応させて6種類の演出態様(演出A~演出F)が規定されている。本第12制御例では、加算時間を用いた加算時間用態様として、第3図柄の変動開始タイミングを遅らせるフリーズ演出と、第3図柄変動が高速変動している時間を延ばす変動時間追加演出と、大当たり当選を示すプレミア演出と、を実行可能に構成しており、大当たり当選の期待度が高い(大当たり当選を示す)変動パターンコマンドを受信した場合に、長時間のフリーズ演出や、プレミア演出が実行され易く、大当たり当選の期待度が低い(外れを示す)変動パターンコマンドを受信した場合に、変動時間追加演出が実行され易くなるように構成している。つまり、大当たり当選の期待度が高くなるほど、加算時間用態様として、遊技者が気付き易い演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、加算時間用態様が付与された変動演出が実行されたことに気付いた遊技者に対しては、大当たりを期待しながら遊技を行わせることができる。加算時間用態様選択テーブル222jbの内容を具体的に説明すると、変動パターン種別が「ノーマル(基本時間20秒)」で、加算時間が2秒の場合は、特図抽選回数カウンタ223jaの値に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して、演出態様「演出A」が規定され、「90~99」の範囲に対して、演出態様「演出B」が規定されている。また、加算時間が5秒の場合は、特図抽選回数カウンタ223jaの値に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して、演出態様「演出C」が規定され、「20~99」の範囲に対して、演出態様「演出D」が規定されている。
一方、変動パターン種別が「スーパー(基本時間30秒)」で、加算時間が2秒の場合は、特図抽選回数カウンタ223jaの値に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、演出態様「演出A」が規定され、「50~99」の範囲に対して、演出態様「演出B」が規定されている。また、加算時間が5秒の場合は、特図抽選回数カウンタ223jaの値に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して、演出態様「演出C」が規定され、「90~99」の範囲に対して、演出態様「演出D」が規定されている。最後に、変動パターン種別が「スーパー(基本時間60秒)」で、加算時間が5秒の場合は、特図抽選回数カウンタ223jaの値に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、演出態様「演出C」が規定され、「50~99」の範囲に対して、演出態様「演出D」が規定されている。また、加算時間が6秒の場合は、特図抽選回数カウンタ223jaの値が「1」の場合、即ち、大当たり遊技終了後1回目の特別図柄抽選に対応する変動演出の演出態様を決定する場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「演出E」が規定され、特図抽選回数カウンタ223jaの値が「2~」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して、演出態様「演出F」が規定され、「80~99」の範囲に対して、演出態様「演出E」が規定されている。ここで、各演出態様に対応する演出内容について説明をする。演出態様「演出A」は、フリーズ演出が実行されること無く、加算時間に対応する2秒分高速変動期間が延長される演出態様となる。つまり、加算時間に対応した演出が実行されたことを遊技者に気付かれ難くする演出態様となる。本第12制御例では、加算時間の最短時間が2秒に規定されているため、「演出A」は、加算時間が用いられる箇所(高速変動期間)、及び加算時間の長さ(2秒)共に、最も遊技者に気付かれ難い加算演出の演出態様となる。
次に、演出態様「演出B」は、フリーズ演出が2秒間実行される演出態様となる。この場合、加算時間が2秒で、フリーズ演出期間が2秒となり、加算時間の全期間がフリーズ演出期間に用いられることから、加算時間の残余時間が0秒であり高速変動期間が延長されない。演出態様「演出C」は、加算時間5秒を用いて、フリーズ演出を2秒実行し、高速変動期間を3秒延長する演出態様となり、「演出D」は、加算時間5秒を用いてフリーズ演出を5秒実行する演出態様となり、「演出E」は、加算時間6秒を用いてフリーズ演出を6秒実行する演出態様となり、「演出F」は、加算時間6秒を用いてフリーズ演出を5秒実行し、高速変動期間を1秒延長する演出態様となる。つまり、本第12制御例では、加算時間を用いて、フリーズ演出期間として「2秒」、「5秒」、「6秒」を設定可能に構成し、加算時間のうち、フリーズ演出期間に含まれない残余時間を、高速変動期間を延長させることで延長させるように構成している。一発告知態様選択テーブル222jcは、変動演出として一発告知演出が実行される場合における演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルである。本第12制御例では、この一発告知態様選択テーブル222jcを用いて、異なる種別の一発告知演出を実行可能に構成している。ここで、図511を参照して、一発告知態様選択テーブル222jcの詳細な内容について説明をする。図511は、一発告知態様選択テーブル222jcに規定されている内容を模式的に示した図である。図511に示した通り、一発告知態様選択テーブル222jcには、特別図柄抽選の結果、当たり保留の有無、取得した演出カウンタ223fの値に基づいて異なる演出態様が規定されている。
具体的には、抽選結果が「当たり」で当たり保留が「有り」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、一発告知態様として、花告知態様が「開始3秒後告知」で、蝶告知態様として、ボタン押下タイミング「0s~3s」に今回の当たり告知、「3s~5s」に次当たり告知(次変動当たり告知)、「操作無し」に告知無しが規定され、「50~99」の範囲に対して、一発告知態様として、花告知態様が「ボタン押下時に告知」で、蝶告知態様として、ボタン押下タイミング「0s~5s」に次変動当たり告知、「操作無し」に今回当たり告知が規定されている。また、抽選結果が「当たり」で当たり保留が「無し」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、一発告知態様として、花告知態様が「開始3秒後告知」で、蝶告知態様として、ボタン押下タイミング「0s~3s」に今回の当たり告知、「3s~5s」に当たり種別告知、「操作無し」に告知無しが規定され、「50~99」の範囲に対して、一発告知態様として、花告知態様が「ボタン押下時に告知」で、蝶告知態様として、ボタン押下タイミング「0s~5s」に次変動当たり告知、「操作無し」に今回当たり告知が規定されている。そして、抽選結果が「外れ」で当たり保留が「有り」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、一発告知態様として、花告知態様が「非告知」で、蝶告知態様として、ボタン押下タイミング「0s~5s」に告知せず、「操作無し」に次当たり告知が規定され、「50~99」の範囲に対して、一発告知態様として、花告知態様が「非告知」で、蝶告知態様として、ボタン押下タイミング「0s~5s」に次当たり告知、「操作無し」に告知せず、が規定されている。最後に、抽選結果が「外れ」で当たり保留が「無し」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、一発告知態様として、花告知態様が「非告知」で、蝶告知態様として、ボタン押下タイミング「0s~5s」に告知せず、「操作無し」に告知せず、が規定されている。
図508(b)に戻り、本第12制御例におけるパチンコ機10のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図508(b)に示した通り、本第12制御例におけるパチンコ機10のRAM223は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10のRAM223に対して、特図抽選回数カウンタ223ja、天井時短中カウンタ223jb、演出態様格納エリア223jc、先読み演出実行中フラグ223jd、変動時間カウンタ223je、SW有効期間タイマ223jf、立ち上げ後抽選カウンタ223jgを設けている点で相違している。特図抽選回数カウンタ223jaは、上述した第5制御例におけるパチンコ機10が有する特図抽選回数カウンタ223lcと同様に、天井特典の付与条件を成立させるための特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)を計測するためのカウンタであって、主制御装置110にて計測される特図抽選カウンタ203jaの値を示すためのコマンドを受信した場合に(図524のS4306H:Yes)、受信したコマンドが示す値が設定される(図524のS4307H参照)。そして、特別図柄変動停止時において参照される(図528のS4606H参照)。また、リーチ態様を選択する処理(図534のS5302H参照)や、加算時間に対応する加算時間用態様を選択する処理(図532のS5112H参照)を実行する際に参照される。天井時短中カウンタ223jbは、遊技者に予め報知されている天井特典の内容(時短回数)に関する値を計測するためのカウンタであって、天井到達時演出の演出態様が設定された場合に値がセットされる。そして、特別図柄変動が実行される毎に値が減算され、減算後の値が1であると判別した場合に、普通図柄変動の状況を判別し、高確率モード演出の延長有無が決定される。演出態様格納エリア223jcは、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される各種制御処理によって決定された演出態様を一時的に記憶させておくための記憶領域である。この演出態様格納エリア223jcに記憶されている情報に基づいて、現在設定されている演出態様や、過去に設定された演出態様を読み出すことができる。
先読み演出実行中フラグ223jdは、先読み演出が実行されていることを示すためのフラグであって、先読み演出が実行されている場合にオンに設定される。具体的には、入賞コマンド処理(図526のS4202H参照)にて保留図柄変化演出以外の先読み演出が設定された場合に(図526のS4506H:No)、オンに設定され(図526のS4508H)、新たな入賞コマンドを受信する毎に設定状況が判別される(図526のS4502H)。そして、先読み演出実行中フラグ223jdがオンに設定されている間は、新たな先読み演出が設定されないように構成している。また、変動演出設定処理(図532のS5014H参照)において設定状況が判別され(図532のS5101H)、オンに設定されている場合であって、先読み演出の対象となる最終変動である場合に(図532のS5103H:Yes)、オフに設定される。変動時間カウンタ223je、及び、SW有効期間タイマ223jfについては、上述した各制御例において用いられた同一名称の構成と同一内容であり、その説明を省略する。立ち上げ後抽選カウンタ223jgは、パチンコ機10に電源が投入されてから実行された特別図柄抽選の実行回数を計測するためのカウンタであって、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される立ち上げ処理(図521参照)にて100の値がセットされる(図521のS4001H参照)。そして、演出態様設定処理(図531のS4903H参照)において、カウンタの値が1減算され(S5003H)、減算後のカウンタ値が0となった場合に(S5004H:Yes)、第3図柄表示装置81の表示面に天井特典が付与されるまでの残特別図柄変動回数が表示される。
本第12制御例では、図491に示した通り、第3図柄表示装置81の表示面に天井特典が付与されるまでの残特別図柄変動回数を表示可能に構成しているが、パチンコ機10に電源が投入されてから特別図柄抽選が100回実行されるまでの間は、残特別図柄変動回数を表示しないように構成している。このように構成することで、天井特典が付与されるまでの残特別図柄変動回数を把握できないまま遊技者に遊技を実行させる期間を提供することができるため、いきなり天井特典が付与されるといった意外性のある遊技を提供することができる。また、遊技場が開店した直後は、残特別図柄変動回数が表示されない状態が継続するため、前日における営業終了時のハマリ回数が継承されている状態であるか、それともRAMクリアスイッチが操作され、前日のハマリ回数がリセットされている状態であるかを遊技者に判別させ難くすることができる。よって、前日における営業終了時のハマリ回数が多いパチンコ機10のみをターゲットに遊技が実行されてしまうことを抑制し、遊技の稼働を向上させることができる。次に、図512を参照して、本第12制御例におけるパチンコ機10の表示制御装置114の電気的構成について説明をする。図512は、表示制御装置114の電気的構成を模式的に示したブロック図である。図512に示した通り、本第12制御例におけるパチンコ機10の表示制御装置114は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、ワークRAM233に停止図柄記憶エリア233jaを設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
停止図柄記憶エリア233jaは、特別図柄抽選の抽選結果を示すための第3図柄の停止表示態様を記憶するための記憶領域である。この停止図柄記憶エリア233jaには、表示制御装置114にて実行されるコマンド判定処理(図537のS6302H参照)において、表示用停止図柄記憶コマンドを受信したと判別した場合に、設定中の停止図柄を示す情報が記憶される(図537のS6403H)。そして、停止種別コマンド処理(図538のS6401H参照)において、記憶されている情報が読み出され(図538のS6601H参照)、読み出した情報に基づく停止図柄が設定される(図538のS6603H参照)。このように構成することで、表示制御装置114にて設定される停止図柄の表示態様、即ち、音声ランプ制御装置113が管理していない情報を、変動演出の演出態様として用いることができる。なお、本第12制御例では、第3図柄の停止図柄(停止表示態様)を、表示制御装置114が決定する制御を実行するように構成しているが、これに限ること無く、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理にて、第3図柄の停止図柄(停止表示態様)まで決定可能に構成しても良い。このように構成した場合には、表示制御装置114に対して、作成した停止表示態様に関する情報を記憶するための構成を用いる必要が無い。
<第12制御例における主制御装置110の制御処理内容について>
次に、図513から図538を参照して、本第12制御例におけるパチンコ機10にて実行される制御処理の内容について、上述した第5制御例とは異なる点を中心に説明をする。本第12制御例のパチンコ機10は、上述した第5制御例のパチンコ機10に対して、天井特典が付与される回数に制限を設けるための処理を追加した点と、各種抽選に用いられる処理内容の一部を変更した点と、普通図柄抽選に基づく処理の一部内容を変更した点で相違している。具体的には、特別図柄変動処理(図215のS30104参照)に代えて特別図柄変動処理(図513のS104参照)を、普通図柄変動処理(図221のS30106参照)に代えて普通図柄変動処理(図519のS301H)を、立ち上げ処理(図222参照)に代えて立ち上げ処理(図520参照)を設けた点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。まず、図513を参照して、特別図柄変動処理(S104H)の内容について説明をする。図513は、特別図柄変動処理(S104H)の処理内容を示したフローチャートである。図513に示した通り、特別図柄変動処理(S104H)は、上述した特別図柄変動処理(図215のS30104参照)に対して、特別図柄判定処理(S30251)に代えて特別図柄判定処理(S201H)を、更新処理(S253)に代えて更新処理(S204H)を、時短設定処理(S30254)に代えて時短設定処理(S205H)を実行する点で相違している。また、大当たり当選を示す特別図柄変動の変動時間が経過した場合に実行される処理内容を異ならせている点で相違している。それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図513を参照して、相違点について詳細に説明をする。特別図柄変動処理(S104H)が実行され、S217の処理において今回の抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S217:Yes)、大当たり遊技の開始に基づいてクリアされる各種要素(フラグ、カウンタ)をクリアする処理として、大当たり開始フラグをオンに設定し(S218)、時短カウンタ203h、天井時短カウンタ203jc、確変カウンタ203iの値をリセットし(S202H)、天井付与済フラグ203kdをオフに設定し(S203H)、特図確定コマンドを設定し(S220)、本処理を終了する。このように、大当たり当選に基づいて天井付与済フラグ203kdをオフに設定することで、天井特典(第2時短状態)が付与された状態で大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に、再度天井特典(第2時短状態)を付与するためのカウンタの計測を実行することができる。次に、図514を参照して、特別図柄判定処理(S201H)の処理内容について説明をする。図514は、特別図柄判定処理(S201H)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄判定処理(S201H)は、上述した第5制御例の特別図柄判定処理(図216のS30251参照)に対して、時短図柄抽選(時短抽選)を実行しないように構成した点と、天井判定処理(S38051)に代えて天井判定処理(S8002H)を実行する点で相違し、それ以外は同一である、の処理内容について説明をする。特別図柄判定処理(S201H)が実行されると、まず、特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(S8001)、第1当たり乱数テーブル202jaに基づいて抽選結果(大当たり)判定結果)を取得し(S8001H)、取得した抽選結果が大当たり当選であるかを判別する(S8003)。大当たり当選であると判別した場合は(S8003:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S8004)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S8005)、本処理を終了する。
一方、S8003の処理において大当たり当選していないと判別した場合は(S8003:No)、次いで、天井判定処理を実行し(S8002H)、本処理を終了する。次に、図515を参照して、天井判定処理(S8002H)の内容について説明をする。図515は、天井判定処理(S8002H)の処理内容を示したフローチャートである。この天井判定処理(S8002H)では、今回実行される特別図柄抽選が、天井特典を付与するための付与条件(ハマリ回数)を更新可能な特別図柄抽選であるかを判別し、判別結果に基づいて付与条件(ハマリ回数)を更新するための処理と、更新後のハマリ回数によって天井特典の付与条件が成立したかを判別するための処理と、天井特典の付与条件が成立したことを示すための情報を天井特典の設定条件が成立するまで保持するための処理とが実行される。天井判定処理(S8002H)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア203gから現在の遊技状態を読み出し(S8101H)、天井付与済フラグ203kdがオンに設定されているかを判別し(S8102H)、天井付与済フラグ203kdがオンに設定されていると判別した場合は(S8102H:Yes)、既に、天井特典が付与された後の状態であるため、天井特典を付与するための付与条件(ハマリ回数)を更新すること無く、本処理を終了する。つまり、本第12制御例では、天井特典が付与された場合に、天井付与済フラグ203kdがオンに設定され、天井付与済フラグ203kdがオンに設定されている間は、天井判定処理(S8002H)の処理が実行されないように構成している。そして、大当たり遊技が実行される場合に天井付与済フラグ203kdがオフに設定されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技間において、天井特典が複数回付与されてしまい、特別図柄抽選で大当たり当選していない遊技者に対して過剰に特典が付与されてしまうことを抑制することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、天井付与済フラグ203kdの設定状況は、パチンコ機10のRAMクリアスイッチを操作することで初期状態(オフ)を設定可能に構成している。このように構成することで、天井特典が付与されることが無い通常状態を、天井特典が付与され得る通常状態へと大当たり当選を介すること無く移行させることができる。なお、RAMクリアスイッチを操作した状態で電源ボタンを操作することで、RAMクリアを実行することが可能であるが、複数の操作手段の操作が有効と判別されたことを示す態様としてRAMクリアが実行されたことを報知する態様を第3図柄表示装置81の表示画面に表示すると良い。これにより、RAMクリアが確実に実行されたことを遊技機の管理者は認識し易くなる。S8102Hの処理において、天井付与済フラグ203kdがオンに設定されていないと判別した場合は(S8102H:No)、次に、現在の遊技状態が特別図柄の低確率状態であるかを判別する(S8103H)。特別図柄の低確率状態であると判別した場合は(S8103H:Yes)、特図抽選カウンタ203jaの値の1を加算し(S8104H)、加算後の特図抽選カウンタ203jaの値が900に到達したかを判別する(S8105H)。S8105Hの処理において、特図抽選カウンタ203jaの値が900に到達していないと判別した場合は(S8105H:No)、現在の特図抽選カウンタ203jaの値を示す情報を含む状態コマンドを設定し(S8106H)、本処理を終了する。S8106Hの処理によって設定された状態コマンドは、上述した第2制御例にて設定される他の状態コマンドと同様に音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113側では、特図抽選カウンタ203jaの値を示す状態コマンドを受信した場合に、特図抽選回数カウンタ223jaの値が更新される。これにより、音声ランプ制御装置113側においても、特図抽選カウンタ203jaの値、即ち、ハマリ回数を判別可能となる。一方、S8105Hの処理において、特図抽選カウンタ203jaの値が900であると判別した場合、即ち、天井特典の付与条件が成立したと判別した場合は(S8105H:Yes)、天井待機フラグ203jbをオンに設定し(S8107H)、天井待機中を示す情報を含む状態コマンドを設定し(S8108H)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第12制御例では、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の実行回数(ハマり回数)が規定値(900回)に到達した場合に、天井特典の付与条件を成立させるように構成し、実行される特別図柄抽選の全てに対応させてハマり回数を更新(加算)するのでは無く、ハマり回数の更新条件を満たす特別図柄抽選が実行された場合に、ハマり回数(特図抽選カウンタ203jaの値)を更新(加算)するように構成している。このように構成することで、大当たり遊技終了後に実行された特別図柄抽選回数と、ハマり回数とを異ならせることができるため、天井特典の付与条件が成立するハマり回数として特定回数(900回)を規定している場合であっても、ハマり回数が特定回数となるまでに実行される特別図柄抽選回数を異ならせることが可能となる。よって、遊技者に対して、どのタイミング(特別図柄抽選回数)で天井特典が付与されるのかを予測させ難くすることができる。次に、図516を参照して、特別図柄変動処理(図513のS104H参照)にて実行される更新処理(S204H)の内容について説明をする。図516は、更新処理(S204H)の処理内容を示したフローチャートである。この更新処理(S204H)は、上述した更新処理(図44のS221参照)と同様に特別図柄変動の変動時間が経過した場合(変動停止時)に実行される処理であって、確変状態が継続して設定される期間の残期間や、時短状態が継続して設定される期間の残期間を更新するための処理が実行される。
更新処理(S204H)が実行されると、まず確変カウンタ203iの値が0よりも大きい、即ち、現在が特別図柄の高確率状態であるかを判別し(S8301)、確変カウンタ203iの値が0よりも大きいと判別した場合は(S8301:Yes)、確変カウンタ203iの値を1減算(更新)する(S8302)。次いで、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいかを判別し(S8303)、0よりも大きいと判別した場合、即ち、現在が普通図柄の高確率状態である場合は(S8303:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S8304)、更新後の確変カウンタ203iの値、又は時短カウンタ203hの値が0であるかを判別し(S8305)、0であると判別した場合は(S8305:Yes)、遊技状態格納エリア203gに対応する遊技状態を設定し(S8306)、確変カウンタ203iの値、時短カウンタ203hの値、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S8307)、次に、天井時短カウンタ203jcの値が0よりも大きいかを判別し(S8301H)、0よりも大きいと判別した場合は(S8301H:Yes)、天井時短更新処理を実行し(S8302H)、本処理を終了する。また、S8301Hの処理において天井時短カウンタ203jcの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合(S8301H:No)は、S8302Hの処理を実行すること無く、本処理を終了する。次に、図517を参照して、天井時短更新処理(S8302H)の処理内容について説明をする。図517は、天井時短更新処理(S8302H)の処理内容を示したフローチャートである。この天井時短更新処理(S8302H)では、天井特典として付与された第2時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態における電サポ状態)に対する更新処理が実行される。天井時短更新処理(S8302H)が実行されると、まず、天井時短カウンタ203jcの値を1減算し(S8251H)、減算後の天井時短カウンタ203jcの値が0であるかを判別し(S8252H)、0では無い(1以上である)と判別した場合は(S8252H:Yes)、天井時短カウンタ203jcの値を示す状態コマンドを設定し(S8253H)、本処理を終了する。
一方、S8252Hの処理において、天井時短カウンタ203jcの値が0であると判別した場合は(S8252H:Yes)、通常状態を遊技状態格納エリア203gに設定し(S8354H)、天井付与済フラグ203kdをオンに設定し(S8355H)、天井時短(第2時短状態)が終了し、通常状態が設定されたことを示すための状態コマンドを設定し(S8356H)、本処理を終了する。次に、図518を参照して時短設定処理(S205H)の処理内容について説明をする。図518は、天井時短更新処理(S8302H)の処理内容を示したフローチャートである。この天井時短更新処理(S8302H)では、天井特典である第2時短状態の付与条件が成立している場合に、第2時短状態を設定するための処理が実行される。天井時短更新処理(S8302H)が実行されるとまず、天井待機フラグ203jbがオンに設定されているかを判別し(S8401H)、天井待機フラグ203jbがオンに設定されていない、即ち、天井特典の付与条件が成立していないと判別した場合は(S8401H:No)、そのまま本処理を終了する。S8401Hの処理において、天井待機フラグ203jbがオンに設定されていると判別した場合は(S8401H:Yes)、時短カウンタ203hの値に100を、天井時短カウンタ203jcの値に100をセットし(S8402H)、天井待機フラグ203jbをオフにセットし(S8403H)、遊技状態格納エリア203gに第2時短状態を設定し(S8404H)、時短カウンタ203hの値、天井時短カウンタ203jcの値、時短状態種別(第2時短状態)を示す状態コマンドを設定し(S8405H)、本処理を終了する。
次に、図519を参照して、普通図柄変動処理(S301H)の内容について説明をする。図519は、普通図柄変動処理(S301H)の処理内容を示したフローチャートである。この普通図柄変動処理(S301H)は、上述した普通図柄変動処理(図221のS30106参照)に対して、設定されている遊技状態に応じて、当たり当選時に当たり種別を設定する処理と、変動時間を決定する処理と、普図当たり遊技として実行する電動役物640aの開閉制御内容を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。本第12制御例では、第2入球口640へと遊技球を入球させ易い状態(電サポ状態)として、普通図柄の高確率状態が設定されている状態(第1時短状態、確変状態)と、普通図柄の低確率状態における電サポ状態が設定されている状態(第2時短状態)を設定可能に構成している。具体的には、大当たり当選に基づいて設定される電サポ状態(確変状態、第1時短状態)と、天井特典の大当たり当選したことに基づいて設定される電サポ状態(普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成している。詳細には、普通図柄の高確率状態における電サポ状態の方が、普通図柄の低確率状態における電サポ状態よりも、普図当たり確率が若干高く、且つ、普通図柄の変動時間も若干短く設定されているが、継続して遊技球を発射している状態において、第2入球口640へと遊技球が入球する頻度は同等となるように構成している。このように構成することで、普通図柄の低確率状態が設定されている場合であっても、第2入球口640へと遊技球を入球させ易い制御(電サポ制御)を実行することができる。なお、上述した第4制御例や第5制御例を含む各制御例において、天井特典として付与される時短状態や、時短図柄抽選(時短抽選)によって時短図柄当選(時短当選)した場合に付与される時短状態、即ち、特別図柄抽選で大当たり当選すること無く設定される時短状態として、普通図柄の高確率状態を設定する技術について説明をしたが、そのような技術に対して、普通図柄の低確率状態における電サポ状態を転用することは勿論可能である。
このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選していないにも関わらず、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと変位させる処理を行う必要が無くなるため、各種図柄の確率状態を上昇(低確率状態から高確率状態へと変位)させる処理が大当たり当選に基づいてのみ実行されるパチンコ機10を提供することができる。よって、各種図柄の確率状態を不正に上昇させる行為に対する監視処理の処理負荷を軽減することができる。次に、図520を参照して、本第12制御例における主制御装置110の立ち上げ処理について説明をする。図520は、本第12制御例における主制御装置110の立ち上げ処理の処理内容を示したフローチャートである。図520に示した通り、本第12制御例における主制御装置110の立ち上げ処理では、パチンコ機10が正常に立ち上がったと判別した場合に(S1707H:Yes)、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報を含む状態コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信する処理(S1710H)と、遊技状態格納エリア203gに格納されている情報を含む状態コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信する処理(S1711H)と、を実行する点で、上述した各制御例における立ち上げ処理と相違している。それ以外は同一である。このように構成することで、パチンコ機10の電源供給が断たれた場合であっても、電源供給が復帰した時点で、パチンコ機10の遊技状況を示す情報を音声ランプ制御装置113へと送信することが可能となる。よって、パチンコ機10の遊技状況に基づいて実行される演出を適正に設定し易くすることができる。
<第12制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図521から図536を参照して、本第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の処理内容について説明をする。本第12制御例におけるパチンコ機10では、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、立ち上げ処理と、メイン処理の処理内容の一部を変更し、コマンド判定処理(図523参照)に代えてコマンド判定処理(図523のS4103H参照)を、変動表示設定処理(図226参照)に代えて変動表示設定処理(図530のS4104H参照)を、枠ボタン入力監視・演出処理(図225参照)に代えて、枠ボタン入力監視・演出処理(図535のS4101H)を、設け、さらに、演出更新処理(図536のS4102H参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容については、その説明を省略する。まず、図521を参照して、本第12制御例におけるパチンコ機10の立ち上げ処理について説明をする。図521は、立ち上げ処理の処理内容を示したフローチャートである。図521に示した通り、本第12制御例における立ち上げ処理では、上述した第5制御例における立ち上げ処理に対して、立ち上げ後抽選カウンタ223jgの値を設定する処理を追加した点で相違している。立ち上げ処理が実行されると、まず、上述した立ち上げ処理と同一のS4001からS4011の処理を実行し、その後、立ち上げ後抽選カウンタ223jgの値に100を設定し(S4001H)、本処理を終了する。
S4001の処理において100の値が設定された立ち上げ後抽選カウンタ223jgは、その後、特別図柄抽選が実行される毎に値が1減算され、立ち上げ後抽選カウンタ223jgの値が0に到達した場合に、天井特典を付与するために必要となる特別図柄抽選回数(特図抽選カウンタ203laの値を、900から差し引いた値)を遊技者に報知するように構成している。このように構成することで、パチンコ機10に電源を投入した直後は、天井特典が付与されるまでの残特別図柄抽選回数を遊技者に把握させ難くすることができる。よって、天井特典が付与されるまでの残特別図柄抽選回数が多いパチンコ機10の稼働が低下してしまうことを抑制することができる。なお、本第12制御例では、電源投入直後のパチンコ機10に対して、残特別図柄抽選回数が報知されることを防ぐために、特別図柄変動が所定回数(100回)実行されるまで残特別図柄抽選回数が報知されないように構成しているが、これに限ること無く、電源投入直後に残特別図柄抽選回数を報知しないように残特別図柄抽選回数が特定回数(例えば、100の倍数)に到達した場合に残特別図柄抽選回数を報知可能に構成しても良いし、実行された特別図柄抽選の結果が特定の外れである場合に残特別図柄抽選回数を報知可能に構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングで残特別図柄抽選回数が報知されるかを遊技者に把握させ難くすることができるため、残特別図柄抽選回数が報知されていないパチンコ機10へと遊技意欲を高めることができる。
また、現在時刻や、電源投入後からの経過時間といった計時情報を取得可能なパチンコ機10であれば、電源投入されてから経過時間に基づいて残特別図柄抽選回数を報知可能に構成しても良く、例えば、午前10時に遊技場を開店させるために午前9時にパチンコ機10への電源投入操作がされる場合であれば、電源投入から3時間が経過したことをしめす計時情報を取得した場合、或いは、午後0時を示す時間情報を取得した場合に残特別図柄抽選回数を報知可能に構成すると良い。このように経過時間に応じて残特別図柄抽選回数を報知可能に構成することで、残特別図柄抽選回数が報知されているパチンコ機10にて遊技を行おうとする遊技者に遊技が行われること無く、残特別図柄抽選回数が報知されない状態のパチンコ機10が長時間放置されてしまい、パチンコ機10の稼働が低下してしまうことを抑制することができる。次に、図522を参照して、本第12制御例におけるメイン処理の処理内容について説明をする。図522は、本第12制御例におけるメイン処理の処理内容を示したフローチャートである。このメイン処理では、上述した第5制御例におけるメイン処理に対して、枠ボタン入力監視・演出設定処理(図535のS4101H参照)、演出更新処理(図536のS4102H参照)、コマンド判定処理(図523のS4103H参照)、変動表示設定処理(図530のS4104H参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。まず、図523を参照して、本第12制御例におけるメイン処理(図522参照)にて実行されるコマンド判定処理(S4103H)の処理内容について説明をする。図523は、コマンド判定処理(S4103H)の処理内容を示したフローチャートである。
コマンド判定処理(S4103H)が実行されると、上述した第5制御例におけるコマンド判定処理(図223のS34182参照)に対して、状態コマンドを受信した場合に実行する処理内容と、入賞コマンドを受信した場合に実行する処理内容と、図柄確定コマンドを受信した場合に実行する処理内容と、普図関連コマンド(主制御装置110のMPU201にて実行される処理のうち、普通図柄抽選に関連する処理結果を示すためのコマンド)を受信した場合に実行する処理内容と、を異ならせた制御処理が実行される。具体的には、コマンド判定処理(S4103H)が実行されると、まず、状態コマンドを受信したかを判別し(S4201)、受信したと判別した場合は(S4201:Yes)、状態コマンド受信処理を実行し(S4201H)、本処理を終了する。このS4201Hにて実行される状態コマンド受信処理(S4201H)は、遊技状態に関するコマンド(状態コマンド)を受信した場合に、その状態コマンドに含まれる情報に基づいて第3図柄表示装置81の表示面にて表示される各種演出態様を設定するための処理であって、詳細な内容は、図524を参照して後述する。S4201の処理で状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S4201H:No)、上述した第5制御例におけるコマンド判定処理(図223のS34182参照)と同一のS4203からS4211の処理を実行し、S4211の処理において入賞コマンドを受信したと判別した場合は(S4211:Yes)、入賞コマンド処理を実行し(S4202H)、本処理を終了する。この入賞コマンド処理(S4202H)は、入賞コマンドに含まれる情報、即ち、特別図柄抽選に関する各種カウンタの値、又は、各種カウンタの値に対する事前判別結果に関する情報に基づいて第3図柄表示装置81の表示面にて実行される先読み演出の演出態様を決定するための処理が実行される。なお、入賞コマンド処理(S4202H)の詳細な内容については、図526を参照して後述する。
S4211の処理において、入賞コマンドを受信していないと判別した場合は(S4211:No)、次に、図柄確定コマンドを受信したかを判別し(S4213)、図柄確定コマンドを受信したと判別した場合は(S4213:Yes)、第3図柄の停止表示を設定し(S4214)、停止時演出設定処理を実行し(S4203H)、本処理を終了する。この停止時演出設定処理(S4203H)は、特別図柄変動が停止表示されるタイミングで実行される演出の演出態様を設定するための処理であって、例えば、特別図柄が停止表示されたことに基づいて終了条件が成立する期間演出に対して終了を示す演出態様を設定するための処理が実行される。なお、停止時演出設定処理(S4203H)の詳細な内容については、図528を参照して後述する。次に、S4213の処理において、図柄確定コマンドを受信していないと判別した場合は(S4213:No)、上述した第5制御例におけるコマンド判定処理(図223のS34182参照)と同一のS4217,S4218の処理を実行し、S4217の処理において大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4217:No)、次に、普図関連コマンドを受信したかを判別し(S4204H)、普図関連コマンドを受信したと判別した場合は(S4204H:Yes)、普図関連処理を実行し(S4205H)、本処理を終了する。一方、S4204Hの処理において、普図関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4204H:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S4219)、本処理を終了する。S4204Hにて受信の有無を判別する普図関連コマンドは、主制御装置110のMPU201にて実行される普通図柄抽選に関するコマンドであって、具体的には、普通図柄変動に対応する普図変動パターンコマンドと、普通図柄当たり遊技(普図当たり遊技)の開始を示すための普図当たり開始コマンドと、普図当たり遊技の終了を示すための普図当たり終了コマンドと、を少なくとも含むコマンドを示している。
このように、主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理によって設定される各種コマンドに対して、関連するコマンド群を設定し、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行されるコマンド判定処理において、受信したコマンドに設定されるコマンド群を判別する際には、例えば、各種コマンドの内容を示す情報が含まれるアドレスの所定位置(例えば、先頭や末尾)に、コマンド群に対応する情報を設定するように構成すると良い。このように構成することで、各種コマンドを受信した場合に、まず、コマンド群に対応する処理を判別し、その判別結果に基づいて該当するコマンド群を特定し、特定したコマンド群に対応する処理をサブルーチンとして実行することが可能となる。次に、図524を参照して、コマンド判定処理(図523のS4103H参照)にて実行される状態コマンド受信処理(S4201H)の処理内容について説明をする。図524は、状態コマンド受信処理(S4201H)の処理内容を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理(S4201H)では、上述した第5制御例における状態コマンド受信処理(図224のS34251参照)に対して、主制御装置110から受信した状態コマンドに含まれる情報に基づいて遊技状態が時短状態へと変更されたと判別した場合(S4303H:Yes)に実行される処理内容を変更した点と、特図抽選カウンタ203jaの値を示す情報を含む状態コマンドを受信した場合の処理を変更した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であるためその詳細な説明を省略する。状態コマンド受信処理(S4201H)が実行されると、まず、遊技状態に変更があるか判別する(S4301H)。遊技状態に変更がないと判別した場合には(S4301H:No)、S4306Hの処理へと移行する。一方、S4301Hの処理において、遊技状態に変更があると判別した場合には(S4301H:Yes)、従状態設定エリア223gに設定されている情報をシフトし、今回主制御装置110より受信したコマンドに対応する遊技状態を従状態設定エリア223gに設定する(S4302H)。
なお、従状態設定エリア223gには、現在設定されている遊技状態を示すための現在情報と、以前設定されていた遊技状態を示すための過去情報と、を区分けして記憶可能な記憶領域が設けられており、S4301Hの処理では、現在情報として記憶されている遊技状態と、今回受信した状態コマンドに含まれる情報が示す遊技状態とを比較し、同一であるか否かが判別される。そして、同一では無い場合に遊技状態に変更ありと判別し、S4302Hの処理において、現在情報として記憶されている情報を過去情報へとシフトし、今回受信した状態コマンドに含まれている遊技状態を示す情報を現在情報として記憶が記憶される。このように構成することで、本第12制御例では、現在設定されている遊技状態だけで無く、過去の遊技状態も読み出すことが可能となるため、現在の遊技状態に基づく演出だけで無く、どの遊技状態からどの遊技状態へと移行したかに基づいて異なる演出を実行することが可能となる。よって、遊技状態の遷移状況に応じて様々な演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。S4302Hの処理を終えると、次に、今回受信したコマンドが時短状態への変更を示すコマンドであるか判別し(S4303H)、今回受信したコマンドが時短状態への変更を示すコマンドであると判別した場合には(S4303H:Yes)、時短状態演出設定処理を実行し(SS4305H)、S4306Hの処理へ移行する。時短状態演出設定処理(S4305H)の詳細な説明については、図525を参照して後述する。一方、S4303Hの処理において、今回受信したコマンドが時短状態への変更を示すコマンドではないと判別した場合には(S4303H:No)、変更後の遊技状態に対応する背面種別を示すための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S4304H)、S4306Hの処理に移行する。
S4304Hの処理で設定された表示用背面画像変更コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図522参照)にて実行されるコマンド出力処理(図522のS4102参照)によって表示制御装置114へと出力され、表示制御装置114が表示用背面画像変更コマンドを受信した場合に、対応する背面画像が第3図柄表示装置81の表示面に表示される。よって、第3図柄表示装置81の表示面を目視するだけで、現在設定されている遊技状態を分かり易く把握させることができる。また、このように、原則遊技状態に対応した表示画像を表示するように構成することで、遊技状態が移行したにも関わらず、同一の背面画像を表示するように表示制御を実行した場合に、遊技状態が移行したことを遊技者に気付かせ難くすることができる。次にS4306Hの処理内容について説明をする。S4306Hの処理では、今回受信した状態コマンドに、特図抽選カウンタ203jaの値を示す情報、即ち、ハマリ回数を示す情報が含まれているかを判別し(S4306H)、含まれていると判別した場合は(S4306H:Yes)、受信した値に対応する値を特図抽選回数カウンタ223jaの値に設定し(S4307H)、次いで、立ち上げ後抽選カウンタ223jgの値が0よりも大きいかを判別し(S4308H)、立ち上げ後抽選カウンタ223jgの値が0よりも大きいと判別した場合(S4308:Yes)、即ち、ハマり回数を表示するための表示条件が成立していないと判別した場合は、そのまま本処理を終了する。一方、S4308Hの処理において、立ち上げ後抽選カウンタ223jgの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S4308:No)、ハマり回数を表示するための表示条件が成立している場合であるため、特図抽選回数カウンタ223jaの値を示すための表示用コマンドを設定し(S4309H)、本処理を終了する。また、S4306Hの処理において、特図抽選回数カウンタ223jaの値を示す情報が含まれていないと判別した場合は(S4306H:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第12制御例では、パチンコ機10に電源が投入された場合に実行される音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図521参照)において、立ち上げ後抽選カウンタ223jgの値に100をセットし、その立ち上げ後抽選カウンタ223jgの値が0に減算されるまでは、特図抽選回数カウンタ223jaの値を示すための表示用コマンドを設定しないように構成している。このように構成することで、電源投入直後のパチンコ機10では、天井特典が付与されるまでの残期間を遊技者に把握させ難くすることができる。なお、図524のS4309Hの処理にて設定される特図抽選回数カウンタ223jaの値を示すための表示用コマンドとは、単純に特図抽選回数カウンタ223jaの値と同一の値を示す表示態様(即ち、変動回数(ハマり回数))に対応する表示用コマンド、又は、特図抽選回数カウンタ223jaの値に基づいて天井特典が付与されるまでの残期間を示す表示態様(即ち、天井特典が付与されるまでの残変動回数)に対応する表示用コマンドの何れも含む概念である。次に、図525を参照して、状態コマンド受信処理(図524のS4201H参照)にて実行される時短状態演出設定処理(S4305H)の処理内容について説明をする。図525は、時短状態演出設定処理(S4305H)の処理内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理(S4305H)は、時短状態(特別図柄低確率状態におけるサポ有り状態)が設定されたことを示すための状態コマンドを受信した場合に実行される処理であって、時短状態の種別に応じた演出態様や背面画像を決定するための処理が実行される。
具体的には、時短状態演出設定処理(S4305H)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gに記憶されている過去情報より、変更前の遊技状態に関する情報を読み出し(S4401H)、変更前の遊技状態が通常状態であるかを判別し(S4402H)、通常状態では無いと判別した場合は(S4402H:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4402Hの処理において、通常状態であると判別した場合は(S4402H:Yes)、次に、今回設定された時短状態の時短種別が第1時短(第1時短状態)であるかを判別し(S4403H)、第1時短状態であると判別した場合は(S4403H:Yes)、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定し(S4404H)、時短状態に対応する背面種別を示すための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S4405H)、本処理を終了する。また、S4403Hの処理において、第1時短では無いと判別した場合は(S4403H:No)、次に、時短種別が第2時短(第2時短状態)であるかを判別し(S4406H)、第2時短であると判別した場合は(S4406H:Yes)、受信したコマンドに含まれる時短回数を天井時短中カウンタ223jbの値に設定し(S4407H)、高確率津モードに対応する背面種別を示すための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S4408H)、本処理を終了する。S4406Hの処理において、第2時短では無いと判別した場合は、そのまま本処理を終了する。次に、図526を参照して、上述したコマンド判定処理(図523のS4103H参照)にて実行される入賞コマンド処理(S4202H)の処理内容について説明をする。図526は、入賞コマンド処理(S4202H)の処理内容を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理(S4202H)では、受信した入賞コマンドに含まれる入賞情報に基づいた各種演出(先読み演出)の演出態様を決定するための処理が実行される。
入賞コマンド処理(S4202H)が実行されると、まず、受信した入賞コマンドの情報を対応する入賞情報記憶エリア223bに設定し(S4501H)、先読み演出実行中フラグ223jdがオンに設定されているかを判別し(S4502H)、オンに設定されていないと判別した場合、即ち、現在が先読み演出中では無いと判別した場合は(S4502:No)、次に、受信した入賞コマンドに含まれる変動パターンを抽出し(S4503H)、先読み演出設定処理を実行する(S4404H)。その後、S4504Hの処理で決定された演出態様に先読み演出が含まれているかを判別し(S4505H)、先読み演出の設定があると判別した場合は(S4505H:Yes)、今回の先読み演出が保留図柄の表示態様を変化させる保留図柄変化演出であるかを判別し(S4506H)、保留図柄変化演出であると判別した場合は(S4506H:Yes)、保留図柄の表示態様を変化させるための表示用コマンドを設定し(S4507H)、その他の処理を実行し(S4509H)、本処理を終了する。また、S4506Hの処理において、保留図柄変化演出では無いと判別した場合は(S4506H:No)、先読み演出実行中フラグ223jdをオンに設定し(S4508H)、S4509Hを実行、本処理を終了する。一方、S4505Hの処理において、先読み演出の設定が無いと判別した場合、即ち、先読み演出設定処理(S4504H)の処理結果として、先読み演出が設定されなかったと判別した場合は(S4505H:No)、S4506HからS4508Hの処理を実行すること無く、S4509Hの処理へ移行する。S4502Hの処理において、先読み演出実行中フラグ223jdがオンに設定されている、即ち、現在が先読み演出中であると判別した場合は(S4502H:Yes)、対応する入賞情報記憶エリア223bに先読み未実行を示す情報を設定し(S4510H)、上述したS4509Hの処理へ移行する。
次に、図527の処理を参照して入賞コマンド処理(図526のS4202H)にて実行される先読み演出設定処理(S4504H)の処理内容について説明をする。図527は、先読み演出設定処理(S4504H)の処理内容を示したフローチャートである。この先読み演出設定処理(S4504H)では、入賞コマンドに含まれる変動パターンに基づいて先読み演出の実行有無を決定する処理と、先読み演出の演出態様を決定する処理と、が実行される。具体的には、まず、抽出した変動パターンに基づいて先読み演出の実行有無を決定し(S4551H)、S4551の処理によって先読み演出が決定されたかを判別し(S4552H)、先読み演出が決定されていない(先読み演出の実行無し)と判別した場合は(S4552H:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4552Hの処理において、先読み演出の実行ありと判別した場合は(S4552:Yes)、次に、実行される先読み演出の種別が連続予告演出であるかを判別し(S4553)、連続予告演出であると判別した場合は(S4553H:Yes)、対象となる入賞情報に対応する特別図柄保留球数カウンタ223cの値を取得し(S4554H)、特図保留1、又は特図保留2であるかを判別する(S4555H)。つまり、S4555Hの処理では、今回受信した入賞コマンドが、第1特図保留(次に特別図柄抽選が実行され得る入賞情報に対応する特図保留)、又は、第2特図保留(次の次に特別図柄抽選が実行され得る入賞情報に対応する特図保留)であるかを判別する。S4555Hの処理において、特図保留1,2では無い、即ち、特図保留3(第3特図保留)、又は特図保留4(第4特図保留)であると判別した場合は(S4555H:No)、次変動から開始される連続予告演出の演出態様を決定し(S4556H)、決定された連続予告演出の演出態様を演出態様格納エリア223jcに格納し(S4557H)、本処理を終了する。
一方、S4555Hの処理において、特図保留1,2であると判別した場合は(S4555H:Yes)、実行中の変動演出(入賞コマンドを受信した時点で実行されている変動演出)がリーチ演出以上であるか(リーチ状態とならない外れ変動以外であるか)を判別し(S4558H)、リーチ以上であると判別した場合は(S4558H:Yes)、連続予告演出の演出態様を決定すること無く(連続予告演出を実行すること無く)、S4561Hの処理へ移行する。また、S4558Hの処理において、リーチ以上では無い(リーチ状態とならない外れ変動である)と判別した場合は(S4558H:No)、実行中の特図変動の停止表示態様を連続して停止表示させる連続予告演出の演出態様を決定し(S4559H)、実行中の特図変動に対応する第3図柄の停止表示態様を記憶させるための表示用コマンドを設定し(S4560H)、S4557Hの処理を実行し、本処理を終了する。S4553Hの処理において、連続予告演出では無いと判別した場合(S4553H:No)、或いは、S4558Hの処理において、リーチ以上であると判別した場合(S4558H:Yes)は、次に、今回の連続予告演出の種別が保留変化演出であるかを判別し(S4562H)、保留変化演出であると判別した場合は(S4561H:Yes)、特図抽選結果に基づいて保留変化演出の演出態様を決定し(S4562H)、本処理を終了する。また、S4561Hの処理において、保留変化演出では無いと判別した場合は(S4561H:No)、その他処理を実行し(S4563H)、本処理を終了する。次に、図528を参照して、停止時演出設定処理(S4203H)の処理内容について説明をする。図528は、停止時演出設定処理(S4203H)の処理内容を示したフローチャートである。この停止時演出設定処理(S4203H)では、特別図柄変動が停止表示されたことに基づいて実行される各種演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
具体的には、まず、天井時短中カウンタ223jbの値が1であるかを判別し(S4601H)、1であると判別した場合(S4601H:Yes)、即ち、今回の特別図柄変動が、天井特典として付与された第3時短状態の最終変動であると判別した場合は、天井時短中カウンタ223jbの値を0に設定し(S4602H)、20秒の普通図柄変動が実行されている最中であるかを判別する(S4603H)。S4603Hの処理では、主制御装置110から出力された普図変動パターンコマンドに基づいて実行される普通図柄変動が実行されているかの判別処理、及び、受信した普図変動パターンコマンドに含まれる普図変動パターン種別に関する情報を判別する処理の処理結果を用いた判別が実行される。そして、S4603Hの処理において、20秒変動中であると判別した場合は(S4603H:Yes)、電チュー高確率モードの継続を示す表示用コマンドを設定し(S4605H)、その他の処理を実行し(S4609H)、本処理を終了する。一方、S4603Hの処理において、20秒変動中では無いと判別した場合は(S4603H)、電チュー高確率モードの終了を示す表示用コマンドを設定し(S4604H)、S4609Hの処理を実行し、本処理を終了する。また、S4601Hの処理において、天井時短中カウンタ223jbの値が1では無いと判別した場合は(S4601H:No)、次に、特図抽選回数カウンタ223jaの値が900であるかを判別し(S4606H)、特図抽選回数カウンタ223jaの値が900であると判別した場合(S4606H:Yes)、即ち、今回の特別図柄変動が、特別図柄低確率状態中に実行された900回目の特別図柄変動であると判別した場合は、特別図柄変動停止後に天井特典として第3時短状態が設定されることを示すための電チュー高確率モード突入を示す表示用コマンドを設定し(S4607H)、S4609Hの処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S4606Hの処理において、特図抽選回数カウンタ223jaの値が900では無いと判別した場合は(S4606H:No)、次に、普通図柄20秒変動中(20秒の変動時間に対応する普図変動パターンコマンドを受信しているか)を判別し(S4608H)、20秒変動中であると判別した場合は(S4608H:Yes)、上述したS4607Hの処理を実行し、S4608Hの処理において、20秒変動中では無いと判別した場合は(S4608H:No)、S4609Hの処理を実行し、本処理を終了する。以上、説明をした通り、本第12制御例では、天井特典として第2特別図柄抽選が実行され易くなる第3時短状態が設定される場合も、普通図柄抽選で20秒の変動パターンが設定される(普図ロング開放当たりに対応するロング普図変動が設定される)場合も、同一の演出態様(電チュー高確率モード)を用いた演出を実行するように構成している。このように構成することで、電動役物640aがロング開放される普図当たり遊技が実行される場合に、何れの契機(天井特典、通常状態における普図ロング開放当たり)で電動役物640aがロング開放されるかを遊技者に把握させ難くすることができる。また、上述した通り、本第12制御例では、普図ロング開放当たりに当選した場合であっても、対応する普通図柄変動の変動期間では無く、並行して実行されている特別図柄変動の停止タイミングにて電チュー高確率モード突入を示す演出を実行するように構成している。このように構成することで、天井特典が付与される場合も、普図ロング開放当たり遊技が実行される場合も、特別図柄変動の停止タイミングに合わせて実行される演出によって電動役物640aがロング開放されることを報知することができる。よって、何れの契機(天井特典、通常状態における普図ロング開放当たり)で電動役物640aがロング開放されるかを遊技者により把握させ難くすることができる。
加えて、本第12制御例では、第3時短状態が終了する当別図柄変動の停止タイミングにて普図ロング変動(20秒変動)が実行されている場合には、電チュー高確率モードを延長して表示するように構成しているため、第3図柄表示装置81の表示面にて電チュー高確率モードの終了(第3時短状態の終了)を示す表示態様が表示された直後に、電動役物640aがロング開放されてしまい、遊技者が困惑してしまうことを抑制することができる。なお、本第12制御例では、通常状態が設定されている状態において、特別図柄変動が実行されていない状態で普通図柄抽選を実行させている場合よりも、特別図柄変動が実行している状態で普通図柄抽選を実行させた場合の方が、普通図柄抽選の結果(普図ロング開放当たり当選の有無)を遊技者に把握させ易くなるように構成されている。このように構成することで、通常状態中において特別図柄抽選を継続して実行させるために意欲的に遊技を行わせることができる。次に、図529を参照して、普図関連処理(S4205H)の処理内容について説明をする。図529は、普図関連処理(S4205H)の処理内容を示したフローチャートである。この普図関連処理(S4205H)では、普図関連コマンドとして、普通図柄変動の変動パターンを示す普図変動パターンコマンドを受信したことに基づいて電チュー高確率モードを示唆するための演出を設定する処理と、普通図柄の当たり遊技に関する演出を設定するための処理が実行される。
具体的には、図529に示した通り、普図関連処理(S4205H)が実行されると、まず、普図変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S4701H)、普図変動パターンコマンドを受信したと判別した場合は(S4701H:Yes)、表示用普図変動開始コマンドを設定し(S4702H)、受信した変動パターンが20秒変動であるかを判別し(S4703H)、20秒変動(普図ロング開放当たり当選変動)であると判別した場合は(S4703H:Yes)、電チュー高確率モードが設定されることを示唆するための表示用コマンドを設定し(S4704H)、本処理を終了する。一方、S4703Hの処理において、20秒変動では無い(普図ロング開放当たり変動では無い)と判別した場合は(S4703H:No)、普通図柄変動(普図変動)に対応する変動演出を設定すること無く、本処理を終了する。S4701Hの処理において、普図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S4701H:No)、普図当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S4705H)、普図当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S4705H:Yes)、表示用普図当たり開始コマンドを設定し(S4706H)、現在の遊技状態が通常状態、又は第2時短状態であるかを判別し(S4707H)、通常状態、又は第2時短状態であると判別した場合は(S4707H:Yes)、次に、今回の普図当たり種別が普図当たりBであるか(普図ロング開放当たり遊技が実行される普図当たりであるか)を判別する(S4708H)。S4708Hの処理において、普図当たりBであると判別した場合は(S4708H)、電チューロング開放(普図ロング開放当たり)を示すための表示用コマンドを設定し(S4709H)、本処理を終了する。一方、S4707Hの処理において、現在が通常状態、又は第2時短状態では無い(確変状態、第1時短状態である)と判別した場合(S4707H:No)、或いは、S4708Hの処理において、普図当たりBでは無い(普図当たりAである)と判別した場合は(S4708H:No)、S4709Hの処理をスキップして本処理を終了する。
S4705Hの処理において、普図当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S4705H:No)、次に、普図当たり終了コマンドを受信したかを判別し(S4710H)、普図当たり終了コマンドを受信したと判別した場合は(S4710H:Yes)、天井到達前最終特図変動中、即ち、天井特典の付与条件が成立する特別図柄変動中であるかを判別し(S4711H)、天井到達前最終特図変動中であると判別した場合は(S4711H:Yes)、電チュー高確率モードが継続することを示す表示用コマンドを設定し(S4712H)、本処理を終了する。また、S4711Hの処理において、天井到達前最終特図変動中では無いと判別した場合は(S4711H:No)、電チュー高確率モードの終了を示す表示用コマンドを設定し(S4713H)、本処理を終了する。また、S4710Hの処理において、普図当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合は、そのまま本処理を終了する。以上、説明をした通り、本第12制御例では、通常状態中、又は、第2時短状態中に普図ロング開放当たり遊技が実行される場合に、同一の演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、通常状態において実行された普通図柄抽選にて普図ロング開放当たりに当選した場合と、第2時短状態が設定されることになる特別図柄変動が実行された場合とで同一内容の演出(電チュー高確率モード)を実行可能に構成したパチンコ機10において、普図ロング開放当たり遊技中の演出内容によって、今回の普図ロング開放当たり遊技の実行契機が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。さらに、本第12制御例では、通常状態において普図ロング開放当たり当選したことに基づいて実行された普図ロング開放当たり遊技の終了タイミングが、天井特典の付与条件が成立する特別図柄変動中である場合には、電チュー高確率モードが継続する演出を実行するように構成している。このように構成することで、電チュー高確率モードが終了した直後に天井特典の付与条件が成立し、再度、電チュー高確率モードが設定されてしまうことで、遊技者に分かり難い演出が実行されることを抑制することができる。
次に、図530を参照して、変動表示設定処理(S4104H)の処理内容について説明をする。図530は、変動表示設定処理(S4104H)の処理内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4104H)では、上述した第5制御例における変動表示設定処理(図226のS34113参照)に対して、変動表示の演出態様を設定するための処理として演出態様設定処理(図226のS4991参照)に代えて演出態様設定処理(S4903H)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。変動表示設定処理(S4104H)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223d1がオンかを判別する(S4901H)。そして、特図1変動開始フラグ223d1がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4901H:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4905Hの処理へ移行する。一方、特図1変動開始フラグ223d1がオンであると判別した場合(S4901H:Yes)、特図1変動開始フラグ223d1をオフに設定し(S4902H)、次いで、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを取得した変動パターン種別に基づいて生成するための演出態様設定処理を実行し(S4903H)、入賞情報格納エリア223bのうち第1特別図柄に対応するデータをシフトし(S4904H)、S4905Hの処理へ移行する。演出態様設定処理(S4903H)の詳細については図531を参照して後述する。
S4905Hの処理では、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223d2がオンかを判別する(S4905H)。そして、特図2変動開始フラグ223d2がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4905H:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4909Hの処理へ移行する。一方、特図2変動開始フラグ223d2がオンであると判別した場合(S4905H:Yes)、特図2変動開始フラグ223d2をオフに設定し(S4906H)、次いで、演出態様設定処理を実行し(S4907H)、入賞情報格納エリア223bのデータのうち第2特別図柄に対応するデータをシフトし(S4908H)、S4909Hの処理へ移行する。演出態様設定処理(S4907H)の内容は、上述したS4903Hの処理内容と同一であり、図531を参照して後述する演出態様設定処理(S4903H)の処理の説明を行うことでその説明を省略する。S4909Hの処理では、RAM223に設けられた特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2がオンであるかを判別する(S4909H)。そして、特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4909H:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、そのまま本処理を終了する。一方、特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2がオンであると判別した場合(S4909H:Yes)、オンに設定されている特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2をオフに設定し(S4910H)、次いで、コマンドから抽出した停止種別に基づいて表示用特図1または特図2停止種別コマンドを設定し(S4911H)、その後、本処理を終了する。
次に、図531を参照して、変動表示設定処理(図530のS4104H参照)にて実行される演出態様設定処理(S4903H)の処理内容について説明をする。図531は、演出態様設定処理(S4903H)の処理内容を示したフローチャートである。この演出態様設定処理(S4903H)では、上述した第5制御例における演出態様設定処理(図227のS4991参照)と同様に、特別図柄変動が実行されることに応じて更新される演出用の各種カウンタの値を更新する処理と、今回実行される変動演出の演出態様を決定するための処理が実行される。図531に示した通り、演出態様設定処理(S4903H)が実行されるとまず、立ち上げ後抽選カウンタ223jgの値が0よりも大きいかを判別し(S5001H)、0よりも大きいと判別した場合は(S5001H:Yes)、立ち上げ後抽選カウンタ223jgの値を1減算し(S5002H)、特図抽選回数カウンタ223jaの値を1加算し、立ち上げ後抽選カウンタ223jgの値が0であるかを判別する(S5004H)。一方、S5001Hの処理において、立ち上げ後抽選カウンタ223jgの値が0よりも大きくないと判別した場合は(S5001H:No)、S5002Hの処理をスキップしてS5003Hの処理を実行し、S5004Hの処理へ移行する。S5004Hの処理では、立ち上げ後抽選カウンタ223jgの値が0であるかを判別し(S5004H)、0であると判別した場合は(S5004H:Yes)、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間に関する情報を遊技者に提供可能な状態であるため、特図抽選回数カウンタ223jaの値が900に到達するまでの残数を示すための表示用コマンド、即ち、天井特典の付与条件を成立させるまでに必要とする特別図柄抽選回数を示すための表示用コマンドを設定し(S5005H)、次に、特図抽選回数カウンタ223jaの値が900であるかを判別し(S5006H)、900であると判別した場合は(S5006H:Yes)、高確率モード突入を示唆するための表示用コマンドを設定し(S5007H)、S5008Hの処理へ移行する。
一方、S5004Hの処理において、立ち上げ後抽選カウンタ223jgの値が0では無いと判別した場合は、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間に関する情報を遊技者に提供しない状態であるため、S5005Hの処理をスキップして、S5006Hの処理へ移行する。また、S5006Hの処理において、特図抽選回数カウンタ223jaの値が900では無いと判別した場合、即ち、今回の特別図柄変動が天井特典の付与条件が成立する特別図柄変動(天井到達前最終特図変動)では無いと判別した場合は(S5006H:No)、S5007Hの処理をスキップしてS5008Hの処理へ移行する。S5008Hの処理では、時短中カウンタ223jbの値が0よりも大きいか、即ち、現在が電サポ状態(第1時短状態、第2時短状態、確変状態)であるかを判別し(S5008H)、時短中カウンタ223jbの値が0よりも大きいと判別した場合は(S5008H:Yes)、時短中カウンタ223jbの値を1減算し(S5009H)、減算後の時短中カウンタ223jbの値を示すための表示用コマンドを設定し(S5010H)、S5011Hの処理へ移行する。また、S5008Hの処理において、時短中カウンタ223jbの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合、即ち、現在が通常状態であると判別した場合(S5008H:No)は、S5009H、及びS5010Hの処理をスキップして、S5011Hの処理へ移行する。S5011Hの処理では、天井時短中カウンタ223jbの値が0よりも大きいか、即ち、現在が第2時短状態(天井特典中)であるかを判別し(S5011H)、0よりも大きいと判別した場合(S5011H:Yes)は、天井時短中カウンタ223jbの値を1減算し(S5012H)、減算後の天井時短中カウンタ223jbの値を示すための表示用コマンドを設定し(S5013H)、変動演出設定処理を実行し(S5014H)、本処理を終了する。また、S5011Hの処理において、天井時短中カウンタ223jbの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S5011H:No)、S5012Hの処理、及びS5013Hの処理をスキップしてS5014Hの処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、図532を参照して、演出態様設定処理(図531のS4903H)にて実行される変動演出設定処理(S5014H)の処理内容について説明をする。図532は、変動演出設定処理(S5014H)の処理内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理(S5014H)では、今回実行される変動演出の演出態様を決定するための様々な処理が実行される。具体的には、変動演出設定処理(S5014H)が実行されると、まず、先読み演出実行中フラグ223jdがオンに設定されているかを判別し(S5101H)、オンに設定されていると判別した場合は(S5101H:Yes)、設定されている先読み演出に対応する演出態様を決定し(S5102H)、今回の変動演出が先読み演出の最終変動(対象変動)であるかを判別し(S5103H)、最終変動であると判別した場合は(S5103H:Yes)、先読み演出実行中フラグ223jdをオフに設定し(S5104H)、S5116Hの処理へ移行する。一方、S5103Hの処理において最終変動では無いと判別した場合は(S5103H:No)、そのまま本処理を終了する。なお、S5102Hの処理では、演出態様格納エリア223jcに格納されている情報を読み出し(図527のS4557Hの処理にて格納された情報を読み出し)、実行中の先読み演出に対応する演出態様が決定される。また、S5103Hの処理では、演出態様格納エリア223jcに格納されている情報に基づいて、先読み演出の対象期間を特定し、判別を実行している。S5101Hの処理において、先読み演出実行中フラグ223jdがオンでは無いと判別した場合は(S5101H:No)、次に、従状態設定エリア223gから現在の遊技状態を読み出し(S5106H)、通常状態であるかを判別し(S5107H)、通常状態では無いと判別した場合は(S5107H:No)、設定されている遊技状態と、特図抽選結果と、に基づいて変動パターン選択テーブル222aを参照して変動演出の演出態様を決定し(S5105H)、S5116Hの処理へ移行する。
S5107Hの処理において、通常状態であると判別した場合は(S5107H:Yes)、演出態様格納エリア223jcから現在のアングル情報を読み出し(S5108H)、読み出したアングル情報が左アングルを示すアングル情報、又は、上アングルを示すアングル情報であるかを判別し(S5109H)、左アングルを示すアングル情報、又は、上アングルを示すアングル情報であると判別した場合は(S5109H:Yes)、連続リーチ時態様決定処理を実行し(S5110H)、S5111Hへ移行する。S5110Hの処理において実行される連続リーチ時態様決定処理(S5110H)は、第3図柄表示装置81の表示面に表示されるアングルの変更を伴う変動演出(アングル変更演出)の演出態様を決定するための処理であり、その詳細な内容については、図533を参照して後述する。S5109Hの処理において、左アングルを示すアングル情報、又は、上アングルを示すアングル情報では無いと判別した場合は(S5109H:No)、次に、今回受信した変動パターンコマンドに加算時間(特別図柄変動の加算時間)があるかを判別し(S5111H)、加算時間があると判別した場合は(S5111H:Yes)、加算時間用態様選択テーブル222jbを参照して、加算時間用の演出態様を決定し(S5112H)、次に、抽出した変動パターンが示す変動時間が20秒以上であるかを判別する(S5113H)。一方、S5115Hの処理において、加算時間なしと判別した場合は(S5115H:No)、加算時間用の演出態様を決定するためのS5116Hの処理をスキップして、上述したS5113Hの処理を実行する。S5113Hの処理において、20秒以上の変動時間に対応する変動パターンでは無いと判別した場合は(S5113H:No)、設定されている遊技状態と、特図抽選結果と、に基づいて変動パターン選択テーブル222aを参照して変動演出の演出態様を決定し(S5105H)、S5116Hの処理へ移行する。
また、S5113Hの処理において、20秒以上の変動時間に対応する変動パターンであると判別した場合は(S5113H:Yes)、変動パターン選択テーブル222aを参照して変動演出の演出パターンを決定し(S5114H)、詳細態様決定処理を実行し(S5115H)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5116H)、決定した演出態様に対応した値を変動時間カウンタ223jeに設定し(S5117H)、本処理を終了する。次に、図533を参照して、上述した変動演出設定処理(図532のS5014H参照)にて実行される連続リーチ時態様決定処理(S5110H)の処理内容について説明をする。図533は、連続リーチ時態様決定処理(S5110H)の処理内容を示したフローチャートである。この連続リーチ時態様決定処理(S5110H)では、アングル変更演出が実行されたことにより、現在のアングルが左アングル、又は上アングルとなっている場合における変動演出の演出態様を決定するための処理が実行される。連続リーチ時態様決定処理(S5110H)が実行されると、まず、演出態様格納エリア223jcに格納されている情報を読み出し、現在が左アングルであるかを判別し(S5201H)、左アングルであると判別した場合は(S5201H:Yes)、抽出した変動パターンは変動時間が20秒以上であるかを判別し(S5202H)、20秒以上であると判別した場合は(S5202H:Yes)、上アングルへの移行を決定し(S5203H)、決定したアングルを示す情報を演出態様格納エリア223jcに格納し(S5204H)、本処理を終了する。また、S5202Hの処理において、20秒以上では無いと判別した場合は(S5202H:No)、通常アングルへの移行を決定し(S5205H)、決定したアングルを示す情報を演出態様格納エリア223jcに格納し(S5204H)、本処理を終了する。
一方、S5201Hの処理において、現在が左アングルでは無いと判別した場合は(S5201H:No)、次に、現在のアングルが上アングルであるかを判別し(S5206H)、上アングルであると判別した場合は(S5206H:Yes)、抽出した変動パターンが当たり変動に対応する変動パターンであるか、即ち、今回の特別図柄変動が当たり変動であるかを判別し(S5207H)、当たり変動であると判別した場合は(S5207H:Yes)、上アングルの継続を決定し(S5208H)、決定したアングルを示す情報を演出態様格納エリア223jcに格納し(S5209H)、本処理を終了する。また、S5207Hの処理において、今回が当たり変動では無いと判別した場合は(S5207H:No)、通常アングルへの移行を決定し(S5209H)、決定したアングルを示す情報を演出態様格納エリア223jcに格納し(S5210H)、本処理を終了する。次に、図534を参照して、上述した変動演出設定処理(図532のS5014H参照)にて実行される詳細態様決定処理(S5115H)の処理内容について説明をする。図534は、詳細態様決定処理(S5115H)の処理内容を示したフローチャートである。この詳細態様決定処理(S5115H)では、演出期間が20秒以上の変動演出における詳細な演出態様を、実行される変動演出の種別に応じて決定するための処理が実行される。図534に示した通り、詳細態様決定処理(S5115H)が実行されると、まず、今回の変動演出がリーチ演出であるかを判別し(S5301H)、リーチ演出であると判別した場合は(S5301H:Yes)、リーチ態様選択テーブル222jaを参照して、実行されるリーチ演出の演出態様を決定し(S5302H)、決定した演出態様を示す情報を演出態様格納エリア223jcに格納し(S5303H)、S5304Hの処理へ移行する。また、S5301Hの処理において、今回の変動演出がリーチ演出では無いと判別した場合は(S5301H:No)、S5302Hの処理、及びS5303Hの処理をスキップしてS5304Hの処理へ移行する。
S5304Hの処理では、今回の変動演出がアングル変更演出であるかを判別し(S5304H)、アングル変更演出であると判別した場合は(S5304H:Yes)、演出態様格納エリア223jcから現在のアングル情報を読み出し(S5305H)、通常アングルであるかを判別し(S5306H)、通常アングルであると判別した場合は(S5306H:Yes)、次いで、変動時間が30秒以上であるかを判別し(S5307H)、30秒以上であると判別した場合は(S5307H)、左アングルへの移行を決定し(S5308H)、抽選結果に対応させて。宝箱の中身アイコンの種別を決定し(S5309H)、決定したアングルを示す情報を演出態様格納エリア223jcに格納し(S5310H)、S5313Hの処理へ移行する。また、S5307Hの処理において、変動時間が30秒以上では無いと判別した場合は(S5307H:No)、右アングルへの移行を決定し(S5311H)、抽選結果に対応させて、袋の中身アイコンの種別を決定し(S5312H)、決定したアングルを示す情報を演出態様格納エリア223jcに格納し(S5310H)、S5313Hの処理へ移行する。一方、S5306Hの処理において、現在が通常アングルでは無いと判別した場合は(S5306H:No)、アングル変更演出を新たに実行するための処理をスキップして、S5313Hの処理へ移行する。S5313Hの処理では、今回の変動演出が一発告知演出であるかを判別し(S5313H)、一発告知演出であると判別した場合は(S5313H:Yes)、一発告知態様選択テーブル222jcを参照して、実行される一発告知演出の演出態様を決定し(S5314H)、決定した演出態様を示す情報を演出態様格納エリア223jcに格納し(S5315H)、SW有効期間の長さを示す情報、及び、SW有効期間の設定タイミングを示す情報を演出態様格納エリア223jcに格納し(S5316H)、本処理を終了する。また、S5313Hの処理において、今回の変動演出が一発告知演出では無いと判別した場合は(S5313H:No)、本処理を終了する。
次に、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図522参照)にて実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S4101H)の処理内容について、図535を参照して説明をする。図535は、枠ボタン入力監視・演出処理(S4101H)の処理内容を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S4101H)では、実行されている変動演出に基づいて枠ボタン22への操作を有効に判別可能なSW有効期間を設定する処理と、SW有効期間中に枠ボタン22が操作されたことに基づいて実行される操作演出の演出態様を決定する処理と、が実行される。具体的には、枠ボタン入力監視・演出処理(S4101H)が実行されると、まず、SW有効期間タイマ223jfの値が0よりも大きいかを判別し(S5401H)、0よりも大きくない、即ちSW有効期間が設定されていないと判別した場合は(S5401H:No)、次に、ボタン操作有効期間の設定タイミングであるかを判別する(S5402H)。S5402Hの処理では、演出態様格納エリア223jcに格納されているSW有効期間の設定情報と、変動時間カウンタ223jeの値とに基づいてボタン操作有効期間の設定タイミングであるかを判別する。S5402Hの処理において、ボタン操作有効期間の設定タイミングであると判別した場合は(S5402H:Yes)、設定されるボタン操作有効期間に対応する値をSW有効期間タイマ223jfの値にセットし(S5403H)、決定した態様に対応する表示用コマンドを設定し(S5404H)、本処理を終了する。また、S5402Hの処理において、ボタン操作有効期間の設定タイミングでは無いと判別した場合は、S5403Hの処理をスキップしてS5404Hの処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S5401Hの処理において、SW有効期間タイマ223jfの値が0よりも大きい、即ち、SW有効期間が設定されている状態であると判別した場合は(S5401H:Yes)、次に、枠ボタン22への操作があるかを判別し(S5405H)、枠ボタン22への操作が無いと判別した場合は(S5405H:No)、そのままS5404Hの処理を実行し、本処理を終了する。なお、S5405Hの処理では、枠ボタン22を操作(押下)した場合に出力される押下信号を受信しているかを判別することによって枠ボタン22への操作有無を判別するように構成している。なお、本第12制御例では、枠ボタン22を操作した場合に出力される押下信号を受信しているか否かを判別することにより、SW有効期間中における遊技者の枠ボタン22への操作を判別可能に構成しているが、これ以外の構成を用いても良く、例えば、枠ボタン22を操作した場合に出力される押下信号を受信した回数を計測可能な押下カウンタを設け、押下カウンタの値に基づいて枠ボタン22操作の有無を判別可能に構成しても良い。また、この場合、押下カウンタの値が所定数(例えば、2)以上加算されたと判別した場合に、枠ボタン22を操作したと判別するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して枠ボタン22を押下させるだけでなく、所定回数押下させる遊技を行わせることができ、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。S5405Hの処理において、ボタン操作あり(枠ボタン22への押下操作あり)と判別した場合は(S5405H:Yes)、次に、SW有効期間タイマ223jfの値が3000より大きいかを判別し(S5406H)、大きいと判別した場合は(S5406H:Yes)、ボタン操作有効期間の前半期間にボタン操作を行った場合に対応する演出態様を決定し(S5407H)、SW有効期間タイマ223jfの値を0にクリアし(S5408H)、S5404Hの処理を実行し、本処理を終了する。
また、S5406Hの処理において、SW有効期間タイマ223jfの値が3000よりも大きくない(3000以下である)と判別した場合は(S5406H:No)、ボタン操作有効期間の後半期間にボタン操作を行った場合に対応する演出態様を決定し(S5409H)、S5408H、及びS5404Hの処理を実行し、本処理を終了する。次に、図536を参照して、演出更新処理(S4102H)の処理内容について説明をする。図536は、演出更新処理(S4102H)の処理内容を示したフローチャートである。この演出更新処理(S4102H)は、上述した音声ランプ制御装置113のメイン処理(図522参照)において、1ミリ秒毎に実行される制御処理であって、変動演出中に設定される経過時間を計測するための各種カウンタの値を更新(減算)するための処理が実行される。具体的には、演出更新処理(S4102H)が実行されると、まず変動時間カウンタ223jeの値が0よりも大きいかを判別し(S5501H)、0よりも大きいと判別した場合は(S5501H:Yes)、変動時間カウンタ223jeの値を1減算し(S5502H)、次に、変動時間経過に基づく演出の実行タイミングであるかを判別する(S5503H)。S5503Hの処理では、変動演出の演出態様を決定した際に演出態様格納エリア223jcに格納された情報に基づいた判別が実行される。S5503Hの処理において、演出の実行タイミングであると判別した場合は(S5503H:Yes)、実行される演出の演出態様を示す表示用コマンドを設定し(S5504H)、次に、SW有効期間タイマ223jfの値が0よりも大きいかを判別する。また、S5503Hの処理において、演出の実行タイミングでは無いと判別した場合は(S5503H:No)、S5504Hの処理をスキップしてS5505Hの処理へ移行する。
S5505Hの処理において、SW有効期間タイマ223jfの値が0よりも大きいと判別した場合は(S5505H:Yes)、SW有効期間タイマ223jfの値を更新(1減算)し(S5506H)、更新(減算)後のSW有効期間タイマ223jfの値が0であるかを判別し(S5507H)、0では無いと判別した場合は(S5507H:No)、残時間ゲージの表示態様を更新するための表示用コマンドを設定し(S5508H)、その他演出更新処理を実行し(S5510H)、本処理を終了する。また、S5507Hの処理において、SW有効期間タイマ223jfの値が0であると判別した場合は(S5507H:Yes)、ボタン操作無し時における一発告知演出の演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S5509H)、S5510Hの処理を実行し、本処理を終了する。なお、S5501Hの処理において、変動時間カウンタ223jeの値が0よりも大きくない、即ち、現在が変動演出の実行中では無いと判別した場合は(S5501H:No)、そのままS5510Hの処理を実行し、本処理を終了する。次に、図537及び図538を参照して、本第12制御例における表示制御装置114のMPU233にて実行される制御処理の処理内容について説明をする。本第12制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に対して、表示制御装置114にて実行される制御処理のうち、コマンド判定処理の処理内容の一部を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容についてはその説明を省略する。まず、図537を参照して、本第12制御例のパチンコ機10の表示制御装置114にて実行されるコマンド判定処理(S6302)の処理内容について説明をする。図537は、コマンド判定処理(S6302)の処理内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S6302)では、上述した第1制御例におけるコマンド判定処理に対して、表示用停止種別コマンドを受信した場合に実行される処理内容を変更した点と、表示用停止図柄記憶コマンドの受信有無を判別する処理、及び、表示用停止図柄記憶コマンドを受信した場合における制御処理を追加した点と、で相違している。
具体的には、コマンド判定処理が実行されると、まず、上述した第1制御例におけるパチンコ機10の表示制御装置114にて実行されるコマンド判定処理と同一のS6401からS6406の処理を実行し、S6406の処理において表示用停止種別コマンドを受信したと判別した場合には(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行し(S6401H)、S6401の処理へ移行する。また、S6406の処理において、表示用停止種別コマンドを受信していないと判別した場合は(S6406:No)、上述した第1制御例におけるパチンコ機10の表示制御装置114にて実行されるコマンド判定処理と同一のS6408からS6421の処理を実行し、S6420の処理において、エラーコマンドを受信していないと判別した場合は(S6420:No)、次に、表示用停止図柄記憶コマンドを受信したかを判別し(S6402H)、受信したと判別した場合は(S6402H:Yes)、現在設定されている停止図柄を示すための情報を停止図柄記憶エリア233jaに格納し(S6403H)、S6401の処理へ移行する。一方、S6402Hの処理において、表示用停止図柄記憶コマンドを受信していないと判別した場合は(S6402H:No)、S6422の処理を実行した後に、S6401の処理へ移行する。以上、説明をした通り、本第12制御例におけるパチンコ機10は、1個目の特図保留又は2個目の特図保留に対応する先読み演出として連続予告演出の実行が決定された場合に(図527のS4553H:Yes)、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出の演出結果(第3図柄の停止表示態様)を記憶させるための表示用コマンドを設定し(図527のS4560H参照)、表示制御装置114のMPU233にて実行されるコマンド判定処理(S6302)において、図527のS4560Hの処理において設定された表示用コマンド(表示用停止図柄記憶コマンド)を受信した場合に(S6402H:Yes)、停止図柄記憶エリア233jaに現在実行されている変動演出の演出結果(第3図柄の停止表示態様)を記憶(格納)するように構成している。
そして、先読み演出の対象となる特別図柄変動が実行されるまで、停止図柄記憶エリア233jaに格納されている第3図柄の停止表示態様を連続して停止表示させる連続予告演出を実行可能に構成している。このように構成することで、獲得済みの特図保留数が少ない状態において特図保留に対応する先読み演出として連続予告演出の実行が決定されたとしても、実行中の変動演出の一部を用いた連続予告演出の演出態様を決定することができる。よって、連続予告演出の実行頻度を上げることにより演出効果を高めることができる。また、先読み演出として連続予告演出の実行が決定された時点における特図保留数に応じて異なる演出態様の連続予告演出を実行することが可能となるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。次に、図538を参照して、停止種別コマンド処理(S6401H)の処理内容について説明をする。図538は、停止種別コマンド処理(S6401H)の処理内容を示したフローチャートである。この停止種別コマンド処理(S6401H)は、コマンド判定処理(図537のS6302参照)において停止種別コマンドを受信したと判別した場合に実行される処理であって、今回の変動演出(第3図柄の変動演出)の演出結果(第3図柄の停止表示態様)を決定するための処理が実行される。具体的には、図538に示した通り、停止種別コマンド処理(S6401H)が実行されると、停止図柄記憶エリア233jaに格納されている情報を読み出し(S6601H)、停止図柄情報(第3図柄の停止表示態様を示す情報)があるかを判別し(S6602H)、停止図柄情報が無いと判別した場合は(S6602H:No)、停止種別情報を基に、停止種別テーブルを決定し(S6601)、停止種別テーブルと停止図柄カウンタとを比較して停止図柄を設定し(S6602)、停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、本処理を終了する。
一方、S6602Hの処理において、停止図柄情報があると判別した場合は(S6602H:Yes)、停止図柄情報と同一態様の停止図柄を設定し(S6603H)、停止図柄記憶エリアに格納されている情報をクリアし(S6604H)、停止図柄判別フラグをオフに設定し(S6603)、本処理を終了する。なお、本第12制御例では、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される処理によって、第3図柄の停止種別(完全外れ、リーチ外れ(+1コマ、-1コマ等)、当たり)のみを決定し、表示制御装置114のMPU233にて停止種別に対応した具体的な第3図柄の停止表示態様を決定するように構成しているが、これに限ること無く、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される処理によって第3図柄の停止表示態様を決定可能に構成しても良く、この場合、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される処理によって決定された第3図柄の停止表示態様を一時的に記憶させる記憶手段をRAM223に設け、連続予告演出の対象となる変動演出を新たに実行する場合に、その変動演出の演出結果として、記憶手段に記憶されている第3図柄の停止表示態様を決定可能に構成すれば良い。
<第13制御例>
次に、図539から図557を参照して、第13制御例におけるパチンコ機10について説明をする。従来より、大当たり遊技中に再生される楽曲として複数の楽曲の中から1の楽曲が選択されることで、大当たり遊技中に様々な楽曲を再生可能とすることで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制したパチンコ機10がある。また、このようなパチンコ機10には、遊技者が所望する楽曲を再生可能とするために、遊技者による操作手段(枠ボタン22等)への操作に基づいて大当たり遊技中に再生される楽曲を選択可能とするものもある。このように構成された従来型のパチンコ機10は、大当たり遊技中の演出効果を高めると共に遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるものであったが、選択される楽曲によって遊技内容が変わることも、把握可能な遊技情報が変わることも無いため、遊技者の楽曲を選択する意欲が徐々に低下してしまうという問題があった。これに対して、本第13制御例におけるパチンコ機10は、大当たり遊技中に再生される楽曲を選択可能な期間において、遊技者の操作手段(枠ボタン22)への操作に基づいて昇格条件が成立した場合にのみ、今回実行される大当たり遊技が終了した後に設定される遊技状態を報知可能な専用楽曲が選択されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に所望の楽曲を再生したい遊技者に加え、今後の遊技内容をいち早く察知したい遊技者に対しても、楽曲を選択させる操作を行わせ易くすることができるため、遊技者の楽曲を選択する意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、本第13制御例では、第1操作(第1操作手段である選択ボタン600への操作)を実行することにより常時選択可能な楽曲の中から任意の楽曲を選択可能に構成し、第1操作とは異なる第2操作(第2操作手段である枠ボタン22への操作)を実行することにより専用楽曲を選択可能に構成している。そして、第2操作を実行した場合には、昇格条件が成立しない限り、専用楽曲が選択されないように構成している。つまり、第2操作を実行したとしても専用楽曲を選択することができない場合がある。
このように構成することで、常時選択可能な楽曲の中から任意の楽曲を選択したい遊技者は第1操作を実行し、専用楽曲が選択されることを期待する遊技者は第2操作を実行することになるため、常時選択可能な楽曲の中から任意の楽曲を選択したい遊技者に対して、楽曲が選択できない状況が発生してしまうことを抑制することができる。さらに、本第13制御例では、特別図柄抽選で確変大当たりに当選した場合であって、遊技者に確変大当たりに当選したことが報知されていない状態(偶数図柄によって大当たり当選が報知された状態)で実行された大当たり遊技中に第2操作を実行した場合に、専用楽曲を選択するための昇格条件が成立するように構成している。つまり、昇格条件が成立し専用楽曲が選択された場合には、今回の大当たり遊技が確変大当たり遊技であることを報知するように構成している。よって、通常大当たりに当選し、偶数図柄によって大当たり当選が報知された状態で実行される大当たり遊技中は、第2操作を実行したとしても昇格条件が成立すること無く、専用楽曲が選択されることが無い。さらに、上述した通り、専用楽曲を選択するためには、第1操作とは異なる第2操作を実行させるように構成しているため、専用楽曲が選択されることを目指して第2操作を実行している間は、大当たり遊技中に再生される楽曲を変更することができないように構成している。よって、遊技者に対して、常時選択可能な楽曲の中から任意の楽曲を選択するための第1操作を実行するか、専用楽曲が選択されることを目指して第2操作を実行するかを選択する楽しみを提供することができる。加えて、本第13制御例では、昇格条件が成立し得る状況において第2操作を実行した場合に、実行される大当たり遊技のラウンド数に応じて昇格条件の成立のし易さを異ならせている。つまり、本第13制御例では、確変大当たり遊技として、10ラウンドの確変大当たり遊技(大当たりA)と、7ラウンドの確変大当たり遊技(大当たりD)を実行可能に構成しており、大当たり遊技のラウンド数が大きい大当たりAの方が、昇格条件が成立し得る状況において第2操作を実行した場合に、昇格条件が成立し易くなるように構成している。
このように構成することで、第2操作に基づいて専用楽曲が選択された場合に、今回の大当たり遊技が確変大当たりであることを報知した上で、ラウンド数の大きい確変大当たり遊技の可能性を高めることができるため、遊技者に有利な遊技が後に実行されることをいち早く察知したい遊技者に対して第2操作を行わせ易くすることができる。さらに、本第13制御例では、大当たり遊技のオープニング期間、即ち、ラウンド遊技が実行されていない状態において、楽曲を選択可能な楽曲選択期間を設定するように構成している。つまり、今回の大当たり遊技のラウンド数を遊技者が把握していない状態で楽曲を選択する操作(第1操作、第2操作)を遊技者に実行させるように構成している。このように構成することで、楽曲を選択する操作に基づいて今回の大当たりラウンド数を予測する楽しみを提供し易くすることができる。なお、本第13制御例では、ラウンド遊技が実行されていない大当たり遊技期間に、楽曲選択期間を設定するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技の実行状況によって今回の大当たり遊技のラウンド数を遊技者が把握できない大当たり遊技期間、例えば、何れの大当たり遊技が実行される場合であっても必ず実行されるラウンド遊技期間(本制御例では1ラウンド目から7ラウンド目のラウンド遊技期間)中に楽曲選択期間を設定するように構成しても良い。
<第13制御例における演出内容について>
次に、図539から図544を参照して、本第13制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第13制御例におけるパチンコ機10は、上述した第12制御例におけるパチンコ機10に対して、大当たり遊技中に実行される大当たり演出の内容と、通常状態において実行される変動演出の演出内容の一部と、を変更している点で相違しており、以下に上述した第12制御例におけるパチンコ機10と相違している演出内容について説明をする。まず、図539を参照して、大当たり演出の演出内容について説明をする。図539(a)は、大当たり遊技のオープニング期間中に実行される大当たり演出にて表示される表示画面(楽曲選択画面)の一例を示した図であり、図539(b)は、楽曲選択画面が表示されている状態で特定楽曲が選択された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。本第12制御例では、大当たり遊技中に遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制するために、大当たり遊技中に再生される楽曲の種別を遊技者が選択可能に構成している。具体的には、図539(a)に示した通り、主表示領域Dmの中央部には、大当たり遊技が開始されることを示すための「ラッキー大当たり!!」の文字が表示されている。ここで、本第13制御例におけるパチンコ機10では、上述した第12制御例と同様に特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別として、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される確変大当たりと、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される通常大当たり(時短大当たり)と、を設定可能に構成している。
そして、変動演出の演出結果として、第3図柄が奇数図柄揃いで停止表示された場合(例えば、「777」)は、今回当選した大当たりが確変大当たりであることを報知し、第3図柄が偶数図柄揃いで停止表示された場合(例えば、「666」)は、今回当選した大当たりが確変大当たりであるか通常大当たりであるかを遊技者が判別できないように構成している。そして、偶数図柄揃いで第3図柄が停止表示された場合には、大当たり演出によって今回の大当たり種別が遊技者に報知されるように構成している。つまり、第3図柄が奇数図柄「777」で停止表示された場合には、大当たり遊技が実行されるよりも前に確変大当たりに当選したことを遊技者に把握させることができ、遊技者に安心して大当たり遊技を行わせることができると共に、第3図柄が偶数図柄「666」で停止表示された場合には、今回の大当たりが確変大当たりであることを期待しながら大当たり演出に興味を持たせることができるように構成している。図539に示した図は、確変大当たりに当選した場合であって、第3図柄が偶数図柄揃い「666」で停止表示された場合におけるオープニング期間中の表示画面を示した図であるため、小表示領域Dm1には、大当たり当選を示す表示態様(「666」)で第3図柄が停止表示している。小表示領域Dm1の下方には、大当たり演出中に再生される楽曲を選択させるための表示領域として、選択ボタン600を模したアイコンが表示領域0Dm1に表示され、選択中楽曲gk1として「曲A」が表示され、第1選択候補楽曲gk2として「曲B」が、第2選択候補楽曲gk3として「曲C」が表示されている。また、副表示領域Dsには、現在が楽曲選択可能期間であることを案内するための案内表示態様として「楽曲を選択できるよ!!」の文字が表示されている。本第13制御例では、図539(a)に示した通り、大当たり遊技のオープニング期間を用いて、大当たり演出中に再生される楽曲の種別(曲A~曲C)を遊技者が選択可能に構成しており、楽曲選択画面が表示されている状態で、選択ボタン600のうち、上ボタン600b、又は下ボタン600dを操作することで、異なる楽曲を選択可能に構成している。
より具体的には、図539(a)に示した表示画面が表示されている状態で上ボタン600bを押下すると、選択中楽曲gk1、第1選択候補楽曲gk2、第2選択候補楽曲gk3に表示されている楽曲が下方向にシフトし、選択中楽曲gk1として「曲B」が、第1選択候補楽曲gk2として「曲C」が、第2選択候補楽曲gk3として「曲A」が表示される。また、図539(a)に示した表示画面が表示されている状態で下ボタン600dを押下すると、選択中楽曲gk1、第1選択候補楽曲gk2、第2選択候補楽曲gk3に表示されている楽曲が上方向にシフトし、選択中楽曲gk1として「曲C」が、第1選択候補楽曲gk2として「曲A」が、第2選択候補楽曲gk3として「曲B」が表示される。そして、楽曲選択期間が終了した時点で選択中楽曲gk1として表示されている楽曲が大当たり演出中に再生される楽曲として決定され、1ラウンド目のラウンド遊技開始時から再生される。なお、図539(a)に示した図では、楽曲を選択する際に遊技者に操作させる操作手段(選択ボタン600のうちの上ボタン600b、及び下ボタン600d)を遊技者に把握させ易くするために、他の操作手段よりも強調した表示態様(図では黒色で表示)で表示されている。このように構成することで、楽曲を選択しようとする遊技者に対して楽曲選択操作を容易に行わせることができる。また、本第13制御例では、楽曲選択操作に用いることが無い操作手段(選択ボタン600のうち左ボタン600a、右ボタン600c)も含めて表示領域0Dm1に表示している。このように構成することで、上ボタン600b、及び下ボタン600dのみを表示領域0Dm1に表示する場合よりも、対象となる操作手段(選択ボタン600)を視覚的に把握させ易くすることができる。
また、本第13制御例では、楽曲選択画面が表示されている状態において、表示領域0Dm1に表示されている操作手段(選択ボタン600)とは異なる操作手段(枠ボタン22)を操作する(隠れ操作を実行する)ことによっても、異なる楽曲(隠れ楽曲)を選択可能に構成している。具体的には、楽曲選択画面が表示されている状態で枠ボタン22を所定回数操作(押下)し、昇格条件が成立した場合に、専用楽曲を選択可能に構成している。ここで、図539(b)を参照して、楽曲選択画面が表示されている状態で隠れ操作を実行し、隠れ楽曲が選択された場合に表示される表示画面について説明をする。本第13制御例では、確変大当たりに当選し、第3図柄が偶数図柄揃い(例えば、「666」)で停止表示された場合において、大当たり遊技のオープニング期間中に枠ボタン22を操作(押下)することで昇格条件が成立した場合には、主表示領域Dmに、確変大当たりであることを祝福するための表示態様として「スーパーラッキー大当たり!!」の文字が表示され、副表示領域Dsに「確変昇格おめでとう」の文字が表示される。そして、選択済楽曲gk4として、選択ボタン600を操作した場合には選択されない専用楽曲「曲X」が表示される。この場合、1ラウンド目のラウンド遊技開始時から専用楽曲である「曲X」が再生されることになる。なお、上述した通り、楽曲選択期間中において隠れ操作を実行した場合には、昇格条件が成立しない限り異なる楽曲が選択されないように構成しているため、例えば、今回の大当たり当選が通常大当たり(時短大当たり)である場合には、オープニング期間中に何回枠ボタン22を操作しても昇格条件が成立することなく、大当たり演出中に再生される楽曲を変更することができなくなる。よって、大当たり遊技を実行する遊技者に対して、大当たり演出中の楽曲を選択させるか(選択ボタン600を操作させるか)、専用楽曲を再生させるか(枠ボタン22を操作させるか)を選ばせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本第13制御例では、隠れ操作を実行したことに基づいて専用楽曲「曲X」が選択された場合には、即座に楽曲選択期間が終了し、「曲X」が選択されている状態では選択ボタン600を操作しても楽曲を選択できないように構成している。このように構成することで、専用楽曲「曲X」が選択された場合には、大当たり演出中に必ず「曲X」が再生されることになるため、演出効果を高めることができる。なお、これに限ること無く、「曲X」が選択された状態であっても、選択ボタン600への操作(上ボタン600b、下ボタン600dへの操作)を有効に判別するように構成しても良く、「曲X」が表示されている状態で選択ボタン600を操作することによって、「曲A」~「曲C」を選択可能に構成しても良い。このように構成することで、遊技者は「曲X」が表示画面に表示されたことを目視することで今回の大当たりが確変大当たりであることを把握した上で、通常の楽曲(「曲A」~「曲C」)を大当たり演出中に再生させることで、周りの遊技者には確変大当たりであることを気付かせ難くすることができる。また、「曲X」が表示されている状態で選択ボタン600を操作することによって、「曲X」とは異なる専用楽曲「曲Y」、「曲Z」を選択可能に構成しても良い。なお、選択された楽曲は、音量調整画面で遊技者が設定した音量レベルに対応する音量で大当たり演出中に再生される。つまり、楽曲の再生は、複数の演出態様から1の演出態様を遊技者に決定させるための第1の演出において決定された演出態様を反映した演出である。次に、図540、及び図541を参照して、通常状態にて実行される背景変化演出の演出内容について説明をする。本第13制御例では、通常状態にて特別図柄変動が実行される場合に、背景変化演出の実行有無が抽選で決定され、背景変化演出の実行が決定された場合に、背景変化演出を実行するように構成している。この背景変化演出は、60秒の演出データで構成されており、時間経過に応じて4種類の背景(背面画像)へと切り替え可能に構成されている。
ここで、図540を参照して、背景変化演出中に表示される4種類の背景(背面画像)の内容について説明をする。図540は、背景変化演出中に表示される表示画面(背面画像)を示した図である。背景変化演出が実行されると、最初に図540(a)に示した「平地」が表示され、10秒経過すると、図540(b)に示した「森林」が表示され、20秒が経過すると、図540(c)に示した「天国」が表示され、20秒が経過すると、図540(d)に示した「宇宙」が表示されるように演出データが構成されている。そして、背景変化演出中に実行されている特別図柄変動が停止表示された場合には、その時点で表示されている種別の背景がセットされる時点まで演出データが巻き戻って再度背景変化演出が実行されるように構成している。加えて、特別図柄抽選の結果や、変動時間に応じて背景変化演出の終了タイミングが決定されるように構成しており、背景変化演出が最後まで実行された場合には、大当たり当選が報知されるように構成している。ここで、図541を参照して、背景変化演出中に実行される特別図柄変動と、背景変化演出の流れについて詳細に説明をする。図541は、背景変化演出中に実行される特別図柄変動と、背景変化演出の流れを示した図であって、図541(a)は、背景変化演出中に複数回の特別図柄変動が実行された後に、途中で背景変化演出が終了するパターンの一例を示した図であり、図541(b)は、背景変化演出が最後まで実行される場合のパターンの一例を示した図である。図541(a)に示した通り、20秒の特別図柄変動(1回目)の実行タイミングに合わせて背景変化演出が実行された場合には、その特別図柄変動期間中に、背景変化演出の演出データが20秒進行し、背景B(森林)が表示されている状態で1回目の特別図柄変動が停止表示される。そして、次に15秒の特別図柄変動(2回目)が実行される場合には、背景B(森林)の開始タイミング(背景変化演出が開始してから10秒が経過したタイミング)から背景変化演出が開始される。
この場合、2回目の特別図柄変動(15秒)が実行されている間に、背景B(森林)に対応する演出期間が経過しないため、3回目の特別図柄変動(30秒)も、背景B(森林)の開始タイミングから背景演出が開始される。この3回目の特別図柄変動(30秒)は、背景Bの演出期間(20秒)よりも長いため、3回目の特別図柄変動が開始されてから20秒が経過した時点で、背景変化演出として背景C(天国)が表示される。そして、3回目の背景変化演出が終了し、4回目の特別図柄変動(20秒)が実行される場合には、背景C(天国)の開始タイミングから背景演出が開始され、当該変動が外れ変動であることから、4回目の特別図柄変動が停止表示されるタイミングにて背景変化演出が終了する。なお、詳細は後述するが、本第13制御例では、背景変化演出の終了タイミングを決定する処理を、背景Cから特別図柄変動が開始される場合に実行するように構成しており、例えば、背景Cから開始される特別図柄変動が外れ変動であって、その変動時間が20秒以内である場合、即ち、背景Cの演出期間(20秒)以下である場合には、特別図柄変動の停止表示タイミングにて背景変化演出を終了させ、背景Cから開始される特別図柄変動が外れ変動であって、その変動時間が20秒よりも長い場合は、背景変化演出を終了させるための専用の終了演出を実行することで背景変化演出を終了させるように構成している。このように構成することで、外れ変動中に背景変化演出が背景Dに到達することを確実に防止している。さらに、60秒の演出データをそのまま用いて背景変化演出を終了させることが可能となるため、背景変化演出を実行するための処理負荷を軽減させることができる。
また、背景Cから開始される特別図柄変動が当たり変動である場合には、特別図柄変動の変動時間に関わらず、背景C(天国)の開始タイミングから残りの演出期間(30秒)の背景変化演出を実行し、背景D(宇宙)へと移行可能に構成している。そして、当たり変動の変動時間が、背景C(天国)の開始タイミングから残りの演出期間(30秒)よりも長い場合には、60秒の演出データが最後まで到達した時点の静止画像が当たり変動が停止表示されるまで継続して表示されるように構成している。さらに、60秒の演出データの最後に表示される静止画像には大当たり当選を祝福するための表示態様(大当たりおめでとう)が含まれている。よって、背景Cから開始される特別図柄変動が当たり変動である場合には、残りの演出データに基づく背景変化演出を実行するだけで、大当たり当選を示す背景変化演出を容易に実行することができる。一方、背景変化演出が実行される特別図柄変動が60秒の大当たり変動である場合には、図541(b)に示した通り、当該変動中に背景変化演出が最後まで実行され、大当たり当選であることが報知される。次に、図542、及び図543を参照して、本第13制御例にて実行されるフリーズ演出の演出内容について説明をする。図542(a)は、変動開始時にフリーズ演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図542(b)は、フリーズ時間が6秒のフリーズ演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。図542(a)に示した通り、フリーズ演出が実行されると、小表示領域Dm1には特別図柄変動中であることを示す表示態様(矢印)で第3図柄が変動表示しているにも関わらず、変動演出が実行されない揺動表示(図では波線で表示)が実行され、下方にはフリーズ演出中であることを示す「あれ固まってる」の文字と、表示領域Dm110にフリーズ期間を示す経過時間(図では1秒経過を示す「00:01」)が表示される。
このように構成することで、フリーズ演出中であることを遊技者に分かり易く把握させることができるため、変動演出が実行されない状態が発生してもパチンコ機10の故障では無いことを容易に理解させることができる。また、本第13制御例では、フリーズ演出の実行期間が長くなるほど、大当たり当選の期待度が高まるため、表示領域Dm110の表示内容を確認しながら、長い期間フリーズ演出が実行されることを期待させることができる。また、フリーズ演出期間が6秒のフリーズ演出が実行されると、図542(a)に示した通り、画面全体が暗転するフリーズ演出、即ち、第3図柄表示装置81に表示される表示制御自体がフリーズしたかのような演出が実行される。このように、フリーズ演出におけるフリーズ対象を異ならせた演出を実行可能に構成することで、遊技者によりインパクトのある演出を提供することができる。本第13制御例では、フリーズ演出における演出パターンとして、大当たり期待度を異ならせた7種類の演出パターンを実行可能に構成している。ここで、図543を参照して、本第13制御例にて実行されるフリーズ演出の演出パターンについて説明をする。図543は、フリーズ演出の態様(演出パターン)と、当たり期待度との関係を示した図である。図543に示した通り、本第13制御例におけるフリーズ演出は、フリーズ演出が実行される際に停止表示されている停止図柄の種別と、フリーズ時間(フリーズ演出の継続期間)に応じて大当たり期待度を異ならせた演出パターンが規定されている。
具体的には、大当たり当選を示す停止図柄が停止表示された状態で実行されるフリーズ演出、即ち、大当たり遊技が終了した直後に実行される変動演出にて実行されるフリーズ演出(演出パターン1)は当たり期待度「特大」、停止図柄の種別に関わらず、フリーズ時間が6秒のフリーズ演出(演出パターン2)は当たり期待度「特大」、7図柄を含む停止図柄パターンにて、実行される5秒のフリーズ演出(演出パターン3)は当たり期待度「大」、奇数図柄を4個以上含む停止図柄パターンにて、実行される5秒のフリーズ演出(演出パターン4)は当たり期待度「中」、7図柄を含む停止図柄パターンにて、実行される2秒のフリーズ演出(演出パターン5)は当たり期待度「中」、奇数図柄を4個以上含む停止図柄パターンにて、実行される2秒のフリーズ演出(演出パターン6)は当たり期待度「小」、それ以外の停止図柄パターンにて、実行される5秒のフリーズ演出(演出パターン7)は当たり期待度「小」、それ以外の停止図柄パターンにて、実行される2秒のフリーズ演出(演出パターン8)は当たり期待度「特小」となるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、フリーズ演出の演出期間だけでなく、フリーズ演出が実行される停止図柄パターンにも興味を持たせることができるため、例えば、フリーズ演出が実行されることで大当たり期待度が高める停止図柄パターン(7図柄ありの停止図柄パターン)が停止表示された次変動にてフリーズ演出が実行されることを期待しながら遊技を行わせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第13制御例における電気的構成について>
次に、図544から図547を参照して、本第13制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第13制御例におけるパチンコ機10は、上述した第12制御例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部と、RAM223の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外の構成は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。まず、図544を参照して、本第13制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するROM202のうち、特図1大当たり用テーブル202kd1の内容について説明をする。図544は、特図1大当たり用テーブル202kd1に規定されている内容を模式的に示した図である。特図1大当たり用テーブル202kd1は、上述した特図1大当たり用テーブル202jd1(図505(b)参照)に対して、大当たり種別を追加した点と、各大当たり種別の選択割合を変更した点で相違している。図544に示した通り、特図1大当たり用テーブル202kd1には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けて4種類の大当たり種別(大当たりA50、大当たりB50、大当たりC50、大当たりD51)が規定されている。具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0~29」の範囲に対して「大当たりA50」が、「30~49」の範囲に対して「大当たりB50」が、「50~89」の範囲に対して「大当たりC50」が、「90~99」の範囲に対して「大当たりD51」が、それぞれ規定されている。大当たり種別「大当たりA50」は、大当たりのラウンド数が10ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「10000」が、確変カウンタ203iの値に「10000」が設定される大当たり種別である。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA50」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は30個(0~29)であるので、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりA50」が決定される割合は30%(30/100)である。大当たり種別「大当たりB50」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「10000」が、確変カウンタ203iの値に「10000」が設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB50」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は20個(30~49)であるので、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりB50」が決定される割合は20%(20/100)である。大当たり種別「大当たりC50」は、大当たりのラウンド数が10ラウンドであり、時短大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203iの値に「0」が設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC50」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は40個(50~89)であるので、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりC50」が決定される割合は40%(40/100)である。大当たり種別「大当たりD51」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「10000」が、確変カウンタ203iの値に「10000」が設定される大当たり種別である。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD51」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は10個(90~99)であるので、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりD51」が決定される割合は10%(10/100)である。つまり、本第13制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、60%の割合で確変大当たり(大当たりA50、大当たりB50、大当たりD51)が実行(決定)され、40%の割合で時短大当たり(大当たりC50)が実行(決定)されるように構成している。さらに、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、70%の割合で10ラウンド遊技(大当たりA50、大当たりC50)が実行(決定)され、20%の割合で2ラウンド遊技(大当たりB50)が実行(決定)され、10%の割合で7ラウンド遊技(大当たりD51)が実行(決定)されるように構成している。次に、図545(a)を参照して、本第13制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図545(a)は、本第13制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を模式的に示した図である。図545(a)に示した通り、本第13制御例のパチンコ機10における本第13制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222は、上述した第12制御例のパチンコ機10におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に対して、加算時間用態様選択テーブル222jb(図510参照)に代えて加算時間用態様選択テーブル222kcを設けた点と、楽曲用データ種別格納エリア222ka、昇格抽選テーブル222kb、背景変化抽選テーブル222kdを新たに追加した点で相違している。
楽曲用データ種別格納エリア222kaは、パチンコ機10によって再生される各種楽曲に対応する識別情報が格納されている記憶領域である。この楽曲用データ種別格納エリア222kaに格納されている識別情報を読み出し、読み出した識別情報に対応する音声用コマンドを音声出力装置226へと出力することで、音声出力装置226に格納されている各楽曲データのうち、受信した音声コマンドに対応する楽曲データに基づいて音声が出力される。また、楽曲用データ種別格納エリア222kaから読み出された識別情報(楽曲情報)は、RAM223が有する楽曲情報格納エリア223kbに格納される。このように構成することで、現在選択されている楽曲に対応する識別情報を容易に読み出すことができる。本第13制御例におけるパチンコ機10では、遊技状況に応じて様々な楽曲を再生(出力)可能に構成されており、例えば、遊技者が遊技を行っていない状態(待機画面が表示されている状態)、通常状態が設定されている状態で特別図柄抽選が実行されている状態、確変状態が設定されている状態、第1時短状態が設定されている状態、第2時短状態が設定されている状態で異なる楽曲をBGMとして出力可能に構成している。また、変動演出として実行されている演出態様に応じて異なる種別の楽曲を出力(再生)可能に構成しており、再生される楽曲の種別に応じて、実行中の変動演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果(例えば、大当たり当選を示す演出結果)となる期待度を異ならせるように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている変動演出の演出態様だけで無く、出力される楽曲によっても大当たり当選の期待度を異ならせることができるため、演出効果を高めることができる。
なお、詳細な説明は省略するが、各種楽曲を決定する処理は、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様を決定する処理、例えば、状態コマンドを受信したことに基づいて状態コマンドに含まれる遊技状態に対応する背面画像を決定する処理(図524参照)や、実行される変動演出の演出態様を決定する処理(図552参照)において表示態様と同様に決定されるように構成している。このように、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様と同タイミングで再生される楽曲を決定可能に構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている表示内容と、再生されている楽曲とが相違してしまうことを抑制することができる。さらに、本第13制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に再生させる楽曲の種別を遊技者が選択可能に構成している。具体的には、大当たり遊技のオープニング期間中に選択ボタン600の上ボタン600b、或いは下ボタン600dを操作することで、再生される楽曲を選択可能に構成しており、大当たり遊技のオープニング期間中は、遊技者に対して再生される楽曲を選択することが可能であることを示すためのオープニング画面(図539(a)参照)が表示されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、大当たり遊技中に再生される楽曲を分かり易く選択させることができる。
また、本第13制御例におけるパチンコ機10では、オープニング画面(図539(a)参照)が表示されている状態で、遊技者に対して操作方法が案内されている第1操作手段(選択ボタン600の上ボタン600b、下ボタン600d)以外の第2操作手段(枠ボタン22)に対する操作も判別可能に構成しており、その第2操作手段に対して実行された操作に基づいて昇格条件が成立した場合に、大当たり遊技中に再生される楽曲として、第1操作手段による操作では選択することが出来ない楽曲が選択されるように構成している。つまり、遊技者に対して楽曲の選択方法が案内されている操作手段(第1操作手段)に対する操作と、遊技者に対して楽曲の選択方法が案内されていない操作手段(第2操作手段)に対する操作とで、大当たり遊技中に再生させる楽曲を決定(選択)可能に構成している。このように構成することで、様々な操作方法で各種操作手段を操作しようと遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができる。さらに、本第13制御例におけるパチンコ機10では、第1操作手段を操作することによって楽曲を選択する場合には選択することができない楽曲を、第2操作手段を操作することによって選択可能に構成しているため、大当たり遊技中に様々な楽曲を再生させようと遊技者に意欲的に各操作手段を操作させることができる。加えて、本第13制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される確変大当たりに当選し、且つ、大当たり当選を示すための変動演出として、偶数図柄(偶数の数字が付された第3図柄)が揃って停止表示された場合においてのみ、大当たり遊技のオープニング期間中に昇格条件が成立するように構成している。つまり、オープニング期間中に第2操作手段を操作したことに基づいて専用の楽曲が再生された場合には、今回当選した大当たりが確変大当たりであることとなる。このように構成することで、第2操作手段への操作に基づいて専用の楽曲が再生されることによる付加価値を遊技者に付与することができる。
また、本第13制御例では、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される確変大当たりに当選し、且つ、大当たり当選を示すための変動演出として、偶数図柄(偶数の数字が付された第3図柄)が揃って停止表示された場合であって、実行される大当たり遊技のラウンド数が多い程、第2操作手段への操作によって昇格条件が成立し易くなるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技のオープニング期間中に第2操作手段への操作に基づいて昇格条件が成立し専用の楽曲が再生された場合に、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることだけで無く、実行される大当たり遊技のラウンド数が多い可能性を高めることができる。大当たり遊技のオープニング期間中に実行される楽曲選択操作は、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される楽曲選択処理(図557のS5401J参照)によって判別され、判別された操作内容に応じた楽曲が楽曲用データ種別格納エリア222kaから読み出される(図557のS5454J参照)。そして、読み出された楽曲に対応する識別情報が楽曲情報格納エリア223kbに格納され、格納された識別情報に対応する表示態様で楽曲選択画面が表示される。そして、楽曲選択操作によって選択した楽曲が大当たり遊技中に再生される楽曲として決定された場合(オープニング期間が終了した場合)には、選択中の楽曲に対応する識別情報が現在の楽曲情報として楽曲情報格納エリア223kbに格納される(図557のS5467J)。昇格抽選テーブル222kbは、楽曲選択画面中に実行された枠ボタン22(第2操作手段)への操作に基づいて、専用楽曲(楽曲X)の再生させるための昇格条件が成立したかを判別する際に参照されるデータテーブルである。この昇格抽選テーブル222kbは、確変大当たりに当選し、且つ、大当たり当選を示すための変動演出として、偶数図柄(偶数の数字が付された第3図柄)が揃って停止表示された場合のオープニング期間中に枠ボタン22が操作されたことに基づいて参照される(図557のS5458J)。
ここで、図546(a)を参照して、昇格抽選テーブル222kbの詳細な内容について説明をする。図546(a)は、昇格抽選テーブル222kbに規定されている内容を模式的に示した図である。図546(a)に示した通り、昇格抽選テーブル222kbには、枠ボタン22の押下回数(枠ボタン押下カウンタ223kcの値)と、設定されている大当たり種別と、に対応させて異なる当選率(昇格条件の成立割合)が規定されている。そして、枠ボタン22の押下回数(枠ボタン押下カウンタ223kcの値)が、昇格抽選テーブル222kbに規定されている値となった場合に昇格抽選が実行される。具体的には、ボタン押下カウンタ223kcの値が「1」であって、大当たり種別「大当たりA」に対しては当選率「30%」が、大当たり種別「大当たりC」に対しては当選率「0%」が、大当たり種別「大当たりD」に対しては当選率「1%」が規定されている。なお、本昇格抽選テーブル222kbは、大当たり図柄として偶数図柄が停止表示された場合に実行される大当たり遊技のオープニング期間中に参照されるデータテーブルであるため、偶数図柄が停止表示されることが無い大当たり種別「大当たりB」に対しては当選率が規定されていない。さらに、本第13制御例では、確変大当たりに当選している場合にのみ昇格条件が成立し得るように構成しているため、時短大当たりに対応する大当たり種別「大当たりC」に対しては当選率「0%」が規定されている。このように、設定されている大当たり種別毎に異なる当選率を規定させておくことで、時短大当たりに対応する大当たり遊技のオープニング期間中に昇格条件が成立してしまうことを確実に防ぐことができる。
また、確変大当たりに対応する大当たり種別「大当たりA」、「大当たりD」に対しては、何れも昇格条件が成立し得る当選率が規定されており、「大当たりD」よりも「大当たりA」の方が、ボタン押下カウンタ223kcの値が「1」の場合、即ち、枠ボタン22を1回操作(押下)した場合に、昇格条件が成立され易くなるように構成している。ここで、「大当たりA」は、「大当たりD」に対して、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数(ラウンド数)が多い点で相違しており、「大当たりA」は10ラウンド、「大当たりD」は7ラウンドの大当たり遊技が実行される確変大当たりである。つまり、大当たり遊技のオープニング期間中における楽曲選択期間中に枠ボタン22を1回操作(押下)した場合には、大当たり種別として「大当たりA」が設定されている場合が最も昇格条件が成立し易くなるように構成している。このように構成することで、楽曲選択期間中における枠ボタン22への操作に対して即座に専用の楽曲が決定された場合には、オープニング期間終了後に実行されるラウンド遊技の数(ラウンド数)が、遊技者に最も有利なラウンド数(10ラウンド)であることを予測させ易くすることができる。次に、ボタン押下カウンタ223kcの値が「3」であって、大当たり種別「大当たりA」に対しては当選率「10%」が、大当たり種別「大当たりC」、及び「大当たりD」に対しては当選率「0%」が規定されている。なお、本昇格抽選テーブル222kbは、大当たり図柄として偶数図柄が停止表示された場合に実行される大当たり遊技のオープニング期間中に参照されるデータテーブルであるため、偶数図柄が停止表示されることが無い大当たり種別「大当たりB」に対しては当選率が規定されておらず、同様に確変大当たりに当選している場合にのみ昇格条件が成立し得るように構成しているため、時短大当たりに対応する大当たり種別「大当たりC」に対しては当選率「0%」が規定されている。
つまり、枠ボタン押下カウンタ223kcの値が「3」の場合、即ち、枠ボタン22を3回操作(押下)に実行される昇格抽選では、「大当たりA」が設定されている場合のみ、当選し得るように各当選率が規定されている。このように構成することで、枠ボタン22への操作回数が3回となった場合に専用楽曲(楽曲X)が再生された場合には、その時点で10ラウンドの確変大当たり遊技が実行されることが確定することになる。このように、専用楽曲が再生されるまで(昇格条件が成立するまで)に行った枠ボタン22への操作回数によって設定されている大当たり種別を特定可能に構成することで、遊技者に対して、枠ボタン22への操作回数を把握する楽しみを提供することができる。次いで、ボタン押下カウンタ223kcの値が「5」であって、大当たり種別「大当たりA」、「大当たりD」に対しては当選率「10%」が、大当たり種別「大当たりC」に対しては当選率「0%」が規定されている。なお、本昇格抽選テーブル222kbは、大当たり図柄として偶数図柄が停止表示された場合に実行される大当たり遊技のオープニング期間中に参照されるデータテーブルであるため、偶数図柄が停止表示されることが無い大当たり種別「大当たりB」に対しては当選率が規定されておらず、同様に確変大当たりに当選している場合にのみ昇格条件が成立し得るように構成しているため、時短大当たりに対応する大当たり種別「大当たりC」に対しては当選率「0%」が規定されている。
そして、ボタン押下カウンタ223kcの値が「10」であって、大当たり種別「大当たりA」に対しては当選率「80%」が、大当たり種別「大当たりC」に対しては当選率「0%」が、大当たり種別「大当たりD」に対しては当選率「50%」が規定されている。なお、本昇格抽選テーブル222kbは、大当たり図柄として偶数図柄が停止表示された場合に実行される大当たり遊技のオープニング期間中に参照されるデータテーブルであるため、偶数図柄が停止表示されることが無い大当たり種別「大当たりB」に対しては当選率が規定されておらず、同様に確変大当たりに当選している場合にのみ昇格条件が成立し得るように構成しているため、時短大当たりに対応する大当たり種別「大当たりC」に対しては当選率「0%」が規定されている。以上、説明をした通り、本第13制御例では、昇格条件が成立し得る大当たり遊技のオープニング期間、即ち、確変大当たりに当選したにも関わらず、偶数図柄の組合せ(例えば、「444」)によって大当たり当選が報知された後に実行される大当たり遊技のオープニング期間にて枠ボタン22を複数回押下することで複数回の昇格抽選を実行可能に構成しており、昇格抽選に当選した場合に、今回の大当たりが確変大当たりであることを報知するように構成している。このように構成することで、昇格抽選に当選するタイミング(枠ボタン22に対する押下回数)を異ならせることができるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができる。さらに、昇格条件が成立し得る複数の大当たり種別(「大当たりA」、「大当たりD」)に対して異なる当選率を規定しており、遊技者に有利な大当たり種別(「大当たりA」)が設定された場合の方が、遊技者に不利な大当たり種別(「大当たりD」)が設定された場合よりも、大きなラウンド数の大当たり遊技が実行され易くなるように構成している。このように、昇格条件の成立有無だけで無く、成立タイミングに応じて後に付与される特典の種類を特定する楽しみを提供することができる。
なお、本第13制御例では、枠ボタン押下カウンタ223kcの値が実行値(1,3,5,10)に到達した場合に昇格抽選を実行するように構成しているが、これに限ること無く、枠ボタン22が押下される毎に昇格抽選を実行するように構成しても良い。また、本第13制御例では、楽曲選択期間中における枠ボタン22に対する操作回数にのみ基づいて昇格抽選テーブル222kbに規定されている当選率に基づく昇格抽選を実行するように構成しているが、これに限ること無く、楽曲選択期間中における選択ボタン600への操作内容と、枠ボタン22への操作内容とを複合させた複合操作情報に基づいて、異なる当選率で昇格抽選を実行可能に構成しても良い。この場合、例えば、楽曲選択期間中における選択ボタン600への操作に応じて楽曲選択画面(図539(a)参照)に表示されている選択中の楽曲を切り替え可能に構成し、特定の楽曲(例えば、楽曲A)が選択されている状態(選択中領域gk1に楽曲Aが表示されている状態)で枠ボタン22を操作した場合の方が、特定の楽曲以外の楽曲(例えば、楽曲B)が選択されている状態(選択中領域gk1に楽曲Bが表示されている状態)で枠ボタン22を操作した場合よりも、昇格抽選の当選率が高くなるように構成すると良い。このように構成することで、楽曲選択期間中における選択ボタン600(第1操作手段)と、枠ボタン22(第2操作手段)との操作内容に応じて異なる当選率で昇格抽選を実行させることができるため、今回の大当たり内容(設定されている大当たり種別)を把握したい遊技者に対して、様々な操作手段を意欲的に操作させることができ、遊技への参加意欲を高めることができる。加算時間用態様選択テーブル222kcは、上述した第12制御例におけるパチンコ機10が有する加算時間用態様選択テーブル222jb(図510参照)と同様に、特別図柄変動の変動パターン決定時に加算時間が設定されたことを示す変動パターンコマンドを受信した場合に設定される変動演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、加算時間を含めた変動時間に対応する各種演出態様が規定されている。
この加算時間用態様選択テーブル222jbは、変動表示設定処理(図552のS4104J参照)中に実行される変動演出設定処理(図553のS5014J)において、今回の変動パターンコマンドに加算時間があると判別した場合に(図553のS5111H:Yes)、加算時間に対応した演出態様を決定するために参照される(図553のS5103J参照)。ここで、図547を参照して、加算時間用態様選択テーブル222kcの詳細な内容について説明をする。図547は、加算時間用態様選択テーブル222jbに規定されている内容を模式的に示した図である。図547に示した通り、加算時間用態様選択テーブル222jbには、決定された加算時間と、抽選結果(今回の特別図柄抽選の結果)と、停止図柄種別(前回実行された特別図柄抽選の結果を示す第3図柄の停止表示態様)と、取得した演出カウンタ223fの値と、に対応させて、異なる演出態様が規定されている。具体的には、加算時間が「2秒」で、抽選結果が「当たり(大当たり)」であって、停止図柄種別が「種別A」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値「0~99」の全範囲に対して演出態様として「フリーズ2秒」が規定されており、停止図柄種別が「種別B」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して演出態様として「フリーズ2秒」が、「50~99」の範囲に対して演出態様として「フリーズ0秒」がそれぞれ規定されており、停止図柄種別が「種別C」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~29」の範囲に対して演出態様として「フリーズ2秒」が、「30~99」の範囲に対して演出態様として「フリーズ0秒」がそれぞれ規定されており、停止図柄種別が「種別D」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して演出態様として「フリーズ0秒」が規定されている。
また、加算時間が「2秒」で、抽選結果が「外れ」であって、停止図柄種別が「種別A」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値「0~99」の全範囲に対して演出態様として「フリーズ0秒」が規定されており、停止図柄種別が「種別B」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~29」の範囲に対して演出態様として「フリーズ2秒」が、「30~99」の範囲に対して演出態様として「フリーズ0秒」がそれぞれ規定されており、停止図柄種別が「種別C」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して演出態様として「フリーズ2秒」が、「20~99」の範囲に対して演出態様として「フリーズ0秒」がそれぞれ規定されており、停止図柄種別が「種別D」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して演出態様として「フリーズ0秒」が規定されている。ここで、停止図柄種別について説明をする。本第13制御例におけるパチンコ機10は、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223に停止図柄情報格納エリア223kdを設けており、過去の停止図柄情報を一時的に記憶可能に構成している。つまり、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出結果として第3図柄表示装置81の表示面に表示される第3図柄の停止表示態様を記憶可能に構成している。そして、加算時間に対応して決定される演出態様の種別を決定する際に、停止図柄情報格納エリア223kdに格納されている停止図柄情報を参照するように構成している。演出態様の種別を決定する際に参照される停止図柄情報は、4つの種別情報に分類されて記憶されており、「種別A」は、大当たり当選に対応する停止表示態様(図柄揃い)を示す停止図柄情報が該当し、「種別B」は、数字の「7」が付された第3図柄が含まれる停止表示態様を示す停止図柄情報が該当し、「種別C」は、奇数の数字が付された第3図柄が4個以上停止表示されている停止表示態様を示す停止図柄情報が該当し、それ以外の停止表示態様を示す停止図柄情報が「種別D」に該当するように予め規定されている。
本第13制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10と同様に、特別図柄変動に対応して実行される第3図柄の変動演出が、前回の特別図柄変動の停止表示態様から実行されるように構成している。よって、停止図柄情報の種別情報として「種別A」が記憶されている状態は、大当たり当選を示す変動演出の演出結果(第3図柄の停止表示態様)が決定された場合に「種別A」の停止図柄種別が停止図柄情報格納エリア223kdに格納された状態となる。そして、大当たり遊技の終了後1回転目の特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定する際に「種別A」の停止図柄種別が読み出されることになる。つまり、停止図柄種別として「種別A」が読み出される状況は、大当たり遊技終了後1回転目の特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定する状況のみとなる。本第13制御例では、上述した第12制御例と同様に、変動演出としてフリーズ演出が実行された場合に、大当たり当選の期待度が高くなるように構成しており、上述した通り「種別A」が読み出される状況、即ち、大当たり遊技終了後1回転目の特別図柄変動が大当たり変動であり、且つ、特別図柄変動の変動パターンとして加算時間が設定されている場合には、必ずフリーズ演出が実行されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選で連続して大当たり当選した場合には、それ以外の場合よりもフリーズ演出を実行させ易くすることができるため、連続して大当たり当選したことによる特典を遊技者に付与し易くすることができる。また、本第13制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄変動が開始されるタイミング(変動演出が実行されるタイミング)でフリーズ演出が実行されるように構成しているため、変動演出が実行された直後にフリーズ演出の実行有無を遊技者に特定させることが可能に構成している。さらに、「種別A」が読み出された状態で、対応する特別図柄抽選の結果が外れである場合には、フリーズ演出が実行されないように構成している。つまり、大当たり遊技終了後1回転目の特別図柄変動が開始されるタイミングにおいてフリーズ演出が実行された場合に、その時点で大当たり当選したことを遊技者に把握させることが可能に構成している。
このように構成することで、フリーズ演出の有無によって、変動演出が終了するよりも前に変動演出の演出結果(特別図柄抽選の抽選結果)を遊技者に把握させることができるため、変動演出が実行されるタイミングから遊技者に興味を持たせることができる。なお、本第13制御例では、変動演出の開始タイミングにてフリーズ演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、変動演出が実行されている最中にフリーズ演出を実行させることができるように構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングでフリーズ演出が実行されるのかを遊技者に予測させ難くすることができるため、変動演出が実行されている演出期間の全期間に対して、遊技者に興味深く変動演出を見させることができ、演出効果を高めることができる。また、図547に示した通り、加算時間として同一の時間(2秒)が決定され、且つ、特別図柄抽選の結果が同一結果であったとしても、停止図柄種別によってフリーズ演出の実行のされ易さを異ならせており、抽選結果が「当たり」である場合には、「種別A」が最もフリーズ演出を実行させ易く、次いで、「種別B」、「種別C」、「種別D」の順でフリーズ演出が実行され難くなるように構成している。一方、抽選結果が「外れ」である場合には、「種別B」が最もフリーズ演出が実行され易く、次いで、「種別C」がフリーズ演出を実行させ易く、「種別A」、及び「種別D」においては、フリーズ演出が実行されないように構成している。つまり、本第13制御例では、変動開始時で表示されている第3図柄の停止表示態様の種別(停止図柄種別)に応じて、フリーズ演出が実行された場合における大当たり当選の期待度を異ならせるように構成している。このように構成することで、変動演出として実行される各種演出の種別だけで無く、変動開始時に表示されている第3図柄の停止表示態様についても遊技者に興味を持たせることができる。
次に、加算時間として「5秒」が決定された場合に対して規定されている加算時間用態様選択テーブル222kcの内容について説明をする。加算時間が「5秒」で、抽選結果が「当たり(大当たり)」であって、停止図柄種別が「種別A」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値「0~99」の全範囲に対して演出態様として「フリーズ5秒」が規定されており、停止図柄種別が「種別B」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~29」の範囲に対して演出態様として「フリーズ5秒」が、「30~69」の範囲に対して演出態様として「フリーズ2秒」が、「70~99」の範囲に対して演出態様として「フリーズ0秒」がそれぞれ規定されており、停止図柄種別が「種別C」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して演出態様として「フリーズ5秒」が、「20~39」の範囲に対して演出態様として「フリーズ2秒」が、「40~99」の範囲に対して演出態様として「フリーズ0秒」がそれぞれ規定されており、停止図柄種別が「種別D」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して演出態様として「フリーズ5秒」が、「50~99」の範囲に対して演出態様として「フリーズ0秒」がそれぞれ規定されている。
また、加算時間が「5秒」で、抽選結果が「外れ」であって、停止図柄種別が「種別A」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値「0~99」の全範囲に対して演出態様として「フリーズ0秒」が規定されており、停止図柄種別が「種別B」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~4」の範囲に対して演出態様として「フリーズ5秒」が、「5~29」の範囲に対して演出態様として「フリーズ2秒」が、「30~99」の範囲に対して演出態様として「フリーズ0秒」がそれぞれ規定されており、停止図柄種別が「種別C」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対して演出態様として「フリーズ5秒」が、「10~19」の範囲に対して演出態様として「フリーズ2秒」が、「20~99」の範囲に対して演出態様として「フリーズ0秒」がそれぞれ規定されており、停止図柄種別が「種別D」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~14」の範囲に対して演出態様として「フリーズ5秒」が、「15~99」の範囲に対して演出態様として「フリーズ0秒」がそれぞれ規定されている。さらに、加算時間が「6秒」である場合、即ち、抽選結果が「当たり」である場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して演出態様として「フリーズ6秒」が規定されている。以上、説明をした通り、本第13制御例におけるパチンコ機10は、加算時間に対応する演出態様として、フリーズ演出が実行される場合において、フリーズ演出の実行期間が長くなるほど、大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。このように構成することで、フリーズ演出が実行されたことに気付いた遊技者に対して、フリーズ演出が長時間継続することを期待させながら遊技を行わせることができるため、演出効果を高めることができる。
なお、詳細な説明は省略するが、本第13制御例では、設定された加算時間の長さを上限にフリーズ演出を実行可能に構成しており、フリーズ演出が選択されなかった場合、或いは、加算時間よりも短い期間のフリーズ演出が選択された場合は、加算時間の残余時間が、変動演出における各第3図柄が高速変動期間に吸収されるように構成している。このように構成することで、加算時間の有無や、フリーズ演出の有無に関わらず、第3図柄の高速変動期間が経過した後に実行される変動演出(例えば、リーチ演出)の演出態様を統一し易くすることができるため、変動演出を実行するための処理や、演出データ量を簡素化することができる。背景変化抽選テーブル222kdは、背景変化演出を実行するか否かを決定する際に参照されるデータテーブルであって、取得した演出カウンタ223fの値によって、背景変化演出を実行するか否かが決定される。この背景変化抽選テーブル222kbを用いた背景変化抽選は、変動演出設定処理(図554のS5014参照)において、通常状態と判別された場合(図554のS5107H:Yes)に実行される背景チェンジ演出決定処理(図554のS5151J参照)にて背景変化演出が実行されていない場合に実行される(図555のS5181J)。そして、背景変化抽選を参照して背景変化演出の実行が決定された場合には、背景変化中フラグ223kfがオンに設定される。ここで、背景変化抽選テーブル222kbの詳細な内容について、図546(b)を参照して説明をする。図546(b)は、背景変化抽選テーブル222kbに規定されている内容を模式的に示した図である。図546(b)に示した通り、背景変化抽選テーブル222kbには、取得した演出カウンタ223fの値に対応させて背景変化抽選の抽選結果が規定されており、具体的には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~2」の範囲に対しては、背景変化演出を「実行する」抽選結果が規定されており、「3~99」の範囲に対しては、背景変化演出を「実行しない」抽選結果が規定されている。
本第13制御例では、遊技状態として通常状態が設定されており、且つ、背景変化演出が実行されていない状態(背景変化中フラグ223kfがオフに設定されている状態)にて第3図柄の変動演出を決定する際に、毎回背景変化抽選を実行するように構成していることから、通常状態において実行される特別図柄抽選の約33回に1回の割合で背景変化演出が実行される。このように背景変化演出を実行可能に構成し、通常状態における変動演出の背景を切り替えるように構成することで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。次に、図545(b)を参照して、本第13制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図545(b)は、本第13制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。図545(b)に示した通り、本第13制御例におけるパチンコ機10のRAM223は、上述した第12制御例におけるパチンコ機10のRAM223(図508(b)参照)に対して、楽曲選択期間カウンタ223ka、楽曲情報格納エリア223kb、枠ボタン押下カウンタ223kc、停止図柄情報格納エリア223kd、背景情報格納エリア223ke、背景変化中フラグ223kfを追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。楽曲選択期間カウンタ223kaは、楽曲選択期間の残期間を計測するためのカウンタであって、大当たり遊技のオープニング期間が設定された場合に、楽曲選択期間の長さに対応する値がセットされる。その後、1ミリ秒単位で実行される楽曲選択処理(図557のS5401J参照)が実行される毎にセットされた値が1ずつ減算され、値が0となった場合に楽曲を選択可能な期間を終了させる処理が実行される。一方で、値が0では無い場合には、セットされている値に対応する残期間を示す態様で残期間ゲージが表示される。
楽曲情報格納エリア223kbは、楽曲選択期間中に選択された楽曲(選択中の楽曲)を示す楽曲情報を一時的に記憶するための記憶領域である。この楽曲情報格納エリア223kbに格納されている情報は、遊技者の選択操作内容に対応した選択画面を第3図柄表示装置81の表示面に表示させるための処理を実行する際に参照される(図557のS5453J)。また、音声ランプ制御装置113から音声出力装置226へと出力するための音声コマンドを設定する際に参照される。枠ボタン押下カウンタ223kcは、枠ボタン22を押下した回数を計測するためのカウンタであって、楽曲選択期間中に枠ボタン22を押下した場合に値が1加算される(図557のS5457J参照)。そして、加算後の値を参照して昇格抽選が実行され(図557のS5458J)、昇格抽選の実行が決定された場合に(図557のS5459:Yes)、値がクリアされる(図557のS5462参照)。また、楽曲選択期間カウンタ223kaの値が0になったと判別された場合(図557のS5465J:Yes)にも、値がクリアされる。停止図柄情報格納エリア223kdは、第3図柄表示装置81の表示面に表示された第3図柄の停止表示態様に関する情報を一時的に記憶しておくための記憶領域である。この停止図柄情報格納エリア223kdには、変動表示設定処理(図552のS4104J参照)において、設定された停止種別(停止図柄情報)が格納される(図552のS4901J参照)。そして、加算時間が設定されている変動パターンに対応する変動演出の演出態様を決定する際に格納されている停止図柄情報が読み出され(S5102J)、加算時間用態様選択テーブル222kdを参照して演出態様を選択する際に参照される。
本第13制御例におけるパチンコ機10では、第3図柄の停止表示態様を示す情報と、第3図柄の停止表示態様が属する停止図柄種別(種別A~種別D)を示す情報と、が停止図柄情報格納エリア223kdに格納されるように構成されているが、これに限ること無く、停止図柄種別を示す情報のみを停止図柄情報格納エリア223kdに格納するように構成しても良い。このように構成することで、停止図柄情報格納エリア223kdに格納される情報のデータ量を削減することができる。また、本第13制御例におけるパチンコ機10では、停止図柄種別として「種別A(大当たり当選を示す停止表示態様)」、「種別B(7図柄を含む停止表示態様)」、「種別C(奇数図柄が4個以上含む停止表示態様)」、「種別D(それ以外)」の4種類の停止図柄種別を区分けして格納するように構成し、格納された停止図柄種別に応じて、次に実行される特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定可能に構成しているが、停止図柄種別として、本第13制御例とは異なる停止図柄種別を設けても良く、例えば、「種別E(リーチ外れ(+1コマ)を示す停止表示態様)」、「種別F(リーチ外れ(-1コマ)を示す停止表示態様)」、「種別G(リーチ外れ(1コマ以上ズレ)を示す停止表示態様)」等を設けても良い。この場合、リーチ外れに対応する停止図柄種別(種別E~G)を設け、次に実行される変動演出の演出態様を決定する際に、リーチ外れに対応する停止図柄種別(種別E~G)が停止図柄情報格納エリア223kdに格納されている場合と、それ以外の停止図柄種別(種別A~D)が停止図柄情報格納エリア223kdに格納されている場合とで、決定される演出態様を異ならせる(選択割合を異ならせる)ように構成すると良い。このように構成することで、変動演出として実行されたリーチ演出の演出結果が外れであった場合の次に実行される変動演出を、リーチ演出以外の変動演出が実行された場合の次に実行される変動演出と異ならせ易くすることができるため、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまう状況、例えば、演出結果が外れとなるリーチ演出が連続して実行されてしまうことを抑制することが可能となる。
加えて、本第13制御例では、停止図柄情報格納エリア223kdに格納されている前回の変動演出における第3図柄の停止表示態様に関する情報を読み出して、次に実行される変動演出の演出態様を決定可能に構成しているが、これに限ること無く、過去に実行された2つ以上の変動演出にて表示された第3図柄の停止表示態様に応じて次に実行される変動演出の演出態様を決定可能に構成しても良く、例えば、変動演出の演出結果として、複数回連続して大当たり当選とは完全に異なる停止表示態様で第3図柄が停止表示されている場合には、次に実行される特別図柄抽選の結果が外れであったとしても、大当たり当選の期待度を高めた変動演出が実行され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して大当たり当選することに対して期待を持たせ易くすることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。背景情報格納エリア223keは、現在設定されている背景種別に関する背景情報を一時的に記憶するための記憶領域であって、背景変化演出が実行されたことに基づいて切り替わった背景種別に関する背景情報が記憶される。そして、背景情報格納エリア223keに格納されている背景情報を読み出して、次の変動演出に対応する背景情報が決定される。本第13制御例では、特別図柄変動の変動演出とは独立して背景変化演出を実行可能に構成しており、背景変化演出が実行された場合には、演出期間が60秒の背景移行演出が実行されるように構成している。変動演出の開始タイミングにて背景移行演出の実行が決定されると、今回の変動演出の演出期間(特別図柄変動の変動期間)が経過するまでの間、背景移行演出が実行される。
ここで、背景移行演出の演出データには、全部で4種類の背景種別が時間経過に伴って切り替わる演出態様が規定されており、背景変化演出が実行される特別図柄変動の時間が長いほど、多くの背景種別が切り替わる背景変化演出が実行されるように構成している。そして、変動演出の終了タイミング(特別図柄変動の停止表示タイミング)において表示されている背景種別が背景情報格納エリア223keに格納され、次の変動演出が開始されるタイミングでは、背景情報格納エリア223Keに格納されている背景情報が読み出され、読み出した背景情報に対応する背景種別へと切り替わった直後から背景変化演出が再開されるように構成している。より具体的には、図541を参照して上述した通り、背景変化演出の演出データには、演出が開始されてからの10秒間に背景A(草原)が、その後の20秒間に背景B(森)が、その後の20秒間に背景C(空)が、そして最後の10秒間に背景D(宇宙)が対応付けて規定されており、各背景種別の切り替わりタイミング(演出開始時、10秒経過時、30秒経過時、50秒経過時)が、背景変化演出の再開タイミングとなるように構成している。そして、背景Cから背景変化演出が再開されたことを契機に背景変化演出の複数規定されている終了条件のうち少なくとも一部が成立するように構成している。このように構成することで、例えば、背景変化演出が実行されてから、特別図柄変動の変動時間として短い変動時間(例えば、変動時間5秒)が連続して決定されている場合には、背景A(草原)が表示される背景変化演出が繰り返し実行されることになり、背景変化演出が実行される特別図柄変動が大当たり変動であって変動時間60秒が決定された場合には、1回の特別図柄変動期間中に背景Aから背景Dまで移行する背景変化演出が実行されることになる。よって、背景変化演出の進行度合いを実行される特別図柄変動の変動パターンに応じて異ならせることができ、演出効果を高めることができる。
加えて、本第13制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、大当たり当選していない場合よりも、背景変化演出によって背景種別が背景Dまで移行し易くなるように構成している。具体的には、背景変化演出が実行されている状態であって、新たな特別図柄変動が実行される場合において、設定されている変動パターン(変動時間)と、背景変化演出の再開位置とを判別し、背景Dに到達し得る状況であると判別した場合には、対象となる特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるかを判別し、大当たり当選であると判別した場合の方が、大当たり当選では無いと判別した場合よりも、背景変化演出を継続させ易くするように構成している。このように構成することで、複数の背景種別を切り替えることで遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制すると共に、特定の背景種別へと切り替わる背景変化演出が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができるため演出効果を高めることができる。さらに、本第13制御例では、予め規定されている60秒間の演出データを用いて背景変化演出を実行することから、実行中の変動演出に基づいて、今回の特別図柄変動の変動時間を把握することで、実行中の背景変化演出が何秒間実行されるのかを予測することが可能となる。つまり、背景変化演出と変動演出とが実行された場合に、実行されている変動演出の演出態様に基づいて、背景変化演出にて背景種別がどこまで切り替わるかを予測する楽しみを遊技者に提供することができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
背景変化中フラグ223kfは、背景変化演出が実行されている状態であることを示すためのフラグであって、背景変化演出が実行された場合にオンに設定される(図555のS5186J参照)。そして、変動演出の演出態様を決定する際に背景変化中フラグ223kfの設定状況が判別され(図554のS5151J参照)、オンに設定していると判別された場合(図554のS5151J:Yes)、即ち、背景変化演出の実行中に新たな特別図柄変動が開始された場合には、背景情報格納エリア223keに格納されている背景情報を読み出して今回の特別図柄変動に対応する背景変化演出の演出態様が決定される。そして、背景変化演出の終了が決定された場合にオフに設定される(図554のS5158J、図554のS5165J)。また、詳細な説明は省略するが、本第13制御例におけるパチンコ機10は、上述した第7制御例におけるパチンコ機10と同様に、遊技者が操作可能な操作手段として、枠ボタン22と、演出ボタン600とを有している。具体的には、パチンコ機10の正面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に遊技者が操作可能な枠ボタン22と、選択ボタン600(図示せず)とが設けられている。枠ボタン22は、第3図柄表示装置81等で実行される各種演出の演出態様を可変させるために遊技者に操作させることを主の目的として設けられたものであって、選択ボタン600は、パチンコ機10の遊技環境(例えば、音量や光量)を決定するために遊技者に操作させるものであって、上述した第7制御例における選択ボタン(図271参照)に示した通り、中ボタン600a、上ボタン600b、右ボタン600c、下ボタン600d、左ボタン600eが設けられている。そして、枠ボタン22に対する遊技者の操作内容を示す信号と同様に、選択ボタン600に対する遊技者の操作内容を示す信号も音声ランプ制御装置113が受信可能に構成されており、受信した信号の内容に基づいて演出態様を変更可能に構成している点も上述した第12制御例と相違している。なお、選択ボタン600の操作による光量調整の結果に応じたランプデータに基づいて制御される装飾用LEDや液晶ディスプレイのバックライトは、所定の制御データに基づいて可動制御される装飾用可動役物の別形態である。また、選択ボタン600が操作された場合に音量を調整する処理、及び光量を調整する制御は、音声出力装置226、及びランプ表示装置227の消費電力を可変させることが可能なため、昇降役物500に対して傾倒役物600を当接させることで昇降役物500に係る荷重を可変させる制御の別形態である。
なお、本第13制御例におけるパチンコ機10は、遊技者が操作可能な操作手段として、操作演出時に操作される枠ボタン22と、遊技環境を選択する際に操作される選択ボタン600と、を有している。即ち、使用用途を異ならせた複数の操作手段が設けられているが、これに限ること無く、遊技環境を選択する際に枠ボタン22を操作可能にしたり、操作演出として選択ボタン600を操作可能に構成したりしても良い。さらに、本第13制御例におけるパチンコ機10では、上述した第7制御例におけるパチンコ機10と同様に、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下したことを検知することで操作手段が操作されたことを判別可能なボタン構成を用いているが、遊技者による操作を検知可能な構成であればボタン構成以外の構成を用いても良く、例えば、遊技者が触れていることを検知可能な検知手段や、遊技者が押下以外の動作(例えば、引っ張り動作等)を行っていることを検知可能な検知手段を有する操作手段を用いても良い。また、遊技者が操作手段に直接触れるのでは無く、所定の空間領域(センサの検知範囲)に遊技者の体の一部(例えば、手など)が存在していることを検知可能な非接触型の操作検知手段(センサ等)を用いても良く、この場合、単に遊技者の体の一部(例えば、手など)を検知するのでは無く、所定の空間領域内において、遊技者の体の一部が所定の規則に従って移動していることを検知可能な操作検知手段を用いると良い。このように構成することで、例えば、遊技者がパチンコ機10の遊技を一時的に中断しようと離席する場合に、誤って、遊技者の体の一部(例えば、頭など)が操作検知手段の検知範囲内に侵入したとしても、それを契機に操作演出が実行されてしまうことを抑制することができる。また、本第13制御例におけるパチンコ機10は、遊技者が操作可能な操作手段として、枠ボタン22、及び選択ボタン600を設け、何れの操作手段に対する操作内容を示す情報(信号)も音声ランプ制御装置113へと出力するように構成し、音声ランプ制御装置113にて入力された各種信号に基づく演出を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、操作内容を示す情報(信号)が主制御装置110へと出力される操作手段を別途設けても良い。
<第13制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図548から図557を参照して、本第13制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理について説明をする。本第13制御例におけるパチンコ機10では、上述した第12制御例におけるパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理のうち、停止時演出設定処理(図528のS4203H参照)に代えて停止時演出設定処理(図548のS4203J参照)を、大当たり関連処理に代えて大当たり関連処理(図550のS4218J参照)を、変動表示設定処理(図530のS4104H)に代えて変動設定処理(図552のS4104J参照)を、枠ボタン入力監視・演出処理(図535のS4101H参照)に代えて枠ボタン入力監視・演出処理(図556のS4101J参照)を、実行する点で相違している。それ以外の制御処理は同一あり、その詳細な説明を省略する。まず、図548を参照して、停止時演出設定処理(S4203J)の処理内容について説明をする。図548は、停止時演出設定処理(S4203J)の処理内容を示したフローチャートである。この停止時演出設定処理(S4203J)は、変動演出が終了した(特別図柄が停止表示された)タイミングで実行される制御処理であって、主制御装置110から出力された特図確定コマンドを受信した場合に実行される処理である。この停止時演出設定処理(S4203J)では、上述した停止時演出設定処理(図528のS4203H参照)に対して、背景変化演出を終了させるための処理を実行する点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理無いように対しては、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、停止時演出設定処理(S4203J)が実行されると、上述した第12制御例における停止時演出設定処理(図528のS4203H参照)と同一のS4501H~S4508Hの処理を実行する。そして、S4508Hの処理において、変動時間が20秒の普通図柄変動が実行されていないと判別した場合(S4508H:No)、或いは、S4509Hの処理を実行した後に、背景変化中フラグ223kfがオンであるかを判別する(S4501J)。S4501Jの処理において、背景変化中フラグ223kfがオンに設定されていると判別した場合(S4501J:Yes)、即ち、背景変化演出の実行中に特別図柄変動が停止表示されたと判別した場合は、今回の特別図柄変動の停止タイミングで背景変化演出の終了条件が成立するかを判別するための背景変化演出終了処理を実行し(S4502J)、上述した第12制御例における停止時演出設定処理(図528のS4203H参照)と同一のS4509Hの処理を実行し、本処理を終了する。一方、S4501Jの処理において、背景変化中フラグ223kfがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合(S4501J:No)、即ち、現在が背景変化演出の実行中では無いと判別した場合は、S4502Jの処理を実行すること無く、S4509Hの処理へ移行し、その後、本処理を終了する。次に、図549を参照して、停止時演出設定処理(図548のS4203J参照)にて実行される背景変化演出終了処理(S4202J)の処理内容について説明をする。図549は、背景変化演出終了処理(S4202J)の処理内容を示したフローチャートである。この背景変化演出終了処理(S4202J)では、背景情報格納エリア223keに格納されている背景情報が示す背景種別と、次に実行される特別図柄変動の変動パターンとに基づいて、背景変化演出を継続するか否かを決定するための処理が実行される。
具体的には、背景変化演出終了処理(S4202J)が実行されると、まず、背景情報格納エリア223keに格納されている背景情報(背景種別)を読み出し(S5571J)、読み出した背景情報(背景種別)が「背景C」であるかを判別し(S5572J)、「背景C」であると判別した場合は(S5572J:Yes)、入賞情報格納エリア223bに格納されている次変動に対応する入賞情報を読み出す(S5573J)。そして、S5573Jの処理によって読み出された入賞情報に基づいて、次変動が当たり変動であるかを判別し(S5574J)、次変動が当たり変動であると判別した場合は(S5574J:Yes)、次変動の変動時間が30秒以上であるかを判別し(S5575J)、30秒未満であると判別した場合(S5575J:No)、即ち、次変動が30秒未満の当たり変動である場合には、背景チェンジ演出(背景変化演出)の終了を示す表示用コマンドを設定し(S5577J)、背景変化中フラグ223kfをオフに設定し(S5578J)、背景情報格納エリア223keに格納されている情報をクリアし(S5579J)、本処理を終了する。つまり、背景種別として「背景C」が設定されている状態では、背景変化演出を最後まで実行させる(大当たり当選の期待度が高い演出を実行させる)ためには30秒以上の演出期間を必要とするため、例え次変動が当たり変動であったとしても、変動時間が30秒未満の場合は、今回の特別図柄変動の停止タイミングで背景変化演出を終了させる処理が実行される。このように構成することで、背景変化演出が途中段階のまま当たり当選が報知されてしまい遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。また、背景変化演出が終了した次の変動においても大当たり当選し得るため、背景変化演出が終了したことに対して遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
図549に戻り説明を続ける。S5575Jの処理において、次変動の変動時間が30秒以上であると判別した場合は(S5575J:Yes)、S5580Jの処理へ移行する。ここで、S5575Jの処理を経由してS5580の処理へ移行した場合には、背景情報格納エリア223keには「背景C」の背景情報が格納されていることから、S5580:Noと判別され、そのまま本処理を終了する。つまり、次変動が30秒以上の当たり変動である場合には、背景チェンジ演出(背景変化演出)を継続させることで、次変動の変動期間中に背景変化演出を最後まで実行することが可能となり、背景変化演出の演出結果によって遊技者に大当たり当選を報知することができる。なお、例えば、次変動の変動時間が60秒である場合には、背景変化演出が最後まで実行された後の残時間(30秒間)は、大当たり当選を祝福するための特殊背景静止画像が継続して表示されるように構成している。このように構成することで、背景変化演出が終了してから特別図柄変動が停止表示されるまでの残期間に関わらず遊技者に違和感の無い演出を実行することができる。また、背景変化演出が最後まで実行されることとなる特別図柄変動の変動時間の長さに応じて、背景変化演出が最後まで実行されたタイミングにおける特別図柄変動の残期間が異なるため、例えば、変動演出において大当たり期待度が高いことを示す表示態様が表示されるよりも前に背景変化演出によって大当たり期待度が高いことが遊技者に報知されたり、変動演出において大当たり期待度が高いことが遊技者に報知された後に、背景変化演出によって大当たり期待度が高いことを重ねて報知したりすることが可能となる。よって、遊技者に対して、実行される変動演出と、背景変化演出との両方に興味を持たせることができ演出効果を高めることができる。
一方、S5574Jの処理において、次変動が当たり変動では無い(外れ変動である)と判別した場合は(S5574:No)、次に、次変動の変動時間が30秒以上であるかを判別し(S5576J)、30秒以上であると判別した場合(S5576J:Yes)、即ち、次変動が30秒以上の外れ変動である場合には、背景チェンジ演出(背景変化演出)の終了を示す表示用コマンドを設定し(S5577J)、背景変化中フラグ223kfをオフに設定し(S5578J)、背景情報格納エリア223keに格納されている情報をクリアし(S5579J)、本処理を終了する。このように構成することで、抽選結果が外れとなる特別図柄変動(外れ変動)の実行中に背景変化演出が最後まで実行されてしまうことを防止することができるため、背景変化演出が最後まで実行されることで大当たり当選の期待度を高めることができる。また、S5576Jの処理において、次変動の変動時間が30秒未満であると判別した場合は(S5576J:No)、背景チェンジ演出(背景変化演出)を継続させたとしても、次変動の特別図柄変動期間中に背景変化演出が最後まで実行されることが無いため、背景変化演出の終了条件を成立させること無く、そのまま本処理を終了する。このように構成することで、「背景C」に対応する背景情報が背景情報格納エリア223keに格納されている状態で、次変動が外れ変動である場合であっても、背景変化演出を次変動に継続させることが可能となるため、次変動が開始されたタイミングにて、背景変化演出が継続したことにより大当たり当選を期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
S5572Jの処理において、背景情報格納エリア223keに格納されている背景情報(背景種別)が「背景C」では無いと判別した場合は(S5572J:No)、次に、「背景D」が格納されているかを判別し(S5580J)、「背景D」が格納されていると判別した場合は(S5580J:Yes)、背景変化演出を終了させるために、背景チェンジ演出(背景変化演出)の終了を示す表示用コマンドを設定し(S5577J)、背景変化中フラグ223kfをオフに設定し(S5578J)、背景情報格納エリア223keに格納されている情報をクリアし(S5579J)、本処理を終了する。次に、図550を参照して、大当たり関連処理(S4218J)の処理内容について説明をする。図550は、大当たり関連処理(S4218J)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり関連処理(S4218J)では、上述した第7制御例におけるパチンコ機10にて実行される大当たり関連処理(図327のS3504参照)と同様に大当たり遊技中に実行される各種演出の演出態様を決定するための処理が実行される。大当たり関連処理(S4218J)が実行されると、まず、オープニングコマンドを受信したかを判別し(S5601J)、オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S5601J:Yes)、オープニング演出処理を実行し(S5602J)、S5612Jの処理へ移行する。なお、オープニング演出処理(S5602J)は、大当たり遊技のオープニング期間中に実行される演出として、楽曲を遊技者に選択させるための楽曲選択演出や、大当たり遊技が開始されたことを示すための案内演出の演出態様が決定される。なお、このオープニング演出処理(S5602J)の詳細な内容については、図551を参照して後述する。
S5601Jの処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S5601J:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S5603J)、受信したと判別した場合は(S5603J:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S5604J)、表示用ラウンド数コマンドを設定し(S5605J)、ラウンド数カウンタ223pの値を1加算し(S5606J)、ラウンド中演出処理を実行し(S5607J)、S5612Jの処理へ移行する。なお、S5607Jにて実行されるラウンド中演出処理(S5607J)は、上述した第7制御例における大当たり関連処理(図327のS3504参照)にて実行されるラウンド中演出処理(図328のS3609参照)と同様に大当たり遊技中に実行される各種演出の演出態様を決定するための処理が実行されるがその詳細な説明を省略する。一方、S5603Jの処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S5603J:No)、次いで、エンディングコマンドを受信したかを判別し(S5608J)、受信したと判別した場合は(S5608J:Yes)、保留連フラグ223oがオンに設定されているかを判別し(S5609J)、オンに設定されていないと判別した場合は(S5609J:No)、ラウンド数カウンタの値をクリアし(S56010J)、表示用エンディングコマンドを設定し(S5611J)、S5612Jの処理へ移行する。また、S5609Jの処理において保留連フラグ223oがオンに設定されていると判別した場合は(S5609J:Yes)、S5610Jの処理をスキップして、S5611Jの処理へ移行し、その後、S5612Jの処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図551を参照して、大当たり関連処理(図550のS4218J参照)にて実行されるオープニング演出処理(S5602J)の処理内容について説明をする。図551は、オープニング演出処理(S5602J)の処理内容を示したフローチャートである。このオープニング演出処理(S5602J)では、オープニング期間(OP期間)中に操作手段(選択ボタン600や枠ボタン22)への操作を有効に判別する操作有効期間を設定するための処理や、楽曲選択方法や楽曲選択状況を遊技者に案内するための表示態様を設定するための処理や、大当たり遊技が実行されたことを示すための案内表示態様を設定するための処理が実行される。オープニング演出処理(S5602J)が実行されると、まず、楽曲選択期間カウンタ223Kaの値に「50000」をセットする(S5651J)。この楽曲選択期間カウンタ223Kaにセットされた値は、1ミリ秒毎に実行されるメイン処理において減算されるように構成されており、S5651Jの処理においてセットされた値(50000)は、5秒間を計測するための値となる。この楽曲選択期間カウンタ223Kaの値が1以上である期間が、遊技者が行った操作手段(枠ボタン22、選択ボタン600)への操作(押下)が有効に判別される期間(操作有効期間)となる。S5651Jの処理を終えると、次に、枠ボタン押下カウンタ223kcの値を0にクリアし(S5652J)、楽曲情報格納エリア223kbに格納されている楽曲に対応する楽曲選択画面を示すための表示態様を決定し(S5653J)、選択期間(操作有効期間)の残時間を示すための表示態様を決定し(S5654J)、今回の大当たり遊技に対応するオープニング表示態様を決定し(S5655J)、決定した各種表示態様に対応する表示用オープニングコマンドを設定し(S5656J)、本処理を終了する。
次に、図552を参照して、変動表示設定処理(S4104J)の処理内容について説明をする。図552は、変動表示設定処理(S4104J)の処理内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4104J)は、上述した第12制御例における変動表示設定処理(図530のS4104H参照)に対して、停止種別選択フラグ223eがオンに設定されていると判別した場合(図552のS4909H:Yes)に実行される処理内容の一部を変更している点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。具体的には、変動表示設定処理(S4104J)が実行されると、まず、上述した第12制御例における変動表示設定処理(図530のS4104H参照)と同一のS4901H~S4911Hの処理を実行し、S4911Hの処理を実行した後に、設定した停止種別に対応する情報を停止図柄情報格納エリア223kdに格納し(S4901J)、本処理を終了する。つまり、本第13制御例におけるパチンコ機10では、第3図柄の変動表示態様として決定される停止表示態様に関する情報を一時的(少なくとも、次変動の変動演出を決定するまで)に記憶可能に構成している。このように構成することで、前回の第3図柄の停止表示態様の種別に応じて変動演出の演出態様を決定することが可能となる。
なお、本第13制御例では、上述した第12制御例とは異なり、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理において、停止表示される第3図柄の停止表示態様(停止図柄種別)を決定可能に構成しているが、これに限ること無く、上述した第12制御例と同様に、音声ランプ制御装置113側では、第3図柄の停止表示態様を決定すること無く、停止表示種別として、「図柄揃い」、「リーチ外れ」、「完全外れ(バラケ目)」程度の情報、即ち、実行される変動演出の演出態様に対応した停止表示態様を表示制御装置114側で決定可能な程度の図柄停止情報を決定するように構成し、音声ランプ制御装置113にて決定された図柄停止情報を含む表示用コマンドを表示制御装置114が受信することにより、詳細な第3図柄の停止表示態様を表示制御装置114側で決定可能に構成しても良い。この場合、音声ランプ制御装置113は、前回の停止表示態様を把握することが出来ないため、表示制御装置114が決定した第3図柄の停止表示態様を示すための情報コマンドを、音声ランプ制御装置113が受信可能に構成すれば良い。また、実際の第3図柄の停止表示態様では無く、音声ランプ制御装置113にて決定された図柄停止情報を停止図柄情報格納エリア223kdに格納されるように構成し、格納されている図柄停止情報に基づいて次変動の変動演出の演出態様を決定可能に構成すると良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113にて実行される第3図柄の停止表示態様を決定するための処理を簡素化することができ、且つ、前回の第3図柄の停止表示態様に関連させた変動演出を次変動で実行させるための処理の簡素化も図ることができる。
次に、図553を参照して、変動演出設定処理(S5014J)の処理内容について説明をする。図553は、変動演出設定処理(S5014J)の処理内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理(S5014J)は、上述した第12制御例における変動演出設定処理(図532のS5014H参照)に対して、遊技状態として通常状態が設定されている場合に、背景チェンジ演出決定処理(S5101J)を実行する点と、受信した変動パターンコマンドに加算時間を示す情報があると判別した場合(S5111H:Yes)に実行する処理の内容を異ならせている点で相違し、それ以外の処理内容は同一であるため、その説明を省略する。具体的には、変動演出設定処理(S5014J)が実行されると、まず、上述した第12制御例における変動演出設定処理(図532のS5014H参照)と同一のS5101H~S5107Hの処理を実行する。そして、S5107Hの処理において、通常状態であると判別した場合は(S5107H:Yes)、背景チェンジ演出決定処理を実行し(S5101J)、その後、上述した第12制御例における変動演出設定処理(図532のS5014H参照)と同一のS5108H~S5111Hの処理を実行する。そして、S5111の処理において、加算時間ありと判別した場合は(S5111H:Yes)、停止図柄情報格納エリア223kdに格納されている停止図柄情報、即ち、前回の変動演出の演出結果として第3図柄表示装置81の表示面に表示されている停止図柄に対応する情報を読み出し(S5012J)、加算時間用態様選択テーブル222kcを参照して演出態様(フリーズ演出の有無)を決定し(S5103J)、その後、上述した第12制御例における変動演出設定処理(図532のS5014H参照)と同一のS5113H~S5117Hの処理を実行し、本処理を終了する。また、S5111Hの処理において、加算時間なしと判別した場合は(S5111H:No)、S5102J、及びS5103Jの処理をスキップして、S5113の処理へ移行する。
以上、説明をした通り、加算時間を含む変動パターンコマンドを受信した場合には、今回の特別図柄変動に対応する特別図柄抽選結果と、変動パターンコマンドに含まれる加算時間と、前回の停止図柄種別と、に基づいてフリーズ演出の実行有無、及び、フリーズ期間の長さを決定することができるため、遊技者は、フリーズ演出が実行された直後に、フリーズしている表示態様、つまり、前回の特別図柄抽選の結果を示している第3図柄の停止表示態様の内容を把握することで、今回の特別図柄変動が大当たり変動であるか否かを予測することが可能となる。また、フリーズ演出の継続期間に基づいても今回の特別図柄変動が大当たり変動であるか否かを予測することが可能となり、さらに、フリーズしている表示態様と、フリーズ演出の継続期間と、を複合してより正確な大当たり当選の期待度を予測することが可能となる。よって、フリーズ演出の演出効果を高めることができる。次に、図554を参照して背景チェンジ演出決定処理(S5101J)の処理内容について説明をする。図554は、背景チェンジ演出決定処理(S5101J)の処理内容を示したフローチャートである。この背景チェンジ演出決定処理(S5101J)は、新たな特別図柄変動が開始されるタイミング(変動演出の演出態様を決定するタイミング)で実行されるものであり、今回実行される特別図柄変動に対応させて背景チェンジ演出(背景変化演出)を実行するか否かを決定したり、背景チェンジ演出(背景変化演出)を実行する場合における演出態様(背景チェンジ演出を開始させる演出データの位置)を決定したりするための処理が実行される。背景チェンジ演出決定処理(S5101J)が実行されると、まず、背景変化中フラグ223kfがオンに設定されているかを判別し(S5151J)、オンに設定されていると判別した場合は(S5151J:Yes)、現在が背景チェンジ演出(背景変化演出)の実行中であるため、背景変化演出の実行状況と、今回実行される特別図柄変動とに基づいて継続して実行される背景変化演出の演出態様が決定される。
具体的には、まず、背景情報格納エリア223keに格納されている背景情報(背景種別を示す情報)を読み出し(S5152J)、読み出した背景情報が「背景C」であるかを判別し(S5153J)、「背景C」であると判別した場合は(S5153J:Yes)、今回の特別図柄変動が当たり変動(大当たり変動)であるかを判別し(S5154)、当たり変動であると判別した場合は(S5154J)、背景Cの開始地点から背景チェンジ演出を開始させるための表示用コマンドを設定し(S5156J)、今回設定した背景チェンジ演出の移行先背景種別を背景情報格納エリア223keに格納し(S5168J)、本処理を終了する。つまり、前回の特別図柄変動中に「背景C」まで移行した背景変化演出(背景チェンジ演出)が実行された状態であって、今回の特別図柄変動が大当たり変動である場合には、今回の特別図柄変動において、「背景C」の開始地点(背景チェンジ演出に対応する演出データのうち、30秒が経過した地点)から背景チェンジ演出を実行させるための表示用コマンドが設定される。そして、今回の特別図柄変動が大当たり変動であることから、変動時間が20秒よりも長いため、「背景C」の開始地点から実行された背景チェンジ演出が「背景D」の演出領域まで進行することが確定するため、S5168Jの処理において、移行先背景種別として「背景D」を示す背景情報が格納される。このように、本第13制御例では、「背景C」の開始地点から「背景D」へと移行するまでに要する時間が、大当たり変動における最短の変動時間よりも短くなり易くなるように構成しているため、「背景C」まで進行している背景チェンジ演出が継続した状態で、新たな特別図柄変動が開始される場合において、新たに開始される特別図柄変動が大当たり変動である場合には、当該変動の変動時間を判別すること無く継続して背景チェンジ演出を実行させるだけで、大当たり変動中に「背景D」へと移行する背景チェンジ演出を確実に実行することができる。
なお、本制御例の構成に限ること無く、大当たり変動に対応して設定される変動時間の一部として、背景チェンジ演出が「背景C」から「背景D」へと移行するまでに要する時間(20秒)よりも短い変動時間を設定可能に構成しても良い。この場合、大当たり変動の開始と共に実行される背景チェンジ演出(「背景C」の開始地点から実行される背景チェンジ演出)が「背景D」へと移行するよりも前に大当たり変動が停止表示される演出を実行することが可能となる。よって、背景チェンジ演出が「背景D」まで移行することで大当たり期待度が高くなることを把握している遊技者に対して、意外性のある演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。一方、S5154Jの処理において、今回の特別図柄変動が当たり変動では無いと判別した場合は(S5154J:No)、次に、今回の特別図柄変動(外れ変動)の変動時間が20秒よりも長いかを判別する(S5155J)。つまり、S5155Jの処理では、背景チェンジ演出を継続させることで、外れ変動であるにも関わらず「背景D」まで移行する背景チェンジ演出が実行されてしまうか否かを判別するための処理が実行される。S5155Jの処理において、変動時間が20秒以下であると判別した場合は(S5155J:No)、背景チェンジ演出を継続したとしても「背景D」へと移行するまでに特別図柄変動が停止表示する場合であるため、背景Cの開始地点から背景チェンジ演出を開始させるための表示用コマンドを設定し(S5156J)、今回設定した背景チェンジ演出の移行先背景種別を背景情報格納エリア223keに格納し(S5168J)、本処理を終了する。なお、この場合、「背景C」の開始地点から実行された背景チェンジ演出が「背景C」のまま終了するため、S5168Jの処理では、移行先背景種別として「背景C」を示す情報が背景情報格納エリア223keに格納される。
S5155Jの処理において、今回の特別図柄変動(外れ変動)の変動時間が20秒よりも長いと判別した場合(S5155J:Yes)、即ち、今回の特別図柄変動に対応させて継続して背景チェンジ演出を実行してしまうと、特別図柄変動が停止表示するよりも前に時間経過によって「背景C」から「背景D」へと移行する背景チェンジ演出が実行されてしまう場合には、背景チェンジ演出の終了を示す表示用コマンドを設定し(S5157J)、背景変化中フラグ223kfをオフに設定し(S5178J)、背景情報格納エリア223keに格納されている情報(背景種別を示す情報)をクリアし(S5179J)、SW有効期間タイマ5168Jの処理を実行し、本処理を終了する。なお、S5157Jの処理によって設定される表示用コマンドが表示制御装置114へと出力されることにより、特別図柄変動の開始時には背景チェンジ演出が継続する場合と同一の演出態様で背景チェンジ演出が実行され、その後、特別図柄変動が停止表示するよりも前(具体的には、特別図柄変動が開始されてから3秒後)に、通常背景(背景A)へと移行する演出が実行される。なお、背景チェンジ演出を終了させるための演出態様はこれに限ること無く、例えば、次の背景種別へと移行する移行タイミング(「背景A」から「背景B」へと移行するタイミング、「背景B」から「背景C」へと移行するタイミング、「背景C」から「背景D」へと移行するタイミング)において、別の演出態様を設定可能に構成し、その移行タイミングに到達した時点で、次の背景種別へと移行できないことを示す演出態様(例えば、キャラクタが風に吹き飛ばされる演出態様)を設定するように構成しても良い。このように構成することで、時間経過に基づいて実行される背景チェンジ演出の演出データを効率良く採用しながら、遊技者に違和感のない演出を提供することができる。また、S5153Jの処理において、背景情報格納エリア223keに格納されている背景情報が「背景C」では無いと判別した場合は(S5153J:No)、次に、背景情報が「背景A」、又は「背景B」であるかを判別し(S5160J)、「背景A」、「背景B」ではないと判別した場合は(S5160J:No)、S5168Jの処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S5160Jの処理において、「背景A」、又は「背景B」であると判別した場合は(S5160J:Yes)、次に、今回の特別図柄変動が当たり変動(大当たり変動)であるかを判別し(S5161J)、当たり変動であると判別した場合は(S5161J:Yes)、対応する背景種別の開始地点から背景チェンジ演出を開始させるための表示用コマンドを設定し(S5103J)、S5168Jの処理を実行し、本処理を終了する。また、S5161Jの処理において、当たり変動では無いと判別した場合は(S5161J:No)、今回の特別図柄変動の変動時間が50秒よりも長いかを判別する(S5162J)。つまり、S5162Jの処理では、背景チェンジ演出を継続させることにより「背景A」が設定されている状態で実行される外れ変動(大当たり当選していない特別図柄変動)中に「背景D」まで移行する背景チェンジ演出が実行されてしまうか否かを判別する。S5162Jの処理において、変動時間が50秒以下であると判別した場合は(S5162J:No)、対応する背景種別の開始地点から背景チェンジ演出を開始させるための表示用コマンドを設定し(S5163J)、S5168Jの処理を実行し、本処理を終了する。また、S5162Jの処理において、変動時間が50秒よりも長いと判別した場合は(S5162J:Yes)、当該外れ変動中に背景チェンジ演出を終了させるために、背景チェンジ演出の終了を示す表示用コマンドを設定し(S5164J)、背景変化中フラグ223kfをオフに設定し(S5165J)、背景情報格納エリア223keに格納されている情報をクリアし(S5166J)、S5168の処理を実行し、本処理を終了する。
なお、本第13制御例では、S5162Jの処理を実行することにより「背景A」から開始される背景チェンジ演出が実行される場合には、外れ変動中に「背景D」へと移行する背景チェンジ演出が実行されることを防いでいるが、「背景B」から開始される背景チェンジ演出が実行される場合には、外れ変動中に「背景D」へと移行する背景チェンジ演出が実行される可能性があるように構成している。このように構成することで、背景チェンジ演出にて「背景D」へと移行した場合であっても、大当たり当選が確定しないようにすることができるため、背景チェンジ演出の演出結果を踏まえて、特別図柄変動の停止表示態様(変動演出の演出結果)により興味を持たせることができる。一方、S5151Jの処理において、背景変化中フラグ223kfがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S5151J:No)、現在が背景チェンジ演出を実行していない状態であるため、新たに背景チェンジ演出(背景変化演出)を実行させるか否かを決定するための背景変化演出抽選処理を実行し(S5167J)、その後、S5168Jの処理を実行し、本処理を終了する。ここで、背景チェンジ演出決定処理(図554のS5101J参照)にて実行される背景変化演出抽選処理(S5167J)の処理内容について、図555を参照して説明をする。図555は、背景変化演出抽選処理(S5167J)の処理内容を示したフローチャートである。図555に示した通り、この背景変化演出抽選処理(S5167J)では、新たな背景変化演出(背景チェンジ演出)を実行するか否かを決定するための処理が実行される。背景変化演出抽選処理(S5167J)が実行されると、まず、背景変化抽選テーブル222kbを参照して背景変化演出実行有無の抽選を実行する(S5181J)。そして、抽選の結果に基づいて背景変化演出を実行するかを判別し(S5182J)、実行しないと判別した場合は(S5182J:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S5182Jの処理において、背景変化演出を実行すると判別した場合は(S5182J:Yes)、今回の特別図柄変動が当たり変動であるかを判別し(S5183J)、当たり変動であると判別した場合は(S5183J:Yes)、対応する背景種別の開始地点(「背景A」)から背景チェンジ演出を開始させるための表示用コマンドを設定し(S5185J)、背景変化中フラグ223kfをオンに設定し(S5186J)、本処理を終了する。また、S5183Jの処理において、当たり変動では無いと判別した場合は(S5183J:No)、次に、今回の特別図柄変動が50秒よりも長いかを判別し(S5184J)、50秒以下であると判別した場合(S5184J:No)、即ち、今回の外れ変動の開始に合わせて背景チェンジ演出を実行したとしても、当該外れ変動中に「背景D」へと移行することが無いと判別した場合は、背景チェンジ演出を実行するために、上述したS5185J、及びS5186Jの処理を実行し、本処理を終了する。一方、S5184Jの処理において、今回の特別図柄変動が50秒よりも長いと判別した場合は(S5184J:Yes)、背景チェンジ演出を実行してしまうと、今回の外れ変動中に「背景D」まで移行してしまい背景チェンジ演出が実行されてしまい演出効果が低下してしまうことから、背景チェンジ演出を実行するためのS5185J、及びS5186Jの処理を実行すること無く本処理を終了する。次に、図556を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理(S4101J)の処理内容について説明をする。図556は、枠ボタン入力監視・演出処理(S4101J)の処理内容を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S4101J)は、上述した第12制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図535のS4101H参照)に対して、大当たり遊技のオープニング期間中に実行される楽曲選択に対応する各種操作手段(枠ボタン22、選択ボタン600)への操作に基づく処理(楽曲選択処理(S5401J))を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
枠ボタン入力監視・演出処理(S4101J)が実行されると、まず、楽曲選択処理(S5401J)を実行し、その後、上述した第12制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図535のS4101H参照)と同一のS5401H~S5409Hの処理を実行し、本処理を終了する。次に、図557を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理(図556のS4101J参照)にて実行される楽曲選択処理(S5401J)の処理内容について説明をする。図557は、楽曲選択処理(S5401J)の処理内容を示したフローチャートである。この楽曲選択処理(S5401J)では、大当たり遊技のオープニング期間中に設定される楽曲選択期間中における選択ボタン600(上ボタン600b、下ボタン600d)への操作内容、及び、枠ボタン22への操作内容を判別し、その判別結果に基づいた楽曲選択を実行する処理と、楽曲選択期間の期間管理を行う処理と、が実行される。具体的には、まず楽曲選択処理(S5401J)が実行されると、楽曲選択期間カウンタ223Kaの値が1以上であるか、即ち、現在が楽曲選択期間中であるかを判別し(S5451J)、楽曲選択期間カウンタ223kaの値が1以上では無い(0である)と判別した場合は(S5451J:No)、現在が楽曲選択期間では無いため、そのまま本処理を終了する。
一方で、S5451Jの処理において、楽曲選択期間カウンタ223kaの値が1以上であると判別した場合は(S5451J:Yes)、現在が楽曲選択期間中であるため、楽曲選択期間中に実行される各種処理を実行する。まず、選択ボタン600のうち、楽曲選択に用いられる上下ボタン(上ボタン600b、下ボタン600d)が押下されたかを判別し(S5452J)、押下されたと判別した場合は(S5452J:Yes)、楽曲情報格納エリア223kbから現在の楽曲情報を読み出し(S5453J)、読み出した楽曲情報に基づいて、楽曲用データ種別格納エリア222kaを参照してボタン押下後の楽曲を選択し(S5454J)、選択中楽曲を示す選択画面を示すための表示用コマンドを設定し(S5455J)、本処理を終了する。これにより、遊技者による選択ボタン600への操作に対応させた選択画面を第3図柄表示装置81の表示面に表示させることができる。ここで、S5454Jの処理について説明をする。上述した通り、楽曲用データ種別格納エリア222kaには、楽曲選択操作時に選択可能な複数の楽曲(楽曲A、楽曲B、楽曲C等)に対応する楽曲用データ種別が予め記憶されており、選択ボタン600を操作した場合に、現在選択されている楽曲情報に対応する楽曲用データ種別に対応させて選択ボタン600を操作後の楽曲用データ種別を選択可能に構成している。例えば、現在選択されている楽曲情報が「楽曲A」である状態で、上ボタン600bを操作した場合には、「楽曲B」に対応する楽曲用データ種別が選択され、下ボタン600dを操作した場合には、「楽曲C」に対応する楽曲用データ種別が選択されるように構成している。同様に、現在選択されている楽曲情報が「楽曲B」である状態で、上ボタン600bを操作した場合には、「楽曲C」に対応する楽曲用データ種別が選択され、下ボタン600dを操作した場合には、「楽曲A」に対応する楽曲用データ種別が選択されるように構成している。そして、現在選択されている楽曲情報が「楽曲C」である状態で、上ボタン600bを操作した場合には、「楽曲A」に対応する楽曲用データ種別が選択され、下ボタン600dを操作した場合には、「楽曲B」に対応する楽曲用データ種別が選択されるように構成している。
つまり、何れの楽曲情報が選択されている状態であっても、上ボタン600bを操作した場合と、下ボタン600dを操作した場合とに対応させて異なる楽曲用データ種別が選択されるように構成している。そして、楽曲選択期間中に選択ボタン600のうち一方の操作手段(例えば、上ボタン600b)を操作し続けた場合と、他方の操作手段(例えば、下ボタン600d)を操作し続けた場合とで、同一種類の楽曲を選択可能に構成している。また、図539(a)を示して上述した通り、楽曲選択期間が設定されている間は、第3図柄表示装置81の表示面にて現在選択中の楽曲を示すための表示態様(「曲A」)が選択中領域gk1に表示され、上ボタン600bを操作した場合に選択される楽曲を示すための表示態様(「曲B」)が選択候補領域gk2に表示され、下ボタン600dを操作した場合に選択される楽曲を示すための表示態様(「曲C」)が選択候補領域gk3に表示されるように構成している。このように構成することで、楽曲選択期間中における楽曲選択操作方法を遊技者に分かり易く案内することができる。なお、本第13制御例では、楽曲選択期間中に遊技者が選択ボタン600を操作することで選択可能な楽曲の種別を3種類としているが、これに限ること無く、4種類以上の楽曲を選択可能に構成しても良い。また、実行中の大当たり遊技の内容(大当たり種別)や、所定期間内に連続して実行された大当たり遊技の回数(連チャン回数)や、過去に選択された楽曲の履歴情報に基づいて、選択可能となる楽曲の種別を異ならせるように構成しても良い。この場合、例えば、連チャン回数が多くなるほど、選択可能な楽曲の種別数を増加させたり、特定の連チャン回数となった場合のみ選択可能な特殊楽曲を設けたりするように構成すると良い。このように構成することで、遊技者にとって有利な遊技結果(複数回の大当たり当選)となった場合に、通常とは異なる楽曲を選択可能となるため、遊技者に大当たり遊技とは異なる付加価値のある付加特典を提供することができる。また、選択された付加特典の楽曲が、大当たり遊技中に出力されることから、複数の特典を重複して遊技者に提供することができるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
一方で、連チャン回数が多くなるほど、選択可能な楽曲の種別数を減少させるように構成しても良く、例えば、連チャン中に既に選択済の楽曲を再度選択できないように構成し、連チャン回数が多くなるほど、選択可能な楽曲が徐々に少なくなるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して複数種類の楽曲を強制的に再生させることができるようになるため、演出効果を高めることができる。図557に戻り説明を続ける。S5452Jの処理において上下ボタンが押下されていないと判別した場合は(S5452J:No)、次に、枠ボタン22が押下されたかを判別する(S5456J)。ここで、本第13制御例では、大当たり遊技のオープニング期間中において、遊技者に対して楽曲を選択可能な楽曲選択期間を設定し、大当たり遊技中に再生させる楽曲の種別を切り替え可能に構成している。そして、大当たり遊技のオープニング期間中に、図539(a)に示した通り、楽曲選択を案内するための案内表示態様を表示するように構成している。そして、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている案内表示態様によって操作が案内される第1操作手段(上ボタン600b、下ボタン600d)とは別に、案内表示態様によって操作が案内されていない第2操作手段(枠ボタン22)を操作した場合にも、大当たり遊技中に再生される楽曲の種別を切り替え可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して、第1操作手段を操作させることによって分かり易く楽曲を選択させることができると共に、第2操作手段を操作した場合であっても、楽曲が切り替わるという意外性のある演出を提供することができる。さらに、本第13制御例では、楽曲選択期間中に第1操作手段を操作した場合と、第2操作手段を操作した場合とで、異なる楽曲を選択可能に構成している。よって、第2操作手段を操作した場合にも楽曲を切り替えることができることを把握している熟練の遊技者は、第1操作手段を操作した場合には選択できない(し難い)楽曲を大当たり遊技中に再生することができ、遊技者の満足感を高めることができる。
加えて、本第13制御例では、確変大当たりに当選している場合であって、大当たり当選を示した変動演出にて確変大当たりに当選したことが報知されていない状態、例えば、確変大当たりに当選したにも関わらず、大当たり当選を示す変動演出の演出結果が、時短大当たりに当選したか確変大当たりに当選したかを遊技者が把握困難な演出結果(第3図柄が偶数図柄揃いで停止表示される演出結果)である場合のみ、第2操作手段への操作に基づいて、楽曲を切り替え可能に構成している。つまり、大当たり遊技のオープニング期間中に第2操作手段を操作したことに基づいて大当たり遊技中に再生される楽曲が切り替わることで、今回の大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを遊技者に報知可能に構成している。このように構成することで、第1操作手段への操作に基づいて大当たり遊技中に再生される楽曲を切り替える場合には付与されることの無い特典を、第2操作手段への操作に基づいて遊技者に付与することができるため、遊技者に対して、オープニング期間中に第1操作手段を操作するか、第2操作手段を操作するかを選択させる楽しみを提供することができる。なお、本第13制御例におけるパチンコ機10では、図539(a)に示した通り、大当たり遊技のオープニング期間中において、第3図柄表示装置81の表示面にて第1操作手段(上ボタン600b、下ボタン600d)への操作を案内する案内表示態様を表示し、第2操作手段(枠ボタン22)への操作を案内する表示態様を表示しないように構成しているが、これに限ること無く、第2操作手段(枠ボタン22)への操作を案内する表示態様(第2案内表示態様)を表示可能に構成しても良い。この場合、例えば、副表示領域Dsの一部領域を用いて、「枠ボタン22を連打したら楽曲が切り替わることがあるかも!?」という案内表示態様と、「枠ボタン22を連打して楽曲が切り替わったらラッキー!!」という案内表示態様と、を表示するように構成すると良い。このように構成することで、第1操作手段を操作した場合には、楽曲を確実に切り替えることが可能であり、第2操作手段を操作した場合には、楽曲が切り替わらない場合があることを遊技者に分かり易く把握させることができる。
また、第2操作手段への操作に基づいて楽曲が切り替わった場合には、何らかの特典が付与されることを遊技者に把握させることができる。よって、遊技者に対して、オープニング期間中に第1操作手段を操作するか、第2操作手段を操作するかを選択させる楽しみをより提供することができる。図557に戻り説明を続ける。S5456Jの処理において、枠ボタン22が押下されたと判別した場合は(S5456J:Yes)、枠ボタン押下カウンタ223kcの値を1加算し(S5457J)、加算後の枠ボタン押下カウンタ223kcの値に基づいて昇格抽選テーブル222kbを参照して昇格抽選を実行する(S5458J)。そして、昇格楽曲の決定ありか(昇格抽選に当選したか)を判別し(S5459J)、決定あり(昇格抽選に当選した)と判別した場合は(S5459J:Yes)、昇格楽曲が決定されたことを示す表示用コマンドを設定し(S5460J)、現在の楽曲情報として昇格楽曲を楽曲情報格納エリアに格納し(S5461J)、楽曲選択期間カウンタ223kaの値を0にクリアし、枠ボタン押下カウンタ223kcの値を0にクリアし(S5462J)、選択画面を消去するための表示用コマンドを設定し(S5463J)、本処理を終了する。一方、S5459Jの処理において、昇格楽曲の決定が無い(昇格抽選に当選していない)と判別した場合は(S5459J:No)、昇格楽曲を決定すること無く、本処理を終了する。なお、S5459Jの処理において、昇格抽選に当選していない場合には、S5462Jの処理をスキップすることになるため、枠ボタン押下カウンタ223kcの値がクリアされることが無い。よって、楽曲選択期間中において昇格抽選に当選するまでは、枠ボタン22を押下する毎に枠ボタン押下カウンタ223kcの値が加算されていくことになる。
本第13制御例では、昇格抽選に用いられる昇格抽選テーブル222kb(図546(a)参照)に規定されている当選率が、枠ボタン押下カウンタ223kcの値が大きくなるほど高くなるように構成している。よって、枠ボタン22を押下することで大当たり遊技中に再生される楽曲の種別を切り替えようと試みる遊技者に対して、枠ボタン22の押下回数を増加させようと楽曲選択期間が経過するまで意欲的に枠ボタン22を押下させることができ、遊技者に遊技への参加意欲を高めることができる。また、S5456Jの処理において、枠ボタン22が押下されていないと判別した場合は(S5456J:No)、次に、楽曲選択期間カウンタ223kaの値を1減算し(S5464J)、減算後の楽曲選択期間カウンタ223kaの値が0であるかを判別し(S5465J)、0であると判別した場合は(S5465J:Yes)、楽曲選択期間が経過したタイミングであるため、楽曲選択期間の終了に基づく処理が実行される。具体的には、現在選択中の楽曲(第3図柄表示装置81の表示面に形成される選択中領域gk1に表示されている楽曲種別)を、選択楽曲として決定し(S5466J)、現在の楽曲情報として選択楽曲を楽曲情報格納エリア223kbに格納し(S5467J)、楽曲が決定されたことを示す表示用コマンドを設定し(S5468J)、選択画面を消去する表示用コマンドを設定し(S5469J)、本処理を終了する。また、S5465Jの処理において、減算後の楽曲選択期間カウンタ223kaの値が0では無い(1以上である)と判別した場合は(S5465J:No)、楽曲選択期間の残時間を示すための表示用コマンドを設定し(S5470J)、本処理を終了する。以上、説明をした通り、本第13制御例におけるパチンコ機10は、大当たり遊技中に再生される楽曲を選択可能な期間において、遊技者の操作手段(枠ボタン22)への操作に基づいて昇格条件が成立した場合にのみ、今回実行される大当たり遊技が終了した後に設定される遊技状態を報知可能な専用楽曲が選択されるように構成している。
このように構成することで、大当たり遊技中に所望の楽曲を再生したい遊技者に加え、今後の遊技内容をいち早く察知したい遊技者に対しても、楽曲を選択させる操作を行わせ易くすることができるため、遊技者の楽曲を選択する意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、本第13制御例では、第1操作(第1操作手段である選択ボタン600への操作)を実行することにより常時選択可能な楽曲の中から任意の楽曲を選択可能に構成し、第1操作とは異なる第2操作(第2操作手段である枠ボタン22への操作)を実行することにより専用楽曲を選択可能に構成している。そして、第2操作を実行した場合には、昇格条件が成立しない限り、専用楽曲が選択されないように構成している。つまり、第2操作を実行したとしても専用楽曲を選択することができないように構成している。このように構成することで、常時選択可能な楽曲の中から任意の楽曲を選択したい遊技者は第1操作を実行し、専用楽曲が選択されることを期待する遊技者は第2操作を実行することになるため、常時選択可能な楽曲の中から任意の楽曲を選択したい遊技者に対して、楽曲が選択できない状況が発生してしまうことを抑制することができる。なお、本第13制御例の構成に限ること無く、楽曲を選択する操作として第1操作のみを実行可能に構成し、第1操作に基づいて昇格条件が成立した場合に、専用楽曲を第1操作によって選択できるように構成しても良く、例えば、図539(a)に示した楽曲選択画面が表示されている状態で、選択ボタン600を操作し、選択楽曲を上方向または下方向に3周回させた場合に昇格条件が成立し、楽曲B(曲B)に対応するアイコンと、楽曲C(曲C)に対応するアイコンとの間に専用楽曲(曲X)に対応するアイコンを割り込ませて表示し、選択ボタン600への操作によって専用楽曲を選択可能に構成しても良い。
このように構成することで、専用楽曲(曲X)に対応するアイコンを表示させた時点で、昇格条件が成立したことを遊技者に報知した上で、遊技者に対して任意の楽曲(楽曲A、楽曲B、楽曲C、楽曲X)を選択させることが可能となる。つまり、本第13制御例における任意の楽曲を選択する操作と、後に実行される遊技内容を報知可能な楽曲を選択する操作と、を重複して遊技者に行わせることができ、遊技者に対して、楽曲を選択させる楽しみを提供することができる。加えて、本第13制御例では、昇格条件が成立し得る状況において第2操作を実行した場合に、実行される大当たり遊技のラウンド数に応じて昇格条件の成立のし易さを異ならせている。つまり、本第13制御例では、確変大当たり遊技として、10ラウンドの確変大当たり遊技(大当たりA)と、7ラウンドの確変大当たり遊技(大当たりD)を実行可能に構成しており、大当たり遊技のラウンド数が大きい大当たりAの方が、昇格条件が成立し得る状況において第2操作を実行した場合に、昇格条件が成立し易くなるように構成している。このように構成することで、第2操作に基づいて専用楽曲が選択された場合に、今回の大当たり遊技が確変大当たりであることを報知した上で、ラウンド数の大きい確変大当たり遊技の可能性を高めることができるため、遊技者に有利な遊技が後に実行されることをいち早く察知したい遊技者に対して第2操作を行わせ易くすることができる。なお、本第13制御例では、第2操作を実行することにより、昇格条件が成立した場合にのみ専用楽曲を選択可能に構成しているが、これに加えて、昇格条件が成立し得ない状況、即ち、今回の大当たり遊技が通常大当たり遊技(時短大当たり遊技)中に第2操作を実行することで、確定条件が成立した場合に、今回の大当たり遊技が通常大当たり遊技(時短大当たり遊技)であることを報知するための第2専用楽曲(楽曲Y)を選択可能に構成しても良い。このように構成することで、今回の大当たり遊技が遊技者に有利な遊技では無いことを遊技者にいち早く把握させることができるため、遊技者が過度に期待を持ちながら遊技を行ってしまい、実際に実行される遊技内容によって遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第13制御例では、大当たり遊技のオープニング期間、即ち、ラウンド遊技が実行されていない状態において、楽曲を選択可能な楽曲選択期間を設定するように構成している。つまり、今回の大当たり遊技のラウンド数を遊技者が把握していない状態で楽曲を選択する操作(第1操作、第2操作)を遊技者に実行させるように構成している。このように構成することで、楽曲を選択する操作に基づいて今回の大当たりラウンド数を予測する楽しみを提供し易くすることができる。なお、本第13制御例では、ラウンド遊技が実行されていない大当たり遊技期間に、楽曲選択期間を設定するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技の実行状況によって今回の大当たり遊技のラウンド数を遊技者が把握できない大当たり遊技期間、例えば、何れの大当たり遊技が実行される場合であっても必ず実行されるラウンド遊技期間(本制御例では1ラウンド目から7ラウンド目のラウンド遊技期間)中に楽曲選択期間を設定するように構成しても良い。また、本第13制御例では、大当たり遊技中に再生される楽曲を選択可能に構成しているが、複数の楽曲の中から1の楽曲を選択可能な構成として、特定の遊技状態(例えば、確変状態)中に再生される楽曲を選択可能な構成に対して、上述した技術思想を提供しても良い。以上説明をした通り、本第13制御例では、上述した第12制御例と同様に、変動演出としてフリーズ演出が実行された場合に、大当たり当選の期待度が高くなるように構成しており、大当たり遊技終了後1回転目の特別図柄変動が大当たり変動であり、且つ、特別図柄変動の変動パターンとして加算時間が設定されている場合には、必ずフリーズ演出が実行されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選で連続して大当たり当選した場合には、それ以外の場合よりもフリーズ演出を実行させ易くすることができるため、連続して大当たり当選したことによる特典を遊技者に付与し易くすることができる。
また、本第13制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄変動が開始されるタイミング(変動演出が実行されるタイミング)でフリーズ演出が実行されるように構成しているため、変動演出が実行された直後にフリーズ演出の実行有無を遊技者に特定させることが可能に構成している。さらに、「種別A」が読み出された状態で、対応する特別図柄抽選の結果が外れである場合には、フリーズ演出が実行されないように構成している。つまり、大当たり遊技終了後1回転目の特別図柄変動が開始されるタイミングにおいてフリーズ演出が実行された場合に、その時点で大当たり当選したことを遊技者に把握させることが可能に構成している。このように構成することで、フリーズ演出の有無によって、変動演出が終了するよりも前に変動演出の演出結果(特別図柄抽選の抽選結果)を遊技者に把握させることができるため、変動演出が実行されるタイミングから遊技者に興味を持たせることができる。なお、本第13制御例では、変動演出の開始タイミングにてフリーズ演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、変動演出が実行されている最中にフリーズ演出を実行させることができるように構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングでフリーズ演出が実行されるのかを遊技者に予測させ難くすることができるため、変動演出が実行されている演出期間の全期間に対して、遊技者に興味深く変動演出を見させることができ、演出効果を高めることができる。また、図547に示した通り、加算時間として同一の時間(2秒)が決定され、且つ、特別図柄抽選の結果が同一結果であったとしても、停止図柄種別によってフリーズ演出の実行のされ易さを異ならせており、抽選結果が「当たり」である場合には、「種別A」が最もフリーズ演出を実行させ易く、次いで、「種別B」、「種別C」、「種別D」の順でフリーズ演出が実行され難くなるように構成している。一方、抽選結果が「外れ」である場合には、「種別B」が最もフリーズ演出が実行され易く、次いで、「種別C」がフリーズ演出を実行させ易く、「種別A」、及び「種別D」においては、フリーズ演出が実行されないように構成している。
つまり、本第13制御例では、変動開始時で表示されている第3図柄の停止表示態様の種別(停止図柄種別)に応じて、フリーズ演出が実行された場合における大当たり当選の期待度を異ならせるように構成している。このように構成することで、変動演出として実行される各種演出の種別だけで無く、変動開始時に表示されている第3図柄の停止表示態様についても遊技者に興味を持たせることができる。以上、説明をした通り、本第13制御例におけるパチンコ機10では、加算時間に対応する演出態様として、フリーズ演出が実行される場合において、フリーズ演出の実行期間が長くなるほど、大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。このように構成することで、フリーズ演出が実行されたことに気付いた遊技者に対して、フリーズ演出が長時間継続することを期待させながら遊技を行わせることができるため、演出効果を高めることができる。また、本第13制御例では、設定された加算時間の長さを上限にフリーズ演出を実行可能に構成しており、フリーズ演出が選択されなかった場合、或いは、加算時間よりも短い期間のフリーズ演出が選択された場合は、加算時間の残余時間が、変動演出における各第3図柄が高速変動期間に吸収されるように構成している。このように構成することで、加算時間の有無や、フリーズ演出の有無に関わらず、第3図柄の高速変動期間が経過した後に実行される変動演出(例えば、リーチ演出)の演出態様を統一し易くすることができるため、変動演出を実行するための処理や、演出データ量を簡素化することができる。
なお、本第13制御例におけるパチンコ機10では、変動演出の開始タイミングにおいて、フリーズ演出を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、変動演出が実行されてから所定期間が経過した時点でフリーズ演出を実行するように構成しても良く、この場合、フリーズ演出にて表示画面上に仮停止表示させる第3図柄の表示態様を、前回の特別図柄抽選の結果を示す停止表示態様では無く、専用のフリーズ時停止表示態様として決定可能に構成すれば良い。このように構成した場合であっても、本第13制御例に記載の技術思想を適用し、仮停止されたフリーズ時停止表示態様の種別に応じて大当たり当選の期待度を異ならせれば良い。加えて、変動演出中にフリーズ演出を実行する場合には、第3図柄が高速変動している高速変動期間中にフリーズ演出を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、加算時間の残余時間を高速変動期間中に吸収させたとしても遊技者に違和感を与えること無く、且つ、遊技者が変動表示されている第3図柄を識別困難な高速変動中にフリーズ時停止表示態様を表示することができるため、急に表示画面にフリーズ時停止表示態様を表示させたとしても遊技者に違和感を与えることが無い。また、変動演出によって第3図柄が停止表示された後にフリーズ演出を実行可能に構成しても良い。つまり、変動演出として第3図柄が停止表示されたにも関わらず、フリーズ演出が実行されることにより、次の変動演出が開始されない演出を実行することで遊技者に違和感を与えるように構成しても良い。この場合、フリーズ演出が実行されるよりも前に、加算時間のうち、フリーズ演出に用いられる期間を差し引いた残余時間が既に高速変動期間に付加された後となるため、高速変動の変動時間を正確に把握した遊技者は、第3図柄が停止表示された後にフリーズ演出が実行されるか否かを予測することが可能となる。また、この場合、大当たり当選となるフリーズ演出の終了タイミングでは、第3図柄を変動表示させること無く、今回の特別図柄抽選の結果を示す第3図柄の停止表示態様を表示させるように構成し、外れであるフリーズ演出の終了タイミングでは、そのまま第3図柄を停止表示させた状態で、次の変動演出を開始させるように構成すれば良い。
以上、説明をした通り、本第13制御例では、特別図柄抽選の結果に関わらず、所定期間(60秒)の演出データを有する背景チェンジ演出を実行するように構成しており、特別図柄変動の開始されるタイミングにて背景チェンジ演出を開始するように構成している。そして、背景チェンジ演出の演出データには、背景種別を切り替えるタイミングを示す情報が含まれており、背景チェンジ演出中に実行された特別図柄変動が停止したタイミングにおいて、背景チェンジ演出の進行度合いを判別し、次の特別図柄変動が開始された場合には、現在実行している背景チェンジ演出の背景種別の開始タイミングから背景チェンジ演出が再開するように構成している。このように構成することで、60秒の演出データを有する背景チェンジ演出を、複数回の特別図柄変動に跨がって実行させることができるため、演出効果を高めることができる。さらに、背景チェンジ演出が演出データの最後まで実行された場合には、大当たり当選を示す演出結果となるように構成し、特別図柄変動の実行中に背景チェンジ演出が演出データの最後まで実行され得る場合において、その特別図柄変動が大当たり変動である場合には、そのまま背景チェンジ演出を実行し、外れ変動である場合には、背景チェンジ演出を終了させるための演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果に関わらず実行された背景チェンジ演出に対して、特別図柄抽選の大当たり当選を報知する効果を持たせることができるため、演出効果を高めることができる。加えて、60秒の大当たり変動が実行される場合に、背景チェンジ演出を実行可能に構成している。つまり、1回の特別図柄変動の変動時間を用いて、背景チェンジ演出を最後まで実行可能に構成している。このように構成することで、背景チェンジ演出の進行度合いと、変動演出の進行度合いと、を比較しながら、今回の特別図柄変動期間中に背景チェンジ演出が最後まで実行されるか否かを予測する楽しみを提供することができる。
なお、本第13制御例では、特別図柄変動の変動時間として60秒(+加算時間)が最長の変動時間となるように構成しているが、これに限ること無く、60秒よりも長い(例えば、90秒)の変動時間を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、変動演出の演出結果が表示されるまでの期間が十分に残っている状態で、背景チェンジ演出の演出結果によって大当たり当選の有無を遊技者に把握させることができるため、遊技者に対して背景チェンジ演出に興味を持たせ易くすることができる。また、上述した通り、複数の特別図柄変動に跨がって背景チェンジ演出が実行される場合には、背景種別が切り替わった地点から再度背景チェンジ演出が実行されるように構成していることから、特別図柄変動の開始タイミングにて表示される背景種別に応じて、背景チェンジ演出を最後まで実行するために要する期間の長さを異ならせることができる。よって、変動時間が60秒未満の大当たり変動が実行された場合であっても、その大当たり変動期間中に背景チェンジ演出を最後まで実行させることが可能となるため、背景チェンジ演出を最後まで実行させる頻度を高めることができる。なお、本第13制御例における大当たり遊技は、右打ちを行うことで多量の賞球を得られる一方で、発射を停止した場合は賞球を得ることなく終了されるため、第13制御例における大当たり遊技は、保留の状況によらず球の打ち出しを停止するよりも打ち出した方が有利になる遊技状態の別形態である。また、本第13制御例では、大当たり中であってもオープニング期間が経過するまでは賞球を得られる状態とならないため、球を打ち出したとしても賞球を獲得可能な制御が実行されない状態と球を打ち出し続けることで賞球を獲得可能な制御が実行される状態とが形成され得る遊技状態の別形態でもある。
<第14制御例>
次に、図558から図580を参照して、第14制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第14制御例におけるパチンコ機10は、上述した第12制御例に対して、確変状態が継続する期間の長さを変更した点と、確変状態中に実行される演出の態様を決定する処理の内容と、特別図柄の変動演出として大当たり当選の期待度を示唆可能な各種予告演出の態様を決定する処理の内容と、を異ならせている点で相違している。ここで、従来より、特定の遊技状況が設定されている遊技期間中(モード期間中)において、特別図柄抽選の実行の有無に関わらず、特定の演出(モード演出)を継続して実行させる遊技機が知られており、モード演出を実行することにより、特別図柄抽選を実行していない場合であっても、現在の遊技状況を遊技者に分かり易く把握することができるものであった。しかしながら、従来型のパチンコ機10では、モード演出が実行されている最中に特別図柄抽選が実行され、特別図柄抽選の結果を示す変動演出が実行された場合に、モード演出と変動演出とが独立して実行されてしまうだけであり、遊技者の演出効果を図ることが出来ないという問題があった。そこで、本第14制御例では、モード演出が実行されている最中に特別図柄抽選が実行された場合において、その特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様として、モード演出の演出態様の一部を用いた演出態様を決定可能に構成している。このように構成することで、モード演出が実行されている遊技状況において特別図柄抽選を実行した場合に、モード演出と変動演出とを複合させた複合演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。しかしながら、上述した通り、モード演出は、特別図柄抽選の実行の有無に関わらず実行されるものであることから、モード演出の演出態様の一部を用いて変動演出を実行する場合には、モード演出の実行状況を判別した上で変動演出の演出態様を決定する必要があり、実行されている各種演出を管理するための処理負荷が増大してしまうという問題があった。
これに対して、本第14制御例では、音声ランプ制御装置113にて特定の遊技期間(確変状態)が設定されたことを示す表示用コマンドを設定し、表示制御装置114が表示用コマンドを受信したことに基づいてモード演出(鳥を飛行させる演出)を実行可能に構成している。そして、変動演出の演出態様としてモード演出の演出態様の一部を用いた演出態様(鳥を止まり木に停止させる演出態様)を設定する場合には、その演出態様が実行される特定タイミングを示す表示用コマンド(鳥停止タイミングの情報を含む表示用コマンド)を表示制御装置114へと出力し、特定タイミングを示す表示用コマンドを受信した表示制御装置114にて、モード演出の実行状況(鳥の飛行位置)に基づいて、変動演出の演出態様として用いられる態様(止まり木に停止させる態様)へと可変表示させる表示制御を実行可能に構成している。このように構成することで、1の制御装置にて変動演出の演出態様、及び、モード演出の演出態様を管理する必要が無くなるため、各種演出を管理するための処理負荷を軽減することができる。さらに、本第14制御例におけるパチンコ機10では、モード演出の実行状況(鳥の飛行位置)に応じて、変動演出の演出態様として用いられる態様(止まり木に停止させる態様)へと可変表示させる可変表示パターンとして複数の可変表示パターンを設定可能に構成しており、変動演出にて止まり木に停止している鳥を用いた演出態様が実行される特定タイミングまでの残期間と、現在の鳥の飛行位置とに基づいて異なる可変表示パターンを設定可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の実行の有無に関わらず実行されているモード演出の演出態様をスムーズに変動演出の演出態様として用いることができる。
加えて、本第14制御例におけるパチンコ機10では、表示制御装置114側で適正な可変表示パターンを決定することができないと判別された場合であって、且つ、対象となる変動演出が大当たり当選を示す変動演出である場合に、特定タイミングよりも遅らせた(早めた)特殊タイミングで鳥を止まり木に停止させる可変表示を実行可能に構成している。つまり、音声ランプ制御装置113では、特定タイミングで鳥が止まり木に停止することを前提に変動演出における他の演出態様が設定されるにも関わらず、特定タイミングとは異なるタイミングで鳥が止まり木に停止する可変表示が実行されるように構成している。このように構成することで、変動演出として実行される複数の演出態様の実行タイミングに若干のズレを意図的に生じさせることができるため、遊技者に対して違和感のある演出を提供することができる。さらに、上述した違和感のある演出が、遊技者に有利となる大当たり当選を示す変動演出にて実行されるように構成しているため、実行されている変動演出に対して違和感を持った遊技者に対して、いち早く大当たり当選したことを把握させることができる。なお、本第14制御例におけるパチンコ機10では、表示制御装置114側で適正な可変表示パターンを決定することができないと判別された場合であって、且つ、対象となる変動演出が外れを示す変動演出である場合には、鳥を止まり木に停止させる表示制御を実行しないように構成している。つまり、音声ランプ制御装置113にて決定された演出態様の一部に対して、表示制御装置114にて演出の実行を行わない制御を実行可能に構成している。このように構成することで、外れに対応する変動演出において、モード演出の演出態様の一部を用いた演出態様で変動演出が実行される頻度を不規則に低下させることが可能となる。さらに、鳥の飛行位置に対応させて予め記憶させておく鳥を止まり木に停止させるための可変表示パターンの量を削減することができる。また、本第14制御例におけるパチンコ機10では、確変状態が設定されている遊技期間を大きく3つの期間(第1確変期間、第2確変期間、第3確変期間)に区分けし、各期間にて異なる演出が実行されるように構成している。
具体的には、大当たり遊技終了直後から特別図柄抽選が10回実行されるまでの期間を第1確変期間、大当たり遊技終了後の特別図柄抽選回数が11回から50回までの期間を第2確変期間、大当たり遊技終了後の特別図柄抽選回数が51回から70回までの期間を第3確変期間、大当たり遊技終了後の特別図柄抽選回数が71回から74回までの期間を第3確変期間、と設定するように構成している。そして、第1確変期間中は、比較的長めの変動時間の特別図柄変動が実行されるように構成しており、確変期間が経過する程、短めの変動時間の特別図柄変動が実行されるように構成している。このように構成することで、短時間で過剰に大当たり遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。さらに、確変状態中の遊技期間が無用に長くなってしまい、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、本第14制御例におけるパチンコ機10では、確変大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が継続する期間(ST期間)として、特別図柄抽選が74回実行されるまでの期間(ST74回)を設定し、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が継続する期間(時短期間)として、特別図柄抽選が70回実行されるまでの期間(時短70回)を設定可能に構成している。つまり、確変大当たりに当選した場合には、確変状態にて特別図柄抽選を70回実行可能に構成し、その後、第2確変状態にて特別図柄抽選を4回実行可能に構成している。このように構成することで、確変状態中に獲得した第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を用いた第2特別図柄抽選を、特別図柄の高確率状態である第2確変状態中に実行させることができるため、特図2保留を上限数(4個)獲得した状態で確変状態が終了することを目指し、確変状態が終了するまで意欲的に遊技者に遊技を行わせることができる。なお、第2確変状態が設定されている期間(第4確変期間)中は、確変状態中とは異なる専用の演出が実行される。
そして、本第14制御例におけるパチンコ機10では、第3確変期間中において、様々な楽曲が再生されるメロディーゾーン演出を実行可能に構成しており、4種類の楽曲が抽選によって決定された順序で再生されるように構成している。ここで、従来より、複数の楽曲のうち特定の楽曲が選択され、選択された楽曲を再生することにより、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制している遊技機が知られている。このような遊技機では、再生される楽曲の内容についても遊技者に興味を持たせるために、新たな楽曲が再生される場合には、楽曲情報(楽曲タイトル、歌手名等)を表示画面に表示し、遊技者が興味を持ちやすくする工夫が施されている。しかしながら、遊技を継続して行う中で同一の楽曲が再生されてしまうことがあった。この場合、再生された楽曲に関する楽曲情報を既に遊技者が把握している状態であるため、遊技に関する各種情報が表示され、且つ、限られたスペースである第3図柄表示装置81の表示領域を用いて楽曲情報を表示することは、演出効果を高め難く、且つ、他の演出の邪魔になるという問題があった。そこで、本第14制御例では、過去に再生された楽曲を数曲(2曲)記憶可能に構成しており、新たに再生される楽曲が記憶されている楽曲と同一であるかを判別可能に構成し、同一であると判別した場合には、楽曲情報を第3図柄表示装置81の表示面に表示しないように構成している。このように構成することで、無用に楽曲情報が表示されること無く、限られたスペースである第3図柄表示装置81の表示面を他の演出に有効に用いることができる。さらに、新たに再生される楽曲が、記憶されている楽曲とは異なる種類の楽曲となり易くなるように構成しており、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の法が、外れである場合よりも、新たに再生される楽曲が、記憶されている楽曲とは同一種類の楽曲となり易くなるように構成している。このように構成することで、再生される楽曲の種類に応じて特別図柄抽選の結果を予測させることが可能になる。よって、遊技者に対して、過去に再生されていた楽曲情報を記憶しながら、特別図柄抽選の結果を予測する楽しみを遊技者に提供することができる。
加えて、本第14制御例におけるパチンコ10では、1回の変動演出中の複数タイミングにて対応する特別図柄抽選の結果を示唆するための予告演出を実行可能にしており、各予告演出として設定される予告演出態様によって遊技者に対して大当たり当選しているか否かを予測可能に構成している。ここで、従来より、1回の変動演出中に実行される複数の予告演出のそれぞれに対して、複数の表示態様を段階的に設定可能に構成し、各表示態様の選択割合を特別図柄抽選の結果に応じて異ならせるように構成することで、各予告演出として表示される各表示態様が示す段階数に基づいて大当たり当選の有無を遊技者に予測させることが可能なパチンコ機10が知られている。このようなパチンコ機10では、1回の変動演出中に実行される複数の予告演出として表示される表示態様の組合せを多様なものとするために、予告演出毎に表示態様を決定する処理を実行する構成が知られている。このように構成することで、各予告演出に対して表示される表示態様の種別を規定した演出パターンを複数の演出パターンの中から決定する処理を実行する構成と比して、1回の変動演出中に実行される複数の予告演出のバリエーションを容易に増加させることができるものであった。しかしながら、特別図柄抽選の結果に基づいて各予告演出の表示態様を個々に決定可能に構成した場合には、例えば、大当たり当選した特別図柄抽選に対応する変動演出では、各予告演出の表示態様として、大当たり当選時に選択され易い表示態様が設定され易く、外れである特別図柄抽選に対応する変動演出では、各予告演出の表示態様として、外れ時に選択され易い表示態様が設定され易くなってしまい、演出パターンが乏しくなってしまうという問題があった。また、特別図柄抽選の結果に応じて、各予告演出の表示態様が決定されるため、例えば、外れの場合に選択され易い表示態様の予告演出が多数実行された状態で大当たり当選が報知されるといった意外性のある演出を実行させ難くなるという問題があった。
これに対して、本第14制御例では、各予告演出の表示態様を選択した後に、その選択結果を判別し、所定の予告演出として特定の表示態様が選択されている場合には、複数の予告演出のうち、所定の予告演出以外の予告演出の表示態様を、選択されている表示態様とは異ならせて決定可能に構成している。具体的には、所定の予告演出の表示態様として、大当たり当選の期待度が高い表示態様(大当たり変動の方が、外れ変動よりも選択され易い表示態様)が選択されている場合は、他の予告演出の表示態様を、大当たり当選の期待度が低い表示態様(大当たり変動よりも外れ変動の方が選択され易い表示態様)を決定可能に構成している。このように構成することで、大当たり当選の期待度が低い予告演出ばかり実行される変動演出であっても大当たり当選する可能製を残すことができる。一方、各予告演出の表示態様として、大当たり当選の期待度が極めて高い表示態様が選択された場合には、他の予告演出の表示態様として大当たり当選の期待度が極めて高い表示態様を決定可能に構成している。このように構成することで、1回の変動演出中に実行される複数の予告演出のうち、1の予告演出にて大当たり当選の期待度が極めて高い表示態様が表示された場合に、他の予告演出に対しても大当たり当選の期待度が極めて高い表示態様を表示させ易くすることができる。よって、大当たり当選の期待度が極めて高い表示態様(特殊態様)で1の予告演出が実行された場合には、他の予告演出も特殊態様で実行し易くなるため、遊技者が特殊態様の予告演出を見逃してしまうことを抑制することができる。
<第14制御例における演出内容について>
次に、図558から図563を参照して、本第14制御例のパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。本第14制御例におけるパチンコ機10は、上述した通り、確変状態中に実行される演出と、特別図柄変動に対応して実行される変動演出の一部である予告演出の内容と、で上述した第12制御例と相違している。以下、上述した第12制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出と相違する演出内容について説明をする。まず、図558から図560を参照して、確変状態が設定される遊技期間のうち、第1確変期間(大当たり遊技が終了してから特別図柄抽選が10回実行されるまでの期間)にて実行される鳥飛行演出の演出内容について説明をする。図558(a)は、鳥飛行演出中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示画面の一例を示した図であって、図558(b)は、鳥飛行演出中における鳥ストック表示にて表示される表示画面の一例を示した図であって、図559(a)は、鳥ストック表示から変動演出の演出態様へと切り替わる際に表示される表示画面の一例を示した図であって、図559(b)は、鳥飛行演出終了後に実行される変動演出にて表示される表示画面の一例を示した図であって、図560は、特定タイミングで鳥ストック表示を実行できなかった場合における表示内容を示した図である。本第14制御例におけるパチンコ機10は、確変状態が設定されると、図558(a)に示した通り、特別図柄抽選の実行有無に関わらず、鳥を模したキャラクタ1800が、第3図柄表示装置81の表示画面の主表示領域Dmを飛行するモード演出が実行される。図558(a)に示した表示画面は、第2特別図柄変動が実行されている最中であるため、小表示領域Dm2には第2特別図柄が変動中であることを示す表示態様(図では矢印で表示)が表示されているが、実際は、大当たり遊技の終了後に第3図柄表示装置81の表示面に表示される。
なお、キャラクタ1800の表示タイミングはこれに限ること無く、例えば、大当たり遊技中の特定タイミング(例えば、大当たり遊技の最終ラウンド遊技が終了した後に設定されるエンディング期間)からキャラクタ1800を主表示領域Dmに表示するように構成しても良く、この場合、エンディング期間中にキャラクタ1800が表示されることにより、遊技者に対して実行中の大当たり遊技が確変大当たりであることを初めて報知するように構成しても良い。また、確変状態が設定されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した場合にキャラクタ1800を表示するように構成しても良い。つまり、確変状態中における特別図柄変動が少なくとも1回は終了し得る期間を空けてキャラクタ1800を表示するように構成しても良い。このように構成することで、現在設定されている遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に把握させ難くすることができる。そして、主表示領域Dmには、キャラクタ1800が停止表示される止まり木1801が表示されており、副表示領域Dsには、鳥飛行演出の演出内容を遊技者に案内するための案内表示態様として「鳥の動きに注目」の文字が表示されている。このように構成することで、鳥飛行演出が実行された場合において、飛行中のキャラクタ1800が特殊な動きをするのではと、遊技者にキャラクタ1800を注視させることができる。そして、第1確変期間中(キャラクタ1800飛行中)に実行される特別図柄変動に対応する変動演出として、キャラクタ1800を用いた演出態様が決定された場合には、キャラクタ1800を止まり木1801に止まらせる演出が実行される。図558(b)では、キャラクタ1800が地点A付近を飛行している状態から止まり木1801に向かって飛行(図では実線の矢印で飛行経路を表示)し、その後止まり木1801に停止している状態が表示されている。
なお、本第14制御例では、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理によって変動演出としてキャラクタ1800を用いた演出態様が決定された場合に、変動演出における演出タイミングを示す情報が表示用コマンドとして表示制御装置114へと出力され、表示制御装置114は、演出態様を示す情報を含む表示用コマンドを受信した場合に、その演出タイミングと、キャラクタ1800の表示位置と、に基づいて、キャラクタ1800が止まり木1801へと到達するための飛行経路を決定可能に構成されており、少なくとも、図558(b)に示した通り、地点A付近をキャラクタ1800が飛行している状態で上述した表示用コマンドを受信した場合には、地点Aから止まり木1801に向かって飛行する飛行パターンが決定され、図558(b)に実線で示した軌跡でキャラクタ1800が飛行する演出が実行される。また、キャラクタ1800が地点B付近を飛行している状態で上述した表示用コマンドを受信した場合には、地点Bから止まり木1801に向かって飛行する飛行パターンが決定され、図558(b)に点線にて示した軌跡でキャラクタ1800が飛行する演出が実行される。このように、キャラクタ1800がモード演出として飛行し得る複数の地点(地点A、地点B)から止まり木1801へと飛行させるための表示パターンを予め用意しておくことで、特別図柄抽選の有無に関わらず、第1確変期間が設定されたこに基づいて実行されるモード演出の演出態様を、変動演出の演出態様として用いやすくすることができる。なお、図558(b)に示した図では、キャラクタ1800が止まり木1801に向かって飛行する経路として2種類の飛行経路を示したが、これに限ること無く、3種類以上の飛行経路を設けても良く、より多くの種類の飛行経路を設けるように構成することで、モード演出の演出態様を、よりスムーズに変動演出の演出態様として用いることができる。
そして、止まり木1801に停止しているキャラクタ1800は、変動演出の経過期間が特定期間となるまで、止まり木1801に停止し続け、特定期間に到達すると、図559(a)に示した通り、キャラクタ1800が止まり木1801から飛び立つ演出が実行され、その後、図559(b)に示した通り、主表示領域Dmの中央部に枠ボタン22を模したボタンBa1が表示され、遊技者に対して枠ボタン22を操作(押下)させる案内表示態様として、主表示領域Dmの上方に「ボタンpush」の文字が表示され、ボタンBaに対して、押下を促す下矢印が付される。そして、主表示領域Dmの左右端には、花を模した左花アイコンha1と、右花アイコンha2が表示され、副表示領域Dsには、実行中の演出の演出内容を案内するための案内表示態様として「花が光れば大当たり!!」の文字が表示される。このように構成することで、枠ボタン22を押下したことに基づいて花アイコンha1,ha2が光ることを期待させながら遊技者に枠ボタン22を押下させることができる。また、上述した通り、本第14制御例では、キャラクタ1800が地点A、又は地点Bから止まり木1801へと到達させるための飛行経路に対応する演出データを予め有しており、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理によって変動演出としてキャラクタ1800を用いた演出態様が決定されたことを示す表示用コマンドを表示制御装置114が受信したことに基づいてキャラクタ1800を止まり木1801へと移動させる表示制御が実行されるが、例えば、表示用コマンドを受信してから所定期間(0.5秒)の範囲内にてキャラクタ1800が地点A、又は地点Bに到達し得ない場合がある。つまり、主表示領域Dmに表示されるキャラクタ1800の飛行演出は、特別図柄変動の有無に関わらず実行されるものであり、音声ランプ制御装置113から表示用コマンドを受信するタイミングと、キャラクタ1800の飛行位置とは全く関連性が無いため、表示用コマンドを受信してから所定期間(0.5秒)の範囲内にてキャラクタ1800が地点A、又は地点Bに到達し得ない場合がある。
ここで、キャラクタ1800がどこを飛行している状況であっても、スムーズに止まり木1801へと移動させるためには、例えば、キャラクタ1800を止まり木1801へと到達させる飛行経路に関する演出データを予め複数(地点A~地点Zまでのそれぞれに対応する演出データ)有しておく必要があるが、この場合、演出データの容量が大きくなってしまい、他の演出データの容量を圧迫してしまう虞があった。また、飛行経路に関する演出データは、必ず演出に用いられる訳では無く、表示用コマンドを受信したタイミングに応じた演出データが用いられるだけであるため、無用に飛行経路に関する演出データを有することになるという問題もあった。これに対して、本第14制御例では、図560に示した通り、表示用コマンドを受信してから所定期間(0.5秒)の範囲内にてキャラクタ1800が地点A、又は地点Bに到達し得ない地点Cをキャラクタ1800が飛行しているタイミングで音声ランプ制御装置113から表示用コマンドを受信した場合であって、当該変動の抽選結果が大当たりである場合には、地点Cから地点Bまで1秒間の飛行演出を継続(図では実線で表示)させた後、地点Bから止まり木1801に到達させる飛行経路(図では点線で表示)で飛行させる表示制御を実行される。つまり、大当たり当選変動である場合には、表示用コマンドに対して、止まり木1801へとキャラクタ1800を到達させるタイミングが1秒間遅延する演出表示が第3図柄表示装置81の表示面にて表示されるように構成している。このように構成することで、音声ランプ制御装置113にて決定された演出態様(キャラクタ1800を用いた演出態様)に対応させて音声出力装置226から出力される音声(例えば、止まり木1801にキャラクタ1800が止まる効果音など)と、第3図柄表示装置81の表示面にて表示される表示態様とに1秒のズレ(違和感)が生じる違和感演出を実行することができる。
よって、違和感演出が実行されたことに気付いた遊技者に対してのみ、今回の変動演出が大当たり変動に対応する変動演出であることをいち早く察知することができる。なお、表示用コマンドを受信してから所定期間(0.5秒)の範囲内にてキャラクタ1800が地点A、又は地点Bに到達し得ない地点Cをキャラクタ1800が飛行しているタイミングで音声ランプ制御装置113から表示用コマンドを受信した場合であって、当該変動の抽選結果が外れである場合には、キャラクタ1800が止まり木1801に止まる演出がキャンセルされるように構成している。これにより、外れ当選時には違和感演出を実行しないように構成することができる。次に、図561及び図562を参照して、確変大当たり遊技終了後の特別図柄抽選回数が51回から70回までの期間である第3確変期間中に実行されるメロディーゾーン中における演出内容について説明をする。図561(a)は、メロディーゾーンが実行された直後に表示される表示画面の一例を示した図であり、図561(b)は、メロディーゾーン中に楽曲が切り替わる際に表示される表示画面の一例を示した図であり、図562は、メロディーゾーン中において、短期間にて同一楽曲が再生された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図561(a)に示した通り、メロディーゾーンが実行されると、表示領域Dm1Jにはメロディーゾーンの残期間が表示され、主表示領域Dmの上方には現在がメロディーゾーン中であることを示す「メロディーゾーン」の文字が表示され、副表示領域Dsには「メロディーゾーン突入」の文字が表示される。そして、表示領域Dm2Jには、曲履歴として、現在再生されている楽曲を示す「曲A」が表示される。その後、特別図柄抽選が進行し、楽曲が「曲A」から「曲B」に切り替わると、図561(b)に示した通り、表示領域Dm2Jに曲履歴として「曲Aから曲B」が表示され、主表示領域Dmの左下側に、今回再生される「曲B」を紹介する表示態様が表示される。このように構成することで、新たに再生される楽曲の内容を遊技者に分かり易く把握させることができる。また、副表示領域Dsには「心機一転がんばろう」の文字が表示される。
その後、「曲B」から再度「曲A」へと切り替わると、図562に示した通り、表示領域Dm2Jに曲履歴として「曲A、曲B、曲A」が表示されるが、主表示領域Dmの左下側に、曲紹介の表示態様が表示されない。つまり、表示領域Dm2Jの曲履歴内に重複して表示される楽曲が再生される場合には、今回再生される楽曲を紹介する表示態様が表示されないように構成している。なお、本第14制御例では、今回再生される楽曲を紹介する表示態様が表示される表示領域に何ら別の表示がされない例を示しているが、これに限ること無く、今回再生される楽曲を紹介する表示態様を表示しない条件が成立した場合にのみ遊技者に視認可能となる表示態様を表示するように構成しても良い。また、特定期間内に同一の楽曲が再生される場合には、楽曲のリズムやジャンルを異ならせるように音声制御処理を施して出力するように構成しても良いし、最初に紹介される楽曲情報よりも詳細な楽曲情報を表示するように構成しても良い。次に、図563、及び図564を参照して、本第14制御例にて実行される変動演出にて設定される各種予告演出の演出内容について説明をする。図563(a)は、変動演出開始時に実行される予告演出(予告A)中に表示される表示画面の一例を示した図であって、図563(b)は、リーチ演出の前半期間にて実行される予告演出(特殊予告A)中に表示される表示画面の一例を示した図であって、図564は、変動演出中に実行される各予告演出の実行タイミングと種別を示した図である。次に、図565を参照して、本第14制御例において確変状態が設定された場合に実行される各種変動演出(演出モード)の移行内容について説明をする。図565は、確変状態中に実行される変動演出(演出モード)の流れを模式的に示した図である。図565に示した通り、本第14制御例では、確変残回数、時短残回数に基づいて異なる演出モードの変動演出を実行可能に構成している。
具体的には、確変状態が設定されてから10回の特別図柄変動が実行されるまでの期間は、鳥ストックゾーンが設定され、その後、40回の特別図柄変動が実行されるまで、確変演出ゾーンが設定され、その後、20回の特別図柄変動が実行されるまでメロディーゾーンが設定され、時短残回数が0となり第2確変状態となる最後の4回転に対して引き戻しゾーンが設定されるように構成している。このように、確変状態が設定されてからの経過期間(特別図柄変動回数)に応じて、異なる演出モードを設定することで遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
<第14制御例における電気的構成について>
次に、図566から図573を参照して、本第14制御例における電気的構成について説明をする。本第14制御例におけるパチンコ機10は、上述した第12制御例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部と、RAM203の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部と、RAM223の構成の一部と、を異ならせている点で相違している。まず、図566(a)を参照して、本第14制御例における主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図566(a)は、本第14制御例におけるROM202の構成を模式的に示した図である。図566(a)に示した通り、本第14制御例では、上述した第12制御例に対して、第1当たり乱数テーブル202jaに代えて第1当たり乱数テーブル202Laを、変動パターン選択テーブル202jbに代えて変動パターン選択テーブル202Lbを、大当たり種別選択テーブル202jdに代えて大当たり種別選択テーブル202Ldを設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。第1当たり乱数テーブル202Laは、上述した第1当たり乱数テーブル202jaに対して、大当たり当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の範囲を異ならせている点で相違している。図567(a)は、第1当たり乱数テーブル202Laの内容を模式的に示した図である。図に示したとおり、特別図柄の低確率状態では1/300の確率で、特別図柄の高確率状態では1/50の確率で大当たり当選するように規定されている。大当たり種別選択テーブル202Ldは、上述した大当たり種別選択テーブル202jd(図505参照)と同様に、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。
次に、図567(b)を参照して、大当たり種別選択テーブル202Ldに規定されている内容について説明をする。図567(b)は、大当たり種別選択テーブル202Ldに規定されている内容を模式的に示した図である。図567(b)に示した通り、大当たり種別選択テーブル202Ldには、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けて3種類の大当たり種別(大当たりA52、大当たりB52、大当たりC52)が規定されている。具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0~34」の範囲に対して「大当たりA52」が、「35~69」の範囲に対して「大当たりB52」が、「70~99」の範囲に対して「大当たりC52」が、それぞれ規定されている。大当たり種別「大当たりA52」は、大当たりのラウンド数が10ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「70」が、確変カウンタ203iの値に「74」が設定される大当たり種別である。大当たり種別「大当たりB52」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「70」が、確変カウンタ203iの値に「74」が設定される大当たり種別である。大当たり種別「大当たりC52」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「70」が、確変カウンタ203iの値に「74」が設定される大当たり種別である。つまり、本第14制御例では、何れの大当たり種別が設定された場合であっても、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確変状態であり、その確変状態の終了条件も同一の終了条件が設定される。よって、大当たり遊技のラウンド数が最も大きい大当たりA52が遊技者に最も有利な大当たり種別となり、大当たり遊技のラウンド数が最も小さい大当たりC52が遊技者に最も不利な大当たり種別となる。
変動パターン選択テーブル202lbは、特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルであって、設定されている遊技状態や、実行される特別図柄変動回数に応じて異なる変動パターンが規定されている。ここで、図568(a)を参照して、変動パターン選択テーブル202Lbに規定されている内容について説明をする。図568(a)は、変動パターン選択テーブル202Lbに規定されている内容を模式的に示した図である。図568(a)に示した通り、通常用テーブル202Lb1、確変用テーブル202Lb2、第2確変用テーブル202Lb3を有している。なお、通常用テーブル202Lb1、確変用テーブル202Lb2、第2確変用テーブル202Lb3のそれぞれに規定されている内容は、図568(a)、図568(b)、図569に示した通りである。図566(b)に戻り、主制御のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図566(b)は、本第14制御例におけるRAM203の構成を示した図である。図566(b)に示した通り、変動実行フラグ203Laと、変動順格納エリア203Lbを追加した点で相違し、それ以外は上述した第12制御例のRAM203と同一である。同一の構成についてはその説明を省略する。本第14制御例では、入賞情報を獲得した順に特別図柄抽選を実行可能(所謂、変動順消化)に構成している。変動実行フラグ203Laと、変動順格納エリア203Lbとは、この変動順消化制御を実現するために追加された構成である。変動実行フラグ203Laは、第1特別図が優先に変動されるか、第2特別図柄が優先に変動されるかを示すフラグである。なお、このフラグは、電断時にもバックアップされる領域であり、RAMクリア等された初期状態では、第1特別図柄が優先に設定されているものである。
変動順格納エリア203Lbは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと、第2特別図柄保留球格納エリア203bと、に記憶されている各保留データ(保留図柄)について入賞順序を記憶するエリアである。この変動順序格納エリア203Lbには、8個の記憶エリアが設定されており入賞した順に先の記憶エリアに順序が記憶される。なお、特別図柄の変動開始に基づいて、記憶エリアもシフトされるものである。次に、図570(a)を参照して、本第14制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図570(a)は、ROM222の構成を模式的に示した図である。図570(a)に示した通り、上述した第12制御例のROM222に対して、予告態様選択テーブル222La、予告態様シナリオ選択テーブル222Lb、楽曲選択テーブル222Lcを追加している点で相違している。予告態様選択テーブル222Laは、変動演出中に実行される各予告演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、図571に示した通り、特別図柄抽選の結果と、取得した演出カウンタ群223f1~f4の値と、に基づいて異なる表示態様が規定されている。なお、詳細な説明は省略するが、本第14制御例では、演出カウンタ群223f1~f4を有しており、同一タイミングで複数の演出態様を決定する際には、異なる演出カウンタ223f1~f4の何れか値を参照するように構成している。このように構成することで、同一タイミングで複数の演出態様を決定する際に同一の組合せばかり決定してしまうことを抑制することができる。なお、演出カウンタ223f1~f4のぞれぞれは、演出カウンタ群223fと同様に随時値が更新されるカウンタで構成している。
図571に示した通り、各予告種別に対して、大当たり当選時に選択され易い表示態様(演出態様)と、大当たり当選時に選択され難い表示態様(演出態様)と、がそれぞれ規定されている。よって、1の変動演出にて実行される各予告種別の選択傾向としては、大当たり当選に対応する変動演出では、大当たり当選時に選択され易い表示態様(演出態様)が選択され易く、外れに対応する変動演出では、外れ時に選択され易い表示態様(演出態様)が選択され易くなる。このように構成することで、変動演出期間の多岐に渡って実行される各予告種別(図564参照)にて実行される予告演出の演出態様を把握することで、今回の特別図柄抽選の結果を遊技者に予測させ易くすることができる。しかしながら、予告態様選択テーブル222Laを参照して各予告演出の予告種別を決定した場合には、遊技者に意外性のある変動演出、例えば、変動演出の前半期間に実行される予告演出では外れ時に選択され易い予告種別の予告演出が実行され、後半期間に実行される予告演出のみ大当たり当選時に選択され易い予告種別の予告演出が実行される大当たり変動演出の実行頻度が低くなるという問題があった。これに対して、本第14制御例では、所定の設定条件が成立した場合に、予告態様シナリオ選択テーブル222Lbを参照して、変動演出全体で実行される各予告演出の予告種別を決定するように構成している。ここで、図572を参照して予告態様シナリオ選択テーブル222Lbの内容について説明をする。図572は予告態様シナリオ選択テーブル222Lbに規定されている内容を示した図である。図572に示した通り、予告態様シナリオ選択テーブル222Lbは、特殊予告種別に応じて、特別図柄抽選の結果と、取得した演出カウンタ群223f1~f4の値と、に応じて異なるシナリオ種別が規定されている。そして、各シナリオ種別には、予告態様選択テーブル222Laでは選択され難い組合せの予告種別が規定されている。このように構成することで、遊技者に意外性のある演出を提供することができ、演出効果を高めることができる。
楽曲選択テーブル222Lcは、メロディーゾーン中において新たな楽曲選択条件が成立した場合に新たに再生させる楽曲を選択する際に参照されるデータテーブルである。ここで、図573を参照して、楽曲選択テーブル222Lcの内容について説明をする。図573は楽曲選択テーブル222Lcに規定されている内容を示した図である。図573に示した通り、楽曲選択テーブル222Lcには、現在設定中の楽曲の種別と、特別図柄抽選の結果と、演出カウンタ群223f1~f4の値とに対応させて新たに選択される楽曲が規定されている。図573に示した通り、基本的には、曲A、曲B、曲C、曲Dの順に楽曲が選択され易くなるように構成している。つまり、表示画面に表示される表示領域Dm2Jの曲履歴(図561(a)参照)に、同一種別の楽曲が表示され難くなるように選択楽曲が規定されている。一方、楽曲選択条件が成立した時点における特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、外れである場合よりも、表示画面に表示される表示領域Dm2Jの曲履歴(図561(a)参照)に、同一種別の楽曲が表示され易くなるように構成している。このように構成することで、メロディーゾーン中に再生される楽曲に応じて特別図柄抽選の結果を予測するという楽しみを提供することができる。なお、これに限ること無く、大当たり当選時のみ選択可能な楽曲を設けても良い。このように構成することで、楽曲が切り替わる度に大当たり当選専用の楽曲が再生されることを遊技者に期待させることができる。図570(b)に戻り、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図570(b)は、本第14制御例におけるRAM223の構成を示した図である。図570(b)に示した通り、予告情報格納エリア223La、楽曲情報格納エリア223Lb、メロディーゾーン中フラグ223Lc、確変中カウンタ223Ldを追加した点で相違し、それ以外は上述した第12制御例のRAM223と同一である。同一の構成についてはその説明を省略する。予告情報格納エリア223Laは、変動演出の演出態様として決定された各種予告演出の予告種別を格納するための記憶領域である。
楽曲情報格納エリア223Lbは、メロディーゾーン中に選択された楽曲に関する情報を格納するための記憶領域であって、現在設定中の楽曲に関する情報に加え、過去に設定された楽曲に関する情報も記憶可能に構成されている。メロディーゾーン中フラグ223Lcは、演出モードとしてメロディーゾーンが設定されていることを示すためのフラグであって、メロディーゾーンが設定されている場合にオンに設定される。このメロディーゾーン中フラグ223Lcがオンに設定されている場合に、楽曲を選択するための処理が実行される。確変中カウンタ223Ldは、確変状態中に実行された特別図柄抽選(変動演出)の回数を計測するためのカウンタであって、確変状態中に新たな変動演出を実行する毎に値が更新される。
<第14制御例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図574、及び、図575を参照して、本第14制御例にて実行される主制御装置110の制御処理のうち、上述した第12制御例にて実行される主制御装置110の制御処理と異なる処理内容について説明をする。本第14制御例では、上述した通り、特別図柄抽選の実行順序を上述した第12制御例と異ならせている。つまり、上述した第12制御例では、特図1保留と特図2保留とを共に有している状態で特別図柄抽選の実行条件が成立した場合には、特図2保留を用いた第2特別図柄抽選を優先して実行する特図2優先変動方式を採用しているのに対して、本第14制御例では、特別図柄種別に関わらず、入賞情報(特図保留)を獲得した順に特別図柄抽選を実行可能に構成している点で相違している。まず、図574を参照して、特別図柄変動処理(S104K)の内容について説明をする。図574は、特別図柄変動処理(S104K)の処理内容を示したフローチャートである。図574に示した通り、特別図柄変動処理(S104K)は、上述した特別図柄変動処理(図513参照)に対して、新たな特別図柄変動を開始させるために実行される処理の内容と、実行中の特別図柄変動が停止表示する際に実行される処理の内容と、を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。特別図柄変動処理(S104K)が実行されると、まず、上述した特別図柄変動処理(図513参照)と同一のS201~S203の処理が実行される。その後、変動実行判定処理(S201K)を実行する。この変動実行判定処理(S201K)の詳細については、図575を参照して後述するが、新たに実行する特別図柄変動の種別を判定するための処理が実行される。S201Kの処理を終えると、次に、新たに実行される特別図柄変動の種別が特図2(第2特別図柄)であるかを判別し(S202K)、特図2であると判別した場合は(S202K:Yes)、上述した特別図柄変動処理(図513参照)のS205~S207,S201H、およびS252の各処理と同一のS203K~S207Kの処理を実行し、本処理を終了する。一方、S201Kの処理において、特図2では無いと判別した場合は(S201K:No)、次に、新たに実行される特別図柄変動の種別が特図1(第1特別図柄)であるかを判別し(S208K)、特図1であると判別した場合は(S208K:Yes)、上述した特別図柄変動処理(図513参照)のS211~S213,S201H、およびS252の各処理と同一のS209K~S211K,S206K、およびS207Kの各処理を実行し、本処理を終了する。また、S208Kの処理において、特図1では無いと判別した場合は(S208K:No)、そのまま本処理を終了する。また、S217の処理において、今回の抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S217:Yes)、上述した特別図柄変動処理(図513参照)に対して、更新処理(図513のS204H)に代えて更新処理(S212K)を実行し、処理をS220へと移行する。次に、図575を参照して、特別図柄変動処理(図574参照)にて実行される変動実行判定処理(S201K)の詳細について説明する。図575は、この変動実行判定処理(S201K)の処理内容を示したフローチャートである。この変動実行判定処理(S201K)は、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる特別図柄変動を、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bの、どちらの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて実行するかを判定するための処理である。変動実行判定処理(S201K)では、まず、変動実行フラグ203Laに0を設定することで、初期化を行い(S251K)、変動順格納エリア203Lbのデータを取得する(S252K)。その後、変動順格納エリア203Lbのデータをシフトする(S253K)。S253Kの処理では、変動順格納エリア203Lbの第1エリア~第8エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→保留第3エリア、第5エリア→第4エリア、第6エリア→第5エリア、第7エリア→保留第6エリア、第8エリア→保留第7エリア、といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、実行エリアのデータが特図1(1)であるか否かを判定する(S254K)。S254Kの処理にて、実行エリアのデータが特図1(1)であると判定された場合(S254K:Yes)、変動実行フラグ203Laを特図1で変動実行(1)に設定し(S255K)、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。一方、実行エリアのデータが特図1(1)でないと判定された場合(S254K:No)、実行エリアのデータが特図2(2)であるか否かを判定する(S256K)。S256Kの処理にて、実行エリアのデータが特図2(2)であると判定された場合(S256K:Yes)、変動実行フラグ203Lbを特図2で変動実行に設定し(S257K)、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。S256Kの処理にて、実行エリアのデータが特図2(2)でないと判定された場合(S256K:No)、変動実行する保留球が無いため、変動実行フラグ203Lbが初期状態のまま、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。この変動実行判定処理(図575参照)を実行することで、変動順格納エリア203Lbに格納されている各種保留記憶(特図保留)を、格納した順に特別図柄変動させることができる。
<第14制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図576から図580を参照して、本第14制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の処理内容について説明をする。本第14制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理は、上述した第12制御例に対して、変動表示設定処理(図552のS4104J)に代えて変動表示設定処理(図576のS4104K)を、変動演出設定処理(図553のS5014J)に代えて変動演出設定処理(図578のS5014K)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容についてはその説明を省略する。まず、図576を参照して変動表示設定処理(S4104K)の処理内容について説明をする。図576は、変動表示設定処理(S4104K)の処理内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4104K)では、上述した変動表示設定処理(図552のS4104J参照)に対して、楽曲切替処理(S4901K)を実行する処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。ここで、図577を参照して、楽曲切替処理(S4901K)の処理内容について説明をする。図577は、楽曲切替処理(S4901K)の処理内容を示したフローチャートである。この楽曲切替処理(S4901K)では、メロディーゾーン中における楽曲の選択処理が実行される。楽曲切替処理(S4901K)が実行されると、まず、メロディーゾーン中フラグ223Lcがオンに設定されているかを判別し(S4951K)、オンに設定されていると判別した場合は(S4951K:Yes)、楽曲切替条件が成立しているかを判別し(S4952K)、成立していると判別した場合は(S4952K:Yes)、楽曲情報格納エリア223Lbから現在の楽曲を示す情報を読み出し(S4953K)、楽曲選択テーブル222Lcを参照して次の楽曲を決定し(S4954K)、決定した楽曲を楽曲情報格納エリア223Lbの現在の楽曲を記憶させる楽曲エリアに格納し、格納済の楽曲情報を履歴エリアへとシフトする(S4955K)。
その後、今回決定した楽曲と、同一の楽曲が履歴エリアに格納されているかを判別し(S4956K)、格納されていないと判別した場合は(S4956K:No)、決定した楽曲の情報(タイトル)を示すための表示用コマンドを設定し(S4957K)、本処理を終了する。また、S4956Kの処理において、格納されていると判別した場合は(S4956K:Yes)、再度楽曲の情報が表示されてしまうことを防ぐために、S4957Kの処理をスキップして本処理を終了する。一方、S4951Kの処理においてメロディーゾーン中フラグ223Lcがオンに設定されていないと判別した場合(S4951K:No)、或いは、S4952Kの処理において楽曲切替条件が成立していない(S4952K:No)と判別した場合は、そのまま本処理を終了する。次に、図578を参照して、変動演出設定処理(S5014K)の処理内容について説明をする。図578は、変動演出設定処理(S5014K)の処理内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理(S5014K)は、上述した変動演出設定処理(図552のS4104J)に対して、通常状態では無いと判別した場合に(S5107H:No)、確変中演出設定処理(S5101K)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。ここで、図579を参照して、確変中演出設定処理(S5101K)の処理内容について説明をする。図579は、確変中演出設定処理(S5101K)の処理内容を示したフローチャートである。この確変中演出設定処理(S5101K)では、確変状態中に実行される各種演出モードに対応する演出態様を設定するための処理が実行される。
確変中演出設定処理(S5101K)が実行されると、まず、確変中カウンタ223Ldの値に基づいて現在の演出モードを特定し(S5151K)、鳥ストックゾーンであるかを判別し(S5152K)、鳥ストックゾーンであると判別した場合は(S5152K)、鳥ストック演出の演出態様を抽選で決定し(S5153K)、鳥ストック演出を実行するかを判別し(S5154K)、実行すると判別した場合は(S5154K:Yes)、決定された鳥ストック演出の態様に応じて、鳥停止タイミングを決定し(S5155K)、鳥停止タイミングを示すための表示用コマンドを設定し(S5156K)、受信した変動パターンに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S5157K)、本処理を終了する。また、S5154Kの処理において鳥ストック演出を実行しないと判別した場合は(S5154K:No)、S5155K、及びS5156Kの処理をスキップして、S5157Kの処理へ移行する。一方、S5152Kの処理において、鳥ストックゾーンでは無いと判別した場合は(S5152K:No)、次に、メロディーゾーンであるかを判別し(S5158K)、メロディーゾーンであると判別した場合は(S5158:Yes)、次に、メロディーゾーン中フラグ223Lcがオンに設定されているかを判別し(S5159K)、オンに設定されていると判別した場合は(S5159K:Yes)、受信した変動パターンに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S5161K)、本処理を終了する。また、S5159Kの処理において、メロディーゾーン中フラグ223Lcがオンに設定されていないと判別した場合は(S5159K:No)、メロディーゾーン中フラグ223Lcをオンに設定し(S5160K)、S5161Kの処理を実行し、本処理を終了する。
S5158Kの処理において、メロディーゾーンでは無いと判別した場合は(S5158K:No)、次に、確変演出ゾーンであるかを判別し(S5162K)、確変演出ゾーンであると判別した場合は(S5162K:Yes)、予告態様設定処理を実行し(S5163K)、本処理を実行する。一方、S5162Kの処理において、確変演出ゾーンでは無いと判別した場合は(S5162K:No)、次に、引き戻しゾーンであるかを判別し(S5164K)、引き戻しゾーンであると判別した場合は(S5164K:Yes)、受信した変動パターンに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S5165K)、本処理を終了する。また、S5164Kの処理において引き戻しゾーンでは無いと判別した場合は(S5164K:No)、そのまま本処理を終了する。次に、図580を参照して、予告態様設定処理(S5163K)の処理内容について説明をする。図580は、予告態様設定処理(S5163K)の処理内容を示したフローチャートである。この予告態様設定処理(S5163K)では、変動演出いて実行される各予告演出の予告種別を設定するための処理が実行される。予告態様設定処理(S5163K)が実行されると、まず、予告態様選択テーブル222Laを参照して、各予告の態様を決定し(S5181K)、決定した各予告態様を予告情報格納エリア223Laに格納し(S5182K)、予告レベル3の決定があるかを判別する(S5183K)。
S5183Kの処理において、予告レベル3があると判別した場合は(S5183K:Yes)、予告態様をシナリオ設定する条件を満たしていない(そのままの演出を実行する)ため、本処理を終了する。一方、S5183Kの処理において、予告レベル3の決定が無いと判別した場合は(S5183K:No)、予告シナリオ決定抽選を実行し(S5184K)、予告シナリオの決定があるかを判別し(S5185K)、予告シナリオの決定があると判別した場合は(S5185K:Yes)、予告情報格納エリア223Laに格納されている特殊予告種別に基づいて予告態様シナリオ選択テーブル222Lbを参照して予告態様を再決定し(S5186K)、決定した各予告態様を予告情報格納エリア223Laに格納し(S5187K)、本処理を終了する。また、S5185Kの処理において、予告シナリオの決定が無いと判別した場合は(S5185K:No)、そのまま本処理を終了する。
<第14制御例における表示制御装置114の制御処理について>
次に、図581、及び図582を参照して、本第14制御例における表示制御装置114の制御処理の処理内容について説明をする。図581は、コマンド判定処理(S6302K)の処理内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S6302K)では、表示用鳥停止コマンドを受信したかを判別する処理(S6401K)と、表示用鳥停止コマンドを受信したと判別した場合(S6401K:Yes)に、鳥停止コマンド処理(S6417)を実行する点で上述した各制御例における表示制御装置114のコマンド判定処理と異ならせている。次に、図582を参照して、鳥停止コマンド処理(S6417)の処理内容について説明をする。図582は、鳥停止コマンド処理(S6417)を示したフローチャートである。この鳥停止コマンド処理(S6417)では、音声ランプ制御装置113から出力された表示用鳥停止コマンドに対して、鳥停止表示の表示態様を決定するための表示制御処理が実行される。以上、説明をした通り、本第14制御例では、音声ランプ制御装置113にて特定の遊技期間(確変状態)が設定されたことを示す表示用コマンドを設定し、表示制御装置114が表示用コマンドを受信したことに基づいてモード演出(鳥を飛行させる演出)を実行可能に構成している。そして、変動演出の演出態様としてモード演出の演出態様の一部を用いた演出態様(鳥を止まり木に停止させる演出態様)を設定する場合には、その演出態様が実行される特定タイミングを示す表示用コマンド(鳥停止タイミングの情報を含む表示用コマンド)を表示制御装置114へと出力し、特定タイミングを示す表示用コマンドを受信した表示制御装置114にて、モード演出の実行状況(鳥の飛行位置)に基づいて、変動演出の演出態様として用いられる態様(止まり木に停止させる態様)へと可変表示させる表示制御を実行可能に構成している。このように構成することで、1の制御装置にて変動演出の演出態様、及び、モード演出の演出態様を管理する必要が無くなるため、各種演出を管理するための処理負荷を軽減することができる。
さらに、本第14制御例におけるパチンコ機10では、モード演出の実行状況(鳥の飛行位置)に応じて、変動演出の演出態様として用いられる態様(止まり木に停止させる態様)へと可変表示させる可変表示パターンとして複数の可変表示パターンを設定可能に構成しており、変動演出にて止まり木に停止している鳥を用いた演出態様が実行される特定タイミングまでの残期間と、現在の鳥の飛行位置とに基づいて異なる可変表示パターンを設定可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の実行の有無に関わらず実行されているモード演出の演出態様をスムーズに変動演出の演出態様として用いることができる。加えて、本第14制御例におけるパチンコ機10では、表示制御装置114側で適正な可変表示パターンを決定することができないと判別された場合であって、且つ、対象となる変動演出が大当たり当選を示す変動演出である場合に、特定タイミングよりも遅らせた(早めた)特殊タイミングで鳥を止まり木に停止させる可変表示を実行可能に構成している。つまり、音声ランプ制御装置113では、特定タイミングで鳥が止まり木に停止することを前提に変動演出における他の演出態様が設定されるにも関わらず、特定タイミングとは異なるタイミングで鳥が止まり木に停止する可変表示が実行されるように構成している。このように構成することで、変動演出として実行される複数の演出態様の実行タイミングに若干のズレを意図的に生じさせることができるため、遊技者に対して違和感のある演出を提供することができる。さらに、上述した違和感のある演出が、遊技者に有利となる大当たり当選を示す変動演出にて実行されるように構成しているため、実行されている変動演出に対して違和感を持った遊技者に対して、いち早く大当たり当選したことを把握させることができる。
なお、本第14制御例におけるパチンコ機10では、表示制御装置114側で適正な可変表示パターンを決定することができないと判別された場合であって、且つ、対象となる変動演出が外れを示す変動演出である場合には、鳥を止まり木に停止させる表示制御を実行しないように構成している。つまり、音声ランプ制御装置113にて決定された演出態様の一部に対して、表示制御装置114にて演出の実行を行わない制御を実行可能に構成している。このように構成することで、外れに対応する変動演出において、モード演出の演出態様の一部を用いた演出態様で変動演出が実行される頻度を不規則に低下させることが可能となる。さらに、鳥の飛行位置に対応させて予め記憶させておく鳥を止まり木に停止させるための可変表示パターンの量を削減することができる。また、本第14制御例におけるパチンコ機10では、特定の遊技期間(第3確変期間)において、様々な楽曲が再生されるメロディーゾーン演出を実行可能に構成しており、4種類の楽曲が抽選によって決定された順序で再生されるように構成している。ここで、従来より、複数の楽曲のうち特定の楽曲が選択され、選択された楽曲を再生することにより、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制している遊技機が知られている。このような遊技機では、再生される楽曲の内容についても遊技者に興味を持たせるために、新たな楽曲が再生される場合には、楽曲情報(楽曲タイトル、歌手名等)を表示画面に表示し、遊技者が興味を持ちやすくする工夫が施されている。しかしながら、遊技を継続して行う中で同一の楽曲が再生されてしまうことがあった。この場合、再生された楽曲に関する楽曲情報を既に遊技者が把握している状態であるため、遊技に関する各種情報が表示され、且つ、限られたスペースである第3図柄表示装置81の表示領域を用いて楽曲情報を表示することは、演出効果を高め難く、且つ、他の演出の邪魔になるという問題があった。
そこで、本第14制御例では、過去に再生された楽曲を数曲(2曲)記憶可能に構成しており、新たに再生される楽曲が記憶されている楽曲と同一であるかを判別可能に構成し、同一であると判別した場合には、楽曲情報を第3図柄表示装置81の表示面に表示しないように構成している。このように構成することで、無用に楽曲情報が表示されること無く、限られたスペースである第3図柄表示装置81の表示面を他の演出に有効に用いることができる。さらに、新たに再生される楽曲が、記憶されている楽曲とは異なる種類の楽曲となり易くなるように構成しており、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の法が、外れである場合よりも、新たに再生される楽曲が、記憶されている楽曲とは同一種類の楽曲となり易くなるように構成している。このように構成することで、再生される楽曲の種類に応じて特別図柄抽選の結果を予測させることが可能になる。よって、遊技者に対して、過去に再生されていた楽曲情報を記憶しながら、特別図柄抽選の結果を予測する楽しみを遊技者に提供することができる。なお、大当たり当選している場合には、同一種類の楽曲が選択され易くなるように構成し、所定期間内に同一種類の楽曲が再生される場合には、楽曲情報が表示されないように構成していることから、楽曲情報が表示される表示領域にて大当たり当選の期待度が高いことを示す表示態様(例えば「チャンス」の文字)を表示するように構成しても良い。このように構成することで、楽曲が再生される際に楽曲情報が表示されない状況を創出した場合のみ表示可能な予告演出を実行することができるため、無用な楽曲情報が遊技者に提供されてしまうことを抑制することができると共に、楽曲情報に変えて遊技者に有利な情報(特別図柄抽選の結果を示唆する情報)を提供することができる。
また、本第14制御例では、再生されている楽曲の切替条件として、特別図柄変動回数が5回に到達した場合、或いは、変動演出としてリーチ演出が実行された場合、或いは、次変動が大当たり変動である場合に成立する切替条件を設けているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄変動の停止タイミングにおいて、再生中の楽曲のメロディーが、特定期間(例えば、間奏期間)である場合に切替条件が成立するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に違和感を与えること無く楽曲を切り替えることができる。さらに、本第14制御例では、特別図柄変動の開始時に新たな楽曲が再生されるように構成しているが、楽曲の切り替わりタイミング(再生タイミング)を、特別図柄変動タイミングに合わせる必要は無く、特別図柄変動期間における特定タイミング(例えば、リーチ状態が表示されたタイミング等)としても良い。加えて、楽曲が切り替わる際には、再生される楽曲の音量を規定の値(デフォルト)に設定されている状態を起点として、徐々に小さくする(規定の値とは異なる値に設定されている状態へと変更する)制御を実行しても良い。このように構成することで、遊技者に違和感を与えること無く楽曲を切り替えることができる。さらに、次変動が大当たり変動であることに基づいて切替条件が成立した場合において、当該変動が停止表示されるタイミングにて再生されている楽曲の進行状況が特定状況である場合にのみ専用の楽曲を再生可能に構成しても良く、この場合は、楽曲情報とチャンス表示とを両方表示可能に構成すると良い。以上、説明をした通り、本第14制御例におけるパチンコ10では、1回の変動演出中の複数タイミングにて対応する特別図柄抽選の結果を示唆するための予告演出を実行可能にしており、各予告演出として設定される予告演出態様によって遊技者に対して大当たり当選しているか否かを予測可能に構成している。そして、各予告演出として設定される予告演出態様が所定条件を満たした場合に、各予告演出の演出態様を再設定可能に構成している。そして、予告演出の演出態様を再設定する場合には、各予告演出の演出態様を紐付けた複数の演出パターンの中から1の演出パターンを設定可能に構成している。
このように構成することで、各予告演出の演出態様を個々に抽選で決定することで変動演出中に実行される予告演出にバリエーションを持たせることができると共に、各予告演出の演出態様を紐付けた演出パターンが設定されることにより、各予告演出の演出態様を個々に抽選で決定する場合には設定され難い態様の予告演出を実行させ易くすることができ、演出効果を高めることができる。加えて、各予告演出の演出態様を個々に抽選で決定した結果、決定頻度の低い演出態様(例えば、プレミア演出に対応する演出態様)が決定された場合には、決定頻度の低い演出態様を残したまま予告演出の演出態様が再設定されるように構成しているため、予告演出の演出態様を再設定することにより、プレミア演出の実行頻度が低下してしまうことを抑制することができる。さらに、本第14制御例では、予告演出とは異なる演出によって、当該抽選の結果が既に報知されている場合(大当たり当選であることが事前に報知されている場合)には、演出パターンとして、大当たり当選の期待度が高い演出態様が設定される演出パターンが決定されるように構成している。このように構成することで、大当たり当選であることが事前に報知された特別図柄変動に対応する変動演出にて実行される予告演出の演出態様に基づいて、大当たり当選の事前報知が見間違いだったのではと思わせてしまうことを抑制することができる。なお、これに限ること無く、当該抽選の結果が既に報知されている場合(大当たり当選であることが事前に報知されている場合)において、予告演出の演出態様として大当たり当選の期待度が低い演出態様が設定される演出パターンが決定されるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選であることが事前に報知されたことを把握している遊技者は安心して変動演出を見ることができるが、大当たり当選であることが事前に報知されたことを把握していない遊技者に対しては、外れ変動であると思わせながら大当たり変動であることを把握させることができるため、意外性のある遊技を提供することができる。
また、本第14制御例では、1の変動演出中に実行される複数の予告演出のそれぞれに対して演出態様を決定し、決定された演出態様に基づいて予告演出の演出態様を再設定するか否かを決定するように構成しているが、予告演出の再設定条件として他の条件を設けても良く、例えば、過去に設定された予告演出の演出態様に関する情報と、その予告演出に対応する特別図柄抽選の結果に関する情報とを対応付けて記憶可能な記憶手段を設け、記憶手段に記憶されている情報に基づいて、再設定条件の成立度合いを決定可能に構成しても良い。例えば、特別図柄抽選結果が大当たりに対応する変動演出の演出態様として、大当たり当選時に選択され易い演出態様が設定されている割合が80%を超えている場合は必ず再設定条件が成立し、60%~80%の場合は50%の確率で再設定条件が成立するように構成しても良い。このように構成することで、予告演出として大当たり当選時に選択され難い演出態様を用いた予告演出を実行させ易くすることができる。
<第15制御例>
次に、図583から図592を参照して、本第15制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第15制御例におけるパチンコ機10は、上述した第12制御例におけるパチンコ機10に対して、大当たり遊技終了後に実行される演出の内容と、変動演出としてリーチ演出中に実行される演出の内容と、を異ならせている点で相違している。
<本第15制御例におけるパチンコ機10の遊技盤構成について>
まず、本第15制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について、図583を参照して、説明をする。図583は、本第15制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13を示した正面図である。図583に示した通り、本第15制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第14制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13に対して、可変表示ユニット80に発光役物Cr1を設けた点で相違している。それ以外の構造は同一であり、同一の構造については同一の符号を付して、その説明を省略する。発光役物Cr1は、遊技者による枠ボタン22への操作に基づいて発光態様を可変可能に構成されており、枠ボタン22への操作に応じて、通常態様、第1発光態様、第2発光態様と可変するように構成している。なお、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出と、発光役物Cr1を用いた発光演出と、枠ボタン22への操作内容と、の関係については、図584を参照して後述する。
<本第15制御例における演出の内容について>
次に、図584、及び図585を参照して、本第15制御例におけるパチンコ機10にて実行される演出の内容について説明をする。まずは、図584を参照して、大当たり遊技終了後に実行される保留図柄リトライチャンスについて説明をする。従来より、特別図柄抽選の実行権利(特図保留)を複数獲得可能に構成し、獲得済みの特図保留数を示すための保留図柄を第3図柄表示装置81の表示面に表示し、その保留図柄の表示態様を、獲得した特図保留に含まれる入賞情報を事前判別した事前判別結果に応じて変更する保留変化演出を実行可能に構成したパチンコ機10がある。具体的には、保留図柄の表示態様として、第1表示態様(例えば、白色)、第2表示態様(例えば、青色)、第3表示態様(例えば、赤色)を少なくとも設定可能に構成し、対象となる特図保留に含まれる入賞情報に対する事前判別結果(先読み結果)が大当たりに対応する事前判別結果である場合に、外れに対応する事前判別結果である場合よりも第3表示態様が設定され易くなるように保留変化演出を実行可能に構成したパチンコ機10がある。このような構成を有する従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選が実行されるよりも前に、獲得している特図保留に対応する特別図柄抽選の結果を遊技者に示唆することが可能となるため、1の特別図柄抽選の結果を示すための演出が実行される演出期間の長さを、その特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動期間よりも長くすることができ、演出効果を高めることができる。しかしながら、獲得済みの特図保留の中に大当たり当選に対応する特図保留(大当たり保留)が存在している場合には、その大当たり保留に対応する特別図柄抽選で大当たりした後に遊技状態が切り替わる可能性があることから、大当たり保留よりも後に獲得した特図保留に対して保留変化演出を実行しないように構成しているパチンコ機10や、大当たり当選への期待度が高い変動演出が実行されている場合には、新たな特図保留を獲得した場合であっても、実行中の変動演出に遊技者を注視させるために、保留変化演出を実行しないように構成しているパチンコ機10がある。
この場合、保留変化演出が実行されることによって、遊技者に分かり難い演出が提供されてしまうことを抑制することができるが、保留変化演出の実行頻度が低くなる分、演出効果が低下してしまうという問題があった。これに対して、本第15制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技終了時点で獲得済みの特図保留に対して、大当たり遊技終了後に新たな保留変化演出を実行可能に構成している。このように構成することで、大当たり遊技終了後に設定された遊技状態に対応した事前判別の結果に基づいた保留変化演出を実行することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。なお、大当たり遊技終了時点で獲得済みの特図保留に応じて、異なる演出を大当たり遊技終了後に実行させる処理は、特定期間経過後に、特定期間中に獲得した賞球数に応じた態様で特定演出を実行する処理の別形態である。さらに、大当たり保留の存在によって保留変化演出が実行されなかった保留図柄、即ち、大当たり保留に対して保留変化演出が実行された後に獲得した特図保留や、大当たり保留に対応する特別図柄変動の実行期間中に獲得した特図保留に対応する保留図柄に対しても、保留変化演出を実行することができるため、遊技者に対して保留変化演出による注視させることができる。また、本第15制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に再度保留変化演出を実行可能に構成するにあたり、大当たり遊技終了後に特図保留を獲得した際の保留図柄表示演出を疑似的に実行可能に構成している。具体的には、既に獲得済みの特図保留に対応する保留図柄を保留図柄表示領域から一旦削除し、その後、保留図柄表示領域に保留図柄を表示させる演出を実行可能に構成している。つまり、既に獲得済みの特図保留を、大当たり遊技終了後に新たに特図保留を獲得したように見せる擬似保留図柄表示演出を実行可能に構成している。このように構成することで、保留図柄表示領域に保留図柄が表示されるタイミングにて実行される保留変化演出も実行させることが可能となるため、保留変化演出のバリエーションを増加し易くすることができる。
さらに、本第15制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技が実行される前(大当たり図柄が停止表示されるまで)に実行された保留変化演出の演出態様(各保留図柄の表示態様)を一時的に記憶可能に構成しており、大当たり遊技終了後に決定された保留変化演出の演出態様と、記憶されている保留変化演出の演出態様と、を比較することで、大当たり遊技前に実行されていた保留変化演出の演出態様よりも遊技者に不利な演出結果となる保留変化演出を実行しないように構成している。つまり、大当たり遊技が実行されるよりも前に、第3表示態様(赤色)で表示されていた保留図柄に対して、大当たり遊技終了後に実行された保留変化演出の演出態様を決定するための処理にて第2表示態様(青色)が決定された場合には、大当たり遊技終了後に実行された保留変化演出の演出態様を決定するための処理の処理結果では無く、大当たり遊技前に実行されていた保留変化演出の演出態様を用いて保留変化演出を実行するように構成している。このように構成することで、大当たり遊技前に表示されていた保留図柄の表示態様を記憶している遊技者に対して、大当たり遊技終了後に実行された保留変化演出によって、大当たり期待度が低い表示態様へと格下げされたことにより遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。さらに、本第15制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に実行される保留変化演出によって、大当たり遊技前とは異なる表示態様となった保留図柄を遊技者に識別可能に構成している。このように構成することで、大当たり遊技終了後に実行された保留変化演出の演出結果を遊技者に分かり易く報知することができる。本第15制御例におけるパチンコ機10では、リーチ演出が実行される演出期間の一部期間において、遊技者による枠ボタン22への操作を有効に判別可能な操作有効期間を設定し、遊技者による枠ボタン22への操作に基づいて実行される操作演出を実行可能に構成している。
そして、操作演出として、リーチ状態にて変動表示されている図柄に対してアクション動作を実行させる第1操作演出と、発光役物Cr1の発光態様を可変させる第2操作演出と、を実行可能に構成している。ここで、従来より、変動演出中に遊技者が枠ボタン22を操作することで、装飾用の役物(LEDを有する発光役物や、可動役物)の態様を可変可能に構成されているパチンコ機10がある。また、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている表示態様(第3図柄やキャラクタ等)を可変可能に構成されているパチンコ機10もある。そして、何れの要素を可変させる場合であっても、その可変態様に応じて、実行中の変動演出の演出結果(特別図柄抽選の結果)を遊技者に示唆可能に構成されているものが一般的であり、例えば、装飾用の役物の可変態様として、第1可変態様と、第2可変態様と、を設定可能に構成し、対応する変動演出が当たり変動演出である場合には、第1可変態様よりも第2可変態様の方が設定され安く、対応する変動演出が外れ変動演出である場合には、第1可変態様の方が第2可変態様よりも設定され易くなるように構成していた。これにより、変動演出中に枠ボタン22を操作し、装飾用の役物や表示画面に表示されている表示態様を可変させることで、変動演出の演出結果を遊技者に予測させるための情報を提供することができ、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができるものであった。しかしながら、当たり変動演出よりも外れ変動演出にて実行され易い可変態様が設定された場合には、その時点で大当たり当選への期待度が低くなり遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。これに対して、本第15制御例におけるパチンコ機10では、操作演出として、リーチ状態にて変動表示されている図柄に対してアクション動作を実行させる第1操作演出と、発光役物Cr1の発光態様を可変させる第2操作演出と、を実行可能に構成し、第1操作演出の演出態様と、第2操作演出の演出態様と、を組み合わせて特別図柄抽選の結果を示唆可能に構成している。
つまり、第1操作演出と、第2操作演出との組合せとして基本パターンを3種類設け、3種類の基本パターンが大当たり当選の期待度を異ならせて規定した上で、その基本パターンとは異なる組合せで各操作演出が実行された場合にも大当たり当選の期待度が高いことを示唆可能に構成している。このように構成することで、基本パターンのうち大当たり当選の期待度が比較的低い基本パターンにて実行される第1操作演出の演出態様、又は、第2操作演出の演出態様が設定された場合であっても、他方の操作演出の演出態様が基本パターンの組合せとならない演出態様となった場合には、大当たり当選の期待度を高めることができる。よって、一方の操作演出にて実行される演出態様だけで大当たり当選の期待度が低いことが確定することが無く、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。次に、図586を参照して、本第15制御例にて実行される操作演出の演出態様と、大当たり当選期待度との関係について説明をする。図536は、図柄停止アクション(第1操作演出の演出態様)と、発光パターン(第2操作演出の演出態様)と、当たり期待度との関係性を示した図である。図586に示した通り、本第15制御例では、リーチ状態中に実行される操作演出のうち第1操作演出の演出態様として「通常」、「C-1」、「C-2」、「C-3」の4種類の演出態様を決定可能に構成しており、第2操作演出の演出態様として「通常」、「低速」、「高速」、「最速」の4種類の演出態様を決定可能に構成している。
第1操作演出の演出態様として「通常」が設定された場合には、リーチ状態中に遊技者が枠ボタン22を操作しても、変動中の第3図柄に対しても何らアクション動作(停止アクション)が実行されない。また、演出態様として「C-1」が設定された場合には、リーチ状態中に遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、変動中の第3図柄が急ブレーキをかけるアクション動作(停止アクション)が実行される。さらに、演出態様として「C-2」が設定された場合には、リーチ状態中に遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、変動中の第3図柄に付されたキャラクタの目が炎を纏うアクション動作(停止アクション)が実行される(図585(a)参照)。最後に、演出態様として「C-3」が設定された場合には、リーチ状態中に遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、変動中の第3図柄に付されたキャラクタがウインクをするアクション動作(停止アクション)が実行される。上述した第1操作演出の各演出態様は、対応する特別図柄抽選の結果に応じて選択割合が異なるように構成しており、対応する特別図柄抽選の結果が外れである場合には、「通常」が最も選択され易く、次いで、「C-1」,「C-2」,「C-3」の順に徐々に選択され難く構成している。なお、本第15制御例では、対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合のみ、第1操作演出の演出態様として演出態様「C-3」を設定可能に構成している。つまり、リーチ状態中に枠ボタン22を操作し、変動中の第3図柄に付されたキャラクタがウインクをした場合には、大当たり当選に対応する変動演出であることを遊技者が把握可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果をいち早く把握しようとする遊技者に対してリーチ状態中に積極的に枠ボタン22を操作させることができる。
また、第2操作演出の演出態様として「通常」が設定された場合には、リーチ状態中に遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、通常の速度「ダッ・・・ダッ」で発光役物Cr1の発光態様が可変し、演出態様として「低速」が設定された場合には、リーチ状態中に遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、低速度「ダッ・・・」で発光役物Cr1の発光態様が可変し、演出態様として「高速」が設定された場合には、リーチ状態中に遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、高速度「ダッダッダ」で発光役物Cr1の発光態様が可変する。最後に、演出態様として「最速」が設定された場合には、リーチ状態中に遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、最高速度「バーン」で発光役物Cr1の発光態様が可変する第2操作演出が実行される。この第2操作演出の演出態様は、基本的には第1操作演出の演出態様と紐付くように構成されており、操作演出の基本パターンとしては、「第1操作演出「通常」、第2操作演出「通常」」,「第1操作演出「C-1」、第2操作演出「低速」」,「第1操作演出「C-2」、第2操作演出「高速」」の組合せが基本パターンとして設定され易くなるように構成している。そして、上述した基本パターンの組合せ以外の組合せで操作演出が実行された場合には、基本パターンの組合せで操作演出が実行された場合よりも、大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。なお、本制御例では、1の枠ボタン22への操作に基づいて実行される操作演出を、表示態様を可変させる第1操作演出と、発光態様を可変させる第2操作演出としているが、3種類以上の操作演出を1の枠ボタン22への操作に基づいて実行させても良い。また、操作演出として、出力される音声の態様を可変させるように構成しても良い。なお、図585(a)に示すように、リーチ状態中は副表示領域Dsが非表示となることから、保留球を獲得した場合であっても、保留球を獲得したことに対応して実行される特殊演出である保留図柄の表示が実行されない。つまり、リーチ状態中は、保留図柄の表示が禁止された状態である。そして、図584(a)に示すように、大当たり図柄が停止表示されると、特殊演出の実行禁止が解除された場合に実行される特殊演出に対応する事後演出として、所有している保留球数に対応する保留図柄の表示が実行される。
<第15制御例における電気的構成について>
次に、図587、及び図588を参照して、本第15制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第15制御例におけるパチンコ機10の電気的構成は、上述した第12制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外の構成は同一である。同一の構成については、その説明を省略する。まず、図587を参照して、本第15制御例におけるパチンコ機10のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図587は、本第15制御例におけるパチンコ機10のMPU221が有するROM222の構成を模式的に示した図である。図587に示した通り、本第15制御例におけるパチンコ機10のROM222は、上述した第12制御例におけるパチンコ機10のROM222(図508(a)参照)に対して、演出パターン選択テーブル222laを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。演出パターン選択テーブル222laは、リーチ状態中に実行される操作演出の演出パターンを選択する際に参照されるデータテーブルであって、変動演出としてリーチ演出が決定されている場合に実行される演出パターン選択処理(図592のS5301ka参照)において、操作演出の演出パターンを決定する際に参照される(図592のS5351ka)。ここで、図588を参照して、演出パターン選択テーブル222laの内容について詳細に説明をする。図588は、演出パターン選択テーブル222laに規定されている内容を示した図である。図588に示した通り、演出パターン選択テーブル222laには、対象となる特別図柄抽選の結果と、取得した演出カウンタ223fの値と、に対応させて複数種類の演出パターン種別が規定されている。
具体的には、特別図柄抽選の結果が当たり(大当たり)の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲には、演出パターン種別として「パターン1」が、「10~19」の範囲には、演出パターン種別として「パターン3」が、「20~29」の範囲には、演出パターン種別として「パターン5」が、「30~49」の範囲には、演出パターン種別として「パターン2」が、「50~69」の範囲には、演出パターン種別として「パターン4」が、「70~89」の範囲には、演出パターン種別として「パターン6」が、「90~95」の範囲には、演出パターン種別として「パターン7」が、「96,97」の値には、演出パターン種別として「パターン8」が、「98,99」の値には、演出パターン種別として「パターン9」が、それぞれ規定されている。また、特別図柄抽選の結果が外れの場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~69」の範囲には、演出パターン種別として「パターン1」が、「70~89」の範囲には、演出パターン種別として「パターン3」が、「90,91」の範囲には、演出パターン種別として「パターン5」が、「92~96」の範囲には、演出パターン種別として「パターン2」が、「97,98」の値には、演出パターン種別として「パターン4」が、「99」の値には、演出パターン種別として「パターン6」が、それぞれ規定されている。
<第15制御例における制御処理について>
次に、図589から図592を参照して、本第15制御例におけるパチンコ機10にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第15制御例におけるパチンコ機10は、上述した第12制御例におけるパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容の一部を変更している点で相違している。それ以外の制御処理の内容は同一であるため、その説明を省略する。上述した第12制御例との相違点を具体的に説明すると、変動演出設定処理(図532のS5014H参照)において、現在の遊技状態が通常状態では無いと判別した場合に(S5107H:No)、現在の遊技状態が確変状態であるかを判別する処理を実行し、確変状態であると判別した場合に、確変中演出設定処理(図589のS5101Ka参照)を実行する処理を追加した点と、詳細態様決定処理(図534のS5115H参照)に代えて、詳細態様決定処理(図591のS5115Ka参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。なお、上述した第12制御例との相違点である。確変状態が設定されているか否かを判別する処理については、変動演出設定処理(図532のS5014H参照)にて従状態設定エリア223gに格納されている現在の遊技状態に対応する情報を読み出す処理(S5106H)において読み出した情報に基づいて判別を実行するものであり、上述した各制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理のうち、現在の遊技状態を判別するための処理と同一内容となるため、その説明を省略する。
まず、図589を参照して、確変中演出設定処理(図589のS5101Ka)の処理内容について説明をする。図589は、確変中演出設定処理(図589のS5101Ka)の処理内容を示したフローチャートである。この確変中演出設定処理(図589のS5101Ka)は、上述した第14制御例におけるパチンコ機10の確変中演出設定処理(図579のS5101K参照)と同様に、確変状態中に実行される特別図柄変動に対する変動演出の演出態様を決定するための処理が実行される。なお、確変中演出設定処理(図589のS5101Ka)において実行される各種処理のうち、上述した確変中演出設定処理(図579のS5101K参照)と同一の処理内容については、同一の符号を付したり、図示を省略したりし、その説明を省略する。確変中演出設定処理(S5101Ka)が実行されると、特図抽選回数カウンタ223jaの値に基づいて現在の演出モードを特定し(S5151K)、初回変動態様設定処理を実行し(S5151Ka)、その後、上述した第14制御例における確変中演出設定処理(図579のS5101K参照)と同一のS5152K~S5165Kの処理を実行し、本処理を終了する。次に、図590を参照して、確変中演出設定処理(図589のS5101Ka参照)にて実行される初回変動態様設定処理(S5151Ka)の処理内容について説明をする。図590は、初回変動態様設定処理(S5151Ka)の処理内容を示したフローチャートである。この初回変動態様設定処理(S5151Ka)では、大当たり遊技終了後に実行される保留変化演出の演出態様を決定するための処理が実行される。具体的には、初回変動態様設定処理(S5151Ka)が実行されると、まず、今回の特別図柄変動が大当たり終了後の初回変動であるかを判別し(S5171Ka)、初回変動では無いと判別した場合は(S5171Ka:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、初回変動であると判別した場合は(S5171Ka:Yes)、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報に基づいて保留変化演出の演出態様を決定する(S5172Ka)。即ち、本第15制御例では、大当たり遊技終了後の初回変動タイミングにおいて、入賞情報格納エリア223bに格納されている全ての特図保留を対象として、保留変化演出の演出態様を決定する構成としている。そして、S5172Ksの処理において、保留変化が決定されたかを判別し(S5173ka)、保留変化すると判別した場合は(S5173Ka:Yes)、演出態様格納エリア223jcに格納されている大当たり前の保留表示(各保留図柄の表示態様)に対応する情報を読み出し(S5174a)、大当たり前保留表示に特定表示があったかを判別し(S5175a)、特定表示が無いと判別した場合は(S5175a:No)、今回決定した保留変化演出の演出態様(保留変化態様)と、大当たり前の保留表示態様とを比較し(S5176Ka)、表示態様が昇格する保留表示に対して、今回決定した保留変化態様を決定し(S5177ka)、決定した保留表示態様を演出態様格納エリア223jcに格納し(S5178ka)、本処理を終了する。また、S5173kaの処理において、保留変化無しと判別した場合(S5173ka)、或いは、S5175kaの処理において、大当たり前保留表示に特定表示があると判別した場合は(S5175Ka:Yes)、大当たり前の保留変化態様をそのまま残した保留変化演出を実行するために、演出態様格納エリア223jcに格納されている大当たり前の保留表示に対応する表示態様を再表示するための演出態様を決定し(S5179Ka)、S5178Kaの処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第15制御例では、確変状態中における特別図柄変動の変動演出を設定するための処理において、初回変動時(確変状態が設定された後、1回目の特別図柄変動時)に、既に獲得済みの特図保留に対応する保留図柄を、新たに特図保留を獲得したかのように見せる演出で再表示するように構成し、保留図柄が再表示される際に、保留変化演出(保留図柄リトライチャンス)も合わせて実行するように構成している。このように構成することで、新たに設定された遊技状態に対応する保留変化演出を遊技者に分かり易く提供することができる。なお、本第15制御例では、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合のみ保留図柄リトライチャンスを実行するように構成しているが、これに限ること無く、全ての大当たり遊技終了後に実行するように構成しても良いし、確変状態以外の特定の遊技状態(例えば、時短状態)が設定された場合に実行するように構成しても良い。また、大当たり遊技が実行された時点で獲得済みの特図保留内に、保留変化演出の対象外となっている特図保留、例えば、大当たり変動が実行されている最中に獲得した特図保留に対しては保留変化演出を実行しないように構成されているパチンコ機10においては、保留変化演出の対象とならなかった特図保留を保留変化演出の対象として再度保留変化演出を実行することができるため、保留変化演出によって表示態様が可変される保留図柄を表示させ易くすることができ演出効果を高めることが出来る。次に、図591を参照して、詳細態様決定処理(S5115ka)の処理内容について説明をする。図591は、詳細態様決定処理(S5115ka)の処理内容を示したフローチャートである。この詳細態様決定処理(S5115ka)では、上述した第12制御例における詳細態様決定処理(図534のS5115H参照)に対して、リーチ演出を設定する際に、演出パターン選択処理(S5301ka)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容について同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
ここで、詳細態様決定処理(図591のS5115Ka参照)にて実行される演出パターン選択処理(S5301ka)について、図592を参照して説明をする。図592は、演出パターン選択処理(S5301ka)の処理内容を示したフローチャートである。この演出パターン選択処理(S5301ka)では、リーチ演出中に遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて実行される操作演出(第1操作演出、第2操作演出)の演出態様を決定するための処理が実行される。具体的には、演出パターン選択処理(S5301ka)が実行されると、まず。演出パターン選択テーブル222laを参照して、リーチ演出中の演出パターン(操作演出の演出パターン)を決定し(S5351Ka)、対象となる特別図柄変動が当たり変動であることを報知する演出態様が他の変動演出の演出態様として決定されているかを(確定報知あるか)を判別し(S5352Ka)、確定報知が無いと判別した場合は(S5352Ka:No)、決定した演出パターンに対応する停止アクション(第1操作演出の演出態様)を設定し(S5353Ka)、決定した演出パターンに対応する発光パターン(第2操作演出の演出態様)を設定し(S5354Ka)、本処理を終了する。一方、S5352Kaの処理において、確定報知ありと判別した場合は(S5352Ka:Yes)、演出態様「C-3」(ウインク)を、停止アクション(第1操作演出の演出態様)として設定し(S5355Ka)、発光パターン(高速)を操作時発光態様として設定し(S5356Ka)、本処理を終了する。
<第16制御例>
上述した第12制御例におけるパチンコ機10では、主制御装置110から出力される入賞コマンドを音声ランプ制御装置113側で受信したことに基づいて、その入賞コマンドに対応する特別図柄抽選が実行されるよりも前に入賞コマンドに含まれる事前判別結果(先読み結果)に対応した演出(先読み演出)を実行可能に構成していた。具体的には、先読み演出として、獲得済みの特図保留に対応する保留図柄の表示態様を可変させる保留変化演出や、複数回の特別図柄変動期間に跨がって実行される連続予告演出を実行可能に構成し、先読み演出の対象となる特別図柄抽選が実行されるよりも前に事前判別結果を遊技者に予測させることで、当たり当選への期待度を高めた状態での遊技を遊技者に長時間行わせ易くすることができるものであった。しかしながら、上述した第12制御例におけるパチンコ機10にて実行される先読み演出では、先読み演出の対象となる特別図柄抽選が実行されるよりも前の期間(先読み期間)にて実行される先読み演出の演出態様によって、事前判別結果を遊技者に容易に予測させてしまうものであったため、例えば、当たり当選への期待度が比較的高くない演出態様で先読み演出が実行されてしまった場合には、先読み演出が実行される長期間(複数回の特別図柄変動期間)に渡って当たり当選への期待度が低くなってしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまう虞があった。これに対して、本第16制御例におけるパチンコ機10では、先読み演出として、入賞コマンドを受信したことに基づいて特定のキャラクタを表示し、先読み演出の対象となる特別図柄変動に対応する変動演出が実行されている最中に表示されているキャラクタが特定のアクションを実行する演出態様を設定可能に構成している。そして、当該変動演出においてキャラクタが特定のアクションを実行するタイミングによって、当たり当選の期待度を異ならせるように構成している。
つまり、特定の特図保留に対して先読み演出が実行されたことのみを遊技者に報知し、その先読み演出の演出結果が先読み演出の対象となる特別図柄変動中に報知されるように構成している。このように構成することで、先読み演出が実行されている先読み期間中に遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。さらに、本第16制御例では、キャラクタが特定のアクションを実行するタイミングが遅くなるほど当たり当選の期待度が高くなるように構成しており、先読み演出としてキャラクタが表示されている期間において、キャラクタが特定のアクションを実行しない期間を遊技者に報知する演出を実行可能に構成している。このように構成することで、先読み演出としてキャラクタが表示されている期間において、特定のアクションが実行されない期間(セーフ期間)を特定することができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。さらに、本第16制御例におけるパチンコ機10では、先読み演出としてキャラクタが表示されている期間において、特定のアクションが実行されない期間(セーフ期間)の種別として、第1条件が成立した場合にセーフ期間が終了する第1セーフ期間と、第1条件とは異なる第2条件が成立した場合にセーフ期間が終了する第2セーフ期間と、が設定される演出を実行可能に構成している。加えて、本第16制御例におけるパチンコ機10では、変動演出の演出態様として第1条件が成立し難い第1演出態様と、その第1演出態様よりも第1条件が成立し易い第2演出態様と、を設定可能に構成している。このように構成することで、セーフ期間が設定された状態で実行される変動演出の演出態様が第1演出態様であるか第2演出態様であるかを遊技者に注視させることができる。
また、上述した第2条件が時間経過に基づいて成立するように構成しており、第2セーフ期間が設定された場合には、所定期間(例えば、4秒)が経過した場合に第2条件が成立するように構成している。よって、第2セーフ期間が設定された場合には、その時点における変動演出の実行状況を把握することで特定のアクションが実行されるタイミングを予測させることが可能となる。また、時間経過に基づいて第2条件が成立するように構成しているため、第2セーフ期間が設定された場合において特定のアクションが実行されない期間を遊技者に容易に把握させることができる。そして、第2セーフ期間が設定された場合には、第2条件が成立するまでの残期間を遊技者に把握させるための演出態様(残期間示唆態様)を表示可能に構成している。このように構成することで、第2セーフ期間が設定された場合において特定のアクションが実行されない期間を遊技者により容易に把握させることができる。以上、説明をした通り、本第16制御例におけるパチンコ機10では、キャラクタが特定のアクションを実行するタイミングによって遊技者に付与される有利度合いを異ならせるように構成しており、キャラクタが表示されている状態、即ち、何れかのタイミングにて特定のアクションが実行されることが報知されている状態において、特定のアクションが実行されない期間(セーフ期間)を設定可能に構成している。そして、セーフ期間として、変動演出の演出態様に基づいて成立する第1条件が成立した場合に終了する第1セーフ期間と、時間経過に基づいて成立する第2条件が成立した場合に終了する第2セーフ期間と、を設定可能に構成している。このように構成することで、セーフ期間が設定された場合において、セーフ期間が終了するまでの残期間(第1条件、又は第2条件が成立するまでの期間)を予測する楽しみを遊技者に提供することができる。さらに、本第16制御例におけるパチンコ機10では、複数の特別図柄変動を跨いで実行される先読み演出として、第1演出(クマルーレット演出)と、第2演出(キャラ登場演出)と、を実行可能に構成し、第1演出の演出態様と、第2演出の演出態様とを用いて先読み演出の演出結果を表示可能に構成している。
また、第1演出の実行タイミングに対して、第2演出を異なるタイミングで実行可能に構成している。具体的には、先読み演出において最初に第1演出が実行される場合には、第1演出が開始された後に、第2演出を開始するように構成し、2回目の第1演出が実行される場合には、第1演出と第2演出とを同時に開始させるように構成している。そして、1回目の第1演出が開始される場合には、第2演出が開始されるまでの残期間を用いて今回実行される先読み演出の演出内容を遊技者に報知可能に構成している。このように構成することで、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
<第16制御例における演出内容について>
次に、図593から図603を参照して本第16制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第16制御例におけるパチンコ機10では、上述した第12制御例におけるパチンコ機10に対して、獲得した特別図柄抽選の実行権利(特図保留)に含まれる入賞情報を事前判別した結果(先読み結果)に基づいて実行される先読み演出の演出内容を異ならせている点で相違している。まず、図593から図598を参照して、新たな特図保留を獲得したことに基づいて実行される先読み演出であるキャラ先読み演出の演出内容について説明をする。このキャラ先読み演出は、新たに獲得した特図保留に対する先読み結果が実行条件を満たした場合に実行される先読み演出であって、実行条件が成立した場合に開始され、少なくとも実行条件を満たした特図保留に含まれる入賞情報に基づいた特別図柄変動に対応する変動演出(先読み対象変動演出)が実行されるまで継続する先読み演出である。図593(a)は、新たに獲得した4個目の特図保留(第4特図1保留)によって実行条件が成立し、キャラ先読み演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。なお、表示画面に表示される各種表示要素のうち、上述した第12制御例におけるパチンコ機10にて表示される各種表示要素と同一の内容については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図593(a)に示した通り、キャラ先読み演出の実行条件が成立すると、主表示領域Dmの左下側にウサギを模したキャラ8591が表示され、表示領域Dm9に表示される4個目の特図1保留(第4特図1保留)hr4の表示態様として、通常の表示態様(図では丸印で表示)とは異なるウサギの輪郭を模した先読み表示態様が表示される。そして、副表示領域Dsには、キャラ先読み演出が実行されたことと、キャラ先読み演出の演出内容を案内するための案内報知態様として「先読みキャラ登場!!キャラが叫ぶとチャンス!!」の文字が表示される。本第16制御例では、キャラ先読み演出が実行されるとキャラ8591が表示され、表示されたキャラ8591が対象変動演出中の何れかのタイミングにて特定のアクション(咆哮)を実行するように構成している。そして、キャラ8591が特定のアクション(咆哮)を実行するタイミングによって、対象変動演出の演出結果(先読み演出の対象となる特別図柄抽選結果)が遊技者に有利な結果であることを示唆可能に構成しており、特定のアクション(咆哮)が実行されるタイミングが遅くなるほど、対象変動演出の演出結果が遊技者に有利な結果である可能性が高くなるように構成している。よって、遊技者は、先読み演出としてキャラ先読み演出が実行された場合に、キャラ8591がなるべく遅いタイミングで特定のアクションを実行することを期待しながらキャラ先読み演出を注視することになる。そこで、本第16制御例では、キャラ先読み演出が実行されている状態であって、対象変動演出が実行されるまでの期間(先読み期間)を用いて、キャラ8591の表示態様を特定のアクションが実行されることの無い表示態様(セーフ表示態様)へと変化可能に構成している。ここで、図593(b)を参照して、セーフ表示態様の一形態について説明をする。図593(b)は、キャラ8591がセーフ表示態様の一形態である居眠り態様中の表示画面を示した図である。
図593(b)に示した表示画面は、図593(a)に示した表示画面が表示された特別図柄変動の2回後の特別図柄変動中の表示画面であって、表示領域Dm9に表示される先読み表示態様(ウサギの輪郭を模した保留図柄)が2個目の特図保留(第2特図1保留)hr2に表示されている。そして、キャラクタ8591が居眠りをしている表示態様で表示され、副表示領域Dsには、現在のキャラ先読み演出の演出状況を案内するための案内報知態様として「キャラが眠ったよ!眠っている間は叫ばないよ」の文字が表示されている。詳細な説明は省略するが、本第16制御例では、先読み期間中に実行される変動演出の演出期間が所定期間以上(10秒以上)であって、且つ、リーチ演出が実行されない場合、即ち、比較的静かな変動演出が実行される場合に、キャラ8591が居眠りをする演出を実行可能に構成している。そして、キャラ8591が居眠りをしている間は、対象変動において特定のアクション(咆哮)が実行されないように構成している。このように構成することで、先読み期間が所定期間以上となる場合においてのみキャラクタ8591の表示態様を先読み期間中に変化させることができるため、キャラ先読み演出の演出期間中に遊技者が飽きてしまうことを抑制することができる。
そして、キャラ8591が居眠りをしている状態で対象変動演出が実行されると、図594(a)に示した表示画面が表示される。図594(a)は、キャラ先読み演出の対象変動演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図594(a)に示した通り、キャラ8591が居眠りをしている状態で対象変動演出が実行されると、主表示領域Dmの左下側には継続して居眠りをしている表示態様でキャラクタ8591が表示され、副表示領域Dsには、現在の演出状況を案内するための案内表示態様として、「まだ眠っているよ。居眠りが長い程チャンス!!」の文字が表示される。なお、図594(a)に示した表示画面は、対象変動演出が実行されている状況において表示される表示画面、即ち、先読み表示態様で表示されていた保留図柄に対応する特別図柄変動期間中に表示される表示画面であるため、表示領域Dm9には、先読み表示態様の保留図柄が表示されておらず、先読み表示態様で表示されていた保留図柄よりも後に表示された保留図柄が2つ(第1特図1保留図柄hr1、第2特図1保留図柄hr2)が表示されている。また、図594(a)は、第3図柄が全て高速変動中(図では左方向の3本の矢印で表示)、つまり、変動演出の初期段階を示している。次に、図594(a)に示した状態から、変動演出が進行し、高速変動中の第3図柄のうち上図柄列Z1の第3図柄と下図柄列Z3の第3図柄がリーチ状態で停止表示された場合に表示される表示画面について、図594(b)を参照して説明をする。
図594(b)は、キャラ先読み演出の対象変動演出にてリーチ状態が発生した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図594(b)に示した通り、リーチ状態が発生すると、主表示領域Dmの上側に「リーチ!!」の文字が表示されると共に、音声出力装置226(スピーカ等)から、「リーチ」の音声が出力される。そして、音声出力装置226から出力された「リーチ」の音声に反応するかのようにして、キャラ8591が目覚める演出が実行される。その後、キャラ8591が起きている表示態様で表示されると共に、副表示領域Dsには、現在の演出状況を案内するための案内表示態様として「リーチの音でキャラが起きたよ。いつ叫ぶかドキドキ」の文字が表示される。本第16制御例におけるキャラ先読み演出では、キャラクタ8591が居眠りをしている状態において特定の音声(例えば、リーチ音声)が出力された場合にキャラクタ8591が起きる(目覚める)演出を実行するように構成している。つまり、居眠りをしているキャラクタ8591が目覚めるタイミングを、実行中の変動演出の演出態様によって遊技者に予測させることが可能に構成している。このように構成することで、特定のアクションが実行されることの無い表示態様(居眠りをしている表示態様)でキャラクタ8591が表示された場合に、キャラクタ8591が目覚めるタイミングを常に気にする必要が無くなるため、安心しながらキャラ先読み演出を楽しませる期間を遊技者に提供し易くすることができる。なお、本第16制御例においては、特別図柄変動(変動演出)が開始される場合に出力される変動開始音、リーチ時に出力されるリーチ音、擬似変動演出における第3図柄の仮停止、又は再始動時に出力される擬似演出音、遊技者が枠ボタン22を押下したことに基づいて出力されるボタン押下音を、居眠りをしているキャラクタ8591を目覚めさせる音声として規定している。つまり、居眠りをしているキャラクタ8591を目覚めさせる音声が、変動演出の演出期間に含まれる様々なタイミングで且つ、変動演出の演出態様が切り替わるタイミングにて出力されるように構成している。
このように構成することで、変動演出のどのタイミングで居眠りをしているキャラクタ8591が目覚める可能性があるのかを遊技者に把握させ易くすることができると共に、変動演出の演出期間全体に渡ってキャラクタ8591が目覚め得るため、変動演出に対して継続して遊技者に興味を持たせ易くすることができる。また、居眠りをしているキャラクタ8591を目覚めさせ得る1の音声が出力されてから、次の音声が出力されるまでに所定間隔が設けられているため、1の音声が出力されたにも関わらずキャラクタ8591が居眠りを続けている場合には、次の音声が出力されるまでの期間を特定のアクションが実行されることが無い期間であると把握することができる。次に、図595を参照して、キャラ先読み演出における対象変動演出中に実行されるキャラクタ8591のアクションについて説明をする。図595(a)は、キャラクタ8591が特定のアクション(咆哮)を実行するか否かを煽るキャラ煽り演出中の表示画面の一例を示した図であり、図595(b)は、キャラ煽り演出の演出結果として、キャラクタ8591が気絶をした場合の表示画面の一例を示した図である。本第16制御例では、キャラ先読み演出中において、キャラクタ8591が特定のアクション(咆哮)を実行することが無い期間(セーフ期間)を示すための表示態様として、居眠り態様(図594(a)参照)に加え、気絶態様(図595(b)参照)を表示可能に構成している。
ここで、上述した居眠り態様でキャラクタ8591が表示されている状態では、変動演出の演出態様(出力される音声)によってキャラクタ8591が居眠りから目覚めるように構成している。つまり、特定の演出(例えば、リーチ音の出力)が実行されたことに基づいて成立する終了条件(第1条件)が成立した場合に終了する第1セーフ期間(居眠り期間)を設定可能に構成していた。このように構成された第1セーフ期間は、変動演出の演出内容に基づいて第1セーフ期間が終了することになるため、どのタイミングで第1セーフ期間が終了するのかを遊技者に分かり難くすることができ、演出効果を高めることができるものであった。しかしながら、第1セーフ期間が終了するタイミングが複数タイミング(複数の特定の演出のうち、何れかの特定の演出が実行されるタイミング)に限定されてしまうことから演出内容が単調となってしまう虞があった。そこで、本第16制御例では、キャラ先読み演出中に表示されるキャラクタ8591が特定のアクションを実行し得ない期間(セーフ期間)として、上述した第1セーフ期間とは異なる第2セーフ期間を設定可能に構成し、第2セーフ期間は時間経過に基づいて終了条件が成立するように構成している。このように終了条件を異ならせた複数のセーフ期間を設定可能に構成することで、設定されたセーフ期間の種別に応じて様々なタイミングでセーフ期間を終了させることができるため、どのタイミングで特定のアクションが実行されるかを、或いは、どのタイミングでセーフ期間が終了するのかを予測する楽しみを遊技者に提供し易くすることができる。さらに、本第16制御例では、特定のアクションが実行されるか否かを煽るための演出(キャラ煽り演出)を実行可能に構成しているため、キャラクタ8591が目覚めている状態(特定のアクションを実行することが可能な状態)において、急に特定のアクションが実行されてしまい演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。また、特定のアクションが実行されない期間においてもキャラ煽り演出を実行することによって変動演出が間延びしてしまうことを抑制することができる。
図595(a)に示した通り、キャラ先読み演出の対象変動演出中であって、キャラクタ8591が目覚めている表示態様で表示されている状態では、特定のアクションが実行されるか否かを煽るキャラ煽り演出としてキャラクタ8591が息を吸い込んでいる表示態様が表示されており、副表示領域Dsには、現在がキャラ煽り演出中であることを案内するための案内表示態様として「叫ぶかも・・・!!」の文字が表示される。このキャラ煽り演出の後、キャラクタ8591が実際に特定のアクション(咆哮)を実行する場合には、吸い込んだ息を吐き出すように咆哮アクション(図596(a)参照)が実行される。一方、キャラ煽り演出の演出結果が特定のアクション(咆哮)を実行しない場合には、息を吸い込んだままキャラ煽り演出が終了する。また、キャラ煽り演出の演出結果として、息を吸い込んだままキャラクタ8591が気絶する演出が実行されるようにも構成している。キャラクタ8591が気絶した場合には、図595(b)に示した通り、主表示領域Dmの左下側に気絶をした表示態様でキャラクタ8591が表示され、そのキャラクタ8591の上方には、気絶中の残期間を示すための残気絶期間表示態様として星を模した気絶アイコン8591aが表示される。図595(b)に示した図では、残気絶期間が4秒であることを示すための表示態様として4個の星が周回している気絶アイコン8591aが表示されている。この気絶アイコン8591aの表示態様は、経過時間に基づいて可変するように構成しており、1秒経過する毎に星の数が1つ減少した表示態様へと変化するように構成している。このように構成することで、気絶アイコン8591aの表示態様を把握することでキャラクタ8591が気絶している残期間を遊技者に予測させることが可能となる。
このキャラクタ8591が気絶している期間が、特定のアクションが実行されることが無い期間(第2セーフ期間)となる。この第2セーフ期間は、上述した第1セーフ期間(キャラクタ8591が居眠りをしている期間)とは異なり、経過時間に基づいて終了条件が成立するように構成している。よって、第2セーフ期間が設定された場合(キャラクタ8591が気絶した場合)には、実行中の変動演出の進行状況と、第2セーフ期間の残期間とに基づいて、変動演出のどのタイミングでキャラクタ8591が気絶状態から目覚め、特定のアクションを実行するかを遊技者に予測させることができる。なお、図595(b)に示した表示画面では、気絶アイコン8591aの表示態様によって遊技者に対して第2セーフ期間の残期間を示唆しているが、これに限ること無く、第2セーフ期間が終了するまでの残期間を、所定の値を減少させることで示唆するためのカウントダウン表示を表示するように構成しても良い。また、本第16制御例では、気絶アイコン8591aを表示することで、第2セーフ期間が終了するまでの残期間を遊技者に予測させるように構成しているが、これに加えて、気絶アイコン8591aの表示態様によって、第2セーフ期間が終了してから特定のアクションが実行されるまでの期間を遊技者に予測させることが可能となるように構成しても良い。この場合、気絶アイコン8591aの動的表示速度や、気絶アイコン8591aの表示色を異ならせることで、第2セーフ期間が終了してから特定のアクションが実行されるまでの期間を遊技者に予測させることが可能となるように構成すると良く、例えば、気絶アイコン8591aが通常よりも高速で動的表示している場合には、第2セーフ期間が終了してから特定のアクションが実行されるまでの期間が、通常速度で気絶アイコン8591aが動的表示されている場合よりも長くなるように構成したり、気絶アイコン8591aの表示色が通常色(例えば、白色)とは異なる特殊色(例えば、赤色)で表示された場合には、気絶アイコン8591aの表示色が通常色である場合よりも第2セーフ期間が終了してから特定のアクションが実行されるまでの期間が長くなるように構成したりすると良い。
このように構成することで、第2セーフ期間が設定された場合に特定のアクションが実行されることが無い期間を確保した状態で特定のアクションが実行されるタイミングを遊技者に予測させることができるため、演出効果を高めることができる。次に、図596(a)を参照して、第2セーフ期間(キャラクタ8591が気絶している期間)が終了した後に表示される表示画面について説明をする。図596(a)は、キャラクタ8591が特定のアクション(咆哮)を実行した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図596(a)に示した表示画面は、図595(b)に示した表示画面が表示された後、4秒が経過したことで第2セーフ期間が終了し、キャラクタ8591が目覚めた後、新たなキャラ煽り演出が実行され、そのキャラ煽り演出の演出結果として特定のアクション(咆哮)が実行された際の表示画面を示しており、キャラクタ8591が特定のアクション(咆哮)を実行するタイミングにおいて、既に、第3図柄が大当たり当選を示す表示態様(3つの「4」図柄が縦ラインに揃っている表示態様)で表示されており、主表示領域Dmの上方に大当たり当選を報知するための「大当たり」の文字が表示されている。この状態でキャラクタ8591が特定のアクション(咆哮)を実行することで、主表示領域Dmに表示されている第3図柄(大当たり当選を示す表示態様で表示されている第3図柄)を、他の表示態様へと切り替える演出が実行される。なお、図596(a)に示した表示画面は、第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で特別図柄変動が停止表示されていない状態(仮停止状態)を示している。その後、図596(b)に示した通り、仮停止されていた大当たり図柄(偶数図柄)が、確変大当たり当選を示す大当たり図柄(奇数図柄)へと昇格表示される。次に、図597(a)を参照して、キャラクタ8591が居眠りをしている状態で実行される変動演出の音声について説明をする。図597(a)は、キャラクタ8591が居眠りをしている状態であって、変動演出としてリーチ状態が表示された場合にリーチ音が出力されなかった場合に表示される表示画面を示した図である。
図597(a)に示した通り、リーチ音が出力されなかった場合(サイレントリーチが実行された場合)は、副表示領域Dsにてサイレントリーチが発生したことを案内するための案内表示態様として「リーチ音が鳴らないキャラが眠ったままだチャンス」の文字が表示される。次に、図597(b)、及び図598を参照して、キャラ先読み演出中に実行される特殊演出(爆睡)の演出内容について説明をする。本第16制御例では、キャラ先読み演出が実行されている状態で新たに獲得した特図保留が確変大当たりに対応する特図保留である場合に、入賞音(保留図柄が表示される際に出力される音)として子守歌が出力され、図597(b)に示した通り、キャラクタ8591が布団を被って爆睡する特殊態様が表示されるように構成している。この特殊態様は、確変大当たり当選する特別図柄変動が実行されるまで継続表示され、確変大当たり当選する特別図柄変動が開始されると、図598に示した通り、変動開始時(変動演出開始時)にキャラクタ8591が眠りから覚めて「おはよう大当たりだよ」と大当たり当選を報知する演出が実行される。次に、図599~図604を参照して、ルーレット演出の演出内容について説明をする。本第16制御例におけるパチンコ機10では、複数の特別図柄変動を跨いで実行される先読み演出として、第1演出(クマルーレット演出)と、第2演出(キャラ登場演出)と、を実行可能に構成し、第1演出の演出態様と、第2演出の演出態様とを用いて先読み演出の演出結果を表示可能に構成している。また、第1演出の実行タイミングに対して、第2演出を異なるタイミングで実行可能に構成している。具体的には、先読み演出において最初に第1演出が実行される場合には、第1演出が開始された後に、第2演出を開始するように構成し、2回目の第1演出が実行される場合には、第1演出と第2演出とを同時に開始させるように構成している。そして、1回目の第1演出が開始される場合には、第2演出が開始されるまでの残期間を用いて今回実行される先読み演出の演出内容を遊技者に報知可能に構成している。このように構成することで、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
図599(a)は、ルーレット演出が開始された場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図599(b)は、1回目のルーレット演出にてキャラが表示された場合の表示画面の一例を示した図である。また、図600(a)は、1回目のルーレット演出の演出結果を示す表示画面の一例を示した図であって、図600(b)は、1回目のルーレット演出の演出結果を示す表示画面の別例を示した図である。図601(a)は、1回目のルーレット演出を示す表示画面の一例を示した図であって、図601(b)は、2回目のルーレット演出の演出結果を示す表示画面の一例を示した図である。図602(a)は、ルーレット演出中に登場したキャラ(勇者)を用いた演出中に表示される表示画面の一例を示した図であって、図602(b)は、ルーレット演出中に登場した特殊キャラ(クマ)を用いた演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。図603は、特殊キャラを用いた演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。クマルーレット演出(ルーレット演出)は、先読み演出の一種であり、先読み演出の対象変動に向けてクマを模した複数の絵柄(クマアイコン)が上下方向に変動表示し、特定の絵柄(クマアイコン)が停止表示した場合に、停止表示された絵柄(クマアイコン)に付されている情報(文字情報)に対応する演出態様が実行されるものである。さらに、クマアイコンとは別に複数のキャラアイコンが表示され、キャラアイコンにより実行される演出の種別に応じて、次回のクマルーレット演出の演出態様を変化させるように構成されている。図599(a)に示した通り、1回目のクマルーレット演出が開始されると、第1クマアイコン8961a、第2クマアイコン8961b、第3クマアイコン8961c、第4クマアイコン8961dが表示され、変動表示される。なおこのクマアイコンは、変動表示される第3図柄の表示領域と重複した領域に表示されるが、リーチ状態となる第3図柄を覆うことが無いように、表示位置が決定される。
そして、クマルーレット演出が開始されてから2秒が経過すると、実行中の特別図柄変動が停止表示し、次の変動表示が開始される。次の変動表示が開始されると、図599(b)に示した通り、第3図柄の変動表示(高速変動表示)と、クマルーレット演出の変動表示(高速変動表示)とが実行されている状態で、1回目のルーレット演出に対応するキャラアイコン(8965a~8965c)が表示される。図599(b)に示した通り、第3図柄の変動表示(高速変動表示)と、クマルーレット演出の変動表示(高速変動表示)とは、変動表示方向が直交しているため、遊技者が何れの変動表示が実行されているかを識別し易くしている。その後、実行中の第3図柄が停止表示されるタイミングで1回目のクマルーレット演出が停止表示されると、図600(a)に示した通り、変動表示されていた複数のクマアイコンのうち、特定のクマアイコン(図では第2クマアイコン8961b)が停止表示され、複数のキャラアイコン(8965a~8965c)のうち、特定のキャラアイコン(図では、第3キャラアイコン8965c)が表示される。なお、各ルーレット演出にて停止表示されるクマアイコン、キャラアイコンの種別は、ルーレットシナリオ選択テーブル222jf、及び、ルーレット態様決定テーブル222jgを参照して、予め決定されている。図600(a)に示した通り、第2クマアイコン8961bには、文字情報として「続」が付されていることから、2回目のクマルーレット演出が実行されることが報知される。本制御例では、クマルーレット演出にて停止表示されたクマアイコンは、次回のクマルーレット演出が開始されるタイミングで、表示領域外へと飛ばされるように構成している。つまり、クマルーレット演出の実行回数が増加するほど、変動表示されるクマアイコンの数が減少するように構成している。このように構成することで、変動表示されているクマアイコンの中に、大当たり当選を示す文字情報が付されているクマアイコン(第4クマアイコン8961d)が存在する場合には、より多くのクマルーレット演出が実行されることを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
図600(a)に示した表示画面が表示された後は、図600(b)に示した、キャラアイコンを用いた演出(継続演出)が実行される。キャラアイコンとして金太郎を模したキャラアイコン8965cに基づく演出が実行された場合には、クマルーレット演出に用いられた複数のクマアイコンのうち、1回目のクマルーレット演出にて停止表示された第2クマアイコン8961bと、それ以外の第1クマアイコン8961aと、がキャラアイコンによって投げ飛ばされる演出が実行されている。そして、副表示領域Dsには「2回目のルーレットはクマ2種類!!チャンス」の文字が表示される。その後、2回目のルーレット演出が実行されると、図601(a)に示した通り、2種類のクマアイコンによる変動表示が開始されると同時に、2回目のクマルーレット演出に対応するキャラアイコンが表示される。図601(a)に示した例では、「激」の文字を付したチャンスキャラアイコン8965dが表示され、副表示領域Dsには「チャンスキャラ登場」の文字が付されている。次に、図601(b)を参照して、チャンスキャラアイコン8965dを用いた演出の内容について説明をする。図601(a)に示した2回目のクマルーレット演出の演出結果として、「熱」の文字情報が付された第3クマアイコン8961cが表示された場合に、チャンスキャラアイコン8965dが表示された場合には、チャンスキャラアイコン8965dが第3クマアイコン8961cの左側に移動し、2つのアイコンを用いて「激熱」の文字を形成するように構成している。
このように構成することで、クマルーレット演出にて用いられる複数の演出種別を組み合わせた複合的な演出態様によって、先読み演出の対象変動となる特別図柄抽選の結果を予測させることができる。なお、このチャンスキャラアイコン8965dが表示された状況が第3クマアイコン8961cが表示されていない場合には、複合的な演出態様が形成されることが無い。よって、図601(a)に示した2回目のクマルーレット演出が実行された時点において、チャンスキャラアイコン8965dが残って表示されることと、第3クマアイコン8961cが表示されることを遊技者に期待させることができる。また、図601(a)に示した表示画面では、第3クマアイコン8961cが表示されない場合には、特別図柄抽選で当たり当選することを示す「当」の文字情報が付された第4クマアイコン8961dが表示されることになるため、何れのクマアイコンが表示された場合であっても、チャンスキャラアイコン8965dが表示された場合に遊技者に有利となる演出を実行することができる。次に、図602(a)を参照して、キャラアイコンとして勇者を模したキャラアイコン8965aを用いた演出内容について説明をする。図602(a)に示した通り、勇者を模したキャラアイコン8965aは、停止表示されたクマアイコン(第2クマアイコン8961b)に飛び乗る演出を実行し、停止表示されたクマアイコンが領域外へと飛び出してしまうのを抑止する演出が実行される。つまり、次回のクマルーレット演出の実行が確定する「続」の文字情報が付された第2クマアイコン8961bにキャラアイコン8965aが飛び乗った場合には、次のルーレット演出も継続する可能性を残すことができる。
最後に、特殊キャラ8965xが表示された場合におけるクマルーレット演出の演出内容について、図602(b)、及び図603を参照して説明をする。この特殊キャラ8965xは、ボスグマを模した表示態様であって、文字情報として確変大当たりに対応する「確」の文字が付されている。この特殊キャラ8965xは、図603に示した通り、変動表示されているクマルーレット演出のクマアイコンをはじき飛ばして、特殊キャラ8965x自体がクマルーレット演出にて変動表示される絵柄(クマアイコン)へと可変するように構成している。このように構成することで、クマルーレット演出にて用いられる複数の演出種別を組み合わせた複合的な演出態様として、クマルーレット用の絵柄(クマアイコン)とは異なる態様で表示された図柄(キャラアイコン)を、クマルーレット用の絵柄に切り替えることができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。次に、図604を参照して、ルーレット演出の実行タイミングについて説明をする。図604は、ルーレット演出と特図変動の流れを示す図である。図604に示した通り、ルーレット演出は1回目と2回目とで、ルーレットが開始されるタイミングと、キャラを登場させるキャラ演出が実行されるタイミングとを異ならせている。具体的には、1回目のルーレット演出は、キャラ演出が実行されるよりも2秒前にルーレットが開始されるように構成し、2回目のルーレット演出では、ルーレットの開始と、キャラ演出の開始タイミングが一致するように構成している。このように構成することで、ルーレット演出が開始された場合において2秒間の待機期間を用いてルーレット演出の演出内容を遊技者に案内するための案内報知を実行することができる。また、2回目以降のルーレット演出では、ルーレットの開始と、キャラ演出の開始タイミングとを一致させることで、インパクトのある演出を実行することができる。
<第16制御例における電気的構成について>
次に、図605から図610を参照して、本第16制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第16制御例におけるパチンコ機10は、上述した第12制御例におけるパチンコ機10の電気的構成に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部と、RAM223の構成の一部と、を変更している点で相違し、それ以外の構成は同一である。同一の構成についてはその説明を省略する。まず、図605を参照して、本第16制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図605は、本第16制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を模式的に示した図である。図605に示した通り、本第16制御例におけるROM222は、上述した第12制御例におけるROM222(図508(a)参照)に対して、キャラ態様選択テーブル222jdと、音声種別選択テーブル222jeと、ルーレットシナリオ選択テーブル222jfと、ルーレット態様決定テーブル222jgと、を追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。キャラ態様選択テーブル222jdは、キャラ先読み演出にて表示されるキャラクタ8591(図593(a)参照)の対象変動演出中の態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、対象変動演出が開始された時点におけるキャラクタ8591の態様(目覚めている態様、又は居眠りしている態様)と、対象変動演出の演出態様(変動演出パターン)と、当否判定結果と、に基づいて、対象変動演出の各種タイミングにて設定されるキャラクタ8591の態様(居眠り、気絶、目覚め、咆哮)が規定されている。
ここで、キャラ態様選択テーブル222jdの詳細な内容について図607を参照して説明をする。図607は、キャラ態様選択テーブル222jdに規定されている内容を模式的に示した図である。図607に示した通り、キャラ態様選択テーブル222jdには、キャラ先読み演出の対象変動演出中に表示されるキャラクタ8591の態様種別として、8種類の態様種別(態様A~態様G、及び特殊態様)が、対象変動演出に対応する特別図柄抽選の結果と、取得した演出カウンタ223f(第1演出カウンタ223fa)の値とに対応して規定されている。具体的には、対象変動演出が開始されるタイミングのキャラクタ8591の態様が「通常」、即ち、キャラクタ8591が起きている状態で対象変動演出が実行される場合は、対象変動演出に対応する特別図柄抽選の結果が「大当たり」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して態様種別「態様A」が、「20~39」の範囲に対して態様種別「態様B」が、「40~59」の範囲に対して態様種別「態様C」が、「60~79」の範囲に対して態様種別「態様D」が、「80~99」の範囲に対して態様種別「態様E」が規定されている。また、対象変動演出に対応する特別図柄抽選の結果が「外れ」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~24」の範囲に対して態様種別「態様A」が、「25~49」の範囲に対して態様種別「態様B」が、「50~74」の範囲に対して態様種別「態様C」が、「75~99」の範囲に対して態様種別「態様D」が規定されている。
一方、対象変動演出が開始されるタイミングのキャラクタ8591の態様が「居眠り」、即ち、キャラクタ8591が居眠りしている状態で対象変動演出が実行される場合は、対象変動演出に対応する特別図柄抽選の結果が「大当たり」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~24」の範囲に対して態様種別「態様A」が、「25~49」の範囲に対して態様種別「態様D」が、「50~99」の範囲に対して態様種別「態様F」が規定されている。また、対象変動演出に対応する特別図柄抽選の結果が「外れ」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して態様種別「態様A」が、「80~89」の範囲に対して態様種別「態様B」が、「90~99」の範囲に対して態様種別「態様G」が規定されている。さらに、対象変動演出が開始されるタイミングのキャラクタ8591の態様が「爆睡」、即ち、キャラクタ8591が布団に入って寝ている状態(図597(b)参照)で対象変動演出が実行される場合は、対象変動演出に対応する特別図柄抽選の結果が「大当たり」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して態様種別「特殊態様」が規定されている。なお、詳細は後述するが、キャラクタ8591が布団に入って寝ている状態(図597(b)参照)の態様は、演出結果が外れであるキャラ先読み演出の実行中に確変大当たりに当選する入賞情報(特図保留)を獲得した場合に設定される態様であるため、キャラクタ8591の態様が「爆睡」の状態で対象変動演出が実行される場合には、大当たり当選(確変大当たり当選)に対応する態様しか規定されていない。ここで、各態様種別の詳細な内容について説明をする。図607に示した通り、各態様種別には、対象変動演出の演出期間における特定タイミングにて表示されているキャラクタ8591の態様を定めた情報が規定されている。具体的には、対象変動演出が開始された直後の「変動開始時」、リーチ状態が表示されるよりも前の「擬似演出中」、リーチ状態が表示されている期間を示す「リーチ中」、変動表示されている第3図柄が停止表示された後の「停止後」の4つのタイミングにおけるキャラクタ8591の態様が規定されている。
態様種別「態様A」は、対象変動演出が大当たり演出、外れ演出の何れの場合であっても、また、対象変動演出が開始される時点におけるキャラクタ8591の態様が「通常」、「居眠り」の何れの場合であっても選択され得る態様種別であって、変動開始時に「通常」、擬似演出中に「咆哮」の態様が規定されている。つまり、対象変動演出が実行される時点で表示されているキャラクタ8591の態様が「通常」である場合には、対象変動演出が実行されてからも「通常」の態様でキャラクタ8591が継続して表示され、擬似演出中にキャラクタ8591が「咆哮」する演出が実行される。また、対象変動演出が実行される時点で表示されているキャラクタ8591の態様が「居眠り」である場合には、対象変動演出が開始された際に出力される変動開始音によってキャラクタ8591が目を覚ます演出が実行されることにより「通常」の態様でキャラクタ8591が表示される。その後、擬似演出中にキャラクタ8591が「咆哮」する演出が実行される。このように本第16制御例にて実行されるキャラ先読み演出では、キャラ先読み演出が実行されてから、対象変動演出が実行されるまでの期間(先読み期間)は、実行される各変動演出の演出態様(変動演出パターン)に応じてキャラクタ8591の態様が決定されるように構成することで、同一の演出結果となるキャラ先読み演出であっても対象変動演出の演出態様を異ならせるように構成している。このように構成することで、同一の演出結果を示すための変動演出の演出態様を多様化し易くすることができるため、遊技者が飽き難い遊技を提供することができる。次に、態様種別「態様B」は、対象変動演出が大当たり演出、外れ演出の何れの場合であっても選択され得る態様種別であって、変動開始時に「通常」、擬似演出中に「通常」、リーチ中に「咆哮」の態様が規定されている。
この「態様B」は、対象変動演出が実行された直後のキャラクタ8591の態様が上述した「態様A」と同一であることから、対象変動演出が実行された直後に「態様A」が設定されているのか「態様B」が設定されているのかを遊技者に把握させ難くすることができる。また、上述した「態様A」に対して、キャラクタ8591が「咆哮」するタイミングが遅くなる(「リーチ中」)ように構成している。なお、詳細な説明は省略するが、「態様B」が設定された場合における「擬似演出中」には、キャラクタ8591が咆哮を示唆する示唆態様(図595(a)参照)が繰り返し実行されるように構成している。このように示唆態様を表示することにより、「態様B」が設定されている状態において、遊技者に対して、設定されえている態様種別が「態様A」かもしれないと思わせることができる。また、対象変動演出中にキャラクタ8591を「気絶」させる態様種別が設定されているのではと思わせることもできる。よって、変動演出として実行される各種演出が単一的となってしまうことを抑制することができる。また、共通の演出態様が設定された後に、複数の演出(専用演出)へと分岐するように構成することで、既に実行された演出内容に基づいて、後に実行される演出内容を予測する楽しみを遊技者に提供することができる。次に、態様種別「態様C」は、対象変動演出が実行された直後のキャラクタ8591の態様が「通常」である場合において、対象変動演出が大当たり演出、外れ演出の何れの場合であっても選択され得る態様種別である。この「態様C」に対しては、変動開始時に「居眠り」、擬似演出中に「通常」。リーチ中に「咆哮」の態様が規定されている。詳細な説明は後述するが「態様C」が設定された場合には、対象変動演出の開始時に出力される変動開始音として「子守歌」が出力され、「通常」の態様で表示されているキャラクタ8591が居眠りをしてしまう演出が実行される。このように構成することで、キャラクタ8591が咆哮するタイミングが擬似演出中では無いことを遊技者に容易に把握させることができる。
次に、態様種別「態様D」は、対象変動演出が実行された直後のキャラクタ8591の態様が「通常」である場合には、対象変動演出が大当たり演出、外れ演出の何れであっても選択し得る態様であって、対象変動演出が実行された直後のキャラクタ8591の態様が「居眠り」である場合には、対象変動演出が大当たり演出である場合にのみ選択し得る態様である。この「態様D」に対しては、変動開始時に「通常」、擬似演出中に「気絶」、リーチ中に「咆哮」の態様が規定されている。つまり、対象変動演出が実行されてから擬似演出が終了するまでの期間において、キャラクタ8591が咆哮することを示唆する示唆演出が実行され、その示唆演出の演出結果としてキャラクタ8591が気絶する演出が実行される。キャラクタ8591が気絶すると、気絶状態が4秒間継続するように構成しており、その4秒間の間にリーチ状態が成立するように構成している。よって、「態様D」が設定されたことに基づいてキャラクタ8591が気絶した場合には、擬似演出中にキャラクタ8591が咆哮しないことを遊技者に予測させることが可能となる。次に、態様種別「態様E」は、対象変動演出が実行された直後のキャラクタ8591の態様が「通常」であって、且つ、対象変動演出が大当たり演出である場合のみ選択し得る態様である。この「態様E」に対しては、変動開始時に「居眠り」、擬似演出中に「通常」、リーチ中に「気絶」、停止後に「咆哮」の態様が規定されている。つまり、対象変動演出が開始された直後は、上述した「態様C」と同様に、変動開始音として「子守歌」が出力されキャラクタ8591が居眠りをする演出が実行され、その後、擬似演出中に出力される擬似演出音(第3図柄の擬似停止音)によってキャラクタ8591が目を覚ます演出が実行される。そして、示唆演出を繰り返している最中に第3図柄が停止表示され、その後にキャラクタ8591が咆哮する演出が実行される。
次に、態様種別「態様F」に対しては、変動開始時に「居眠り」、擬似演出中に「通常」、リーチ中に「気絶」、停止後に「咆哮」の態様が規定されている。つまり、対象変動演出が開始された直後(キャラクタ8591が居眠りしている状態)では、変動開始音として「消音」が出力されキャラクタ8591が居眠りをする演出が継続し、その後、擬似演出中に出力される擬似演出音(第3図柄の擬似停止音)によってキャラクタ8591が目を覚ます演出が実行される。そして、リーチ音として「衝撃音」が出力されることでキャラクタ8591が気絶をし、その後、所定時間(4秒間)経過でキャラクタ8591が目を覚ました後に咆哮する演出が実行される。次に、態様種別「態様G」に対しては、変動開始時に「居眠り」、擬似演出中に「通常」、リーチ中に「咆哮」の態様が規定されている。つまり、対象変動演出が開始された直後(キャラクタ8591が居眠りしている状態)では、変動開始音として「消音」が出力されキャラクタ8591が居眠りをする演出が継続し、その後、擬似演出中に出力される擬似演出音(第3図柄の擬似停止音)によってキャラクタ8591が目を覚ます演出が実行される。そして、示唆演出が実行された後、リーチ中に咆哮する演出が実行される。最後に、態様種別「特殊態様」に対しては、変動開始時にキャラクタ8591が咆哮する演出が実行される。音声種別選択テーブル222jeは、キャラ先読み演出の対象変動演出中に実行される変動演出に対応させて出力される音声の種別を決定する際に参照されるデータテーブルであって、キャラ態様選択テーブル222jdを参照して決定されたキャラクタ8591の態様に基づいて、各種音声出力タイミングにて設定される音声種別が規定されている。本第16制御例では、キャラ先読み演出中であって、キャラクタ8591が居眠りしている状態で変動演出として特定の演出(例えば、リーチ、擬似変動の開始、又は停止等)が実行され、その特定の演出に対応する音声(例えば、リーチ音や変動開始音、変動停止音等)が出力されることで、居眠りをしているキャラクタ8591が目覚める演出が実行されるように構成している。
そして、特定の演出の実行タイミングを跨いで、継続してキャラクタ8591が居眠りをするキャラ態様が決定された場合の一部において、特定の演出が実行された際に、その特定の演出に対応する音声を出力しないように構成している。つまり、第1セーフ期間(キャラクタ8591が居眠りをしている期間)の終了条件が成立し得る特定の演出の実行タイミングにおいて、終了条件の成立契機である音声が出力されない演出(サイレント演出)を実行可能に構成している。このように構成することで、サイレント演出が実行された場合には、その演出の実行タイミングにて第1セーフ期間の終了条件が成立し得ないため、遊技者に安心して演出を楽しませることができる。さらに、本第16制御例では、キャラ先読み演出中であって、キャラクタ8591が目覚めている状態で、特定の演出が実行される場合に、通常の演出音では無く、特殊演出音を出力可能に構成しており、この特殊演出音が出力された場合に、キャラクタ8591が居眠りするように構成している。つまり、キャラクタ8591が居眠りをしている状態では、キャラクタ8591が目覚めるか否かについて遊技者に注視させる特定の演出の実行タイミングに対して、キャラクタ8591が目覚めている状態であっても、遊技者に興味を持たせた演出を実行可能に構成している。よって、変動演出の演出効果を高めることができる。ここで、図608を参照して、音声種別選択テーブル222jeの内容について説明をする。図608は、音声種別選択テーブル222jeに規定されている内容を模式的に示した図である。図608に示した通り、音声種別選択テーブル222jeには、キャラ態様選択テーブル222jdを参照して選択された態様種別に対応させた音声情報が規定されている。ルーレットシナリオ選択テーブル222jfは、先読み演出であるクマルーレット演出の演出シナリオ(演出に用いる特別図柄変動回数、演出結果)を決定する際に用いられるデータテーブルであって、先読み演出としてクマルーレット演出が決定された場合に参照される。
ここで、図609を参照して、ルーレットシナリオ選択テーブル222jfに規定されている演出シナリオの内容について説明をする。図609は、ルーレットシナリオ選択テーブル222jfに規定されている内容を模式的に示した図である。図609に示した通り、先読み演出の対象変動である特別図柄抽選の結果と、対象保留位置と、取得した演出カウンタ223fの値と、に基づいて演出態様を異ならせた演出シナリオ(シナリオ1~シナリオ8)が規定されている。具体的には、先読み演出の対象保留位置が保2(次の次に実行される特別図柄変動)であって、抽選結果が大当たりA50(確変大当たり)である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対してシナリオ1が、「50~99」の範囲に対してシナリオ2が規定されている。また、先読み演出の対象保留位置が保2(次の次に実行される特別図柄変動)であって、抽選結果が大当たりA50(確変大当たり)以外である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対してシナリオ2が規定されている。さらに、先読み演出の対象保留位置が保3(次の次の次に実行される特別図柄変動)であって、抽選結果が大当たり(共通)である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~69」の範囲に対してシナリオ3が、「70~99」の範囲に対してシナリオ4が規定されている。また、先読み演出の対象保留位置が保1(次に実行される特別図柄変動)である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対してシナリオ5が、「80~99」の範囲に対してシナリオ6が規定されている。そして、先読み演出の対象保留位置が保2(次の次に実行される特別図柄変動)であって、抽選結果が外れである場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対してシナリオ7が、「10~99」の範囲に対してシナリオ8が規定されている。また、先読み演出の対象保留位置が保1(次に実行される特別図柄変動)である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~4」の範囲に対してシナリオ5が、「5~99」の範囲に対してシナリオ6が規定されている。
ルーレットシナリオ「シナリオ1」は、クマルーレット演出が2回実行されるシナリオであって、1回目の演出結果が2回目のクマルーレット演出が実行されることを示す「続」、2回目の演出結果が確変大当たり当選を示す「確」となる演出シナリオが規定されている。つまり、図603にて示した演出は、「シナリオ1」に基づいて実行されたクマルーレット演出となる。ルーレットシナリオ「シナリオ2」は、クマルーレット演出が2回実行されるシナリオであって、1回目の演出結果が2回目のクマルーレット演出が実行されることを示す「続」、2回目の演出結果が大当たり当選を示す「当」となる演出シナリオが規定されている。ルーレットシナリオ「シナリオ3」は、クマルーレット演出が3回実行されるシナリオであって、1回目、2回目の演出結果が次のクマルーレット演出が実行されることを示す「続」、3回目の演出結果が大当たり当選の期待度が高い「熱」となる演出シナリオが規定されている。つまり、図602(a)にて示した演出は、「シナリオ3」に基づいて1回目の「続」が表示される場合のクマルーレット演出となる。ルーレットシナリオ「シナリオ4」は、クマルーレット演出が3回実行されるシナリオであって、1回目、2回目の演出結果が次のクマルーレット演出が実行されることを示す「続」、3回目の演出結果が大当たり当選を示す「当」となる演出シナリオが規定されている。ルーレットシナリオ「シナリオ5」は、クマルーレット演出が1回実行されるシナリオであって、1回目の演出結果が大当たり当選の期待度が高い「熱」となる演出シナリオが規定されている。また、「シナリオ6」は、1回目の演出結果が大当たり当選の期待度が低い「無」となる演出シナリオが規定されている。ここで、シナリオ6が設定された場合には、文字情報が付されていない第1クマアイコン8961aが演出結果として停止表示される。
ルーレットシナリオ「シナリオ7」は、クマルーレット演出が2回実行されるシナリオであって、1回目の演出結果が2回目のクマルーレット演出が実行されることを示す「続」、2回目の演出結果が「熱」となる演出シナリオが規定されている。ルーレットシナリオ「シナリオ8」は、クマルーレット演出が2回実行されるシナリオであって、1回目の演出結果が2回目のクマルーレット演出が実行されることを示す「続」、2回目の演出結果が「無」となる演出シナリオが規定されている。ルーレット態様決定テーブル222jgは、ルーレットシナリオ選択テーブル222jfを参照して決定された演出シナリオに対応する演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、クマルーレットの種別や、登場キャラの種別が取得した演出カウンタ223fの値に対応して規定されている。そして、ルーレット態様決定テーブル222jgを参照して決定された各種演出の種別(演出態様)は、演出態様格納エリア223jcに格納され、各種演出の実行タイミングにて演出態様格納エリア223jcに格納された情報が読み出され、読み出された情報に対応する演出態様が設定される。ここで、図610を参照して、ルーレット態様決定テーブル222jgに規定されている内容について説明をする。図610は、ルーレット態様決定テーブル222jgに規定されている内容を模式的に示した図である。次に、図606を参照して、本第16制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図A21(b)は、本第16制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。図A1(b)に示した通り、本第16制御例におけるRAM223は、上述した第12制御例におけるEAM223(図508(b)参照)に対して、キャラ先読み実行中カウンタ223jhと、特殊演出中フラグ223jjと、キャラ態様格納エリア223jkと、ルーレット演出実行中フラグ223jlと、を追加している点で相違している。それ以外の構成については同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
キャラ先読み実行中カウンタ223jhは、キャラ先読み演出が実行されていることを示すためのカウンタであって、キャラ先読み演出が実行される場合に、対象変動演出が実行されるまでの変動演出回数(特図変動回数)に対応した値がセットされる。そして、キャラ先読み実行中カウンタ223jhの値が1よりも大きい状態で新たな変動演出(特図変動)が開始される場合に値を1減算することで、キャラ先読み演出の対象変動演出が実行される場合にはキャラ先読み実行中カウンタ223jhの値が必ず1となるように構成されている。このように構成することで、キャラ先読み実行中カウンタ223jhの値を参照することによって、キャラ先読み演出の実行中であるか否かの判別や、キャラ先読み演出における対象変動演出が実行されているか否かを判別することが可能となる。特殊変動演出中フラグ223jjは、キャラ先読み演出中に特殊条件が成立したことを示すためのフラグであって、特殊条件が成立した場合にオンに設定される。本第16制御例では、演出結果が外れであるキャラ先読み演出(ガセ演出)の実行中に新たな特図保留を獲得し、その特図保留が大当たり当選に対応する特図保留(当たり保留)である場合(特殊条件が成立した場合)に、当たり保留に対応する変動演出が対象変動演出となるように、キャラ先読み演出の演出期間を延長可能に構成している。そして、キャラ先読み演出の演出期間が延長された場合には、キャラ先読み演出にて表示されたキャラクタ8591が、対象変動演出が実行されるまで特殊表示態様(爆睡態様)で表示される特殊演出が実行されるように構成している。この特殊演出が実行される場合に特殊変動演出中フラグ223jjがオンに設定される。この特殊変動演出中フラグ223jjの設定状況は、先読み演出の実行を決定する際に参照され、オンに設定されていると判別した場合には、他の先読み演出が実行されないように構成している。このように構成することで、当たり保留が存在していることを示す特殊変動演出が実行されている期間中に他の先読み演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
キャラ態様格納エリア223jkは、キャラ先読み演出の演出態様として決定されたキャラ態様を示すための情報や、キャラ先読み演出の先読み期間中に決定されたキャラ態様を示すための情報を一時的に記憶するための記憶領域である。このキャラ態様格納エリア223jcには、先読み期間中に実行されたキャラ先読み演出としてキャラクタ8591の態様が変化した場合に変化後のキャラ態様を示すための情報(キャラ態様情報)が格納される。そして、対象変動演出の演出態様を決定する際に格納されているキャラ態様情報が読み出され、読み出したキャラ態様情報に応じた対象変動演出の演出態様が決定される。ここで、本第16制御例におけるパチンコ機10にて実行されるキャラ先読み演出は、演出開始時にはキャラクタ8591が目覚めている状態で表示され、対象変動演出が開始されるまでの先読み期間中は、その先読み期間に対応する変動演出の演出態様に応じてキャラクタ8591の態様を変化させるように構成している。そして、対象変動演出の演出態様を、対象変動演出が開始されるタイミングにて表示されているキャラクタ8591の態様に基づいて決定するように構成している。具体的には、対象変動演出が開始されるタイミングにおいて、キャラクタ8591が居眠りをしている場合には、居眠りをしているキャラクタ8591を目覚めさせる演出を少なくとも実行した後に特定のアクションを実行させる演出態様が決定され、対象変動演出が開始されるタイミングにおいて、キャラクタ8591が目覚めている場合には、キャラクタ8591を目覚めさせる演出を実行すること無く特定のアクションを実行させる演出態様を決定可能に構成している。このように構成することで、対象変動演出の演出結果が同一(特定のアクションを実行するタイミングが同一)の場合であっても、対象変動演出の開始タイミングにおけるキャラクタ8591の態様に応じて異なる演出態様を決定することができるため、キャラ先読み演出の演出効果を高めることができる。
また、対象変動演出の演出結果に関わらず、先読み期間中に実行される変動演出の演出態様に基づいて、対象変動演出の開始タイミングにおけるキャラクタ8591の態様を異ならせることができるため、遊技者に演出結果を予測させ難い演出を実行し易くすることができる。なお、本第16制御例では、キャラ先読み演出が実行された際に、目覚めているキャラクタ8591が表示されるように構成しているが、これに限ること無く、キャラ先読み演出の開始時点にて既に居眠りをしているキャラクタ8591を表示可能に構成しても良い。また、本第16制御例におけるキャラ先読み演出では、対象変動演出の演出結果(先読みされた特別図柄抽選の結果)に関わらず、対象変動演出が開始される時点のキャラクタの態様をランダムに決定可能に構成しているが、これに限ること無く、対象変動演出の演出結果に基づいて、対象変動演出が開始される時点のキャラクタの態様として決定され易い態様を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、対象変動演出が開始される時点におけるキャラクタ8591の態様に基づいて今回のキャラ先読み演出の演出結果を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。ルーレット演出実行中フラグ223jlは、先読み演出としてクマルーレット演出が実行されていることを示すためのフラグであって、クマルーレット演出が実行された場合にオンに設定される。そして、クマルーレット演出が終了した場合にオフに設定される。このルーレット演出実行中フラグ223jlの設定状況は、新たな先読み演出の実行を決定する際に参照され、ルーレット演出実行中フラグ223jlがオンに設定されている間は、他の先読み演出が実行されないように構成している。このように構成することで、所定の先読み演出を実行している期間中に、他の先読み演出が実行されてしまうことで、遊技者に分かり難い演出を提供してしまうことを抑制することができる。
<第16制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図611から図616を参照して、本第16制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の処理内容について説明をする。本第16制御例におけるパチンコ機10は、上述した第12制御例におけるパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の一部内容を変更している点で相違している。具体的には、主制御装置110から出力された入賞コマンド(入賞情報コマンド)に含まれる情報を判別した判別結果(事前判別結果)に基づいて実行される先読み演出を設定する制御処理と、設定された先読み演出を実行するための制御処理と、を異ならせている点で相違している。それ以外の制御処理内容については同一であり、同一の内容についてはその説明を省略する。まず、図611を参照して、先読み演出設定処理(S4504Ha)の処理内容について説明をする。図611は、先読み演出設定処理(S4504Ha)の処理内容を示したフローチャートである。この先読み演出設定処理(S4504Ha)は、上述した第12制御例の先読み演出設定処理(図527のS4504H参照)と同様に、主制御装置110から入賞コマンドを受信した場合に実行される入賞コマンド処理(図526のS4202H参照)にて実行される制御処理であって、先読み演出の実行を決定するための処理が実行される。図611に示した通り、先読み演出設定処理(S4504Ha)は、上述した第12制御例の先読み演出設定処理(図526のS4504H参照)に対して、先読み演出を実行している場合における処理と、異なる演出態様の先読み演出を実行するための処理と、を追加している点で相違し、それ以外は同一の処理が実行される。同一の処理については、同一の符号を付してその説明を省略する。
先読み演出設定処理(S4504Ha)が実行されると、まず、先読み管理処理を実行し(S4551Ha)、次に、現在が先読み演出を実行可能な状態であるかを判別する(S4552Ha)。S4552Haの処理では、先読み管理処理(S4551Ha)の処理結果に基づいて、新たな先読み演出の実行を決定することが出来ない状態を判別したり、今回獲得した入賞コマンドに対応する特別図柄変動が実行されるよりも前に、大当たり当選を示す特別図柄変動が実行される状態であるため新たな先読み演出の実行を決定することが出来ない状態であることを判別したりする処理が行われる。S4552Haの処理において、先読み演出を実行可能では無いと判別した場合は(S4552Ha:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4552Haの処理において、先読み演出を実行可能であると判別した場合は(S4552Ha:Yes)、今回受信した入賞コマンドに基づいて、先読み演出の実行有無、及び、実行する先読み演出の種別を決定するための処理を実行する。なお、本第16制御例では、上述した第12制御例と同様に、受信した入賞コマンドに含まれる情報から変動パターン(入賞情報)を抽出し、先読み演出の実行有無、及び、先読み演出の種別を決定するように構成しているが、これに限ること無く、既に獲得済みの特図保留に対応する特別図柄変動の変動パターンと、今回受信した入賞コマンド(特図保留)に対応する特別図柄変動の変動パターンと、に基づいて先読み演出の実行有無や種別を決定するように構成しても良い。
この場合、例えば、今回受信した入賞コマンドが3個目の特図保留(第3特図保留)に対応しており、且つ、今回受信した入賞コマンドに含まれる入賞情報(変動パターン)が先読み演出の実行を許容する入賞情報である場合において、既に獲得済の2つの特図保留(第1特図保留、第2特図保留)のそれぞれに含まれる入賞情報に基づいて、各特図保留に対応する変動パターン(変動時間)を特定し、第1特図保留に対応する特別図柄変動と、第2特図保留に対応する特別図柄変動との変動時間を合算した合算変動時間を算出する処理を実行し、その後、合算変動時間の長さが先読み演出上限時間よりも長いかを判別し、先読み演出上限時間よりも長いと判別した場合は、第1特図保留、第2特図保留を用いた先読み演出を実行した場合に先読み演出が間延びしてしまうことから先読み演出の非実行を決定する処理を実行し、合算変動時間の長さが先読み演出上限時間よりも短いと判別した場合に、先読み演出の実行を決定する処理を行うように構成すれば良い。さらに、合算変動時間の長さが先読み上限時間よりも長いと判別した場合には、次に、第2特図保留に対応する特別図柄変動の変動時間、即ち、先読み演出の対象変動となる特別図柄変動の前に実行される特別図柄変動の変動時間のみを対象として上述した内容と同一の処理を実行するように構成すれば良い。
加えて、合算変動時間の変動時間の長さに応じて、実行される先読み演出の種別を決定するように構成しても良く、例えば、先読み演出の対象変動が実行されるよりも前に、複数の特別図柄変動(先読み変動)を用いて先読み演出を実行する場合には、先読み変動となる各特別図柄変動の変動時間が第1条件を満たした場合には、第1種別の先読み演出を実行し、第1条件とは異なる第2条件を満たした場合には、第2種別の先読み演出を実行するように構成すると良い。具体的には、各特別図柄変動の変動時間が所定時間(例えば、10秒)である場合に第1条件が成立し、各特別図柄変動が停止表示されるタイミングで段階情報が更新される先読み演出(ステップアップ演出)が実行され、各特別図柄変動の変動時間に大きな差が生じた場合(例えば、1変動目が5秒で2変動目が30秒)は、第2条件が成立し、2つの特別図柄変動が実行される変動時間(35秒間)に跨がって同一の表示態様(背景画像)が表示される先読み演出(先読みゾーン演出)が実行されるように構成すれば良い。このように構成することで、先読み演出が実行される先読み変動期間における特別図柄変動の変動時間に応じて先読み演出の演出態様を決定することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供し易くすることができる。また、先読み演出の合算変動時間が所定期間(例えば、5秒)よりも短い場合には、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて実行される変動演出として先読み演出を実行するのでは無く、副表示領域Dsに表示される保留図柄の表示態様を変更する保留変化演出のみを実行するように構成すると良い。このように構成することで、先読み演出の実行期間(合算変動時間)が短い場合であっても遊技者に分かり易い先読み演出を実行することができる。
図611に戻り説明を続ける。S4552Haの処理において、先読み演出を実行可能であると判別した場合は(S4552Ha:Yes)、次に、上述した第12制御例の先読み演出設定処理(図527のS4504H参照)と同一のS4551H~S4563Hの処理を実行し、本処理を終了する。また、S4561Hの処理において、今回実行される先読み演出の種別が保留変化演出では無いと判別した場合は(S4561H:No)、次に、第2先読み演出設定処理(S4553Ha)の処理を実行し、その後、その他の処理を実行し(S4563H)、本処理を終了する。次に、図612を参照して、先読み演出設定処理(図611のS4504Ha参照)にて実行される先読み管理処理(S4551Ha)の処理内容について説明をする。図612は、 先読み管理処理(S4551Ha)の処理内容を示したフローチャートである。この先読み管理処理(S4551Ha)では、実行中の先読み演出の種別を判別し、実行されている先読み演出の種別に対応した処理が実行される。具体的には、先読み管理処理(S4551Ha)が実行されると、まず、先読み演出中実行フラグ223jdがオンに設定されているかを判別し(S4561Ha)、オンに設定されていないと判別した場合、即ち、先読み演出が実行されていない状態である場合は(S4561Ha:No)、そのまま本処理を終了する。S4561Haの処理において、先読み演出中実行フラグ223jdがオンに設定されていると判別した場合は(S4561Ha:Yes)、キャラ先読み実行中カウンタ223jhの値が0よりも大きいかを判別し(S4562Ha)、キャラ先読み実行中カウンタ223jhの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S4562Ha:No)、次に、ルーレット演出実行中フラグ223jlがオンに設定されているかを判別し(S4563Ha)、ルーレット演出実行中フラグ223jlがオンに設定されていないと判別した場合、即ち、現在が先読み演出としてルーレット演出が実行されていないと判別した場合は(S4563Ha)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4562Haの処理において、キャラ先読み実行中カウンタ223jhの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4562Ha:Yes)、次に、今回受信した入賞情報が確変大当たり当選を示す入賞情報であるかを判別し(S4564)、確変大当たり当選を示す入賞情報であると判別した場合は(S4564:Yes)、実行中のキャラ先読み演出の対象変動を、今回受信した入賞コマンドに対応する特別図柄変動へと切り替えるための処理と、キャラ先読み演出の演出態様を切り替えるための処理として、まず、受信した入賞情報に対応する値(入賞情報が記憶された位置)をキャラ先読み実行中カウンタ223jhの値に設定し(S4565Ha)、特殊演出中フラグ223jjをオンに設定し(S4566Ha)、特殊演出に対応する演出態様を演出態様格納エリア223jcに格納し(S4567Ha)、表示中のキャラクタ(第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されるキャラクタ8591)の表示態様を特殊態様(布団で爆睡している表示態様)へと変化させるための表示用コマンドを設定し(S4568Ha)、新たな先読み演出の実行禁止を決定し(S4569Ha)、本処理を終了する。一方、S4564Haの処理において、今回受信した入賞情報が確変大当たり当選を示す入賞情報では無いと判別した場合は(S4564Ha:No)、S4565Ha~S4568Haの処理をスキップしてS4569Haの処理を実行し、本処理を終了する。また、S4563Haの処理において、ルーレット演出実行中フラグ223jlがオフに設定されていると判別した場合は(S4563Ha:Yes)、先読み演出としてルーレット演出が実行されることが決定している状態(実行されている状態)であるため、S4569Haの処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第16制御例では、キャラ先読み演出が実行されている期間中(第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにキャラクタ8591が表示されている期間中)に確変大当たり当選に対応する特図保留(入賞情報)を獲得した場合は、実行中のキャラ先読み演出の演出結果に関わらず、確変大当たり当選に対応する特別図柄変動が実行中のキャラ先読み演出の対象変動となるように構成し、確変大当たり当選に対応する特別図柄変動が対象変動となったことを示す特殊演出を実行するように構成している。このように構成することで、キャラ先読み演出が途中で特殊演出へと切り替わった場合に、確変大当たり当選することを遊技者に分かり易く報知することができる。また、この特殊演出は、確変大当たり当選する特別図柄変動が実行されるまで継続するように構成しているため、例えば、大当たり当選を示す演出結果となるキャラ先読み演出が実行されている最中に特殊演出が実行された場合には、当初キャラ先読み演出の対象変動であった特別図柄変動が大当たり当選を示す表示態様が停止表示された時点においても、特殊態様のキャラクタ8591が継続して表示され、大当たり遊技が終了し、特殊演出のキャラ先読み演出の対象変動となる確変大当たり変動が開始されるまで特殊態様のキャラクタ8591が表示される演出が実行されることになる。よって、キャラ先読み演出が途中で特殊演出へと切り変わった場合には、特殊演出が継続している状態のまま大当たり当選することで、2回以上の大当たり当選を獲得できる状態となるため、特殊演出が実行された場合には、特殊演出が終了するよりも前に大当たり当選を示す表示態様で特別図柄が停止表示されることを期待しながら遊技を行わせることができる。
なお、これに限ること無く、例えば、演出結果が外れとなるキャラ先読み演出中のみ、特殊演出を実行可能に構成しても良い。この場合、先読み管理処理(図612のS4551Ha)にてS4564Haの処理を実行する前に、実行中のキャラ先読み演出の演出結果が外れを示す演出結果であるかを判別する処理を実行し、その処理において外れを示す演出結果であると判別した場合に、S4564Haの処理を実行するように構成すれば良い。このように構成することで、1回のキャラ先読み演出の演出期間中に実行される大当たり遊技の回数を1回に固定することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。また、キャラ先読み演出が途中で特殊演出へと切り変わった時点で、確変大当たり当選することに加え、先に実行されたキャラ先読み演出が外れを示す先読み演出であったことを遊技者に把握させることができるため、特殊演出が実行された場合の演出効果をより高めることができる。さらに、本第16制御例では、キャラ先読み演出が実行されている期間においては同一条件で特殊演出への切り替え判定を実行するように構成しているが、これに限ること無く、キャラ先読み実行中カウンタ223jhの値や、キャラ先読み演出中に既に実行された特別図柄抽選回数に応じて、確変大当たり当選に対応する特図保留を獲得した場合における特殊演出の実行割合を異ならせるように構成しても良く、例えば、キャラ先読み実行中カウンタ223jhの値が大きい(例えば、3)場合よりも、小さい(例えば、1)場合の方が、確変大当たり当選に対応する特図保留を獲得した場合に特殊演出を実行させ易くなるように構成すると良い。このように構成することで、キャラ先読み演出が実行されてからの経過期間が長い方が、短い場合よりも特殊演出を実行させ易くすることができるため、キャラ先読み演出が終了するまで特殊演出が実行されることを遊技者に期待させることができる。
また、本第16制御例では、キャラ先読み演出が実行されている状態で、確変大当たり当選に対応する特図保留を獲得した場合(確変大当たり当選を示す入賞情報を有する入賞コマンドを受信した場合)にのみキャラ先読み演出の演出期間を延長させる(キャラ先読み演出の対象変動となる特別図柄変動を切り替える)ように構成しているが、これに限ること無く、キャラ先読み演出中に獲得した特図保留数が所定個数(例えば、3個)を超えた場合にキャラ先読み演出の演出期間を延長させるように構成しても良いし、キャラ先読み演出中に獲得した入賞情報に特定の外れ情報が含まれている場合にキャラ先読み演出の演出期間を延長させるように構成しても良い。次に、図613を参照して、第2先読み演出設定処理(S4553Ha)の処理内容について説明をする。図613は、第2先読み演出設定処理(S4553Ha)の処理内容を示したフローチャートである。この第2先読み演出設定処理(S4553Ha)は、上述した先読み演出設定処理(図611のS4551Ha参照)にて実行される処理であって、実行される先読み演出の種別がキャラ先読み演出、又は、ルーレット演出である場合に演出態様を決定するための処理が実行される。具体的には、第2先読み演出設定処理(S4553Ha)が実行されると、まず、今回の先読み演出の種別がキャラ先読み演出であるかを判別し(S4571Ha)、キャラ先読み演出であると判別した場合は(S4571Ha:Yes)、対象となる入賞情報に対応する値をキャラ先読み実行中カウンタ223jhの値に設定し(S4572Ha)、対象となる入賞情報に対応する保留図柄の表示態様をキャラ態様にするための表示用コマンドを設定し(S4573Ha)、先読み演出実行中フラグ223jdをオンに設定し(S4574Ha)、本処理を終了する。
ここで、S4573Haの処理によって設定された表示用コマンドは、他の処理にて設定される各種表示用コマンドと同様に表示制御装置114へと出力され、表示制御装置114が受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示される保留図柄の表示態様としてキャラクタ8591に対応した表示態様(図593(a)の第4特図保留hr4の表示態様)が表示される。このように構成することで、キャラ先読み演出が実行された場合において、対象変動となる特図保留を遊技者に分かり易く報知することができる。なお、本第16制御例では、キャラ先読み演出として表示画面に表示されるキャラクタ8591の種別が1種類であり、保留図柄の表示態様もキャラクタ8591を模した1種類の構成を用いることで、遊技者に分かり易い演出を提供するように構成しているが、これに限ること無く、キャラ先読み演出中に表示画面に表示されるキャラクタの種別を複数の種別の中から決定可能に構成し、さらに、キャラ先読み演出の対象変動に対応する保留図柄の表示態様も複数のキャラクタ種別に対応させるように複数の種別の中から決定可能に構成しても良く、この場合、キャラクタ8591の表示態様と、保留図柄の表示態様とに応じてキャラ先読み演出の演出結果を遊技者に予測させることができるように構成しても良い。
具体的には、キャラ先読み演出中に表示されるキャラクタ8591の種別として、第1キャラ(ウサギ)、第2キャラ(カメ)、第3キャラ(勇者)を表示可能に構成し、第1キャラよりも第2キャラの方が、更に、第2キャラよりも第3キャラの方が、大当たり当選に対応するキャラ先読み演出の演出態様として決定され易くなるように構成し、且つ、基本的には、決定されたキャラクタ8591の表示態様に対応する表示態様で保留図柄の表示態様が決定されるが、キャラクタ8591の種別として第1キャラ(ウサギ)が決定された場合には、第1キャラ(ウサギ)以外のキャラクタに対応する表示態様で保留図柄が表示された場合には大当たり当選の期待度が大幅に上昇し、第2キャラ(カメ)が決定された場合には、第3キャラ(勇者)に対応する表示態様で保留図柄が表示された場合のみ大当たり当選の期待度が大幅に上昇し、第3キャラ(勇者)が決定された場合には、何れの表示態様で保留図柄が表示された場合も同様の期待度となるように構成すると良い。このように構成することで、キャラ先読み演出の対象変動となる保留図柄を遊技者に分かり易く把握させると共に、キャラ先読み演出の演出結果が表示されるよりも前に、遊技者に演出結果を予測させる楽しみを提供することができる。図613に戻り説明を続ける。S4571Haの処理において、今回実行される先読み演出がキャラ先読み演出では無いと判別した場合は(S4571Ha:No)、次に、今回実行される先読み演出がルーレット演出であるかを判別し(S4575Ha)、ルーレット演出であると判別した場合は(S4575Ha:Yes)、ルーレットシナリオ選択テーブル222jfを参照してルーレット演出の演出シナリオを決定し(S4576Ha)、その後、S4576Haの処理によって決定された演出シナリオを用いて、ルーレット態様決定テーブル222jgを参照してルーレット演出の演出態様(ルーレット態様)を決定し(S4577Ha)、決定した演出態様(ルーレット態様)を演出態様格納エリア223jcに格納し(S4578Ha)、ルーレット演出実行中フラグ223jlをオンに設定し(S4579Ha)、先読み演出実行中フラグ223jdをオンに設定し(S4580Ha)、本処理を終了する。
次に、図614を参照して、変動演出設定処理(S5014Ha)の処理内容について説明をする。図614は、変動演出設定処理(S5014Ha)の処理内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理(S5014Ha)は、上述した第12制御例における変動演出設定処理(図532のS5014H参照)と同様に、特別図柄変動の実行に対応させて実行される変動演出の演出態様を設定するための処理であって、上述した変動演出設定処理(図532のS5014H参照)に対して、先読み演出中に実行される特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定するための処理を詳細に記載した点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容についてはその説明を省略する。具体的には、変動演出設定処理(S5014Ha)が実行されると、まず、先読み演出実行中フラグ223jdがオンに設定されているかを判別し(S5101Ha)、オンに設定されている場合、即ち、現在が何れかの先読み演出が実行されている場合と判別した場合は(S5101Ha:Yes)、先読み演出用変動演出設定処理を実行し(S5102Ha)、その後、上述した第12制御例の変動演出設定処理(図532のS5014H参照)と同一のS5116H,S5117Hの処理を実行し、本処理を終了する。一方、S5101Haの処理において、先読み演出実行中フラグ223jdがオンでは無い(オフである)と判別した場合は(S5101Ha:No)、変動演出設定処理(図532のS5014H参照)と同一のS5106H~S5117Hの処理を実行し、本処理を終了する。ここで、先読み演出用変動演出設定処理(S5102Ha)の処理内容について、図615を参照して説明する。図615は、先読み演出用変動演出設定処理(S5102Ha)の処理内容を示したフローチャートである。この先読み演出用変動演出設定処理(S5102Ha)では、キャラ先読み演出が実行されている最中に実行される特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定するための処理と、ルーレット演出が実行されている最中に実行される特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定するための処理と、が実行される。
本第16制御例では、先読み演出の対象変動となる特別図柄変動が実行されるよりも前に、大当たり当選を示す特別図柄変動が実行されないことが先読み演出の実行条件として規定されているため、先読み演出中に実行される特別図柄変動は、全て外れ変動となる。よって、先読み演出中に実行される特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様は、当該特別図柄変動の結果(特別図柄抽選の結果)を示す表示態様よりも、先読み演出の演出内容を示す表示態様の方が遊技者に視認し易い演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果が外れであることを示す表示態様よりも先読み演出の実行中であることを示す表示態様に遊技者を注視させることができるため、外れを示す表示態様が頻繁に表示されてしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。なお、先読み演出中に実行される特別図柄抽選の結果が外れであることを示す表示態様を、先読み演出が実行されていない状態では表示され得ない表示態様としても良く、例えば、先読み演出中に実行された特別図柄抽選の結果が外れであることを示すための表示態様として、大当たり当選を示す表示態様の一部を異ならせた先読み中表示態様(例えば、第3図柄を「334」で表示させる表示態様)を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、特別図柄抽選の結果が外れである(大当たり当選では無い)ことを示す表示態様を、先読み演出中であることを報知するための報知態様とすることができる。また、この場合、先読み演出中に実行される特別図柄抽選の結果が外れであることを示す表示態様として先読み中表示態様が表示された後に、「先読みチャンス」の文字を表示画面に表示させると良い。このように構成することで、現在が先読み演出中であることを遊技者により分かり易く把握させることができる。
図615に示した通り、先読み演出用変動演出設定処理(S5102Ha)が実行されると、まず、キャラ先読み実行中カウンタ223jhの値が0よりも大きいかを判別し(S5151Ha)、キャラ先読み実行中カウンタ223jhの値が0よりも大きいと判別した場合は(S5151Ha:Yes)、次に、キャラ先読み実行中カウンタ223jhの値が1であるか、即ち、今回の特別図柄変動が先読み演出の対象変動であるかを判別し(S5152Ha)、1では無い(2以上である)と判別した場合は(S5152Ha:No)、先読み演出の対象変動では無い特別図柄変動(先読み変動)に対応する演出態様を設定するための先読み演出中態様設定処理を実行し(S5153Ha)、本処理を終了する。この先読み演出中態様設定処理(S5153Ha)は、キャラ先読み演出の先読み変動に対応する演出態様を設定するための処理であって、対応する特別図柄変動の変動パターンに基づいて、キャラ先読み演出中に表示されるキャラクタ8591の態様を変化させる演出の有無が決定される。この先読み演出用変動演出設定処理(S5102Ha)の詳細な内容については、図616を参照して後述する。S5152Haの処理において、キャラ先読み実行中カウンタ223jhの値が1であると判別した場合、即ち、今回の特別図柄変動がキャラ先読み演出の対象変動であると判別した場合は(S5152Ha:Yes)、次に、特殊変動演出中フラグ223jjがオンに設定されているかを判別し(S5154Ha)、オンに設定されていないと判別した場合は(S5154Ha:No)、キャラ態様格納エリア223jcに格納されているキャラ態様、即ち、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されているキャラクタ8591の表示態様を示すための情報を読み出し(S5155Ha)、読み出したキャラ態様と、キャラ態様選択テーブル222jdを参照して今回の変動演出(対象変動)の演出態様を決定する(S5156Ha)。
このS5156Haの処理では、キャラ先読み演出の演出結果(どのタイミングでキャラクタ8591が咆哮するか)を決定すると共に、対象変動の変動開始時に表示されているキャラクタ8591の表示態様(キャラ態様)に応じてキャラクタ8591が咆哮するまでのキャラ態様の変化内容が決定される。本第16制御例では、図607を参照して上述した通り、キャラ先読み演出の演出結果が同一の場合であっても、キャラ先読み演出の対象変動が実行される際におけるキャラクタ8591の表示態様(キャラ態様)が異なっている場合には、対象変動の変動演出として異なる演出態様が決定されるように構成している。そして、キャラ先読み演出が実行されてからキャラ先読み演出の対象変動が実行されるまでの間(先読み期間)中に実行される特別図柄変動(先読み変動)の変動パターンに応じて、キャラクタ8591の表示態様(キャラ態様)を変化可能に構成している。つまり、キャラ先読み演出が実行された場合には、その演出結果は対象変動の変動パターン(特別図柄抽選の結果)に基づいて決定されるが、先読み期間中における演出内容(キャラ態様の変化内容)は、対象変動の変動パターン(特別図柄抽選の結果)に関わらず、先読み期間中に実行される変動演出(先読み変動演出)の演出内容に応じて決定されるように構成し、先読み演出の対象変動に対応する演出態様を決定する際に、現時点におけるキャラクタ8591の表示態様(キャラ態様)と、先読み演出の演出結果と、に応じた演出態様を決定するように構成している。このように構成することで、先読み演出として実行される演出態様のバリエーションを容易に増加させることができるため、演出効果を高めることができる。また、先読み期間において実行される演出態様(キャラ態様の変化内容)によって、先読み演出の対象変動が実行されるよりも前に、今回の先読み演出の演出結果が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができるため、実行される先読み演出の演出結果が表示されるまで遊技者に興味を持たせた演出を実行することができる。
S5156Haの処理を終えると、次に、音声種別選択テーブル222jeを参照して対象変動の音声種別を決定し(S5157Ha)、決定した音声種別に対応する音声を出力するための音声用コマンドを設定し(S5158Ha)、キャラ先読み実行中カウンタ223jhの値を0にセットし(S5159Ha)、本処理を終了する。S5157Haの処理では、対象変動における第3図柄の変動表示に関する音声の種別が決定され、決定された種別の音声が出力される。本第16制御例におけるパチンコ機10は、音声の種別として、キャラ先読み演出中に表示されるキャラクタ8591の表示態様(キャラ態様)の変化有無に対応させた種別を有しており、例えば、居眠りしているキャラクタ8591を起こし得る音声種別(通常)や、居眠りをしているキャラクタ8591を起こすことが無い音声種別(消音)や、起きているキャラクタ8591を気絶させる音声種別(衝撃音)や、起きているキャラクタ8591を居眠りさせる音声種別(子守歌)を決定可能に構成しており、実行されるキャラ先読み演出の演出態様に応じた音声種別が第3図柄の変動表示に関する音声として出力されるように構成している。このように構成することで、第3図柄の変動表示内容と、キャラクタ8591の表示態様(キャラ態様)とに関連性を持たせることができるため、キャラ先読み演出の対象変動として実行される変動演出の演出内容を分かり易くすることができる。なお、本第16制御例におけるパチンコ機10では、図608に示した通り、第3図柄の変動表示に対応して出力される変動開始音(第3図柄変動が開始されたタイミングで出力される音声)と、リーチ音(リーチ状態となったタイミングで出力される音声)とに対して、キャラ態様の変化有無に対応させた音声種別を決定可能に構成しているが、これ以外の音声種別についてもキャラ態様の変化有無に対応させた音声種別を決定可能に構成しても良く、例えば、第3図柄を疑似的に停止(仮停止)させる際に出力される擬似停止音や、仮停止している第3図柄を再始動させる際に出力される擬似変動開始音に対して、キャラ態様の変化有無に対応させた音声種別を決定可能に構成しても良い。
また、先読み期間中に実行される特別図柄変動(先読み変動)の変動期間内において遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて出力される操作音に対してキャラ態様の変化有無に対応させた音声種別を決定可能に構成しても良い。この場合、先読み変動の変動演出として遊技者に枠ボタン22を操作させる操作演出が実行され、その操作演出に応じて遊技者が枠ボタン22を操作することによってキャラ態様が変化されることになる。よって、先読み変動の変動演出として操作演出が実行された場合に、枠ボタン22を操作するか否かを表示されているキャラクタ8591の態様(キャラ態様)に応じて遊技者に選択させることができる。また、本第16制御例では、先読み期間中におけるキャラクタ8591の態様変化を、対象変動に対応する特別図柄抽選の結果に関わらず決定可能に構成しているが、これに限ること無く、先読み演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果である場合において、先読み期間中に所定条件(例えば、枠ボタン22に対して特定の操作を実行した場合に成立する条件)を満たした場合に、先読み期間中におけるキャラクタ8591の態様変化を用いて大当たり当選を事前報知可能に構成しても良い。このように構成することで、所定条件を成立させようと遊技者に意欲的に枠ボタン22を操作させる行為を行わせることができる。また、この場合、所定条件を成立させることが可能な操作方法が存在することを遊技者に報知可能に構成すると良く、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面に「キャラ先読み演出中の特定タイミングに枠ボタン22を押下すると演出結果が先に分かっちゃうかも」の表示態様を表示するように構成すると良い。このように構成することで、キャラ先読み演出の演出結果をいち早く把握する方法が存在することを遊技者に分かり易く把握させることができる。
また、S5151Haの処理において、キャラ先読み実行中カウンタ223jhの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S5151Ha:No)、次に、ルーレット演出実行中フラグ223jlがオンに設定されているかを判別し(S5161Ha)、オンに設定されていると判別した場合は(S5161Ha:Yes)、演出態様格納エリア223jcに格納されている演出情報、即ち、第2先読み演出設定処理(図613のS4553Ha参照)のS4578Haの処理において格納された演出情報に基づいて今回実行される変動演出に対応する演出態様を決定し(S6162Ha)、本処理を終了する。一方、S5161Haの処理において、ルーレット演出実行中フラグ223jlがオンに設定されていないと判別した場合は(S5161Ha:No)、そのまま本処理を終了する。次に、図616を参照して、先読み演出中態様設定処理(S5153Ha)の処理内容について説明をする。図616は、先読み演出中態様設定処理(S5153Ha)の処理内容を示したフローチャートである。この先読み演出中態様設定処理(S5153Ha)では、キャラ先読み演出の先読み期間中に実行される変動演出に対応させてキャラクタ8591の態様を変化させる演出態様を決定するための処理が実行される。先読み演出中態様設定処理(S5153Ha)が実行されると、まず、特殊変動演出中フラグ223jjがオンに設定されているかを判別し(S5171Ha)、オンに設定されていると判別した場合、即ち、キャラ先読み演出として特殊演出が実行されていると判別した場合は(S5171Ha:Yes)、キャラクタ8591の表示態様として特殊態様「爆睡」を継続表示するための演出態様を決定し(S5172Ha)、本処理を終了する。また、S5171Haの処理において、特殊変動演出中フラグ223jjがオンに設定されていないと判別した場合は(S5171Ha:No)、通常のキャラ先読み演出が実行されている状態であるため、今回の変動演出に対応してキャラクタ8591の態様(キャラ態様)を決定するための処理が実行される。
具体的には、キャラ態様格納エリア223jcに格納されているキャラ態様を読み出し(S5173Ha)、読み出したキャラ態様が居眠り中であるかを判別し(S5174Ha)、居眠り中では無い(目覚めている)と判別した場合は(S5174Ha:No)、今回の特別図柄変動の変動パターンがリーチ変動であるかを判別し(S5175Ha)、リーチ変動では無いと判別した場合は(S5175Ha:No)、今回実行される特別図柄変動の変動期間中において、リーチ演出が実行されること無く、且つ、キャラクタ8591が目を覚ましている状態であることから、キャラ先読み演出が間延びしてしまうことを抑制するために、キャラクタ8591を居眠りさせるための演出の実行を抽選で決定し(S5176Ha)、居眠り演出の実行が決定されたかを判別する(S5177Ha)。S5177Haの処理において、居眠り演出の実行が決定されたと判別した場合は(S5177Ha:Yes)、キャラクタ8591を居眠りさせる演出態様を決定し(S5178Ha)、変動演出実行後のキャラ態様に対応する情報をキャラ態様格納エリア223jcに格納し(S5179Ha)、本処理を終了する。一方、S5175Haの処理において、今回の変動パターンがリーチ変動であると判別した場合は(S5175Ha:Yes)、変動演出としてリーチ演出が実行されることから、遊技者が変動演出に飽き難い状況であるため、キャラクタ8591の態様(キャラ態様)を変化させる演出を実行すること無く、本処理を終了する。なお、本第16制御例では、上述した通り、先読み変動の変動演出としてリーチ演出が実行される場合には、キャラクタ8591の態様を変化させないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、リーチ演出を煽る態様へと変化させるように構成しても良い。このように構成することで、キャラ先読み演出として表示されたキャラクタ8591を用いて、キャラ先読み演出の対象変動が実行されるよりも前に実行される特別図柄変動の変動演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。
また、S5174Haの処理において、現在のキャラ態様が居眠り中であると判別した場合は(S5174Ha:Yes)、今回の変動パターンがリーチ変動であるかを判別し(S5180Ha)、リーチ変動であると判別した場合は(S5180Ha:Yes)、リーチ状態となる際に出力されるリーチ音を抽選で決定し(S5181Ha)、決定したリーチ音に対応する音声用コマンドを設定し(S5182Ha)、上述したS5179Haの処理を実行し、本処理を終了する。一方、S5180Haの処理において、今回の変動パターンがリーチ変動では無いと判別した場合は(S5180Ha:No)、居眠り中のキャラクタ8591を目覚めさせるタイミングが無いため、そのまま本処理を終了する。
<第15制御例の演出変形例について>
次に、図617から図619を参照して、上述した第15制御例におけるパチンコ機10における第15制御例の演出変形例について説明をする。図617は、上述した第15制御例において実行された操作演出として、リーチ状態にて変動表示されている図柄に対してアクション動作を実行させる第1操作演出と、発光役物Cr1の発光態様を可変させる第2操作演出と、を実行可能に構成し、第1操作演出の演出態様と、第2操作演出の演出態様と、を組み合わせた組合せ演出の変形例を示している。上述した第15制御例では、実行中の特別図柄抽選の結果を示すための操作演出として、上述した第1操作演出と、第2操作演出と、を1の枠ボタン22への操作に基づいて実行させるように構成し、各操作演出の演出態様によって、実行中の特別図柄抽選の結果を遊技者に予測させるように構成していた。しかしながら、各操作演出がどのような演出態様で実行された場合であっても、実行中の特別図柄変動が停止した場合には演出態様がクリアされてしまうため、遊技者に対して継続して演出を楽しませることができないという問題があった。これに対して、本演出変形例では、発光役物Cr1の演出態様(発光態様)を次の特別図柄変動の抽選結果を示すための先読み演出として用いることができるように構成している。図617(a)は、リーチ変動中における操作演出の表示画面を示した図である。図617(a)に示した通り、操作演出が実行された場合には、上述した第15制御例と同様に、枠ボタン22への操作に応じて、第3図柄の表示態様と、装飾役物SYの発光役物Cr1の発光態様が可変される。この装飾役物SYには、地点a,b,cが記されており、発光役物Cr1の発光態様が地点cまで変化した場合には、「リーチ演出」、地点bまで変化した場合には「SPリーチ演出」、地点aまで変化した場合には「大当たり高確率リーチ(全回転リーチ)」が実行されることを報知可能に構成している。そして、表示領域Dmには「外れても、役物ゲージが残ればチャンス」の文字が表示されている。
そして、図617(a)に示した変動演出が外れとなった次の変動演出が開始された場合に、発光役物Cr1の演出態様が維持している場合には、図617(b)に示した表示画面が表示される。図617(b)は、操作演出が実行されたリーチ演出が外れとなった次変動において表示される変動演出の表示画面の一例を示した図である。図617(b)に示した通り、発光役物Cr1の演出態様が前回の変動演出から継続している場合には、表示画面に維持している発光役物Cr1の演出態様に対応した案内表示が表示される。図617(b)に示した例では、発光役物Cr1が地点bまで可変している状態であるため、表示画面には「SPリーチ確定」の文字と、「ボタンpushで全回転になるかも」の表示がされる。このように構成することで、枠ボタン22に対する1の操作に対して複数の演出態様を可変可能に構成したパチンコ機10において、複数の演出態様のうち、少なくとも一部の演出態様を次の変動演出に用いることができるため、演出効果を高めることができる。また、操作演出によって示唆された演出内容(発光役物Cr1の演出態様によって報知された演出内容)と、実際に実行される変動演出の演出内容と、が相違している場合には、次変動にて操作演出によって示唆された演出内容(発光役物Cr1の演出態様によって報知された演出内容)で変動演出が実行されることを遊技者に事前に把握させることができる。さらに、複数回の変動演出に跨がって発光役物Cr1の演出態様を可変させるための操作演出を実行することができるため、遊技者に対して操作手段を操作させる期間を長くすることができる。
次に、図618及び図619を参照して、上述した第15制御例にて実行された保留図柄リトライチャンスの演出内容について詳細に説明をする。図584(a)に示した表示画面が表示された後に、大当たり遊技が実行されると、図618(a)に示した通り、保留図柄が非表示となり、獲得済みの保留図柄数を示す表示態様(図では3)が表示領域Dm61に表示される。なお、この表示領域Dm61に表示される表示態様は、大当たり遊技中に獲得した特図保留(保留図柄)に対応して可変(増加)表示される。そして、大当たり遊技が終了すると、獲得済みの特図保留を用いた特別図柄抽選が実行され、図618(b)に示した表示画面が表示される。図618(b)に示した通り、変動演出が実行された直後は、今回の特別図柄抽選に用いた特図保留分、表示領域Dm61に表示されている値が減算表示される。その後、図619に示した通り、表示領域Dm61に表示される表示態様が減算表示されるのに合わせて、保留図柄が表示されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に保留図柄を非表示とした場合であっても、大当たり遊技中に特図保留数を把握し易くすることができる。また、大当たり遊技中に新たな特図保留を獲得したことも容易に把握することができる。なお、本演出例では、保留図柄リトライチャンスを、大当たり遊技を跨いで実行するように構成しているが、これに限ること無く、たとえば、演出モードを切り替えた場合に実行しても良いし、リーチ演出によって保留図柄が一時的に非表示となった後、再度保留図柄を表示させる場合に実行するように構成しても良い。
<各制御例における演出別例について>
次に、図620、図621を参照して演出別例について説明をする。本演出別例におけるパチンコ機10では、獲得済みの特図保留に対する先読み結果に基づいた演出モードを設定可能に構成しており、設定された演出モードに基づいて後の遊技内容を遊技者に予測させることができるように構成している。具体的には、獲得済みの特図保留に対する先読み結果として、大当たり当選に対応する特図保留を獲得していない遊技状況、又は、確変大当たり当選に対応する特図保留を獲得している遊技状況、即ち、確変状態が終了してしまう遊技状況(通常大当たり当選によって、大当たり遊技終了後に通常状態が設定されてしまう遊技状況)では無いと判別した場合の一部において、演出モードとして「接近モード」(図620(a)参照)を設定可能に構成している。つまり、演出モードとして「接近モード」が設定された場合には、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される通常大当たりに対応する特図保留を獲得していない遊技状況であることを遊技者に容易に把握させることが可能に構成している。このように構成することで、大当たり当選し易い遊技状態(確変状態)が次の大当たり当選まで継続する遊技性を有するパチンコ機10(所謂、確変ループ機)において、確変状態が終了してしまうことを気にすること無く特別図柄抽選の結果を示すための変動演出を遊技者に楽しませることができる。
さらに、獲得済みの特図保留に対する先読み結果として、大当たり当選に対応する特図保留を獲得している遊技状況の一部において、演出モードとして「超接近モード」(図620(b)参照)を設定可能に構成している。つまり、「超接近モード」が設定された場合には、通常大当たり当選、確変大当たり当選の何れかに対応する特図保留を獲得している遊技状況であることを遊技者に容易に把握させることが可能に構成している。このように構成することで、「超接近モード」が設定された場合には、遊技者は、大当たり当選を示す変動演出が実行されるか否かでは無く、変動演出として変動表示されている第3図柄のうち、最初に停止表示される第3図柄の種別が確変大当たり当選に対応する種別(確変図柄)であるか否かに注目することになるため、「超接近モード」が設定されている場合と、設定されていない場合とで、実行される変動演出の注視ポイントを異ならせることができる。よって、遊技者が、特定箇所(特定タイミング)のみ変動演出の演出内容に注視してしまい演出効果が低くなることを抑制することができる。
さらに、本演出別例におけるパチンコ機10では、「超接近モード」が設定されるタイミングによって、獲得済みの大当たり保留の種別を遊技者に予測させることが可能に構成している。具体的には、大当たり保留の獲得タイミングに関わらず、特別図柄変動が開始されるタイミングで「超接近モード」が設定された場合には、単に大当たり保留を獲得していることのみを報知し、「接近モード」中に「超接近モード」へと移行した場合には、確変大当たり保留を獲得していることを報知可能に構成している(図621参照)。なお、新たな演出モードが設定されるタイミングは、これに限ること無く、様々なタイミングで新たな演出モードが設定されるように構成しても良い。例えば、「接近モード」が設定されてからの経過時間が第1期間(例えば、1秒)経過した場合に「超接近モード」が設定されるように構成しても良いし、第2期間(例えば、60秒)経過した場合に「超接近モード」が設定されるように構成しても良い。この場合、第1期間が設定された場合には、「接近モード」の期間が比較的短いため、継続して第3図柄表示装置81の表示画面に注視していないと、遊技者が「接近モード」が設定されていたことを見逃すことになる。よって、遊技者に対して、実行される変動演出の演出内容に継続して注視させ易くすることができる。また、第2期間が設定された場合には、「接近モード」が設定された変動演出の演出期間が長い場合にのみ「超接近モード」へと移行するための条件が成立することになるため、遊技者に対して、長い変動時間の特別図柄変動が実行されていることを期待させながら遊技を行わせることができる。
加えて、本演出変形例におけるパチンコ機10では、「接近モード」が設定されている状態、又は「接近モード」が設定されていない通常演出状態の何れからも「超接近モード」へと移行可能に構成しており、移行過程に関わらず、同一の演出態様で「超接近モード」が設定されるように構成している。つまり、「超接近モード」が設定された場合には、「超接近モード」が設定される前の演出モードが何であったのかを遊技者に把握させないように構成している。つまり、変動演出が開始されてから「超接近モード」が設定されるまでのタイミングに応じて、「超接近モード」が設定されたことにより遊技者に付与される特典が遊技者に有利な特典であるか、それ以外の特典であるかを遊技者に予測させることが可能に構成している。
このように構成することで、「接近モード」から「超接近モード」へと移行したのか、通常演出状態から「超接近モード」へと移行したのかを遊技を行っている遊技者以外に把握させ難くすることができる。つまり、本演出変形例によれば、変動演出中に実行可能な演出モードとして、第1モード(接近モード)と、第2モード(超接近モード)と、を設定可能に構成しており、設定される演出モードの種別に応じて、異なる特典を遊技者に付与可能に構成している。よって、遊技者に対して、設定される演出モードの種別に対して興味を持たせ易くすることができる。さらに、本演出変形例では、第1モード(接近モード)が設定された場合には、遊技者に付与される第1特典として、大当たり当選した場合には遊技者に有利な大当たり特典(確変大当たり)が付与されるように構成し、第2モード(超接近モード)が設定された場合には、遊技者に付与される第2特典として、大当たり当選することを報知するように構成している。そして、第1モードが設定されている状態から第2モードを設定可能に構成し、確変大当たりに当選することを遊技者に把握させることができるように構成している。このように構成することで、どの種別の演出モードが設定されたのかだけで無く、演出モードが設定される過程に対しても遊技者に興味を持たせることができる。なお、本演出変形例では、第2モード(超接近モード)が設定された場合において、設定過程に関わらず同一の演出画面が表示されるように構成しているため、第2モード中の演出画面のみを見た遊技者は、大当たり当選する大当たり種別を判別することができないが、第1モード(接近モード)が設定されている状態から第2モードが設定されたか否かを把握している遊技者は、次に当選する大当たりが確変大当たりであるか否かを予測し易くなる。よって、遊技者に対して、変動演出を長時間注視させ易くすることができる。なお、これに限ること無く、第2モード(超接近モード)が設定された場合に表示される表示画面の表示態様によって、設定過程を遊技者に把握させることができるように構成しても良い。このように構成することで、超接近モード中の演出内容(表示態様)を把握するだけで次に当選する大当たりが確変大当たりであるか否かを予測し易くすることができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。また、演出モードの種別は2種類に限ること無く、3種類以上設けても良い。さらに、本演出変形例では、演出モードの種別によって遊技者に付与される特典の内容を異ならせているが、これに限ること無く、複数の演出モードの設定過程の種別によって遊技者に付与される特典の内容を異ならせるように構成しても良く、例えば、演出モードとして、第1モードから第5モードの5種類の演出モードを設定可能に構成し、第1モードから第2モード、第3モードと順に設定された場合と、第1モードから第2モード、第4モードの順に設定された場合とで、異なる特典を付与可能に構成すると良い。このように構成することで、設定された演出モードの種別だけで無く、設定過程に対してもより遊技者に興味を持たせることができる。さらに、本演出変形例のように複数の演出モードが設定される演出を、1回の特別図柄変動を用いて実行するように構成しても良いし、複数回の特別図柄変動を用いて実行するように構成しても良い。また、演出モードが切り替わる(新たな演出モードが設定される)ことを煽る演出(移行準備演出)を実行可能に構成し、その移行準備演出が実行されるタイミングによって、移行後の演出モードを示唆可能に構成しても良い。さらに、特別図柄変動の変動期間と、演出モードが設定される演出期間と、を別々に設定可能に構成し、特定条件が成立した場合、例えば、大当たり当選する特図保留を獲得した場合に、特別図柄変動の変動期間の開始タイミングや終了タイミングに合わせて新たな演出モードが設定されるように構成しても良い。このように構成することで、常時、非同期で実行される複数の演出が同期して実行されることにより、遊技者に有利な演出結果が創出され易くすることができる。よって、パチンコ機10にて実行される各種演出の演出内容だけで無く、実行タイミングについても遊技者に興味を持たせることができる。加えて、演出の実行タイミングを切り替えるだけで遊技者に有利となる演出結果が創出される期待度を異ならせることができるため、演出データの容量を削減しながらも、演出効果を高めることができる。なお、この場合、特別図柄変動の変動期間の開始タイミングや終了タイミング以外のタイミングに演出モードを切り替えるタイミングを同期させても良く、例えば、変動演出にてリーチ状態となるタイミングや、新たな保留図柄が表示されるタイミングに同期させて演出モードを切り替えるように構成しても良い。
<第17制御例>
次に、図622から図632を参照して、第17制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第17制御例におけるパチンコ機10は、上述した第12制御例、及び第13制御例におけるパチンコ機10に対して、実行される演出の内容を異ならせている点で相違している。上述した第12制御例におけるパチンコ機10では、遊技者に枠ボタン22を操作させることで実行中の変動演出の演出結果(特別図柄抽選の抽選結果)を、特別図柄変動が停止表示されるよりも前に報知可能な一発告知演出(図500から図502参照)を実行可能に構成していた。上述した第12制御例における一発告知演出では、図500(a)に示した通り、枠ボタン22を模したボタンアイコンBa1に2匹の蝶アイコンBb1,Bb2を止まらせて、遊技者が枠ボタン22を押下した後の蝶アイコンの飛行態様によって、時間差で一発告知演出が実行されるように構成することで、一発告知演出が実行された場合であっても、遊技者に継続して遊技を楽しませることができるものであった。しかしながら、遊技者が枠ボタン22を押下したことに基づいて必ず2匹の蝶アイコンBb1,Bb2が飛び立つ演出が実行されるため、演出内容が単調となり遊技者が飽きてしまう虞があった。これに対して、本第17制御例におけるパチンコ機10では、変動演出が実行される演出期間中に遊技者に対して枠ボタン22を押下したことに基づいて実行される操作演出(ボタン予告演出)を複数回実行させる変動演出を実行可能に構成しており、遊技者が枠ボタン22を押下した場合であっても、ボタンアイコンBa1に止まっている蝶アイコンが飛び立たない演出パターンを設定可能に構成している。そして、ボタンアイコンBa1に蝶アイコンが止まっている状態では、実行中の変動演出の残期間において、遊技者に枠ボタン22を押下させる演出(ボタン予告演出)が実行されることを報知するように構成している。
このように構成することで、変動演出中に蝶アイコンが止まった状態でボタンアイコンBa1が表示された場合において、枠ボタン22を押下することでボタン予告演出が実行されると共に、枠ボタン22を押下した後のボタンアイコンBa1の表示態様によって、変動演出の残期間中に新たなボタン予告演出が実行されることを遊技者に把握させることができるため、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出内容をいち早く察知しようとする遊技者に対して、意欲的に枠ボタン22を押下させることができる。まず、図622を参照して、本第17制御例におけるパチンコ機10において変動演出中に実行される予告演出の内容について説明をする。図622は、変動演出中に実行される各予告演出の実行タイミングと、予告種別と、を模式的に示した図である。図622に示した通り、本第17制御例では、上述した第14制御例におけるパチンコ機10にて実行される変動演出(図564参照)に対して、枠ボタン22を押下させるボタン予告演出の種別を増加させている点で相違している。なお、ボタン予告演出以外の予告演出の種別(予告A~予告C、及び特殊予告A)の内容については同一であり、同一の内容については、その説明を省略する。図622に示した通り、変動パターンが60秒のリーチ変動に対しては、変動演出が開始されてから15秒が経過するまでの第1期間が「リーチ前期間」となり、その後の15秒間(変動演出が開始されてから15秒~30秒の期間)である第2期間が「リーチ(前半)期間」となり、その後の15秒間(変動演出が開始されてから30秒~45秒の期間)である第3期間が「リーチ(中盤)期間」となり、最後の15秒間(変動演出が開始されてから45秒~60秒の期間)である第4期間が「リーチ(後半)期間」となる。そして、「リーチ前期間」の特定タイミング(変動開始から12秒経過時点)にて最初のボタン予告演出(ボタン予告A)が、「リーチ(前半)期間」の特定タイミング(変動開始から25秒経過時点)にて2回目のボタン予告演出(ボタン予告B)が、「リーチ(後半)期間」の特定タイミング(変動開始から58秒経過時点)にて3回目のボタン予告演出(ボタン予告C)が、実行可能に構成されている。
なお、上述した各予告演出は、変動演出において必ず実行されるものでは無く、変動演出の演出態様を設定する際に、今回実行される変動演出に対応する特別図柄抽選の結果と、取得した演出カウンタ223fの値と、に基づいて各予告演出の実行有無、及び、実行した場合における予告態様が決定されるように構成している。「ボタン予告A」は、実行中の変動演出がリーチ状態となるよりも前に実行される予告演出であって、実行中の変動演出の演出内容を示唆するための予告態様(予告種別)として、表示画面に表示される文字が設定されるように構成している。具体的には、「ボタン予告A」に対応してボタンアイコンBa1が第3図柄表示装置81の表示画面に表示され、遊技者が枠ボタン22を押下した場合には、実行中の変動演出がリーチ状態となることを示唆するための「リーチ」を示す予告態様(「ボA-1」)、実行中の変動演出がSPリーチ状態となることを示唆するための「SPリーチ」を示す予告態様(「ボA-2」)、実行中の変動演出が大当たり当選を示す演出結果となる期待度が高いことを示唆するための「大チャンス」を示す予告態様(「ボA-3」)のうち、何れかの予告態様が表示される。「ボタン予告B」は、実行中の変動演出がリーチ状態である場合に実行される予告演出であって、大当たり当選の期待度を示唆するための予告態様(予告種別)としてカットイン態様(図625(a)参照)が設定されるように構成している。具体的には、「ボタン予告B」に対応してボタンアイコンBa1が第3図柄表示装置81の表示画面に表示され、遊技者が枠ボタン22を押下した場合には、大当たり当選の期待度が低い「青色」のカットイン態様(「ボB-1」)、大当たり当選の期待度が低い「青色」よりは高い「赤色」を示すカットイン態様(「ボB-2」)、大当たり当選の期待度が最も高い「虹色」を示すカットイン態様(「ボB-3」)のうち、何れかの予告態様が表示される。
「ボタン予告C」は、実行中の変動演出が演出結果を示す表示態様で表示された後に実行されるボタン予告演出であって、大当たり当選を示す表示態様が表示された場合に実行されるボタン予告演出である。この「ボタン予告C」では、大当たり当選した場合において、当選した大当たりの種別を遊技者に示唆するための予告態様(予告種別)として昇格種別が設定されるように構成している。具体的には、「ボタン予告C」に対応してボタンアイコンBa1が第3図柄表示装置81の表示画面に表示され、遊技者が枠ボタン22を押下した場合には、変動演出の演出結果として表示されている表示態様(大当たり図柄)に対して、遊技者に有利な大当たり種別(例えば、確変大当たり)に当選している期待度が高いことを示唆する「チャンス」の文字態様(「ボC-1」)、遊技者に有利な大当たり種別(例えば、確変大当たり)に当選していることを示す「昇格」の文字態様(「ボC-2」)のうち、何れかの予告態様が表示される。なお、ボタン予告Cにおいて「昇格」の文字態様が表示された場合には、その後、変動演出の演出結果として表示されている表示態様(例えば、偶数大当たり図柄)を、確変大当たり当選に対応する表示態様(例えば、奇数大当たり図柄)へと可変させる演出(昇格演出)が実行される。以上、説明をした通り、本第17制御例におけるパチンコ機10では、変動演出として最大で3回のボタン予告演出を実行可能に構成しており、実行される特別図柄抽選の結果が外れである場合よりも、大当たり当選である場合の方が、1回の変動演出にて実行されるボタン予告演出の回数が多くなるように構成している。そして、変動演出の演出期間が経過する程、ボタン予告演出が実行された場合に遊技者に有利な演出結果が表示され易くなるように構成している。よって、変動演出が実行された場合において、遊技者はボタン予告演出がより多く実行されることを期待しながら変動演出を注視することになる。
次に、図623から図626を参照して、本第17制御例におけるパチンコ機10の変動演出にて実行されるボタン予告演出の演出内容について説明をする。本第17制御例におけるパチンコ機10では、上述した第12制御例と同様に、蝶アイコンBb1,Bb2が止まっているボタンアイコンBa1を表示可能に構成しており、各ボタン予告演出において枠ボタン22が押下された場合におけるボタンアイコンBa1の表示態様に応じて、変動演出の残期間中に他のボタン予告演出が実行されるか否かを遊技者が把握可能に構成している。図623(a)は、変動演出中において蝶アイコンBb1,Bb2が止まっているボタンアイコンBa1が表示される蝶ボタン演出が開始された場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図623(b)は、蝶ボタン演出が実行されている状態で「ボタン予告A」が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。蝶ボタン演出は、変動演出が開始された直後(ボタン予告Aが実行されるよりも前)に実行される演出であって、今回の変動演出にてボタン予告演出が実行されることを遊技者に事前に把握させるための演出であって、ボタンアイコンBa1に止まっている蝶アイコンの数によって、実行中の変動演出にて実行されるボタン予告演出の回数を示唆可能に構成されている。図623(a)に示した通り、蝶ボタン演出が実行されると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの上方に「蝶ボタンGET」の文字が表示され、主表示領域Dmの右下側に枠ボタン22を模したボタンアイコンBa1と、そのボタンアイコンBa1に2匹の蝶アイコンBb1,Bb2が止まっている表示態様が表示される。なお、図623(a)に示した例は、蝶ボタン演出が実行された直後であって、ボタン予告演出が実行されていない状態であるため、ボタンアイコンBa1には、現在がボタン予告演出中では無いことを示すための「lock」の文字が表示されている。また、ボタンアイコンBa1の上方には、表示領域Dm51が形成され、その表示領域Dm51に、現在表示されている(ボタンアイコンBa1に止まっている)蝶アイコンの数を示すための表示態様として「蝶×2」が表示されている。
つまり、図623(a)に示した状態は、今回の変動演出にて2回のボタン予告演出が実行される可能性が高いことを蝶ボタン演出によって示唆している状態となる。図623(a)に示した表示画面が表示されてから変動演出が進行し、「ボタン予告A」が実行されるまでは、「lock」の表示態様のボタンアイコンBa1が継続して表示される。そして、ボタン予告演出として「ボタン予告A」が実行されると、図623(b)に示した表示画面が表示される。具体的には、ボタンアイコンBa1の表示態様が「lock」から「PUSH」に切り替わり、実行中のボタン予告演出に対する枠ボタン22への操作の残期間を示すためのタイムゲージtg1が表示される。このタイムゲージtg1は、そのボタン予告演出に対して枠ボタン22への操作が有効に判別される期間の残期間を示すための表示態様であって、時間経過に基づいて残有効期間を示すための表示領域が徐々に減少していくように可変表示される。そして、副表示領域Dsには、現在がボタン予告演出中であることを案内するための案内表示態様として「ボタンを押して予告を出現させろ」の文字が表示される。このように構成することで、蝶ボタン演出が実行されたことによりボタンアイコンBa1が表示されている状態からボタン予告演出が実行される状態へと移行した場合であっても、遊技者が枠ボタン22への操作機会を見逃してしまうことを抑制することができる。図623(b)に示した表示画面が表示された後に、遊技者が枠ボタン22を押下すると、図624(a)に示した表示画面が表示される。図624(a)は、「ボタン予告A」の実行期間中に遊技者が枠ボタン22を押下した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図624(a)に示した図は、「ボタン予告A」に対して遊技者が枠ボタン22を押下し、演出結果として「大チャンス!!」の文字が表示領域Dm53に表示されたにも関わらず、ボタンアイコンBa1に止まっている蝶アイコンBb1,Bb2が何れも飛び立っていない状態を示した表示画面であり、表示領域Dm51には、継続して「蝶×2」が表示され、副表示領域Dsには、「ボタン予告A」に対して枠ボタン22が操作され、予告態様「大チャンス!!」が表示されたにも関わらず、蝶アイコンの数が減っていないことを案内するための案内表示態様として「蝶が飛び立っていない!!チャンスは続くよ!!」の文字が表示されている。なお、図624(a)では、「ボタン予告A」の実行中に枠ボタン22を押下したにも関わらず蝶アイコンBb1,Bb2が飛び立たない演出パターンを示す表示画面について説明をしたが、通常であれば、「ボタン予告A」の実行中に枠ボタン22を押下したことに基づいて、ボタン予告Aの演出結果が表示されると共に、1匹の蝶アイコンがボタンアイコンBa1から飛び立ち、表示領域51の表示態様が「蝶×1」へと可変表示される表示画面が表示される。つまり、通常の演出パターンでは、ボタンアイコンBa1に止まっている蝶アイコンの数が変動演出期間中に実行されるボタン予告演出の残実行回数と対応するように可変表示されるように構成している。そして、図624(a)に示した通り、ボタン予告演出にて枠ボタン22を押下した場合であっても蝶アイコンの数が減少しない演出パターンも実行可能に構成している。このように構成することで、蝶ボタン演出が実行されたことによって所定匹数(例えば、2匹)の蝶アイコンが表示されることで、変動演出中に2回のボタン予告演出が実行されると予測している遊技者に対して、ボタン予告演出にて枠ボタン22への操作を実行することで、変動演出中に実行されるボタン予告演出の回数をより正確に予測させることができるため、遊技者に対して枠ボタン22への操作を意欲的に行わせることができる。
詳細な図示は省略しているが、「ボタン予告A」が実行されている状態(図623(b)参照)において、枠ボタン22を押下すること無くタイムゲージtg1が示す残期間が0になった場合は、「ボタン予告A」に対応する予告態様が表示されること無く、蝶アイコンの数が変わること無く「ボタン予告A」が終了するように構成している。このように構成することで、「ボタン予告A」が終了した後に、後2回ボタン予告演出が実行されることを遊技者に分かり易く報知することができる。なお、これに限ること無く、ボタン予告演出中に枠ボタン22を押下した場合のみ蝶アイコンが飛び立たず、ボタン予告演出中に枠ボタン22を押下しなかった場合は、押下しなかったボタン予告演出の実行回数に対応させて蝶アイコンを飛び立たせる演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、変動演出中に実行されるボタン予告演出の残回数を正確に予測するために、ボタン予告演出が実行される毎に意欲的に枠ボタン22を遊技者に操作させることができる。その後、主表示領域Dmにて実行されている第3図柄の変動演出がリーチ状態となり、「ボタン予告B」の実行タイミングに到達するまでの間は、蝶アイコンBb1,Bb2が止まっており、且つ、「lock」の表示態様が付されたボタンアイコンBa1が継続表示される。そして、「ボタン予告B」の実行タイミングに到達すると、図624(b)の表示画面が表示される。図624(b)は、「ボタン予告B」の実行中に表示される表示画面の一例を示した図である。図624(b)に示した通り、「ボタン予告B」は、第3図柄がリーチ状態である場合に実行されるボタン予告演出であるため、主表示領域Dmには数字の「3」が付された主図柄szがリーチ状態を形成するように表示されている。そして、副表示領域Dsには、現在が「ボタン予告B」中であることを遊技者に案内するための案内表示態様として「ボタンを押してカットインを出せ!!」の文字が表示されている。
そして、「ボタン予告B」中に遊技者が枠ボタン22を押下すると、図625(a)に示した通り、「ボタン予告B」の演出結果を示すカットイン態様が表示される。図625(a)は、「ボタン予告B」の演出結果が表示されている表示画面の一例を示した図である。図625(a)に示した通り、「ボタン予告B」に対して枠ボタン22を押下すると、主表示領域Dmの中央部に、リーチ状態で表示されている第3図柄の視認性を低下させるようにカットイン態様Cu1が表示される。このカットイン態様Cu1は、遊技者に「ボタン予告B」の演出結果が表示されたことを分かり易く報知するために、遊技者が注視している第3図柄の変動表示が実行されている表示領域の少なくとも一部を覆うように表示される。なお、カットイン態様Cu1は、表示期間が約0.5秒と短期間の表示態様であって、カットイン態様Cu1が表示されている状態で全ての第3図柄が停止表示されてしまうことが無いように構成している。また、カットイン態様Cu1が表示されている状態であっても、リーチ状態で表示されている主図柄szの一部の視認性が変わらないようにカットイン態様Cu1の表示領域が形成されている。このように構成することで、カットイン態様Cu1が表示された場合であっても、リーチ状態の変動演出が継続して実行されていることを遊技者に分かり易く報知することができる。なお、本第17制御例では、図625(a)に示した通り、カットイン態様Cu1が表示されている表示領域と重複している第3図柄(主図柄)の表示態様(リーチ状態における中図柄列の変動表示態様)を遊技者が視認できないように構成しているが、カットイン態様Cu1が表示されたことを遊技者に把握させることができれば良く、例えば、カットイン態様Cu1の表示態様の透過率を高めることで、カットイン態様Cu1が表示されている状態において、リーチ状態における中図柄列の変動表示態様を遊技者が視認できるように構成しても良い。また、カットイン態様Cu1が表示される表示領域と、第3図柄(主図柄sz)が変動表示される表示領域と、が重複しないように構成しても良いし、第3図柄(主図柄sz)の変動表示よりも表示背面側にてカットイン態様Cu1を表示するように構成しても良い。
また、図625(a)に示した例では、「ボタン予告B」に対して枠ボタン22を押下したことに基づいて、蝶アイコンBb1がボタンアイコンBa1から飛び出し、残りの蝶アイコンの数が1匹(蝶アイコンBb2)となった状態を示しており、表示領域Dm51には、残りの蝶アイコンの匹数を示すための表示態様として「蝶×1」が表示されている。つまり、「ボタン予告B」が実行されたことにより、残りのボタン予告演出が1個となったことが報知された状態を示している。一方、「ボタン予告B」の実行中に遊技者が枠ボタン22を押下すること無く、タイムゲージtg1が示す残期間が0になった場合は、図625(b)に示した表示画面が表示される。図625(b)は、「ボタン予告B」の実行中に枠ボタン22への操作が実行されなかった場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図625(b)に示した通り、「ボタン予告B」の実行中に枠ボタン22への操作を実行しなかった場合は、カットイン態様Cu1が表示画面に表示されること無く、蝶アイコンBb1がボタンアイコンBa1から飛び立つ演出のみが実行され、表示領域Dm51には蝶アイコンの数が減少したことを示す「蝶×1」が表示される。そして、ボタン予告演出が終了したことを示すための「lock」の表示態様がボタンアイコンBa1に表示される。以上、説明をした通り、本第17制御例では、変動演出中に実行されるボタン予告演出の実行回数を、表示画面に表示されるボタンアイコンBa1に止まっている蝶アイコンの数で事前に報知することができるため、遊技者に対して後に実行される演出の内容を予測させ易くすることができる。また、ボタン予告演出中に枠ボタン22を押下した場合であっても、蝶アイコンの数が減少しない演出パターンを設けることで、当初予測していたボタン予告演出の実行回数よりもボタン予告演出の実行回数が多いことを遊技者に把握させることができるため、意外性のある演出を提供することができる。
なお、上述した演出例では、蝶アイコンが1匹ずつ飛び立つ演出のみを示しているが、これに限ること無く、1回のボタン予告演出にて2匹以上の蝶アイコンを飛び立たせる演出パターンを設定可能に構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して予測させ難い演出を提供することができる。また、この場合、1回のボタン予告演出に対して飛び立つ蝶アイコンの数が多い程、当該ボタン予告演出の演出結果が遊技者に有利となり易くするように構成した上で、蝶アイコンが飛び立つ演出を実行した後に、当該ボタン予告演出の演出結果が表示されるように構成すると良い。次に、図626を参照して、他の一発告知演出の演出例について説明をする。図626(a)は、上述した第12制御例における一発告知演出の別例を示した図である。上述した第12制御例における一発告知演出では、図500に示した通り、予め蝶アイコンが止まっているボタンアイコンBa1が表示され、枠ボタン22を押下することで一発告知演出の演出結果が表示されるように構成していた。これに対して、図626(a)に示した別例では、ボタンアイコンBa1が表示されるよりも前に、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm内を飛行する2匹の蝶アイコンBb1,Bb2が表示されるように構成し、その後、ボタンアイコンBa1を表示するように構成している。そして、飛行中の各蝶アイコンBb1,Bb2が、ボタンアイコンBa1に止まるのか、直接花アイコンha1,ha2に止まるのかを煽る演出を実行するように構成し、表示面には「蝶が出現!どこに止まるかな?」の文字が表示される。また、ボタンアイコンBa1の表示態様として、「lock」や「push」の文字が付されていない無地の表示態様が表示される。
その後、蝶アイコンがボタンアイコンBa1に止まった場合には、ボタンアイコンBa1の表示態様が「push」に可変し、遊技者に枠ボタン22を押下させる一発告知演出が実行される。一方、蝶アイコンが直接花アイコンha1,ha2に止まった場合には、遊技者に枠ボタン22を押下させること無く、一発告知演出の演出結果が表示される。また、蝶アイコンがそのまま表示画面の表示領域外へと飛び立っていった場合には、一発告知演出が実行されること無く、直接花アイコンha1,ha2やボタンアイコンBa1が非表示となる。このように構成することで、蝶アイコンがボタンアイコンBa1に止まるか否かについて遊技者に注視させることができるため、上述した第12制御例における一発告知演出よりも演出パターンを増加させることができ、演出効果を高めることができる。次に、図626(b)は、花アイコンの種別と、蝶アイコンの種別として複数種別を表示可能に構成した一発告知演出の演出例にて表示される表示画面の一例を示した図である。図626(b)に示した通り、本演出例では、通常の花アイコンha1とは異なる表示態様の花Bアイコンha2と、通常の蝶アイコンBb1とは異なる表示態様の蝶BアイコンBb2とが表示される。そして、蝶BアイコンBb2は、通常の蝶アイコンBb1よりも、花Bアイコンha2に止まりやすい、即ち、一発告知演出として直接花アイコンに蝶アイコンが停止する演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、一発告知演出が実行された場合に、どの種別の花アイコン、又は蝶アイコンが表示されるかについても遊技者に楽しませることができる。なお、上述した各制御例にて説明をした一発告知演出では、表示画面に表示される花アイコンの数と蝶アイコンの数を同一としているが、これに限ること無く、異なる数のアイコンを表示するように構成しても良い。また、一発告知演出によって遊技者に告知される告知対象を大当たり当選としているが、これに限ること無く、遊技者に有利な特典が付与されることが告知されるものであれば良い。
次に、図627、及び図628を参照して、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出(楽曲、映像)の種別を選択する演出の内容について説明をする。上述した第13制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に再生される楽曲を選択可能な期間(楽曲選択期間)において、遊技者の操作手段(枠ボタン22)への操作に基づいて大当たり遊技中に再生される楽曲を選択可能に構成していた。さらに、昇格条件が成立した場合にのみ、今回実行される大当たり遊技が終了した後に設定される遊技状態を報知可能な専用楽曲が選択されるように構成していた。これに対して、本第17制御例におけるパチンコ機10では、楽曲を選択する際に、楽曲に対応するラウンド映像も選択画面に表示されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に出力される楽曲に興味が無い遊技者に対しても、表示されるラウンド映像を選択する目的で操作手段(枠ボタン22)を操作させることが可能となるため、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができる。さらに、各楽曲とラウンド映像とが対応付けて予め規定されているのに対して、楽曲(ラウンド映像)を選択操作した際に、所定の発生条件が成立した場合において、選択楽曲とラウンド映像との組合せがズレる場合が生じるように構成している。このように構成することで、楽曲(ラウンド映像)を選択する操作を実行した場合に意外性のある組合せの大当たり遊技演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。また、本第17制御例では、今回実行される大当たり遊技が遊技者に有利な大当たり遊技(確変大当たり、ラウンド遊技数が多い大当たり遊技等)である場合の方が、それ以外の大当たり遊技である場合よりも、選択楽曲とラウンド映像との組合せがズレる場合が生じ易くなるように構成している。このように構成することで、意外性のある大当たり遊技演出が実行された場合に、遊技者に有利な大当たり遊技が実行されることを報知することができるため、演出効果をより高めることができる。さらに、本第17制御例では、大当たり遊技中に出力される楽曲の種類を更新条件の成立に基づいて増加させることができるように構成している。
具体的には、更新条件が成立していない場合、例えば、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、3種類の楽曲(楽曲A~楽曲C)が選択可能であり、大当たり遊技終了後に設定される有利遊技状態(例えば、時短状態、確変状態等)にて再度大当たり当選した場合(所謂、連チャンした場合)に更新条件が成立し、選択可能な楽曲が1種類(例えば、楽曲D)増加するように構成している。以降、更新条件が成立する毎に、選択可能な楽曲の種類が最大で7種類となるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技が実行される毎に、楽曲の選択幅を広げることができるため、遊技者に対して楽曲を選択する操作を意欲的に行わせ易くすることができる。この場合、更新条件が成立し、選択可能な楽曲が増加した場合において、新たな楽曲が追加されたことを把握できなければ新たな楽曲を選択する機会を失ってしまい演出効果が低下してしまう虞があった。これに対して、本第17制御例では、新たな楽曲が追加された場合には、楽曲選択期間が設定された時点で表示される表示画面(選択画面)に新たな楽曲が表示されるように構成している。このように構成することで、新たな楽曲が追加されたことを遊技者に容易に把握させることができる。また、楽曲選択期間が設定された時点で表示される表示画面(選択画面)の表示態様を、過去の楽曲選択期間における遊技者の操作手段への操作内容に応じて決定可能に構成している。具体的には、連チャン期間中における過去の楽曲選択期間中に遊技者が操作手段を操作して特定の楽曲を選択したこと(楽曲選択操作を実行したこと)を記憶可能な記憶手段を設け、新たな楽曲選択期間における初期表示画面の表示態様を決定する際に、その記憶手段に記憶されている楽曲選択操作の操作履歴を判別する。
楽曲選択操作が行われていると判別した場合、即ち、遊技者が任意に所定の楽曲を選択していると判別した場合は、その選択された楽曲が楽曲選択画面の主領域(初期状態で選択表示されている領域)に表示され、次に選択され得る副領域に新たに追加された楽曲に対応する情報が表示されるように構成している。一方で、楽曲選択操作が行われていないと判別した場合、即ち、遊技者が任意に所定の楽曲を選択していないと判別した場合は、予め定められている順序で新たな楽曲が追加され、その新たな楽曲が楽曲選択画面の主領域に表示されるように構成している。このように構成することで、任意の楽曲を選択している遊技者に対しては、選択中の楽曲を継続して出力させ易い状況を提供したまま新たに追加された楽曲を報知し易くすることができるため、大当たり遊技が開始される毎に、任意の楽曲を毎回選択する煩わしさを解消することができる。また、楽曲選択操作を実行しない遊技者に対しては、新たに追加された楽曲が主領域に表示されるため、楽曲選択操作を実行しなくとも大当たり遊技毎に異なる楽曲を出力させることができるため演出効果を高めることができる。また、本第17制御例では、上述した第13制御例における楽曲Xを選択可能な条件(昇格条件)が成立した場合に、7種類の楽曲の全てを選択可能にする開放処理を実行するように構成している。つまり、通常であれば大当たりの連チャン回数を増加させることで更新条件を複数回成立した場合にのみ選択可能となる7種類目の楽曲まで、昇格条件が成立した場合に選択可能となるように構成している。ここで、上述した第13制御例では、昇格条件を成立させるための要素の一部として、確変大当たり当選した場合であって、且つ、大当たり当選を示すための第3図柄の表示態様(大当たり図柄の種別)が、通常大当たり(時短大当たり)に当選した場合にも表示され得る表示態様(偶数図柄揃いの大当たり図柄)であることを規定していた。つまり、実際の大当たり当選内容(確変大当たり)よりも遊技者に不利な遊技情報(通常大当たりもあり得る大当たり当選)が報知された場合のみ昇格条件が成立し得るように構成していた。
つまり、本第17制御例では、実際の大当たり当選内容(確変大当たり)よりも遊技者に不利な遊技情報(通常大当たりもあり得る大当たり当選)が報知された場合のみ、1回の大当たり遊技において開放処理(全種類の楽曲を選択可能にする処理)を実行可能に構成している。このように構成することで、偶数図柄揃いで大当たり当選が報知された場合の付加価値を遊技者に提供することができるため、偶数図柄揃いの大当たり図柄が停止表示された場合であっても遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。図628(a)は、大当たり遊技のオープニング期間中に表示される表示画面を示した図である。なお、この表示画面が、上述した第13制御例におけるオープニング期間中に表示される表示画面(図539(a)参照)に対して、各選択楽曲に対応する映像情報を示す表示態様を追加した点で相違しており、それ以外の表示要素は同一である。同一の表示要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。図627(a)は、確変大当たりに当選した場合であって、第3図柄が偶数図柄揃い「666」で停止表示された場合におけるオープニング期間中の表示画面を示した図であるため、小表示領域Dm1には、大当たり当選を示す表示態様(「666」)で第3図柄が停止表示している。小表示領域Dm1の下方には、大当たり演出中に再生される楽曲を選択させるための表示領域として、選択ボタン600を模したアイコンが表示領域0Dm1に表示され、主領域には、選択中楽曲gk1aとして「曲A」が表示され、選択中ラウンド映像情報gk2として「海」が表示されている。つまり、「曲A」を選択した場合には、大当たり遊技中に表示されるラウンド映像として海をテーマとした映像が表示されることを報知している。また、楽曲選択期間中は選択中楽曲gk1aに表示された楽曲の一部分(サビ部分)が出力されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に出力される楽曲を決定するまでに選択中の楽曲の一部を視聴することができるため、遊技者の好みに合わせた楽曲を選択し易くすることができる。
なお、楽曲選択期間中に選択中ラウンド映像情報gk1bに表示されているラウンド映像をデモ再生するように構成しても良い。このように構成することで、ラウンド映像を主として選択する遊技者にもラウンド映像を選択し易くすることができる。また、この場合、楽曲選択期間中にデモ再生された場合に表示される表示画像の一部を用いて、今回実行される大当たり遊技の遊技内容や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種類を示唆可能な示唆態様を含ませて表示するように構成しても良い。つまり、ラウンド映像としては表示されない表示態様を、デモ再生中のみ表示させるように構成しても良い。このように構成することで、楽曲選択期間中の演出効果を高めることができる。選択中楽曲と同様に、第1選択候補楽曲gk2aとして「曲B」が、第1選択候補ラウンド映像情報gk2bとして「山」が、第2選択候補楽曲gk3aとして「曲C」が、第2選択候補ラウンド映像情報gk3bとして「空」が表示されている。つまり、「曲A」と「海」が、「曲B」と「山」が、「曲C」と「空」がそれぞれ対応付けて規定されていることを示している。図627(a)に示した表示画面が表示されている状態で選択ボタン600の上ボタンを操作した場合には、第1選択候補楽曲gk2a、第1選択候補ラウンド映像情報gk2bに表示されている表示態様が、そのまま選択中楽曲gk1a、選択中ラウンド映像情報gk1bへとシフト表示される。ここで、所定の発生条件(確変大当たり当選)が成立した場合の一部においては、図627(b)に示した通り、選択ボタン600を操作した場合に、楽曲のみがシフトするように構成している。図627(b)は、選択中の楽曲と、ラウンド映像との組合せが、予め規定されている組合せとはズレた場合の表示画面を示している。図627(b)では、図627(a)に示した表示画面が表示されている状態で選択ボタン600の上ボタンを操作した場合に、楽曲のみがシフトして表示されている。そして、副表示領域Dsには「曲とラウンド映像がズレたよ昇格のチャンスかも」の文字が表示されている。
なお、本第17制御例では、発生条件が成立している状態で楽曲(ラウンド映像)を選択するための選択操作(選択ボタン600への操作)をしたことに基づいて、予め規定されている組合せ以外の組合せが表示されるように構成している。つまり、遊技者が選択ボタン600を操作しない限り発生条件が成立しているか否かを把握できないように構成することで、遊技者に対して意欲的に選択ボタン600を操作させることができるものであるが、これに限ること無く、発生条件が成立している場合において、選択画面に表示されている楽曲とラウンド映像との組合せを予め規定されている組合せ以外の組合せで表示するように構成しても良く、例えば、確変大当たりに当選したにも関わらず、偶数図柄で大当たり図柄が停止表示された場合であって、発生条件が成立している場合には、楽曲選択画面にて全ての楽曲に対して同一のラウンド映像を示す表示態様を表示させるように構成しても良い。次に、更新条件が成立し、新たな楽曲が選択可能となった場合に表示される楽曲選択画面について、図628(a)を参照して説明する。図628(a)は、新たな楽曲を選択可能な楽曲選択画面の一例を示した図である。図628(a)に示した表示画面は、前回の大当たり遊技にて「楽曲B」、「山」を選択した遊技者が次の大当たり遊技を開始させた場合における楽曲選択画面を示している。図628(a)に示した通り、選択中楽曲gk1aには、前回選択した楽曲「曲B」が、選択中ラウンド映像情報gk1bには、前回選択したラウンド映像情報「山」が表示された状態で楽曲選択画面が表示される。そして、連チャンしたことにより更新条件が成立したため、第1選択候補楽曲gk2aには新たに追加された「曲D」が、第1選択候補ラウンド映像情報gk2bには「曲D」に対応するラウンド映像を示すラウンド映像情報「天」が表示されている。また、今回の楽曲選択期間中は全部で4種類の楽曲が選択可能であることを示すために、第3選択候補楽曲gk4a、第3選択ラウンド映像情報gk4bを示す表示領域が形成され、「曲C」、「空」が表示されている。
図628(a)に示した通り、楽曲選択画面に表示される各種領域は、選択可能な楽曲数が増加した場合であっても、その数を把握できるように増加表示されるように構成している。そして、現在選択されている楽曲(ラウンド映像)に対応する表示領域(選択中楽曲gk1a、選択中ラウンド映像情報gk1b)が最も大きく、次に、1回の選択操作にてシフト可能な楽曲(ラウンド映像)に対応する表示領域(第1、第2選択候補楽曲、第1、第2選択候補ラウンド映像情報)が大きくなるように各表示領域を形成している。このように構成することで、限られた表示領域内において、選択可能な楽曲数を遊技者に把握させ易くすることができる。なお、図628(a)に示した表示画面では、4種類の楽曲を選択可能な状態を示しており、各表示領域を離間させて形成しているが、選択可能な楽曲数が増加した場合には、各表示領域を重複させて表示するように構成しても良い。この場合、選択ボタン600を操作することで先に選択可能な表示領域を前面側(優先して)表示するように構成し、背面側(非優先側)の表示領域は、対応する楽曲やラウンド映像の種別を識別し難い(困難)な表示態様(前面側に表示される表示領域に隠れて見え難い表示態様)で表示しても良い。この場合であっても、表示領域の存在を遊技者に把握可能に表示することで、選択可能な楽曲数を遊技者に把握させることができる。次に、図628(b)を参照して、開放処理が実行された場合における楽曲選択画面について説明をする。図628(b)は、選択可能な楽曲の全てが開放された場合(昇格条件が成立した場合)に表示される表示画面を示した図である。本第17制御例では、上述した第13制御例における楽曲選択画面にて昇格条件が成立した場合に表示される表示画面の表示態様を異ならせている点で上述した第13制御例と相違している。
具体的には、楽曲選択画面が表示されている状態で枠ボタン22を押下し、昇格条件が成立した場合に、7曲の楽曲を選択可能となる楽曲選択画面が表示される。そして、最も領域が小さい表示領域(第6選択候補楽曲gk7a、第6選択候補ラウンド映像情報gk7b)が虹色に発光表示され、副表示領域Dsには「全曲開放おめでとう!!虹色に光っている曲がある!?」の文字が表示される。このように構成することで、表示領域が小さく、識別困難な表示領域に対応する楽曲やラウンド映像を選択しようとする意欲を高めさせることができる。なお、この場合、選択ボタン600の操作に基づいて、虹色に発光する表示領域がシフトするように構成すると良い。これにより、楽曲選択画面が表示された時点で第6選択候補楽曲gk7a、第6選択候補ラウンド映像情報gk7bに表示されていた楽曲とラウンド映像が何であったかを分かり易く把握させることができる。
<第17制御例における制御処理内容について>
次に、図629から図632を参照して、本第17制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第17制御例では、上述した第13制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容に対して、オープニング演出処理(図551のS5602J参照)に代えてオープニング演出処理(図629のS5602Ja)を、楽曲選択処理(図557のS5401J)に代えて楽曲選択処理(図630のS5401Ja)を、上述した第12制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容に対して、詳細態様決定処理(図534のS5115H参照)に代えて、詳細態様決定処理(図631のS5115Ja)を、演出更新処理(図536のS4102H参照)に代えて演出更新処理(図632のS4102Ja)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、その説明を省略する。まず、図629を参照して、オープニング演出処理(S5602Ja)の処理内容について説明する。図629は、オープニング演出処理(S5602Ja)の処理内容を示したフローチャートである。このオープニング演出処理(S5602Ja)は、上述した第13制御例におけるオープニング演出処理(図551のS5602J参照)に対して、楽曲選択画面に表示される各種表示態様を決定するための処理内容の一部を異ならせている点で相違している。なお、同一の処理内容については同一の符号を付してその説明を省略する。オープニング演出処理(S5602Ja)が実行されると、まず、オープニング演出処理(図551のS5602J参照)と同一のS5651J、S5652Jの処理を実行する。その後、楽曲用データ種別格納エリア222kaに格納されている楽曲(全7曲)から今回の楽曲選択に用いる楽曲種別を決定する(S5651Ja)。このS5651Jaの処理では、更新条件の成立回数や、発生条件の成立有無に基づいて、楽曲選択画面に表示させる楽曲種別(楽曲数)を決定するための処理が実行される。
なお、本制御例の処理に限定されること無く、例えば、オープニング演出の態様を決定する処理が実行される毎に、楽曲用データ種別格納エリア222kaに格納されている楽曲の中から楽曲選択画面に表示させる楽曲の種別や数を抽選で決定するように構成しても良い。S5651Jaの処理を終えると、次に、今回の大当たり遊技が確変大当たりであって、且つ、偶数図柄揃いの大当たりであったかを判別し(S5652Ja)、確変大当たりであって、且つ、偶数図柄揃いの大当たりであると判別した場合は(S5652Ja:Yes)、選択操作後に表示される(選択中楽曲gk1に表示される)楽曲種別に対して特殊表示枠を決定し(S5653Ja)、楽曲情報格納エリア223kbに格納されている楽曲(前回の楽曲選択画面にて選択された楽曲に関する履歴情報)に対応する楽曲選択画面を示すための表示態様を決定し(S5653J)、決定した楽曲の表示態様に対応した映像アイコンを決定し(S5654Ja)、上述した第13制御例におけるオープニング演出処理(図551のS5602J参照)と同一のS5654J~S5656Jの処理を実行し、本処理を終了する。次に、図630を参照して、楽曲処理(S5401Ja)の処理内容について説明をする。図630は、楽曲処理(S5401Ja)の処理内容を示したフローチャートである。この楽曲処理(S5401Ja)では、上述した第13制御例の楽曲選択処理(図557のS5401J参照)に対して、各種操作手段(選択ボタン600、枠ボタン22)に対する操作に基づいて実行される処理内容の一部と、楽曲決定後に実行される処理内容の一部と、を変更している点で相違している。同一の処理内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。
楽曲処理(S5401Ja)が実行されると、上述した楽曲選択処理(図557のS5401J)と同一のS5451J~S5470Jの処理が実行される。そして、S5453Jの処理を実行した後、即ち、楽曲選択期間中であって、選択ボタン600が操作されたと判別した場合は、楽曲情報格納エリア223kbに格納されている楽曲情報に基づいてボタン押下後の楽曲を選択し(S5451Ja)、次に、今回の大当たり図柄が偶数図柄の確変当たりであるかを判別し(S5452Ja)、偶数図柄の確変当たりであると判別した場合は(S5452Ja:Yes)、選択操作に基づいて楽曲情報のみがシフトする表示態様を実行するかを抽選で決定し(S5453Ja)、S5454Jaの処理へ移行する。一方、S5452Jaの処理において偶数図柄の確変当たりでは無いと判別した場合は(S5452Ja:No)、S5453Jaの処理をスキップしてS5454Jaの処理へ移行する。S5453Jaの処理によって、楽曲種別のみがシフトする表示態様が決定された場合には、図627(b)に示したズレ表示画面が表示される。なお、本第17制御例では、ズレ表示画面の表示が抽選で決定されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特定の偶数図柄(888)で大当たり当選した場合には、S5452Jaの判別にて偶数図柄の確変当たりであると判別した場合に必ずズレ表示画面が表示されるように構成しても良い。S5454Jaの処理では、選択中楽曲を示す選択画面を示すための表示用コマンドを設定し(S5454Ja)、その後、選択中楽曲のサビ音声を出力するための音声用コマンドを設定し(S5455Ja)、本処理を終了する。また、S5458Jの処理を終えた後には、昇格楽曲の決定があるかを判別し(S5456Ja)、決定ありと判別した場合は(S5456Ja:Yes)、全曲開放を示す表示用コマンドを設定し(S5457Ja)、本処理を終了する。さらに、S5468Jの処理を終えた後には、決定した楽曲を再生するための音声用コマンドを設定し(S5458Ja)、選択画面を消去する表示用コマンドを設定し(S5469J)、本処理を終了する。
次に、図631を参照して、詳細態様決定処理(S5115Ja)の処理内容について説明をする。図631は、詳細態様決定処理(S5115Ja)の処理内容を示したフローチャートである。この詳細態様決定処理(S5115Ja)は、上述した詳細態様決定処理(S5115H)に対して、一発告知演出に対して実行される処理内容の一部を変更している点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり同一の処理内容については同一の符号を付してその説明を省略する。詳細態様決定処理(S5115Ja)が実行されると、上述した第12制御例の詳細態様決定処理(S5115H)と同一のS5301H~S5316Hの処理を実行し、その後、蝶アイコンの数を決定し(S5301Ja)、蝶アイコンの種別と花アイコンの種別を決定し(S5302Ja)、本処理を終了する。次に、図632を参照して、演出更新処理(S4102Ja)の処理内容について説明をする。図632は、演出更新処理(S4102Ja)の処理内容を示したフローチャートである。この演出更新処理(S4102Ja)では、上述した第12制御例に対して、一発告知演出中におけるSW有効期間が経過した場合において、蝶アイコンの数を減少させるか否かについて決定し、決定した蝶アイコン数を示す表示用コマンドを設定する処理(S5501Ja)を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、その説明を省略する。
<第18制御例>
次いで、図633から図655を参照して、第18制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第10制御例では、遊技状態として、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定される通常状態と、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態に設定される時短状態と、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態に設定される確変状態(確変状態A~C)と、の3種類の異なる遊技状態を設ける構成としていた。これに加えて本第18制御例では、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定される潜確状態を設ける構成とし、更に、この潜確状態を、最も有利度合いが高い遊技状態に設定した。より具体的には、本第18制御例では、第2特別図柄の抽選において高確率(約1/2の確率)で小当たりに当選する構成とした上で、潜確状態以外の遊技状態(通常状態、時短状態、および確変状態)では、第2特別図柄の抽選頻度が低くなる一方で、潜確状態では、第2特別図柄の抽選頻度が高くなるように構成する(潜確状態のみ第2特別図柄の変動時間を短くする)ことで、潜確状態においてのみ、頻繁に第2特別図柄の抽選が実行され、小当たりにも頻繁に当選する結果、小当たりに基づく賞球を断続的に獲得できる極めて有利な遊技状態を形成可能に構成している。これにより、大当たりに当選しなくても小当たりによる賞球の払い出しで持ち球が増加していく斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第18制御例では、特別図柄の抽選が実行され易くなる制御が実行される(普通図柄の高確率状態に設定される)時短状態や確変状態において、第1の遊技方法の遊技(左打ち遊技)を行ったとしても第2の遊技方法の遊技(右打ち遊技)を行ったとしても、不利な通常状態において左打ちを行った場合よりも持ち球が減り難い有利な遊技を実行可能に構成している。即ち、第1の遊技方法の遊技(左打ち遊技)を行った場合には、ほぼ持ち球を維持可能な(発射される遊技球と払い出される賞球の個数とが設計上ほぼ同等となる)有利な遊技が実行可能となるように構成する一方で、第2の遊技方法の遊技(右打ち遊技)を行った場合についても、左打ちを行った場合よりも若干払い出される賞球数が少なくなる程度に有利な遊技が実行可能となるように構成した。そして、普通図柄の時短状態は、基本的に、第2の遊技方法の遊技(右打ち遊技)を行った場合には時短終了条件が早期に成立し易くなる一方で、第1の遊技方法の遊技(左打ち遊技)を行った場合には時短終了条件が成立し難くなるように構成した。このように構成することで、時短終了条件が成立すると不利な通常状態へと移行してしまう時短状態においては、左打ちを行った方が有利度合いが高くなる一方で、時短終了条件が成立すると特別図柄の高確率状態が維持されたまま普通図柄の通常状態に設定される結果、最も有利な潜確状態へと移行する確変状態においては、右打ちを行った方が有利度合いが高くなるという斬新な遊技性を実現することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、有利度合いが異なる複数の遊技状態が設けられており、有利度合いが高い遊技状態に設定された場合は、当該有利度合いが高い遊技状態において所定の終了条件が成立したことに基づいて、有利度合いが高い遊技状態が終了されて、他の遊技状態に設定されるものが広く一般的に知られている。係る従来型の遊技機の中には、有利な遊技状態として、終了条件の成立し易さが異なる(例えば、終了条件が成立するまでの特別図柄の抽選回数が異なる)複数の種別が設けられているものも存在し、終了条件が成立し難い遊技状態に設定されることを期待させることで興趣向上を図っていた。しかしながら、係る従来型の遊技機においては、異なる遊技状態であっても、同一の終了条件が設定された場合、終了条件が成立するまで遊技状態によらない共通の遊技方法で遊技を行うことで有利度合いが最も高くなるため、遊技が単調になってしまうという問題点がある。これに対して本第18制御例では、特別図柄の抽選が実行され易い制御(普通図柄の時短状態の制御)を終了させるための終了条件として共通の終了条件(時短終了条件)が設定された場合に、第1の遊技方法(左打ち遊技)で遊技を行った方が有利度合いが高くなり易い第1の状況と、第2の遊技方法(右打ち遊技)で遊技を行った方が有利度合いが高くなり易い第2の状況と、が成立し得る構成とした。即ち、時短終了条件が成立し難い左打ち遊技を行った方が有利度合いが高くなる時短状態と、時短終了条件が成立し易い右打ち遊技を行った方が有利度合いが高くなる確変状態と、を設ける構成とし、時短状態と確変状態とで、共通の時短終了条件を設定する構成とした。このように構成することで、同一の時短制御が設定されているにもかかわらず、状況に応じて遊技方法を異ならせる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第18制御例では、大当たり遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1の遊技方法(左打ち遊技)で遊技を行った方が有利度合いが高くなり易い時短状態が設定された場合と、第2の遊技方法(右打ち遊技)で遊技を行った方が有利度合いが高くなり易い確変状態が設定された場合とで、どちらも特定の演出態様を少なくとも含んで構成される特定演出を実行する構成としている。即ち、第1の遊技方法で遊技を行った方が有利度合いが高くなるのか、第2の遊技方法で遊技を行った方が有利度合いが高くなるのかを演出態様から識別困難とする演出を実行可能に構成している。これにより、特定演出が実行された場合に、遊技者に対して、第1の遊技方法で遊技を行った方が良いのか、第2の遊技方法で遊技を行った方が良いのかを予測させて、当該予測に応じた遊技方法を実行させるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。この第18制御例におけるパチンコ機10が、上述した第10制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、パチンコ機10の遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第10制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第10制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図633を参照して、本第18制御例における遊技盤13の盤面構成について説明する。図633は、本第18制御例における遊技盤13の正面図である。図633に示した通り、本第18制御例における遊技盤13は、上述した第10制御例における遊技盤13の盤面構成(図425参照)に対する1つ目の相違点として、第10制御例において可変表示装置ユニット80に対して正面視右側の流路に設けられていたスルーゲート67が、可変表示装置ユニット80に対して正面視左側の流路に移動されている点、および第10制御例において可変表示装置ユニット80に対して正面視右側の流路に設けられていた右第1入球口2640が削除されていると共に、第1入球口64に対して電動役物64aを付随させた点で相違している。
この1つ目の相違点により、本第18制御例では、普通図柄の時短状態に設定される時短状態や確変状態において左打ちを行うことにより、普通図柄の抽選の実行契機となるスルーゲート67に対して遊技球を通過させることができる。また、普通図柄の抽選で当たりとなって電動役物64aが開放されると、左打ちにより発射された遊技球が第1入球口64へと入球し易い状態(第1入球口64が拡大された状態)を形成する。一方で、右打ちを行った場合は、スルーゲート67に対して遊技球を通過させることが不可能となる上に、釘の配置上、第1入球口64へと到達させることも不可能となるため、第1特別図柄の抽選を実行させることが不可能となる。即ち、本第18制御例における普通図柄の時短状態では、左打ち遊技を行うことで電動役物64aが頻繁に開放される有利な状態を形成する。ここで、上述した通り、本第18制御例では、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態(時短状態、または確変状態)において右打ちを行った場合に、第2特別図柄の抽選を実行させることが可能となる。普通図柄の時短状態に設定される遊技状態において右打ちを行った場合、左打ちを行うよりも若干損となる(発射球数に対する払い出される賞球数の比が小さい値になる)が、通常状態において左打ちを行うよりも有利となるため、右打ち遊技を選択することも可能となる斬新な遊技状態を形成する。なお、払い出される賞球の量に着目した場合、左打ちを行うよりも、右打ちを行った方が、賞球数が多い小当たり用入賞装置2650へと入球する可能性が高くなるため、小当たり遊技中に払い出される賞球による賞球の増加速度は、左打ち時に普通図柄の当たり遊技が実行された場合の賞球の増加速度よりも大幅に早くなる。よって、賞球の増加速度の観点では、左打ちよりも右打ちの方が有利度合いが高くなるとも言える。
また、図633に示した通り、本第18制御例における遊技盤13は、上述した第10制御例における遊技盤13の盤面構成(図425参照)に対する2つ目の相違点として、第10制御例において盤面右下に設けられていた第1可変入賞装置65に代えて、小当たり用入賞装置2650が設けられている。この小当たり用入賞装置2650は、通常時は遊技球が入球不可能となるように閉鎖されており、第2特別図柄の抽選で約1/2の確率で当選する小当たりに当選し、小当たり遊技が実行された場合に入球可能に開放される入賞装置である。この小当たり用入賞装置2650の特定入賞口2650aは、小当たり遊技中に、0.5秒間のみ開放され、この開放期間の間に特定入賞口2650aへの遊技球の入球を検出した場合、15個の賞球が払い出される。このため、第2特別図柄の変動時間が短くなる潜確状態においては、右打ちを行い続けることにより、頻繁に小当たり遊技が実行されて特定入賞口2650aへの入球も頻繁に発生する結果、次に大当たりとなるまで持ち球が増加し続け易くなる(発射した遊技球の個数よりも払い出される賞球の個数の方が多くなり易くなる)極めて有利な状態を形成する。
更に、図633に示した通り、本第18制御例における遊技盤13は、上述した第10制御例における遊技盤13の盤面構成(図425参照)に対する3つ目の相違点として、第10制御例において第1入球口64の正面視右下側に設けられていた第2可変入賞装置2065が、第1入球口64の直下に移動されている。この第2可変入賞装置2065は、大当たり遊技の各ラウンドで開放される入賞装置(大入賞口)である。第2可変入賞装置2065の配置が変更されたことにより、大当たり遊技の実行中に右打ちを行ったとしても、開放状態の第2可変入賞装置2065へと遊技球を入球させることが不可能となる(大当たり中に閉鎖された状態となる小当たり用入賞装置2650の上面を通過した遊技球が、小当たり用入賞装置2065が設けられているベース部材と第2可変入賞装置2065との隙間を流下してアウト口66へと誘導される)ため、大当たり遊技の実行中に左打ち遊技によって第2可変入賞装置2065へと遊技球を入球させる遊技方法を遊技者に対して選択させることができる。これにより、大当たり遊技の実行中に第2入球口1641へと遊技球が入球してしまい、第2特別図柄の保留球が貯まってしまうことを抑制することができる。ここで、本第18制御例では、時短終了条件として、多くの場合、第1特別図柄の抽選が95回、または第2特別図柄の抽選が5回実行されることで成立する終了条件が設定されるため、大当たり中に第2特別図柄の保留球が上限数(4個)まで貯まってしまうと、時短終了条件の直前まで第2特別図柄の抽選が実行されることとなる。よって、普通図柄の時短状態に移行した後において、時短終了条件を成立させたくないと考えていたにもかかわらず、操作方法を誤る等により右打ちを行ってしまい、1個分の第2特別図柄の保留球を追加で獲得してしまうだけで、意図せずに普通図柄の時短状態が終了されてしまう可能性がある。このため、本第18制御例では、大当たり遊技の実行中における遊技方法を左打ち遊技とし、第2特別図柄の保留球が極力貯まり難くなるように構成した。このように構成することで、成立し易い時短終了条件(第2特別図柄の抽選5回)が遊技者の意に反して成立してしまうことを極力なくすことができる。
次に、図634から図637を参照して、本第18制御例における特徴的な演出態様について説明する。まず、図634(a)を参照して、本第18制御例において時短状態、および確変状態に移行する場合に実行される演出態様の一例について説明する。図634(a)に示した通り、本第18制御例では、大当たり終了後に時短状態、または確変状態へと移行する場合は、主表示領域Dmにおける中央下部に、ウサギを模したミニキャラ801と、カメを模したミニキャラ865とが表示される。また、ウサギを模したミニキャラ801の右側に、ウサギのミニキャラ801が通行可能な道RRが表示され、道RRの他端側に、宝箱を模した宝箱画像TBRが表示される。また、道RRの上方に対して、右向きの矢印を模した矢印画像YGRが表示される。この矢印画像YGRには、「右打ちするとウサギが進むよ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、右打ちを行うとウサギのミニキャラ801が宝箱画像TBRに向けて進む演出が実行されるということを容易に理解させることができる。また、図634(a)に示した通り、カメのミニキャラ865の左側には、カメのミニキャラ865が通行可能な道RLが表示され、道RLの他端側に、宝箱を模した宝箱画像TBLが表示される。また、道RLの上方に対して、左向きの矢印を模した矢印画像YGLが表示される。この矢印画像YGLには、「左打ちするとカメが進むよ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、左打ちを行うとカメのミニキャラ865が宝箱画像TBLに向けて進む演出が実行されるということを容易に理解させることができる。
また、主表示領域Dmにおける左上に形成された横長略長方形形状の小表示領域Dm4に対して、「ウサギ到達まで残り5回」という文字が表示され、小表示領域Dm4の直下に形成された横長略長方形形状の小表示領域Dm7に対して、「カメ到達まで残り95回」という文字が表示される。また、主表示領域Dmの中央上部に形成された横長略長方形形状の表示領域HR10に対して、「セレクトモード突入!!」という文字が表示され、更に、副表示領域Dsに対して、「宝箱まで到達すればRUSH or 終了!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、右打ちを行ってウサギのミニキャラを進行させた場合、5回の特別図柄の抽選が実行されることで宝箱に到達する一方で、左打ちを行ったカメのミニキャラを進行させた場合は、宝箱の到達までに95回の特別図柄の抽選を要すること、および宝箱に到達した場合に、有利なRUSH(潜確状態)へと移行する可能性も、有利な状態が終了されて不利な通常状態へと移行する可能性もあるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、比較的宝箱へと容易に到達できる右打ちを行って有利な潜確状態への移行が報知されることを期待する遊技性で遊技を行うのか、比較的宝箱へと到達し難い(到達する前に大当たりに当選する可能性が高くなる)左打ちを行って、宝箱に到達する前に大当たりに当選することを期待する遊技性で遊技を行うのかを、遊技者に対して選択させるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。この図634(a)に示したセレクトモードの遊技方法の説明を行う演出は、大当たりのエンディング期間中に実行される。これにより、普通図柄の時短状態に設定されるセレクトモード(時短状態、または確変状態)に移行した時点において、セレクトモードの遊技性を理解した状態とさせることができるので、遊技者に対して効率良く遊技を行わせることができる。
図634(b)は、普通図柄の時短状態に設定されるセレクトモードにおいて、第2特別図柄の抽選が1回実行された場合の演出態様の一例を示した図である。図634(b)に示した通り、セレクトモードにおいて第2特別図柄の抽選が実行されると、主表示領域Dmの下方において、ウサギのミニキャラ801が道RRを右方向に1歩(道RRの全長の約1/5の距離分)進む演出が実行されると共に、小表示領域Dm4における宝箱到達までの残りの抽選回数の表示が1減算して更新される。図634(b)の例では、「ウサギ到達まで残り4回」に減算表示された場合を例示している。また、第2特別図柄の抽選が実行されると、主表示領域Dmの中央において、第2特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の変動表示が実行されると共に、小表示領域Dm8においても、第2特別図柄の変動表示が実行される。これらの表示内容により、右打ちを行って第2特別図柄の抽選が実行されたことに連動してウサギのミニキャラ801が右方向(宝箱TBRの方向)へと進んだということを遊技者に対して把握させることができる。よって、大当たりとならずに第2特別図柄の抽選が5回実行されれば宝箱TBRに到達するということを遊技者に対して容易に想像させることができる。なお、図示については省略したが、左打ちにより第1特別図柄の抽選が実行された場合は、主表示領域Dmの中央において第1特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の変動表示が行われると共に、小表示領域Dm1においても第1特別図柄の変動表示が実行される。また、第1特別図柄の抽選が実行されたことに連動して、カメのミニキャラ865が左方向に1歩(道RLの全長の約1/95の距離分)進む演出が実行されると共に、小表示領域Dm7における宝箱到達までの残りの抽選回数の表示が1減算して更新される。これらの表示内容により、カメのミニキャラ865の位置が第1特別図柄の抽選回数に対応していること、および左打ちを行い続けた場合、右打ちを行い続けるよりも長い期間、遊技状態が変更され難くなる(普通図柄の時短状態が終了されるまでに要する抽選回数が多くなる)ことを、遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図635、図636、および図637(a)を参照して、普通図柄の時短状態(電サポ有り状態)における最後の変動表示が実行された場合における演出態様について説明する。以降、第2特別図柄の抽選回数が規定回数である5回に到達したことによって時短終了条件が成立した場合を例示して、各種演出態様を説明する。図635(a)は、普通図柄の時短状態における最後の第2特別図柄の変動表示の開始時における演出態様の一例を示した図である。図635(a)に示した通り、第2特別図柄の抽選回数が規定回数である5回に到達した場合、5回目の第2特別図柄の変動開始と共に、ウサギのミニキャラ801が宝箱TBRに到達する演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「宝箱へ到達!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、第2特別図柄の抽選回数が規定回数に到達し、普通図柄の時短状態が終了されることで、潜確状態(ラッシュモード)、若しくは通常状態のどちらかに移行するということを遊技者に対して認識させることができる。図635(b)は、潜確状態(ラッシュモード)への移行が報知される場合の演出態様の一例を示した図である。図635(b)に示した通り、有利な潜確状態(ラッシュモード)への移行が報知される場合(即ち、確変状態が設定されている状態で時短終了条件が成立した場合)は、宝箱TBRに到達したウサギのミニキャラ801が宝箱TBRを開くと、宝箱TBRの中からラッシュモードへの移行を示すVアイコン801vが出現する演出が実行される。また、第3図柄の変動表示において、停止図柄として、中図柄が「V」の文字を模した第3図柄に設定される停止図柄が停止表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「RUSH突入!!右打ち!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、有利な潜確状態(ラッシュモード)に移行したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、図示については省略したが、第1特別図柄の抽選回数が規定回数(95回)に到達し、潜確状態へと移行する場合は、カメのミニキャラ865が宝箱TBLに到達し、宝箱TBLを開けると中からVアイコン801vが出現する演出が実行される。
図636(a)は、通常状態への移行が報知される場合の演出態様の一例を示した図である。図636(a)に示した通り、不利な通常状態への移行が報知される場合(即ち、時短状態が設定されている状態で時短終了条件が成立した場合)は、宝箱TBRに到達したウサギのミニキャラ801が宝箱TBRを開くと、宝箱TBRの中から通常モードへの移行を示す終アイコン801eが出現する演出が実行される。また、第3図柄の変動表示において、外れの組み合わせの第3図柄が停止表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「セレクトモード終了・・・左打ち・・・」という文字が表示される。これらの表示内容により、普通図柄の時短状態が終了されて不利な通常状態に移行してしまったということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、図示については省略したが、第1特別図柄の抽選回数が規定回数(95回)に到達し、通常状態へと移行する場合は、カメのミニキャラ865が宝箱TBLに到達し、宝箱TBLを開けると中から終アイコン801eが出現する演出が実行される。
図636(b)は、最終変動の開始時点において実行中の変動表示も含む保留内に大当たりが含まれている特殊な状況下における演出態様の一例を示した図である。図636(b)に示した通り、実行中の変動表示が大当たり変動であるか、または保留内に大当り保留が存在し、大当たり当選が確定している場合は、宝箱TBRに到達したウサギのミニキャラ801が宝箱TBRを開くと、宝箱TBRの中から大当たり当選を示す祝アイコン801cが出現する演出が実行される。また、第3図柄の変動表示において、大当たりの組み合わせの第3図柄が停止表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「ボーナス確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たりに当選したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。ここで、実行中の変動表示が大当たりに対応する変動表示である場合だけでなく、保留内に大当たりが含まれている場合にも、時短最終変動において予め大当たり当選を報知する構成としているのは、遊技者に損をしたと感じさせてしまうことを防止する趣旨である。即ち、仮に時短終了条件が成立した後の遊技状態が潜確状態だった場合、大当たりに当選せずに小当たりに当選し続けるほど賞球をより多く獲得可能な状態を形成するため、保留内で即座に大当たりに当選してしまうと、小当たりによる賞球をほとんど得ることなく有利な潜確状態が終了されてしまうこととなる。この場合に、潜確状態(ラッシュモード)への移行を報知してしまうと、即座に大当たりに当選して潜確状態が終了されてしまい、潜確状態への移行が報知された時点での大きな期待感が極めて短時間で失われることとなり、遊技者に対して大きな失望感を抱かせてしまう可能性がある。また、逆に、時短終了条件が成立した後の遊技状態が通常状態であった場合、通常状態への移行(終アイコン801e)が報知された時点で遊技者に対して大きな失望感を抱かせてしまうこととなる。特に、右打ちにより5回の特別図柄の抽選で早期に時短終了条件を成立させる遊技方法を行っていた場合、遊技者に対して極めて大きながっかり感を抱かせてしまう可能性がある。このため、本第18制御例では、時短終了条件の成立時点で保留内に大当たりが含まれている場合は、普通図柄の時短状態が終了された後の遊技状態にかかわらず、遊技状態を報知するのに代えて大当たり当選を報知する構成としている。このように構成することで、遊技者に対して失望感を抱かせる機会を減らすことができるので、より好適な演出態様を実現することができる。なお、図示については省略したが、第1特別図柄の抽選回数が規定回数(95回)に到達し、保留内に大当たりが含まれている場合は、カメのミニキャラ865が宝箱TBLに到達し、宝箱TBLを開けると中から祝アイコン801cが出現する演出が実行される。
なお、本第18制御例では、終了条件の成立時点で保留内に大当たりが含まれている場合は、普通図柄の時短状態が終了された後の遊技状態にかかわらず、遊技状態を報知するのに代えて大当たり当選を報知する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、潜確状態へと移行する場合は大当たり当選を報知する一方で、通常状態へと移行する場合は通常状態への移行を報知する構成としてもよい。このように構成した場合、不利な通常状態へと移行した直後に大当たりに当選する挙動となるため、遊技者に対して極めて運が良いと思わせることができ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図637(a)は、次回大当たりまで継続する確変状態が設定されている状況下で、他の遊技状態における規定回数(時短終了条件が成立する変動回数)に到達した場合の演出態様の一例を示した図である。ここで、本第18制御例では、大当たりのほとんど(第1特別図柄の大当たりの100%、および第2特別図柄の大当たりの90%)が、第1特別図柄の抽選が95回、または第2特別図柄の抽選が5回実行されることで時短終了条件が成立する遊技状態(確変状態、または時短状態)に設定される種別の大当たりであり、一部の大当たり(大当たりC59)となった場合にのみ、大当たり終了後の遊技状態が、次回の大当たりまで継続する確変状態に設定される。この大当たりC59に当選した場合も、他の大当たりと同様に、確変状態へ移行する際に、セレクトモードへの移行を報知する演出(図634(a)参照)が実行される。そして、図637(a)に示した通り、他の大当たり終了後の遊技状態であれば時短終了条件が成立する第2特別図柄の5回目の抽選が実行された場合は、宝箱TBRに到達したウサギのミニキャラ801が宝箱TBRを開くと、宝箱TBRの中から次回まで継続する確変状態に設定されていることを示す∞アイコン801iが出現する演出が実行される。また、第3図柄の変動表示において、外れの組み合わせの第3図柄が停止表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「次回まで継続確定!!左打ち!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、普通図柄の時短状態が次回の大当たりまで継続するため、左打ちにより持ち球をほとんど減らさずに遊技を行うことができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、図示については省略したが、遊技者が左打ちにより第1特別図柄の抽選を行わせる遊技方法を選択していた場合は、他の大当たり終了後の遊技状態であれば時短終了条件が成立する第1特別図柄の95回目の抽選が実行されたことに基づいて、カメのミニキャラ865が宝箱TBLに到達し、宝箱TBLを開けると中から∞アイコン801iが出現する演出が実行される。
図637(b)は、普通図柄の時短状態に設定されるセレクトモード(時短状態、または確変状態)において所定確率で実行される確変状態示唆演出の一例を示した図である。ここで、本第18制御例では、大当たり終了後の遊技状態として時短状態(右打ちよりも左打ちを行った方が有利度合いが高くなり易い遊技状態)が設定された場合と、確変状態(左打ちよりも右打ちを行った方が有利度合いが高くなり易い遊技状態)が設定された場合とで、基本的に演出態様を共通化し、有利度合いが高くなる発射方向を遊技者が認識困難となるように秘匿する構成とすることにより、有利度合いが高くなり易い発射方向を遊技者に予測させる遊技性を実現している。しかしながら、有利度合いが高くなり易い発射方向(確変状態であるか時短状態であるか)を完全に秘匿してしまうと、遊技者が毎回自身の勘のみを頼りに発射方向を決定せざるを得ず、興趣を向上させ難くなる可能性がある。そこで、本第18制御例では、変動表示演出中に、所定確率で、確変状態である(即ち、右打ちを行った方が有利度合いが高くなり易い)期待度が高いことを示唆する確変示唆演出や、時短状態である(即ち、左打ちを行った方が有利度合いが高くなり易いこと)期待度が高いことを示唆する時短示唆演出を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して、自己の勘だけでなく、確変示唆演出や時短示唆演出の実行状況も加味して発射方向を選択させることができるので、より奥深い遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図637(b)は、確変示唆演出が実行された場合の演出態様の一例を示した図である。図637(b)に示した通り、確変示唆演出が実行されると、主表示領域Dmにおける右下に表示されている宝箱TBRが巨大化する演出が実行される。この演出内容によって、巨大化した宝箱TBRへとウサギのミニキャラ801を到達させた方が有利になるのではないか、と遊技者に思わせることができる。この確変示唆演出は、時短状態よりも確変状態の方が実行される割合が高くなるように構成されているので、確変示唆演出の実行頻度によって、確変状態である(右打ちを行った方が有利度合いが高くなる)か否かを推測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、図示については省略したが、時短示唆演出では、宝箱TBLが巨大化する演出が実行される。また、確変示唆演出には、図637(b)にて図示した演出態様(宝箱TBRが巨大化する演出態様)とは別に、宝箱TBRが虹色に輝く演出態様の確変示唆演出も設けられている。詳細については後述するが、宝箱TBRが虹色に輝く演出態様の確変示唆演出は、確変状態でのみ実行される可能性がある演出として構成されている。つまり、宝箱TBRが虹色に輝く演出態様の確変示唆演出(確変示唆「強」)は、1度でも実行されることで確変状態が確定するのに対し、宝箱TBRが巨大化する演出態様の確変示唆演出(確変示唆「弱」)および宝箱TBLが巨大化する演出態様の時短示唆演出は、それぞれ確変状態および時短状態の期待度がアップするだけで、他方の遊技状態でも出現する可能性がある演出として構成されている。これらの構成により、各示唆演出の発生状況および発生した示唆演出の種別を総合的に考慮して、遊技者に対して普通図柄の時短状態が継続している間における発射方向を選択させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第18制御例では、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態において有利な発射方向を遊技者に認識され難くする(秘匿する)ための演出として、第1特別図柄の抽選が実行される毎にカメのミニキャラ865が左方向へと移動する一方で、第2特別図柄の抽選が実行される毎にウサギのミニキャラ801が右方向へと移動する演出を実行する構成としていたが、演出態様はこれに限られるものではない。例えば、単純に左側(左打ち用流路)を指し示す矢印を模した画像と、右側(右打ち用流路)を指し示す矢印を模した画像と、を主表示領域Dmの左右にそれぞれ表示させるだけでもよい。また、例えば、単に右打ちと左打ちとのどちらかを選択して遊技を行うように文字等によって遊技者に対して認識させる構成としてもよい。
本第18制御例では、普通図柄の時短状態に設定される時短状態および確変状態において、共通の演出態様として、右打ちと左打ちとのいずれの遊技方法を行うかを遊技者に対して選択させる(委ねる)演出態様の演出(セレクトモード演出)を実行する構成としていたが、これに限られるものではなく、一方の遊技方法(発射方向)を報知しつつ、あわせて、他方の遊技方法を行った場合のメリットを遊技者が認識し得る演出態様の演出を実行する構成としてもよい。具体的には例えば、普通図柄の時短状態が継続している間において有利度合いが高くなる(発射される遊技球の個数に対して払い出される賞球の個数が多くなり易くなる)左打ちを報知する構成としつつ、確変状態であれば右打ちを行うことで左打ちよりも少ない変動回数(特別図柄の抽選回数)で有利度合いが高い潜確状態へと移行するということを遊技者が把握可能な演出態様の演出を実行する構成としてもよい。また、逆に、普通図柄の時短状態が早期に終了され易い右打ちを報知する構成としつつ、時短状態であれば左打ちを行うことで右打ちよりも通常状態へと移行するまでの期間が長くなり易いということを遊技者が把握可能な演出態様の演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、大当たり終了後において、設定されている遊技状態に対応する発射方向(遊技方法)を明確に報知する一般的な仕様の遊技機での遊技に慣れている遊技者に対して、演出内容を理解できなくても報知された発射方向に遊技球を発射すれば良いと思わせることができ、大当たり終了後の普通図柄の時短状態においていずれの遊技方法を行えば良いか分からずに戸惑わせてしまうことを抑制することができるので、より好適な演出態様を実現することができる。次に、図638を参照して、本第18制御例における状態間の移行方法について説明する。ここで、本第18制御例では、普通図柄の通常状態、且つ、特別図柄の低確率状態に設定される通常状態と、普通図柄の時短状態、且つ、特別図柄の低確率状態に設定される時短状態と、普通図柄の時短状態、且つ、特別図柄の高確率状態に設定される確変状態と、普通図柄の通常状態、且つ、特別図柄の高確率状態に設定される潜確状態と、の4種類の遊技状態が設けられている。
通常状態は、大当たり確率が低確率(約1/196の確率)に設定され、電動役物64aが開放され難くなり(普通図柄の変動時間が長く、普通図柄の当たり確率が低く、更に普通図柄の当たりとなった場合の電動役物64aの開放期間が短くなり)、且つ、第2特別図柄の変動時間が極端に長くなる(第2特別図柄の抽選結果によらず600秒となる)ため、左打ち遊技により比較的入球し難い第1入球口64への入球を狙って遊技を行う必要がある(右打ちすることで第2入球口1641には容易に入球するが遊技効率が極めて悪化する)不利な遊技状態を形成する。また、時短状態は、大当たり確率は通常状態と共通(約1/196)であるが、電動役物64aが開放され易くなる(普通図柄の通常状態よりも、普通図柄の変動時間が短くなり、普通図柄の当たり確率が高くなり、更に普通図柄の当たりとなった場合の電動役物64aの開放期間が長くなる)ので、左打ちを行うことで第1入球口64へと頻繁に遊技球を入球させることができ、通常状態に比較して効率よく第1特別図柄の抽選を実行させることができる遊技状態を形成する。更に、本第18制御例における時短状態では、第2特別図柄の変動時間が通常状態に比較して短くなる(第2特別図柄の抽選結果によらず30秒間となる)ため、右打ちを行った場合の遊技効率が通常状態よりも高くなる。更に、第2特別図柄の抽選では高確率(約1/2の確率)で小当たりに当選して小当たり用入賞装置2650の特定入賞口2650aが開放されるため、右打ちを行い続けることにより、平均して1分間に1回前後、特定入賞口2650aへの入球に基づく賞球(1個入球する毎に15個)を獲得する機会を得ることができる。即ち、左打ちと右打ちとで、左打ちの方が遊技効率の面で若干有利度合いが高くなるが、通常状態で右打ちを行う場合と比較すると、右打ちの有利度合い(遊技効率)が劇的に向上するため、時短状態において敢えて右打ちを行う遊技方法を遊技者に対して選択肢の一つとして選択させ得る斬新な遊技性を実現することができる。この時短状態は、第1特別図柄の抽選回数が95回に到達するか、第2特別図柄の抽選回数が5回に到達したことに基づいて終了され、不利な通常状態が設定される。
また、確変状態は、時短状態と同様に電動役物64aが開放され易くなり、且つ、第2特別図柄の変動時間が通常状態よりも短くなるのに加え、大当たり確率が高確率(約1/104)となるため、時短状態よりも有利度合いが高い遊技状態を形成する。この確変状態では、時短状態と同様に、左打ちを行った場合に第1入球口64へと遊技球が入球し易くなる上に、右打ちを行ったとしても通常状態よりも効率良く遊技を行うことが可能となる。また、確変状態には、実質的に次に大当たりとなるまで継続する確変状態と、確変状態が設定された後の第1特別図柄の抽選回数が95回に到達するか、または第2特別図柄の抽選回数が5回に到達したことに基づいて終了される確変状態と、の2種類が設けられており、確変状態が終了された後は潜確状態に設定される。
更に、潜確状態は、通常状態と同様に電動役物64aが開放され難くなるが、大当たり確率が高確率(約1/104)となる上に、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態(時短状態、または確変状態)よりも第2特別図柄の変動時間が短くなる(95%以上の割合で変動時間として3秒間が決定される)ため、左打ちを行うよりも右打ちを行った方が有利度合いが大幅に高くなる遊技状態を形成する。即ち、潜確状態において右打ちを行った場合、第2特別図柄の抽選が頻繁に実行され、第2特別図柄の抽選で約1/2の確率で当選する小当たりにも頻繁に当選するため、小当たり遊技が短い期間に連続して実行され易くなる結果、小当たり用入賞装置2650の特定入賞口2650aへの入球に基づく賞球が頻繁に払い出される有利な遊技状態を形成する。つまり、大当たりに当選しなくても、発射した遊技球の個数以上の賞球の払い出しを受け続けることができる極めて有利な遊技状態を形成するため、潜確状態が設定された場合に、遊技者の遊技に対して大きな満足感や喜びを抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。この潜確状態は、次に大当たりに当選するまで継続するため、遊技者に対して、大当たりに当選するよりも、大当たりとは異なる抽選結果となり続けて特定入賞口2650aへの入球に基づく賞球を獲得し続けることをより強く期待させる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。以下、通常状態、時短状態、確変状態、および潜確状態の4つの状態のそれぞれにおける状態の移行方法について説明する。
まず、図638の上段を参照して、通常状態から他の遊技状態への移行方法について説明する。図638の上段に示した通り、通常状態から他の状態には、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図638の上段に示した通り、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、大当たり種別が大当たりA61(確変大当たり)であれば、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定される。一方で、大当たり種別が大当たりB61(通常大当たり)であれば、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。このため、通常状態においては、確変大当たり(大当たりA61)に当選した方が、通常大当たり(大当たりB61)に当選するよりも有利度合いが高くなる。なお、図示については省略したが、通常状態において第2特別図柄の抽選で確変大当たり(大当たりC61,D61)に当選した場合は、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合と同様、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定され、第2特別図柄の抽選で通常大当たり(大当たりE61)に当選した場合は、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合と同様、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。ここで、通常状態で第2特別図柄の抽選が実行される場合とは、通常状態で右打ちを行って第2入球口1641へと遊技球が入球した場合や、時短状態において第2特別図柄の保留球を保留した状態で時短回数が終了されて通常状態へと移行した場合である。
次に、図638の中段左側を参照して、確変状態から他の状態への移行方法について説明する。図638の中段左側に示した通り、確変状態から他の状態には、大当たりに当選した場合の他、大当たりに当選せずに時短回数が経過した場合にも移行する可能性がある。具体的には、図638の中段左側に示した通り、確変状態において遊技者が左打ち遊技を行い、第1特別図柄の抽選で通常大当たり(大当たりB61)に当選した場合、および遊技者が右打ち遊技を行い、第2特別図柄の抽選で通常大当たり(大当たりE61)に当選した場合、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。また、確変状態において大当たりに当選せずに時短回数が経過した(大当たりA61,D61の終了後に第1特別図柄の抽選が95回終了したか、または第2特別図柄の抽選が5回終了した)場合は、遊技状態が最も有利な潜確状態に直接(大当たり遊技を介さずに)設定される。一方で、確変状態において遊技者が左打ち遊技を行い、第1特別図柄の抽選で確変大当たり(大当たりA61)に当選した場合、および遊技者が右打ち遊技を行い、第2特別図柄の抽選で通常大当たり(大当たりC61,D61のいずれか)に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、確変状態に設定される(確変状態をループする)。よって、確変状態では、大当たりに当選したことを契機として設定される遊技状態(確変状態、時短状態のいずれか)よりも、時短回数が経過したことを契機として設定される遊技状態(潜確状態)の方が有利度合いが高くなるため、大当たりに当選しないことに期待させる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図638の中段右側を参照して、時短状態から他の状態への移行方法について説明する。図638の中段右側に示した通り、時短状態から他の状態には、大当たりに当選した場合の他、大当たりに当選せずに時短回数が経過した場合にも移行する可能性がある。具体的には、図638の中段右側に示した通り、時短状態において遊技者が左打ち遊技を行い、第1特別図柄の抽選で確変大当たり(大当たりA61)に当選した場合、および遊技者が右打ち遊技を行い、第2特別図柄の抽選で確変大当たり(大当たりC61,D61のいずれか)に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定される。また、時短状態において大当たりに当選せずに時短回数が経過した(大当たりB61,E61の終了後に第1特別図柄の抽選が95回終了したか、または第2特別図柄の抽選が5回終了した)場合は、遊技状態が最も不利な通常状態に直接(大当たり遊技を介さずに)設定される。一方で、時短状態において遊技者が左打ち遊技を行い、第1特別図柄の抽選で通常大当たり(大当たりB61)に当選した場合、および遊技者が右打ち遊技を行い、第2特別図柄の抽選で通常大当たり(大当たりE61)に当選した場合、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態に設定される(時短状態をループする)。よって、時短状態では、大当たりに当選したことを契機として設定される遊技状態(確変状態、時短状態のいずれか)の方が、時短回数が経過したことを契機として設定される遊技状態(通常状態)よりも有利度合いが高くなるため、大当たりに当選することを期待して遊技を行わせることができる。
なお、上述した通り、本第18制御例では、時短状態と確変状態とで共通の演出態様を実行する構成としており、遊技者が時短状態に設定されているのか確変状態に設定されているのかを区別し難く構成している。よって、時短状態が設定されているか確変状態が設定されているのかを遊技者に対して予測させると共に、確変状態に設定されていると予測した場合は時短回数が経過し易い遊技方法(時短回数が終了するまでの抽選回数が少ない第2特別図柄の抽選が実行される右打ち遊技)を選択させる一方で、時短状態に設定されていると予測した場合は時短回数が経過し難い遊技方法(時短回数が終了するまでの抽選回数が多い第1特別図柄の抽選が実行される左打ち遊技)を選択させることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。次に、図638の下段を参照して、潜確状態から他の状態への移行方法について説明する。図638の下段に示した通り、潜確状態から他の状態には、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図638の下段に示した通り、潜確状態において遊技者が右打ち遊技を行い、第2特別図柄の抽選で確変大当たり(大当たりC61,D61のいずれか)に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定される。また、潜確状態において遊技者が右打ち遊技を行い、第2特別図柄の抽選で通常大当たり(大当たりE61)に当選した場合、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。なお、図示については省略したが、潜確状態において第1特別図柄の抽選で確変大当たり(大当たりA61)に当選した場合は、第2特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合と同様、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定され、第1特別図柄の抽選で通常大当たり(大当たりB61)に当選した場合は、第2特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合と同様、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。ここで、潜確状態で第1特別図柄の抽選が実行される場合とは、潜確状態で左打ちを行って第1入球口64へと遊技球が入球した場合や、確変状態において左打ち遊技を行って第1特別図柄の保留を貯めた状態で第1特別図柄の時短回数が終了して潜確状態に移行した場合である。
このように、本第18制御例では、有利度合いが異なる4つの遊技状態を互いに行き来する構成としているので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第18制御例における電気的構成>
次に、図639を参照して、本第18制御例の主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図639は、本第18制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図639に示した通り、本第18制御例におけるROM202は、上述した第10制御例におけるROM202の構成(図435参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202Gaに代えて第1当たり乱数テーブル202saが設けられている点、大当たり種別選択テーブル202Gbに代えて大当たり種別選択テーブル202sbが設けられている点、変動パターンテーブル202Gdに代えて変動パターンテーブル202sdが設けられている点、小当たり乱数テーブル202Geに代えて小当たり乱数テーブル202seが設けられている点、および変動パターンシナリオテーブル202Gjに代えて変動パターンシナリオテーブル202sjが設けられている点である。その他の構成については上述した第10制御例と同一であるため、その詳細な説明については省略する。まず、図641(a)を参照して、本第18制御例における第1当たり乱数テーブル202saの詳細について説明する。図641(a)は、本第18制御例における第1当たり乱数テーブル202saの規定内容を示した図である。この第1当たり乱数テーブル202saは、第10制御例における第1当たり乱数テーブル202Ga(図437(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に特別図柄の大当たりか否かを判定するために参照されるデータテーブルである。図641(a)に示した通り、本第18制御例における第1当たり乱数テーブル202saは、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)の範囲、および特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲がそれぞれ規定されている。
より具体的には、図641(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~334」の335個の乱数値(カウンタ値)の範囲が規定されている。また、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~629」の630個の乱数値(カウンタ値)の範囲が規定されている。本第18制御例では、第1当たり乱数カウンタC1が「0~65535」の65536個の値を取り得るので、特別図柄の低確率状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、約1/196(335/65536)であり、特別図柄の高確率状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、約1/104(630/65536)である。なお、第1特別図柄の抽選でも、第2特別図柄の抽選でも、この第1当たり乱数テーブル202saが参照されて大当たりか否かの判定が行われる。次に、図641(b)を参照して、本第18制御例における大当たり種別選択テーブル202sbの詳細について説明する。この大当たり種別選択テーブル202sbは、上述した第10制御例における大当たり種別選択テーブル202Gb(図437(b)参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり種別を選択するために参照されるデータテーブルである。図641(b)は、本第18制御例における大当たり種別選択テーブル202sbの規定内容を示した図である。図641(b)に示した通り、本第18制御例における大当たり種別選択テーブル202sbには、特別図柄の種別毎に、第1当たり種別カウンタC2の値と、選択される大当たり種別とが、対応付けて規定されている。より具体的には、図641(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して、「大当たりA61」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、「大当たりB61」が対応付けて規定されている。
「大当たりA61」、および「大当たりB61」は、共にラウンド数が5ラウンドの大当たりである。一方、「大当たりA61」の終了後は、遊技状態が比較的有利度合いが高い確変状態に設定され、「大当たりB61」の終了後は、遊技状態が比較的有利度合いが低い時短状態に設定される。このため、「大当たりA61」は、「大当たりB61」よりも、大当たり終了後の遊技状態の面で有利度合いが高くなる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA61」、および「大当たりB61」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が共に50個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA61」が決定される割合、および「大当たりB61」が決定される割合は共に50%(50/100)である。即ち、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、確変状態へと移行する割合と時短状態に移行する割合とが等しいので、大当たり終了後の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかの予測をより困難とすることができる。よって、確変状態と予測して右打ちを行うのか、時短状態と予測して左打ちを行うのかをより真剣に遊技者に対して考えさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、図641(b)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲に対して、「大当たりC61」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「10~49」の範囲に対して、「大当たりD61」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、「大当たりE61」が対応付けて規定されている。
「大当たりC61」~「大当たりE61」は、全てラウンド数が5ラウンドの大当たりである。一方、「大当たりC61」、および「大当たりD61」の終了後は、遊技状態が比較的有利度合いが高い確変状態に設定され、「大当たりE61」の終了後は、遊技状態が比較的有利度合いが低い時短状態に設定される。このため、「大当たりC61」や「大当たりD61」は、「大当たりE61」よりも、大当たり終了後の遊技状態の面で有利度合いが高くなる。なお、「大当たりC61」の終了後は、実質的に次に大当たりに当選するまで確変状態が維持されるのに対して、「大当たりD61」の終了後は、第1特別図柄の抽選が95回実行されるか、第2特別図柄の抽選が5回実行されることで時短回数が経過して有利度合いが最も高い潜確状態へと移行する。このため、有利な潜確状態へと移行する可能性が無い「大当たりC61」よりも、潜確状態へと移行し得る「大当たりD61」の方が有利度合いが高くなる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC61」、「大当たりD61」、および「大当たりE61」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ10個、40個、および50個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりC61」が決定される割合は10%(10/100)であり、「大当たりD61」が決定される割合は40%(40/100)であり、「大当たりE61」が決定される割合は50%(50/100)である。即ち、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合と同様に、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、確変状態へと移行する割合と時短状態に移行する割合とが等しいので、大当たり終了後の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかの予測をより困難とすることができる。よって、確変状態と予測して右打ちを行うのか、時短状態と予測して左打ちを行うのかをより真剣に遊技者に対して考えさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図642(a)を参照して、本第18制御例における変動パターンテーブル202sdの詳細について説明する。この変動パターンテーブル202sdは、上述した第10制御例における変動パターンテーブル202Gd(図438(b)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図642(a)は、この変動パターンテーブル202sdの構成を示したブロック図である。図642(a)に示した通り、本第18制御例における変動パターンテーブル202sdは、通常モード(通常状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するための通常用テーブル202sd1と、時短状態や確変状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するための時短・確変用テーブル202sd2と、時短状態または確変状態において普通図柄の時短状態から普通図柄の通常状態へと移行する前の最後の特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するための時短最終変動用テーブル202sd3と、潜確状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するための潜確用テーブル202sd4と、で少なくとも構成されている。ここで、通常用テーブル202sd1は、上述した第10制御例における通常用テーブル202Gd1(図438(c)参照)と同一の規定内容(第1特別図柄の抽選が実行されると、比較的短い変動時間(7秒~140秒)が選択され、第2特別図柄の抽選が実行されると、極端に長い変動時間(600秒)が選択される規定内容)となっているため、ここではその詳細な説明については省略する。通常状態において特別図柄の抽選が実行されると、この通常用テーブル202sd1が参照されるため、右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させた場合の遊技効率を極めて悪化させることができる。よって、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができ、左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させる遊技方法を遊技者に対して確実に行わせることができる。
図642(b)は、上述した時短・確変用テーブル202sd2の規定内容を示した図である。図642(b)に示した通り、この時短・確変用テーブル202sd2のうち、第1特別図柄に対応する規定内容は、上述した第10制御例における時短・確変A用テーブル202Gd2(図439参照)と同一の規定内容(第1特別図柄の抽選が実行されると、比較的短い変動時間(3秒~25秒)が選択される規定内容)となっているため、ここではその詳細な説明については省略する。また、第2特別図柄に対しては、抽選結果によらず、変動時間が15秒間の変動パターンが必ず選択される規定内容となっている。時短状態および確変状態においては、この時短・確変用テーブル202sd2が参照されることにより、左打ちにより効率良く第1特別図柄の抽選を実行させることができるだけでなく、左打ちよりも若干効率は落ちるが、右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させて遊技を進行させることもできる。具体的には、右打ちを行い続けた場合に、普通図柄の時短状態が終了される5回の第2特別図柄の抽選が終了するまでに平均で小当たりに2.45回当選し、5回の第2特別図柄の抽選が終了して普通図柄の時短状態が終了されるまでに要する期間は、小当たり遊技期間を加味すると平均で約80秒となる。また、本第18制御例におけるパチンコ機10では、1分間の間に最大100個の遊技球を発射可能であるため、80秒の間に右打ちにより発射可能な遊技球の個数は最大で約133.3個ある。また、小当たり遊技において払い出される賞球の個数は、小当たり遊技中に右打ちを行い続けることで平均45個(平均3個の遊技球が特定入賞口2650aへと入球する計算)となるため、平均2.45回の小当たりにおいて払い出される賞球数の合計は110.25個となる。つまり、時短状態や確変状態において右打ちにより普通図柄の時短状態を早期に終了させる遊技方法を行った場合、大当たり終了時に対して約23個(133.3個-110.25個)の持ち球が減る結果となるため、持ち球をほぼ維持可能な左打ちに比較して、持ち球の面では若干損となる。しかしながら、確変状態が設定された場合に最も有利な潜確状態へと移行する可能性が高くなる上に、潜確状態へと移行するまでの期間も左打ちに比較して極めて短くなるため、より早期に、小当たり遊技が頻繁に実行されて大当たりにならなくても持ち球を増加させ続けることができる有利な遊技状態へと移行させることができる。よって、時短状態および確変状態において右打ちを行うか左打ちを行うかを遊技者に対して選択させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図643(a)を参照して、上述した時短最終変動用テーブル202sd3の詳細について説明する。図643(a)は、この時短最終変動用テーブル202sd3の規定内容を示した図である。図643(a)に示した通り、この時短最終変動用テーブル202sd3には、特別図柄の種別および抽選結果によらず、変動時間が15秒間の変動パターンが必ず選択される規定内容となっている。このため、普通図柄の時短状態から普通図柄の通常状態に切り替わる前の最後の特別図柄の抽選が実行された場合は、15秒の変動表示演出を実行できるので、普通図柄の通常状態に設定されることで有利度合いが低い通常状態に移行するのか、最も有利な潜確状態に移行するのか、当該変動で大当たりに当選するのかを報知するための、十分な長さ(15秒間)の演出期間を確保することができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。次に、図643(b)を参照して、上述した潜確用テーブル202sd4の詳細について説明する。図643(b)は、この潜確用テーブル202sd4の規定内容を示した図である。図643(b)に示した通り、「第1特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が600秒の「ロング外れ」が対応付けて規定され、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が600秒の「ロング当たり」が対応付けて規定されている。
一方、「第2特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~189」の範囲に対して、変動時間が3秒の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190~196」の範囲に対して、変動時間が20秒の「ノーマルリーチ各種」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「197,198」の範囲に対して、変動時間が40秒の「スーパーリーチ各種」が対応付けて規定されている。また、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が20秒の「ノーマルリーチ各種」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「150~198」の範囲に対して、変動時間が40秒の「スーパーリーチ各種」が対応付けて規定されている。これらの規定内容により、潜確状態においては、第1特別図柄の抽選が実行された場合に、極めて長い変動時間が設定される一方で、第2特別図柄の抽選が実行された場合は、比較的短い変動時間が設定されるため、右打ちにより第2特別図柄の抽選を頻繁に実行させることができ、小当たり遊技も頻繁に実行される結果、次に大当たりとなるまで小当たり遊技による賞球の払い出しを断続的に受け続けることができる極めて有利な遊技状態を形成する。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図644(a)を参照して、本第18制御例における小当たり乱数テーブル202seの詳細について説明する。図644(a)は、この小当たり乱数テーブル202seの規定内容を示した図である。図644(a)に示した通り、本第18制御例における小当たり乱数テーブル202seには、特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として、第1特別図柄には値が対応付けられていない一方で、第2特別図柄に対しては、「630~32767」の範囲が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が32138個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される割合は約49%(32187/65536)である。大当たり確率を加味すると、潜確状態では、50%の割合で小当たり若しくは大当りに当選する。これにより、潜確状態において右打ちを行った場合に、頻繁に小当たり遊技が実行される有利な遊技状態を形成することができる。一方で、上述した通り、第1特別図柄に対しては小当たりと判定される乱数値が規定されていないため、第1特別図柄の抽選では小当たりに当選し得ない構成となっている。
次に、図644(b)を参照して、本第18制御例における変動パターンシナリオテーブル202sjの詳細について説明する。図644(b)は、本第18制御例における変動パターンシナリオテーブル202sjの規定内容を示した図である。図644(b)に示した通り、本第18制御例における変動パターンシナリオテーブル202sjは、前回の大当たり種別、および大当たり終了後に実行された特別図柄の抽選回数毎に、特別図柄の抽選が実行された場合に参照される変動パターンテーブルの種別が対応付けて規定されている。より具体的には、図644(b)に示した通り、初期化後(即ち、大当たりに当選する前)の通常状態における変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数によらず、通常用テーブル202sd1が参照される変動パターンシナリオ(シナリオ1)が規定されている。また、図644(b)に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりA61,D61のいずれかである場合の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が95回未満、且つ、第2特別図柄の抽選回数が5回未満の範囲において時短・確変用61用テーブル202sd2(図642(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が95回(且つ、第2特別図柄の抽選回数が5回未満)であるか、または第2特別図柄の抽選回数が5回(且つ、第1特別図柄の抽選回数が95回未満)において時短最終変動用テーブル202sd3(図643(a)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が96回以上であるか、または第2特別図柄の抽選回数が6回以上の範囲において潜確用テーブル202sd4(図643(b)参照)が参照される変動パターンシナリオ(シナリオ2)が規定されている。
また、図644(b)に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりB61,E61のいずれかである場合の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が95回未満、且つ、第2特別図柄の抽選回数が5回未満の範囲において時短・確変用61用テーブル202sd2(図642(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が95回(且つ、第2特別図柄の抽選回数が5回未満)であるか、または第2特別図柄の抽選回数が5回(且つ、第1特別図柄の抽選回数が95回未満)において時短最終変動用テーブル202sd3(図643(a)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が96回以上であるか、または第2特別図柄の抽選回数が6回以上の範囲において通常用テーブル202sd1が参照される変動パターンシナリオ(シナリオ3)が規定されている。更に、図644(b)に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりC61である場合の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が95回未満、且つ、第2特別図柄の抽選回数が5回未満の範囲において時短・確変用61用テーブル202sd2(図642(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が95回(且つ、第2特別図柄の抽選回数が5回未満)であるか、または第2特別図柄の抽選回数が5回(且つ、第1特別図柄の抽選回数が95回未満)において時短最終変動用テーブル202sd3(図643(a)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が96回以上であるか、または第2特別図柄の抽選回数が6回以上の範囲において時短・確変用61用テーブル202sd2(図642(b)参照)が参照される変動パターンシナリオ(シナリオ4)が規定されている。
この変動パターンシナリオテーブル202sjの規定内容により、大当たり終了後の第1特別図柄の抽選回数が95回となるか、または第2特別図柄の抽選回数が5回となるまでは、大当たり種別によらず、同一の変動パターンテーブルが参照されて変動パターンが選択されるため、大当たり終了後の遊技状態をより推測し難くすることができる。よって、遊技者に対して、より真剣に、大当たり終了後の遊技状態として設定されたのが確変状態であるか時短状態であるかを予測する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。次に、図640を参照して、本第18制御例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図640は、本第18制御例におけるRAM203の構成を示すブロック図である。図640に示した通り、本第18制御例におけるRAM203は、上述した第10制御例におけるRAM203の構成(図436参照)に対して、特図1小当たりフラグ203qcと、特図1抽選カウンタ203Gaと、確変設定フラグ203Gdと、確変通過カウンタ203Geと、入賞個数カウンタ203Gfと、動作カウンタ203Ggと、残球タイマフラグ203Giと、残球タイマ203Gjと、確変有効フラグ203Gkと、確変有効タイマ203Gmと、排出個数カウンタ203Gnと、が削除されている点でのみ相違している。これらの構成の削除は、主として、本第18制御例において、第10制御例において搭載されていた、大当たり遊技においてV入賞を検出した場合に確変状態を付与する仕様、および第1特別図柄の抽選で小当たりに当選し得る仕様が廃止されたことによる変更である。なお、その他の構成については、上述した第10制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
次に、図645(a)を参照して、本第18制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図645(a)は、本第18制御例におけるROM222の構成を示すブロック図である。図645(a)に示した通り、本第18制御例におけるROM222は、上述した第10制御例(および第3制御例)におけるROM222の構成(図152(a)参照)に対して、ミニキャラ示唆選択テーブル222saが追加されている点、および抽選結果報知態様選択テーブル222faが削除されている点で相違している。ミニキャラ示唆選択テーブル222saは、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態(時短状態、および確変状態)において、ミニキャラ演出時(カメのキャラクタ865、またはウサギのキャラクタ801が道を進む演出)の演出態様を選択するために参照されるデータテーブルである。このミニキャラ示唆選択テーブル222saの詳細について、図645(b)を参照して説明する。
図645(b)は、ミニキャラ示唆選択テーブル222saの規定内容を示した図である。図645(b)に示した通り、このミニキャラ示唆選択テーブル222saには、遊技状態毎に、ミニキャラ示唆演出の演出種別と、第1演出カウンタ223f1の値と、が対応付けて規定されている。具体的には、図645(b)に示した通り、確変状態である場合は、第1演出カウンタ223f1の値「0」に対して、「確変示唆(強)」の演出種別(右側の宝箱TBRが虹色に変化する演出態様の示唆演出)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「1~8」の範囲に対して、「確変示唆(弱)」の演出種別(右側の宝箱TBRが巨大化する演出態様の示唆演出)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値「9」に対して、「時短示唆」の演出種別(左側の宝箱TBLが巨大化する演出態様の示唆演出)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「10~99」の範囲に対して、「示唆無し」の演出種別が対応付けて規定されている。即ち、第1演出カウンタ223f1の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「確変示唆(強)」、「確変示唆(弱)」、「時短示唆」、および「示唆無し」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ1個、8個、1個、および90個であるため、確変状態において特別図柄の抽選が実行されると1%(1/100)の割合で「確変示唆(強)」の示唆演出が実行され、8%(8/100)の割合で「確変示唆(弱)」の示唆演出が実行され、1%(1/100)の割合で「時短示唆」の示唆演出が実行され、90%(90/100)の割合で示唆演出が実行されないように構成されている。
また、図645(b)に示した通り、時短状態である場合は、第1演出カウンタ223f1の値が「0~4」の範囲に対して、「確変示唆(弱)」の演出種別(右側の宝箱TBRが巨大化する演出態様の示唆演出)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「5~9」の範囲に対して、「時短示唆」の演出種別(左側の宝箱TBLが巨大化する演出態様の示唆演出)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「10~99」の範囲に対して、「示唆無し」の演出種別が対応付けて規定されている。一方、「確変示唆(強)」の演出種別(右側の宝箱TBRが虹色に変化する演出態様の示唆演出)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が対応付けられていない。即ち、第1演出カウンタ223f1の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「確変示唆(強)」、「確変示唆(弱)」、「時短示唆」、および「示唆無し」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ0個、5個、5個、および90個であるため、確変状態において特別図柄の抽選が実行されると5%(5/100)の割合で「確変示唆(弱)」の示唆演出が実行され、5%(5/100)の割合で「時短示唆」の示唆演出が実行され、90%(90/100)の割合で示唆演出が実行されないように構成されている。
これらの規定内容により、時短状態と確変状態との共通の演出態様(図634参照)が設定されている間に、時短状態では実行され得ない「確変示唆(強)」の示唆演出が実行された時点で、確変状態であることを遊技者に対して認識させることができる。また、時短状態よりも確変状態の方が実行される割合が高い「確変示唆(弱)」の示唆演出が実行された場合に、遊技者に対して確変状態が設定されていることに対する期待感を抱かせることができ、右打ちをより積極的に行わせることができる。また、確変状態よりも時短状態の方が実行される割合が高い「時短示唆」の示唆演出が実行された場合に、遊技者に対して時短状態が設定されている可能性が高いと認識させることができ、左打ちをより積極的に行わせることができる。このように、本第18制御例では、基本的に、時短状態と確変状態とで共通の演出態様を設定しておき、ミニキャラ示唆演出が実行された場合に、当該ミニキャラ示唆演出の種別によって時短状態であるか確変状態であるかを遊技者に対して推測させることが可能に構成しているので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図646を参照して、本第18制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図646は、本第18制御例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図646に示した通り、本第18制御例におけるRAM223は、上述した第10制御例(および第6制御例)におけるRAM223の構成(図246参照)に対して、特図1用報知カウンタ223sa、および特図2用報知カウンタ223sbが追加されている点で相違している。また、特図抽選カウンタ223lc、上乗せRUSH中カウンタ223qa、ベース回数カウンタ223qb、および上乗せ回数カウンタ223qcが削除されている点でも相違している。なお、本制御例では、演出カウンタ223fを複数個有しており、それぞれの演出カウンタ223fの値が同期すること無く更新されるように構成し、同一処理内で複数種類の演出態様を決定する際に、異なる演出カウンタ223fの値を用いることで、複数種類の演出態様の決定内容が同期し難くすることができるように構成している。図646ではまとめて演出カウンタ223fと示しているが、個々の演出カウンタ223fを説明する際には、第1演出カウンタ223f1、第2演出カウンタ223f2等の表現を用いて説明する。その他の構成については上述した第10制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。特図1報知カウンタ223saおよび特図2報知カウンタ223sbは、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態(確変状態、および時短状態)において、普通図柄の時短状態が終了され得る抽選回数(第1特別図柄の抽選回数が95回、または第2特別図柄の抽選回数が5回)となったか否かを判別するために参照されるカウンタである。これらの特図1報知カウンタ223sa、特図2報知カウンタ223sbの値が1以上である場合は、普通図柄の時短状態が終了され得ない抽選回数であることを意味し、いずれかのカウンタの値が0となった場合は、普通図柄の時短状態が終了され得る抽選回数となったことを意味し、時短状態終了後の遊技状態を報知するためのミニキャラ演出(図635(b)、図636、図637(a)参照)の実行が設定される。
<第18制御例における主制御装置の制御処理について>
次いで、図647から図650を参照して、第18制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。まず、図647を参照して、本第18制御例における第1特別図柄変動開始処理(図444参照)の一処理である特図1遊技状態更新処理(Y301K)について説明する。この特図1遊技状態更新処理(Y301K)は、上述した第10制御例における特図1遊技状態更新処理(図447参照)に代えて実行される処理であり、特図1遊技状態更新処理(図447参照)と同様に、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタの値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。図647は、この特図1遊技状態更新処理(Y301K)の内容を示したフローチャートである。この特図1遊技状態更新処理(Y301K)のうち、Y602G~Y605Gの各処理では、それぞれ上述した第10制御例における特図1遊技状態更新処理(図447参照)のY602G~Y605Gの各処理と同一の処理が実行される。また、本第18制御例における特図1遊技状態更新処理(Y301K)では、Y605Gの処理において、減算後の特図1時短カウンタ203h1の値が0であると判別した場合に(Y605G:Yes)、確変フラグ203Gcがオンであるかを判別する(Y601K)。Y601Kの処理において、確変フラグ203Gcがオンであると判別した場合には(Y601K:Yes)、潜確状態を示す状態コマンドを設定し(Y602K)、本処理を終了する。一方、Y601Kの処理において、確変フラグ203Gcがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y601K:No)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(Y603K)、本処理を終了する。
この特図1遊技状態更新処理(図647参照)を実行することで、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態において第1特別図柄の抽選が実行される毎に、特図1時短カウンタ203h1の値を更新することができると共に、特図1時短カウンタ203h1が0になった場合に、時短状態を終了させて有利度合いが最も高い潜確状態、若しくは有利度合いが最も低い通常状態のいずれかを設定することができる。次いで、図648を参照して、本第18制御例における第2特別図柄変動開始処理(図450参照)の一処理である特図2遊技状態更新処理(Y801K)について説明する。この特図2遊技状態更新処理(Y801K)は、上述した第10制御例における特図2遊技状態更新処理(図453参照)に代えて実行される処理であり、特図2遊技状態更新処理(図453参照)と同様に、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタの値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。図648は、この特図2遊技状態更新処理(Y801K)の内容を示したフローチャートである。この特図2遊技状態更新処理(Y801K)のうち、Y851G~Y854Gの各処理では、それぞれ第10制御例における特図2遊技状態更新処理(図453参照)のY851G~Y854Gの各処理と同一の処理が実行される。また、Y854Gの処理において、減算後の特図2時短カウンタ203h2の値が0であると判別した場合には(Y854G:Yes)、確変フラグ203Gcがオンであるか否かを判別し(Y851K)、確変フラグ203Gcがオンであると判別した場合には(Y851K:Yes)、潜確状態を示す状態コマンドを設定し(Y852K)、本処理を終了する。一方、Y851Kの処理において、確変フラグ203Gcがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y851K:No)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(Y853K)、本処理を終了する。
この特図2遊技状態更新処理(図648参照)を実行することで、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態において第2特別図柄の抽選が実行される毎に、特図2時短カウンタ203h2の値を更新することができると共に、特図1時短カウンタ203h2が0になった場合に、時短状態を終了させて有利度合いが最も高い潜確状態、若しくは有利度合いが最も低い通常状態のいずれかを設定することができる。次に、図649を参照して、メイン処理において実行される大当たり制御処理(Y1001K)の内容について説明をする。図649は大当たり制御処理(Y1001K)の内容を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(Y1001K)のうち、Y11601、Y11602、Y11604、Y11605、Y11610~Y11612およびY1901Gの各処理では、それぞれ第10制御例における大当たり制御処理(図456参照)のY11601、Y11602、Y11604、Y11605、Y11610~Y11612およびY1901Gの各処理と同一の処理が実行される。また、本第18制御例における大当たり制御処理(Y1001K)では、Y11605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(Y11605:Yes)、特定入賞口の開放を設定し(Y1901K)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(Y1902K)、本処理を終了する。また、Y11605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合には(Y11605:No)、処理をY11610へと移行する。Y11612の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合には(Y11612:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(Y1903K)、本処理を終了する。大当たり終了処理(Y1903K)の詳細については、図650を参照して後述する。一方、Y11612の処理において、大当たりの終了タイミングではないと判別した場合には(Y11612:No)、そのまま本処理を終了する。
次いで、図650を参照して、上述した本第18制御例における大当たり制御処理(図649)の一処理である大当たり終了処理(Y1903K)について説明する。この大当たり終了処理(Y1903K)は、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。図650は、この大当たり終了処理(Y1903K)の内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理(Y1903K)のうち、Y2702Gの処理では、第10制御例における大当たり終了処理(図458参照)のY2702Gの処理と同一の処理が実行される。また、本第18制御例における大当たり終了処理(Y1903K)では、まず、通常大当たりであるかを判別し(Y2701K)、通常大当たりではないと判別した場合には(Y2701K:No)、Y2702Gの処理を実行し、次いで、大当たりC61であるかを判別する(Y2702K)。Y2702Kの処理において、大当たりC61であると判別した場合には(Y2702K:Yes)、特図1時短カウンタ203h1の値と特図2時短カウンタ203h2の値とにそれぞれ65535を設定することで、実質的に次の大当たりまで継続する確変状態に設定して(Y2703K)、処理をY2705Kへと移行する。一方、Y2702Kの処理において、大当たりC61ではないと判別した場合には(Y2702K:No)、特図1時短カウンタ203h1の値に95、特図2時短カウンタ203h2の値に5をそれぞれ設定し(Y2704K)、処理をY2705Kへと移行する。これに対し、Y2701Kの処理において、通常大当たりであると判別した場合には(Y2701K:Yes)、処理をY2704Kへと移行する。また、Y2705の処理において、確変フラグ203Gc、各種時短カウンタの値に基づいて状態コマンドを設定し(Y2705K)、大当たり中フラグ203kをオフに設定する(Y2706K)。次いで、変動パターンシナリオテーブル202sjから今回の大当たりに応じた変動パターンシナリオを特定し(Y2707K)、特定したシナリオを示すデータをシナリオ格納エリア203Gbに格納し(Y2708K)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理(図650)を実行することにより、大当たりC61以外の大当たりの終了時において、確変大当たりであるか通常大当たりであるかによらず、第1特別図柄の抽選が95回実行されるか、第2特別図柄の抽選が5回実行されるまで継続する普通図柄の時短状態を設定することができる。よって、大当たり終了後において、普通図柄の時短状態が終了され易い(普通図柄の時短状態の継続期間が短い期間となり易い)右打ち遊技を行うか、普通図柄の時短状態が終了され難い(普通図柄の時短状態の継続期間が長い期間となり易い)左打ち遊技を行うかを選択させる遊技性を実現することができる。つまり、設定された遊技状態が確変状態であると予測した場合は、右打ち遊技によって普通図柄の時短状態を早期に終了させて有利度合いが高い潜確状態へと移行することを期待させる一方で、時短状態であると予測した場合は、左打ち遊技によって普通図柄の時短状態をより長く継続させて通常状態に移行する前に大当たりに当選することを期待させることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第18制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図651から図655を参照して、本第18制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本第18制御例では、上述した第10制御例(および第1制御例)に対して、コマンド判定処理(図59参照)の1処理である大当たり関連処理(S4201G)の内容が変更された点、変動表示設定処理(図66参照)の1処理である特図1演出態様設定処理(S4901G)の内容が変更された点、および変動表示設定処理(図66参照)の1処理である特図2演出態様設定処理(S4902G)の内容が変更された点で相違し、それ以外は同一である。なお、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした技術思想については、本第18制御例にも当然適用されるものであり、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした変形例や追加例についても本第18制御例に当然適用されるものである。まず、図651を参照して、本第18制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理(S4201K)について説明をする。この大当たり関連処理(S4201K)は、上述した第10制御例における大当たり関連処理(図461参照)に代えて実行される処理であり、大当たり関連処理(図461参照)と同様に、主制御装置110から受信した大当たり関連のコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。図651は、この大当たり関連処理(S4201K)の内容を示したフローチャートである。
この大当たり関連処理(S4201K)のうち、S4701,S4709,S4710,S4714,S4705G,S4706GおよびS4740Gの各処理では、それぞれ第10制御例における大当たり関連処理(図461参照)のS4701,S4709,S4710,S4714,S4705G,S4706GおよびS4740Gの各処理と同一の処理が実行される。また、本第18制御例における大当たり関連処理(S4201K)では、S4701の処理において、オープニングコマンドを受信したと判別した場合に(S4701:Yes)、S4805Gの処理を実行し、次いで、S4706Gの処理を実行し、本処理を終了する。また、S4709の処理において、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合には(S4709:Yes)、S4710の処理を実行し、本処理を終了する。S4714の処理においては、エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S4714:Yes)、セレクトモードへの突入を示す演出態様を決定し(S4701K)、次いで、特図1用報知カウンタ223saに95を、特図2用報知カウンタ223sbに5をそれぞれ設定し(S4702K)、S4710Gの処理へと移行する。この大当たり関連処理(図651参照)を実行することにより、大当たり終了後、95回の第1特別図柄の抽選が実行されるか、5回の第2特別図柄の抽選が実行された場合に、普通図柄の時短状態が終了されるか否か、および普通図柄の時短状態が終了される場合には終了後の遊技状態についても報知することができる。よって、報知タイミングとなった場合に、遊技者に対して演出態様に注目させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図652を参照して、本第18制御例における特図1演出態様設定処理(S4901K)の詳細について説明をする。この特図1演出態様設定処理(S4901K)は、上述した第10制御例における特図1演出態様設定処理(図462参照)に代えて実行される処理であり、特図1演出態様設定処理(図462参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出の演出態様を決定するための処理である。図652は、この特図1演出態様設定処理(S4901K)の内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理(S4901K)のうち、S5001G,S5002G、およびS5009の各処理では、それぞれ第10制御例における特図1演出態様設定処理(図462参照)のS5001G,S5002G、およびS5009の各処理と同一の処理が実行される。また、本第18制御例における特図1演出態様設定処理(S4901K)では、S5001Gの処理において、現在が通常状態ではないと判別した場合には(S5001G:No)、次いで、現在が潜確状態であるかを判別し(S5001K)、潜確状態であると判別した場合には(S5001K:Yes)、処理をS5002Gへと移行する。一方、S5001Kの処理において、現在の遊技状態が潜確状態ではないと判別した場合には(S5001K:No)、第1特別図柄の抽選結果を加味したミニキャラ演出を設定するための特図1ミニキャラ演出設定処理の処理を実行し(S5002K)、処理をS5003Kへと移行する。この特図1ミニキャラ演出設定処理(S5002K)の詳細については、図653を参照して後述する。
S5002Kの処理が終了すると、次いで、第2特別図柄(特図2)の変動表示中であるかを判別し(S5003K)、第2特別図柄の変動表示中ではないと判別した場合には(S5003K:No)、処理をS5002Gへと移行する。一方、S5003Kの処理において、第2特別図柄の変動表示中であると判別した場合には(S5003K:Yes)、第1特別図柄の抽選結果が外れであるか否かを判別し(S5004K)、第1特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(S5004K:Yes)、小表示領域における外れの演出態様を設定し(S5005K)、処理をS5009へと移行する。一方、S5004Kの処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れではないと判別した場合には(S5004K:No)、実行中の第2特別図柄の変動表示が大当たりに対応する変動表示であるか否かを判別し(S5006K)、実行中の第2特別図柄の変動表示が大当たりに対応する変動表示ではない(即ち、外れに対応する変動表示である)と判別した場合には(S5006K:No)、第2特別図柄の変動表示演出が打ち切られて第1特別図柄の大当たり変動が開始される特殊な演出態様を決定し(S5007K)、処理をS5009へと移行する。一方、S5006Kの処理において、実行中の第2特別図柄の変動表示が大当たりに対応する変動表示であると判別した場合には(S5006K:Yes)、先に第2特別図柄の変動表示が終了するかを判別する(S5008K)。S5008Kの処理において、先に第2特別図柄の変動表示が終了しないと判別した場合には(S5008K:No)、処理をS5007Kへと移行する。一方、先に第2特別図柄の変動表示が終了すると判別した場合には(S5008K:Yes)、小表示領域における外れの演出態様を設定し(S5009K)、処理をS5009へと移行する。この特図1演出態様設定処理(図652参照)を実行することにより、遊技状態および第2特別図柄の変動表示の状況に応じて、第1特別図柄の変動表示演出を好適に設定することができる。
次に、図653を参照して、上述した特図1演出態様設定処理(図652参照)の一処理である特図1ミニキャラ演出設定処理(S5002K)について説明をする。図653は、この特図1ミニキャラ演出設定処理(S5002K)の内容を示したフローチャートである。この特図1ミニキャラ演出設定処理(S5002K)では、まず、特図1用報知カウンタ223saの値が0より大きい値であるかを判別し(S5031K)、特図1用報知カウンタ223saの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S5031K:No)、ミニキャラ演出による遊技状態の報知が既に終了していることを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、S5031Kの処理において、特図1用報知カウンタ223saの値が0より大きい値であると判別した場合には(S5031K:Yes)、特図1用報知カウンタ223saの値を1減算し(S5032K)、次いで、減算後のカウンタ値が0であるかを判別する(S5033K)。S5033Kの処理において、減算後のカウンタ値が0であると判別した場合は(S5033K:Yes)、現在の遊技状態と今回の特別図柄の抽選結果とに応じた報知態様のミニキャラ報知演出を伴う演出態様を設定し(S5034K)、本処理を終了する。より具体的には、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合は、遊技状態によらず、カメのミニキャラ865が宝箱TBLに到達し、当該宝箱TBLから祝アイコン801cが出現する演出が実行される。また、特別図柄の抽選結果が外れであり、遊技状態が時短状態である場合は、カメのミニキャラ865が宝箱TBLに到達し、当該宝箱TBLから終アイコン801eが出現する演出が実行される。また、特別図柄の抽選結果が外れであり、遊技状態が次回の大当たりまで継続する確変状態である場合は、カメのミニキャラ865が宝箱TBLに到達し、当該宝箱TBLから∞アイコン801iが出現する演出が実行される。更に、特別図柄の抽選結果が外れであり、遊技状態が当該変動にて終了される確変状態である場合は、カメのミニキャラ865が宝箱TBLに到達し、当該宝箱TBLからVアイコン801vが出現する演出が実行される。
一方、S5033Kの処理において、減算後のカウンタ値が0ではないと判別した場合は(S5033K:No)、ミニキャラ示唆選択テーブル222saを参照して示唆態様を決定し(S5035K)、決定した示唆態様を伴って、カメのミニキャラ865が左方向に1歩進むミニキャラ演出を設定し(S5036K)、本処理を終了する。この特図1ミニキャラ演出設定処理(図653参照)を実行することにより、特別図柄の抽選回数、遊技状態、および第1特別図柄の抽選結果に応じて適切なミニキャラ演出を設定することができる。次に、図654を参照して、本第18制御例における特図2演出態様設定処理(S4902K)について説明をする。この特図2演出態様設定処理(S4902K)は、上述した第10制御例における特図2演出態様設定処理(図464参照)に代えて実行される処理であり、特図2演出態様設定処理(図464参照)と同様に、第2特別図柄の変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図654は、この特図2演出態様設定処理(S4902K)の内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理(S4902K)のうち、S5103G、およびS5107の各処理では、それぞれ第10制御例における特図2演出態様設定処理(図464参照)のS5103G、およびS5107の各処理と同一の処理が実行される。また、本第18制御例における特図2演出態様設定処理(S4902K)では、まず、現在の状態が通常状態であるか否かを判別し(S5101K)、通常状態であると判別した場合には(S5101K:Yes)、処理をS5103Gへと移行する。一方、S5101Kの処理において、通常状態ではないと判別した場合には(S5101K:No)、次いで、現在の状態が潜確状態であるか否かを判別し(S5102K)、潜確状態であると判別した場合には(S5102K:Yes)、処理をS5103Gへと移行する。
これに対し、S5102Kの処理において、潜確状態ではないと判別した場合には(S5102K:No)、第2特別図柄の抽選結果を加味したミニキャラ演出を設定するための特図2ミニキャラ演出設定処理を実行し(S5103K)、処理をS5104Kへと移行する。この特図2ミニキャラ演出設定処理(S5103K)の詳細については、図655を参照して後述する。S5104Kの処理では、第1特別図柄の変動表示中であるかを判別し(S5104K)、第1特別図柄の変動表示中ではないと判別した場合には(S5104K:No)、処理をS5103Gへと移行する。一方、S5104Kの処理において、第1特別図柄の変動表示中であると判別した場合には(S5104K:Yes)、第2特別図柄の抽選結果が外れか否かを判別し(S5105K)、第2特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(S5105K:Yes)、小表示領域における外れの演出態様を設定し(S5106K)、処理をS5107へと移行する。これに対し、S5105Kの処理において、第2特別図柄の抽選結果が外れではないと判別した場合には(S5105K:No)、実行中の第2特別図柄の変動表示が大当たりに対応する変動表示であるかを判別し(S5107K)、実行中の第2特別図柄の変動表示が大当たり変動ではないと判別した場合には(S5107K:No)、第1特別図柄の変動表示演出が打ち切られて第2特別図柄の大当たり変動が開始される特殊な演出態様を決定し(S5108K)、処理をS5107へと移行する。一方、S5107Kの処理において、実行中の第2特別図柄の変動表示が大当たりに対応する変動表示であると判別した場合には(S5107K:Yes)、先に第1特別図柄の変動表示が終了するかを判別し(S5109K)、先に第1特別図柄の変動表示が終了しないと判別した場合には(S5109K:No)、処理をS5108Kへと移行する。
一方、S5109Kの処理において、先に第1特別図柄の変動表示が終了すると判別した場合には(S5109K:Yes)、小表示領域における外れの演出態様を設定し(S5110K)、処理をS5107へと移行する。この特図2演出態様設定処理(図654参照)を実行することにより、遊技状態および第1特別図柄の変動表示の状況に応じて、第2特別図柄の変動表示演出を好適に設定することができる。次に、図655を参照して、上述した特図2演出態様設定処理(図654参照)の一処理である特図2ミニキャラ演出設定処理(S5103K)について説明をする。図655は、この特図2ミニキャラ演出設定処理(S5103K)の内容を示したフローチャートである。この特図2ミニキャラ演出設定処理(S5103K)では、まず、特図2用報知カウンタ223sbの値が0より大きい値であるかを判別し(S5131K)、特図2用報知カウンタ223sbの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S5131K:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S5131Kの処理において、特図2用報知カウンタ223sbの値が0より大きい値であると判別した場合には(S5131K:Yes)、特図2用報知カウンタ223sbの値を1減算し(S5132K)、次いで、減算後のカウンタ値が0であるかを判別する(S5133K)。
S5133Kの処理において、減算後のカウンタ値が0であると判別した場合は(S5133K:Yes)、現在の遊技状態と今回の特図抽選結果とに応じた報知態様のミニキャラ報知演出を伴う演出態様を設定し(S5134K)、本処理を終了する。より具体的には、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合は、遊技状態によらず、ウサギのミニキャラ801が宝箱TBLに到達し、当該宝箱TBLから祝アイコン801cが出現する演出(図636(b)参照)が実行される。また、特別図柄の抽選結果が外れであり、遊技状態が時短状態である場合は、ウサギのミニキャラ801が宝箱TBLに到達し、当該宝箱TBLから終アイコン801eが出現する演出(図636(a)参照)が実行される。また、特別図柄の抽選結果が外れであり、遊技状態が次回の大当たりまで継続する確変状態である場合は、ウサギのミニキャラ801が宝箱TBLに到達し、当該宝箱TBLから∞アイコン801iが出現する演出(図637(a)参照)が実行される。更に、特別図柄の抽選結果が外れであり、遊技状態が当該変動にて終了される確変状態である場合は、ウサギのミニキャラ801が宝箱TBLに到達し、当該宝箱TBLからVアイコン801vが出現する演出(図635(b)参照)が実行される。これに対し、S5133Kの処理において、減算後のカウンタ値が0ではないと判別した場合は(S5133K:No)、ミニキャラ示唆選択テーブル222saを参照して示唆態様を決定し(S5135K)、決定した示唆態様を伴って、ウサギのミニキャラ801が1歩進むミニキャラ演出を設定し(S5136K)、本処理を終了する。この特図2ミニキャラ演出設定処理(図655参照)を実行することにより、特別図柄の抽選回数、遊技状態、および第2特別図柄の抽選結果に応じて適切なミニキャラ演出を設定することができる。
以上説明した通り、本第18制御例におけるパチンコ機10では、第1制御(普通図柄の通常状態における電動役物64aの可変制御)と、その第1制御よりも第1入球口64へと遊技球が入球し易くなる第2制御(普通図柄の時短状態における電動役物64aの可変制御)と、を少なくとも含む制御のうち1の制御を設定可能に構成した上で、第2制御が設定される所定の状態(時短状態、および確変状態)では、第1の遊技方法(左打ち)で遊技を行うよりも、第2の遊技方法で遊技を行った方が、第1制御へと切り替える契機となる特定条件(時短終了条件)が成立するまでの期間が長くなり易くなるように構成している。このように構成することで、第2制御をより長く継続させたいと考える遊技者に対して、第1の遊技方法で遊技を行わせることができる一方で、第2制御を早期に終了させたいと考える遊技者に対して、第2の遊技方法で遊技を行わせることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、特定条件が成立するまでの期間の長さを遊技方法に応じて異ならせる方法としては、例えば、第2制御から第1制御へと切り替えられる契機となる特定条件(時短終了条件)として、第2の遊技方法(右打ち)で遊技を行うよりも第1の遊技方法(左打ち)で遊技を行った方が成立し易い第1特定条件(第1特別図柄の抽選回数が規定回数となった場合に成立する時短終了条件)と、第1の遊技方法で遊技を行うよりも第2の遊技方法で遊技を行った方が成立し易い第2特定条件(第2特別図柄の抽選回数が規定回数となった場合に成立する時短終了条件)と、をそれぞれ設定する構成とし、第2制御が設定されている間、第1の遊技方法で遊技を行い続けた場合に第1特定条件が成立するまでに実行される判別(特別図柄の抽選)の回数(95回)の方が、第2の遊技方法で遊技を行い続けた場合に第2特定条件が成立するまでに実行される判別の回数(5回)よりも多くなる構成とすればよい。このように構成することで、第2制御が設定されている間に第1の遊技方法で遊技を行った場合は、大当たりに当選しない限り、第1制御に切り替えられる(第1特定条件が成立する)までにより多くの判別を実行させることができ、多くの判別を終了させるまでの期間を長期化することができる一方で、第2制御が設定されている間に第2の遊技方法で遊技を行った場合は、第1の遊技方法で遊技を行うよりも少ない判別回数で第1制御に切り替えられる(第2特定条件が成立する)ので、遊技方法に応じて特定条件が成立するまでの期間をより確実に異ならせることができる。
また、本第18制御例におけるパチンコ機10では、判別(特別図柄の抽選)が実行され易くなる第2制御が実行される(普通図柄の高確率状態に設定される)時短状態や確変状態において、第1の遊技方法の遊技(左打ち遊技)を行ったとしても第2の遊技方法の遊技(右打ち遊技)を行ったとしても、不利な通常状態において左打ちを行った場合よりも持ち球が減り難い有利な遊技を実行可能に構成している。即ち、第1の遊技方法の遊技(左打ち遊技)を行った場合には、ほぼ持ち球を維持可能な(発射される遊技球と払い出される賞球の個数とが設計上ほぼ同等となる)有利な遊技が実行可能となるように構成する一方で、第2の遊技方法の遊技(右打ち遊技)を行った場合についても、左打ちを行った場合よりも若干払い出される賞球数が少なくなる程度に有利な遊技が実行可能となるように構成した。そして、普通図柄の時短状態は、基本的に、第2の遊技方法の遊技(右打ち遊技)を行った場合には時短終了条件が早期に成立し易くなる一方で、第1の遊技方法の遊技(左打ち遊技)を行った場合には時短終了条件が成立し難くなるように構成した。このように構成することで、時短終了条件が成立すると不利な通常状態へと移行してしまう時短状態においては、左打ちを行った方が有利度合いが高くなる一方で、時短終了条件が成立すると特別図柄の高確率状態が維持されたまま普通図柄の通常状態に設定される結果、最も有利な潜確状態へと移行する確変状態においては、右打ちを行った方が有利度合いが高くなるという斬新な遊技性を実現することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、有利度合いが異なる複数の遊技状態が設けられており、有利度合いが高い遊技状態に設定された場合は、当該有利度合いが高い遊技状態において所定の終了条件が成立したことに基づいて、有利度合いが高い遊技状態が終了されて、他の遊技状態に設定されるものが広く一般的に知られている。係る従来型の遊技機の中には、有利な遊技状態として、終了条件の成立し易さが異なる(例えば、終了条件が成立するまでの特別図柄の抽選回数が異なる)複数の種別が設けられているものも存在し、終了条件が成立し難い遊技状態に設定されることを期待させることで興趣向上を図っていた。しかしながら、係る従来型の遊技機においては、異なる遊技状態であっても、同一の終了条件が設定された場合、終了条件が成立するまで遊技状態によらない共通の遊技方法で遊技を行うことで有利度合いが最も高くなるため、遊技が単調になってしまうという問題点がある。これに対して本第18制御例では、特別図柄の抽選が実行され易い制御(普通図柄の時短状態の制御)を終了させるための終了条件として共通の終了条件(時短終了条件)が設定された場合に、第1の遊技方法(左打ち遊技)で遊技を行った方が有利度合いが高くなり易い第1の状況と、第2の遊技方法(右打ち遊技)で遊技を行った方が有利度合いが高くなり易い第2の状況と、が成立し得る構成とした。即ち、時短終了条件が成立し難い左打ち遊技を行った方が有利度合いが高くなる時短状態と、時短終了条件が成立し易い右打ち遊技を行った方が有利度合いが高くなる確変状態と、を設ける構成とし、時短状態と確変状態とで、共通の時短終了条件を設定する構成とした。このように構成することで、同一の時短制御が設定されているにもかかわらず、状況に応じて遊技方法を異ならせる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第18制御例では、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難となる第2状態と、に可変可能な可変入球手段(第2可変入賞装置2065)が第2状態から第1状態へと所定期間可変される可変遊技(大当たり遊技)が実行された場合に、当該可変遊技(大当たり遊技)の実行が終了した後の遊技状態によらない特定の演出態様(第1特別図柄の抽選が実行される毎にカメのミニキャラ865が左方向へ進み、第2特別図柄の抽選が実行される毎にウサギのミニキャラ801が右方向へ進む演出態様)を少なくとも含む第1演出(セレクトモード演出)を実行する構成としている。より具体的には、可変遊技(大当たり遊技)の実行が終了した後の遊技状態として、第1の遊技方法(左打ち遊技)で遊技を行った方が有利度合いが高くなり易い時短状態が設定された場合と、第2の遊技方法(右打ち遊技)で遊技を行った方が有利度合いが高くなり易い確変状態が設定された場合とで、どちらも第1演出を実行する構成としている。即ち、第1の遊技方法で遊技を行った方が有利度合いが高くなるのか、第2の遊技方法で遊技を行った方が有利度合いが高くなるのかを演出態様から識別困難とする演出を実行可能に構成している。これにより、第1演出が実行された場合に、遊技者に対して、第1の遊技方法で遊技を行った方が良いのか、第2の遊技方法で遊技を行った方が良いのかを予測させて、当該予測に応じた遊技方法を実行させるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、第1演出(セレクトモード演出)は、特定条件(普通図柄の時短状態の終了条件)が成立するまで継続され、特定条件が成立したことに基づいて、設定されている遊技状態に対応する発射方向を遊技者に対して示唆する演出に切り替えられる。即ち、時短状態に設定されていた場合は、普通図柄の時短状態が終了されることで左打ちを行った方が有利度合いが高くなる通常状態へと移行するため、左打ちを行うことを遊技者に対して示唆する演出が実行される。また、確変状態に設定されていた場合は、普通図柄の時短状態が終了されることで右打ちを行った方が有利度合いが高くなる確変状態へと移行するため、右打ちを行うことを遊技者に対して示唆する演出が実行される。これにより、遊技者が損をしてしまうことを抑制することができる。
また、本第18制御例では、判別手段の判別結果(特別図柄の抽選結果)が特定の判別結果(小当たり)となった場合に、遊技球が入球可能な第3状態と、その第3状態よりも遊技球が入球困難となる第4状態と、に可変可能な第2可変入球手段(小当たり用入賞装置2650)が第4状態から第3状態へと所定期間可変する第2可変遊技(小当たり遊技)を実行可能に構成した上で、判別が実行され易くなる第2制御(普通図柄の時短状態における電動役物64aの可変制御)が設定される第2遊技状態(確変状態)において特定の判別結果(小当たり)となって第2可変遊技(小当たり遊技)が実行された場合に、当該第2可変遊技の実行中に第2可変入球手段(小当たり用入賞装置2650)が設けられている特定方向(盤面右側)へと発射された遊技球が第2可変入球手段へと到達可能に構成している。このように構成することで、第2遊技状態の有利度合いをより向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。ここで、パチンコ機等の遊技機において、所定の遊技状態が設定された場合に、所定の可変入球手段へと遊技球を発射し続けることにより、他の遊技状態へと移行するまで第2可変遊技が頻繁に実行される上に、当該第2可変遊技において第2可変入球手段へと遊技球が頻繁に入球する極めて有利度合いが高い遊技状態を形成するものが知られている。かかる従来型の遊技機においては、所定の遊技状態以外の遊技状態では、第2可変遊技が実行され難くなる制御(例えば、判別の実行間隔が極端に長くなる)制御や、第2可変入球手段へと遊技球が到達し難くなる制御(例えば、第2可変入球手段よりも上流側に設けられている所定の入球手段へとほぼ全ての遊技球が入球する制御)を設定することにより、所定の遊技状態以外の遊技状態において第2可変入球手段への入球が発生し難くなるように構成するのが通常であったため、第2可変入球手段への入球に基づく特典を得る機会が限定されていた。
これに対して本第18制御例では、第1制御(普通図柄の通常状態)が設定される第1遊技状態(潜確状態)だけでなく、第1入球口64へと入球し易くなる第2制御が設定される第2遊技状態においても第2可変入球手段へと遊技球を到達させて入球に基づく特典を獲得可能となる斬新な遊技性を実現することができる。つまり、第2遊技状態においても、遊技者に不利となる第3遊技状態(通常状態)に比較して、第2可変遊技が実行され易くなる上に、第2可変遊技の実行中に第2可変入球手段へと入球させて所定の特典を獲得することが可能となるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、本第18制御例では、大当たりのラウンド数を一律で5ラウンドに設定することにより、大当たりのラウンド数から大当たり終了後の遊技状態の推測が困難となるように構成していたが、ラウンド数が異なる複数の大当たり種別を設ける構成としてもよい。この場合において、確変大当たりと通常大当たりとで、各ラウンド数の大当たりが選択される割合を全て共通化することで、大当たり終了後の遊技状態を推測困難としてもよい。また、通常大当たりよりも確変大当たりの場合に設定される割合が高いラウンド数や、確変大当たりよりも通常大当たりの場合に設定される割合が高いラウンド数、確変状態でのみ設定され得るラウンド数や、時短状態でのみ設定されるラウンド数等を設けることで、設定されるラウンド数から大当たり終了後の遊技状態を予測させる遊技性を実現してもよい。
本第18制御例では、第1の遊技方法(有利な所定の遊技状態が長く継続し易い遊技方法)を左打ち遊技に設定すると共に、第2の遊技方法(有利な所定の遊技状態が長く継続し難い遊技方法)を右打ち遊技に設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、左打ちを第2の遊技方法に設定すると共に、右打ちを第1の遊技方法に設定する構成としてもよい。つまり、時短状態が終了するまでの第1特別図柄の抽選回数を、第2特別図柄の抽選回数よりも少なくする構成としてもよい。より具体的には、例えば、時短終了条件として第1特別図柄の抽選が5回実行されるか、第2特別図柄の抽選が95回実行された場合に成立する条件を設定してもよい。このように構成することで、確変状態においては左打ちにより持ち球がより減り難い第1特別図柄の抽選を実行させることで潜確状態へと移行し易くなるので、持ち球が若干減り易くなる右打ち遊技を行う必要がなくなる分、潜確状態へと移行する場合の有利度合いをより高くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、例えば、盤面右側に第1特別図柄の抽選契機となる始動口および当該始動口を開閉する電動役物が設けられた第1流路と、第2入球口1641が設けられた第2流路と、を設ける構成とした上で、第1流路を狙って右打ちを行う遊技方法を第1の遊技方法とし、第2流路を狙って右打ちを行う遊技方法を第2の遊技方法とする構成としてもよいし、第1流路を狙って右打ちを行う遊技方法を第2の遊技方法とし、第2流路を狙って右打ちを行う遊技方法を第1の遊技方法とする構成としてもよい。このように構成することで、通常状態以外の比較的有利度合いが高い遊技状態では全て右打ち遊技によって遊技を進行させることができるので、より分かり易い遊技性を実現することができる。
本第18制御例では、可変遊技(大当たり遊技)が終了してから特定条件(時短終了条件)が成立するまでの間、即ち、特定の遊技回数となる(第1特別図柄の抽選回数が95回となるか第2特別図柄の抽選が5回となる)までの間、可変遊技の実行が終了した後の遊技状態によらない特定の演出態様(第1特別図柄の抽選が実行される毎にカメのミニキャラ865が左方向へ進み、第2特別図柄の抽選が実行される毎にウサギのミニキャラ801が右方向へ進む演出態様)を少なくとも含む第1演出(セレクトモード演出)を実行し、特定条件が成立したことに基づいて、有利度合いが高くなる発射方向を報知する構成としていたが、特定条件(設定されている遊技状態に対応する報知を行う契機)は、時短終了条件に限られるものではない。例えば、特定条件(設定されている遊技状態に対応する報知を行う契機)として、特別図柄の抽選が実行される毎に有利度合いが高くなる発射方向を報知するか否かの判定を実行し、当該判定にて発射方向を報知すると判定されたことを契機として、設定されている遊技状態に対応する発射方向の報知を含む演出を実行してもよい。このように構成することで、運が良ければ少ない抽選回数で設定されている遊技状態を知ることができる可能性があり、無駄なく遊技を行うことができるため、より早期に発射方向を報知すると判定されることを期待させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、例えば、大当たり終了後の経過期間が予め定められた特定期間(例えば、5分経過時や10分経過時)となったことを契機として、設定されている遊技状態に対応する発射方向の報知を含む演出を実行する構成としてもよい。この場合、特定期間を経過するまで待って発射方向が報知されてから対応する方向へと遊技球を発射する遊技方法を行うか、特定期間を待たずに遊技者が予想した遊技状態に対応する方向へと遊技球を発射する遊技を開始するかを選択させることができるので、遊技性の幅を広げることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第18制御例では、可変遊技(大当たり遊技)が終了してから特定条件(時短終了条件)が成立するまでの間、遊技状態によらない特定の演出態様を少なくとも含む第1演出(大当たり種別によらない共通の演出態様を含んで構成される演出)として、セレクトモード演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。左打ちを行った方が有利であるのか、右打ちを行った方が有利であるのかを遊技者に対して通常(遊技状態が明示されている状況下)よりも分かり難くできる演出態様であればよく、例えば、特定条件が成立するまでの間、右打ちと左打ちとの両方の表示態様が設定される演出を実行する構成としてもよい。このように構成した場合も、遊技者に対して好みの発射方向を選択すれば良いことを理解させることができる。また、設定されている遊技状態にかかわらず、左打ちを報知する構成としてもよい。このように構成することで、遊技状態によらず、普通図柄の時短状態をより長く継続させることができるので、有利な遊技状態をより長く継続させることができる。また、逆に、設定されている遊技状態にかかわらず、右打ちを報知する構成としてもよい。このように構成することで、普通図柄の時短状態が遊技状態によらず早期に終了されるので、時短状態と確変状態とでの有利度合いの格差をより大きくすることができる。よって、確変状態が設定されていて潜確状態へと移行した場合に、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
本第18制御例では、第2遊技状態(確変状態)において第2可変遊技(有利な所定の遊技状態において実行され易くなる有利遊技)が実行された場合に、第1遊技状態(潜確状態)と同等の個数の遊技球が第2可変入球手段へと到達可能となるように構成し、第2可変遊技の実行間隔を第2遊技状態よりも第1遊技状態の方が短くなり易く構成することにより、第2遊技状態の有利度合いを第1遊技状態よりも低く構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第1遊技状態と第2遊技状態とでいずれも第2可変入球手段へと遊技球を到達可能としつつ、第2遊技状態の方が第2可変入球手段へと到達する遊技球の個数が少なくなり易く構成することにより、第2遊技状態の有利度合いを第1遊技状態よりも低く構成してもよい。具体的には、例えば、第2可変入球手段の上流側に、第1遊技状態よりも第2遊技状態で開放され易い所定の入球手段を設ける構成とし、第2遊技状態においては所定割合の遊技球が所定の入球手段へと入球することで第2可変入球手段へと到達困難としてもよい。これにより、設計の自由度を高めることができる。
本第18制御例では、大当たり終了後の遊技状態が確変状態である場合は、普通図柄の時短状態を終了させることで有利度合いが高くなる(最も有利な潜確状態へと移行する)一方で、時短状態である場合は、普通図柄の時短状態を終了させることで有利度合いが低くなる(最も不利な通常状態へと移行する)ように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、時短状態において普通図柄の時短状態が終了することで、確変状態で普通図柄の時短状態が終了するよりも有利度合いが高くなるように構成してもよい。具体的には、例えば、時短状態において普通図柄の時短状態が終了された場合に設定される通常状態では、第2特別図柄の変動時間が短い変動パターンテーブル(例えば、潜確用テーブル202sd4と同様の規定内容のテーブル)が参照されて変動パターンが選択されるように構成する一方で、確変状態において普通図柄の時短状態が終了された場合に設定される潜確状態では、第2特別図柄の変動時間が極端に長い変動パターンテーブル(例えば、通常用テーブル202sd1と同様の規定内容のテーブル)が参照されて変動パターンが選択されるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態において時短回数が終了して通常状態に移行すると、第2特別図柄の変動時間が短くなって右打ちを行うことで小当たり遊技が頻繁に実行される極めて有利な遊技状態を形成する一方で、確変状態において時短回数が終了して潜確状態に移行すると、右打ちを行っても第2特別図柄の抽選が極めて長い周期(10分間)でしか実行されないため左打ちにより遊技を進行せざるを得ない不利な遊技状態を形成するため、確変状態では時短回数内に大当たりに当選することを期待する一方で、時短状態では時短回数が経過することを期待するという極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。また、通常状態が最も有利な遊技状態となり、潜確状態が一般的な遊技機における通常状態に相当するという極めて特殊、且つ、斬新な状態移行方法を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、この場合において、パチンコ10の初期化時に設定される通常状態については、第2特別図柄の変動時間が極端に長い変動パターンテーブル(例えば、通常用テーブル202sd1と同様の規定内容のテーブル)が参照されて変動パターンが選択されるように構成してもよい。このように構成することで、パチンコ機10の初期化直後から最も有利な遊技状態に設定されてしまい、遊技者に対して過剰に有利となり過ぎてしまうことを抑制することができる。
本第18制御例では、大当たり終了後の遊技状態が時短状態である場合、および確変状態である場合に、所定期間の間、遊技状態(有利度合いが高い発射方向)を推測することが困難となる演出(セレクトモード演出)を実行する構成としていたが、セレクトモードを実行する対象となる遊技状態はこれに限られるものではなく、あらゆる遊技状態において実行可能である。より具体的には、例えば、時短回数が経過した際に遊技状態を報知せず、時短回数経過後(つまり、潜確状態、若しくは通常状態の何れかへと移行した場合)にも、所定期間の間、遊技状態を推測することが困難となる演出を実行して遊技者に対して右打ちを行うか左打ちを行うかを選択させる構成としてもよい。この場合、例えば、遊技者が左打ちを行った場合に第1特別図柄の抽選が第1回数実行されるか、または遊技者が右打ちを行った場合に第2特別図柄の抽選が第2回数実行されることで遊技状態(有利度合いが高くなる発射方向)を報知する構成としても良いし、特定期間が経過することで遊技状態(有利度合いが高くなる発射方向)を報知する構成としてもよい。このように構成することで、普通図柄の時短状態が継続している間だけでなく、普通図柄の時短状態が終了した後においても、遊技状態を推測して発射方向を選択する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、例えば、大当たり終了後の遊技状態として確変状態、時短状態だけでなく、通常状態や潜確状態が設定され得るように構成し、全ての遊技状態において遊技状態(有利度合いが高くなる発射方向)を推測することが困難となる演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者の推測をより困難にすることができると共に、不利な遊技状態と有利な遊技状態との差をより大きくすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第18制御例では、大当たり終了後において、第3図柄表示装置81において実行される演出態様を確変状態と時短状態とで共通化することにより大当たり終了後の遊技状態を推測困難となるように構成していたが、これに加えて、第1図柄表示装置37に表示される第1図柄(大当たり図柄)の表示態様から大当たり終了後の遊技状態を推測されにくく構成してもよい。具体的には、例えば、大当たり図柄の確定表示期間が開始されてから大当たり終了後、少なくとも1回の特別図柄の抽選が開始されるまでの間、第1図柄表示装置37を可動部材(役物)等によって遮蔽する構成としてもよい。このように構成することで、第1図柄表示装置37に表示される第1図柄の組み合わせを視認して遊技状態を推測することを困難とすることができるので、大当たり終了後の遊技状態の推測をより困難にすることができる。また、第1図柄表示装置37に表示される大当たり図柄を、確変大当たりの少なくとも一部と通常大当たりの少なくとも一部とで共通化してもよい。このように構成した場合も、第1図柄表示装置37に表示される大当たり図柄から大当たり終了後の遊技状態を推測することが困難とすることができる。本第18制御例では、普通図柄の時短状態が、第1特別図柄の抽選回数が規定回数(95回、若しくは65535回)となるか、又は第2特別図柄の抽選回数が規定回数(5回、若しくは65535回)となるまで必ず継続する構成としていたが、これに限られるものではなく、他の時短終了条件を設ける構成としてもよい。例えば、特別図柄の抽選で特定の種別の小当たりに当選した場合に、残りの時短回数によらず、普通図柄の時短状態を終了させる構成としてもよい。このように構成することで、確変状態である場合は、特定の種別の小当たりに当選することで有利な潜確状態となる一方で、時短状態である場合は、特定の小当たりに当選することで不利な通常状態となるため、当選する遊技状態に応じて有利度合いが逆転する極めて特殊な抽選結果を形成することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第18制御例では、大当たり終了後の時短状態が設定される場合に、第1特別図柄の抽選が95回実行されるまで、または第2特別図柄の抽選が5回実行されるまで継続する普通図柄の時短状態が必ず設定される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、時短状態として、特別図柄の種別によらず、特別図柄の抽選が合計で95回終了するまで継続する時短状態を設ける構成としてもよい。この場合において、遊技者が右打ちを行って第2特別図柄の抽選を5回実行させ、遊技状態(有利度合いが高い発射方向)の報知タイミングとなった場合に、左打ちを報知するのに加え、時短状態が継続することをも報知する構成としてもよい。このように構成することで、時短状態が継続することを遊技者に対して容易に理解させることができる。本第18制御例では、大当たり終了後にのみ普通図柄の時短状態が設定され得る構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の抽選が所定の抽選結果(時短図柄当選)となった場合に、第2時短状態が直接設定されるように構成してもよい。そして、大当たり終了後に設定された時短状態(第1時短状態)の間に時短図柄当選が発生した場合は、第1時短状態の終了タイミングで、当選済みの第2時短状態を新たに設定する構成としてもよい。このように構成することで、報知タイミングで普通図柄の時短状態の継続が報知されたとしても、大当たり終了後の遊技状態として次回まで継続する確変状態が設定されていた場合に加え、時短状態または確変状態において時短図柄当選が発生して第2時短状態が設定されている場合も設けることができるので、報知タイミング後の遊技状態をより複雑化することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第18制御例では、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態において左打ちを行い続けるよりも、右打ちを行い続けた方が、払い出される賞球の個数が少なくなる(発射される遊技球の個数に対する払い出される賞球の個数の比が小さい値となる)ように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、逆に、左打ちを行うよりも右打ちを行った方が払い出される賞球の個数が多くなるように構成してもよい。このように構成することで、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態において右打ちを行うと、持ち球(払い出される賞球数)の面では有利度合いが高くなるが、普通図柄の時短状態が早期に(5回の特別図柄の抽選が終了することで)終了されてしまうため、特に、時短状態において、持ち球を重視するか、長く時短状態を継続させるかを遊技者に対して選択させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、この場合において、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態において右打ちを行い続けた場合の有利度合い(小当たり遊技の実行頻度)を、潜確状態において右打ちを行い続けた場合の有利度合いよりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、普通図柄の時短状態において右打ちを行うメリットをより高めることができるので、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態が大当たり終了後の遊技状態として設定された場合に、右打ちを行うという選択を遊技者に対してより行わせ易くすることができる。
本第18制御例では、大当たり終了後の遊技状態が時短状態である場合、および確変状態である場合に、所定期間の間、遊技状態(有利度合いが高い発射方向)を推測することが困難となる演出(セレクトモード演出)を実行する構成とした上で、設定されている遊技状態に応じた確率で実行されるミニキャラ示唆演出によって、設定されている遊技状態を遊技者に対して示唆可能に構成していたが、ミニキャラ示唆演出は、普通図柄の時短状態が設定されている間において、必ずしも一定確率で抽選する必要はない。例えば、特定期間の間は、ミニキャラ示唆演出が発生し難くなる(または発生しなくなる)ように構成してもよい。具体的には、例えば、第1特別図柄の抽選が50回実行されるか、第2特別図柄の抽選が2回実行されるまでは、ミニキャラ示唆演出が発生し難くなる(または発生しなくなる)構成とする一方で、上記いずれかの条件を満たした後において、ミニキャラ示唆選択テーブル222sa(図645(b)参照)を参照してミニキャラ示唆演出を抽選する構成としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄の抽選が50回実行されるか、第2特別図柄の抽選が2回実行されるまでは、遊技者の勘のみに基づいて遊技状態を予測して発射方向を選択する遊技性となる一方で、以降はミニキャラ示唆演出の発生状況も加味して遊技状態を予測する遊技性となるため、より奥深い遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、逆に、普通図柄の時短状態における後半(例えば、第1特別図柄の抽選が80回以上実行されている状態、または第2特別図柄の抽選が3回以上実行されている状態)において、ミニキャラ示唆演出が発生し難くなる(または発生しなくなる)構成としてもよい。このように構成することで、普通図柄の時短状態の前半においては、ミニキャラ示唆演出を発生させたいという目的意識を遊技者に対して抱かせながら遊技を行わせることができる一方で、後半においては、自己の予測が正しいことを期待させながら遊技を行わせることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、これらの第18制御例に対する各種の変形は、後述する第18制御例の各種変形例にも当然に適用可能である。
<第18制御例の第1の変形例>
次に、図656から図659を参照して、上述した第18制御例の第1の変形例について説明する。上述した第18制御例のパチンコ機10では、通常状態、時短状態、確変状態、および潜確状態の4つの遊技状態を設ける構成とし、潜確状態を最も有利な遊技状態として構成していた。これに加えて本第1の変形例では、潜確状態として、比較的有利度合いが高い潜確状態Aと、比較的有利度合いが低い潜確状態Bと、を設ける構成とした。具体的には、潜確状態Bでは、潜確状態Aよりも第2特別図柄の変動時間が長くなり易い制御が行われる(長い変動時間が選択され易い変動パターンテーブルが参照される)ことにより、小当たり遊技の実行頻度が潜確状態Aよりも低下し、結果的に潜確状態Aよりも有利度合いが低い遊技状態を形成する。なお、本第1の変形例では、大当たり終了後の遊技状態として時短状態、および確変状態に加えて、潜確状態Bも設定され得る構成としている。まず、図646を参照して、本第1の変形例における特徴的な演出態様について説明する。図656(a)は、本第1の変形例において、大当たり終了後の遊技状態として潜確状態Bが設定された場合の演出態様の一例を示した図である。ここで、潜確状態Bは、潜確状態Aよりも第2特別図柄の抽選に基づく変動時間が長くなり易く、且つ、確変状態や時短状態よりも第2特別図柄の抽選に基づく変動時間が短くなり易い状態である。また、潜確状態Aと同様に普通図柄の通常状態に設定されるため、右打ちを行った方が有利度合いが高くなる。この潜確状態Bは、潜確状態A(ラッシュモード)よりも小当たり遊技の頻度が低くなることから、弱ラッシュモードとも称される。この潜確状態B(弱ラッシュモード)が大当たり終了後の遊技状態として設定される場合は、まず、時短状態や確変状態が設定された場合と同様に、セレクトモードへの突入が報知される(図634参照)。
図656(a)に示した通り、潜確状態B(弱ラッシュモード)において、セレクトモードを示す演出の実行中に遊技者が左打ちを行ったと判別されたことを契機として、弱ラッシュモード(潜確状態B)に突入する(突入済みである)ことを報知する演出が実行される。具体的には、図656(a)に示した通り、潜確状態Bが設定されてから、最初に、左打ちを行わなければ通過し得ないスルーゲート67を遊技球が通過したことを検出したことを契機として、ウサギのミニキャラ801およびカメのミニキャラ865の情報に対して、「弱RUSH突入!!」という台詞が表示された吹き出しを模した画像が表示される。また、副表示領域Dsに対して、「弱RUSH突入!! 右打ち!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、弱ラッシュモード(潜確状態B)に設定されていたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、スルーゲート67を通過したタイミングで弱ラッシュモードへの移行を報知しているのは、大当たり終了後にスルーゲート67を通過したということは、遊技者が今回の遊技状態を時短状態と予測して左打ちを行い続ける遊技方法を選択した可能性が高いためである。つまり、普通図柄の通常状態に設定され、電動役物64aが開放され難い潜確状態Bが設定されているにもかかわらず、左打ちを行い続けてしまい、遊技者が損をしてしまうことを防ぐ趣旨である。
次に、図656(b)を参照して、大当たり終了後の遊技状態として弱ラッシュモード(潜確状態)が設定され、遊技者が左打ちを行わずに右打ちを行い続けた場合の演出態様について説明する。図656(b)に示した通り、潜確状態B(弱ラッシュモード)において右打ちを行い続け、セレクトモード演出の終了条件が成立する(第2特別図柄の抽選回数が5回に到達する)と、宝箱TBRに到達したウサギのミニキャラ801が宝箱TBRを開き、当該宝箱TBRの中から弱ラッシュモードを示す弱アイコン801wが出現する演出が実行される。また、第3図柄の変動表示において、停止図柄として、中図柄が「V」の文字を模した第3図柄に設定される停止図柄が停止表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「弱RUSH突入!!右打ち!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、潜確状態B(弱ラッシュモード)が設定されていたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。このように、潜確状態Bが設定されてからセレクトモード演出の終了条件が成立するまで右打ちを行い続けた場合に、時短状態や確変状態と同様に、5回の特別図柄の抽選が実行されて宝箱TBRを開く演出が実行されるまで、遊技状態を報知しない(秘匿する)構成とすることにより、弱ラッシュモードが報知された場合に遊技者に対して大きな驚きを与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第18制御例の第1の変形例における電気的構成>
次に、図657から図659を参照して、本第1の変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、図示については省略したが、本第1の変形例におけるROM202は、上述した第18制御例におけるROM202の構成(図639参照)に対して、大当たり種別選択テーブル202sbに代えて大当たり種別選択テーブル202sbが設けられている点、変動パターンテーブル202sdに代えて変動パターンテーブル202sdが設けられている点、および変動パターンシナリオテーブル202sjに代えて変動パターンシナリオテーブル202sjが設けられている点でのみ相違している。その他の構成については上述した第18制御例と同一であるので、ここではその詳細な説明については省略する。まず、図657(a)を参照して、本第1の変形例における大当たり種別選択テーブル202sbの詳細について説明する。図657(a)は、大当たり種別選択テーブル202sbの規定内容を示した図である。図657(a)に示した通り、本第1の変形例における大当たり種別選択テーブル202sbには、第1特別図柄の大当たり種別として、「大当たりA61A」、および「大当たりB61A」の2種類が規定されていると共に、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりC61A」~「大当たりF61A」の4種類が規定されている。図657(a)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して、「大当たりA61A」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、「大当たりB61A」が対応付けて規定されている。「大当たりA61A」、および「大当たりB61A」は、それぞれ上述した第18制御例における「大当たりA61」(5ラウンド確変大当たり)、および「大当たりB61」(5ラウンド通常大当たり)と同一の動作の大当たりであるため、ここではその詳細な説明については省略する。
また、図657(a)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲に対して、「大当たりC61A」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「10~14」の範囲に対して、「大当たりD61A」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「15~49」の範囲に対して、「大当たりE61A」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、「大当たりF61A」が対応付けて規定されている。「大当たりC61A」、「大当たりE61A」、および「大当たりF61A」は、それぞれ上述した第18制御例における「大当たりC61」(5ラウンド確変大当たり)、「大当たりD61」(5ラウンド確変大当たり)、および「大当たりE61」(5ラウンド通常大当たり)と同一の動作の大当たりであるため、ここではその詳細な説明については省略する。「大当たりD61A」は、大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態B(弱ラッシュモード)に設定される大当たりである。このため、「大当たりD61A」は、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態Bよりも有利度合いが低い時短状態に設定される「大当たりF61A」や、潜確状態Bよりも有利度合いが低い確変状態が次の大当たりまで継続する「大当たりC61A」よりも有利度合いが高くなる。一方で、大当たり終了後が確変状態に設定され、当該確変状態において第1特別図柄の抽選が95回実行されるか、第2特別図柄の抽選が5回実行されることで最も有利な潜確状態B(ラッシュモード)へと移行する「大当たりE61A」と比較した場合は、条件に応じて有利度合いが可変する。即ち、大当たり終了後に右打ちを行い続ける場合は、特別図柄の抽選が5回実行されることで有利な潜確状態Aへと移行する「大当たりE61A」の方が有利度合いが高くなるが、大当たり終了後に左打ちを行う場合は、即座に潜確状態Aに対応する右打ちが報知される「大当たりD61A」の方が、95回の第1特別図柄の抽選が実行されるまで潜確状態Aへと移行しない「大当たりE61A」よりも有利度合いが高くなり易くなる。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC61A」、「大当たりD61A」、「大当たりE61A」、および「大当たりF61A」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ10個、5個、35個、および50個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりC61A」が決定される割合は10%(10/100)であり、「大当たりD61A」が決定される割合は5%(5/100)であり、「大当たりE61A」が決定される割合は35%(35/100)であり、「大当たりF61A」が決定される割合は50%(50/100)である。次に、図657(b)を参照して、本第1の変形例における変動パターンテーブル202sdの詳細について説明する。この変動パターンテーブル202sdは、上述した第18制御例における変動パターンテーブル202sd(図642(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図657(b)は、この変動パターンテーブル202sdの構成を示したブロック図である。図657(b)に示した通り、本第1の変形例における変動パターンテーブル202sdは、上述した第18制御例の変動パターンテーブル202sdを構成する通常用テーブル202sd1、時短・確変用テーブル202sd2、時短最終変動用テーブル202sd3、潜確用テーブル202sd4に加えて、潜確状態B(弱ラッシュモード)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するための弱ラッシュ用テーブル202sd5が設けられている。この弱ラッシュ用テーブル202sd5の詳細について、図658を参照して説明する。
図658は、上述した弱ラッシュ用テーブル202sd5の規定内容を示した図である。図658に示した通り、「第1特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が600秒の「ロング外れ」が対応付けて規定され、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が600秒の「ロング当たり」が対応付けて規定されている。一方、「第2特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~195」の範囲に対して、変動時間が10秒の「長外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「196~198」の範囲に対して、変動時間が40秒の「スーパーリーチ各種」が対応付けて規定されている。また、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が40秒の「スーパーリーチ各種」が対応付けて規定されている。これらの規定内容により、潜確状態B(弱ラッシュモード)においては、第1特別図柄の抽選が実行された場合に、極めて長い変動時間が設定される一方で、第2特別図柄の抽選が実行された場合は、確変状態や時短状態よりも短く、且つ、潜確状態A(ラッシュモード)よりも長い変動時間が設定されるため、右打ちを行い続けた場合、発射される遊技球の個数よりは払い出される賞球の個数の方が多くなり易いものの、潜確状態A(ラッシュモード)よりも持ち球の増加が緩やかとなる遊技状態を形成する。よって、状態をより多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図659を参照して、本第1の変形例における変動パターンシナリオテーブル202sjの詳細について説明する。図659は、本第1の変形例における変動パターンシナリオテーブル202sjの規定内容を示した図である。図659に示した通り、本第1の変形例における変動パターンシナリオテーブル202sjは、「大当たりA61A」、「大当たりB61A」、「大当たりC61A」、「大当たりE61A」、および「大当たりF61A」に対応するシナリオとして、上述した第18制御例の変動パターンシナリオテーブル202sj(図644(b)参照)において「大当たりA61」、「大当たりB61」、「大当たりC61」、「大当たりE61」、および「大当たりF61」に対応するシナリオと同一のシナリオが対応付けられている。また、図659に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりD61A」である場合の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が95回未満、且つ、第2特別図柄の抽選回数が5回未満の範囲において時短・確変用61用テーブル202sd2(図642(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が95回(且つ、第2特別図柄の抽選回数が5回未満)であるか、または第2特別図柄の抽選回数が5回(且つ、第1特別図柄の抽選回数が95回未満)において時短最終変動用テーブル202sd3(図643(a)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が96回以上(且つ、第2特別図柄の抽選回数が50回以下)であるか、または第2特別図柄の抽選回数が6回以上50回以下の範囲において弱ラッシュ用テーブル202sd5(図658(b)参照)が参照され、第2特別図柄の抽選回数が51回以上の範囲において潜確用テーブル202sd4が参照される変動パターンシナリオ(シナリオ5)が規定されている。
この変動パターンシナリオテーブル202sjの規定内容により、大当たりD61Aに当選して弱ラッシュモード(潜確状態B)に設定された場合、第2特別図柄の抽選が50回実行されるまでは弱ラッシュモードとなって持ち球が比較的緩やかに増加していく状態を形成する一方で、大当たりとならずに第2特別図柄の抽選が50回終了することにより、以降は潜確用テーブル202sd4が参照されることで最も有利な(持ち球が比較的急激に増加する)ラッシュモード(潜確状態A)を形成する。よって、弱ラッシュモードに設定された場合は、第2特別図柄の抽選回数が50回を超えることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。このように、第18制御例の第1の変形例におけるパチンコ機10では、潜確状態として、第2特別図柄の変動時間が比較的短く、小当たり遊技の実行間隔も短くなり易いことにより、持ち球が比較的急激に増加する潜確状態B(ラッシュモード)と、第2特別図柄の変動時間が比較的長く、小当たり遊技の実行間隔も長くなり易いことにより、持ち球が比較的緩やかに増加する潜確状態B(弱ラッシュモード)と、を設ける構成としている。これにより、潜確状態における持ち球の増加速度に緩急を付けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、本第1の変形例では、弱ラッシュモードにおいて所定回数(50回)の第2特別図柄の判別が終了することで有利度合いが高いラッシュモードへと移行する構成としている。このように構成することで、弱ラッシュモードにおいて、より強く、大当たりに当選しないことを期待させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第1の変形例では、大当たり終了後に弱ラッシュモードが設定された場合に、第2特別図柄の抽選が50回終了することでのみラッシュモードへと移行する構成としていたが、これに限られるものではない。ラッシュモードへと移行するまでの抽選回数が異なる複数の弱ラッシュモードを設ける構成としてもよい。また、本第1の変形例では、確変状態において時短終了条件(第1特別図柄の抽選が95回終了するか、第2特別図柄の抽選が5回終了することで成立する条件)が成立した場合に、常にラッシュモードへと移行する構成としていたが、弱ラッシュモードへと移行させる確変状態を設けてもよい。また、ラッシュモードにおいて所定回数の第2特別図柄の抽選が実行された場合に弱ラッシュモードへと移行する種別の潜確状態や、ラッシュモードと弱ラッシュモードとを複数回行き来する種別の潜確状態を設ける構成としてもよい。更に、弱ラッシュモードからラッシュモードへと移行し得る構成とした場合、第2特別図柄の抽選回数でなく、第1特別図柄の抽選回数が規定回数となった場合に弱ラッシュモードからラッシュモードへと切り替わるように構成してもよい。この場合、左打ちを行わずに弱ラッシュモードを継続させて緩やかな持ち球の増加を楽しむか、持ち球が減ることを覚悟して左打ちによりラッシュモードへと移行させて急激な持ち球の増加を目指すのかを遊技者に対して選択させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。更に、第1特別図柄の抽選回数が規定回数となることでラッシュモードへと移行する潜確状態1、および第2特別図柄の抽選回数が規定回数となることでラッシュモードへと移行する潜確状態2を設けると共に、共通の演出態様を設定する(潜確状態1であるか潜確状態2であるかを遊技者が把握困難に構成する)ことで、より斬新な遊技性を実現することができる。即ち、弱ラッシュモードに設定される潜確状態が設定された場合に、潜確状態1,2のいずれであるかを予測して、左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させるか、右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させるかを遊技者に対して選択させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第1の変形例では、ラッシュモードと弱ラッシュモードとの2種類の潜確状態のみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。これらに加えて、ラッシュモードとも弱ラッシュモードとも第2特別図柄の平均の変動時間が異なる1又は複数の潜確状態を設ける構成としてもよい。この場合において、潜確状態では、必ずしも確変状態よりも有利度合いを高くする必要はなく、潜確状態の一部を、確変状態よりも有利度合いが低くしてもよい。即ち、第2特別図柄の平均の変動時間が確変状態よりも長くなる潜確状態を設ける構成としてもよい。
<第18制御例の第2の変形例>
次に、図660から図665を参照して、上述した第18制御例の第2の変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第18制御例におけるパチンコ機10では、普通図柄の時短状態において右打ちを行うよりも、左打ちを行った方が、時短状態が継続している間においては有利度合いが高くなる(持ち球が減り難くなる)構成としていた。これに対して本第2の変形例では、第18制御例の盤面構成を維持したままで、時短状態や確変状態において左打ちを行うよりも右打ちを行った方が有利度合いが高くなるように構成した。即ち、普通図柄の時短状態において左打ちを行っても、第1入球口64への遊技球の入球率が普通図柄の通常状態とほぼ同等となるように構成することで、普通図柄の時短状態において、電動役物64aが設けられていない盤面右側へと遊技球を発射する遊技以外の選択肢を無くす構成としている。このように構成することで、通常よりも電動役物64aが開放され易い普通図柄の時短状態において、電動役物64aへと遊技球が到達し難くなる遊技方法を遊技者に行わせる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
まず、図660を参照して、本第2の変形例における状態間の移行方法について説明する。ここで、本第2の変形例では、上述した第18制御例と同様に、通常状態と、時短状態と、確変状態と、潜確状態と、の4種類の遊技状態が設けられている。通常状態および潜確状態については、上述した第18制御例と同一の挙動となるため、ここではその詳細な説明については省略する。一方で、普通図柄の時短状態に設定される時短状態および確変状態は、上述した第18制御例と異なる挙動となる。具体的には、普通図柄の当たりとなる確率が第18制御例に比較して大幅に低くなり(約1/649)、普通図柄の変動時間が第18制御例に比較して長くなり(10秒間)、更に、普通図柄の当たりとなった場合の電動役物64aの開放時間が第18制御例に比較して短くなる(0.1秒間×1回)ため、左打ちを行ったとしても第1入球口64に対する入球率が通常状態とほとんど変わらない挙動となる。一方で、右打ちを行った場合は、第18制御例よりも第2特別図柄の変動時間が短くなる(平均12.25秒となる)ため、右打ちを行い続けた場合、発射された遊技球の個数と小当たり遊技において払い出される賞球の個数とが略同一となり、持ち球を減らさずに遊技を行うことが可能となる。よって、上述した第18制御例とは異なり、時短状態や確変状態は右打ち遊技となる(左打ち遊技の選択肢が無くなる)。
まず、図660の上段を参照して、通常状態から他の遊技状態への移行方法について説明する。図660の上段に示した通り、通常状態から他の状態には、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図660の上段に示した通り、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、大当たり種別が大当たりA61B(確変大当たり)であれば、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定される。一方で、大当たり種別が大当たりB61B(通常大当たり)であれば、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。このため、通常状態においては、確変大当たり(大当たりA61B)に当選した方が、通常大当たり(大当たりB61B)に当選するよりも有利度合いが高くなる。なお、図示については省略したが、通常状態において第2特別図柄の抽選で確変大当たり(大当たりC61B~E61B)に当選した場合は、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合と同様、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定され、第2特別図柄の抽選で通常大当たり(大当たりF61B)に当選した場合は、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合と同様、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。ここで、通常状態で第2特別図柄の抽選が実行される場合とは、通常状態で右打ちを行って第2入球口1641へと遊技球が入球した場合や、時短状態において第2特別図柄の保留球を保留した状態で時短回数が終了されて通常状態へと移行した場合である。
次に、図660の中段左側を参照して、確変状態から他の状態への移行方法について説明する。図660の中段左側に示した通り、確変状態から他の状態には、大当たりに当選した場合の他、大当たりに当選せずに時短回数が経過した場合にも移行する可能性がある。具体的には、図660の中段左側に示した通り、確変状態において大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりF61Bが決定された場合、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。また、確変状態において大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりC61Bが決定された場合、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態に設定される。更に、確変状態において大当たりに当選せずに時短回数が経過した(大当たりA61B,E61Bの終了後に第1特別図柄の抽選が10回終了したか、または第2特別図柄の抽選が50回終了した)場合は、遊技状態が最も有利な潜確状態に直接(大当たり遊技を介さずに)設定される。一方で、確変状態において大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりD61B,E61Bのいずれかが決定された場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、確変状態に設定される(確変状態をループする)。よって、確変状態では、大当たりC61Bに当選するか、または時短回数が経過したことを契機として最も有利な遊技状態(潜確状態)が設定されるため、これらの事象が発生することを期待させることができる。
次に、図660の中段右側を参照して、時短状態から他の状態への移行方法について説明する。図660の中段右側に示した通り、時短状態から他の状態には、大当たりに当選した場合の他、大当たりに当選せずに時短回数が経過した場合にも移行する可能性がある。具体的には、図660の中段右側に示した通り、時短状態において大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりD61B,E61Bのいずれかが決定された場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定される。また、時短状態において大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりC61Bが決定された場合、大当たり終了後の遊技状態が潜確状態に設定される。更に、時短状態において大当たりに当選せずに時短回数が経過した(大当たりB61B,F61Bの終了後に第1特別図柄の抽選が10回終了したか、または第2特別図柄の抽選が50回終了した)場合は、遊技状態が最も不利な通常状態に直接(大当たり遊技を介さずに)設定される。一方で、時短状態において大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりF61Bが決定された場合、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態に設定される(時短状態をループする)。よって、よって、時短状態では、大当たりに当選したことを契機として設定される遊技状態(確変状態、時短状態、潜確状態のいずれか)の方が、時短回数が経過したことを契機として設定される遊技状態(通常状態)よりも有利度合いが高くなるため、大当たりに当選することを期待して遊技を行わせることができる。なお、本第2の変形例では、上述した第18制御例と同様に、時短状態と確変状態とで共通の演出態様を実行する構成としており、遊技者が時短状態に設定されているのか確変状態に設定されているのかを区別し難く構成している。よって、時短状態が設定されているか確変状態が設定されているのかを遊技者に対して予測させ、確変状態に設定されていると予測した場合は時短回数が経過することを期待させる一方で、時短状態に設定されていると予測した場合は時短回数が経過するよりも前に大当たりに当選することを期待させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図660の下段を参照して、潜確状態から他の状態への移行方法について説明する。図660の下段に示した通り、潜確状態から他の状態には、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図660の下段に示した通り、潜確状態において大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりD61B,E61Bが決定された場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定される。また、潜確状態において大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりF61Bが決定された場合は、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。一方、潜確状態において大当たりに当選し、大当たり種別として大当たりC61Bが決定された場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、潜確状態に設定される(潜確状態をループする)。このように、本第2の変形例では、有利度合いが異なる4つの遊技状態を互いに行き来する構成としているので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第18制御例の第2の変形例における電気的構成>
次に、図661から図663を参照して、本第2の変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、図示については省略したが、本第2の変形例におけるROM202は、上述した第18制御例におけるROM202の構成(図639参照)に対して、大当たり種別選択テーブル202sbに代えて大当たり種別選択テーブル202sbが設けられている点、第2当たり乱数テーブル202Gcに代えて第2当たり乱数テーブル202scが設けられている点、変動パターンテーブル202sdに代えて変動パターンテーブル202sdが設けられている点、変動パターンシナリオテーブル202sjに代えて変動パターンシナリオテーブル202sjが設けられている点、および時短付与テーブル202skを設けた点でのみ相違している。その他の構成については上述した第18制御例と同一であるので、ここではその詳細な説明については省略する。まず、図661(a)を参照して、本第2の変形例における大当たり種別選択テーブル202sbの詳細について説明する。図661(a)は、本第2の変形例における大当たり種別選択テーブル202sbの規定内容を示した図である。図661(a)に示した通り、本第2の変形例における大当たり種別選択テーブル202sbには、第1特別図柄の大当たり種別として、「大当たりA61B」、および「大当たりB61B」の2種類が規定されていると共に、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりC61B」~「大当たりF61B」の4種類が規定されている。
図661(a)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して、「大当たりA61B」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、「大当たりB61B」が対応付けて規定されている。つまり、「大当たりA61B」および「大当たりB61B」に当選する割合は共に50%である。「大当たりA61B」は大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定される種別の大当たりである。ここで、「大当たりA61B」の終了後の確変状態は、基本的に(即ち、不利な左打ちを行わない限り)、第2特別図柄の抽選が50回終了するまで継続する。確変状態の終了後(50回の第2特別図柄の抽選の終了後)は、有利な潜確状態へと移行する。また、「大当たりB61B」は、大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される種別の大当たりである。ここで、「大当たりB61B」の終了後の時短状態は、「大当たりA61B」の終了後の確変状態と同様に、第2特別図柄の抽選が50回終了するまで継続する。確変状態の終了後(50回の第2特別図柄の抽選の終了後)は、不利な通常状態へと移行する。そして、本第2の変形例では、上述した第18制御例と同様に、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態において、確変状態と時短状態とを区別困難となる演出態様の演出を実行する構成としている。このように構成することで、50回の第2特別図柄の抽選が全て外れ(小当たり)となって普通図柄の時短状態が終了された方が良いのか、50回以内に大当たりとなった方が良いのかを曖昧とすることができるので、設定されている遊技状態を予測して、当該予測結果に応じて普通図柄の時短状態の終了を期待させるか、大当たり当選を期待させるかを可変させる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図661(a)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲に対して、「大当たりC61B」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「10~14」の範囲に対して、「大当たりD61B」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「15~49」の範囲に対して、「大当たりE61B」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、「大当たりF61B」が対応付けて規定されている。「大当たりC61B」は、大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な潜確状態に設定される大当たり種別である。また、「大当たりD61B」は、大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が、実質的に次の大当たりまで継続する確変状態に設定される大当たり種別である。一方、「大当たりE61B」および「大当たりF61B」は、それぞれ上述した「大当たりA61B」(5ラウンド確変大当たり)、および「大当たりB61B」(5ラウンド時短大当たり)と同一の挙動となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC61B」、「大当たりD61B」、「大当たりE61B」、および「大当たりF61B」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ10個、5個、35個、および50個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりC61B」が決定される割合は10%(10/100)であり、「大当たりD61B」が決定される割合は5%(5/100)であり、「大当たりE61B」が決定される割合は35%(35/100)であり、「大当たりF61B」が決定される割合は50%(50/100)である。
次に、図661(b)を参照して、本第2の変形例における第2当たり乱数テーブル202scの詳細について説明する。図661(b)は、本第2の変形例における第2当たり乱数テーブル202scの規定内容を示した図である。図661(b)に示した通り、本第2の変形例では、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)として、「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている一方で、普通図柄の高確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「0~100」の101個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている。本第2の変形例における第2当たり乱数カウンタC4は、「0~65535」の65536個の値を取り得るループカウンタで構成されているので、普通図柄の低確率状態において普通図柄の抽選が実行された場合に普通図柄の当たりとなる確率は、1/655.4(100/65536)であり、普通図柄の高確率状態において普通図柄の抽選が実行された場合に普通図柄の当たりとなる確率は、1/648.9(101/65536)である。即ち、普通図柄の高確率状態であっても極めて低確率でしか普通図柄の当たりとならないため、普通図柄の時短状態であっても、左打ちを行うことで不利となり、遊技者に対して右打ちを行わせることができる。次に、図662(a)を参照して、本第2の変形例における変動パターンテーブル202sdの詳細について説明する。図662(a)は、本第2の変形例における変動パターンテーブル202sdの構成を示したブロック図である。図662(a)に示した通り、本第2の変形例における変動パターンテーブル202sdは、上述した第18制御例における変動パターンテーブル202sdの構成(図642(a)参照)に対して、時短・確変用テーブル202sd2(図642(b)参照)に代えて時短・確変用テーブル202sd2(図662(b)参照)が設けられている点、残保留消化用テーブル202sd4を追加した点でのみ相違している。この時短・確変用テーブル202sd2の詳細について、図662(b)を参照して説明する。
図662(b)は、時短・確変用テーブル202sd2の規定内容を示した図である。図662(b)に示した通り、この時短・確変用テーブル202sd2のうち、第1特別図柄に対応する規定内容として、抽選結果によらず、変動種別カウンタCS1が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が60秒間の変動パターン(長外れ、または長当たり)が対応付けて規定されている。
また、第2特別図柄に対しては、当否判定結果(抽選結果)が「外れ」の場合に、変動種別カウンタCS1の値が「0~183」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒間の長外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「184~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒間のスーパーリーチ各種が対応付けて規定されている。これに対し、当否判定結果(抽選結果)が「大当たり」の場合は、変動種別カウンタCS1が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動パターンとして変動時間が40秒間のスーパーリーチ各種が対応付けて規定されている。このため、本第2の変形例では、第2特別図柄の抽選結果が外れ(完全外れ又は小当たり)となる場合の平均の変動時間が12.25秒となり、1の外れ変動が開始されてから新たな変動表示が開始されるまでの期間の平均は、小当たり確率が49%であり、小当たり遊技に要する期間が2秒間であることを加味すると、約13.23秒間となる。このため、1分間あたりの小当たり当選回数が平均で約2.22回となり、小当たり1回あたりの獲得賞球数の平均が45個となるため、1分間に平均で約100個の賞球が払い出されることとなる。これに対して、本第2の変形例におけるパチンコ機10は、上述した第18制御例等のパチンコ機10と同様に、1分間で最大100個の遊技球を発射可能であるため、時短・確変用テーブル202sd2が参照される時短状態や確変状態では、右打ちを行い続けることにより、発射される遊技球の個数と払い出される賞球の個数とが略同一となる。よって、電動役物64aが設けられていない右側へと遊技球を発射しているにもかかわらず持ち球を減らさずに遊技を行うことができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図662(c)を参照して、本第2の変形例における時短付与テーブル202skの詳細について説明する。この時短付与テーブル202skは、時短状態を設定する際に、当該時短状態の設定契機(当選した大当たりの種別)に応じた時短状態の終了条件を設定するために参照されるデータテーブルである。図662(c)は、この時短付与テーブル202skの規定内容を示した図である。図662(c)に示した通り、本第2の変形例における時短付与テーブル202skには、大当たり種別毎に、時短終了条件の成立有無を判定する際に参照される各カウンタの値が対応付けられて規定されている。なお、図662(c)に示した通り、本第2の変形例では、時短終了条件の成立有無を判定するためのカウンタとして、特図1時短カウンタ203h1と、特図2時短カウンタ203h2と、の2つが設けられている。図662(c)に示した通り、大当たり種別として「大当たりA61B」、「大当たりB61B」、「大当たりE61B」、および「大当たりF61B」に対しては、特図1時短カウンタ203h1の値「10」、および特図2時短カウンタ203h2の値「50」が対応付けて規定されている。このため、「大当たりA61B」、「大当たりB61B」、「大当たりE61B」、および「大当たりF61B」のいずれかに当選した場合は、第1特別図柄の抽選が10回行われるか、第2特別図柄の抽選が50回行われるまで継続する普通図柄の時短状態が設定される。なお、上述した通り、「大当たりA61B」、および「大当たりE61B」は確変大当たりであるため、普通図柄の時短状態が終了された後は有利な潜確状態へと移行する。これに対し、「大当たりB61B」、および「大当たりF61B」は通常大当たりであるため、普通図柄の時短状態が終了された後は不利な通常状態へと移行する。
また、図662(c)に示した通り、大当たり種別として「大当たりC61B」に対しては、特図1時短カウンタ203h1の値、および特図2時短カウンタ203h2の値として、いずれも「0」が対応付けて規定されている。また、「大当たりC61B」は、確変大当たりであるため、大当たり終了後は最も有利な潜確状態に設定される。更に、図662(c)に示した通り、大当たり種別として「大当たりD61B」に対しては、特図1時短カウンタ203h1の値、および特図2時短カウンタ203h2の値として、いずれも「65535」が対応付けて規定されている。また、「大当たりD61B」は、確変大当たりであるため、大当たり終了後は実質的に次の大当たりまで継続する確変状態に設定される。このように、本第2の変形例では、時短付与テーブル202skに対して、大当たり種別毎に設定すべき時短回数(特図1時短カウンタ203h1、および特図2時短カウンタ203h2のカウンタ値)を予め規定しておく構成としているので、大当たり種別に応じた時短回数を好適に設定することができる。次に、図663を参照して、本第2の変形例における変動パターンシナリオテーブル202sjの詳細について説明する。図663は、本第2の変形例における変動パターンシナリオテーブル202sjの規定内容を示した図である。図663に示した通り、本第2の変形例における変動パターンシナリオテーブル202sjは、前回の大当たり種別が「大当たりA61B」、「大当たりE61B」のいずれかである場合の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が10回未満、且つ、第2特別図柄の抽選回数が50回未満の範囲において時短・確変用テーブル202sd2(図662(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が10回未満、且つ、第2特別図柄の抽選回数が50回である場合(または図示については省略したが、第2特別図柄の抽選回数が50回未満、第1特別図柄の抽選回数が10回である場合)において時短最終変動用テーブル202sd3(図643(a)参照)が参照され、第2特別図柄の抽選回数が51回以上の範囲において潜確用テーブル202sd4(図643(b)参照)が参照される変動パターンシナリオが規定されている。
また、図663に示した通り、本第2の変形例における変動パターンシナリオテーブル202sjには、前回の大当たり種別が「大当たりB61B」、「大当たりF61B」のいずれかである場合の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が10回未満、且つ、第2特別図柄の抽選回数が50回未満の範囲において時短・確変用テーブル202sd2(図662(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が10回未満、且つ、第2特別図柄の抽選回数が50回である場合(または図示については省略したが、第2特別図柄の抽選回数が50回未満、第1特別図柄の抽選回数が10回である場合)において時短最終変動用テーブル202sd3(図643(a)参照)が参照され、第2特別図柄の抽選回数が51回以上の範囲において通常用テーブル202sd1が参照される変動パターンシナリオが規定されている。また、図663に示した通り、本第2の変形例における変動パターンシナリオテーブル202sjには、前回の大当たり種別が「大当たりC61B」である場合の変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数によらず、潜確用テーブル202sd4(図643(b)参照)が参照される変動パターンシナリオが規定されている。
また、図663に示した通り、本第2の変形例における変動パターンシナリオテーブル202sjには、前回の大当たり種別が「大当たりD61B」である場合の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が10回未満、且つ、第2特別図柄の抽選回数が50回未満の範囲において時短・確変用テーブル202sd2(図662(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が10回未満、且つ、第2特別図柄の抽選回数が50回である場合(または図示については省略したが、第2特別図柄の抽選回数が50回未満、第1特別図柄の抽選回数が10回である場合)において時短最終変動用テーブル202sd3(図643(a)参照)が参照され、第2特別図柄の抽選回数が51回以上の範囲において時短・確変用テーブル202sd2(図662(b)参照)が参照され変動パターンシナリオが規定されている。更に、図663に示した通り、本第2の変形例における変動パターンシナリオテーブル202sjには、パチンコ機10の初期化後の変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数によらず、通常用テーブル202sd1が参照される変動パターンシナリオが規定されている。この変動パターンシナリオテーブル202sjの規定内容により、大当たりA61B,B61B,D61B,E61B,F61Bに対する変動パターンシナリオが、普通図柄の時短状態が終了するまで共通とすることができるので、普通図柄の時短状態が終了した後の遊技状態の推測をより困難とすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第18制御例の第2の変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図664および図665を参照して、本第2の変形例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図664を参照して、本第2の変形例における普通図柄変動処理(S101K)について説明する。この普通図柄変動処理(S101K)は、上述した第18制御例(および第1制御例)における普通図柄変動処理(図47参照)に代えて実行される処理であり、普通図柄変動処理(S106)と同様に、第2図柄(普通図柄)の変動表示や、電動役物64aの開放時間などを制御するための処理であり、普通図柄変動(抽選)に関連する様々な処理(普通図柄変動を実行する処理、実行する普通図柄変動の変動態様(変動時間)を設定する処理、実行中の普通図柄変動を更新する処理、普通図柄変動を停止させる処理、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に実行される普図当たり遊技の遊技内容を決定する処理)が実行される処理である。この第2の変形例における普通図柄変動処理(S101K)のうち、S801~S814,S817~S819、およびS822の各処理では、上述した第18制御例(および第1制御例)における普通図柄変動処理(図47参照)のS801~S814,S817~S819、およびS822の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2の変形例における普通図柄変動処理(S101K)では、S814の処理において、現在が普通図柄の時短状態(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S814:Yes)、普通図柄の変動時間を10秒に設定し(S801K)、本処理を終了する。一方、S814の処理において、現在が普通図柄の時短状態(普通図柄の高確率状態)ではないと判別した場合は(S814:No)、普通図柄の変動時間を10.1秒に設定し(S802K)、本処理を終了する。即ち、本第2の変形例では、普通図柄の時短状態と、普通図柄の通常状態とで、普通図柄の変動時間がほぼ同等となるように構成している。
また、S819の処理において、今回の普通図柄の抽選結果が当たりであると判別した場合には(S819:Yes)、普通図柄の時短状態であるか否かにかかわらず、電動役物の開放時間および回数を0.1秒間×1回に設定し(S803K)、処理をS822へと移行する。このように、本第2の変形例における普通図柄の時短状態では、普通図柄の通常状態に対して、普通図柄の変動時間が0.1秒間しか変わらない上に、普通図柄の当たりとなった場合の開放パターンが同一となるように構成されている。また、普通図柄の当たり確率についても、普通図柄の通常状態とほぼ同等となるように構成されているので、普通図柄の時短状態に設定される時短状態や確変状態においてスルーゲート67が設けられている盤面左側に対して遊技球を発射したとしても、電動役物64aが開放され難くなる。よって、時短状態や確変状態において、電動役物64aが設けられていない盤面右側へと遊技球を発射することにより遊技を進行させる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。次に、図665を参照して、第18制御例の第2の変形例における大当たり終了処理(Y1903K)について説明をする。この大当たり終了処理(Y1903K)は、上述した第18制御例における大当たり終了処理(図650参照)に代えて実行される処理であり、大当たり終了処理(図650参照)と同様に、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタの値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。図665は、この大当たり終了処理(Y1903K)の内容を示したフローチャートである。
この大当たり終了処理(Y1903K)のうち、Y2702G、Y2701K、Y2705K、Y2706KおよびY2708Kの各処理では、それぞれ第18制御例における大当たり終了処理(図650参照)のY2702G、Y2701K、Y2705K、Y2706KおよびY2708Kの各処理と同一の処理が実行される。また、第2の変形例におけるにおける大当たり終了処理(Y1903K)では、Y2701Kの処理において、通常大当たりであると判別した場合(Y2701K:Yes)、又は、Y2702Gの処理を実行した後、時短付与テーブル202skから今回の大当たり種別に対応するカウンタ値を読み出し(Y2711K)、読み出したカウンタ値を特図1時短カウンタ203h1、特図2時短カウンタ203h2にそれぞれ設定し(Y2712K)、処理をY2705Kへと移行する。また、Y2706Kの処理を実行した後、変動パターンシナリオテーブル202sjから今回の大当たりに応じた変動パターンシナリオを特定し(Y2713K)、処理をY2708Kへと移行する。この大当たり終了処理(図665参照)を実行することにより、大当たり終了後の遊技状態を好適に設定することができる。このように、第18制御例における第2の変形例のパチンコ機10では、普通図柄の時短状態に設定される時短状態や確変状態においても、左打ちを行うよりも右打ちを行った方が持ち球が減り難い(遊技球を発射し続けた場合に払い出される賞球の個数が多くなる)構成としているので、普通図柄の時短状態において、普通図柄の通常状態よりも入球し易くなる第1入球口64への入球を狙う遊技方法(左打ち遊技)ではなく、第1入球口64へと入球し難い(つまり、普通図柄の時短状態による恩恵を受け難い)遊技方法で遊技を行わせる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第19制御例>
次に、図666から図686を参照して、第19制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第11制御例におけるパチンコ機10では、時短状態に設定されてから時短状態の間に獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化されて通常状態に移行するまでの第2特別図柄の抽選回数が異なる複数の遊技状態を設ける構成とした。つまり、比較的有利度合いが低い(第2特別図柄の抽選回数が2回の)第1遊技状態(時短状態A)と、比較的有利度合いが高い(実質的に次の大当たりまで継続する)第2遊技状態(時短状態C)と、これらの間の有利度合い(第2特別図柄の抽選回数が4回)の第3遊技状態(時短状態B)と、を設ける構成とし、且つ、ほぼ確実に次回の大当たりまで継続する時短終了条件が設定される第2遊技状態(時短状態C)に一旦移行すると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される(時短リミット回数分の大当たり当選がほぼ確定する)極めて有利な状態(MAXボーナスモード)を形成する構成とした。また、上述した第11制御例では、時短状態Cにおいて、特定の種別の小当たりに当選した場合に限り、大当たりの実行を設定するタイミングよりも前(小当たり遊技の開始時)に時短状態を終了させるように構成した。即ち、特定の種別の小当たりに当選した場合は、V入賞が発生するよりも前に時短状態が終了されていることにより、大当たり遊技の実行を設定するタイミングにおける遊技状態を通常状態とし、大当たり終了時に時短リミット回数までの残回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)を初期値である3にリセットする構成としている。これにより、時短状態Cと、第2特別図柄の大当たりとの繰り返しの間に特定の種別の小当たりに当選した場合に、そこから更に時短リミット回数分の大当たり当選が保証されるので、実質的に、特定の種別の小当たりに当選したことを契機として、時短リミット回数分の大当たりを上乗せしたかのような斬新な挙動を実現する構成としていた。
これに加えて本第19制御例のパチンコ機10では、時短状態において時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)を減算するタイミングを条件に応じて異ならせることにより、同一の時短状態であっても、第2特別図柄の保留球の貯め易さを条件に応じて可変させ、同一の時短状態でも条件に応じて実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせる構成としている。より具体的には、時短状態においては、特別図柄の抽選が実行されてから当該抽選結果を示すための変動表示が終了されるまでの間における第1タイミングと、その第1タイミングとは異なる第2タイミングと、のうちいずれか一方のタイミングで時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)を減算する構成とし、第1タイミングで時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算された場合は、第2タイミングで減算された場合よりも、特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の保留球が貯め難くなるように構成している。更に詳述すると、本第19制御例では、特別図柄の抽選結果が完全外れとなった場合における完全外れの種別として、外れAと、外れBと、の2種類を設ける構成とし、時短状態において特別図柄の抽選で完全外れとなって外れ種別として外れAが決定された場合には、変動停止タイミング(第1タイミング)で時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算される一方で、外れ種別として外れBが決定された場合には、外れBを示す変動表示の開始タイミング(第2タイミング)で時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算されるように構成している。これにより、残時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が1の状態(即ち、時短最終変動)で外れAが決定された場合は、変動表示の終了まで特図2カウンタ203tが減算されることがないため、時短最終変動の実行中に右打ち遊技を行い続けるだけで、第4終了条件(第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する終了条件)が成立するまで第2特別図柄の保留球を貯めることができる。これに対して、残時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が1の状態(即ち、時短最終変動)で外れBが決定された場合は、変動開始時に特図2カウンタ203tが減算されることで時短状態が終了されるため、変動表示の実行中は既に通常状態に転落済みの状態となる。言い換えれば、時短最終変動において第2特別図柄の保留球を貯めることが極めて困難となるため、第2特別図柄の抽選回数を増加させることも困難となる。よって、本第19制御例では、時短最終変動において特図2カウンタ203tの減算タイミングが第1タイミング(変動停止タイミング)に設定される場合よりも、第2タイミング(変動開始タイミング)に設定された場合の方が、同一の時短状態であっても第2特別図柄の抽選回数が少なくなり易くなるので、同一の時短状態であっても有利度合い(有利な第2特別図柄の抽選の実質的な実行回数)を異ならせる斬新な遊技性を実現することができる。
この第19制御例におけるパチンコ機10が、上述した第11制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第11制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第11制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。まず、図666から図670を参照して、本第19制御例における特徴的な演出について説明する。ここで、上述した通り、本第19制御例では、時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、残時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)を更新するタイミングとして、第1タイミング(変動停止時)と第2タイミング(変動開始時)との2種類のタイミングを少なくとも設ける構成としており、時短状態における最終変動で第1タイミングが設定された場合は、最終変動に係る変動表示中も時短状態が継続することにより追加で第2特別図柄の保留球を貯めることができる一方で、第2タイミングが設定された場合は、最終変動の開始と同時に時短状態が終了されることで第2特別図柄の保留球を貯めることが不可能となるため、残時短回数の更新タイミングによって有利度合いが高い第2特別図柄の抽選回数が可変する構成としている。図666から図670は、この時短最終変動において設定されるタイミング(換言すれば、最終変動の開始後に実行され得る第2特別図柄の抽選回数)を示唆する演出を示している。
まず、図666(a)を参照して、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった(初当たりに当選した)後において高い割合(95%の割合)で設定される時短状態A(チャンスモード)における演出態様について説明する。本第19制御例におけるチャンスモードは、上述した第11制御例におけるチャンスモードと同様に、時短終了条件として、第1終了条件(第1特別図柄と第2特別図柄との合計の抽選回数が規定回数となったことに基づいて成立する終了条件)が10回に設定され、第2終了条件(小当たり遊技の実行回数が規定回数となったことに基づいて成立する終了条件)が1回に設定され、第3終了条件(第2特別図柄の抽選回数が規定回数となったことに基づいて成立する終了条件)が1回に設定され、第4終了条件(時短最終変動の実行中に第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する終了条件)が1個に設定される時短状態として構成される。一方、上述した通り、本第19制御例では、時短回数の更新タイミングとして第2タイミング(変動開始タイミング)が設定されてしまうと、変動開始と同時に特図2カウンタ203tが0になって時短終了条件が成立してしまい、追加で第2特別図柄の保留球を貯める機会を与えられることなく、時短状態A(チャンスモード)が終了されてしまう。言い換えれば、時短状態Aにおいて時短回数の更新タイミングが第1タイミング(変動停止時)に設定されると、時短最終変動の間に追加で1個の第2特別図柄の保留球を獲得するまで時短状態が継続し得るため、第2特別図柄の抽選を2回実行可能となる一方で、時短回数の更新タイミングが第2タイミング(変動開始時)に設定されてしまうと、当該変動開始と同時に時短状態が終了されることで第2特別図柄の抽選が1回しか実行できなくなってしまう。このため、第1タイミングが設定されるか、第2タイミングが設定されるかによって大当たり期待度が略2倍変わってしまうこととなる。
図666(a)に示した通り、初当たり後に時短状態Aに移行すると、主表示領域Dmにおいて、冒険者のキャラクタ811と怪獣のキャラクタ821とがにらみ合う演出が実行される。また、主表示領域Dmにおける上方に形成される横長略長方形形状の表示領域HR10に対して、「右打ちで攻撃方法を決めろ!!」という文字が表示される。また、主表示領域Dmにおける左上には、「右打ち」という文字が表示された小表示領域Dm4が形成され、主表示領域Dmの中央付近(冒険者のキャラクタ811と怪獣のキャラクタ821との中間位置付近)には、「連撃」の文字が付された横長略長方形形状の連撃アイコンCIと、「一撃」の文字が付された横長略長方形形状の一撃アイコンSIと、が上下に形成される。また、連撃アイコンCIおよび一撃アイコンSIの正面視左側には、連撃アイコンCIの左側と一撃アイコンSIの左側とに高速で上下移動する右向きの矢印を模した矢印画像YGが表示される。更に、副表示領域Dsには、「連撃→スピード重視の連続攻撃!」という文字、および「一撃→威力重視の単発攻撃!」という文字が上下に表示される。これらの表示内容により、右打ちを行うことにより怪獣のキャラクタ821に対する攻撃方法を決定することができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、連撃の攻撃方法が選択された場合は、怪獣のキャラクタ821に対する攻撃回数が多くなる一方で、一撃の攻撃方法が選択された場合は、怪獣のキャラクタ821に対する攻撃回数は少ないものの、威力が高い攻撃を加えることができるということを遊技者に対して認識させることができる。つまり、連撃の攻撃が行われた場合は、1回の大当たり期待度は低いが攻撃回数が増加することによりカバーするタイプの攻撃方法であり、一撃の攻撃が行われた場合は、1回の大当たり期待度が高いが攻撃のチャンスが1回のみであるということを遊技者に対して直感的に理解させることができる。以降、説明の簡略化のため、このチャンスモード(時短状態A)に移行した後で実行される、攻撃方法を選択する演出のことを、攻撃方法選択演出と称する。
攻撃方法選択演出において実際に攻撃方法が選択されるのは、図666(b)に示した通り、時短状態A(チャンスモード)において第2入球口640に対する最初の始動入賞を検出したタイミングで、当該始動入賞に基づく抽選結果を加味して決定される。図666(b)は、第2特別図柄の最初の始動入賞を検出したタイミングで「一撃」の攻撃方法が選択された場合を例示した図である。図666(b)に示した通り、「一撃」の攻撃方法が選択される場合は、矢印画像YGが一撃アイコンSIの左側において停止すると共に、連撃アイコンCIがグレーがかった見た目(消灯した)に設定され、一撃アイコンSIが発光した見た目に設定される。これらの表示内容により、攻撃方法として「一撃」が選択されたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。図示については省略したが、一撃アイコンSIが選択された後は、比較的大当たり(または実質的に大当たりが確定する小当たり)となる期待度が高くなる「残撃」によって怪獣のキャラクタ821を一撃で倒そうと試みる演出が実行される。怪獣のキャラクタ821を倒すことができれば大当たりに当選することが報知され、倒すことができなければ時短状態A(チャンスモード)が終了されて不利な通常状態へと移行することが報知される。
なお、連撃の攻撃方法は、時短回数の更新タイミングとして第1タイミング(変動停止タイミング)が設定された場合に選択される演出であり、一撃の攻撃方法は、時短回数の更新タイミングとして第2タイミング(変動開始タイミング)が設定された場合に選択される演出である。ここで、本第19制御例では、第2特別図柄の抽選結果が外れとなった場合、および小当たりとなった場合に、残時短回数の更新タイミングとして第1タイミングと第2タイミングとのどちらも設定され得るように構成している。更に、第2特別図柄の保留が貯め難い第2タイミング(変動開始タイミング)は、外れよりも小当たり当選時に設定され易く構成されている。逆に言えば、第2特別図柄の保留球が貯め易い第1タイミング(変動停止タイミング)は、小当たり当選時よりも外れの場合に設定され易く構成されている。このため、第1タイミングに対応する「連撃」の攻撃方法が選択された場合には、時短最終変動の抽選結果が外れである可能性が高くなる一方で、第2タイミングに対応する「一撃」の攻撃方法が選択された場合には、時短最終変動の抽選結果が実質的に大当たりが確定する小当たりである可能性が高くなる。つまり、「連撃」が選択された場合は、実行中の変動表示の期待度が低くなるため、変動表示中に追加で獲得できる第2特別図柄の保留球に対してより強く期待させる遊技性となる一方で、「一撃」が選択された場合は、実行中の変動表示の期待度が高くなるため、保留球を追加で獲得できなくても、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持することが可能な遊技性となる。よって、選択される攻撃方法に応じて異なる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図667(a)は、攻撃方法選択演出において「連撃」の攻撃方法が選択された場合の第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図667(a)に示した通り、「連撃」の攻撃方法が選択される場合は、矢印画像YGが連撃アイコンSCの左側において停止すると共に、一撃アイコンSIがグレーがかった見た目(消灯した)に設定され、連撃アイコンCIが発光した見た目に設定される。これらの表示内容により、攻撃方法として「連撃」が選択されたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。更に、連撃アイコンCIが選択されたことに伴って、主表示領域Dmの左下に対して、攻撃アイコンを表示するための攻撃アイコン表示領域AI1,AI2の2つの表示領域が形成されると共に、1回目の攻撃内容を示す攻撃アイコン表示領域AI1に対して、初回の第2特別図柄の始動入賞の先読み結果に応じたアイコン(攻撃内容)が表示される。図667(a)の例では、比較的期待度が低い「蹴り」の攻撃内容が表示された場合を例示している。これらの表示内容により、攻撃アイコン表示領域の個数(2個)分の攻撃を連続して怪獣のキャラクタ821に加えることができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
連撃アイコンCIが選択された後は、図667(b)に示した通り、冒険者のキャラクタ811と怪獣のキャラクタ821との間にタイムゲージga3が表示される。このタイムゲージga3は、第2特別図柄の変動開始時に残時間表示ga3aがタイムゲージga3の全体を占める状態にて表示され、時間の経過に応じて残時間表示ga3aの右端が正面視左方向に移動して面積が狭くなると共に、経過時間表示ga3bの面積が大きくなるように構成されており、第2特別図柄の変動表示が開始されてから10秒が経過した時点で残時間表示ga3aの右端がタイムゲージga3の左端に到達して残時間表示ga3aの面積が0になると共に、タイムゲージga3の全体を経過時間表示ga3bが占める表示態様となるように構成されている。この間に第2特別図柄の始動入賞を検出した場合は、攻撃アイコン表示領域AI2に対して、検出した始動入賞に基づく先読み結果に応じた攻撃内容(アイコン)が表示される。タイムゲージga3が0になった時点で、怪獣のキャラクタ821に対して攻撃アイコン表示領域AI1,AI2の2つの表示領域のそれぞれに表示された攻撃方法で攻撃を行う演出が開始される。このように、本第19制御例における時短状態A(チャンスモード)では、時短状態における最初(且つ、最後の)変動表示が開始されるタイミングで、時短回数の減算が第1タイミングで実行されるか第2タイミングで実行されるかに少なくとも基づいて、攻撃方法を選択する演出を実行する構成としている。これにより、選択された攻撃方法によって、時短回数の更新(減算)タイミングを遊技者に対して示唆することができる。言い換えれば、時短最終変動における第2特別図柄の保留球の貯め易さを遊技者に対して示唆する斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図668、および図669を参照して、時短状態B(時短モード)における演出態様について説明する。ここで、本第19制御例における時短状態B(時短モード)は、上述した第9制御例や第11制御例における時短モードと異なり、時短状態が設定された後で実行された第2特別図柄の抽選回数に対応する終了条件(第3終了条件)が2回に設定されるように構成されていると共に、時短状態の最後の変動表示の実行中に貯まった第2特別図柄の保留球の個数に対応する終了条件(第4終了条件)が65535個に設定されるように構成されている。つまり、時短モードの時短最終変動において、第4終了条件によって時短状態が終了される可能性が実質的に0となるように時短終了条件を設定している。これにより、時短モードにおける時短最終変動で時短回数の更新タイミングが第1タイミングに設定された場合は、当該時短最終変動中に第2特別図柄の保留球を上限(4個)まで容易に貯めることができるため、時短回数内で実行可能な2回の第2特別図柄の抽選と、時短最終変動において貯めることが可能な4個の第2特別図柄の保留球とで、有利度合いが高い(実質的に約1/3の確率で大当たりとなる)第2特別図柄の抽選を合計で6回行わせることができる。一方で、時短最終変動で時短回数の更新タイミングが第2タイミングに設定された場合は、時短最終変動の開始と同時に時短状態が終了されてしまい、時短最終変動の間に第2特別図柄の保留球を貯めることが困難となることにより、時短回数内で実行可能な2回の第2特別図柄の抽選と、時短回数内における初回の変動表示中に貯まった保留球のうち時短最終変動に対応する保留球以外の保留球(最大3個)とで、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選を合計で最大5回行わせることができる。このため、時短モードにおいても、時短最終変動における時短回数の更新タイミングが第1タイミングであるか第2タイミングであるかに応じて、有利度合いが変化する遊技性を実現することができる。
まず、図668(a)を参照して、時短モードにおける時短最終変動の1回前の変動表示の実行中における演出態様について説明する。図668(a)は、時短最終変動の1回前の変動表示の実行中における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図668(a)に示した通り、本第19制御例では、時短最終変動の1回前の変動から、第2特別図柄の保留球を貯めるために右打ちを行うことを遊技者に対して促す演出が実行される。具体的には、図668(a)に示した通り、時短最終変動の1回前の変動表示が実行されると、主表示領域Dmにおける中央上部に対して、「NEXT 連撃チャンス!!」という文字が付された横長略長方形形状の表示領域HR10が形成される。また、冒険者のキャラクタ811と怪獣のキャラクタ821との間に、残時間表示ga3aの右端が正面視左方向に移動して面積が狭くなると共に、経過時間表示ga3bの面積が大きくなるタイムゲージga3が出現する。また、主表示領域Dmの左側に対して、攻撃アイコン表示領域AI1~AI4が表示される。なお、獲得済みの第2特別図柄の保留球に対応する表示領域には、「?」の文字が付された?アイコンが表示される一方で、未獲得の第2特別図柄の保留球に対応する表示領域は、半透明の点滅表示に設定される。図668(a)では、時短最終変動の1回前の変動表示中に2個目の第2特別図柄の保留球を獲得した状況を例示しており、1個目および2個目の第2特別図柄の保留球に対応する攻撃アイコン表示領域AI1,AI2の2つに対して、保留球を獲得済みであることを示すための?アイコンが表示されている一方で、3個目および4個目の第2特別図柄の保留球に対応する攻撃アイコン表示領域AI3,AI4の2つについては、保留球を未獲得であることを示すための半透明の点滅表示に設定されている。更に、副表示領域Dsに対して、「右打ちで攻撃アイコンを獲得するんだ!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して、タイムゲージga3が示す残時間が残っているうちに右打ちにより第2特別図柄の保留球を貯めて攻撃アイコン表示領域AI1~AI4の全てに対して?アイコンを表示させることを目指させることができる。
図668(b)は、時短モードにおける最終変動の1回前の変動表示において、攻撃アイコン表示領域AI1~AI4に対して?アイコンが表示された(即ち、第2特別図柄の保留球が上限個数まで貯まった)後で実行される攻撃回数上乗せ演出について説明する。本第19制御例では、時短モードの最終変動の1回前の変動表示中に保留球が上限まで貯まった場合に、時短最終変動に対応する保留球の先読み結果から、時短最終変動において設定される時短回数の更新タイミングが第1タイミング(変動停止タイミング)であるか第2タイミング(変動開始タイミング)であるかを判別し、時短最終変動において追加で保留球を貯めることが可能な第1タイミングが設定されると判別した場合は、現在獲得済みの保留球に加えて、時短最終変動において追加で第2特別図柄の保留球を獲得することができることを遊技者に対して報知する演出(攻撃回数上乗せ演出)を実行する構成としている。図668(b)は、この攻撃回数上乗せ演出の実行中における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図668(b)に示した通り、第2特別図柄の保留球が上限個数まで貯まってタイムゲージga3に対して「準備完了」という文字が表示され、攻撃回数上乗せ演出が実行されると、攻撃アイコン表示領域AI4の直上に対して、新たな攻撃アイコン表示領域AI5が半透明の点滅表示(即ち、遊技者に対して攻撃回数が確定していないことを示唆可能な表示態様)にて表示される。また、副表示領域Dsに対して、「右打ちで攻撃回数を上乗せするんだ!」という文字が表示される。これらの表示内容により、右打ちを行うことにより、最終変動において怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を行う回数が更に上乗せされる可能性があるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図669(a)は、攻撃回数上乗せ演出において攻撃回数の上乗せに成功した場合の表示態様の一例を示した図である。図669(a)に示した通り、攻撃回数上乗せ演出の実行中に第2入球口640への入球(オーバー入賞)を検出し、当該オーバー入賞を契機とする判別で上乗せを実行すると判別された場合は、半透明の点滅表示に設定されていた攻撃アイコン表示領域AI5が空欄の実線の表示に切り替えられる。また、副表示領域Dsに対して、「上乗せ成功!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、時短最終変動が開始された後で怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を行う機会が増加して大当たりとなる可能性が高くなったということを遊技者に対して認識させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、攻撃回数上乗せ演出では、時短最終変動の時短回数の更新タイミングが第1タイミング(変動停止タイミング)であり、時短最終変動で追加で保留球を獲得する機会が与えられる場合(即ち、時間的に最も古い第2特別図柄の保留球の先読み結果が外れB、小当たりC62、および小当たりD62のいずれかである場合)は、第2入球口640への入賞を検出する毎に、1/3の抽選確率で、上乗せに成功する演出態様を設定するか否かの抽選が実行される。なお、遊技者が右打ちを行わないか、1/3の抽選を外し続けることで変動停止の1秒前まで上乗せに成功する演出態様が設定されなかった場合は、変動停止の1秒前の時点で強制的に上乗せに成功する演出態様が実行される。一方、時短最終変動の時短回数の更新タイミングが第2タイミング(変動開始タイミング)であり、時短最終変動で追加で保留球を獲得する機会が与えられない場合(即ち、時間的に最も古い第2特別図柄の保留球の先読み結果が大当たり、外れA、小当たりA62、および小当たりB62のいずれかである場合)は、第2入球口640への入賞を検出したとしても、上乗せに成功する演出態様が設定されることはない。この場合、変動停止の1秒前に攻撃アイコン表示領域AI5が消滅する演出が実行され、攻撃回数(残りの第2特別図柄の抽選回数)が4回で確定したということが遊技者に対して報知される。
図669(b)は、時短モードの時短最終変動の開始時における演出態様の一例を示した図である。図669(b)は、時短最終変動の1回前の変動表示中に攻撃回数の上乗せに成功していた状況下で時短最終変動が開始された場合の演出態様を例示している。図669(b)に示した通り、時短モードにおける時短最終変動が開始されると、攻撃アイコン表示領域AI1~AI4に表示されていた?アイコンが、攻撃種別を示すアイコン(実行中の変動表示および第2特別図柄の保留球の抽選結果に対応する種別のアイコン)に変化する演出が実行される。また、表示領域HR10に対して、「右打ちで攻撃アイコンをストックしろ!!」という文字が表示されると共に、冒険者のキャラクタ811と怪獣のキャラクタ821との間に、残時間表示ga3aの右端が正面視左方向に移動して面積が狭くなると共に、経過時間表示ga3bの面積が大きくなるタイムゲージga3が出現する。更に、副表示領域Dsに対して、「攻撃がヒットすればボーナス!?的を倒せばループボーナス!??」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して、攻撃種別を確認させて大当たりおよびループボーナスに当選する期待度を推測させることができると共に、右打ちによって攻撃アイコンを追加で獲得させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、時短最終変動の1回前の変動表示において攻撃回数の上乗せが行われなかった(即ち、時短最終変動が外れB、小当たりC62、および小当たりD62のいずれかである)場合は、表示領域HR10やタイムゲージga3が表示されず、そのまま怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を行う演出に移行する。
次に、図670を参照して、本第19制御例における時短状態Cについて説明する。ここで、本第19制御例における時短状態Cは、上述した第11制御例や第9制御例におけるMAXボーナスモードに相当する遊技状態であるが、本第19制御例では、必ずしも4回の大当たりが確定するわけではない。即ち、時短状態Cにおいて特定の小当たりに当選すると、時短リミット回数に未到達であっても大当たり終了後の状態が強制的に時短モード(時短状態B)に設定される構成としている。言い換えれば、本第19制御例における時短状態Cは、時短リミット回数に到達するか、又は特定の小当たり(小当たりD62)に当選するまで大当たりと時短状態Cとが繰り返される(ループする)遊技状態として構成される。以降の説明では、本第19制御例における時短状態Cのことを、ループモードと称することとする。図670は、本第19制御例において、ループモード(時短状態C)への突入が確定した場合の演出態様の一例を示した図である。図670(a)に示した通り、ループモード(時短状態C)に対応する小当たり(小当たりA62,C62のいずれか)に当選するか、大当たり(1種当たり)に当選した場合は、主表示領域Dmにおいて、怪獣のキャラクタ821を冒険者のキャラクタ811が撃破する演出が実行されると共に、「7」の数字を模した第3図柄が揃う演出が実行される。また、副表示領域Dsにおいて、「ループボーナス確定!!最低保障1200pt!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対してループボーナスに当選したということ、およびループボーナスが終了するまでに最低でも1200個の賞球の払い出しを受けることができるということを容易に理解させることができる。なお、1200個とは、2回の大当たりにおいて払い出される賞球数の下限値である。上述した通り、時短状態C(ループボーナスモード)に移行すると、実質的に次の大当たりまで時短状態が継続するため、少なくとも2回の大当たり当選が確定する上に、2回の大当たりが終了した後も、時短状態Cと大当たりとが繰り返される可能性がある極めて有利な遊技状態を形成する。よって、ループボーナスが報知された場合に、遊技者に対して大きな喜びや満足感を抱かせることができる。
次に、図670(b)を参照して、時短状態C(ループボーナスモード)における演出態様について説明する。ここで、時短状態Cでは、上述した第11制御例や第9制御例と同様に、疑似的に前回の大当たりが継続しているかのように見せる演出(疑似インターバル演出)を実行する構成とすることにより、複数の大当たりをラウンド数の多い1の大当たり遊技に見せる特殊な演出動作を実現している。以降、第11制御例や第9制御例における疑似インターバル演出と異なる点について説明する。
図670(b)は、本第19制御例における時短状態C(ループボーナスモード)で実行される疑似インターバル演出の演出態様の一例を示した図である。図670(b)に示した通り、本第19制御例では、疑似インターバル演出の実行中に、主表示領域Dmにおける右下部分に、縦長略長方形形状の表示領域HR31が形成され、当該表示領域HR31に対して、25%、50%、75%、および100%の4つの目盛りが付された継続メーターKMが表示される。また、副表示領域Dsに対して、「右打ちで継続メーターを100%に維持しろ!」という文字が表示される。これらの表示内容により、右打ちを行うことで継続メーターのメーター量が上昇するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、この継続メーターのメーター量は、第2特別図柄の保留球数に連動して増減する。即ち、第2特別図柄の保留球数が0であれば、メーター量が0%となり、1個であれば、メーター量が25%となり、2個であれば、メーター量が50%となり、3個であれば、メーター量が75%となり、4個であれば、メーター量が100%となる。時短状態Cにおいて、継続メーターによって第2特別図柄の保留球を上限(4個)に維持するように遊技者に対して促す構成とすることにより、時短状態Cにおいて保留球数が少ない状態で大当たりに当選してしまうことを抑制することができる。即ち、大当たりの開始時に第2特別図柄の保留球が上限個数まで貯まっていないと、大当たりが終了するまでの間に第2特別図柄の保留球を獲得する機会がないため、当該大当たりで時短リミット回数に到達していた場合、大当たり終了後の通常状態Bにおいて実行させることができる第2特別図柄の抽選回数が少なくなってしまう不利な状況となってしまう。そこで、本第19制御例では、時短状態Cにおいて、継続メーターを表示させることで第2特別図柄の保留球を上限個数に維持させ易く構成した。これにより、大当たりの開始時に第2特別図柄の保留球数を上限個数にさせ易くすることができるので、通常状態Bにおける第2特別図柄の抽選回数が減ってしまい、遊技者に対して不利益が生じてしまうことを抑制することができる。
次に、図671を参照して、本第19制御例における状態間の移行方法について説明する。ここで、図671に示した通り、本第19制御例では、主として5種類の状態(モード)が設けられている。即ち、普通図柄の通常状態(普通図柄の低確率状態、変動短縮無し、開放延長無し)に設定され、左打ちにより第1特別図柄の抽選を行わせることで遊技を進行する状態(第2特別図柄の抽選を実行不可能(困難)な状態)である通常状態A(通常モード)と、普通図柄の時短状態(普通図柄の高確率状態、変動短縮有り、開放延長有り)に設定され、右打ちにより第2特別図柄の抽選を行わせることで遊技を進行する状態である時短状態A(チャンスモード)、時短状態B(時短モード)、および時短状態C(ループボーナスモード)と、普通図柄の通常状態(普通図柄の低確率状態、変動短縮無し、開放延長無し)に設定され、第2特別図柄の保留球が1以上存在することにより第2特別図柄の抽選が優先的に実行される状態である通常状態B(引き戻しモード)と、が少なくとも設けられている。
ここで、時短状態A~Cは、互いに異なる時短終了条件が設定される点で相違しており、第2入球口640への入球し易さについては共通となっている。より具体的には、時短状態Aでは、特別図柄の変動表示が合計10回実行されることで第1終了条件が成立し、小当たり遊技が1回実行されることで第2終了条件が成立し、第2特別図柄の変動表示が1回実行されることで第3終了条件が成立し、時短最終変動において第2特別図柄の保留球が1個以上貯まることで第4終了条件が成立する。このため、時短状態Aにおいて演出による示唆に従って右打ちを行い続けた場合、1回目の第2入球口640への入球に基づいて第2特別図柄の抽選が実行されて時短最終変動が開始され、当該時短最終変動における時短回数の更新タイミングとして第1タイミング(変動停止タイミング)が設定された場合は、時短最終変動の間に再度第2入球口640へと遊技球が入球することで第2特別図柄の保留球が1個となって時短状態が終了されるように構成されている。一方で、時短最終変動における時短回数の更新タイミングとして第2タイミング(変動開始タイミング)が設定された場合は、時短最終変動の開始と同時に時短状態が終了されるため、時短最終変動の1回のみ、第2特別図柄の抽選が実行されることとなる。換言すれば、チャンスモード(時短状態A)に移行した場合、1回または2回の第2特別図柄の抽選を実行させる機会が与えられる。
また、時短状態Bは、第1および第2終了条件については時短状態Aと共通である一方で、第3終了条件が2回、第4終了条件が65535個に設定されている点で時短状態Aと相違している。このため、時短状態Bにおいて右打ちを行い続けた場合、1回目の第2入球口640への入球に基づいて第2特別図柄の抽選が実行されて1回目の変動表示が開始され、当該1回目の変動表示の間に第2特別図柄の保留球を上限個数(4個)まで貯めた状態で2回目の変動表示を開始させることができる。この2回目の変動表示(即ち時短最終変動)において時短回数の更新タイミングが第1タイミング(変動停止タイミング)に設定された場合は、追加で1個の保留球を獲得する機会を得られる一方で、第2タイミング(変動開始タイミング)に設定された場合は、時短最終変動中に第2特別図柄の保留球を獲得することが不可能となる。これにより、時短状態Bへと移行した場合は、有利な第2特別図柄の抽選の機会を合計5回、または6回得ることができる。更に、時短状態Cでは、特別図柄の変動表示が合計100回実行されることで第1終了条件が成立し、小当たり遊技が1回実行されることで第2終了条件が成立し、第2特別図柄の変動表示が100回実行されることで第3終了条件が成立し、時短最終変動において第2特別図柄の保留球が65535個以上貯まることで第4終了条件が成立する。即ち、大当たりにも小当たりにも当選しない場合、特別図柄の抽選が100回実行されるまで時短状態が継続するように構成されている。ここで、本第19制御例では、第2特別図柄の抽選で大当たり又は小当たりに当選する確率が約1/3に設定されているため、100回の特別図柄の抽選に渡って大当たりにも小当たりにも当選しないという事象は、ほぼ起きることがない極めて低い確率(約2/3の100乗)となる。よって、時短状態Cは、実質的に次回の大当たりが確定するまで継続する時短状態という位置づけである。
まず、図671の上段を参照して、通常状態A(通常モード)から他の状態への移行方法について説明する。図671の上段に示した通り、通常状態A(通常モード)から他の状態には、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。即ち、図671に示した通り、通常状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で約1/320の確率で当選する大当たりとなり、95%の割合で決定される大当たりB62が決定されると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Aに設定される。一方、通常状態Aにおいて大当たりに当選した場合に5%の割合で決定される大当たりA62が決定されると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Aよりも時短状態Bの方が、有利な(実質的な大当たり確率が第1特別図柄の抽選よりも高い)第2特別図柄の抽選機会を多く獲得することができるので、通常状態Aにおいて大当たりに当選した場合は、大当たり種別が大当たりA62であることをより強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図671の中段左側を参照して、時短状態A(チャンスモード)から他の状態への移行方法について説明する。図671の中段左側に示した通り、時短状態A(チャンスモード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図671の中段左側に示した通り、時短状態Aにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図671の中段左側に示した通り、時短状態Aにおいて第2特別図柄の抽選で約1/3の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA62,C62のいずれかとなった場合に、当該小当たりA62,C62において特定領域650e3(図269参照)を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB62,D62のいずれかとなった場合は、当該小当たりB62,D62において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Cは、実質的に次回の大当たりまで継続する有利な遊技状態である一方で、時短状態Bは、有利な第2特別図柄の抽選機会が最大で6回のみ与えられる遊技状態である。つまり、時短状態Bよりも時短状態Cの方が有利であるため、時短状態Aにおいて小当たりに当選した場合に、小当たりA62,C62のいずれかに当選して時短状態Cが設定されることをより強く期待させることができる。これらに対し、時短状態Aにおいて獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化した場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。よって、1回若しくは2回の第2特別図柄の抽選機会の間に約1/3の確率の大当たり又は小当たりに当選することを強く期待させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、厳密には、時短状態Aにおいて1個目の第2特別図柄の保留球を獲得した時点で通常状態に移行しているが、図671では、時短状態Aに移行してから第2特別図柄の保留球を全て消化しきるまでの間を時短状態Aと呼称している。
次に、図671の中段右側を参照して、時短状態B(時短モード)から他の状態への移行方法について説明する。図671の中段右側に示した通り、時短状態B(時短モード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図671の中段右側に示した通り、時短状態Bにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図671の中段右側に示した通り、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で約1/3の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA62,C62のいずれかとなった場合に、当該小当たりA62,C62において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、時短状態Bにおいて獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化した場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。これらに対し、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB62,D62のいずれかとなった場合に、当該小当たりB62,D62において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Bに設定される(時短状態Bをループする)。これらにより、時短状態Bにおいては、時短状態Aと同様に、時短状態の間に獲得した第2特別図柄の保留球で約1/3の確率の小当たり又は大当たりに当選することを強く願うと共に、小当たりに当選した場合は、より有利な時短状態Cに設定されることをより強く願わせる遊技性となるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図671の下から2段目を参照して、時短状態C(ループボーナスモード)から他の状態への移行方法について説明する。図671の下から2段目に示した通り、時短状態C(ループボーナスモード)から他の状態へは、小当たりに当選した場合、および時短リミット回数に到達した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図671の下から2段目に示した通り、時短状態Cにおいて約1/3の確率の大当たり又は小当たりに当選し、時短リミット回数に到達していた場合は、遊技状態が通常状態Bに設定される。また、時短状態Cにおいて小当たりに当選し、当選した小当たり種別が小当たりD62であった場合は、当該小当たりD62において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。これに対して、図671の下から2段目に示した通り、時短状態Cにおいて約1/3の確率の大当たり又は小当たりに当選し、時短リミット回数に未到達であり、且つ、小当たりD62でもない場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Cに設定される(時短状態をループする)。このため、一旦時短状態Cへと移行すると、時短リミット回数に到達するか、小当たりD62に当選するまで、時短様態Cと大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成する。
次に、図671の下段を参照して、通常状態B(引き戻しモード)から他の状態への移行方法について説明する。図671の下段に示した通り、通常状態B(引き戻しモード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および時短状態Cの間に保留されていた第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図671の下段に示した通り、通常状態Bにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図671の下段に示した通り、通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で約1/3の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA62,C62のいずれかとなった場合に、当該小当たりA62,C62において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB62,D62のいずれかとなった場合に、当該小当たりB62,D62において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Bよりも時短状態Cの方が有利であるため、通常状態Bにおいて小当たりに当選した場合に、小当たりA62,C62に当選して時短状態Cが設定されることをより強く期待させることができる。これらに対し、通常状態Bにおいて第2特別図柄の保留球を全て消化した(全て外れとなった)場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。
このように、本第19制御例では、時短状態A、時短状態B、および通常状態Bにおいて、約1/3という高確率で当選する小当たりに当選した場合に、小当たり種別が小当たりA62,C62に決定されるか、小当たりB62,D62に決定されるかによって、遊技者の得られる利益を大幅に異ならせる構成としている。よって、小当たりA62,C62に当選して時短状態Cへと移行し、複数回の大当たりに当選する有利な状態を形成するのか、小当たりB62,D62に当選して時短状態Bへと移行するのかにより注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第19制御例における電気的構成>
次に、図672(a)を参照して、本第19制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図672(a)は、本第19制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図672(a)に示した通り、本第19制御例におけるROM202は、上述した第11制御例におけるROM202の構成(図471(a)参照)に対して、大当たり種別選択テーブル202bHに代えて大当たり種別選択テーブル202tbが設けられている点、時短付与テーブル202eHに代えて時短付与テーブル202teが設けられている点、小当たり種別選択テーブル202fHに代えて小当たり種別選択テーブル202tfが設けられている点、および外れ種別選択テーブル202Haに代えて外れ種別選択テーブル202tHaが設けられている点で相違している。その他の構成については上述した第11制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図672(b)を参照して、本第19制御例における大当たり種別選択テーブル202tbの詳細について説明する。図672(b)は、この大当たり種別選択テーブル202tbの規定内容を示した図である。図672(b)に示した通り、本第19制御例における大当たり種別選択テーブル202tbには、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA62、および大当たりB62の2種類が規定されており、第2特別図柄の大当たり種別として大当たりC62の1種類が規定されている。図672(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対して、「大当たりA62」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~99」の範囲に対して、「大当たりB62」が対応付けて規定されている。「大当たりA62」は、ラウンド数が4ラウンドであり、基本的に、大当たり終了後の遊技状態が時短状態B(第2特別図柄の抽選機会が最大で5回与えられる時短状態)に設定される大当たり種別である。また、「大当たりB62」は、ラウンド数が4ラウンドであり、基本的に、大当たり終了後の遊技状態が時短状態A(第2特別図柄の抽選機会が最大で2回与えられる時短状態)に設定される大当たり種別である。このため、ラウンド数の面では「大当たりA62」と「大当たりB62」とに差が無いが、大当たり終了後の遊技状態の面では、「大当たりA62」の方が有利な第2特別図柄の抽選機会を「大当たりB62」よりも2回分多く付与され得るため、「大当たりA62」は、「大当たりB62」よりも有利度合いが高い大当たり種別である。
第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA62」および「大当たりB62」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ5個および95個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA62」、「大当たりB62」に当選する割合は、それぞれ5%および95%である。よって、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、比較的低確率(5%の割合)で有利度合いが高い時短状態Bが設定され、比較的高確率(95%の割合)で有利度合いが低い時短状態Aが設定される。なお、これは通常状態に限った話であり、時短状態において「大当たりA62」または「大当たりB62」に当選した(大当たりが開始された)場合は、時短リミット回数に到達していないことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図672(b)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、「大当たりC62」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲に「大当たりC62」が対応付けられているため、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、必ず「大当たりC62」が決定される。この「大当たりC62」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別である。ラウンド数は他の大当たりと共通であるが、大当たり終了後の遊技状態が最も有利度合いが高い時短状態Cに設定されるため、全ての大当たり種別の中で最も有利な大当たり種別である。
なお、これらの「大当たりA62」~「大当たりC62」に加えて、本第19制御例では「大当たりD62」も設けられている。「大当たりD62」は、小当たりに当選し、小当たり種別として小当たりB62、または小当たりD62が決定されて、当該小当たりB62,D62の小当たり遊技中に特定領域650e3を通過した場合に当選する大当たり種別であり、大当たり終了後の遊技状態が、基本的に時短状態Bに設定される4ラウンド大当たりである。なお、時短状態において「大当たりD62」に当選した場合は、他の大当たり種別と同様に、時短リミット回数に到達していないことを条件として時短状態Bが設定される。次に、図673(a)を参照して、本第19制御例における時短付与テーブル202teの詳細について説明する。この時短付与テーブル202teは、上述した第11制御例における時短付与テーブル202eH(図472(a)参照)と同様に、時短状態を設定する際に、当該時短状態の設定契機に応じた時短状態の終了条件を設定するために参照されるデータテーブルである。図673(a)は、この時短付与テーブル202teの規定内容を示した図である。
図673(a)に示した通り、本第19制御例における時短付与テーブル202teには、大当たり種別毎に、時短終了条件の成立有無を判定する際に参照される各カウンタの値が対応付けられて規定されている。なお、図673(a)に示した通り、本第19制御例では、時短終了条件の成立有無を判定するためのカウンタとして、上述した第11制御例と同様に、時短カウンタ203hと、小当たりカウンタ203sと、特図2カウンタ203tと、規定保留球数カウンタ203kaと、の4つが設けられている。時短カウンタ203hは、時短状態が設定された後で実行された特別図柄の抽選回数に対応する終了条件(第1終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、小当たりカウンタ203sは、時短状態が設定された後で実行された小当たり遊技の回数に対応する終了条件(第2終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、特図2カウンタ203tは、時短状態が設定された後で実行された第2特別図柄の抽選回数に対応する終了条件(第3終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、規定保留球数カウンタ203kaは、時短状態の最後の変動表示の実行中に貯まった第2特別図柄の保留球の個数に対応する終了条件(第4終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタである。図673(a)に示した通り、本第19制御例では、大当たり種別として「大当たりA62」~「大当たりD62」の4種類が設けられており、時短付与テーブル202teには、各大当たり種別に対して、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tの値、および規定保留球数カウンタ203kaの値(即ち、第1から第4終了条件)が対応付けて規定されている。
図673(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりA62」および「大当たりD62」のいずれかに対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「2」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「大当たりA62」および「大当たりD62」のいずれかに当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数10回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数2回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数65535個が設定されている。つまり、時短状態Bに設定される。この時短状態Bにおいて継続的に右打ちを行い続け、1回目の第2特別図柄の抽選が外れとなり、2回目(即ち、時短最終変動)の第2特別図柄の抽選結果が外れBになった場合は、時短最終変動において変動開始タイミングで時短回数が減算されることで時短状態が終了されるため、時短状態Bが開始されてから時短内に獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化するまでに最大で6回の第2特別図柄の抽選を実行させることが可能となる。一方で、1回目の第2特別図柄の抽選が外れとなり、2回目の第2特別図柄の抽選結果が外れAになった場合は、時短最終変動が終了するまで時短回数が更新されないため、時短状態Bが開始されてから時短内に獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化するまでに最大で6回の第2特別図柄の抽選を実行させることが可能となる。よって、時短状態Bに移行した後、2回目の第2特別図柄の抽選結果が外れBであるか否かに応じて、第2特別図柄の抽選回数を異ならせることができるので、外れBとならないことを強く期待させる遊技性を実現することができる。
一方、図673(a)に示した通り、「大当たりA62」および「大当たりD62」のいずれかに当選した時点の遊技状態が時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。このため、時短状態において「大当たりA62」および「大当たりD62」のいずれかに当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数100回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数100回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数65536個が設定されている。つまり、時短状態Cに設定される。時短状態Cでは、大当たり又は実質的に大当たりが確定する小当たりに約1/3の確率で当選するため、時短状態の最終変動まで時短状態が継続する可能性はほぼ無く、第2終了条件、または大当たり当選に基づいて時短状態が終了される。
また、図673(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりB62」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「1」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「1」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「大当たりB62」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数10回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数1回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数1個が設定されている。つまり、時短状態Aに設定される。この時短状態Aにおいて継続的に右打ちを行い続け、1回目(即ち、時短最終変動)の第2特別図柄の抽選結果が外れBになった場合は、時短最終変動において変動開始タイミングで時短回数が減算されることで時短状態が終了されるため、外れA変動中に1個の第2特別図柄の保留球も獲得できずに時短状態が終了される。つまり、時短状態Bが開始されてから時短内に獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化するまでに1回しか第2特別図柄の抽選を実行させることができない。これに対し、1回目の第2特別図柄の抽選結果が外れAになった場合は、時短最終変動が終了するか、規定の第2特別図柄の保留球数(1個)に到達するまで時短回数が更新されないため、最終変動において追加で1個の第2特別図柄の保留球を獲得することができ、時短状態Aが開始されてから時短内に獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化するまでに最大で2回の第2特別図柄の抽選を実行させることが可能となる。よって、時短状態Aに移行した後、1回目の第2特別図柄の抽選結果が外れBであるか否かに応じて、第2特別図柄の抽選回数を異ならせることができるので、外れBとならないことを強く期待させる遊技性を実現することができる。
一方、図673(a)に示した通り、「大当たりB62」当選時の遊技状態が時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。つまり、「大当たりA62」や「大当たりD62」と同様に、時短状態Cが設定される。また、図673(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりC62」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。つまり、時短状態において「大当たりA62」や「大当たりB62」や「大当たりD62」に当選した場合と同様に、時短状態Cが設定される。このように、本第19制御例では、第11制御例と同様に、通常状態において大当たりに当選した場合に、大当たり種別に応じて、時短状態A~Cのいずれかが設定される一方で、時短状態において大当たりに当選した場合には、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な時短状態Cに設定されるように構成している。これにより、通常状態において直接または小当たり経由で大当たりに当選した場合は、大当たりの種別に注目して遊技を行わせることができる。また、時短状態において大当たりに当選した場合は、ほぼ(95%の割合で)、最も有利な時短状態Cが設定されるため、遊技者に対して安心感を抱かせながら遊技を行わせることができる。なお、上述した通り、時短状態Cにおいて大当たりに当選したとしても、時短リミット回数に到達していれば、大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定される。また、時短状態Cにおいて小当たりD62に当選した場合は、小当たり遊技の開始時に小当たりが終了されて通常状態において大当たりD62の実行が設定されるため、大当たりD62の終了後の遊技状態が時短状態B62に設定される。即ち、時短リミット回数に未到達であるか否かにかかわらず、有利度合いが比較的低い時短状態に転落(格下げ)されてしまう。
次に、図673(a)を参照して、本第62御例における小当たり種別選択テーブル202tfの詳細について説明する。この小当たり種別選択テーブル202tfは、上述した第11制御例における小当たり種別選択テーブル202fH(図472(b)参照)と同様に、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に小当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図673(b)は、この小当たり種別選択テーブル202tfの規定内容を示した図である。図673(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0~43」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりA62」が対応付けて規定されており、小当たり種別カウンタC5の値が「44~84」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりB62」が対応付けて規定されており、小当たり種別カウンタC5の値が「85~94」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりC62」が対応付けて規定されており、小当たり種別カウンタC5の値が「95~99」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりD62」が対応付けて規定されている。ここで、「小当たりA62」~「小当たりD62」は、全て、小当たり遊技の実行中に右打ちを行い続けるだけで、容易に特定領域650e3へと遊技球を入球させることができる小当たり種別であり、「小当たりA62」、および「小当たりC62」において特定領域650e3へと遊技球が入球した場合は大当たりC62に当選する一方で、「小当たりB62」、および「小当たりD62」において特定領域650e3へと遊技球が入球した場合は大当たりD49に当選するように構成されている。
大当たりC62は、上述した通り、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別であり、大当たりD62は、通常状態において当選した場合に大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される一方で、時短状態において当選した場合に大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別である。また、いずれの大当たりも、大当たりのラウンド数が4ラウンドである。よって、大当たりC62の方が大当たりD62よりも有利度合いが高くなるので、通常状態において当選する小当たりとしては、小当たりA62および小当たりC62の方が、小当たりB62および小当たりD62よりも有利度合いが高くなる。また、時短状態C(ループボーナスモード)では、小当たりA62,B62に当選した場合に、時短リミット回数に到達していないことを条件として大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定され、小当たりC62に当選した場合には、時短リミット回数がクリアされた上で大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定され、小当たりD62に当選した場合には、時短リミット回数がクリアされた上で大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。つまり、小当たりC62および小当たりD62に当選した場合は、小当たり遊技の開始時に小当たりカウンタ203sの値が減算されて時短状態が終了される(他の小当たり種別では、V入賞が発生して大当たり遊技の実行を設定した後で時短状態が終了される)。言い換えれば、時短状態Cにおいて小当たりC62,D62に当選し、V入賞が発生して実行が設定された大当たりは、通常状態において当選した(実行が設定された)大当たりとして取り扱われ、時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされる。これにより、ループボーナスモードにおいて小当たりC62に当選した場合は、他の小当たりよりも有利度合いが高くなる。一方で、ループボーナスモードにおいて小当たりD62に当選した場合は、時短状態Cへと移行し得ないため、有利度合いが低くなる。
また、「小当たりA62」および「小当たりB62」は、第1タイミング(変動停止タイミング)で時短回数(時短カウンタ203h、特図2カウンタ203t)が更新(減算)される種別の小当たりであり、「小当たりC62」、および「小当たりD62」は、第2タイミング(変動開始タイミング)で時短回数(時短カウンタ203h、特図2カウンタ203t)が更新(減算)される種別の小当たりである。つまり、時短状態Aや時短状態Bの最終変動で小当たりA62や小当たりB62になると、後述する外れAになった場合と同様に、第2特別図柄の保留球を最大限貯めることができる。一方、小当たりC62や小当たりD62になると、後述する外れBになった場合と同様に、貯めることができる第2特別図柄の保留球数が少なくなる。よって、小当たり種別に応じて、時短状態Aや時短状態Bにおける有利度合いを可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、時短最終変動において変動開始タイミングで時短状態が終了された場合に、外れの可能性も小当たりの可能性もあるように構成することで、変動開始タイミングで時短状態が終了されたとしても、当該変動において小当たりC62や小当たりD62に当選していることを遊技者に対して期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりA62」、「小当たりB62」、「小当たりC62」、および「小当たりD62」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)がそれぞれ44個、41個、10個、および5個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に「小当たりA62」、「小当たりB62」、「小当たりC62」、および「小当たりD62」が決定される割合は、それぞれ44%(44/100)、41%(41/100)、10%(10/100)、および5%(5/100)である。つまり、大当たりC62に対応する小当たり(小当たりA62,C62)の合算の割合は54%となり、大当たりD62に対応する小当たり(小当たりB62,D62)の合算の割合は46%となる。また、時短回数の更新タイミングが第1タイミングに設定される小当たり(小当たりA62,B62)の合算の割合は85%となり、時短回数の更新タイミングが第2タイミングに設定される小当たり(小当たりC62,D62)の合算の割合は15%となる。次に、図674を参照して、本第19制御例における外れ種別選択テーブル202tHaの詳細について説明する。この外れ種別選択テーブル202tHaは、特別図柄の抽選で外れとなった場合に外れ種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図674は、この外れ種別選択テーブル202tHaの規定内容を示した図である。図674に示した通り、第1特別図柄の完全外れ種別として、外れ種別カウンタC7の取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、外れ種別として「外れA」が対応付けて規定されている。この「外れA」は、変動停止時に時短回数(特図2カウンタ203tや時短カウンタ203h)が減算される外れ種別である。
また、図674に示した通り、第2特別図柄の完全外れ種別として、外れ種別カウンタC7の値が「0~97」の範囲に、外れ種別として「外れA」が対応付けて規定され、「98,99」の範囲に、外れ種別として「外れB」が対応付けて規定されている。この「外れB」は、変動開始時に時短回数(特図2カウンタ203tや時短カウンタ203h)が減算される外れ種別であるため、時短回数が1回に設定される(特図2カウンタ203tが1に設定される)時短状態Aや時短回数が2回に設定される(特図2カウンタ203tが2に設定される)時短状態Bにおいて、時短最終変動で特別図柄の抽選結果が外れBになった場合は、第2タイミング(変動開始タイミング)で時短状態が終了され、時短最終変動の間に第2特別図柄の保留球を貯める機会が得られなくなる。よって、特に、時短状態Aや時短状態Bにおいて時短最終変動における第2特別図柄の抽選が外れBであるか、それ以外の抽選結果であるかによって、遊技者の有利度合いが大幅に変わるので、外れの種別にも注目して遊技を行わせることができる。外れ種別カウンタC7の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、第2特別図柄の「外れA」、および「外れB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)がそれぞれ98個、および2個であるので、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合に「外れA」、および「外れB」が決定される割合は、それぞれ98%(98/100)、および2%(2/100)である。上述した通り、小当たり当選時に第2タイミングで時短回数が更新される(小当たりC62,D62のいずれかが決定される)割合は15%である一方で、外れとなった場合に第2タイミングで時短回数が更新される(外れBが決定される)割合は2%であるため、時短最終変動において第2タイミングで時短回数が更新された場合に、小当たりである期待感を遊技者に対してより強く抱かせることができる。よって、第2特別図柄の保留球を貯める機会が第1タイミングで時短回数が更新される抽選結果に比較して少なくなったとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図675を参照して、本第19制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図675は、本第19制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図675に示した通り、本第19制御例におけるRAM223は、上述した第11制御例におけるRAM223の構成(図473参照)に対して、ループ回数カウンタ223tHaが追加されている点、および残当たり回数カウンタ223kb、残突破回数カウンタ223Haが削除されている点で相違している。ループ回数カウンタ223tHaは、ループボーナスモードへと移行した後における大当たりの当選回数を示すカウンタである。このループ回数カウンタ223tHaのカウンタ値に応じて、見た目上の大当たりのラウンド数を設定する。即ち、本第19制御例では、ループボーナスモードに移行してからループボーナスモードが終了されるまでを1の大当たりかのように見せる演出を実行する構成としている。このため、大当たりのラウンド数を設定する際は、ループボーナスモード中に既に終了された大当たりの回数と、実際の大当たりのラウンド数とを加味したラウンド数を設定する(実際のラウンド数+既に終了された大当たりの回数×4を見かけ上のラウンド数として設定する)構成としている。これにより、1の大当たりであるかのように遊技者に対して思わせ易くすることができるので、より好適な演出態様を実現することができる。
<第19制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図676から図678を参照して、本第19制御例における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。まず、図676を参照して、本第19制御例における特別図柄判定処理(S211K)の詳細について説明する。この特別図柄判定処理(S211K)は、上述した第11制御例における特別図柄判定処理(図474参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄判定処理(図474参照)と同様に、特別図柄の抽選を実行するための処理である。図676は、この特別図柄判定処理(S211K)の内容を示したフローチャートである。この第19制御例における特別図柄判定処理(図676参照)のうち、S301~S305の各処理では、それぞれ上述した第11制御例における特別図柄判定処理(図474参照)のS301~S305の各処理と同一の処理が実行される。また、本第19制御例における特別図柄判定処理(図676参照)では、S303の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S303:No)、外れ時の各種設定を行うための外れ時処理を実行し(S311K)、本処理を終了する。この外れ時処理(S311K)の詳細について、図677を参照して説明する。図677は、外れ時処理(S311K)を示すフローチャートである。この外れ時処理(S311K)は、上述した第11制御例における外れ時処理(図475参照)に代えて実行される処理であり、外れ時処理(図475参照)と同様に、外れ種別を決定して外れ種別に応じた制御を行うための処理である。
この第19制御例における外れ時処理(図677参照)のうち、S331G~S341Gの各処理では、それぞれ上述した第11制御例における外れ時処理(図475参照)のS331G~S341Gの各処理と同一の処理が実行される。また、本第19制御例における外れ時処理(図677参照)では、まず、抽選結果が小当たりでるかを判別し(S321K)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S321K:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S322K)、小当たり種別カウンタC5の値に基づいて小当たり種別選択テーブル202tf(図673(b)参照)から対応する小当たり種別を特定し、当該小当たり種別に対応する図柄を第1図柄表示装置に表示する小当たり図柄としてセットする(S323K)。S323Kの処理が終了すると、次いで、小当たり種別が小当たりB62又はD62であるかを判別する(S324K)。S324Kの処理において、小当たり種別が小当たりB62,D62のいずれでもないと判別した場合には(S324K:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S324Kの処理において、小当たり種別が小当たりB62又はD62のいずれかであると判別した場合には(S324K:Yes)、次いで、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であるかを判別する(S325K)。S325Kの処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S325K:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S325Kの処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であると判別した場合には(S325K:Yes)、処理をS335Gへと移行させることにより、時短カウンタ203hや特図2カウンタ203tの更新を設定する。つまり、第1タイミング(変動開始タイミング)での時短回数の更新を設定する。これに対し、S321Kの処理において、抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S321K:No)、処理をS331Gへと移行する。
この外れ時処理(図677参照)を実行することにより、外れB、小当たりB62、および小当たりD62のいずれかとなった場合に、第1タイミング(変動開始タイミング)で時短回数の更新をすることができるので、時短状態Aや時短状態Bの時短最終変動において、第1タイミング(変動開始タイミング)で時短状態が終了されることにより、時短最終変動中に第2特別図柄の保留球が貯め難くなる第1の状況と、第1タイミングよりも遅い第2タイミング(変動停止タイミング)で時短状態が終了されることにより、時短最終変動中に第2特別図柄の保留球を貯め易くなる第2の状況と、を成立させることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。次に、本第19制御例における小当たり時短更新処理(S611K)の詳細について説明する。この小当たり時短更新処理(S611K)は、上述した第11制御例における小当たり時短更新処理(図477参照)に代えて実行される処理であり、小当たり時短更新処理(図477参照)と同様に、小当たり当選に基づいて時短終了条件を判定するための各種カウンタ値を更新すると共に、時短終了条件が成立したと判定した場合に時短状態を終了させるための処理である。図678は、この小当たり時短更新処理(S611K)の内容を示したフローチャートである。この第19制御例における小当たり時短更新処理(図678参照)のうち、S701~S704、S706、S712AおよびS713Aの各処理では、それぞれ上述した第11制御例における小当たり時短更新処理(図477参照)のS701~S704、S706、S712AおよびS713Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第19制御例における小当たり時短更新処理(図678参照)では、S701の処理において、小当たり当選であると判別した場合には(S701:Yes)、次いで、ループボーナスモードであるかを判別し(S711K)、ループボーナスモードであると判別した場合には(S711K:Yes)、小当たりC62又はD62であるかを判別する(S712K)。
S712Kの処理において、小当たりC62又はD62ではないと判別した場合には(S712K:No)、処理をS712Aへと移行する。即ち、小当たり遊技の開始タイミングでは時短状態を終了させず、V入賞を検出して大当たり遊技の実行を設定するまで時短状態を継続させるための制御を行う。一方、S712Kの処理において、小当たりC62又はD62であると判別した場合には(S712K:Yes)、処理をS702へと移行する。即ち、小当たり遊技の開始タイミングで時短状態を終了させるための制御(大当たり遊技の実行を設定するよりも前に時短状態が終了した状態とさせるための制御)を実行する。これに対し、S711Kの処理において、ループボーナスモードではないと判別した場合には(S711K:No)、処理をS702へと移行する。即ち、小当たり遊技の開始タイミングで時短状態を終了させるための制御(大当たり遊技の実行を設定するよりも前に時短状態が終了した状態とさせるための制御)を実行する。
この小当たり時短更新処理(図678参照)を実行することにより、ループボーナスモード(時短状態C)以外の状態で小当たりに当選した場合、およびループボーナスモードで小当たりC62,D62のいずれかに当選した場合は、小当たり開始時に時短状態を終了させることで大当たりの実行を設定する時点が通常状態となるように制御できる一方で、ループボーナスモードにおいて小当たりA62,B62に当選した場合は、大当たり遊技の実行を設定するまで時短状態を継続させることができる。即ち、ループボーナスモード以外の遊技状態(通常状態、時短状態A、および時短状態B)で小当たりに当選するよりも、ループボーナスモードにおいて小当たりに当選した方が、大当たり終了後にループボーナスモードに設定される割合を大幅に高くすることができる。具体的には、ループボーナスモードでは小当たりA62,C62のどちらかとなった場合にのみループボーナスモードへと移行するため、ループボーナスモードへの移行割合が54%に過ぎない一方で、ループボーナスモードでは、小当たりD62以外の小当たりとなった場合にループボーナスモードをループするため、ループボーナスモードのループ割合が95%まで上昇する構成とすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第19制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図679から図686を参照して、本第19制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図679を参照して、本第19制御例(第9制御例)におけるコマンド判定処理(図400)の一処理である入賞情報コマンド処理(S3211K)の詳細について説明する。図679は、この入賞情報コマンド処理(S3211K)を示すフローチャートである。この第19制御例における入賞情報コマンド処理(図679参照)のうち、S5801A、およびS5807A~S5810Aの各処理では、それぞれ上述した第11制御例における入賞情報コマンド処理(図478参照)のS5801A、およびS5807A~S5810Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第19制御例における入賞情報コマンド処理(図679参照)では、S5801Aの処理を実行した後、現在の遊技状態がチャンスモード(時短状態A)であるか否かを判別し(S5811K)、チャンスモードであると判別した場合には(S5811K:Yes)、チャンスモードにおいて始動入賞を検出した場合に対応する演出を設定するためのチャンスモード時処理を実行し(S5812K)、処理をS5810Aへと移行する。なお、このチャンスモード時処理(S5812K)の詳細については、図680を参照して後述する。一方、S5811Kの処理において、現在の遊技状態がチャンスモード(時短状態A)ではないと判別した場合には(S5811K:No)、次いで、現在の遊技状態が時短モード(時短状態B)であるか否かを判別し(S5813K)、時短モードであると判別した場合には(S5813K:Yes)、時短モードにおいて始動入賞を検出した場合に対応する演出を設定するための時短モード時処理を実行し(S5814K)、処理をS5810Aへと移行する。なお、この時短モード時処理(S5814K)の詳細については、図681を参照して後述する。
これに対し、S5813Kの処理において、現在の遊技状態が時短モードではないと判別した場合には(S5813K:No)、現在の遊技状態がループボーナスモード(時短状態C)であるか否かを判別し(S5815K)、ループボーナスモードであると判別した場合には(S5815K:Yes)、保留球数に応じて継続メーターKMのメーター量を更新し(S5816K)、処理をS5810Aへと移行する。具体的には、今回の始動入賞によって第2特別図柄の保留球数が1個になった場合は継続メーターKMのメーター量を25%に設定し、第2特別図柄の保留球数が2個になった場合は継続メーターKMのメーター量を50%に設定し、第2特別図柄の保留球数が3個になった場合は継続メーターKMのメーター量を75%に設定し、第2特別図柄の保留球数が4個になった場合は継続メーターKMのメーター量を100%に設定する。これらに対し、第1特別図柄の始動入賞を検出した場合は、継続メーターKMのメーター量が変更されずに維持される。一方、S5815Kの処理において、ループボーナスモードではないと判別した場合には(S5815K:No)、処理をS5807Aへと移行する。この入賞情報コマンド処理(図679参照)によって継続メーターKMを更新することにより、ループボーナスモードにおいて継続メーターKMのメーター量を100%に維持しようと遊技者に対して積極的に右打ちを行わせ続けることができる。よって、ループボーナスモードにおいて大当たり当選時に第2特別図柄の保留球が上限個数まで貯まった状態となる可能性をより高めることができるので、大当たり当選時に時短リミット回数に到達して通常状態B(引き戻しモード)へと移行する際に、保留球数が上限個数となっている可能性をより高めることができる。よって、通常状態Bに移行した時点の保留球数が少なくなってしまい、遊技者に対して損をさせてしまうことを抑制することができる。
次に、図680を参照して、上述した入賞情報コマンド処理(図679参照)の一処理であるチャンスモード時処理(S5812K)について説明をする。図680は、このチャンスモード時処理(S5812K)の内容を示したフローチャートである。このチャンスモード時処理(S5812K)では、まず、攻撃アイコン選択テーブル222ka(図388(b)参照)を読み出して(S5831K)、その読み出した攻撃アイコン選択テーブル222kaを参照して、入賞情報コマンドにより通知された抽選結果と第1演出カウンタ223f1の値とに応じたアイコン種別を決定し(S5832K)、次いで、初回入賞済フラグ223Hcがオンであるかを判別する(S5833K)。S5833Kの処理において、初回入賞済フラグ223Hcがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5833K:No)、チャンスモードに移行した後、最初の始動入賞を検出したことを意味するため、初回入賞済フラグ223Hcをオンに設定し(S5834K)、処理をS5835Kへと移行する。S5835Kの処理では、今回検出した始動入賞が外れB、小当たりC,Dのいずれかに対応する入賞情報であるか(即ち、変動開始タイミングで時短回数が更新される抽選結果であるか)を判別し(S5835K)、外れB、小当たりC,Dのいずれかに対応する入賞情報ではない(即ち、変動停止タイミングで時短回数が更新される抽選結果である)と判別した場合には(S5835K:No)、連撃演出の報知を設定し(S5836K)、決定したアイコン種別を報知する報知演出を設定する(S5838K)。次いで、決定したアイコン種別に応じて情報格納エリアの情報を更新し(S5839K)、本処理を終了する。一方、S5835Kの処理において、外れB、小当たりC,Dのいずれかに対応する入賞情報である(即ち、変動開始タイミングで時短回数が更新される抽選結果である)と判別した場合には(S5835K:Yes)、一撃演出の報知を設定し(S5837K)、本処理を終了する。なお、図示については省略したが、これらの処理は第2特別図柄の始動入賞に対して行われ、第1特別図柄の始動入賞に対しては特段の演出の設定は行われない。
これに対し、S5833Kの処理において、初回入賞済フラグ223Hcがオンであると判別した場合には(S5833K:Yes)、時短最終変動において追加で第2特別図柄の保留球を獲得したことを意味するため、処理をS5838Kへと移行して、連撃演出における2回目の攻撃に対応する攻撃アイコンを報知する演出を実行する。このチャンスモード時処理(図680参照)を実行することにより、時短回数が1回のチャンスモード(時短状態A)における初回の始動入賞を検出した場合に、当該始動入賞が、第1タイミング(変動停止タイミング)で時短回数が更新される抽選結果に対応する始動入賞であるか、第2タイミング(変動開始タイミング)で時短回数が更新される抽選結果に対応する始動入賞であるかに応じて演出態様を異ならせることができるので、演出態様をより好適に設定することができる。次に、図681を参照して、上述した入賞情報コマンド処理(図679参照)の一処理である時短モード時処理(S5814K)について説明をする。図681は、この時短モード時処理(S5814K)の内容を示したフローチャートである。この時短モード時処理(S5814K)では、まず、今回の始動入賞が時短モードにおける1回目の変動表示の間に検出された(若しくは時短モードにおける初回の)始動入賞であるか否かを判別し(S5851K)、1回目の変動表示の間に検出された(若しくは初回の)始動入賞であると判別した場合には(S5851K:Yes)、新たな?アイコンの獲得を報知する報知演出を設定し(S5852K)、処理をS5856Kへと移行する。一方、S5851Kの処理において、現在が1回目の変動表示の実行中ではない(即ち、時短最終変動の実行中である)と判別した場合には(S5851K:No)、攻撃アイコン選択テーブル222kaを読み出し(S5853K)、入賞情報コマンドにより通知された抽選結果と第1演出カウンタ223f1の値とに応じたアイコン種別を決定する(S5854K)。次いで、決定したアイコン種別を報知する報知演出を設定し(S5855K)、決定したアイコン種別に応じて情報格納エリアの情報を更新し(S5856K)、本処理を終了する。
この時短モード時処理(図681参照)を実行することにより、時短モードにおける初回の変動表示が終了するまでは、第2特別図柄の保留球数のみを?アイコンの個数によって遊技者に示唆する構成とし、時短最終変動が開始されてから実際の攻撃方法を遊技者に対して報知することができる。よって、1回目の変動表示中に攻撃方法に遊技者が気をとられてしまい、第2特別図柄の保留球を上限個数まで貯め忘れてしまうことをより確実に防止することができるので、より好適な演出態様を実現することができる。次に、図682を参照して、本第19制御例における大当たり関連処理(S3411K)について説明をする。この大当たり関連処理(S3411K)は、上述した第11制御例における大当たり関連処理(図480参照)に代えて実行される処理であり、大当たり関連処理(図480参照)と同様に、主制御装置110から大当たり関連のコマンドを受信した場合に、受信したコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。図682は、この大当たり関連処理(S3411K)を示すフローチャートである。
この第19制御例における大当たり関連処理(図682参照)のうち、S3603,S3605,S3606,S3610,S3614および3625Aの各処理では、それぞれ上述した第11制御例における大当たり関連処理(図480参照)のS3603,S3605,S3606,S3610,S3614および3625Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第19制御例における大当たり関連処理(図682参照)では、S3603の処理において、主制御装置110からオープニングコマンドを受信したと判別した場合に(S3603:Yes)、大当たり種別とループ回数カウンタ223tHaの値とに応じたオープニング演出を決定し(S3611K)、決定した演出態様に対応する表示用オープニングコマンドを設定する(S3612K)。S3612Kの処理では、ループボーナスモードへと移行する大当たりであれば、初回の大当たりの場合にのみループボーナス用のオープニング演出を設定し、ループボーナスモードにおける2回目移行の大当たりについては、ループ回数カウンタ223tHaの値に応じたラウンド数の疑似インターバル演出を設定する。また、チャンスモードや時短モードへと移行する種別の大当たりであれば、通常の大当たり演出を設定する。S3612Kの処理が終了すると、次いで、ループボーナスモードの初回大当たりであるかを判別する(S3613K)。S3613Kの処理において、ループボーナスモードの初回大当たりであると判別した場合には(S3613K:Yes)、ループ回数カウンタ223tHaに1を設定し(S3614K)、処理をS3614へと移行する。一方、S3613Kの処理において、ループボーナスモードの初回大当たりではないと判別した場合には(S3613K:No)、S3614Kの処理をスキップし、処理をS3614へと移行する。また、S3610の処理において、エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S3610:Yes)、エンディングコマンド処理を実行し(S3615K)、処理をS3614へと移行する。このエンディングコマンド処理(S3615K)の詳細について、図683を参照して説明する。
図683は、このエンディングコマンド処理(S3615K)の内容を示したフローチャートである。このエンディングコマンド処理(S3615K)では、まず、ループ回数カウンタ223tHaの値が0より大きい値であるかを判別し(S5911K)、ループ回数カウンタ223tHaの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S5911K:No)、ループボーナスモード中の(若しくはループボーナスモードの初回の)大当たりではないことを意味するため、当たり種別に応じたエンディング演出を示す表示用エンディングコマンドを設定し(S5912K)、本処理を終了する。一方、S5911Kの処理において、ループ回数カウンタ223tHaの値が0より大きい値である(即ち、ループボーナスモード中である)と判別した場合には(S5911K:Yes)、ループ回数カウンタ223tHaの値が1であるかを判別し(S5913K)、ループ回数カウンタ223tHaの値が1であると判別した場合には(S5913K:Yes)、継続確定のエンディング演出を示す表示用エンディングコマンドを設定し(S5914K)、本処理を終了する。一方、S5913Kの処理において、ループ回数カウンタ223tHaの値が1ではないと判別した場合には(S5913K:No)、小当たりD62経由の大当たりであるかを判別し(S5915K)、小当たりD62経由の大当たり(時短モードへと転落する種別の大当たり)ではないと判別した場合には(S5915K:No)、時短リミットに到達したかを判別する(S5916K)。S5916Kの処理において、時短リミットに到達したと判別した場合(S5916K:Yes)、および、S5915Kの処理において、小当たりD62経由の大当たりであると判別した場合には(S5915K:Yes)、ループボーナスの収量を設定するためのループボーナス終了処理を実行し(S5917K)、本処理を終了する。なお、ループボーナス終了処理(S5917K)の詳細については、図684を参照して後述する。
一方、S5916Kの処理において、時短リミットに到達していないと判別した場合には(S5916K:No)、ループ回数カウンタ223tHaの値に1を加算し(S5918K)、次いで、継続メーターのメーター量が0%であるかを判別し(S5919K)、継続メーターのメーター量が0%であると判別した場合には(S5919K:Yes)、終了アイコンのみの継続ジャッジ演出で逆転演出により継続が報知される演出態様を示す表示用エンディングコマンドを設定し(S5920K)、本処理を終了する。これに対し、S5919Kの処理において、継続メーターのメーター量が0%ではないと判別した場合には(S5919K:No)、継続が報知される継続ジャッジ演出を伴うエンディング演出を示す表示用エンディングコマンドを設定し(S5921K)、本処理を終了する。次に、図684を参照して、上述したエンディングコマンド処理(図683参照)の一処理であるループボーナス終了処理(S5917K)について説明をする。図684は、このループボーナス終了処理(S5917K)の内容を示したフローチャートである。この第19制御例におけるループボーナス終了処理(図684参照)のうち、S5931G~S5936G,S5940Gおよび5941Gの各処理では、それぞれ上述した第11制御例におけるMAXボーナス終了処理(図483参照)のS5931G~S5936G,S5940Gおよび5941Gの各処理と同一の処理が実行される。また、本第19制御例におけるループボーナス終了処理(図684参照)が実行されると、まず、小当たりD62を経由した大当たりであるか否かを判別し(S5931K)、小当たりD62経由の大当たりであると判別した場合は(S5931K:Yes)、継続ジャッジ演出において終了が報知された後で、終了後の状態が時短モードに設定されることを報知する演出態様のエンディング演出に決定して(S5932K)、処理をS5941Gへと移行する。
一方で、S5931Kの処理において、今回の大当たりが小当たりD62経由の大当たりではないと判別した場合は(S5931K:No)、処理をS5931Gへと移行して、大当たり終了後の通常状態Bにおいて消化される第2特別図柄の各保留球の先読み結果に応じた攻撃アイコンを報知する演出を設定する。また、本第19制御例におけるループボーナス終了処理(図684参照)では、S5936Gの処理において、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定したと判別した場合には(S5936G:Yes)、処理をS5940Gへと移行する。このループボーナス終了処理(図684参照)を実行することにより、ループボーナス終了後の遊技状態が通常状態B(引き戻しモード)であるか時短状態B(時短モード)であるかに応じたエンディング演出の演出態様を設定することができるので、演出態様をより好適に設定することができる。次に、図685を参照して、本第19制御例における変動演出設定処理(S4311K)の詳細について説明する。この変動演出設定処理(S4311K)は、上述した第11制御例(第9制御例)における変動演出設定処理(図404参照)に代えて実行される処理であり、変動演出設定処理(図404参照)と同様に、特別図柄の変動表示に同期させて実行する第3図柄の変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図685は、この変動演出設定処理(S4311K)を示すフローチャートである。
この第19制御例における変動演出設定処理(図685参照)のうち、S4401、4403、S4421AおよびS4423A~S4426Aの各処理では、それぞれ上述した第11制御例(第9制御例)における変動演出設定処理(図404参照)のS4401、4403、S4421AおよびS4423A~S4426Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第19制御例における変動演出設定処理(図685参照)では、S4403の処理において、今回受信した変動パターンコマンドが第2特別図柄に対応する変動パターンコマンドであると判別した場合には(S4403:Yes)、現在の遊技状態がループボーナスモード(時短状態C)であるかを判別し(S4411K)、ループボーナスモードであると判別した場合には(S4411K:Yes)、処理をS4426Aへと移行する。一方、S4411Kの処理において、現在の遊技状態がループボーナスモードではないと判別した場合には(S4411K:No)、現在の遊技状態がチャンスモードであるかを判別し(S4412K)、チャンスモードであると判別した場合には(S4412K:Yes)、アイコン情報格納エリア223kaのデータに応じて、一撃演出又は連撃演出のうち対応する演出態様を設定し(S4413K)、本処理を終了する。これに対し、S4412Kの処理において、現在の遊技状態がチャンスモードではないと判別した場合には(S4412K:No)、時短モードであるかを判別し(S4414K)、時短モードであると判別した場合には(S4414K:Yes)、時短モード中演出設定処理を実行し(S4415K)、本処理を終了する。なお、時短モード中演出設定処理(S4415K)の詳細については、図686を参照して後述する。一方、S4414Kの処理において、時短モードではないと判別した場合には(S4414K:No)、S4423A~S4425Aの処理を実行し、本処理を終了する。次に、図686を参照して、上述した変動演出設定処理(図685参照)の一処理である時短モード中演出設定処理(S4415K)について説明をする。図686は、この時短モード中演出設定処理(S4415K)の内容を示したフローチャートである。
この第19制御例における時短モード中演出設定処理(図686参照)では、まず、今回の変動が時短最終変動であるかを判別し(S4431K)、時短最終変動ではないと判別した場合には(S4431K:No)、攻撃アイコンストック演出(図668(a)参照)を伴う演出態様を設定し(S4432K)、本処理を終了する。一方、S4431Kの処理において、時短最終変動であると判別した場合には(S4431K:Yes)、入賞情報格納エリア223aのデータを読み出し(S4433K)、攻撃アイコン選択テーブル222ka(図388(b)参照)を参照して最も古い入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定し(S4434K)、決定した攻撃アイコンに応じてアイコン情報格納エリア223kaのデータを更新する(S4435K)。S4435Kの処理が終了すると、前回判別した入賞情報よりも新しい入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定し(S4436K)、決定した攻撃アイコンに応じてアイコン情報格納エリア223kaのデータを更新し(S4437K)、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定したかを判別する(S4438K)。S4438Kの処理において、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定していないと判別した場合には(S4438K:No)、処理をS4436Kに戻して、以降は、S4438Kの処理において全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定したと判別されるまで、S4436K~S4438Kの処理が繰り返される。S4438Kの処理において、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定したと判別した場合には(S4438K:Yes)、決定した攻撃アイコンの種別に応じてアイコン表示領域の表示内容を更新し(S4439K)、最も古いアイコンに対応する攻撃方法で攻撃を行う演出態様を設定し(S4440K)、本処理を終了する。この時短モード中演出設定62(図686参照)を実行することにより、時短モードにおける1変動目においては第2特別図柄の保留球を上限個数まで貯めさせることができ、2変動目(即ち、最終変動)においてはストックした攻撃アイコンの攻撃種別を遊技者に対して報知することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
以上説明した通り、第19制御例におけるパチンコ機10では、第1遊技状態(通常状態)と、その第1遊技状態よりも判別手段の判別(特別図柄の抽選)に用いるための判別情報(各種カウンタ値)が取得され易くなる第2遊技状態(時短状態)とのうち、第2遊技状態において所定条件が成立した(時短最終変動が開始された)場合に、第1制御(変動開始タイミングで時短回数を更新する制御)と、その第1制御よりも所定条件が成立した後の所定期間(時短最終変動の変動表示中)において、判別情報が取得され易くなる(始動入賞を検出し易くなる)第2制御(変動停止タイミングで時短回数を更新する制御)と、を少なくとも含む複数のうち1の制御を実行可能に構成している。即ち、時短状態において時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)を減算するタイミングを条件に応じて異ならせることにより、同一の時短状態であっても、第2特別図柄の保留球の貯め易さを条件に応じて可変させ、同一の時短状態でも条件に応じて実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせる構成としている。より具体的には、時短状態においては、特別図柄の抽選が実行されてから当該抽選結果を示すための変動表示が終了されるまでの間における第1タイミングと、その第1タイミングとは異なる第2タイミングと、のうちいずれか一方のタイミングで時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)を減算する構成とし、第1タイミングで時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算された場合は、第2タイミングで減算された場合よりも、特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の保留球が貯め難くなるように構成している。更に詳述すると、本第19制御例では、特別図柄の抽選結果が完全外れとなった場合における完全外れの種別として、外れAと、外れBと、の2種類を設ける構成とし、時短状態において特別図柄の抽選で完全外れとなって外れ種別として外れAが決定された場合には、変動停止タイミング(第1タイミング)で時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算される一方で、外れ種別として外れBが決定された場合には、外れBを示す変動表示の開始タイミング(第2タイミング)で時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算されるように構成している。これにより、残時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が1の状態(即ち、時短最終変動)で外れAが決定された場合は、変動表示の終了まで特図2カウンタ203tが減算されることがないため、時短最終変動の実行中に右打ち遊技を行い続けるだけで、第4終了条件(第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する終了条件)が成立するまで第2特別図柄の保留球を貯めることができる。これに対して、残時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が1の状態(即ち、時短最終変動)で外れBが決定された場合は、変動開始時に特図2カウンタ203tが減算されることで時短状態が終了されるため、変動表示の実行中は既に通常状態に転落済みの状態となる。言い換えれば、時短最終変動において第2特別図柄の保留球を貯めることが極めて困難となるため、第2特別図柄の抽選回数を増加させることも困難となる。よって、本第19制御例では、時短最終変動において特図2カウンタ203tの減算タイミングが第1タイミング(変動停止タイミング)に設定される場合よりも、第2タイミング(変動開始タイミング)に設定された場合の方が、同一の時短状態であっても第2特別図柄の抽選回数が少なくなり易くなるので、同一の時短状態であっても有利度合い(有利な第2特別図柄の抽選の実質的な実行回数)を異ならせる斬新な遊技性を実現することができる。
また、本第19制御例では、判別手段の判別(特別図柄の抽選)に用いる判別情報(各種カウンタ値)を特定の数(4個)を上限として、判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段(第2特別図柄保留球格納エリア203b)を設ける構成とし、判別手段の判別結果(特別図柄の抽選結果)を示すための所定の第1演出(時短最終変動に対応する変動表示演出)の実行中に、判別情報記憶手段に対して記憶させることが可能な判別情報の数を少なくとも遊技者が把握可能な特定演出態様(連撃演出又は一撃演出)を含んで構成される第2演出(冒険者のキャラクタ811と怪獣のキャラクタ821とが戦う演出)を実行する構成としている。即ち、時短状態において最後に実行される特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出において、当該変動表示演出の実行中に追加で貯めることが可能な第2特別図柄の保留球の個数を示唆する演出を実行することにより、時短状態が終了した後において実行可能な第2特別図柄の抽選回数を遊技者に対して示唆可能に構成している。つまり、時短状態が終了した後における有利度合い(有利な第2特別図柄の抽選回数)を示唆する演出を実行可能に構成している。このように構成することで、演出態様から貯められる保留球の個数(時短状態が終了した後における有利度合い)を把握可能な斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第19制御例では、所定期間(時短最終変動)において判別情報(第2特別図柄の保留球)が比較的取得され易い第1制御(保留球を増加させ易い制御)として、時短最終変動の変動停止タイミングで時短回数を更新する制御を実行すると共に、判別情報が比較的取得され難い第2制御(保留球を増加させ難い制御)として、時短最終変動の変動開始タイミングで時短回数を更新する制御を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。第1制御として、時短最終変動中に、変動開始から第1期間(例えば、10秒間)が経過したことを契機として時短回数を更新する制御を採用してもよいし、第2制御として、時短最終変動中に、変動開始から第1期間よりも短い第2期間(例えば、1秒間)が経過したことを契機として時短回数を更新する制御を採用してもよい。また、例えば、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数が規定個数以上となったことに基づいて成立する第4終了条件を、第1制御と第2制御とで可変させる構成としてもよい。具体的には、例えば、時短最終変動において第1制御に対応する抽選結果となった場合は、第2特別図柄の保留球数が3個以上となったことに基づいて第4終了条件を成立させるように制御する一方で、第2制御に対応する抽選結果となった場合は、第2特別図柄の保留球数が1個以上となったことに基づいて第4終了条件を成立させるように制御する構成としてもよい。また、例えば、普通図柄の当たり回数が規定回数以上となったことに基づいて成立する第5終了条件を設定する構成とし、時短最終変動において第1制御に対応する抽選結果となった場合は、普通図柄の当たり回数が3回となったことに基づいて第5終了条件を成立させるように制御する一方で、第2制御に対応する抽選結果となった場合は、普通図柄の当たり回数が1回となったことに基づいて第5終了条件を成立させるように制御する構成としてもよい。これにより、設計の自由度を高めることができる。
本第19制御例では、所定の第1演出(時短最終変動における変動表示演出)の実行中に、判別情報記憶手段(第2特別図柄保留球格納エリア203b)に対して記憶させることが可能な判別情報(各種カウンタ値)の数を遊技者が把握可能な特定演出態様(保留球を貯める余地があるか否かを遊技者が認識可能な演出態様)として、時短最終変動において冒険者のキャラクタ811が「一撃」の攻撃方法で怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を行う演出が実行された場合に、判別情報を追加で記憶させることができないことを示唆する一方で、「連撃」の攻撃方法で怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を行う演出が実行された場合に、判別情報を追加で記憶させることが可能であることを示唆する構成としていたが、特定演出態様はこれに限られるものではない。例えば、判別情報記憶手段に対して記憶させることが可能な判別情報の個数を数字やメーター量等で視覚的に遊技者に対して報知する演出態様としてもよい。このように構成することで、遊技者に対してより分かり易い演出態様を実現することができる。本第19制御例では、時短回数の更新タイミングとして、第1タイミング(変動終了タイミング)と、第2タイミング(変動開始タイミング)と、の2種類のみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。これに加えて例えば、変動終了後の図柄停止期間の終了タイミングで時短回数を更新する制御が実行される外れ種別若しくは小当たり種別を設けてもよいし、小当たり遊技の終了タイミングで時短回数を更新する制御が実行される小当たり種別を設ける構成としてもよい。このように構成することで、保留球を貯めることが可能となる期間をより長くすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第19制御例では、時短最終変動の開始時に変動種別を判別し、時短回数を即座に更新するか変動終了時に更新するかを決定する構成としていたが、判別のタイミングはこれに限られるものではない。例えば、時短最終変動の開始後、3秒が経過したタイミングで変動種別を判別し、判別情報(第2特別図柄の保留球)が比較的取得され易い第1制御(保留球を増加させ易い制御)として、時短最終変動の変動停止タイミングで時短回数を更新する制御を実行するか、判別情報が比較的取得され難い第2制御(保留球を増加させ難い制御)として、変動種別の判別のタイミングで即座に時短回数を更新する制御を実行するかを決定する構成としてもよい。言い換えれば、時短最終変動の途中で第1制御を実行するか、第2制御を実行するかを判別する構成としてもよい。このように構成することで、判別のタイミングまでは判別情報(第2特別図柄の保留球)を獲得する機会を遊技者に対して与えることができるので、第2制御が実行された場合に遊技者に対して過剰に不利となり過ぎてしまうことを抑制することができる。なお、本第19制御例では、時短最終変動が終了したとしても、第2特別図柄の保留球が全て消化されるまでの間は怪獣のキャラクタ821と戦うバトル演出を継続させ、保留球が全て外れで消化された場合に通常状態への移行を報知する構成としているため、本第19制御例における時短状態終了後の演出は、遊技状態に対応する発射方向が演出内容から比較的分かり難い演出、および遊技状態に対応する発射方向への発射が比較的強く促される演出の別形態である。
本第19制御例では、小当たりとして、実質的に大当たりが確定する(小当たり遊技中に右打ちを行うことで容易にV入賞を発生させることができる)小当たり種別のみを設ける構成としていたが、V入賞を発生させることが困難な小当たり種別(V不可小当たり)を設けてもよい。このように構成することで、小当たりに当選したとしても、大当たりが確定するわけではないので、小当たり種別に注目して遊技を行わせることができる。更に、この場合において、V不可小当たりは、第1タイミング(変動停止タイミング)で時短回数が更新される可能性が高くなる(若しくは確定する)ように構成してもよい。このように構成することで、時短最終変動以外の変動であれば望ましくないV不可小当たりが、時短最終変動では第2特別図柄の保留球をより多く貯めることが可能な有利な抽選結果となるため、時短最終変動であるか否かによって有利度合いが逆転する斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、逆に、V不可小当たり(非V小当たり)は第2タイミング(変動開始タイミング)で時短回数が更新される可能性が高くなる(若しくは確定する)ように構成してもよい。つまり、V不可小当たりであるか実質的に大当たりが確定する小当たりであるかによらず、小当たり時に第2タイミング(変動開始タイミング)で時短回数が更新される可能性が高くなる(若しくは確定する)ように構成してもよい。このように構成することで、第2タイミングで時短回数が更新された(一撃の攻撃方法が選択された)場合に、小当たりである可能性が高まるため、実質的に大当たりが確定する小当たりであることをより強く遊技者に対して期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第19制御例では、時短状態において特別図柄の抽選結果が外れB、小当たりC62,D62の何れかとなった場合に第2タイミング(変動開始タイミング)で時短回数を更新する一方で、上記以外の抽選結果となった場合は第1タイミング(変動停止タイミング)で時短回数を更新する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、抽選結果によらず、時短状態への突入契機となった大当たり種別に応じて、時短状態における時短回数の更新タイミングを第1タイミング(変動停止タイミング)とするか第2タイミング(変動開始タイミング)とするかを異ならせてもよい。このように構成することで、時短状態において時短最終変動が開始されるよりも前に、時短最終変動において貯めることが可能な第2特別図柄の保留球の個数を把握することができるので、時短最終変動における有利度合い(貯めることができる第2特別図柄の保留球数)を示す演出態様をより余裕を持って(最終変動が開始されるよりも前に)設定することができる。よって、時短最終変動の開始時に処理負荷が増大してしまうことを抑制することができるので、時短最終変動における演出態様をより好適に設定することができる。
<第20制御例>
次に図687から図708を参照して、第20制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第20制御例では、特別図柄の変動中に可動手段(可動役物900)を移動させる役物可動演出を実行可能に構成している。詳細な説明は後述するが、役物可動演出が実行されることで、遊技者が視認困難な原点位置に収納されていた可動役物900が、遊技者が視認可能な作動位置へと移動し、実行中の特別図柄変動が大当たり当選を示す表示態様で停止表示される可能性が高い状態であることを報知可能に構成している。また、本第20制御例では、役物可動演出中に実行される可動役物900への可動制御を、一連の動作シナリオを設定することによって実行可能に構成している。つまり、予め定められた動作シナリオに従って可動役物900を移動させることができるように構成している。このように構成することで、可動役物900を可動制御している最中における処理負荷を軽減させることができる。ここで、設定された動作シナリオに基づいて可動役物900に対して一連の動作を実行させるように可動制御する場合においては、設定された動作シナリオに基づく可動制御が終了するまで、可動役物900に対して新たな可動制御を実行することが出来ないという問題があった。これに対して、本第20制御例では、一連の動作シナリオが設定されたことに基づいて可動役物900が可動制御されている期間中に設定されている動作シナリオに基づく可動制御を途中で終了させることが可能な特定タイミングを複数有するように構成している。つまり、一定期間(例えば、40秒)の動作期間で可動役物900を動作させるための動作シナリオを設定した場合であっても、40秒の動作期間を全うすること無く可動役物900への可動制御を終了させることを前提に可変制御を実行可能に構成している。このように構成することで、長時間の動作シナリオを設定した場合であっても、設定された動作シナリオが完了するまで新たな動作シナリオを設定することが出来なくなるという不具合が発生してしまうことを抑制することができる。
また、実行中の可動制御を強制的に終了させた後に、新たな可動制御を実行しようとした場合には、可動役物900が様々な位置に位置している状態から新たな可動制御が開始されてしまうため、新たな可動制御を実行する前に強制停止された可動役物900を特定位置(新たな可動制御の開始位置)へと移動させるための可動処理を行わなければならず、可動役物900を可動させるための可動制御の処理負荷が高くなるという問題があった。これに対して、本第20制御例では、可動役物900を特定位置(作動位置)に複数回位置させることが可能な所定の動作シナリオに基づいて可動役物900を移動させるように構成し、可動役物900が特定位置(作動位置)に位置している状態において所定の終了条件が成立していると判別された場合に設定済の動作シナリオに基づく可動制御を終了し、新たな可動制御を実行させることが可能に構成している。このように構成することで、設定済の動作シナリオに基づく可動制御を途中で終了させた場合であっても、終了時における可動役物900の位置を固定することができるため、新たな可動制御を実行させ易くすることができる。まず、図687から図689を参照して、可動役物900の構成について説明する。この可動役物900は、変動演出中に駆動手段(駆動モータ905)によって動作されることが可能に構成されている。また、この可動役物900は、駆動手段(駆動モータ905)によって正面視下側に移動されることにより、遊技者から視認困難な位置(原点位置)から視認可能となる位置(作動位置)へと移動させることが可能に構成されている。これにより、変動演出中に可動役物900を遊技者から視認可能となる位置(作動位置)に移動させることにより、可動役物900を用いた演出の演出効果を高めることができる。
図687(a)は、可動役物900が原点位置に位置している状態を示した図である。原点位置とは、役物可動演出の開始と終了とのタイミングにおいて可動役物900が位置する特定の場所を指す。図687(a)に示すように、可動役物900が原点位置に位置する場合、可動役物900の下端は第3図柄表示装置81の上端よりも正面視上側に位置する。また、可動役物900は可変表示ユニット80よりも背面側に配置されているため、可動役物900は、原点位置に位置している場合には遊技者から視認困難な状態となる。図687(b)は、可動役物900が作動位置に位置している状態を示した図である。詳細については後述するが、作動位置とは、役物可動演出中に実行される第1可動制御(進出シナリオ動作)と第2可動制御(振動シナリオ動作)と第3可動制御(退避シナリオ動作)とのそれぞれの制御の実行期間において、可動役物900を位置させることが可能な特定の場所を指す。図687(b)に示すように、可動役物900が作動位置に位置している場合、可動役物900の上端は第3図柄表示装置81の上端よりも正面視下側に位置する。また、可動役物900は、第3図柄表示装置81よりも前面側に配置されている。即ち、可動役物900が作動位置に位置する場合は、可動役物900が遊技者から視認可能な状態となる。図688に示すように、可動役物900は、A面900a、B面900b、C面900c、D面900dを有する直方体で構成された箱形形状の表示面を有している。可動役物900は、右側方面900eから右方に突出して形成された直方体形状の右突出片900Rbと、左側方面900fから左方に突出して形成された直方体形状の左突出片900Lbとを有しており、右突出片900Rbには、可動役物900を上下に動作させるためのステッピングモータである駆動モータ905が設けられている。左突出片900Lbは、後述する原点位置センサ920と作動位置センサ930から投光される光を正面視(図688参照)左側の側面で反射することによって、原点位置センサ920と作動位置センサ930とに検出されることが可能に構成されている。
駆動モータ905には、ラック990と嵌合するピニオンギアである駆動ギア906が設けられている。可動役物900の右側端部後方には、可動役物900が上下動するのに、駆動ギア906が嵌合するギア部を有するラックが上下方向に、可動役物900の上下可動のストロークよりも長く配置されている。可動役物900の左側端部後方には、滑り止め用の溝が設けられた支柱991が、上下可動のストロークよりも長く設けられている。左突出片900Lbは、支柱991を挿通可能に構成されている。このように、左突出片900Lbに支柱991を挿通させることで、なめらかに可動役物900を上下に動作させることができる。
図689(a)~(d)は、第3図柄表示装置81の正面(図687参照)に対して直交、且つ左突出片900Lbを通る平面で、遊技盤13を切断して、その断面を第3図柄表示装置81の正面視(図687参照)右側より見た断面図である。遊技盤13の背面側には、可動役物900を遊技盤13の背面側に固定するための駆動ベース体800が設けられている。駆動ベース体800は、ポリカーボネート等の樹脂で構成されており、遊技盤13の開口部と連通する開口を有した額縁形状で構成され、遊技盤13の開口部を覆うように背面側に固定されている。駆動ベース体800には、支柱991やラック990が固定されており、可動役物900が正面視上下方向に駆動されることが可能に保持されている。駆動ベース体800の背面側には、第3図柄表示装置81が取り付けられる。駆動ベース体800の正面視上部には、投受光器を有する反射型のセンサである原点位置センサ920が設けられ、駆動ベース体800の正面視下部には、原点位置センサ920と同種のセンサで構成される作動位置センサ930が設けられている。原点位置センサ920は、投光部から第3図柄表示装置81の正面視(図687参照)右方向へ水平に投光された光が左突出片900Lbに反射されて、受光部が左突出片900Lbに反射された光を受光することにより、オフからオンの状態となる。即ち、左突出片900Lbが原点位置センサ920に対して水平方向に重なる位置に位置している期間は、原点位置センサ920がオンの状態を維持しており、左突出片900Lbが原点位置センサ920に対して水平方向に重ならない位置に位置している期間は、原点位置センサ920がオフの状態を維持している。作動位置センサ930については、設置された場所が異なる点を除いて、原点位置センサ920と同様であるため、説明を省略する。
つまり、本第20制御例におけるパチンコ機10にて用いられる原点位置センサ920、及び作動位置センサ930は、可動役物900の位置を検知するための検知手段として用いられる。なお、本第20制御例では、上述した通り、可動役物900の位置のみを検知手段により検知可能に構成しているが、これに限ること無く、可動役物900の進行方向も検知可能に構成しても良く、例えば、作動位置センサ930の検出範囲と一部が重複し、且つ、検出範囲内に進入してきた左突出片900Lbを検知可能な第1センサを作動位置センサ930の上方に設け、第1センサが突出片900Lbを検知している状態で、作動位置センサ930が突出片900Lbを検知した場合には、可動役物900が原点位置から作動位置に向かう方向(図687(a)の正面視で下方向)へと移動していることを特定可能に構成し、第1センサが突出片900Lbを検知していない状態で、作動位置センサ930が突出片900Lbを検知した場合には、可動役物900が上方向(図687(a)の正面視で上方向)へと移動していることを特定可能に構成しても良い。このように構成することで、可動役物900が存在している位置だけで無く、可動役物900の移動方向まで特定することができるため、例えば、特定の移動方向で移動している可動役物900が作動位置に位置している場合にのみ特定の可動制御を実行可能に構成することができる。より具体的には、図689(a)に示すように、可動役物900が原点位置に位置する場合は、左突出片900Lbが原点位置センサ920に対して水平方向に重なっている。このように、左突出片900Lbが原点位置センサ920に対して水平方向に重なっている期間は、原点位置センサ920から投光された光が左突出片900Lbによって反射され、原点位置センサ920はオンの状態を維持している。一方、作動位置センサ930は、水平方向に左突出片900Lbが重なっていないため、オフの状態を維持している。
図689(b)は、可動役物900が原点位置(図689(a)参照)から作動位置に向けて下降している期間において、作動位置センサ930がオフの状態からオンの状態へと切り替わるタイミングで左突出片900Lbが位置する場所を示している。図689(b)に示すように、可動役物900が下降している場合は、左突出片900Lbの下端が作動位置センサを超えるタイミングで、作動位置センサ930がオフからオンの状態へと切り替わる。図689(c)は可動役物900が作動位置に位置している場合において、左突出片900Lbの位置している場所を示している。図689(c)に示すように、可動役物900が作動位置に位置している場合には、左突出片900Lbが作動位置センサ930に対して水平方向に重なるため、作動位置センサはオンの状態となる。即ち、左突出片900Lbが作動位置センサ930に対して水平方向に重なっている期間は、作動位置センサ930はオンの状態を維持している。詳細については後述するが、本第20制御例では、可動役物900が下降している期間において、作動位置センサ930がオフからオンの状態へと切り替わったタイミングから、駆動モータ905を所定ステップ数(17ステップ)回転させることにより、可動役物900が作動位置に位置するように構成している。このように構成することで、センサに検出される検出物体の大きさが変化しても、設定するステップ数を変更することで、特定の位置に可動させることができる。図689(d)は、可動役物900が後述する振動下限位置に位置している場合における、左突出片900Lbが位置する場所を示している。図689(d)に示すように、左突出片900Lbが振動下限位置に位置している場合には、左突出片900Lbの上端が作動位置センサ930よりも正面視下側に位置する状態(図689(d)参照)となり、作動位置センサ930はオフの状態となる。次に、図690及び図691を参照して、本第20制御例における特徴的な演出態様である役物可動演出について説明する。この役物可動演出は、演出期間が60秒である変動演出が実行される期間において実行され得る演出であり、変動演出の開始から2秒後に開始される演出である。
図690は、役物可動演出中の可動役物900の動作の流れを示す図である。本第20制御例では、役物可動演出が実行された場合に実行される可動役物900に対する可動制御として、進出シナリオに基づく第1可動制御(進出シナリオ動作)と、振動シナリオに基づく第2可動制御(振動シナリオ動作)と、退避シナリオに基づく第3可動制御(退避シナリオ動作)とを順に実行するように構成しており、各可動制御に対応した動作シナリオを設定するように構成している。詳細については後述するが、第1可動制御(進出シナリオ動作)が実行されると、原点位置(図687(a)参照)に位置している可動役物900を作動位置(図687(b)参照)へと移動(進出)させるための可動制御が実行される。つまり、第1可動制御(進出シナリオ動作)を実行する際に設定される進出シナリオには、可動役物900を原点位置から作動位置へと移動させるためのシナリオデータが規定されている。次に、第2可動制御(振動シナリオ動作)が実行されると、作動位置に位置している可動役物900を、上下方向に振動させる演出態様で動作させた後に作動位置に位置させるための可動制御が実行される。つまり、第2可動制御(振動シナリオ動作)を実行する際に設定される振動シナリオには、可動役物900を上下方向に振動させる演出態様で移動させるためのシナリオデータが規定されている。また、第3可動制御(退避シナリオ動作)が実行されると、第2可動制御が終了し、作動位置に位置している可動役物900を原点位置へと移動(退避)させるための可動制御が実行される。つまり、第3可動制御(退避シナリオ動作)を実行する際に設定される進出シナリオには、可動役物900を作動位置から原点位置へと移動させるためのシナリオデータが規定されている。上述した通り、本第20制御例では、原点位置に位置している可動役物900を作動位置まで移動させた後に所定の演出態様(振動)で動作させ、その後、原点位置へと移動させる一連の流れを、進出動作、振動動作、退避動作と3段階に区分し、各動作区分に対応した動作シナリオを設定するように構成している。
このように構成することで、異なる形状のパチンコ機10、例えば、原点位置と作動位置との距離が異なるパチンコ機10に対して、同一の演出態様(振動)で役物可動演出を実行させようとした場合に、振動動作に対応した動作シナリオを共有することができる。図690に示すように、第1可動制御(進出シナリオ動作)が実行されると、可動役物900が原点位置に位置する状態(図690(A)参照)で停止している状態から、可動役物900が作動位置に位置する場所(図690(B)参照)まで移動し、可動役物900が作動位置まで移動すると、可動役物900が作動位置に位置する状態で停止する。即ち、第1可動制御(進出シナリオ動作)が実行されることにより、可動役物900は、遊技者から視認困難な位置(図691(a)参照)から、視認可能な位置(図691(b)参照)まで移動する。詳細については後述するが、第1可動制御(進出シナリオ動作)は約2秒間となるように構成されている。即ち、遊技者は、第1可動制御(進出シナリオ動作)の途中で、可動役物900のA面900aに表示されている「チャンス」の文字を視認可能となる。
第2可動制御(振動シナリオ動作)では、可動役物900が振動上限位置(図690(c)参照)と振動下限位置(図690(g)参照)との間で、正面視上下方向に動作される。より具体的には、第2可動制御(振動シナリオ動作)では、可動役物900が、作動位置(図690(e)参照)に位置する状態で停止、作動位置(図690(e)参照)から振動上限位置まで上昇、振動上限位置に位置する状態で停止、振動上限位置から振動下限位置(図690(g)参照)まで下降、振動下限位置(図690(g)参照)で停止、振動下限位置(図690(g)参照)から作動位置(図690(e)参照)まで上昇、作動位置(図690(e)参照)で停止、作動位置(図690(e)参照)から振動下限位置(図690(g)参照)にまで下降、振動下限位置(図690(g)参照)で停止、振動下限位置(図690(g)参照)から振動上限位置(図690(c)参照)まで上昇、振動上限位置で停止、振動上限位置から作動位置(図690(e)参照)まで下降、作動位置に位置する状態で停止、の順で動作する。第2可動制御(振動シナリオ動作)は、1周期が約4秒間となるように構成している。また、振動上限位置から作動位置(図691(b)参照)までの距離と、振動下限位置(図691(c)参照)から作動位置(図691(b)参照)までの距離とは、原点位置(図691(a)参照)から作動位置(図691(b)参照)までの距離の1/4以下となるように構成した。即ち、第2可動制御(振動シナリオ動作)が実行されると、可動役物900は4秒間で上下に小さく振動するように動作する。また、振動上限位置は、作動位置センサ930が左突出片900Lbを検出することが可能な範囲の上限より正面視上側の場所であり、振動下限位置は、作動位置センサ930が左突出片900Lbを検知することが可能な範囲の下限より正面視下側の場所である。即ち、可動役物900が振動上限位置に位置する場合と、可動役物900が振動下限位置に位置する場合(図691(c)参照)とは、作動位置センサ930はオフの状態となる。
また、本第20制御例では、第2可動制御(振動シナリオ動作)が繰り返して10回実行されるように構成している。即ち、第2可動制御(振動シナリオ動作)は、第2可動制御(振動シナリオ動作)が開始されたタイミングから約40秒間実行されるように構成している。また、第2可動制御(振動シナリオ動作)の実行期間では、可動役物900が作動位置に位置するタイミングT1~T8において、第2可動制御(振動シナリオ動作)の終了条件が成立しているか否かを判別するように構成している。より具体的には、第2可動制御(振動シナリオ動作)の実行期間において、遊技者によって枠ボタン22が押下された場合に、後述する振動シナリオ終了フラグ223utをオンに設定するように構成している。つまり、第2可動制御の終了条件が成立しているかを判別するための処理を可動役物900が作動位置に位置している状態において常に実行するのでは無く、特定タイミングにて実行するように構成している。ここで、本第20制御例では、遊技者が枠ボタン22を押下した場合に第2可動制御の終了条件が成立するように構成している。つまり、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理において計測可能な最短時間(1ミリ秒)が経過する毎に第2可動制御の終了条件が成立しているかを判別する必要が無く、可動役物900が作動位置に位置する特定タイミング(図690のタイミングT1~T8参照)にて第2可動制御の終了条件が成立しているかを判別するように構成している。このように構成することで、第2可動制御の終了条件が成立しているかを判別するための処理が過剰に実行されてしまうことを抑制することができる。さらに、本第20制御例では、可動役物900が作動位置に位置している状態であって、処理カウンタ223ukの値が更新されるタイミングを、第2可動制御の終了条件が成立しているかを判別するタイミングとしている。このように構成することで、第2可動制御の終了条件が成立しているかを判別するタイミングのみを計測する必要が無くなるため、可動制御を実行する際の処理負荷を軽減することができる。
第3可動制御(退避シナリオ動作)では、可動役物900が作動位置に位置する状態で停止し、その後、作動位置から原点位置まで上昇し、原点位置に位置する状態で停止する。退避シナリオ動作に要する時間は、上述した第1可動制御(進出シナリオ動作)と同様に、およそ2秒となるように構成されている。即ち、役物可動演出は、第1可動制御(進出シナリオ動作)と、第2可動制御(振動シナリオ動作)と、第3可動制御(退避シナリオ動作)とを合わせた約44秒間で実行される。
<第20制御例における電気的構成について>
次に、図692~図696を参照して、本第20制御例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について説明する。図692は、音声ランプ制御装置113の電気的構成を模式的に示したブロック図である。音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、可動役物900の可動制御データの出力、変動演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、駆動モータ905、原点位置センサ920、作動位置センサ930などがそれぞれ接続されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、図693(a)を参照して、本第20制御例の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222について説明する。図693(a)は、本第20制御例におけるROM222の構成を示したブロック図である。図693(a)に示した通り、第20制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222には、進出シナリオテーブル222uaと、振動シナリオテーブル222ubと、退避シナリオテーブル222ucと、第1復帰対応シナリオテーブル222udと、第2復帰対応シナリオテーブル222ueと、励磁テーブル222ufとが設けられている。図694(a)を参照して、進出シナリオテーブル222uaに規定されている内容について詳細に説明をする。図694(a)は、進出シナリオテーブル222uaに規定されている内容を示した図である。進出シナリオテーブル222uaは、第1可動制御(進出シナリオ動作)を実行する場合に参照される駆動モータ905の動作内容を示すデータが規定されているデータテーブルである。進出シナリオテーブル222uaのセンサデータは、規定されたデータに対応するセンサがオンの状態になるまで可動役物900を移動させることを示す。原点位置センサ920に対応する値として1が規定され、作動位置センサ930に対応する値として2が規定されている。原点位置センサ920及び作動位置センサ930がオンであるかを判別する必要がないシナリオデータには、0が規定されている。即ち、センサデータの値が0である場合には、原点位置センサ920または作動位置センサ930がオンであるかの判別が実行されることはない。
進出シナリオテーブル222uaのステップ数データは、駆動モータ905を回転させるステップ数を示す値が規定されている。具体的には、ステップカウンタ223umの値がステップ数データに規定された値と同値であると判断された場合に、処理カウンタ223ukの値が1加算され、加算後の処理カウンタ223ukの値に対応するシナリオデータがシナリオ格納エリア223ue内に格納される。時間データ及びセンサデータに基づいて更新されるデータにおいては、ステップ数データに、ステップカウンタ223umの値として更新され得る最大値(72)を超える値が規定されている。進出シナリオテーブル222uaのスピードデータは、駆動モータ905を励磁するスピードが規定されている。スピードが1である場合には、1ms毎に駆動モータ905が励磁されるスピードとなり、スピードが2である場合には、2ms毎に駆動モータ905が励磁されるスピードとなり、スピードが3である場合には、3ms毎に駆動モータ905が励磁されるスピードとなり、スピードが4である場合には、4ms毎に駆動モータ905が励磁されるスピードとなっている。つまり、スピード1が最も早い速度で設定されることとなり、スピード2は、スピード1の1/2のスピード、スピード3は、スピード1の1/3のスピード、スピード4は、スピード1の1/4のスピードとなっている。駆動モータ905を正回転または逆回転をさせる場合に参照されるデータには、スピードデータとして0が規定されている。本制御例では、駆動モータ905を励磁することにより保持する期間または励磁せずに待機させる期間において、スピードデータが参照されることが無いように構成した。即ち、駆動モータ905を励磁することにより保持する場合には、後述するモータ出力処理(Y115L)が実行される最短の周期(1ms)毎に、駆動モータ905が励磁される。
図694(a)に示すように、進出シナリオテーブル222uaには、処理カウンタ223ukの値「1」に対して、駆動モータ905を10msの間、励磁することによる保持動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「2」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの正回転動作が、作動位置センサ930がオンの状態になるまで実行される正回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「3」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの正回転動作が17ステップ実行される正回転動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「4」に対して、駆動モータ905を40msの間、励磁することによる保持動作が対応付けて規定されている。これらの規定内容により、この進出シナリオテーブル222uaを参照して可動役物900の動作を設定した場合、可動役物900が作動位置センサ930に検出されるまで下降し、可動役物900が作動位置に位置する状態で停止する。図694(b)を参照して、退避シナリオテーブル222ucに規定されている内容について詳細に説明をする。図694(b)は、退避シナリオテーブル222ucに規定されている内容を示した図である。退避シナリオテーブル222ucは、可動役物900の振動シナリオ動作が終了した場合に、作動位置に位置する可動役物900を原点位置に移動(退避)させるための動作シナリオが規定されたデータテーブルである。
図694(b)に示すように、退避シナリオテーブル222ucには、処理カウンタ223ukの値「1」に対して、駆動モータ905を10msの間、励磁することによる保持動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「2」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの逆回転動作が、原点位置センサ930がオンの状態になるまで実行される逆回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「3」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの正回転動作が17ステップ実行される正回転動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「4」に対して、駆動モータ905を40msの間、励磁することによる保持動作が対応付けて規定されている。図694(c)を参照して、第1復帰対応シナリオテーブル222udに規定されている内容について詳細に説明をする。詳細については後述するが、本第20制御例では、役物可動演出中において、シナリオデータに基づく可動役物900の可動制御が予め定められた特定の時間を経過しても完了していない場合に、役物復帰可動制御を実行するように構成されている。本第20制御例では、役物復帰可動制御として、可動役物900を原点位置センサ920に検知されるまで移動(復帰)させる第1復帰可動制御、または可動役物900を作動位置センサ930まで移動(復帰)させる第2復帰可動制御のいずれかが実行される。図694(c)は、第1復帰可動制御において参照される第1復帰対応シナリオテーブル222udに規定されている内容を示した図である。この第1復帰対応シナリオテーブル222udは、第2可動制御(振動シナリオ動作)の実行期間に、駆動タイマ223ujの値が540未満ではないと判別した場合と、第1可動制御(進出シナリオ動作)の実行期間に、駆動タイマ223ujの値が2000未満ではないと判別した場合とに、可動役物900を原点位置センサ920がオンの状態となるまで移動(復帰)させるためのデータテーブルである。
この第1復帰対応シナリオテーブル222udは、可動役物900を原点位置センサ920がオンの状態となるまで移動させるためのデータが規定されている。具体的には、図694(c)に示すように、復帰対応カウンタ223ulの値「1」に対して、駆動モータ905を10msの間、励磁することによる保持動作が対応付けて規定され、復帰対応カウンタ223ulの値「2」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの逆回転動作が、原点位置センサ930がオンの状態になるまで実行される逆回転動作が規定され、復帰対応カウンタ223ulの値「3」に対して、駆動モータ905を40msの間、励磁することによる保持動作が対応付けて規定されている。これにより、作動位置センサ930の故障や駆動モータ905の脱調等で、シナリオ格納エリア223ueに格納されたデータに対応する制御が正常に実行された場合に要する時間を超えると、可動役物900を原点位置センサ920まで駆動させることができる。図694(d)は、第2復帰可動制御において参照される第2復帰対応シナリオテーブル222ueに規定されている内容を示した図である。この第2復帰対応シナリオテーブル222ueは、第3可動制御(退避シナリオ動作)の実行期間に、駆動タイマ223ujの値が2000未満ではないと判別した場合に、可動役物900を作動位置センサ930がオンの状態となるまで移動(復帰)させるためのデータテーブルである。図694(d)に示すように、第2復帰対応シナリオテーブル222ueには、復帰対応カウンタ223ulの値「1」に対して、駆動モータ905を10msの間、励磁することによる保持動作が対応付けて規定され、復帰対応カウンタ223ulの値「2」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの正回転動作が、作動位置センサ930がオンの状態になるまで実行される正回転動作が規定され、復帰対応カウンタ223ulの値「3」に対して、駆動モータ905を40msの間、励磁することによる保持動作が対応付けて規定されている。
図695を参照して、振動シナリオテーブル222ubに規定されている内容について詳細に説明をする。図695は、振動シナリオテーブル222ubに規定されている内容を示した図である。図695に示すように、振動シナリオテーブル222ubにおいて、処理カウンタ223ukの値「1」に対して、駆動モータ905を200ms励磁せずに待機させるデータが対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「2」に対して、10msの間、駆動モータ905を励磁することによる保持動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「3」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの逆回転動作が72ステップ実行される逆回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「4」に対して、40msの間、駆動モータ905を励磁することによる保持動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「5」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの正回転動作が8ステップ実行される正回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「6」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの正回転動作が、作動位置センサ930がオンの状態になるまで実行される正回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「7」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの正回転動作が17ステップ実行される正回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「8」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの正回転動作が72ステップ実行される正回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「9」に対して、40msの間、駆動モータ905を励磁することによる保持動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「10」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの逆回転動作が8ステップ実行される逆回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「11」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの逆回転動作が、作動位置センサ930がオンの状態になるまで実行される逆回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「12」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの逆回転動作が17ステップ実行される逆回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「13」に対して、40msの間、駆動モータ905を励磁することによる保持動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「14」に対して、駆動モータ905を500ms励磁せずに待機させるデータが対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「15」に対して、10msの間、駆動モータ905を励磁することによる保持動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「16」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの正回転動作が72ステップ実行される正回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「17」に対して、40msの間、駆動モータ905を励磁することによる保持動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「18」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの逆回転動作が8ステップ実行される逆回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「19」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの逆回転動作が、作動位置センサ930がオンの状態になるまで実行される逆回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「20」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの逆回転動作が17ステップ実行される逆回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「21」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの逆回転動作が72ステップ実行される逆回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「22」に対して、40msの間、駆動モータ905を励磁することによる保持動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「23」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの正回転動作が8ステップ実行される正回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「24」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの正回転動作が、作動位置センサ930がオンの状態になるまで実行される正回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「25」に対して、駆動モータ905が4ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの正回転動作が17ステップ実行される正回転動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「26」に対して、40msの間、駆動モータ905を励磁することによる保持動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「27」に対して、駆動モータ905を500ms励磁せずに待機させるデータが対応付けて規定されている。これらの規定内容により、振動シナリオテーブル222ubを参照して可動役物900の可動制御が実行された場合、処理カウンタ223ukの値「7」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングと、処理カウンタ223ukの値「12」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングと、処理カウンタ223ukの値「13」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングと、処理カウンタ223ukの値「14」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングと、処理カウンタ223ukの値「20」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングと、処理カウンタ223ukの値「25」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングと、処理カウンタ223ukの値「26」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングと、処理カウンタ223ukの値「27」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングとは、可動役物900が作動位置に位置するタイミングとなる。
本第20制御例では、第2可動制御(振動シナリオ動作)の実行されている期間において、処理カウンタ223ukの値「7」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングと、処理カウンタ223ukの値「12」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングと、処理カウンタ223ukの値「13」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングと、処理カウンタ223ukの値「14」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングと、処理カウンタ223ukの値「20」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングと、処理カウンタ223ukの値「25」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングと、処理カウンタ223ukの値「26」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングと、処理カウンタ223ukの値「27」に対応するシナリオデータに基づく制御が完了したタイミングとで、振動シナリオ終了フラグ223utがオンであるか否かを判別するように構成している。なお、本第20制御例では、可動役物900が作動位置に位置している状態であって、処理カウンタ223ukの値が更新されるタイミングにて必ず振動シナリオ終了フラグ223utがオンであるかを判別するように構成しているが、これに限ること無く、可動役物900が作動位置に位置している状態であって、処理カウンタ223ukの値が更新されるタイミングの一部においてのみ振動シナリオ終了フラグ223utがオンであるかを判別するように構成しても良い。この場合、少なくとも、可動役物900が作動位置に位置した直後のタイミングにて振動シナリオ終了フラグ223utがオンであるかを判別するように構成すると良い。このように構成することで、可動役物900が作動位置に位置していない状態で第2可動制御(振動シナリオ動作)の終了条件を成立させた場合には、可動役物900が作動位置に位置した直後に第2可動制御(振動シナリオ動作)を終了させることができる。
加えて、作動位置に位置している可動役物900が作動位置から他の位置へと移動する直前のタイミングにて振動シナリオ終了フラグ223utがオンであるかを判別するように構成しても良い。このように構成することで、可動役物900が作動位置に位置している状態で第2可動制御(振動シナリオ動作)の終了条件を成立させた場合において、可動役物900を移動させること無く第2可動制御(振動シナリオ動作)を終了させ易くすることができる。次に、図696を参照して、励磁テーブル222ufの詳細について説明する。励磁テーブル222ufは、駆動モータ905の励磁する部位を指定するための励磁制御データが規定されたデータテーブルである。励磁テーブル222ufにおけるデータは、駆動モータ905に対して励磁制御データを設定する場合に、励磁カウンタ223uoの値に基づいて励磁データ格納エリア223ugに格納される。図696(a)は、励磁テーブル222ufを参照して励磁される、駆動モータ905(ステッピングモータ)の概要を示す図である。なお、説明を分かり易くするために、1ステップで90度回転する(即ち、4ステップで1周する)ステッピングモータを例に取って説明するが、実際の駆動モータ905は、1ステップの回転角度をより細かく設定できるように構成されている。具体的には、1ステップで1度回転するように構成されている。この駆動モータ905は、対応するモータ制御用ICに対して音声ランプ制御装置113から励磁制御データを送ることにより、その励磁制御データに対応した部位が励磁されるように構成されている。具体的には、図696(a)に示す「A,B,C,D」に対応した4桁の2進数で構成された励磁制御データによって、モータ制御用ICにより励磁される。具体的には、駆動モータ905の各部位(即ち、A,B,C,Dのいずれか)に対応する励磁制御データが「1」であれば励磁され、励磁制御データが「0」であれば励磁されない。例えば、励磁制御のデータが「1100」であれば、A及びBが励磁され、CおよびDは励磁されない。この励磁制御データは、音声ランプ制御装置113のROM222に設けられている励磁テーブル222uf(図696(b)参照)に規定されている。
また、音声ランプ制御装置113には、励磁テーブル222uf(図696(b)参照)に規定された複数の励磁制御データの中から1の励磁制御データを選択して設定するために用いられる励磁カウンタ223uoが設けられている。この励磁カウンタ223uoは、「1」を起点として正方向に1ずつ更新することができ、励磁カウンタ223uoの値が「4」となってから値が更新されると値が「1」に戻るように制御される。この励磁カウンタ223uoが更新される度に、対応する励磁制御データが読み出されて設定される。励磁制御データが設定されると、励磁制御データに基づく各部位の励磁が即座に行われる(即ち、励磁制御データの設定からタイムラグなく駆動モータ905が動作する)。更に、励磁カウンタ223uoは、負の方向にも更新することができる。つまり、値が「1」を起点として、「1」→「4」→「3」→「2」→「1」の順番に更新することができる。負方向に更新する場合は、正方向に更新した場合と上下用駆動モータ431の回転方向が逆向きになる。なお、この励磁カウンタ223uoの最大値は、駆動モータのステップ数に応じて変化する。具体的には、例えば、1ステップで1度回転する(即ち、モータが1回転するのに360ステップを要する)駆動モータの場合、励磁カウンタ223uoは「1」~「360」の範囲で更新されるカウンタとなる。次に、駆動モータ905の各部位を励磁するための励磁制御データの具体例について、図696(b)を参照して説明する。図696(b)は、励磁制御データを規定した励磁テーブル222ufと、その励磁テーブル222ufに規定された励磁制御データに基づいて励磁された駆動モータ905の状態との対応関係を示す図である。なお、図696(b)に示した通り、励磁テーブル222ufには、励磁カウンタ223uoの値毎に励磁制御データが規定されている。
具体的には、図696(b)に示した通り、駆動モータ905に対応するシーケンスデータとして、励磁カウンタ223uoの値「1」~「4」の順に「1100,0110,0011,1001」の励磁制御データがそれぞれ規定されている。また、励磁カウンタ223uo値の「1」に対応するシーケンスデータである「1100」が設定されると、駆動モータ905のA、およびBの各位置が励磁される。また、励磁カウンタ223uoの値「2」に対応するシーケンスデータである「0110」が設定されると、駆動モータ905のB、およびCの各位置が励磁されるので、励磁カウンタ223uoの値が「0」の状態から時計回りに90度回転する。また、励磁カウンタ223uoの値「3」に対応するシーケンスデータである「0011」が設定されると、駆動モータ905のC、およびDの各位置が励磁され、励磁カウンタ223uoの値が「2」の状態から時計回りに90度回転する。また、励磁カウンタ223uoの値「4」に対応するシーケンスデータである「1001」が設定されると、駆動モータ905のA、およびDの各位置が励磁されるので、励磁カウンタ223uoの値が「3」の状態から時計回りに90度回転する。このように、図696に示した例では、励磁カウンタ223uoの値が正方向に1更新される毎に、駆動モータ905が時計回りに90度ずつ回転する。なお、上述した通り、励磁カウンタ223uoの値が負方向に更新される場合は、駆動モータ905が反時計回りに90度ずつ回転する。以上のように、駆動モータ905の制御を、簡略化した動作モデルで説明したが、本実施形態で実際に用いられる駆動モータ905では、1ステップ毎に(即ち、励磁カウンタ223uoの値を1更新する毎に)1度ずつ回転させることができる。即ち、可動役物900を可変させる場合は、可変させるステップ数に応じた回数だけ励磁カウンタ223uoの値を1ずつ更新し、励磁カウンタ223uoの更新毎に励磁カウンタ223uoに対応する励磁制御データを設定することで、正確に可動役物900を可変させることができる。
また、本第20制御例におけるパチンコ機10では、励磁カウンタ223uoの値を更新すること無く、継続して駆動モータ905に対して同一位置を励磁可能に構成している。この場合、駆動モータ905を回転させること無く同一位置を維持させるための保持状態となる。なお、上述した各種シナリオテーブルにて規定されている動作「保持」に対応する動作シナリオでは、1つ前の処理カウンタ223ukの値が終了した時点における励磁カウンタ223uoの値と同一の値に対応する励磁制御が対応する時間分実行されていることを示している。なお、詳細な説明は省略するが、この動作「保持」に対応する動作シナリオが実行されている状態では、駆動モータ905に対して励磁処理が実行されていない状態(可動役物900の可動制御を実行していない状態)よりも、励磁によって発生した磁力によって駆動モータ905が回転し難くなるように構成している。このように構成することで、駆動モータ905を可動制御(励磁カウンタ223uoの値を更新させながら駆動モータ905を回転させる制御)したことによって移動された可動役物900の慣性力によって駆動モータ905が回転してしまうことを抑制し易くすることができる。このように、本実施形態では、モータドライバに対してコマンドを設定することにより、コマンドで指定した回転速度、回転方向、および回転ステップ数で可動役物900を駆動することができる。よって、可動役物900を用いた多彩な演出動作を実現することができる。
次に、図693(b)に戻り、本制御例における音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223内について説明する。図693(b)は、本第20制御例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図693(b)に示した通り、第20制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223には、特別図柄保留球数カウンタ223uaと、変動開始フラグ223ubと、停止種別選択フラグ223ucと、変動パターン格納エリア223udと、シナリオ格納エリア223ueと、復帰対応シナリオ格納エリア223ufと、励磁データ格納エリア223ugと、変動時間タイマ223uhと、励磁タイマ223uiと、駆動タイマ223ujと、処理カウンタ223ukと、復帰対応カウンタ223ulと、ステップカウンタ223umと、繰り返しカウンタ223unと、励磁カウンタ223uoと、駆動待機フラグ223upと、役物駆動フラグ223uqと、振動シナリオ実行フラグ223urと、退避シナリオ実行フラグ223usと、振動シナリオ終了フラグ223utと、復帰対応フラグ223uuとが設けられている。シナリオ格納エリア223ueは、役物可動演出中に、実行する可動制御に対応するシナリオデータが格納される記憶領域である。この、シナリオ格納エリア223ueは、役物可動演出中に、実行する可動制御に対応するシナリオテーブルから、処理カウンタ223ukの値に対応するデータが適宜格納される。即ち、役物可動演出中は、シナリオ格納エリア223ueに格納された情報を参照して、可動役物900の可動制御が実行される。役物可動演出が終了した場合には、シナリオ格納エリア223ue内のデータをクリアする処理を実行する(図704のY813参照)。これにより、可動制御に必要なデータだけがシナリオ格納エリア223ueに適宜格納されるため、音声ランプ制御装置113内のRAM223の記憶量を削減することができる。
復帰対応シナリオ格納エリア223ufは、役物復帰可動制御を実行する場合に参照されるシナリオデータが格納される記憶領域である。具体的には、この復帰対応シナリオ格納エリア223ufは、第1復帰対応シナリオテーブル222udまたは第2復帰対応シナリオテーブル222ueから、後述する復帰対応カウンタ223ulの値に対応するデータが格納される。この復帰対応シナリオ格納エリア223ufは、第1復帰可動制御または第2復帰可動制御が終了した場合に、記憶領域がクリアされる(図705のY911L参照)。励磁データ格納エリア223ugは、励磁テーブル222ufから励磁カウンタ223uoの値に対応する励磁制御データが格納される(図706のY1020L参照)記憶領域である。変動時間タイマ223uhは、特別図柄変動に対応して実行される変動演出が開始されてからの経過時間の経過を計数するためのタイマである。この変動時間タイマ223uhの値は、後述するコマンド判定処理(図708のY116L参照)において、音声ランプ制御装置113が受信した変動パターンコマンドに対応する変動時間に対応する値が設定され、後述する演出更新処理(図700のY112L参照)において1減算される。励磁タイマ223uiは、駆動モータ905を励磁するスピードを制御するためのタイマであり、何周期毎にモータを励磁させるかをカウントするためのタイマである。励磁タイマ223uiは、スピードデータが0ではないシナリオデータに基づいて可動役物900を可動制御している場合において、後述するモータコマンド処理(図706のY114L参照)が実行される毎(1ms毎)に値が1加算される(図706のY1007L参照)。励磁タイマ223uiの値は、シナリオ格納エリア223ueに格納されているシナリオデータにおけるスピードデータの値と一致すると判別された場合(図706のY1008L参照)に、0に設定される(図706のY1009L参照)。
駆動タイマ223ujは、シナリオデータに基づく可動役物900の可動制御が実行されている時間を計数するためのタイマである。この駆動タイマ223ujは、音声ランプ制御装置113において定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図697)において、駆動タイマ監視処理(図699のY111L参照)が実行された場合に、値が1加算される。そして、シナリオデータに基づく可動制御が完了した場合に、値に0が設定される。本第20制御例では、第1可動制御(進出シナリオ動作)中に読み出される各シナリオデータ、可動制御が正常に行われた場合であれば2000ミリ秒未満で完了する制御内容が規定されている。つまり、1のシナリオデータ(動作シナリオ)が完了すること無く、駆動タイマ223ujの値が2000に到達した(2000ミリ秒を計測した)と判別した場合には、可動役物900に対する可動制御に不具合(例えば、脱調や作動位置センサ930の検知不良)が生じた可能性があるため、可動役物900に対して再度正常な可動制御を実行させるべく、可動役物900を原点位置センサ920に検知されるまで移動(復帰)させる第1復帰可動制御を実行するように構成している。同様に、第2可動制御(振動シナリオ動作)を実行している期間において、駆動タイマ223ujの値が540に到達した(540ミリ秒を計測した)と判別した場合には、可動役物900に対する可動制御に不具合(例えば、脱調や作動位置センサ930の検知不良)が生じた可能性があるため、可動役物900に対して再度正常な可動制御を実行させるべく、可動役物900を原点位置センサ920に検知されるまで移動(復帰)させる第1復帰可動制御を実行するように構成している。さらに、第3可動制御(退避シナリオ動作)を実行している期間において、駆動タイマ223ujの値が2000未満では無い(2000以上である)と判別した場合にも、同様に可動役物900に対する可動制御に不具合(例えば、脱調や作動位置センサ930の検知不良)が生じた可能性があるため、可動役物900に対して再度正常な可動制御を実行させるべく、可動役物900を作動位置センサ930に検知されるまで移動(復帰)させる第2復帰可動制御を実行するように構成している。
つまり、本第20制御例では、実行中の可動制御の種別(第1可動制御~第3可動制御)に応じて、可動制御に不具合が生じたと判別するタイミング(駆動タイマ223ujの値)を異ならせている。このように構成することで、可動制御に不具合が生じたと判別するタイミングを全ての可動制御に対して同一に規定した場合に比べて、いち早く復帰可動制御を実行させ易くすることができることから、可動制御に不具合が生じた際にいち早く可動制御を正常な状態へと復帰させ易くすることができる。そして、第1復帰可動制御、或いは第2復帰可動制御が実行されている期間において、駆動タイマ223ujの値が2800より小さい値ではない(2800以上である)と判別した場合には(図699のY312L参照)、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるためのエラー報知コマンドを設定する(図699のY313L)。処理カウンタ223ukは、役物可動演出の実行されている期間において、シナリオ格納エリア223ueにシナリオデータを格納する場合に参照されるカウンタである。この処理カウンタ223ukは、第1可動制御(進出シナリオ動作)の開始時と、第2可動制御(振動シナリオ動作)開始時と、第3可動制御(退避シナリオ動作)の開始時とに、値に1が設定される。そして、シナリオ格納エリア223ueに格納されたシナリオデータに基づく可動制御が完了した場合に、処理カウンタ223ukの値に1が加算される。復帰対応カウンタ223ulは、第1復帰可動制御または第2復帰可動制御の実行されている期間において、復帰対応シナリオ格納エリア223ufに格納するデータを選択する場合に参照されるカウンタである。この復帰対応カウンタ223ulは、第1復帰可動制御または第2復帰可動制御の実行が開始される場合に、値に1が設定される(図699のY308L参照)。そして、この復帰対応カウンタ223ulは、復帰対応シナリオ格納エリア223ufに格納されたシナリオデータに基づく可動制御が完了した場合に、値に1が加算される。
ステップカウンタ223umは、駆動モータ905のステップ数を計数するためのカウンタである。このステップカウンタ223umの値は、駆動モータ905を正回転または逆回転で駆動する場合に、後述するモータコマンド監視処理(図706のY114L参照)において、1加算される(図706のY1012L参照)。また、このステップカウンタ223umは、シナリオ格納エリア223ueに格納されたシナリオデータに規定されたステップ数データの値と一致していると判別した場合に、値に0が設定される。繰り返しカウンタ223unは、振動シナリオテーブル222ubに基づいて実行される可動制御の実行回数を計測するためのカウンタである。本第20制御例では、第2可動制御(振動シナリオ動作)中に実行される可動役物900への振動動作として、振動シナリオテーブル222ubに規定されている可動制御を繰り返して複数回(10回)実行可能に構成している。そして、振動シナリオテーブル222ubに規定されている可動制御として何回目の可動制御が実行されているかを判別する際に、この繰り返しカウンタ223unの値が参照されるように構成している。この繰り返しカウンタ223unの値には、初期値として「1」が設定されるように構成されており、後述するモータシナリオ処理(図701のY113L参照)の中で実行される振動シナリオ処理(図703のY506L参照)において、振動シナリオテーブル222ubの最後のシナリオデータ(処理カウンタ223ukの値「27」に対応するデータ)に対応する処理が完了する毎に1加算されるように構成している。つまり、振動シナリオテーブル222ubに規定されている可動制御を繰り返して実行する毎に繰り返しカウンタ223unの値が「1」加算されるように構成している。そして、加算後の繰り返しカウンタ223unの値が上限値「10」であるかを判別し、上限値「10」であると判別した場合には、第2可動制御(振動シナリオ動作)の終了タイミング(振動シナリオテーブル222ubに規定されている可動制御が最大回数(10回)実行されたタイミング)であると判別し、第2可動制御を終了するための各処理(第3可動制御を実行するための各処理)が実行される。
なお、本第20制御例では、繰り返しカウンタ223unを用いて繰り返して実行される可動制御の回数(実行回数)を計測することで、振動シナリオ動作中に実行された可動制御の回数を判別可能に構成しているが、これに限ること無く、振動シナリオテーブル222ubに規定されている動作シナリオが繰り返された回数を計測可能に構成しても良い。また、本第20制御例では、振動シナリオテーブル222ubに規定されている動作シナリオに基づく可動制御を繰り返して実行する場合に繰り返しカウンタ223unの値を更新(加算)するように構成しているが、これに限ること無く、振動シナリオテーブル222ubに規定されている動作シナリオに基づく可動制御が完了した場合に繰り返しカウンタ223unの値を更新(加算)するように構成しても良い。励磁カウンタ223uoは、励磁テーブル222ufから励磁データ格納エリア223ugに格納するデータを選択する際に参照されるカウンタである。この励磁カウンタ223uoの値は、駆動モータ905を正回転させる場合には1加算され、駆動モータ905を逆回転させる場合には励磁カウンタ223uoの値が減算される。これにより、励磁制御データを増やすことなく、駆動モータ905に対して正回転と逆回転との制御を実行することができる。また、励磁カウンタ223uoの値は、パチンコ機10の電源が断されるまで保持されるように構成されている。このように構成することで、駆動モータ905に対する励磁制御が実行されていない状態であっても、前回の励磁制御によって最後に励磁を行った位置を読み出すことが可能となる。よって、新たな励磁制御が開始された際に最初に動作「保持」が実行される場合であっても、励磁カウンタ223uoの値を読み出すことによって駆動モータ905を確実に保持することができる。
なお、この励磁カウンタ223uoの値はパチンコ機10の電源が断された場合にはクリアされ、パチンコ機10に電源が投入された場合に実行される立ち上げ処理(音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される立ち上げ処理)にて可動役物900に対して所定の立ち上げ動作に対応する可動制御を実行した後に、RAM223の初期値設定処理にて「1」がセットされる。つまり、パチンコ機10に電源が投入された場合には、励磁カウンタ223uoの値が「1」となった状態で可動役物900を収納位置に位置させる立ち上げ動作が実行されるように構成している。このように構成することで、パチンコ機10への電源投入後、最初に実行される可動役物900への可動制御にて、最初に動作「保持」に対応する励磁制御が実行されたとしても、確実に駆動モータ905を保持することができる。駆動モータ905を保持するための励磁制御の内容については、これに限ること無く、別の構成を用いても良く、例えば、駆動モータ905が回転位置(回転角度)を検出可能な検出手段を設けることで、現在の駆動モータ905の回転角度を検出し、検出した回転角度と、実行される励磁制御の内容とを比較することで励磁カウンタ223uoの値を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、パチンコ機10への電源投入後に実行される可動役物900の立ち上げ動作が終了した時点における駆動モータ905の回転角度を特定角度に固定する制御を実行しなくても、パチンコ機10への電源投入後、最初に実行される可動役物900への可動制御にて、最初に動作「保持」に対応する励磁制御が実行されたとしても、確実に駆動モータ905を保持することができる。
駆動待機フラグ223upは、役物可動演出の実行タイミングまで、可動役物900の可動制御を待機させるためのフラグである。この駆動待機フラグ223upは、コマンド判定処理(図708のY116L参照)において、役物可動演出を伴う変動演出が実行される場合にオンに設定される。また、この駆動待機フラグ223upは、役物可動演出の実行タイミング(変動演出が開始されてから2秒が経過したタイミング)となった場合に駆動待機フラグ223upの設定状況が判別され(図700のY404L)、駆動待機フラグ223upがオンに設定されていると判別した場合に(図700のY404L:Yes)、役物可動演出を実行するための各種処理が実行され、駆動待機フラグ223upがオフに設定される。役物駆動フラグ223uqは、可動役物900の可動制御を実行している期間であることを示すためのフラグである。この役物駆動フラグ223uqは、役物可動演出を開始する場合にオンに設定され(図700のY408L参照)、第3可動制御(退避シナリオ動作)が終了した場合、または後述する異常状態と判別された場合にオフに設定される。
つまり役物駆動フラグ223uqは、役物可動演出が開始された場合にオンに設定され、役物可動演出が終了した場合にオフに設定されるフラグである。よって、本第20制御例では、現在が役物可動演出中であるか否かを役物駆動フラグ223uqの設定状況を判別することによって特定可能に構成している。なお、本第20制御例では、役物可動演出が実行されている期間は、少なくとも上述した各シナリオテーブル(進出シナリオテーブル222uaと振動シナリオテーブル222ubと退避シナリオテーブル222ucと第1復帰対応シナリオテーブル222udと第2復帰対応シナリオテーブル222ue)に基づく制御が実行されているため、各シナリオテーブル(進出シナリオテーブル222uaと振動シナリオテーブル222ubと退避シナリオテーブル222ucと第1復帰対応シナリオテーブル222udと第2復帰対応シナリオテーブル222ue)の何れかに基づく制御が実行されている場合に役物駆動フラグ223uqがオンに設定されるように構成しているが、これに限ること無く、役物可動演出が開始される場合に設定されるシナリオテーブル(進出シナリオテーブル222ua)に基づく可動制御が実行された場合に役物駆動フラグ223uqをオンに設定し、役物可動演出を終了させる場合に設定されるシナリオテーブル(退避シナリオテーブル222uc)に基づく可動制御が終了した場合に、オンに設定されている役物駆動フラグ223uqをオフに設定するように構成しても良い。振動シナリオ実行フラグ223urは、第2可動制御(振動シナリオ動作)が実行されていることを示すためのフラグであって、振動シナリオ動作に対応する振動シナリオテーブル222ubに基づく可動制御が実行される場合にオンに設定される。そして、第2可動制御(振動シナリオ動作)が終了した場合にオフに設定される。退避シナリオ実行フラグ223usは、第3可動制御(退避シナリオ動作)が実行されていることを示すためのフラグであって、退避シナリオ動作に対応する退避シナリオテーブル222ucに基づく可動制御が実行される場合にオンに設定される。そして、第3可動制御(退避シナリオ動作)が終了した場合にオフに設定される。
振動シナリオ終了フラグ223utは、第2可動制御(振動シナリオ動作)が実行されている期間において、第2可動制御(振動シナリオ動作)を途中で終了させる終了条件が成立したことを示すためのフラグであって、終了条件が成立した場合にオンに設定される。復帰対応フラグ223uuは、役物復帰可動制御が実行されていることを示すためのフラグであって、役物可動演出の実行期間中(役物駆動フラグ223uqがオンに設定されている状態)において、実行中のシナリオ動作に対応する可動制御期間が正常であれば終了し得る期間(正常動作期間)を経過し、役物復帰可動制御の実行条件が成立した場合にオンに設定される(図699のY307L参照)。そして、役物復帰可動制御によって可動役物900が正常な位置に位置した場合(正常な可動制御を実行可能な状態となった場合)にオフに設定される(図705のY910L参照)。この場合は、役物復帰可動制御を終了した後に、役物可動制御が継続して実行される。また、役物復帰可動制御を正常に終了させることが出来なかった場合にもオフに設定される(図699のY314L参照)。この場合は、役物復帰可動制御の処理を実行したにも関わらず可動役物900を正常な位置に位置させることができなかった場合であるため、役物可動演出を中断し、可動役物900に対する可動制御に異常が生じたことを外部に報知するための処理が実行される。つまり、本第20制御例では、可動役物900を用いた役物可動演出を実行する場合において、正常に可動制御が実行されている(各シナリオテーブルに規定されている動作シナリオに沿った可動制御が実行されている)第1制御状態と、各シナリオテーブルに規定されている動作シナリオに沿った可動制御が許容期間内で終了しなかった場合に、各シナリオテーブルに規定されている動作シナリオとは異なる可動制御(復帰可動制御)を実行することで可動役物900を特定位置へと位置させる可動制御が実行されている第2制御状態と、可動役物900に対する可動制御を実行することが出来ず強制的に可動制御を終了させる第3制御状態と、を設定可能に構成している。
<第20制御例の制御処理について>
次に、図697から図708を参照して、本第20制御例におけるパチンコ機10の制御処理内容のうち、可動役物900を用いた役物可動演出に関連する制御処理内容として、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される処理内容について説明をする。それ以外の処理内容、即ち、主制御装置110のMPU201にて実行される各種処理や、表示制御装置114にて実行される各種処理については、上述した各制御例にて用いられた処理内容の少なくとも何れかと同一とし、その説明を省略する。まず、図697を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図697は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のY101Lの処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(Y101L)、1m秒以上経過していなければ(Y101L:No)、Y102L~Y115Lの処理を行わずにY116Lの処理へ移行する。Y101Lの処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、Y102L~Y115Lが主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、Y116Lのコマンド判定処理や、Y117Lの変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。Y116Lの処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、Y117Lの処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
Y101Lの処理で1m秒以上経過していれば(Y101L:Yes)、まず、Y103L~Y115Lの処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(Y102L)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するY108Lの処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(Y103L)、その後電源投入報知処理を実行する(Y104L)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにY105Lの処理へ移行する。Y105Lの処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(Y106L)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。なお、この客待ち演出は、環境情報調整画面において遊技者によって調整された音量・光量を反映した態様で実行されるため、複数の演出態様から1の演出態様を遊技者に設定させるための第1の演出において決定された演出態様を反映した態様の演出である。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223uaの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(Y107L)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、Y107Lの処理は省略される。なお、この枠ボタン入力監視・演出処理(Y107L)については、図698を参照して、詳細を後述する。枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(Y108L)、その後音編集・出力処理を実行する(Y109L)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。Y109Lの処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(Y110L)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてY108Lのランプ編集処理が実行される。なお、Y109Lの音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
Y111Lの処理では、シナリオ格納エリア223ueまたは復帰対応シナリオ格納エリア223ufに格納されたデータに対応する可動制御が開始されてからの時間を計数し、所定時間(所謂タイムオーバーと判定される時間)に達しているか否かを判別する駆動タイマ監視処理を行う(Y111L)。なお、この駆動タイマ監視処理(Y111L)については、図699を参照して、詳細を後述する。Y111Lの処理では、特別図柄の変動が開始されてからの時間を計数し、所定のタイミングにおいて役物可動演出を実行させるための処理を実行する演出更新処理を行う(Y112L)。なお、この演出更新処理(Y112L)については、図700を参照して、詳細を後述する。Y113Lの処理では、可動役物900を可動制御させるためのシナリオテーブルから、所定のタイミングでシナリオ格納エリア223ueまたは復帰対応シナリオ格納エリア223ufに格納されているデータを更新する処理を実行するモータシナリオ処理を行う(Y113L)。なお、このモータシナリオ処理(Y113L)については、図701を参照して、詳細を後述する。Y114Lの処理では、可動役物900をモータシナリオ処理(Y113L)で設定された駆動データに基づいて、それぞれ可動させる処理を実行するモータコマンド監視処理を行う(Y114L)。なお、このモータコマンド監視処理(Y114L)については、図706を参照して、詳細を後述する。モータコマンド監視処理(Y114L)が実行された後には、モータ出力処理(Y115L)を実行する。Y115Lの処理では、モータコマンド監視処理(Y114L)で設定されたモータ制御を実行するコマンドを駆動モータ905に対して出力するモータ出力処理を行う(Y115L)。このモータ出力処理(Y115L)については、図707を参照して、詳細を後述する。モータ出力処理(Y115L)が実行された後には、Y116Lの処理へ移行する。Y116Lの処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(Y116L)。このコマンド判定処理の詳細については、図708を参照して後述する。
コマンド判定処理(Y116L)の次には、変動表示設定処理が実行される(Y117L)。変動表示設定処理(Y117L)では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。Y117Lの処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(Y118L)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。Y118Lの処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(Y118L:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(Y120L)、電源断処理を実行する(Y121L)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(Y122L)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。一方、Y118Lの処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(Y118L:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(Y119L)、RAM223が破壊されていなければ(Y119L:No)、Y101Lの処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(Y119L:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図698を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理(Y107L)の処理内容について説明をする。図698は、枠ボタン入力監視・演出処理(Y107L)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(Y107L)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図697参照)の中で実行され、枠ボタン22が押下された場合に各種設定を実行するための処理である。枠ボタン入力監視・演出処理(Y107L)が実行されると、まず、枠ボタンはオンの状態であるか否かを判別し(Y201L)、枠ボタンがオンの状態ではないと判別した場合には(Y201L:No)、本処理を終了する。一方、Y201Lの処理において、枠ボタンがオンの状態であると判別した場合には(Y201L:Yes)、復帰対応フラグ223uuがオンの状態であるか否かを判別し(Y202L)、復帰対応フラグ223uuがオンであると判別した場合には(Y202L:Yes)、役物復帰可動制御が実行されていることを意味するため、本処理を終了する。一方、Y202Lの処理において、復帰対応フラグ223uuがオンではないと判別した場合には(Y202L:No)、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであるか否かを判別する(Y203L)し、振動シナリオ実行フラグ223urがオンではないと判別した場合には(Y203L:No)、その他の処理を実行する(Y205L)。一方、Y203Lの処理において、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであると判別した場合には(Y203L:Yes)、第2可動制御(振動シナリオ動作)が実行されている期間に、遊技者によって枠ボタン22が押下されたことを意味するため、振動シナリオ終了フラグ223utをオンに設定し(Y204L)、本処理を終了する。このように構成することで、遊技者が枠ボタン22を押下したことを契機として、第2可動制御(振動シナリオ動作)を途中で終了させるための処理を実行することができる。
次に、図699を参照して、駆動タイマ監視処理(Y111L)の処理内容について説明をする。図699は、駆動タイマ監視処理(Y111L)を示したフローチャートである。この駆動タイマ監視処理(Y111L)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図697参照)の中で実行され、可動役物900の可動制御が実行されている場合に、駆動タイマ223ujの値を1ずつ加算し、駆動タイマ223ujの値に基づいて各種設定を実行するための処理である。駆動タイマ監視処理(Y111L)では、まず、役物駆動フラグ223uqがオンであるか否かを判別し(Y301L)、役物駆動フラグ223uqがオンではないと判別した場合には(Y301L:No)、可動役物900が可動制御されていない期間であることを意味するため、本処理を終了する。一方、Y301Lの処理において、役物駆動フラグ223uqがオンであると判別した場合には(Y301L:Yes)、可動役物900が可動制御されている期間であることを意味するため、駆動タイマ223ujの値に1を加算し(Y302L)、復帰対応フラグ223uuがオンであるか否かを判別し(Y303L)、復帰対応フラグ223uuがオンであると判別した場合には(Y303L:Yes)、駆動タイマ223ujの値が2800未満であるか否かを判別する(Y312L)。Y312Lの処理において、駆動タイマ223ujの値が2800未満であると判別した場合には(Y312L:Yes)、本処理を終了する。一方、Y312Lの処理において、駆動タイマ223ujの値が2800未満ではないと判別した場合には(Y312L:No)、役物復帰可動制御が正常に実行された場合に要する最大時間(振動下限位置から原点位置まで復帰させる場合の2800ms)を超えているため、第3図柄表示装置81においてエラー報知用の画像を表示するための、エラー報知コマンドを設定する(Y313L)。
このように構成することで、原点位置センサ920と作動位置センサ930との両方が故障してしまう不具合や、可動役物900を駆動させるための部材等(駆動モータ905等)が故障してしまう不具合が発生した場合であって、復帰動作を実行したにも関わらず、可動役物900が可動制御され得る最大期間が経過しても何れのセンサ(原点位置センサ920と作動位置センサ930)も可動役物900を検知できなかった状態を異常状態(エラー状態)と特定し、エラー状態であることを報知することができる。Y313Lの処理が終了すると、復帰対応フラグ223uuをオフに設定し(Y314L)、役物駆動フラグ223uqをオフに設定する(Y315L)。これにより、エラー報知を実行する場合に、可動役物900に対する駆動制御を強制的に終了させることができる。Y315Lの処理が終了すると、振動シナリオ実行フラグ223urをオフに設定し(Y316L)、退避シナリオ実行フラグ223usをオフに設定し(Y317L)、駆動タイマ223ujの値に0を設定して(図示せず)本処理を終了する。また、Y303Lの処理において、復帰対応フラグ223uuがオンではないと判別した場合には(Y303L:No)、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであるか否かを判別し(Y304L)、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであると判別した場合には(Y304L:Yes)、次に、駆動タイマ223ujの値が540未満であるか否かを判別する(Y306L)。駆動タイマ223ujの値が540未満であると判別した場合には(Y306L:Yes)、本処理を終了する。
一方、Y304Lの処理において、振動シナリオ実行フラグ223urがオンではないと判別した場合には(Y304L:No)、駆動タイマ223ujの値が2000未満であるか否かを判別する(Y305L)。Y305Lの処理において、駆動タイマ223ujの値が2000未満ではないと判別した場合(Y305L:No)、或いは、Y306Lの処理において、駆動タイマ223ujの値が540未満ではないと判別した場合には(Y306L:No)、復帰対応フラグ223uuをオンに設定する(Y307L)。本第20制御例では、第1可動制御(進出シナリオ動作)または第3可動制御(退避シナリオ動作)において可動役物900が正常に動作した場合、駆動タイマ223ujの値が最大で1932(1932ms)となるように構成されており、第2可動制御において、可動役物900が正常に動作した場合、駆動タイマ223ujの値が最大で500(500ms)となるように構成されている。このように構成することで、センサや駆動モータ905の故障等により、動作シナリオに基づく可動制御が正常に実行されなかった場合に、所定の処理を実行することができる。
Y307Lの処理が終了すると、復帰対応カウンタ223ulの値に1を設定して(Y308L)、退避シナリオ実行フラグ223usがオンであるか否かを判別する(Y309L)。退避シナリオ実行フラグ223usがオンであると判別した場合には(Y309L:Yes)、第2復帰対応シナリオテーブル222ueにおける、処理カウンタ223ukの値に対応するデータを復帰対応シナリオ格納エリア223ufに格納し(Y310L)、駆動タイマ223ujの値に0を設定して(図示せず)本処理を終了する。一方、Y309Lの処理において、退避シナリオ実行フラグ223usがオンではないと判別した場合には(Y309L:No)、第1復帰対応シナリオテーブル222udにおける、復帰対応カウンタ223ulの値に対応するシナリオデータを、復帰対応シナリオ格納エリア223ufに格納し(Y311L)、駆動タイマ223ujの値に0を設定して(図示せず)本処理を終了する。これらに対し、Y305Lの処理において、駆動タイマ223ujの値が2000未満であると判別した場合には(Y305L:Yes)、本処理を終了する。次に、図700を参照して、演出更新処理(Y112L)の処理内容について説明をする。図700は、演出更新処理(Y112L)を示したフローチャートである。この演出更新処理は(Y112L)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図697参照)の中で実行され、特別図柄の変動が開始されてからの時間を、変動時間タイマ223uhの値を更新することで計測し、更新された変動時間タイマ223uhの値に基づいて各種設定を行うための処理を実行する。演出更新処理(Y112L)では、まず、変動時間タイマ223uhの値が0より大きい値であるか否かを判別し(Y401L)、変動時間タイマ223uhの値が0より大きい値ではないと判別した場合には(Y401L:No)、本処理を終了する。一方、Y401Lの処理において、変動時間タイマ223uhの値が0より大きいと判別した場合には(Y401L:Yes)、変動時間タイマ223uhの値を1減算し(Y402L)、駆動待機フラグ223upはオンであるか否かを判別する(Y403L)。
Y403Lの処理において、駆動待機フラグ223upがオンではないと判別した場合には(Y403L:No)、本処理を終了する。一方、Y403Lの処理において、駆動待機フラグ223upがオンであると判別した場合には(Y403L:Yes)、役物可動演出を伴う変動演出が実行されていることを意味するため、役物駆動を開始するタイミングであるか否かを判別し(Y404L)、役物駆動を開始するタイミングではないと判別した場合には(Y404L:No),本処理を終了する。一方、Y404Lの処理において、役物駆動を開始するタイミングであると判別した場合には(Y404L:Yes)、処理カウンタ223ukの値に1を設定し(Y405L)、進出シナリオテーブル222uaから処理カウンタ223ukの値「1」に対応するデータをシナリオ格納エリア223ueに格納する(Y406L)。Y406Lの処理が終了すると、駆動待機フラグ223upをオフに設定し(Y407L)、役物駆動フラグ223uqをオンに設定し(Y408L)、本処理を終了する。次に、図701を参照して、モータシナリオ処理(Y113L)の処理内容について説明をする。図701は、モータシナリオ処理(Y113L)を示したフローチャートである。このモータシナリオ処理(Y113L)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図697参照)の中で実行され、可動役物900の可動制御を実行する際に参照されるシナリオデータを、格納エリアに適宜格納するための処理を実行する。このモータシナリオ処理(Y113L)が実行されると、まず、役物駆動フラグ223uqがオンの状態であるか否かを判別し(Y501L)、役物駆動フラグ223uqがオンではないと判別した場合には(Y501L:No)、可動役物900を可動制御している期間ではないことを意味するため、本処理を終了する。
一方、Y501Lの処理において、役物駆動フラグ223uqがオンであると判別した場合には(Y501L:Yes)、復帰対応フラグ223uuがオンであるか否かを判別し(Y502L)、復帰対応フラグ223uuがオンであると判別した場合には(Y502L:Yes)、第1復帰可動制御または第2復帰可動制御を実行している期間であることを意味するため、復帰対応シナリオ処理を実行し(Y508L)、本処理を終了する。なお、復帰対応シナリオ処理(Y508L)については、図705を参照して詳細について説明する。一方、Y502Lの処理において、復帰対応フラグ223uuがオンではないと判別した場合には(Y502L:No)、次に、退避シナリオ実行フラグ223usがオンであるか否かを判別する(Y503L)。Y503Lの処理において、退避シナリオ実行フラグ223usがオンであると判別した場合には(Y503L:Yes)、第3可動制御(退避シナリオ動作)を実行している期間であることを意味するため、退避シナリオ処理を実行して(Y507L)、本処理を終了する。なお、退避シナリオ処理(Y507L)については、図704を参照して詳細について説明する。一方、Y503Lの処理において、退避シナリオ実行フラグ223usがオフであると判別した場合には(Y503L:No)、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであるか否かを判別する(Y504L)。振動シナリオ実行フラグ223urがオンであると判別した場合には(Y504L:Yes)、第2可動制御(振動シナリオ動作)を実行している期間であることを意味するため、振動シナリオ処理を実行し(Y506L)、本処理を終了する。振動シナリオ処理(Y506L)については、図703を参照して詳細について説明する。一方、Y504Lの処理において、振動シナリオ実行フラグ223urがオフであると判別されると(Y504L:No)、第1可動制御(進出シナリオ動作)が実行されている期間であることを意味するため、進出シナリオ処理を実行し(Y505L)、本処理を終了する。進出シナリオ処理(Y505L)については、図702を参照して詳細について説明する。
次に、図702を参照して、モータシナリオ処理(図701のY113L参照)にて実行される進出シナリオ処理(Y505L)の処理内容について説明をする。図702は、進出シナリオ処理(Y505L)を示したフローチャートである。この進出シナリオ処理では、第1可動制御(進出シナリオ動作)を実行している場合に、進出シナリオテーブル222uaにおけるシナリオデータを、シナリオ格納エリア223ueに適宜格納するための処理を実行する。進出シナリオ処理(Y505L)では、第1可動制御(進出シナリオ動作)している場合に、シナリオ格納エリア223ueに格納されているデータを更新するための処理が実行される。進出シナリオ処理(Y505L)が実行されると、まず、シナリオ格納エリア223ueに格納されているデータを抽出して(Y601L)、そのデータに規定されているステップ数データの値がステップカウンタ223umの値と一致しているか否か判別する(Y602L)。Y602Lの処理において、ステップ数データの値がステップカウンタ223umと一致していると判別した場合には(Y602L:Yes)、シナリオ格納エリア223ueに格納されたデータに対応する動作が完了したことを意味するため、ステップカウンタ223umの値をリセットするために0を設定し(Y606L)、Y607Lの処理に移行する。一方、Y602Lの処理において、ステップ数データの値がステップカウンタ223umの値と一致してないと判別した場合には(Y602L:No)、Y601Lの処理で抽出したデータにおけるセンサデータに規定された値が0であるか否かを判別し(Y603L)、センサデータに規定された値が0であると判別した場合には(Y603L:Yes)、Y605Lの処理に移行する。Y603Lの処理において、センサデータに規定された値が0ではないと判別した場合には(Y603L:No)、次に、センサデータに規定された値に対応するセンサがオンの状態であるか否かを判別し(Y604L)、センサデータに規定された値に対応するセンサがオンの状態ではないと判別した場合には(Y604L:No)、Y605Lの処理に移行する。
Y605Lの処理では、Y601Lの処理においてシナリオ格納エリア223ueから抽出されたデータにおける時間データの値が駆動タイマ223ujの値と一致しているか否かを判別し(Y605L)、時間データの値が駆動タイマ223ujの値と一致していないと判別した場合には(Y605L:No)、シナリオ格納エリア223ueに格納されているデータに対応する動作が完了していないことを意味するため、本処理を終了する。一方、Y604Lの処理において、センサデータの値に対応するセンサがオンの状態であると判別した場合(Y604L:Yes)、或いは、Y605Lの処理において、時間データの値が駆動タイマ223ujの値と一致していると判別した場合(Y605L:Yes)は、シナリオ格納エリア223ueに設定されているデータに対応する動作が完了したことを意味するため、Y607Lの処理に移行する。Y607Lの処理では、処理カウンタ223ukの値が4であるか否かを判別する(Y607L)。処理カウンタ223ukの値が4ではないと判別した場合には(Y607L:No)、進出シナリオ動作での可動制御を進行させるために、処理カウンタ223ukの値に1を加算し(Y608L)、進出シナリオテーブル222uaにおける加算後の処理カウンタ223ukの値に対応するデータをシナリオ格納エリア223ueに格納する(Y609L)。一方、Y607Lの処理において、処理カウンタ223ukの値が4であると判別した場合には(Y607L:Yes)、進出シナリオ動作での可動制御が完了していることを意味するため、処理カウンタ223ukの値に1を設定し(Y610L)、振動シナリオテーブル222ubから更新後の処理カウンタ223ukの値(1)に対応するデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(Y611L)、振動シナリオ実行フラグ223urをオンに設定する(Y612L)。Y609LまたはY612Lの処理を終えると、Y609LまたはY611Lの処理においてシナリオ格納エリア223ueに格納されたデータに対応する動作での可動制御の経過時間を計数するために、駆動タイマ223ujの値に0を設定し(Y613L)、本処理を終了する。
次に、図703を参照して、モータシナリオ処理(図701のY113L参照)にて実行される振動シナリオ処理(Y506L)の処理内容について説明をする。図703は、振動シナリオ処理処理(Y506L)を示したフローチャートである。この振動シナリオ処理(Y506L)は、第2可動制御(振動シナリオ動作)が実行されている場合に、シナリオ格納エリア223ue内のデータを更新するための処理である。この振動シナリオ処理(Y506L)では、まず、シナリオ格納エリア223ueに格納されているデータを抽出して(Y701L)、そのデータに規定されているステップ数データの値がステップカウンタ223umの値と一致しているか否か判別し(Y702L)、ステップ数データの値がステップカウンタ223umと一致していると判別した場合には(Y702L:Yes)、シナリオ格納エリア223ueに格納されたシナリオデータに対応する動作での可動制御が完了していることを意味するため、ステップカウンタ223umの値に0を設定し(Y706L)、Y707Lの処理に移行する。
一方、Y702Lの処理において、Y701Lの処理で抽出したデータにおけるステップ数データの値がステップカウンタ223umの値と一致してないと判別した場合には(Y702L:No)、センサデータに規定された値が0であるか否かを判別する(Y703L)。Y703Lの処理において、センサデータに規定された値が0ではないと判別した場合には(Y703L:No)、センサデータに対応するセンサはオンの状態であるか否かを判別する(Y704L)。Y703Lの処理において、センサデータの値が0であると判別した場合(Y703:Yes)、或いは、Y704Lの処理において、センサデータに対応するセンサがオンの状態ではないと判別した場合には(Y704L:No)、時間データの値が駆動タイマ223ujの値と一致するか否かを判別する(Y705)。Y704Lの処理において、センサデータの値に対応するセンサがオンの状態であると判別した場合(Y704L:Yes)、或いは、Y705の処理において、時間データの値と駆動タイマ223ujの値が一致すると判別した場合には、Y707Lの処理に移行する。一方、Y705Lの処理において、時間データの値が駆動タイマ223ujの値と一致していないと判別した場合には、本処理を終了する。Y707Lの処理では、処理カウンタ223ukの値が、7,12、13,14,20、25,26、27のうち、いずれかの値と一致しているか否かを判別する(Y707L)。処理カウンタ223ukの値が、7,12、13,14,20、25,26、27のうち、いずれかと一致すると判別した場合には(Y707L:Yes)、第2可動制御(振動シナリオ動作)を終了させることが可能な条件を満たしているため、振動シナリオ終了フラグ223utがオンであるかを判別する(Y708L)。
これにより、第2可動制御(振動シナリオ動作)が実行されている期間であっても、予め定められたタイミングで、所定の処理を実行することができる。Y708Lの処理において、振動シナリオ終了フラグ223utがオンであると判別した場合には(Y708L:Yes)、処理カウンタ223ukの値に27を設定し(Y709L)、繰り返しカウンタ223unの値に10を設定し(Y710L)、Y711Lの処理に移行する。これにより、第2可動制御(振動シナリオ動作)の実行期間において、第2可動制御(振動シナリオ動作)を途中で終了させる場合に、第2可動制御(振動シナリオ動作)が完了した場合と同様の処理に、強制的に移行させることができる。一方、Y708Lの処理において、振動シナリオ終了フラグ223utがオンではないと判別した場合(Y708L:No)、或いは、Y707Lの処理において、処理カウンタ223ukの値が、7,12、13,14,20、25,26、27のうち、いずれとも一致していないと判別した場合には、Y711Lの処理に移行する。Y711Lの処理では、処理カウンタ223ukの値が27と一致している否かを判別し(Y711L)、処理カウンタ223ukの値が27と一致していると判別した場合には(Y711L:Yes)、振動シナリオテーブル222ubに規定されているデータに対応する動作での可動制御が完了しているため、繰り返しカウンタ223unの値が10であるか否かを判別する(Y714L)。Y714Lの処理において、繰り返しカウンタ223unの値が10であると判別した場合には(Y714L:Yes)、予め定められた回数(10回)の振動シナリオ動作での可動制御が完了しているため、振動シナリオ実行フラグ223urをオフに設定し(Y718L)、処理カウンタ223ukの値に1を設定する(Y719L)。Y719Lの処理が終了すると、退避シナリオテーブル222ucにおける、処理カウンタ223ukの値「1」に対応するデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(Y720L)、退避シナリオ実行フラグ223usをオンに設定し(Y721L)、Y722Lの処理に移行する。
一方、Y714Lの処理において、繰り返しカウンタ223unの値が10ではないと判別した場合には(Y714L:No)、繰り返しカウンタ223unの値に1を加算し(Y715L)、処理カウンタ223ukの値に1を設定し(Y716L)、第2可動制御(振動シナリオ動作)を再度実行させるために、振動シナリオテーブル222ubにおける、処理カウンタ223ukの値「1」に対応するシナリオデータをシナリオ格納エリア223ueに格納する(Y717L)。これにより、第2可動制御(振動シナリオ動作)を、所定回数繰り返して実行できる。Y717Lの処理が終了すると、Y722Lの処理に移行する。これらに対し、Y711Lの処理において、処理カウンタ223ukの値が27では無いと判別した場合には(Y711L:No)、処理カウンタ223ukの値に1を加算し(Y712L)、振動シナリオテーブル222ubから、加算後の処理カウンタ223ukの値に対応するデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(Y713L)、Y722Lの処理に移行する。Y722Lの処理では、駆動タイマ223ujの値に0を設定する(Y722L)。Y705の処理において、時間データの値と駆動タイマ223ujの値が一致していないと判別した場合(Y705L:No)、及びY722Lの処理が終了した場合には、本処理を終了する。次に、図704を参照して、モータシナリオ処理(図701のY113L参照)にて実行される退避シナリオ処理(Y507L)の処理内容について説明をする。図704は、退避シナリオ処理(Y507L)を示したフローチャートである。退避シナリオ処理(Y507L)は、第3可動制御(退避シナリオ動作)を実行している場合に、シナリオ格納エリア223ueに格納されているデータを更新するための処理である。
この退避シナリオ処理(Y507L)では、まず、シナリオ格納エリア223ueに格納されているデータを抽出して(Y801L)、そのデータに規定されているステップ数データの値がステップカウンタ223umの値と一致しているか否か判別し(Y802L)、ステップ数データの値がステップカウンタ223umと一致していると判別した場合には(Y802L:Yes)、シナリオ格納エリア223ueに格納されたデータに対応する動作が完了したことを意味するため、ステップカウンタ223umの値をリセットするために0を設定し(Y806L)、Y807Lの処理に移行する。一方、Y802の処理において、ステップ数データの値がステップカウンタ223umの値と一致してないと判別した場合には(Y802L:No)、Y801Lの処理で抽出したデータにおけるセンサデータに規定された値が0であるか否かを判別する(Y803L)。センサデータに規定された値が0であると判別した場合には(Y803L:Yes)、Y805Lの処理に移行する。一方、Y803Lの処理において、センサデータに規定された値が0ではないと判別した場合には(Y803L:No)、センサデータに規定された値に対応するセンサがオンの状態であるか否かを判別し(Y804L)、センサデータに規定された値に対応するセンサがオンの状態ではないと判別した場合には(Y804L:No)、Y805Lの処理に移行する。Y805Lの処理では、Y801Lの処理においてシナリオ格納エリア223ueから抽出されたデータにおける時間データの値が駆動タイマ223ujの値と一致しているか否かを判別する。時間データの値が駆動タイマ223ujの値と一致していないと判別した場合には(Y805L:No)、シナリオ格納エリア223ueに格納されているデータに対応する動作が完了していないことを意味するため、本処理を終了する。
一方、Y804Lの処理において、センサデータの値に対応するセンサがオンの状態であると判別した場合(Y804L:Yes)、或いは、Y805Lの処理において、時間データの値が駆動タイマ223ujの値と一致していると判別した場合(Y805L:Yes)は、シナリオ格納エリア223ueに設定されているデータに対応する動作が完了しているため、Y807Lの処理に移行する。Y807Lの処理では、処理カウンタ223ukの値が4であるか否かを判別する(Y807L)。処理カウンタ223ukの値が4ではないと判別した場合には(Y807L:No)、第3可動制御(退避シナリオ動作)を進行するために、処理カウンタ223ukの値に1を加算し(Y808L)、退避シナリオテーブル222ucにおける、加算後の処理カウンタ223ukの値に対応するシナリオデータを、シナリオ格納エリア223ueに格納する(Y809L)。Y809Lの処理が終了すると、駆動タイマ223ujの値に0を設定し(Y810L)、本処理を終了する。一方、Y807Lの処理において、処理カウンタ223ukの値が4であると判別した場合には(Y807L:Yes)、第3可動制御(退避シナリオ動作)が完了したことを意味するため、退避シナリオ実行フラグ223usをオフに設定し(S811L)、役物駆動フラグ223uqをオフに設定し(Y812L)、シナリオ格納エリア223ueをクリアし(Y813L)、本処理を終了する。次に、図705を参照して、モータシナリオ処理(図701のY113L参照)にて実行される復帰対応シナリオ処理(Y508L)の処理内容について説明をする。図705は、復帰対応シナリオ処理(Y508L)を示したフローチャートである。この復帰対応シナリオ処理(Y508L)では、役物可動演出が実行されている場合に、予め設定された特定の時間を経過した場合に、可動役物900の復帰可動制御、或いは異常状態の報知を実行するための処理が実行される。
復帰対応シナリオ処理(Y508L)が実行されると、まず、復帰対応シナリオ格納エリア223ufに格納されているデータを抽出し(Y901L)、そのデータに規定されているセンサデータの値が0であるか否かを判別する(Y902L)。Y902Lの処理において、センサデータの値が0ではないと判別した場合には(Y902L:No)、Y904Lの処理に移行する。一方、Y902Lの処理において、Y901Lの処理で抽出したデータにおけるセンサデータの値が0であると判別した場合には(Y902L:Yes)、そのセンサデータの値に対応するセンサがオンの状態であるか否かを判別する(Y903L)。Y903Lの処理において、センサデータの値に対応するセンサがオンの状態ではないと判別した場合には(Y903L:No)、Y904Lの処理に移行する。Y904Lの処理では、Y901Lの処理で抽出されたデータにおける時間データの値と駆動タイマ223ujの値が一致しているか否かを判別し(Y904L)、時間データの値と駆動タイマ223ujの値が一致していないと判別した場合には(Y904L:No)、第1復帰対応シナリオテーブル222udまたは第2復帰対応シナリオテーブル222ueに規定されたデータに対応する動作での可動制御が完了していないため、本処理を終了する。一方、Y903Lの処理において、Y901Lの処理で抽出したデータにおけるセンサデータの値に対応するセンサがオンの状態であると判別した場合(Y903L:Yes)、或いは、Y904Lの処理において、Y901Lの処理で抽出したデータにおける時間データの値が駆動タイマ223ujの値と一致していると判別した場合(Y904L:Yes)は、復帰対応シナリオ格納エリア223ufに格納されているデータに対応する動作での可動制御が完了しているため、次に、復帰対応カウンタ223ulの値が3であるか否かを判別する(Y905L)。
Y905Lの処理において、復帰対応カウンタ223ulの値が3ではないと判別した場合には(Y905L:No)、復帰対応カウンタ223ulの値に1を加算し(Y906L)、退避シナリオ実行フラグ223usがオンであるか否かを判別する(Y907L)。退避シナリオ実行フラグ223usがオンではないと判別した場合には(Y907L:No)、第2復帰対応シナリオテーブル222ueにおける、復帰対応カウンタ223ulの値に対応するデータを復帰対応シナリオ格納エリア223ufに格納し(Y908L)、Y915Lの処理に移行する。一方、Y907Lの処理において、退避シナリオ実行フラグ223usがオンであると判別した場合には(Y907L:Yes)、第1復帰対応シナリオテーブル222udにおける、復帰対応カウンタ223ulの値に対応するデータを復帰対応シナリオ格納エリア223ufに格納し(Y909L)、Y915Lの処理に移行する。また、Y905Lの処理において、復帰対応カウンタ223ulの値が3であると判別した場合には(Y905L:Yes)、第1復帰対応シナリオテーブル222udまたは第2復帰対応シナリオテーブル222ueにおけるデータに対応する動作での可動制御が完了しているため、復帰対応フラグ223uuをオフに設定し(Y910L)、復帰対応シナリオ格納エリア223ufをクリアする(Y911L)。Y911Lの処理が終了すると、振動シナリオ実行フラグ223urはオンであるか否かを判別する(Y912L)。振動シナリオ実行フラグ223urがオンではないと判別した場合には(Y912L:No)、処理カウンタ223ukの値に1を設定し(Y913L)、Y915Lの処理に移行する。これにより、進出シナリオ動作または退避シナリオ動作での可動制御を、第1復帰対応シナリオテーブル222udまたは第2復帰対応シナリオテーブル222ueに規定されたデータに対応する動作で可動制御させるために中断した場合に、中断していた可動制御をシナリオ動作の最初から再開することができる。
一方、Y912Lの処理において、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであると判別した場合には(Y912L:Yes)、処理カウンタ223ukの値に24を設定し(Y914L)、Y915Lの処理に移行する。これにより、振動シナリオ動作を中断していた場合は、振動シナリオテーブル222ubにおける、処理カウンタ223ukの値が24に対応するデータに対応する動作での可動制御から、可動制御を再開することができる。Y915Lの処理では、駆動タイマ223ujの値に0を設定し(Y915L)、本処理を終了する。次に、図706を参照して、モータコマンド監視処理(Y114L)の処理内容について説明をする。図706は、モータコマンド監視処理(Y114L)を示したフローチャートである。モータコマンド監視処理(Y114L)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図697参照)の中で実行され、可動役物900を可動制御する場合に、励磁データ格納エリア223ugにおける励磁制御データを更新するための処理が実行される。モータコマンド監視処理(Y114L)が実行されると、まず、役物駆動フラグ223uqがオンであるか否かを判別し(Y1001L)、役物駆動フラグ223uqがオンではないと判別した場合には(Y1001L:No)、可動役物900の可動制御を実行している期間ではないことを意味するため、本処理を終了する。
一方、Y1001Lの処理において、役物駆動フラグ223uqがオンであると判別した場合には(Y1001L:Yes)、復帰対応フラグ223uuがオンであるか否かを判別する(Y1002L)。Y1002Lの処理において、復帰対応フラグ223uuがオンではないと判別した場合には(Y1002L:No)、シナリオ格納エリア223ueに格納されているデータを抽出し(Y1003L)、Y1005Lの処理に移行する。一方、Y1002Lの処理において、復帰対応フラグ223uuがオンであると判別した場合には(Y1002L:Yes)、復帰対応シナリオ格納エリア223ufに格納されているデータを抽出し(Y1004L)、Y1005Lの処理に移行する。Y1005Lの処理では、Y1003L或いはY1004Lで抽出されたデータにおける動作データの値が0であるか否かを判別し(Y1005L)、動作データの値が0であると判別した場合には(Y1005L:Yes)、本処理を終了する。
一方、Y1005Lの処理において、動作データの値が0ではないと判別した場合には(Y1005L:No)、動作データの値が保持に対応する値であるか否かを判別する(Y1006L)。動作データの値が保持に対応する値であると判別した場合には(Y1006L:Yes)、Y1020Lの処理に移行する。一方、Y1006Lの処理において、動作データの値が保持に対応する値ではないと判別した場合には(Y1006L:No)、励磁タイマ223uiの値に1を加算し(Y1007L)、加算後の励磁タイマ223uiの値と、Y1003Lの処理、或いはY1004Lの処理で抽出したデータにおけるスピードデータの値とが一致するか判別する(Y1008L)。Y1008Lの処理において、励磁タイマ223uiの値とスピードデータとの値が一致しないと判別した場合には(Y1008L:No)、Y1010Lの処理に移行する。一方、Y1008Lの処理において、スピードデータの値と励磁タイマ223uiの値とが一致すると判別した場合には(Y1008L:Yes)、励磁タイマ223uiの値に0を設定し(Y1009L)、Y1010Lの処理に移行する。Y1010Lの処理では、励磁タイマ223uiの値が0であるか否かを判別する(Y1010L)。励磁タイマ223uiの値が0ではないと判別した場合には(Y1010L:No)、本処理を終了する。一方、Y1010Lの処理において、励磁タイマ223uiの値が0であると判別した場合には(Y1010L:Yes)、Y1003Lの処理またはY1004Lの処理において抽出されたデータにおけるセンサデータの値が0であるか否かを判別する(Y1011L)。Y1011Lの処理において、センサデータの値が0であると判別した場合には(Y1011L:Yes)、Y1013Lの処理に移行する。一方、Y1011Lの処理において、センサデータの値が0ではないと判別した場合には(Y1011L:No)、ステップカウンタ223umの値に1を加算し(Y1012L)、Y1013Lの処理に移行する。Y1013Lの処理では、Y1003Lの処理またはY1004Lの処理において抽出されたデータにおける動作データの値が正方向に対応する値であるか否かを判別する(Y1013L)。Y1013Lの処理において、動作データの値が正方向を示す値であると判別した場合には(Y1013L:Yes)、励磁カウンタ223uoの値が4であるか否かを判別する(Y1014L)。Y1014Lの処理において、励磁カウンタ223uoの値が4ではないと判別した場合には(Y1014L:No)、励磁カウンタ223uoの値に1を加算し(Y1015L)、Y1020Lの処理に移行する。一方、Y1014Lの処理において、励磁カウンタ223uoの値が4であると判別した場合には(Y1014L:Yes)、励磁カウンタ223uoの値に1を設定し(Y1016L)、Y1020Lの処理に移行する。また、Y1013Lの処理において、動作データの値が正方向を示す値ではないと判別した場合には(Y1013L:No)、励磁カウンタ223uoの値が1であるか否かを判別する(Y1017L)。励磁カウンタ223uoの値が1であると判別した場合は(Y1017L:Yes)、励磁カウンタ223uoの値に4を設定し(Y1018L)、Y1020Lの処理に移行する。
一方、Y1017Lの処理において、励磁カウンタ223uoの値が1ではないと判別した場合には(Y1017L:No)、励磁カウンタ223uoの値から1を減算し(Y1019L)、Y1020Lの処理に移行する。このように構成することで、励磁テーブル222ufを複数記憶することなく、駆動モータ905を正回転させる制御と逆回転させる制御とを実行できる。Y1020Lの処理では、励磁テーブル222ufにおける、励磁カウンタ223uoの値に対応するデータを励磁データ格納エリア223ugに格納し(Y1020L)、本処理を終了する。次に、図707を参照して、モータ出力処理(Y115L)の処理内容について説明をする。図707は、モータ出力処理(Y115L)を示したフローチャートである。モータ出力処理(Y115L)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図697参照)の中で実行され、モータコマンド監視処理(Y114L)において励磁データ格納エリア223ugに格納された励磁制御データを、駆動モータ905に設定するための処理が実行される。モータ出力処理(Y115L)が実行されると、駆動モータ905に励磁データ格納エリア223ugに格納されている励磁制御データを設定し(Y1101L)、本処理を終了する。次に、図708を参照して、コマンド判定処理(Y116L)の処理内容について説明をする。図708は、コマンド判定処理(Y116L)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(Y116L)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図697参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(Y116L)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(Y1201L)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1201:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223ubをオンに設定し(Y1208L)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(Y1209L)。Y1209Lの処理が終了すると、受信した変動パターンコマンドに対応する変動時間を変動時間タイマ223uhに設定し(Y1210L)、受信した変動パターン種別は、モータ駆動が設定されているか判別する(Y1211L)。受信した変動パターンにモータ駆動が設定されていると判別された場合には(Y1211L:Yes)、役物可動演出を伴う変動種別が実行されることを意味するため、駆動待機フラグ223upをオンに設定し(Y1212L)、本処理を終了する。一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(Y1201L:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(Y1202L)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(Y1202L:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223ucをオンに設定し(Y1206L)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(Y1207L)、本処理を終了する。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、前述の変動表示設定処理が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(Y1202L:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(Y1203L)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(Y1203L:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223uaに格納する(Y1205L)。また、Y1205Lの処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223uaの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。Y1205Lの処理の終了後は、メイン処理に戻る。ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、Y1205Lの処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223uaの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223uaの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223uaの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。尚、Y1205Lの処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223uaの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。Y1203Lの処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1203L:No)、その他のコマンドに応じた処理が実行される(S1204L)。
以上、説明をした通り、本第20制御例では、一連の動作シナリオが設定されたことに基づいて可動役物900が可動制御されている期間中に設定されている動作シナリオに基づく可動制御を途中で終了させることが可能な特定タイミングを複数有するように構成している。つまり、一定期間(例えば、40秒)の動作期間で可動役物900を動作させるための動作シナリオを設定した場合であっても、40秒の動作期間を全うすること無く可動役物900への可動制御を終了させることを前提に可変制御を実行可能に構成している。このように構成することで、長時間の動作シナリオを設定した場合であっても、設定された動作シナリオが完了するまで新たな動作シナリオを設定することが出来なくなるという不具合が発生してしまうことを抑制することができる。さらに、本第20制御例では、可動役物900を特定位置(作動位置)に複数回位置させることが可能な所定の動作シナリオに基づいて可動役物900を移動させるように構成し、可動役物900が特定位置(作動位置)に位置している状態において所定の終了条件が成立していると判別された場合に設定済の動作シナリオに基づく可動制御を終了し、新たな可動制御を実行させることが可能に構成している。このように構成することで、設定済の動作シナリオに基づく可動制御を途中で終了させた場合であっても、終了時における可動役物900の位置を固定することができるため、新たな可動制御を実行させ易くすることができる。加えて、役物可動演出の実行中に可動役物900を特定位置(作動位置)にて一定期間(例えば、2秒)保持する場合には、可動役物900を特定位置に位置させた第1タイミング、特定位置に位置してから所定期間(例えば、1秒)が経過した第2タイミング、特定位置から可動役物900を移動させる処理が実行される直前の第3タイミングと、複数のタイミングにて終了条件の成立有無を判別可能に構成している。
このように構成することで、可動役物900が特定位置に位置している状態で常時(例えば、1ミリ秒毎)終了条件の成立有無を判別する場合に比べて処理負荷を軽減することができると共に、可動役物900が特定位置に位置した後に終了条件が成立した場合に、可動役物900を特定位置から移動させること無く設定中の動作シナリオに基づく可動制御を終了させることができる。さらに、本第20制御例では、原点位置に位置している可動役物900を作動位置まで移動させた後に所定の演出態様(振動)で動作させ、その後、原点位置へと移動させる一連の流れを、進出動作、振動動作、退避動作と3段階に区分し、各動作区分に対応した動作シナリオを設定するように構成している。このように構成することで、異なる形状のパチンコ機10、例えば、原点位置と作動位置との距離が異なるパチンコ機10に対して、同一の演出態様(振動)で役物可動演出を実行させようとした場合に、振動動作に対応した動作シナリオを共有することができる。また、本第20制御例では、役物可動演出が実行されている最中に遊技者が枠ボタン22を押下することで、実行中の役物可動演出を終了させるための終了条件が成立するように構成しているため、遊技者の趣向に沿った役物可動演出が実行された場合には、役物可動演出を最後まで実行させ、遊技者の趣向に沿っていない役物可動演出が実行された場合には、途中で役物可動演出を終了させることが可能となる。よって、遊技者が自身で演出内容を選択することができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。加えて、図687に示した通り、本第20制御例におけるパチンコ機10では、役物可動演出が実行された場合に、第3図柄表示装置81の表示面を覆うように可動役物900が進出するように構成している。つまり、役物可動演出が実行されている状態は、役物可動演出が実行されていない状態よりも、第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種表示態様(例えば、変動中の特別図柄に対応する特別図柄抽選の結果を示唆可能な変動演出の表示態様)が視認され難くなるように構成している。
よって、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている表示態様を、役物可動演出よりも注視したい遊技者は、枠ボタン22を押下して終了条件を成立させる遊技を行うことで、役物可動演出を早期に終了させることができる。
<第21制御例>
次に、図709から図782を参照し、第21制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第21制御例におけるパチンコ機10は、上述した第20制御例にて説明をした可動役物900を用いた変動演出を実行可能に構成している。ここで、従来より、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示演出態様だけでなく、第3図柄表示装置81の近傍に設けられた装飾役物(可動役物900)を可動させる役物演出態様も含む変動演出を実行可能に構成したものがある。このように構成されたパチンコ機10では、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンに応じた変動演出として様々な演出を遊技者に提供することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるものであった。さらに、変動演出の演出効果を高めるために、装飾役物(可動役物900)を様々な動作パターンで動作させる役物演出態様を設定可能に構成されたパチンコ機10においては、1回の変動演出中に実行される装飾役物(可動役物900)の動作内容を一連の動作パターンとした動作シナリオを予め規定しておき、変動演出の演出態様を決定する際に、当該変動演出中に実行される装飾役物(可動役物900)の動作内容に対応する動作シナリオを設定するように構成しているパチンコ機10が知られている。このように構成されたパチンコ機10では、変動演出の演出態様を決定する際に、表示演出態様と、役物演出態様と、を変動時間の経過に対応させて予め決定することができるため、表示演出態様と役物演出態様とを関連付けた変動演出を実行させ易くすることができ、演出効果を高めることができるものであった。また、1回の変動演出期間中において様々な動作内容で装飾役物(可動役物900)を動作させる場合であっても、実行される動作内容に対応した動作シナリオを用いて予め設定することができるため、変動演出期間中に実行される装飾役物(可動役物900)に対する可動制御を実行するための処理が煩雑となってしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら、上述したパチンコ機10は、様々な変動態様を用いて変動演出を実行することで演出効果を高めることができるものではあったが、設定された動作シナリオが終了するまでは装飾役物(可動役物900)が一連の動作パターンで動作してしまうため、長時間遊技を行っている遊技者に対して単調な変動演出を提供してしまうという問題があった。さらに、近年のパチンコ機10においては、変動演出の一部として第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示演出態様を、遊技者が操作手段(枠ボタン22等)に対して所定の操作を実行することで変化させることが可能に構成されているものがある。具体的には、変動演出が実行されている変動演出期間のうち一部期間(操作有効期間)にて遊技者が操作手段(枠ボタン22等)を操作(押下等)したことに基づいて、操作有効期間が経過した後、又は、操作手段(枠ボタン22等)への操作(押下操作)を行った直後に、表示画面に表示されている第1表示態様(例えば、閉まっている宝箱を示す表示態様)が、第1表示態様とは異なる第2表示態様(例えば、開いた宝箱と、宝箱の中身を示す表示態様)へと変化する構成が知られている。つまり、変動演出の演出効果を高めるために、表示演出(第3図柄表示装置81の表示面に表示される演出)と、役物演出(第3図柄表示装置81付近に配設された装飾役物を可動させる演出)と、を組み合わせた変動演出を実行可能に構成し、さらに、役物演出における装飾役物の一連の動作パターンに対応する動作シナリオを、変動演出の演出態様を決定する際に設定可能に構成することより装飾役物の可動制御の簡素化を図った従来型のパチンコ機10においては、変動演出が開始された後(変動演出期間中)に変化条件(操作手段への操作)が成立したことにより表示演出の演出態様を変化可能に構成した場合であっても、設定された動作シナリオに基づく可動制御が実行されている装飾役物の動作内容を途中で変化させることが出来ないため、変動演出の演出効果を高めることが困難になるという問題があった。
より具体的には、設定された動作シナリオに基づいて一連の動作パターンで装飾役物が動作している間に、遊技者が操作手段を操作することで表示態様を変化させる場合において、継続して動作している装飾役物に対して違和感を与えることの無い範囲でしか変化後の表示態様を表示させることが出来ず、変動演出の演出パターンの増加を制限してしまうという問題があった。そこで、本第21制御例では、可動制御されている装飾役物の動作内容に基づいて、表示演出の演出態様を変化可能に構成している。このように構成することで、可動制御されている装飾役物の動作内容に対応した表示演出を実行することができるため、変動演出の演出効果を高めることができる。
<第21制御例におけるパチンコ機10の構成について>
まず、図709から図714を参照して、本第21制御例におけるパチンコ機10の構成について説明をする。図709は、本第21制御例におけるパチンコ機10の正面図であり、図710はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図711はパチンコ機10の背面図である。また、図712は、パチンコ機10が有する操作手段(枠ボタン22、選択ボタン600)の構成を模式的に示した図であり、図713、及び図714は、本第21制御例におけるパチンコ機10が有する可変入賞装置65の構成を具体的に示した図である。図709に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図741参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。内枠12には、多数の釘や入賞口(入球口)63,64等を有する遊技盤13(図710参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図723参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。なお、本第21制御例における発射レールは、遊技球が発射レールに沿って移動するように案内することができるので、移動する物体を所定の軌跡で移動させるための手段である。内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図709参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。正面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図709参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、演出ボタン(枠ボタン)22(図712(a)参照)と選択スイッチ600(図712(b)参照)が設けられている。この演出ボタン(枠ボタン)22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図710参照)で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作される。選択スイッチ600は、図712(b)に示すように、演出等の選択を決定する決定スイッチ600a、上方向の選択を指示するための上スイッチ600b、右方向の選択を指示するための右スイッチ600c、下方向の選択を指示するための下スイッチ600d、左方向の選択を指示するための左スイッチ600eで構成されている。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図709参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図710参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図710に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図709参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置(図示せず)、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図709参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図710を参照して、遊技盤13の構成について説明する。遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図709参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図723参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図710の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図710の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。遊技領域の正面視左側下部(図710の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図723参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本第21制御例では、第1図柄表示装置37A,37Bは、遊技球が、第1入球口64へ入賞(入球)したか、第2入球口640へ入賞(入球)したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、遊技球が、第1入球口64へ入球した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、遊技球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か通常大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へと遊技球の入球(入賞)があったことを契機として特別図柄の抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、図727(a)を参照して後述するが、遊技者に有利な大当たり種別と、その大当たり種別よりも遊技者に不利な大当たり種別とを少なくとも含む複数の大当たり種別が用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。ここで、本パチンコ機10において設定される大当たり種別の一部である「10R確変大当たり」について説明をする。「10R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりの後に特別図柄の高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「3R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が3ラウンドの大当たりの後に特別図柄の高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「3R時短大当たり」は、最大ラウンド数が3ラウンドの大当たりの後に、特別図柄の低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態(大当たり遊技状態)へ移行し易い遊技の状態のことである。本第21制御例における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入球口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常状態中とは、確変状態中でも時短状態中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄(普通図柄)の当たり確率もアップしていない状態)である。本第21制御例では、パチンコ機10に設定可能な遊技状態を、設定されている特別図柄の確率状態と、普通図柄の確率状態とを用いて説明する場合もある。例えば、特別図柄の低確率状態、および普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態が通常状態、特別図柄の低確率状態、および普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態が時短状態、特別図柄の高確率状態、および普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態が確変状態、特別図柄の高確率状態、および普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態が潜確状態(第2確変状態)に該当する。
確変状態中や時短状態中、即ち、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態では、第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ遊技球が入球しやすい状態となる。よって、確変状態中や時短状態中、即ち、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態は、第2入球口640へ遊技球が入球し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。なお、確変状態中や時短状態中、即ち、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の普通図柄当たりで電動役物640aが開放する回数を普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、普通図柄の高確率状態中において、第2図柄(普通図柄)の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の普通図柄当たり遊技(普図当たり遊技)で電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、普通図柄の高確率状態中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の普図当たり遊技で電動役物640aを開放する回数は変更せず、第2図柄(普通図柄)の当たり確率だけを、通常状態中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、遊技球が入賞することにより5個から15個の遊技球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄(普通)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図723参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図723参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、遊技球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、遊技球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たり(普図当たり)であれば、第2図柄表示装置において、第2図柄(普通図柄)の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本第21制御例においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常状態中(普通図柄の低確率状態中)の場合よりも、確変状態中または時短状態中、即ち、普通図柄の高確率状態中の方が短くなるように設定される。これにより、普通図柄の高確率状態中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、特別図柄抽選(大当たり抽選)を普通図柄の低確率状態中(通常状態中)よりも多く行うことができる。よって、特別図柄抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、普通図柄の高確率状態が設定される確変状態および時短状態は、普通図柄の低確率状態が設定される通常状態よりも第2入球口640へと遊技球が入球し易い遊技状態となる。
なお、普通図柄の高確率状態(確変状態または時短状態)において、普通図柄抽選で普図当たり当選する当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、普通図柄の高確率状態(確変状態または時短状態)中に第2入球口640へ遊技球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、普通図柄の高確率状態(確変状態または時短状態)中において普通図柄の低確率状態(通常状態)中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本第21制御例のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。可変表示装置ユニット80の下方には、遊技球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図723参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。一方、第1入球口64の正面視右方には、遊技球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図723参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、遊技球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本第21制御例においては、第1入球口64へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数を1個として構成してもよい。第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ遊技球が入球しにくい状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入賞しやすい状態となる。上述した通り、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)は、普通図柄の低確率状態(通常状態)と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)は、電動役物640aが開放される時間も、普通図柄の低確率状態(通常状態)より長くなる。よって、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)は、普通図柄の低確率状態(通常状態)と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入球口64に遊技球が入球した場合に実行される大当たり抽選(第1特別図柄抽選)と第2入球口640へ遊技球が入球した場合に実行される大当たり抽選(第2特別図柄抽選)とでは、大当たりとなる確率が低確率状態であっても高確率状態でも同一となるように構成している。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として遊技者に有利な大当たり種別が選択される割合が第2特別図柄抽選の方が高くなるように構成している。通常状態中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に遊技球を入球させ難いので、電動役物640aが付随していない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように遊技球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選(第1特別図柄抽選)の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変状態中や時短状態中は、普通図柄始動口(スルーゲート)67に球を通過させることで、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640に遊技球を入球させ易い遊技状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入球口640へと遊技球を入球させることで大当たり抽選(第2特別図柄抽選)の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。このように、本第21制御例のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変状態であるか、時短状態であるか、通常状態であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方(遊技方法)を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、遊技方法(遊技球の発射方向に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
図710に戻り説明を続ける。第1入球口64の下方右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64又は第2入球口640への入球に起因して行われた大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果が大当たり当選となると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たり当選を示す停止表示態様で特別図柄を第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たり当選を示す停止表示態様(大当たり図柄)を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たり当選したことが示される。その後、遊技球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり遊技状態)に遊技状態が遷移する。この大当たり遊技が開始されると、大当たり遊技中以外では閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を正面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入球口64の下方右側や、第1入球口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図709参照)を通じて視認することができる。遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する遊技球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入球口64の下方に配設される。なお、本第21制御例では、図710に示した通り、遊技盤13の遊技領域を流下する遊技球を有利領域外へと排出するための入球口として第1アウト口71のみを設けているが、これに限ること無く、2個以上のアウト口を設けても良い。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。本制御例においては、風車の内の一つが遊技盤13の正面視左側上方に配設される。
さらに、図710に示した通り、本第21制御例におけるパチンコ機10には、可変表示装置ユニット80に複数の装飾役物が付設されている。具体的には、遊技盤13を正面視(図710の視点)した場合に、第3図柄表示装置81の右側領域に設けられた右役物400y、第3図柄表示装置81の左側領域に設けられた左役物500y、第3図柄表示装置81の上側領域に設けられた上役物600yと、上役物600yの奥側(図710の視点で奥側)に設けられた可動役物900とが設けられている。右役物400y、左役物500y、上役物600yは、それぞれ複数の発光部材(LED等)が埋設されており、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出に対応させて発光制御されるように構成されている。また、可動役物900は、上述した第20制御例と同様に、第3図柄表示装置81の表示面を覆わない収納位置(原点位置)と、第3図柄表示装置81の表示面の少なくとも一部を覆う演出位置(作動位置)と、の間を可動可能に構成されており、図710では、収納位置に位置している状態の可動役物900を破線で示している。図710に示した通り、収納位置に位置している可動役物900は、遊技者が視認困難な状態となっている。本第21制御例では、可動役物900を動作させる動作演出と、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示演出と、を組み合わせた複合演出として、役物可動演出(役物演出)を実行可能に構成している。このように、複数の態様の演出を組み合わせた複合演出を実行可能に構成することで、変動演出の演出効果を高めることができる。なお、可動役物900の詳細な機構については、上述した第20制御例と同一であるため、その説明を省略する。
図711に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図723参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図723参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図713、及び図714を参照して可変入賞装置65の構成について説明をする。図713は、可変入賞装置65の断面図である。図713(c)は可変入賞装置65の上面図であり、図713(b)は、可変入賞装置65のLb-Lb断面図である。図713(b)に示すように、可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口65aが形成されている。特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図713(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサで構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図714(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。なお、図713(b)に示すように特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。このように構成することで、可変入賞装置65の開口が閉鎖されている場合には、遊技球が可変入賞装置65の上面を転動して、第2入球口640側へと誘導されるように構成されている。よって、時短遊技中(確変遊技中含む)にも、右打ちした状態のまま、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となり、大当たり遊技後に直ちに左打ちへと遊技方法を変更させる手間を軽減できる。従って、より楽に遊技を行うことができる。また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図713(a)は、図713(b)に示すLa-La断面図である。図713(a)に示すように検出口65a1を有する検出スイッチ65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。次に、図714を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出口65e1と特別排出口65e2とに振り分けられる構成について説明する。図714(a)は、遊技球が特別排出口65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図714(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65h2を回動可能に配置することが可能に構成されている。図714(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出口65e2に誘導される。特別排出口65e2を通過した遊技球は特別排出口65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された確変スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。ここで、詳細については後述するが、本第21制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記した確変スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり遊技後の遊技状態が特別図柄の高確率状態(確変状態)に設定される。即ち、確変スイッチ65e3は、確変状態を付与するための付与手段として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり後の遊技状態を、特別図柄の低確率状態(通常状態)か、特別図柄の高確率状態(確変状態)かに振り分けるための振分手段となる。
このように、大当たり遊技中に特定入賞口65aに入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、可変入賞装置65の開口から特別排出口65e2の入り口(切替部材65hの誘導片65h2により閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。切替部材65hの作動は、大当たり種別により作動タイミングと作動時間が設定されている。本第21制御例では、設定されている大当たり種別に応じて切替部材65hの作動内容を異ならせており、大当たり種別として確変大当たり種別が設定されている場合には、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3が遊技球を検知することができるように切替部材65hを作動させ、大当たり種別として通常大当たり種別が設定された場合には、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3が遊技球を検知し難くなるように切替部材65hを作動させるように構成している。具体的には、例えば、確変大当たりの1種である「10R確変大当たり」が設定された大当たり遊技中には、2ラウンド目の開始における可変入賞装置65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが5秒間作動されるように構成されている。また、通常大当たりの1種である「3R時短大当たり」が設定された大当たり遊技中には、2ラウンド目の開始における可変入賞装置65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが0.5秒間作動されるように構成されている。よって、「10R確変大当たり」が設定された大当たり遊技では、可変入賞装置65に入賞した遊技球が確変スイッチ65e3を通過することが可能に構成されているが、「3R時短大当たり」が設定された大当たり遊技では、確変スイッチ65e3を通過し得ないように構成されている。よって、大当たり種別により確変付与割合を制御することができ、過剰に有利不利が発生してしまわないように構成できる。次に、図714(b)を参照して、通常排出口65e1に遊技球が誘導される場合について説明する。図714(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出口65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態を示す図である。
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出口65e1に誘導される。この通常排出口65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された球排出口スイッチ65e4が設けられている。これにより、可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを球排出口スイッチ65e4と確変スイッチ65e3との合計により判別できる。よって、2ラウンド前に入賞した遊技球が排出されていない(残存している)状態で2ラウンド目の大当たり遊技(ラウンド遊技)が開始された場合であっても、残存球が確変スイッチ65e3を通過する不具合を抑制することができる。このように、可変入賞装置65内に特定入賞口65aに入賞した遊技球が検出スイッチ65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本制御例では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、確変スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、確変状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、確変状態を付与するための専用の入賞口を可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
<第21制御例における演出内容について>
ここで、図715から図720を参照して、本第21制御例におけるパチンコ機10で実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容として可動役物900を用いた役物演出を含む変動演出の内容について説明する。本第21制御例では、図710を参照して上述した通り、第3図柄表示装置81の上方に可動役物900を配設している。そして、役物演出が実行された場合には、第3図柄表示装置81の表示面を覆う位置(作動位置)まで可動役物900を進出させる可動制御(進出制御)を3秒間実行した後に、所定期間(約6秒)の動作パターンで可動役物900を振動させる可動制御(可動役物第1演出)を実行し、その後、第1演出における動作パターンとは異なる態様で可動役物900を動作させる可動制御(可動役物第2演出)が完了した後に、可動役物900を第3図柄表示装置81の上方位置(収納位置)へと退避させる可動制御(退避制御)を実行可能に構成している。さらに、役物演出が実行されている演出期間のうち、可動役物第1演出が実行されている期間においては、遊技者が枠ボタン22を押下した回数(枠ボタン押下回数)を計測するように構成し、枠ボタン押下回数が所定条件(例えば、5回)を満たした場合には、可動役物第1演出の終了条件が成立し、可動役物第1演出に対応する6秒間の動作パターンを完了すること無く、可動役物第2演出を実行可能に構成している。このように構成することで、変動演出中に実行される役物演出の進行度合いを、遊技者による枠ボタン22に対する操作内容に応じて異ならせることができるため、操作演出をいち早く終了させたい遊技者は可動役物第1演出期間中に意欲的に枠ボタン22を押下することになる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本第21制御例におけるパチンコ機10では、可動役物第1演出期間中に可動役物900が作動位置を複数回通過する(作動位置に位置している状態が複数回発生する)ように可動役物900を振動させる可動制御が実行されるように構成しており、可動役物900が作動位置に位置している状態において終了条件が成立しているかを判別可能に構成している。つまり、終了条件が成立したことに基づいて可動役物第1演出が途中で終了する場合は、必ず作動位置に可動役物900が位置している状態で可動役物第1演出が終了するように構成している。このように構成することで、可動役物第1演出から可動役物第2演出へと移行する際の可動制御として、作動位置に位置している可動役物900に対して可動役物第2演出に対応する可動制御を実行すれば良いため、可動役物第2演出に対応する動作パターンを一連の動作シナリオで予め規定し易くすることができる。よって、可動役物900を可動させる役物演出に対する制御処理を簡素化することができる。さらに、本第21制御例におけるパチンコ機10では、可動役物第1演出中に終了条件が成立すること無く6秒間の動作パターンが完了した場合、即ち、可動役物第1演出に対応する動作パターンの動作シナリオを最後まで実行した場合も、可動役物900が作動位置に位置している状態で可動役物第1演出が終了するように動作シナリオの内容が予め規定されている。
つまり、可動役物第1演出中に終了条件を成立させて途中で可動役物第1演出を終了させた場合も、可動役物第1演出を最後まで実行させた場合も、可動役物900が同一の位置(作動位置)に位置している状態で可動役物第1演出が終了するように構成している。このように構成することで、可動役物第1演出が終了した時点における可動役物900の位置によって今回の可動役物第1演出が途中で終了したのか最後まで実行されたのかを遊技者に把握させ難くすることができる。また、可動役物第1演出を途中で終了させた場合も、可動役物第1演出が最後まで実行された場合と同一の位置に可動役物900が位置している状態で次に実行される可動役物900に対する可動制御(可動役物第2演出に対応する可動制御)を実行することができるため、可動役物第1演出を途中で終了させた場合であっても、遊技者に違和感を与えること無く操作演出を継続させることができる。加えて、本第21制御例では、可動役物第1演出期間中における枠ボタン22に対する押下回数の計測値を所定タイミングにてリセットし、リセットされた後に再度枠ボタン押下回数の計測を再開するように構成している。つまり、可動役物第1演出が実行されている演出期間のうち、特定期間内における枠ボタン押下回数が所定条件(例えば、5回)を満たした場合に終了条件が成立するように構成している。より具体的には、可動役物第1演出中に実行される可動役物900の振動動作が1周する毎に枠ボタン押下回数がリセットされるように構成している。つまり、可動役物900に対して1周分の振動動作が行われる期間(約2秒)中に枠ボタン22を5回押下した場合に終了条件が成立するように構成している。このように構成することで、可動役物第1演出期間中に継続して遊技者に枠ボタン22を押下させる必要が無く、可動役物第1演出期間のうち、特定期間(可動役物900の振動動作が1周する期間)において枠ボタン22を意欲的に押下させることで終了条件を成立させることができる。また、本第21制御例では、可動役物第1演出期間中に可動役物が振動動作を最大で3周実行するように予め動作シナリオが規定されている。
よって、遊技者が枠ボタン22を意欲的に押下することで終了条件を成立させることで可動役物第1演出を途中で終了させる場合であっても、終了条件を成立させた周期によって可動役物第1演出が終了するタイミングを異ならせることができる。よって、より多彩なパターンの操作演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。また、本第21制御例におけるパチンコ機10は、役物演出が実行されている最中においても第3図柄表示装置81の表示面を用いて、様々な表示態様が表示されるように構成しており、実行中の役物演出と複合した表示態様を表示することで、実行中の変動演出の演出結果が遊技者に有利な演出結果であるかを示唆可能に構成している。ここで、従来型のパチンコ機10では、第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出や、可動役物900を用いた役物演出を含む変動演出の演出パターンを、変動演出が開始されるタイミング(特別図柄変動が開始されるタイミング)で決定し、決定された演出パターンに対応した各種演出を、時間経過に基づいて実行するように構成していた。つまり、所定の特別図柄変動時間(変動演出期間)に対応した演出パターンを事前に決定しておき、決定された演出パターンに基づいた変動演出を実行するものが一般的であった。しかしながら、上述した従来型のパチンコ機10では、本第21制御例におけるパチンコ機10のように、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作(押下)したことに基づいて終了条件が成立した場合に予め設定されている役物演出の一部を短縮(省略)可能に構成した場合において、役物演出と重複して実行されている第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示演出は既に設定されている演出パターンで実行されてしまうため、役物演出の実行内容と、表示演出の実行内容とがずれてしまうという問題があった。また、役物演出の実行内容と、表示演出の実行内容とがずれた場合であっても遊技者に違和感を与えないようにするためには、役物演出と実行期間が重複する表示演出の演出態様として、時間経過に影響の無い演出態様(例えば、静止画像を所定期間継続して表示する演出態様)を設定する必要があり、演出効果が低下してしまうという問題があった。
そこで、本第21制御例におけるパチンコ機10では、役物演出における可動役物900に対して実行される可動制御の内容(実行タイミング)に応じて、役物演出が実行されている期間と重複して実行される表示演出に対する制御の実行タイミングを決定可能に構成している。このように構成することで、役物演出における可動役物900の動作に対応させた表示演出を確実に実行することができるため、役物演出と表示演出とを複合させた変動演出の演出効果をより高めることができる。また、本第21制御例におけるパチンコ機10では、上述した通り、可動役物第1演出が実行されている状態で終了条件が成立した場合には、可動役物900が作動位置に位置している状態で可動役物第1演出を終了可能に構成しているため、可動役物第1演出に対応する動作シナリオが全て完了するのを待つこと無く、可動役物に対して次の可動制御(可動役物第2演出に対応する可動制御)を実行させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制可能に構成しているが、例えば、可動役物第1演出において、可動役物900が作動位置とは離間している状態で終了条件が成立した場合において、可動役物900が作動位置へと移動するまでの期間、遊技者を待たせてしまうという問題があった。これに対して、本第21制御例におけるパチンコ機10では、終了条件が成立してから可動役物900が作動位置に位置するまでの期間において所定の実行条件(枠ボタン22への押下)が成立した場合に、追加演出を実行可能に構成している。そして、この追加演出が実行されることにより、遊技者に有利な特典(例えば、実行中の変動演出の演出結果の示唆情報や、後に実行される可動役物の動作内容(可動役物第2演出の演出内容))を付与可能に構成している。
つまり、可動役物第1演出中に終了条件を成立させた場合のみ遊技者に付与可能な特典、換言すれば、可動役物第1演出中に終了条件を成立させること無く可動役物第1演出に対応する動作シナリオを全て完了させてしまった場合には付与されることの無い特典を可動役物第1演出期間中に付与可能に構成している。このように構成することで、可動役物第1演出において、可動役物900が作動位置とは離間している状態で終了条件を成立させた場合であっても、可動役物第1演出が終了するまでの残期間において追加演出の実行条件を成立させようと意欲的に遊技(枠ボタン操作)を行わせることができるため、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、本第21制御例では、役物演出の演出期間と重複して実行される表示演出を用いて、役物演出の演出内容を遊技者に案内可能に構成している。このように構成することで、可動役物第1演出の終了条件を成立させる方法や、追加演出の実行有無や、可動役物第2演出の内容を遊技者に分かり易く把握させることができる。まず、図715(a)を参照して、役物演出が開始された直後における可動役物900及び第3図柄表示装置81の表示画面について説明をする。図715(a)は、役物演出として可動役物900が収納位置から作動位置へと進出させるための可動制御(進出制御)が実行されている可動役物準備期間中における第3図柄表示装置81の表示面付近の一例を示した図である。ここで、本第21制御例では、変動演出が開始されてから5秒が経過したタイミングで役物演出が開始されるように構成しており、図715(a)は、変動演出が開始されてから5.5秒が経過した状態における図で示したものである。
図715(a)に示した通り、役物演出は、特別図柄変動に対応して実行される変動演出の一部として実行されるものであるため、第3図柄表示装置81の表示面に形成される主表示領域Dmの右上部に形成された小表示領域Dm1には、特別図柄変動に対応して変動表示される第3図柄(図では3本の矢印で表示)が表示される。そして、第3図柄表示装置81の上方位置である収納位置(図710参照)から下方向へと進出してきた可動役物900が作動位置に向かって移動している状態が示されている。この可動役物900の視認面には「チャンス」の文字が付されており、役物演出を含む変動演出が実行された時点で、役物演出を伴わない変動演出が実行された場合よりも、変動演出の演出結果が遊技者に有利な結果(大当たり)である期待度が高いことを遊技者に報知している。詳細な説明は後述するが、本第21制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選の結果に基づいて特別図柄変動の変動パターン(変動時間)を決定可能に構成しており、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の方が、外れである場合よりも長い変動時間の変動パターンが決定され易くなるように構成している。特に、変動時間が60秒以上の変動パターンは、変動時間が60秒未満の変動パターンに対して、大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。そして、役物演出を含む変動演出は、変動時間が60秒以上の変動パターンに対応して実行されるように構成している。このように構成することで、変動演出が開始されてから5秒が経過した時点で役物演出が実行された場合に、今回の変動演出の演出期間(特別図柄変動の変動時間)が60秒以上であることを遊技者に把握させることができ、大当たり当選の期待度が高いことを早期に遊技者に理解させることで、大当たり当選を期待しながら長時間演出を楽しむことができる。
そして、役物演出が実行された状態が大当たり当選の期待度が比較的高いチャンス状態であることを示すための表示態様として、主表示領域Dmの上部位置に「チャンス発生中」の文字が表示される。この「チャンス発生中」の文字は、「チャンス発生中」の文字が表示される表示領域を遊技者が視認可能な位置まで可動役物900が下降した場合に表示されるように構成している。さらに、主表示領域Dmの左下部にはウサギを模したキャラクタ801が、可動役物900が下方向に移動している状況を眺めている表示態様で表示されている。このキャラクタ801は、役物演出を含まない変動演出が実行されている際にも主表示領域Dmに表示されている表示態様であって、今回の変動演出が開始してから5秒が経過するまでの間、即ち、可動役物900が可動していない状態において、上方向を眺めるアクションを行うことで、今回実行された変動演出が役物演出を伴う変動演出であるか否かを煽る演出を実行可能に構成している。ここで、役物演出が実行されることを煽る演出を実行した後に、役物演出が実行されない場合には、上方向を眺めた後に「何もこないや」とコメントし、役物演出が実行されない変動演出に対応したアクションが実行される。このように構成することで、役物演出を含まない変動演出が実行された場合であっても、役物演出が実行されるかもしれないと遊技者を煽ることができるため、演出効果を高めることができる。また、実際に可動役物900が進出する(下方向に移動する)前に、キャラクタ801が上方向、即ち、可動役物900が進出してくる方向を眺めるアクションを実行することにより、可動役物900が進出してくる位置を遊技者に注視させ易くすることができるため、役物演出が実行されたことを気付かないまま変動演出が進行してしまうことを抑制することができる。
また、図715(a)に示した通り、役物演出が実行されると、主表示領域Dmの上下方向に対して中央よりも若干上方位置に左停止位置表示911aと、右停止位置表示911bが表示される。この左停止位置表示911aと、右停止位置表示911bは、共に、主表示領域Dmの側端から中心側に向けて三角形状の形状で表示されており、中心側に向かっている頂点部が水平方向に向き合うように表示されている(図では、各停止位置表示911a,bの頂点を結ぶ水平線を破線で表示)。この左停止位置表示911aと、右停止位置表示911bは、可動役物900の作動位置を示すための表示態様である。このように構成することで、可動役物900が作動位置へと位置したことを遊技者に分かり易く理解させることができる。図715(a)に示した状態から時間が経過し、変動開始から6秒が経過すると、可動役物900が作動位置にて約3秒間待機し、図715(b)に示した状態となる。図715(b)は、役物演出として可動役物900が収納位置から作動位置へと進出させるための可動制御(進出制御)が終了した後の待機期間中における第3図柄表示装置81の表示面付近の一例を示した図である。図715(a)に示した通り、可動役物900が作動位置まで進出すると、次に実行される可動役物第1演出の演出内容を案内するための案内表示態様が主表示領域Dmに表示される。本第21制御例におけるパチンコ機10では、役物演出が開始された場合に、まず、可動役物900を収納位置から作動位置へと移動させる進出制御が約1秒間実行された後に、可動役物900を作動位置で待機(保持)させる待機期間が3秒設定されるように可動役物900の動作シナリオが設定されている。そして、この待機期間を用いて、次に実行される可動役物900の可動制御内容(可動役物第1演出内容)を遊技者に案内するように構成している。このように構成することで、遊技者が操作演出の内容を理解すること無く操作演出が進行してしまい、例えば、可動役物第1演出中に終了条件を成立させることが出来ないまま可動役物第1演出が終了してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
具体的には、図715(b)に示した通り、可動役物900が作動位置に位置している待機期間中は、主表示領域Dmの上方に「ゲージが0になるまでにミッションをクリアしろ」の文字が表示され、主表示領域Dmの下方に形成された小表示領域Dm61には、ミッション内容を示すための表示態様として「ボタンを5回押せ」の文字が表示され、小表示領域Dm62には、枠ボタン22を押下した回数が表示される押下回数表示領域Dm62aと、ミッションを達成するために必要な枠ボタン押下回数が表示される押下回数表示領域Dm62bが表示されている。さらに、小表示領域Dm63には、ミッション期間の残期間を示すためのタイムゲージtg1が表示されている。図715(b)に示した状態は、可動役物第1演出が実行されていない状態(可動役物第1演出の演出内容を事前に遊技者に案内している状態)であるため、押下回数表示領域Dm62aには1回も枠ボタン22が押下されていないことを示すための「0」が、必要押下回数表示領域Dm62bには今回設定されたミッションに対応した必要押下回数を示すための「5」が表示されている。タイムゲージtg1は全領域が残期間を示す残期間ゲージtg1a(図では、斜線領域で表示)で表示されており、小領域Dm63aには、ミッション期間に突入していないことを示すための「READY」の文字が表示されている。なお、図715(b)に示した状態で枠ボタン22を押下したとしても、可動役物第1演出が実行されていない状態であるため、押下回数表示領域Dm62aに表示されている値(「0」)が変化(加算表示)されることは無い。詳細な説明は後述するが、本第21制御例におけるパチンコ機10では、可動役物第1演出中に可動役物900が作動位置を中心に下方向、上方向の順で振動する動作(1周動作)を3回実行するように構成しており、1周の動作期間が2秒となるように可動役物900の動作シナリオが設定されるように構成している。そして、上述したミッションは、可動役物900が1周動作をする毎に(2秒経過する毎に)、残期間が経過するように構成されている。つまり、タイムゲージtg1は2秒が計測される表示態様で表示される。
次に、図716(a)を参照して、可動役物第1演出が実行されている状態の変動演出内容について説明をする。図716(a)は、可動役物第1演出が実行されている状態で遊技者が枠ボタン22を押下し、ミッションを達成した状態を示す図である。図716(a)に示した通り、タイムゲージtg1が示す残時間ゲージtg1aが残っている状態で遊技者が枠ボタン22を5回押下すると、表示領域Dm61にミッション達成の文字が表示される。また、押下回数表示領域Dm62aにはミッション期間中に枠ボタン22が5回押下されたことを示す「5」が表示される。これにより、ミッション達成するための押下回数に到達したことを遊技者に分かり易く報知することができる。そして、図716(a)に示した状態、即ち、ミッション達成し可動役物第1演出の終了条件が成立した状態で可動役物900の1周動作が終了すると、図716(b)に示した通り、可動役物第2演出が実行される。ここで、図716(b)を参照して、可動役物第2演出の演出内容について説明をする。図716(b)は、可動役物第1演出の終了条件が成立し、可動役物第2演出が実行された状態を示す図である。図716(b)に示した通り、可動役物第2演出が実行されると、可動役物第1演出とは異なる態様である落下制御が実行される。具体的には。可動役物第1演出中に実行される振動動作では到達し得ない下方位置まで、可動役物第1演出中における動作速度よりも早く可動役物900を移動させる落下制御が実行される。そして、可動役物900が落下することに合わせて主表示領域Dmの中央付近に形成された第2期間表示領域Dm64に、可動役物第2演出に対応させた表示演出の表示態様として「大」の文字が表示される。このように構成することで、可動役物第2演出が実行された場合には、可動役物900に付された「チャンス」の文字と、第2期間表示領域Dm64に表示された「大」の文字とを組み合わせた「大チャンス」が表示されたことを遊技者に理解させることができる。また、主表示領域Dmの上方には現在の状況が「チャンス」よりも大当たり当選の期待度が高いことを示す「大チャンス発生中」のコメントが表示されている。
詳細な説明は、後述するが、本第21制御例におけるパチンコ機10では、可動役物第2演出が実行される際の各種条件(可動役物第1演出の終了経緯、対応する特別図柄抽選の当否判定結果等)に応じて、第2期間表示領域Dm64に表示される表示態様を異ならせて決定可能に構成しており、第2期間表示領域Dm64に表示される表示態様によって大当たり当選の期待度を異ならせるように構成している。よって、可動役物第1演出が終了し、可動役物第2演出が実行される際には、可動役物900を可動役物第1演出とは異なる態様で可動制御することによって役物演出の演出効果を高めると共に、大当たり当選の期待度を示唆する情報を獲得することができるため、遊技者が注視する演出を実行することができる。なお、本第21制御例では、可動役物第2演出の演出態様(可動役物900の可変制御内容)として、図716(b)に示した落下演出(落下制御)の他に、可動役物900を作動位置から上昇させる上昇演出(上昇制御)を実行可能に構成している。この上昇演出における演出内容については、図719(b)、及び図720を参照して後述する。次に、可動役物第2演出が終了し、可動役物900が収納位置へと移動する際の演出内容について図717(a)を参照して説明する。図717(a)は、図716(b)に示した状態から可動役物900が収納位置へと移動する(退避する)状態を示した図である。図717(a)に示した通り、可動役物900に対して退避制御が実行されると、上方向に移動する可動役物900を追随するような演出態様で退避演出が実行される。図717(a)に示した例では、退避演出として、可動役物900を追いかけるように複数の魚が泳ぐ演出(魚群)が実行されている。また、図717(a)に示した通り、可動役物900が主表示領域Dmの上方に位置する場合、即ち、図716(b)に示した図において主表示領域Dmの上方に表示されていた各種表示態様が視認困難となる位置に可動役物900が位置する場合には、図716(b)に示した図において主表示領域Dmの上方に表示されていた各種表示態様が主表示領域Dmn下方に表示されるように構成している。
具体的には、主表示領域Dmの下方に「大チャンス発生中」のコメントが表示され、第3図柄が変動表示される小表示領域Dm1が形成される。このように第3図柄表示装置81の表示面を覆うように可動範囲が設計されている可動手段(可動役物900)を可動させる場合において、可動手段(可動役物900)によって視認し難くなる表示領域に表示されている各種表示態様を、異なる表示領域に表示させる表示制御を実行可能に構成することによって、第3図柄表示装置81の表示領域、即ち、遊技者が常時注視している領域を用いて多彩な可動内容で可動手段(可動役物900)を可動させることができる。また、本第21制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出の表示態様の一部を、変動演出が開始されてからの経過時間に基づいて表示するのではなく、可動役物900の可動制御内容に基づいて表示するように構成しているため、複数の可動パターンで可動手段(可動役物900)を可動させる場合であっても、実際に実行される可動制御内容に応じて3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出の表示態様を適切な表示領域に表示することができる。一方、可動役物第1演出が終了した後に、可動役物第2演出が実行されること無く操作演出が終了する場合には、図717(b)に示した状態となる。図717(b)は、可動役物第1演出の終了後に可動役物900が収納位置へと移動している(退避している)状態を示す図である。つまり、図717(b)に示した状態は、可動役物第1演出が終了し、作動位置に位置している可動手段が第3図柄表示装置81の上方に設けられた収納位置へと移動している(退避している)最中の状態を示している。そして、キャラクタ801が可動役物900に対して手を振っているアクションで表示され、「リーチ演出に期待」の文字が表示される。
このように構成することで、操作演出が可動役物第1演出のみで終了してしまったことを遊技者に分かり易く把握させることができる。なお、詳細な説明は後述するが、本第21制御例におけるパチンコ機10では、可動役物第1演出の終了契機に応じて、可動役物第2演出の実行のされ易さを異ならせている。具体的には、終了条件を成立させて可動役物第1演出を途中で終了させた場合には、必ず可動役物第2演出が実行されるように構成しており、可動役物第1演出を最後まで実行した場合には、可動役物第2演出を実行するか否かを抽選で決定するように構成している。さらに、可動役物第2演出を実行するか否かの抽選では、当該変動演出に対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の方が、外れである場合よりも可動役物第2演出の実行頻度を高くするように構成している。つまり、可動役物第1演出の途中で終了条件を成立させた場合には必ず可動役物第1演出が終了した後に可動役物第2演出を実行するように構成しているため、可動役物第2演出が実行されたことによって大当たり当選の期待度を把握することが出来ないが、可動役物第2演出の実行有無を抽選で決定する場合、即ち、可動役物第1演出の途中で終了条件を成立させなかった場合には、可動役物第2演出が実行されること自体が大当たり当選の期待度を高めることになる。よって、遊技者に対して、終了条件を成立させた後に追加演出を実行することで大当たり当選しているか否かを予測させる遊技と、終了条件を成立させず可動役物第2演出が実行されるか否かによって大当たり当選しているか否かを予測させる遊技と、の何れを実行するか選択させることができる。なお、可動役物第2演出の実行有無を抽選で決定する場合には、可動役物第2演出が実行されなかった場合において、今回の変動演出に対応する特別図柄変動が大当たり当選していない可能性が高いことを事前に把握することができると共に、大当たり当選していない可能性が高い変動演出に対して過剰に可動役物900を動作してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第21制御例では、役物演出として実行される可動役物第1演出を、対応する動作シナリオ(振動シナリオ64)が終了した(第1終了契機が成立した場合)場合、或いは、可動役物第1演出中に終了条件を成立させた状態で1周期分の動作を完了させた場合(第2終了契機が成立した場合)に終了させることができるように構成している。そして、可動役物第1演出の終了契機に応じて、可動役物第1演出が終了した後における役物演出の演出態様を異ならせることができるように構成している。このように構成することで、成立した終了契機によって役物演出の演出態様を異ならせることができるため、様々な演出態様で役物演出を実行させることができる。さらに、本第21制御例では、上述した第1終了契機が成立することで可動役物第1演出を終了させた場合よりも、上述した第2終了契機が成立することで可動役物第1演出を終了させた場合の方が、可動役物第1演出の終了後に可動役物第2演出が実行され易くなるように構成している。また可動役物第2演出が実行された場合には、可動役物第2演出が実行されなかった場合よりも実行中の変動演出(役物演出を含む変動演出)に対応する特別図柄抽選の結果(変動演出の演出結果)を、遊技者に事前に把握させ易くできるように構成している。このように構成することで、実行中の変動演出の演出結果(特別図柄抽選の結果)をいち早く把握しようとしている遊技者に対して、可動役物第1演出の第2終了契機が成立した場合には、事前に変動演出の演出結果(特別図柄抽選の結果)を把握することが可能となる情報(特典)を提供することができる。つまり、複数の終了契機(第1終了契機、第2終了契機)のうち、特定の終了契機(第2終了契機)を成立させた場合の方が、その特定の終了契機(第2終了契機)とは異なる終了契機(第1終了契機)を成立させた場合よりも遊技者に有利となる特典を付与することができる。よって、可動役物第1演出を終了させるために成立させた終了契機の種別に応じて、可動役物第1演出が終了した後に遊技者に付与される特典の有利度合いを異ならせることができるため、成立する終了契機に対して遊技者により興味を持たせることができる。
さらに、本第21制御例では、上述した第2終了契機は、可動役物第1演出に対応する動作シナリオ(振動シナリオ64)が終了するよりも前の状況、即ち、第1終了契機が成立するよりも前に成立し得るものである。つまり、遊技者に有利な特典が付与され易い第2終了契機を、第1終了契機よりも先に成立させることが可能に構成している。このように構成することで、第2終了契機が成立し得なかった場合に第1終了契機を成立させることできるため、第2終了契機を成立させることが可能な状態で急に第1終了契機が成立してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。加えて、本第21制御例では、可動役物第1演出中に遊技者が操作手段(枠ボタン22)を押下することで、第1終了契機が成立するよりも前に、第2終了契機を成立させることができるように構成している。つまり、遊技者による操作手段への操作内容に基づいて第1条件(終了条件)を成立させた状態で、可動役物900が特定位置に位置(1周期動作を終えた可動役物900が作動位置に位置)することで第2条件が成立した場合に第2終了契機を成立させることができるように構成している。このように構成することで、遊技者に有利な終了契機である第2終了契機は、遊技者の操作手段への操作に基づいて成立し得るものとすることができるため、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることができる。なお、上述した通り、本第21制御例では、可動役物第1演出を終了させるために成立させた終了契機の種別に応じて遊技者に付与される特典の有利度合いを異ならせるために、可動役物第1演出が終了した後に実行される役物演出の演出態様を異ならせるように構成しており、第2終了契機が成立した場合には第1終了契機が成立した場合よりも遊技者に有利な特典が付与されるように構成していたが、これに限ること無く、第2終了契機が成立した場合よりも第1終了契機が成立した場合の方が遊技者に有利な特典が付与されるように構成しても良い。
また、1の終了契機(例えば、第1終了契機)が成立したことに基づいて可動役物第1演出が終了した場合よりも、他の終了契機(例えば、第2終了契機)が成立したことに基づいて可動役物第1演出が終了した場合の方が、遊技者に不利な遊技が実行されるように構成しても良く、この場合、例えば、60秒の変動時間が設定された特別図柄変動に対応して実行される変動演出中に含まれる役物演出の可動役物第1演出を終了させた終了契機が第1終了契機(時間経過)である場合に、特別図柄変動の変動時間(60秒で設定されていた変動時間)を所定期間(20秒)延長させるように構成すると良い。このように構成することで、第1終了契機が成立した場合には、第2終了契機が成立した場合よりも、特別図柄抽選の結果が停止表示されるタイミングを遅らせることができるため、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の回数を減少させるという不利な遊技を遊技者に提供することができる。よって、可動役物第1演出が実行された場合において、不利な遊技が実行されてしまうことを抑制するために、特定の終了契機(第2終了契機)を成立させようと意欲的に遊技者に遊技を行わせることができる。なお、遊技者に不利な遊技を行わせるための遊技内容としては、これに限ること無く、例えば、遊技者に不利な遊技が行われる終了契機が成立した場合には、終了契機が成立してから所定期間(例えば、10秒)の間、遊技者に有利な特典(賞球の払出や、実行中の遊技内容の報知(特別図柄抽選の結果や設定されている遊技状態の報知))が付与されない遊技内容をペナルティとして課すように構成しても良い。次に、図718(a)を参照して、可動役物第1演出期間中に実行される追加演出の演出内容について説明をする。図718(a)は、可動役物第1演出の終了条件が成立した状態で可動役物900が作動位置へと移動するまでの期間中に追加演出が実行された状態を示す図である。
本第21制御例におけるパチンコ機10では、可動役物第1演出中に終了条件を成立させるために遊技者に対して枠ボタン22を押下させる遊技行為を行わせるように構成しており、その終了条件を成立させるために遊技者に対して枠ボタン22を押下させる遊技行為によって追加演出の実行条件も成立し得るように構成している。具体的には、図718(a)に示した例では、1回のミッション期間(可動役物900の1周動作期間)である2秒間に枠ボタン22を5回押下することで終了条件が成立するミッション演出が実行されている最中であって、ミッション期間中に遊技者が枠ボタン22を連打操作し、枠ボタン22を7回押下した状態を示している。図718(a)に示した通り、小表示領域Dm63aには、現在がミッション期間中であることを示す「GO」の文字が表示され、小表示領域Dm63には、ミッション期間の残期間を示すためのタイムゲージtg1が表示されている。具体的には、残時間ゲージtg1aがタイムゲージtg1全体の約1/4を占めている状態が表示されており、ミッション期間の残期間が0.5秒であることを示している。さらに、小表示領域Dm62には、押下回数表示領域Dm62aに「7」が、必要押下回数表示領域Dm62bに「5」が表示されている。ここで、ミッション期間中における枠ボタン22に対する押下回数の増加に伴う表示態様の変化過程について説明をする。ミッション期間中に実行された枠ボタン押下回数(押下回数表示領域Dm62aに表示される値)が、ミッション達成に必要となる枠ボタン押下回数(必要押下回数表示領域Dm62bに表示される値)に到達するまでは、押下回数表示領域Dm62aに表示される値が枠ボタン押下回数に対応して加算表示されると共に、第3図柄表示装置81の表示画面に枠ボタン22への更なる押下操作を促すための「頑張れ」や、「あと少し」といった表示態様が表示される。
そして、ミッション期間中に実行された枠ボタン押下回数がミッション達成に必要となる枠ボタン押下回数に到達した場合には、図716(a)に示した通り、小表示領域Dm61にミッション達成したことを報知するための案内態様として「ミッション達成」の文字が表示される。また、小表示領域Dm62には、押下回数表示領域Dm62aに表示される値と、必要押下回数表示領域Dm62bに表示される値とが等しくなる表示態様が表示される。その後、さらに枠ボタン22を押下することで追加演出の実行条件が成立すると、押下回数表示領域Dm62aに表示される値の方が、必要押下回数表示領域Dm62bに表示される値よりも大きい表示態様が表示され、小表示領域Dm61に追加演出に対応する各種表示態様が表示され、主表示領域Dmの表示面には追加演出が実行されたことを示すための表示態様が表示される。本第21制御例におけるパチンコ機10では、ミッション期間中に終了条件が成立している状態で枠ボタン22を押下する毎に追加演出の実行条件が成立するように構成しているため、図718(a)に示した状態では、追加演出の実行条件が2回成立している状態となる。そして、追加演出の実行条件が成立する毎に、追加演出の演出態様が選択され、小表示領域Dm61に表示される。なお、追加演出の演出態様は後述する追加演出選択テーブル222uucを参照して決定されるように構成しており、その詳細な説明は後述する。図718(a)に示した状態では、1回目の追加演出に対応する第1追加演出態様として、10kgのおもりを模したアイコン913が受け皿912の上に表示され、2回目の追加演出に対応する第2追加演出態様として、1kgのおもりを模したアイコン914が受け皿912の上に表示されている。
この追加演出は、選択される演出態様に応じて、後に実行される可動役物第2演出の演出態様を遊技者に示唆可能であり、且つ、大当たり当選の期待度を示唆可能な演出である。詳細は後述するが、実行中の変動演出に対応する特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである場合の方が、外れである場合よりも、重いおもりを選択し易く構成している。また、大当たりである場合のみ選択され得る特殊態様(「V」を模したアイコン)を選択可能に構成している。このように構成することで、追加演出が実行されることにより、実行中の変動演出の演出結果を遊技者にいち早く察知させることが可能となるため、特別図柄抽選の抽選結果をいち早く察知しようとする遊技者に対して、意欲的に追加演出の実行条件を成立させようと遊技を行わせることができる。また、上述した通り、追加演出の実行条件は、1のミッション期間中において可動役物第1演出の終了条件が成立してからミッション期間が終了するまでの期間のみ成立し得るように構成しているため、追加演出の実行条件を多く成立させるためには、可動役物第1演出の終了条件をいち早く成立させる必要がある。つまり、可動役物第1演出の終了条件が成立した状況に応じて、追加演出の実行条件の成立のし易さを異ならせることができる。そして、追加演出が実行されている状態で可動役物900が作動位置へと位置し1周動作が終了した場合には、終了条件が成立しているため、可動役物第1演出が終了し、可動役物第2演出が実行される。ここで、図718(b)を参照して、追加演出が実行された状態で可動役物900が作動位置へと移動した状態における演出内容について説明をする。図718(b)は、追加演出が実行された状態で可動役物900が作動位置へと移動した状態の一例を示す図である。
図718(b)に示した通り、追加演出の演出態様(各種おもり)が作動位置に位置している可動役物900に載置されているように見える表示位置へと移動する表示演出が実行され、小表示領域Dm61には、可動役物第2演出として落下演出が実行されることを示すための案内態様として「落下の大チャンス」が表示されている。また、図718(b)に示した図は、可動役物第1演出のミッション期間が終了している状態(可動役物第1演出の各ミッション期間の最後に設定されている保持期間中)であるため、小表示領域Dm63には、ミッション期間の残期間が無いことを示すタイムゲージtg1が表示されている。具体的には、タイムゲージtg1の全範囲に対して、残時間ゲージtg1aが表示されること無く経過時間ゲージtg1bが表示されることでミッション期間の残期間が無いことを遊技者に報知している。また、小表示領域Dm63aには、現在がミッション期間外であることを示すための表示態様として「FINISH」の文字が表示されている。以上、説明をした通り、本第21制御例では、役物演出として実行される可動役物第1演出を、対応する動作シナリオ(振動シナリオ64)が終了した(第1終了契機が成立した場合)場合、或いは、可動役物第1演出中に終了条件を成立させた状態で1周期分の動作を完了させた場合(第2終了契機が成立した場合)に終了させることができるように構成している。そして、可動役物第1演出の終了契機に応じて、可動役物第1演出が終了した後における役物演出の演出態様を異ならせることができるように構成し、さらに、第2終了契機を成立させるための第1条件(枠ボタン22への操作に基づいて成立する終了条件)が成立した場合には、追加演出を実行可能に構成している。つまり、第2終了契機を成立させるための第1条件(枠ボタン22への操作に基づいて成立する終了条件)を成立させた場合には、第1条件を成立させること無く第1終了契機を成立させた場合には付与されることが無い特典(追加演出の実行)を、可動役物第1演出の実行期間中に遊技者に付与することができるように構成している。
このように構成することで、可動役物第1演出を終了させるための終了契機として成立した終了契機の種別に応じて、可動役物第1演出が終了した後に付与される特典(可動役物第2演出の実行有無や、実行された可動役物第2演出中に提供される各種情報内容)を異ならせるだけで無く、可動役物第1演出期間中に付与される特典(追加演出の実行有無や、追加演出中に提供される各種情報内容)も異ならせることができるため、可動役物第1演出の終了契機に対して、遊技者により興味を持たせることができる。次に、図719(a)から図720を参照して、可動役物第2演出の別例について説明をする。本第21制御例におけるパチンコ機10では、可動役物第2演出として、上述した落下演出に加えて、可動役物を作動位置から上昇させる上昇演出を実行可能に構成している。ここで、可動役物900の上昇演出を、可動役物第2演出の別例として説明をする。図719(a)は、可動役物第2演出の別例である上昇演出が実行される場合における追加演出の演出内容を示した図である。詳細な説明は後述するが、本第21制御例では、可動役物第1演出の終了条件が成立した場合に可動役物第2演出の実行が決定され、そのタイミングで実行される可動役物第2演出の演出態様が決定されるように構成している。つまり、追加演出が実行されるタイミングにおいては、既に、後に実行される可動役物第2演出の演出態様が決定されている。より具体的には、可動役物第1演出が実行される場合に設定されるミッション演出の種別に応じて、ミッション達成後に実行される可動役物第2演出の演出態様が決定されるように構成している。
このように構成することで、可動役物第2演出よりも前に実行される追加演出の演出態様を用いて、後に実行される可動役物第2演出の演出内容を遊技者に事前に報知することができる。なお、本第21制御例では、ミッション演出の種別に対応付けて可動役物第2演出の演出態様を決定することで、追加演出の演出態様を後に実行される可動役物第2演出の演出態様に対応付け可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、追加演出の演出態様として決定された演出態様に応じた可動役物第2演出の演出態様を、追加演出が実行された後に決定可能に構成しても良い。図719(a)では、追加演出の演出態様として、風船を模したアイコン915(第3追加演出態様)が小表示領域Dm61に表示されている。このアイコン915は、追加演出の実行条件が成立する毎に、大きく膨らんで表示されるように構成している。つまり、図718(a)を参照して上述した追加演出(おもりを表示する追加演出)では、追加演出の実行条件が成立した回数に対応した個数のおもりを小表示領域Dm61に表示させるように構成しており、小表示領域Dm61に表示されているおもりの個数と追加演出の実行回数とが一致するように構成することで、追加演出の実行回数を遊技者に分かり易く把握させるように構成していたが、図719(a)に示した追加演出では、最初に追加演出の実行条件が成立することで、小表示領域Dm61に追加演出として1つのアイコン915が表示され、その後、追加演出の実行条件が成立する毎にアイコン915を拡大表示(風船が膨らんでいく表示)させるように構成している。
このように構成することで、追加演出の演出態様のみを把握した場合に、追加演出が実行された回数を遊技者に把握させ難くすることができる。なお、図719(a)に示した態様で追加演出が実行される場合には、例えば、追加演出が実行された回数とは異なる個数のアイコンを表示するように構成しても良いし、追加演出の演出態様として、アイコン915が萎んでしまう演出態様や、大きくなりすぎて破裂してしまう演出態様を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、追加演出の実行回数が多くなるほど、遊技者に有利な演出態様(風船を示すアイコン915が大きくなり、可動役物第2演出として上昇演出が実行され易くなることを示す演出態様)が設定されるのでは無くなるため、追加演出の演出内容についても遊技者により興味を持たせることができる。そして、図719(a)に示した状態から所定期間が経過し、ミッション期間が終了すると、図719(b)に示した状態となる。図719(b)は、追加演出として風船を模したアイコン915が表示されている状態でミッション期間が終了した状態を示した図である。図719(b)に示した通り、追加演出の演出態様として表示されたアイコン915が可動役物900に結ばれているように表示され、小表示領域Dm61には、後に実行される可動役物第2演出が上昇演出であることを示唆するための表示態様として「チャンスUP」の文字が表示されている。それ以外の各種表示要素については、上述した図718(b)と同一であるため、詳細な説明を省略する。そして、可動役物第2演出として上昇演出が実行されると、図720に示した通り、風船を模したアイコン915が付いた状態で可動役物900が上昇し、第2期間表示領域Dm64には、「よりも激アツ」の文字が表示される。これにより、第2期間表示領域Dm64の上方に位置している可動役物900に付された「チャンス」の文字と、第2期間表示領域Dm64に表示された文字とを組み合わせることで「チャンスよりも激アツ」な状況であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
そして、主表示領域Dmの下方には、「激アツ発生中」と表示され、現在が大当たり期待度の高い状態であることを遊技者に報知している。なお、本第21制御例では、対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の方が、外れである場合よりも可動役物第2演出として「上昇演出」が実行され易くなるように構成している。また、上昇演出中において第2期間表示領域Dm64に表示される表示態様は、上述した落下演出と同様に後述する第2期間表示選択テーブル222uudを参照して決定されるように構成している。つまり、実行される可動役物第2演出の演出態様によって対応する特別図柄抽選の結果を遊技者に予測させることが可能となる。このように構成することで、可動役物第1演出が終了した後に実行される役物演出の演出内容について興味を持たせることができる。
<第21制御例における役物可動演出(役物演出)の流れについて>
次に、図721、および図722を参照して、本第21制御例におけるパチンコ機10にて実行される役物可動演出(役物演出)の流れについて説明をする。上述した通り、本第21制御例におけるパチンコ機10では、役物可動演出が実行されると、収納位置(原点位置)に位置している可動役物900を作動位置へと移動させる進出動作(進出演出)を実行し、その後、所定の振動動作(可動役物第1演出)を複数回(3回)実行した後に、落下動作、又は上昇動作(可動役物第2演出)を実行し、その後、収納位置へと移動する退避動作(退避演出)を実行するように構成している。まず、図721を参照して、可動役物第1演出中に終了条件を成立させた場合に実行される役物可動演出(役物演出)の一例について説明をする。図721は、可動役物第1演出中に終了条件を成立させた後、可動役物第2演出として落下演出が実行された場合の役物可動演出(役物演出)の流れを示した図である。図721に示した通り、役物可動演出(役物演出)が実行されると、まず、進出演出が実行される。この進出演出中は、後述する進出シナリオテーブル222uugaに規定されている動作シナリオに基づいて可動役物900が可動制御される。具体的には、収納位置(原点位置)(図721(a)参照)に位置している可動役物900を下方向へと1秒間移動することで作動位置(図721(e)参照)に位置させる進出動作を実行した後に、その状態を1秒間維持するように可動制御される。そして、進出動作中は、第3図柄表示装置81の表示面には、役物可動演出(役物演出)が開始されたことを示す表示態様(図715(a)参照)が表示され、その後、進出シナリオテーブル222uugaに規定されている動作シナリオに基づいて可動役物900が作動位置に1秒間保持されている状態では、第3図柄表示装置81の表示面に、後に実行される振動演出中における遊技内容を遊技者に案内するための表示態様(図715(b)参照)が表示される。
ここで、本第21制御例では、役物可動演出が開始されてからの経過時間に基づいて第3図柄表示装置81の表示面に表示させる表示態様を切り替えるのでは無く、可動役物900の動作状況に応じて第3図柄表示装置81の表示面に表示させる表示態様を切り替えるように構成している。つまり、進出演出中においては、進出シナリオテーブル222uugaに規定されている動作シナリオのうち、可動役物900を作動位置に1秒間保持するための動作シナリオが実行されるタイミング、即ち、可動役物900が作動位置に到達したと判別したタイミングとなった場合に、後に実行される振動演出中における遊技内容を遊技者に案内するための表示態様(図715(b)参照)が表示されるように構成している。このように構成することで、正常であれば役物可動演出(役物演出)が開始されてから1秒経過後に可動役物900が作動位置に位置するように動作シナリオが規定されている場合であっても、駆動モータ905を励磁するための出力信号(出力パルス信号)と、駆動モータ905の回転数とが同期しない状態(脱調)が発生したり、駆動モータ905の駆動エネルギーが可動役物900へと上手く伝達されない状況が発生したりすることで、実際に可動役物900が作動位置に到達するまでの期間が1秒を超えてしまった場合であっても、可動役物900の動作状況に合わせて第3図柄表示装置81の表示面に各種表示態様を表示することができるため、遊技者に違和感の無い役物可動演出(役物演出)を提供することができる。なお、本第21制御例では、正常に可動役物900が動作した場合よりも長い動作期間が発生した場合には、既に表示されている表示態様を継続して表示するように構成しているが、これに限ること無く、タイムラグが所定期間(例えば、0.5秒)以上発生した場合のみ表示される表示態様として、例えば、「暫くお待ちください」といった、遊技者に演出の遅延が発生していることを示すための表示態様を表示するように構成しても良いし、「今回の大当たり確率は50%」といった、通常では表示され得ない遊技に関する情報を示す表示態様を表示するように構成しても良い。
このように構成することで、可動役物900に対する可動制御にて物理的な遅延が発生した場合にのみ特殊な表示態様を表示することができるため、通常であれば、不具合となる遊技期間を有効に用いた演出を実行することができる。図721に戻り説明を続ける。役物可動演出(役物演出)の進出演出が終了すると、次に、振動シナリオテーブル222uugbに規定されている動作シナリオに基づいた振動演出が開始される。本第21制御例では、振動演出として、作動位置に位置している可動役物900を一旦下方向へと移動させて振動下限位置(図721(g)参照)まで降下させた後に、移動方向を切り替えて振動上限位置(図721(c)参照)に到達するまで上方向へと移動させ、その後、作動位置(図721(e)参照)に向けて下方向へと移動させる1周期の振動動作を3回実行させるように振動シナリオテーブル222uugbの内容が規定されている。そして、1周期の振動動作が終了する毎に、振動演出(可動役物第1演出)の終了条件が成立しているかを判別可能に構成している。つまり、本第21制御例では、上述した第20制御例とは異なり、振動演出(可動役物第1演出)中において下方向へと移動した可動役物900が作動位置へと位置した場合にのみ終了条件の成立を判別可能に構成し、上方向へと移動した可動役物900が作動位置へと位置した場合には終了条件の成立を判別しないように構成している。
このように構成することで、振動演出中において、特定の移動内容で可動役物900が作動位置へと位置した場合のみ、次の演出(可動役物第2演出)へと移行し得ることを遊技者に把握させ易くすることができるため、役物可動演出(役物演出)の一連の流れを遊技者に分かり易くすることができる。なお、本第21制御例では、振動シナリオテーブル222uugbに規定されている動作シナリオの進行状況を特定することにより、特定の移動方向(下方向)への移動によって可動役物900が作動位置に位置したことを判別可能に構成しているが、これに限ること無く、可動役物900の位置を検知可能な検知手段を複数設け、物理的に可動役物900の移動方向を特定可能に構成し、特定の移動方向への移動によって可動役物900が作動位置に位置したと判別された場合に終了条件の成立を判別可能に構成しても良い。また、上述した第20制御例と同様の構成を用いて、1周期内において、終了条件が成立したことを判別可能なタイミングを複数設けても良いし、実行される役物可動演出(役物演出)の種別に応じて、終了条件が成立していることを判別可能なタイミングを異ならせても良い。このように構成することで、どのタイミングで振動演出(可動役物第1演出)が終了するのかを遊技者に把握させ難くすることが出来るため、遊技者に意外性のある演出を提供し易くすることができる。さらに、この場合、対応する特別図柄抽選の結果に応じて、終了条件が成立していることを判別可能なタイミングを異ならせても良く、例えば、対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合には、奇数周期の振動動作が終了したタイミングにて終了条件が成立していることを判別し易く、対応する特別図柄抽選の結果が外れである場合には、偶数周期の振動動作が終了したタイミングにて終了条件が成立していることを判別し易くなるように構成しても良い。このように構成することで、振動演出が終了するタイミングによっても、特別図柄抽選の結果を予測し易くすることができる。
この振動演出が実行されている期間のうち、終了条件が成立するまでの期間は、図716(a)に示した表示態様が第3図柄表示装置81の表示面に表示され、終了条件が成立した後は、1周期の可動制御が終了するまでの間、図718に示した表示態様が表示され得る期間となる。また、図721に示した通り、本第21制御例では、振動演出における可動役物900の振動態様として、作動位置を中心として、略均一幅で下方向と上方向に可動役物900が移動する振動態様が設定されるように構成しており、1周期に用いられる期間が2秒であって、半周期分の振動動作に用いられる期間が1秒となるように構成している。このように、1周期の振動動作として前半の半周期と後半の半周期とが可動役物900の移動方向のみが異なり移動距離と移動速度とが同一の振動動作を実行することで、遊技者に対して、1周期分の振動動作に用いられる期間(2秒)を、1周期分の振動動作が終了するよりも前に予測させ易くすることができる。よって、振動演出中に枠ボタン22を押下することで終了条件を成立させた時点から1周期分の振動動作が終了するまでの残期間を、可動役物900の位置を把握することで遊技者に予測させ易くすることができる。なお、振動演出中に実行される可動役物900の振動態様は、これに限ること無く、作動位置を起点として、特定の位置方向(例えば、下方向)のみに向かって可動役物900を往復移動させる振動態様を設定可能に構成しても良いし、3方向以上の移動方向を有する振動態様を設定可能に構成しても良い。また、振動演出中に可動役物900の移動速度を変化可能に構成しても良く、例えば、下方向へと可動役物900を移動させる場合の移動速度の方が、上方向へと可動役物900を移動させる場合の移動速度よりも速くなるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、1周期分の振動動作に用いられる期間を、1周期分の振動動作が終了するよりも前に予測させ難くすることができる。
振動演出(可動役物第1演出)における1周期目の振動動作中に終了条件が成立し、その後も遊技者が枠ボタン22を継続して押下した場合には、振動演出の残期間を用いて追加演出が実行され、第3図柄表示装置81の表示面に図718に示した表示態様が表示される。そして、1周期分の振動動作が終了すると、終了条件が成立していることが判別され、残りの2周期分の振動動作を実行すること無く、振動演出(可動役物第1演出)が終了し、次に、可動役物第2演出として落下演出が実行される。この落下演出では、振動演出中の可動役物900の移動速度の倍の速度で下方向へと可動役物900が移動する(落下する)落下演出が実行される。この落下演出に対応する可動役物900の落下動作は、落下シナリオテーブル222uugcに規定されている動作シナリオに基づいて実行される。この落下シナリオテーブル222uugcの詳細な内容については、図736(b)を参照して後述する。落下演出が実行されると、約0.5秒の落下動作の後、約3秒間、落下位置にて可動役物900が維持され、その維持期間中に第3図柄表示装置81の表示面にて、落下演出に対応する表示態様が表示される(図716(b)参照)。この落下演出中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様は、特別図柄抽選の結果に応じて異なる表示態様が比較的設定され易いため、遊技者が表示態様を視認し易くするために、維持期間が3秒間となるように構成している。その後、落下演出が終了すると、落下位置に位置している可動役物900を原点位置(図721(a)参照)に向けて退避させる退避動作が実行される(約2秒)。この退避動作は、退避シナリオテーブル222ucに規定されている動作シナリオに基づいて実行される。そして、本第21制御例では、可動役物900を原点位置(収納位置)へと戻すための動作期間も演出期間として用いており、可動役物900が退避動作を実行している期間を用いて、図717(a)に示した表示態様が表示される退避演出を実行する。
このように構成することで、通常であれば、演出に用いた可動役物900を、演出が終了した後に初期位置へと戻すだけの動作期間、即ち、演出効果が低い動作期間を、演出の一部として活用することができるため、可動役物900を用いた演出の演出効果を高めることができる。次に、図722を参照して、役物可動演出(役物演出)中に実行される振動演出(可動役物第1演出)中に終了条件を成立させなかった場合における流れについて説明をする。図722は、振動演出(可動役物第1演出)中に終了条件を成立させなかった場合における役物可動演出(役物演出)の流れを示した図である。なお、図721を参照して上述した内容と同一の箇所については説明を省略する。図722に示した通り、振動演出(可動役物第1演出)中に終了条件が成立しなかった場合には、振動シナリオテーブル222uugbに規定されている3周期分の振動動作を実行した後に可動役物第2演出が実行される。図722に示した図では、可動役物第2演出の演出態様として、可動役物900を作動位置よりも上昇させる上昇演出(UP演出)が実行される場合の流れを示している。上昇演出中は、可動役物900は上昇シナリオテーブル222uugdに規定されている動作シナリオに基づいて上方向に向かって移動する上昇動作が実行される。この上昇動作では、振動演出中における可動役物900の移動速度の半分の速度で可動役物900が移動する可動制御が実行される。つまり、上述した落下動作の約1/4の速度で可動役物900が移動する。ここで、本第21制御例では、可動役物第2演出として実行可能な落下動作にて可動役物900が移動する移動距離が約12センチで、上昇動作にて可動役物900が移動する移動距離が約3センチとなるように構成している。つまり、落下動作が実行されて可動役物900が作動位置から落下位置へと移動するのに要する期間と、上昇動作が実行されて可動役物900が作動位置から上昇位置へと移動するのに要する期間と、が同一となるように構成している。
このように構成することで、可動役物第2演出の演出態様として何れの演出態様(落下演出、上昇演出)が設定された場合であっても、可動役物第2演出の演出期間が同一となるように構成している。このように構成することで、役物演出の演出期間を統一し易くすることができるため、役物演出を実行するための処理負荷を軽減し易くすることができる。そして、上昇演出が実行された場合も、上述した落下演出と同様に、上昇位置へと位置した状態で、可動役物900を3秒間維持する維持期間が設定され、その間に、第3図柄表示装置81の表示面にて上昇演出に対応する表示態様が表示される(図720参照)。その後、退避演出が実行され、役物演出(役物可動演出)が終了する。なお、本第21制御例では、上述した第20制御例と同様に、退避シナリオテーブル222ucを用いて退避動作が実行されるように構成している。そして、退避シナリオテーブル222ucには、原点位置まで可動役物900を移動させるための動作シナリオが規定されている。つまり、退避動作が開始される際の可動役物900の位置に関わらず、同一のシナリオテーブルを用いて、可動役物900を退避させることができる。
<第21制御例における電気的構成について>
次に、図723を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図723は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図724を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図724は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタ(C3)と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。なお、図724には図示していないが、普通図柄の抽選が実行されてからその抽選結果が停止表示されるまでの期間に実行される普通図柄変動の変動パターンを選択する際に使用する普図柄変動種別カウンタ(CS2)も有している。各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図740参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図751参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第1球口64への入球に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203uuaと、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第2入球口640への入球に対応する第2特別図柄保留球格納エリア203uubと、が設けられており、第1特別図柄保留球格納エリア203uuaには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納され、第2特別図柄保留球格納エリア203uubには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1の各値が格納される。
そして、特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203uuaの保留第1エリアに格納されている各種値、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203uubの保留第1エリアに格納されている各種値のうち、次に抽選が実行される特別図柄種別に対応する特別図柄の情報を特別図柄保留球実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。なお、本第21制御例では、特別図柄の種別が2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)の構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別を1種類としても良い。そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)、或いは、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、対応する特別図柄種別の特別図柄保留球格納エリアの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始されるように構成すれば良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別を用いたパチンコ機10であっても、各々の特別図柄変動を円滑に実行することができる。さらに、本第21制御例のように、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)を有するパチンコ機10であれば、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成しても良く、この場合、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203uua、第2特別図柄保留球格納エリア203uub)がそれぞれ特別図柄実行エリアを有するように構成すれば良い。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。
また、本第21制御例におけるパチンコ機10は、第1特別図柄保留球格納エリア203uua、及び、第2特別図柄保留球格納エリア203uubが各種値を記憶(格納)している状態、即ち、第1特別図柄の保留記憶(特図1保留)と、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)と、を有している状態において、特図1保留よりも特図2保留を優先して特別図柄保留球実行エリアへと移行させるように構成している。つまり、第1特別図柄に基づく特別図柄抽選(特図1抽選)よりも、第2特別図柄に基づく特別図柄抽選(特図2抽選)の方が、優先して実行されるように構成しているが、これに限ることなく、第1特別図柄に基づく特別図柄抽選(特図1抽選)を、第2特別図柄に基づく特別図柄抽選(特図2抽選)よりも優先して実行するように構成(所謂、特図1優先変動)しても良いし、各種値が格納された順に特別図柄抽選を実行するように構成(所謂、入賞順変動)しても良い。また、本第21制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たりと外れのみとなるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、大当たり当選時よりも少ない特典(大当たり当選時とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合であっても、遊技者に特典を付与する機会を設けることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。この場合、主制御装置110のRAM203内に、小当たり種別カウンタを設け、取得した小当たり種別カウンタの値を特別図柄保留球格納エリアに格納可能に構成し、特別図柄の抽選を実行する場合に参照するように構成すれば良い。
加えて、特別図柄抽選で小当たり当選可能に構成した場合には、例えば、大当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、小当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、を異ならせるように構成しても良く、例えば、大当たり当選した場合は、大当たり遊技の開始時に遊技状態を通常状態へと移行させ、さらに、設定された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に新たな遊技状態を設定可能に構成し、小当たり当選した場合は、小当たり当選時の遊技状態を維持したまま小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技終了後も遊技状態を移行させないように構成しても良い。また、小当たり当選したことに基づいて遊技状態を通常状態へと移行させるように構成した場合であっても、小当たり遊技が終了したことに基づいて異なる遊技状態へと移行させないように構成しても良い。このように構成することで、当選した当たり種別(大当たり、小当たり)に応じて、遊技状態の移行の有無や、移行内容を異ならせることができるため、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。さらに、本第21制御例のRAM203には、4つの保留エリア(保留第1エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203uucが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203uucには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタCS2の各値がそれぞれ格納される。そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203uucの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。次に、図724を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~999の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~999の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図740参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図751参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本第21制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203uuaに、第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203uubに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202uuaによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202uuaによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
詳細な説明は後述するが、特別図柄の大当たりと判定された場合には、特別図柄が停止表示された後に、大当たり遊技が実行されていない状態よりも多くの賞球を獲得し易い大当たり遊技が開始される。なお、大当たり遊技の開始条件としては、上述した通り、大当たり当選を示す特別図柄が停止表示された場合に成立する第1条件を開始条件としても良いし、大当たり当選を示す特別図柄が停止表示された後に、所定の開始領域(スルーゲート67)へと遊技球を通過させた場合に開始条件が成立するように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選を示す特別図柄(大当たり図柄)が停止表示された場合であっても、時間経過によって大当たり遊技が開始されてしまうことを抑制することができる。よって、大当たり遊技が実行されることが確定している状態で、遊技者が遊技を中断することができるため、特別図柄抽選によって大当たり当選し易い状態(例えば、大当たり遊技を介して確変状態が連続して設定される状態)が長時間継続した場合であっても、大当たり遊技が終了してから次の大当たり遊技が実行されるまでの期間内に遊技者が休憩を取ることが可能な期間を確実に提供することができる。なお、この場合、本第21制御例におけるパチンコ機10のように、確変状態中において遊技者に有利となる遊技方法(右打ち遊技)で遊技を行った場合に発射された遊技球が流下可能な遊技領域(可変表示装置ユニット80の右側領域)に所定の開始領域(スルーゲート67)を設けている場合においては、第3図柄表示装置81の表示面に大当たり当選を示す特別図柄に対応する第3図柄(例えば、「777」)が停止表示されてから、所定時間(例えば、5秒)が経過した後にスルーゲート67を遊技球が通過した場合に開始条件が成立するように構成すると良い。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に大当たり当選に対応する第3図柄が停止表示されるよりも前に右打ち遊技によって発射されていた遊技球が、大当たり当選に対応する第3図柄が停止表示された後にスルーゲート67を通過してしまい開始条件が成立してしまうことで、大当たり図柄が停止表示された後に大当たり遊技を実行させること無く休憩を取ろうとしているにも関わらず、大当たり遊技が開始されてしまうことを抑制することができる。また、大当たり当選を示す特別図柄が停止表示された後、時間経過によって大当たり遊技が開始されない構成、即ち、大当たり当選を示す特別図柄が停止表示された後に、所定の開始領域(例えば、スルーゲート67)に遊技球を通過させることで大当たり遊技が開始されるように構成されたパチンコ機10においては、大当たり当選に対応する第3図柄が第3図柄表示装置81に停止表示されている状態で、遊技者に対して所定の開始領域(スルーゲート67)へと遊技球を通過させる遊技を案内する案内表示演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、大当たり当選したことを示す特別図柄、第3図柄が停止表示されたにも関わらず、大当たり遊技が実行されない状態が異常では無いことを遊技者に容易に把握させることができる。ここで、図726を参照して、第1当たり乱数テーブル202uuaについて説明する。図726は、第1当たり乱数テーブル202uuaに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202uuaは、特別図柄の抽選において、大当たりと判別される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。
具体的には、第1当たり乱数テーブル202uuaには、大当たりと判定される判定値を遊技状態(特別図柄の確率状態)に応じて異ならせて規定している。図726に示した通り、遊技状態として特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0~4」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「5~999」)が外れの判定値として規定されている。また、遊技状態として特別図柄の高確率状態(確変状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0~19」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「20~999」)が外れの判定値として規定されている。つまり、第1当たり乱数テーブル202uuaの更新範囲は「0~999」の1000個であるため、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される確率は1/200(1000個のうち5個)となり、特別図柄の高確率状態において、大当たりと判定される確率は1/50(1000個のうち20個)となる。なお、本第21制御例では、2種類の大当たり確率が遊技状態に応じて設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たりに当選する確率を遊技状態に関わらず同一の確率となるように構成しても良いし、3種類以上の大当たり確率が設定されるように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率を設定するように構成しても良い。
また、本第21制御例では、特別図柄の抽選結果として、「大当たり」と「外れ」の2種類の抽選結果が判定されるように構成しているが、これに加えて、第3の抽選結果として、「外れ」の1種として「小当たり」を判定可能に構成しても良い。この「小当たり」に当選した場合には、可変入賞装置65を「大当たり」よりも短い期間(1ラウンド分)開放させる小当たり遊技が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合において、少量の特典(賞球)を遊技者に付与することができる。なお、「小当たり」を「外れ」の1種とする場合には、遊技者に対して小当たり遊技による賞球を付与可能であるが、大当たり当選していないため、遊技状態を可変させる(当選時の遊技状態とは異なる遊技状態を設定する)処理が実行されないように構成すると良い。これにより、大当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、小当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、を明確に異ならせることができる。上述した通り、特別図柄の抽選結果として「小当たり」に当選し得るように構成する場合は、第1当たり乱数テーブル202uuaに「小当たり」に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を規定するように構成すれば良い。このように構成することで、特別図柄の大当たり抽選と小当たり抽選と、を同一の処理で実行することができるため、大当たり抽選と小当たり抽選とを異なる処理で実行する場合に比べ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、1つの特別図柄抽選において、大当たりと小当たりとに重複して当選してしまうことを禁止することができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本第21制御例では主制御装置110にて実行されるタイマ割込処理(図740参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203uuaに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203uubに格納される。本第21制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本制御例では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択テーブル202uubを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図727(a)を参照して第1当たり種別選択テーブル202uubの内容について説明をする。図727(a)は第1当たり種別選択テーブル202uubに規定されている内容を模式的に示した模式図である。上述した通り、この第1当たり種別選択テーブル202uubは、第1特別図柄の抽選または第2特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に設定する大当たり種別を選択するためのデータテーブルであって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて異なる大当たり種別が規定されているものである。
具体的には、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値(更新範囲「0~99」)が「0」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、大当たりのラウンド数が10ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「120」が、確変カウンタ203uusの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(確変スイッチ65e3)を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「100」が、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203uusの値に「0」が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA」が決定される割合は1%(1/100)である。第1当たり種別カウンタC2の値(更新範囲「0~99」)が「1」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、大当たりのラウンド数が3ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「120」が、確変カウンタ203uusの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(確変スイッチ65e3)を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「100」が、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203uusの値に「0」が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB」が決定される割合は1%(1/100)である。
また、図727(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「2~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC」が対応付けて規定されている。この「大当たりC」は、大当たりのラウンド数が3ラウンドであり、通常大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「100」が、確変カウンタ203uusの値に「0」が設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が98個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC」が決定される割合は98%(98/100)である。即ち、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る3種類の大当たり種別のうち、2つの大当たり種別(大当たりB、大当たりC)は、大当たり遊技のラウンド数は同一であるが、大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(確変スイッチ65e3)への遊技球の通過のさせ易さを異ならせており、「大当たりB」のほうが「大当たりC」よりも大当たり遊技中に球を特定領域へと流下させ易い大当たり遊技が実行されるように構成している。よって、「大当たりB」は、「大当たりC」よりも有利な大当たり種別となる。なお、詳細な説明は省略するが、大当たり種別「大当たりA」が設定された場合と、「大当たりB」が設定された場合は、大当たり遊技の1ラウンド目における可変入賞装置65が開状態となっている期間中に可変入賞装置65へと入賞した遊技球が特定領域(確変スイッチ65e3)を通過可能となるように切替部材65h(図714(a)参照)の切替制御が実行され、大当たり種別「大当たりC」が設定された場合は、大当たり遊技中に可変入賞装置65へと入賞した遊技球が特定領域(確変スイッチ65e3)を通過困難(通過しない)ように切替部材65h(図714(a)参照)の切替制御が実行されるように構成している。
つまり、「大当たりA」と「大当たりB」とでは、大当たり遊技中に可変入賞装置65へと入賞させた遊技球の特定領域(確変スイッチ65e3)への通過のし易さが同一となるように構成されており、「大当たりC」のみが、他の大当たり種別に比べて大当たり遊技中に可変入賞装置65へと入賞させた遊技球の特定領域(確変スイッチ65e3)への通過のし易さが低くなるように構成している。なお、本第21制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に実行される切替部材65h(図714(a)参照)の切替制御内容を異ならせることによって、大当たり遊技中における特定領域(確変スイッチ65e3)への遊技球の通過のし易さを異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技が開始されてから実行される切替部材65h(図714(a)参照)の切替制御内容を変えること無く、可変入賞装置65が開状態となるタイミングを大当たり種別に応じて異ならせるように構成しても良い。このように構成した場合であっても、切替部材65h(図714(a)参照)が特定領域(確変スイッチ65e3)へと遊技球を誘導し易い位置(図714(a)参照)に位置している状態における可変入賞装置65への遊技球の入球のし易さを異ならせることで、大当たり遊技中における特定領域(確変スイッチ65e3)への遊技球の通過のし易さを異ならせることができる。上述した通り、本第21制御例では、「大当たりC」が設定された大当たり遊技中に正常な遊技(右打ち遊技)を実行した場合には、可変入賞装置65へと入賞した遊技球が特定領域(確変スイッチ65e3)を通過しないように構成されており、「大当たりC」の大当たり遊技中に遊技球が特定領域(確変スイッチ65e3)を通過した場合には、異常状態(切替部材65hの切替制御に異常が生じている、切替部材65hが破損している、正常な状態では存在し得ないタイミングで可変入賞装置65内に遊技球が存在している等)が発生していると判定し、エラー報知が実行される。
詳細な説明は省略するが、このエラー報知が実行された場合には、実行中の大当たり遊技が最後まで実行された後、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「0」が、確変カウンタ203uusの値に「0」が設定される。つまり、「大当たりC」が設定された場合には、特定領域へと遊技球を通過させない場合の方が、特定領域へと遊技球を通過させた場合よりも、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態を設定可能に構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に不正行為を行うことで特定領域へと遊技球を通過させようとする遊技者にペナルティを課すことができる。なお、「大当たりC」の大当たり遊技が実行されている状態で遊技球が特定領域を通過した場合における処理は、上述した処理に限られること無く、例えば、特定領域を遊技球が通過したと判別された時点で大当たり遊技を中断し、継続して遊技が行えなくなるように構成しても良いし、エラー報知を実行するのみで、他の大当たり種別において特定領域へと遊技球を通過させた場合と同一の値を、時短カウンタ203uurの値、及び確変カウンタ203uusの値に設定するように構成しても良い。また、本第21制御例では、大当たり種別に応じて、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過可能な大当たり遊技と、特定領域を通過困難な大当たり遊技と、を実行可能に構成しており、特定領域を通過可能な大当たり遊技(大当たりA、大当たりB)が実行された場合には、特定領域への遊技球の通過のし易さが同一となる(正常に遊技を行っている場合にはほぼ100%通過する)ように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技中に可変入賞装置65へと遊技球を入球させるための右打ち遊技(正常な遊技)を実行した場合における特定領域への遊技球の通過のし易さを異ならせた大当たり種別を設定可能に構成しても良く、例えば、特定領域への遊技球の通過のし易さが第1確率(100%)となる大当たり遊技と、第1確率よりも低い第2確率(50%)となる大当たり遊技と、を少なくとも含む複数種類の大当たり遊技を実行可能に構成すると良い。
このように構成することで、大当たり遊技中における遊技の結果に応じて、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態(確変状態)が設定される割合を異ならせることができるため、大当たり遊技中の遊技を行っている遊技者に対して、多くの賞球獲得を目指す遊技とタイミングを重複させて特定領域を遊技球が通過することを目指す遊技を行わせることができるため、大当たり遊技中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。次に、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別として、特別当たり種別カウンタC2の値が「0~24」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、大当たりのラウンド数が10ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「120」が、確変カウンタ203uusの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(確変スイッチ65e3)を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「100」が、確変カウンタ203uusの値に「0」が設定される。特別当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が25個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA」が決定される割合は25%(25/100)である。
また、図727(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「25~41」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、大当たりのラウンド数が3ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「120」が、確変カウンタ203uusの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(確変スイッチ65e3)を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「100」が、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203uusの値に「0」が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が17個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB」が決定される割合は17%(17/100)である。また、図727(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「42~51」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD」が対応付けて規定されている。この「大当たりD」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「120」が、確変カウンタ203uusの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(確変スイッチ65e3)を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「100」が、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203uusの値に「0」が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が10個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりD」が決定される割合は10%(10/100)である。
また、図727(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「52~68」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE」が対応付けて規定されている。この「大当たりE」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「120」が、確変カウンタ203uusの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(確変スイッチ65e3)を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「100」が、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203uusの値に「0」が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が17個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりE」が決定される割合は17%(17/100)である。また、図727(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「69~82」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりF」が対応付けて規定されている。この「大当たりF」は、大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「120」が、確変カウンタ203uusの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(確変スイッチ65e3)を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「100」が、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203uusの値に「0」が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりF」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が14個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりF」が決定される割合は14%(14/100)である。
また、図727(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「83~90」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりG」が対応付けて規定されている。この「大当たりG」は、大当たりのラウンド数が6ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「120」が、確変カウンタ203uusの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(確変スイッチ65e3)を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「100」が、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203uusの値に「0」が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりG」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が8個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりG」が決定される割合は8%(8/100)である。また、図727(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「91~97」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりH」が対応付けて規定されている。この「大当たりH」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「120」が、確変カウンタ203uusの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(確変スイッチ65e3)を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「100」が、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203uusの値に「0」が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりH」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が7個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりH」が決定される割合は7%(7/100)である。
また、図727(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「98」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりI」が対応付けて規定されている。この「大当たりI」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「120」が、確変中カウンタ203uusの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(確変スイッチ65e3)を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「100」が、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203uusの値に「0」が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりI」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりI」が決定される割合は1%(1/100)である。また、図727(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりJ」が対応付けて規定されている。この「大当たりJ」は、大当たりのラウンド数が9ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「120」が、確変カウンタ203uusの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(確変スイッチ65e3)を球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203uurの値に「100」が、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203uusの値に「0」が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりJ」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりJ」が決定される割合は1%(1/100)である。
即ち、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る9個の大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりD、大当たりE、大当たりF、大当たりG、大当たりH、大当たりI、大当たりJ)は、何れも確変大当たり遊技が実行されるが、大当たり遊技のラウンド数を異ならせており、最も多くのラウンド遊技が実行される「大当たりA」が最も遊技者に有利な大当たり種別となり、「大当たりD」が最も遊技者に不利な大当たり種別となる。以上、説明をした通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず確変大当たり遊技が実行されるため、2%の割合で確変大当たり遊技が実行される第1特別図柄抽選よりも、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の面では、有利な大当たり種別となる。図724に戻り説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様(変動演出態様)が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図751参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、取得した変動種別カウンタCS1の値(乱数値)に基づいて特別図柄変動の変動パターン(変動時間)決定する際に参照される変動パターン選択テーブル202uuc(図728参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図728を参照して、変動パターン選択テーブル202uucについて説明する。この変動パターン選択テーブル202uucは、図728(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202uuc1(図728(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202uuc2(図728(c)参照)と、外れ用(確変・時短)変動パターンテーブル202uuc3(図728(d)参照)とが少なくとも規定されている。まず、図728(b)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202uuc1について説明する。図728(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202uuc1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202uuc1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ規定されている。大当たり用変動パターンテーブル202uuc1には、変動種別カウンタCS1の値毎に、各変動パターンが対応付けられている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値の判定値として「0~50」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51~179」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180~198」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202uuc1より選択する。
図728(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202uuc2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202uuc2は、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態において停止種別選択カウンタC3の値が「0~79」の範囲にあれば完全外れを設定し、「80~99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間が比較的短い短外れ(7秒)と、変動時間が比較的長い長外れ(10秒)のいずれかが設定される。短外れ(7秒)に対しては、「0~98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99~198」が変動種別カウンタCS1の判定値として規定されている。また、外れリーチに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値が「0~149」の範囲には外れのノーマルリーチ各種(30秒)が、「150~197」の範囲には外れのスーパーリーチ各種(60秒)が、「198」には外れのスペシャルリーチ各種(90秒)がそれぞれ設定されている。このように、主制御装置110のMPU201は、遊技状態として通常状態が設定されている状態であって特別図柄抽選の抽選結果が外れである場合には、取得した停止種別選択カウンタC3の値に基づいて停止種別(完全外れ、リーチ外れ)が決定され、決定された停止種別に応じた変動パターンが、取得している変動種別カウンタCS1の値を用いて外れ用(通常)変動パターンテーブル202uuc2を参照して選択される。
図728(d)は、外れ用(確変・時短)変動パターンテーブル202uuc3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変・時短)変動パターンテーブル202uuc3は、特別図柄の確変状態、時短状態において、特別図柄抽選の抽選結果が外れとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。この外れ用(確変・時短)変動パターンテーブル202uuc3では、規定されている変動種別カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202uuc2とは異なっている。上述したように、遊技状態が確変状態、又は時短状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0~89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90~99」の範囲にあればリーチ外れ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)が決定される。このように、通常状態よりも確変状態、または、時短状態が設定されている状態では、特別図柄抽選の抽選結果が外れである場合において、停止種別として外れリーチが選択される割合が低く設定されている。また、停止種別として「完全外れ」が選択された場合の方が、「リーチ外れ」が選択された場合よりも短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成している。よって、確変状態、または、時短状態中に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態(時短状態、確変状態)、具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されることにより、第2入球口640へと遊技球を入球させ易い遊技状態において、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)の単位時間当たりの実行回数を増加させ易くすることができるため、遊技効率を高めることができる。
図724に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本第21制御例では主制御装置110のMPU201によってタイマ割込処理(図740参照)が実行される毎に、定期的に更新され、遊技球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知されたことに基づいて取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203uucに格納される。そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202uudによって規定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202uudに規定されている当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202uudは、普通図柄の低確率時用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。この第2当たり乱数テーブル202uudに規定されている内容について、図727(b)を参照して説明をする。図727(b)は、第2当たり乱数テーブル202uudに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図727(b)に示した通り、普通図柄の低確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0~2」の値に普図当たりが規定され、普通図柄の高確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0~149」の範囲に普図当たりが規定されている。
つまり、本第21制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/100)が低確率に設定されている。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態と、普通図柄の高確率状態である時短状態と、で同一の遊技方法(左打ち遊技)が実行される本制御例において、通常状態中に普図当たりに当選し難くすることができるため、通常状態中に普図当たり遊技が実行され第2入球口640内に球が入球する事態を発生し難くすることができる。一方、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/2)が高確率に設定されている。これにより、時短状態中において普通図柄の当たり当選に基づく普図当たり遊技を実行し易くすることができる。また、本第21制御例では、設定されている遊技状態に応じて普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄変動の変動時間として異なる長さの変動時間が設定されるように構成されており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも長い変動時間(例えば、10秒)が設定されるように構成している。このように、普通図柄抽選で当たり当選する確率と、普通図柄変動の変動時間の長さと、を遊技状態に応じて可変させることにより、普通図柄抽選で当たり当選し、第2入球口640へと球を入球させ易い遊技状態(確変状態、時短状態)を容易に設定することができる。さらに、本第21制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で実行された普通図柄抽選にて当たり当選した場合に、第2入球口640へと球を複数個入球させることが可能な動作態様(ロング開放)で電動役物640aが開放動作される普図当たり遊技を実行可能に構成している。よって、普通図柄抽選で当たり当選し難い遊技状態(通常状態)であっても、一時的に第2入球口640へと球を入球させ易くすることができるため、どのような遊技状態が設定されている状態であっても、遊技者に対して第2特別図柄抽選が実行される可能性を残すことができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技として電動役物640aの開放期間が異なる開放パターン(ロング開放パターン、ショート開放パターン)の何れが設定された場合であっても、普図当たり遊技を終了させるための共通条件として特定個数(例えば、10個)の遊技球が第2入球口640へと入球したことに基づいて成立する条件を設定するように構成しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~299)、タイマ割込処理(図740参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図751参照)の残余時間内で繰り返し更新される。このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。図723に戻り説明を続ける。ROM202は、図724に図示した各種カウンタに対応して規定される各種データテーブル等を有している。ここで、図725(a)を参照して、本第21制御例のパチンコ機10における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図725(a)は、本第21制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。図725(a)に示した通り、本第21制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202は、第1当たり乱数テーブル202uua、第1当たり種別選択テーブル202uub、変動パターン選択テーブル202uuc、第2当たり乱数テーブル202uudを少なくとも有している。なお、第1当たり乱数テーブル202uua、第1当たり種別選択テーブル202uub、変動パターン選択テーブル202uuc、第2当たり乱数テーブル202uudについては、図724に図示した各種カウンタを説明する際に上述したため、その説明を省略する。図723に戻り、説明を続ける。RAM203は、図724に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図751参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図750参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図749参照)が即座に実行される。また、RAM203は、図725(b)に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203uua、特別図柄2保留球格納エリア203uub、普通図柄保留球格納エリア203uuc、特別図柄1保留球数カウンタ203uud、特別図柄2保留球数カウンタ203uue、普通図柄保留球数カウンタ203uuf、確変設定フラグ203uuh、確変通過カウンタ203uui、入賞個数カウンタ203uuj、動作カウンタ203uuk、報知カウンタ203uul、残球タイマフラグ203uum、残球タイマ203uun、確変有効フラグ203uuo、確変有効タイマ203uup、排出個数カウンタ203uuq、時短カウンタ203uur、確変カウンタ203uus、大当たり中フラグ203uut、大当たり開始フラグ203uuu、遊技状態格納エリア203uuv、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
特別図柄1保留球格納エリア203uuaは、図724に示すように1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1入球口64に入賞したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値の各値がそれぞれ格納される。より具体的には、球が第1入球口64へ入球(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1~C3,CS1の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203uuaの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C3,CS1の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C3,CS1の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、特別図柄1保留球格納エリア203uuaにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア~第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。特別図柄2保留球格納エリア203uubは、特別図柄1保留球格納エリア203uuaに対して、第2入球口640への入賞に対して取得されたカウンタ値がそれぞれ記憶される点で異なるのみで、その他の構成については、同一であるので、詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203uucは、特別図柄1保留球格納エリア203uuaまたは特別図柄2保留球格納エリア203uubと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。より具体的には、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203uuaと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203uucの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203uuaの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203uudは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203uudは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図745のS604L参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203uudは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図741のS211L参照)。この特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、特別図柄1保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図741のS212L、図745のS605L参照)。つまり、特別図柄1保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値が変更される度に、主制御装置110より送信される特別図柄1保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223uubによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。
特別図柄2保留球数カウンタ203uueは、特別図柄1保留球数カウンタ203uudに対して、第2入球口640に入賞して、保留された保留球の数が格納される点で相違する点で異なるので、その詳細な説明については省略する。なお、特別図柄2保留球数カウンタ203uueの値が変更されると、特別図柄2保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に対して通知される。普通図柄保留球数カウンタ203uufは、普通始動口(スルーゲート)67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203uufは、初期値がゼロに設定されており、球が普通始動口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図748のS904L参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203uufは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図747のS805L参照)。遊技球が普通始動口(スルーゲート)67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203uufの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203uucに記憶される(図748のS905L)。一方、遊技球が左右いずれかの普通始動口(スルーゲート)67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203uufの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203uucには新たに何も記憶されない(図748のS903L:No)。
確変設定フラグ203uuhは、大当たり遊技中に確変状態の設定条件が成立したことを示すフラグである。ここで、本第21制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されるか否かを、大当たり遊技中に設定条件が成立したか否かに応じて決定するように構成している。つまり、当選した大当たりに対して何れの大当たり種別が設定された場合であっても、大当たり遊技中に設定条件を設定させることが可能に構成しており、大当たり種別に応じて、大当たり遊技中における設定条件の成立のし易さを異ならせるように構成している。よって、本第21制御例では、大当たり遊技中に設定条件が成立したことを、確変設定フラグ203uuhを用いて一時的に記憶するように構成し、大当たり遊技終了時に実行される大当たり終了処理(図754のS1313L参照)において確変設定フラグ203uuhの設定状況を判別し(図754のS1501L参照)、確変設定フラグ203uuhがオンに設定されていると判別した場合は(図754のS1501L:Yes)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定するために確変カウンタ203uusの値に「120」を設定し(S1502L)、時短カウンタ203uurの値に「120」を設定する(S1503L)。一方、S1501Lの処理において、確変設定フラグ203uuhがオンに設定されていないと判別した場合は(S1501L:No)、大当たり遊技中に設定条件が成立していない遊技状況であるため、大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定するために時短カウンタ203uurの値に「100」を設定する(S1506L)。
ここで、大当たり遊技中に成立し得る設定条件の詳細について説明をする。具体的には、大当たり遊技中に特定領域(確変スイッチ65e3(図714(a)参照)へと遊技球が通過した場合に設定条件が成立する。この確変スイッチ65e3へと遊技球が通過すると確変設定フラグ203uuhがオンに設定される(図756のS1622L)。一方、この確変設定フラグ203uuhは、確変状態が設定された後にオフに設定される。なお、この確変設定フラグ203uuhは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。なお、電源投入時に確変設定フラグ203uuhがオンに設定されている場合には、確変スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203uuhを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203uuiが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203uuhのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。確変通過カウンタ203uuiは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本第21制御例では、大当たりA,B、D~Jでの1ラウンド目)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203uuiと後述する排出個数カウンタ203uuqとの合計により可変入賞装置65に入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203uuiは、確変スイッチ65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図756のS1621L)。また、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図757のS1661L)。なお、この確変通過カウンタ203uuiは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203uujは、大当たり遊技における1つのラウンドで可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数(即ち、可変入賞装置65に入球した遊技球の数)をカウントするためのカウンタである。具体的には、可変入賞装置65に設けられた検出口65a1(図714参照)を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図756のS1613L)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203uujの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203uuqと確変通過カウンタ203uuiとの合計値)とが一致しているか判別(図757のS1657L)された後に、初期値である「0」にリセットされる(図757のS1661L)。なお、この入賞個数カウンタ203uujの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。動作カウンタ203uukは、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本第21制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され易い確変大当たり種別(大当たりA、B,D~J)では、2ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが5秒間オンに設定され、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され難い通常大当たり種別(大当たりC)では2ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが0.5秒間オンに設定される。
そして、動作カウンタ203uukには、確変大当たり種別に対応させて2ラウンドの開始データとして5秒に対応するカウンタ値が設定され、通常大当たり種別に対応させて2ラウンドの開始データとして0.5秒に対応するカウンタ値が設定される(図753のS1401L)。一方、主制御装置110のMPU2011の実行する入賞処理(図756のS1315L参照)のS1619Lの処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203uukの値が0と判別されること(図756のS1624L:Yes)に基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定され(S1625L)、確変有効フラグ203uuoがオンに設定される(S1626L)。なお、この動作カウンタ203uukは、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203uukを設定して流路ソレノイド65kを制御することで、確変スイッチ65e3への入賞を大当たり種別により制御できる。報知カウンタ203uulは、遊技者の注意を惹きつけるための報知演出(本第21制御例では、「液晶を見て」という音声)を出力するタイミングを判別するためのカウンタである。本第21制御例では2ラウンド目の終了タイミング(1回のラウンド遊技中に可変入賞装置65へと10個の遊技球が入賞したことで終了条件が成立した場合、或いは、ラウンド遊技が開始されてから30秒が経過したことで終了条件が成立した場合)に1秒間に対応する報知カウンタ203uulが設定される。この報知カウンタ203uulは、主制御装置110の報知処理(図755、S1314L参照)のS1604Lの処理により1ずつ減算されて更新される。報知カウンタ203uulが0となることに基づいて、音声ランプ制御装置113に対して出力される報知コマンドが設定される。音声ランプ制御装置113では、このコマンドを受信すると上記した音声を出力する為の処理が実行される。
このように構成することで、流路ソレノイド65kが動作される2ラウンド目の開始前に「液晶を見て」という音声が出力されるので、遊技者は、液晶に相当する第3図柄表示装置81を注視する。2ラウンド目には、流路ソレノイド65kが作動するので、その作動を遊技者に注視されると、実行されている大当たり種別を流路ソレノイド65kの動作期間により判別されてしまう。遊技者には大当たり遊技の終了まで確変遊技状態が付与されることへの期待を持ち続けさせるために、切替部材65h(図714(a)参照)の動きを遊技者が見え難くするような報知演出が実行されている。しかしながら、2ラウンド目が終了した場合に、インターバル表示中に切替部材65hを遊技者が見てしまう虞があるので、そのインターバル期間中に、音声により第3図柄表示装置81を注視するように報知する報知演出が実行される。これにより、インターバル演出が実行された後に、表示される表示内容に遊技者の注意を惹きつけることができ、切替部材65hの動作から遊技者の注意をそらすことができる。なお、本第21制御例では、第3図柄表示装置81を見せるように報知することで、切替部材65hから遊技者の注意をそらすように構成したが、それに限らず、2ラウンド開始前に、可変入賞装置65に遊技者の手をかざすように報知することで、切替部材65hの動きを遊技者の手によって隠れるように報知してもよい。また、第3図柄表示装置81に限らず、装飾ランプ34等を遊技者に見るように報知することで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。さらに、2ラウンド中に、2次元コード等を表示させて、携帯電話で読み取るように促す報知をすることで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。本第21制御例では、注意をそらす演出は、切替部材65hの動作が終了するまでの最長時間(2ラウンド開始から5秒間)が設定される。これにより、報知時間により確変大当たり種別が設定された大当たり遊技が実行されているのか、通常大当たり種別が設定された大当たり遊技が実行されているのかを遊技者に判別されてしまう不具合を抑制できる。
残球タイマフラグ203uumは、閉状態となった可変入賞装置65内に残留している遊技球(残球)の排出状況を判別する条件が成立したことを示すためのフラグであって、1のラウンド遊技が終了し可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した(閉鎖制御を実行した)後にオンに設定される(図756のS1617L参照)。この残球タイマフラグ203uumがオンに設定されることで、可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203uumがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203uunが1ずつ加算されて更新される(図757のS1655L参照)。残球タイマ203uunは、開閉扉65f1が閉鎖されてからの経過時間を計測するためのカウンタであり、可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間(球捌け時間)が経過したかを判別する際に参照されるカウンタである。本第21制御例では、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間が2秒となるように構成しており、本第21制御例では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203uunの上限値として設定されている。この残球タイマ203uunの値が上限値(本第21制御例では、3秒)に対応する値となったことに基づいて、可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図757のS1657L)。一致しないと判別した場合には(図757のS1657L:No)、エラーコマンドを設定し(S1658L)、その旨が外部へと報知される。よって、可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。また、不正に可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、2ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、実際よりも早く切替部材65hまで遊技球を到達させて、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
なお、本第21制御例におけるパチンコ機10では、ラウンド遊技が終了してから、球捌け期間(2秒)よりも長い所定期間(3秒)が経過した時点で可変入賞装置65へと入賞した遊技球の個数と、可変入賞装置65から排出された遊技球の個数とが一致するかを判別することにより、可変入賞装置65内に遊技球が残存しているか否かの判別を実行可能に構成しているが、同一の目的を達成するために別の方式を用いても良く、例えば、可変入賞装置65への遊技球の入賞個数と排出個数とが一致するか否かを常時監視可能に構成し、一致していないと判別した場合に専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンに設定される継続期間が一定期間を超えた場合に可変入賞装置65内に遊技球が残存していると判別しても良いし、入賞個数と排出個数との差分が所定値以上となった場合に可変入賞装置65内に遊技球が残存していると判別しても良い。このように構成した場合であっても、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。確変有効フラグ203uuoは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65e3を通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203uuoがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出口65e2(図714(a)参照)に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変有効フラグ203uuoがオンである期間は、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203uupは、上述した確変有効フラグ203uuoがオンに設定されてからの時間をカウントする為のタイマである。この確変有効タイマ203uupにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別(計測)することができる。本第21制御例では、特別排出口65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203uupの上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しないように構成している。これにより、切替部材65hが特別排出口65e2に誘導しない状態で、不正に特別排出口65e2に入球させて確変スイッチ65e3に遊技球を通過させたり、確変スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサーを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。排出個数カウンタ203uuqは、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4(図714(a)参照)を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203uuqは、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図757のS1661L)。時短カウンタ203uurは、普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了するまでに実行可能な特別図柄変動回数(残変動回数)を計測するためのカウンタである。この時短カウンタ203uurは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグ203uuhがオフである場合に、100が設定される。また、大当たり遊技終了時に確変設定フラグ203uuhがオンである場合には、120が設定される。即ち、本第21制御例では、大当たり遊技後に確変状態が設定されない場合には、100回の時短状態が設定される。また、確変状態が設定される場合には、特別図柄の高確率状態が継続する期間と同一の期間(特別図柄変動120回)の普通図柄の高確率状態が設定される。
確変カウンタ203uusは、特別図柄の高確率状態(確変状態)が終了するまでに実行可能な特別図柄変動回数(残変動回数)を計測するためのカウンタである。この確変カウンタ203uusは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオンである場合に、120が設定される。即ち、本第21制御例では、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合には、120回の確変状態が設定される。大当たり中フラグ203uutは、大当たり遊技(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203uutがオンであれば、大当たり遊技中であることを意味し、オフであれば大当たり遊技中でないことを意味する。大当たり中フラグ203uutは、特別図柄の抽選により大当たり当選し、大当たり遊技(特別遊技状態)が開始される場合にオンに設定される(図752のS1303L参照)。また、大当たり遊技(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図754のS1505L参照)。そして、特別図柄変動処理(図741参照)では、この大当たり中フラグ203uutが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図741のS201L参照)。大当たり開始フラグ203uuuは、大当たりを開始させるか否かを示すフラグである。この大当たり開始フラグ203uuuがオンであれば、大当たりを開始させる条件が成立していることを意味し、オフであれば、大当たりを開始させる条件が成立していないことを意味する。この大当たり開始フラグ203uuuは、大当たり当選を示す変動表示の終了タイミングとなった場合、即ち、大当たり当選を示す特別図柄が停止表示された場合にオンに設定される(図741のS218L)。また、大当たり開始フラグ203uuuは、大当たり遊技の開始を設定した場合にオフに設定される(図752のS1303L参照)。
遊技状態格納エリア203uuvは、設定されている遊技状態を示すための情報が記憶される記憶領域であって、時短カウンタ203uurの値、及び、確変カウンタ203uusの値に基づいて、現在の遊技状態が通常状態、時短状態、確変状態の何れかであることを特定した情報が記憶されている。具体的には、時短カウンタ203uurの値が「0」で、確変カウンタ203uusの値が「0」である場合には、現在の遊技状態が通常状態であることを示すための情報(遊技状態情報)が記憶され、時短カウンタ203uurの値が「1以上」で、確変カウンタ203uusの値が「0」である場合には、現在の遊技状態が時短状態であることを示すための情報(遊技状態情報)が記憶され、時短カウンタ203uurの値が「1以上」で、確変カウンタ203uusの値が「1以上」である場合には、現在の遊技状態が確変状態であることを示すための情報(遊技状態情報)が記憶される。加えて、この遊技状態格納エリア203uuvには、大当たり遊技の実行中であることを示すための情報や、特別図柄変動が実行されていることを示す情報や、特別図柄変動が実行されていないことを示す情報も記憶可能に構成されている。そして、遊技状態格納エリア203uuvに記憶されている情報が更新される場合、例えば、遊技状態が切り替わる場合において、新たに記憶された情報(遊技状態情報)を示すためのコマンド(状態コマンド)が設定され、音声ランプ制御装置113へと出力するように構成している。このように構成することで、遊技状態が切り替わったことを音声ランプ制御装置113側でも即座に把握することが可能となる。また、詳細な説明は省略するが、本第21制御例では、遊技状態格納エリア203uuvに、現在設定されている遊技状態や、現在の遊技状況を示すための情報以外にも、過去に設定された遊技状態を示す情報も記憶可能に構成している。つまり、遊技状態格納エリア203uuvに格納されている情報を読み出すことで、遊技状態の移行経緯を特定可能に構成している。そして、遊技状態の移行経緯を示すための情報も音声ランプ制御装置113へと出力可能に構成している。
このように構成することで、通常状態が設定されたことを示すための状態コマンドを音声ランプ制御装置113側で受信した場合において、確変状態が終了して通常状態が設定されたのか、時短状態が終了して通常状態が設定されたのかを特定し、異なる態様の演出を実行することが可能となる。その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。図723に戻って説明を続ける。払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(スピーカ308など)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。また、上述した第20制御例と同様に、演出用の可動役物900を動作させるための駆動モータ905の制御や、可動役物900の位置を検出可能な検出手段(原点位置センサ920、作動位置センサ930)の検出結果を受信可能に構成している。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
図723に示す通り、音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22A(演出ボタン(枠ボタン)22、選択ボタン600)、駆動モータ905、原点位置センサ920、作動位置センサ930が接続されている。上述した駆動モータ905はステッピングモータとモータドライバとにより構成されており、音声ランプ制御装置113のMPU221から各モータドライバに対して動作内容を設定する動作コマンド(動作(回転)速度(pps)、動作ステップ数と、および動作(回転)方向を指定可能なコマンド)が出力される。この音声ランプ制御装置113から出力されるモータ動作コマンドは、音声ランプ制御装置113のRAM223に格納される動作シナリオテーブル群222uugに規定される内容を参照して設定される。なお、ステッピングモータを用いて可動役物900を動作させる仕組みについては、上述した第20制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22や選択ボタン600からの入力信号を監視し、遊技者によって枠ボタン22や選択ボタン600が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。なお、遊技者によって枠ボタン22や選択ボタン600が操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、枠ボタン22や選択ボタン600への操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、枠ボタン22や選択ボタン600への操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。ここで、本第21制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。音声ランプ制御装置113のROM222には、図729に示すように、変動演出パターン選択テーブル222uuaと、ミッション選択テーブル222uubと、追加演出選択テーブル222uucと、第2期間表示選択テーブル222uudと、退避時態様選択テーブル222uueと、第2制御実行選択テーブル222uufと、動作シナリオテーブル群222uugと、が少なくとも格納(記憶)されている。変動演出パターン選択テーブル222uuaは、主制御装置110から受信した変動パターンと、取得した第1演出カウンタ223uufの値に対応させて異なる変動演出パターンがそれぞれ規定されている。音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した第1演出カウンタ223uufの値に基づいて、詳細な変動パターンを選択可能に構成している。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
ここで、図731(a)を参照して、変動演出パターン選択テーブル222uuaに規定されている内容について説明をする。図731(a)は、変動演出パターン選択テーブル222uuaに規定されている内容を示した図である。図731(a)に示したとおり、変動演出パターン選択テーブル222uuaには、現在の遊技状態と、受信した変動パターンコマンドに含まれる当否判定結果(特別図柄抽選結果)と、変動パターンと、取得した第1演出カウンタ223uufの値とに対応させて異なる種別の変動演出パターンが規定されている。具体的には、遊技状態が「通常」(通常状態)で、当否判定結果が「当たり」で、変動パターンが「ノーマルリーチ(30秒)」に対しては、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~198」の全範囲に「各種ノーマル演出」が規定されている。詳細な内容については省略するが、「各種ノーマル演出」には、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出として、リーチ状態(変動している3つの第3図柄のうち、2つの第3図柄が大当たり当選を示す組合せで停止表示され、他の1つの第3図柄が変動している状態)となった後に、短時間で他の1つの第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示される変動演出が規定されており、取得した第1演出カウンタ223uufの値に応じて、異なる演出態様が規定されている。また、遊技状態が「通常」(通常状態)で、当否判定結果が「当たり」で、変動パターンが「スーパーリーチ(60秒)」に対しては、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~119」の範囲に「各種スーパーリーチ演出」が規定されており、「120~198」の範囲に「各種役物スーパー演出」が規定されている。
ここで、「各種スーパーリーチ演出」には、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出として、リーチ状態となった後に、大当たり当選の期待度がノーマル演出よりも高いことを遊技者に報知するための高期待度演出(例えば、単に第3図柄を変動表示させるのでは無く、特定のキャラクタがアクションを行う演出)が実行された後に、大当たり当選を示す表示態様で第3図柄が停止表示される変動演出が規定されており、取得した第1演出カウンタ223uufの値に応じて、異なる演出態様が規定されている。また、「各種役物スーパー演出」には、可動役物900を用いた役物演出を含む変動演出が規定されており、取得した第1演出カウンタ223uufの値に応じて異なる演出態様が規定されている。この「各種役物スーパー演出」が選択された場合には、特別図柄変動が開始されてから5秒が経過した時点から最大で20秒間の役物演出が実行された後に、リーチ状態となる変動演出が実行される。また、遊技状態が「通常」(通常状態)で、当否判定結果が「当たり」で、変動パターンが「スペシャルリーチ(90秒)」に対しては、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~189」の範囲に「各種スペシャルリーチ演出」が規定されており、「190~198」の範囲に「各種役物スペシャル演出」が規定されている。ここで、「各種スペシャルリーチ演出」には、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出として、リーチ状態となった後に、大当たり当選の期待度がスーパーリーチ演出よりも高いことを遊技者に報知するための最高期待度演出が実行された後に、大当たり当選を示す表示態様で第3図柄が停止表示される変動演出が規定されており、取得した第1演出カウンタ223uufの値に応じて、異なる演出態様が規定されている。また、「各種役物スペシャル演出」が選択された場合には、上述した「各種役物スーパー演出」と同一の演出期間(最大20秒)を用いて、同一の演出態様の役物演出が実行された後に、リーチ状態となり、最高期待度演出が実行される変動演出が規定されており、取得した第1演出カウンタ223uufの値に応じて異なる演出態様が規定されている。
上述した通り、本第21制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄変動の変動パターンとして、対応する特別図柄抽選の結果が当たり当選(大当たり当選)である場合の方が、外れである場合よりも長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成していることから、長い変動時間(変動パターン)に対応して実行される変動演出(例えば、スペシャルリーチ演出)の方が、短い変動時間(変動パターン)に対応して実行される変動演出(例えば、ノーマル演出)よりも、大当たり期待度を高くすることができる。よって、長い変動時間が選択された特別図柄変動が実行された場合であっても、大当たり期待度の高い変動演出を実行することができるため、長い変動時間に対応する変動演出が実行されたことにより遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、本第21制御例におけるパチンコ機10では、「役物スーパー演出」が選択された場合と、「役物スペシャル演出」が選択された場合とで、変動演出が開始されてから役物演出が終了するまでの間に、今回実行されている変動演出が「役物スーパー演出」であるか、「役物スペシャル演出」であるかを遊技者に把握させ難く構成している。具体的には、「役物スーパー演出」が選択された場合と、「役物スペシャル演出」が選択された場合との何れにおいても、役物演出が開始されるタイミングを同一にし、同一の動作シナリオを用いて可動役物900を動作させるように構成している。よって、可動役物900を用いた役物演出が実行されている最中に、今回実行されている変動演出が変動時間60秒に対応する「役物スーパー演出」であるか、変動時間90秒に対応する「役物スペシャル演出」であるかを遊技者に把握されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
加えて、役物演出が実行されている期間中に遊技者が枠ボタン22を押下した結果に基づいて、役物演出の演出期間の長さや、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様を可変可能に構成しており、且つ、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様によって、変動演出パターンの種別では無く、実行中の特別図柄変動が大当たり変動であるかを示唆可能な表示態様を表示可能に構成している。なお、本第21制御例では、役物演出の実行タイミングや、設定される動作シナリオを統一することで、役物演出における可動役物900の動作内容によって変動演出パターン種別を遊技者に把握させ難くしているが、これに限ること無く、「役物スーパー演出」と、「役物スペシャル演出」との少なくとも一部にて役物演出が実行されるタイミングを異ならせても良い。この場合、通常とは異なるタイミングで役物演出が実行された場合に、実行中の変動演出が「役物スペシャル演出」、即ち、大当たり期待度が高い変動演出であることを遊技者に把握させるように構成すると良い。このように構成することで、通常とは異なる変動演出(役物スペシャル演出)が実行されたことに気が付いた遊技者に対して、実行中の変動演出が大当たり期待度の高い変動演出であることをいち早く察知させることができるため、役物演出が開始されるタイミングに対しても遊技者に興味を持たせることができる。図731(a)に戻り説明を続ける。遊技状態が「通常」(通常状態)で、当否判定結果が「外れ」で、変動パターンが「短外れ各種」に対しては、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~198」の全範囲に「各種短外れ演出」が規定されている。詳細な内容については省略するが、「各種短外れ演出」には、第3図柄表示装置81の表示面にて変動表示される第3図柄がリーチ状態とならずに外れを示す表示態様で停止表示される変動演出が規定されており、取得した第1演出カウンタ223uufの値に応じて異なる演出態様が規定されている。
次に、遊技状態が「通常」(通常状態)で、当否判定結果が「外れ」で、変動パターンが「リーチ外れ(30秒)」に対しては、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~198」の全範囲に「各種リーチ外れ演出」が規定されている。詳細な内容については省略するが、「各種リーチ外れ演出」には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出として、上述した「各種ノーマル演出」と同一の演出態様でリーチ状態となった後に、変動中の第3図柄が外れを示す表示態様で停止表示される変動演出が規定されている。つまり、変動演出パターンとして「各種ノーマル演出」が選択された場合と、「各種リーチ外れ演出」が選択された場合とでは、変動中の第3図柄がリーチ状態となるまでは同一態様で変動演出を実行可能に構成している。このように構成することで、変動演出の演出結果が報知されるまでの間(全ての第3図柄が停止表示されるまでの間)、遊技者に対して大当たり当選を期待させながら変動演出を楽しませることができる。遊技状態が「通常」(通常状態)で、当否判定結果が「外れ」で、変動パターンが「スーパーリーチ(60秒)」に対しては、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~149」の範囲に「各種スーパーリーチ外れ演出」が規定されており、「150~198」の範囲に「各種役物スーパー外れ演出」が規定されている。詳細な内容については省略するが、「各種スーパーリーチ外れ演出」には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出として、上述した「各種スーパーリーチ演出」と同一の演出態様でリーチ状態となった後に、高期待度演出が実行され、その後、変動中の第3図柄が外れを示す表示態様で停止表示される変動演出が規定されている。つまり、変動演出パターンとして「各種スーパーリーチ演出」が選択された場合と、「各種スーパーリーチ外れ演出」が選択された場合とでは、変動中の第3図柄がリーチ状態となり高期待度演出が実行されるまでは同一態様で変動演出を実行可能に構成している。このように構成することで、変動演出の演出結果が報知されるまでの間(全ての第3図柄が停止表示されるまでの間)、遊技者に対して大当たり当選を期待させながら変動演出を楽しませることができる。
一方、「各種役物スーパー外れ演出」には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出として、上述した「各種役物スーパー演出」と同一の演出態様で役物演出が実行された後に、リーチ状態が表示され、高期待度演出が実行され、その後、変動中の第3図柄が外れを示す表示態様で停止表示される変動演出が規定されている。つまり、変動演出パターンとして「各種役物スーパー演出」が選択された場合と、「各種役物スーパー外れ演出」が選択された場合とでは、変動中の第3図柄がリーチ状態となり高期待度演出が実行されるまでは同一態様で変動演出を実行可能に構成している。このように構成することで、変動演出の演出結果が報知されるまでの間(全ての第3図柄が停止表示されるまでの間)、遊技者に対して大当たり当選を期待させながら変動演出を楽しませることができる。次に、遊技状態が「通常」(通常状態)で、当否判定結果が「外れ」で、変動パターンが「スペシャルリーチ(90秒)」に対しては、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~197」の範囲に「各種スペシャルリーチ外れ演出」が規定されており、「198」の値に「各種役物スペシャル外れ演出」が規定されている。詳細な内容については省略するが、「各種スペシャルリーチ外れ演出」には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出として、上述した「各種スペシャルリーチ演出」と同一の演出態様でリーチ状態となった後に、最高期待度演出が実行され、その後、変動中の第3図柄が外れを示す表示態様で停止表示される変動演出が規定されている。つまり、変動演出パターンとして「各種スペシャルリーチ演出」が選択された場合と、「各種スペシャルリーチ外れ演出」が選択された場合とでは、変動中の第3図柄がリーチ状態となり最高期待度演出が実行されるまでは同一態様で変動演出を実行可能に構成している。このように構成することで、変動演出の演出結果が報知されるまでの間(全ての第3図柄が停止表示されるまでの間)、遊技者に対して大当たり当選を期待させながら変動演出を楽しませることができる。
一方、「各種役物スペシャル外れ演出」には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出として、上述した「各種役物スペシャル演出」と同一の演出態様で役物演出が実行された後に、リーチ状態が表示され、最高期待度演出が実行され、その後、変動中の第3図柄が外れを示す表示態様で停止表示される変動演出が規定されている。つまり、変動演出パターンとして「各種役物スペシャル演出」が選択された場合と、「各種役物スペシャル外れ演出」が選択された場合とでは、変動中の第3図柄がリーチ状態となり最高期待度演出が実行されるまでは同一態様で変動演出を実行可能に構成している。このように構成することで、変動演出の演出結果が報知されるまでの間(全ての第3図柄が停止表示されるまでの間)、遊技者に対して大当たり当選を期待させながら変動演出を楽しませることができる。また、上述した通り、「各種役物スーパー演出」と「各種役物スペシャル演出」とでは、同一の演出態様で役物演出を実行可能に構成していることから、「各種役物スーパー演出」と同一の役物演出が実行される「各種役物スーパー外れ演出」と、「各種役物スペシャル演出」と同一の役物演出が実行される「各種役物スペシャル外れ演出」と、も同一の演出態様で役物演出を実行可能となる。このように構成することで、役物演出を含む変動演出が実行された場合において、実行されている変動演出の演出パターンに加え、特別図柄抽選の結果についても、変動演出の演出結果が報知されるまでの間(全ての第3図柄が停止表示されるまでの間)、遊技者に対して大当たり当選を期待させながら変動演出を楽しませることができる。次に、遊技状態が確変状態、又は時短状態である場合、即ち、通常状態よりも特別図柄抽選の実行権利を獲得し易い状態においては、当否判定結果と受信した変動パターンと、取得した第1演出カウンタ223uufの値とに対応させて各種変動演出が規定されているが、その詳細な説明については省略する。
以上、説明をした通り、本第21制御例では、特別図柄抽選に当選した場合の方が、外れの場合よりも、長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成しており(図728参照)、且つ、受信した変動パターンに対応する変動時間が60秒以上である場合のみ、役物演出を含む変動演出が選択されないように構成している。よって、役物演出が実行された時点で大当たり当選の期待度を高めることができるため、遊技者に対して、役物演出が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。さらに、同一の変動時間の変動パターンを受信した場合であっても、大当たり当選に対応する変動パターンを受信した場合の方が、外れに対応する変動パターンを受信した場合よりも、役物演出を含む変動演出パターンが選択され易くなるように構成している。このように構成することで、役物演出が実行されたことによる大当たり当選の期待度をより高めることができる。また、最も大当たり期待度の高い変動時間が90秒の変動パターンを受信した場合よりも、60秒の変動パターンを受信した場合の方が、役物演出を含む変動演出が選択され易くなるように構成している。このように構成することで、大当たり期待度が最も高い90秒の変動パターンに対してのみ実行される変動演出(例えば、90秒の変動時間を用いて物語のストーリーが進展していき、ストーリーの結末によって特別図柄抽選の結果を遊技者に報知する変動演出)の実行頻度が低くなってしまうことを抑制することができ、変動演出の演出効果を高めることができる。ミッション選択テーブル222uubは、可動役物第1演出の終了条件を成立させるためのミッション内容を選択する際に参照されるデータテーブルであって、役物演出を含む変動演出が決定されたと判別した場合に(図769のS3104L:Yes)、ミッション内容を選択するために参照される(図769のS3107L)。このミッション選択テーブル222uubには、対応する特別図柄抽選の当否判定結果、取得した第2演出カウンタ223uugの値に対応させて異なるミッションパターン種別が規定されている。
ここで、図731(b)を参照して、ミッション選択テーブル222uubに規定されている内容の詳細について説明をする。図731(b)は、ミッション選択テーブル222uubに規定されている内容を示した図である。具体的には、当否判定結果が「当たり」で、取得した第2演出カウンタ223uugの値が「0~99」の範囲に対しては、ミッションパターン種別として「1A」が、「100~119」の範囲に対しては、ミッションパターン種別として「1B」が、「120~149」の範囲に対しては、ミッションパターン種別として「2A」が、「150~159」の範囲に対しては、ミッションパターン種別として「2B」が、「160~179」の範囲に対しては、ミッションパターン種別として「3A」が、「180~189」の範囲に対しては、ミッションパターン種別として「3B」が、「190~198」の範囲に対しては、ミッションパターン種別として「4」が、それぞれ規定されている。一方、当否判定結果が「外れ」で、取得した第2演出カウンタ223uugの値が「0~174」の範囲に対しては、ミッションパターン種別として「1A」が、「175~179」の範囲に対しては、ミッションパターン種別として「1B」が、「180~188」の範囲に対しては、ミッションパターン種別として「2A」が、「189」の値に対しては「2B」が、「190~198」の範囲に対しては「3A」がそれぞれ規定されている。ここで、ミッションパターン種別と設定されるミッション内容との関係について説明をする。ミッションパターン種別として「1A」,「1B」が設定された場合には、ミッション内容として、枠ボタン押下回数が5回に到達した場合にミッション達成となるミッション内容が設定され、図715(b)に示した通り、ミッション内容を示す小表示領域Dm61には「ボタンを5回押せ」の文字が表示され、必要押下回数表示領域Dm62bに「5」が表示される。
また、ミッションパターン種別として「2A」,「2B」が設定された場合には、ミッション内容として、枠ボタン押下回数が3回に到達した場合にミッション達成となるミッション内容が設定され、ミッションパターン種別として「3A」,「3B」が設定された場合には、ミッション内容として、枠ボタン押下回数が1回に到達した場合にミッション達成となるミッション内容が設定される。さらに、当否判定結果が当たり当選の場合のみ選択され得る「4」が設定された場合には、ミッション内容として、時間経過に伴って自動的に終了条件が成立する「3秒待て」が設定される。つまり、複数のミッションパターン種別のうち「4」が最も可動役物第1演出の終了条件を成立させ易い種別となり、次いで、「3A」,「3B」が終了条件を成立させ易い種別となり、徐々に終了条件が成立させ難くなり、「1A」,「1B」が最も終了条件を成立させ難い種別となる。以上説明をした通り、本第21制御例では、可動役物第1演出を途中で終了させるための終了条件として、難易度の異なるミッションを決定可能に構成している。このように構成することで、可動役物第1演出の実行期間中において枠ボタン22に対して同一の操作を実行した場合であっても、設定されるミッション内容に応じて、終了条件が成立する場合と、成立しない場合と、を創出することができるため、遊技者に対して多様な演出を提供することができる。次に、各ミッションパターン種別に規定されている「A」と「B」の内容について説明をする。図731(b)に示した通り、同一のミッション内容が設定されるミッションパターン種別として末尾Aの種別と末尾Bの種別がそれぞれ規定されており、末尾Aの種別の方が、末尾Bの種別よりも選択され易くなるように規定されている。さらに、当否判定結果が「当たり」に対して規定されている内容と、当否判定結果が「外れ」に対して規定されている内容と、を比較すると、末尾Bの種別が選択される割合が当否判定結果「外れ」において極端に低くなるように規定されている。
ここで、末尾Aのミッションパターン種別が設定された場合には、ミッションに到達する(可動役物第1演出の終了条件が成立する)ことで、可動役物第2演出として落下演出が実行される種別であって、末尾Bのミッションパターン種別が設定された場合には、ミッションに到達する(可動役物第1演出の終了条件が成立する)ことで、可動役物第2演出として上昇演出が実行される種別である。つまり、可動役物第2演出として上昇演出が実行された場合には、限りなく大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。このように構成することで、上昇演出が実行されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。さらに、本第21制御例では、末尾Aのミッションパターン種別と、末尾Bのミッションパターン種別とで、同一のミッション内容が設定されるように構成しているため、可動役物第1演出が実行されており、且つ、ミッション到達していない状態で、後に実行され得る可動役物第2演出の演出態様を遊技者に事前に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、これに限ること無く、例えば、末尾Bのミッションパターン種別にのみ対応させたミッション内容を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、ミッション内容が報知された時点で大当たり当選の期待度が極めて高い状況であることを遊技者に把握させることができるため、上昇演出を実行させるために意欲的に枠ボタン22を押下する遊技と、敢えてミッションを達成させること無く別の変動演出が実行されることを楽しむ遊技と、を遊技者に選択させることができる。追加演出選択テーブル222uucは、可動役物第1演出中に終了条件が成立してから可動役物900が作動位置へと移動するまでの間に実行条件が成立した場合に実行される追加演出の演出態様を決定するために用いられるデータテーブルであって、追加演出の実行条件が成立した場合に(図770のS3214L:Yes)、参照される。
ここで、図732を参照して、追加演出選択テーブル222uucの内容について説明をする。図732は、追加演出選択テーブル222uucに規定されている内容を模式的に示した図である。図732に示した通り、追加演出選択テーブル222uucには、特別図柄抽選の当否判定結果と、ミッションパターン記憶エリア223uurに記憶されているミッションパターン種別と、取得した第1演出カウンタ223uufの値と、に対応させて5種類の追加演出態様が規定されている。具体的には、当否判定結果が「当たり(共通)」で、ミッションパターン記憶エリア223uurに記憶されているミッションパターン種別が「1A」で、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~119」に対しては、追加演出態様「1」が規定されている。この追加演出態様「1」が設定された場合には、追加演出の演出態様として「1kg」のおもりを模したアイコン(図718(a)のアイコン914参照)が表示される。また、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「120~169」に対しては、追加演出態様「2」が規定されている。この追加演出態様「2」が設定された場合には、追加演出の演出態様として「10kg」のおもりを模したアイコン(図718(a)のアイコン913参照)が表示される。そして、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「170~198」に対しては、追加演出態様「3」が規定されている。この追加演出態様「3」が設定された場合には、追加演出の演出態様として大当たり当選を示す「V」のおもりを模したアイコンが表示される。つまり、ミッションパターン種別が「1A」の場合、即ち、ミッション到達した場合において可動役物第2演出として落下演出が実行される場合においては、追加演出の演出態様として可動役物900が落下することを示唆可能な演出態様(おもりを模したアイコン)が表示されるように構成している。このように構成することで、追加演出の演出態様と、後に実行される可動役物第2演出の演出態様とを関連付けることができる。
次に、当否判定結果が「当たり(共通)」で、ミッションパターン記憶エリア223uurに記憶されているミッションパターン種別が「2A」で、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~149」に対しては、追加演出態様「1」が規定され、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「150~189」に対しては、追加演出態様「2」が規定され、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「190~198」に対しては、追加演出態様「3」が規定されている。そして、当否判定結果が「当たり(共通)」で、ミッションパターン記憶エリア223uurに記憶されているミッションパターン種別が「3A」で、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~99」に対しては、追加演出態様「1」が規定され、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「100~198」に対しては、追加演出態様「2」が規定されている。つまり、可動役物第1演出中に終了条件を成立させた後に実行される可動役物第2演出の演出態様が落下演出であるミッションパターン種別、即ち、末尾Aのミッションパターン種別に対しては、全てに対して追加演出としておもりを模したアイコンが表示される演出態様が設定されるように構成している。そして、ミッション達成の難易度に応じて、おもりアイコンの選択割合を異ならせている。具体的には、最もミッション達成の難易度が低い「3A(ボタン押下1回)」に対しては、「V」のおもりアイコンが設定されることが無く、「1kg」、または「10kg」のおもりアイコンのみが選択され得るように規定しており、最もミッション達成の難易度が高い「1A(ボタン押下5回)」に対しては、最も「V」のおもりアイコンが設定され易くなるように規定している。このように構成することで、可動役物第1演出中に設定されたミッション内容によって、追加演出を実行させ易いが追加演出が実行された場合の恩恵が少ない演出パターンと、追加演出を実行させ難いが追加演出が実行された場合の恩恵が大きい演出パターンと、を創出することができる。
なお、本第21制御例では、1回の可動役物第1演出中に3回のミッション演出を実行可能に構成しており、何れのミッション演出においても同一内容のミッション演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、新たなミッション演出が実行される毎に、ミッション選択テーブル222uubを参照して新たなミッション内容を決定するように構成しても良い。このように構成した場合には、1回の可動役物第1演出中に、異なるミッション内容のミッションを実行させることができるため、例えば、意図しないミッションが実行された場合において敢えてミッションを達成せず、意図するミッションが実行されることを待つ遊技を行わせることも可能となる。図732に戻り説明を続ける。次に、当否判定結果が「当たり(共通)」で、ミッションパターン記憶エリア223uurに記憶されているミッションパターン種別が「1B」,「2B」,「3B」である場合は、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~198」の全範囲に対して、追加演出態様「5」が規定されている。この追加演出態様「5」が設定された場合には、追加演出の演出態様として風船を模したアイコンが表示される(図719(a)のアイコン915参照)。つまり、可動役物第2演出の演出態様として上昇演出(アップ演出)が実行される場合には、ミッションパターン種別に関わらず、追加演出の演出態様として風船を模したアイコン915が表示されるように構成されている。そして、2回目以降の追加演出が実行された場合には、アイコン915が徐々に大きくなるように可変表示されるように構成している。
次に、ミッションパターン記憶エリア223uurに記憶されているミッションパターン種別が「4」の場合、即ち、大当たり当選した場合のみ設定されるミッションパターン種別が設定された場合には、ミッション演出が実行された時点で遊技者に対して大当たり当選することが報知されているため、追加演出の演出態様として、大当たり種別を示唆する演出態様が設定されるように構成している。具体的には、ミッションパターン記憶エリア223uurに記憶されているミッションパターン種別が「4」で、当否判定結果が「当たり(時短)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値の全範囲(「0~198」)に対して、追加演出態様「3」(「V」のおもりを模したアイコン)が規定されており、当否判定結果が「当たり(確変)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値の範囲が「0~99」の範囲に対して、追加演出態様「3」(「V」のおもりを模したアイコン)が規定され、「100~198」の範囲に対して、追加演出態様「4」が規定されている。この追加演出態様「4」が設定されると、確変大当たりに当選していることを示唆可能な「超V」のおもりが追加演出として表示される。
次に、当否判定結果が「外れ」で、ミッションパターン記憶エリア223uurに記憶されているミッションパターン種別が「1A」で、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~169」に対しては、追加演出態様「1」が規定され、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「170~198」に対しては、追加演出態様「2」が規定されている。また、当否判定結果が「外れ」で、ミッションパターン記憶エリア223uurに記憶されているミッションパターン種別が「2A」で、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~169」に対しては、追加演出態様「1」が規定され、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「170~198」に対しては、追加演出態様「2」が規定されている。さらに、当否判定結果が「外れ」で、ミッションパターン記憶エリア223uurに記憶されているミッションパターン種別が「3A」で、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~169」に対しては、追加演出態様「1」が規定され、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「170~198」に対しては、追加演出態様「2」が規定されている。最後に、当否判定結果が「外れ」で、ミッションパターン記憶エリア223uurに記憶されているミッションパターン種別が「1B」,「2B」,「3B」である場合は、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~198」の全範囲に対して、追加演出態様「5」が規定されている。この追加演出態様「5」が設定された場合には、追加演出の演出態様として風船を模したアイコンが表示される(図719(a)のアイコン915参照)。つまり、可動役物第2演出の演出態様として上昇演出(アップ演出)が実行される場合には、ミッションパターン種別に関わらず、追加演出の演出態様として風船を模したアイコン915が表示されるように構成されている。そして、2回目以降の追加演出が実行された場合には、アイコン915が徐々に大きくなるように可変表示されるように構成している。
以上、説明をした通り、追加演出選択テーブル222uucには、可動役物第2演出として落下演出が実行される場合における追加演出の演出態様としては、当否判定結果が「当たり」である場合の方が、「外れ」である場合よりも、「10kg」のおもりアイコンを選択させ易くなるように各種データが規定されている。よって、追加演出として「10kg」のおもりアイコンが表示される程、大当たり当選の期待度を高めることができる。つまり、可動役物第2演出として落下演出が実行される際に、表示画面に表示されているおもりアイコンの総重量が大きくなるほど、大当たり当選の期待度を高めることができる。このように構成することで、追加演出の演出態様、及び、可動役物第2演出の演出態様と、大当たり当選の期待度と、を視覚的に遊技者に分かり易く把握させることができる。第2制御実行選択テーブル222uufは、可動役物第1演出中に終了条件を成立させること無く可動役物第1演出が終了した場合、即ち、可動役物第1演出に対応して設定された振動シナリオテーブル222uugbに規定されている動作シナリオを最後まで実行した場合において、可動役物第1演出の終了後に可動役物第2演出を実行するかを決定する際に用いられるデータテーブルである。本第21制御例では、可動役物第1演出の途中で終了条件を成立させた場合には、必ず可動役物第2演出を実行させるように構成しており、可動役物第1演出を最後まで実行させた場合には、可動役物第2演出の実行有無を抽選で決定するように構成している。このように構成することで、可動役物第1演出を途中で終了させる、即ち、終了条件を成立させた場合の方が、可動役物第2演出を実行させ易くすることができるように構成している。このように構成することで、終了条件を成立させようと遊技者に対して意欲的に操作手段(枠ボタン22)を操作させることができる。
ここで、図733を参照して、第2制御実行選択テーブル222uufに規定されている内容について説明をする。図733は、第2制御実行選択テーブル222uufに規定されている内容を示した図である。図733に示した通り、第2制御実行選択テーブル222uufには、特別図柄抽選の当否判定結果と、取得した第1演出カウンタ223uufの値とに対応させて第2制御(可動役物第2演出)の実行有無が規定されており、具体的には、当否判定結果が「当たり」で、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~89」の範囲に対しては、第2制御(可動役物第2演出)を「実行する」が、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「90~198」の範囲に対しては、第2制御(可動役物第2演出)を「実行しない」が規定されている。一方、当否判定結果が「外れ」で、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~29」の範囲に対しては、第2制御(可動役物第2演出)を「実行する」が、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「30~198」の範囲に対しては、第2制御(可動役物第2演出)を「実行しない」が規定されている。つまり、当否判定結果が「当たり」である場合の方が、「外れ」である場合よりも第2制御(可動役物第2演出)が実行され易くなるように第2制御実行選択テーブル222uufに各種データが規定されている。このように構成することで、可動役物第1演出中に終了条件を成立させること無く可動役物第1演出が終了した場合には、その後、可動役物第2演出が実行されるだけで大当たり期待度を高めることができる。よって、遊技者に対して、可動役物第1演出中に終了条件を成立させるか否かを選択させる遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第21制御例では、上述した通り、可動役物第1演出中に終了条件を成立させること無く可動役物第1演出を終了させた場合、即ち、可動役物第1演出に対応する動作シナリオ(振動シナリオ64)に対応する可動制御を全て終了させた場合には、第2制御実行選択テーブル222uufを参照して可動役物第2演出の実行有無を決定可能に構成し、可動役物第2演出が実行されない事象を創出可能に構成することで、可動役物第1演出中に終了条件(枠ボタン22への操作に基づいて成立する終了条件)を成立させたことに基づいて可動役物第1演出を終了させた場合に対して、可動役物第1演出終了後における可動役物第2演出の実行頻度を異ならせる(低下させる)ことが可能となるように構成しているが、可動役物第1演出中に終了条件を成立させた場合と、成立させなかった場合とで、可動役物第1演出の終了後における可動役物第2演出の実行頻度を異ならせることが可能であれば本第21制御例におけるパチンコ機10にて用いた構成以外を用いても良く、例えば、可動役物第1演出に対応する動作シナリオ(振動シナリオ64)に対応する可動制御を全て終了させた回数をカウント可能なカウント手段を設け、そのカウント手段によってカウンタされた回数が所定回数(例えば、5回)に到達した場合には、必ず、可動役物第1演出の終了後に可動役物第2演出を実行させるように構成しても良い。このように構成することで、可動役物第1演出に対応する動作シナリオ(振動シナリオ64)に対応する可動制御を全て終了させた場合、即ち、可動役物第1演出中に枠ボタン22への操作に基づいて成立する終了条件を成立させない遊技(枠ボタン22を操作しない遊技)を長時間継続している遊技者に対して、可動役物第2演出が1回も実行されない事態が発生してしまうことを確実に抑制することができる。
また、本第21制御例では、可動役物第1演出中に枠ボタン22への操作に基づいて終了条件を成立させた場合には、可動役物第1演出の終了後に必ず可動役物第2演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、可動役物第1演出中に枠ボタン22への操作に基づいて終了条件を成立させた場合であっても、可動役物第1演出の終了後に可動役物第2演出が実行されない事象(違和感事象)が一部発生し得るように構成しても良く、この場合、対応する特別図柄抽選の結果が遊技者に有利な抽選結果(例えば、大当たり当選)である場合の方が、遊技者に有利な抽選結果(例えば、大当たり当選)では無い(例えば、外れ)場合よりも、上述した違和感事象が発生し易くなるように構成すると良い。このように構成することで、長時間遊技を行っている遊技者、即ち、可動役物第1演出中に枠ボタン22への操作に基づいて終了条件を成立させた場合には高確率で可動役物第2演出が実行されることを把握している遊技者に対して、可動役物第2演出が実行されないという違和感を提供することにより、対応する特別図柄抽選の結果を予測可能に構成している。第2期間表示選択テーブル222uudは、可動役物第2演出が実行される期間(第2期間)中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様(第2期間表示領域Dm64に表示される表示態様)を選択する際に用いられるデータテーブルであって、可動役物第2演出が実行される場合に参照される(図774のS3615L参照)。ここで、図734を参照して、第2期間表示選択テーブル222uudに規定されている内容について説明をする。図734は、第2期間表示選択テーブル222uudに規定されている内容を示した図である。図734に示した通り、第2期間表示選択テーブル222uudには、当否判定結果と、当たり種別(大当たり種別)と、駆動状況格納エリア223uyに格納されている駆動状況を示すデータ種別と、取得した第1演出カウンタ223uufの値とに対応させて、第2期間表示領域Dm64に表示される表示態様が規定されている。
具体的には、当否判定結果が「当たり」で当たり種別が「大当たりA,B(確変)」で、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータ種別が「08H(落下演出の開始を示すデータ種別)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~99」の範囲に対して、表示態様「少し」が規定されており、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「100~198」の範囲に対して、表示態様「大」が規定されている。また、当否判定結果が「当たり」で当たり種別が「大当たりA,B(確変)」で、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータ種別が「10H(上昇演出の開始を示すデータ種別)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~149」の範囲に対して、表示態様「大チャンス」が規定されており、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「150~189」の範囲に対して、表示態様「激アツ」が規定されており、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「190~198」の範囲に対して、表示態様「確変おめでとう」が規定されている。また、当否判定結果が「当たり」で当たり種別が「大当たりC(時短)」で、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータ種別が「08H(落下演出の開始を示すデータ種別)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~99」の範囲に対して、表示態様「少し」が規定されており、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「100~198」の範囲に対して、表示態様「大」が規定されている。そして、当否判定結果が「当たり」で当たり種別が「大当たりC(時短)」で、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータ種別が「10H(上昇演出の開始を示すデータ種別)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~99」の範囲に対して、表示態様「大チャンス」が規定されており、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「100~198」の範囲に対して、表示態様「激アツ」が規定されている。
一方、当否判定結果が「外れ」で、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータ種別が「08H(落下演出の開始を示すデータ種別)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~149」の範囲に対して、表示態様「少し」が規定されており、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「150~198」の範囲に対して、表示態様「大」が規定されている。また、当否判定結果が「外れ」で、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータ種別が「10H(上昇演出の開始を示すデータ種別)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~149」の範囲に対して、表示態様「大チャンス」が規定されており、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「150~189」の範囲に対して、表示態様「激アツ」が規定されている。退避時態様選択テーブル222uueは、可動役物900が収納位置へと移動(退避)する際に実行される退避時態様(退避中演出態様)を選択する際に参照されるデータテーブルであって、可動役物900を用いた役物演出として退避演出が開始される場合に(図774のS3617L:Yes)、参照される(図774のS3618L)。ここで、図735を参照して、退避時態様選択テーブル222uueに規定されている内容について説明をする。図735は、退避時態様選択テーブル222uueに規定されている内容を示した図である。図735に示した通り、退避時態様選択テーブル222uueには、今回の役物演出中に実行された各種演出の内容に対応させて退避中演出態様の表示態様が規定されている。具体的には、当否判定結果が「当たり」で、第2期間表示態様が「落下演出」に対応する「少し」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~149」の範囲に対して表示態様「泡」が、「150~198」の範囲に対して表示態様「魚群」が規定されている。また、第2期間表示態様が「落下演出」に対応する「大」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~99」の範囲に対して表示態様「泡」が、「100~198」の範囲に対して表示態様「魚群」が規定されている。
さらに、第2期間表示態様が「上昇演出」に対応する「大チャンス」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~99」の範囲に対して表示態様「泡」が、「100~198」の範囲に対して表示態様「魚群」が規定されている。また、第2期間表示態様が「上昇演出」に対応する「激アツ」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~149」の範囲に対して表示態様「魚群」が、「150~198」の範囲に対して表示態様「金の魚群」が規定されている。また、第2期間表示態様が「上昇演出」に対応する「確変おめでとう」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~198」の全範囲に対して表示態様「金の魚群」が規定されている。一方、当否判定結果が「外れ」で、第2期間表示態様が「落下演出」に対応する「少し」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~189」の範囲に対して表示態様「泡」が、「190~198」の範囲に対して表示態様「魚群」が規定されている。また、第2期間表示態様が「落下演出」に対応する「大」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~149」の範囲に対して表示態様「泡」が、「150~198」の範囲に対して表示態様「魚群」が規定されている。さらに、第2期間表示態様が「上昇演出」に対応する「大チャンス」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~149」の範囲に対して表示態様「泡」が、「150~198」の範囲に対して表示態様「魚群」が規定されている。また、第2期間表示態様が「上昇演出」に対応する「激アツ」である場合には、取得した第1演出カウンタ223uufの全範囲に対して表示態様「魚群」が規定されている。以上、説明した通り、本第21制御例では、役物演出中に様々な態様で移動した可動役物900を、収納位置(原点位置)へと退避させるための退避動作をしている間も、図717(a),(b)に示した通り、退避動作中の可動役物900を用いた演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、従来であれば、可動役物900を用いた役物が終了した場合に実行される役物演出後処理中の可動役物900、即ち、収納位置(原点位置)に向かって移動中の可動役物900も利用した役物演出を実行することができるため、収納位置(原点位置)から演出位置(作動位置)へと移動させた可動役物900の可動制御を十分に利用した役物演出を実行することができる。なお、本第21制御例では、実行された役物演出の演出態様に関わらず、可動役物900の退避動作に対応する退避シナリオ64として同一の動作シナリオを決定可能に構成している。つまり、可動役物900がどの位置(作動位置、落下位置、上昇位置)に位置している場合であっても、同一の動作シナリオで可動役物900を収納位置へと移動させることができるように構成している。図729に戻り説明を続ける。動作シナリオテーブル群222uugは、可動役物900を用いた役物演出を実行する際に参照される各種動作シナリオテーブルを有している。ここで、図730を参照して、動作シナリオテーブル群222uugが有する各種動作シナリオテーブルの内容について説明をする。図730は、動作シナリオテーブル群222uugが有する各種シナリオテーブルを示した図である。本第21制御例では、上述した第20制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222(図693(a)参照)が有する各種動作シナリオテーブルに対して、進出シナリオテーブル222uaに代えて進出シナリオテーブル222uugaを、振動シナリオテーブル222ubに代えて振動シナリオテーブル222uugbを設けた点と、新たに、落下シナリオテーブル222uugcと、上昇シナリオテーブル222uugdと、を設けている点で相違している。それ以外のデータテーブルである退避シナリオテーブル222uc、第1復帰対応シナリオテーブル222ud、第2復帰対応シナリオテーブル222ue、励磁テーブル222ufは上述した第20制御例と同一であるため、その説明を省略する。
進出シナリオテーブル222uugaは、役物演出が開始されることで収納位置(原点位置)に位置している可動役物900を作動位置へと移動させるための可動制御(進出制御)を実行する際に参照されるデータテーブルであって、収納位置に位置している可動役物900を作動位置へと位置させるための駆動モータ905に対する動作データ(動作シナリオ)が規定されている。ここで、図736(a)を参照して、進出シナリオテーブル222uugaに規定されている動作シナリオの内容について詳細に説明をする。図736(a)は、進出シナリオテーブル222uugaに規定されている内容を示した図である。この進出シナリオテーブル222uugaには、処理の進行に合わせて4段階の動作シナリオが規定されている。なお、進出シナリオテーブル222uugaに規定されている各種要素の内容については、上述した第20制御例の進出シナリオテーブル222uaと同一であるため、その詳細な説明は省略する。図736(a)に示した通り、処理カウンタ223ukの値が「1」に対しては、動作「保持」を10ミリ秒継続させる動作シナリオが規定されており、処理カウンタ223ukの値が「2」に対しては、動作「正回転」をスピード「4」で作動位置センサ930が可動役物900を検知するまで継続させる動作シナリオが規定されており、処理カウンタ223ukの値が「3」に対しては、動作「正回転」をスピード「4」で17ステップ分継続させる動作シナリオが規定されており、処理カウンタ223ukの値が「4」に対しては、動作「保持」を40ミリ秒継続させる動作シナリオが規定されており、処理カウンタ223ukの値が「5」に対しては、駆動モータ905の非励磁状態を1000ミリ秒継続させる動作シナリオが規定されている。
ここで、処理カウンタ223ukの値は、駆動モータ905を駆動させるための新たなシナリオテーブルが決定された場合に「1」に設定されることで、シナリオテーブルに規定されている処理カウンタ223ukの値が「1」の動作シナリオに規定されているデータ内容に基づく駆動モータ905に対する可動制御が最初に実行される。そして、実行中の動作シナリオを完了した場合に、処理カウンタ223ukの値が1加算され、加算後の処理カウンタ223ukの値に対応した動作シナリオに規定されているデータ内容に基づく駆動モータ905に対する可動制御が次に実行される。このように、各シナリオテーブルに規定されている処理カウンタ223ukの値に対応させた各動作シナリオに規定されているデータ内容に基づく駆動モータ905に対する可動制御を、対応する処理カウンタ223ukの値の順番(昇順)に従って実行するように構成し、決定されたシナリオテーブルに規定されている処理カウンタ223ukの値の最大値(進出シナリオテーブル222uugaでは「5」)に対応する動作シナリオに規定されているデータ内容に基づく駆動モータ905に対する可動制御が完了した場合に決定されたシナリオテーブルに規定されている駆動モータ905への可動制御が終了するように構成している。また、図736(a)に示した通り、本第21制御例では、上述した第20制御例と同様に、駆動モータ905を駆動させるため(可動役物900を移動させるため)のシナリオテーブルに、動作「保持」の動作シナリオも規定している。この動作「保持」に対応する動作シナリオには、駆動モータ905を励磁している状態であって、且つ、駆動モータ905を現状の位置から回転させない可動制御に対応するデータが規定されている。このように構成することで、駆動モータ905の非励磁状態に比べて駆動モータ905が外力(例えば、移動させた可動役物900の慣性力)によって回転してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第21制御例では、駆動モータ905を駆動させるため(可動役物900を移動させるため)のシナリオテーブル(進出シナリオテーブル222uuga等)に、駆動モータ905の非励磁状態を継続させる期間(動作「-」に対応する期間)も規定するように構成している。このように構成することで、可動役物演出の実行期間中に可動役物900を特定位置(例えば、作動位置)で所定期間(例えば、3秒間)待機させた後に、可動役物900を特定位置(例えば、作動位置)から移動させる演出態様を設定する場合、即ち、可動役物演出の演出期間中に駆動モータ905を非励磁状態とする待機期間が含まれる場合であっても、可動役物演出の全期間をシナリオ管理することができるため、可動役物900の可動制御を簡素化することができる。なお、本第21制御例では、可動役物演出が実行される全期間に対して各種シナリオテーブルを用いた可動制御を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、可動役物演出の演出期間の少なくとも一部期間において、各種シナリオテーブルが設定されない期間として、駆動モータ905を非励磁状態とする待機期間を設けるように構成しても良く、この場合、1のシナリオテーブル(例えば、進出シナリオテーブル222uuga)に規定されている可動制御が完了してからの経過期間を計測可能な計測手段を設け、その計測手段によって計測された経過期間が所定期間(例えば、3秒)の経過を計測したと判別された場合に、次のシナリオテーブル(例えば、振動シナリオテーブル222uugb)に基づく可動制御を実行させるように構成すると良い。このように構成することで、駆動モータ905を非励磁状態とする待機期間を、シナリオテーブルに規定すること無く管理することができるため、待機期間の長さのみを異ならせた態様で可動役物演出を実行させる場合には、計測手段によって計測される所定期間の長さのみを異ならせれば良く、待機期間の長さを異ならせた複数のシナリオテーブルを予め用意する必要が無くなり、可動役物演出を実行させるために用いられる各種データの容量を削減することができる。
なお、本第21制御例では、図715(a)を参照して上述した通り、上述した第20制御例におけるパチンコ機10に対して、作動位置センサ930の取り付け位置を第3図柄表示装置81の正面視上方向(図715(a)の視点で上方向)に移動させている。よって、進出シナリオテーブル222uugaの処理カウンタ223ukの値「2」に規定されている動作シナリオを完了させるために、正常であれば約1秒の可動制御が実行される。つまり、進出シナリオテーブル222uugaに基づく可動制御が実行された場合には、収納位置に位置している可動役物900を作動位置へと移動させるための約1秒の可動制御(進出制御)が実行される。そして、進出シナリオテーブル222uugaの処理カウンタ223ukの値「5」に対応する動作シナリオには、可動役物900を作動位置に位置させている状態で1000ミリ秒(1秒)間、駆動モータ905を非励磁状態とする内容が規定されている。そして、進出シナリオテーブル222uugaの処理カウンタ223ukの値「5」に対応する動作シナリオが実行されることで、図715(b)に示した役物可動演出(役物演出)が実行される。詳細な説明は後述するが、本第21制御例では、役物可動演出(役物演出)中における可動役物900に対する可動制御の進行状況を随時把握可能に構成し、可動制御の進行状況が特定状況まで進展したと判別した場合に、第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種表示態様を表示するように構成している。つまり、特別図柄変動の開始に対応させて実行される変動演出の演出態様として決定された各種態様を、特別図柄変動が開始されてから(変動演出が開始されてから)の経過時間に基づいて切り替え表示するのでは無く、可動役物900の動作状況に応じて切り替え表示するように構成している。このように構成することで、可動役物900の動作(動作演出)と、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様(表示演出)と、が用いられる役物可動演出(役物演出)を実行する場合において、動作演出の実行タイミングと、表示演出の実行タイミングとを同期させ易くすることができ、演出効果を高めることができる。
ここで、従来より、特別図柄が変動表示している期間(特図変動期間)を用いて、実行中の特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果を示すための変動演出を実行可能なパチンコ機10が知られている。このような従来型のパチンコ機10では、変動演出の演出態様として複数の演出態様を設定可能に構成し、且つ、対応する特別図柄抽選の結果(例えば、大当たり、外れ等)に応じて、設定可能な演出態様の種別を異ならせたり、各演出態様の選択割合を異ならせたりするように構成することで、実行される変動演出の演出態様に基づいて特別図柄抽選の結果が遊技者に有利な抽選結果(例えば、大当たり)であるかを予測可能に構成していた。このように構成された従来型のパチンコ機10では、決定された演出態様に基づく変動演出の態様を、変動演出が開始されてからの時間経過に応じて切り替えていくものが一般的であった。しかしながら、このように構成された従来型のパチンコ機10では、変動演出の演出態様として、複数の態様が独立して進展していく演出態様が決定された場合において、1の態様の進行状況が予め定められた進行内容よりも遅延した場合(例えば、演出を実行するために設定される各種コマンドの入出力エラーによって正常なタイミングよりも遅れたタイミングで1の態様に関する演出が実行された場合)であっても、個々の態様が、変動演出が開始されてからの経過時間に応じて実行されてしまうため、複数の態様が独立していく演出態様の変動演出にて各態様の進行状況を同期させ難く、演出効果が低下してしまうという問題があった。これに対して、本第21制御例におけるパチンコ機10では、変動演出の演出態様として、動作演出と表示演出とが複合して実行される役物可動演出(役物演出)が設定された場合には、一方の演出(動作演出)の進行状況に応じて、他方の演出(表示演出)を実行するように構成している。このように構成することで、複数の態様の演出を複合して実行させる変動演出において、各態様の演出を同期させながら実行させ易くすることができるため、変動演出の演出効果を高めることができる。
また、上述した通り、本第21制御例におけるパチンコ機10では、複合して実行される複数の態様の演出のうち、演出の進行状況に誤差が生じ易い態様の演出の進行状況に同期させるように他の演出を実行可能に構成している。具体的には、駆動モータ905を駆動させることで可動役物900を移動させる動作演出の進行状況に合わせて、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示演出の実行タイミングを決定するように構成している。ここで、本第21制御例では、上述した第20制御例と同様に、可動役物900を移動させるための可動制御を実行する場合に、可動制御の内容(動作シナリオ)が予め規定されている各種シナリオテーブル(図729の動作シナリオテーブル群222uug)を参照して駆動モータ905を駆動させるように構成している。そして、駆動モータ905の駆動内容(励磁位置、励磁間隔、励磁期間等)に基づいて、可動役物900を異なる移動方向や異なる移動速度で移動させるための可動制御を実行するように構成している。この場合、駆動モータ905に対して、各種シナリオテーブルに規定されている動作シナリオに応じた駆動制御を実行した場合であっても、駆動モータ905の駆動エネルギーを可動役物900へと伝達させるための伝達部材(ギア、シャフト等)がスリップすることで、正常に回転している駆動モータ905の駆動エネルギーを可動役物900へと伝達することが出来なかったり、駆動モータ905に負荷が掛かることによって駆動モータ905を励磁させるために出力される信号(入力パルス信号)と、駆動モータ905の回転動作とが同期しない状態(脱調)が発生したりする場合がある。つまり、可動役物900を移動させる動作を含む動作演出の方が、第3図柄表示装置81の表示面に表示態様を表示させる表示演出よりも、実行に費やされる時間に誤差が生じ易い演出となる。そこで、本第21制御例では、実行時間に誤差が生じやすい演出種別(動作演出)に対応させて、他の演出種別(表示演出)の実行タイミングを決定可能に構成している。このように構成することで、複数の演出種別を複合して実行する役物演出(役物可動演出)における一連の流れを遊技者に違和感を与えること無く実行することができる。
次に、図736(b)を参照して、落下シナリオテーブル222uugcの内容について説明をする。図736(b)は、落下シナリオテーブル222uugcに規定されている内容を模式的に示した図である。図736(b)に示した通り、処理カウンタ223ukの値が「1」に対しては、動作「保持」を10ミリ秒継続させる動作シナリオが規定されており、処理カウンタ223ukの値が「2」に対しては、動作「正回転」をスピード「2」で400ステップ分継続させる動作シナリオが規定されており、処理カウンタ223ukの値が「3」に対しては、動作「保持」を40ミリ秒継続させる動作シナリオが規定されており、処理カウンタ223ukの値が「4」に対しては、駆動モータ905の非励磁状態を3000ミリ秒継続させる動作シナリオが規定されている。次に、図736(c)を参照して、上昇シナリオテーブル222uugdの内容について説明をする。図736(c)は、上昇シナリオテーブル222uugdに規定されている内容を模式的に示した図である。図736(c)に示した通り、処理カウンタ223ukの値が「1」に対しては、動作「保持」を10ミリ秒継続させる動作シナリオが規定されており、処理カウンタ223ukの値が「2」に対しては、動作「逆回転」をスピード「4」で200ステップ分継続させる動作シナリオが規定されており、処理カウンタ223ukの値が「3」に対しては、動作「保持」を40ミリ秒継続させる動作シナリオが規定されており、処理カウンタ223ukの値が「4」に対しては、駆動モータ905の非励磁状態を3000ミリ秒継続させる動作シナリオが規定されている。次に、図737を参照して、振動シナリオテーブル222uugbの内容について説明をする。図737は、振動シナリオテーブル222uugbに規定されている内容を模式的に示した図である。
図737に示した通り、振動シナリオテーブル222uugbは、上述した振動シナリオテーブル222ubに対して、振動動作1周期分の動作に対応する動作シナリオ、具体的には、処理カウンタ223ukの値が「1」~「14」までの規定内容のみを残して、他を排除した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その説明を省略する。つまり、振動シナリオテーブル222uugbに基づく動作が実行された場合には、図721に示した1周期分の振動動作が実行される。そして、繰り返し処理によって3周期分の振動動作が実行される。次に、図738を参照して、本第21制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図738は、本第21制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。図738に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223uua、特別図柄1保留球数カウンタ223uub、特別図柄2保留球数カウンタ223uuc、変動開始フラグ223uud、停止種別選択フラグ223uue、第1演出カウンタ223uuf、第2演出カウンタ223uug、従状態格納エリア223uuh、時短中カウンタ223uui、確変中カウンタ223uuj、V演出実行フラグ223uuk、V入賞フラグ223uul、V報知フラグ223uum、演出情報記憶エリア223uun、SW有効時間記憶エリア223uuo、経過タイマ223uup、残チャンス回数カウンタ223uuq、ミッションパターン記憶エリア223uur、押下カウンタ223uus、押下情報記憶エリア223uut、切替フラグ223uuu、役物可動関連エリア223uuy、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。以下に、本第21制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223の詳細について説明する。
入賞情報格納エリア223uuaは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア~第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223uuaに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。特別図柄1保留球数カウンタ223uubは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203uudと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223uubにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。具体的には、主制御装置110では、第1入賞口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223uubに格納する(図760のS2210L参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223uubの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203uudと同期させながら、その値を更新することができる。特別図柄1保留球数カウンタ223uubの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223uubに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223uubの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223uubの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の表示領域に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223uubは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203uudと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。特別図柄2保留球数カウンタ223uucは、特別図柄1保留球数カウンタ223uubに対して、第2特別図柄に対応する保留球の数が主制御装置110から出力される保留球数コマンドに基づいて記憶される点で異なるのみであるので、その詳細な説明については省略する。
変動開始フラグ223uudは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図760のS2204L参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図767のS2903L参照)。変動開始フラグ223uudがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図759参照)のコマンド出力処理(S2102L)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。停止種別選択フラグ223uueは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図760のS2207L参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図767のS2908L参照)。停止種別選択フラグ223uueがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。第1演出カウンタ223uufは、予告演出や、各種抽選に使用されるカウンタである。0~198の範囲で繰り返し更新される。図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図759参照)が実行される毎に1ずつ更新される。
第2演出カウンタ223uugは、本第21制御例における予告演出や、各種抽選に使用されるカウンタであって、上述した第1演出カウンタ223uufとは異なる法則でカウンタ値が更新されるように構成している。このように構成することで、同一の制御処理内にて複数の演出に関する演出態様を抽選で決定する場合において、第1演出カウンタ223uufの値を参照して決定される演出態様と、第2演出カウンタ223uugの値を参照して決定される演出態様と、を設定可能に構成したとしても、それぞれの演出態様に関連性を持たせること無くランダムに設定し易くすることができる。従状態格納エリア223uuhは、主制御装置110から送信される状態コマンドが示す情報に対応する遊技状態が格納される現状態エリアと、1つ前に現状態エリアに格納されていた遊技状態を格納する前状態エリアとを有する。この現状態エリアに格納されている遊技状態により、現在設定されている遊技状態を音声ランプ制御装置113により判別できる。時短中カウンタ223uuiは、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される期間を計測するためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定される場合に(大当たり遊技終了後に)、予め定められた値(本第21制御例では「100」、又は、「120」)が設定される。そして、時短中カウンタ223uuiの値が1以上である状態で特別図柄変動が実行されると、その値が1減算され、時短中カウンタ223uuiの値が「0」となった場合に、普通図柄の低確率状態へと移行したと判別する。また、時短中カウンタ223uuiの値に基づいて、普通図柄の高確率状態における詳細な期間を判別するように構成している。
確変中カウンタ223uujは、確変状態が継続する期間を計測するためのカウンタであって、状態コマンド受信処理(図761のS2202L参照)において、遊技状態が確変状態へと移行したと判別された場合に(図761のS2308L:Yes)、カウンタ値として「120」が設定される(図761のS2309L参照)。そして、確変中カウンタ223uujの値が1以上である状態で特別図柄変動が実行されると、その値が1減算され、確変中カウンタ223uujの値が「0」となった場合に、特別図柄の低確率状態へと移行したと判別する。また、確変中カウンタ223uujの値に基づいて、特別図柄の高確率状態における詳細な期間を判別するように構成している。V演出実行フラグ223uukは、主制御装置110から大当たり開始コマンドを受信した場合に、その大当たり開始コマンドに含まれる大当たり種別情報が大当たりAである場合にオンされ(図765のS2706L参照)、V入賞コマンドを受信した場合にオフにされる(図762のS2406L参照)。このV演出実行フラグ223uukがオンの場合には、大当たり遊技中の特定ラウンド(本第21制御例では、2ラウンド目)において特定領域(確変スイッチ65e3)へと遊技球を入球させることを促すV演出が実行される。なお、V入賞コマンドとは、特定領域(確変スイッチ65e3)を球が流下したことを通知するためのコマンドである。V入賞フラグ223uulは、主制御装置110からV入賞コマンドを受信した場合にオンされ(図762のS2404L参照)、エンディング処理においてオフされる(図766のS2802L参照)。このV入賞フラグ223uulは、可変入賞装置65内に配設された特定領域(Vゲート)65Vを遊技球が通過したことを音声ランプ制御装置113により判別するためのフラグであり、V演出の実行中に(Vゲート)65Vを遊技球が通過した場合と、通過しなかった場合とでエンディング演出の後半期間の表示態様を切り替えることができる。
V報知フラグ223uumは、主制御装置110からV入賞コマンドを受信した場合に、V入賞を報知するための表示用コマンドを設定した場合にオンされ(図762のS2408L参照)、主制御装置110から遊技状態を確変状態に変更する状態コマンドを受信した場合にオフされる(図761のS2311L参照)。SW有効時間記憶エリア223uuoは、枠ボタン22や選択ボタン600が有効として判別される期間が記憶される記憶される記憶エリアである。本第21制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための演出態様が設定された場合に、演出パターンに対応した操作有効期間の設定情報がSW有効時間記憶エリア223uuoに格納される。経過タイマ223uupは、調整情報調整画面が表示を開始してから一定時間(本第21制御例では10秒)経過した場合に環境調整終了を示す表示態様を表示するために設定されるタイマである。この経過タイマ223uupのタイマ値は、演出ボタン22、又は、選択ボタン600が操作された場合に対応するタイマ値が設定され、演出更新処理が実行される毎に「1」ずつ更新される。残チャンス回数カウンタ223uuqは、可動役物第1演出期間中に実行されるミッション演出の残実行回数を計測するためのカウンタであって、役物演出の実行が決定された場合に「3」の値が設定される(図769のS3109L)。その後、振動シナリオテーブル222uugbを参照して振動動作が繰り返し実行される場合に、残チャンス回数カウンタ223uuqの値が1減算される(図779のS4006L参照)。このように、1回の可動役物第1演出中に複数回のミッション演出を実行可能に構成した場合であっても、残チャンス回数カウンタ223uuqの値を確認することで、1回の可動役物第1演出中に実行され得るミッション演出の回数を遊技者に把握させることができる。ミッションパターン記憶エリア223uurは、ミッション選択テーブル222uubを参照して選択されたミッション内容を示す情報(ミッションパターン種別)を一時的に記憶するための記憶領域である。
押下カウンタ223uusは、可動役物第1演出中に設定されるミッション期間中に枠ボタン22を押下した回数を計測するためのカウンタであって、枠ボタン入力監視・演出処理(図770のS2107L参照)において、枠ボタン22への操作に基づいて、図示しない検知スイッチが枠ボタン22の押下を検知した場合にカウンタの値が1加算される。そして、ミッション期間が経過したタイミングで0にクリアされる。押下情報記憶エリア223uutは、可動役物第1演出中に枠ボタン22を押下した回数の累積値を一時的に記憶するための記憶領域であって、各ミッション期間中に計測された押下カウンタ223uusの値がクリアされる際に、計測された押下回数に対応する情報が累積記憶される。切替フラグ223uuuは、可動役物900の駆動態様が切り替わったことを示すためのフラグであって、可動役物900の駆動態様が切り替わった場合にオンに設定される。本第21制御例では、後述する駆動状況格納エリア223uyを用いて、可動役物900の動作状況(駆動状況)を一時的に記憶可能に構成し、可動役物900の動作状況(駆動状況)が切り替わったことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様を切り替えるための処理を実行するように構成している。
よって、可動役物900の動作状況(駆動状況)が切り替わり、駆動状況格納エリア223uyに新たな駆動状況を示すための情報が記憶された場合に切替フラグ223uuuをオンに設定するように構成し、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様の内容を更新するための処理(役物演出更新処理(図774のS3510L参照))にて、切替フラグ223uuuがオンに設定されていると判別した場合に(図774のS3601L:Yes)、新たに記憶された駆動状況を示すための情報に対応した表示態様を決定するように構成している。このように構成することで、可動役物900の駆動状況(動作状況)に対応した表示態様を第3図柄表示装置81の表示面に表示することができるため、遊技者に違和感を与えること無く、可動役物900と第3図柄表示装置81とを用いた複合演出(役物演出)を実行することができる。そして、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様の内容を更新するための処理(役物演出更新処理(図774のS3510L参照))にて、切替フラグ223uuuがオンに設定されていると判別した後にオフに設定される(図774のS3602L参照)。役物可動関連エリア223uuyは、可動役物900を可動制御する際に必要な情報を一時的に記憶するための各種タイマやフラグを有するエリアである。ここで、図739(a)を参照して、役物可動関連エリア223uuyの内容について説明をする。図739(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223内の役物可動関連エリア223uuyの内容を示した図である。図739(a)に示した通り、役物可動関連エリア223uuyには、上述した第20制御例におけるRAM223に対して、第2動作シナリオ実行フラグ223uvと、役物異常フラグ223uwと、次回禁止フラグ223uxと、駆動状況格納エリア223uyと、を追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
第2動作シナリオ実行フラグ223uvは、第2動作シナリオに基づく可動役物900に対する可動制御が実行されていることを示すためのフラグであって、第2動作シナリオに基づく可動役物900に対する可動制御が実行される場合にオンに設定され、第2動作シナリオに基づく可動役物900に対する可動制御が終了した場合にオフに設定される。役物異常フラグ223uwは、可動役物900の可動制御中に異常が生じたことを示すためのフラグであって、可動役物900の可動制御中に異常が発生した場合にオンに設定される。そして、パチンコ機10の電源を再投入することでオフに設定される。そして、変動演出の演出態様を決定する際に参照され、役物異常フラグ223uwがオンに設定されている場合には、可動役物900を動作させる役物演出が決定されないように構成している。このように構成することで、可動役物900の可動制御に異常が生じてエラー報知コマンドを設定した状況では役物異常フラグ223uwがオンに設定されるため、変動演出設定処理(図768のS2905L参照)にて実行される通常状態演出態様決定処理(図769のS3016L参照)において、新たな役物演出が実行される変動演出が決定されないようにすることができる。次回禁止フラグ223uxは、可動役物900を用いた役物演出の実行を一時的に禁止するためのフラグであって、変動演出の停止時(特別図柄変動の停止時)において、可動役物900に対する可動制御が終了していないと判別された場合にオンに設定される。そして、変動演出の演出態様を決定する際に参照され、次回禁止フラグ223uxがオンに設定されている場合には、可動役物900を動作させる役物演出が決定されないように処理が実行され、その後、オフに設定される。このように構成することで、可動役物900に対する可動制御が終了していないと判別された特別図柄変動の次変動において役物演出が実行されることが無いため、可動制御の途中(例えば、退避動作中)の可動役物900に対して新たな可動制御が実行されてしまうことを抑制することができる。
駆動状況格納エリア223uyは、可動役物900に対する可動制御の進行状況に応じて可動役物900の動作状況(駆動状況)を特定するための情報を一時的に記憶するための記憶領域である。次に、図739(b)を参照して、駆動状況格納エリア223uyの構成について説明をする。図739(b)は、駆動状況格納エリア223uyに規定されている内容を示した図である。図739(b)に示した通り、駆動状況格納エリア223uyには、可動役物900の動作状況に応じて、「00H」~「18H」のデータ種別を格納可能に構成している。ここで、駆動状況格納エリア223uyに格納されるデータ種別の内容について説明をする。データ種別「00H」は、可動役物900を可動制御する役物演出の実行が決定されている状態であって、可動制御が実行されていない状況、即ち、駆動待機フラグ223upがオンに設定されている動作状況を示すためのデータ種別であって、データ種別「01H」は、進出動作が実行されている状態であって、進出シナリオテーブル222uuga内の処理カウンタ223ukの値が「1」~「4」に対応する動作シナリオに基づく可動制御が実行されている動作状況を示すためのデータ種別であって、データ種別「02H」は、進出動作が実行されている状態であって、進出シナリオテーブル222uuga内の処理カウンタ223ukの値が「5」に対応する動作シナリオ(維持期間)に基づく可動制御が実行されている動作状況を示すためのデータ種別である。データ種別「03H」は、振動動作が実行されている状態であって、振動シナリオテーブル222uugb内の処理カウンタ223ukの値が「1」~「13」に対応する動作シナリオに基づく可動制御が実行されている動作状況のうち、終了条件が成立していない状況を示すためのデータ種別であって、データ種別「04H」は、振動動作が実行されている状態であって、振動シナリオテーブル222uugb内の処理カウンタ223ukの値が「1」~「13」に対応する動作シナリオに基づく可動制御が実行されている状態であって、終了条件が成立している動作状況を示すためのデータ種別である。
また、データ種別「05H」は、振動動作が実行されている状態であって、振動シナリオテーブル222uugb内の処理カウンタ223ukの値が「14」に対応する動作シナリオに基づく可動制御が実行されている動作状況を示すためのデータ種別である。データ種別「06H」は、振動動作が終了した状態であって、振動シナリオテーブル222uugbに規定されている全ての動作シナリオに基づく可動制御が完了した動作状況、即ち、終了条件を成立させること無く振動動作が終了した動作状況を示すためのデータ種別であって、データ種別「07H」は、振動動作が終了した状態であって、終了条件が成立したことによって、振動シナリオテーブル222uugbに規定されている全ての動作シナリオに基づく可動制御を実行すること無く振動動作が終了した動作状況を示すためのデータ種別である。データ種別「08H」は、第2動作(可動役物第2演出)として、落下動作が実行されている状態であって、落下シナリオテーブル222uugc内の処理カウンタ223ukの値が「1」~「3」に対応する動作シナリオに基づく可動制御が実行されている動作状況を示すためのデータ種別であって、データ種別「09H」は、第2動作(可動役物第2演出)として、落下動作が実行されている状態であって、落下シナリオテーブル222uugc内の処理カウンタ223ukの値が「4」に対応する動作シナリオに基づく可動制御が実行されている動作状況を示すためのデータ種別である。データ種別「10H」は、第2動作(可動役物第2演出)として、上昇動作が実行されている状態であって、上昇シナリオテーブル222uugd内の処理カウンタ223ukの値が「1」~「3」に対応する動作シナリオに基づく可動制御が実行されている動作状況を示すためのデータ種別であって、データ種別「11H」は、第2動作(可動役物第2演出)として、上昇動作が実行されている状態であって、上昇シナリオテーブル222uugd内の処理カウンタ223ukの値が「4」に対応する動作シナリオに基づく可動制御が実行されている動作状況を示すためのデータ種別である。
データ種別「12H」は、退避動作が実行されている動作状況のうち、可動役物第1演出(振動演出)の終了後に退避動作が実行された動作状況を示すためのデータ種別であって、データ種別「13H」は、退避動作が実行されている動作状況のうち、可動役物第2演出として落下演出が実行された後に退避動作が実行された動作状況を示すためのデータ種別であって、データ種別「14H」は、退避動作が実行されている動作状況のうち、可動役物第2演出として上昇演出が実行された後に退避動作が実行された動作状況を示すためのデータ種別である。データ種別「15H」は、復帰動作が実行されている動作状況を示すためのデータ種別であって、データ種別「16H」は、可動役物900への可動制御が正常に終了した状態を示すためのデータ種別であって、データ種別「17H」は、異常状態である(異常フラグ223uwがオンに設定されている)動作状況であることを示すためのデータ種別であって、データ種別「18H」は、その他動作状況を示すためのデータ種別であって、空き領域として形成されている。以上、説明をした通り、駆動状況格納エリア223uyには、可動役物900の動作状況に応じて様々なデータ種別を格納されるように構成している。そして、駆動状況格納エリア223uyに新たなデータ種別が格納された場合には、切替フラグ223uuuがオンに設定されることで、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様として、可動役物900の動作状況に応じた表示態様を決定可能に構成している。このように構成することで、可動役物900の動作状況に応じた表示態様を容易に決定することができる。なお、本第21制御例では、駆動状況格納エリア223uyに現在の可動役物900の動作状況を示すデータ種別のみを記憶可能に構成しているが、これに限ること無く、可動役物900の動作過程を格納可能に構成しても良く、例えば、過去に実行された役物演出にて実行された演出態様に関する情報を記憶しておき、その記憶された情報に基づいて、今回の役物演出の演出態様を決定するように用いても良い。
その他メモリエリア223zは、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。図723に戻り説明を続ける。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図711参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図711参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第21制御例における主制御装置により実行される制御処理について>
次に、図740から図757を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。本第21制御例では、上述した通り、第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)と、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)と、を共に記憶している状態において、第2特別図柄の抽選を優先的に実行するように構成している。また、大当たり遊技が実行されている間に、可変入賞装置65内に配設された特定領域(Vゲート)65Vに球を通過させることにより、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるように構成している。さらに、遊技者に有利な遊技状態である確変状態を終了させるための終了条件として、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に成立する終了条件以外に、特別図柄抽選が所定回数(例えば、100回)実行された場合に成立する終了条件を設けるように構成している。図740は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101L)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102L)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103L)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、999,99,999)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104L)。その後、第1入球口64への球の入球(始動入賞)や第2入球口640への球の入球(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105L)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図741~図746を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を終了した場合には、普通図柄抽選を実行し(S106L)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107L)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図747、及び図748を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、次いで、発射制御処理を実行し(S108L)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109L)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。次に、図741を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104L)を説明する。図741は、この特別図柄変動処理(S104L)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104L)は、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定(当否判定)や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37に変動表示を可能に制御したり、第3図柄表示装置81にて第3図柄、第4図柄の変動表示演出を実行させるための各種コマンドを設定したり、判定結果(当否判定結果)を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(S104L)について説明する。この特別図柄変動処理(S104L)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であるかを判別する(S201L)。具体的には、大当たり中フラグ203uutがオンであるかを判別する。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であれば(S201L:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S201Lの処理において、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)ではないと判別した場合は(S201L:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202L)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202L:No)、即ち、新たな特別図柄抽選(変動)を実行可能な状態であれば、特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)と、特別図柄2保留球数カウンタ203uueの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S203L)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203uueの値(N2)が0よりも大きいかを判別する(S204L)。特別図柄2保留球数カウンタ203uueの値(N2)が0でなければ(S204L:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203uueの値(N2)を1減算し(S205L)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203uueの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206L)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203uueの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223uucに格納する。S206Lの処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203uubに格納されたデータをシフトする(S207L)。S207Lの処理では、特別図柄2保留球格納エリア203uubの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、S208Lの処理へ移行する。
一方、S204Lの処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203uueの値(N2)が0である場合は(S204L:No)、S203Lの処理で取得した特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値(N1)が0よりも大きいかを判別する(S210L)。S210Lの処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値(N1)が0であると判別した場合は(S210L:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S210Lの処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S210L:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値(N1)を1減算し(S211L)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値を示す保留球数コマンドを設定する(S212L)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223uucに格納する。S212Lの処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203uuaに格納されたデータを、S207Lの処理と同一の手法によりシフトして(S213L)、処理をS208Lの処理へと移行する。S207L、またはS213Lの処理後に実行されるS208Lの処理では、特別図柄大当たり判定処理を実行し(S208L)、次いで、特別図柄変動パターン選択処理を実行し(S209L)、その後、本処理を終了する。この特別図柄大当たり判定処理(S208L)および特別図柄変動パターン選択処理(S209L)の詳細については図742および図743を参照して後述する。
図741に戻り説明を続ける。S202Lの処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202L:Yes)、次いで、変動時間が経過したか否かを判別する(S214L)。変動時間が経過していなければ(S214L:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S215L)、その後、本処理を終了する。S215Lの処理では、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間カウンタの値が更新され、更新後の変動時間カウンタの値に対応させて第1図柄表示装置81の表示が更新される。この変動時間カウンタには、特別図柄変動パターン選択処理(S209L)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値が、特別図柄変動の開始タイミングでセットされ、その後、S215Lの処理を実行する毎に更新(減算)される。一方、S214Lの処理で変動時間が経過したと判別された場合は(S214L:Yes)、即ち、S215Lの処理で更新された変動時間カウンタの値が0である場合は、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S216L)。停止図柄の設定は、特別図柄変動パターン選択処理(S209L)によって予め行われる。この特別図柄変動パターン選択処理(S209L)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA~Jのいずれかが決定される。
尚、本第21制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりDとなる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させるように構成している。そして、大当たりE~Jの各大当たり種別に対しても、識別可能な点灯態様(表示態様)で各LEDを点灯表示するように構成している。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。S216Lの処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄大当たり判定処理(図742のS208L参照)によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S217L)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S217L:Yes)、大当たり開始フラグ23uuuをオンに設定し(S218L)、時短カウンタ203uur、確変カウンタ203uusの値をクリア(0に設定)し(S219L)、S220Lの処理へと移行する。S218Lの処理によって、大当たり開始フラグ203uuuがオンに設定されると、主制御装置110にて実行されるメイン処理の大当たり制御処理(図752のS1204L参照)が実行された場合に、S1301L:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(S1302L)。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。図741に戻り、説明を続ける。S217Lの処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S217L:No)、S218L,S219Lの処理をスキップして、更新処理を実行し(S221L)、その後、S220Lへと移行する。
更新処理(S221L)では、現在設定されている遊技状態に対応する各種カウンタ値(時短カウンタ203uur、確変カウンタ203uus)を更新する処理が実行され、更新後の各種カウンタ値に対応する遊技状態に対応する状態コマンドが設定される。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図751)の外部出力処理(S1201L)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。S220Lの処理では、特図確定コマンドを設定し(S220L)、本処理を終了する。次に、図742を参照して、特別図柄変動処理(図741のS104L)の一処理である特別図柄大当たり判定処理(S208L)について説明する。図742は、この特別図柄大当たり判定処理(S208L)を示すフローチャートである。特別図柄大当たり判定処理(S208L)では、まず、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に記憶されている各カウンタ値を取得する(S301L)。そして、第1当たり乱数テーブル202uua(図725(a)参照)に基づいて、S301Lの処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり判定値と一致するか否かを判定し、その抽選結果(判定結果)を取得する(S302L)。S302Lの処理を終えると、次に、今回の抽選結果が大当たりであるかを判別し(S303L)、大当たりであると判別した場合は(S303L:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S304L)、取得した当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S305L)、本処理を終了する。一方、S303Lの処理において今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S303L:No)、第1図柄表示装置37に特別図柄の外れ図柄をセットし(S306L)、本処理を終了する。
次に、図743を参照して、特別図柄変動処理(図741のS104L参照)の一処理である特別図柄変動パターン選択処理(S209L)について説明する。図743はこの特別図柄変動パターン選択処理(S209L)を示すフローチャートである。特別図柄変動パターン選択処理(S209L)では、まず、特別図柄大当たり判定処理(図742のS208L参照)において、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S401L)。S401Lの処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S401L:Yes)、第1当たり種別選択テーブル202uub(図725(a)参照)と、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(S402L)。次いで、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(S403L)、遊技状態格納エリア203uuvに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、確変状態、時短状態)に対応した変動パターン選択テーブル202uucを読み出す(S404L)。そして、S403Lの処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S404Lの処理で読み出した変動パターン選択テーブル202uucとに基づいて変動パターンを選択し(S405L)、S405Lの処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S406L)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理(図751)の外部出力処理(S1201L)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S407L)、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S408L)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を特図変動時間カウンタ(図示せず)の値にセットし(S409L)、本処理を終了する。S407Lの処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理(図751)の外部出力処理(S1201L)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。一方、S401Lの処理において、特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(S401L:No)、S402Lの処理をスキップしてS403Lの処理へ移行する。次に、図744を参照して、特別図柄変動処理(図741のS104L)にて実行される更新処理(S221L)の内容について説明をする。図744は、更新処理(S221L)の内容を示したフローチャートである。この更新処理(S221L)では、特別図柄変動の変動時間が経過した場合(変動停止時)に実行される処理であって、確変状態が継続して設定される期間の残期間を更新したり、時短状態が継続して設定される期間の残期間を更新したりするための処理が実行される。
更新処理(S221L)が実行されると、まず確変カウンタ203uusの値が0よりも大きい、即ち、現在が特別図柄の高確率状態であるかを判別し(S501L)、確変カウンタ203uusの値が0よりも大きいと判別した場合は(S501L:Yes)、確変カウンタ203uusの値を1減算(更新)し(S502L)、次いで、更新後の確変カウンタ203uusの値が0であるかを判別し(S503L)、0であると判別した場合は(S503L:Yes)、遊技状態格納エリア203uuvに時短状態を設定し(S504L)、S505Lの処理へ移行する。また、S501Lの処理において確変カウンタ203uusの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合(S501L:No)は、現在が特別図柄の高確率状態では無いため、確変カウンタ203uusの値を更新するための上述したS502L~S504Lの処理をスキップしてS505Lの処理へ移行する。また、S503Lの処理において、確変カウンタ203uusの値が0では無い、即ち、確変カウンタ203uusの値が0よりも大きく、確変状態(特別図柄の高確率状態)が継続する場合も(S503L:No)、S504Lの処理をスキップしてS505Lの処理へ移行する。S505Lの処理では、時短カウンタ203uurの値が0よりも大きいかを判別し、0よりも大きいと判別した場合、即ち、現在が普通図柄の高確率状態である場合は(S505L:Yes)、時短カウンタ203uurの値を1減算し(S506L)、減算後の時短カウンタ203uurの値が0であるかを判別する(S507L)。S507Lの処理において時短カウンタ203uurの値が0であると判別した場合は、遊技状態格納エリア203uuvに通常状態を設定し(S508L)、確変カウンタ203uusの値、時短カウンタ203uurの値、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S509L)、本処理を終了する。また、S505Lの処理において時短カウンタ203uurの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合(S505L:No)、或いは、S507Lの処理において時短カウンタ203uurの値が0では無いと判別した場合(S507L:No)は、そのままS509Lの処理へ移行する。
次に、図745を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図740参照)の一処理である始動入賞処理(S105L)を説明する。図745は、この始動入賞処理(S105L)を示すフローチャートである。始動入賞処理(S105L)は、第1入球口64、第2入球口640のいずれかにに球が入球(始動入賞)したか判別して、始動入賞した場合には、保留上限個数(第1入球口64、第2入球口640に最大4個)まで、取得した各カウンタ値を特別図柄1保留球格納エリア203uuaまたは特別図柄2保留球格納エリア203uubにそれぞれ格納する処理である。また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、特別図柄1保留球格納エリア203uuaまたは特別図柄2保留球格納エリア203uubにそれぞれ記憶されると、特別図柄1保留球格納エリア203uuaまたは特別図柄2保留球格納エリア203uubのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理(所謂、先読み処理)が実行される。以下、始動入賞処理(S105L)について説明する。始動入賞処理(S105L)では、まず、球が第1始動口である第1入球口64に入球(始動入賞)したか否かを判別する(S601L)。ここでは、第1入球口64内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。球が第1入球口64に入球した(始動入賞があった)と判別した場合は(S601L:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値(N1)を取得し(S602L)、その取得した値(N1)が4未満であるかを判別する(S603L)。つまり、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別した場合には(S603L:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値(N1)を1加算し(S604L)、音声ランプ制御装置113に対して第1入球口64の保留個数(第1特別図柄の抽選権利保留数)を通知するための保留球数コマンドを設定する(S605L)。
そして、各種カウンタ値(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1)の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の特別図柄保留球実行エリアの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)し(S606L)、S607Lの処理へ移行する。また、S601Lの処理で球が第1入球口64に入球していないと判別した場合(S601L:No)、或いは、S603Lの処理で、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値であると判別した場合(S603L:No)は、特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値(N1)を加算する処理をスキップして、S607Lの処理へ移行する。次に、S607L~S612Lまでの各処理については、S601L~S606Lまでの各処理で実行された第1始動口(第1入球口64)への球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2入球口640に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。S601L~S612Lまでの各処理を実行後、先読み処理を実行し(S613L)、本処理を終了する。この先読み処理(S613L)については、図746を参照して後述するが、新たに特別図柄1保留球格納エリア203uuaまたは特別図柄2保留球格納エリア203uubに記憶された各カウンタ値から当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。なお、本制御例では、新たに記憶された各カウンタ値に基づいて当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、新たな始動入賞があった場合に、特別図柄1保留球格納エリア203uuaまたは特別図柄2保留球格納エリア203uubに記憶(格納)されている全ての保留記憶に対して当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しても良い。
また、本第21制御例では、特別図柄1保留球格納エリア203uuaまたは特別図柄2保留球格納エリア203uubに新たな情報(入賞情報)を格納する場合、即ち、特別図柄の抽選権利を新たに獲得した場合に、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別する構成としているが、これに限ること無く、例えば、球がスルーゲート67を通過した場合や、普通図柄の抽選結果に応じて、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別するように構成しても良い。上述した通り、本第21制御例では、特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値(N1)または特別図柄2保留球数カウンタ203uueの値(N2)を加算した場合に、加算された入賞に関する情報(入賞情報)に基づいた先読み処理(S613L)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、S603Lの処理で特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値(N1)が上限数(4)であると判別した場合(S603L:No)、即ち、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に先読み処理(S613L)を実行することができるように構成しても良い。これにより、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態においても、先読み処理を実行させるために遊技者に継続して遊技を行わせることができる。また、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に付加価値を付与することができるため、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球が入球した際に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。次に、図746を参照して、始動入賞処理(図745のS105L)の一処理である先読み処理(S613L)について説明する。図746は、この先読み処理(S613L)を示すフローチャートである。先読み処理(S613L)では、まず、新たに特別図柄1保留球格納エリア203uuaまたは特別図柄2保留球格納エリア203uubに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を読み出す(S701L)。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(特別図柄1保留球格納エリア203uuaまたは特別図柄2保留球格納エリア203uubに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(S702L)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(S702L:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、大当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S703L)、その後、本処理を終了する。一方、S702Lの処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S702L:No)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、外れ当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S704L)、その後、本処理を終了する。ここで、S703L、或いはS704Lの処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S701Lの処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図751)の外部出力処理(S1201L)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。なお、本第21制御例では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりであることを事前判別した場合のみ大当たりを示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。さらに、特別図柄1保留球格納エリア203uuaまたは特別図柄2保留球格納エリア203uubに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本第21制御例では、特別図柄1保留球格納エリア203uuaまたは特別図柄2保留球格納エリア203uubに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、特別図柄1保留球格納エリア203uuaまたは特別図柄2保留球格納エリア203uubに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無駄に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。次に、図747を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S106L)について説明する。図747は、この普通図柄変動処理(S106L)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S106L)は、第2図柄(普通図柄)の変動表示や、電動役物640aの開放時間などを制御するための処理であり、普通図柄変動(抽選)に関連する様々な処理(普通図柄変動を実行する処理、実行する普通図柄変動の変動態様(変動時間)を設定する処理、実行中の普通図柄変動を更新する処理、普通図柄変動を停止させる処理、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に実行される普図当たり遊技の遊技内容を決定する処理)が実行される処理である。
この普通図柄変動処理(S106L)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるかを判別する(S801L)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから(当たり図柄が停止表示してから)電動役物640aの開閉制御がなされている最中まで(当たり遊技が終了するまで)が含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合には(S801L:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別した場合には(S801L:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるかを判別する(S802L)。普通図柄の変動表示中では無い、即ち、現在が新たな普通図柄変動(抽選)を実行可能な状態であると判別した場合は(S802L:No)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203uufの値(M)を取得し(S803L)、その値が0よりも大きいかを判別する(S804L)。S804Lの処理で普通図柄保留球数カウンタ203uufの値(M)が0であると判別された場合には(S804L:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203uufの値が0よりも大きいと判別した場合は(S804L:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203uufの値(M)を1減算する(S805L)。つまり、S804Lの処理において新たな普通図柄変動を実行するための条件(普通図柄変動に用いるための入賞情報が保留記憶されていること)が成立していると判別された場合は、保留記憶されている入賞情報を用いて普通図柄変動を実行するため、普通図柄保留球数カウンタ203uufの値を1減算する。
次に、普通図柄保留球格納エリア203uucに格納されたデータをシフトする(S806L)。S806Lの処理では、普通図柄保留球格納エリア203uucの普通図柄保留1~普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S807L)。次に、時短カウンタ203uurがオンであるか否か、即ち、現在が普通図柄の高確率状態(時短中)であるか否かを判別し(S808L)、時短カウンタ203uurがオンに設定されていると判別した場合は(S808L:Yes)、次に、現在が特別図柄の大当たり遊技中であるかを判別し(S809L)、大当たり遊技中では無いと判別した場合は(S809L:No)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202uud(図727(b)参照)の当たり判定値に基づいて当否判定結果(抽選結果)を取得し(S810L)、S812Lの処理へ移行する。一方、時短カウンタ203uurがオフであると判別した場合(S808L:No)、或いは、S809Lの処理において、現在が大当たり遊技中であると判別した場合は(S809L:Yes)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202uud(図727(b)参照)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得され(S811L)、S812Lの処理へ移行する。S812Lの処理では、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりであるかを判別し(S812L)、当たりであると判別した場合は(S812L:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定し(S813L)、S814Lの処理へ移行する。一方、S812Lの処理で、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S812L:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(S818L)、S819Lの処理へ移行する。
S814Lの処理では、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203uurの値を参照して判別し(S814L)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S814L:Yes)、次に、大当たり遊技中であるかを判別し(S815L)、大当たり遊技中では無いと判別した場合は(S815:No)、普通図柄の高確率状態中に普通図柄抽選で当たり当選した場合であるため、電動役物640aを開放させる普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間および回数を「1秒間×2回」に設定し(S816L)、S819Lの処理へ移行する。また、S814Lの処理において、現在が時短中では無いと判別した場合(S814L:No)、或いは、S815Lの処理において、現在が大当たり遊技中であると判別した場合(S815L:Yes)は、普通図柄の低確率状態中に普通図柄抽選で当たり当選した場合であるため、電動役物640aを開放させる普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間および回数を「0.2秒間×1回」に設定し(S817L)、S819Lの処理へ移行する。S819Lの処理では、現在が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203uurの値を参照して判別し(S819L)、時短中であると判別した場合は(S819L:Yes)、普通図柄の変動時間を3秒に設定し(S820L)、本処理を終了する。一方、S819Lの処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S819L:No)、普通図柄の変動時間を30秒に設定し(S821L)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第21制御例では、普通図柄抽選が実行された時点(普通図柄変動が停止表示されるよりも前の時点)における普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に対応させて、普通図柄の変動時間と、普図当たり遊技の内容を決定するように構成している。このように構成することで、時短状態中(普通図柄の高確率状態中)に実行された普通図柄抽選によって当たり当選した場合であれば、普通図柄変動の停止タイミングが普通図柄の低確率状態中であったとしても、遊技者に有利な普図当たり遊技を実行することができる。よって、普通図柄の高確率状態が終了する直前まで新たな普通図柄抽選を実行しようと意欲的に遊技者に遊技を行わせることができる。なお、本第21制御例では、上述した通り、設定される普通図柄の確率状態に応じて、普通図柄の変動時間を異ならせているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態に関わらず、常に変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技状態が切り替わるタイミングにおいて、具体的には、一般的に長い変動時間が設定され易い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、短い変動時間が設定され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が切り替わる大当たり遊技終了のタイミングにおいて、長い変動時間の普通図柄変動が実行されており、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない事態が発生することを抑制することができる。なお、普通図柄の変動時間の設定方法については、本制御例の構成に限ること無く、遊技状態に応じて変動時間を異ならせたり、普図保留球数に応じて変動時間を異ならせたり、取得した所定値に応じて変動時間を異ならせたりしても良く、例えば、本制御例では、普通図柄変動の変動時間を、設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)と、普通図柄保留球数カウンタ203uufの値(普図保留数)と、に基づいて可変設定するように構成しても良い。さらに、設定された普通図柄の変動時間によって、第2入球口640への球の入球のし易さが異なるように構成しても良い。
このように、設定される普通図柄の変動時間の長さに応じて、第2入球口640への球の入球具合を可変させるように構成することで、第2入球口640への球の入球のし易さを遊技状態に応じて容易に可変することができるため、様々な遊技性を創り出すことができる。一方、S802Lの処理において、普通図柄(第2図柄)が変動表示中である判別した場合には(S802L:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したかを判別し(S822L)、変動時間が経過していないと判別した場合は(S822L:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S822Lの処理において変動時間が経過していると判別した場合は(S822L:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S823L)。S823Lの処理では、今回の普通図柄の抽選が当たりである場合には、第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定する。一方、普通図柄の抽選が外れである場合には、第2図柄表示装置83には「×」図柄が停止表示(点灯表示)される。つまり、上述したS813L、或いはS818Lの処理で設定された表示態様を停止表示させるための設定が行われる。S823Lの処理により、停止表示を設定すると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S813Lの処理、或いはS818Lの処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかを判別する(S824L)。普通図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S824L:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別した場合には(S824L:Yes)、普図当たり遊技の遊技内容として、S816L、或いは、S817Lの処理にて決定された電動役物640aの開閉制御内容(開放時間および回数)による開閉制御の開始を設定し(S825L)、本処理を終了する。
次に、本第21制御例における電動役物640aの開閉制御態様(開放パターン)について説明をする。本第21制御例のパチンコ機10では、普通図柄の当否判定を行うタイミング(S812Lの処理を行うタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を決定するように構成しているがこれに限ること無く、普通図柄抽選が実行されるタイミングにて設定されている普通図柄の確率状態に基づいて普通図柄抽選を実行し、当たり当選している場合には、普通図柄変動が停止表示された時点(普図当たり遊技が開始される時点)にて設定されている普通図柄の確率状態に基づいて普図当たり遊技の遊技内容を決定するように構成しても良い。つまり、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)と、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)とが独立して実行されるように構成し、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果に基づいて普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)が可変するように構成した場合において、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)が実行されている期間中に並行して実行される特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果によっては、普通図柄の当否判定を行うタイミングでは普通図柄の高確率状態が設定され、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでは普通図柄の低確率状態が設定される場合が発生する。このような状況において、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングにて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定してしまうと、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、電動役物640aがロング開放(普通図柄の高確率状態中が設定されている場合に実行される開放パターン)してしまうという問題があった。
そこで、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)を判別し、その判別結果に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成してもよい。これにより、設定されている遊技状態に応じた開放パターンで電動役物640aを開放させることができる。なお、本第21制御例では、普通図柄の当否判定を行うタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて普通図柄の当否判定、及び普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されており、且つ普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでも普通図柄の高確率状態が設定されている場合にのみ、電動役物640aがロング開放するように構成しても良いし、普通図柄の当否判定を行うタイミングで設定されている遊技状態に基づいて、電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しても良い。また、詳細な説明は省略しているが、普通図柄変動処理(図747のS106L参照)において決定された各種情報(普通図柄抽選の結果、普通図柄変動の変動時間、普図当たりシナリオ等)は、それぞれ各種情報の内容を示すコマンドが設定され、主制御装置110のメイン処理(図751)の外部出力処理(S1201L)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、図748を参照してスルーゲート通過処理(S107L)の内容について説明をする。図748は、スルーゲート通過処理(S107L)の内容を示したフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107L)は、タイマ割込処理(図740参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し実行エリアに格納するための処理である。また、取得した普通当たり乱数カウンタC5の値を用いて、実際の当否判定が実行されるよりも前に(普通図柄変動処理(図747のS106L参照)にて当否判定(図747のS812L参照)が実行されるよりも前に)、抽選結果(当否判定結果)を事前に取得するための処理である。スルーゲート通過処理(S107L)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S901L)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S901L:Yes)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203uufの値(M)を取得し(S902L)、次いで、その取得した普通図柄保留球数カウンタ203uufの値(M)が4よりも大きくないか(普通図柄の保留球数が上限値に到達していないか)を判別する(S903L)。S903Lの処理で、普通図柄保留球数カウンタ203uufの値(M)が4よりも大きい(上限値の4である)と判別した場合は(S903L:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203uufの値(M)が4よりも大きくないと判別した場合は(S903L:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203uufの値(M)に1を加算し(S904L)、第2当たり乱数カウンタC4の値を普通図柄保留球格納エリア203uucに格納し(S905L)、本処理を終了する。
次に、図749を参照して、NMI割込処理について説明をする。図749は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1001L)、NMI割込処理を終了する。なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。次に、図750を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図750は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図750)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1101L)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(S1102L)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1103L)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図711参照)がオンされているか否かを判別し(S1104L)、オンされていれば(S1104L:Yes)、処理をS1112Lへ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1104L:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1105L)、記憶されていなければ(S1105L:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1112Lへ移行する。RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1105L:Yes)、RAM判定値を算出し(S1106L)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1107L:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1112Lへ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。S1112Lの処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1112L)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1113L、S1114L)を実行する。上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1113L、S1114L)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1113L、S1114L)を実行する。RAMの初期化処理(S1113、S1114)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1113)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1114)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1110の処理へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1109)、S1110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1110)。その後、割込みを許可し(S1111)、後述するメイン処理に移行する。次に、図751を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図751は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図751参照)においては、まず、タイマ割込処理(図740参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1201L)。具体的には、タイマ割込処理(図740参照)におけるスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図741参照)や始動入賞処理(図745参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(図751のS1201L)により、主制御装置110の各種処理にて設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、第3図柄表示装置81にて表示される各種演出(変動演出、装飾演出等)を設定するための情報とする。また、大当たり制御処理(図752参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。さらに、その他制御処理において設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1202L)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本第21制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1203L)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、音声ランプ制御装置113にて大当たり演出を実行させるためのコマンドの設定や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放動作するための大当たり制御処理を実行する(S1204L)。
大当たり制御処理(S1204L)の詳細な内容については、図752~図757を参照して後述するが、この大当たり制御処理(S1204L)では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65a(以下、入賞口等と称す)を開放し、入賞口等(特定入賞口65a)の最大開放時間が経過したか、又は入賞口等(特定入賞口65a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると入賞口等(特定入賞口65a)を閉鎖する。この入賞口等(特定入賞口65a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本制御例では、大当たり制御処理(S1204L)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。次いで、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1206L)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図747のS106L参照)のS825Lの処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理(図747のS106L参照)におけるS820Lの処理、S821Lの処理、によって設定された期間が終了するまで継続される。次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1207L)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理(図743のS209L参照)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本第21制御例では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理(図743のS209L参照)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動パターン選択処理(図743のS209L参照)のS407Lで設定された表示態様で、停止図柄を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。さらに、本第21制御例では、一方の特別図柄が大当たりを示す表示態様(大当たり図柄)で停止表示された場合に、他方の特別図柄を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示させるように構成しており、そのための停止表示も実行される。次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S12808)。第2図柄表示更新処理では普通図柄変動処理(図747のS106L参照)のS820の処理、S821Lの処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S1208L)では、普通図柄変動処理(図747のS106L参照)のS823Lの処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図747のS106L参照)のS813Lの処理またはS818Lの処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1209L)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1209L:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1210L)、既に所定時間が経過していれば(S1210L:Yes)、処理をS1201Lへ移行し、上述したS1201L以降の各処理を繰り返し実行する。一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1210L:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1211L,S1212L)。まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1211L)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999、999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1211Lの処理と同一の方法によって実行する(S1212L)。なお、このS1212Lの処理では、変動種別カウンタCS1の値と同様に普図変動種別カウンタCS2の値も更新される。
ここで、S1201L~S1208Lの各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、普図変動種別カウンタCS2の値についてもランダムに更新することができる。よって、特別図柄や普通図柄の抽選に関する判定値を更新するための処理内容を把握され難くすることができ、当たりに対応する判定値が取得されるタイミングを狙った不正遊技が実行されることを抑制することができる。また、S1209Lの処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1209L:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図749のNMI割込処理が実行されたということなので、S1213L以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1213L)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1214L)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1215L)、RAM203のアクセスを禁止して(S1216L)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1209Lの処理は、S1201~S1208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1211とS1212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1201Lの処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図750のS1101L)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1201Lの処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。次に、図752のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1204L)を説明する。図752は、この大当たり制御処理(S1204L)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1204L)は、メイン処理(図751参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(S1204L)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1301L)。具体的には、特別図柄変動処理(図741参照)のS218LまたはS219Lの処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1301Lの処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1301L:Yes)、オープニングコマンドを設定し(S1302L)、大当たり開始フラグ203uuuをオフに設定し、大当たり中フラグ203uutをオンに設定して(S1303L)、本処理を終了する。一方、S1301Lの処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1301L:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1304L)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1304Lの処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1304L:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1304Lの処理において、特別図柄の大当たり中であると判別した場合には(S1304L:Yes)、S1305Lの処理を実行する。S1305Lの処理では、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1305L)。S1305の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1305:Yes)、大当たり動作設定処理を実行する(S1306L)。
ここで、図753を参照して、大当たり動作設定処理(S1306L)について説明する。図753は、この大当たり動作設定処理(S1306L)の内容を示したフローチャートである。大当たり動作設定処理(S1306L)では、まず、開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作を設定されている開放シナリオから読み込み(S1401L)、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの開放動作をS1401Lで読み込んだデータに基づいて設定する(S1402L)。そして、可変入賞装置65の開閉扉65f1の開放動作をS1401Lの処理で読み込んだデータにより設定する(S1403L)。その後、この処理を終了する。なお、S1402Lの処理では、1ラウンド毎の流路ソレノイド65kの動作、開閉扉65f1の動作が設定される。このように、各ラウンドの開始毎に、第1可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。図752に戻って説明を続ける。S1305Lの処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合には(S1305L:No)、開閉扉65f1、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの動作タイミングであるか判別する(S1307L)。動作タイミングであると判別した場合には(S1307L:Yes)、開放ソレノイド65f2をオンに設定する(S1308L)。その後、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオンに設定する(S1309L)。その後、この処理を終了する。
一方、S1306Lの処理において、開放動作のタイミングでないと判別した場合には(S1307L:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(S1310L)。エンディング演出の開始タイミングは、特別図柄変動パターン選択処理(図743のS209L参照)のS402Lの処理にて決定された大当たり種別に対応する最終ラウンドが終了して開閉扉65f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(S1310L:Yes)エンディングコマンドを設定して(S1311L)、この処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。一方、S1310Lの処理において、現在実行されているエンディング期間の開始タイミングではないと判別した場合は(S1310L:No)、次に、大当たりの終了タイミングであるかを判別する(S1312L)。ここで、大当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。S1312Lの処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S1312L:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(S1313L)、本処理を終了する。この大当たり終了処理(S1313L)の詳細については図754を参照して後述する。一方、S1312Lの処理において、大当たり終了のタイミングではないと判別した場合には(S1312L:No)、報知処理を実行する(S1314L)。報知処理(S1314L)の詳細については図755を参照して後述する。
報知処理(S1314L)が終了すると、次に、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための入賞処理を実行し(S1315L)、特定入賞口65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための異常処理を実行し(S1316L)、その後、本処理を終了する。入賞処理(S1315L)および異常処理(S1316L)の詳細については図756および図757を参照して後述する。次に、図753のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり動作設定処理(S1306L)の詳細について説明する。図753は、この大当たり動作設定処理(S1306L)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理(S1306L)は、大当たり制御処理の中で実行され、上述した通り、ラウンド数に応じた特定入賞口65aの開閉動作を設定するための処理である。この大当たり動作設定処理(S1306L)が開始されると、まず、ラウンド数に対応した開放動作を読み込み(S1401L)、確変ソレノイドの開放動作を設定して(S1402L)、可変入賞装置65の大開放口65cの開放動作を設定し(S1403L)、本処理を終了する。なお、図示しないが、S1401Lの処理では、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図751)の外部出力処理(S1201L)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、新たに開始されたラウンド数を第3図柄表示装置81において表示するための表示用ラウンド数コマンドを設定する。これにより、大当たりのラウンド数に合わせて第3図柄表示装置81の表示内容を更新することができる。
ここで、詳細な説明は省略するが、本制御例では、1回の大当たり遊技中に複数回実行されるラウンド遊技のうち、特定のラウンド数(2ラウンド目)に実行されるラウンド遊技の内容を、大当たり種別に応じて異ならせており、具体的には、特定の大当たり種別(確変大当たり)の場合のみ、2ラウンド目のラウンド遊技として、球が特定領域(Vゲート65e3)へと流下させ易くなるように切替弁65yを動作させるラウンド遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、長期間実行される大当たり遊技のうち、特定の期間のみ球を特定領域(Vゲート65e3)へと流下させる確率を高めることができるため、遊技者が集中力を切らすこと無く大当たり遊技中の遊技を実行することができる。なお、本第21制御例では、大当たりAに当選した場合の大当たり遊技における2ラウンド目が実行される場合に、第3図柄表示装置81の表示面にて遊技者に対して特定領域(Vゲート65e3)へと球を流下させるチャンス期間であることを示すための案内報知態様として「Vを狙え」の文字が表示されるV報知演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して、長期間実行される大当たり遊技のうち、特定領域(Vゲート65e3)へと球を流下させ易い特定の期間を分かり易く報知することができる。さらに、球が特定領域(Vゲート65e3)を流下したことを検知手段が検知したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示面に球が特定領域(Vゲート65e3)を流下したことを案内するための案内報知態様として「VGET」の文字が表示されるように構成している。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される条件を満たしたことを分かり易く報知することができる。なお、上述した案内報知の報知態様を、条件成立に応じて可変させても良く、例えば、特定ゲートへと球を流下させ易い特定期間の経過時間、或いは残時間に基づいて「Vを狙え」の文字色を可変させたり、表示領域の大きさを可変させたり、より強調した内容の文字(例えば「早くVを狙うんだ」)に可変させたりすると良い。これにより、特定領域(Vゲート65e3)へと球を流下させ易い状況にて遊技者が球を発射しない事態が発生することを抑制することができる。
また、本第21制御例では、可変入賞装置65へと入賞した球の流路を切り替えるためのV役物として切替弁65yを設け、その切替弁65yの動作パターンを可変させることで球が特定ゲートへと流下しやすい期間とし難い期間とを設定可能としているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技開始時から共通の動作パターンで切替弁65yを動作させるように構成し、特定入賞口65aが開放状態となるタイミングを大当たり種別によって可変させることにより、球が特定領域(Vゲート65e3)へと流下しやすい期間とし難い期間とを設定可能に構成しても良い。これにより、切替弁65yの動作パターンを共通化することができるため、切替弁65yの動作内容を把握されたとしても今回の大当たり遊技が球を特定領域(Vゲート65e3)へと通過させ易い大当たり遊技であるか否かを遊技者に把握され難くすることができる。また、切替弁65yの動作内容を統一化することができるため、Vソレノイド209aに対する負荷を軽減することができ、V役物(切替弁65y)の故障を抑制することができる。この大当たり動作設定処理(図753のS1306L参照参照)を実行することにより、大当たりの各ラウンドにおいて特定入賞口65aを開放することができると共に、2ラウンド目に特定領域(Vゲート65e3)を球が通過可能に設定することができる。これにより、確変大当たりの大当たり種別に対応する大当たり遊技は、2ラウンド目に遊技者が球を発射するだけで、ほぼ確実に球が特定領域(Vゲート65e3)を通過するので、大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定することができる。次に、図754のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり終了処理(S1313L)の詳細について説明する。図754は、この大当たり終了処理(S1313L)を示すフローチャートである。この大当たり終了処理(S1313L)は、大当たり制御処理(S1204L)の中で実行され、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
この大当たり終了処理(S1313L)では、まず、確変設定フラグ203uuhがオンであるかを判別する(S1501L)。S1501Lの処理において、確変設定フラグ203uuhがオンであると判別した場合は(S1501L:Yes)、大当たり中にVゲート(確変スイッチ65e3)を球が通過したことを意味するので、確変カウンタ203uusの値に120を設定し(S1502L)、時短カウンタ203uurの値に120を設定し(S1503L)、S1504Lの処理へ移行する。一方、S1501Lの処理において、確変設定フラグ203uuhがオフであれば(S1501L:No)、時短カウンタ203uurの値に100を設定し、S1504Lの処理へ移行する。S1504Lの処理では、時短カウンタ203uurの値、確変カウンタ203uusの値に基づいて、状態コマンドを設定する(S1504L)。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図751)の外部出力処理(S1201L)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、その状態コマンドで通知された遊技状態に合わせて遊技状態格納エリア203uuvを更新する。これにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。次いで、大当たり中フラグ203uutおよび確変設定フラグ203uuhを共にオフに設定して(S1505L)、本処理を終了する。この大当たり終了処理(S1313L)を実行することにより、大当たり遊技中にVゲート(確変スイッチ65e3)を遊技球が通過したか否かに応じて大当たり終了後の遊技状態を正確に設定することができる。
報知処理(S1314L)では、まず、報知カウンタ203uulの値が0より大きい値であるか判別する(S1601L)。報知カウンタ203uulの値が0であると判別した場合には(S1601L:No)、2ラウンド目の終了タイミングであるか判別する(S1602L)。2ラウンド目の終了タイミングの判別は、2ラウンド目において、10球入賞したことを検知した場合または30秒が経過したと判別した場合によって判別を行う。2ラウンド目の終了タイミングであると判別した場合には(S1602L:Yes)、報知カウンタ203uulに2秒に対応するカウンタ値を設定する(S1603L)。その後、この処理を終了する。一方、S1602Lの処理において、2ラウンド目の終了タイミングでないと判別した場合には(S1602L:No)、この処理を終了する。ここで、S1603Lの処理で2秒のカウンタが設定されることで、2ラウンドが終了した後の球はけ時間であるインターバル時間の3秒間中に報知カウンタ203uulが0となり、液晶を見てという音声が出力される。よって、2ラウンド目に流路ソレノイド65kが動作するが、遊技者は2ラウンド終了後のインターバル時間より液晶に注意が惹きつけられるので、可変入賞装置65の切替部材65hの動きを識別されて、大当たり種別を遊技者に識別されてしまうことを抑制できる。よって、遊技者は、大当たり遊技の終了まで、確変遊技状態が付与されることを期待して遊技を行うことができる。なお、本第21制御例では、報知カウンタ203uulを設けることにより、インターバル時間の終了1秒前より2ラウンド目に跨って液晶に注意を惹きつける演出を行うようにしたがそれに限らず、2ラウンド目より継続的に実行してもよい。
一方、S1601Lの処理において、報知カウンタ203uulの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1601L:Yes)、報知カウンタ203uulの値を-1して更新する(S1604L)。更新後の報知カウンタ203uulの値が0であるか判別する(S1605L)。報知カウンタ203uulの値が0であると判別した場合には(S1605L:Yes)、報知コマンドを設定する(S1606L)。その後、この処理を終了する。この報知コマンドにより音声ランプ制御装置113により、「液晶を見て」という音声の出力の設定が実行される。次に、図756のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理(S1315L)の詳細について説明する。図756は、この入賞処理(S1315L)を示すフローチャートである。この入賞処理(S1315L)は、大当たり制御処理(S1204L)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。入賞処理(S1315L)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1611L)。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、開放扉65f1の開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(S1611L:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1611L:Yes)、特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したか判別される(S1612L)。特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したと判別した場合には(S1612L:Yes)、入賞個数カウンタ203uujを1加算して更新する(S1613L)。その後、S1614Lの処理を実行する。一方、検出スイッチ65c1を通過していないと判別した場合には(S1612L:No)、S1614Lの処理を実行する。
S1614Lの処理では、入賞個数カウンタ203uujの値が10以上であるか判別する(S1614L)。入賞個数カウンタ203uujの値が10以上であると判別した場合には(S1614L:Yes)、特定入賞口65aの開閉扉65f1の閉鎖を設定する(S1616L)。その後、残球タイマフラグ203uumをオンに設定する(S1617L)。その後、S1618Lの処理を実行する。この残球タイマフラグ203uumがオンに設定されることで、開閉扉203nが閉鎖されてから球はけ時間中であることが判別できる。一方、S1614Lの処理において、入賞個数カウンタ203uujの値が10未満であると判別した場合には(S1614L:No)、ラウンド時間(本実施形態では、30秒)が経過したか判別する(S1615L)。ラウンド時間が経過したと判別した場合には(S1615L:Yes)、次に、S1616Lの処理を実行する。一方、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(S1615L:No)、S1618Lの処理を実行する。
S1618Lの処理では、動作カウンタ203uukの値が0より大きい値であるか判別する(S1618L)。動作カウンタ203uukの値が0より大きい値であると判別した場合には(S1618L:Yes)、動作カウンタ203uukの値を-1して更新する(S1619L)。確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別する(S1620L)。確変通過スイッチ65e3を遊技球が通過したと判別した場合には(S1620L:Yes)、確変通過カウンタ203uuiの値に1加算して更新する(S1621L)。確変設定フラグ203uuhをオンに設定し(S1622L)、V入賞コマンドを設定し(S1623L)、その後、S1624Lの処理を実行する。一方、S1620Lの処理において、確変スイッチ65e3を遊技球が通過していないと判別した場合には(S1620L:No)、S1624Lの処理を実行する。S1624Lの処理では、動作カウンタ203uukが0であるか判別する(S1624L)。動作カウンタ203uukが0であると判別した場合には、流路ソレノイド65kをオフに設定する(S1625L)。確変有効フラグ203uuoをオンに設定する(S1626L)。その後、この処理を終了する。ここで、確変有効フラグ203uuoがオンに設定されることで、切替部材65hが切り替えられた後も、特別流路65e2に残存している遊技球が確変スイッチ65e3を通過した場合には、確変遊技が設定されるように制御できる。
一方、S1618Lの処理において、動作カウンタ203uukが0であると判別した場合には(S1618L:No)、確変有効フラグ203uuoがオンであるか判別する(S1627L)。確変有効フラグ203uuoがオフである場合には(S1627L:No)、この処理を終了する。一方、確変有効フラグ203uuoがオンであると判別した場合には(S1627L:Yes)、確変有効タイマ203uupに1加算して更新する(S1628L)。確変有効タイマの値が上限値(本実施形態では、1.2s)であるか判別する(S1629L)。確変有効タイマ203uupが上限値であると判別した場合には(S1629L:Yes)、確変有効フラグ203uuoをオフに設定する(S1630L)。確変有効タイマ203uupを初期値である0にリセットする(S1630L)。その後、この処理を終了する。一方、S1629Lの処理において、確変有効タイマ203uupが上限値でないと判別した場合には(S1629L:No)、S1620Lの処理を実行する。これにより、確変有効タイマ203uupが上限値でないと、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変遊技状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65e3に遊技球を通過させて確変遊技状態が付与されることを抑制できる。次に、図757のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される異常処理(S1316L)を説明する。図757は、この異常処理(S1316L)の内容を示したフローチャートである。異常処理(S1316L)では、不正に確変スイッチ65e3を通過させられていないかを監視する処理を実行する。
異常処理(S1316L)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(S1651L)。ラウンド有効期間外である場合には(S1651L:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(S1651L:Yes)、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したか判別する(S1652L)。球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したと判別した場合には(S1652L:Yes)、球排個数カウンタ203uuqの値を1加算して更新する(S1653L)。その後、S1654Lの処理を実行する。一方、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過していないと判別した場合には(S1652L:No)、S1654Lの処理を実行する。S1654Lの処理では、残球タイマフラグ203uumがオンであるか判別する(S1654L)。残球タイマフラグ203uumがオフであると判別した場合には(S1654L:No)、この処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203uumがオンであると判別した場合には(S1654L:Yes)、球はけ時間の期間中であるので、残球タイマ203uunを1加算して更新する(S1655L)。残球タイマ203uunは上限値(本第21制御例では、3秒)が経過したか判別する(S1656)。上限値でないと判別した場合には(S1656L:No)、この処理を終了する。一方、上限値であると判別した場合には(S1656L:Yes)、排出個数(確変通過カウンタ203uuiと排出個数カウンタ203uuqとの合計値)と入賞個数(入賞個数カウンタ203uujの値)とが一致するか判別する(S1657L)。一致すると判別した場合には(S1657L:Yes)、S1659Lの処理を実行する。一方、一致しないと判別した場合には(S1657L:No)、エラーコマンドを設定する(S1658L)。その後、S1659Lの処理を実行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、第1可変入賞装置65内に不正に遊技球を残存させて、大当たりCであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
S1659Lの処理では、残球タイマフラグ203uumをオフに設定し(S1659L)、残球タイマ203uunを初期値である0にリセットする(S1660L)。その後、入賞個数カウンタ203uuj、排出個数カウンタ203uuq、確変通過カウンタ203uuiが初期値にそれぞれリセットされ(S1661L)、その後、この処理を終了する。
<第21制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図758から図782を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。まず、図758を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図758は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2001L)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2121Lの電源断処理(図759参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2002L)。図759を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図759のS2118L参照)、S2121Lの電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2121Lの電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。電源断処理中フラグがオフであれば(S2002L:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2121Lの電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2003L)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2006Lの処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2003L:Yes)、S2004Lへ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2003L:No)、S2008Lへ移行する。なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2003L:Yes)、S2004Lへ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2121Lの電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2003L:No)、S2008Lへ移行する。電源断処理中フラグがオンであれば(S2002L:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2121Lの電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2004Lへ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2004Lの処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2004L)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2005L:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2006L)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2005L:No)、RAM223の異常を報知して(S2007L)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2008Lの処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2008L)。電源断フラグはS2121Lの電源断処理の実行時にオンされる(図759のS2120L参照)。つまり、電源断フラグは、S2121Lの電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2008Lの処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2121Lの電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2008LYes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2009L)、RAM223の初期値を設定した後(S2010L)、割込み許可を設定して(S2011L)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。一方、電源断フラグがオフされた状態でS2008Lの処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2004LからS2006Lの処理を経由してS2008Lの処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2008L:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2009Lをスキップして、処理をS2010Lへ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S2010L)、割込み許可を設定して(S2011L)、メイン処理へ移行する。なお、S2009Lのクリア処理をスキップするのは、S2004LからS2006Lの処理を経由してS2008Lの処理へ至った場合には、S2004Lの処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図759を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図759は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS2101Lの処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S2101L)、1m秒以上経過していなければ(S2101L:No)、S2102L~S2111Lの処理を行わずにS2112Lの処理へ移行する。S2101Lの処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S2102L~S2111Lが主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2112Lのコマンド判定処理や、S2113Lの変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2112Lの処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2113Lの処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。S2101Lの処理で1m秒以上経過していれば(S2101L:Yes)、まず、S2103L~S2115Lの処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102L)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108Lの処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103L)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104L)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105Lの処理へ移行する。
S2105Lの処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2106L)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223uubの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107L)。この枠ボタン入力監視・演出処理(S2107L)は、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22Aが押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22Aの入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22Aの遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22Aの操作に対応する表示用コマンドを設定する。尚、この枠ボタン入力監視・演出処理(S2107L)の詳細については、図770を参照して後述する。枠ボタン入力監視・演出処理(S2107L)が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2108L)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109L)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。S2109Lの処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S2110L)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2008Lのランプ編集処理が実行される。なお、S2009Lの音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
液晶演出実行管理処理の後に、駆動タイマ監視処理を実行し(S2111L)、その後、演出更新処理が実行される(S2112L)。この演出更新処理(S2112L)では、音声ランプ制御装置113のRAM223の各種カウンタ、及び、各種タイマの値を更新するための処理や、更新後の各種カウンタ、及び、各種タイマの値に応じた演出(役物演出、表示演出)を実行するための処理が実行される。なお、演出更新処理(S2112L)の詳細については、図773を参照して後述する。演出更新処理(S2112L)の後に、モータシナリオ処理を実行し(S2113L)、モータコマンド監視処理を実行し(S2114L)、モータ出力処理を実行し(S2115L)、S2116Lの処理へ移行する。なお、モータシナリオ処理(S2113L)は、上述した第20制御例におけるモータシナリオ処理(図701のY113L参照)に代えて実行されるものであって詳細については図776を参照して後述する。また、モータコマンド監視処理(S2114L)は、上述した第20制御例におけるモータコマンド監視処理(図706のY114L参照)と同一の処理が実行されるものであり、その説明を省略する。さらに、モータ出力処理(S2115L)では、上述した第20制御例におけるモータ出力処理(図707のY115L参照)と同一の処理が実行されるため、その説明を省略する。S2116Lの処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S2116L)。このコマンド判定処理(S2116L)の詳細については、図760を参照して後述する。次に、S2117Lの処理へ移行する。S2117Lの処理では、変動表示設定処理が実行される(S2117L)。この変動表示設定処理(S2117L)では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理(S2117L)の詳細については、図767を参照して後述する。
そして、変動表示設定処理(S2117L)が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2118L)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2118Lの処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2118L:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2120L)、電源断処理を実行する(S2121L)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2122L)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。一方、S2118Lの処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2118L:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2119L)、RAM223が破壊されていなければ(S2119L:No)、S2101Lの処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2119L:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。次に、図760を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2116L)について説明する。図760は、このコマンド判定処理(S2116L)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2116L)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図759参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S2116L)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判別する(S2201L)。状態コマンドを受信したと判別した場合には(S2201L:Yes)、状態コマンド受信処理を実行し(S2202L)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217L)、メイン処理に戻る。この状態コマンド受信処理(S2202L)は、主制御装置110において遊技状態が変更された場合に、第3表示制御装置81に変更された遊技状態に対応する表示モードを設定するための処理である。なお、状態コマンド受信処理(S2202L)の詳細は、図761を参照して後述する。また、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。一方、状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S2201L:No)、次いで、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S2203L)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S2203L:Yes)、変動開始フラグ223uudをオンに設定し(S2204L)、受信した変動パターンコマンドから変動パターンを抽出して(S2205L)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217L)、メイン処理に戻る。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S2203L:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S2206L)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別した場合には(S2206L:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223uueをオンに設定し(S2207L)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S2208L)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217L)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図767のS2117L参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。一方、停止種別コマンドを受信していないと判別した場合には(S2206L:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S2209L)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S2209L:Yes)、受信した保留球数コマンドが特図1保留球数コマンドであるか、特図2保留球数コマンドであるかを判別して、そのコマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203uudの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)、または、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203uueの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223uub、または、特別図柄2保留球数カウンタ223uucに格納する(S2210L)。また、S2210Lの処理では、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223uub、特別図柄2保留球数カウンタ223uucの値をそれぞれ表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S2210Lの処理の終了後は、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S2217L)、メイン処理に戻る。
ここで、特図1保留球数コマンド又は特図2保留球数コマンドは、球が第1入賞口64又は第2入賞口640に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S2210Lの処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223uub、特別図柄2保留球数カウンタ223uucの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203uud、特別図柄2保留球数カウンタ203uueの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223uubまたは特別図柄2保留球数カウンタ223uucの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203uudまたは特別図柄2保留球数カウンタ203uueの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223uubまたは特別図柄2保留球数カウンタ223uucの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203uudまたは特別図柄2保留球数カウンタ203uueの値に合わせることができる。尚、S2210Lの処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223uub、特別図柄2保留球数カウンタ223uucの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S2209Lの処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S2209L:No)、次いで、主制御装置110より入賞コマンドを受信したか判別する(S2211L)。入賞コマンドを受信したと判別した場合には(S2211L:Yes)、入賞コマンド処理を実行し(S2212L)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S2217L)、メイン処理に戻る。この入賞コマンド処理は、主制御装置110から特別図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される入賞コマンド(入賞情報コマンド)や、普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される普図用入賞情報コマンドや、大当たり遊技中に球が特定ゲート(確変スイッチ)を流下(通過)した場合に設定されるV入賞コマンドを受信した場合に実行される処理である。なお、入賞コマンド処理の詳細は、図762を参照して後述する。次に、S2211Lの処理において、入賞コマンドを受信していないと判別した場合には(S2211L:No)、主制御装置110より停止コマンドを受信したか判別する(S2213L)。停止コマンドを受信したと判別した場合には(S2213L:Yes)、停止コマンド処理を実行し(S2214L)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S2217L)、メイン処理に戻る。この停止コマンド処理は、主制御装置110から停止コマンドを受信した場合、即ち、特別図柄の停止タイミングにおける各種処理を実行するものである。なお、停止コマンド処理の詳細は、図764を参照して後述する。
一方、S2213Lの処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合には(S2213L:No)、大当たり関連コマンドを受信したか判別する(S2215L)。大当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(S2215L:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S2216L)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S2217L)、メイン処理に戻る。この大当たり関連処理は、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。なお、大当たり関連処理の詳細は、図765を参照して後述する。次に、図761を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド受信処理(S2202L)について説明する。図761は、この状態コマンド受信処理(S2202L)を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理(S2202L)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図760のS2116L参照)の中で実行されるものであって、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される表示モードを異ならせて設定するための処理を実行するものである。以下、状態コマンド受信処理(S2202L)の詳細を説明する。状態コマンド受信処理(S2202L)が実行されると、まず、現在設定されている遊技状態が変更されるか否かを判別する(S2301L)。ここでは、従状態格納エリア223uuhに設定されている遊技状態と、今回受信した状態コマンドが示す遊技状態とが、相違するか否かが判別される。S2301Lの処理において、遊技状態に変更がないと判別した場合は(S2301L:No)、そのまま本処理を終了する。遊技状態に変更があると判別した場合は(S2301L:Yes)、変更後の遊技状態が通常状態であるかを判別する(S2302L)。
S2302Lの処理において、変更後の遊技状態が通常状態であると判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドである場合)は(S2302L:Yes)、通常モードを示す表示用コマンドを設定し(S2303L)、S2304Lの処理へ移行する。S2302Lの処理において、変更後の遊技状態が通常状態では無いと判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドでは無い場合)は(S2302L:No)、次いで、変更後の遊技状態が時短状態であるかを判別し(S2305L)、遊技状態が時短状態である(今回受信した状態コマンドが時短状態を示すコマンドである)と判別した場合は(S2305L:Yes)、時短中カウンタ223uuiの値に100を設定し(S2306L)、チャンスモードを示す表示用コマンドを設定し(S2307L)、S2304Lの処理へ移行する。S2305Lの処理において、遊技状態が時短状態はないと判別した場合は(S2305L:No)、次いで、変更後の遊技状態が確変状態であるかを判別し(S2308L)、遊技状態が確変状態である(今回受信した状態コマンドが確変状態を示すコマンドである)と判別した場合は(S2308L:Yes)、確変中カウンタ223uujの値に120を設定し(S2309L)、V報知フラグ223uumがオンであるか否かを判別する(S2310L)。V報知フラグ223uumがオフの場合は(S2310L:No)、上述したS2306Lの処理へ移行する。V報知フラグ223uumがオンである場合は(S2310L:Yes)、V報知フラグ223uumをオフに設定し(S2311L)、スーパーチャンスモードを示す表示用コマンドを設定し(S2312L)、S2304Lの処理へ移行する。S2304Lの処理では、従状態設定エリア223shの現状態エリアに設定されている遊技状態を過去状態エリアに設定し(S2304L)、従状態設定エリア223shの現状態エリアに受信した状態コマンドが示す情報に対応する遊技状態を設定し(S2304L)、本処理を終了する。
ここで、S2303L、S2307LおよびS2312Lの処理で設定されたコマンドが表示制御装置114に通知されることにより遊技状態に対応した変動演出表示が実行されることになる。このように、本第21制御例では、音声ランプ制御装置113にて、主制御装置110から出力された状態コマンドに基づいて第3図柄表示装置81の表示領域にて表示される各種表示態様の種別(モード、背景)を設定し、その種別を示すコマンドを表示制御装置114へと出力するように構成している。このように構成することで、例えば、音声ランプ制御装置113側で設定されている遊技状態に対してそれぞれ変動演出表示の表示態様を設定する必要を無くすことが可能となる。つまり、現在設定されている遊技状態に対応する各種表示態様の種別を示すコマンド(種別コマンド)と、特別図柄の変動表示に対応する変動パターンコマンド(共通コマンド)とを表示制御装置114に出力するだけで、表示制御装置114側で受信した種別コマンドと、共通コマンドとに基づいて、現在の遊技状態と受信した変動パターンとに対応した表示態様で第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定することができる。よって、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。なお、上述したように、音声ランプ制御装置113から受信した複数のコマンドを表示制御装置114側で組み合わせることにより第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定するように構成した場合には、表示制御装置114側から音声ランプ制御装置113側へと設定後の表示データの内容を示す情報(確認情報)を出力するように構成し、音声ランプ制御装置113側で受信した確認情報が適正であるかを判別する判別手段を設け、その判別結果が適正では無いと判別した場合に、適正な情報を示す簡易的な表示用変動パターンコマンドを設定し、既に設定されている表示データの内容を簡易的な表示データに書き換えるように構成すると良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から受信した各種コマンドに対して適正な表示データが設定されなかった場合に、適正な情報を示す簡易的な表示データを設定することができ、その簡易的な表示データに基づく変動演出表示を表示することができる。よって、実際の遊技結果(特別図柄の抽選結果)とは異なる内容の変動演出表示が実行されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、上述した簡易的な表示データにとしては、例えば、どの遊技状態にも対応しない特殊モード(例えば、黒背景のモード)を表示する表示データや、第4図柄の変動表示を実行する表示データといった、通常の変動演出表示にて用いる表示データよりもデータ量の少ない表示データを用いれば良い。なお、本第21制御例では、上述した構成を用いているがこれに限ること無く、音声ランプ制御装置113側で、現在の遊技状態と、受信した変動パターンとに基づいた表示用変動パターンコマンドを設定するように構成しても良い。次に、図762を参照して、コマンド判定処理(図760のS2116L参照)にて実行される入賞コマンド処理(S2212L参照)の内容を説明する。図762は、入賞コマンド処理(S2212L)の内容を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理(S2212L)は、主制御装置110から特別図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される入賞コマンド(入賞情報コマンド)や、普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される普図用入賞情報コマンドや、大当たり遊技中に球が特定ゲート(確変スイッチ)を流下(通過)した場合に設定されるV入賞コマンドを受信した場合に実行される処理である。入賞コマンド処理(S2212L)が実行されると、まず、今回受信した入賞コマンド(入賞情報コマンド)の情報を入賞情報格納エリア(入賞情報記憶エリア)223uuaの対応する領域に格納(設定)し(S2401L)、特図用入賞情報コマンド処理を実行する(S2402L)。なお、特図用入賞情報コマンド処理の詳細は、図763を参照して後述する。
特図用入賞情報コマンド処理(S2402L)が終わると、次いで、今回受信したコマンドはV入賞コマンド((入賞処理(S1315L)にて確変スイッチ(特定ゲート)65e3へと球が流下した場合に設定されるコマンド(S1623L参照))であるかを判別する(S2403L)。受信したコマンドがV入賞コマンドである場合には(S2403L:Yes)、V入賞フラグ223uulをオンに設定し(S2404L)、V演出実行フラグ223uukがオンであるか判別する(S2405)。V演出実行フラグ223uukがオンであると判別した場合には(S2405:Yes)、V演出実行フラグ223uukをオフに設定し(S2406L)、V入賞を報知するための表示用コマンドを設定する(S2407)。そして、V報知フラグ223uumをオンに設定し(S2408L)、その他の処理を実行して(S2409L)、本処理を終了する。一方、S2403Lの処理において、受信したコマンドはV入賞コマンドではない場合には(S2403L:No)、S2404L~S2408Lの処理をスキップし、S2409Lの処理へ移行する。また、S2405Lの処理において、V演出実行フラグ223uukがオンでない場合には(S2405L:No)、S2406L~S2408Lの処理をスキップし、S2409Lの処理へ移行する。S2409Lの処理では、その他の処理を実行し(S2409L)、本処理を終了する。次に、図763を参照して、入賞コマンド処理(図762のS2212L参照)にて実行される特図用入賞情報コマンド処理(S2402L)の内容を説明する。図763は、特図用入賞情報コマンド処理(S2402L)の内容を示したフローチャートである。
特図用入賞情報コマンド処理(S2402L)が実行されると、まず、今回受信した入賞コマンドは特図用の入賞コマンドであるか判別する(S2501L)。受信したコマンドが特図用入賞コマンドである場合には(S2501L:Yes)、従状態設定エリア223uuhに設定されている情報に基づいて現在の遊技状態を抽出し(S2502L)、設定されている遊技状態と、受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて保留図柄の表示態様を決定し(S2503L)、決定した表示態様を示すための表示用コマンドを設定し(S2504L)、本処理を終了する。以上、説明をした通り、本第21制御例では、主制御装置110から出力された特図用の入賞コマンドを受信した場合において、設定されている遊技状態に応じて受信した入賞コマンドに含まれる情報を保留図柄の表示態様を用いて遊技者に示唆するか否かを決定可能に構成している。具体的には、主として第1特別図柄抽選が実行され、且つ、1回の特別図柄変動の変動時間として比較的長い変動時間が選択され易い通常状態が設定されている場合には、第1特別図柄に対応する入賞コマンドを受信した場合には、その受信した入賞コマンドに含まれる情報(大当たり当選に関する情報)を、第3図柄表示装置81の表示面に表示される保留図柄の表示態様を変化させることで遊技者に示唆可能な表示演出(保留変化演出)を実行し、同一の遊技状態である通常状態が設定されている状態であっても、第2特別図柄に対応する入賞コマンドを受信した場合には、保留変化演出を実行しないように構成している。また、主として第2特別図柄抽選が実行され、且つ、1回の特別図柄変動の変動時間として比較的短い変動時間が選択され易い時短状態が設定されている場合には、第2特別図柄に対応する入賞コマンドを受信した場合には、その受信した入賞コマンドに含まれる情報(大当たり当選に関する情報)を、第3図柄表示装置81の表示面に表示される保留図柄の表示態様を変化させることで遊技者に示唆可能な表示演出(保留変化演出)を実行し、同一の遊技状態である時短状態が設定されている状態であっても、第1特別図柄に対応する入賞コマンドを受信した場合には、保留変化演出を実行しないように構成している。
このように構成することで、主として実行される特別図柄抽選の種別に対応した保留図柄のみ保留変化演出の実行対象とすることができるため、保留変化演出の実行頻度を高めることができる。次に、図764を参照して、コマンド判定処理(図760のS2116L参照)にて実行される停止コマンド処理(S2214L)の内容について説明する。図764は、停止コマンド処理(S2214L)の内容を示したフローチャートである。主制御装置110から停止コマンドを受信した場合、即ち、特別図柄の停止タイミングにおける各種処理を実行するものである。停止コマンド処理(S2214L)が実行されると、役物異常フラグ223uwがオンに設定されているかを判別し(S2601L)、オンに設定されていると判別した場合(S2601L:Yes)、即ち、今回の変動演出にて実行された役物演出(役物可動演出)中に、可動役物900の可動制御に対して異常が生じた状態であると判別した場合は、駆動状態格納エリアに「00H」を設定すること無く、第3図柄の停止表示を決定し(S2604L)、本処理を終了する。また、S2601Lの処理において、役物異常フラグ223uwがオンに設定されていないと判別した場合は(S2601L:No)、次に、役物駆動フラグ223uqがオンに設定されているかを判別し(S2602L)、オンに設定されていると判別した場合(S2602L:Yes)、即ち、今回の変動演出が役物演出を含む変動演出であって、停止コマンドを受信した時点、つまり、対応する特別図柄変動が停止表示した時点において、役物演出が終了していないと判別された場合には、次回禁止フラグ223uxをオンに設定し(S2603L)、S2604Lの処理へ移行し、その後、本処理を終了する。一方、S2602Lの処理において、役物駆動フラグ223uqがオンに設定されていないと判別した場合、即ち、対応する特別図柄変動が停止表示した時点において、役物演出が正常に終了していると判別された場合には、駆動状況格納エリア223uyに「00H」を設定し(S2605L)、S2604の処理を実行し、本処理を終了する。
本第21制御例では、特別図柄の変動時間が60秒以上である変動パターンを受信した場合に、役物演出を含む変動演出パターンを選択可能に構成しており、変動演出が開始されてから5秒が経過した時点から最大で20秒の役物演出を実行するように構成している。つまり、役物演出が正常に実行された場合には、対応する特別図柄変動が終了するタイミングでは、既に役物演出が終了しており、役物駆動フラグ223uqがオフに設定されていることになる。しかしながら、役物演出中における各種可動制御において、ステッピングモーターの駆動に基づいて作用する各種ギア等がスリップし脱調した場合や、可動役物900の位置を検知する各種センサ(原点センサ920、作動位置センサ930)の検知不良によって可動役物900の位置を正確に特定できなかった場合に復帰動作処理が実行されることによって、役物演出の演出期間(可動役物900の可動制御期間)が長くなる場合がある。つまり、本第21制御例におけるパチンコ機10は、上述した第20制御例におけるパチンコ機10と同様に、復帰動作処理を実行することによって、可動役物900を正常位置へと復帰させた場合には役物演出を継続して実行可能とすることで、程度の低い不具合が可動役物900に対して発生したとしても役物演出を最後まで実行可能に構成している。このように、復帰動作処理を実行可能に構成した場合には、役物演出を最後まで実行させ易くする代わりに、役物演出の終了タイミングが遅れてしまうという問題が発生する虞があった。そこで、本第21制御例では、特別図柄変動が停止表示されたことを示すための停止コマンドを受信した時点(変動演出期間の終了時点)で役物演出が終了しているかを判別可能に構成し、役物演出が終了していないと判別した場合には、次に実行される変動演出の演出パターンとして、役物演出を含まない演出パターンが設定されるように構成している。このように構成することで、役物演出の終了タイミングが遅れた場合であって、可動役物900が原点位置に位置していない状態で新たな役物演出が開始されてしまうことを抑制することができる。
次に、図765を参照して、大当たり関連処理(S2216L)の内容について説明をする。図765は、大当たり関連処理(S2216L)の内容を示したフローチャートである。大当たり関連処理(S2216L)では、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。大当たり関連処理(S2216L)では、まず、今回受信したコマンドが、大当たり開始コマンドであるかを判別する(S2701L)。大当たり開始コマンドであると判別した場合には(S2701L:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定する(S2702L)。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図759参照)のコマンド出力処理(S2102L)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。次いで、今回の大当たり種別が大当たりC(3R時短大当たり)であるかを判別し(S2703L)、大当たりCであると判別した場合は(S2703L:Yes)、チャンスモード突入ことを示すエンディング表示態様を設定し(S2704L)、本処理を終了する。一方、大当たりCでは無いと判別した場合(S2703L:No)、今回の大当たり種別が大当たりA(10R確変大当たり)であるかを判別し(S2505L)、大当たりAではないと判別した場合(S2705L:No)、即ち、大当たりB(3R確変大当たり)である場合には、S2704Lの処理へ移行する。
ここで、本第21制御例におけるチャンスモードは、設定されている遊技状態が確変状態か、時短状態かを遊技者が識別できないモードとして構成しており、このように構成することで、大当たり遊技終了後に設定される表示モードがスーパーチャンスモード(確変状態が設定されている場合のみ設定される表示モード)ではなくても、確変状態が設定されていることを期待させることが出来る。よって、遊技者の遊技意欲低下を抑制することができるものである。しかしながら、確変大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技中にV演出(遊技者に特定領域(確変スイッチ65e3)に向けて遊技球の発射を促すための演出)が実行されることで、遊技者は確変大当たりに当選したことを認識できるため、V演出が実行されなかった大当たり遊技終了後に設定されるチャンスモードは確変状態ではないと分かってしまう虞があった。このため、本第21制御例では、確変大当たりである大当たりBに当選した場合には、その大当たり遊技実行中にV演出を実行しない構成としている。このように構成することで、遊技者に今回のチャンスモードは確変状態か、時短状態かを分かり難くし、確変状態が設定されていることを期待させることで遊技者の遊技意欲低下を抑制することができる。一方で、S2705Lの処理において、大当たりAであると判別した場合には(S2705L:Yes)、V演出実行フラグ223uukオンに設定し(S2706L)、スーパーチャンスモード突入(確変状態が設定される)ことを示すエンディング表示態様を設定し(S2707L)、本処理を終了する。
このように、本第21制御例では、設定される大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC)に応じて異なるエンディング表示態様が設定されており、大当たり遊技が開始されるタイミングにて今回実行される大当たり遊技のエンディング期間に対応させたエンディング表示態様を予め設定するように構成している。このように構成することで、各種制御(大当たり遊技の進行状況に応じて可変表示させる大当たり遊技情報の可変表示制御(例えば、獲得した賞球数を示すための情報を表示させる制御や実行中のラウンド遊技数を示すための情報を表示させる制御)や、大当たり遊技中に可変入賞装置65へと入賞した球数に応じて賞球を払い出すための賞球払出制御)が頻繁に実行される大当たり遊技期間中にエンディング表示態様を設定するための表示制御を実行する必要が無くなるため、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114の処理負荷を軽減させることができる。なお、本第21制御例では、大当たり遊技の開始タイミングにてエンディング表示態様を設定する処理を実行しているが、これに限ること無く、大当たり遊技が実行されることが確定している特別図柄の大当たり変動中にエンディング表示態様を設定しても良いし、大当たり遊技期間のうち、制御処理が少ない期間に実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理の残余期間を用いて設定するように構成しても良い。
一方、S2701Lの処理にて、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S2701L:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S2708L)、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S2708L:Yes)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S2709L)、今回のラウンド数が2ラウンド(Vラウンド)であるかを判別する(S2710L)。2ラウンド(Vラウンド)であると判別した場合は(S2710L:Yes)、V演出実行フラグ223uukがオンであるか否かを判別する(S2711L)。V演出実行フラグ223uukがオンであると判別した場合は(S2711L:Yes)、V入賞を案内する表示用コマンドを設定し(S2712L)、本処理を終了する。また、S2710Lの処理で今回のラウンド数が2ラウンド(Vラウンド)では無い、即ち、2ラウンド目以外のラウンド遊技が開始されると判別した場合と(S2710L:No)、S2711Lの処理において、V演出実行フラグ223uukがオフであると判別した場合も(S2711L:No)、そのまま本処理を終了する。S2708Lの処理でラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S2708L:No)、次に、エンディングコマンドを受信したかを判別し(S2713L)、受信したと判別した場合は(S2713L:Yes)、エンディング処理を実行し(S2714L)、本処理を終了する。また、S2713Lの処理にてエンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S2713L:No)、そのまま本処理を終了する。次に、図766を参照して、エンディング処理(S2714L)の処理について説明をする。図766は、エンディング処理(S2714L)の内容を示したフローチャートである。このエンディング処理(S2714L)は、上述した大当たり関連処理(図765のS2216L参照)にてエンディングコマンドを受信したと判別した場合に実行される処理であって、エンディング期間中に実行されるエンディング表示態様を最終的に決定するための処理を実行するものである。
エンディング処理(S2714L)が実行されると、まず、V入賞フラグ223uulがオンに設定されているかを判別し(S2801L)、オンに設定されていると判別した場合は(S2801L:Yes)、V入賞フラグ223uulをオフに設定し(S2802L)、既に設定されているエンディング表示態様に対応するエンディング表示の実行を設定し(S2805L)、本処理を終了する。また、S2801Lの処理においてV入賞フラグ223uulがオンに設定されていないと判別した場合は(S2801L:No)、V演出実行フラグ223uukがオンであるかを判別し(S2803L)、V演出実行フラグ223uukがオフであると判別した場合は(S2803L:No)、そのままS2804Lの処理へ移行する。一方、S2803Lの処理において、V演出実行フラグ223uukがオンであると判別した場合は(S2803L:Yes)、エンディング期間のうち、後半期間(7秒)の表示態様を切り替えるための表示切替コマンドを設定し(S2804L)、S2805Lの処理へ移行する。S2804Lの処理において表示切替コマンドが設定されると、表示制御装置114へと通知され、予めスーパーチャンスモードが設定されることに対応して設定されていたエンディング期間の後半期間の表示態様を、チャンスモードが設定されることに対応する表示態様へと切り替える処理が実行される。本第21制御例では、この表示切替コマンドに基づいて切り替えられる表示態様の表示期間を一定(7秒)にしているため、容易に表示態様を切り替えることができる。次に、図767を参照して、変動表示設定処理(S2117L)の内容について説明をする。図767は、変動表示設定処理(S2117L)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2117L)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図759参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(S2117L)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223uudがオンかを判別する(F2901)。そして、変動開始フラグ223uudがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S2901L:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2907Lの処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223uudがオンであると判別した場合(S2901L:Yes)、次に、受信した変動パターンコマンドに対応する変動時間を変動時間タイマに設定し(S2902L)、変動開始フラグ223uudをオフに設定し(S2903L)、次いで、コマンド判定処理(図760参照)のS2205Lの処理で抽出した変動パターンを取得する(S2904L)。そして、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを取得した変動パターン種別に基づいて生成するための変動演出設定処理を実行し(S2905L)、表示用変動パターンコマンドを設定して(S2906L)、S2907Lの処理へ移行する。変動演出設定処理(S2905L)の詳細については図768を参照して後述する。S2907Lの処理では、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223uueがオンかを判別する(S2907L)。そして、停止種別選択フラグ223uueがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2907L:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、そのまま本処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223uueがオンであると判別した場合は(S2907L:Yes)、オンに設定されている停止種別選択フラグ223uueをオフに設定し(S2908L)、次いで、コマンド判定処理(図760参照)のS2208Lの処理において抽出した停止種別を取得し(S2909L)、抽出した停止種別をそのまま設定する(S2910L)。その後、表示用停止種別コマンドを設定して(S2911L)、本処理を終了する。
次に、図768を参照して、変動表示設定処理(S2905L)の内容について説明する。図768は、変動表示設定処理(S2905L)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2905L)は、変動表示設定処理(図767のS2117L参照)にて、特別図柄の変動演出を設定する際に実行されるものであって、設定されている遊技状態に対応した変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。変動表示設定処理(S2905L)が実行されると、まず、時短中カウンタ223uuiの値が0よりも大きいかを判別する(S3001L)。時短中カウンタuuiの値が0よりも大きくないと判別した場合(S3001L:No)、即ち、現在が普通図柄の高確率状態では無い場合にはS3002L、S3003Lの処理をスキップし、S3004Lの処理に移行する。一方、時短中カウンタ223uuiの値が0よりも大きいと判別した場合は(S3001L:Yes)、時短中カウンタ223uuiの値を1減算し(S3002L)、減算後の時短中カウンタ223uuiの値を示すための表示用コマンドを設定して(S3003L)、S3004Lの処理に移行する。S3004Lの処理では、確変中カウンタ223uujの値が0よりも大きいかを判別する(S3004L)。確変中カウンタ223uujの値が0よりも大きくないと判別した場合(S3004L:No)、即ち、特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されてないと判別した場合には、S3005L~S3007Lの処理をスキップし、S3008Lの処理に移行する。
一方、S3004Lの処理において、確変中カウンタ223uujの値が0よりも大きいと判別した場合には(S3004L:Yes)、確変中カウンタ223uujの値を1減算し(S3005L)、次いで、表示モードとしてスーパーチャンスモードが設定されているか判別する(S3006L)。スーパーチャンスモードが設定されている場合には(S3006L:Yes)、減算後の確変中カウンタ223uujの値を示すための表示用コマンドを設定する。一方、S3006Lの処理において、スーパーチャンスモードが設定されていない場合には(S3006L:No)、S3007Lの処理をスキップし、S3008Lの処理へ移行する。S3008の処理では、従状態格納エリア223uuhに格納されている遊技状態を読み出し(S3008L)、遊技状態が時短状態であるかを判別する(S3009L)。時短状態であると判別した場合には(S3009L:Yes)、時短中カウンタ223uuiの値が1であるか判別し(S3010L)、1であると判別した場合には(S3010L:Yes)、演出結果がチャンスモード終了となる時短終了示唆演出の演出態様を決定して(S3011L)、S3012Lの処理に移行する。一方、時短中カウンタ223uuiの値が1ではないと判別した場合には(S3010L:No)、S3011Lの処理をスキップし、S3012の処理へ移行する。S3012Lの処理では、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し、S3017Lの処理へ移行する。S3009Lの処理において、時短状態ではないと判別した場合には(S3009L:No)、次に、確変状態であるかを判別する(S3013L)。確変状態であると判別した場合には(S3013L:Yes)、時短中カウンタ223uuiの値が1であるか判別して(S3014L)、1であると判別した場合には(S3014L:Yes)、演出結果がスーパーチャンスモード昇格となる時短終了示唆演出の演出態様を決定し(S3015L)、S3012Lの処理へ移行する。
このように、本第21制御例では、大当たりB(3R確変大当たり)に当選したことに基づいて確変状態が設定された場合には、大当たり遊技終了後にチャンスモードが設定されても、所定回数(100回)の特別図柄の変動表示が実行されると、スーパーチャンスモードに昇格する構成としている。このように構成することで、チャンスモードの最終変動においてスーパーチャンスモードに昇格するかもしれないと遊技者に思わせることが可能となり、チャンスモードの残回数が0回となった場合に遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。S3013Lの処理において、確変状態ではないと判別された場合には(S3013L:No)、通常状態が設定されているため、通常状態演出態様決定処理が実行され(S3016L)、その後、上述したS3017Lの処理を実行し、本処理を終了する。次に、図769を参照して、通常状態演出態様決定処理(S3016L)の内容について説明する。図769は、通常状態演出態様決定処理(S3016L)の内容を示したフローチャートである。通常状態演出態様決定処理(S3016L)が実行されると、まず、役物異常フラグ223uwがオンに設定されているかを判別し(S3101L)、オンに設定されていないと判別した場合は(S3101L:No)、次回禁止フラグ223uxがオンに設定されているかを判別し(S3102L)、オンに設定されていないと判別した場合は(S3102L:No)、役物演出を正常に実行させることが可能な状況であるため、次に、取得した変動パターンに基づいて変動演出パターン選択テーブル222uuaを参照して変動演出種別を決定する(S3103L)。そして、S3103Lの処理において決定された変動演出種別が役物演出を含む変動演出種別であるかを判別し(S3104L)、役物演出を含む変動演出種別であると判別した場合は(S3104L:Yes)、駆動待機フラグ223upをオンに設定し(S3105L)、駆動状況格納エリア223uyに「00H」のデータ種別を設定し(S3106L)、ミッション選択テーブル222uubを参照してミッション内容(ミッションパターン種別)を決定する(S3107L)。
次いで、S3107Lの処理において決定されたミッション内容(ミッションパターン種別)に対応する情報をミッションパターン記憶エリア223uurに記憶し(S3108L)、残チャンス回数カウンタ223uuqの値に「3」をセットし(S3109L)、その他、決定された変動演出種別に対応する演出態様を決定し(S3110L)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S3111L)、本処理を終了する。一方で、S3101Lの処理において、役物異常フラグ223uwがオンに設定されていると判別した場合(S3101L:Yes)、即ち、可動役物900の動作に異常が生じている状態では、取得した変動パターンに基づいて役物演出を実行しない変動演出種別を決定し(S3113L)、上述したS3110L、及びS3111Lの処理を実行し、本処理を終了する。このように構成することで、可動役物900の動作に異常が生じている状態で新たに役物演出を実行してしまい、可動役物900に対して物理的な負荷が生じてしまうことを抑制することができる。また、S3102Lの処理において、次回禁止フラグ223uxがオンに設定されていると判別した場合(S3102L:Yes)、即ち、前回の特別図柄変動(変動演出)が終了したタイミングにおいて、可動役物900が正常に動作制御されているが収納位置に位置していないと判別された場合には、次回禁止フラグ223uxをオフに設定し(S3112L)、上述したS3113Lの処理を実行し、上述したS3110L、及びS3111Lの処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図770を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S2107L)について説明する。図770は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S2107L)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S2107L)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図759参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において演出効果を高めるために遊技者の操作に応じた演出を実行させるために、枠ボタン22や選択ボタン600の操作に基づいて表示用コマンドを生成し設定する。枠ボタン入力監視・演出処理(S2107L)では、まず選択ボタン600(音量調整ボタン(上ボタン600b、又は、下ボタン600d)又は、光量調整ボタン(右ボタン600c、又は、左ボタン600e))への操作があったか判別し(S3201L)、操作があったと判別した場合には(S3201L:Yes)、操作された選択ボタンの種別に応じた態様を決定し(S3202L)、決定された態様に対応する表示態様を示すための表示用コマンドを設定し(S3203L)、本処理を終了する。一方、S3201Lの処理において選択ボタン600への操作が無いと判別した場合は(S3201L:No)、次に枠ボタン22への操作(押下)があるかを判別し(S3204L)、枠ボタン22への操作(押下)を示す情報が無いと判別した場合は(S3204L:No)、そのまま本処理を終了する。
また、S3204Lの処理において、枠ボタン22への操作(押下)があると判別した場合は(S3204L:Yes)、次に、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータ種別を読み出し(S3205L)、格納されているデータ種別が「03H」であるかを判別し(S3206L)、「03H」であると判別した場合は(S3206L:Yes)、現在が役物演出における可動役物第1演出中(振動動作中)であるため、押下カウンタ223uusの値を1加算し(S3207L)、加算後の値がミッション到達値であるかを判別し(S3208L)、ミッション到達値であると判別した場合は(S3208L:Yes)、ミッション到達を示す表示態様を決定し(S3209L)、振動シナリオ終了フラグ223utをオンに設定し(S3210L)、駆動状況格納エリア223uyにデータ種別「04H」を格納し(S3211L)、切替フラグ223uuuをオンに設定し(S3212L)、上述したS3217Lの処理を実行し、本処理を終了する。また、S3208Lの処理において、加算後の値がミッション到達値では無いと判別した場合は(S3208L:No)、S3209LからS3212Lの処理をスキップして押下カウンタ223uusの値に対応する情報を示す表示態様(第3図柄表示装置81の表示面のうち小表示領域Dm62の押下回数表示領域Dm62aに表示される表示態様)を決定し(S3213L)、上述したS3217Lの処理を実行し、本処理を終了する。
そして、S3206Lの処理において、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータ種別が「03H」では無いと判別した場合は(S3206L:No)、次に、格納されているデータ種別が「04H」であるかを判別し(S3214L)、「04H」であると判別した場合(S3214L:Yes)、即ち、現在がミッション期間中であって、既に終了条件が成立している状態(ミッション到達している状態)であると判別した場合は、今回の枠ボタン22への押下操作に基づいて追加演出を実行するために、追加演出態様設定処理を実行し(S3215L)、その後、上述したS3217Lの処理を実行し、本処理を終了する。なお、追加演出態様設定処理(S3215L)の詳細な内容については、図771を参照して後述する。S3214Lの処理において、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータ種別が「04H」では無いと判別した場合は(S3214L:No)、その他、押下操作に対応する態様を決定し(S3216L)、S3217Lの処理を実行し、本処理を終了する。次に、図771を参照して、追加演出態様設定処理(S3215L)の処理内容について説明をする。図771は、追加演出態様設定処理(S3215L)の処理内容を示したフローチャートである。この追加演出態様設定処理(S3215L)は、上述した枠ボタン入力監視・演出処理(図770のS2107L参照)にて実行される処理であって、枠ボタン22を押下したことで追加演出の実行条件が成立した場合に追加演出の演出態様を設定するために実行される。追加演出態様設定処理(S3215L)が実行されると、まず、押下カウンタ223uusの値を1加算し(S3301L)、押下カウンタ223uusの値に対応する情報を示す表示態様を決定し(S3302L)、追加演出選択テーブル222uucを参照して追加演出の演出態様を決定し(S3303L)、本処理を終了する。本処理によって決定された追加演出の演出態様は、枠ボタン入力監視・演出処理(図770のS2107L)にて実行されるS3217Lの処理によって表示用コマンドが設定される。
次に、図772を参照して、駆動タイマ監視処理(S2111L)の処理内容について説明をする。図772は、駆動タイマ監視処理(S2111L)の処理内容を示したフローチャートである。この駆動タイマ監視処理(S2111L)は、上述した第20制御例における駆動タイマ監視処理(図699のY111L参照)に対して、復帰動作を実行させるための条件を変更している点と、復帰対応フラグ223uuがオンに設定されてからの経過時間(駆動タイマ223ujの値)が「2800」以上であると判別した場合、即ち、復帰動作中に可動役物900の可動制御が正常状態へと復帰しなかった場合(可動制御の異常であると判別した場合)に実行される処理内容の一部を変更している点と、説明の便宜上、各処理に対して付された符号を変更している点と、が相違している。本第21制御例では、上述した第20制御例における駆動タイマ監視処理(図699のY111L参照)と同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。駆動タイマ監視処理(S2111L)が実行されると、まず、上述した第20制御例における駆動タイマ監視処理(図699のY111L参照)と同一のS3401LからS3404Lの処理を実行し、S3404Lの処理において振動シナリオ実行フラグ223urがオンに設定されていないと判別した場合は(S3404L:No)、次に、駆動タイマ223ujの値が4000より小さいかを判別し(S3405L)、4000よりも小さいと判別した場合は(S3405L:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S3405Lの処理において、駆動タイマ223ujの値が4000よりも小さくない(4000以上である)と判別した場合は(S3405L:No)、上述した第20制御例における駆動タイマ監視処理(図699のY111L参照)と同一のS3407LからS3411Lの処理を実行し、本処理を終了する。
即ち、本第21制御例では、上述した第20制御例に対して、役物駆動フラグ223uqがオンに設定されている状態で設定される各種動作シナリオテーブルに規定されている内容を変更しており、1回の処理に要する時間の最大値が大きくなっていることから、駆動タイマ223ujを用いて正常動作がされていないと判別する閾値を4000へと変更している。また、S3403Lの処理において復帰対応フラグ223uuがオンに設定されていると判別した場合は(S3403L:Yes)、次に、駆動タイマ223ujの値が2800よりも小さいかを判別し(S3412L)、2800以上であると判別した場合には(S3412L:No)、役物異常フラグ223uwをオンに設定し(S3416L)、駆動状況格納エリア223uyに異常状態を示すデータ種別である「17H」を設定し(S3417L)、各種シナリオ実行フラグをオフに設定し(S3418L)、駆動タイマ223ujの値を0にセットし、本処理を終了する。このように構成することで、可動役物900の可動制御に異常が生じてエラー報知コマンドを設定した状況では役物異常フラグ223uwがオンに設定されるため、変動演出設定処理(図768のS2905L参照)にて実行される通常状態演出態様決定処理(図769のS3016L参照)において、新たな役物演出が実行される変動演出が決定されないようにすることができる。
次に、図773を参照して、演出更新処理(S2112L)の処理内容について説明をする。図773は、演出更新処理(S2112L)の処理内容を示したフローチャートである。この演出更新処理(S2112L)では、上述した第20制御例の演出更新処理(図700のY112L参照)に対して、駆動待機フラグ223upがオンに設定されていないと判別した場合(S3503L:No)に、役物駆動フラグ223uqがオンに設定されているかを判別し(S3509L)、役物駆動フラグ223uqがオンに設定されていると判別した場合に(S3509L:Yes)、役物演出更新処理(S3510L)を実行し、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示すための表示用コマンドを設定し(S3511L)、その他各種カウンタ、及び各種タイマの更新処理を実行し(S3512L)、本処理を終了する点と、説明の便宜上、各処理に対して付された符号を変更している点と、で相違している。上述した内容以外の処理については同一であるため、その説明を省略する。次に、図774を参照して、役物演出更新処理(S3510L)の処理内容について説明をする。図774は、役物演出更新処理(S3510L)の処理内容を示したフローチャートである。この役物演出更新処理(S3510L)は、上述した音声ランプ制御装置113のメイン処理(図759参照)で実行される演出更新処理(図773のS2112L参照)にて実行される処理であって、1ミリ秒毎に定期的に実行される処理である。この役物演出更新処理(S3510L)では、役物演出が実行されている期間中における各種表示演出の表示態様を、駆動状況格納エリア223uyに新たなデータ種別が格納されたタイミングに合わせて表示させるための処理が実行される。
具体的には、役物演出更新処理(S3510L)が実行されると、まず、切替フラグ223uuuがオンに設定されているかを判別する(S3601L)。この切替フラグ223uuuは、駆動状況格納エリア223uyに新たなデータ種別が格納された場合にオンに設定されるフラグであることから、S3601Lの処理では、切替フラグ223uuuの設定状況を判別することで、駆動状況格納エリア223uyに新たなデータ種別が格納されたことを判別している。このように構成することで、駆動状況格納エリア223uyに新たなデータ種別が格納されたタイミングに合わせて役物演出に対応する各種表示演出の表示態様を第3図柄表示装置81の表示面に表示することができる。S3601Lの処理において切替フラグ223uuuがオンに設定されていると判別した場合は(S3601L:Yes)、次に、切替フラグ223uuuをオフに設定し(S3602L)、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータ種別を読み出す(S3603L)。次に、S3603Lの処理において読み出されたデータ種別が「01H」であるかを判別し(S3604L)、「01H」であると判別した場合は(S3604L:Yes)、役物演出が開始されたことを示すための表示態様を含む演出態様を決定し(S3605L)、後述するS3623Lの処理を実行し、本処理を終了する。また、S3603Lの処理において読み出されたデータ種別が「01H」ではないと判別した場合は(S3604L:No)、次に、読み出されたデータ種別が「02H」であるかを判別し(S3606L)、「02H」であると判別した場合は(S3606L:Yes)、ミッション内容を示すための表示態様を含む演出態様を決定し(S3607L)、後述するS3623Lの処理を実行し、本処理を終了する。
また、S3603Lの処理において読み出されたデータ種別が「02H」ではないと判別した場合は(S3606L:No)、次に、読み出されたデータ種別が「03H」であるかを判別し(S3608L)、「03H」であると判別した場合は(S3608L:Yes)、ミッション開始を示すための表示態様を含む演出態様を決定し(S3609L)、後述するS3623Lの処理を実行し、本処理を終了する。S3603Lの処理において読み出されたデータ種別が「03H」ではないと判別した場合は(S3608L:No)、次に、読み出されたデータ種別が「04H」であるかを判別し(S3610L)、「04H」であると判別した場合は(S3610L:Yes)、ミッション達成を示すための表示態様を含む演出態様を決定し(S3611L)、後述するS3623Lの処理を実行し、本処理を終了する。S3610Lの処理において、S3603Lの処理において読み出されたデータ種別が「04H」ではないと判別した場合は(S3610L:No)、次に、読み出されたデータ種別が「05H」~「07H」の何れかであるかを判別し(S3612L)、「05H」~「07H」の何れかであると判別した場合は(S3612L:Yes)、追加演出の演出結果に対応する表示態様を含む演出態様を決定し(S3613L)、後述するS3623Lの処理を実行し、本処理を終了する。一方、S3612Lの処理において、S3603Lの処理において読み出されたデータ種別が「05H」~「07H」の何れもないと判別した場合は(S3612L:No)、次に、読み出されたデータ種別が「08H」,「10H」の何れかであるかを判別し(S3614L)、「08H」,「10H」の何れかであると判別した場合は(S3614L:Yes)、第2期間表示選択テーブル222uudを参照して、第2期間の表示態様を決定し(S3615L)、決定した表示態様を含む演出態様を決定し(S3616L)、後述するS3623Lの処理を実行し、本処理を終了する。
S3614Lの処理において、S3603Lの処理において読み出されたデータ種別が「08H」,「10H」ではないと判別した場合は(S3614L:No)、次に、読み出されたデータ種別が「12H」~「14H」の何れかであるかを判別し(S3617L)、「12H」~「14H」の何れかであると判別した場合は(S3617L:Yes)、退避時態様選択テーブル222uueを参照して退避期間中の表示態様を決定し(S3618L)、決定した表示態様を含む演出態様を決定し(S3619L)、後述するS3623Lの処理を実行し、本処理を終了する。また、S3617Lの処理において、読み出されたデータ種別が「12H」~「14H」では無いと判別した場合は(S3617L:No)、次に、読み出されたデータ種別が「17H」であるかを判別し(S3620L)、「17H」であると判別した場合は(S3620L:Yes)、第3図柄の高速変動に対応する演出態様を決定し(S3621L)、後述するS3623Lの処理を実行し、本処理を終了する。そして、S3620Lの処理において、読み出されたデータ種別が「17H」では無いと判別した場合は(S3620L:No)、その他駆動状況格納エリア223uyに格納されたデータ種別に応じた表示態様を含む演出態様を決定し(S3622L)、時間経過更新処理を実行し(S3623L)、本処理を終了する。また、S3601Lの処理において切替フラグ223uuuがオンに設定されていないと判別した場合(S3601L:No)も、時間経過更新処理を実行し(S3623L)、本処理を終了する。次に、図775を参照して、役物演出更新処理(図774のS3510L参照)にて実行される時間経過更新処理(S3623L)の処理内容について説明をする。図775は時間経過更新処理(S3623L)の処理内容を示したフローチャートである。この時間経過更新処理(S3623L)では、変動演出が開始されてからの経過時間に応じて変動演出の表示態様を設定するための処理が実行される。
具体的には、時間経過更新処理(S3623L)が実行されると、まず、変動時間タイマの値を読み出し(S3651L)、変動時間が25秒経過したかを判別し(S3652L)、25秒が経過したと判別した場合は(S3652L:Yes)、今回の変動演出のうち、リーチ表示態様が表示される演出態様を開始させるための表示用コマンドを設定し(S3653L)、本処理を終了する。また、S3652Lの処理において、変動時間が25秒経過していないと判別した場合は(S3652L:No)、S3653Lの処理をスキップして本処理を終了する。以上、説明をした通り、本第21制御例では、役物演出を含む変動演出が実行される場合には、可動役物900の駆動状況に対応させて第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様を表示するタイミングを決定するように構成している。このように構成することで、可動役物900を可動制御する際に、若干のタイムロスが発生した場合(例えば、脱調が発生したことにより、正規時間よりも遅れたタイミングで可動役物900が特定位置(例えば、作動位置)へと位置した場合)であっても、可動役物900の駆動状況に合わせて表示態様を表示することができるため、遊技者に違和感を与えることの無い変動演出を実行することができる。さらに、役物演出を含む変動演出が実行される場合において、可動役物900の駆動状況に合わせて各種表示演出の表示態様を表示させる期間に許容期間(変動開始から25秒)を設け、その許容期間を超えた場合には、可動役物900の駆動状況に関わらず、表示演出を実行するように構成している。このように構成することで、特別図柄変動時間という限られた期間内で実行される変動演出の演出結果が表示されないまま特別図柄変動時間が経過してしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを確実に防止することができる。
次に、図776を参照して、モーターシナリオ処理(S2113L)の処理内容について説明をする。図776は、モーターシナリオ処理(S2113L)の処理内容を示したフローチャートである。このモーターシナリオ処理(S2113L)は、可動役物900を駆動させるための駆動源である駆動モータ905に対して可動制御処理を実行するための処理であって、上述した第20制御例におけるモーターシナリオ処理(図701のY113L参照)に対して、第2動作シナリオ(可動役物第2演出に対応する動作シナリオ)に関する処理を追加した点と、進出シナリオ処理(Y505L)に代えて進出シナリオ処理(S3706L)を実行する点と、振動シナリオ処理(Y506L)に代えて振動シナリオ処理(S3707L)を実行する点と、退避シナリオ処理(Y507L)に代えて退避シナリオ処理(S3709L)を実行する点と、説明の便宜上、各処理に付した符号を変更している点と、で相違している。それ以外の処理内容については同一であるため、その説明を省略する。モーターシナリオ処理(S2113L)が実行されると、まず、上述した第20制御例におけるモーターシナリオ処理(図701のY113L参照)と同一のS3701LからS3703Lの処理を実行し、S3703Lの処理において退避シナリオ実行フラグ223usがオンに設定されていないと判別した場合に(S3703L:No)、第2動作シナリオ実行フラグ223uvがオンに設定されているかを判別し(S3704L)、第2動作シナリオ実行フラグ223uvがオンに設定されていると判別した場合は(S3704L:Yes)、第2動作シナリオ処理を実行し(S3708L)、その後、本処理を終了する。次に、図777を参照して、モーターシナリオ処理(図776のS2113L参照)にて実行される進出シナリオ処理(S3706L)の処理内容について説明をする。図777は、進出シナリオ処理(S3706L)を示したフローチャートである。この進出シナリオ処理(S3706L)では、上述した第20制御例の進出シナリオ処理(図702のY505L参照)と同様に収納位置に位置している可動役物900を作動位置まで移動させるための可動制御が実行される。
この進出シナリオ処理(S3706L)は、上述した第20制御例の進出シナリオ処理(図702のY505L参照)に対して、可動役物900の駆動状況を示す各種データ種別(「01H」,「02H」,「03H」)を駆動状況格納エリア223uyに格納する処理を実行する点と、設定されている動作シナリオに規定されている処理内容を異ならせたことにより各種判別処理に用いられる数値を異ならせている点と、説明の便宜上、各処理に付されている符号を変更している点と、で相違しているが、それ以外の内容は同一であるため、その説明を省略する。次に、図778を参照して、振動シナリオ処理(S3707L)の処理内容について説明をする。図778は、振動シナリオ処理(S3707L)を示したフローチャートである。この振動シナリオ処理(S3707L)では、上述した第20制御例の振動シナリオ処理(図703のY506L参照)と同様に、振動演出(可動役物第1演出)中に実行される可動役物900に対する振動制御が実行される。この振動シナリオ処理(S3707L)は、上述した第20制御例の振動シナリオ処理(図703のY506L参照)に対して、可動役物900の駆動状況を示す各種データ種別(「05H」,「06H」)を駆動状況格納エリア223uyに格納する処理を実行する点と、設定されている動作シナリオに規定されている処理内容を異ならせたことにより各種判別処理に用いられる数値を異ならせている点と、振動制御中に設定される動作シナリオ(振動シナリオテーブル222uugb)を繰り返す際に振動シナリオ繰り返し処理(S3916L)を実行する点と、振動シナリオテーブル222uugbを規定回数(3回)繰り返し実行した後に、第2制御(可動役物第2演出)を実行するための動作シナリオを設定するために第2動作シナリオ決定処理(S3921L)を実行する点と、規定回数説明の便宜上、各処理に付されている符号を変更している点と、で相違しているが、それ以外の内容は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
振動シナリオ処理(S3707L)が実行されると、まず、シナリオ格納エリア223ueに格納されているデータを抽出して(S3901L)、そのデータに規定されているステップ数データの値がステップカウンタ223umの値と一致しているか否か判別し(S3902L)、ステップ数データの値がステップカウンタ223umと一致していると判別した場合には(S3902L:Yes)、シナリオ格納エリア223ueに格納されたシナリオデータに対応する動作での可動制御が完了していることを意味するため、ステップカウンタ223umの値に0を設定し(S3906L)、S3907Lの処理に移行する。一方、S3902Lの処理において、S3901Lの処理で抽出したデータにおけるステップ数データの値がステップカウンタ223umの値と一致してないと判別した場合には(S3902L:No)、センサデータに規定された値が0であるか否かを判別する(S3903L)。S3903Lの処理において、センサデータに規定された値が0ではないと判別した場合には(S3903L:No)、センサデータに対応するセンサはオンの状態であるか否かを判別する(S3904L)。一方、S3903Lの処理において、センサデータの値が0であると判別した場合(S3903:Yes)、或いは、S3904Lの処理において、センサデータに対応するセンサがオンの状態ではないと判別した場合には(S3904L:No)、時間データの値が駆動タイマ223ujの値と一致するか否かを判別する(S3905L)。また、S3904Lの処理において、センサデータの値に対応するセンサがオンの状態であると判別した場合(S3904L:Yes)、或いは、S3905Lの処理において、時間データの値と駆動タイマ223ujの値が一致すると判別した場合には、S3907Lの処理に移行する。一方、S3905Lの処理において、時間データの値が駆動タイマ223ujの値と一致していないと判別した場合には(S3905L:No)、本処理を終了する。
S3907Lの処理では、処理カウンタ223ukの値が14と一致しているか否かを判別する(S3907L)。処理カウンタ223ukの値が14と一致すると判別した場合には(S3907L:Yes)、可動役物第1演出を終了させることが可能な位置(作動位置)に可動役物900が位置している状態であるため、振動シナリオ終了フラグ223utがオンであるかを判別する(S3923L)。S3923Lの処理において、振動シナリオ終了フラグ223utがオンに設定されていると判別した場合(S3923L:Yes)、即ち、可動役物第1演出中の1周期期間中に遊技者が枠ボタン22を連打することでミッション達成している場合(終了条件が成立している場合)は、可動役物第1演出を途中で終了させるために、繰り返しカウンタ223unの値に3を設定し(S3924L)、駆動状況格納エリア223uyに「07H」を設定し(S3925L)、切替フラグ223uuuをオンに設定し(S3926L)、S3908Lの処理に移行する。これにより、可動役物第1演出(振動シナリオ64に基づく可動制御)を途中で終了させる場合に、可動役物第1演出に対応する動作シナリオ(振動シナリオ64)を最後まで実行した場合と同一の処理へと可変制御内容を強制的に移行させることができる。よって、可動役物第1演出を途中で終了させる場合と、最後まで実行させた場合と、で可動役物第1演出を終了させるための処理を共通化することができるため、役物演出中の可動制御内容を簡素化することができる。一方、S3923Lの処理において、振動シナリオ終了フラグ223utがオンではないと判別した場合(S3923L:No)、或いは、S3907Lの処理において、処理カウンタ223ukの値が、14と一致していないと判別した場合には、S3908Lの処理に移行する。
S3908Lの処理では、処理カウンタ223ukの値が14と一致しているか、即ち、可動役物第1演出の演出動作として、1周期分のシナリオ動作が終了したかを判別し(S3908L)、処理カウンタ223ukの値が14と一致していると判別した場合には(S3908L:Yes)、振動シナリオテーブル222uugbに規定されているデータに対応する動作での可動制御(1周期分の可動制御)が完了しているため、繰り返しカウンタ223unの値が3であるか否かを判別する(S3915L)。S3915Lの処理において、繰り返しカウンタ223unの値が3であると判別した場合には(S3915L:Yes)、予め定められた回数(3回)に対応する周期分の可動制御が完了しているため、振動シナリオ実行フラグ223urをオフに設定する(S3917L)。次いで、可動役物第1演出に対応するシナリオ動作(振動シナリオテーブル222uugbに規定されているデータに基づく可動制御)の終了契機を判別するために、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータ種別が「07H」であるかを判別し(S3918L)、「07H」であると判別した場合、即ち、遊技者による操作手段への操作に基づいて成立した終了条件(ミッション達成)が成立したことによって可動役物第1演出が終了したと判別した場合は(S3918:Yes)、次に、可動役物第1演出の後に実行させる可動役物第2演出の演出態様を決定するための第2動作シナリオ決定処理を実行し(S3921L)、残チャンス回数カウンタ223uuqの値を0にクリアし(S3922L)、駆動タイマ223ujの値に0を設定し(S3912L)、本処理を終了する。一方、S3918Lの処理において、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータ種別が「07H」では無いと判別した場合は(S3918L:No)、駆動状況格納エリア223uyに「06H」を設定し(S3919L)、切替フラグ223uuuをオンに設定し(S3920L)、上述したS3921Lの処理へ移行する。
つまり、S3919Lの処理では、可動役物第1演出に対応するシナリオ動作(振動シナリオテーブル222uugbに規定されているデータに基づく可動制御)の終了契機として、シナリオ動作(振動シナリオテーブル222uugbに規定されているデータに基づく可動制御)が最後まで実行されたことで終了契機が成立したと判別し、駆動状況格納エリア223uyには、時間経過に基づいて可動役物第1演出が終了したことを示すデータ種別「06H」が設定される。また、S3915Lの処理において、繰り返しカウンタ223unの値が3ではないと判別した場合には(S3915L:No)、振動シナリオ動作を繰り返し実行するための振動シナリオ繰り返し処理を実行し(S3916L)、S3912Lの処理へ移行し、本処理を終了する。一方、S3908Lの処理において、処理カウンタ223ukの値が14では無いと判別した場合は(S3908L:No)、処理カウンタ223ukの値に1を加算し(S3909L)、次に、加算後の処理カウンタ223ukの値が14であるかを判別する(S3910L)。そして、加算後の処理カウンタ223ukの値が14であると判別した場合は(S3910L:Yes)、駆動状況格納エリア223uyに「05H」を設定し(S3913L)、切替フラグ223uuuをオンに設定し(S3914L)、振動シナリオテーブル222uugbから、加算後の処理カウンタ223ukの値に対応するデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S3911L)、S3912Lの処理を実行し、本処理を終了する。また、S3910Lの処理において、加算後の処理カウンタ223ukの値が14では無いと判別した場合は(S3910L:No)、S3913L、及びS3914Lの処理をスキップしてS3911Lの処理を実行し、S3912Lの処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図779を参照して、振動シナリオ処理(図778のS3707L参照)にて実行される振動シナリオ繰り返し処理(S3915L)の処理内容について説明をする。図779は、振動シナリオ繰り返し処理(S3915L)の処理内容を示したフローチャートである。この振動シナリオ繰り返し処理(S3915L)は、可動役物900に対して可動役物第1演出(振動演出)を実行している期間中に実行されるものであって、1周期分の動作シナリオが規定されている振動シナリオテーブル222uugbに規定されている動作シナリオに基づく可動制御を繰り返し実行するための処理が実行される。具体的には、振動シナリオ繰り返し処理(S3915L)が実行されると、まず、繰り返しカウンタ223unの値に1を加算し(S4001L)、処理カウンタ223ukの値に1を設定し(S4002L)、振動シナリオテーブル222uugbから現在の処理カウンタ223ukの値(1)に対応するデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S4003L)、押下カウンタ223uusの値を押下情報記憶エリア223uutに記憶されている値に加算し(S4004L)、押下カウンタ223uusの値を0にクリアし(S4005L)、残チャンス回数カウンタ223uuqの値を1減算し(S4006L)、駆動状況格納エリア223uyに「03H」を設定し(S4007L)、切替フラグ223uuuをオンに設定し(S4008L)、本処理を終了する。次に、図780を参照して、振動シナリオ処理(図778のS3707L参照)にて実行される第2動作シナリオ決定処理(S3921L)の処理内容について説明をする。図780は、第2動作シナリオ決定処理(S3921L)の処理内容を示したフローチャートである。この第2動作シナリオ決定処理(S3921L)は、可動役物第1演出(第1制御に基づいて実行される演出)が終了した後に実行される可動役物第2演出(第2制御に基づいて実行される演出)の可動役物900に対する可動制御内容(演出態様)を決定するための処理である。
本第21制御例におけるパチンコ機10では、可動役物第2演出の演出態様として、可動役物900を、可動役物第1演出が終了した時点で位置している作動位置から下方向へと移動させる(落下させる)落下演出と、上方向へと移動させる(上昇させる)上昇演出と、を実行可能に構成しており、可動役物第1演出中における遊技結果(枠ボタン22に対する操作結果)や、対応する特別図柄抽選の抽選結果に基づいて可動役物第2演出として落下演出を実行するか上昇演出を実行するかを決定可能に構成している。具体的には、第2動作シナリオ決定処理(S3921L)が実行されると、まず、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータ種別を読み出し(S4101L)、読み出されたデータ種別が「06」であるかを判別し(S4102L)、「06H」では無いと判別した場合は(S4102L:No)、次に、読み出されたデータ種別が「07H」であるかを判別する(S4103L)。S4103Lの処理において、読み出されたデータ種別が「07H」であると判別した場合は(S4103L:Yes)、可動役物第2演出を実行可能な状態であるため、S4106Lの処理へ移行し、可動役物第2演出の演出態様を決定するための各種処理が実行される。一方、S4102Lの処理において、読み出されたデータ種別が「06H」であると判別した場合は(S4102L:Yes)、第2制御実行選択テーブル222uufを参照して、第2制御(可動役物第2演出)の実行有無を決定し(S4104L)、S4104Lの処理において第2制御(可動役物第2演出)の実行が決定されたかを判別し(S4105L)、第2制御の実行ありと判別した場合は(S4105L:Yes)、S4106Lの処理へ移行し、可動役物第2演出の演出態様を決定するための各種処理が実行される。
S4106Lの処理では、ミッションパターン記憶エリア223uurに記憶されている情報(ミッションパターン種別)を読み出し(S4106L)、読み出した情報(ミッションパターン種別)が末尾「B」のミッションパターン種別であるかを判別し(S4107L)、末尾「B」のミッションパターン種別であると判別した場合は(S4107L:Yes)、第2制御(可動役物第2演出)の動作内容として上昇動作(上昇演出)を決定し(S4108L)、処理カウンタ223ukの値に1を設定し(S4109L)、上昇シナリオテーブル222uugdから処理カウンタ223ukの値に対応するデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S4110L)、駆動状況格納エリア223uyにデータ種別「10H」を設定し(S4111L)、切替フラグ223uuuをオンに設定し(S4112L)、第2動作シナリオ実行フラグ223uvをオンに設定し(S4113L)、本処理を終了する。また、S4107Lの処理において、読み出されたデータ種別が末尾「B」では無いと判別した場合は(S4107:No)、次に、第2制御(可動役物第2演出)の動作内容として落下動作(落下演出)を決定し(S4114L)、処理カウンタ223ukの値に1を設定し(S4115L)、落下シナリオテーブル222uugcから処理カウンタ223ukの値に対応するデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S4116L)、駆動状況格納エリア223uyにデータ種別「08H」を設定し(S4117L)、上述したS4112Lの処理,S4113Lの処理を実行し、本処理を終了する。また、S4105Lの処理において、第2制御(可動役物第2演出)を実行しないと判別した場合は(S4105L:No)、次に、処理カウンタ223ukの値に1を設定し(S4118L)、退避シナリオテーブルから処理カウンタ223ukの値に対応するデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S4119L)、退避シナリオ実行フラグ223usをオンに設定し(S4120L)、駆動状況格納エリア223uyにデータ種別「12H」を設定し(S4121L)、切替フラグ223uuuをオンに設定し(S4122L)、本処理を終了する。
次に、図781を参照して、モータシナリオ処理(図776のS2113L参照)にて実行される第2動作シナリオ処理(S3708L)の処理内容について説明をする。図781は第2動作シナリオ処理(S3708L)の処理内容を示したフローチャートである。この第2動作シナリオ処理(S3708L)では、可動役物第2演出に対応する可動役物900の可動制御、及び、可動役物第2演出が終了した後に実行される退避制御に対応する演出態様を決定するための処理が実行される。この第2動作シナリオ処理(S3708L)では、上述した第2動作シナリオ決定処理(図780のS3921L参照)において決定された第2動作シナリオに基づくシナリオ制御を実行し、実行中のシナリオ内容に応じた可動役物900の駆動状況を駆動状況格納エリア223uyに格納する処理が実行される。また、図782は、退避シナリオ処理(S3709L)の処理内容を示したフローチャートである。この退避シナリオ処理では、上述した第20制御例の退避シナリオ処理(図704のY507L参照)に対して、実行中のシナリオ内容に応じた可動役物900の駆動状況を駆動状況格納エリア223uyに格納する処理を追加して点で相違し、それ以外の処理内容であるため、その説明を省略する。以上、説明をした通り、本第21制御例では、第3図柄表示装置81の上方に可動役物900を配設している。そして、役物演出が実行された場合には、第3図柄表示装置81の表示面を覆う位置(作動位置)まで可動役物900を進出させる可動制御(進出制御)を3秒間実行した後に、所定期間(約6秒)の動作パターンで可動役物900を振動させる可動制御(可動役物第1演出)を実行し、その後、第1演出における動作パターンとは異なる態様で可動役物900を動作させる可動制御(可動役物第2演出)が完了した後に、可動役物900を第3図柄表示装置81の上方位置(収納位置)へと退避させる可動制御(退避制御)を実行可能に構成している。
さらに、役物演出が実行されている演出期間のうち、可動役物第1演出が実行されている期間においては、遊技者が枠ボタン22を押下した回数(枠ボタン押下回数)を計測するように構成し、枠ボタン押下回数が所定条件(例えば、5回)を満たした場合には、可動役物第1演出の終了条件が成立し、可動役物第1演出に対応する6秒間の動作パターンを完了すること無く、可動役物第2演出を実行可能に構成している。このように構成することで、変動演出中に実行される役物演出の進行度合いを、遊技者による枠ボタン22に対する操作内容に応じて異ならせることができるため、操作演出をいち早く終了させたい遊技者は可動役物第1演出期間中に意欲的に枠ボタン22を押下することになる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、本第21制御例におけるパチンコ機10では、可動役物第1演出期間中に可動役物900が作動位置を複数回通過する(作動位置に位置している状態が複数回発生する)ように可動役物900を振動させる可動制御が実行されるように構成しており、可動役物900が作動位置に位置している状態において終了条件が成立しているかを判別可能に構成している。つまり、終了条件が成立したことに基づいて可動役物第1演出が途中で終了する場合は、必ず作動位置に可動役物900が位置している状態で可動役物第1演出が終了するように構成している。このように構成することで、可動役物第1演出から可動役物第2演出へと移行する際の可動制御として、作動位置に位置している可動役物900に対して可動役物第2演出に対応する可動制御を実行すれば良いため、可動役物第2演出に対応する動作パターンを一連の動作シナリオで予め規定し易くすることができる。よって、可動役物900を可動させる役物演出に対する制御処理を簡素化することができる。
さらに、本第21制御例におけるパチンコ機10では、可動役物第1演出中に終了条件が成立すること無く6秒間の動作パターンが完了した場合、即ち、可動役物第1演出に対応する動作パターンの動作シナリオを最後まで実行した場合も、可動役物900が作動位置に位置している状態で可動役物第1演出が終了するように動作シナリオの内容が予め規定されている。つまり、可動役物第1演出中に終了条件を成立させて途中で可動役物第1演出を終了させた場合も、可動役物第1演出を最後まで実行させた場合も、可動役物900が同一の位置(作動位置)に位置している状態で可動役物第1演出が終了するように構成している。このように構成することで、可動役物第1演出が終了した時点における可動役物900の位置によって今回の可動役物第1演出が途中で終了したのか最後まで実行されたのかを遊技者に把握させ難くすることができる。また、可動役物第1演出を途中で終了させた場合も、可動役物第1演出が最後まで実行された場合と同一の位置に可動役物900が位置している状態で次に実行される可動役物900に対する可動制御(可動役物第2演出に対応する可動制御)を実行することができるため、可動役物第1演出を途中で終了させた場合であっても、遊技者に違和感を与えること無く操作演出を継続させることができる。加えて、本第21制御例では、可動役物第1演出期間中における枠ボタン22に対する押下回数の計測値を所定タイミングにてリセットし、リセットされた後に再度枠ボタン押下回数の計測を再開するように構成している。つまり、可動役物第1演出が実行されている演出期間のうち、特定期間内における枠ボタン押下回数が所定条件(例えば、5回)を満たした場合に終了条件が成立するように構成している。より具体的には、可動役物第1演出中に実行される可動役物900の振動動作が1周する毎に枠ボタン押下回数がリセットされるように構成している。つまり、可動役物900に対して1周分の振動動作が行われる期間(約2秒)中に枠ボタン22を5回押下した場合に終了条件が成立するように構成している。
このように構成することで、可動役物第1演出期間中に継続して遊技者に枠ボタン22を押下させる必要が無く、可動役物第1演出期間のうち、特定期間(可動役物900の振動動作が1周する期間)において枠ボタン22を意欲的に押下させることで終了条件を成立させることができる。また、本第21制御例では、可動役物第1演出期間中に可動役物が振動動作を最大で3周実行するように予め動作シナリオが規定されている。よって、遊技者が枠ボタン22を意欲的に押下することで終了条件を成立させることで可動役物第1演出を途中で終了させる場合であっても、終了条件を成立させた周期によって可動役物第1演出が終了するタイミングを異ならせることができる。よって、より多彩なパターンの操作演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。また、本第21制御例におけるパチンコ機10は、役物演出が実行されている最中においても第3図柄表示装置81の表示面を用いて、様々な表示態様が表示されるように構成しており、実行中の役物演出と複合した表示態様を表示することで、実行中の変動演出の演出結果が遊技者に有利な演出結果であるかを示唆可能に構成している。ここで、従来型のパチンコ機10では、第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出や、可動役物900を用いた役物演出を含む変動演出の演出パターンを、変動演出が開始されるタイミング(特別図柄変動が開始されるタイミング)で決定し、決定された演出パターンに対応した各種演出を、時間経過に基づいて実行するように構成していた。つまり、所定の特別図柄変動時間(変動演出期間)に対応した演出パターンを事前に決定しておき、決定された演出パターンに基づいた変動演出を実行するものが一般的であった。
しかしながら、上述した従来型のパチンコ機10では、本第21制御例におけるパチンコ機10のように、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作(押下)したことに基づいて終了条件が成立した場合に予め設定されている役物演出の一部を短縮(省略)可能に構成した場合において、役物演出と重複して実行されている第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示演出は既に設定されている演出パターンで実行されてしまうため、役物演出の実行内容と、表示演出の実行内容とがずれてしまうという問題があった。また、役物演出の実行内容と、表示演出の実行内容とがずれた場合であっても遊技者に違和感を与えないようにするためには、役物演出と実行期間が重複する表示演出の演出態様として、時間経過に影響の無い演出態様(例えば、静止画像を所定期間継続して表示する演出態様)を設定する必要があり、演出効果が低下してしまうという問題があった。そこで、本第21制御例におけるパチンコ機10では、役物演出における可動役物900に対して実行される可動制御の内容(実行タイミング)に応じて、役物演出が実行されている期間と重複して実行される表示演出に対する制御の実行タイミングを決定可能に構成している。このように構成することで、役物演出における可動役物900の動作に対応させた表示演出を確実に実行することができるため、役物演出と表示演出とを複合させた変動演出の演出効果をより高めることができる。また、本第21制御例におけるパチンコ機10では、上述した通り、可動役物第1演出が実行されている状態で終了条件が成立した場合には、可動役物900が作動位置に位置している状態で可動役物第1演出を終了可能に構成しているため、可動役物第1演出に対応する動作シナリオが全て完了するのを待つこと無く、可動役物に対して次の可動制御(可動役物第2演出に対応する可動制御)を実行させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制可能に構成しているが、例えば、可動役物第1演出において、可動役物900が作動位置とは離間している状態で終了条件が成立した場合において、可動役物900が作動位置へと移動するまでの期間、遊技者を待たせてしまうという問題があった。
これに対して、本第21制御例におけるパチンコ機10では、終了条件が成立してから可動役物900が作動位置に位置するまでの期間において所定の実行条件(枠ボタン22への押下)が成立した場合に、追加演出を実行可能に構成している。そして、この追加演出が実行されることにより、遊技者に有利な特典(例えば、実行中の変動演出の演出結果の示唆情報や、後に実行される可動役物の動作内容(可動役物第2演出の演出内容))を付与可能に構成している。つまり、可動役物第1演出中に終了条件を成立させた場合のみ遊技者に付与可能な特典、換言すれば、可動役物第1演出中に終了条件を成立させること無く可動役物第1演出に対応する動作シナリオを全て完了させてしまった場合には付与されることの無い特典を可動役物第1演出期間中に付与可能に構成している。このように構成することで、可動役物第1演出において、可動役物900が作動位置とは離間している状態で終了条件を成立させた場合であっても、可動役物第1演出が終了するまでの残期間において追加演出の実行条件を成立させようと意欲的に遊技(枠ボタン操作)を行わせることができるため、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、本第21制御例では、役物演出の演出期間と重複して実行される表示演出を用いて、役物演出の演出内容を遊技者に案内可能に構成している。このように構成することで、可動役物第1演出の終了条件を成立させる方法や、追加演出の実行有無や、可動役物第2演出の内容を遊技者に分かり易く把握させることができる。
以上、説明をした通り、本第21制御例におけるパチンコ機10では、可動役物900を動作させる可動役物第1演出(振動シナリオテーブル222uugbを参照して実行される役物演出)が実行された場合に、可動役物900を作動位置へと位置させる制御(可動制御)を複数回実行可能に構成している。そして、可動役物900を作動位置へと位置させる制御(可動制御)を最後まで実行した後に、可動役物第2演出を実行可能に構成し、且つ、可動役物第1演出の実行期間中に終了条件(所定回数(5回)の枠ボタン22押下)が成立した場合には、可動役物900を作動位置へと位置させる制御(可動制御)を終了させること無く、可動役物第2演出を実行するように構成している。このように構成することで、役物可動演出(役物演出)が実行された場合において、遊技者による操作手段への操作結果に応じて可動役物第2演出の実行タイミングを異ならせることができるため、遊技者に意欲的に操作手段を操作させ易くすることができる。さらに、本第21制御例におけるパチンコ機10では、可動役物第1演出を実行する際に参照される振動シナリオテーブル222uugbに規定されている動作シナリオを最後まで実行した時点と、可動役物第1演出の実行期間中に終了条件が成立していると判別した時点と、で可動役物900が同一位置(作動位置)に位置するように構成している。つまり、可動役物第2演出が開始される際の可動役物900が常に作動位置となるように構成している。このように構成することで、可動役物第1演出をどのような態様で終了させた場合であっても、可動役物900が同一の位置に位置している状態から可動役物第2演出を実行させることができるため、可動役物第2演出の演出態様を統一し易くすることができる。
加えて、本第21制御例におけるパチンコ機10では、可動役物第1演出中に終了条件を成立させてから、終了条件が成立しているかを判別可能な位置(作動位置)に可動役物900が位置するまでの期間を用いて追加演出を実行可能に構成している。つまり、終了条件が成立している状態で、特定条件(可動役物900が作動位置に位置していること)が成立するよりも前に、実行条件が成立した場合に追加演出を実行可能に構成している。よって、終了条件が成立してから可動役物第2演出が実行されるまでの期間中に遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。また、終了条件が成立してから特定条件が成立するまでの期間が第1期間である場合よりも、第1期間よりも長い第2期間である場合の方が、終了条件が成立してから特定条件が成立するまでの期間を長くすることができるため、特定演出を実行させ易く(追加演出を実行し易く)することができる。つまり、終了条件が成立してから可動役物第2演出が実行されるまでの期間が長い方が特定演出を実行させ易く(追加演出を実行し易く)することができる。よって、終了条件が成立してから可動役物第2演出が実行されるまでの期間が長くなってしまった場合であっても、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、本第21制御例におけるパチンコ機10では、可動役物第1演出中において、追加演出を実行させるための実行条件として、操作手段に対して所定の操作を実行したことに基づいて成立し得る第1条件が成立した場合に追加演出を実行可能に構成している。つまり、可動役物第1演出中に遊技者が操作手段を操作することで、終了条件と実行条件とが何れも成立し得るように構成している。よって、可動役物第1演出が実行されている状態において遊技者に操作手段をより意欲的に操作させることができる。
<第22制御例>
次に、図783から図802を参照して、第22制御例について説明する。上述した第21制御例では、可動役物900を動作させる役物演出中に実行される可動役物第1演出中において複数のミッション期間を設定し、そのミッション期間内にてミッション達成した場合に終了条件を成立させ、可動役物第1演出を途中で終了させることができるように構成していた。さらに、設定されるミッションの内容を異ならせることでミッション達成の難易度を変化可能に構成していた。より具体的には、可動役物第1演出として、可動役物900を特定態様(1周期2秒の振動態様)で3周期分動作させる演出(第1動作)を実行し、その1周期分の動作期間(2秒)をミッション期間として設定し、各ミッション期間中に決定されたミッション内容(枠ボタン22を所定回数(1回~5回)押下するミッション等)を達成することで、1周期分の動作が完了し作動位置に位置した状態で残りの周期動作を中止して可動役物第1演出(第1動作)を終了させるように構成していた。これに対して、本第22制御例では、ミッション内容だけで無く、可動役物第1演出中に実行される第1動作内容も異ならせて設定可能に構成している点で相違している。より具体的には、ミッション期間の長さ(可動役物900の1周期分の動作期間の長さ)を異ならせて設定可能に構成している。このように構成することで、設定されたミッション内容が同一の場合であっても、ミッション期間の長さを変化させることでミッション達成の難易度を異ならせることができる。よって、ミッション期間の長さと、ミッション内容を組み合わせた様々な難易度で遊技者にミッション達成を目指す遊技を行わせることができるため、演出効果を高めることができる。
加えて、本第22制御例では、上述した第21制御例と同様に1のミッション期間に対してミッション内容を設定しながら、さらに、可動役物第1演出期間全体における枠ボタン22の押下回数によって達成し得る全体ミッションも設定可能に構成している。このように構成することで、可動役物第1演出中に設定される個々のミッション期間が短くなってしまった場合であっても、可動役物第1演出中に継続して枠ボタン22を押下することで、全体ミッションを達成させることが可能となる。よって、遊技者に意欲的に継続して枠ボタン22を押下させ易くすることができる。
<第22制御例における演出内容について>
まず、図783、及び図784を参照して、本第22制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出内容のうち、上述した第21制御例とは異なる特徴的な演出内容について説明をする。図783(a)は、ミッション演出中の第3図柄表示装置81の表示面付近を示した図である。本第22制御例では、上述した第21制御例に対して、全体ミッションが設定されているため、可動役物第1演出期間中に枠ボタン22が押下された回数であるトータル回数が表示されるように構成している。具体的には、図783(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示面である主表示領域Dmの右下方に小表示領域Dm64が形成され、可動役物第1演出期間中に枠ボタン22が押下された累積回数が累積回数表示領域Dm64aに表示される。なお、図783(a)に示した状態は、可動役物900の1周期動作が1秒であり、且つ、6周期分可動役物900が動作される動作シナリオが設定された可動役物第1演出中であって、1周期目に対応するミッション演出が開始されてから0.3秒が経過した状態を示しており、小表示領域Dm61の上部には、今回の可動役物第1演出中にミッションが6回実行されることを示すための表示態様として「チャンスは6回」の文字が表示されている。そして、実行中のミッション内容を示す表示態様として小表示領域Dm61に「ボタンを5回押せ」の文字が表示され、必要押下回数表示領域Dm62bには「5」が表示されている。また、図783(a)に示した状態は、可動役物第1演出が実行されてから1度も枠ボタン22を押下していない状態を示しているため、押下回数表示領域Dm62aには「0」が表示され、累積回数表示領域Dm64aにも「0」が表示されている。そして、今回のミッション期間が1秒であることから、小表示領域Dm63に表示されているタイムゲージtg1は全範囲が1秒となる表示態様で表示され、既に0.3秒が経過していることに対応させて、残時間ゲージtg1aと経過時間ゲージtg1bが表示されている。
また、小表示領域Dm63の上部に形成された小表示領域Dm63aには、現在がミッション期間中であることを示すための表示態様として「GO」の文字が表示されている。さらに、主表示領域Dmの情報には、役物演出が実行されたことで大当たり当選の期待度が比較的高い状態であることを示すための「チャンス発生中」の文字と、ミッション演出の演出内容を遊技者に案内するための案内態様として「ゲージが0になるまでにミッションをクリアしろ」の文字と、全体ミッションが設定されていることを示唆するための示唆態様として「トータル回数が増えてもいいことがあるかも」の文字が表示されている。なお、本第22制御例では、図783(a)に示した通り、全体ミッションの内容を遊技者に報知すること無く、押下累積回数のみを表示するように構成している。このように構成することで、全体ミッションを達成するために必要となる枠ボタン押下回数を遊技者が把握することができないため、個々のミッション演出を達成しようと枠ボタン22を押下する遊技を主として実行させることができる。よって、並行して実行される複数のミッション(個々のミッションと全体ミッション)に対して、それぞれ達成するために必要となる必要押下回数が同時に表示されてしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。また、並行して実行される複数のミッションのうち、少なくとも一部のミッションに対して、ミッション達成条件(必要押下回数)を報知しないように構成することで、各ミッションが終了する最後までミッションを達成しようと意欲的に遊技を行わせることができる。以上、説明をした通り、本第22制御例では、可動役物第1演出(第1制御)を途中で終了させる(可動役物第1演出中に実行される可動役物900の動作(第1動作)を途中で終了させる)ための終了条件として、可動役物900に対して1周期分の可動制御が実行される期間(ミッション期間)における枠ボタン22の押下回数が特定回数に到達した場合に成立する終了条件だけで無く、複数のミッション期間を跨いだ全体期間における枠ボタン22の押下回数(累積回数)が特定累積回数に到達した場合に成立する終了条件も設定するように構成している。
このように構成することで、短い時間のミッション期間(例えば、1秒)が設定され、且つ、終了条件を成立させ難いミッション(例えば、枠ボタン押下回数5回)が設定された場合、即ち、1回のミッション期間中にミッションを達成し難い状況となったとしても、全体ミッションを達成するために意欲的に遊技者に枠ボタン22を押下させることができる。なお、本第22制御例では、全体ミッションとして設定されるミッション内容(可動役物第1演出の全期間に渡って枠ボタン22が押下された累積押下回数に基づいて成立する終了条件)として設定される枠ボタン押下回数が、個々のミッション内容として設定される枠ボタン押下回数よりも多くなるように構成している。このように構成することで、1回のミッション期間内で枠ボタン22を押下した回数のみで全体ミッションが先に成立してしまうことを防止することができるため、個々のミッションに対して表示されている必要押下回数を目指して枠ボタン22を押下している遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。次に、図783(b)を参照して、全体ミッション(トータルミッション)を達成した場合に実行される演出内容について説明をする。図783(b)は、全体ミッション(トータルミッション)を達成した場合の表示される表示画面の一例を示した図である。図783(b)に示した通り、個々のミッションを達成していない状態で、複数のミッション期間を跨いだ全体期間における枠ボタン22の押下回数(累積回数)が10回に到達したことを示す表示態様として、累積回数表示領域Dm64aに「10」が表示され、表示領域Dm61に、「トータルミッション達成」の文字が表示される。また、主表示領域Dmの上方には、トータルミッションを達成した場合に付与される特典として「V準備中」の文字が表示されている。
なお、本第22制御例では、トータルミッションを達成した場合には、可動役物第1演出の残期間中に追加演出が実行されない代わりに、個々のミッションを達成した場合よりも遊技者に有利な特典が付与され易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、どのミッションを達成するかを選択させる遊技を行わせ易くすることができる。なお、本第22制御例では、個々のミッション内容を遊技者に把握可能に表示し、トータルミッションの内容は遊技者に把握し難い態様で表示するように構成しているが、これに限ること無く、個々のミッション内容も遊技者の直接報知することなく、ミッション達成した際にのみミッション達成したことを報知するように構成しても良い。また、各ミッションを達成するために必要な要素(枠ボタン22の押下回数)が更新されたことに基づいて表示態様が変化する演出のみを実行し、その演出の表示態様に基づいて各ミッションが達成するか否かを遊技者に予測させるように構成しても良い。次に、図784を参照して、役物スーパー4演出の演出内容について説明をする。本第22制御例では、上述した第21制御例とは異なり、可動役物第1演出中において、終了条件を成立させない場合の方が、遊技者に有利な特典を付与可能な役物スーパー4演出を実行可能に構成している。具体的には、役物スーパー4演出が実行されると、他の役物演出よりも可動役物第1演出の演出期間が長く設定され、可動役物第1演出の演出期間の延長分の期間において、遊技者に有利な特典を付与可能に構成している。つまり、可動役物第1演出の演出期間の経過を待たず、終了条件を成立させた場合には、特典が付与されないように構成している。このように構成することで、可動役物第1演出中に終了条件を成立させた場合と,成立させない場合と、の何れにおいても他方よりも遊技者に有利な状況を創出することができるため、遊技者に終了条件を成立させるか否かを選択する楽しみを提供することができる。
図784(a)は、役物スーパー4演出開始時に表示される表示画面の一例を示した図であって、図784(b)は、役物スーパー4演出における延長期間中に表示される表示画面の一例を示した図である。図784(a)に示した通り、役物スーパー4演出が開始された直後は、他の役物スーパー演出と同一の表示画面が表示される。また、表示領域Dm61の上方には、他の役物スーパー演出でも実行され得る範囲で残チャンス回数を示すための表示態様として「残りチャンスは3回+?」が表示される。なお、この残チャンス回数を示すための表示態様として、「残りチャンスが5回」や「残りチャンスが3回」といった実際の残チャンス回数を示す表示態様を表示されるように構成しても良い。このように構成することで、実行中の役物スーパー演出の種別を、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様に基づいて遊技者に判別させることができる。そして、役物スーパー4演出中に終了条件を成立させること無く、5周期目の振動動作が実行される期間(延長期間)に突入すると、図784(b)に示した通り、カメを模したキャラクタ802が登場し、付与特典に対応する表示態様802aとして「確変大当たりするよ」のコメントが表示される。なお、本第22制御例では、遊技者に付与される特典の内容として、実行中の遊技の内容を事前に報知する特典のみを示しているが、これ以外の特典を決定可能に構成しても良く、例えば、役物スーパー4演出中に終了条件を成立させなかった場合には、外れ当選していた場合であっても、特別図柄抽選の結果を大当たり当選へと切り替えるように構成しても良い。つまり、可動役物第1演出期間中における操作手段への操作によって成立する条件によって、可動役物第1演出後の遊技状態を遊技者に有利な遊技状態へと切替可能な特典を付与可能に構成しても良い。また、遊技内容に関わらないが、出現頻度が低い映像を再生する特典を付与するように構成しても良い。つまり、特典とは遊技者が付与されて喜ぶものであれば良い。
<第22制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置の電気的構成について>
次に、図785から図795を参照して、本第22制御例のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113の電気的構成について説明をする。本第22制御例におけるパチンコ機10は、上述した第21制御例におけるパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部と、RAM223の構成の一部と、を異ならせている。具体的には、変動演出パターン選択テーブル222uuaに代えて変動演出パターン選択テーブル222uvaを、動作シナリオテーブル群222uugに代えて動作シナリオテーブル群222uveを設けた点と、新たに、全体ミッション選択テーブル222uvbと、経過演出態様選択テーブル222uvcと、第1期間示唆演出テーブル222uvdと、を追加した点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素についてはその説明を省略する。まず、図787を参照して、変動演出パターン選択テーブル222uvaの内容について説明をする。図787は、変動演出パターン選択テーブル222uvaに規定されている内容を示した図である。図787に示した通り、変動演出パターン選択テーブル222uvaには、上述した変動演出パターン選択テーブル222uua(図731(a)参照)と同様に、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに含まれる情報(当否判定結果、変動パターン種別)と、第1演出カウンタ223uufの値と、に対応させて様々な変動演出パターンが規定されている。
具体的には、遊技状態が「通常」(通常状態)で、当否判定結果が「当たり」で、変動パターンが「ノーマルリーチ(30秒)」に対しては、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~198」の全範囲に「各種当たりノーマル演出」が規定されている。詳細な内容については省略するが、「各種当たりノーマル演出」には、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出として、リーチ状態(変動している3つの第3図柄のうち、2つの第3図柄が大当たり当選を示す組合せで停止表示され、他の1つの第3図柄が変動している状態)となった後に、短時間で他の1つの第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示される変動演出が規定されており、取得した第1演出カウンタ223uufの値に応じて、異なる演出態様が規定されている。また、遊技状態が「通常」(通常状態)で、当否判定結果が「当たり」で、変動パターンが「スーパーリーチ(60秒)」に対しては、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~119」の範囲に「各種スーパーリーチ演出」が規定されており、「120~149」の範囲に「役物スーパー1」が規定されており、「150~179」の範囲に「役物スーパー2」が規定されており、「180~198」の範囲に「役物スーパー3」が規定されている。ここで、変動演出パターン「役物スーパー1」は、可動役物900を用いた役物演出を含む変動演出に対応する変動演出パターンであって、特別図柄変動が開始されてから5秒が経過した時点から最大で20秒間の役物演出が実行された後に、リーチ状態となる変動演出が実行される。また、役物演出における可動役物第1演出(振動演出)の振動シナリオ種別として、1周期が2秒で3周期分の動作シナリオ(振動シナリオ64)が設定される変動演出パターンである。
変動演出パターン「役物スーパー2」は、可動役物900を用いた役物演出を含む変動演出に対応する変動演出パターンであって、特別図柄変動が開始されてから5秒が経過した時点から最大で20秒間の役物演出が実行された後に、リーチ状態となる変動演出が実行される。また、役物演出における可動役物第1演出(振動演出)の振動シナリオ種別として、1周期が1秒で6周期分の動作シナリオ(第1振動シナリオ65)が設定される変動演出パターンである。変動演出パターン「役物スーパー3」は、可動役物900を用いた役物演出を含む変動演出に対応する変動演出パターンであって、特別図柄変動が開始されてから5秒が経過した時点から最大で20秒間の役物演出が実行された後に、リーチ状態となる変動演出が実行される。また、役物演出における可動役物第1演出(振動演出)の振動シナリオ種別として、1周期が3秒で2周期分の動作シナリオ(振動シナリオ64)が設定される変動演出パターンである。つまり、本第22制御例では、特別図柄抽選の結果が大当たりで変動時間が60秒の変動パターンコマンドを主制御装置110から受信した場合において、取得した第1演出カウンタ223uufの値に応じて、役物演出を含む変動演出と、役物演出を含まない変動演出と、を選択可能であり、さらに、可動役物第1演出中に実行される可動役物900の振動動作に対して1周期の長さや周期数を異ならせた役物演出を選択可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果、及び変動演出期間が同一の場合であっても、役物演出中に実行されるミッション演出の回数や、ミッション期間を異ならせることができる。よって、実行される変動演出の種別に応じてミッション達成の期待度を異ならせることができるため、演出効果を高めることができる。さらに、1周期の動作期間が短い可動役物第1演出(第1振動シナリオ65に対応する振動演出)が実行された場合には、1周期の動作期間が長い可動役物第1演出(第2振動シナリオ65に対応する振動演出)が実行された場合よりも、可動役物第1演出を途中で終了させるタイミングが増加することになる。
つまり、本第22制御例では、可動役物第1演出の実行期間中において、可動役物900に対して1周期の振動動作が実行された時点、即ち、作動位置から動作を開始した可動役物900が下方向、上方向と移動し再度作動位置に位置した場合に終了条件の成立有無(ミッション達成状況)を判別し、終了条件が成立していると判別された場合(ミッション達成していた場合)に、可動役物第1演出が終了するように構成している。そして、振動シナリオ種別(可動役物第1演出に対応するシナリオ種別)として、第1振動シナリオ65が設定された場合には、可動役物第1演出中に可動役物900の振動動作(1周期1秒)が6周期分実行されるため、可動役物第1演出中に可動役物第1演出を終了させるタイミングが6回設けられることになる。一方で、振動シナリオ種別(可動役物第1演出に対応するシナリオ種別)として、第2振動シナリオ65が設定された場合には、可動役物第1演出中に可動役物900の振動動作(1周期3秒)が2周期分実行されるため、可動役物第1演出中に可動役物第1演出を終了させるタイミングが2回設けられることになる。よって、選択された変動演出パターンによって、可動役物第1演出を終了させることが可能なタイミング(可動役物第1演出が開始されてからの経過期間)も異ならせることができる。また、本第22制御例では、個々のミッション演出に加えて、可動役物第1演出期間全体を対象とした全体ミッションも設定するように構成していることから、1周期の動作期間が短い動作シナリオ(例えば、第1振動シナリオ65)が設定された場合であっても、全体ミッションを達成することにより可動役物第1演出を途中で終了させることが可能となる。この場合は、1周期の動作期間が短い動作シナリオ(例えば、第1振動シナリオ65)が設定されている場合の方が、1周期の動作期間が長い動作シナリオ(例えば、第2振動シナリオ65)が設定されている場合よりも、可動役物第1演出を途中で終了させるタイミングが多くなるため、早いタイミングで可動役物第1演出を終了させ易くなる。
次に、遊技状態が「通常」(通常状態)で、当否判定結果が「当たり」で、変動パターンが「スペシャルリーチ(90秒)」に対しては、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~149」の範囲に「各種スーパーリーチ演出」が規定されており、「150~169」の範囲に「役物スーパー1」が規定されており、「170~189」の範囲に「役物スーパー2」が規定されており、「190~198」の範囲に「役物スーパー4」が規定されている。変動演出パターン「役物スーパー4」は、可動役物900を用いた役物演出を含む変動演出に対応する変動演出パターンであって、特別図柄変動が開始されてから5秒が経過した時点から最大で26秒間の役物演出が実行された後に、リーチ状態となる変動演出が実行される。また、役物演出における可動役物第1演出(振動演出)の振動シナリオ種別として、1周期が2秒で6周期分の動作シナリオ(第3振動シナリオ65)が設定される変動演出パターンである。つまり、「役物スーパー4」は、上述した「役物スーパー1」と同一の周期動作(1周期2秒)を実行するものであって、周期動作回数のみを異ならせている。このように構成することで、可動役物第1演出によって可動制御される可動役物900の動作パターンを把握したとしても、3周期分の動作が実行されるまでは今回の可動役物第1演出(振動演出)が何れの変動演出パターンであるかを遊技者に把握させ難くすることができる。また、詳細な説明は後述するが、「役物スーパー1」の変動演出パターンで可動役物第1演出が実行されている場合には、終了条件を成立させて可動役物第1演出を途中で終了させた場合の方が、終了条件を成立させること無く可動役物第1演出を終了させた場合よりも遊技者に有利な特典を付与し易く構成し、「役物スーパー4」の変動演出パターンで可動役物第1演出が実行されている場合には、終了条件を成立させて可動役物第1演出を途中で終了させた場合よりも、終了条件を成立させること無く可動役物第1演出を終了させた場合の方が、遊技者に有利な特典を付与し易く構成している。
よって、可動役物第1演出として1周期2秒の動作パターンで可動役物900が動作した場合には、終了条件を成立させるか否か(各種ミッション演出を達成するか否か)を遊技者に選択させる楽しみを提供することができる。また、本第22制御例では、実行中の可動役物第1演出の変動演出パターンを遊技者に示唆可能な示唆演出(第1期間示唆演出)を実行可能に構成している。よって、可動役物第1演出中に実行される第1期間示唆演出の内容を把握した状態で終了条件を成立させるか否かを遊技者に決定させることが可能となるため、遊技者に有利な特典が付与され易い方法で可動役物第1演出を終了させ易くすることができる。次に、遊技状態が「通常」(通常状態)で、当否判定結果が「外れ」で、変動パターンが「短外れ各種」に対しては、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~198」の全範囲に「各種短外れ演出」が規定されている。また、遊技状態が「通常」(通常状態)で、当否判定結果が「外れ」で、変動パターンが「リーチ外れ(30秒)」に対しては、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~198」の全範囲に「各種リーチ外れ演出」が規定されている。さらに、遊技状態が「通常」(通常状態)で、当否判定結果が「外れ」で、変動パターンが「スーパーリーチ(60秒)」に対しては、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~149」の範囲に「各種スーパーリーチ外れ演出」が規定されており、「150~169」の範囲に「役物スーパー1」が規定されており、「170~189」の範囲に「役物スーパー2」が規定されており、「190~198」の範囲に「役物スーパー3」が規定されている。次に、遊技状態が「通常」(通常状態)で、当否判定結果が「外れ」で、変動パターンが「スペシャルリーチ(90秒)」に対しては、取得した第1演出カウンタ223uufの値が「0~189」の範囲に「各種スペシャルリーチ外れ演出」が規定されており、「190~194」の範囲に「役物スーパー1」が規定されており、「195~197」の範囲に「役物スーパー2」が規定されており、「198」の値に「役物スーパー4」が規定されている。
次に、遊技状態が確変状態、又は時短状態である場合、即ち、通常状態よりも特別図柄抽選の実行権利を獲得し易い状態においては、当否判定結果と受信した変動パターンと、取得した第1演出カウンタ223uufの値とに対応させて各種変動演出が規定されているが、その詳細な説明については省略する。全体ミッション選択テーブル222uvbは、可動役物第1演出の演出期間全体が対象期間となる全体ミッションのミッション内容を選択する際に用いられるデータテーブルである。ここで、図788(a)を参照して、全体ミッション選択テーブル222uvbの内容について説明をする。図788(a)は、全体ミッション選択テーブル222uvbに規定されている内容を模式的に示した図である。図788(a)に示した通り、全体ミッション選択テーブル222uvbには、特別図柄抽選の結果と、選択された振動シナリオ種別と、取得した第3演出カウンタ223uvaの値と、に対応させて異なる全体ミッションパターン(種別)が規定されている。具体的には、特別図柄抽選の結果(当否判定結果)に関わらず、選択されている振動シナリオ種別が「振動シナリオ64」、「第2振動シナリオ65」の場合は、取得した第3演出カウンタ223uvaの全ての値「0~198」に対して、全体ミッション「無し」に対応する情報が規定されている。つまり、振動シナリオ種別として「振動シナリオ64」「第2振動シナリオ65」が設定された可動役物第1演出中は、全体ミッションが設定されることが無い。
なお、この場合における第3図柄表示装置81の表示面には、上述した第21制御例のように、押下情報記憶エリア223uutに記憶されている値、即ち、可動役物第1演出中に押下された枠ボタン22の累積押下回数を表示しないように構成しても良いし、図783(a)に示した通り、累積押下回数を表示するように構成しても良い。累積押下回数を表示するように構成した場合には、全体ミッションが設定されて無い状態であることを遊技者に把握させ難くするために、全体ミッションが設定されていると遊技者に思わせる表示態様(例えば、全体ミッションが設定されている場合において、全体ミッションが設定されていることを示唆するための示唆態様と同一の表示態様)を表示するように構成すると良い。図788(a)に戻り、説明を続ける。特別図柄抽選の結果(当否判定結果)に関わらず、選択されている振動シナリオ種別が「第1振動シナリオ65」の場合は、取得した第3演出カウンタ223uvaの値が「0~19」の範囲に対して、全体ミッションパターン「全体1」が規定されており、「20~99」の範囲に対して、全体ミッションパターン「全体2」が規定されており、「100~198」の範囲に対して、全体ミッションパターン「全体3」が規定されている。また、選択されている振動シナリオ種別が「第3振動シナリオ65」の場合は、取得した第3演出カウンタ223uvaの値が「0~49」の範囲に対して、全体ミッションパターン「全体1」が規定されており、「50~99」の範囲に対して、全体ミッションパターン「全体3」が規定されており、「100~198」の範囲に対して、全体ミッションパターン「全体4」が規定されている。
ここで、全体ミッションパターン「全体1」が選択された場合には、全体ミッションを達成するための条件として「ボタン押下10回」が設定される。つまり、可動役物第1演出期間中に合計で枠ボタン22を10回押下した場合に全体ミッションが達成される(可動役物第1演出の終了条件が成立する)。全体ミッションパターン「全体2」が選択された場合には、全体ミッションを達成するための条件として「ボタン押下15回」が設定される。つまり、可動役物第1演出期間中に合計で枠ボタン22を15回押下した場合に全体ミッションが達成される(可動役物第1演出の終了条件が成立する)。全体ミッションパターン「全体3」が選択された場合には、全体ミッションを達成するための条件として「ボタン押下20回」が設定される。つまり、可動役物第1演出期間中に合計で枠ボタン22を20回押下した場合に全体ミッションが達成される(可動役物第1演出の終了条件が成立する)。全体ミッションパターン「全体4」が選択された場合には、全体ミッションを達成するための条件として「ボタン押下25回」が設定される。つまり、可動役物第1演出期間中に合計で枠ボタン22を25回押下した場合に全体ミッションが達成される(可動役物第1演出の終了条件が成立する)。第1期間示唆演出テーブル222uvdは、可動役物第1演出が実行されている第1期間中において、実行中の可動役物第1演出が「振動シナリオ64(2秒×3周期)」、「第3振動シナリオ65(2秒×6周期)」の何れに基づいて実行されているのかを遊技者に示唆するための第1期間示唆演出の演出態様(示唆態様)を選択する際に用いられるデータテーブルである。ここで、図788(b)を参照して、第1期間示唆演出テーブル222uvdの内容について説明をする。図788(b)は、第1期間示唆演出テーブル222uvdに規定されている内容を示した図である。図788(b)に示した通り、第1期間示唆演出テーブル222uvdには、特別図柄抽選の結果(当否判定結果)と、設定されている選択振動シナリオ種別と、取得した第5演出カウンタ223uvcの値と、に対応させて3種類の示唆パターン(示唆パターン「1」~示唆パターン「3」)が規定されている。
具体的には、特別図柄抽選の結果(当否判定結果)に関わらず、選択されている振動シナリオ種別が「第1振動シナリオ65」、「第2振動シナリオ65」の場合は、取得した第5演出カウンタ223uvcの全ての値「0~198」に対して、示唆演出パターン「1」が規定されている。この示唆演出パターン「1」が設定された場合には、第1期間示唆演出が実行されることが無い。つまり、振動シナリオ種別として「第1振動シナリオ65」「第2振動シナリオ65」が設定された可動役物第1演出中(第1期間中)は、第1期間示唆演出が実行されることが無い。つまり、「第1振動シナリオ65」に基づいて可動役物第1演出が実行されている場合は、1周期が1秒の動作パターンで可動役物900が動作し、「第2振動シナリオ65」に基づいて可動役物第1演出が実行されている場合は、1周期が3秒の動作パターンで可動役物900が動作するため、可動役物900の動作内容を把握するだけで現在設定されている振動シナリオ種別が、「振動シナリオ64」、及び「第3振動シナリオ65」では無いことを容易に理解することができる。よって、第1期間示唆演出が実行されることが無い。なお、可動役物900の動作パターンを把握することが無い遊技者、即ち、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様のみを注視する遊技者を対象に、「第1振動シナリオ65」、「第2振動シナリオ65」が設定された可動役物第1演出を実行している最中にも第1期間示唆演出を実行するように構成しても良く、この場合、第1期間示唆演出テーブル222uvdの選択されている振動シナリオ種別が「第1振動シナリオ65」、「第2振動シナリオ65」に対応する箇所に後述する示唆パターン「2」又は「3」を規定すれば良い。
また、特別図柄抽選の結果(当否判定結果)に関わらず、選択されている振動シナリオ種別が「振動シナリオ64」の場合は、取得した第5演出カウンタ223uvcの値が「0~149」の範囲に対して、示唆演出パターン「1」が規定されており、「150~189」の範囲に対して、示唆演出パターン「2」が規定されており、「190~198」の範囲に対して、示唆演出パターン「3」が規定されている。また、選択されている振動シナリオ種別が「第3振動シナリオ65」の場合は、取得した第5演出カウンタ223uvcの値が「0~99」の範囲に対して、示唆演出パターン「1」が規定されており、「100~169」の範囲に対して、示唆演出パターン「2」が規定されており、「170~198」の範囲に対して、示唆演出パターン「3」が規定されている。経過演出態様選択テーブル222uvcは、可動役物第1演出を途中で終了させること無く所定期間継続させた場合に実行される経過演出の演出態様を選択する際に用いられるデータテーブルである。本第22制御例では、設定される振動シナリオ種別に応じて、可動役物第1演出の演出期間を異ならせており、「振動シナリオ64」,「第1振動シナリオ65」,「第2振動シナリオ65」,「第3振動シナリオ65」が設定された場合には、可動役物第1演出の演出期間が最大で20秒となるように構成し、「第4振動シナリオ65」が設定された場合には、可動役物第1演出の演出期間が最大で26秒となるように構成している。そして、上述した通り、可動役物第1演出の演出期間中は遊技者が枠ボタン22を所定回数押下することで終了条件が成立し、可動役物900が作動位置に位置している状態で可動役物第1演出を終了させることができるように構成している。つまり、所定期間の動作シナリオ(振動シナリオ)に基づいて可動役物900を動作(第1動作)させている最中であっても、終了条件を成立させた状態で可動役物900が特定位置(作動位置)に位置することで、残り期間の動作シナリオを実行すること無く第1動作を終了させ、次の動作(第2動作)を実行可能に構成している。
また、可動役物第1演出中に終了条件を成立させてから可動役物が作動位置へと移動するまでの期間中に実行条件が成立した場合(枠ボタン22を押下した場合)には、現在の遊技状況や、実行中の特別図柄抽選(変動演出)の結果を示唆可能な情報、即ち、遊技者に有利な特典を付与可能な追加演出が実行されるように構成している。このように構成することで、可動役物第1演出の終了条件を成立させた場合の方が、成立させない場合よりも遊技者に有利な遊技(演出)が実行されるため、可動役物第1演出が実行された場合には、終了条件を成立させるために遊技者に意欲的に枠ボタン22を押下させることができるものであった。しかしながら、可動役物第1演出が実行された場合には枠ボタン22を意欲的に押下するという単調な遊技となってしまい、長時間遊技を行っている遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。これに対して、本第22制御例では、特定の振動シナリオ(第4振動シナリオ65)に基づいて可動役物第1演出が実行されている場合には、終了条件を成立させるよりも、終了条件を成立させない場合の方が、遊技者に有利な特典(経過演出)を付与(実行)可能に構成している。このように構成することで、可動役物第1演出が実行されている最中に終了条件を成立させるか成立させないかの選択を遊技者に行わせることができるため、可動役物第1演出に対する遊技者の対応にバリエーションを持たせることができる。よって、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。ここで、図789を参照して、経過演出態様選択テーブル222uvcの内容について説明をする。図789は、経過演出態様選択テーブル222uvcに規定されている内容を示した図である。図789に示した通り、経過演出態様選択テーブル222uvcには、特別図柄抽選の結果(当否判定結果)と、選択振動シナリオ種別と、取得した第4演出カウンタ223uvcの値と、に対応させて4種類の演出パターン(演出パターン「1」~演出パターン「4」)が規定されている。
具体的には、当否判定結果が「当たり(時短)」であって、選択振動シナリオ種別が「第3振動シナリオ65」である場合には、取得した第4演出カウンタ223uvbの値が「0~19」の範囲に対して演出パターン「1」が規定され、「20~109」の範囲に対して演出パターン「2」が規定され、「110~198」の範囲に対して演出パターン「3」が規定されている。そして、当否判定結果が「当たり(時短)」であって、選択振動シナリオ種別が「第3振動シナリオ65」以外である場合には、取得した第4演出カウンタ223uvbの値の全範囲「0~198」に対して演出パターン「1」が規定されている。また、当否判定結果が「当たり(確変)」であって、選択振動シナリオ種別が「第3振動シナリオ65」である場合には、取得した第4演出カウンタ223uvbの値が「0~2」の範囲に対して演出パターン「1」が規定され、「3~101」の範囲に対して演出パターン「3」が規定され、「102~198」の範囲に対して演出パターン「4」が規定されている。そして、当否判定結果が「当たり(時短)」であって、選択振動シナリオ種別が「第3振動シナリオ65」以外である場合には、取得した第4演出カウンタ223uvbの値の全範囲「0~198」に対して演出パターン「1」が規定されている。さらに、当否判定結果が「外れ」であって、選択振動シナリオ種別が「第3振動シナリオ65」である場合には、取得した第4演出カウンタ223uvbの値が「0~149」の範囲に対して演出パターン「1」が規定され、「150~198」の範囲に対して演出パターン「2」が規定されている。そして、当否判定結果が「当たり(時短)」であって、選択振動シナリオ種別が「第3振動シナリオ65」以外である場合には、取得した第4演出カウンタ223uvbの値の全範囲「0~198」に対して演出パターン「1」が規定されている。
演出パターン「1」が設定された場合には、経過演出の実行条件が成立したとしても、経過演出が実行されることが無い(現在の遊技状況や特別図柄抽選に関する情報が提供されることが無い演出が実行される)。また、演出パターン「2」が設定された場合には、経過演出の実行条件が成立した場合に、経過演出の演出態様として、大当たり当選の期待度が高いことを示す「激アツ」の文字が表示される。演出パターン「3」が設定された場合には、経過演出の実行条件が成立した場合に、経過演出の演出態様として大当たり当選したことを報知するための「V準備中」の文字が表示される。そして、演出パターン「4」が設定された場合には、経過演出の実行条件が成立した場合に、経過演出の演出態様として大当たり当選に加え、その大当たり種別が遊技者に有利な確変大当たりであることを報知するための「確変おめでとう」の文字が表示される。以上、説明をした通り、経過演出が実行された場合には、大当たり当選の期待度を示す情報に加え、大当たり種別に関する情報も遊技者に提供される場合があることから、可動役物第1演出を途中で終了させた場合に実行され得る追加演出が実行された場合よりも遊技者に有利な特典(情報)を付与可能となる。次に、図790から図792を参照して、第1振動シナリオテーブル222uvea、第2振動シナリオテーブル222uveb、第3振動シナリオテーブル222uvecの内容について説明をする。図790は、第1振動シナリオテーブル222uveaに規定されている内容を模式的に示した図であって、図791は、第2振動シナリオテーブル222uvebに規定されている内容を模式的に示した図であって、図792は、第3振動シナリオテーブル222uvecに規定されている内容を模式的に示した図である。いずれのシナリオテーブルも、可動役物第1演出中に実行される振動動作時に参照されるデータテーブルであって、実行される変動演出パターン(変動演出パターン選択テーブル222uvaを用いて決定された変動演出パターン)に対応したシナリオテーブルが参照される。
なお、上述した第20制御例における振動シナリオテーブル222ubと同一内容の箇所についてはその説明を省略する。図790に示した通り、第1振動シナリオテーブル222uveaは、1周期が1秒の振動動作が6回(6周期分)実行される動作シナリオが規定されている。具体的には、振動シナリオテーブル222ubに対して、励磁間隔を半分「2ミリ秒」とすることで、可動役物の移動速度を2倍にすることで、1周期が1秒の振動動作を実行可能に構成している。そして、図791に示した通り、第2振動シナリオテーブル222uvebは、1周期が3秒の振動動作が2回(2周期分)実行される動作シナリオが規定されている。具体的には、振動シナリオテーブル222ubに対して、励磁間隔を1.5倍「6ミリ秒」とすることで、可動役物の移動速度を1.5倍にすることで、1周期が3秒の振動動作を実行可能に構成している。つまり、第1振動シナリオテーブル222uveaに基づいて実行される振動動作と、第2振動シナリオテーブル222uvebに基づいて実行される振動動作とでは、1回の振動動作に要する期間と、実行される振動動作回数とが異なるが、振動動作に用いられる期間が同一となる動作シナリオが規定されており、1周期の時間が短い第1振動シナリオテーブル222uveaに基づいて実行される振動動作の方が、1周期内に終了条件(枠ボタン22への5回押下)を成立させ難くなる。一方、可動役物900の動作期間は同一であることから、トータルミッションは、第1振動シナリオテーブル222uveaに基づいて実行される振動動作の方が、個々のミッションが達成し難い分、達成し易くなる。なお、本第22制御例では、1回の振動動作に要する期間として、2種類の期間(1秒、3秒)を設け、全体の振動動作期間(6秒)を統一させたシナリオテーブルを設けているが、これ以外の振動シナリオテーブルを設けても良く、例えば、全体の振動動作期間(6秒)も、1回の振動動作に要する期間も異ならせたシナリオテーブルを設けても良い。
第3振動シナリオテーブル222uvecは、図792に示した通り、振動シナリオテーブル222ubと同一の1周期が2秒の振動動作が実行されるシナリオテーブルであって、上述した振動シナリオテーブル222ubに対して、振動動作回数が3回から6回へと増加させている点で相違している。つまり、第3振動シナリオテーブル222uvecには、他の振動シナリオテーブルよりも全体の振動動作期間として長い期間(12秒)が規定されている。以上、説明をした通り、本第22制御例では、実行される変動演出パターン(変動演出パターン選択テーブル222uvaを用いて決定された変動演出パターン)によって、異なる態様の振動動作を実行可能に構成している。このように構成することで、振動動作中における可動役物900の動作態様にバリエーションを持たせることができ、演出効果を高めることができる。なお、本第22制御例では、各シナリオテーブルに規定されている動作シナリオを所定回数繰り返す処理を実行することで処理の簡素化を図っているため、1のシナリオテーブルに対して、同一態様の振動動作しか実行されないように構成しているが、これに限ること無く、異なる振動態様が実行されるシナリオテーブルを設けても良いし、繰り返し処理において、異なるシナリオテーブルを参照することが可能となるように構成しても良い。次に、図793を参照して、本第22制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図793は、本第22制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。図793に示した通り、本第22制御例のRAM223は、上述した第21制御例のRAM223に対して、第3演出カウンタ223uva、第4演出カウンタ223uvb、第5演出カウンタ223uvc、振動演出パターン履歴記憶エリア223uvd、追加演出禁止フラグ223uveを追加した点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
第3演出カウンタ223uva、第4演出カウンタ223uvb、第5演出カウンタ223uvcは、本第22制御例における予告演出や、各種抽選に使用されるカウンタであって、上述した第1演出カウンタ223uufや第2演出カウンタ223uugとは異なる法則でカウンタ値が更新されるように構成している。このように構成することで、同一の制御処理内にて複数の良く演出に関する演出態様を抽選で決定する場合において、第1演出カウンタ223uufの値を参照して決定される演出態様と、第2演出カウンタ223uugの値を参照して決定される演出態様と、第3演出カウンタ223uvaの値を参照して決定される演出態様と、第4演出カウンタ223uvbの値を参照して決定される演出態様と、第5演出カウンタ223uvcの値を参照して決定される演出態様と、を設定可能に構成したとしても、それぞれの演出態様に関連性を持たせること無くランダムに設定し易くすることができる。振動演出パターン履歴記憶エリア223uvdは、決定された振動演出パターン(振動動作シナリオ)の履歴を一時的に記憶するための記憶領域であって、役物演出パターン決定処理(図796のS3151L参照)において、変動演出種別を決定した場合に、決定された変動演出種別に対応する振動演出パターン(振動動作シナリオ種別)に関する情報が記憶される(図796のS3175参照)。そして、振動演出パターン履歴記憶エリア223uvdに記憶されている情報は、変動演出種別を決定する際に参照される(図796のS3173L)。
つまり、本第22制御例では、振動演出パターン履歴記憶エリア223uvdに記憶されている情報を用いて前回実行された振動演出の演出パターン(振動演出履歴)を特定し、次に実行される振動演出の演出パターンを決定可能に構成している。このように構成することで、同一の演出パターンで振動演出が実行されることを抑制することができるため、例えば、前回実行された振動演出が第3振動シナリオ65に基づく振動演出(1周期2秒×6回の振動動作)であった場合において、次に実行される振動演出では第3振動シナリオ65以外の振動シナリオが設定されると予測し、可動役物第1演出(振動演出)中に終了条件を成立させようと意欲的に枠ボタン22を押下する遊技を行うといった遊技を遊技者に行わせ易くすることができる。追加演出禁止フラグ223uveは、可動役物第1演出中に終了条件が成立した場合であっても、終了条件が成立してから可動役物900が作動位置へと位置するまでの間、即ち、実行中の可動役物第1演出を終了させるための第1条件が成立している状態で可動役物900が可動役物第1演出を終了可能な位置に位置していない期間において、追加演出の実行を禁止することを示すフラグであって、追加演出の実行が禁止されている状態である場合にオンに設定されるフラグである。本第22制御例では、可動役物第1演出を途中で終了させるための終了条件として、可動役物900が1周動作する期間中に第1条件(枠ボタン22に対する所定回数の押下操作)が成立した場合に成立する第1終了条件と、可動役物第1演出の全体期間中に第2条件(枠ボタン22に対する所定回数の押下操作)が成立した場合に成立する第2終了条件と、を有しており、第1終了条件が成立してから実際に可動役物第1演出が終了するまでの期間を用いて追加演出を実行可能に構成し、第2終了条件が成立してから実際に可動役物第1演出が終了するまでの期間では追加演出が実行されないように構成している。
つまり、可動役物第1演出中に成立した終了条件の種別によって、追加演出の実行のされ易さを異ならせている。このように構成することで、遊技者に対して、可動役物第1演出を途中で終了させる条件を成立させた場合において、成立した終了条件の種別に対しても興味を持たせることができる。なお、追加演出禁止フラグ223uveは、上述した第2終了条件(全体ミッションの達成)が成立した場合にオンに設定され(図798のS3283L参照)、追加演出の実行条件(終了条件が成立している状態における枠ボタン22への押下操作)が成立した場合(図799のS3301L参照)に参照され(図799のS3291L)、可動役物第1演出が終了した場合にオフに設定される(図800のS3651L参照)。次に、図794を参照して、役物可動関連エリア223uuyが有する駆動状況格納エリア223uzについて説明をする。図794(b)は、駆動状況格納エリア223uzに格納されるデータ種別を模式的に示した図である。図794(b)に示した通り、駆動状況格納エリア223uzには、上述した駆動状況格納エリア223uy(図739(b)参照)に対して、格納データ(データ種別)「19H」を追加している点で相違し、それ以外は同一である。なお、同一の内容についてはその説明を省略する。このデータ種別「19H」は、第3振動シナリオ65が設定された振動制御(振動演出)が実行されている状態で繰り返し制御が5回実行された場合、即ち、6回目の振動動作が実行される状態を示すためのデータ種別である。そして、役物演出更新処理(図800のS3560L参照)において、駆動状況格納エリア223uzにデータ種別「19H」が格納されていることを判別した場合に(図800のS3653L:Yes)、経過演出が実行されるように構成している。
<第22制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図795から図802を参照して、本第22制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される各種制御処理の内容について説明をする。本第22制御例におけるパチンコ機10では、上述した第21制御例におけるパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理に対して、通常状態態様決定処理(図769のS3016L)に代えて通常状態態様決定処理(図795のS3066L)を、枠ボタン入力監視・演出処理(図770のS2107L)に代えて枠ボタン入力監視・演出処理(図797のS2157L)を、役物演出更新処理(図774のS3510L)に代えて役物演出更新処理(図800のS3560L)を、振動シナリオ処理(図778のS3707L)に代えて振動シナリオ処理(図801のS3757L)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容についてはその説明を省略する。まず、図795を参照して、通常状態態様決定処理(S3066L)の処理内容について説明をする。図795は、通常状態態様決定処理(S3066L)の処理内容を示したフローチャートである。この通常状態態様決定処理(S3066L)は、上述した第20制御例における通常状態態様決定処理(図769のS3016L)に対して、役物演出が実行される変動演出種別が決定されたと判別した場合(図3104L:Yes)に、役物演出パターン決定処理(S3151L)を実行する点で上述した第20制御例における通常状態態様決定処理(図769のS3016L)と異ならせている。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。ここで、図796を参照して、通常状態態様決定処理(S3066L)にて実行される役物演出パターン決定処理(S3151L)の処理内容について説明をする。図796は、役物演出パターン決定処理(S3151L)の処理内容を示したフローチャートである。この役物演出パターン決定処理(S3151L)では、役物演出の演出態様を決定するための様々な処理が実行される。
具体的には、役物演出パターン決定処理(S3151L)が実行されると、まず、今回の変動演出の演出期間(特別図柄変動時間)が90秒以上であるかを判別し(S3155L)、90秒以上であると判別した場合は(S3155L:Yes)、振動演出パターン履歴記憶エリア223uvdに記憶されている情報を読み出し(S3156L)、読み出された情報が示す振動演出パターン(振動シナリオ種別)が「役物スーパー4(第3振動シナリオ65)」であるかを判別する(S3157L)。つまり、S3157Lの処理では、前回の役物演出が経過演出を実行させることが可能な役物演出であったかを判別している。S3157Lの処理において、読み出された情報が示す振動演出パターン(振動シナリオ種別)が「役物スーパー4(第3振動シナリオ65)」であると判別した場合は(S3157L:Yes)、今回設定される変動演出種別として「役物スーパー1」、又は「役物スーパー2」を抽選で決定し(S3158L)、決定した変動演出種別を示す情報を振動演出パターン履歴記憶エリア223uvdに上書きし(S3159L)、次に、今回の役物演出中に実行されるミッション内容を決定するためのS3160Lの処理へ移行する。一方、S3157Lの処理において、読み出された情報が示す振動演出パターン(振動シナリオ種別)が「役物スーパー4(第3振動シナリオ65)」では無いと判別した場合は(S3157:No)、S3158Lの処理をスキップして、S3159Lの処理へ移行する。
S3160Lの処理では、ミッション選択テーブル222uubを参照してミッション内容を決定し(S3160L)、決定したミッション内容に対応する情報をミッションパターン記憶エリア223uurに記憶し(S3161L)、次に、全体ミッション選択テーブル222uvbを参照して全体ミッション内容を決定し(S3162L)、次いで、第1期間示唆演出テーブル222uvdを参照して第1期間示唆演出態様を決定し(S3163L)、経過演出態様選択テーブル222uvcを参照して経過演出態様を決定し(S3164L)、決定した各種態様を演出情報記憶エリア223uunに記憶し(S3165L)、駆動フラグ223uqをオンに設定し(S3166L)、駆動状況格納エリア223uyにデータ種別「00H」を設定し(S3167L)、残チャンス回数カウンタ223uuqの値に今回の変動演出種別に対応する値をセットし(S3168L)、本処理を終了する。S3168Lの処理では、決定された変動演出種別に基づいて実行される可動役物900の振動動作回数(周期数)に対応する値(例えば、「役物スーパー1」であれば「3」、「役物スーパー2」であれば「6」、「役物スーパー3」であれば「2」、「役物スーパー4」であれば「6」)が残チャンス回数カウンタ223uuqの値に設定される。また、S3155Lの処理において、今回の変動パターンが90秒の変動時間に対応するものでは無いと判別した場合は(S3155L:No)、振動演出パターン履歴記憶エリア223uvdに記憶されている情報をクリアし(S3169L)、S3160Lの処理へ移行する。つまり、本第22制御例では、連続して実行される特別図柄変動に対応する変動演出が、何れも役物演出を含む変動演出となった場合に、過去の演出パターン(振動演出パターン)を参考にして、今回の演出パターン(変動演出パターン)を決定可能に構成している。
このように構成することで、連続して実行される変動演出として同一の演出パターンが実行されてしまうことを抑制することができると共に、1の役物演出が特定の演出パターンで実行された後、役物演出が実行されない変動演出が複数回実行された後に、再度、役物演出を含む変動演出の実行が決定された場合には、過去に実行された役物演出の演出パターンと同一の特定の演出パターンを実行することが可能となる。よって、特定の演出パターンの役物演出の実行頻度を過度に低下させてしまうことを抑制することができる。次に、図797を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理(S2157L)の処理内容について説明をする。図797は、枠ボタン入力監視・演出処理(S2157L)の処理内容を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S2157L)は、上述した第20制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図770のS2107L)に対して、枠ボタン22の押下を検知した時点、即ち、遊技者が枠ボタン22を押下し、枠ボタン22の基体が押し下げられ図示しない検知スイッチが基体の移動を検知した場合に出力される検知信号を受信した時点において駆動状況格納エリア223uyに格納されている情報(データ種別)が、「03H」、或いは「04H」である場合に実行される処理内容を異ならせており、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。具体的には、図797に示した通り、枠ボタン入力監視・演出処理(S2157L)が実行され、駆動状況格納エリア223uyに格納されている情報(データ種別が「03H」)であると判別した場合は(S3206L:Yes)、押下カウンタ223uusの値を1加算し(S3207L)、押下情報更新処理を実行し(S3251L)、S3217Lの処理へ移行し、その後、本処理を終了する。また、駆動状況格納エリア223uyに格納されている情報(データ種別が「04H」)であると判別した場合は(S3214L:Yes)、追加演出態様設定処理を実行し(S3252L)、S3217Lの処理へ移行する。
ここで、図798を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理(図797のS2157L参照)にて実行される押下情報更新処理(S3251L)の処理内容について説明をする。図798は、押下情報更新処理の処理内容を示したフローチャートである。この押下情報更新処理では、可動役物第1演出期間中(振動制御中)における枠ボタン22への押下操作に基づく各種処理が実行される。具体的には、押下情報更新処理(S3251L)が実行されると、まず、加算後の押下カウンタ223uusの値がミッション到達値であるかを判別し(S3271L)、ミッション到達値であると判別した場合は(S3271L:Yes)、ミッション到達を示す表示態様を決定し(S3272L)、振動シナリオ終了フラグをオンに設定し(S3273L)、駆動状況格納エリア223uyに「04H」を設定し(S3274L)、切替フラグ223uuuをオンに設定し(S3275L)、押下カウンタ223uusの値に対応する情報を示す態様を決定し(S3276L)、合算値に対応する情報を示す表示態様を決定し(S3277L)、決定した態様に対応する表示用コマンドを設定し(S3278L)、本処理を終了する。
また、S3271Lの処理において、加算後の押下カウンタ223uusの値がミッション到達値では無いと判別した場合は(S3271L:No)、次に、全体ミッションの設定があるかを判別し(S3279L)、全体ミッションの設定があると判別した場合は(S3279L:Yes)、加算後の押下カウンタ223uusの値と、押下情報記憶エリア223uutに格納されている値とを合算し、合算値(累積押下回数)を算出する(S3280L)。そして、S3280Lの処理にて算出された合算値が全体ミッション到達値であるかを判別し(S3281)、合算値が全体ミッション到達値であると判別した場合は(S3281L:Yes)、全体ミッション到達を示す表示態様を決定し(S3282L)、追加演出禁止フラグ223uveをオンに設定し(S3283L)、S3276Lの処理へ移行する。また、S3281Lの処理において、合算値が全体ミッション到達値では無いと判別した場合は(S3281L:No)、S3282L、及びS3283Lの処理を実行すること無く、S3276Lの処理へ移行する。次に、図799を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理(図797のS2157L参照)にて実行される追加演出態様設定処理(S3252L)の処理内容について説明をする。図799は、追加演出態様設定処理(S3252L)の処理内容を示したフローチャートである。この追加演出態様設定処理(S3252L)は、上述した第20制御例における追加演出態様設定処理(図771のS3215L参照)に対して、追加演出禁止フラグ223uveの設定状況に応じて、追加演出の実行有無を決定するための処理が実行される。
具体的には、図799に示した通り、追加演出態様設定処理(S3252L)が実行されると、上述した追加演出態様設定処理(図771のS3215L参照)と同一のS3301L,S3302Lの処理を実行し、その後、追加演出禁止フラグ2232uveがオンに設定されているかを判別し(S3291L)、オンに設定されていると判別した場合は(S3291L:Yes)、S3303Lの処理をスキップして本処理を終了する。一方、S3291Lの処理において、追加演出禁止フラグ223uveがオンに設定されていないと判別した場合は(S3291L:No)、S3303Lの処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図800を参照して、役物演出更新処理(S3560L)の処理内容について説明をする。図800は、役物演出更新処理(S3560L)の処理内容を示したフローチャートである。この役物演出更新処理(S3560L)は、上述した第20制御例における役物演出更新処理(図774のS3510L)に対して、可動役物第1演出(可動役物900の振動動作)が終了したことを示すデータ種別「05H」,「06H」,「07H」が駆動状況格納エリア223uyに格納されていると判別した場合に(S3612L:Yes)、追加演出禁止フラグ223uveがオンに設定されているかを判別し(S3651L)、オンに設定されていると判別した場合に(S3651L:Yes)に、追加演出禁止フラグ223uveをオフに設定する(S3652L)処理を追加した点と、5回目の繰り返し処理が実行された状況であることを示すデータ種別「19H」が駆動状況格納エリア223uyに格納されていると判別した場合に(S3653L:Yes)、経過演出態様選択テーブル222uvcを参照して経過演出の表示態様を決定する処理(S3654L)を追加した点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。次に、図801を参照して、振動シナリオ処理(S3757L)の処理内容について説明をする。図801は、振動シナリオ処理(S3757L)の処理内容を示したフローチャートである。図801に示した通り、振動シナリオ処理(S3757L)では、上述した振動シナリオ処理(図779のS3707L参照)に対して、S3915Lの処理において判別される繰り返しカウンタの値を「3」に代えて「上限値」としている点と、S3915Lの処理において繰り返しカウンタの値が「上限値」であると判別した場合(S3915L:Yes)に実行される振動シナリオ繰り返し処理(S3952L)の内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその説明を省略する。次に、図802を参照して、振動シナリオ繰り返し処理(S3952L)の処理内容について説明をする。図802は、振動シナリオ繰り返し処理(S3952L)の処理内容を示したフローチャートである。この振動シナリオ繰り返し処理(S3952L)は、上述した振動シナリオ繰り返し処理(図779のS3916L参照)に対して、残チャンス回数カウンタの値が「5」以上であるかを判別し(S4051L)、5以上であると判別した場合に(S4501L:Yes)、駆動状況カウ能エリア223uyに「19H」を設定し(S4052L)、S4008Lの処理に移行する点で相違し、それ以外は同一の処理が実行される。
以上、説明をした通り、本第22制御例では、変動時間が同一の変動パターンに対して設定される変動演出として、役物演出の演出期間を異ならせた変動演出を設定可能に構成している。より具体的には、役物演出のうち、可動役物第1演出が実行される演出期間の長さを異ならせた変動演出を設定可能に構成している。このように構成することで、同一の演出期間で実行される変動演出に対して操作演出期間の長さを異ならせた多彩な演出態様を設定し易くすることができるため演出効果を高めることができる。また、本第22制御例では、ミッション内容だけで無く、可動役物第1演出中に実行される第1動作内容も異ならせて設定可能に構成している点で相違している。より具体的には、ミッション期間の長さ(可動役物900の1周期分の動作期間の長さ)を異ならせて設定可能に構成している。このように構成することで、設定されたミッション内容が同一の場合であっても、ミッション期間の長さを変化させることでミッション達成の難易度を異ならせることができる。よって、ミッション期間の長さと、ミッション内容を組み合わせた様々な難易度で遊技者にミッション達成を目指す遊技を行わせることができるため、演出効果を高めることができる。加えて、本第22制御例では、上述した第21制御例と同様に1のミッション期間に対してミッション内容を設定しながら、さらに、可動役物第1演出期間全体における枠ボタン22の押下回数によって達成し得る全体ミッションも設定可能に構成している。このように構成することで、可動役物第1演出中に設定される個々のミッション期間が短くなってしまった場合であっても、可動役物第1演出中に継続して枠ボタン22を押下することで、全体ミッションを達成させることが可能となる。よって、遊技者に意欲的に継続して枠ボタン22を押下させ易くすることができる。
<第23制御例>
次いで、図803から図835を参照して、第23制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第21制御例では、可動役物900に対して所定の第1動作(振動動作)を行わせるための第1制御を実行している間に第1動作とは異なる第2動作(落下動作)の動作条件が成立した場合に、第1動作の実行中において複数回配置され得る所定位置(作動位置)へと可動役物900が到達したことに基づいて、第1動作を打ち切って第2動作を実行させる構成としていた。即ち、第1動作の実行中に第2動作の動作条件が成立した場合に、第1動作の終了まで第2動作を待機させることなく第2動作を実行させる構成とすることで、第2動作の開始が過剰に遅れてしまうことを抑制する構成としていた。
これに対して本第23制御例では、可動役物900が可動(変位)される変位動作とは少なくとも異なる第1演出の実行中に可動役物900の可動条件(変位条件)が成立した場合に、第1演出が所定条件を満たすまで、可動役物900の可動を抑制し(待機させ)、第1演出が所定条件を満たしたことを契機として、可動役物900の可動動作(変位動作)を実行する構成としている。より具体的には、変動表示演出として、所定の音声(楽曲)の再生を少なくとも伴う演出態様が設定され得る構成とし、当該所定の音声の出力中に遊技者が枠ボタン22に対する操作を行ったことを契機として、可動役物900に対して所定の可動動作を行わせるための特定の可動条件が成立し得る構成とした。そして、所定の音声の出力中に特定の可動条件が成立した場合には、所定の音声(楽曲)の出力(再生)中に複数回出力され得る所定の出力(再生)位置に到達したことを契機として、所定の可動動作を行わせる構成としている。即ち、所定の出力位置として、再生中の所定の音声(楽曲)のリズムに応じたタイミングを規定しておき、リズムに応じたタイミングに到達したと判別された場合に可動役物900に対して所定の可動動作を行わせる構成としている。このように構成することで、あたかも出力(再生)中の音声(楽曲)のリズムに合わせて可動役物900が可動しているかのような演出態様を実現することができるので、演出態様をより好適に設定することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。この第23制御例におけるパチンコ機10が、上述した第21制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第21制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第21制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図803~図806を参照して、本第23制御例における特徴的な演出態様である演奏演出について説明する。この演奏演出は、リーチ演出に発展するよりも前に実行される演出であり、遊技者参加型の演出(枠ボタン22に対する操作を促す演出)と、その後に実行されるリーチ演出の種別(期待度)を報知する演出と、で少なくとも構成されている。より具体的には、演奏演出が実行されると、所定の音声(楽曲)が再生(出力)されると共に、当該所定の音声(楽曲)のリズムに対応するタイミングで枠ボタン22に対する操作を行うことが複数回促される演出が実行される。そして、演出終了時には、遊技者の操作結果(リズムに応じたタイミングで枠ボタン22を操作したと判定された回数)を加味して、演出結果(演奏成功の演出結果とするか演奏失敗の演出結果とするか)を決定すると共に、演出結果および特別図柄の抽選結果を加味して、演奏演出終了後に実行するリーチ演出の種別(期待度)を決定し、これらを報知する演出が実行される。決定されるリーチ演出の種別には、星1リーチ~星5リーチの5種類が設けられており、星の数が多いほど高い期待度に対応する演出に設定されている。また、演奏演出において演奏成功の演出結果が報知された場合には、星3以上の期待度に対応するリーチ演出の中から1の演出が選択されるように制御される一方で、演奏失敗の演出結果が報知された場合には、星3以下の期待度に対応するリーチ演出の中から1の演出が選択されるように制御されるため、より期待度が高い演出を実行させたいと期待する遊技者に対して、演奏演出の実行中に積極的に枠ボタン22を操作させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図803(a)は、演奏演出の開始時における演出態様の一例を示した図である。この演奏演出は、第3図柄表示装置81において第3図柄が高速変動されている間に開始される可能性がある演出である。図803(a)に示した通り、演奏演出の開始時においては、主表示領域Dmにおいて、ウサギのキャラクタ801が楽器(図803(a)の例ではリコーダー)を発見する演出が実行される。また、主表示領域Dmにおける上部に形成される表示領域HR10に対して、発見した楽器の種別を報知する文字(例えば、「リコーダー発見!!」という文字)が表示される。これらの表示内容により、ウサギのキャラクタ801が発見した楽器を演奏する演出が展開されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、図示については省略したが、ウサギのキャラクタ801が楽器を発見することができずにそのまま演出が終了されると共に外れ図柄が停止表示されるガセ演出も設けられている。演奏演出においてウサギのキャラクタ801が楽器を発見した後は、ウサギのキャラクタ801が発見した楽器を演奏する演出が実行される。より具体的には、図803(b)に示した通り、可動役物900が演出開始位置(作動位置)へと降下(変位)されると共に、主表示領域Dmの上方に形成される表示領域HR10に対して、「リズムに合わせてボタンを押して演奏をアシストするんだ!」という文字が表示される。また、主表示領域Dmの下方において、ウサギのキャラクタ801が楽器を構える表示態様が設定される。また、ウサギのキャラクタ801の正面視右方には、横長略長方形形状の表示領域Dm64が形成され、当該表示領域Dm64の内部に5つの縦長略長方形形状の画像(ゲージ)が左右方向に並んだ表示態様のチャンスメーターCMが表示される。更に、当該表示領域Dm64の内部におけるチャンスメーターCMの上方に、「チャンスメーター」という文字が表示される。詳細については後述するが、このチャンスメーターCMのゲージ数を加味して、演奏演出の演出結果を成功に対応する演出結果とするか、失敗に対応する演出結果とするかが抽選によって決定される。
更に、図803(b)に示した通り、表示領域Dm64の正面視右方には、横長略長方形形状の表示領域HR63が形成される。この表示領域HR63は、枠ボタン22に対する押下タイミングを遊技者に対して示唆するための画像が表示される。ここで、演奏演出においては、再生(出力)中の音声(楽曲)のリズムに応じたタイミング(出力中の音声が所定条件を満たすタイミング)で枠ボタン22が押下された(押下に成功した)と判定される期間(成功期間)、およびリズムとはずれたタイミングで枠ボタン22が押下された(押下に失敗した)と判定される期間(抽選期間A又は抽選期間B)が設定されている。表示領域HR63は、枠ボタン22に対する押下を検出した場合に、成功期間と判定されるタイミングを示唆する表示内容で構成されている。より具体的には、図803(b)に示した通り、表示領域HR63の内部における左側には、「PUSH」という文字が表示された横長略楕円形形状のプッシュ画像PGが形成されると共に、当該プッシュ画像PGの下端から鉛直下方に向けて、破線で表示されたプッシュ判定ラインPLが表示される。更に、表示領域HR63の右側から左側に向けて、8分音符を模した音符画像OGがスクロールする表示態様が設定される。この音符画像OGのうち、8分音符の符頭(たま)を模した部分の中央がプッシュ判定ラインPLと重なる前後0.25m秒が成功期間となり、それ以外の期間が抽選期間A又は抽選期間Bとなるように、音符画像OGの出現タイミングやスクロール速度等が予め設定されている。これらの表示内容により、音符画像OGがプッシュ判定ラインPLに重なったタイミングを狙って枠ボタン22を押下すれば良いということを、遊技者に対して容易に理解させることができるので、遊技者に対してより理解し易い遊技性を実現することができる。
なお、この演奏演出では、例えば、発見した楽器を用いてドレミファソラシドの各音階を順に発音することを試みる演出が実行される。「ド」から「シ」までの各音階を発音する際に、遊技者の遊技結果(枠ボタン22に対する押下タイミング)を加味してチャンスメーターCMのゲージ数を減少させるか否かが報知される。そして、最終的に演奏成功に対応する演出結果を報知する場合は、例えば、ドレミファソラシドの全ての音階を正常に発音させることに成功する演出が実行される一方で、失敗に対応する演出結果を報知する場合は、最後の「ド」の音階を正常に発音させることができず、「ピュー」という異常な音を発音させてしまう演出が実行される。これらの演出内容により、演奏演出の演出結果が成功となったのか失敗となったのかを聴覚的に分かり易く報知することができる。よって、より分かり易い演出態様を実現することができる。
次いで、図804(a)を参照して、演奏演出においてリズムに合ったタイミング(出力中の音声が所定条件を満たすタイミング)で遊技者が枠ボタン22を操作(押下)した場合の演出態様について説明する。図804(a)に示した通り、演奏演出の実行中は、枠ボタン22に対する操作(押下)を検出すると、当該検出から0.1秒間の間、プッシュ画像PGが発光した見た目に切り替わると共に、プッシュ判定ラインPLが破線から実線に切り替わる。また、枠ボタン22に対する押下が、出力中の音声のリズムに合ったタイミング(新たな音階を出力するタイミング)であった場合、には、表示領域Dm63の内部における上部右側に対して、「GREAT」という文字が表示される。更に、ウサギのキャラクタ801が楽器(リコーダー)を演奏(吹奏)して、対応する音階(図804(a)の例では「ミ」の音階)を発音させる音声演出および表示演出が実行されると共に、可動役物900が演出位置(作動位置)から所定ステップ数(17ステップ)分降下した後で、演出位置(作動位置)に戻る演出動作(縦揺れ動作)が実行される。つまり、出力(再生)中の音声(楽曲)のリズムに合わせて可動役物900が可動動作を行っているかのような演出を実現することができる。これらの演出内容により、枠ボタン22をリズムに合ったタイミング(出力中の音声が所定条件を満たすタイミング)で操作(押下)できたことにより、リズムに合わせて可動役物900の演出動作が行われたということ、およびチャンスメーターCMのゲージ数が減らずに維持されたということを遊技者に対して直感的に理解させることができる。よって、分かり易い演出動作を実現することができる。
また、図804(b)は、リズムとずれたタイミング(出力中の音声が所定条件を満たしていないタイミング)で遊技者が枠ボタン22を操作(押下)した場合の演出態様を示した図である。この場合、図804(b)に示した通り、押下検出時にプッシュ画像PGが発光した見た目に切り替わると共に、プッシュ判定ラインPLが破線から実線に切り替わる以外、演出態様に変化が無いように構成され、次にリズムに合ったタイミングとなった際に、操作(押下)結果が報知される。ここで、本第23制御例では、リズムとずれたタイミングで枠ボタン22に対する押下を検出したとしても、即座に押下に失敗したとしてチャンスメーターCMのゲージ数を減らすのではなく、押下時点で更に可動役物900を可動(変位)させるか否か(チャンスメーターCMのゲージ数を維持するのか否か)の抽選を行い、当該抽選の結果に応じて異なる演出動作を実行する構成としている。この抽選結果毎の演出動作について、図805を参照して、具体的に説明する。
まず、図805(a)を参照して、リズムとずれたタイミングで枠ボタン22に対する押下を検出し、当該押下時の抽選結果が可動役物900の可動に対応する抽選結果となった(変位抽選に当選した)場合の演出動作について説明する。図805(a)に示した通り、変位抽選に当選した場合、ウサギのキャラクタ801が次の音階(図805(a)の例では、「ミ」の音階)を出力するタイミングで可動役物900が演出位置(作動位置)から所定ステップ数(17ステップ)分降下した後で、演出位置(作動位置)に戻る演出動作(変位演出)が実行される。つまり、リズムに合ったタイミングで枠ボタン22に対する押下を検出した場合と同一の役物動作(変位動作)が実行される。言い換えれば、出力(再生)中の音声(楽曲)リズムとずれたタイミングで枠ボタン22に対する押下を検出し、当該検出に基づいて実行される変位抽選に当選した(変位条件が成立した)場合は、リズムに合ったタイミングとなるまで可動役物900の変位が待機(遅延)され、出力(再生)中の音声(楽曲)のリズムに合ったタイミングとなってから可動役物900の変位動作を実行する構成としている。また、表示領域Dm63に対して、変位抽選に当選したことを示すための「GOOD!」という文字が表示される。このように構成することで、リズムからずれたタイミングで枠ボタン22に対する押下を検出したとしても、可動役物900をあたかもリズムに合わせて可動(変位)させているかのような演出態様を実現することができるので、演出態様をより好適に設定することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図805(b)を参照して、リズムとずれたタイミングで枠ボタン22に対する押下を検出し、当該押下時の抽選結果が可動役物900の可動に対応する抽選結果とならなかった(変位抽選で非当選となった)場合の演出動作について説明する。図805(b)に示した通り、変位抽選で非当選となった場合は、リズムに合ったタイミングにおいて可動役物900の役物動作が行われずに演出位置(作動位置)に維持される。また、表示領域Dm64において、チャンスメーターCMのゲージ数(メーター数)が1減少する表示演出が実行される。更に、表示領域Dm63に対して、変位抽選で非当選になったことを示すための「NG」という文字が表示される。これらの演出態様により、遊技者に対して変位抽選が非当選であったということを容易に理解させることができる。次に、図806を参照して、演奏演出の演出結果が報知された場合の演出態様について説明する。まず、図806(a)を参照して、演奏演出で成功に対応する演出結果となった場合の演出態様について説明する。図806(a)に示した通り、演奏演出で成功に対応する演出結果となった場合は、ウサギのキャラクタ801が演奏中の楽曲(音声)における最後の音階(図806(a)の例では「ド」の音階)を発音させる(吹奏する)ことに成功する演出が実行されると共に、可動役物900が第3図柄表示装置81の下方の手前側まで落下(変位)する役物動作(変位動作)が実行される。また、第3図柄表示装置81における上部に形成される表示領域HR10に対して、「成功!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して演奏演出で演奏に成功したということを容易に理解させることができ、星3以上の期待度のリーチ演出の実行が確定したということをも理解させることができる。よって、その後に実行されるリーチ演出に対する期待感をより高めることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図806(b)は、演奏演出で失敗に対応する演出結果となった場合の演出態様の一例を示した図である。図806(b)に示した通り、演奏演出で失敗に対応する演出結果になった場合は、ウサギのキャラクタ801が演奏中の楽曲(音声)における最後の音階の発音に失敗し、異なる音(図806(b)の例では、「ピュー」という音)が発音されてしまう演出が実行される。また、可動役物900が演出位置(作動位置)に維持されたままとなり、表示領域HR10には、「失敗・・・」という文字が表示される。これらの表示内容により、演奏演出で演奏に失敗したということを遊技者に対して容易に理解させることができ、星1~星3の範囲のリーチ演出が実行されるということをも理解させることができるので、その後のリーチ演出に対して過剰な期待を抱かせてしまうことを抑制することができる。
<第23制御例における電気的構成>
次に、図807から図814を参照して、本第23制御例における電気的構成について説明する。まず、図807を参照して、本第23制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図807は、本第23制御例におけるROM222の構成を示すブロック図である。図807に示した通り、本第23制御例におけるROM222は、上述した第21制御例におけるROM222の構成(図729参照)に対して、動作シナリオテーブル群222uugに代えて動作シナリオテーブル群222uwaが設けられている点で相違している。また、押下期間種別テーブル222uwb、成功抽選テーブル222uwc、演出結果選択テーブル222uwd、および発展先選択テーブル222uweが追加されている点でも相違している。まず、図808を参照して、本第23制御例における動作シナリオテーブル群222uwaの詳細について説明する。図808(a)は、本第23制御例における動作シナリオテーブル群222uwaの構成を示すブロック図である。図808(a)に示した通り、本第23制御例における動作シナリオテーブル群222uwaは、上述した第21制御例における動作シナリオテーブル群222uugの構成(図730参照)に対して、第2退避シナリオテーブル222uwa1、当選時動作テーブル222uwa2が追加されている点、および振動シナリオテーブル222uugbが削除されている点で相違している。
まず、第2退避シナリオテーブル222uwa1について説明する。この第2退避シナリオテーブル222uwa1は、演奏演出において失敗に対応する演出結果が報知された(図806(b)参照)後において、演出位置(作動位置)の可動役物900を退避位置まで戻す場合に参照されるテーブルである。ここで、図示については省略したが、第2退避シナリオテーブル222uwa1は、退避シナリオテーブル222uc(図694(b)参照)に対して、処理カウンタ223ukの値「1」に対応するシナリオが異なっている点でのみ相違している。より具体的には、処理カウンタ223ukの値「1」に対応する保持動作の時間が10msから3860msに変更されている点でのみ相違している。つまり、退避シナリオテーブル222uwa1を参照して可動役物を退避位置へと戻す場合に比較して、退避動作の開始タイミングが3850ms遅くなるようにシナリオが規定されている。演奏演出において失敗に対応する演出結果が報知される場合は、成功に対応する演出結果が報知される(図806(a)参照)場合に比較して、可動役物900の落下動作が行われない分、可動役物900の演出動作が少ないという相違点がある。つまり、成功に対応する演出結果が報知される場合は、可動役物900の落下動作が終了した後で、退避位置へと戻すための退避動作が実行される一方で、失敗に対応する演出結果が報知される場合は、失敗を示す表示演出のみを行った後で可動役物900を退避位置へと戻すための退避動作が実行される。このため、落下動作の分の演出期間がずれる(失敗が報知された場合と成功が報知された場合とでその後に実行されるリーチ演出の開始タイミングがずれる)ことを抑制すべく、失敗が報知される演奏演出では、退避シナリオテーブル222ucよりも保持動作の時間が長くなる第2退避シナリオテーブル222uwa1を参照して退避動作を行わせる構成としている。このように構成することで、リーチ演出の開始タイミングを演奏演出の演出結果によらず共通化することができるので、演奏演出が終了した後の演出態様をより好適に設定することができる。
次に、図808(b)を参照して、上述した当選時動作テーブル222uwa2の詳細について説明する。図808(b)は、この当選時動作テーブル222uwa2の規定内容を示した図である。この当選時動作テーブル222uwa2は、演奏演出においてリズムに合ったタイミング(成功期間)で枠ボタン22に対する押下を検出したか、またはリズムからずれたタイミング(抽選期間A又は抽選期間B)において押下を検出し、押下検出時に実行される可動役物900の変位抽選に当選した場合に可動役物900に対して設定される縦揺れ動作を実現するための動作シナリオが規定されたデータテーブルである。図808(b)に示した通り、この当選時動作テーブル222uwa2において、処理カウンタ223ukの値「1」に対して、10msの保持動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「2」に対して、駆動モータ905が2ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの正回転動作が17ステップ実行される正回転動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「3」に対して、10msの保持動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「4」に対して、駆動モータ905が2ms毎に1ステップ駆動(励磁)される駆動スピードの逆回転動作が17ステップ実行される逆回転動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「5」に対して、10msの無動作(非駆動動作)が対応付けて規定されている。これらの規定内容により、この当選時動作テーブル222uwa2を参照して可動役物900の動作を設定した場合、可動役物900が短時間(34ms)の下降動作を行った後で、短時間(34ms)の上昇動作を行うことで演出位置(作動位置)に戻る役物動作が実現される。これにより、遊技者からは、可動役物900が微細な縦揺れを行ったように把握される。
次に、図809を参照して、上述した押下期間種別テーブル222uwbの詳細について説明する。この押下期間種別テーブル222uwbは、演奏演出において、枠ボタン22の押下を検出した場合に、当該押下のタイミングがリズムに合ったタイミング(成功期間)であるか否(抽選期間A又は抽選期間B)かを判定するために参照されるデータテーブルである。ここで、成功期間は、枠ボタン22に対する押下を検出した場合に、無条件で押下成功と判定される(チャンスメーターCMのゲージ数が維持されると共に可動役物900の縦揺れ動作が実行される)期間であり、リズムに合ったタイミング(新たな音階を発音(演奏)するタイミングの前後0.25秒)に設定される。また、抽選期間Aは、枠ボタン22に対する押下を検出した場合に比較的低確率で押下成功と判定される期間であり、ウサギのキャラクタ801が発音(演奏)する音声(楽曲)のリズムから大きくずれた期間に設定される。更に、抽選期間Bは、枠ボタン22に対する押下を検出した場合に比較的高確率で押下成功と判定される期間であり、リズムに合ったタイミングではないものの、抽選期間Aよりはずれが少ない期間に設定される。この押下期間種別テーブル222uwbには、演奏演出が開始されてからの経過時間(演奏演出における経過時間を計時するための演奏演出タイマ223uwdのタイマ値)の範囲と、押下期間の種別と、が対応付けて規定されている。
図809に示した通り、押下期間種別テーブル222uwbにおいて、経過時間が0ms~999msの範囲(演奏演出タイマ223uwdのタイマ値が「0000H」~「03E7H」の範囲)に対して、押下期間の種別として「抽選期間A」が対応付けて規定され、経過時間が1000ms~1999msの範囲(演奏演出タイマ223uwdのタイマ値が「03E8H」~「07CFH」の範囲)に対して、押下期間の種別として「抽選期間B」が対応付けて規定され、経過時間が2000ms~2499msの範囲(演奏演出タイマ223uwdのタイマ値が「07D0H」~「09C3H」の範囲)に対して、押下期間の種別として「成功期間」が対応付けて規定されている。以降も、演奏演出の開始後における経過期間に応じて抽選期間Aと、抽選期間Bと、成功期間と、が順に対応付けられている。演奏演出においては、枠ボタン22に対する押下を検出する毎にこの押下期間種別テーブル222uwbが参照されて期間の種別が特定され、当該特定した期間の種別に応じて押下成功と判定するか否かが決定される。枠ボタン22に対する押下を検出した場合に、この押下期間種別テーブル222uwbを参照して押下期間の種別を判別する構成とすることにより、枠ボタン22に対する押下を検出した場合における処理を、比較的単純な処理とすることができるので、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
なお、本第23制御例では、成功期間、抽選期間A、および抽選期間Bを押下期間種別テーブル222uwbに対して予め規定しておく構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、枠ボタン22に対する押下を検出した場合に、再生している音声(楽曲)の再生位置を通知するように音声出力装置226に対して指令コマンドを出力し、当該指令コマンドを受けた音声出力装置226が、音声(楽曲)の再生位置(リズムに合ったタイミングであるか否かを最低限把握可能な情報)を音声ランプ制御装置113に対してコマンドにより通知する構成としてもよい。このように構成することで、実際に音声を再生している音声出力装置226から直接的に再生位置を取得することができるので、より正確に、枠ボタン22に対する押下を検出したタイミングがリズムに合ったタイミングであるか否かを判別することができる。よって、演奏演出をより好適に実行することができる。次に、図810を参照して、成功抽選テーブル222uwcの詳細について説明する。この成功抽選テーブル222uwcは、枠ボタン22に対する押下を検出した場合に、押下成功(チャンスメーターCMの可ゲージ数を維持して動役物900を可動(変位)させる)と判定するか失敗(可動役物900を可動(変位)させずにチャンスメーターCMのゲージ数を減らす)と判定するかを抽選するために参照されるデータテーブルである。図810(a)は、この成功抽選テーブル222uwcの構成を示すブロック図である。
図810(a)に示した通り、この成功抽選テーブル222uwcは、抽選期間A(リズムから比較的大きくずれた期間)において枠ボタン22に対する押下を検出した場合に押下成功と判定するかを抽選するために参照される期間A用テーブル222uwc1と、抽選期間B(リズムからのずれが比較的少ない期間)において枠ボタン22に対する押下を検出した場合に押下成功と判定するかを抽選するために参照される期間B用テーブル222uwc2と、押下成功と判定されてから遊技者の操作(押下)結果が報知される(可動役物900が縦揺れ動作を行うか否かやチャンスメーターCMのゲージ数が減らされるか否かが報知される)までの間の期間において更に枠ボタン22に対する押下を検出した場合に押下成功と判定するかを抽選するために参照される押下成功後用テーブル222uwc3と、が少なくとも設けられている。なお、成功期間において枠ボタン22に対する初回の押下を検出した場合には、無条件で押下成功と判定されるため、成功期間用のテーブルは規定されていない。
まず、図810(b)を参照して、上述した期間A用テーブル222uwc1の詳細について説明する。図810(b)は、この期間A用テーブル222uwc1の規定内容を示した図である。図810(b)に示した通り、期間A用テーブル222uwc1には、特別図柄の抽選結果毎に、抽選期間Aにおいて枠ボタン22に対する押下を検出した場合に押下成功と判定する判定値の範囲が規定されている。具体的には、図810(b)に示した通り、特別図柄の抽選結果「大当たり」に対しては、第1演出カウンタ223uufの値が「0~24」の範囲が押下成功と判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。一方、特別図柄の抽選結果「外れ」に対しては、第1演出カウンタ223uufの値が「0~19」の範囲が押下成功と判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。第1演出カウンタ223uufは、「0~99」の範囲で更新されるループカウンタで構成されているので、実行中の特別図柄の変動表示(演奏演出を伴う変動表示)が大当たりに対応するものであった場合、抽選期間Aにおいて押下を検出すると25%(25/100)の割合で押下成功と判定される(75%の割合で押下失敗と判定される)。一方、実行中の特別図柄の変動表示(演奏演出を伴う変動表示)が外れに対応するものであった場合、抽選期間Aにおいて押下を検出すると20%(20/100)の割合で押下成功と判定される(80%の割合で押下失敗と判定される)。よって、抽選期間Aにおいて枠ボタン22に対する押下を検出した場合、大当たりに対応する変動表示の方が、外れに対応する変動表示よりも、押下成功と判定される割合が5%高くなる。このため、抽選期間Aにおいて枠ボタン22に対する押下を行って押下成功と判定された場合に、大当たりに対する期待感を高めることができ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上さセルことができる。
次に、図810(c)を参照して、上述した期間B用テーブル222uwc2の詳細について説明する。図810(c)は、この期間B用テーブル222uwc2の規定内容を示した図である。図810(c)に示した通り、期間B用テーブル222uwc2には、特別図柄の抽選結果毎に、抽選期間Bにおいて枠ボタン22に対する押下を検出した場合に押下成功と判定する判定値の範囲が規定されている。具体的には、図810(c)に示した通り、特別図柄の抽選結果「大当たり」に対しては、第1演出カウンタ223uufの値が「0~54」の範囲が押下成功と判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。一方、特別図柄の抽選結果「外れ」に対しては、第1演出カウンタ223uufの値が「0~39」の範囲が押下成功と判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。このため、実行中の特別図柄の変動表示(演奏演出を伴う変動表示)が大当たりに対応するものであった場合、抽選期間Bにおいて押下を検出すると55%(55/100)の割合で押下成功と判定される(45%の割合で押下失敗と判定される)。一方、実行中の特別図柄の変動表示(演奏演出を伴う変動表示)が外れに対応するものであった場合、抽選期間Bにおいて押下を検出すると40%(40/100)の割合で押下成功と判定される(60%の割合で押下失敗と判定される)。よって、抽選期間Bにおいて枠ボタン22に対する押下を検出した場合、抽選期間Aよりも押下成功と判定される割合が高くなる。また、大当たりの場合と、外れの場合とで、押下成功と判定される割合の差が大きくなる。よって、抽選期間Bにおいて枠ボタン22に対する押下を行って押下成功と判定された場合に、大当たりに対する期待感をより高めることができ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図810(d)を参照して、上述した押下成功後用テーブル222uwc3の詳細について説明する。図810(d)は、この押下成功後用テーブル222uwc3の規定内容を示した図である。この押下成功後用テーブル222uwc3には、一旦押下成功と判定された後において再度枠ボタン22に対する押下を検出した場合に押下成功と判定する判定値の範囲が規定されている。この押下成功後用テーブル222uwc3を参照した判定で成功と判定されなかった場合は、押下結果が押下失敗に更新(上書き)される。図810(d)に示した通り、押下成功後用テーブル222uwc3においては、特別図柄の抽選結果によらず、第1演出カウンタ223uufの値が「0~4」の範囲が押下成功と判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。このため、一旦押下成功と判定された後で更に枠ボタン22に対する押下を行った場合は、5%(5/100)という極めて低い割合でしか成功と判定されなくなってしまう(95%の割合で押下成功の押下結果が押下失敗の押下結果に上書きされてしまう)。よって、演奏演出で演奏成功に対応する演出結果を導出させて期待度が高いリーチ演出に発展させたい(押下成功と判定され続けてチャンスメーターCMのゲージ数を多く保たせたい)と希望する遊技者に対して、より慎重に枠ボタン22に対する押下を行わせることができる。つまり、リズムを無視して継続的に枠ボタン22に対する押下を繰り返す押下方法を行うことで、偶然リズムに合ったタイミングでの操作が実現されたとしても、それよりも前に既に押下成功と判定されていれば、95%の割合で押下失敗の押下結果に上書きされてしまう結果となる。よって、演奏演出の趣旨に則ってウサギのキャラクタ801が発音(演奏)する音声(楽曲)のリズムに合わせて枠ボタン22に対する操作(押下)を行うことが、演奏演出で演奏成功に対応する演出結果を導出させるための最適な遊技方法とすることができ、演奏演出の演出内容を無視した遊技方法(音声(楽曲)を無視して枠ボタン22に対する押下を短い間隔で繰り返す遊技方法)で遊技が行われてしまうことを抑制することができる。
なお、本第23制御例では、押下成功と判定された後で当該押下結果が報知されるよりも前に再度枠ボタン22に対する押下を検出した場合にのみ、押下成功と判定される可能性が低い押下成功後用テーブル222uwc3を参照して押下成功と判定するか否かを再度抽選する構成としているが、これに限られるものではない。押下失敗と判定された後で当該押下結果が報知されるよりも前に再度枠ボタン22に対する押下を検出した場合においても、押下成功と判定される可能性が低い(若しくは可能性が0の)テーブルを参照して押下成功と判定するか否かを再度抽選する構成としてもよい。このように構成することで、演奏演出で再生(出力)される音声(楽曲)のリズムを無視して枠ボタン22に対する押下を短い間隔で繰り返す遊技方法に対する抑制をより効果的に図ることができる。次に、図811を参照して、演出結果選択テーブル222uwdの詳細について説明する。この演出結果選択テーブル222uwdは、演奏演出の終了時におけるチャンスメーターCMのゲージ数(メーター数)を加味して演奏演出の演出結果(演奏に成功する演出結果、または演奏に失敗する演出結果のいずれか)を決定するために参照されるデータテーブルである。図811は、この演出結果選択テーブル222uwdの規定内容を示した図である。図811に示した通り、この演出結果選択テーブル222uwdは、演奏演出終了時におけるチャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)毎に、各演出結果(成功、または失敗)と判定される判定値(第1演出カウンタ223uufのカウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている。
より具体的には、図811に示した通り、チャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)「5」に対しては、第1演出カウンタ223uufが取り得る全ての値の範囲(「0~99」の範囲)に対して、演出結果として「成功」が対応付けて規定されている。このため、チャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)が「5」のまま(即ち、全ての押下で押下成功と判定されて)演奏演出における最後の音階を出力しようとする演出に到達することができれば、必ず成功に対応する演出結果が報知される(図806(a)参照)。つまり、演奏演出の終了後に星3以上の期待度のリーチ演出に発展することが確定するため、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、図811に示した通り、チャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)「4」に対しては、第1演出カウンタ223uufの値が「0~74」の範囲に対して、演出結果として「成功」が対応付けて規定され、「75~99」の範囲に対して、演出結果として「失敗」が対応付けて規定されている。このため、チャンスメーターCMのゲージ数が「4」の状態で(即ち、1回のみ押下失敗と判定され、残りの押下は全て成功と判定された状態で)演奏演出における最後の音階を出力する演出に到達した場合は、75%(75/100)の割合で成功に対応する演出結果(図806(a)参照)が報知され、25%(25/100)の割合で失敗に対応する演出結果(図806(b)参照)が報知される。このため、チャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)が「4」の状態で演奏演出における最後の音階を出力しようとする演出に到達した場合は、比較的高い割合で成功に対応する演出結果が選択(決定)されるため、成功に対応する演出結果が報知されることに対する強い期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、図811に示した通り、チャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)「3」に対しては、第1演出カウンタ223uufの値が「0~49」の範囲に対して、演出結果として「成功」が対応付けて規定され、「50~99」の範囲に対して、演出結果として「失敗」が対応付けて規定されている。このため、チャンスメーターCMのゲージ数が「3」の状態で(即ち、2回のみ押下失敗と判定され、残りの押下は全て成功と判定された状態で)演奏演出における最後の音階を出力する演出に到達した場合は、50%(50/100)の割合で成功に対応する演出結果(図806(a)参照)が報知され、50%(50/100)の割合で失敗に対応する演出結果(図806(b)参照)が報知される。このため、チャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)が「3」の状態で演奏演出における最後の音階を出力しようとする演出に到達した場合は、成功と失敗とが半々となるり、演出結果がどちらになるかわからないドキドキ感を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、図811に示した通り、チャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)「2」に対しては、第1演出カウンタ223uufの値が「0~24」の範囲に対して、演出結果として「成功」が対応付けて規定され、「25~99」の範囲に対して、演出結果として「失敗」が対応付けて規定されている。このため、チャンスメーターCMのゲージ数が「2」の状態で(即ち、3回押下失敗と判定され、残りの押下は全て成功と判定された状態で)演奏演出における最後の音階を出力する演出に到達した場合は、25%(25/100)の割合で成功に対応する演出結果(図806(a)参照)が報知され、75%(75/100)の割合で失敗に対応する演出結果(図806(b)参照)が報知される。このため、チャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)が「2」の状態で演奏演出における最後の音階を出力しようとする演出に到達した場合は、失敗に対応する演出結果となる可能性の方が高いので、遊技者に対して成功に対する演出が実行されることに対する過度な期待感を抱かせることが抑制できる。
また、図811に示した通り、チャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)「1」に対しては、第1演出カウンタ223uufの値が「0~14」の範囲に対して、演出結果として「成功」が対応付けて規定され、「15~99」の範囲に対して、演出結果として「失敗」が対応付けて規定されている。このため、チャンスメーターCMのゲージ数が「1」の状態で(即ち、4回押下失敗と判定され、残りの押下は全て成功と判定された状態で)演奏演出における最後の音階を出力する演出に到達した場合は、15%(15/100)の割合で成功に対応する演出結果(図806(a)参照)が報知され、85%(75/100)の割合で失敗に対応する演出結果(図806(b)参照)が報知される。このため、チャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)が「1」の状態で演奏演出における最後の音階を出力しようとする演出に到達した場合は、メーター数が「2」の場合よりも更に失敗に対応する演出結果となる可能性が高くなるので、遊技者に対して成功に対する演出が実行されることに対する過度な期待感を抱かせることが抑制できる。
更に、図811に示した通り、チャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)「1」に対しては、第1演出カウンタ223uufの値が「0~4」の範囲に対して、演出結果として「成功」が対応付けて規定され、「5~99」の範囲に対して、演出結果として「失敗」が対応付けて規定されている。このため、チャンスメーターCMのゲージ数が「0」の状態で(即ち、5回以上押下失敗と判定された状態で)演奏演出における最後の音階を出力する演出に到達した場合は、5%(5/100)の割合で成功に対応する演出結果(図806(a)参照)が報知され、95%(75/100)の割合で失敗に対応する演出結果(図806(b)参照)が報知される。このため、チャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)が「0」の状態で演奏演出における最後の音階を出力しようとする演出に到達した場合は、成功に対応する演出結果となる可能性が極めて低くなるため、次の演奏演出では、リズムに合わせて枠ボタン22に対する押下を実施しようと遊技者に対して思わせることができる。よって、遊技に対する継続意欲を向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、本第23制御例では、演奏演出の演出結果を、チャンスメーターCMのメーター数のみに基づいて決定する(実行中の変動表示演出の抽選結果によらずに決定する)構成としていたが、これに限られるものではなく、特別図柄の抽選結果も加味して演出結果を決定してもよい。このように構成することで、チャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)と決定された演出結果とから特別図柄の抽選結果を予測する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図812を参照して、発展先選択テーブル222uweの詳細について説明する。この発展先選択テーブル222uweは、演奏演出の演出結果に応じて、演奏演出の終了後に実行される(発展する)リーチ演出の種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図812は、この発展先選択テーブル222uweの規定内容を示した図である。図812に示した通り、この発展先選択テーブル222uweは、演奏演出の演出結果、および特別図柄の抽選結果毎に、実行されるリーチ演出の種別(発展先)と、第1演出カウンタ223uufの値とが対応付けて規定されている。より具体的には、図812に示した通り、演奏演出の演出結果が成功であり、且つ、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合、第1演出カウンタ223uufの値「0」に対して、「星5リーチ」が対応付けて規定され、「1~24」の範囲に対して、「星4リーチ」が対応付けて規定され、「25~99」の範囲に対して、「星3リーチ」が対応付けて規定されている。また、演奏演出の演出結果が成功であり、且つ、特別図柄の抽選結果が外れである場合、第1演出カウンタ223uufの値が「0~9」の範囲に対して、「星4リーチ」が対応付けて規定され、「10~99」の範囲に対して、「星3リーチ」が対応付けて規定されている一方で、「星5リーチ」には第1演出カウンタ223uufの値が対応付けられていない。
このため、大当たり変動にて演奏演出で成功に対応する演出結果となった場合は、1%(1/100)の割合で「星5リーチ」に発展し、24%(24/100)の割合で「星4リーチ」に発展し、75%(75/100)の割合で「星3リーチ」に発展する一方で、外れ変動にて演奏演出で成功に対応する演出結果となった場合は、10%(10/100)の割合で「星4リーチ」に発展し、90%(90/100)の割合で「星3リーチ」に発展する。よって、成功に対応する演出結果となって大当たりの場合にしか決定され得ない「星5リーチ」に発展した場合は、大当たりとなることを遊技者に対して確信させることができるため、遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができる。また、大当たりとなる場合の方が選択割合が高い「星4リーチ」に発展した場合は、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができるので、リーチ演出の実行中における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。更に、大当たりでも外れでも過半数の割合で決定される「星3リーチ」に発展した場合についても、大当たりの可能性があると遊技者に思わせることができるので、リーチ演出の実行中における興趣を向上させることができる。また、図812に示した通り、演奏演出の演出結果が失敗であり、且つ、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合、第1演出カウンタ223uufの値が「0~9」の範囲に対して、「星3リーチ」が対応付けて規定され、「10~94」の範囲に対して、「星2リーチ」が対応付けて規定され、「95~99」の範囲に対して、「星1リーチ」が対応付けて規定されている。また、演奏演出の演出結果が失敗であり、且つ、特別図柄の抽選結果が外れである場合、第1演出カウンタ223uufの値「0」に対して、「星3リーチ」が対応付けて規定され、「1~79」の範囲に対して、「星2リーチ」が対応付けて規定され、「80~99」の範囲に対して、「星1リーチ」が対応付けて規定されている。
このため、大当たり変動にて演奏演出で成功に対応する演出結果となった場合は、10%(10/100)の割合で「星3リーチ」に発展し、85%(85/100)の割合で「星2リーチ」に発展し、5%(5/100)の割合で「星1リーチ」に発展する一方で、外れ変動にて演奏演出で失敗に対応する演出結果となった場合は、1%(1/100)の割合で「星3リーチ」に発展し、79%(79/100)の割合で「星2リーチ」に発展し、20%(20/100)の割合で「星1リーチ」に発展する。よって、演奏演出で失敗に対応する演出結果となって大当たりの場合に決定され易い「星3リーチ」に発展した場合は、大当たりに対する遊技者の期待感を高めることができる。また、大当たりでも外れでも過半数の割合で決定される「星2リーチ」に発展した場合についても、大当たりの可能性があると遊技者に思わせることができるので、リーチ演出の実行中における興趣を向上させることができる。一方、大当たりよりも外れの方が蹴ってされ易い「星1リーチ」に発展した場合は、遊技者に過度な期待感を抱かせてしまうことを抑制することができる。次に、図813を参照して、本第23制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図813は、本第23制御例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図813に示した通り、本第23制御例におけるRAM223は、上述した第21制御例におけるRAM223の構成(図738参照)に対して、演奏演出フラグ223uwa、押下済フラグ223uwb、抽選結果格納エリア223uwc、演奏演出タイマ223uwd、メーター数カウンタ223uweが追加されている点で相違している。その他の構成については上述した第21制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
演奏演出フラグ223uwaは、演奏演出が設定されている変動表示演出であるか否かを示すためのフラグである。この演奏演出フラグ223uwaがオンであれば、演奏演出が設定されている変動表示演出であることを示し、オフであれば、演奏演出が設定されていないことを示す。この演奏演出フラグ223uwaは、変動表示演出として演奏演出を伴う変動表示態様が決定された場合にオンに設定され(図815のS3105L参照)、演奏演出の終了時(演奏演出の結果報知時)にオフに設定される(図819のS4411L参照)。押下済フラグ223uwbは、演奏演出で既に押下成功と判定されたか否かを示すためのフラグであり、オンであれば演奏演出で既に押下成功と判定されていることを示し、オフであれば押下成功と判定されていないことを示す。この押下済フラグ223uwbは、初期状態がオフに設定されており、演奏演出において押下成功と判定された場合にオンに設定され(図816のS3275L,S3280L参照)、押下結果を報知するタイミングとなる毎にオフに設定される(図819のS4412L参照)。演奏演出の実行中に枠ボタン22に対する押下を検出した場合は、この押下済フラグ223uwbが参照されて、期間の種別に応じた押下成功抽選を行うのか、成功後専用の抽選(押下成功後用テーブル222uwc3を参照した抽選)を行うのかを切り替える構成としている。
抽選結果格納エリア223uwcは、演奏演出において枠ボタン22に対する押下を検出した場合に、当該押下に基づく抽選結果(押下成功と判定されたか失敗と判定されたか)を示す情報が格納される記憶領域である。この抽選結果格納エリア223uwcは、演奏演出において枠ボタン22に対する押下を検出する毎に、当該押下に基づく抽選結果を示す情報が格納される(図816のS3274L、S3281L参照)。枠ボタン22に対する押下結果を報知するタイミング(成功期間の終了タイミング)においては、この抽選結果格納エリア223uwcに格納された情報を参照して、押下成功に対応する情報が記憶されている場合には押下成功に対応する演出(図805(a)参照)を実行する一方で、押下失敗に対応する情報が記憶されている場合には押下失敗に対応する演出(図805(b)参照)を実行する。演奏演出タイマ223uwdは、演奏演出の開始後における経過時間を計時するためのタイマである。演奏演出の実行中は、枠ボタン22に対する押下を検出する毎に、押下期間種別テーブル222uwdに規定されている経過時間と押下期間種別との対応関係を参照して、現在の押下期間の種別が成功期間、抽選期間A、および抽選期間Bのいずれであるかを特定し、特定した押下期間の種別に応じた抽選確率で押下成功とするか押下失敗とするかを判定する。メーター数カウンタ223uweは、演奏演出において表示されるチャンスメーターCMのメーター数(ゲージ数)をカウントするためのカウンタである。このメーター数カウンタ223uweは、演奏演出の開始時にカウンタ値が5に設定され、演奏演出においてチャンスメーターCMのゲージ数が減少する演出(図805(b)参照)が実行される毎に、値が1ずつ減算される(図819のS4418L参照)。演奏演出の終了時には、このメーター数カウンタ223uweのカウンタ値を参照して、演奏演出の演出結果を成功とするか失敗とするかが抽選される。
次に、図814を参照して、本第23制御例における音声出力装置226の電気的構成について説明する。図814は、本第23制御例における音声出力装置226の電気的構成を示したブロック図である。図814に示した通り、音声出力装置226は、音声ランプ制御装置113とデータの送受信が可能に接続されている。図814に示した通り、音声出力装置226は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU301が搭載されている。MPU301には、当該MPU301により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM302と、そのROM302内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203とが内蔵されている。音声出力装置226のMPU301は、入出力ポート305、および音声合成部306と電気的に接続されている。音声ランプ制御装置113から音声出力装置226に対して、音声データを指定するコマンドを受信した場合には、そのコマンドが入出力ポート305を介してMPU301へ入力される。また、音声ランプ制御装置113によって指定された音声データは、ROM302から読み出されて、音声合成部306の、音声種別に対応するチャンネルに対して出力される。音声合成部306は、各チャンネルに入力された音声データを合成して、合成音声データとしてアンプ部307へと出力する公知の音声合成LSIで構成されている。合成音声データは、アンプ部307によって増幅され、スピーカー部308に入力される。これにより、スピーカー部308から、音声ランプ制御装置113によって指定された各種音声を出力することができる。
また、図814に示した通り、ROM302には、音声ファイル記憶エリア302aが少なくとも設けられている。音声ファイル記憶エリア302aには、パチンコ機10で実行される各種演出において楽曲や効果音等を出力するために用いる音声ファイル(音声データ)が記憶されている記憶領域である。各種演出の実行が音声ランプ制御装置113により通知された場合には、この音声ファイル記憶エリア302aから演出に対応する音声ファイルが読み出され、音声合成部306の対応するチャンネルに出力される。より具体的には、例えば、演奏演出(図803参照)が開始された場合に、ウサギのキャラクタ801が楽器を用いて演奏する楽曲(音声)に対応する音声ファイル(音声データ)が、音声ファイル記憶エリア302aから読み出されて対応するチャンネル(例えば、CN3)に入力(再生)される。また、演奏演出において演出結果を報知する場合(図806参照)は、演出結果に対応する効果音が音声ファイル記憶エリア302aから読み出されて対応するチャンネル(例えば、CN4)に入力(再生)される。
<第23制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図815から図823を参照して、本第23制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図815を参照して、本第23制御例における通常状態演出態様決定処理(S3021L)の詳細について説明する。この通常状態演出態様決定処理(S3021L)は、上述した第21制御例における通常状態演出態様決定処理(図769参照)に代えて実行される処理であり、通常状態演出態様決定処理(図769参照)と同様に、通常状態において変動パターンコマンドを受信した場合に、当該変動パターンコマンドにより通知された変動種別に応じて変動表示態様を決定するために実行される処理である。図815は、この通常状態演出態様決定処理(S3021L)を示すフローチャートである。この第23制御例における通常状態演出態様決定処理(図815参照)のうち、S3101L,S3103L,S3110L,S3111L、およびS3113Lの各処理では、それぞれ上述した第21制御例の通常状態演出態様決定処理(図769参照)におけるS3101L,S3103L,S3110L,S3111L、およびS3113Lの各処理と同一の処理が実行される。また、本第23制御例における通常状態演出態様決定処理(図815参照)では、S3103Lの処理が終了すると、次いで、S3103Lの処理で決定された変動演出種別が演奏演出を伴う変動表示態様であるか否かを判別し(S3171L)、演奏演出を伴う変動表示態様であると判別した場合は(S3171L:Yes)、駆動待機フラグ223223up、および演奏演出フラグ223uwaを共にオンに設定して(S3172L)、処理をS3110Lへと移行する。これに対して、S3171Lの処理において、演奏演出を伴わない変動表示態様が決定されたと判別した場合は(S3171L:No)、演奏演出が実行される可能性がないため、処理をS3111Lへと移行する。
この通常状態演出態様決定処理(図815参照)を実行することにより、演奏演出を伴う変動表示態様が決定された場合に、演奏演出フラグ223uwaをオンにしておくことができるので、演奏演出を確実に開始させることができる。次に、図816を参照して、本第23制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(S2131L)の詳細について説明する。この枠ボタン入力監視・演出処理(図816参照)は、上述した第21制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図図770参照)に代えて実行される処理であり、枠ボタン入力監視・演出処理(図770参照)と同様に、枠ボタン22等の操作部材に対する操作有無を監視すると共に、操作を検出した場合に対応する制御を行うための処理である。この第23制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図816参照)では、まず、枠ボタン22に対する操作(押下)を検出したか否かを判別し(S3204L)、枠ボタン22に対する操作を検出していないと判別した場合は(S3204L:No)、そのまま本処理を終了する。一方で、S3204Lの処理において、枠ボタン22に対する操作(押下)を検出したと判別した場合は(S3204L:Yes)、次いで、演奏演出フラグ223uwaがオンであるか否かを判別する(S3271L)。S3271Lの処理において、演奏演出フラグ223uwaがオフであると判別した場合は(S3271L:No)、枠ボタン22に対する操作が行われたとしても、何らの制御も行われない期間であることを意味するため、そのまま本処理を終了する。
これに対して、S3271Lの処理において、演奏演出フラグ223uwaがオンであると判別した場合は(S3271L:Yes)、演奏演出の実行中であることを意味するため、次いで、押下済フラグ223uwbがオンであるか否かを判別する(S3272L)。S3272Lの処理において、押下済フラグ223uwbがオフであると判別した場合は(S3272L:No)、押下期間種別テーブル222uwb(図809参照)の規定内容と、演奏演出タイマ223uwdのタイマ値とから、現在の押下期間の種別が成功期間であるか否かを判別し(S3273L)、成功期間であると判別した場合は(S3273L:Yes)、抽選結果格納エリア223uwcに押下成功(当選)に対応するデータを格納し(S3274L)、押下済フラグ223uwbをオンに設定して(S3275L)、本処理を終了する。一方で、S3273Lの処理において、現在の押下期間が成功期間ではないと判別した場合は(S3273L:No)、成功抽選テーブル222uwc(図810(a)参照)から現在の押下期間の種別に対応するテーブルを読み出して(S3276L)、処理をS3278Lへと移行する。S3276Lの処理では、現在の押下期間が抽選期間Aである場合に期間A用テーブル222uwc1(図810(b)参照)を読み出す一方で、抽選期間Bである場合には期間B用テーブル222uwc2(図810(c)参照)を読み出す。これらに対し、S3272Lの処理において、押下済フラグ223uwbがオンであると判別した場合は(S3272L:Yes)、成功抽選テーブル222uwc(図810(a)参照)から押下成功後用テーブル222uwc3(図810(d)参照)を読み出して(S3277L)、処理をS3278Lへと移行する。S3276L、またはS3277Lの処理後に実行されるS3278Lの処理では、読み出したテーブルを参照して抽選結果(押下結果)を特定し(S3278L)、特定した抽選結果が成功に対応する抽選結果であるか否かを判別する(S3279L)。
S3279Lの処理において、成功に対応する抽選結果であると判別した場合は(S3279L:Yes)、押下済フラグ223uwbをオンに設定して(S3280L)、処理をS3281Lへと移行する。一方、S3279Lの処理において、失敗に対応する抽選結果になったと判別した場合は(S3279L:No)、S3280Lの処理をスキップして、処理をS3281Lへと移行する。S3281Lの処理では、S3278Lの処理で特定した抽選結果に対応するデータを抽選結果格納エリア223uwcに上書きして(S3281L)、本処理を終了する。この枠ボタン入力監視・演出処理(図816参照)を実行することにより、演奏演出において枠ボタン22に対する押下(操作)を検出する毎に、押下期間の種別を加味して押下成功とするか押下失敗とするかを正確に判定することができる。次に、図817を参照して、本第23制御例における駆動タイマ監視処理(S2122L)の詳細について説明する。この駆動タイマ監視処理(S2122L)は、上述した第21制御例における駆動タイマ監視処理(図772参照)に代えて実行される処理であり、駆動タイマ監視処理(図772参照)と同様に、駆動タイマ223ujのタイマ値を監視して、可動役物900に対する異常発生の有無等を判別するための処理である。
この第23制御例における駆動タイマ監視処理(図817参照)のうち、S3401L~S3403L,S3405L~S3416L、およびS3418Lの各処理では、それぞれ上述した第21制御例における駆動タイマ監視処理(図772参照)のS3401L~S3403L,S3405L~S3416L、およびS3418Lの各処理と同一の処理が実行される。また、本第23制御例における駆動タイマ監視処理(図817参照)では、S3403Lの処理において、異常対応フラグ2223uuがオフであると判別した場合に(S3403L:No)、次いで、落下シナリオに基づく落下動作の実行中であることを示すための落下シナリオ実行フラグ、および枠ボタン22に対する押下検出時に押下成功(当選)と判定された場合に設定される当選時動作(可動役物900の縦揺れ動作)の実行中であることを示すための当選時動作実行フラグのうちどちらかがオンであるか否かを判別する(S3431L)。S3431Lの処理において、何れかのフラグがオンであると判別された場合は(S3431L:Yes)、処理をS3406Lへと移行する一方で、いずれのフラグもオフであると判別した場合は(S3431L:No)、処理をS3405Lへと移行する。また、本第23制御例における駆動タイマ監視処理(図817参照)では、S3416の処理が終了すると、処理をS3418Lへと移行する。次に、図818を参照して、本第23制御例における演出更新処理(S2123L)の詳細について説明する。この演出更新処理(S2123L)は、上述した第21制御例における演出更新処理(図773参照)に代えて実行される処理であり、演出更新処理(図773参照)と同様に、各種演出態様を更新するための処理である。
この第23制御例における演出更新処理(図818参照)のうち、S3501L~S3508L、およびS3512Lの各処理では、それぞれ上述した第21制御例の演出更新処理(図773参照)におけるS3501L~S3508L、およびS3512Lの各処理と同一の処理が実行される。また、本第23制御例における演出更新処理(図818参照)では、S3502Lが終了すると、次いで、演奏演出フラグ223uwaがオンであるか否かを判別し(S3531L)、演奏演出フラグ223uwaがオンであれば(S3531L:Yes)、演奏演出における各種演出態様を更新するための演奏演出更新処理を実行して(S3532L)、本処理を終了する。この演奏演出更新処理(S3532L)の詳細については、図819を参照して後述する。一方、S3531Lの処理で、演奏演出フラグ223uwaがオフであると判別した場合は(S3531L:No)、演奏演出の実行中ではないことを意味するため、S3532Lの処理をスキップして、処理をS3503Lへと移行する。次に、図819を参照して、上述した演奏演出更新処理(S3532L)の詳細について説明する。図819は、この演奏演出更新処理(S3532L)を示すフローチャートである。演奏演出更新処理(S3532L)が実行されると、まず、演奏演出タイマ223uwdのタイマ値が0であるか否かを判別し(S4401L)、演奏演出タイマ223uwdのタイマ値が0であると判別した場合は(S4401L:Yes)、次いで、操作有効期間の開始タイミングであるか否かを判別する(S4402L)。S4402Lの処理において、操作有効期間の開始タイミングでないと判別した場合は(S4402L:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4401Lの処理において、演奏演出タイマ223uwdのタイマ値が0ではないと判別した場合(S4401L:No)、およびS4402Lの処理において、操作有効期間の開始タイミングであると判別した場合は(S4402L:Yes)、次いで、演奏演出タイマ223uwdのタイマ値に1を加算して更新し(S4403L)、更新後のタイマ値が成功期間の終了タイミングに対応するタイマ値となったか否かを判別する(S4404L)。
S4404Lの処理において、成功期間の終了タイミングに対応するタイマ値ではないと判別した場合は(S4404L:No)、次いで、演奏演出の演出結果を報知するタイミング(演奏演出の終了タイミング)であるか否かを判別し(S4405L)、演奏演出の結果報知タイミング(終了タイミング)ではないと判別した場合は(S4405L:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4405Lの処理において、演奏演出の結果報知タイミングであると判別した場合は(S4405L:Yes)、演出結果選択テーブル222uwd(図811参照)を読み出して(S4406L)、その読み出したテーブルを参照して、メーター数カウンタ223uweのカウンタ値が示す現在のチャンスメーターCMのメーター数に対応する演出結果を特定する(S4407L)。次いで、発展先テーブル222uwe(図812参照)を読み出して、その読み出したテーブルの規定内容から、S4407Lの処理で特定した演出結果と、今回の特別図柄の抽選結果と、に応じた発展先の演出態様(リーチ種別)を特定し(S4408L)、S4407Lの処理で特定した演出結果が報知された後で、S4408Lの処理で特定した発展先のリーチ種別に発展する演出態様の後半演出の実行を設定する(S4410L)。次いで、演奏演出フラグ223uwaをオフに設定して、処理をS4417Lへと移行する。これに対し、S4404Lの処理において、更新後のタイマ値が成功期間の終了タイミングに対応するタイマ値であると判別した場合は(S4404L:Yes)、まず、押下済フラグ223uwbをオフに設定し(S4412L)、次いで、抽選結果格納エリア223uwcに当選に対応するデータが格納されているか否かを判別する(S4413L)。S4413Lの処理において、当選(押下成功)に対応するデータが格納されていると判別した場合は(S4413L:Yes)、当選(押下成功)用の演出の実行を設定して(S4414L)、処理をS4417Lへと移行する。
一方、S4413Lの処理において、抽選結果格納エリア223uwcに対して被当選(押下失敗)に対応するデータが格納されていると判別した場合は(S4413L:No)、非当選(押下失敗)用の演出の実行を設定し(S4415L)、メーター数カウンタ223uweの値を更新して(S4416L)、処理をS4417Lへと移行する。S4411L,S4414L、およびS4416Lのいずれかが終了した後で実行されるS4417Lの処理では、可動役物900の動作を設定するための役物動作設定処理を実行して(S4417L)、本処理を終了する。この役物動作設定処理(S4417L)野詳細について、図820を参照して説明する。図820は、この役物動作設定処理(S4417L)を示すフローチャートである。この役物動作設定処理(S4417L)が実行されると、まず、処理カウンタ223ukの値に1を設定し(S4451L)、次いで、今回の演奏演出の結果報知タイミングであるか否かを判別する(S4452L)。S4452Lの処理において、結果報知タイミングであると判別した場合は(S4452L:Yes)、次いで、成功に対応する演出結果の報知が決定されているか否かを判別する(S4453L)。S4453Lの処理において、成功に対応する演出結果の報知が決定されていると判別した場合は(S4453L:Yes)、落下シナリオテーブル222uugc(図736(b)参照)のうち処理カウンタ223ukの値に対応するデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S4454L)、落下シナリオ実行フラグをオンに設定して(S4455L)、処理をS4461Lへと移行する。一方、S4453Lの処理において、失敗に対応する演出結果の報知が決定されていると判別した場合は(S4453L:No)、第2退避シナリオテーブル222uwa1のうち処理カウンタ223ukの値に対応するデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S4456L)、第2退避シナリオ実行フラグをオンに設定して(S4457L)、処理をS4461Lへと移行する。
これらに対し、S4452Lの処理において、現在が演奏演出の演出結果の報知タイミング(演奏演出の終了タイミング)ではないと判別した場合は(S4452L:No)、押下結果の報知タイミングであることを意味するので、抽選結果格納エリア223uwcに当選(押下成功)に対応するデータが格納されているか否かを判別し(S4458L)、非当選(押下失敗)に対応するデータが格納されていると判別した場合は(S4458L:No)、可動役物900を動作させることがないため、そのまま本処理を終了する。一方、S4458Lの処理において、抽選結果格納エリア223uwcに対して当選(押下成功)に対応するデータが格納されていると判別した場合は(S4458L:Yes)、当選時動作テーブル222uwa2(図808(b)参照)のうち処理カウンタ223ukの値に対応するデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S4459L)、当選時動作実行フラグをオンに設定して(S4460L)、処理をS4461Lへと移行する。S4461Lの処理では、駆動タイマ223ujのタイマ値を0に設定し(S4461L)、切換フラグ223uuuをオンに設定して(S4461L)、本処理を終了する。この役物動作設定処理(図820参照)を実行することにより、押下成功を報知する場合、および演奏演出の演出結果を報知する場合に、可動役物900に対して好適に可動動作(変位動作)を設定することができる。次に、図821を参照して、本第23制御例におけるモータシナリオ処理(S2124L)の詳細について説明する。このモータシナリオ処理(S2124L)は、上述した第21制御例におけるモータシナリオ処理(図776参照)に代えて実行される処理であり、モータシナリオ処理(図776参照)と同様に、可動役物900に対して設定されている動作シナリオに応じて動作を進行させるための処理である。図821は、このモータシナリオ処理(S2124L)を示すフローチャートである。
この第23制御例におけるモータシナリオ処理(図821参照)のうち、S3701L,S3703L,S3705L、およびS3710Lの各処理では、それぞれ上述した第21制御例のモータシナリオ処理(図776参照)におけるS3701L,S3703L,S3705L、およびS3710Lの各処理と同一の処理が実行される。また、本第23制御例におけるモータシナリオ処理(図821参照)では、S3703の処理において、退避シナリオ実行フラグがオンであると判別した場合に(S3703L:Yes)、退避シナリオ処理(図782参照)に代えて退避シナリオ処理を実行して(S3731L)、本処理を終了する。一方、S3703Lの処理において、退避シナリオ実行フラグがオフであると判別した場合は(S3703L:No)、次いで、当選時動作シナリオ実行フラグがオンであるか否かを判別し(S3732L)、当選時動作シナリオ実行フラグがオンであると判別した場合は(S3732L:Yes)、当選時動作に対応する動作シナリオに従って可動役物900を動作させるための当選動作シナリオ処理を実行し(S3733L)、本処理を終了する。この当選動作シナリオ処理(S3733L)の詳細については、図823を参照して後述する。一方、S3732Lの処理において、当選動作シナリオ実行フラグがオフであると判別した場合は(S3732L:No)、処理をS3734Lへと移行する。S3734Lの処理では、落下シナリオ実行フラグがオンであるか否かを判別し(S3734)、落下シナリオ実行フラグがオンであると判別した場合は(S3734L:Yes)、可動役物900の落下動作を行うための落下シナリオ処理を実行して(S3736L)、本処理を終了する。一方、S3734Lの処理において、落下シナリオ実行フラグがオフであると判別した場合は(S3734L:No)、第21制御例における進出シナリオ処理(図777参照)に代えて進出シナリオ処理を実行して(S3736L)、本処理を終了する。この進出シナリオ処理(S3736L)の詳細について、図822を参照して説明する。
図822は、進出シナリオ処理(S3736L)を示すフローチャートである。この進出シナリオ処理(S3736L)は、上述した第21制御例における進出シナリオ処理(図777参照)に代えて実行される処理であり、進出シナリオ処理(図777参照)と同様に、可動役物900の進出動作を進出シナリオテーブル222uugaを参照して実現するための処理である。この第23制御例における進出シナリオ処理(図822参照)のうち、S3806L~S3809L,S3811L,S3812L、およびS3816Lの各処理では、それぞれ上述した第21制御例の進出シナリオ処理(図777参照)におけるS3806L~S3809L,S3811L,S3812L、およびS3816Lの各処理と同一の処理が実行される。また、本第23制御例における進出シナリオ処理(図822参照)が実行されるろ、まず、シナリオ格納エリア223ueからデータを抽出し(S3831L)、処理をS3806へと移行する。また、本第23制御例における進出シナリオ処理(図822参照)では、S3809Lの処理が終了するか、S3807Lの処理でセンサデータに対応する検知センサがオンであると判別されるか(S3807L:Yes)、またはS3808Lの処理で駆動タイマ223ujの値が動作シナリオに規定されている時間データの値に一致したと判別した場合に(S3808L:Yes)、処理カウンタ223ukの値が4であるか否かを判別する(S3832L)。即ち、進出シナリオにおける最後のシナリオが終了した否かを判別する。
S3832Lの処理において、処理カウンタ223ukの値が4であると判別した場合は(S3832L:Yes)役物駆動フラグ223uqをオフに設定して(S3833L)、処理をS3816Lへと移行する。一方、S3832Lの処理で、処理カウンタ223ukの値が4ではないと判別した場合は、処理をS3811Lへと移行する。この第23制御例における進出シナリオ処理(図822参照)では、進出シナリオテーブル222uugaに基づく進出動作が終了した段階で可動役物900の動作を一旦終了させる点が第21制御例との主な相違点となる。即ち、第21制御例では、複数の動作シナリオを連続的に参照して動作を設定する構成としていたが、本第23制御例では、各動作シナリオに基づく動作が終了する毎に、一旦役物動作900を終了させ、次の役物動作の実行条件が成立するまで待機する構成としている。
<第23制御例における音声出力装置の制御処理について>
次に、図824~図826を参照して、第23制御例における音声出力装置226のMPU301により実行される各種制御処理について説明する。まず、図824(a)を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理について説明する。図824(a)は、このメイン処理の内容を示したフローチャートである。音声出力装置226においてメイン処理が実行されると、まず、音声ランプ制御装置113に対して各種コマンドの出力を設定するためのコマンド出力処理を実行する(S6001L)。次に、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに応じた処理を行うためのコマンド判定処理を実行する(S6002L)。このコマンド判定処理(S6002L)の詳細については、図825を参照して後述する。S6002Lの処理後、演出に応じた音声データ(音声ファイル)を再生するための音声設定処理を実行する(S6003L)。この音声設定処理(S6003L)の詳細については、図826を参照して後述する。S6003Lの処理が終了すると、ワークRAM303に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S6004L)。S6004の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S6004L:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S6006L)、電源断処理を実行する(S6007L)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S6008L)、その後、処理を無限ループする。一方、S6004Lの処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S6004L:No)、RAM303に記憶されるキーワードに基づき、RAM303が破壊されているか否かが判別され(S6005L)、RAM303が破壊されていなければ(S6005L:No)、S6001Lの処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM303が破壊されていれば(S6005L:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
次に、図824(b)を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるコマンド割込処理について説明する。図824(b)は、このコマンド割込処理の内容を示したフローチャートである。このコマンド割込処理(図824(b)参照)は、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信する毎に実行する処理である。このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、RAM303に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6501L)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。次に、図825を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理(図824(a)参照)内の一処理であるコマンド判定処理(S6002L)について説明する。図825は、このコマンド判定処理(S6002L)の内容を示したフローチャートである。コマンド判定処理(S6002L)では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6101L)、未処理の新規コマンドがなければ(S6101L:No)、コマンド判定処理を終了してメイン処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6101L:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを示す新規コマンドフラグをオンに設定し(S6102L)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6103L)。そして、未処理のコマンドの中に、まず、音声用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6104L)。この音声用変動パターンコマンドは、音声ランプ制御装置113側において、変動パターンの詳細な表示態様を選択したタイミングで、その表示態様に対応して再生すべき音声の種別および出力タイミングを音声出力装置226に通知するために設定される。
S6104Lの処理において、未処理のコマンドの中に音声用変動パターンコマンドがあると判別されると(S6104L:Yes)、通知された変動パターンコマンドの実行中に用いる楽曲、効果音を特定し(S6105L)、特定した楽曲、効果音の出力チャンネル、出力タイミングを設定して(S6106L)、S6101Lの処理へ戻る。S6104Lの処理において、音声用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6104L:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、音声用効果音コマンドがあるか否かを判別する(S6107L)。この音声用効果音コマンドは、音声ランプ制御装置113側で、変動表示演出の開始時には設定されなかった効果音(若しくは変動表示演出とは独立して設定される効果音)の出力が決定された場合に、再生すべき音声の種別および出力タイミングを音声出力装置226に通知するために設定される。S6104の処理において、未処理のコマンドの中に音声用効果音コマンドがあると判別した場合は(S6107:Yes)、通知された効果音の種別に対応する効果音を特定し(S6108)、特定した効果音の出力チャンネルおよび出力タイミングを設定して(S6109)、S6101の処理へ戻る。一方、S6107の処理において、未処理のコマンドの中に音声用効果音コマンドがないと判別した場合は(S6107:No)、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6110)、S6101の処理へ戻る。次に、図826を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理(図824(a)参照)内の一処理である音声設定処理(S6003)の詳細について説明する。図826は、この音声設定処理(S6003)の内容を示したフローチャートである。
音声設定処理(S6003L)では、まず、楽曲の出力(再生)タイミングであるか判別する(S6201L)。S6201Lの処理において、楽曲の出力タイミングであると判別した場合は(S6201L:Yes)、今回の楽曲に対応する音声ファイルを読み出し(S6202L)、読み出した音声ファイルを、対応するチャンネルに出力し(6203)、楽曲出力中フラグ303bをオンに設定して(S6204L)、S6205Lの処理へ移行する。なお、音声ファイルを出力するチャンネルは、ファイル毎に予め定められており、例えば、変動演出に用いる楽曲の音声ファイルは、チャンネル1に対して出力することが予め設定されている。一方、S6201Lの処理において、楽曲の出力タイミングでないと判別した場合は(S6201L:No)、S6202LからS6204Lの処理をスキップして、S6205Lの処理へ移行する。S6205Lの処理では、効果音の出力タイミングであるか否かを判別する(S6205L)。S6205Lの処理において、効果音の出力タイミングでないと判別した場合は(S6205L:No)、本処理を終了する。一方、効果音の出力タイミングであると判別した場合は(S6205L:Yes)、今回の効果音に対応する音声ファイルを読み出し(S6206L)、読み出した音声ファイルを対応するチャンネルに出力して(6207L)、本処理を終了する。これにより、効果音を好適に出力することができる。
以上説明した通り、第23制御例におけるパチンコ機10では、所定の実行条件が成立したことに基づいて第1制御(特定の報知態様を設定するための制御)を実行し、当該第1制御の実行中に予め定められた第1条件が成立したことに基づいて第2制御(特定の報知態様を設定するための制御とは少なくとも異なる制御)を実行可能に構成していることを前提として、第1制御の実行中に第1条件が成立した場合には、第2条件(特定の報知態様を設定するための制御とは少なくとも異なる制御の実行契機)が成立するまで第1制御を継続して実行(第2制御の実行を遅延)し、第2条件が成立したことを契機として第2制御を実行する構成としている。より具体的には、可動役物900が可動(変位)される変位動作とは少なくとも異なる所定の音声の再生制御(第1制御)の実行中に可動役物900に対して所定の可動動作を行わせるための可動制御(第2制御)を実行するための実行条件(第1条件)が成立した場合に、所定の音声が第2条件を満たすまで、可動役物900の可動を抑制し(待機させ)、所定の音声が第2条件を満たしたことを契機として、可動役物900に対して所定の可動動作(変位動作)を行わせるための所定制御を実行する構成としている。より詳述すると、本第23制御例では、変動表示演出として、所定の音声(楽曲)の再生を少なくとも伴い、当該所定の音声のリズムに合わせて枠ボタン22を操作する遊技方法で遊技を行うことを促す特定演出態様を少なくとも父君で構成される演奏演出を実行可能に構成し、当該演奏演出の実行中に遊技者が枠ボタン22に対する操作を行ったことを契機として、可動役物900に対して所定の可動動作を行わせるための特定の可動条件が成立し得る構成とした。そして、所定の音声の出力中に特定の可動条件が成立した場合には、所定の音声(楽曲)の出力(再生)中に複数回出力され得る所定の出力(再生)位置(新たな音階が出力される再生位置)に到達したことを契機として、所定の可動動作を行わせる構成としている。即ち、所定の出力位置として、再生中の所定の音声(楽曲)のリズムに応じたタイミングを規定しておき、リズムに応じたタイミングに到達したと判別された場合に可動役物900に対して所定の可動動作を行わせる構成としている。このように構成することで、あたかも出力(再生)中の音声(楽曲)のリズムに合わせて可動役物900が可動しているかのような演出態様を実現することができるので、演出態様をより好適に設定することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第23制御例では、変動表示態様として演奏演出を含む演出態様が決定された場合に、楽曲のリズムに応じたタイミングで枠ボタン22を押下することによりされる期待度が高いリーチ演出に発展し易くなる演奏演出を必ず実行する構成としていたが、演奏演出の実行有無を遊技者が選択することが可能に構成してもよい。より具体的には、例えば、演奏演出を含む演出態様が決定され、変動表示演出が開始された場合に、演奏演出の開始タイミングよりも前に、演奏演出とは異なる他の演出に変更するかを選択させる演出を実行してもよい。選択させる方法としては、例えば、所定期間内に枠ボタン22に対する操作を検出した場合に演奏演出を実行する一方で、操作を検出しなかった場合に演奏演出とは異なる演出を実行するものとしてもよいし、枠ボタン22とは異なる他の操作部材に対する操作内容に応じて演奏演出を実行するか否かを決定するものとしてもよい。このように構成することで、演奏演出を楽しみに遊技を行っている遊技者に対しては、演奏演出を実行させるための操作を行わせることができる一方で、演奏演出においてリズムに合わせて枠ボタン22を操作することに対して苦手意識を抱いている遊技者に対しては、演奏演出とは異なる他の演出(枠ボタン22に対する操作を要しない演出)に変更させるための操作を行わせることができるので、遊技者毎の趣向に合った演出態様を実現することができ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第23制御例では、演奏演出として、所定の楽曲を再生(出力)し、当該所定の楽曲のリズムに合わせて枠ボタン22に対する操作を行う遊技方法で遊技を行うことを促す演出を実行し、リズムに合わせて枠ボタン22に対する操作を行う遊技方法で遊技を行うことで可動役物900がリズムに合ったタイミングで縦揺れ動作を行う可動制御が行われ易くなる一方で、リズムとずれたタイミングで枠ボタン22に対する操作を行った場合はリズムに合ったタイミングでの可動役物900の縦揺れ動作が行われ難くなる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、リズムに合ったタイミングで枠ボタン22に対する操作を行ったか否かによらず、枠ボタン22に対する押下を検出したタイミングで可動役物900の縦揺れ動作を行う構成とし、押下時の成功抽選で非当選となり、チャンスメーターCMのゲージ数(メーター数)を1減少させる場合は、リズムに合ったタイミングでゲージ数(メーター数)減少させる演出を発生させる構成としてもよい。このように構成することで、リズムに合ったタイミングで押下したか否かを可動役物900の可動タイミングと再生中の所定の楽曲の音声態様とを比較することで容易に把握することができ、リズムからずれたタイミングで押下したと把握した遊技者に対して、リズムに合ったタイミングとなるまで、成功抽選に当選していることに対する期待感を抱かせ続けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第23制御例では、チャンスメーターCMのゲージ数によらず(即ち、遊技者がリズムに合ったタイミングで枠ボタン22を押下する遊技方法で遊技を行っているか否かによらず)、演奏演出において最後の音階をウサギのキャラクタ801が出力(吹奏)するタイミングとなるまでは演奏が継続される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、演奏演出においてチャンスメーターCMのゲージ数が0になった時点で失敗に対応する演出結果を報知する構成としてもよい。このように構成することで、チャンスメーターの数が多い状態を保ちたいと遊技者に対してより強く思わせることができるので、リズムに合ったタイミングで枠ボタン22に対する操作を行う遊技方法で遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第23制御例では、演奏演出の実行中において楽曲のリズムからずれたタイミングでの枠ボタン22に対する操作を検出する毎に、可動役物900を可動させる(チャンスメーターCMのメーター数を維持する)か否かを抽選により決定する一方で、リズムに合ったタイミングで操作を検出した場合は、必ず可動役物900を可動させると共にチャンスメーターCMのメーター数を維持する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、リズムに合ったタイミングでの枠ボタン22に対する操作を検出した場合であっても、抽選により可動役物900を可動させる(チャンスメーターCMのメーター数を維持する)か否かを決定する構成としてもよい。このように構成することで、リズムに合ったタイミングで押下を行う遊技を完璧に行ったとしてもチャンスメーターCMのメーター数が減少する場合を設けることができるので、リズムに合ったタイミングで押下を行うことができた遊技者に対しても、メーター数が減少しないことを期待して遊技を行わせることができ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、この場合において、大当たりに対応する変動表示中の方が、外れに対応する変動表示中よりもリズムに合ったタイミングでの枠ボタン22に対する押下に成功した場合に可動役物900を可動させると決定される割合が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、リズムに合ったタイミングでの押下に成功して可動役物900の可動が行われると共にチャンスメーターCMのメーター数が維持された場合に、遊技者の大当たりに対する期待感をより高めることができる。また、逆に、大当たりの場合には、リズムに合ったタイミングでの押下に成功した場合に極めて低確率(例えば、1/100)で可動役物900の可動を行うと決定されない場合を設ける一方で、外れの場合は必ず可動役物900の可動を行う斗決定される構成としてもよい。このように構成することで、リズムに合ったタイミングで押下を行ったにもかかわらず可動役物900が縦揺れ動作を行わなかった場合に、遊技者に対して強烈な違和感を抱かせることができ、大当たりとなることを遊技者に対して直感的に理解させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第23制御例では、演奏演出において、リズムに合ったタイミングで枠ボタン22を押下することを促す演出態様を含む演出を実行すると共に、リズムに合ったタイミングで枠ボタン22に対する押下を検出した方が、リズムからずれたタイミングで枠ボタン22に対する押下を検出した場合に比較して、チャンスメーターCMのゲージ数が多い状態で発展先のリーチ演出の種別を決定され易くなり、結果的に期待度が高いリーチ演出が実行され易い遊技性となるように構成していたが、これに限られるものではない。枠ボタン22に対する押下に代えて、又は加えて、他の所定条件をリズムに合ったタイミングで成立させることにより、所定条件をリズムからずれたタイミングで成立させた場合よりも期待度が高いリーチ演出が実行され易くなるように構成してもよい。この場合において、所定条件としては、例えば、第1入球口64へと遊技球が入球することや、スルーゲート67を遊技球が通過すること、枠ボタン22とは異なる他の操作部材に対する操作を行うこと等、遊技者が成立タイミングを調節可能な条件に設定することが望ましい。
本第23制御例では、演奏演出の開始後における経過時間と期間の種別(成功期間であるか抽選期間Aであるか抽選期間Bであるか)とを対応付けて規定した押下期間種別テーブル222uwbを参照することにより、期間の種別を特定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、枠ボタン22に対する押下を検出した場合に、音声ランプ制御装置113から音声出力装置226対して、再生中の音声データの再生位置を判別して通知するように命令(指示)する内容のコマンドを出力し、当該コマンドに基づいて音声出力装置226から通知された再生位置に基づいて、音声ランプ制御装置113側においてリズムに合ったタイミングでの押下であるか否かを判別するように構成してもよい。また、例えば、音声出力装置226において、再生中の音声データの再生位置だけでなく、リズムに合ったタイミングであるか否かの判別まで実行する構成とし、音声出力装置226から音声ランプ制御装置113に対して、リズムに合ったタイミングであるか否かの判別結果のみを通知する構成としてもよい。このように構成することで、実際に再生している音声データから直接的にリズムに合ったタイミングであるか否かを判別することができるので、より正確に、リズムに合ったタイミングでの押下であるか否かを判別することができる。また、例えば、スピーカ部308の近傍に当該スピーカ部308から出力される音声を少なくとも検出可能なマイク等の集音機器を配設する構成とし、当該集音機器を音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続しておくことによって、スピーカ部308から出力された音声の音声波形を音声ランプ制御装置113が直接的に解析可能に構成してもよい。そして、当該集音された音声に基づく音声波形から、リズムに合ったタイミングであるか否かを判別する構成としてもよい。このように構成することで、スピーカ部308から実際に出力される音声を直接的に解析してリズムに合ったタイミングでの押下であるか否かを判別することができるので、判別の正確性をより高めることができる。
本第23制御例では、リズムに合ったタイミングで枠ボタン22が押下されたか、またはリズムからずれたタイミングで枠ボタン22に対する押下を検出し、当該検出時の抽選で押下成功に対応する抽選結果となった場合に、リズムに合ったタイミングで可動役物900を縦揺れ動作させる構成としていたが、可動役物900を縦揺れ動作させるための条件はこれに限られるものではない。例えば、演奏演出の実行中にランダムでまたは周期的に音声が途切れる期間(無音期間)、または音量が小さくなる期間(低音量期間)が設定されるように構成し、これらの無音期間、若しくは低音量期間が開始されてから所定期間内に枠ボタン22に対する押下を検出した場合は押下成功と判定される一方で、所定期間以上経過した場合(または無音期間でも低音量期間でもないタイミングで押下を検出した場合)は押下成功と判定されない可能性がある(押下成功と判定するか否かの抽選が実行される)構成としてもよい。そして、無音期間または低音量期間において押下を検出したことに基づいて、通常の音量での再生を再開するように構成してもよい。このように構成することで、演奏演出中に再生されている音声を遊技者に対してより注意深く聴かせて無音期間又は低音量期間の到来に備えさせる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第24制御例>
次に、図827から図831を参照して、第24制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第21制御例では、可動役物900の振動動作を打ち切って第2動作(落下動作、または上昇動作)を行わせるための枠ボタン22に対する押下操作の操作回数(規定回数)が異なる複数種類の演出を設ける構成としていた。これに加えて第24制御例では、一旦規定回数に到達して第2動作の実行が決定されたとしても、演出位置(作動位置)へと到達するまでに更に枠ボタン22に対する押下操作を検出した場合は、決定された第2動作の実行を回避(キャンセル)するか否かの抽選を実行する構成とした。これにより、新たな遊技性を創出することができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。この第24制御例におけるパチンコ機10が、上述した第21制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第21制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第21制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図827を参照して、本第24制御例における役物演出の実行中における表示態様について説明する。図827(a)に示した通り、本第24制御例では、ミッションとして枠ボタン22に対する押下回数を明示しない構成としている。即ち、図827(a)に示した通り、枠ボタン22に対する押下回数のみが小表示領域Dm62に対して表示されると共に、小表示領域Dm61には、「ボタンを好みの回数押せ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、第2動作を行わせるための枠ボタン22に対する押下操作の回数(規定回数)を秘匿することができるので、遊技者に対して、規定回数を予測して枠ボタン22に対する押下回数を遊技者自身に選択させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。図827(b)に示した通り、役物演出において枠ボタン22に対する押下回数が規定回数に到達していない状態であるか、または規定回数に到達して第2動作の実行が決定された後で更に枠ボタン22に対する押下を検出して第2動作の実行がキャンセルされた状態で可動役物900が作動位置に到達した場合は、ミッションに失敗したことを報知する演出態様に設定される。具体的には、小表示領域Dm61に対して、「ミッション失敗」という文字が表示される。このように、枠ボタン22に対する押下回数が規定回数に到達していない状態で可動役物900が作動位置に到達した場合も、第2動作の実行が決定された後で更に枠ボタン22に対する押下を検出して第2動作の実行がキャンセルされた状態で稼働役物900が作動位置に到達した場合も、同一の演出態様によって第2動作が実行されないことのみを報知する構成とすることにより、いずれによって第2動作が実行されなかったのかを曖昧とすることができる。よって、規定回数を予測して遊技を行わせる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第24制御例の電気的構成>
次に、図828(a)を参照して、本第24制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図828(a)は、本第24制御例におけるROM222の構成を示すブロック図である。図828(a)に示した通り、本第24制御例におけるROM222は、上述した第21制御例におけるROM222の構成(図729参照)に対して、キャンセル抽選テーブル222uxaが追加されている点でのみ相違している。このキャンセル抽選テーブル222uxaについて、図828(b)を参照して説明する。図828(b)は、キャンセル抽選テーブル222uxaの規定内容を示した図である。このキャンセル抽選テーブル222uxaは、可動役物900を用いた役物演出の実行中に第2動作の実行条件が成立した(枠ボタン22に対する規定回数の押下を検出した)後において、第2動作を実行可能な作動位置(演出位置)に到達するよりも前に更に枠ボタン22に対する押下を検出した場合に、一旦実行を決定した第2動作をキャンセルするか否かを抽選するために参照されるデータテーブルである。図828(b)に示した通り、このキャンセル抽選テーブル222uxaには、特別図柄の抽選結果、および設定されているミッションパターン毎に、キャンセルと判定される判定値(第1演出カウンタ223uufのカウンタ値)が対応付けて規定されている。具体的には、図828(b)に示した通り、抽選結果が「大当たり」、ミッションパターン「1A」または「1B」(即ち、枠ボタン22に対する押下の規定回数が5回のミッションパターン)に対しては、第1演出カウンタ223uufの値の範囲「0~2」が、キャンセルと判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。このため、第2動作の実行が決定された後(枠ボタン22に対する5回の押下を検出した後)においては、枠ボタン22に対する押下を検出する毎に、3%(3/100)の割合で第2動作のキャンセルが抽選される。なお、一旦キャンセル抽選に当選すると、キャンセルが確定され、その後に枠ボタン22に対する更なる押下が行われたとしても、再度第2動作が決定されることはない。
また、図828(b)に示した通り、抽選結果が「大当たり」、ミッションパターン「2A」または「2B」(即ち、枠ボタン22に対する押下の規定回数が3回のミッションパターン)に対しては、第1演出カウンタ223uufの値の範囲「0~39」が、キャンセルと判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。このため、第2動作の実行が決定された後(枠ボタン22に対する3回の押下を検出した後)においては、枠ボタン22に対する押下を検出する毎に、40%(40/100)の割合で第2動作のキャンセルが抽選される。また、図828(b)に示した通り、抽選結果が「大当たり」、ミッションパターン「3A」または「3B」(即ち、枠ボタン22に対する押下の規定回数が1回のミッションパターン)に対しては、第1演出カウンタ223uufの値の範囲「0~24」が、キャンセルと判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。このため、第2動作の実行が決定された後(枠ボタン22に対する1回の押下を検出した後)においては、枠ボタン22に対する押下を検出する毎に、25%(25/100)の割合で第2動作のキャンセルが抽選される。
これらに対して、図828(b)に示した通り、抽選結果が「外れ」、ミッションパターン「1A」または「1B」(即ち、枠ボタン22に対する押下の規定回数が5回のミッションパターン)に対しては、第1演出カウンタ223uufの値の範囲「0~14」が、キャンセルと判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。このため、第2動作の実行が決定された後(枠ボタン22に対する5回の押下を検出した後)においては、枠ボタン22に対する押下を検出する毎に、15%(15/100)の割合で第2動作のキャンセルが抽選される。また、図828(b)に示した通り、抽選結果が「外れ」、ミッションパターン「2A」または「2B」(即ち、枠ボタン22に対する押下の規定回数が3回のミッションパターン)に対しては、第1演出カウンタ223uufの値の範囲「0~4」が、キャンセルと判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。このため、第2動作の実行が決定された後(枠ボタン22に対する3回の押下を検出した後)においては、枠ボタン22に対する押下を検出する毎に、5%(5/100)の割合で第2動作のキャンセルが抽選される。また、図828(b)に示した通り、抽選結果が「大当たり」、ミッションパターン「3」(即ち、枠ボタン22に対する押下の規定回数が1回のミッションパターン)に対しては、第1演出カウンタ223uufの値の範囲「0~4」が、キャンセルと判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。このため、第2動作の実行が決定された後(枠ボタン22に対する1回の押下を検出した後)においては、枠ボタン22に対する押下を検出する毎に、5%(5/100)の割合で第2動作のキャンセルが抽選される。
このため、第2動作が決定されるまでの規定回数が5回に設定された場合は、大当たりよりも外れの方が、キャンセル抽選に当選して第2動作の実行がキャンセルされる可能性が高くなる。一方、第2動作が決定されるまでの規定回数が3回や1回に設定された場合は、外れよりも大当たりの方が、キャンセル抽選に当選して第2動作の実行がキャンセルされる可能性が高くなる。よって、規定回数が5回に設定された場合は、第2動作の実行が決定された後で更に枠ボタン22に対する押下を検出しても、第2動作の実行がキャンセルされない方が大当たりの期待度が高くなる。また、規定回数が1回や3回に設定された場合は、逆に、第2動作の実行がキャンセルされた方が大当たりの期待度が高くなる。よって、キャンセルされるか否かによって大当たりの期待度を推測する遊技性を実現することができる。なお、上述した通り、本第24制御例では、設定された規定回数を秘匿する構成としているため、遊技者が規定回数を知ることができない構成となっている。よって、規定回数も遊技者に対して予測させ、当該予測結果とキャンセルの有無とに応じて大当たり期待度を推測する斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。次に、図829を参照して、本第24制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図829は、本第24制御例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図829に示した通り、本第24制御例におけるRAM223は、上述した第21制御例におけるRAM223の構成(図738参照)に対して、キャンセルフラグ223uxaが追加されている点でのみ相違している。キャンセルフラグ223uxaは、役物演出(可動役物900の振動動作)の実行中に第2動作の実行条件が成立した後で、第2動作が実行可能となる作動位置(演出位置)まで可動役物900が到達するよりも前に第2動作の実行がキャンセルされた場合にオンに設定されるフラグである。このキャンセルフラグ223uxaがオンに設定されている間は、第2動作の実行が決定され得ないように制御される。
<第24制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図830、および図831を参照して、本第24制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図830を参照して、本第24制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(S2141L)の詳細について説明する。図830は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S2141L)を示すフローチャートである。この第24制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図830参照)のうち、S3201L~S3208L,S3210L~S3214L,S3216L、およびS3217Lの各処理では、それぞれ上述した第21制御例の枠ボタン入力監視・演出処理(図770参照)のS3201L~S3208L,S3210L~S3214L,S3216L、およびS3217Lの各処理と同一の処理が実行される。また、本第24制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図830参照)では、S3206Lの処理において、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータが「03H」であると判別した場合に(S3206L:Yes)、次いで、キャンセルフラグ223uxaがオンであるか否かを判別する(S3291L)。S3291Lの処理において、キャンセルフラグ223uxaがオンであると判別した場合は(S3291L:Yes)、追加演出態様設定処理を実行して(S3292L)、処理をS3217Lへと移行する。詳細については後述するが、この追加演出態様設定処理(S3292L)は、上述した第21制御例における追加演出態様設定処理(図771参照)に対応する処理である。一方、S3291Lの処理において、キャンセルフラグ223uxaがオフであると判別した場合は(S3291L:No)、処理をS3207Lへと移行して第2動作を実行するか否かの判別を行う。
また、本第24制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図830参照)では、S3214Lの処理において、駆動状況格納エリア223uyに格納されているデータが「04H」であると判別した場合に、上述した第21制御例における追加演出態様設定処理(図773参照)に代えて追加演出態様設定処理を実行し(S3293L)、本処理を終了する。この追加演出態様設定処理(S3293L)の詳細について、図831を参照して説明する。図831は、追加演出態様設定処理(S3292L)を示すフローチャートである。この追加演出態様設定処理(S3292L)のうち、S3301L~S3303Lの各処理では、それぞれ上述した第21制御例の追加演出態様設定処理(図771参照)におけるS3301L~S3303Lの各処理と同一の処理が実行される。また、本第24制御例における追加演出態様67(S3292L)では、S3302Lの処理が終了すると、次いで、キャンセルフラグ223uwaがオンであるか否かを判別し(S3331L)、キャンセルフラグ223uwaがオンであると判別した場合は(S3331L:Yes)、押下カウンタ223uusのカウンタ値が5より大きい値であるか否かを判別する(S3332L)。S3332Lの処理において、押下カウンタ223uusのカウンタ値が5より大きい値であると判別した場合は(S3332L:Yes)、「1kg」のおもりが出現する演出態様の追加演出の実行を決定して(S3333L)、本処理を終了する。これに対し、S3332Lの処理において、押下カウンタ223uusのカウンタ値が5より大きい値でない(即ち、5以下である)と判別した場合は(S3332L:No)、S3333Lの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。キャンセルフラグ223uwaがオンである場合にS3332L、およびS3333Lの処理を実行することにより、第2動作がキャンセルされていたとしても、枠ボタン22に対する押下回数が5回よりも多い回数となった場合に、追加演出を実行することができる。即ち、追加演出の有無でキャンセルが行われたのか否かを判別することを困難とすることができる。
一方、S3331Lの処理において、キャンセルフラグ223uxaがオフであると判別した場合は(S3331L:No)、キャンセル抽選テーブル222uxa(図828(b)参照)を読み出して(S3334L)、特別図柄の抽選結果およびミッションパターン(押下規定回数)に応じて第2動作のキャンセル可否を抽選する(S3335L)。次いで、S3335Lの処理による抽選結果がキャンセルに対応する抽選結果であるか否かを判別し(S3336L)、キャンセルに対応する抽選結果であると判別した場合は(S3336L:Yes)、振動シナリオ終了フラグをオフに設定し(S3337L)、駆動状況格納エリア223uyに「03H」を設定する(S3338L)。次に、切替フラグ223uuuをオフに設定し(S3339L)、キャンセルフラグ223uxaをオンに設定して(S3340L)、処理をS3332Lへと移行する。これらの処理により、第2動作の実行をキャンセルすることができる。これに対し、S3336Lの処理において、キャンセルに対応する抽選結果とならなかったと判別した場合は(S3336L:No)、押下カウンタ223uusのカウンタ値が5より大きい値であるか否かを判別し(S3341L)、5より大きい値であると判別した場合は(S3341L:Yes)、処理をS3303Lへと移行する。一方、S3341Lの処理において、5より大きい値ではない(5以下の値である)と判別した場合は(S3341L:No)、S3303Lの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。これにより、ミッション種別(枠ボタン22に対する押下の規定回数)によらず追加演出の実行タイミングを、枠ボタン22に対する押下回数が5回を越えた場合に限ることができるので、追加演出の発生タイミングから規定回数を予測することを困難にすることができる。
以上説明した通り、本第24制御例におけるパチンコ機10では、第1条件の成立に基づいて、所定範囲を変位可能な変位手段が特定の変位パターンで変位する特定変位動作(所定の動作部材の動作)の実行が決定され、当該決定の後で第2条件が成立したことに基づいて、特定変位動作が実際に実行される構成を前提として、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの間に特定条件が成立したことに基づいて、特定変位動作の実行を抑制するための制御(所定の動作部材の動作を回避させるための制御)を実行可能に構成している。より具体的には、特定の実行条件(役物演出の実行条件)が成立したことに基づいて、所定の変位部材(可動役物900)が特定の許容位置(作動位置)に複数回配置され得る特定の変位パターンで変位される第1の変位動作(特定演出)が設定され、その第1の変位動作の実行中に第1の変位動作とは異なる第2の変位動作(落下動作)の実行が許容される第2変位動作実行条件が成立した場合に、その後に許容位置へと所定の変位部材が到達したことを契機として、所定の変位部材に対して第2の変位動作を行わせるための第2変位動作用変位制御を実行する構成としている。そして、第2変位動作実行条件が成立してから許容位置に到達するまでの間の第2の変位動作が待機される期間(第2変位動作待機期間)において第2の変位動作の実行を回避させるための回避条件(第2変位動作回避条件)が成立した場合には、許容位置へと到達したとしても第2変位動作用変位制御を実行せずに第1の変位動作を継続させる構成としている。このように構成することで、第2変位動作実行条件が成立したとしても、許容位置において第2の変位動作が実行される場合も、実行されない場合も実現することができるので、所定の変位部材の変位動作を頼多様化させることができ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、可動役物900に対して落下動作を行わせるための条件、および落下動作の実行を回避させるための条件として、本第24制御例では、いずれも遊技者が所定の操作部材(枠ボタン22)に対する所定の操作を行ったことを契機として成立し得る条件を設定する構成としている。このように構成することで、同一の所定の操作を行うことにより落下動作の実行条件も落下動作の回避条件も成立させることが可能となるため、遊技者の利便性を向上させることができる。
更に、本第24制御例では、落下動作の実行条件が成立したか否か、および落下動作の回避条件が成立したか否かが分かり難くなる演出態様の演出を実行する構成としている。つまり、落下動作の実行条件が成立したことも、回避条件が成立したことも演出において報知せず、単に枠ボタン22に対する操作回数のみを報知する構成としている。このように構成することで、落下動作の実行条件が成立するか否か、および落下動作の回避条件が成立するか否かを予測しながら枠ボタン22を操作させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、本第24制御例では、第2動作の実行を回避(キャンセル)すると決定された場合には、その後の枠ボタン22に対する操作内容によらず、第2動作の実行を再決定しない構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第2動作の実行の回避が決定された後で、更に、設定されているミッションパターンに対応する規定回数の枠ボタン22に対する押下を検出した場合に、再度、第2動作の実行を決定可能としてもよい。また、例えば、一旦回避が決定された後は、枠ボタン22に対する押下を検出する毎に、所定の抽選確率で第2動作の実行を再決定可能に構成してもよい。このように構成することで、第2動作の実行機会を増加させることができる。
本第24制御例では、所定条件が成立した場合であっても、可動制御を実行しない場合の処理の別形態として、枠ボタン22に対する規定回数の押下が行われて第2動作の実行が決定されてから、可動役物900が演出位置(作動位置)に到達するまでの間に、更に枠ボタン22に対して押下が行われた場合に第2動作の実行が回避され得る構成としていたが、一旦決定された第2動作の実行を回避するための条件はこれに限られるものではない。例えば、第2動作の実行が決定されてから可動役物900が演出位置(作動位置)に到達するまでの間、所定期間毎(例えば、0.5秒毎)に第2動作の実行を回避するか否かの抽選を実行する構成としてもよい。このように構成した場合、枠ボタン22に対する押下が規定回数に満たなかったのか所定時間毎の抽選で回避が決定されたのかを曖昧とすることができるので、規定回数を予測し難くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、例えば、第2動作の実行が決定された後における枠ボタン22に対する押下回数が規定回数に到達したことによって第2動作の実行が回避(キャンセル)されるように構成してもよい。更に、本第24制御例では、第2動作の実行が決定されてから第2動作の実行がキャンセルが決定されるか、またはキャンセルが決定されるよりも前に可動役物900が演出位置に到達して第2動作が実行されるまでの間、枠ボタン22に対する押下を検出する毎に同一の確率で第2動作の実行をキャンセルさせるか否かの抽選を実行する構成としていたが、第2動作の実行をキャンセルさせると決定する確率を、枠ボタン22に対する押下回数や第2動作の実行が決定された後の経過時間、可動役物900の配置等の各種条件に応じて異ならせる構成としてもよい。このように構成することで、第2動作が実行されなかった場合に、枠ボタン22に対する押下回数が規定回数に足りなかったのか、規定回数に到達して第2動作の実行が決定された後でキャンセルが決定されたのかをより分かり難くすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第24制御例では、可動役物900の振動動作(第1動作)の実行中に枠ボタン22に対する規定回数の押下が行われた場合に、その後に可動役物900が演出位置に到達するまでの間に第2動作の回避が決定されないことを条件として、第2動作として可動役物900が落下動作を行う構成としていたが、これに限られるものではなく、第2動作として可動役物900が行い得る他の動作を実行する構成としてもよい。また、第2動作として、複数の動作(例えば、落下動作、上昇動作、縦揺れ動作等)のうち1の動作を抽選により決定する構成としてもよい。この場合において、大当たり変動中に選択され易い(外れの場合に選択され難い)種別の第2動作、選択され難い種別の第2動作を設けておけば、第2動作の種別に対してより注目させることができ、更なる興趣向上を図ることができる。本第24制御例では、可動役物900の振動動作(第1動作)の実行中に枠ボタン22に対する規定回数の押下が行われた場合に、その後に可動役物900が演出位置に到達するまでの間に第2動作の回避が決定されないことを条件として、第2動作として可動役物900が落下動作を行う構成としていたが、必ずしも第1動作と第2動作とを同一の役物(可動役物900)で行う必要はない。例えば、第2動作として、可動役物900とは異なる役物を可動させる可動動作を設定してもよいし、役物ではなく第3図柄表示装置81による所定の表示演出や音声出力装置226による所定の音声演出等の可動演出以外の演出動作に代替してもよい。これにより、演出の自由度をより向上させることができる。
<第25制御例>
次いで、図832から図855を参照して、第25制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第21制御例では、可動役物900に対して第1位置(収納位置)から第1位置(収納位置)とは異なる第2位置(作動位置)に可動役物900を移動(進出)させる制御を実行した後、可動役物900に対して可動役物900が第2位置(作動位置)に位置している状態から開始される所定の第1動作(振動動作)を行わせる第1制御を実行している期間において、第1動作とは異なる第2動作(落下動作)を行わせる第2制御の実行条件が成立した場合に、第1制御の実行中において複数回配置され得る第2位置(作動位置)へと可動役物900が到達したことに基づいて、第1制御を打ち切って第2制御を実行させる構成としていた。即ち、第1動作の実行中に第2動作の動作条件が成立した場合に、第1動作の終了まで第2動作を待機させることなく第2動作を実行させる構成とすることで、第2動作の開始が過剰に遅れてしまうことを抑制する構成としていた。
これに対して本第25制御例では、可動役物900が第1位置からその第1位置とは異なる第2位置へと向かう第1方向へと移動される動作と、可動役物900が第2位置から第1位置へと向かう第2方向へと移動される動作とを含む所定の動作シナリオで可動役物900が動作される第1動作制御を実行している期間において、第1動作制御を途中で終了させる終了条件が成立した場合に、可動役物900が第2方向へ移動することが規制されている第1位置に位置している状態で第1動作制御を終了させる構成としている。より具体的には、第1位置(原点位置)とその第1位置(原点位置)とは異なる第2位置との間を上下方向に移動可能な可動役物900を、第1位置(原点位置)と第2位置とを往復するように動作させる第1動作制御が実行されている期間に、遊技者が枠ボタン22を押下しなかった場合、または遊技者が枠ボタン22を押下したことに基づいて実行される所定の終了抽選で第1動作制御を終了させることに対応する抽選結果となった場合に、可動役物900が上方向へと移動困難となる第1位置(原点位置)に位置している状態で、第1動作制御を終了させて第1動作制御とは異なる第2制御を実行する構成としている。即ち、第1動作制御を途中で終了させる場合に、可動役物900が上方向へ移動困難となる原点位置に必ず位置しているように構成している。このように構成することで、第1動作制御が終了した後に、可動役物900を収納位置に移動(収納)させる制御を実行する必要がないため、第1動作制御が終了したタイミングで可動役物900の動作制御を全て終了させることができる。
この第25制御例におけるパチンコ機10が、上述した第21制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第21制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第21制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。まず、図832を参照して、本第25制御例における可動役物900の構成を説明する。図832(a)は、可動役物900が原点位置に位置している状態における、可動役物900付近の遊技盤13を示した図である。本第25制御例では、上述した第21制御例における遊技盤13に設けられた可動役物900(図710参照)、及び上部装飾役物600y(図710参照)の構成を一部変更し、装飾枠801を新たに設けている。本第25制御例では、可動役物900の前面側に表示された模様(隕石を模した模様)と同様の模様が表示された装飾枠801(図832(b)参照)を設けており、装飾枠801は可動役物900の背面側に配置されている。即ち、図832(a)に示すように、可動役物900が原点位置に位置している場合には、装飾枠801が遊技者から視認困難な状態となるように構成されている。この装飾枠801は、可動役物900が原点位置から正面視下方に移動した場合(図832(b)参照)における遊技盤13の装いを保つために設けられており、装飾枠801の前面は、可動役物の前面より縦幅が若干長い(約1cm)横長略長方形形状で形成されている。
また、本第25制御例における遊技盤13に設けられた上部装飾役物600yは、可動役物900より前面側に配置されており、可動役物900が原点位置に位置する場合(図832(a)参照)、及び原点位置より正面視下方に移動した場合に(図832(b)参照)、可動役物900の前面に対して水平方向に重なることのない形状で形成されている。即ち、可動役物900が移動可能な範囲内においてどこに位置している場合にも、可動役物900が上部装飾役物600yの背面側に位置する(水平方向に重なる)ことは無く、可動役物900が常に遊技者から視認可能となるように構成した。このように構成することで、可動役物900を遊技者から視認可能となる位置まで移動(進出)させることなく、可動役物900を用いた演出を実行することができる。また、上部装飾役物600yの前面、及び可動役物900の前面は、隕石を模した模様が表示されており、可動役物900が原点位置に位置している場合に、互いの模様が繋がる(1の模様に見える)ように表示されている。この上部装飾役物600yは、可動役物900が原点位置に位置している場合に、可動役物900のB面900b(図688参照)と、装飾役物600yの一部とが当接するように構成されている。より具体的には、この装飾役物600yは、可動役物900が原点位置に位置している状態における可動役物900の上端より正面視上方の範囲が、正面視奥側へと約5cmの厚みを持った形状としている。即ち、本第25制御例では、可動役物900が原点位置より正面視上方へ移動することが装飾役物600yによって規制されており、可動役物900が正面視上方へと移動できる限界の位置が原点位置となるように構成した。このように構成することで、可動役物900を上昇させている場合に、駆動モータ905を停止させる制御に不具合が生じても、可動役物900を原点位置で確実に停止させることができる。
また、本第25制御例では、可動役物900が原点位置に位置している場合に、可動役物900と上部装飾役物600yとが当接していることを、互いの全面に表示された模様によって遊技者に理解し易くする構成としているが、これに限るものではない。例えば、可動役物900を正面視上方に向けて凸となる形状(例えば、剣を模した役物)で形成し、上部装飾役物600yを正面視下方に向けて凹となる形状(例えば、鞘を模した役物)で形成し、互いが当接することによって凸部と凹部とが嵌合するように構成してもよい。このように構成することで、表示面が同一平面上となるように配置されていない場合にも、遊技者に対して可動役物900が正面視上方への移動が規制されている位置(原点位置)まで移動したことを容易に把握させることができる。図832(b)は、後述する役物攻撃演出において、可動役物900が最も下降した状態を示す図である。可動役物900が原点位置に位置している状態(図832(a)参照)において可動役物900の背面側にある装飾枠801は、図832(b)に示すように、可動役物900が遊技盤13に対して正面視下方向に移動した場合に、遊技者から視認可能となるように構成している。また、装飾枠801には、可動役物900と同様に、隕石が降っている様子を模した模様が表示されており、上部装飾役物600yと模様が繋がる(合わせて1つの模様に見える)ように構成されている。このように構成することで、原点位置に位置している可動役物900が移動されることによって装飾用ではない部材が遊技者に視認され、遊技盤13の見栄えが悪くなる不具合を抑制することができる。
次に、図833から図835を参照して、本第25制御例における特徴的な演出態様であるバトル演出における演出態様について説明する。このバトル演出は、可動役物900が所定の動作シナリオに基づいて動作制御される演出態様を含む演出であり、遊技者に対して枠ボタン22を操作させることを示唆するバトル準備演出と、可動役物900を所定の動作シナリオ(振動シナリオ68動作)に基づいて動作させる第1動作制御を、枠ボタン22の操作状況に応じて所定回数(5回)まで繰り返し実行する役物攻撃演出と、その第1動作制御が実行された回数に応じて設定される演出(撃破演出、攻撃失敗演出、及び自滅演出のうち何れか)との3つの演出で構成されている。より具体的には、バトル演出は、特別図柄の変動演出が実行されている期間において、変動開始から8秒後に開始される。バトル演出が開始されると、遊技者に枠ボタン22を操作させることを示唆する表示態様を含むバトル準備演出が2秒間実行される。そして、バトル準備演出が終了した後は、原点位置に位置している可動役物900を所定位置(後述する振動シナリオ68動作下限位置)まで下降させ、再び原点位置まで上昇させる第1動作制御(振動シナリオ68動作)を実行すると共に、可動役物900の動作に対応した表示態様(勇者が恐竜を攻撃する表示態様)が第3図柄表示装置81に表示される(役物攻撃演出)。このように構成することで、役物攻撃演出の終了時は、可動役物900が必ず原点位置に位置するため、可動役物900を原点位置とは異なる位置から原点位置まで移動(退避)させる制御を実行する必要がなく、可動役物900に対する動作制御を簡素化することができる。また、上述した通り、第1動作制御(振動シナリオ68動作)は遊技者が枠ボタン22を押下することによって所定回数(5回)まで繰り返し実行可能に構成され、第3図柄表示装置81では第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行される毎に勇者が恐竜を攻撃する表示態様が表示される。
より具体的には、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間に遊技者によって枠ボタン22が押下された場合に、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が1周期終了したタイミングにおいて第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させるかを決定する終了抽選を実行する構成としている。ここで、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行されている期間において、遊技者によって枠ボタン22が押下されなかった場合は、終了抽選を実行することなく第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる構成としている。本第25制御例では、第1動作制御(振動シナリオ68動作)は、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりである場合のほうが外れの場合よりも繰り返し実行され易く構成されている。このように構成することで、特別図柄抽選の当否判定結果を予想したい遊技者に対して、積極的に枠ボタン22を押下させることができ、遊技の興趣を向上することができる。役物攻撃演出が終了すると、第3図柄表示装置81に表示される表示態様、及び可動役物900の動作パターンが異なる複数の演出(撃破演出、攻撃失敗演出、及び自滅演出のうち何れか)から、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を実行した回数に応じて1の演出が選択されて実行される。まず、図833(a)を参照して、バトル演出が開始されると実行されるバトル準備演出について説明する。図833(a)は、バトル準備演出における演出態様の一例を示した図である。このバトル準備演出は、第3図柄表示装置81において特別図柄の変動演出が開始されてから8秒後に開始される可能性がある演出であり、2秒間実行される演出である。図833(a)に示すように、バトル準備演出では、主表示領域Dmにおいて勇者のキャラクタ860と恐竜のキャラクタ861とが睨み合う表示態様が表示され、主表示領域Dmの右上部に形成された小表示領域Dm1には、特別図柄変動に対応して変動表示される第3図柄(図では3本の矢印で表示)が表示される。
なお、バトル準備演出が実行されている期間には、可動役物900が原点位置に位置している状態で停止している。即ち、バトル準備演出が実行されている期間に可動役物900が動作制御されることはない。主表示領域Dmの左上部に形成される小表示領域HR10には、枠ボタン22を操作させることを示唆する表示態様(例えば「ボタンを押して攻撃を継続させろ!」という文字)が表示される。これらの表示内容により、勇者のキャラクタ860と恐竜のキャラクタ861とが戦う演出が展開されるということを遊技者に容易に理解させることができる。2秒間のバトル準備演出が終了すると、次いで、勇者のキャラクタ860が恐竜のキャラクタ861に対して攻撃する演出である役物攻撃演出が実行される。この役物攻撃演出では、可動役物900を原点位置から所定の位置(後述する、振動シナリオ68動作下限位置)まで下降させた後に、再び原点位置に位置するまで上昇させる第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行される。図833(b)は、役物攻撃演出において、可動役物900が最も下降した状態の演出態様を示した図である。役物攻撃演出が開始されると、主表示領域Dmにおける勇者のキャラクタ860の手元に魔法の杖860aが表示され、原点位置に位置している可動役物900が、正面視下方向に下降(移動)する。ここで、装飾用に設けられた装飾枠801に表示されている隕石の模様が遊技者から視認可能な状態となる。その後、可動役物900が第1動作制御(振動シナリオ68動作)されることによって下降する動作に対応して、主表示領域Dmにおける恐竜のキャラクタ861が頭に攻撃を受けた表示態様で表示され、主表示領域Dmにおける恐竜のキャラクタ861の頭部近辺まで下降した可動役物900は、再び原点位置に位置するまで上昇する。これにより、主制御領域Dmにおける表示態様と、可動役物900の動作とが連動(相関)した演出を実現することができ、バトル演出の演出効果を高めることができる。
また、主表示領域Dmにおける勇者のキャラクタ860の正面視下方に形成された横長略長方形形状の小表示領域Dm61の内部には、遊技者へ枠ボタン22を押下することを促す「ボタンを押せ」という文字が表示される。この小表示領域Dm61の正面視右方には、横長略長方形形状の小表示領域Dm62が形成され、当該小表示領域Dm62の内部には、実行されている第1動作制御(振動シナリオ68動作)が何回目であるかを示す表示態様(例えば「攻撃1回目」という文字)が表示される。より具体的には、小表示領域Dm62の中央に形成された小表示領域Dm62aに表示される数字が更新されることにより、何回目の攻撃(第1動作制御)が実行されているかを示すように構成している。即ち、本第25制御例では、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行される毎に、主表示領域Dmにおいて勇者のキャラクタ860が恐竜のキャラクタ861を攻撃する表示態様が表示され、何回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されているかを示す値が、主表示領域Dmにおいて攻撃回数として表示されるように構成した。小表示領域Dm62の正面視右方には横長略長方形形状の小表示領域Dm63が形成され、当該小表示領域Dm63には、枠ボタン22の操作有効期間を示すタイムゲージtg1が表示されている。タイムゲージtg1は、経過した期間を示すtg1bと、残りの操作有効期間を示すtg1aとで構成されている。このタイムゲージtg1及び小表示領域Dm61の枠ボタン22への操作を促す表示態様は、遊技者によって枠ボタン22が操作されたことに基づいて表示されなくなり、次の第1動作制御(振動シナリオ68動作)の開始時に新たに表示される。
詳細については後述するが、本第25制御例では、役物攻撃演出の実行されている期間において遊技者によって枠ボタン22が押下された場合に、所定回数(5回)まで第1動作制御(振動シナリオ68動作)を繰り返し実行可能に構成した。より具体的には、枠ボタン22が押下されたことに基づいて終了抽選を実行し、当該終了抽選において終了に対応する抽選結果とならなかった(継続に対応する抽選結果となった)場合に、第1動作制御を繰り返し実行(役物攻撃演出を継続)するように構成した。ここで、役物攻撃演出が実行されている期間において遊技者が枠ボタン22を押下しなかった場合には、終了抽選を実行することなく、第1動作制御(振動シナリオ68動作)、及び役物攻撃演出を終了させるように構成している。このように構成することで、役物攻撃演出が実行されている期間を遊技者の枠ボタン22の操作状況に応じて可変させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、本第25制御例では、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりである場合の方が、外れである場合よりも、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が繰り返し実行され易く構成した。より具体的には、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行される毎に実行され得る終了抽選は、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりに当選している場合に、当該終了抽選で継続に対応する抽選結果となり易く構成している。このように構成することで、遊技者が枠ボタン22を押下することによって、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の繰り返し実行された回数から特別図柄抽選の当否判定結果を予想する遊技性を実現することができる。よって遊技の興趣を向上することができる。
次に、図833(b)を参照して、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を繰り返し実行した(役物攻撃演出が継続された)場合における演出態様について説明する。第1動作制御(シナリオ68動作)が繰り返し実行される場合は、小表示領域Dm62aにおける数字が1ずつ加算され、小表示領域Dm63における枠ボタン22の操作有効期間を示す表示態様、及び小表示領域Dm61おける枠ボタン22を押下することを促す表示態様が新たに表示される。図834(a)は、5回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において、可動役物900が最も下降した状態の演出態様を示す図である。図690(a)に示すように、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が5回目まで継続した場合の役物攻撃演出では、小表示領域Dm62aに何回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されているかを示す値「5」が表示され、小表示領域HR10には、「最後だ!」という文字が表示される。これにより、遊技者は第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行される最大回数に到達していることを容易に把握することができる。また、主表示領域Dmにおける恐竜のキャラクタ861は、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行された回数に応じて、より疲れた様子の表示態様に可変する。
具体的には、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行された回数を重ねる毎に、恐竜のキャラクタ861が疲れた様子(例えば、汗の量が増える)に可変して表示されるように構成した。ここで、図示は省略したが、2回目、3回目、及び4回目のうち何れか(1回目及び5回目以外)の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている場合の演出態様は、5回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている場合の演出態様に対して、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行された回数に応じた恐竜のキャラクタ861が表示されている点と、小表示領域Dm62aに表示された表示態様が、何回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されているかを示す数値である点と、小表示領域HRには何も表示されない点とが相違しており、その他の演出態様については5回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている場合の演出態様と同一であるため、詳細な説明を省略する。図834(b)は、役物攻撃演出において、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が5回分繰り返し実行され、5回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了条件が成立しなかった(継続に対応する抽選結果となった)場合に、役物攻撃演出の終了後に実行される撃破演出の演出態様を示す図である。より具体的には、5回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている役物攻撃演出(図834(a)参照)において、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を継続させる(終了させない)抽選結果となった場合には、5回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が終了した後に撃破演出が実行される。
この撃破演出では、主表示領域Dmにおいて勇者のキャラクタ860が勇者の剣860bで恐竜のキャラクタ861を直接攻撃する表示態様が表示され、小表示領域HR10において「撃破した」という文字が表示される。この撃破演出の実行されている期間は、可動役物900に対して動作制御は実行されず、可動役物900は原点位置に位置している状態を維持している。即ち、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の最大実行回数(5回)に到達した場合にも、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了条件が成立しているかを判別し、終了に対応する判別結果とならなかった(繰り返し実行する判別結果)となった場合には、特定の演出(撃破演出)を実行するように構成した。また、詳細については後述するが、本第25制御例では、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりである場合にのみ、撃破演出が実行され得る構成とした。このように構成することで、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりであることが確定する演出を見たいと願う遊技者に対して、バトル演出への関心を高めることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。次に、図835(a)を参照して、2回目、3回目、4回目、及び5回目のうち何れか(1回目以外)の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている役物攻撃演出において、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了条件が成立した場合に実行される攻撃失敗演出の演出態様について説明する。詳細については後述するが、本第25制御例では、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が終了したことに基づいて、次の演出(撃破演出、攻撃失敗演出、及び自滅演出のうち何れか)が決定され、決定された演出に対応する表示態様が表示されるように構成している。即ち、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行された回数によらず、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が終了したタイミングで次の演出(撃破演出、攻撃失敗演出、及び自滅演出のうち何れか)に対応する表示態様に切り替わるように構成されている。
図835(a)に示すように、攻撃失敗演出が実行されると、小表示領域HR10には、勇者のキャラクタ860の攻撃が失敗したことを示す表示態様(例えば、「避けられた」の文字)が表示される。詳細については後述するが、攻撃失敗演出中は、可動役物900が役物攻撃演出の実行中に最も下降した場合に位置している地点(振動シナリオ68動作下限位置)よりも正面視下方である第1落下地点まで下降し、再び原点位置に移動する動作で動作される。主表示領域Dmでは、恐竜のキャラクタ861が可動役物900の下降動作に合わせて攻撃を避ける表示態様に可変して表示され、正面視上部には隕石862の表示態様が表示される。これより、装飾枠801、可動役物900及び第3図柄表示装置81において連動(相関)した演出が実行されるので、バトル演出の演出効果を高めることができる。詳細については後述するが、本第25制御例では、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりである場合は、外れである場合よりも、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が繰り返し実行され易く構成されている。即ち、攻撃失敗演出は、撃破演出よりも当たりの期待度が低く、後述する自滅演出よりも特別図柄抽選の当否判定結果が当たりである期待度が高い演出となるように構成されている。次に、図835(b)を参照して、初回(1回目)の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている役物攻撃演出において、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了条件が成立した場合に実行される自滅演出の演出態様について説明する。ここで、本第25制御例では、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行されている期間において、遊技者によって枠ボタン22が押下されなかった場合には、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了抽選を実行することなく第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させるように構成している。
即ち、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行されている期間において、遊技者が枠ボタン22を押下しなかった場合には、必ず自滅演出が実行されるように構成した。このように構成することで、バトル演出の演出内容から特別図柄抽選の当否判定結果が予想できることを望まない遊技者は、敢えて枠ボタン22をしないことで、意図的に特別図柄抽選の当否判定結果が予想困難となる遊技性を実現することができる。図835(b)に示すように、自滅演出が実行されると、可動役物900が攻撃失敗演出において最も下降した場合に位置している地点(第1落下位置)よりも更に正面視下方である地点(第2落下位置)まで下降し、再び原点位置まで上昇する動作で動作制御される。ここで、本第25制御例では、第2落下位置は可動役物900が正面視下方に移動できる限界の位置となるように構成されている。即ち、自滅演出では可動役物900が移動可能な範囲において最も正面視下方に位置する地点(第2落下位置)まで下降した後、原点位置まで上昇する動作で動作される。これにより、可動役物900を移動可能な範囲を最大限に用いた動作で動作制御することができるため、可動役物900を用いた演出の迫力を向上することができる。主表示領域Dmにおいては、隕石862が降っている表示態様が表示され、小表示領域HR10に「自滅した」という文字が表示される。また、主表示領域Dmにおいて、勇者のキャラクタ860と恐竜のキャラクタ861とは表示されなくなる。これにより、遊技者は勇者のキャラクタ860が自身の攻撃によって自滅してしまったことを容易に理解できるので、自滅演出が攻撃失敗演出よりも特別図柄抽選の当否判定結果が当たりである期待度が低い演出であることを容易に把握できる。
次に、図836から図837を参照して、バトル演出における可動役物900の動作の流れを説明する。ここで、バトル演出において実行されるバトル準備演出では可動役物900が動作制御されることはないため、説明を省略する。図836(a)は、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が5回目まで繰り返し実行され、且つ5回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了条件が成立しなかった場合、即ち、役物攻撃演出終了後の演出として撃破演出が実行された場合の可動役物900の動作の流れを示す図である。図836(a)に示すように、役物攻撃演出において、可動役物900は、原点位置に位置している状態から、原点位置センサ920の検出範囲よりも正面視下方である位置(振動シナリオ68動作下限位置)まで下降した後、原点位置まで上昇する第1動作制御(振動シナリオ68動作)で動作される。この第1動作制御(振動シナリオ68動作)が1周期分(約1秒)実行される毎に、可動役物900が原点位置に位置している状態において、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了条件が成立しているかを判別する。上述した通り、第1動作制御(振動シナリオ68動作)は最大で5回まで実行されるため、終了条件が成立しなかった場合は、役物攻撃演出の実行されている期間において、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が計5回実行される。そして、5回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において終了条件が成立しなかった場合には、撃破演出が実行され、撃破演出では可動役物900は動作されないため、原点位置に位置する状態を維持(停止)している。このように構成することで、第1動作制御を終了した場合に、可動役物900を原点位置に移動(退避)させる動作制御を実行する必要がないため、可動役物900に対する動作制御を簡素化することができる。
なお、本第25制御例では、撃破演出の実行期間において駆動モータ905を励磁せず(可動役物900に対する動作制御を実行せず)に可動役物900が原点位置に位置する状態を維持する(停止させる)ように構成しているが、これに限るものではない。より具体的には、撃破演出に対応する動作シナリオテーブルを設け、駆動モータ905を励磁することによって可動役物900を原点位置にいる状態で維持する(励磁保持する)ように構成してもよい。このように構成することで、撃破演出の実行後に可動役物900に対して動作制御を行う場合に、慣性負荷による駆動モータ905の脱調や起動時の遅れを軽減することができると共に、可動役物900の自重やパチンコ機10が振動することによって可動役物900が動いてしまう等の不具合を抑制することができる。また、可動役物900が原点位置に位置している状態から、下降する動作を規制することが可能なストッパー等を設け、当該ストッパーをロック状態へ可変することにより可動役物900を原点位置に位置している状態で維持するように構成してもよい。このように構成することで、駆動モータ905に対する制御を実行することなく(駆動モータ905を励磁することによる発熱を抑制し)、可動役物900が原点位置に位置している状態を確実に維持させることができる。次に、図836(b)を参照して、2回目、3回目、4回目、及び5回目のうち何れか(1回目以外)の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において終了条件が成立した場合、即ち、攻撃失敗演出が実行された場合における可動役物900の動作の流れを説明する。図836(b)は、例として3回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において終了条件が成立した場合の可動役物900の動きの流れを示した図である。
役物攻撃演出が実行されている期間(第1動作制御が実行されている期間)における可動役物900の動作内容については、実行された回数のみが相違しており、その他の点では終了条件が成立しなかった場合(図836(a)参照)と同一であるため、説明を省略する。図836(b)に示すように、3回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において終了条件が成立した場合には、3回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が終了した後に、後述する第1落下シナリオテーブル222uya2の規定内容に基づいて、可動役物900が動作制御される。より具体的には、攻撃失敗演出が実行されると、まず、可動役物900が第1落下位置まで下降する動作で動作制御される。ここで、第1落下位置は、第1動作制御(振動シナリオ68動作)で可動役物900が最も下降した場合に位置している振動シナリオ68動作下限位置よりも正面視下方の場所を指す。その後、可動役物900は、退避シナリオテーブル222ucの規定内容に基づいて、第1落下位置から原点位置まで上昇し、原点位置に位置している状態で停止するように動作制御される。ここで、2回目、4回目及び5回目のうち何れかの第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において、終了条件が成立した場合の攻撃失敗演出における可動役物900の動きの流れは、3回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において終了条件が成立した場合の攻撃失敗演出における可動役物900の動きの流れと同様であるため、説明を省略する。即ち、2回目、4回目及び5回目のうち何れかの第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において終了条件が成立した場合には、終了条件が成立したタイミングに応じて、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行される回数(期間)のみが可変するように構成されている。次に、図837を参照して、初回(1回目)の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において、終了条件が成立した場合、即ち、自滅演出が実行された場合における可動役物900の動きの流れを説明する。
図837に示すように、初回(1回目)の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において終了条件が成立した場合は、1回目の役物攻撃演出が終了した後に、後述する第2落下シナリオテーブル222uya3の規定内容に基づく動作制御が実行される。ここで、本第25制御例では、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行されている期間において、遊技者によって枠ボタン22が押下されなかった場合には、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了抽選を実行せずに第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる構成とした。即ち、役物攻撃演出の実行されている期間において、遊技者が枠ボタン22を1度も押下しなかった場合には、必ず第2落下シナリオテーブル222uya3の規定内容に基づく動作制御が実行される。このように構成することで、可動役物900の移動距離が長い動作制御を好む遊技者が、意図して第2落下シナリオテーブル222uya3に基づく動作制御を実行させることができる。なお、本第25制御例では、1回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行されている期間において終了条件が成立した場合に、必ず第2落下シナリオテーブル222uya3に基づく動作制御を実行させるように構成しているが、これに限るものではない。例えば、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行された回数によらず、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了条件が成立した場合には、第1落下シナリオテーブル222uya2に基づく動作制御を実行するか、第2落下シナリオテーブル222uya3に基づく動作制御を実行するかを、所定の抽選によって決定するように構成してもよい。このように構成することで、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の終了条件が成立した場合に、次に実行される動作制御を遊技者が予想する遊技性を実現することができる。
第2落下シナリオテーブル222uya3の規定内容に基づく動作制御が実行されると、可動役物900が、上述した第1落下位置より正面視下方にある第2落下位置まで下降した後、第2落下位置に位置している状態で停止する。第2落下シナリオテーブル222uya3の規定内容に基づく動作制御が終了すると、次いで、退避シナリオテーブル222ucの規定内容に基づいて、可動役物900を原点位置まで移動させる動作制御が実行される。ここで、上述した通り、本第25制御例では、可動役物900が移動可能な範囲で最も上昇した場合に位置する場所が原点位置であり、可動役物900が移動可能な範囲で最も下降した場合に位置する場所が第2落下位置である。これにより、可動役物900の移動可能な範囲を最大限に用いた動作制御を実行することができ、可動役物900を動作させる演出態様を含む演出の迫力を高めることができる。なお、本第25制御例では、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行されている期間において、枠ボタン22が押下された場合に、枠ボタン22が押下されたタイミングによらず、当該第1動作制御(振動シナリオ68動作)の完了時(1周期分を完了させたタイミング)に第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了条件が成立しているかの判別を実行する構成としているが、これに限るものではない。例えば、第1動作制御(振動シナリオ68動作)によって、可動役物900が原点位置から下降している最中に枠ボタン22が押下された場合は、枠ボタン22が押下されたタイミングで終了条件が成立しているかを判別し、終了条件が成立している場合には、可動役物900を原点位置まで移動させる動作制御を実行し、可動役物900が原点位置に到達した時点で第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了するように構成してもよい。このように構成することで、可動役物900が第3図柄表示装置81の表示領域まで進出(移動)することを嫌う遊技者に対して、積極的に枠ボタン22を押下させることができる。
また、本第25制御例では、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了条件が成立しているかの判別を、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の1周期毎に実行するように構成しているが、これに限るものではない。例えば、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を実行した回数が偶数の場合(2回目、及び4回目)の第1動作制御(振動シナリオ68動作)の終了時にのみ、終了判定を実行するように構成してもよい。
<第25制御例における電気的構成>
次に、図838から図843を参照して、本第25制御例における電気的構成について説明する。まず、図838を参照して、本第25制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図838は、本第25制御例におけるROM222の構成を示すブロック図である。図838に示した通り、本第25制御例におけるROM222は、上述した第21制御例におけるROM222の構成(図729参照)に対して、動作シナリオテーブル群222uugに代えて動作シナリオテーブル群222uyaが設けられている点と、振動シナリオ終了抽選テーブル222uybが追加されている点とで相違している。その他の構成については上述した第21制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。まず、図839を参照して、本第25制御例における動作シナリオテーブル群222uyaの詳細について説明する。図839は、本第25制御例における動作シナリオテーブル群222uyaの構成を示すブロック図である。図839に示した通り、本第25制御例における動作シナリオテーブル群222uyaは、上述した第21制御例における動作シナリオテーブル群222uugの構成(図730参照)に対して、振動シナリオテーブル222uya1、第1落下シナリオテーブル222uya2、及び第2落下シナリオテーブル222uya3が追加されている点と、進出シナリオテーブル222uuga、及び振動シナリオテーブル222uugbが削除されている点で相違している。まず、図840(a)を参照して、振動シナリオテーブル222uya1について説明する。図840(a)は、この振動シナリオテーブル222uya1の規定内容を示した図である。この振動シナリオテーブル222uya1は、バトル準備演出が実行された後、役物攻撃演出が実行されている期間において、可動役物900を原点位置から振動シナリオ68動作下限位置まで下降させ、原点位置まで上昇させる動作で動作制御する場合に参照されるテーブルである。
より具体的には、図840(a)に示すように、処理カウンタ223ukの値「1」に対して、駆動モータ905を10ms励磁することによる保持動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「2」に対して、駆動モータ905を4ms毎に励磁する(1ステップ回転させる)スピードで72ステップ正回転させる動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「3」に対して、駆動モータ905を40ms励磁することによる保持動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「4」に対して、500msの間、駆動モータ905を励磁せず待機させるためのデータが対応付けて規定され、処理カウンタ223uk「5」に対して、駆動モータ905を4ms毎に励磁する(1ステップ回転させる)スピードで8ステップ逆回転させる動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223uk「6」に対して、駆動モータ905を4ms毎に励磁する(1ステップ回転させる)スピードで原点位置センサ920がオンの状態になるまで駆動モータ905を逆回転させる動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「7」に対して、駆動モータ905を4ms毎に励磁する(1ステップ回転させる)スピードで17ステップの逆回転させる動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223uk「8」に対して、駆動モータ905を40ms励磁することによって保持する動作が対応付けて規定されている。これらの規定内容により、振動シナリオテーブル222uya1の規定内容に基づいて可動役物900の動作制御を実行した場合、可動役物900は、原点位置で10ms停止し(保持され)、原点位置から振動シナリオ68動作下限位置まで288msで下降し、振動シナリオ68動作下限位置で540ms停止し(保持及び待機)、再び原点位置まで288msで上昇し、原点位置で40ms停止する(保持される)。本第25制御例では、振動シナリオテーブル222uya1に基づく第1動作制御(振動シナリオ68動作)は、最大で5回まで繰り返し実行可能に構成されている。即ち、可動役物900が原点位置と振動シナリオ68動作下限位置との間を1秒間で1往復する動作を複数回実行することにより、可動役物900が上下に振動する動作で動作制御される。
なお、本第25制御例では、可動役物900を移動させない(停止させている)場合に、駆動モータ905を励磁することによって保持する制御、または駆動モータ905を励磁せずに待機させる制御を実行するように構成しているがこれに限るものではない。例えば、可動役物900を移動させない場合は、必ず駆動モータ905に対する励磁を中断し、駆動モータ905に対する励磁を所定期間待機させる制御を実行するように構成してもよい。このように構成することで、可動役物900の自重等によって可動役物900が移動してしまう可能性が無い状況において、不必要に駆動モータ905に対して励磁を行い、駆動モータ905が不要に発熱してしまう不具合を解消することができる。また、振動シナリオテーブル222uya1に対して、可動役物900が原点位置に位置している状態で停止させるためのデータ(処理カウンタ223ukのカウンタ値「1」、及び「8」に対応付けて規定されたデータ)を規定しないように構成し、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が終了したタイミングから所定時間(例えば、40ms)が経過したタイミングで、第1動作制御を繰り返し実行するように構成してもよい。このように構成することで、振動シナリオテーブル222uya1のデータ量を削減できるので、音声ランプ制御装置113のROM222の記憶容量を削減することができる。また、本第25制御例では、第1動作制御の実行されている期間において、遊技者によって枠ボタン22が押下されたタイミングによらず、特定のタイミング(振動シナリオ68動作の1周期分が終了した時点)で終了判別を実行するように構成しているが、これに限るものではない。例えば、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行されている期間において、枠ボタン22が押下された場合は、可動役物900が原点位置に位置した時点で終了判別を実行するように構成してもよい。
より具体的には、可動役物900が振動シナリオ68動作下限位置に位置している状態で、枠ボタン22が押下された場合は、可動役物900が原点位置まで上昇(到達)した時点で(その後の40msの保持動作を実行せず)第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が枠ボタン22を操作したタイミングに応じて動作制御の終了タイミングを可変させることができるので、可動役物900の動作パターンを多様化させることができる。次に、図840(b)を参照して、上述した第1落下シナリオテーブル222uya2の詳細について説明する。図840(b)は、この第1落下シナリオテーブル222uya2の規定内容を示した図である。この第1落下シナリオテーブル222uya2は、2回目、3回目、4回目、及び5回目のうち何れか(1回目以外)の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において終了条件が成立し、その後、可動役物900を原点位置から第1落下位置まで下降させる動作制御を実行する場合に参照されるデータテーブルである。より具体的には、図840(b)に示すように、処理カウンタ223ukの値「1」に対して、駆動モータ905を10ms励磁することによって保持する動作が規定され、処理カウンタ223ukの値「2」に対して、駆動モータ905を4ms毎に励磁する(1ステップ回転させる)スピードで200ステップ正回転させる動作が対応付けて規定され、処理カウンタ223ukの値「3」に対して、駆動モータ905を40ms励磁することによって保持する動作が対応付けて規定されている。
これらの規定内容により、第1落下シナリオテーブル222uya2の規定内容に基づいて可動役物900の動作制御を実行した場合、可動役物900は、原点位置に位置している状態で10ms停止し(保持され)、振動シナリオ68動作下限位置よりも正面視下方(原点位置から200ステップ分)である第1落下位置(図836(b)参照)まで800msで下降し、第1落下位置(図836(b)参照)で40ms停止する(保持される)。即ち、この第1落下シナリオテーブル222uya2に基づいて動作制御が実行されると、可動役物900は、第1動作制御で移動する距離よりも長い距離を落下する動作で動作制御される。次に、図840(c)を参照して、上述した第2落下シナリオテーブル222uya3について説明する、図840(c)は、この第2落下シナリオテーブル222uya3の規定内容を示した図である。この第2落下シナリオテーブル222uya3は、初回(1回目)の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了条件が成立したことで、役物攻撃演出が終了した後、自滅演出において可動役物900を原点位置から第2落下位置(図837参照)まで下降させる場合に参照されるデータテーブルである。この第2落下シナリオテーブル222uya3は、上述した第1落下シナリオテーブル222uya2に対して、処理カウンタ223ukの値「2」に対応付けて規定されたデータ内容のステップ数が600となっている点でのみ相違している。即ち、第2落下シナリオテーブル222uya3に規定された内容に基づいて可動役物900の動作制御を実行した場合、原点位置から、第1落下位置よりも正面視下方にある第2落下位置(原点位置から600ステップ分)まで可動役物900が2400msで下降する動作で動作制御される。
次に、図841を参照して、振動シナリオ終了抽選テーブル222uybについて説明する。図841は振動シナリオ終了抽選テーブル222uybの規定内容を示した図である。この振動シナリオ終了抽選テーブル222uybは、役物攻撃演出が実行されている期間において、遊技者によって枠ボタン22が押下されたことに基づいて、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させるかを決定する場合に参照されるデータテーブルである。この振動シナリオ終了抽選テーブル222uybには、特別図柄抽選の当否判定結果、役物攻撃演出における攻撃回数(即ち、既に実行された第1動作制御の回数)、及び第1演出カウンタ223uufのカウンタ値に対応付けて、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させるかを示すデータが規定されている。より具体的には、図841に示すように、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりであり、且つ、1回目の攻撃(第1動作制御)の場合、第1演出カウンタ223uufの値「0~9」の範囲に対して、「終了」が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223uufの値「10~198」の範囲に対して「成功」が対応付けて規定されている。
また、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりであり、且つ、2回目の攻撃(第1動作制御)の場合、第1演出カウンタ223uufの値「0~19」の範囲に対して、「終了」が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223uufの値「20~198」の範囲に対して「成功」が対応付けて規定され、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりであり、且つ、3回目の攻撃(第1動作制御)の場合、第1演出カウンタ223uufの値「0~49」の範囲に対して、「終了」が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223uufの値「50~198」の範囲に対して「成功」が対応付けて規定され、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりであり、且つ、4回目の攻撃(第1動作制御)の場合、第1演出カウンタ223uufの値「0~99」の範囲に対して、「終了」が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223uufの値「100~198」の範囲に対して「成功」が対応付けて規定され、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりであり、且つ、5回目の攻撃(第1動作制御)の場合、第1演出カウンタ223uufの値「0~149」の範囲に対して、「終了」が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223uufの値「150~198」の範囲に対して「成功」が対応付けて規定されている。ここで、5回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)は、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を実行させる最大回数に達しているため、継続に対応する抽選結果となった場合には、上述した撃破演出が実行される。
即ち、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりであり、且つ、1回目の攻撃(第1動作制御)において枠ボタン22が押下された場合、10/199の割合で攻撃(第1動作制御)が終了し、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりであり、且つ、2回目の攻撃(第1動作制御)において枠ボタン22が押下された場合、20/199の割合で攻撃(第1動作制御)が終了し、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりであり、且つ、3回目の攻撃(第1動作制御)において枠ボタン22が押下された場合、50/199の割合で攻撃(第1動作制御)が終了し、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりであり、且つ、4回目の攻撃(第1動作制御)において枠ボタン22が押下された場合、100/199の割合で攻撃(第1動作制御)が終了し、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりであり、且つ、5回目の攻撃(第1動作制御)において枠ボタン22が押下された場合、150/199の割合で攻撃(第1動作制御)が終了、且つ第1落下シナリオテーブル222uya2の規定内容に基づく動作制御を実行する。
また、図841に示すように、特別図柄抽選の当否判定結果が外れであり、且つ、1回目の攻撃(第1動作制御)の場合、第1演出カウンタ223uufの値「0~19」の範囲に対して、「終了」が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223uufの値「20~198」の範囲に対して「成功」が対応付けて規定されている。また、特別図柄抽選の当否判定結果が外れであり、且つ、2回目の攻撃(第1動作制御)の場合、第1演出カウンタ223uufの値「0~49」の範囲に対して、「終了」が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223uufの値「50~198」の範囲に対して「成功」が対応付けて規定され、特別図柄抽選の当否判定結果が外れであり、且つ、3回目の攻撃(第1動作制御)の場合、第1演出カウンタ223uufの値「0~99」の範囲に対して、「終了」が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223uufの値「100~198」の範囲に対して「成功」が対応付けて規定され、特別図柄抽選の当否判定結果が外れであり、且つ、4回目の攻撃(第1動作制御)の場合、第1演出カウンタ223uufの値「0~179」の範囲に対して、「終了」が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223uufの値「180~198」の範囲に対して「成功」が対応付けて規定され、特別図柄抽選の当否判定結果が外れであり、且つ、5回目の攻撃(第1動作制御)の場合、第1演出カウンタ223uufの値「0~198」の範囲に対して、「終了」が対応付けて規定されている。
即ち、特別図柄抽選の当否判定結果が外れであり、且つ、1回目の攻撃(第1動作制御)において枠ボタン22が押下された場合、20/199の割合で攻撃(第1動作制御)が終了し、特別図柄抽選の当否判定結果が外れであり、且つ、2回目の攻撃(第1動作制御)において枠ボタン22が押下された場合、50/199の割合で攻撃(第1動作制御)が終了し、特別図柄抽選の当否判定結果が外れであり、且つ、3回目の攻撃(第1動作制御)において枠ボタン22が押下された場合、100/199の割合で攻撃(第1動作制御)が終了し、特別図柄抽選の当否判定結果が外れであり、且つ、4回目の攻撃(第1動作制御)において枠ボタン22が押下された場合、180/199の割合で攻撃(第1動作制御)が終了し、特別図柄抽選の当否判定結果が外れであり、且つ、5回目の攻撃(第1動作制御)において枠ボタン22が押下された場合、必ず(199/199の割合)攻撃(第1動作制御)が終了、且つ第1落下シナリオテーブル222uya2の規定内容に基づく動作制御を実行する。即ち、役物攻撃演出における攻撃(第1動作制御)は、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりである場合のほうが繰り返し実行される可能性が高く、5回目の攻撃(第1動作制御)で終了の抽選結果とならない(即ち、撃破演出が実行される)ことは、特別図柄抽選の当否判定結果が当たりであることを意味する。これにより、役物攻撃演出における攻撃(第1動作制御)の回数から特別図柄抽選の当否判定結果を予想する遊技性を実現することができる。
次に、図842を参照して、本第25制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図842は、本第25制御例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図842に示した通り、本第25制御例におけるRAM223は、上述した第21制御例におけるRAM223の構成(図738参照)に対して、役物可動関連エリア223uuyに代えて役物可動関連エリア223uyaが設けられている点と、バトル演出待機フラグ223uyb、バトル演出タイマ223uyc、バトル演出実行フラグ223uyd、及び押下完了フラグ223uyeが追加されている点とにおいて相違している。その他の構成については上述した第21制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。まず、図843を参照して、役物可動関連エリア223uyaについて説明する。この役物可動関連エリア223uyaは、上述した第21制御例における役物可動関連エリア223uya(図739(a)参照)に対して、振動シナリオ完了フラグ223uya1、第1落下シナリオ223uya2及び第2落下シナリオ223uya3を追加した点において相違している。その他の構成については上述した第21制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。振動シナリオ完了フラグ223uya1は、オンである場合は第1動作制御(振動シナリオ68動作)が終了したタイミングであることを示し、オフである場合は第1動作制御(振動シナリオ68動作)が終了したタイミングではないことを示すフラグである。この振動シナリオ完了フラグ223uya1は、初期状態がオフに設定されており、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させた場合にオンに設定され(図851のS4908L、及び図852のS4832L参照)、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の終了後に実行される演出(撃破演出、攻撃失敗演出及び自滅演出のうちいずれかの演出)が開始される場合にオフに設定される(図848のS4710L参照)。このように構成することで、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が終了したタイミングと、演出に対応する表示態様を切り替えるタイミングとを合致させることができる。
第1落下シナリオ実行フラグ223uya2は、第1落下シナリオテーブル222uya2の規定内容に基づく可動役物900の動作制御を実行していることを示すためのフラグであり、オンである場合は第1落下シナリオテーブル222uya2に基づく動作制御が実行されていることを示し、オフである場合は第1落下シナリオテーブル222uya2に基づく動作制御が実行されていないことを示すフラグである。この第1落下シナリオ実行フラグ223uya2は、初期状態がオフに設定されており、2回目、3回目、4回目、及び5回目のうち何れか(1回目以外)の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において終了条件が成立し、第1落下シナリオテーブル222uya2に基づく動作制御を実行する場合にオンに設定され(図852のS4837L参照)、第1落下シナリオテーブル222uya2に基づく動作制御が終了した場合にオフに設定される(図853のS5011L参照)。第2落下シナリオ実行フラグ223uya3は、第2落下シナリオテーブル222uya3に基づく動作制御を実行していることを示すためのフラグであり、オンである場合は第2落下シナリオテーブル222uya3に基づく動作制御が実行されていることを示し、オフである場合は第2落下シナリオテーブル222uya3に基づく動作制御が実行されていないことを示すフラグである。この第2落下シナリオ実行フラグ223uya3は、初期状態がオフに設定されており、初回(1回目)の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において終了条件が成立し、第2落下シナリオテーブル222uya3に基づく動作制御を実行する場合にオンに設定され(図852のS4835L参照)、第2落下シナリオテーブル222uya3に基づく動作制御が終了した場合にオフに設定される(図854のS5111L参照)。
図842に戻り、バトル演出待機フラグ223uybについて説明する。このバトル演出待機フラグ223uybは、オンである場合はバトル演出の実行が決定されたことを示し、オフである場合はバトル演出の実行が決定されていないことを示す。このバトル演出待機フラグ223uybは、初期状態がオフに設定されており、バトル演出を実行する変動演出が決定された場合にオンに設定され(図844のS3192L参照)、バトル演出の開始時にオフに設定される(図847のS3584L参照)。なお、本第25制御例では、バトル演出待機フラグ223uybがオンに設定された場合は、バトル演出を必ず実行する構成としているが、これに限るものではない。例えば、バトル演出の実行が決定された(バトル演出待機フラグ223uybがオンに設定された)後に、所定の条件が成立した場合に、バトル演出待機フラグ223uybをオフに設定するように構成してもよい。このように構成することで、バトル演出の実行が決定された後に、第3図柄表示装置81にエラーメッセージが表示される等の不具合が発生した場合に、バトル演出待機フラグ223uybをオフに設定することで、エラーメッセージの表示と並行してバトル演出が実行されてしまうことを抑制することができる。バトル演出タイマ223uycは、バトル演出が開始されてからの経過時間を計数するためのタイマである。このバトル演出タイマ223uycは、初期値が0に設定されており、バトル演出が開始されるとタイマ値が1ずつ(1ms毎)加算され(図848のS4701L参照)、バトル演出の終了時にタイマ値に0が設定される(図848のS4713L参照)。このバトル演出タイマ223uycの値は、バトル準備演出を終了させるタイミング、またはバトル演出における最後の演出(撃破演出、攻撃失敗演出、及び自滅演出のうちいずれかの演出)を終了させるタイミングであるかを判別する場合に参照される。これにより、バトル演出を複数の変動演出に亘って実行され得るように設計変更を行った場合にも、バトル演出の終了タイミングにおいて確実に終了処理を実行することができる。
なお、本第25制御例では、バトル演出の開始タイミングからバトル演出タイマ223uycのタイマ値を1ずつ加算することにより経過時間を計数するように構成しているが、バトル演出の開始タイミングに所定の値(例えば、バトル演出の演出時間である10000ms)を設定し、1ms毎にバトル演出タイマ223uycのタイマ値を減算するように構成してもよい。バトル演出実行フラグ223uydは、バトル演出が実行されていることを示すためのフラグであり、オンである場合にはバトル演出が実行されていることを示し、オフである場合にはバトル演出が実行されていないことを示すフラグである。このバトル演出実行フラグ223uydは、初期状態がオフに設定されており、バトル演出の実行を開始する場合にオンに設定され(図847のS3585L参照)、バトル演出の終了時にオフに設定される(図848のS4712L参照)。
<第25制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図844から図855を参照して、本第25制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図844を参照して、本第25制御例における通常状態演出態様決定処理(S3031L)の詳細について説明する。この通常状態演出態様決定処理(S3031L)は、上述した第21制御例における通常状態演出態様決定処理(図769参照)に代えて実行される処理であり、通常状態演出態様決定処理(図769参照)と同様に、通常状態において変動パターンコマンドを受信した場合に、当該変動パターンコマンドにより通知された変動種別に応じて変動表示態様を決定するために実行される処理である。図844は、この通常状態演出態様決定処理(S3031L)を示したフローチャートである。この本第25制御例における通常状態演出態様決定処理(S3031L)のうち、S3101L~S3103L、及びS3110L~S3113Lの各処理では、それぞれ上述した第21制御例の通常状態演出態様決定処理(図769参照)におけるS3101L~S3103L、及びS3110L~S3113Lの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第25制御例における通常状態演出態様決定処理(図844参照)では、S3103Lの処理が終了すると、次いで、S3103Lの処理で決定された変動演出種別がバトル演出を伴う変動表示態様であるかを判別する(S3191L)。ここで、本第25制御例では、変動演出パターン選択テーブル222ua(図731参照)に規定された各種役物スーパー演出、または各種役物スーパー外れ演出が決定された場合にバトル演出が実行され得る構成としている。S3191Lの処理において、バトル演出を伴う変動表示態様であると判別した場合は(S3191L:Yes)、駆動待機フラグ223up、及びバトル演出待機フラグ223uybを共にオンに設定して(S3192L)、処理をS3110Lに移行する。これに対して、S3191Lの処理において、バトル演出を伴う変動表示態様であると判別しなかった場合は(S3191L:No)、バトル演出が実行される可能性がないため、処理をS3110Lに移行する。この通常状態演出態様決定処理(図844参照)を実行することにより、バトル演出を伴う変動表示態様が決定された場合に、バトル演出待機フラグ223uybをオンにしておくことができるので、バトル演出を確実に開始させることができる。次に、図845を参照して、本第25制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(S2181L)の詳細について説明する。この枠ボタン入力監視・演出処理(S2181L)は、上述した第21制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図770参照)に代えて実行される処理であり、枠ボタン入力監視・演出処理(図770参照)と同様に、枠ボタン22等の操作部材に対する操作有無を監視すると共に、操作を検出した場合に対応する制御を行うための処理である。図845は、枠ボタン入力監視・演出処理(S2181L)を示したフローチャートである。
この第25制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(S2181L)のうち、S3201L~S3204L,S3216L、及びS3217Lの各処理では、それぞれ上述した第21制御例の枠ボタン入力監視・演出処理(図770参照)におけるS3201L~S3204L,S3216L、及びS3217Lの各処理と同一の処理が実行される。また、第25制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図845参照)では、S3204Lの処理において、枠ボタン22が操作されたと判別した場合は(S3204L:Yes)、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであるかを判別し(S4601L)、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであると判別した場合には(S4601L:Yes)、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されていることを意味するため、処理をS4602Lに移行する。一方で、S4601Lの処理において、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであると判別しなかった場合には、第1動作制御(振動シナリオ68動作)は実行されていないため、処理をS3216Lへ移行する。S4602Lの処理では、押下完了フラグ223uyeがオンであるか判別し(S4602L)、押下完了フラグ223uyeがオンであると判別しなかった場合は(S4602L:No)、押下完了フラグ223uyeをオンに設定し(S4603L)、処理をS3216Lに移行する。これにより、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行されている期間に枠ボタン22が操作された場合に、所定のタイミングで対応する処理を確実に実行することができる。一方で、S4602Lの処理において、押下完了フラグ223uyeがオンであると判別した場合には(S4602L:Yes)、既に枠ボタン22が押下されている、即ち、1回の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において、2回以上枠ボタン22が操作されたことを意味するため、本処理を終了する。
この枠ボタン入力監視・演出処理(図845参照)を実行することにより、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行されている期間に枠ボタン22が押下された場合に、押下完了フラグ223uyeをオンに設定することができるので、枠ボタン22が押下されたことに対応する処理を確実に実行することができる。なお、本第25制御例では、1回分の第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行されている期間において、枠ボタン22が複数回操作された場合に、2回目以降の枠ボタン22の押下を終了抽選に反映させないように構成しているが、これに限るものではない。例えば、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行されている期間において、枠ボタン22が押下された回数に応じて確率が可変する第1動作制御(振動シナリオ68動作)の終了抽選を実行するように構成してもよい。このように構成することで、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を継続させたい遊技者に対して、より積極的に枠ボタン22を操作させることができるので、遊技の興趣を向上することができる。次に、図846を参照して、本第25制御例における駆動タイマ監視処理(S2142L)の詳細について説明する。この駆動タイマ監視処理(S2142L)は、上述した第21制御例における駆動タイマ監視処理(図772参照)に代えて実行される処理であり、駆動タイマ監視処理(図772参照)と同様に、駆動タイマ223ujのタイマ値を監視して、可動役物900に対する異常発生の有無等を判別するための処理である。図846は、この駆動タイマ監視処理(S2142L)を示したフローチャートである。この第25制御例における駆動タイマ監視処理(図846参照)のうち、S3401L~S3403L,S3407L,S3408L,S3410L,S3412L~S3416L、及びS3418Lの各処理では、それぞれ上述した第21制御例における駆動タイマ監視処理(図772参照)のS3401L~S3403L,S3407L,S3408L,S3410L,S3412L~S3416L、及びS3418Lの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第25制御例における駆動タイマ監視処理(図846参照)では、S3403Lの処理において、復帰対応フラグ223uuがオンであると判別しなかった場合は(S3403L:No)、駆動タイマ223ujのタイマ値が2440未満であるかを判別し(S3415L)、駆動タイマ223ujの値が2440未満であると判別した場合は(S3415L:Yes)、第1落下シナリオ実行フラグ223uya2がオンであるかを判別し(S3452L)、第1落下シナリオ実行フラグ223uya2がオンであると判別した場合は(S3452L:Yes)、駆動タイマ223ujのタイマ値が840未満であるか判別し(S3453L)、駆動タイマ223ujのタイマ値が840未満であると判別した場合は(S3453L:Yes)、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであるかを判別し(S3454L)、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであると判別した場合には(S3454L:Yes)、駆動タイマ223ujのタイマ値が540未満であるか判別し(S3455L)、駆動タイマ223ujのタイマ値が540未満と判別しなかった場合には(S3455L:No)、処理をS3407Lへと移行する。このように、本第25制御例では、各動作シナリオテーブルに基づく動作制御に対して、それぞれの許容時間(駆動モータ905の脱調やセンサの検知不良等を考慮した動作時間)を設けている。より具体的には、各動作シナリオテーブルにおけるシナリオデータに基づく動作制御に要する最大時間(例えば、振動シナリオテーブル222uya1では500ms)に応じて、許容時間(例えば、振動シナリオテーブル222uya1では540ms)を設けている。これにより、設定された動作シナリオの種別によって、復帰処理を実行させるまでの時間が長くなってしまうといった不具合を抑制することができる。また、S3453Lの処理において駆動タイマ223ujのタイマ値が840未満であると判別しなかった場合(S3453L:No)、及びS3451Lの処理において駆動タイマ223ujのタイマ値が2440未満であると判別しなかった場合にも(S3451L:No)、処理をS3407Lへと移行する。
一方で、S3452Lの処理において、第1落下シナリオ実行フラグ223uya2がオンであると判別しなかった場合は(S3452L:No)、処理をS3454Lへと移行する。また、S3454Lの処理において、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであると判別しなかった場合は(S3454L:No)、本処理を終了する。この駆動タイマ監視処理(図846参照)を実行することにより、駆動タイマ223ujのタイマ値が所定の数値を超えた場合に、所定の処理を実行することができるので、センサの検知不良や駆動モータ905の脱調等の不具合によって、可動役物900に対する動作制御が必要以上の期間、継続してしまうことを抑制することができる。次に、図847を参照して、本第25制御例における演出更新処理(S2143L)の詳細について説明する。この演出更新処理(S2143L)は、上述した第21制御例における演出更新処理(図773参照)に代えて実行される処理であり、演出更新処理(図773参照)と同様に、各種演出態様を更新するための処理である。図847は、演出更新処理(S2143L)を示したフローチャートである。この第25制御例における演出更新処理(図847参照)では、まず、変動時間タイマ223uhのタイマ値が0より大きい値であるかを判別し(S3501L)、変動時間タイマ223uhのタイマ値が0より大きい値であると判別しなかった場合は(S3501L:No)、変動演出が実行されていないことを意味するため、本処理を終了する。一方、S3501Lの処理において、変動時間タイマ223uhのタイマ値が0より大きい値であると判別した場合は(S3501L:Yes)、変動時間タイマ223uhのタイマ値に1を減算し(S3502L)、バトル演出待機フラグ223uybはオンであるかを判別し(S3581L)、バトル演出待機フラグ223uybがオンであると判別した場合は(S3581L:Yes)、バトル演出を伴う変動表示態様が決定されているため、変動時間タイマ223uhのタイマ値を参照して、バトル演出の開始タイミングであるか判別する(S3582L)。
S3582Lの処理において、バトル演出の実行タイミングであると判別した場合は(S3582L:Yes)、バトル演出に対応する演出態様を決定し(S3583L)、バトル演出待機フラグ223uybをオフに設定し(S3584L)、バトル演出実行フラグ223uydをオンに設定し(S3585L)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示すための表示用コマンドを設定する(S3588L)。一方、S3582Lの処理において、バトル演出の実行タイミングであると判別しなかった場合は(S3582L)、処理をS3588Lへと移行する。なお、S3583Lの処理では、時間経過に基づいて実行されるバトル演出の準備期間に対応する演出態様と、1回目のバトル演出中の演出態様が纏めて決定される。このように、可動役物900の動作状況に応じて第3図柄表示装置81の表示面にて表示される演出態様を切り替えて設定可能な構成において、可動役物900の動作状況に関わらず時間経過に基づいて実行される一連の演出態様を纏めて設定可能に構成することで、第3図柄表示装置81の表示面にて表示される演出態様を決定するための処理を簡素化することができる。これらに対し、S3581Lの処理において、バトル演出待機フラグ223uybがオンであると判別しなかった場合は(S3581L:No)、バトル演出実行フラグ223uydがオンであるかを判別し(S3586L)、バトル演出実行フラグ223uydがオンであると判別した場合は(S3586L:Yes)、バトル演出における各種演出態様を更新するための、バトル演出更新処理を実行し(S3587L)、処理をS3588Lへと移行する。このバトル演出更新処理(S3587L)の詳細については、図848を参照して後述する。一方、S3586Lの処理においてバトル演出実行フラグ223uydがオンであると判別しなかった場合は(S3586L)、バトル演出が実行されていないことを意味するため、S3587Lの処理をスキップし、処理をS3588Lへと移行する。
S3588Lの処理が終了すると、駆動待機フラグ223upがオンであるかを判別し(S3503L)、駆動待機フラグ223upがオンであると判別した場合は(S3503L:Yes)、役物駆動の開始タイミングであるか判別し(S3504L)、役物駆動の開始タイミングであると判別した場合は(S3504L:Yes)、処理カウンタ223ukのカウンタ値に1を設定し(S3505L)、振動シナリオテーブル222uya1から処理カウンタ223ukのカウンタ値「1」に対応するシナリオデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S3589L)、駆動待機フラグ223upをオフに設定し(S3507L)、役物駆動フラグ223uqをオンに設定し(S3508L)、その他各種カウンタ、及び各種タイマの更新処理を実行し(S3512L)、本処理を終了する。これに対し、S3504Lの処理において、役物駆動の開始タイミングであると判別しなかった場合(S3504L:No)、またはS3503Lの処理において、駆動待機フラグ223upがオンであると判別しなかった場合には(S3503L:No)、処理をS3512Lへと移行する。この演出更新処理(S2143L)を実行することにより、バトル演出中の表示態様(バトル準備演出、及び役物攻撃演出に対応する表示態様)と、可動役物900の動作とを連動(相関)させることができる。
次に、図848を参照して、上述したバトル演出更新処理(S3587L)の詳細について説明する。このバトル演出更新処理(S3587L)は、バトル演出の実行されている期間に、表示態様を更新するための処理である。図848は、このバトル演出更新処理(S3587L)を示すフローチャートである。バトル演出更新処理(S3587L)が実行されると、まず、バトル演出タイマ223uycのタイマ値に1を加算し(S4701L)、バトル演出タイマ223uycのタイマ値がバトル準備演出の終了タイミングに対応する値であるかを判別し(S4702L)、バトル演出タイマ223uycのタイマ値がバトル準備演出の終了タイミングに対応する値であると判別した場合は(S4702L:Yes)、役物攻撃演出を開始させるタイミングであることを意味するため、役物攻撃演出に対応する演出態様を決定し(S4703L)、処理をS4704Lへと移行する。一方、S4702Lの処理において、バトル準備演出の終了タイミングに対応するタイマ値であると判別しなかった場合には(S4702L:No)、振動シナリオ完了フラグ223uya1がオンであるかを判別し(S4704L)、振動シナリオ完了フラグ223uya1がオンであると判別した場合は(S4704L:Yes)、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させるタイミングであることを意味するため、第2落下シナリオ実行フラグ223uya3がオンであるかを判別し(S4705L)、第2落下シナリオ実行フラグ223uya3がオンであると判別した場合は(S4705L:Yes)、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が1回で終了したことを意味するため、自滅演出に対応する演出態様を決定し(S4709L)、振動シナリオ完了フラグ223uya1をオフに設定する(S4710L)。
一方、S4705Lの処理において、第2落下シナリオ実行フラグ223uya3がオンであると判別しなかった場合は(S4705L:No)、第1落下シナリオ実行フラグ223uya2がオンであるかを判別し(S4706L)、第1落下シナリオ実行フラグ223uya2がオンであると判別した場合は(S4706L:Yes)、2回目、3回目、4回目、及び5回目のうち何れか(1回目以外)の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において終了条件が成立したことを意味するため、攻撃失敗演出に対応する演出態様を決定し(S4708L)、処理をS4710Lへと移行する。これに対し、S4706Lの処理において、第1落下シナリオ実行フラグ223uya2がオンであると判別しなかった場合は(S4706L:No)、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が5回実行され、且つ5回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において終了条件が成立しなかったことを意味するため、撃破演出に対応する演出態様を決定し(S4707L)、処理をS4710Lへと移行する。S4710Lの処理が終了した場合、またはS4704Lの処理において、振動シナリオ完了フラグ223uya1がオンであると判別しなかった場合は(S4704L:No)、バトル演出タイマ223uycのタイマ値がバトル演出の終了タイミングに対応する値であるかを判別し(S4711L)、バトル演出の終了タイミングに対応するタイマ値であると判別しなかった場合は(S4711L:No)、本処理を終了する。一方、S4711Lの処理において、バトル演出タイマ223uycのタイマ値がバトル演出の終了タイミングに対応する値であると判別した場合は(S4711L:Yes)、バトル演出を終了させるタイミングであるため、バトル演出実行フラグ223uydをオフに設定し(S4712L)、バトル演出タイマ223uycのタイマ値に0を設定し(S4713L)し、本処理を終了する。
ここで、バトル演出の終了タイミングとは、バトル演出タイマ223uycのタイマ値が10000msに対応する値となったタイミングを指す。即ち、本第25制御例では、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行された回数によらず、バトル演出の演出期間(バトル演出が実行されている期間)として所定の演出期間(10000ms)を設け、最後の表示態様(撃破演出、攻撃失敗演出、及び自滅演出のうち何れかに対応する表示態様)を表示させる期間を可変させることで、バトル演出の実行されている期間の長さを統一するように構成した。このように構成することで、バトル演出に対応する表示態様が表示される期間の長さを予め把握できるため、バトル演出以外の表示態様をバトル演出に対して容易に適応させることができる。このバトル演出更新処理(図848参照)を実行することにより、バトル演出に対応する表示態様の表示を予め設定された所定時間で確実に終了させることができ、実行回数が可変する第1動作制御(振動シナリオ68動作)の終了タイミングに適応させて、表示態様を切り替えることができる。次に、図849を参照して、本第25制御例におけるモータシナリオ処理(S2144L)の詳細について説明する。このモータシナリオ処理(S2144L)は、上述した第21制御例におけるモータシナリオ処理(図776参照)に代えて実行される処理であり、モータシナリオ処理(図776参照)と同様に、可動役物900に対して設定されている動作シナリオに応じて動作を進行させるための処理である。図849は、このモータシナリオ処理(S2144L)を示すフローチャートである。
この第25制御例におけるモータシナリオ処理(図849参照)のうち、S3701L~S3703L,S3705L、及びS3710Lの各処理では、それぞれ上述した第21制御例におけるモータシナリオ処理(図776参照)におけるS3701L~S3703L,S3705L、及びS3710Lの各処理と同一の処理が実行される。また、本第25制御例におけるモータシナリオ処理(図849参照)では、S3703Lの処理において、退避シナリオ実行フラグ223usがオンであると判別した場合は(S3703L:Yes)、退避シナリオ処理(図776参照)に代えて退避シナリオ処理を実行し(S3775L)、本処理を終了する。この退避シナリオ処理(S3775L)の詳細については、図855を参照して後述する。一方、S3703Lの処理において、退避シナリオ実行フラグ223usがオンであると判別しなかった場合は(S3703L:No)、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであるかを判別し(S3705L)、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであると判別した場合には(S3705L:Yes)、振動シナリオ処理を実行し(S3771L)、本処理を終了する。この振動シナリオ処理(S3771L)の詳細については、図850を参照して後述する。これに対し、S3705Lの処理において、振動シナリオ実行フラグ223urがオンであると判別しなかった場合には(S3705L:No)、第1落下シナリオ実行フラグ223uya2がオンであるかを判別し(S3772L)、第1落下シナリオ実行フラグ223uya2がオンであると判別した場合には(S3772L:Yes)、第1落下シナリオ処理を実行し(S3773L)、本処理を終了する。この第1落下シナリオ処理(S3773L)の詳細については、図853を参照して後述する。一方、S3772Lの処理において、第1落下シナリオ実行フラグ223uya2がオンであると判別しなかった場合(S3774L:No)は、第2落下シナリオ処理を実行し(S3774L)、本処理を終了する。この第2落下シナリオ処理(S3774L)の詳細については、図854を参照して後述する。
次に、図850を参照して、上述した振動シナリオ処理(S3771L)の詳細について説明する。図850は、この振動シナリオ処理(S3771L)を示したフローチャートである。この振動シナリオ処理は、役物攻撃演出の実行されている期間において、振動シナリオテーブル222uya1に基づく可動役物900の動作制御を実現するための処理である。振動シナリオ処理(S3771L)が実行されると、まず、シナリオ格納エリア223ueに格納されているシナリオデータを抽出し(S3901L)、当該シナリオデータに規定されているステップ数データの示す値と、ステップカウンタ223umのカウンタ値とが一致するかを判別し(S3902L)、ステップ数データの示す値と、ステップカウンタ223umの値とが一致すると判別しなかった場合は(S3902L:No)、当該シナリオデータに規定されているセンサデータの値が0であるかを判別し(S3903L)、センサデータの値が0であると判別した場合は(S3903L:Yes)、当該シナリオデータに規定されている時間データの示す値と、駆動タイマ223ujのタイマ値とが一致しているかを判別し(S3905L)、時間データの示す値と駆動タイマ223ujのタイマ値とが一致していると判別しなかった場合は(S3905L)、シナリオ格納エリア223ueに格納されているシナリオデータに基づく動作制御が完了していない(途中である)ため、本処理を終了する。
一方、S3905Lの処理において、時間データの示す値と駆動タイマ223ujのタイマ値とが一致していると判別した場合は(S3905L:Yes)、規定された時間データに対応する動作制御の実行が完了したことを意味するため、処理カウンタ223ukのカウンタ値が8であるかを判別する(S4801L)。また、S3903Lの処理において、センサデータの値が0であると判別しなかった場合は(S3903L:No)、原点位置センサ920がオンになるまで可動役物900に対して動作制御を実行するためのシナリオデータが設定されていることを意味するため、センサデータに対応するセンサ(原点位置センサ920)がオンであるかを判別し(S3904L)、センサデータに対応するセンサ(原点位置センサ920)がオンであると判別しなかった場合には(S3904L:No)、処理をS3905Lにする。これに対し、S3904Lの処理において、センサデータに対応するセンサ(原点位置センサ920)がオンであると判別した場合には(S3904L:Yes)、可動役物900が原点位置センサ920の検出範囲まで到達したことを意味するため、処理をS4801Lへと移行する。また、S3902Lにおいて、ステップ数データの値とステップカウンタ223umのカウンタ値とが一致していると判別した場合は(S3902L:Yes)、所定のステップ数となるまで駆動モータ905を回転させるためのシナリオデータが設定されており、当該シナリオデータに基づく動作制御が完了したことを意味するため、ステップカウンタ223umのカウンタ値に0を設定し(S3906L)、処理をS4801Lへと移行する。S4801Lの処理において、処理カウンタ223ukのカウンタ値が8であると判別しなかった場合は(S4801L:No)、振動シナリオテーブル222uya1の規定内容に基づく制御を継続するために、処理カウンタ223ukのカウンタ値に1を加算し(S4802L)、振動シナリオテーブル222uya1から処理カウンタ223ukのカウンタ値に対応するシナリオデータをシナリオ格納エリア223ueに上書きして格納し(S4803L)、駆動タイマ223uycのタイマ値に0を設定し(S3192L)、本処理を終了する。
一方、S4801Lの処理において、処理カウンタ223ukのカウンタ値が8であると判別した場合は(S4801L:Yes)、振動シナリオテーブル222uya1における最後のシナリオデータに基づく動作制御が完了したことを意味するため、押下完了フラグ223uyeがオンであるかを判別し(S4804L)、押下完了フラグ223uyeがオンであると判別した場合は(S4804L:Yes)、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を実行している期間に、遊技者によって枠ボタン22が押下されたことを意味するため、振動シナリオ終了抽選テーブル222uybを読み出し(S4805L)、読み出した振動シナリオ終了抽選テーブル222uybを参照して抽選結果を特定し(S4806L)、押下完了フラグ223uyeをオフに設定し(S4807L)、S4806Lで特定した抽選結果が終了に対応する抽選結果であるかを判別し(S4808L)、終了に対応する抽選結果であると判別しなかった場合は(S4808L:No)、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を繰り返し実行するために、振動シナリオ繰り返し処理を実行し(S4809L)、処理をS3192Lへと移行する。この振動シナリオ繰り返し処理(S4809L)の詳細については図851を参照して後述する。これに対し、S4808Lの処理において、終了抽選の抽選結果が終了に対応する抽選結果であると判別した場合(S4808L:Yes)、またはS4804Lの処理において、押下完了フラグ223uyeがオンであると判別しなかった場合は(S4804L)、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了条件が成立しているため、振動シナリオ終了処理を実行し(S4810L)、処理をS3912Lへと移行する。この振動シナリオ終了処理(S4810L)の詳細については、図852を参照して後述する。
次に、図851を参照して、振動シナリオ処理(図850のS3771L参照)にて実行される振動シナリオ繰り返し処理(S4809L)の処理内容について説明をする。この振動シナリオ繰り返し処理(S4809L)は、振動シナリオテーブル222uya1に基づく動作制御を所定回数(5回)まで繰り返し実行させるための処理である。図851は振動シナリオ繰り返し処理(S4809L)を示したフローチャートである。振動シナリオ繰り返し処理(S4809L)が実行されると、まず、繰り返しカウンタ223unのカウンタ値が5未満であるかを判別し(S4901L)、繰り返しカウンタ223unのカウンタ値が5未満であると判別した場合は(S4901L:Yes)、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を再び実行させるために、繰り返しカウンタ223unのカウンタ値に1を加算し(S4902L)、処理カウンタ223ukのカウンタ値に1を設定し(S4903L)、振動シナリオテーブル222uya1から処理カウンタ223ukのカウンタ値「1」に対応するシナリオデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S4904L)、役物攻撃演出において攻撃回数を表示するために、繰り返しカウンタ223unのカウンタ値に対応する表示態様を決定し(S4905L)、決定した表示態様に対応する表示用コマンドを設定し(S4906L)、本処理を終了する。一方、S4901Lの処理において、処理カウンタ223ukのカウンタ値が5未満であると判別しなかった場合は(S4901L;No)、第1動作制御(振動シナリオ68動作)が最大回数(5回)繰り返されたことを意味するため、振動シナリオ実行フラグ223urをオフに設定し(S4907L)、振動シナリオ完了フラグ223uya1をオンに設定し(S4908L)、繰り返しカウンタ223unのカウンタ値に1を設定し(S4909L)、処理カウンタ223ukのカウンタ値に1を設定し(S4910L)、役物駆動フラグ223uqをオフに設定し(S4911L)、本処理を終了する。
次に、図852を参照して、振動シナリオ処理(図850のS3771L参照)にて実行される振動シナリオ終了処理(S4810L)の処理内容について説明をする。この振動シナリオ終了処理(S4810L)は、振動シナリオテーブル222uya1に基づく動作制御を終了させる終了条件が成立した場合に、振動シナリオテーブル222uya1に基づく動作制御を終了させるための処理である。図852は振動シナリオ終了処理(S4810L)を示したフローチャートである。振動シナリオ終了処理(S4810L)が実行されると、まず、振動シナリオ実行フラグ223urをオフに設定し(S4831L)、振動シナリオ完了フラグ223uya1をオンに設定し(S4832L)、処理カウンタ223ukのカウンタ値に1を設定し(S4833L)、繰り返しカウンタ223unのカウンタ値が1であるかを判別し(S4834L)、繰り返しカウンタ223unのカウンタ値が1であると判別した場合は(S4834L:Yes)、1回目の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において終了条件が成立したことを意味するため、第2落下シナリオテーブル222uya3から処理カウンタ223ukのカウンタ値「1」に対応するシナリオデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S4835L)、第2落下シナリオ実行フラグ223uya3をオンに設定し(S4836L)、繰り返しカウンタ223unのカウンタ値に1を設定し(S4839L)、本処理を終了する。一方、S4834Lの処理において、繰り返しカウンタ223unのカウンタ値が1であると判別しなかった場合は(S4834L:No)、2回目、3回目、4回目、及び5回目のうち何れか(1回目以外)の第1動作制御(振動シナリオ68動作)が実行されている期間において終了条件が成立したことを意味するため、第1落下シナリオテーブル222uya2から処理カウンタ223ukのカウンタ値「1」に対応するシナリオデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S4837L)、第1落下シナリオ実行フラグ223uya2をオンに設定し(S4838L)、処理をS4839Lに移行する。
次に、図853を参照して、モータシナリオ処理(図849のS2144L参照)にて実行される第1落下シナリオ処理(S3773L)の処理内容について説明する。図853は、第1落下シナリオ処理(S3773L)を示したフローチャートである。第1落下シナリオ処理(S3773L)が実行されると、まず、シナリオ格納エリア223ueに格納されているシナリオデータを抽出し(S5001L)、当該シナリオデータに規定されているステップ数データの示す値と、ステップカウンタ223umのカウンタ値とが一致しているかを判別し(S5002L)、ステップ数データの示す値と、ステップカウンタ223umのカウンタ値が一致していると判別しなかった場合は(S5002L:No)、当該シナリオデータに規定されている時間データの示す値と、駆動タイマ223ujのタイマ値とが一致しているかを判別し(S5003L)、時間データの示す値と駆動タイマ223ujのタイマ値とが一致していると判別しなかった場合は(S5003L:No)、シナリオ格納エリア223ueに格納されているシナリオデータに基づく動作制御が完了していない(途中である)ことを意味するため、本処理を終了する。一方、S5003Lの処理において、時間データの示す値を駆動タイマ223ujのタイマ値が一致していると判別した場合は(S5003L:Yes)、シナリオ格納エリア223ueに格納されているシナリオデータに基づく動作制御が完了したことを意味するため、処理カウンタ223ukのカウンタ値が3であるかを判別する(S5005L)。また、S5002Lの処理において、ステップ数データの示す値がステップカウンタ223umのカウンタ値と一致すると判別した場合は(S5002L:Yes)、シナリオ格納エリア223ueに格納されているシナリオデータに基づく動作制御が完了したことを意味するため、ステップカウンタ223umのカウンタ値に0を設定し(S5004L)、処理をS5005Lに移行する。
S5005Lの処理において、処理カウンタ223ukのカウンタ値が3であると判別しなかった場合は(S5005L:No)、第1落下シナリオテーブル222uya2に基づく動作制御が完了していない(シナリオの途中である)ことを意味するため、処理カウンタ223ukのカウンタ値に1を加算し(S5006L)、第1落下シナリオテーブル222uya2から加算後の処理カウンタ223ukのカウンタ値に対応するシナリオデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S5007L)、駆動タイマ223ujのタイマ値に0を設定し(S5012L)、本処理を終了する。一方、S5005Lの処理において、処理カウンタ223ukのカウンタ値が3であると判別した場合は(S5005L:Yes)、第1落下シナリオテーブル222uya2に基づく動作制御が完了したことを意味するため、処理カウンタ223ukのカウンタ値に1を設定し(S5008L)、退避シナリオテーブル222ucから処理カウンタ223ukのカウンタ値「1」に対応するシナリオデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S5009L)、退避シナリオ実行フラグ223usをオンに設定し(S5010L)、第1落下シナリオ実行フラグ223uya2をオフに設定し(S5011L)、処理をS5012Lへと移行する。この第1落下シナリオ処理(図853参照)を実行することにより、可動役物900に対して、第1落下シナリオテーブル222uya2に基づく動作制御を、確実に実行することができる。次に、図854を参照して、モータシナリオ処理(図849のS2144L参照)にて実行される第2落下シナリオ処理(S3774L)の処理内容について説明をする。図854は、第2落下シナリオ処理(S3774L)を示したフローチャートである。
第2落下シナリオ処理(S3774L)が実行されると、まず、シナリオ格納エリア223ueに格納されているシナリオデータを抽出し(S5101L)、当該シナリオデータに規定されているステップ数データの示す値と、ステップカウンタ223umのカウンタ値とが一致しているかを判別し(S5102L)、ステップ数データの示す値と、ステップカウンタ223umのカウンタ値が一致していると判別しなかった場合は(S5102L:No)、当該シナリオデータに規定されている時間データの示す値と、駆動タイマ223ujのタイマ値とが一致しているかを判別し(S5103L)、時間データの示す値と、駆動タイマ223ujのタイマ値とが一致していると判別しなかった場合は(S5103L:No)、シナリオ格納エリア223ueに格納されているシナリオデータに基づく動作制御が完了していない(途中である)ことを意味するため、本処理を終了する。一方、S5103Lの処理において、時間データの示す値を駆動タイマ223ujのタイマ値が一致していると判別した場合は(S5103L:Yes)、シナリオ格納エリア223ueに格納されているシナリオデータに基づく動作制御が完了したことを意味するため、処理カウンタ223ukのカウンタ値が3であるかを判別する(S5105L)。また、S5102Lの処理において、ステップ数データの示す値と、ステップカウンタ223umのカウンタ値とが一致すると判別した場合は(S5102L:Yes)、シナリオ格納エリア223ueに格納されているシナリオデータに基づく動作制御が完了したことを意味するため、ステップカウンタ223umのカウンタ値に0を設定し(S5104L)、処理をS5105Lに移行する。
S5105Lの処理において、処理カウンタ223ukのカウンタ値が3であると判別しなかった場合は(S5105L:No)、第2落下シナリオテーブル222uya3に基づく動作制御が完了していない(シナリオの途中である)ことを意味するため、処理カウンタ223ukのカウンタ値に1を加算し(S5106L)、第2落下シナリオテーブル222uya3から加算後の処理カウンタ223ukのカウンタ値に対応するシナリオデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S5107L)、駆動タイマ223ujのタイマ値に0を設定し(S5112L)、本処理を終了する。一方、S5105Lの処理において、処理カウンタ223ukのカウンタ値が3であると判別した場合は(S5105L:Yes)、第2落下シナリオテーブル222uya3に基づく動作制御が完了したことを意味するため、処理カウンタ223ukのカウンタ値に1を設定し(S5108L)、退避シナリオテーブル222ucから処理カウンタ223ukのカウンタ値「1」に対応するシナリオデータをシナリオ格納エリア223ueに格納し(S5109L)、退避シナリオ実行フラグ223usをオンに設定し(S5110L)、第2落下シナリオ実行フラグ223uya3をオフに設定し(S5111L)、処理をS5112Lへと移行する。この第2落下シナリオ処理(図854参照)を実行することにより、可動役物900に対して、第2落下シナリオテーブル222uya3に基づく動作制御を、確実に実行することができる。
次に、図855を参照して、モータシナリオ処理(図849のS2144L参照)にて実行される退避シナリオ処理(S3775L)の処理内容について説明をする。図855は、退避シナリオ処理(S3775L)を示したフローチャートである。この退避シナリオ処理(S3775L)は、上述した第21制御例における退避シナリオ処理(図782参照)に代えて実行される処理であり、退避シナリオ処理(図782参照)と同様に、可動役物900の退避動作を退避シナリオテーブル222ucを参照して実現するための処理である。この第25制御例における退避シナリオ処理(図855参照)のうち、S4301L~S4313Lの各処理では、それぞれ上述した第21制御例の退避シナリオ処理(図782参照)におけるS4301L~S4313Lの各処理と同一の処理が実行される。また、本第25制御例における退避シナリオ処理(S3775L)は、上述した第21制御例における退避シナリオ処理(図782参照)に対して、S4314L、及びS4315Lの処理が削除されている点のみ相違している。この退避シナリオ処理(S3775L)を実行することにより、退避シナリオテーブル222ucを参照して、可動役物900を原点位置まで移動させる動作制御を実行することができる。以上説明した通り、本第25制御例におけるパチンコ機10では、可動役物900を原点位置から所定の動作シナリオに基づいて動作させる第1動作制御(振動シナリオ68動作)を実行し、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を実行している期間において第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了条件が成立しなかった場合には所定回数(5回)まで第1動作制御(振動シナリオ68動作)を繰り返し実行し、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を実行している期間において第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了条件が成立した場合には所定回数(5回)まで繰り返し実行することなく(例えば、1回)第1動作制御を終了させることが可能に構成されている。
さらに、本第25制御例におけるパチンコ機10では、第1動作制御(振動シナリオ68動作)を終了させる終了条件が成立しているかを、可動役物900が原点位置に位置している状態で判別するように構成している。このように構成することで、第1動作制御(振動シナリオ68動作)の実行が終了した場合に、可動役物900を原点位置とは異なる位置から移動(退避)させる制御を実行する必要がないため、可動役物900に対する動作制御を簡素化することができる。上述した第25制御例では、原点位置に位置している可動役物900が上部装飾役物600yと当接するように構成し、原点位置に位置している可動役物900がこれ以上、上方向へと移動し得ないように構成することで、下方向への移動距離を遊技盤13が形成する限られたスペース内において最大限確保するように構成している。このように構成することで、可動役物900を移動させる演出が実行された場合における可動役物900の移動距離を長くすることができるため、演出効果を高めることができる。また、上述した構成を用いることで、可動役物900に対する可動制御として退避制御が実行された場合に、原点位置よりも上方向へと可動役物900が移動してしまうことを確実に抑制することができる。なお、本第25制御例では、上述した第20制御例と同様に、駆動モータ905の駆動エネルギー(回転)を伝達させて可動役物900を移動させるように構成しているが、駆動モータ905の駆動エネルギーを可動役物900へと伝達させるための伝達手段の一部において、可動役物900の移動方向に対して伸縮可能な保護部材(バネなど)を設けると良い。このように構成することで、可動役物900の可動制御に不具合が生じ、原点位置に位置している可動役物900、即ち、上部装飾役物600y(規制部材)と当接している状態の可動役物900に対して、上方向(移動が規制されている方向)に向かって移動させる可動制御が実行されたとしても、保護部材が縮むことによって可動役物900に対して生じる負荷や、駆動モータ905、伝達部材に係る負荷を軽減させることができる。
さらに、原点位置に位置している状態の可動役物900が、保護部材が伸縮している状態で上部装飾役物600yと当接させるように構成することができるため、可動役物900が上部装飾役物600yと当接する位置の精度を高めること無く原点位置に位置させる可動制御を実行することができる。また、上部装飾役物600yの寸法や、表面の凹凸といった製品誤差を保護部材を伸縮させることで吸収することができるため、上部装飾役物600yと可動役物900とが当接する状況を容易に創出することができる。また、上述した伝達部材の構造を上述した第21制御例に用いても良く、例えば、可動役物900が作動位置に位置している状態で可動役物900に対して所定範囲内の外力が加わった場合であっても、可動役物900が所定範囲内で移動するにも関わらず、駆動モータ905に対して負荷が掛からないように伝達部材を構成しても良い。具体的には、図718に示した追加演出として、上述した第21制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に重りを模したアイコン913等を表示するように構成しているが、第2可動役物として重りを可動可能に構成し、作動位置に位置している可動役物900に直接第2可動役物を載置する役物演出を実行可能に構成し、可動役物900と駆動モータ905とを連結する伝達部材(伝達手段)として、バネ等の伸縮部材または、複数の連結部材の作動させるための接続部にクリアランス(長孔等)を設け、可動役物900が所定範囲内で移動(第2可動役物が載置されたことによって可動役物900に付与される重力(外力)による下方向への移動)した場合であっても、その外力が伝達手段内で吸収され、駆動モータ905へと負荷が掛からないように構成すると良い。このように構成することで、駆動モータ905の可動制御に影響を与えること無く、所定範囲内で可動役物900を移動させることができると共に、可動役物900が落下する落下演出が実行されることを視覚的に遊技者に把握させ易くすることができる。
<第26制御例>
次に、図856から図991を参照して、第26制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第26制御例におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成を一部変更した点と、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点とで相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。上述した第1制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成し、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させることを可能に構成していた。また、上述した大当たり遊技の終了後、及び、他の終了条件(例えば、特別図柄抽選の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する終了条件)が成立した場合に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を高確率状態から低確率状態へと移行させることを可能に構成していた。そして、遊技者に最も有利となる遊技状態である確変状態中に特別図柄抽選が50回実行された後、遊技状態が確変状態から時短状態へと移行するように構成していた。このように構成された第1制御例では、確変状態が設定された場合であっても、確変状態中に実行される特別図柄抽選の結果によっては、1度も大当たり遊技が実行されること無く確変状態が終了してしまう事態が発生し、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、確変状態が一度設定されると、次に特別図柄抽選で大当たり当選するまで確変状態が継続するように構成している。そして、確変状態中に大当たり当選したことに基づいて実行された大当たり遊技の終了後には、再度確変状態が設定され易く構成し、且つ、大当たり当選を跨いで確変状態が連続して設定される回数に上限を設けるように構成している。つまり、一度確変状態が設定された場合には、複数回の大当たり遊技を遊技者に体験させ易くすることができるように構成している。このように構成することで、確変状態が設定されたことによる恩恵を遊技者に与え易くすることができるため、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。また、本第26制御例では、連続して確変状態が設定される回数(連続確変回数)に上限(リミット)を設けており、連続確変回数が上限(リミット)に到達した場合には大当たり遊技終了後に時短状態が設定されるように構成している。よって、遊技者に対して過剰に有利な遊技を提供してしまうことを抑制することができる。
<第26制御例における遊技盤の構成について>
まず、図856から図858を参照して、本第26制御例のパチンコ機10が有する遊技盤13の構成について説明をする。まず、図856を参照して、本第26制御例のパチンコ機10が有する遊技盤13の構成について詳細な説明を行う。図856は、本第26制御例における遊技盤13の構成を示す正面図である。図856に示した通り、本第26制御例のパチンコ機10が有する遊技盤13は、上述した第1制御例のパチンコ機10が有する遊技盤13(図4参照)に対して、遊技盤13の左側領域(可変表示装置ユニット80の左側に形成される遊技領域)に、第2可変入賞装置650を設けた点と、遊技盤13の右側領域(可変表示装置ユニット80の右側に形成される遊技領域)に形成される遊技球の流下経路構成を変更した点と、その右側領域に、第1一般入球口630aと、第2入球口640と、可変入賞装置65と、第2一般入球口630bを設けた点で相違している。なお、同一の構成については同一の符号を付して、その説明を省略する。本第26制御例では、上述した第1制御例と同様に、遊技球が入球したことに基づいて第1特別図柄抽選の実行権利を取得可能な第1入球口64と、第2特別図柄抽選の実行権利を取得可能な第2入球口640とが遊技盤13に配設されている。そして、第2入球口640には電動役物640aが付随しており、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される普図当たり遊技にて電動役物640aが開放制御された場合に遊技球が第2入球口640へと入球可能となるように構成している。さらに、普通図柄の確率状態が低確率状態である場合よりも普通図柄の高確率状態の方が第2入球口640へと遊技球が入球し易くなるように構成している。
このように構成された本第26制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態、第2確変状態)中は右打ち遊技(遊技盤13の右側領域に向けて遊技球を流下させる遊技)を実行することで第2入球口640へと遊技球を入球させるよりも、左打ち遊技(遊技盤13の左側領域に向けて遊技球を流下させる遊技)を実行することで第1入球口64へと遊技球を入球させる方が特別図柄抽選を比較的多く実行させ易くなるため、左打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となる。次に、図857、及び図858を参照して、可変入賞装置65の構成について詳細に説明をする。図857(a)は、閉鎖状態の可変入賞装置65を模式的に示した平面図であって、図857(b)は、開放状態の可変入賞装置65を模式的に示した平面図である。まず、図857(a)を参照して、可変入賞装置65が閉鎖状態である場合における遊技球の球流れについて説明をする。可変入賞装置65の閉鎖状態では、開閉扉65fが特定入賞口65aの開口部を覆う位置(閉鎖位置)まで突出するように構成されており、右側領域を流下した遊技球が特定入賞口65aに入賞し得ないように構成している。そして、閉鎖位置に位置した開閉扉65fの上面には遊技球が流下可能な流下経路が形成される。ここで、図856に示した通り、本第26制御例では、開閉扉65fの右端(図856の視点で正面視右端)から左端(図856の視点で正面視左端)に向けて下り傾斜が形成されるように可変入賞装置65が遊技盤13に配設されているため、開閉扉65fの上面に到達した遊技球は、図857(a)に示した通り、右端側から左端側へと流下する。さらに、開閉扉65fの上面には、遊技球を蛇行して流下させるための規制部材が複数設けられている。
具体的には、開閉扉65fの上流側から下流側に向けて順に第1規制部材65fa、第2規制部材65fb、第3規制部材65fc、第4規制部材65fd、第5規制部材65feが設けられており、第1規制部材65fa、第3規制部材65fc、第5規制部材65feが遊技球の流下方向に対して左側に設けられ、第2規制部材65fb、第4規制部材65fdが遊技球の流下方向に対して右側に設けられている。このように構成された開閉扉65fの上面を遊技球が流下する場合には、地点Aに到達した遊技球が第1規制部材65faの曲面部、第2規制部材65fbの曲面部、第3規制部材65fcの曲面部と順に衝突しながら流下し、地点Bに到達する。その後、第4規制部材65fdの曲面部、第5規制部材65feの曲面部に衝突しながら地点Cに到達し、開閉扉65fの上面に形成される流下経路の下流端から第2一般入球口630bの開口部を臨む位置へと排出されるように構成している。このように、開閉扉65fの上面に複数の規制部材を設けることで、開閉扉65fの上面を蛇行状経路(図では矢印で表示)で遊技球を流下させると共に、流下している遊技球が各規制部材へと衝突することにより遊技球の流下速度を低下させることが可能となる。よって、開閉扉65fの上面に規制部材を設けない場合と比べて、遊技球が開閉扉65fの上面に滞在する期間を長くすることができる。次に、図857(b)を参照して、可変入賞装置65が開放状態である場合における遊技球の球流れについて説明をする。可変入賞装置65の開放状態では、開閉扉65fが遊技盤13の内部に埋設する位置まで退避し、特定入賞口65aの開口部へと遊技球が入賞可能な状態となる。そして、特定入賞口65aへと入賞した遊技球が可変入賞装置65の底面65zを上流側から下流側へと流下するように構成している。ここで、図856に示した通り、本第26制御例では、可変入賞装置65の底面65zが右端(図856の視点で正面視右端)から左端(図856の視点で正面視左端)に向けて下り傾斜するように遊技盤13に配設されており、底面65zを流下した遊技球が入球検知センサ65sを通過した後に外部へと排出されるように構成している。
図857(b)に戻り説明を続ける。図857(b)に示した通り、可変入賞装置65の底面65zには、上述した開閉扉65fの上面とは異なり遊技球の流下経路が直線状となる底面65zが形成されている。つまり、図857(a)に示した地点Aから地点Cに到達するまでに要する期間tA2よりも、図857(b)に示した地点(A)から地点(C)に到達するまでに要する期間t(A)2の方が短くなるように構成している。このように構成することで、1の遊技球が入球検知センサ65sを通過した時点で、他の遊技球を特定入賞口65aへと入賞させ易くすることができる。次に、図858を参照して、可変入賞装置65に入賞した遊技球の球流れについて説明をする。図858は、可変入賞装置65に入賞した遊技球の球流れを示した図である。図858に示した通り、開閉扉65fから特定入賞口65aへと流入する位置に応じて異なる流路で入球検知センサ65sに向けて遊技球が流下するように構成している。
<第26制御例における演出内容について>
次に、図859から図865を参照して、本第26制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。本第26制御例におけるパチンコ機10では、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に対して、第1特別図柄抽選の結果が大当たり当選した場合の一部において、左側領域に設けられた第2可変入賞装置650を開放制御する大当たり遊技を実行可能に構成している。つまり、第1特別図柄抽選を実行させるための遊技(左打ち遊技)が主として行われる通常状態において、遊技球を発射させる遊技方法を切り替えること無く、左打ち遊技を継続したまま大当たり遊技を実行可能に構成している。このように構成することで、大当たり遊技が実行される毎に遊技者に遊技方法を切り替えさせる煩わしさを軽減することができる。また、詳細な説明は後述するが、本第26制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に対して、特別図柄の低確率状態中であっても特別図柄抽選で大当たり当選する確率が高く規定されている(大当たり確率1/22)。そして、第1特別図柄に対応する特別図柄抽選で大当たり当選した場合の93%の割合で第2可変入賞装置650が開放制御される大当たり遊技が実行され、残りの7%の割合で可変入賞装置65が開放制御される大当たり遊技が実行されるように構成している。さらに、第2可変入賞装置650が開放制御される大当たり遊技が実行された場合には、可変入賞装置65が開放制御される大当たり遊技が実行された場合よりも、大当たり遊技中に付与される賞球数が少ない不利大当たり遊技が実行されるように構成している。そして、第1特別図柄抽選で大当たり当選し、可変入賞装置65が開放制御される大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技の終了後に第2特別図柄抽選が実行され易い普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)が設定され、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な特典が付与され易い第2特別図柄抽選を主として実行する右打ち遊技へと移行する。
つまり、本第26制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄の低確率状態が設定されている通常状態中に左打ち遊技を実行することで、大当たり確率が1/22の特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)を行いながら、振り分け確率が7%の大当たり(有利大当たり)当選を目指す遊技が行われる。そして、振り分け確率が93%の大当たり(不利大当たり)当選した場合には、左打ち遊技を継続して行うことで少量の賞球を獲得する大当たり遊技が行われる。図859(a)は、通常状態中における第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動が実行されている最中に第3図柄表示装置81の表示面にて実行される演出態様の一例を示した図である。図859(a)に示した通り、主表示領域Dmの右上側には、実行中の特別図柄変動に対応して変動表示(動的表示)される第3図柄が表示される表示領域Dm1が形成されている。また、主表示領域Dmの中央領域には、実行中の特別図柄変動の結果を示すための変動演出として、ウサギを模したキャラクタ801が変動演出として動的表示している装飾図柄(図では、大きな下方向の矢印で表示)を見上げている演出態様の変動演出が実行されている。図859(a)に示した図では、第1特別図柄変動に対応する第3図柄が変動表示(図では、3本の矢印で表示)されている。この第3図柄は、対応する特別図柄変動が開始されたタイミングで変動表示が開始され、対応する特別図柄変動が停止表示されたタイミングで変動表示が停止されるように構成している。このように構成することで、主表示領域Dmの中央領域で実行される変動演出として、1回の特別図柄変動期間中に装飾図柄の動的表示が停止表示したり、複数回の特別図柄変動期間に跨がって変動演出(装飾図柄の動的表示)が継続して実行したりする演出態様の変動演出が実行されたとしても、第3図柄の変動表示状況を確認することで特別図柄変動の実行回数を遊技者に把握させることができる。
また、第3図柄表示装置81の表示面に表示される第3図柄の表示領域が、変動演出が実行される表示領域よりも小さくなるように構成している。このように構成することで、第3図柄の変動表示よりも自由度の高い変動演出、即ち、演出効果の高い演出の方が、演出効果の低い演出よりも遊技者に視認し易くすることができる。なお、本第26制御例では、第3図柄の表示領域も、変動演出の表示領域も第3図柄表示装置81の表示面に形成されるように構成しているが、これに限ること無く、第3図柄表示装置81とは異なる表示装置を設けることで、変動演出が実行される表示装置と、第3図柄の変動表示が実行される表示装置と、を異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、変動演出の演出内容を注視している遊技者に視界に第3図柄の変動表示状況が入ってしまい、変動演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。さらに、本第26制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に形成される第3図柄の表示領域(表示領域Dm1)の位置が第3図柄表示装置81の表示面の右上側に固定され、その表示領域の大きさも固定している例を示しているが、これに限ること無く、表示領域Dm1の大きさを変化させたり、表示位置を異ならせたりするように構成しても良い。この場合、例えば、対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である期待度が比較的高い第1演出態様(スーパーリーチ演出)の変動演出が実行された場合に、対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である期待度が第1演出態様よりも低い第2演出態様(ノーマルリーチ演出)の変動演出が実行された場合よりも、第3図柄の変動表示状況を遊技者が視認し難くなるように表示領域Dm1の大きさを小さくしたり、一時的に表示面から表示領域Dmを形成しないように構成したりすると良い。このように構成することで、変動演出の演出結果を、第3図柄の変動表示状況によって事前に察知してしまい演出効果を低下させてしまう事態を抑制することができると共に、表示領域Dm1を小さくすることで主表示領域Dmにおける変動演出が実行される表示領域を広く確保することができるため、迫力のある変動演出を実行し易くすることができる。
図859(a)に示した通り、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、獲得済みの特別図柄抽選の権利(保留記憶)の数に対応させた保留図柄が表示されるように構成している。上述した通り、本第26制御例のパチンコ機10は、第1図柄表示装置37において変動表示(特別図柄の変動表示)が行われている場合や、大当たり遊技が実行されている場合、即ち、新たな特別図柄抽選を実行することができない状態で、球が第1入球口64、或いは第2入球口640へ入球すると、その入球回数が各入球口に対して最大4回まで保留される。副表示領域Dsに対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本第26制御例では、第1入球口64への球の入球に対して記憶される保留球数の最大値が4個、第2入球口640への球の入球に対して記憶される保留球数の最大値が4個に設定されているので、副表示領域Dsには、保留図柄が最大8個表示される。なお、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が行われている場合に、球が第1入球口64、或いは第2入球口640へ入球し、入球回数が保留されたことに対応して副表示領域Dsに保留図柄が表示される。その保留図柄が表示された時に変動表示されていた特別図柄が停止した後も、表示された保留図柄に対応する特別図柄の変動表示が実行されるまでの期間は副表示領域Dsに継続して表示されることから、保留図柄は、所定の図柄が変動表示されている期間中に表示され、且つ、所定の図柄の変動表示が終了した後も継続して表示される特定の図柄である。なお、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が行われている場合に、球が第1入球口64、或いは第2入球口640へ入球し、入球回数が保留されたことに対応して副表示領域Dsに表示される保留図柄は、その変動表示が終了した後も、その保留球に対応する特別図柄の変動表示が実行されるまでの期間副表示領域Dsに継続して表示されることから、所定の図柄が変動表示されている期間中に表示され、且つ、所定の図柄の変動表示が終了した後も継続して表示される特定の図柄と言える。また、副表示領域Dsには、上述した保留図柄以外にも、実行中の変動演出の演出内容を補足するためのコメント(案内表示態様)や、実行中の遊技の内容や後に実行される遊技の内容を案内するためのコメント(遊技案内表示態様)が表示されるように構成している。このように、第3図柄表示装置81の表示面を、変動演出が実行される表示領域(主表示領域Dm)と、遊技に関する情報を提供する表示領域(副表示領域Ds)と、に分けて形成することで、実行中の変動演出と、遊技に関する情報と、が混在して表示されてしまい遊技者が提供されている情報を把握し難くなることを抑制することができる。次に、図859(b)、及び図860(a)を参照して、遊技状態として通常状態が設定されている状態で実行された第1特別図柄抽選で不利大当たり遊技(2ラウンド大当たり遊技)が実行される不利大当たりに当選した場合に実行される変動演出の演出内容について説明をする。図859(b)は、第1特別図柄抽選の結果が不利大当たりであることを示す特別図柄が停止表示された場合の演出態様の一例を示した図であり、図860(a)は、不利大当たり遊技(2ラウンド大当たり遊技)中の演出態様の一例を示した図である。
図859(b)に示した通り、本第26制御例は、変動演出に用いられる装飾図柄として、複数種類の数字(0~9等)に対応する図柄と、数字とは異なる表示態様(キャラ、袋等)に対応する図柄と、を有しており、変動演出が開始されるタイミングにて3つの装飾図柄の変動表示が開始され、その後、左装飾図柄、右装飾図柄の順に停止表示する。この時点で左装飾図柄と右装飾図柄が特定の組合せ(例えば、同一種類の数字の組合せ)で停止表示した場合には、特定の組合せとは異なる組合せ(例えば、異なる種類の数字の組合せ)で停止表示した場合には実行されない(され難い)演出態様の変動演出(リーチ演出)が実行される。その後、リーチ演出中に変動表示されている中装飾図柄が特定の図柄(例えば、リーチ表示されている数字図柄と同一種類の数字図柄)が停止表示される、即ち、同一種類の数字図柄が3つ並んで停止表示することで今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることを示す演出結果となるように構成している。さらに、本第26制御例では、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であって、且つ、不利大当たり遊技が実行される場合(不利大当たり当選した場合)と、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であって、且つ、有利大当たり遊技が実行される場合(有利大当たり当選した場合)と、で異なる組合せで3つの装飾図柄を停止表示させるように構成している。具体的には、図859(b)に示した通り、不利大当たり当選した場合には、リーチ演出が実行されることの無い組合せで左装飾図柄と右装飾図柄とが停止表示(図では、左装飾図柄が「2」、右装飾図柄が「3」で停止表示)した後に、リーチ演出が実行されること無く、袋を模した特定図柄802が中装飾図柄として停止表示している。ここで、本第26制御例では、特別図柄抽選で不利大当たり当選した場合と、有利大当たり当選した場合とで、大当たり当選後に付与される特典(大当たり遊技中に付与可能な賞球数や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)の有利度合いが大きく異なるように構成しており、遊技者に有利な特別図柄抽選結果である有利大当たり当選したか否かを煽るための変動演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、変動演出の演出態様として大当たり当選の期待度が高い演出態様(リーチ演出)が実行された場合に、大当たり当選を期待しながら実行される変動演出を注視させ易くすることができる。そして、図859(b)に示した通り、不利大当たり当選を示すための装飾図柄が停止表示された時点では、表示領域Dm1には、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることを示すための「222」の表示態様で第3図柄が停止表示され、第2可変入賞装置650が開放制御される大当たり遊技(不利大当たり遊技)が実行されることを遊技者に案内するための案内表示態様として、第2可変入賞装置650付近を示す画像が表示領域Dm5に表示され、「狙ってね」のコメントが表示される。また、不利大当たり遊技中に遊技者が左打ち遊技を中断してしまうことを抑制するために、表示領域Dm4には、遊技者に左打ち遊技を促すための案内表示態様として「左打ち」が表示される。また、副表示領域Dsには、停止表示された特定図柄802(不利大当たり当選に対応する装飾図柄)を用いた演出が実行されることを遊技者に案内するための案内表示態様として「袋の中身は何だろう」のコメントが表示される。そして、不利大当たり遊技が実行されると、図860(a)に示した通り、第2可変入賞装置650へと遊技球が入球する毎に、払い出される賞球数(15個)に対応するポイント態様として「+15」を模したアイコンP1が特定図柄802から飛び出す演出(不利大当たり遊技中演出)が実行され、キャラクタ801が喜ぶアクションが実行される。また、副表示領域Dsにて、不利当たり遊技中に15個の賞球が獲得したことを案内するための案内表示態様として「15ゲット」のコメントが表示される。
次に、図860(b)から図862(b)を参照して、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選で有利大当たり当選した場合に実行される演出内容について説明をする。図860(b)は、有利大当たり当選した第1特別図柄が停止表示された時点における変動演出の演出態様の一例を示した図である。図860(b)に示した通り、有利大当たり当選した場合には、有利大当たり当選したことを示す装飾図柄の組合せとして同一種類の数字(図では「777」)が停止表示され、有利大当たり当選したことを遊技者に案内するための案内表示態様として「大当たり」の文字が表示され、キャラクタ801が喜ぶアクションが表示される。そして、表示領域Dm1には、大当たり当選を示す第3図柄(図では「777」)が停止表示される。有利大当たり当選した場合には有利大当たり遊技として可変入賞装置65が開放制御される大当たり遊技(有利大当たり遊技)が実行されるため、表示領域Dm5には、遊技盤13の右側領域に設けられた可変入賞装置65を模した画像が表示され、遊技者に対して右打ち遊技を促すための「右打ち」の表示が表示領域Dm4に表示される。また、副表示領域Dsには、実行中の遊技内容、及び、後の遊技方法を案内するための案内表示態様として「大当たりおめでとう右打ちしてアタッカーを狙ってね」のコメントが表示される。つまり、本第26制御例におけるパチンコ機10は、第1特別図柄抽選で当選し得る大当たりとして、不利大当たりと有利大当たりとを有しており、有利大当たり当選した場合のみ、変動演出にて大当たり当選したことを報知するように構成している。このように構成することで、変動演出にて大当たり当選を示唆する演出が実行された場合において、特別図柄抽選の結果が不利大当たり当選であり遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本第26制御例では、不利大当たり当選した場合には変動演出として大当たり当選を示唆する変動演出(リーチ演出等)が実行されないように構成しているが、これに限ること無く、不利大当たり当選した場合もリーチ演出が実行されるように構成しても良い。この場合、有利大当たり当選した場合よりも不利大当たり当選した場合の方が、リーチ演出が実行され難くなるように構成し、リーチ演出が実行された場合における有利大当たり当選が占める割合の方が、不利大当たり当選が占める割合よりも高くなるように構成すると良い。また、リーチ演出の演出結果が当たりを示す演出結果である場合に有利大当たり当選を報知し、リーチ演出の演出結果が外れを示す演出結果である場合に不利大当たり当選を報知するように構成しても良い。このように構成した場合であっても、変動演出の演出内容に注視している遊技者の遊技意欲が、特別図柄抽選の結果が不利大当たり当選であったことに基づいて低下してしまうことを抑制することができる。次に、第1特別図柄抽選で有利大当たり当選した場合に実行される有利大当たり遊技中の演出態様について図861(a)を参照して説明をする。図861(a)は、第1特別図柄抽選で有利大当たり当選した場合(初当たり時)における大当たり遊技中(初当たり中)の演出態様を示した図である。詳細な説明は後述するが、本第26制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される確変大当たりが設定されるように構成しており、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が連続して設定される回数に上限を設けている。そして、特別図柄の高確率状態が連続して設定される上限回数に到達した場合(リミット到達した場合)には、確変大当たりが設定された場合であっても、大当たり遊技の終了後に特別図柄の低確率状態が設定されるように構成している。
また、上述した不利大当たり当選した場合には、不利大当たり遊技の終了後に普通図柄の低確率状態が設定され、有利大当たり当選した場合には、有利大当たり遊技の終了後に普通図柄の高確率状態が設定されるように構成している。つまり、リミット到達していない状態において不利大当たり当選した場合には、不利大当たり遊技の終了後に第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定され、リミット到達していない状態において有利大当たり当選した場合には、有利大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように構成している。一方、リミット到達した場合には、不利大当たり遊技の終了後に通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定され、有利大当たり遊技の終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄の高確率状態が過剰に連続してしまうことを抑制することができる。一方で、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず、ラウンド遊技が10ラウンドで、且つ、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される有利大当たり遊技が実行されるように構成している。つまり、リミット到達するまでの残回数(特別図柄の高確率状態が連続して設定される上限回数に到達するまでの残回数)が多く残っている状態で第2特別図柄抽選が主として実行される普通図柄の高確率状態へと移行することで、有利大当たり遊技が実行される回数を多くすることができる。よって、本第26制御例では、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選であるか否かを遊技者に示唆するための変動演出では無く、特別図柄抽選の抽選結果が、有利大当たり遊技が実行される大当たり当選であるか否かを遊技者に示唆するための変動演出が実行されることになる。
次に、第1特別図柄抽選で大当たり当選し、有利大当たり遊技が実行されると、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出として、図861(a)に示した表示画面が表示される。図861(a)は、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される有利大当たり遊技(初当たり遊技)中に実行される大当たり遊技演出の演出態様を示した図である。上述した通り、本第26制御例では、初当たり遊技が実行された時点におけるリミット到達までの残回数に応じて、初当たり遊技後に連続して特別図柄の高確率状態が設定可能な上限回数が異なるように構成している。具体的には、通常状態が設定されている状態で実行された第1特別図柄抽選で有利大当たり遊技(初当たり遊技)が実行される大当たりに当選した場合には、リミット到達するまでの残回数が7回となるため、初当たり遊技を含め、最大で7回の大当たり遊技が実行されるまで確変状態を継続することができるのに対して、通常状態が設定されている状態で実行された第1特別図柄抽選で不利大当たり遊技が実行され、第2確変状態が設定された後に、再度、第1特別図柄抽選で不利大当たり遊技が実行された後に有利大当たり遊技(初当たり遊技)が実行される大当たりに当選した場合には、第2確変状態が設定される毎にリミット到達するまでの残回数が更新(減算)されることから、初当たり遊技を含め、最大で4回の大当たり遊技が実行されるまでしか確変状態を継続することができないように構成している。また、本第26制御例では、遊技状態として通常状態が設定されている場合と、第2確変状態が設定されている場合、即ち、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、特別図柄の確率状態に関わらず、第1特別図柄抽選が主として実行される左打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となるように構成し、且つ、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出の演出態様を同一とし、さらに、実行される特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンとして同一の変動パターンが選択されるように構成している。つまり、左打ち遊技によって実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、リミット到達までの残回数を遊技者が把握できない(し難くなる)ように構成している。
このように構成された第26制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選し、有利大当たり遊技(初当たり遊技)が実行された遊技者は、次に、リミット到達するまでに実行される有利大当たり遊技の残回数に興味を持つことになる。よって、図861(a)に示した通り、初当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出にて、リミット到達までの残回数を遊技者に示唆可能な演出が実行される。図861(a)に示した図は、初当たり遊技の1ラウンド目であって、可変入賞装置65に2個の遊技球を入賞させた状態にて実行されている大当たり遊技演出の演出内容を示した図であって、表示領域Dm1には、第1特別図柄抽選の結果が大当たり当選であったことを示すための表示態様(777)で第3図柄が停止表示している。そして、表示領域Dm4には、可変入賞装置65が開放制御される大当たり遊技(有利大当たり遊技)中に右打ち遊技を促すための案内表示態様として「右打ち」が表示されている。また、実行中の大当たり遊技にて獲得した賞球数に対応する値(ポイント)を示すための表示領域Dm10が形成され、既に払い出された30個の賞球に対応する「30P」の表示態様が表示されている。また、主表示領域Dmの右下側には、実行中の大当たり遊技に対応する表示態様として、宝箱を模したアイコン805が表示され、可変入賞装置65へと入遊技球を入賞させたことに基づいて払い出された賞球を示すための表示態様として、ポイントアイコンP1と、ポイントアイコンP2が表示されている。本第26制御例では、可変入賞装置65へと遊技球が1個入賞する毎に15個の賞球が払い出されるように構成しているため、ポイントアイコンP1、及びポイントアイコンP2の何れも、15個の賞球に対応する「+15」の表示態様で表示されている。つまり、初当たり遊技中は、アイコン805から飛び出るように表示されたポイントアイコンP1,P2の示す値を合算した値が表示領域Dm10に表示される。このように構成することで、1回の大当たり遊技において可変入賞装置65へと遊技球を入賞させた数と、入賞に基づいて払い出された賞球数と、を遊技者に分かり易く報知することができる。
さらに、主表示領域Dmの中央部では、「チャンスモード」の文字が付されたアイコン806と、「ビクトリーモード」の文字が付されたアイコン806aが左方向へと変動している演出と、変動表示されている各アイコンの何れかを停止させようとするアクションを行っているキャラクタ801が表示されている。また、図861(a)に示した状態では、リミット到達までの残回数が報知されていない状態であるため、表示領域Dm9には、「?モード」が表示されている。ここで、「チャンスモード」とは、リミット到達までの残回数が上限では無い状態、即ち、実行中の初当たり遊技が、通常状態中に実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行されたものでは無い状態であることを報知するモードであって、「ビクトリーモード」とは、リミット到達までの残回数が上限である状態、即ち、実行中の初当たり遊技が、通常状態中に実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行されたものである状態であることを報知するモードである。副表示領域Dsには、初当たり遊技中に実行されている大当たり遊技演出の演出内容を案内するための案内表示態様として「チャンスモードだと?P、ビクトリーモードだと2000Pどっちかな」の文字が表示されている。そして、図861(a)に示した大当たり遊技演出の演出結果として、キャラクタ801が「チャンスモード」の文字が付されたアイコン806を停止表示した場合には、図861(b)に示した表示画面が表示される。この「チャンスモード」は、リミット到達するまでの期間、即ち、初当たり遊技が終了し確変状態が設定されてからリミット到達した大当たり遊技が終了するまでの間、継続して設定されるモードである。図861(b)は、初当たり遊技が終了し、1回目の確変状態が設定されている状態で実行された第2特別図柄変動の大当たり変動中に表示される表示画面を示した図である。このチャンスモード中は、リミット到達までに実行され得る大当たり遊技の回数が上限回数(7回)では無いことのみが遊技者に報知されているモードであって、「チャンスモード」が報知された遊技者は、リミット到達までに実行可能な大当たり遊技の回数に興味を持つことになる。
ここで、遊技者に有利な遊技を実行させることが可能な有利遊技期間の長さに上限を設け、且つ、設定される有利遊技期間の長さを異ならせることが可能な遊技性を有するパチンコ機10において、有利遊技期間が設定された際に有利遊技期間の残期間の長さを正確に報知してしまうと、短い期間の有利遊技期間が設定された場合において遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。一方で、設定された有利遊技期間の長さを、有利遊技期間が終了するまで報知しないように構成してしまうと、急に有利遊技期間が終了してしまうため遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。そこで、本第26制御例では、有利遊技期間に関する第1情報として、有利遊技期間中に設定されるモードの種別を用いて有利遊技期間の長さを遊技者に大まかに報知するように構成している。そして、第1情報として「チャンスモード」が報知された場合には、次に実行される大当たり遊技が、有利遊技期間中に実行される最後の大当たり遊技(最終当たり遊技)であるかを、最終当たり遊技が実行されるよりも前に遊技者に報知するように構成している。このように構成することで、有利遊技期間中の遊技を行っている遊技者に対して、有利遊技期間がより長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができる。また、本第26制御例では、第1情報として、有利遊技期間の長さが最長(上限)では無い場合に、共通して「チャンスモード」を報知するように構成しているため、「チャンスモード」中に実行される大当たり遊技の回数に幅を設けることができる。よって、「チャンスモード」が報知された時点で遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。なお、本第26制御例では、有利遊技期間の長さが最長(上限)では無い場合のみ、「チャンスモード」が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、有利遊技期間の長さが最長(上限)である場合の一部において「チャンスモード」を設定するように構成しても良い。このように構成することで、「チャンスモード」が設定された場合であっても、有利遊技期間の長さが最長(上限)である可能性を残すことができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことをより抑制することができる。
「チャンスモード」中に実行される演出の内容を、図861(b)を参照して詳細に説明する。「チャンスモード」は、確変状態中に設定されるモードであり、本第26制御例では、次に大当たり当選するまで確変状態が継続するように構成していることから、「チャンスモード」中は、実質、次回の大当たり遊技が実行されるまで、少なくとも有利遊技期間が継続する状態となる。つまり、「チャンスモード」中は、次に実行される大当たり遊技が、有利遊技期間中に実行される最後の大当たり遊技(最終当たり遊技)となるか否かを遊技者に報知するための演出が実行される。具体的には、図861(b)に示した通り、主表示領域Dmの中央部では、次に実行される大当たり遊技に対応するアイコン806が左右方向に変動表示される演出が実行され、副表示領域Dsには、アイコン806の変動表示に関する演出内容を遊技者に案内するための案内表示態様として「箱に$が付いていればチャンスモード継続、箱にENDが付いていればチャンスモード終了」の文字が表示される。また、図861(b)に示した図は、初当たり遊技終了後に設定された確変状態における第2特別図柄の大当たり変動中を示しているため、第2特別図柄変動に対応する第3図柄(図では矢印で表示)が表示領域Dm2に表示され、表示領域Dm4には右打ち遊技を促すための案内表示態様として「右打ち」が表示されている。また、初当たり遊技中に獲得した賞球(可変入賞装置65への遊技球の入賞に基づいて払い出された賞球)に対応する値(ポイント)として「300P」が表示領域Dm10に表示され、今回の有利遊技期間中に実行された大当たり遊技の回数を示すための履歴情報として、初当たり遊技に対応するアイコン805が主表示領域Dmの下側に表示されている。また、アイコン805には、初当たり遊技中に獲得した賞球数を示すための「300P」が付されて表示されている。
図861(b)に示した図は、初当たり遊技終了後における表示画面を示しているため、履歴情報として初当たり遊技に対応するアイコン805のみが表示されているが、例えば、既に大当たり遊技が3回実行された後のチャンスモード中であれば、履歴情報として3回分の大当たり遊技に対応するアイコンが表示され、各アイコンに対して、各大当たり遊技にて獲得した賞球数に対応する表示態様(ポイント)が付されて表示される。このように構成することで、チャンスモードが終了するまでに実行された大当たり遊技の回数を主表示領域Dmに表示される履歴情報を把握することで容易に遊技者に理解させることができる。図861(b)に示したアイコン806が左右方向に変動表示される演出は、次の大当たり遊技が実行されるまでに演出結果が表示される。具体的には、大当たり変動が停止表示されるまでの特図変動期間中において、アイコン806の裏面を遊技者が視認可能な状態から表面を遊技者が視認可能な状態となるようにアイコン806が左右方向に変動表示され、表面に付されている文字を主表示領域Dmに表示することで演出結果を表示するように構成している。このアイコン806の表面に「$」が表示された場合は、次の大当たり遊技が終了した後も確変状態が設定される状態、即ち、次の大当たり遊技が最終当たり遊技では無いことが報知される。そして、アイコン806の表面に「END」が表示された場合は、次の大当たり遊技が終了した後に確変状態が設定されない状態、即ち、次の大当たり遊技が最終当たり遊技であることが報知される。また、詳細な説明は省略するが、アイコン806が左右方向に変動表示される演出の演出態様は、リミット到達までの残回数に基づいて複数の演出態様の中から1の演出態様が設定されるように構成している。具体的には、リミット到達までの残回数が多い場合の方が、少ない場合よりも左回りの変動表示が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、アイコン806が左右方向に変動表示される演出の演出結果が表示されるよりも前に、リミット到達の有無を遊技者に予測させる楽しみを提供することができるため演出効果を高めることができるという効果がある。
なお、これに限ること無く、他の要素に基づいてアイコン806が左右方向に変動表示される演出の演出態様を決定可能に構成しても良く、例えば、リミット到達までの残回数が奇数回数の場合と、偶数回数の場合とで、設定され易くなる演出態様を異ならせたりしても良い。また、リミット到達までの残回数が特定数以上(例えば、4回以上)である場合と、リミット到達までの残回数が1回である場合とで、一方の演出態様(例えば、左回り)が設定され易く、その他の場合において他方の演出態様(例えば、右回り)が設定され易くなるように構成しても良い。この場合、アイコン806が左右方向に変動表示される演出の演出態様として左回りの演出が実行されると、その時点で、リミット到達までの残回数が特定数以上(例えば、4回以上)、または、リミット到達までの残回数が1回である可能性が高いことを遊技者に把握させ、その後、演出結果として「$」が付されたアイコン806が表示されることで、比較的長い有利遊技期間が設定されたことを遊技者に把握させることができる。つまり、アイコン806が左右方向に変動表示される演出の演出態様と、アイコン806が左右方向に変動表示される演出の演出結果と、を組み合わせることで、リミット到達までの残回数を遊技者に予測させることができ、演出効果を高めることができる。次に、図862(a)を参照して、「チャンスモード」における最終当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の演出内容について説明をする。図862(a)は、チャンスモードにおける最終大当たり中(最終当たり遊技中)に実行される大当たり遊技演出の演出態様を示した図である。図862(a)は、初当たり遊技を含む4回目の大当たり遊技が最終当たり遊技となる「チャンスモード」にて、最終当たり遊技が終了した時点で実行されている演出態様を表示した表示画面である。
図862(a)に示した通り、主表示領域Dmの下側には、今回の「チャンスモード」中に実行された大当たり遊技の回数を示すための履歴情報として、初当たり遊技に対応するアイコン805と、2回目の大当たり遊技に対応するアイコン806と、3回目の大当たり遊技に対応するアイコン807と、が表示されており、各アイコンに対して、対応する大当たり遊技中に獲得した可変入賞装置65への遊技球の入賞に基づいて払い出された賞球数に対応する値が付されて表示されている。具体的には、アイコン805、アイコン806には、300個の賞球に対応する「300P」が付され、アイコン807には、270個の賞球に対応する「270P」が付されている。つまり、3回目の大当たり遊技は可変入賞装置65へと18個の遊技球を入賞させた時点で終了し、賞球数が「270個」であったことを履歴情報として報知している。ここで、図857、及び図858を参照して上述した通り、本第26制御例におけるパチンコ機10では、可変入賞装置65を開放制御する大当たり遊技(有利大当たり遊技)にて、1回のラウンド遊技が1個の遊技球の入賞を検知した場合に終了するように構成している。そして、1個の遊技球の入賞を検知した時点で、入賞が検知された遊技球よりも後に発射された遊技球が、特定入賞口65aの開口部を通過可能に構成している。即ち、1個目の遊技球の入賞を検知したことに基づいてラウンド遊技の終了条件が成立した時点において、2個以上の遊技球を可変入賞装置65へと入賞(オーバー入賞)させることが可能に構成している。そして、10ラウンドの大当たり遊技にて、各ラウンドで2個目の遊技球を可変入賞装置65へと入賞(オーバー入賞)させた場合に、1回の大当たり遊技にて獲得した賞球数(可変入賞装置65への遊技球の入賞に基づいて払い出された賞球数)が300個となるように構成している。さらに、遊技盤13の右側領域に埋設された各種釘Qの状況に応じて、オーバー入賞のし易さが異なるように構成している。なお、本制御例では、1回のラウンド遊技が所定時間(30秒)経過、或いは、1個の遊技球の入賞によって終了するように構成していることから、可変入賞装置65への遊技球の入賞は、所定時間を待たずして1回のラウンド遊技を終了させるための終了条件であり、オーバー入賞の遊技球を特定する処理は、終了条件が成立した後の追加演出を実行するための実行条件が成立したかを判別する処理である。この場合において、ラウンド遊技を終了させるための終了条件を成立させる規定個数(1個)に収まる遊技球の入賞に対しては特定演出(音声出力)を実行せず、規定個数を超えた遊技球の入賞(オーバー入賞)に対しては特定演出(音声出力)を実行するように制御しても良い。なお、遊技球のオーバー入賞を検知した場合に実行される各種演出は、ラウンド遊技の終了条件が成立した後であって、未だに終了していない期間中に成立した条件に応じて実行される追加演出である。
よって、図862(a)に示した通り、履歴情報として、チャンスモード中に実行された大当たり遊技の回数だけで無く、各大当たり遊技中に獲得した賞球数(可変入賞装置65への遊技球の入賞に基づいて払い出された賞球数)に対応する値(ポイント)を表示するように構成することでオーバー入賞を狙いやすいパチンコ機10であるか否かを遊技者に把握させることができる。また、図862(a)では、チャンスモードにおける4回目の大当たり遊技(最終当たり遊技)が終了した時点を示しているため、主表示領域Dmの中央部には、実行中の4回目の大当たり遊技(最終当たり遊技)に対応するアイコン808が「END」を付した状態で表示されており、4回目の大当たり遊技にて獲得した賞球数に対応する「300P」が付されて表示されている。また、表示領域Dm10には、今回のチャンスモード中に獲得した賞球数(可変入賞装置65への遊技球の入賞に基づいて払い出された賞球数)の累積値に対応する値(ポイント)として「1170P」が表示されている。そして、副表示領域Dsには、今回の大当たり遊技で「チャンスモード」が終了することを示すための案内表示態様として「チャンスモード終了」の文字が表示されている。図862(a)の表示画面が表示された後は「チャンスモード」中に獲得した全ての賞球数を遊技者に報知するための表示態様、及び、「チャンスモード」が終了した後の遊技内容を遊技者に案内するための表示態様を含む表示画面として、図862(b)に示した表示画面が表示される。図862(b)は、「チャンスモード」の最終当たり遊技のエンディング期間中に表示されるチャンスモード終了画面の演出態様を示した図である。
図856に示した通り、本第26制御例におけるパチンコ機10では、可変入賞装置65が開放制御される大当たり遊技(有利大当たり遊技)中に右打ち遊技を実行することで、可変入賞装置65以外の入球口にも遊技球が入球し得るように構成している。具体的には、右打ち遊技を行うことで、第1一般入球口630a、及び、第2一般入球口630bに遊技球が入球し得るように構成し、第1一般入球口630aに遊技球が1個入球した場合には10個の遊技球が賞球として払い出され、第2一般入球口630bに遊技球が1個入球した場合には1個の遊技球が賞球として払い出されるように構成している。そして、チャンスモード中に獲得した賞球数を報知する場合において、可変入賞装置65へと遊技球が入賞したことに基づいて払い出された賞球数(アタッカ賞球数)のみを報知するよりも、可変入賞装置65へと遊技球が入賞したことに基づいて払い出された賞球数(一般賞球数)に、各種一般入球口へと遊技球が入球したことに基づいて払い出された賞球数も加算した賞球数(全賞球数)を報知した場合の方が、1回のチャンスモード中に獲得した賞球数として大きな値を報知することができるため、遊技者の遊技意欲を高めることができるものであった。しかしながら、チャンスモード中において常に全賞球数を報知するように構成した場合には、大当たり遊技中において、可変入賞装置65への入賞に基づく賞球数と、各一般入球口への入球に基づく賞球数とが加算表示されてしまうことになり、1回の大当たり遊技において獲得した可変入賞装置65への入賞に基づく賞球数を遊技者に把握させ難くなるという問題があった。
これに対して、本第26制御例におけるパチンコ機10では、チャンスモードの最終当たり遊技が終了するまでは、各大当たり遊技において可変入賞装置65への遊技球の入賞に基づいて獲得した賞球数を遊技者に把握可能に表示し、チャンスモードの終了画面にて、全賞球数を遊技者に把握させるように構成している。具体的には、チャンスモードにおける大当たり遊技期間中に獲得した一般賞球数を内部的に計測しておき、チャンスモード終了画面にて、計測済の一般賞球数と、表示済のアタッカー賞球数とを合算表示するように構成している。このように構成することで、チャンスモードが終了する際には、チャンスモード中に獲得した全賞球数(アタッカー賞球数と一般賞球数とを合算した賞球数)を遊技者に報知することができると共に、チャンスモード中における各大当たり遊技に対応するアタッカー賞球数を遊技者に分かり易く把握させることができる。図862(b)に示した通り、チャンスモードにおける最終当たり遊技のエンディング期間では、今回のチャンスモード中に獲得したアタッカー賞球数に対応する値(ポイント)として「1170P」が表示領域Dm10に表示される。この表示領域Dm10は、チャンスモードが設定されている状態において、継続して表示画面に形成されている表示領域であって、チャンスモードの終了画面のみ、他の表示画面とは異なる位置に形成されている。そして、チャンスモード中に獲得した一般賞球数に対応する値(ポイント)を示すための表示領域Dm11が新たに形成され、アタッカー賞球数に対応する値と、一般賞球数に対応する値とを合算した全賞球数に対応する値が表示される表示領域Dm12が形成される。図862(b)では、アタッカー賞球数に対応する値として「1170P」が表示領域Dm10に、一般賞球数に対応する値として「40P」が表示領域Dm11に、全賞球数に対応する値として「1210P」が表示領域Dm12に表示されている。また、全賞球数が、アタッカー賞球数と一般賞球数とを合算した値であることを遊技者に分かり易く報知するために、「アタッカー賞球数+一般賞球数=全賞球数」を示す表示態様が表示され、表示領域Dm10、表示領域Dm11よりも強調した枠線で表示領域Dm12が表示されている。
また、チャンスモードの終了画面では、チャンスモード終了後に実行される遊技の内容を案内するための表示態様として、主表示領域Dmには「引き戻しモード突入」の文字が表示され、副表示領域Dsには「引き戻しモード中に大当たりでビクトリーモード突入」の文字が表示されている。なお、本制御例では、図862(b)に示した通り、表示領域Dm11にチャンスモード中(有利遊技期間中)に獲得した全一般賞球数に対応する値「40P」を表示するように構成しているが、表示領域Dm11に表示される値を徐々に増加させる演出を実行し、「40P」に到達した時点で値の増加を停止するように構成しても良い。以上、説明をした通り、本第26制御例におけるパチンコ機10では、一連の有利遊技期間(チャンスモード)中に遊技者が獲得した全賞球数(アタッカー賞球数と一般賞球数とを合算した賞球数)のうちアタッカー賞球数のみを大当たり遊技中に報知可能に構成しているため各大当たり遊技中に獲得したアタッカー賞球数を遊技者に分かり易く把握させることができる。加えて、チャンスモード終了時には、全賞球数を報知するように構成しているため、チャンスモード中に獲得した賞球数としてより多くの値を報知することができるため演出効果を高めることができる。なお、本第26制御例では、チャンスモード中であって、且つ大当たり遊技中に獲得した一般賞球数のみを全賞球数として報知可能に構成しているが、これに限ること無く、チャンスモード中であって大当たり遊技が実行されていない期間、即ち、確変状態中における特別図柄変動期間中に獲得した一般賞球数も全賞球数として報知可能に構成しても良い。このように構成することで、チャンスモード中に獲得した全賞球数をより多くすることができる。
次に、チャンスモードが終了し、引き戻しモードが設定された場合における演出態様について図863(a)を参照して説明する。図863(a)は、引き戻しモード中に実行される変動演出の演出態様を示した図である。本第26制御例では、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合であって、リミット到達したことによって大当たり遊技の終了後に特別図柄の低確率状態が設定された場合に、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように構成しており、第2特別図柄抽選が23回実行されるまで時短状態が継続するように構成している。本第26制御例では、第2特別図柄の保留記憶(入賞情報)を、最大で4個記憶可能に構成していることから、時短状態が設定された場合には、最大で27回の第2特別図柄抽選を実行可能となる。この時短状態が設定されてから27回の第2特別図柄抽選において大当たり当選(1/22)した場合には、特別図柄の低確率状態にて有利大当たり遊技が実行されることから、リミット到達までの残回数が上限である状態となり、「ビクトリーモード」へと移行する。よって、引き戻しモードが設定されている間は、第2特別図柄抽選で大当たり当選するか否か(ビクトリーモードへと移行するか否か)を遊技者に示唆するための変動演出が実行される。具体的には、図863(a)に示した通り、表示領域Dm9には現在の遊技モードが引き戻しモードであることを示すための「引き戻しモード」が表示され、現在が時短状態中であることから右打ち遊技を促すための「右打ち」の表示が表示領域Dm4に表示される。また、時短状態中は、主として第2特別図柄抽選が実行されることから、表示領域Dm2には、第2特別図柄変動に対応する第3図柄が変動表示(図では矢印で表示)される。
また、引き戻しモードが設定される前の有利遊技期間中に獲得した全賞球数に対応する値(ポイント)として「1210P」が表示領域12に表示される。加えて、現在設定されている時短状態が終了するまでに実行可能な第2特別図柄変動の回数(残時短回数)が表示領域Dm20に表示される。図863(a)に示した図では、引き戻しモードへと移行してから13回目の第2特別図柄変動が実行されている最中の演出態様を示しているため、表示領域Dm20には「残り10回」の文字が表示されている。そして、主表示領域Dmの中央部では、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の結果を示唆するための変動演出として、「V」が付されたアイコン830と、「×」が付されたアイコン831と、「?」が付されたアイコン832と、が左右方向に変動表示し、キャラクタ801が何れかのアイコンを停止表示させようとするアクション態様で表示される。そして、副表示領域Dsには、実行中の変動演出の演出内容を説明するための案内表示態様として「「V」をゲットでビクトリーモード突入」のコメントが表示されている。この引き戻しモード中に実行される変動演出の演出結果として「V」が付されたアイコン830が停止表示した場合には、実行中の第2特別図柄変動が大当たり変動であることを遊技者に報知するための演出結果となり、「×」が付されたアイコン831が停止表示した場合には、実行中の第2特別図柄変動が外れ変動であることを報知するための演出結果となる。また、「?」が付されたアイコン832が停止表示した場合は、アイコン832が停止表示された時点では対応する第2特別図柄変動が大当たり変動であるか外れ変動であるかを遊技者に把握させ難くする演出結果となる。
ここで、引き戻しモード中に実行される変動演出の演出結果が「?」であって、実行中の第2特別図柄変動が大当たり変動である場合に実行される引き戻しモード中の変動演出の演出内容について説明をする。変動演出として「?」を模したアイコン832が停止表示されると、キャラクタ801が停止表示されているアイコン832を叩くアクションを行い、アイコン832を裏返す演出が実行される。そして、アイコン832が裏返ることで、「V」または「×」が付された表示態様が表示される演出が実行されることで、第2特別図柄抽選の結果を報知するように構成している。つまり、各アイコンが変動表示される変動演出(図863(a)参照)として、最初にアイコン830やアイコン831が停止表示される場合よりも、アイコン832が停止表示される場合の方が、1回の変動演出の演出期間を長くすることができる。つまり、時短状態中に実行された第2特別図柄抽選の結果を示すための変動パターンとして設定された変動パターン(変動時間)に応じて、変動演出として「?」が付されたアイコン832を一旦停止表示させる変動演出の実行有無が決定されるように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行される変動演出の演出期間として短時間の演出期間が連続して設定されてしまうことを抑制することができる。
次に、引き戻しモード中に大当たり当選した場合の演出態様を、図863(b)を参照して説明する。図863(b)は、引き戻しモード中に実行された変動演出にて「V」が付されたアイコン830が停止表示した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図863(a)に示した変動演出が実行された後、キャラクタ801がアイコン830を停止表示させると、図863(b)に示した通り、アイコン830が主表示領域Dmの中央部に停止表示され、「ゲット」の文字が表示される。そして、キャラクタ801が大当たり当選に対応したアクション態様で表示され、副表示領域Dsには、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことを遊技者に案内するための案内表示態様として「大当たりおめでとうビクトリーモード突入」の文字が表示される。また、図863(b)に示した図は、大当たり当選した第2特別図柄が停止表示された状態であるため、表示領域Dm2には、第2特別図柄に対応する第3図柄が大当たり当選に対応する組合せ「777」で停止表示されている。次に、図864を参照して、ビクトリーモード中の演出態様について説明をする。このビクトリーモードは、上述した通り、特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)中に実行された特別図柄抽選で有利大当たりに当選した場合、即ち、有利遊技期間として最も長い期間(大当たり7回が実行される期間)が設定されることを示すための遊技モードである。このビクトリーモードが設定されると、図864(a)に示した通り、表示領域Dm9に「ビクトリーモード」と表示され、大喜びしているアクション態様でキャラクタ801が表示される。図864(a)は、ビクトリーモード突入した場合における初当たり遊技が開始された直後を示した図であり、今回の有利遊技期間中のアタッカー賞球数が0個であることに対応した「0P」が表示されている。
また、引き戻しモードが設定されるよりも前に設定されていた前回の有利遊技期間中に獲得した全賞球数に対応する値として「1210P」が表示領域Dm12に表示されている。加えて、ビクトリーモードが設定された場合は、有利遊技期間中に、今回実行される大当たり遊技(初当たり遊技)を含め7回の大当たり遊技が実行される状態であるため、予め、7回の大当たり遊技に対応する宝箱を模したアイコン805~アイコン811が主表示領域Dmの下側に表示され、副表示領域Dsには、「MAX7箱ゲット目指せ2000P」の文字が表示される。このように、ビクトリーモードは、特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)中に実行された特別図柄抽選で有利大当たりに当選した場合、即ち、有利遊技期間として最も長い期間(大当たり7回が実行される期間)が設定される場合のみ設定される遊技モードであるため、上述したチャンスモードとは異なり、予め有利遊技期間中に実行可能な大当たり遊技の回数を遊技者に報知するように構成している。このように構成することで、今回設定された有利遊技期間が、最も遊技者に有利な有利遊技期間であることを分かり易く把握させることができる。なお、このビクトリーモードにおける大当たり遊技中には、実行中の大当たり遊技に対応するアイコン、例えば、図864(a)に示した図は初当たり遊技中であるためアイコン805から、可変入賞装置65へと遊技球を入賞させる毎に払い出された賞球数に対応するポイントアイコンP1が飛び出る表示が行われ、ポイントアイコンP1が表示される毎に表示領域Dm10にアタッカー賞球数として加算表示される。そして、ビクトリーモードにおける特別図柄変動期間中は、図864(a)に示した表示態様が継続して表示され、次の大当たり遊技が実行された場合に、次の大当たり遊技に対応するアイコンを用いて大当たり遊技中のアタッカー賞球数を報知する表示が行われる。
なお、このビクトリーモード中においても、1回の有利遊技期間中に実行された大当たり遊技の回数を履歴情報として表示するように構成しており、図864(a)に示した7個のアイコン805~811は、ビクトリーモードが終了するまで継続して表示される。そして、既に実行済の大当たり遊技に対応するアイコンと、現在実行中の大当たり遊技に対応するアイコンと、未実行の大当たり遊技に対応するアイコンと、がそれぞれ異なる表示態様で表示される。そして、既に実行済の大当たり遊技に対応するアイコンには、該当する大当たり遊技にて獲得したアタッカー賞球数に対応する値(ポイント)が履歴情報として表示され、現在実行中の大当たり遊技に対応するアイコンには、ポイントアイコンP1が付される。また、表示領域Dm12に表示される値(ポイント)は、1回の有利遊技期間(ビクトリーモードが終了するまでの期間)が終了するまで加算表示されること無く、1回の有利遊技期間が終了するまでは、アタッカー賞球数に対応する値(ポイント)が表示領域Dm10に加算表示されるように構成している。その後、ビクトリーモードにおける最終当たり遊技が終了すると、図864(b)に示した表示画面が表示される。具体的には、ビクトリーモード中に実行された7回の大当たり遊技中に獲得したアタッカー賞球数に対応する値(表示領域Dm10に表示される値)と、ビクトリーモード中に獲得した一般賞球数に対応する値、即ち、ビクトリーモード中に実行された7回の大当たり遊技期間中に獲得した一般賞球数に対応する値とを合算した全賞球数として表示領域Dm13に「2198P」が表示される。その後、表示領域Dm13に表示された全賞球数に対応する値(ポイント)が、表示領域Dm12に表示されている値(ポイント)に加算表示される。
次に、ビクトリーモードが終了した後に移行する引き戻しモードの演出内容について、図865を参照して説明をする。図865は、引き戻しモードの演出態様として、天国ゾーンが設定された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。本第26制御例では、引き戻しモードへと移行する時点で獲得済みの第2特別図柄の保留情報(特図2保留情報)の先読み結果、連チャン中に獲得した賞球数(全賞球数)、及び、連チャン中に獲得した一般賞球数に応じて、引き戻しモードの演出態様を異ならせて決定可能に構成しており、通常モードよりも天国モードが設定された場合の方が、引き戻しモードへと移行する時点で獲得済みの第2特別図柄の保留情報(特図2保留)に大当たり当選に対応する保留情報が含まれている可能性が高くなるように構成している。よって、引き戻しモードへと移行した場合に、どの演出モードが設定されるかについて遊技者に興味を持たせることができる。図865に示した通り、天国ゾーンが設定された場合には、変動表示されている各種アイコンや、背景画像が天国を模した表示態様で表示され、天使を模したキャラクタ803が表示される。以上、説明をした通り、本第26制御例では、有利遊技期間中に実行される大当たり遊技の回数が事前に遊技者に報知される遊技モード(ビクトリーモード)が設定された場合において、特別図柄変動が実行されている有利遊技期間中に特別図柄変動に対応する変動演出を実行すること無く、大当たり遊技中の遊技画面を継続して表示するように構成している。このように構成することで、各大当たり遊技の遊技期間が1回のラウンド遊技期間に対応し、大当たり遊技間における特別図柄変動期間がラウンド遊技間のインターバル期間に対応する一連の演出として実行し易くすることができる。
なお、本第26制御例では、リミット到達までの残回数が上限である場合にのみ遊技モードとしてビクトリーモードが設定され、有利遊技期間中に実行される大当たり遊技の回数を事前に遊技者に報知するように構成しているが、これに限ること無く、リミット到達までの残回数が上限である場合以外でも有利遊技期間中に実行される大当たり遊技の回数を事前に遊技者に報知するように構成しても良い。また、本第26制御例におけるパチンコ機10では、有利遊技期間中に実行される大当たり遊技の回数を事前に遊技者に報知する場合には、有利遊技期間中に実行される大当たり遊技の全回数を事前に遊技者に報知するように構成しているが、これに限ること無く、有利遊技期間中に実行される大当たり遊技の全回数のうち一部回数のみを事前に遊技者に報知するように構成しても良い。この場合、事前に報知されている大当たり遊技の回数に対応する数のアイコン805を主表示領域Dmに表示しておき、表示されているアイコンの数に対応する大当たり遊技が終了するよりも前に、表示画面に表示されているアイコンの数を増加させる演出を実行するように構成すると良い。
<第26制御例における遊技状態の遷移について>
次に、図866から図868を参照して、本第26制御例における遊技状態の遷移について説明をする。
<第26制御例における電気的構成について>
次に、図869から図876を参照して、本第26制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第26制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成の一部と、を異ならせている点、及び、各種カウンタの取り得る値の範囲を異ならせている点で相違している。それ以外の要素については同一であり、その説明を省略する。まず、図869を参照して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図869は、本第26制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成を模式的に示した図である。図869に示した通り、本第26制御例のパチンコ機10におけるROM202は、上述した第1制御例のパチンコ機10におけるROM202(図23(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aに代えて第1当たり乱数テーブル202aaを、変動パターン選択テーブル202bに代えて変動パターン選択テーブル202abを、第1当たり種別選択テーブル202dに代えて第1当たり種別選択テーブル202adを設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。まず、図871(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル202aaの内容について説明をする。図871(a)は、第1当たり乱数テーブル202aaに規定されている内容を模式的に示した図であって、上述した第1当たり乱数テーブル202a(図24(a)参照)に対して、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に対応する特別図柄抽選の結果を異ならせている点で相違している。
具体的には、特別図柄の低確率状態では、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~47」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、「48~999」の範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されており、特別図柄の高確率状態では、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~51」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、「52~999」の範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲は「0~999」の1000通りであって、特別図柄の低確率状態中に大当たりと判定される値が「0~47」の48通りであるため、特別図柄の低確率状態にて実行される特別図柄抽選の結果が大当たりと判定される確率は48/1000(約1/22)となる。また、特別図柄の高確率状態中に大当たりと判定される値が「0~51」の52通りであるため、特別図柄の低確率状態にて実行される特別図柄抽選の結果が大当たりと判定される確率は52/1000(約1/19)となる。次に、図871(b)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202adの内容について説明をする。図871(b)は、第1当たり種別選択テーブル202adに規定されている内容を模式的に示した図である。図871(b)に示した通り、第1当たり種別選択テーブル202adには、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に参照される特図1大当たり用テーブル202ad1と、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に参照される特図2大当たり用テーブル202ad2と、が規定されている。このように構成することで、特別図柄抽選が実行された特別図柄の種別に応じて、大当たり当選した場合に設定される大当たり種別を異ならせたり、特定の大当たり種別が設定される割合を異ならせたりすることができる。
ここで、図872(a)を参照して、特図1大当たり用テーブル202ad1に規定されている内容について説明をする。図872(a)は、特図1大当たり用テーブル202ad1に規定されている内容を模式的に示した図である。図872(a)に示した通り、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり当選した時点における遊技状態に関わらず、4種類の大当たり種別のうち何れかの大当たり種別が選択されるように特図1大当たり用テーブル202ad1の内容が規定されている。具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0~3」の範囲に対して、大当たり種別「大当たりA」が、「4~6」の範囲に対して、大当たり種別「大当たりB」が、「7」に対して、大当たり種別「大当たりC」が、「8~99」の範囲に対して、大当たり種別「大当たりD」が規定されている。つまり、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る範囲が「0~99」の100通りであることから、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、大当たり種別「大当たりA」が選択される割合は4%、大当たり種別「大当たりB」が選択される割合は3%、大当たり種別「大当たりC」が選択される割合は1%、大当たり種別「大当たりD」が選択される割合は92%となる。大当たり種別「大当たりA」が設定された場合には、可変入賞装置65を開放制御する大当たり遊技(有利大当たり遊技)として、ラウンド数が「10」の10ラウンド(R)確変大当たり遊技が実行される。この「大当たりA」が設定されたことに基づいて実行される確変大当たり遊技が終了した後には、リミット到達の有無に応じて、時短カウンタ203h、及び確変カウンタ203iの値が設定される。具体的には、リミット到達していない場合(確変リミットカウンタ203aaの値が4では無い場合)には、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値として「10000」が、確変カウンタ203iの値として「10000」が設定される。つまり、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が大当たり当選、或いは、他の終了条件が成立するまで実質的に継続するように構成している。
一方、リミット到達した場合(確変リミットカウンタ203aaの値が4である場合)には、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値として「23」が、確変カウンタ203iの値として「0」が設定される。つまり、時短回数23回の時短状態が設定されるように構成している。大当たり種別「大当たりB」が設定された場合には、可変入賞装置65を開放制御する大当たり遊技(有利大当たり遊技)として、ラウンド数が「10」の10ラウンド(R)確変大当たり遊技が実行される。この「大当たりB」が設定されたことに基づいて実行される確変大当たり遊技が終了した後には、リミット到達の有無に応じて、時短カウンタ203h、及び確変カウンタ203iの値が設定される。具体的には、リミット到達していない場合(確変リミットカウンタ203aaの値が4では無い場合)には、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値として「14」が、確変カウンタ203iの値として「10000」が設定される。つまり、大当たり遊技終了後に設定される確変状態が、特別図柄抽選が14回実行されるまで継続し、その後、第2確変状態が設定されるように構成している。一方、リミット到達した場合(確変リミットカウンタ203aaの値が4である場合)には、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値として「14」が、確変カウンタ203iの値として「0」が設定される。つまり、時短回数14回の時短状態が設定されるように構成している。
大当たり種別「大当たりC」が設定された場合には、第2可変入賞装置650を開放制御する大当たり遊技として、ラウンド数が「2」の2ラウンド(R)確変大当たり遊技が実行される。この「大当たりC」が設定されたことに基づいて実行される確変大当たり遊技が終了した後には、リミット到達の有無に応じて、時短カウンタ203h、及び確変カウンタ203iの値が設定される。具体的には、リミット到達していない場合(確変リミットカウンタ203aaの値が4では無い場合)には、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値として「10000」が、確変カウンタ203iの値として「10000」が設定される。つまり、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が大当たり当選、或いは、他の終了条件が成立するまで実質的に継続するように構成している。一方、リミット到達した場合(確変リミットカウンタ203aaの値が4である場合)には、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値として「0」が、確変カウンタ203iの値として「0」が設定される。つまり、通常状態が設定されるように構成している。大当たり種別「大当たりD」が設定された場合には、第2可変入賞装置650を開放制御する大当たり遊技として、ラウンド数が「2」の2ラウンド(R)確変大当たり遊技が実行される。この「大当たりD」が設定されたことに基づいて実行される確変大当たり遊技が終了した後には、リミット到達の有無に応じて、時短カウンタ203h、及び確変カウンタ203iの値が設定される。具体的には、リミット到達していない場合(確変リミットカウンタ203aaの値が4では無い場合)には、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値として「0」が、確変カウンタ203iの値として「10000」が設定される。つまり、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が大当たり当選、或いは、他の終了条件が成立するまで実質的に継続するように構成している。
一方、リミット到達した場合(確変リミットカウンタ203aaの値が4である場合)には、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値として「0」が、確変カウンタ203iの値として「0」が設定される。つまり、通常状態が設定されるように構成している。以上、説明をした通り、本第26制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、可変入賞装置65を開放制御する10ラウンド確変大当たり遊技が実行される大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が選択される割合が7%、第2可変入賞装置650を開放制御する2ラウンド確変大当たり遊技が実行される大当たり種別(大当たりC、大当たりD)が選択される割合が93%となるように構成しており、10ラウンド確変大当たり遊技の方が、2ラウンド確変大当たり遊技よりも、大当たり遊技中の多くのアタッカー賞球数を獲得可能に構成しているため、大当たり遊技中に獲得可能なアタッカー賞球数の点では、10ラウンド確変大当たり遊技が実行される大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が遊技者に有利な大当たり種別となり、2ラウンド確変大当たり遊技が実行される大当たり種別(大当たりC、大当たりD)が遊技者に不利な大当たり種別となる。また、本第26制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技が終了した後に設定される遊技状態として、リミット到達していない場合において、実質、次の大当たり遊技が実行されるまで確変状態が継続する確変状態(次回確変状態)と、特定回数(14回)の特別図柄抽選が実行されるまで確変状態が継続し、その後第2確変状態が設定される確変状態(回数切り確変状態)と、確変状態が設定されることの無い第2確変状態と、を設定可能に構成している。そして、確変状態が設定されている場合は、普通図柄の高確率状態(電サポ状態)となり、第2確変状態が設定されている場合は、普通図柄の低確率状態(非電サポ状態)となる。普通図柄の高確率状態(電サポ状態)では、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な第2特別図柄抽選を実行し易い状態となるため、確変状態は、第2確変状態よりも遊技者に有利な遊技状態となる。
よって、リミット到達していない場合においては、第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技が終了した後に設定される遊技状態として、次回確変状態が最も遊技者に有利な遊技状態となり、次いで、回数切り確変状態が遊技者に有利な状態となり、第2確変状態が最も遊技者に不利な遊技状態となる。図872(a)に示した通り、大当たり遊技終了後に次回確変状態が設定される大当たり種別(大当たりA、大当たりC)が選択される割合が5%、回数切り確変状態が設定される大当たり種別(大当たりB)が選択される割合が3%、第2確変状態が設定される大当たり種別(大当たりD)が選択される割合が92%となるように構成している。一方で、リミット到達した場合には、大当たり遊技の終了後に必ず特別図柄の低確率状態が設定されることから、大当たり遊技終了後には、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)または、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)の何れかが設定される。そして、時短状態が設定された場合には、電サポ状態となり第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な第2特別図柄抽選を実行し易くすることができるため、通常状態が設定される大当たり種別(大当たりC、大当たりD)よりも、時短状態が設定される大当たり種別(大当たりA、大当たりB)の方が遊技者に有利な大当たり種別となる。さらに、時短状態が設定される大当たり種別のうち、「大当たりA」が設定された場合には、特別図柄抽選が23回実行されるまで時短状態が継続(時短回数23回)、「大当たりB」が設定された場合には、特別図柄抽選が14回実行されるまで時短状態が継続(時短回数14回)するように構成している。ここで、時短状態が継続する期間が長い場合の方が、短い場合よりも時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄抽選の回数を多くすることができるため、「大当たりA」の方が「大当たりB」よりも遊技者に有利な大当たり種別となる。
つまり、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の点においては、リミット到達していない場合では、「大当たりA」、「大当たりC」が最も遊技者に有利な大当たり種別となり、「大当たりB」が次に有利な大当たり種別となり、「大当たりD」が最も遊技者に不利な大当たり種別となる。また、リミット到達した場合では、「大当たりA」が最も遊技者に有利な大当たり種別となり、「大当たりB」が次に有利な大当たり種別となり、「大当たりC」、「大当たりD」が最も遊技者に不利な大当たり種別となる。このように、リミット到達の有無に応じて、設定される大当たり種別に対する大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の点における有利度合いの順序を異ならせるように構成することで、設定された大当たり種別と、リミット到達の有無とを組み合わせた遊技性を提供することができるため、バリエーションに富んだ遊技性の遊技を遊技者に提供することで遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第26制御例では、通常状態が設定されている場合と、第2確変状態が設定されている場合とで、第1特別図柄抽選の結果を示すための変動演出として同一態様の変動演出が実行されるように構成しているため、現在の遊技状態を遊技者に把握され難くい変動演出が実行される。よって、遊技者に対して、大当たり当選した場合において、リミット到達の有無をより予測させ難くすることができる。なお、本第26制御例では、リミット到達の有無に応じて、同一の大当たり種別が設定された場合であっても大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、リミット到達の有無に応じて、同一の大当たり種別が設定された場合であっても、実行されるラウンド遊技数を異ならせたり、可変入賞装置65や第2可変入賞装置650へと遊技球が入賞したことに基づいて払い出される賞球数を異ならせたり、第1一般入球口630aや第2一般入球口630bへと遊技球が入球したことに基づいて払い出される賞球数を異ならせたりするように構成しても良い。
次に、図872(b)を参照して、特図2大当たり用テーブル202ad2に規定されている内容について説明をする。図872(b)は、特図2大当たり用テーブル202ad2に規定されている内容を模式的に示した図である。図872(b)に示した通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず、大当たり種別(大当たりE)が設定されるように構成している。具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0~99」の全範囲に対して、大当たり種別「大当たりE」が規定されている。つまり、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る範囲が「0~99」の100通りであることから、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、大当たり種別「大当たりE」が選択される割合は100%となる。大当たり種別「大当たりE」が設定された場合には、可変入賞装置65を開放制御する大当たり遊技(有利大当たり遊技)として、ラウンド数が「10」の10ラウンド(R)確変大当たり遊技が実行される。この「大当たりE」が設定されたことに基づいて実行される確変大当たり遊技が終了した後には、リミット到達の有無に応じて、時短カウンタ203h、及び確変カウンタ203iの値が設定される。具体的には、リミット到達していない場合(確変リミットカウンタ203aaの値が4では無い場合)には、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値として「10000」が、確変カウンタ203iの値として「10000」が設定される。つまり、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が大当たり当選、或いは、他の終了条件が成立するまで実質的に継続するように構成している。一方、リミット到達した場合(確変リミットカウンタ203aaの値が4である場合)には、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値として「23」が、確変カウンタ203iの値として「0」が設定される。つまり、時短回数23回の時短状態が設定されるように構成している。
つまり、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部(4%の割合)で設定される大当たり種別であって、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される4種類の大当たり種別のうち、最も遊技者に有利な大当たり種別(大当たりA)と同一内容の大当たり種別である「大当たりE」が必ず設定されるように構成しているため、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、遊技者に有利な特典(大当たり種別)が付与され易くなる。よって、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が遊技者に有利な特別図柄抽選となる。次に、図873を参照して、変動パターン選択テーブル202abの内容について説明をする。図873(a)は、変動パターン選択テーブル202abに規定されている内容を模式的に示した図である。図873(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202abには、設定されている遊技状態に応じたテーブルとして、通常・第2確変用テーブル202ab1と、確変・時短用テーブル202ab2とが規定されている。まず、図873(b)を参照して、通常・第2確変用テーブル202ab1の内容について説明をする。図873(b)は、通常・第2確変用テーブル202ab1に規定されている内容を模式的に示した図である。この通常・第2確変用テーブル202ab1は、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、又は、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で実行された特別図柄抽選の変動パターンを決定する際に参照されるデータテーブルである。図873(b)に示した通り、本第26制御例では、通常状態が設定されている場合と、第2確変状態が設定されている場合とで、同一のデータテーブルを参照して変動パターンが決定されるため、設定された変動パターン(変動時間)に基づいて現在の遊技状態が通常状態であるか第2確変状態であるかを遊技者に把握させ難くすることができる。
また、第1特別図柄抽選の結果が大当たり当選であって、大当たり種別として「大当たりC」、「大当たりD」が設定された場合、即ち、第2可変入賞装置650が開放制御される大当たり遊技が実行される場合と、第1特別図柄抽選の結果が外れである場合とで、同一の変動パターン群(外れ変動用の変動パターン群)の中から変動パターンが決定されるように規定し、第1特別図柄抽選の結果が大当たり当選であって、大当たり種別として「大当たりA」、「大当たりB」が設定された場合、即ち、可変入賞装置65が開放制御される大当たり遊技が実行される場合には、大当たり変動用の変動パターン群の中から変動パターンが決定されるように規定している。このように構成することで、「大当たりA」、「大当たりB」が設定される大当たり変動のみ変動時間が比較的長い変動パターンが決定され易くすることができると共に、可変入賞装置65が開放制御される大当たり遊技(10ラウンド確変大当たり遊技)が実行される場合のみ、変動演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果を表示することが可能となる。よって、大当たり当選を示す演出結果の変動演出が実行されたにも関わらず、少ない賞球しか獲得することが出来ない大当たり遊技(2ラウンド確変大当たり遊技)が実行されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。さらに、普通図柄の高確率状態よりも第2特別図柄抽選を実行させ難い普通図柄の低確率状態が設定される通常状態、又は第2確変状態において、第2特別図柄の保留記憶可能な上限数(4個)よりも多い回数の第2特別図柄抽選が実行された場合には、変動時間が長い変動パターンが設定されるように構成している。このように構成することで、普通図柄の低確率状態が設定されている場合において、不正に第2特別図柄抽選が実行されることを抑制し易くすることができる。
通常・第2確変用テーブル202ab1に規定されている内容について具体的に説明をすると、図873(b)に示した通り、特別図柄種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)であって、特別図柄抽選の結果(抽選結果)が「大当たりA」、「大当たりB」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~19」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒の「ノーマル」が規定されており、「20~169」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が60秒の「スーパー」が規定されており、「170~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が90秒の「SP」が規定されている。また、特別図柄抽選の結果(抽選結果)が「大当たりC」、「大当たりD」、外れである場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~179」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「外れ」が規定されており、「180~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒~60秒の「リーチ外れ各種」が規定されている。一方、特別図柄種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)であって、特別図柄抽選の結果(抽選結果)が「当たり」(大当たり)であり、遊技状態が移行してからの変動回数が「1~4」の範囲である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が1秒の「特殊」が規定されており、遊技状態が移行してからの変動回数が「5~」の範囲である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が200秒の「ロング」が規定されている。また、特別図柄種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)であって、特別図柄抽選の結果(抽選結果)が「外れ」であり、遊技状態が移行してからの変動回数が「1~4」の範囲である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が1秒の「特殊」が規定されており、遊技状態が移行してからの変動回数が「5~」の範囲である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が200秒の「ロング」が規定されている。
以上、説明をした通り、本第26制御例では、通常状態、及び第2確変状態が設定されている場合、即ち、遊技者に対して左打ち遊技を促している遊技状態において、遊技盤13の左側領域に設けられた第2可変入賞装置650を開放制御する大当たり遊技が実行される場合には、変動パターンとして、第1特別図柄抽選の結果が外れである場合と同一の変動パターン群の中から変動パターンを決定するように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果が外れである場合と同一態様の変動演出を実行させ易くすることができるため、変動演出の実行期間中に遊技者が左打ち遊技を中断し難くすることができる。次に、図873(c)を参照して、確変・時短用テーブル202ab2の内容について説明をする。図873(c)は、確変・時短用テーブル202ab2に規定されている内容を模式的に示した図である。この確変・時短用テーブル202ab2は、遊技状態として確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、又は、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態で実行された特別図柄抽選の変動パターンを決定する際に参照されるデータテーブルである。本第26制御例におけるパチンコ機10では、普通図柄の高確率状態が設定された場合には、右打ち遊技によって第2特別図柄抽選を実行させる遊技が遊技者に有利な遊技方法となるため、主として第2特別図柄抽選が実行されることになる。しかしながら、第1特別図柄の保留記憶を獲得している状態(特図1保留を有している状態)で普通図柄の高確率状態が設定された場合や、右打ち遊技を行っているにも関わらず、発射された遊技球が左側領域を流下してしまい第1入球口64へと入球した場合等が発生し、遊技者の意図しないタイミングで第1特別図柄抽選が実行される可能性がある。
よって、普通図柄の高確率状態である確変状態や時短状態中に第1特別図柄抽選が実行された場合には、右打ち遊技に支障を来しにくい短時間の変動時間が決定されるように規定している。また、第1特別図柄抽選が第2特別図柄抽選よりも遊技者に不利な抽選となるように構成していることから、不正遊技目的で普通図柄の高確率状態中に第1特別図柄抽選を実行させることが無いことから、普通図柄の高確率状態中に第1特別図柄抽選が実行された場合において長時間の変動時間が決定されることが無いように構成している。また、確変状態が設定されている場合、即ち、チャンスモード中、又はビクトリーモード中は、次回の大当たり当選までは少なくとも遊技者に有利な遊技状態が継続する状態であり、他の遊技状態に比べて個々の特別図柄抽選の結果に対する興味が低下する遊技状態であるため、個々の特別図柄抽選の結果を示唆するための変動演出を実行すること無く、短い変動時間(0.5秒)の変動パターンを決定することで、次回の大当たり遊技が実行されるまでの期間を短くするように構成している。このように構成することで、リミット到達するまでに実行される複数回の大当たり遊技を短時間で完了させ易くすることができる。一方で、時短状態が設定された場合には、図863(a)に示した通り、特別図柄抽選の結果に対して遊技者が興味を持つ引き戻しモードが設定され、個々の特別図柄抽選の結果を示すための変動演出(アイコン830~アイコン832を変動表示させる演出)が実行されるため、普通図柄の高確率状態が設定されている場合であっても、確変状態よりも長い変動時間の変動パターンが決定されるように構成している。
具体的には、図873(c)に示した通り、特別図柄種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)であって、現在の遊技状態が「確変」(確変状態)では、特別図柄抽選の結果(抽選結果)に関わらず、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短変動」が規定されている。また、現在の遊技状態が「時短」(時短状態)で、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~99」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が2秒の「短変動」が規定され、「100~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「中変動」が規定され、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が2秒の「短変動」が規定されている。一方で、特別図柄種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)であって、現在の遊技状態が「確変」(確変状態)では、特別図柄抽選の結果(抽選結果)に関わらず、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短変動」が規定されている。また、現在の遊技状態が「時短」(時短状態)で、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~99」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が2秒の「短変動」が規定され、「100~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「中変動」が規定され、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~189」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が2秒の「短変動」が規定され、「190~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「中変動」が規定されている。
ここで、時短状態が設定されている状態で変動時間が2秒の変動パターンが決定された場合には、引き戻しモード中の変動演出として、「V」が付されたアイコン830、或いは、「×」が付されたアイコン831が停止表示する演出態様が、音声ランプ制御装置113にて設定され、変動時間が10秒の変動パターンが決定された場合には、引き戻しモード中の変動演出として、「?」が付されたアイコン832が停止表示された後に、「V」または「×」が表示される変動演出の演出態様が、音声ランプ制御装置113にて設定される。次に、図870を参照して、本第26制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図870は、本第26制御例におけるパチンコ機10が有するRAM203の構成を模式的に示した図である。図870に示した通り、本第26制御例におけるパチンコ機10が有するRAM203は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10が有するRAM203(図23(b)参照)に対して、確変設定フラグ203m、確変通過カウンタ203n、入賞個数カウンタ203o、残球タイマフラグ203p、残球タイマ203q、確変有効フラグ203r、確変有効タイマ203s、排出個数カウンタ203tを削除し、新たに、確変リミットカウンタ203aaと、入賞個数カウンタ203abを追加した点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素に対しては同一の符号を付してその説明を省略する。確変リミットカウンタ203aaは、確変状態が連続して設定される上限に到達したかを判別する際に参照されるカウンタであって、通常状態が設定されている場合には、カウンタ値として「7」が設定されている。そして、大当たり遊技が実行される毎にカウンタの値が1減算され、減算後のカウンタ値が「0」であるかが判別される。減算後のカウンタ値が「0」であると判別した場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態として特別図柄の低確率状態を設定するための処理が実行され、再度、カウンタの値に「7」が設定される。
このように構成することで、確変状態が際限無く連続して設定されてしまい、遊技者に過剰に確変状態を提供してしまうことを抑制することができる。また、連続して確変状態が設定される回数に上限を設けることができるため、本第26制御例におけるパチンコ機10のように、大当たり遊技終了後に必ず特別図柄の高確率状態が設定されるように大当たり種別を規定した場合であっても、過剰に遊技者に有利な遊技が提供されてしまうことを抑制することができる。入賞個数カウンタ203abは、大当たり遊技中に特定入賞口へと入賞した遊技球の個数を計測するためのカウンタである。次に、図874(a)を参照して、本第26制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図874(a)は、本第26制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容を模式的に示した図である。図874(a)に示した通り、本第26制御例におけるパチンコ機10が有するROM222は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10が有するROM222(図28(a)参照)に対して、第1制御例におけるパチンコ機10特有の各種演出を実行するために参照される各種テーブルを削除し、新たに、引き戻しモード態様選択テーブル222aaと、従賞球テーブル222abと、を追加した点で相違している。なお、従変動パターン選択テーブル222aについては、第1制御例に対して、主制御装置110にて決定される各種変動パターンの種別を異ならせているため、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドの種別に対応する変動演出の演出態様として従変動パターン選択テーブル222aに規定されている演出態様を異ならせているが、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
引き戻しモード態様選択テーブル222aaは、引き戻しモードが設定された場合における演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、引き戻しモードが設定される前にチャンスモード、或いは、ビクトリーモードが設定されている場合、即ち、確変状態中にリミット到達したことに基づいて時短状態が設定された場合において、既に獲得済みの全賞球数(総賞球数カウンタ223aaの値)、既に獲得済みの一般賞球数(一般賞球数カウンタ223acの値)、及び、引き戻しモードが設定される時点で獲得済みの第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)に含まれる入賞情報に対する先読み結果に応じて異なる演出態様が規定されている。この引き戻しモード態様選択テーブル222aaは、状態コマンド受信処理(図884のS4201A参照)にて、時短状態への変更を示す状態コマンドを受信したと判別した場合(図884のS4306:Yes)に実行される引き戻し態様決定処理(図885のS4307A)において参照される(図885のS4356A)。ここで、引き戻し態様選択テーブル222aaに規定されている内容について、図875を参照して説明をする。図875は、引き戻し態様選択テーブル222aaに規定されている内容を模式的に示した図である。図875に示した通り、引き戻し態様選択テーブル222aaには、引き戻し態様として「通常ゾーン」と、「天国ゾーン」の2種類の態様が規定されている。
具体的には、先読み結果(特図2保留に含まれる入賞情報に対する先読み結果)として「当たり有り」で、総賞球数カウンタ223aaの値が「1~6000」の範囲である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して「通常ゾーン」が、「90~99」の範囲に対して「天国ゾーン」が規定されている。また、総賞球数カウンタ223aaの値が「6001~10000」の範囲で、一般賞球数カウンタ223acの値が「1~600」の範囲である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して「通常ゾーン」が、「80~99」の範囲に対して「天国ゾーン」が規定され、一般賞球数カウンタ223acの値が「601~」の範囲である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~69」の範囲に対して「通常ゾーン」が、「70~99」の範囲に対して「天国ゾーン」が規定されている。さらに、総賞球数カウンタ223aaの値が「10001~」の範囲である場合には、一般賞球数カウンタ223acの値に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して「通常ゾーン」が、「50~99」の範囲に対して「天国ゾーン」が規定されている。一方で、先読み結果(特図2保留に含まれる入賞情報に対する先読み結果)として「当たり無し」で、総賞球数カウンタ223aaの値が「1~8000」の範囲で、一般賞球数カウンタ223acの値が「1~450」の範囲である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~94」の範囲に対して「通常ゾーン」が、「95~99」の範囲に対して「天国ゾーン」が規定され、一般賞球数カウンタ223acの値が「451~700」の範囲である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して「通常ゾーン」が、「90~99」の範囲に対して「天国ゾーン」が規定され、一般賞球数カウンタ223acの値が「701~」の範囲である場合には、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず「天国ゾーン」が規定されている。
また、総賞球数カウンタ223aaの値が「8001~10000」の範囲で、一般賞球数カウンタ223acの値が「1~900」の範囲である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して「通常ゾーン」が、「90~99」の範囲に対して「天国ゾーン」が規定され、一般賞球数カウンタ223acの値が「901~」の範囲である場合には、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず「天国ゾーン」が規定されている。さらに、総賞球数カウンタ223aaの値が「10001~」の範囲で、一般賞球数カウンタ223acの値が「0~700」の範囲である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して「通常ゾーン」が、「20~99」の範囲に対して「天国ゾーン」が規定され、一般賞球数カウンタ223acの値が「701~」の範囲である場合には、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず「天国ゾーン」が規定されている。つまり、本第26制御例におけるパチンコ機10では、引き戻しモードの態様として、先読み結果に当たりが有る場合、即ち、引き戻しモードが設定された直後に大当たり当選する場合には、先読み結果に当たりが無い場合よりも、引き戻しモードの態様として「天国ゾーン」が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、引き戻しモードへと移行した場合に設定される態様種別に対して遊技者に興味を持たせることができる。さらに、先読み結果に関わらず、既に獲得済みの全賞球数(連チャンモード中に獲得した賞球数)が多くなるほど引き戻しモードの態様として「天国ゾーン」が設定され易くなるように構成している。加えて、連チャンモード中に獲得した一般賞球数が多くなるほど引き戻しモードの態様として「天国ゾーン」が設定され易くなるように構成している。
従賞球テーブル222abは、パチンコ機10に設けられた各種入賞口(入球口)へと遊技球が入賞(入球)した場合に払い出される賞球数が規定されているデータテーブルである。本第26制御例におけるパチンコ機10では、遊技盤13に設けられた各種入賞口(入球口)へと遊技球が入賞(入球)したことを各種検知手段(各種スイッチ208)が検知した場合に、主制御装置110の入出力ポート205へと検知信号が出力される。そして、各種スイッチ208から出力された検知信号に関する情報が専用のバッファ(入賞情報用バッファ)に格納され、入賞情報用バッファに格納されている情報に基づいて、払出制御装置114に対して払い出す賞球数を示すための賞球数コマンドを出力すると共に、音声ランプ制御装置113に対して、遊技球が入賞(入球)した入賞口(入球口)の種別を示すための入賞種別コマンドを出力するように構成している。つまり、音声ランプ制御装置113に対しては、遊技球がどの入賞口(入球口)に入賞(入球)したのかを示すコマンドを、入賞(入球)が発生する毎に出力するだけであり、音声ランプ制御装置113に対して、実際に払い出した賞球数を示すコマンドを出力しないように構成している。このように構成することで、主制御装置110にて実行される処理負荷を軽減することができる。そして、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から出力された入賞種別コマンドを受信すると、賞球数の計数が必要な期間であるかを判別し、計数が必要な期間であると判別した場合には、従賞球テーブル222abを参照して、受信した入賞種別コマンドに基づいて払い出された賞球数を特定し、賞球数を計数するように構成している。このように構成することで、賞球数の計数が必要な期間のみ、音声ランプ制御装置113側で賞球数を計数することが可能となる。
ここで、図876を参照して、従賞球テーブル222abに規定されている内容について説明をする。図876は、従賞球テーブル222abに規定されている内容を模式的に示した図である。図876に示した通り、従賞球テーブル222abには、入賞種別コマンドに含まれている入賞種別に対応させて賞球情報が予め規定されている。具体的には、入賞種別「第1特定入賞口(特定入賞口65a)」に対しては、賞球情報「15」が規定され、入賞種別「第2特定入賞口(第2特定入賞口650a)」に対しては、賞球情報「15」が規定され、入賞種別「第1入球口(第1入球口64)」に対しては、賞球情報「2」が規定され、入賞種別「第2入球口(第2入球口640)」に対しては、賞球情報「1」が規定され、入賞種別「左一般入球口(左一般入球口63)」に対しては、賞球情報「5」が規定され、入賞種別「第1一般入球口(第1一般入球口630a)」に対しては、賞球情報「10」が規定され、入賞種別「第2一般入球口(第2一般入球口630b)」に対しては、賞球情報「1」が規定されている。
<第26制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図877から図882を参照して、本第26制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第26制御例では、上述した第1制御例に対して、タイマ割込処理(図40参照)に代えてタイマ割込処理(図877参照)を、更新処理(図44のS221参照)に代えて更新処理(図879のS221A参照)を、大当たり制御処理(図52のS1804参照)に代えて大当たり制御処理(図880のS1804A参照)を、実行する点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容についてはその説明を省略する。まず、図877を参照して、タイマ割込処理について説明をする。図877は、本第26制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201にて実行されるタイマ割込処理の処理内容を示すためのフローチャートである。図877に示した通り、本第26制御例におけるタイマ割込処理では、上述した第1制御例におけるパチンコ機10にて実行される主制御装置110のタイマ割込処理(図40参照)に対して、スイッチ読み込み処理(図40のS101参照)に代えて、スイッチ読み込み処理(図877のS101A)を実行する点で相違し、それ以外は同一の処理が実行される。ここで、図878を参照して、スイッチ読み込み処理(S101A)の処理内容について説明をする。図878は、スイッチ読み込み処理(S101A)の処理内容を示したフローチャートである。このスイッチ読み込み処理(S101A)では、入出力ポート205へと出力された各種スイッチ208からの検知信号に基づいて入賞情報用バッファに格納された情報(入賞情報)を読み出して、払出制御装置114に対して出力する賞球コマンドを設定するための情報を賞球払い出し用バッファに格納する処理と、音声ランプ制御装置113に対して出力する入賞種別コマンドを設定するための処理が実行される。
具体的には、スイッチ読み込み処理(S101A)が実行されると、まず、入賞情報用バッファに格納されている情報を読み出し(S111A)、格納情報があるかを判別し(S112A)、格納情報が無いと判別した場合は(S112A:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S112Aの処理において、格納情報があると判別した場合は(S112A:Yes)、次に、格納されている情報が特定入賞口(特定入賞口65a、第2特定入賞口650a)に対応する情報であるかを判別し(S113A)、特定入賞口に対応する情報であると判別した場合は(S113A:Yes)、入賞した特定入賞口種別に対応する入賞種別コマンドを設定し(S114A)、S115Aの処理へ移行する。つまり、入賞情報用バッファに、特定入賞口65aへの入賞を示す格納情報、即ち、可変入賞装置65内に設けられた入球検知センサ65s(図856参照)から出力された検知信号に対応する情報が入賞情報用バッファに格納されている場合には、特定入賞口65a(第1特定入賞口)に対応する入賞種別コマンドが設定され、第2可変入賞装置650内に設けられた入球検知センサ(図示せず)から出力された検知信号に対応する情報が入賞情報用バッファに格納されている場合には、第2特定入賞口650a(第2特定入賞口)に対応する入賞種別コマンドが設定される。また、S113Aの処理において、特定入賞口に対応する情報が格納されていないと判別した場合は(S113A:No)、次に、格納情報が一般入球口(左一般入球口63、第1一般入球口630a、第2一般入球口630b)に対応する情報であるかを判別し(S115A)、一般入球口に対応する情報であると判別した場合は(S115A:Yes)、入賞した一般入球口種別に対応する入賞種別コマンドを設定し(S116A)、S117Aの処理に移行する。一方、S115Aの処理において、一般入球口に対応する情報が格納されていないと判別した場合は(S115A:No)、S116Aの処理をスキップして、S117Aの処理へ移行する。
S117Aの処理では、格納されている情報がその他入球口(第1入球口64、第2入球口640)に対応する情報であるかを判別し(S117A)、その他入球口に対応する情報が格納されていると判別した場合は(S117A:Yes)、入賞したその他入球口種別に対応する入賞種別コマンドを設定し(S118A)、S119Aの処理へ移行する。また、S117Aの処理において、その他入球口に対応する情報が格納されていないと判別した場合は(S117A:No)、S118Aの処理をスキップして、S119Aの処理へ移行する。次に、S119Aの処理では、今回特定した入賞種別に対応した賞球数を決定し、賞球払い出し用バッファに格納する(S119A)。その後、今回読み出した格納情報を入賞情報用バッファから削除して本処理を終了する。なお、S114A,S116A,S118Aの処理において設定された各種入賞種別コマンドは、主制御装置110のMPU201にて実行されるメイン処理(図51参照)の外部出力処理(図51のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。また、S119Aの処理において賞球払い出し用バッファに格納された情報は、S1801の処理が実行される毎に、格納されている賞球情報に対応する賞球払い出しコマンドが設定され、払出制御装置114へと出力される。そして、賞球払い出しコマンドが設定された賞球数に対応する賞球情報が賞球払い出し用バッファから削除される。次に、図879を参照して、更新処理(S221A)の処理内容について説明をする。図879は、更新処理(S221A)の処理内容を示したフローチャートである。この更新処理(S221A)は、上述した第1制御例の更新処理(図44のS221参照)に対して、確変カウンタ203iの値が0に更新された場合に特別図柄の低確率状態を設定する処理と、時短カウンタ203hの値が0に更新された場合に普通図柄の低確率状態を設定する処理と、を実行する点と、遊技状態が変更された場合において、変更された遊技状態と、その時点における確変カウンタ203iの値、及び、時短カウンタ203hの値を示すコマンド(状態コマンド)を設定するための処理を実行する点で相違している。
具体的には、図879に示した通り、更新処理(S221A)が実行されると、まず、第1制御例の更新処理(図44のS221参照)と同一のS501~S503の処理を実行し、S503の処理において確変カウンタ203iの値が0であると判別した場合に(S503:Yes)、遊技状態格納エリア203gに特別図柄の低確率状態を設定し(S501A)、その後、上述した第1制御例の更新処理(図44のS221参照)と同一のS505~S507の処理を実行する。そして、S507の処理において、時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合には(S507:Yes)、遊技状態格納エリア203gに普通図柄の低確率状態を設定し(S502A)、S503Aの処理へ移行する。一方、S505の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きくないと判別した場合は(S505:No)、S506,S507、及びS502Aの処理をスキップしてS503Aの処理へ移行する。S503Aの処理では、今回の更新処理によって状態(特別図柄の確率状態、普通図柄の確率状態)の変更があったかを判別し(S503A)、変更があったと判別した場合は(S503A:Yes)、確変カウンタ203iの値、時短カウンタ203hの値に加え、現在の遊技状態を示すコマンド(状態コマンド)を設定し(S504A)、本処理を終了する。また、S503Aの処理において、状態の変更が無いと判別した場合は(S503A:No)、確変カウンタ203iの値、及び時短カウンタ203hの値を示すコマンド(状態コマンド)を設定し(S505A)、本処理を終了する。なお、S504Aの処理では、S501Aの処理、及びS502Aの処理と、既に遊技状態格納エリア203gに格納されている遊技状態を示す情報とに基づいて、現在の遊技状態を特定し、特定した遊技状態に対応する状態コマンドを設定するように構成している。具体的には、遊技状態格納エリア203gに確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態において、S502Aの処理によって普通図柄の低確率状態が設定された場合には、遊技状態として第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定される。
次に、図880を参照して、大当たり制御処理(S1804A)の処理内容について説明をする。図880は、大当たり制御処理(S1804A)の処理内容を示したフローチャートである。大当たり制御処理(S1804A)では、上述した第1制御例における大当たり制御処理(図52のS1804参照)に対して、大当たり遊技のラウンド開始時に実行される処理内容と、大当たり遊技の終了タイミングにて実行される処理内容と、入賞処理(S1911)に代えて入賞処理(S1911A)を実行する点と、で相違している。それ以外の処理内容については同一の符号を付してその説明を省略する。大当たり制御処理(S1804A)が実行されると、まず、上述した第1制御例における大当たり制御処理(図52のS1804参照)と同一のS1901~S1905の処理を実行し、S1905の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S1905:Yes)、今回の大当たり遊技に対応する特定入賞口(特定入賞口65a、又は第2特定入賞口650a)を開放させるために、可変入賞装置65の開閉扉65fまたは第2可変入賞装置650の開閉扉を開放させる動作を実行し(S1901A)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(S1902A)、本処理を終了する。また、S1905の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでは無いと判別した場合は(S1905:No)、上述した第1制御例における大当たり制御処理(図52のS1804参照)と同一のS1907~S1909の処理を実行し、S1909の処理において大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S1909:Yes)、大当たり終了処理(S1903A)を実行し、本処理を終了する。なお、大当たり終了処理(S1903A)の処理内容については、図881を参照して後述する。一方、S1909の処理にて大当たりの終了タイミングでは無いと判別した場合は(S1909:No)、次に、入賞処理を実行し(S1911A)、その後、上述した第1制御例と同一の異常処理を実行し(S1912)、本処理を終了する。なお、入賞処理(S1911A)の詳細な内容については、図882を参照して後述する。
次に、図881を参照して、大当たり終了処理(S1903A)の処理内容について説明をする。図881は、大当たり終了処理(S1903A)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理(S1903A)は、大当たり制御処理(図880のS1804A参照)において大当たりの終了タイミングであると判別した場合に実行される制御処理であって、リミット到達に関する情報を更新したり、更新後の情報に基づいてリミット到達の有無を判別したり、リミット到達有無に応じた遊技状態を設定したりする処理が実行される。具体的には、大当たり終了処理(S1903A)が実行されると、まず、今回の大当たり遊技が通常大当たりであるかを判別し(S1931A)、通常大当たりでは無いと判別した場合は(S1931A:No)、確変リミットカウンタ203aaの値を1減算し(S1932A)、減算後の確変リミットカウンタ203aaの値が0であるかを判別する(S1933A)。S1933Aの処理において確変リミットカウンタ203aaの値が0では無いと判別した場合は(S1933A:No)、確変カウンタ203iの値に「10000」を設定し(S1934A)、今回の大当たり種別、現在の確変リミットカウンタ203aaの値を用いて第1当たり種別選択テーブル202adを参照して時短カウンタ203hの値を決定し、決定した値を時短カウンタ203hの値に設定する(S1936A)。そして、確変カウンタ203iの値、及び、時短カウンタ203hの値と、に基づいた状態コマンドを設定し(S1937A)、大当たり中フラグ203kをオフに設定し(S1938A)、本処理を終了する。一方、S1931Aの処理において、今回の大当たりが通常大当たりであると判別した場合(S1931A:Yes)、或いは、S1933Aの処理において、減算後の確変リミットカウンタ203aaの値が0であると判別した場合(S1933A:Yes)は、確変リミットカウンタ203aaの値に7を設定し、上述したS1936Aの処理へ移行する。
以上、説明をした通り、本第26制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技が終了したタイミングでリミット到達に関する情報を更新し(S1932A)、リミット到達の条件が成立していると判別した場合には(S1933A:Yes)、今回の大当たり種別に関わらず確変カウンタ203iの値を設定する処理(S1934A)、即ち、特別図柄の高確率状態を設定する処理を実行しないように構成している。このように構成することで、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態が連続して設定される回数に上限を設けることができる。なお、本第26制御例では、リミット到達に関する情報(確変リミットカウンタ203aaの値)を更新する処理(第1処理)と、リミット到達に基づいて特別図柄の高確率状態が設定されることを抑制する処理(第2処理)と、を大当たり遊技の終了タイミングにて実行するように構成しているが、これに限ること無く、第1処理が実行されるタイミングと、第2処理が実行されるタイミングとを異ならせても良い。また、本第26制御例では大当たり終了処理(S1903A)において、設定された遊技状態や確変カウンタ203iの値や時短カウンタ203hの値を示すための状態コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へと出力するように構成しているが、これに限ること無く、確変リミットカウンタ203aaの値を示すためのコマンド(残リミットコマンド)を設定し、音声ランプ制御装置113へと出力可能に構成しても良い。このように構成することで、リミット到達するまでに実行可能な大当たり遊技回数を音声ランプ制御装置113側で把握させることが可能となる。
次に、図882を参照して、入賞処理(S1911A)の処理内容について説明をする。図882は、入賞処理(S1911A)の処理内容を示したフローチャートである。この入賞処理(S1911A)は、上述した大当たり制御処理(図880のS1804A参照)において実行される制御処理であって、ラウンド遊技期間中において終了条件が成立した場合にラウンド遊技を終了させるための処理が実行される。本第26制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に対して、ラウンド遊技を終了させるための終了条件の一部内容を異ならせている点と、ラウンド遊技の終了条件が成立した場合に実行される処理内容の一部を異ならせている点で相違している。図882に示した通り、入賞処理(S1911A)が実行されると、まず、上述した第1制御例の入賞処理(図55のS1911参照)と同一のS2201~S2204の処理を実行し、次に、入賞個数カウンタ203oの値が1以上であるかを判別し(S2201A)、1以上では無い(0である)と判別した場合は(S2201A:No)、次に、ラウンド時間(30秒)が経過したかを判別し(S2206)、ラウンド時間が経過していないと判別した場合は(S2206:No)、ラウンド遊技の終了条件が成立していない場合であるため、そのまま本処理を終了する。一方、S2201Aの処理において、入賞個数カウンタ203oの値が1以上であると判別した場合(S2201A:Yes)、即ち、特定入賞口65aへと遊技球が入賞したことに基づいて終了条件が成立したと判別した場合は、実行中のラウンド遊技を終了させるために、特定入賞口65aの閉鎖を設定し(S2207)、閉鎖コマンドを設定し(S2208)、1回のラウンド遊技終了を設定し(S2202A)、本処理を終了する。また、S2206の処理において、ラウンド時間が経過したと判別した場合も(S2206:Yes)、ラウンド遊技の終了条件が成立したため、上述したS2207,S2208,S2202Aの処理を実行し、本処理を終了する。
<第26制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図883から図889を参照して、本第26制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第26制御例では、上述した第1制御例に対して、コマンド判定処理(図59のS4112参照)に代えてコマンド判定処理(図883のS4112A参照)を、状態コマンド受信処理(図60のS4202参照)に代えて状態コマンド受信処理(図884のS4201A参照)を、大当たり関連処理(図64のS4218参照)に代えて大当たり関連処理(図887のS4204参照)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容についてはその説明を省略する。まず、図883を参照して、コマンド判定処理(S4112A)について説明をする。図883は、本第26制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行されるコマンド判定処理(S4112A)の処理内容を示すためのフローチャートである。図883に示した通り、本第26制御例におけるコマンド判定処理(S4112A)では、上述した第1制御例におけるパチンコ機10にて実行される音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図59のS4112参照)に対して、状態コマンド受信処理(S4202)に代えて状態コマンド受信処理(S4201A)を、大当たり関連処理(S4218)に代えて大当たり関連処理(S4204A)を実行する点と、入賞種別コマンドを受信した場合に実行する処理を追加した点で相違している。それ以外の処理は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
コマンド判定処理(S4112A)が実行されると、まず、状態コマンドを受信したかを判別し(S4201)、受信したと判別した場合は(S4201:Yes)、状態コマンド受信処理を実行し(S4201A)、本処理を終了する。なお、状態コマンド受信処理(S4201A)の詳細な内容については、図884を参照して後述する。一方、S4201の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S4201:No)、上述した第1制御例におけるパチンコ機10にて実行される音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図59のS4112参照)と同一のS4203~S4214の処理を実行する。そして、S4214の処理において、図柄確定コマンドを受信していないと判別した場合は(S4214:No)、次に、入賞種別コマンドを受信したかを判別する(S4202A)。ここで、入賞種別コマンドは、主制御装置110のMPU201にて実行されるタイマ割込処理(図877参照)のスイッチ読み込み処理(図878のS101A参照)において遊技盤13に設けられた各種入賞口(入球口)へと遊技球が入球したと判別した場合に設定されるコマンドであって、遊技球が入賞(入球)した入賞口(入球口)を識別可能な入賞種別情報が設定されているコマンドである。
S4202Aの処理にて入賞種別コマンドを受信したと判別した場合は(S4202A:Yes)、入賞種別処理を実行し(S4203A)、本処理を終了する。この入賞種別処理(S4203A)では、受信した入賞種別コマンドに基づいて、特定期間(大当たり遊技期間等)にて払い出された賞球数を計測するための処理が実行される。なお、入賞種別処理(S4203A)の詳細な内容については、図886を参照して後述する。S4202Aの処理において入賞種別コマンドを受信していないと判別した場合は(S4202A:No)、次に、大当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S4217)、受信したと判別した場合は(S4217:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S4204A)、本処理を終了する。また、S4217の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4217:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S4219)、本処理を終了する。次に、図884を参照して、本第26制御例におけるパチンコ機10にて実行される状態コマンド受信処理(S4201A)の処理内容について説明をする。図884は、状態コマンド受信処理(S4201A)の処理内容を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理(S4201A)では、上述した第1制御例における状態コマンド受信処理(図60のS4202参照)に対して、遊技状態が変更した場合に実行される処理内容の一部を変更している点で相違している。なお、同一の処理内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
図884に示した通り、状態コマンド受信処理(S4201A)が実行されると、上述した第1制御例における状態コマンド受信処理(図60のS4202参照)と同一のS4301~S4303の処理を実行し、その後、連チャンフラグ223agがオンに設定されているかを判別する(S4301A)。即ち、一旦確変状態(有利遊技期間)が設定された後に通常状態が設定されたかを判別する。S4301Aの処理において、連チャンフラグ223agがオンに設定されていると判別した場合は(S4301A:Yes)、連チャンフラグ223agをオフに設定し(S4302A)、総賞球数カウンタ223aaの値を0にクリアし(S4303A)、特定賞球数カウンタ223abの値を0にクリアし(S4304A)、一般賞球数カウンタ223acの値を0にクリアし(S4305A)、従状態設定エリア223gの現状態エリアに受信した状態コマンドが示す情報に対応する遊技状態を設定し(S4305)、本処理を終了する。つまり、S4301A~S4305Aの処理では、連チャンモード(チャンスモード、ビクトリーモード、引き戻しモードが繰り返し設定される有利遊技期間)が終了した状況であることを判別し、連チャンモードが終了した状況である場合に、連チャンモード中の遊技状況を把握するために用いられた各種カウンタの値をクリアするための処理が実行される。このように構成することで、連チャンモードへと複数回移行した場合であっても、過去の連チャンモード中の遊技状況に影響されること無く、個々の連チャンモード中における遊技状況を把握し易くすることができる。なお、本第26制御例では、1回の連チャンモード単位で各賞球数の累積表示を実行するように構成しているが、これに限ること無く、複数回の連チャンモードを跨いで各賞球数の累積表示を実行するように構成しても良く、この場合、1の連チャンモードが終了してから所定期間内(例えば、特別図柄抽選が50回実行されるまでの間)に新たな連チャンモードが設定された場合に前回の連チャンモード中に獲得した賞球数に対応する各賞球数の累積表示に対して新たな連チャンモード中に獲得した賞球数を加算するように構成すると良い。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に表示される賞球数に対応する表示態様(ポイント表示)の値として大きな値を表示し易くすることができ、演出効果を高めることができる。また、連チャンモードが終了した場合であっても、新たに連チャンモードが設定されることを期待しながら意欲的に遊技者に遊技を行わせることができる。なお、この場合、本第26制御例における状態コマンド受信処理(S4201A)において実行されるS4302A~S4305Aの処理を、通常状態が設定されたタイミング、即ち、連チャンモードが終了したタイミングで実行するのでは無く、通常状態が設定されてから実行した特別図柄抽選の回数が特定回数(50回)に到達したと判別した場合に実行するように構成すれば良い。次に、S4302の処理において、通常状態への変更を示す状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S4302:No)、次に、時短状態への変更を示す状態コマンドを受信したかを判別し(S4306)、時短状態への変更を示す状態コマンドを受信したと判別した場合は(S4306:Yes)、従時短カウンタ223nの値に対応する値を設定し(S4306A)、次いで、引き戻し態様決定処理を実行する(S4307A)。その後、引き戻し態様決定処理(S4307A)によって決定された態様(引き戻しモード中のゾーン態様)に対応するモードを示す表示用コマンドを設定し(S4308A)、S4305の処理を実行し、本処理を終了する。なお、引き戻し態様決定処理(S4307A)の詳細な内容については、図885を参照して後述する。
S4306の処理において、時短状態への変更を示す状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S4306:No)、次に、確変状態への変更を示す状態コマンドを受信したかを判別し(S4309A)、確変状態への変更を示す状態コマンドを受信したと判別した場合は(S4309A:Yes)、次に、第2確変状態から確変状態へと変更(移行)されたかを判別し(S4310A)、第2確変状態から確変状態へと変更されたと判別した場合は(S4310A:Yes)、チャンスモードを示す表示用コマンドを設定し(S4311A)、その後、S4305の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S4310Aの処理において、第2確変状態から確変状態へと変更されていない、即ち、通常状態、又は、時短状態から確変状態へと変更されたと判別した場合は(S4310A:No)、ビクトリーモードを示す表示用コマンドを設定し(S4312A)、次いで、S4305の処理を実行し本処理を終了する。また、S4309Aの処理において確変状態への変更を示す状態コマンドを受信していないと判別した場合、即ち、第2確変状態への変更を示す状態コマンドを受信したと判別した場合は(S4309A)、そのままS4305の処理を実行して本処理を終了する。次に、図885を参照して、引き戻し態様決定処理(S4307A)の処理内容について説明をする。図885は、引き戻し態様決定処理(S4307A)の処理内容を示したフローチャートである。この引き戻し態様決定処理(S4307A)では、遊技状態として時短状態が設定された場合における演出態様を決定するための処理が実行される。本第26制御例におけるパチンコ機10では、図866に示した通り、確変状態が設定された場合には、リミット到達するまで確変状態と大当たり遊技とが繰り返し実行される有利遊技期間が設定されるように構成しており、この有利遊技期間中にリミット到達した場合には、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されるように構成している。
そして、時短状態が設定されている状態で実行される第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、再度、有利遊技期間が設定されるように構成している。さらに、時短状態は特別図柄の低確率状態であるため、時短状態中に実行された第2特別図柄抽選で大当たり当選(大当たり確率1/22)した場合には、有利遊技期間として最長の遊技期間(大当たり遊技が7回実行されるまで継続する有利遊技期間)が設定されるため、次回の大当たり当選がほぼ確定している確変状態(有利遊技期間中)よりも、特別図柄抽選の結果を遊技者が注視する遊技期間となる。そこで、本第26制御例では、時短状態に対応して設定される演出態様である引き戻しモードの態様を、時短状態が設定された時点で獲得済みの特図2保留に対する先読み結果(入賞情報格納エリア223bに格納済の第2特別図柄に対応する入賞情報に大当たり当選に対応する情報が含まれているかを事前に判別した結果)に基づいて決定可能に構成している。具体的には、特図2保留に対する先読み結果として大当たり当選に対応する情報が含まれていると判別された場合の方が、特図2保留に対する先読み結果として大当たり当選に対応する情報が含まれていないと判別された場合よりも、特定の態様(天国ゾーン)が決定され易くなるように構成している。このように構成することで、設定された引き戻しモードの態様によって時短状態中に大当たり当選するか否かを予測することが可能となるため、時短状態中の大当たり当選を目指す遊技者に対して引き戻しモード中の演出効果を高めることができる。さらに、本第26制御例では、時短状態が設定された時点における特図2保留に対する先読み結果に加え、連チャンモード中に獲得した全賞球数(総賞球数カウンタ223aaの値)と、一般賞球数(一般賞球数カウンタ223acの値)と、に基づいて引き戻しモード中の態様を決定可能に構成している。このように構成することで、連チャンモード中に獲得した賞球数に応じて、特定の態様(天国ゾーン)が設定される割合を異ならせることができるため、引き戻しモードを繰り返し実行している遊技者に対して、意外性のある演出を提供し易くすることができる。
引き戻し態様決定処理(A4307A)が実行されると、まず、総賞球数カウンタ223aaの値を読み出し(S4351A)、次に、一般賞球数カウンタ223acの値を読み出す(S4352A)。そして、入賞情報格納エリア223bに格納されている第2特別図柄に対応する入賞情報(特図2保留)を読み出し(S4353A)、入賞情報格納エリア223bに第2特別図柄に対応する入賞情報(特図2保留)があるかを判別し(S4354A)、第2特別図柄に対応する入賞情報があると判別した場合は(S4354A:Yes)、次に、読み出した入賞情報内における当たり当選に対応する情報の有無を特定、即ち、特図2保留内に大当たり当選する入賞情報(大当たり保留)があるかを特定する(S4355A)。つまり、S4355Aの処理では、時短状態が設定された時点で獲得済みの特図2保留に対して先読み処理(事前判別処理)が実行される。そして、S4351A、及びS4352Aにて読み出した各カウンタの値、及び、当否情報(先読み結果)に基づいて、引き戻し態様選択テーブル222aaを参照して引き戻し態様を決定し(S4356A)、本処理を終了する。一方、S4354Aの処理において、入賞情報が無いと判別した場合、即ち、時短状態が設定された時点で第2特別図柄に対応する入賞情報(特図2保留)を有していないと判別した場合は(S4354Aの処理:No)、S4355Aの処理をスキップして、S4356Aの処理を実行し、本処理を終了する。次に、図886を参照して、入賞種別処理(S4203A)の処理内容について説明をする。図886は、入賞種別処理(S4203A)の処理内容を示したフローチャートである。この入賞種別処理(S4203A)では、大当たり遊技中に受信した入賞種別コマンドに応じて、第1情報(アタッカー賞球数に対応する情報)と、第2情報(一般賞球数に対応する情報)と、を更新する処理が実行される。
具体的には、入賞種別処理(S4203A)が実行されると、まず、連チャンフラグ223agがオンに設定されているかを判別し(S4251A)、オンに設定されていないと判別した場合は(S4251A:No)、そのまま本処理を終了する。また、S4251Aの処理において、連チャンフラグ223agがオンに設定されていると判別した場合は(S4251A:Yes)、従状態設定エリア223gに設定されている遊技状況を読み出し(S4252A)、現在の遊技状況が大当たり遊技中であるかを判別し(S4253A)、大当たり遊技中であると判別した場合は(S4253A:Yes)、次に、現在がラウンド遊技期間であるかを判別する(S4254A)。現在がラウンド遊技期間であると判別した場合は(S4254A:Yes)、受信した入賞種別コマンドに対応するポイント(値)を、従賞球テーブル222abを参照して決定し(S4255A)、決定したポイントが示す値を対応する各種カウンタの値に加算し(S4256A)、本処理を終了する。一方、S4254Aの処理において、現在がラウンド遊技期間では無いと判別した場合は、次に、現在がエンディング期間であるかを判別し(S4257A)、エンディング期間であると判別した場合は(S4257A:Yes)、今回受信した入賞種別コマンドが一般入球口(第1一般入球口630a、第2一般入球口630b)に対応する入賞種別コマンドであるかを判別し(S4258A)、今回受信した入賞種別コマンドが一般入球口(第1一般入球口630a、第2一般入球口630b)に対応する入賞種別コマンドであると判別した場合は(S4258A:Yes)、決定したポイントが示す値を、一般賞球数カウンタ223acの値、単位一般賞球数カウンタ223adの値に加算し(S4259A)、本処理を終了する。
また、S4253Aの処理において、現在が大当たり遊技中では無いと判別した場合(S4253A:No)、或いは、S4257Aの処理において、現在がエンディング期間では無いと判別した場合(S4257A:No)、又は、S4258Aの処理において、今回受信した入賞種別コマンドが一般入球口(第1一般入球口630a、第2一般入球口630b)に対応する入賞種別コマンドでは無いと判別した場合(S4258A:No)は、各種カウンタの値を加算すること無く、本処理を終了する。次に、図887を参照して、大当たり関連処理(S4204A)の処理内容について説明をする。図887は、大当たり関連処理(S4204A)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり関連処理(S4204A)では、上述した第1制御例における大当たり関連処理(図64のS4218参照)に対して、大当たり開始コマンドを受信した場合に実行される処理内容の一部と、ラウンド数コマンドを受信した場合に実行される処理内容の一部を変更した点と、エンディングコマンドを受信した場合にエンディング処理(図65のS4715)に代えてエンディング処理(S4708A)を実行するように構成した点で相違している。なお、同一の処理内容については、同一の符号を付してその説明を省略する。大当たり関連処理(S4204A)が実行されると、まず、大当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S4701)、大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S4701:Yes)、連チャンフラグ223agがオンに設定されているかを判別し(S4701A)、連チャンフラグ223agがオンに設定されていないと判別した場合は(S4701A:No)、今回の大当たり種別が「大当たりC」、又は「大当たりD」であるかを判別する(S4702A)。
そして、S4702Aの処理において、今回の大当たり種別が「大当たりC」、又は「大当たりD」であると判別した場合は(S4702A:Yes)、第2可変入賞装置650の開放制御が実行される大当たり遊技が開始されるため、左打ちを継続させる大当たり表示態様を決定し(S4703A)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S4702)、本処理を終了する。なお、S4703Aの処理で決定された大当たり表示態様を含む表示用大当たり開始コマンドが設定されることで、第3図柄表示装置81の表示面に形成される表示領域Dm4に「左打ち」の文字が表示される。また、S4702の処理において、今回の大当たり種別が「大当たりC」、又は「大当たりD」では無いと判別した場合(S4702A:No)、即ち、可変入賞装置65の開放制御が実行される大当たり遊技が開始される場合は、右打ちを実行させる大当たり表示態様を決定し(S4704A)、連チャンフラグ223agをオンに設定し(S4705A)、単位一般賞球数カウンタの値を0にクリアし(S4706A)、S4702の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S4701Aの処理において、連チャンフラグ223agがオンに設定されていると判別した場合は(S4701A:Yes)、連チャン中大当たり開始処理を実行し(S4707A)、本処理を終了する。なお、S4707Aの処理にて実行される連チャン中大当たり開始処理(S4707A)の詳細な内容については、図888を参照して後述する。
S4701の処理において、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S4701:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S4709)、受信したと判別した場合は(S4709:Yes)、連チャンフラグ223agがオンに設定されているかを判別し(S4708A)、連チャンフラグ223agがオンに設定されていると判別した場合は(S4708A:Yes)、大当たり遊技のラウンド数を表示させること無く本処理を終了する。一方、連チャンフラグ223agがオンに設定されていないと判別した場合は(S4708A:No)、連チャンモード中の大当たり遊技では無いため、受信したラウンド数コマンドに含まれるラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S4710)、本処理を終了する。S4709の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4709:No)、次に、エンディングコマンドを受信したかを判別し(S4714)、受信したと判別した場合は(S4714:Yes)、エンディング処理を実行し(S4709A)、本処理を終了する。また、S4714の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4714:No)、そのまま本処理を終了する。次に、図888を参照して、連チャン中大当たり開始処理(S4707A)の処理内容について説明をする。図888は、連チャン中大当たり開始処理(S4707A)の処理内容を示したフローチャートである。この連チャン中大当たり開始処理(S4707A)は、連チャンモード中に実行される大当たり遊技に対応する大当たり遊技演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
具体的には、連チャン中大当たり開始処理(S4707A)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gに設定されている情報に基づいて、大当たり当選時の遊技状態を読み出し(S4731A)、右打ちを継続させる大当たり表示態様を決定し(S4732A)、S4731Aの処理にて読み出した遊技状態が時短状態であるかを判別する(S4733A)。そして、時短状態では無いと判別した場合は(S4733A:No)、今回の大当たり遊技が実行されるモード(チャンスモード、ビクトリーモード)が既に告知済であるかを判別し(S4734A)、告知済であると判別した場合は(S4734A:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S4737A)、本処理を終了する。つまり、連チャンモードが設定されてから2回目以降の大当たり遊技が開始される場合には、過去に実行された大当たり遊技の開始タイミングにて、チャンスモード、或いは、ビクトリーモードが設定されているため、新たにモード告知をしない処理が実行される。このように構成することで、1の有利遊技期間中に複数回の大当たり遊技を実行させる場合において、遊技者に対して、1回の大当たり遊技が継続して実行されていると思わせ易くすることができる。S4734Aの処理において、モード告知がされていないと判別した場合は(S4734A:No)、次に、従確変リミットカウンタ223aeの値が7であるかを判別し(S4735A)、7では無いと判別した場合は(S4735A:No)、有利遊技期間の長さが上限である状況では無いため、チャンスモード突入を示すための大当たり表示態様を決定し(S4736A)、S4737Aの処理を実行し、本処理を終了する。また、S4735Aの処理において、7であると判別した場合は(S4735A:Yes)、有利遊技期間の長さが上限である状況のため、ビクトリーモード突入を示すための大当たり表示態様を決定し(S4739A)、S4737Aの処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図889を参照して、エンディング処理(S4709A)の処理内容について説明をする。図889は、エンディング処理(S4709A)の処理内容を示したフローチャートである。このエンディング処理(S4709A)では、今回終了する大当たり遊技が連チャンモード以外にて実行された大当たり遊技であるか否かの判別と、連チャンモード中であって、有利遊技期間が終了する大当たり遊技であるか否かの判別が行われ、各判別の結果に応じたエンディング表示態様を設定するための処理が実行される。
<第26制御例の別例について>
次に、上述した第26制御例におけるパチンコ機10の別例について説明をする。まず、図890を参照して、上述した第26制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の別構成について説明をする。図890は、第26制御例の別例におけるパチンコ機10の遊技盤13の別構成を示した図である。上述した第26制御例のパチンコ機10は、図856に示した通り、右側領域に第1一般入球口630a、第2一般入球口630b、特定入賞口65aを設け、いずれかの入賞口(入球口)へと入球した遊技球が他の入賞口(入球口)へと入賞(入球)し得ないように構成していた。つまり、遊技球1個に対して、特定期間(大当たり遊技期間)中において、入賞(入球)に基づいて獲得した賞球が表示され得る入賞口(入球口)への入賞(入球)数が最大で1回となるように構成していた。このように構成された遊技盤13を有するパチンコ機10は、遊技者に過剰に特典(賞球)が付与されてしまうことを抑制できるが、遊技者に対して意外性のある遊技を提供し難いという問題があった。これに対して、本別例では、遊技盤13の遊技領域を流下する1個の遊技球に対して、複数回の特典を付与可能に構成している点で相違している。このように構成することで、遊技者に意外性のある遊技を提供し易くすることができる。さらに、上述した第26制御例におけるパチンコ機10のように、特定期間中に獲得した全ての賞球数を第3図柄表示装置81の表示面に常時表示するのでは無く、ラウンド遊技中(第1期間)は、特定入賞口(特定入賞口65a)への入賞に基づいて付与されたアタッカー賞球数を表示し、ラウンド遊技終了後のエンディング期間(第2期間)にて、一般入球口(第1一般入球口630a、第2一般入球口630b)への入球に基づいて付与された一般賞球数、及び、アタッカー賞球数と一般賞球数とを合算した全賞球数を表示するように構成したパチンコ機10において、一般賞球数が表示されない期間中にどの程度の一般賞球数を獲得したのかを遊技者に把握させ難くすることができるため、第2期間において表示される一般賞球数の値や、全賞球数の値に対してより興味を持たせることができる。
ここで、図890を参照して、本別例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について具体的に説明をする。本別例では、上述した第26制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13(図856参照)に対して、第1一般入球口630a(賞球10個)を右側領域の最流下端側に設け、第2一般入球口630b(賞球1個)を右側領域の上流側に設けた点と、第2一般入球口630bを遊技球が通過可能に構成した点と、第2一般入球口630bを通過した遊技球が入賞(入球)可能な位置に、可変入賞装置65、及び第2入球口640を設けた点で相違している。それ以外の構成については同一であり、同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。図890に示した通り、本別例におけるパチンコ機10の右側領域は、右側領域へと発射された遊技球がスルーゲート67と、第2一般入球口630bとに、約1:1の割合で振り分けられるように構成され、スルーゲート67を通過した遊技球の全部と、第2入球口630bを通過した遊技球の約2割が可変入賞装置65の開閉扉65f上を流下可能に構成されている。可変入賞装置65の構成は、上述した第26制御例と同一であるため、詳細な説明を省略するが、大当たり遊技が実行されると開閉扉65fが閉鎖状態から開放状態へと開放制御され、特定入賞口65aへと遊技球が入球可能な状態となる。ここで、本別例におけるパチンコ機10の第2一般入球口630bは、スルーゲート67と同一の構造、即ち、遊技球1個が通過可能な大きさ(約15ミリ)で開口幅が形成された入球手段(通過領域)となるように構成されており、図示しない検出手段(近接センサ等)が第2一般入球口630b内を通過している遊技球を検出した場合に、主制御装置110へと検出信号を出力するように構成している。
そして、開閉扉65fから排出された遊技球、及び、第2一般入球口630bを通過した遊技球のうち、開閉扉65f上に到達しなかった遊技球の殆どが、電動役物640aを臨む領域を流下し、電動役物640aが誘導状態(突出状態)である場合には、電動役物640aに到達した遊技球が、電動役物640a上を第2入球口640方向(図では右下方向)に向けて流下し、第2入球口640へと入球するように構成している。ここで、普通図柄の低確率状態では、普通図柄抽選で当たり当選した場合であっても、実行される普図当たり遊技によって電動役物640aが短時間しか誘導状態(突出状態)へと変位しないため、電動役物640a上を流下している遊技球が第2入球口640に到達するよりも前に電動役物640aが規制状態(埋没状態)へと変位し、第2入球口640へと遊技球が入球し得ないように構成している。このように構成することで、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(例えば、通常状態)にて右打ち遊技を実行したとしても、第2特別図柄抽選が実行され難くすることができる。そして、短時間の普図当たり遊技が実行されたことにより、電動役物640a上を短時間流下した遊技球は、第1アウト口66aへと入球し、遊技盤13の外部へと排出される。また、電動役物640aが規制状態(埋没状態)に位置している場合に電動役物640aへと到達した遊技球は、電動役物640aを通過し、3球に2球が第1アウト口66aに向かって流下し、残りの1球が第1一般入球口630aに向けて流下するように構成されており、第1一般入球口630aに向けて流下した遊技球のうち、10球に1球の割合で第1一般入球口630aに入球するように構成されている。
つまり、本別例におけるパチンコ機10では、普通図柄の低確率状態(通常状態、第2確変状態)にて右打ち遊技を行い、150個の遊技球を右側領域へと発射した場合に、75個の遊技球が第2一般入球口630bを通過し、まず、75個の賞球(賞球1個×75個)が付与される。そして、150個の遊技球のうち、50球が第1一般入球口630aに向かって流下し、そのうち5球が第1一般入球口630aへと入球し50個の賞球(賞球10個×5個)が付与されるように構成している。即ち、普通図柄の低確率状態(通常状態、第2確変状態)にて右打ち遊技を行った場合には、特別図柄抽選の実行権利を獲得すること無く、徐々に持ち球が減っていく(150個の発射に対して125個の賞球払い出し)遊技を行うことになるため、遊技者に不利な遊技方法となる。なお、普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)では、電動役物640aに到達した遊技球の一部が第2入球口640へと入球し、賞球1個が付与されるため、持ち球を大きく減らすこと無く、第2特別図柄抽選の実行権利を獲得することが可能な遊技を行うことができるため、遊技者に有利な遊技方法となる。以上、説明をした通り、本第26制御例の別例によれば、操作手段を操作したことによって発射された1個の遊技球を複数個の入球手段へと入球させることができるため、遊技者に意外性のある遊技を提供し易くすることができる。
また、特定期間中(大当たり遊技中)に獲得した全ての賞球数を第3図柄表示装置81の表示面に常時表示するのでは無く、ラウンド遊技中(第1期間)は、更新条件が成立する毎に態様を更新する処理が実行されることで、ラウンド遊技の終了条件が成立させるための成立した条件である特定入賞口(特定入賞口65a)への入賞に基づいて付与された特定入賞口への入賞に基づいて表示される情報の別形態であるアタッカー賞球数を表示し、ラウンド遊技終了後のエンディング期間(第2期間)にて、一般入球口(第1一般入球口630a、第2一般入球口630b)への入球に基づいて付与された一般賞球数、及び、アタッカー賞球数と一般賞球数とを合算した全賞球数を表示するように構成したパチンコ機10において、特定期間中に発射された1個の遊技球によって、アタッカー賞球と、一般賞球との両方を獲得することが可能となるため、一般賞球数が表示されない期間中にどの程度の一般賞球数を獲得したのかを遊技者に把握させ難くすることができるため、第2期間において表示される一般賞球数の値や、全賞球数の値に対してより興味を持たせることができる。なお、本別例では、一般賞球が払い出される入球手段(一般入球口)を遊技球が通過可能な構成とすることで、1個の遊技球が複数の入球手段へと入球可能に構成しているが、これに限ること無く、アタッカー賞球が払い出される入球手段(特定入賞口)を遊技球が通過可能となるように構成しても良い。さらに、本別例では、1個の遊技球が最大で2つの入球手段へと入球可能に構成しているが、これに限ること無く、3つ以上の入球手段へと入球し得るように構成しても良い。また、本別例では、遊技球1個で賞球を複数回獲得可能にするために、賞球が払い出される入球手段の一部を遊技球が通過可能な構成としているが、これに限ること無く、例えば、特殊入賞口を設け、その特殊入賞口へと遊技球を入賞させた場合には、アタッカー賞球と一般賞球の両方が付与されるように構成しても良い。このように構成した場合であっても、遊技者に意外性のある遊技を提供し易くすることができる。
<第26制御例の演出別例>
次に、図891を参照して、上述した第26制御例におけるパチンコ機10にて実行される演出の別例について説明をする。上述した第26制御例では、図862(b)に示した通り、少なくとも大当たりのラウンド遊技期間を含む有利遊技期間中は一般賞球数を報知しないように構成し、有利遊技期間が終了する大当たり遊技のエンディング期間(リミット到達する大当たり遊技(最終大当たり遊技)のエンディング期間)にて獲得済みの一般賞球数の合計値を一度に報知するように構成していた。このように構成することで、一般賞球の払い出しが行われる毎に獲得した一般賞球数を報知する場合よりも、大きな値を報知することができるため、遊技者にインパクトのある表示態様を表示することができるものであった。これに対して、本演出別例では、有利遊技期間が終了する大当たり遊技のエンディング期間にて、有利遊技期間中に獲得した一般賞球数の合計値に加え、有利遊技期間中に一般入球口へと入球した遊技球数も報知する演出を実行可能に構成している点で相違している。具体的には、図861に示した通り、表示領域Dm11に表示される表示態様を、上述した第26制御例とは異ならせている。それ以外の表示要素は同一であり、同一の表示要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。具体的には、チャンスモード中(有利遊技期間中)に第1一般入球口630aへと4個の遊技球が入球し、合計で40個の賞球が払い出されたことを示すためのポイントアイコンPa~Pdが表示領域Dm11に表示される。このように構成することで、上述した第26制御例における演出態様(図862(b)参照)に対して、チャンスモード中(有利遊技期間中)に一般入球口(第1一般入球口630a)へと入球した遊技球数も遊技者に把握させ易くすることができる。
なお、本演出別例では、有利遊技期間の終了タイミングにて、チャンスモード中(有利遊技期間中)に一般入球口(第1一般入球口630a)へと入球した遊技球数を報知可能な表示態様がまとめて表示されるように構成しているが、これに限ること無く、ポイントアイコンPa,Pb,Pc,Pdの順に徐々に表示するように構成しても良い。このように構成することで、表示領域Dm11に表示されるポイントアイコンの個数が徐々に増加していく演出を実行することができるため、チャンスモード中(有利遊技期間中)に獲得した一般賞球数を把握したい遊技者が興味を持つ演出をより長い期間実行し易くすることができる。
<第26制御例の第1変形例>
次に、図892から図902を参照して、第26制御例の第1変形例について説明をする。上述した第26制御例では、有利遊技期間中に遊技者が獲得した賞球(全賞球)を、可変入賞装置65への入賞に基づいて獲得した賞球(アタッカー賞球)と、第1一般入球口630a、第2一般入球口630bへの入球に基づいて獲得した賞球(一般賞球)とに分けて計数管理し、有利遊技期間における大当たり遊技中はアタッカー賞球数のみを表示することで、大当たり遊技によって獲得した賞球数を遊技者に分かり易く把握させながらも、有利遊技期間終了時には全賞球数を報知することで多くの賞球を獲得したことを報知可能に構成していた。さらに、有利遊技期間中に表示されなかった賞球(一般賞球数)の獲得状況に応じて、有利遊技期間終了後に設定される時短状態(引き戻しモード)の演出態様を変化させることで遊技者に意外性のある演出を提供可能に構成していた。これに対して、本第1変形例では、有利遊技期間が繰り返し設定される連チャンモード期間中に獲得可能な全賞球数に上限を設け、上限到達後にアタッカー入賞したことに基づいて遊技者に有利な特典を付与可能に構成している。このように構成することで、1の連チャンモード中に遊技者に付与可能な賞球数に上限を設けることができるため、遊技者に過剰に有利な遊技が行われてしまうことを抑制することができる。また、連チャンモード中において全賞球数の一部(一般賞球数)を遊技者に報知しない期間を設けているため、どのタイミングで上限に到達するのかを遊技者に把握させ難くすることができる。さらに、全賞球数が上限に到達した後であっても、アタッカー入賞に基づいて特典を付与することができるため、特典を獲得しようとする遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。加えて、全賞球数が上限に到達するタイミングと、有利遊技期間が終了するタイミングとに応じて特典が付与される数を異ならせることができるため、どのタイミングで上限に到達するかについても遊技者に興味を持たせることができる。
<第26制御例の第1変形例における演出内容について>
まず、図892、及び図893を参照して、本第1変形例にて実行される各種演出のうち、上述した第26制御例とは異なる演出内容について説明をする。図892は、ビクトリーモード中に全賞球数が上限に到達した場合(制限状態)の演出態様を示した図であって、図892(b)は、全賞球数が上限に到達した後の有利遊技期間中に表示される表示画面の一例を示した図であって、図893は、上限到達後の引き戻しモード中の演出態様を示した図である。図892(a)に示した通り、制限状態に到達すると、主表示領域Dmにて、全賞球数が上限に到達したことを示すための表示態様として「10000P突破」が表示され、副表示領域Dsには、制限状態に到達したことを案内するための案内表示態様として「上限到達」の文字が表示される。そして、上限到達後における遊技内容を案内するための案内表示態様として「特典映像ゲットチャンス」の文字が表示される。ビクトリーモード中に制限状態に到達した場合には、ビクトリーモードが終了するまでの残大当たり遊技にて新たな賞球を獲得することができない状態であるため、実行中の大当たり遊技に対応する宝箱アイコン808には、制限状態に到達した時点における賞球数に対応する「45P」が付され、残りの大当たり遊技に対応する宝箱アイコン809~811に対しては、賞球が付与されないことを示す「?」が付与される(図892(b)参照)。また、表示領域Dm12の上方には、表示領域Dm12aが形成され、賞球の加算表示がされないことを示すための「STOP」が表示される。そして、図892(b)に示したビクトリーモードの最後の大当たり遊技(最終大当たり遊技)が終了し、引き戻しモードへと移行すると、図893に示した通り、現在が上限到達中(制限状態中)であることを示すための「上限到達中」の文字が表示される。また、制限状態中に引き戻しモードへと移行した場合には、制限状態に到達していない場合に表示される引き戻しモードの演出態様(図863(a)参照)とは異なる演出態様として変動表示される各種アイコン833,834の表示態様が表示される。
このように構成することで、賞球を獲得出来ない制限状態が設定されたことで、制限状態が設定されていない場合には実行されない(され難い)態様で変動表示が実行される演出を遊技者に提供することができる。このように、限られた状況下(ビクトリーモードの継続中において制限状態に到達した状況下)でのみ設定され得る希少な(レアな)演出を設けることにより、当該レアな演出が実行され得る状況となった場合および実際に希少な演出が実行された場合に、遊技者に対して満足感を抱かせる(有利度合いを高くする)ことができる。言い換えれば、ビクトリーモード(特定の遊技状態)の希少な演出の発生有無(有利度合い)を希少な演出が発生しない状態(第1の有利度合い)から希少な演出が発生する状態(第2の有利度合い)に設定することができる。これにより、ビクトリーモードの継続中における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、制限状態において実行され得る希少な演出の具体例としては、例えば、パチンコ機10の演出で登場するキャラクタのレアな(通常の演出では滅多にまたは一切表示されない)映像など、表示されることで遊技者が喜び得る映像を採用することが望ましい。
<第26制御例の第1変形例における電気的構成について>
次に、図894から図896を参照して、本第1変形例における電気的構成について説明をする。本第1変形例におけるパチンコ機10は、上述した第26制御例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成の一部と、を異ならせている点で相違している。それ以外の要素については同一であり、その説明を省略する。まず、図894を参照して、主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図894は、本第26制御例の第1変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成を模式的に示した図である。図894に示した通り、本第1変形例のパチンコ機10におけるRAM203は、上述した第26制御例のパチンコ機10におけるRAM203に対して、セットフラグ23aaAと、連チャン中賞球数カウンタ203abAと、上限フラグ203acAを設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。セットフラグ23aaAは、遊技者が右打ち遊技を継続して実行している期間(連チャンモード中)を示すためのフラグであって、右打ち遊技へと移行した場合にオンに設定される。そして、右打ち遊技が終了したと判別した場合にオフに設定される。このセットフラグ23aaAの設定状況は、払い出された賞球数を計測する期間を判別する際に参照される。これにより、連チャンモード中に払い出された賞球数を適切に管理することができる。
連チャン中賞球数カウンタ203abAは、連チャンモード中に払い出された賞球数を計測するためのカウンタである。この連チャン中賞球数カウンタ203abAは、各種入賞口への遊技球の入賞を検知したタイミングが、セットフラグ23aaAがオンに設定されている状況であると判別した場合であって、入賞種別が特定入賞口65a、第1一般入球口630a、第2一般入球口630bであると判別した場合に、対応する賞球数の値が加算される。そして、連チャンモード中に払い出し可能な賞球数の上限に到達したか否かの判定を実行する際に参照される。上限フラグ203acAは、連チャンモード中に払い出された賞球数が上限に到達したことを示すためのフラグであって、連チャンモード中に払い出された賞球数が上限に到達した場合にオンに設定される。この上限フラグ203acAがオンに設定されている場合は、各種入賞口への遊技球の入賞を検知した場合であっても、その入賞に基づく賞球の払い出しが禁止される。このように構成することで、連チャンモード中に払い出される賞球数に上限を設けることができる。次に、図895(a)を参照して、本第1変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図895(a)は、本第1変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容を模式的に示した図である。図895(a)に示した通り、本第1変形例におけるパチンコ機10が有するROM222は、上述した第26制御例におけるパチンコ機10が有するROM222に対して、特典付与テーブル222aaAを追加した点で相違している。
特典付与テーブル222aaAは、連チャンモード中に全賞球数が上限到達した後で実行される第2特別図柄変動(特図2変動)の演出態様(引き戻しモード中の演出態様)を選択する際に参照されるデータテーブルであって、引き戻しモードが設定される前にチャンスモード、或いは、ビクトリーモードが設定されている場合、即ち、確変状態中にリミット到達したことに基づいて時短状態が設定された場合において、既に獲得済みの全賞球数(総賞球数カウンタ223aaの値)、既に獲得済みの一般賞球数(一般賞球数カウンタ223acの値)、及び、引き戻しモードが設定される時点で獲得済みの第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)に含まれる入賞情報に対する先読み結果に応じて異なる演出態様が規定されている。ここで、図896を参照して、特典付与テーブル222aaAに規定されている内容について説明をする。図896は、特典付与テーブル222aaAに規定されている内容を模式的に示した図である。図896に示した通り、特典付与テーブル222aaAには、引き戻しモードが設定された時点で獲得済みの特図2保留の先読み結果と、取得した演出カウンタ223fの値とに対応させて異なる態様の演出態様が規定されている。具体的には、当否判定が「大当たり」で取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対しては付与態様「V」が、「50~79」の範囲に対しては付与態様「V+魚」が、「80~99」の範囲に対しては付与態様「V+カメ」が、規定されており、当否判定が「外れ」で取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対しては付与態様「×」が、「90~94」の範囲に対しては付与態様「×+魚」が、「95~99」の範囲に対しては付与態様「×+カメ」が、規定されている。
図895(b)に戻り、本第1変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図895(b)は、本第1変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。図895(b)に示した通り、本第1変形例のRAM223は、上述した第26制御例のRAM223に対して、従上限フラグ223aaAを追加した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。従上限フラグ223aaAは、主制御装置110にて賞球の払い出しが禁止されたこと(上限フラグ203acAがオンに設定されたこと)を示すためのフラグであって、主制御装置110から上限フラグ203acAをオンに設定したことを示すためのコマンドが出力された場合にオンに設定される。この従上限フラグ223aaAの設定状況は、第2特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定する際に参照される。
<第26制御例の第1変形例における制御処理について>
次に、図897から図902を参照して、本第1変形例のパチンコ機10にて実行される各種制御処理の処理内容について説明をする。まず、図897から図899を参照して、主制御装置110にて実行される制御処理について説明をする。本第1変形例では、上述した第26制御例に対して、賞球の払い出しに上限を設けるための制御処理を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。まず、図897を参照して、スイッチ読み込み処理(S151A)の処理内容について説明をする。図897は、スイッチ読み込み処理(S151A)の処理内容を示したフローチャートである。このスイッチ読み込み処理(S151A)は、上述した第26制御例におけるスイッチ読み込み処理(図878のS101A)に対して、セットフラグ203aaAがオンに設定されているかの判別を行う処理を実行する点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその説明を省略する。スイッチ読み込み処理(S151A)が実行されると、まず、上述した第26制御例におけるスイッチ読み込み処理(図878のS101A)と同一のS111A~S118Aの処理を実行し、その後、セットフラグ203aaAがオンに設定されているかを判別し(S131A)、オンに設定されていると判別した場合は(S131A:Yes)、セット中賞球決定処理を実行し(S132A)、S120Aの処理を実行し、本処理を終了する。また、S131Aの処理においてセットフラグ203aaAがオンに設定されていないと判別した場合は(S131A:No)、上述した第26制御例におけるスイッチ読み込み処理(図878のS101A)と同一のS119A、及びS120Aの処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図898を参照して、セット中賞球決定処理(S151A)の処理内容について説明をする。図898は、セット中賞球決定処理(S151A)の処理内容を示したフローチャートである。このセット中賞球決定処理(S151A)は、上述したスイッチ読み込み処理(図897のS151A参照)においてセットフラグ203aaAがオンに設定されていると判別した場合、即ち、現在が連チャンモード中であると判別した場合において賞球の払い出しを実行するか否かを決定するための処理が実行される。セット中賞球決定処理(S151A)が実行されると、まず、上限フラグ203acAがオンに設定されているかを判別し(S201A)、オンに設定されていないと判別した場合は(S201A:No)、今回の格納情報が特定入賞口65a、右側一般入球口(第1一般入球口630a、第2一般入球口630b)であるかを判別し(S202A)、今回の格納情報が特定入賞口65a、右側一般入球口(第1一般入球口630a、第2一般入球口630b)であると判別した場合は(S202A:Yes)、今回の対象となる入賞種別に対応する賞球数を連チャン中賞球数カウンタ203abAの値に加算し(S203A)、加算後の連チャン中賞球数カウンタ203abAの値が10000以上となったかを判別する(S204A)。そして、連チャン中賞球数カウンタ203abAの値が10000以上であると判別した場合は(S204A:Yes)、上限フラグ203acAをオンに設定し(S206A)、上限到達コマンドを設定し(S207A)、入賞種別に対応した賞球数を決定し、賞球払い出し用バッファに格納し(S205A)、本処理を終了する。
一方、S201Aの処理において、上限フラグ203acAがオンに設定されていると判別した場合は(S201A:Yes)、今回の格納情報が特定入賞口65a、右側一般入球口(第1一般入球口630a、第2一般入球口630b)であるかを判別し(S208A)、今回の格納情報が特定入賞口65a、右側一般入球口(第1一般入球口630a、第2一般入球口630b)であると判別した場合は(S208A:Yes)、賞球払い出し用バッファに賞球数を格納すること無く本処理を終了する。また、S208Aの処理において、今回の格納情報が特定入賞口65a、右側一般入球口(第1一般入球口630a、第2一般入球口630b)では無いと判別した場合は(S208A:No)、S205Aの処理を実行し、本処理を終了する。次に、図899を参照して、更新処理(S251A)の処理内容について説明をする。図899は、更新処理(S251A)の処理内容を示したフローチャートである。この更新処理(S251A)は、上述した第26制御例における更新処理(図879のS221A参照)に対して、時短状態が終了した場合に実行される処理内容を異ならせた点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその説明を省略する。更新処理(S251A)が実行されると、まず、上述した第26制御例における更新処理(図879のS221A参照)と同一のS501~S502Aの処理を実行する。そして、S502Aの処理を終えた後、上限フラグ203acAがオンに設定されているかを判別し(S551A)、オンに設定されていると判別した場合は(S551A:Yes)、上限フラグ203acAをオフに設定し(S552A)、上限解除コマンドを設定し(S553A)、セットフラグ203aaAをオフに設定し(S554A)、連チャン中賞球数カウンタ203abAの値を0にクリアし(S555A)、その後、上述した第26制御例における更新処理(図879のS221A参照)と同一のS503A~S505Aの処理を実行し、本処理を終了する。
つまり、本第1変形例では、連チャンモード中における賞球の払い出しに上限を設けているため、連チャンモードが終了するタイミング、即ち、時短状態が終了するタイミングにおいて、上限の設定に関わる各種要素の情報を初期化する処理(S551A~S555A)が実行されるように構成している。このように構成することで、連チャンモードが終了したにも関わらず、賞球の払い出しに制限を受けてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。なお、本第1変形例では、連チャンモード中に払い出された賞球数が上限に到達した場合において、連チャンモードが終了するまで、特定の入賞(特定入賞口65a、第1一般入球口630a、第2一般入球口630bへの入賞)に対する賞球の払い出しを禁止するように構成しているが、全ての入賞に対して賞球の払い出しを禁止しても良いし、賞球の払い出しを禁止する入賞の種別を途中で変更するように構成しても良い。また、賞球の払い出しを禁止する期間を、連チャンモードが終了するまでの期間では無く、引き戻しモードにて大当たり当選し、再度有利遊技期間が設定されるまでの期間としても良い。このように構成することで、連チャンモード中に払い出された賞球数が上限に到達した後も、連チャンモードを継続させることで更なる賞球を獲得する可能性を残すことができるため、賞球を多く獲得しようとする遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。次に、図900から図902を参照して、本第26制御例の第1変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第1変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理は、上述した第26制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理に対して、コマンド判定処理(S4112A)に代えてコマンド判定処理(S4132A)を実行する点と、第2特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定するための処理内容を異ならせている点とで相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
まず、図900を参照して、コマンド判定処理(S4132A)の処理内容について説明をする。図900は、コマンド判定処理(S4132A)の処理内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4132A)は、上述した第26制御例のコマンド判定処理(S4112A)に対して、上限関連コマンド(上限到達コマンド、上限解除コマンド)を受信した場合に実行される処理を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して説明を省略する。コマンド判定処理(S4132A)が実行されると、まず、上述した第26制御例のコマンド判定処理(S4112A)と同一のS4201~S4204Aの処理を実行する。そして、S4217の処理において大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4217:No)、次に、上限関連コマンド(上限到達コマンド、上限解除コマンド)を受信したかを判別し(S4261A)、受信したと判別した場合は(S4261A:Yes)、上限関連処理を実行し(S4262A)、本処理を終了する。ここで、図901を参照して、上限関連処理(S4262A)の処理内容について説明をする。図901は、上限関連処理(S4262A)の処理内容を示したフローチャートである。この上限関連処理(S4262A)では、主制御装置110にて実行される賞球の払い出しを禁止する期間に関する情報を管理するための処理が実行される。上限関連処理(S4262A)が実行されるとまず、今回受信したコマンドが上限到達コマンドであるかを判別し(S4271A)、上限到達コマンドを受信したと判別した場合は(S4271A:Yes)、従上限フラグ223aaAをオンに設定し(S4272A)、次に、上限解除コマンドを受信したかを判別する(S4273A)。また、S4271Aの処理において、上限到達コマンドを受信していないと判別した場合は(S4271A:No)、S4272Aの処理をスキップして、S4273Aの処理へ移行する。
そして、S4273Aにおいて、上限解除コマンドを受信したと判別した場合は(S4273A:Yes)、従上限フラグ223aaAをオフに設定し(S4274A)、本処理を終了する。また、上限解除コマンドを受信していないと判別した場合は(S4273A:No)、そのまま本処理を終了する。このように、主制御装置110にて上限フラグ203acAの設定状況を変更した場合に設定される上限関連コマンドを受信したことに基づいて音声ランプ制御装置113側で従上限フラグ223aaAの設定状況を変更可能に構成することで、賞球が払い出されない入賞に対応する入賞種別コマンドを受信したとしても、賞球の払い出しに対応する表示態様(ポイントアイコン)が表示されてしまうことを抑制することができる。次に、図902を参照して、特図2演出態様設定処理(S4907A)の処理内容について説明をする。図902は、特図2演出態様設定処理(S4907A)の処理内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理(S4907A)では、従上限フラグ223aaAが設定されている状態で第2特別図柄変動が実行された場合に、遊技者に特典を付与可能な演出態様を決定するための処理が実行される。具体的には、特図2演出態様設定処理(S4907A)が実行されると、まず、従上限フラグ223aaAがオンに設定されているかを判別し(S5101A)、オンに設定されていると判別した場合は(S5101A:Yes)、特典付与テーブル222aaAを参照して付与態様(特典態様)を決定し(S5102A)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドと、決定した付与態様(特典態様)とに対応する演出態様を決定し(S5103A)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5104A)、本処理を終了する。一方、S5101Aの処理において、従上限フラグ223aaAがオンに設定されていないと判別した場合は(S5101A:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5105A)、S5104Aの処理を実行し、本処理を終了する。
<第26制御例の第2変形例>
次に、図903から図918を参照して、上述した第26制御例の第2変形例について説明をする。上述した第26制御例の第1変形例では、有利遊技期間が繰り返し設定される連チャンモード期間中に獲得可能な全賞球数に上限を設け、上限到達後にアタッカー入賞したことに基づいて遊技者に有利な特典を付与可能に構成することで、1の連チャンモード中に遊技者に付与可能な賞球数に上限を設け、遊技者に過剰に有利な遊技が行われてしまうことを抑制するように構成していた。そして、連チャンモード中において全賞球数の一部(一般賞球数)を遊技者に報知しない期間を設けることで、どのタイミングで上限に到達するのかを遊技者に把握させ難くすることができるように構成していた。さらに、全賞球数が上限に到達した後であっても、アタッカー入賞に基づいて特典を付与することで、特典を獲得しようとする遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができるように構成していた。これに対して、本第26制御例の第2変形例では、連チャンモード期間中に獲得した賞球数が上限に到達した場合において、実行中の有利遊技期間の残期間(リミット到達するまでの残期間)にて生じたアタッカー入賞数と、一般入球数に応じて、有利遊技期間終了後の時短状態における大当たり当選確率を変更可能に構成している。このように、特定期間(連チャンモード)中に払い出された賞球数が上限に到達した後に付与され得る特典として、大当たり確率を変更する特典を付与可能に構成している。このように構成することで、上述した第26制御例の第1変形例において付与される特典(演出関連の特典)とは異なり、実際の遊技結果に影響を与える特典を付与するが出来るため、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
つまり、本第26制御例の第2変形例では、特定期間(連チャンモード)中の第1期間(有利遊技期間)において、情報を更新可能な第1状況(賞球数を加算可能な状況)である場合よりも、情報を更新することが出来ない第2状況(賞球数が上限に到達した状況)である場合の方が、第1期間(有利遊技期間)が終了した後に設定される第2期間(引き戻しモード(時短状態))において、遊技者に有利となる特典(次の大当たり遊技)が付与され易くなるように構成している。このように構成することで、1回の有利遊技期間における賞球の払い出しが上限に到達した場合であっても、その有利遊技期間中に継続してアタッカー入賞、一般入球させることで次の有利遊技期間を設定し易くする(連チャンモードを継続させ易くする)ことができるため、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
<第26制御例の第2変形例における演出内容について>
次に、図903、及び図904を参照して、本第2変形例にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。図903(a)は、連チャンモード中に獲得した賞球数が上限に到達していない状態で実行される引き戻しモード中の演出態様を示した図であって、図903(b)は、連チャンモードにおける有利遊技期間中に獲得した賞球数が上限に到達した場合に表示される表示画面を示した図である。また、図904(a)は、上限到達後の有利遊技期間中(大当たり遊技中)に実行される演出態様を示した図であり、図904(b)は、上限到達後の有利遊技期間終了時に表示される表示画面の一例を示した図である。まず、図903(a)に示した通り、通常の引き戻しモードでは、主表示領域Dmの中央部にてキャラクタ801が、箱830hを破壊してVアイコン830の獲得を目指す変動演出が実行される。ここで、対応する特別図柄抽選が大当たりである場合には、キャラクタ801が箱830hを破壊する演出態様が設定され、その後、Vアイコン830をゲットする演出結果を表示することで、大当たり当選を報知するよう変動演出が実行される。一方、対応する特別図柄抽選が外れである場合には、キャラクタ801が箱830hを破壊できない演出態様が設定され、そのまま次に実行される特別図柄抽選に対応する変動演出が実行される。そして、引き戻しモードの最終変動(時短状態の最終変動)に対応する特別図柄抽選の結果が外れである場合には、箱830hの破壊を断念する演出が実行され、その後、引き戻しモードの終了を示す表示画面が表示される変動演出が実行される。そして、残時短回数を示す表示領域Dm20の下方には、今回の引き戻しモード中に大当たり当選する期待度を示すための表示領域Dm21が形成され、図903(a)に示した例では「66%」の文字が表示されている。そして、主表示領域Dmの右側には、キャラクタ801の強さ(LV)を示すための表示領域Dm15と、キャラクタ801が装備するアイテムを示すための表示領域Dm16が形成され、図903(a)では、ウサギLV「1」、アイテム「木の棒」が表示されている。
主表示領域Dmに表示されるキャラクタ801の態様は、上述した「LV」と「アイテム」の内容に応じて設定されるように構成しているため、図903(a)では、通常表示態様(LV1に対応した表示態様)のキャラクタ801が、木の棒を模したアイテム801bを装備した態様で箱830hを破壊する演出が実行されている。ここで、本第2変形例では、有利遊技期間中に実行された遊技結果に応じて、引き戻しモード中(時短状態中)にて実行される特別図柄抽選で大当たり当選する確率を変更可能に構成しており、図903(a)に示した図では、大当たり確率として「1/22」が設定されており、時短回数23回+残特図2保留4個で合計27回の特別図柄抽選で大当たり当選する期待度が「66%」の状態を示している。つまり、引き戻しモード中に表示される表示態様によって、遊技者に対して、現在設定されている大当たり確率を示唆可能に構成している。このように構成することで、引き戻しモードにて大当たり当選を目指す遊技者に対して、引き戻しモード中に実行される各種演出の内容に興味を持たせることができる。次に、図903(b)に示した通り、有利遊技期間中に賞球数が上限に到達した場合には、上限到達を示す表示態様として「10000P突破!!」の文字が表示され、副表示領域Dsに「残りのビクトリーモード中はウサギLVを上げろ」の案内表示態様が表示され、ウサギLVを示すための表示領域Dm15が形成される。このウサギLVは、初期値が「LV1」で、上限到達後のアタッカー入賞数に応じてレベルアップ抽選が実行され、レベルアップ抽選の結果に基づいて最大で「LV4」まで上昇する。
上限到達後の有利遊技期間中は、図904(a)に示した通り、ウサギLVの上昇を示す演出が主表示領域Dmにて実行され、アタッカー入賞に基づいて実行されるLVアップ抽選に当選した場合には、レベルアップ後のウサギLVが表示領域Dm15に表示され、現在のウサギLVに対応した態様でキャラクタ801が表示される。そして、副表示領域Dsには、ウサギLVに関する遊技内容を案内するための案内表示態様として「LVが上がるほど引き戻し成功率がアップ」の文字が表示される。なお、上述した第1変形例と同様に、本第2変形例においても上限到達後にアタッカー入賞したとしても賞球の払い出しは行われないため、上限到達によって賞球の払い出しが行われていないことを示す「STOP」のアイコンがDm12aに表示されている。その後、有利遊技期間が終了し、引き戻しモードへと移行した場合には、図904(b)に示した通り、上限到達後のアタッカー入賞数、及び、一般賞球数に応じて決定された大当たり確率を示唆するための演出が実行される。
<第26制御例の第2変形例における電気的構成について>
次に、図905から図910を参照して、本第2変形例における電気的構成について説明をする。本第2変形例におけるパチンコ機10は、上述した第26制御例の第1変形例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成の一部と、を異ならせている点で相違している。それ以外の要素については同一であり、その説明を省略する。まず、図905を参照して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図905は、本第26制御例の第2変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成を模式的に示した図である。図905に示した通り、本第2変形例のパチンコ機10におけるROM202は、上述した第26制御例の第1変形例のパチンコ機10におけるROM202に対して、第1当たり乱数テーブル202aaAに代えて第1当たり乱数テーブル202aaBを設けた点と、確率情報選択テーブル222abBを設けた点とで相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。第1当たり乱数テーブル202aaBは、特別図柄抽選の結果を判定する際に参照されるデータテーブルである。本第2変形例では、特別図柄の低確率状態における大当たり当選確率として、4段階の大当たり確率(大当たり判定される第1当たり乱数カウンタの値の範囲)が規定されており、決定された確率情報に応じたデータテーブルを参照して大当たり当選の判定が行われるように構成している。
ここで、図907を参照して、第1当たり乱数テーブル202aaBに規定されている内容について説明をする。図907は、第1当たり乱数テーブル202aaBに規定されている内容を模式的に示した図である。図907に示した通り、特別図柄の低確率状態であって、確率情報が「LV1」に対して、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~47」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、確率情報が「LV2」に対して、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~49」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、確率情報が「LV3」に対して、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~65」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、確率情報が「LV4」に対して、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~99」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、それぞれ規定されている。つまり、確率情報が示す「LV」が高くなるほど、大当たり当選と判定され易いデータテーブルを参照して特別図柄抽選を実行するように構成している。確率情報選択テーブル202abBは、確率情報を決定する際に参照されるデータテーブルであって、上限到達後に特定入賞口65aへと入賞した遊技球の個数と、上限到達後に第1一般入球口630a、または第2一般入球口630bへと入球した遊技球の個数と、に基づいて異なる確率情報が規定されている。ここで、図908を参照して、確率情報選択テーブル202abBに規定されている内容について説明をする。図908は、確率情報選択テーブル202abBに規定されている内容を模式的に示した図である。図908に示した通り、上限後特定入賞カウンタ7203abBの値が「~10」の場合は、上限後一般入球カウンタ203acBの値に関わらず、確率情報「LV1」が規定されており、上限後特定入賞カウンタ7203abBの値が「11~20」の場合は、上限後一般入球カウンタ203acBの値が「~20」の範囲に対して、確率情報「LV1」が、上限後一般入球カウンタ203acBの値が「21~」の範囲に対して、確率情報「LV2」が、規定されている。
また、上限後特定入賞カウンタ203abBの値が「21~40」の場合は、上限後一般入球カウンタ203acBの値が「~20」の範囲に対して、確率情報「LV3」が、上限後一般入球カウンタ203acBの値が「21~」の範囲に対して、確率情報「LV4」が規定され、上限後特定入賞カウンタ7203abBの値が「41~」の場合は、上限後一般入球カウンタ203acBの値に関わらず、確率情報「LV4」が規定されている。ここで決定された確率情報は、確率情報格納エリア203aaBに格納され、特別図柄の低確率状態にて実行される特別図柄抽選にて参照される。このように構成することで、上限到達後における遊技内容(遊技球の入賞状況)に応じて、特別図柄抽選の大当たり確率を変更することができるため、上限到達後も遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。また、図908に示した通り、上限到達後に各入賞口へと遊技球を入賞させた場合の方が、大当たり当選確率を高めることができるため、より意欲的に遊技者に遊技を行わせることができる。まず、図906を参照して、主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図906は、本第26制御例の第2変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成を模式的に示した図である。図906に示した通り、本第2変形例のパチンコ機10におけるRAM203は、上述した第26制御例の第1変形例のパチンコ機10におけるRAM203に対して、確率情報格納エリア203aaBと、上限後特定入賞カウンタ203abBと、上限後一般入球カウンタ203acBとを設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
確率情報格納エリア203aaBは、確率情報選択テーブル202abBを参照して決定された確率情報(LV)を一時的に格納するためのデータ領域であって、上限フラグ203acAがオンに設定されている状態で時短状態が設定された場合に決定された確率情報が格納される。そして、特別図柄抽選の結果を判定する際に参照され、通常状態へと移行する場合に格納されている情報が初期値(LV1)へと変更される。上限後特定入賞カウンタ203abBは、上限フラグ203acAがオンに設定されている状態で特定入賞口65aへと入賞した遊技球数を計測するためのカウンタである。この上限後特定入賞カウンタ203abBの値は、確率情報選択テーブル202abBを参照して確率情報を決定する際に参照される。そして、新たな確率情報を決定した後にクリアされる。上限後一般入球カウンタ203acBは、上限フラグ203acAがオンに設定されている状態で一般入球口へと入球した遊技球数を計測するためのカウンタである。この上限後一般入球カウンタ203acBの値は、確率情報選択テーブル202abBを参照して確率情報を決定する際に参照される。そして、新たな確率情報を決定した後にクリアされる。次に、図909(a)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図909(a)は、本第26制御例の第2変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を模式的に示した図である。図905に示した通り、本第2変形例のパチンコ機10におけるROM222は、上述した第26制御例の第1変形例のパチンコ機10におけるROM222に対して、キャラレベル選択テーブル222aaBと、アイテム選択テーブル222abBを設けた点とで相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
キャラレベル選択テーブル222aaBは、引き戻しモードにおけるキャラクタ801の態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、主制御装置110から出力された上限後特定入賞カウンタ203abBの値を示すコマンドに含まれる情報と、取得した演出カウンタ223fの値とに基づいて異なる態様(ウサギLV)が規定されている。アイテム選択テーブル222abBは、引き戻しモードにおけるキャラクタ801が装備するアイテムの種別を決定する際に参照されるデータテーブルであって、上限到達後に獲得した一般賞球数に対応させて異なるアイテムが規定されている。図909(b)に戻り、本第2変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図909(b)は、本第2変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。図909(b)に示した通り、本第2変形例のRAM223は、上述した第26制御例の第1変形例のRAM223に対して、従上限後特定入賞口カウンタ223aaBと、継続率格納テーブル223abBを追加した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。従上限後特定入賞口カウンタ223aaBは、主制御装置110から出力された上限後特定入賞カウンタ203abBの値を示すコマンドに含まれる情報に基づいて加算されるカウンタである。この従上限後特定入賞口カウンタ223aaBの値を把握することで、音声ランプ制御装置113側で上限後特定入賞カウンタ203abBの値に対応した演出を実行することができる。継続率格納テーブル223abBは、キャラ選択テーブル222aaBを参照して決定された可変態様と、決定された可変態様に基づいて特定された継続率表示態様とが一時的に格納されるデータ領域である。
<第26制御例の第2変形例における制御処理について>
次に、図911から図919を参照して、本第2変形例のパチンコ機10にて実行される各種制御処理の処理内容について説明をする。まず、図911から図914を参照して、主制御装置110にて実行される制御処理について説明をする。本第2変形例では、上述した第26制御例の第1変形例に対して、セット中賞球決定処理(図898のS132A参照)に代えてセット中賞球決定処理(図911のS171A)を、更新処理(図899のS251A参照)に代えて更新処理(図913のS271A)を実行する点、及び、設定されている確率情報に基づいて特別図柄抽選を実行するための特別図柄大当たり判定処理(図912のS208A参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。まず、図911を参照して、セット中賞球決定処理(S171A)の処理内容について説明をする。図911は、セット中賞球決定処理(S171A)の処理内容を示したフローチャートである。このセット中賞球決定処理(S171A)では、上述した第1変形例のセット中賞球決定処理(図898のS151A参照)に対して、上限フラグ203acAがオンに設定されている状態で、今回の格納情報が特定入賞口65a、右側一般入球口(第1一般入球口630a、第2一般入球口630b)であると判別した場合に実行される処理内容を異ならせている点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して説明を省略する。
セット中賞球決定処理(S171A)が実行されると、まず、上述した第1変形例のセット中賞球決定処理(図898のS151A参照)と同一のS201A~S208Aの処理を実行する。そして、S208Aの処理において、今回の格納情報が特定入賞口65a、右側一般入球口(第1一般入球口630a、第2一般入球口630b)であると判別した場合は(S208A:Yes)、上限後カウンタ(上限後特定入賞カウンタ7203abB、上限後一般入球カウンタ203acB)に対応する値を加算し(S261A)、加算後の上限後カウンタ(上限後特定入賞カウンタ7203abB、上限後一般入球カウンタ203acB)を示す上限後コマンドを設定し(S262A)、本処理を終了する。次に、図912を参照して、特別図柄大当たり判定処理(S209A)の処理内容について説明をする。図912は、特別図柄大当たり判定処理(S209A)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄大当たり判定処理(S209A)では、上述した第1変形例における特別図柄大当たり判定処理(図42のS208参照)に対して、確率情報格納エリア203aaBに格納されている確率情報(LV)を読み出す処理を実行し(S301A)、読み出した確率情報を用いて第1当たり乱数テーブル202aaBに基づいて抽選結果を取得する(S302A)点で相違し、それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して説明を省略する。これにより、特別図柄の低確率状態が設定されている状況であっても、大当たり確率を異ならせた特別図柄抽選を実行することができる。次に、図913を参照して、更新処理(S271A)の処理内容について説明をする。図913は、更新処理(S271A)の処理内容を示したフローチャートである。この更新処理(S271A)は、上述した第26制御例の第1変形例における更新処理(図899のS251A参照)に対して、状態が変更したと判別した場合に(S503A:Yes)、状態変更時処理(S571A)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
ここで、図914を参照して、状態変更時処理(S571A)の処理内容について説明をする。図914は、状態変更時処理(S571A)の処理内容を示したフローチャートである。この状態変更時処理(S571A)では、遊技状態が変更される時点で大当たり当選確率を変更するための処理が実行される。具体的には、状態変更時処理(S571A)が実行されると、まず、変更後の遊技状態を特定し(S581A)、時短状態へと変更したかを判別し(S582A)、時短状態へと変更したと判別した場合は(S582A:Yes)、次に、上限フラグ203acAがオンに設定されているかを判別する(S583A)。S583Aの処理において、上限フラグ203acAがオンに設定されていると判別した場合は(S583A:Yes)、上限後カウンタ(上限後特定入賞カウンタ7203abB、上限後一般入球カウンタ203acB)の値を取得し(S584A)、取得した上限後カウンタ(上限後特定入賞カウンタ7203abB、上限後一般入球カウンタ203acB)の値を用いて確率情報選択テーブル202abBを参照して確率情報を決定し(S585A)、決定した確率情報を確率情報格納エリア203aaBに格納し(S586A)、本処理を終了する。また、S583Aの処理において、上限フラグ203acAがオンに設定されていないと判別した場合は(S583A:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S582Aの処理において、時短状態への変更では無いと判別した場合は(S582A:No)、次に、通常状態へと変更したかを判別し(S587A)、通常状態へと変更したと判別した場合は(S587A:Yes)、上限後カウンタ(上限後特定入賞カウンタ7203abB、上限後一般入球カウンタ203acB)の値を0にクリアし(S588A)、確率情報格納エリア203aaBにLV1に対応する確率情報を格納し(S589A)、本処理を終了する。また、S587Aの処理において、通常状態への変更では無いと判別した場合は(S587A:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図915から図919を参照して、本第26制御例の第2変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第2変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理は、上述した第26制御例の第1変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理に対して、状態コマンド受信処理(S4201A)に代えて状態コマンド受信処理(図915のS4241A)を、引き戻し態様決定処理(図885のS4307A参照)に代えて引き戻し態様決定処理(図917のS4362A参照)を、上限関連処理(図901のS4252A参照)に代えて上限関連処理(図918のS4291A)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。まず、図915を参照して、状態コマンド受信処理(S4241A)の処理内容について説明をする。図915は、状態コマンド受信処理(S4241A)の処理内容を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理(S4241A)では、上述した第1変形例の状態コマンド受信処理(図884のS4201A参照)に対して、連チャンフラグ223agがオンに設定されていると判別した場合に(S4301A:Yes)、連チャン終了時処理(S4361A)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して説明を省略する。ここで、図916を参照して、連チャン終了時処理(S4361A)の処理内容について説明をする。図916は、連チャン終了時処理(S4361A)の処理内容を示したフローチャートである。この連チャン終了時処理(S4361A)では、連チャンモードが終了したことに基づいて、連チャンモード中における演出状況を決定する際に用いられたフラグやカウンタの値をクリアするための処理が実行される。
具体的には、連チャン終了時処理(S4361A)が実行されると、まず、上述した状態コマンド受信処理(図884のS4201A)のS4302A~S4305Aの処理を実行し、その後、従上限後入賞カウンタ223acBの値を0にクリアし(S4371A)、継続率格納テーブル233abBの情報をクリアし(S4372A)、本処理を終了する。次に、図917を参照して、引き戻し態様決定処理(S4362A)の処理内容について説明をする。図917は、引き戻し態様決定処理(S4362A)の処理内容を示したフローチャートである。この引き戻し態様決定処理(S4362A)は、上述した第1変形例における引き戻し態様決定処理(図885のS4307A)に対して、引き戻しモード中の演出態様を決定するための処理内容を異ならせている点で相違している。具体的には、引き戻し態様決定処理(S4362A)が実行されると、まず、一般賞球数カウンタ223acの値を読み出し(S4381A)、読み出した一般賞球数カウンタ223acの値を用いてアイテム選択テーブル222abBを参照してアイテム態様を決定し(S4382A)、継続率格納テーブル223abBに格納されているキャラレベル情報を読み出し(S4383A)、読み出したキャラレベルと、決定したアイテム態様とに対応する演出態様を決定し(S4384A)、決定した演出態様に対応する継続率を決定し(S4385A)、決定した継続率を示す情報を継続率格納テーブル223abBに格納し(S4386A)、決定した態様を示すための表示用コマンドを設定し(S4387A)、本処理を終了する。つまり、本第2変形例では、上限到達後における一般入球口への入球数を遊技者に報知すること無く、引き戻しモードが設定される場合において、上限到達後における一般入球口への入球数に応じたアイテム態様を決定するように構成している。このように構成することで、どのアイテムが表示されるかを遊技者に予測させ難くすることができる。
次に、図918を参照して、上限関連処理(S4291A)の処理内容について説明をする。図918は、上限関連処理(S4291A)の処理内容を示したフローチャートである。この上限関連処理(S4291A)では、上述した上限関連処理(図901のS4252A参照)に対して、上限後コマンドを受信した場合に実行される処理を追加した点で相違している。具体的には、上限関連処理(S4291A)が実行されると、まず、今回受信したコマンドが上限到達コマンドであるかを判別し(S4271A)、上限到達コマンドを受信したと判別した場合は(S4271A:Yes)、従上限フラグ223aaAをオンに設定し(S4272A)、次に、上限コマンドを受信したかを判別し(S4281A)、上限コマンドを受信したと判別した場合は(S4281A:Yes)、上限後コマンド処理を実行し(S4282A)、S4273Aの処理へ移行する。S4273Aの処理では、上限解除コマンドを受信したかを判別する(S4273A)。また、S4271Aの処理において、上限到達コマンドを受信していないと判別した場合は(S4271A:No)、S4272Aの処理をスキップして、S4281Aの処理へ移行する。そして、S4273Aにおいて、上限解除コマンドを受信したと判別した場合は(S4273A:Yes)、従上限フラグ223aaAをオフに設定し(S4274A)、本処理を終了する。また、上限解除コマンドを受信していないと判別した場合は(S4273A:No)、そのまま本処理を終了する。このように、主制御装置110にて上限フラグ203acAの設定状況を変更した場合に設定される上限関連コマンドを受信したことに基づいて音声ランプ制御装置113側で従上限フラグ223aaAの設定状況を変更可能に構成することで、賞球が払い出されない入賞に対応する入賞種別コマンドを受信したとしても、賞球の払い出しに対応する表示態様(ポイントアイコン)が表示されてしまうことを抑制することができる。
次に、図919を参照して、上限後コマンド処理(S4282A)の処理内容について説明をする。図919は、上限後コマンド処理(S4282A)の処理内容を示したフローチャートである。この上限後コマンド処理(S4282A)では、上限到達後に特定入賞口や一般入球口へと遊技球が入賞(入球)したことに基づいて設定される上限後コマンドを受信した場合に実行される処理であって、ウサギLVを上げるための処理が実行される。具体的には、上限後コマンド処理(S4282A)が実行されると、まず、受信した上限後コマンドに対応する入賞種別を特定し(S5001A)、入賞種別が特定入賞口であるかを判別し(S5002A)、特定入賞口であると判別した場合は(S5002A:Yes)、従上限後入賞カウンタ223aaBの値に1を加算し(S5003A)、演出抽選を実行する(S5004A)。このS5004Aの処理では、キャラレベル選択を実行するか否かの抽選が実行される。次に、S5004Aの処理にて実行された抽選の結果が、演出実行ありであるかを判別し(S5005A)、演出の実行ありと判別した場合は(S5005A:Yes)、キャラレベル選択テーブル222aaBを参照して、キャラレベルを決定し(S5006A)、決定したキャラレベルに対応する情報を継続率格納テーブル223abBに格納し(S5007A)、S5008Aの処理へ移行する。また、S5002Aの処理において、入賞種別が特定入賞口では無いと判別した場合(S5002A:No)、或いは、S5005Aの処理において、演出の実行なしと判別した場合(S5005A:No)は、そのまま、S5008Aの処理へ移行する。S5008Aの処理では、入賞種別が一般入球口であるかを判別し(S5008A)、一般入球口であると判別した場合は(S5008A:Yes)、一般賞球数カウンタ223acの値に1を加算し(S5009A)、本処理を終了する。
<第26制御例の第3変形例について>
次に、図920から図868を参照して、第26制御例の第3変形例について説明をする。上述した第26制御例、第26制御例の第1変形例、第26制御例の第2変形例では、特別図柄抽選の抽選結果として大当たり、又は外れが判定されるように構成していた。そして、特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態、第2確変状態)が設定される確変大当たりに必ず当選するように構成し、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が連続して設定される回数に上限(リミット)を設けるように構成し、リミット到達した場合には、大当たり種別に関わらず、大当たり遊技の終了後に特別図柄の低確率状態が設定されるように構成していた。つまり、上述した第26制御例では、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定された場合には、リミット到達するまでの間、遊技者に有利な遊技期間(有利遊技期間)を継続するように構成していた。そして、有利遊技期間において獲得した賞球数のうち、アタッカー賞球数を継続して表示しながら、有利遊技期間が終了する時点では、アタッカー賞球数に、一般賞球数を加算した全賞球数を遊技者に報知するように構成していた。これに対して、本第26制御例の第3変形例では、確変状態が成立している状態で実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、遊技状態を確変状態から第2確変状態へと移行させるように構成し、第1特別図柄の大当たり変動(特図1大当たり変動)が実行されている間、第2確変状態での遊技を実行可能に構成している。
さらに、一方の特別図柄変動が実行されている状態であっても、他方の特別図柄抽選を実行可能に構成しており、第2特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(小当たり当選)である場合に、小当たり遊技を実行可能に構成している。つまり、本第26制御例の第3変形例では、特図1大当たり変動が実行されている期間(第2確変状態が設定されている期間)が経過した後に、特図1大当たり当選に基づく大当たり遊技が連続して実行されるように構成しており、この第2確変状態が設定されている期間と、大当たり遊技が実行される期間とを遊技者に有利な遊技期間(有利遊技期間)として各種演出を実行するように構成している。また、有利遊技期間中に獲得可能な賞球のうち、特定期間(第2確変状態期間)に実行される小当たり遊技によって獲得した賞球を特定期間が経過するまで遊技者に報知しないように構成し、特定期間が経過した後、即ち、大当たり遊技が実行された後に、大当たり遊技中に獲得した賞球と合算した賞球数として報知可能に構成している。次いで、本第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の遊技性について簡単に説明をする。本第26制御例の第3変形例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)および第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)の4つの遊技状態を設けている。そして、第2確変状態が遊技者にとって最も有利な遊技状態となるように構成している。具体的には、第2確変状態が設定されている場合には、第1特別図柄の抽選よりも遊技者に有利な抽選結果となり易い第2特別図柄の抽選を示すための変動時間(特図2変動時間)が他の遊技状態が設定されている場合よりも短くなるように規定することで、遊技者に有利な抽選を最も効率的に実行することができるように構成している。
本第26制御例の第3変形例では、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利とするために、第2特別図柄の抽選では、外れの一部で第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aが所定期間(1.5秒×1回、0.2秒×6回、または0.06秒×8回)開放される。このため、第2特別図柄の抽選では、大当たりに当選しなくても、遊技球を第1特定入賞口65aへと入球させて賞球を獲得する機会が多く与えられるので、第1特別図柄の抽選よりも有利となる。以降、説明の簡略化のため、第1特定入賞口65aが開放される外れ抽選結果のことを「小当たり」と称する。第2特別図柄の抽選では大当たりに加え、小当たりとなった場合にも第1特定入賞口65aを開放する構成とすることで、第2特別図柄の変動時間が短い第2確変状態において、賞球を増加させ続けることができる。よって、第2確変状態となることを期待して遊技を行わせることができる。一般的な遊技機では、確変状態が最も有利な遊技状態となるが、本制御例では、確変状態よりも第2確変状態の方が有利となるので、斬新な遊技性を提供することができる。さらに、本第26制御例の第3変形例では、第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを同時に(並列して)実行可能に構成している(所謂、同時変動方式を採用している)。これにより、一方の特別図柄の変動表示が実行中でも、その変動表示の終了を待たずに他方の特別図柄の変動表示を実行することができるので、より効率良く特別図柄の抽選を実行させることができる。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時変動を行っている場合において、一方が大当たり又は小当たりの停止図柄で変動停止した場合には、他方の変動表示が残りの変動時間や抽選結果に関係なく外れの停止図柄で停止表示される。これにより、大当たりや小当たりの実行中に、他方の変動表示が当たり又は小当たりで確定表示され、大当たりや小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。
ここで、図920を参照して、本第26制御例の第3変形例において遊技領域に設けられた各種構成、及び、遊技領域に向けて発射された遊技球の流れについて説明をする。図920に示した通り、本第26制御例の第3変形例の遊技盤13は、遊技領域の中央部に配設された可変表示装置ユニット80によって遊技領域を左側領域と右側領域とに区分けするように構成している。本第26制御例の第3変形例では、操作ハンドル51を初期位置(遊技者が回動させていない状態)から20度回動(時計回りに回転)するまでは、発射された球がファール球防止弁68を通過しない程度の発射強度で球が発射される。従って、発射された球は最終的に外レール62と内レール61との間に形成された発射流路を逆流しファール球となる。この逆流して流下したファール球は、発射流路の開始位置(図920で示す外レール62の左下端部)を通過し、上皿17(図参照)へと連通するファール球口(図示せず)を流下し、上皿17へと環流される。このように構成することで、遊技者が所望の発射強度で球を発射させるために操作ハンドル51を操作する際にファール球が発生したとしても、そのファール球が発射経路に残留してしまい遊技に支障を来すことを抑制することができる。次いで、操作ハンドル51の操作量(回動量)が初期位置(遊技者が回動させていない状態)から20~80度の範囲では、上述した左側領域を流下する程度の発射強度で球が発射され、81度~120度の範囲(81度~操作ハンドル51の最大回転量となる120度)では、上述した右側領域を流下する程度の発射強度で球が発射される。
つまり、本第26制御例の第3変形例は、操作ハンドル51の操作量に基づいて、即ち、遊技者の操作に基づいて球が流下する領域を異ならせることが可能となるように構成されている。さらに、詳細は後述するが、本第26制御例の第3変形例では、遊技状態として遊技者に有利となる遊技状態が設定された場合には、左側領域を球が流下するように操作ハンドル51の操作量を調整して行う遊技(以下、左打ち遊技と称す)では無く、右側領域を球が流下するように操作ハンドル51の操作量を調整して行う遊技(以下、右打ち遊技と称す)を行わせるように構成している。このように構成することで、遊技者に有利となる遊技状態が設定されている間は、遊技者は操作ハンドル51を上限まで回転させた状態(120度回転させた状態)を維持すれば良いことから、遊技者に適切な遊技を容易に行わせることができる。次に、遊技盤13の左側領域について図920を参照して説明をする。詳細は後述するが、本第26制御例の第3変形例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)の何れかが設定されるように構成されている。また、特別図柄の抽選結果が大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技状態と、特別図柄の抽選結果が小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技状態と、が実行されるように構成されている。その中で、遊技状態として通常状態、時短状態、確変状態が設定されている場合には、遊技盤13の左側領域に球を流下させる左打ち遊技を行わせるように、可変表示装置ユニット80に設けられた第3図柄表示装置81の表示画面を用いて遊技者に遊技方法を案内し、第2確変状態が設定されている場合には、遊技盤13の左側領域に球を流下させる右打ち遊技を行わせるように、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて遊技者に遊技方法を案内するように構成している。また、大当たり遊技状態や小当たり遊技状態中は、当たりに当選する前の遊技状態に応じて遊技者の遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を案内するように構成している。
なお、各遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)の案内方法として、例えば、現在の遊技状態に適した遊技方法を常時表示するように構成したり、遊技方法が切り替わる場合にのみ切り替え後の遊技方法を表示するように構成したりしても良い。また、左打ち遊技と右打ち遊技とのうち、長い期間設定され易い遊技方法(本変形例では左打ち遊技)を通常遊技とし、通常遊技以外の遊技方法(右打ち遊技)を行わせる場合に第3図柄表示装置81の表示画面に遊技方法を常時案内表示し、左打ち遊技を行わせる場合には案内表示を行わないように構成しても良い。加えて、遊技者に有利となる遊技方法とは異なる遊技方法で遊技が行われていると判別した場合、例えば、右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となる第2確変状態が設定されている場合において、左打ち遊技によって発射された遊技球のみが流下可能な領域を遊技球が通過したことを検知した場合に、遊技者に有利となる遊技方法を行わせるために案内表示を実行するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者が適正な遊技を行っている場合には遊技方法を案内する案内表示が実行されないため、第3図柄表示装置81の表示面という限られた表示領域を特別図柄抽選の結果に基づいて実行される変動演出の表示領域として広く使用し易くすることができる。また、遊技者に有利となる遊技方法以外の遊技方法を行っていると判別された場合に実行される案内表示の表示領域を、変動演出の表示領域と重複させ、変動演出の表示態様が見え難くなるように案内表示を表示するように構成すると良い。このように構成することで、変動演出の表示態様に注目し続けることで遊技者に有利な遊技方法を行っていない遊技者に対して、適切な遊技方法を把握させ易くすることができる。
本第26制御例の第3変形例のように、遊技者に選択させる遊技方法が2種類の場合においては、一方の遊技方法を案内する表示態様を表示しないことにより、他方の遊技方法を案内することができる。つまり、一の表示態様を表示するか否かによって、複数の遊技方法を案内することが可能となる。なお、本第26制御例の第3変形例では、遊技者に遊技方法を案内するために第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示態様を用いているが、これに限ることは無い。上述したように特定の表示態様を表示しないことにより、遊技者に遊技方法を報知する構成を用いても良いし、音声やランプを用いて遊技者に報知するように構成しても良い。遊技盤13の左側領域には、スルーゲート67、一般入賞口63が配設されている。また、可変表示装置ユニット80の下方位置には、左側領域を流下した球が入球可能となるように上第1入球口64b1が設けられている。そして、上第1入球口64b1の下方位置には、電動役物64aが付設された下第1入球口64b2が設けられている。この電動役物64aは、スルーゲート67を球が通過したことを契機に実行される普通図柄(第2図柄)抽選にて当たりに当選した場合に、球が下第1入球口64b2に入球困難(不可能)な閉鎖状態(第1状態)から、球が下第1入球口64b2に入球容易(可能)となる開放状態(第2状態)へと可変動作するように構成されている。上述した通り、本第26制御例の第3変形例では、第1特別図柄(特図1)の抽選を実行可能な状態(特図1の変動が実行されておらず、且つ、大当たり遊技、小当たり遊技が実行されていない状態)において上第1入球口64b1、或いは下第1入球口64b2に遊技球が入球した場合に、特図1の抽選が実行されるように構成されている。即ち、上第1入球口64b1、或いは下第1入球口64b2へ球が入球することは、第1特別図柄の抽選を実行させるための契機となるものである。
また、第1特別図柄(特図1)の抽選を新たに実行不可能な状態(特図1の変動が既に実行されている、又は、大当たり遊技、小当たり遊技が実行されている状態)において上第1入球口64b1、或いは下第1入球口64b2に球が入球した場合には、所定数(4つ)を上限に、遊技球が入球した権利(特図1保留)を記憶する記憶手段を有している。よって、第1特別図柄(特図1)の抽選が実行されている間も遊技者に対して継続して遊技を行わせることができるため、遊技の稼働を向上させることができる。なお、本第26制御例の第3変形例では、遊技球が入球した権利を記憶する記憶手段を第1特別図柄にのみ設けている。左打ち遊技によって左側領域を流下する球は、その80%がスルーゲート67を通過し、発射された球の約8%(100球に8球)の球が上第1入球口64b1に入球するように複数の釘や風車といった構造物により球流路が形成されている。また、電動役物64aが閉鎖状態である場合には下第1入球口64b2に入球する球が約0%で、電動役物64aが開放状態である場合には下第1入球口64b2に入球する球が約25%となるように球流路が形成されている。即ち、下第1入球口64b2(電動役物64a開放状態)、上第1入球口64b1、下第1入球口64b2(電動役物64a閉鎖状態)の順で球が入球し難くなるように構成している。上第1入球口64b1、下第1入球口64b2は、上述した通り、第1特別図柄の抽選を実行させるという特典に加え、遊技者に賞球を払い出す特典も付与するように構成されており、遊技球が1個入球する毎に、4個の賞球を遊技者に払い出すように構成している。なお、本第26制御例の第3変形例では、上第1入球口64b1に球が入球した場合も、下第1入球口64b2に球が入球した場合も、同一数(4個)の賞球を付与するように構成しているが、これに限ること無く、それぞれに対して異なる数の賞球を設定しても良い。
一方、遊技盤13の右側領域には、第2入球口640、第1可変入賞装置65が設けられている。第2入球口640は、球が入球することにより第2特別図柄の抽選が実行されるように構成されており、右側領域を流下する球の約50%が入球するように複数の釘により球流路が形成されている。ここで、第2入球口640に入球しなかった球は右側領域の下方に設けられた第1可変入賞装置65に向けて流下する。詳細な説明は後述するが、本第26制御例の第3変形例では遊技状態として通常状態が設定されている状態では第2特別図柄の抽選が実行されてから抽選結果が表示されるまでの時間(変動時間)として長時間(10分間)の変動時間が設定され、第2確変状態が設定されている状態では、短い変動時間(1秒)が設定されるように構成している。つまり、遊技状態として通常状態が設定されている場合には、左打ち遊技を行い第1特別図柄の抽選を実行するべく第1入球口64へ球を入球させるよりも、右打ち遊技を行い第2特別図柄の抽選を実行するべく第2入球口640へ球を入球させるほうが球を入球させ易いが、長時間(10分間)の変動時間が設定されるため、遊技効率が非常に悪くなってしまう。よって、遊技者は通常状態では左打ち遊技を行い第1特別図柄の抽選を実行することになる。また、第2入球口640は賞球が1個で設定されているため、通常状態が設定されている状態で右打ち遊技を行い、約50%の割合で右打ち遊技にて発射した球を第2入球口640に入球させたとしても、球が増加することが無い。さらに、遊技状態として時短状態や確変状態が設定されている場合には、普通図柄の高確率状態となり、電動役物64aが開放し易い状態となる。しかし、電動役物64aを開放させるための普通図柄の抽選契機となるスルーゲート67は左側領域にしか設けられていないため、通常状態よりも遊技球が入球し易くなる下第1入球口64b2へ球を入球させるために遊技者に左打ち遊技を行わせるように構成している。
一方、遊技状態として第2確変状態が設定されている状態では、普通図柄が低確率状態となり電動役物64aが開放し難い状態となると共に、上述した通り、第2特別図柄の変動時間として短時間(1秒間)の変動時間が設定されるため、右打ち遊技を行い第2特別図柄の抽選を実行させることが適切な遊技(遊技者に有利な遊技)となる。ここで、本第26制御例の第3変形例では、第2特別図柄の抽選のみ小当たりに当選(当選確率約1/2)するように構成している。小当たりに当選した場合には、小当たり遊技として第1可変入賞装置65が所定期間(例えば、1.5秒間)開放し、第1可変入賞装置65に入球した球1個に対して10個の賞球が付与されるように構成している。即ち、遊技状態として第2確変状態が設定されている場合には、遊技者に継続して右打ち遊技を実行することで、小当たり当選を目指す第2特別図柄の抽選と、小当たり遊技と、を連続して実行することができる。図920に示した通り、遊技領域の最下方には第2可変入賞装置650が配設されている。この第2可変入賞装置650は、特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合に回動扉650fが手前側に作動し第2特定入賞口650aに球が入賞可能な開放状態となるように開放動作されるものである。この第2可変入賞装置650は、左打ち遊技によって左側領域を流下した球も、右打ち遊技によって右側領域を流下した球も、均等に入球し得るように構成されている。よって、第2可変入賞装置650が開放動作される大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技が実行される前の遊技方法を継続して実行すれば良く、遊技者に対して遊技方法を煩雑に変更させることを抑制することができる。上述した第1入球口64(上第1入球口64b1、下第1入球口64b2)へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図12参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると4個の球が賞球として払い出される入賞口となっており、第2入球口640は、球が入球すると1個の球が賞球として払い出される入賞口の1つになっている。なお、本第26制御例の第3変形例においては、上第1入球口64b1へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同一(共に4個)にし、第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数(1個)と異ならせたが、上第1入球口64b1へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、下第1入球口64b2へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異ならせても良い。この場合、例えば、上第1入球口64b1の賞球数を4個、下第1入球口64b2の賞球数を2個に設定し、球が入球し難い通常状態が設定されている場合において上第1入球口64b1に球が入球したことに対する特典を大きくし、特定の遊技状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合に球が入球し易くなる下第1入球口64b2に頻繁に球が入球したとしても遊技者に過剰に賞球を獲得させないようにしても良いし、上第1入球口64b1の賞球数を4個、下第1入球口64b2の賞球数を5個に設定し、特定の遊技状態(確変状態、時短状態)が設定された場合に、遊技者に大きな特典を付与出来るように構成しても良い。また、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数と同一の数(例えば、共に5個)として構成してもよい。
下第1入球口64b2には電動役物64aが付随されている。この電動役物64aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物64aが閉鎖状態(規制状態)となって、球が下第1入球口64b2へと入球しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示(普通図柄の抽選)の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物64aが開放状態(許容状態)となり、球が下第1入球口64b2へ入球し易い状態となる。さらに、右側領域の第1可変入賞装置65の右上側には、遊技球が常時入球可能な一般入球口630aが設けられており、右打ち遊技によって発射された遊技球の約20球の1個の割合で遊技球が入球するように配設されている。そして、一般入球口630aへと遊技球が入球した場合に払い出される賞球数が5個となるように構成している。つまり、第2確変状態中に右打ち遊技を実行している遊技者は、右打ち遊技を実行することによって、第2入球口640への入球に基づく賞球と、一般入球口630aへの入球に基づく賞球と、第1特定入賞口65aへの入賞に基づく賞球と、を獲得しながら遊技を行うことができる。上述した通り、確変状態中および時短状態中は、通常状態中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物64aが開放状態(許容状態)となる回数が増える。更に、確変状態中または時短状態中は、電動役物64aが開放される時間も、通常状態中より長くなる。よって、確変状態中または時短状態中は、通常状態時と比して、下第1入球口64b2へ球が入球しやすい状態を作ることができる。尚、上述した通り、下第1入球口64b2、即ち、電動役物64aが付随する入球口は、設定される遊技状態に応じて球が入球し易い状態(第1状態)と、球が入球し難い状態(第2状態)とを設定することができる。つまり、球の入球のし易さの観点では、第1状態が遊技者に有利となる有利遊技状態となり、第2状態が遊技者に不利(第1状態よりも不利)となる不利遊技状態となる。
ここで、第1入球口64に球が入球した場合(第1特別図柄の抽選が実行された場合)と第2入球口640へ球が入球した場合(第2特別図柄の抽選が実行された場合)とで、大当たりとなる確率は同一であり、特別図柄の低確率状態が設定されている場合は所定の低確率(例えば、1/280)で大当たりとなる抽選が実行され、特別図柄の高確率状態が設定されている場合は、低確率状態よりも当たり易い所定の高確率(例えば、1/30)で大当たりとなる抽選が実行される。しかしながら、大当たりとなった場合に選定(設定)される大当たりの種別は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで異ならせるように設定している。このように、本第26制御例の第3変形例のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方(遊技方法)を「左打ち(左打ち遊技)」と「右打ち(右打ち遊技)」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。次に、図921~図924を参照して、本第26制御例の第3変形例のパチンコ機10における各遊技状態において第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容について説明をする。本変形例におけるパチンコ機10では、確変状態中に実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、その大当たり当選した第1特別図柄抽選に対応する特別図柄変動(特図1大当たり変動)が開始されるタイミングにて普通図柄の低確率状態を設定することで、特図1大当たり変動が実行されている変動期間中の遊技状態を第2確変状態とすることができるように構成している。
ここで、図921(a)を参照して、大当たり遊技の終了画面(エンディング画面)の表示内容について説明をする。図921(a)は、確変大当たり遊技の終了画面(エンディング画面)の表示内容を模式的に示した模式図である。図921(a)に示した通り、大当たり遊技のエンディング画面では、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す「チャンスゾーン突入!!」のコメントが副表示領域Dsに表示される。そして、主表示領域Dmには、確変状態や第2確変状態が設定される期間中に表示されるキャラクタ811が表示される。このキャラクタ811は、通常状態が設定されている期間中には登場しない(表示されない)ように構成されており、第3図柄表示装置81の表示画面にキャラクタ811が表示されている期間を遊技者に有利な遊技状態(通常状態よりも有利な遊技状態)とするようにしている。このように構成することにより、遊技者は表示画面にキャラクタ811が表示されているか否かを把握することにより、現在設定されている遊技状態の概要を把握することができるため、分かり易い遊技を提供することができる。また、主表示領域Dmに第2確変状態が設定されることを狙うための「RUSHを目指せ!!」のコメントが表示される。さらに、主表示領域Dmの案内表示領域Dm3には、遊技者に左打つ遊技を行わせるための案内表示態様として「左打ち」の文字が表示される。これにより、遊技者に対して確変状態が設定された場合に左側領域を狙う左側遊技を行うことを容易に把握させることができる。なお、本第26制御例の第3変形例では、大当たり遊技中に開放動作される第2可変入賞装置650が、左打ち遊技により発射された球(左側領域を流下した球)も、右打ち遊技により発射された球も、入賞し得る位置(遊技領域の下流位置(図2参照))に配設しており、大当たり遊技中に案内表示領域Dm3に表示される文字(「左打ち」、「右打ち」)、即ち、大当たり遊技中に案内する遊技方法を、大当たり遊技が実行される前の遊技状態に応じて可変させるように構成している。
具体的には、大当たりに当選した際の遊技状態を判別し、左打ち遊技が案内される遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態)であると判別した場合は、大当たり中の案内表示として「左打ち」を表示し、右打ち遊技が案内される遊技状態(第2確変状態)であると判別した場合は、大当たり中の案内表示として「右打ち」を表示するように構成している。これにより、大当たり遊技が実行された際に、遊技者に対して遊技方法を可変させる手間を省くことができる。また、主表示領域Dmには第1特別図柄に対応した第3図柄を表示するための特図1表示領域Dm1、第2特別図柄に対応した第3図柄を表示するための特図2表示領域Dm2が形成されており、図921(a)に示す例によれば、特図1表示領域Dm1には、現在実行中(エンディング画面表示中)の大当たり遊技に対応する表示態様として「777」が表示されている。なお、特図2表示領域Dm2には、第2特別図柄が変動表示していないことを示す非変動表示態様として「-」が表示されている。本第26制御例の第3変形例では、電源を投入してから一度も特別図柄が変動表示されていない場合には上述した非変動表示態様が表示されるように構成している。この非変動表示態様が表示されることにより、遊技者に対して、過去の遊技履歴(特別図柄の変動履歴)を予測させることが可能となる。なお、本第26制御例の第3変形例では上述した非変動表示態様を表示するように構成しているが、これに限ること無く、外れを示す予め定めた表示態様(初期表示態様)を表示するように構成しても良いし、前回変動表示が実行されてからの経過期間が所定期間(例えば、30分)を超えたと判別した場合に、特図1表示領域Dm1、特図2表示領域Dm2に表示される表示態様を初期表示態様や非変動表示態様に可変して表示するように構成しても良い。
次に、確変状態中における第3図柄表示装置81の表示画面の内容について、図921(b)を参照して説明をする。図921(b)は確変状態中における表示画面の表示内容を模式的に示した模式図である。図921(b)に示した通り、現在の遊技状態が確変状態であることを示す「チャンスゾーン中」のコメントが副表示領域Dsに横方向(右から左方向)にスクロールするように表示される。そして、主表示領域Dmではキャラクタ811が横方向(左から右方向)に移動する(走る)演出が表示される。そして、案内表示領域Dm3には「左打ち」が表示され、特図1表示領域Dm1には第1特別図柄が変動中であることを示す変動中表示が表示される。なお、この時点においても、図921(a)に示した状態から新たに第2特別図柄を変動させていないため(右打ち遊技により第2入球口640に球を入球させていないため)、特図2表示領域Dm2には非変動表示態様「-」が継続して表示される。詳細な説明は省略するが、本第26制御例の第3変形例のパチンコ機10では、確変状態においてキャラクタ811の動作表示パターンが複数記憶されており、確変状態中における第1特別図柄の抽選結果(当否判定結果)に応じてキャラクタ811の動作表示パターンを異ならせて設定するように構成している。これにより、確変状態中において第1特別図柄の抽選結果が大当たりに当選するか否かを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。図921(b)に示した表示画面が表示された後、第1特別図柄の抽選結果が大当たりに当選したことを示すための変動表示が実行されると、図922(a)に示した表示画面が表示される。図922(a)は、確変状態中において大当たりに当選した変動表示が開始された場合に表示される表示内容を示した模式図である。上述した通り、本第26制御例の第3変形例のパチンコ機10では、確変状態中に第1特別図柄が大当たりに当選したことを示す変動表示が開始されるタイミングで遊技状態が確変状態から第2確変状態へと移行するように構成している。
よって、第1特別図柄の変動が開始するタイミングで遊技状態が遊技者にとって有利な状態(第2確変状態)へと移行するため、表示画面の特図1表示領域Dm1にて第1特別図柄の変動表示が実行されていることを示す変動表示態様が表示されている状態で、遊技者に遊技状態が移行したことを示すための演出図柄813の表示態様(「333」の表示態様)が停止表示される。これにより、遊技者には演出図柄813が停止表示されたことにより、遊技状態が確変状態から第2確変状態へと移行したと思わせることができる。また、本第26制御例の第3変形例では、演出図柄表示態様として、第3図柄の表示態様と同様の表示態様を用いているため、停止表示された演出図柄表示態様が、特別図柄の抽選結果を示すための表示態様と思わせることができる。本第26制御例の第3変形例は、第2確変状態が設定されている期間において、第2特別図柄の変動表示を頻繁に実行することにより数多くの小当たり遊技を実行させることが可能となるように構成している。よって、少なくとも、第2確変状態が設定されている期間中は遊技者に右打ち遊技を示すための「右打ち」が案内表示領域Dm3に表示される。そして、副表示領域Dsには遊技状態として第2確変状態が設定されたことを示すための「RUSH突入!!右打ちしてね」のコメントが表示される。上述した通り、本第26制御例の第3変形例では、大当たりに当選した第1特別図柄の変動開始時に特図1表示領域Dm1の演出態様を可変することなく、主表示領域Dmに表示された演出図柄を停止表示させるように構成しているため、遊技者に対して、あたかも演出図柄の抽選結果に応じて遊技状態が移行したと思わせることができる。
ここで、本第26制御例の第3変形例では、第2特別図柄の実行権利(特図2保留)を記憶するための記憶手段を有していないことから、第2確変状態が設定されている場合であっても、右打ち遊技によって発射された遊技球が第2入球口640へと入球するタイミングによって、頻繁に第2特別図柄抽選が実行される期間と、第2特別図柄抽選が間を空けて実行される期間とが発生してしまう虞がある。さらに、第2特別図柄抽選によって小当たり当選する確率が1/2程度に規定されていることから、繰り返し実行される第2特別図柄抽選の結果が連続して小当たり当選する場合と、連続して外れとなる場合とが発生し得る。つまり、特図1大当たり変動が実行されている期間中に第2確変状態が設定され、その期間中に継続して右打ち遊技を実行したとしても、定期的に小当たり遊技を実行させ難いという問題があった。一方、パチンコ機10の遊技仕様として、特図2保留を所定数(例えば、4個)を上限に記憶可能な記憶手段を設け、且つ、第2特別図柄抽選によって小当たり当選する確率が約1/1となる(略毎回小当たり当選する)ように設計した場合には、遊技者に過剰に賞球を払い出してしまうという問題があった。また、第2確変状態中に実行される第2特別図柄抽選の結果に関わらず、常に一定量の賞球しか払い出されない遊技性となってしまうため、より多くの賞球を獲得しようとする遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。これに対して、本第26制御例の第3変形例では、第2確変状態中に実行される第2特別図柄抽選の結果に関わらず、擬似的に小当たり当選したことを示すための小当たり変動演出(擬似小当たり変動演出)と、擬似的に小当たり遊技が実行されていることを示すための小当たり遊技演出(擬似小当たり遊技演出)と、を含む擬似小当たり演出を実行可能に構成している。このように構成することで、定期的に小当たり遊技を実行させ難い遊技仕様であっても、第3図柄表示装置81の表示面では擬似小当たり演出を定期的に実行させることができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題が発生することを抑制することができる。
ここで、図922(b)を参照して、第2確変状態が設定されている場合に実行される擬似小当たり演出における表示内容について説明をする。図922(b)は、擬似小当たり演出中の表示画面の表示内容を模式的に示した模式図である。図922(b)によれば、第2確変状態が設定されている状態中(RUSH中)において、表示領域Dm1には第1特別図柄が変動中(大当たり変動中)であることを示唆するための変動表示態様が表示され、表示領域Dm2には、第2特別図柄が変動中であることを示唆するための変動表示態様が表示されている。そして、主表示領域Dmの中央部には、擬似的に小当たり当選を示すための擬似演出態様として宝箱812が開放され、中から擬似的な遊技結果を示すための擬似演出図柄813として小当たりを示すための「V」が表示される擬似小当たり演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2確変状態中(RUSH中)に第2特別図柄にて小当たりに当選し、小当たり遊技が実行されると思わせることができる。その後、擬似小当たり遊技演出が実行されると、図923(a)に示した表示画面が表示される。図923(a)は、擬似小当たり遊技演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。図923(a)に示した通り、擬似小当たり遊技演出が実行されると、1回の小当たり遊技にて獲得可能な賞球数に対応するポイントアイコンP1~P3が表示される。本変形例では、実際の小当たり遊技が実行された場合に開放制御される第1可変入賞装置65が有する第1特定入賞口65aへと遊技球が入賞した場合に、15個の賞球が払い出されるように構成しているため、ポイントアイコンP1~P3には、15個の賞球に対応する表示態様として「15」を付した表示態様が表示されている。
そして、表示領域Dm17には、第2確変状態中に実行された擬似小当たり演出の回数(V回数)を示すための表示態様として「5回」が表示され、表示領域Dm18には、擬似小当たり演出中に表示されたポイントアイコンP1に付されている値の合算値を示す表示態様、即ち、擬似小当たり演出にて獲得した擬似賞球数を示す表示態様として「225P」が表示されている。そして、副表示領域Dsには、今回の擬似小当たり演出が5回目の擬似小当たり演出であることを遊技者に案内するための案内表示態様として「小当たり5回目」の文字が表示されている。なお、この擬似小当たり遊技演出が実行されている状況は、実際には、第2特別図柄変動が実行されている状況であるため、図923(a)に示した通り、表示領域Dm2には第2特別図柄が変動表示されている状況であることを示すための変動表示態様が表示されている。詳細な説明は後述するが、本第26制御例の第3変形例では、第2確変状態における特図1大当たり変動期間中に擬似小当たり演出を繰り返し実行するように構成し、特図1大当たり変動期間が終了した後に、大当たり遊技(特図1大当たり遊技)を実行するように構成している。ここで、第2確変状態における特図1大当たり変動期間中に実行された擬似小当たり演出にて第3図柄表示装置81の表示面に表示された疑似賞球数が、実際に獲得した賞球数と異なってしまうという問題があった。この問題を解決するために、例えば、第2確変状態における特図1大当たり変動期間中に表示された擬似賞球数と、実際に獲得した賞球数との差分を常時監視し、所定の差が生じた場合に、擬似小当たり演出の実行を禁止したり、擬似小当たり演出の実行間隔を短くしたりする補正処理を行うことが考えられる。しかしながらこのような解決策では、第2確変状態が設定されている期間において、定期的に小当たり遊技が実行されるように見せることで、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制するという本来の目的を達成し難くなるという問題があった。
これに対して、本第26制御例の第3変形例では、第2確変状態が終了した後に実行される大当たり遊技中の演出(大当たり遊技演出)を用いて、第2確変状態における特図1大当たり変動期間中に表示された擬似賞球数と、実際に獲得した賞球数との差分を解消する演出を実行するように構成している。具体的には、第2確変状態における特図1大当たり変動期間中に表示された擬似賞球数の方が、実際に獲得した賞球数よりも多い状態で大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の一部として実行される大当たり遊技中に獲得した賞球数に対応して表示される表示態様の数を減少させることで、第2確変状態中に獲得した賞球数と、大当たり遊技中に獲得した賞球数とを合算した全賞球数が、第3図柄表示装置81の表示面に表示される全賞球数(擬似賞球数と、大当たり遊技中に表示された賞球数との合算数)と同一となるように構成している。一方、第2確変状態における特図1大当たり変動期間中に表示された擬似賞球数よりも、実際に獲得した賞球数の方が多い状態で大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の一部として実行される大当たり遊技中に獲得した賞球数に対応して表示される表示態様が示す賞球数を多くすることで、第2確変状態中に獲得した賞球数と、大当たり遊技中に獲得した賞球数とを合算した全賞球数が、第3図柄表示装置81の表示面に表示される全賞球数(擬似賞球数と、大当たり遊技中に表示された賞球数との合算数)と同一となるように構成している。このように構成することで、第2確変状態中において、実際に実行された小当たり遊技の回数や、小当たり遊技中に獲得した賞球数に関わらず定期的に擬似小当たり演出を実行するように構成した場合であっても、遊技者に有利となる有利遊技期間(第2確変状態が設定されてから大当たり遊技が終了するまでの期間)中に獲得した賞球数を、遊技者に違和感を与えること無く第3図柄表示装置81の表示面に表示することができる。
ここで、図923(b)を参照して、第2確変状態における特図1大当たり変動期間中に表示された擬似賞球数の方が、実際に獲得した賞球数(実賞球数)よりも多い状態で大当たり遊技が実行された場合に実行される大当たり遊技演出の演出内容について説明をする。図923(b)は、特図1大当たり遊技中の大当たり遊技演出のうち、大当たり遊技中に表示されるポイントアイコンPにて表示される賞球数を減算した減算態様が表示されている表示画面を模式的に示した図である。図923(b)に示した通り、第2確変状態が終了した後の特図1大当たり遊技中は、第2確変状態中から継続して表示態様Dm17、及び表示領域Dm18が形成されている。図923(b)では、前回の第2確変状態中に擬似小当たりが12回実行され、擬似賞球数として「540P」が表示されている。そして、実際には第2確変状態中に小当たり遊技によって獲得した賞球数が495個であり、擬似賞球数よりも少ない場合を示しているため、大当たり遊技中に獲得した賞球数を示すためのポイントアイコンの表示態様として「+?」が付されたポイントアイコンP1、ポイントアイコンP2が表示され、さらに、今回の大当たり遊技のラウンド数を示すための特典態様として「10R」が付されたポイントアイコンPrが表示されている。そして、副表示領域Dsには、「10ラウンド大当たりおめでとう」の文字が表示される。ポイントアイコンPとして、賞球を示さない表示態様(減算態様)が表示された場合には、そのポイントアイコンPに対応する大当たり遊技中に獲得した賞球数(アタッカー賞球数)が表示領域Dm10に表示されないように構成しているため、大当たり遊技終了時に表示領域Dm10に表示された値と、表示領域Dm18に表示された値と、を合算した値が、第2確変状態中に獲得した実賞球数と、大当たり遊技中に獲得したアタッカー賞球との合計値とを一致させることができる。
このように、擬似賞球数よりも実賞球数が少ない場合であって、大当たり遊技演出を用いて、差分を解消させるために、大当たり遊技中に獲得した賞球数を示すためのポイントアイコンの表示態様を変更するように構成することで、遊技者に違和感を与えること無く大当たり遊技演出を実行することができる。なお、図示は省略しているが、擬似賞球数と実賞球数との差分としてポイントアイコンPの1単位(賞球15個)よりも少ない端数が生じた場合には、ポイントアイコンPが示す賞球数の値を減算表示するように構成している。具体的には、数字情報を少なくとも含む態様として、端数が「8」である場合には、「14」が付されたポイントアイコンPを8個表示するように構成し、「14」が付されたポイントアイコンPが表示された場合には、表示領域Dm10に表示されているアタッカー賞球数表示に14個の賞球数を加算表示するように構成している。このように構成することで、端数を含めて大当たり遊技終了時に表示領域Dm10に表示された値と、表示領域Dm18に表示された値と、を合算した値が、第2確変状態中に獲得した実賞球数と、大当たり遊技中に獲得したアタッカー賞球との合計値とを一致させることができる。次に、図924(a)を参照して、第2確変状態における特図1大当たり変動期間中に表示された擬似賞球数よりも、実賞球数の方が多い状態で大当たり遊技が実行された場合に実行される大当たり遊技演出の演出内容について説明をする。図924(a)は、特図1大当たり遊技中の大当たり遊技演出のうち、大当たり遊技中に表示されるポイントアイコンPにて表示される賞球数を加算した加算態様が表示されている表示画面を模式的に示した図である。
図924(a)に示した通り、第2確変状態が終了した後の特図1大当たり遊技中は、第2確変状態中から継続して表示態様Dm17、及び表示領域Dm18が形成されている。図924(a)では、前回の第2確変状態中に擬似小当たりが7回実行され、擬似賞球数として「315P」が表示されている。そして、実際には第2確変状態中に小当たり遊技によって獲得した賞球数が495個であり、擬似賞球数よりも多い場合を示しているため、大当たり遊技中に獲得した賞球数を示すためのポイントアイコンの表示態様として「+30」が付されたポイントアイコンP1、ポイントアイコンP2、ポイントアイコンP3が表示されている。そして、副表示領域Dsには、「賞球UP」の文字が表示される。そして、ポイントアイコンPにて表示された値(30個)に対応する賞球数が表示領域Dm10に加算表示される。このように、実際にアタッカー賞球として払い出された賞球数よりも、多い賞球数に対応するポイントアイコンPを表示することで、大当たり遊技終了時に表示領域Dm10に表示された値と、表示領域Dm18に表示された値と、を合算した値が、第2確変状態中に獲得した実賞球数と、大当たり遊技中に獲得したアタッカー賞球との合計値とを一致させることができる。なお、擬似賞球数と実賞球数との差分としてポイントアイコンPの1単位(賞球15個)よりも少ない端数が生じた場合には、ポイントアイコンPが示す賞球数の値を加算表示するように構成している。具体的には、端数が「8」である場合には、「16」が付されたポイントアイコンPを8個表示するように構成し、「16」が付されたポイントアイコンPが表示された場合には、表示領域Dm10に表示されているアタッカー賞球数表示に16個の賞球数を加算表示するように構成している。このように構成することで、端数を含めて大当たり遊技終了時に表示領域Dm10に表示された値と、表示領域Dm18に表示された値と、を合算した値が、第2確変状態中に獲得した実賞球数と、大当たり遊技中に獲得したアタッカー賞球との合計値とを一致させることができる。
次に、図924(b)、及び図925を参照して、第2確変状態中(擬似演出中)において、実際の小当たり遊技演出を実行する場合の演出内容について説明をする。本第3変形例では、基本的には、第2確変状態中において定期的に小当たり遊技が実行されているように遊技者に思わせるために擬似演出(擬似小当たり演出が定期的に実行される演出)を実行するように構成している。ここで、擬似小当たり演出の実行タイミングと、実際に小当たり遊技が実行される実行タイミングとが所定範囲内であると判別した場合に、擬似小当たり演出の代わりに実小当たり演出を実行するように構成している。具体的には、擬似演出の演出シナリオとして次の擬似小当たり演出の実行タイミングとなった場合に、実行中の第2特別図柄変動の抽選結果と残変動時間とを特定し、小当たり当選している第2特別図柄変動の残変動時間が1秒未満で有る場合には、擬似小当たり演出の実行を中断し、小当たり遊技の開始タイミングに合わせて実小当たり演出を実行するように構成している。このように構成することで、第2確変状態中において、定期的に小当たり演出が実行される状況を維持しながら、擬似的に実行される小当たり演出(擬似小当たり演出)の実行回数を減らすことができるため、表示される擬似賞球数と、実賞球数が大きく乖離してしまうことを抑制することができる。図924(b)は、擬似小当たり演出の実行タイミングにて、実小当たり演出の実行が決定された場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図925(a)は、実小当たり演出の演出態様を示した図である。図924(b)は、擬似小当たり演出の実行タイミングにて、第2特別図柄変動が小当たり当選を示す表示態様で停止表示した時点を示しており、表示領域Dm2には、第2特別図柄抽選で小当たり当選したことを示す表示態様「341」が停止表示されており、主表示領域Dmの中央部では、宝箱812を開こうとしている演出が実行され、「宝箱よ開け」の文字が表示されている。そして、副表示領域Dsには、次の小当たり遊技が実行されることを示唆する「小当たり6回目!?」の文字が表示されている。
その後、小当たり遊技が開始されると、図925(a)に示した通り、実際に可変入賞装置65の特定入賞口65aへと遊技球が入賞したことに基づいて宝箱812から15個の賞球が付与されたことに対応する「+15」が付与されたポイントアイコンP1が表示される実小当たり演出が実行される。また、第2確変状態中に既に実行された擬似小当たり演出の実行回数を1加算するように表示領域Dm17には「V回数6回目」が表示され、副表示領域Dsには「小当たり6回目」が表示される。さらに、今回実行された小当たり演出が実小当たり演出であるため、新たに表示領域Dm18aが表示され、擬似賞球数とは異なる実賞球数が表示される。図925(a)に示した図では、実小当たり演出における1個目のポイントアイコンP1が表示された状態を示しているため、表示領域Dm18aには、15個の賞球に対応する値である「15P」が表示されている。なお、図925(a)に示した実小当たり演出が実行された場合には、表示領域Dm18に示されている表示態様、即ち、擬似賞球数に対応する表示態様が加算表示されないように構成している。そして、第2確変状態中に獲得した実賞球数のうち、既に報知済の実賞球数として識別可能に記憶管理されるように構成している。つまり、第2確変状態が終了した後に実行される大当たり遊技演出において、既に報知済の実賞球数は、擬似賞球数と実賞球数との差分を算出する際に参照されないように構成している。これにより、実小当たり演出が実行されたことにより差分値が大きくなってしまうことを抑制することができる。
このように、本第3変形例では、第2確変状態中に実行された小当たり遊技における賞球数を、擬似小当たり演出が実行されている期間中は報知しないように構成し、実小当たり演出が実行されている期間中は報知可能に構成している。このように構成することで、第2確変状態中に定期的に小当たり演出(擬似小当たり演出、実小当たり演出)を実行可能に構成したパチンコ機10において、擬似賞球数(擬似小当たり演出にて獲得表示された賞球数)と実賞球数(実際に小当たり遊技にて獲得した賞球数)とが大きく乖離してしまうことを抑制することができる。また、第2確変状態中の一部期間において、実際に獲得した賞球数を遊技者に把握させることで、第2確変状態の全期間にて獲得した実賞球数を予測させ易くすることができる。次に、図925(b)を参照して、第2確変状態が終了した後に実行される大当たり遊技(特図1大当たり遊技)のオープニング期間中に実行される演出態様について説明をする。図925(b)は、特図1大当たり遊技のオープニング期間中に表示される表示画面の一例を示した図である。図925(b)では、第1特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選したことを示すために第1特別図柄に対応する第3図柄が大当たり当選を示す組合せ「777」で停止表示されており、主表示領域Dmの中央部には、第2確変状態が終了したことを示すための表示態様として「RUSH終了」の文字が表示され、第2確変状態中に実行された小当たり演出回数に対応する表示態様として「小当たり回数6回」が表示され、第2確変状態中に獲得表示された賞球数に対応する表示態様として「225P+45Pゲット」が表示されている。この表示画面では、実際に実行された小当たり遊技の回数では無く、実行された擬似小当たり演出と実小当たり演出とを合算した回数が小当たり回数として表示され、擬似小当たり演出にて獲得表示された擬似賞球数に対応する値(Dm18に表示された値)と、実小当たり演出にて獲得表示された実賞球数に対応する値(Dm18aに表示された値)と、が表示される。
そして、副表示領域Dsには、後の遊技内容を案内するための案内表示態様として「続いて大当たりが始まるよ!!右打ち継続!!」の文字が表示される。このように、本第3変形例では、第2確変状態が終了することを、特図1大当たり遊技のオープニング期間を用いて遊技者に報知するように構成している。このように構成することで、特図1大当たり変動が終了するまでの期間を用いて第2確変状態が終了する旨の演出(終了演出)を実行する必要が無くなるため、特図1大当たり変動が終了するまでの全期間を用いて擬似演出を実行することができる。よって、擬似演出の演出シナリオとして、第1特別図柄変動の変動期間に対応した演出シナリオを用意するだけで遊技者に違和感の無い演出を実行することができる。そして、図925(b)の表示画面が表示された後、残りのオープニング期間を用いて、大当たり遊技が開始されることを示す表示態様(大当たり遊技演出の開始態様)を表示し、大当たり遊技が実行される。
<第26制御例の第3変形例における遊技状態の移行について>
次に、図925を参照して、本第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の遊技状態の移行について説明する。図925は、本第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10に設定されている4種類の遊技状態について、1の遊技状態から他の遊技状態への移行方法を模式的に示した模式図である。まず、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)に滞在している場合における遊技状態の移行方法について説明する。上述した通り、通常状態では、右打ちで遊技を行うよりも左打ちで遊技を行った方が特別図柄の抽選頻度が高くなり易いため、左打ちの方が遊技者にとって有利となる。左打ちを行った場合、上第1入球口64b1へと入球し易くなるためである。なお、上述した通り、第1入球口64へと球が入球することに基づいて実行される第1特別図柄の抽選では、小当たりが抽選されないため、大当たりにならない限り持ち球が延々と減り続ける不利な状態となる。この通常状態では、大当たりとなった場合にのみ、他の遊技状態へと移行する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選で当選し得る大当たり種別としては、大当たりA~Dの4種類が設けられている。これらの大当たり種別の詳細については、図929(a)を参照して後述する。図925の左側に示した通り、通常状態ST1において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に合計65%の割合で決定される大当たりA,Cになると、大当たり終了後に、図925の中央に示した確変状態ST2へと移行する。また、通常状態ST1において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される大当たりDになると、大当たり終了後に、図925の右側に示した時短状態ST3へと移行する。これに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に25%の割合で決定される大当たりBになると、大当たり終了後の遊技状態として通常状態が再度設定される(通常状態をループする)。
なお、通常状態では左打ちにより上第1入球口64b1を狙って遊技を行うのが通常であるが、遊技者が故意に右打ちを行って球が第2入球口640へと入球したり、左打ちを行った球の一部が第2入球口640へと入球した結果、第2特別図柄の抽選で大当たりになる可能性もある。本第26制御例の第3変形例では第2特別図柄で大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別として3種類の大当たり種別(大当たりE~G)を有しており、通常状態で第2特別図柄の大当たりに当選した場合の合計65%の割合で決定される大当たりE,Fになると、大当たり終了後に確変状態ST2へ移行し、35%の割合で決定される大当たりGになると、大当たり終了後の遊技状態として通常状態が再度設定される(通常状態をループする)。このように、通常状態で第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合には、10%の割合(大当たりD)で通常状態よりも有利な時短状態へと移行する可能性がある一方で、通常状態で第2特別図柄の抽選により大当たりとなった場合には、時短状態へと移行する可能性が0となる。よって、通常状態において右打ちを行うことにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法を行った場合のデメリットを大きくすることができるので、変則遊技に対する抑制を図ることができる。また、通常状態において実行される第2特別図柄の抽選では、長時間(10分間)の変動時間を有する変動パターンが設定されるように構成しているため、遊技効率が左打ち遊技を行う場合に比べて著しく低下することから、通常状態において右打ちを行うことにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法を行った場合のデメリットをより大きくすることができる。
次に、確変状態に滞在している場合における遊技状態の移行方法について説明する。上述した通り、確変状態では、通常状態と同様に右打ちで遊技を行うよりも左打ちで遊技を行った方が特別図柄の抽選頻度が高くなり易いため、左打ちの方が遊技者にとって有利となる。なお、確変状態では、通常状態に比較して特別図柄の大当たり確率がアップするため、通常状態に比較すると有利となるが、第2確変状態に比べると不利になる。確変状態ST2が設定された場合には、第1特別図柄の大当たりに当選(特図1大当たり変動が開始)したことを契機に第2確変状態SP1へと移行する。なお、確変状態では、通常状態と同様に左打ちにより上第1入球口64b1を狙いながら、上第1入球口64b1の下方に設けられた下第1入球口64b2を狙って遊技を行うことになる。つまり、確変状態中は普通図柄の高確率状態が設定されている状態であるため、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aが開放動作し易くなる。よって、第1特別図柄の抽選を通常状態よりも実行し易くなる遊技状態となる。このように構成された確変状態では、通常、左打ち遊技を行い第1特別図柄の抽選を実行させるものであるが、第2入球口640へと球が入球して第2特別図柄の抽選により大当たりとなる可能性もある。この場合には、第2特別図柄の大当たりに当選した場合の合計65%の割合で決定される大当たりE,Fになると、大当たり終了後に確変状態ST2が再度設定され、35%の割合で決定される大当たりGになると、大当たり終了後の遊技状態として時短状態が設定される。つまり、確変状態において第1特別図柄の抽選を実行した場合には、遊技者に最も有利となる第2確変状態へと移行することが可能であるのに対して、第2特別図柄の抽選を実行した場合には、第2確変状態へと移行する可能性が0となる。よって、確変状態において右打ちを行うことにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法を行った場合のデメリットを大きくすることができるので、変則遊技に対する抑制を図ることができる。
次に、第2確変状態に滞在している場合における遊技状態の移行方法について説明する。上述した通り第2確変状態では、通常状態や確変状態と異なり、第2特別図柄の変動時間が短くなるので、右打ちで遊技を行うことにより第2特別図柄の抽選を効率よく行わせることができる。よって、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利となる。本第26制御例の第3変形例では、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄の大当たりに当選した場合(第1移行条件)と、確変状態、時短状態が設定されている状態で大当たりCに当選した場合(第2移行条件)の2つの移行条件を有しており、第1移行条件が成立した場合には、大当たり遊技が開始される前段階、即ち、特別図柄の大当たり変動中に第2確変状態が設定され、第2移行条件が成立した場合には、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定されるように構成している。このように構成することで、遊技者に最も有利となる遊技状態(第2確変状態)が設定されるタイミングを大当たり遊技の前にしたり、後にしたりすることができるため、遊技者に多彩な遊技性を提供することができる。さらに、第1移行条件が成立した場合には、第2確変状態が設定される期間が第1特別図柄の大当たり変動期間となることから、第2確変状態が設定される期間を予め確定することができるため、第2確変状態中に実行する演出を第2確変状態が設定される期間に合わせて予め(第2確変状態設定時)に容易に作成することができる。加えて、確変状態が設定されている状態において第1特別図柄の抽選によって大当たりCに当選した場合は、大当たり遊技の前後何れにも第2確変状態を設定することができるため、遊技者に対して意外性のある遊技性を提供することができる。
<第26制御例の第3変形例における電気的構成について>
次に、図927から図935を参照して、本第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の電気的構成は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10の電気的構成に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成の一部と、を異ならせている。それ以外の要素については同一であり、同一の要素についてはその説明を省略する。まず、図927から図932を参照して、本第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するROM202とRAM203の構成について説明をする。図927は、第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成を模式的に示した図である。図927に示した通り、本第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成は、上述した第1制御例における主制御装置110のMPU201が有するROM202(図23(a)参照)の構成に対して、第1当たり乱数テーブル202aに代えて第1当たり乱数テーブル202aaCを、変動パターン選択テーブル202bに代えて変動パターン選択テーブル202abCを、第2当たり乱数テーブル202cに代えて第2当たり乱数テーブル202acCを、第1当たり種別選択テーブル202dに代えて第1当たり種別選択テーブル202adCを設けた点で相違している。また、詳細な説明は省略するが、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る値の範囲を「0~999」の1000通りから、「0~479」の480通りへと変更し、その他各種カウンタの取り得る値の範囲も変更している。なお、各種カウンタの構成については、取り得る値の範囲を変更しているのみであり、カウンタ値の更新方法や用途については同一であるためその説明を省略する。
第1当たり乱数テーブル202aaCは、上述した第1当たり乱数テーブル202aと同様に、特別図柄抽選の結果を判定する際に参照されるデータテーブルである。ここで、図928を参照して、第1当たり乱数テーブル202aaCに規定されている内容について説明をする。図928は、第1当たり乱数テーブル202aaCに規定されている内容を模式的に示した図である。図928に示した通り、第1当たり乱数テーブル202aaCには、遊技状態(特別図柄の確率状態)と、図柄種別(特別図柄種別)と、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値とに対応させて抽選結果(特別図柄抽選の結果)が予め規定されている。具体的には、特別図柄の低確率状態では、図柄種別が第1特別図柄であって、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0,1」の範囲に対して、抽選結果「大当たり」が、「2~479」の範囲に対して、抽選結果「外れ」が規定されている。また、特別図柄の低確率状態では、図柄種別が第2特別図柄であって、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0,1」の範囲に対して、抽選結果「大当たり」が、「212~432」の範囲に対して、抽選結果「小当たり」が、「2~211,433~479」の範囲に対して、抽選結果「外れ」が規定されている。また、特別図柄の高確率状態では、図柄種別が第1特別図柄であって、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~5」の範囲に対して、抽選結果「大当たり」が、「6~479」の範囲に対して、抽選結果「外れ」が規定されている。また、特別図柄の高確率状態では、図柄種別が第2特別図柄であって、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~5」の範囲に対して、抽選結果「大当たり」が、「212~432」の範囲に対して、抽選結果「小当たり」が、「6~211,433~479」の範囲に対して、抽選結果「外れ」が規定されている。
本第26制御例の第3変形例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0~479の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。上述した通り、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は2個あり、その乱数値である「0,1」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が480である中で、大当たりとなる乱数値の総数が2なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/240」となる。一方、特別図柄の高確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は6個あり、その乱数値である「0~5」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が480ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が6なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/80」となる。更に、上述した通り、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は221個あり、その乱数値である「212~432」が第1当たり乱数テーブル202aaCに格納されている。このように乱数値の総数が480ある中で、小当たりとなる乱数値の総数が221なので、特別図柄の小当たりとなる確率は「221/480」(約46%)である。次に、図928(b)を参照して、第2当たり乱数テーブル202acCの内容について説明をする。この第2当たり乱数テーブル202acCは、上述した第1制御例の第2当たり乱数テーブル202c(図24(b)参照)と同様に普通図柄抽選の結果を判定する際に参照されるデータテーブルである。図928(b)は、第2当たり乱数テーブル202acCの内容を模式的に示した模式図である。この第2当たり乱数テーブル202cにおいて、遊技状態として普通図柄の低確率状態(通常状態中、第2確変状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は11個あり、その範囲は「0~10」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が233個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が11個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「11/233」となる。
一方、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は232個あり、その範囲は「0~231」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が233個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が232個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「232/233」となる。このように、本第26制御例の第3変形例では、普通図柄の当たりとなる乱数値が、普通図柄の低確率状態に対して、普通図柄の高確率状態とで約20倍の差が設けられるように構成している。また、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開放時間も普通図柄の低確率状態に対して、普通図柄の高確率状態のほうが有利(下第1入球口64b2に球を入球させ易い)となるように構成している。球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、普通図柄の低確率状態において、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0~10」の範囲内であれば当たりと判定されて、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、下第1入球口64b2が「1秒間×2回」だけ開放される。一方、普通図柄の高確率状態において、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0~231」の範囲であれば当たりと判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、下第1入球口64b2が「1秒間×2回」だけ開放される。尚、本第26制御例の第3変形例では、普通図柄の変動時間や、普通電動役物開放時間や開放回数については、遊技性を損なわない範囲で適宜変更してもよい。
次に、図929を参照して、第1当たり種別選択テーブル202adCの詳細について説明する。第1当たり種別選択テーブル202adCは、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。本第26制御例の第3変形例のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、大当たり種別選択テーブル202dとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。図929に示した通り、第1特別図柄(特図1)に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~24」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA」は、ラウンド数が15ラウンドであり、第2アタッカ(第2可変入賞装置650)を開放させる大当たり遊技が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA」となるカウンタ値は25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が決定される割合は25%(25/100)である。そして、「大当たりA」が選択された場合は、大当たりに当選した際の遊技状態に関わらず、大当たり終了時に確変状態が設定され(確変フラグaaCがオンに設定され)、10000回の時短回数が設定される(時短カウンタ203fに10000の値がセットされる)。つまり、「大当たりA」終了後には、次回の大当たりに当選するまでの間、確変状態が設定されることになる。「大当たりA」は、ラウンド数が最も多い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では有利になる。また、特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常状態よりも高くなるように設定されるため、通常状態よりは有利な遊技を行うことができる遊技状態となる。一方で、本第26制御例の第3変形例では、確変状態よりも第2確変状態のほうが遊技者に対して有利な特典を付与し易くなるように構成しており、複数の遊技状態の中では、第2確変状態の次に有利な遊技状態となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「25~49」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB」は、上述した「大当たりA」と同一の大当たり遊技が実行されるものであって、ラウンド数が15ラウンドであり、第2アタッカ(第2可変入賞装置650)を開放させる大当たり遊技が設定される。「大当たりB」の終了後は、確変フラグaaCがオフに設定されると共に、時短カウンタ203fには当たり当選時における遊技状態に応じて異なる値が設定されるように構成している。大当たり当選時における遊技状態が通常状態である場合には、時短カウンタ203fに「0」の値が設定され、大当たり当選時における遊技状態が時短状態、確変状態である場合には、時短カウンタ203fに「100」の値が設定される。つまり、通常状態が設定されている状態で「大当たりB」に当選した場合には、大当たり終了後に通常状態が設定されるのに対して、時短状態中に「大当たりB」に当選した場合には、大当たり終了後に時短状態(100回)が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB」となるカウンタ値は25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が決定される割合は25%(25/100)である。「大当たりB」は、「大当たりA」同様にラウンド数が最も多い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では有利になるが、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態が設定されない分、「大当たりA」よりも不利な大当たり種別となる。第1当たり種別カウンタC2の値が「50~89」の範囲には、「大当たりC」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC」は、ラウンド数が2ラウンドであり、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させる大当たり遊技が設定される。なお、詳細は後述するが、本第26制御例の第3変形例では第2特別図柄の抽選にて小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技においても、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させるように構成しており、「大当たりC」に当選した場合と「小当たり」に当選した場合とを遊技者が判別し難いように構成している。
このように構成することで、第1アタッカーが開放される当たり遊技が実行された場合に、遊技者に大当たり遊技が実行されたのか小当たり遊技が実行されたのかを分かり難くすることができる。上述した通り、本第26制御例の第3変形例では第1特別図柄の大当たり変動期間中が小当たり遊技を頻繁に実行可能な第2確変状態(RUSH状態)となるように構成していることから、遊技者は、第1アタッカーが開放される当たり遊技が小当たり遊技であることを期待しながら遊技を行うことになる。つまり、通常であれば遊技者が最も所望する大当たり遊技が実行される状況を遊技者が所望しない遊技期間を設けることで、斬新な遊技性を提供することができる。「大当たりC」の終了後は、確変フラグaaCがオンに設定されると共に、時短カウンタ203fには当たり当選時における遊技状態に応じて異なる値が設定されるように構成している。大当たり当選時における遊技状態が通常状態である場合には、時短カウンタ203fに「10000」の値が設定され、大当たり当選時における遊技状態が時短状態、確変状態である場合には、時短カウンタ203fに「0」の値が設定される。つまり、通常状態が設定されている状態で「大当たりC」に当選した場合には、大当たり終了後に確変状態が設定されるのに対して、確変状態、或いは時短状態中に「大当たりC」に当選した場合には、大当たり終了後に第2確変状態が設定される。このように、大当たりに当選した際の遊技状態において、同じ種別の大当たりであったとしても大当たり終了後に設定される遊技状態が異なるように構成することで、遊技者に対して単に大当たり当選を目指すだけでは無く、設定されている遊技状態にも注視させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本第26制御例の第3変形例では、遊技状態として第2確変状態が設定された場合に、遊技者に最も有利な遊技状態となるように構成しており、この第2確変状態が設定される条件として、確変状態が設定されている状態にて特別図柄の大当たり変動が開始される第1設定条件と、確変状態、時短状態が設定されている状態にて大当たりCに当選する第2設定条件の2つを有している。つまり、大当たりに当選した際の遊技状態に応じて、第2確変状態が設定される期待度(確率)を異ならせるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、遊技の進行に応じて(設定される遊技状態に応じて)遊技者に有利となる遊技状態が設定される期待度を徐々に高めさせることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC」となるカウンタ値は40個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が決定される割合は40%(40/100)である。「大当たりC」は、上述した「大当たりA」、「大当たりB」と比べてラウンド数が少なく且つ、1回の開放動作期間が短い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では不利になるが、大当たり当選時の遊技状態によっては、大当たり終了後に設定される遊技状態として遊技者に最も有利となる第2確変状態を設定し得る唯一の大当たり種別であることから、大当たり後に設定される遊技状態の面では、「大当たりA」、「大当たりB」よりも有利な大当たり種別となる。第1当たり種別カウンタC2の値が「90~99」の範囲には、「大当たりD」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD」は、ラウンド数が2ラウンドであり、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させる大当たり遊技(「大当たりC」と同一)が設定される。
「大当たりD」の終了後は、確変フラグaaCがオフに設定されると共に、時短カウンタ203fには「0」の値が設定される。つまり、「大当たりC」に当選した場合には、大当たり終了後に通常状態が設定される。この「大当たりD」は上述した「大当たりC」と同一の大当たり遊技内容であることから、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を小当たり遊技と同一の開放動作で動作させるように構成している。「大当たりD」の終了後は、上述した通り通常状態が設定されるように構成していることから、確変状態が設定されている状態において「大当たりD」に当選した変動表示(大当たり変動)が実行された場合には、大当たり変動中に小当たり遊技を頻繁に行った後に、大当たり遊技が実行され、その後、通常状態が設定される。つまり、第1特別図柄の抽選にて「大当たりD」に当選した場合における第2確変状態(RUSH状態)では、小当たり遊技と同一の開放動作が設定される「大当たりD」が終了した後に通常状態が設定されることから、遊技者に対して大当たり遊技が実行されることなる第2確変状態が終了したように思わせることができる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」が決定される割合は10%(10/100)である。「大当たりD」は、上述した「大当たりA」、「大当たりB」と比べてラウンド数が少なく且つ、1回の開放動作期間が短い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では不利となる。そして、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後には通常状態が設定されることから、大当たり後に設定される遊技状態の面においても不利となる。即ち、最も不利な大当たり種別となる。
以上、説明をした通り、本第26制御例の第3変形例のパチンコ機10は、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別として4つの大当たり種別(「大当たりA」~「大当たりD」)を有している。そのうち、2つの大当たり種別(「大当たりA」、「大当たりB」)では、大当たり遊技中にのみ開放動作される第2アタッカ(第2可変入賞装置650)を開放対象とした大当たり遊技を実行し、他の2つの大当たり種別(「大当たりC」、「大当たりD」)では、小当たり遊技と同一の第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放対象とした大当たり遊技を実行する。即ち、本第26制御例の第3変形例では、特別図柄の大当たりとして、遊技者に賞球を獲得させることを目的とした主大当たり遊技(「大当たりA」、「大当たりB」)と、遊技状態を可変させることを目的とし、且つ、遊技者に対して大当たりに当選したか否かを分かり難くする(小当たり遊技が大当たり遊技かを判別させ難くする)ことを目的とした副大当たり遊技(「大当たりC」、「大当たりD」)と、を実行可能に構成している。また、本第26制御例の第3変形例では、大当たり遊技では無く、小当たり遊技によって遊技者に対して賞球を獲得させることができる遊技性であることから、大当たり遊技中に大量の賞球を獲得し難く設定したとしても(大当たり種別によって、少量の賞球しか獲得できない大当たり遊技が実行されたとしても)、遊技者に不快感を与えることを抑制しながら、遊技状態を可変させることを目的とした大当たり遊技を設定することができる。一方、第2特別図柄の抽選による大当たりの種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲には、「大当たりE」が対応付けられて規定されている。この「大当たりE」は、ラウンド数が15ラウンドであり、第2アタッカ(第2可変入賞装置650)を開放させる大当たり遊技が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE」となるカウンタ値は5個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE」が決定される割合は5%(5/100)である。
そして、「大当たりE」が選択された場合は、大当たりに当選した際の遊技状態に関わらず、大当たり終了時に確変状態が設定され(確変フラグaaCがオンに設定され)、10000回の時短回数が設定される(時短カウンタ203fに10000の値がセットされる)。つまり、「大当たりE」終了後には、次回の大当たりに当選するまでの間、確変状態が設定されることになる。「大当たりE」は、ラウンド数が最も多い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では有利になる。また、特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常状態よりも高くなるように設定されるため、通常状態よりは有利な遊技を行うことができる遊技状態となる。一方で、本第26制御例の第3変形例では、確変状態よりも第2確変状態のほうが遊技者に対して有利な特典を付与し易くなるように構成しており、複数の遊技状態の中では、第2確変状態の次に有利な遊技状態となる。第1当たり種別カウンタC2の値が「5~64」の範囲には、「大当たりF」が対応付けられて規定されている。この「大当たりF」は、ラウンド数が2ラウンドであり、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させる大当たり遊技が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりF」となるカウンタ値は60個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりF」が決定される割合は60%(60/100)である。そして、「大当たりF」が選択された場合は、大当たりに当選した際の遊技状態に関わらず、大当たり終了時に確変状態が設定され(確変フラグaaCがオンに設定され)、10000回の時短回数が設定される(時短カウンタ203fに10000の値がセットされる)。つまり、「大当たりF」終了後には、次回の大当たりに当選するまでの間、確変状態が設定されることになる。
「大当たりF」は、ラウンド数が最も少ない大当たり種別の一つであるため、獲得できる賞球数の面では不利になる。また、特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常状態よりも高くなるように設定されるため、通常状態よりは有利な遊技を行うことができる遊技状態となる。一方で、本第26制御例の第3変形例では、確変状態よりも第2確変状態のほうが遊技者に対して有利な特典を付与し易くなるように構成しており、複数の遊技状態の中では、第2確変状態の次に有利な遊技状態となる。第1当たり種別カウンタC2の値が「65~99」の範囲には、「大当たりG」が対応付けられている。この「大当たりG」は、ラウンド数が2ラウンドであり、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させる大当たり遊技が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりG」となるカウンタ値は35個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりG」が決定される割合は35%(35/100)である。そして、「大当たりG」が選択された場合は、大当たりに当選した際の遊技状態に関わらず、大当たり終了時に通常状態が設定され(確変フラグaaCがオフに設定され)、0回の時短回数が設定される(時短カウンタ203fに0の値がセットされる)。「大当たりG」は、ラウンド数が最も少ない大当たり種別の一つであるため、獲得できる賞球数の面では不利になる。また、大当たり終了後に設定される遊技状態が通常状態であることから、大当たり後に設定される遊技状態の面においても不利となる。即ち、最も不利な大当たり種別となる。
以上、説明をした通り、本第26制御例の第3変形例では、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりに当選した場合と、第2特別図柄(特図2)の抽選で大当たりに当選した場合とで、大当たり終了後に確変フラグaaCをオンに設定する割合が65%(65/100)である点は一致しているが、大当たり遊技として15ラウンドが設定される割合(特図1は50%、特図2は5%)、開放対象として第2アタッカ(第2可変入賞装置650)が選択される割合(特図1は50%、特図2は5%)、大当たり当選時の遊技状態が時短状態、確変状態(即ち、普通図柄の高確率状態)である場合における大当たり終了後に時短カウンタ203fに10000の値が設定される割合(特図1は25%、特図2は65%)が異なるように構成している。このように、大当たりに当選した特別図柄の種別に応じて大当たり遊技内容、及び、大当たり終了後の遊技状態を異ならせることにより、様々な遊技性を遊技者に提供することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、本第26制御例の第3変形例では特別図柄の種別に応じて上述した内容を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、上述した内容のうち一部のみを異ならせるように構成しても良いし、上述した内容以外、例えば、大当たり遊技のラウンド数を特図1に対応する大当たり種別のみ設定され得るラウンド数(例えば7ラウンド)を設定することにより、設定されるラウンド数を異ならせたり、確変フラグaaCをオンに設定する割合を異ならせたりするように構成しても良い。また、大当たり遊技中に球が特定領域(例えば、第2可変入賞装置650に入賞した球が通過し得る領域)を通過したことを条件に、その大当たり終了後に確変フラグaaCをオンに設定するように構成された遊技機においては、特図1に対応する大当たり種別と、特図2に対応する大当たり種別とで、特定領域を球が通過する確率を異ならせるように構成しても良い。また、大当たり終了後に設定される各遊技状態において抽選結果を示すための変動パターンを選択するためのデータテーブルを、大当たり種別に応じて異ならせるように構成しても良い。
確変フラグaaCは、特別図柄の高確率状態が設定されているか否かを示すフラグであって、オンに設定されている場合に、特別図柄が高確率状態であることを示すものである。つまり、確変フラグaaCがオンに設定されている場合は、遊技状態として、確変状態(特別図柄:高確率状態、普通図柄:高確率状態)、或いは、第2確変状態(特別図柄:高確率状態、普通図柄:低確率状態)の何れかが設定されていることになる。この確変フラグaaCは、当選した大当たり種別が大当たり終了後に確変状態、或いは第2確変状態を設定する大当たりである場合に、その大当たりの終了時にオンに設定される。そして、特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示す図柄が停止表示されると、オフに設定される。なお、本第26制御例の第3変形例では、上述した通り、特別図柄の大当たり当選に基づいて特別図柄の高確率状態を設定し、次回大当たりに当選するまで特別図柄の高確率状態を継続するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の高確率状態を終了させるための特図高確終了条件として、特別図柄の高確率状態(特図高確状態)が設定されてからの特別図柄変動回数(特図変動回数)が予め定められた所定回数(例えば、50回)に到達した場合に、確変フラグaaCをオフに設定するように構成しても良い。この場合、確変フラグaaCをオフに設定するタイミングを図るために、特図高確終了条件としての特図変動回数を予め記憶しておく記憶手段と、特図高確状態が設定されてからの特図変動回数を計測する計測手段と、計測手段により計測された特図変動回数が記憶手段に記憶されている特図変動回数(特図高確終了条件)を満たしているかを判別する終了判別手段と、を設ければ良い。
さらに、特図高確終了条件を複数用意し、例えば、特図高確状態における第1特別図柄の変動回数のみに基づいて成立し得る特図1高確終了条件や、第2特別図柄の変動回数のみに基づいて成立し得る特図2高確終了条件や、特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、小当たりに当選する抽選結果)である場合に成立し得る抽選終了条件といった様々な特図高確終了条件を容易し、いずれかの特図高確終了条件が成立した場合に確変フラグaaCをオフに設定するように構成しても良い。特図1大当たりフラグ203abCは、第1入球口64に入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に大当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである。この特図1大当たりフラグ203abCは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される。この特図1大当たりフラグ203abCがオンの状態で、第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、一方の大当たりの実行中に他方が大当たり又は小当たりとなってしまう不具合を防止できる。特図2大当たりフラグ203acCは、第2入球口640に入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に大当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである。この特図2大当たりフラグ203acCは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される。この特図2大当たりフラグ203acCがオンの状態で、第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、一方の大当たりの実行中に他方が大当たり又は小当たりとなってしまう不具合を防止できる。
当選時状態格納エリア203adCは、大当たりに当選した時点における遊技状態を示す情報を格納するための記憶領域である。具体的には、大当たりに当選した時点の遊技状態が通常状態であれば(時短カウンタ203fの値が0で、確変フラグaaCがオフであれば)、この当選時状態格納エリア203adCに、通常状態を示す情報として「00H」が格納される。一方、大当たりに当選した時点の遊技状態が確変状態であれば(時短カウンタ203fの値が1以上で、確変フラグaaCがオンであれば)、この当選時状態格納エリア203adCに、確変状態を示す情報として「01H」が格納される。また、大当たりに当選した時点の遊技状態が第2確変状態であれば(時短カウンタ203fの値が0で、確変フラグaaCがオンであれば)、この当選時状態格納エリア203adCに、第2確変状態を示す情報として「02H」が格納される。この当選時状態格納エリア203adCに格納された情報は、大当たりの終了時まで保持され、大当たりが終了した後の遊技状態を設定する際に参照される。小当たりフラグ203aeCは、第2入球口640に入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に小当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである。この小当たりフラグ203aeCは、小当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される。この小当たりフラグ203aeCがオンの状態で、第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、他方の特別図柄の変動を一時的に仮停止(特別図柄の変動時間を計測するカウンタの減算を停止)させる処理が実行される。これにより、第2特別図柄の小当たりを実行中に、第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、小当たり中に大当たりが開始されてしまう不具合が発生してしまうことを防止(抑制)することができる。
特図1変動時間カウンタ203afC、および特図2変動時間カウンタ203agCは、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄の変動時間を計時するためのカウンタであり、第1特別図柄、および第2特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される。この特図1変動時間カウンタ203afC、および特図2変動時間カウンタ203agCの計時結果によって各特別図柄の変動時間が終了したか否かが判別される。小当たり中フラグ203ahCは、小当たり中であるか否かを示すフラグである。この小当たり中フラグ203ahCがオンであれば、パチンコ機10が小当たり中であることを示し、オフであれば、小当たり中ではないことを示す。この小当たり中フラグ203ahCは、小当たりの開始を設定した場合にオンに設定される。一方、小当たりの終了時にオフに設定される。本第26制御例の第3変形例のパチンコ機10は、第2特別図柄のみ小当たりに当選するように構成されており、小当たりに当選した場合に(小当たり中フラグ203ahCがオンに設定された場合に)、第1特別図柄の変動表示を中断させるように構成している。つまり、複数種別の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)のうち、一方の特別図柄(第2特別図柄)の抽選で小当たりに当選し、小当たり中フラグ203ahCがオンに設定されている状態では、他方の特別図柄(第1特別図柄)の変動表示が終了することが無いため、遊技者に対して、小当たり遊技に注目させて遊技を行わせることができる。また、小当たり遊技中において、他方の特別図柄の変動表示が終了し、大当たり遊技が開始されてしまうことを防止することができる。
特図2変動停止フラグ203aiCは、第1特別図柄の変動が大当たりの停止図柄で停止表示(確定表示)されてから、大当たりを開始させるまでの間の期間であることを示すフラグである。この特図2変動停止フラグ203aiCがオンに設定されている場合には、第2入球口640に対して新たな入球があった場合にも、第2特別図柄の変動表示の実行が回避される。この特図2変動停止フラグ203aiCは、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる場合にオンに設定され、第2特別図柄の変動表示を実行するための処理を回避した場合にオフに設定される。入賞カウンタ203ajCは、小当たり遊技中に第2特定入賞口(可変入賞装置65)へと入賞した遊技球数を計測するためのカウンタであって、小当たり遊技中に第2特定入賞口へと遊技球が入球する毎に1加算される。そして、入賞カウンタ203ajCの値に基づいて小当たり遊技の終了条件が成立したかの判別が実行される。この入賞カウンタ203ajCの値は、小当たり遊技が終了する毎に0にクリアされる。この特図1仮停止フラグ203amCは、抽選結果が小当たりである第2特別図柄(特図2)の変動を停止する際にオンに設定され、特別図柄変動処理において参照される。参照した結果、オンに設定されている場合には、特図1に対応する第1図柄表示装置の表示を変動中と同様に更新する処理が実行される。つまり、特図1仮停止フラグ203amCがオンに設定されている間は、変動時間の更新(減算)は停止しているが、第1図柄表示装置は変動表示が継続して実行される状態となる。これにより、特図1仮停止フラグ203amCがオンに設定されたことにより、特図1の変動が強制停止されていないことを報知することができる。そして、第1特別図柄変動実行中処理においてオンに設定されていると判別された場合に、オフに設定される。なお、本第26制御例の第3変形例では、第2特別図柄の抽選のみ小当たりに当選し得るように構成しているため、小当たりに当選したことに基づいて変動表示が仮停止される特別図柄が第1特別図柄のみとなるが、第1特別図柄の抽選についても小当たりに当選し得るように構成した場合は、第2特別図柄の変動表示を仮停止させるために特図2仮停止フラグを設けても良い。
上述した通り、本第26制御例の第3変形例では、一方の特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、大当たりを示す組み合わせで一方の特別図柄が停止したことに基づいて(大当たり遊技が実行されることに基づいて)、他方の特別図柄の変動表示を強制的に外れで停止させる処理と、一方の特別図柄の抽選結果が小当たりである場合には、小当たりを示す組み合わせで一方の特別図柄が停止したことに基づいて、他方の特別図柄の変動表示を一旦停止(小当たり遊技が終了するまで停止)するように構成している。即ち、一方の特別図柄の抽選結果に応じて、他方の特別図柄の変動表示を様々な態様に加工することができるように構成している。このように構成することで、一方の特別図柄の抽選結果が遊技者に最も有利な遊技結果(例えば、大当たり)となり、その遊技結果を示すための変動表示が実行されている最中に、他方の特別図柄(抽選結果は小当たり)が停止表示されてしまい、小当たりによって大当たりが消去されてしまうことを抑制することができる。次に、図934(a)を参照して、本第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図934(a)は、本第3変形例におけるROM222の構成を模式的に示した図である。図934(a)に示した通り、本第3変形例におけるROM222は、上述した第26制御例のROM222に対して、擬似演出テーブル222aaCを追加した点で相違している。擬似演出テーブル222aaCは、第2確変状態が設定されている状態にて特図1変動(特図1大当たり変動)に対応して実行される変動演出である擬似演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、対応する特図1変動(特図1大当たり変動)の変動時間と、取得した演出カウンタ223fの値とに対応させて、異なる態様の擬似演出が規定されている。
ここで、図935を参照して、擬似演出テーブル222aaCに規定されている内容について説明をする。図935は、擬似演出テーブル222aaCに規定されている内容を模式的に示した図である。図935に示した通り、擬似演出テーブル222aaCには、擬似演出の演出種別として「擬似演出A」~「擬似演出I」までの9種類の態様が規定されている。具体的には、対応する特図1変動(特図1大当たり変動)の変動時間が60秒(60000ms)であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して、擬似小当たり演出の実行間隔が10秒(実行頻度低)の「擬似演出A」が、「20~79」の範囲に対して、擬似小当たり演出の実行間隔が7秒(実行頻度中)の「擬似演出B」が、「80~99」の範囲に対して、擬似小当たり演出の実行間隔が5秒(実行頻度高)の「擬似演出C」が、それぞれ規定されている。そして、対応する特図1変動(特図1大当たり変動)の変動時間が180秒(180000ms)であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して、擬似小当たり演出の実行間隔が10秒(実行頻度低)の「擬似演出D」が、「20~79」の範囲に対して、擬似小当たり演出の実行間隔が7秒(実行頻度中)の「擬似演出E」が、「80~99」の範囲に対して、擬似小当たり演出の実行間隔が5秒(実行頻度高)の「擬似演出F」が、それぞれ規定されている。さらに、対応する特図1変動(特図1大当たり変動)の変動時間が300秒(300000ms)であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して、擬似小当たり演出の実行間隔が10秒(実行頻度低)の「擬似演出G」が、「20~79」の範囲に対して、擬似小当たり演出の実行間隔が7秒(実行頻度中)の「擬似演出H」が、「80~99」の範囲に対して、擬似小当たり演出の実行間隔が5秒(実行頻度高)の「擬似演出I」が、それぞれ規定されている。
つまり、本第3変形例では、設定される擬似演出の演出態様(演出種別)に応じて、特図1大当たり変動中に実行される擬似小当たり演出の回数(実行間隔)を異ならせることができる。よって、擬似演出中に表示される擬似賞球数と、実際に小当たり遊技中に獲得した実賞球数との差分が開きやすい状況と、開きにくい状況と、を創出することができるため、第2確変状態が終了した後に実行される大当たり遊技中の大当たり遊技演出の演出態様として様々な演出態様を設定し易くすることができ、演出効果を高めることができる。次に、図934(b)を参照して、本第3変形例のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図934(b)は、本第3変形例のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。図934(b)に示した通り、本第3変形例では、上述した第26制御例におけるRAM223に対して、特図1変動時間カウンタ223aaC、特図2変動時間カウンタ223abC、残変動時間情報格納エリア223acC、残時間格納エリア223adC、小当たり賞球数カウンタ223aeC、擬似賞球数カウンタ223afC、電源断フラグ223yを追加した点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については同一の符号を付して説明を省略する。特図1変動時間カウンタ223aaC、特図2変動時間カウンタ223abCは、変動表示設定処理において、それぞれの変動表示が設定(実行)された場合に、対応する変動時間を示す値が設定され、各種カウンタ更新処理が実行される毎に、それぞれの値が1減算される。なお、主制御装置110から特図1仮停止コマンドを受信してから、特図1再開コマンドを受信するまでの期間は各種カウンタ更新処理が実行された場合であっても、特図1変動時間カウンタ223aaCの値を1減算することが無いように構成している。そして、コマンド判定処理にて仮停止関連コマンドを受信したと判別した場合に実行される仮停止関連処理において、残変動時間を算出する際に参照される。
残変動時間情報格納エリア223acCは、ラッシュ期間の残期間、即ち、第1特別図柄の大当たり変動の残時間を示す情報を格納するための記憶領域である。この残変動時間情報格納エリア223acCには、仮停止された第1特別図柄変動表示の残変動時間を示すための残期間情報(期間A~期間C)が設定され、仮停止された第1特別図柄の変動表示を再開させる場合の追加演出を設定する際に格納されている残期間情報が参照される。小当たり賞球数カウンタ223aeCは、小当たり遊技が開始されてからの賞球数(第2特定入賞口への入賞に基づいて払い出される賞球数)を第2確変状態が終了するまでの間、継続して計測するためのカウンタであって、小当たり遊技中に獲得した賞球数遊技者にとって有利な遊技状態が継続して設定される期間中の賞球数が累積されるように構成している。擬似賞球数カウンタ223afCは、擬似演出中に実行される擬似小当たり演出にて擬似的に表示された賞球数を第2確変状態が終了するまでの間、継続して計測するためのカウンタである。電源断フラグ223yは、瞬間的な停電があったか否かを判別するために用いられるフラグである。
<第26制御例の第3変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図936から図954を参照して、本第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110にて実行される制御処理は、上述した第26制御例に対して、スイッチ読み込み処理(図878のS101A参照)に代えてスイッチ読み込み処理(図936のS191A)を、特別図柄変動処理(図41のS104参照)に代えて特別図柄変動処理(図937のS104A参照)を、メイン処理(図51参照)に代えてメイン処理(図952参照)を、実行する点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容についてはその説明を省略する。なお、特別図柄抽選の実行権利を取得するための始動入賞処理において、本第26制御例の第3変形例は第2特別図柄の実行権利を記憶可能な記憶手段を有していないため、第2特別図柄抽選の実行権利を取得するための処理内容を削除している点で相違しているが、基本的な処理内容は同一であるため、その説明を省略する。また、普通図柄抽選を実行するための普通図柄変動処理において、本第26制御例の第3変形例は、上述した第26制御例に対して、普通図柄抽選の結果を判定する際に参照されるデータテーブル(第2当たり乱数テーブル202acC)に規定している内容や、普通図柄変動の変動時間や、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技の遊技内容を異ならせているが、基本的な処理内容は同一であるため、図示、及び詳細な説明を省略する。同様に、大当たり遊技を実行するための大当たり制御処理において、本第26制御例の第3変形例は、上述した第26制御例に対して、実行される大当たり遊技の内容(大当たり種別)を異ならせている点で相違しているが、基本的な処理内容は同一であるため、図示、及び詳細な説明を省略する。
まず、図936を参照して、スイッチ読み込み処理(S191A)の処理内容について説明する。図936は、スイッチ読み込み処理(S191A)の処理内容を示したフローチャートである。このスイッチ読み込み処理(S191A)は、上述した第26制御例において実行されるスイッチ読み込み処理(図878のS101A参照)に対して、小当たり遊技中に開放制御される第2特定入賞口(特定入賞口65a)への遊技球の入賞と、大当たり遊技中に開放制御される特定入賞口(第2特定入賞口650a)への遊技球の入賞と、で入賞種別が識別可能となるように入賞種別コマンドを設定する処理が実行されるように構成した点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。図936に示した通り、スイッチ読み込み処理(S191A)が実行されると、まず、上述した第26制御例におけるスイッチ読み込み処理(図878のS101A参照)と同一のS111A~A114Aの処理を実行する。その後、今回格納された格納情報が第2特定入賞口(特定入賞口65a)への入賞を示す情報であるかを判別し(S192A)、第2特定入賞口(特定入賞口65a)への入賞を示す情報であると判別した場合は(S192A:Yes)、第2特定入賞口への入賞を示すための入賞種別コマンドを設定し(S193A)、次いで、上述した第26制御例におけるスイッチ読み込み処理(図878のS101A参照)と同一のS115A~A119Aの処理を実行して本処理を終了する。一方で、S192Aの処理において、第2特定入賞口(特定入賞口65a)への入賞を示す情報では無いと判別した場合は(S192A:No)、S193Aの処理を実行すること無く、上述した第26制御例におけるスイッチ読み込み処理(図878のS101A参照)と同一のS115A~A119Aの処理を実行して本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第26制御例の第3変形例では、小当たり遊技中に可変入賞装置65の特定入賞口65aへと入賞した遊技球(小当たり入賞球)と、大当たり遊技中に第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aへと入賞した遊技球(大当たり入賞球)と、を識別して入賞種別コマンドを設定することができるため、音声ランプ制御装置113にて各入賞種別に応じた演出態様を設定し易くすることができる。次に、図937を参照して、特別図柄変動処理(S104A)の処理内容について説明をする。図937は、特別図柄変動処理(S104A)の処理内容を示したフローチャートである。ここで、本第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10は、上述した第26制御例におけるパチンコ機10に対して、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動とを並行して実行可能となるように構成している点、一方の特別図柄抽選の結果に基づいて他方の特別図柄抽選の内容や、他方の特別図柄変動の内容を変更可能に構成している点、特別図柄抽選が実行されたことに基づいて、遊技状態の設定要素となる各種カウンタ(時短カウンタ203h、確変カウンタ203i)の値を更新する処理内容を変更している点で大きく相違しており、前述した相違点の内容に応じて特別図柄変動処理の内容も異ならせている。
具体的には、特別図柄変動処理(S104A)が実行されると、まず、現在が大当たり又は小当たり中であるかを判別し(S2501A)、大当たり中又は小当たり中であると判別した場合は(S2501A:Yes)、次に、特図1仮停止フラグ203amCがオンに設定されているかを判別する(S2502A)。このS2502Aの処理では、一方の特図が当たりを示す図柄で停止表示されたことにより、変動中の他方の特図変動時間の減算を中断している状態かを判別している。S2502Aの処理において、特図1仮停止フラグ203amCがオンに設定されていると判別した場合は(S2502A:Yes)、仮停止されている特図に対応する第1図柄表示装置37の表示を更新し(S2503A)、即ち、変動時間の減算が中断されている特図に対して、第1図柄表示装置37の変動表示を継続させる処理を実行して、本処理を終了する。これにより、特図変動を強制停止していないことを遊技者に報知することができる。一方、S2501Aの処理において、現在が大当たり又は小当たり中であると判別した場合は(S2501A:No)、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0よりも大きいか(即ち、特図1が変動中であるか)を判別し(S2504A)、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S2504A:No)、第1特別図柄変動開始処理(S2508A)を実行し、その後、特図2に関する変動処理を実行するためのS2509Aに移行する。第1特別図柄変動開始処理(S2508A)の詳細については、図938を参照して後述する。S2504Aの処理において、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0よりも大きいと判別した場合は(S2504A:Yes)、第1特別図柄変動実行中処理(S2505A)を実行する。この第1特別図柄変動実行中処理(S2505A)は、特図1変動中の処理を実行するものであり、図942を参照してその詳細な説明を後述する。
第1特別図柄変動実行中処理(S2505A)を終えると、次に、変動時間の終了タイミングであるか(特図1変動時間カウンタ203afCが0であるか)を判別し(S2506A)、変動時間の終了タイミングであると判別した場合は(S2506A:Yes)、第1特別図柄変動停止処理(S2507A)を実行し、その後、S2509Aへ移行する。一方、S2506Aの処理において、変動時間の終了タイミングでは無いと判別した場合は(S2506A:No)、S2507Aの処理をスキップしてS2509Aへ移行する。S2509A~S2513Aの処理では、特図1に対して実行したS2504A~S2507Aと同様の処理が実行される。S2509Aの処理が実行されると、まず、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0よりも大きいか(即ち、特図2が変動中であるか)を判別し(S2509A)、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S2509A:No)、第2特別図柄変動開始処理(S2510A)を実行し、その後、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理(S2510A)の詳細については、図944を参照して後述する。一方、S2509Aの処理において、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0よりも大きいと判別した場合は(S2509A:Yes)、第2特別図柄変動実行中処理(S2511A)を実行する。この第2特別図柄変動実行中処理(S2511A)は、特図2変動中の処理を実行するものであり、図949を参照して後述する。第2特別図柄変動実行中処理(S2511A)を終えると、次に、変動時間の終了タイミングであるか(特図2変動時間カウンタ203agCが0であるか)を判別し(S2512A)、変動時間の終了タイミングであると判別した場合は(S2512A:Yes)、第2特別図柄変動停止処理(S2513A)を実行し、本処理を終了する。一方、S2512Aの処理において、変動時間の終了タイミングでは無いと判別した場合は(S2512A:No)、S2513Aの処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図938を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図937のS104A参照)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S2508A)について説明する。図938は、この第1特別図柄変動開始処理(S2508A)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動開始処理(S2508A)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(S2601A)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(S2602A)。S2602Aの処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(S2602A:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算して(S2603A)、減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(S2604A)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図952参照)の外部出力処理(S1801)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同期させながら、その値を更新することができる。S2604Aの処理が終了すると、次に、第1特別図柄保留球格納エリア203aのデータを一つ前のデータにシフトする(S2605A)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S2605Aの処理が終了すると、次いで、第1特別図柄大当たり判定処理を実行する(S2606A)。この第1特別図柄大当たり判定処理(S2606A)については、図939を参照して、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。S2606Aの処理が終了すると、次に、第1特別図柄変動パターン選択処理を実行する(図940参照)。詳細については後述するが、この第1特別図柄変動パターン選択処理(S2607A)は、第1特別図柄の当否判定結果、および第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。第1特別図柄変動パターン選択処理(S2607A)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理を実行する(S2608A)。この遊技状態更新処理(S2608A)は、詳細については後述するが、パチンコ機10の状態を示す、確変フラグ203aaCの状態、時短カウンタ203hの値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。S2608Aの処理が終了すると、本処理を終了する。一方、S2602Aの処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S2602A:No)、そのまま本処理を終了する。次に、図939を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図938のS2508A)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S2606A)について説明する。図939は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S2606A)を示すフローチャートである。本第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10では、何れか一方の特別図柄において大当たりに当選した変動表示(大当たり変動)が実行されている期間中は、他方の特別図柄抽選にて大当たりに当選したか否かの判別を行わないように構成している。
つまり、一方の特別図柄抽選によって所定期間後(変動時間経過後)に大当たり遊技が実行されることが確定している状態において、他方の特別図柄抽選によって大当たりに当選し、短期間で複数回の大当たりに当選してしまい過剰に特典を付与してしまうことを抑制するように構成している。このように、通常の特別図柄抽選と同様に各種カウンタ値を取得する処理を行い、その処理において取得した各種カウンタ値に基づく判定をスキップし、外れ図柄をセットするように構成することで、他方の特別図柄抽選の抽選結果にいち早く対応することができる。第1特別図柄大当たり判定処理(S2606A)では、まず、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに記憶されている各カウンタ値を取得する(S2701A)。次いで、確変フラグ203aaCがオンに設定されているか判別する(S2702A)。即ち、特別図柄の高確率状態(確変状態、第2確変状態)であるか否かを判別する。確変フラグ203aaCがオンである(即ち、特別図柄の高確率状態である)と判別した場合には(S2702A:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aaCに規定された大当たりとなる乱数値と、カウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否か判別し、その判別結果(抽選結果)を取得する(S2703A)。一方、S2702Aの処理において、確変フラグ203aaCがオフである(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別した場合には(S2702A:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aaCに規定された大当たりとなる乱数値と、カウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否か判別し、その抽選結果を取得する(S2704A)。
そして、特図2大当たりフラグ203acCはオンであるかどうか判別する(S2705A)。オンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2705A:No)、S2703AまたはS2704Aで取得した抽選結果が大当たりであるかを判定し(S2706A)、抽選結果が大当たりであれば(S2706A:Yes)、第1特別図柄に対して特図1大当たりフラグ203abCをオンに設定し(S2707A)、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定する(S2708A)。そして、取得した当たり種別カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄をセットし(S2709A)、現在の遊技状態に応じた値を当選時状態格納エリア203adCに格納して(S2710A)、時短カウンタ203hに1をセットし(S2711A)、本処理を終了する。ここで、S2711Aの処理において時短カウンタ203hの値を1にセットすることにより、第1特別図柄変動開始処理(図938のS2508A参照)にて第1特別図柄大当たり判定処理(図939のS2606A参照)よりも後段で実行される遊技状態更新処理(S2608A)にて普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させることができる。これにより、第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合には、その大当たり変動が開始されるタイミングで普通図柄の低確率状態を設定することが可能となる。よって、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄の大当たりに当選することで確変状態を第2確変状態へと移行させることができる。また。S2711Aの処理にて時短カウンタ203hの値を1にセットする処理を行うことで、大当たりに当選したことを条件として普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる処理と、特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを条件として普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる処理と、の何れも遊技状態更新処理(S2608A)を用いて実行することができる。これにより、普通図柄の高確率状態を終了させる条件を複数設けた場合であっても、主制御装置110の処理が煩雑になることを防ぐことができる。
一方、S2705Aの処理において、特図2大当たりフラグ203acCがオンであると判別した場合(S2705A:Yes)、或いは、S2706Aの処理において、抽選結果が外れであると判別された場合には(S2706A:No)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の外れ図柄をセットし(S2712A)、その後、本処理を終了する。次に、図940を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図938のS2508A)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S2607A)について説明する。図940はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S2607A)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動パターン選択処理(S2607A)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図939のS2606A)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第1特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S2801A)。ここで、大当たりであるか否かの判定は、特図1大当たりフラグ203abCがオンであるか否かで判別される。この特図1大当たりフラグ203abCは、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図939参照)におけるS2707Aの処理でオンに設定されるものである。S2801Aの処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別した場合には(S2801A:Yes)、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図939参照)におけるS2701Aの処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1当たり種別選択テーブル202adC(図929参照)より大当たり種別を決定し(S2802A)、S2803Aの処理へ移行する。一方、S2801Aの処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れである(即ち、特図1大当たりフラグ203abCがオフである)と判別した場合には(S2801A:No)、S2802Aの処理をスキップして、S2803Aの処理へ移行する。
S2803Aの処理では、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得する(S2803A)。次いで、遊技状態に応じた変動パターン選択テーブル(図930~図932参照)を読み出して(S2804A)、S2805Aの処理へ移行する。なお、遊技状態は、確変フラグ203aaCの状態と、時短カウンタ203hの値とに基づいて判別される。S2805Aの処理では、読み出した変動パターン選択テーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(S2805A)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(S2806A)。S2806Aの処理を終えると、停止図柄を示す特図1停止種別コマンドを設定し(S2807A)、次いで、第1図柄表示装置37で第1特別図柄の変動開始を設定し(S2808A)、S2805Aの処理において選択した変動パターンの変動時間を示す値を、特図1変動時間カウンタ203afCにセットし、本処理を終了する。次に、図941を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図938のS2508A参照)の一処理である遊技状態更新処理(S2608A)について説明する。図941は、この遊技状態更新処理(S2608A)を示すフローチャートである。本第26制御例の第3変形例のパチンコ機10では遊技状態を設定するための条件である確変フラグ203aaCの状態と、時短カウンタ203hの値とのうち、時短カウンタ203hの値のみを特別図柄の変動開始時に更新するために、第1特別図柄変動開始処理(図938のS2508A参照)の一処理である遊技状態更新処理(図941参照)において、時短カウンタ203hの値を更新する処理を実行するように構成している。そして、詳細は後述するがオンに設定されている確変フラグ203aaCは、大当たり変動が終了し、大当たりを示す特別図柄が停止表示された場合(大当たり遊技が実行される場合)にオフに設定されるように構成している。
つまり、遊技状態を設定する際に参照される2つの条件要素(確変フラグ203aaCの状態、時短カウンタ203hの値)のうち、1の条件要素を特別図柄の変動開始時に更新し、他の条件要素を特別図柄の変動停止時に更新可能とすることにより、2つの条件要素を組み合わせて設定される遊技状態を多様化し易くすることができる。また、特別図柄の変動が開始されてから終了するまでの期間のみ特定の遊技状態(例えば、第2確変状態)を設定することもできるため、予め定められた期間中のみ遊技者に対して有利な遊技状態を設定することが可能となる。遊技状態更新処理(S2608A)が開始されると、まず、時短カウンタ203hの値が0より大きいか否かを判別する(S2901A)。時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合には(S2901A:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短カウンタ203hの値が0より大きいと判別した場合には(S2901A:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算して(S2902A)、時短カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S2903A)。次に、時短カウンタ203hの値が0であるかを判別し(S2904A)、0であると判別した場合には(S2904A:Yes)、次いで確変フラグ203aaCがオンに設定されているか判別する(S2905A)。ここで、確変フラグ203aaCがオンに設定されていると判別した場合には(S2905A:Yes)、時短遊技が付与されていない確変状態(即ち、第2確変状態)であるため、第2確変状態を示す状態コマンドを設定し(S2906A)、本処理を終了する。一方、S2905Aの処理において、確変フラグ203aaCがオンに設定されていないと判別した場合には(S2905A:No)、通常状態であるため、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S2907A)、本処理を終了する。一方、S2904Aの処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合には(S2904A:No)、そのまま本処理を終了する。
なお、本第26制御例の第3変形例では、特別図柄の高確率状態が次に特別図柄の大当たりに当選するまでの間(大当たりを示す組み合わせで特別図柄が停止表示されるまでの間)継続して設定されるように構成しているが、これ以外に例えば、確変フラグ203aaCに代えて確変カウンタを設け、特別図柄の変動が実行される毎に確変カウンタの値を減算し、確変カウンタの値が0となった場合に特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるように構成しても良い。このような構成を用いる場合は、図941を参照して示した遊技状態更新処理(S2608A)を特図変動開始時遊技状態更新処理とし、これとは別に特別図柄の変動表示が終了したタイミングで確変カウンタの値を更新する特図変動停止時遊技状態更新処理を設けることで、特別図柄の高確率状態を終了させるか否かを判別する処理と、普通図柄の高確率状態を終了させるか否かを判別する処理とを異なるタイミングで実行させることができる。次に、図942を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図937のS104A参照)において実行される第1特別図柄変動実行中処理(S2505A)の内容について説明をする。図942は、第1特別図柄変動実行中処理(S2505A)の内容を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動実行中処理(S2505A)では、特図1の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第1特別図柄変動実行中処理(S2505A)が実行されると、まず、特図1仮停止フラグ203amCがオンに設定されているかを判別する(S3001A)。ここで、特図1仮停止フラグ203amCがオンに設定されている状態で本処理が実行される場合について簡単に説明をする。上述したように特図1仮停止フラグ203amCは、特図1が変動中において、特図2が当たり(小当り)を示す図柄で停止表示される場合にオンに設定されるものである。そして、特図1仮停止フラグ203amCがオンに設定されると、その処理内で大当たり中フラグ203kがオンに設定されるため、主制御装置110にて2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理がループし、次回(特図1仮停止フラグ203amCがオンに設定された2ミリ秒後)の特別図柄変動処理(図937のS104A参照)が実行される際には、S2501Aの処理において大当たり中であると判別されるため、第1特別図柄変動実行中処理(S2505A)が実行されることがない。そして、大当たり遊技(又は小当り遊技)が終了し、S2501Aの処理において大当たり中(又は小当り中)では無いと判別されることで、第1特別図柄変動実行中処理(S2505A)が実行されることになる。このように構成することで、特図1仮停止フラグ203amCがオンに設定されている状態で第1特別図柄変動実行中処理(S2505A)が実行される状態が、大当たり(又は小当り)遊技が終了し、変動時間の減算を中断していた特図変動の変動時間の減算を再開するタイミングとなるように構成している。図942に戻り説明を続ける。S3001Aの処理において、特図1仮停止フラグ203amCがオンに設定されていると判別した場合は(S3001A:Yes)、次に、特図1変動再開コマンドを設定し(S3002A)、特図1仮停止フラグ203amCをオフに設定し(S3003A)、S3004Aへ移行する。一方、S3001Aの処理において、特図1仮停止フラグ203amCがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S3001A:No)、S3002A,S3003Aの処理をスキップしてS3004Aの処理へ移行する。
S3004Aの処理では特図1変動時間カウンタ203afCを1減算して更新し(S3004A)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S3005A)、本処理を終了する。次に、図943を参照して、特別図柄変動処理(図937のS104A)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S2707A)について説明する。図943はこの第1特別図柄変動停止処理(S2707A)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動停止処理(S7207A)では、まず、第1特別図柄(特図1)に対して、特図1大当たりフラグ203abCがオンに設定されているか判別する(S3101A)。第1特別図柄に対して特図1大当たりフラグ203abCがオンに設定されていると判別した場合には(S3101A:Yes)、特図2変動停止フラグ203aiCをオンに設定し(S3102A)、特図2変動停止フラグ203aiCがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドを設定する(S3103A)。次いで、第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示する(S3104A)。S3104Aの処理を終えると、選択されている大当たり種別に対応する大当たりシナリオを設定し(S3105A)、特図1大当たりフラグ203abCと確変フラグ203aaCをリセットする(S3106A)。次いで、大当たり中フラグ203kをオンに設定し(S3107A)、S3108Aの処理へ移行する。一方、S3101Aの処理において、第1特別図柄に対して特図1大当たりフラグ203abCがオフに設定されていれば(S3101A:No)、S3102A~S3107Aの処理をスキップし、S3108Aの処理へ移行する。S3108Aの処理では、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して通知するための特図1確定コマンドを設定する(S3108A)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S3109A)、本処理を終了する。
このように、第1特別図柄停止処理(S2707A)では、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(S3102A~S3109A)が実行される。また、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判別された場合に(S3101A:Yes)、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止する処理(S3103A,S3104A)が実行される。なお、本第26制御例の第3変形例では、第1特別図柄の停止図柄を大当たり図柄で停止表示させる場合に、変動表示中の第2特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させる構成としているが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の大当たり図柄を停止表示させる時点で、第2特別図柄の変動表示を中断(仮停止)するように構成してもよい。そして、第1特別図柄の大当たりが終了した後で、第2特別図柄の変動表示を再開する構成としてもよい。これにより、外れで強制停止させる場合に比較して、自然な態様の演出にすることができる。また、本第26制御例の第3変形例では、第1特別図柄大当たり判定処理(図939参照)にて当選時状態格納エリア203adCに格納された遊技状態に基づいて、S3105Aの処理にて大当たりシナリオを設定しているが、例えば、大当たり遊技のオープニング期間を用いて第1特別図柄大当たり判定処理(図938参照)にて当選時状態格納エリア203adCに格納された遊技状態に基づいて大当たりシナリオを設定するようにしてもよい。次に、図944を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図937)において実行される第2特別図柄変動開始処理(S2510A)の内容について説明をする。図944は、第2特別図柄変動開始処理(S2510A)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動開始処理(S2510A)では、特図2の変動を開始するための処理が実行される。尚、図938~図943を参照して上述した第1特別図柄の変動に関する処理に対して、変動の対象を第1特別図柄から第2特別図柄へと図柄の対象を異ならせただけである要素については、その詳細な説明を省略する。
第2特別図柄変動開始処理(S2510A)では、まず、特図2変動停止フラグ203aiCがオンに設定されているかを判別する(S3201A)。特図2変動停止フラグ203aiCがオンに設定されていると判別した場合には(S3201A:Yes)、特図2変動停止フラグ203aiCをオフに設定し(S3202A)、本処理を終了する。特図2変動停止フラグ203aiCは、上述した通り、第1特別図柄の大当たり変動が終了する際に、第2特別図柄を外れに対応する停止図柄で停止表示させると共にオンに設定されるフラグである。即ち、特図2変動停止フラグ203aiCがオンであれば、大当たりが開始されることを意味するので、第2特別図柄の変動開始を設定すべきではない。このため、S3201Aの処理で特図2変動停止フラグ203aiCがオンの場合は、変動開始を設定するS3202A~S3207Aの各処理を実行せずに、そのまま本処理を終了する構成としている。一方、S3201Aの処理において、特図2変動停止フラグ203aiCがオフに設定されている(即ち、オンに設定されていない)と判別した場合には(S3201A:No)、第2特別図柄実行エリア203b1のデータ(各種カウンタ値)を取得する(S3203A)。次に、S3203Aの処理において取得したデータに基づいて、取得したデータがあるかどうか判別する(S3204A)。即ち、第2特別図柄実行エリアにデータがないと判別した場合には(S3204A:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S3203Aの処理において、データがあると判別した場合には(S3204A:Yes)、格納した各カウンタ値に基づいて第2特別図柄の大当たり判定を実行するための第2特別図柄大当たり判定処理を実行する(S3205A)。この第2特別図柄大当たり判定処理の詳細については、図945を参照して後述する。
S3205Aの処理が終了すると、次いで、第2特別図柄の抽選結果、およびS3203Aの処理で取得したデータに基づいて、変動パターンを選択するための第2特別図柄変動パターン選択処理を実行する(S3206A)。この第2特別図柄変動パターン選択処理(S3206A)の詳細については、図947を参照して後述する。S3206Aの処理が終了した後は、上述した遊技状態更新処理(図941のS2608A参照)を実行し(S3207A)、本処理を終了する。次に、図945を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動開始処理(図944のS2510A)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S3205A)について説明する。図945はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S3205A)を示すフローチャートである。この第2特別図柄大当たり判定処理(S3205A)では、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図939のS2606A参照)と同様の処理が実行されるので、第1特別図柄大当たり判定処理(図939のS2606A参照)との相違点について中心に説明する。第2特別図柄大当たり判定処理(S3205A)が実行されると、第2特別図柄実行エリア203b1に格納された各カウンタ値を取得する(S3301A)。そして、取得した各カウンタ値と、確変フラグ203aaCの状態とに基づいて大当たりか否かの抽選結果を取得するためのS3302A~S3304Aの処理を実行する。これらの各処理では、抽選(判定)に用いるカウンタ値を第2特別図柄実行エリア203b1から取得する点が相違するのみで、その他については第1特別図柄大当たり判定処理(図939のS2606A参照)と同一の制御が実行される。
S3303A、またはS3304Aの処理が終了すると、特図1大当たりフラグ203abCがオンに設定されているか判別する(S3305A)。特図1大当たりフラグ203abCがオンに設定されていないと判別した場合には(S3305A:No)、取得した抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S3306A)、大当たりであると判別した場合は(S3306A:Yes)、第2特別図柄の抽選結果を大当たりに設定するためのS3307A~S3310Aの処理を実行し、本処理を終了する。これらのS3307A~S3310Aの各処理では、それぞれ第1特別図柄大当たり判定処理(図939のS2606参照)において第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定するためのS2707A~S2710Aの各処理に対して、対象を第1特別図柄から第2特別図柄へと異ならせただけで他は同様の処理が実行される。一方、S3305Aの処理において、特図1大当たりフラグ203abCがオンに設定されていると判別した場合(S3305A:Yes)、或いは、S3306Aの処理において、取得した第2特別図柄の抽選結果が大当たりでないと判別した場合は(S3306A:No)、第2特別図柄の小当たり、または外れに対応する停止図柄を設定するための特図2外れ変動処理を実行し(S3311A)、本処理を終了する。この特図2外れ変動処理(S3311A)の詳細について、図946を参照して説明する。図946は、この特図2外れ変動処理(S3311A)を示すフローチャートである。特図2外れ変動処理(S3311A)では、まず、図945のS3303A、またはS3304Aの処理で取得した抽選結果が第2特別図柄の小当たりであるかを判定し(S3401A)、抽選結果が小当たりであると判別した場合(S3401A:Yes)、小当たりフラグ203aeCをオンに設定して(S3402A)、第2特別図柄の抽選結果を小当たりに設定する(S3403A)。そして、取得した小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別を示す小当たり図柄を、第1図柄表示装置37に表示する停止図柄としてセットし(S3404A)、本処理を終了する。
一方、S3401Aの処理において抽選結果が外れであると判別された場合には(S3401A:No)、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の外れ図柄をセットし(S3405A)、その後、本処理を終了する。次に、図947を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動開始処理(図944のS2510A)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S3206A)について説明する。図947はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S3206A)を示すフローチャートである。第2特別図柄変動パターン選択処理(S3206A)では、まず、第2特別図柄実行エリア203b1から、変動種別カウンタCS1の値を取得する(S3501A)。次いで、第2特別図柄大当たり判定処理(図945のS3205A)によって実行された判定結果が、第2特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、第2特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S3502A)。ここで、大当たりであるか否かの判定は、第2特別図柄に対して特図2大当たりフラグ203acCがオンであるか否かで判別される。この特図2大当たりフラグ203acCは、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(図945のS3205A参照)におけるS3307の処理でオンに設定されるものである。S3502Aの処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S3502A:Yes)、現在の遊技状態に対応した変動パターン選択テーブル(図931および図932参照)を読み出す(S3503A)。そして、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(図945のS26063205A参照)におけるS3301Aの処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1当たり種別選択テーブル202adC(図929参照)より大当たり種別を決定する(S3504A)。
S3504Aの処理が終了すると、読み出した変動パターン選択テーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(S3505A)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定する(S3506A)。そして、S3508Aの処理へ移行する。一方、S3502Aの処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていないと判別された場合には(S3502A:No)、特図2外れ変動パターン選択処理(S3507A)を実行し、S3508Aの処理へ移行する。S3508Aの処理では、停止図柄を示す特図2停止種別コマンドを設定する(S3508A)。次いで、第1図柄表示装置37で第2特別図柄の変動開始を設定し(S3509A)、S3505Aの処理において選択した変動パターンの変動時間を示す値を、特図2変動時間カウンタ203agCにセットし(S3510A)、本処理を終了する。次に、図948を参照して、この特図2外れ変動パターン選択処理(S3507A)について説明する。図948は、特図2外れ変動パターン選択処理(S3507A)の内容を示したフローチャートである。特図2外れ変動パターン選択処理(S3507A)では、まず、第2特別図柄の抽選結果は、小当たりであるか判別する(S3601A)。ここでは、小当たりフラグ203aeCがオンに設定されているか判別する(S3601A)。小当たりフラグ203aeCがオンであると判別した場合には(S3601A:Yes)、第2特別図柄実行エリアから小当たり種別カウンタC5の値を取得する(S3602A)。そして、取得した小当たり種別カウンタC5の値とに基づいて、小当たり種別を選択する(S3603A)。
なお、詳細な説明は省略するが、本第26制御例の第3変形例では、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に、3種類の小当たり種別のうち何れかの小当たり種別を決定可能に構成しており、S3603Aの処理によって小当たり種別が決定される。そして、決定された小当たり種別に応じて、小当たり遊技中に実行される可変入賞装置65の開放パターンを異ならせるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技が頻繁に発生する第2確変状態を遊技している遊技者に、可変入賞装置65が開放するタイミングを予測させ難くすることができる。次に、現在の遊技状態に対応した変動パターン選択テーブルを読み出し(S3604A)、読み出した変動パターン選択テーブルから、変動種別カウンタCS1の値に対応する小当たりの変動パターンを選択する(S3605A)。その後、選択した小当たり変動パターンを示す特図2変動パターンコマンドを設定し(S3606A)、本処理を終了する。一方、S3601Aの処理において、第2特別図柄の抽選結果が小当たりでない(即ち、外れである)と判別した場合には(S3601A:No)、現在の遊技状態に対応した変動パターン選択テーブルを読み出し(S3607A)、読み出した変動パターン選択テーブルより、変動種別カウンタCS1の値に対応する外れの変動パターンを選択する(S3608A)。その後、選択した外れの変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定し(S3609A)、本処理を終了する。次に、図949を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図937のS104A参照)内の一処理である第2特別図柄変動実行中処理(S2511A)の内容について説明をする。図949は、第2特別図柄変動実行中処理(S2511A)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動実行中処理(S2511A)では、特図2の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第2特別図柄変動実行中処理(S2511A)が実行されると、まず、特図2変動時間カウンタ203agCを1減算して更新し(S3701A)、第1図柄表示装置37の第2特別図柄の表示を更新し(S3702A)、本処理を終了する。次に、図950を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動停止処理(S2513A)の内容について説明をする。図950は、第2特別図柄変動停止処理(S2513A)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理(S2513A)は、特図2の変動を停止する際の処理を実行するものである。第2特別図柄変動停止処理(S2513A)が実行されると、まず、特図2大当たりフラグ203acCはオンに設定されているか判別し(S3801A)、特図2大当たりフラグ203acCはオンに設定されていると判別した場合には(S3801A:Yes)、特図1変動の停止を示す特図1変動停止コマンドを設定する(S3803A)。次にS3803Aの処理を終えると、第1図柄表示装置37の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示させる(S3804A)。次に、選択されている大当たり種別に対応する大当たりシナリオを設定し(S3805A)、特図2大当たりフラグ203acCと確変フラグ203aaCと時短カウンタ203hをリセットする(S3806A)。次いで、大当たり中フラグ203kをオンに設定し(S3807A)、S3809Aの処理へ移行する。S3809Aの処理では、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して通知するための特図2確定コマンドを設定する(S3809A)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S3810A)、本処理を終了する。一方、S3801Aの処理において、特図2大当たりフラグ203acCがオンに設定されていないと判別した場合には(S3801A:No)、特図2外れ停止処理を実行し(S3808A)、上述したS3809A、S3810Aの処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図951を参照して、第2特別図柄変動停止処理(図950のS2513A)の一処理である特図2外れ停止処理(S3808A)について説明する。図951は、特図2外れ停止処理(S3808A)を示すフローチャートである。この特図2外れ停止処理(S3808A)では、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が大当たり以外(小当たり、外れ)である場合において、その抽選結果を示す特図2が停止表示される場合に実行する処理であって、特図2の抽選結果が小当たりである場合には、実行中の特図1変動を仮停止させるための処理が実行される。特図2外れ停止処理(S3808A)では、まず、小当たりフラグ203aeCがオンに設定されているか判別する(S3901A)。小当たりフラグ203aeCがオンに設定されていると判別した場合には(S3901A:Yes)、特図1仮停止フラグ203amCをオンに設定する(S3902A)。次いで、特図1仮停止フラグ203amCのオンを示す特図1仮停止コマンドを設定する(S3903A)。S3903Aの処理を終えると、選択されている小当たり種別に基づいた小当たりシナリオを設定する(S3904A)。その後、小当たりフラグ203aeCをオフに設定し(S3905A)、小当たり中フラグ203ahCをオンに設定する(S3906A)。S3906Aの処理が終了すると、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図2確定コマンドを設定する(S3907A)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄を小当たり図柄で変動停止し(S3908A)、本処理を終了する。一方、S3901Aの処理において、小当たりフラグ203aeCがオフである(即ち、第2特別図柄の抽選結果が外れである)と判別された場合は(S3901A:No)、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図2確定コマンドを設定する(S3909A)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄を外れ図柄で変動停止し(S3910A)、本処理を終了する。
以上のように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。なお、本第26制御例の第3変形例では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりを示す特別図柄が停止表示される場合に、他方の特別図柄を強制的に停止表示させるように構成したが、それに限らず、他方の特別図柄を仮停止または変動時間の計測を中断した状態で変動表示するように構成してもよい。このような場合では、仮停止した特別図柄は、仮停止中であることが遊技者に分かる表示態様または報知態様で停止されているので、遊技者は変動表示途中であった抽選遊技が消滅していないことを把握することができ、安心して大当たり遊技を行うことができる。次に、図952を参照して、本第26制御例の第3変形例における主制御装置110のMPU201にて実行されるメイン処理について説明をする。図952は、本第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110にて実行されるメイン処理の処理内容を示したフローチャートである。本第26制御例の第3変形例では、上述した第26制御例に対して、特別図柄抽選の結果として小当たり当選可能に構成し、小当たり当選に基づいて小当たり遊技が実行されるように構成しているため、メイン処理(図952参照)に小当たり制御処理(S1805A)を追加している点で相違している。それ以外の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。ここで、図953を参照して、小当たり制御処理(S1805A)の処理内容について説明をする。図953は、小当たり制御処理(S1805A)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり制御処理(S1805A)では、小当たり遊技中に実行される各種処理が実行される。
小当たり制御処理(S1805A)が実行されると、小当たりシナリオが設定されているかを判別する(S2501)。具体的には、特図2外れ停止処理(図951参照)のS3904Aの処理によって小当たりシナリオが設定されているかを判別する。S2501の処理において、小当たりシナリオが設定されていなければ(S2501:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2501の処理において、小当たりシナリオが設定されていれば(S2501:Yes)、小当たりシナリオを更新し(S2502)、小当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであるかを判別する(S2503)。より具体的には、S2502の処理において、小当たりシナリオカウンタ(図示せず)のカウンタ値に1を加算し、S2503の処理において、小当たりシナリオカウンタ(図示せず)のカウンタ値が小当たりシナリオのオープニング開始に該当する値であるかを判別する。S2503の処理において、小当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであると判別した場合は(S2503:Yes)、小当たり用オープニングコマンドを設定し(S2504)、本処理を終了する。一方、小当たりシナリオのオープニング開始のタイミングでないと判別した場合は(S2503:No)、次いで、小当たりシナリオのラウンド開始のタイミングであるかを判別する(S2505)。S2505の処理において、小当たりシナリオのラウンド開始のタイミングであると判別した場合は(S2505:Yes)、第2特定入賞口(特定入賞口65a)の開放シナリオを設定し(S2506)、本処理を終了する。一方、小当たりシナリオのラウンド開始のタイミングでないと判別した場合は(S2505:No)、次いで、現在実行されているラウンドのラウンド終了条件が成立したかを判別する(S2507)。ここで、本第26制御例の第3変形例では、特定入賞口65aが開放されている間に、合計で球が所定数(例えば、3個)入賞した場合、または、特定入賞口65aの開放期間が所定時間(例えば、5秒)経過している場合に、ラウンド終了条件が成立したと判別する。
S2507の処理において、現在実行されているラウンドのラウンド終了条件が成立していると判定した場合は(S2507:Yes)、S2508の処理にて特定入賞口65aが閉鎖されるよう設定し、本処理を終了する。一方、特定入賞口65aのラウンド終了条件が成立していないと判別した場合は(S2507:No)、エンディング演出の開始のタイミングであるかを判別する(S2509)。S2509の処理において、エンディング演出の開始のタイミングであると判別した場合は(S2509:Yes)、小当たり用エンディングコマンドを設定し(S2510)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図952参照)の外部出力処理(S1801参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。一方、S2509の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S2509:No)、小当たりの終了タイミングであるかを判別する(S2511)。ここで、小当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。S2511の処理において、小当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S2511:Yes)、小当たり中フラグ203ahCをオフに設定し(S2512)、本処理を終了する。一方、小当たりの終了タイミングでなければ(S2511:No)、第2入賞処理を実行し(S2513)、本処理を終了する。この第2入賞処理(S2513)の詳細については、図954を参照して後述する。
次に、図954を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理(図953のS1805A)内の一処理である第2入賞処理(S2513)の詳細について説明する。図954は、この第2入賞処理(S2513)を示すフローチャートである。この第2入賞処理(S2513)は、小当たり制御処理(図953参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。この第2入賞処理(S2513)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S2701)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口65aが開放状態に設定されてから、インターバル期間(5秒)が終了するまでの期間である。S2701の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S2701:No)、入賞カウンタ203ajCをリセットし(S2702)、そのまま本処理を終了する。一方、S2701の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S2701:Yes)、次いで、特定入賞口65aへの入賞を検出したかを判別し(S2703)、特定入賞口65aへの入賞を検出していなければ(S2703:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2703の処理において、特定入賞口65aに対する入賞を検出していれば(S2703:Yes)、入賞カウンタ203ajCの値に1を加算して更新する(S2704)。そして、入賞カウンタ203ajCの値が上限値(本第26制御例の第3変形例では、3)以上であるかを判別し(S2705)、入賞カウンタ203ajCの値が上限値(本第26制御例の第3変形例では、5)以下であれば(S2705:No)、そのまま本処理を終了する。一方、入賞カウンタ203ajCの値が上限値(本第26制御例の第3変形例では、5)以上であれば(S2705:Yes)、特定入賞口65a(に付随する開閉板65f1)の閉鎖を設定する(S2706)。次いで、小当たりシナリオをラウンドの終了に更新し(S2707)、本処理を終了する。
<第26制御例の第3変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図955から図968を参照して、本第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行させる制御処理のうち、上述した第26制御例のパチンコ機10にて実行される制御処理とは異なる点について説明をする。本第26制御例の第3変形例では、上述した第26制御例に対して、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動とを並行して実行可能に構成している点と、特別図柄抽選で小当たり当選するように構成している点と、各遊技状態における遊技性を異ならせている点と、で大きく相違している。そして、その相違点に基づいて実行される音声ランプ制御装置113の制御処理も相違している。具体的には、コマンド判定処理(図883のS4112A参照)に代えてコマンド判定処理(図955のS4152A参照)を、変動表示設定処理(図66のS4113参照)に代えて変動表示設定処理(図964のS4113A)を、メイン処理(図58参照)にて実行される演出更新処理(S4111)に代えて演出更新処理(図967のS4111A)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
まず、図955を参照して、コマンド判定処理(S4152A)の処理内容について説明をする。図955は、コマンド判定処理(S4152A)の処理内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4152A)では、上述した第26制御例のコマンド判定処理(図883のS4112A参照)に対して、状態コマンドを受信したかの判別を実行する前に、各停止種別コマンドを受信したかの判別を実行するように構成した点と、特図変動パターンコマンドの受信判別を特別図柄種別毎に実行するように構成した点と、当たり関連コマンド(大当たり関連コマンド、小当たり関連コマンド)の受信判別を実行するように構成した点と、仮停止関連コマンドの受信判別を実行するように構成した点と、で相違している。また、各種コマンドを受信したと判別した場合に実行される処理内容の一部を変更している点で相違している。なお、図955では、図883にて示したコマンド判定処理のうち同一の処理内容(図柄確定コマンドに関する処理等)について、その他のコマンドに応じた処理(S4219)に含めることでその説明を省略している。コマンド判定処理(S4152A)が実行されると、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S4271A)。特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドのいずれかを受信したと判別した場合は(S4271A:Yes)、停止種別コマンド受信処理を実行し(S4272A)、本処理を終了する。この停止種別コマンド受信処理(S4272A)の詳細については図956を参照して後述する。
一方、S4271Aの処理において、特図1停止種別コマンドも、特図2停止種別コマンドも受信していないと判別した場合は(S4271A:No)、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判別する(S4201)。状態コマンドを受信したと判別した場合には(S4201:Yes)、状態コマンド受信処理を実行し(S4273A)、本処理を終了する。この状態コマンド受信処理(S4273)の詳細については、図957を参照して後述するが、主制御装置110から出力される状態コマンドに基づいてパチンコ機10の遊技状態(通常状態、確変状態、第2確変状態)を状態設定エリア223gに設定する処理が実行される。一方、S4201の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合には(S4201:No)、特図1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S4274A)。ここで、特図1変動パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドである。S4274Aの処理において、特図1変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S4274A:Yes)、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223d1Cをオンに設定し(S4275A)、受信した特図1変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S4276A)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに、第1特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図964のS4113A参照)において、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動表示演出の開始と、その第1特別図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。一方、特図1変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4274A:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S4277A)。なお、特図2変動パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドである。
S4277Aの処理において、特図2変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S4277A:Yes)、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223d2Cをオンに設定し(S4278A)、受信した特図2変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S4279A)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに、第2特別図柄の変動パターン種別であることが識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図964のS4113A参照)において、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動表示演出の開始と、その第2特別図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。S4277Aの処理において、特図2変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4277A:No)、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別する(S4209)。保留球数コマンドを受信したと判別された場合には(S4209:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(即ち、第1特別図柄の変動表示の保留球数)を抽出し、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新して(S4210)、本処理を終了する。なお、本第26制御例の第3変形例では第2特別図柄(特図2)の抽選を保留記憶する構成を有していないため、S4210の処理では第1特別図柄(特図1)保留球数カウンタ223cの値を更新する処理のみが実行される。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S4210の処理によって、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値が、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値とずれしまっても、始動入賞をしたことに基づいて保留球数コマンドが通知されれば、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。また、S4209の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4209:No)、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S4211)。S4211の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S4211:Yes)、受信した入賞情報コマンドの情報(特別図柄の抽選の当否、当たり種別、および、変動パターン)を対応する入賞情報格納エリア223bに設定し(S4280A)、本処理を終了する。一方、S4211の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S4211:No)、主制御装置より当たり関連コマンドを受信したか判別する(S4281A)。S4281Aの処理において、当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(S4281A:Yes)、当たり関連処理を実行し(S4282A)、本処理を終了する。当たり関連処理(S4281A)の詳細については、図958を参照して後述するが、特別図柄の抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技又は小当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものである。
一方、S4281Aの処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S4281A:No)、主制御装置110より仮停止関連コマンドを受信したか判別する(S4283A)。S4283Aの処理において、仮停止関連コマンドを受信したと判別した場合には(S4283A:Yes)、仮停止関連処理を実行し(S4284A)、本処理を終了する。仮停止関連処理(S4274A)の詳細については、詳細な説明を省略するが、特図1仮停止コマンドまたは特図2仮停止コマンドを受信した場合における特図変動時間の残時間を判別する処理と、特図1変動再開コマンドまたは特図2変動再開コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81で実行する演出(追加演出)を設定する処理が実行される。一方、S4283Aの処理において、仮停止関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S4283A:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S4219)、本処理を終了する。S4219の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。以上、説明をした通り、本第26制御例の第3変形例の音声ランプ制御装置113にて実行されるコマンド判定処理(S4152A)では、状態コマンドを受信したかを判別する処理(S4271A参照)を、各特別図柄の変動パターンコマンドを受信したかを判別する処理(S4274A,S4277A参照)よりも前段に構成している。
このように構成することで、変動パターンコマンドと状態コマンドとが同時に主制御装置110から出力される場合、即ち、主制御装置110の第1特別図柄変動開始処理(図938のS2508A参照)の中で、第1特別図柄変動パターン選択処理(図940のS2607A参照)を実行し、特図1変動パターンコマンドを設定し、その後に実行される遊技状態更新処理(図941のS2608A参照)において、遊技状態が可変したことを示す状態コマンドを設定した場合であっても、音声ランプ制御装置113側で現在設定されている遊技状態を特図1変動パターンコマンドよりも先に判定することができる。よって、確変状態が設定されている状態で特図1の大当たりに当選し、その大当たり変動中に第2確変状態が設定される場合において、音声ランプ制御装置113側では、第2確変状態が設定されたと判別した状態で大当たり変動となる変動パターンコマンドに対応する変動演出(図922(b)、及び図923(a)参照)を、容易に設定することができる。なお、本第26制御例の第3変形例の構成とは異なり、状態コマンドの判別処理よりも前段に変動パターンコマンドに応じた処理を実行するように構成した場合、上述した大当たり変動に対応する変動パターンコマンドからは、確変状態中の第1特別図柄抽選によって大当たりに当選したことを示す情報のみを先に受信し、その受信内容に応じた変動表示が設定されることになる。よって、第1特別図柄の大当たり変動が開始されると同時に第2確変状態が設定されたことを示す変動表示を実行することが困難となる。このように第2確変状態が設定されたことを示す変動表示が遅れてしまうことにより、遊技者に対して右打ち遊技を行わせる旨を報知するタイミングが遅れてしまうことから、遊技者に不快感を与えてしますという問題が発生する。
これに対して、本第26制御例の第3変形例では、上述した通り、主制御装置110側では、大当たりの当否判定(図938のS2606A参照)、変動パターン設定(図938のS2607A)の後に遊技状態を可変させる処理(遊技状態更新処理(図938のS2608A))を実行するのに対して、音声ランプ制御装置113側では、先に現在の遊技状態を判別する処理(図955のS4272A)を実行し、その後に変動パターンに対応する変動表示を設定するように構成している。よって、第2確変状態が設定されているにも関わらず、それより以前の遊技状態に対応した変動表示が設定、実行されてしまうことを確実に防止することができる。また、音声ランプ制御装置113側にて主制御装置110から出力された各種コマンドの受信順序を規定するように構成することで、主制御装置110側にて各種コマンドの出力順序を規定する必要性を低減することが可能となる。よって、主制御装置110の制御負荷を軽減させることができる。なお、これに限ること無く、状態コマンドの判別処理よりも前段に変動パターンコマンドの判別処理を実行するように構成しても良く、この場合、特別図柄変動の開始タイミングにて遊技状態を変更可能に構成した場合、変更前の遊技状態に応じた変動パターンコマンドに基づく変動演出を実行することができる。よって、実際に遊技状態が変更されたタイミングと、変更後の遊技状態に基づいて変動演出が実行されるタイミングと、を異ならせる(特別図柄変動1回分異ならせる)ことができ、遊技者に遊技状態が変更したタイミングを把握させ難くすることができる。次に、図956を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される停止種別コマンド受信処理(S4272A)について説明する。図956は、この停止種別コマンド受信処理(S4272A)を示したフローチャートである。この停止種別コマンド受信処理(S4272A)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図955参照)の中で実行される。以下、停止種別コマンド受信処理(S4272A)の詳細を説明する。
停止種別コマンド受信処理(S4272A)では、まず、受信したコマンドに対応して、特図1停止種別コマンドを受信した場合には、特図1停止種別選択フラグをオンに設定し、特図2停止種別コマンドを受信した場合には、特図2停止種別選択フラグをオンに設定する(S5101A)。次に、受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドから停止種別(大当たりA~大当たりG、小当たりA~小当たりC,外れ、リーチ外れ等)を抽出し(S5102A)、本処理を終了する。S5102Aにおいて抽出した停止種別は、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。なお、特図1停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第1特別図柄の停止種別であることを識別可能に、特図2停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第2特別図柄の停止種別であることを識別可能にそれぞれ記憶される。これにより、第1特別図柄(特図1)と第2特別図柄(特図2)とが同時に変動を開始したとしても停止種別をそれぞれ管理することが可能となり、適切な変動表示を実行することができる。次に、図957を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド受信処理(S4273A)について説明する。図957は、この状態コマンド受信処理(S4273A)を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理(S4273A)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図965参照)の中で実行される。以下、状態コマンド受信処理(S4273A)の詳細を説明する。この状態コマンド受信処理(S4273A)では、主制御装置110から出力された状態コマンドに基づいて現在の遊技状態を状態設定エリア223gに設定する処理を実行すると共に、遊技状態が第2確変状態に移行した場合に、第2確変状態が設定されていることを遊技者に報知するための演出(図922(a)参照)を設定するための処理が実行される。
状態コマンド受信処理(S4204)では、まず、RAM223に設けられた状態設定エリア223gの値から、状態コマンドを受信する前の遊技状態を判別する(S5201A)。即ち、どの遊技状態で状態コマンドを受信したのかを判別する。次いで、状態コマンドを受信する前の遊技状態が第2確変状態であるかを判別する(S5202A)。状態コマンドを受信する前の遊技状態が第2確変状態でないと判別した場合は(S5202:No)、受信したコマンドが第2確変状態への移行を示す状態コマンドであるか判別する(S5203A)。S5203Aの処理において、受信したコマンドが第2確変状態への移行を示す状態コマンドであると判別した場合は(S5203A:Yes)、第2確変状態の突入を報知する報知演出を設定する(S5204A)。そして、受信した状態コマンドにより通知された遊技状態に対応する値を状態設定エリア223gに格納し(S5205A)、S5206Aの処理へ移行する。一方、S5202Aの処理において、状態コマンドを受信する前の遊技状態が第2確変状態であると判別した場合(S5202A:Yes)は、S5205Aの処理へ移行し、S5206の処理へ移行する。次いで、S5206Aの処理では、その他状態コマンドにより通知された遊技状態に対応する値を状態設定エリア223gに設定し(S5206A)、本処理を終了する。次に、図958を参照して、当たり関連処理(S4282A)の処理内容について説明をする。図958は、当たり関連処理(S4282A)の処理内容を示したフローチャートである。この当たり関連処理(S4282A)では、大当たり関連コマンドを受信したと判別した場合に大当たり関連処理(S5302A)が、小当たり関連コマンドを受信したと判別した場合に小当たり関連処理(S5304A)が実行されるように構成している。
具体的には、当たり関連処理(S4282A)が実行されると、まず、大当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S5301A)、受信したと判別した場合は(S5301A:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S5302A)、本処理を終了する。また、S5301Aの処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S5301A:No)、次に、小当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S5303A)、小当たり関連コマンドを受信したと判別した場合は(S5303A:Yes)、小当たり関連処理を実行し(S5304A)、本処理を終了する。一方、大当たり関連コマンド、及び、小当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は、そのまま本処理を終了する。なお、図958に示した通り、本第26制御例の第3変形例では、当たり関連処理(図958のS4282A)において、遊技者に有利な特典が付与され易い当たり種別(本変形例では大当たり)に関するコマンドを優先して受信(判別)するように構成している。このように構成することで、遊技者に最も有利な当たりに関連して実行される演出よりも、遊技者へ付与される特典が少なく、有利度合いが低い当たり種別に基づく演出が実行されてしまうことによって、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。次に、図959を参照して、当たり関連処理(図958のS4282A)にて実行される大当たり関連処理(S5302A)の処理内容について説明をする。図959は、大当たり関連処理(S5302A)の処理内容を示したフローチャートである。この当たり関連処理(図958のS4282A)では、大当たり遊技の開始から終了までの期間において実行される大当たり遊技演出の演出態様を決定するための処理と、大当たり遊技中に獲得した賞球に基づく演出を実行するための処理と、が実行される。具体的には、大当たり関連処理(S5302A)が実行されると、まず、今回の当たり関連のコマンドが、大当たり開始コマンドであるかを判別し(S5401A)、大当たり開始コマンドであると判別した場合には(S5401A:Yes)、大当たり演出態様設定処理を実行し(S5402A)、本処理を終了する。
一方、S5401Aの処理において、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S4601:No)、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S5403A)、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合には(S5403A:Yes)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S5404A)、本処理を終了する。なお、本第26制御例の第3変形例では主制御装置110からラウンド数コマンドとしてラウンド数を示す情報を送信しているため、受信したラウンド数コマンドに基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定しているが、例えば、主制御装置110から送信するコマンドデータの容量を軽減するために、主制御装置110から新たなラウンドが開始されたことを示すための情報をラウンド更新コマンドとして送信する構成する場合は、音声ランプ制御装置113のRAM223にラウンド更新コマンドを受信した場合に、受信したラウンド更新コマンドの数を蓄積するラウンド数蓄積カウンタを設け、そのラウンド数蓄積カウンタの値に基づいて音声ランプ制御装置113側で現在のラウンド数を算出し、表示用ラウンド数コマンドを設定するように構成しても良い。一方、S5403Aの処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S5403A:No)、エンディングコマンドを受信したか判別し(S5405A)、エンディングコマンドを受信したと判別した場合は(S5405A)、表示用エンディングコマンドを設定し(S5406A)、本処理を終了する。また、S5405Aの処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S5405A:No)、大当たり入賞コマンドを受信したかを判別する(S5407A)。
ここで、本第26制御例の第3変形例では、主制御装置110にて大当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球の数を計測可能に構成しており(入賞カウンタ)、第2可変入賞装置650へと遊技球が入賞する毎に入賞カウンタの値を更新し、更新後の値が所定数(10個)に到達した場合に実行中のラウンド遊技を終了させる処理を実行可能に構成している。さらに、入賞カウンタの値が更新される毎に大当たり入賞コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へと出力するように構成している。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側で大当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと遊技球が入賞したことを把握することができ、第2可変入賞装置650への遊技球の入賞に応じた表示態様を表示することができる。S5407Aの処理において、大当たり入賞コマンドを受信したと判別した場合は(S5407A:Yes)、決定されている賞球態様に対応する表示用コマンドを設定し(S5408A)、本処理を終了する。また、S5407Aの処理において、大当たり入賞コマンドを受信していないと判別した場合は(S5407A:No)、そのまま本処理を終了する。S5408Aの処理では、後述する大当たり演出態様設定処理(図960のS5402A参照)にて決定された賞球態様に基づく表示態様を示すための表示用コマンドが設定される。つまり、本第26制御例の第3変形例では、第2確変状態が終了した後に大当たり遊技が実行される場合、即ち、擬似小当たり演出を繰り返し実行した後に大当たり遊技演出を実行する場合において、擬似小当たり演出の演出結果として第3図柄表示装置81の表示面に表示された擬似賞球数に対応する値(図923(a)の表示領域Dm18に表示される値)と、実際に第2確変状態中に実行された複数回の小当たり遊技にて獲得した賞球数との差分を解消するために、大当たり遊技中に獲得した賞球数に対応して表示される賞球態様を変更するように構成している。
このように構成することで、実際に実行された小当たり遊技にて獲得した賞球数に関わらず、擬似小当たり演出を定期的に実行したとしても、大当たり遊技終了後において第3図柄表示装置81の表示面に表示される賞球数に対応する値(擬似小当たり演出にて表示された擬似賞球数、及び、大当たり遊技演出として表示される賞球態様が示す賞球数とを合算した値)を実際に獲得した賞球数(小当たり遊技中に獲得した賞球数と大当たり遊技中に獲得した賞球数)と合致させ易くすることができ、遊技者に違和感を与えることの無い表示態様を表示することができる。次に、図960を参照して、大当たり演出態様設定処理(S5402A)の処理内容について説明をする。図960は、大当たり演出態様設定処理(S5402A)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり演出態様設定処理(S5402A)は、上述した大当たり関連処理(図959のS5302A参照)において、大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合に実行される制御処理であって、大当たり遊技演出として表示される賞球態様(図923(b)に示す各ポイントアイコンや図924(a)に示す各ポイントアイコン)の表示態様を決定するための処理が実行される。大当たり演出態様設定処理(S5402A)が実行されると、まず、擬似賞球数カウンタ223adCの値を読み出し(S5501A)、小当たり賞球数カウンタ223aeCの値を読み出し(S5502A)、次に、S5501Aの処理で読み出した擬似賞球数カウンタ223adCの値からS5502Aの処理で読み出した小当たり賞球数カウンタ223aeCの値を減算する(S5503A)。つまり、S5503Aの処理では、擬似小当たり演出の演出結果として表示された擬似賞球数と、実際に小当たり遊技中に獲得した賞球数(実賞球数)との差分を算出するための処理が実行される。
その後、S5503Aの処理において算出された値が1よりも大きい、即ち、擬似賞球数の方が実賞球数よりも多いかを判別し(S5504A)、1よりも大きい、即ち、擬似賞球数の方が実賞球数よりも多いと判別した場合は(S5504:Yes)、大当たり遊技中に獲得した賞球数よりも大当たり遊技演出中に表示される賞球態様が示す賞球数を少なくするための賞球態様減算処理を実行し(S5505A)、S5506Aの処理へ移行する。一方、S5504Aの処理において、減算後の値が1よりも大きく無いと判別した場合は(S5504A:No)、次に、減算後の値が0よりも小さいかを判別し(S5508A)、0よりも小さい、即ち、擬似賞球数の方が実賞球数よりも少ないと判別した場合は(S5508A:Yes)、大当たり遊技中に獲得した賞球数よりも大当たり遊技演出中に表示される賞球態様が示す賞球数を多くするための賞球態様加算処理を実行し(S5509A)、その後、S5506Aの処理へ移行する。また、S5508Aの処理において、減算後の値が0よりも小さく無い、即ち、減算後の値が0、又は1であると判別した場合は(S5508A:No)、擬似賞球数と実賞球数との差分が所定範囲内(1以内)であることから、大当たり遊技中に獲得した賞球数に対応した賞球態様をそのまま表示する大当たり遊技演出(通常大当たり遊技演出)を実行するために、S5505Aの処理、及びS5509Aの処理をスキップして、S5506Aの処理へ移行する。なお、本第26制御例の第3変形例では、擬似賞球数と実賞球数との差分が所定範囲内(1以内)である場合に、通常大当たり遊技演出の実行条件が成立するように構成しているが、通常大当たり遊技演出の実行条件が成立する範囲は適宜設定すれば良く、例えば、擬似賞球数と実賞球数との差分値が、大当たり遊技中に開放制御される特定入賞口(第2特定入賞口650a)へと遊技球が1球入賞した場合に払い出される賞球数(15個)の値よりも小さい場合に通常大当たり遊技演出の実行条件が成立するように構成しても良い。
次に、S5606Aの処理では、大当たり遊技のオープニング期間(OP期間)中に実行される演出態様として、擬似演出(擬似小当たり演出)を終了させるための演出を実行した後に大当たり遊技の開始を示す演出を実行するオープニング態様(OP態様)を決定し(S5606A)、決定したOP態様に対応する表示用大当たり開始コマンドを設定し(S5507A)、本処理を終了する。次に、図961を参照して、賞球態様減算処理(S5505A)の処理内容について説明をする。図961は、賞球態様減算処理(S5505A)の処理内容を示すためのフローチャートである。この賞球態様減算処理(S5505A)は、上述した大当たり演出態様設定処理(図960のS5402A参照)において、大当たり遊技演出中に表示される賞球態様が示す賞球数が、実際に大当たり遊技中に獲得した賞球数よりも少なくなる演出態様を決定するための処理が実行される。具体的には、賞球態様減算処理(S5505A)が実行されると、まず、大当たり演出態様設定処理(図960のS5402A参照)のS5503Aの処理にて算出した値を15で除算し(S5531A)、除算後の値の整数値に対応する数の賞球表示の対応として「?」に対応する減算態様を決定する(S5532A)。つまり、大当たり遊技中に開放制御される特定入賞口(第2特定入賞口650a)へと遊技球が1球入賞した場合に払い出される賞球数(15個)を1単位として、何個の賞球表示を非表示とするかの判別を実行し、判別結果に基づいて差分を解消するために非表示とする賞球表示の数を決定するための処理が実行される。
より具体的には、例えば、差分値が「80」である場合、即ち、擬似賞球数が実賞球数よりも80個多い場合には、差分値「80」を「15」で除算した整数値「5」に対応する数だけ、通常大当たり遊技演出にて賞球数を表示するための通常ポイントアイコン(+15を示す表示態様が付されたポイントアイコン)を「?」を付したポイントアイコンへと変更する賞球態様を決定する。このように構成することで、大当たり遊技中に賞球を獲得した場合であっても、第3図柄表示装置81の表示面に賞球が付与されたことを示す表示態様(+15を示すポイントアイコン)が表示されないため、差分値を解消することができる。次に、S5533Aの処理では、S5532Aの処理によって決定された減算態様(「?」を付したポイントアイコン)の数が5個以上であるかを判別し(S5533A)、5個以上であると判別した場合は(S5533A:Yes)、減算態様の一部を今回実行される大当たり遊技のラウンド数を示唆するための特典態様(図923(b)のポイントアイコンPrに対応)を決定し(S5534A)、S5535Aの処理へ移行する。一方、S5533Aの処理において、5個以上では無いと判別した場合は(S5533A:No)、S5534Aの処理をスキップしてS5535Aの処理へ移行する。つまり、S5534Aの処理では、擬似賞球数が実賞球数よりも75個以上多い場合において、遊技者に特典を付与するための処理が実行される。ここで、本第26制御例の第3変形例では、上述した通り、第2確変状態における特図1大当たり変動期間を用いて、実際の小当たり遊技の実行回数に関わらず、理論上実行され得る小当たり遊技の平均実行回数に合わせて定期的に擬似小当たり演出を実行するように構成しており、第2確変状態中に実行される第2特別図柄抽選にて約1/2の確率で小当たり当選するように構成している。つまり、第2特別図柄抽選の結果が外れ(小当たり当選以外)となる回数が理論値よりも上回った場合において、擬似賞球数が実賞球数を大きく上回る事象が発生し得るように構成している。
よって、擬似賞球数が実賞球数を大きく上回る事象が発生した場合、即ち、第2確変状態中にて実行された複数回の第2特別図柄抽選の結果が遊技者に不利な結果(外れが多い結果)となればなるほど、賞球態様として特典態様が決定され易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、大当たり遊技演出中に表示される減算態様(「?」を付したポイントアイコン)の数が多くなる場合において、異なる表示態様のポイントアイコンを表示することができるため、同一表示態様のポイントアイコンが連続して表示されてしまい大当たり遊技演出が単調となってしまうことを抑制することができる。なお、本第26制御例の第3変形例では、特典態様として実行中の大当たり遊技のラウンド数を示唆する特典を付与するように構成しているが、遊技者に付与される特典としてはこれに限ること無く、例えば、通常大当たり遊技演出中には表示されることの無い価値の高い映像を表示しても良い。また、実際に大当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと入賞した場合に払い出される賞球数を増加させる特典を付与することで差分値を解消するように構成しても良い。次に、S5535Aの処理では、S5531Aの処理によって除算された値に余り値があるかを判別し(S5535A)、余り値があると判別した場合には(S5535A:Yes)、余り値の値に対応する数の賞球表示の態様として「14」に対応する減算態様を決定し(S5536A)、決定した各種態様を含む大当たり遊技中の演出態様を決定し(S5537A)、本処理を終了する。また、S5535Aの処理において、除算後の余り値が無いと判別した場合は(S5535A:No)、S5536Aの処理をスキップして、S5537Aの処理を実行し、その後、本処理を終了する。
ここで、S5535A、及びS5536Aの処理内容について、具体例を挙げて説明をする。例えば、差分値が「80」である場合、即ち、擬似賞球数が実賞球数よりも80個多い場合には、差分値「80」を「15」で除算した場合に整数値が「5」、余り値が「5」となる。そして、余り値「5」に対応する数の表示態様として、「14」の減算態様が5個決定される。これにより、通常大当たり遊技演出では「+15」が付されるポイントアイコンの表示態様を「+14」が付されるポイントアイコンの表示態様(減算態様)へと5個変更して表示される。次に、図962を参照して、賞球加算処理(S5509A)の処理内容について説明をする。図962は、賞球加算処理(S5509A)の処理内容を示したフローチャートである。この賞球加算処理(S5509A)は、上述した大当たり演出態様設定処理(図960のS5402A参照)のS5503Aの処理によって算出された値が0よりも小さい、即ち、擬似賞球数の方が実賞球数よりも少ないと判別された場合に実行される制御処理であって、大当たり遊技演出中に表示される賞球態様が示す賞球数を、実際に大当たり遊技中に獲得した賞球数よりも多くすることで擬似賞球数と実賞球数との差分を解消するための処理が実行される。この賞球加算処理(S5509A)が実行されると、まず、大当たり演出態様設定処理(図960のS5402A参照)のS5503Aの処理にて算出した値を15で除算し(S5551A)、除算後の値の整数値に対応する数の賞球表示の対応として「30」に対応する加算態様を決定する(S5552A)。つまり、大当たり遊技中に開放制御される特定入賞口(第2特定入賞口650a)へと遊技球が1球入賞した場合に払い出される賞球数(15個)を1単位として、何個の賞球表示を加算表示とするかの判別を実行し、判別結果に基づいて差分を解消するために加算表示する賞球表示の数を決定するための処理が実行される。
より具体的には、例えば、差分値が「-80」である場合、即ち、擬似賞球数よりも実賞球数の方が80個多い場合には、差分値「80」を「15」で除算した整数値「5」に対応する数だけ、通常大当たり遊技演出にて賞球数を表示するための通常ポイントアイコン(+15を示す表示態様が付されたポイントアイコン)を「30」を付したポイントアイコンへと変更する賞球態様を決定する。このように構成することで、大当たり遊技中に賞球を獲得したことを示すための表示態様(ポイントアイコン)を用いて、差分値を解消することができる。S5552Aの処理を終えると、次に、S5551Aの処理によって除算された値に余り値があるかを判別し(S5553A)、余り値があると判別した場合には(S5553A:Yes)、余り値の値に対応する数の賞球表示の態様として「16」に対応する減算態様を決定し(S5554A)、決定した各種態様を含む大当たり遊技中の演出態様を決定し(S5555A)、本処理を終了する。また、S5553Aの処理において、除算後の余り値が無いと判別した場合は(S5553A:No)、S5554Aの処理をスキップして、S5555Aの処理を実行し、その後、本処理を終了する。ここで、S5553A、及びS5554Aの処理内容について、具体例を挙げて説明をする。例えば、差分値が「-80」である場合、即ち、擬似賞球数よりも実賞球数の方が80個多い場合には、差分値「-80」を「15」で除算した場合に整数値が「5」、余り値が「5」となる。そして、余り値「5」に対応する数の表示態様として、「16」の減算態様が5個決定される。これにより、通常大当たり遊技演出では「+15」が付されるポイントアイコンの表示態様を「+16」が付されるポイントアイコンの表示態様(減算態様)へと5個変更して表示される。
次に、図963を参照して、小当たり関連処理(S5304A)の処理内容について説明をする。図963は、小当たり関連処理(S5304A)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり関連処理(S5304A)は、上述した当たり関連処理(図958のS4282A)において小当たり関連コマンドを受信したと判別した場合に実行される制御処理であって、小当たり遊技が実行されたことに基づく小当たり遊技演出の実行有無を決定するための処理と、小当たり遊技中に獲得した賞球数(実賞球数)を計測するための処理と、が実行される。具体的には、小当たり関連処理(S5304A)が実行されると、まず、小当たり待機フラグ223agCがオンに設定されているかを判別し(S5601A)、オンに設定されていると判別した場合(S5601A:Yes)、即ち、擬似小当たり演出の実行を中断し、実際の小当たり遊技に対応した小当たり遊技演出を実行するための実行条件が成立している場合は、次に、小当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S5602A)、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S5602A:Yes)、表示用小当たり開始コマンドを設定し(S5603A)、連チャン態様(図923(a)の表示領域Dm17の回数表示態様)を更新する表示用コマンドを設定し(S5604A)、本処理を終了する。また、S5602Aの処理において、小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S5602A:No)、次に、エンディングコマンドを受信したかを判別し(S5605A)、エンディングコマンドを受信したと判別した場合は(S5605A:Yes)、表示用小当たり終了コマンドを設定し(S5606A)、小当たり待機フラグ223agCをオフに設定し(S5607A)、本処理を終了する。
一方、S5605Aの処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S5605A:No)、S5608Aの処理へ移行する。また、S5601Aの処理において、小当たり待機フラグ223agCがオンに設定されていないと判別した場合(S5601A:No)、即ち、実際の小当たり遊技に対応した小当たり遊技演出を実行するための実行条件が成立していない場合は、小当たり関連コマンドを受信したことに基づく各種演出を実行しないため、S5602A~S5607Aの処理をスキップして、S5608Aの処理へ移行する。次に、S5608Aの処理では、小当たり入賞コマンド(小当たり遊技中に可変入賞装置65の特定入賞口65aへと遊技球が入賞したことを示すためのコマンド)を受信したかを判別し(S5608A)、受信したと判別した場合は(S5608A:Yes)、次に、小当たり賞球数カウンタ223aeCの値に、特定入賞口65aの賞球数に対応する値を加算し(S5609A)、小当たり待機フラグ223agCがオンに設定されているかを判別し(S5610A)、オンに設定されていると判別した場合は(S5610A:Yes)、小当たり遊技中に獲得した賞球を示すための表示用コマンドを設定し(S5611A)、本処理を終了する。一方、S5610Aの処理において、小当たり待機フラグ223agCがオンに設定されていないと判別した場合は(S5610A:No)、小当たり遊技中に獲得した賞球を示すための演出を実行する条件が成立していないため、S5611Aの処理をスキップして本処理を終了する。また、S5608Aの処理において、小当たり入賞コマンドを受信していないと判別した場合は(S5608A:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図964を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4113A)について説明する。図964は、この変動表示設定処理(S4113A)の処理内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4113A)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(S4113A)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した第1または特図2変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用特図1または特図2停止種別コマンドを設定する処理を実行する。変動表示設定処理(S4113A)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223d1Cがオンに設定されているか判別する(S5701A)。そして、特図1変動開始フラグ223d1Cがオフであると判別した場合には(S5701A:No)、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S5707Aの処理へ移行する。一方、特図1変動開始フラグ223d1Cがオンであると判別した場合には(S5701A:Yes)、特図1変動開始フラグ223d1Cをオフに設定する(S5702A)。次に、現在の遊技状態が第2確変状態であるか判別する(S5703A)。現在の遊技状態が、第2確変状態であると判別した場合には(S5703A:Yes)、特図1用変動表示設定処理(S5704A)を実行し、その後、入賞情報格納エリア223bのうち、第1特別図柄に対応するデータをシフトし(S5706A)、S5707Aの処理へ移行する。
一方、S5703Aの処理において、現在の遊技状態が第2確変状態ではないと判別した場合には(S5703A:No)、コマンド判定処理(図955参照)のS4152Aの処理において特図1変動パターンコマンドより抽出された第1特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを生成する(S5705A)。なお、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、第1特別図柄に対応する表示用変動パターンコマンドであるか第2特別図柄の変動パターンコマンドであるかを識別可能に構成されている。具体的には、2バイト構成の表示用変動パターンコマンドの上位バイトの上位2ビットが「10」であれば、第1特別図柄に対応することを示し、「01」であれば第2特別図柄に対応することを示すように構成されている。S5704A、或いは、S5705Aの処理で設定された第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納し、メイン処理のコマンド出力処理により表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第1特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第1特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、入賞情報格納エリア223bのうち、第1特別図柄に対応するデータをシフトする(S5706)。
次に、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223d2Cがオンに設定されているか判別する(S5707A)。そして、特図2変動開始フラグ223d2Cがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5707A:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S5711Aの処理を実行する。一方、特図2変動開始フラグ223d2Cがオンであると判別した場合には(S5707A:Yes)、特図2変動開始フラグ223d1Cをオフに設定する(S5708A)。次に、特図2用変動表示設定処理(S5709A)の処理を実行し、その後、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する入賞情報格納エリア223bのうち、第2特別図柄に対応するデータをシフトする(S5709A)。S5709Aの処理で設定された第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理により表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第2特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。次に、特図1停止種別選択フラグ223e1Cまたは特図2停止種別選択フラグ223e2Cがオンに設定されているか判別する(S5711A)。特図1停止種別選択フラグ223e1Cまたは特図2停止種別選択フラグ223e2Cがオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5711A:No)、この処理を終了する。
一方、特図1停止種別選択フラグ223e1Cまたは特図2停止種別選択フラグ223e2Cがオンであると判別した場合には(S5711A:Yes)、特図1停止種別選択フラグ223e1Cがオンであった場合には、特図1停止種別選択フラグ223e1Cをオフに設定し、特図2停止種別選択フラグ223e2Cがオンであった場合には、特図2停止種別選択フラグ223e2Cをオフに設定する(S5712A)。そして、コマンド判定処理(図955参照)のS4271Aの処理にて受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドより抽出された停止種別を設定し(S5713A)、本処理を終了する。抽出した停止種別が第1特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別を通知するための表示用特図1停止種別コマンドを設定する。また、抽出した停止種別が第2特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別を通知するための表示用特図2停止種別コマンドを設定する。なお、主制御装置110から通知される特図1または特図2停止種別コマンドは、大当たりとなった場合に、その大当たり種別を通知するものであり、判定結果が外れの場合であっても通知される。判定結果が外れである場合には、その停止種別は参照されることなく、外れ図柄が設定されるものである。次に、図965を参照して、特図1変動表示設定処理(S5704A)の処理内容について説明をする。図965は、特図1変動表示設定処理(S5704A)の処理内容を示したフローチャートである。この特図1変動表示設定処理(S5704A)は、上述した変動表示設定処理(図964のS4113A参照)にて、第2確変状態中の第1特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定するための処理を実行する。
特図1変動表示設定処理(S5704A)が実行されると、まず、抽出した変動パターンに対応する変動時間の読み出しを実行し(S5801A)、S5801Aの処理で読み出した変動時間に対応する値を特図1変動時間カウンタ223aaCにセットする(S5802A)。次に、今回の変動時間に基づいて、擬似演出テーブル222aaCを参照して擬似演出態様を決定し(S5803A)、決定した擬似演出態様に対応する変動パターンコマンドを設定し(S5804A)、本処理を終了する。次に、図966を参照して、特図2変動表示設定処理(S5709A)の処理内容について説明をする。図966は、特図2変動表示設定処理(S5709A)の処理内容を示したフローチャートである。この特図2変動表示設定処理(S5709A)は、上述した変動表示設定処理(図964のS4113A参照)にて、第2特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定するための処理を実行する。特図2変動表示設定処理(S5709A)が実行されると、まず、抽出した変動パターンに対応する変動時間の読み出しを実行し(S5851A)、S5851Aの処理で読み出した変動時間に対応する値を特図2変動時間カウンタ223abCにセットする(S5852A)。次に、抽出した変動パターンに基づいて、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定し(S5853A)、本処理を終了する。次に、図967を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出更新処理(S4111A)について説明する。図967は、この演出更新処理(S4111A)を示したフローチャートである。この演出更新処理(S4111A)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理の一処理であり、RAM223内に設けられている各種カウンタの値の更新を実行する処理と、第2確変状態における第1特別図柄の大当たり変動期間中に実行される擬似演出(擬似小当たり演出)の演出内容の更新を実行する処理である。
演出更新処理(S4111A)では、まず、特図2変動時間カウンタ223abCの値が0よりも大きいか判別する(S5901A)。特図2変動時間カウンタ223abCの値が0よりも大きいと判別した場合には(S5901A:Yes)、特図2変動時間カウンタ223abCの値を1減算する(S5902A)。一方、S5901Aの処理において、特図2変動時間カウンタ223abCの値が0よりも大きくない(即ち、0である)と判別した場合には(S5901A:No)、S5902Aの処理をスキップし、S5903Aの処理に移行する。次に、特図1変動時間カウンタ223aaCの値は0よりも大きいか判別する(S5903A)。特図1変動時間カウンタ223aaCの値は0よりも大きいと判別した場合には(S5903A:Yes)、特図1変動時間カウンタ223aaCの値を1減算する(S5904A)。次に、特図1変動時間カウンタ223aaCの値と特図2変動時間カウンタ223abCの読み出しを実行し(S5905A)、特図1変動時間カウンタ223aaCの値から特図2変動時間カウンタ223abCの値を減算し、残時間を算出する(S5906A)。S5906Aの処理で算出した残時間を残時間格納エリア223adCの値に格納し(S5907A)、その他各種カウンタの値を1減算し(S5908A)、その後、擬似演出更新処理を実行し(S5909A)、本処理を終了する。一方、S5903Aの処理において、特図1変動時間カウンタ223aaCの値が0よりも大きくない(即ち、0である)と判別した場合には(S5903A:No)、上述したS5904A~S5907Aをスキップし、S5908Aの処理を実行し、S5909Aの処理を実行し、本処理を終了する。次に、図968を参照して、擬似演出更新処理(S5909A)の処理内容について説明をする。図968は、擬似演出更新処理(S5909A)の処理内容を示したフローチャートである。この擬似演出更新処理(S5909A)は、上述した演出更新処理(S4111A)にて実行される処理であって、第2確変状態の特図1大当たり変動中に実行される擬似小当たり演出の演出態様を更新するための処理が実行される。
具体的には、擬似演出更新処理(S5909A)が実行されると、まず、現在が擬似演出中であるか、即ち、第2確変状態であって、且つ、特図1大当たり変動が実行されている状態であるかを判別し(S6001A)、擬似演出中であると判別した場合は(S6001A:Yes)、次に、擬似小当たり演出の実行タイミングであるかを判別する(S6002A)。ここで、本第26制御例の第3変形例では、特図1大当たり変動中に実行される擬似演出の演出態様として、擬似演出テーブル222aaCを参照して決定するように構成しており、決定した演出態様に応じて異なる実行間隔で擬似小当たり演出が実行される擬似演出を実行するように構成している。そして、擬似演出テーブル222aaCを参照して決定された擬似演出態様に対応する演出シナリオが設定され、特図1変動時間カウンタ223aaCの値を更新することで演出シナリオを更新し、新たな擬似小当たり演出が実行されるタイミングを判定可能に構成している。S6002Aの処理において、擬似小当たり演出の実行タイミングであると判別した場合には(S6002A:Yes)、次に、特図2小当たり変動中であるかを判別し(S6003A)、特図2小当たり変動中であると判別した場合は(S6003A:Yes)、特図2小当たり変動が停止表示されるまでの残時間が1秒未満であるかを判別し(S6004A)、1秒未満であると判別した場合には(S6004A:Yes)、小当たり待機フラグ223agCをオンに設定し(S6005A)、小当たり演出開始を待機する演出態様を決定し(S6006A)、決定した各種態様に対応する表示用コマンドを設定し(S6007A)、本処理を終了する。
一方で、S6003Aの処理において、特図2小当たり変動中では無いと判別した場合(S6003A:No)、或いは、特図2変動停止までの残時間が1秒未満では無いと判別した場合(S6004A:No)は、擬似小当たり演出の実行を決定し(S6008A)、擬似賞球数カウンタ223adCの値に1回の小当たり遊技に対応する賞球数に応じた値を加算し(S6009A)、今回実行される擬似小当たりに対応する実行回数を示す連チャン態様を決定し(S6010A)、決定した各種態様に対応する表示用コマンドを設定し(S6007A)、本処理を終了する。また、S6001Aの処理において、現在が擬似演出中では無いと判別した場合(S6001A:No)、或いは、S6002Aの処理において、擬似小当たり演出の実行タイミングでは無いと判別した場合(S6002A:No)は、そのまま本処理を終了する。
<第26制御例の第4変形例について>
次に、図969から図986を参照して、上述した第26制御例における第4変形例について説明をする。上述した第26制御例における第3変形例では、遊技者に有利な遊技期間として第2確変状態と大当たり遊技状態とが連続するように構成し、第2確変状態中に実行される小当たり遊技にて獲得した賞球数(実賞球数)が第2確変状態中に報知され難くなるように構成し、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出中に、実賞球数と、大当たり遊技中に獲得した賞球数(アタッカー賞球数)とを合算した全賞球数を遊技者に報知可能に構成していた。これに対して、本第4変形例では、第2確変状態中に獲得した実賞球数、及び、大当たり遊技中に獲得したアタッカー賞球数を、賞球を獲得した時点で報知するように構成している点で相違している。そして、第2確変状態中に獲得した実賞球数に応じて、大当たり遊技中に可変入賞装置65の特定入賞口65aへと遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数を異ならせて設定可能に構成している点で相違している。さらに、第2確変状態中における第1一般入球口630aへの遊技球の入球に基づいて払い出された賞球数(一般賞球数)に応じても大当たり遊技中に可変入賞装置65の特定入賞口65aへと遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数を異ならせて設定可能に構成し、且つ、第2確変状態中に獲得した一般賞球数を遊技者に報知しないように構成している点で相違している。このように構成することで、第2確変状態中における遊技結果に応じて、大当たり遊技中に付与される特典(賞球)の内容を異ならせることができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
<第26制御例の第4変形例における演出内容について>
まず、図969から図971を参照して、本第4変形例のパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。具体的には、第2確変状態中に実行される演出内容と、第2確変状態が終了した後の大当たり遊技中に実行される演出内容、即ち、有利遊技期間中に実行される演出内容について、上述した第3変形例と相違する点を中心に説明をする。図969(a)は、第2確変状態中における第1特別図柄が大当たり変動(特図1大当たり変動)中に第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり演出の演出態様を示した図である。本第26制御例の第4変形例では、第2確変状態中に小当たり遊技が実行されると、小当たり演出が実行されるように構成しており、小当たり演出の演出態様が、小当たり遊技の実行回数に応じて変化していくように構成している。図969(a)に示した図は、第2確変状態における1回目の小当たり演出にて表示される表示画面の一例を示している。なお、上述した第3変形例にて示した演出内容と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。図969(a)では、第1特別図柄が変動していることを示すための第3図柄が表示領域Dm1に表示され、第2特別図柄が小当たり当選で停止表示していることを示すための第3図柄「341」で表示領域Dm2に表示されている。そして、今回の小当たり遊技が1回目であることを示す表示態様として表示領域Dm17に「V回数1回」が表示されている。なお、図では、1回目の小当たり遊技中に可変入賞装置65の特定入賞口65aへと1個も遊技球を入賞させていない状態であるため、小当たり遊技にて獲得した賞球数を示すための表示領域Dm18には何も表示されていない。
そして、主表示領域Dmの中央部では、ウサギを模したキャラクタ801がジョーロ801jを使って鉢801hに水をあげている演出が実行され、副表示領域Dsには「小当たり回数を増やして花を育てろ」の文字が表示されている。本第26制御例の第4変形例では、第2確変状態中に実行された小当たり遊技の回数によって、大当たり遊技中に可変入賞装置65の特定入賞口65aへと遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数を異ならせて設定可能に構成しており、小当たり演出の演出態様も、小当たり遊技の実行回数(実賞球数)に応じて進展するように構成している。具体的には、実賞球数の増加に応じて、鉢801hから芽が出て、つぼみが形成された後に、花(図969(b)参照)が咲き、その後、種を収穫する(図970(a)参照)までの小当たり演出が進展し、種の中から出てくるアイコンによって大当たり遊技中の賞球数を報知するように構成している。図970(b)に示した図では、大当たり遊技中の賞球数が「20」に増加したことを示すアイコン801maが種801mから出現し、副表示領域Dsにて「今回の大当たりは賞球が増えるよ」の文字が表示されている。そして、図971に示した通り、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出にて、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aへと遊技球が入賞する毎に、「+20」を付したポイントアイコンP1,P2が表示され、通常よりも賞球数が多いことを示すための表示態様として、副表示領域Dsに「大当たりでポイントがザクザク貯まる」の文字が表示される。
<第26制御例の第4変形例における電気的構成について>
次に、図972から図977を参照して、本第4変形例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第4変形例のパチンコ機10は、上述した第26制御例の第3変形例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部と、RAM203の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部と、RAM223の構成の一部を変更している点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については説明を省略する。まず、図972を参照して、本第4変形例のパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図972は、本第4変形例のパチンコ機10におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成を模式的に示した図である。図972に示した通り、本第4変形例のパチンコ機10は、上述した第3変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するROM202(図927参照)に対して、賞球数選択テーブル202aaDを追加している点で相違し、それ以外の要素は同一である。同一の要素は同一の符号を付してその説明を省略する。賞球数選択テーブル202aaDは、大当たり遊技中に開放制御される第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aへと遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数(単位賞球数)を決定する際に参照されるデータテーブルであって、単位賞球数として最小値が「15」、最大値「20」が規定されている。
ここで、賞球数選択テーブル202aaDに規定されている内容について、図973を参照して説明をする。図973は、賞球数選択テーブル202aaDに規定されている内容を模式的に示した図である。図973に示した通り、賞球数選択テーブル202aaDには、小当たり賞球数カウンタ203aaDの値と、一般賞球数カウンタ203abDの値と、に対応させて「15」,「16」,「20」の単位賞球数が規定されている。具体的には、小当たり賞球数カウンタ203aaDの値が「0~900」の範囲であって、一般賞球数カウンタ203abDの値が「0~75」の範囲に対しては単位賞球数「15」が、一般賞球数カウンタ203abDの値が「76~」の範囲に対しては単位賞球数「16」が、規定されている。また、小当たり賞球数カウンタ203aaDの値が「901~1350」の範囲であって、一般賞球数カウンタ203abDの値が「0~75」の範囲に対しては単位賞球数「15」が、一般賞球数カウンタ203abDの値が「76~100」の範囲に対しては単位賞球数「16」が、一般賞球数カウンタ203abDの値が「101~」の範囲に対しては単位賞球数「20」が、規定されている。さらに、小当たり賞球数カウンタ203aaDの値が「1351~」の範囲であって、一般賞球数カウンタ203abDの値が「0~75」の範囲に対しては単位賞球数「20」が、一般賞球数カウンタ203abDの値が「76~」の範囲に対しては単位賞球数「15」が、規定されている。詳細な説明は後述するが、小当たり賞球数カウンタ203aaDは、第2確変状態中に実行された小当たり遊技中に可変入賞装置65の特定入賞口65aへと遊技球を入賞させたことに基づいて獲得した賞球数(実賞球数)を計測するためのカウンタであり、一般賞球数カウンタ203abDは、第2確変状態中に第1一般入球口630a(右一般入球口)へと遊技球を入球させたことに基づいて獲得した賞球数(一般賞球数)を計測するためのカウンタである。また、1回の小当たり遊技にて獲得可能な実賞球数は平均で45個(15個×3球)となるように構成しており、第1一般入球口630aへと遊技球が入球した場合に払い出された賞球数が10個となるように構成している。
つまり、第2確変状態中に獲得した実賞球数と一般賞球数とにバラツキが有る場合に単位賞球数として大きい値が決定され易くなるように賞球数選択テーブル202aaDの内容が予め規定されている。より具体的には、第2確変状態の期間(特図1大当たり変動の変動期間)として比較的長い期間が設定された場合であって、継続して右打ち遊技を実行したにも関わらず、第2特別図柄抽選の実行回数が少ない、又は、第2特別図柄抽選で小当たり当選した回数が設計値(1/2)よりも低く、第2確変状態中の小当たり遊技回数が少ない場合には、実賞球数に対して、一般賞球数が比較的多くなる。一方、第2確変状態の期間(特図1大当たり変動の変動期間)として比較的短い期間が設定された場合であって、第2特別図柄抽選で小当たり当選した回数が設計値(1/2)よりも高く、第2確変状態中の小当たり遊技回数が多い場合であり、更に、小当たり遊技が実行されていない期間中の右打ち遊技を抑制した場合には、実賞球数に対して、一般賞球数が比較的少なくなる。このように、第2確変状態中における遊技内容として、継続して右打ち遊技を行い、平均的に各賞球を獲得する場合とは異なる遊技内容となった場合の方が、平均的に各賞球を獲得する遊技内容となった場合よりも、大当たり遊技中の単位賞球数を多くするように構成することで、第2確変状態中における遊技方法を遊技者に試行錯誤させることができるため、遊技者の遊技意欲を高めることができる。さらに、本第4変形例では、第2確変状態中における小当たり遊技の実行回数では無く、実賞球数に応じて単位賞球数を決定可能に構成しているため、例えば、小当たり遊技が実行された場合であっても、小当たり遊技中に右打ち遊技を中断することで実賞球数を少なくすることが可能となる。つまり、遊技者が遊技方法を選択することで単位賞球数を決定可能に構成している。このように構成することで、小当たり遊技にて獲得可能な実賞球数を意図的に減らすことで、大当たり遊技にて獲得可能なアタッカー賞球数を増加させ、トータルで獲得可能な全賞球数を多くするといった斬新な遊技性を提供することができる。
次に、図974を参照して、本第4変形例のパチンコ機10における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図974は、本第4変形例のパチンコ機10における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成を模式的に示した図である。図974に示した通り、本第4変形例では、上述した第26制御例の第3変形例のパチンコ機10における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成に対して、小当たり賞球数カウンタ203aaDと、一般賞球数カウンタ203abDと、賞球数格納エリア203acDを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその説明を省略する。小当たり賞球数カウンタ203aaDは、第2確変状態中に獲得した実賞球数を計測するためのカウンタであって、第2確変状態中に第2特定入賞口(特定入賞口65a)へと遊技球が入賞したことを示すための検出信号を受信した場合に、対応する賞球数の値が加算される(図980のS4053A参照)。そして、小当たり賞球数カウンタ203aaDの値は、大当たり遊技における単位賞球数を決定する際に参照され(図982のS3172A)、単位賞球数を決定した後に値がクリアされる(図982のS3177A)。一般賞球数カウンタ203abDは、第2確変状態中に獲得した一般賞球数を計測するためのカウンタであって、第2確変状態中に第1一般入球口630a(右一般入球口)へと遊技球が入球したことを示すための検出信号を受信した場合に、対応する賞球数の値が加算される(図980のS4055A参照)。小当たり賞球数カウンタ203aaDの値は、大当たり遊技における単位賞球数を決定する際に参照され(図982のS3172A)、単位賞球数を決定した後に値がクリアされる(図982のS3178A)。
賞球数格納エリア203acDは、大当たり遊技の単位賞球数を一時的に格納するためのデータ領域であって、大当たり中賞球決定処理(図982のS3151A参照)において決定された単位賞球数「15」~「20」の何れかが格納される。そして、大当たり遊技終了後に通常の単位賞球数である「15」が格納される。そして、大当たり遊技中に特定入賞口(第2特定入賞口650a)へと遊技球が入賞した場合に、賞球数格納エリア203acDに格納されている単位賞球数を示す情報を読み出し、対応する賞球数の払い出しを決定する。次に、図975を参照して、本第4変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図975は、本第4変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を模式的に示した図である。図975に示した通り、本第4変形例では、上述した第26制御例の第3変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成に対して、小当たり態様選択テーブル222aaDを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその説明を省略する。小当たり態様選択テーブル222aaDは、小当たり遊技中に実行される小当たり演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、第2確変状態中に実行された小当たり遊技回数と、第2確変状態中に獲得した一般賞球数に対応する値とに応じて、異なる態様が規定されている。ここで、図976を参照して、小当たり態様選択テーブル222aaDに規定されている内容について説明をする。図976は、小当たり態様選択テーブル222aaDに規定されている内容を模式的に示した図である。図976に示した通り、小当たり態様選択テーブル222aaDには、具体的には、第2確変状態中に実行された小当たり遊技回数と、第2確変状態中に獲得した一般賞球数に対応する値、及び、現状の可変態様に応じて異なる態様が規定されている。
具体的には、小当たり回数が5回で、期間一般賞球数カウンタ223aaDの値が「0~10」の範囲に対しては、現状の可変態様が「種」であれば「種」が規定されている。つまり、可変態様が変化しない小当たり演出が規定されている。なお、小当たり回数が5回の時点では、可変態様が「芽」,「つぼみ」,「花」に変化していることが無いため、該当する箇所には、変化後の態様が規定されていない。一方、期間一般賞球数カウンタ223aaDの値が「11~」の範囲に対しては、現状の可変態様が「種」であれば「芽」が規定されている。つまり、5回目の小当たり遊技が実行された時点において獲得済みの一般賞球数が多い程、小当たり演出の可変態様が進展し易くなるように構成している。ここで、上述した通り、本第4変形例では、大当たり遊技中の単位賞球数が、第2確変状態中に獲得した実賞球数(小当たり遊技にて獲得した賞球数)と、第2確変状態中に獲得した一般賞球数(右一般入球口630aへの入球にて獲得した賞球数)と、に応じて決定されるように構成しており、第2確変状態中は、実賞球数は報知されるが、一般賞球数を報知しないように構成している。よって、第2確変状態中は、小当たり演出における可変態様の進展度合いのみが一般賞球数を遊技者に把握させるための情報とすることができる。よって、演出効果を高めることができる。次に、小当たり回数が10回で、期間一般賞球数カウンタ223aaDの値が「0~20」の範囲に対しては、現状の可変態様が「種」であれば「種」が、現状の可変態様が「芽」であれば「芽」が規定されている。つまり、可変態様が変化しない小当たり演出が規定されている。一方、期間一般賞球数カウンタ223aaDの値が「21~」の範囲に対しては、現状の可変態様が「種」であれば「芽」が、現状の可変態様が「芽」であれば「つぼみ」が規定されている。つまり、10回目の小当たり遊技が実行された時点において獲得済みの一般賞球数が多い程、小当たり演出の可変態様が進展し易くなるように構成している。
小当たり回数が15回で、期間一般賞球数カウンタ223aaDの値が「0~40」の範囲に対しては、現状の可変態様が「種」であれば「種」が、現状の可変態様が「芽」であれば「芽」が、現状の可変態様が「つぼみ」であれば「つぼみ」が規定されている。つまり、可変態様が変化しない小当たり演出が規定されている。一方、期間一般賞球数カウンタ223aaDの値が「41~」の範囲に対しては、現状の可変態様が「種」であれば「芽」が、現状の可変態様が「芽」であれば「つぼみ」が、現状の可変態様が「つぼみ」であれば「花」が規定されている。つまり、15回目の小当たり遊技が実行された時点において獲得済みの一般賞球数が多い程、小当たり演出の可変態様が進展し易くなるように構成している。最後に、小当たり回数が20回で、期間一般賞球数カウンタ223aaDの値が「0~50」の範囲に対しては、現状の可変態様が「種」であれば「種」が、現状の可変態様が「芽」であれば「つぼみ」が、現状の可変態様が「つぼみ」であれば「つぼみ」が、現状の可変態様が「花」であれば「花」が規定されている。つまり、可変態様が変化し難い小当たり演出が規定されている。一方、期間一般賞球数カウンタ223aaDの値が「51~」の範囲に対しては、現状の可変態様に関わらず、「花」が規定されている。つまり、20回目の小当たり遊技が実行された時点において獲得済みの一般賞球数が多い場合には、必ず「花」まで可変態様が進展し易くなるように構成している。
次に、図977を参照して、本第4変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図977は、本第4変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。図977に示した通り、本第4変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成は、上述した第26制御例の第3変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成(図934(b)参照)に対して、期間一般賞球数カウンタ223aaDと、決定賞球数格納エリア223abDと、を追加した点で相違し、それ以外の要素は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその説明を省略する。期間一般賞球数カウンタ223aaDは、第2確変状態中に獲得した一般賞球数を計測するためのカウンタであって、第2確変状態中に主制御装置110から右一般入球口630a(第1一般入球口630a)へと遊技球が入球したことを示す入賞種別コマンドを受信したと判別した場合に、対応する賞球数の値が加算される。そして、小当たり遊技中に実行される小当たり演出の演出態様を決定する際に参照される(図986のS5652A参照)。決定賞球数格納エリア223abDは、主制御装置110から出力された大当たりコマンドに含まれている単位賞球数に関する情報を一時的に格納するためのデータ領域であって、大当たりコマンド(大当たり開始コマンド)を受信した場合に、受信した大当たりコマンドに含まれている単位賞球数に関する情報を読み出して、読み出した情報が格納される。そして、大当たり遊技演出の演出態様を決定する際に、格納されている情報が読み出され、読み出した情報に応じた演出態様が決定される。また、大当たり遊技中に特定入賞口(第2特定入賞口650a)へと遊技球が入賞したことを示すための入賞コマンドを受信した場合にも格納されている情報が読み出され、読み出した情報に対応する単位賞球数を獲得したことを示すためのポイントアイコンPの表示態様が決定される。
<第26制御例の第4変形例における制御処理について>
次に、図978から図986を参照して、本第4変形例における制御処理について説明をする。本第4変形例では、上述した第26制御例の第3変形例に対して、主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の一部を変更している点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については説明を省略する。まず、図978から図983を参照して、主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第4変形例のパチンコ機10では、上述した第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10に対して、第2確変状態中に払い出された賞球数に応じて、後に実行される大当たり遊技中における単位賞球数を異ならせて決定可能に構成している点で大きく相違しており、その相違点に関する処理内容を異ならせている。具体的には、スイッチ読み込み処理(図936のS191A)に代えてスイッチ読み込み処理(図978のS1191A)を、第1特別図柄変動停止処理(図943のS2507A参照)に代えて第1特別図柄変動停止処理(図981のS12504A)を実行する点、及び、大当たり終了処理(図983のS1983A)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については説明を省略する。図978は、スイッチ読み込み処理(S1191A)の処理内容を示したフローチャートである。このスイッチ読み込み処理(S1191A)は、上述した第3変形例のスイッチ読み込み処理(図936のS191A参照)に対して、特定入賞口(第2特定入賞口650a)への入賞を示す情報があると判別した場合(S113A:Yes)に、払い出す賞球数を決定するための賞球決定処理を実行し(S195A)、本処理を終了する点と、セット中賞球決定処理(S196A)を実行する点と、で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、図979を参照して、スイッチ読み込み処理(図978のS1191A参照)にて実行される賞球決定処理(S196A)の処理内容について説明をする。図979は、賞球決定処理(S196A)の処理内容を示したフローチャートである。この賞球決定処理(S196A)では、現在設定されている単位賞球数に応じて、払い出す賞球数を決定するための処理が実行される。具体的には、賞球決定処理(S196A)が実行されると、まず、賞球数格納エリア203acDに格納されている情報(賞球情報)を読み出し(S4001A)、賞球情報が示す単位賞球数が「15」以外であるかを判別し(S4002A)、「15」以外であると判別した場合は(S4002A:Yes)、賞球情報に格納されている情報(単位賞球数)に対応した賞球数を決定し(S4003A)、特定入賞口(第2特定入賞口650a)への入賞と、特殊賞球数に対応する入賞種別コマンドを設定し(S4004A)、決定した賞球数を賞球払い出し用バッファに格納し(S4006A)、本処理を終了する。一方、S4002Aの処理において、賞球情報が示す単位賞球数が「15」以外では無いと判別した場合は(S4002A:No)、特定入賞口(第2特定入賞口650a)への入賞に対応する入賞種別コマンドを設定し(S4005A)、S4006Aの処理を実行し、本処理を終了する。次に、図980を参照して、セット中賞球決定処理(S196A)の処理内容について説明をする。図980は、セット中賞球決定処理(S196A)の処理内容を示したフローチャートである。このセット中賞球決定処理(S196A)では、セット中(第2確変状態中)における各種賞球数を計測するための処理が実行される。
具体的には、セット中賞球決定処理(S196A)が実行されると、まず、現在が第2確変状態であるかを判別し(S4051A)、第2確変状態では無いと判別した場合は(S4051A:No)、そのまま本処理を終了し、第2確変状態であると判別した場合は(S4051A:Yes)、次に、今回格納された格納状態が第2特定入賞口(特定入賞口65a)であるか、即ち、小当たり遊技の入賞であるかを判別し(S4052A)、第2特定入賞口(特定入賞口65a)であると判別した場合は(S4052A:Yes)、対応する賞球数を小当たり賞球数カウンタ203aaDの値に加算する(S4053A)。次に、今回格納された情報が右一般入球口630a(第1一般入球口630a)であるかを判別し、右一般入球口630a(第1一般入球口630a)であると判別した場合は(S4054A:Yes)、対応する賞球数を一般賞球数カウンタ203abDの値に加算し(S4055A)、本処理を終了する。このように構成することで、第2確変状態中に払い出し各種賞球数を確実に計測することができる。なお、本第4変形例では、大当たり遊技中における単位賞球数を決定する際に第2確変状態中に獲得した(払い出した)賞球数を参照するように構成しているが、これに限ること無く、第2確変状態が設定されるよりも前の期間も含む遊技期間中に獲得した(払い出した)賞球数を参照するように構成しても良く、この場合、例えば、一般賞球数カウンタ203abDの値を加算する範囲を、第2確変状態中のみでは無く、記憶されている情報に基づいて表示される表示態様が表示されていない状況である通常状態中も含むようにし、記憶されている情報を更新可能な処理である一般賞球数カウンタ203abDの値を加算する処理を実行すれば良い。次に、図981を参照して、第1特別図柄変動停止処理(S12507A)の処理内容について説明をする。図981は、第1特別図柄変動停止処理(S12507A)の処理内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理(S12507A)では、上述した第26制御例の第3変形例における第1特別図柄変動停止処理(図943のS2507A参照)に対して、大当たりシナリオを設定した後に(S3105A)、大当たり中賞球数決定処理(S3151A)を追加した点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。
ここで、S2355を参照して、大当たり中賞球数決定処理(S3151A)の処理内容について説明をする。図982は、大当たり中賞球数決定処理(S3151A)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり中賞球数決定処理(S3151A)では、次に実行される大当たり遊技中における単位賞球数を決定するための処理が実行される。具体的には、大当たり中賞球数決定処理(S3151A)が実行されると、まず、現在が第2確変状態であるかを判別し(S3171A)、第2確変状態であると判別した場合は(S3171A:Yes)、小当たり賞球数カウンタ203aaDの値を読み出し(S3172A)、一般賞球数カウンタ203abDの値を読み出し(S3173A)、読み出した値を用いて、賞球数選択テーブル202aaDを参照して今回の大当たり遊技中の賞球数(単位賞球数)を決定し(S3174A)、決定した賞球数を賞球数格納エリア203acDに格納し(S3175A)、決定した賞球数を示す情報を含む大当たりコマンドを設定し(S3176A)、小当たり賞球数カウンタ203aaDの値をクリアし(S3177A)、一般賞球数カウンタ203abDの値をクリアし(S3178A)、本処理を終了する。一方、S3171Aの処理において第2確変状態では無いと判別した場合は(S3171A:No)、単位賞球数を変更可能な条件を満たしていない状態での大当たり遊技であるため、S3172A~S3178Aの処理をスキップして、本処理を終了する。なお、この場合は、賞球数格納エリア203acDに初期値として格納されている「15」がそのまま単位賞球数として決定される。次に、図983を参照して、大当たり終了処理(S1983A)の処理内容について説明をする。図983は、大当たり終了処理(S1983A)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理(S1983A)では、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定するための処理や、大当たり遊技を実行するために設定した情報をクリアするための処理が実行される。
具体的には、大当たり終了処理(S1983A)が実行されると、まず、今回実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対応する値を時短カウンタ203hの値に設定し(S1991A)、大当たり種別に基づいて確変フラグ203aaCを設定し(S1992A)、次に、賞球数格納エリア203acDに格納情報があるかを判別し(S1993A)、格納情報があると判別した場合は(S1993A:Yes)、賞球数格納エリア203acDの格納情報を「15」に設定し(S1994A)、確変フラグ203aaCの設定状況、及び、時短カウンタ203hの値に基づいて状態コマンドを設定し(S1995A)、大当たり中フラグ203kをオフに設定し(S1996A)、本処理を終了する。一方、S1993Aの処理において、格納情報が無い(「15」である)と判別した場合は(S1993A:No)、S1994Aの処理をスキップして、S1995Aの処理へ移行する。以上、説明をした通り、本第4変形例では、第2確変状態中に獲得した(払い出した)賞球数に応じて、その後の大当たり遊技の単位賞球数を変化させることができるように構成している。このように構成することで、同一の大当たり種別の大当たり遊技が実行された場合であっても、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数(アタッカー賞球数)の上限を異ならせることができるため、遊技者に意外性のある斬新な遊技を提供することができる。なお、本第4変形例では、1回の大当たり遊技が終了した際に、決定された単位賞球数を初期値(「15」)へと戻す処理を実行するように構成しているが、複数回の大当たり遊技に跨ぐように決定された単位賞球数に応じた賞球が払い出されるように構成しても良い。
次に、図984から図986を参照して、本第4変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理について説明をする。本第4変形例では、上述した第3変形例に対して、入賞種別処理(図955のS4286A)に代えて入賞種別処理(図984のS4263A)を、大当たり演出態様設定処理(図960のS5402A)に代えて大当たり演出態様設定処理(図985のS5452A)を、小当たり関連処理(図963のS5354A参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、その説明を省略する。まず、図984を参照して、入賞種別処理(S4263A)の処理内容について説明をする。図984は、入賞種別処理(S4263A)の処理内容を示したフローチャートである。この入賞種別処理(S4263A)では、主制御装置110から出力された入賞種別コマンドに応じて、払い出された賞球数を従賞球テーブル222abを参照して特定し、各種状況に応じた賞球数を計測するための処理が実行される。具体的には、入賞種別処理(S4263A)が実行されると、まず連チャンフラグ223agがオンに設定されているかを判別し(S4251A)、オンに設定されていないと判別した場合は(S4251A)、本処理を終了する。一方、S4251Aの処理において連チャンフラグ223agがオンに設定されていると判別した場合は(S4251A:Yes)、次いで、従状態設定エリア223gに設定されている遊技状況を読み出し(S4252A)、現在が第2確変状態であるかを判別し(S4253A)、第2確変状態であると判別した場合は(S4271A:Yes)、小当たり遊技中であるかを判別し(S4272A)、小当たり遊技中であると判別した場合は(S4272A:Yes)、受信した入賞種別コマンドに対応するポイントを従賞球テーブル222abを参照して決定し(S4273A)、決定したポイントが示す値を対応する各種カウンタの値に加算し(S4274A)、本処理を終了する。
また、S4272Aの処理において、小当たり遊技中では無いと判別した場合は(S4272A:No)、次に、今回の入賞種別が右一般入球口(第1一般入球口630a)であるかを判別し(S4275A)、右一般入球口(第1一般入球口630a)であると判別した場合は(S4275A:Yes)、上述したS4273Aと同一の処理を実行した後に、決定したポイントが示す値を期間一般賞球数カウンタ223aaDの値に加算し(S4276A)、本処理を終了する。次に、図985を参照して、大当たり演出態様設定処理(S5452A)の処理内容について説明をする。図985は、大当たり演出態様設定処理(S5452A)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり演出態様設定処理(S5452A)では、上述した第3変形例における大当たり演出態様設定処理(図960のS5402A参照)に対して、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の演出態様を決定するための処理内容を異ならせている。具体的には、大当たり演出態様設定処理(S5452A)が実行されると、まず、決定賞球数格納エリア223abDに格納されている情報を読み出し(S5251A)、決定された賞球数(単位賞球数)が15であるかを判別し(S5252A)、15であると判別した場合は(S5252A:Yes)、通常の大当たり演出態様に対応する表示用大当たり開始コマンドを設定し)(S5253A)、本処理を終了する。一方、S5252Aの処理において、15では無いと判別した場合は(S5252A:No)、賞球増加を示す態様を含む表示用大当たり開始コマンドを設定し(S5254A)、本処理を終了する。次に、図986を参照して小当たり関連処理(S5354)の処理内容について説明をする。図986は、小当たり関連処理(S5354)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり関連処理(S5354)では、第2確変状態中に実行された小当たり遊技の回数が特定回数(5の倍数)となった場合に、小当たり演出の可変態様を変化させるか否かの決定処理が行われる。
具体的には、上述した第26制御例の第3変形例の小当たり関連処理(図963のS5304A)と同一のS5602A~S5606Aの処理を実行し、S5604の処理を終えた後に、今回の小当たり回数が5の倍数であるかを判別し(S5651A)、5の倍数であると判別した場合は(S5651A:Yes)、小当たり態様選択テーブル222aaDを参照して、小当たり演出態様を決定し(S5652A)、決定した演出態様を含む表示用小当たり開始コマンドを設定し(S5653A)、本処理を終了する。一方、S5651Aの処理において5の倍数では無いと判別した場合は(S5653A:No)、そのまま本処理を終了する。以上説明をした通り、本第4変形例では、第2確変状態中に獲得した実賞球数、及び、大当たり遊技中に獲得したアタッカー賞球数を、賞球を獲得した時点で報知するように構成している点で相違している。そして、第2確変状態中に獲得した実賞球数に応じて、大当たり遊技中に可変入賞装置65の特定入賞口65aへと遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数を異ならせて設定可能に構成している点で相違している。さらに、第2確変状態中における第1一般入球口630aへの遊技球の入球に基づいて払い出された賞球数(一般賞球数)に応じても大当たり遊技中に可変入賞装置65の特定入賞口65aへと遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数を異ならせて設定可能に構成し、且つ、第2確変状態中に獲得した一般賞球数を遊技者に報知しないように構成している点で相違している。このように構成することで、第2確変状態中における遊技結果に応じて、大当たり遊技中に付与される特典(賞球)の内容を異ならせることができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。以上、説明をした通り、本第4変形例では、第2確変状態中に獲得した(払い出した)賞球数に応じて、その後の大当たり遊技の単位賞球数を変化させることができるように構成している。このように構成することで、同一の大当たり種別の大当たり遊技が実行された場合であっても、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数(アタッカー賞球数)の上限を異ならせることができるため、遊技者に意外性のある斬新な遊技を提供することができる。
なお、本第4変形例では、1回の大当たり遊技が終了した際に、決定された単位賞球数を初期値(「15」)へと戻す処理を実行するように構成しているが、複数回の大当たり遊技に跨ぐように決定された単位賞球数に応じた賞球が払い出されるように構成しても良い。上述した第26制御例では、遊技者に有利となる確変大当たり遊技が開始されてから(右打ち遊技が開始されてから)、確変状態が終了するまでの期間を有利遊技期間(特定期間)とし、その特定期間中におけるラウンド遊技期間(第1期間)にて獲得したアタッカー賞球数に関する情報(第1情報)を、ポイントアイコンPを用いて表示し、特定期間中におけるエンディング期間(第2期間)では、アタッカー賞球数に関する情報(第1情報)と一般賞球数に関する情報(第2情報)と、を合算した情報を表示するように構成している。つまり、第1期間中に表示される第1情報に関する表示態様と、第2期間中に表示される第1情報に関する表示態様と、を異ならせている。このように構成することで、第1期間中に表示される第1情報に関する表示態様をそのまま用いた第2期間中の表示態様を表示する場合に比べて、アタッカー賞球数に関する情報(第1情報)と一般賞球数に関する情報(第2情報)と、を合算した情報を遊技者に分かり易く報知することができる。なお、上述した第26制御例では、遊技者に有利となる確変大当たり遊技が開始されてから(右打ち遊技が開始されてから)、確変状態が終了するまでの期間を有利遊技期間(特定期間)として設定し、アタッカー賞球数および一般賞球数を計測するように構成しているが、これに限ること無く、有利遊技期間を含む範囲で特定期間を設定するように構成しても良く、例えば、確変大当たり遊技が実行されるよりも前の特別図柄変動期間(大当たり変動期間)も含む期間を特定期間として設定可能に構成しても良い。この場合、遊技盤13の左側領域に設けられた一般入球口63へと遊技球が入球した場合に払い出される賞球数も一般賞球数として計測するように構成すると良い。このように構成することで、特定期間中に獲得可能な一般賞球数を増加させ易くすることができる。
また、一般賞球数の計測対象となる入球口として、第1入球口64や第2入球口640を追加しても良い。このように構成することで、特別図柄変動が実行されている期間中も、常に一般賞球数を増加させようと意欲的に遊技球を発射する遊技を行わせ易くすることができる。さらに、上述した第26制御例では、遊技者が有利となる右打ち遊技期間(確変状態、時短状態、大当たり遊技期間)が終了した場合に、各種賞球の計測を終了させるように構成しているが(特定期間が終了するように構成しているが)、これに限ること無く、遊技者が有利となる右打ち遊技期間(確変状態、時短状態、大当たり遊技期間)が終了してから所定期間(例えば、特別図柄抽選が50回実行されるまでの期間)が経過するまで、各種賞球の計測を継続するように構成しても良い。このように構成することで、一旦、右打ち遊技期間が終了した場合であっても、所定期間内に再度右打ち遊技期間が設定された場合に、各種賞球の計測値を継続して累積させることができるため、より多くの賞球数を表示させ易くすることができる。また、上述した第26制御例では、特定期間中に獲得した賞球数を累積し、累積した賞球数に応じて様々な演出を実行するように構成し、累積した賞球数が多くなるほど、遊技者に有利な特典を付与し易くするように構成しているが、これに限ること無く、累積した賞球数が特定値(例えば、下2桁がぞろ目)となった場合に、遊技者に有利な特典を付与し易くなるように構成しても良い。この場合、例えば、特定期間中に計測されている各種賞球数の値の少なくとも一部を消去可能な消去手段を設けると良い。このように構成することで、賞球数の計測値が特定値を超えてしまった場合に、消去手段によって計測値の一部を消去することで、再度、賞球数の計測値を特定値とするための遊技を遊技者に行わせ易くすることができる。さらに、上述した消去手段とは異なり、計測されている各種賞球数の値の全てを消去可能な第2消去手段を設けても良い。このように構成することで、特定期間中に計測されている賞球数を全て消去することで、新たに賞球数を計測し直す遊技を行わせ易くすることができる。
また、この場合、上述した消去手段、又は第2消去手段のうち、少なくとも一方を、任意に操作可能な操作手段を操作した場合に賞球数の計測値が消去されるように構成すると良い。加えて、他方の消去手段による消去は、操作手段への操作に関わらず、特定条件(例えば、特定時間の経過)に基づいて成立するように構成しても良い。このように構成することで、特定期間中のどのタイミングで賞球数の計測値の少なくとも一部が消去されてしまうかを遊技者に把握させ難くすることができる。また、上述した消去手段の構成を、上述した第26制御例の第1変形例、及び第2変形例に適用した場合には、一旦、賞球数が上限に到達した場合であっても、特定期間内に賞球数の計測値を減少させることができるため、再度、賞球を獲得可能な状態へと移行することができる。また、上述したように、消去手段を設けた場合には、消去された計測値に関する情報を、遊技者が把握可能となるように第3図柄表示装置81の表示面に表示するように構成すると良い。
<第26制御例における第1演出別例>
次に、図987、及び図988を参照して、上述した第26制御例における第1演出別例について説明をする。上述した第26制御例では、確変大当たりに当選すると大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)よりも第2特別図柄抽選を実行させ易く、且つ、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が高確率となる遊技、即ち、遊技者に有利となる有利遊技を実行可能に構成していた。そして、設定された確変状態は、次に大当たり遊技が実行されるまで継続し、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず大当たり遊技終了後に確変状態が設定される確変大当たりに当選するように構成していた。また、確変大当たりに当選したことに基づいて大当たり遊技の終了後に確変状態が連続して設定される回数に上限(7回)を設けることで、通常状態にて実行された第1特別図柄抽選にて確変大当たり(初当たり)に当選した場合には、初当たりを含む7回目の大当たり遊技の終了後に確変状態を連続で設定可能なリミット(確変リミット)に到達し特別図柄の低確率状態が強制的に設定されるように構成していた。
また、上述した第26制御例では、初当たりに当選してから確変リミットに到達するまでの期間である有利遊技期間中に、一連の演出(チャンスモード、ビクトリーモード)を実行することで、有利遊技期間中に実行された複数回の大当たり遊技を1回の大当たり遊技と思わせ易くするように構成していた。加えて、有利遊技期間中に獲得した賞球数のうち、大当たり遊技にて開放制御される可変入賞装置65の特定入賞口65aへの入賞に基づいて払い出された賞球数(アタッカー賞球数)は随時遊技者に報知するように構成し、有利遊技期間中に獲得した賞球数のうち、第1一般入球口630a(右上一般入球口630a)、又は第2一般入球口630b(右下一般入球口630b)への入球に基づいて払い出された賞球数(一般賞球数)は、有利遊技期間における最後の大当たり遊技(最終大当たり遊技)のエンディング画面にて遊技者に報知するように構成することで、有利遊技期間中に実行された複数回の大当たり遊技を1回の大当たり遊技と思わせ易くするように構成していた。これに対して、本第1演出別例では、最終大当たり遊技のエンディング画面にて表示される一般賞球数に対応する表示態様を異ならせている点で相違している。それ以外の内容は上述した第26制御例と同一であり、同一の内容についてはその説明を省略する。
<第26制御例における第1演出別例の演出内容について>
まず、図987を参照して本第1演出別例にて実行される各種演出のうち、上述した第26制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出とは異なる特徴的な演出の内容について説明をする。図987は、チャンスモード終了画面にて表示される表示画面の一例を示した図である。図987に示した通り、本第1演出別では、上述した第26制御例におけるパチンコ機10にて実行されるチャンスモード終了画面にて表示される表示画面(図862(b)参照)に対して、表示領域Dm11に表示される表示態様を変更した点と、表示領域Dm11cを新たに形成した点と、で相違している。それ以外の表示要素については同一であり、同一の表示要素については同一の符号を付してその説明を省略する。上述した第26制御例では、図862(b)に示した通り、表示領域Dm11には、有利遊技期間中に獲得した一般賞球数の累積数に対応する表示態様(図では「40P」)を表示することで、有利遊技期間中に獲得した一般賞球数の総数を遊技者に把握させ易くするように構成していた。これに対して、本第1演出別例では、図987に示した通り、有利遊技期間中に第1一般入球口630a(右上一般入球口630a)、又は第2一般入球口630b(右下一般入球口630b)へと入球した遊技球に個別に対応した表示態様を表示するように構成している。具体的には、図987に示した図では、有利遊技期間中に第1一般入球口630aへと4個の遊技球が入球し、第2入球口630bへと2個の遊技球が入球した場合における最終大当たり遊技のエンディング画面にて表示される表示画面を示しており、第1一般入球口630aへの遊技球の入球に個別に対応した4個のポイントアイコンPa~pdと、第2一般入球口630bへの遊技球の入球に個別に対応した2個のポイントアイコンP10,P11が表示領域Dm11に表示されている。
このように構成することで、有利遊技期間中に獲得した一般賞球数の総数だけで無く、有利遊技期間中に一般賞球が払い出される入球口へと入球した遊技球の個数を入球口の種別毎に遊技者に把握させ易くすることができる。よって、遊技中のパチンコ機10が有する遊技盤13の構成、特に、有利遊技期間中にて主として遊技球が流下する右側領域における遊技球の流下状況を遊技者に分かり易く把握させることができる。より具体的には、上述した第26制御例におけるパチンコ機10では、右打ち遊技によって発射された遊技球が流下可能な右側領域に、賞球数が異なる複数の一般入球口(第1一般入球口630a(右上一般入球口630a)、又は第2一般入球口630b(右下一般入球口630b))が設けられており、第1一般入球口630a(右上一般入球口630a)へと遊技球が入球した場合には、10個の賞球が払い出され、第2一般入球口630b(右下一般入球口630b)へと遊技球が入球した場合には、1個の賞球が払い出されるように構成している。つまり、第1一般入球口630a(右上一般入球口630a)へと1個の遊技球が入球した場合と、第2一般入球口630b(右下一般入球口630b)へと10個の遊技球が入球した場合とで、払い出された一般賞球数の総数が同一となるように構成している。この場合、上述した第26制御例に示した表示態様、即ち、有利遊技期間中に獲得した一般賞球数の総数に対応する表示態様を表示領域Dm11に表示したとしても、有利遊技期間中にどの一般入球口へと遊技球が何個入球したのかを遊技者に把握させ難くなるという問題があった。これに対して、本第1演出別例では、有利遊技期間中に第1一般入球口630a(右上一般入球口630a)、又は第2一般入球口630b(右下一般入球口630b)へと入球した遊技球に個別に対応した表示態様を表示するように構成しているため、有利遊技期間中に一般賞球が払い出される入球口へと入球した遊技球の個数を入球口の種別毎に遊技者に把握させ易くすることができる。
さらに、図987に示した通り、個別の入球に対応して表示される各ポイントアイコンには、対応する入球口へと入球した場合に払い出される賞球数に関する情報(「+10」,「+1」)が付されているため、表示領域Dm11に表示された個別の表示態様を確認するだけで、有利遊技期間中における一般入球口への入球個数と、一般賞球数の総数と、を遊技者に把握させることができる。加えて、本第1演出別例では、表示領域Dm11が第1入球用領域Dm11aと、第2入球用領域Dm11bとに区画形成され、第1一般入球口630aへの入球に基づいて表示されるポイントアイコンPa~Pdが第1入球用領域Dm11aに表示され、第2一般入球口630bへの入球に基づいて表示されるポイントアイコンP10,P11が第2入球用領域Dm11bに表示されるように構成している。このように構成することで、有利遊技期間中における一般入球口への入球個数を多くなった場合であっても、表示領域Dm11に表示される複数のポイントアイコンが煩雑に表示されてしまうことを抑制することができる。さらに、図987に示した通り、第1一般入球口630aへの遊技球の入球に個別に対応したポイントアイコン(第1ポイントアイコン)は円形で表示され、第2一般入球口630bへの遊技球の入球に個別に対応したポイントアイコン(第2ポイントアイコン)は四角形で表示されるように構成している。よって、有利遊技期間中における一般入球口への入球個数を多くなった場合であっても、表示領域Dm11に表示される複数のポイントアイコンを遊技者に識別させ易くすることができる。
さらに、本第1演出別例では、第1入球用領域Dm11a、及び、第2入球用領域Dm11bに、各ポイントアイコンが表示される順番が予め規定されており、規定された順番に対応する領域に順に各ポイントアイコンが表示されるように構成している。具体的には、図987に示した通り、複数の第1ポイントアイコンを表示する場合には、第1入球用領域Dm11aの左側から順に第1ポイントアイコンが表示され、複数の第2ポイントアイコンを表示する場合には、第2入球用領域Dm11bの左側から順に第2ポイントアイコンが表示されるように構成している。そして、各ポイントアイコンが表示される領域(単位領域)には、各ポイントアイコンが表示される順序に対応する表示態様(図では昇順に並ぶ数字(1~4))が付されている。このように構成することで、有利遊技期間中における一般入球口への入球個数を多くなった場合であっても、表示領域Dm11に表示される複数のポイントアイコンを遊技者により識別させ易くすることができる。なお、本第1演出別例では、図987に示した通り、第1入球用領域Dm11aと、第2入球用領域Dm11bとを形成することで、第1ポイントアイコンと第2ポイントアイコンとが表示される領域を完全に区分けするように構成しているが、これに限ること無く、1の表示領域に、第1ポイントアイコンと第2ポイントアイコンとを対応する入球口へと遊技球が入球した順に表示するように構成しても良い。この場合であっても、各ポイントアイコンが、入球した一般入球口の種別に応じた表示態様で表示することで、表示領域Dm11に表示される複数のポイントアイコンを遊技者に識別させることができる。さらに、本第1演出別例では、有利遊技期間中に獲得した一般賞球数の総数に対応する表示態様が表示される表示領域Dm11cが第3図柄表示装置81の表示面の主表示領域Dmの右下側に形成されている。この表示領域Dm11cは、他の賞球数に関する表示領域(Dm10、Dm11、Dm12)よりも小さく形成され、遊技者が視認し難い表示態様で有利遊技期間中に獲得した一般賞球数の総数に対応する表示態様が表示される。
詳細な図示は省略するが、この表示領域Dm11cに表示される表示態様は、有利遊技期間中において継続して表示されるように構成している。つまり、ラウンド遊技が実行されている最中に表示される表示画面(例えば、図861(a)参照)においても、主表示領域Dmにて実行されている大当たり遊技演出よりも視認し難い態様で表示されるように構成している。つまり、上述した第26制御例では、有利遊技期間中に獲得した一般賞球数を、有利遊技期間が終了するまで表示しないように構成し、有利遊技期間が終了する場合に遊技者に報知させるように構成していたのに対して、本第1演出別例では、有利遊技期間中に獲得した一般賞球数を、有利遊技期間が終了するまで遊技者に識別し難い態様(表示領域Dm11cに表示される表示態様)で表示するように構成し、有利遊技期間が終了する場合には、有利遊技期間中よりも遊技者に識別し易い態様(表示領域Dm11に表示される表示態様)で遊技者に報知するように構成している。換言すれば、本第1演出別例では、有利遊技期間中に獲得した一般賞球数に関する情報として、有利遊技期間中は有利遊技期間中に獲得した一般賞球数の総数に関する情報を報知し、有利遊技期間が終了する場合には、有利遊技期間中に獲得した一般賞球数の総数に関する情報に加え、有利遊技期間中における各一般入球口への入球個数に関する情報を遊技者に報知可能に構成している。このように構成することで、有利遊技期間中に獲得した一般賞球数に興味を持つ遊技者に対して、表示画面に表示される表示態様に継続して興味を持たせることができる。なお、本第1演出別例では、最終大当たり遊技のエンディング画面にて、表示領域Dm11に表示される表示態様と、表示領域Dm11cに表示される表示態様とを両方とも表示しているパターンを示しているが、これに限ること無く、表示領域Dm11に表示される表示態様が表示された時点で、表示領域Dm11cに表示されていた表示態様を非表示にしても良い。
<第26制御例の第1演出別例における制御処理について>
次に、図988を参照して、本第1演出別例における制御処理の内容について説明をする。本第1演出別例では、上述した第26制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理のうち、最終大当たり遊技のエンディング期間中に表示される表示態様を決定するための処理の内容を異ならせている点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容についてはその説明を省略する。図988は、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行されるコマンド判定処理(図883のS4112A参照)にて大当たり関連コマンドを受信したと判別した場合に実行される大当たり関連処理(図887のS4204A参照)にて、エンディングコマンドを受信した場合に実行されるエンディング処理(S4799A)の処理内容を示したフローチャートである。このエンディング処理(S4799A)は、上述した第26制御例におけるエンディング処理(図889のS4709A参照)に対して、従確変リミットカウンタ223aeの値が1であると判別した場合、即ち、有利遊技期間が終了する最終大当たり遊技であると判別した場合に実行される処理内容を異ならせている点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。エンディング処理(S4799A)が実行されると、まず、上述した第26制御例におけるエンディング処理(図889のS4709A参照)と同一のS4801A,S4802Aの処理を実行する。そして、S4802Aの処理において、従確変リミットカウンタ223aeの値が1である、即ち、実行中の大当たり遊技が有利遊技期間が終了する最終大当たり遊技であると判別した場合は(S4802A:Yes)、特定賞球数カウンタ223abの値に基づいて、今回のセットで獲得したポイントを報知するための演出態様を決定し(S4803A)、単位一般賞球数カウンタ223adの値に基づいて、今回のセット中における一般入球口への入球数を特定する(S4891A)。
ここで、本第1演出別例では、受信した入賞種別コマンドに基づいて単位一般賞球数カウンタ223adの値を更新する処理を実行する際に、今回受信した入賞種別コマンドの種別と、受信回数(入球数)とを対応付けて情報を更新するように構成している。なお、単位一般賞球数カウンタ223adの値は、払い出された一般賞球数に応じて更新するように構成し、上述した今回受信した入賞種別コマンドの種別と、受信回数(入球数)を別の記憶領域に記憶可能な手段、及び処理を設けても良い。その後、一般入球口種別毎の入球数を特定し(S4892A)、特定した種別毎に、入球数に対応した表示態様を表示するための表示態様を決定し(S4893A)、上述した第26制御例におけるエンディング処理(図889のS4709A参照)と同一のS4806A~S4808Aの処理を実行して本処理を終了する。また、S4801Aの処理において連チャンフラグ223agがオンに設定されていないと判別した場合(S4801A:No)、或いは、S4802Aの処理において従確変リミットカウンタ223aeの値が1では無いと判別した場合は(S4802A:No)、上述した第26制御例におけるエンディング処理(図889のS4709A参照)と同一のS4809A~S4812Aの処理を実行した後に、S4808Aの処理を実行して本処理を終了する。以上、説明をした通り、本第1演出別例では、最終大当たり遊技のエンディング期間中に表示される表示態様として、有利遊技期間中に獲得した一般賞球数を、各一般入球口への入球数を遊技者が把握可能な表示態様を設定可能に構成しているため、有利遊技期間中における一般賞球数の獲得経緯を詳細に遊技者に把握させることができる。なお、本第1演出別例では、図987に表示した表示画面を最終大当たり遊技のエンディング期間中に表示するように構成しているが、これに限ること無く、有利遊技期間が終了した後の引き戻しモード中(時短状態中)に表示するように構成しても良いし、連チャン期間(右打ち遊技期間)が終了する際に表示するように構成しても良いし、連チャン期間(右打ち遊技期間)が終了した後の通常状態(左打ち遊技期間)にて表示するように構成しても良い。
以上、説明をした通り、本第1演出別例では、一般賞球数を示すための表示態様を、有利遊技期間中は、表示領域Dm11cに表示し、有利遊技期間が終了する場合に、表示領域Dm11に表示するように構成している。このように構成することで、連チャン中(右打ち遊技期間)において、同一の情報である一般賞球数を示すための表示態様として、第1期間中(有利遊技期間中)は第1表示態様(表示領域Dm11cの表示態様)を、第2期間中(有利遊技期間の終了期間中)は第1表示態様とは異なる第2表示態様(表示領域Dm11の表示態様)を表示することができる。よって、第1表示態様の存在に気付かなかった遊技者に対しても、第2表示態様によって遊技者に一般賞球数を把握させることができる。また、第1表示態様よりも第2表示態様の方が、遊技者に視認し易い表示態様としているため、第1表示態様の存在に気付かなかった遊技者に対しても、第2表示態様によって遊技者に一般賞球数をより把握させ易くすることができる。なお、本第1演出別例にて示した表示領域Dm11cの表示態様を、上述した第26制御例、第26制御例における第1変形例、第26制御例における第2変形例に転用しても良い。
<第26制御例における第2演出別例について>
次に、図989から図991を参照して、第26制御例における第2演出別例について説明をする。上述した第26制御例の第1変形例では、連チャンモード(右打ち遊技期間)中に獲得した賞球数の総数が上限数(10000個)を超えた場合に、連チャンモードが終了するまで、賞球の払い出しを禁止する処理を実行するように構成していた。このように構成することで、遊技者に過剰に特典(賞球)が付与されてしまうことを抑制していた。しかしながら、賞球の払い出されない期間が長時間継続してしまうと、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。これに対して、本第2演出別例では、連チャンモード(右打ち遊技期間)中に獲得した賞球数の総数が上限数(10000個)を超えた後、所定期間が経過した場合に賞球の払い出しが禁止されている制限状態を解除可能に構成している。このように構成することで、賞球の払い出されない期間が長時間継続してしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。さらに、第3図柄表示装置81の表示面に、制限状態が解除されるまでの残期間を表示するように構成している。このように構成することで、制限状態へと移行した遊技者に対して、賞球が払い出されない状態で継続して遊技を行うか、制限状態が解除されるまで遊技を中断するかの判断をさせるという斬新な遊技性、より具体的には、遊技者に有利な遊技状態(右打ち遊技状態)中に遊技球の発射を停止させた場合の方が、停止させない場合よりも遊技者に有利となる斬新な遊技性を提供することができる。
<第26制御例における第2演出別例の演出内容について>
まず、図989を参照して、連チャンモード(右打ち遊技期間)中に獲得した賞球数の総数が上限数(10000個)を超えた状態(制限状態)において表示される表示画面について説明をする。図989に示した通り、本第2演出別例では、上述した第26制御例の第1変形例における制限状態中の表示画面(図892参照)に対して、制限状態が解除されるまでの残時間を示すための表示態様が表示領域Dm21に表示される点で相違し、それ以外の表示要素は同一である。同一の表示要素については同一の符号を付してその説明を省略する。本第2演出別例では、制限状態が設定されてから30秒が経過することで解除条件が成立し、制限状態が解除されるように構成している。具体的には、制限状態が設定されてから30秒が経過したと判別した場合に、制限状態の設定契機となる全賞球数(連チャン中賞球数カウンタ203abAの値)の一部(1010個分)を消去する処理を実行することで、制限状態を設定するための条件が成立していない状況を創出するように構成している。図989(a)では、制限状態が設定されてから10秒が経過した時点における表示画面を示しているため、表示領域Dm21には、制限状態が解除されるまでの残時間を示すための表示態様として「一部解除まで20秒」が表示される。その後、制限状態の解除条件が成立すると、図989(a)に示した通り、表示領域Dm21には「0秒」が表示され、主表示領域Dmに「一部解除」の文字が表示される。そして、表示領域Dm12に表示されている全賞球数に対応する値(ポイント)が1010個減算したことを示すための値「8995P」に可変表示され、表示領域Dm22に、今回減算された値「1010P」を示すための「-1010P」が表示される。そして、新たな賞球が払い出されていることを示すための表示態様として、実行中の大当たり遊技に対応する宝箱810から払い出された賞球に対応するポイントアイコンが表示される。
以上、説明をした通り、本第2演出別例では、連チャンモード(右打ち遊技期間)中に獲得した賞球数の総数が上限数(10000個)を超えた後、所定期間が経過した場合に賞球の払い出しが禁止されている制限状態を解除可能に構成している。このように構成することで、賞球の払い出されない期間が長時間継続してしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、表示画面にて、制限状態が解除されるまでの残期間と、残大当たり遊技回数と、を表示可能に構成しているため、制限状態が解除されるまで遊技を進行させるか否かを遊技者に決定させ易くすることができる。具体的には、制限状態となった時点で残大当たり遊技回数が多い場合には、大当たり遊技中に遊技球を可変入賞装置65の特定入賞口65aへと入賞させる遊技を中断することで1回の大当たり遊技期間を長くさせ、残大当たり遊技が全て終了するまでに制限状態を解除させる遊技方法を決定したり、制限状態となった時点で残大当たり遊技回数が少ない場合には、大当たり遊技中に遊技球を可変入賞装置65の特定入賞口65aへと入賞させていち早く今回の有利遊技期間を終了させることで、制限状態中に引き戻しモードへと移行させ、効率良く連チャンモード中の遊技を実行させる遊技方法を決定したりさせることができる。
<第26制御例の第2演出別例における制御処理について>
次に、図990,及び図991を参照して、本第2演出別例における制御処理の処理内容について説明をする。本第2演出別例では、上述した第26制御例における第1変形例に対して、主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理として、セット中賞球決定処理(図898のS132A)に代えてセット中賞球決定処理(S11132A)を実行する点と、主制御装置110のMPU201にて定期的に実行されるメイン処理において解除タイマの値を更新するためのタイマ更新処理(図991(a)のS10251A参照)を実行する点とで相違し、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理として、コマンド判定処理(図900のS4132A参照)にて実行されるS4219Aの処理内容に、その他コマンド判定処理(図991(b)のS14132A)を追加して実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容についてはその説明を省略する。まず、図990を参照して、セット中賞球決定処理(S11132A)の処理内容について説明をする。図990は、セット中賞球決定処理(S11132A)の処理内容を示したフローチャートである。このセット中賞球決定処理(S11132A)では、上述した第26制御例における第1変形例のセット中賞球決定処理(図898のS132A)に対して、上限フラグ203acAをオンに設定した後に、解除タイマの値をセットする処理を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。セット中賞球決定処理(S11132A)が実行されると、まず、上述した第26制御例における第1変形例のセット中賞球決定処理(図898のS132A)と同一のS201A~S207Aの処理を実行し、その後、解除タイマの値に30秒の値をセットし(S10201A)、解除タイマの値をセットしたことを示すためのコマンドとして、解除タイマコマンドを設定し(S10202A)、S205Aの処理を実行し、本処理を終了する。
なお、本第2演出別例では、解除タイマの値として、30秒に対応する値をセットするように構成しているが、S10201Aの処理においてセットされる値を、異なる値が含まれる範囲の中から抽選で決定するように構成しても良い。このように構成することで、制限状態が設定されてから解除条件が成立するまでに要する期間の長さを異ならせることができる。また、本第2演出別例では、制限状態が設定された時点で解除条件(解除タイマの値)を設定するように構成しているが、これに限ること無く、制限状態が設定された後に、解除条件の設定条件が成立することで、解除条件を設定するように構成しても良く、例えば、制限状態が設定されている状態で新たな特別図柄抽選が開始される場合に、解除タイマの値を設定する処理を実行するように構成しても良い。加えて、制限状態が設定されるよりも前に、解除条件が成立するタイミングを予め決定しておき、制限状態が設定されてから、予め決定されている解除条件が成立するタイミングに到達するまでの期間を、制限状態が継続する期間とするように構成しても良く、例えば、ビクトリーモードにおける最初の大当たり遊技が開始されてから30秒が経過したタイミングを解除条件が成立するタイミングとして予め決定しておき、ビクトリーモードにおける最初の大当たり遊技が開始されてから30秒が経過するまで、例えば、最終大当たり遊技が開始されてから20秒が経過した時点で制限状態が設定された場合には、制限状態が継続する期間が10秒となり、ビクトリーモードにおける最初の大当たり遊技が開始されてから30秒が経過した後、例えば、最終大当たり遊技が開始されてから40秒が経過した時点で制限状態が設定された場合には、次のビクトリーモードにおける最初の大当たり遊技が開始されてから30秒が経過するまで制限状態が継続するように構成しても良い。このように構成することで、制限状態が設定されるタイミングによって、ビクトリーモード中に獲得可能な賞球数を大きく異ならせることができる。
次に、図991(a)を参照して、タイマ更新処理(S10251A)の処理内容について説明をする。図991(a)は、タイマ更新処理(S10251A)の処理内容を示したフローチャートである。このタイマ更新処理(S10251A)では、セット中賞球決定処理(図990のS11132A参照)にて設定された解除タイマの値を定期的に更新し、解除タイマの値が0となった場合に上限フラグ203acAをオフに設定する(制限状態を解除する)処理が実行される。具体的には、タイマ更新処理(S10251A)が実行されると、まず、解除タイマの値が0よりも大きいか、即ち、現在が制限状態中であるかを判別し(S10501A)、0よりも大きいと判別した場合は(S10501A:Yes)、解除タイマの値を1減算し(S10502A)、減算後の解除タイマの値が0であるかを判別する(S10503A)。S10503Aの処理において、減算後の解除タイマの値が0であると判別した場合(S10503A:Yes)は、解除条件が成立している場合であるため、上限フラグ203acAをオフに設定し(S10504A)、連チャン中賞球数カウンタ203abAの値を1010減算し(S10505A)、制限状態が経過期間によって解除されたことを示すためのタイマ解除済コマンドを設定し(S10506A)、本処理を終了する。一方、S10501Aの処理において解除タイマの値が0よりも大きいと判別した場合(S10501A:No)、或いは、S10503Aの処理において、解除タイマの値が0では無いと判別した場合(S10503A:No)は、そのまま本処理を終了する。以上、説明をした通り、本第2演出別例では、解除タイマの値が0に到達した場合に、制限状態の解除条件を成立させることができる。また、制限状態の解除条件が成立した場合に、連チャン中賞球数カウンタ203abAの値を一部消去するように構成しているため、一部消去された値に対応する賞球数を獲得した場合には、再度、制限状態を設定することが可能となる。よって、制限状態が解除されたことにより、遊技者に過剰に特典(賞球)を付与してしまうことを抑制することができる。
なお、本第2演出別例では、一部消去される値を「1010」に固定しているが、これに限ること無く、所定範囲内の任意の値(例えば、500~3000)を抽選で決定し、決定された値を連チャン中賞球数カウンタ203abAの値から減算(消去)するように構成しても良い。このように構成することで、制限状態が解除されてから、再度制限状態が設定されるまでに獲得可能な賞球数を異ならせることができる。次に、図991(b)を参照して、その他コマンド判定処理(S14132A)の処理内容について説明をする。図991(b)は、その他コマンド判定処理(S14132A)の処理内容を示したフローチャートである。このその他コマンド判定処理(S14132A)では、主制御装置110から出力された解除タイマの値に関するコマンド(解除タイマコマンド)や、制限状態が解除されたことを示すコマンド(タイマ解除済コマンド)を受信した場合に、表示画面に表示させる表示態様を決定する処理が行われる。具体的には、その他コマンド判定処理(S14132A)が実行されると、まず、解除タイマコマンドを受信したかを判別し(S14201A)、受信したと判別した場合は(S14201A:Yes)、解除タイマに対応する表示態様(表示領域Dm21に表示される表示態様)を決定し(S14202A)、S14203Aに移行する。つまり、S14202Aの処理では、受信した解除タイマコマンドに含まれる情報に基づいて、制限状態が解除されるまでの残期間を特定し、その残期間を示すための表示態様を決定する。なお、詳細な説明は省略するが、S14202Aの処理にて決定され、表示領域Dm21に表示された表示態様(残時間表示態様)は、定期的(1秒毎)に減算表示されるように構成している。
S14203Aの処理では、タイマ解除済コマンドを受信したかを判別し(S14203A)、受信したと判別した場合は(S14203A:Yes)、上限解除に対応する表示態様を決定し(S14204A)、総賞球数カウンタ223aaの値、即ち、表示領域Dm12に表示される値を1010減算し(S14205A)、減算後の総賞球数カウンタ223aaの値を示す表示態様を決定し(S14206A)、決定した表示態様に対応する表示用コマンドを設定し(S14207A)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S14208A)、本処理を終了する。ここで、S14206Aの処理では、減算後の総賞球数カウンタ223aaの値に対応する表示態様として表示領域Dm12に表示させる表示態様を決定し、減算値「1010」に対応する表示態様として表示領域Dm21に表示させる表示態様が決定される。このように構成することで、次に、制限状態が設定されるまでに獲得可能な賞球数を表示領域Dm12に表示されている表示態様を視認することで遊技者に把握させることが可能となる。また、今回の解除によって減算された値「1010」を、表示領域Dm21の表示態様を視認することで遊技者に把握させることが可能となる。よって、遊技者に分かり易い演出を実行することができる。尚、本第2演出別例では、連チャン中に獲得した賞球数の一部を消去させる条件として経過時間に基づいて成立する条件を設けているが、連チャン中に獲得した賞球数の一部を消去させる条件として別の条件を設けても良く、例えば、制限状態中に特定入賞口65aに入賞した個数が所定数に到達した場合に成立する条件や、操作可能な操作手段に対して特定の操作が実行された場合に成立する条件を設けても良い。
以上、説明をした通り、上述した第26制御例、及び、各変形例では、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数のうち、アタッカー賞球数は随時表示可能に構成し、一般賞球数は、表示しない期間と表示する期間とを設けたり、視認可能に表示する期間と、その期間よりも視認し難く表示する期間とを設けたりする構成について説明をしたが、これに限ること無く、一部の賞球数(一般賞球数)を随時表示可能に構成し、他の賞球数(アタッカー賞球数)、表示しない期間と表示する期間とを設けたり、視認可能に表示する期間と、その期間よりも視認し難く表示する期間と、を設けたりする構成にしても良い。
以上、説明をした通り、上述した第26制御例、及び、各変形例では、連チャン中(右打ち遊技期間)に、獲得した賞球数のうち少なくとも一部の賞球数を常時表示するように構成しているが、これに限ること無く、右打ち遊技期間中において、賞球大当たり遊技中に獲得可能な賞球数のうち、アタッカー賞球数は随時表示可能に構成し、一般賞球数は、表示しない期間と表示する期間とを設けたり、視認可能に表示する期間と、その期間よりも視認し難く表示する期間とを設けたりする構成について説明をしたが、これに限ること無く、一部の賞球数(一般賞球数)を随時表示可能に構成し、他の賞球数(アタッカー賞球数)、表示しない期間と表示する期間とを設けたり、視認可能に表示する期間と、その期間よりも視認し難く表示する期間と、を設けたりする構成にしても良い。また、上述した第26制御例、及び、各変形例では、連チャン中(右打ち遊技期間)では、有利遊技中に獲得した一般賞球数のうち、第1一般入球口630a、第2一般入球口630bへの入球に基づいて払い出された一般賞球数のみを賞球数報知の対象としているが、遊技盤13に設けられた全ての一般入球口(一般入球口63も含む)を賞球数報知の対象としても良い。また、有利遊技期間が終了する場合に全ての一般賞球数が表示されるように構成しているが、これに限ること無く、一部の一般賞球数(第1一般入球口630aへの入球に基づいて獲得した賞球数)のみを表示するように構成しても良い。この場合、実行される大当たり遊技の種別や、有利遊技期間が経過した後に設定される遊技状態に応じて賞球数が表示される一般入球口の種別を異ならせるように構成しても良い。
<第27制御例>
次いで、図992から図1019を参照して、第27制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第26制御例の第3変形例では、右打ち遊技を行い続けることで頻繁に第2特別図柄の抽選が実行されて高確率で小当たりに当選して第2可変入賞装置650も頻繁に開放される結果、第2可変入賞装置650への入球に基づく賞球が払い出され易くなり、大当たりに当選しなくても持ち球を断続的に増加させ続けることができる極めて有利な遊技状態(第2確変状態)を設ける構成としていた。
これに加えて本第27制御例では、第1の判別条件(第1特別図柄の始動条件)よりも第2の判別条件(第2特別図柄の始動条件)が成立し易い遊技状態であって遊技者が所定の特典(賞球)を獲得し易い遊技状態である第1遊技状態(小当たりRUSH状態を形成する第2確変状態)における所定の遊技回(第2特別図柄の大当たりに対応する遊技回)で第1の判別条件が成立し得る所定の遊技方法(左打ち遊技)で遊技を行った場合に、第1遊技状態に設定された後における判別(特別図柄の抽選)の回数が特定回数(例えば、100回)以下の状況下で特定の判別結果(大当たり)になったとしても、第1遊技状態に設定されてから少なくとも特定回数の判別が実行されるまでは、第1遊技状態よりも所定の特典を獲得し難くなる第2遊技状態(確変状態、時短状態、および通常状態のいずれか)の設定条件が成立しない構成としている。より具体的には、第2確変状態(第1遊技状態)に設定された後における特別図柄の抽選回数(判別の回数)が特定回数(例えば、100回)以下の範囲において第2特別図柄の抽選で大当たりになった(特定の判別結果になった)としても、当該大当たり抽選結果に基づく大当たり遊技の実行を回避することが可能に構成することで、第2確変状態を少なくとも特定回数の特別図柄の抽選が実行されるまで継続させることが可能に構成している。即ち、特定回数以下の抽選回数の範囲内で第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、その大当たり当選に基づく大当たり変動の変動時間を第1特別図柄の小当たり変動の変動時間よりも十分長くすることで、大当たり変動中に第1特別図柄の抽選を実行させて小当たりとなることにより、先に第1特別図柄の小当たり図柄を停止表示させて第2特別図柄の大当たり変動を強制的に外れ図柄で停止表示させることが可能に構成した。このように構成することで、遊技者に有利な第2確変状態(第1遊技状態)を、特別図柄の抽選で大当たりに当選するか否かにかかわらず、特定回数の特別図柄の抽選が実行されるまで継続させることができるので、第2確変状態における特典(小当たり当選に基づく賞球)を安定的に遊技者に対して付与することができる。よって、第2確変状態においてほとんど賞球を得ることなく大当たり当選して第2確変状態が即座に終了されてしまうという、遊技者にとって望ましくない事象が発生することを確実に防止(抑制)することができるので、第2確変状態に移行した場合に、遊技者に対してより大きな喜びや満足感を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。ここで、パチンコ機等の遊技機において、大当たりに当選しなくても賞球が頻繁に払い出され易くなる極めて有利な遊技状態を設けているものがある。具体的には例えば、抽選結果として、大当たりでないにもかかわらず大入賞口が開放される小当たり抽選結果を設ける構成とし、有利な遊技状態においては小当たりに頻繁に当選することで大入賞口が頻繁に入球可能状態に設定される結果、大入賞口へと遊技球が頻繁に入球して入球に応じた賞球も頻繁に払い出され続ける極めて有利な遊技状態を形成するように制御可能なものが知られている。係る従来型の遊技機では、有利な遊技状態において大当たりに当選しないほど(即ち、小当たり若しくは完全外れのどちらかとなり続けるほど)小当たりに基づく賞球をより多く獲得し易くなるため、大当たりに当選しないことを強く期待させる斬新な遊技性を実現でき、遊技者の遊技に対する興趣向上を図っていた。しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利な遊技状態において大当たりに当選すると、大当たり終了後の遊技状態として比較的有利度合いが低い遊技状態が設定されてしまう可能性があるため、有利な遊技状態に移行してから大当たりに当選するまでの抽選回数が少ないほど、遊技者に対してより大きな失望感を抱かせてしまうという問題点があった。これに対して第27制御例におけるパチンコ機10では、有利な第2確変状態(第1遊技状態)が設定された後、特定回数の特別図柄の抽選(判別)が実行されるまでは、たとえ大当たり(特定の判別結果)になったとしても、大当たり遊技(特典遊技)が実行されることを回避することができ、第2確変状態を継続させることが可能に構成しているので、第2確変状態が設定された後、特定回数の特別図柄の抽選が実行されるまでの間、他の遊技状態に移行してしまう不安感を遊技者に抱かせることなく、安心して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第27制御例におけるパチンコ機10では、遊技者に有利な第1遊技状態(第2確変状態)において、遊技方法に応じて第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態(確変状態、時短状態、および通常状態のいずれか)に設定されるまでの期間の長さを異ならせることが可能に構成している。即ち、有利な第2確変状態が開始された後において、右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させつつ、第2特別図柄の大当たり変動が開始された後のみ左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させる第1の遊技方法で遊技を行い続ける方が、第2確変状態の間継続して右打ちを行い続ける第2の遊技方法で遊技を行い続けるよりも、第2確変状態が終了されるまでの期間が長くなり易くなるように構成している。これにより、遊技方法に応じて有利な第2確変状態の継続期間を異ならせることができる。言い換えれば、大当たりに当選するまでの期間を遊技方法に応じて異ならせることができるので、有利な第2確変状態の継続期間は短くなるが、有利な大当たり遊技が早期に実行され易くなる遊技性と、有利な第2確変状態の継続期間が長くなるが、大当たり遊技が実行されるまでの期間が長くなり易くなる遊技性と、を遊技者の遊技方法に応じて異ならせることができる。つまり、遊技方法を選択することで遊技者自身に遊技性を選択させることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技状態に応じて有利度合いが高くなる遊技方法(発射方向)を異ならせ、遊技にメリハリをつけることで興趣向上を図っているものが広く一般的に知られている。しかしながら、係る従来型の遊技機では、遊技状態が変われば遊技方法を変えることができるものの、同一の遊技状態が継続している間は、遊技方法が固定化されてしまうため、同一の遊技状態が長く継続している場合に、遊技が単調となってしまう虞がある。これに対して本第27制御例では、第2確変状態(第1遊技状態)において、第1特別図柄の抽選が実行され得る第1の遊技方法で遊技を行うか、第1の遊技方法よりも第1特別図柄の抽選が実行され難くなる第2の遊技方法で遊技を行うかに応じて、第2確変状態が早期に終了し易いが大当たり遊技が実行されるまでの期間も短くなり易い遊技性と、第2確変状態が長く継続し易いが大当たり遊技が実行されるまでの期間が長くなり易い遊技性と、を切り替えることができるので、第2確変状態の継続中において、遊技者に対して遊技方法を選択することで遊技性をも選択させる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第27制御例におけるパチンコ機10が、上述した第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第26制御例の第3変形例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図992を参照して、本第27制御例における遊技盤13の盤面構成について説明する。図992は、本第27制御例における遊技盤13の正面図である。図992に示した通り、本第27制御例における遊技盤13では、上述した第26制御例の第3変形例における遊技盤13(図920参照)に対して、可変表示装置ユニット80の左側の流路に設けられていたスルーゲート67が可変表示装置ユニット80の右側の流路に移動されている点、可変表示装置ユニット80の正面視下側の領域において、第26制御例の第3変形例では第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口として上第1入球口64b1、および下第1入球口64b2の2つの入賞口を設けていたのに対し、本第27制御例では、単一の第1入球口64のみを設けている点で相違している。また、可変入賞装置650が削除され、小当たり用入賞装置265が設けられている点でも相違している。なお、この小当たり用入賞装置265は、上述した第26制御例の第3変形例における可変入賞装置650等と同様に、遊技球が入球可能な開放状態と、遊技球が入球困難(不可能)な閉鎖状態と、に変位可能に構成されているものの、図992に示した通り、その上面を第1入球口64、および遊技釘によって塞がれているため、たとえ開放状態に設定されたとしても、遊技球を入球させることがほとんどできない構成となっている。この小当たり用入賞装置265は、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、所定期間(例えば、0.1秒間)、閉鎖状態から開放状態へと切り替わる入賞装置として構成されている。ここで、本第27制御例では、第1特別図柄の抽選で高確率(24/25)で小当たりとなるように構成している。高確率で当選する小当たりにおいて、小当たり用入賞装置265へと容易に遊技球を入球可能に構成してしまうと、左打ち出遊技を行う通常状態においても有利度合いが高くなり過ぎてしまう虞がある。そこで、本第27制御例では、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選したとしても、小当たり用入賞装置265への遊技球の入球を抑えるために、小当たり用入賞装置265への入球を阻害する位置に第1入球口64および遊技釘を設ける構成としている。これにより、通常状態の有利度合いが高くなってしまい、ホールに対して不測の不利益を被らせてしまうことを抑制することができる。
更に、本第27制御例における遊技盤13では、可変表示ユニット80の右側(図992における正面視右側)に形成される右側領域の構成が変更されている点でも相違している。ここで、本第27制御例における遊技盤13の右側領域の構成について詳細に説明をする。遊技盤13の右側領域には、球が1個通過可能な約15ミリ幅の流路として、上流側から第1流路ry1,第2流路ry2、第3流路ry3が形成されている。そして、第1流路ry1には、スルーゲート67が配設されている。このスルーゲート67は、上述した各制御例に設けられているスルーゲート67と同一のものであり、遊技球がこのスルーゲート67を通過したことに基づいて普通図柄の抽選契機が成立するように構成されている。なお、本第27制御例では、普通図柄の低確率(通常)状態であっても、普通図柄の抽選が実行される毎に、ほぼ毎回(299/300の確率で)、普通図柄の当たりとなるように構成されている。つまり、普通図柄の低確率(通常)状態においても、右打ち遊技を行って第1流路ry1に向けて遊技球を発射することにより、頻繁に普通図柄の当たりとなって電動役物640aが開放されるように構成されている。
また、スルーゲート67を通過した遊技球は、第1流路ry1と連通する第2流路ry2を流下し、第2入球口640へと到達する。この第2入球口640は、第2球流路ry2の転動面の一部を切り欠くように形成された開口部を有しており、球が1個入球する毎に、賞球として1個の球が払い出されるように構成している。また、この第2入球口640は、第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口である。この第2入球口640の開口部は、通常時においては、電動役物640aにより覆われており、入球することが困難(不可能)な閉鎖状態となっている。この電動役物640aは、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に、所定期間、正面視奥側へと退避されることにより遊技球が開口部へと入球可能な開放状態を形成する。第2入球口640の開口部を電動役物640aが覆っている状態(閉鎖状態)においては、第2球流路ry2を流下した遊技球は閉鎖状態の電動役物640aに妨げられて第2入球口640へと流入することができず、閉鎖状態の電動役物640aの上面を通過して第2流路ry2の下流側へと流下する。つまり、第2流路ry2のうち、第2入球口640よりも下流側へと流下する遊技球は、閉鎖状態の電動役物640aに妨げられて第2入球口640に入球しなかった(出来なかった)遊技球ということになる。なお、本第27制御例では、普通図柄の低確率状態(非時短状態)であっても、高確率(24/25の確率)で普通図柄の当たりに当選する構成としている。一方で、普通図柄の当たり当選時の変動時間および電動役物640aの開放パターンについては、普通図柄の高確率状態(時短状態)であるか普通図柄の低確率状態(非時短状態)であるかに応じて異ならせる構成としている。即ち、普通図柄の高確率状態(時短状態)においては、普通図柄の変動時間が0.1秒間に設定され、電動役物640aの開放パターンとして2秒間×1回の開放パターンが設定されるため、普通図柄の高確率状態(時短状態)に設定される遊技状態(確変状態、時短状態)においては、右打ちを行い続けた場合、0.1秒間の普通図柄変動と2秒間の電動役物640aの開放とが繰り返され易くなる。ここで、閉鎖状態の電動役物640aの上面に到達した遊技球が電動役物640aの上面を通過するのには約1秒を要するため、普通図柄の高確率状態においては、0.1秒間の普通図柄の変動時間(電動役物640aの閉鎖状態の期間)の間に電動役物640aの上面を通過することは不可能である。よって、普通図柄の高確率状態(時短状態)では、右打ちされた全ての遊技球が第2入球口640へと入球する。即ち、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選したとしても、第3流路ry3へと遊技球を到達させることができないため、特定入賞口165aへの入球に基づく賞球を得ることができず、単に大当たりに当選することのみを期待する遊技性となる。一方で、普通図柄の低確率状態(非時短状態)においては、普通図柄の変動時間が3秒間に設定され、電動役物640aの開放パターンとして0.1秒間×1回の開放パターンが設定されるため、普通図柄の高確率状態(時短状態)に設定される遊技状態(確変状態、時短状態)においては、右打ちを行い続けた場合、3秒間の普通図柄変動と0.1秒間の電動役物640aの開放とが繰り返され易くなる。開放時間は0.1秒間と短いものの、開放時に電動役物640aの上面を通過中の遊技球は電動役物640aの開放とほぼ同時に第2入球口640へ向けて落下するため、頻繁に第2入球口640への入球が発生する。また、3秒間の閉鎖期間の間に複数の遊技球が電動役物640aの上面を通過するため、特に、第2特別図柄の変動時間が短い第2確変状態(確変非時短状態)においては、頻繁に第2入球口640へと遊技球が入球して第2特別図柄の抽選が実行され、高頻度で小当たり遊技が実行される上に、小当たり遊技中に遊技球を可変入賞装置165へと到達させることも容易となるため、大当たりとならなくても小当たり遊技によって頻繁に賞球が払い出される有利な遊技状態を形成する。よって、第2確変状態が設定された場合に遊技者に対して大きな喜びや満足感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図992に戻って説明を続ける。第2流路ry2のうち、第2入球口640よりも下流側を流下する球は、第2流路ry2と連通する第3流路ry3に流入し、可変入賞装置165に到達する。この可変入賞装置165は、特定入賞口165aと、その特定入賞口165aの開口部を覆うための開閉扉165fと、を少なくとも有して構成されている。特定入賞口165aは、第3流路ry3の転動面の一部を切り欠くように形成された開口部を有しており、球が1個入球する毎に、賞球として15個の球が払い出されるように構成している。この可変入賞装置165は、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技の各ラウンド、および第2特別図柄の抽選において小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技中に開放動作するものであり、開閉扉165fを予め定められた開放シナリオで開放させることにより、球が入球可能な開放状態と、その開放状態よりも入球困難(不可能)な閉鎖状態とに可変制御される。開閉扉165fが特定入賞口165aを閉鎖している閉鎖状態では、第3流路ry3を流下した遊技球は開閉扉165fの上面を通過し、アウト口66に向けて流下する。この開閉扉165fの上面(球通路面)は、球の流下を遅延させるための遅延手段が設けられており、球が開閉扉165f上を通過するために1秒を要するように構成している。この遅延手段を設けることにより、より小さなスペースで必要な球通過時間を確保することができる。よって、第2特別図柄の変動時間が短くなると共に右打ちにより発射された遊技球が第2入球口640を通過して第3流路ry3へと到達し易くなる第2確変状態において、第3流路ry3へと到達した遊技球を特定入賞口165aへとより多く入球させることができ、第2確変状態における有利度合いを向上させることができる。また、図992に示した通り、可変入賞装置165の上方には、左打ち遊技(可変表示装置ユニット80の左側の領域(左側領域)を狙う遊技)によって発射された球が上述した各流路(ry1~ry3)に設けられた各入賞口(入球口)に入球してしまうことを規制するための規制部材(規制手段)として、遊技盤13の下方(第1入球口64の下方、および右方)に釘を植設している。このように構成することで、右打ち遊技と左打ち遊技とで異なる遊技を遊技者に提供することができるため、遊技者に対して飽きの来ない(飽き難い)遊技を提供することができる。
なお、本第27制御例では、右打ちにより発射されて流路ry1に流入した遊技球が必ずスルーゲート67を通過して第2入球口640へと到達すると共に、第2入球口640へと入球せずに通過した遊技球が必ず可変入賞装置165へと到達する盤面構成としていたが、これに限られるものではなく、流路ry1に流入した遊技球の一部はスルーゲート67を通過し、他の一部はスルーゲート67を通過し得ない方向へと流下する盤面構成としてもよい。また、スルーゲート67を通過した遊技球の一部は第2入球口640へと到達し、他の一部は第2入球口640へと到達し得ない方向へと流下する盤面構成としてもよい。また、スルーゲート67を通過せずに第2入球口640へと到達し得る流路を設ける構成としてもよいし、第2入球口640を通過せずに可変入賞装置165へと到達し得る流路を設ける構成としてもよい。このように構成することで、右打ちで発射された遊技球の流下経路を複雑化することができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。また、本第27制御例では、第1入球口64を、左打ちされた遊技球が入球可能となる一方で、右打ちされた遊技球が入球不可能となるように構成し、第2入球口640を、右打ちされた遊技球が入球可能となる一方で、左打ちされた遊技球が入球不可能となるように構成していたが、これに限られるものではなく、右打ちされた遊技球が第1入球口64へと入球し得るルートを設ける構成とした上で、右打ちよりも左打ちの方が第1入球口64へと入球し易くなるように構成してもよいし、左打ちされた遊技球が第2入球口640へと入球し得るルートを設ける構成とした上で、左打ちよりも右打ちの方が第2入球口640へと入球し易くなるように構成してもよい。
次に、図993から図995を参照して、本第27制御例における特徴的な演出態様について説明する。まず、図993(a)を参照して、本第27制御例において最も有利な遊技状態である第2確変状態(確変非時短状態)に移行してから特別図柄の抽選が特定回数(100回)実行されるまでの間の演出態様について説明する。ここで、本第27制御例における第2確変状態は、実質的に次に大当たり遊技が実行されるまでは少なくとも継続する遊技状態として構成されている。また、上述した通り、第2確変状態が継続している間は、右打ちを行い続けるだけで頻繁に第2特別図柄の抽選が実行されて高確率(約1/3の確率)で小当たり遊技が実行され、特定入賞口165aへと頻繁に遊技球が入球する結果、右打ちにより発射された遊技球の個数を上回る個数の賞球が払い出され易くなる極めて有利な遊技状態を形成する。言い換えれば、大当たり遊技が実行されない方が、より多くの賞球を獲得し易くなるため、大当たりとならないことを期待して遊技を行う遊技性となる。このため、第2確変状態において少ない抽選回数で大当たり遊技が実行されてしまうと、遊技者に対して大きな失望感を与えてしまう虞がある。そこで、本第27制御例では、第2確変状態に移行してから特定回数(100回)の特別図柄の抽選が実行されるまでは、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選したとしても、大当たり遊技の実行を回避可能に構成している。より具体的には、特定回数以内の抽選回数で第2特別図柄の大当たりに当選した場合は、大当たり変動時間として、300秒間という極めて長い変動時間が設定されるように構成したため、係る長い変動時間の間に左打ちを行って第1特別図柄の抽選を実行させ、高確率(24/25)で当選する小当たりに当選することにより、第1特別図柄の小当たり図柄の停止と同時に第2特別図柄の大当たり変動を外れ図柄で強制的に停止させる(第2特別図柄の大当たりを破棄する)ことを可能としている。言い換えれば、特定回数の特別図柄の抽選が実行されるよりも前においては、たとえ大当たりに当選したとしても、特定回数の特別図柄の抽選が実行されるまで有利な第2確変状態を継続させることができる斬新な遊技性を実現することができる。以降、この特定回数以下の抽選回数の範囲で実行される演出態様について説明する。
図993(a)は、第2確変状態に移行してから特別図柄の抽選が100回実行されるまでの間における第3図柄表示装置81の演出態様(表示態様)の一例を示した図である。図993(a)に示した通り、本第27制御例における第2確変状態では、主表示領域Dmにおいて、ウサギを模したキャラクタ801が雲の上を模したステージにおいて、マント801aを纏って滑空する演出が実行される。また、主表示領域Dmの中央部分において、第3図柄の変動表示が実行される。更に、主表示領域Dmの中央上部に対して、「~無敵RUSH中~」という文字が表示される。加えて、副表示領域Dsにおける右側には、「無敵解除まで継続確定!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、「~無敵RUSH中~」という表示が継続している間は第2確変状態が終了されることがないということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、図993(a)に示した通り、主表示領域Dmのうち左上部分に形成された横長略長方形形状の表示領域Dm1には、無敵RUSHが終了(解除)されるまでの特別図柄の抽選回数を示す文字が表示される。図993(a)では、第2確変状態において15回目の特別図柄の抽選に基づく変動表示中である場合(即ち、特別図柄の抽選回数が100回に到達するまでの残りの抽選回数が85回残っている場合)を例示しており、表示領域Dm1に対して、「無敵解除まで85回」という文字が表示されている。この表示領域Dm1に表示される残り回数の表示は、特別図柄の変動表示の開始タイミングとなる毎に値が1ずつ減算して更新される。この表示領域Dm1の表示内容によって、遊技者に対して、有利な第2確変状態において最低であと何回特別図柄の抽選を実行させることができるかを容易に理解させることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。また、遊技者に対して遊技性をより容易に理解させることができる演出態様となるため、より好適な演出態様を実現することができる。また、主表示領域Dmの右上部分には、遊技状態に応じた遊技方法を遊技者に対して示唆する(促す)ための画像が表示される横長略長方形形状の表示領域Dm2と、第2特別図柄の抽選結果を示すための小図柄(第4図柄)を変動表示させるための横長略長方形形状の表示領域Dm3と、が形成される。これらの表示領域に表示される表示内容により、遊技方法、および特別図柄の変動有無を遊技者に対して理解させることができる。更に、副表示領域Dsの左側部分には、実行中の特別図柄の変動表示に対応する保留図柄(実行図柄)を表示するための実行中領域Ds1aと、特別図柄の抽選の実行が保留(待機)されている保留球に対応する保留図柄を表示するための待機中領域Ds1bと、が形成される。これらの表示内容により、実行中の変動表示に対応する保留図柄、および保留されている保留球に対応する保留図柄を容易に確認することができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。なお、以降の説明では簡略化のため、無敵RUSHではない通常の第2確変状態(第2確変状態に移行し、特別図柄の抽選回数が100回を超えた後の第2確変状態)のことを「第2確変状態A」と称し、無敵RUSHに設定されている第2確変状態(第2確変状態に移行してから特別図柄の抽選が100回実行されるまでの間)のことを「第2確変状態B」と称する。
次に、図993(b)を参照して、第2確変状態、且つ、特別図柄の抽選回数が特定回数(100回)以下の範囲(第2確変状態B)において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合の演出態様について説明する。ここで、本第27制御例では、両方の特別図柄の変動表示が実行されている状況下において、先に一方の特別図柄の変動表示が大当たり図柄または小当たり図柄で停止表示された場合に、当該停止表示のタイミングで、変動中の他方の特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制的に停止表示させる構成としている。そして、特別図柄の高確率状態において第1特別図柄の抽選が実行されると、抽選結果が大当たり(1/25の確率)又は小当たり(24/25の確率)のどちらかとなるように構成している。加えて、本第27制御例では、第2確変状態に移行してから特定回数(100回)以下の特別図柄の抽選回数の範囲で第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、当該大当たりを示すための変動表示の変動時間を300秒という長い時間に設定する一方で、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、当該小当たりを示すための変動表示の変動時間を1秒間という短い時間に設定する構成としている。これらの制御内容によって、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、300秒間の間(より正確には、第2特別図柄の大当たり変動が開始した後の経過時間が299秒以下の範囲)で第1特別図柄の抽選を実行させることができれば、ほぼ(24/25の確率で)小当たりに当選するため、1秒後に第1特別図柄の小当たり図柄が停止表示されることにより、第2特別図柄の大当たり変動を外れ図柄で強制停止させる(破棄する)ことができ、有利な第2確変状態を継続させることができる。図993(b)は、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合における大当たり変動中の演出態様の一例を示した図である。
図993(b)に示した通り、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選し、当該大当たりを示すための300秒間の変動表示が開始されると、変動開始直後(約1秒程度)に主表示領域Dmにおいてリーチ演出(右図柄列と左図柄列とが同一の数字を模した第3図柄で停止表示され、中図柄列のみが変動表示されている状態となる演出)が発生すると共に、ウサギのキャラクタ801が、宙に浮いたままリーチ演出を構成する第3図柄を睨む演出が実行される。また、表示領域Dm1の直下に大当たり遊技が開始されるまで(第2確変状態が終了されるまで)の残り時間を示す表示態様を表示させるための横長略長方形形状の表示領域Dm4が形成される。図993(b)は、変動開始後12秒が経過したタイミングを例示しており、表示領域Dm4に対して、「強制終了まで288秒」という文字が表示されている状況が図示されている。また、表示領域Dm2において、「右打ち」という文字が消え、右向きの矢印を模した画像のみが残留した表示態様に設定される。更に、副表示領域Dsの右側に対して、左打ちを行うように促す内容の表示が行われる。図993(b)では、4の数字を模した第3図柄でリーチが発生しているため、副表示領域Dsに対して「左打ちで4図柄を外せ!」という文字が表示されている場合を例示している。これらの表示内容により、遊技者に対して、左打ちを行うことで第2特別図柄の大当たり遊技が実行されることを回避することができ、有利な第2確変状態Bを継続させることができるということを容易に理解させることができる。よって、少なくとも特定回数の特別図柄の抽選が実行されるまでの間、有利な第2確変状態を継続させることができるので、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図994(a)は、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の大当たり変動中に左打ちされた遊技球が第1入球口64に入球し、当該入球に基づく第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合における演出態様の一例を示した図である。図994(a)に示した通り、第2特別図柄の大当たり変動中に第1入球口64へと遊技球が入球して小当たりに当選し、第2特別図柄の大当たり変動を外れ図柄で強制停止させることが確定した(第2確変状態が継続することが確定した)場合、主表示領域Dmにおいて、ウサギのキャラクタ801が変動中の中図柄列のうちリーチが発生している図柄と同一の数字を模した図柄を殴打して弾き飛ばす演出が実行される。これにより、中図柄列に大当たりを構成するための図柄が存在しなくなり、大当たりの組み合わせで停止表示され得なくなったということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、表示領域Dm4において、強制終了までの残り時間のカウントダウンがストップする。更に、副表示領域Dsに対して、「無敵RUSH継続!!」という文字が表示される。これらの表示内容によって、大当たり遊技が実行されることを回避できたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、リーチが発生している図柄と同一の数字を模した図柄が弾き飛ばされる演出を実行した後は、小当たり図柄の停止タイミングにあわせて主表示領域Dmにおいて第3図柄が外れの組み合わせで停止表示される演出が実行される。これにより、大当たりを回避することができたということを遊技者に対して確信させることができるので、遊技者に対して安心感を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。ここで、図示については省略したが、左打ちによって大当たり遊技の実行を回避することを促す回避演出の実行中に遊技者が左打ちを行わずに所定期間(例えば、100秒)が経過した場合に、より強く左打ちを行うことを促す演出態様に変化する構成としている。このように構成することで、より確実に、遊技者に対して左打ちを行わせることができる。
なお、本第27制御例では、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり種別(大当たり図柄)によらず、左打ちによって大当たり遊技の実行を回避することを促す回避演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり終了後の遊技状態が再度最も有利な第2確変状態に設定される種別の大当たりに当選していた場合は、回避演出を実行せずに大当たり遊技を実行させても良い。このように構成することで、第2確変状態が確実に終了する(大当たり終了後の遊技状態が第2確変状態以外の遊技状態に設定される)場合にのみ、大当たり遊技の実行を回避させ、第2確変状態が設定される大当たりである場合は、大当たり遊技を実行させて大当たりによる賞球も獲得することができるので、出球効率を高めることができる。また、大当たり遊技が実行されることで、第2確変状態Bが再セットされる(特定回数がリセットされる)ので、第2確変状態Bに滞在している期間をより長くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、第2確変状態Bにおいて大当たりに当選した場合に、左打ちを行って大当たり遊技の実行を回避するか、大当たり遊技の実行を回避せずにそのまま大当たり遊技を実行させるかの選択を遊技者に対して促す内容の演出を実行する構成としてもよい。即ち、遊技者に対して第2確変状態が設定される大当たりであるか否かを推測して、第2確変状態が設定されない(時短状態や確変状態に設定される)大当たりであると推測した場合には、左打ちを行って大当たり変動を外れ図柄で強制停止させる遊技方法で遊技を行う一方で、第2確変状態が設定される大当たりであると推測した場合は、大当たり図柄の停止まで左打ちを行わずに大当たり遊技を実行させる遊技方法で遊技を行う遊技性としてもよい。このように構成することで、遊技者の選択した遊技方法に応じて有利度合いが大きく異なる可能性がある斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、この場合において、第2特別図柄の大当たり変動中に、大当たり遊技が実行された場合に第2確変状態が設定される可能性を演出によって示唆する構成としてもよい。このように構成することで、演出内容も加味して左打ちによって大当たり変動を外れ図柄で破棄するか否かを選択させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次いで、図994(b)、および図995を参照して、第2確変状態Bにおいて100回の特別図柄の抽選が実行された場合に移行する第2確変状態Aにおける演出態様について説明する。第2確変状態Bが終了して第2確変状態Aに移行すると、ウサギのキャラクタ801が纏っていたマント801aが消滅して飛行能力を喪失する演出が実行され、図994(b)に示すように、ウサギのキャラクタ801が雲の上を疾走する演出態様に設定される。また、主表示領域Dmにおける上部に、「~通常RUSH中~」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「大当たりすると終了のピンチ!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、左打ちを行っても大当たり遊技の実行を回避することができなくなったということを遊技者に対して容易に理解させることができるので、遊技者に対して、大当たりに当選しないことをより強く期待させながら遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図995(a)は、第2確変状態Aにおいてリーチ演出が発生した場合の表示態様(ピンチ演出)の一例を示した図である。第2確変状態Aにおいてリーチ演出が発生すると、ウサギのキャラクタ801の足下の雲に穴が空き、ウサギのキャラクタ801が穴に落ちそうになる演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「終了のピンチ!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たりに当選して第2確変状態が終了されてしまう可能性があるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。図995(b)は、第2確変状態Aで大当たりとなった場合の演出態様を示した図である。図995(b)に示した通り、第2確変状態Aにおいて大当たりに当選すると、ピンチ演出を伴うリーチ演出(図995(a)参照)を経て、同一の数字を模した第3図柄が揃う演出が実行される。また、ピンチ演出においてウサギのキャラクタ801の足下に出現した穴に、ウサギのキャラクタ801がそのまま落下してしまう演出が実行される。更に、副表示領域Dsに対して、「終了!!」という文字が表示される。これらの演出態様によって、大当たり当選により第2確変状態が終了されてしまったということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、図示については省略したが、ピンチ演出を伴う変動表示演出が外れに対応する変動表示演出であった場合は、第3図柄が外れの組み合わせで停止表示されると共に、ウサギのキャラクタ801が穴に落ちずに飛び越える演出が実行される。よって、遊技者に対して演出結果を直感的に理解させ易く構成することができるので、好適な演出態様を実現することができる。
次に、図996を参照して、本第27制御例におけるパチンコ機10の状態の移行方法について説明する。図996に示した通り、本第27制御例には、4つの異なる遊技状態が設けられている。即ち、遊技者に不利な遊技状態として、通常状態ST1が設けられている。また、遊技者に有利な遊技状態として、確変状態ST2、時短状態ST3、および第2確変状態SP1が設けられている。通常状態ST1は、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態(非時短状態)に設定される遊技状態であり、第2特別図柄の変動時間が極端に長くなる(600秒になる)ため、右打ちを行って第2特別図柄の抽選を行わせる遊技方法よりも、左打ちを行って第1特別図柄の抽選を行わせる遊技方法を行った方が有利度合いが高くなり易い遊技状態として構成される。この通常状態ST1は、パチンコ機10の初期状態として設定される遊技状態であり、電源投入時に初期化操作を行った場合はこの通常状態ST1に設定される。また、確変状態ST2は、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態(時短状態)に設定される遊技状態であり、更に、第2特別図柄の変動時間が通常状態よりも短くなるため、右打ち遊技を行うことで頻繁に第2特別図柄の抽選が実行される上に、大当たり確率も高くなる。よって、確変状態ST2は、比較的短時間で大当たりに当選し易い有利な遊技状態として構成される。なお、確変状態ST2では、普通図柄の高確率状態(時短状態)に設定されるため、右打ちにより発射された遊技球がほぼ全て第2入球口640へと入球し、可変入賞装置165まで遊技球が到達することはない。言い換えれば、第2特別図柄の抽選が頻繁に実行されることで第2特別図柄の小当たり遊技は高頻度で実行されるものの、小当たり遊技中に開放状態に設定される可変入賞装置165へと遊技球を入賞させることは極めて困難となるため、賞球を得ることはほぼできない。つまり、次の大当たりまで持ち球(獲得した賞球の数から発射した遊技球の数を減じた数)をあまり減らさずに遊技を継続することができる遊技状態として構成される。また、時短状態ST3は、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態(時短状態)に設定される遊技状態であり、更に、第2特別図柄の変動時間が確変状態ST2と同等になるため、右打ち遊技を行うことで頻繁に第2特別図柄の抽選が実行される。よって、時短状態ST3は、大当たり確率は低いものの、所定期間の間、持ち球をあまり減らさずに遊技を行うことができる有利な遊技状態として構成される。更に、第2確変状態SP1は、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態(非時短状態)に設定される遊技状態であり、第2特別図柄の変動時間が通常状態よりも短くなるため、右打ち遊技を行うことで頻繁に第2特別図柄の抽選が実行される上に、大当たり確率も高くなる。更に、普通図柄の低確率状態が設定されることにより、右打ちにより発射された遊技球のうち約半数が閉鎖状態の電動役物640aを通過して可変入賞装置165へと到達可能となるため、頻繁に発生する小当たり遊技において可変入賞装置165へと遊技球を入球させることが容易となり、当該入球に基づく賞球の払い出しも頻繁に発生するため、大当たり遊技が実行されるまで持ち球を増加させ続けることができる極めて有利な遊技状態を形成する。
図996を参照して、上記4つの遊技状態が設けられていることによるパチンコ機10の遊技の流れについて説明する。なお、本第27制御例では、大当たりA67~H67の8種類の大当たり種別を設ける構成としているが、図996においては、「67」を省略して、大当たりA~Hと表記している。まず、パチンコ機10が初期化された場合に設定される通常状態ST1における状態の移行方法について説明する。図996に示した通り、初期状態である通常状態ST1においては、大当たりに当選した場合にのみ、他の遊技状態へと移行する可能性がある。より具体的には、図996に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に5%の割合で決定される大当たりAに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な第2確変状態SP1に設定される。また、大当たりに当選した場合に65%の割合で決定される大当たりB,Cのどちらかに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態ST2に設定される。更に、大当たりに当選した場合に30%の割合で決定される大当たりDに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が時短状態ST3に設定される。このため、遊技者にとって最も不利な(有利度合いが低い)通常状態ST1においては、大当たりに当選することを期待して遊技を行わせることができる。
次に、確変状態ST2における状態の移行方法について説明する。図996に示した通り、確変状態ST2から他の遊技状態には、大当たりに当選した場合に加え、普通図柄の高確率状態の回数(時短回数)が経過した(サポ抜けが発生した)場合にも移行する可能性がある。より具体的には、図996に示した通り、確変状態ST2において、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に25%の割合で決定される大当たりEに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な第2確変状態SP1に設定される。また、大当たりに当選した場合に30%の割合で決定される大当たりHに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が時短状態ST3に設定される。更に、規定の時短回数が経過した(サポ抜けが発生した)場合には、大当たりEに当選した場合と同様に、最も有利な第2確変状態SP1に設定される。なお、本第27制御例では、確変状態ST2における時短回数として、65535回、若しくは100回のどちらかの回数が設定される構成としている。確変状態ST2においては、大当たり確率が1/25となるため、65535回の時短回数が設定された確変状態ST2において時短回数を経過させることは確率的にほぼ不可能である。このため、サポ抜けが発生するのは、ほぼ、時短回数が100回の確変状態ST2に設定された場合のみである。これらに対し、大当たりに当選した場合に45%の割合で決定される大当たりF,Gのどちらかに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、確変状態ST2に設定される(確変状態ST2をループする)。このため、確変状態ST2では、大当たりEに当選すること、またはサポ抜けが発生することを期待させる遊技性となる。
次に、第2確変状態SP1における状態の移行方法について説明する。図996に示した通り、第2確変状態SP1から他の遊技状態には、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図996に示した通り、第2確変状態SP1において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に30%の割合で決定される大当たりHに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が時短状態ST3に設定される。また、大当たりに当選した場合に45%の割合で決定される大当たりF,Gのどちらかに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態ST2に設定される。これらに対して、大当たりに当選した場合に25%の割合で決定される大当たりEに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、最も有利な第2確変状態SP1に設定される(第2確変状態SP1をループする)。このため、第2確変状態SP1では、大当たりに当選しないか、大当たりに当選したとしても大当たり種別が大当たりEに設定されることに期待させる遊技性となる。
次に、時短状態ST3における状態の移行方法について説明する。図996に示した通り、時短状態ST3から他の遊技状態には、大当たりに当選した場合に加え、普通図柄の高確率状態の回数(時短回数)が経過した(サポ抜けが発生した)場合にも移行する可能性がある。より具体的には、図996に示した通り、時短状態ST3において、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に25%の割合で決定される大当たりEに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な第2確変状態SP1に設定される。また、大当たりに当選した場合に45%の割合で決定される大当たりF,Gのどちらかに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態ST2に設定される。更に、規定の時短回数が経過した(サポ抜けが発生した)場合には、通常状態ST1へと移行する。これらに対し、大当たりに当選した場合に30%の割合で決定される大当たりHに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態ST3に設定される(時短状態ST3をループする)。これらにより、時短状態ST3においては、サポ抜けが発生する前に大当たりに当選することを強く期待させる遊技性となる。
<第27制御例の電気的構成>
次に、図997(a)を参照して、本第27制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図997(a)は、本第27制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図997(a)に示した通り、本第27制御例におけるROM202は上述した第26制御例の第3変形例におけるROM202の構成(図927参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aaCに代えて第1当たり乱数テーブル202aが設けられている点、変動パターン選択テーブル202abCに代えて変動パターン選択テーブル202bが設けられている点、第2当たり乱数テーブル202acCに代えて第2当たり乱数テーブル202cが設けられている点、第1当たり種別選択テーブル202adCに代えて第1当たり種別選択テーブル202dが設けられている点、および変動パターンシナリオテーブル202baが設けられている点でのみ相違している。まず、図997(b)を参照して、本第27制御例における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。ここで、本第27制御例における第1当たり乱数テーブル202aは、上述した第26制御例の第3変形例における第1当たり乱数テーブル202aaC(図928(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選結果を決定するために参照されるデータテーブルである。図997(b)は、この第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図997(b)に示した通り、本第27制御例における第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として、特別図柄の種別によらず、「0~3」の4個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。一方で、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)は、図997(b)に示した通り、特別図柄の種別によらず、「0~39」の40個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~999」の1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、特別図柄の低確率状態、および特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の数がそれぞれ4個および40個であるので、特別図柄の低確率状態および高確率状態で大当たりとなる確率は、特別図柄の種別によらず、それぞれ1/250(4/1000)、および1/25(40/1000)である。
また、図997(b)に示した通り、第1特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、特別図柄の状態によらず「40~999」の960個の乱数値(判定値)が対応付けて規定されている一方で、第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、特別図柄の状態によらず「706~999」の294個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。このため、第1特別図柄の抽選で小当たりとなる確率は24/25(960/1000)であり、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる確率は294/1000である。また、図997(b)に示した通り、各特別図柄および各状態において大当たりにも小当たりにも対応付けられていない乱数値(カウンタ値)が、外れの抽選結果に対して対応付けられている。これらにより、特別図柄の高確率状態において第1特別図柄の抽選が実行された場合、必ず大当たり若しくは小当たりのどちらかに当選する構成となっている。また、特別図柄の高確率状態において第2特別図柄の抽選が実行された場合、約1/3の割合(334/1000の確率)で大当たり若しくは小当たりのどちらかに当選する構成となっている。よって、第2確変状態においては、右打ちを行うことで約1/3の確率で大当たり又は小当たりとなって特定入賞口165aが開放されるため、頻繁に賞球を獲得することが可能な極めて有利な遊技状態を形成する。また、第2確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選したとしても、第2確変状態に設定された後における特別図柄の抽選回数が100回以下の範囲においては、第2特別図柄の大当たりとなった場合に極めて長い変動時間(300秒間)が設定されるため、大当たり変動中に左打ちを行って第1特別図柄の抽選が実行された場合に高確率(24/25の確率)で小当たりとなって第2特別図柄の変動表示を外れで破棄することができる。よって、有利な第2確変状態において、大当たりに当選したか否かによらず、100回の特別図柄の抽選が実行されるまで第2確変状態を継続させることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図998(a)を参照して、本第27制御例における変動パターン選択テーブル202bの詳細について説明する。ここで、本第27制御例における変動パターン選択テーブル202bは、上述した第26制御例の第3変形例における変動パターン選択テーブル202abC(図930参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、抽選結果に応じた変動パターンを決定するために参照されるデータテーブルである。図998(a)は、この変動パターン選択テーブル202bの構成を示すブロック図である。図998(a)に示した通り、本第27制御例における変動パターン選択テーブル202bは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される通常用テーブル202b1と、時短状態、確変状態、および第2確変状態Aにおいて変動パターンを選択するために参照される確変・時短・第2確変A用テーブル202b2と、第2確変状態B(第2確変状態に移行した後、特別図柄の抽選が100回実行されるまでの間)において変動パターンを選択するために参照される第2確変B用テーブル202b3と、で少なくとも構成されている。なお、通常用テーブル202b1に関しては、上述した第26制御例の第3変形例における通常用テーブル202ab1Cと同一の規定内容であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図999(a)を参照して、確変・時短・第2確変A用テーブル202b2の詳細について説明する。この確変・時短・第2確変A用テーブル202b2は、上述した通り、確変状態、時短状態、および第2確変状態A(第2確変状態に移行後、特別図柄の抽選回数が100回を超えた後の第2確変状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に、変動パターンを選択するために参照されるデータテーブルである。図999(a)は、この確変・時短・第2確変A用テーブル202b2の規定内容を示した図である。図999(a)に示した通り、第1特別図柄の変動パターンとして、大当たりの抽選結果に対して、変動種別カウンタCS1の取り得る全ての乱数値(カウンタ値)の範囲(「0~198」の範囲)に変動時間が600000ms(600秒)の当たり超ロング変動が対応付けて規定されている。また、外れの抽選結果に対して、変動種別カウンタCS1の取り得る全ての乱数値(カウンタ値)の範囲(「0~198」の範囲)に変動時間が600000ms(600秒)の外れ超ロング変動が対応付けて規定されている。
一方で、第2特別図柄の変動パターンとしては、図999(a)に示した通り、大当たりの抽選結果に対しては、変動種別カウンタCS1の値が「0~14」の範囲に対して、変動時間が20000ms(20秒)の当たりノーマルリーチが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「15~124」の範囲に対して、変動時間が30000ms(30秒)の当たりスーパーリーチが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「125~198」の範囲に対して、変動時間が60000ms(60秒)の当たりスペシャルリーチが対応付けて規定されている。また、図999(a)に示した通り、外れの抽選結果に対しては、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が2000ms(2秒)の短外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~189」の範囲に対して、変動時間が6000ms(6秒)の長外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190~196」の範囲に対して、変動時間が20000ms(20秒)の外れノーマルリーチが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「197,198」の範囲に対して、変動時間が30000ms(30秒)の外れスーパーリーチが対応付けて規定されている。つまり、第2特別図柄の変動パターンとして、必ず第1特別図柄の変動時間よりも大幅に短い変動時間が設定されるため、確変状態、時短状態、および第2確変状態Aにおいて第2特別図柄の大当たりとなった場合に、第2特別図柄の大当たり変動中に第1特別図柄の抽選を実行させたとしても、第1特別図柄の小当たりによって第2特別図柄の大当たり変動を破棄する(外れ図柄で強制停止させる)ことが不可能となっている。
次に、図999(b)を参照して、第2確変B用テーブル202b3の詳細について説明する。この第2確変B用テーブル202b3は、上述した通り、第2確変状態B(第2確変状態に移行後、特別図柄の抽選回数が100回以内の第2確変状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に、変動パターンを選択するために参照されるデータテーブルである。図999(b)は、この第2確変B用テーブル202b3の規定内容を示した図である。図999(b)に示した通り、第1特別図柄の変動パターンとして、大当たりの抽選結果に対して、変動種別カウンタCS1の取り得る全ての乱数値(カウンタ値)の範囲(「0~198」の範囲)に変動時間が60000ms(60秒)の当たりスーパーリーチが対応付けて規定されている。また、外れの抽選結果に対して、変動種別カウンタCS1の取り得る全ての乱数値(カウンタ値)の範囲(「0~198」の範囲)に変動時間が1000ms(1秒)の外れショート変動が対応付けて規定されている。
一方で、第2特別図柄の変動パターンとしては、図999(b)に示した通り、大当たりの抽選結果に対しては、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての乱数値(カウンタ値)の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が300000ms(300秒)の当たりロング変動が対応付けて規定されている。また、図999(b)に示した通り、外れの抽選結果に対しては、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が2000ms(2秒)の短外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~198」の範囲に対して、変動時間が6000ms(6秒)の長外れが対応付けて規定されている。これらの規定内容により、第2確変状態Bにおいて右打ちを行うことで頻繁に実行される第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、300秒間の大当たり変動が必ず実行されるため、当該大当たり変動中に左打ちを行って第1特別図柄の抽選を実行させることにより、先に第1特別図柄の変動表示を終了させることができる。即ち、第1特別図柄の抽選で高確率(24/25の確率)で当選する小当たりとなった場合に第2特別図柄の大当たり変動を破棄する(外れ図柄で強制停止させる)ことができるので、有利な第2確変状態を継続させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、第1特別図柄の大当たりとなった場合に変動時間を60秒に設定しているのは、第2特別図柄の大当たり変動中に第1特別図柄の抽選を実行させ、大当たり当選した場合に、短い変動時間を設定すると、大当たりを回避するために左打ちを行ったにもかかわらず唐突に大当たり遊技が開始されてしまったかのような挙動となってしまい、遊技者を混乱させてしまう可能性があるため、演出によって大当たりを回避することができなかったことを報知する期間を確保する趣旨である。
なお、本第27制御例では、状態によらず、第1特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりに当選する可能性がある(特別図柄の高確率状態で1/25、低確率状態で1/250)構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第2特別図柄の大当たり変動中は第1特別図柄の抽選で大当たりとならないように構成してもよい。より具体的には、第2特別図柄の大当たり変動中は、大当たりか否かの抽選を実行せずに、外れか小当たりかの抽選のみを実行する構成としてもよい。または、第2特別図柄の大当たり変動中に第1特別図柄の抽選が実行された場合に、必ず小当たりとなるように構成してもよい。このように構成することで、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、第1特別図柄の抽選を実行させても大当たりとなる可能性が無いため、より確実に、第2特別図柄の大当たり変動を外れ図柄で強制停止させることができる。従って、第2確変状態における有利度合いをより向上させることができるので、第2確変状態へと移行した場合に遊技者に対してより大きな喜びや満足感を抱かせることができる。
本第27制御例では、有利な遊技状態のうち、第2確変状態Bにおいてのみ、第2特別図柄の大当たり変動よりも第1特別図柄の小当たり変動の方が短くなる変動パターンテーブル(第2確変B用テーブル202b3)を参照して変動パターンを選択する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態においても、第2特別図柄の大当たり変動よりも第1特別図柄の小当たり変動の方が短くなる変動パターンを選択する構成としてもよい。このように構成した場合、特に、時短回数が100回の確変状態において、時短回数を経過させて第2確変状態へと移行させることが容易となるため、遊技者に対して、大当たりに当選したとしても特別図柄の抽選が100回実行されて第2確変状態へと移行するまでは第2特別図柄の大当たりを回避し続けて第2確変状態へと移行させるか、確変状態において大当たりに当選した場合に、そのまま大当たり遊技を実行させることで無駄球を減らすかを選択させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。更に、時短回数が65535回の確変状態においても同一の変動パターンテーブルを参照すると共に、演出態様から時短回数が100回の確変状態であるか65535回の確変状態であるかを区別困難に構成することにより、100回に到達するまで第2特別図柄の大当たりを回避するか、大当たりとなり次第大当たり遊技を実行させるかをより悩ませることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次いで、図998(b)を参照して、本第27制御例における第2当たり乱数テーブル202cの詳細について説明する。ここで、本第27制御例における第2当たり乱数テーブル202cは、上述した第26制御例の第3変形例における第2当たり乱数テーブル202acC(図928(b)参照)と同様に、普通図柄の当たりとなる乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)が規定されているデータテーブルである。図998(b)は、この第2当たり乱数テーブル202cの規定内容を示した図である。図998(b)に示した通り、本第27制御例における第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率状態(非時短状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~298」の299個の乱数値(カウンタ値)が規定されている一方で、普通図柄の高確率状態(時短状態)において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~299」の300個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。つまり、普通図柄の高確率状態と低確率状態とで普通図柄の当たり確率がほぼ同等に設定されている。このため、普通図柄の低確率状態(非時短状態)に設定される通常状態や第2確変状態(および大当たり遊技の実行中)においても、普通図柄の抽選が実行された場合に高確率(299/300)で普通図柄の当たりとなるように構成されている。これにより、第2時短状態において右打ちを行った場合に、高頻度で第2入球口640が開放されるため、第2時短状態において右打ちを行うことで第2特別図柄の抽選を頻繁に実行させることができる。つまり、約1/3の確率で小当たりまたは大当たりに当選して小当たり遊技が頻繁に実行され、特定入賞口165aへの入球に基づく賞球が頻繁に払い出される極めて有利な遊技状態を形成することができる。
次に、図1000(a)を参照して、本第27制御例における第1当たり種別選択テーブル202dの詳細について説明する。この第1当たり種別選択テーブル202dは、上述した第26制御例の第3変形例における第1当たり種別選択テーブル202adC(図929参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり種別を選択するために参照されるデータテーブルである。図1000(a)は、この第1当たり種別選択テーブル202dの規定内容を示した図である。図1000(a)に示した通り、本第27制御例では、第1特別図柄の大当たり種別として大当たりA67~D67の4種類の大当たり種別が設けられており、第2特別図柄の大当たり種別として大当たりE67~H67の4種類の大当たり種別が設けられている。
図1000(a)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA67」が対応付けて規定されている。この「大当たりA67」は、ラウンド数が10ラウンドであり、時短カウンタ203hに対して「0」が設定され、且つ、確変フラグ203aacに対してオンが設定される種別の大当たりである。即ち、大当たり終了後の遊技状態が第2確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)に設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA67」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が5個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA67」が選択される割合は5%である。この「大当たりA67」は、ラウンド数の面でも大当たり終了後の遊技状態の面でも最も有利な大当たり種別である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~49」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB67」が対応付けて規定されている。この「大当たりB67」は、ラウンド数が4ラウンドであり、時短カウンタ203hに対して「100」が設定され、且つ、確変フラグ203aacに対してオンが設定される種別の大当たりである。即ち、大当たり終了後の遊技状態が確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)に設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB67」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が45個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB67」が選択される割合は45%である。
また、図1000(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~69」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC67」が対応付けて規定されている。この「大当たりC67」は、ラウンド数が4ラウンドであり、時短カウンタ203hに対して「65535」が設定され、且つ、確変フラグ203aacに対してオンが設定される種別の大当たりである。即ち、大当たり終了後の遊技状態が確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)に設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC67」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が20個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC67」が選択される割合は20%である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「70~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD67」が対応付けて規定されている。この「大当たりD67」は、ラウンド数が4ラウンドであり、時短カウンタ203hに対して「100」が設定され、且つ、確変フラグ203aacに対してオフが設定される種別の大当たりである。即ち、大当たり終了後の遊技状態が時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)に設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD67」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が30個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD67」が選択される割合は30%である。この「大当たりD67」は、ラウンド数の面でも大当たり終了後の遊技状態の面でも最も有利度合いが低い大当たり種別である。
一方で、図1000(a)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~24」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE67」が対応付けて規定されている。この「大当たりE67」は、ラウンド数が10ラウンドであり、時短カウンタ203hに対して「0」が設定され、且つ、確変フラグ203aacに対してオンが設定される種別の大当たりである。即ち、「大当たりA67」とラウンド数、大当たり終了後の遊技状態が共に同一となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE67」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が25個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE67」が選択される割合は25%である。この「大当たりE67」は、「大当たりA67」と同様に、ラウンド数の面でも大当たり終了後の遊技状態の面でも最も有利な大当たり種別である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「25~29」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりF67」が対応付けて規定されている。この「大当たりF67」は、ラウンド数が4ラウンドであり、時短カウンタ203hに対して「100」が設定され、且つ、確変フラグ203aacに対してオンが設定される種別の大当たりである。即ち、上述した「大当たりB67」と同一の有利度合いの大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりF67」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が5個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりF67」が選択される割合は5%である。
また、図1000(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「30~69」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりG67」が対応付けて規定されている。この「大当たりG67」は、ラウンド数が4ラウンドであり、時短カウンタ203hに対して「65535」が設定され、且つ、確変フラグ203aacに対してオンが設定される種別の大当たりである。即ち、上述した「大当たりC67」と同一の有利度合いの大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりG67」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が40個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりG67」が選択される割合は40%である。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「70~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりH67」が対応付けて規定されている。この「大当たりH67」は、ラウンド数が4ラウンドであり、時短カウンタ203hに対して「100」が設定され、且つ、確変フラグ203aacに対してオフが設定される種別の大当たりである。即ち、上述した「大当たりD67」と同一の有利度合いの大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりH67」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が30個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりH67」が選択される割合は30%である。
次に、図1000(b)を参照して、本第27制御例における変動パターンシナリオテーブル202baの詳細について説明する。この変動パターンシナリオテーブル202baは、特別図柄の抽選が実行された場合に、参照する変動パターンテーブルを特定するための変動パターンシナリオが規定されているデータテーブルである。この変動パターンシナリオテーブル202baは、大当たり終了時に参照され、大当たり種別に対応する変動パターンシナリオがこの変動パターンシナリオテーブル202baから読み出され、シナリオ格納エリア203bjに格納される。図1000(b)は、この変動パターンシナリオテーブル202baの規定内容を示した図である。図1000(b)に示した通り、この変動パターンシナリオテーブル202baは、前回の大当たり種別毎に、特別図柄の抽選回数と、選択する変動パターンテーブルの種別との対応関係(変動パターンシナリオ)が規定されている。
より具体的には、図1000(b)に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりA67,E67である場合に対して、変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数が100回以下の範囲で第2確変B用テーブル202b3(図999(b)参照)が参照され、特別図柄の抽選回数が101回以上の範囲で確変・時短・第2確変A用テーブル202b2(図999(a)参照)が参照されるシナリオが規定されている。よって、大当たりA67,E67の終了後は、特別図柄の抽選が100回実行されるまで、第2特別図柄の大当たりに当選したとしても、大当たり変動中に第1特別図柄の抽選を実行させることで先に第1特別図柄の小当たり図柄を停止表示させて第2特別図柄の大当たりを破棄することができるため、有利な第2確変状態を最低でも特別図柄の抽選が100回実行されるまで継続させることができる極めて有利な状態を形成する。なお、特別図柄の抽選回数が100回を超えた後においては、第2特別図柄の大当たりに当選した場合に当該大当たりを破棄することができないため、大当たりに当選するまで有利な第2確変状態が継続する比較的一般的な遊技性となる。
また、図1000(b)に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりB67,C67,F67,G67である場合に対して、変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数によらず確変・時短・第2確変A用テーブル202b2(図999(a)参照)が参照されるシナリオが規定されている。よって、大当たりB67,C67,F67,G67の終了後は、次に大当たりに当選するまで有利な遊技状態(確変状態、または第2確変状態A)が継続する遊技性となる。また、図1000(b)に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりD67,H67である場合に対して、変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数が100回以下の範囲で確変・時短・第2確変A用テーブル202b2(図999(a)参照)が参照され、特別図柄の抽選回数が101回以上の範囲で通常用テーブル202b1が参照されるシナリオが規定されている。よって、大当たりD67,H67の終了後の時短状態においては、特別図柄の抽選が100回終了するまでの範囲では右打ちにより第2特別図柄の変動が頻繁に実行されるが、101回目以降は第2特別図柄の抽選を実行させることが困難となる(第2特別図柄の変動時間が極端に長くなるため第2特別図柄の抽選結果が示され難くなる)遊技性となる。更に、図1000(b)に示した通り、パチンコ機10を初期化した後(RAMクリアスイッチ122を押下した状態で電源を投入した後)、初回の大当たりに当選するまでの間の変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数によらず、通常用テーブル202b1が参照されるシナリオが規定されている。このため、最初に大当たりに当選するまでは、第2特別図柄の抽選を実行させることが困難な状態に維持される。
なお、本第27制御例では、大当たり終了後の遊技状態が第2確変状態に設定される場合、必ず100回の特別図柄の抽選が実行されるまで第2確変B用テーブル202b3(図999(b)参照)を参照して変動パターンが選択されるシナリオが設定される構成としていたが、これに限られるものではなく、任意のシナリオを設定することができる。例えば、特別図柄の抽選が100回未満の第1回数(例えば、30回)の特別図柄の抽選が実行されるまで第2確変B用テーブル202b3(図999(b)参照)を参照して変動パターンが選択され、第1回数の特別図柄の抽選が実行された後は確変・時短・第2確変A用テーブル202b2(図999(a)参照)が参照される変動パターンシナリオに設定される大当たり種別や、特別図柄の抽選が100回よりも多い第2回数(例えば、200回)の特別図柄の抽選が実行されるまで第2確変B用テーブル202b3(図999(b)参照)を参照して変動パターンが選択され、第2回数の特別図柄の抽選が実行された後は確変・時短・第2確変A用テーブル202b2(図999(a)参照)が参照される変動パターンシナリオに設定される大当たり種別や、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数によらず確変・時短・第2確変A用テーブル202b2(図999(a)参照)が参照される変動パターンシナリオに設定される大当たり種別や、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が第3回数(例えば、50回)となるまでは確変・時短・第2確変A用テーブル202b2(図999(a)参照)が参照され、第3回数を超えてから第4回数(例えば、150回)となるまでは第2確変B用テーブル202b3(図999(b)参照)を参照して変動パターンが選択され、第4回数を超えた後は再び確変・時短・第2確変A用テーブル202b2(図999(a)参照)が参照される変動パターンシナリオに設定される大当たり種別等を設ける構成としてもよい。これらの種別を設けることで、より複雑なゲームフローを実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1001を参照して、本第27制御例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図1001は、本第27制御例におけるRAM203の構成を示すブロック図である。図1001に示した通り、本第27制御例におけるRAM203は、上述した第26制御例の第3変形例におけるRAM203の構成(図933参照)に対して、第2特別図柄実行エリア203b1に代えて第2特別図柄保留球格納エリア203b設けられている点、小当たりフラグ203aeCに代えて特図1小当たりフラグ203beおよび特図2小当たりフラグ203bfが設けられている点、小当たり中フラグ203ahCに代えて特図1小当たり中フラグ203bhおよび特図2小当たり中フラグ203biが設けられている点、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、大当たり開始フラグ203j、変動回数カウンタ203bb、シナリオ格納エリア203bjが追加されている点、および大当たり中フラグ203k、当選時状態格納エリア203adC、特図1仮停止フラグ203amCが削除されている点で相違している。
第2特別図柄保留球格納エリア203b、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、上述した第26制御例の第3変形例におけるパチンコ機10には搭載されていなかった第2特別図柄の保留記憶機能を本第27制御例において搭載したことに伴って追加したものであり、第1制御例における第2特別図柄保留球格納エリア203b、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eと全く同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。また、小当たりフラグ203aeCに代えて特図1小当たりフラグ203beおよび特図2小当たりフラグ203bfを設けている点、および小当たり中フラグ203ahCに代えて特図1小当たり中フラグ203bhおよび特図2小当たり中フラグ203biを設けている点については、小当たり変動および小当たり遊技が第1特別図柄の小当たりによるものであるか第2特別図柄の小当たりによるものであるかを識別可能にするためにフラグを分けて構成したに過ぎません。
また、変動回数カウンタ203bbは、大当たり終了後(若しくは初期化後)における特別図柄の変動回数(抽選回数)をカウントするためのカウンタである。この変動回数カウンタ203bbは、初期値が0に設定されており、特別図柄の抽選が実行される毎に値が1ずつ加算して更新される(図1007のS2901B参照)。特別図柄の抽選が実行されて抽選結果に応じた変動パターンを選択する際は、この変動回数カウンタ203bbとシナリオ格納エリア203bjに格納されている変動パターンシナリオとが参照されて、変動パターンを選択するために参照するテーブルを特定する(図1006のS2801B、図1012のS3504B参照)。また、シナリオ格納エリア203bjは、大当たり終了時に変動パターンシナリオテーブル202baから選択された1の変動パターンシナリオに対応するデータを格納しておくための記憶領域である。特別図柄の抽選が実行されて抽選結果に応じた変動パターンを選択する際は、このシナリオ格納エリア203bjに格納されている変動パターンシナリオと変動回数カウンタ203bbとが参照されて、変動パターンを選択するために参照するテーブルを特定する(図1006のS2801B、図1012のS3504B参照)。
次に、図1002(a)を参照して、本第27制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図1002(a)は、本第27制御例におけるROM222の構成を示すブロック図である。図1002(a)に示した通り、本第27制御例におけるROM222は、上述した第26制御例の第3変形例におけるROM222の構成(図934(a)参照)に対して、擬似演出テーブル202aaCが削除されている点でのみ相違している。次に、図1002(b)を参照して、本第27制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図1002(b)は、本第27制御例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図1002(b)に示した通り、本第27制御例におけるRAM223は、上述した第26制御例の第3変形例におけるRAM223の構成(図934(b)参照)に対して、第1特別図柄保留球数カウンタ223cに代えて特別図柄保留球数カウンタ223cが設けられている点、回避演出中フラグ223baが追加されている点、特図1変動開始フラグ223d1C、特図2変動開始フラグ223d2C、特図1停止種別選択フラグ223e1C、特図2停止種別選択フラグ223e2C、SW有効時間カウンタ223r、総称球数カウンタ223aa、特定賞球数カウンタ223ab、連チャンフラグ223ag、特図1変動時間カウンタ223aaC、特図2変動時間カウンタ223abC、残変動時間情報格納エリア223acC、残時間格納エリア223adC、小当たり賞球数カウンタ223aeC、擬似賞球数カウンタ223adC、電源断フラグ223yが削除されている点で相違している。
回避演出中フラグ223baは、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、当該大当たりを示すための大当たり変動中に実行される回避演出(図993(b)参照)の実行中であるか否かを示すためのフラグである。この回避演出中フラグ223baは、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にオンに設定される(図1019のS5856B参照)。
<第27制御例における主制御装置の制御処理について>
次いで、図1003から図1015を参照して、第27制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。本第27制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110にて実行される制御処理は、上述した第26制御例の第3変形例に対して、特別図柄変動処理(図937のS104A参照)に代えて特別図柄変動処理(図1003のS101B参照)を実行する点、および普通図柄変動処理(図47のS106参照)に代えて普通図柄変動処理(図1015のS102B)を実行する点でのみ相違する。その他の処理内容については上述した第26制御例の第3変形例と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
まず、図1003を参照して、本第27制御例における特別図柄変動処理(S101B)について説明する。この特別図柄変動処理(S101B)は、上述した第26制御例の第3変形例における特別図柄変動処理(図937参照)に代えて実行される処理である。図1003は、この特別図柄変動処理(S101B)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理(S101B)のうち、S2501A,S2504A,S2506A,S2509AおよびS2512Aの各処理では、それぞれ第26制御例の第3変形例における特別図柄変動処理(図937参照)のS2501A,S2504A,S2506A,S2509AおよびS2512Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における特別図柄変動処理(S101B)では、S2504Aの処理において、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S2504A:No)、第1特別図柄変動開始処理(S2504B)を実行し、処理をS2509Aへと移行する。この第1特別図柄変動開始処理(S2504B)は、上述した第26制御例の第3変形例における第1特別図柄変動開始処理(S2508A)とは処理内容が一部変更されている。より具体的には、本第27制御例における第1特別図柄変動開始処理(S2504B)は、上述した第26制御例の第3変形例における第1特別図柄変動開始処理(図938参照)に対して、第1特別図柄大当たり判定処理(2606A)に代えて第1特別図柄大当たり判定処理(S2611B)が実行される点、第1特別図柄変動パターン選択処理(S2607A)に代えて第1特別図柄変動パターン選択処理(S2612B)が実行される点、遊技状態更新処理(S2608A)に代えて遊技状態更新処理(S2613B)が実行される点で相違している。
図1003に戻って説明を続ける。S2504Aの処理において、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0より大きい値であると判別した場合には(S2504A:Yes)、特図1変動時間カウンタ203afCを減算して更新し(S2501B)、第1図柄表示装置の第1特別図柄の表示を更新して(S2502B)、更新後の特図1変動時間カウンタ203afCの値が0になったか否かを判別する(S2506A)。S2506Aの処理において、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0になったと判別した場合には(S2506A:Yes)、第1特別図柄変動停止処理を実行し(S2503B)、処理をS2509Aへと移行する。詳細については図1008を参照して後述するが、この第1特別図柄変動停止処理(S2503B)は、上述した第26制御例の第3変形例における第1特別図柄変動停止処理(S2507A)とは処理内容が一部変更されている。一方、S2506Aの処理において、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0ではないと判別した場合には(S2506A:No)、S2503Bの処理をスキップして、処理をS2509Aへと移行する。また、S2509Aの処理において、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0より大きい値ではないと判別した場合には(S2509A:No)、第2特別図柄変動開始処理を実行し(S2508B)、本処理を終了する。詳細については図1010を参照して後述するが、この第2特別図柄変動開始処理(S2508B)は、上述した第26制御例の第3変形例における第2特別図柄変動開始処理(S2513A)とは処理内容が一部変更されている。
一方、S2509Aの処理において、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0より大きい値(1以上の値)であると判別した場合には(S2509A:Yes)、特図2変動時間カウンタ203agCを減算して更新し(S2505B)、第1図柄表示装置の第2特別図柄の表示を更新して(S2506B)、更新後の特図2変動時間カウンタ203agCの値が0になったか否かを判別する(S2512A)。S2512Aの処理において、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0になったと判別した場合には(S2512A:Yes)、第2特別図柄変動停止処理を実行し(S2507B)、本処理を終了する。詳細については図1013を参照して後述するが、この第2特別図柄変動停止処理(S2507B)は、上述した第26制御例の第3変形例における第2特別図柄変動停止処理(S2510A)とは処理内容が一部変更されている。一方、S2512Aの処理において、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0ではないと判別した場合には(S2512A:No)、S2507Bの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次いで、図1004を参照して、本第27制御例における第1特別図柄変動開始処理(S2504B)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S2611B)について説明する。この第1特別図柄大当たり判定処理(S2611B)は、上述した第26制御例の第3変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(図939参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄大当たり判定処理(図939参照)と同様に、第1特別図柄の抽選(当否判定)を実行するための処理である。図1004は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S2611B)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄大当たり判定処理(S2611B)のうち、S2701A~S2704A,S2706A~S2710Aの各処理では、それぞれ第26制御例の第3変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(図939参照)のS2701A~S2704A,S2706A~S2710Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における第1特別図柄大当たり判定処理(図1004参照)では、第26制御例の第3変形例におけるS2705Aの処理が削除されているため、S2703AおよびS2704Aの処理を実行した後は、S2706Aの処理へと移行する。また、本第27制御例における第1特別図柄大当たり判定処理(図1004参照)では、S2706Aの処理において、今回の第1特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合は(S2706A:No)、特図1外れ変動処理を実行し(S2721B)、本処理を終了する。この特図1外れ変動処理(S2721B)の詳細について、図1005を参照して説明する。
図1005は本第27制御例における特図1外れ変動処理(S2721B)の内容を示すフローチャートである。この特図1外れ変動処理(S2721B)では、まず、第1特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S2751B)、抽選結果が小当たりであると判別した場合には(S2751B:Yes)、特図1小当たりフラグ203beをオンに設定する(S2752B)。次いで、第1特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S2753B)、第1図柄表示装置に表示する第1特別図柄の小当たり図柄をセットして(S2754B)、本処理を終了する。一方、S2751Bの処理において、第1特別図柄の抽選結果が小当たりではないと判別した場合には(S2751B:No)、第1図柄表示装置に表示する第1特別図柄の外れ図柄をセットし(S2755B)、本処理を終了する。
次に、図1006を参照して、本第27制御例における第1特別図柄変動開始処理(S2504B)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S2612B)の詳細について説明する。この第1特別図柄変動パターン選択処理(S2612B)は、上述した第26制御例の第3変形例における第1特別図柄変動パターン選択処理(図940参照)に代えて実行される処理であり、第26制御例の第3変形例における第1特別図柄変動パターン選択処理(図940参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果に応じて変動パターンを選択するための処理である。図1006はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S2612B)の内容を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動パターン選択処理(S2612B)のうち、S2801A~S2803AおよびS2806A~S2809Aの各処理では、それぞれ第26制御例の第3変形例における第1特別図柄変動パターン選択処理(図940参照)のS2801A~S2803AおよびS2806A~S2809Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理(S2612B)では、S2803Aの処理が終了すると、次いで、シナリオ格納エリア203bjに格納されているデータに対応する変動パターンシナリオから、変動回数カウンタ203bbの値に応じた変動パターンテーブルを特定し(S2801B)、特定したテーブルから抽選結果と変動種別カウンタCS1の値とに対応する変動パターンを選択し(S2802B)、処理をS2806Aへと移行する。
次いで、図1007を参照して、本第27制御例における第1特別図柄変動開始処理(S2504B)の一処理である遊技状態更新処理(S2613B)について説明する。図1007は、この遊技状態更新処理(S2613B)の内容を示したフローチャートである。この遊技状態更新処理(S2613B)のうち、S2901A~S2907Aの処理では、第26制御例の第3変形例における遊技状態更新処理(図941参照)のS2901A~S2907Aの処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における遊技状態更新処理(S2613B)では、まず、変動回数カウンタ203bbの値に1を加算し(S2901B)、処理をS2901Aへと移行する。本第27制御例では、遊技状態更新処理(S2613B)を実行する毎に変動回数カウンタ203bbを更新する構成としているので、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数を変動回数カウンタ203bbの値に一致させることができる。よって、変動パターンシナリオから特別図柄の抽選回数に応じた変動パターンテーブルを好適に特定することができる。
次いで、図1008を参照して、本第27制御例における特別図柄変動処理(図1003参照)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S2503B)について説明する。図1008は、この第1特別図柄変動停止処理(S2503B)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理(S2503B)のうち、S3101A~S3109Aの処理では、第26制御例の第3変形例における第1特別図柄変動停止処理(図943参照)のS3101A~S3109Aの処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における第1特別図柄変動停止処理(S2503B)では、S3101Aの処理において、第1特別図柄に対して特図1大当たりフラグ203abCがオンに設定されていないと判別した場合には(S3101A:No)、特図1外れ停止処理を実行し(S3101B)、処理をS3108Aへと移行する。一方、S3101Aの処理において、第1特別図柄に対して特図1大当たりフラグ203abCがオンに設定されていると判別した場合には(S3101A:Yes)、次いで、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0より大きい値であるかを判別し(S3102B)、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0より大きい値であると判別した場合には(S3102B:Yes)、S3102A~S3104Aの処理を実行し、特図2変動時間カウンタ203agCの値を0に設定し(S3103B)、処理をS3105Aへと移行する。これにより、第1特別図柄の大当たり図柄を停止させると同時に第2特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制停止させる(破棄する)ことができる。一方、S3102Bの処理において、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S3102B:No)、S3102A~S3104A,S3103Bの処理をスキップし、処理をS3105Aへと移行する。
次いで、図1009を参照して、上述した本第27制御例における第1特別図柄変動停止処理(図1008参照)の一処理である特図1外れ停止処理(S3101B)について説明する。図1009は、この特図1外れ停止処理(S3101B)の内容を示したフローチャートである。この特図1外れ停止処理(S3101B)では、まず、特図1小当たりフラグ203beがオンであるかを判別し(S3151B)、特図1小当たりフラグ203beがオンであると判別した場合には(S3151B:Yes)、次いで、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0より大きい値であるかを判別し(S3152B)、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0より大きい値であると判別した場合には(S3152B:Yes)、特図2変動停止フラグ203aiCをオンに設定する(S3153B)。そして、特図2変動停止フラグ203aiCのオンを示す特図2変動停止コマンドを設定し(S3154B)、第1図柄表示装置の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示し(S3155B)、特図2変動時間カウンタ203agCの値を0に設定して(S3156B)、処理をS3157Bへと移行する。これらのS3153B~S3156Bの各処理によって、第1特別図柄の小当たり図柄の停止タイミングで実行中の第2特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制停止(破棄)することができる。一方、S3152Bの処理において、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0より大きい値ではないと判別した場合には(S3152B:No)、S3153B~S3156Bの処理をスキップし、処理をS3157Bへと移行する。
S3157Bの処理では、小当たりシナリオを設定し(S3157B)、次いで、特図1小当たりフラグ203beをオフに設定し(S3158B)、特図1小当たり中フラグ203bhをオンに設定し(S3159B)、本処理を終了する。これらのS3157B~S3159Bの各処理によって、小当たり遊技の実行を設定することができる。一方、S3151Bの処理において、特図1小当たりフラグ203beがオンではない(即ち、オフある)と判別した場合には(S3151B:No)、今回の第1特別図柄の抽選結果が外れであることを意味するため、そのまま本処理を終了する。
次いで、図1010を参照して、本第27制御例における特別図柄変動処理(図1003参照)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S2508B)について説明する。図1010は、この第2特別図柄変動開始処理(S2508B)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動開始処理(S2508B)のうち、S3201AおよびS3202Aの処理では、第26制御例の第3変形例における第2特別図柄変動開始処理(図944参照)のS3201AおよびS3202Aの処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における第2特別図柄変動開始処理(S2508B)では、S3201Aの処理において、特図2変動停止フラグ203aiCがオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別した場合には(S3201A:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(S3201B)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きい値であるかを判別し(S3202B)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S3202B:No)、第2特別図柄の保留球が存在しないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、S3202Bの処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きい値であると判別した場合には(S3202B:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算して(S3203B)、減算後の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(S3204B)。S3204Bの処理が終了すると、次に、第2特別図柄保留球格納エリア203bのデータを一つ前のデータにシフトする(S3205B)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S3205Bの処理が終了すると、次いで、第2特別図柄大当たり判定処理を実行する(S3206B)。この第2特別図柄大当たり判定処理(S3206B)は、上述した第26制御例の第3変形例における第2特別図柄大当たり判定処理(S3205A)に代えて実行される処理である。この第2特別図柄大当たり判定処理(S3206B)の詳細については、図1011を参照して後述する。S3206Bの処理が終了すると、次に、第2特別図柄変動パターン選択処理を実行する(S3207B)。この第2特別図柄変動パターン選択処理(S3207B)は、上述した第26制御例の第3変形例における第2特別図柄変動パターン選択処理(図947参照)に代えて実行される処理である。この第2特別図柄変動パターン選択処理(S3207B)の詳細については、図1012を参照して後述する。S3207Bの処理が終了すると、次いで、遊技状態更新処理を実行し(S3208B)、本処理を終了する。この遊技状態更新処理(S3208B)は、第1特別図柄変動開始処理(S2504B)の中で実行される遊技状態更新処理(S2613B)と全く同一の処理である。遊技状態更新処理(S2613B)の詳細については、図1007を参照して既に説明したため、ここではその詳細な説明については省略する。
次に、図1011を参照して、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(S3206B)の詳細について説明する。この第2特別図柄大当たり判定処理(S3206B)は、上述した第26制御例の第3変形例における第2特別図柄大当たり判定処理(図945参照)と同様に、第2特別図柄の抽選(当否判定)を実行するための処理である。図1011はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S3206B)を示すフローチャートである。この第2特別図柄大当たり判定処理(S3206B)のうち、S3302A~S3304A,S3306A~S3311Aの各処理では、それぞれ第26制御例の第3変形例における第2特別図柄大当たり判定処理(図945参照)のS3302A~S3304A,S3306A~S3311Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における第2特別図柄大当たり判定処理(図1011参照)では、まず、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアのデータを取得して(S3301B)、処理をS3302Aへと移行する。更に、本第27制御例における第2特別図柄大当たり判定処理(図1011参照)では、第26制御例の第3変形例におけるS3305Aの処理が削除されているため、S3303AおよびS3304Aの処理を実行した後は、S3306Aの処理へと移行する。
次に、図1012を参照して、上述した第2特別図柄変動パターン選択処理(S3207B)の詳細について説明する。この第2特別図柄変動パターン選択処理(S3207B)は、上述した第26制御例の第3変形例における第2特別図柄変動パターン選択処理(図947参照)と同様に、第2特別図柄の抽選結果に応じて変動パターンを選択するための処理である。図1012はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S3207B)を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動パターン選択処理(S3207B)のうち、S3506AおよびS3208A~S3510Aの処理では、第26制御例の第3変形例における第2特別図柄変動パターン選択処理(図947参照)のS3506AおよびS3208A~S3510Aの処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理(S3207B)では、特図2抽選結果が大当たりであるかを判別し(S3501B)、特図2抽選結果が大当たりであると判別した場合には(S3501B:Yes)、第1当たり種別選択テーブル202d(図1000(a)参照)を参照して大当たり種別を決定し(S3502B)、処理をS3503Bへと移行する。一方、S3501Bの処理において、特図2抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S3501B:No)、S3502Bの処理をスキップし、S3503Bの処理へと移行する。
S3503Bの処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得し(S3503B)、シナリオ格納エリア203bjに格納されているデータに対応する変動パターンシナリオから変動回数カウンタ203bbの値に応じた変動パターンテーブルを特定し(S3504B)、特定したテーブルから抽選結果と変動種別カウンタCS1の値とに対応する変動パターンを選択する(S3505B)。S3505Bの処理が終了すると、処理をS3506Aへと移行する。
次に、図1013を参照して、本第27制御例における特別図柄変動処理(図1003のS101B)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S2507B)の詳細について説明をする。この第2特別図柄変動停止処理(S2507B)は、上述した第26制御例の第3変形例における第2特別図柄変動停止処理(図950参照)と同様に、第2特別図柄の変動時間が経過した場合に図柄停止を設定するための処理である。図1013は、第2特別図柄変動停止処理(S2507B)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理(S2507B)のうち、S3801A,S3804A~S3807A,S3809AおよびS3810Aの処理では、第26制御例の第3変形例における第2特別図柄変動停止処理(図950参照)のS3801A,S3804A~S3807A,S3809AおよびS3810Aの処理と同一の処理が実行される。
また、本第27制御例における第2特別図柄変動停止処理(図1013参照)では、S3801Aの処理において、特図2大当たりフラグ203acCがオンに設定されていない(即ち、オフに設定されている)と判別した場合には(S3801A:No)、特図2外れ停止処理を実行し(S3801B)、処理をS3809Aへと移行する。これに対して、S3801Aの処理において、特図2大当たりフラグ203acCがオンに設定されていると判別した場合には(S3801A:Yes)、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0より大きい値であるかを判別し(S3802B)、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0より大きい値であると判別した場合には(S3802B:Yes)、第1特別図柄の変動表示中であることを意味するため、S3804Aの処理を実行し、特図1変動時間カウンタ203afCの値を0に設定し(S3803B)、処理をS3805Aへと移行する。これらのS3804A,S3803Bの処理を実行することにより、第2特別図柄の大当たり図柄の停止タイミングで実行中の第1特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制停止(破棄)することができる。一方、S3802Bの処理において、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0より大きい値ではないと判別した場合には(S3802B:No)、S3804AおよびS3803Bの処理をスキップし、処理をS3805Aへと移行する。
次に、図1014を参照して、本第27制御例における第2特別図柄変動停止処理(図1013参照)の一処理である特図2外れ停止処理(S3801B)について説明する。この特図2外れ停止処理(S3801B)は、上述した第26制御例の第3変形例における特図2外れ停止処理(図951参照)と同様に、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が大当たり以外(小当たり、完全外れ)である場合において、その抽選結果を示す第2特別図柄を停止表示させるための処理である。図1014は、この特図2外れ停止処理(S3801B)を示すフローチャートである。
特図2外れ停止処理(S3801B)では、まず、特図2小当たりフラグ203bfがオンに設定されているか判別する(S3901B)。特図2小当たりフラグ203bfがオンに設定されていると判別した場合には(S3901B:Yes)、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0より大きい値であるかを判別し(S3902B)、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0より大きい値であると判別した場合には(S3902B:Yes)、第1特別図柄の変動表示中であることを意味するので、まず、第1図柄表示装置の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示する(S3903B)。次いで、特図1変動時間カウンタ203afCの値を0に設定し(S3904B)、処理をS3905Bへと移行する。これらのS3903B,S3904Bの処理により、第2特別図柄の小当たり図柄の停止タイミングで、実行中の第1特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制停止(破棄)することができる。一方、S3902Bの処理において、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0より大きい値ではないと判別した場合には(S3902B:No)、S3903BおよびS3904Bの処理をスキップし、処理をS3905Bへと移行する。S3905Bの処理では、小当たりシナリオを設定し(S3905B)、特図2小当たりフラグ203bfをオフに設定し(S3906B)、特図2小当たり中フラグ203biをオンに設定し(S3907B)、本処理を終了する。一方、S3901Bの処理において、特図2小当たりフラグ203bfがオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別した場合には(S3901B:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図1015を参照して、本第27制御例における普通図柄変動処理(S102B)について説明する。この普通図柄変動処理(S102B)は、上述した第26制御例の第3変形例(および第1制御例)における普通図柄変動処理(図47参照)に代えて実行される処理であり、第26制御例の第3変形例(および第1制御例)における普通図柄変動処理(図47参照)と同様に、普通図柄の抽選処理、および普通図柄の当たり時における電動役物640aの開閉動作の制御処理を実行するための処理である。図1015は、この普通図柄変動処理(S102B)の内容を示したフローチャートである。
この普通図柄変動処理(S102B)のうち、S801~S814,S817~S820およびS822の各処理では、それぞれ第26制御例の第3変形例(および第1制御例)における普通図柄変動処理(図47参照)のS801~S814,S817~S820およびS822の各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における普通図柄変動処理(S102B)では、S814の処理において、現在の遊技状態が普通図柄の時短状態(高確率状態)であると判別した場合は(S814:Yes)、普通図柄の変動時間を0.1秒に設定し(S801B)、本処理を終了する。一方、S814の処理において、現在の遊技状態が普通図柄の時短状態(高確率状態)ではない(即ち、普通図柄の通常状態である)と判別した場合は(S814:No)、普通図柄の変動時間を3秒に設定し(S802B)、本処理を終了する。また、本第27制御例における普通図柄変動処理(図1015参照)では、S820の処理において、現在の遊技状態が普通図柄の時短状態(高確率状態)であると判別した場合に(S820:Yes)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間および回数が2秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(S804B)、処理をS822の処理へ移行する。一方、S820の処理で普通図柄の時短状態(高確率状態)ではない(即ち、普通図柄の通常状態である)と判別した場合は(S820:No)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間および開放回数が0.1秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(S803B)、S822の処理へ移行する。これらの処理により、普通図柄の時短状態において右打ちを行い続けた場合、電動役物640aが0.1秒間の閉鎖状態と2秒間の開放状態とを繰り返す挙動となり、右打ちにより発射された遊技球がほぼ第2入球口640へと入球する動作となる(第2入球口640よりも下流の可変入賞装置165へと遊技球が到達することがない動作となる)一方で、普通図柄の通常状態において右打ちを行い続けた場合、電動役物640aが3秒間の閉鎖状態と0.1秒間の開放状態とを繰り返す挙動となるため、右打ちにより発射された遊技球の約半数が第2入球口640へと入球し、約半数が可変入賞装置165へと到達するようになる。よって、普通図柄の通常状態に設定される第2確変状態において、頻繁に可変入賞装置165の特定入賞口165aへと遊技球が入球する極めて有利な遊技状態を形成することができる。
<第27制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1016から図1019を参照して、本第27制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本第27制御例では、上述した第26制御例の第3変形例に対して、コマンド判定処理(図955のS4152A参照)に代えてコマンド判定処理(図1016のS4101B参照)を実行する点、コマンド判定処理(図955参照)の1処理である状態コマンド受信処理(S4273A)に代えて状態コマンド受信処理(図1017(a)のS4201B参照)を実行する点、コマンド判定処理(図955参照)内の当たり関連処理(S4282A)の1処理である大当たり関連処理(S5302A)に代えて大当たり関連処理(図1017(b)参照)を実行する点、変動表示設定処理(図964参照)の1処理である特図1用変動表示設定処理(S5704A)に代えて特図1用変動表示設定処理(図1018参照)を実行する点、変動表示設定処理(図964参照)の1処理である特図2用変動表示設定処理(S5709A)に代えて特図2用変動表示設定処理(図1019参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
まず、図1016を参照して、本第27制御例におけるコマンド判定処理(S4101B)の詳細について説明をする。このコマンド判定処理(S4101B)は、上述した第26制御例の第3変形例におけるコマンド判定処理(図955参照)と同様に、主制御装置110から受信した各種コマンドに応じた制御を実行するための処理である。図1016は、本第27制御例におけるコマンド判定処理(S4101B)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4101B)のうち、S4201,S4209~S4211,S4219,S4271A,S4272A,S4274A~S4279A,S4280A~S4282A,S4285AおよびS4286Aの各処理では、それぞれ第26制御例の第3変形例におけるコマンド判定処理(図955参照)のS4201,S4209~S4211,S4219,S4271A,S4272A,S4274A~S4279A,S4280A~S4282A,S4285AおよびS4286Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例におけるコマンド判定処理(S4101B)では、S4201の処理において、主制御装置110より状態コマンドを受信したと判別した場合に(S4201:Yes)、状態コマンド受信処理を実行し(S4201B)、本処理を終了する。詳細については図1017を参照して後述するが、この状態コマンド受信処理(S4201B)は、上述した第26制御例の第3変形例における状態コマンド受信処理(S4273A)に代えて実行される処理であり、第26制御例の第3変形例における状態コマンド受信処理(S4273A)と同様に、主制御装置110から状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた制御を行うための処理である。
次に、図1017(a)を参照して、上述した状態コマンド受信処理(S4201B)の詳細について説明する。図1017(a)は、この状態コマンド受信処理(S4201B)を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理(S4201B)は、上述した通り、第26制御例の第3変形例における状態コマンド受信処理(S4273A)に代えて実行される処理である。この状態コマンド受信処理(S4201B)のうち、S5205AおよびS5206Aの処理では、それぞれ上述した第26制御例の第3変形例における状態コマンド受信処理(図957参照)のS5205AおよびS5206Aの処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における状態コマンド受信処理(S4201B)では、まず、遊技状態に変更があるか否かを判別し(S4301B)、遊技状態に変更があると判別した場合には(S4301B:Yes)、状態コマンドにより通知された遊技状態に対応する演出モードを示す表示用コマンドを設定し(S4302B)、処理をS5205Aへと移行する。一方で、S4301Bの処理において、遊技状態に変更がないと判別した場合には(S4301B:No)、処理をS5206Aへと移行する。
次に、図1017(b)を参照して、本第27制御例における当たり関連処理(図1016のS4282A)にて実行される大当たり関連処理(S5301B)の処理内容について説明をする。この大当たり関連処置(S5301B)は、上述した第26制御例の第3変形例における大当たり関連処理(図959参照)に代えて実行される処理であり、第26制御例の第3変形例における大当たり関連処理(図959参照)と同様に、主制御装置110から大当たりに関連する各種コマンドを受信した場合に、コマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。図1017(b)は、この大当たり関連処理(S5301B)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり関連処理(S5301B)のうち、S5401AおよびS5403A~S5405Aの各処理では、それぞれ上述した第26制御例の第3変形例における大当たり関連処理(図959参照)のS5401AおよびS5403A~S5405Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における大当たり関連処理(S5301B)では、S5401Aの処理において、今回の当たり関連のコマンドが、大当たり開始コマンドであると判別した場合に(S5401A:Yes)、今回の大当たり種別に対応するオープニング演出を示す表示用オープニングコマンドを設定し(S5401B)、本処理を終了する。また、本第27制御例における大当たり関連処理(S5301B)では、S5405Aの処理において、主制御装置110からエンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S5405A:Yes)、今回の大当たり種別に対応するエンディング演出を示す表示用エンディングコマンドを設定し(S5402B)、本処理を終了する。一方、S5405Aの処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合には(S5405A:No)、本処理を終了する。
次に、図1018を参照して、本第27制御例における変動表示設定処理(図964のS4113A)の一処理である特図1用変動表示設定処理(S5701B)について説明する。この特図1用変動表示設定処理(S5701B)は、上述した第26制御例の第3変形例における特図1用変動表示設定処理(図965参照)に代えて実行される処理であり、第26制御例の第3変形例における特図1用変動表示設定処理(図965参照)と同様に、第2確変状態における第1特別図柄の変動表示態様を設定するための処理である。図1018は、この特図1用変動表示設定処理(S5701B)の内容を示したフローチャートである。
この特図1用変動表示設定処理(S5701B)では、まず、回避演出中フラグ223baがオンであるかを判別し(S5801B)、回避演出中フラグ223baがオンであると判別した場合には(S5801B:Yes)、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の大当たり変動中に第1特別図柄の変動表示が開始されることを意味するため、まず、抽選結果が大当たりであるかを判別する(S5802B)。S5802Bの処理において、抽選結果が大当たりであると判別した場合には(S5802B:Yes)、第2特別図柄の大当たり変動中に第1特別図柄の抽選でも大当たりとなってしまい、大当たりを回避することが不可能になってしまったことを意味するため、変動表示態様として回避失敗演出を伴う演出態様を決定し(S5803B)、処理をS5810Bへと移行する。一方、S5802Bの処理において、抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S5802B:No)、抽選結果が小当たりであることを意味し、実行中の第2特別図柄の大当たり変動を第1特別図柄の小当たり図柄の停止表示によって外れ図柄で強制停止(破棄)することが確定すること(大当たり遊技の実行を回避して有利度合いが高い第2確変状態を継続させることができること)を意味するため、変動表示態様として回避成功演出を伴う演出態様を決定し(S5804B)、処理をS5810Bへと移行する。
一方、S5801Bの処理において、回避演出中フラグ223baがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5801B:No)、通知された変動パターンに対応する小領域における変動表示態様を決定し(S5805B)、現在が第2特別図柄の変動表示中であるかを判別する(S5806B)。S5806Bの処理において、現在が第2特別図柄の変動表示中ではないと判別した場合には(S5806B:No)、第2特別図柄の変動表示における残変動時間が今回開始させる第1特別図柄の変動時間よりも長い時間であるかを判別し(S5807B)、第2特別図柄の変動表示における残変動時間が第1特別図柄の変動時間よりも長い時間であると判別した場合には(S5807B:Yes)、今回の抽選結果が外れであるかを判別する(S5808B)。S5808Bの処理において、今回の抽選結果が外れではないと判別した場合には(S5808B:No)、実行中の第2特別図柄の変動表示態様を、今回の第1特別図柄の抽選結果を示すための変動表示態様に書き替えて(S5809B)、処理をS5810Bへと移行する。一方、S5808Bの処理において、今回の第1特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合は(S5808B:Yes)、S5809Bの処理をスキップして、処理をS5810Bへと移行する。また、S5806Bの処理において、現在が特図2変動中であると判別した場合(S5006B:Yes)、およびS5807Bの特図2変動の残変動時間が特図1変動の変動時間よりも長い時間ではないと判別した場合は(S5807B:No)、処理をS5010Bへと移行する。S5810Bの処理では、決定した変動表示態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5810B)、本処理を終了する。
次に、図1019を参照して、本第27制御例における変動表示設定処理(図964のS4113A)の一処理である特図2用変動表示設定処理(S5702B)について説明する。この特図2用変動表示設定処理(S5702B)は、上述した第26制御例の第3変形例における特図2用変動表示設定処理(図966参照)に代えて実行される処理であり、第26制御例の第3変形例における特図2用変動表示設定処理(図966参照)と同様に、第2特別図柄の変動表示態様を設定するための処理である。図1019は、この特図2用変動表示設定処理(S5702B)の内容を示したフローチャートである。この特図2用変動表示設定処理(S5702B)では、まず、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(S5851B)、現在の遊技状態が通常状態であると判別した場合には(S5851B:Yes)、通知された変動パターンに対応する小領域における変動表示態様を決定し(S5852B)、処理をS5858Bへと移行する。つまり、通常状態において主として実行される第1特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示演出を妨げないように、比較的小さい表示領域にて第2特別図柄の変動表示演出の実行を設定する。一方、S5851Bの処理において、現在の遊技状態が通常状態ではないと判別した場合には(S5851B:No)、次いで、現在の遊技状態が第2確変状態Bであるかを判別し(S5853B)、現在の遊技状態が第2確変状態Bであると判別した場合には(S5853B:Yes)、抽選結果が大当たりであるかを判別し(S5854B)、抽選結果が大当たりであると判別した場合には(S5854B:Yes)、回避演出を伴う変動表示態様を設定し(S5855B)、回避演出中フラグ223baをオンに設定して(S5856B)、処理をS5858Bへと移行する。一方、S5853Bの処理において、現在の遊技状態が第2確変状態Bではないと判別した場合(S5853B:No)、または、S5854Bの処理において、抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S5854B:No)、通知された変動パターンに対応する変動表示態様を従変動パターン選択テーブル222aを参照して決定し(S5857B)、処理をS5858Bへと移行する。S5858Bの処理では、決定した変動表示態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5858B)、本処理を終了する。
以上説明した通り、本第27制御例におけるパチンコ機10では、第1の判別条件(第1特別図柄の始動条件)よりも第2の判別条件(第2特別図柄の始動条件)が成立し易い遊技状態であって遊技者が所定の特典(賞球)を獲得し易い遊技状態である第1遊技状態(小当たりRUSH状態を形成する第2確変状態)における所定の遊技回(第2特別図柄の大当たりに対応する遊技回)で第1の判別条件が成立し得る所定の遊技方法(左打ち遊技)で遊技を行った場合に、第1遊技状態に設定された後における判別(特別図柄の抽選)の回数が特定回数(例えば、100回)以下の状況下で特定の判別結果(大当たり)になったとしても、第1遊技状態に設定されてから少なくとも特定回数の判別が実行されるまでは、第1遊技状態よりも所定の特典を獲得し難くなる第2遊技状態(確変状態、時短状態、および通常状態のいずれか)の設定条件が成立しない構成としている。より具体的には、第2確変状態(第1遊技状態)に設定された後における特別図柄の抽選回数(判別の回数)が特定回数(例えば、100回)以下の範囲において第2特別図柄の抽選で大当たりになった(特定の判別結果になった)としても、当該大当たり抽選結果に基づく大当たり遊技の実行を回避することが可能に構成することで、特別図柄の抽選で大当たりになったとしても、第2確変状態が開始されてから少なくとも特定回数の特別図柄の抽選が実行されるまで継続させることが可能な遊技状態(設定された後で少なくとも規定回数以上の抽選が実行されるまで不利遊技状態に移行しない遊技状態)として構成している。即ち、特定回数以下の抽選回数の範囲内で第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、その大当たり当選に基づく大当たり変動の変動時間を第1特別図柄の小当たり変動の変動時間よりも十分長くすることで、大当たり変動中に第1特別図柄の抽選を実行させて小当たりとなることにより、先に第1特別図柄の小当たり図柄を停止表示させて第2特別図柄の大当たり変動を強制的に外れ図柄で停止表示させることが可能に構成した。このように構成することで、遊技者に有利な第2確変状態(第1遊技状態)を、特別図柄の抽選で大当たりに当選するか否かにかかわらず、特定回数の特別図柄の抽選が実行されるまで継続させることができるので、第2確変状態における特典(小当たり当選に基づく賞球)を安定的に遊技者に対して付与することができる。よって、第2確変状態においてほとんど賞球を得ることなく大当たり当選して第2確変状態が即座に終了されてしまうという、遊技者にとって望ましくない事象が発生することを確実に防止(抑制)することができるので、第2確変状態に移行した場合に、遊技者に対してより大きな喜びや満足感を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。ここで、パチンコ機等の遊技機において、大当たりに当選しなくても賞球が頻繁に払い出され易くなる極めて有利な遊技状態を設けているものがある。具体的には例えば、抽選結果として、大当たりでないにもかかわらず大入賞口が開放される小当たり抽選結果を設ける構成とし、有利な遊技状態においては小当たりに頻繁に当選することで大入賞口が頻繁に入球可能状態に設定される結果、大入賞口へと遊技球が頻繁に入球して入球に応じた賞球も頻繁に払い出され続ける極めて有利な遊技状態を形成するように制御可能なものが知られている。係る従来型の遊技機では、有利な遊技状態において大当たりに当選しないほど(即ち、小当たり若しくは完全外れのどちらかとなり続けるほど)小当たりに基づく賞球をより多く獲得し易くなるため、大当たりに当選しないことを強く期待させる斬新な遊技性を実現でき、遊技者の遊技に対する興趣向上を図っていた。しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利な遊技状態において大当たりに当選すると、大当たり終了後の遊技状態として比較的有利度合いが低い遊技状態が設定されてしまう可能性があるため、有利な遊技状態に移行してから大当たりに当選するまでの抽選回数が少ないほど、遊技者に対してより大きな失望感を抱かせてしまうという問題点があった。これに対して第27制御例におけるパチンコ機10では、有利な第2確変状態(第1遊技状態)が設定された後、特定回数の特別図柄の抽選(判別)が実行されるまでは、たとえ大当たり(特定の判別結果)になったとしても、大当たり遊技(特典遊技)が実行されることを回避することができ、第2確変状態を継続させることが可能に構成しているので、第2確変状態が設定された後、特定回数の特別図柄の抽選が実行されるまでの間、他の遊技状態に移行してしまう不安感を遊技者が抱くことなく、安心して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第27制御例におけるパチンコ機10では、遊技者に有利な第1遊技状態(第2確変状態)において、遊技方法に応じて第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態(確変状態、時短状態、および通常状態のいずれか)に設定されるまでの期間の長さを異ならせることが可能に構成している。即ち、有利な第2確変状態が開始された後において、右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させつつ、第2特別図柄の大当たり変動が開始された後のみ左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させる第1の遊技方法で遊技を行い続ける方が、第2確変状態の間継続して右打ちを行い続ける第2の遊技方法で遊技を行い続けるよりも、第2確変状態が終了されるまでの期間が長くなり易くなるように構成している。これにより、遊技方法に応じて有利な第2確変状態の継続期間を異ならせることができる。言い換えれば、大当たりに当選するまでの期間を遊技方法に応じて異ならせることができるので、有利な第2確変状態の継続期間は短くなるが、有利な大当たり遊技が早期に実行され易くなる遊技性と、有利な第2確変状態の継続期間が長くなるが、大当たり遊技が実行されるまでの期間が長くなり易くなる遊技性と、を遊技者の遊技方法に応じて異ならせることができる。つまり、遊技方法を選択することで遊技者自身に遊技性を選択させることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技状態に応じて有利度合いが高くなる遊技方法(発射方向)を異ならせ、遊技にメリハリをつけることで興趣向上を図っているものが広く一般的に知られている。しかしながら、係る従来型の遊技機では、遊技状態が変われば遊技方法を変えることができるものの、同一の遊技状態が継続している間は、遊技方法が固定化されてしまうため、同一の遊技状態が長く継続している場合に、遊技が単調となってしまう虞がある。これに対して本第27制御例では、第2確変状態(第1遊技状態)において、第1特別図柄の抽選が実行され得る第1の遊技方法で遊技を行うか、第1の遊技方法よりも第1特別図柄の抽選が実行され難くなる第2の遊技方法で遊技を行うかに応じて、第2確変状態が早期に終了し易いが大当たり遊技が実行されるまでの期間も短くなり易い遊技性と、第2確変状態が長く継続し易いが大当たり遊技が実行されるまでの期間が長くなり易い遊技性と、を切り替えることができるので、第2確変状態の継続中において、遊技者に対して遊技方法を選択することで遊技性をも選択させる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
更に、本第27制御例におけるパチンコ機10では、第1判別手段の判別(第1特別図柄の抽選)よりも第2判別手段の判別(第2特別図柄の抽選)を実行させ易くするための特定制御(第2特別図柄の変動時間を短くする制御)が少なくとも実行される第1遊技状態(右打ちすることで第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される第2確変状態)において予め定められた特定条件が成立したこと(第2特別図柄の大当たり変動が開始されたこと)に基づいて、第1判別手段の判別が実行され易くなる第1方向へと遊技球を発射すること(左打ちを行うこと)を遊技者に対して促す演出態様を少なくとも含む特定演出(第1特別図柄の抽選を実行させることで第2特別図柄の大当たり遊技の実行を回避できることを示す回避演出)を、特定制御が実行されている状況下(右打ちを行った方が特別図柄の抽選が実行され易い第2確変状態が継続している状況下)で実行する構成としている。より具体的には、右打ちにより発射された遊技球が第2入球口640にも可変入賞装置165にも到達し得る制御である普通図柄の通常状態(低確率状態)の制御と、第2特別図柄の変動時間を通常状態よりも短くする制御との両方(特定制御)が実行されることにより、頻繁に第2特別図柄の抽選および小当たり遊技が実行されて特定入賞口165aへの入賞に基づく賞球も頻繁に払い出される第2確変状態(第1遊技状態)において、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、当該大当たりに基づく第2特別図柄の大当たり変動の実行中の変動表示演出として、左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させることを促す回避演出(特定演出)を、右打ちにより第2特別図柄の抽選が実行され易い制御が実行されている状況下にもかかわらず実行する構成としている。即ち、所定方向(左方向)へと発射した場合に始動入賞が発生し難くなる制御が実行されているにもかかわらず所定方向への発射を促す演出(回避演出)を実行する構成としている。この回避演出の演出内容に従って左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させた場合、高確率(24/25)で小当たりとなる上に、小当たりとなった場合には第2特別図柄の大当たり変動よりも先に第1特別図柄の小当たり変動が終了されて小当たり図柄が停止表示されるため、当該小当たり図柄の停止表示時に実行中だった第2特別図柄の大当たり変動を外れ図柄で強制停止させることができ、第2特別図柄の大当たり遊技の実行を回避することができるため、右打ちを行い続けることで発射された遊技球の数を上回る数の賞球が払い出され続ける極めて有利な第2確変状態を、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった後も継続させることができる。よって、回避演出の演出内容に逆らって右打ちを行い続けた場合よりも、回避演出の演出内容に従って左打ちを行った方が有利度合いが高くなり易いので、設定されている遊技状態に対応する遊技方法(遊技球の発射方向)とは異なる発射方向への発射を促す斬新な演出態様を実現することができる上に、当該回避演出の演出内容に従った方が、設定されている遊技状態に対応する遊技方法で遊技を行うよりも有利度合いが高くなり易くなるという極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第27制御例では、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり種別(大当たり図柄)によらず、左打ちによって大当たり遊技の実行を回避することを促す回避演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり終了後の遊技状態が再度最も有利な第2確変状態に設定される種別の大当たりに当選していた場合は、回避演出を実行せずに大当たり遊技を実行させても良い。このように構成することで、第2確変状態が確実に終了する(大当たり終了後の遊技状態が第2確変状態以外の遊技状態に設定される)場合にのみ、大当たり遊技の実行を回避させ、第2確変状態が設定される大当たりである場合は、大当たり遊技を実行させて大当たりによる賞球も獲得することができるので、出球効率を高めることができる。また、大当たり遊技が実行されることで、第2確変状態Bが再セットされる(特定回数がリセットされる)ので、第2確変状態Bに滞在している期間をより長くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、第2確変状態Bにおいて大当たりに当選した場合に、左打ちを行って大当たり遊技の実行を回避するか、大当たり遊技の実行を回避せずにそのまま大当たり遊技を実行させるかの選択を遊技者に対して促す内容の演出を実行する構成としてもよい。即ち、遊技者に対して第2確変状態が設定される大当たりであるか否かを推測して、第2確変状態が設定されない(時短状態や確変状態に設定される)大当たりであると推測した場合には、左打ちを行って大当たり変動を外れ図柄で強制停止させる遊技方法で遊技を行う一方で、第2確変状態が設定される大当たりであると推測した場合は、大当たり図柄の停止まで左打ちを行わずに大当たり遊技を実行させる遊技方法で遊技を行う遊技性としてもよい。このように構成することで、遊技者の選択した遊技方法に応じて有利度合いが大きく異なる可能性がある斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、この場合において、大当たり遊技を実行させた場合に第2遊技状態が設定されるか否かによって、演出態様を異ならせてもよい。具体的には、第1演出態様と、第1演出態様よりも左打ちを行う遊技方法を選択することを相対的に強く促す演出態様で構成される第2演出態様と、を設ける構成とし、第2確変状態が設定されない場合よりも、第2確変状態が設定される場合の方が第2演出態様が選択され易くなるように構成しても良い。このように構成することで、演出内容も加味して左打ちによって大当たり変動を外れ図柄で破棄するか否かを選択させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第27制御例では、状態によらず、第1特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりに当選する可能性がある(特別図柄の高確率状態で1/25、低確率状態で1/250)構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第2特別図柄の大当たり変動中は第1特別図柄の抽選で大当たりとならないように構成してもよい。より具体的には、第2特別図柄の大当たり変動中は、大当たりか否かの抽選を実行せずに、外れか小当たりかの抽選のみを実行する構成としてもよい。または、第2特別図柄の大当たり変動中に第1特別図柄の抽選が実行された場合に、必ず小当たりとなるように構成してもよい。このように構成することで、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、第1特別図柄の抽選を実行させても大当たりとなる可能性が無いため、より確実に、第2特別図柄の大当たり変動を外れ図柄で強制停止させることができる。従って、第2確変状態における有利度合いをより向上させることができるので、第2確変状態へと移行した場合に遊技者に対してより大きな喜びや満足感を抱かせることができる。
本第27制御例では、有利な遊技状態のうち、第2確変状態Bにおいてのみ、第2特別図柄の大当たり変動よりも第1特別図柄の小当たり変動の方が短くなる変動パターンテーブル(第2確変B用テーブル202b3)を参照して変動パターンを選択する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態においても、第2特別図柄の大当たり変動よりも第1特別図柄の小当たり変動の方が短くなる変動パターンを選択する構成としてもよい。このように構成した場合、特に、時短回数が100回の確変状態において、時短回数を経過させて第2確変状態へと移行させることが容易となるため、遊技者に対して、大当たりに当選したとしても特別図柄の抽選が100回実行されて第2確変状態へと移行するまでは第2特別図柄の大当たりを回避し続けて第2確変状態へと移行させるか、確変状態において大当たりに当選した場合に、そのまま大当たり遊技を実行させることで無駄球を減らすかを選択させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。更に、時短回数が65535回の確変状態においても同一の変動パターンテーブルを参照すると共に、演出態様から時短回数が100回の確変状態であるか65535回の確変状態であるかを区別困難に構成することにより、100回に到達するまで第2特別図柄の大当たりを回避するか、大当たりとなり次第大当たり遊技を実行させるかをより悩ませることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、これらに代えて、時短状態や通常状態で大当たりを回避可能に構成してもよい。時短状態において大当たりを回避できる構成とした場合、例えば、時短回数が経過して通常状態へと移行することで有利度合いが高くなるように構成すればよい。具体的には例えば、時短回数が経過した後の通常状態を、第2特別図柄の変動時間が短い状態として形成することにより、第2確変状態と同様の恩恵(小当たりによる賞球が頻繁に払い出されること)を得られる状態として形成してもよい。また、通常状態において大当たりを回避できる構成とした場合、例えば、通常状態において大当たり遊技が実行されずに特定回数の特別図柄の抽選が実行された場合に、有利度合いが高い遊技状態に移行する構成としてもよい。このように構成することで、第2確変状態以外の遊技状態においても、大当たり遊技の実行を回避した方が有利度合いが高くなる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を頼向上させることができる。
本第27制御例では、大当たり終了後の遊技状態が第2確変状態に設定される場合、必ず100回の特別図柄の抽選が実行されるまで第2確変状態Bが継続し、100回の特別図柄の抽選が実行されたことに基づいて第2確変状態Aへと移行する構成としていたが、これに限られるものではなく、第2確変状態Aへと移行するまでの抽選回数が異なる複数の第2確変状態を設ける構成としてもよい。例えば、特別図柄の抽選が100回未満の第1回数(例えば、30回)の特別図柄の抽選が実行されるまで第2確変状態Bが継続し、第1回数の特別図柄の抽選が実行された後は第2確変状態Aに設定される大当たり種別や、特別図柄の抽選が100回よりも多い第2回数(例えば、200回)の特別図柄の抽選が実行されるまで第2確変状態Bが継続し、第2回数の特別図柄の抽選が実行された後は第2確変状態Aに設定される大当たり種別や、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数によらず第2確変状態Aに設定される大当たり種別や、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が第3回数(例えば、50回)となるまでは第2確変状態Aに設定され、第3回数を超えてから第4回数(例えば、150回)となるまでは第2確変状態Bに設定され、第4回数を超えた後は再び第2確変状態Aに設定される大当たり種別等を設ける構成としてもよい。これらの種別を設けることで、より複雑なゲームフローを実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、例えば、第2確変状態Bに設定される抽選回数の初期値は100回に固定化しておきつつ、所定の上乗せ条件が成立したことに基づいて、第2確変状態Bに設定される抽選回数を上乗せ可能に構成することで、第2確変状態に設定された後の特別図柄の抽選回数が100回を超えた後においても、大当たり遊技の実行を回避できる有利な第2確変状態Bが継続し得る構成としてもよい。この場合における上乗せ条件としては、例えば、第2特別図柄の抽選で特定の小当たりとなったことや、特定の外れ図柄が停止表示されたこと等が挙げられる。また、この場合の上乗せの方法としては、例えば、変動回数カウンタ203bbのカウンタ値から対応する上乗せ回数の分だけ値を減算する方法が挙げられる。これにより、変動パターンシナリオの参照位置を減算された回数の分だけ前の抽選回数に戻すことができるので、減算した回数と同回数の第2確変状態Bを上乗せしたのと同一の効果を得ることができる。また、第2確変状態Aに移行した後であっても、上乗せ条件が成立したことに基づいて第2確変状態Bに戻す構成としてもよい。この場合、例えば、100回から今回の上乗せ回数に対応する抽選回数を減じた回数を変動回数カウンタ203bbのカウンタ値として上書きすれば良い。具体的には例えば、10回の上乗せに対応する上乗せ条件が成立した場合は、変動回数カウンタ203bbのカウンタ値を90とすればよいし、50回の上乗せに対応する上乗せ条件が成立した場合は、変動回数カウンタ203bbのカウンタ値を50とすればよい。このように構成することで、第2確変状態Bの継続回数にバリエーションを設けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第27制御例では、第2特別図柄の変動表示の実行中に第1特別図柄の小当たり図柄又は大当たり図柄が停止表示された場合に、第2特別図柄の変動表示が必ず外れ図柄で停止表示される(破棄される)構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり終了後の遊技状態が第2確変状態に設定される種別の第2特別図柄の大当たり変動の実行中に第1特別図柄の小当たり図柄又は大当たり図柄が停止表示された場合には、第2特別図柄の大当たり変動が破棄されず、第1特別図柄の小当たり遊技または大当たり遊技が実行されている間、第2特別図柄の大当たり変動が中断される(変動時間の減算が停止される)ように構成し、第1特別図柄の小当たり遊技又は大当たり遊技が終了したことに基づいて、第2特別図柄の大当たり変動が開始されるように構成してもよい。つまり、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で第2確変状態が設定されない大当たりとなった場合は当該第2特別図柄の大当たり変動を破棄できる一方で、第2確変状態が設定される大当たりとなった場合は左打ちを行ったとしても大当たり変動を破棄できずに大当たり遊技が実行される構成としてもよい。言い換えれば、所定の特典(小当たり遊技による賞球)を獲得し得る第1状態(第2確変状態B)の所定の遊技回(第2特別図柄の大当たりに対応する遊技回)において第1の判別条件(第1特別図柄の始動条件)が成立し得る所定の遊技方法(左打ち遊技)を行って第1状態における判別の回数が特定回数(100回)以下の状況下で第1遊技(大当たり遊技)が実行された場合に、当該第1遊技の実行が終了した後の状態を第1状態に設定し、第1状態において第1遊技が実行されずに特定回数の判別が実行されたことに基づいて、第1状態よりも有利度合いが低い第2状態(第2確変状態A)を設定する構成としてもよい。この場合に、第2状態は、第1遊技が実行された場合に当該第1遊技の実行が終了した後の状態として第1状態とは異なる状態(確変状態、時短状態)が設定され得る状態としてもよい。即ち、第2確変状態B(第1状態)を、設定された後で少なくとも規定回数以上の抽選が実行されるまでは、たとえ途中で大当たり遊技が実行されたとしても不利な状態に移行しない状態として形成してもよい。このように構成することで、第2確変状態が確実に終了する(大当たり終了後の遊技状態が第2確変状態以外の遊技状態に設定される)場合にのみ、大当たり遊技の実行を回避させ、第2確変状態が設定される大当たりである場合は、大当たり遊技を実行させて大当たりによる賞球も獲得することができるので、出球効率を高めることができる。また、大当たり遊技が実行されることで、第2確変状態Bが再セットされる(特定回数がリセットされる)ので、第2確変状態Bに滞在している期間をより長くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、第2特別図柄の抽選で第2確変状態に設定される種別の大当たりに当選した場合に、左打ちを行っても第1特別図柄の小当たり(又は大当たり)図柄が停止表示されるよりも前に変動時間が経過する長さの変動時間(例えば、1秒間)を設定する構成としてもよい。このように構成した場合も、第2確変状態が確実に終了する(大当たり終了後の遊技状態が第2確変状態以外の遊技状態に設定される)場合にのみ、大当たり遊技の実行を回避させ、第2確変状態が設定される大当たりである場合は、大当たり遊技を実行させて大当たりによる賞球も獲得することができるので、出球効率を高めることができる。また、大当たり遊技が実行されることで、第2確変状態Bが再セットされる(特定回数がリセットされる)ので、第2確変状態Bに滞在している期間をより長くすることができる。
本第27制御例では、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる確率を状態によらず共通確率としていたが、これに限られるものではなく、状態に応じて小当たり確率を異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる確率を、第2確変状態Aと第2確変状態Bとで異ならせる構成としてもよい。第2確変状態Aよりも第2確変状態Bの小当たり確率を高くした場合は、第2確変状態Aの有利度合いを相対的に低くすることができるので、大当たり遊技の実行を回避することができない第2確変状態Aにおいて、大当たりに当選して第2確変状態が終了されてしまったとしても、遊技者に対して失望感を抱かせ難くすることができる。また、逆に、第2確変状態Bよりも第2確変状態Aの小当たり確率を高くした場合は、第2確変状態Bにおいて大当たり遊技の実行を回避して第2確変状態へと移行させた場合のメリットをより大きくすることができるので、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の大当たりをより積極的に破棄させることができる。また、第2確変状態Aと第2確変状態Bとで有利度合いに差を設ける別の方法として、第2特別図柄の小当たり若しくは外れとなった場合に長い変動時間が選択される割合を異ならせる構成としてもよい。つまり、1の小当たり遊技が終了してから次の小当たり遊技が開始されるまでの期間の平均を状態に応じて異ならせることにより、単位時間あたりの出球効率を異ならせて有利度合いを異ならせる構成としてもよい。更に、有利度合いは必ずしも状態単位で変更しなければならないわけでもなく、例えば、第2確変状態に設定された後で実行された特別図柄の抽選回数に応じて有利度合いを異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、特別図柄の抽選回数が多くなるほど有利度合いが高くなる(小当たり確率が高くなる、小当たり遊技の実行間隔が短くなる等)ように構成してもよいし、特別図柄の抽選回数が多くなるほど有利度合いが低くなる(小当たり確率が低くなる、小当たり遊技の実行間隔が長くなる等)ように構成してもよい。特別図柄の抽選回数が多くなるほど有利度合いが高くなるように構成した場合は、第2確変状態Aにおいてより多くの回数に渡って大当たりとならないことをより強く期待させることができる一方で、特別図柄の抽選回数が多くなるほど有利度合いが低くなるように構成した場合は、第2確変状態Aにおいて大当たりとなった場合の失望感を低減することができる。また、これらの場合において、有利度合いが低い所定の状況においては、発射した遊技球の数よりも、小当たり遊技によって払い出される賞球数の方が少なくなり易い不利な状況(低ベースの状況)を成立させてもよい。このように構成した場合、例えば、特別図柄の抽選回数が少ない間(例えば、特別図柄の抽選回数が30回以下)は上記低ベースの状況に設定する構成とし、ベース(発射した遊技球の数に対する払い出される賞球数の比)が高くなっていくように構成した場合、低ベースの状況において大当たりに当選した際に、大当たり遊技を実行させた方が良いのではないかと遊技者に思わせることもでき、より奥深い遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、逆に、抽選回数が多くなるにつれてベースを低くしていき、第2確変状態Aに移行した後で更に所定回数(例えば、100回)の特別図柄の抽選が実行されることで低ベースの状態が設定されるように構成した場合は、第2確変状態Bでは大当たり遊技が実行されないように遊技を行う一方で、第2確変状態Aでは早期に大当たりに当選することを期待させる遊技性となり、第2確変状態Bの遊技性と第2確変状態Aの遊技性とをより大きく異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第27制御例では、第2確変状態B(第2確変状態が設定されてから特別図柄の抽選が100回実行されるまでの間の状態)において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、左打ちを行って第1特別図柄の抽選を実行させることで第2特別図柄の大当たり遊技が実行されることを回避可能に構成することにより、第2特別図柄の抽選で大当たりとなったか否かによらず、特別図柄の抽選が少なくとも100回実行されるまでは第2確変状態を継続させる(第2確変状態における遊技を特定回数(100回)保証する)ことが可能に構成としていたが、第2確変状態における遊技を少なくとも特定回数(100回)保証する方法これに限られるものではない。例えば、第2確変状態に移行した後、特定回数以下の第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり種別にかかわらず、大当たり終了後の遊技状態が第2確変状態が設定されるように構成し、第2確変状態Aに移行した後(第2確変状態において特別図柄の抽選回数が得意低回数(100回)を超えた後)は、上述した第27制御例の振り分け(25%で第2確変状態が設定され、45%で確変状態が設定され、30%で時短状態が設定される振り分け)としてもよい。このように構成することで、第2確変状態Bにおいて遊技者に対して特別な遊技方法(第2特別図柄の大当たり変動中のみ左打ち遊技、その他の場合は右打ち遊技)を行わせる必要がないため、遊技者の利便性を向上させることができる。
本第27制御例では、第2確変状態Bにおける第1特別図柄の小当たり時の変動時間を1秒間、第2特別図柄の大当たり時の変動時間を300秒に設定する構成としていたが、これに限られるものではなく、第2特別図柄の大当たり変動中に左打ちを行って第1特別図柄の抽選を実行させた場合に第2特別図柄の大当たり変動を破棄できる範囲内で任意に定めてもよい。第1特別図柄の小当たり時の変動時間を短くするほど、または第2特別図柄の大当たり時の変動時間を長くするほど、第2特別図柄の大当たり変動を破棄可能な期間をより長くすることができるので、大当たり遊技の実行を回避することをより容易にすることができる。また、第1特別図柄の小当たり時の変動時間を長くするほど、または第2特別図柄の大当たり時の変動時間を短くするほど、第2特別図柄の大当たり変動を破棄可能な期間を短くすることができるので、回避演出が発生するか否かに注目させ、回避演出が発生した場合になるべく早く左打ちを行って第1入球口64へと遊技球を入球させようと遊技を行わせることができる。
本第27制御例では、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、当該大当たり変動中に左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させて小当たり図柄を先に停止表示させることにより第2特別図柄の大当たり変動を外れ図柄で破棄して大当たり遊技の実行を回避可能に構成していたが、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の大当たり遊技の実行を回避する方法はこれに限られるものではない。例えば、第1入球口64よりも遊技球を入球させ易い所定位置(例えば、第1入球口64へと入球しなかった遊技球を入球させることが可能な位置や、最大の発射強度で右打ちを行った場合に到達する位置等)に対して所定の入球口を設け、第2特別図柄の大当たり変動中に所定の入球口へと遊技球が入球した場合に、即座に第2特別図柄の大当たり変動を強制的に外れ図柄で停止表示させるように構成してもよい。このように構成することで、左打ちしたにもかかわらず第1入球口64へとなかなか入球しなかったり、第1入球口64へと遊技球が入球したにもかかわらず大当たりとなってしまう等して、第2特別図柄の大当たり変動を破棄することが困難になってしまうことを抑制することができるので、第2特別図柄の大当たり遊技が実行されることをより容易に回避することができ、遊技者の利便性を向上させることができる。また、第1特別図柄の抽選を実行させなくても第2特別図柄の大当たり変動を破棄できる構成とすることにより、第1特別図柄と第2特別図柄とを重複して変動表示可能な仕様を必ずしも採用しなくてもよくなる(一方の特別図柄の変動中は他方の特別図柄の抽選が実行されない仕様を採用することができる)ため、設計の自由度を高めることができる。
本第27制御例では、第2確変状態Bにおいて所定の遊技回(第2特別図柄の抽選が大当たりとなったことに基づく遊技回)で左打ちを行った場合に、大当たり遊技の実行を回避することにより、本来(所定の遊技回で左打ちを行わず、大当たり遊技がそのまま実行された場合)よりも第2確変状態の継続期間を長くすることが可能に構成していたが、第2確変状態の継続期間を遊技方法に応じて異ならせる方法はこれに限られるものではない。例えば、一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄が大当たり又は小当たり図柄で停止表示された場合に、実行中の変動表示が中断される(大当たり遊技又は小当たり遊技の間は変動が仮停止され、大当たり遊技又は小当たり遊技の終了後に仮停止されていた変動表示が再開される)ように構成した上で、第1特別図柄の小当たり変動の実行中は第2特別図柄の抽選で大当たりが抽選されない(外れ又は小当たりのどちらかになる)ように構成してもよい。そして、第2確変状態Bでは、第1特別図柄の小当たり又は大当たりとなった場合の変動時間を、右打ちを行い続けた場合に第2特別図柄の抽選を特定回数実行させることができる程度に十分長い時間(例えば、300秒)に設定する構成としてもよい。このように構成した場合、第2確変状態Bにおいては、まず左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させて小当たり変動(または大当たり変動)を開始させ、当該小当たり変動(又は大当たり変動)が開始された後は、右打ちを行い続けて第2特別図柄の抽選を連続的に実行させるという遊技方法で遊技を行うことにより、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すること自体を回避することができる。つまり、第2特別図柄の大当たり自体が抽選されない遊技方法を成立させることにより、第2特別図柄の大当たり遊技の実行を回避可能に構成し、第2確変状態において特定回数の抽選を保証することができる。なお、この場合において、第2確変状態Aへと移行した後においては、第1特別図柄の変動時間として、第1特別図柄の変動中に右打ちに切り替えたとしても第2特別図柄の抽選が実行されるよりも前に変動が終了する程度に短い時間(例えば、0.1秒間)が選択されるように構成すればよい。このように構成することで、第2確変状態Aにおいては、左打ちを行って第1特別図柄の抽選を実行させたとしても、第2特別図柄の抽選を実行させる前に変動が終了してしまい、第2特別図柄の大当たりが抽選されない状態で第2特別図柄の抽選を実行させることを不可能とすることができる。よって、上述した第27制御例における第2確変状態と同様に、特定回数以下の抽選回数では大当たり遊技の実行を回避して確実に有利な第2確変状態を継続させることができる遊技性となる一方で、特定回数を超えた後においては、大当たりに当選次第有利な第2確変状態が終了してしまう遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第27制御例では、第2確変状態が設定された後の抽選回数が特定回数以下であるか否かに応じて、第2特別図柄の大当たり遊技の実行を回避可能となる有利な第2確変状態Bを形成するか、第2特別図柄の大当たりに当選した場合に、大当たり遊技の実行を回避できないため第2確変状態Bよりも有利度合いが低くなる第2確変状態Aとを形成可能に構成していたが、期間に応じて第2確変状態の有利度合い(第2確変状態Aを形成するか第2確変状態Bを形成するか)を切り替える方法は、必ずしも特別図柄の抽選回数に限られるものではない。例えば、第2確変状態に移行した後の経過時間に応じて第2確変状態Aと第2確変状態Bとを切り替える構成としてもよい。より具体的には、公知のRTCを(Real Time Clock)を設ける構成とし、第2確変状態が開始された場合に、RTCが計時する計時情報(時刻情報)に基づいて、第2確変状態に開始された後の経過時間を監視する。そして、第2確変状態が開始された後における経過時間が特定期間以下である間は第2確変状態Bを形成し、第2確変状態が開始された後における経過時間が特定期間を超えた場合に第2確変状態Aを形成する構成としてもよい。このように構成することで、第2確変状態Bにおける抽選回数を不定とすることができ、第2特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択されるほど、第2確変状態Bにおける抽選回数を多くすることができる(小当たりによる賞球が払い出される回数が多くなり易くなる)遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、特別図柄の抽選回数や経過時間に代えて、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった回数が特定回数(例えば、50回)となった場合に第2確変状態Bから第2確変状態Aへと移行する構成としてもよい。このように構成することで、第2確変状態において運悪く小当たりになかなか当選しなかったとしても、小当たり遊技の実行回数が保証されているため、より安心して遊技を行わせることができる。また、例えば、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった回数が特定回数(例えば、5回)となった場合に第2確変状態Bから第2確変状態Aへと移行する構成としてもよい。このように構成することで、第2確変状態Bにおいても、第2特別図柄の抽選で大当たりとならないことを期待させる遊技性とすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第27制御例では、第2確変状態において大当たりに当選して大当たり遊技が実行されない限り、他の遊技状態に設定されない構成としていたが、これに限られるものではなく、他の遊技状態を設定するための別の条件を設けてもよい。例えば、第2確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとは異なる所定の抽選結果となった場合にも、他の遊技状態に設定され得る構成としてもよい。具体的には例えば、第2特別図柄の抽選結果として、大当たりを介さずに普通図柄の時短状態を付与する時短付与図柄を設けることで、大当たりに当選しなくても第2確変状態から確変状態へと移行する可能性がある構成としてもよい。また、特別図柄の高確率状態において第2特別図柄の抽選結果が実行された場合に、所定確率で特別図柄の低確率状態へと移行させる(所謂、確変転落抽選を実行する)構成とし、大当たりに当選しなくても第2確変状態から通常状態へと移行する可能性がある構成としてもよい。また、例えば、当選した場合に普通図柄の時短状態が付与される種別の小当たり(時短付与小当たり)や、当選した場合に特別図柄の低確率状態へと転落させる種別の小当たり(確変転落小当たり)を設ける構成としてもよい。このように構成することで、大当たり遊技の実行を回避できたとしても、第2確変状態とは異なる遊技状態へと移行する可能性を残すことができるので、第2確変状態Bにおける遊技に緊張感を持たせることができる。なお、この場合において、他の遊技状態に移行させるための大当たり以外の条件が成立した場合の一部または全部において、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の小当たり図柄によって外れで強制停止させることが可能に構成することで、第2確変状態を継続させることが可能に構成してもよい。この場合において、第1特別図柄の小当たりによって大当たりのみ回避できる状態、大当たりおよび大当たり以外の他の遊技状態移行条件をいずれも回避できる状態、大当たり以外の他の遊技状態移行条件のみ回避できる状態、大当たりおよび大当たり以外の他の遊技状態移行条件のいずれも回避できない状態を設ける構成としてもよい。このように構成することで、第2確変状態として、有利度合いが異なるより多くの状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。更に、例えば、第2特別図柄の抽選では大当たりとなった場合にのみ他の遊技状態に移行する可能性がある構成とする一方で、第1特別図柄の抽選では、大当たり以外の他の遊技状態移行条件(確変転落、時短付与図柄、確変転落小当たり、時短付与小当たり)が成立し得るように構成してもよい。このように構成することで、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選が実行されて大当たりとなり、大当たり変動中に左打ちを行って第1特別図柄の抽選を実行させたとしても、当該第1特別図柄の抽選で遊技状態が変化してしまう可能性がある遊技性とすることができるので、第1特別図柄の抽選結果にも注目して遊技を行わせることができる。
本第27制御例では、第1特別図柄の小当たりとして、遊技球を入球させることが極めて困難な小当たり用入賞装置265が開閉される小当たり遊技を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、小当たり用入賞装置265を、左打ちで発射された遊技球が容易に入球可能な位置に設ける構成としてもよい。このように構成することで、第2確変状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、当該大当たりを破棄するために左打ちを行って消費した分の賞球を、第1特別図柄の小当たりによって補填することができるので、第2確変状態Bにおいて大当たりになったとしても、遊技者が損をしてしまうことを抑制することができる。この場合において、例えば、第2確変状態でのみ、第1特別図柄の抽選で小当たりまたは大当たりのどちらかとなる抽選が実行され、他の遊技状態では第1特別図柄の抽選で小当たりに当選しない構成としてもよい。このように構成することで、通常状態においても小当たりによる賞球が頻繁に払い出されてしまい、遊技者に対して過剰に有利となることを抑制することができる。更に、この場合において、第2確変状態を、左打ちを行った方が払い出される賞球数の面で有利度合いが高くなるように構成してもよい。つまり、右打ちを行うと、頻繁に第2特別図柄の抽選が実行されて約1/3の確率で小当たり又は大当たりに当選する遊技となる一方で、左打ちを行うと、第1特別図柄の抽選頻度は低下するが第1特別図柄の抽選が実行される毎に小当たりまたは大当たりに当選する遊技となるため、払い出される賞球数や小当たり遊技中の入賞数等を調節することにより、第2確変状態において払い出される賞球数の面ではトータルとして左打ちの方が有利度合いが高くなるように構成してもよい。そして、第1特別図柄の大当たりの変動時間を短くすることにより、第1特別図柄の大当たりを第2特別図柄の小当たりまたは大当たりで破棄することができなくなるように構成としてもよい。このように構成することで、特に、第2確変状態Bにおいて、左打ちを行ってより多くの賞球を獲得できる代わりに大当たり遊技の実行を回避することができない(特定回数の抽選が保証されない)遊技性とするか、右打ちを行って賞球面では比較的マイルドになるが大当たり遊技の実行を回避することができる(特定回数の抽選が保証される)遊技性とするかを遊技者に対して選択させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第27制御例では、大当たりに当選するよりも同一の遊技状態が長く継続した方が有利度合いが高くなり易い遊技状態として、小当たり遊技による賞球を頻繁に獲得し易い第2確変状態を設ける構成としていたが、大当たり遊技が実行されない方が有利度合いが高くなる遊技状態は、これに限られるものではない。例えば、大当たり遊技が実行されずに継続するほど有利度合いが高くなる遊技状態として、同一の遊技状態が長く継続するほど、確変大当たりの割合が高くなっていく遊技状態や、同一の遊技状態が長く継続するほどラウンド数が高い大当たりの割合が高くなっていく遊技状態を設ける構成としてもよい。また、同一の遊技状態が長く継続するほど、珍しい演出(所謂、プレミア演出)の発生率を高くする構成としてもよいし、大当たり確率を複数段階のいずれかに設定可能な仕様と組み合わせて、同一の遊技状態が長く継続するほど設定を示唆する演出の発生率が高くなっていくように構成してもよい。このように構成することで、第2確変状態と同様に、大当たりにならないことを期待させる遊技性を実現することができるので、回避演出が実行された場合に、回避演出の演出内容に従って第2特別図柄の大当たり変動を外れ図柄で強制停止(破棄)させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第27制御例では、大当たりと第2特別図柄の小当たりとで、共に、可変入賞装置165の特定入賞口165aを開閉させる構成としていたが、これに限られるものではない。大当たり用の入賞装置とは別で、第2特別図柄の小当たり用の入賞装置を設ける構成としてもよい。この場合において、小当たり用の入賞装置は、小当たり遊技が終了されるまでの入賞個数を大当たり用の入賞装置よりも少なく(例えば、2個に)してもよい。このように構成することで、1の小当たり遊技で獲得可能な賞球数が多くなり過ぎてしまい、ホールに対して不測の不利益を被らせてしまうことを抑制することができる。また、この場合において、第2確変状態において第2特別図柄の小当たり遊技が実行され、小当たり用の入賞装置へと遊技球が入球する毎に、入球を検出したことを示す第1演出を実行する構成としてもよい。第1演出としては、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面において、ウサギのキャラクタ801がコインを取得する演出や、1の入賞に対して払い出される賞球数の数を示す文字(例えば、+15の文字等)を表示させる演出等が挙げられる。更に、この場合において、1の小当たりにおいて規定個数(2個)の遊技球の入球を検出してから小当たり遊技を終了させる(小当たり用の入賞装置が閉鎖される)までの間に追加で遊技球の入球を検出した場合に、第1演出とは異なる演出態様の第2演出を実行する構成としてもよい。第2演出としては、例えば、ウサギのキャラクタ801が札束を取得する演出や、「EXTRA」等の文字を表示させる演出等が挙げられる。このように構成することで、第2確変状態において規定個数を超えて小当たり用の入賞装置に入球させることができたか否かを知りたいと考える遊技者に対して、演出態様により注目して遊技を行わせることができるので、第2確変状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。なお、この場合において、必ずしも大当たり用の入賞装置と小当たり用の入賞装置とを異ならせる必要はなく、例えば、大当たり時と小当たり時とで同一の入賞装置を開放させる一方で、大当たりの1のラウンドを終了させるための規定個数と小当たり遊技を終了させるための規定個数とを異ならせる制御を採用してもよい。このように構成することで、異なる入賞装置を設ける必要がなくなるため、部品点数を削減することができ、パチンコ機10の原価率を低減させることができる。
<第27制御例の第1変形例>
次に、図1020から図1043を参照して、第27制御例の第1変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第27制御例におけるパチンコ機10では、第2確変状態として、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に終了される第2確変状態Aと、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選したとしても、大当たり遊技の実行を回避することができる第2確変状態Bと、の有利度合いが異なる2種類の状態を形成可能に構成し、興趣向上を図っていた。
これに対して第27制御例の第1変形例では、第2確変状態として、右打ちを行っても第2特別図柄の抽選が実行され難い不利第2確変状態と、右打ちを行うことで第2特別図柄の抽選が頻繁に実行され、第2特別図柄の小当たり遊技も頻繁に実行されるため、特定入賞口165aへの入球に基づく賞球が頻繁に払い出されることにより持ち球を増加させ続けることができる極めて有利な有利第2確変状態と、を形成可能に構成している。より具体的には、本第1変形例では、第1特別図柄の保留球(判別情報)を、所定数を上限として記憶可能な第1特別図柄保留球格納エリア203a(判別情報記憶手段)に記憶されている保留球(入賞情報)の数が特定数(4)以上である場合に有利第2確変状態(特定制御)を設定し、特定数未満である場合は不利第2確変状態を形成する構成としている。このように構成することで、第2確変状態において、第1特別図柄の保留球数に応じて有利度合いが変化する極めて斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第27制御例の第1変形例におけるパチンコ機10が、上述した第27制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第27制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第27制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図1020を参照して、本第1変形例における遊技盤13の盤面構成について説明する。図1020は、本第1変形例における遊技盤13の正面図である。図1020に示した通り、本第1変形例における遊技盤13は、上述した第27制御例における遊技盤13に対して、小当たり用入賞装置265が削除されている点、および可変表示装置ユニット80の右側の流路に第2可変入賞装置1650が設けられている点でのみ相違している。小当たり用入賞装置265を削除しているのは、本第1変形例では、第1特別図柄の抽選に小当たりを設けていないことによるものである。また、第2可変入賞装置1650は、特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、大当たりの各ラウンドで開放される入賞装置である。つまり、本第1変形例では、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合にの可変入賞装置165の特定入賞口165aが開放され、大当たりとなった場合には第2可変入賞装置1650の第2特定入賞口1650aが開放されるように構成している。なお、その他の構成については上述した第27制御例における遊技盤13と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
次に、図1021から図1025を参照して、本第1変形例における特徴的な演出態様について説明する。ここで、本第1変形例では、第2確変状態において、第1特別図柄の保留球数に応じて有利度合いを可変可能に構成している。より具体的には、第1特別図柄の保留球数が3以下となっている間、第2特別図柄の変動時間が極めて長くなり、右打ちを行っても特別図柄の抽選が実行されない(左打ちにより遊技を行う必要がある)不利な状態(不利第2確変状態)を形成する一方で、第1特別図柄の保留球数が上限値である4となっている間は、第2特別図柄の変動時間が短くなることにより、右打ちによって頻繁に第2特別図柄の抽選が実行されて小当たり遊技も頻繁に実行される結果、特定入賞口165aへと遊技球が頻繁に入球して持ち球を増加させ続けることができる極めて有利な状態(有利第2確変状態)を形成する。なお、一時的に第1特別図柄の保留球数が4個になったとしても、残りの変動時間が短い場合は、変動終了と共に第1特別図柄の保留球が減少してしまうため、短時間しか第2特別図柄の変動時間が短くならず、有利第2確変状態における遊技を十分に行うことができない。このため、本第1変形例では、第1特別図柄の抽選で長い変動時間(150秒以上の変動時間)が設定された場合にのみ、有利第2確変状態へと移行するチャンスであることを演出により報知する構成としている。以下、第1変形例における各種演出態様について説明する。
図1021(a)は、第2確変状態における基本的な演出態様を示した図である。ここで、大当たり終了後の遊技状態として第2確変状態が設定された場合、まず、不利第2確変状態(左打ちにより遊技を進行する必要がある不利な遊技状態)が形成される。即ち、有利第2確変状態は、第1特別図柄の保留球が上限数(4個)貯まった状態でなければ形成されることがない状態であるが、大当たりの終了時に第1特別図柄の保留球が存在する場合は、大当たり終了直後に第1特別図柄の保留球が1個消化されるため、大当たり終了直後に第1特別図柄の保留球数が上限数となることはない。図1021(a)に示した通り、不利確変状態では、主表示領域Dmの上部に「~チャンスゾーン中~」という文字が表示されると共に、主表示領域Dmの左下にウサギのキャラクタ801が出現する。また、副表示領域Dsの右側に、「チャージモード当選率上昇中」という文字が表示される。これらの表示内容により、チャージモードに当選するチャンスであるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、「チャンスゾーン」とは、不利第2確変状態のことを意味しており、チャージモードとは、変動時間が特定期間以上の長さの第1特別図柄の変動表示(第1特別図柄のロング変動)が開始されてから第1特別図柄の保留球が4個貯まるまでの間の期間のことを意味する。本第1変形例では、チャンスゾーン(不利第2確変状態)において第1特別図柄のロング変動が開始された場合に、第1特別図柄の保留球を上限個数(4個)まで貯めるように促す演出(チャージモード演出)が実行され、チャージモード演出中に保留球が4個貯まることで、有利第2確変状態に移行したことを報知する演出を実行する構成としている。
図1021(b)は、不利第2確変状態(チャンスゾーン)において第1特別図柄のロング変動が設定される抽選結果となった場合の変動表示態様を示した図である。図1021(b)に示した通り、第1特別図柄のロング変動が開始されると、開始直後(変動開始後1秒経過時)に「チャージ」という文字が付された同一の第3図柄(チャージ図柄)が揃う変動表示演出が実行される。このチャージ図柄は、第1特別図柄のロング変動を放置するための専用の図柄であり、不利第2確変状態(チャンスゾーン)以外の第2確変状態(チャージモードやボーナス状態)では停止表示され得ない図柄となっている。このため、特別な抽選結果となったことを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、ウサギを模したキャラクタ801が喜ぶ演出が実行されると共に、副表示領域Dsに対して、「チャージモードGET!!」という文字が表示される。これらの演出態様から、第1特別図柄のロング変動が開始されたということを容易に理解させることができる。チャージモードへの移行が報知された後は、図1022(a)に示した通り、主表示領域Dmにおける中央において、ウサギのキャラクタ801が力を溜めているかのような表示態様で表示されると共に、ウサギのキャラクタ801の周囲が発光した見た目(ウサギのキャラクタ801がオーラ801bを纏った見た目)に設定される。また、主表示領域Dmにおいてウサギのキャラクタ801の右側に、縦長略長方形形状の表示領域の内部に4つの目盛りが表示された棒グラフと、ボーナスメーターという文字とが表示される。このボーナスメーターBMのメーター量は、第1特別図柄の保留球数と同一のメーター数に設定される。更に、主表示領域Dmの上部には「~チャージモード中~」という文字が表示され、副表示領域Dsに対して、「メーターMAXでボーナス!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、ボーナスメーターBMのメーター数が最大の4目盛りまで貯まることにより、ボーナスが開始されるということを遊技者に対して理解させることができる。なお、本第27制御例では、第1特別図柄の保留球が上限個数まで貯まってから第1特別図柄のロング変動が終了するまでの間の有利第2確変状態のことを、「ボーナス」と称している。また、図1022(a)に示した通り、主表示領域Dmの表示領域Dm1に対して、「左打ちでメーターチャージ!」という文字が表示されると共に、表示領域Dm2に対して、左打ちを促す表示態様(「左打ち」という文字、および左向きの矢印を模した画像)が表示される。これらの表示内容により、左打ちを行うことでボーナスメーターのメーター量を上昇させることができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
チャージモード(第2確変状態において第1特別図柄のロング変動中、且つ、第1特別図柄の保留球数が4未満の状態)においては、第1特別図柄の保留球数が増加する毎に、ボーナスメーターBMのメーター量が1ずつ増加していくと共に、ウサギのキャラクタ801の周囲の発光量(纏っているオーラ801bの大きさ)が増大していく。そして、4個目(上限個数目)の第1特別図柄の保留球が貯まり、ボーナスメーターBMのメーター量が最大となることで、図1022(b)に示した通り、主表示領域Dmにおいて、ウサギのキャラクタ801の周囲の光が画面外まで突き上がる演出が実行されると共に、主表示領域Dmの上部に形成された表示領域HR10に対して、「チャージ完了!!」という文字が表示される。また、表示領域Dm2に対して、右打ちを促す表示態様(「右打ち」という文字、および右向きの矢印を模した画像)が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「ボーナス確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、有利第2確変状態に移行したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。有利確変状態への移行が報知された後は、図1023(a)に示した通り、周囲が発光した状態(オーラ801bを纏った状態)のウサギのキャラクタ801が雲の上まで飛び上がる演出が実行される。また、図1023(a)に示した通り、表示領域HR10に対して、ボーナス(有利第2確変状態)が終了するまでの残り時間を示唆する表示態様が表示される。ここで、ボーナス(有利第2確変状態)は、実行中の第1特別図柄のロング変動が終了するまで継続する。表示領域HR10には、実行中の第1特別図柄のロング変動が終了するまでの残変動時間の目安が表示される。図1023(a)の例では、残り時間が少なくとも100秒以上残っている場合を例示しており、表示領域HR10に対して、「ボーナス開始!!保証期間100秒over!!」という文字が表示されている状態が図示されている。更に、表示領域Dm1に対して、報知された残り時間がカウントダウン表示される。図1023(a)では、表示領域HR10において保証期間100秒が報知された場合を例示しているため、表示領域HR10の報知内容にリンクさせて、表示領域Dm1に対して、「ボーナス終了まで100秒」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「ボーナス確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、有利なボーナス(有利第2確変状態)に突入したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、表示領域HR10および表示領域Dm1に表示されるボーナス状態の保証期間によって、ボーナス状態が終了するまでに獲得可能なおおよその利益(小当たり回数、賞球数等)を遊技者に対して把握させることができる。なお、有利第2確変状態に移行したことに伴って、副表示領域Dsにおいて実行中領域Ds1aと待機中領域Ds1bとが非表示となり、第1特別図柄の保留球数を示す第1保留球数領域Ds1cと、第1特別図柄に対応する第4図柄の変動表示を行うための第1変動表示領域Ds1dと、が比較的小さい表示領域で表示される。また、有利第2確変状態において抽選が実行され易い第2特別図柄の保留図柄を表示するための第2実行中領域Ds1eおよび第2待機中領域Ds1fと、が比較的広い表示領域で形成される。これらの表示内容によって、第1特別図柄の状況と第2特別図柄の状況との両方を遊技者に対して理解させることができる。
なお、本第1変形例では、ボーナス状態において、ボーナス状態が終了するまでの残り期間を示唆する表示態様を伴う演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、ボーナス状態において右打ちを行い続けた場合に獲得可能な利益をより直接的に示唆する演出を実行する構成としてもよい。具体的には例えば、ボーナス状態が終了するまでの間に実行され得る小当たり遊技のおおよその回数や、ボーナス状態が終了するまでの間に特定入賞口165aへと入球させて獲得することができるおおよその賞球数に応じた情報を演出によって示唆する構成としてもよい。
次に、図1023(b)を参照して、ボーナス(有利第2確変状態)の保証期間(表示領域Dm1に表示されていたボーナス終了までの見た目上の残り時間)が経過した後における演出態様について説明する。ここで、本第1変形例では、表示領域Dm1に対して、第1特別図柄のロング変動における実際の残変動時間よりも短い期間を表示させる構成としている。より具体的には、残変動時間よりも短い長さの期間であって10秒の倍数となる時間(きりが良い期間)を初期の保証期間として設定する構成としている。このため、見た目上の保証期間が経過したとしても、残変動時間が残っているケースがほとんどである。見た目上の保証期間が経過した後の有利第2確変状態では、図1023(b)に示した通り、表示領域Dm1に対して、「ボーナス終了まで???秒」という文字が表示されると共に、表示領域HR10に対して、「終了待機中」という文字が表示される。また、ウサギのキャラクタ801が汗だくとなって疲弊しているかのような表示態様に設定される。更に、副表示領域Dsに対して、「ボーナス終了間近」という文字が表示される。これらの表示内容により、ボーナスの終了が近づいているということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
保証期間が経過した後において、終了条件が成立した場合は、図1024(a)に示すボーナス(有利第2確変状態)の終了を報知するためのボーナス終了演出が実行される。ここで、本第1変形例では、ロング変動が終了する10秒前となった時点でボーナスの終了条件が成立下と判断してボーナス終了演出を実行する構成としている。これは、ロング変動の終了直前まで右打ちを継続してしまうと、第2特別図柄の保留球が残った状態で第1特別図柄のロング変動が終了して次の変動が開始されてしまい、第1特別図柄の保留球数が4未満の状態で第2特別図柄の抽選が実行されてしまう可能性が高くなるためである。上述した通り、第1特別図柄の保留球数が4未満の状態で第2特別図柄の抽選が実行されてしまうと、極端に長い変動時間(600秒)が設定されてしまい、その間は、第1特別図柄のロング変動が開始され、第1特別図柄の保留球を上限個数まで貯めたとしても、第2特別図柄の抽選を実行させることができない不利な状況となってしまう。そこで、本第1変形例では、第1特別図柄のロング変動の終了10秒前の時点で終了を報知して左打ちに戻すことを促す構成としている。このように構成することで、第2特別図柄の保留球を全て消化しきってから第1特別図柄のロング変動を終了させることができるので、第2特別図柄の抽選を実行させることができない不利な状況が生じてしまうことを抑制することができる。
図1024(a)に示した通り、第1特別図柄のロング変動が終了する10秒前になった場合、ウサギのキャラクタ801が宝箱810を発見し、当該宝箱810の中から「終」の文字が付された報知アイコン810aが出現する演出が実行される。また、表示領域Dm1に対して、「左打ちに戻して下さい」という文字が表示され、表示領域Dm2に対して、遊技者に対して左打ちを促す表示態様が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「終了!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、ボーナス(有利第2確変状態)が終了したということを遊技者に対して認識させ、左打ち遊技に切り替えさせることができる。なお、本第1変形例では、第1特別図柄のロング変動が終了する10秒前にボーナス終了演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではなく、第2特別図柄の保留球を加味して全ての第2特別図柄の抽選を第1特別図柄のロング変動中に開始させることができる範囲で任意に定めてよい。また、第2特別図柄の保留記憶機能を廃止してもよい。この場合、第1特別図柄のロング変動が終了した後で第2入球口640へと遊技球が入球するという事象が発生しなければ、第2特別図柄の変動時間が極端に長くなることはないので、第1特別図柄のロング変動の終了間際まで右打ちを継続させることができる。
次に、図1024(b)を参照して、本第1変形例における上乗せ演出について説明する。この上乗せ演出は、保証期間の経過後において実行される可能性がある演出であり、実際の残変動時間が多く残っている場合に、当該残変動時間を超えない範囲で、保証期間を上乗せして報知する演出である。図1024(b)に示した通り、上乗せ演出が実行されると、ウサギのキャラクタ801が宝箱810を発見し、当該宝箱810の中から上乗せする秒数を示す文字が付された報知アイコン810aが出現する演出が実行される。また、表示領域Dm1の表示内容が、上乗せ演出で報知された秒数に対応する保証期間に更新される演出が実行される。更に、副表示領域Dsに対して、「上乗せ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、有利第2確変状態が上乗せされた秒数分継続するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図1025(a)を参照して、ボーナス終了後にチャージモードへと移行する場合の演出態様について説明する。ここで、ボーナス終了後にチャージモードに移行する場合とは、第1特別図柄の保留内に第1特別図柄のロング変動に対応する保留球が含まれている場合である。この場合、第1特別図柄のロング変動に対応する保留球の位置によらず、チャンスゾーン(図1021(a)参照)を介さずに、直接チャージモードへと移行する。図1025(a)に示した通り、チャージモードへの移行が報知される場合は、ウサギのキャラクタ801が宝箱810を発見し、当該宝箱810の中から「貯」という文字が付された報知アイコン810aが出現する演出が実行される。また、表示領域Dm1に対して、「左打ちに戻して下さい」という文字が表示され、表示領域Dm2に対して、左打ちを促す表示態様が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「チャージモード確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、ボーナス終了後に直接チャージモードへと移行し、第1特別図柄の保留球を貯めることで再度ボーナスに移行するということを遊技者に対して理解させることができる。また、図1025(b)は、第1特別図柄のロング変動が大当たり変動であった場合に実行される大当たり報知演出の演出態様の一例を示した図である。図1025(b)に示した通り、実行中の第1特別図柄のロング変動が大当たりに対応する変動表示である場合は、ウサギのキャラクタ801が宝箱810を発見し、当該宝箱810の中から「祝」という文字が付された報知アイコン810aが出現する演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「大当たり確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たりに当選していたことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
<第27制御例の第1変形例における電気的構成>
次に、図1026、および図1027を参照して、本第1変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、図示については省略したが、本第1変形例におけるROM202は、上述した第27制御例におけるROM202の構成(図997(a)参照)に対して、変動パターン選択テーブル202b、および変動パターンシナリオテーブル202baの規定内容が一部変更となっている点で相違している。まず、図1026(a)を参照して、本第1変形例における変動パターン選択テーブル202bの詳細について説明する。図1026(a)は、本第1変形例における変動パターン選択テーブル202bの構成を示すブロック図である。図1026(a)に示した通り、本第1変形例における変動パターン選択テーブル202bは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される通常用テーブル202b1と、時短状態、および確変状態における特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される時短・確変用テーブル202b2Aと、第2確変状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される第2確変用テーブル202b3Aと、で少なくとも構成されている。通常用テーブル202b1は、上述した第27制御例における通常用テーブル202b1(および上述した第26制御例の第3変形例における通常用テーブル202ab1C)と同一の規定内容であるため、その詳細な説明については省略する。また、時短・確変用テーブル202b2Aは、上述した第27制御例における確変・時短・第2確変A用テーブル202b2(図999(a)参照)と同一の規定内容であるため、その詳細な説明については省略する。以下、図1026(b)を参照して、第2確変用テーブル202b3Aの詳細について説明する。
図1026(b)に示した通り、第1特別図柄の変動パターンとして、第1特別図柄の保留球数とは無関係に、大当たりの抽選結果に対しては、変動種別カウンタCS1の値が「0~14」の範囲に対して、変動時間が10000ms(10秒間)の当たりノーマルリーチが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「15~124」の範囲に対して、変動時間が15000ms(15秒間)の当たりスーパーリーチが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「125~197」の範囲に対して、変動時間が20000ms(20秒間)の当たりスペシャルリーチが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値「198」に対して、変動時間が300000ms(300秒間)の特殊当たりが対応付けて規定されている。また、図1026(b)に示した通り、外れの抽選結果に対しては、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が2000ms(2秒間)の短外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~189」の範囲に対して、変動時間が6000ms(6秒間)の長外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190~193」の範囲に対して、変動時間が10000ms(10秒間)の外れノーマルリーチが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値「194」に対して、変動時間が15000ms(15秒間)の外れスーパーリーチが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「195,196」の範囲に対して、変動時間が150000ms(150秒間)の特殊外れAが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値「197」に対して、変動時間が200000ms(200秒間)の特殊外れBが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値「198」に対して、変動時間が300000ms(300秒間)の特殊外れCが対応付けて規定されている。これに対して、図1026(b)に示した通り、第2特別図柄の変動パターンは、第1特別図柄の保留球数に応じて変化するように構成されている。具体的には、図1026(b)に示した通り、大当たりの抽選結果に対しては、第1特別図柄の保留球数が0~3の範囲の場合、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が600000ms(600秒間)の当たり超ロング変動が対応付けて規定されている一方で、第1特別図柄の保留球数が4(即ち、上限個数)の場合、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が1000ms(1秒間)の短当たりが対応付けて規定されている。これに対して、外れの抽選結果に対しては、第1特別図柄の保留球数が0~3の範囲の場合、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が600000ms(600秒間)の外れ超ロング変動が対応付けて規定されている一方で、第1特別図柄の保留球数が4(即ち、上限個数)の場合、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が1000ms(1秒間)の短外れが対応付けて規定されている。
これらの規定内容により、第2確変状態においては、第1特別図柄の保留球数が上限個数である場合にのみ、第2特別図柄の変動時間が1秒間となり、その他の保留球数である場合には、第2特別図柄の変動時間が極端に長い時間(600秒間)となるため、本第1変形例における第2確変状態では、第1特別図柄の保留球数が4個になっている間のみ、右打ちにより第2特別図柄の抽選を行わせる遊技方法となり、その他の保留球数である間は、左打ちにより第1特別図柄の抽選を行わせる遊技方法となる。よって、第1特別図柄の保留球数に応じて有利度合いが高くなる遊技方法が変化する極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、第1特別図柄の保留球数が4個になり、第2特別図柄の変動時間が短くなったとしても、実行中の第1特別図柄の変動表示が終了すると、第1特別図柄の保留球が消化されて保留球数が減少してしまい、その後に第2特別図柄の抽選が実行されると600秒間という極めて長い変動時間に設定されてしまう。つまり、第2確変状態においては、基本的に、第1特別図柄の保留球が4個に到達したとしても、それだけでは第2特別図柄の抽選が実行され易い状態を形成することができない。言い換えれば、第1特別図柄の変動時間として、長い(150秒以上の)変動時間が設定され、当該長い変動時間の間に第1特別図柄の保留球を上限個数まで貯めることにより、比較的長い時間に渡って第1特別図柄の保留球数が上限数となっている状態を維持することができ、継続的に右打ちを行うことで第2特別図柄の抽選が頻繁に実行されて小当たり遊技も頻繁に実行される結果、特定入賞口165aへの入球に基づく賞球も頻繁に払い出される有利な状態を形成する。よって、本第1変形例では、第2確変状態において第1特別図柄の抽選で150秒以上の長い変動時間が設定されたことに基づいて、第1特別図柄の保留球を貯めるように遊技者に促すチャージモード演出(図1022参照)を実行し、変動時間が十分に残っている状態で第1特別図柄の保留球が上限個数まで貯まったことに基づいて、残変動時間中に継続的に右打ちを行うことで多量の賞球の払い出しを受けることができることを遊技者に示唆するボーナス演出(図1023参照)を実行する構成としている。このように構成することで、第1特別図柄の保留球が4個の状態を比較的長い期間維持可能な場合にのみ、右打ちを報知することができるので、第1特別図柄の保留球が3個以下に減った状態で遊技者が右打ちを行ってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者が損をしてしまうことを抑制することができる。
なお、本第1変形例では、第1特別図柄の保留球数が4であるか否かに応じて第2特別図柄の変動時間を異ならせる構成としていたが、第2特別図柄の変動時間を異ならせる契機となる保留球数は上限数である4に限られるものではなく、任意に定めることができる。例えば、第1特別図柄の保留球数が3以上である場合に第2特別図柄の変動時間を短くし、2以下である場合に第2特別図柄の変動時間を極端に長くしてもよいし、第1特別図柄の保留球数が1以上である場合に第2特別図柄の変動時間を短くし、2以下である場合に第2特別図柄の変動時間を極端に長くしてもよい。第2特別図柄の変動時間を短くする契機となる第1特別図柄の保留球数として少ない保留球数を設定するほど、チャージモードへと移行してからボーナス状態に移行するまでの期間が短くなり易くなるので、チャージモードにおいて無駄球を発生させてしまうことを抑制することができる。また、第2特別図柄の変動時間を短くする契機となる第1特別図柄の保留球数として多い保留球数を設定するほど、ボーナス状態が維持される期間を短くし易くすることができるので、遊技者にとって過剰に有利となりすぎてしまうことを抑制することができる。
次に、図1027を参照して、本第1変形例における変動パターンシナリオテーブル202baAの詳細について説明する。図1027は、本第1変形例における変動パターンシナリオテーブル202baAの規定内容を示した図である。図1027に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりA67,E67である場合に対して、特別図柄の抽選回数によらず、第2確変用テーブル202b3A(図1026(b)参照)が参照されるシナリオが規定されている。よって、大当たりA67,E67の終了後は、次に大当たりとなるまで、第1特別図柄の保留球数が3以下の範囲において第2特別図柄の変動時間が極端に長くなり、第1特別図柄の保留球数が上限数である4となっている間のみ第2特別図柄の変動時間が短くなるように制御される。
また、図1027に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりB67,F67である場合に対して、変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数が100回以下の範囲で確変・時短用テーブル202b2Aが参照され、特別図柄の抽選回数が101回以上の範囲で第2確変用テーブル202b3A(図1026(b)参照)が参照されるシナリオが規定されている。よって、大当たりB67,F67の終了後は、特別図柄の抽選が100回実行されるまでの間、大当たり確率が高く、右打ちにより第2特別図柄の抽選が実行され易いが小当たりによる賞球を得ることが極めて困難となる有利な状態を形成する。また、特別図柄の抽選が100回を超えた後においては、第1特別図柄の保留球数が3以下の範囲において左打ちにより遊技を行う必要がある比較的不利な状態を形成するが、第1特別図柄の保留球数が上限数となっている間は右打ちにより第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される上に小当たりによる賞球も容易に得ることができる有利な状態を形成する。また、図1027に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりC67,G67である場合は、特別図柄の抽選回数によらず、確変・時短用テーブル202b2Aが参照されるシナリオが規定されている。よって、大当たりC67,G67の終了後は、次に大当たりとなるまで、大当たり確率が高く、右打ちにより第2特別図柄の抽選が実行され易いが小当たりによる賞球を得ることが極めて困難となる有利な状態を形成する。また、前回の大当たり種別が大当たりD67,H67である場合に対して、変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数が100回以下の範囲で確変・時短用テーブル202b2Aが参照され、特別図柄の抽選回数が101回以上の範囲で通常用テーブル202b1が参照されるシナリオが規定されている。よって、大当たりD67,H67の終了後の時短状態においては、特別図柄の抽選が100回終了するまでの範囲では右打ちにより第2特別図柄の変動が頻繁に実行されるが、101回目以降は第2特別図柄の抽選を実行させることが困難となる(第2特別図柄の変動時間が極端に長くなるため第2特別図柄の抽選結果が示され難くなる)遊技性となる。更に、図1027に示した通り、パチンコ機10を初期化した後(RAMクリアスイッチ122を押下した状態で電源を投入した後)、初回の大当たりに当選するまでの間の変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数によらず、通常用テーブル202b1が参照されるシナリオが規定されている。このため、最初に大当たりに当選するまでは、第2特別図柄の抽選を実行させることが困難な状態に維持される。
次に、図1028を参照して、本第1変形例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図1028は、本第1変形例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図1028に示した通り、本第1変形例におけるRAM203は、上述した第27制御例におけるRAM203の構成(図1001参照)に対して、特図1仮停止フラグ203amCと、特図2仮停止フラグ203bbAと、が追加されている点で相違している。また、特図2変動停止フラグ203aiCが削除されている点でも相違している。これらの変更は、上述した第27制御例におけるパチンコ機10が、第1特別図柄および第2特別図柄の両方が変動表示中である状態で一方の特別図柄の変動表示が大当たり図柄または小当たり図柄で停止表示された場合に、他方の特別図柄の変動表示が外れ図柄で強制停止される(破棄される)タイプの同時変動方式(破棄仕様)を採用していたのに対して、本第1変形例では、一方の特別図柄の変動表示が大当たり図柄または小当たり図柄で停止表示された場合に、他方の特別図柄の変動表示が中断される(一方の特別図柄の大当たり遊技または小当たり遊技が終了するまで他方の変動時間の減算処理が回避される)タイプの同時変動方式(中断仕様)を採用していることによる変更である。この変更により、破棄仕様に必要であった特図2変動停止フラグ203aiCを削除し、中断仕様に必要な特図1仮停止フラグ203amC、および特図2仮停止フラグ203bbAを追加している。なお、特図1仮停止フラグ203amCは、上述した第26制御例の第3変形例における特図1仮停止フラグ203amCと同一の構成(第1特別図柄の変動表示が仮停止(中断)されていることを示すためのフラグ)であるため、その詳細な説明については省略する。また、特図2仮停止フラグ203bbAは、特図1仮停止フラグ203amCが第1特別図柄の仮停止中であることを示すためのフラグであるのに対し、第2特別図柄の仮停止中であることを示すためのフラグである。
次に、図1029(a)を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図1029(a)は、本第1変形例におけるROM222の構成を示したブロック図である。図1029(a)に示した通り、本第1変形例におけるROM222は、上述した第27制御例におけるROM222の構成(図1002(a)参照)に対して、初期秒数選択テーブル222baが追加されている点でのみ相違している。この初期秒数選択テーブル222baは、第2確変状態において、チャージモード(第1特別図柄のロング変動中)において第1特別図柄の保留球が上限数(4個)貯まってボーナス状態へと移行する場合に、ボーナス状態の残時間として報知される秒数(初期秒数)を選択するために参照されるデータテーブルである。この初期秒数選択テーブル222baの詳細について、図1030を参照して説明する。
図1030は、初期秒数選択テーブル222baの規定内容を示した図である。図1030に示した通り、この初期秒数選択テーブル222baには、実行中の第1特別図柄の変動表示の残変動時間(T)の値の範囲毎に、初期の保証期間(ボーナス状態移行後、最初に表示されるボーナス状態の残り時間)と演出カウンタ223fの値の範囲とが対応付けて規定されている。より具体的には、図1030に示した通り、残変動時間(T)の値が110秒未満の範囲においては、演出カウンタ223fの取り得る全ての値の範囲(「0~99」の範囲)に対して、初期の保証期間として、残変動時間(T)からTを10で割った余り(T mod 10)を減じ、更に10秒を減じた値が対応付けて規定されている。これにより、例えば、残変動時間が93.5秒である場合は、Tを10で割った余りが3.5秒となるため、初期保証期間が80秒(93.5秒-3.5秒-10秒)と算出される。このため、残変動時間が110秒未満である場合は、必ず、残変動時間(T)の一の位以下を切り捨てた値から10秒を減じた秒数が初期の保証期間として設定される。また、図1030に示した通り、残変動時間(T)が110秒以上、且つ、160秒未満の範囲内である場合は、演出カウンタ223fが「0~89」の範囲に対して、初期の保証期間として、残変動時間(T)からTを10で割った余り(T mod 10)を減じ、更に10秒を減じた値が対応付けて規定され、演出カウンタ223fが「90~99」の範囲に対して、初期の保証期間として100秒が対応付けて規定されている。このため、110≦T<160の範囲においては、90%の割合で残変動時間(T)の一の位以下を切り捨てた値から10秒を減じた秒数が初期の保証期間として設定され、10%の割合で初期の保証期間として100秒が設定される。
また、図1030に示した通り、残変動時間(T)が160秒以上、且つ、210秒未満の範囲内である場合は、演出カウンタ223fが「0~69」の範囲に対して、初期の保証期間として、残変動時間(T)からTを10で割った余り(T mod 10)を減じ、更に10秒を減じた値が対応付けて規定され、演出カウンタ223fが「70~94」の範囲に対して、初期の保証期間として100秒が対応付けて規定され、演出カウンタ223fが「95~99」の範囲に対して、初期の保証期間として150秒が対応付けて規定されている。このため、160≦T<210の範囲においては、70%の割合で残変動時間(T)の一の位以下を切り捨てた値から10秒を減じた秒数が初期の保証期間として設定され、25%の割合で初期の保証期間として100秒が設定され、5%の割合で初期の保証期間として150秒が設定される。また、図1030に示した通り、残変動時間(T)が210秒以上、且つ、300秒未満の範囲内である場合は、演出カウンタ223fが「0~49」の範囲に対して、初期の保証期間として、残変動時間(T)からTを10で割った余り(T mod 10)を減じ、更に10秒を減じた値が対応付けて規定され、演出カウンタ223fが「50~69」の範囲に対して、初期の保証期間として100秒が対応付けて規定され、演出カウンタ223fが「70~98」の範囲に対して、初期の保証期間として150秒が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値「99」に対して、初期の保証期間として200秒が対応付けて規定されている。このため、210≦T<300の範囲においては、50%の割合で残変動時間(T)の一の位以下を切り捨てた値から10秒を減じた秒数が初期の保証期間として設定され、20%の割合で初期の保証期間として100秒が設定され、29%の割合で初期の保証期間として150秒が設定され、1%の割合で初期の保証期間として200秒が設定される。
このように、本第1変形例では、ボーナス状態へと移行した場合に、ボーナス状態が終了するまでの見かけ上の残時間として、実際の残変動時間よりも短い時間を報知可能に構成しているので、残時間が0になった場合に上乗せ演出を発生させ易くすることができる。よって、上乗せ演出が発生することに期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1029(b)を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図1029(b)は、本第1変形例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図1029(b)に示した通り、本第1変形例におけるRAM223は、上述した第27制御例におけるRAM223の構成(図1002(b)参照)に対して、チャージモードフラグ223baAと、ボーナスフラグ223bbAと、保証期間タイマ223bcAと、が追加されている点で相違している。また、回避演出中フラグ223baが削除されている点でも相違している。チャージモードフラグ223baAは、チャージモードであるか否かを示すためのフラグである。このチャージモードフラグ223baAは、初期値がオフに設定されおり、第2確変状態において第1特別図柄の抽選が実行され、変動種別として変動時間が150秒以上の長さのいずれかの特殊変動が選択された場合にオンに設定され(図1042のS5824B参照)、チャージモードにおいて第1特別図柄の保留球が上限数(4個)まで貯まり、ボーナス状態へと移行した場合にオフに設定される(図1041のS4260B参照)。第2確変状態においては、このチャージモードフラグ223baAがオンであるか否かによって、チャージモードであるか否かが判別される。
ボーナスフラグ223bbAは、ボーナス状態であるか否かを示すためのフラグである。このボーナスフラグ223bbAは、チャージモードにおいて第1特別図柄の保留球が上限数まで貯まってボーナス状態への移行条件が成立した場合にオンに設定され(図1041のS4260B参照)、ボーナス状態が終了される場合にオフに設定される。このボーナスフラグ223bbAによって、ボーナス状態であるか否かが判別される。また、保証期間タイマ223bcAは、ボーナス状態において第3図柄表示装置81に表示されるボーナス状態の残り時間(ボーナス状態が終了するまでの最短時間)を示すタイマである。この保証期間タイマ223bcAは、初期値が0に設定されており、ボーナス状態への移行条件が成立した場合に、初期秒数選択テーブル222ba(図1030参照)を参照して決定した初期秒数に対応するタイマ値が設定される(図1041のS4257B参照)。また、ボーナス状態において上乗せ演出が発生した場合には、上乗せ演出によって報知された秒数に対応するタイマ値が設定される(図1038のS5907B参照)。この保証期間タイマ223bcAのタイマ値は、1m秒毎に実行される演出更新処理が実行される毎に値が1ずつ減算して更新される。この保証期間タイマ223bcAのタイマ値が0になった後においては、残変動時間に応じて、ボーナス終了演出(図1024(a)参照)を実行するか、上乗せ演出(図1024(b)参照)を実行するかが決定される。
<第27制御例の第1変形例における主制御装置の制御処理について>
次いで、図1031から図1037を参照して、第27制御例の第1変形例における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。本第27制御例の第1変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110にて実行される制御処理は、上述した第27制御例に対して、特別図柄変動処理(図1003のS101B参照)に代えて特別図柄変動処理(図1031のS111B参照)を実行する点でのみ相違している。その他の処理については上述した第27制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。まず、図1031を参照して、本第27制御例の第1変形例における特別図柄変動処理(S111B)について説明する。この特別図柄変動処理(S111B)は、上述した第27制御例における特別図柄変動処理(図1003参照)に代えて実行される処理である。図1031は、この特別図柄変動処理(S111B)の内容を示したフローチャートである。
この特別図柄変動処理(S111B)のうち、S2501A,S2504A,S2506A,S2509AおよびS2512Aの各処理では、それぞれ第27制御例における特別図柄変動処理(図1003参照)のS2501A,S2504A,S2506A,S2509AおよびS2512Aの各処理と同一の処理が実行される。また、第1特別図柄変動実行中処理(S2505A)、および第1特別図柄変動開始処理(S2508A)については、上述した第26制御例の第3変形例における特別図柄変動処理(図937参照)の第1特別図柄変動実行中処理(S2505A、図942参照)、および第1特別図柄変動開始処理(S2508A、図938参照)と同一の処理を行っているため、その詳細な説明については省略する。また、本第27制御例における特別図柄変動処理(S111B)では、S2501Aの処理において、現在が大当たり中又は小当たり中であると判別した場合に(S2501A:Yes)、次いで、特図1仮停止フラグ203amCと特図2仮停止フラグ203bbAとのどちらかがオンに設定されているかを判別し(S2511B)、特図1仮停止フラグ203amCと特図2仮停止フラグ203bbAとのどちらかがオンに設定されていると判別した場合には(S2511B:Yes)、仮停止されている特別図柄の種別に対応する第1図柄表示装置の表示を更新し(S2512B)、本処理を終了する。一方、S2511Bの処理において、特図1仮停止フラグ203amCと特図2仮停止フラグ203bbAとの両方がオフに設定されていると判別した場合には(S2511B:No)、S2512Bの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
また、本第27制御例の第1変形例における特別図柄変動処理(図1031参照)では、S2506Aの処理において、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0であると判別した場合に(S2504A:Yes)、第1特別図柄変動停止処理を実行し(S2513B)、処理をS2509Aへと移行する。詳細については図1032を参照して後述するが、この第1特別図柄変動停止処理(S2513B)は、上述した第27制御例における第1特別図柄変動停止処理(図1008参照)に代えて実行される処理である。また、本第27制御例の第1変形例における特別図柄変動処理(図1031参照)では、S2509Aの処理において、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0より大きい値ではないと判別した場合に(S2509A:No)、第2特別図柄変動開始処理を実行し(S2514B)、本処理を終了する。詳細については図1034を参照して後述するが、この第2特別図柄変動開始処理(S2514B)は、上述した第26制御例の第3変形例における第2特別図柄変動開始処理(図944参照)と同様に、第2特別図柄の抽選結果を示すための変動表示の開始を設定するための処理である。一方、S2509Aの処理において、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0より大きい値であると判別した場合には(S2509A:Yes)、第2特別図柄変動実行中処理を実行し(S2515B)、処理をS2512Aへと移行する。この第2特別図柄変動実行中処理(S2515B)の詳細については、図1035を参照して後述する。また、本第27制御例の第1変形例における特別図柄変動処理(図1031参照)では、S2512Aの処理において、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0であると判別した場合に(S2512A:Yes)、第2特別図柄変動停止処理を実行し(S2516B)、本処理を終了する。詳細については図1036を参照して後述するが、この第2特別図柄変動停止処理(S2516B)は、上述した第27制御例における第2特別図柄変動停止処理(図1013参照)に代えて実行される処理である。一方、S2512Aの処理において、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0ではないと判別した場合には(S2512A:No)、S2516Bの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次いで、図1032を参照して、本第27制御例の第1変形例における特別図柄変動処理(図1031参照)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S2513B)の詳細について説明する。この第1特別図柄変動停止処理(図1032参照)は、第27制御例における第1特別図柄変動停止処理(図1008参照)に代えて実行される処理であり、第27制御例における第1特別図柄変動停止処理(図1008参照)と同様に、第1特別図柄の変動時間が経過した場合に第1特別図柄の変動停止を設定するための処理である。図1032は、この第1特別図柄変動停止処理(S2513B)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理(S2513B)のうち、S3101A,S3105A~S3109AおよびS3102Bの処理では、第27制御例における第1特別図柄変動停止処理(図1008参照)のS3101A,S3105A~S3109AおよびS3102Bの処理と同一の処理が実行される。
また、本第27制御例の第1変形例における第1特別図柄変動停止処理(S2513B)では、S3101Aの処理において、特図1大当たりフラグ203abCがオンに設定されていないと判別した場合に(S3101A:No)、特図1外れ停止処理を実行し(S3111B)、処理をS3108Aへと移行する。詳細については図1033を参照して後述するが、この特図1外れ停止処理(S3111B)は、上述した第27制御例における特図1外れ停止処理(図1009参照)に代えて実行される処理である。S3102Bの処理において、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0より大きい値であると判別した場合には(S3102B:Yes)、特図2仮停止フラグ203bbAをオンに設定し(S3112B)、特図2仮停止フラグ203bbAのオンを示す特図2仮停止コマンドを設定し(S3113B)、第1図柄表示装置の第2特別図柄の仮停止を設定し(S3114B)、処理をS3105Aへと移行する。これにより、第1特別図柄の大当たり遊技が実行されている間、第2特別図柄の変動表示を仮停止させておく(変動時間が減算されないようにする)ことができ、大当たり遊技の終了に基づいて第2特別図柄の変動表示を再開させることができる。
次いで、図1033を参照して、上述した本第27制御例の第1変形例における第1特別図柄変動停止処理(図1032参照)の一処理である特図1外れ停止処理(S3111B)について説明する。この特図1外れ停止処理(S3111B)は、上述した第27制御例における特図1外れ停止処理(図1009参照)に代えて実行される処理であり、第27制御例における特図1外れ停止処理(図1009参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果が大当たり以外(小当たり、または完全外れ)となった場合に、抽選結果を示す図柄の停止表示を設定するための処理である。図1033は、この特図1外れ停止処理(S3111B)の内容を示したフローチャートである。この特図1外れ停止処理(S3111B)のうち、S3151B,S3152BおよびS3157B~S3159Bの処理では、それぞれ上述した第27制御例における特図1外れ停止処理(図1009参照)のS3151B,S3152BおよびS3157B~S3159Bの処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例の第1変形例における特図1外れ停止処理(S3111B)では、S3152Bの処理において、特図2変動時間カウンタ203agCの値が0より大きい値であると判別した場合に(S3152B:Yes)、特図2仮停止フラグ203bbAをオンに設定し(S3161B)、特図2仮停止フラグ203bbAのオンを示す特図2仮停止コマンドを設定し(S3162B)、第1図柄表示装置の第2特別図柄の仮停止を設定して(S3163B)、処理をS3157Bへと移行する。
次いで、図1034を参照して、上述した本第27制御例の第1変形例における特別図柄変動処理(図1031参照)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S2514B)の詳細について説明する。この第2特別図柄変動開始処理(S2514B)は、上述した第27制御例における第2特別図柄変動開始処理(図1010参照)に代えて実行される処理であり、第27制御例における第2特別図柄変動開始処理(図1010参照)と同様に、第2特別図柄の抽選を実行すると共に抽選結果に応じた変動表示を開始させるための処理である。図1034は、この第2特別図柄変動開始処理(S2514B)の内容を示したフローチャートである。図1034に示した通り、本第1の変形例における第2特別図柄変動開始処理(図1034参照)は、上述した第27制御例における第2特別図柄変動開始処理(図1010参照)に対して、S3201A,S3202Aの各処理(第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の小当たり又は大当たりで破棄された場合に実行される処理)が削除されている点でのみ相違している。その他の処理(S3201B~S3208Bの各処理)については、上述した第27制御例における第2特別図柄変動開始処理(図1010参照)と同一の処理が実行されるため、ここではその詳細な説明については省略する。
次いで、図1035を参照して、上述した本第27制御例の第1変形例における特別図柄変動処理(図1031参照)の一処理である第2特別図柄変動実行中処理(S2515B)の詳細について説明する。この第2特別図柄変動実行中処理(S2515B)は、上述した第26制御例の第3変形例における第2特別図柄変動実行中処理(図949参照)と同様に、第2特別図柄の変動表示中における各種制御を行うための処理である。図1035は、この第2特別図柄変動実行中処理(S2515B)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動実行中処理(S2515B)のうち、S3701AおよびS3702Aの各処理では、それぞれ上述した第66実施例の第3変形例における第2特別図柄変動実行中処理(図949参照)のS3701AおよびS3702Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例の第1変形例における第2特別図柄変動実行中処理(S2515B)では、先ず、特図2仮停止フラグ203bbAがオンであるかを判別し(S3701B)、特図2仮停止フラグ203bbAがオンであると判別した場合には(S3701B:Yes)、特図2変動再開コマンドを設定し(S3702B)、特図2仮停止フラグ203bbAをオフに設定し(S3703B)、処理をS3701Aへと移行する。一方、S3701Bの処理において、特図2仮停止フラグ203bbAがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S3701B:No)、S3702B,S3703Bの処理をスキップし、処理をS3701Aへと移行する。これらの第26制御例の第3変形例における第2特別図柄変動実行中処理(図949参照)に対する変形は、上述した第26制御例の第3変形例では、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄の大当たり図柄が停止表示された場合に、第2特別図柄の変動表示が仮停止されずに破棄される仕様であったのに対し、本第27制御例の第1の変形例では、第1特別図柄の大当たり又は小当たり図柄が停止表示された場合に第2特別図柄の変動表示が仮停止される仕様に変更されていることによるものである。
次いで、図1036を参照して、上述した本第27制御例の第1変形例における特別図柄変動処理(図1031参照)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S2516B)の詳細について説明する。この第2特別図柄変動停止処理(S2516B)は、上述した第27制御例における第2特別図柄変動停止処理(図1013参照)に代えて実行される処理であり、第27制御例における第2特別図柄変動停止処理(図1013参照)と同様に、第2特別図柄の変動時間が経過した場合に第2特別図柄の停止表示を設定するための処理である。図1036は、この第2特別図柄変動停止処理(S2516B)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理(S2516B)のうち、S3801A,S3805A~S3807A,S3809A,S3810AおよびS3802Bの各処理では、それぞれ上述した第27制御例における第2特別図柄変動停止処理(図1013参照)のS3801A,S3805A~S3807A,S3809A,S3810AおよびS3802Bの各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例の第1変形例における第2特別図柄変動停止処理(S2516B)では、S3801Bの処理において、特図2大当たりフラグ203acCがオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別した場合には(S3801A:No)、上述した第27制御例における特図2外れ停止処理(図1014参照)に代えて特図2外れ停止処理を実行し(S3811B)、処理をS3809Aへと移行する。この特図2外れ停止処理(S3811B)の詳細については、図1037を参照して後述する。また、本第27制御例の第1の変形例における第2特別図柄変動停止処理(図1036参照)では、S3802Bの処理において、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0より大きい値であると判別した場合には(S3802B:Yes)、特図1仮停止フラグ203amCをオンに設定し(S3812B)、特図1仮停止フラグ203amCのオンを示す特図1仮停止コマンドを設定し(S3813B)、次いで、第1図柄表示装置の第1特別図柄の仮停止を設定し(S3814B)、処理をS3805Aへと移行する。即ち、第2特別図柄の大当たり遊技の実行中に第1特別図柄の変動表示を仮停止させておくための処理を実行する。
次いで、図1037を参照して、上述した本第27制御例の第1変形例における第2特別図柄変動停止処理(図1036参照)の一処理である特図2外れ停止処理(S3811B)の詳細について説明する。この特図2外れ停止処理(S3811B)は、上述した第27制御例における特図2外れ停止処理(図1014参照)に代えて実行される処理であり、第27制御例における特図2外れ停止処理(図1014参照)と同様に、第2特別図柄の抽選で大当たり以外の抽選結果となった場合に変動停止を設定するための処理である。図1037は、この特図2外れ停止処理(S3811B)の内容を示したフローチャートである。この特図2外れ停止処理(S3811B)のうち、S3901B,S3902BおよびS3905B~S3907Bの各処理では、それぞれ上述した第27制御例における特図2外れ停止処理(図1014参照)のS3901B,S3902BおよびS3905B~S3907Bの各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例の第1変形例における特図2外れ停止処理(S3811B)では、S3902Bの処理において、特図1変動時間カウンタ203afCの値が0より大きい値であると判別した場合に(S3902B:Yes)、特図1仮停止フラグ203amCをオンに設定し(S3911B)、特図1仮停止フラグ203amCのオンを示す特図1仮停止コマンドを設定し(S3912B)、次いで、第1図柄表示装置の第1特別図柄の仮停止を設定し(S3913B)、処理をS3905Bへと移行する。即ち、第2特別図柄の小当たり遊技の実行中に第1特別図柄の変動表示を仮停止させておくための処理を実行する。
<第27制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1038から図1043を参照して、本第27制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。まず、図1038を参照して、本第27制御例の第1変形例における演出更新処理(S4111B)の詳細について説明をする。この演出更新処理(S4111B)は、実行中の各種演出の進行状況に応じた制御を行うための処理である。図1038は、演出更新処理(S4111B)の処理内容を示したフローチャートである。この演出更新処理(S4111B)では、先ず、ボーナスフラグ223bbAがオンであるかを判別し(S5901B)、ボーナスフラグ223bbAがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5901B:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S5901Bの処理において、ボーナスフラグ223bbAがオンであると判別した場合には(S5901B:Yes)、ボーナス状態中であることを意味するため、次いで、保証期間タイマ223bcAの値が0であるかを判別する(S5902B)。ここで、保証期間タイマ223bcAの値が既に0となっている状況とは、表示上のボーナス状態終了までの残時間が0となって終了待機演出(図1023(b)参照)が実行されている状況である。S5902Bの処理において、保証期間タイマ223bcAの値が0であると判別した場合には(S5902B:Yes)、終了待機演出(図1023(b)参照)の実行中であることを意味するため、次いで、残変動時間が10秒であるかを判別する(S5903B)。即ち、ボーナス状態の終了を報知するタイミングであるか否かを判別する。S5902Bの処理において、残変動時間が10秒であると判別した場合には(S5903B:Yes)、ボーナス状態の終了を報知するタイミングであることを意味するため、ボーナス状態の終了を報知するためのボーナス終了処理を実行し(S5904B)、本処理を終了する。このボーナス終了処理(S5904B)の詳細については、図1039を参照して後述する。一方、S5904Bの処理において、残変動時間が10秒ではないと判別した場合には(S5903B:No)、残変動時間が10秒の倍数であるかを判別し(S5905B)、残変動時間が10秒の倍数であると判別した場合には(S5905B:Yes)、残変動時間に対応する秒数を上乗せする上乗せ演出(図1024(b)参照)を設定し(S5906B)、上乗せした秒数を保証期間タイマ223bcAのタイマ値に設定し(S5907B)、本処理を終了する。なお、残変動時間に対応する秒数とは、残変動時間から10秒を減じた秒数である。これに対し、S5905Bの処理において、残変動時間が10秒の倍数ではないと判別した場合は(S5905B:No)、終了待機演出(図1023(b)参照)をそのまま継続させるために、S5906B,S5907Bの各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
一方、S5902Bの処理において、保証期間タイマ223bcAの値が0ではないと判別した場合には(S5902B:No)、表示上のボーナス状態終了までの残時間が残っている状態であることを意味するため、保証期間タイマ223bcAのタイマ値を1減算し(S5908B)、次いで、更新後のタイマ値に応じてボーナス状態終了までの残時間の表示を更新し(S5909B)、更新後の保証期間タイマ223bcAの値が0になったか否かを判別する(S5910B)。S5910Bの処理において、保証期間タイマ223bcAの値が0に更新されたと判別した場合には(S5910B:Yes)、残変動時間が10秒であるかを判別し(S5911B)、残変動時間が10秒であると判別した場合には(S5911B:Yes)、ボーナス状態の終了を報知するタイミングであることを意味するため、上述したボーナス終了処理を実行し(S5904B)、本処理を終了する。一方、S5911Bの処理において、残変動時間が10秒ではないと判別した場合には(S5911B:No)、終了待機演出(図1023(b)参照)の開始を設定し(S5913B)、本処理を終了する。
次に、図1039を参照して、上述した本第27制御例の第1変形例における演出更新処理(図1038参照)の一処理であるボーナス終了処理(S5904B)の詳細について説明する。図1039は、ボーナス終了処理(S5904B)の処理内容を示したフローチャートである。このボーナス終了処理(S5904B)は、ボーナス状態の終了を報知するタイミングとなった場合に、ボーナス終了時の状況(実行中の変動表示の抽選結果、および保留内の抽選結果)に応じて、ボーナス状態の終了を報知する演出の演出態様を設定するための処理である。このボーナス終了処理(S5904B)では、まず、現在実行中の第1特別図柄の変動が特殊当たり変動であるか否かを判別し(S5951B)、実行中の第1特別図柄の変動が特殊当たり変動であると判別した場合には(S5951B:Yes)、大当たりを報知する態様のボーナス終了演出(図1025(b)参照)を設定し(S5952B)、本処理を終了する。一方、S5951Bの処理において、実行中の第1特別図柄の変動が特殊当たり変動ではない(特殊外れ変動である)と判別した場合には(S5951B:No)、第1特別図柄の保留球の中に特殊変動(特殊当たり変動、または特殊外れ変動)が含まれているか否かを判別し(S5953B)、第1特別図柄の保留球の中に特殊変動が含まれていると判別した場合には(S5953B:Yes)、チャージゾーン突入を報知する態様のボーナス終了演出(図1025(a)参照)を設定し(S5954B)、本処理を終了する。一方、S5953Bの処理において、第1特別図柄の保留球の中に特殊変動が含まれていないと判別した場合には(S5953B:No)、通常のボーナス終了演出(図1024(a)参照)を設定し(S5955B)、本処理を終了する。このボーナス終了処理(図1039参照)を実行することにより、ボーナス終了時の状況に応じて適切な演出態様の終了演出を設定することができる。
次に、図1040を参照して、本第27制御例の第1変形例におけるコマンド判定処理(S4112B)の詳細について説明をする。このコマンド判定処理(S4112B)は、上述した第27制御例におけるコマンド判定処理(図1016参照)に代えて実行される処理であり、第27制御例におけるコマンド判定処理(図1016参照)と同様に、主制御装置110から受信した各種コマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。図1040は、このコマンド判定処理(S4112B)の処理内容を示したフローチャートである。この第27制御例の第1変形例におけるコマンド判定処理(S4112B)のうち、S4201,S4209~S4211,S4219,S4271A,S4272A,S4274A~S4279A,S4281A,S4282A,S4285A,S4286AおよびS4201Bの各処理では、それぞれ第27制御例におけるコマンド判定処理(図1016参照)のS4201,S4209~S4211,S4219,S4271A,S4272A,S4274A~S4279A,S4281A,S4282A,S4285A,S4286AおよびS4201Bの各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例の第1変形例におけるコマンド判定処理(S4112B)では、S4211の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合に(S4211:Yes)、入賞コマンド処理を実行し(S4211B)、本処理を終了する。この入賞コマンド処理(S4211B)の詳細については、図1041を参照して後述する。また、本第1変形例におけるコマンド判定処理(図1040参照)では、S4281Aの処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合に(S4281A:No)、上述した第26制御例の第3変形例におけるコマンド判定処理(図955参照)と同様にS4283A、およびS4284Aの各処理を実行する。これらの処理内容については、上述した第26制御例の第3変形例におけるコマンド判定処理(図955参照)と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
次に、図1041を参照して、上述した本第27制御例の第1変形例におけるコマンド判定処理(図1040参照)の一処理である入賞コマンド処理(S4211B)について説明する。この第27制御例の第1変形例における入賞コマンド処理(S4211B)は、入賞情報コマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。図1041は、この入賞コマンド処理(S4211B)の処理内容を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理(S4211B)では、まず、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドに基づく入賞情報を入賞情報格納エリア223bに格納し(S4251B)、チャージモードフラグ223baAがオンであるかを判別し(S4252B)、チャージモードフラグ223baAがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S4252B:No)、入賞情報に応じた表示態様の保留図柄の表示を設定し(S4253B)、本処理を終了する。一方、S4252Bの処理において、チャージモードフラグ223baAがオンであると判別した場合には(S4252B:Yes)、現在がチャージモード演出(図1022参照)の実行中であることを意味するため、次いで、今回の入賞情報コマンドにより通知された入賞情報が第1特別図柄に対応する入賞情報であるかを判別し(S4254B)、第1特別図柄に対応する入賞情報ではないと判別した場合には(S4254B:No)、処理をS4253Bへと移行する。一方、S4254Bの処理において、第1特別図柄に対応する入賞情報であると判別した場合には(S4254B:Yes)、ボーナスメーターBMのメーター数を現在よりも1増加させ(S4255B)、次いで、ボーナスメーターBMのメーター数が上限(4)であるかを判別する(S4256B)。S4256Bの処理において、ボーナスメーターBMのメーター数が上限であると判別した場合には(S4256B:Yes)、初期秒数選択テーブル222ba(図1030参照)を参照して、実行中の第1特別図柄の変動表示における残変動時間と演出カウンタ223fの値とに対応する初期の保証期間を特定し(S4257B)、特定した保証期間に対応するタイマ値を保証期間タイマ223bcAに設定する(S4258B)。そして、特定した初期保証期間がボーナス状態の終了までの残時間として表示されたボーナス状態への突入を報知し(S4259B)、チャージモードフラグ223baAをオフに設定すると共にボーナスフラグ223bbaをオンに設定し(S4260B)、本処理を終了する。一方、S4256Bの処理において、ボーナスメーターBMのメーター数が上限(4)ではないと判別した場合には(S4256B:No)、そのまま本処理を終了する。この入賞コマンド処理(図1041参照)を実行することにより、第2確変状態において変動時間が150秒以上の特殊変動が開始された場合に、第1特別図柄の保留球数に同期させてボーナスメーターBMのメーター数を変更する(増加させる)ことができ、遊技者に対してボーナスメーターBMのメーター数を上限まで貯めさせれば良いということを容易に理解させることができる。
次に、図1042を参照して、本第27制御例の第1変形例における変動表示設定処理(図964のS4113A)の一処理である特図1用変動表示設定処理(S5711B)の詳細について説明する。この特図1用変動表示設定処理(S5711B)は、上述した第27制御例における特図1用変動表示設定処理(図1018参照)に代えて実行される処理であり、第27制御例における特図1用変動表示設定処理(図1018参照)と同様に、第2確変状態において第1特別図柄の抽選が実行された場合に、当該第1特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図1042は、この特図1用変動表示設定処理(S5711B)の内容を示したフローチャートである。この特図1用変動表示設定処理(S5711B)のうち、S5810Bの処理では、第27制御例における特図1用変動表示設定処理(図1018参照)のS5810Bの処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例の第1変形例における特図1用変動表示設定処理(S5711B)では、先ず、現在がチャンスゾーン(第2確変状態で、且つ、特殊変動の実行中ではない状態)中であるかを判別し(S5821B)、現在がチャンスゾーン中であると判別した場合には(S5821B:Yes)、第1特別図柄の抽選結果が特殊当たり又は特殊外れであるかを判別する(S5822B)。S5822Bの処理において、第1特別図柄の抽選結果が特殊当たり又は特殊外れであると判別した場合には(S5822B:Yes)、チャージモードへの移行を示す演出態様(変動開始後1秒経過時にチャージ図柄が揃う演出が実行されてチャージモードへと移行する演出態様)を決定し(S5823B)、チャージモードフラグ223baAをオンに設定して(S5824B)、処理をS5810Bへと移行する。一方、S5822Bの処理において、抽選結果が特殊当たりでも特殊外れでもないと判別した場合には(S5822B:No)、通知された変動パターンに対応する変動表示態様を従変動パターン選択テーブル222aを参照して決定し(S5825B)、処理をS5810Bへと移行する。これに対し、S5821Bの処理において、現在がチャンスゾーン中ではないと判別した場合には(S5821B:No)、第2特別図柄の抽選が主として実行されるボーナス状態であることを意味するため、第1特別図柄の変動表示演出を目立ち難くすべく通知された変動パターンに対応する小領域における変動表示態様を決定し(S5826B)、処理をS5810Bへと移行する。
次に、図1043を参照して、本第27制御例の第1変形例における変動表示設定処理(図964のS4113A)の一処理である特図2用変動表示設定処理(S5712B)の詳細について説明する。この特図2用変動表示設定処理(S5712B)は、上述した第27制御例における特図2用変動表示設定処理(図1019参照)に代えて実行される処理であり、第27制御例における特図2用変動表示設定処理(図1019参照)と同様に、第2特別図柄の抽選が実行された場合に、当該第2特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図1043は、この特図2用変動表示設定処理(S5712B)の内容を示したフローチャートである。この特図2用変動表示設定処理(S5712B)のうち、S5851B,S5852B,S5856BおよびS5857Bの各処理では、それぞれ上述した第27制御例における特図2用変動表示設定処理(図1019参照)のS5851B,S5852B,S5856BおよびS5857Bの各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例の第1変形例における特図2用変動表示設定処理(S5712B)では、S5851Bの処理において、現在の遊技状態が通常状態ではないと判別した場合に(S5851B:No)、現在がチャンスゾーン中であるかを判別し(S5861B)、現在がチャンスゾーン中ではないと判別した場合には(S5861B:No)、チャージモードフラグ223baAがオンであるかを判別する(S5862B)。S5862Bの処理において、チャージモードフラグ223baAがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5862B:No)、処理をS5856Bへと移行する。一方、S5861Bの処理において、現在がチャンスゾーン中であると判別した場合(S5861B:Yes)、もしくは、S5862Bの処理において、チャージモードフラグ223baAがオンであると判別した場合には(S5862B:Yes)、処理をS5852Bへと移行する。
以上説明した通り、第27制御例の第1変形例におけるパチンコ機10では、所定の状態(第2確変状態)において判別手段により所定の判別がされた(第2特別図柄の抽選結果が小当たりとなった)場合に、変位手段(開閉扉165f)を所定期間、遊技球が入球手段(特定入賞口165a)に入球困難となる第2位置(閉鎖状態)から遊技球が入球可能となる第1位置(開放状態)に変位させること(小当たり遊技を実行すること)を前提として、所定の状態において、入球手段へと入球し得る特定方向へと遊技球を発射し続けた(右打ちを行い続けた)としても変位手段が少なくとも特定の長さの期間(600秒間)第2位置から第1位置に変位されない第1の状況(第2特別図柄の変動時間として必ず600秒が設定される状況)と、特定方向へと遊技球を発射し続けた場合に特定の長さの期間において変位手段が複数回第2位置から第1位置へと変位され得る第2の状況(第2特別図柄の変動時間が大幅に短い1秒間になる状況)と、が成立し得るように構成した。即ち、特定の遊技状態を、球を打ち出したとしても賞球を獲得可能な制御が実行されない状態と球を打ち出し続けることで賞球を獲得可能な制御が実行される状態とが形成され得る遊技状態として構成している。より具体的には、第2確変状態(特定の遊技状態)において第1特別図柄の保留球数が特定数(4)未満となっている間は第2特別図柄の変動時間として必ず600秒が設定されるため右打ちしても小当たり遊技が少なくとも600秒間の間実行されない第1の状況が成立する一方で、第1特別図柄の保留球数が特定数(4)以上となっている間は第2特別図柄の変動時間として必ず1秒が設定されるため右打ちを行い続けることにより短期間に複数回の小当たり遊技が実行され得る有利な第2の状況が成立するように構成した。このように構成することで、同一の第2確変状態であるにもかかわらず第1の状況であるか第2の状況であるかによって有利度合いを大幅に異ならせる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第27制御例の第1変形例におけるパチンコ機10では、少なくとも特定の遊技状態(第2確変状態)が設定されてから所定条件が成立するまで(変動時間が150秒以上の特殊変動が開始されるまで)の間の演出として第1演出(チャンスゾーン中演出)を実行し、所定条件として、第1演出の実行中に行われた所定の判別(第1特別図柄の抽選)の判別結果が第1の判別結果(大当たり)とは異なる第2の判別結果(外れ、且つ、変動時間が150秒となる抽選結果)となったことに基づいて、第1演出に含まれない演出態様であって第1演出の実行中よりも第1方向(左方向)へと遊技球を発射するべきであることを遊技者が把握し易くなる演出態様である特定演出態様(左打ちを促す各種表示)を少なくとも含んで構成される第2演出(チャージモード演出)を実行する構成としている。即ち、特定の遊技状態における演出として、遊技状態に対応する発射方向への発射が比較的強く促される演出と、遊技状態に対応する発射方向が演出内容から比較的分かり難い演出と、状況に応じて切り替える構成としている。より具体的には、本第1の変形例における第2確変状態(特定の遊技状態)では、基本的に、第2特別図柄の変動時間が極端に長くなり、右打ちを行っても第2特別図柄の抽選がほとんど実行されないため左打ち遊技(特定方向へ遊技球を発射する遊技方法)で遊技を進行する遊技状態を形成する。そして、第2確変状態において第1特別図柄の保留球が4個貯まった状況下においてのみ、第2特別図柄の変動時間として短い変動時間(1秒間)が設定されるように制御することで、右打ちにより第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される有利な状態を形成する構成としている。しかしながら、第1特別図柄の保留球が4個貯まったとしても、実行中の第1特別図柄の変動表示が短い変動時間である場合、右打ちを行って第2特別図柄の抽選を実行させようとしても、第1特別図柄の変動表示が終了して保留球が減少し、保留球が3個以下の状況下で第2特別図柄の変動表示が開始されてしまう(極端に長い変動時間に設定される)可能性がある。つまり、第1特別図柄の保留球を4個貯めたとしても無駄になる(右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させることができない)という状況が比較的高頻度で発生する。そこで、本第1変形例では、第2確変状態が設定されている間は基本的に左打ちを促すことはせず、第1特別図柄の抽選で極めて長い(150秒以上の)変動時間に対応する抽選結果となった場合にのみ、第1特別図柄の保留球を上限まで貯めさせるために左打ちを促すチャージモード演出(第2演出)を実行する構成としている。このように構成することで、無駄に第1特別図柄の保留球を上限まで貯めてしまい、保留球を増加させることができない状況かで更に第1入球口64へと遊技球が入球する(所謂オーバー入賞が発生する)事象が発生することを抑制することができる。よって、遊技者が損をしてしまうことを抑制することができる。
なお、本第1変形例では、第2確変状態において変動時間が150秒以上の特殊変動に対応する抽選結果となるまでは、左打ちが促されない演出を実行し、特殊変動に対応する抽選結果となったことに基づいて左打ちが促される演出(チャージモード中演出)を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、特殊変動に対応する抽選結果となっていなくても、左打ちを促す構成としてもよい。このように構成することで、チャンスゾーンという表示内容から一般的な遊技機における時短状態等の有利な遊技状態を遊技者がイメージしてしまい、誤って右打ちを行って損をしてしまうことを抑制することができる。
本第1変形例では、チャージモード中演出として、第1特別図柄の保留球数が増加するほどボーナスメーターBMのメーター数が増加していくと共にウサギのキャラクタ801の纏うオーラ801bが大きくなっていく演出態様の演出を実行する構成としていたが、チャージモードにおける演出態様はこれに限られるものではなく、遊技者が第1特別図柄の保留球数(ボーナス状態への移行可能性)を把握し得る態様の演出であればなんでもよい。また、必ずしも第1特別図柄の保留球数(ボーナス状態への移行可能性)を把握可能な演出を実行する必要はなく、左打ちは報知されるものの、第1特別図柄の保留球数によらない演出態様で構成される演出を実行してもよい。このように構成した場合、第1特別図柄の保留球数が上限個数まで貯まることで、突如としてボーナス状態が発生したかのような印象を遊技者に対して抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第1変形例では、第2確変状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にも、変動時間が150秒以上の特殊変動が選択され得る構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、外れの場合にのみ特殊変動が選択され得る構成としてもよい。このように構成することで、ボーナス状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとならなかった場合に、必ず第2確変状態が継続される(特殊変動の終了に基づいて第1特別図柄の大当たり遊技が実行されることがない)ため、特殊変動の終了まで大当たりとならないことをより強く期待させることができる。
本第1変形例では、変動時間が150秒間の特殊変動が実行された場合に、必ずチャージモード演出を実行する構成としていたが、チャージモード演出は必ずしも実行しなくてもよい。例えば、特殊大当たり変動の一部で、チャージモード演出を実行しない構成としてもよい。このように構成することで、第2特別図柄が長い変動を行っているにもかかわらずチャージモード演出が実行されないことに対する違和感を遊技者に対して抱かせることができ、周囲に悟られずに大当たりとなったことを確信させることができる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第1変形例では、第2確変状態の開始時に、必ず第2特別図柄の変動時間が極端に長くなるため左打ちにより遊技を行う必要があるチャンスゾーンとなるように構成していたが、所定条件下で、ボーナス状態から開始させる構成としてもよい。具体的には例えば、特別図柄の抽選回数が1回目に限り、第1特別図柄の保留球数が所定個数(例えば、3個)となっていた場合に、必ず第1特別図柄の特殊変動(ロング変動)が選択されるように構成してもよい。そして、例えば、特別図柄の抽選が10回実行されるまでは、第1特別図柄の保留球数が3個以上で第2特別図柄の変動時間が短くなるように構成してもよい。このように構成することで、大当たり終了時に第1特別図柄の保留球が上限数まで貯まっている場合に、第1特別図柄の保留球が1個消費されることで第1特別図柄の保留球が3個の状態となり、第1特別図柄の特殊変動が実行されると共に第2特別図柄の変動時間が短くなるため、大当たり終了直後から右打ちにより小当たりが頻繁に実行される有利なボーナス状態を形成することができる。このため、左打ちをある程度行って10回の特別図柄の抽選が実行されるまでに第1特別図柄の保留球を上限数にしておきつつ、第2特別図柄の小当たりによる賞球を獲得できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、第1特別図柄の保留球数をなるべく上限まで貯めておきたいと考えさせることができるので、特に、通常状態において積極的に左打ちを行わせることができる。また、上記において、第2特別図柄の変動時間が短くなる条件を変更しない構成とした場合、大当たり終了直後からチャージモードとすることもできる。
本第2変形例、および上述した第1変形例では、第2確変状態において第1特別図柄の保留球が4未満の状況で第2特別図柄の抽選が実行された場合に、極端に長い変動時間(600秒)が設定される構成としていたが、加えて、保留球が4未満の状況で右打ちを検出した場合に、左打ちに戻すように強く促す演出(警告演出)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、第2特別図柄のロング変動(600秒の変動表示)が開始されることを抑制することができる。特に、第1特別図柄の特殊変動が開始されてから第1特別図柄の保留球が上限(4)まで貯まるよりも前に第2特別図柄の変動表示が開始されてしまうと、特殊変動の実行中に第2特別図柄の変動表示を終了させる方法がなく、特殊変動が無駄となってしまう(ボーナス状態を一回分損してしまう)ため、警告演出により第2特別図柄のロング変動を開始され難く構成することで、遊技者が損をしてしまうことを抑制することができる。
本第1変形例では、第2確変状態において第1特別図柄の保留球数が上限未満の状況下においても、第2入球口640へと遊技球が入球した場合に第2特別図柄の抽選が実行される構成としていたが、これにかぎられるものではない。例えば、第2確変状態において第1特別図柄の保留球数が上限数(4)未満の状況下においては、物理的に第2特別図柄の始動入賞が発生しないように右打ちしても電動役物640aが開放しなくなる、若しくはスルーゲート67を遊技球が通過しなくなるように構成してもよい。つまり、スルーゲート67を遊技球が通過した場合に、第1特別図柄の保留球数を参照して、保留球数が4未満である場合は普通図柄の抽選自体を行わないか、若しくは普通図柄の抽選自体は行われたとしても当たりにならないように構成してもよい。また、例えば、スルーゲート67へと遊技球が到達可能となる第1位置とスルーゲート67へと遊技球が到達困難となる第2位置とに変位可能な所定の変位部材を設ける構成とし、当該変位部材を、第1特別図柄の保留球数が上限数(4)未満の場合に第2位置に維持し、第1特別図柄の保留球数が上限数(4)の場合にのみ第1位置へと変位させる構成としてもよい。このように構成することで、第2確変状態において第1特別図柄の保留球数が4未満の状況下で第2特別図柄の抽選が実行されてしまい、極端に長い変動時間(600秒)が設定されてしまうことを抑制することができる。また、これらに代えて、第1特別図柄の保留球数が上限数(4)未満の状況下で第2入球口640への入球を検出した場合に、第2特別図柄の保留球を獲得する制御は行われる一方で、第1特別図柄の保留球数が4になるまで第2特別図柄の抽選が実行されることを回避する(遅延させる)ように構成してもよい。このように構成した場合も、第2確変状態において第1特別図柄の保留球数が4未満の状況下で第2特別図柄の抽選が実行されてしまい、極端に長い変動時間(600秒)が設定されてしまうことを抑制することができる。
<第27制御例の第2変形例>
次に、図1044を参照して、第27制御例の第2変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1変形例におけるパチンコ機10では、第2確変状態において第1特別図柄の保留球が特定個数(4個)以上貯まった場合に、第2特別図柄の変動時間が短くなることにより右打ちを行うことで小当たり遊技が頻繁に実行される有利な状態を形成する構成としていた。そして、第2確変状態においては、第1特別図柄の抽選で変動時間が150秒以上の長い変動時間が選択された(第1特別図柄の抽選でロング変動に当選した)ことに基づいて、第1特別図柄の保留球が貯まり易くなる左打ち遊技を促すことで第1特別図柄の保留球を貯めさせる演出を実行して、残りの変動時間において右打ちにより頻繁に小当たり遊技が実行される有利な状態(ボーナス状態)を形成する構成としていた。
これに対して本第2変形例におけるパチンコ機10では、盤面右側の流路に対して、第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口640に加えて、第1特別図柄の抽選契機となる右第1入球口64rを設ける構成とした。つまり、第2確変状態において、第1特別図柄の保留球が特定数(4)未満の状況下においても、右打ちを行うことで第1特別図柄の抽選を実行させ、遊技を進行可能に構成した。即ち、第1特別図柄のロング変動に当選する前であっても、ロング変動に当選した後(チャージモードやボーナス状態)であっても、右打ち遊技を行うことにより遊技を進行可能に構成することで、第2確変状態における遊技方法を統一することができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。
この第2変形例におけるパチンコ機10が、上述した第1変形例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第27制御例の第1変形例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第27制御例の第1変形例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
図1044を参照して、本第2変形例における遊技盤13の盤面構成について説明する。図1044は、本第2変形例における遊技盤13の正面図である。図1044に示した通り、本第2変形例における遊技盤13は、上述した第1変形例における遊技盤13の盤面構成(図1020参照)に対して、可変表示装置ユニット80の右側の流路に対して、第1特別図柄の抽選契機となる右第1入球口64rが設けられている点でのみ相違している。この右第1入球口64rは、当該右第1入球口64rへと遊技球が入球可能となる第1位置(開放状態)と、右第1入球口64rへと遊技球が入球困難となる第2位置(閉鎖状態)と、に変位可能な変位部材64rfが付随して設けられている。この変位部材64rfは、パチンコ機10に対して電源が投入されている間、第1位置と第2位置とが周期的に切り替わるように構成されている。この周期は、左打ちで発射された遊技球が第1入球口64へと入球する可能性よりも、右打ちで発射された遊技球が右第1入球口64rへと入球する可能性の方が低くなるように設定されており、例えば、0.2秒間の第1位置と、4.8秒間の第2位置と、が周期的に切り替わるように構成されている。これにより、右打ちされた遊技球の約1/25が右第1入球口64rへと入球する。よって、第2入球口640への入球に基づいて払い出される賞球を加味すると、左打ちを行った場合と遜色ない程度の球持ち(ベース)を実現することができる。即ち、右打ちを行い続けた場合に右第1入球口64rへと入球する頻度は、左打ちを行い続けた場合に第1入球口64へと入球する頻度より若干低くなるが、発射された遊技球の個数に対する払い出される賞球数の比としては右打ちの方が大きい値となるため、第1特別図柄の抽選が実行され易い状態においては、トータルとして、左打ちと右打ちとで有利度合いに差がほとんどない(左打ちが僅かに有利となる)ように構成されている。このため、特に、第1特別図柄の保留球数、および第1特別図柄の変動種別に応じて第2特別図柄の抽選頻度が変わる第2確変状態において、上述した第1変形例のように状況(第1特別図柄の保留球数、および第1特別図柄の変動種別)に応じて遊技方法を変更する必要がなくなり、状況によらず単に右打ちを行い続ける遊技方法で遊技を行えば良くなるため、遊技者の利便性を向上させることができる。
以上説明した通り、第27制御例の第2変形例におけるパチンコ機10では、第1判別手段の判別(第1特別図柄の抽選)と第2判別手段の判別(第2特別図柄の抽選)とのうち、少なくとも第2判別手段の判別が実行されることを抑制する特定制御(第2特別図柄の変動時間を極端に長くする制御)が実行される第1遊技状態(第2確変状態)において、特定方向へと遊技球を発射することで取得され得る判別情報(第1特別図柄の保留球)を所定数(4)を上限として記憶可能な判別情報記憶手段(第1特別図柄保留球格納エリア203a)に対して所定数の判別情報が記憶されている状況下であっても、遊技球の発射を停止するよりも特定方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易くなる構成としている。より具体的には、本第2変形例では、上述した第1変形例と同様に、第2確変状態(第1遊技状態)において第1特別図柄の保留球が上限数である4になっている状況下でのみ、第2特別図柄の変動時間が短い有利な状態(右打ちにより小当たりが頻繁に実行されて特定入賞口165aへの入球に基づく賞球が頻繁に払い出される状態)を形成可能に構成されていることを前提として、右打ちにより発射された(特定方向へと発射された)遊技球が入球可能な位置に対して、第1特別図柄の抽選契機となる右第1入球口64rを設けることにより、第2確変状態において第1特別図柄の保留球が上限数(4)となった後も、第1特別図柄の保留球を増加させるために行っていた遊技方法(右打ち遊技)をそのまま継続した方が有利度合いが高くなる構成としている。即ち、保留の状況によらず球の打ち出しを停止するよりも打ち出した方が有利になる遊技状態を形成可能に構成している。ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動口へと遊技球が入球したことに基づいて大当たりか否かの抽選を実行し、当該抽選が実行されてから抽選結果が示されるまでの間に更に始動口への遊技球の入球を検出した場合に、新たな入球によって取得された入賞情報に基づく抽選の実行を、所定の上限回数まで保留する(保留球として記憶しておく)ことが可能に構成されているものが広く一般的に知られている。係る従来型の遊技機においては、入賞情報が所定の上限回数分記憶された後においては、追加で始動口への入球が発生した場合に当該入球が無駄になってしまうため、遊技球を始動口へ向けて発射するよりも発射を停止した方が有利度合いが高くなり、遊技者が発射を抑えてしまうという問題点がある。これに対して本第2変形例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の抽選契機となる右第1入球口64rへと遊技球を発射して第1特別図柄の保留球が上限数まで貯まった後においても右打ちを継続した方が、遊技球の発射を停止するよりも有利度合いが高くなる構成としているので、第1特別図柄の保留球が上限数まで貯まった後においても、遊技者に対して遊技球を積極的に発射させることができる。
なお、本第2変形例では、右第1入球口64rに付随する変位部材64rfを、遊技状態によらない同一の切り替えパターンで第1状態と第2状態とを切り替える構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第2確変状態においては、より右第1入球口64rへと入球し易くなるように一周期の間に第1状態に設定される期間を長くするように構成し、第2確変状態以外の遊技状態においては、右第1入球口64rへと遊技球が入球し難くなるように一周期の間に第1状態に設定される期間を短くする(若しくは0にする)構成としてもよい。このように構成することで、第2確変状態において第1特別図柄の抽選を効率良く実行させることができる上に、確変状態や時短状態において比較的有利度合いが低い第1特別図柄の抽選で大当たりとなってしまう可能性を低減することができる。また、通常状態において右打ちにより遊技を行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
本第2変形例、および上述した第1変形例では、第2確変状態において、右打ちを行った場合に第2特別図柄の変動時間が短くなる(第2特別図柄の抽選間隔が短くなる)ボーナス状態の方が、第2特別図柄の変動時間が長くなる(第2特別図柄の抽選間隔が長くなる)チャンスゾーンよりも有利度合いが高くなる構成としていたが、右打ちを行った場合に第2特別図柄の変動時間が長くなる状態(第2特別図柄の抽選間隔が長くなる状態)の方が、第2特別図柄の変動時間が短くなる状態(第2特別図柄の抽選間隔が短くなる状態)よりも有利度合いが高くなるように構成してもよい。具体的には例えば、可変入賞装置165よりも下流に可変入賞装置165よりも賞球数が多い一般入賞口を設ける構成とし、第2特別図柄の変動時間が短い間は右打ちを行い続けた場合に電動役物640aも可変入賞装置165も頻繁に開放されることにより一般入賞口へと到達することが困難となるように構成してもよい。このように構成した場合、第2特別図柄のロング変動中に右打ちされて第2入球口640へと入球しなかった遊技球を、可変入賞装置165を通過させて一般入賞口へと入球させることができるので、払い出される賞球数の面で有利度合いを高くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第2変形例、および上述した第1変形例では、第2確変状態において第1特別図柄の保留球が特定数以上貯まっている状態で右打ちを行った場合に、頻繁に小当たり遊技が実行されることで賞球が多く払い出され易い有利な状態を形成し、有利度合いを高くする構成としていたが、第2特別図柄の小当たりを設けずに、単に第2特別図柄の抽選を第1特別図柄の抽選よりも有利にするのみとしてもよい。このように構成したとしても、有利な第2特別図柄の抽選を実行させたいと遊技者に考えさせることができ、チャージモードに移行する(特殊変動が実行される)ことを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第27制御例の第3変形例>
次に、図1045から図1050を参照して、第27制御例の第3変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第26制御例におけるパチンコ機10では、比較的有利度合いが高い第2確変状態において、判別の回数(特別図柄の抽選回数)が特定回数(100回)以下の状況下で特定の判別結果(大当たりの抽選結果)になったとしても、第2確変状態に設定された後で少なくとも特定回数の判別が実行されるまで、他の遊技状態への移行条件(大当たり遊技の開始条件)が成立しないように構成していた。
これに対して第27制御例の第3変形例におけるパチンコ機10では、比較的有利度合いが低い通常状態において判別の回数が特定回数以下の状況下で特定の判別結果になったとしても、少なくとも特定回数の判別が実行されるまで、他の遊技状態への移行条件(大当たり遊技の開始条件)が成立しないように構成した。より具体的には、通常状態において大当たり遊技が実行されずに特定回数(例えば、750回)の特別図柄の抽選が実行された場合に、通常状態よりも有利度合いが高い第2時短状態へと移行させる仕様(通常状態の抽選回数に所謂天井抽選回数を設ける仕様)を前提として、通常状態において特定回数未満の所定回数(例えば、700回)の特別図柄の抽選が実行された場合に、所定回数から特定回数(天井抽選回数)までの範囲において、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選したとしても、当該大当たり当選に基づく大当たり遊技が実行されることを回避可能に構成している。より具体的には、通常状態における第1特別図柄の抽選回数が所定回数以上、且つ、特定回数未満の状況下においては、第1特別図柄の保留球数が特定数以上(4個)貯まった状態においてのみ、第2特別図柄の変動時間が短くなる(1秒になる)変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定する構成としている。つまり、第1特別図柄の大当たり変動中に第1特別図柄の保留球を特定数(4個)以上貯めてから右打ちを行うことにより、第2特別図柄の変動表示が短時間に連続して実行される状態を形成し、高確率で小当たりに当選することにより実行中の第1特別図柄の大当たり変動を外れ図柄で強制停止(破棄)することができる状態を形成する。言い換えれば、通常状態における第1特別図柄の抽選回数が所定回数以上、特定回数未満の状況下においては、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、遊技方法に応じて大当たり遊技の実行を回避するか、そのまま大当たり遊技を実行させるかを選択可能に構成することで、有利度合いが低い第1特別図柄の大当たりに当選することを回避したいと考える遊技者に対して、第1特別図柄の大当たり遊技の実行を特定回数(天井抽選回数)に到達するまで回避して有利度合いが高い第2時短状態へと移行させる遊技方法を選択させることができる。また、大当たり遊技をすぐにでも実行させたいと考える遊技者に対して、第1特別図柄の大当たり遊技の実行を回避せずにそのまま大当たり遊技を開始させる遊技方法を選択させることができる。よって、遊技者毎の好みに応じた遊技方法を選択させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第27制御例の第3変形例におけるパチンコ機10が、上述した第27制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第27制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第27制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図1045から図1047を参照して、本第3変形例における特徴的な演出態様について説明する。まず、図1045(a)を参照して、通常状態において変動表示演出が実行されている場合における演出態様について説明する。図1045(a)に示した通り、通常状態においては、主表示領域Dmにおける左上部分に形成される表示領域Dm1に対して、現在の抽選回数に応じた情報を表示する構成としている。図1045(a)では、通常状態における特別図柄の抽選回数が215回である場合を例示しており、表示領域Dm1に対して「ゲーム数215回」という文字が表示されている。また、図1045(b)は、通常状態において天井抽選回数に到達した場合の演出態様を示した図である。図1045(b)に示した通り、天井抽選回数(大当たり終了後750回)に到達した(750回の抽選に渡って連続して外れ(大当たりとは異なる抽選結果)となった)場合、主表示領域Dmにおいて外れを示す第3図柄が停止表示されたタイミングで、ウサギを模したキャラクタ801がピースサインをした状態で出現する。また、第2時短状態における遊技方法である右打ち遊技を遊技者に促す表示態様が表示領域Dm2に対して表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「超チャンスゾーン発動!!」という文字が表示される。これらの演出内容により、有利度合いが高い第2時短状態へと移行したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、本第3変形例では、天井抽選回数に到達した場合に、時短回数が1000回の第2時短状態が付与される。このため、最大1000回の特別図柄の抽選が実行されるまでの間、有利な第2特別図柄の抽選を連続して実行させることができる有利な状態を形成する。なお、第2時短状態は、大当たり終了後に設定される時短状態に対して、普通図柄の当たり時の電動役物640aの開放パターンは同一であるが、普通図柄の当たり確率が普通図柄の低確率状態における当たり確率となる。しかしながら、上述した第27制御例と同様に、本第3変形例における普通図柄の低確率状態の普通図柄の当たり確率は299/300に設定されており、普通図柄の高確率状態とほとんど差が無い構成としている。このため、遊技者が第2時短状態と時短状態との差を認識することはほぼ不可能となっている。
次に、図1046(a)を参照して、天井抽選回数の直前(天井抽選回数まで50回以内)で第1特別図柄の大当たりに当選した場合における演出態様について説明する。ここで、本第3変形例では、特別図柄の抽選回数が天井抽選回数に到達する50回前(即ち、大当たり終了後700回)から天井抽選回数に到達するまで(即ち、大当たり終了後750回)の範囲において、特定条件下において、第1特別図柄の大当たり変動の変動時間よりも第2特別図柄の変動時間の方が大幅に短くなるように構成している。より具体的には、上記範囲の変動回数において、第1特別図柄の保留球が特定数以上(4個)となった場合に、第2特別図柄の変動時間が1秒間になる構成としている。これにより、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選したとしても、当該大当たり変動中に第1特別図柄の保留を特定数(4個)以上貯めた上で右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させることで、第1特別図柄の大当たり変動が終了するよりも前に第2特別図柄の小当たり(または大当たり)が停止表示され、当該停止表示と同時に第1特別図柄の大当たり変動を外れ図柄で強制停止させることができる。つまり、天井直前で第1特別図柄の大当たりとなってしまい、有利度合いが低い大当たり遊技が実行されてしまうという遊技者に不利な事象が発生してしまうことを回避することができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。図1046(a)に示した通り、特別図柄の抽選回数が天井抽選回数の到達前50回以内の範囲において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、大当たり変動が開始された場合、主表示領域Dmにおいて、同一の数字を模した第3図柄が揃った状態が半透明な態様で表示されると共に、当該半透明な態様の第3図柄をウサギのキャラクタ801が悩んだ様子で見つめる演出が実行される。更に、副表示領域Dsに対して、「大当たり発生!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、天井抽選回数の目前で第1特別図柄の抽選で大当たりに当選してしまったということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、表示領域HR10に対して、「大当たり発生!?回避したいなら保留を貯めろ!」という文字が表示されると共に、表示領域Dm2に対して、左打ちを促す表示態様(「左打ち」という文字、および左向きの矢印を模した画像)が表示される。これらの表示内容により、左打ちを行って第1特別図柄の保留を貯めることにより大当たり遊技の実行を回避できる(天井抽選回数までの抽選回数がリセットされることを回避できる)可能性があるということを遊技者に対して直感的に理解させることができる。
図1046(b)は、第1特別図柄の大当たり変動中に演出による指示に従って第1特別図柄の保留球を特定数(4個)以上貯めた場合における演出態様の一例を示した図である。図1046(b)に示した通り、天井抽選回数の到達前50回以内の抽選回数の範囲で実行された大当たり変動において左打ちにより第1特別図柄の保留球を特定数(4個)以上貯めることができた場合は、左打ちを促す表示態様を表示させていた表示領域Dm2が消えると共に、表示領域HR10に対して、「回避準備完了!!回避するなら左打ちだ!」という文字が表示される。これらの表示内容により、右打ちを行うことで大当たり遊技の実行が回避されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。図1047は、右打ちにより第2特別図柄の抽選が実行されて小当たりに当選したことにより、実行中の大当たり変動が外れ図柄で強制停止された(破棄された)場合の演出態様の一例を示した図である。図1047に示した通り、大当たり変動中に右打ちにより第2特別図柄の小当たりに当選し、大当たり変動を外れ図柄で強制停止させる(破棄する)ことが決定れた場合は、ウサギを模したキャラクタ801が外れ図柄の組み合わせの第3図柄を半透明の第3図柄に対して投擲することにより、当たりの組み合わせの第3図柄を弾き飛ばす演出が実行される。また、表示領域HR10に対して、「回避成功!!」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「大当たり回避!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、天井抽選回数の直前で大当たりに当選したものの、当該大当たり当選に基づく大当たり遊技の実行を回避することができたということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。
このように、本第3変形例では、天井抽選回数の到達前50回以内の抽選回数において特別図柄の抽選で大当たりとなった(大当たりに当選した)場合に、特定の遊技方法(第1特別図柄の保留球を特定数以上貯めてから右打ちを行う遊技方法)で遊技を行うことにより、大当たり遊技の実行を回避して通常状態を継続させることができる構成とした。このように構成することで、天井抽選回数を目指して遊技を行っていた遊技者が、天井抽選回数の間近で大当たりに当選してしまい、目標に反して比較的有利度合いが低い第1特別図柄の大当たり遊技が実行されてしまい、遊技者の遊技に対するモチベーションを大きく低下させてしまうことを抑制できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第27制御例の第3変形例における電気的構成>
次に、図1048、および図1049を参照して、本第3変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、図示については省略したが、本第3変形例におけるROM202は、上述した第27制御例におけるROM202の構成(図997(a)参照)に対して、変動パターン選択テーブル202b、および変動パターンシナリオテーブル202baの規定内容が一部変更となっている点でのみ相違している。その他の構成については上述した第27制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。まず、図1048を参照して、本第3変形例における変動パターン選択テーブル202bの詳細について説明する。ここで、図示については省略したが、本第3変形例における変動パターン選択テーブル202bは、上述した第27制御例における変動パターン選択テーブル202bの構成(図998(a)参照)に対して、天井抽選回数に到達する前50回以内の抽選回数の範囲において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される天井前用テーブル202b4Bが追加されている点でのみ相違している。この天井前用テーブル202b4Bの詳細について、図1048を参照して説明する。
図1048は、天井前用テーブル202b4Bの規定内容を示した図である。図1048に示した通り、第1特別図柄に対する規定内容として、大当たりの抽選結果には、第1特別図柄の保留球数によらず、変動種別カウンタCS1が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が100000ms(100秒間)の当たりロング変動が対応付けて規定されている。一方、外れの抽選結果には、第1特別図柄の保留球数によらず、変動種別カウンタCS1が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が1000ms(1秒間)の外れショート変動が対応付けて規定されている。また、図1048に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容として、大当たりの抽選結果には、第1特別図柄の保留球数が3以下の範囲の場合に、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が600000ms(600秒間)の当たり超ロング変動が対応付けて規定され、第1特別図柄の保留球数が4(上限数)の場合に、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が1000ms(1秒間)の当たりショート変動が対応付けて規定されている。また、外れの抽選結果には、第1特別図柄の保留球数が3以下の範囲の場合に、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が600000ms(600秒間)の外れ超ロング変動が対応付けて規定され、第1特別図柄の保留球数が4(上限数)の場合に、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が1000ms(1秒間)の外れショート変動が対応付けて規定されている。
これらの規定内容により、天井抽選回数に到達する前50回以内の抽選回数の範囲においては、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、必ず変動時間が100秒間の比較的長い変動時間が設定される。また、第2特別図柄の変動時間として、基本的に、600秒間という極端に長い変動時間が設定されるが、第1特別図柄の保留球を特定数(4個)以上貯めることにより、特定数以上となっている間、変動時間が1秒間に設定される。このため、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、100秒間の変動時間の間に左打ちにより第1特別図柄の保留球を特定数以上貯め、その後に右打ちを行うことで、第2特別図柄の抽選が実行され易い状態を形成することができる。言い換えれば、第1特別図柄の大当たり変動が終了するよりも前に、第2特別図柄の抽選で小当たり(または大当たり)となって小当たり(または大当たり)図柄を先に停止表示させることができ、第1特別図柄の大当たり変動を外れ図柄で強制停止させる(破棄する)ことが容易となる状態を形成できる。よって、天井抽選回数の間際で第1特別図柄の抽選で大当たりになったとしても、遊技者に対して遊技方法によって大当たり遊技の実行を回避するか、そのまま大当たり遊技を実行させるかを選択させることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、第1特別図柄の外れ時の変動時間を1秒間に固定化しているのは、外れ変動中に第1特別図柄の保留球が特定数(4個)以上となることを抑制する趣旨である。より具体的には、第1特別図柄の外れ変動中に第1特別図柄の保留球が特定数以上貯まってしまうと、大当たり変動中でない場合でも、第2特別図柄の変動時間が短くなり、右打ちにより第2特別図柄の抽選が比較的短い間隔で実行され得る有利な状況が成立してしまう。この有利な状況が成立することを抑制すべく、本第3変形例では、外れ時に第1特別図柄の変動時間を短くすることで、第1特別図柄の外れ変動中に第1特別図柄の保留球が特定数以上貯まることを困難としている。また、たとえ特定数以上貯まり、第2特別図柄の変動表示を実行させることができたとしても、第1特別図柄の変動時間が1秒間であることにより、先に第1特別図柄の変動時間が経過することにより、有利な第2特別図柄の変動表示で大当たりとなることを確実に防止することができる。
次に、図1049を参照して、本第3変形例における変動パターンシナリオテーブル202baBの詳細について説明する。この変動パターンシナリオテーブル202baBは、上述した第27制御例における変動パターンシナリオテーブル202baと同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、参照する変動パターンテーブルを特定するための変動パターンシナリオが規定されているデータテーブルである。図1049は、本第3変形例における変動パターンシナリオテーブル202baBの規定内容を示した図である。なお、前回の大当たり種別が大当たりA67,E67(大当たり終了後が第2確変状態に設定される確変大当たり)である場合の変動パターンシナリオ、および前回の大当たり種別が大当たりB67,C67,F67,G67(大当たり終了後が確変状態に設定される確変大当たり)である場合の変動パターンシナリオについては、上述した第27制御例における変動パターンシナリオと同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
図1049に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりD67,H67(大当たり終了後が時短状態に設定される通常大当たり)である場合に対して、変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数が100回以下の範囲で確変・時短・第2確変A用テーブル202b2(図999(a)参照)が参照され、特別図柄の抽選回数が101回以上、且つ、700回以下の範囲で通常用テーブル202b1が参照され、特別図柄の抽選回数が701回以上、且つ、750回以下の範囲で天井前用テーブル202b4B(図1048参照)が参照され、特別図柄の抽選回数が751回以上の範囲で確変・時短・第2確変A用テーブル202b2(図999(a)参照)が参照されるシナリオが規定されている。よって、大当たりD67,H67の終了後の時短状態においては、特別図柄の抽選が100回終了するまでの範囲では右打ちにより第2特別図柄の変動が頻繁に実行されるが、101回目以降は第2特別図柄の抽選を実行させることが困難となる(第2特別図柄の変動時間が極端に長くなるため第2特別図柄の抽選結果が示され難くなる)。また、7000回を超えてから天井抽選回数である750回に到達するまでは、第1特別図柄の抽選で大当たりになったとしても、大当たり変動を第2特別図柄の小当たり(または大当たり)で破棄することができる(大当たり遊技の実行を回避することができる)ようになり、天井抽選回数へと容易に到達することが可能となる遊技性となり、天井抽選回数である750回を超えた後は、右打ちにより第2特別図柄の変動表示が頻繁に実行される有利な第2時短状態を形成する。なお、図示については省略したが、第2時短状態は特別図柄の抽選が1000回実行されるまで継続し、1000回を超えた後は、次に大当たりとなるまで通常用テーブル202b1が参照される。更に、図1049に示した通り、パチンコ機10を初期化した後(RAMクリアスイッチ122を押下した状態で電源を投入した後)、初回の大当たりに当選するまでの間の変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数が700回以下の範囲において通常用テーブル202b1が参照され、特別図柄の抽選回数が701回以上、且つ、750回以下の範囲で天井前用テーブル202b4B(図1048参照)が参照され、特別図柄の抽選回数が751回以上の範囲で確変・時短・第2確変A用テーブル202b2(図999(a)参照)が参照されるシナリオが規定されている。よって、パチンコ機10が初期化された後においては、抽選回数が700回に到達するまでの間、第2特別図柄の抽選を実行させることが困難となる(第2特別図柄の変動時間が極端に長くなるため第2特別図柄の抽選結果が示され難くなる)。また、7000回を超えてから天井抽選回数である750回に到達するまでは、第1特別図柄の抽選で大当たりになったとしても、大当たり変動を第2特別図柄の小当たり(または大当たり)で破棄することができる(大当たり遊技の実行を回避することができる)ようになり、天井抽選回数へと容易に到達することが可能となる遊技性となり、天井抽選回数である750回を超えた後は、右打ちにより第2特別図柄の変動表示が頻繁に実行される有利な第2時短状態を形成する。なお、図示については省略したが、第2時短状態は特別図柄の抽選が1000回実行されるまで継続し、1000回を超えた後は、次に大当たりとなるまで通常用テーブル202b1が参照される。
<第27制御例の第3変形例における主制御装置の制御処理について>
次いで、図1050を参照して、第27制御例の第3変形例における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。本第27制御例の第3変形例では、上述した第27制御例に対して、第1特別図柄変動停止処理(図1008参照)の1処理である特図1外れ停止処理(S3101B)に代えて特図1外れ停止処理(S3121B)を実行する点でのみ相違する。その他の制御処理については上述した第27制御例と同一であるため、その詳細な説明については省略する。上述した特図1外れ停止処理(S3121B)の詳細について、図1050を参照して説明する。図1050は、この特図1外れ停止処理(S3121B)の内容を示したフローチャートである。この特図1外れ停止処理(S3121B)のうち、S3151B~S3159Bの各処理では、それぞれ第27制御例における特図1外れ停止処理(図1009参照)のS3151B~S3159Bの各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例の第3変形例における特図1外れ停止処理(S3121B)では、S3159Bの処理を実行した後、変動回数カウンタ203bbの値が750であるか否かを判別し(S3171B)、変動回数カウンタ203bbの値が750であると判別した場合には(S3171B:Yes)、時短カウンタ203hに1000を設定し(S3172B)、本処理を終了する。一方、S3171Bの処理において、変動回数カウンタ203bbの値が750ではないと判別した場合には(S3171B:No)、S3172Bの処理をスキップし、本処理を終了する。また、S3151Bの処理において、特図1小当たりフラグ203beがオンではないと判別した場合には(S3151B:No)、処理をS3171Bへと移行する。これらのS3171B、およびS3172Bの各処理によって、特別図柄の抽選回数が天井抽選回数(750回)に到達した場合に、時短回数が1000回の第2時短状態を設定することができる。なお、図示については省略したが、上述した第27制御例における特図2外れ停止処理(図1014参照)に代えて実行される特図2外れ停止処理(S3821B)についても、特図1外れ停止処理(図1050参照)のS3171B,S3172Bの各処理に相当する処理が追加されている。これにより、第2特別図柄の変動表示によって天井抽選回数に到達した場合であっても、第2時短状態を設定することができる。
なお、本第27制御例の第3変形例では、特別図柄の変動停止タイミングで天井抽選回数に到達したか否かを判別する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、変動開始タイミングで天井抽選回数に到達したか否かを判別する構成としてもよいし、天井抽選回数で小当たりとなった場合は小当たり遊技の開始時または終了時に天井抽選回数に到達したか否かを判別する構成としてもよい。
以上説明した通り、第27制御例の第3変形例におけるパチンコ機10では、第1の判別条件が成立し得る第1方向(第1特別図柄の抽選契機となる第1入球口64へと入球し得る盤面左側)へと遊技球を発射した方が、第2の判別条件が成立し得る第2方向(第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口640へと入球し得る盤面右側)へと遊技球を発射するよりも判別(特別図柄の抽選)が実行され易くなる第1遊技状態(通常状態)が開始された後において、第1方向へと遊技球を発射し続ける第1の遊技方法で遊技を行い続けるよりも、第1遊技状態が開始された後における所定の遊技回(天井抽選回数到達まで50回以内、且つ、第1特別図柄の大当たりに対応する遊技回)で第1の遊技方法から第1の遊技方法とは異なる第2の遊技方法(第1特別図柄の保留球を上限まで貯めてから右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させる遊技方法)に切り替えた方が、第1遊技状態が開始されてから次に特典遊技(大当たり遊技)が実行されるまでの期間が長くなり易くなることにより、第1遊技状態において特典遊技が実行されずに特定回数(750回)の判別が実行されることで設定され、第1方向へと遊技球を発射するよりも第2方向へと遊技球を発射した方が判別が実行され易くなる第2遊技状態(第2時短状態)へと移行する可能性が高くなる構成としている。より具体的には、通常状態において天井抽選回数(特定回数)に到達するよりも前の50回以内の範囲において、第1特別図柄の保留球が上限数まで貯まっている状態でのみ、第2特別図柄の変動時間が極めて短くなる(1秒になる)ように構成することで、上記抽選回数の範囲内においては、第1特別図柄の変動表示が開始された後で第2特別図柄の変動表示が開始されたとしても、先に第2特別図柄の変動表示が終了され得る構成としている。これにより、上記抽選回数の範囲内において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり変動の実行中に左打ちにより第1特別図柄の保留球を上限数(4)とした上で、右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させることにより、比較的高確率(約1/3の確率)で第2特別図柄の小当たり(または大当たり)となって先に第2特別図柄の小当たり図柄(または大当たり図柄)が停止表示されることにより、先に実行されていた第1特別図柄の大当たり変動を外れ図柄で強制停止させる(破棄する)ことが可能に構成した。言い換えれば、上記抽選回数の範囲内において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、そのまま第1特別図柄の大当たり遊技を実行させるか、第1特別図柄の大当たりを破棄するかを遊技方法によって遊技者に対して選択可能に構成した。即ち、通常状態を、遊技方法に応じて次回大当たりまでの期間を可変させ得る遊技状態として構成した。このように構成することにより、天井抽選回数までに渡って持ち球を消費し続けなければならないものの、第1特別図柄の大当たりを破棄し続けて天井抽選回数に到達させ、有利な第2特別図柄の抽選が実行される第2時短状態へと移行させるか、有利度合いが低い大当たりとなる可能性が比較的高い第1特別図柄の大当たり遊技をそのまま実行させることで持ち球の消費を抑えるかを遊技者に対して選択させることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、この場合、両方の特別図柄変動が大当たり変動であって、先に停止表示された特別図柄変動に対応する大当たりに関する情報を保持し、後に停止表示される特別図柄変動に対応する大当たりに関する情報を破棄する処理は、取得した遊技情報の一部を破棄する処理である。
なお、本第3の変形例では、通常状態において天井抽選回数到達前50回以内の抽選回数の範囲で第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、当該第1特別図柄の大当たり遊技の実行を回避可能に構成していたが、第1特別図柄の大当たり遊技の実行を回避することができる抽選回数の範囲はこれに限られるものではなく、任意に定めることができる。より具体的には、例えば、通常状態においては、常に、第1特別図柄の大当たりとなった場合に大当たり遊技を回避可能に構成してもよい。つまり、通常状態においては特別図柄の抽選回数によらず、必ず天井前用テーブル202b4B(図1048参照)を参照して変動パターンを選択する構成とすることにより、第1特別図柄の大当たりを第2特別図柄の小当たり(または大当たり)で破棄可能に構成してもよい。このように構成することで、どの抽選回数までは第1特別図柄の大当たりをそのまま実行させ、どの抽選回数からは大当たりを回避する(天井抽選回数を目指す)のかを遊技者毎の好みに応じて選択させることができるので、遊技者あの遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、通常状態に設定されてから特別図柄の抽選回数が特定回数(例えば、700回)となるまでは、第1特別図柄の大当たり遊技の実行を回避可能に構成し(即ち、天井前用テーブル202b4B(図1048参照)を参照して変動パターンを選択し)、特定回数を超えてから天井抽選回数に到達するまでは、第1特別図柄の大当たり遊技の実行を回避不可能に構成する(即ち、通常用テーブル202b1を参照して変動パターンを選択する)ように構成してもよい。このように構成することで、特に、特定回数未満の所定の抽選回数(例えば、500回)において、天井抽選回数が近づいてきた(所謂、ハマりが発生した)と感じ、天井抽選回数を目指すことに決めた遊技者に対して、特定回数に到達するまでは大当たりを回避できることに対する安心感を抱かせながら遊技を行うことができる一方で、特定回数に到達してから天井抽選回数に到達するまでの間は、第1特別図柄の抽選で大当たりにならないことに強く期待させる遊技性とすることができるので、抽選回数に応じて遊技性を大きく異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、通常状態において、特別図柄の抽選回数が1以上、且つ、天井抽選回数未満の所定範囲(例えば、500回から650回の範囲)において、第1特別図柄の大当たり遊技の実行を回避可能に構成する一方で、その他の抽選範囲においては第1特別図柄の大当たり遊技の実行を回避不可能に構成してもよい。このように構成することで、第1特別図柄の大当たりを回避しようと考える遊技者がほぼいないであろう範囲で無駄に天井前用テーブル202b4Bを参照して変動パターンを選択することを抑制できる。
本第3変形例では、天井抽選回数に到達した場合に設定される第2時短状態として、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態を採用していたが、第2時短状態はこれに限られるものではない。例えば、第2時短状態として、時短状態(および確変状態)よりも第2入球口640へと遊技球が入球し難くなる状態を形成する構成としてもよい。このように構成することで、第2時短状態においても、第2確変状態と同様に、第2入球口640へと入球せずに通過した遊技球が可変入賞装置165へと到達可能となり、小当たり遊技において特定入賞口165aへと遊技球を頻繁に入球させることができるようになるため、第2時短状態へと移行させるメリットをより高めることができる。よって、天井抽選回数に到達するまで第1特別図柄の大当たりを第2特別図柄の小当たりで強制停止させる遊技方法をより選択させ易くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第28制御例>
次いで、図1051から図1083を参照して、第28制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第28制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例のパチンコ機10に対して、遊技盤13の構成を一部変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点とで相違している。また、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。
更に、本第28制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例のパチンコ機10に対して、特別図柄の変動表示中に実行される変動演出の一環として用いられる装飾用可動役物を搭載し、その装飾用可動役物を用いた新たな変動演出を追加している点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
従来より、特別図柄の変動表示中に実行される変動演出の一環として装飾用可動役物を用いた演出を実行するパチンコ機10が知られている。このようなパチンコ機10では、装飾用可動役物を用いた演出を実行している期間において、装飾用可動役物を変位させるための駆動手段を用いて、装飾用可動役物を原点位置(退避位置)とは異なる所定位置に停止させることができるものであった。
しかしながら、このようなパチンコ機10において、装飾用可動役物を変位させることが可能な駆動手段を用いて装飾用可動役物を所定位置に維持する場合に、駆動手段(例えば、ステッピングモータ)を励磁し続けることにより、駆動手段の発熱や消費電力の増加等の不具合が生じる虞があった。
これに対して、本第28制御例では、第1駆動手段(昇降モータ510)を用いて第1変位手段(昇降役物500)を所定位置に維持させる維持制御を、所定の周期で中断させる中断制御を実行可能に構成している。より具体的には、第1変位手段(昇降役物500)を所定位置(昇降中間位置)に維持させる場合に、第1駆動手段(昇降モータ510)を励磁することによって第1変位手段(昇降役物500)を所定位置に維持させるための維持制御を所定の周期(例えば、5ms毎)で所定時間(例えば、5ms)中断させる中断制御を実行可能に構成している。
このように構成することで、第1駆動手段(昇降モータ510)を用いて第1変位手段(昇降役物500)を所定位置に維持させる維持制御を実行する場合に、必要な保持力を維持しつつ、第1駆動手段(昇降モータ510)の発熱を抑制すると共に、消費電力を軽減させることができる。
また、第1駆動手段(昇降モータ510)を用いて第1変位手段(昇降役物500)を所定位置に維持させる維持制御を所定の周期で所定時間中断させる中断制御を実行する場合に、中断制御を実行させる期間における状況(例えば、昇降役物500とは異なる傾倒役物600の駆動状況)によっては、第1変位手段(昇降役物500)を所定位置に維持させる保持力に過不足が生じる(必要な保持力が変化する)虞があった。具体的には、第1変位手段(昇降役物500)とは異なる第2変位手段(傾倒役物600)が駆動されることにより生じる振動が第1変位手段(昇降役物500)に伝達することや、第2変位手段(傾倒役物600)と第1変位手段とが当接することに起因して、必要な保持力が変化した場合に、第1変位手段(昇降役物500)が意図せず変位してしまう虞があった。
これに対して、本第28制御例では、第1駆動手段(昇降モータ510)を用いて第1変位手段(昇降役物500)を所定位置に維持させる維持制御を所定の周期で所定時間中断させる中断制御を実行させる場合において、第2変位手段(傾倒役物600)が第2駆動手段(傾倒モータ610)によって駆動されることにより成立し得る所定条件(昇降役物500と傾倒役物600とが当接すること)が成立した場合に、当該所定の周期と所定時間とを変化させて設定可能に構成している。より具体的には、第1変位手段(昇降役物500)を所定位置に維持する場合において、第1変位手段(昇降役物500)と第2変位手段(傾倒役物600)とが当接しない場合には、第1周期(例えば、5ms毎)で第1期間(例えば、5ms)中断させる中断制御を実行させ、第2変位手段(傾倒役物600)が第2駆動手段によって駆動されることにより、第1変位手段(昇降役物500)と第2変位手段(傾倒役物600)とが当接する場合には、第1周期(例えば、5ms毎)とは異なる第2周期(例えば、8ms毎)で第1期間(例えば、5ms)とは異なる第2期間(例えば、2ms)中断させる中断制御を実行させるように構成している。
このように構成することで、第1変位手段(昇降役物500)に対して所定の外力(例えば、第2変位手段が当接することによる加重)が生じた場合に、第1変位手段を所定位置に維持させるための保持力を変化させることができる。よって、第1変位手段を所定位置に維持させるための保持力に過不足が生じる不具合を軽減することができる。
また、第1駆動手段(昇降モータ510)を用いて第1変位手段(昇降役物500)を所定位置に維持させるための維持制御を所定の周期で所定時間中断させる中断制御を実行する場合において、中断制御を開始するタイミングを一律に設定した場合、中断制御が開始されるまでの維持期間に過不足が生じる虞があった。具体的には、昇降モータ510が完全に停止していない(減衰振動している)状態で維持制御の中断を開始した場合に、慣性によって回転することで昇降モータ510が脱調する虞があった。
これに対して、本第28制御例では、第1駆動手段(昇降モータ510)を用いて第1変位手段(昇降役物500)を所定位置に維持させる維持制御を、所定の周期で所定時間中断させる中断制御を実行する場合において、当該維持制御が開始されてから当該中断制御が開始されるまでの期間を変化させて設定可能に構成している。具体的には、第1駆動手段(昇降モータ510)を所定位置に維持させる維持制御の開始前における第2変位手段の駆動内容が第1条件を満たす(例えば、1ステップあたり10ms以上の速度で駆動されている)場合には、維持制御が開始されてから中断制御を開始させるまでの期間として第1初期時間(例えば、10ms)を設定し、第1駆動手段(昇降モータ510)を所定位置に維持させる維持制御の開始前における第2変位手段の駆動内容が第1条件とは異なる第2条件(例えば、1ステップあたり10ms未満の速度で駆動されている)を満たす場合には、維持制御が開始されてから中断制御を開始させるまでの期間として第2初期時間(例えば、18ms)を設定するように構成している。
このように構成することで、第1駆動手段(昇降モータ510)を用いて第1変位手段(昇降役物500)を所定位置に維持させるための維持制御を所定の周期で中断させる中断制御を実行する場合に、第1駆動手段(昇降モータ510)の減衰振動が停止するまでの期間を変化させて確保することができるので、第1変位手段(昇降役物500)が意図せず変位する不具合を抑制することができる。よって、より好適な停止制御を実行することができる。
<第28制御例における各装飾用可動役物について>
まず、図1051、及び図1052を参照して、本第28制御例における、装飾用可動役物(昇降役物500、及び傾倒役物600)について説明する。本第28制御例では、第3図柄表示装置81の正面視下方に、略矩形状の表示面を有する昇降役物500が設けられており、第3図柄表示装置81の正面視右側に、ハンマーを模した形状の傾倒役物600が設けられている。図1051は、昇降役物500、及び傾倒役物600が後述する役物演出において停止し得る各停止位置に位置している場合の遊技盤13の拡大図である。詳細については後述するが、昇降役物500はステッピングモータで構成される昇降モータ510に駆動されることによって正面視上下方向に変位可能に構成されており、傾倒役物600は昇降モータ510と同一の構成である傾倒モータ610に駆動されることによって所定範囲で回転移動が可能に構成されている。
図1051(a)は、昇降役物500が下限位置に位置しており、傾倒役物600が起立位置に位置している状態を示した図である。ここで、下限位置とは、昇降役物500が正面視下方向へと変位することを規制するためのストッパ部材(図示なし)によって昇降役物500が正面視下方向への変位を規制される位置であり、起立位置とは、傾倒役物600が時計回りの回転移動することを規制するためのストッパ部材(図示なし)によって傾倒役物が時計回りに回転移動することが規制される位置である。即ち、昇降役物500は下限位置より下方に変位することはなく、傾倒役物600は起立位置から時計回りに回転移動することはない。また、下限位置は昇降役物500の原点位置であり、起立位置は傾倒役物600の原点位置である。ここで、原点位置とは、役物毎に設定されている特定の配置を指し、電源投入に基づく原点復帰において移行する位置のことである。
なお、パチンコ機10に電源が投入された場合に実行される立ち上げ処理において、後述する張出センサ(上限位置センサ、及び傾倒位置センサ)がオンを検出するまで装飾用可動役物(昇降モータ510、及び傾倒役物600)を可動させた後、原点位置まで可動される。また、下限位置及び起立位置に設けられたストッパ部材(図示なし)をロック状態へと変位させることで、昇降役物500及び傾倒役物600を原点位置(下限位置、及び起立位置)に固定することが可能に構成されている。
上述した通り、昇降役物500は正面視略縦長矩形の表示面(図1051(b)参照)を有し、当該表示面にはクエスチョンマーク(「?」マーク)が表示されている。一方、傾倒役物600はハンマーを模した形状で形成されている。図1051(a)に示した通り、昇降役物500は、可変表示ユニット80の背面側に配置されており、下限位置に位置している場合に遊技者から視認困難(上部2cm程度が遊技者から視認可能)となるように構成されている。一方、傾倒役物600は、起立位置に位置している場合に遊技者から略全体が視認可能となる位置に配置されており、一部(全体の1割程度)のみ可変表示ユニット80に覆われるように構成されている。
図1051(b)は、昇降役物500が上限位置まで変位した状態を示した図である。ここで、上限位置とは、昇降役物500が変位し得る範囲において最も上方まで変位した場合に位置する場所を指す。図1051(b)に示した通り、昇降役物500が上昇することによって上限位置に位置している場合、昇降役物500が遊技者から視認可能な状態となる。より具体的には、昇降役物500は第3図柄表示装置81の前面側に配置されているため、昇降役物500が上限位置に位置している場合は、昇降役物500の略全体が遊技者から視認されることが可能となり、昇降役物500の後方側に配置されている第3図柄表示装置81の一部(昇降役物500に重なる部分)が遊技者から視認困難な状態となる。このように構成することで、昇降役物500を変位させることによって、第3図柄表示装置81に表示された表示態様の一部を隠したり出現させたりする演出を実現することができる。
詳細については後述するが、本第28制御例では、昇降役物500が下限位置から上限位置まで到達した場合に、10msの励磁を実行した後、励磁の中断を5ms実行し、当該5msの中断を5ms毎に実行することで、昇降役物500を上限位置に維持可能に構成している。具体的には、昇降モータ510を励磁することにより保持力(所謂、ホールディングトルク)を生じさせ、昇降モータ510が自重によって脱調しない範囲の時間(設計値)で励磁を周期的に中断する(所謂、ディテントトルクにより保持する)ことで、昇降役物500を上限位置に維持可能に構成している。
また、昇降役物500は、昇降モータ510に対する励磁を完全に停止させる(励磁を再開させない)ことで、自重によって変位可能に構成されている。具体的には、昇降役物500が変位可能範囲における下限位置以外の位置(例えば、上限位置)に位置している場合に、昇降モータ510の励磁を停止させることによって、自重で下限位置まで下降(変位)させることができる。このように構成することで、昇降モータ510を用いた制御を実行させることなく、昇降役物500を下限位置(原点位置)に変位(退避)させることができる。
図1051(c)は、傾倒役物600が傾倒位置まで変位した状態を示した図である。ここで、傾倒位置とは、傾倒役物600が変位可能な範囲において最大限、反時計回りに回転移動した場合に位置する場所を指す。図1051(c)に示した通り、傾倒役物600は、起立位置(図1051(a)参照)から反時計回りに変位することが可能に構成され、起立位置(図1051(a)参照)から反時計回りに変位することにより第3図柄表示装置81の前面側に位置するように構成されている。より具体的には、傾倒役物600は、ハンマーの柄を模した形状部分の重心を回転の中心として回転移動が可能であり、起立位置(図1051(a)参照)から反時計回りに回転移動可能な範囲で最大限まで変位することによって傾倒位置に位置するように構成されている。
昇降役物500及び傾倒役物600は、第3図柄表示装置81の表示面に並行な同一平面上に配置され、当該同一平面に対して垂直な方向へ2cmの厚みを有するように形成されている。即ち、昇降役物500と傾倒役物600は、同一平面上において変位するように構成され、動作内容によっては互いが当接可能に構成されている。また、傾倒役物600は、昇降役物500と同様に、自重により変位し得るように構成されている。例を挙げて説明すると、傾倒役物600が起立位置に位置している状態から一定角度以上(例えば、30度)反時計回りに回転移動させた後、傾倒モータ610の励磁を停止した場合、自重によって傾倒役物600は傾倒位置までの範囲で反時計回りに回転移動(変位)することができる。
図1051(c)に示したように、傾倒役物600が傾倒位置まで回転移動した場合は、昇降役物500の正面視上部と傾倒役物600のハンマー形状の上部左側が当接する。このように構成することで、傾倒役物600が傾倒位置まで回転移動された場合は、昇降役物500に当接することにより反時計回りの回転移動が規制されるため、傾倒役物600の位置決め制御を簡素化することができる。また、昇降役物500と傾倒役物600とを当接可能に構成することにより、昇降役物500の動作と傾倒役物600との動作が連動した迫力のある演出を実現することができる。
図1051(d)は、昇降役物500が昇降中間位置に位置しており、傾倒役物600が傾倒中間位置に位置している状態を示した図である。詳細については後述するが、昇降中間位置とは、昇降役物500が下限位置(図1051(a)参照)から上限位置(図1051(b)参照)まで移動する移動距離の中間にある特定の位置(下限位置から125ステップの位置)であり、傾倒中間位置とは、傾倒役物600が起立位置(図1051(a)参照)から傾倒位置(図1051(c)参照)まで回転移動する移動距離の中間にある特定の位置(起立位置から125ステップの位置)である。図1051(d)に示した通り、昇降役物500が昇降中間位置に位置し、傾倒役物600が傾倒中間位置に位置している場合には、昇降役物500と傾倒役物600とは当接している。
詳細については後述するが、本第28制御例では、傾倒役物600が起立位置から傾倒位置に到達したタイミングで傾倒モータ610の励磁を停止し、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している場合には、昇降役物500を昇降中間位置に維持するための維持制御を周期的に中断する中断制御における周期及び中断時間を変更して設定するように構成されている。具体的には、昇降役物500が昇降中間位置に位置している状態において、昇降役物500と傾倒役物600とが当接していない(傾倒役物600が傾倒中間位置に到達していない)場合には、昇降モータ510の励磁を5ms毎に5ms中断する中断制御を実行し、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している(傾倒役物600が傾倒中間位置に到達した)場合には、昇降モータ510の励磁を8ms毎に2ms中断する中断制御を実行可能に構成している。即ち、昇降役物500に対して傾倒役物600が当接する(傾倒役物600の重圧がかかる)ことで昇降役物500に対する外力(負荷)が通常時よりも増大する当接状態を設定可能に構成し、当該当接状態では通常時よりも昇降モータ510の励磁時間が長くなるように構成している。このように構成することで、昇降役物500に対して傾倒役物600の重力が加わった状態において、昇降モータ510に生じる保持力を変化させることができるので、より好適な維持制御を実行することができる。
次に、図1052を参照して、昇降役物500と傾倒役物600との構成についてさらに詳細に説明する。図1052(a)は昇降役物500の構成を示した背面斜視図である。図1052(a)に示した通り、昇降役物500は、昇降役物500を上下方向に変位させるためのラックアンドピニオンにおけるラック511が背面右側に設けられて(固着されて)おり、ラック511が有するギア部は、ピニオンギアである第1昇降駆動ギア501と嵌合するように構成されている。また、第1昇降駆動ギア501と第2昇降駆動ギア502とが嵌合するように構成されており、第2昇降駆動ギア502に設けられた昇降モータ510を駆動源として第2昇降駆動ギア502が回転し、第1昇降駆動ギアボックス01が回転することで昇降役物500が上下方向に駆動されることが可能に構成されている。昇降役物500の背面左側には、滑り止め用の溝が設けられた支柱512に挿通されることが可能な突出片513が設けられ(固着され)ている。このように構成することで、なめらかに昇降役物500を上下方向に駆動させることができる。遊技盤13の背面側にはポリカーボネート等の樹脂で構成された図示しないベース体が設けられており、当該ベース体には支柱512が固定され、第1昇降駆動ギア501及び第2昇降駆動ギア502が回転可能に軸支されている。
図1052(b)は傾倒役物600の構成を示した背面斜視図である。図1052(b)に示した通り、傾動役物600の背面下方(ハンマーを模した形状における柄の部分)には傾倒役物600を回転移動させるための駆動ギアである第1傾倒駆動ギア601が設けられ(固着され)ており、第1傾動駆動ギア601は、傾倒モータ610が設けられた第2傾倒駆動ギア602に嵌合可能に構成されている。即ち、傾倒モータ610を駆動源として第2傾倒駆動ギア602が回転し、第2傾倒駆動ギア602に嵌合する第1傾倒駆動ギア601が回転することにより、傾倒役物600が回転移動されることが可能に構成されている。第1傾倒駆動ギア601及び第2傾倒駆動ギア602は、遊技盤13の背面側に設けられた図示しないベース体に回転可能に軸支されている。
なお、本第28制御例では傾倒役物600を傾倒モータ610(ステッピングモータ)を作動させることで変位可能に構成しているが、これに限るものではない。例えば、傾倒役物600の回転移動における回転の中心の上部にプッシュソレノイドを搭載し、当該プッシュソレノイドに作用されることによって傾倒役物600を傾倒(回転移動)可能に構成してもよい。このように構成することで、傾倒役物600を変位させる制御処理を簡素化することができる。
<第28制御例における演出内容について>
次に、図1053~図1055を参照して、本第28制御例における特徴的な演出である役物演出について説明する。この役物演出は、リーチ態様が表示された後に実行される演出であり、遊技者が参加可能な演出(枠ボタン22に対する操作を促す演出)と、その後に実行される期待度を示唆可能な演出と、で少なくとも構成されている。より具体的には、役物演出が実行されると、遊技者に対して枠ボタン22の操作を促すための表示態様が表示され、遊技者が枠ボタン22を所定回数(3回)操作した場合に、演出結果を決定するための抽選を実行し、当該抽選の結果に応じて昇降役物500及び傾倒役物600の動作内容が異なる演出が実行される。
この役物演出は、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも実行され易く構成されている。このように構成することで、役物演出が実行されることで遊技者に対して特別図柄抽選で大当たりに当選したのではないかと期待させることができる。よって、役物演出への関心を高め、遊技者の遊技に対する興趣を向上することができる。また、役物演出の演出結果を決定するための抽選は、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)に当選し易く構成されている。このように構成することで、大当たり当選の期待度が高い演出が実行されることを期待している遊技者に対して、枠ボタン22を積極的に操作させることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
図1053(a)は、役物演出の開始後における準備期間(役物演出の開始から1秒後まで)の演出態様の一例(役物演出の開始から0.5秒後)を示した図である。この役物演出は、変動時間が42秒(基本時間30秒且つ追加時間12秒)の変動演出において実行される可能性がある13秒間の演出であり、役物演出の実行が決定された場合、変動開始から30秒が経過したタイミングで開始される。即ち、この役物演出は、特別図柄の抽選結果が確定表示されたタイミング(当該変動が開始されてから43秒後(変動期間42秒+確定時間1秒))で終了されるように構成されている。役物演出を伴う変動演出では、主表示領域Dmにおいて第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして表示され、役物演出の実行開始時(変動の開始から30秒後)に左図柄列及び右図柄列がリーチ態様で表示され、中図柄列のみが変動表示(図では下向きの矢印で表示)されている。また、役物演出が開始されると、1秒間で昇降役物500が下限位置から昇降中間位置まで駆動される。
図1053(a)に示した通り、役物演出の開始後、昇降役物500が昇降中間位置に到達するまでの期間(準備期間)は、主表示領域Dmにおいて遊技者に枠ボタン22の操作を伴う演出が開始されることを示唆する表示態様が表示される。より具体的には、主表示領域Dmにおける正面視上部に表示領域HR10が形成され、表示領域HR10には枠ボタン22の操作を伴う演出が開始されることを示唆する表示態様(「ボタンを押して撃退できれば期待度up!!」という文字)が表示される。これらの表示内容により、これから枠ボタン22の操作を伴う演出が展開されることを遊技者に容易に理解させることができると共に、枠ボタン22を操作する意欲を向上させることができる。
また、主表示領域Dmにおける正面視下方の左側には小表示領域Dm61が形成され、小表示領域Dm61には枠ボタン22の操作有効期間を示すためのタイムゲージtg1が表示される。小表示領域Dm61の上部の小表示領域Dm61aには、枠ボタン22の操作開始までの待機期間であることを示すための表示(「Ready」という文字)が表示されている。
主表示領域Dmにおける正面視下方の右側には小表示領域Dm62が形成され、枠ボタン22の操作有効期間において、遊技者が枠ボタン22を操作した回数を示すためのパワーゲージpgが表示される。このパワーゲージpgは、上述した役物演出の演出結果を決定するための抽選を実行させるために必要な操作回数(3回)までゲージが溜まるように構成されている。ここで、枠ボタン22の操作有効期間において、枠ボタン22が4回以上操作された場合は、パワーゲージpgはMAXの状態の表示態様(枠ボタン22が3回操作された場合の表示態様)から変化して表示されることはない。
これにより、遊技者によって枠ボタン22が過剰に操作されることを抑制することができる。換言すれば、遊技者が枠ボタン22を過剰に連打することによる振動の発生を抑制できるため、昇降役物500を円滑に駆動させることができる。
また、主表示領域Dmにおける正面上方の左側には、小表示領域Ds11において特図1保留数(図では特図1保留数が2個であることを示す「2」)が表示され、小表示領域Ds12において特図2保留数(図では特図2保留数が3個であることを示す「3」)が表示される。このように構成することで、昇降役物500または傾倒役物600が第3図柄表示装置81の前面側で動作している場合でも、特別図柄の保留数を遊技者が把握することができる。また、本第28制御例では、役物演出の実行されている期間において、保留図柄が表示されないように構成されている。これにより、役物演出に対する遊技者の注目度を適度に保つことができる。
図1053(b)は、役物演出における枠ボタン22の操作有効期間(役物演出の開始1秒後から3秒後まで)の演出態様の一例を示した図である。より具体的には、役物演出が開始されてから1秒が経過すると、昇降役物500が昇降中間位置に到達すると共に、表示領域HR10には「パワーチャージ中」という文字が表示され、小表示領域Dm61aには操作有効期間(役物演出の開始1秒後~3秒後までの2秒間)が開始されたことを示すための表示態様(「Go」という文字)が表示される。また、小表示領域Dm61に表示された操作有効期間を示すためのタイムゲージtg1において、操作有効期間の残り期間を示す残タイムゲージtg1aが減少し始める。主表示領域Dmにおいて表示されている第3図柄は、上述した準備期間と同様にリーチ態様(中図柄列のみ変動)で表示されている。
ここで、図1053(b)は、操作有効期間において、遊技者によって枠ボタン22が2回操作された場合の演出態様を示しており、小表示領域Dm62におけるパワーゲージpgは、枠ボタン22が操作された回数分溜まった状態(図ではゲージが2つ溜まった状態)で表示されている。なお、詳細については後述するが、枠ボタン22の操作有効期間において、昇降役物500は昇降中間位置に維持されており、主表示領域Dmに表示されている第3図柄の正面視下方に位置している。また、主表示領域Dmの正面視左側に形成された小表示領域Dm64に表示されている表示態様は、後述する第28制御例の第3変形例において表示されるものと同様であり、詳細な説明は後述する。
また、当該操作有効期間では、昇降モータ510の励磁を5ms毎に5ms中断し、昇降役物500を昇降中間位置に維持するように構成されている。具体的には、昇降モータ510を励磁することにより発生する保持力(所謂、ホールディングトルク)と、励磁を中断している期間に発生する保持力(所謂、ディテントトルク)とによって昇降役物500を昇降中間位置に維持するように構成されている。ここで、中断時間(5ms)は昇降モータ510が昇降役物500の自重によって脱調し得ない値(設計値)として設定されている。これにより、昇降役物500を所定位置に維持するための昇降モータ510の保持力を維持しつつ、昇降モータ510の発熱と消費電力の増加を抑制することができる。
図1054(a)は、枠ボタン22の操作有効期間(役物演出の開始1秒後から3秒後までの2秒間)が終了し、傾倒役物600が傾倒中間位置まで反時計回りに回転移動され、昇降役物500と傾倒役物600とが当接した状態を示した図である。より具体的には、役物演出では、枠ボタン22の操作有効期間において枠ボタン22が押下されたか否かに関わらず、操作有効期間が終了したタイミングから傾倒役物600の駆動が開始され、回転移動した傾倒役物600と、昇降中間位置に位置している昇降役物500とが当接(衝突)する。これにより、昇降役物500及び傾倒役物600を用いた演出の迫力を高めることができる。表示領域HR10においては、傾倒役物600の駆動が開始されたタイミングから「加重攻撃中」という文字が表示される。
また、詳細については後述するが、枠ボタン22の操作有効期間において枠ボタン22が3回操作され、役物演出の演出結果を決定するための抽選で特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となった場合のほうが、当該特定の抽選結果とならなかった場合よりも、傾倒役物600の移動速度が速くなるように構成している。より具体的には、特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となった場合は、傾倒役物600が起立位置から傾倒位置まで1秒間(役物演出の開始3秒後~4秒後まで)で到達するように回転移動し、特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)とならなかった場合は、傾倒役物600が起立位置から傾倒位置まで2秒間(役物演出の開始3秒後~5秒後まで)で到達するように回転移動する。これにより、派手な演出を好む遊技者に対して、傾倒役物600の動作スピードを速くさせるために枠ボタン22を積極的に押下させることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
更に、本第28制御例では、傾倒モータ610を1ステップあたり10ms未満のスピードで回転させる場合には昇降モータ510の励磁を18ms実行した後に励磁を中断(解除)し、傾倒モータ610を1ステップあたり10ms以上のスピードで回転させる場合には昇降モータ510の励磁を18msより前(10ms)に中断(解除)するように構成している。このように構成することで、傾倒モータ610を励磁することで保持(ホールディングトルクにより保持)する期間を変化させることができるため、より好適な停止制御を実行することができる。
また、傾倒役物600が傾倒中間位置まで回転移動したタイミングにおいて、傾倒役物600の駆動制御が停止されるように構成されている。具体的には、傾倒役物600が起立位置から傾倒中間位置まで回転移動するのに要する時間(演出結果を決定する抽選において、成功に対応する抽選結果の場合は1秒、成功に対応する抽選結果ではない場合は2秒)が経過したことに基づいて、傾倒モータ610の励磁を停止させ、傾倒役物600は自重により変位し得る状態となるように構成されている。一方、昇降役物500は、昇降モータ510を励磁することにより、昇降中間位置に維持されている。即ち、図1054(a)のように、傾倒役物600が傾倒中間位置に位置している状態では、昇降モータ510により昇降中間位置に維持されている昇降役物500に当接することで、傾倒役物600が傾倒中間位置に維持される。
このように構成することで、傾倒モータ610の脱調等に起因して、昇降役物500と当接させるはずの傾倒役物600が当接前に停止してしまった(所定時間内に傾倒中間位置まで到達しなかった)場合でも、傾倒役物600を自重により変位させることで確実に当接させることができる。
また、本第28制御例では、昇降役物500と傾倒役物600とが当接しているか否かによって、昇降モータ510の励磁を周期的に中断する中断制御における周期と中断時間とを変化させて設定するように構成されている。具体的には、昇降役物500が昇降中間位置に位置している期間において、昇降役物500と傾倒役物600とが当接していない場合には、昇降モータ510の励磁を5ms毎に5ms中断する中断制御を実行し、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している場合には、昇降モータ510の励磁を8ms毎に2ms中断する中断制御を実行するように構成している。このように構成することで、昇降役物500に対して傾倒役物600の重さが加わった場合に、昇降モータ510の保持力を変化させることができる。よって、より好適な維持制御を実行することができる。
なお、本第28制御例では、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間は、傾倒モータ610の励磁を停止させることで、所定のタイミング(役物演出の開始6秒後)まで常に昇降役物500に対して荷重(負荷)が掛かるように構成しているが、これに限るものではない。例えば、昇降モータ510の励磁を中断している期間において傾倒モータ610を励磁することによって、昇降モータ510の励磁が中断されている期間には昇降役物500に荷重(負荷)が掛からないように構成してもよい。具体的には、昇降モータ510の励磁を中断している期間は、傾倒モータ610を回転させずに励磁することで、傾倒モータ610に保持力(所謂、ホールディングトルク)を生じさせるように構成してもよい。このように構成することで、昇降モータ510の励磁が中断されている期間には、昇降役物500と傾倒役物600とが当接していても、昇降役物500に対して傾倒役物600による荷重(負荷)が生じないため、昇降役物500が意図せず変位する不具合を抑制することができる。
図1054(b)は、枠ボタン22の操作有効期間において、遊技者によって枠ボタン22が3回操作され、役物演出の演出結果を決定するための抽選において特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となった場合の演出態様の一例を示した図である。
役物演出の演出結果を決定するための抽選において特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となった場合は、役物演出の開始から6秒後に、図1054(b)に示すように、表示領域HR10において「期待度UP!!」という文字が表示され、小表示領域Dm61において「撃退成功」という文字が表示される。これらの表示態様は役物演出が終了するまで(特別図柄抽選の抽選結果が確定表示されるまで(変動の開始43秒後まで))表示される。
また、役物演出の演出結果を決定するための抽選において特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となった場合は、昇降役物500を昇降中間位置に維持させるための維持制御が停止される。即ち、昇降役物500は、自重によって下限位置まで変位する。また、昇降役物500と当接することによって傾倒中間位置に維持されていた傾倒役物600も同様に、自重によって傾倒位置まで変位する。このように構成することで、駆動手段(昇降モータ510及び傾倒モータ610)を用いることなく、昇降役物500と傾倒役物600とが当接した状態から略同一方向へと変位させることができる。よって、駆動制御を簡素化しつつ、役物同士が連動した演出を実現することができる。その後、役物演出の開始9秒後から12秒後の期間で、傾倒役物は起立位置まで駆動される。
図1055は、役物演出の演出結果を決定するための抽選において特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)とならなかった場合の演出態様の一例を示した図である。ここで、役物演出における枠ボタン22の操作有効期間に枠ボタン22が3回操作され、演出結果を決めるための抽選において特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)とならなかった場合の演出態様と、役物演出における枠ボタン22の操作有効期間に枠ボタン22が3回以上操作されなかった(操作回数が2回以下であった)場合の演出態様とは、同一である。
役物演出の演出結果を決定するための抽選において特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)とならなかった場合は、表示領域HR10において「表示妨害中」の文字が表示され、小表示領域Dm61において「撃退失敗」の文字が表示される。また、傾倒役物600が起立位置まで駆動され、その後、昇降役物500が上限位置まで駆動される。より具体的には、役物演出の開始6秒後~8秒後までの期間で傾倒役物600が起立位置まで駆動され、役物演出の開始8秒後~9秒後までの期間で昇降役物500が上限位置まで駆動される。
図1055に示した通り、昇降役物500が上限位置まで変位した場合は、中図柄列が変動表示されている領域の前面側に昇降役物500が位置するため、中図柄列の変動表示が遊技者から視認困難な状態となる。また、昇降役物500が上限位置に到達してから3秒間(役物演出の開始9秒後~12秒後)は、昇降モータ510を用いて昇降役物500が上限位置に維持される。ここで、役物演出の開始12秒後とは変動開始42秒後(特別図柄が停止表示されるタイミング)を意味している。即ち、中図柄列が停止表示されるタイミングにおいて、中図柄列は昇降役物500により遊技者から視認困難な状態となる。その後、全ての第3図柄が停止表示されると(役物演出の開始12秒後)、1秒間で昇降役物が下限位置に向けて駆動され、当該駆動による変位(下降)中において停止されている中図柄が視認可能となる。
このように構成することで、中図柄列の変動表示を視認することを妨害されたくない遊技者に対して、枠ボタン22の操作を促すことができる。よって遊技の興趣を向上させることができる。
また、役物演出における枠ボタン22の操作有効期間において、枠ボタン22が操作されなかった場合は、確実に(役物演出の演出結果を決定するための抽選を実行することなく)昇降役物500が上限位置まで移動される。このように構成することで、特別図柄抽選の抽選結果が停止表示されてから視認可能となる(確定時間の1秒間に視認できる)演出態様を、遊技者が意図的に選択することができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。
次に、図1056を参照して、役物演出における昇降役物500と傾倒役物600との動作内容について詳細に説明する。図1056(a)は、役物演出において、役物演出の演出結果を決定するための抽選において特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となった場合の昇降役物500と傾倒役物600との動作の流れを示した図である。より具体的には、図1056における縦方向は昇降役物500及び傾倒役物の移動距離を表しており、横方向は経過時間を表している。ここで、図1056では、各役物における原点位置(昇降役物500における下限位置、及び傾倒役物600における起立位置)を実際の正面視(図1051参照)上下の関係と一致するように示している。即ち、昇降役物500の正方向(昇降モータ510を正方向に回転させた場合に変位する方向)の変位は、図1056における上方向で示しており、傾倒役物600の正方向(傾倒モータ610を正方向に回転させた場合に変位する方向)の変位は図1056における下方向で示している。
図1056(a)に示すように、役物演出が開始されると、開始から1秒後までの期間t1(1秒間)で昇降役物500が下限位置から昇降中間位置まで駆動される。当該期間t1では、図1053(a)に示した演出態様の演出が実行されている。その後、役物演出の開始1秒後から3秒後までの期間t2(2秒間)は、昇降モータ510を用いて昇降役物500が昇降中間位置に維持される。詳細については後述するが、この昇降役物500が昇降中間位置に維持されている期間t2においては、昇降役物500が昇降中間位置に到達したタイミングにおいて昇降モータ510が励磁されていた部位を切替えることなく励磁することにより、昇降役物500を昇降中間位置に維持させるための維持制御を実行するように構成されている。また、期間t2においては、当該維持制御を所定の周期(5ms毎)に所定時間(5ms)中断させる中断制御を実行するように構成されている。このように構成することで、昇降中間位置に位置している昇降役物500が意図せず変位することを抑制するための昇降モータ510の保持力を維持しつつ、昇降モータ510の発熱や消費電力の増加を抑制できる。
一方、傾倒役物600は、役物演出の開始から1秒後までの期間t1(1秒間)、及び役物演出の開始1秒後から3秒後までの期間t2(2秒間)において起立位置から変位せず、また、傾倒モータ610に対しての励磁も実行しない。また、当該期間t2においては、図1053(b)に示した演出態様を含む演出が実行されている。
役物演出の開始3秒後から4秒後までの期間t3(1秒間)は、昇降役物500は期間t2と同様に昇降モータ510によって昇降中間位置に維持されており、傾倒役物600は起立位置から傾倒中間位置まで駆動される。その後、役物演出の開始4秒後から6秒後までの期間t4(2秒間)において、昇降役物500は期間t2及びt3と同様に昇降モータ510を用いて昇降中間位置に維持されており、傾倒役物600の駆動制御は停止されている。即ち、上述した通り、昇降モータ510を励磁することにより昇降中間位置に維持されている昇降役物500と傾倒役物600とが当接することで傾倒役物600が反時計回りに変位することが規制され、傾倒役物600が傾倒中間位置に維持される状態となる。
また、詳細については後述するが、この昇降モータ510を用いて昇降中間位置に維持されている昇降役物500と当接させることにより傾倒役物600を傾倒中間位置に維持している期間t4では、昇降モータ510を励磁している時間(励磁時間)と励磁を中断している時間(中断時間)とを変化して設定するように構成されている。より具体的には、昇降役物500が昇降中間位置に位置している場合において、昇降役物500と傾倒役物600とが当接していない期間(図1056における、期間t2及びt3)は5msの励磁と5msの中断とを繰り返す維持制御を実行し、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間(図1056における、期間t4)は8msの励磁と2msの中断とを繰り返す維持制御を実行するように構成されている。
このように構成することで、昇降役物500に対して傾倒役物600にかかる重力が加わっている場合に、昇降役物500を昇降中間位置に維持するための昇降モータ510の保持力を変化させることができる。よって、より好適な維持制御を実行することができる。
なお、本第28制御例では、傾倒役物600を役物演出の開始からの経過時間に対応して変位させるように構成しているが、これに限るものではない。例えば、役物演出中に特定期間を設け、当該特定期間において枠ボタン22が操作されたことに基づいて傾倒役物600を変位させるように構成してもよい。このように構成することで、役物演出中の特定期間において、遊技者が任意のタイミングで傾倒役物600を変位させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、このように構成した場合、役物演出中の特定期間において枠ボタン22が操作された回数に対応する表示態様(例えば、枠ボタン22が操作される毎に上昇するゲージ)を表示するとよい。このように構成することで、より多様な演出態様を提供することができる。
役物演出の開始6秒後から9秒後までの期間t5(3秒間)は、昇降役物500の維持制御が停止され、昇降役物500及び傾倒役物600が自重によって変位する。具体的には、昇降役物500を昇降中間位置に維持するために実行されていた昇降モータ510の励磁と励磁の中断とを繰り返す制御を停止することで、昇降役物500を昇降中間位置に維持する力と、傾倒役物600を傾倒中間位置に維持する力が減少し、昇降役物500及び傾倒役物600が当接した状態で正面視(図1051参照)下方にむけて変位し始める。なお、本第28制御例では、昇降役物500と傾倒役物600とが自重によって変位した場合における、昇降役物500が昇降中間位置から下限位置にまで変位するのに要する時間と、傾倒役物600が傾倒中間位置から傾倒位置まで変位するのに要する時間とが、3秒間以内となるように構成されている。
また、本第28制御例では、昇降モータ510の励磁を停止させることで昇降役物500と傾倒役物600とが当接した状態で昇降役物500が下限位置(原点位置)まで可動するように構成しているが、これに限るものではない。例えば、傾倒モータ610の励磁は停止した状態で、昇降モータ510を125ステップ負方向に回転させることにより、昇降役物500と傾倒役物600とが当接した状態で昇降役物500を下限位置(原点位置)に可動させるように構成してもよい。このように構成することで、昇降役物500と傾倒役物600とが当接した状態で、昇降役物500が下限位置(原点位置)まで可動するのに要する時間を一定にすることができる。
図1056(a)では、昇降役物500と傾倒役物600とが自重によって変位した場合において、昇降役物500が下限位置に位置するまでに要した時間と、傾倒役物600が傾倒位置に位置するまでに要した時間とが、最大値である3秒間であった場合を示している。ここで、本第28制御例では、昇降役物500と傾倒役物600とが自重によって変位した場合に要した時間に関わらず、役物演出の開始9秒後までは、傾倒役物600の駆動が再開されることはないように構成されている。即ち、役物演出の開始9秒後から12秒後までの期間t6において実行される、傾倒役物600を起立位置まで駆動させる駆動制御は、昇降役物500が下限位置に到達したタイミング、及び傾倒役物600が傾倒位置に到達したタイミングによらず、役物演出の開始9秒後に(役物演出の開始からの経過時間に基づいて)実行されるように構成されている。
このように構成することで、昇降役物500及び傾倒役物600の自重による変位に要して時間が変化した場合にも、駆動制御の内容を切替えるタイミングを統一することができるので、対応する表示態様を切替えるタイミングを容易に適応させることができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
役物演出の開始9秒後から12秒後までの期間t6(3秒間)においては、昇降役物500は下限位置に位置している状態で停止(昇降モータ510の励磁なし)しており、傾倒役物600は傾倒位置から起立位置まで駆動される。次いで、役物演出の開始12秒後から13秒後までの期間t7(1秒間)においては、昇降役物500は下限位置に位置しており、傾倒役物600は起立位置に位置している。また、当該期間t7においては、昇降モータ510及び傾倒モータ610が作動されることはない。
次に、役物演出の演出結果を決定するための抽選において、特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)とならなかった場合の昇降役物500及び傾倒役物600の動作内容について説明する。図1056(b)は、役物演出の演出結果を決定するための抽選において、特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)とならなかった場合の昇降役物500と傾倒役物600との動作の流れを示した図である。ここで、役物演出が開始されてから3秒後までの期間(期間t1及びt2)における、昇降役物500と傾倒役物600との動作内容については、役物演出において、役物演出の演出結果を決定するための抽選において特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となった場合の昇降役物500と傾倒役物600との動作内容と同一であるため説明を省略する。
役物演出の演出結果を決定するための抽選において特定の抽選結果(成功)に対応する抽選結果とならなかった場合は、役物演出の開始3秒後から5秒後までの期間t8(2秒間)において、昇降役物500が昇降中間位置に維持され、傾倒役物600が起立位置から傾倒中間位置まで駆動される。即ち、役物演出の演出結果を決定するための抽選において特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)であった場合(図1056(a)参照)に傾倒役物600が起立位置から傾倒中間位置まで駆動される時間(1秒間)よりも長い時間(2秒間)で駆動される。
これにより、遊技者が枠ボタン22を操作することによって、傾倒役物600の動作スピードが速くなり得るため、迫力のある演出を好む遊技者に対して積極的に枠ボタン22を操作させることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
次いで、役物演出の開始5秒後から6秒後までの期間t9(1秒間)においては、昇降モータ510を用いて昇降役物500が昇降中間位置に維持されており、傾倒役物600の駆動制御は停止されている。即ち、上述した通り、昇降役物500と傾倒役物600とが当接することによって傾倒役物600が反時計回りに変位されることが規制され、傾倒役物600が傾倒中間位置に維持されている状態となる。
なお、本第28制御例では、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間において、傾倒モータ610の励磁を停止することによって、当該期間は常に昇降役物500に対して傾倒役物600の荷重が生じるように構成しているが、これに限るものではない。例えば、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間において、昇降モータ510の励磁が中断されている期間は傾倒モータ610を励磁することによって保持(ホールディングトルクにより保持)し、昇降モータ510が励磁されている期間は傾倒モータ610の励磁を中断するように構成してもよい。このように構成することで、昇降役物500と傾倒役物600とを当接状態で維持する場合において、駆動手段(駆動モータ)に掛かる負荷(消費エネルギー)を昇降モータ510と傾倒モータ610とに分散することができるため、より好適にパチンコ機10の消費電力の増加を抑制することができる。
役物演出の開始6秒後から8秒後までの期間t10(2秒間)においては、昇降役物500は昇降モータ510を用いて昇降中間位置に維持されており、傾倒役物600は起立位置まで駆動される。役物演出の開始8秒後から9秒後までの期間t11(1秒間)においては、昇降役物500が上限位置まで駆動され、傾倒役物600の駆動制御が停止されている。
役物演出の開始9秒後から12秒後までの期間t12(3秒間)においては、昇降役物500が昇降モータ510を用いて上限位置に維持されており、傾倒役物600は起立位置に位置している状態で停止している。役物演出の開始12秒後から13秒後までの期間t13(1秒間)においては、昇降役物500が下限位置まで駆動され、傾倒役物600は起立位置に位置している状態で停止している。
次に、図1057を参照して、役物演出において、昇降モータ510を用いて昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させている期間における、昇降モータ510の励磁状況について説明をする。詳細については後述するが、本第28制御例では昇降モータ510(ステッピングモータ)における励磁する部位を切替えることなく励磁することで、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、及び上限位置)に維持させるための維持制御が可能に構成されている。より具体的には、昇降モータ510の励磁する部位を指定するための励磁制御データを切替える(記憶エリア内で上書きする)ことなく、昇降モータ510を励磁させることで、昇降モータ510に保持力を生じさせ、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、及び上限位置)に維持することが可能に構成されている。
また、当該維持制御を所定の周期(例えば、5ms毎)に所定時間(例えば、5ms)中断する中断制御を実行可能に構成され、傾倒役物600が駆動されることにより昇降役物500と傾倒役物600とが当接した場合に、前記所定の周期を変化(例えば、8ms毎)させ、前記所定時間を変化(例えば、2ms)させることが可能に構成されている。このように構成することで、役物同士を当接(衝突)させる演出において、必要な保持力を維持することができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
図1057(a)は、昇降役物500が所定位置(昇降中間位置、又は上限位置)に位置しており、昇降役物500と傾倒役物600とが当接していない期間(図1056の期間t2、t3、t8、t10、及びt12)における昇降役物500の励磁状況の一例(図1056の期間t2、及びt3)を示したタイミングチャートである。
図1057(a)に示すように、昇降役物500と傾倒役物600とが当接していない期間において、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持するための維持制御が開始されると、まず、10msの間、昇降モータ510が励磁される。10ms経過すると、維持制御(昇降モータ510の部位を切替えず励磁する制御)を5ms毎に中断させる中断制御が開始される。当該中断制御では、昇降モータ510の励磁が5msの間中断され、中断期間の5msが経過すると励磁が再開される(所謂、Duty比が50%となるように励磁される)。
ここで、昇降役物500を所定位置に維持するための維持制御を周期的に中断する中断制御における周期(5ms毎)及び中断時間(5ms)は、昇降モータ510が昇降役物500の自重により脱調しない値(設計値)で設定されている。本第28制御例では、維持制御を中断する中断時間(例えば、5ms)を、昇降役物500が変位し得ない(遊技者に変位していると認識されない)範囲で設定しているが、これに限るものではない。例えば、維持制御を再開する(昇降モータ510における、中断前に励磁していた部位を再び励磁する)ことによって、昇降役物500を所定位置に復帰可能となる最大の中断時間を設定することにより、より長い中断時間を確保するように構成してもよい。このように構成することで、昇降モータ510の発熱や消費電力の増加を更に抑制しつつ、昇降役物500を所定位置に位置させることができる。
本第28制御例では、昇降モータ510の励磁を5ms毎に5ms中断する中断制御を傾倒役物600が可動されるまで(役物演出開始から4秒経過したタイミングまで)所定回数(例えば、299回)繰り返し実行可能に構成されている。このように構成することで、昇降モータ510の励磁を中断する制御に係る制御処理を簡素化することができる。
なお、本第28制御例では、昇降モータ510を10ms励磁することによって昇降役物500を昇降中間位置に維持し、その後、昇降モータ510の励磁を5ms毎に5ms中断する中断制御を実行し、当該中断制御を昇降役物500と傾倒役物600とが当接するまで継続するように構成しているが、これに限るものではない。例えば、当該中断制御が開始された後に、所定条件が成立した(消費電力が予め設定された規定値を超えた)場合に、5msの励磁を途中で打ち切って、昇降役物500を自重によって下限位置に復帰(変位)させるように構成してもよい。このように構成することで、昇降モータ510を作動させている期間の消費電力に上限を設けることができる。
また、昇降役物500が昇降中間位置に位置しており、昇降役物500と傾倒役物600とが当接していない期間(図1056の期間t2、期間t3、及び期間t10)は、昇降モータ510が励磁されている状態で終了するように構成されている。
次に、役物演出の演出結果を決定するための抽選で特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となった場合において、昇降役物500が昇降中間位置に位置しており、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間(図1056(a)の期間t4)の昇降モータ510の励磁状態について説明する。図1057(b)は、役物演出の演出結果を決定するための抽選で特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となった場合において、昇降役物500が昇降中間位置に位置しており、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間(図1056(a)の期間t4)の昇降モータ510の励磁状態を示したタイミングチャートである。
図1057(b)に示した通り、役物演出の演出結果を決定するための抽選で特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となった場合において、昇降役物500が昇降中間位置に位置しており、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間(図1056(a)の期間t4)は、まず、昇降モータ510が18ms励磁される。18msの励磁期間が経過すると、次いで、昇降モータ510の励磁を8ms毎に中断する中断制御が開始される。当該中断制御では、昇降モータ510の励磁が2ms中断される(所謂、Duty比が80%となるように励磁される)。
即ち、本第28制御例は、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させるための維持制御を周期的に中断させる中断制御を実行する場合に、昇降モータ510が励磁されている時間と昇降モータ510の励磁が中断されている時間との比率(所謂、Duty比)を変化して設定可能に構成されている。より具体的には、昇降役物500と傾倒役物600とが当接していない期間においては、昇降役物500を所定位置に維持するための維持制御(昇降モータ510に対する励磁制御)を、5ms毎に5msの間中断する中断制御を実行し、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間においては、昇降役物500を所定位置に維持するための維持制御(昇降モータ510に対する励磁制御)を、8ms毎に2msの間中断する中断制御を実行するように構成されている。
このように構成することで、昇降役物500を所定の位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させるための昇降モータ510の保持力を変化させることができ、より好適な維持制御を実行することができる。
また、役物演出の演出結果を決定するための抽選で特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となった場合において、昇降役物500が昇降中間位置に位置しており、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間(図1056(a)の期間t4)は、昇降モータ510の励磁が中断されている状態で終了するように構成されている。
即ち、本第28制御例では、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させるための維持制御を周期的に中断させる中断制御を実行する期間において、昇降モータ510が励磁されている状態で当該期間が終了する場合(図1056(a)参照)と、昇降モータ510の励磁が中断されている状態で当該期間が終了する場合(図1056(b)参照)とがある。より具体的には、当該期間が経過した後に、昇降モータ510を回転させる場合には昇降モータ510を励磁している状態で当該期間が終了するように構成されている。このように構成することで、励磁方法を切替える(維持のための励磁から回転させるための励磁に切替える)タイミングにおいて、昇降モータ510の保持力によって昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持しておくことができる。よって、昇降モータ510に保持力(所謂、ホールディングトルク)が生じていない状態(ディテントトルクのみで保持されている状態)から励磁する部位を切替えることで、昇降モータ510が脱調するリスクを軽減することができる。
また、本第28制御例では、昇降モータ510の励磁を5ms毎に5ms中断する中断制御を5ms励磁している期間に終了し、次いで昇降モータ510を18ms励磁した後に8ms毎に2ms中断する中断制御を実行することで、昇降モータ510が励磁されている期間に傾倒役物600が昇降役物500に当接し易く構成されている。これにより、傾倒役物600が当接(衝突)した際の衝撃で昇降役物500が変位する不具合を抑制することができる。
次に、役物演出の演出結果を決定するための抽選で特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)とならなかった場合において、昇降役物500が昇降中間位置に位置しており、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間(図1056(b)の期間t9)における昇降モータ510の励磁状態について説明する。図1057(c)は、役物演出の演出結果を決定するための抽選で特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)とならなかった場合において、昇降役物500が昇降中間位置に位置しており、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間(図1056(b)の期間t9)における昇降モータ510の励磁状態を示したタイミングチャートである。
図1057(c)に示すように、役物演出の演出結果を決定するための抽選で特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)とならなかった場合において、昇降役物500が昇降中間位置に位置しており、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間(図1056(b)の期間t9)では、まず、昇降モータ510が10ms励磁される。10msが経過すると、次いで、8ms毎に励磁を2ms中断させる中断制御の実行が開始される。
即ち、本第28制御例では、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させるための維持制御を周期的に中断させる中断制御を実行する場合において、中断制御が開始されるまでの励磁時間を変化させて設定可能に構成されている。より具体的には、昇降役物500を停止させる前の傾倒役物600が第1条件(スピードデータ「10」以上で駆動されている)を満たす場合には、第1初期時間(10ms)を設定し、昇降役物500を停止させる前の傾倒役物600が第2条件(スピードデータ「10」未満で駆動されている)を満たす場合には、第2初期時間(18ms)を設定するように構成されている。このように構成することで、昇降モータ510の維持制御開始時に昇降モータ510が振動し得る場合であっても、減衰振動を停止させるための期間を確保することができ、より好適な停止制御を実行することができる。
なお、本第28制御例では、傾倒モータ610の回転スピードに応じて、励磁の中断を開始するまでの励磁時間(初期時間)を可変させるように構成しているが、これに限るものではない。例えば、昇降役物500の変位速度を計測可能な加速度センサを設け、昇降役物500が昇降中間位置に到達した後に所定条件(加速度センサの検出結果が速度0(停止)を示す検出結果である)が成立した場合に、所定時間(例えば、10ms)より前に励磁を中断(解除)するように構成してもよい。このように構成することで、昇降役物500が完全に停止しているにも関わらず、昇降モータ510を励磁することで余計な電力を消費する不具合を抑制することができる。
また、役物演出の演出結果を決定するための抽選で特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)とならなかった場合において、昇降役物500が昇降中間位置に位置しており、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間(図1056(b)の期間t9)は、昇降モータ510が励磁されている状態で終了するように構成されている。
<第28制御例における電気的構成について>
次に、図1058から図1065を参照して、本第28制御例における電気的構成について説明する。図1058は、本第28制御例におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本第28制御例では、上述した第1制御例のパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点、昇降役物500用の昇降モータ510と傾倒役物600用の傾倒モータ610とを追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な内容について説明を省略する。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、昇降モータ510、傾倒モータ610がそれぞれ接続されている。
ここで、各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)について説明する。これらの各種駆動モータは、例えば、公知のステッピングモータで構成され、パチンコ機に搭載されている各役物(昇降役物500、及び傾倒役物600)を動作させるために、各役物(昇降役物500、及び傾倒役物600)に対応付けて複数設けられている。この各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)は、対応する制御用IC(モータドライバ)によって駆動される。
具体的には、音声ランプ制御装置113のMPU221からモータ制御用IC(モータドライバ)に対して、回転のステップ数と、回転方向(正方向、または負方向)と、回転速度とを少なくとも含むコマンドを出力する。制御用IC(モータドライバ)は、出力されたコマンドに基づいて、対応する各種駆動モータを駆動する。なお、モータ制御用IC(モータドライバ)は、単一のICで複数の駆動モータに対して動作を設定可能なものを採用してもよいし、複数のモータ制御用IC(モータドライバ)を設けて別々の役物に対応する駆動モータをそれぞれ動作させるように構成してもよい。複数の駆動モータに対して動作を設定可能なモータ制御用IC(モータドライバ)を採用する場合は、回転ステップ数等を送信するためのコマンドに、駆動モータの種別を特定するための情報を含ませて出力すればよい。
昇降モータ510を例に挙げて、駆動モータの動作について説明する。設定されたコマンドに基づいて、制御用IC(モータドライバ)が昇降役物500を動作させる場合は、1ステップの動作を実行させる毎に、音声ランプ制御装置113のMPU221に対して動作を実行させたことを通知するための信号(実行信号)が出力される。この実行信号により、MPU221は、設定した動作の進捗を把握することができる。
なお、音声ランプ制御装置113には、図示しないステップカウンタが設けられている。このステップカウンタは、役物毎に設けられており、各役物が原点位置から何ステップ動作したのかをカウントするカウンタである。即ち、原点位置を0ステップの位置として、制御用ICからの実行信号を受信する度にその値が1ずつ更新される。より具体的には、役物が原点位置から張出位置へと向かう方向(正方向)へ1ステップ動作する毎にその値が1ずつ加算される。また、張出位置から原点位置へと向かう方向(負方向)へ1ステップ動作する毎にその値が1ずつ減算される。よって、ステップカウンタの値に基づいて各役物の動作位置を容易に把握することができる。
ここで、原点位置とは、役物毎に設定されている特定の配置を指し、電源投入に基づく原点復帰において移行する位置のことである。具体的には、各役物に原点位置か否かを検出するための原点センサ(図示せず)が設けられており、電源投入時に原点センサがオンでなければ、原点センサがオンを検出するまで役物を変位させる(即ち、各種駆動モータを駆動する)。本第28制御例では、昇降役物500が下限位置(原点位置)か否かを検出するための下限位置センサ(原点センサ)設けられており、傾倒役物600が起立位置(原点位置)か否かを検出するための起立位置センサ(原点センサ)が設けられている。この原点位置が、各役物の動作の基準位置となる。なお、上述したステップカウンタは、原点復帰により役物が原点位置となった場合(即ち、原点センサがオンを検出した場合)に、0にリセットされる。そして、上述した通り、モータ制御用ICより出力される実行信号に基づいて、ステップカウンタの値が1ずつ更新される。
また、各役物には張出位置か否かを検出するための張出センサ(図示せず)が設けられており、ステップカウンタの値が張出位置までの設計値となったタイミングにおいて張出センサ(図示せず)がオンを検出していない場合に、エラー状態と判定し、原点センサがオンを検出するまで役物を変位させるように構成されている。より具体的には、本第28制御例における昇降役物500が上限位置に位置しているかを検出するための張出センサ(図示なし)を設け、ステップカウンタのカウンタ値が上限位置までのステップ数の設計値(250)となったタイミングにおいて張出センサがオンであるか判別し、当該張出センサがオンを検出していない場合には、第3図柄表示装置81においてエラー表示態様(例えば、「役物動作エラー」という文字)を表示すると共に、昇降役物500を原点位置まで変位させるように構成されている。
傾倒役物600も同様に、傾倒役物600が傾倒位置に位置しているかを検出するための張出センサ(図示なし)を設け、ステップカウンタのカウンタ値が傾倒位置までのステップ数の設計値(250)となったタイミングにおいて張出センサがオンを検出しているかを判別し、当該張出センサがオンを検出していない場合には、第3図柄表示装置81においてエラー表示態様(例えば、「役物動作エラー」という文字)を表示すると共に、傾倒役物600を原点位置まで変位させるように構成されている。このように構成することで、駆動モータの脱調等により装飾用可動役物が正常に動作していない場合に当該装飾用可動役物を原点位置まで復帰(変位)させることができる。
なお、本第28制御例では、ステップカウンタの値が張出位置までの設計値となったタイミングにおいて張出センサ(図示せず)がオンを検出していない場合に、エラー状態と判定し、原点センサがオンを検出するまで役物を変位させるように構成しているがこれに限るものではない。例えば、張出位置よりも所定ステップ数(例えば、5ステップ)手前(原点位置側)の特定位置か否かを検出可能な特定位置センサを設け、張出位置に位置させる期間において当該特定位置センサがオンを検出した場合に、エラー表示態様を表示すると共に、原点位置まで変位させるように構成しても良い。より具体的には、上限位置よりも5ステップ手前(下限位置側)の特定位置に特定位置センサ(検出センサ)を設け、昇降役物500を上限位置に維持する期間において当該特定位置センサがオンを検出した場合に、エラー表示態様(例えば、「役物動作エラー」という文字)を表示すると共に、昇降役物500を原点位置に変位させるように構成しても良い。このように構成することで、経年劣化等により昇降モータ510のトルクが低下することに起因して、昇降役物500を上限位置に維持する期間において脱調が発生(意図せず下降)した場合に、昇降役物500を原点位置に退避(変位)させることができる。
次いで、モータ制御用IC(モータドライバ)による各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)の制御の一例について、図1059を参照して説明する。なお、説明を分かり易くするために、1ステップで90度回転する(即ち、4ステップで1周する)ステッピングモータを例に取って説明するが、実際の各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)は、1ステップの回転角度をより細かく設定できるように構成されている。
まず、図1059(a)は、ステッピングモータで構成される各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)の概要を示す図である。各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)は、対応するモータ制御用ICに対して音声ランプ制御装置113から励磁制御データを送ることにより、その励磁制御データに対応した部位が励磁されるように構成されている。
具体的には、図1059(a)に示す「A,B,C,D」に対応した4桁の2進数で構成された励磁制御データによって、モータ制御用ICにより励磁される。具体的には、各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)の各部位(即ち、A,B,C,Dの何れか)に対応する励磁制御データが「1」であれば励磁され、励磁制御データが「0」であれば励磁されない。例えば、励磁制御データが「1100」であれば、A及びBが励磁され、C及びDは励磁されない。この励磁制御データは、音声ランプ制御装置113のROM222に設けられている励磁テーブル222cg(図1059(b)参照)に規定されている。
また、音声ランプ制御装置113には、励磁テーブル222cg(図1059(b)参照)に規定された複数の励磁制御データの中から1の励磁制御データを選択して設定するために用いられる励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)が設けられている。この励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)は、「1」を起点として正方向に1ずつ更新することができ、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)の値が「4」となってから値が更新されると値が「1」に戻るループカウンタとなっている。
この励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)のカウンタ値が更新される毎に、対応する励磁制御データが読み出されて設定される。励磁制御データが設定されると、励磁制御データに基づく各部位の励磁が即座に行われる(即ち、励磁制御データの設定からタイムラグなく各種駆動モータが動作する)。更に、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)は、負の方向にも更新することができる。つまり、値が「1」を起点として、「1」→「4」→「3」→「2」→「1」の順番に更新することができる。負方向に更新する場合は、正方向に更新した場合と各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)の回転方向が逆向きになる。
励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)を更新する方向(正方向であるか、負方向であるか)と、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)の更新頻度とは、動作を設定する役物の種別毎に予め定められている。なお、この励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)の最大値は各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)のステップ数に応じて変化する。例えば、1ステップで1度回転する(即ち、モータが1回転するのに360ステップを要する)駆動モータの場合、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)は「1」~「360」の範囲で更新されるループカウンタとなる。
次いで、各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)の各部位を励磁するための励磁制御データの具体例について、図1059(b)を参照して説明する。図1059(b)は、励磁制御データを規定した励磁テーブル222cgと、その励磁テーブル222cgに規定された励磁制御データに基づいて励磁された各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)の状態との対応関係を示す図である。なお、図1059(b)に示した通り、励磁テーブル222cgには、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)のカウンタ値毎に励磁制御データが規定されている。また、本第28制御例では、昇降モータ510と傾倒モータ610とは同一の構成であるため、励磁制御データは共通のものを用いるように構成されている。
図1059(b)に示した通り、各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)に対応するシーケンスデータとして、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)のカウンタ値「1」~「4」の順に「1100,0110,0011,1001」の励磁制御データがそれぞれ規定されている。また、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)のカウンタ値「1」に対応するシーケンスデータである「1100」が設定されると、各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)のA、及びBの各位置が励磁される。また、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)のカウンタ値「2」に対応するシーケンスデータである「0110」が設定されると、各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)のB、及びCの各部位が励磁されるので、励磁カウンタ値が「1」の状態から時計回りに90度回転する。
また、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)のカウンタ値「3」に対応するシーケンスデータである「0011」が設定されると、各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)のC、及びDの各位置が励磁され、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)のカウンタ値「2」の状態から時計回りに90度回転する。また、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)のカウンタ値「4」に対応するシーケンスデータである「1001」が設定されると、各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)のA、及びDの各位置が励磁されるので、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)のカウンタ値が「3」の状態から時計回りに90度回転する。
このように図1059に示した励磁では、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)のカウンタ値が正方向に1更新される毎に、各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)が時計回りに90度ずつ回転する。なお、上述した通り、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)のカウンタ値が負方向に更新される場合は、各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)が反時計回りに90度ずつ回転する。
以上のように、各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)の制御を、簡略化した動作モデルで説明したが、本第28制御例で実際に用いられる各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)では、1ステップ毎に(即ち、励磁カウンタを1更新する毎に)より細かい角度で回転させることができる。即ち、各役物(昇降役物500、及び傾倒役物600)を変位させる場合は、変位させるステップ数に応じた回数だけ励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)のカウンタ値を1ずつ更新し、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm、及び傾倒モータ励磁カウンタ223cfn)の更新毎にカウンタ値に対応する励磁制御データを設定することで、正確に各役物を変位させることができる。
また、本第28制御例では、上述した通り、昇降モータ510を用いて昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持するための維持制御を実行可能に構成されている。より具体的には、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持する場合に、昇降モータ510の部位を切替えることなく励磁することにより、昇降モータ510に保持力(所謂、ホールディングトルク)を発生させるように構成されている。
即ち、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持する場合は、励磁カウンタ(昇降モータ励磁カウンタ223cfm)のカウンタ値を更新すること無く、後述する励磁データ格納エリア(昇降モータ励磁データ格納エリア223cfr)に格納済みの励磁制御データに基づいて昇降モータ510を励磁する。これにより、昇降役物500が自重や外力により意図せず変位する不具合を抑制することができる。
更に、本第28制御例では、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させるための維持制御を、周期的に中断する中断制御を実行することが可能に構成されている。即ち、昇降モータ510の部位を切替えることなく励磁することによって保持(所謂、ホールディングトルクによる保持)する期間と、昇降モータ510の励磁を中断(所謂、ディテントトルクによって保持)する期間とを、交互に繰り返すことで、昇降モータ510の保持力を最低限維持しつつ、消費電力の削減、および昇降モータ510の発熱を抑制することができる。
また、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させるための維持制御を周期的に中断する中断制御を実行する場合に、励磁している時間と、励磁を中断している時間との比率(所謂、Duty比)を変化して設定することが可能に構成されている。このように構成することで、昇降役物500に加わる外力が変化した場合(必要な保持力が変化した場合)に、昇降モータ510に発生させる保持力を変化させることができる。
次に、図1060を参照して、本第28制御例の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図1060は、本第28制御例におけるROM222の構成を示したブロック図である。上述した第1制御例の音声ランプ制御装置113のROM222(図28(a)参照)に対して、役物演出実行抽選テーブル222ca、役物演出結果抽選テーブル222cb、昇降役物駆動テーブル222cc、傾倒役物第1駆動テーブル222cd、傾倒役物第2駆動テーブル222ce、励磁中断テーブル222cf、及び励磁テーブル222cgが追加されている点で相違している。
図1061(a)を参照して、上述した役物演出実行抽選テーブル222caの詳細について説明する。図1061(a)は、役物演出実行抽選テーブル222caの規定内容を示した図である。
図1061(a)に示した通り、役物演出実行抽選テーブル222caには、特別図柄抽選の抽選結果毎に、変動時間が42秒(基本時間30秒、且つ追加時間12秒)の特別図柄の変動期間において役物演出を実行させるか否かを判定する判定値の範囲が規定されている。具体的には、図1061(a)に示した通り、特別図柄の抽選結果「大当たり」に対しては、演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲が役物演出の実行と判定される判定値(カウンタ値)として規定され、演出カウンタ223fの値が「80~99」の範囲が役物演出の実行なしと判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。一方、特別図柄の抽選結果「外れ」に対しては、演出カウンタ223fの値が「0~39」の範囲が役物演出の実行と判定される判定値(カウンタ値)として規定され、演出カウンタ223fの値が「40~99」の範囲が役物演出の実行なしと判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。
演出カウンタ223fは、「0~99」の範囲で更新されるループカウンタで構成されているので、役物演出が実行され得る変動演出(変動時間42秒に対応する変動演出)において、当該変動演出が大当たりに対応するものであった場合、80%(80/100)の割合で役物演出の実行と判定され、当該変動演出が外れに対応するものであった場合、40%(40/100)の割合で役物演出の実行と判定される。即ち、役物演出が実行され得る変動演出(変動時間42秒の変動演出)において、役物演出が実行される割合は、特別図柄の抽選結果が「大当たり」である場合のほうが「外れ」である場合よりも40%高くなるように構成されている。このため、役物演出が実行された場合に、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりなのではないかと期待させることができ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図1061(b)を参照して、上述した役物演出結果抽選テーブル222cbの詳細について説明する。図1061(b)は、役物演出結果抽選テーブル222cbの規定内容を示した図である。
図1061(b)に示した通り、役物演出結果抽選テーブル222cbには、特別図柄の抽選結果毎に、役物演出における枠ボタン22の操作有効期間内に枠ボタン22が3回操作された場合に、役物演出の演出結果を成功と判定する判定値(カウンタ値)の範囲が規定されている。具体的には、図1061(b)に示した通り、特別図柄の抽選結果「大当たり」に対しては、演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲が役物演出の演出結果が成功と判定される判定値(カウンタ値)として規定され、演出カウンタ223fの値が「80~99」の範囲が役物演出の演出結果が失敗と判定される判定値として規定されている。一方、特別図柄の抽選結果「外れ」に対しては、演出カウンタ223fの値が「0~39」の範囲が役物演出の演出結果が成功と判定される判定値として規定されており、演出カウンタ223fの値「40~99」の範囲が役物演出の演出結果が失敗と判定される判定値として規定されている。
即ち、変動演出中に実行される役物演出における枠ボタン22の操作有効期間内に枠ボタン22が3回押下された場合、当該変動演出が大当たりに対応するものであれば80%(80/100)の割合で役物演出の演出結果が成功と判定され、当該変動演出が外れに対応するものであれば40%(40/100)の割合で役物演出の演出結果が成功と判定される。即ち、変動演出中に実行される役物演出における枠ボタン22の操作有効期間内に枠ボタン22が3回押下された場合に役物演出の演出結果が成功と判定される割合は、当該変動演出が大当たりに対応するものである場合のほうが外れに対応するものである場合よりも40%高くなるように構成されている。
このように構成することで、大当たり当選の期待度が高い演出が実行されることを期待している遊技者に対して、積極的に枠ボタン22を操作させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図1062(a)を参照して、上述した昇降役物駆動テーブル222ccについて説明する。図1062(a)は、昇降役物駆動テーブル222ccの規定内容を示した図である。この昇降役物駆動テーブル222ccは、役物演出において昇降役物500を変位させるための昇降モータ510の動作内容を示すデータが規定されたデータテーブルである。より具体的には、後述する昇降役物駆動ポインタ223cfaの値に対応付けて、スピードデータ、ステップ数データ、及び方向データが規定されている。
ここで、各役物駆動テーブル(昇降役物駆動テーブル222cc、傾倒役物第1駆動テーブル222cd、及び傾倒役物第2駆動テーブル222ce)におけるスピードデータは、昇降モータ510を作動させる場合における、1ステップあたりの所要時間(ms)を示したデータである。例えば、スピードデータが「4」である場合には、4msあたり1ステップ変位(回転)させることを示しており、スピードデータが「8」である場合には8msあたり1ステップ変位(回転)させることを示している。即ち、スピードデータに規定された値が小さくなるほど、昇降モータ510の回転速度、及び昇降役物500の移動速度が速くなる。ここで、1ステップ変位(回転)させるために励磁を切替えるまでの期間は、昇降モータ510を励磁するように構成されている。即ち、昇降モータ510を回転させている期間は、常に昇降モータ510の何れかの部位(図1059参照)を励磁している。
また、各役物駆動テーブル(昇降役物駆動テーブル222cc、傾倒役物第1駆動テーブル222cd、及び傾倒役物第2駆動テーブル222ce)におけるステップ数データは、昇降モータ510を回転させるステップ数を示したデータである。ここで、昇降役物500を下限位置から昇降中間位置までの距離で変位させるためのステップ数(設計値)が125ステップであり、昇降役物500を昇降中間位置から上限位置までの距離で変位させるためのステップ数(設計値)が125ステップである。
また、各役物駆動テーブル(昇降役物駆動テーブル222cc、傾倒役物第1駆動テーブル222cd、及び傾倒役物第2駆動テーブル222ce)における方向データは、昇降モータ510を回転させる方向を示したデータであり、正方向とは、昇降役物500を正面視(図1051参照)上方に向けて変位(上昇)させる回転方向を示しており、負方向とは、昇降役物500を正面視(図1051参照)下方に向けて変位(下降)させる回転方向を示している。
図1062(a)に示した通り、昇降役物駆動テーブル222ccには、昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値「01H」に対応付けて、1ステップあたり8msを要するスピードで、125ステップの正方向の回転動作が規定され、昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値「02H」に対応付けて、1ステップあたり8msを要するスピードで、125ステップの正方向の回転動作が規定され、昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値「03H」に対応付けて、1ステップあたり4msを要するスピードで、250ステップの負方向の回転動作が規定されている。
詳細については後述するが、本第28制御例では、昇降役物500が下限位置に位置している場合に、昇降役物駆動テーブル222ccから昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値「01H」に対応付けて規定されたデータが昇降役物駆動データ格納エリア223cfcに格納され(図1078のS5613C参照)、役物演出が開始されてからの経過時間に対応して、昇降役物駆動データ格納エリア223cfc内のデータが更新(加算されたポインタ値に対応するデータが上書き)される(図1078のS5622C、S5629C参照)。
即ち、昇降役物駆動テーブル222ccにおける昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値「01H」に対応付けて規定されたデータに基づいて昇降モータ510を作動させた場合、昇降役物500は1000ms(8ms×125ステップ)で下限位置(図1051(a)参照)から昇降中間位置(図1051(d)参照)まで変位される。
また、昇降役物駆動テーブル222ccにおける昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値「02H」に対応付けて規定されたデータに基づいて昇降モータ510を作動させた場合、昇降役物500は1000ms(8ms×125ステップ)で昇降中間位置(図1051(d)参照)から上限位置(図1051(b)参照)まで変位され、昇降役物駆動テーブル222ccにおける昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値「03H」に対応付けて規定されたデータに基づいて昇降モータ510を作動させた場合、昇降役物500は1000ms(4ms×250ステップ)で上限位置(図1051(b)参照)から下限位置(図1051(a)参照)まで変位される。
次に、図1062(b)を参照して、傾倒役物第1駆動テーブル222cdについて説明する。図1062(b)は傾倒役物第1駆動テーブル222cdの規定内容を示した図である。この傾倒役物第1駆動テーブル222cdは、役物演出において演出結果を決定するための抽選で特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となった場合の、傾倒役物600の変位動作を実現するための駆動データが規定されているデータテーブルである。
図1062(b)に示した通り、傾倒役物第1駆動テーブル222cdには、後述する傾倒役物駆動ポインタ223cfbのポインタ値「01H」に対応付けて、1ステップあたり8msを要するスピードである125ステップの正方向の回転動作が規定され、傾倒役物駆動ポインタ223cfbのポインタ値「02H」に対応付けて、1ステップあたり12msを要するスピードである250ステップの負方向の回転動作が規定されている。
ここで、傾倒役物600を起立位置から傾倒中間位置まで回転移動させるために必要なステップ数(設計値)が125ステップであり、傾倒役物600を傾倒中間位置から傾倒位置まで回転移動させるために必要なステップ数(設計値)が125ステップであり、傾倒役物600を傾倒位置から起立位置まで回転移動させるために必要なステップ数(設計値)が250ステップである。また、本第28制御例では、傾倒モータ610を正方向に回転させることで傾倒役物600が正面視(図1051参照)反時計回りに回転移動するように構成され、傾倒モータ610を負方向に回転させることで傾倒役物600が正面視(図1051参照)時計回りに回転移動するように構成されている。
即ち、傾倒役物第1駆動テーブル222cdにおける傾倒役物駆動ポインタ223cfbの値「01H」に対応付けて規定されたデータに基づいて傾倒モータ610を作動させた場合、傾倒役物600を1000ms(8ms×125ステップ)で起立位置(図1051(a)参照)から傾倒中間位置(図1051(d)参照)まで変位させることができる。また、傾倒役物第1駆動テーブル222cdにおける傾倒役物駆動ポインタ223cfbの値「02H」に対応付けて規定されたデータに基づいて傾倒モータ610を作動させた場合、傾倒役物600を3000ms(12ms×250ステップ)で傾倒位置(図1051(c)参照)から起立位置(図1051(a)参照)まで変位させることができる。
ここで、本第28制御例では、上述した通り役物演出における役物演出の演出結果を決定するための抽選の抽選結果が特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)であった場合に、傾倒役物600が傾倒中間位置から傾倒位置まで自重により変位されるように構成されている。このため、傾倒役物第1駆動テーブル222cdには、傾倒役物600を傾倒中間位置から傾倒位置まで変位させるためのデータは規定されていない。よって、変位手段(傾倒役物600)を変位させるために用いるデータ量を軽減することができる。
次に、図1062(c)を参照して、上述した傾倒役物第2駆動テーブル222ceについて説明する。図1062(c)は、傾倒役物第2駆動テーブル222ceの規定内容を示した図である。この傾倒役物第2駆動テーブル222ceは、役物演出において演出結果を決めるための抽選で特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)とならなかった場合の傾倒役物600の変位動作を実現するための駆動データが規定されたデータテーブルである。
図1062(c)に示した通り、傾倒役物第2駆動テーブル222ceには傾倒役物駆動ポインタ223cfbの値「01H」に対応付けて、1ステップあたり16msを要するスピードである125ステップの正方向の回転動作が規定され、傾倒役物駆動ポインタ223cfbのポインタ値「02H」に対応付けて、1ステップあたり16msを要するスピードである125ステップの負方向の回転動作が規定されている。
これにより、傾倒役物第2駆動テーブル222ceにおける傾倒役物駆動ポインタ223cfbの値「01H」に対応付けて規定されたデータに基づいて傾倒モータ610を作動させた場合、傾倒役物600を2000ms(16ms×125ステップ)で起立位置(図1051(a)参照)から傾倒中間位置(図1051(d)参照)まで変位させることができ、傾倒役物第2駆動テーブル222ceにおける傾倒役物駆動ポインタ223cfbの値「02H」に対応付けて規定されたデータに基づいて傾倒モータ610を作動させた場合、傾倒役物600を2000ms(16ms×125ステップ)で傾倒中間位置(図1051(d)参照)から起立位置(図1051(a)参照)まで変位させることができる。
次に、図1062(d)を参照して、上述した励磁中断テーブル222cfについて説明する。図1062(d)は、励磁中断テーブル222cfの規定内容を示した図である。この励磁中断テーブル222cfは、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させるための維持制御を周期的に中断させる場合に参照されるデータテーブルである。具体的には、後述する駆動状況格納エリア223cfeに格納される状況データの値に対応付けて、維持制御を周期的に中断する中断制御を開始するまでの励磁時間を示す初期励磁データと、維持制御を中断する中断時間を示す中断時間データと、中断される周期(何ms毎に中断するか)を示す励磁時間データが規定されている。
図1062(d)に示した通り、駆動状況格納エリア223cfeに格納される状況データ「02H」に対応付けて、昇降モータ510を10ms励磁(初期励磁)した後、5msの中断を5ms毎に実行させるためのデータが規定され、駆動状況格納エリア223cfeに格納される状況データ「04H」に対応付けて、昇降モータ510を18ms励磁(初期励磁)した後、2msの中断を8ms毎に実行させるためのデータが規定され、駆動状況格納エリア223cfeに格納される状況データ「09H」に対応付けて、昇降モータ510を10ms励磁(初期励磁)した後、2msの中断を8ms毎に実行させるためのデータが規定され、駆動状況格納エリア223cfeに格納される状況データ「0AH」に対応付けて、昇降モータ510を10ms励磁(初期励磁)した後、5msの中断を5ms毎に実行させるためのデータが規定され、駆動状況格納エリア223cfeに格納される状況データ「0CH」に対応付けて、昇降モータ510を10ms励磁(初期励磁)した後、5msの中断を5ms毎に実行させるためのデータが規定されている。
これにより、駆動状況格納エリア223cfeに格納される格納データに応じて、励磁を中断させるまでの時間(初期励磁)を変化させることができる。よって、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持する各期間毎に、より好適な停止制御を実行することができる。
また、駆動状況格納エリア223cfeに格納される格納データに応じて、励磁を中断させる周期(換言すれば、中断時間及び励磁時間)を変化させて設定させることができるので、昇降役物500を所定位置に維持するための昇降モータ510における保持力を変化させることができ、より好適な維持制御を実行することができる。
なお、本第28制御例では、励磁中断テーブル222cfから選択されたデータが励磁中断データ格納エリア223cfqに格納されると、予め設定された期間が経過するまでは当該データに基づいて昇降モータ510を励磁するように構成しているが、これに限るものではない。例えば、昇降役物500が昇降中間位置に位置していることを検知可能な検知手段を設け、中断制御が開始された後であっても、当該検知手段の検知状況に応じて励磁時間及び中断時間を変化させて設定(励磁中断データ格納エリア223cfqに新しくデータを上書きして設定)可能に構成してもよい。このように構成することで、中断制御が開始されてからも昇降モータ510の保持力を変化させることができるので、より好適な保持制御を実行することができる。
次に、図1063を参照して、本第28制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図1063は、本第28制御例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図1063に示した通り、本第28制御例におけるRAM223は、上述した第1制御例におけるRAM223の構成(図28(b)参照)に対して、従変動時間タイマ223ca、役物演出フラグ223cb、役物演出タイマ223cc、役物演出成功フラグ223cd、操作回数カウンタ223ce、及び役物駆動関連エリアcfが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第1制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
従変動時間タイマ223caは、第1特別図柄の変動時間を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値「0」が設定される。この従変動時間タイマ223caは、第1特別図柄の変動が開始される場合に、当該変動の変動期間に対応する値がタイマ値として設定され(図1067のS4902C参照)、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1066参照)において、演出更新処理(図1072)が実行された場合に、タイマ値が1ずつ減算される(図1072のS5402C参照)。
役物演出フラグ223cbは、役物演出を伴う変動演出の実行中(確定時間含む)であることを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この役物演出フラグ223cbは、役物演出の実行が決定された場合において、変動開始時にオンに設定され(図1069のS5016C参照)、役物演出が終了したタイミングでオフに設定される(図1076のS5504C参照)。
役物演出タイマ223ccは、役物演出が開始されてからの経過時間を計時するためのタイマであり、役物演出が開始されるタイミングで役物演出の演出時間(13秒)に対応する値がタイマ値として設定され(図1072のS5406C参照)、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1066参照)における演出更新処理(図1072参照)において、役物演出更新処理(図1073参照)が実行された場合に、タイマ値が1減算される(図1073のS5421C参照)。これにより、特別図柄が停止してからの確定時間(1秒間)を含む期間で実行される役物演出において、役物演出が開始されてからの経過時間に応じて適当な処理を実行することができる。
役物演出成功フラグ223cdは、役物演出の演出結果を決定するための抽選において特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となったことを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この役物演出成功フラグ223cdは、役物演出の演出結果を決定するための抽選において特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となった場合にオンに設定され(図1071のS5327C参照)、役物演出が終了したタイミングでオフに設定される(図1076のS5503C参照)。
操作回数カウンタ223ceは、役物演出における枠ボタン22の操作有効期間において、枠ボタン22が操作された回数を計数するためのカウンタである。この操作回数カウンタ223ceは、役物演出における枠ボタン22の操作有効期間において枠ボタン22が操作された場合にカウンタ値が1加算され(図1071のS5322C参照)、当該操作有効期間が経過した場合にカウンタ値に0が設定される(図1070のS5302C参照)。また、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値は4以上に更新されることはないように構成されている。このように構成することで、枠ボタン22を余計に操作された場合に、処理が煩雑となることを抑制することができる。
なお、本第28制御例では操作回数カウンタ223ceのカウンタ値に上限(3回)を設定し、役物演出における枠ボタン22の操作有効期間において枠ボタン22を4回以上操作されてもカウンタ値、及びカウンタ値に対応する表示態様を更新しないように構成しているが、これに限るものではない。例えば、役物演出における枠ボタン22の操作有効期間では、枠ボタン22が操作される毎に操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が上限無く加算され、加算後のカウンタ値に対応する表示態様(例えば、カウンタ値に対応してカウントアップされる数字)を表示するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が枠ボタン22を短期間で所定回数(3回)まで操作してしまい、遊技者が退屈してしまう不具合を抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
役物駆動関連エリア223cfは、昇降役物500及び傾倒役物600を駆動させるための各種タイマやフラグ等を有する記憶領域である。ここで、図1064を参照して、役物駆動関連エリア223cfの内容について説明する。図1064は、役物駆動関連エリア223cfの内容を示した図である。
図1064に示した通り、役物駆動関連エリア223cfには、昇降役物駆動ポインタ223cfa、傾倒役物駆動ポインタ223cfb、昇降役物駆動データ格納エリア223cfc、傾倒役物駆動データ格納エリア223cfd、駆動状況格納エリア223cfe、駆動状況切替フラグ223cff、昇降モータ励磁開始フラグ223cfg、傾倒モータ励磁開始フラグ223cfh、中断時間タイマ223cfi、励磁時間タイマ223cfj、昇降モータ励磁停止フラグ223cfk、傾倒モータ励磁停止フラグ223cfl、昇降モータ励磁カウンタ223cfm、傾倒モータ励磁カウンタ223cfn、昇降モータ励磁スピードカウンタ223cfo、傾倒モータ励磁スピードカウンタ223cfp、励磁中断データ格納エリア223cfq、昇降モータ励磁データ格納エリア223cfr、及び傾倒モータ励磁データ格納エリア223cfsが設けられている。
昇降役物駆動ポインタ223cfaは、昇降役物駆動テーブル222ccから昇降役物駆動データ格納エリア223cfcに格納するデータを選択する場合に参照されるポインタであり、初期状態ではポインタ値「00H」が設定される。この昇降役物駆動ポインタ223cfaは、役物演出が開始される場合にポインタ値「01H」が設定され(図1078のS5612C参照)、役物演出が開始されてからの経過時間に基づいてポインタ値に1が加算される(図1078のS5621C、及びS5628C参照)。また、この昇降役物駆動ポインタ223cfaは、役物演出が終了したタイミングでポインタ値「00H」が設定される。
傾倒役物駆動ポインタ223cfbは、傾倒役物第1駆動テーブル222cdまたは傾倒役物第2駆動テーブル222ceから傾倒役物駆動データ格納エリア223cfdに格納するデータを選択する際にポインタ値が参照されるポインタであり、初期状態ではポインタ値「00H」が設定される。この傾倒役物駆動ポインタ223cfbは、役物演出において傾倒役物600の変位を開始させる場合にポインタ値「01H」が設定され(図1079のS5632C参照)、役物演出が開始されてからの経過時間に基づいてポインタ値に1が加算される(図1079のS5632C、及びS5635C参照)。
昇降役物駆動データ格納エリア223cfcは、昇降役物駆動テーブル222ccから選択されたデータが格納される記憶領域である。この昇降役物駆動データ格納エリア223cfcは、昇降役物駆動テーブル222ccから昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値を参照して選択されたデータが格納され(図1078のS5613C、S5622C、及びS5629C参照)、役物演出が終了した場合にエリア内がクリアされる(図1076のS5507C参照)。
傾倒役物駆動データ格納エリア223cfdは、傾倒役物第1駆動テーブル222cdまたは傾倒役物第2駆動テーブル222ceから選択されたデータが格納される記憶領域である。この傾倒役物駆動データ格納エリア223cfdは、傾倒役物第1駆動テーブル222cdまたは傾倒役物第2駆動テーブル222ceから傾倒役物駆動ポインタ223cfbのポインタ値を参照して選択されたデータが格納され(図1079のS5633C、及びS5636C参照)、役物演出が終了した場合にエリア内がクリアされる(図1076のS5508C参照)。
駆動状況格納エリア223cfeは、昇降モータ510及び傾倒モータ610の駆動状況を特定するためのデータを格納する記憶領域である。より具体的には、役物演出における昇降役物500及び傾倒役物600の動作内容を基に区切られた期間(図1056参照)毎に対応する状況データを格納し、初期状態では状況データとして「00H」が設定される。ここで、図1065を参照して、駆動状況格納エリア223cfeの詳細について説明する。この駆動状況格納エリア223cfeには、昇降モータ510を正方向に回転させるために励磁し、傾倒モータ610を励磁しない期間(図1056のt1参照)は、状況データとして「01H」が設定され、昇降モータ510を回転させず励磁(励磁による保持)し、傾倒モータ610を励磁しない期間(図1056のt2参照)は、状況データとして「02H」が設定される。
また、昇降モータ510を回転させず励磁(励磁による保持)し、傾倒モータ610を正方向に回転するように励磁する期間(図1056のt3参照)は、状況データとして「03H」が設定され、昇降モータ510を回転させず励磁(励磁による保持)し、傾倒モータ610を励磁しない期間(図1056のt4参照)は、状況データとして「04H」が設定され、昇降モータ510と傾倒モータ610とを共に励磁させない期間(図1056のt5参照)は、状況データとして「05H」が設定され、昇降モータ510を励磁させずに、傾倒モータ610を負方向に回転させるために励磁する期間(図1056のt6参照)は、状況データとして「06H」が設定され、昇降モータ510と傾倒モータ610とを共に励磁させない期間(図1056のt7参照)は、状況データとして「07H」が設定され、昇降モータ510を回転させず励磁(励磁による保持)し、傾倒モータ610を正方向に回転させるために励磁する期間(図1056のt8参照)は、状況データとして「08H」が設定され、昇降モータ510を回転させず励磁(励磁による保持)し、傾倒モータ610を励磁させない期間(図1056のt9参照)は、状況データとして「09H」が設定され、昇降モータ510を回転させず励磁(励磁による保持)し、傾倒モータ610を負方向に回転させるために励磁する期間(図1056のt10参照)は、状況データとして「0AH」が設定され、昇降モータ510を正方向に回転させるために励磁し、傾倒モータ610を励磁しない期間(図1056のt11参照)は、状況データとして「0BH」が設定され、昇降モータ510を回転させず励磁(励磁による保持)し、傾倒モータ610を励磁しない期間(図1056のt12参照)は、状況データとして「0CH」が設定され、昇降モータ510を負方向に回転させるために励磁し、傾倒モータ610を励磁しない期間(図1056のt13参照)は、状況データとして「0DH」が設定される。
図示は省略したが、役物演出が実行されていない期間は、駆動状況格納エリア223cfeに状況データとして「00H」が設定される(図1076のS5509C参照)。これにより、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データを参照することで、各駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)に実行すべき制御内容を把握することができる。
駆動状況切替フラグ223cffは、上述した駆動状況格納エリア223cfeに格納されたデータが更新(上書き)されたことを示すフラグである。この駆動状況切替フラグ223cffは、駆動状況格納エリア223cfeに格納されたデータが更新された場合にオンに設定され(図1072のS5409C、図1073のS5427C、図1074のS5444C、及び図1075のS5474C参照)、昇降役物500または傾倒役物600を駆動させるためのデータを対応する格納エリアに格納する場合にオフに設定される(図1077のS5602C参照)。これにより、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データと駆動状況切替フラグ223cffとを参照することで、昇降役物500及び傾倒役物600を駆動するための駆動データを適当なタイミングで更新することができる。
昇降モータ励磁開始フラグ223cfgは、昇降役物500を変位させるための昇降モータ510の励磁を開始(1ステップ目に対応する部位に切替えて励磁)させるためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この昇降モータ励磁開始フラグ223cfgは、昇降役物500の変位を開始させる場合にオンに設定され(図1072のS5408C、図1075のS5489C、及びS5497C参照)、昇降役物500を変位させるための昇降モータ510の励磁を設定する場合にオフに設定される(図1081のS5723C参照)。これにより、昇降役物500の変位開始時は、即座に昇降モータ510を1ステップ回転させるために昇降モータ510の部位を切替えて励磁することができる。
傾倒モータ励磁開始フラグ223cfhは、傾倒役物600を変位させるための傾倒モータ610の励磁を開始(1ステップ目に対応する部位に切替えて励磁)させるためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この傾倒モータ励磁開始フラグ223cfhは、傾倒役物600の変位を開始させる場合にオンに設定され(図1074のS5443C、S5457C、図1075のS5473C、及びS5485C参照)、傾倒役物600を変位させるための傾倒モータ610の励磁を設定する場合にオフに設定される(図1083のS5743C参照)。これにより、昇降役物500と同様に、傾倒役物600の変位開始タイミングにおいて、即座に1ステップ回転させるために昇降モータ510の部位を切替えて励磁することができる。
中断時間タイマ223cfiは、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持するための昇降モータ510の励磁を周期的に中断する中断制御において、1回あたりの中断時間を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値「0」が設定される。この中断時間タイマ223cfiは、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持するための昇降モータ510の励磁を周期的に中断させる場合に、励磁中断データ格納エリア223cfqに格納されているデータを参照してタイマ値が設定され(図1082のS5729C参照)、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1066参照)におけるモータ出力処理(図1080参照)において、励磁中断処理(図1082参照)が実行された場合に、タイマ値が1ずつ減算される(図1082のS5730C参照)。
また、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させるための維持制御を周期的に中断させる期間において、当該期間が励磁を中断した状態で終了する場合は(図1057(b)参照)、当該期間の終了時に中断時間タイマ223cfiのタイマ値に0を設定する(図1074のS5454C参照)。これにより、昇降モータ510に対する励磁の再開を設定することなく、励磁を中断した状態で中断制御(周期的に中断する制御)を終了させることができる。
励磁時間タイマ223cfjは、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持するために昇降モータ510を励磁している時間を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値「0」が設定される。この励磁時間タイマ223cfjは、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持するために昇降モータ510を励磁させる場合に、励磁中断データ格納エリア223cfqに格納されているデータを参照してタイマ値が設定され(図1082のS5734C、S5724C参照)、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1066参照)におけるモータ出力処理(図1080参照)において、励磁中断処理(図1082参照)が実行された場合に、タイマ値が1ずつ減算される(図1082のS5725C参照)。
また、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させるための維持制御を周期的に中断させる期間において、当該期間が昇降モータ510を励磁した状態で終了する場合は(図1057(a)及び(c)参照)、当該期間の終了時に励磁時間タイマ223cfjのタイマ値「0」が設定される(図1074のS5448C、図1075のS5478C、S5483C、S5488C、及びS5496C参照)。これにより、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させるための維持制御を周期的に中断させる期間において、昇降モータ510が励磁されている状態で中断制御(周期的に中断させる制御)を終了させることができる。
昇降モータ励磁停止フラグ223cfkは、昇降役物500を変位させるための昇降モータ510の励磁を停止させる(昇降モータ510の部位を切り代えて励磁する制御を停止させる)タイミングであることを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。昇降モータ励磁停止フラグ223cfkは、昇降役物500を変位させる変位期間が経過した場合にオンに設定され(図1076のS5502C参照)、昇降モータ510の励磁の停止を設定するタイミングでオフに設定される(図1080のS5707C参照)。
これにより、昇降役物500の変位を停止させる場合に、適当なタイミングで昇降モータ510の励磁を停止させることができる。また、本第28制御例では、昇降役物500の変位を停止させた後、昇降モータ510を励磁することにより昇降役物500を停止位置で維持する場合は、昇降モータ励磁停止フラグ223cfkがオンに設定されることはない。これにより、昇降役物500が停止位置に到達した時点で励磁されていた昇降モータ510の部位を継続して励磁させることができる。
傾倒モータ励磁停止フラグ223cflは、傾倒役物600を変位させるための傾倒モータ610の励磁を停止させるタイミングであることを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。傾倒モータ励磁停止フラグ223cflは、傾倒役物600を変位させる変位期間が経過した場合にオンに設定され(図1074のS5450C、S5460C、図1075のS5480C、及びS5490C参照)傾倒モータ610の励磁の停止を設定するタイミングでオフに設定される(図1080のS5715C参照)。
昇降モータ励磁カウンタ223cfmは、励磁テーブル222cgから昇降モータ励磁データ格納エリア223cfrに励磁制御データを格納する場合に参照されるカウンタであり、初期状態ではカウンタ値「1」が設定される。この昇降モータ励磁カウンタ223cfmは、昇降モータ510を1ステップ回転させる毎に「1~4」の範囲でカウンタ値が更新(1加算、または1減算)されるカウンタである。具体的には、昇降モータ510を正方向に回転させる場合にカウンタ値に1が加算され(図1081のS5729C、及びS5730C参照)、昇降モータ510を負方向に回転させる場合にカウンタ値が1減算される(図1081のS5732C、及びS5733C参照)。
また、この昇降モータ励磁カウンタ223cfmは、昇降役物500を変位させない期間においてカウンタ値が更新されることがないように構成されているため、当該カウンタ値を更新することなく励磁を継続、または中断状態から再開させることによって、昇降モータ510を回転させることなく保持力を発生させることができる。
傾倒モータ励磁カウンタ223cfnは、励磁テーブル222cgから傾倒モータ励磁データ格納エリア223cfsに励磁制御データを格納する場合に参照されるカウンタであり、初期状態ではカウンタ値「1」が設定される。この傾倒モータ励磁カウンタ223cfnは、傾倒モータを1ステップ回転させる毎に「1~4」の範囲でカウンタ値が更新(1加算、または1減算)されるカウンタである。具体的には、傾倒モータ610を正方向に回転させる場合にカウンタ値に1が加算され(図1083のS5749C、及びS5750C参照)、傾倒モータ610を負方向に回転させる場合にカウンタ値が1減算される(図1083のS5752C、及びS5753C参照)。
昇降モータ励磁スピードカウンタ223cfoは、昇降モータ510の部位を切替えて励磁(モータを1ステップ回転)させる時間(間隔)を計時するためのカウンタであり、初期状態ではカウンタ値「0」が設定される。この昇降モータ励磁スピードカウンタ223cfoは、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1066参照)におけるモータ出力処理(図1080参照)において、昇降モータ励磁切替処理(図1081参照)が実行された場合に、カウンタ値が1ずつ加算される(図1081のS5724C参照)。また、昇降モータ励磁スピードカウンタ223cfoのカウンタ値が、昇降役物駆動データ格納エリア223cfcに格納されたデータにおけるスピードデータの示す値まで加算されたことに基づいて、カウンタ値に0が設定され(図1081のS5726C参照)、昇降モータ510の部位を切替えて励磁(1ステップ回転)が設定される。
傾倒モータ励磁スピードカウンタ223cfpは、傾倒モータ610の部位を切替えて励磁(モータを1ステップ回転)させる時間(間隔)を計時するためのカウンタであり、初期状態ではカウンタ値「0」が設定される。この傾倒モータ励磁スピードカウンタ223cfpは、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1066参照)におけるモータ出力処理(図1080参照)において、傾倒モータ励磁切替処理(図1083参照)が実行された場合に、カウンタ値が1ずつ加算される(図1083のS5744C参照)。
また、傾倒モータ励磁スピードカウンタ223cfpのカウンタ値が、傾倒役物駆動データ格納エリア223cfdに格納されたデータにおけるスピードデータの示す値まで加算されたことに基づいて、カウンタ値に0が設定され(図1083のS5746C参照)、傾倒モータ610の部位を切替えて励磁(1ステップ回転)が設定される。
励磁中断データ格納エリア223cfqは、励磁中断テーブル222cfから駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データを参照して選択されたデータを格納するための記憶領域である。昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させるための維持制御の開始時に励磁中断テーブル223cfから選択されたデータが格納され(図1078のS5615C、S5617C、S5619C、S5624C、及びS5626C参照)、役物演出の終了時に当該記憶領域がクリアされる(図1076のS5510C参照)。
昇降モータ励磁データ格納エリア223cfrは、励磁テーブル222cgから昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値に対応するデータを格納するための記憶領域である。この昇降モータ励磁データ格納エリア223cfrは、昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値が更新された場合に励磁テーブル222cgから選択されたデータが格納される(図1081のS5734C)。
傾倒モータ励磁データ格納エリア223cfsは、励磁テーブル222cgから傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値に対応するデータを格納するための記憶領域である。この傾倒モータ励磁データ格納エリア223cfsは、傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値が更新された場合に励磁テーブル222cgから選択されたデータが格納される(図1083のS5754C参照)。
<第28制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1066から図1083を参照して、本第28制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。本第28制御例では、上述した第1制御例に対して、変動表示設定処理(図66のS4113参照)に代えて変動表示設定処理(図1067のS4113C参照)を実行し、枠ボタン入力監視・演出処理(図70のS4107参照)に代えて枠ボタン入力監視・演出処理(図1070のS4107C)を実行し、演出更新処理(図58のS4111参照)に代えて、演出更新処理(図1072のS4111C参照)を実行し、役物駆動処理(図1077のS4121C参照)を追加して実行し、モータ出力処理(図1080のS4122C参照)を追加して実行する点で相違し、それ以外の処理の内容は同一である。同一処理の内容についてはその説明を省略する。
まず。図1066を参照して、本第28制御例におけるメイン処理の詳細について説明する。図1066は、このメイン処理を示したフローチャートである。
この本第28制御例におけるメイン処理(図1066参照)のうち、S4101~S4106,S4108~S4110,S4112、及びS4114~S4118の各処理ではそれぞれ上述した第1制御例のメイン処理(図58参照)におけるS4101~S4106,S4108~S4110,S4112、及びS4114~S4118の各処理と同一の処理が実行される。また、本第28制御例におけるメイン処理(図1066参照)では、S4106の処理が終了すると、次いで、後述する枠ボタン入力監視・演出処理を実行し(S4107C)、S4108の処理へ移行する。この枠ボタン入力監視・演出処理は、上述した第1制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図70のS4107参照)の処理内容に加え、本第28制御例の役物演出において枠ボタン22が操作された場合に対応する演出を設定する処理である。
S4108~S4110の各処理では、上述した通り、第1制御例のS4108~S4110の各処理と同一の処理が実行され、S4110の処理が終了すると、後述する演出更新処理(S4111C)を実行する。この演出更新処理は、変動開始からの経過時間に対応する演出を設定する処理である。S4111Cの処理が終了すると、役物駆動処理(S4121C)を実行する。この役物駆動処理は、昇降役物500と傾倒役物600とを駆動させる場合に、駆動用のデータを設定する処理である。
S4121Cの処理が終了すると、後述するモータ出力処理(S4122C)を実行する。このモータ出力処理は、昇降モータ510及び傾倒モータ610に対して励磁内容を示すデータを設定(モータドライバに対するコマンドを設定)する処理である。S4122Cの処理が終了すると、上述した第1制御例におけるS4112の処理と同一の処理であるS4112の処理を実行し、次いで、後述する変動表示設定処理(S4113C)を実行する。この変動表示設定処理は、上述した第1制御例における変動表示設定処理(図66のS4113参照)の処理内容に加え、本第28制御例における役物演出の実行有無を決定し、設定する処理である。S4113Cの処理が終了するとS4114の処理へ移行する。
次に、図1067を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4113C)について説明する。図1067は、この変動表示設定処理(S4113C)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4113C)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1066参照)の中で実行され、上述したように、第1制御例の変動表示設定処理(図66のS4113参照)と同一の処理内容に加え、役物演出の実行有無を決定して設定する処理である。
この本第28制御例における変動表示設定処理(図1067参照)のうち、S4901,S4902、及びS4904~S4911の各処理では、それぞれ上述した第1制御例の変動表示設定処理(図66参照)におけるS4901,S4902、及びS4904~S4911の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第28制御例における変動表示設定処理(図1067参照)では、S4902の処理が終了すると、次いで、変動パターンコマンドが示す変動時間を抽出し(S4901C)、抽出した変動時間に対応する値を従変動時間タイマ223caのタイマ値として設定する(S4902C)。S4902Cの処理が終了すると、特図1演出態様設定処理を実行し(S4903C)、S4904の処理に移行する。
次に、図1068を参照して、特図1演出態様設定処理(S4903C)の内容について説明する。図1068は、特図1演出態様設定処理(S4903C)の内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理(S4903C)は、上述した第1制御例における特図1演出態様設定処理(図67参照)に代えて実行される処理であり、第1制御例における特図1演出態様設定処理(図67参照)と同一の内容に加え、役物演出の実行有無を決定し、設定する処理である。
この本第28制御例における特図1演出態様設定処理(S4903C)のうち、S5001~S5012の各処理では、それぞれ上述した第1制御例の特図1演出態様設定処理(図67参照)におけるS5001~S5012の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第28制御例における特図1演出態様設定処理(S4903C)では、S5010の処理において、チャンスモードであると判別しなかった場合(S5010:No)は、役物演出設定処理を実行し(S5001C)、S5011の処理に移行する。
次に、図1069を参照して、本第28制御例における役物演出設定処理(S5001C)の詳細について説明する。図1069は、役物演出設定処理(S5001C)の内容を示したフローチャートである。この役物演出設定処理(S5001C)は、特図1演出態様設定処理(S4903C)にて実行されるものであって、役物演出の実行有無を決定して設定する処理である。
この本第28制御例における役物演出設定処理(S5001C)では、まず、変動パターンコマンドが示す基本時間コマンドに含まれる変動時間と、加算時間コマンドに含まれる変動時間とを抽出し(S5011C)、抽出した変動時間が、基本時間30秒且つ加算時間12秒であるかを判別する(S5012C)。S5012Cの処理において、S5011Cの処理で抽出した変動時間が基本時間30秒且つ加算時間12秒であると判別しなかった場合には(S5012C:No)、役物演出を実行し得る変動に対応する変動時間ではないため、本処理を終了する。
一方、S5012Cの処理において、S5011Cの処理で抽出した変動時間が基本時間30秒且つ加算時間12秒であると判別した場合には(S5012C:Yes)、役物演出実行抽選テーブル222caを読み出し(S5013C)、読み出した役物演出実行抽選テーブル222caを参照して役物演出の実行有無を決定し(S5014C)、役物演出を実行するかを判別する(S5015C)。
S5015Cの処理において、役物演出を実行すると判別しなかった場合には(S5015C:No)、本処理を終了する。一方、S5015Cの処理において、役物演出を実行すると判別した場合には(S5015C:Yes)、役物演出フラグ223cbをオンに設定し(S5016C)、本処理を終了する。
次に、図1070を参照して、本第28制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(S4107C)の詳細について説明する。図1070は、枠ボタン入力監視・演出処理(S4107C)の内容を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107C)は、上述した通り、第1制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図70参照)に代えて実行される処理であり、第1制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図70参照)の内容に加え、本第28制御例における役物演出に枠ボタン22が操作されたかを監視し、操作に対応する演出を設定する処理である。
本第28制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(S4107C)のうち、S5301~S5316の各処理では、それぞれ上述した第1制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図70参照)のS5301~S5316の各処理と同一の処理が実行される。また、本第28制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(S4107C)では、S5302の処理が終了すると、SW有効時間カウンタ223rのカウンタ値が0であるかを判別し(S5301C)、SW有効時間カウンタ223rのカウンタ値が0であると判別しなかった場合には(S5301C:No)、S5303の処理へ移行する。
一方、S5301Cの処理において、SW有効時間カウンタ223rのカウンタ値が0であると判別した場合には(S5301C:Yes)、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値に0を設定し(S5302C)、S5303の処理に移行する。これにより、役物演出における枠ボタン22の操作有効期間(3秒間)が経過した場合に、当該操作有効期間に加算された押下回数の情報をクリア(0に設定)することができる。
また、本第28制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(S4107C)では、S5314の処理において、チャンスモード中であると判別しなかった場合には(S5314:No)、駆動状況格納エリア223cfeに格納されているデータを読み出し(S5316C)、駆動状況格納エリア223cfeに格納された状況データが「02H」であるかを判別する(S5303C)。S5303Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納された状況データが「02H」であると判別しなかった場合には(S5303C:No)、今回の操作方法と、実行中の演出内容と、に対応したボタン演出を設定し(S5304C)、S5309の処理に移行する。
一方、S5303Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納された状況データが「02H」であると判別した場合には(S5303C:Yes)、操作回数カウント処理を実行し(S5305C)、S5309の処理に移行する。
図1071を参照して、本第28制御例における操作回数カウント処理(S5305C)の詳細について説明する。図1071は、操作回数カウント処理(S5305C)の内容を示したフローチャートである。この操作回数カウント処理(S5305C)は、枠ボタン入力監視・演出処理(図1070参照)において実行される処理であり、役物演出中の操作有効期間に枠ボタン22が操作された回数を計数し、対応する演出を設定する処理である。
操作回数カウント処理(S5305C)が実行されると、まず、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が3未満であるかを判別し(S5321C)、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が3未満であると判別しなかった場合には(S5321C:No)、既に役物演出の実行有無を決定する抽選が実行されたことを意味するため、本処理を終了する。
なお、本第28制御例では、役物演出において演出結果を決定するための抽選を最大で1回まで実行させる構成としているが、これに限るものではない。具体的には、役物演出における演出結果を決定するための抽選において、特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)とならなかった場合に、枠ボタン22の操作有効期間内に新たに枠ボタン22が3回(合計6回)操作されたことに基づいて、再度、演出結果を決定するための抽選を実行するように構成してもよい。
このように構成することで、枠ボタン22の操作回数が増えるほど、役物演出の演出結果を決定するための抽選を実行させることができ、換言すれば、特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となる可能性を高めることができる。よって、特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となることを期待する遊技者に対して、枠ボタン22を積極的に操作させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
一方、S5321Cの処理において、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が3未満であると判別された場合には(S5321C:Yes)、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値に1を加算し(S5322C)、加算後の操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が3であるかを判別する(S5323C)。S5323Cの処理において、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が3であると判別しなかった場合には(S5323C:No)、役物演出の演出結果を決定するための抽選の実行条件(3回の操作)を満たしていないため、本処理を終了する。
S5323Cの処理において、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が3であると判別した場合には(S5323C:Yes)、役物演出結果抽選テーブル222cbを読み出し(S5324C)、読み出した役物演出結果抽選テーブル222cbを参照して演出結果を決定し(S5325C)、演出結果が成功であるかを判別する(S5326C)。S5326Cの処理において、演出結果が成功であると判別しなかった場合には(S5326C:No)、本処理を終了する。
一方、S5326Cの処理において、演出結果が成功であると判別した場合には(S5326C:Yes)、役物演出成功フラグ223cdをオンに設定し(S5327C)、本処理を終了する。図示は省略したが、この操作回数カウント処理(S5305C)において、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が加算された場合は、枠ボタン入力監視・演出処理(図1070)のその他のボタン処理を実行する処理(図1070のS5309)において、加算後の操作回数カウンタ223ceのカウンタ値に対応するパワーゲージpg(図1053参照)を示す表示態様を含む演出態様を設定し、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定する。これにより、所定回数(3回)までは、枠ボタン22が操作される毎に表示態様を変化させて表示することができる。
なお、本第28制御例では枠ボタン22が所定回数(3回)より多く操作された(例えば、4回目の操作が実行された)場合に、表示態様を変化させないように構成しているが、これに限るものではない。例えば、4回目以降の操作がされたと判別した場合には、操作に対応する音声(例えば、「バシッ」という音声)を出力するように構成してもよい。このように構成することで、枠ボタン22を所定回数より多く操作する遊技者が退屈してしまう不具合を抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、枠ボタン22が所定回数(3回)よりも多く操作された場合に、特定演出を実行するように構成してもよい。例えば、枠ボタン22が所定回数(3回)操作された後、4回目以降の操作がされる毎に操作回数に対応する表示態様(例えば、所定回数を超えた分の操作回数を示す「上限突破×1」という表示)を表示するように構成してもよい。これにより、枠ボタン22を必要以上に連打する遊技者に対して多様な演出態様を提供することができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1072を参照して、本第28制御例における演出更新処理(S4111C)について説明する。図1072は、演出更新処理(S4111C)の内容を示したフローチャートである。この演出更新処理(S4111C)は、上述した第1制御例における演出更新処理(図58のS4111参照)に代えて実行される処理であり、変動開始からの経過時間に対応して演出を設定(更新)する処理である。
この本第28制御例における演出更新処理(S4111C)が実行されると、まず、従変動時間タイマ223caのタイマ値が0より大きいかを判別し(S5401C)、従変動時間タイマ223caのタイマ値が0より大きいと判別した場合には(S5401C:Yes)、従変動時間タイマ223caのタイマ値から1を減算し(S5402C)、役物演出フラグ223cbがオンであるかを判別する(S5403C)。一方、S5401Cの処理において、従変動時間タイマ223caのタイマ値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5401C:No)、S5402Cの処理をスキップし、S5403Cの処理に移行する。
S5403Cの処理において、役物演出フラグ223cbがオンであると判別しなかった場合には(S5403C:No)、役物演出を伴う変動期間(確定時間を含む)ではないため、本処理を終了する。一方、S5403Cの処理において、役物演出フラグ223cbがオンであると判別した場合には(S5403C:Yes)、従変動時間タイマ223caのタイマ値が12000であるかを判別する(S5404C)。S5404Cの処理において、従変動時間タイマ223caのタイマ値が12000であると判別しなかった場合には(S5404C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が0より大きいかを判別し(S5411C)、役物演出タイマ223ccの値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5411C:No)、役物演出が開始されていないことを意味するため、本処理を終了する。
一方、S5411Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が0より大きいと判別した場合には(S5411C:Yes)、役物演出の実行中であることを意味するため、役物演出処理を実行し(S5412C)、本処理を終了する。この役物演出処理(S5412C)の内容については、図1073を参照して後述する。
これらに対し、S5404Cの処理において、従変動時間タイマ223caのタイマ値が12000であると判別した場合には(S5404C:Yes)、役物演出の開始タイミングであることを意味するため、役物演出タイマに13000を設定し(S5405C)、駆動状況格納エリア223cfeに「01H」を設定し(S5406C)、役物演出の準備期間を示す表示態様を含む演出態様を設定する(S5407C)。
S5407Cの処理が終了すると、次いで、昇降モータ励磁開始フラグ223cfgをオンに設定し(S5408C)、駆動状況切替フラグ223cffをオンに設定し(S5409C)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5410C)、本処理を終了する。
次に、本第28制御例における役物演出更新処理(S5412C)について説明する。図1073は、役物演出更新処理(S5412C)の内容を示したフローチャートである。この役物演出更新処理(S5412C)は、演出更新処理(図1072参照)において実行される処理であり、役物演出が開始されてからの経過時間に対応する演出を設定する処理である。
役物演出更新処理(S5412C)が実行されると、まず、役物演出タイマ223ccのタイマ値から1減算し(S5421C)、減算後の役物演出タイマ223ccのタイマ値が12000であるかを判別する(S5422C)。S5422Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が12000であると判別しなかった場合には(S5422C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が10000未満であるか判別する(S5423C)。S5423Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が10000未満であると判別しなかった場合には(S5423C:No)、役物演出における演出更新のタイミングではないため、本処理を終了する。
一方、S5423Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が10000未満であると判別した場合には(S5423C:Yes)、役物演出成功フラグ223cdがオンであるかを判別する(S5429C)。S5429Cの処理において、役物演出成功フラグ223cdがオンであると判別した場合には(S5429C:Yes)、役物演出成功パターン処理を実行し(S5430C)、本処理を終了する。この役物演出成功パターン処理(S5430C)の内容については、図1074を参照して後述する。
また、S5429Cの処理において、役物演出成功フラグ223cdがオンであると判別しなかった場合には(S5429C:No)、役物演出失敗パターン処理を実行し(S5431C)、本処理を終了する。この役物演出失敗パターン処理(S5431C)の内容については、図1075を参照して後述する。
これらに対し、S5422Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が12000であると判別した場合には(S5422C:Yes)、駆動状況格納エリア223cfeに「02H」を設定し(S5424C)、操作有効期間を示す表示態様を含む演出態様を設定する(S5425C)。S5425Cの処理が終了すると、SW有効時間カウンタ223rのカウンタ値に3000を設定し(S5426C)、駆動状況切替フラグ223cffをオンに設定し(S5427C)、決定された各種演出態様に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5428C)、本処理を終了する。
次に、図1074を参照して、本第28制御例における役物演出成功パターン処理(S5430C)について説明する。図1074は、役物演出成功パターン処理(S5430C)の内容を示したフローチャートである。この役物演出成功パターン処理(S5430C)は、役物演出更新処理(図1073参照)において実行される処理であり、役物演出の演出結果を決定するための抽選において特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)となった場合に、役物演出の開始からの経過時間に対応する演出を設定する処理である。
役物演出成功パターン処理(S5430C)が実行されると、まず、役物演出タイマ223ccのタイマ値が10000であるかを判別し(S5441C)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が10000であると判別した場合には(S5441C:Yes)、駆動状況格納エリア223cfeに「03H」を設定し(S5442C)、傾倒モータ励磁開始フラグ223cfgをオンに設定する(S5443C)。S5443Cの処理が終了すると、駆動状況切替フラグ223cffをオンに設定し(S5444C)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5445C)、本処理を終了する。
一方、S5441Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が10000であると判別しなかった場合には(S5441C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が9000であるかを判別し(S5446C)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が9000であると判別した場合には(S5446C:Yes)、駆動状況格納エリア223cfeに「04H」を設定し(S5447C)、励磁時間タイマ223cfjのタイマ値に0を設定する(S5448C)。S5448Cの処理が終了すると、加重攻撃中を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5449C)、傾倒モータ励磁停止フラグ223cflをオンに設定する(S5450C)。S5450Cの処理が終了すると、駆動状況切替フラグ223cffをオンに設定し(S5444C)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5445C)、本処理を終了する。
S5446Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が9000であると判別しなかった場合には(S5446C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が7000であるかを判別し(S5451C)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が7000であると判別した場合には(S5451C:Yes)、駆動状況格納エリア223cfeに「05H」を設定し(S5452C)、演出成功を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5453C)、中断時間タイマ223cfiのタイマ値に0を設定する(S5454C)。S5454Cの処理が終了すると、駆動状況切替フラグ223cffをオンに設定し(S5444C)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5445C)、本処理を終了する。
S5451Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が7000であると判別しなかった場合には(S5451C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が4000であるかを判別し(S5455C)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が4000であると判別した場合には(S5455C:Yes)、駆動状況格納エリア223cfeに「06H」を設定し(S5456C)、傾倒モータ励磁開始フラグ223cfhをオンに設定する(S5457C)。S5457Cの処理が終了すると、駆動状況切替フラグ223cffをオンに設定し(S5444C)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5445C)、本処理を終了する。
S5455Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が4000であると判別しなかった場合には(S5455C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が1000であるかを判別し(S5458C)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が1000であると判別した場合には(S5458C:Yes)、駆動状況格納エリア223cfeに「07H」を設定し(S5459C)、傾倒モータ励磁停止フラグ223cflをオンに設定し(S5460C)、S5460Cの処理が終了すると、駆動状況切替フラグ223cffをオンに設定し(S5444C)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5445C)、本処理を終了する。
S5458Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が1000であると判別しなかった場合には(S5458C:No)、役物演出タイマ223ccの値が0であるかを判別し(S5461C)、役物演出タイマ223ccの値が0であると判別した場合には(S5461C:Yes)、役物演出の終了タイミングであるため、後述する役物演出終了処理を実行し(S5462C)、本処理を終了する。
S5461Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が0であると判別しなかった場合には(S5461C:No)、役物演出において演出を更新(設定)するタイミングではないことを意味するため、本処理を終了する。
次に、図1075を参照して、本第28制御例における役物演出失敗パターン処理(S5431C)について説明する。図1075は、役物演出失敗パターン処理(S5431C)の内容を示したフローチャートである。この役物演出失敗パターン処理(S5431C)は、役物演出更新処理(図1073参照)において実行される処理であり、役物演出の演出結果を決定するための抽選において特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)とならなかった場合に、役物演出の開始からの経過時間に対応する演出を設定する処理である。
役物演出失敗パターン処理(S5431C)が実行されると、まず、役物演出タイマ223ccのタイマ値が10000であるかを判別し(S5471C)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が10000であると判別した場合には(S5471C:Yes)、駆動状況格納エリア223cfeに「08H」を設定し(S5472C)、傾倒モータ励磁開始フラグ223cfhをオンに設定する(S5473C)。S5473Cの処理が終了すると、次いで、駆動状況切替フラグ223cffをオンに設定し(S5474C)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5475C)、本処理を終了する。
一方、S5471Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が10000であると判別しなかった場合には(S5471C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が8000であるかを判別し(S5476C)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が8000であると判別した場合には(S5476C:Yes)、駆動状況格納エリア223cfeに「09H」を設定し(S5477C)、励磁時間タイマ223cfjのタイマ値に0を設定する(S5478C)。
S5478Cの処理が終了すると、加重攻撃中を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5479C)、傾倒モータ励磁停止フラグ223cflをオンに設定する(S5480C)。S5480Cの処理が終了すると、次いで、駆動状況切替フラグ223cffをオンに設定し(S5474C)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5475C)、本処理を終了する。
S5476Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が8000であると判別しなかった場合には(S5476C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が7000であるかを判別し(S5481C)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が7000であると判別した場合には(S5481C:Yes)、駆動状況格納エリア223cfeに「0AH」を設定し(S5482C)、励磁時間タイマ223cfjのタイマ値に0を設定する(S5483C)。S5483Cの処理が終了すると、失敗を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5484C)、傾倒モータ励磁開始フラグ223cfhをオンに設定する(S5485C)。S5485Cの処理が終了すると、次いで、駆動状況切替フラグ223cffをオンに設定し(S5474C)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5475C)、本処理を終了する。
S5481Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が7000であると判別しなかった場合には(S5481C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が5000であるかを判別し(S5486C)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が5000であると判別した場合には(S5486C:Yes)、駆動状況格納エリア223cfeに「0BH」を設定し(S5487C)、励磁時間タイマ223cfjのタイマ値に0を設定する(S5488C)。S5488Cの処理が終了すると、昇降モータ励磁開始フラグ223cfgをオンに設定し(S5489C)、傾倒モータ励磁停止フラグ223cflをオンに設定する(S5490C)。S5490Cの処理が終了すると、次いで、駆動状況切替フラグ223cffをオンに設定し(S5474C)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5475C)、本処理を終了する。
S5486Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が5000であると判別しなかった場合には(S5486C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が4000であるかを判別し(S5491C)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が4000であると判別した場合には(S5491C:Yes)、駆動状況格納エリア223cfeに「0CH」を設定し(S5492C)、失敗を示す表示態様を含む演出態様を設定する(S5493C)。S5493Cの処理が終了すると、次いで、駆動状況切替フラグ223cffをオンに設定し(S5474C)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5475C)、本処理を終了する。
S5491Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が4000であると判別しなかった場合には(S5491C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が1000であるかを判別し(S5494C)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が1000であると判別した場合には(S5494C:Yes)、駆動状況格納エリア223cfeに「0DH」を設定し(S5495C)、励磁時間タイマ223cfjのタイマ値に0を設定し(S5496C)、昇降モータ励磁開始フラグ223cfgをオンに設定する(S5497C)。S5497Cの処理が終了すると、次いで、駆動状況切替フラグ223cffをオンに設定し(S5474C)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5475C)、本処理を終了する。
S5494Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が1000であると判別しなかった場合には(S5494C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が0であるかを判別し(S5498C)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が0であると判別した場合には(S5498C:Yes)、役物演出の終了タイミングであることを意味するため、後述する役物演出終了処理を実行し(S5499C(S5462C))本処理を終了する。
S5498Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が0であると判別しなかった場合には(S5498C:No)、役物演出における演出を更新(設定)するタイミングではないことを意味するため、本処理を終了する。
次に、図1076を参照して、本第28制御例における役物演出終了処理(S5462C(S5499C))について説明する。図1076は、役物演出終了処理(S5462C(S5499C))の内容を示したフローチャートである。この役物演出終了処理(S5462C(S5499C))は、役物演出成功パターン処理(図1074参照)、または役物演出失敗パターン処理(図1075参照)において実行される処理であり、役物演出の終了タイミングにおいて、役物演出用の各種フラグや記憶領域をクリアする処理である。
役物演出終了処理(S5462C(S5499C))が実行されると、まず、役物演出成功フラグ223cdがオンであるかを判別し(S5501C)、役物演出成功フラグ223cdがオンであると判別した場合には(S5501C:Yes)、昇降モータ励磁停止フラグ223cfkをオンに設定し(S5502C)、役物演出成功フラグ223cdをオフに設定し(S5503C)、S5504Cの処理に移行する。
一方、S5501Cの処理において、役物演出成功フラグ223cdがオンであると判別しなかった場合には(S5501C:No)、S5502C、及びS5503Cの処理をスキップし、役物演出フラグ223cbをオフに設定する(S5504C)。
S5504Cの処理が終了すると、次いで、昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値に「00H」を設定し(S5505C)、傾倒役物駆動ポインタ223cfbのポインタ値に「00H」を設定し(S5506C)、昇降役物駆動データ格納エリア223cfcをクリアし(S5507C)、傾倒役物駆動データ格納エリア223cfdをクリアし(S5508C)、駆動状況格納エリア223cfeに「00H」を設定し(S5509C)、励磁中断データ格納エリア223cfqをクリアし(S5510C)、本処理を終了する。この役物演出終了処理を実行することにより、役物演出が実行されていない期間における、役物演出用のフラグや記憶領域の状態を統一することができる。
次に、図1077を参照して、本第28制御例における役物駆動処理(S4121C)について説明する。図1077は、役物駆動処理(S4121C)の内容を示したフローチャートである。この役物駆動処理(S4121C)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図1066参照)にて実行される処理であって、昇降役物500、及び傾倒役物600を駆動するための駆動データを設定する処理である。
役物駆動処理(S4121C)が実行されると、まず、駆動状況切替フラグ223cffがオンであるかを判別し(S5601C)、駆動状況切替フラグ223cffがオンであると判別しなかった場合には(S5601C:No)、駆動状況格納エリア223cfe内のデータを更新したタイミングではないため、本処理を終了する。
一方で、S5601Cの処理において、駆動状況切替フラグ223cffがオンであると判別した場合には(S5601C:Yes)、駆動状況切替フラグ223cffをオフに設定し(S5602C)、駆動状況格納エリア223cfeに格納された状況データを読み出し(S5603C)、後述する昇降役物処理を実行する(S5604C)。S5604Cの処理が終了すると、次いで、傾倒役物処理を実行し(S5605C)、本処理を終了する。この傾倒役物処理(S5605C)の内容については、図1079を参照して後述する。
次に、図1078を参照して、本第28制御例における昇降役物処理(S5604C)について説明する。図1078は昇降役物処理(S5604C)の内容を示したフローチャートである。この昇降役物処理(S5604C)は、役物駆動処理(図1077参照)において実行され、昇降役物500を駆動させるための駆動データを設定する処理である。
昇降役物処理(S5604C)が実行されると、まず、S5603Cの処理で読み出した駆動状況格納エリア223cfeに格納された状況データが「01H」であるかを判別し(S5611C)、状況データが「01H」であると判別した場合には(S5611C:Yes)、昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値に1を加算し(S5612C)、昇降役物駆動テーブル222ccから加算後の昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値に対応するデータを昇降役物駆動データ格納エリア223cfcに格納し(S5613C)、本処理を終了する。
一方、S5611Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「01H」であると判別しなかった場合には(S5611C:No)、状況データが「02H」であるかを判別し(S5614C)、状況データが「02H」であると判別した場合には(S5614C:Yes)、励磁中断テーブル222cfから状況データ「02H」に対応付けて規定されたデータを励磁中断データ格納エリア223cfqに格納し(S5615C)、本処理を終了する。
また、S5614Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「02H」であると判別しなかった場合には(S5614C:No)、状況データが「04H」であるかを判別し(S5616C)、状況データが「04H」であると判別した場合には(S5616C:Yes)、励磁中断テーブル222cfから状況データ「04H」に対応付けて規定されたデータを励磁中断データ格納エリア223cfqに格納し(S5617C)、本処理を終了する。
S5616Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「04H」であると判別しなかった場合には(S5616C:No)、状況データが「09H」であるかを判別し(S5618C)、状況データが「09H」であると判別した場合には(S5618C:Yes)、励磁中断テーブル222cfから状況データ「09H」に対応付けて規定されたデータを励磁中断データ格納エリア223cfqに格納し(S5619C)、本処理を終了する。
S5618Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「09H」であると判別しなかった場合には(S5618C)、状況データが「0BH」であるかを判別し(S5620C)、状況データが「0BH」であると判別した場合には(S5620C:Yes)、昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値に1を加算し(S5621C)、昇降役物駆動テーブル222ccから加算後の昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値に対応するデータを昇降役物駆動データ格納エリア223cfcに格納し(S5622C)、本処理を終了する。
S5620Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「0BH」であると判別しなかった場合には(S5620C:No)、状況データが「0AH」であるかを判別する(S5623C)。S5623Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「0AH」であると判別した場合には(S5623C:Yes)、励磁中断テーブル222cfから状況データ「0AH」に対応付けて規定されたデータを励磁中断データ格納エリア223cfqに格納し(S5624C)、本処理を終了する。
一方、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「0AH」であると判別しなかった場合には(S5623C:No)、状況データが「0CH」であるかを判別し(S5625C)、状況データが「0CH」であると判別した場合には(S5625C:Yes)、励磁中断テーブル222cfから状況データ「0CH」に対応付けて規定されたデータを励磁中断データ格納エリア223cfqに格納し(S5626C)、本処理を終了する。
S5625Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「0CH」であると判別しなかった場合には(S5625C:No)、状況データが「0DH」であるかを判別し(S5627C)、状況データが「0DH」であると判別した場合には(S5627C:Yes)、昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値に1を加算し(S5628C)、昇降役物駆動テーブル222ccから加算後の昇降役物駆動ポインタ223cfaのポインタ値に対応するデータを昇降役物駆動データ格納エリア223cfcに格納し(S5629C)、本処理を終了する。
また、S5627Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「0DH」であると判別しなかった場合には(S5627C:No)、昇降役物500を駆動するためのデータを更新するタイミングではないため、本処理を終了する。
なお、本第28制御例では、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データに基づいて励磁中断テーブル222cfからデータを選択するように構成しているが、これに限るものではない。例えば、昇降役物500、または昇降役物500の付近に加速度センサや振動センサ等の検知手段を設け、当該検知手段の検知状況に応じて励磁中断テーブル222cfからデータを選択するように構成してもよい。このように構成することで、実際の状況(昇降役物500、または昇降役物500付近の動作(振動)状況)に応じて、昇降モータ510の保持力を変化させることができる。よって、より好適な維持制御を実行することができる。
次に、図1079を参照して、本第28制御例における傾倒役物処理(S5605C)について説明する。図1079は、傾倒役物処理(S5605C)の内容を示したフローチャートである。この傾倒役物処理(S5605C)は、役物駆動処理(図1077参照)において実行される処理であり、傾倒役物600を駆動させるためのデータを更新(設定)する処理である。
傾倒役物処理(S5605C)が実行されると、まず、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「03H」と「06H」との何れかであるかを判別し(S5631C)、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「03H」と「06H」との何れかであると判別した場合には(S5631C:Yes)、傾倒役物駆動ポインタ223cfbのポインタ値に1を加算し(S5632C)、傾倒役物第1駆動テーブル222cdから加算後の傾倒役物駆動ポインタ223cfbのポインタ値に対応するデータを傾倒役物駆動データ格納エリア223cfdに格納し(S5633C)、本処理を終了する。
一方、S5631Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「03H」と「06H」とのうち、どちでもないと判別した場合には、状況データが「08H」と「0AH」との何れかであるかを判別し(S5634C)、状況データが「08H」と「0AH」との何れかであると判別した場合には(S5634C:Yes)、傾倒役物駆動ポインタ223cfbのポインタ値に1を加算し(S5635C)、傾倒役物第2駆動テーブル222ceから加算後の傾倒役物駆動ポインタ223cfbのポインタ値に対応するデータを傾倒役物駆動データ格納エリア223cfdに格納し(S5636C)、本処理を終了する。
また、S5634Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「08H」と「0AH」とのうち、どちらでもないと判別した場合には(S5634C:No)、傾倒役物600を駆動するためのデータを更新するタイミングではないため、本処理を終了する。
次に、図1080を参照して、本第28制御例におけるモータ出力処理(S4122C)について説明する。図1080は、モータ出力処理(S4122C)の内容について示したフローチャートである。モータ出力処理(S4122C)は、メイン処理(図1066参照)において実行される処理であり、昇降モータ510及び傾倒モータ610に対して励磁内容を設定する処理である。
モータ出力処理(S4122C)が実行されると、まず、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データを読み出し(S5701C)、読み出した状況データが「01H」、「0BH」、及び「0DH」のうちの何れかであるかを判別する(S5702C)。S5702Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「01H」、「0BH」、及び「0DH」のうちの何れかであると判別した場合には(S5702C:Yes)、後述する昇降モータ励磁切替処理を実行し(S5703C)、昇降モータ励磁データ格納エリア223cfrに格納されている励磁制御データを参照して昇降モータ510の励磁を設定し(S5704C)、S5710Cの処理に移行する。これにより、昇降役物500を変位させる場合に、昇降モータ510の部位を切替えて励磁するためのコマンドがモータドライバに出力され、昇降モータ510を1ステップ回転させることができる。
一方、S5702Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「01H」、「0BH」、及び「0DH」のうちの何れとも一致しないと判別した場合には(S5702C:No)、昇降モータ励磁停止フラグ223cfkがオンであるかを判別する(S5705C)。S5705Cの処理において、昇降モータ励磁停止フラグ223cfkがオンであると判別した場合には(S5705C:Yes)、昇降モータ510の励磁の停止を設定し(S5706C)、昇降モータ励磁停止フラグ223cfkをオフに設定し(S5707C)、S5710Cの処理に移行する。これにより、昇降役物500の変位を停止させる場合に、昇降モータ510におけるモータドライバに対して励磁の停止を示すコマンドを出力し、昇降モータ510に対する励磁を停止させることができる。
また、S5705Cの処理において、昇降モータ励磁停止フラグ223cfkがオンであると判別しなかった場合には(S5705C:No)、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「02H」~「04H」、「08H」~「0AH」、及び「0CH」のうちの何れかであるかを判別する(S5708C)。S5708Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「02H」~「04H」、「08H」~「0AH」、及び「0CH」のうちの何れかであると判別した場合には(S5708C:Yes)、後述する励磁中断処理を実行し(S5709C)、Y5710Cの処理に移行する。これにより、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持する場合に、昇降モータ510に対して、所定周期で励磁を中断させる制御を実行することができる。
S5708Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「02H」~「04H」、「08H」~「0AH」、及び「0CH」のうちの何れかであると判別しなかった場合には(S5708C:No)、S5710Cの処理に移行する。
S5710Cの処理では、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「03H」、「06H」、「08H」、及び「0AH」のうちの何れかであるかを判別する(S5710C)。S5710Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「03H」、「06H」、「08H」、及び「0AH」のうちの何れかであると判別した場合には(S5710C:Yes)、後述する傾倒モータ励磁切替処理を実行し(S5711C)、傾倒モータ励磁データ格納エリア223cfsの励磁制御データを参照して傾倒モータ610の励磁を設定し(S5712C)、本処理を終了する。
一方、S5711Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納されている状況データが「03H」、「06H」、「08H」、及び「0AH」のうちの何れかであると判別しなかった場合には(S5710C:No)、傾倒モータ励磁停止フラグ223cflがオンであるかを判別する(S5713C)。S5713Cの処理において、傾倒モータ励磁停止フラグ223cflがオンであると判別した場合には(S5713C:Yes)、傾倒モータ610の励磁の停止を設定し(S5714C)、傾倒モータ励磁停止フラグ223cflをオフに設定し(S5715C)、本処理を終了する。
次に、図1081を参照して、昇降モータ励磁切替処理(S5703C)について説明する。図1081は、昇降モータ励磁切替処理(S5703C)の内容を示したフローチャートである。この昇降モータ励磁切替処理(S5703C)は、モータ出力処理(図1080参照)において実行される処理であり、昇降モータ510を予め設定されたスピードで回転させる処理である。
昇降モータ励磁切替処理(S5703C)が実行されると、まず、昇降役物駆動データ格納エリア223cfcからデータを読み出し(S5721C)、昇降モータ励磁開始フラグ223cfgがオンであるかを判別する(S5722C)。S5722Cの処理において、昇降モータ励磁開始フラグ223cfgがオンであると判別しなかった場合には(S5722C:No)、昇降モータ励磁スピードカウンタ223cfoのカウンタ値に1を加算し(S5724C)、昇降モータ励磁スピードカウンタ223cfoのカウンタ値と、S5721Cの処理において読み出したデータにおけるスピードデータの値とが一致しているかを判別する(S5725C)。
S5725Cの処理において、昇降モータ励磁スピードカウンタ223cfoのカウンタ値と、S5721Cの処理において読み出したデータにおけるスピードデータの値とが一致していると判別しなかった場合には(S5725C:No)、昇降モータ510の部位を切替えて励磁するタイミング(スピードデータに対応して励磁する部位を切替えるタイミング)ではないことを意味するため、本処理を終了する。
即ち、本第28制御例では、スピードデータに対応して励磁する部位を切替えるタイミングまでは、昇降モータ励磁データ格納エリア223cfrに格納されている励磁制御データに対応する部位への励磁が継続するように構成されている。これにより、昇降モータ510を回転させる場合において、励磁する部位が切り替わるタイミングまでに慣性や自重によりモータが回転する不具合を抑制するとともに、モータのオーバシュートによる減衰運動が停止するまでの期間を確保することができる。
一方、S5725Cの処理において、昇降モータ励磁スピードカウンタ223cfoのカウンタ値と、S5721Cの処理において読み出したデータにおけるスピードデータの値とが一致していると判別した場合には(S5725C:Yes)、S5726Cの処理に移行する。
これらに対し、S5722Cの処理において、昇降モータ励磁開始フラグ223cfgがオンであると判別した場合には(S5722C:Yes)、昇降モータ励磁開始フラグ223cfgをオフに設定し(S5723C)、S5726の処理に移行する。即ち、昇降役物500の変位が開始するタイミングでは、スピードデータを参照することなく1ステップ目の動作を行うように構成されている。
S5726Cの処理では、昇降モータ励磁スピードカウンタ223cfoのカウンタ値に0を設定する(S5726C)。S5726Cの処理が終了すると、昇降役物駆動データ格納エリア223cfcに格納されているデータにおける方向データが正方向であるかを判別する(S5727C)。
S5727Cの処理において、方向データが正方向であると判別した場合には(S5727C:Yes)、昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値が4であるかを判別する(S5728C)。S5728Cの処理において、昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値が4であると判別しなかった場合には(S5728C:No)、昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値に1を加算し(S5729C)、励磁テーブル222cgから昇降モータ励磁データ格納エリア223cfrに昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値に対応する励磁制御データを設定し(S5734C)、本処理を終了する。
一方、S5728Cの処理において、昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値が4であると判別した場合には(S5728C:Yes)、昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値に1を設定し(S5730C)、励磁テーブル222cgから昇降モータ励磁データ格納エリア223cfrに昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値に対応する励磁制御データを設定し(S5734C)、本処理を終了する。
これらに対し、S5727Cの処理において、昇降役物駆動データ格納エリア223cfcに格納されているデータにおける方向データが正方向であると判別しなかった場合には(S5727C:No)、昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値が1であるかを判別する(S5731C)。S5731Cの処理において、昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値が1であると判別しなかった場合には(S5731C:No)、昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値を1減算し(S5732C)、励磁テーブル222cgから昇降モータ励磁データ格納エリア223cfrに昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値に対応する励磁制御データを設定し(S5734C)、本処理を終了する。
一方、S5731Cの処理において、昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値が1であると判別した場合には(S5731C:Yes)、昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値に4を設定し(S5733C)、励磁テーブル222cgから昇降モータ励磁データ格納エリア223cfrに昇降モータ励磁カウンタ223cfmのカウンタ値に対応する励磁制御データを設定し(S5734C)、本処理を終了する。
次に、図1082を参照して、励磁中断処理(S5709C)について説明する。図1082は励磁中断処理(S5709C)の内容を示したフローチャートである。励磁中断処理(S5709C)は、モータ出力処理(図1080)において実行され、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させる場合に、昇降モータ510に対する励磁を周期的に中断させる処理である。
励磁中断処理(S5709C)が実行されると、まず、中断時間タイマ223cfiのタイマ値が0より大きいか判別する(S5721C)。S5721Cの処理において、中断時間タイマ223cfiのタイマ値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5721C:No)、励磁時間タイマ223cfjのタイマ値が0より大きいか判別する(S5722C)。S5722Cの処理において、励磁時間タイマ223cfjのタイマ値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5722C:No)、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させる期間の開始タイミングであることを意味するため、励磁中断データ格納エリア223cfqに格納されているデータを読み出し(S5723C)、読み出したデータにおける初期励磁データに規定された値を励磁時間タイマ223cfjのタイマ値として設定し(S5724C)、本処理を終了する。
これにより、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させる場合に、昇降役物500が所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に到達したタイミングにおいて励磁されている昇降モータ510における部位に対して、初期励磁データに規定された時間の励磁を実行させることができる。
一方、S5722Cの処理において、励磁時間タイマ223cfjのタイマ値が0より大きいと判別した場合には(S5722C:Yes)、励磁時間タイマ223cfjのタイマ値から1を減算し(S5725C)、減算後の励磁時間タイマ223cfjのタイマ値が0であるかを判別する(S5726C)。S5726Cの処理において、励磁時間タイマ223cfjのタイマ値が0であると判別しなかった場合には(S5726C:No)、励磁を中断するタイミングではないため、本処理を終了する。
S5726Cの処理において、励磁時間タイマ223cfjのタイマ値が0であると判別した場合には(S5726C:Yes)、昇降モータ510の励磁の停止を設定する(S5727C)。S5727Cの処理が終了すると、励磁中断データ格納エリア223cfqに格納されたデータを読み出し(S5728C)、読み出したデータにおける中断時間データに規定された値を中断時間タイマ223cfiのタイマ値として設定し(S5729C)、本処理を終了する。
これらに対し、S5721Cの処理において、中断時間タイマ223cfiのタイマ値が0より大きいと判別した場合には(S5721C:Yes)、中断時間タイマ223cfiのタイマ値から1を減算し(S5730C)、減算後の中断時間タイマ223cfiのタイマ値が0であるかを判別する(S5731C)。
S5731Cの処理において、中断時間タイマ223cfiのタイマ値が0であると判別しなかった場合には(S5731C:No)、本処理を終了する。一方、S5731Cの処理において、中断時間タイマ223cfiのタイマ値が0であると判別した場合には(S5731C:Yes)、昇降モータ励磁データ格納エリア223cfrに格納されている励磁制御データを参照して昇降モータ510の励磁を設定する(S5732C)。
S5732Cの処理が終了すると、励磁中断データ格納エリア223cfqに格納されているデータを読み出し(S5733C)、読み出したデータにおける励磁時間データに規定された値を励磁時間タイマ223cfjのタイマ値として設定し(S5734C)、本処理を終了する。
次に、図1083を参照して、本第28制御例における傾倒モータ励磁切替処理(S5711C)について説明する。図1083は、傾倒モータ励磁切替処理(S5711C)の内容を示したフローチャートである。この傾倒モータ励磁切替処理(S5711C)は、モータ出力処理(図1080参照)において実行される処理であり、傾倒役物600を変位させる場合に、傾倒モータ610における部位を切替えて励磁させる処理である。
傾倒モータ励磁切替処理(S5711C)が実行されると、まず、傾倒役物駆動データ格納エリア223cfdに格納されているデータを読み出し(S5741C)、傾倒モータ励磁開始フラグ223cfhがオンであるか判別する(S5742C)。S5742Cの処理において、傾倒モータ励磁開始フラグ223cfhがオンであると判別しなかった場合には(S5742C:No)、傾倒モータ励磁スピードカウンタ223cfpのカウンタ値に1を加算し(S5744C)、加算後の傾倒モータ励磁スピードカウンタ223cfpのカウンタ値と、S5741Cの処理において読み出したデータにおけるスピードデータの値とが一致しているかを判別する(S5745C)。
S5745Cの処理において、傾倒モータ励磁スピードカウンタ223cfpのカウンタ値と、S5741Cの処理において読み出したデータにおけるスピードデータの値とが一致していると判別しなかった場合には(S5745C:No)、本処理を終了する。
一方、S5745Cの処理において、傾倒モータ励磁スピードカウンタ223cfpのカウンタ値と、S5741Cの処理において読み出したデータにおけるスピードデータの値とが一致していると判別した場合には(S5745C:Yes)、S5746Cの処理に移行する。
これらに対し、S5742Cの処理において、傾倒モータ励磁開始フラグ223cfhがオンであると判別した場合には(S5742C:Yes)、傾倒モータ励磁開始フラグ223cfhをオフに設定し(S5743C)、S5746Cの処理に移行する。
また、S5745Cの処理において、傾倒モータ励磁スピードカウンタ223cfpのカウンタ値と、S5741Cの処理において読み出したデータにおけるスピードデータの値とが一致していると判別した場合には(S5745C:Yes)、S5746Cの処理に移行する。
S5746Cの処理では、傾倒モータ励磁スピードカウンタ223cfpのカウンタ値に0を設定する(S5746C)。S5746Cの処理が終了すると、S5741Cの処理において読み出したデータにおける方向データが正方向を示すデータであるか判別する(S5747C)。S5747Cの処理において、方向データが正方向を示すデータであると判別した場合には(S5747C:Yes)、傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値が4であるかを判別する(S5748C)。S5748Cの処理において、傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値が4であると判別しなかった場合には(S5748C:No)、傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値に1を加算し(S5749C)、励磁テーブル222cgから傾倒モータ励磁データ格納エリア223cfsに傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値に対応する励磁制御データを設定し(S5754C)、本処理を終了する。
一方、S5748Cの処理において、傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値が4であると判別した場合には(S5748C:Yes)、傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値に1を設定し(S5750C)、励磁テーブル222cgから傾倒モータ励磁データ格納エリア223cfsに傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値に対応する励磁制御データを設定し(S5754C)、本処理を終了する。
これらに対し、S5747Cの処理において、S5741Cの処理において読み出したデータにおける方向データが正方向を示すデータであると判別しなかった場合には(S5747C:No)、傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値が1であるかを判別する(S5751C)。S5751Cの処理において、傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値が1であると判別しなかった場合には(S5751C:No)、傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値から1減算し(S5752C)、励磁テーブル222cgから傾倒モータ励磁データ格納エリア223cfsに傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値に対応する励磁制御データを設定し(S5754C)、本処理を終了する。
一方、S5751Cの処理において、傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値が1であると判別した場合には(S5751C:Yes)、傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値に4を設定し(S5753C)、励磁テーブル222cgから傾倒モータ励磁データ格納エリア223cfsに傾倒モータ励磁カウンタ223cfnのカウンタ値に対応する励磁制御データを設定し(S5754C)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第28制御例では、第3図柄表示装置81の下方に昇降役物500を配設し、役物演出が実行された場合には、昇降役物500を所定位置(傾倒中間位置)まで変位させた後に昇降役物500を所定位置(傾倒中間位置)に維持させるための維持制御を実行し、当該維持制御を周期的に中断させる中断制御を実行可能に構成した。このように構成することで、昇降役物500を所定位置(傾倒中間位置)に維持するために最低限必要な昇降モータ510の保持力を維持しつつ、昇降モータ510の発熱、及び消費電力の増加を抑制することができる。
また、本第28制御例におけるパチンコ機10では、第3図柄表示装置81の右側に傾倒役物600を配設し、役物演出において、傾倒役物600を変位させることにより、所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に位置している昇降役物500と、傾倒役物600とを当接可能に構成している。また、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持している期間において、昇降役物500と傾倒役物600とが当接していない場合には、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させるための維持制御を第1周期(例えば、5ms毎)で第1期間(例えば、5ms)中断する中断制御を実行し、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している場合には、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させるための維持制御を第1周期とは異なる第2周期で(例えば、8ms毎)で第2期間(例えば、2ms)中断する中断制御を実行可能に構成した。
このように構成することで、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持するための昇降モータ510の保持力を変化させることができるので、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させる期間において昇降役物500に外力が加わった場合でも好適な維持制御を実行することができる。
また、本第28制御例におけるパチンコ機10では、昇降モータ510を用いて昇降役物500を所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させる維持制御を周期的に中断させる中断制御を実行する場合に、傾倒モータ610が第1条件(スピードデータ「10」以上で駆動されている)を満たしている場合には第1初期時間(10ms)の維持制御を実行した後に当該維持制御を中断し、傾倒モータ610が第1条件とは異なる第2条件(スピードデータ「10」未満で駆動されている)を満たしている場合には第1初期時間とは異なる第2初期時間(18ms)の維持制御を実行した後に当該維持制御を中断するように構成した。
このように構成することで、昇降モータ510の維持制御開始時に起こり得る減衰振動が停止する前に維持制御を中断することによって、昇降役物500が意図せず変位する不具合を抑制することができる。
なお、本第28制御例では、昇降役物500を駆動する駆動源として、ステッピングモータで構成された昇降モータ510を用いる構成としたが、これに限るものではない。例えば、DCモータやソレノイド等の駆動手段を用いて昇降役物500を駆動するように構成してもよい。より具体的には、昇降役物500を昇降中間位置に維持させる場合に、傾倒モータ610を励磁することで傾倒役物600を傾倒中間位置に維持し、昇降役物500が傾倒役物600に当接(衝突)するように、駆動源(DCモータ等)を押し当て制御(昇降役物500と傾倒役物600とが当接しても励磁し続けるように制御)することで昇降役物500を昇降中間位置に維持するように構成してもよい。
本第28制御例では、役物演出における枠ボタン22の操作有効期間に枠ボタン22が3回操作されたことに基づいて、演出結果を決定するための抽選を実行するように構成しているがこれに限るものではない。例えば、枠ボタン22が所定時間(例えば、3秒)以上押下され続けた(長押しされた)場合に、役物演出の演出結果を決定するための抽選を実行するように構成してもよい。また、枠ボタン22に替えて、遊技者が操作手段に直接触れるのでは無く、所定の空間領域(センサの検知範囲)に遊技者の体の一部(例えば、手など)が存在していることを検知可能な非接触型の操作手段(センサ等)を用いるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が枠ボタン22を連打(複数回操作)することにより発生する振動が昇降役物500に伝達してしまうといった不具合を抑制することができる。
本第28制御例では、昇降モータ510を用いて昇降役物500を昇降中間位置に維持させるための維持制御を周期的に中断させる中断制御を実行する場合に、役物演出の演出結果を決める抽選の抽選結果に応じて励磁時間及び中断時間を選択して設定するように構成していたが、これに限るものではない。例えば、昇降役物500、または傾倒役物600に加速度センサを設け、当該センサから出力された信号に基づいて、中断制御の実行期間における励磁時間及び中断時間を設定するように構成してもよい。このように構成することで、より正確に昇降モータ510に必要な保持力を生じさせることができる。
本第28制御例では、役物演出において、昇降役物500と傾倒役物600とが必ず当接するように構成しているが、これに限るものではない。例えば、役物演出を特別図柄抽選の高確率状態、及び低確率状態において実行可能に構成し、昇降役物500と傾倒役物600とが当接するか否かにより、設定されている遊技状態を示唆可能に構成してもよい。より具体的には、遊技状態として高確率状態が設定されている場合には、昇降役物500と傾倒役物600とを当接させ、遊技状態として低確率状態が設定されている場合には、昇降役物500と傾倒役物600とを当接させないように構成してもよい。このように構成することで、昇降役物500と傾倒役物600とが当接したかを識別することで遊技者が遊技状態を容易に把握することができる。
本第28制御例では、役物演出において、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間は傾倒モータ610の励磁を停止させることで、当該期間において常に昇降役物500に傾倒役物600による荷重(負荷)が掛かるように構成していたが、これに限るものではない。例えば、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している期間において、昇降モータ510が励磁されている期間は傾倒モータ610の励磁を中断し、昇降モータ510の励磁が中断されている期間は傾倒モータ610を励磁することによって保持するように構成してもよい。このように構成することで、昇降役物500に対して、昇降モータ510が励磁されている(ホールディングトルクにより保持されている)期間は傾倒役物600による荷重(負荷)が生じ、昇降モータ510が励磁されていない(ディテントトルクにより保持されている)期間は傾倒役物600による荷重(負荷)が生じないため、昇降役物500と傾倒役物600とを当接状態で維持する制御をより好適なものにすることができる。
本第28制御例では、昇降モータ510の励磁を5ms毎に5ms中断する中断制御を5ms励磁している期間に終了し、次いで昇降モータ510を18ms励磁した後に8ms毎に2ms中断する中断制御を実行することで、昇降モータ510が励磁されている期間に傾倒役物600が昇降役物500に当接し易く構成していたが、これに限るものではない。例えば、昇降役物500を傾倒役物600と当接した状態で自重により変位させる期間(図1056のt5参照)の開始時までは傾倒役物600を昇降役物500と当接する直前の位置(例えば、5ステップ分手前の120ステップの位置)で傾倒モータ610を励磁することによって維持しておき、昇降モータ510の励磁が停止された期間において傾倒役物600を当接させる(当接し易い)ように構成してもよい。このように構成することで、昇降モータ510が励磁されている期間において、昇降役物500に傾倒役物600の荷重が掛かることを抑制することができる。
本第28制御例では、役物演出において、昇降中間位置まで可動された昇降役物500に対して傾倒役物600を当接させ、昇降モータ510と傾倒モータ610との励磁を停止することにより昇降役物500と傾倒役物600とが当接した状態で可動可能に構成していたが、これに限るものではない。例えば、下限位置(原点位置)に位置している昇降役物500に対して傾倒役物600が当接するまで可動させた後、傾倒モータ610の励磁を停止し、その後、昇降モータ510を125ステップ正方向に回転させることにより、昇降役物500と傾倒役物600とが当接した状態で昇降中間位置まで可動するように構成してもよい。このように構成することで、昇降役物500と傾倒役物600とが当接した状態のまま可動する演出を多様化させることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第28制御例の第1変形例>
次に、図1084から図1105を参照して、第28制御例の第1変形例について説明をする。上述した第28制御例では、装飾用可動役物として昇降役物500及び傾倒役物600を配設し、昇降役物500を変位させることが可能な駆動手段(昇降モータ510)を用いて所定位置(昇降中間位置、または上限位置)に維持させる維持制御を実行する場合に、当該維持制御を所定の周期(例えば、5ms毎)に所定時間(例えば、5ms)中断させる中断制御を実行することで、駆動手段(昇降モータ510)の発熱や消費電力の増加を抑制可能に構成していた。
さらに、昇降役物500と傾倒役物600とが当接していない場合には、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置)に維持させる維持制御を第1周期(例えば、5ms毎)で第1期間(例えば、5ms)中断させる中断制御を実行し、昇降役物500と傾倒役物600とが当接している場合には、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置)に維持させる維持制御を第2周期(例えば、8ms毎)で第2期間(例えば、2ms)中断させる中断制御を実行することで、昇降役物500を所定位置(昇降中間位置)に維持するための保持力を変化させることを可能に構成していた。
これに対して、本第1変形例では、遊技領域に向けて発射された遊技球が流入することが可能な装飾用可動役物(箱形役物700)を配設し、当該装飾用可動役物(箱形役物700)に遊技球が流入した場合に、当該装飾用役物(箱形役物700)を所定位置(進出位置)に維持させるための維持制御を周期的に中断させる中断制御における周期及び中断時間を変化させることを可能に構成している。より具体的には、箱形役物700を所定位置(進出位置)に維持させるための維持制御を所定の周期(例えば、5ms毎)で所定期間(例えば、5ms)中断する中断制御を実行している期間において、箱形役物700に遊技球が流入した場合に、当該中断制御における周期及び中断時間を変化させる(例えば、4ms毎に6ms中断させる)ことを可能に構成している。
このように構成することで、装飾用可動役物(箱形役物700)に遊技球を流入(当接)させることができる斬新な演出を実現しつつ、流入した遊技球の重さによって装飾用可動役物(箱形役物700)が意図せず変位する不具合を抑制することができる。
また、箱形役物700が所定位置(進出位置)に位置している特定期間において、箱形役物700に遊技球を流入させた場合に、当該遊技球が所定の検出手段(検出センサ635a)に検出されることを可能に構成し、所定の検出手段(検出センサ635a)が遊技球の通過を検出した場合に所定個数(例えば、5球)の遊技球を賞球として払い出し可能に構成している。
このように構成することで、遊技者に対して箱形役物700に遊技球を流入させる意欲を高めさせることができるので、遊技球を意欲的に発射させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第28制御例の第1変形例における遊技盤、及び装飾用可動役物について>
まず、図1084から図1087を参照して、本第1変形例における遊技盤及び装飾用可動役物において、上述した第28制御例と異なる構成について説明をする。本第1変形例では、上述した第28制御例における遊技盤13の構成の一部を変更し、上述した第28制御例における各装飾用可動役物(昇降役物500、及び傾倒役物600)に代えて箱形役物700を配設している。
図1084は、箱形役物700が退避位置(原点位置)に位置している状態における遊技盤13の拡大図である。箱形役物700は、可変表示ユニット80よりも背面側に配設されており、後述する上下モータ710を駆動源として正面視上下方向に変位することが可能に構成されている。図1084に示した通り、箱形役物700が退避位置に位置している場合には、箱形役物700は可変表示ユニット80によって全体を覆われることによって遊技者からは視認困難な状態となる。箱形役物700の詳細な構成については、図1087を参照して後述する。
遊技盤13の前面側の正面視上方には、遊技領域に発射された遊技球が入球可能な一般入賞口630が配設され、遊技盤13の背面側には、一般入賞口630に入球した遊技球が流入する流路が配設されている。一般入賞口630に入球した遊技球は第一流路631へと流下し、第1流路631の下流側は、第2流路633、及び第3流路634の2つの流路に分岐している。第2流路633と第3流路634とが分岐する位置には、一般入賞口630を介して第1流路630に流入した遊技球が流下する経路を切替えることが可能な切替弁632が設けられている。
この切替弁632は、第2流路633へと球を流下させる第1状態と、第3流路634へと球を流下させる第2状態(図1085参照)とに切替える(水平方向にスライド変位させる)ことができる。第1状態では、切替弁632が正面視右側にスライド変位することで第3流路634の上流側を塞ぎ、第2流路633のみが開放された状態となるため、遊技球が第2流路633へと進行する。一方、第2状態は、切替弁632が正面視左側にスライド変位することで第2流路633の上流側を塞ぎ、第3流路のみが開放された状態となるため、遊技球が第3流路634へと進行する。図1084に示したように、箱形役物700が退避位置に位置している場合は、切替弁632が第1状態(遊技球が第2流路633に進行する状態)となるように設定されており、一般入賞口630を介して入球した遊技球が第3流路634へと進行することはない。
また、第2流路633、及び第3流路634にはそれぞれ球の通過を検出するための検出センサ633a、634aが設けられている。遊技球が第2流路633へと流下し、検出センサ633aが遊技球の通過を検出した場合には、所定個数(例えば、5球)の遊技球が賞球として払い出される。検出センサ633aを通過した遊技球は、遊技盤13の背面側に配置された図示しない流路によって、パチンコ機10の外部(島設備側)へと排出される。一方、第3流路に設けられた検出センサ634aは、箱形役物700に入球する遊技球を検出するために設けられており、検出センサ634aが遊技球の通過を検出しても、遊技球が賞球として払い出されることはない。
詳細については後述するが、本第28制御例では、略直方体形状に形成された箱形役物700の正面視上面に遊技球が入球可能な開口部700aを設け、箱形役物700の正面視右側の側面下方に箱形役物700に入球した遊技球を排出可能な開口部700bを設けている。即ち、箱形役物700の正面視箱形役物700が進出位置(張出位置)まで下降した場合に(図1085参照)、第3流路634へと流下した遊技球が箱形役物700に入球し、箱形役物700に入球した遊技球が第4流路635aへと流下することが可能に構成されている。また、遊技球が第4流路635へ流下し、検出センサ635aが遊技球の通過を検出した場合に、所定個数(例えば、5球)の遊技球が賞球として払い出されるように構成されている。即ち、一般入賞口630に入球した遊技球が通過する流路を変化させることで、賞球が払い出される契機となる検出センサ(検出センサ633a、及び635a)に遊技球が到達するまでに要する時間を変化させることが可能に構成されている。このように構成することで、同一の一般入賞口630に遊技球が入球した場合でも、賞球の払い出しタイミングが変化するという遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図1085は、箱形役物700が進出位置に位置している状態における遊技盤13の拡大図である。ここで、進出位置とは、箱形役物700を用いた演出において、箱形役物700が最も正面視下側まで下降した場合に位置する場所を指す。即ち、箱形役物700を用いた演出において、箱形役物700が進出位置よりも正面視下側に変位することはないように構成されている。
図1085に示した通り、箱形役物700が進出位置に位置する場合は、箱形役物700が第3図柄表示装置81の一部を覆っており(前面側に配置されており)、箱形役物700の全体7割程度が遊技者から視認可能な状態となる。また、箱形役物700は光透過性の樹脂材料で構成されており、前面の下方約1/4程度が黒く塗装されることにより透視できないように構成されている。即ち、箱形役物700が進出位置に位置している場合は、箱形役物700の背面側にある第3図柄表示装置81の表示領域の一部(図1085では白色の領域)を透視可能となり、黒く塗装された部分に重なる表示領域は視認困難となる。また、箱形役物700に流入する遊技球は、第3図柄表示装置81の表示領域と同様に、入球したこと(箱形役物700の中で落下する様子)が遊技者から視認可能であり、黒く塗装された部分まで到達する(箱形役物700の内部の底面に接地する)と遊技者から視認困難となる。これにより、遊技者に対して自らが発射した遊技球が箱形役物700に入球したことを確認させることができ、箱形役物700内に完全に落下(接地)した遊技球がどこに進行するのかは視認困難にさせることができる。
なお、詳細については後述するが、本第1変形例では箱形役物700が進出位置に位置している場合に、切替弁632を第2状態(遊技球が第3流路634へと流下可能な状態)へと変位させることが可能に構成されている。即ち、箱形役物700が進出位置に位置していない状態では、遊技球が第3流路634へと流下することはなく、一般入賞口630を介して入球した遊技球は全て第2流路へと進行するように構成されている。
また、図1085に示すように、箱形役物700が進出位置に位置しており、切替弁632が第2状態(遊技球が第3流路634に進行可能となる状態)に変位した場合は、第3流路634へ流下した遊技球が箱形役物700の開口部700a(図1087(a)参照)から箱形役物700の内部へと落下することが可能となる。箱形役物700の内部へと落下した遊技球は、第4流路635の方向へと誘導され、箱形役物700に設けられた開口部700b(図1087(b)参照)を介して第4流路635へ進行するように構成されている。また、第4流路635には遊技球が通過したことを検出するための検出センサ635aが設けられている。上述した通り、第4流路635へと遊技球が進入し、検出センサ635aが遊技球の通過を検出した場合に、所定個数(例えば、5球)の遊技球が賞球として払い出される。検出センサ635aを通過した遊技球は、遊技盤13の背面側に設けられた図示しない流路によって、パチンコ機10の外部(島設備側)へと排出される。
次に、図1086、及び図1087を参照して、箱形役物700の構成について詳細に説明する。図1086(a)は、第3流路634へ流下した遊技球が箱形役物700の内部に落下する様子を示した図である。なお、説明を分かり易くするために、図1086(a)は、第3流路634と箱形役物700と第4流路635とを第3図柄表示装置81(図1084参照)の表示面に対して並行な平面(図1087(a)参照)で切断した図で示している。
図1086(a)に示すように、第3流路634へ流下してきた遊技球は、箱形役物700における上部の開口部700a(図1087(a)参照)から、箱形役物700の内部へと落下する。箱形役物700は正面視(図1084参照)横方向に6cmの幅を有する略直方体形状で形成され、箱形役物700の内部へと落下した遊技球が接する箱形役物700の床面は、遊技球が第4流路635の方向へと進行するように傾斜して形成されている。詳細については後述するが、箱形役物700の下方には変位可能な開閉部材800が設けられており、開閉部材800が開放位置へと変位(図1087(b)参照)することにより、箱形役物700に入球した遊技球が箱形役物700の開口部700bを介して第4流路へ流下することが可能となる。ここで、図1086(a)は、後述する開閉部材800(図1087(b)参照)が閉鎖位置に位置している場合を示しており、開閉部材800が閉鎖位置に位置している場合は箱形役物700に入球した遊技球が第4流路へ流下することが規制されているため、箱形役物700の内部に遊技球が貯まった状態となる。
図1086(b)は、遊技球が箱形役物700の内部に落下する様子を、箱形役物700を第3図柄表示装置81(図1084参照)の表示面に対して垂直に交わる平面(図1087(a)参照)で切断し、正面視(図1084参照)右側から見た図で示している。箱形役物700の内部は前後方向に3cmの厚みを有する略直方体形状に形成されており、第3流路634から落下した遊技球が接地する床面が箱形役物700の前面側に傾斜して形成されている。これにより、箱形役物700に落下した遊技球を箱形役物700に設けられた開口部700b、及び第4流路635方向へと誘導することができる。
図1086(c)は、箱形役物700の内部へと落下した遊技球が第4流路635へと流下する様子を示した図である。なお、図1086(c)も図1086(a)と同様に、第3流路634と箱形役物700と第4流路635とを第3図柄表示装置81(図1084参照)に対して並行な平面(図1087(b)参照)で切断した図で示している。
図1086(c)に示すように、箱形役物700の内部へと落下した遊技球は、箱形役物700に設けられた開閉部材800が開放位置へと変位(図1087(b)参照)することによって、箱形役物700に設けられた開口部700bを介して第4流路635へと流下することができる。
図1087(a)は、箱形役物700の背面斜視図である。図1083(a)に示した通り、箱形役物700は、箱形役物700を上下方向に変位させるためのラックアンドピニオンにおけるラック711が背面右側に固定されており、ラック711が有するギア部は、ピニオンギアである第1上下駆動ギア701と嵌合するように構成されている。また、第1上下駆動ギア701と第2上下駆動ギア702とが嵌合するように構成され、第2上下駆動ギア702に設けられた上下モータ710を駆動源として第2上下駆動ギア702が回転し、第1上下駆動ギア701が回転することで箱形役物700が上下方向に駆動されることが可能に構成されている。
箱形役物700の背面左側の上部には、滑り止め用の溝が設けられた支柱712に挿通されることが可能な突出片713が配設(固着)されている。遊技盤13の背面側には、ポリカーボネート等の樹脂で構成された図示しないベース体が設けられ、当該ベース体には支柱712が固定され、第1上下駆動ギア701及び第2上下駆動ギア702が回転可能に軸支されている。このように構成することで、なめらかに箱形役物700を上下方向に駆動させることができる。また、当該ベース体には箱形役物700が退避位置より正面視上方へ変位することを規制するストッパ部材(図示なし)が設けられており、当該ストッパ部材をロック状態へと変位させることで、箱形役物700を退避位置に固定することができる。即ち、箱形役物700を退避位置に維持する期間においては、当該ストッパ部材をロック状態へと変位させることで、箱形役物700を退避位置に固定するように構成している。上述した通り、箱形役物700の上部に設けられた開口部700aは、箱形役物700が進出位置に変位した場合に遊技球が入球可能となり、箱形役物700の正面視(図1084参照)の右側下部に設けられた開口部700bは、開閉部材800が開放位置に変位した場合に遊技球が通過可能となる。
なお、本第1変形例では開口部700aから入球可能な箱形役物700を略箱形形状に形成しているがこれに限るものではない。例えば、箱形役物700を略袋形状(丸みを帯びた形状)に形成し、開口部700aから遊技球が入球可能となるように構成してもよい。このように構成することで、開口部700aから入球した遊技球が接地する接地面(底面)を斜面状に形成する等の加工を施すことなく、遊技球を容易に集結させることができる。
図1087(b)は、箱形役物700を正面視(図1084参照)右側から見た斜視図である。図1087に示した通り、箱形役物700における開閉部材800の正面視(図1084参照)右側には第1開閉駆動ギア801が配設(固着)されている。また、箱形役物700には第1開閉駆動ギア801と嵌合する第2開閉駆動ギア802が回転可能に軸支されており、第2開閉駆動ギア802には開閉モータ810が設けられている。即ち、開閉モータ810を駆動源として、第2開閉駆動ギア802が回転し、第2開閉駆動ギア802に嵌合する第1開閉駆動ギア801とが回転することにより、開閉部材800が開放位置と閉鎖位置(図1087(a)参照)とに変位することができる。なお、閉鎖位置とは、箱形役物700の開口部700bを完全に閉鎖させる(遊技球が通過困難となる)位置を差し、箱形役物700の開閉部材800の原点位置である。また、閉鎖位置とは、箱形役物700の開閉部材800が閉鎖位置(原点位置)から90度回転し、開口部700bを遊技球が通過可能となる位置(図1087(b)参照)を指す。なお、箱形役物700には、図示しないストッパ部材が設けられており、当該ストッパ部材をロック状態へと変位させることが、開閉部材800を閉鎖位置で固定することができる。即ち、開閉部材800が閉鎖位置に位置している状態では、当該ストッパ部材をロック状態へと変位させることで、開閉部材800を閉鎖位置に固定するように構成している。
なお、本第28制御例における第1変形例では、箱形役物700の上部に設けられた開口部700aは常に開口状態となるように構成しているが、これに限るものではない。例えば、箱形役物700の上部に設けられた開口部700aを開状態と閉状態とに変位させることが可能な蓋部材を設けるように構成してもよい。また、箱形役物700に当該蓋部材を設ける場合、当該蓋部材が開状態と閉状態とのうち何れであるかを遊技者が視認可能となるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者が箱形役物700に対して遊技球を入球可能な状態となったことを容易に理解することができるので、より分り易い演出を実現することができる。
<第28制御例の第1変形例における演出内容について>
次に、図1088、及び図1089を参照して、本第1変形例にて実行される特徴的な演出である役物演出の内容について説明をする。この役物演出は、上述した第28制御例において実行されていた役物演出に代えて実行され、本第1変形例における役物演出は、箱形役物700が原点位置から進出位置まで変位すると共に、一般入賞口630に向けて遊技球の発射を促す演出が実行され、一般入賞口630に入球した遊技球を箱形役物700の内部に流入させることが可能に構成されている。更に、箱形役物700に入球した遊技球が所定のタイミング(箱形役物700に4球入球した時点、または役物演出開始12秒後)で第4流路635へ流下していくように構成され、第4流路635に設けられた検出センサ635aが遊技球の通過を検出したことに基づいて所定個数(例えば、5球)の遊技球を賞球として払い出すように構成されている。
本第1変形例における役物演出は、変動時間として基本時間が30秒の変動時間が選択され、且つ特図1保留数が3個貯まっている場合の変動演出において実行される演出であり、当該変動演出の開始と共に実行が開始される。これにより、保留数が貯まっていることで遊技球の発射を控えている遊技者に対して、遊技球を発射する意欲を高めさせることができる。
図1088は、本第1変形例における役物演出の準備期間(役物演出開始から2秒経過するまでの期間)の演出態様の一例(役物演出開始1.5秒後)を示した図である。本第1変形例における役物演出では、役物演出の開始と共に、退避位置に位置している箱形役物700が進出位置に向けて下降し始める。ここで、箱形役物700は退避位置から進出位置まで2秒間で到達するように上下モータ710により駆動される。
図1088(a)に示したように、役物演出が開始されると主表示領域Dmにおける表示領域HR10に「貯玉チャンス準備中」という文字が表示される。また、主表示領域Dmの正面視右下に形成される表示領域Dm63には、一般入賞口630に向けて遊技球を発射することを促す表示態様(一般入賞口630付近の遊技盤を示す表示態様における一般入賞口630へ向かう矢印、及び「ここを狙って打て!」の文字)が表示される。主表示領域Dmの正面視左下に形成される小表示領域Dm61には、一般入賞口630に向けて遊技球を発射させる期間を示すためのタイムゲージtg1が表示され、小表示領域Dm61の正面視上部には、一般入賞口630に向けて遊技球を発射させる期間が開始されるまで待機させるための「Ready」という文字が表示される。これにより、一般入賞口630に向けて遊技球を発射させる演出が開始されることを遊技者に把握させることができる。
また、役物演出の実行期間は、主表示領域Dmの正面視上部に小表示領域Dm1が形成され、小表示領域Dm1には、実行中の特別図柄変動に対応して第3図柄(図では3本の矢印)が変動表示(動的表示)される。小表示領域Dm1の正面視左側には、小表示領域Ds11において特図1保留数(図では特図1保留数が3個であることを示す「3」)が表示され、小表示領域Ds12において特図2保留数(図では特図2保留数が3個であることを示す「3」)が表示される。
次に、図1088(b)を参照して、役物演出において、箱形役物700に遊技球を入球させることが可能となる期間における演出態様の一例について説明する。詳細については後述するが、箱形役物700に遊技球を入球させることが可能となる期間は、箱形役物700に所定個数(4個)入球した場合、または当該期間の開始から10秒が経過した場合に終了する。
役物演出の開始から2秒が経過すると、箱形役物700が進出位置に到達し、小表示領域Dm61aには、一般入賞口630に向けて遊技球を発射する期間が開始されたことを示すための表示態様(「Go」という文字)が表示される。ここで、本第1変形例では、箱形役物700が進出位置に位置している場合に、上下モータ710を励磁することによって箱形役物700を進出位置に維持させるための維持制御を実行し、当該維持制御を周期的に中断させる中断制御を実行する。これにより、箱形役物700を進出位置に維持するために必要な上下モータ710の保持力を維持しつつ、上下モータ710の発熱や消費電力の増加を抑制することができる。
また、役物演出が開始されてから2秒が経過(箱形役物700が進出位置に到達)すると、一般入賞口630に入球した遊技球が流下する流路に設けられた切替弁632が第2状態へとスライド変位(図1085参照)することにより、一般入賞口630に入球した遊技球が箱形役物700の内部へ落下することが可能になる。ここで、箱形役物700の内部へ入球できる個数の上限は4個となるように設定されている。具体的には、箱形役物700の内部へ入球する遊技球が通過する検出センサ634aが遊技球の通過を検出した回数をカウントし、遊技球が4球通過した場合に切替弁632を第1状態(第3流路634へ流下することを規制する状態)へとスライド変位させることによって、遊技球が箱形役物700に流下することを規制する。
さらに、本第1変形例では、一般入賞口630に入球した遊技球が箱形役物700に落下する遊技球の個数に対応して、上述した中断制御を実行する周期と中断時間とを変化させて設定するように構成している。より具体的には、箱形役物700が進出位置に位置している状態において、箱形役物700に遊技球が入球していない場合には、箱形役物700を進出位置に維持させるための維持制御を5ms毎に5ms中断させる中断制御を実行し、箱形役物700に遊技球が1球入球した場合には、箱形役物700を進出位置に維持させるための維持制御を6ms毎に4ms中断させる中断制御を実行し、箱形役物700に遊技球が2球入球した場合には、箱形役物700を進出位置に維持させるための維持制御を7ms毎に3ms中断させる中断制御を実行し、箱形役物700に遊技球が3球入球した場合には、箱形役物700を進出位置に維持させるための維持制御を8ms毎に2ms中断させる中断制御を実行し、箱形役物700に遊技球が4球入球した場合には、箱形役物700を進出位置に維持させるための維持制御を9ms毎に1ms中断させる中断制御を実行する。このように構成することで、箱形役物700に入球する個数が増加することに基づいて、上下モータ710に生じる保持力を変化させることができるので、より好適な維持制御を実行することができる。
図1088(b)は、箱形役物700に2球目の遊技球が落下している様子を示している。上述した通り、箱形役物700は光透過性の樹脂材料で構成されており、図1088(b)に示したように、箱形役物700の内部へと遊技球が落下してきた様子が遊技者から視認可能に構成されている。箱形役物700の内部へと落下してきた遊技球が、箱形役物700の床面まで到達(接地)すると、箱形役物700の黒く塗装された部分に覆われることによって、遊技球は遊技者から視認困難な状態となる。即ち、遊技者からは、箱形役物700に遊技球が入球する様子は視認できるものの、遊技球が箱形役物700の内部でどこに位置しているか等は把握困難となるように構成されている。このように構成することで、箱形役物700に入球した遊技球が開口部700bから第4流路635へ流下する場面を遊技者から視認され難くすることができる。また、箱形役物700の背面側に位置している表示領域Dm64には、箱形役物700の内部に入球した遊技球の個数に対応する表示態様(例えば、入球した遊技球2球が第4流路635へと流下することにより払い出される賞球の合計を示す「10」)が表示される。これにより、箱形役物700の内部に遊技球が貯まっていることを遊技者に把握させることができる。
次に、図1089(a)を参照して、役物演出における払い出し期間における表示態様の一例について説明する。図1089(a)に示した通り、箱形役物700に遊技球を入球させることが可能となる期間が終了すると、表示領域HR10において「払い出し中」という文字が表示されると共に、箱形役物700における開閉部材800が閉鎖位置から開放位置へと変位される。ここで、箱形役物700における開閉部材800は、閉鎖位置から開放位置まで開閉モータ810を駆動源として1秒間で駆動される。また、主表示領域Dmにおける箱形役物700の下方には、落下する遊技球を模した表示態様が表示される。なお、開閉部材800は光透過性の樹脂材料で構成されているため、開閉部材800が開放位置へと可変した場合に開閉部材800の背面に位置する表示領域は遊技者から略全体が視認可能となり、当該表示領域にも落下する遊技球を模した表示態様が表示される。即ち、開閉部材800を開放位置へと変位させ、落下する遊技球を模した表示態様を表示することにより、箱形役物700に貯まった遊技球が落下していく様子を擬似的に表現した演出を実行することができる。
なお、図1089(a)は、上述した箱形役物700に遊技球を入球させることが可能となる期間において、箱形役物700に遊技球が4球入球した場合の演出態様を示しており、箱形役物700の背面側に位置する表示領域Dm64には、箱形役物700に入球していた遊技球の個数に対応する表示態様(入球した4球に対応して払い出される賞球数を示す「20」)が表示されている。上述した通り、開閉部材800が開放位置へと変位されると、箱形役物700に貯まっていた遊技球が第4流路635へと流下可能となり、検出センサ635aと検出されるので、賞球として遊技球が払い出される。なお、箱形役物700に入球した遊技球が4球未満の場合も、箱形役物700の開閉部材800は開放位置へと変位され、入球していた遊技球の球数に対応する表示態様が表示される。
このように構成することで、一般入賞口630に入球した遊技球を、賞球を払い出す契機となる検出センサ635aを通過する前に箱形役物700の中に貯め、同じタイミングで検出センサ635aに向けて進行させることができる。よって、短期間にまとめて賞球を払い出させることができるので、遊技者に対して多くの賞球が払い出されたように錯覚させることができる。
また、本第1変形例では、一般入賞口630に遊技球が入球することで5球の賞球が払い出されるように構成しているが、これに限るものではない。例えば、一般入賞口630に遊技球が入球することで払い出される賞球を1球とし、一般入賞口630への入球を容易にさせるための釘を設けるように構成してもよい。このように構成することで、一般入賞口630に向けて遊技球を発射することで、遊技者の持ち玉が増えることを抑制することができる。このように構成した場合、箱形役物700に所定回数(例えば、4球)の遊技球が入球した場合に、遊技者に有利となる特典を付与するように構成するとよい。より具体的には、箱形役物700に所定個数(例えば、4球)の遊技球が入球した場合に、実行中の特別図柄変動の特別図柄抽選の抽選結果を報知するように構成してもよい。このように構成することで、特別図柄抽選の抽選結果をより早く知りたい遊技者の箱形役物700に遊技球を入球させることに対する意欲を向上させることができる。
また、本第1変形例では、第2流路633に設けられた検出センサ633aが遊技球の通過を検出した場合と、第4流路635に設けられた検出センサ635aが遊技球の通過を検出した場合と、で所定回数(5球)の遊技球を賞球として払い出すように構成しているが、これに限るものではない。例えば、検出センサ633a、及び検出センサ635aに代えて、第1流路631に遊技球の通過を検出可能な検出センサを設け、当該検出センサが遊技球の通過を検出した場合に、所定個数(5球)の賞球を払いだすように構成してもよい。このように構成することで、一般入賞口630に遊技球が入球してから賞球が払い出されるまでのタイムラグを減らすことができるので、賞球の払い出しが遅くなることにより遊技者に不信感を与える不具合を軽減することができる。
図1089(a)に示した表示態様は、開閉部材800が開放位置へと変位したタイミングから4秒が経過するまで表示され、当該4秒が経過すると、図示しない役物演出の終了を示す表示態様(例えば、「END」という文字)が3秒間表示される。また、開閉部材800が開放位置へと変位したタイミングから4秒が経過すると、開閉部材800が閉鎖位置まで1秒間で駆動され、次いで、箱形役物700が退避位置まで2秒間で駆動される。
次に、図1089(b)を参照して、役物演出における箱形役物700の動作の流れについて説明する。図1089(b)は、役物演出における箱形役物700の動作の流れを示した図である。ここで、図1089(b)における左右の方向は時間経過を表しており、上下方向は、箱形役物700の上下方向の移動距離、及び開閉部材800が変位する距離を表している。
上述した通り、役物演出が開始されると、箱形役物700が2秒間で退避位置から進出位置まで上下モータ710によって駆動される。箱形役物700が進出位置に到達すると、箱形役物700を進出位置に維持させるための維持制御を実行し、当該維持制御を周期的に中断する中断制御を実行する。ここで、維持制御及び中断制御を実行している期間は、箱形役物700が進出位置から変位しない(変位していると遊技者に認識されない)ように構成している。具体的には、維持制御が実行されることによって上下モータ710に発生する保持力(所謂、ホールディングトルク)と、維持制御が中断されている期間に発生する保持力(所謂、ディテントトルク)とによって、箱形役物700が進出位置に維持される。即ち、上下モータ710の励磁が中断されている期間も箱形役物700の開口部700aは遊技球が入球可能な状態となる。
箱形役物700における開閉部材800は、箱形役物700の内部に遊技球が入球可能となる期間t2が終了したタイミングで閉鎖位置から開放位置への変位が開始される。箱形役物700の開閉部材800が閉鎖位置から開放位置へと変位するのに要する時間t3は1秒となるように構成されている。開閉部材800が開放位置へと変位すると、開閉部材800は開閉モータ810によって開放位置で所定時間(4秒間)維持される。これにより、箱形役物700の内部に貯まった遊技球を全て第4流路635へと流下させるために必要な時間を確保することができる。当該所定時間(4秒)が経過すると、開閉部材800が開放位置から閉鎖位置へと1秒間で変位する。開閉部材800が閉鎖位置へと変位すると、次いで、箱形役物700が進出位置から退避位置へと2秒間で変位する。
ここで、箱形役物700を進出位置に維持させるための維持制御を周期的に中断させる中断制御は、箱形役物700が退避位置に向けて駆動され始めるまで継続する。より具体的には、例えば、箱形役物700の内部に遊技球が流入可能となる期間t2において箱形役物700に遊技球が4球入球した場合には、箱形役物700を進出位置に維持するための維持制御を9ms毎に1ms中断する中断制御が、箱形役物700が退避位置に向けて駆動され始めるまで継続する。
<第28制御例の第1変形例における電気的構成について>
次に、図1090から図1094を参照して、本第1変形例における電気的構成について説明する。図1090は、本第28制御例におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本第1変形例におけるパチンコ機10は、上述した第28制御例におけるパチンコ機10に対して、昇降モータ510及び傾倒モータ610に代えて上下モータ710及び開閉モータ810を追加した点、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成の一部を異ならせている点で相違している。それ以外の要素については同一であり、その説明を省略する。
ここで、本第1変形例における上下モータ710及び開閉モータ810は、上述した第28制御例における昇降モータ510及び傾倒モータ610と同一の構成である。より具体的には、本第1変形例における各種駆動モータ(上下モータ710、及び開閉モータ810)は、上述した第28制御例における各種駆動モータ(昇降モータ510、及び傾倒モータ610)と同様に、例えば、公知のステッピングモータで構成され、対応する制御用IC(モータドライバ)によって駆動される。また、本第1変形例におけるモータ制御用ICに対して音声ランプ制御装置113から送信される励磁制御データが規定された励磁テーブル222cgも、上述した第28制御例における励磁テーブル222cgと同一である。即ち、本第1変形例における各種駆動モータ(上下モータ710、及び開閉モータ810)の制御方法は、上述した第28制御例において図1059を参照し、簡略化した動作モデルで説明した制御方法と同一であるため、詳細な説明を省略する。
まず、図1091を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明する。図1091は、本第28制御例の第1変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成も模式的に示した図である。図1090に示した通り、本第1変形例のパチンコ機10におけるROM222は、上述した第28制御例におけるパチンコ機10におけるROM222に対して、役物演出実行抽選テーブル222ca、役物演出結果抽選テーブル222cb、昇降役物駆動テーブル222cc、傾倒役物第1駆動テーブル222cd、傾倒役物第2駆動テーブル222ce、及び励磁中断テーブル222cfを削除した点と、上下駆動テーブル222caA、開閉駆動テーブル222cbA、及び励磁中断テーブル222ccAを追加した点とで相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図1092(a)を参照して、上下駆動テーブル222caAの詳細について説明する。図1092(a)は、上下駆動テーブル222caAの規定内容を示した図である。この上下駆動テーブル222caAは、箱形役物700を上下方向に変位させるための上下モータ710の動作内容を示すデータが規定されているデータテーブルである。
図1092(a)に示した通り、上下駆動テーブル222caAには、上下駆動ポインタ223ccaAのポインタ値「01H」に対応付けて1ステップあたり8msを要するスピードで、250ステップ正方向に回転させるデータが規定され、上下駆動ポインタ223ccaAのポインタ値「02H」に対応付けて1ステップあたり8msを要するスピードで、250ステップ負方向に回転させるデータが規定されている。
ここで、本第1変形例では、箱形役物700を退避位置から進出位置まで変位させるために必要なステップ数(設計値)は250ステップであり、上下モータ710を正方向に回転させると箱形役物700は下降し、上下モータ710を負方向に回転させると箱形役物700は上昇するように構成されている。
即ち、上下駆動テーブル222caAにおける、上下駆動ポインタ223ccaAのポインタ値「01H」に対応付けて規定されたデータに基づいて上下モータ710を作動させることで、箱形役物700を退避位置から進出位置まで2秒間(8ms×250ステップ)で変位させることができ、上下駆動ポインタ223ccaAのポインタ値「02H」に対応付けて規定されたデータに基づいて上下モータ710を作動させることで、箱形役物700を進出位置から退避位置まで2秒間(8ms×250ステップ)で変位させることができる。
次に、図1092(b)を参照して、開閉駆動テーブル222cbAの詳細について説明する。図1092(b)は、開閉駆動テーブル222cbAの規定内容を示した図である。この開閉駆動テーブル222cbAは、箱形役物700の開閉部材800を変位させるための開閉モータ810の動作内容を示すデータが規定されているデータテーブルである。
図1092(b)に示した通り、開閉駆動テーブル222cbAには、開閉駆動ポインタ223ccbAのポインタ値「01H」に対応付けて1ステップあたり8msを要するスピードで、125ステップ正方向に回転させるデータが規定され、開閉駆動ポインタ223ccbAのポインタ値「02H」に対応付けて1ステップあたり8msを要するスピードで、125ステップ負方向に回転させるデータが規定されている。
ここで、本第1変形例では、箱形役物700の開閉部材800を閉鎖位置から開放位置へと変位させるために必要なステップ数(設計値)は125ステップであり、開閉モータ810を正方向に回転させると開閉部材800は閉鎖位置から開放位置へと向かう方向に変位し、開閉モータ810を負方向に回転させると開閉部材800は開放位置から閉鎖位置へ向かう方向へと変位する。
即ち、開閉駆動テーブル222cbAにおける、開閉駆動ポインタ223ccbAのポインタ値「01H」に対応付けて規定されたデータに基づいて開閉モータ810を作動させることで、箱形役物700の開閉部材800を閉鎖位置から開放位置まで1秒間(8ms×125ステップ)変位させることができ、開閉駆動ポインタ223ccbAのポインタ値「02H」に対応付けて規定されたデータに基づいて開閉モータ810を作動させることで、箱形役物700の開閉部材800を開放位置から閉鎖位置まで1秒間(8ms×125ステップ)で変位させることができる。
次に、図1092(c)を参照して、励磁中断テーブル222ccAの詳細について説明する。この励磁中断テーブル222ccAは、箱形役物700を進出位置で維持させるための維持制御を周期的に中断させる中断制御における、初回の励磁時間(中断制御を開始するまでの期間)を示す初期励磁データと、1回あたりの中断時間を示す中断時間データと、励磁時間(何ms毎に中断するか)を示す励磁時間データと、が規定されている。
図1092(c)に示した通り、励磁中断テーブル222ccAには、後述する励磁中断ポインタ223cctAのポインタ値「01H」に対応付けて、10msの励磁を実行した後、5msの中断を5ms毎に実行することを示すデータが規定され、励磁中断ポインタ223cctAのポインタ値「02H」に対応付けて、10msの励磁を実行した後、4msの中断を6ms毎に実行することを示すデータが規定され、励磁中断ポインタ223cctAのポインタ値「03H」に対応付けて、10msの励磁を実行した後、3msの中断を7ms毎に実行することを示すデータが規定され、励磁中断ポインタ223cctAのポインタ値「04H」に対応付けて、10msの励磁を実行した後、2msの中断を8ms毎に実行することを示すデータが規定され、励磁中断ポインタ223cctAのポインタ値「05H」に対応付けて、10msの励磁を実行した後、1msの中断を9ms毎に実行することを示すデータが規定されている。
詳細については後述するが、本第1変形例では、箱形役物700が進出位置に到達したタイミングで、励磁中断テーブル222ccAにおける励磁中断ポインタ223cctAのポインタ値に「01H」に対応するデータが設定され、その後、箱形役物700に遊技球が1球入球する毎に励磁中断ポインタ223cctAのポインタ値が1加算されて、加算後のポインタ値に対応するデータが設定されるように構成されている。このように構成することで、箱形役物700に1球ずつ遊技球が入球することにより箱形役物700にかかる力の大きさが段階的に変化した場合に、箱形役物700を進出位置に維持するための上下モータ710の保持力を変化させることができる。よって、より好適な維持制御を実行することができる。
また、励磁中断テーブル222ccAの初期励磁データには励磁時間データに規定されている時間よりも長い10msを一律で規定することで、退避位置から下降してきた箱形役物700が進出位置に停止するタイミング、及び箱形役物700に遊技球が入球するタイミングにおいて上下モータ710の保持力(所謂、ホールディングトルク)を長めに維持することができる。
なお、励磁中断テーブル222ccAに規定されている、初期励磁データ、中断時間データ、及び励磁時間データは上述した数値に限るものではなく、装飾用可動役物の重さや動作内容等に応じて必要な設計値を規定していればよい。例えば、箱形役物700の開口部700aに入球した遊技球の個数によって、励磁を周期的に中断する制御を開始するまでの励磁時間(初期励磁データに対応する時間)を可変させるように構成してもよい。このように構成することで、遊技球が入球したタイミングにおける励磁時間を遊技球の入球個数によって可変させることができるので、より好適な励磁時間を設定することができる。
また、本第1変形例では、箱形役物700の開口部700aに入球した遊技球の個数によって、上下モータ710の励磁時間と中断時間とを可変可能に構成しているが、これに限るものではない。例えば、箱形役物700の重量(入球した遊技球を含む)を計測可能な検知手段(重量センサ)を設け、所定条件が成立(例えば、重量センサが規定値(200gの質量に対応する値)を超える重量を検出)した場合に、上下モータ710の励磁時間と中断時間とを可変させるように構成してもよい。このように構成することで、箱形役物700と上下モータ710とに掛かる重圧(負荷)に応じて上下モータ710の励磁時間と中断時間とを設定できるため、より好適な維持制御を実行することができる。
次に、図1093を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図1093は、本第1変形例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図1093に示した通り、本第1変形例におけるRAM223は、上述した第28制御例におけるRAM223の構成(図1063参照)に対して、役物演出フラグ223cb、役物演出成功フラグ223cd、操作回数カウンタ223ce、及び役物駆動関連エリア223cfを削除した点と、入球フラグ223caA、入球数カウンタ223cbA、及び役物駆動関連エリア223ccAが追加されている点と、で相違している。その他の構成については、上述した第28制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
入球フラグ223caAは、箱形役物700に遊技球が入球したことを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この入球フラグ223caAは、上述した第3流路634に設けられた検出センサ634aが遊技球の通過を検出した場合にオンに設定され(図1096のS5845C参照)、後述する励磁中断データ格納エリア223ccqA内のデータが更新(上書きして設定)されるとオフに設定される(図1100のS5972C参照)。
入球数カウンタ223cbAは、箱形役物700に入球した遊技球の個数を計数するためのカウンタであり、初期状態ではカウンタ値に0が設定される。この入球数カウンタ223cbAは、上述した第3流路634に設けられた検出センサ634aが遊技球の通過を検出した場合にカウンタ値に1が加算され(図1096のS5846C参照)、役物演出の終了時にカウンタ値に0が設定される(図1098のS5902C参照)。また、本第1変形例では、この入球数カウンタ223cbAのカウンタ値が4となった時点で、第3流路634へと遊技球が流下すること(箱形役物700に遊技球が流入すること)が規制されるため、入球数カウンタ223cbAのカウンタ値が5以上に更新されることはない。
役物駆動関連エリア223ccAは、箱形役物700及び箱形役物700の開閉部材800を駆動させるための各種タイマやフラグ等を有する記憶領域である。ここで、図1094(a)を参照して、役物駆動関連エリア223ccAの内容について説明する。図1094(a)は、役物駆動関連エリア223ccAの内容を示した図である。
図1094(a)に示した通り、役物駆動関連エリア223ccAには、上下駆動ポインタ223ccaA、開閉駆動ポインタ223ccbA、上下駆動データ格納エリア223cccA、開閉駆動データ格納エリア223ccdA、駆動状況格納エリア223cceA、駆動状況切替フラグ223ccfA、上下モータ励磁開始フラグ223ccgA、開閉モータ励磁開始フラグ223cchA、上下モータ中断時間タイマ223cciA、上下モータ励磁時間タイマ223ccjA、上下モータ励磁停止フラグ223cckA、開閉モータ励磁停止フラグ223cclA、上下モータ励磁カウンタ223ccmA、開閉モータ励磁カウンタ223ccnA、上下モータ励磁スピードカウンタ223ccoA、開閉モータ励磁スピードカウンタ223ccpA、励磁中断データ格納エリア223ccqA、上下モータ励磁データ格納エリア223ccrA、開閉モータ励磁データ格納エリア223ccsA、励磁中断ポインタ223cctA、開閉モータ中断時間タイマ223ccuA、及び開閉モータ励磁時間タイマ223ccvAが設けられている。
上下駆動ポインタ223ccaAは、上下駆動テーブル222caAから上下駆動データ格納エリア223cccAに格納するデータを選択する場合に参照されるポインタである。この上下駆動ポインタ223ccaAは、初期状態でポインタ値「00H」が設定され、箱形役物700を退避位置から進出位置に向けて変位させる(役物演出が開始される)場合にポインタ値「01H」が設定され(図1100のS5952C参照)、箱形役物700を進出位置から退避位置に向けて変位させる場合にポインタ値に「02H」が設定される(図1100のS5964C参照)。また、上下駆動ポインタ223ccaAは、役物演出の終了時にポインタ値「00H」が設定される(図1098のS5903C参照)。
開閉駆動ポインタ223ccbAは、開閉駆動テーブル222cbAから開閉駆動データ格納エリア223ccdAに格納するデータを選択する場合に参照されるポインタである。この開閉駆動ポインタ223ccbAは、初期状態でポインタ値「00H」が設定され、箱形役物700の開閉部材800を閉鎖位置から開放位置へと変位させる場合にポインタ値「01H」が設定され(図1100のS5958C参照)、箱形役物700の開閉部材800を開放位置から閉鎖位置へと変位させる場合にポインタ値「02H」が設定される(図1100のS5961C参照)。また、開閉駆動ポインタ223ccbAは、役物演出の終了時にポインタ値「00H」が設定される(図1098のS5904C)。
上下駆動データ格納エリア223cccAは、上下駆動テーブル222caAから選択されたデータが格納される記憶領域である。この上下駆動データ格納エリア223cccAは、上下駆動テーブル222caAから上下駆動ポインタ223ccaAのポインタ値を参照して選択されたデータが格納され(図1100のS5953C、及びS5965C参照)、役物演出が終了した場合にエリア内がクリアされる(図1098のS5906C参照)。
開閉駆動データ格納エリア223ccdAは、開閉駆動テーブル222cbAから選択されたデータが格納される記憶領域である。この開閉駆動データ格納エリア223ccdAは、開閉駆動テーブル222cbAから開閉駆動ポインタ223ccbAのポインタ値を参照して選択されたデータが格納され(図1100のS5959C、及びS5962C参照)、役物演出が終了した場合にエリア内がクリアされる(図1098のS5907C参照)。
駆動状況格納エリア223cceAは、上下モータ710及び開閉モータ810の駆動状況を特定するためのデータを格納する記憶領域である。より具体的には、役物演出における箱形役物700及び箱形役物700の開閉部材800の動作内容を基に区切られた期間(図1089(b)参照)毎に対応する状況データを格納する。ここで、図1094(b)を参照して、駆動状況格納エリア223cceAの詳細について説明する。
この駆動状況格納エリア223cceAには、上下モータ710を正方向に回転させるために励磁し、開閉モータ810を励磁しない期間(図1089(b)のt1参照)は状況データとして「01H」が設定され、上下モータ710を回転させずに励磁(励磁するこにより保持)し、開閉モータ810を励磁しない期間(図1089(b)のt2参照)は状況データとして「02H」が設定され、上下モータ710を回転させずに励磁(励磁することにより保持)し、開閉モータ810を正方向に回転させるために励磁する期間(図1089(b)のt3参照)は状況データとして「03H」が設定され、上下モータ710を回転させずに励磁(励磁することにより保持)し、開閉モータ810を回転させずに励磁(励磁することにより保持)する期間(図1089(b)のt4参照)は状況データとして「04H」が設定され、上下モータ710を回転させずに励磁(励磁することにより保持)し、開閉モータ810を負方向に回転させるために励磁する期間(図1089(b)のt5参照)は状況データとして「05H」が設定され、上下モータ710を負方向に回転させるために励磁し、開閉モータ810を励磁しない期間(図1089(b)のt6参照)は状況データとして「06H」が設定される。これにより駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データを参照することで、上下モータ710及び開閉モータ810に対して実行すべき制御内容を把握することができる。
図1094(a)に戻り、説明を続ける。駆動状況切替フラグ223ccfAは、上述した駆動状況格納エリア223cceAに格納された状況データが更新(上書きして設定)されたことを示すためのフラグである。この駆動状況切替フラグ223ccfAは、駆動状況格納エリア223cceAに格納されたデータが更新(上書きして設定)された場合にオンに設定され(図1095のS5816C、及び図1097のS5865C参照)、上下モータ710及び開閉モータ810を作動させるためのデータを対応する格納エリアに格納する場合にオフに設定される(図1099のS5933C参照)。これにより、駆動状況切替フラグ223ccfA及び駆動状況格納エリア223cceAの状況データを参照することで、上下モータ710及び開閉モータ810を作動させるためのデータを適当なタイミングで更新することができる。
上下モータ励磁開始フラグ223ccgAは、箱形役物700を変位させるための上下モータ710の励磁を開始(1ステップ目に対応する部位に切替えて励磁)させるためのフラグであり、初期状態でオフに設定される。この上下モータ励磁開始フラグ223ccgAは、箱形役物700の変位を開始させる場合にオンに設定され(図1095のS5815C、及び図1097のS5880C参照)、箱形役物700を変位させるための上下モータ710の励磁を設定する場合にオフに設定される(図1102のS6043C参照)。これにより、箱形役物700の変位を開始させるタイミングにおいて、即座に上下モータ710を1ステップ回転させるために上下モータ710の部位を切替えて励磁させることができる。
開閉モータ励磁開始フラグ223cchAは、箱形役物700の開閉部材800を変位させるための開閉モータ810の励磁を開始(1ステップ目に対応する部位に切替えて励磁)させるためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この開閉モータ励磁開始フラグ223cchAは、箱形役物700の開閉部材800の変位を開始させる場合にオンに設定され(図1097のS5871C、及びS5876C参照)、箱形役物700の開閉部材800を変位させるための開閉モータ810の励磁を設定する場合にオフに設定される(図1104のS6103C参照)。これにより、箱形役物700の開閉部材800の変位を開始されるタイミングにおいて、即座に開閉モータ810を1ステップ回転させるために開閉モータ810の部位を切替えて励磁させることができる。
上下モータ中断時間タイマ223cciAは、箱形役物700を進出位置に維持するための上下モータ710の励磁を周期的に中断する中断制御において、1回あたりの中断時間を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値「0」が設定される。この上下モータ中断時間タイマ223cciAは、箱形役物700を所定位置に維持するための上下モータ710の励磁を周期的に中断させる場合に、励磁中断データ格納エリア223ccqAに格納されているデータを参照してタイマ値が設定され(図1103のS6079C参照)、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1066参照)におけるモータ出力処理(図1101参照)において、上下モータ励磁中断処理(図1103参照)が実行された場合に、タイマ値が1減算される(図1103のS6080C参照)。
また、箱形役物700を進出位置に維持させるための維持制御を周期的に中断させる期間において、維持制御を中断している状態で箱形役物700に遊技球が入球した場合には、上下モータ中断時間タイマ223cciAのタイマ値に0が設定される(図1100のS5969C参照)。これにより、箱形役物700に遊技球が入球したタイミングにおいて維持制御が中断されている場合に、即座に箱形役物700を進出位置に維持するための維持制御を再開させることができる。
上下モータ励磁時間タイマ223ccjAは、箱形役物700を進出位置に維持するために上下モータ710を励磁している時間を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値に0が設定される。この上下モータ励磁時間タイマ223ccjAは、箱形役物700を進出位置に維持するために上下モータ710を励磁させる場合に、励磁中断データ格納エリア223ccqAに格納されているデータを参照してタイマ値が設定され(図1103のS6074C、及びS6084C参照)、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処置(図1066参照)におけるモータ出力処理(図1101参照)において、上下モータ励磁中断処理(図1103参照)が実行された場合に、タイマ値が1減算される(図1103のS6075C参照)。
また、箱形役物700を進出位置に維持させるための維持制御を周期的に中断させる期間において、維持制御を実行している状態で箱形役物700に遊技球が入球した場合には、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値に0が設定され(図1100のS5968C参照)、新たにタイマ値が設定される(図1103のS6074C参照)。これにより、箱形役物700を進出位置に維持させるための維持制御を実行している期間において箱形役物700に遊技球が入球した場合に、新たに励磁中断テーブル222ccAに規定された初期励磁データに規定された値を設定することができる。
上下モータ励磁停止フラグ223cckAは、箱形役物700を変位させるための上下モータ710の励磁を停止させる(上下モータ710の部位を切替えて励磁する制御を停止させる)タイミングであることを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。上下モータ励磁停止フラグ223cckAは、箱形役物700が進出位置から原点位置に到達したタイミング(役物演出の終了時)にオンに設定され(図1098のS5901C参照)、上下モータ710の励磁の停止を設定した場合にオフに設定される(図1101のS6017C参照)。
これにより、箱形役物700の変位を停止させる場合に、適当なタイミングで上下モータ710の励磁の停止を設定することができる。また、本第1変形例では、箱形役物700が進出位置まで到達し、上下モータ710を励磁することにより箱形役物700を進出位置に維持する場合には、上下モータ励磁停止フラグ223cckAをオンに設定することはない。これにより、箱形役物700が進出位置に到達した時点で励磁されている上下モータ710の部位を途切れることなく励磁させることができる。よって、より好適な停止制御を実行することができる。
開閉モータ励磁停止フラグ223cclAは、箱形役物700の開閉部材800を変位させるための開閉モータ810の励磁を停止させるタイミングであることを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。開閉モータ励磁停止フラグ223cclAは、箱形役物700が開放位置から閉鎖位置に到達するタイミングにおいてオンに設定され(図1097のS5881C参照)、開閉モータ810の励磁の停止を設定した場合にオフに設定される(図1101のS6025C参照)。
上下モータ励磁カウンタ223ccmAは、励磁テーブル222cgから上下モータ励磁データ格納エリア223ccrAに上下モータ710の励磁する部位を示す励磁制御データを格納する場合に参照されるカウンタである。この上下モータ励磁カウンタ223ccmAは、初期状態でカウンタ値「1」が設定され、上下モータ710を1ステップ回転させる毎に「1~4」の範囲でカウンタ値が更新(1加算、または1減算)されるカウンタである。具体的には、上下モータ710を正方向に回転させる場合にはカウンタ値に1が加算され(図1102のS6049C、及びS6050C参照)、上下モータ710を負方向に回転させる場合にはカウンタ値が1減算される(図1102のS6052C、及びS6053C参照)。
また、この上下モータ励磁カウンタ223ccmAは、箱形役物700を変位させない期間においてカウンタ値が更新されることがないように構成されているため、当該カウンタ値を更新することなく励磁することによって、昇降モータ510を回転させず(励磁する部位を切替えず)に保持力(所謂、ホールディングトルク)を発生させることができる。
開閉モータ励磁カウンタ223ccnAは、励磁テーブル222cgから開閉モータ励磁データ格納エリア223ccsAに開閉モータ810を励磁する部位を示す励磁制御データを格納する場合に参照されるカウンタである。この開閉モータ励磁カウンタ223ccnAは、初期状態でカウンタ値「1」が設定され、開閉モータ810を1ステップ回転させる毎に「1~4」の範囲でカウンタ値が更新(1加算、または1減算)されるカウンタである。具体的には、開閉モータ810を正方向に回転させる場合にはカウンタ値に1が加算され(図1104のS6109C、及びS6110C参照)、開閉モータ810を負方向に回転させる場合にはカウンタ値が1減算される(図1104のS6112C、及びS6113C参照)。
また、この開閉モータ励磁カウンタ223ccnAは、箱形役物700の開閉部材800を変位させない期間においてカウンタ値が更新されることがないように構成されているため、当該カウンタ値を更新することなく励磁することによって、開閉モータ810を回転させず(励磁する部位を切替えず)に保持力(所謂、ホールディングトルク)を発生させることができる。
上下モータ励磁スピードカウンタ223ccoAは、上下モータ710の部位を切替えて励磁(モータを1ステップ回転)させる時間(間隔)を計時するためのカウンタであり、初期状態でカウンタ値「0」が設定される。この上下モータ励磁スピードカウンタ223ccoAは、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1066参照)におけるモータ出力処理(図1101参照)において、上下モータ励磁切替処理(図1102参照)が実行された場合に、カウンタ値が1加算される(図1102のS6044C参照)。また、この上下モータ励磁スピードカウンタ223ccoAのカウンタ値が、上下駆動データ格納エリア223cccAに格納されたデータにおけるスピードデータの示す値まで加算されたことに基づいて、カウンタ値に0が設定され(図1102のS6046C参照)、上下モータ710の部位を切替えて励磁(1ステップ回転させるための励磁)が設定される。
開閉モータ励磁スピードカウンタ223ccpAは、開閉モータ810の部位を切替えて励磁(モータを1ステップ回転)させる時間(間隔)を計時するためのカウンタであり、初期状態でカウンタ値「0」が設定される。この開閉モータ励磁スピードカウンタ223ccpAは、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1066参照)におけるモータ出力処理(図1101参照)において、開閉モータ励磁切替処理(図1104参照)が実行された場合に、カウンタ値が1加算される(図1104のS6104C参照)。また、この開閉モータ励磁スピードカウンタ223ccpAのカウンタ値が、開閉駆動データ格納エリア223ccdAに格納されたデータにおけるスピードデータの示す値まで加算されたことに基づいて、カウンタ値に0が設定され(図1104のS6106C参照)、開閉モータ810の部位を切替えて励磁(1ステップ回転させるための励磁)が設定される。
励磁中断データ格納エリア223ccqAは、励磁中断テーブル222ccAから励磁中断ポインタ223cctAのポインタ値を参照して選択されたデータを格納するための記憶領域である。この励磁中断データ格納エリア223ccqAは、箱形役物700が進出位置に到達したタイミングで励磁中断テーブル222ccAから選択されたデータが格納され(図1100のS5956C参照)、箱形役物700に遊技球が入球する毎に格納されたデータが更新(上書き)して設定される(図1100のS5971C参照)。また、励磁中断データ格納エリア223ccqAは、役物演出の終了時に記憶領域がクリアされる(図1098のS5909C参照)。
上下モータ励磁データ格納エリア223ccrAは、励磁テーブル222cgから上下モータ励磁カウンタ223ccmAのカウンタ値に対応するデータを格納するための記憶領域である。この上下モータ励磁データ格納エリア223ccrAは、上下モータ励磁カウンタ223ccmAのカウンタ値が更新された場合に励磁テーブル222cgから選択されたデータが格納される(図1102のS6054C参照)。
開閉モータ励磁データ格納エリア223ccsAは、励磁テーブル222cgから開閉モータ励磁カウンタ223ccnAのカウンタ値に対応するデータを格納するための記憶領域である。この開閉モータ励磁データ格納エリア223ccsAは、開閉モータ励磁カウンタ223ccnAのカウンタ値が更新された場合に励磁テーブル222cgから選択されたデータが格納される(図1104のS6114C参照)。
励磁中断ポインタ223cctAは、励磁中断テーブル222ccAから励磁中断データ格納エリア223ccqAに格納するデータを選択する場合に参照されるポインタであり、初期状態ではポインタ値「00H」が設定される。この励磁中断ポインタ223cctAは、箱形役物700が進出位置に到達したタイミングでポインタ値「01H」が設定され(図1100のS5955C参照)、その後、箱形役物700に遊技球が入球する毎にポインタ値が1加算される(図1100のS5970C)。ここで、本第1変形例では、箱形役物700に入球する遊技球は最大で4球となるように構成されているので、励磁中断ポインタ223cctAは最大で「05H」となるまで加算される。
開閉モータ中断時間タイマ223ccuAは、箱形役物700の開閉部材800を開放位置に維持させるための維持制御を周期的に中断する中断制御を実行する期間において、維持制御を中断する中断時間を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値「0」が設定される。この開閉モータ中断時間タイマ223ccuAは、箱形役物700の開閉部材800を開放位置に維持させるための維持制御を中断する場合にタイマ値「5」が設定され(図1105のS6137C参照)、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1066参照)におけるモータ出力処理(図1101参照)において、開閉モータ励磁中断処理(図1105参照)が実行されるとタイマ値が1減算される(図1105のS6138C参照)。
開閉モータ励磁時間タイマ223ccvAは、箱形役物700の開閉部材800を開放位置に維持させるための維持制御を周期的に中断する中断制御を実行する期間において、開閉モータ810を励磁する励磁時間を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値「0」が設定される。この開閉モータ励磁時間タイマ223ccvAは、箱形役物700の開閉部材800が開放位置に到達したタイミングでタイマ値「10」が設定され、その後、実行される励磁の中断期間が経過する毎にタイマ値「5」が設定される。また、この開閉モータ励磁時間タイマ223ccvAは、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1066参照)におけるモータ出力処理(図1101参照)において、開閉モータ励磁中断処理(図1105参照)が実行されるとタイマ値が1減算される。
<第28制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1095から図1105を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。本第1変形例では、上述した第28制御例における装飾用可動役物(昇降役物500、及び傾倒役物600)を変位させるための制御処理に代えて、箱形役物700及び箱形役物700の開閉部材800を変位さるための制御処理を実行する点と、上述した第28制御例における役物演出を進行するための制御処理に代えて、本第1変形例における役物演出を進行するための制御処理を実行する点と、において相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
まず、図1095を参照して、本第1変形例における役物演出設定処理(S5801C)の処理内容について説明する。図1095は、役物演出設定処理(S5801C)の処理内容を示したフローチャートである。この役物演出設定処理(S5801C)は、上述した第28制御例における役物演出設定処理(図1069のS5001C)の処理に代えて実行される処理である。
本第1変形例における役物演出設定処理(S5801C)が実行されると、変動パターンコマンドが示す基本時間コマンドに含まれる変動時間と、加算時間コマンドに含まれる変動時間とを抽出し(S5011C)、抽出した基本時間コマンドに含まれる変動時間が30秒であり、且つ、特図1保留数が3個であるかを判別する(S5811C)。S5811Cの処理において、基本時間コマンドに含まれる変動時間が30秒であり、且つ、特図1保留数が3個であると判別しなかった場合には(S5811C:No)、開始される変動演出が役物演出を実行する変動演出ではないため、本処理を終了する。
一方、S5811Cの処理において、基本時間コマンドに含まれる変動時間が30秒であり、且つ、特図1保留数が3個であると判別した場合には(S5811C:Yes)、役物演出タイマ223ccに20000を設定し(S5812C)、駆動状況格納エリア223cceAに「01H」を設定する(S5813C)。
S5813Cの処理が終了すると、貯玉チャンス準備中を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5814C)、上下モータ励磁開始フラグ223ccgAをオンに設定する(S5815C)。S5815Cの処理が終了すると、駆動状況切替フラグ223ccfAをオンに設定し(S5816C)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5817C)、本処理を終了する。
次に、図1096を参照して、本第1変形例における演出更新処理(S5831C)の処理内容について説明する。図1096は、演出更新処理(S5831C)の処理内容を示したフローチャートである。この演出更新処理(S5831C)は、上述した第28制御例における演出更新処理(図1072のS4111C)に代えて実行される処理である。
本第1変形例における演出更新処理(S5831C)が実行されると、まず、従変動時間タイマ223caのタイマ値が0より大きいか判別する(S5401C)。S5401Cの処理において、従変動時間タイマ223caのタイマ値が0より大きいと判別した場合には(S5401C:Yes)、従変動時間タイマ223caのタイマ値から1を減算し(S5402C)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が0より大きいか判別する(S5841C)。一方、S5401Cの処理において、従変動時間タイマ223caのタイマ値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5401C:No)、S5402の処理をスキップし、S5841Cの処理に移行する。
S5841Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5841C:No)、役物演出の実行期間ではないため、本処理を終了する。一方、S5841Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が0より大きいと判別した場合には(S5841C:Yes)、役物演出タイマ223ccのタイマ値から1を減算し(S5842C)、第3流路634に設けられた検出センサ634aが遊技球を検出したかを判別する(S5843C)。S5843Cの処理において、第3流路634に設けられた検出センサ634aが遊技球を検出したと判別しなかった場合には(S5843C:No)、後述する役物演出更新処理を実行し(S5844C)、本処理を終了する。
一方、S5843Cの処理において、第3流路634に設けられた検出センサ634aが遊技球を検出したと判別した場合には(S5843C:Yes)、箱形役物700に遊技球が流入することを意味するため、入球フラグ223caAをオンに設定し(S5845C)、入球数カウンタ223cbAのカウンタ値に1を加算する(S5846C)。S5846Cの処理が終了すると、入球数カウンタ223cbAのカウンタ値に対応する表示態様を含む演出態様を設定し(S5847C)、S5846Cで加算された後の入球数カウンタ223cbAのカウンタ値が4未満であるか判別する(S5848C)。S5848Cの処理において、入球数カウンタ223cbAのカウンタ値が4未満であると判別した場合には(S5848C:Yes)、後述する役物演出更新処理を実行し(S5844C)、本処理を終了する。
S5848Cの処理において、入球数カウンタ223cbAのカウンタ値が4未満であると判別しなかった場合には(S5848C:No)、箱形役物700に入球した遊技球が最大値の4球まで到達したことを意味するため、役物演出タイマ223ccのタイマ値に8000を設定し(S5849C)、後述する役物演出更新処理を実行し(S5844C)、本処理を終了する。これにより、箱形役物700に所定個数(4球)の遊技球が入球した場合に、強制的に箱形役物700に遊技球が入球可能となる期間を終了させることができる。
次に、図1097を参照して、本第1変形例における役物演出更新処理(S5844C)の処理内容について説明する。図1097は、役物演出更新処理(S5844C)の処理内容を示したフローチャートである。この役物演出更新処理(S5844C)は、演出更新処理(図1096参照)において実行される処理であり、本第1変形例における役物演出の演出態様を更新するための処理である。
役物演出更新処理(S5844C)が実行されると、まず、役物演出タイマ223ccのタイマ値が18000であるかを判別する(S5861C)。S5861Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が18000であると判別した場合には(S5861C:Yes)、切替弁632に第2状態(第3流路634へ遊技球が流入可能となる状態)への変位を設定し(S5862C)、駆動状況格納エリア223cceAに「02H」を設定する(S5863C)。S5863Cの処理が終了すると、貯玉中を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5864C)、駆動状況切替フラグ223ccfAをオンに設定し(S5865C)、決定された各種演出内容に対応する表示表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5866C)、本処理を終了する。
一方、S5861Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が18000ではないと判別した場合には(S5861C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が8000であるかを判別する(S5867C)。S5867Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が8000であると判別した場合には(S5867C:Yes)、駆動状況格納エリア223cceAに「03H」を設定し(S5868C)、切替弁632に第1状態(第3流路634へ遊技球が流下することを規制する状態)への変位を設定する(S5869C)。S5869Cの処理が終了すると、払い出し中を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5870C)、開閉モータ励磁開始フラグ223cchAをオンに設定する(S5871C)。S5871Cの処理が終了すると、駆動状況切替フラグ223ccfAをオンに設定し(S5865C)、決定された各種演出内容に対応する表示表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5866C)、本処理を終了する。
また、S5867Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が8000であると判別しなかった場合には(S5867C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が7000であるかを判別する(S5872C)。S5872Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が7000であると判別した場合には(S5872C:Yes)、駆動状況格納エリア223cceAに「04H」を設定し(S5873C)、駆動状況切替フラグ223ccfAをオンに設定し(S5865C)、決定された各種演出内容に対応する表示表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5866C)、本処理を終了する。
一方、S5872Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が7000であると判別しなかった場合には(S5872C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が3000であるか判別する(S5874C)。S5874Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が3000であると判別した場合には(S5874C:Yes)、駆動状況格納エリア223cceAに「05H」を設定する(S5875C)。S5875Cの処理が終了すると、開閉モータ励磁開始フラグ223cchAをオンに設定し(S5876C)、貯玉チャンス終了を示す表示態様を含む演出態様を設定する(S5877C)。S5877Cの処理が終了すると、駆動状況切替フラグ223ccfAをオンに設定し(S5865C)、決定された各種演出内容に対応する表示表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5866C)、本処理を終了する。
S5874Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が3000であると判別しなかった場合は(S5874C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が2000であるか判別する(S5878C)。S5878Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が2000であると判別した場合には(S5878C:Yes)、駆動状況格納エリア223cceAに「06H」を設定する(S5879C)。S5879Cの処理が終了すると、上下モータ励磁開始フラグ223ccgAをオンに設定し(S5880C)、開閉モータ励磁停止フラグ223cclAをオンに設定し(S5881C)、駆動状況切替フラグ223ccfAをオンに設定し(S5865C)、決定された各種演出内容に対応する表示表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5866C)、本処理を終了する。
これに対し、S5878Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が2000であると判別しなかった場合には(S5878C:No)、役物演出タイマ223ccのタイマ値が0であるかを判別する(S5882C)。S5882Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が0であると判別された場合には(S5882C:Yes)、役物演出を終了させるタイミングであることを意味するため、後述する役物演出終了処理を実行し(S5883C)、本処理を終了する。一方、S5882Cの処理において、役物演出タイマ223ccのタイマ値が0であると判別しなかった場合には(S5882C:No)、役物演出における演出内容を更新するタイミングではないことを意味するため、本処理を終了する。
次に、図1098を参照して、本第1変形例における役物演出終了処理(S5883C)の処理内容について説明する。図1098は、役物演出終了処理(S5883C)の処理内容を示したフローチャートである。この役物演出終了処理(S5883C)は、役物演出更新処理(図1097参照)において実行される処理であり、本第1変形例における役物演出を終了させるための処理である。
役物演出終了処理(S5883C)が実行されると、まず、上下モータ励磁停止フラグ223cckAをオンに設定し(S5901C)、入球数カウンタ223cbAにカウンタ値「0」を設定し(S5902C)、上下駆動ポインタ223ccaAにポインタ値「00H」を設定する(S5903C)。S5903Cの処理が終了すると、開閉駆動ポインタ223ccbAにポインタ値「00H」を設定し(S5904C)、励磁中断ポインタ223cctAにポインタ値「00H」を設定し(S5905C)、上下駆動データ格納エリア223cccAをクリアする(S5906C)。
S5906Cの処理が終了すると、次いで、開閉駆動データ格納エリア223ccdAをクリアし(S5907C)、駆動状況格納エリア223cceAに「00H」を設定し(S5908C)、励磁中断データ格納エリア223ccqAをクリアする(S5909C)。S5909Cの処理が終了すると、次いで、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値が0より大きいかを判別する(S5910C)。S5910Cの処理において、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値が0より大きいと判別した場合には(S5910C:Yes)、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAにタイマ値「0」を設定し(S5911C)、本処理を終了する。
一方、S5910Cの処理において、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5910C:No)、上下モータ中断時間タイマ223cciAにタイマ値「0」を設定し(S5912C)、本処理を終了する。
次に、図1099を参照して、本第1変形例における役物駆動処理(S5921C)の処理内容について説明する。図1099は、役物駆動処理(S5921C)の処理内容を示したフローチャートである。この役物駆動処理(S5921C)は、上述した第28制御例における役物駆動処理(図1077参照)に代えて実行される処理であり、役物演出における演出態様を更新するタイミングにおいて、箱形役物700を駆動するためのデータを設定する処理である。
本第1変形例における役物駆動処理(S5921C)が実行されると、まず、入球フラグ223caAがオンであるかを判別する(S5931C)。S5931Cの処理において、入球フラグ223caAがオンであると判別しなかった場合には(S5931C:No)、駆動状況切替フラグ223ccfAがオンであるかを判別する(S5932C)。S5932Cの処理において、駆動状況切替フラグ223ccfAがオンであると判別しなかった場合には(S5932C:No)、役物演出における演出態様を更新するタイミングではないことを意味するため、本処理を終了する。
一方、S5932Cの処理において、駆動状況切替フラグ223ccfAがオンであると判別した場合には(S5932C:Yes)、駆動状況切替フラグ223ccfAをオフに設定し(S5933C)、駆動状況格納エリア223cceAに格納されているデータを読み出し(S5934C)、後述する駆動データ更新処理を実行し(S5935C)、本処理を終了する。
これらに対し、S5931Cの処理において、入球フラグ223caAがオンであると判別した場合には(S5931C:Yes)、S5932CからS5934Cの処理をスキップし、後述する駆動データ更新処理を実行し(S5935C)、本処理を終了する。
次に、図1100を参照して、本第1変形例における駆動データ更新処理(S5935C)の処理内容について説明する。図1100は、駆動データ更新処理(S5935C)の処理内容を示したフローチャートである。この駆動データ更新処理(S5935C)は、役物演出における演出態様を更新するタイミングにおいて、箱形役物700及び箱形役物700の開閉部材800を駆動させるためのデータを更新する処理である。
駆動データ更新処理(S5935C)が実行されると、まず、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「01H」であるか判別する(S5951C)。S5951Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「01H」であると判別した場合には(S5951C:Yes)、上下駆動ポインタ223ccaAのポインタ値に1を加算し(S5952C)、上下駆動テーブル222caAから加算後の上下駆動ポインタ223ccaAのポインタ値に対応するデータを上下駆動データ格納エリア223cccAに格納し(S5953C)、本処理を終了する。
一方、S5951Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「01H」であると判別しなかった場合には(S5951C:No)、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「02H」であるか判別する(S5954C)。S5954Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「02H」であると判別した場合には(S5954C:Yes)、励磁中断ポインタ223cctAのポインタ値に1を加算し(S5955C)、励磁中断テーブル222ccAから加算後の励磁中断ポインタ223cctAのポインタ値に対応するデータを励磁中断データ格納エリア223ccqAに格納し(S5956C)、本処理を終了する。
これに対し、S5954Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「02H」であると判別しなかった場合には(S5954C:No)、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「03H」であるかを判別する(S5957C)。S5957Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「03H」であると判別した場合には(S5957C:Yes)、開閉駆動ポインタ223ccbAのポインタ値に1を加算し(S5958C)、開閉駆動テーブル222cbAから加算後の開閉駆動ポインタ223ccbAのポインタ値に対応するデータを開閉駆動データ格納エリア223ccdAに格納し(S5959C)、本処理を終了する。
また、S5957Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「03H」であると判別しなかった場合には(S5957C:No)、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「05H」であるかを判別する(S5960C)。S5960Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「05H」であると判別した場合には(S5960C:Yes)、開閉駆動ポインタ223ccbAのポインタ値に1を加算し(S5961C)、開閉駆動テーブル222cbAから加算後の開閉駆動ポインタ223ccbAのポインタ値に対応するデータを開閉駆動データ格納エリア223ccdAに格納し(S5962C)、本処理を終了する。
S5960Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「05H」であると判別しなかった場合には(S5960C:No)、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「06H」であるかを判別する(S5963C)。S5963Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「06H」であると判別した場合には(S5963C:Yes)、上下駆動ポインタ223ccaAのポインタ値に1を加算し(S5964C)、上下駆動テーブル222caAから加算後の上下駆動ポインタ223ccaAのポインタ値に対応するデータを上下駆動データ格納エリア223cccAに格納し(S5965C)、本処理を終了する。
一方、S5963Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「06H」であると判別しなかった場合には(S5963C:No)、入球フラグ223caAがオンであるかを判別する(S5966C)。S5966Cの処理において、入球フラグがオンであると判別した場合には(S5966C:Yes)、箱形役物700に遊技球が新たに入球したことを意味するため、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値が0より大きいかを判別する(S5967C)。
S5967Cの処理において、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値が0より大きいと判別した場合には(S5967C:Yes)、上下モータ710を励磁している期間であることを意味するため、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値に0を設定し(S5968C)、S5970Cの処理に移行する。一方、S5967Cの処理において、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5967C:No)、上下モータ710の励磁を中断している期間であることを意味するため、上下モータ中断時間タイマ223cciAのタイマ値に0を設定し(S5969C)、S5970Cの処理に移行する。これにより、箱形役物700に遊技球が入球したタイミングにおいて計時されている上下モータ励磁時間タイマ223ccjA、または上下モータ中断時間タイマ223cciAのタイマ値を0にリセットし、あらたに初期励磁用の時間を設定することができる。
S5970Cの処理では、励磁中断ポインタ223cctAのポインタ値に1を加算する(S5970C)。S5970Cの処理が終了すると、励磁中断テーブル222ccAから加算後の励磁中断ポインタ223cctAのポインタ値に対応するデータを励磁中断データ格納エリア223ccqAに格納し(S5971C)、入球フラグ223caAをオフに設定し(S5972C)、本処理を終了する。
次に、図1101を参照して、本第1変形例におけるモータ出力処理(S6001C)の処理内容について説明する。図1101はモータ出力処理(S6001C)の処理内容を示したフローチャートである。このモータ出力処理(S6001C)は、上述した第28制御例におけるモータ出力処理(図1080参照)に代えて実行される処理であり、箱形役物700と箱形役物700の開閉部材800とのそれぞれに設けられた上下モータ710及び開閉モータ810に対して動作内容を示すデータを設定するための処理である。
本第1変形例におけるモータ出力処理(S6001C)が実行されると、まず、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データを読み出し(S6011C)、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「01H」、「06H」の何れかであるか判別する(S6012C)。S6012Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「01H」、「06H」の何れかであると判別した場合には(S6012C:Yes)、後述する上下モータ励磁切替処理を実行し(S6013C)、上下モータ励磁データ格納エリア223ccrAに格納されている励磁制御データを参照して上下モータ710の励磁を設定し(S6014C)、S6020Cの処理に移行する。これにより、後述する上下モータ励磁切替処理(S6013C)の処理において上下モータ励磁データ格納エリア223ccrAに格納された励磁制御データが示す上下モータ710の部位に対して励磁をさせるためのコマンドを上下モータ710のモータドライバに対して設定し、上下モータ710を励磁させることができる。
一方、S6012Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「01H」、「06H」のうち何れかであると判別しなかった(「06H」、「06H」の何れでもない)場合には(S6012C:No)、上下モータ励磁停止フラグ223cckAがオンであるかを判別する(S6015C)。S6015Cの処理において、上下モータ励磁停止フラグ223cckAがオンであると判別した場合には(S6015C:Yes)、上下モータ710の励磁の停止を設定し(S6016C)、上下モータ励磁停止フラグ223cckAをオフに設定し(S6017C)、S6020Cの処理に移行する。これにより、上下モータ710の励磁を終了させるタイミングにおいて、上下モータ710のモータドライバに対して励磁を停止させるためのコマンドを設定することで上下モータ710の励磁を停止させることができる。
これに対し、S6015Cの処理において、上下モータ励磁停止フラグ223cckAがオンであると判別しなかった場合には(S6015C:No)、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「02H」~「05H」のうち何れかであるかを判別する(S6018C)。S6018Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「02H」~「05H」のうち何れかであると判別した場合には(S6018C:Yes)、後述する上下モータ励磁中断処理を実行し(S6019C)、S6020Cの処理に移行する。一方で、S6018Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「02H」~「05H」のうち何れかと一致すると判別しなかった(「02H」~「05H」の何れでもない)場合には(S6018C:No)、S6020Cの処理に移行する。
S6020Cの処理では、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「03H」、「05H」の何れかであるかを判別する(S6020C)。S6020Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データは「03H」、「05H」の何れかであると判別した場合には(S6020C:Yes)、後述する開閉モータ励磁切替処理を実行し(S6021C)、開閉モータ励磁データ格納エリア223ccsAに格納されている励磁制御データを参照して開閉モータ810の励磁を設定し(S6022C)、本処理を終了する。これにより、後述する開閉モータ励磁切替処理(S6021C)において駆動状況格納エリア223cceAに格納された励磁制御データが示す開閉モータ810の部位に対して励磁を行うためのコマンドを開閉モータ810のモータドライバに対して設定し、開閉モータ810を励磁させることができる。
一方、S6020Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「03H」、「05H」の何れかであると判別しなかった(「03H」、「05H」の何れでもない)場合には(S6020C:No)、開閉モータ励磁停止フラグ223cclAがオンであるかを判別する(S6023C)。S6023Cの処理において、開閉モータ励磁停止フラグ223cclAがオンであると判別した場合には(S6023C:Yes)、開閉モータ810の励磁の停止を設定し(S6024C)、開閉モータ励磁停止フラグ223cclAをオフに設定し(S6025C)、本処理を終了する。これにより、開閉モータ810の励磁を終了させるタイミングにおいて、開閉モータ810のモータドライバに対して励磁の停止を示すコマンドを設定し、開閉モータ810の励磁を停止させることができる。
これに対し、S6023Cの処理において、開閉モータ励磁停止フラグ223cclAがオンであると判別しなかった場合には(S6023C:No)、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「04H」であるかを判別する(S6026C)。S6026Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「04H」であると判別した場合には(S6026C:Yes)、後述する開閉モータ励磁中断処理を実行し(S6027C)、本処理を終了する。一方、S6026Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「04H」であると判別しなかった場合には(S6026C:No)、本処理を終了する。
次に、図1102を参照して、本第1変形例における上下モータ励磁切替処理(S6013C)の処理内容について説明する。図1102は上下モータ励磁切替処理(S6013C)の処理内容を示したフローチャートである。この上下モータ励磁切替処理(S6013C)は、本第1変形例におけるモータ出力処理(図1101参照)において実行され、上下モータ710の励磁する部位を示す励磁制御データを切替えて設定する処理である。
本第1変形例における上下モータ励磁切替処理(S6013C)が実行されると、まず、上下駆動データ格納エリア223cccAに格納されているデータを読み出し(S6041C)、上下モータ励磁開始フラグ223ccgAがオンであるかを判別する(S6042C)。S6042Cの処理において、上下モータ励磁開始フラグ223ccgAがオンであると判別しなかった場合には(S6042C:No)、上下モータ励磁スピードカウンタ223ccoAのカウンタ値に1を加算し(S6044C)、加算後の上下モータ励磁スピードカウンタ223ccoAのカウンタ値と上下駆動データ格納エリア223cccAに格納されているデータのスピードデータが示す値とが一致するかを判別する(S6045C)。S6045Cの処理において、上下モータ励磁スピードカウンタ223ccoAのカウンタ値と上下駆動データ格納エリア223cccAに格納されているデータのスピードデータが示す値とが一致すると判別しなかった場合には(S6045C:No)、スピードデータに対応する時間が経過していない(1ステップ更新するタイミングではない)ため、本処理を終了する。
一方、S6045Cの処理において、上下モータ励磁スピードカウンタ223ccoAのカウンタ値と上下駆動データ格納エリア223cccAに格納されているデータのスピードデータが示す値とが一致すると判別した場合には(S6045C:Yes)、当該スピードデータに対応する上下モータ710の部位を切替えるタイミングであることを意味するので、S6046Cの処理に移行する。これらに対し、S6042Cの処理において、上下モータ励磁開始フラグ223ccgAがオンであると判別した場合には(S6042C:Yes)、上下モータ励磁開始フラグ223ccgAをオフに設定し(S6043C)、S6046Cの処理に移行する。これにより、上下モータ710を回転させ始めるタイミングにおいては、即座に1ステップ目に対応する上下モータ710の部位を励磁させることができる。
S6046Cの処理では、上下モータ励磁スピードカウンタ223ccoAにカウンタ値「0」を設定する(S6046C)。S6046Cの処理が終了すると、上下駆動データ格納エリア223cccAに格納されているデータの方向データが正方向であるか判別する(S6047C)。S6047Cの処理において、上下駆動データ格納エリア223cccAに格納されている方向データが正方向であると判別した場合には(S6047C:Yes)、上下モータ励磁カウンタ223ccmAのカウンタ値が4であるか判別する(S6048C)。
S6048Cの処理において、上下モータ励磁カウンタ223ccmAのカウンタ値が4であると判別しなかった場合には(S6048C:No)、上下モータ励磁カウンタ223ccmAのカウンタ値に1を加算し(S6049C)、励磁テーブル222cgから上下モータ励磁データ格納エリア223ccrAに上下モータ励磁カウンタ223ccmAのカウンタ値に対応する励磁制御データを格納し(S6054C)、本処理を終了する。一方、S6048Cの処理において、上下モータ励磁カウンタ223ccmAのカウンタ値が4であると判別した場合には(S6048C:Yes)、上下モータ励磁カウンタ223ccmAにカウンタ値「1」を設定し(S6050C)、励磁テーブル222cgから上下モータ励磁データ格納エリア223ccrAに上下モータ励磁カウンタ223ccmAのカウンタ値に対応する励磁制御データを格納し(S6054C)、本処理を終了する。
これらに対し、S6047Cの処理において、上下駆動データ格納エリア223cccAに格納されているデータの方向データが正方向を示すデータであると判別しなかった場合には(S6047C:No)、上下モータ励磁カウンタ223ccmAのカウンタ値が1であるかを判別する(S6051C)。S6051Cの処理において、上下モータ励磁カウンタ223ccmAのカウンタ値が1であると判別しなかった場合には(S6051C:No)、上下モータ励磁カウンタ223ccmAのカウンタ値から1を減算し(S6052C)、励磁テーブル222cgから上下モータ励磁データ格納エリア223ccrAに上下モータ励磁カウンタ223ccmAのカウンタ値に対応する励磁制御データを格納し(S6054C)、本処理を終了する。一方、S6051Cの処理において、上下モータ励磁カウンタ223ccmAはのカウンタ値が1であると判別した場合には(S6051C:Yes)、上下モータ励磁カウンタ223ccmAにカウンタ値「4」を設定し(S6053C)、励磁テーブル222cgから上下モータ励磁データ格納エリア223ccrAに上下モータ励磁カウンタ223ccmAのカウンタ値に対応する励磁制御データを格納し(S6054C)、本処理を終了する。
次に、図1103を参照して、本第1変形例における上下モータ励磁中断処理(S6019C)の処理内容について説明する。図1103は、上下モータ励磁中断処理(S6019C)の処理内容を示したフローチャートである。この上下モータ励磁中断処理(S6019C)は、本第1変形例におけるモータ出力処理(図1101参照)において実行される処理であり、箱形役物700を進出位置に維持するために実行される上下モータ710の励磁を周期的に中断させる処理を実行する。
本第1変形例における上下モータ励磁中断処理(S6019C)が実行されると、まず、上下モータ中断時間タイマ223cciAのタイマ値が0より大きいか判別する(S6071C)。S6071Cの処理において、上下モータ中断時間タイマ223cciAのタイマ値が0より大きいと判別しなかった場合には(S6071C:No)、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値が0より大きいか判別する(S6072C)。S6072Cの処理において、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値が0より大きいと判別しなかった場合には(S6072C:No)、励磁中断データ格納エリア223ccqAに新たにデータが格納(上書き)されたことを意味するため、励磁中断データ格納エリア223ccqAに格納されているデータを読み出し(S6073C)、励磁中断データ格納エリア223ccqAに格納されているデータの初期励磁データに規定された値を上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値に設定し(S6074C)、本処理を終了する。
一方、S6072Cの処理において、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値が0より大きいと判別した場合には(S6072C:Yes)、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値から1を減算し(S6075C)、減算後の上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値が0であるかを判別する(S6076C)。S6076Cにおいて、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値が0であると判別しなかった場合には(S6076C:No)、箱形役物700を進出位置に維持するために上下モータ710を励磁する励磁期間が経過していないことを意味するため、本処理を終了する。即ち、本第1変形例では、箱形役物700を進出位置に維持するために上下モータ710の励磁が設定されると、次に上下モータ710の励磁の停止が設定されるまでは励磁が継続するように構成されている。
一方、S6076Cの処理において、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値が0であると判別した場合には(S6076C:Yes)、上下モータ710の励磁の停止を設定し(S6077C)、励磁中断データ格納エリア223ccqAに格納されているデータを読み出し(S6078C)、励磁中断データ格納エリア223ccqAに格納されているデータの中断時間データに規定された値を上下モータ中断時間タイマ223cciAのタイマ値に設定し(S6079C)、本処理を終了する。
これらに対し、S6071Cの処理において、上下モータ中断時間タイマ223cciAのタイマ値が0より大きいと判別した場合には(S6071C:Yes)、上下モータ中断時間タイマ223cciAのタイマ値から1を減算し(S6080C)、減算後の上下モータ中断時間タイマ223cciAのタイマ値が0であるか判別する(S6081C)。S6081Cの処理において、上下モータ中断時間タイマ223cciAのタイマ値が0であると判別しなかった場合には(S6081C:No)、上下モータ710の励磁を中断する中断期間が経過していない(励磁を再開するタイミングではない)ことを意味するため、本処理を終了する。
一方、S6081Cの処理において、上下モータ中断時間タイマ223cciAのタイマ値が0であると判別した場合には(S6081C:Yes)、上下モータ励磁データ格納エリア223ccrAに格納されている励磁制御データを参照して上下モータ710の励磁を設定する(S6082C)。即ち、箱形役物700を進出位置に維持する期間において、上下モータ710の励磁を中断し、その後、励磁を再開させる場合には、既に上下モータ中断時間タイマ223cciAに格納されている励磁制御データを参照して励磁が設定されるため、上下モータ710の中断開始時に励磁されていた部位を再び励磁させることができる。
S6082Cの処理が終了すると、次いで、励磁中断データ格納エリア223ccqAに格納されているデータを読み出し(S6083C)、励磁中断データ格納エリア223ccqAに格納されているデータの励磁時間データに規定された値を上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値に設定し(S6084C)、本処理を終了する。
次に、図1104を参照して、本第1変形例における開閉モータ励磁切替処理(S6021C)の処理内容について説明する。図1104は開閉モータ励磁切替処理(S6021C)の処理内容を示したフローチャートである。この開閉モータ励磁切替処理(S6021C)は、本第1変形例におけるモータ出力処理(図1101参照)において実行され、開閉モータ810の励磁する部位を示す励磁制御データを切替えて設定する処理である。
本第1変形例における開閉モータ励磁切替処理(S6021C)が実行されると、まず、開閉駆動データ格納エリア223ccdAに格納されているデータを読み出し(S6101C)、開閉モータ励磁開始フラグ223cchAがオンであるかを判別する(S6102C)。S6102Cの処理において、開閉モータ励磁開始フラグ223cchAがオンであると判別しなかった場合には(S6102C:No)、開閉モータ励磁スピードカウンタ223ccpAのカウンタ値に1を加算し(S6104C)、加算後の開閉モータ励磁スピードカウンタ223ccpAのカウンタ値と、開閉駆動データ格納エリア223ccdAに格納されているデータのスピードデータが示す値と、が一致するか判別する(S6105C)。
S6105Cの処理において、開閉モータ励磁スピードカウンタ223ccpAのカウンタ値と、開閉駆動データ格納エリア223ccdAに格納されているデータのスピードデータが示す値と、が一致すると判別しなかった場合には(S6105C:No)、開閉モータ810の部位を切替えて励磁するタイミングではないため、本処理を終了する。一方で、S6105Cの処理において、開閉モータ励磁スピードカウンタ223ccpAのカウンタ値と、開閉駆動データ格納エリア223ccdAに格納されているデータのスピードデータが示す値と、が一致すると判別した場合には(S6105C:Yes)、S6106Cの処理に移行する。
これらに対し、S6102Cの処理において、開閉モータ励磁開始フラグ223cchAがオンであると判別した場合には(S6102C:Yes)、開閉モータ励磁開始フラグ223cchAをオフに設定し(S6103C)、S6106Cの処理に移行する。これにより、開閉モータ810を回転させ始めるタイミングでは、即座に1ステップ目に対応する部位を励磁させることができる。
S6106Cの処理では、開閉モータ励磁スピードカウンタ223ccpAにカウンタ値「0」を設定し(S6106C)、開閉駆動データ格納エリア223ccdAに格納されているデータの方向データが正方向を示すデータであるかを判別する(S6107C)。S6107Cの処理において、開閉駆動データ格納エリア223ccdAに格納されているデータの方向データが正方向を示すデータであると判別した場合には(S6107C:Yes)、開閉モータ励磁カウンタ223ccnAのカウンタ値が4であるかを判別する(S6108C)。S6108Cの処理において、開閉モータ励磁カウンタ223ccnAのカウンタ値が4であると判別しなかった場合には(S6108C:No)、開閉モータ励磁カウンタ223ccnAのカウンタ値に1を加算し(S6109C)、励磁テーブル222cgから開閉モータ励磁データ格納エリア223ccsAに開閉モータ励磁カウンタ223ccnAのカウンタ値に対応する励磁制御データを設定し(S6114C)、本処理を終了する。
一方、S6108Cの処理において、開閉モータ励磁カウンタ223ccnAのカウンタ値が4であると判別した場合には(S6108C:Yes)、開閉モータ励磁カウンタ223ccnAにカウンタ値「1」を設定し(S6110C)、励磁テーブル222cgから開閉モータ励磁データ格納エリア223ccsAに開閉モータ励磁カウンタ223ccnAのカウンタ値に対応する励磁制御データを設定し(S6114C)、本処理を終了する。
これらに対し、S6107Cの処理において、開閉駆動データ格納エリア223ccdAに格納されているデータの方向データが正方向を示すデータであると判別しなかった場合には(S6107C:No)、開閉モータ励磁カウンタ223ccnAのカウンタ値が1であるか判別する(S6111C)。S6111Cの処理において、開閉モータ励磁カウンタ223ccnAのカウンタ値が1であると判別しなかった場合には(S6111C:No)、開閉モータ励磁カウンタ223ccnAのカウンタ値から1を減算し(S6112C)、励磁テーブル222cgから開閉モータ励磁データ格納エリア223ccsAに開閉モータ励磁カウンタ223ccnAのカウンタ値に対応する励磁制御データを設定し(S6114C)、本処理を終了する。
一方、S6111Cの処理において、開閉モータ励磁カウンタ223ccnAのカウンタ値が1であると判別した場合には(S6111C:Yes)、開閉モータ励磁カウンタ223ccnAにカウンタ値「4」を設定し(S6113C)、励磁テーブル222cgから開閉モータ励磁データ格納エリア223ccsAに開閉モータ励磁カウンタ223ccnAのカウンタ値に対応する励磁制御データを設定し(S6114C)、本処理を終了する。
次に、図1105を参照して、本第1変形例における開閉モータ励磁中断処理(S6027C)の処理内容について説明する。図1105は、開閉モータ励磁中断処理(S6027C)の処理内容を示したフローチャートである。この開閉モータ励磁中断処理(S6027C)は、上述したモータ出力処理(図1101参照)において実行され、箱形役物700の開閉部材800を開放位置に維持するための開閉モータ810の励磁を周期的に中断させる処理である。
本第1変形例における開閉モータ励磁中断処理(S6027C)が実行されると、まず、開閉モータ中断時間タイマ223ccuAのタイマ値が0より大きいか判別する(S6131C)。S6131Cの処理において、開閉モータ中断時間タイマ223ccuAのタイマ値が0より大きいと判別しなかった場合には(S6131C:No)、開閉モータ励磁時間タイマ223ccvAのタイマ値が0より大きいか判別する(S6132C)。S6132Cの処理において、開閉モータ励磁時間タイマ223ccvAのタイマ値が0より大きいと判別しなかった場合には(S6132C:No)、箱形役物700の開閉部材800を進出位置に維持させる期間の開始タイミングであることを意味するため、開閉モータ励磁時間タイマ223ccvAにタイマ値「10」を設定し(S6133C)、本処理を終了する。
一方、S6132Cの処理において、開閉モータ励磁時間タイマ223ccvAのタイマ値が0より大きいと判別した場合には(S6132C:Yes)、開閉モータ励磁時間タイマ223ccvAのタイマ値から1を減算し(S6134C)、減算後の開閉モータ励磁時間タイマ223ccvAのタイマ値が0であるか判別する(S6135C)。S6135Cの処理において、開閉モータ励磁時間タイマ223ccvAのタイマ値が0であると判別しなかった場合には(S6135C:No)、箱形役物700の開閉部材800を開放位置に維持するために開閉モータ810を励磁する励磁期間であることを意味するため、本処理を終了する。即ち、本第1変形例では、箱形役物700の開閉部材800を開放位置に維持するために開閉モータ810を励磁し始めた場合、次に開閉モータ810の励磁の停止を設定されるまでの間は励磁が継続されるように構成されている。
一方、S6135Cの処理において、開閉モータ励磁時間タイマ223ccvAのタイマ値が0であると判別した場合には(S6135C:Yes)、箱形役物700の開閉部材800を開放位置に維持するための開閉モータ810の励磁を中断し始めるタイミングであることを意味するため、開閉モータ810の励磁の停止を設定し(S6136C)、開閉モータ励磁時間タイマ223ccvAにタイマ値「5」を設定し(S6137C)、本処理を終了する。これにより、箱形役物700の開閉部材800を開放位置に維持するための開閉モータ810の励磁を中断し始めるタイミングにおいて、開閉モータ810のモータドライバに対して励磁を停止させるためのコマンドを設定し、開閉モータ810の励磁を中断させることができる。
これらに対し、S6131Cの処理において、開閉モータ中断時間タイマ223ccuAのタイマ値が0より大きいと判別した場合には(S6131C:Yes)、開閉モータ中断時間タイマ223ccuAのタイマ値から1を減算し(S6138C)、減算後の開閉モータ中断時間タイマ223ccuAのタイマ値が0であるかを判別する(S6139C)。S6139Cの処理において、開閉モータ中断時間タイマ223ccuAのタイマ値が0ではないと判別した場合には(S6139C:No)、箱形役物700の開閉部材800を開放位置に維持するための開閉モータ810の励磁を中断する中断期間であることを意味するため、本処理を終了する。
一方、S6139Cの処理において、開閉モータ中断時間タイマ223ccuAのタイマ値が0であると判別した場合には(S6139C:Yes)、箱形役物700の開閉部材800を開放位置に維持するための開閉モータ810の励磁を再開させるタイミングであることを意味するため、開閉モータ励磁データ格納エリア223ccsAに格納されている励磁制御データを参照して開閉モータ810の励磁を設定し(S6140C)、開閉モータ励磁時間タイマ223ccvAにタイマ値「5」を設定し(S6141C)、本処理を終了する。これにより、箱形役物700の開閉部材800を進出位置に維持するための開閉モータ810の励磁を再開させる場合に、既に開閉モータ励磁データ格納エリア223ccsAに格納されている励磁制御データを参照して励磁を設定することができるので、励磁の中断開始まで励磁していた開閉モータ810の部位に対して励磁を再開させることができる。
以上、説明をした通り、本第1変形例では、遊技領域に発射された遊技球が流入可能な箱形役物700を配設し、箱形役物700を進出位置に維持するための維持制御を周期的(例えば、5ms毎)に所定時間(例えば、5ms)中断する中断制御を実行している期間において、箱形役物700に遊技球が入球したことに基づいて当該中断制御における周期及び中断時間を変化させる(例えば、6ms毎に4ms中断させる)ことを可能に構成した。このように構成することで、遊技領域に発射された遊技球を装飾用可動役物(箱形役物700)に流入させることができる斬新な演出を実現しつつ、入球した遊技球の重みによって装飾用可動役物(箱形役物700)が所定位置(進出位置)から意図せず変位してしまう不具合を抑制することができる。
また、本第1変形例におけるパチンコ機10では、遊技領域に発射された遊技球が箱形役物700に流入した場合に、所定個数(例えば、5個)の遊技球を賞球として払い出し可能に構成した。このように構成することで、箱形役物700に遊技球を流入させることに対する遊技者の意欲を向上させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
<第28制御例の第2変形例>
次に、図1106から図1110を参照して、上述した第28制御例の第2変形例について説明する。上述した第28制御例の第1変形例では、遊技領域に発射された遊技球が流入可能な箱形役物700を配設し、箱形役物700を進出位置に維持する場合に、箱形役物700を進出位置に維持するための維持制御を周期的(例えば、5ms毎)に所定時間(5ms)中断させる中断制御を実行し、箱形役物700に遊技球が流入した場合に当該中断制御における周期及び中断時間を変化させる(例えば、6ms毎に4ms中断させる)ことを可能に構成していた。
これに対して、本第28制御例の第2変形例では、役物演出の演出期間における箱形役物700を進出位置に維持させる期間において、設定された所定の中断シナリオデータに基づいて箱形役物700を進出位置に維持させる維持制御を周期的に所定時間中断させる中断制御を実行可能に構成している。より具体的には、箱形役物700を進出位置に維持させる期間において、中断制御の内容(周期及び中断時間)を切替えるタイミングと、中断周期(何ms毎に中断するか)と、中断時間と、が規定された中断シナリオデータを設定することで、予め設定されたシナリオ通りに中断時間を変化させるように構成している。
このように構成することで、箱形役物700を進出位置に維持させるための維持制御を周期的に中断する中断制御における周期(何ms毎に中断するか)及び中断時間を、予め設定されたタイミングで変化させることができるため、中断制御に係る制御を簡素化することができる。
<第28制御例の第2変形例における電気的構成について>
次に、図1106、及び図1107を参照して、本第2変形例における電気的構成について説明する。本第2変形例におけるパチンコ機10は、上述した第28制御例の第1変形例におけるパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成の一部を異ならせている点で相違している。それ以外の要素については同一であり、その説明を省略する。
まず、図1106(a)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明する。図1106(a)は、本第28制御例の第2変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を示したブロック図である。図1106(a)に示した通り、本第2変形例のパチンコ機10におけるROM222は、上述した第28制御例の第1変形例のパチンコ機10におけるROM222に対して、励磁中断テーブル222ccAを削除した点と、中断シナリオテーブル222caBを設けた点、とで相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
中断シナリオテーブル222caBは、役物演出における箱形役物700を進出位置に維持する期間において、上下モータ710の励磁を中断する中断時間及び励磁時間を設定する際に参照されるデータテーブルである。本第2変形例では、役物演出が開始されてからの経過時間に応じて、上下モータ710の励磁を中断する中断時間及び励磁時間が変更されるように構成している。なお、本第2変形例における役物演出では、上述した第28制御例の第1変形例における役物演出に対して、箱形役物700を進出位置に維持する期間を変化させない点で相違している。
具体的には、上述した第28制御例の第1変形例では、箱形役物700に所定個数(4球)の遊技球が入球した時点で、箱形役物700へ新たに遊技球が入球することを規制すると共に、箱形役物700の開閉部材800の変位を開始させることで、箱形役物700が進出位置に位置している時間が変化可能に構成されていたのに対し、本第2変形例における役物演出では、箱形役物700に遊技球が所定個数(4球)入球した時点で、箱形役物700に新たに遊技球が入球することは規制するものの、箱形役物700の開閉部材800の変位開始は所定のタイミング(役物演出開始から12秒後)まで待機させることで、箱形役物700を進出位置に維持する期間が一定となるように構成している。このように構成することで、役物演出が実行される期間が一定の時間となるので、役物演出中に実行される演出態様の切替に係る制御処理等を簡素化することができる。
図1106(b)を参照して、中断シナリオテーブル222caBの規定内容について説明する。図1106(b)は、中断シナリオテーブル222caBの規定内容を模式的に示した図である。図1106(b)に示した通り、役物演出タイマ223ccのタイマ値「18000」に対応付けて、5ms毎に5ms中断する中断制御を2000ms継続させるためのデータが規定され、役物演出タイマ223ccのタイマ値「16000」に対応付けて、6ms毎に4ms中断する中断制御を2000ms継続させるためのデータが規定され、役物演出タイマ223ccのタイマ値「14000」に対応付けて、7ms毎に3ms中断する中断制御を2000ms継続させるためのデータが規定され、役物演出タイマ223ccのタイマ値「12000」に対応付けて、8ms毎に2ms中断する中断制御を2000ms継続させるためのデータが規定され、役物演出タイマ223ccのタイマ値「10000」に対応付けて、9ms毎に1ms中断する中断制御を8000ms継続させるためのデータが規定されている。
即ち、役物演出において箱形役物700が進出位置に到達したタイミング(役物演出タイマ223ccのタイマ値が18000となるタイミング)から上下モータ710に対して5msの励磁と5msの中断とを繰り返す中断制御が実行され、その後、経過時間に応じて上下モータ710を励磁する励磁時間と励磁を中断する中断時間とが変化して規定されたデータが設定されるように構成されている。このように構成することで、箱形役物700を進出位置に維持するための上下モータ710の保持力を変化させることが可能な構成としつつ、係る制御処理を簡素化することができる。
また、本第2変形例では、役物演出タイマ223ccのタイマ値が10000となった場合に、切替時間データとして8000が設定されることにより、箱形役物700が進出位置から退避位置まで変位させ始めるまでの期間は、1ms毎に9msの中断を実行する中断制御が継続するように構成されている。即ち、上下モータ710の励磁時間と中断時間とを変化させたデータに基づく制御は、箱形役物700を進出位置から退避位置へ変位させ始めるタイミング(役物演出開始18秒後のタイミング)まで継続するように構成されている。なお、本第2変形例では、中断シナリオテーブル222caBにおける最終のデータに切替時間データとして8000を規定していたが、これに限るものではなく、昇降モータ510の励磁を周期的に中断する期間の終了時(箱形役物700を進出位置から退避位置へ変位させ始めるタイミング)まで切替が実行されないような数値(即ち、8000を超える値)を規定していれば良い。
次に、図1107を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明する。本第2変形例のパチンコ機10におけるRAM223は、上述した第28制御例の第1変形例のパチンコ機10におけるRAM223に対して、役物駆動関連エリア223ccA(図1094(a)参照)に代えて役物駆動関連エリア223caBを設けた点で相違し、それ以外は同一である。
図1107を参照して、本第2変形例における役物駆動関連エリア223caBについて説明する。この役物駆動関連エリア223caBは、上述した第28制御例の第1変形例における役物駆動関連エリア223ccA(図1094(a)参照)に対して、励磁中断データ格納エリア223ccqAを削除した点と、周期中断フラグ223caaB、及び中断シナリオ格納エリア223cabBを設けた点と、で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
周期中断フラグ223caaBは、役物演出における箱形役物700を進出位置に維持する期間であることを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定されている。この周期中断フラグ223caaBは、役物演出において箱形役物700が進出位置に到達した時点でオンに設定され(図1108のS6211C参照)、箱形役物700を進出位置から退避位置へ変位させ始めるタイミングでオフに設定される(図1108のS6213C参照)。
中断シナリオ格納エリア223cabBは、中断シナリオテーブル222caBから役物演出タイマ223ccのタイマ値を参照して選択されたデータが格納される記憶領域である。この中断シナリオ格納エリア223cabBは、役物演出において箱形役物700が進出位置に到達するタイミングで中断シナリオテーブル222caBから役物演出タイマ223ccのタイマ値に対応するデータが格納され(図1108のS6212C参照)、その後、格納されたデータの切替時間データに対応する時間が経過したことに基づいて格納されているデータが更新(上書きして格納)される(図1110のS6243C参照)。
<第28制御例の第2変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1108から図1110を参照して、本第2変形例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。本第2変形例では、上述した第28制御例の第1変形例に対して、駆動データ更新処理(図1100のS5935C参照)に代えて駆動データ更新処理(図1108のS6201C参照)を実行する点と、モータ出力処理(図1101のS6001C参照)に代えてモータ出力処理(図1109のS6221C参照)を実行する点と、で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
まず、図1108を参照して、本第2変形例における駆動データ更新処理(S6201)の処理内容について説明する。図1108は駆動データ更新処理(S6201C)の処理内容を示したフローチャートである。この駆動データ更新処理(S6201C)は、上述した第1変形例の駆動データ更新処理(図1100のS5935C参照)に対して、箱形役物700に遊技球が入球したことに基づいて上下モータ710の励磁内容を示すデータを更新する処理を削除した点と、中断シナリオテーブル222caBに基づいて上下モータ710の励磁制御を実行させるためのデータを設定する処理が追加されている点と、で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して説明を省略する。
この本第2変形例における駆動データ更新処理(図1108参照)のうち、S5951C~S5954C、及びS5957C~S5965Cの各処理では、それぞれ上述した第28制御例の第1変形例の駆動データ更新処理(図1100参照)におけるS5951C~S5954C、及びS5957C~S5965Cの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2変形例における駆動データ更新処理(S6201C)では、S5954Cの処理において、駆動状況格納エリア223cceAに格納されている状況データが「02H」であると判別した場合には(S5954C:Yes)、役物演出において箱形役物700が進出位置に到達したタイミングであることを意味するため、周期中断フラグ223caaBをオンに設定し(S6211C)、中断シナリオテーブル222caBから役物演出タイマ223ccのタイマ値に対応するデータを中断シナリオ格納エリア223cabBに格納し(S6212C)、本処理を終了する。
また、本第2変形例における駆動データ更新処理(S6201C)では、S5965CSCの処理が終了すると、次いで、周期中断フラグ223caaBをオフに設定し(S6213C)、本処理を終了する。これにより、役物演出において箱形役物700を進出位置から退避位置へと変位させ始めるタイミングで、中断シナリオテーブル222caBに規定されたデータに基づく制御を終了させることができる。
次に、図1109を参照して、本第2変形例におけるモータ出力処理(S6221C)の処理内容について説明する。図1109はモータ出力処理(S6221C)の処理内容を示したフローチャートである。このモータ出力処理(S6221C)は、上述した第28制御例の第1変形例におけるモータ出力処理(図1101のS6001C参照)に対して、周期中断フラグ223caaBがオンであると判別した場合に、上述した第28制御例における上下モータ励磁中断処理(図1103のS6019C参照)に代えて上下モータ励磁中断処理(S6232C)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して説明を省略する。
この第2変形例におけるモータ出力処理(S6221C)のうち、S6011C~S6017C、及びS6020C~S6027Cの各処理では、それぞれ上述した第28制御例の第1変形例のモータ出力処理(図1101のS6001C)におけるS6011C~S6017C、及びS6020C~S6027Cの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2変形例におけるモータ出力処理(S6221C)では、S6015Cの処理において、上下モータ励磁停止フラグ223cckAがオンであると判別しなかった場合には(S6015C:No)、周期中断フラグ223caaBがオンであるかを判別する(S6231C)。S6231Cの処理において、周期中断フラグ223caaBがオンであると判別した場合には(S6231C:Yes)、後述する上下モータ励磁中断処理を実行し(S6232C)、S6020Cの処理に移行する。一方、S6231Cの処理において、周期中断フラグ223caaBがオンであると判別しなかった場合には(S6231C:No)、S6020Cの処理に移行する。
次に、図1110を参照して、本第2変形例における上下モータ励磁中断処理(S6232C)の処理内容について説明する。図1110は上下モータ励磁中断処理(S6232C)の処理内容を示したフローチャートである。この上下モータ励磁中断処理(S6232C)は、上述した第28制御例の第1変形例における上下モータ励磁中断処理(図1103のS6019C参照)に対して、中断シナリオテーブル222caBの規定内容に基づいて上下モータ710の励磁を設定する点において相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して説明を省略する。
この本第2変形例における上下モータ励磁中断処理(S6232C)のうち、S6071C、S6072C、S6075C~S6077C、S6079C~S6082C、及びS6084Cの各処理では、それぞれ上述した第28制御例の上下モータ中断処理(図1103のS6019C)におけるS6071C、S6072C、S6075C~S6077C、S6079C~S6082C、及びS6084Cの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2変形例における上下モータ励磁中断処理(S6232C)が実行されると、まず、中断シナリオ格納エリア223cabBに格納されているデータを読み出し(S6241C)、読み出したデータの切替時間データが示す時間が経過したかを判別する(S6242C)。図示は省略したが、本第2変形例では中断シナリオ格納エリア223cabBに新たにデータを格納するタイミングにおいて、当該タイミングからの経過時間を切替タイマを用いて計時するように構成されている。即ち、その計時タイマのタイマ値を参照して、中断シナリオ格納エリア223cabBに新たにデータが格納されてから、切替時間データが示す時間が経過したかを判別するように構成されている。
S6242Cの処理において、中断シナリオ格納エリア223cabBに格納されているデータの切替時間データに対応する時間が経過したと判別しなかった場合には(S6242C:No)、中断シナリオテーブル222caBにおける次のデータを格納するタイミングではないことを意味するため、S6071Cの処理に移行する。一方、S6242Cの処理において、中断シナリオ格納エリア223cabBに格納されているデータの切替時間データに対応する時間が経過したと判別した場合には(S6242C:Yes)、中断シナリオテーブル222caBから役物演出タイマ223ccのタイマ値に対応するデータを中断シナリオ格納エリア223cabBに格納し(S6243C)、S6071Cの処理に移行する。これにより、中断シナリオテーブル222caBに基づいて、上下モータ710の励磁を周期的に中断する中断制御が進行される。
また、本第2変形例における上下モータ励磁中断処理(S6232C)では、S6072Cの処理において、上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値が0より大きいと判別しなかった場合には(S6072C:No)、中断シナリオ格納エリア223cabBに格納されているデータを読み出し(S6244C)、当該データの励磁時間データに規定された値を上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値に設定し(S6245C)、本処理を終了する。
また、本第2変形例における上下モータ励磁中断処理(S6232C)では、S6077Cの処理が終了すると、中断シナリオ格納エリア223cabBに格納されているデータを読み出し(S6246C)、当該データの中断時間データに規定された値を上下モータ中断時間タイマ223cciAのタイマ値に設定し(S6079C)、本処理を終了する。これにより、上下モータ710の励磁を周期的に中断する中断制御における励磁時間を、中断シナリオテーブル222caBの規定内容に基づいて変更して設定することができる。
また、本第2変形例における上下モータ励磁中断処理(S6232C)では、S6082Cの処理が終了すると、中断シナリオ格納エリア223cabBに格納されているデータを読み出し(S6247C)、当該データの励磁時間データに規定された値を上下モータ励磁時間タイマ223ccjAのタイマ値に設定し(S6084C)、本処理を終了する。これにより、上下モータ710の励磁を周期的に中断する中断制御における中断時間を、中断シナリオテーブル222caBの規定内容に基づいて変更して設定することができる。
以上、説明した通り、本第2変形例では、箱形役物700を進出位置に維持する場合に、上下モータ710の励磁を周期的に中断させる中断制御を実行可能に構成し、所定の中断シナリオデータに基づいて、当該中断制御における中断周期(何ms毎に中断するか)と中断時間(何ms中断するか)とを所定のタイミングで切替可能に構成した。このように構成することで、箱形役物700を進出位置に維持するための上下モータ710の保持力を変化させるための制御処理を簡素化することができる。
<第28制御例の第3変形例>
次に、図1111、及び図1112を参照して、第28制御例の第3変形例について説明する。上述した第28制御例では、役物演出において昇降役物500を下限位置から昇降中間位置まで変位させ、昇降役物500を昇降中間位置に2秒間維持している期間(枠ボタン22の操作有効期間となる役物演出開始1秒後~3秒後までの期間)において、枠ボタン22が3回操作された場合に、所定の抽選(役物演出結果抽選テーブル222cbを参照して実行される役物演出の演出結果を決定するための抽選)の抽選結果に対応した動作で傾倒役物600を変位させるように構成していた。
更に、上述した第28制御例では、昇降役物500が昇降中間位置に到達したタイミングにおいて昇降モータ510を回転させることなく(昇降モータ510の部位を切替えず)10ms励磁し、その後、昇降モータ510の励磁を5ms毎に5ms中断する中断制御を実行することで、昇降モータ510を励磁するための電力を削減しつつ、保持力を維持することを可能に構成していた。
これに対して、本第3変形例では、役物演出において昇降役物500を下限位置から昇降中間位置まで変位させ、昇降役物500を昇降中間位置に維持している期間において、枠ボタン22が操作されたことに基づいて傾倒役物600を変位させることを可能に構成している。より具体的には、上述した第28制御例では、役物演出において枠ボタン22の操作有効期間(役物演出開始1秒後~3秒後)を2秒間設定していたのに対し、本第3変形例では、役物演出において操作有効期間を役物演出の開始1秒後~11秒後までの10秒間設定するように構成し、当該操作有効期間(10秒間)において、枠ボタン22が操作された場合に、傾倒役物600を昇降中間位置に維持されている昇降役物500に当接するまで変位させた後に傾倒役物600を起立位置まで変位(復帰)させる往復動作を1秒間で実行可能に構成した。このように構成することで、枠ボタン22が操作されたことに基づいて傾倒役物600を変位させることができるので、遊技者の操作状況と連動して傾倒役物600が変位する演出を実現できる。よって、枠ボタン22の操作有効期間において遊技者が退屈してしまう不具合を抑制することができる。
ここで、本第3変形例で実行される昇降役物500と傾倒役物600とが当接する動作を含む往復動作は、傾倒モータ610を1ステップあたりの回転に3ms要するスピードで125ステップ(即ち、3ms×125ステップ=375ms)正方向に回転させることで昇降役物500に対して傾倒役物600を当接させ、その後、傾倒モータ610の励磁を所定時間(250ms)停止した後に傾倒モータ610を1ステップあたりの回転に3ms要するスピードで125ステップ(即ち、3ms×125ステップ=375ms)負方向に回転させることで傾倒役物600を起立位置(原点位置)まで可動(退避)させるように構成した。このように構成することで、枠ボタン22が操作されたことに基づいて、傾倒役物600が昇降役物500に当接するまで(傾倒中間位置まで)可動し、昇降役物500に対して荷重を掛けた後に傾倒役物600が起立位置(原点位置)まで可動(退避)する動作を1秒間で実行させることができる。
また本第3変形例では、傾倒役物600が昇降役物500に当接したタイミング(傾倒役物600が傾倒中間位置に到達したタイミング)において、昇降モータ510が励磁されている場合には、傾倒モータ610の励磁を即座に停止し、昇降モータ510の励磁が中断されている場合には、昇降モータ510の励磁が再開されるまで(最大で5ms経過するまで)傾倒モータ610の励磁の停止を待機させるように構成した。このように構成することで、傾倒役物600の可動されるタイミングが不定となる構成において、昇降モータ510の励磁が中断している期間に傾倒役物600による荷重(負荷)が掛かり始めることを抑制することができる。
なお、枠ボタン22が操作された場合に傾倒役物600を昇降役物500に当接する動作を含む往復動作で可動させることが可能な構成については、上述した第28制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。また、本第3変形例における役物演出は、第28制御例と比した場合に生じる操作有効期間の差異分(8秒分)長い変動演出(即ち、基本時間30秒、且つ追加時間20秒の変動時間に対応する変動演出)において実行されるように構成し、操作有効期間以外の演出態様については第28制御例と同一である。
また、本第3変形例では、役物演出中の操作有効期間において、所定回数(6回)までは枠ボタン22が操作される毎に傾倒役物600が昇降役物500に当接する動作を含む1秒間の往復動作を実行可能に構成し、枠ボタン22が操作された回数に対応して昇降モータ510を励磁する励磁時間、及び励磁を中断する中断時間を変化させることを可能に構成した。
より具体的には、昇降役物500を昇降中間位置に維持している期間において、枠ボタン22が1度も操作されていない場合には、昇降モータ510の励磁を5ms毎に5ms中断する(即ち、5ms励磁される)中断制御を実行し、枠ボタン22の操作回数が1回~2回の場合には昇降モータ510の励磁を6ms毎に4ms中断する(即ち、6ms励磁される)中断制御を実行し、枠ボタン22の操作回数が3回~4回の場合には、昇降モータ510の励磁を7ms毎に3ms中断する(即ち、7ms励磁される)中断制御を実行し、枠ボタン22の操作回数が5回~6回の場合には、昇降モータ510の励磁を8ms毎に2ms中断する中断制御を実行するように構成されている。
このように構成することで、傾倒役物600が幾度も当接(衝突)することによって昇降役物500、及び昇降モータ510にかかる外力(負荷)が変化し得る構成において、昇降モータ510の保持力を可変させておくことができるので、昇降役物500が意図せず変位してしまう不具合を抑制することができる。
なお、本第3変形例では、枠ボタン22が操作されたことに基づいて実行される傾倒役物600の往復動作は、一律で1秒間の動作となるように構成しているが、これに限るものではない。例えば、枠ボタン22の操作回数に対応して、傾倒役物600の動作速度を可変させるように構成してもよい。より具体的には、1の操作有効期間における枠ボタン22の累計操作回数を所定のカウンタを用いてカウントし、当該カウンタのカウンタ値に応じて、傾倒役物600の動作速度が異なる制御データを設定するように構成してもよい。このように構成することで、枠ボタン22が操作されたことに基づいて実行される傾倒役物600の往復動作を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第3変形例では、枠ボタン22が操作された回数に対応して昇降モータ510を制御するためのデータ(励磁時間、及び中断時間が規定されたデータ)が可変されて設定されたことを遊技者が識別可能となるように構成されている。より具体的には、昇降モータ510の励磁時間、及び中断時間が規定された制御データを可変して設定する場合に、当該制御データに対応する表示態様(例えば、制御データに規定された励磁時間の長さに対応して表示されるインジケータrg)が第3図柄表示装置81における小表示領域Dm64に表示(図1053(b)参照)されるように構成されている。このように構成することで、内部的に実行されている昇降モータ510に係る制御の変更を、遊技者にも分り易くすることができる。
<第28制御例の第3変形例における電気的構成について>
次に、図1111を参照して、第28制御例の第3変形例における電気的構成について説明する。本第28制御例の第3変形例におけるパチンコ機10は、上述した第28制御例におけるパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113が有するROM222の構成の一部を変更しており、それ以外の構成は同一である。具体的には、ROM222の構成のうち、励磁中断切替テーブル222caCを追加した点で相違している。
ここで、図1111(b)を参照して、励磁中断切替テーブル222caCの内容について説明をする。図1111(b)は、励磁中断切替テーブル222caCの内容を示した図である。図1111(b)に示した通り、励磁中断切替テーブル222caCには、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値に対応付けて、昇降モータ510の励磁を周期的に中断させる場合の初期励磁時間データ、中断時間データ、及び励磁時間データが規定されている。
より具体的には、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値「1」に対して、昇降モータ510を6ms励磁した後、励磁を6ms毎に4ms中断させるデータが規定されており、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値のカウンタ値「3」に対して、昇降モータ510を7ms励磁した後、励磁を7ms毎に3ms中断させるデータが規定されており、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値「5」に対して、昇降モータ510を8ms励磁した後、励磁を8ms毎に2ms中断させるデータが規定されている。
ここで、本第28制御例の第3変形例では、励磁中断切替テーブル222caCから操作回数カウンタ223ceのカウンタ値に対応するデータを励磁中断データ格納エリア223ccqAに格納し、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が励磁中断切替テーブル222caCに規定された値となるまでは、励磁中断データ格納エリア223ccqAに格納されているデータに基づく制御を継続するように構成されている。即ち、枠ボタン22に対して1回目の操作がされるまで(操作回数0回の場合)は、昇降モータ510の励磁を5ms毎に5ms中断し、枠ボタン22に対して3回目の操作がされるまで(操作回数が1~2回の場合)は、昇降モータ510の励磁を6ms毎に4ms中断し、枠ボタン22に対して5回目の操作がされるまで(操作回数が3~4回の場合)は、昇降モータ510の励磁を7ms毎に3ms中断し、枠ボタン22に対して5回目以上操作された場合は、昇降モータ510の励磁を8ms毎に2ms中断するように構成されている。
このように構成することで、枠ボタン22が操作されることによって昇降役物500と傾倒役物600とが当接(衝突)する回数が可変し、昇降役物500に対して不定の負荷が掛かる場合において、より好適な維持制御を実行させることができる。
<第28制御例の第3変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1112を参照して、本第3変形例のパチンコ機10にて実行される各種制御処理の処理内容について説明する。まず、図1112を参照して、音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理について説明する。本第3変形例では、上述した第28制御例に対して、操作回数カウント処理(図1071のS5305C参照)に代えて操作回数カウント処置(図1112のS6301C参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
図1112を参照して、本第3変形例における操作回数カウント処理(S6301C)の処理内容について説明する。図1112は、操作回数カウント処理(S6301C)の処理内容を示したフローチャートである。この操作回数カウント処理(S6301C)では、上述した第28制御例の操作回数カウント処理(図1071のS5305C参照)に対して、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が更新されたことに応じて、励磁時間、及び中断時間を変化させて設定する処理を追加している点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
この本第3変形例における操作回数カウント処理(S6301C)のうち、S5322C、及びS5324C~S5327Cの各処理ではそれぞれ上述した第28制御例の操作回数カウント処理(図1071参照)におけるS5322C、及びS5324C~S5327Cの各処理の各処理と同一の処理が実行される。
操作回数カウント処理(S6301C)が実行されると、まず、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が6未満であるか判別する(S6321C)。S6321Cの処理において、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が6未満であると判別しなかった場合には(S6321C:No)、本第3変形例における操作回数の上限(6回)に既に到達していたことを意味するため、本処理を終了する。一方、S6321Cの処理において、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が6未満であると判別した場合には(S6321C:Yes)、起立位置センサがオンであるか判別する(S6322C)。S6322Cの処理において、起立位置センサがオンであると判別しなかった場合には(S6322C:No)、本処理を終了する。
これに対し、S6322Cの処理において、起立位置センサがオンであると判別した場合には(S6322C:Yes)、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値に1を加算し(S5322C)、傾倒役物600の往復動作を設定し(S6323C)、本処理を終了する。これにより、傾倒役物600の変位中(原点位置に位置していない期間)は、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が加算されること、及び傾倒役物600の動作が新たに設定されること、を抑制することができる。即ち、本第3変形例では、傾倒役物600が起立位置(原点位置)に位置しているかを検出可能な起立位置センサ(原点センサ)がオンを検出していない場合(傾倒役物600が起立位置に位置していない場合)に、励磁中断切替テーブル222caCにおけるデータを更新(励磁中断データ格納エリア223cfqに上書きして設定)しないように構成している。このように構成することで、枠ボタン22の操作間隔が短すぎることに起因して、枠ボタン22の操作回数と傾倒役物600の往復動作の実行回数が一致しない場合でも、傾倒役物600の往復動作の実行回数に合わせて昇降モータ510の励磁時間、及び中断時間を設定することができる。
S6323Cの処理が終了すると、次いで、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が1、3、及び5のうち何れかであるかを判別する(S6324C)。S6324Cの処理において、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が1、3、及び5のうち何れかであると判別しなかった(1、3、及び5のうち何れでもないと判別した)場合には(S6324C:No)、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が6であるかを判別する(S6325C)。S6325Cの処理において、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が6であると判別しなかった場合には(S6325C:No)、本処理を終了する。
一方、S6325Cの処理において、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が6であると判別した場合には(S6325C:Yes)、S5324Cの処理に移行する。即ち、上述した第28制御例では、枠ボタン22が3回操作された場合に、役物演出の演出結果を決定するための抽選を実行していたのに対し、本第3変形例では、枠ボタン22が6回操作された場合に、役物演出の演出結果を決定するための抽選を実行する。上述した通り、S5324C~S5327Cの各処理では、それぞれ上述した第28制御例の操作回数カウント処理(図1071参照)におけるS5324C~S5327Cの各処理と同一の処理が実行される。
これらに対し、S6324Cの処理において、操作回数カウンタ223ceのカウンタ値が1、3、及び5のうち何れかであると判別した場合には(S6324C:Yes)、中断時間タイマ223cfiのタイマ値が0より大きいかを判別する(S6326C)。S6326Cの処理において、中断時間タイマ223cfiのタイマ値が0より大きいと判別しなかった場合には(S6326C:No)、励磁時間タイマcfjにタイマ値「0」を設定し(S6327C)、S6329Cの処理に移行する。一方、S6326Cの処理において、中断時間タイマ223cfiのタイマ値が0より大きいと判別した場合には(S6326C:Yes)、中断時間タイマ223cfiにタイマ値「0」を設定し(S6328C)、S6329Cの処理に移行する。
S6329Cの処理では、励磁中断切替テーブル222caCから操作回数カウンタ223ceのカウンタ値に対応するデータを励磁中断データ格納エリア223cfqに格納する(S6329C)。S6329Cの処理が終了すると、励磁中断データ格納エリア223cfqに格納したデータの初期時間データに規定された値を励磁時間タイマ223cfjのタイマ値に設定し(S6330C)、励磁状況を示すための表示態様を含む演出態様を設定し(S6331C)、決定された演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S6332C)、本処理を終了する。
ここで、本第3変形例では、励磁状況を示すための表示態様として、励磁中断データ格納エリア223cfqに格納されているデータの励磁時間データに対応する表示態様が設定される。より具体的には、励磁中断データ格納エリア223cfqに、より長い時間を示す励磁時間データを含むデータを格納するする場合に、ゲージが上昇して表示されるインジケータrgを第3図柄表示装置81における小表示領域Dm64に表示する(図1053(b)参照)。例えば、昇降モータ510の励磁が5ms毎で中断されている期間にはゲージが貯まっていない(0である)状態のインジケータrgが表示され、枠ボタン22が1回操作されたことで昇降モータ510の励磁が6ms毎で中断されている期間(枠ボタン22の操作回数が1回~2回の期間)にはゲージが1貯まった状態のインジケータrgが表示され、枠ボタン22が3回操作されたことで昇降モータ510の励磁が7ms毎で中断されている期間(枠ボタン22の操作回数が3回~4回の期間)にはゲージが2貯まった状態のインジケータrgが表示され、枠ボタン22が5回操作されたことで昇降モータ510の励磁が8ms毎で中断されている期間(枠ボタン22の操作回数が5回以上の期間)にはインジケータrgが3貯まった状態(MAXを示す状態)で表示される。このように構成することで、昇降モータ510を励磁する励磁時間が長くなった(保持力が増大した)ことを、遊技者に対して把握させ易くすることができる。
以上説明した通り、本第3変型例におけるパチンコ機10では、役物演出において枠ボタン22が操作された場合に、枠ボタン22が操作された回数に対応して、昇降モータ510の励磁時間を可変可能に構成した。より、具体的には、役物演出において枠ボタン22が操作されたことに基づいて、傾倒役物600を昇降中間位置まで変位させることで傾倒役物600を昇降役物500に当接させた後に傾倒役物600を起立位置まで変位させる往復動作を設定し、当該往復動作が実行された回数に応じて昇降モータの励磁時間を変化させることが可能に構成した。このように構成することで、傾倒役物600に衝突されることで昇降役物500、及び昇降モータ510にかかる負荷が変化した場合に、昇降モータ510の保持力を可変させることができる。
本第3変形例では、役物演出において枠ボタン22が操作された場合において、傾倒役物600が起立位置(原点位置)に位置しているかを判別し、傾倒役物600が起立位置(原点位置)に位置している場合に、傾倒役物600の可動を開始させるように構成していたが、これに限るものではない。例えば、傾倒役物600が起立位置(原点位置)に位置していない期間において枠ボタン22が操作された場合に、当該操作に係る情報を記憶し、傾倒役物600が起立位置(原点位置)に到達(退避)したことに基づいて、当該操作に起因した傾倒役物600の可動を開始させるように構成してもよい。このように構成することで、傾倒役物600が可動している期間における枠ボタン22の操作も有効となるため、遊技者の枠ボタン22を押下する意欲を向上させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第28制御例の第4変形例>
次に、図1113を参照して、上述した第28制御例における第4変形例について説明する。上述した第28制御例では、昇降モータ510によって可動されることが可能な昇降役物500を設け、役物演出において昇降モータ510の部位を切替えることなく励磁することで昇降役物500を上限位置に維持する制御を周期的に中断する中断制御を実行可能に構成していた。また、上述した第28制御例では、昇降モータ510と同一の構成である傾倒モータ610によって可動されることが可能な傾倒役物600を設け、役物演出において昇降役物500と傾倒役物600とを所定の動作で可動させることで多様な演出を実行可能に構成していた。
これに対して、本第4変形例では、昇降役物500が上限位置に到達した場合に、昇降モータ510の部位を切替えることなく励磁することで昇降役物500を上限位置に維持する制御を周期的に中断する中断制御を実行し、当該中断制御において励磁が中断されている期間において、図示しないソレノイド(以下、傾倒ソレノイドと称す)によって傾倒役物600を可動させることを可能に構成している。より具体的には、本第4変形例では、傾倒モータ610の上部(図1052(b)参照)に傾倒ソレノイド(図示なし)を設け、当該傾倒ソレノイドが傾倒役物600の背面に固着された図示しない突出片に作用することで、昇降モータ510の励磁が中断されている期間に傾倒役物600を可動させることを可能に構成している。
このように構成することで、昇降モータ510の励磁を中断することによって削減した電力を有効に活用することができると共に、傾倒役物600を可動させることで演出を盛り上げることができる。また、昇降モータ510と傾倒モータ610との作動が短期間に集中することによって消費電力が増加する不具合を抑制することができる。
なお、当該傾倒ソレノイド、及び突出片は、互いに着脱可能(例えば、磁力によって付着する)ように構成されており、プッシュ型ソレノイドである傾倒ソレノイドを作動させる期間は当該傾倒ソレノイド、及び突出片が互いに当接し、傾倒モータ610によって傾倒役物600が回転移動される場合には当該傾倒ソレノイド、及び突出片が互いに離間する。
上述した通り、本第4変形例では、上述した第28制御例に対して、昇降役物500が上限位置に位置している期間における役物演出の演出態様(傾倒役物600の動作態様)を異ならせている点で相違しており、それ以外の内容については同一であるため、その詳細な説明を省略する。
<第28制御例の第4変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1113を参照して、本第4変形例における制御処理について説明する。本第4変形例では、上述した第28制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の一部を変更している点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については説明を省略する。
図1113を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第4変形例のパチンコ機10では、上述した第28制御例におけるパチンコ機10に対して、役物演出において昇降役物500が上限位置に位置している期間(演出結果が失敗である場合における、役物演出開始9秒後~12秒後の3秒間)において、傾倒ソレノイド(図示無し)によって傾倒役物600を可動可能に構成している点で大きく相違しており、その相違点に関する処理内容を異ならせている。具体的には、役物駆動処理(図1077のS4121C参照)に代えて役物駆動処理(図1113のS6401C)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については説明を省略する。
図1113を参照して、役物駆動処理(S6401C)の処理内容について説明する。図1113は、役物駆動処理(S6401C)の処理内容を示したフローチャートである。この役物駆動処理(S6401C)では、上述した第28制御例の役物駆動処理(図1077参照)と同一の処理内容に加え、昇降モータ510の励磁が中断されている期間において傾倒ソレノイドを作動させることで傾倒役物600を変位させるための処理を実行する。
この本第4変形例における役物駆動処理(S6401C)のうち、S5601C~S5605Cの各処理ではそれぞれ上述した第28制御例の役物駆動処理(図1077参照)におけるS5601C~S5605Cの各処理と同一の処理が実行される。
本第4変形例における役物駆動処理(S6401C)が実行されると、まず、駆動状況切替フラグ223cffがオンであるかを判別する(S5601C)。S5601Cの処理において、駆動状況切替フラグ223cffがオンであると判別しなかった場合には(S5601C:No)、駆動状況格納エリア223cfeに格納された状況データを読み出し(S6421C)、状況データが「0CH」であるかを判別する(S6422C)。S6422Cの処理において、状況データが「0CH」であると判別しなかった場合には(S6422C:No)、本処理を終了する。
一方、S6422Cの処理において、駆動状況格納エリア223cfeに格納された状況データが「0CH」であると判別した場合には(S6422C:Yes)、中断時間タイマ223cfiのタイマ値が5であるかを判別する(S6423C)。S6423Cの処理において、中断時間タイマ223cfiのタイマ値が5であると判別した場合には(S6423C:Yes)、昇降モータ510の励磁を中断し始めるタイミングであることを意味するため、傾倒ソレノイドに励磁を設定し(S6426C)、本処理を終了する。これにより、昇降モータ510の励磁が中断された期間において、傾倒役物600を可動させることができるので、昇降モータ510の励磁を中断することによって削減した電力を有効に活用することができる。
一方、S6423Cの処理において、中断時間タイマ223cfiのタイマ値が5であると判別しなかった場合には(S6423C:No)、励磁時間タイマ223cfjのタイマ値が5であるかを判別する(S6424C)。S6424Cの処理において、励磁時間タイマ223cfjのタイマ値が5であると判別した場合には(S6424C:Yes)、昇降モータ510の励磁が再開されることを意味するため。傾倒ソレノイドに励磁の停止を設定し(S6425C)、本処理を終了する。これにより、昇降モータ510の励磁が中断されている期間において、傾倒役物600が励磁されることで、傾倒役物600が微細な往復動作で可動される。
一方、S6424Cの処理において、励磁時間タイマ223cfjのタイマ値が5であると判別しなかった場合には、本処理を終了する。これらに対し、S5601Cの処理において、駆動状況切替フラグ223cffがオンであると判別された場合は、S5602Cの処理に移行する。上述した通り、S5602C~S5605Cの各処理ではそれぞれ上述した第28制御例の役物駆動処理(図1077参照)におけるS5602C~S5605Cの各処理と同一の処理が実行され、S5605Cの処理が終了すると、本処理を終了する。
なお、本第4変形例では、昇降モータ510の励磁が中断されている期間にのみ傾倒ソレノイドが励磁されるように構成しているが、これに限るものではない。例えば、昇降モータ510の励磁が中断されている期間において傾倒ソレノイドの作動を開始させ、昇降モータ510の励磁が再開されても傾倒ソレノイドの作動を継続可能に構成しても良い。このように構成することで、傾倒役物600の動作内容を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上説明した通り、本第4変形例におけるパチンコ機10では、昇降モータ510の励磁を周期的に中断する中断制御が実行されている期間において、昇降モータ510の励磁が中断された場合に傾倒ソレノイドを作動させることで傾倒役物600を可動可能に構成した。このように構成することで、昇降モータ510の励磁を中断することによって削減した電力を有効に活用し、装飾用可動役物(昇降役物500、及び傾倒役物600)を用いた演出の演出効果を高めることができる。
<第28制御例の第5変形例>
次に、図1114、及び図1115を参照して、上述した第28制御例における第5変形例について説明する。上述した第28制御例では、役物演出中の枠ボタン22の操作有効期間(役物演出の開始1秒後~3秒後までの2秒間)に枠ボタン22が3回操作された場合において、所定のタイミング(役物演出の開始3秒後)で傾倒役物600を傾倒中間位置まで可動させ、その後、昇降役物500と傾倒役物600とが当接した状態で下降させることを可能に構成していた。このように構成することで、昇降役物500と傾倒役物600とが当接した状態で可動する演出を実現し、装飾用可動役物を用いた演出の演出効果を高めることができるものであった。
しかしながら、上述した第28制御例では、操作有効期間において、枠ボタン22に対する3回目の操作がされたタイミングによらず、固定のタイミング(役物演出の3秒後)に傾倒役物600の可動が開始されるため、操作有効期間における演出が単調となり、遊技者が飽きてしまう虞があった。
これに対して、本第5変形例では、役物演出の操作有効期間において、枠ボタン22が3回操作されたタイミングで即座に傾倒役物600の可動を開始させ、昇降役物500が下限位置(原点位置)から昇降中間位置に向けて可動している期間に当接し易い昇降役物500の所定部(凹部500a)に傾倒役物600が当接した場合に、特別図柄抽選の抽選結果を示唆する示唆態様を表示可能に構成している。
具体的には、本第5変形例では、役物演出の開始時点から3秒後までの3秒間において昇降役物500が昇降中間位置まで可動(上昇)され、当該3秒間の間に枠ボタン22に対して3回目の操作がされたタイミングで即座に傾倒役物600を可動させ、昇降役物500が原点位置から昇降中間位置まで可動されている期間に当接し易い所定部(凹部500a)に傾倒役物600が当接した場合に、特別図柄抽選の抽選結果を示唆する示唆態様を表示可能に構成している。
このように構成することで、装飾用可動役物の動作パターンを多様化させることができると共に、操作有効期間において枠ボタン22を操作するタイミングによって異なる演出態様を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上することができる。
ここで、本第5変形例では、役物演出の操作有効期間において、枠ボタン22の操作回数が3回未満であった場合は、上述した第28制御例と同様に、所定のタイミング(役物演出の開始3秒後)に傾倒役物600の可動が開始され、その後は上述した第28制御例と同一の演出が実行される。また、枠ボタン22が3回操作された場合には、傾倒モータ610が傾倒役物第1駆動テーブル222cd(図1062(b)参照)に基づいて作動される。即ち、傾倒役物600は、起立位置(原点位置)から昇降中間位置までは傾倒モータ610によって可動された後、傾倒モータ610の励磁が停止されることで外力(昇降役物500による作用、または自重)によって変位可能な状態となり、その後、傾倒位置から起立位置(原点位置)まで可動させる可動制御が実行される。
<第28制御例の第5変形例における各装飾用可動役物について>
図1114、及び図1115を参照して、本第5変形例における装飾用可動役物について説明する。なお、本第5変形例では、上述した第28制御例に対して、装飾用可動役物の構成の一部を変更した点と、役物演出の操作有効期間において、枠ボタン22が3回操作され、昇降役物500の所定部(凹部500a)と傾倒役物600とが当接した場合の演出の一部を変更した点と、で相違しており、それ以外の内容については同一であるため、詳細な説明を省略する。
図1114は、本第5変形例における昇降役物500が下限位置(原点位置)に位置しており、傾倒役物600が起立位置(原点位置)に位置している状態を示した図である。本第5変形例における昇降役物500は、昇降役物500の正面視上部に後述する傾倒役物600の凸部材600aと嵌合可能な正面視略半円形状の凹部500aを設けた形状で形成されている。また、昇降役物500の凹部500aには、後述する傾倒役物600の凸部材600aが当接(接触)したことを検出可能な接触センサ(図示なし)が設けられている。
一方、本第5変形例における傾倒役物600は、ハンマー形状の正面視左上に略球形の凸部材600aが設けられており、当該凸部材600aは傾倒役物600が正面視反時計回りに回転した場合に昇降役物500に設けられた凹部500aに嵌合することが可能に構成されている。また、この傾倒役物600の凸部材600aは、傾倒役物600の側面600b(図1115参照)上をスライド変位可能に構成されている。より具体的には、傾倒役物600の凸部材600aには、凸部材600aを特定の位置(側面600bの中央)に付勢するための付勢バネ(図示なし)が設けられており、傾倒役物600の凸部材600aが昇降役物500の凹部500aに当接した状態で昇降役物500が上下方向に変位した場合に、傾倒役物600の凸部材600aが側面600b上をスライド変位すると共に付勢バネ(図示なし)が伸縮するように構成されている。更に、昇降役物500の凹部500a、及び傾倒役物600の凸部材600aには、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接(嵌合)した当接状態(嵌合状態)となった場合に、傾倒役物600が傾倒モータ610によって駆動されるまで当該当接状態(嵌合状態)を維持するための磁石(図示なし)が設けられている。
このように構成することで、昇降役物500が下限位置から昇降中間位置に可動されている期間に当接し易い凹部500aに傾倒役物600の凸部材600aが当接した場合に、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接した状態で昇降役物500を変位させることができる。
また、本第5変形例では、傾倒役物600の凸部材600aが昇降役物500の凹部500aに嵌合することで、昇降役物500の凹部500aに設けられた接触センサ(図示なし)がオンを検出した場合に、特別図柄抽選の抽選結果を示唆する示唆態様を表示可能に構成されている。このように構成することで、装飾用可動役物同士を当接させる演出において、当接パターンを多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図1114(b)は、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接したタイミングにおける装飾用可動役物の状態を示した図である。本第5変形例では、昇降役物500が下限位置(原点位置)から昇降中間位置に向けて上昇している期間において、傾倒役物600が正面視反時計回りに回転することで昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接(嵌合)し易く構成されている。これに対し、昇降役物500が昇降中間位置に位置している状態で、傾倒役物600を反時計回りに作動させた場合には、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとは嵌合(当接)し難く構成されている。より具体的には、傾倒役物600が所定のタイミング(役物演出の開始0.5秒後~1秒後)に可動が開始された場合に、傾倒役物600の凸部材が昇降役物500の凹部に当接(嵌合)することが可能に構成されている。このように構成することで、昇降役物500が上昇(変位)している期間に実行可能な演出を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図1114(c)は、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接したまま昇降役物500が昇降中間位置まで変位した状態を示した図である。本第5変形例では、昇降役物500が上昇している期間において傾倒役物600が正面視反時計回りに回転することで昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接可能に構成し、更に、昇降役物500の凹部と傾倒役物600bの凸部材600aとが当接(嵌合)した状態で昇降役物500を昇降中間位置まで可動させることが可能に構成されている。より具体的には、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接した場合に、昇降役物500が昇降中間位置まで上昇すると、傾倒役物600の凸部材600aが側面600b(図1115参照)をスライド変位することで昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接した状態で昇降役物500を昇降中間位置まで可動させることができる。
また、昇降中間位置に向けて可動している期間において、傾倒役物600が正面視反時計回りに回転することにより、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接したタイミングにおいて、昇降モータ510のトルク(正方向への回転)によって昇降役物500と傾倒役物600とを当接状態で可動(上昇)させることが可能に構成されている。ここで、昇降役物500が昇降中間位置に到達すると、昇降モータ510を18ms励磁した後、8ms毎に2ms中断する中断制御が実行される。
図1114(d)は、昇降役物500の凹部と傾倒役物600の凸部材600aとが当接した状態で昇降役物500が昇降中間位置から下限位置(原点位置)まで下降した場合における演出態様を示した図である。本第5変型例では、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接(嵌合)した場合において、傾倒役物600の凸部材600aがスライド変位することで、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部600aとが当接(嵌合)した状態で、昇降中間位置から下限位置(原点位置)まで可動可能に構成されている。
図1114(d)に示した通り、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接した状態で昇降役物500が下限位置まで可動されると、傾倒役物600の背面側に位置している第3図柄表示装置81の表示領域には、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである期待度を示す表示態様(例えば、「激アツ!!」という文字)が表示される。この表示態様は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて、複数の表示態様から1が決定されるように構成されている。このように構成することで、役物演出の演出結果を決定するための抽選における抽選結果に加え、特別図柄抽選の期待度を示す表示態様によって特別図柄抽選の抽選結果を予測する遊技性を実現することができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図1114(e)は、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接(嵌合)しなかった場合における演出態様の一例を示した図である。本第5変形例では、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材とが当接可能なタイミング以外(例えば、昇降役物500が昇降中間位置まで可動したタイミング)に傾倒役物600が可動された場合に、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接し難く構成されている。図1114(e)に示すように、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接しなかった場合には、昇降役物500の凹部500aとは異なる部分(例えば、昇降役物500の凹部500aの正面視右側部分)に傾倒役物600が当接するように構成されている。昇降役物500の凹部500aに傾倒役物600の凸部材600aが当接(嵌合)しなかった場合には、上述した第28制御例と同一の演出が実行される。また、役物演出の演出結果を決める抽選において特定の抽選結果(成功に対応する抽選結果)とならなかった場合には、上述した第28制御例と同一の動作(図1056(b)参照)で傾倒役物600が起立位置まで可動される。
次に、図1115を参照して、本第5変形例における装飾用可動役物の構成について詳細に説明する。なお、本第5変形例における昇降役物500については、昇降役物500の上部に凹部500aを形成し、当該凹部500aに検出センサ(図示なし)を設けた点と、昇降役物500の前面側の表示内容を変更した点と、で相違しており、その他の構成(昇降役物500を可動させるための機構等)については上述した第28制御例と同一であるため、詳細な説明を省略する。
図1115は、本第5変形例における傾倒役物600の背面斜視図である。本第5変形例における傾倒役物600は、上述した通り、傾倒役物600の正面視(図1114参照)右側に昇降役物500の凹部500aと嵌合(当接)可能な略球形の凸部材600aが設けられている。凸部材600aは、昇降役物500の凹部500aと当接(嵌合)した状態で昇降役物500が可動した場合に、傾倒役物600の側面600bをスライド変位可能に構成されている。具体的には、側面600bに形成された溝(図示なし)に凸部600aを支えるための突出部(図示なし)を挿通させている。これにより、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接(嵌合)した状態で、昇降役物500を可動させることができる。また、傾倒役物600の凸部材600aには、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部材600aとが当接(嵌合)していない場合に、傾倒役物600の凸部材600aを特定の位置に位置させるための付勢バネ(図示なし)が設けられている。
このように構成することで、傾倒役物600が昇降役物500に向けて回転移動している期間においては、傾倒役物600の凸部材600aを特定の位置に位置させることができるので、昇降役物500が下限位置(原点位置)から昇降中間位置に向けて可動されている期間に凹部500aと凸部材600aとが当接し易くなる演出を実現することができる傾倒役物600の背面側には、上述した第28制御例と同一の構成である第1傾倒駆動ギア601、第2傾倒駆動ギア602、及び傾倒モータ610が設けられている。なお、本第5変形例では、傾倒役物600の凸部材600aを、スライド変位可能に構成したがこれに限るものではない。例えば、傾倒役物600の凸部600aを傾倒役物600の側面600bにおける特定の位置(中央)に固着し、昇降役物500の凹部500aと傾倒役物600の凸部600aとが当接(嵌合)した状態で昇降役物500が可動可能となる(例えば、傾倒役物600の凸部600aが数mm程度、可動できる遊びを有する)ように構成してもよい。このように構成することで、傾倒役物600の凸部600aが意図せず変位すること(例えば、付勢バネの経年劣化等)で、所定のタイミング以外で傾倒役物600が可動されたにも関わらず昇降役物500の凹部500aと当接(嵌合)することを抑制することができる。
以上説明した通り、本第5変形例におけるパチンコ機10では、昇降役物500が下限位置(原点位置)から昇降中間位置まで可動している可動期間において、当該可動期間に当接(嵌合)し易い昇降役物500の所定部(凹部500a)に傾倒役物600が当接した場合に、特定の表示態様(特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである期待度を示す表示態様)を表示させるように構成した。このように構成することで、昇降役物500が可動している期間にも傾倒役物600を当接させることができるので、装飾用可動役物同士が当接する動作パターンを多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第29制御例>
次に、図1116~図1181を参照して、第29制御例のパチンコ機10について説明をする。上述した各制御例では、遊技球が始動口に入賞したことに基づいて特別図柄の変動表示が実行され、特別図柄の変動表示中に始動口への新たな入賞があった場合には、その入賞情報を保留球として記憶し、実行中の特別図柄の変動表示が停止した後に、その保留球に基づく新たな特別図柄の変動表示を開始することで、遊技者にテンポ良く遊技を行わせることが可能であった。しかしながら、遊技者が遊技球を発射しているにもかかわらず始動口への入賞頻度が低い状態が継続した場合には特別図柄抽選の実行回数が少なくなる上に、保留球が途切れ易くなり、特別図柄の変動停止から次の特別図柄変動が開始されるまでの特別図柄の停止表示期間が長くなることで、遊技のテンポが悪くなり遊技者がストレスを感じて遊技を止めてしまう虞があった。
これに対して、本第29制御例では、特別図柄の変動表示中に、特別図柄の1の変動を複数回の特別図柄の変動であるかのように疑似的に見せる変動(疑似変動)を開始し、その疑似変動を特別図柄の変動停止後も3秒間継続して実行可能に構成している。より具体的には、第1図柄表示装置37(主制御装置110(図1127参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる表示装置)における特別図柄の変動表示中に、第3図柄表示装置81(表示制御装置114(図1127参照)によって表示内容が制御される表示装置)において第1図柄表示装置37の特別図柄の変動表示と同期して実行されている第3図柄(特別図柄の変動表示に対応して変動する装飾図柄)の変動表示を仮停止させた後で第3図柄を再変動させて疑似変動を開始する。そして、第1図柄表示装置37における特別図柄の変動表示が終了した時点で保留球が存在せず、新たな特別図柄の変動表示が開始されない場合であっても、第3図柄表示装置81において特別図柄の変動時間経過後から3秒間は第3図柄の変動表示(疑似変動)を継続する。特別図柄の変動時間経過後から3秒経過すると第3図柄を特別図柄の当否判定結果に対応する態様で停止表示する(例えば、外れ当選である場合には、外れ当選であることを示す第3図柄の組み合わせ(所謂、外れ目)で停止表示させる。)。このように、疑似変動が実行されることにより実際の特別図柄抽選の実行回数よりも多くの特別図柄抽選が実行されていると遊技者に思わせることができる上に、特別図柄の変動時間経過後に保留球が存在しない場合(即ち、新たな特別図柄の変動表示が開始されない場合)であっても疑似変動が継続して実行されることで、見た目上は第3図柄の変動が実行されているため、遊技者が認識する特別図柄の変動表示が実行されていない期間の長さを、実際の特別図柄が変動表示されていない期間の長さよりも短縮することが可能となり、遊技者が感じるストレスを緩和することができる。つまり、本第29制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄変動が停止表示されるタイミングを跨ぐように第3図柄の変動表示を継続させるように構成している。このように構成することで、特別図柄変動が実行されていない期間の一部を、第3図柄が変動表示している期間とすることができるため、第3図柄の変動表示を注視している遊技者に対して飽き難い遊技を提供することができる。
また、従来の遊技機では、保留球の当否判定結果を事前判別した結果(所謂、先読み)、大当たり当選する保留球(ターゲット保留)が存在する場合に、ターゲット保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるまでに実行される特別図柄の変動表示において、保留球内に大当たり当選する保留球が存在する可能性が高いことを示唆する演出(所謂、先読み予告演出)を実行するものが知られている。この先読み予告演出が実行されることによって遊技者のターゲット保留に対する期待感を向上させ、それ以前に実行される特別図柄抽選の結果が外れであったとしても、ターゲット保留に基づいて実行されている先読み予告演出の一環であると遊技者に思わせることが可能となり、外れであることが報知されたことによる遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができるものであった。しかしながら、遊技者が遊技球を発射しているにもかかわらず始動口への入賞頻度が低い状態が継続した場合には、保留球が複数個記憶された状態を維持することが困難となり、ターゲット保留を獲得した時点で他に保留球が存在しない場合には、先読み予告演出が実行される間もなくターゲット保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されてしまうため先読み予告演出が実行される頻度が減り、遊技が単調になることで、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう虞があった。
これに対して、本第29制御例では、特別図柄が変動表示されていない期間中に第3図柄表示装置81において疑似変動が実行されている場合に、始動口(第1入球口64)への新たな入賞に基づいて第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始された場合には、第3図柄表示装置81における疑似変動を中断させずに継続し、疑似変動の停止表示態様をその新たな入賞に基づく特別図柄の当否判定結果に対応する態様(例えば、新たな入賞に基づく特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合には、保留球内で大当たり当選する可能性が高いことを示唆する第3図柄の組み合わせ(所謂、チャンス目))で停止表示した後に、変動中の特別図柄に対応する第3図柄の変動表示を開始させる構成としている。このように、疑似変動の停止表示態様を用いて新たに変動が開始された特別図柄の当否判定結果を事前に示唆することが可能であるため、特別図柄の変動表示が実行されていない期間中に始動口への入賞があった場合であっても、先読み予告演出(チャンス目停止表示)を疑似変動を用いて実行することが可能となり、遊技が単調になることを抑制することができる。更に、特別図柄の変動表示が実行されていない期間中に第3図柄表示装置81において疑似変動が実行されている場合に、始動口への新たな入賞に基づいて第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始された場合には、第3図柄表示装置81における疑似変動を中断させずに継続する構成であるため、疑似変動の途中で別の特別図柄の変動表示が開始されることにより遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
また、本第29制御例では、遊技球の始動口への入賞頻度に応じて疑似変動の実行され易さを可変させる構成としている。具体的には、遊技者が遊技球の発射を1分間継続した場合(或いは、遊技球を所定個数(例えば、100個)発射した場合)に始動口(第1入球口64)へ入賞した遊技球数を計測することで入賞頻度を判定し、入賞頻度が低いと判定した場合(例えば、遊技球の発射を1分間継続して第1入球口64に入球した遊技球の数が4個以下である場合)には入賞頻度が高い場合(例えば、遊技球の発射を1分間継続して第1入球口64に入球した遊技球の数が5個以上である場合)に比べて疑似変動を含む演出態様が選択され易い構成としている。このように構成することで、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し易い状態(入賞頻度が低い状態)である場合には、疑似変動を含む演出態様が選択され易くすることができる。また、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し難い状態(入賞頻度が高い状態)である場合には疑似変動に対応する演出態様が選択され難い構成であるため、相対的に疑似変動を含まない演出態様が選択され易くなり、疑似変動を含む演出態様が頻繁に実行されることで演出が単調になり遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、従来の遊技機において、保留球に対応する特別図柄の変動表示が開始される場合に、その保留球に対応する保留図柄を表示装置の実行保留表示領域(実行エリア)に表示し、対応する特別図柄の変動表示が終了すると実行保留表示領域の保留図柄を消去するものが知られている。このような構成では、特別図柄の変動表示が実行されていない期間に疑似変動が実行されていても、実行保留表示領域の保留図柄が特別図柄の変動終了に合わせて消去されることで、特別図柄の変動表示が実行されていない期間であることを遊技者が容易に認識可能となり、疑似変動の演出効果が低下する虞があった。
これに対して、本第29制御例では、疑似変動の実行期間中に特別図柄の変動時間が経過した場合(即ち、第1図柄表示装置37における特別図柄の変動が終了した場合)であっても、第3図柄表示装置81における疑似変動が終了するまでは実行保留表示領域(実行エリア)に表示されている保留図柄を消去させずに、疑似変動が終了するまで継続して表示する構成としている。このように構成することで、実行保留表示領域(実行エリア)の保留図柄の表示状態から特別図柄の変動表示が実行されていない期間に疑似変動が実行されていることを遊技者は認識困難となり、疑似変動の演出効果を向上させることができる。
<第29制御例の盤面構成>
まず、図1116を参照して、本第29制御例のパチンコ機10の盤面構成について説明する。遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジにより固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図1116を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口が配設され、発射された球が流下する領域)である。2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図1324参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図1313の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図1313の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。本第54制御例のパチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に第1特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球がスルーゲート67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる第1特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、第1特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。第1特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常遊技状態(特別図柄の大当たりに当選していない状態)では閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(1の状態を終了させる条件として30秒経過するまで、或いは、1の状態を終了させる別条件として球が9個入賞するまで)開放され、その開放が10回(10ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常遊技状態より多量の賞球の払い出しが行われる。第1特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて所定時間(例えば、3秒~30秒)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。尚、本第29制御例のパチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、スルーゲート67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄抽選で当たり当選した場合には、特別図柄抽選が実行され易くなる当たり遊技(普図当たり遊技)が実行されるように構成している。具体的には、第1入球口64に付設されている電動役物64aが開放し、第1入球口64に球を入球させ易い状態が提供される普図当たり遊技が実行されるように構成している。また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されてから所定時間(例えば、3秒や30秒)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球がスルーゲート67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、スルーゲート67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。各大当たり種別の詳細な説明については、図1131を参照して後述する。「大当たりA」、「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が10ラウンドの特別遊技状態(10R大当たり)となる。しかしながら、「大当たりA」、「大当たりB」では、上述した特別遊技状態に加えて更に付与される大当たり終了後の付加価値がそれぞれ相違する。具体的には、「大当たりA」は、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次回大当たりに当選するまでの間はパチンコ機10が特別図柄の高確率状態へ移行し、普通図柄の当たり確率がアップする(所謂、確変状態)。一方、「大当たりB」は、特別図柄の高確率状態には移行せず、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする(所謂、時短状態)。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態であり、換言すれば、特別遊技状態(10R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(所謂、通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短状態よりも当たり確率が低い状態のことを示す。上述したように、普通図柄抽選で当たり当選した場合には、特別図柄抽選が実行され易くなる当たり遊技(普図当たり遊技)が実行されるように構成している。よって、確変状態と時短状態、即ち、普通図柄の高確率状態が設定されている場合は、それ以外の遊技状態よりも、特別図柄抽選を実行し易い遊技状態となる。さらに、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(動的表示期間)として、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、短い期間が設定され易くなるように構成している。よって、確変状態と時短状態、即ち、普通図柄の高確率状態が設定されている場合は、それ以外の遊技状態よりも、特別図柄抽選を短期間で実行させることができるため、新たな特別図柄抽選を実行し易い遊技状態となる。なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物64aの開放時間や開放回数を増やすといったその他の方法によっても、確変中または時短中に第1入賞口64へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物64aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
なお、上述したように、本第29制御例における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別にかかわらず大当たり時のラウンド数を共通とし、その大当たりの種別に応じて大当たり終了後に設定される遊技状態を変えている。これに対して、大当たりの種別に応じてラウンド数を変えても良い。また、大当たり種別を3つ以上としても良く、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を異ならせたり、第1入球口64に付随する電動役物64a(図1116参照)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物64aを開放する回数を異ならせるものとしても良い。また、本第29制御例では、大当たり終了後から次回大当たりに当選するまでの期間は「確変状態」となるが、大当たり終了後から所定回数(例えば、100回)の特別図柄抽選が終了するまでの期間で「確変状態」設定される構成としても良いし、「確変状態」が終了した後に「時短状態」となるように構成しても良い。このように構成することで、回数限定の確変状態中に大当たり当選できるかどうかを遊技者がドキドキしながら楽しむことができるため、遊技の興趣を向上させることができる。また、本第29制御例では、「大当たりB」の大当たり終了後に特別図柄の抽選が100回終了するまで時短状態が継続する構成としたが、これに限るものではなく、時短状態の継続期間は任意に定めればよい。また、特別図柄の抽選回数に代えて、所定時間(例えば、2分から5分)が経過するまで、普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
本パチンコ機10では、電源の投入により初期設定が行われると、必ず通常状態に設定される。その後、特別図柄の大当たりになると、確変状態、或いは時短状態へ移行する。特別図柄の大当たりになって確変状態へ移行すると、その状態は、その特別図柄の大当たり終了後から次回大当たりに当選するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになって時短状態へ移行すると、その状態は、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになった後、その大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでに、新たに特別図柄の大当たりに当選しないと通常状態に戻る。このように、確変状態は、時短状態に比べて大当たりに当選し易く、普通図柄の当たり確率がアップした状態が長期間継続し易いため、遊技者にとって最も有利な遊技状態である。なお、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物64aが開放され、球が第1入球口64へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態または持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態または持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期待感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
図1116に戻って説明を続ける。遊技領域の正面視右側上部(図1116の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。この第1図柄表示装置37において第1特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本第29制御例においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下または5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の低確率状態または高確率状態、普通図柄の低確率状態または高確率状態)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。また、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示(変動演出)が行われる。第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中および右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本第29制御例では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。
ここで、本第29制御例における第3図柄表示装置81の表示画面の構成について説明する。図1118(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、主表示領域Dmと副表示領域Dsに区分されている。主表示領域Dmは、特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示(変動演出)が行われる表示領域である。主表示領域Dmの中央部には、左、中および右の3つの図柄列が表示され、それぞれの図柄列において第3図柄が変動表示される。第3図柄は「1」から「9」の数字を模した識別情報が付された9種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示(動的表示)されるようになっている。本第29制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図1147参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリールを用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。なお、本第29制御例のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たり遊技が発生するよう構成されている。つまり、第3図柄は、主制御装置110による特別図柄の抽選結果を示すための図柄として第3図柄表示装置81に表示されるものである。
また、この主表示領域Dmでは、通常は、第3図柄の変動表示に合わせて、所定のキャラクタ(例えば、うさぎを模したキャラクタ)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが出現して大当たり抽選の結果を予告する演出(予告演出)が行われる。このように、第3図柄の変動開始から停止表示されるまでの期間は第3図柄の変動表示に合わせて予告演出が実行されるため、遊技者が退屈することを抑制することができる。なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数は適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタの画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。さらに、第3図柄が変動表示される領域を可変させる構成にしてもよく、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面上で特定の演出が実行される場合は、第3図柄の変動表示領域を小さくしたり、変動表示領域を遊技者が視認し難い位置(例えば、表示画面の隅部)へと移動させたりすることで、第3図柄が変動しているか否かを遊技者が分かり難くするようにしてもよい。
主表示領域Dmの正面視右上隅には、保有している保留球数を表示するための小表示領域Dm1aと、特別図柄の変動表示に対応する第4図柄の変動表示を実行するための小表示領域Dm1bと、遊技機の電源投入後(大当たり当選した場合は前回の大当たり当選後)から現在までに実行された特別図柄の変動表示回数を示すための小表示領域Dm2が形成されている。なお、小表示領域Dm2における特別図柄の変動表示回数は、特別図柄の変動表示が終了した時点で更新(1加算)される。
副表示領域Dsは、保留球に対応する保留図柄が表示される表示領域であり、変動表示中の特別図柄に対応する実行保留図柄が表示される実行エリアDs1と、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行(待機中)である球(保留球)の数である保留球数を表示する保留球数表示エリアDs2で構成される(図1118(a)参照)。上述した通り、本第29制御例のパチンコ機10は、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている場合や、当たり遊技が実行されている場合、即ち、新たな特別図柄抽選を実行することができない状態で、球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数が最大4回まで保留される。保留球数表示エリアDs2に対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本第29制御例では、第1入球口64への球の入球に対して記憶される保留球数の最大値が4個に設定されているので、保留球数表示エリアDs2には、保留図柄が最大4個表示される。具体的には、図1118(a)に示した通り、保留球数表示エリアDs2には、保留記憶可能な上限数(4個)に対応した4つの台座m1~m4が左から順に表示されている。そして、特別図柄の保留球を獲得した場合には、4つの台座m1~m4のうち、保留図柄が表示されていない最も若い番号の台座に対して保留図柄が表示される。図1118(a)に示した例では、第1特別図柄の保留球を1つも保留記憶していない状態であるため、保留球数表示エリアDs2には、第1特別図柄の保留球(特図1保留球)に対応した表示態様(白色の丸印)の保留図柄が表示されない。一方、第1特別図柄の保留球を1個保留記憶している状態では、図1121(b)に示すように、第1特別図柄の保留球(特図1保留球)に対応した表示態様(白色の丸印)の保留図柄h1が1つ、第1台座m1に表示される。このように構成することで、保留記憶可能な保留球の上限数が4個であり、現在の保留球数が何個であるかを遊技者が容易に識別することができる。
実行エリアDs1は、現在実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄(実行中保留図柄)が表示される表示領域であって、台座m0に実行中保留図柄h0が表示される。そして、特別図柄の変動表示が終了し、新たな特別図柄変動が開始される場合には、実行エリアDs1に表示されていた実行中保留図柄h0を消去し、保留球数表示エリアDs2の台座m1に表示されていた保留図柄h1が、実行エリアDs1の台座m0へとシフトして表示される。このように構成することにより、例えば、保留球数表示エリアDs2に表示されている保留図柄に対して大当たり当選の期待度を示す予告演出(例えば、保留図柄の表示態様を可変させる演出)を実行した場合に、その予告演出が実行された保留図柄に対応した特別図柄変動が実行されていることを遊技者に容易に判別させることができる。また、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄を表示可能とすることで、保留図柄の表示態様を可変させる演出(保留変化演出)を、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄に対しても実行することができるため、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄が表示されない場合よりも長い間、保留図柄の表示態様が可変されることを期待させながら遊技を行わせることができる。なお、本第29制御例においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4個に限定されるものでなく、3個以下または5個以上の個数(例えば、8個)に設定しても良い。また、保留球数表示エリアDs2における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図1116に戻って説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示したりするものである。より具体的には、第2図柄表示装置83では、球がスルーゲート67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本第29制御例においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物64aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球がスルーゲート67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本第29制御例のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下または5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で第1特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる第1特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常遊技状態(特別図柄の大当たりに当選していない状態)では閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が9個入賞するまで)開放され、その開放が所定回数(例えば、10ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞可能となり、遊技者は多量の賞球を獲得可能となる。なお、図1116に示す通り、第1入球口64は発射された遊技球が可変表示装置ユニット80の左右どちらの遊技領域を流下しても入賞可能な位置に設けられている。このように構成することで、第1入球口64に入賞し易い流路と、入賞し難い流路とを遊技者が見定めて遊技球を発射する方向を選択することが可能となる。この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、10回(10ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常遊技状態より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常遊技状態(特別図柄の大当たりに当選していない状態)では、球が入賞できないかまたは入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常遊技状態の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。なお、本第29制御例における可変入賞装置65の開閉板は、大開放口ソレノイドが駆動されることで閉鎖位置と開放位置とに可動可能であるため、駆動手段が電気的に作動されることで異なる位置へと移動可能な手段と言える。なお、特別遊技状態は、上記した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベルを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整するために多数の釘が植設されているとともに、風車の各種部材(役物)が配設されている。なお、本第29制御例では、特別図柄抽選を実行するための第1入球口64と普通図柄抽選を実行するためのスルーゲート67を設ける構成としたが、これに限るものではなく、第1入球口64とは異なる第2入球口を別に配設する構成とし、第1入球口64への入賞に基づく第1特別図柄抽選と、第2入球口への入賞に基づく第2特別図柄抽選を実行可能に構成しても良い。この場合、第2特別図柄抽選で大当たり当選すると、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも遊技者に有利な特典(例えば、ラウンド数の多い大当たり種別や、大当たり終了後に必ず確変状態が付与されるという特典)が付与される構成とすると良い。このように構成することで、遊技者に変動中の特別図柄の種別に興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
図1117は、本第29制御例のパチンコ機10の遊技盤13の背面側を模式的に示した図である。図1117に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合に使用されるクロックパルス発生回路が、必要に応じて搭載されている。なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニットまたは封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図1127参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図1127参照)部の球詰まりや、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第29制御例における演出内容について>
次に、図1118~図1126を参照して、本第29制御例のパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、疑似変動に合わせて実行される特殊演出と保留演出について説明する。なお、本第29制御例では、特別図柄の変動期間中に仮停止した第3図柄が再変動した後に停止表示されるまでの変動を疑似変動と称する。まず、図1118,図1119および図1123を参照して、保留球が保留記憶されていない状態で疑似変動が開始され、疑似変動の実行期間中に新たな特別図柄の変動表示が開始されなかった場合に第3図柄表示装置81の主表示領域Dmで実行される特殊演出について説明する。なお、説明の順序として、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmで実行される特殊演出の流れを一通り説明した後、副表示領域Dsで実行される保留演出の流れについて説明する。図1123は、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定された特別図柄の変動(以下、1回目の特図変動)停止時に保留球が記憶されておらず、疑似変動が終了するまでの期間に新たな特別図柄の変動(以下、2回目の特図変動)が開始されなかった場合(即ち、始動口(第1入球口64)に新たな入賞がなかった場合)の特別図柄の変動状態と、疑似変動中に実行される特殊演出との関係を示したタイミングチャートである。「特別図柄」の項目は、第1図柄表示装置37における特別図柄の変動状態の推移を示しており、「演出態様」の項目は、第3得柄表示装置81において実行される演出態様の推移を示している。
図1123に示す例では、1回目の特別図柄の変動パターンとして変動時間が17秒で疑似変動ありの表示用変動パターンが設定されている。第1図柄表示装置37において1回目の特別図柄の変動表示が開始されると、第3図柄表示装置81では「通常演出」が実行される。この「通常演出」とは、第3図柄(特別図柄の変動表示に対応して変動する装飾図柄)の変動表示および変動中の特別図柄の当否判定結果を示唆するための予告演出のことを指す。また、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定されたことに基づき、音声ランプ制御装置113において疑似変動待機フラグ223drがオンに設定される。この疑似変動待機フラグ223drは、疑似変動の実行が待機していることを示すためのフラグである。本第29制御例では、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定された場合、その変動の変動時間内で2回の特図変動が実行されたように見せるために、通常演出を開始した後の所定のタイミング(本第29制御例では、通常演出の開始から12秒経過後)で第3図柄を仮停止させ、疑似変動を開始させる構成としている。より具体的には、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定された場合、音声ランプ制御装置113において疑似変動開始タイマ223dqに疑似変動が開始されるまでの待機時間である12秒に対応するカウンタ値が設定され、疑似変動待機フラグ223drがオンに設定される(図1167のS2457D参照)。疑似変動開始タイマ223dpは、疑似変動が開始されるまでの残時間を計測するカウンタであり、疑似変動待機フラグ223drがオンに設定されている間は、特別図柄変動の経過に合わせて、疑似変動開始タイマ223dqのカウンタ値を減算する処理が実行される(図1160のS2233D参照)。そして、疑似変動開始タイマ223dqの値が0になった場合に、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を仮停止させ、疑似変動を開始する。なお、疑似変動開始タイマ223dpのカウンタ値が0になった場合(即ち、疑似変動が開始される場合)に、疑似変動実行フラグ223dgがオンに設定され、疑似変動待機フラグ223drはオフに設定される(図1154のS2802D,S2803D参照)。この疑似変動実行フラグ223dgは、疑似変動が実行中であることを示すためのフラグであり、疑似変動が開始される場合にオンに設定され、疑似変動が終了する場合にオフに設定される。また、変動開始待機フラグ223dnは、疑似変動が実行されている場合に、第1図柄表示装置37において新たな特別図柄変動が開始されても、その特別図柄変動に対応する第3図柄表示装置81における第3図柄の変動開始を疑似変動終了まで待機させていることを示すためのフラグである。特別図柄の変動開始から12秒経過すると通常演出を終了させ、図1118(a)に示すように、変動表示している第3図柄を仮停止させる。合わせて、疑似変動待機フラグ223drがオフに設定され、疑似変動実行フラグ223dgがオンに設定される。
ここで、図1118(a)を参照して、第3図柄が仮停止した場合に第3図柄表示装置81に表示される演出内容について説明する。図1118(a)は、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の変動表示が仮停止した場合の表示画面の一例を示した図である。通常演出が開始されると、第3図柄が図柄の種別を識別可能な速度で変動され(以下、低速変動)、その後、図柄の種別を識別困難な速度で変動される(以下、高速変動)。そして、変動開始から12秒経過した時点で、図1118(a)に示すように、「246」の表示態様で仮停止される。この「246」という第3図柄の組み合わせは、特別図柄の大当たり抽選の結果が外れであることを示す場合に表示される表示態様の1つである。この仮停止表示態様は、「246」の組み合わせに限るものではなく、特別図柄の変動表示が開始される場合に表示する数字図柄の組み合わせがランダムに設定される。なお、仮停止表示態様として設定される数字図柄の組み合わせには、大当たり当選であることを報知する表示態様(3つの第3図柄が同一の数字図柄で構成された組み合わせ(例えば、「777」))が含まれない構成としている。このように構成することで、大当たり当選していない変動にもかかわらず、仮停止表示態様として大当たり当選であることを報知する表示態様が表示されてしまうという不具合を生じさせないようにすることができる。なお、本第29制御例では、仮停止表示態様として表示される第3図柄を、通常の停止表示態様として表示される第3図柄と同様の表示態様で表示する構成としたが、これに限るものではない。通常の停止表示態様として表示される第3図柄と、仮停止表示態様として表示される第3図柄の表示態様を異ならせる構成としても良い。例えば、数字図柄の代わりに「ミッション」と表示された疑似図柄をそれぞれの図柄列に表示させる構成としても良い。このように構成することで、外れであることを報知する表示態様を遊技者に見せる機会を減少させることが可能となる。或いは、表示画面を複数の画層(レイヤー)で構成し、第3図柄が表示されるレイヤーと疑似図柄が表示されるレイヤーを異ならせる構成としても良い。このように構成する場合、疑似図柄を表示するレイヤーを第3図柄が表示されるレイヤーよりも前面側に配置し、疑似図柄が表示されるレイヤーの透過率を可変させることで疑似図柄の変動表示中は第3図柄が遊技者から視認できない状態とすると良い。このように構成することで、疑似変動の実行中も第3図柄の変動表示を疑似変動の裏で実行することが可能となり、疑似変動終了後の特別図柄の残変動時間に合わせて第3図柄変動を実行するための複雑な制御を行う必要がなくなる。なお、図1118(a)に示す通り、主表示領域Dmにおいて第3図柄が仮停止しても、第1図柄表示装置37における特別図柄の変動表示(LED37aの点滅表示)は継続して実行され、主表示領域Dmの正面視右上隅に形成されている小表示領域Dm1bにおいて第4図柄の変動表示は継続して実行される。このように、第1図柄表示装置37では特別図柄の変動表示が継続していても、第3図柄表示装置81では第3図柄が停止した状態となることで、遊技者に特別図柄の変動が終了したと思わせることができる。そして、詳細は後述するが、仮停止した第3図柄が再変動を開始することで、あたかも新たな特別図柄の変動が開始されたと思わせることが可能となり、実際の特別図柄抽選の実行回数よりも多い回数の特別図柄抽選が実行されていると思わせることができる。
図1123に戻って説明を続ける。第3図柄表示装置81において第3図柄が仮停止した後、仮停止した第3図柄が再変動を開始する。そして、疑似変動の実行期間中は、通常演出とは異なる特殊演出が実行される。本第29制御例では特殊演出として、導入演出、結果報知演出、書き換え演出の3つの演出で構成されたミッション演出が実行される。導入演出は、1回目の特図の変動中に疑似変動を開始してから1回目の特図が停止するまでの期間で実行される演出であり、主にミッション演出の開始を案内するための演出である。
ここで、図1118(b)を参照して、導入演出の演出内容について説明する。図1118(b)は、特殊演出の導入演出開始時の表示画面の一例を示した図である。主表示領域Dmにおいて第3図柄が仮停止された後(図1118(a)参照)、仮停止された第3図柄に重なってミッションアイコンAk1が表示され、主表示領域Dmの中央部に表示されている第3図柄の上部に「ミッション開始、図柄を変えろ」という特殊演出に関する演出情報を案内する案内態様を表示するための表示領域HR1が形成される。このミッションアイコンAk1は、疑似変動中に実行される特殊演出である「ミッション演出」が開始されることを報知するための態様である。このように、ミッションアイコンAk1と、表示領域HR1に演出情報が表示されることで、これからミッション演出が開始されることを遊技者に分かり易く報知することができる。また、図1118(b)に示すように、ミッションアイコンAk1は、第3図柄の大きさよりも小さく設定されており、背面側の第3図柄の一部が視認可能に構成されている。このように、第3図柄を完全に隠さずに一部分のみを隠すように表示し、遊技者にミッション演出の開始を報知した後に第3図柄の再変動が開始されるため、今回の第3図柄の外れ目での停止が先読み予告演出の一環であると遊技者に思わせることが可能となる。これにより、先読み予告演出の対象となる特別図柄変動に対する期待感を向上させることが可能となり、外れ当選が報知されたことによる遊技者の遊技意欲の低下を緩和することができる。なお、本第29制御例では、ミッションアイコンAk1が3つの第3図柄の前面側に表示される構成としたが、これに限るものではなく、仮停止している第3図柄を用いた演出が開始されることを遊技者が認識できる態様であれば良い。例えば、一部の第3図柄(例えば、中央列の第3図柄)にのみ重なるように表示しても良い。
ここで、本第29制御例において実行されるミッション演出の概要について説明する。ミッション演出では、再変動を開始した第3図柄の停止表示態様が仮停止時の停止表示態様と異なる態様となればミッション成功となり、保留球内で大当たり当選する可能性が高いことを示唆する(図1120(b)参照)。一方、再変動を開始した第3図柄の停止表示態様が仮停止時の停止表示態様と同一の態様となればミッション失敗となり、保留球内で大当たり当選する可能性が低いことを示唆する(図1119(b)参照)。ミッション演出が開始されると主表示領域Dmの正面視左上にミッション演出の残演出時間を遊技者に報知するための報知態様が表示される小表示領域Dm3が形成される。図1118(b)に示す例では、小表示領域Dm3に「残り8秒」と表示されている。従って、この場合、ミッション演出の残演出時間が8秒であることを示している。この残演出時間は、疑似変動の経過(後述する疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値の更新)に合わせて減算されていき、小表示領域Dm3の表示が「残り0秒」となった場合に、主表示領域Dmの中央部に第3図柄が停止表示される。なお、第1図柄表示装置37aにおける特別図柄の変動表示は後述する特別図柄変動時間タイマ203djのタイマ値に同期して実行されるため、小表示領域Dm3に表示される疑似変動の残り変動時間は特別図柄の変動時間とは連動していない。なお、導入演出開始時に表示される「8秒」という数字は、本第29制御例におけるミッション演出の最短の演出時間である。具体的には、本第29制御例では、特別図柄の変動パターンとして17秒変動である変動パターン(完全外れA、またはロングリーチ)が設定された場合の一部で疑似変動が実行される構成である。図1123に示すように、疑似変動ありの17秒の表示用変動パターンが設定された特別図柄変動(1回目の特図変動)の開始から12秒が経過すると第3図柄が仮停止し、疑似変動が開始される。そして、疑似変動の開始に合わせてミッション演出の導入演出が開始される。つまり、導入演出が開始された時点で、1回目の特図変動の残変動時間は5秒となる。その後、1回目の特図変動が停止した後に2回目の特図変動が開始されなかった場合には、1回目の特図変動停止から3秒間疑似変動が継続し、1回目の特図変動が停止した時点で導入演出から3秒間の結果報知演出に切り替わる。なお、1回目の特図変動が停止した後に、2回目の特図変動が開始される場合には、図1142(b)に示すように、2回目の特図変動の変動パターン種別に応じて結果報知演出が設定される。詳細な説明は図1142(b)を参照して後述するが、この結果報知演出は演出時間が異なる複数の演出態様の中から1の演出態様が設定されるものであり、最短の演出時間は3秒である。よって、ミッション演出の導入演出(5秒)と結果報知演出(最短3秒)の合計演出時間は最短で8秒となる。なお、この場合、同一の演出時間で形成される複数種類の演出態様のうち、1の演出態様を遊技者が選択可能に構成しても良く、さらに、所定条件(大当たり変動中等)が成立している場合のみ選択可能な複合演出の種別を設けても良い。加えて、操作手段に対して異なる操作を実行することで異なるステージ種別を選択可能に構成しても良い。
ここで、本第29制御例では、特別図柄の変動時間をその特別図柄の変動開始時点での保留球数に応じて設定する構成としている。詳細な説明は図1132~図1135を参照して後述するが、当否判定結果が外れである場合に、保留球数が0個の場合には17秒の変動時間が設定されるが、保留球数が3個の場合には3秒の変動時間が設定される(図1134(b)参照)。このように、保留球数が少ない場合には長い変動時間が設定されるため、特別図柄の変動中に新たな保留球を獲得し易くすることができる。また、保留球を多く獲得することで特別図柄の変動時間が短くなるので、遊技者が効率よく遊技を行うことが可能となる。このような構成であるため、ミッション演出が開始された時点で保留球が存在していたとしても、ミッション演出の開始からその保留球に基づく特別図柄の変動が開始されるまでの5秒間で保留球数が可変することにより変動時間が変わる可能性があることから、ミッション演出の開始時点では正確な演出時間を設定することができない。このため、ミッション演出開始時には導入演出と結果報知演出の最短の合計演出時間を報知し、結果報知演出の演出時間が決定された場合(即ち、2回目の特図変動の変動時間が決定された場合)に表示されている残演出時間に延長分の数値を加算することで、報知されていた残演出時間よりも早くミッション演出が終了してしまうといった演出上の矛盾が発生しないように構成している。また、本第29制御例では、ミッション演出の演出時間が延長されると、延長後の演出時間に合わせて疑似変動の変動時間も延長される。従って、ミッション演出の演出時間と疑似変動の変動時間は同一となる。なお、本第29制御例では、ミッション演出の演出時間と疑似変動の変動時間が同一となるように構成したが、完全に一致している必要は無く、ミッション演出の終了時期と疑似変動の変動停止時期が遊技者から見て同一であるように見えるように設定すれば良い。また、図1118(b)に示すように、導入演出が開始される前(第3図柄が仮停止した時)に主表示領域Dmの正面視右上隅に形成されている小表示領域Dm2における特別図柄の変動表示回数が更新される。本第29制御例では、通常、特別図柄の変動表示終了時に小表示領域Dm2における特別図柄の変動表示回数の更新を実行する構成であるが、疑似変動が実行される場合には、疑似変動開始時に変動表示回数の更新を前倒しで実行し、その特別図柄の変動停止時には変動表示回数の更新を実行しない構成としている。このように構成することで、疑似変動の実行中に小表示領域Dm2における特別図柄の変動表示回数が更新されることにより、遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
図1123に戻って説明を続ける。疑似変動の開始から5秒経過すると、特別図柄の変動時間が経過したことに基づき第1図柄表示装置37において特別図柄が停止表示される。一方、第3図柄表示装置81では、疑似変動が継続して実行され、特殊演出(ミッション演出)の導入演出が終了し、結果報知演出が開始される。結果報知演出は、1回目の特図変動が停止してから所定の演出時間で実行される演出であり、図1119(b)に示す通り、演出時間の経過に合わせて特図の当否判定結果に基づく第3図柄の表示態様が停止表示される演出が実行される。結果報知演出の終了時に停止表示される第3図柄の表示態様は、1回目の特図変動の停止時に保留球が存在しなければ1回目の特図変動の当否判定結果に対応する表示態様を停止表示し、1回目の特図変動の停止時に保留球が存在する場合には2回目の特図変動の当否判定結果に対応する表示態様を停止表示する。
ここで、図1119を参照して、保留球が0個の場合に実行される結果報知演出の演出内容について説明する。図1119(a)は、保留球が0個の状態で特別図柄の変動時間が経過し、結果報知演出の演出態様の1つである結果報知演出Gが開始された時点における第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した図である。結果報知演出Gとは、演出時間が3秒で、特別図柄の変動停止から3秒経過すると外れを示す第3図柄の表示態様を表示する演出態様である。この結果報知演出Gは、1回目の特図の変動停止時に保留球が存在せず、2回目の特図変動の変動が開始されない場合に設定される。なお、結果報知演出の各演出態様の詳細な説明は、図1144(b)を参照して後述する。
図1119(a)に示すように、特別図柄の変動時間が経過したことに基づいて、第1図柄表示装置37では、特別図柄の変動表示が停止した状態(LED37aが点滅していない状態)となる。一方、第3図柄表示装置81では、特殊演出(ミッション演出)の導入演出が終了し、結果報知演出が開始される時点では、主表示領域Dmにおける第3図柄の高速変動が停止することなく変動したままの状態が継続する。即ち、所定の図柄が変動表示されている期間中に表示され、且つ、所定の図柄の変動表示が終了した後も継続して特定の図柄が表示される。また、表示領域HR1では、「ミッション中」というミッション演出が継続していることを報知するための報知態様が表示される。表示領域HR1に表示される報知態様は、結果報知演出が開始された時点で、図1118(b)に示す「ミッション開始、図柄を変えろ」という報知態様から、「ミッション中」という報知態様に可変する。また、ミッション演出の開始から5秒経過した状態であるため、小表示領域Dm3に表示される報知態様の表示が更新され、「残り3秒」と表示される。このように、第1図柄表示装置37では特別図柄の変動が停止している状態であるにもかかわらず、第3図柄表示装置81ではミッション演出が継続して実行されるため、実際には特別図柄の変動表示が実行されていなくても、遊技者目線では特別図柄の変動が継続して実行されているかのように見える。これにより、遊技者に特別図柄の変動表示が実行されていないことを気付かせ難くすることができる。
図1123に戻って説明を続ける。第1図柄表示装置37における特別図柄の変動停止から(即ち、結果報知演出Gの開始から)3秒が経過すると、図1119(b)に示すように結果報知演出が終了し第3図柄表示装置81において第3図柄が停止表示される。図1123の例では、疑似変動中に2回目の特図変動が開始されなかったことから、結果報知演出終了後は、第3図柄表示装置81においても第3図柄が1回目の特図変動の当否判定結果を示す表示態様で停止表示されたままとなる。なお、結果報知演出が終了した時点で疑似変動実行フラグ223dgがオフに設定される。
ここで、図1119(b)を参照して、結果報知演出終了時の演出内容について説明する。図1119(b)は、結果報知演出G終了時の第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した図である。主表示領域Dmにおいて第3図柄がミッション演出開始時と同じ表示態様で停止表示され、それに合わせて表示領域HR1に表示される報知態様が、「ミッション失敗」というミッション演出が失敗したことを案内する案内態様に切り替わる。また、小表示領域Dm3に表示される報知態様の表示がミッション演出の演出時間が経過したことを示す「残り0秒」という表示に更新される。このように構成することで、ミッション演出が終了したことを遊技者に分かり易く報知することができる。また、ミッション演出開始時点で表示されていた第3図柄と同一の表示態様の第3図柄が停止表示されることで、図柄を変えるというミッションが失敗したことを遊技者に認識させることができる。小表示領域Dm3と表示領域HR1は、疑似変動の終了後から5秒が経過した場合、または新たな特別図柄の変動表示が開始された場合に非表示となり、疑似変動の終了から15秒が経過しても新たな特別図柄の変動表示が開始されなかった場合には客待ち演出(デモ演出)が実行される。一方、主表示領域Dmに停止表示されている第3図柄は、疑似変動の終了から5秒が経過しても継続して表示され、新たな特別図柄の変動表示が開始されるまで停止表示された状態が維持される。なお、デモ演出が実行されている期間は一時的に非表示状態となる。なお、小表示領域Dm3と表示領域HR1が非表示となるまでの期間は任意に設定すれば良く、疑似変動終了から4秒以下で設定しても良いし、6秒以上で設定しても良い。
次に、保留球が保留記憶されていない状態で疑似変動が開始され、疑似変動の実行期間中に新たな特別図柄の変動表示が開始されなかった場合に第3図柄表示装置81の副表示領域Dsにおいて実行される保留演出について説明する。図1118(a)に示す副表示領域Dsは、疑似変動が開始される前の状態である。上述したように、主表示領域Dmの下部に形成されている副表示領域Dsは、変動表示中の特別図柄に対応する実行中保留図柄h0を表示するための実行エリアDs1と、記憶されている保留球数に対応する保留図柄を表示するための保留球数表示エリアDs2で構成されている。図1118(a)に示す例では、保留球数表示エリアDs2の保留記憶可能な上限数(4個)に対応した4つの台座m1~m4に保留図柄が1つも表示されていないため、保留球が0個であることを示している。なお、特別図柄の変動表示が実行されているため、実行エリアDs1の台座m0には実行中保留図柄h0が表示されている。この実行中保留図柄h0は、実行中の特別図柄の変動表示が終了した場合に消去され、新たな特別図柄変動が開始される場合には、保留球数表示エリアDs2の第1台座m1に表示されていた保留図柄h1が、実行エリアDs1の実行中台座m0へとシフトして表示される。このように構成することにより、例えば、保留球数表示エリアDs2に表示されている保留図柄に対して大当たり当選の期待度を示す予告演出(例えば、保留図柄の表示態様(例えば、色や形状)を可変させる演出)を実行した場合に、その予告演出が実行された保留図柄に対応した特別図柄変動が実行されていることを遊技者に容易に判別させることができる。
疑似変動が開始されると、副表示領域Dsの実行エリアDs1に表示されている実行中保留図柄h0を疑似的に消去した後、爆弾を模した特殊な保留図柄である疑似保留図柄を新たに表示する。図1118(b)は、実行エリアDs1に疑似保留図柄th0aを新たに表示した状態を示している。このように、疑似変動開始時に実行エリアDs1から実行中保留h0を疑似的に消去した後に疑似保留図柄th0aを新たに表示させることで、主表示領域Dmにおける第3図柄の変動が疑似変動であることを遊技者に気付かれ難くすることができる。この疑似保留図柄は、実行中の特別図柄の変動種別と、先読みした保留球の変動種別を示唆するものである。より具体的には、実行中の特別図柄の変動種別が外れに対応する変動種別であり、その特別図柄の停止後に変動が実行される保留球を先読みした結果が「完全外れ」(リーチ状態とならない外れ種別)である場合、或いは保留球が存在しない場合には、大当たり当選である可能性が低いことを示唆する態様である「?」と表示されたノーマル疑似保留図柄th0aが表示される。一方、実行中の特別図柄の変動種別が大当たりに対応する変動種別である場合、または先読みした保留球の変動種別が「完全外れ」ではない(即ち、少なくともリーチが発生する変動種別である)場合には、少なくともリーチ演出が発生することを示唆する態様である「!」と表示されたチャンス疑似保留図柄th0c(図1121(a)参照)が表示される。このように構成することで、遊技者に疑似保留図柄の表示態様から特別図柄の当否判定結果を推測する楽しみを提供することが可能となり、疑似保留図柄の表示態様に興味を持たせることができる。この疑似保留図柄は、疑似変動開始から疑似変動終了まで継続して表示される。つまり、疑似変動中に1回目の特図変動が終了しても実行エリアDs1から消去されず、特別図柄の変動表示が実行されていない期間となっても(或いは、2回目の特図変動が開始されても)引き続き実行エリアDs1に継続して表示される。このように構成することで、実行エリアDs1に保留図柄が表示されているか否かによって、特別図柄の変動表示が実行されていない期間に疑似変動が実行されていることを遊技者に気付かれ難くすることができ、遊技者に特別図柄の変動表示が実行されていない期間であることを気付かせないという疑似変動の演出効果を向上させることができる。なお、図1118(b)に示すように、疑似変動が開始されると、保留球数表示エリアDs2が「爆弾保留が爆発すると・・・」という保留演出に関連する演出情報を案内する案内態様が表示されたシャッターによって覆われ、保留図柄の代わりに疑似保留図柄th0の一部である導火線duが表示される。
ここで、通常は特別図柄が停止表示されると実行エリアDs1に表示されている実行中保留図柄h0(図1118(a)参照)が消去され、保留球が存在する場合には、保留球数表示エリアDs2の第1台座m1に表示されている保留図柄が実行エリアDs1の実行中台座m0にシフトして表示される。しかしながら、疑似変動の途中で1回目の特図変動が終了し、2回目の特図変動が開始されたことに基づいて保留球数表示エリアDs2の第1台座m1に表示されていた保留図柄を実行エリアDs1の台座m0にシフトさせると、第3図柄が変動表示されているにもかかわらず保留図柄がシフトされたことになり、遊技者に違和感を与える虞がある。また、保留球数が可変しても疑似変動が終了するまでは保留図柄をシフトさせない構成とすると、実際の保留球数と、保留球表示エリアDs2に表示されている保留図柄の数に差が生じ、例えば、実際の保留球数は3個であるにもかかわらず、保留球数表示エリアDs2には保留図柄が上限の4つ表示されている場合に、遊技者は保留球が上限に達したと勘違いし、遊技球の発射を一時停止させてしまう虞がある。更に、疑似変動の終了と、2回目の特図変動の変動終了が同時であった場合には、実際の保留球数よりも表示されている保留図柄の方が多くなってしまい、保留図柄があるのに特別図柄の変動が開始されないという不具合が生じる虞がある。
これに対して、本第29制御例では、上述したように疑似変動中は保留図柄に代えて導火線duを表示することにより遊技者が保留球数を認識し難くなるため、疑似変動中に第1台座m1から台座m0に保留図柄がシフトすることで遊技者に違和感を与えることを抑制し、更に実際の保留球数と、表示されている保留図柄の数に差が生じることによる不具合を防ぐことができる。また、導火線duを用いた保留演出が保留球数表示エリアDs2において実行されることにより、遊技者の興味を保留演出に向けることが可能となり、保留演出の実行中は保留球数に対する遊技者の興味を薄れさせ、保留球数表示エリアDs2に保留図柄が表示されていないことに対する違和感を緩和させることができる。保留演出では、図1118(b)に示す導火線duの右端に表示されている火Hi1が、疑似変動終了までに爆弾保留(即ち、疑似保留図柄th0a)に到達するか否かを見せる演出が実行される。火Hi1が爆弾保留に到達すると、爆弾保留が爆発して保留球内での大当たり当選期待度を示唆する特殊保留図柄に可変する。
保留球数表示エリアDs2では、疑似変動が開始されると、図1118(b)に示すように、上述したシャッターが表示された後、実行エリアDs1に疑似保留図柄th0aが表示されたことに合わせて疑似保留図柄th0に繋がる導火線duが燃えている状態で表示される。この導火線duの残りの長さは疑似保留図柄th0aが爆発する(可変する)演出が実行されるまでの保留演出の残り期間を示しており、疑似変動の残変動時間(即ち、小表示領域Dm3に表示される残り時間)と同期して火Hi1が導火線duを爆弾保留に向かって進行することで導火線duが短くなっていく。図1118(b)に示す導火線duは疑似変動開始時点での状態であり、爆弾保留が爆発する場合には、疑似変動の残変動時間(小表示領域Dm3に表示される残り時間)が0秒となった時点で火Hi1が爆弾保留に到達した状態となり、爆弾保留が爆発する演出が実行される。図1119(a)に示す導火線duは、疑似変動の開始から5秒経過した時点での状態である。なお、疑似変動開始時点での導火線duの長さは一定である。なお、上述したように第1図柄表示装置37aにおける特別図柄の変動表示は後述する特別図柄変動時間タイマ203djのタイマ値に同期して実行されるため、小表示領域Dm3に表示される疑似変動の残り変動時間は特別図柄の変動時間とは連動していない。この保留演出では、火Hi1が燃えている間は保留演出が進行中であることを示し、火Hi1が消えることで保留演出の進行が停止していることを示している。
保留演出の開始から爆弾保留が爆発するまでの表示シナリオは、実行中のミッション演出の演出態様に対応して設定される(図1144参照)。各表示シナリオの詳細な説明は図1144を参照して後述するが、簡単に説明すると、特別図柄の当否判定結果が大当たり当選であることに対応する結果報知演出が設定された場合には、疑似変動終了前に火Hi1が爆弾保留に到達し、爆弾保留が爆発するシナリオが設定される。一方、特別図柄の当否判定結果が外れであることに対応するミッション演出の結果報知演出が設定されている場合には、図1119(b)に示すように、火Hi1が分岐地点Pt1に到達した時点で消火し、爆弾保留に到達しない。なお、疑似変動開始から結果報知演出の演出態様が設定されるまでの期間(即ち、導入演出が実行されている期間)は、保留球の有無、特別図柄の当否判定結果にかかわらず一定の進行速度で火Hi1が導火線duを爆弾保留に向かって進む初期表示シナリオが設定され、結果報知演出の演出態様が設定された時点でその結果報知演出に対応する表示シナリオが決定され、火Hi1の進行速度が可変する。
分岐地点Pt1は、疑似変動の残変動時間が残り2秒になった場合に火Hi1が表示される位置である。上述したように、本第29制御例では、特別図柄の変動パターン(変動時間)によって設定される結果報知演出の演出時間が異なり、それに合わせて疑似変動の変動時間も可変する構成である。また、詳細な説明は後述するが、大当たり当選である場合に選択される変動パターンの変動時間は最短でも12秒であるのに対し、外れ当選である場合に選択される変動パターンの変動時間は最短3秒であり、変動時間が短い方が大当たり当選の期待度が低くなる。そして、特別図柄の変動時間が長い方が演出時間の長い結果報知演出が設定され易いため、大当たり当選する期待度が高い場合には、外れ当選である場合に比べて火Hi1が分岐地点Pt1に到達するまでに多くの時間を要することになる。つまり、大当たり当選する期待度が高い場合には導火線duを火Hi1が爆弾保留に向かって進む進行速度が遅く、外れ当選である場合には導火線duを火Hi1が爆弾保留に向かって進む進行速度が速くなる。従って、火Hi1の進行速度が遅い程、分岐地点Pt1到達時に火Hi1が消火され難く、爆弾保留が爆発し易くなる。このように、火Hi1の進行速度によっても遊技者は当否判定結果を予測することが可能である構成であり、火Hi1の進行速度が保留演出の開始から所定時間(5秒)経過したところで可変する構成であるため、保留演出が開始された時点では疑似保留図柄(爆弾保留)の表示態様に興味を持たせ、保留演出の中盤では火Hi1の進行速度に興味を持たせ、保留演出の終了直前には火Hi1が分岐地点Pt1を越えて爆弾保留に到達できるか否かに興味を持たせることにより、遊技者の保留演出に対する興味を保留演出終了まで持続させることができる。なお、本第29制御例では、変動表示中の特別図柄に対応する保留球と、第1保留エリアに格納されている保留球の変動種別に基づいて疑似保留図柄th0の表示態様を設定する構成としたが、これに限るものではなく、保留記憶されている全ての保留球の情報(例えば、大当たり当選の保留球の有無(複数ある場合は個数も)、保留球数)に基づいて疑似保留図柄th0の表示態様を設定しても良い。具体的な例としては、保留球数に応じて疑似保留図柄th0の大きさを異ならせても良いし(例えば、保留球数が多くなればなるほど大きい疑似保留図柄th0が表示される、或いは小さい疑似保留図柄th0が表示される)、導火線duの長さを異ならせても良いし(例えば、保留球数が多くなればなるほど保留演出開始時に表示される導火線duの長さが長くなる、或いは短くなる)、火Hi1の大きさを異ならせても良いし(例えば、保留球数が多くなればなるほど大きい火Hi1が表示される、或いは小さい火Hi1が表示される)、爆弾保留が爆発した場合の表示態様を異ならせても良い。または、保留球内に大当たり当選する保留球が存在するか否かに基づいて疑似保留図柄th0の表示態様を設定しても良い。
次に、図1120および図1125を参照して、特別図柄の変動表示が実行されていない期間に疑似変動が継続している場合に、始動口(第1入球口64)への新たな入賞により第1図柄表示装置37において新たな特別図柄の変動表示(2回目の特図変動)が開始された場合に、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて実行される特殊演出の内容について説明する。図1125は、特別図柄の変動表示が実行されていない期間に始動口(第1入球口64)への入賞があった場合の特別図柄変動と特殊演出(ミッション演出)との関係を模式的に示した図である。図1123で説明した例と相違する点は、結果報知演出の途中で始動口(第1入球口64)への入賞に基づいて第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始される点と、第3図柄表示装置81において結果報知演出終了後に書き換え演出が実行される点である。
図1125に示す例では、図1123で示した例と同様に、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)停止時に保留球が存在しなかったため、1回目の特図変動停止から3秒間疑似変動が継続し、保留球が存在しない場合に設定される結果報知演出Gの演出態様が設定される。そして、結果報知演出Gの終了1秒前に遊技球が始動口(第1入球口64)に入賞し、第1図柄表示装置37では2回目の特図変動が開始される。この場合、第3図柄表示装置81では結果報知演出Gが継続して実行され、結果報知演出Gの演出時間が経過すると、図1119(b)に示す結果報知演出G終了時の表示画面を表示させる。なお、新たな入賞があった時点で、音声ランプ制御装置113では、第3図柄表示装置81における2回目の特図変動に対応する第3図柄の変動表示を待機させる制御が実行され、変動開始待機フラグ223dnがオンに設定される。
ここで、図1120(a)を参照して書き換え演出開始時の演出内容について説明する。図1120(a)は、長書き換え演出A開始時の表示画面の一例を示した図である。結果報知演出Gの演出時間が経過し、結果報知演出Gの終了画面が表示された後、主表示領域Dmでは、図1120(a)に示すように、新たな入賞情報によって既に実行されている演出を変容させる演出である長書き換え演出Aが開始される。書き換え演出は、特別図柄が変動表示されていない期間中に実行されている結果報知演出の途中で2回目の特図変動が開始された場合に、実行中の結果報知演出が終了した後で追加して実行される演出であり、図1120(a)および(b)に示す通り、結果報知演出終了時に停止表示された第3図柄の表示態様を、2回目の特図変動の当否判定結果に対応する表示態様に上書きする演出が実行される。なお、特別図柄が変動表示されていない期間に実行されている結果報知演出の途中で2回目の特図変動が開始されなかった場合には、書き換え演出は実行されない。
ここで、本第29制御例では、特別図柄の変動表示が実行されていない期間に結果報知演出が実行されており、その結果報知演出の途中で新たな特別図柄の変動表示が開始された場合であっても、実行中の結果報知演出を中断してその特別図柄の変動表示に対応する演出を開始するのではなく、結果報知演出の演出期間が経過した後にその特別図柄の変動表示に対応する書き換え演出を実行する構成とし結果報知演出が不自然なタイミングで終了して新たな演出が開始されないように構成している。これにより、遊技者に対して違和感を与えることを抑制することができる。なお、詳細な説明は図1143を参照して後述するが、「長書き換え演出A」とは、特別図柄の変動パターン種別が「当たりショートリーチ」であり、疑似変動の残変動時間が1秒以下である場合に設定される演出時間が3秒の書き換え演出の演出態様であり、結果報知演出G終了時に停止表示された第3図柄を、うさぎを模したキャラクタ801が大当たり当選の可能性が高いことを示唆する第3図柄の表示態様に上書きする演出である。なお、「書き換え演出A」には、演出時間が異なる「短書き換え演出A」、「中書き換え演出A」、「長書き換え演出A」があり、それぞれの書き換え演出Aでは、キャラクタ801がスプレーを使って第3図柄を完全に書き換え終了するまでの時間が異なっているのみで、何れの書き換え演出Aが設定された場合であっても最終的に表示される第3図柄の表示態様は同一である。どの書き換え演出Aが設定されるかは結果報知演出の途中で2回目の特図変動が開始されたタイミングに応じて決定する。このように構成することで、2回目の特図変動の変動時間内で実行される残りの結果報知演出の演出時間が2回目の特図変動の開始タイミングによってまちまちであっても、書き換え演出によって帳尻を合わせることが可能となり、2回目の特図変動における特殊演出に割り当てる演出時間を一定にすることができる。
図1120(a)に示すように、表示領域HR1には「上書きチャンス発生!ミッション継続!」というミッション演出が継続することを報知するための報知態様が表示され、キャラクタ801がスプレーを使って停止表示されている第3図柄を上書きする演出が実行される。また、小表示領域Dm3の下部には「+3」というミッション演出の演出時間が追加(延長)されたことを示す態様が表示され、その態様に対応して小表示領域Dm3に表示されている報知態様が「残り0秒」から「残り3秒」に更新される。このように構成することで、結果報知演出の終了時に「ミッション失敗」という報知態様が表示されたものの、ミッション演出は継続しており、外れであることを示す表示態様の第3図柄がまだ可変する可能性があることを遊技者に分かり易く認識させることができる。なお、本第29制御例では、書き換え演出開始時に小表示領域Dm3に表示されている報知態様を、追加された演出時間に対応する態様に更新する構成としたが、これに限るものではなく、追加された演出時間にかかわらず「残り?秒」という追加された演出時間を遊技者が識別できない態様に更新する構成としても良い。このように構成することで、書き換え演出開始時に更新された小表示領域Dm3の態様からは設定された書き換え演出の演出態様を遊技者が予測し難くなるため、書き換え演出開始時に更新された小表示領域Dm3の態様が大当たり当選期待度の低い演出態様に対応する態様であった場合に遊技者が書き換え演出に対する興味を無くしてしまうことを抑制することができる。
図1125に戻って説明を続ける。長書き換え演出Aの開始から3秒経過すると(即ち、長書き換え演出Aの演出時間が経過すると)、図1120(b)に示すように、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて上書きされた第3図柄が停止表示される。ここで、図1120(b)を参照して、書き換え演出終了時の演出内容について説明する。図1120(b)は、長書き換え演出A終了時の表示画面の一例を示した図である。長書き換え演出Aの演出時間が経過すると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmでは、第3図柄が「341」という表示態様に書き換えられ、キャラクタ801はミッション演出が成功したことを示す態様であるピースサインをしている態様で表示される。なお、本第29制御例において、この「341」という第3図柄の組み合わせは、保留球内に大当たり当選する期待度が高い保留球(ターゲット保留)が存在する場合に実行される先読み予告演出において、ターゲット保留の特別図柄の変動表示よりも前に実行される他の保留球に基づく特別図柄の変動停止時に表示される表示態様(所謂、チャンス目)である。ミッション演出の終了時にこのチャンス目が表示されることで、保留球のいずれかが大当たり当選かもしれないと遊技者に期待させることができる。なお、本第29制御例では、「341」という第3図柄の組み合わせの他にもチャンス目となる組み合わせを規定しており、組み合わせによって保留球内の大当たり当選期待度が異なる構成としている。具体的には、「341」のチャンス目が表示された場合には80%の割合で大当たり当選するのに対して、「321」のチャンス目が表示された場合には50%の割合で大当たり当選するといったように、チャンス目の態様によって大当たり当選の期待度が異なる。このように構成することで、ミッション演出終了時に表示される第3図柄の表示態様に更に興味を持たせることが可能となる。なお、チャンス目の表示態様は「341」や「321」に限るものではなく、例えば、第3図柄の奇数図柄を赤色の図柄、偶数図柄を青色の図柄で構成し、赤色の図柄が3つ揃った組み合わせを最も大当たり当選期待度が高いチャンス目とし、青色の図柄が3つ揃った組み合わせを2番目に大当たり当選期待度が高いチャンス目としても良い。長書き換え演出Aの演出時間が経過すると、主表示領域Dmの表示領域HR1の報知態様が、「ミッション成功」というミッション演出の結果を報知するための報知態様が表示され、小表示領域Dm3の表示が「残り0秒」に更新される。このように構成することで、ミッション演出が終了し、ミッション演出が成功したことを遊技者に分かり易く認識させることができる。
図1125に戻って説明を続ける。第3図柄表示装置81において長書き換え演出Aが終了すると、待機されていた2回目の特図変動に対応する第3図柄の変動表示を開始させる制御が実行され、変動開始待機フラグ223dnがオフに設定される。そして、主表示領域Dmにおいて通常演出が開始される。ここで、図1120(a)および(b)に示すように、第3図柄表示装置81では第3図柄が停止表示(仮停止)された状態であるが、第1図柄表示装置37では特別図柄の変動表示が継続している。即ち、第3図柄表示装置81では2回目の特図変動に対応する第3図柄の変動表示が待機されている状態であっても、第1図柄表示装置37においては2回目の特図変動が進行しており、長書き換え演出A終了時点では、図1125に示すように、2回目の特図変動開始から4秒が経過している。この場合は、長書き換え演出A終了後に8秒間の通常演出が実行されることで、第1図柄表示装置37における特別図柄の変動終了のタイミングと、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動終了のタイミングを合わせる構成としている。なお、書き換え演出終了後の通常演出の設定要領については、図1142を参照して後述する。
次に、図1120(a)に戻って、特別図柄の変動表示が実行されていない期間(特別図柄の無変動期間)に疑似変動が継続している場合に、始動口(第1入球口64)への新たな入賞により第1図柄表示装置37において新たな特別図柄の変動表示(2回目の特図変動)が開始された場合に、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsにおいて実行される保留演出について説明する。図1120(a)では、長書き換え演出Aの演出態様が設定されたことに対応して新たな表示シナリオが設定され、図1119(b)に示す導火線duの分岐地点Pt1において火Hi1が消えた状態から、導火線duに火Hi2が表示された状態となる再着火演出が実行されている。再着火演出が開始されると、保留球数表示エリアDs2では、「再着火、爆発のチャンス」という保留演出が再開されたことを報知する態様が表示されることで、遊技者に保留演出の進行が再開されたことを分かり易く認識させることが可能な構成としている。なお、書き換え演出が実行される場合というのは、疑似保留図柄の表示態様を決定する際(即ち、疑似変動開始時)に保留球が存在していなかった場合であるため、書き換え演出開始時点で実行エリアDs1に表示されている疑似保留図柄th0aの表示態様は、現在変動中の特別図柄(即ち、2回目の特図変動)の当否判定結果を反映した表示態様ではない。しかしながら、既に表示されている疑似保留図柄(爆弾保留)の表示態様を、爆弾保留が爆発する前に2回目の特図変動の当否判定結果を反映した表示態様に可変させると、保留球数表示エリアDs2に表示される「爆弾保留が爆発すると・・・」という演出情報(図1119(a)参照)と演出上の矛盾が生じ、遊技者に違和感を与える虞がある。このため、書き換え演出が実行される場合には、再着火された導火線duの火の表示態様によって、2回目の特図変動の当否判定結果を示唆可能な構成としている。より具体的には、図1120(a)に示すように、大当たり当選期待度が高いことを示す長書き換え演出Aが設定された場合には、再着火時に導火線duに火Hi1(図1119(a)参照)よりも燃え方が激しい火Hi2が表示される。一方、外れ当選であることを示す書き換え演出の演出態様が設定された場合には、再着火時に導火線duに火Hi1が表示される。このように構成することで、保留演出の途中で爆弾保留の爆発によらずに疑似保留図柄の表示態様を可変することなく、演出の流れに沿って2回目の特図変動の当否判定結果を示唆することが可能となり、遊技者に違和感を与えない演出を実行することが可能となる。
図1120(b)の実行エリアDs1は、火Hi2が爆弾保留(疑似保留図柄th0a)に到達し、爆発する演出が実行された後の状態を示したものである。疑似変動の終了に合わせて、火Hi2が爆弾保留に到達して爆発した後、「大チャンス」と表示された特殊保留図柄th0bに可変する演出が実行される。この特殊保留図柄th0bは、変動中の特図の変動種別が当たり変動である場合か「外れスーパーリーチ」(図1132(b),(c)に示すように、外れ当選の場合に最も選択され難い変動種別)である場合にのみ設定される表示態様であるため、大当たり当選である可能性が極めて高いことを示す表示態様である。従って、「大チャンス」と記載された特殊保留図柄th0bが表示されることで、遊技者は大当たり当選する可能性が高いと予測することができる。疑似保留図柄th0aが特殊保留図柄th0bに可変すると、それに合わせて、保留球数表示エリアDs2には「大チャンス」という特殊保留図柄th0bに対応する表示態様が表示される。これにより、可変した保留図柄により示唆される演出情報が、保留図柄よりも大きな表示態様で表示されるため、遊技者に分かり易く演出情報を報知することができる。その後、主表示領域Dmにおいて通常演出が開始される前に、保留球数表示エリアDs2のシャッターが開き、保留球数に対応する保留図柄が表示される。なお、実行エリアDs1に表示されている特殊保留図柄th0bは、消去されずにそのまま継続して表示される。このように構成することで、特殊保留図柄th0bの「大チャンス」という演出情報の対象となる特別図柄の変動がまだ終了していないことを遊技者に分かり易くすることができる。
次に、図1121および図1124を参照して、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)停止時に保留球が存在する場合に第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて実行される特殊演出の内容について説明する。図1124は、特別図柄の変動停止時に保留球が存在する場合の特別図柄変動と特殊演出(ミッション演出)の関係を模式的に示した図である。図1123に示した例とは、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)停止前に遊技球が始動口(第1入球口64)に入賞したことに基づいて保留球を獲得している点と、疑似変動終了後に通常演出が実行されている点で相違している。この場合、導入演出終了時(即ち、1回目の特図変動停止時)に保留球を先読みした結果に基づいて結果報知演出の演出態様が設定され、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmでは、図1121(a)に示すように、設定された結果報知演出が実行される。
ここで図1121(a)を参照して、結果報知演出開始時の演出内容について説明する。図1121(a)は、特別図柄の変動停止後に保留球に基づく2回目の特別図柄の変動(2回目の特図変動)が実行される場合の結果報知演出A開始時の表示画面の一例である。なお、この「結果報知演出A」とは、特別図柄の変動パターン種別が「当たりショートリーチ」である場合に設定される演出時間が4秒の結果報知演出であり、ミッション演出終了時に第3図柄を「341」のチャンス目で停止表示させる演出態様である。特別図柄の変動停止時に保留球が存在しない場合の結果報知演出G開始時(図1119(a)参照)とは異なり、設定された結果報知演出Aの演出時間(4秒)と、仮の演出時間(結果報知演出の最短の演出時間である3秒)として表示されている小表示領域Dm3の残演出時間との差分の値(1秒)を追加することを報知するための追加態様が小表示領域Dm3の下部に表示される。この場合図1121(a)に示すように、追加態様として「+1」という態様が小表示領域Dm3の下部に表示される。そして、表示された追加態様に対応して小表示領域Dm3の報知態様が「残り3秒」から「残り4秒」に更新される。このように構成することで、設定された演出時間と、表示されている残演出時間の値を一致させることができる。また、副表示領域Dsの実行エリアDs1には、疑似変動が開始された特別図柄の変動種別と、先読みした保留球の変動種別に基づく表示態様の疑似保留図柄が表示されており、図1121(a)に示す例では、特別図柄の変動種別が「当たりショートリーチ」であることから、疑似保留図柄の表示態様として保留球内でリーチ演出が発生することを示唆するチャンス疑似保留図柄th0cが設定される。なお、疑似保留図柄の表示態様を設定する要領については、図1162を参照して後述する。
図1124に戻って説明を続ける。結果報知演出Aが開始された後、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動が開始される時点で、音声ランプ制御装置113において第3図柄表示装置81におけるその特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示の開始を待機させる制御が実行され、変動開始待機フラグ223dnがオンに設定される。その後、結果報知演出A開始から4秒経過すると(即ち、結果報知演出Aの演出時間が経過すると)、2回目の特図変動の当否判定結果に対応する表示態様で第3図柄が停止表示(仮停止)され、そして、図1121(b)に示すように、残りの特別図柄の変動時間(8秒)を用いて、待機されていた第3図柄の変動(通常演出)が開始される。
ここで、図1121(b)を参照して、ミッション演出(特殊演出)終了後に実行される通常演出について説明する。図1121(b)は、結果報知演出A終了後の通常演出開始時における表示画面の一例を示した図である。図1121(b)に示す例では、結果報知演出Aの終了画面において第3図柄が「341」のチャンス目で停止表示された状態から、第3図柄が変動を開始した状態となっている。第3図柄が変動を開始したことに合わせて、主表示領域Dmの正面視左上に形成されていた小表示領域Dm3は非表示となり、主表示領域Dmの中央部に形成されている表示領域HR1に表示される報知態様が「大チャンス変動中」というミッション演出で報知された演出結果に対応する演出情報の対象となる特別図柄の変動表示が実行中であることを示す案内態様に更新される。このように構成することで、ミッション演出が終了した後にもミッション演出で報知された演出情報がまだ有効であることを遊技者が分かり易く認識することができる。また、副表示領域Dsの実行エリアDs1では、保留演出において可変表示された特殊保留図柄th0bが継続して表示されるため、特殊保留図柄th0bが消去されることで特殊保留図柄th0bに対応する特別図柄の変動が終了したのではないかと遊技者を不安にさせることを抑制することができる。なお、保留球数表示エリアDs2では、疑似変動終了時に保留演出の演出結果を報知する報知態様が表示された後、シャッターが開き、その時点での保留球数に対応する保留図柄が表示される。図1121(b)に示す例では、第1台座m1に第1保留図柄h0が表示されており、保留球数が1個であることを遊技者に報知している。その後、通常演出が終了すると(即ち、2回目の特図変動が終了すると)特殊保留図柄th0bが実行エリアDs1から消去される。
次に、図1122および図1126を参照して、疑似変動が開始された特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合に第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて実行される特殊演出の内容について説明する。図1126は、大当たり遊技のオープニング期間と特殊演出(ミッション演出)との関係を模式的に示したタイミングチャートである。なお、本第29制御例では、大当たり遊技が実行されると、可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を容易に入賞させることが可能な開放状態となり、特定入賞口65aに球を入賞させることで多くの賞球を短期間で獲得可能な遊技が実行される。この大当たり遊技は、特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)された後に(場合に)実行されるものであり、5秒間のオープニング期間(可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を入球させ難い閉鎖状態が設定される期間)と、開放状態が設定されるラウンド遊技期間と、1のラウンド遊技期間が終了した後に、次のラウンド遊技が開始されるまでの所定期間(例えば、0.5秒)、閉鎖状態が設定されるインターバル期間と、最後のラウンド遊技期間が終了した後に、所定期間(例えば、2秒)の閉鎖状態が設定されるエンディング期間と、からなる大当たり遊技期間が設定される。このように、大当たり当選を示す特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)された後に、オープニング期間が設定されることにより、大当たり遊技中において特定入賞口65aが開放状態となるタイミングに合わせて球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、大当たり遊技を円滑に行わせることができる。また、このオープニング期間を、今回の大当たり遊技の遊技内容を遊技者に報知する期間として用いることができるため、分かり易い遊技を提供することができる。また、大当たり遊技の最終期間としてエンディング期間を設定することにより、最後のラウンド遊技が終了した直後から、新たな特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができるため、大当たり遊技の終了後に実行される遊技に向けて、球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことが可能となり、遊技の切り替えを円滑に行わせることができる。
図1126に示した例は、図1123に示した例とは、特別図柄の変動停止後に大当たり遊技が実行される点で相違する。この場合、特殊演出(ミッション演出)の導入演出が終了するまでは、図1123に示した例と同様である。導入演出終了後(即ち、特別図柄の変動停止後)、第1図柄表示装置37では、特別遊技状態(大当たり遊技が実行される遊技状態)となり、5秒間の大当たり遊技のオープニング期間が設定される。一方、第3図柄表示装置81では、図1122(a)に示すように、疑似変動が継続し、特別図柄の変動停止から3秒間の当たり結果報知演出が実行される。ここで、図1122(a)を参照して、大当たり遊技のオープニング期間で実行される結果報知演出の演出内容について説明する。図1122(a)は、大当たり遊技のオープニング期間に当たり結果報知演出が実行される場合の表示画面の一例を示した図である。なお、「当たり結果報知演出」とは、疑似変動が開始された特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合に設定される演出時間が3秒の結果報知演出の演出態様であり、ミッション演出終了時に大当たり当選であることを報知する第3図柄の表示態様が停止表示される。図1122(a)に示すように、第1図柄表示装置37では大当たり当選を示す表示態様でLED37aが停止表示されているが、第3図柄表示装置81では第3図柄の変動表示が継続している。そして、小表示領域Dm3に表示されるミッション演出の残演出時間を報知するための報知態様として「残り3秒」という文字が表示され、表示領域HR1には「ミッション中」というミッション演出が継続中であることを示すための案内態様が表示される。このように、ミッション演出が継続していることを遊技者に分かり易く報知し、ミッション演出に注目させることで、第1図柄表示装置37における特別図柄変動が停止していることに気付かせ難くすることができる。
その後、当たり結果報知演出の演出時間が経過すると、第3図柄が大当たり当選であることを示す表示態様で停止表示される。図1122(b)は、結果報知演出において大当たり当選であることが報知された場合の表示画面の一例を示した図である。図1122(b)に示すように、大当たりを報知する場合には、主表示領域Dmの中央部において同一の数字が付された第3図柄を揃った状態で停止表示し、大当たり当選であることを示す表示態様であることを強調するために第3図柄が発光する演出が実行される。また、表示領域HR1に「大当たり」という大当たり当選したことを報知するための報知態様が表示される。これらの表示内容により、大当たり当選したことを遊技者に対して容易に理解させることができる。そして、大当たり当選であることが報知された後、大当たり遊技における遊技方法を案内するための2秒間のショートオープニング演出(図示しない)が実行される。なお、通常の大当たり遊技のオープニング期間(疑似変動が実行されない大当たり遊技のオープニング期間)には、5秒間のロングオープニング演出(図示しない)が実行される。ロングオープニング演出では、大当たり遊技における遊技方法の案内に加えて、賑やかし用のムービーが表示される。このように、大当たり遊技のオープニング期間にも疑似変動が継続して実行されることで、第3図柄表示装置81において実行されるオープニング演出の演出期間(言い換えると、第3図柄の停止から特定入賞口65aに遊技球が入球可能となるまでの期間)が実際のオープニング期間(言い換えると、特別図柄の停止から特定入賞口65aに遊技球が入球可能となるまでの期間)よりも短くなるため、遊技者が間延びしていると感じる期間を短縮することができる。
また、図1122(a)の副表示領域Dsの実行エリアDs1には、疑似変動開始時に変動中の特別図柄の当否判定結果が大当たり当選であることに基づいて、保留球内で大当たり当選する可能性が高いことを示唆するチャンス疑似保留図柄th0cが疑似変動開始時から表示されている。そして、疑似変動開始から5秒経過した時点(即ち、第1図柄表示装置37における特別図柄の変動が終了した時点)で、主表示領域Dmで実行されるミッション演出の結果報知演出の演出態様として「当たり結果報知演出」が設定されると、保留演出の表示シナリオとして「疑似保留表示パターンA」が設定される。この「疑似保留表示パターンA」とは、疑似変動が終了する際に爆弾保留(疑似保留図柄)を爆発させ、図1122(b)に示す、「祝」という大当たり当選が確定したことを示唆する特殊保留図柄th0dに可変させ、保留球数表示エリアDs2の表示を「おめでとう」という特殊保留図柄th0dが示唆する演出情報に対応する報知態様に切り替える表示パターンである。なお、この「疑似保留表示パターンA」は演出時間が3秒の当たり結果報知演出が設定された場合に設定される表示パターンであるため、「疑似保留表示パターンA」が設定された時点で疑似変動の残り変動時間は3秒となる。従って、「疑似保留表示パターンA」では、上述した結果報知演出G(演出時間が3秒で、特別図柄の変動停止から3秒経過すると外れを示す第3図柄の表示態様を表示する演出態様)が設定された場合に設定される「疑似保留表示パターンD(疑似変動の残変動時間2秒になると分岐地点Pt1で導火線duの火が消火される表示パターン)」と同じ進行速度で火Hi1が導火線duを進むが、「疑似保留表示パターンD」と異なり、疑似変動の残変動時間が2秒となり分岐地点Pt1に到達しても火Hi1が消火されない。
ここで、上述したように、本第29制御例では、導火線duを進む火Hi1の進行速度によって遊技者が大当たり当選の期待度を推測することが可能であり、導火線duを進む火Hi1の進行速度が遅い程、大当たり当選の期待度が高くなる構成である。このように構成しているため、導火線duを進む火Hi1の進行速度が速い場合には、大当たり当選の期待度が低いと予測し、以後の保留演出に対する興味を無くしてしまう虞がある。しかしながら、「疑似保留表示パターンA」を設定可能に構成することで、火Hi1の進行速度が速い場合に分岐地点Pt1において火Hi1が消火されなかった場合には大当たり当選であることが確定するため、遊技者に火Hi1の動静に注目させることが可能となり、保留演出の演出効果を向上させることができる。
以上、説明したように、本第29制御例では、特別図柄の変動中に開始された疑似変動が、その特別図柄の変動終了後に新たな特別図柄の変動が開始されない場合であっても所定期間(3秒間)継続される構成であり、その疑似変動中に特殊演出(ミッション演出)や保留演出を実行することで、遊技者に特別図柄の変動表示が実行されていない期間であることを認識させ難く構成している。これにより、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が長くなることで遊技者が感じるストレスを緩和させることができる。
また、本第29制御例では、特別図柄の変動表示が実行されていない期間中に第3図柄表示装置81において疑似変動が実行されている場合に、始動口(第1入球口64)への新たな入賞に基づいて第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始された場合には、第3図柄表示装置81における疑似変動を中断させずに継続し、疑似変動の停止表示態様をその新たな入賞に基づく特別図柄の当否判定結果に対応する態様(例えば、新たな入賞に基づく特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合には、保留球内で大当たり当選する可能性が高いことを示唆する第3図柄の組み合わせ(所謂、チャンス目))で表示した後に、変動中の特別図柄に対応する第3図柄の変動表示を開始させる構成としている。このように、疑似変動の停止表示態様を用いて新たに変動が開始された特別図柄の当否判定結果を事前に示唆することが可能であるため、特別図柄の変動表示が実行されていない期間中に始動口(第1入球口64)への入賞があった場合であっても、先読み予告演出に近い演出を実行することができるため、遊技が単調になることを抑制することができる。
更に、特別図柄の変動表示が実行されていない期間中に第3図柄表示装置81において疑似変動が実行されている場合に、始動口(第1入球口64)への新たな入賞に基づいて第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始された場合には、第3図柄表示装置81における疑似変動を中断させずに継続する構成であるため、実行中の疑似変動が停止表示される前に、別の特別図柄の変動表示が開始されることにより遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
また、本第29制御例では、疑似変動の実行期間中に特別図柄の変動時間が経過した場合(即ち、第1図柄表示装置37における特別図柄の変動が終了した場合)であっても、第3図柄表示装置81における疑似変動が終了するまでは実行エリアDs1に表示されている実行中保留図柄h0を消去させずに、疑似変動が終了するまで継続して表示する構成としている。このように構成することで、実行エリアDs1の実行中保留図柄h0の表示の有無からは特別図柄の変動表示が実行されていない期間に疑似変動が実行されていることを遊技者は認識困難となり、疑似変動の演出効果を向上させることができる。
なお、本第29制御例では、変動種別にかかわらずミッション演出の導入演出の演出時間を一定の時間(5秒)で構成したが、これに限るものではなく、例えば、保留球の変動種別を先読みして、変動種別毎に演出時間の異なる導入演出の演出態様を設定可能な構成としても良い。このように構成することで、特殊演出の導入演出にも多様性を持たせることができ、ミッション演出が単調になることを抑制することができる。
なお、本第29制御例では、ミッション演出の内容を、仮停止させた第3図柄の表示態様を可変させるミッションのみとしたが、これに限るものではない。例えば、成功率が異なる複数のミッション態様から、特別図柄の当否判定結果に基づいて1つのミッション態様を選択する構成としても良い。このように構成することで、ミッション演出が短期間で複数回実行された場合であっても、異なる態様のミッション演出を実行可能であるため、遊技者がミッション演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第29制御例では、疑似変動が開始された特別図柄の判定結果と、その次に実行される特別図柄変動(第1保留エリアに格納されている保留球に基づく特別図柄変動)の当否判定結果に基づいてミッション演出の演出態様と、疑似保留図柄の表示態様を決定する構成であったが、これに限るものではない。保留記憶されている全ての保留球の当否判定結果を先読みした結果、大当たり当選する保留球(ターゲット保留)が存在すれば、ターゲット保留に基づく特別図柄の変動まで継続するミッション演出の演出態様を設定する構成としても良い。このように構成することで、大当たり当選に対応するミッション演出の実行機会が増加し、相対的に外れ当選に対応するミッション演出の実行機会が減少するため、更に遊技者に実際の大当たり確率よりも高い確率で大当たり当選していると思わせることが可能となり、遊技意欲を向上させることができる。
なお、本第29制御例では、特別図柄の変動時間経過後も第3図柄表示装置81において第3図柄を疑似変動させることで、特別図柄の変動が停止していることを遊技者に気付かれ難くする構成としたが、これに限るものではなく、例えば、特別図柄の変動表示中にストーリー性のある演出(例えば、遊技機の題材となったアニメやドラマのエピソードを用いたリーチ演出)を開始し、その演出が特別図柄の変動時間経過後も継続する構成としても良い。このように構成することで、遊技者にストーリーの結末を見たいと思わせ、更に演出に注目させることが可能となるため、より特別図柄の変動が停止していることを気付かせ難くすることができる。
なお、本第29制御例では、疑似変動中に実行される特殊演出としてミッション演出を実行する構成としたが、これに限るものではない。例えば、疑似変動が開始されるとゾーン演出(一般的な遊技機で実行されている予告演出の1種で、保留球内で大当たり当選の可能性が高い保留球が存在する場合に、その保留球に基づく特別図柄の抽選結果が報知されるまでの期間を特殊ゾーンとして表示し、遊技者に大当たり当選であることを期待させる演出)が実行されることを煽る前兆演出を行い、疑似変動中に新たな特別図柄の変動が開始されない場合にはゾーン演出が実行されず、疑似変動中に新たな特別図柄の変動が開始された場合に、その新たな特別図柄変動の変動種別が特定の変動種別(例えば、ロングリーチ)である場合にゾーン演出を実行する構成としても良い。また、このように構成する場合には、前兆演出において遊技者に第1入球口64への遊技球の入賞を促す態様(例えば、「第1入球口64に入賞させてゾーンを発動させろ」といった表示)を表示しても良い。このように構成することで、遊技球の発射を停止している遊技者に遊技球を発射しようと思わせることが可能となるため、疑似変動中に次の特別図柄変動が開始される機会を増やすことができる。
なお、本第29制御例では、特別図柄の変動停止後に保留球が存在せず、新たな特別図柄の変動表示が開始されない場合には、特別図柄の変動停止から3秒間疑似変動を継続する構成としたが、これに限るものではない。例えば、遊技者が遊技球の発射を継続している場合には、特別図柄の変動停止から第1入球口64への新たな入賞により新たに特別図柄の変動表示が開始されるまでの期間で疑似変動を継続させる構成としても良い。この場合、遊技者が遊技球の発射を停止した場合に疑似変動を終了させるようにすると良い。このように構成することで、発射された遊技球が特別図柄の変動期間内に始動口(第1入球口64)に入賞しなかった場合であっても、継続して遊技球が発射されている場合には疑似変動が継続されるため、遊技者を退屈させることなく遊技球が始動口に入賞するまでの時間を稼ぐことができる。
なお、本第29制御例では、疑似変動において第3図柄を仮停止させた後、再変動させる構成としたが、これに限るものではなく、疑似変動では、数字ではなく文字を用いた疑似図柄を表示し、疑似図柄の組み合わせで遊技者に演出情報を付与し、疑似変動の実行中は第3図柄を主表示領域Dmにおいて縮小表示させる構成としても良い。より具体的には、特殊演出の導入演出が開始される場合に、主表示領域Dmにおいて、例えば、ミッションアイコンAk1の代わりに「ミッ」「ショ」「ン」の3つの疑似図柄を停止表示し、表示領域HR1に「ミッション開始 「激アツ」を完成させろ」というコメントを表示して、疑似図柄を変動表示させる。そして、疑似変動が終了する際に、新たに変動表示を開始した特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合には「激」「ア」「ツ」という組み合わせで疑似図柄を停止表示させ、新たに変動表示を開始した特別図柄の当否判定結果が外れ当選である場合には「激」「ア」「ツ」以外の組み合わせで疑似図柄を停止表示させる。なお、大当たり当選である場合であっても、「激」「ア」「ツ」以外の組み合わせで疑似図柄を停止表示させても良く、例えば、「チャ」「ン」「ス」や「ア」「ツ」「?」といった組み合わせの疑似図柄によって大当たり当選の期待度を示唆しても良い。なお、このように構成する場合、疑似変動の実行中は第3図柄を主表示領域Dmの左下端で縮小表示させる。このように疑似図柄を用いて疑似変動を実行することにより、第3図柄を用いて疑似変動を実行する場合よりも、疑似図柄の組み合わせにより多様な演出情報を遊技者に付与可能となる。また、疑似変動において疑似図柄を変動表示させる方向によって大当たり当選の期待度を示唆する構成としても良い。即ち、疑似図柄を所定方向へ動的表示させる制御を行う構成としても良い。具体的には、疑似図柄が第3図柄の変動表示と同様に下方向にスクロール表示されるパターンと、疑似図柄が第3図柄の変動表示とは異なる上方向にスクロール表示されるパターンを設定可能にし、下方向にスクロール表示されるパターンよりも上方向にスクロール表示されるパターンの方が大当たり当選である場合に設定され易い構成とする。なお、疑似図柄を動的表示させる所定方向は、上方向に限るものではなく、表示位置で回転させ、大当たり当選期待度によって回転方向を異ならせる構成としても良い。これにより、疑似変動における疑似図柄の変動表示方向によっても遊技者は特別図柄の当否判定結果を予測することが可能となるので、より疑似変動に注目させることが可能となり、疑似変動の演出効果を向上させることができる。
<第29制御例における電気的構成について>
次に、図1127~図1145を参照して、本第29制御例のパチンコ機10の電気的構成について説明する。図1127は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路の各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113のサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地が記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/Oの値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。停電の発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図1155参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図1154参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図1153参照)が即座に実行される。
ここで、図1128を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタについて説明する。これらのカウンタは、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定および第3図柄表示装置81における表示の設定を行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する特別当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する特別当たり種別カウンタC2と、特別図柄の停止種別(リーチ当たり種別、リーチ以外外れ(完全外れ)、リーチ外れ種別)を決定するための停止種別選択カウンタC3、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、特別当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、が用いられる。また、普通図柄の抽選には、普通当たり乱数カウンタC4が用いられ、普通当たり乱数カウンタC4の初期値設定には普通初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図1146参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図1155参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、特別図柄の保留球を記憶するための4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる特別図柄1保留球格納エリア203daが設けられており、特別図柄の特別図柄保留球実行エリアが設けられている。特別図柄1保留球格納エリア203daの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203dbが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、普通当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。特別当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~65535)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~65535の値を取り得るカウンタの場合は65535)に達した後0に戻る構成となっている。特に、特別当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINI1の値が当該特別当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、初期値乱数カウンタCINI1は、特別当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、特別当たり乱数カウンタC1が0~65535の値を取り得るループカウンタである場合には、初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~65535の範囲のループカウンタである。この初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図1146参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図1155参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
特別当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本第29制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203daに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル202da(図1130(a)参照)によって設定されており、特別当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブル202daによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブル202daは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202da(図1130(a)参照)と、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202da(図1130(a)参照)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
特別当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。特別当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本第29制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203daに格納される。
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203daに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。一方で、特別図柄1保留球格納エリア203daに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄1保留球格納エリア203daに格納されている特別当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。本第29制御例では、大当たり種別は、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設定されており、特別当たり種別カウンタC2によって、「大当たりA」、「大当たりB」の内いずれかが決定される。そして、その大当たり種別を示す表示態様が大当たり図柄として第1図柄表示装置37に表示される。なお、本第29制御例の特別図柄抽選における大当たり当選確率の詳細については、特別図柄大当たり乱数テーブル202da(図1130(a))を参照して後述する。
また、本第29制御例のパチンコ機10における特別当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図1131に示すように、大当たり種別を決定するための大当たり種別選択テーブル202ddには、第1特別図柄の抽選の内容が規定されており、この大当たり種別選択テーブル202ddを参照し、特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たり種別が決定される。なお、本第29制御例の各大当たり種別の詳細については、図1131を参照して後述する。
変動種別カウンタCS1は、0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。上述した停止種別選択カウンタC3と変動種別カウンタCS1とによって、いわゆる完全外れ、ショートリーチ、ロングリーチ、スーパーリーチといった表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図1155参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202de(図1134(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
普通当たり乱数カウンタC4は、例えば0~239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、普通当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の普通初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普通当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。普通当たり乱数カウンタC4の値は、本制御例ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203dbに格納される。そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル202dc(図1130(b)参照)によって設定されており、普通当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブル202dcによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通図柄当たり乱数テーブル202dc(図1130(b)参照)は、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。さらに、普通図柄の当たりの種別は、通常当たりと長時間当たりとが設定されており、それぞれ普通当たり乱数カウンタC4の値が設定されている。
ここで、普通図柄の通常当たりは、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、大当たり遊技状態では、0.2秒の開放時間で電動役物64aが開放状態に作動される動作が、1回実行される当たりである。また、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている期間においては、2秒間の開放時間で電動役物64aが開放状態に作動される動作が、2回繰り返される当たりである。一方、長時間当たりは、遊技状態にかかわらず、2秒間の開放時間で電動役物64aが開放状態に作動される動作が、2回繰り返される当たりである。なお、本制御例では、図1130(b)に示すように、普通図柄の低確率時において、取得した普通当たり乱数カウンタC4の値が5から6のいずれかであれば、普通図柄の当たりであると判別される。一方、普通図柄の高確率時において、取得した普通当たり乱数カウンタC4の値が5から204のいずれかであれば、普通図柄の当たりであると判別される。なお、本第29制御例では普通図柄抽選で当たり当選した場合に、設定されている遊技状態に応じて異なる普図当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で普図当たり当選した場合に、球を第1入球口64へと入球困難な普図当たり遊技(短当たり)と、その短当たりよりも第1入球口64へと球を入球させ易い普図当たり遊技(長当たり)と、を実行可能に構成しても良い。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、普通当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された普通当たり乱数カウンタC4の値が「5,6」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。そして、普通当たり乱数カウンタC4の値が「5,6」であれば、当たりとして、電動役物64aが「0.2秒間×1回」だけ開放(開放作動)される。なお、本第29制御例では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物64aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5~204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル202dc(図1130(b)参照)に格納されている。このように普通図柄の高確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、普通当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された普通当たり乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物64aが「2秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物64aの開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。尚、本第29制御例では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物64aが「2秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
普通初期値乱数カウンタCINI2は、普通当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~239)、タイマ割込処理(図1146参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図1155参照)の残余時間内で繰り返し更新される。このように、RAM203には種々のカウンタが設けられており、主制御装置110では、このカウンタの値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図1127に戻り説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37a,37b、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物64aを駆動するためのソレノイドからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群からなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データを記憶したROM212と、ワークメモリとして使用されるRAM213とを有している。払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地が記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/Oの値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図1153)が即座に実行される。払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112がそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ290により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。なお、本第29制御例における発射ソレノイドを駆動させる制御は、操作ハンドル51の操作に基づいて実行される制御であって、遊技球を移動させることが可能な発射ソレノイドを駆動させる制御であるので、移動する物体を移動させることが可能なソレノイドを、遊技者による所定の操作に基づいて駆動させる制御である。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカ)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定を制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データを記憶したROM222と、ワークメモリとして使用されるRAM223とを有している。音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、タッチセンサ290、発射センサ293、枠ボタン22がそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出の表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図1117参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208の各種スイッチや、ソレノイド209といったソレノイド、モータを駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧を生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110~114に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図1153参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図1117参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第29制御例における主制御装置110の電気的構成について>
次に、本第29制御例のパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容について、図1129~図1135を参照して説明する。図1129(a)は、主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図である。図1129(a)に示した通り、本第29制御例におけるROM202は、特別図柄大当たり乱数テーブル202daと、変動種別選択テーブル202dbと、普通図柄当たり乱数テーブル202dcと、大当たり種別選択テーブル202ddと、変動パターン選択テーブル202deとで少なくとも構成されている。
まず、図1130(a)を参照して、特別図柄大当たり乱数テーブル202daの内容について説明する。図1130(a)は、特別図柄大当たり乱数テーブル202daの規定内容を模式的に示した図である。この特別図柄大当たり乱数テーブル202daは、特別図柄の抽選を実行する際に参照されるデータテーブルであり、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲が、特別図柄の状態毎に規定されている。図1130(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態において特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~249」の250個が設定されている。一方、図1130(a)に示した通り、特別図柄の高確率状態(確変状態)において特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)としては、「0~999」の1000個が設定されている。本第29制御例では、第1当たり乱数カウンタの取り得る値が「0~65535」の65536通りであることから、特別図柄の低確率状態では大当たり当選する確率(大当たり確率)が約1/262となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/65となる。このように、確変状態中は通常状態の約4倍大当たりに当選し易いので、特別図柄の大当たり当選に基づく大当たり遊技を実行し易くなる。なお、本第29制御例では、2種類の大当たり確率が遊技状態に応じて設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たりに当選する確率を遊技状態にかかわらず同一の確率となるように構成しても良いし、3種類以上の大当たり確率が設定されるように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率を設定するように構成しても良い。
また、本第29制御例では、特別図柄の抽選結果として、「大当たり」と「外れ」の2種類の抽選結果が判定されるように構成しているが、これに加えて、第3の抽選結果として、「外れ」の1種として「小当たり」を判定可能に構成しても良い。この「小当たり」に当選した場合には、可変入賞装置65を「大当たり」よりも短い期間(1ラウンド分)開放させる小当たり遊技が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合において、少量の特典(賞球)を遊技者に付与することができる。なお、「小当たり」を「外れ」の1種とする場合には、遊技者に対して小当たり遊技による賞球を付与可能であるが、大当たり当選していないため、遊技状態を可変させる(当選時の遊技状態とは異なる遊技状態を設定する)処理が実行されないように構成すると良い。これにより、大当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、小当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、を明確に異ならせることができる。
また、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合は、大当たり当選の有無に加え、時短当選(普通図柄の高確率状態を設定させるための契機の成立の有無)の有無を判定可能に構成しても良い。このように構成することで、通常状態が設定されている状態では、普通図柄の高確率状態が設定され得る契機として、特別図柄抽選において大当たり当選した場合に成立し得る契機と、特別図柄抽選で時短当選した場合に成立し得る契機と、が設定され、通常状態以外の遊技状態では、普通図柄の高確率状態が設定され得る契機として、特別図柄抽選において大当たり当選した場合に成立し得る契機が設定されることになる。即ち、時短当選の有無を判定可能となる通常状態のほうが、通常状態以外の遊技状態よりも、普通図柄の高確率状態を設定するために多くの契機が設定されるように構成している。よって、各図柄(特別図柄、普通図柄)が低確率状態に設定されており、各図柄抽選において最も当たり当選し難い遊技状態(遊技者に不利となる遊技状態)である通常状態のほうが、他の遊技状態よりも普通図柄の高確率状態を設定させ易くすることができ、通常状態中の遊技を実行している遊技者の遊技意欲を高めることができる。
上述した通り、特別図柄の抽選結果として「小当たり」、「時短当選」に当選し得るように構成する場合は、特別図柄当たり乱数テーブル202daに「小当たり」、「時短当選」に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を規定するように構成すれば良い。このように構成することで、特別図柄の大当たり抽選と小当たり抽選および時短抽選と、を同一の処理で実行することができるため、大当たり抽選と小当たり抽選および時短抽選とを異なる処理で実行する場合に比べ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、1つの特別図柄抽選において、大当たりと小当たりと時短当選に重複して当選してしまうことを禁止することができる。
また、同一の遊技状態であっても特別図柄抽選で大当たり当選する確率が異なる複数の設定値を有する構成としても良い。より具体的には、特別図柄の低確率状態において特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、設定値「1」に対して「0~249」の250個が設定され、設定値「2」に対して「0~274」の275個が設定され、設定値「3」に対して、「0~299」の300個が設定されている。一方、図102(a)に示した通り、確変遊技状態(特別遊技状態)において特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)としては、設定値「1」に対して「0~999」の1000個が設定され、設定値「2」に対して「0~1099」の1100個が設定され、設定値「3」に対して「0~1199」の1200個が設定される構成としても良い。この場合、第1当たり乱数カウンタの取り得る値が「0~65535」の65536通りであることから、設定「1」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり当選する確率(大当たり確率)が約1/262となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/65となる。また、設定「2」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり確率が約1/238となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/60となる。また、設定「3」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり確率が約1/218となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/55となる。よって、設定「1」が最も大当たり当選し難い設定値(不利設定値)となり、設定「3」が最も大当たり当選し易い設定値(有利設定値)となる。このように構成することで、パチンコ機10の過去の遊技データ(大当たり当選履歴)から現在の設定値を推測することが可能となり、有利設定値であることを期待させることにより、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。なお、パチンコ機10に設けられる設定値は3段階に限るものではなく、設定値を2段階にしても良いし、4段階以上(例えば、6段階)にしても良い。さらに、大当たり確率や小当たり確率や確変状態の設定確率や確変状態が継続する期間や、大当たり遊技の遊技内容といった遊技の有利度合いを可変可能な各種要素に対して設定差を設けるように構成しても良い。このような場合であっても、設定される設定値に応じて遊技者に異なる有利度合いを提供することができるため、遊技者に対して、有利な設定値が設定されているパチンコ機10にて遊技を行おうと意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図1130(b)を参照して、普通図柄当たり乱数テーブル202dcの内容について説明する。図1130(b)は、この普通図柄当たり乱数テーブル202dcの規定内容を示した図である。図1130(b)に示した通り、普通図柄の低確率状態である場合は、普通当たり乱数カウンタC4の値が「5,6」が普通図柄の当たりに対応する乱数値(カウンタ値)として規定されている。一方、普通図柄の高確率状態である場合は、普通当たり乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲が普通図柄の当たりに対応する乱数値(カウンタ値)として規定されている。つまり、本第29制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率が低確率(1/120)に設定されている。一方、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率が高確率(1/1.2)に設定されている。このように、時短状態が設定されている場合はほとんどの普通図柄抽選で当たり当選となるため、普通図柄の当たり当選に基づく普図当たり遊技を実行し易くすることができる。
次に、図1131を参照して、大当たり種別選択テーブル202ddの内容について説明する。図1131は、この大当たり種別選択テーブル202ddの規定内容を示した図である。上述したように、本第29制御例では、大当たり種別として「大当たりA」と「大当たりB」の2種類の大当たり種別を有する。「大当たりA」、「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が10ラウンドの特別遊技状態(10R大当たり)となる。しかしながら、「大当たりA」、「大当たりB」では、上述した特別遊技状態に加えて更に付与される大当たり終了後の付加価値がそれぞれ相違する。具体的には、「大当たりA」は、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次回大当たりに当選するまでの間はパチンコ機10が特別図柄の高確率状態へ移行し、普通図柄の当たり確率がアップする(所謂、確変状態)。一方、「大当たりB」は、特別図柄の高確率状態には移行せず、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする(所謂、時短状態)。
図1131に示した通り、特別当たり種別カウンタC2の値が「0~59」の範囲に対して、大当たりA(10R確変大当たり)が対応付けて規定され、「60~99」の範囲に対して、大当たりB(10R通常大当たり)が対応付けて規定されている。よって、60%の割合で確変大当たりとなって大当たり終了後の遊技状態が遊技者に最も有利な確変遊技状態に設定され、40%の割合で通常大当たりとなって大当たり終了後の遊技状態が確変遊技状態よりも有利度合いが低い時短遊技状態に設定される。なお、上述したように、「大当たりA」と「大当たりB」における大当たり遊技中の可変入賞装置65の動作内容は同一であり、大当たり遊技が開始されると、可変入賞装置65が開放状態となり、特定入賞口65aに遊技球が入球可能となる。開放状態移行から30秒経過した場合、或いは30秒経過前に9個の遊技球が特定入賞口65に入球した場合に可変入賞装置65は閉鎖状態となる。そして、1回の大当たり遊技では、この開閉動作が10回実行される。特定入賞口65aに遊技球が入球することにより、遊技者に遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常遊技状態(特別図柄の大当たりに当選していない状態)より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、大当たり動作内容は上記した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
また、開放動作における開放時間や球数は任意に設定すれば良い。例えば、開放時間を29秒以下または31秒以上で設定しても良いし、球数を8個以下または10個以上で設定しても良い。なお、大当たり種別によって開放動作の内容が異なる構成としても良い。
図1131に示す通り、「大当たりA」が選択されると、時短中カウンタ203deに「65536」という値が設定される。この時短中カウンタ203deは、普通図柄の高確率状態が設定されている状態を示すためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に対応する値が設定される。この時短中カウンタ203deには、大当たり遊技終了後に、その当選した大当たり種別に対応した値が設定される。そして、特別図柄抽選(変動)に基づいて、時短中カウンタ203deの値が減算され、時短中カウンタ203deの値が0となった場合に、普通図柄の高確率状態が終了し、普通図柄の低確率状態へと移行するように構成している。即ち、「大当たりA」が選択された場合には、65536回の特別図柄抽選(変動)が実行されるまで普通図柄の高確率状態が継続するため、ほぼ確実に時短中カウンタ203deの値が0になる前に大当たり当選することになる。なお、この時短中カウンタ203deの値は、大当たり遊技に当選した場合に0にクリアされる。これにより、大当たり遊技中は普通図柄の高確率状態が設定されないため、大当たり遊技中において遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。一方、「大当たりB」が選択された場合には、時短中カウンタ203deに「100」という値が設定される。即ち、「大当たりB」が選択された場合には、特別図柄抽選(変動)が100回実行されるまで普通図柄の高確率状態が継続する。なお、本第29制御例では、普通図柄の高確率状態を終了させるための条件である時短中カウンタ203deの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて時短中カウンタ203deの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、時短中カウンタ203deの値を減算するように構成してもよい。具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、時短中カウンタ203deの値を減算させるように構成しても良い。
加えて、本第29制御例では、時短中カウンタ203deの値を1ずつ減算するように構成しているが、成立した終了条件の種別に応じて、時短中カウンタ203deの値を複数まとめて(例えば、2)減算するように構成しても良いし、現状の時短中カウンタ203deの値にかかわらず、時短中カウンタ203deの値が「0」になるように減算するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、時短状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。
また、「大当たりA」が選択されると、確変フラグ203dfがオンに設定される。この確変フラグ203dfは、現在の遊技状態が確変状態であるかを判別するためのフラグである。この確変フラグ203dfは、確変状態が設定されている場合にオンに設定される。この確変フラグ203dfは、「大当たりB」に当選した場合にオフに設定される。即ち、一度「大当たりA」に当選すると、次に「大当たりB」に当選するまでの期間確変状態が継続する。このように、選択された大当たり種別によって大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が異なるため、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本第29制御例では、大当たり種別を2種類としたが、これに限るものではなく、3種類以上の大当たり種別としても良く、この場合、例えば、時短中カウンタ203deに設定される値が「100」で、確変フラグ203dfがオンに設定される大当たり種別を設けても良いし、大当たり遊技のラウンド数が異なる(例えば、5ラウンド)大当たり種別を設けても良い。このように構成することで、多様な大当たり遊技を提供することができ、遊技が単調になることを抑制することができる。
次に、図1132(a)を参照して、変動種別選択テーブル202dbの内容について説明する。変動種別選択テーブル202dbは、特別図柄の変動種別を決定するためのテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動種別が決定される。この変動種別選択テーブル202dbには、特別図柄の抽選結果と遊技状態に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。この変動種別選択テーブル202dbで決定された変動種別に基づいて、後述する変動パターン選択テーブル202deを参照して変動パターンが設定される。図1132(a)は、変動種別選択テーブル202dbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図1132(a)に示した通り、変動種別選択テーブル202dbには、通常状態中に特別図柄の当否判定結果が大当たりであった場合に参照される「通常中当たり用選択テーブル202db1」と、通常状態中に特別図柄の当否判定結果が外れであった場合に参照される「通常中外れ用選択テーブル202db2」と、確変状態または時短状態中に特別図柄の当否判定結果が大当たりであった場合に参照される「確変・時短中当たり用選択テーブル202db3」と、確変状態または時短状態中に特別図柄の当否判定結果が外れであった場合に参照される「確変・時短中外れ用選択テーブル202db4」と、が規定されている。
次に、図1132(b)を参照して、変動種別選択テーブル202dbに規定されている通常中当たり用選択テーブル202db1の内容について説明をする。図1132(b)は、通常中当たり用選択テーブル202db1の内容を模式的に示した模式図である。この通常中当たり用選択テーブル202db1は、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で特別図柄の当否判定結果が大当たり当選となった場合における特別図柄の変動種別を設定するためのデータテーブルである。本第29制御例では、リーチの発生しない「完全外れ」や、変動時間が比較的短い「ショートリーチ」、変動時間が比較的長い「ロングリーチ」、変動時間が最長の「スーパーリーチ」の変動種別を有しており、変動種別と保留球数に基づいて特別図柄の変動時間が設定される。図1132(b)に示す通り、通常状態において特別図柄の大当たりの場合に選択され得る変動種別の態様は、「当たりショートリーチ」、「当たりロングリーチ」、「当たりスーパーリーチ」の3種類であり、これらに対して変動種別データ00H,01H,02Hがそれぞれ対応付けられている。そして、変動種別カウンタCS1の値が0~44の範囲であれば変動種別データとして00H(当たりショートリーチ)が選択され、45~159の範囲であれば変動種別データとして01H(当たりロングリーチ)が選択され、160~199の範囲であれば変動種別データとして02H(当たりスーパーリーチ)が選択される。選択された変動種別データに基づいて、後述する変動パターン選択テーブル202deから変動パターン種別が選択される。
次に、図1132(c)を参照して、変動種別選択テーブル202dbに規定されている通常中外れ用選択テーブル202db2の内容について説明をする。図1132(c)は、通常中外れ用選択テーブル202db2の内容を模式的に示した模式図である。
この通常中外れ用選択テーブル202db2は、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で特別図柄の当否判定結果が外れとなった場合における特別図柄の変動種別を設定するためのデータテーブルである。図1132(c)に示す通り、通常状態において特別図柄の外れの場合に選択され得る変動種別の態様は、「完全外れ」、「外れショートリーチ」、「外れロングリーチ」、「外れスーパーリーチ」の4種類であり、これらに対して変動種別データ03H,04H,05H,06Hがそれぞれ対応付けられている。そして、変動種別カウンタCS1の値が0~109の範囲であれば変動種別データとして03H(完全外れ)が選択され、110~154の範囲であれば変動種別データとして04H(外れショートリーチ)が選択され、155~194の範囲であれば変動種別データとして05H(外れロングリーチ)が選択され、195~199の範囲であれば変動種別データとして06H(外れスーパーリーチ)が選択される。上述した通常中当たり用選択テーブル202db1と同様に、選択された変動種別データに基づいて、変動パターン選択テーブル202deから変動パターン種別が選択される。
ここで、図1134(a)を参照して、変動パターン選択テーブル202deの内容について説明する。変動パターン選択テーブル202deは、設定された変動種別データ値に基づいて変動パターン(変動時間)を決定するためのテーブルであり、変動種別データの値と、保留球数に基づいて変動パターン(変動時間)が決定される。この変動パターン選択テーブル202deには、遊技状態が通常状態である場合に参照される通常用変動パターン選択テーブル202de1と、遊技状態が確変状態または時短状態である場合に参照される確変・時短用変動パターン選択テーブル202de2が規定されている。
ここで、図1134(b)を参照して、変動パターン選択テーブル202deに規定されている通常用変動パターン選択テーブル202de1の内容について説明をする。図1134(b)は、通常用変動パターン選択テーブル202de1の内容を模式的に示した模式図である。通常用変動パターン選択テーブル202de1は、上述した通常中当たり用選択テーブル202db1または通常中外れ用選択テーブル202db2において選択された変動種別データと保留球数に基づいて特別図柄の変動時間を設定するためのデータテーブルである。
図1134(b)に示す通り、選択された変動種別データ値が00H(即ち、当たりショートリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が12000ms(12秒)の変動パターンである「当たりショートリーチA」が設定される。なお、変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターン種別を特定する処理は、保留第1エリアから実行エリアへデータがシフトされた場合に行われる。この場合、他の保留エリアに記憶されている入賞データは、シフト処理によりエリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰められているので、変動パターンを選択するタイミングにおいて、保留されている入賞データ(保留球数)の最大値は3である。このため、変動パターン選択テーブル202deは、保留球数0~3の場合について規定している。選択された変動種別データ値が01H(即ち、当たりロングリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が17000ms(17秒)の変動パターンである「当たりロングリーチA」が設定される。選択された変動種別データ値が02H(即ち、当たりスーパーリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が30000ms(30秒)の変動パターンである「当たりスーパーリーチA」が設定される。
また、選択された変動種別データ値が04H(即ち、外れショートリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が12000ms(12秒)の変動パターンである「外れショートリーチA」が設定される。選択された変動種別データ値が05H(即ち、外れロングリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が17000ms(17秒)の変動パターンである「外れロングリーチA」が設定される。選択された変動種別データ値が06H(即ち、外れスーパーリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が30000ms(30秒)の変動パターンである「外れスーパーリーチA」が設定される。このように、「ショートリーチ」、「ロングリーチ」、「スーパーリーチ」のそれぞれの変動時間は当否判定結果にかかわらず同一の尺となるように構成している。ここで、通常状態では、大当たり当選の場合に「スーパーリーチ」が選択される割合が40/200であるのに対し、外れの場合に「スーパーリーチ」が選択される割合が5/200となっている。つまり、「スーパーリーチ」は、外れである場合に比べて大当たり当選である場合の方が8倍選択され易い。
また、通常状態では、大当たり当選の場合に「ロングリーチ」が選択される割合が115/200であるのに対し、外れの場合に「ロングリーチ」が選択される割合が40/200となっている。つまり、「ロングリーチ」は、外れである場合に比べて大当たり当選である場合の方が約3倍選択され易い。そして、通常状態では、大当たり当選の場合に「ショートリーチ」が選択される割合が45/200(9/40)であるのに対し、外れの場合に「ショートリーチ」が選択される割合45/200(9/40)となっている。つまり、「ショートリーチ」は、大当たり当選である場合と外れである場合とで選択される確率は同一である。従って、「スーパーリーチ」が実行された場合には大当たり当選である可能性が最も高く、次いで「ロングリーチ」、「ショートリーチ」の順に大当たり当選である可能性が高くなる。このように構成することで、特別図柄の変動種別に基づいて決定された変動パターン(変動時間)から遊技者が当否判定結果を予測することが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、選択された変動種別データ値が03H(即ち、完全外れ)であり、保留球数が0個であれば変動時間が17000ms(17秒)の変動パターンである「完全外れA」が設定され、保留球数が1個であれば変動時間が8000ms(8秒)の変動パターンである「完全外れB」が設定され、保留球数が2個であれば変動時間が5000ms(5秒)の変動パターンである「完全外れC」が設定され、保留球数が3個であれば変動時間が3000ms(3秒)の変動パターンである「完全外れD」が設定される。
ここで、通常状態において当否判定結果が外れであった場合に頻繁にリーチ変動が実行されると、遊技者がリーチ変動に慣れてしまい、リーチ変動に対する興味が薄れてしまう虞があるため、本第29制御例では、通常状態において当否判定結果が外れである場合には、変動種別としてリーチ変動ではない「完全外れ」が選択される割合が最も高くなるように構成している(図1132(c)参照)。そして、変動種別が「完全外れ」である場合には、保留球数が少ないほど、変動期間の長い変動パターン種別が選択されるように構成されている。これにより、特別図柄の変動中に新たに保留球を獲得させ易くなり、保留球を途切れ難くすることができる。また、保留球数が多くなれば、短い変動期間が設定され易く、多い保留球数を維持することでテンポ良く遊技を行うことができるため、遊技者に保留球数を多く保有した状態を維持させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図1133(a)を参照して、変動種別選択テーブル202dbに規定されている確変・時短中当たり用選択テーブル202db3の内容について説明をする。図1133(a)は、確変・時短中当たり用選択テーブル202db3の内容を模式的に示した模式図である。この確変・時短中当たり用選択テーブル202db3は、遊技状態として確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)または時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態で特別図柄の当否判定結果が大当たり当選となった場合における特別図柄の変動種別を設定するためのデータテーブルである。図1133(a)に示す通り、確変状態または時短状態において特別図柄の大当たりの場合に選択され得る変動種別の態様は、「当たりショートリーチ」、「当たりロングリーチ」の2種類であり、これらに対して変動種別データ07H,08Hがそれぞれ対応付けられている。そして、変動種別カウンタCS1の値が0~149の範囲であれば変動種別データとして07H(当たりショートリーチ)が選択され、150~199の範囲であれば変動種別データとして08H(当たりロングリーチ)が選択される。
次に、図1133(b)を参照して、変動種別選択テーブル202dbに規定されている確変・時短中外れ用選択テーブル202db4の内容について説明をする。図1133(b)は、確変・時短中外れ用選択テーブル202db4の内容を模式的に示した模式図である。この確変・時短中外れ用選択テーブル202db4は、遊技状態として確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)または時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態で特別図柄の当否判定結果が外れとなった場合における特別図柄の変動種別を設定するためのデータテーブルである。図1133(b)に示す通り、確変状態または時短状態において特別図柄の外れの場合に選択され得る変動種別の態様は、「完全外れ」、「外れショートリーチ」の2種類であり、これらに対して変動種別データ09H,0AHがそれぞれ対応付けられている。そして、変動種別カウンタCS1の値が0~164の範囲であれば変動種別データとして09H(完全外れ)が選択され、165~199の範囲であれば変動種別データとして0AH(外れショートリーチ)が選択される。上述した通常中当たり用選択テーブル202db1と同様に、選択された変動種別データに基づいて、変動パターン選択テーブル202deから変動パターン種別が選択される。その後、選択された変動種別データに基づいて、図1135に示す変動パターン選択テーブル202deから変動パターン種別が選択される。
ここで、図1135を参照して、変動パターン選択テーブル202deに規定されている確変・時短用変動パターン選択テーブル202de2の内容について説明をする。図1135は、確変・時短用変動パターン選択テーブル202de2の内容を模式的に示した模式図である。確変・時短用変動パターン選択テーブル202de2は、上述した確変・時短中当たり用選択テーブル202db3または確変・時短中外れ用選択テーブル202db4において選択された変動種別データと保留球数に基づいて特別図柄の変動時間を設定するためのデータテーブルである。図1135に示す通り、選択された変動種別データ値が07H(即ち、当たりショートリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が5000ms(5秒)の変動パターンである「当たりショートリーチB」が設定される。選択された変動種別データ値が08H(即ち、当たりロングリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が10000ms(10秒)の変動パターンである「当たりロングリーチB」が設定される。また、選択された変動種別データ値が09H(即ち、完全外れ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が3000ms(3秒)の変動パターンである「完全外れE」が設定される。選択された変動種別データ値が10H(即ち、外れショートリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が5000ms(5秒)の変動パターンである「外れショートリーチB」が設定される。
このように、確変状態または時短状態が設定されている場合には、通常状態が設定されている場合に比べて、当否判定結果が外れである場合にリーチ変動が選択される割合が低く設定されている。そして、確変状態または時短状態が設定されている場合には、通常状態が設定されている場合に比べて、リーチ変動の変動時間が短く設定されている。これにより、変動時間が短い変動パターンが選択され易くなるので、次の大当たりまでの期間を短くすることができ、遊技者に対して大当たりが短期間に連続しているという印象を与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、通常状態では「完全外れ」が選択された場合に、保留球数に応じて異なる変動時間が設定される構成であったが、確変状態および時短状態では「完全外れ」が選択された場合であっても保留球数にかかわらず一定の変動時間が設定される構成としている。これは、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には普通図柄の当たりに当選し易くなり、電動役物64aが開放状態となることにより第1入球口64へ入球し易い状態、即ち、通常状態に比べて特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し難い状態であるためであり、保留球数にかかわらず短い変動時間が設定される構成とすることで、遊技者がテンポ良く遊技を行うことができる。なお、本第29制御例のパチンコ機10では、同じ変動種別データ値であっても、保留球数に応じて異なる変動時間が選択される外れ変動種別と、保留球数によらずに同一の変動時間が選択される外れ変動種別とを設けているが、これに限られるものではない。例えば、すべての外れ変動種別で、保留球数に応じて変動時間を異ならせるように構成しても良い。また、確変状態および時短状態においても、保留球数に応じて異なる変動時間が設定される構成としても良い。このように構成することで、変動期間の長い外れのリーチ変動パターンばかりが連続してしまうことを抑制することができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを削いでしまうことを抑制することができる。
次に、図1129(b)を参照して、主制御装置110のRAM203について説明する。RAM203には、主制御装置110の処理を制御するための各種カウンタやフラグおよび設定値を格納する記憶領域が設けられている。ここで、主制御装置110の処理とは、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定および第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理である。
RAM203は、図1129(b)に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203da、普通図柄保留球格納エリア203db、特別図柄1保留球数カウンタ203dc、普通図柄保留球数カウンタ203dd、時短中カウンタ203de、確変フラグ203df、大当たり中フラグ203dg、発射許可フラグ203dh、特別図柄変動時間タイマ203dj、その他メモリエリア203dzを少なくとも有している。
特別図柄1保留球格納エリア203daは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2および変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。より具体的には、球が第1入球口64aへ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1,C2,CS1の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203dcaの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1,C2,CS1の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1,C2,CS1の各値に基づいて、特別図柄の抽選の判定が行われる。なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、特別図柄保留球格納エリア203dcaにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア~第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64aへ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1,C2,CS1の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1,C2,CS1の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1,C2,CS1の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動種別が該当する。そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動種別)を含む入賞コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞コマンドから、当否、停止種別および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM223の入賞情報格納エリア223ddに格納する。
普通図柄保留球格納エリア203dbは、特別図柄保留球格納エリア203dcaと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC3が格納される。より具体的には、球が左右何れかの普通入球口67を通過したタイミングで、第2当たり乱数カウンタC3の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203dcaと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203dbの保留第1エリアに記憶されている第2当たり乱数カウンタC3の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された第2当たり乱数カウンタC3の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選の判定が行われる。なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203dcaの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203dcは、第1入球口64aへの入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dcは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64aへ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図1149のS363D参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dcは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図1147のS205D参照)。この特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図1147のS206D、図1149のS365D参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズの影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数表示エリアDs2に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203ddは、普通入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203ddは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図1151のS503D参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203ddは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図1150のS605D参照)。
球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203ddの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC3の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203dbに記憶される(図1151のS504D)。一方、球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203ddの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203dbには新たに何も記憶されない(図1150のS503D:No)。
時短中カウンタ203deは、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される期間を計測するためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定される場合に(大当たり遊技終了後に)、予め定められた値(本第29制御例では「100」)が設定される。そして、時短中カウンタ203deの値が1以上である状態で特別図柄変動が実行されると、その値が1減算され、時短中カウンタ203deの値が「0」となった場合に、普通図柄の低確率状態へと移行したと判別する。また、時短中カウンタ203deの値に基づいて、普通図柄の高確率状態における詳細な期間を判別するように構成している。
確変フラグ203dfは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本第29制御例では、特別図柄の高確率状態が設定される場合(即ち、「大当たりA」に当選した場合)にオンに設定される(図1155のS1113D)。そして、「大当たりB」に当選した場合にオフに設定される(図1155のS1112D)。従って、一度「大当たりA」に当選すると、次に「大当たりB」に当選するまでは確変状態(特別図柄の高確率状態)が継続する。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本第29制御例では、大当たりBに当選した場合に確変フラグ203dfをオフに設定する構成としているが、これに限るものではなく、大当たり種別にかかわらず大当たり当選したことに基づいて確変フラグ203dfをオフに設定し、大当たり遊技終了時に再度確変フラグ203dfをオンに設定する構成としても良い。このように構成することで、大当たり遊技中は特別図柄の高確率状態が設定されないため、大当たり遊技中において遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。なお、本第29制御例では、特別図柄の高確率状態が設定されると、確変フラグ203dfがオンに設定され、大当たりBに当選した場合に、特別図柄の高確率状態が終了し、特別図柄の低確率状態へと移行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110のRAM203に確変カウンタを設けて、特別図柄の高確率状態が設定されると確変カウンタの値がセットされ、特別図柄抽選(変動)に基づいて確変カウンタの値が減算され、確変カウンタの値が0となった場合に、特別図柄の高確率状態が終了し、特別図柄の低確率状態へと移行するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に有利な確変状態での特別図柄抽選(変動)回数が有限となる(即ち、次回大当たり当選まで確変状態が継続するとは限らない)ため、遊技者に対して確変状態が設定されている期間中に大当たり当選できるかをドキドキさせながら遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
大当たり中フラグ203dgは、大当たり遊技(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203dgがオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たり中フラグ203dgは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり遊技(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図1156のS1117D参照)。また、大当たり遊技(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図1156のS1115D参照)。そして、特別図柄変動処理(図1147参照)では、この大当たり中フラグ203dgが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図1147のS201D参照)。
発射許可フラグ203dhは、発射制御装置112による遊技球の発射を指示している状態であることを示すためのフラグである。上述したように、操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)が内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。そして、タッチセンサ51aがオンであり、且つ、発射停止スイッチ51bがオフとなっている場合に、発射許可フラグ203dhがオンとなり(図1153のS704D)、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態、即ち、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている場合には、発射許可フラグ203dhがオフとなる(図1153のS708D)。
特別図柄変動時間タイマ203djは、設定された変動パターン(変動時間)に対応して第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示を実行するためのタイマである。この特別図柄変動時間タイマ203djには、特別図柄変動開始処理(S208D)において、変動表示が開始される特別図柄の変動時間(変動パターン)に対応するタイマ値が設定され、特別図柄変動処理(S104D)が実行される毎に2ms分のタイマ値が減算される。そして、特別図柄変動時間タイマ203djのタイマ値が0になると変動表示中の特別図柄が停止表示される。その他メモリエリア203dzは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグが設定(記憶)される。
<第29制御例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、図1136(a)を参照して、本第29制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の内容について説明をする。図1136(a)は、ROM222の規定内容を示したブロック図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、図1136(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222daと、疑似変動更新時間設定テーブル222dbと、結果報知演出態様設定テーブル222dcと、書き換え用演出態様設定テーブル222ddと、疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deとが少なくとも記憶されている。
ここで、図1137を参照して、変動パターン選択テーブル222daの内容について説明する。図1137は、変動パターン選択テーブル222daの規定内容を示したブロック図である。変動パターン選択テーブル222daは、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて、表示用変動パターン(第3図柄表示装置81において実行される第3図柄変動および当否判定結果を示唆するための変動演出)を設定するためのテーブルである。図1137に示す通り、本第29制御例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において参照される変動パターン選択テーブルとして通常用変動パターン選択Aテーブル222da1と、通常用変動パターン選択Bテーブル222da2と、通常用変動パターン選択Cテーブル222da3と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)および時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)において参照される確変・時短用変動パターン選択テーブル222da4とが規定されている。
ここで、本第29制御例では、通常状態において表示用変動パターンを選択する際に、第1入球口64への入賞頻度を判定し、その結果に基づいて異なるテーブルを参照する構成としている。より具体的には、音声ランプ制御装置113において実行される演出態様設定処理(図1167参照)において、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるか否かを判定し、入賞頻度低フラグ223dsがオンではないと判定した場合(S2452D:No)、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定され難いテーブルである通常用変動パターン選択Aテーブル222da1を参照して表示用変動パターンが設定される。一方、入賞頻度低フラグ223dsがオンであると判定した場合に(S2452D:Yes)、発射停止中フラグ223djがオンでなければ(S2453D:No)、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定され易いテーブルである通常用変動パターン選択Bテーブル222da2が参照される。なお、入賞頻度低フラグ223dsは、音声ランプ制御装置113において、第1入球口64への入賞頻度が低いと判定された状態であることを示すためのフラグである。この入賞頻度低フラグ223dsは、音声ランプ制御装置113において実行される入賞頻度計測処理(図1164参照)において、60000ms(60秒)間に受信した入賞コマンド数が4未満である場合に、入賞頻度が低いと判定され、入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定される。一方、60000ms(60秒)間に受信した入賞コマンド数が5以上である場合に、入賞頻度が高いと判定され、入賞頻度低フラグ223dsがオフに設定される。なお、入賞頻度計測処理の詳細については、図1164を参照して後述する。
また、発射停止中フラグ223djは、遊技球が発射されていない状態であることを示すためのフラグである。この発射停止中フラグ223djは、音声ランプ制御装置113において実行される発射関連コマンド処理(図1172参照)において、主制御装置110から発射停止コマンド(遊技球の発射が停止中であることを通知するコマンド)を受信した場合にオンに設定される(S2672D)。一方、主制御装置110から発射開始コマンド(遊技球の発射が開始されたことを通知するコマンド)を受信した場合にオフに設定される(S2673D)。なお、発射関連コマンド処理の詳細については、図1172を参照して後述する。このように、入賞頻度が低い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し易い状態である場合)であって、遊技者が遊技球を発射している場合は、特別図柄が停止した後に遊技球が第1入球口64に入球する可能性がある状態であるため、疑似変動に対応する演出態様が選択され易く構成することで、特別図柄の停止後に保留球が存在しない場合であっても疑似変動によって遊技球が第1入球口64に入球するまでの時間を稼ぐことが可能となり、遊技者に保留球が途切れていることを認識させ難くすることができる。また、入賞頻度が高い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し難い状態である場合)には疑似変動に対応する演出態様が選択され難い構成であるため、相対的に疑似変動とは異なる演出態様が選択され易くなり、疑似変動に対応する演出態様が頻繁に実行されることで、演出が単調になり遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、通常用変動パターン選択Cテーブル222da3は、疑似変動の実行中に開始される新たな特別図柄の表示用変動パターンを設定するためのテーブルである。通常用変動パターン選択Cテーブル222da3の詳細については、図1140を参照して後述する。
図1138~図1141を参照して、各変動パターン選択テーブルの詳細な内容について説明する。まず、図1138を参照して、変動パターン選択テーブル222daに規定されている通常用変動パターン選択Aテーブル222da1の内容について説明する。図1138は、通常用変動パターン選択Aテーブル222da1の内容を模式的に示した模式図である。上述したように、通常用変動パターン選択Aテーブル222da1は、第1入球口64への遊技球の入賞頻度が高い場合に設定されるテーブルである。図1138に示す通り、通常用変動パターン選択Aテーブル222da1は、演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。より具体的には、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして大当たりA1とは表示される演出内容が異なる「当たりショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~74」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「75~149」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりロングリーチA1とは演出内容が異なる「当たりロングリーチA2」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「150~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの当たり変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの当たり変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で外れを示す組み合わせで第3図柄を仮停止させた後、疑似変動を実行し、大当たり当選であることを報知する表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「当たりスーパーリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れA1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れA1とは演出内容が異なる「完全外れA2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れB」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れB1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れB」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れB1とは演出内容が異なる「完全外れB2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れC」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れC1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れC」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れC1とは演出内容が異なる「完全外れC2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れD」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れD1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れD」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れD1とは演出内容が異なる「完全外れD2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れショートリーチA1とは演出内容が異なる「外れショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~94」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「95~189」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れロングリーチA1とは演出内容が異なる「外れロングリーチA2」が設定される。また、変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「190~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの外れ変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの外れ変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で外れを示す組み合わせで第3図柄を仮停止させた後、疑似変動を実行し、外れであることを報知する表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「外れスーパーリーチA2」が設定される。
このように、各変動パターン種別に対して複数の表示用変動パターンから1の表示用変動パターンを設定可能に構成することで、変動時間や変動パターンの種別の情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制できる。
次に、図1139を参照して、変動パターン選択テーブル222daに規定されている通常用変動パターン選択Bテーブル222da2の内容について説明する。図1139は、通常用変動パターン選択Bテーブル222da2の内容を模式的に示した模式図である。上述したように、通常用変動パターン選択Bテーブル222da2は、第1入球口64への遊技球の入賞頻度が低く、遊技球が発射されている場合に設定されるテーブルである。図1139に示す通り、通常用変動パターン選択Bテーブル222da2は、演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。より具体的には、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして大当たりA1とは表示される演出内容が異なる「当たりショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~49」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「50~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりロングリーチA1とは演出内容が異なる「当たりロングリーチA2」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの当たり変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの当たり変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で外れを示す組み合わせで第3図柄を仮停止させた後、疑似変動を実行し、大当たり当選であることを報知する表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「当たりスーパーリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの外れ変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの外れ変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で外れを示す組み合わせで第3図柄を仮停止させた後、疑似変動を実行し、外れであることを報知する表示用変動パターンである。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れB」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れB1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れB」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れB1とは演出内容が異なる「完全外れB2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れC」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れC1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れC」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れC1とは演出内容が異なる「完全外れC2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れD」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れD1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れD」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れD1とは演出内容が異なる「完全外れD2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れショートリーチA1とは演出内容が異なる「外れショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~49」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「50~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れロングリーチA1とは演出内容が異なる「外れロングリーチA2」が設定される。また、変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの外れ変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの外れ変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で外れを示す組み合わせで第3図柄を仮停止させた後、疑似変動を実行し、外れ当選であることを報知する表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れスーパーリーチAとは演出内容が異なる「外れスーパーリーチA2」が設定される。
このように、通常用変動パターン選択Aテーブル222da1(図1138参照)では、変動パターン種別が「完全外れA」である場合には、疑似変動ありの変動パターンが選択されないのに対して、通常用変動パターン選択Bテーブル222da2では変動パターン種別が「完全外れA」である場合には必ず疑似変動ありの表示用変動パターンが設定される構成としている。上述したように、「完全外れ」は当否判定結果が外れである場合に最も選択されやすい変動種別であり、「完全外れA」は保留球数が0個の場合に設定される変動パターン種別である。従って、完全外れAは変動終了後に最も特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し易い変動パターンであると言える。このため、入賞頻度が低い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し易い状態である場合)であって、遊技者が遊技球を発射している場合において、完全外れAが設定された場合には必ず疑似変動ありの表示用変動パターンが選択されることで、特別図柄の停止から次の特別図柄の変動表示開始までの第3図柄が停止表示している期間を短縮させることができる。
また、入賞頻度が低い場合であっても保留球数が0個でない場合には他の表示用変動パターンが設定される構成であるため、入賞頻度が低い場合に疑似変動ありの表示用変動パターンばかりが設定されて遊技が単調になることを抑制することができる。また、入賞頻度が高い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し難い状態である場合)には疑似変動ありの表示用変動パターンが比較的選択され難い構成であるため、相対的に疑似変動とは異なる演出態様が選択され易くなり、疑似変動ありの表示用変動パターンが頻繁に選択されることで演出が単調になり遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第29制御例では、入賞頻度が低い状態である場合に、遊技球の発射が停止されていない状態である場合に、「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され易い通常用変動パターン選択Bテーブルを参照する構成としたが、これに限るものではなく、遊技球が発射されているか否かにかかわらず入賞頻度が低い状態である場合には「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され易い通常用変動パターン選択Bテーブルを参照する構成としても良い。或いは、特別図柄の表示用変動パターンを設定する場合における保留球数に基づいて参照する通常用変動パターン選択テーブルを決定する構成としても良い。例えば、特別図柄の変動が開始される場合に保留球数が0個であれば「疑似変動ありの表示用変動パターン」が選択され易い通常用変動パターン選択Bテーブルを参照し、保留球数が1個以上あれば「疑似変動ありの表示用変動パターン」が選択され難い通常用変動パターン選択Aテーブルを参照する構成としても良い。このように構成することで、入賞頻度にかかわらず保留球が途切れる可能性がある場合には「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され易くなる。また、入賞頻度ではなく、その他の条件が成立したことに基づいて通常用変動パターン選択テーブルを決定する構成としても良い。例えば、所定時間内における大当たり当選回数や、スーパーリーチAやロングリーチAの実行回数が所定回数以上である場合には、遊技者が十分に遊技を楽しんでいる状況であり、疑似変動を実行して特別図柄の変動表示が実行されていないことを気付かせ難くし遊技者が感じるストレスを緩和する必要性が低いため、「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され難い通常用変動パターン選択Aテーブルを参照する構成としても良い。
次に、図1140を参照して、変動パターン選択テーブル222daに規定されている通常用変動パターン選択Cテーブル222da3の内容について説明する。図1140は、通常用変動パターン選択Cテーブル222da3の内容を模式的に示した模式図である。上述したように、通常用変動パターン選択Cテーブル222da3は、特別図柄の表示用変動パターンを設定する場合に、疑似変動が実行中であり、疑似変動の終了後に特別図柄の残りの変動時間で通常演出を実行する場合の表示用変動パターンを設定する場合に参照されるテーブルである。図1140に示す通り、通常用変動パターン選択Cテーブル222da3には、通常演出時間と特別図柄の当否判定結果と演出カウンタ値CS1に対応して異なる表示用変動パターンが規定されている。通常演出時間とは、疑似変動中に開始された特別図柄の変動途中でその疑似変動が終了した後に残りの特別図柄の変動時間で実行される通常演出(特別図柄に対応する第3図柄変動および当否判定結果を示唆する演出)の演出時間のことを指す。上述したように、本第29制御例では、疑似変動の途中で新たな特別図柄の変動が開始される場合には、疑似変動の変動時間を延長する処理を実行する。より具体的には、後述する特殊演出追加設定処理(図1168参照)または、結果報知演出設定処理(図1174参照)において、新たに開始される特別図柄の変動パターン種別に対応する変動時間に基づいて、実行中の疑似変動の変動時間を更新するための更新時間と疑似変動終了後に実行する通常演出の演出時間を、図1142(a)に示す疑似変動更新時間設定テーブル222dbに基づいて決定する。
ここで、図1142(a)を参照して、疑似変動更新時間設定テーブル222dbの内容について説明する。図1142(a)は、疑似変動更新時間設定テーブル222dbの規定内容を模式的に示した模式図である。疑似変動更新時間設定テーブル222dbは、設定された変動パターン種別に対応する変動時間に基づいて、実行中の疑似変動の残り疑似変動時間を更新するための疑似変動更新時間と、疑似変動終了後に特別図柄の残りの変動時間で実行される通常演出の演出時間を設定するために参照されるテーブルである。図1142に示す通り、疑似変動更新時間設定テーブル222dbには、新たに開始される特別図柄の変動パターンに対応する変動時間に対して、疑似変動更新時間と通常演出時間がそれぞれ規定されている。具体的には、新たに開始される特別図柄変動の変動時間が3000ms(3秒)である場合には(即ち、完全外れDの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として3000ms(3秒)、通常演出時間として0ms(0秒)が設定される。新たに開始される特別図柄変動の変動時間が5000ms(5秒)である場合には(即ち、完全外れCの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として5000ms(5秒)、通常演出時間として0ms(0秒)が設定される。新たに開始される特別図柄変動の変動時間が8000ms(8秒)である場合には(即ち、完全外れBの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として3000ms(3秒)、通常演出時間として5000ms(5秒)が設定される。新たに開始される特別図柄変動の変動時間が12000ms(12秒)である場合には(即ち、ショートリーチAの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として4000ms(4秒)、通常演出時間として8000ms(8秒)が設定される。新たに開始される特別図柄変動の変動時間が17000ms(17秒)である場合には(即ち、完全外れAまたはロングリーチAの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として5000ms(5秒)、通常演出時間として12000ms(12秒)が設定される。新たに開始される特別図柄変動の変動時間が30000ms(30秒)である場合には(即ち、スーパーリーチAの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として13000ms(13秒)、通常演出時間として17000ms(17秒)が設定される。
このように、それぞれの変動時間(変動パターン)に対して、所定の疑似変動更新時間と、通常演出時間が設定される。なお、特別図柄の変動停止後に保留球に基づく新たな特別図柄の変動表示が開始される場合と、特別図柄の変動表示が実行されていない期間中に新たな入賞に基づいて特別図柄変動が開始される場合とで、それぞれの変動時間(変動パターン)に対して疑似変動に割り当てられる時間は同一となるように構成している。例えば、疑似変動が開始された特別図柄の変動停止時に存在する保留球に基づいて新たに開始される特別図柄の変動時間が12000ms(12秒)の変動パターンの場合と、疑似変動が継続している期間に遊技球が第1入球口64に入賞したことに基づいて新たに開始される特別図柄の変動時間が12000ms(12秒)の変動パターンの場合とで、疑似変動に割り当てられる時間は同一であり、4000ms(4秒)である。そして、本第29制御例では、疑似変動残時間タイマ223djに設定されているカウンタ値をリセットした後(即ち、現在設定されている疑似変動時間をクリアした後)、新たに疑似変動更新時間を設定する構成としている(図1161のS2537D~S2539D、図163のS2887D~S2890D参照)。このように構成することで、新たな特別図柄変動が開始された時点における疑似変動の残変動時間にかかわらず、その特別図柄変動における疑似変動時間と、疑似変動終了後に実行される通常演出の演出時間を一定とすることができる。
ここで、疑似変動終了後に実行される通常演出の演出時間は、疑似変動なしの表示用変動パターンで実行される通常演出の演出時間と同じ尺になるように構成している。具体的には、疑似変動中に新たに開始される特別図柄変動の変動時間が8000ms(8秒)である場合、3000ms(3秒)間の疑似変動が実行された後に、5000ms(5秒)間の通常演出が実行される。この5秒間の通常演出の演出時間は、疑似変動なしの表示用変動パターンにおける完全外れB1または完全外れB2の演出時間と同一であるため、疑似変動終了後に完全外れB1または完全外れB2の表示用変動パターンに対応する演出を実行可能となる。
また、疑似変動中に新たに開始される特別図柄変動の変動時間が12000ms(12秒)である場合、4000ms(4秒)間の疑似変動が実行された後に、8000ms(8秒)間の通常演出が実行される。この8秒間の通常演出の演出時間は、疑似変動なしの表示用変動パターンにおける完全外れC1または完全外れC2の演出時間と同一であるため、疑似変動終了後に完全外れC1または完全外れC2の表示用変動パターンに対応する演出を実行可能となる。なお、疑似変動中に新たに開始される特別図柄変動の変動種別が「当たりショートリーチA」(12秒の当たり変動)である場合にも8秒間の通常演出が実行されるが、疑似変動なしの表示用変動パターンに演出時間が8秒の当たり変動がないため、専用のリーチ演出を設けている。
また、疑似変動中に新たに開始される特別図柄変動の変動時間が17000ms(17秒)である場合、5000ms(5秒)間の疑似変動が実行された後に、12000ms(12秒)間の通常演出が実行される。この12秒間の通常演出の演出時間は、疑似変動なしの表示用変動パターンにおける当たり(外れ)ショートリーチA1または当たり(外れ)ショートリーチA2の演出時間と同一であるため、疑似変動終了後に当たり(外れ)ショートリーチA1または当たり(外れ)ショートリーチA2の表示用変動パターンに対応する演出を実行可能となる。
また、疑似変動中に新たに開始される特別図柄変動の変動時間が30000ms(30秒)である場合、13000ms(13秒)間の疑似変動が実行された後に、17000ms(17秒)間の通常演出が実行される。この17秒間の通常演出の演出時間は、疑似変動なしの表示用変動パターンにおける当たり(外れ)ロングリーチA1または当たり(外れ)ショートリーチA2の演出時間と同一であるため、疑似変動終了後に当たり(外れ)ショートリーチAまたは当たり(外れ)ショートリーチA2の表示用変動パターンに対応する演出を実行可能となる。このように、一部(当たりショートリーチ)を除いて疑似変動ありの表示用変動パターン専用に通常演出の表示データテーブル(主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載したデータテーブル)を持たなくても良いのでデータ容量を節約することができる。加えて、疑似変動終了後に実行される通常演出と、疑似変動なしの場合に実行される通常演出で同一の演出が実行されるので、疑似変動が実行されていたことを遊技者に気付かれ難くすることができる。
なお、変動時間が3000ms(3秒)の場合(完全外れDの変動パターンの場合)と、5000msの場合(完全外れCの変動パターンの場合)には、通常演出時間が0ms(0秒)となっている。この場合、疑似変動を実行した後に通常演出を実行すると、疑似変動なしの表示用変動パターンにはない不自然に短い変動が実行されることになり、遊技者に違和感を与えてしまう。このため、疑似変動と特別図柄変動が同時に終了する構成とすることで、遊技者に違和感を与えない演出を実行することができる上に、遊技者に外れであることを報知する回数が減少するので、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
図1140に戻って説明を続ける。通常用変動パターン選択Cテーブル222da3には、上述した疑似変動更新時間設定テーブル222db(図1142参照)に基づいて設定された通常演出時間と、特別図柄の当否判定結果と、演出カウンタ値CS1に対応する表示用変動パターンが規定されている。具体的には、通常演出時間として5000ms(5秒)が設定され、当否判定結果が外れであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れC1」が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れC1」とは異なる「完全外れC2」が設定される。なお、通常演出時間として5000ms(5秒)が設定されるのは、変動パターンが「完全外れB」の場合のみであるため、当否判定結果が当たりの場合は規定していない。
通常演出時間として8000ms(8秒)が設定され、当否判定結果が当たりであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA3」が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA3」とは異なる「当たりショートリーチA4」が設定される。上述したように、疑似変動なしの表示用変動パターンにおける変動時間が8秒の変動パターンは、「完全外れB」のみであり、当たりとなる変動パターンがない。一方、疑似変動終了後に8秒の通常演出が設定される変動パターンには、「当たりショートリーチA」(12秒の当たり変動)も含まれる。このため、疑似変動終了後に通常演出が実行される場合のみ設定される表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA3」(8秒の当たり変動)および「当たりショートリーチA4」(8秒の当たり変動)を規定している。通常演出時間として8000ms(8秒)が設定され、当否判定結果が外れであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れA1」が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れA1」とは異なる「完全外れA2」が設定される。
通常演出時間として12000ms(12秒)が設定され、当否判定結果が当たりであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」とは異なる「当たりショートリーチA2」が設定される。一方、通常演出時間として12000ms(12秒)が設定され、当否判定結果が外れであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」とは異なる「外れショートリーチA2」が設定される。
通常演出時間として17000ms(17秒)が設定され、当否判定結果が当たりであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」とは異なる「当たりロングリーチA2」が設定される。一方、通常演出時間として17000ms(17秒)が設定され、当否判定結果が外れであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」とは異なる「外れロングリーチA2」が設定される。このように、疑似変動終了後に実行される通常演出の表示用変動パターンを、疑似変動なしの表示用変動パターンで実行される通常演出の表示用変動パターンと同一の態様とすることで、1の特別図柄の変動時間内に複数回の第3図柄変動が実行されていることを遊技者に気付かせ難くすることができる。
次に、図1141を参照して、変動パターン選択テーブル222daに規定されている確変・時短用変動パターン選択テーブル222da4の内容について説明する。図1141は、確変・時短用変動パターン選択テーブル222da4の内容を模式的に示した模式図である。この確変・時短用変動パターン選択テーブル222da4は、遊技状態として確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)または時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合における特別図柄の表示用変動パターンを設定するために参照されるテーブルである。確変・時短用変動パターン選択テーブル222da4は、演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、取得した演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。具体的には、変動パターン種別が「当たりショートリーチB」であり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチB1」(5秒の当たり変動)が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチB1」とは異なる「当たりショートリーチB2」(5秒の当たり変動)が設定される。
変動パターン種別が「当たりロングリーチB」であり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチB1」(10秒の当たり変動)が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチB1」とは異なる「当たりロングリーチB2」(10秒の当たり変動)が設定される。
変動パターン種別が「完全外れE」であり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れE1」(3秒の外れ変動)が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れE1」とは異なる「完全外れE2」(3秒の外れ変動)が設定される。
変動パターン種別が「外れショートリーチB」であり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチB1」(5秒の外れ変動)が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチB1」とは異なる「外れショートリーチB2」(3秒の当たり変動)が設定される。
このように、各変動パターン種別に対して複数の表示用変動パターンを設定可能に構成することで、変動時間や変動パターンの種別の情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。なお、本第29制御例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合のみ疑似変動が実行される構成としたが、これに限るものではなく、確変状態または時短状態が設定されている場合においても疑似変動が実行される表示用変動パターンを規定しても良い。
次に、図1142(b)を参照して、結果報知演出態様設定テーブル222dcの内容について説明をする。図1142(b)は、結果報知演出態様設定テーブル222dcに規定されている内容を模式的に示した図である。結果報知演出態様設定テーブル222dcは、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)終了時に保留球が存在し、その保留球に基づいて新たに特別図柄の変動(2回目の特図変動)が開始される場合に実行される結果報知演出(図1124参照)の演出態様を設定するために参照されるテーブルである。結果報知演出態様設定テーブル222dcは、演出カウンタ値CS2に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)に対応する演出態様がそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、取得した演出カウンタ値CS2に基づいて、詳細な結果報知演出の演出態様を選択する。具体的には、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が4秒の「結果報知演出A」が設定され、演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が4秒の「結果報知演出B」が設定される。この「結果報知演出A」と「結果報知演出B」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、疑似変動終了時に停止表示される第3図柄の組み合わせが異なっており、「結果報知演出A」では保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせで停止表示され、「結果報知演出B」では保留球内の大当たり当選期待度が50%であることを示す態様である「321」の組み合わせで停止表示される。
変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出C」が設定され、演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出D」が設定される。この「結果報知演出C」と「結果報知演出D」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、疑似変動終了時に停止表示される第3図柄の組み合わせが異なっており、「結果報知演出C」では保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせで停止表示され、「結果報知演出D」では保留球内の大当たり当選期待度が50%であることを示す態様である「321」の組み合わせで停止表示される。
変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が13秒の「結果報知演出E」が設定される。この「結果報知演出E」は、ミッション演出が成功する演出態様であり、疑似変動終了時に保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせで第3図柄が停止表示される。
変動パターン種別が「完全外れA」または「完全外れC」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出F」が設定される。この「結果報知演出F」はミッション演出が失敗する演出態様である。「完全外れA」および「完全外れC」は、上述した疑似変動更新時間設定テーブル222db(図1142参照)において、共に5秒の疑似変動更新時間が設定される外れ変動パターンであるため、共通の演出態様とすることで、演出態様を表示するための表示データを節約することができる。変動パターン種別が「完全外れB」または「完全外れD」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が3秒の「結果報知演出G」が設定される。この「結果報知演出G」は、ミッション演出が失敗する演出態様である。「完全外れB」および「完全外れD」は、上述した疑似変動更新時間設定テーブル222db(図1142参照)において、共に3秒の疑似変動更新時間が設定される外れ変動パターンであるため、共通の演出態様とすることで、演出態様を表示するための表示データを節約することができる。なお、「結果報知演出G」は、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)停止時に保留球が存在しない場合にも設定される演出態様である。
変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が4秒の「結果報知演出B」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が4秒の「結果報知演出I」が設定される。この「結果報知演出B」は「当たりショートリーチA」において選択される「結果報知演出B」と同一の演出態様であり、「結果報知演出H」はミッション演出が失敗する演出態様である。変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出D」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出I」が設定される。この「結果報知演出D」は「当たりロングリーチ」において選択される「結果報知演出D」と同一の演出態様であり、「結果報知演出F」は「完全外れA」または「完全外れC」において選択される「結果報知演出F」と同一の演出態様である。
変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が13秒の「結果報知演出E」が設定される。この「結果報知演出E」は、「当たりスーパーリーチA」において選択される「結果報知演出E」と同一の演出態様である。
次に、図1143を参照して、書き換え演出態様設定テーブル222ddの内容について説明をする。図1143は、書き換え演出態様設定テーブル222ddに規定されている内容を模式的に示した図である。書き換え演出態様設定テーブル222ddは、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)終了時に保留球が存在せず、疑似変動継続中に新たな第1入球口64への入賞に基づいて特別図柄の変動(2回目の特図変動)が開始される場合に実行される書き換え演出(図1125参照)の演出態様を設定するために参照されるテーブルである。図1143に示す通り、書き換え演出態様設定テーブル222ddは、演出カウンタ値CS2に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)と、第1入球口64に入賞した時点における疑似変動の残時間に対応する演出態様がそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、取得した演出カウンタ値CS2に基づいて、詳細な結果報知演出の演出態様を選択する。具体的には、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「0~149」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が1000ms(1秒)の「短書き換え演出A」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「中書き換え演出A」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「長書き換え演出A」が選択される。
また、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「150~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が1000ms(1秒)の「短書き換え演出B」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「中書き換え演出B」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「長書き換え演出B」が選択される。上述したように、書き換え演出は、既に実行中の結果報知演出Gが終了した後に実行される演出である。このため、遊技球が第1入球口64に入賞したことに基づいて特別図柄の変動が開始されるタイミングによって、その特別図柄の変動時間内で結果報知演出Gの残りの演出を実行する時間が可変する。例えば、結果報知演出Gの開始から1秒が経過した時点(即ち、疑似変動の開始から6秒が経過し残時間2秒の時点)で「当たりショートリーチ」の特別図柄の変動(12秒)が開始される場合、その特別図柄の変動中に2秒の結果報知演出Gの残りの演出が実行されることとなる。上述したように、変動パターン毎に変動時間内で疑似変動に割り当てられる時間は一定であるため、「当たりショートリーチ」の変動パターンにおいては疑似変動が実行される時間(疑似変動更新時間)として4秒が割り当てられる。従って、この場合、2秒の結果報知演出Gの残りの演出を実行した後に、疑似変動の残時間は2秒となる。一方、結果報知演出Gの開始から2秒が経過した時点で「当たりショートリーチ」の特別図柄の変動(12秒)が開始される場合、その特別図柄の変動中に1秒の結果報知演出Gの残りの演出が実行されることとなる。従って、この場合には、1秒の結果報知演出Gの残りの演出を実行した後に、疑似変動の残時間は3秒となる。このように、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始されるタイミングによって、その特別図柄の変動時間内で結果報知演出の残りの演出を実行するための時間が可変し、書き換え演出を実行するための演出時間が可変するため、本第29制御例では、特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間に基づいて演出時間の異なる書き換え演出を設定する構成としている。このように構成することで、結果報知演出終了後の疑似変動の残時間と、書き換え演出の演出時間と、が大きく異なることを抑制し、書き換え演出終了から通常演出開始までが間延びすることを抑制することができる。
「短書き換え演出A」、「中書き換え演出A」、「長書き換え演出A」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄を、保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせに上書きする演出態様であり、相違するのは、それぞれの演出態様で書き換え演出(図1120(a)参照)においてキャラクタ801が第3図柄の上書きを完了するまでに要する時間が異なる点のみである。具体的には、「短書き換え演出A」ではキャラクタ801が第3図柄にスプレーを1回吹きかけると上書きが完了するのに対し、「中書き換え演出A」ではキャラクタ801が第3図柄にスプレーを2回吹きかけると上書きが完了し、「長書き換え演出A」ではキャラクタ801が第3図柄にスプレーを3回吹きかけると上書きが完了する。このように、疑似変動の残時間に基づいて演出時間が異なる書き換え演出の演出態様が設定される構成であるため、疑似変動開始から終了までのどのタイミングで特別図柄の変動が新たに開始されても、その特別図柄の変動時間内で実行される疑似変動の変動時間と、疑似変動終了後に実行される通常演出の演出時間を一定とすることができる。一方、「短書き換え演出B」、「中書き換え演出B」、「長書き換え演出B」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄を、保留球内の大当たり当選期待度が50%であることを示す態様である「321」の組み合わせに上書きする演出態様であり、相違するのはそれぞれの演出態様で書き換え演出(図1120(a)参照)においてキャラクタ801が第3図柄の上書きを完了するまでに要する時間が異なる点のみである。
変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「0~149」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が1000ms(1秒)の「短書き換え演出B」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「中書き換え演出B」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「長書き換え演出B」が選択される。この「短書き換え演出B」、「中書き換え演出B」、「長書き換え演出B」は、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」である場合に選択されるものと同一の演出態様である。一方、変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「150~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が1000ms(1秒)の「短書き換え演出F」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「中書き換え演出F」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「長書き換え演出F」が選択される。この「短書き換え演出F」、「中書き換え演出F」、「長書き換え演出F」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄をキャラクタ801が上書きしようとして失敗する演出が実行され、それぞれの演出態様で相違するのは上書き失敗であることが報知されるまでに要する時間が異なる点のみである。なお、書き換え演出が実行されるのは、特別図柄が変動表示されていない期間に疑似変動が継続している場合であるため、第1入球口64への新たな入賞に基づいて特別図柄の変動が開始される場合には、必ず保留球数が0個である。従って、保留球数が1個以上ある場合に設定される「完全外れB」、「完全外れC」、「完全外れD」が選択されることはないので、書き換え演出態様設定テーブル222ddではそれらの変動パターン種別に対応する演出態様は規定していない。
変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「0~149」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「短書き換え演出C」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「中書き換え演出C」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が4000ms(4秒)の「長書き換え演出A」が選択される。また、変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「150~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「短書き換え演出D」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「中書き換え演出D」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が4000ms(4秒)の「長書き換え演出D」が選択される。
「短書き換え演出C」、「中書き換え演出C」、「長書き換え演出C」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄を、保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせに上書きする演出態様であり、相違するのは、書き換え演出においてキャラクタが第3図柄の上書きを完了するまでに要する時間が異なる点のみである。なお、変動パターン種別が「当たりショートリーチ」である場合に実行される書き換え演出とは、書き換え演出において登場するキャラクタがうさぎではなく勇者を模したキャラクタ(図示しない)になる点で相違する。「短書き換え演出D」、「中書き換え演出D」、「長書き換え演出D」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄を、保留球内の大当たり当選期待度が50%であることを示す態様である「321」の組み合わせに上書きする演出態様であり、相違するのは、書き換え演出においてキャラクタが第3図柄の上書きを完了するまでに要する時間が異なる点のみである。なお、変動パターン種別が「当たりショートリーチ」である場合に実行される書き換え演出とは、書き換え演出において登場するキャラクタがうさぎではなく勇者を模したキャラクタ(図示しない)になる点で相違する。
上述したように、本第29制御例では、通常状態において大当たり当選した場合に、最も選択され易い変動種別が「ロングリーチ」であり、外れである場合に最も選択され易い変動種別が「完全外れ」である(図1132(b),(c)参照)。言い換えると、大当たり当選である場合には「当たりロングリーチA」の変動種別に対応する書き換え演出が実行され易く、外れである場合には「完全外れA」の変動種別に対応する書き換え演出が実行され易い。そして、図1143に示す通り、「当たりロングリーチ」である場合には必ずミッション演出が成功する書き換え演出の演出態様が設定されるのに対し、「完全外れA」である場合には、ミッション演出が成功する演出態様よりもミッション演出が失敗する演出態様が設定される割合が高い。このため、書き換え演出において登場するキャラクタの態様によって、遊技者はミッション演出が成功するのか否かを予測することが可能となるので、書き換え演出において登場するキャラクタに興味を持たせることで遊技の興趣を向上させることができる。
変動パターン種別が「外れロングリーチ」または「完全外れA」であり、演出カウンタCS2の値が「0~49」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「短書き換え演出D」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「中書き換え演出D」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が4000ms(4秒)の「長書き換え演出D」が選択される。「短書き換え演出D」、「中書き換え演出D」、「長書き換え演出D」は、変動パターン種別が「当たりロングリーチA」である場合に選択されるものと同一の演出態様である。変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「50~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「短書き換え演出G」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「中書き換え演出G」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が4000ms(4秒)の「長書き換え演出G」が選択される。この「短書き換え演出G」、「中書き換え演出G」、「長書き換え演出G」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄を勇者のキャラクタが上書きしようとして失敗する演出が実行され、それぞれの演出態様で相違するのは、上書き失敗であることが報知されるまでに要する時間が異なる点のみである。
また、変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「0~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が11000ms(11秒)の「短書き換え演出E」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が12000ms(12秒)の「中書き換え演出E」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が13000ms(13秒)の「長書き換え演出E」が選択される。一方、変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「0~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が11000ms(11秒)の「短書き換え演出E」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が12000ms(12秒)の「中書き換え演出E」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が13000ms(13秒)の「長書き換え演出E」が選択される。「短書き換え演出E」、「中書き換え演出E」、「長書き換え演出E」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄を再変動させ、保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせで停止表示させる演出態様であり、相違するのは、再変動した第3図柄が停止するまでに要する時間が異なる点のみである。
このように、変動パターン種別に応じて異なる態様の書き換え演出を設定可能に構成しているため、書き換え演出が単調になり遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、図1144を参照して、疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deの内容について説明をする。図1144は、疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deに規定されている内容を模式的に示した図である。疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deは、疑似変動の開始から終了までの期間に副表示領域Dsに表示される疑似保留図柄の表示シナリオを規定したテーブルである。図1144に示す通り、疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deは、特殊演出の演出態様毎にそれぞれ疑似保留表示パターンが規定されている。具体的には、「当たり結果報知演出」が設定された場合には、疑似保留表示パターンAが設定される。上述したように、「当たり結果報知演出」は疑似変動が開始された特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合に設定される結果報知演出の演出態様であり、この疑似保留表示パターンAが設定された場合は、疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に合わせて導火線duを爆弾保留に向かって進み、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が0になると爆弾保留に到達して爆発し、大当たり当選であることが確定したことを示す表示態様である「祝」と記載された特殊保留図柄th0d(図1122(b)参照)に可変する表示シナリオが実行される。
「結果報知演出A,C,E」が設定された場合には、疑似保留表示パターンBが設定される。「結果報知演出A,C,E」はいずれもミッション演出が成功し、保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせで第3図柄が停止表示される演出態様であり、この疑似保留表示パターンBが設定された場合は、疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に合わせて導火線duを爆弾保留に向かって進み、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が0になると爆弾保留に到達して爆発し、大当たり当選である可能性が極めて高いことを示す表示態様である「大チャンス」と記載された特殊保留図柄th0b(図1122(b)参照)に可変する表示シナリオが実行される。「結果報知演出B,D」が設定された場合には、疑似保留表示パターンCが設定される。「結果報知演出B,D」はいずれもミッション演出が成功し、保留球内の大当たり当選期待度が50%であることを示す態様である「321」の組み合わせで第3図柄が停止表示される演出態様であり、この疑似保留表示パターンCが設定された場合は、疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に合わせて導火線duを爆弾保留に向かって進み、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が0になると爆弾保留に到達して爆発し、大当たり当選である可能性が高いことを示す表示態様である「チャンス」と記載された特殊保留図柄(図示しない)に可変する表示シナリオが実行される。
「結果報知演出F,G,H,I」が設定された場合には、疑似保留表示パターンDが設定される。「結果報知演出F,G,H,I」はいずれもミッション演出が失敗する演出態様であり、この疑似保留表示パターンDが設定された場合は、疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に合わせて導火線duを爆弾保留に向かって進み、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が2000msになると分岐地点Pt1にて消火し、爆弾保留が不発となる表示シナリオが実行される(図1119(b)参照)。「短書き換え演出A,C,E」、「中書き換え演出A,C,E」および「長書き換え演出A,C,E」が設定された場合には、疑似保留表示パターンEが設定される。「短書き換え演出A,C,E」、「中書き換え演出A,C,E」および「長書き換え演出A,C,E」はいずれもミッション演出が成功し、保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせで第3図柄が停止表示される演出態様であり、この疑似保留表示パターンEが設定された場合は、分岐地点Pt1で消火された疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が再着火し、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に合わせて導火線duを爆弾保留に向かって進み、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が0になると爆弾保留に到達して爆発し、大当たり当選である可能性が極めて高いことを示す表示態様である「大チャンス」と記載された特殊保留図柄th0b(図1122(b)参照)に可変する表示シナリオが実行される。
「短書き換え演出B,D」、「中書き換え演出B,D」および「長書き換え演出B,D」が設定された場合には、疑似保留表示パターンFが設定される。「短書き換え演出B,D」、「中書き換え演出B,D」および「長書き換え演出B,D」はいずれもミッション演出が成功し、保留球内の大当たり当選期待度が50%であることを示す態様である「321」の組み合わせで第3図柄が停止表示される演出態様であり、この疑似保留表示パターンFが設定された場合は、分岐地点Pt1で消火された疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が再着火し、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に合わせて導火線duを爆弾保留に向かって進み、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が0になると爆弾保留に到達して爆発し、大当たり当選である可能性が高いことを示す表示態様である「チャンス」と記載された特殊保留図柄th0b(図1122(b)参照)に可変する表示シナリオが実行される。「短書き換え演出F,G」が設定された場合には、疑似保留表示パターンGが設定される。「短書き換え演出F,G」はいずれもミッション演出が失敗する演出態様であり、この疑似保留表示パターンGが設定された場合は、分岐地点Pt1で消火された疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が再着火せず、爆弾保留が不発のままとなる表示シナリオが実行される。
「中書き換え演出F,G」および「長書き換え演出F,G」が設定された場合には、疑似保留表示パターンHが設定される。「中書き換え演出F,G」および「長書き換え演出F,G」はいずれもミッション演出が失敗する演出態様であり、この疑似保留表示パターンHが設定された場合は、分岐地点Pt1で消火された疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が再着火し、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に合わせて導火線duを爆弾保留に向かって進み、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が1000msになると爆弾保留に到達する前に火Hi1が消火され、爆弾保留が不発のままとなる表示シナリオが実行される。
なお、上述したように、本第29制御例では、特別図柄の変動パターン(変動時間)によって設定される結果報知演出の演出時間が異なり、それに合わせて疑似変動の変動時間も可変する構成である。大当たり当選である場合に選択される変動パターンの変動時間は最短でも12秒であるのに対し、外れ当選である場合に選択される変動パターンの変動時間は最短3秒であり、変動時間が短い方が大当たり当選の期待度が低くなる。そして、特別図柄の変動時間が長い方が演出時間の長い結果報知演出が設定され易いため、大当たり当選する期待度が高い場合には、外れ当選である場合に比べて火Hi1が分岐地点Pt1に到達するまでに多くの時間を要することになる。つまり、大当たり当選する期待度が高い場合には導火線duを火Hi1が爆弾保留に向かって進む進行速度が遅く、外れ当選である場合には導火線duを火Hi1が爆弾保留に向かって進む進行速度が速くなる。従って、火Hi1が爆弾保留に向かって進む進行速度が遅い場合には、分岐地点Pt1において火Hi1が消火される(爆弾保留に到達しない)可能性が高いが、分岐地点Pt1において消火されなかった場合には、大当たり当選であることが確定する。
このように、火Hi1の進行速度によっても遊技者は当否判定結果を予測することが可能な構成であり、火Hi1の進行速度が保留演出の開始から所定時間(5秒)経過したところで可変する構成であるため、保留演出が開始された時点では疑似保留図柄(爆弾保留)の表示態様に興味を持たせ、保留演出の中盤では火Hi1の進行速度に興味を持たせ、保留演出の終了直前には火Hi1が分岐地点Pt1を越えて爆弾保留に到達できるか否かに興味を持たせることにより、遊技者の保留演出に対する興味を保留演出終了まで持続させることができる。
なお、本第29制御例では、疑似保留図柄として爆弾を模した図柄を使用する構成としたが、これに限るものではない。例えば、副表示領域Dsにおいてキャラクタを使って保留図柄の表示態様を可変させるチャレンジ演出を実行し、成功すれば保留図柄の表示態様が可変させる構成としても良い。なお、本第29制御例では、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に基づいて火Hi1が導火線duを進行する構成としたが、これに限るものではなく、疑似変動残時間タイマ223dhとは別に保留演出専用のタイマを設けて、そのタイマ値に基づいて保留演出を進行させる構成としても良い。なお、本第29制御例では、特殊演出の演出態様に基づいて疑似保留表示パターンが設定され、対応する表示シナリオに沿って導火線duを火Hi1が進行する構成としたが、これに限るものではない。例えば、当否判定結果と演出カウンタの値に基づいて、導火線duを進行する火Hi1の進行速度と、疑似保留図柄の表示態様を可変させるか否かと、疑似保留図柄の表示態様が可変した場合に表示される保留図柄の表示態様とをそれぞれ設定可能に構成しても良い。このように構成することで、同一種別の特殊演出の演出態様に対して、実行される保留演出の表示パターンが多様になるため、演出が単調になり遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第29制御例では、保留演出開始時に表示される導火線duの長さを、いずれの疑似保留表示パターンが設定された場合であっても同一の長さとしたが、これに限るものではなく、疑似保留表示パターンや当否判定結果によって長さを可変させる構成としても良い。このように構成することで、保留演出開始時の導火線duの長さから遊技者に当否判定結果を予測させることが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第29制御例では、爆弾保留が爆発することによって遊技者にとってチャンスであることを報知する構成としたが、これに限るものではない。例えば、疑似変動の終了まで爆弾保留が爆発しない方が遊技者にとってチャンスである構成としても良い。具体的には、疑似変動の終了前に爆弾保留が爆発すると、その時点で外れであることを示す表示態様で第3図柄が停止表示され、疑似変動の変動期間経過までに爆弾保留が爆発しなければ大当たり当選であることを示す表示態様で第3図柄が停止表示される演出としても良い。
次に、図1136(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図1136(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、特別図柄1保留球数カウンタ223da、変動開始フラグ223db、停止種別選択フラグ223dc、入賞情報格納エリア223dd、第1演出カウンタ223de、第2演出カウンタ223df、疑似変動実行フラグ223dg、疑似変動残時間タイマ223dh、発射停止中フラグ223dj、入賞コマンド受信カウンタ223dk、入賞頻度計測タイマ223dm、変動開始待機フラグ223dn、疑似変動開始タイマ223dp、疑似保留表示フラグ223dq、疑似変動待機フラグ223dr、入賞頻度低フラグ223ds、その他メモリエリア223dzが少なくとも設けられている。
特別図柄1保留球数カウンタ223daは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223daにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。具体的には、主制御装置110では、第1入賞口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合または主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納する(図1165のS2207D参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223daの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223daの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223daの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の保留球数表示エリアDs2に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223daは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dcの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223dbは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図1166のS2424D参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図1176のS3002D参照)。変動開始フラグ223dbがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図1158参照)のコマンド出力処理(S2102D)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される表示用変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dcは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図1165のS2204D参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図1176のS3007D参照)。停止種別選択フラグ223dcがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。
入賞情報格納エリア223ddは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(第1エリア~第4エリア)とを特別図柄に対して有しており、これらの各エリアには、主制御装置110から出力された入賞コマンドに含まれる入賞情報が第1エリアから順に格納される。この入賞情報格納エリア223ddに格納される情報により、保留球の抽選結果が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
本第29制御例では、第1特別図柄の保留球を最大で4個、保留記憶可能に構成しているため、入賞情報格納エリア223ddには、第1特別図柄用の4つの保留エリアが形成される。そして、新たな特別図柄抽選を実行する場合には、第1特別図柄の保留エリアのうち、最古に記憶された入賞情報(第1エリアに記憶された入賞情報)が実行エリアへと移行するように構成されている。そして、第2エリア~第4エリアに格納されている各入賞情報が1つ若い番号の保留エリアへとシフトするように構成されている。
第1演出カウンタ223deおよび第2演出カウンタ223dfは、表示用変動パターンの選択や、各種演出の選択に使用されるカウンタであって、「0~198」の範囲で繰り返し更新される。なお、メイン処理が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。なお、この第1演出カウンタ223deおよび第2演出カウンタ223dfは、それぞれ更新規則が異なるように規定されている。何れのカウンタも、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図1158参照)が実行される毎にカウンタの更新処理が実行されるように構成している。そして、メイン処理の実行間隔内において表示用変動パターンの選択や、各種演出の選択処理を複数種類実行する場合には、第1演出カウンタ223deまたは第2演出カウンタ223dfが有するカウンタの値を取得して処理を実行するように構成している。これにより、同一タイミング(メイン処理の同一周期内)において第1演出カウンタ223deまたは第2演出カウンタ223dfの値を用いる処理が複数回実行された場合であっても、第1演出カウンタ223deまたは第2演出カウンタ223dfの同一値を用いて各種演出を選択することを抑制することができる。
疑似変動実行フラグ223dgは、疑似変動が実行中であることを示すためのフラグであり、疑似変動が開始される場合にオンに設定され(図1161のS2802D参照)、疑似変動が終了する場合にオフに設定される(図1160のS2238D参照)。この疑似変動実行フラグ223dgがオンである場合に主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合には(図1166のS2423D:Yes)、変動開始フラグ223dbがオンに設定されない。従って、第1図柄表示装置37では特別図柄の変動表示が開始されても、第3図柄表示装置81では、その特別図柄に対応する第3図柄変動の開始を待機させ、疑似変動が継続して実行される。そして、疑似変動が終了すると、変動開始フラグ223dbがオンに設定され、対応する第3図柄変動が開始される(図1160のS2242D参照)。このように構成することで、疑似変動の途中で新たに特別図柄の変動が開始された場合であっても、疑似変動を中断させずに継続することができる。
疑似変動残時間タイマ223dhは、疑似変動の変動時間を計測するためのカウンタであり、疑似変動が開始される場合に、疑似変動時間の長さに対応する値が設定され、時間の経過に伴って、値が減算されるように構成している。そして、カウンタの値が0になると疑似変動を終了する。これにより、主制御装置110からの疑似変動に関連するコマンドを要することなく、音声ランプ制御装置113において疑似変動を完結させることができる。なお、疑似変動残時間タイマ223dhの値が0になる前に新たな特別図柄の変動が開始される場合には、その特別図柄の変動パターンに対応する更新値(疑似変動更新時間)が設定される(図1168のS2539D、図1174のS2888D参照)。
発射停止中フラグ223djは、遊技者が遊技球を発射していない状態であることを音声ランプ制御装置113において判定するためのフラグであり、後述する演出態様設定処理(図1167参照)において表示用変動パターンを設定する際に、どの変動パターン選択テーブルを参照するかを決定する際に用いられる(図1167のS2453D参照)。主制御装置110から発射停止コマンドを受信した場合にオンに設定され(図1172のS2672D参照)、発射開始コマンドを受信した場合にオフに設定される(図1172のS2673D参照)。
入賞コマンド受信カウンタ223dkは、主制御装置110から入賞コマンドを受信した回数を計測するカウンタであり、主制御装置110から入賞コマンドを受信した場合にカウンタ値が1加算され(図1171のS2573D参照)、入賞頻度計測タイマ223dmの値が60000になった場合にカウンタ値が0に設定される(図1164のS2338D)。
入賞頻度計測タイマ223dmは、遊技者が遊技球を発射している時間を計測するためのタイマであり、発射停止中フラグ223djがオフである場合(即ち、遊技者が遊技球を発射している場合)に1ms毎にタイマの値が1加算される。そして、タイマ値が60000になった場合(即ち、遊技者が遊技球を発射した時間が60秒)に入賞頻度の判定が実行され、タイマ値が0に設定される(図1164のS2338D参照)。
変動開始待機フラグ223dnは、疑似変動が実行されている場合に、第1図柄表示装置37において新たな特別図柄変動が開始されても、その特別図柄変動に対応する第3図柄表示装置81における第3図柄の変動開始を疑似変動終了まで待機させていることを示すためのフラグであり、疑似変動終了後にその新たな特別図柄の変動に対応する通常演出(第3図柄の変動表示および当否判定結果を示唆する演出)が実行される場合にオンに設定され(図1168のS2542D参照)、疑似変動終了時にオフに設定される(図1160のS2241D参照)。このように構成することで、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信したタイミングから間を開けて第3図柄の変動表示を開始することができる。
疑似変動開始タイマ223dpは、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定された特別図柄の変動途中で疑似変動を開始させるためのカウンタであり、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定された場合に、疑似変動開始までの長さに対応するカウンタ値が設定され(図1167のS2456D参照)、特別図柄の変動開始から1ms毎にカウンタ値が1減算され(図1160のS2233D参照)、カウンタ値が0になった場合に第3図柄が仮停止し、疑似変動が開始される。
疑似保留表示フラグ223dqは、副表示領域Dsに疑似保留図柄が表示されていることを示すためのフラグであり、疑似変動が開始される場合にオンに設定され(図1162のS2278D参照)、疑似変動の終了時にオフに設定される(図1163のS2181D参照)。疑似保留表示フラグ223dqがオンに設定されている期間は、主制御装置110から停止コマンドを受信しても実行エリアDs1に表示されている保留図柄を消去せず、保留球数表示エリアDs2に保留球数に対応する保留図柄が表示されない。
疑似変動待機フラグ223drは、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定された特別図柄の変動表示において、疑似変動が待機していることを示すためのフラグであり、この疑似変動待機フラグ223drがオンに設定されている場合に、疑似変動開始タイマ223dpのカウント(減算)が実行される(図1160のS2232D:Yes)。疑似変動待機フラグ223drは、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定された場合にオンに設定され(図1167のS2457D参照)、疑似変動が開始される場合にオフに設定される(図1161のS2803D参照)。これにより、疑似変動なしの表示用変動パターンが設定された場合には、疑似変動開始タイマ223dpのカウンタ値を減算する処理が実行されないので、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
入賞頻度低フラグ223dsは、第1入球口64への遊技球の入賞頻度が低い状態であることを示すためのフラグであり、入賞頻度計測タイマ223dmのタイマ値が60000になった場合(即ち、遊技者が遊技球を60秒間発射した場合)に、入賞コマンド受信カウンタ223dkのカウンタ値が4未満であれば入賞頻度が低いと判定され、入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定され(図1164のS2336D参照)、入賞コマンド受信カウンタ223dkの値が5以上であれば入賞頻度が高いと判定され、入賞頻度低フラグ223dsがオフに設定される(図1164のS2340D参照)。
その他メモリエリア223dzは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値を一時的に記憶しておくための領域である。
<第29制御例における表示制御装置114の電気的構成について>
次に、図1145を参照して、本第29制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図1145は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。なお、本第29制御例における表示制御装置114は、上述した第1制御例における表示制御装置114に対して、ワークRAM233に新たに表示データ待機エリア233dkと、表示データ待機フラグ233dmを追加した点で相違しており、その他の構成については同一であるため、同一の構成については、その詳細な説明を省略する。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。本第29制御例におけるワークRAM233は、上述した第1制御例に対して、表示データ待機エリア233dk、表示データ待機フラグ233dmを有している点で相違しており、その他の構成については同一である。表示データ待機エリア233dkは、後述する特殊演出関連コマンド処理(図1178のS6409D参照)において決定された書き換え演出表示データテーブルを一時的に格納するためのエリアである。詳細は後述するが、本第29制御例では、表示制御装置114の表示データテーブルバッファに結果報知演出表示データテーブルが格納されている状態で、書き換え演出に対応する表示用コマンドを受信した場合に、結果報知演出が終了するまでの間、書き換え演出表示データテーブルを表示データ待機エリア233dkに格納する。このように構成することで、結果報知演出の終了に合わせて音声ランプ制御装置113から書き換え演出に対応する表示用コマンドを送信することなく、書き換え演出を実行することができる。表示データ待機フラグ233dmは、表示データ待機エリア233dkに表示用データテーブルが格納された場合に、オンに設定されるフラグである。具体的には、特殊演出関連コマンド処理(図1178のS6409D参照)のS6160Dの処理において、書き換え演出表示データテーブルが表示データ待機エリア233dkに格納されるとオンに設定される。そして、表示データ待機解除処理(図1181のS7217D参照)において、表示データ待機エリア233dkに格納されている表示用データテーブルを表示データテーブルバッファに移動させた後、オフに設定される。
<第29制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図1146から図1156のフローチャートを参照して、本第29制御例において主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。図1146は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101D)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102D)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では249)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1および第2当たり乱数カウンタC3の更新を実行する(S103D)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1および第2当たり乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、249,199,199,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,CS1,C3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104D)、次いで、第1入球口64aへの入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、特別図柄変動処理および始動入賞処理の詳細は、図1147~図1149を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106D)、普通入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107D)。なお、普通図柄変動処理およびスルーゲート通過処理の詳細は、図1150および図1151を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108D)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理の詳細は、図1152を参照して後述する。
次に、図1147を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104D)を説明する。図1147は、この特別図柄変動処理(S104D)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104D)は、タイマ割込処理(図1146参照)の中で実行され、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定(当否判定)や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37に特別図柄の変動表示を可能に制御したり、第3図柄表示装置81にて第3図柄の変動表示演出を実行させるための各種コマンドを設定したり、判定結果(当否判定結果)を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図1146のS104D参照)について説明する。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判別する(S201D)。具体的には、大当たり中フラグ203kがオンであるかを判別する。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であれば(S201D:Yes)、そのまま本処理を終了する。S201Dの処理において、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)ではないと判別した場合は(S201D:No)、第1図柄表示装置37において特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(S202D)。具体的には、特別図柄変動時間タイマ203djのタイマ値が0でない場合に特別図柄の変動表示中であると判定し、0である場合(即ち、タイマ値が設定されていない場合)には特別図柄の変動表示中ではないと判定する。第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示中でなければ(S202D:No)、即ち、新たな特別図柄抽選(変動)を実行可能な状態であれば、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N1)を取得する(S203D)。次に、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204D)、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N)が0であれば(S204D:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N)が0でなければ(S204D:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N)を1減算し(S205D)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206D)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1155参照)の外部出力処理(S1001D)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納する。
S206Dの処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203daに格納されたデータをシフトする(S207D)。S207Dの処理では、特別図柄1保球格納エリア203dcaの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208D)。なお、特別図柄変動開始処理については、図1148を参照して後述する。
S202Dの処理において、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示中であれば(S202D:Yes)、次いで、変動時間が経過したか否かを判別する(S209D)。より具体的には、特別図柄変動時間タイマ203djのタイマ値を2ms分減算し、減算した後の特別図柄変動時間タイマ203djのタイマ値が0となれば変動時間が経過したと判定し、0でなければ変動時間が経過していないと判定する。変動時間が経過していなければ(S209D:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S216D)、その後、本処理を終了する。一方、S209Dの処理で変動時間が経過したと判別された場合は(S209D:Yes)、即ち、減算された特別図柄変動時間カウンタ203djのタイマ値が0である場合は、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210D)。停止図柄の設定は、特別図柄変動開始処理(S208D)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理(S208D)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA、大当たりBのいずれかが決定される。なお、本第29制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210Dの処理が終了した後は、特別図柄の変動表示が終了したことを示す停止コマンドを設定する(S211D)。ここで設定された停止コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1155参照)の外部出力処理(S1001D)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、停止コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出を終了させる処理を実行する。S211Dの処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理(S208D)によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S212D)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S212D:Yes)、大当たり開始フラグをオンに設定する(S213D)。S213Dの処理によって、大当たり開始フラグがオンに設定されると、主制御装置110にて実行されるメイン処理の大当たり制御処理(図1156参照)が実行された場合に、S1101D:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(S1117D)。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。S212Dの処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S212D:No)、時短中カウンタ203deの値が0よりも大きいかを判別する(S214D)。時短中カウンタ203deの値が0よりも大きいと判別された場合には(S214D:Yes)、時短中カウンタ203deの値を1減算し(S215D)、本処理を終了する。一方、S214Dの処理において、時短中カウンタ203deの値が0よりも小さいと判別された場合には(S214D:No)、S215Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
次に、図1148を参照して、特別図柄変動処理(図1147のS104D)の一処理である特別図柄変動開始処理(S208D)について説明する。図1148は、特別図柄変動開始処理(S208D)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208D)は、特別図柄1保留球格納エリア203daの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」または「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動時間)を決定するための処理である。特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄1保留球格納エリア203daの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2および停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S331D)。
次に、現在の遊技状態が高確率状態(確変中)であるかを判定する(S332D)。具体的には、確変フラグ203dfがオンに設定されているか否かを判別し、オンに設定されている場合には確変中であると判定する。S332Dの処理において、確変中であると判定した場合は(S332D:Yes)、高確率状態用の特別図柄大当たり乱数テーブル202da(図1130(a)参照)に基づいて抽選結果が取得される(S333D)。S333Dの処理では、S331Dの処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率状態用の特別図柄大当たり乱数テーブル202daとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの判定を実行する。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率状態用の特別図柄大当たり乱数テーブル202daに格納されている1000の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0~999」の1000個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S335Dの処理へ移行する。一方、S332Dの処理において、遊技状態が低確率遊技状態(通常状態)である場合は(S332D:No)、S331Dの処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率状態用の特別図柄大当たり乱数テーブル202daとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの判定を実行する(S334D)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率状態用の特別図柄大当たり乱数テーブル202daに格納されている250の乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0~249」の250個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S335Dの処理へ移行する。S335Dの処理では、変動種別カウンタCS1の値をRAM203のカウンタバッファから読み出して(S335D)、S336Dの処理へ移行する。
S336Dの処理では、S333DまたはS334Dの処理によって実行された特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S336D)、特別図柄の大当たりであると判定した場合には(S336D:Yes)、S335Dの処理で読み出した変動種別カウンタCS1の値を、変動種別選択テーブル202db内の遊技状態に応じた当たり用選択テーブル(図1132(b)または図1133(a)参照)と比較することにより、変動種別データを選択する(S337D)。例えば、変動種別カウンタCS1の値が「10」であれば、変動種別データとして、当たりロングリーチに対応する値である「01H」が選択される。また、変動種別カウンタCS1の値が「190」であれば、変動種別データとして、当たりスーパーリーチに対応する値である「02H」が選択される。その後、S339Dの処理へ移行する。一方、S336Dの処理において、特別図柄の大当たりではないと判定された場合には(S336D:No)、S335Dの処理で読み出した変動種別カウンタCS1の値を、変動種別選択テーブル202db内の遊技状態に応じた外れ用選択テーブル(図1132(c)または図1133(b)参照)と比較することにより、変動種別データを選択し(S338D)、S339Dの処理へ移行する。S339Dの処理では、S338Dの処理で決定された変動種別データに基づいて、遊技状態に対応する変動パターン選択テーブル(図1134、図1135参照)から対応する変動パターン種別を決定する(S339D)。例えば、通常状態において変動種別として「完全外れ」が選択された場合には、図1136(b)に示す通常用変動パターン選択テーブル202de1を参照し、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値を読み出した結果、保留球数が2個であった場合には、変動パターンとして変動時間が5000msの「完全外れC」が選択される。S339Dの処理で変動パターンを決定した後、S339Dの処理で決定した変動パターン種別を表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定し(S340D)、特別図柄の停止図柄を示す停止種別コマンドを設定する(S341D)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図1155)のS1001Dの処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドを受信した場合に、その変動パターンに対応する変動演出を第3図柄表示装置81に表示するための表示用変動パターンを設定する。また、停止種別コマンドを受信した場合は、受信した停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S341Dの処理が終わると、特別図柄変動時間タイマ203djに決定した変動パターンに対応する変動時間を示すタイマ値を設定し(S342D)、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図1149のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105D)を説明する。図1149は、この始動入賞処理(S105D)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105D)は、タイマ割込処理(図1146参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、特別図柄1保留球格納エリア203daにそれぞれ記憶されると、特別図柄1保留球格納エリア203daに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターンを予測する処理(所謂、先読み処理)が実行される。以下、始動入賞処理(図1149のS105D)について説明する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したかを判別する(S361D)。ここでは、第1入球口64内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別すると(S361D:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N1)を取得する(S362D)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N1)が4未満であるかを判別する(S363D)。つまり、現時点で第1特別図柄の保留球数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留球数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別した場合には(S363D:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N1)を1加算し(S364D)、音声ランプ制御装置113に対して第1特別図柄の保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S365D)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S361D:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N)が4未満でなければ(S363D:No)、本処理を終了してタイマ割込処理に戻る。
S365Dの処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103Dで更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2および停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203daの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S366D)。なお、S366Dの処理では、特別図柄1保留球カウンタ203dcの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、新たに保留球格納エリア203dcaに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果と、変動種別を予測し、入賞コマンドを設定する(S367D)。なお、ここでの当否判定は、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(特別図柄1保留球格納エリア203daに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。そして、当否判定結果と、変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動種別選択テーブル202db(図1132参照)から対応する変動種別を予測し、予測した当否判定結果と変動種別に対応する情報を含む入賞コマンドを設定する。なお、この入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図1155参照)にて実行される外部出力処理(S1001D)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。S367Dの処理が終了すると、タイマ割込処理(図1146参照)に戻る。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄を表示して遊技者に当否判定結果を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。なお、本第29制御例では、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果の両方を判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成したが、これに限るものではなく、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりであることを事前判別した場合のみ大当たりを示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
次に、図1150のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106D)について説明する。図1150は、この普通図柄変動処理(S106D)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106D)は、タイマ割込処理(図1146参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物64aの開放時間を制御するための処理である。この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるかを判別する(S601D)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物64aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601D:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601D:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるかを判別し(S602D)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602D:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dcの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603D)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dcbの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604D)、普通図柄保留球数カウンタ203dcbの値(M)が0であれば(S604D:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dcbの値(M)が0でなければ(S604D:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dcbの値(M)を1減算する(S605D)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203dbに格納されたデータをシフトする(S606D)。S606Dの処理では、普通図柄保留球格納エリア203dbの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203dbの実行エリアに格納されている普通当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607D)。
次に、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを判別する(S608D)。具体的には、RAM203の時短中カウンタの値が1以上であるか、または確変状態フラグ203dfがオンであれば普通図柄の時短状態であると判断する。S608Dの処理において、普通図柄の時短状態と判別した場合は(S608D:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるかを判別する(S609D)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中(エンディング期間)とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609D:Yes)、S611Dの処理に移行する。本第29制御例では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物64aが開放されて、特定入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。なお、特定入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S609Dの処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609D:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607Dの処理で取得した普通当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610D)。具体的には、普通当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、普通当たり種別カウンタC4の値が「5~204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0~4,205~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図1130(b)参照)。
S608Dの処理において、普通図柄の時短状態でない(即ち、普通図柄の低確率状態である)と判別した場合は(S608D:No)、S611Dの処理へ移行する。S611Dの処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、またはパチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607Dの処理で取得した普通当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611D)。具体的には、普通当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、普通当たり種別カウンタC4の値が「5~6」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0~4,7~239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図1130(b)参照)。
次に、S610DまたはS611Dの処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612D)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612D:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613D)。このS613Dの処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。そして、普通図柄の時短状態であるか否かを判別し(S614D)、普通図柄の時短状態と判別した場合は(S614D:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるかを判別する(S615D)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615D:Yes)、S617Dの処理に移行する。本第29制御例では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物64aの開放回数および開放時間が設定される。
S615Dの処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615D:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物64aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616D)、S619Dの処理へ移行する。S614Dの処理において、普通図柄の時短状態でない(即ち、普通図柄の通常状態である)と判別した場合は(S614D:No)、S617Dの処理へ移行する。S617Dの処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、またはパチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物64aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617D)、S619Dの処理へ移行する。
S612Dの処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612D:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618D)。このS618Dの処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619Dの処理へ移行する。S619Dの処理では、普通図柄の時短状態であるか否かを判別し(S619D)、普通図柄の時短状態であると判別した場合は(S619D:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620D)、本処理を終了する。一方、普通図柄の時短状態でない(即ち、普通図柄の通常状態である)と判別した場合は(S619D:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621D)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
なお、本第29制御例では、上述した通り、設定される普通図柄の確率状態に応じて、普通図柄の変動時間を異ならせているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態にかかわらず、常に変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技状態が切り替わるタイミングにおいて、具体的には、一般的に長い変動時間が設定され易い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、短い変動時間が設定され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が切り替わる大当たり遊技終了のタイミングにおいて、長い変動時間の普通図柄変動が実行されており、時短状態が設定されたにもかかわらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない事態が発生することを抑制することができる。
S602Dの処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602D:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622D)。なお、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S620Dの処理またはS621Dの処理によって予め設定された時間である。S622Dの処理において、変動時間が経過していなければ(S622D:No)、本処理を終了する。一方、S622Dの処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622D:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S623D)。S623Dの処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613Dの処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618Dの処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623Dの処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図1155参照)の第2図柄表示更新処理(S1007D参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613Dの処理またはS618Dの処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624D)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624D:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物64aの開閉制御開始を設定し(S625D)、本処理を終了する。S625Dの処理によって、電動役物64aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図1155参照)の電動役物開閉処理(S1005D参照)が実行された場合に、電動役物64aの開閉制御が開始され、S616Dの処理またはS617Dの処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物64aの開閉制御が継続される。一方、S624Dの処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624D:No)、S625Dの処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図1151を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107D)を説明する。図1151は、このスルーゲート通過処理(S107D)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107D)は、タイマ割込処理(図1146参照)の中で実行され、スルーゲート67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、普通当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。スルーゲート通過処理では、まず、球がスルーゲート67を通過したかを判別する(S501D)。ここでは、スルーゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート67を通過したと判定されると(S501D:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203ddの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S502D)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203ddの値(M)が4未満であるかを判別する(S503D)。
球がスルーゲート67を通過していないか(S501D:No)、或いは、球がスルーゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203ddの値(M)が4未満でなければ(S503D:No)、本処理を終了する。一方、球がスルーゲート67を通過し(S501D:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203ddの値(M)が4未満であれば(S503D:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203ddの値(M)を1加算する(S504D)。そして、上述したタイマ割込処理のS103Dで更新した普通当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203dbの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S505D)、本処理を終了する。なお、S505Dの処理では、普通図柄保留球カウンタ203ddの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
なお、格納した第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいて普通図柄抽選の当否判定結果を予測し、その予測結果に基づいて普図入賞コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する構成としても良い。このように構成することにより、音声ランプ制御装置113において普通図柄の保留球の当否判定結果を事前に把握することが可能となり、普通図柄の当たりに当選する保留球が存在する場合に、普通図柄の当たり当選保留球が存在することを事前に遊技者に報知するための演出を実行することができる。
次に、図1152を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される発射制御処理(S108D)を説明する。図1152は、この発射制御処理(S108D)を示すフローチャートである。この発射制御処理(S108D)は、タイマ割込処理(図1146参照)の中で実行され、遊技者が操作ハンドル51を操作したことを検出し、遊技球の発射を発射制御装置112に指示するための処理である。発射制御処理では、まず、操作ハンドル51に内蔵されたタッチセンサ51aがオンであるかを判別する(S701D)。タッチセンサ51aは、操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されるとオンに設定される。タッチセンサ51aがオンであると判別した場合には(S701D:Yes)、次に操作ハンドル51に内蔵された発射停止スイッチ15bがオフであるかを判別する(S702D)。発射停止スイッチ51bは、遊技者が発射停止スイッチ51bを押下している場合にオンとなり、遊技者が発射停止スイッチ51bを押下していない場合はオフに設定される。
S702Dの処理において、発射停止スイッチ51bがオフであると判別した場合には(S702D:Yes)、主制御装置110のRAM203の発射許可フラグ203dhがオンであるかを判別する(S703D)。発射許可フラグ203dhがオンではないと判別した場合には(S703D:No)、発射許可フラグ203dhをオンに設定し、音声ランプ制御装置113に遊技球の発射が開始されたことを通知するための発射開始コマンドを設定する(S705D)。一方、S703Dの処理において、発射許可フラグがオンであると判別した場合には(S703D:Yes)、S704D、S705Dの処理をスキップし、S706Dの処理へ移行する。S705Dの処理が終了すると、遊技球の発射を指示するための球発射信号を設定し、本処理を終了する(S706D)。ここで設定された球発射信号は、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理(S1001D)の中で、発射制御装置112に向けて送信される。
S701Dの処理において、操作ハンドル51のタッチセンサ51aがオンではないと判別した場合(S701D:No)または発射停止スイッチ51bがオンであると判別した場合には(S702D:No)、発射許可フラグ203dhがオンであるかを判別し(S707D)、発射許可フラグ203dhがオンであると判別した場合には(S707D:Yes)、発射許可フラグ203dhをオフに設定し(S708D)、音声ランプ制御装置113に遊技球の発射が停止されたことを通知するための発射停止コマンドを設定し(S709D)、本処理を終了する。S707Dの処理において、発射許可フラグ203dhがオンではないと判別した場合には(S707D:No)、S708D、S709Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
S705DおよびS709Dの処理において設定された発射開始コマンドと発射停止コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理(S1001D)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、発射停止コマンドを受信した場合に発射停止中フラグ223djがオンに設定され、発射開始コマンドを受信した場合に発射停止中フラグ223djがオフに設定される。これにより、音声ランプ制御装置113において遊技球の発射状況を判定することができる。
次に、図1153を参照して、NMI割込処理について説明をする。図1153は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S401D)、NMI割込処理を終了する。なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図1154を参照して、本第29制御例における主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図1154は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図1154)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901D)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本第29制御例では1秒)を実行する(S902D)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903D)。その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図1117参照)がオンされているか否かを判別し(S904D)、オンされていれば(S904D:Yes)、処理をS912Dへ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904D:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905D)、記憶されていなければ(S905D:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912Dへ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905D:Yes)、RAM判定値を算出し(S906D)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907D:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912Dへ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912Dの処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912D)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S913D、S914D)を実行する。上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S913D、S914D)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S913D、S914D)を実行する。RAMの初期化処理(S913D、S914D)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S913D)、その後、RAM203の初期値を設定する(S914D)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910Dの処理へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904D:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905D:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値)が正常であれば(S906D:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908D)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909D)、S910Dの処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S910D)。その後、割込みを許可し(S911D)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図1155を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図1155は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。メイン処理(図1155参照)においては、まず、タイマ割込処理(図1146参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンドの出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001D)。具体的には、タイマ割込処理(図1146参照)におけるスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図1147参照)や始動入賞処理(図1149参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(図1155のS1001D)により、主制御装置110の各種処理にて設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、第3図柄表示装置81にて表示される各種演出(変動演出、装飾演出)を設定するための情報とする。また、大当たり制御処理(図1156参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。さらに、その他制御処理において設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002D)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003D)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、音声ランプ制御装置113にて大当たり演出を実行させるためのコマンドの設定や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放動作するための大当たり制御処理を実行する(S1004D)。なお、大当たり演出は、可変入賞装置65の開閉板が可動される特別図柄の大当たり状態である場合にのみ実行される演出であるので、変位する手段が変位する際に成立する条件の成立に対応して実行される演出である。大当たり制御処理(S1004D)の詳細な内容については、図1156を参照して後述するが、この大当たり制御処理(S1004D)では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65a(以下、入賞口と称す)を開放し、入賞口(特定入賞口65a)の最大開放時間が経過したか、または入賞口(特定入賞口65a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると入賞口(特定入賞口65a)を閉鎖する。この入賞口(特定入賞口65a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本第29制御例では、大当たり制御処理(S1004D)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次いで、第1入球口64に付随する電動役物64aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005D)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図1150参照)のS625Dの処理によって電動役物64aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物64aの開閉制御を開始する。尚、この電動役物64aの開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616Dの処理、S617Dの処理、によって設定された期間が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006D)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図1148のS208D)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本第29制御例では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図1148のS208D)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図1148のS208D参照)のS341Dで設定された表示態様で、停止図柄を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007D)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図1150参照)のS620Dの処理、S621Dの処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S1007D)では、普通図柄変動処理(図1150参照)のS623Dの処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図1150参照)のS613Dの処理またはS618Dの処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008D)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008D:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009D)、既に所定時間が経過していれば(S1009D:Yes)、処理をS1001Dへ移行し、上述したS1001D以降の各処理を繰り返し実行する。一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009D:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2および第1変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1001D,S1011D)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010D)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本第29制御例では999、999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、第1変動種別カウンタCS1の更新を、S1811の処理と同一の方法によって実行する(S1011D)。なお、このS1011Dの処理では、第1変動種別カウンタCS1の値と同様に普図変動種別カウンタCS2の値も更新される。
ここで、S1001D~S1007Dの各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に第1変動種別カウンタCS1、普図変動種別カウンタCS2の値についてもランダムに更新することができる。よって、特別図柄や普通図柄の抽選に関する判定値を更新するための処理内容を把握され難くすることができ、当たりに対応する判定値が取得されるタイミングを狙った不正遊技が実行されることを抑制することができる。
また、S1008Dの処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008D:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図1153のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012D以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012D)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113の周辺制御装置)に対して送信する(S1013D)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014D)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015D)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリアおよび作業エリアにおけるチェックサム値である。なお、S1008Dの処理は、S1001D~S1007Dで行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時または残余時間内に行われるS1010DとS1011Dの処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001Dの処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001Dの処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図1154,S901D)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001Dの処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図1156を参照して、大当たり制御処理(S1004D)の内容について説明をする。図1156は、大当たり制御処理(S1004D)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004D)は、主制御装置110のメイン処理(図1155参照)において、実行される処理であって、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口65aを開放または閉鎖するための処理である。大当たり制御処理(S1004D)では、まず、大当たり開始フラグがオンであるか否かを判別する(S1101D)。大当たり開始フラグがオンであると判別した場合は(S1101D:Yes)、大当たり用オープニングコマンドを設定し(S1116)、大当たり開始フラグをオフ、大当たり中フラグ203dgをオンにそれぞれ設定し(S1117D)、本処理を終了する。一方、S1101Dの処理において、大当たり開始フラグがオフであると判別した場合は(S1101D:No)、次に、現在が特別図柄の大当たり中であるか(即ち、大当たり中フラグ203dgがオンであるか)否かを判別する(S1102D)。S1102Dの処理において、現在が大当たり中ではない(大当たり中フラグ203dgがオフである)と判別した場合は(S1102D:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1102Dの処理において、現在が大当たり中である(大当たり中フラグ203dgがオンである)と判別した場合は(S1102D:Yes)、次いで、新たなラウンドの開始タイミングであるか否かを判別する(S1103D)。
S1103Dの処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S1103D:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1104D)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1105D)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1155参照)の外部出力処理(S1001D)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。一方、S1103Dの処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1103D:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1106D)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合または特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が10個入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。S1103Dの処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1103D:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1107D)、本処理を終了する。一方、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1103D:No)、エンディングの開始タイミング(即ち、大当たりの終了タイミング)であるかを判定する(S1108D)。
ここで、本第29制御例では、大当たりの最終ラウンドが終了した場合に、エンディング期間の開始タイミングであると判別する。エンディング期間の開始タイミングであると判定した場合は(S1108D:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1109D)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。一方、S1108Dの処理において、現在実行されているエンディング期間の開始タイミングではないと判別した場合は(S1108D:No)、次に、大当たりの終了タイミングであるかを判別する(S1110D)。ここで、大当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。大当たりの終了タイミングではないと判別した場合は(S1110D:No)、本処理を終了する。
S1110Dの処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S1110D:Yes)、今回の大当たり種別が確変大当たり(即ち、大当たりA)であるかを判定する(S1111D)。確変大当たりではないと判別した場合(即ち、今回の大当たり種別は「大当たりB」であると判定した場合)は(S1111D:No)、時短中カウンタ203deの値として「100」を設定し、確変フラグ203dfをオフに設定する(S1112D)。一方、S1111Dの処理において、今回の大当たり種別が確変大当たりであると判別した場合は(S1117D:Yes)、確変フラグ203dfをオンに設定し(S1113D)、時短中カウンタ203deの値として「65536」を設定する(S1114D)。S1112Dの処理およびS1114Dの処理が終了した後は、大当たり中フラグ203dgをオフに設定し(S1115D)、本処理を終了する。
<第29制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1157から図1176を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。まず、図1157を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図1157は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2002D)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2117Dの電源断処理(図1158参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2003D)。図1158を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断の発生情報を受信すると(図1158のS2114D参照)、S2117Dの電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2117Dの電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。電源断処理中フラグがオフであれば(S2003D:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2117Dの電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2004D)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2007Dの処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2004D:Yes)、S2005Dへ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2004D:No)、S2009Dへ移行する。なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2004D:Yes)、S2005Dへ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2117Dの電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2006D:Yes)、S2007Dへ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S2003D:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2005Dへ移行して、RAM223の初期化を開始する。S2005Dの処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2005D)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込みおよび確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2006D:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2007D)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2006D:No)、RAM223の異常を報知して(S2008D)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2009Dの処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2009D)。電源断フラグはS2117Dの電源断処理の実行時にオンされる。つまり、電源断フラグは、S2117Dの電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2009Dの処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2117Dの電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2009D:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2010D)、RAM223の初期値を設定した後(S2011D)、割込み許可を設定して(S2012D)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンドを記憶する領域以外の領域をいう。一方、電源断フラグがオフされた状態でS2009Dの処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2005DからS2007Dの処理を経由してS2009Dの処理へ至ったか、或いは、ノイズによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2009D:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2010Dをスキップして、処理をS2011Dへ移行し、RAM223の初期値を設定する(S2011D)。なお、S2010Dのクリア処理をスキップするのは、S2005DからS2007Dの処理を経由してS2009Dの処理へ至った場合には、S2005Dの処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図1158を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図1158は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、または前回S2101Dの処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したかを判別し(S2101D)、1ミリ秒以上経過していなければ(S2101D:No)、S2102D~S2110Dおよび2120の処理を行わずにS2112Dの処理へ移行する。S2101Dの処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S2102D~S210およびS2111Dが主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2112Dのコマンド判定処理や、S2113Dの変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2112Dの処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2113Dの処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101Dの処理で1ミリ秒以上経過していれば(S2101D:Yes)、まず、S2103D~S2113Dの処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102D)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108Dの処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103D)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104D)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105Dの処理へ移行する。S2105Dの処理では客待ち演出処理を実行する(S2106D)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定が行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
客待ち演出処理が終わると、保留個数表示更新処理を実行する(S2106D)。保留個数表示更新処理(S2106D)では、主制御装置110から受信した保留球数コマンドに対応する保留図柄を第3図柄表示装置81に表示するための処理を行う。この保留個数表示更新処理(S2106D)の内容については、図1159を参照して後述する。その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107D)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2108D)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109D)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。S2109Dの処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S2110D)、S2111Dの処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1708のランプ編集処理が実行される。なお、S1709の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。液晶演出実行管理処理の内容については、図1160を参照して後述する。
液晶演出実行管理処理が終わると、入賞頻度計測処理を実行する(S2111D)。この入賞頻度計測処理(S2111D)は、所定期間(本第29制御例では60秒間)に受信した入賞コマンド数に基づいて、遊技球が第1入球口64へ入賞する頻度の高低を判定するための処理である。本第29制御例では、この判定結果に基づいて、疑似変動ありの表示用変動パターンが選択され易い変動パターン選択テーブルを参照するか否かを決定する。入賞頻度計測処理(S2111D)の内容については、図1164を参照して後述する。
入賞頻度計測処理が終わると、コマンド判定処理を実行する(S2112D)。コマンド判定処理(S2112D)では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行う。このコマンド判定処理の詳細については、図1165を参照して後述する。
コマンド判定処理が終わると、変動表示設定処理が実行される(S2113D)。変動表示設定処理は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である。この変動表示設定処理の詳細については、図1176を参照して後述する。
S2113Dの処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2114D)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2114Dの処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2114D:Yes)、電源断フラグおよび電源断処理中フラグを共にオンして(S2116D)、電源断処理を実行する(S2117D)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2118D)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2114Dの処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2114D:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているかを判別し(S2115D)、RAM223が破壊されていなければ(S2115D:No)、S2101Dの処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2115D:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員を呼びパチンコ機10の修復を頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図1159を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留個数表示更新処理(S2106D)について説明する。図1159は、この保留個数表示更新処理(S2106D)を示したフローチャートである。この保留個数表示更新処理(S2106D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1158参照)の中で実行され、特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納されている保留球数に基づいて、第3図柄表示装置81における保留図柄の表示を更新させるための処理である。保留個数表示更新処理が実行されると、まず、特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納されている保留球数に変化があるかを判別する(S2141D)。保留球数に変化があると判別した場合には(S2141D:Yes)、疑似保留表示フラグ223dqがオンであるかを判別し(S2142D)、疑似保留表示フラグ223dqがオンではないと判別した場合には(S2142D:No)、特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納されている保留球数に基づく表示用保留球数コマンドを設定する。一方、S2142Dの処理において、疑似保留表示フラグ223dqがオンであると判別した場合には(S2142D:Yes)、S2143Dの処理をスキップし、S2144Dの処理へ移行する。
ここで、疑似保留とは、本第29制御例において疑似変動の実行中に表示される特殊な保留図柄であり、疑似変動が開始される場合に表示される。上述したように、第3図柄表示装置81の実行エリアDs1(図1118(b)参照)に疑似保留が表示されている期間(即ち、疑似変動が実行されている期間)は、第1図柄表示装置37における特別図柄の変動表示が終了しても実行エリアDs1の疑似保留図柄を消去せず、新たに特別図柄の変動表示が開始された場合にも実行エリアDs1に疑似保留が継続して表示される。疑似保留が表示される場合には、保留球数表示エリアDs2の表示が疑似変動専用の表示態様(図1118(b)に示すシャッター)に切り替わり、保留球数に対応する保留図柄が視認できなくなる。このように、疑似変動の実行期間中に特別図柄の変動表示が終了し、特別図柄が変動していない期間(特別図柄の無変動期間)となった場合であっても、実行エリアDs1に表示されている疑似保留が継続して表示されるため、遊技者に特別図柄の変動表示が実行されていると思わせることが可能となり、新たに特別図柄の変動表示が開始された場合には疑似保留が継続して表示されるため、疑似変動中に新たな特別図柄の変動が開始されたことを遊技者に気付かれ難くすることが可能となる。上述したように、実行エリアDs1に疑似保留が表示されている期間(即ち、疑似保留表示フラグ223dqがオンである期間)は、保留球数表示エリアDs2が疑似変動専用の表示態様に切り替わっており、遊技者が保留図柄を視認できないため、疑似保留表示フラグ223dqがオンに設定されている場合は、第3図柄表示装置81における保留図柄の更新表示を実行せず、疑似変動終了時に再度保留球数に対応する保留図柄を表示させる構成としている。
S2141Dの処理において、保留球数に変化がないと判別した場合には(S2141D:No)、主制御装置110からの入賞コマンドを受信したかを判別する(S2150D)。入賞コマンドを受信したと判別した場合には(S2150D:Yes)、疑似保留表示フラグ223dqがオンであるかを判別し(S2151D)、オンでないと判別した場合には(S2151D:No)、保留球数表示エリアDs2に表示されている保留図柄の最後尾に新たな保留図柄を表示させる入球演出を実行させるための表示用コマンドを設定する(S2152D)。一方、S2150Dの処理において、入賞コマンドを受信していないと判別した場合(S2150D:No)または入賞コマンドを受信したが疑似保留表示フラグ223dqがオンであると判別した場合には(S2151D:Yes)、S2152Dの処理をスキップし、S2144Dの処理へ移行する。このように構成することで、特別図柄の変動開始と第1入球口64への遊技球の入賞が同時となった場合のように、保留球のシフトが実行されても保留球数に変化がない場合に、第3図柄表示装置81における保留図柄の表示を更新させることができる。
S2144Dの処理では、主制御装置110からの変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S2144D)、変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S2144D:Yes)、疑似保留表示フラグ223dqがオンであるかを判別し(S2145D)、疑似保留表示フラグ223dqがオンではないと判別した場合には(S2145D:No)、保留球数表示エリアDs2の第1保留エリア(図1118の台座m1)から実行エリアDs1へ保留図柄がシフトする移行演出を実行させるための表示用コマンドを設定する(S2146D)。一方、S2144Dの処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合(S2144D:No)または変動パターンコマンドを受信したが、疑似保留表示フラグ223dqがオンであると判別した場合には(S2145D:Yes)、S2146Dの処理をスキップし、S2147Dの処理へ移行する。このように構成することで、実行エリアDs1に疑似保留図柄が表示されている場合には、別の保留図柄がシフトして実行エリアDs1の疑似保留図柄と重なって表示される不具合が生じることを防止することができる。
S2147Dの処理では、主制御装置110からの停止コマンドを受信したかを判別する(S2147D)。停止コマンドを受信したと判別した場合には(S2147D:Yes)、疑似保留表示フラグ223dqがオンであるかを判別し(S2148D)、疑似保留表示フラグ223dqがオンではないと判別した場合には(S2148D:No)、実行エリアDs1に表示されている保留図柄を消去する表示用コマンドを設定する(S2149D)。一方、S2147Dの処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合(S2147D:No)または停止コマンドを受信したが疑似保留表示フラグ223dqがオンであると判別した場合には(S2148D:Yes)、S2149Dの処理をスキップし、本処理を終了する。このように構成することで、実行エリアDs1に疑似保留図柄が表示されている場合に、主制御装置110から停止コマンドを受信しても疑似保留図柄が実行エリアDs1から消去されないため、疑似変動の途中で第1図柄表示装置37における特別図柄の変動表示が停止したことを遊技者に気付かれ難くすることができる。なお、保留個数表示更新処理では、各処理において疑似保留表示フラグ223dqがオンであるか否かを判別する構成としたが、これに限るものではない。例えば、保留個数表示更新処理が開始された場合に、疑似保留表示フラグ223dqがオンであるか否かを判別し、オンであると判別した場合には、S2141D~S2152Dの各処理をスキップし、本処理を終了する構成としても良い。
次に、図1160を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される液晶演出実行管理処理(S2110D)について説明する。図1160は、この液晶演出実行管理処理(S2110D)を示したフローチャートである。この液晶演出実行管理処理(S2110D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1158参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81で行われる疑似変動に関連するカウンタの値を更新する処理が実行され、疑似変動の開始終了を管理するための処理が実行される。液晶演出実行管理処理が実行されると、まず、疑似変動実行フラグ223dgがオンであるかを判別する(S2231D)。疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動が実行されていない場合)には(S2231D:No)、疑似変動待機フラグ223drがオンであるかを判別する(S2232D)。疑似変動待機フラグ223drがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動ありの特別図柄の変動が実行されていない場合)には(S2232D:No)、S2233D~S2235Dの処理をスキップし、本処理を終了する。S2232Dの処理において、疑似変動待機フラグ223drがオンであると判別した場合(即ち、疑似変動ありの特別図柄の変動が実行されている場合)には(S2232D:Yes)、疑似変動開始タイマ223dpの値を1減算する(S2233D)。次に、S2233Dの処理において、減算された疑似変動開始タイマ223dpの値が0であるか否かを判別し(S2234D)、0でないと判別した場合には(S2234D:No)、疑似変動の開始タイミングではないため、S2235Dの処理をスキップし、本処理を終了する。一方、S2234Dの処理において、疑似変動開始タイマ223drの値が0であると判別した場合には(S2234D:Yes)、疑似変動開始処理を実行する(S2235D)。この疑似変動開始処理(S2235D)の詳細な説明については、図1161を参照して後述する。
S2231Dの処理において、疑似変動実行フラグ223dgがオンである(即ち、疑似変動の実行期間中である)と判別した場合には(S2231D:Yes)、疑似変動残時間タイマ223dhの値を1減算し(S2236D)、減算した値が0(ms)であるかを判別する(S2237D)。S2237Dの処理において、0ではないと判別した場合には(S2237D:No)、S2238D~S2242Dの処理をスキップし、本処理を終了する。一方、S2237Dの処理において、0であると判別した場合には(S2237D:Yes)、疑似変動実行フラグ223dgをオフに設定し(S2238D)、疑似変動終了処理を行う(S2239D)。疑似変動終了処理(S2239D)については、図1163を参照して後述する。
S2239Dの処理が終了した後、変動開始待機フラグ223dnがオンであるかを判別する(S2240D)。上述したように、変動開始待機フラグ223dnは、疑似変動の実行期間中に、主制御装置110からの新たな特別図柄の変動パターンコマンドを受信した場合に、その変動パターンコマンドに基づいて設定された表示用変動パターンコマンドの表示制御装置114への送信を、疑似変動終了まで待機させる場合にオンに設定されるフラグである。S2240Dの処理において、変動開始待機フラグ223dnがオンであると判別した場合には(S2240D:Yes)、変動開始待機フラグ223dnをオフに設定し(S2241D)、変動開始フラグをオンに設定し(S2242D)、本処理を終了する。一方、S2240Dの処理において、変動開始待機フラグ223dnがオンではないと判別した場合には(S2240D:No)、S2241D、S2242Dの処理をスキップし、本処理を終了する。このように構成することで、疑似変動の実行期間中に主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づく変動演出を、疑似変動が終了した後に主制御装置110からの新たなコマンドを要することなく実行させることができる。
次に、図1161を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される疑似変動開始処理(S2235D)について説明する。図1161は、この疑似変動開始処理(S2235D)を示したフローチャートである。この疑似変動開始処理(S2235D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される液晶演出実行管理処理(S2110D)の中で実行され、疑似変動を開始するための処理を実行する。疑似変動開始処理(S2235D)が実行されると、まず、疑似変動残時間タイマ223dhに「8000(ms)」を設定する(S2801D)。そして、疑似変動実行フラグ223dgをオンに設定し(S2802D)、疑似変動待機フラグ223drをオフに設定する(S2803D)。そして、表示用変動回数カウンタ223dtの値に1加算し(S2804D)、変動回数更新済フラグ223duをオンに設定する(S2805D)。これにより、疑似変動が開始されるタイミングで第3図柄表示装置81に表示される変動回数を更新させることができる。なお、ここで行われる変動回数の更新は、変動中の特別図柄が停止する時に行われる変動回数の更新を前倒しで実行するものであり、疑似変動の実行中に特別図柄の変動時間が終了したタイミングでは表示用変動回数の更新は行われない。このように構成することで、より遊技者に疑似変動であることを認識させ難くすることができる。
その後、表示制御装置114に対して疑似変動が開始されることを通知するための疑似変動開始コマンドを設定し(S2806D)、疑似保留表示開始処理を行い(S2807D)、本処理を終了する。この疑似保留表示開始処理(S2807D)は、疑似変動の実行期間中に表示される疑似保留の表示態様を設定するための処理である。ここで、図1162を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される疑似保留表示開始処理(S2807D)について説明する。図1162は、この疑似保留表示開始処理(S2807D)を示したフローチャートである。この疑似保留表示開始処理(S2807D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される疑似変動開始処理(図1161参照)の中で実行され、疑似変動が開始される場合に、副表示領域Ds(図1118(a)参照)の表示態様を特殊演出専用の表示態様に切り替えるための処理が実行される。
疑似保留表示開始処理(S2807D)が開始されると、まず、実行中の特別図柄の変動種別は大当たりであるかを判別する(S2271D)。大当たりではないと判別した場合には(S2271D:No)、特別図柄1保留球数カウンタ223daの値は1以上であるかを判別する(S2272D)。1以上である(即ち、保留球が存在している)と判別した場合には(S2272D:Yes)、入賞情報格納エリア223ddの保留エリア1に格納されている入賞情報を取得し(S2273D)、取得した入賞情報の変動種別が「完全外れ」であるかを判別する(S2274D)。完全外れではないと判別した場合には(S2274D:No)、実行エリアDs1(図1118(a)参照)に表示されている保留図柄(図1118(a)の保留図柄h0)の表示態様をチャンス疑似保留(図1121(a)の爆弾保留図柄th0)に切り替えるための表示用コマンドを設定し(S2275D)、S2276Dの処理へ移行する。一方、S2272Dの処理において、保留球数が1以上ではない(即ち、保留球数が存在していない)と判別した場合には(S2272D:No)またはS2273Dの処理において取得した入賞情報の変動種別が完全外れであると判別した場合には(S2274D:Yes)、実行エリアDs1(図1118(a)参照)に表示されている保留図柄(図1118(a)の保留図柄h0)の表示態様をノーマル疑似保留(図1118(b)の爆弾保留図柄th0)に切り替えるための表示用コマンドを設定し(S2279D)、S2276Dの処理を移行する。
なお、S2271Dの処理において、変動中の特別図柄の変動種別が大当たりであると判別した場合には(S2271D:Yes)、S2272D~S2274Dの処理をスキップし、S2275Dの処理を実行する。このように、本第29制御例では、疑似変動が開始される場合に実行エリアDs1(図1118(a)参照)に表示される疑似保留図柄の表示態様によって特別図柄の当否判定結果を遊技者に推測させることが可能である。また、疑似変動開始時に保留球が存在せず、ノーマル疑似保留が表示された場合であっても、疑似変動開始後に獲得した保留球が大当たりに当選することもあるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。
なお、本第29制御例では、入賞情報格納エリア223ddの保留エリア1に格納されている入賞情報を取得する構成としたが、これに限るものではない。例えば、疑似変動が3以上の特別図柄の変動に跨がって実行可能な構成とした場合に、入賞情報格納エリア223ddに格納されている全ての入賞情報を取得して変動種別を判別する構成としても良い。このように構成することで、より多くの入賞情報の変動種別に基づいて疑似保留の表示態様を設定できるため、遊技者にとって嬉しいチャンス疑似保留が表示される確率を高くすることができ、遊技意欲を向上させることができる。
なお、本第29制御例では、設定される疑似保留図柄の表示態様を2種類としたが、これに限るものではなく、3種類以上としても良い。例えば、保留球内に大当たり当選する保留球がある場合に、大当たり当選することが確定していることを示す疑似保留図柄の表示態様を設定しても良い。このように構成することで、遊技者に更に疑似保留図柄の表示態様に興味を持たせることができる。
S2275DまたはS2279Dの処理が終了した後に、疑似保留を初期表示パターンで可変表示するための表示用コマンドを設定する(S2276D)。ここで、疑似保留の初期表示パターンとは、ミッション演出の導入演出の実行中に可変表示される爆弾疑似保留th0の導火線duの火Hi1の表示パターンである(図1118(b)参照)。上述したように、導火線duの火Hi1は、疑似変動の残時間に対応して火Hi1が導火線duを爆弾保留図柄th0に向かって進む速度が可変する。疑似保留の初期表示パターンでは、特殊演出の導入演出の終了時に、表示されている導火線duの半分の位置(図1119(a)参照)まで炎が進むシナリオが実行される。この表示パターンは、図1144に示す通り、特殊演出の結果報知演出または書き換え演出が実行される場合に、実行される特殊演出の演出態様に対応する表示パターンに切り替えられる。これにより、疑似保留の表示態様だけでなく、導火線duを進む火Hi1の表示パターン(進行速度)からも当否判定結果を推測することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
S2276Dの処理が終了した後、保留球表示エリアDs2(図1118(a)参照)の表示を疑似保留専用表示(図1118(b)参照)に切り替える表示コマンドを設定し(S2277D)、疑似保留表示フラグ223dqをオンに設定する(S2278D)。
次に、図1163を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される疑似変動終了処理(S2239D)について説明する。図1163は、この疑似変動終了処理(S2239D)を示したフローチャートである。この疑似変動終了処理(S2239D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される液晶演出実行管理処理(S2110D)の中で実行され、疑似変動が終了する場合の疑似保留図柄の表示を終了する処理と、表示用停止コマンドを設定するための処理を実行する。疑似変動終了処理(S2239D)が実行されると、まず、疑似保留表示フラグ223dqをオフに設定し(S2181D)、保留球数表示エリアDs2の表示を疑似変動専用表示(図1118(b)参照)から通常の表示(図1118(a)参照)に切り替える表示コマンドを設定する(S2182D)。その後、特別図柄1保留球数カウンタ223daの値に対応する保留図柄を表示するための表示コマンドを設定し(S2183D)、S2184Dの処理へ移行する。このように、本第29制御例では、疑似変動の終了に合わせて保留球数実行エリアDs2の表示が通常表示に切り替えられ、その時点における保留球数に対応する保留図柄が表示される構成であるため、疑似変動の実行中に保留表示を更新する処理を省いても帳尻を合わせることができる。
S2184Dの処理では、特別図柄の変動表示が実行されているかを判別する(S2184D)。特別図柄の変動表示が実行されているか否かは、変動開始待機フラグ223drがオンであるか否かによって判別し、変動開始待機フラグ223drがオンであると判別した場合には(S2184D:Yes)、S2185D~S2187Dの処理をスキップし、本処理を終了する。一方、変動開始待機フラグ223drがオンではないと判別した場合には(S2184D:No)、主制御装置110から最後に受信した停止種別コマンドに基づいて表示用の停止種別コマンドを設定し(S2185D)、第3図柄表示装置81における特別図柄の変動が停止したことを示すための表示用停止コマンドを設定し(S2186D)、実行エリアDs1に表示されている保留図柄を消去するための表示コマンドを設定し(S2187D)、本処理を終了する。このように、実行エリアDs1に表示されている保留図柄は、疑似変動終了時に特別図柄の変動が実行されていない場合には疑似変動の終了に合わせて消去され、疑似変動終了時に特別図柄の変動が実行されている場合には疑似変動が終了しても消去されず、実行中の特別図柄の変動停止時に消去される構成としている。
本第29制御例では、主制御装置110からの停止コマンドに基づいて疑似変動を終了させる構成ではないため、疑似変動終了時に特別図柄の変動が実行されていない場合には、保留球数表示更新処理(図1159参照)のS2149Dの処理が実行されないため、疑似変動終了処理(S2239D)においてS2187Dの処理を実行することで、特別図柄が変動表示されていない期間に疑似変動が実行されている場合に、疑似変動が終了したにもかかわらず実行エリアDs1に保留図柄が表示され続けるという不具合が生じない。
また、疑似変動終了時に特別図柄の変動が実行されている場合には、実行エリアDs1に表示されている保留図柄が消去されないため、ミッション演出において報知された演出情報(例えば、「大チャンス」の情報)の対象となる特別図柄の変動が終了していないことを遊技者に分かり易くすることができる。なお、疑似変動終了時に特別図柄の変動が実行されている場合は、その特別図柄の変動停止後に保留個数表示更新処理(図1159参照)が実行され、実行エリアDs1に表示されている保留図柄が消去される。
次に、図1164を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される入賞頻度計測処理(S2111D)について説明する。図1164は、この入賞頻度計測処理(S2111D)を示したフローチャートである。この入賞頻度計測処理(S2111D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1158参照)の中で実行され、遊技球が発射されている所定の期間(本第29制御例では、60秒間)で、主制御装置110からの入賞コマンドを受信した回数(即ち、第1入球口64に遊技球が入賞した回数)に基づいて、第1入球口64への入賞頻度を判定するための処理である。詳細は後述するが、本第29制御例では、第1入球口64への入賞頻度に基づいて変動演出の演出態様を設定するために参照する変動パターン選択テーブルを決定する構成としている(図1167参照)。入賞頻度計測処理(S2111D)が実行されると、まず、発射停止中フラグ223djがオンであるかを判別する(S2331D)。発射停止中フラグ223djは、後述する発射関連コマンド処理(図1172参照)において、主制御装置110からの発射停止コマンドを受信した場合にオンに設定され、発射開始コマンドを受信した場合にオフに設定される。即ち、発射停止中フラグ223djがオンである場合には、遊技球が発射されていない状態である。
S2331Dの処理において、発射停止中フラグ223djがオンであると判別した場合(即ち、遊技球が発射されていない場合)には(S2331D:Yes)、S2332D~S2340Dの処理をスキップし、本処理を終了する。一方、発射停止中フラグ223djがオンではないと判別した場合(即ち、遊技球が発射されている場合)には(S2331D:No)、入賞頻度計測タイマ223dmの値に1加算する(S2332D)。なお、入賞頻度計測処理はメイン処理(図1158参照)において1ms毎に実行されるため、入賞頻度計測タイマ223dmの値が60000となった場合には、60000ms、即ち60秒経過したこととなる。
次に、加算した値が60000msであるかを判別し(S2333D)、60000msではないと判別した場合(即ち、60秒経過していない場合)には(S2333D:No)、S2334D~S2340Dの処理をスキップし、本処理を終了する。一方、S2333Dの処理において、入賞頻度計測タイマ223dmの値が60000msであると判別した場合(即ち、60秒経過した場合)には(S2333D:Yes)、S2334Dの処理へ移行する。S2334Dの処理では、入賞コマンド受信カウンタ223dkのカウンタ値を取得する。入賞コマンド受信カウンタ223dkのカウンタ値は、後述する入賞コマンド処理(図1171参照)において加算され、入賞頻度計測タイマ223djの値が60000msとなった場合にクリアとなる。S2334Dの処理において取得したカウンタ値が4未満であるかを判別し(S2335D)、カウンタ値が4未満であると判別した場合には(S2335D:Yes)、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるかを判別する(S2336D)。入賞頻度低フラグ223dsがオンではないと判別した場合には(S2336D:No)、入賞頻度低フラグ223dsをオンに設定し(S2337D)、入賞コマンド受信カウンタ223dkの値と、入賞頻度計測タイマ223dmの値をクリアにする(S2338D)。S2336Dの処理において、入賞頻度低フラグ223dsがオンであると判別した場合には(S2336D:Yes)、S2337Dの処理をスキップし、S2338Dの処理へ移行する。
S2335Dの処理において、入賞コマンド受信カウンタ223dkのカウンタ値が4未満ではないと判別した場合には(S2335D:No)、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるかを判別し(S2339D)、入賞頻度低フラグ2223dsがオンであると判別した場合には(S2340D:Yes)、入賞頻度低フラグ223dsをオフに設定し(S2340D)、S2338Dの処理へ移行する。入賞頻度低フラグ2223dsがオンではないと判別した場合には(S2340D:No)、S2340Dの処理をスキップし、本処理を終了する。このように、本第29制御例では、入賞頻度計測タイマ223dmの値が60000msとなった場合の入賞コマンド受信カウンタ223dkのカウンタ値に基づいて入賞頻度が高いか低いかを判定する構成としている。
なお、本第29制御例では、発射停止中フラグ223djがオンに設定されている場合には、入賞頻度計測タイマ223dmのタイマ値が加算されない(即ち、タイマの計測が実行されない)構成とし、入賞頻度計測タイマ223dmのタイマ値が60000(ms)に達するまでは、計測が中断されてもタイマ値を0クリアしない構成としている。これは、遊技者が遊技球の発射をしていない期間もタイマの計測を実行すると、例えば、リーチ変動が実行され、遊技者がリーチ変動に集中しようと遊技球の発射を中断した場合にもタイマの計測が実行されることになり、適切に入賞頻度を判定できないためである。本第29制御例のように、発射停止中フラグ223djがオンに設定されている場合には、入賞頻度計測タイマ223dmのタイマ値が加算されない(中断される)構成とし、更にタイマの計測を中断しても累計で60秒となるまではタイマの値が0クリアされない構成とすることで、遊技者が遊技球の発射を頻繁に中断する場合であっても、適切な入賞頻度の判定を実行することができる。
なお、本第29制御例では、入賞頻度計測タイマ223dmの値が60000になった場合の入賞コマンド受信カウンタ223dkのカウンタ値が4未満である場合に、入賞頻度低フラグ223dsをオンにする構成とした。これは、本第29制御例における通常状態において、保留球数が0の場合に変動種別として「完全外れ」が選択された場合には、変動時間が17秒の変動パターンが設定されるため、例えば、1分間の間に、保留数が0の完全外れが4回実行された場合(即ち、保留球数0の状態で開始された特別図柄の変動中に1個の遊技球が入賞する事象が、5回続いた場合)には、変動時間の合計が68秒となるため、特別図柄の変動が停止している状態をほとんど感じさせないようにできる。一方、それ以下の場合には、1分間の間で特別図柄が変動していない期間が生起し、遊技者にストレスを感じさせてしまう虞がある。よって、本第29制御例では、1分間の入球数が4未満の場合に入賞頻度低フラグ223dsをオンに設定する構成としている。
なお、本第29制御例では、遊技球を発射している期間が60秒に達した場合に入賞頻度を判定する構成としたが、これに限るものではなく、任意の期間で入賞頻度を判定する構成としても良く、例えば、10分間に受信した入賞コマンド受信回数によって入賞頻度を判定しても良い。また、本第29制御例では、60秒間に受信した入賞コマンド受信回数が4未満である場合に入賞頻度が低いと判定する構成としたが、これに限るものではなく、3以下の数で設定しても良いし、5以上の数で設定しても良い。
また、入賞頻度の計測方法は、所定期間(1分間)における入賞コマンドの受信回数(遊技球の入賞回数)で計測する方法に限るものではなく、例えば、所定期間(例えば、10分間)における特別図柄の無変動時間を計測し、計測した時間が所定時間(例えば、3分)以上である場合に、入賞頻度が低いと判別する構成としても良い。或いは、遊技者が遊技球を所定個数(例えば、100個)発射した場合における、第1入球口64へと入賞した遊技球数によって入賞頻度を判定する構成としても良い。このように構成することで、遊技者がリーチ変動中に遊技球の発射を中断させた場合であっても、入賞頻度を適切に判定することができる。
次に、図1165を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2112D)について説明する。図1165は、このコマンド判定処理(S2112D)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2112D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1158参照)の中で実行され、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したかを判別する(S2201D)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2201D:Yes)、変動パターン設定処理(S2202D)が実行される。変動パターン設定処理(S2202D)の詳細は、図1166を参照して後述する。S2202Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S2201D:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したかを判別する(S2203D)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S2203D:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dbをオンに設定し(S2204D)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S2205D)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述する変動表示設定処理(図1176参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S2203D:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したかを判別する(S2206D)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S2206D:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納する(S2207D)。S2207Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、または、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、または、特別図柄の抽選が行われる毎に、S2207Dの処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223dbの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値に合わせることができる。よって、ノイズの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値に合わせることができる。
S2206Dの処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S2206D:No)、次いで、主制御装置110より大当たり関連コマンド(オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンド)を受信したかを判別する(S2208D)。そして、大当たり関連コマンドを受信した場合には(S2208D:Yes)、大当たり関連処理(S2209D)を実行する。大当たり関連処理(S2209D)の詳細は、図1169を参照して後述する。S2209Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。S2208Dの処理において、大当たり関連コマンドを受信していない場合には(S2208D:No)、次いで、主制御装置110より入賞コマンドを受信したかを判別する(S2210D)。そして、入賞コマンドを受信した場合には(S2210D:Yes)、入賞コマンド処理(S2211D)を実行する。入賞コマンド処理(S2211D)の詳細は、図1171を参照して後述する。S2211Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。
S2210Dの処理において、入賞コマンドを受信していない場合には(S2210D:No)、次いで、主制御装置110より発射関連コマンド(発射開始コマンド、発射停止コマンド)を受信したかを判別する(S2212D)。そして、発射関連コマンドを受信した場合には(S2212D:Yes)、発射関連コマンド処理(S2213D)を実行する。発射関連コマンド処理(S2213D)の詳細は、図1172を参照して後述する。S2213Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。S2212Dの処理において、発射関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S2212D:No)、次いで、主制御装置110より停止コマンドを受信したかを判別する(S2214D)。そして、停止コマンドを受信した場合には(S2214D:Yes)、停止処理(S2215D)を実行する。停止処理(S2215D)の詳細は、図1173を参照して後述する。S2215Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。一方、S2214Dの処理において、停止コマンドを受信していない場合には(S2214D:No)、その他のコマンドを受信したかを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2216D)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図1166を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン設定処理(S2202D)について説明する。図1166は、この変動パターン設定処理(S2202D)を示したフローチャートである。この変動パターン設定処理(S2202D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図1165参照)の中で実行され、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81において実行される変動演出の演出態様を設定するための処理である。変動パターン設定処理では、まず、第1演出カウンタ223deおよび第2演出カウンタ223dfのカウンタ値を取得し(S2421D)、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドから変動パターンを抽出する(S2422D)。その後、疑似変動実行フラグ223dgがオンであるか否かを判別する(S2423D)。そして、疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合には(S2423D:No)、変動開始フラグ223dbをオンに設定し(S2424D)、演出態様設定処理(S2425D)を実行する。演出態様設定処理(S2425D)の詳細は、図1167を参照して後述する。S2425Dの処理の終了後は、本処理を終了する。一方、S2423Dの処理において、疑似変動実行フラグ223dgがオンであると判別した場合には(S2423D:Yes)、特殊演出追加設定処理(S2426D)を実行する。特殊演出追加設定処理(S2426D)の詳細は、図1167を参照して後述する。S2426Dの処理の終了後は、本処理を終了する。
ここで、疑似変動実行フラグ223dgは、上述した疑似変動開始処理(S2235D)においてオンに設定され、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が0になった場合に、オフに設定される。即ち、疑似変動実行フラグ223dgがオンに設定されている場合には、疑似変動が実行中であることを示しており、本第29制御例においては、特別図柄の変動が開始される時点で疑似変動が実行中である場合には、疑似変動中に実行されている特殊演出の演出態様を、新たに変動が開始される特別図柄の当否判定結果に対応する演出態様に更新させるための処理が実行される。このように、特別図柄の変動が開始される時点で疑似変動実行フラグ223dgがオンであるか否かによって異なる演出態様の設定処理が実行されるため、疑似変動の途中で新たな特別図柄の変動表示が開始される場合には、その特別図柄の当否判定結果に対応する追加演出を設定可能であり、特殊演出を途中で打ち切らずに新たに開始される特別図柄変動に対応する演出を実行することができる。
次に、図1167を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出態様設定処理(S2425D)について説明する。図1167は、この演出態様設定処理(S2425D)を示したフローチャートである。この演出態様設定処理(S2425D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン設定処理(図1166参照)の中で実行され、疑似変動が実行されていない場合に、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81において実行される変動演出の演出態様を設定するための処理である。演出態様設定処理では、まず、設定されている遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)であるかを判別する(S2451D)。具体的には、受信した変動パターンコマンドから抽出した変動パターンが、通常状態で選択される変動パターンであるか、確変状態または時短状態で選択される変動パターンであるかによって遊技状態を判別する。通常状態が設定されていない(即ち、確変状態または時短状態が設定されている)と判別した場合には(S2451D:No)、図1166のS2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deの値と、図1166のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別に基づいて、確変・時短用変動パターン選択テーブル222da4(図1143参照)から表示用変動パターンを設定し(S2458D)、本処理を終了する。
なお、本第29制御例では、受信した変動パターンコマンドから抽出した変動パターンの種別によって遊技状態を判別する構成としたが、これに限るものではなく、主制御装置110で遊技状態が変更された場合に変更後の遊技状態を示す状態コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、音声ランプ制御装置113では受信した状態コマンドから新たに設定された遊技状態に対応する情報を抽出し、抽出した情報を記憶するための状態記憶領域に格納し、格納された情報を参照して遊技状態を判別する構成としても良い。
一方、S2451Dの処理において、通常状態が設定されていると判別した場合には(S2451D:Yes)、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるかを判別する(S2452D)。入賞頻度低フラグ223dsがオンであると判別した場合(即ち、入賞頻度が低い状態である場合)には(S2452D:Yes)、発射停止中フラグ223djがオンであるかを判別する(S2453D)。発射停止中フラグ223djがオンである(即ち、遊技球が発射されていない状態である)と判別した場合(即ち、遊技球が発射されていない状態である場合)には(S2453D:Yes)、図1166のS2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deの値と、図1166のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別に基づいて、通常用変動パターン選択Aテーブル222da1(図1138参照)から表示用変動パターンを設定し(S2454D)、S2455Dの処理へ移行する。
一方、S2453Dの処理において、発射停止中フラグ223djがオンではないと判別した場合(即ち、遊技球が発射されている状態である場合)には(S2453D:No)、図1166のS2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deの値と、図1166のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別に基づいて、通常用変動パターン選択Bテーブル222da2(図1138参照)から表示用変動パターンを設定し(S2459D)、S2455Dの処理へ移行する。
なお、上述したように、通常用変動パターン選択Bテーブル222da2では、通常用変動パターン選択Aテーブル222da1に比べて、変動パターン種別が「完全外れA」である場合には必ず疑似変動ありの表示用変動パターンが選択され、「当たりロングリーチ」または「外れロングリーチ」の場合に疑似変動ありの表示用変動パターンが選択される割合が高く設定されている。「完全外れ」は当否判定結果が外れである場合に最も選択され易い変動種別であり、その中で「完全外れA」は保留球数が0個の場合に選択される変動パターンである。つまり、遊技球が第1入球口64に入賞する頻度が低く、遊技者が遊技球を発射している状態であって保留球数が0個の場合には、疑似変動が設定され易く構成している。遊技球の発射を継続しているにもかかわらず保留球数が0個の場合、特別図柄の変動停止から次の特別図柄の変動開始までに第3図柄が変動表示されていない状態を挟むことで遊技のテンポが悪くなり、遊技者にストレスを与える虞があるが、このように構成することで、入賞頻度が低く遊技者が遊技球の発射を継続していても保留球が途切れ易い状態である場合に疑似変動が実行され易くなり、保留個数0個の状態で開始された特別図柄の変動中に遊技球が入賞しなくても疑似変動中に入賞すれば見た目上はテンポ良く第3図柄変動が実行されるため、特別図柄が変動表示されていない状態であったことを遊技者に気付かせ難くすることが可能となり、遊技者が感じるストレスを緩和することができる。一方、保留球数が0個の場合であって遊技者が遊技球を発射していない状況とは、遊技者が休憩のため遊技を中断しようとしている場合が考えられる。このような場合、大当たり変動を見逃さないように実行中の特別図柄の当否判定結果が判明してから遊技台を離れる遊技者が多いため、外れ変動で疑似変動が実行されると、早く休憩したい遊技者を外れが確定するまで待たせることになり、却って遊技者にストレスを与える虞がある。従って、遊技者が遊技球の発射をしていない場合には、入賞頻度が低い場合であっても疑似変動が設定され難い構成としている。なお、本第29制御例では、入賞頻度低フラグ223dsがオンであり、且つ、発射停止中フラグ223djがオンでない場合に通常用変動パターン選択Bテーブル222da2から表示用変動パターンを選択する構成としたが、これに限るものではない。入賞頻度低フラグ223dsがオンである場合には、発射停止中フラグ223djがオンであるか否かにかかわらずS2459Dの処理を実行する構成としても良いし、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるか否かにかかわらず、発射停止中フラグ223djがオンでない場合には、S2459Dの処理を実行する構成としても良い。
また、本第29制御例では、特定種別の変動パターンコマンドを受信した場合にのみ疑似変動を実行する構成としたが、これに限るものではなく、保留球数が0個の場合に開始される特別図柄の変動では変動パターンの種別にかかわらず疑似変動を実行する構成としても良い。このように構成することで、保留球が途切れる場合には必ず疑似変動が実行されるので、特別図柄が変動表示されていないことにより遊技者が退屈に感じる期間を短縮することができる。
また、本第29制御例では、遊技者が遊技球を発射していない場合であっても、疑似変動を含む演出態様が設定される構成としたが、これに限るものではなく、遊技者が遊技球を発射していない場合には、疑似変動を含む演出態様が設定されない構成としても良い。具体的には、演出態様設定処理(S2425D)のS2453Dの処理がYesの場合(即ち、発射停止中フラグ223djがオンであると判別した場合)に、疑似変動を含む演出態様が設定される割合を0とした通常用変動パターン選択テーブルを参照する構成とする。これにより、発射停止中フラグ223djがオンの場合、つまり遊技者が遊技球を発射していない場合には、疑似変動を含む演出態様が設定されないようにすることができる。このように構成することで、外れ変動で疑似変動が実行され、早く休憩したい遊技者を外れが確定するまで待たせることにより、却って遊技者にストレスを与えてしまうことを抑制することができる。
S2454D、またはS2459Dの処理が終わると、S2455Dの処理を実行する。S2455Dの処理では、S2454DまたはS2459Dの処理において選択された表示用変動パターンに疑似変動が含まれているかを判別する(S2455D)。疑似変動が含まれていると判別した場合には(S2455D:Yes)、疑似変動開始タイマ223dpのカウンタ値として「12000(ms)」を設定し(S2456D)、疑似変動待機フラグ223drをオンに設定し(S2457D)、本処理を終了する。一方、S2455Dの処理において、疑似変動が含まれていないと判別した場合には(S2455D:No)、S2456DおよびS2457Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
ここで、本第29制御例では、疑似変動ありの表示用変動パターンが選択された場合には疑似変動開始タイマ223dpのカウンタ値として「12000ms(12秒)」が設定され、メイン処理において1ms毎に実行される液晶演出実行管理処理(図1160参照)で、カウンタ値が減算される。これにより、ロングリーチの変動パターンが開始されてから12秒後に、第3図柄表示装置81において特別図柄が仮停止し、疑似変動が開始される。
なお、本第29制御例では、疑似変動が実行される場合に設定される疑似変動開始タイマ223dpのカウンタ値を「12000(ms)」で固定としたが、これは疑似変動ありの表示用変動パターンが設定されるのは、変動時間が17秒である「完全外れA」と「ロングリーチA」のみで構成しているためであり、これに限るものではない。その他の変動パターン種別においても疑似変動が設定される構成とし、それぞれの変動パターン種別に応じて疑似変動開始タイマ223dpに設定されるカウンタ値を異ならせても良い。また、疑似変動開始タイマ223dpに設定されるカウンタ値を設定する場合に、複数のカウンタ値が規定されたテーブルの中からランダムに設定する構成としても良い。このように構成することで、特別図柄の変動開始から第3図柄の仮停止までの時間に変化を持たせることができるため、その期間で実行される変動演出が単調になることを抑制することができる。
次に、図1168を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特殊演出追加設定処理(S2426D)について説明する。図1168は、この特殊演出追加設定処理(S2426D)を示したフローチャートである。この特殊演出追加設定処理(S2426D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン設定処理(図1166参照)の中で実行され、疑似変動が実行されている場合に、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81において実行される変動演出の演出態様を設定するための処理である。特殊演出追加設定処理では、まず、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値を取得する(S2531D)。そして、取得したカウンタ値が「2998(ms)」以上であるかを判別する(S2532D)。ここで、本第29制御例において、特別図柄の変動開始時に疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が「2998(ms)」以上である場合とは、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)停止時に保留球が存在し、1回目の特図変動停止から2ミリ秒後に次の特別図柄の変動表示が開始された場合であり(図1124参照)、特別図柄の変動開始時に疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が「2998(ms)」未満である場合とは、疑似変動が開始された特別図柄の変動停止時に保留球が存在せず、次の特別図柄の変動表示が開始されるまでに2ミリ秒以上の特別図柄が変動表示されていない期間を介した場合である。なお、図1160を参照して説明したように、疑似変動の開始時に疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値として「8000(ms)」が設定され(S2801D参照)、疑似変動の開始から5秒(5000ms)が経過すると1回目の特図変動が停止し、保留球が存在する場合には1回目の特図停止から2ミリ秒(2ms)に2回目の特図変動が開始されるため、S2532Dの処理では、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が初期設定値の「8000(ms)」から「5000ms」と「2ms」を減算した値である「2998ms」以上か未満かで、2回目の特図変動が保留球に基づいて開始された変動か、新たな入賞によって開始された変動かを判別している。
S2532Dの処理において、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が「2998(ms)」未満であると判別した場合には(S2532D:No)、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値と、図1166のS2421Dの処理において取得した第2演出カウンタ223dfの値と、図1166のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別に基づいて、書き換え演出態様設定テーブル223dkから書き換え演出態様を設定し(S2533D)、設定した演出態様を表示させるための表示用特殊演出追加コマンドを設定する(S2534D)。なお、ここで設定した表示用特殊演出追加コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図1158参照)のコマンド出力処理(S2102D)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用特殊演出追加コマンドを受信することによって、この表示用特殊演出追加コマンドによって示される演出態様で、第3図柄表示装置81において書き換え演出が行われるように、特殊演出の表示制御が開始される。
S2534Dの処理が終了すると、疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deを参照して、設定した書き換え演出の演出態様に対応する疑似保留図柄の表示パターンを設定し(S2535)、設定した疑似保留追加表示パターンに対応する表示用コマンドを設定する(S2536D)。なお、ここで設定した表示用コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図1158参照)のコマンド出力処理(S2102D)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用コマンドを受信することによって、この表示用コマンドによって示される表示シナリオで、第3図柄表示装置81において疑似保留図柄の可変表示が行われるように、保留演出の表示制御が開始される。
S2536Dの処理が終わると、図1166のS2422Dの処理で抽出した変動パターン種別に対応する変動時間に基づき、疑似変動更新時間設定テーブル222dbを参照して疑似変動残時間カウンタ223dhに設定するための疑似変動更新時間と、疑似変動終了後に残りの特図変動時間で実行される通常演出時間を決定し(S2537D)、疑似変動残時間カウンタ223dhに設定されているカウンタ値を0クリアした後(S2538D)、疑似変動残時間タイマ223dhに決定した疑似変動更新時間をセットし(S2539D)、S2540Dの処理へ移行する。このように、変動パターン種別毎に疑似変動更新時間が定められており、特別図柄の変動が開始される時点で疑似変動残時間タイマ223dhの値が更新される構成とすることで、特別図柄の変動が開始されるタイミングにかかわらず、その特別図柄の開始から一定の時間で疑似変動を終了させることが可能となる。
S2532Dの処理において、疑似変動残時間タイマ223dhの値が「2998(ms)」以上であると判別した場合(即ち、2回目の特図変動が保留球に基づいて開始される場合)は(S2532D:Yes)、1回目の特図変動が終了する際に実行される停止処理(図1173参照)において既にS2534D~S2539Dに相当する処理を実行済みであるため、S2534D~S2539Dの処理をスキップし、S2540Dの処理に移行する。S2540Dの処理では、S2537Dの処理で決定した通常演出時間は0(ms)以上であるかを判別する(S2540D)。なお、本第29制御例における通常演出とは、特別図柄の変動中に実行される特殊演出以外の変動演出(第3図柄の変動表示および当否判定結果を示唆するための演出)のことを指す。S2540Dの処理において、通常演出時間が0(ms)以上であると判別した場合には(S2540D:Yes)、図1166のS2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deの値と、設定された通常演出時間に対応する表示用変動パターンを通常用変動パターン選択Cテーブル222da3(図1140参照)から設定し(S2541D)、変動開始待機フラグ223dnをオンに設定する(S2542D)。本第29制御例では、変動開始待機フラグ223dnがオンに設定されている期間は変動開始フラグ223dbがオンに設定されず、疑似変動が終了したタイミングで変動開始待機フラグ223dnがオフに設定され、変動開始フラグ223dkがオンに設定されるため(図1160のS2241D,S2242D参照)、疑似変動の実行中は通常演出に対応する表示用変動パターンコマンドが表示制御装置114に送信されず、疑似変動の実行中に通常演出が開始されない構成となっている。このように構成することで、実行中の疑似変動が新たな特別図柄の変動表示が開始されても中断されずに継続して実行されるため、遊技者に違和感を与え難くすることができる。一方、S2540Dの処理において、通常演出時間が0(ms)以上ではないと判別した場合(即ち、その特別図柄の変動時間内で疑似変動終了後に通常演出が実行されない場合)には(S2540D:No)、S2541DおよびS2542Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
次に、図1169を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理(S2209D)について説明する。図1169は、この大当たり関連処理(S2209D)を示したフローチャートである。この大当たり関連処理(S2209D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図1165参照)の中で実行され、主制御装置110より大当たり関連コマンド(オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンド)を受信した場合に、そのコマンドに対応する大当たり遊技中の演出態様を設定するための処理を実行する。大当たり関連処理では、まず、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信したか判別する(S2601D)。オープニングコマンドを受信したと判別した場合には(S2601D:Yes)、オープニングコマンド処理を実行する(S2602)。オープニングコマンド処理(S2602)の詳細は、図1170を参照して後述する。S2602の処理の終了後は、本処理を終了する。
S2601Dの処理において、主制御装置110よりオープニングコマンドを受信していないと判別した場合には(S2601D:No)、ラウンド数コマンドを受信したか判別する(S2603D)。ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合には(S2603D:Yes)、ラウンド数カウンタを1加算し(S2604D)、ラウンド数カウンタに基づいて、表示用ラウンド数コマンドを設定し(S2605D)、本処理を終了する。
S2603Dの処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S2603D:No)、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したかを判別する(S2606D)。エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S2606D:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S2607D)、ラウンド数カウンタを0に設定し(S2608D)、本処理を終了する。
次に、図1170を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるオープニングコマンド処理(S2602)について説明する。図1170は、このオープニングコマンド処理(S2215)を示したフローチャートである。このオープニングコマンド処理(S2215)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理(図1165参照)の中で実行され、主制御装置110よりオープニングコマンドに対応するオープニング演出の演出態様を設定する処理を実行する。
ここで、本第29制御例では、当否判定結果が大当たりである特別図柄の変動においても疑似変動が実行される構成としており、その場合は大当たり遊技のオープニング期間にも疑似変動が継続して実行されるため、通常のオープニング期間と、疑似変動が継続するオープニング期間とで異なるオープニング演出を実行する。オープニングコマンド処理では、まず、疑似変動実行フラグ223dgはオンであるかを判別する(S2631D)。疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合には(S2631D:No)、オープニング期間に疑似変動が実行されていない状態であるため、通常のオープニング演出である表示用ロングオープニング演出の表示コマンドを設定し(S2632D)、本処理を終了する。一方、S2631Dの処理において、疑似変動実行フラグ223dgがオンであると判別した場合には(S2631D:Yes)、オープニング期間に疑似変動が継続している状態であるため、通常のオープニング演出よりも演出時間が短い表示用ショートオープニング演出の表示コマンドを設定し(S2633D)、本処理を終了する。このように、大当たり遊技のオープニング期間においても疑似変動が継続する場合には、遊技者に大当たり当選であることが報知されてから大当たりラウンドが開始されるまでの期間を、実際のオープニング期間(第1図柄表示装置37における特別図柄の停止から大当たりラウンド開始までの期間)よりも短縮させることが可能となり、遊技者に大当たりラウンドの開始までが間延びしていると感じさせ難くすることができる。
次に、図1171を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される入賞コマンド処理(S2211D)について説明する。図1171は、この入賞コマンド処理(S2211D)を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理(S2211D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図1165参照)の中で実行され、受信した入賞コマンドから入賞情報を抽出する処理を実行する。入賞コマンド処理では、まず、受信した入賞コマンドから入賞情報(特別図柄における抽選の当否判定結果、変動種別)を抽出し(S2571D)、抽出した入賞情報を入賞情報格納エリア223ddに格納する(S2572D)。ここで抽出した入賞情報に基づいて、第3図柄表示装置81において保留球の当否判定結果を事前に示唆する先読み予告演出(例えば、保留図柄の表示態様(色や形状)を通常の保留図柄とは異なる表示態様に可変させたり、対象の保留球までの複数の特図変動を跨いで実行される連続演出)を設定する。
S2572Dの処理が終了すると、入賞コマンド受信カウンタ223dkのカウンタ値に1加算し(S2573D)、本処理を終了する。このように本第29制御例では、主制御装置110から入賞コマンドを受信した回数を、第1入球口64に遊技球が入賞した回数として計測している。なお、第1入球口64への遊技球の入賞回数を計測するための方法は、入賞コマンドの受信回数によるものに限らない。例えば、主制御装置110のタイマ割込処理(図1146参照)におけるスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば、それを音声ランプ制御装置113に通知するコマンドを設定し、そのコマンドの受信回数で入賞回数を計測する構成としても良い。このように構成することで、保留球数が上限まで記憶されている場合に遊技球が入賞(所謂、オーバー入賞)しても主制御装置110において入賞コマンドは設定されないが、入賞コマンドとは別に入賞検知情報に対応するコマンドが送信されるため、オーバー入賞した分の入賞回数も計測することが可能となり、より正確に入賞頻度を判定することができる。
次に、図1172を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される発射関連コマンド処理(S2213D)について説明する。図1172は、この発射関連コマンド処理(S2213D)を示したフローチャートである。この発射関連コマンド処理(S2213D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図1165参照)の中で実行され、受信した発射関連コマンド(発射停止コマンド、発射開始コマンド)に基づいて発射停止中フラグのオンオフを設定する処理を実行する。発射関連コマンド処理では、まず、受信した発射関連コマンドが発射停止コマンドであるかを判別する(S2671D)。発射停止コマンドであると判別した場合には(S2671D:Yes)、遊技球の発射が停止されている状態であるため、発射停止中フラグ223djをオンに設定し(S2672D)、本処理を終了する。一方、S2671Dの処理において、受信した発射関連コマンドは発射停止コマンドではないと判別した場合(即ち、受信したコマンドが発射開始コマンドである場合)には(S2671D:No)、遊技球の発射が開始された状態であるため、発射停止中フラグ223djをオフに設定し(S2673D)、本処理を終了する。このように構成することで、音声ランプ制御装置113において遊技球の発射状況を把握することが可能となるため、遊技者の遊技球の発射状況に応じて実行される演出内容を可変させることができる。例えば、保留球数が上限まで記憶されている状態で遊技球の発射を継続している遊技者にはオーバー入賞となることを報知する報知態様を表示したり、保留球数が少ない状態で遊技球の発射を停止している遊技者に遊技球の発射を促すための演出を実行することができる。
次に、図1173を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される停止処理(S2215D)について説明する。図1173は、この停止処理(S2215D)を示したフローチャートである。この停止処理(S2215D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図1165参照)の中で実行され、特別図柄の停止に合わせて第3図柄表示装置81において実行されている変動演出を終了させるための処理を実行する。停止処理では、まず、疑似変動実行フラグ223dgはオンかを判別する(S2771D)。疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動が実行されていない場合)には(S2771D:No)、予め設定されている停止種別に対応する表示用停止コマンドを設定し(S2780D)、本処理を終了する。一方、疑似変動実行フラグ223dgがオンであると判別した場合(即ち、疑似変動が実行されている場合)には(S2771D:Yes)、停止種別は大当たりであるかを判別する(S2772D)。停止種別が大当たりであると判別した場合には(S2772D:Yes)、疑似変動において実行されている特殊演出(ミッション演出)に追加される結果報知演出の演出態様として当たり結果報知演出を設定し(S2779D)、当たり結果報知演出に対応する特殊演出追加コマンドを設定し(S2777D)、変動回数更新処理を実行する(S2778D)。変動回数更新処理(S2778D)の内容については、図1175を参照して後述する。変動回数更新処理が終了すると、本処理を終了する。
S2772Dの処理において、停止種別は大当たりではない(即ち、外れである)と判別した場合には(S2772D:No)、特別図柄1保留球数カウンタ223daの値を取得し(S2773D)、取得した保留球数が1未満であるかを判別する(S2774D)。保留球数が1未満であると判別した場合(即ち、保留球数が0である場合)には(S2774D:Yes)、疑似変動において実行されている特殊演出に追加される結果報知演出の演出態様として結果報知演出G(演出時間3秒のミッション失敗演出)を設定し(S2776D)、結果報知演出Gに対応する特殊演出追加コマンドを設定し(S2777D)、本処理を終了する。S2774Dの処理において、保留球数が1未満ではない(即ち、保留球が存在する)と判別した場合には(S2774D:No)、結果報知演出の演出態様を設定するための処理である結果報知演出設定処理を実行する(S2775D)。この結果報知演出設定処理の内容については、図1174を参照して後述する。結果報知演出設定処理が終わると、設定した結果報知演出の演出態様に対応する特殊演出追加コマンドを設定し(S2777D)、変動回数更新処理を実行し(S2778D)、変動回数更新処理が終了すると、本処理を終了する。このように、本第29制御例では、疑似変動が開始された特別図柄の変動表示が停止する時点における保留球の有無に応じて結果報知演出の演出態様を設定する構成としているため、疑似変動が開始された後に保留球を獲得した場合であっても、保留球数に対応する演出態様を設定することができる。なお、本第29制御例では、保留球がない場合に設定される結果報知演出の演出態様は、結果報知演出Gのみで構成しているが、これに限るものではなく、複数の結果報知演出態様の中から1の演出態様を設定する構成としても良い。このように構成することで、特別図柄の変動停止時に保留球が存在しない場合の特殊演出の内容に多様性を持たせることができるため、特殊演出が単調になることを抑制することができる。
次に、図1174を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される結果報知演出設定処理(S2775D)について説明する。図1174は、この結果報知演出設定処理(S2775D)を示したフローチャートである。この結果報知演出設定処理(S2775D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される停止処理(図1173参照)の中で実行され、保留球の入賞情報を先読みした結果に基づいて結果報知演出の演出態様を設定するための処理を実行する。結果報知演出設定処理では、まず、演出カウンタ値CS2を取得し(S2881D)、保留エリア1に格納されている入賞情報と保留球数に基づいて変動パターン種別を予測する(S2882D)。具体的には、保留エリア1に格納されている入賞情報から変動種別を抽出し、抽出した変動種別と特別図柄1保留球数カウンタ223daの値(保留球数)から設定される変動パターンを判別する。
上述したように、本第29制御例では、変動種別が「完全外れ」である特別図柄の変動が開始される時点における保留球数に基づいて変動パターン(変動時間)を決定する(図1134参照)。このため、疑似変動開始時点では、疑似変動開始から特別図柄の変動停止までに保留球数が増加する可能性があり、保留球の正確な変動パターンを予測することができない。一方、特別図柄の変動停止時点では、次の特別図柄の変動開始までの期間が2ミリ秒であり、保留球が増加する可能性が極めて低いため、保留球の正確な変動パターンを予測することが可能であり、予測結果に基づいて結果報知演出の演出態様を設定することができる。これにより、特別図柄の変動停止に合わせて導入演出が終了した後に、次の特別図柄の変動開始を待つことなくスムーズに結果報知演出を開始することができるため、更に遊技者に違和感を与えない演出を実行することができる。
S2882Dの処理が終了すると、S2881Dの処理で取得した第2演出カウンタ223dfの値と、S2882Dの処理で予測した変動パターン種別に基づいて、結果報知演出態様設定テーブル222dcから結果報知演出態様を設定する(S2883D)。S2883Dの処理が終了すると、疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deを参照して、S2882Dの処理で設定した結果報知演出の演出態様に対応する疑似保留図柄の表示パターンを設定し(S2884D)、設定した疑似保留追加表示パターンに対応する表示用コマンドを設定する(S2885D)。なお、ここで設定した表示用コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図1158参照)のコマンド出力処理(S2102D)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用コマンドを受信することによって、この表示用コマンドによって示される表示シナリオで、第3図柄表示装置81において疑似保留図柄の可変表示が行われるように、保留演出の表示制御が開始される。
S2885Dの処理が終わると、S2882Dの処理で予測した変動パターン種別に対応する変動時間に基づき、疑似変動更新時間設定テーブル222dbを参照して疑似変動残時間カウンタ223dhに設定するための疑似変動更新時間と、疑似変動終了後に残りの特図変動時間で実行される通常演出時間を決定し(S2886D)、疑似変動算時間カウンタ223dhに設定されているカウンタ値を0クリアした後(S2887D)、疑似変動残時間タイマ223dhに決定した疑似変動更新時間をセットし(S2888D)、本処理を終了する。このように、変動パターン種別毎に疑似変動更新時間が定められており、特別図柄の変動が開始される時点で疑似変動残時間タイマ223dhの値が更新される構成とすることで、特別図柄の変動が開始されるタイミングにかかわらず、その特別図柄の開始から一定の時間で疑似変動を終了させることが可能となる。
次に、図1175を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動回数更新処理(S2778D)について説明する。図1175は、この変動回数更新処理(S2778D)を示したフローチャートである。この変動回数更新処理(S2778D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される停止処理(図1173参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81に表示される特別図柄の変動回数を更新させるための処理である。変動回数更新処理(S2778D)が実行されると、まず、変動回数更新済みフラグ223duがオンであるかを判別する(S2971D)。上述したように、変動回数更新済みフラグ223duは、疑似変動が開始されるタイミングで表示用変動回数カウンタ223dtの値を更新した場合にオンに設定される(図1161参照)。従って、変動回数更新済みフラグ223duがオンに設定されている場合には(S2971D:Yes)、表示用変動回数カウンタ223dtの値を更新せず、変動回数更新済みフラグ223duをオフに設定し(S2973D)、本処理を終了する。一方、変動回数更新済みフラグ223duがオフである場合には(S2971D:No)、まだ表示用変動回数カウンタ223dtのカウンタ値は更新されていないので、表示用変動回数カウンタ223dtの値に1を加算し(S2972D)、本処理を終了する。
次に、図1176を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2215D)について説明する。図1176は、この変動表示設定処理(S2215D)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2215D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1158参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、上述した変動パターン設定処理(図1166参照)において設定した表示用変動パターンに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dcがオンか否かを判別する(S3001D)。そして、変動開始フラグ223dcがオンではないと判別した場合には(S3001D:No)、第3図柄の変動開始タイミングではないため、S1906の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dcがオンであると判別した場合には(S3001D:Yes)、第3図柄の変動開始タイミングであるため、変動開始フラグ223dcをオフに設定し(S3002D)、次いで、演出態様設定処理(図1167参照)のS2454D,S2459D,S2458Dまたは特殊演出追加設定処理(図1168参照)のS2541Dの処理のいずれかにおいて設定された表示用変動パターンを取得する(S3003D)。そして、取得した表示用変動パターンに基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S3004D)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される表示用変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223ddに格納されたデータをシフトする(S3005D)。S3005Dの処理では、入賞情報格納エリア223ddの第1エリア~第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S3006Dの処理へ移行する。S3006Dの処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dbがオンか否かを判別する(S3006D)。そして、停止種別選択フラグ223dbがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S3006D:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dbがオンであると判別した場合(S3006D:Yes)、停止種別選択フラグ223dbをオフし(S3007D)、次いで、コマンド判定処理(図1160参照)のS2205Dの処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S3008D)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別を第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S3009D)、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S3010D)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
<第29制御例における表示制御装置の制御処理について>
次に、図1177から図1181を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。本第29制御例における表示制御装置114のMPU231により実行される各制御は、上述した第1制御例における表示制御装置114のMPU231により実行される各制御に対して、コマンド判定処理において特殊演出関連コマンド処理(S6409)と、オープニングコマンド処理(S6411D)を実行する点と、表示設定処理において表示データ待機解除処理(S7217D)を実行する点で相違しており、その他の構成については同一であるため、その詳細な説明を省略する。
まず、図1177~図1179を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理であるコマンド判定処理(S6302D)の詳細について説明する。まず、図1177は、このコマンド判定処理(S6302D)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理では、図1177に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401D)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401D:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401D:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303D)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402D)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403D)。そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S6404D)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404D:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405D)、S6401Dの処理へ戻る。なお、この変動パターンコマンド処理(S6405D)は、上述した第1制御例における変動パターンコマンド処理(S6405)と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。S6404Dの処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別すると(S6404D:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406D)、表示用変動種別コマンドがあれば(S6406D:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407D)、S6401Dの処理へ戻る。なお、この停止種別コマンド処理(S6407D)は、上述した第1制御例における停止種別コマンド処理(S6407)と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。S6406Dの処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別すると(S6406D:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用特殊演出関連コマンドがあるか否かを判別し(S6422)、表示用特殊演出関連コマンドがあれば(S6422:Yes)、特殊演出関連コマンド処理を実行して(S6409D)、S6401Dの処理へ戻る。
ここで、図1178を参照して、特殊演出関連コマンド処理(S6409D)の詳細について説明する。図1178は、特殊演出関連コマンド処理を示すフローチャートである。この特殊演出関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用特殊演出関連コマンドに対応する処理を実行するものである。特殊演出関連コマンド処理では、まず、受信した特殊演出関連コマンドは疑似変動開始コマンドであるかを判別する(S6151D)。疑似変動開始コマンドであると判別した場合には(S6151D:Yes)、導入演出表示データテーブルを決定して表示データテーブルバッファ233ddに設定し(S6152D)、転送データテーブルバッファ233deにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6153D)。そして、S6152Dの処理によって表示データテーブルバッファ233ddに設定された表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233dhに設定し(S6154D)、ポインタ233dfを0に初期化する(S6155D)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6156D)、特殊演出関連コマンド処理(S6409D)を終了し、コマンド判定処理(図1177参照)に戻る。S6151Dの処理において、受信したコマンドは疑似変動開始コマンドではないと判別した場合には(S6151D:No)、受信したコマンドは特殊演出追加コマンドであるため、コマンドに含まれる特殊演出の演出態様を抽出し(S6157D)、結果報知演出態様であるかを判別する(S6158D)。コマンドに含まれる演出態様が結果報知演出態様であると判別した場合には(S6158D:Yes)、コマンドに対応した結果報知演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233ddに格納し(S6159D)、S6153Dの処理へ移行する。一方、S6158Dの処理において、受信したコマンドに含まれる演出態様は結果報知演出態様ではない(即ち、書き換え演出態様である)と判別した場合には(S6158D:No)、コマンドに対応した書き換え演出表示データテーブルを決定して、決定した書き換え演出表示データテーブルを表示データ待機エリア233dkに格納し(S6160D)、表示制御装置114内のワークRAMの表示データ待機フラグ233dmをオンに設定し(S6161D)、特殊演出関連コマンド処理(S6409D)を終了し、コマンド判定処理(図1177参照)に戻る。
なお、S6160Dの処理において表示データ待機エリア233dkに格納された書き換え演出表示データテーブルは、後述する表示設定処理(図1180参照)における表示データ待機解除処理(S7217D)において、表示データテーブルバッファ233ddに格納される。このように、本第29制御例では、受信した特殊演出追加コマンドが書き換え演出に関連するコマンドであった場合には、コマンドに対応する表示データテーブルを一時的に表示データ待機エリア233dkに格納する構成とし、表示データテーブルバッファ233ddに設定されている結果報知演出の表示データテーブルが書き換え演出の表示データテーブルに切り替わらないことにより、結果報知演出の途中で突然書き換え演出が開始されることを防止している。また、このように表示制御装置114内で書き換え演出の表示データテーブルを待機させる構成とすることで、特別図柄の変動表示の途中で結果報知演出が終了した場合に、音声ランプ制御装置113からの新たなコマンドを要することなく書き換え演出を開始させることができるため、スムーズに書き換え演出を開始させることができるとともに、音声ランプ制御装置113の処理負担を軽減することができる。
ここで、図1177の説明に戻る。S6422の処理において、特殊演出関連コマンドがないと判別すると(S6422:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6410D)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6410D:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6411D)、S6401Dの処理へ戻る。ここで、図1179を参照して、オープニングコマンド処理(S6411D)の詳細について説明する。図1179は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用オープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。オープニングコマンド処理では、まず、受信したオープニングコマンドによって示される大当たり中のオープニング演出の表示態様はロングオープニング演出であるかを判別し(S6351D)、ロングオープニング演出であると判別した場合には(S6351D:Yes)、コマンドに対応したロングオープニング演出の表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233dbから読み出して、表示データテーブルバッファ233ddに設定する(S6352D)。次いで、転送データテーブルバッファ233deにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6353D)。そして、S6352Dの処理によって表示データテーブルバッファ233ddに設定されたロングオープニング演出表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233dhに設定し(S6354D)、ポインタ233dfを0に初期化する(S6355D)。そして、オープニングコマンド処理(S6411D)を終了し、コマンド判定処理(図1177参照)に戻る。一方、S6351Dの処理において、受信したオープニングコマンドによって示される大当たり中のオープニング演出の表示態様はロングオープニング演出ではない(即ち、ショートオープニング演出である)と判別した場合には(S6351D:No)、コマンドに対応したショートオープニング演出の表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233dbから読み出して、表示データ待機エリア233dkに格納し(S6356D)、表示データ待機フラグ233dmをオンに設定し(S6357D)、オープニングコマンド処理(S6411D)を終了し、コマンド判定処理(図1177参照)に戻る。このように、オープニングコマンド処理(S6411D)においても、上述した特殊演出関連コマンド処理(図1178参照)のS6160Dの処理と同様に、ショートオープニング演出に対応するオープニングコマンドを受信した場合には、ショートオープニング演出の表示データテーブルを表示データ待機エリア233dkに一時的に格納することで、大当たり遊技のオープニング期間中に実行されている特殊演出の当たり結果報知演出の途中でショートオープニング演出が実行されない構成としている。このように構成することで、大当たり遊技のオープニング期間の途中で当たり結果報知演出が終了した後に、ショートオープニング演出をスムーズに実行させることができる。
ここで、図1177の説明に戻る。S6410Dの処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別すると(S6410D:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6412D)、背面画像変更コマンドがあれば(S6412D:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6413D)、S6401Dの処理へ戻る。なお、この背面画像変更コマンド処理(S6413D)は、上述した第1制御例における背面画像変更コマンド処理(S6419)と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。S6412Dの処理において、背面画像変更コマンドがないと判別すると(S6412D:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6414D)、エラーコマンドがあれば(S6414D:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6415D)、S6401Dの処理へ戻る。なお、このエラーコマンド処理(S6415D)は、上述した第1制御例におけるエラーコマンド処理(S6421)と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。S6414Dの処理において、エラーコマンドがないと判別すると(S6414D:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6422)、S6401Dの処理へ戻る。各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401Dの処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401D:Yes)、再びS6402D~S6422の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401D~S6422の処理が繰り返し実行され、S6401Dの処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別すると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図73(b)参照)において簡易画像表示フラグ233dcがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308D)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図35に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理および停止種別コマンド処理を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理では、S6501Dの処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233ddに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235ddaおよび電源投入時変動動画像エリア235ddbに格納されているので、S6502Dの処理では、転送データテーブルバッファ233ddbにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図1180および図1181を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303D)の詳細について説明する。図1180は、この表示設定処理を示すフローチャートである。この表示設定処理では、図1180に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7201D)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7201D:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7202D~S7204Dの処理をスキップし、S7205Dの処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7201D:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7202D)、S7203D~S7204Dの処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。S7203Dの処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7203D)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7203D:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7204D)。なお、この警告画像設定処理(S7204D)は、上述した第1制御例における警告画像設定処理(S7204)と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。警告画像設定処理(S7204D)の後またはS7203Dの処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別すると(S7203D:No)、次いで、S7205Dの処理へ移行する。S7205Dでは、ポインタ更新処理を実行する(S7205D)。なお、このポインタ更新処理(S7205D)は、上述した第1制御例におけるポインタ更新処理(S7205)と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233ddに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233dfで示されるアドレスの描画内容を展開する(S7206D)。タスク処理では、先に展開された警告画像と共に、S7206Dの処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。次いで、計時カウンタ233dhの値を1だけ減算し(S7207D)、減算後の計時カウンタ233dhの値が0以下であるか否かを判別する(S7208D)。そして、計時カウンタ233dhの値が1以上である場合は(S7208D:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233dhの値が0以下である場合は(S7208D:Yes)、表示データテーブルバッファ233ddに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データ待機フラグ233dmがオンであるかを判別し(S7209D)、表示データ待機フラグ233dmがオンである(即ち、表示データ待機エリア233dkに表示データが格納されている)と判別した場合には(S7209D:Yes)、表示データ待機解除処理(S7217D)が実行される。
ここで、図1181を参照して、表示データ待機解除処理の詳細について説明する。図1181は、表示データ待機解除処理を示すフローチャートである。表示データ待機解除処理は、特殊演出の結果報知演出の実行中に表示制御装置114が音声ランプ制御装置113より表示用コマンドを受信し、そのコマンドに基づいて読み出された表示データテーブルを、実行中の結果報知演出の終了後に表示データテーブルバッファ233ddに設定するための処理である。表示データ待機解除処理では、まず、表示データ待機エリア233dkに格納されている表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233ddに設定し(S7251D)、表示データ待機フラグ233dmをオフに設定する(S7252D)。次いで、転送データテーブルバッファ233deにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7253D)。そして、S7251Dの処理によって表示データテーブルバッファ233ddに設定された表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233dhに設定し(S7254D)、ポインタ233dfを0に初期化する(S7255D)。S7255Dの処理の終了後は、表示データ待機解除処理(S7217D)を終了し、表示設定処理に戻り、表示設定処理を終了する。このように、本第29制御例では、表示データテーブルバッファ233ddに設定されている表示データテーブルに対応する計時カウンタの値が0になった場合に、表示データ待機エリア233dkに表示データテーブルが格納されている場合には、その格納されている表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233ddに設定される構成であるため、音声ランプ制御装置113からの新たなコマンドを要せずに、事前に受信したコマンドに対応する演出を表示させることができる。
ここで、図1180に戻り、説明を続ける。S7209Dの処理において、表示データ待機フラグ233dmがオンではない(即ち、表示データ待機エリア233dkに表示データテーブルが格納されていない)と判別した場合に(S7209D:No)、表示データテーブルバッファ233ddに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7210D)。その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7210D:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233ddに設定し(S7211D)、次いで、転送データテーブルバッファ233deにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7212D)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233dhに設定し(S7213D)、更に、ポインタ233dfの値を0に初期化する(S7214D)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7215D)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7216D)、V割込処理に戻る。これにより、表示データテーブルバッファ233ddに変動表示データテーブルが設定されている場合において、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233ddbに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑、且つ、肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、S7216Dの処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304D)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7216Dによって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。一方、S7210Dの処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S7210D:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7218D)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7218D:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233dhの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233ddに設定し(S7219D)、次いで、転送データテーブルバッファ233deにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7220D)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233dhに設定する(S7221D)。そして、ポインタ233dfを0に初期化し(S7222D)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7223D)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S7218Dの処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7218D:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。なお、V割込処理(図73(b)参照)において簡易画像表示フラグ233dcがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309D)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図35(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233ddに設定する処理が行われる。
以上、説明した通り、本第29制御例では、1の特別図柄の変動中に開始された疑似変動を、その特別図柄の変動が終了した後にも所定期間(3秒間)継続するように構成している。そして、疑似変動中に実行される特殊演出の演出態様を、疑似変動中に新たに開始された特別図柄の当否判定結果に対応する演出態様に更新させることが可能な構成にしている。このように構成することで、特別図柄が変動表示されていない期間であることを遊技者に気付かせ難くすることができるとともに、特別図柄が変動表示されていない期間に実行されている特殊演出の演出態様を、新たな入賞に基づいて開始された特別図柄の当否判定結果に対応する演出態様に可変させることで、保留が途切れても継続する連続演出を実行することが可能となり、先読み演出に近い演出を提供することができる。
また、発射された遊技球が第1入球口64に入賞する頻度が低い場合には、特別図柄の変動表示が実行される頻度も少なくなるため、入賞する頻度が高い場合に比べて特別図柄が変動していない期間が長くなり、遊技者の遊技意欲を低下させてしまう虞があるが、本第29制御例では、遊技球が第1入球口64に入賞する頻度に応じて疑似変動が選択される割合を異ならせる構成としている。具体的には、遊技球が第1入球口64に入賞する頻度が低い場合には、入賞する頻度が高い場合に比べて疑似変動が選択され易い。このように構成することで、入賞頻度が低い場合には疑似変動が実行され易くなるので、特別図柄が変動表示されていない期間にも疑似変動が継続して実行されることにより、特別図柄が変動表示されていないことを遊技者が気付き難くなるため、遊技意欲の低下を抑制することができる。一方、入賞頻度が高い場合には疑似変動が選択され難くなるので、疑似変動に対応する特殊演出(ミッション演出)が頻繁に実行され遊技者が特殊演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第29制御例では、特定の変動パターン(完全外れA、ロングリーチ)が選択された場合に疑似変動を実行する構成としたが、これに限るものではない。例えば、特別図柄の変動開始時に保留球数が0個であれば疑似変動を設定する構成としても良い。具体的には、演出態様設定処理(S2425D)において、保留球数が0個である場合専用の通常用変動パターン選択テーブルから表示用変動パターンを選択する。そして、この保留球数が0個である場合専用の通常用変動パターン選択テーブルを、必ず疑似変動ありの変動パターンが選択されるテーブルとすることで、保留個数が0個の場合には必ず疑似変動ありの表示用変動パターンを設定することができる。このように構成することで、より確実に遊技者目線での特別図柄の無変動期間を短縮することができるので、遊技者が感じるストレスを緩和することができる。
なお、本第29制御例では、1の特別図柄の変動表示中に第3図柄を仮停止させた後に疑似変動を開始する構成としたが、これに限るものではない。例えば、1の特別図柄の変動表示中に第3図柄を仮停止させることなく、特別図柄の変動時間経過後も見た目上の第3図柄変動を継続させる構成としても良い。具体的には、1の特別図柄の変動(1回目の特図変動)途中でリーチ演出を開始し、リーチ演出における当否判定結果を1回目の特図変動停止から3秒経過後に報知する構成とする。そして、リーチ演出中に新たな特別図柄の変動(2回目の特図変動)が開始されれば、実行中のリーチ演出の結果報知態様をその2回目の特図変動の当否判定結果に対応する態様に切り替える。この場合、リーチ演出の結果報知態様はリーチ演出中に2回目の特図変動が開始されたか否かで分岐する構成とし、リーチ演出中に2回目の特図変動が開始されなかった場合には、1回目の特図変動停止から3秒経過後に1回目の特図変動の当否判定結果に対応する結果報知態様を表示し、リーチ演出中に2回目の特図変動が開始された場合には、2回目の特図変動の当否判定結果に対応する結果報知態様を表示する。このように構成することで、1回目の特図変動が大当たり当選である場合にはリーチ演出中に2回目の特図変動は開始されないので大当たり当選であることが報知され、1回目の特図変動が外れであり、且つ、2回目の特図変動が大当たり当選である場合には大当たり当選であることが報知され、1回目の特図変動が外れであり、且つ、2回目の特図変動が外れである場合には外れであることが報知される。従って、遊技者に対して外れ当選であることが報知される機会を減少させることができるので、実際の大当たり当選確率よりも大当たり当選しているように思わせることが可能となり、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
なお、本第29制御例では、入賞頻度に応じて参照する表示用変動パターン選択テーブルを切り替える制御を実行したが、本制御は参照する表示用変動パターン選択テーブルを決定する制御に限られるものではない。例えば、主制御装置110において入賞頻度を判定可能に構成し、入賞頻度に応じて参照する変動パターン選択テーブルを切り替える構成としても良い。具体的には、入賞頻度が低い場合には変動時間が長い変動パターンが設定され易い変動パターン選択テーブルを参照し、入賞頻度が高い場合には短い変動パターンが設定され易い変動パターン選択テーブルを参照する。このように構成することで、入賞頻度が低い場合、即ち、保留球が途切れやすい状態である場合には、長い変動時間の変動パターンが設定されることにより特別図柄の変動中に保留球を獲得し易くなり、特別図柄の変動終了後に保留球が途切れることを抑制することができる。
なお、本第29制御例では、遊技者が累計60秒間遊技球の発射を行った場合の第1入球口64への入賞数で入賞頻度を計測する構成であったが、入賞頻度の計測要領はこれに限るものではない。例えば、所定期間(例えば、1時間)における特別図柄が変動表示されていない期間の累計が所定時間(例えば、20分間)以上であれば入賞頻度が低いと判定しても良い。或いは、遊技者が所定個数(例えば、100個)の遊技球を発射した場合における、第1入球口64へと入賞した遊技球数によって入賞頻度を判定する構成としても良い。このように構成することで、遊技者がリーチ変動に集中するために遊技球の発射を停止している期間も踏まえた適切な入賞頻度の判定を行うことができる。
なお、本第29制御例では、第1入球口64への入賞頻度によって疑似変動の設定され易さを異ならせる構成としたが、この発明概念を他の技術に転用しても良い。例えば、所定期間(例えば、特別図柄の変動表示が50回実行されるまでの期間)における特定演出(例えば、外れスーパーリーチ)の実行頻度によって、同一の特定演出の設定され易さを可変させる構成としても良い。より具体的には、過去50回の特別図柄の変動表示において外れスーパーリーチが1回実行された場合には、その外れスーパーリーチが実行された変動表示から50回の特別図柄の変動表示が終了するまでは、外れスーパーリーチが設定され難く(或いは、設定されない)する。このように構成することで、所定期間(外れスーパーリーチが実行された変動表示から50回の特別図柄の変動表示が終了するまでの期間)内は外れスーパーリーチの発生頻度が低くなるため、同一の外れスーパーリーチが頻発することで遊技者の演出に対する興味が薄れることを抑制することができる。
また、本第29制御例では、新たな特別図柄変動の開始に基づいて変動演出の演出パターンを設定する場合(演出態様設定処理(図1167のS2425D参照)が実行される場合)に、受信した変動パターンコマンドに基づいて疑似変動の実行有無を決定し、疑似変動の実行が決定されている変動演出が実行されてから所定期間(12秒)が経過し、疑似変動演出が実行されるタイミングが到来した場合に、獲得済みの特図保留の数、及び、先読み結果に基づいて疑似変動の演出態様を決定する処理(図1162のS2807D参照)を実行するように構成することで、疑似変動の実行を決定したタイミングから疑似変動演出が実行されるタイミングまでの期間中に新たな特図保留を獲得した場合において、新たに獲得した特図保留の先読み結果に基づいた演出態様で疑似変動演出を実行可能にしている。つまり、特図保留を保持していない状態で実行された特別図柄変動に対応する変動演出にて疑似変動が実行される演出パターンが設定された場合であっても、新たな特図保留を獲得することにより疑似変動演出の演出態様として遊技者に有利な演出態様(当たり当選を示す演出態様)を設定可能に構成している。このように構成することで、疑似変動演出の演出効果を高めることができる。
なお、本第29制御例では、上述した通り、疑似変動の実行が決定されている変動演出が設定された場合には、必ず疑似変動演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、疑似変動の実行が決定されている変動演出が実行されてから所定期間(12秒)が経過し、疑似変動演出が実行されるタイミングが到来した場合に実行される処理として、その時点における特図保留数が特定数(上限数)となった場合(変更条件が成立した場合)に疑似変動演出の実行を中止する処理(強制中止処理)を実行するように構成しても良い。このように構成することで、疑似変動の実行が決定されている変動演出が実行されてから所定期間(12秒)が経過するまでの間に、多くの特図保留を獲得した場合には、特図変動が実行されない状態が発生し難くなるため、疑似変動演出を実行すること無く各特別図柄変動の変動時間に対応させた変動演出を実行することで、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、上述した変更条件が成立した場合に、疑似変動演出の実行を単に中止するのでは無く、獲得済みの特図保留の先読み結果が、当たり保留を有していることを示す先読み結果となった場合の方が、当たり保留と有していることを示す先読み結果とならなかった場合よりも疑似変動演出が実行され易くなるように構成しても良い。つまり、変更条件が成立した場合において、獲得済みの特図保留の先読み結果に基づいて疑似変動演出の実行割合を異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、いち早く大当たり当選の有無を把握しようとする遊技者に対して、特別図柄変動中に変更条件を成立させようと意欲的に特図保留を獲得するための遊技を意欲的に行わせることができる。
また、変更条件が成立する契機として、特図保留数に基づいて成立する契機以外を設けても良く、例えば、特図保留に含まれている入賞情報に基づいて特別図柄変動の変動時間を先読みし、獲得済みの特図保留が消化されるのに要する時間の合算値が所定値(例えば、100秒)を超えた場合に変更条件が成立するように構成しても良い。このように構成することで、後に実行される特別図柄変動の変動時間を所定時間(100秒)確保してしる状態にて疑似変動演出が実行され難くすることができる。
さらに、疑似変動演出の開始タイミングにおける遊技状況(特図保留数、先読み結果)に応じて、異なる当選確率が規定されている実行抽選を行い、実行抽選に当選した場合に疑似変動演出を開始させるように構成しても良く、この場合、特図保留数が少なく、先読み結果が当たり当選である場合が最も当選確率が高くなり、特図保留数が多く、先読み結果が外れ当選である場合が最も当選確率が低くなるように規定すると良い。このように構成することで、実行中の特別図柄変動が停止表示された後に、特別図柄変動が実行されない期間が創出され易い状況である程、疑似変動演出を実行し易くすることができるため、特別図柄変動が実行されていない状況を遊技者に把握させ難くするという疑似変動演出の目的を達成しながらも、複数回の特別図柄変動が実行されることが確定している状況(複数個の特図保留を獲得している状況)において、特別図柄変動と変動演出の実行期間を一致させ易くすることで遊技者に抽選結果を分かり易く報知することができる。また、当たり当選する特図保留を獲得している場合の方が、獲得していない場合よりも、疑似変動演出を実行させ易くすることができるため、疑似変動演出が実行された時点で当たり当選への期待度を高めることができ、疑似変動演出そのものに対する遊技者の興味を高めることができる。
なお、普通図柄の保留球の当否判定結果を、その保留球に対応する普通図柄の変動表示が実行されるよりも前に判別し(所謂、先読み)、その先読みの結果、普通図柄の当たり当選する保留球が存在すると判別した場合に、実行中のミッション演出において普通図柄の当たりに当選する保留球が存在することに対応する演出を実行する構成としても良い。例えば、ミッション演出の実行中に普通図柄の当たり保留球が存在すると判別した場合に、「図柄が変わる大チャンス!GOが出たら第1入球口64を狙え!」という普通図柄の保留球が存在することに対応する報知演出を実行する。ここで、普通図柄の当たりに当選した場合には、所定期間電動役物64aが開放され遊技球が第1入球口64に入球し易くなる。つまり、普通図柄の当たり当選する保留球が存在することを遊技者が認識することにより、電動役物64aが開放されるタイミングに合わせて遊技球を発射させ易くすることが可能となり、疑似変動の実行期間中に新たな保留球を獲得し易くすることができる。より具体的な構成としては、スルーゲート通過処理(S107D)において、S505Dの処理の後に格納した第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいて音声ランプ制御装置113に送信するための普図入賞コマンドを設定する。音声ランプ制御装置113には、普図入賞情報格納エリアを新たに配置し、主制御装置112から受信した入賞コマンドを普図入賞情報格納エリアに格納する。これにより、音声ランプ制御装置113において普通図柄保留球の入賞情報を把握することができる。そして、液晶演出実行管理処理(2110D)におけるS2237Dの処理において疑似変動残時間タイマ223dhの値が0ではないと判別した場合に(S2110D:No)、普図入賞情報格納エリアに格納されている普図入賞情報に普通図柄の当たり当選する入賞情報が存在するかを判別し、当たり当選する入賞情報が存在すると判別した場合に、当たり普図保留球が存在することに対応する報知演出を実行する。このように構成することで、疑似変動の実行期間中に新たな保留球を獲得し易くなり、疑似変動の演出効果を高めることができる。なお、報知演出の態様としては、「図柄が変わる大チャンス!GOが出たら第1入球口64を狙え!」という表示に限られるものではなく、普通図柄の当たり保留球が存在することを遊技者が認識できる態様であれば良い。
なお、疑似変動が実行される場合に、遊技者に特典を付与する構成としても良い。例えば、疑似変動が実行される場合に、遊技者に演出上のポイントが付与され、そのポイントを一定数まで貯めると、出現確率が極めて低い変動演出(レア演出)の出現確率をアップさせるモードを選択可能となったり、遊技機のモチーフとなったアニメや漫画のオリジナル画像が取得できる2次元コードが表示されたり、といった遊技者にとって嬉しい特典が得られる構成とする。このように構成することで、疑似変動に慣れた遊技者に対しても疑似変動の実行を心待ちにさせることが可能となり、疑似変動に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
上述した本第29制御例では、特別図柄の種別が1種類(第1特別図柄)であって、第1入球口64へと遊技球が入球した場合に入球情報を獲得し、獲得した入球情報を最大で4個保留記憶可能に構成して、保留記憶された順に応じて入球情報を用いた特別図柄抽選を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の種別を2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)設け、第1特別図柄の入球情報を最大で4個、第2特別図柄の入球情報を最大で4個保留記憶可能に構成し、保留記憶された順に応じて入球情報を用いた特別図柄抽選が実行されるように構成しても良く、この場合、実行される特別図柄変動の特別図柄種別に応じて、疑似変動演出の実行割合を異ならせるように構成すると良く、例えば、第1特別図柄の抽選の方が、第2特別図柄の抽選よりも遊技者に有利な抽選結果(特典が付与される当たり当選確率が高い、又は、当たり当選した場合に有利な特典が付与される)となり易くなるように構成した場合には、疑似変動演出の演出態様を決定する際に参照される特図保留の種別(第1特別図柄の特図保留、或いは、第2特別図柄の特図保留)が第1特別図柄の特図保留となる場合の方が、第2特別図柄の特図保留となる場合よりも、疑似変動演出が実行され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、疑似変動演出が実行されただけで当たり当選への期待度を高めることができる。或いは、疑似変動演出の演出結果が当たり当選を示す演出結果である場合に、遊技者に有利な特典を付与し易くすることができる。よって、遊技者に対して疑似変動演出が実行されることを期待させることができるため、疑似変動演出の演出効果を高めることができる。
なお、本第29制御例では、遊技盤面上に始動口を1つ配置し、実行される特別図柄抽選の種別を1種類のみとしたが、これに限るものではなく、遊技盤面上に複数(例えば、2つ)の始動口を配置し、遊技球が入賞した始動口に対応する種別の特別図柄抽選を実行する構成としても良い。以下、図1182~図1217を参照して、遊技盤面上に複数の始動口を配置し、複数種別の特別図柄抽選を実行可能な構成とした第1変形例について説明する。
<第29制御例の第1変形例>
図1182~図1217を参照して、第29制御例の第1変形例のパチンコ機10について説明する。本第29制御例の第1変形例におけるパチンコ機10では、複数(2つ)の始動口を設け、遊技球が入賞した始動口毎に保留球を記憶可能に構成している。具体的には、図1182に示す通り、遊技盤面に第1入球口64と第2入球口640を配置し、第1入球口64に遊技球が入賞した場合には第1特別図柄抽選を実行し、第2入球口640に遊技球が入賞した場合には第2特別図柄抽選を実行する。なお、いずれかの特別図柄が変動表示されている期間に第1入球口64または第2入球口640へ遊技球が入賞した場合には、入賞した始動口に対応する特別図柄種別の保留球としてそれぞれ最大4個まで保留記憶される。また、それぞれの特別図柄種別で、大当たり当選した場合に選択される大当たり種別(例えば、大当たり遊技のラウンド数や、大当たり遊技終了後に設定される時短回数)を異ならせる構成としている。具体的には、図1190を参照して後述するが、第1特別図柄の大当たりに当選した場合には、70パーセントの割合で5Rの大当たり遊技が実行され、30パーセントの割合で10Rの大当たり遊技が実行されるのに対して、第2特別図柄の大当たりに当選した場合には、100パーセントの割合で10Rの大当たり遊技が実行される。このように構成することで、遊技者に比較的有利な特別図柄種別(第2特別図柄)と、遊技者に比較的不利な特別図柄種別(第1特別図柄)を設けることができるため、大当たり当選した場合に遊技者にどの種別の特別図柄で大当たり当選したのかにも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本第29制御例の第1変形例のパチンコ機では、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球を両方有している場合に、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が優先して実行される構成としている。このように構成することで、第1特別図柄の保留球を複数有している場合であっても、第2特別図柄の保留球を獲得した場合には第2特別図柄の変動表示が優先して実行されるため、例えば、確変状態(特別図柄の高確率状態)において遊技者が第1特別図柄の保留球を複数有しており、後から獲得した第2特別図柄の抽選が実行される前に第1特別図柄で通常大当たり(大当たり遊技終了後に通常状態(特別図柄の低確率状態)が設定される大当たり種別)に当選し、確変状態において第2特別図柄の抽選を受けることができなくなることを恐れて、遊技者が第1特別図柄の保留球を貯めないように遊技してしまうことを抑制することができる。
なお、上述した第29制御例では、特殊演出の導入演出開始時点で第1特別図柄の保留球が存在する場合に、その保留球の入賞情報を先読みした結果に応じて疑似保留図柄の表示態様を決定する構成としていた。しかしながら、本第1変形例では、上述したように第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が優先して実行される構成としているため、例えば、導入演出開始時点では第1特別図柄の保留球しか有しておらず、導入演出の実行期間中に新たに第2特別図柄の保留球を獲得した場合、第1特別図柄の保留球を先読みした結果に基づいて決定された疑似保留図柄の表示態様が示唆する抽選結果情報と、導入演出終了後に実行される第2特別図柄の抽選結果に基づく結果報知演出が示す抽選結果情報とが乖離してしまい、遊技者に疑似保留図柄によって示される演出情報に不信感を持たせてしまう虞がある。
これに対して、本第29制御例の第1変形例では、表示されている疑似保留図柄の表示態様が示唆する抽選結果と、第2特別図柄の抽選結果とが異なる場合には、第2特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の保留球に基づく変動表示が開始されるまで結果報知演出の開始を延期し、第2特別図柄の変動表示中は疑似変動の進行を一時停止させる構成としている。このように構成することで、第1特別図柄の保留球を先読みした結果に基づいて決定された疑似保留図柄の表示態様が示唆する抽選結果情報と、導入演出終了後に実行される第2特別図柄の抽選結果に基づく結果報知演出が示す抽選結果情報とが乖離することを抑制することができる。
この第29制御例の第1変形例におけるパチンコ機10が第29制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201によって実行される一部処理が変更されている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201および音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第29制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第29制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第29制御例の第1変形例の盤面構成について>
まず、図1182を参照して、本第29制御例の第1変形例の盤面構成について説明する。図1182は、本第29制御例の第1変形例の盤面構成を示した図である。上述した第29制御例との相違点は、特別図柄抽選のトリガーとなる入球口を複数設けている点である。具体的には、可変表示装置ユニット80の下部領域に第1特別図柄抽選を実行するための第1入球口64と、第2特別図柄抽選を実行するための第2入球口640を配置している。第2入球口640は、両側に回動可能な羽根(電動役物640a)を有しており、通常時は起立した状態で、遊技球が第2入球口640へ入賞するのを妨げるように配置され、普通図柄(第2図柄)の当選を契機に両側の羽根が約90度左右に広がる方向に回動して、遊技領域を流下する遊技球を羽根の上面で受けて、第2入球口640へと誘導するように可変する。また、第1入球口64は第2入球口640の真上に配置されて、羽根の間から遊技球が第2入球口640へ入賞するのを妨げる位置に配置されている。即ち、第2入球口640は、通常時(羽根が起立している状態)では、遊技球の入賞が困難(入賞できない)状態となるように構成されており、普通図柄の当選時に、羽根が回動されている間のみ、遊技球が入賞するように(入賞し易いように)構成されている。
図1182に示した通り、第2入球口640は、第1入球口64の直下に配設されており、遊技盤13の遊技領域を流下した遊技球のうち、第1入球口64へと入球しなかった遊技球が入球し得るように構成している。つまり、本第1変形例におけるパチンコ機10では、第1入球口64へと遊技球を入球させようとする遊技を行った場合に、第2入球口640へと入球し得る遊技領域へと遊技球が入球することとなり、第2入球口640へと遊技球を入球させようとする遊技を行った場合に、第1入球口64へと入球し得る遊技領域を遊技球が入球することとなるように構成している。このように構成することで、例えば、第2入球口640よりも第1入球口64の方が遊技球が入球し易い普通図柄の低確率状態(通常状態)が遊技状態として設定されている場合も、第1入球口64よりも第2入球口640へと遊技球が入球し易い普通図柄の高確率状態(時短状態)が遊技状態として設定されている場合も、遊技球の発射方向(遊技方法)を変更させること無く同一の遊技を行わせることができるため、設定されている遊技状態に応じて、遊技者に遊技方法を変更させる煩わしさを与えること無く好適に遊技を行わせることができる。
さらに、本第29制御例の第1変形例では、第2入球口640の下方に特定入賞口65aを配設している。この特定入賞口65aは、上述した第29制御例におけるパチンコ機10に設けられた特定入賞口65aと同様に、特別図柄抽選の結果が大当たりと判定された場合に実行される大当たり遊技中に遊技球が入球し易くなるように開放制御されるように構成している。つまり、本第29制御例の第1変形例におけるパチンコ機10は、大当たり遊技が実行されていない通常遊技状態、及び、大当たり遊技が実行されている大当たり遊技状態の何れにおいても同一の遊技方法(遊技球の発射方向)で遊技者に好適な遊技を行わせることができるように構成している。このように構成することで、設定される遊技状態に応じて、適正な遊技方法として遊技球の発射方向を異ならせるように構成されたパチンコ機10、例えば、遊技盤13に形成される遊技領域を可変表示ユニット80によって左側領域と右側領域とに区画形成し、左側領域を流下した遊技球は右側領域を流下できないように構成し、右側領域を流下した遊技球は左側領域を流下できないように構成する。そして、左側領域を流下した遊技球のみが到達可能な左側特定位置(右側領域を流下した遊技球よりも左側領域を流下した遊技球の方が到達し易い左側特定位置)に第1入球口64を配設し、右側領域を流下した遊技球のみが到達可能な右側特定位置(左側領域を流下した遊技球よりも右側領域を流下した遊技球の方が到達し易い右側特定位置)に第2入球口640、及び、特定入賞口65aを配設した遊技盤13を有し、通常状態(普通図柄の低確率状態)では左側領域へと遊技球を流下させる遊技方法(左打ち遊技)の方が、右側領域へと遊技球を流下させる遊技方法(右打ち遊技)よりも遊技者に有利な遊技方法となり、時短状態(普通図柄の高確率状態)や大当たり遊技中は右打ち遊技の方が、左打ち遊技よりも遊技者に有利な遊技方法となるパチンコ機10に比べて、遊技者が誤った方向へと遊技球を発射(例えば、通常状態中に右打ち遊技を実行)してしまい不利な遊技を行わせてしまうことで遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、図1182に示した通り、本第1変形例のパチンコ機10では、遊技盤13に形成される遊技領域のうち、左側領域(可変表示ユニット80の左側に形成される遊技領域)へと遊技球を流下させる左打ち遊技を実行した場合も、右側領域(可変表示ユニット80の右側に形成される遊技領域)へと遊技球を流下させる右打ち遊技を実行した場合も、各領域を流下した遊技球が入球可能な位置に第1入球口64、第2入球口640、特定入賞口65aを配設している。よって、同一の遊技方法を長時間実行することにより遊技に飽きてしまった遊技者が遊技方法を変更した場合(左打ち遊技から右打ち遊技へと切り替えた場合)にも、好適な遊技を実行させることができる。より詳細な説明をすると、左打ち遊技によって発射された遊技球が左側領域を流下して特定入賞口65aへと到達するのに要する時間が約1.5秒となり、右打ち遊技によって発射された遊技球が右側領域を流下して特定入賞口65aへと到達するのに要する時間が約2秒となるように、遊技盤の各遊技領域には遊技球の流下方向を変更させるための障害釘(図では丸印で表示)が埋設されている。そして、上述した第29制御例と同様に、1分間に最大で100個の遊技球を遊技領域へと発射可能(0.6秒間隔で遊技球を発射可能)に構成している。つまり、一方の遊技方法で遊技を継続して実行する場合よりも、両方の遊技方法で遊技を交互に実行した場合の方が、同一タイミングで複数の遊技球を特定入賞口65aへと到達させ易くなるように構成している。このように構成することで、特定数(例えば、10個)の遊技球が入賞した場合に、遊技球が入賞し易い期間の終了条件が成立するように開放制御される入球手段(特定入賞口65a)に対して、10個目と11個目の遊技球をほぼ同一タイミングで特定入賞口65aへと到達させることが可能となり、特定数(例えば、10個)よりも多くの遊技球を入賞させ易くすることができるように構成している。このように構成することで、何れの遊技方法で遊技を行ったとしても、遊技者に対して適正な遊技を提供することができると共に、様々な遊技方法で遊技を行うことで適正な遊技で付与される価値(各入球口(入賞口)への遊技球の入球(入賞)に基づいて提供される賞球や特別図柄抽選の実行権利)に付加価値を付与することが可能となるため、遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができる。
本第29制御例の第1変形例では、左打ち遊技によって100個の遊技球を発射した場合に、第1入球口64、第2入球口640、特定入賞口65aへと到達する(入球し得る)遊技球の割合が、5:3:2となり、右打ち遊技によって100個の遊技球を発射した場合に、第1入球口64、第2入球口640、特定入賞口65aへと到達する(入球し得る)遊技球の割合が、5:3:2となるように構成し、左打ち遊技を実行した場合も、右打ち遊技を実行した場合も、有利者の有利度合いが同一となるように構成しているが、パチンコ機10が設置されている状況(設置状態における遊技機の左右方向、或いは、前後方向の斜度)により、左打ち遊技と、右打ち遊技とで各入球口への入球割合が異なる事象が生じる。よって、複数種類の遊技方法によって発射された遊技球が各入球口へと入球し得るように構成された本第1変形例におけるパチンコ機10では、より有利な遊技を実行することができる遊技方法を遊技者に探させるという斬新な遊技を提供することができる。
なお、左打ち遊技、右打ち遊技の何れを行っても各入球口へと入球し得るものであれば良く、各入球口への入球のし易さを実行する遊技方法によって異ならせても良く、例えば、第1入球口64へは左打ち遊技の方が右打ち遊技よりも入球し易く、第2入球口640へと右打ち遊技の方が左打ち遊技よりも入球し易くなるように構成しても良い。このように構成することで、左打ち遊技、右打ち遊技の何れを行った場合であっても、第1入球口64、及び第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能なパチンコ機10において、遊技状態が切り替わった場合により有利な遊技(遊技球を入球させ易い遊技)を探し出す遊技性を遊技者に提供することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本第29制御例の第1変形例では、第1入球口64、第2入球口640、特定入賞口65aを何れの遊技方法で遊技を行った場合であっても、発射された遊技球が入球し得る位置に配設しているが、同一の遊技方法で発射された遊技球が入球し得るように第1入球口64と第2入球口640とが配設されていれば良く、特定入賞口65aは右打ち遊技で発射された遊技球のみが入賞し得るように構成しても良い。
第29制御例の第1変形例では、球が第1入球口64または第2入球口640へ入賞した場合に第1特別図柄または第2特別図柄(第1図柄)の抽選が行われる。第1入球口64または第2入球口640への入賞に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常遊技状態(特別図柄の大当たりに当選していない状態)には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が所定回数(例えば、10ラウンド)繰り返される。つまり、ラウンド遊技中の可動制御を終了させるための終了条件、即ち、可動手段に対する制御を終了させるための異なる条件である30秒経過、或いは10個入賞の何れかが成立するまで特定入賞口65aが開放される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞可能となり、遊技者は多量の賞球を獲得可能となる。第1特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりAa(5ラウンド確変大当たり)」、「大当たりBa(10ラウンド確変大当たり)」、「大当たりC11a(5ラウンド通常大当たり)」を設定可能であり、第2特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりBa(10ラウンド確変大当たり)」、「大当たりD11a(10ラウンド通常大当たり)」を設定可能に構成している。各大当たり種別の詳細な説明は、図1190を参照して後述するが、第2特別図柄で大当たりに当選した場合には、必ず大当たり遊技のラウンドが10ラウンドとなるため、当たり当選した場合に付与される特典の有利度合いの面では第2特別図柄は第1特別図柄よりも有利な特別図柄の種別となる。
また、第1特別図柄または第2特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒~30秒)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64または第2入球口640へ入球すると、その入球回数は最大4回までそれぞれ保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64または第2入球口640についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
<第29制御例の第1変形例における演出内容について>
次に、図1183~図1185を参照して、本第29制御例の第1変形例のパチンコ機10において実行される特徴的な演出内容について説明する。本第29制御例の第1変形例のパチンコ機10では、上述した疑似変動および特殊演出に加えて、疑似変動のホールド演出が実行される。図1183(a)は、疑似変動が開始され、特殊演出の導入演出が開始された時点における第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した図である。第29制御例のパチンコ機10における導入演出開始時の表示画面とは異なり、表示画面の正面視右上隅に第2特別図柄の保留球数を示すための特図2保留球数表示領域Dm1cと、第2特別図柄の抽選結果を示すための第4図柄が表示される特図2第4図柄表示領域Dm1dが表示されている。その他の表示内容は、第29制御例と同一であり、同一の表示内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1183(a)に示した図は、実行中の第1特別図柄変動が開始された時点では、特図1保留を獲得していない状態であって、その後、疑似変動演出の待機期間(12秒間)中に新たな特図1保留を獲得し、待機期間経過後に、獲得した特図1保留の先読み結果に基づいて設定した演出態様で導入演出が開始された場合に表示される表示画面の一例を示している。よって、図1183(a)に示すように、特図1保留球数表示領域Dm1aには第1特別図柄の保留球を1つ有していることを示す「1」の表示がされており、特図2保留球数表示領域Dm1cには第2特別図柄の保留球を有していないことを示す「0」の表示がされている。そして、実行中保留図柄表示領域Ds1では、第1特別図柄の保留球の先読み結果に基づいて表示されている保留図柄をチャンス疑似保留図柄th0に可変させている様子が表示されている。第29制御例において説明したように、このチャンス疑似保留図柄th0は、保留球を先読みした結果、特別図柄の変動種別が「完全外れ」ではない場合に設定される表示態様である。従って、このチャンス疑似保留図柄th0が表示されることにより、遊技者に対して、この後に、獲得済の特図1保留に対応する変動演出として少なくともリーチ状態となる変動演出が実行されることを期待させることができる。
図1183(b)は、図1183(a)の状態から、ホールド演出が実行された場合の表示画面の一例を示した図である。図1183(b)に示す図は、図1183(a)において変動表示されていた第1特別図柄の変動時間が経過する前に第2特別図柄の保留球を1個獲得し、その第1特別図柄の変動停止後に第2特別図柄の保留球に基づく第2特別図柄の変動表示が実行されている状態を示している。より具体的には、通常状態が設定されている状態で、普通図柄抽選で普図当たりに当選したことに基づいて実行された普図当たり遊技(開放期間が0.2秒)中に第2入球口640へと遊技球が入球し第2特別図柄の保留球(特図2保留)を獲得した場合に表示され得る表示画面の一例を示している。図1183(b)に示した通り、特図2第4図柄表示領域Dm1dには、第2特別図柄の変動表示が実行されていることを示す表示態様(図では矢印で表示)が表示されている。また、普図当たり遊技中に第2入球口640へと入球した遊技球が1個であるため、特図1保留球数表示領域Dm1aには第2特別図柄の保留球を獲得していないことを示す「0」の表示がされている。また、特図1保留球数表示領域Dm1aにおいて第1特別図柄の保留球を1つ有していることを示す「1」の表示がされており、特図1第4図柄表示領域Dm1bにおいて第1特別図柄が停止表示中であることを示す表示がされている。
ここで、本第29制御例の第1変形例では、導入演出(疑似変動演出)の開始時点で存在している保留球の先読み結果に基づいて疑似保留図柄の表示態様(疑似変動演出の演出態様)を決定する構成としている。このため、導入演出の開始後に第2特別図柄の保留球を獲得した場合、表示されている疑似保留図柄の表示態様によって示唆される演出情報(第1特別図柄の先読み結果)と、実行される第2特別図柄の抽選結果とが一致しない虞がある。例えば、第1特別図柄の保留球を先読みした結果、変動種別が「完全外れ」ではなかったことからチャンス疑似保留図柄th0が設定され、新たに獲得した第2特別図柄の保留球の変動種別が「完全外れ」であった場合、遊技者は少なくともリーチ状態になることを確信していたにもかかわらず、リーチ状態にならずに単なる外れとなり、疑似保留図柄が示唆する演出情報に不信感を持たせることに繋がりかねない。このような不具合を抑制するために、本第29制御例の第1変形例では、疑似変動の実行中に第2特別図柄の変動表示が開始される場合に、表示されている疑似保留図柄の表示態様と、実行される第2特別図柄の当否判定結果とを判定し、矛盾が生じる場合(具体的には、チャンス疑似保留図柄が表示されている状態で第2特別図柄の完全外れの変動表示が実行される場合)には疑似保留図柄の表示態様を設定する際の先読み対象となった第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の変動表示が開始されるまでの期間に疑似変動の変動時間の進行を一時停止させるホールド演出を実行する構成としている。
この疑似変動のホールド演出が実行されると、図1183(b)に示すように、小表示領域Dm3に表示されている疑似変動の残時間のカウントダウンが一時中断していることを示すための表示態様である「HOLD」アイコンAk2が小表示領域Dm3に重なるように表示される。また、副表示領域Dsでは、チャンス疑似保留図柄th0に繋がる導火線duの右端の火Hi1がうさぎを模したキャラクタ801によってキャラクタ801が持つ木801aに移し替えられ、導火線duから火Hi1が消える演出が実行される。キャラクタ801は、第1特別図柄の変動表示が開始されるまでの期間、火が着いた木801aを持った状態で副表示領域Dsに表示されたままとなり、第1特別図柄の変動表示が開始されると、図1184に示すように、キャラクタ801が再び導火線duに火を着ける演出が実行される。このように構成することで、キャラクタ801が表示されている期間は副表示領域Dsにおいて実行されている保留変化演出が一時中断していることを遊技者に分かり易くする示すことができる。なお、図1183(b)に示すように、疑似変動のホールド演出が実行されている期間においても特殊演出(ミッション演出)が継続していることを示す「ミッション中」という案内態様が表示領域HR1に表示され、主表示領域Dmにおいて第3図柄が変動表示されたままの状態が継続し、第2特別図柄の抽選結果は特図2第4図柄表示領域Dm1dにおいて第2特別図柄の変動時間経過後に停止表示される。
図1184は、図1183(b)の状態から疑似変動のホールド演出が終了した時点における表示画面の一例を示した図である。特図2保留球数表示領域Dm1cにおいて第2特別図柄の保留球を有していないことを示す「0」が表示され、特図2第4図柄表示領域Dm1dにおいて第2特別図柄が完全外れで停止表示されたことを示す表示態様が表示されている。また、特図1保留球数表示領域Dm1aにおいて第1特別図柄の保留球を有していないことを示す「0」が表示され、特図1第4図柄表示領域Dm1bにおいて第1特別図柄の変動表示中であることを示す表示態様が表示されている。つまり、図1183(b)の状態から、第2特別図柄の保留球に基づく変動表示がすべて終了し、導入演出開始時点で存在していた第1特別図柄の保留球に基づく変動表示が開始された状態を示している。この第1特別図柄の保留球に基づく変動表示が開始されると、「HOLD」アイコンAk2が非表示となり、小表示領域Dm3において疑似変動の残時間のカウントダウンが再開される。また、副表示領域Dsでは、キャラクタ801が導火線duに火Hi1を着火させる演出が実行され、保留変化演出が再開される。そして、主表示領域Dmでは、変動表示中の第1特別図柄の抽選結果に対応する結果報知演出が実行される。これにより、導入演出開始後に獲得した第2特別図柄の保留球に基づく変動表示が第1特別図柄の保留球に基づく変動表示よりも優先して実行される構成であっても、導入演出開始時点で先読みした結果に基づいて表示された疑似保留図柄の表示態様と、実行される結果報知演出の演出態様とが一致しないことを抑制することができる。
なお、ノーマル疑似保留図柄(保留球を先読みした結果が完全外れであった場合、または保留球が存在しない場合に決定される疑似保留図柄)が表示されている場合に、導入演出開始後に第2特別図柄の保留球を獲得し、その第2特別図柄の保留球が大当たり当選である場合には、疑似変動のホールド演出を実行せず、第2特別図柄の保留球の抽選結果に対応する結果報知演出を実行する構成としている。これは、ノーマル疑似保留図柄が表示されたことによりリーチ状態にならないと予測し落胆している遊技者に対して、大当たり当選であることに対応する演出を実行しても不快感を与える虞がなく、むしろ意外性のある演出を提供することにより、ノーマル疑似保留図柄が表示されても最後まで大当たり当選の期待を持たせることが可能となるためである。
次に、図1185を参照して、導入演出開始後に第2特別図柄の保留球を獲得した場合の特殊演出の流れについて説明する。図1185(a)は、導入演出開始後に獲得した第2特別図柄の保留球の当否判定結果が完全外れであり、疑似保留図柄の表示態様としてチャンス疑似保留図柄が表示されている場合の特殊演出の流れを示したタイミングチャートである。特図変動の項目は第1図柄表示装置37における特別図柄の変動表示の状態を示しており、演出態様の項目は第3図柄表示装置81において表示される演出態様を示している。図1185(a)に示すように、まず、特図1完全外れAの変動表示が17秒間実行される。なお、特図1完全外れAの変動種別は、保留球が存在しない場合に設定される変動種別である(図1191(b)参照)。この特図1完全外れAの変動期間では、12秒間の通常演出が実行された後、5秒間の特殊演出の導入演出が実行され、疑似変動が開始される。図1185(a)に示す例では、導入演出開始前に第1特別図柄の保留球を獲得しており、第2特別図柄の保留球を有していない状態であるため、導入演出開始時点では第1特別図柄の保留球を先読みした結果に基づいて疑似保留図柄の表示態様(図1183(a)参照)が決定される。図1185(a)に示すように、第1特別図柄の保留球の変動種別は当たりロングリーチであることから、疑似保留図柄の表示態様としてチャンス疑似保留図柄が決定される。その後、導入演出開始から特図1完全外れAの変動時間経過までの期間に第2特別図柄の保留球を獲得したため、特図1当たりロングリーチの変動表示が実行される前に第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。図1185(a)に示す例では、第2特別図柄の変動種別として完全外れFが設定されており、導入演出開始時点で表示されているチャンス疑似保留図柄(特別図柄の保留球の抽選結果が完全外れではない場合に表示される疑似保留図柄)と矛盾が生じてしまうため、特図2完全外れFの変動表示が開始された場合には、疑似変動のホールド演出(図1183(b)参照)が実行され、疑似変動の進行が一時停止される。そして、特図2完全外れFの変動表示が終了し、特図1当たりロングリーチの変動表示が開始されると、疑似変動演出が再開される(図1184参照)。
また、特図1当たりロングリーチの変動表示が開始される場合には、疑似変動演出の残時間と、実行される変動表示種別と、に基づいて疑似変動演出の残期間を更新する処理が実行される。図1185(a)に示した例では、疑似変動演出が開始された時点で設定された疑似変動期間(8秒)のうち、5秒が経過したタイミング(残時間3秒のタイミング)で、17秒の変動表示が実行される場合であり、疑似変動演出の残期間が3秒から5秒に更新される処理が実行される。これにより、17秒の変動表示期間は、最初の5秒が疑似変動演出が実行される期間となり、残りの12秒が当該変動に対応する特別図柄抽選の結果を示すための変動表示演出が実行される期間となる。このように、予め定められている疑似変動の演出期間を、次に実行される特別図柄変動の変動パターンに基づいて更新する処理を実行することにより、疑似変動演出が次に実行される特別図柄変動の変動期間に跨がって実行される場合であっても、次に実行される特別図柄変動の変動期間のうち、疑似変動演出が終了した後の残期間の長さを複数のパターンに特定し易くすることができるため、残期間を用いた変動演出の演出態様を決定し易くすることができる。
なお、図1185(a)に示した例では、疑似変動演出の演出期間(ホールド期間を除いた期間)が当初の8秒から10秒へと延長させる例を示しているが、これに限ること無く、疑似変動演出の残期間に対して、次に実行される特別図柄変動の変動時間が短い場合には、疑似変動演出の演出期間を短縮させるように更新する処理を実行すれば良い。このように構成することで、短い変動時間の特別図柄変動が次の特別図柄変動として実行された場合であっても、疑似変動演出が終了した後の残時間を用いて当該変動に対応する特別図柄抽選の結果を示すための変動演出を実行し易くすることができる。
また、疑似変動演出の演出期間の長さを更新(延長、又は短縮)した場合には、既に表示画面の副表示領域Dsに表示されている導火線duの表示態様をそのまま用いて、火Hi1の進行速度のみを可変させるように表示態様を決定すると良い。このように構成することで、疑似変動演出の残時間が途中で更新されたことを遊技者に気付かれ難くすることができる。
さらに、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される変動パターンの一部として、短時間(例えば、3秒)の変動パターンを決定可能に構成し、疑似変動演出が実行されている最中に次に実行される特別図柄抽選の対象となる特図保留を獲得し、その獲得した特図保留に基づいて実行される次に特別図柄変動時間が3秒となる場合に、疑似変動演出の残時間を0.5秒に短縮する処理を実行し、既に表示画面の副表示領域Dsに表示されている導火線duが、0.5秒で全て燃え尽きる高速炎上演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、既に表示画面の副表示領域Dsに表示されている導火線duが燃える速度に対して遊技者により興味を持たせることができると共に、疑似変動演出の残時間が短縮されたことを気付かれ難くすることができる。
なお、図1185(a)に示す例では、第2特別図柄の保留球を1つ獲得した場合を例にして説明したが、特図1当たりショートリーチの変動表示が開始されるまでに複数の第2特別図柄の保留球を獲得している場合には、その第2特別図柄の保留球の中に大当たりに当選する保留球がなければ特図1当たりショートリーチの変動表示が開始されるまで疑似変動のホールド演出が継続する。
図1185(b)は、導入演出開始後に獲得した第2特別図柄の保留球の変動種別が当たりショートリーチであり、疑似保留図柄の表示態様としてチャンス疑似保留図柄が表示されている場合の特殊演出の流れを示したタイミングチャートである。図1185(b)に示す例では、導入演出開始後に獲得した第2特別図柄の保留球の変動種別と、チャンス疑似保留図柄が示唆する抽選結果情報とに矛盾が生じていないため、特図2当たりショートリーチの変動表示が開始されても疑似変動のホールド演出は実行されず、特図2当たりショートリーチに対応する結果報知演出が実行される。そして、特図2当たりショートリーチの変動表示が終了したことに基づいて実行される大当たり遊技終了後に、特図1当たりショートリーチの変動表示が実行される。この特図1当たりショートリーチの変動表示においては、通常演出が実行される。つまり、図1185(b)では、特図1保留に対する先読み結果に基づいて決定した疑似変動演出の演出態様(保留図柄の表示態様)を、第2特別図柄変動の結果を示すための演出として流用する場合の流れを示した図である。このように、予め特定した特別図柄変動の実行順序に基づいて複数の特別図柄変動に跨がるように実行される期間演出の演出態様を決定しておき、予め特定した特別図柄変動の実行順序とは異なる実行順序で特別図柄変動が実行される場合には、既に決定されている演出態様で期間演出を実行しても、各特別図柄変動の結果を示す演出態様として矛盾が生じるか否かを判別し、矛盾が生じないと判別した場合には、既に決定されている演出態様でそのまま期間演出を実行可能に構成することで、期間演出を実行するための処理を簡素化することができる。
また、図1185(b)に示した例では、特図2当たりショートリーチの変動表示が開始される時点における疑似変動演出の残時間が3秒となる。そして、特図2当たりショートリーチの変動表示時間が5秒であり、疑似変動演出の残時間を更新する処理によって、疑似変動演出の残時間が3秒から5秒へと更新されている。つまり、特図2当たりショートリーチの変動表示期間の全てが疑似変動演出の実行期間となるように疑似変動演出の残時間が更新されるように構成している。この場合、疑似変動演出の演出結果を示すための表示態様として、「祝」の文字が表示される(図1122(b)参照)。具体的には、詳細は図示しないが、特図2当たりショートリーチの変動表示が開始された時点で表示されている導火線duが5秒を掛けて燃え尽きる速度(低速度)に可変し、導火線duが燃え尽きた後に爆弾アイコンth0cが「祝」の表示態様で表示される。つまり、疑似変動演出が実行される特別図柄変動の次に実行される特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果を示唆するための表示態様を疑似変動演出の演出結果として表示するのでは無く、特別図柄抽選の結果を報知するための表示態様を疑似変動演出の演出結果として表示するように構成している。このように構成することで、疑似変動演出が実行される特別図柄変動の次に実行される特別図柄変動の変動時間が短く、その期間内に残りの疑似変動演出と、抽選結果を示すための変動演出と、を実行することが困難な場合において、疑似変動演出を用いて抽選結果を報知することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
なお、本第29制御例の第1変形例では、疑似変動が開始された時点で保有している特図1保留の先読み結果に基づいてチャンス疑似保留図柄が表示され、先読みの対象となった特図1保留に対応する特別図柄変動が開始される前に特図2保留を獲得し、その特図2保留に対応する特別図柄変動が先に開始された場合に、疑似変動ホールド演出を実行する構成としたが、これに限るものではない。例えば、疑似変動が開始された時点で保有している特図1保留が大当たり当選であるもののチャンス疑似保留図柄が設定されなかった場合に、その特図1保留に対応する特別図柄変動が開始される前に特図2保留を獲得することで疑似変動ホールド演出が実行されるように構成しても良い。このように構成することで、疑似変動に習熟した遊技者に対して、疑似変動開始時にチャンス疑似保留図柄が表示されなくても落胆させずに、新たに特図2保留を獲得することで疑似変動ホールド演出が実行されるかもしれないと期待させることによって、特図2保留を獲得しようと積極的に遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
<第29制御例の第1変形例における電気的構成について>
次に、図1186を参照して、第29制御例の第1変形例における主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。上述した第29制御例とは、特別図柄2保留球格納エリア203daAを設けた点で相違する。なお、特別図柄2保留球格納エリア203daAは、特別図柄1保留球格納エリア203daに対して、第2始動口64bへの入賞に対して取得されたカウンタ値がそれぞれ記憶される点で異なるのみで、その他の構成については、同一であるので、詳細な説明については省略する。
次に、本第29制御例の第1変形例のパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容について、図1187~図1192を参照して説明する。図1187(a)は、主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図である。図1187(a)に示した通り、上述した第29制御例とは、変動種別選択テーブル202dbに代えて変動種別選択テーブル202daAを、大当たり種別選択テーブル202ddに代えて大当たり種別選択テーブル202dbAを、変動パターン選択テーブル202deに代えて変動パターン選択テーブル202dcAを設けた点で相違している。
まず、図1188(a)を参照して、変動種別選択テーブル202daAの内容について説明する。変動種別選択テーブル202daAは、特別図柄の変動種別を決定するためのテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動種別が決定される。この変動種別選択テーブル202daAには、特別図柄の抽選結果と遊技状態に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。上述した第29制御例における変動種別選択テーブル202dbとは、通常中当たり用選択テーブル202db1に代えて通常中当たり用選択テーブル202daA1が、通常中外れ用選択テーブル202db2に代えて通常中外れ用選択テーブル202daA2が、確変・時短中当たり用選択テーブル202db3に代えて確変・時短中当たり用選択テーブル202daA3が、確変・時短中外れ用選択テーブル202db4に代えて確変・時短中外れ用選択テーブル202daA4が規定されている点で相違する。
図1188(b)は、通常中当たり用選択テーブル202daA1の規定内容を模式的に示した図である。第29制御例における通常中当たり用選択テーブル202db1とは、第2特別図柄(特図2)用の変動種別を追加して点で相違しており、その他は第29制御例と同一である。図1188(b)に示すように、第2特別図柄の抽選結果が大当たりであり、変動種別カウンタCS1の値が「0~199」の範囲内であれば、変動種別として「当たりショートリーチ」が設定され、変動種別データとして「10H」が設定される。
図1188(c)は、通常中外れ用選択テーブル202daA2の規定内容を模式的に示した図である。第29制御例における通常中外れ用選択テーブルdb2とは、第2特別図柄(特図2)用の変動種別を追加して点で相違しており、その他は第29制御例と同一である。図1188(c)に示すように、第2特別図柄の抽選結果が外れであり、変動種別カウンタCS1の値が「0~199」の範囲内であれば、変動種別として「完全外れ」が設定され、変動種別データとして「11H」が設定される。なお、本第29制御例の第1変形例では、通常状態における第2特別図柄の変動種別として、抽選結果が大当たりである場合には必ず「当たりショートリーチ」が設定され、外れである場合には必ず「完全外れ」が設定される構成としているが、これに限るものではなく、複数種類の変動種別から1の変動種別を設定する構成としても良い。
図1189(a)は、確変・時短中当たり用選択テーブル202daA3の規定内容を模式的に示した図である。第29制御例における確変・時短中当たり用選択テーブルdb3とは、第2特別図柄(特図2)用の変動種別を追加して点で相違しており、その他は第29制御例と同一である。なお、本第29制御例の第1変形例では、確変状態または時短状態において大当たり当選した特別図柄の特図種別にかかわらず、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲内であれば「当たりショートリーチ」が設定され、「150~199」の範囲内であれば「当たりロングリーチ」が設定される。図1189(b)は、確変・時短中外れ用選択テーブル202daA4の規定内容を模式的に示した図である。第29制御例における確変・時短中外れ用選択テーブルdb4とは、第2特別図柄(特図2)用の変動種別を追加して点で相違しており、その他は第29制御例と同一である。なお、本第29制御例の第1変形例では、確変状態または時短状態において外れであった場合には特別図柄の特図種別にかかわらず、変動種別カウンタCS1の値が「0~164」の範囲内であれば「完全外れ」が設定され、「165~199」の範囲内であれば「外れショートリーチ」が設定される。なお、本第29制御例の第1変形例では、確変状態または時短状態における変動種別を第1特別図柄と第2特別図柄で共通のものとしたが、これに限るものではなく、第1特別図柄と第2特別図柄で異なる変動種別を設定可能に構成しても良い。
次に、図1190を参照して、大当たり種別選択テーブル202dbAの内容について説明する。図1190は、大当たり種別選択テーブル202dbAの規定内容を模式的に示した図である。図1190に示すように、第1特別図柄の大当たりに当選した場合、特別当たり種別カウンタC2の値が「0~29」の範囲内であれば5R確変大当たりである「大当たりA」が選択され、「30~59」の範囲内であれば10R確変大当たりである「大当たりB」が選択され、「60~99」の範囲内であれば5R通常大当たりである「大当たりC11」が選択される。一方、第2特別図柄の大当たりに当選した場合、特別当たり種別カウンタC2の値が「0~59」の範囲内であれば10R確変大当たりである「大当たりB」が選択され、「60~99」の範囲内であれば10R通常大当たりである「大当たりD」が選択される。このように、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たりに当選した場合、確変大当たりが選択される割合は、ともに60パーセントであるが、第1特別図柄の大当たりでは10R大当たりの割合が30パーセントであるのに対して、第2特別図柄の大当たりでは10R大当たりの割合が100パーセントとなっている。従って、第2特別図柄で大当たり当選した方が第1特別図柄で大当たりに当選するよりも遊技者に付与される大当たり遊技のラウンド数が多くなり易く、第2特別図柄は遊技者に比較的有利な特図種別であると言える。
次に、図1191(a)を参照して、変動パターン選択テーブル202dcAの内容について説明する。変動パターン選択テーブル202dcAは、設定された変動種別データ値に基づいて変動パターン(変動時間)を決定するためのテーブルであり、変動種別データの値と、保留球数に基づいて変動パターン(変動時間)が決定される。この変動パターン選択テーブル202dcAには、遊技状態が通常状態である場合に参照される通常用変動パターン選択テーブル202dcA1と、遊技状態が確変状態または時短状態である場合に参照される確変・時短用変動パターン選択テーブル202dcA2が規定されている。
ここで、図1191(b)を参照して、変動パターン選択テーブル202dcAに規定されている通常用変動パターン選択テーブル202dcA1の内容について説明をする。図1191(b)は、通常用変動パターン選択テーブル202dcA1の内容を模式的に示した模式図である。通常用変動パターン選択テーブル202dcA1は、上述した第29制御例における通常用変動パターン選択テーブル202de1に対して、第2特別図柄に対応する変動パターンを規定している点で相違する。具体的には、図1191(b)に示す通り、選択された変動種別データ値が00H(即ち、第1特別図柄の当たりショートリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が12000ms(12秒)の変動パターンである「当たりショートリーチA」が設定される。なお、変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターン種別を特定する処理は、保留第1エリアから実行エリアへデータがシフトされた場合に行われる。この場合、他の保留エリアに記憶されている入賞データは、シフト処理によりエリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰められているので、変動パターンを選択するタイミングにおいて、保留されている入賞データ(保留球数)の最大値は3である。このため、変動パターン選択テーブル202dcAは、保留球数0~3の場合について規定している。
選択された変動種別データ値が01H(即ち、第1特別図柄の当たりロングリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が17000ms(17秒)の変動パターンである「当たりロングリーチA」が設定される。選択された変動種別データ値が02H(即ち、第1特別図柄の当たりスーパーリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が30000ms(30秒)の変動パターンである「当たりスーパーリーチA」が設定される。
選択された変動種別データ値が0BH(即ち、第2特別図柄の当たりショートリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が5000ms(5秒)の変動パターンである「当たりショートリーチC」が設定される。また、選択された変動種別データ値が04H(即ち、第1特別図柄の外れショートリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が12000ms(12秒)の変動パターンである「外れショートリーチA」が設定される。選択された変動種別データ値が05H(即ち、第1特別図柄の外れロングリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が17000ms(17秒)の変動パターンである「外れロングリーチA」が設定される。選択された変動種別データ値が06H(即ち、第1特別図柄の外れスーパーリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が30000ms(30秒)の変動パターンである「外れスーパーリーチA」が設定される。選択された変動種別データ値が0CH(即ち、第2特別図柄の完全外れ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が3000ms(3秒)の変動パターンである「完全外れF」が設定される。
次に、図1192を参照して、変動パターン選択テーブル202dcAに規定されている確変・時短用変動パターン選択テーブル202dcA2の内容について説明をする。図1192は、確変・時短用変動パターン選択テーブル202dcA2の内容を模式的に示した模式図である。確変・時短用変動パターン選択テーブル202dcA2は、上述した確変・時短中当たり用選択11テーブル202daA3または確変・時短中外れ用選択11テーブル202daA4において選択された変動種別データと保留球数に基づいて特別図柄の変動時間を設定するためのデータテーブルである。
図1192に示す通り、選択された変動種別データ値が07H(即ち、当たりショートリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が5000ms(5秒)の変動パターンである「当たりショートリーチB」が設定される。選択された変動種別データ値が08H(即ち、当たりロングリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が10000ms(10秒)の変動パターンである「当たりロングリーチB」が設定される。
また、選択された変動種別データ値が09H(即ち、完全外れ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が3000ms(3秒)の変動パターンである「完全外れE」が設定される。選択された変動種別データ値が10H(即ち、外れショートリーチ)であり、保留球数が0~3個であれば変動時間が5000ms(5秒)の変動パターンである「外れショートリーチB」が設定される。このように、確変状態または時短状態が設定されている場合には、通常状態が設定されている場合に比べて、当否判定結果が外れである場合にリーチ変動が選択される割合が低く設定されている。そして、確変状態または時短状態が設定されている場合には、通常状態が設定されている場合に比べて、リーチ変動の変動時間が短く設定されている。これにより、変動時間が短い変動パターンが選択され易くなるので、次の大当たりまでの期間を短くすることができ、遊技者に対して大当たりが短期間に連続しているという印象を与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、通常状態では「完全外れ」が選択された場合に、保留球数に応じて異なる変動時間が設定される構成であったが、確変状態および時短状態では「完全外れ」が選択された場合であっても保留球数にかかわらず一定の変動時間が設定される構成としている。これは、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には普通図柄の当たりに当選し易くなり、電動役物64aが開放状態となることにより第1入球口64へ入球し易い状態、即ち、通常状態に比べて特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し難い状態であるためであり、保留球数にかかわらず短い変動時間が設定される構成とすることで、遊技者がテンポ良く遊技を行うことができる。
なお、本第29制御例のパチンコ機10では、同じ変動種別データ値であっても、保留球数に応じて異なる変動時間が選択される外れ変動種別と、保留球数によらずに同一の変動時間が選択される外れ変動種別とを設けているが、これに限られるものではない。例えば、すべての外れ変動種別で、保留球数に応じて変動時間を異ならせるように構成しても良い。また、確変状態および時短状態においても、保留球数に応じて異なる変動時間が設定される構成としても良い。このように構成することで、変動期間の長い外れのリーチ変動パターンばかりが連続してしまうことを抑制することができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションの低下を抑制することができる。
次に、図1193(a)を参照して、本第29制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の内容について説明をする。図1193(a)は、ROM222の規定内容を示したブロック図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、図1193(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222daAと、疑似変動更新時間設定テーブル222dbAと、結果報知演出態様設定テーブル222dcAと、書き換え用演出態様設定テーブル222ddAと、疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deAとが少なくとも記憶されている。
ここで、図1194を参照して、変動パターン選択テーブル222daAの内容について説明する。図1194は、変動パターン選択テーブル222daAの規定内容を示したブロック図である。変動パターン選択テーブル222daAは、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて、表示用変動パターン(第3図柄表示装置81において実行される第3図柄変動および当否判定結果を示唆するための変動演出)を設定するためのテーブルである。図1194に示す通り、本第29制御例の第1変形例では、通常状態において参照される変動パターン選択テーブルとして通常用変動パターン選択Aテーブル222daA1と、通常用変動パターン選択Bテーブル222daA2と、通常用変動パターン選択Cテーブル222daA3と、確変状態および時短状態において参照される確変・時短用変動パターン選択テーブル222daA4とが規定されている。
本第29制御例の第1変形例では、通常状態において表示用変動パターンを選択する際に、第1入球口64および第2入球口640への入賞頻度を判定し、その結果に基づいて異なるテーブルを参照する構成としている。より具体的には、音声ランプ制御装置113において実行される演出態様設定処理(図1211参照)において、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるか否かを判定し、入賞頻度低フラグ223dsがオンではないと判定した場合(S2452D:No)、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定され難いテーブルである通常用変動パターン選択Aテーブル222daA1を参照して表示用変動パターンが設定される。一方、入賞頻度低フラグ223dsがオンであると判定した場合に(S2452D:Yes)、発射停止中フラグ223djがオンでなければ(S2453D:No)、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定され易いテーブルである通常用変動パターン選択Bテーブル222daA2が参照される。
なお、入賞頻度低フラグ223dsは、音声ランプ制御装置113において、第1入球口64および第2入球口640への入賞頻度が低いと判定された状態であることを示すためのフラグである。この入賞頻度低フラグ223dsは、音声ランプ制御装置113において実行される入賞頻度計測処理(図1164参照)において、60000ms(60秒)間に受信した入賞コマンド数が4未満である場合に、入賞頻度が低いと判定され、入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定される。一方、60000ms(60秒)間に受信した入賞コマンド数が5以上である場合に、入賞頻度が高いと判定され、入賞頻度低フラグ223dsがオフに設定される。
また、発射停止中フラグ223djは、遊技球が発射されていない状態であることを示すためのフラグである。この発射停止中フラグ223djは、音声ランプ制御装置113において実行される発射関連コマンド処理(図1172参照)において、主制御装置110から発射停止コマンド(遊技球の発射が停止中であることを通知するコマンド)を受信した場合にオンに設定される(S2672D)。一方、主制御装置110から発射開始コマンド(遊技球の発射が開始されたことを通知するコマンド)を受信した場合にオフに設定される(S2673D)。このように、入賞頻度が低い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し易い状態である場合)であって、遊技者が遊技球を発射している場合は、特別図柄が停止した後に遊技球が第1入球口64または第2入球口640に入球する可能性がある状態であるため、疑似変動に対応する演出態様が選択され易く構成することで、特別図柄の停止後に保留球が存在しない場合であっても疑似変動によって遊技球が第1入球口64または第2入球口640に入球するまでの時間を稼ぐことが可能となり、遊技者に保留球が途切れていることを認識させ難くすることができる。
また、入賞頻度が高い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し難い状態である場合)には疑似変動に対応する演出態様が選択され難い構成であるため、相対的に疑似変動とは異なる演出態様が選択され易くなり、疑似変動に対応する演出態様が頻繁に実行されることで、演出が単調になり遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、通常用変動パターン選択Cテーブル222daA3は、疑似変動の実行中に開始される新たな特別図柄の表示用変動パターンを設定するためのテーブルである。通常用変動パターン選択Cテーブル222daA3の詳細については、図1197を参照して後述する。
図1195~図1198を参照して、各変動パターン選択テーブルの詳細な内容について説明する。まず、図1195を参照して、変動パターン選択テーブル222daAに規定されている通常用変動パターン選択Aテーブル222daA1の内容について説明する。図1195は、通常用変動パターン選択Aテーブル222daA1の内容を模式的に示した模式図である。上述したように、通常用変動パターン選択Aテーブル222daA1は、第1入球口64および第2入球口640への遊技球の入賞頻度が高い場合に設定されるテーブルである。図1195に示す通り、通常用変動パターン選択Aテーブル222daA1は、第1演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した第1演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。より具体的には、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして大当たりA1とは表示される演出内容が異なる「当たりショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~74」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「75~149」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりロングリーチA1とは演出内容が異なる「当たりロングリーチA2」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「150~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの当たり変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの当たり変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で外れを示す組み合わせで第3図柄を仮停止させた後、疑似変動を実行し、大当たり当選であることを報知する表示用変動パターンである。
主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「当たりスーパーリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりショートリーチC」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチC1」が設定される。変動パターン種別が「当たりショートリーチC」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりショートリーチC1とは演出内容が異なる「当たりショートリーチC2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れA1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れA1とは演出内容が異なる「完全外れA2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れB」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れB1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れB」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れB1とは演出内容が異なる「完全外れB2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れC」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れC1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れC」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れC1とは演出内容が異なる「完全外れC2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れD」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れD1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れD」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れD1とは演出内容が異なる「完全外れD2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れショートリーチA1とは演出内容が異なる「外れショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~94」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「95~89」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れロングリーチA1とは演出内容が異なる「外れロングリーチA2」が設定される。また、変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「190~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの外れ変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの外れ変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で外れを示す組み合わせで第3図柄を仮停止させた後、疑似変動を実行し、外れであることを報知する表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「外れスーパーリーチA2」が設定される。
主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れ完全外れF」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れF1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れF」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れF1とは演出内容が異なる「完全外れF2」が設定される。
このように、各変動パターン種別に対して複数の表示用変動パターンを設定可能に構成することで、変動時間や変動パターンの種別の情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制できる。
次に、図1196を参照して、変動パターン選択テーブル222daAに規定されている通常用変動パターン選択Bテーブル222daA2の内容について説明する。図1196は、通常用変動パターン選択Bテーブル222daA2の内容を模式的に示した模式図である。上述したように、通常用変動パターン選択Bテーブル222daA2は、第1入球口64および第2入球口640への遊技球の入賞頻度が低く、遊技球が発射されている場合に設定されるテーブルである。図1196に示す通り、通常用変動パターン選択Bテーブル222daA2は、第1演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。より具体的には、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして大当たりA1とは表示される演出内容が異なる「当たりショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~49」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「50~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりロングリーチA1とは演出内容が異なる「当たりロングリーチA2」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの当たり変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの当たり変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で外れを示す組み合わせで第3図柄を仮停止させた後、疑似変動を実行し、大当たり当選であることを報知する表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「当たりスーパーリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れショートリーチA1とは演出内容が異なる「外れショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの外れ変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの外れ変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で外れを示す組み合わせで第3図柄を仮停止させた後、疑似変動を実行し、外れであることを報知する表示用変動パターンである。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れB」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れB1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れB」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れB1とは演出内容が異なる「完全外れB2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れC」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れC1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れC」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れC1とは演出内容が異なる「完全外れC2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れD」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れD1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れD」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れD1とは演出内容が異なる「完全外れD2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れショートリーチA1とは演出内容が異なる「外れショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~49」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「50~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れロングリーチA1とは演出内容が異なる「外れロングリーチA2」が設定される。また、変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの外れ変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの外れ変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で外れを示す組み合わせで第3図柄を仮停止させた後、疑似変動を実行し、外れ当選であることを報知する表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れスーパーリーチAとは演出内容が異なる「外れスーパーリーチA2」が設定される。
主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れ完全外れF」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れF1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れF」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れF1とは演出内容が異なる「完全外れF2」が設定される。
このように、通常用変動パターン選択Aテーブル222daA1(図1195参照)では、変動パターン種別が「完全外れA」である場合には、疑似変動ありの変動パターンが選択されないのに対して、通常用変動パターン選択Bテーブル222daA2では変動パターン種別が「完全外れA」である場合には必ず疑似変動ありの表示用変動パターンが設定される構成としている。上述したように、「完全外れ」は当否判定結果が外れである場合に最も選択されやすい変動種別であり、「完全外れA」は保留球数が0個の場合に設定される変動パターン種別である。従って、完全外れAは変動終了後に最も特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し易い変動パターンであると言える。このため、入賞頻度が低い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し易い状態である場合)であって、遊技者が遊技球を発射している場合において、完全外れAが設定された場合には必ず疑似変動ありの表示用変動パターンが選択されることで、特別図柄の停止から次の特別図柄の変動表示開始までの第3図柄が停止表示している期間を短縮させることができる。また、入賞頻度が低い場合であっても保留球数が0個でない場合には他の表示用変動パターンが設定される構成であるため、入賞頻度が低い場合に疑似変動ありの表示用変動パターンばかりが設定されて遊技が単調になることを抑制することができる。
また、入賞頻度が高い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し難い状態である場合)には疑似変動ありの表示用変動パターンが比較的選択され難い構成であるため、相対的に疑似変動とは異なる演出態様が選択され易くなり、疑似変動ありの表示用変動パターンが頻繁に選択されることで、演出が単調になり遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第29制御例の第1変形例では、入賞頻度が低い状態である場合に、遊技球の発射が停止されていない状態である場合に、「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され易い通常用変動パターン選択Bテーブルを参照する構成としたが、これに限るものではなく、遊技球が発射されているか否かにかかわらず入賞頻度が低い状態である場合には「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され易い通常用変動パターン選択Bテーブルを参照する構成としても良い。或いは、特別図柄の表示用変動パターンを設定する場合における保留球数に基づいて参照する通常用変動パターン選択テーブルを決定する構成としても良い。例えば、特別図柄の変動が開始される場合に保留球数が0個であれば「疑似変動ありの表示用変動パターン」が選択され易い通常用変動パターン選択Bテーブルを参照し、保留球数が1個以上あれば「疑似変動ありの表示用変動パターン」が選択され難い通常用変動パターン選択Aテーブルを参照する構成としても良い。このように構成することで、入賞頻度にかかわらず保留球が途切れる可能性がある場合には「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され易くなる。また、入賞頻度ではなく、その他の条件が成立したことに基づいて通常用変動パターン選択テーブルを決定する構成としても良い。例えば、所定時間内における大当たり当選回数や、スーパーリーチAやロングリーチAの実行回数が所定回数以上である場合には、遊技者が十分に遊技を楽しんでいる状況であり、疑似変動を実行して特別図柄の変動表示が実行されていないことを気付かせ難くし遊技者が感じるストレスを緩和する必要性が低いため、「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され難い通常用変動パターン選択Aテーブルを参照する構成としても良い。
次に、図1197を参照して、変動パターン選択テーブル222daAに規定されている通常用変動パターン選択Cテーブル222daA3の内容について説明する。図1197は、通常用変動パターン選択Cテーブル222daA3の内容を模式的に示した模式図である。上述したように、通常用変動パターン選択Cテーブル222daA3は、特別図柄の表示用変動パターンを設定する場合に、疑似変動が実行中であり、疑似変動の終了後に特別図柄の残りの変動時間で通常演出を実行する場合の表示用変動パターンを設定する場合に参照されるテーブルである。図1197に示す通り、通常用変動パターン選択Cテーブル222daA3には、通常演出時間と特別図柄の当否判定結果と第1演出カウンタ値CS1に対応して異なる表示用変動パターンが規定されている。通常演出時間とは、疑似変動中に開始された特別図柄の変動途中でその疑似変動が終了した後に残りの特別図柄の変動時間で実行される通常演出(特別図柄に対応する第3図柄変動および当否判定結果を示唆する演出)の演出時間のことを指す。上述したように、本第29制御例の第1変形例では、疑似変動の途中で新たな特別図柄の変動が開始される場合には、疑似変動の変動時間を延長する処理を実行する。より具体的には、後述する書き換え演出設定処理(図1213参照)または、結果報知演出設定処理(図1216参照)において、新たに開始される特別図柄の変動パターン種別に対応する変動時間に基づいて、実行中の疑似変動の変動時間を更新するための更新時間と疑似変動終了後に実行する通常演出の演出時間を、図1199(a)に示す疑似変動更新時間設定テーブル222dbAに基づいて決定する。
ここで、図1199(a)を参照して、疑似変動更新時間設定テーブル222dbAの内容について説明する。図1199(a)は、疑似変動更新時間設定テーブル222dbAの規定内容を模式的に示した模式図である。疑似変動更新時間設定テーブル222dbAは、設定された変動パターン種別に対応する変動時間に基づいて、実行中の疑似変動の残り疑似変動時間を更新するための疑似変動更新時間と、疑似変動終了後に特別図柄の残りの変動時間で実行される通常演出の演出時間を設定するために参照されるテーブルである。図1199(a)に示す通り、疑似変動更新時間設定テーブル222dbAには、新たに開始される特別図柄の変動パターンに対応する変動時間に対して、疑似変動更新時間と通常演出時間がそれぞれ規定されている。具体的には、新たに開始される特別図柄変動の変動時間が3000ms(3秒)である場合には(即ち、完全外れDまたは完全外れFの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として3000ms(3秒)、通常演出時間として0ms(0秒)が設定される。新たに開始される特別図柄変動の変動時間が5000ms(5秒)である場合には(即ち、当たりショートリーチCまたは完全外れCの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として5000ms(5秒)、通常演出時間として0ms(0秒)が設定される。新たに開始される特別図柄変動の変動時間が8000ms(8秒)である場合には(即ち、完全外れBの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として3000ms(3秒)、通常演出時間として5000ms(5秒)が設定される。新たに開始される特別図柄変動の変動時間が12000ms(12秒)である場合には(即ち、ショートリーチAの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として4000ms(4秒)、通常演出時間として8000ms(8秒)が設定される。新たに開始される特別図柄変動の変動時間が17000ms(17秒)である場合には(即ち、完全外れAまたはロングリーチAの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として5000ms(5秒)、通常演出時間として12000ms(12秒)が設定される。新たに開始される特別図柄変動の変動時間が30000ms(30秒)である場合には(即ち、スーパーリーチAの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として13000ms(13秒)、通常演出時間として17000ms(17秒)が設定される。
このように、それぞれの変動時間(変動パターン)に対して、所定の疑似変動更新時間と、通常演出時間が設定される。なお、特別図柄の変動停止後に保留球に基づく新たな特別図柄の変動表示が開始される場合と、特別図柄の変動表示が実行されていない期間中に新たな入賞に基づいて特別図柄変動が開始される場合とで、それぞれの変動時間(変動パターン)に対して疑似変動に割り当てられる時間は同一となるように構成している。例えば、疑似変動が開始された特別図柄の変動停止時に存在する保留球に基づいて新たに開始される特別図柄の変動時間が12000ms(12秒)の変動パターンの場合と、疑似変動が継続している期間に遊技球が第1入球口64に入賞したことに基づいて新たに開始される特別図柄の変動時間が12000ms(12秒)の変動パターンの場合とで、疑似変動に割り当てられる時間は同一であり、4000ms(4秒)である。そして、本第29制御例の第1変形例では、疑似変動残時間タイマ223djに設定されているカウンタ値をリセットした後(即ち、現在設定されている疑似変動時間をクリアした後)、新たに疑似変動更新時間を設定する構成としている。このように構成することで、新たな特別図柄変動が開始された時点における疑似変動の残変動時間にかかわらず、その特別図柄変動における疑似変動時間と、疑似変動終了後に実行される通常演出の演出時間を一定とすることができる。
ここで、疑似変動終了後に実行される通常演出の演出時間は、疑似変動なしの表示用変動パターンで実行される通常演出の演出時間と同じ尺になるように構成している。具体的には、疑似変動中に新たに開始される特別図柄変動の変動時間が8000ms(8秒)である場合、3000ms(3秒)間の疑似変動が実行された後に、5000ms(5秒)間の通常演出が実行される。この5秒間の通常演出の演出時間は、疑似変動なしの表示用変動パターンにおける完全外れB1または完全外れB2の演出時間と同一であるため、疑似変動終了後に完全外れB1または完全外れB2の表示用変動パターンに対応する演出を実行可能となる。
なお、疑似変動中に新たに開始される特別図柄変動の変動種別が「当たりショートリーチA」(12秒の当たり変動)または「外れショートリーチA」(12秒の外れ変動)である場合にも8秒間の通常演出が実行されるが、疑似変動なしの表示用変動パターンに演出時間が8秒間のリーチ演出がないため、専用のリーチ演出を設けている。
また、疑似変動中に新たに開始される特別図柄変動の変動時間が17000ms(17秒)である場合、5000ms(5秒)間の疑似変動が実行された後に、12000ms(12秒)間の通常演出が実行される。この12秒間の通常演出の演出時間は、疑似変動なしの表示用変動パターンにおける当たり(外れ)ショートリーチA1または当たり(外れ)ショートリーチA2の演出時間と同一であるため、疑似変動終了後に当たり(外れ)ショートリーチA1または当たり(外れ)ショートリーチA2の表示用変動パターンに対応する演出を実行可能となる。
また、疑似変動中に新たに開始される特別図柄変動の変動時間が30000ms(30秒)である場合、13000ms(13秒)間の疑似変動が実行された後に、17000ms(17秒)間の通常演出が実行される。この17秒間の通常演出の演出時間は、疑似変動なしの表示用変動パターンにおける当たり(外れ)ロングリーチA1または当たり(外れ)ショートリーチA2の演出時間と同一であるため、疑似変動終了後に当たり(外れ)ショートリーチAまたは当たり(外れ)ショートリーチA2の表示用変動パターンに対応する演出を実行可能となる。このように、一部(当たりショートリーチ、外れショートリーチ)を除いて疑似変動ありの表示用変動パターン専用に通常演出の表示データテーブル(主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載したデータテーブル)を持たなくても良いのでデータ容量を節約することができる。加えて、疑似変動終了後に実行される通常演出と、疑似変動なしの場合に実行される通常演出で同一の演出が実行されるので、疑似変動が実行されていたことを遊技者に気付かれ難くすることができる。
なお、変動時間が3000ms(3秒)の場合(完全外れDおよび完全外れFの変動パターンの場合)と、5000msの場合(当たりショートリーチCおよび完全外れCの変動パターンの場合)には、通常演出時間が0ms(0秒)となっている。この場合、疑似変動を実行した後に通常演出を実行すると、疑似変動なしの表示用変動パターンにはない不自然に短い変動が実行されることになり、遊技者に違和感を与えてしまう。このため、疑似変動と特別図柄変動が同時に終了する構成とすることで、遊技者に違和感を与えない演出を実行することができる上に、遊技者に外れであることを報知する回数が減少するので、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
図1197に戻って説明を続ける。通常用変動パターン選択Cテーブル222daA3には、上述した疑似変動更新時間設定テーブル222dbA(図1199(a)参照)に基づいて設定された通常演出時間と、特別図柄の当否判定結果と、第1演出カウンタ値CS1に対応する表示用変動パターンが規定されている。具体的には、通常演出時間として5000ms(5秒)が設定され、当否判定結果が外れであり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れC1」が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れC1」とは異なる「完全外れC2」が設定される。なお、通常演出時間として5000ms(5秒)が設定されるのは、変動パターンが「完全外れB」の場合のみであるため、当否判定結果が当たりの場合は規定していない。
通常演出時間として8000ms(8秒)が設定され、当否判定結果が当たりであり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たり超ショートリーチA1」が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たり超ショートリーチA1」とは異なる「当たり超ショートリーチA2」が設定される。通常演出時間として8000ms(8秒)が設定され、当否判定結果が外れであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れ超ショートリーチA1」が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れ超ショートリーチA1」とは異なる「外れ超ショートリーチA2」が設定される。
上述したように、疑似変動なしの表示用変動パターンにおける変動時間が8秒の変動パターンは、「完全外れB」のみであり、リーチ演出となる変動パターンがない。一方、疑似変動終了後に8秒の通常演出が設定される変動パターンには、「当たりショートリーチA」(12秒の当たり変動)および「外れショートリーチA」(12秒の外れ変動)も含まれる。このため、疑似変動終了後に通常演出が実行される場合のみ設定される表示用変動パターンとして「当たり超ショートリーチA1」(8秒の当たり変動)、「当たり超ショートリーチA2」(8秒の当たり変動)、「外れ超ショートリーチA1」および「外れ超ショートリーチA2」を規定している。
通常演出時間として12000ms(12秒)が設定され、当否判定結果が当たりであり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」とは異なる「当たりショートリーチA2」が設定される。一方、通常演出時間として12000ms(12秒)が設定され、当否判定結果が外れであり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」とは異なる「外れショートリーチA2」が設定される。
通常演出時間として17000ms(17秒)が設定され、当否判定結果が当たりであり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」とは異なる「当たりロングリーチA2」が設定される。一方、通常演出時間として17000ms(17秒)が設定され、当否判定結果が外れであり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」とは異なる「外れロングリーチA2」が設定される。
このように、疑似変動終了後に実行される通常演出の表示用変動パターンを、疑似変動なしの表示用変動パターンで実行される通常演出の表示用変動パターンと同一の態様とすることで、1の特別図柄の変動時間内に複数回の第3図柄変動が実行されていることを遊技者に気付かせ難くすることができる。
次に、図1198を参照して、変動パターン選択テーブル222daAに規定されている確変・時短用変動パターン選択テーブル222daA4の内容について説明する。図1198は、確変・時短用変動パターン選択テーブル222daA4の内容を模式的に示した模式図である。この確変・時短用変動パターン選択テーブル222daA4は、遊技状態として確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)または時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合における特別図柄の表示用変動パターンを設定するために参照されるテーブルである。確変・時短用変動パターン選択テーブル222daA4は、第1演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、取得した第1演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。具体的には、変動パターン種別が「当たりショートリーチB」であり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチB1」(5秒の当たり変動)が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチB1」とは異なる「当たりショートリーチB2」(5秒の当たり変動)が設定される。
変動パターン種別が「当たりロングリーチB」であり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチB1」(10秒の当たり変動)が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチB1」とは異なる「当たりロングリーチB2」(10秒の当たり変動)が設定される。
変動パターン種別が「完全外れE」であり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れE1」(3秒の外れ変動)が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れE1」とは異なる「完全外れE2」(3秒の外れ変動)が設定される。
変動パターン種別が「外れショートリーチB」であり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチB1」(5秒の外れ変動)が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチB1」とは異なる「外れショートリーチB2」(3秒の当たり変動)が設定される。
このように、各変動パターン種別に対して複数の表示用変動パターンを設定可能に構成することで、変動時間や変動パターンの種別の情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、本第29制御例の第1変形例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合のみ疑似変動が実行される構成としたが、これに限るものではなく、確変状態または時短状態が設定されている場合においても疑似変動が実行される表示用変動パターンを規定しても良い。
次に、図1199(b)を参照して、結果報知演出態様設定テーブル222dcAの内容について説明をする。図1199(b)は、結果報知演出態様設定テーブル222dcAに規定されている内容を模式的に示した図である。結果報知演出態様設定テーブル222dcAは、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)終了時に保留球が存在し、その保留球に基づいて新たに特別図柄の変動(2回目の特図変動)が開始される場合に実行される結果報知演出(図1124参照)の演出態様を設定するために参照されるテーブルである。結果報知演出態様設定テーブル222dcAは、第2演出カウンタ値CS2に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)に対応する演出態様がそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、取得した第2演出カウンタ値CS2に基づいて、詳細な結果報知演出の演出態様を選択する。具体的には、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が4秒の「結果報知演出A」が設定され、第2演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が4秒の「結果報知演出B」が設定される。この「結果報知演出A」と「結果報知演出B」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、疑似変動終了時に停止表示される第3図柄の組み合わせが異なっており、「結果報知演出A」では保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせで停止表示され、「結果報知演出B」では保留球内の大当たり当選期待度が50%であることを示す態様である「321」の組み合わせで停止表示される。
変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出C」が設定され、第2演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出D」が設定される。この「結果報知演出C」と「結果報知演出D」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、疑似変動終了時に停止表示される第3図柄の組み合わせが異なっており、「結果報知演出C」では保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせで停止表示され、「結果報知演出D」では保留球内の大当たり当選期待度が50%であることを示す態様である「321」の組み合わせで停止表示される。
変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が13秒の「結果報知演出E」が設定される。この「結果報知演出E」は、ミッション演出が成功する演出態様であり、疑似変動終了時に保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせで第3図柄が停止表示される。
変動パターン種別が「完全外れA」または「完全外れC」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出F」が設定される。この「結果報知演出F」はミッション演出が失敗する演出態様である。「完全外れA」および「完全外れC」は、上述した疑似変動時間更新テーブル222db(図1142参照)において、共に5秒の疑似変動更新時間が設定される外れ変動パターンであるため、共通の演出態様とすることで、演出態様を表示するための表示データを節約することができる。
変動パターン種別が「完全外れB」、「完全外れD」または「完全外れF」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が3秒の「結果報知演出G」が設定される。この「結果報知演出G」は、ミッション演出が失敗する演出態様である。「完全外れB」、「完全外れD」および「完全外れF」は、上述した疑似変動更新時間設定テーブル222dbA(図1199(a)参照)において、共に3秒の疑似変動更新時間が設定される外れ変動パターンであるため、共通の演出態様とすることで、演出態様を表示するための表示データを節約することができる。なお、「結果報知演出G」は、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)停止時に保留球が存在しない場合にも設定される演出態様である。
変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が4秒の「結果報知演出B」が設定され、第2演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が4秒の「結果報知演出I」が設定される。この「結果報知演出B」は「当たりショートリーチA」において選択される「結果報知演出B」と同一の演出態様であり、「結果報知演出H」はミッション演出が失敗する演出態様である。
変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出D」が設定され、第2演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出I」が設定される。この「結果報知演出D」は「当たりロングリーチ」において選択される「結果報知演出D」と同一の演出態様であり、「結果報知演出F」は「完全外れA」または「完全外れC」において選択される「結果報知演出F」と同一の演出態様である。
変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が13秒の「結果報知演出E」が設定される。この「結果報知演出E」は、「当たりスーパーリーチA」において選択される「結果報知演出E」と同一の演出態様である。
次に、図1200を参照して、書き換え演出態様設定テーブル222hjの内容について説明をする。図1200は、書き換え演出態様設定テーブル222hjに規定されている内容を模式的に示した図である。書き換え演出態様設定テーブル222hjは、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)終了時に保留球が存在せず、疑似変動継続中に新たな第1入球口64または第2入球口640への入賞に基づいて特別図柄の変動(2回目の特図変動)が開始される場合に実行される書き換え演出(図1125参照)の演出態様を設定するために参照されるテーブルである。図1200に示す通り、書き換え演出態様設定テーブル222hjは、第2演出カウンタ値CS2に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)と、第1入球口64または第2入球口640に入賞した時点における疑似変動の残時間に対応する演出態様がそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、取得した第2演出カウンタ値CS2に基づいて、詳細な結果報知演出の演出態様を選択する。具体的には、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第2演出カウンタCS2の値が「0~149」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が1000ms(1秒)の「短書き換え演出A」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「中書き換え演出A」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「長書き換え演出A」が選択される。
また、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第2演出カウンタCS2の値が「150~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が1000ms(1秒)の「短書き換え演出B」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「中書き換え演出B」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「長書き換え演出B」が選択される。
上述したように、書き換え演出は、既に実行中の結果報知演出Gが終了した後に実行される演出である。このため、遊技球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したことに基づいて特別図柄の変動が開始されるタイミングによって、その特別図柄の変動時間内で結果報知演出Gの残りの演出を実行する時間が可変する。例えば、結果報知演出Gの開始から1秒が経過した時点(即ち、疑似変動の開始から6秒が経過し残時間2秒の時点)で「当たりショートリーチ」の特別図柄の変動(12秒)が開始される場合、その特別図柄の変動中に2秒の結果報知演出Gの残りの演出が実行されることとなる。
上述したように、変動パターン毎に変動時間内で疑似変動に割り当てられる時間は一定であるため、「当たりショートリーチ」の変動パターンにおいては疑似変動が実行される時間(疑似変動更新時間)として4秒が割り当てられる。従って、この場合、2秒の結果報知演出Gの残りの演出を実行した後に、疑似変動の残時間は2秒となる。一方、結果報知演出Gの開始から2秒が経過した時点で「当たりショートリーチ」の特別図柄の変動(12秒)が開始される場合、その特別図柄の変動中に1秒の結果報知演出Gの残りの演出が実行されることとなる。従って、この場合には、1秒の結果報知演出Gの残りの演出を実行した後に、疑似変動の残時間は3秒となる。このように、遊技球が第1入球口64または第2入球口640に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始されるタイミングによって、その特別図柄の変動時間内で結果報知演出の残りの演出を実行するための時間が可変し、書き換え演出を実行するための演出時間が可変するため、本第29制御例の第1変形例では、特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間に基づいて演出時間の異なる書き換え演出を設定する構成としている。このように構成することで、結果報知演出終了後の疑似変動の残時間と、書き換え演出の演出時間と、が大きく異なることを抑制し、書き換え演出終了から通常演出開始までが間延びすることを抑制することができる。
「短書き換え演出A」、「中書き換え演出A」、「長書き換え演出A」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄を、保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせに上書きする演出態様であり、相違するのは、それぞれの演出態様で書き換え演出(図1120(a)参照)においてキャラクタ801が第3図柄の上書きを完了するまでに要する時間が異なる点のみである。具体的には、「短書き換え演出A」ではキャラクタ801が第3図柄にスプレーを1回吹きかけると上書きが完了するのに対し、「中書き換え演出A」ではキャラクタ801が第3図柄にスプレーを2回吹きかけると上書きが完了し、「長書き換え演出A」ではキャラクタ801が第3図柄にスプレーを3回吹きかけると上書きが完了する。このように、疑似変動の残時間に基づいて演出時間が異なる書き換え演出の演出態様が設定される構成であるため、疑似変動開始から終了までのどのタイミングで特別図柄の変動が新たに開始されても、その特別図柄の変動時間内で実行される疑似変動の変動時間と、疑似変動終了後に実行される通常演出の演出時間を一定とすることができる。一方、「短書き換え演出B」、「中書き換え演出B」、「長書き換え演出B」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄を、保留球内の大当たり当選期待度が50%であることを示す態様である「321」の組み合わせに上書きする演出態様であり、相違するのはそれぞれの演出態様で書き換え演出(図1120(a)参照)においてキャラクタ801が第3図柄の上書きを完了するまでに要する時間が異なる点のみである。
変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第2演出カウンタCS2の値が「0~149」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が1000ms(1秒)の「短書き換え演出B」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「中書き換え演出B」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「長書き換え演出B」が選択される。この「短書き換え演出B」、「中書き換え演出B」、「長書き換え演出B」は、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」である場合に選択されるものと同一の演出態様である。一方、変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第2演出カウンタCS2の値が「150~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が1000ms(1秒)の「短書き換え演出F」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「中書き換え演出F」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「長書き換え演出F」が選択される。この「短書き換え演出F」、「中書き換え演出F」、「長書き換え演出F」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄をキャラクタ801が上書きしようとして失敗する演出が実行され、それぞれの演出態様で相違するのは上書き失敗であることが報知されるまでに要する時間が異なる点のみである。
なお、書き換え演出が実行されるのは、特別図柄が変動表示されていない期間に疑似変動が継続している場合であるため、第1入球口64への新たな入賞に基づいて特別図柄の変動が開始される場合には、必ず保留球数が0個である。従って、保留球数が1個以上ある場合に設定される「完全外れB」、「完全外れC」、「完全外れD」が選択されることはないので、書き換え演出態様設定テーブル222ddではそれらの変動パターン種別に対応する演出態様は規定していない。
変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第2演出カウンタCS2の値が「0~149」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「短書き換え演出C」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「中書き換え演出C」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が4000ms(4秒)の「長書き換え演出A」が選択される。
また、変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第2演出カウンタCS2の値が「150~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「短書き換え演出D」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「中書き換え演出D」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が4000ms(4秒)の「長書き換え演出D」が選択される。
「短書き換え演出C」、「中書き換え演出C」、「長書き換え演出C」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄を、保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせに上書きする演出態様であり、相違するのは、書き換え演出においてキャラクタが第3図柄の上書きを完了するまでに要する時間が異なる点のみである。なお、変動パターン種別が「当たりショートリーチ」である場合に実行される書き換え演出とは、書き換え演出において登場するキャラクタがうさぎではなく勇者を模したキャラクタ(図示しない)になる点で相違する。
「短書き換え演出D」、「中書き換え演出D」、「長書き換え演出D」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄を、保留球内の大当たり当選期待度が50%であることを示す態様である「321」の組み合わせに上書きする演出態様であり、相違するのは、書き換え演出においてキャラクタが第3図柄の上書きを完了するまでに要する時間が異なる点のみである。なお、変動パターン種別が「当たりショートリーチ」である場合に実行される書き換え演出とは、書き換え演出において登場するキャラクタがうさぎではなく勇者を模したキャラクタ(図示しない)になる点で相違する。上述したように、本第29制御例の第1変形例では、通常状態において大当たり当選した場合に、最も選択され易い変動種別が「ロングリーチ」であり、外れである場合に最も選択され易い変動種別が「完全外れ」である(図1188(b),(c)参照)。言い換えると、大当たり当選である場合には「当たりロングリーチA」の変動種別に対応する書き換え演出が実行され易く、外れである場合には「完全外れA」の変動種別に対応する書き換え演出が実行され易い。そして、図1200に示す通り、「当たりロングリーチ」である場合には必ずミッション演出が成功する書き換え演出の演出態様が設定されるのに対し、「完全外れA」である場合には、ミッション演出が成功する演出態様よりもミッション演出が失敗する演出態様が設定される割合が高い。このため、書き換え演出において登場するキャラクタの態様によって、遊技者はミッション演出が成功するのか否かを予測することが可能となるので、書き換え演出において登場するキャラクタに興味を持たせることで遊技の興趣を向上させることができる。
変動パターン種別が「外れロングリーチ」または「完全外れA」であり、第2演出カウンタCS2の値が「0~49」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「短書き換え演出D」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「中書き換え演出D」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が4000ms(4秒)の「長書き換え演出D」が選択される。「短書き換え演出D」、「中書き換え演出D」、「長書き換え演出D」は、変動パターン種別が「当たりロングリーチA」である場合に選択されるものと同一の演出態様である。変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第2演出カウンタCS2の値が「50~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「短書き換え演出G」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「中書き換え演出G」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が4000ms(4秒)の「長書き換え演出G」が選択される。この「短書き換え演出G」、「中書き換え演出G」、「長書き換え演出G」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄を勇者のキャラクタが上書きしようとして失敗する演出が実行され、それぞれの演出態様で相違するのは、上書き失敗であることが報知されるまでに要する時間が異なる点のみである。
また、変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第2演出カウンタCS2の値が「0~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が11000ms(11秒)の「短書き換え演出E」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が12000ms(12秒)の「中書き換え演出E」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が13000ms(13秒)の「長書き換え演出E」が選択される。一方、変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第2演出カウンタCS2の値が「0~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が11000ms(11秒)の「短書き換え演出E」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が12000ms(12秒)の「中書き換え演出E」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が13000ms(13秒)の「長書き換え演出E」が選択される。「短書き換え演出E」、「中書き換え演出E」、「長書き換え演出E」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄を再変動させ、保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせで停止表示させる演出態様であり、相違するのは、再変動した第3図柄が停止するまでに要する時間が異なる点のみである。このように、変動パターン種別に応じて異なる態様の書き換え演出を設定可能に構成しているため、書き換え演出が単調になり遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
変動パターン種別が「当たりショートリーチC」であり、第2演出カウンタCS2の値が「0~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「短書き換え演出H」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「中書き換え演出H」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が4000ms(4秒)の「長書き換え演出H」が選択される。「短書き換え演出H」、「中書き換え演出H」、「長書き換え演出H」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄を再変動させ、当たり当選であることを示す表示態様で停止表示させる演出態様であり、相違するのは、再変動した第3図柄が停止するまでに要する時間が異なる点のみである。
次に、図1201を参照して、疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deAの内容について説明をする。図1201は、疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deAに規定されている内容を模式的に示した図である。疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deAは、疑似変動の開始から終了までの期間に副表示領域Dsに表示される疑似保留図柄の表示シナリオを規定したテーブルである。図1201に示す通り、疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deAは、特殊演出の演出態様毎にそれぞれ疑似保留表示パターンが規定されている。具体的には、「当たり結果報知演出」、「結果報知演出I」、「短書き換え演出H」、「中書き換え演出H」および「長書き換え演出H」が設定された場合には、疑似保留表示パターンAが設定される。上述したように、「当たり結果報知演出」、「結果報知演出H」、「短書き換え演出H」、「中書き換え演出H」は特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合に設定される特殊演出の演出態様であり、この疑似保留表示パターンAが設定された場合は、疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に合わせて導火線duを爆弾保留に向かって進み、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が0になると爆弾保留に到達して爆発し、大当たり当選であることが確定したことを示す表示態様である「祝」と記載された特殊保留図柄th0d(図1122(b)参照)に可変する表示シナリオが実行される。
「結果報知演出A,C,E」が設定された場合には、疑似保留表示パターンBが設定される。「結果報知演出A,C,E」はいずれもミッション演出が成功し、保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせで第3図柄が停止表示される演出態様であり、この疑似保留表示パターンBが設定された場合は、疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に合わせて導火線duを爆弾保留に向かって進み、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が0になると爆弾保留に到達して爆発し、大当たり当選である可能性が極めて高いことを示す表示態様である「大チャンス」と記載された特殊保留図柄th0b(図1122(b)参照)に可変する表示シナリオが実行される。
「結果報知演出B,D」が設定された場合には、疑似保留表示パターンCが設定される。「結果報知演出B,D」はいずれもミッション演出が成功し、保留球内の大当たり当選期待度が50%であることを示す態様である「321」の組み合わせで第3図柄が停止表示される演出態様であり、この疑似保留表示パターンCが設定された場合は、疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に合わせて導火線duを爆弾保留に向かって進み、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が0になると爆弾保留に到達して爆発し、大当たり当選である可能性が高いことを示す表示態様である「チャンス」と記載された特殊保留図柄(図示しない)に可変する表示シナリオが実行される。
「結果報知演出F,G,H」が設定された場合には、疑似保留表示パターンDが設定される。「結果報知演出F,G,H」はいずれもミッション演出が失敗する演出態様であり、この疑似保留表示パターンDが設定された場合は、疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に合わせて導火線duを爆弾保留に向かって進み、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が2000msになると分岐地点Pt1にて消火し、爆弾保留が不発となる表示シナリオが実行される(図1119(b)参照)。
「短書き換え演出A,C,E」、「中書き換え演出A,C,E」および「長書き換え演出A,C,E」が設定された場合には、疑似保留表示パターンEが設定される。「短書き換え演出A,C,E」、「中書き換え演出A,C,E」および「長書き換え演出A,C,E」はいずれもミッション演出が成功し、保留球内の大当たり当選期待度が80%であることを示す態様である「341」の組み合わせで第3図柄が停止表示される演出態様であり、この疑似保留表示パターンEが設定された場合は、分岐地点Pt1で消火された疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が再着火し、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に合わせて導火線duを爆弾保留に向かって進み、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が0になると爆弾保留に到達して爆発し、大当たり当選である可能性が極めて高いことを示す表示態様である「大チャンス」と記載された特殊保留図柄th0b(図1122(b)参照)に可変する表示シナリオが実行される。
「短書き換え演出B,D」、「中書き換え演出B,D」および「長書き換え演出B,D」が設定された場合には、疑似保留表示パターンFが設定される。「短書き換え演出B,D」、「中書き換え演出B,D」および「長書き換え演出B,D」はいずれもミッション演出が成功し、保留球内の大当たり当選期待度が50%であることを示す態様である「321」の組み合わせで第3図柄が停止表示される演出態様であり、この疑似保留表示パターンFが設定された場合は、分岐地点Pt1で消火された疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が再着火し、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に合わせて導火線duを爆弾保留に向かって進み、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が0になると爆弾保留に到達して爆発し、大当たり当選である可能性が高いことを示す表示態様である「チャンス」と記載された特殊保留図柄th0b(図1122(b)参照)に可変する表示シナリオが実行される。
「短書き換え演出F,G」が設定された場合には、疑似保留表示パターンGが設定される。「短書き換え演出F,G」はいずれもミッション演出が失敗する演出態様であり、この疑似保留表示パターンGが設定された場合は、分岐地点Pt1で消火された疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が再着火せず、爆弾保留が不発のままとなる表示シナリオが実行される。
「中書き換え演出F,G」および「長書き換え演出F,G」が設定された場合には、疑似保留表示パターンHが設定される。「中書き換え演出F,G」および「長書き換え演出F,G」はいずれもミッション演出が失敗する演出態様であり、この疑似保留表示パターンHが設定された場合は、分岐地点Pt1で消火された疑似保留図柄(爆弾保留)に付随する導火線duの火Hi1(図1118(b)参照)が再着火し、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に合わせて導火線duを爆弾保留に向かって進み、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が1000msになると爆弾保留に到達する前に火Hi1が消火され、爆弾保留が不発のままとなる表示シナリオが実行される。
なお、上述したように、本第29制御例の第1変形例では、特別図柄の変動パターン(変動時間)によって設定される結果報知演出の演出時間が異なり、それに合わせて疑似変動の変動時間も可変する構成である。大当たり当選である場合に選択される変動パターンの変動時間は最短でも12秒であるのに対し、外れ当選である場合に選択される変動パターンの変動時間は最短3秒であり、変動時間が短い方が大当たり当選の期待度が低くなる。そして、特別図柄の変動時間が長い方が演出時間の長い結果報知演出が設定され易いため、大当たり当選する期待度が高い場合には、外れ当選である場合に比べて火Hi1が分岐地点Pt1に到達するまでに多くの時間を要することになる。つまり、大当たり当選する期待度が高い場合には導火線duを火Hi1が爆弾保留に向かって進む進行速度が遅く、外れ当選である場合には導火線duを火Hi1が爆弾保留に向かって進む進行速度が速くなる。従って、火Hi1が爆弾保留に向かって進む進行速度が遅い場合には、分岐地点Pt1において火Hi1が消火される(爆弾保留に到達しない)可能性が高いが、分岐地点Pt1において消火されなかった場合には、大当たり当選であることが確定する。このように、火Hi1の進行速度によっても遊技者は当否判定結果を予測することが可能な構成であり、火Hi1の進行速度が保留演出の開始から所定時間(5秒)経過したところで可変する構成であるため、保留演出が開始された時点では疑似保留図柄(爆弾保留)の表示態様に興味を持たせ、保留演出の中盤では火Hi1の進行速度に興味を持たせ、保留演出の終了直前には火Hi1が分岐地点Pt1を越えて爆弾保留に到達できるか否かに興味を持たせることにより、遊技者の保留演出に対する興味を保留演出終了まで持続させることができる。
なお、本第29制御例の第1変形例では、疑似保留図柄として爆弾を模した図柄を使用する構成としたが、これに限るものではない。例えば、副表示領域Dsにおいてキャラクタを使って保留図柄の表示態様を可変させるチャレンジ演出を実行し、成功すれば保留図柄の表示態様が可変させる構成としても良い。なお、本第29制御例の第1変形例では、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値に基づいて火Hi1が導火線duを進行する構成としたが、これに限るものではなく、疑似変動残時間タイマ223dhとは別に保留演出専用のタイマを設けて、そのタイマ値に基づいて保留演出を進行させる構成としても良い。なお、本第29制御例の第1変形例では、特殊演出の演出態様に基づいて疑似保留表示パターンが設定され、対応する表示シナリオに沿って導火線duを火Hi1が進行する構成としたが、これに限るものではない。例えば、当否判定結果と演出カウンタの値に基づいて、導火線duを進行する火Hi1の進行速度と、疑似保留図柄の表示態様を可変させるか否かと、疑似保留図柄の表示態様が可変した場合に表示される保留図柄の表示態様とをそれぞれ設定可能に構成しても良い。このように構成することで、同一種別の特殊演出の演出態様に対して、実行される保留演出の表示パターンが多様になるため、演出が単調になり遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第29制御例の第1変形例では、保留演出開始時に表示される導火線duの長さを、いずれの疑似保留表示パターンが設定された場合であっても同一の長さとしたが、これに限るものではなく、疑似保留表示パターンや当否判定結果によって長さを可変させる構成としても良い。このように構成することで、保留演出開始時の導火線duの長さから遊技者に当否判定結果を予測させることが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第29制御例の第1変形例では、爆弾保留が爆発することによって遊技者にとってチャンスであることを報知する構成としたが、これに限るものではない。例えば、疑似変動の終了まで爆弾保留が爆発しない方が遊技者にとってチャンスである構成としても良い。具体的には、疑似変動の終了前に爆弾保留が爆発すると、その時点で外れであることを示す表示態様で第3図柄が停止表示され、疑似変動の変動期間経過までに爆弾保留が爆発しなければ大当たり当選であることを示す表示態様で第3図柄が停止表示される演出としても良い。
次に、図1193(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図1193(b)に示すように、第29制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223には、上述した第29制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223に対して、疑似保留図柄先読みフラグ223daAと、疑似変動ホールドフラグ223dbAと、特別図柄2保留球数カウンタ223dcAと、特図2入賞情報格納エリア223ddAと、が新たに追加されている点で相違している。第29制御例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
疑似保留図柄先読みフラグ223daAは、疑似変動の開始時に設定される疑似保留図柄の表示態様が、第2特別図柄の保留球の入賞情報を反映したものであるかを判別するためのフラグである。本第29制御例の第1変形例では、疑似変動開始時に保留球の変動種別を先読みした結果に基づいて疑似保留図柄の表示態様を設定する構成である。しかし、第1特別図柄よりも第2特別図柄の保留球が優先して変動表示されるため、例えば、疑似変動開始時に第1特別図柄の保留球を先読みした結果に基づいてチャンス疑似保留図柄(次変動が少なくともリーチとなることを示唆する表示態様)を表示し、疑似変動が開始された特別図柄の変動停止前に変動種別が完全外れ(リーチにならない変動種別)の第2特別図柄の保留球を新たに獲得した場合には、チャンス疑似保留図柄が示唆する演出情報(次変動が少なくともリーチであることを示唆する情報)と第2特別図柄の変動表示とに矛盾が生じるおそれがある。そこで、後述する疑似保留表示開始処理(図1208参照)において、疑似保留図柄の表示態様を設定する場合に、第2特別図柄の保留球が存在する場合には疑似保留図柄先読みフラグ223daAをオンに設定し、疑似保留図柄先読みフラグ223daAがオンに設定されている場合には、後述するホールド演出設定処理(図1214参照)において疑似変動ホールド演出を設定せず、疑似保留図先読みフラグ223daAがオンに設定されていない場合であって、表示されている疑似保留図柄の表示態様と第2特別図柄の変動種別とが矛盾する場合には、疑似変動ホールド演出を実行する。このように構成することで、疑似保留図柄の表示態様と第2特別図柄の変動種別とが矛盾することを防止し、遊技者に対して信頼性のある演出情報を提供することが可能となる。
疑似変動ホールドフラグ223dbAは、疑似変動ホールド演出を実行する場合にオンに設定されるフラグである。この疑似変動ホールドフラグ223dbAは、ホールド演出設定処理(図1214参照)において、表示されている疑似保留図柄の表示態様により示唆される演出情報と、第2特別図柄の変動種別とが矛盾する場合にオンに設定され、疑似変動ホールドフラグ2223dbAがオンに設定されている期間は、液晶演出実行管理処理(図1206参照)において疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値が更新されない。これにより、第2特別図柄の変動表示中は疑似変動が一時停止した状態となり、疑似保留図柄の表示態様により示唆される演出情報と合致する第1特別図柄の変動表示が開始されるまで疑似変動を継続させることができる。
特別図柄2保留球数カウンタ223dcAは、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203dbAと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第2特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄2保留球数カウンタ223dcAにて、その第2特別図柄の保留球数を管理するようになっている。具体的には、主制御装置110では、第2入賞口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合または主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値を取得して、特別図柄2保留球数カウンタ223dcAに格納する(図1209のS2207D参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄2保留球数カウンタ223dcAの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203dbAと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄2保留球数カウンタ223dcAの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄2保留球数カウンタ223dcAに格納すると共に、格納後の特別図柄2保留球数カウンタ223dcAの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄2保留球数カウンタ223dcAの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の保留球数表示エリアDs2に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄2保留球数カウンタ223dcAは、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203dbAと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特図2入賞情報格納エリア223ddAは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(第1エリア~第4エリア)とを特別図柄に対して有しており、これらの各エリアには、主制御装置110から出力された入賞コマンドに含まれる第2特別図柄の入賞情報が第1エリアから順に格納される。この特図2入賞情報格納エリア223ddAに格納される情報により、保留球の抽選結果が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
本第29制御例の第1変形例では、第2特別図柄の保留球を最大で4個、保留記憶可能に構成しているため、特図2入賞情報格納エリア223ddAには、第2特別図柄用の4つの保留エリアが形成される。そして、新たな特別図柄抽選を実行する場合には、第2特別図柄の保留エリアのうち、最古に記憶された入賞情報(第1エリアに記憶された入賞情報)が実行エリアへと移行するように構成されている。そして、第2エリア~第4エリアに格納されている各入賞情報が1つ若い番号の保留エリアへとシフトするように構成されている。
<第29制御例の第1変形例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図1202~図1204を参照して、本第29制御例の第1変形例における主制御装置の制御処理について説明する。まず、図1202を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図1202は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。上述した第29制御例とは、特別図柄変動処理(S104D)に代えて特別図柄変動処理(S110D)を、始動入賞処理(S105D)に代えて始動入賞処理(S111D)を実行する点で相違しており、その他の構成は同一であるため、詳細な説明は省略する。
次に図1203を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S110D)の内容について説明する。図1203は、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S110D)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理は、第2特別図柄の変動処理が実行される点で、上述した第29制御例における特別図柄変動処理(S104D)と相違する。特別図柄変動処理(S110)が実行されると、まず、大当たり遊技中であるか否かを判別する(S201D)。具体的には、大当たり中フラグ203dgがオンであるかを判別し、オンであると判別した場合には(S201D:Yes)、特別図柄変動処理(S110D)を終了する。一方、大当たり中フラグ203dgがオンではないと判別した場合には(S201D:No)、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれかが変動表示中であるかを判別する(S202D)。具体的には、特別図柄変動時間タイマ203djのタイマ値が0でない場合に特別図柄の変動表示中であると判定し、0である場合(即ち、タイマ値が設定されていない場合)には特別図柄の変動表示中ではないと判定する。第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示中でなければ(S202D:No)、新たな特別図柄抽選(変動)を実行可能な状態であるため、特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値(N2)を取得する(S217D)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別し(S218D)、特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値(N2)が0よりも大きい場合には(S218D:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値(N2)を1減算し(S219D)、第2特別図柄の保留球数を示すための表示用保留球数コマンドを設定する(S220D)。ここで設定された表示用保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1155参照)の外部出力処理(S1001D)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、表示用保留球数コマンドを受信すると、その表示用保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223dcAに格納する。
S220Dの処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203daAに格納されたデータをシフトする(S221D)。S221Dの処理では、特別図柄2保球格納エリア203daAの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S208D)、特別図柄変動処理を終了する。この特別図柄変動開始処理(S208D)は、上述した第29制御例で実行される処理と同一であるため、詳細な説明は省略する。一方、S218Dの処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値(N2)が0で以下である場合には(S218D:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N1)を取得する(S203D)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N1)が0よりも大きいかを判別し(S204D)、0よりも大きいと判別した場合には(S204D:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N1)を1減算し(S205D)、第1特別図柄の保留球数を示すための表示用保留球数コマンドを設定する(S206D)。ここで設定された表示用保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1155参照)の外部出力処理(S1001D)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、表示用保留球数コマンドを受信すると、その表示用保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223dcAに格納する。
S206Dの処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203dcbに格納されたデータをシフトする(S207D)。S207Dの処理では、特別図柄1保球格納エリア203dcbの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S208D)、特別図柄変動処理を終了する。
S201Dの処理において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中であると判別した場合には(S202D:Yes)、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示中であれば(S202D:Yes)、次いで、変動時間が経過したか否かを判別する(S209D)。より具体的には、特別図柄変動時間タイマ203djのタイマ値を2ms分減算し、減算した後の特別図柄変動時間タイマ203djのタイマ値が0となれば変動時間が経過したと判定し、0でなければ変動時間が経過していないと判定する。変動時間が経過していなければ(S209D:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S216D)、その後、本処理を終了する。一方、S209Dの処理で変動時間が経過したと判別された場合は(S209D:Yes)、即ち、減算された特別図柄変動時間カウンタ203djのタイマ値が0である場合は、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210D)。停止図柄の設定は、特別図柄変動開始処理(S208D)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理(S208D)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たり種別が決定される。なお、本第29制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210Dの処理が終了した後は、特別図柄の変動表示が終了したことを示す停止コマンドを設定する(S211D)。ここで設定された停止コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1155参照)の外部出力処理(S1001D)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、停止コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出を終了させる処理を実行する。S211Dの処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理(S208D)によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S212D)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S212D:Yes)、大当たり開始フラグをオンに設定する(S213D)。S213Dの処理によって、大当たり開始フラグがオンに設定されると、主制御装置110にて実行されるメイン処理の大当たり制御処理(図1156参照)が実行された場合に、S1101D:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(S1117D)。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。S212Dの処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S212D:No)、時短中カウンタ203deの値が0よりも大きいかを判別する(S214D)。時短中カウンタ203deの値が0よりも大きいと判別された場合には(S214D:Yes)、時短中カウンタ203deの値を1減算し(S215D)、本処理を終了する。一方、S214Dの処理において、時短中カウンタ203deの値が0よりも小さいと判別された場合には(S214D:No)、S215Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
次に、図1204を参照して、始動入賞処理(S111D)について説明する。図1204は、始動入賞処理(S111D)を示したフローチャートである。この始動入賞処理(S111D)は、第2始動口640へ遊技球が入賞した場合の処理を追加している点で、上述した第29制御例における始動入賞処理(S105D)と相違する。始動入賞処理(S111D)が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したかを判別する(S361D)。ここでは、第1入球口64内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別すると(S361D:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N1)を取得する(S362D)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N1)が4未満であるかを判別する(S363D)。つまり、現時点で第1特別図柄の保留球数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留球数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別した場合には(S363D:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N1)を1加算し(S364D)、音声ランプ制御装置113に対して第1特別図柄の保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S365D)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S361D:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N1)が4未満でなければ(S363D:No)、S364D~S366Dの処理をスキップし、S368Dの処理に移行する。
S365Dの処理により表示用保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103Dで更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2および停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203daの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S366D)。なお、S366Dの処理では、特別図柄1保留球カウンタ203dcの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。S368Dの処理では、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したかを判別する(S368D)。ここでは、第2入球口640内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。そして、球が第2入球口640に入賞したと判別すると(S368D:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値(N2)を取得する(S369D)。そして、特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値(N2)が4未満であるかを判別する(S370D)。つまり、現時点で第2特別図柄の保留球数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留球数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N2)が4未満であると判別した場合には(S370D:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値(N2)を1加算し(S371D)、音声ランプ制御装置113に対して第2特別図柄の保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S372D)。一方、第2入球口640への入賞がないか(S368D:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値(N2)が4未満でなければ(S370D:No)、S371D~S373Dの処理をスキップし、S367Dの処理に移行する。
S372Dの処理により表示用保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103Dで更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2および停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄2保留球格納エリア203daAの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S373D)。なお、S373Dの処理では、特別図柄2保留球カウンタ203dbAの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、新たに特別図柄1保留球格納エリア203daまたは特別図柄2保留球格納エリア203daAに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果と、変動種別を予測し、入賞コマンドを設定する(S367D)。なお、ここでの当否判定は、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(特別図柄1保留球格納エリア203daまたは特別図柄2保留球格納エリア203daAに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。そして、当否判定結果と、変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動種別選択テーブル202daA(図1188参照)から対応する変動種別を予測し、予測した当否判定結果と変動種別に対応する情報を含む入賞コマンドを設定する。なお、この入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図1155参照)にて実行される外部出力処理(S1001D)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。S367Dの処理が終了すると、タイマ割込処理(図1202参照)に戻る。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄を表示して遊技者に当否判定結果を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。
なお、本第29制御例の第1変形例では、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果の両方を判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成したが、これに限るものではなく、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりであることを事前判別した場合のみ大当たりを示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
<第29制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
図1205~図1217を参照して、本第29制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明する。なお、上述した第29制御例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。まず、図1205を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図1205は、このメイン処理を示したフローチャートである。本第29制御例の第1変形例において実行されるメイン処理は、上述した第29制御例において実行されるメイン処理に対して、液晶演出実行管理処理(S2110D)に代えて液晶演出実行管理処理(S2119D)が、コマンド判定処理(S2112D)に代えてコマンド判定処理(S2120D)が実行される点で相違し、その他の構成については同一である。第29制御例におけるメイン処理と同一の処理については、その詳細な説明を省略する。
ここで、図1206を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される液晶演出実行管理処理(S2119D)について説明する。図1206は、この液晶演出実行管理処理(S2119D)を示したフローチャートである。上述した第29制御例における液晶演出実行管理処理(S2110D)に対して、疑似変動ホールド演出を実行するための処理が追加されている点で相違する。液晶演出実行管理処理が実行されると、まず、疑似変動実行フラグ223dgがオンであるかを判別する(S2231D)。疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動が実行されていない場合)には(S2231D:No)、疑似変動待機フラグ223drがオンであるかを判別する(S2232D)。疑似変動待機フラグ223drがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動ありの特別図柄の変動が実行されていない場合)には(S2232D:No)、S2233D~S2234DおよびS2243Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
S2232Dの処理において、疑似変動待機フラグ223drがオンであると判別した場合(即ち、疑似変動ありの特別図柄の変動が実行されている場合)には(S2232D:Yes)、疑似変動開始タイマ223dpの値を1減算する(S2233D)。次に、S2233Dの処理において、減算された疑似変動開始タイマ223dpの値が0であるか否かを判別し(S2234D)、0でないと判別した場合には(S2234D:No)、疑似変動の開始タイミングではないため、S2243Dの処理をスキップし、本処理を終了する。一方、S2234Dの処理において、疑似変動開始タイマ223drの値が0であると判別した場合には(S2234D:Yes)、疑似変動開始処理を実行する(S2243D)。この疑似変動開始処理(S2243D)の詳細な説明については、図1207を参照して後述する。S2231Dの処理において、疑似変動実行フラグ223dgがオンである(即ち、疑似変動の実行期間中である)と判別した場合には(S2231D:Yes)、疑似変動ホールドフラグ223dbAがオンであるかを判別する(S2244D)。疑似変動ホールドフラグ223dbAがオンであると判別した場合には(S2244D:Yes)、疑似変動ホールド演出(図1183(b)参照)が実行中であり、疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値の更新を一時停止している状態であるため、S2236D~S2242Dの処理をスキップし、液晶演出実行管理処理を終了する。一方、S2244Dの処理において、疑似変動ホールドフラグ223dbAがオンではないと判別した場合には(S2244D:No)、疑似変動残時間タイマ223dhの値を1減算し(S2236D)、減算した値が0(ms)であるかを判別する(S2237D)。S2237Dの処理において、0ではないと判別した場合には(S2237D:No)、S2238D~S2242Dの処理をスキップし、本処理を終了する。一方、S2237Dの処理において、0であると判別した場合には(S2237D:Yes)、疑似変動実行フラグ223dgをオフに設定し(S2238D)、疑似変動終了処理を行う(S2239D)。
S2239Dの処理が終了した後、変動開始待機フラグ223dnがオンであるかを判別する(S2240D)。上述したように、変動開始待機フラグ223dnは、疑似変動の実行期間中に、主制御装置110からの新たな特別図柄の変動パターンコマンドを受信した場合に、その変動パターンコマンドに基づいて設定された表示用変動パターンコマンドの表示制御装置114への送信を、疑似変動終了まで待機させる場合にオンに設定されるフラグである。S2240Dの処理において、変動開始待機フラグ223dnがオンであると判別した場合には(S2240D:Yes)、変動開始待機フラグ223dnをオフに設定し(S2241D)、変動開始フラグをオンに設定し(S2242D)、本処理を終了する。一方、S2240Dの処理において、変動開始待機フラグ223dnがオンではないと判別した場合には(S2240D:No)、S2241D、S2242Dの処理をスキップし、本処理を終了する。このように構成することで、疑似変動の実行期間中に主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づく変動演出を、疑似変動が終了した後に主制御装置110からの新たなコマンドを要することなく実行させることができる。
次に、図1207を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される疑似変動開始処理(S2243D)について説明する。図1207は、この疑似変動開始処理(S2243D)を示したフローチャートである。この疑似変動開始処理(S2243D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される液晶演出実行管理処理(S2119D)の中で実行され、疑似変動を開始するための処理を実行する。
疑似変動開始処理(S2243D)が実行されると、まず、疑似変動残時間タイマ223dhに「8000(ms)」を設定する(S2801D)。そして、疑似変動実行フラグ223dgをオンに設定し(S2802D)、疑似変動待機フラグ223drをオフに設定する(S2803D)。そして、表示用変動回数カウンタ223dtの値に1加算し(S2804D)、変動回数更新済フラグ223duをオンに設定する(S2805D)。これにより、疑似変動が開始されるタイミングで第3図柄表示装置81に表示される変動回数を更新させることができる。なお、ここで行われる変動回数の更新は、変動中の特別図柄が停止する時に行われる変動回数の更新を前倒しで実行するものであり、疑似変動の実行中に特別図柄の変動時間が終了したタイミングでは表示用変動回数の更新は行われない。このように構成することで、より遊技者に疑似変動であることを認識させ難くすることができる。その後、表示制御装置114に対して疑似変動が開始されることを通知するための疑似変動開始コマンドを設定し(S2806D)、疑似保留表示開始処理を行い(S2808D)、本処理を終了する。この疑似保留表示開始処理(S2808D)は、疑似変動の実行期間中に表示される疑似保留の表示態様を設定するための処理である。
ここで、図1208を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される疑似保留表示開始処理(S2808D)について説明する。図1208は、この疑似保留表示開始処理(S2808D)を示したフローチャートである。この疑似保留図柄表示開始処理(S2808D)は、上述した第29制御例における疑似保留図柄表示開始処理(S2807D)に対して、第2特別図柄の保留球に関連する処理を追加した点で相違している。疑似保留表示開始処理(S2808D)が開始されると、まず、実行中の特別図柄の変動種別は大当たりであるかを判別する(S2271D)。大当たりではないと判別した場合には(S2271D:No)、特別図柄1保留球数カウンタ223daの値は1以上であるかを判別する(S2272D)。1以上である(即ち、保留球が存在している)と判別した場合には(S2272D:Yes)、特図1入賞情報格納エリア223ddおよび特図2入賞情報格納エリア223ddAの保留エリア1に格納されている各入賞情報を取得し(S2273D)、第2特別図柄の保留球があるかを判別する(S2280D)。S2280Dの処理において、第2特別図柄の保留球があると判別した場合には、疑似保留図柄先読みフラグ223daAをオンに設定し(S2281D)、取得した入賞情報の変動種別が「完全外れ」であるかを判別する(S2274D)。一方、S2280Dの処理において、第2特別図柄の保留球がないと判別した場合には(S2280D:No)、S2281Dの処理をスキップし、S2274Dの処理に移行する。このように構成することで、表示される疑似保留図柄が第2特別図柄の入賞情報を反映したものであるか否かを容易に判別可能となる。
S2274Dの処理において、完全外れではないと判別した場合には(S2274D:No)、実行エリアDs1(図1118(a)参照)に表示されている保留図柄(図1118(a)の保留図柄h0)の表示態様をチャンス疑似保留(図1121(a)の爆弾保留図柄th0)に切り替えるための表示用コマンドを設定し(S2275D)、S2276Dの処理へ移行する。一方、S2272Dの処理において、保留球数が1以上ではない(即ち、保留球数が存在していない)と判別した場合(S2272D:No)、またはS2273Dの処理において取得した入賞情報の変動種別が完全外れであると判別した場合には(S2274D:Yes)、実行エリアDs1(図1118(a)参照)に表示されている保留図柄(図1118(a)の保留図柄h0)の表示態様をノーマル疑似保留(図1118(b)の爆弾保留図柄th0)に切り替えるための表示用コマンドを設定し(S2279D)、S2276Dの処理を移行する。なお、S2271Dの処理において、変動中の特別図柄の変動種別が大当たりであると判別した場合には(S2271D:Yes)、S2272D~S2274Dの処理をスキップし、S2275Dの処理を実行する。
なお、本第29制御例の第1変形例では、特図1入賞情報格納エリア223ddおよび特図2入賞情報格納エリア223daAの保留エリア1に格納されている入賞情報を取得する構成としたが、これに限るものではない。例えば、疑似変動が3以上の特別図柄の変動に跨がって実行可能な構成とした場合に、特図1入賞情報格納エリア223ddおよび特図2入賞情報格納エリア223daAに格納されている全ての入賞情報を取得して変動種別を判別する構成としても良い。このように構成することで、より多くの入賞情報の変動種別に基づいて疑似保留の表示態様を設定できるため、遊技者にとって嬉しいチャンス疑似保留が表示される確率を高くすることができ、遊技意欲を向上させることができる。
なお、本第29制御例の第1変形例では、設定される疑似保留図柄の表示態様を2種類としたが、これに限るものではなく、3種類以上としても良い。例えば、保留球内に大当たり当選する保留球がある場合に、大当たり当選することが確定していることを示す疑似保留図柄の表示態様を設定しても良い。このように構成することで、遊技者に更に疑似保留図柄の表示態様に興味を持たせることができる。
S2275DまたはS2279Dの処理が終了した後に、疑似保留を初期表示パターンで可変表示するための表示用コマンドを設定する(S2276D)。S2276Dの処理が終了した後、保留球表示エリアDs2(図1118(a)参照)の表示を疑似保留専用表示(図1118(b)参照)に切り替える表示コマンドを設定し(S2277D)、疑似保留表示フラグ223dqをオンに設定する(S2278D)。
次に、図1209を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2120D)について説明する。図1209は、このコマンド判定処理(S2120D)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2120D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1205参照)の中で実行され、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したかを判別する(S2201D)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2201D:Yes)、変動パターン設定処理(S2217D)が実行される。変動パターン設定処理(S2217D)の詳細は、図1210を参照して後述する。S2217Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S2201D:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したかを判別する(S2203D)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S2203D:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dbをオンに設定し(S2204D)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S2205D)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、変動表示設定処理(図1176参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S2203D:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したかを判別する(S2206D)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S2206D:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(N1)、または特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値(N2)を示す情報を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223da、または特別図柄2保留球数カウンタ223dcAに格納する(S2207D)。S2207Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64、または第2入球口640に入賞(始動入賞)したとき、または、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、または、特別図柄の抽選が行われる毎に、S2207Dの処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223dbの値および特別図柄2保留球数カウンタ223dcAの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値および特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値に合わせることができる。よって、ノイズの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daの値および特別図柄2保留球数カウンタ223dcAの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値および特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daの値および特別図柄2保留球数カウンタ223dcAの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値および特別図柄2保留球数カウンタ203dbAの値に合わせることができる。
S2206Dの処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S2206D:No)、次いで、主制御装置110より大当たり関連コマンド(オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンド)を受信したかを判別する(S2208D)。そして、大当たり関連コマンドを受信した場合には(S2208D:Yes)、大当たり関連処理(S2209D)を実行する。大当たり関連処理(S2209D)の詳細は、図1169を参照して後述する。S2209Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。S2208Dの処理において、大当たり関連コマンドを受信していない場合には(S2208D:No)、次いで、主制御装置110より入賞コマンドを受信したかを判別する(S2210D)。そして、入賞コマンドを受信した場合には(S2210D:Yes)、入賞コマンド処理(S2211D)を実行する。S2211Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。
S2210Dの処理において、入賞コマンドを受信していない場合には(S2210D:No)、次いで、主制御装置110より発射関連コマンド(発射開始コマンド、発射停止コマンド)を受信したかを判別する(S2212D)。そして、発射関連コマンドを受信した場合には(S2212D:Yes)、発射関連コマンド処理(S2213D)を実行する。S2213Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。S2212Dの処理において、発射関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S2212D:No)、次いで、主制御装置110より停止コマンドを受信したかを判別する(S2214D)。そして、停止コマンドを受信した場合には(S2214D:Yes)、停止処理(S2218D)を実行する。停止処理(S2218D)の詳細は、図1215を参照して後述する。S2218Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。一方、S2214Dの処理において、停止コマンドを受信していない場合には(S2214D:No)、その他のコマンドを受信したかを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2216D)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図1210を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン設定処理(S2217D)について説明する。図1210は、この変動パターン設定処理(S2217D)を示したフローチャートである。この変動パターン設定処理(S2217D)は、上述した第29制御例における変動パターン設定処理(S2202D)に対して、演出態様設定処理(S2425D)に代えて演出態様設定処理(S2427D)を、特殊演出追加設定処理(S2426D)に代えて特殊演出追加設定処理(S2428D)を実行する点で相違している。変動パターン設定処理(S2217D)では、まず、第1演出カウンタ223deおよび第2演出カウンタ223dfのカウンタ値を取得し(S2421D)、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドから変動パターンを抽出する(S2422D)。その後、疑似変動実行フラグ223dgがオンであるか否かを判別する(S2423D)。そして、疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合には(S2423D:No)、変動開始フラグ223dbをオンに設定し(S2424D)、演出態様設定処理(S2427D)を実行する。演出態様設定処理(S2427D)の詳細は、図1211を参照して後述する。S2427Dの処理の終了後は、本処理を終了する。一方、S2423Dの処理において、疑似変動実行フラグ223dgがオンであると判別した場合には(S2423D:Yes)、特殊演出追加設定処理(S2428D)を実行する。特殊演出追加設定処理(S2428D)の詳細は、図1212を参照して後述する。S2428Dの処理の終了後は、本処理を終了する。
次に、図1211を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出態様設定処理(S2427D)について説明する。図1211は、この演出態様設定処理(S2427D)を示したフローチャートである。この演出態様設定処理(S2427D)は、上述した第29制御例における演出態様設定処理(S2425D)に対して、表示用変動パターンを設定する際に、通常用変動パターン選択Aテーブル222da1に代えて変動パターン選択Aテーブル222daA1を、通常用変動パターン選択Bテーブル222da2に代えて変動パターン選択Bテーブル222daA2を、確変・時短用変動パターン選択テーブル222daA4を、それぞれ参照する点で相違しており、その他の構成については同一である。演出態様設定処理(S2427D)では、まず、設定されている遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)であるかを判別する(S2451D)。具体的には、受信した変動パターンコマンドから抽出した変動パターンが、通常状態で選択される変動パターンであるか、確変状態または時短状態で選択される変動パターンであるかによって遊技状態を判別する。通常状態が設定されていない(即ち、確変状態または時短状態が設定されている)と判別した場合には(S2451D:No)、図1210のS2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deの値と、図1210のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別に基づいて、確変・時短用変動パターン選択テーブル222daA4(図1194参照)から表示用変動パターンを設定し(S2462D)、本処理を終了する。
なお、本第29制御例の第1変形例では、受信した変動パターンコマンドから抽出した変動パターンの種別によって遊技状態を判別する構成としたが、これに限るものではなく、主制御装置110で遊技状態が変更された場合に変更後の遊技状態を示す状態コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、音声ランプ制御装置113では受信した状態コマンドから新たに設定された遊技状態に対応する情報を抽出し、抽出した情報を記憶するための状態記憶領域に格納し、格納された情報を参照して遊技状態を判別する構成としても良い。一方、S2451Dの処理において、通常状態が設定されていると判別した場合には(S2451D:Yes)、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるかを判別する(S2452D)。入賞頻度低フラグ223dsがオンであると判別した場合(即ち、入賞頻度が低い状態である場合)には(S2452D:Yes)、発射停止中フラグ223djがオンであるかを判別する(S2453D)。発射停止中フラグ223djがオンである(即ち、遊技球が発射されていない状態である)と判別した場合(即ち、遊技球が発射されていない状態である場合)には(S2453D:Yes)、図1210のS2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deの値と、図1210のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別に基づいて、通常用変動パターン選択Aテーブル222daA1(図1195参照)から表示用変動パターンを設定し(S2460D)、S2455Dの処理へ移行する。一方、S2453Dの処理において、発射停止中フラグ223djがオンではないと判別した場合(即ち、遊技球が発射されている状態である場合)には(S2453D:No)、図1210のS2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deの値と、図1210のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別に基づいて、通常用変動パターン選択Bテーブル222daA2(図1196参照)から表示用変動パターンを設定し(S2461D)、S2455Dの処理へ移行する。
なお、上述したように、通常用変動パターン選択Bテーブル222daA2では、通常用変動パターン選択Aテーブル222daA1に比べて、変動パターン種別が「完全外れA」である場合には必ず疑似変動ありの表示用変動パターンが選択され、「当たりロングリーチ」または「外れロングリーチ」の場合に疑似変動ありの表示用変動パターンが選択される割合が高く設定されている。「完全外れ」は当否判定結果が外れである場合に最も選択され易い変動種別であり、その中で「完全外れA」は保留球数が0個の場合に選択される変動パターンである。つまり、遊技球が第1入球口64に入賞する頻度が低く、遊技者が遊技球を発射している状態であって保留球数が0個の場合には、疑似変動が設定され易く構成している。遊技球の発射を継続しているにもかかわらず保留球数が0個の場合、特別図柄の変動停止から次の特別図柄の変動開始までに第3図柄が変動表示されていない状態を挟むことで遊技のテンポが悪くなり、遊技者にストレスを与える虞があるが、このように構成することで、入賞頻度が低く遊技者が遊技球の発射を継続していても保留球が途切れ易い状態である場合に疑似変動が実行され易くなり、保留個数0個の状態で開始された特別図柄の変動中に遊技球が入賞しなくても疑似変動中に入賞すれば見た目上はテンポ良く第3図柄変動が実行されるため、特別図柄が変動表示されていない状態であったことを遊技者に気付かせ難くすることが可能となり、遊技者が感じるストレスを緩和することができる。一方、保留球数が0個の場合であって遊技者が遊技球を発射していない状況とは、遊技者が休憩のため遊技を中断しようとしている場合が考えられる。このような場合、大当たり変動を見逃さないように実行中の特別図柄の当否判定結果が判明してから遊技台を離れる遊技者が多いため、外れ変動で疑似変動が実行されると、早く休憩したい遊技者を外れが確定するまで待たせることになり、却って遊技者にストレスを与える虞がある。従って、遊技者が遊技球の発射をしていない場合には、入賞頻度が低い場合であっても疑似変動が設定され難い構成としている。
なお、本第29制御例の第1変形例では、入賞頻度低フラグ223dsがオンであり、且つ、発射停止中フラグ223djがオンでない場合に通常用変動パターン選択Bテーブル222daA2から表示用変動パターンを選択する構成としたが、これに限るものではない。入賞頻度低フラグ223dsがオンである場合には、発射停止中フラグ223djがオンであるか否かにかかわらずS2461Dの処理を実行する構成としても良いし、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるか否かにかかわらず、発射停止中フラグ223djがオンでない場合には、S2461Dの処理を実行する構成としても良い。
また、本第29制御例の第1変形例では、特定種別の変動パターンコマンドを受信した場合にのみ疑似変動を実行する構成としたが、これに限るものではなく、保留球数が0個の場合に開始される特別図柄の変動では変動パターンの種別にかかわらず疑似変動を実行する構成としても良い。このように構成することで、保留球が途切れる場合には必ず疑似変動が実行されるので、特別図柄が変動表示されていないことにより遊技者が退屈に感じる期間を短縮することができる。
S2460D、またはS2461Dの処理が終わると、S2455Dの処理を実行する。S2455Dの処理では、S2460DまたはS2461Dの処理において選択された表示用変動パターンに疑似変動が含まれているかを判別する(S2455D)。疑似変動が含まれていると判別した場合には(S2455D:Yes)、疑似変動開始タイマ223dpのカウンタ値として「12000(ms)」を設定し(S2456D)、疑似変動待機フラグ223drをオンに設定し(S2457D)、本処理を終了する。一方、S2455Dの処理において、疑似変動が含まれていないと判別した場合には(S2455D:No)、S2456DおよびS2457Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
ここで、本第29制御例の第1変形例では、疑似変動ありの表示用変動パターンが選択された場合には疑似変動開始タイマ223dpのカウンタ値として「12000ms(12秒)」が設定され、メイン処理において1ms毎に実行される液晶演出実行管理処理(図1206参照)で、カウンタ値が減算される。これにより、ロングリーチの変動パターンが開始されてから12秒後に、第3図柄表示装置81において特別図柄が仮停止し、疑似変動が開始される。
なお、本第29制御例の第1変形例では、疑似変動が実行される場合に設定される疑似変動開始タイマ223dpのカウンタ値を「12000(ms)」で固定としたが、これは疑似変動ありの表示用変動パターンが設定されるのは、変動時間が17秒である「完全外れA」と「ロングリーチA」のみで構成しているためであり、これに限るものではない。その他の変動パターン種別においても疑似変動が設定される構成とし、それぞれの変動パターン種別に応じて疑似変動開始タイマ223dpに設定されるカウンタ値を異ならせても良い。また、疑似変動開始タイマ223dpに設定されるカウンタ値を設定する場合に、複数のカウンタ値が規定されたテーブルの中からランダムに設定する構成としても良い。このように構成することで、特別図柄の変動開始から第3図柄の仮停止までの時間に変化を持たせることができるため、その期間で実行される変動演出が単調になることを抑制することができる。
次に、図1212を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特殊演出追加設定処理(S2428D)について説明する。図1212は、この特殊演出追加設定処理(S2428D)を示したフローチャートである。この特殊演出追加設定処理(S2428D)は、上述した第29制御例における特殊演出追加設定処理(S2426D)に対して、疑似変動の実行中に第2特別図柄の変動が開始される場合に、疑似変動のホールド演出を設定するためのホールド演出設定処理(S2545D)を実行する点で相違している。特殊演出追加設定処理(S2428D)が実行されると、まず、これから変動開始となる特別図柄の特図種別は第2特別図柄であるかを判別する(S2543D)。第2特別図柄であるではないと判別した場合には(S2543D:No)、書き換え演出設定処理を実行する(S2544D)。
ここで、図1213を参照して、書き換え演出設定処理(S2544D)の内容について説明する。書き換え演出設定処理では、まず、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値を取得する(S2531D)。そして、取得したカウンタ値が「2998(ms)」以上であるかを判別する(S2532D)。ここで、本第29制御例のd愛1変形例において、特別図柄の変動開始時に疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が「2998(ms)」以上である場合とは、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)停止時に保留球が存在し、1回目の特図変動停止から2ミリ秒後に次の特別図柄の変動表示が開始された場合であり(図1124参照)、特別図柄の変動開始時に疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が「2998(ms)」未満である場合とは、疑似変動が開始された特別図柄の変動停止時に保留球が存在せず、次の特別図柄の変動表示が開始されるまでに2ミリ秒以上の特別図柄が変動表示されていない期間を介した場合である。なお、図1207を参照して説明したように、疑似変動の開始時に疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値として「8000(ms)」が設定され(S2801D参照)、疑似変動の開始から5秒(5000ms)が経過すると1回目の特図変動が停止し、保留球が存在する場合には1回目の特図停止から2ミリ秒(2ms)に2回目の特図変動が開始されるため、S2532Dの処理では、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が初期設定値の「8000(ms)」から「5000ms」と「2ms」を減算した値である「2998ms」以上か未満かで、2回目の特図変動が保留球に基づいて開始された変動か、新たな入賞によって開始された変動かを判別している。
S2532Dの処理において、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が「2998(ms)」未満であると判別した場合には(S2532D:No)、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値と、図1210のS2421Dの処理において取得した第2演出カウンタ223dfの値と、図1210のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別に基づいて、書き換え演出態様設定テーブル223dsから書き換え演出態様を設定し(S2546)、設定した演出態様を表示させるための表示用特殊演出追加コマンドを設定する(S2534D)。なお、ここで設定した表示用特殊演出追加コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図1205参照)のコマンド出力処理(S2102D)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用特殊演出追加コマンドを受信することによって、この表示用特殊演出追加コマンドによって示される演出態様で、第3図柄表示装置81において書き換え演出が行われるように、特殊演出の表示制御が開始される。
S2534Dの処理が終了すると、疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deAを参照して、設定した書き換え演出の演出態様に対応する疑似保留図柄の表示パターンを設定し(S2547)、設定した疑似保留追加表示パターンに対応する表示用コマンドを設定する(S2536D)。なお、ここで設定した表示用コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図1205参照)のコマンド出力処理(S2102D)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用コマンドを受信することによって、この表示用コマンドによって示される表示シナリオで、第3図柄表示装置81において疑似保留図柄の可変表示が行われるように、保留演出の表示制御が開始される。
S2536Dの処理が終わると、図1210のS2422Dの処理で抽出した変動パターン種別に対応する変動時間に基づき、疑似変動時間更新11テーブル222dbAを参照して疑似変動残時間カウンタ223dhに設定するための疑似変動更新時間と、疑似変動終了後に残りの特図変動時間で実行される通常演出時間を決定し(S2548)、疑似変動残時間カウンタ223dhに設定されているカウンタ値を0クリアした後(S2538D)、疑似変動残時間タイマ223dhに決定した疑似変動更新時間をセットし(S2539D)、特殊演出追加設定処理(図1212参照)に戻る。このように、変動パターン種別毎に疑似変動更新時間が定められており、特別図柄の変動が開始される時点で疑似変動残時間タイマ223dhの値が更新される構成とすることで、特別図柄の変動が開始されるタイミングにかかわらず、その特別図柄の開始から一定の時間で疑似変動を終了させることが可能となる。S2532Dの処理において、疑似変動残時間タイマ223dhの値が「2998(ms)」以上であると判別した場合(即ち、2回目の特図変動が保留球に基づいて開始される場合)は(S2532D:Yes)、以後の処理をスキップし、特殊演出追加設定処理(図1212参照)に戻る。
図1212に戻り、説明を続ける。S2543Dの処理において、これから変動を開始する特別図柄の特図種別が第2特別図柄であると判別した場合には(S2543D:Yes)、ホールド演出設定処理を実行する(S2545D)。
ここで、図1214を参照して、ホールド演出設定処理(S2545D)の内容について説明する。ホールド演出設定処理(S2545D)が実行されると、まず、疑似保留図柄先読みフラグ223daAはオンであるかを判別する(S2701D)。疑似保留図柄先読みフラグ223daAがオンである場合とは、疑似変動が開始された時点で第2特別図柄の保留球が存在しており、その第2特別図柄の保留球の入賞情報に基づいて疑似保留図柄の表示態様が設定されている場合である。この場合、疑似保留図柄の表示態様が示唆する演出情報と、第2特別図柄の演出態様とが矛盾しないため、疑似変動のホールド演出を実行する必要がない。したがって、疑似保留図柄先読みフラグ223daAがオンであると判別した場合には(S2701D:Yes)、第2特別図柄の入賞情報に基づいて書き換え演出設定処理(S2544D)を実行し、特殊演出追加設定処理(図1212参照)に戻る。一方、S2701Dの処理において、疑似保留図柄先読みフラグ223daAがオンではないと判別した場合には(S2702D)、変動種別が完全外れであるかを判別する(S2702D)。変動種別が完全外れではないと判別した場合には(S2702D:No)、表示されている疑似保留図柄の表示態様と、第2特別図柄の演出態様とが矛盾しないため、第2特別図柄の入賞情報に基づいて書き換え演出設定処理(S2544D)を実行し、特殊演出追加設定処理(図1212参照)に戻る。一方、S2702Dの処理において、第2特別図柄の変動種別が完全外れであると判別した場合には(S2702D:Yes)、設定されている疑似保留図柄の表示態様はノーマル疑似保留図柄であるかを判別する(S2703D)。ノーマル疑似保留図柄であると判別した場合には(S2703D:Yes)、第2特別図柄の当否判定結果と矛盾するおそれがないため、第2特別図柄の入賞情報に基づいて書き換え演出設定処理(S2544D)を実行し、特殊演出追加設定処理(図1212参照)に戻る。一方、S2703Dの処理において、設定されている疑似保留図柄の表示態様がノーマル疑似保留図柄ではない(即ち、チャンス疑似保留図柄である)場合には(S2703D:No)、第2特別図柄の演出態様と矛盾するため、疑似変動ホールド演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S2704D)、疑似変動ホールドフラグ223dcAをオンに設定する(S2705D)。疑似変動ホールドフラグ223dcAがオンに設定されている期間は、上述した液晶演出実行管理処理(図1206参照)における疑似変動残時間タイマ223dhの更新が行われない。S2705Dの処理が終了すると、特殊演出追加設定処理(図1212参照)に戻る。
なお、本第29制御例の第1変形例では、保有している特図1保留の先読み結果に基づいてチャンス疑似保留図柄が表示されている場合であって、その特図1保留に対応する特別図柄変動よりも前に特図2保留に対応する特別図柄変動が実行される場合に、疑似変動ホールド演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、ノーマル疑似保留図柄が表示されている場合であって大当たり当選である特図1保留を保有している場合に、その特図1保留に対応する特別図柄変動が実行されるよりも前に特図2保留に対応する特別図柄変動が実行されることで疑似変動ホールド演出を実行する構成としても良い。このように構成することで、疑似変動ホールド演出が実行されると特図1保留が大当たり当選であることを遊技者は予測することができるため、疑似変動開始時にノーマル疑似保留図柄が表示されても遊技者を落胆させることなく疑似変動ホールド演出が実行されることを期待させることが可能となるので、特図2保留を獲得しようと積極的に遊技を行わせることができる。
次に、図1215を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される停止処理(S2218D)について説明する。図1215は、この停止処理(S2218D)を示したフローチャートである。この停止処理(S2218D)は、上述した第29制御例における停止処理(S2215D)に対して、結果報知演出設定処理(S2775D)に代えて結果報知演出設定処理(S2781D)を実行する点と、疑似変動ホールド演出終了処理(S2782D)を追加した点で相違している。停止処理では、まず、疑似変動実行フラグ223dgはオンかを判別する(S2771D)。疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動が実行されていない場合)には(S2771D:No)、予め設定されている停止種別に対応する表示用停止コマンドを設定し(S2780D)、本処理を終了する。一方、疑似変動実行フラグ223dgがオンであると判別した場合(即ち、疑似変動が実行されている場合)には(S2771D:Yes)、停止種別は大当たりであるかを判別する(S2772D)。停止種別が大当たりであると判別した場合には(S2772D:Yes)、疑似変動において実行されている特殊演出(ミッション演出)に追加される結果報知演出の演出態様として当たり結果報知演出を設定し(S2779D)、当たり結果報知演出に対応する特殊演出追加コマンドを設定し(S2777D)、本処理を終了する。S2772Dの処理において、停止種別は大当たりではない(即ち、外れである)と判別した場合には(S2772D:No)、特別図柄1保留球数カウンタ223daの値および特別図柄2保留球数カウンタ223dcAの値を取得し(S2773D)、取得した保留球数が1未満であるかを判別する(S2774D)。保留球数が1未満であると判別した場合(即ち、保留球数が0である場合)には(S2774D:Yes)、疑似変動において実行されている特殊演出に追加される結果報知演出の演出態様として結果報知演出G(演出時間3秒のミッション失敗演出)を設定し(S2776D)、結果報知演出Gに対応する特殊演出追加コマンドを設定し(S2777D)、変動回数更新処理を実行する(S2778D)。この変動回数更新処理(S2778D)は、上述した第29制御例における変動回数更新処理と同一の処理であるため、詳細な説明は省略する。
変動回数更新処理が終了すると、疑似変動ホールド演出終了処理を行う(S2781D)。疑似変動ホールド演出終了処理(S2781D)の内容は、図1218を参照して、後述する。疑似変動ホールド演出終了処理(S2781D)が終了すると、本処理を終了する。
S2774Dの処理において、保留球数が1未満ではない(即ち、保留球が存在する)と判別した場合には(S2774D:No)、結果報知演出の演出態様を設定するための処理である結果報知演出設定処理を実行する(S2781D)。この結果報知演出設定処理(S2781D)の内容については、図1216を参照して後述する。結果報知演出設定処理(S2781D)が終わると、設定した結果報知演出の演出態様に対応する特殊演出追加コマンドを設定し(S2777D)、変動回数更新処理を実行する(S2778D)。変動回数更新処理が終了すると、疑似変動ホールド演出終了処理を行う(S2782D)。疑似変動ホールド演出終了処理(S2782D)が終了すると、本処理を終了する。
なお、本第29制御例の第1変形例では、保留球がない場合に設定される結果報知演出の演出態様は、結果報知演出Gのみで構成しているが、これに限るものではなく、複数の結果報知演出態様の中から1の演出態様を設定する構成としても良い。このように構成することで、特別図柄の変動停止時に保留球が存在しない場合の特殊演出の内容に多様性を持たせることができるため、特殊演出が単調になることを抑制することができる。
次に、図1216を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される結果報知演出設定処理(S2781D)について説明する。図1216は、この結果報知演出設定処理(S2781D)を示したフローチャートである。この結果報知演出設定処理(S2781D)は、上述した第29制御例における結果報知演出設定処理(S2775D)に対して、第2特別図柄に関連する処理を追加した点で相違している。
結果報知演出設定処理(S2781D)では、まず、第2演出カウンタ値CS2を取得し(S2881D)、停止処理のS2773Dの処理で取得した情報から第2特別図柄の保留球があるかを判別する(S2889D)。第2特別図柄の保留球がない場合には(S2889D:No)、特図1入賞情報格納エリア223dd内の保留エリア1に格納されている入賞情報と保留球数に基づいて変動パターン種別を予測する(S2882D)。具体的には、保留エリア1に格納されている入賞情報から変動種別を抽出し、抽出した変動種別と特別図柄1保留球数カウンタ223daの値(保留球数)から設定される変動パターンを予測する。
上述したように、本第29制御例の第1変形例では、変動種別が「完全外れ」である特別図柄の変動が開始される時点における保留球数に基づいて変動パターン(変動時間)を決定する(図1191参照)。このため、疑似変動開始時点では、疑似変動開始から特別図柄の変動停止までに保留球数が増加する可能性があり、保留球の正確な変動パターンを予測することができない。一方、特別図柄の変動停止時点では、次の特別図柄の変動開始までの期間が2ミリ秒であり、保留球が増加する可能性が極めて低いため、保留球の正確な変動パターンを予測することが可能であり、予測結果に基づいて結果報知演出の演出態様を設定することができる。これにより、特別図柄の変動停止に合わせて導入演出が終了した後に、次の特別図柄の変動開始を待つことなくスムーズに結果報知演出を開始することができるため、更に遊技者に違和感を与えない演出を実行することができる。一方、S2889Dの処理において、第2特別図柄の保留球があると判別した場合には(S2889D:Yes)、特図2入賞情報格納エリア223ddA内の保留エリア1に格納されている入賞情報と保留球数に基づいて変動パターン種別を予測する(S2890D)。S2882DまたはS2890Dの処理が終了すると、S2881Dの処理で取得した第2演出カウンタ223dfの値と、S2882DまたはS2890Dの処理で予測した変動パターン種別に基づいて、結果報知演出態様設定テーブル222dcから結果報知演出態様を設定する(S2883D)。
S2883Dの処理が終了すると、疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deを参照して、設定した結果報知演出の演出態様に対応する疑似保留図柄の表示パターンを設定し(S2884D)、設定した疑似保留追加表示パターンに対応する表示用コマンドを設定する(S2885D)。なお、ここで設定した表示用コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図1158参照)のコマンド出力処理(S2102D)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用コマンドを受信することによって、この表示用コマンドによって示される表示シナリオで、第3図柄表示装置81において疑似保留図柄の可変表示が行われるように、保留演出の表示制御が開始される。S2885Dの処理が終わると、S2882DまたはS2889Dの処理で予測した変動パターン種別に対応する変動時間に基づき、疑似変動更新時間設定テーブル222dbAを参照して疑似変動残時間カウンタ223dhに設定するための疑似変動更新時間と、疑似変動終了後に残りの特図変動時間で実行される通常演出時間を決定し(S2886D)、疑似変動算時間カウンタ223dhに設定されているカウンタ値を0クリアした後(S2887D)、疑似変動残時間タイマ223dhに決定した疑似変動更新時間をセットし(S2888D)、本処理を終了する。このように、変動パターン種別毎に疑似変動更新時間が定められており、特別図柄の変動が開始される時点で疑似変動残時間タイマ223dhの値が更新される構成とすることで、特別図柄の変動が開始されるタイミングにかかわらず、その特別図柄の開始から一定の時間で疑似変動を終了させることが可能となる。
次に、図1217を参照して、疑似変動ホールド演出終了処理(S2782D)の内容について説明する。図1217は、疑似変動ホールド演出終了処理を示したフローチャートである。疑似変動ホールド演出終了処理(S2782D)が実行されると、まず、疑似変動ホールドフラグ223dbAがオンであるかを判別する(S2681D)。疑似変動ホールドフラグ223dbAがオンである場合(即ち、疑似変動ホールド演出が実行されている場合)には(S2681D:Yes)、疑似変動ホールドフラグ223dbAをオフに設定し(S2682D)、本処理を終了する。一方、疑似変動ホールドフラグ223dbAがオンではない場合(即ち、疑似変動ホールド演出が実行されていない場合)には(S2681D:No)、S2682Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
<第29制御例の第1変形例における表示制御装置114の制御処理について>
次に、図1218を参照して、本第29制御例の第1変形例における表示制御装置114の制御処理について説明する。なお、上述した第29制御例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。図1218を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行される特殊演出関連コマンド処理(S6417D)の詳細について説明する。図1218は、特殊演出関連コマンド処理を示すフローチャートである。この特殊演出関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用特殊演出関連コマンドに対応する処理を実行するものであり、表示制御装置114のコマンド判定処理(図1177参照)において、特殊演出関連コマンドを受信した場合に、特殊演出関連コマンド処理(S6409D)に代えて実行される処理である。この特殊演出関連コマンド処理(S6417D)は、上述した第29制御例における特殊演出関連コマンド処理(S6409D)に対して、疑似変動ホールド演出に関連する処理を追加している点で相違する。特殊演出関連コマンド処理(S6417D)では、まず、受信した特殊演出関連コマンドは疑似変動開始コマンドであるかを判別する(S6151D)。疑似変動開始コマンドであると判別した場合には(S6151D:Yes)、導入演出表示データテーブルを決定して表示データテーブルバッファ233ddに設定し(S6152D)、転送データテーブルバッファ233deにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6153D)。そして、S6152Dの処理によって表示データテーブルバッファ233ddに設定された表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233dhに設定し(S6154D)、ポインタ233dfを0に初期化する(S6155D)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6156D)、特殊演出関連コマンド処理(S6417D)を終了し、コマンド判定処理(図1177参照)に戻る。
S6151Dの処理において、受信したコマンドは疑似変動開始コマンドではないと判別した場合には(S6151D:No)、次に、受信したコマンドに含まれる特殊演出の演出態様を抽出し(S6157D)、結果報知演出態様であるかを判別する(S6158D)。コマンドに含まれる演出態様が結果報知演出態様であると判別した場合には(S6158D:Yes)、コマンドに対応した結果報知演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233ddに格納し(S6159D)、S6153Dの処理へ移行する。一方、S6158Dの処理において、受信したコマンドに含まれる演出態様は結果報知演出態様ではないと判別した場合には(S6158D:No)、次に、疑似変動ホールド演出のコマンドであるかを判別する(S6162D)。疑似変動ホールド演出のコマンドではないと判別した場合には(S6162D:No)、特殊演出の書き換え演出であるため、コマンドに対応した書き換え演出表示データテーブルを決定して、決定した書き換え演出表示データテーブルを表示データ待機エリア233dkに格納し(S6160D)、表示制御装置114内のワークRAMの表示データ待機フラグ233dmをオンに設定し(S6161D)、特殊演出関連コマンド処理(S6417D)を終了し、コマンド判定処理(図1177参照)に戻る。なお、S6160Dの処理において表示データ待機エリア233dkに格納された書き換え演出表示データテーブルは、後述する表示設定処理(図1180参照)における表示データ待機解除処理(S7217D)において、表示データテーブルバッファ233ddに格納される。
このように、本第29制御例の第1変形例では、受信した特殊演出追加コマンドが書き換え演出に関連するコマンドであった場合には、コマンドに対応する表示データテーブルを一時的に表示データ待機エリア233dkに格納する構成とし、表示データテーブルバッファ233ddに設定されている結果報知演出の表示データテーブルが書き換え演出の表示データテーブルに切り替わらないことにより、結果報知演出の途中で突然書き換え演出が開始されることを防止している。
また、このように表示制御装置114内で書き換え演出の表示データテーブルを待機させる構成とすることで、特別図柄の変動表示の途中で結果報知演出が終了した場合に、音声ランプ制御装置113からの新たなコマンドを要することなく書き換え演出を開始させることができるため、スムーズに書き換え演出を開始させることができるとともに、音声ランプ制御装置113の処理負担を軽減することができる。
S6162Dの処理において、受信したコマンドが疑似変動ホールド演出のコマンドであると判別した場合には(S6162D:Yes)、ホールド演出表示データテーブルを決定して表示データテーブルバッファ233ddに格納し(S6163D)、本処理を終了する。
<第29制御例の第2変形例>
次に、図1219~図1249を参照して第29制御例の第2変形例について説明する。上述した第29制御例では、第3図柄表示装置81の液晶画面のみで特殊演出(ミッション演出)を実行し、その特殊演出(ミッション演出)を特別図柄の変動時間が経過し、特別図柄の変動表示が停止した後にも継続して実行することで遊技者に特別図柄の変動表示が停止していることを気付かせ難くする構成であった。
これに対して、本第29制御例の第2変形例では装飾用可動役物を用いた特殊演出を実行することで遊技者に特別図柄の変動表示が停止していることを気付かせ難くする構成としている点で第29制御例と相違する。具体的には、特殊演出が開始された特別図柄の変動表示が終了する1秒前になると、図1219(b)に示すように消灯状態の上装飾用可動役物Ym1と下装飾用可動役物Ym2が第3図柄表示装置81に重なる位置に可動する(スタンバイ状態)。そして特別図柄の変動表示が終了してから3秒経過するまでスタンバイ状態が継続し、特別図柄の変動表示が終了してから3秒経過した時点で新たな特別図柄の変動表示が開始されていない場合、或いは、特別図柄の変動表示が終了してから3秒経過した時点で新たな特別図柄の変動表示が開始されている場合であっても新たに開始された特別図柄の当否判定結果が特定の判定結果(例えば、大当たり当選)でない場合には、上装飾用可動役物Ym1と下装飾用可動役物Ym2はスタンバイ状態から図1219(a)に示す収納状態へとそれぞれ可動する。一方、特別図柄の変動表示が終了してから3秒経過した時点で新たな特別図柄の変動表示が開始されている場合であって、新たに開始された特別図柄の当否判定結果が特定の判定結果(例えば、大当たり当選)である場合には、上装飾用可動役物Ym1と下装飾用可動役物Ym2はスタンバイ状態から図1219(c)に示す報知状態となる。このように、特別図柄の変動表示が実行されている期間から特別図柄の変動表示が終了した後に所定時間(3秒)が経過するまでの期間に跨がって主表示領域Dmの表示領域の一部分が隠された状況を創出する演出である装飾用可動役物Ym1,Ym2を用いた特殊演出が実行されるため、特殊演出の実行中は遊技者からは第3図柄表示装置81の液晶画面を視認困難な状態となる。従って、特別図柄の変動表示が終了した時点で保留球が存在せず、第3図柄表示装置81において第3図柄が停止表示されたままの状態となっても、装飾用可動役物Ym1,Ym2がスタンバイ状態または報知状態である期間は遊技者から見えないため、第29制御例のように特別図柄の変動時間経過後にも疑似変動を継続させる制御をしなくても遊技者に特別図柄の変動表示が停止していることを気付かせ難くすることができる。
また、第29制御例では、特別図柄の変動表示が実行されていない期間に特殊演出の結果報知演出が実行されている場合に、始動口への新たな入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始された場合には、実行中の結果報知演出の演出時間が経過した後にその特別図柄の当否判定結果に対応する演出(書き換え演出)を開始する構成であった。
これに対して、本第29制御例の第2変形例では、特別図柄の変動表示が実行されていない期間に特殊演出が実行されている場合(即ち、装飾用可動役物Ym1,Ym2がスタンバイ状態である場合)に、始動口への新たな入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合には、装飾用可動役物Ym1,Ym2をスタンバイ状態としたまま、その特別図柄の変動表示が開始されるタイミングで第3図柄表示装置81において特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示や変動演出を開始する構成としている。これは、装飾用可動役物Ym1,Ym2がスタンバイ状態である期間は、遊技者から第3図柄表示装置81の表示画面が見えないことから、表示されている演出を途中で差し替えても遊技者に違和感を与えることがないためである。これにより、第29制御例のように新たに開始される特別図柄の変動時間内で複数の演出(結果報知演出の残り演出と書き換え演出と通常演出)を実行するための複雑な処理を音声ランプ制御装置113で行う必要がなくなるため、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
この第29制御例の第2変形例におけるパチンコ機10が第29制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤面に装飾用可動役物Ym1,Ym2が配置された点、音声ランプ制御装置113のROM222の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点、表示制御装置114のMPU231により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行されるその他の処理については、第29制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第29制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第29制御例の第2変形例の装飾用可動役物Ym1,Ym2について>
図1219~図1220を参照して、第29制御例の第2変形例において新たに配置された装飾用可動役物Ym1,Ym2について説明する。図1219(a)は、収納状態である場合の装飾用可動役物Ym1,Ym2を示した図である。図1219(a)に示す通り、収納状態である場合、上装飾用可動役物Ym1は第3図柄表示装置81の上部に位置し、下装飾用可動役物Ym2は第3図柄表示装置81の下部に位置しているため、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される演出を視認可能である。なお、装飾用可動役物Ym1,Ym2が格納状態である場合、装飾用可動役物Ym1,Ym2はセンターフレーム86(図1116参照)の裏側に格納されているため、遊技者からは視認困難な状態となる。
図1219(b)は、スタンバイ状態である場合の装飾用可動役物Ym1,Ym2を示した図である。図1219(b)に示す通り、スタンバイ状態である場合、上装飾用可動役物Ym1は第3図柄表示装置81の液晶画面の上半分を覆い隠すように位置し、下装飾用可動役物Ym2は第3図柄表示装置81の液晶画面の下半分を覆い隠すように位置しているため、遊技者からは第3図柄表示装置81に表示される演出を視認困難な状態となる。
ここで、上装飾用可動役物Ym1の「激」という文字部分と、下装飾用可動役物Ym2の「アツ」という文字部分にはLEDが設置されており、LEDにより発光することが可能に構成されている。スタンバイ状態はこのLEDが消灯した状態であり、図1219(c)に示す報知状態はこのLEDが発光した状態である。本第29制御例の第2変形例では、装飾用可動役物Ym1,Ym2は、主に特別図柄の変動表示中にその特別図柄の大当たり当選期待度を示唆するための演出(示唆演出)の一つとして用いられるものであり、示唆演出として可動する場合には、収納状態からスタンバイ状態を経由せずに報知状態となる。装飾用可動役物Ym1,Ym2が報知状態となった場合には、実行中の特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である可能性が高いことを示唆する構成としている。一方、装飾用可動役物Ym1,Ym2のスタンバイ状態は、主にデモ演出において用いられる状態であり、LEDを消灯状態とすることで報知状態とは明確に異なる状態であることを遊技者に分かり易く認識させることができるように構成している。なお、本第29制御例の第2変形例では、装飾用可動役物Ym1,Ym2の状態として、収納状態、スタンバイ状態、報知状態の3つの状態となるように構成したが、これに限るものではない。例えば、特別図柄の大当たり当選期待度が極めて高い場合には両方の装飾用可動役物を報知状態とし、報知状態よりは特別図柄の大当たり当選期待度が低い場合にはいずれか一方の装飾用可動役物のみを発光させる状態(例えば、「アツ」のみ発光させる状態)を設定可能に構成しても良い。
また、示唆演出として装飾用可動役物Ym1,Ym2が用いられる場合には収納状態からスタンバイ状態を経由せずに報知状態になる構成としたが、これに限るものではなく、収納状態からスタンバイ状態を経由して報知状態になる構成としても良い。この場合、段階的に「激」「ア」「ツ」の文字部分のLEDを点灯させる構成とし、大当たり当選期待度が低い場合には全ての文字部分のLEDが発光状態となる前に示唆演出が終了するパターンを設けても良い。或いは、発光色が異なる複数のLED(例えば、赤、緑、青)を設置し、大当たり当選期待度(または設定された表示用変動パターン種別)に応じて発光色を設定する構成としても良い(例えば、赤、緑、青の順に大当たり当選期待度が高くなる)。このように構成することで、装飾用可動役物Ym1,Ym2を用いた示唆演出にバリエーションを持たせることが可能となり、装飾用可動役物Ym1,Ym2を用いた示唆演出に遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、装飾用可動役物の態様は図1219(a)~(c)に示した態様に限るものではなく、例えば、遊技機の題材となったアニメやドラマのキャラクタ、ロゴマーク、武器といったシンボルとなるものをモチーフにしても良い。
次に、図1220を参照して、装飾用可動役物Ym1,Ym2の構成について説明する。図1220は、装飾用可動役物Ym1,Ym2の構成を模式的に示した図である。上装飾用可動役物Ym1と下装飾用可動役物Ym2は、それぞれ互いに向き合うL字型のラックを左右に設けて、その互いのラックとそれぞれ嵌合するギアを駆動させるモータをそれぞれ配置するように構成している。図1220に示すように、右突出片900Rは、L字型に構成されて、上装飾用可動役物Ym1の正面視右端より水平に突出して、下装飾用可動役物Ym2に向けて直角に曲げて内側に向けてラックギアが形成されたラックで構成されている。また、右突出片910Rは、L字型に構成されて、下装飾用可動役物Ym2の正面視右端より水平に突出して、上装飾用可動役物Ym1側に向けて直角に曲げて外側に向けてラックギアが形成されたラックで構成されている。右突出片900Rと右突出片910Rとのラックギアは互いに向かい合って配置されて、その間に、互いのギアと嵌合する右駆動ギア700Rが配置される。右駆動ギア700Rは、右駆動モータであるステッピングモータにより回動される。また、同様に、装飾用可動役物Ym1,Ym2の正面視左端にも、同様の構成の左突出片900Lと左突出片910Lとが設けられており、左駆動ギア700Lが嵌合されて、左駆動モータにより駆動される。このように、右駆動モータ、左駆動モータをそれぞれ同時に互いに異なる方向に駆動(回転)させることにより、上装飾用可動役物Ym1と下装飾用可動役物Ym2を互いに接触する方向と互いに離間する方向にそれぞれ駆動させることができる。このように構成することにより、上装飾用可動役物Ym1と、下装飾用可動役物Ym2とをそれぞれ、同期させて駆動させることが容易になり、上装飾用可動役物Ym1と下装飾用可動役物Ym2との上下の駆動を合わせることができる。また、上装飾用可動役物Ym1には文字部材Ym1aが設置され、下装飾用可動役物Ym2には文字部材Ym2a,Ym2bが設置されている。この文字部材Ym1a,Ym2a,Ym2bはそれぞれLEDが搭載されており、実行中の変動演出の演出態様に関連する演出情報を付与する態様として発光状態となることで遊技者に大当たり当選期待度の高い表示用変動パターン(例えば、スーパーリーチの変動パターン)が設定された特別図柄の変動表示中であることを示唆することができる。
<第29制御例の第2変形例の演出内容について>
次に、図1221~図1227を参照して、第29制御例の第2変形例において実行される特徴的な演出内容について説明する。まず、図1221~図1222および図1224を参照して、装飾用可動役物Ym1,Ym2を用いた特殊演出の実行期間中に新たに特別図柄の変動表示が開始されなかった場合の演出内容について説明する。図1224は、特別図柄の変動停止後に保留球が存在せず、始動口への新たな入賞がない場合の特別図柄変動と装飾用可動役物Ym1,Ym2との関係を示したタイミングチャートである。特別図柄の項目は第1図柄表示装置37において実行される特別図柄の変動表示の状態を示しており、演出態様の項目は第3図柄表示装置81において実行される第3図柄の変動表示や変動演出の態様を示しており、装飾用可動役物の項目は装飾用可動役物Ym1,Ym2の状態を示している。また、シナリオ差し替えフラグの項目は、音声ランプ制御装置113のシナリオ差し替えフラグ223daBの状態を示している。このシナリオ差し替えフラグ223daBは、スタンバイ状態の装飾用可動役物Ym1,Ym2の動作シナリオを、新たに開始された特別図柄の当否判定結果に基づいて差し替える場合にオンに設定される。図1224に示す例では、特別図柄の変動パターンとして変動時間が17秒の「完全外れA」(図1134参照)が設定されており、特別図柄の変動が開始されると第3図柄表示装置81では12秒間の通常演出が開始される。この「通常演出」とは、第3図柄(特別図柄の変動表示に対応して変動する装飾図柄)の変動表示および変動中の特別図柄の当否判定結果を示唆するための予告演出のことを指す。なお、装飾用可動役物Ym1,Ym2が収納状態であるため、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される演出を視認することができる。
特別図柄の変動表示が開始されてから12秒が経過すると、図1221(a)に示す特殊演出の導入演出が開始される。ここで、図1221(a)を参照して、第29制御例の第2変形例における特殊演出の導入演出について説明する。図1221(a)は、本第29制御例の第2変形例における導入演出開始時に第3図柄表示装置81に表示される表示画面の一例を示した図である。上述した第29制御例における特殊演出では、特別図柄の当否判定結果が外れであることを示す表示態様で仮停止させた第3図柄を再変動させ、大当たり当選であることを示す表示態様や大当たり当選期待度が高いことを示す表示態様で停止表示させることを期待させるミッション演出を実行した。これに対して、本第29制御例の第2変形例では、スタンバイ状態である装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態になることを期待させる特殊演出が実行される。図1221(a)に示すように、特殊演出の導入演出が開始されると、主表示領域Dmの中央上側には表示領域HR1が形成され、「時間内に役物が点灯すれば激アツ」という特殊演出の内容を遊技者に報知するための案内態様が表示される。このように構成することで、特別図柄の変動表示期間内で装飾用可動役物Ym1,Ym2がスタンバイ状態となった場合であっても、スタンバイ状態のままでは大当たり当選期待度が高いことを示唆するものではないということを遊技者に分かり易く認識させることができる。なお、第29制御例の第2変形例では、導入演出が開始される前に第3図柄を仮停止させずに変動表示したままの状態を維持しているが、これは、第29制御例と異なり第3図柄の表示態様を用いた特殊演出を実行する構成ではないためである。
また、第29制御例では、導入演出の開始に合わせて副表示領域Dsの表示を疑似変動専用の態様に切り替えることにより、疑似変動の途中で特別図柄の変動表示が終了した場合の保留図柄の可変表示(例えば、実行エリアから実行中保留図柄が消え、第1台座m1の保留図柄が実行台座m0にシフトする表示)から疑似変動であることを遊技者に気付かれ難くする構成としていた。
これに対して、第29制御例の第2変形例では、変動表示中の特別図柄が停止表示する時点では、装飾用可動役物Ym1,Ym2が既にスタンバイ状態となっており、副表示領域Dsにおいて実行される保留図柄の可変表示も遊技者からは見えないため、副表示領域Dsの態様を切り替える必要がない。よって、特殊演出を実行する期間とそれ以外の期間とで副表示領域Dsの表示態様を切り替える処理が不要となるため、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
図1224に戻り、説明を続ける。特別図柄の変動停止2秒前(即ち、導入演出開始から3秒が経過した場合)になると、装飾用可動役物Ym1,Ym2が収納状態からスタンバイ状態へと移行を開始し、特別図柄の変動停止1秒前(即ち、導入演出開始から4秒が経過した場合)には、図1221(b)に示すように、スタンバイ状態への移行を完了し、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される演出を視認できない状態となる。なお、遊技者からは第3図柄表示装置81に表示される演出を視認できない状態であっても、第3図柄表示装置81には第3図柄の変動表示や変動演出が継続して表示される。
ここで、図1221(b)を参照して、導入演出開始から4秒が経過した時点での遊技者から見た第3図柄表示装置81の表示画面について説明する。図1221(b)は、導入演出開始から4秒経過した時の遊技者から見た表示画面の一例を示した図である。上述したように、導入演出開始から4秒が経過した時点では、既に装飾用可動役物Ym1,Ym2がスタンバイ状態への移行を完了した状態であるため、遊技者からは第3図柄表示装置81に表示される演出は見えない状態となっている。この場合、第3図柄表示装置81で特殊演出の残り演出時間を表示しても遊技者には見えないことから、音声出力装置226から出力される音声により特殊演出の残り演出時間が報知される構成としている。図1221(b)に示すように、導入演出開始から4秒が経過した時点では、「READY」という音声Os1が出力される。
図1224に戻り、説明を続ける。特別図柄の変動表示が開始されてから17秒が経過すると、第1図柄表示装置37における特別図柄の変動表示が終了する。そして、第1図柄表示装置37における特別図柄の変動表示が終了したことに合わせて、第3図柄表示装置81において導入演出が終了し、第3図柄が停止表示される。
ここで、図1222を参照して、特別図柄の変動表示が終了した時点における演出内容について説明する。図1222(a)は、導入演出開始から5秒が経過した時点(即ち、特別図柄の変動表示が終了した時点)での遊技者から見た第3図柄表示装置81を示した図であり、図1222(b)は、導入演出開始から5秒が経過した時点(即ち、特別図柄の変動表示が終了した時点)での第3図柄表示装置81の表示画面を示した図である。図1222(a)に示す通り、特別図柄の変動表示が終了した時点においても導入演出から引き続き装飾用可動役物Ym1,Ym2がスタンバイ状態となっているため、遊技者からは第3図柄表示装置81において第3図柄が停止表示されたことを視認することができない。一方で、音声出力装置226からは、特別図柄の変動表示が実行されていた期間に出力された「READY」という音声Os1(図1221(b)参照)に引き続いて、「GO」という結果報知演出が開始されたことを報知する音声案内が出力された後に、「あと3秒」という装飾用可動役物Ym1,Ym2が報知状態に移行するか否かが判明するまでの残り時間を報知する音声案内が出力される。これにより、特殊演出が継続していることを遊技者に分かり易く認識させることができる。なお、図1222(b)に示す通り、特別図柄の変動表示が終了した時点で、第3図柄表示装置81では第3図柄が予め設定された停止種別に対応する停止表示態様で表示される。なお、特別図柄の変動表示が終了したことに合わせて、実行エリアDs1に表示されていた実行中保留図柄h0は消去される。図1222(b)に示す例では、特別図柄の変動表示が終了した時点で保留球が存在していないため、第3図柄が停止表示されたままの状態となり、表示領域HR1には特殊演出が失敗したことを報知するための結果報知演出として「残念」という結果報知態様が表示される。この結果報知態様は、特別図柄の変動停止から5秒間継続して表示される。
図1224に戻り、説明を続ける。特別図柄の変動停止から3秒が経過すると音声ランプ制御装置113ではシナリオ差し替えフラグ223daBがオンであるか否かが判別され、オンである場合には装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態へと移行させる動作シナリオに差し替える。一方、シナリオ差し替えフラグ223daBがオンでない場合には、装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態へと移行させる動作シナリオへの差し替えが実行されないため、スタンバイ状態から収納状態へと移行する。
ここで、図1223(a)を参照して、特殊演出が失敗で終了した場合の演出内容について説明する。図1223(a)は、導入演出開始から9秒が経過し、特殊演出が失敗で終了した場合の遊技者から見た第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した図である。装飾用可動役物Ym1,Ym2がスタンバイ状態から収納状態へと移行したことにより、特別図柄の変動表示が終了した時点から継続して表示されていた結果報知演出を遊技者が視認可能な状態となっており、これにより遊技者は特殊演出が失敗で終了したことを分かり易く認識することができる。なお、表示領域HR1に表示されている結果報知態様は特別図柄の変動停止から5秒が経過するまでの期間に新たな特別図柄の変動表示が開始されなかった場合に非表示となる。
次に、図1223(b)および図1225を参照して、特別図柄の変動停止時に保留球が存在する場合の特殊演出の演出内容について説明する。図1225は、特別図柄の変動停止時に保留球が存在する場合の、特別図柄変動と装飾用可動役物Ym1,Ym2の関係を示したタイミングチャートである。図1223に示した例と同様に、変動パターンとして完全外れAが設定された特別図柄の変動表示開始から12秒が経過すると導入演出が開始され、導入演出開始から4秒が経過すると装飾用可動役物Ym1,Ym2のスタンバイ状態への移行が完了する。そして、特別図柄の変動開始から17秒が経過すると第1図柄表示装置37における特別図柄の変動表示が終了し、合わせて第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示が終了する。特別図柄の変動表示停止後、保留球が存在する場合には、2ms後に実行される主制御装置110のタイマ割込処理内(図1146参照)の特別図柄変動処理(S104D)において新たな特別図柄の変動表示が開始される。図1225に示す例では、新たに当たりショートリーチの特別図柄の変動表示が開始される。この場合、当たりショートリーチの変動表示が開始される時点でシナリオ差し替えフラグ223daBがオンに設定されることにより、特殊演出開始から8秒が経過したタイミング(判別タイミング)になると装飾用可動役物Ym1,Ym2の動作シナリオを報知状態に移行する動作シナリオに差し替えられる。
また、当たりショートリーチの特別図柄の変動表示が開始されると、第3図柄表示装置81では図1223(b)に示す結果報知演出が表示される。ここで、図1223(b)を参照して、当たりショートリーチ変動が開始された場合の演出内容について説明する。図1223(b)は、特殊演出の実行中に当たりショートリーチ変動が開始された場合の第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した図である。図1223(a)に示した例(特殊演出失敗の場合)とは異なり、表示領域HR1には「大チャンス変動中」という大当たり当選期待度が高いことを示唆する案内態様が表示され、種表示領域Dmの中央では第3図柄の変動表示が実行される。この演出は、装飾用可動役物Ym1,Ym2がスタンバイ状態である場合には、装飾用可動役物Ym1,Ym2が第3図柄表示装置81の前面側に位置するため遊技者からは視認できないが、装飾用可動役物Ym1,Ym2が収納状態となった場合に遊技者から視認可能となる。
図1225に戻り、説明を続ける。装飾用可動役物Ym1,Ym2が報知状態から収納状態へと移行した後も結果報知演出は継続し、当たりショートリーチの場合は大当たり当選であることを報知する演出が実行される。
次に、図1226を参照して、特殊演出が開始された特別図柄の変動停止後に新たな入賞があった場合の演出内容について説明する。図1226は、特別図柄の変動停止後に始動口への新たな入賞があった場合の特別図柄変動と装飾用可動役物Ym1,Ym2との関係を示したタイミングチャートである。図1226に示すとおり、図1224で示した例と同様に「完全外れA」の特別図柄の変動表示が実行されている期間に保留球を獲得することができなかったため、「完全外れA」の特別図柄の変動停止時には、図1222(b)に示す結果報知演出態様(便宜上、結果報知演出1とする。)が設定される。その後、特別図柄の変動停止から2秒後に新たな入賞があり、「当たりショートリーチ」の特別図柄の変動表示が開始されると、実行中の結果報知演出1を中断し、図1223(b)に示す結果報知演出態様(便宜上、結果報知演出2とする。)に差し替えられる。
なお、結果報知演出1が実行されている期間は、装飾用可動役物Ym1,Ym2がスタンバイ状態であるため、遊技者からは第3図柄表示装置81に結果報知演出1が表示されていることを視認できない。このため、結果報知演出1を結果報知演出2に差し替えても、装飾用可動役物Ym1,Ym2が収納状態となるまでは遊技者から視認できないため、実行中の結果報知演出1を中断しても違和感を与えることがない。したがって、第29制御例の第2変形例では、上述した第29制御例のように、実行中の結果報知演出の残りの演出を、新たに開始される特別図柄の変動時間内で実行するための複雑な処理を実行する必要がなく、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
なお、スタンバイ状態であった装飾用可動役物Ym1,Ym2は、当たりショートリーチの特別図柄の変動表示が開始されてから1秒経過すると2秒間報知状態(図1219(c)参照)となり、2秒経過すると収納状態(図1219(a)参照)に移行する。つまり、当たりショートリーチの特別図柄の変動表示が開始されてから4秒経過すると、遊技者は図1223(b)に示す表示画面を視認することが可能となる。このように構成することで、装飾用可動役物Ym1,Ym2がスタンバイ状態となった時点では保留球を保有していなかったとしても、新たな入賞により実行される特別図柄の当否判定結果を反映させることが可能となる。
また、詳細は後述するが、本第29制御例の第2変形例では、設定された演出態様によって装飾用可動役物Ym1,Ym2をスタンバイ状態から報知状態とするシナリオを設定するか否かを決定する構成としている。具体的には、変動パターン種別「完全外れ」に対応する結果報知演出が設定された場合には報知状態へと可変させるシナリオを設定せず、変動パターン種別「スーパーリーチ」に対応する結果報知演出が設定された場合には報知状態へと可変させるシナリオを設定する。これにより、装飾用可動役物Ym1,Ym2が報知状態になることを遊技者に期待させ、装飾用可動役物Ym1,Ym2に注目させることが可能となる。なお、文字部材Ym1a,Ym2a,Ym2bを全て発光状態とする以外にも、文字部材Ym1a,Ym2a,Ym2bの一部を発光させたり、LEDの発光色を異ならせたりする構成としても良い。例えば、変動種別「スーパーリーチ」に対応する結果報知演出が設定された場合には、文字部材Ym1a,Ym2a,Ym2bを全て発光させたり、LEDを赤色で発光させ、変動種別「ロングリーチ」に対応する結果報知演出が設定された場合には、文字部材Ym2a,Ym2bのみを発光状態としたり、LEDを緑色で発光させる。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面が視認できない状態であっても、遊技者に文字部材Ym1a,Ym2a,Ym2bの発光状態から表示されている演出態様を推測する楽しみを提供することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図1227を参照して、特別図柄の大当たり当選変動において特殊演出が開始される場合の演出内容について説明する。図1227は、特別図柄の大当たり当選変動において特殊演出が開始される場合の特別図柄変動と装飾用可動役物Ym1,Ym2との関係を示したタイミングチャートである。図1227に示すとおり、特別図柄の変動種別として「当たりロングリーチ」が設定され、特別図柄の変動開始から12秒経過するまでは通常演出が実行される。そして、特別図柄の変動開始から12秒が経過すると、特殊演出が開始され、特殊演出の開始から3秒が経過すると装飾用可動役物Ym1,Ym2がスタンバイ状態に移行する。この場合、特殊演出の開始時点で、装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態に移行させる動作シナリオが設定されており、「当たりロングリーチ」の特別図柄の変動表示が停止したタイミングで装飾用可動役物Ym1,Ym2が報知状態となる。その後、大当たりオープニング期間中も装飾用可動役物Ym1,Ym2の報知状態が継続し、特別図柄の変動停止から2秒経過した時点で収納状態へと移行する。なお、第3図柄表示装置81では、特別図柄の変動表示が停止した地点で大当たり当選を報知する結果報知演出が表示される。この結果報知演出は、装飾用可動役物Ym1,Ym2が報知状態から収納状態へと移行する移行期間に遊技者が視認可能となり、装飾用可動役物Ym1,Ym2が収納状態への移行を完了すると、ショートオープニング演出が実行され、その後、大当たり中演出が開始される。
<第29制御例の第2変形例における電気的構成について>
次に、図1228~図1236を参照して、本第29制御例の第2変形例のパチンコ機10の電気的構成について説明する。図1228は、本第29制御例の第2変形例のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。上述した第29制御例に対して、装飾用可動役物Ym1,Ym2を駆動させるための駆動モータ700を追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。図1228に示すように、駆動モータ700は、音声ランプ制御装置113のMPU221の入出力ポート225に接続されている。駆動モータ700は、ステッピングモータである右駆動モータ700Raと左駆動モータ700Laで構成されており、音声ランプ制御装置113からの駆動コマンドを受けてそれぞれ駆動する。
<第29制御例の第2変形例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、図1229(a)を参照して、本第29制御例の第2変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の内容について説明をする。図1229(a)は、ROM222の規定内容を示したブロック図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、図1229(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222daBと、結果報知演出態様設定テーブル222dbBと、報知なし変動用動作シナリオテーブル222dcBと、報知あり変動用動作シナリオテーブル222ddBと、差し替え用動作シナリオテーブル222deBとが少なくとも記憶されている。
ここで、図1230を参照して、変動パターン選択テーブル222daBの内容について説明する。図1230は、変動パターン選択テーブル222daBの規定内容を示したブロック図である。変動パターン選択テーブル222daBは、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて、表示用変動パターン(第3図柄表示装置81において実行される第3図柄変動および当否判定結果を示唆するための変動演出)を設定するためのテーブルである。図1230に示す通り、本第29制御例の第2変形例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において参照される変動パターン選択テーブルとして通常用変動パターン選択Aテーブル222daB1と、通常用変動パターン選択Bテーブル222daB2と、確変状態(特別図柄の高確率状態)および時短状態(普通図柄の高確率状態)において参照される確変・時短用変動パターン選択テーブル222daB3とが規定されている。
ここで、本第29制御例の第2変形例では、通常状態において表示用変動パターンを選択する際に、第1入球口64への入賞頻度を判定し、その結果に基づいて異なるテーブルを参照する構成としている。より具体的には、音声ランプ制御装置113において実行される演出態様設定処理(図1245参照)において、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるか否かを判定し、入賞頻度低フラグ223dsがオンではないと判定した場合(S2452D:No)、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定され難いテーブルである通常用変動パターン選択Aテーブル222daB1を参照して表示用変動パターンが設定される。一方、入賞頻度低フラグ223dsがオンであると判定した場合に(S2452D:Yes)、発射停止中フラグ223djがオンでなければ(S2453D:No)、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定され易いテーブルである通常用変動パターン選択Bテーブル222daB2が参照される。
なお、入賞頻度低フラグ223dsは、音声ランプ制御装置113において、第1入球口64への入賞頻度が低いと判定された状態であることを示すためのフラグである。この入賞頻度低フラグ223dsは、音声ランプ制御装置113において実行される入賞頻度計測処理(図1164参照)において、60000ms(60秒)間に受信した入賞コマンド数が4未満である場合に、入賞頻度が低いと判定され、入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定される。一方、60000ms(60秒)間に受信した入賞コマンド数が5以上である場合に、入賞頻度が高いと判定され、入賞頻度低フラグ223dsがオフに設定される。
また、発射停止中フラグ223djは、遊技球が発射されていない状態であることを示すためのフラグである。この発射停止中フラグ223djは、音声ランプ制御装置113において実行される発射関連コマンド処理(図1172参照)において、主制御装置110から発射停止コマンド(遊技球の発射が停止中であることを通知するコマンド)を受信した場合にオンに設定される(S2672D)。一方、主制御装置110から発射開始コマンド(遊技球の発射が開始されたことを通知するコマンド)を受信した場合にオフに設定される(S2673D)。このように、入賞頻度が低い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し易い状態である場合)であって、遊技者が遊技球を発射している場合は、特別図柄が停止した後に遊技球が第1入球口64に入球する可能性がある状態であるため、疑似変動に対応する演出態様が選択され易く構成することで、特別図柄の停止後に保留球が存在しない場合であっても疑似変動によって遊技球が第1入球口64に入球するまでの時間を稼ぐことが可能となり、遊技者に保留球が途切れていることを認識させ難くすることができる。また、入賞頻度が高い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し難い状態である場合)には疑似変動に対応する演出態様が選択され難い構成であるため、相対的に疑似変動とは異なる演出態様が選択され易くなり、疑似変動に対応する演出態様が頻繁に実行されることで、演出が単調になり遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
図1231~図1233を参照して、各変動パターン選択テーブルの詳細な内容について説明する。まず、図1231を参照して、変動パターン選択テーブル222daBに規定されている通常用変動パターン選択Aテーブル222daB1の内容について説明する。図1231は、通常用変動パターン選択Aテーブル222daB1の内容を模式的に示した模式図である。上述したように、通常用変動パターン選択Aテーブル222daB1は、第1入球口64への遊技球の入賞頻度が高い場合に設定されるテーブルである。図1231に示す通り、通常用変動パターン選択Aテーブル222daB1は、第1演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した第1演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。なお、上述した第29制御例とは異なり、疑似変動の有無を「○×」で規定している。
より具体的には、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして大当たりA1とは表示される演出内容が異なる「当たりショートリーチA2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~74」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「75~149」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりロングリーチA1とは演出内容が異なる「当たりロングリーチA2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない。また、変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「150~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりロングリーチA1および当たりロングリーチA2とは異なる「当たりロングリーチA3」が設定される。この「当たりロングリーチA3」では、変動開始から12秒経過した時点で装飾用可動役物Ym1,Ym2を用いた疑似変動が実行される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「当たりスーパーリーチA2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れA1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れA1とは演出内容が異なる「完全外れA2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れB」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れB1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れB」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れB1とは演出内容が異なる「完全外れB2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れC」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れC1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れC」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れC1とは演出内容が異なる「完全外れC2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れD」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れD1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れD」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れD1とは演出内容が異なる「完全外れD2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れショートリーチA1とは演出内容が異なる「外れショートリーチA2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~94」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「95~89」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れロングリーチA1とは演出内容が異なる「外れロングリーチA2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。また、変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「190~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れロングリーチA3」が設定される。この「外れロングリーチA3」は、変動開始から12秒経過した時点で装飾用可動役物Ym1,Ym2を用いた疑似変動を実行する。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「外れスーパーリーチA2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。
このように、各変動パターン種別に対して複数の表示用変動パターンを設定可能に構成することで、変動時間や変動パターンの種別の情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制できる。
次に、図1232を参照して、変動パターン選択テーブル222daBに規定されている通常用変動パターン選択Bテーブル222daB2の内容について説明する。図1232は、通常用変動パターン選択Bテーブル222daB2の内容を模式的に示した模式図である。上述したように、通常用変動パターン選択Bテーブル222daB2は、第1入球口64への遊技球の入賞頻度が低く、遊技球が発射されている場合に設定されるテーブルである。図1232に示す通り、通常用変動パターン選択Bテーブル222daB2は、第1演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した第1演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。
より具体的には、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして大当たりA1とは表示される演出内容が異なる「当たりショートリーチA2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~49」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「50~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりロングリーチA1とは演出内容が異なる「当たりロングリーチA2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。また、変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA3」が設定される。この「当たりロングリーチA3」は、変動開始から12秒経過した時点で装飾用可動役物Ym1,Ym2を用いた疑似変動を実行する。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「当たりスーパーリーチA2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れA1」が設定される。この「完全外れA1」は、変動開始から12秒経過した時点で装飾用可動役物Ym1,Ym2を用いた疑似変動を実行する。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れB」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れB1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れB」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れB1とは演出内容が異なる「完全外れB2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れC」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れC1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れC」であり、痔1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れC1とは演出内容が異なる「完全外れC2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れD」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れD1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れD」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れD1とは演出内容が異なる「完全外れD2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れショートリーチA1とは演出内容が異なる「外れショートリーチA2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~49」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「50~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れロングリーチA1とは演出内容が異なる「外れロングリーチA2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。
また、変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れロングリーチA3」が設定される。この「外れロングリーチA3」は、変動開始から12秒経過した時点で装飾用可動役物Ym1,Ym2を用いた疑似変動を実行する。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れスーパーリーチAとは演出内容が異なる「外れスーパーリーチA2」が設定される。なお、どちらも疑似変動は実行されない表示用変動パターンである。
このように、通常用変動パターン選択Aテーブル222daB1(図1231参照)では、変動パターン種別が「完全外れA」である場合には、疑似変動ありの変動パターンが選択されないのに対して、通常用変動パターン選択Bテーブル222daB2では変動パターン種別が「完全外れA」である場合には必ず疑似変動ありの表示用変動パターンが設定される構成としている。上述したように、「完全外れ」は当否判定結果が外れである場合に最も選択されやすい変動種別であり、「完全外れA」は保留球数が0個の場合に設定される変動パターン種別である。従って、完全外れAは変動終了後に最も特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し易い変動パターンであると言える。このため、入賞頻度が低い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し易い状態である場合)であって、遊技者が遊技球を発射している場合において、完全外れAが設定された場合には必ず疑似変動ありの表示用変動パターンが選択されることで、特別図柄の停止から次の特別図柄の変動表示開始までに第3図柄が停止表示していることを装飾用可動役物Ym1,Ym2によって気付かせ難くすることができる。
また、入賞頻度が低い場合であっても保留球数が0個でない場合には他の表示用変動パターンが設定される構成であるため、入賞頻度が低い場合に疑似変動ありの表示用変動パターンばかりが設定されて遊技が単調になることを抑制することができる。また、入賞頻度が高い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し難い状態である場合)には疑似変動ありの表示用変動パターンが比較的選択され難い構成であるため、相対的に疑似変動とは異なる演出態様が選択され易くなり、疑似変動ありの表示用変動パターンが頻繁に選択されることで、演出が単調になり遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第29制御例の第2変形例では、入賞頻度が低い状態である場合に、遊技球の発射が停止されていない状態であれば、「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され易い通常用変動パターン選択Bテーブル222daB2を参照する構成としたが、これに限るものではなく、遊技球が発射されているか否かにかかわらず入賞頻度が低い状態である場合には「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され易い通常用変動パターン選択Bテーブル222daBを参照する構成としても良い。或いは、特別図柄の表示用変動パターンを設定する場合における保留球数に基づいて参照する通常用変動パターン選択テーブルを決定する構成としても良い。例えば、特別図柄の変動が開始される場合に保留球数が0個であれば「疑似変動ありの表示用変動パターン」が選択され易い通常用変動パターン選択Bテーブル222daB2を参照し、保留球数が1個以上あれば「疑似変動ありの表示用変動パターン」が選択され難い通常用変動パターン選択Aテーブル222daB1を参照する構成としても良い。このように構成することで、入賞頻度にかかわらず保留球が途切れる可能性がある場合には「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され易くなる。
また、入賞頻度ではなく、その他の条件が成立したことに基づいて通常用変動パターン選択テーブルを決定する構成としても良い。例えば、所定時間内における大当たり当選回数や、スーパーリーチAやロングリーチAの実行回数が所定回数以上である場合には、遊技者が十分に遊技を楽しんでいる状況であり、疑似変動を実行して特別図柄の変動表示が実行されていないことを気付かせ難くし遊技者が感じるストレスを緩和する必要性が低いため、「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され難い通常用変動パターン選択Aテーブル222daB1を参照する構成としても良い。
次に、図1233を参照して、変動パターン選択テーブル222daBに規定されている確変・時短用変動パターン選択テーブル222daB3の内容について説明する。図1233は、確変・時短用変動パターン選択テーブル222daB3の内容を模式的に示した模式図である。この確変・時短用変動パターン選択テーブル222daB3は、遊技状態として確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)または時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合における特別図柄の表示用変動パターンを設定するために参照されるテーブルである。
確変・時短用変動パターン選択テーブル222daB3は、第1演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、取得した第1演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。具体的には、変動パターン種別が「当たりショートリーチB」であり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチB1」(5秒の当たり変動)が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチB1」とは異なる「当たりショートリーチB2」(5秒の当たり変動)が設定される。
変動パターン種別が「当たりロングリーチB」であり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチB1」(10秒の当たり変動)が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチB1」とは異なる「当たりロングリーチB2」(10秒の当たり変動)が設定される。
変動パターン種別が「完全外れE」であり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れE1」(3秒の外れ変動)が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れE1」とは異なる「完全外れE2」(3秒の外れ変動)が設定される。
変動パターン種別が「外れショートリーチB」であり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチB1」(5秒の外れ変動)が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチB1」とは異なる「外れショートリーチB2」(3秒の当たり変動)が設定される。
このように、各変動パターン種別に対して複数の表示用変動パターンを設定可能に構成することで、変動時間や変動パターンの種別の情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、本第29制御例の第2変形例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合のみ疑似変動が実行される構成としたが、これに限るものではなく、確変状態または時短状態が設定されている場合においても疑似変動が実行される表示用変動パターンを規定しても良い。
次に、図1234を参照して、結果報知演出態様設定テーブル222dbBの内容について説明をする。図1234は、結果報知演出態様設定テーブル222dbBに規定されている内容を模式的に示した図である。結果報知演出態様設定テーブル222dbBは、疑似変動が開始された特別図柄の変動停止後に入賞口への新たな入賞に基づいて特別図柄の変動が開始される場合に実行される結果報知演出(図1222(b)参照)の演出態様を設定するために参照されるテーブルである。
結果報知演出態様設定テーブル222dbBは、第2演出カウンタ値CS2に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)に対応する演出態様がそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、取得した第2演出カウンタ値CS2に基づいて、詳細な結果報知演出の演出態様を選択する。具体的には、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Ab」が設定され、第2演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Bb」が設定される。「結果報知演出Ab」は、特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態とする演出態様であり、「結果報知演出Ab」が設定されると、動作シナリオ格納エリア223dcBに格納されている装飾用可動役物Ym1,Ym2の報知なし動作シナリオテーブル222dcBを、差し替え用動作シナリオテーブル222deBに差し替える。一方、「結果報知演出Bb」は、特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態としない演出態様であり、「結果報知演出Bb」が設定された場合は、動作シナリオテーブルの差し替えは実行されない。
変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が17秒の「結果報知演出Cb」が設定され、第2演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が17秒の「結果報知演出Db」が設定される。「結果報知演出Cb」は、特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態とする演出態様であり、「結果報知演出Cb」が設定されると、動作シナリオ格納エリア223dcBに格納されている装飾用可動役物Ym1,Ym2の報知なし動作シナリオテーブル222dcBを、差し替え用動作シナリオテーブル222deBに差し替える。一方、「結果報知演出Db」は、特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態としない演出態様であり、「結果報知演出Db」が設定された場合は、動作シナリオテーブルの差し替えは実行されない。
変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が30秒の「結果報知演出Eb」が設定される。この「結果報知演出Eb」は、特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態とする演出態様であり、「結果報知演出Eb」が設定されると、動作シナリオ格納エリア223dcBに格納されている装飾用可動役物Ym1,Ym2の報知なし動作シナリオテーブル222dcBを、差し替え用動作シナリオテーブル222deBに差し替える。
変動パターン種別が「完全外れA」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が17秒の「結果報知演出Fb」が設定される。この「結果報知演出Fb」は特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態としない演出態様であり、「結果報知演出Fb」が設定された場合は、動作シナリオテーブルの差し替えは実行されない。変動パターン種別が「完全外れB」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が8秒の「結果報知演出Gb」が設定される。この「結果報知演出Gb」は特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態としない演出態様であり、「結果報知演出Gb」が設定された場合は、動作シナリオテーブルの差し替えは実行されない。変動パターン種別が「完全外れC」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出Hb」が設定される。この「結果報知演出Hb」は特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態としない演出態様であり、「結果報知演出Hb」が設定された場合は、動作シナリオテーブルの差し替えは実行されない。変動パターン種別が「完全外れD」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が3秒の「結果報知演出Ib」が設定される。この「結果報知演出Ib」は特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態としない演出態様であり、「結果報知演出Ib」が設定された場合は、動作シナリオテーブルの差し替えは実行されない。
変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Jb」が設定され、第2演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Kb」が設定される。「結果報知演出Jb」は、特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態とする演出態様であり、「結果報知演出Jb」が設定されると、動作シナリオ格納エリア223dcBに格納されている装飾用可動役物Ym1,Ym2の報知なし動作シナリオテーブル222dcBを、差し替え用動作シナリオテーブル222deBに差し替える。一方、「結果報知演出Kb」は、特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態としない演出態様であり、「結果報知演出Kb」が設定された場合は、動作シナリオテーブルの差し替えは実行されない。
変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が17秒の「結果報知演出Lb」が設定され、第2演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が17秒の「結果報知演出Mb」が設定される。「結果報知演出Lb」は、特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態とする演出態様であり、「結果報知演出Lb」が設定されると、動作シナリオ格納エリア223dcBに格納されている装飾用可動役物Ym1,Ym2の報知なし動作シナリオテーブル222dcBを、差し替え用動作シナリオテーブル222deBに差し替える。一方、「結果報知演出Mb」は、特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態としない演出態様であり、「結果報知演出Mb」が設定された場合は、動作シナリオテーブルの差し替えは実行されない。
変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が13秒の「結果報知演出Nb」が設定される。「結果報知演出Nb」は、特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2を報知状態とする演出態様であり、「結果報知演出Nb」が設定されると、動作シナリオ格納エリア223dcBに格納されている装飾用可動役物Ym1,Ym2の報知なし動作シナリオテーブル222dcBを、差し替え用動作シナリオテーブル222deBに差し替える。
このように構成することで、すでにスタンバイ状態となっている装飾用可動役物Ym1,Ym2が、新たに開始された特別図柄の当否判定結果に対応する動作を実行可能となり、特殊演出の実行期間中に特別図柄の変動表示が複数回実行されていることを遊技者に気付かせ難くすることができる。
次に、図1235~図1236を参照して、装飾用可動役物Ym1,Ym2の各動作シナリオテーブルの内容について説明する。図1235(a)は、装飾用可動役物Ym1,Ym2の動作シナリオのうち、報知なし変動用動作シナリオテーブル222dcBの内容を模式的に示した図である。図1235(a)に示す通り、報知なし変動用動作シナリオテーブル222dcBは、シナリオカウンタ223dbBの値に対して、右駆動用モータ700Ra、左駆動用モータ700LaおよびLEDの動作データ(動作内容)が規定されていると共に、その段階における装飾用可動役物Ym1,Ym2の状態が示されている。この報知なし変動用動作シナリオテーブル222dcBは、疑似変動が開始された特別図柄の当否判定結果が大当たり当選ではない場合に設定される動作シナリオである。
なお、シナリオカウンタ223dbBは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたカウンタであり、予め規定されたタイミングで装飾用可動役物Ym1,Ym2の各駆動モータの動作データを設定するために用いられる。このシナリオカウンタ223dbBのカウンタ値は、後述する液晶演出実行管理処理(図1239参照)の疑似変動実行中処理(S2246D)において1加算される。詳細は後述するが、この液晶演出実行管理処理は、音声ランプ制御装置113のメイン処理において1ms毎に実行される処理である(図1237参照)。従って、シナリオカウンタ223dbBのカウンタ値は1ms毎に1加算される。本第29制御例の第2変形例では、疑似変動実行フラグ223dgがオンに設定された場合に音声ランプ制御装置113によりシナリオカウンタ223dbBのカウントが開始され、シナリオカウンタ223dbBの値が動作シナリオに規定された値となった場合に、対応する動作データが設定される。
右駆動用モータ動作データおよび左駆動用モータ動作データのステップ数は、右駆動用モータ700Raおよび左駆動用モータ700Laの回転ステップ数を示し、スピードは、右駆動用モータ700Raおよび左駆動用モータ700Laのステッピングモータを動作させるスピードが規定されている。なお、ステップ数の「+(正方向)」と「-(逆方向)」はモータを回転させる方向を示しており、正方向は、ステップカウンタを加算して更新する方向にモータを回転させ、逆方向は、ステップカウンタを減算して更新する方向にモータを回転させる。本第29制御例の第2変形例における右駆動用モータ700Raは、正方向が設定されると時計回り、逆方向が設定されると反時計回りに回転する。左駆動用モータ700Laは、正方向が設定されると反時計回り、逆方向が設定されると時計回りに回転する。
また、本第29制御例の第2変形例では、スピードが1である場合には、1ms毎にステッピングモータが励磁されるスピード(高速)となり、スピードが2である場合には、2ms毎にステッピングモータが励磁されるスピード(中速)となり、スピードが3である場合には、3ms毎にステッピングモータが励磁されるスピード(中低速)となり、スピードが4である場合には、4ms毎にステッピングモータが励磁されるスピード(低速)となっている。つまり、スピード1が最も早い速度で設定されることとなり、スピード2は、スピード1の1/2のスピード、スピード3は、スピード1の1/3のスピード、スピード4は、スピード1の1/4のスピードとなっている。
また、装飾用可動役物位置は、シナリオカウンタ223dbBの値に対応する動作データを設定する時点における装飾用可動役物Ym1,Ym2の状態を示している。疑似変動が開始されると、シナリオカウンタ223dbBのカウントが開始される。そして、シナリオカウンタ223dbBの値が「3000」になると、右駆動用モータ動作データとしてステップ数+200とスピード4が設定され、左駆動用モータ動作データとしてステップ数-200とスピード4が設定される。これにより、右駆動用モータ700Raが、ステップカウンタ値200になるまで時計回りにスピード4の速さで回転を開始し、左駆動用モータ700Laがステップカウンタ値200になるまで反時計回りにスピード4の速さで回転を開始する。本第29制御例の第2変形例では、右駆動用モータ700Raおよび左駆動用モータ700Laのステッピングモータは、ステップカウンタの値が0の位置(原点位置)を収納位置、ステップカウンタの値が200の位置で装飾用可動役物Ym1,Ym2がスタンバイ状態となるように構成している。なお、本第29制御例の第2変形例では、ステップカウンタ0から200までスピード4で駆動するのに要する時間は1000msで設定している。
シナリオカウンタ値「8000」には、「判別タイミング」であることを示す情報が規定されている。「判別タイミング」とは、図1224に示す装飾用可動役物Ym1,Ym2の動作シナリオを差し替えるためのシナリオ差し替えフラグ223daBがオンに設定されているかを判別するタイミングである。この「判別タイミング」情報が規定されていることにより、シナリオ差し替えの判別タイミングであることを容易に判断することができる。
シナリオカウンタ223dbBの値が「8001」になると、右駆動用モータ動作データとしてステップ数-200とスピード4が設定され、左駆動用モータ動作データとしてステップ数+200とスピード4が設定される。これにより、右駆動用モータ700Raが、ステップカウンタ値0になるまで反時計回りにスピード4の速さで回転を開始し、左駆動用モータ700Laがステップカウンタ値0になるまで時計回りにスピード4の速さで回転を開始する。そして、シナリオカウンタ値8001の時点から1000msが経過し、シナリオカウンタ223dbBの値が「9000」になると、右駆動用モータ700Raおよび左駆動用モータ700Laのステップ数が0となり、装飾用可動役物Ym1,Ym2は収納状態となる。なお、シナリオカウンタ値「9000」は報知なし変動用動作シナリオテーブル222dcBの終了時期であるため、ENDデータが規定されている。このENDデータが規定されていることにより、動作シナリオの終了タイミングか否かを容易に判断することができる。
次に、図1235(b)を参照して、報知あり変動用動作シナリオテーブル222ddBの内容について説明する。図1235(b)は、装飾用可動役物Ym1,Ym2の動作シナリオのうち、報知あり変動用動作シナリオテーブル222ddBの内容を模式的に示した図である。この報知あり変動用動作シナリオテーブル222ddBは、疑似変動が開始された特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合に設定される動作シナリオである。
疑似変動が開始されると、シナリオカウンタ223dbBのカウントが開始される。そして、シナリオカウンタ223dbBの値が「3000」になると、右駆動用モータ動作データとしてステップ数+200とスピード4が設定され、左駆動用モータ動作データとしてステップ数-200とスピード4が設定される。これにより、右駆動用モータ700Raが、ステップカウンタ値200になるまで時計回りにスピード4の速さで回転を開始し、左駆動用モータ700Laがステップカウンタ値200になるまで反時計回りにスピード4の速さで回転を開始する。シナリオカウンタ223dbBの値が「4999」になるとLEDの動作データとして発光が設定される。これにより、装飾用可動役物Ym1,Ym2が発行し、報知状態となる。シナリオカウンタ223dbBの値が「7000」になると、右駆動用モータ動作データとしてステップ数-200とスピード4が設定され、左駆動用モータ動作データとしてステップ数+200とスピード4が設定される。これにより、右駆動用モータ700Raが、ステップカウンタ値0になるまで反時計回りにスピード4の速さで回転を開始し、左駆動用モータ700Laがステップカウンタ値0になるまで時計回りにスピード4の速さで回転を開始する。また、LEDの動作データとして消灯が設定される。そして、シナリオカウンタ値7000の時点から1000msが経過し、シナリオカウンタ223dbBの値が「8000」になると、右駆動用モータ700Raおよび左駆動用モータ700Laのステップ数が0となり、装飾用可動役物Ym1,Ym2は収納状態となる。なお、シナリオカウンタ値「8000」は報知あり変動用動作シナリオテーブル222ddBの終了時期であるため、ENDデータが規定されている。このENDデータが規定されていることにより、動作シナリオの終了タイミングか否かを容易に判断することができる。
次に、図1236を参照して、差し替え用動作シナリオテーブル222deBの内容について説明する。図1236は、装飾用可動役物Ym1,Ym2の動作シナリオのうち、差し替え用動作シナリオテーブル222deBの内容を模式的に示した図である。この差し替え用動作シナリオテーブル222deBは、疑似変動が開始された特別図柄の変動停止後に、新たに特別図柄の変動表示が開始され、特定の結果報知演出態様が設定された場合に設定される動作シナリオである。動作シナリオ格納エリア223dcBに格納されている動作シナリオテーブルが差し替え用動作シナリオテーブル222deBに差し替えられても、シナリオカウンタ223dbBのカウンタ値はリセットされないため、差し替え用動作シナリオ222deBの動作シナリオが開始された時点で装飾用可動役物Ym1,Ym2はスタンバイ状態となっている。
シナリオカウンタ223dbBの値が「8001」になるとLEDの動作データとして発光が設定される。これにより、装飾用可動役物Ym1,Ym2が発行し、報知状態となる。シナリオカウンタ223dbBの値が「10000」になると、右駆動用モータ動作データとしてステップ数-200とスピード4が設定され、左駆動用モータ動作データとしてステップ数+200とスピード4が設定される。これにより、右駆動用モータ700Raが、ステップカウンタ値0になるまで反時計回りにスピード4の速さで回転を開始し、左駆動用モータ700Laがステップカウンタ値0になるまで時計回りにスピード4の速さで回転を開始する。また、LEDの動作データとして消灯が設定される。そして、シナリオカウンタ値10000の時点から1000msが経過し、シナリオカウンタ223dbBの値が「11000」になると、右駆動用モータ700Raおよび左駆動用モータ700Laのステップ数が0となり、装飾用可動役物Ym1,Ym2は収納状態となる。なお、シナリオカウンタ値「11000」は差し替え用動作シナリオテーブル222deBの終了時期であるため、ENDデータが規定されている。このENDデータが規定されていることにより、動作シナリオの終了タイミングか否かを容易に判断することができる。
次に、図1229(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図1229(b)に示すように、本第29制御例の第2変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第29制御例に対して、シナリオ差し替えフラグ223daBと、シナリオカウンタ223dbBと、動作シナリオ格納エリア223dcBを新たに追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
シナリオ差し替えフラグ223daBは、疑似変動の実行中に新たに開始された特別図柄の演出態様として、装飾用可動役物Ym1,Ym2の動作シナリオ差し替えありの演出態様が設定された場合にオンに設定されるフラグである。このシナリオ差し替えフラグ223daBがオンに設定されている場合には、疑似変動実行中処理(図1241参照)において、動作シナリオ差し替え処理(S2737D)が実行され、動作シナリオの差し替えが終了するとオフに設定される。
シナリオカウンタ223dbBは、予め規定されたタイミングで装飾用可動役物Ym1,Ym2の各駆動モータの動作データを設定するために用いられるカウンタである。このシナリオカウンタ223dbBのカウンタ値は、後述する液晶演出実行管理処理(図1239参照)の疑似変動実行中処理(S2246D)において1加算され、動作シナリオのENDデータを取得した場合にリセットされる。
動作シナリオ格納エリア223dcBは、装飾用可動役物Ym1,Ym2の動作シナリオテーブルを格納するためのエリアである。
<第29制御例の第2変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図1237~図1249を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。なお、電源投入時の立ち上げ処理については上述した第29制御例と同一であるため、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
まず、図1237を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図1237は、このメイン処理を示したフローチャートである。上述した第29制御例におけるメイン処理に対して、保留個数表示更新処理(S2106D)に代えて保留個数表示更新処理(S2121D)を、液晶演出実行管理処理(S2110D)に代えて液晶演出実行管理処理(S2122D)を、コマンド判定処理(S2112D)に代えてコマンド判定処理(S2123D)を実行する点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、または前回S2101Dの処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したかを判別し(S2101D)、1ミリ秒以上経過していなければ(S2101D:No)、S2102D~S2105D、S2121D、S2107D~S2109D、S2122DおよびS2111Dの処理を行わずにS2123Dの処理へ移行する。S2101Dの処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S2102D~S2105D、S2121D、S2107D~S2109D、S2122DおよびS2111Dが主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2123Dのコマンド判定処理や、S2113Dの変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2123Dの処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2113Dの処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101Dの処理で1ミリ秒以上経過していれば(S2101D:Yes)、まず、S2103D~S2105D、S2121D、S2107D~S2109D、S2122D、S2111D、S2123DおよびS2113Dの処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102D)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108Dの処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103D)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104D)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105Dの処理へ移行する。
S2105Dの処理では客待ち演出処理を実行する(S2106D)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定が行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。客待ち演出処理が終わると、保留個数表示更新処理を実行する(S2121D)。保留個数表示更新処理(S2121D)では、主制御装置110から受信した保留球数コマンドに対応する保留図柄を第3図柄表示装置81に表示するための処理を行う。この保留個数表示更新処理(S2121D)の内容については、図1238を参照して後述する。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107D)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2108D)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109D)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2109Dの処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S2122D)、S2111Dの処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2108Dのランプ編集処理が実行される。なお、S2109Dの音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。液晶演出実行管理処理の内容については、図1239を参照して後述する。液晶演出実行管理処理が終わると、入賞頻度計測処理を実行する(S2111D)。この入賞頻度計測処理(S2111D)は、所定期間(本第29制御例では60秒間)に受信した入賞コマンド数に基づいて、遊技球が第1入球口64へ入賞する頻度の高低を判定するための処理である。本第29制御例の第2変形例では、この判定結果に基づいて、疑似変動ありの表示用変動パターンが選択され易い変動パターン選択テーブルを参照するか否かを決定する。
入賞頻度計測処理が終わると、コマンド判定処理を実行する(S2123D)。コマンド判定処理(S2123D)では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行う。このコマンド判定処理の詳細については、図1243を参照して後述する。コマンド判定処理が終わると、変動表示設定処理が実行される(S2113D)。変動表示設定処理は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である。
S2113Dの処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2114D)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2114Dの処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2114D:Yes)、電源断フラグおよび電源断処理中フラグを共にオンして(S2116D)、電源断処理を実行する(S2117D)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2118D)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。一方、S2114Dの処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2114D:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているかを判別し(S2115D)、RAM223が破壊されていなければ(S2115D:No)、S2101Dの処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2115D:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員を呼びパチンコ機10の修復を頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図1238を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留個数表示更新処理(S2121D)について説明する。図1238は、この保留個数表示更新処理(S2121D)を示したフローチャートである。この保留個数表示更新処理(S2121D)は、上述した第29制御例における保留個数表示更新処理に対して、疑似保留図柄の表示に関連する処理を削除した点で相違している。保留個数表示更新処理が実行されると、まず、特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納されている保留球数に変化があるかを判別する(S2141D)。保留球数に変化があると判別した場合には(S2141D:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納されている保留球数に基づく表示用保留球数コマンドを設定する。
S2141Dの処理において、保留球数に変化がないと判別した場合には(S2141D:No)、主制御装置110からの入賞コマンドを受信したかを判別する(S2150D)。入賞コマンドを受信したと判別した場合には(S2150D:Yes)、保留球数表示エリアDs2に表示されている保留図柄の最後尾に新たな保留図柄を表示させる入球演出を実行させるための表示用コマンドを設定する(S2152D)。一方、S2150Dの処理において、入賞コマンドを受信していないと判別した場合には(S2150D:No)、S2152Dの処理をスキップし、S2144Dの処理へ移行する。このように構成することで、特別図柄の変動開始と第1入球口64への遊技球の入賞が同時となった場合のように、保留球のシフトが実行されても保留球数に変化がない場合に、第3図柄表示装置81における保留図柄の表示を更新させることができる。
S2144Dの処理では、主制御装置110からの変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S2144D)、変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S2144D:Yes)、保留球数表示エリアDs2の第1保留エリア(図1118の台座m1)から実行エリアDs1へ保留図柄がシフトする移行演出を実行させるための表示用コマンドを設定する(S2146D)。一方、S2144Dの処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S2144D:No)、S2146Dの処理をスキップし、S2147Dの処理へ移行する。S2147Dの処理では、主制御装置110からの停止コマンドを受信したかを判別する(S2147D)。停止コマンドを受信したと判別した場合には(S2147D:Yes)、実行エリアDs1に表示されている保留図柄を消去する表示用コマンドを設定する(S2149D)。一方、S2147Dの処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合には(S2147D:No)、S2149Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
次に、図1239を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される液晶演出実行管理処理(S2122D)について説明する。図1239は、この液晶演出実行管理処理(S2122D)を示したフローチャートである。この液晶演出実行管理処理(S2122D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1237参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81で行われる疑似変動に関連するカウンタの値を更新する処理や装飾用可動役物Ym1,Ym2の動作データの設定処理が実行され、疑似変動の開始終了を管理するための処理が実行される。
液晶演出実行管理処理が実行されると、まず、疑似変動実行フラグ223dgがオンであるかを判別する(S2231D)。疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動が実行されていない場合)には(S2231D:No)、疑似変動待機フラグ223drがオンであるかを判別する(S2232D)。疑似変動待機フラグ223drがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動ありの特別図柄の変動が実行されていない場合)には(S2232D:No)、S2233D~S2234DおよびS2245Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
S2232Dの処理において、疑似変動待機フラグ223drがオンであると判別した場合(即ち、疑似変動ありの特別図柄の変動が実行されている場合)には(S2232D:Yes)、疑似変動開始タイマ223dpの値を1減算する(S2233D)。次に、S2233Dの処理において、減算された疑似変動開始タイマ223dpの値が0であるか否かを判別し(S2234D)、0でないと判別した場合には(S2234D:No)、疑似変動の開始タイミングではないため、S2235Dの処理をスキップし、本処理を終了する。一方、S2234Dの処理において、疑似変動開始タイマ223drの値が0であると判別した場合には(S2234D:Yes)、疑似変動開始処理を実行する(S2245D)。この疑似変動開始処理(S2245D)の詳細な説明については、図1240を参照して後述する。
S2231Dの処理において、疑似変動実行フラグ223dgがオンである(即ち、疑似変動の実行期間中である)と判別した場合には(S2231D:Yes)、疑似変動実行中処理を実行する(S2246D)。この疑似変動実行中処理の詳細な説明については、図1241を参照して後述する。S2246Dの処理が終了すると、本処理を終了する。
なお、本第29制御例の第2変形例では、疑似変動開始タイマ223dpのタイマ値が0になると自動的に疑似変動が開始される構成としたが、これに限るものではない。例えば、疑似変動開始タイマ223dpのタイマ値が2000となった場合に、疑似変動を実行するか否かを遊技者に枠ボタン22を操作することで選択させる演出を実行し、遊技者が実行しないことを選択した場合には疑似変動を実行せず、装飾用可動役物Ym1,Ym2もスタンバイ状態に移行させない構成としても良い。このように構成することで、疑似変動が短期間に連続して実行される状況となっても、遊技者の好みに合わせた演出を提供することが可能となるため、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、図1240を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される疑似変動開始処理(S2245D)について説明する。図1240は、この疑似変動開始処理(S2245D)を示したフローチャートである。この疑似変動開始処理(S2245D)は、上述した第29制御例における疑似変動開始処理に対して、装飾用可動役物Ym1,Ym2の動作シナリオを設定する処理を追加している点で相違する。疑似変動開始処理(S2245D)が実行されると、まず、疑似変動残時間タイマ223dhに「10000(ms)」を設定する(S2801D)。そして、疑似変動実行フラグ223dgをオンに設定し(S2802D)、疑似変動待機フラグ223drをオフに設定する(S2803D)。
S2803Dの処理が終了すると、変動表示中の特別図柄の当否判定結果は大当たりであるかを判別する(S2809D)。大当たりではない(即ち、外れである)と判別した場合には(S2809D:No)、報知なし変動用動作シナリオテーブル222dcBを動作シナリオ格納エリア223dcBに設定(格納)し(S2810D)、報知なし動作シナリオに対応する音声データを設定する(S2811D)。一方、S2809Dの処理において、当否判定結果が大当たりであると判別した場合には(S2809D:Yes)、報知あり変動用動作シナリオテーブル222ddBを動作シナリオ格納エリア223dcBに設定(格納)し(S2812DD)、報知あり動作シナリオに対応する音声データを設定する(S2813D)。本第29制御例の第2変形例では、装飾用可動役物Ym1,Ym2によって第3図柄表示装置81が視認困難となるため、特殊演出の実行期間は、音声による演出情報の案内を行う。S2811DまたはS2813Dの処理が終了すると、表示制御装置114に対して導入演出を表示するための表示用コマンドを設定し(S2814D)、本処理を終了する。
次に、図1241を参照して、疑似変動実行中処理(S2446D)の内容について説明する。図1241は、疑似変動実行中処理を示したフローチャートである。この疑似変動実行中処理(S2446D)は、シナリオカウンタ値の更新と装飾用可動役物Ym1,Ym2の動作データを設定するための処理である。疑似変動実行中処理(S2446D)が事項されると、まず、疑似変動残時間タイマ223dhの値が0であるかを判別する(S2731D)。疑似変動残時間タイマ223dhの値が0である場合には(S2731D:Yes)、疑似変動の終了タイミングであるため、疑似変動終了を示す表示用コマンドを設定し(S2732D)、疑似変動実行フラグ223dgをオフに設定し(S2733D)、本処理を終了する。一方、S2731Dの処理において、疑似変動残時間タイマ223dhの値が0ではないと判別した場合には(S2731D:No)、シナリオカウンタ223dbBのカウンタ値に対応する動作データを設定する(S2734D)。
次に、シナリオカウンタ223dbBの値に基づいて判別タイミングであるかを判別する(S2735D)。判別タイミングとは、装飾用可動役物Ym1,Ym2の動作シナリオを差し替えるか否かを判別するタイミングのことを指す。判別タイミングであるか否かの判別は、シナリオカウンタ値が報知なし変動用動作シナリオテーブル222dcBに規定されている判別タイミングに対応する値(本第29制御例の第2変形例では、8000)であるかによって行う。
S2735Dの処理において、判別タイミングであると判別した場合には(S2735D:Yes)、シナリオ差し替えフラグ223daBがオンであるかを判別する(S2736D)。シナリオ差し替えフラグ223daBがオンであると判別した場合には(S2736D:Yes)、動作シナリオ差し替え処理を実行し(S2737D)、シナリオカウンタ223dbBのカウンタ値に1加算して(S2738D)、本処理を終了する。なお、動作シナリオ差し替え処理(S2737D)の詳細な説明については、図1242を参照して後述する。一方、S2736Dの処理において、シナリオ差し替えフラグ223daBがオンではないと判別した場合には(S2736D:No)、S2737Dの処理をスキップし、S2738Dの処理に移行する。
S2735Dの処理において、判別タイミングではないと判別した場合には(S2735D:No)、シナリオカウンタ223dbBのカウンタ値が動作シナリオのEND情報に対応する値であるかを判別する(S2739D)。END情報に対応する値ではないと判別した場合には(S2739D:No)、S2738Dの処理に移行する。
一方、S2739Dの処理において、END情報に対応する値であると判別した場合には(S2739D:Yes)、動作シナリオ格納エリア223dcBをクリアし(S2740D)、シナリオカウンタ223dbBのカウンタ値をクリアして(S2741D)、本処理を終了する。
次に、図1242を参照して、動作シナリオ差し替え処理(S2737D)の内容について説明する。図1242は、動作シナリオ差し替え処理を示したフローチャートである。動作シナリオ差し替え処理(S2737D)が実行されると、まず、動作シナリオ格納エリア223dcBに設定されている動作シナリオテーブルを破棄し(S2841D)、動作シナリオ格納エリア223dcBに差し替え用動作シナリオテーブル222deBを設定(格納)する(S2842D)。そして、差し替え用動作シナリオに対応する音声データを設定し(S2843D)、シナリオ差し替えフラグ223daBをオフに設定し(S2844D)、本処理を終了する。
次に、図1243を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2123D)について説明する。図1243は、このコマンド判定処理(S2123D)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2123D)は、上述した第29制御例におけるコマンド判定処理(S2112D)に対して、変動パターン設定処理(S2202D)に代えて変動パターン設定処理(S2219D)を、停止処理(S2215D)に代えて停止処理(S2220D)実行する点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理(S2123D)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したかを判別する(S2201D)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2201D:Yes)、変動パターン設定処理(S2219D)が実行される。変動パターン設定処理(S2219D)の詳細は、図1244を参照して後述する。S2219Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S2201D:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したかを判別する(S2203D)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S2203D:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dbをオンに設定し(S2204D)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S2205D)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述する変動表示設定処理(図1176参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S2203D:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したかを判別する(S2206D)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S2206D:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納する(S2207D)。S2207Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、または、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、または、特別図柄の抽選が行われる毎に、S2207Dの処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223dbの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値に合わせることができる。よって、ノイズの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値に合わせることができる。
S2206Dの処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S2206D:No)、次いで、主制御装置110より大当たり関連コマンド(オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンド)を受信したかを判別する(S2208D)。そして、大当たり関連コマンドを受信した場合には(S2208D:Yes)、大当たり関連処理(S2209D)を実行する。S2209Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。S2208Dの処理において、大当たり関連コマンドを受信していない場合には(S2208D:No)、次いで、主制御装置110より入賞コマンドを受信したかを判別する(S2210D)。そして、入賞コマンドを受信した場合には(S2210D:Yes)、入賞コマンド処理(S2211D)を実行する。S2211Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。S2210Dの処理において、入賞コマンドを受信していない場合には(S2210D:No)、次いで、主制御装置110より発射関連コマンド(発射開始コマンド、発射停止コマンド)を受信したかを判別する(S2212D)。そして、発射関連コマンドを受信した場合には(S2212D:Yes)、発射関連コマンド処理(S2213D)を実行する。S2213Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。
S2212Dの処理において、発射関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S2212D:No)、次いで、主制御装置110より停止コマンドを受信したかを判別する(S2214D)。そして、停止コマンドを受信した場合には(S2214D:Yes)、停止処理(S2220D)を実行する。停止処理(S2220D)の詳細は、図1247を参照して後述する。S2220Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。一方、S2214Dの処理において、停止コマンドを受信していない場合には(S2214D:No)、その他のコマンドを受信したかを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2216D)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図1244を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン設定処理(S2219D)について説明する。図1244は、この変動パターン設定処理(S2219D)を示したフローチャートである。この変動パターン設定処理(S2219D)は、上述した第29制御例における変動パターン設定処理(S2202D)に対して、演出態様設定処理(S2425D)に代えて演出態様設定処理(S2429D)を、特殊演出追加設定処理(S2426D)に代えて特殊演出追加設定処理(S2430D)を実行する点で相違している。変動パターン設定処理(S2219D)では、まず、第1演出カウンタ223deおよび第2演出カウンタ223dfのカウンタ値を取得し(S2421D)、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドから変動パターンを抽出する(S2422D)。その後、疑似変動実行フラグ223dgがオンであるか否かを判別する(S2423D)。そして、疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合には(S2423D:No)、変動開始フラグ223dbをオンに設定し(S2424D)、演出態様設定処理(S2429D)を実行する。演出態様設定処理(S2429D)の詳細は、図1245を参照して後述する。S2429Dの処理が終了すると、本処理を終了する。一方、S2423Dの処理において、疑似変動実行フラグ223dgがオンであると判別した場合には(S2423D:Yes)、特殊演出追加設定処理(S2430D)を実行する。特殊演出追加設定処理(S2430D)の詳細は、図1246を参照して後述する。S2430Dの処理が終了すると、本処理を終了する。
ここで、疑似変動実行フラグ223dgは、上述した疑似変動開始処理(S2245D)においてオンに設定され、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が0になった場合に、オフに設定される。即ち、疑似変動実行フラグ223dgがオンに設定されている場合には、疑似変動が実行中であることを示しており、本第29制御例の第2変形例においては、特別図柄の変動が開始される時点で疑似変動が実行中である場合には、疑似変動中に実行されている特殊演出の演出態様を、新たに変動が開始される特別図柄の当否判定結果に対応する演出態様に更新させるための処理が実行される。このように、特別図柄の変動が開始される時点で疑似変動実行フラグ223dgがオンであるか否かによって異なる演出態様の設定処理が実行されるため、疑似変動の途中で新たな特別図柄の変動表示が開始される場合には、その特別図柄の当否判定結果に対応する追加演出を設定可能であり、特殊演出を途中で打ち切らずに新たに開始される特別図柄変動に対応する演出を実行することができる。
次に、図1245を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出態様設定処理(S2429D)について説明する。図1245は、この演出態様設定処理(S2429D)を示したフローチャートである。この演出態様設定処理(S2429D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン設定処理(図1244参照)の中で実行され、疑似変動が実行されていない場合に、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81において実行される変動演出の演出態様を設定するための処理である。演出態様設定処理では、まず、設定されている遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)であるかを判別する(S2451D)。具体的には、受信した変動パターンコマンドから抽出した変動パターンが、通常状態で選択される変動パターンであるか、確変状態または時短状態で選択される変動パターンであるかによって遊技状態を判別する。通常状態が設定されていない(即ち、確変状態または時短状態が設定されている)と判別した場合には(S2451D:No)、図1244のS2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deの値と、図1244のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別に基づいて、確変・時短用変動パターン選択テーブル222daB3(図1233参照)から表示用変動パターンを設定し(S2465D)、本処理を終了する。なお、本第29制御例の第2変形例では、受信した変動パターンコマンドから抽出した変動パターンの種別によって遊技状態を判別する構成としたが、これに限るものではなく、主制御装置110で遊技状態が変更された場合に変更後の遊技状態を示す状態コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、音声ランプ制御装置113では受信した状態コマンドから新たに設定された遊技状態に対応する情報を抽出し、抽出した情報を記憶するための状態記憶領域に格納し、格納された情報を参照して遊技状態を判別する構成としても良い。
一方、S2451Dの処理において、通常状態が設定されていると判別した場合には(S2451D:Yes)、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるかを判別する(S2452D)。入賞頻度低フラグ223dsがオンであると判別した場合(即ち、入賞頻度が低い状態である場合)には(S2452D:Yes)、発射停止中フラグ223djがオンであるかを判別する(S2453D)。発射停止中フラグ223djがオンである(即ち、遊技球が発射されていない状態である)と判別した場合(即ち、遊技球が発射されていない状態である場合)には(S2453D:Yes)、図1244のS2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deの値と、図1244のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別に基づいて、通常用変動パターン選択Aテーブル222daB1(図1231参照)から表示用変動パターンを設定し(S2463D)、S2455Dの処理へ移行する。一方、S2453Dの処理において、発射停止中フラグ223djがオンではないと判別した場合(即ち、遊技球が発射されている状態である場合)には(S2453D:No)、図1244のS2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deの値と、図1244のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別に基づいて、通常用変動パターン選択Bテーブル222daB2(図1232参照)から表示用変動パターンを設定し(S2464D)、S2455Dの処理へ移行する。
なお、上述したように、通常用変動パターン選択Bテーブル222daB2では、通常用変動パターン選択Aテーブル222daB1に比べて、変動パターン種別が「完全外れA」である場合には必ず疑似変動ありの表示用変動パターンが選択され、「当たりロングリーチ」または「外れロングリーチ」の場合に疑似変動ありの表示用変動パターンが選択される割合が高く設定されている。「完全外れ」は当否判定結果が外れである場合に最も選択され易い変動種別であり、その中で「完全外れA」は保留球数が0個の場合に選択される変動パターンである。つまり、遊技球が第1入球口64に入賞する頻度が低く、遊技者が遊技球を発射している状態であって保留球数が0個の場合には、疑似変動が設定され易く構成している。
遊技球の発射を継続しているにもかかわらず保留球数が0個の場合、特別図柄の変動停止から次の特別図柄の変動開始までに第3図柄が変動表示されていない状態を挟むことで遊技のテンポが悪くなり、遊技者にストレスを与える虞があるが、このように構成することで、入賞頻度が低く遊技者が遊技球の発射を継続していても保留球が途切れ易い状態である場合に疑似変動が実行され易くなり、保留個数0個の状態で開始された特別図柄の変動中に遊技球が入賞しなくても疑似変動中に入賞すれば見た目上はテンポ良く第3図柄変動が実行されるため、特別図柄が変動表示されていない状態であったことを遊技者に気付かせ難くすることが可能となり、遊技者が感じるストレスを緩和することができる。一方、保留球数が0個の場合であって遊技者が遊技球を発射していない状況とは、遊技者が休憩のため遊技を中断しようとしている場合が考えられる。このような場合、大当たり変動を見逃さないように実行中の特別図柄の当否判定結果が判明してから遊技台を離れる遊技者が多いため、外れ変動で疑似変動が実行されると、早く休憩したい遊技者を外れが確定するまで待たせることになり、却って遊技者にストレスを与える虞がある。従って、遊技者が遊技球の発射をしていない場合には、入賞頻度が低い場合であっても疑似変動が設定され難い構成としている。
なお、本第29制御例では、入賞頻度低フラグ223dsがオンであり、且つ、発射停止中フラグ223djがオンでない場合に通常用変動パターン選択Bテーブル22hm2から表示用変動パターンを選択する構成としたが、これに限るものではない。入賞頻度低フラグ223dsがオンである場合には、発射停止中フラグ223djがオンであるか否かにかかわらずS2464Dの処理を実行する構成としても良いし、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるか否かにかかわらず、発射停止中フラグ223djがオンでない場合には、S2464Dの処理を実行する構成としても良い。
また、本第29制御例では、特定種別の変動パターンコマンドを受信した場合にのみ疑似変動を実行する構成としたが、これに限るものではなく、保留球数が0個の場合に開始される特別図柄の変動では変動パターンの種別にかかわらず疑似変動を実行する構成としても良い。このように構成することで、保留球が途切れる場合には必ず疑似変動が実行されるので、特別図柄が変動表示されていないことにより遊技者が退屈に感じる期間を短縮することができる。
S2463D、またはS2464Dの処理が終わると、S2455Dの処理を実行する。S2455Dの処理では、S2463DまたはS2464Dの処理において選択された表示用変動パターンに疑似変動が含まれているかを判別する(S2455D)。疑似変動が含まれていると判別した場合には(S2455D:Yes)、疑似変動開始タイマ223dpのカウンタ値として「12000(ms)」を設定し(S2456D)、疑似変動待機フラグ223drをオンに設定し(S2457D)、本処理を終了する。一方、S2455Dの処理において、疑似変動が含まれていないと判別した場合には(S2455D:No)、S2456DおよびS2457Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
ここで、本第29制御例の第2変形例では、疑似変動ありの表示用変動パターンが選択された場合には疑似変動開始タイマ223dpのカウンタ値として「12000ms(12秒)」が設定され、メイン処理において1ms毎に実行される液晶演出実行管理処理(図1239参照)で、カウンタ値が減算される。これにより、ロングリーチの変動パターンが開始されてから12秒後に、第3図柄表示装置81において特別図柄が仮停止し、疑似変動が開始される。
なお、本第29制御例の第2変形例では、疑似変動が実行される場合に設定される疑似変動開始タイマ223dpのカウンタ値を「12000(ms)」で固定としたが、これは疑似変動ありの表示用変動パターンが設定されるのは、変動時間が17秒である「完全外れA」と「ロングリーチA」のみで構成しているためであり、これに限るものではない。その他の変動パターン種別においても疑似変動が設定される構成とし、それぞれの変動パターン種別に応じて疑似変動開始タイマ223dpに設定されるカウンタ値を異ならせても良い。また、疑似変動開始タイマ223dpに設定されるカウンタ値を設定する場合に、複数のカウンタ値が規定されたテーブルの中からランダムに設定する構成としても良い。このように構成することで、特別図柄の変動開始から第3図柄の仮停止までの時間に変化を持たせることができるため、その期間で実行される変動演出が単調になることを抑制することができる。
次に、図1246を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特殊演出追加設定処理(S2430D)について説明する。図1246は、この特殊演出追加設定処理(S2430D)を示したフローチャートである。この特殊演出追加設定処理(S2430D)は、上述した第29制御例における特殊演出追加設定処理に対して、書き換え演出設定に関連する処理と、疑似保留図柄の表示パターンを設定する処理を削除した点で大きく相違する。具体的には、特殊演出追加設定処理が実行されると、図1244のS2421Dの処理で取得した第2演出カウンタの値と、図1244のS2422Dの処理で取得した変動パターン種別に基づいて結果報知演出態様設定テーブル222dbBから結果報知演出態様を設定し(S2549D)、設定した演出態様を表示させるための表示用特殊演出追加コマンドを設定する(S2534D)。なお、ここで設定した表示用特殊演出追加コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図1237参照)のコマンド出力処理(S2102D)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用特殊演出追加コマンドを受信することによって、この表示用特殊演出追加コマンドによって示される演出態様で、第3図柄表示装置81において書き換え演出が行われるように、特殊演出の表示制御が開始される。
S2534Dの処理が終了すると、設定された結果報知演出態様が結果報知演出Hb(演出時間3秒の結果報知演出)であるかを判別し(S2550D)、結果報知演出Ibでないと判別した場合には(S2550D:No)、疑似変動残時間タイマ223dhの値をクリアし(S2551D)、設定される結果報知演出の演出時間に対応するタイマ値を疑似変動残時間タイマ223dhに設定する(S2552D)。一方、S2550Dの処理において、結果報知演出Ibであると判別した場合には(S2550D:No)、S2551D~S2552Dの処理をスキップし、S2553Dの処理に移行する。
ここで、結果報知演出Ibが設定されるのは、変動種別が「完全外れD」(保留球数が3個ある場合に設定される変動種別)の場合であり、結果報知演出Ibが実行される特別図柄の変動停止後には、次の保留球に基づく特別図柄の変動表示が開始される。しかしながら、特殊演出において装飾用可動役物Ym1,Ym2がスタンバイ状態から収納状態への移行を完了するのは、「完全外れD」の変動が開始される前の特別図柄の変動停止から4秒後であるため、完全外れDの変動停止後に新たな特別図柄の変動表示が開始されると、遊技者が第3図柄表示装置81に表示された結果報知演出を視認する前に結果報知演出が終了し、遊技者に違和感を与えることとなる。このような不具合が発生することを抑制するために、結果報知演出Ibが設定される場合には疑似変動残時間タイマ223dhの値をクリアしないことで、完全外れDの特別図柄変動が終了した後に実行される次の特別図柄の変動表示においても、疑似変動実行フラグ223dgがオンの状態となり、結果報知演出を実行することができる。
S2553Dの処理では、S2549Dの処理において設定された結果報知演出態様が動作シナリオの差し替えありの演出態様であるかを判別する(S2553D)。シナリオ差し替えありの演出態様であると判別した場合には(S2553D:Yes)、シナリオ差し替えフラグ223daBをオンに設定し(S2554D)、本処理を終了する。
一方、シナリオ差し替えありの演出態様はないと判別した場合には(S2553D:No)、S2554Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
次に、図1247を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される停止処理(S2220D)について説明する。図1247は、この停止処理(S2220D)を示したフローチャートである。この停止処理(S2220D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図1243参照)の中で実行され、特別図柄の停止に合わせて第3図柄表示装置81において実行されている変動演出を終了させるための処理を実行する。停止処理(S2220D)では、まず、疑似変動実行フラグ223dgはオンかを判別する(S2771D)。疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動が実行されていない場合)には(S2771D:No)、予め設定されている停止種別に対応する表示用停止コマンドを設定し(S2780D)、本処理を終了する。一方、疑似変動実行フラグ223dgがオンであると判別した場合(即ち、疑似変動が実行されている場合)には(S2771D:Yes)、停止種別は大当たりであるかを判別する(S2772D)。停止種別が大当たりであると判別した場合には(S2772D:Yes)、疑似変動において実行されている特殊演出に追加される結果報知演出の演出態様として当たり結果報知演出を設定し(S2779D)、当たり結果報知演出に対応する特殊演出追加コマンドを設定し(S2777D)、変動回数更新処理を実行する(S2778D)。変動回数更新処理が終了すると、本処理を終了する。
S2772Dの処理において、停止種別は大当たりではない(即ち、外れである)と判別した場合には(S2772D:No)、特別図柄1保留球数カウンタ223daの値を取得し(S2773D)、取得した保留球数が1未満であるかを判別する(S2774D)。保留球数が1未満であると判別した場合(即ち、保留球数が0である場合)には(S2774D:Yes)、疑似変動において実行されている特殊演出に追加される結果報知演出の演出態様として結果報知演出Hb(演出時間5秒の報知なし演出)を設定し(S2783D)、結果報知演出Hbに対応する特殊演出追加コマンドを設定し(S2777D)、本処理を終了する。
なお、本第29制御例では、保留球がない場合に設定される結果報知演出の演出態様は、結果報知演出Hbのみで構成しているが、これに限るものではなく、複数の結果報知演出態様の中から1の演出態様を設定する構成としても良い。このように構成することで、特別図柄の変動停止時に保留球が存在しない場合の特殊演出の内容に多様性を持たせることができるため、特殊演出が単調になることを抑制することができる。
<第29制御例の第2変形例における表示制御装置114の制御処理について>
次に、図1248および図1249を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。本第29制御例の第2変形例における表示制御装置114の制御は、上述した第29制御例における表示制御装置114の制御に対して、V割込処理で実行されるコマンド判定処理(S6302D)に代えてコマンド判定処理(S6311D)を実行する点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図1248および図1249を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理であるコマンド判定処理(S6311D)の詳細について説明する。まず、図1248は、コマンド判定処理(S6311D)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理(S6311D)は、上述した第29制御例におけるコマンド判定処理(S6302D)に対して、特殊演出関連コマンド処理(S6409D)に代えて特殊演出関連コマンド処理(S6418D)を実行する点で相違し、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理(S6311D)が実行されると、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401D)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401D:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401D:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303D)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402D)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403D)。そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S6404D)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404D:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405D)、S6401Dの処理へ戻る。
S6404Dの処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別すると(S6404D:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406D)、表示用変動種別コマンドがあれば(S6406D:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407D)、S6401Dの処理へ戻る。S6406Dの処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別すると(S6406D:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用特殊演出関連コマンドがあるか否かを判別し(S6422)、表示用特殊演出関連コマンドがあれば(S6422:Yes)、特殊演出関連コマンド処理を実行して(S6418D)、S6401Dの処理へ戻る。
ここで、図1249を参照して、特殊演出関連コマンド処理(S6418D)の詳細について説明する。図1249は、特殊演出関連コマンド処理(S6418D)を示すフローチャートである。この特殊演出関連コマンド処理(S6418D)は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用特殊演出関連コマンドに対応する処理を実行するものである。特殊演出関連コマンド処理(S6418D)では、まず、受信した特殊演出関連コマンドは疑似変動開始コマンドであるかを判別する(S6151D)。疑似変動開始コマンドであると判別した場合には(S6151D:Yes)、導入演出表示データテーブルを決定して表示データテーブルバッファ233ddに設定し(S6152D)、転送データテーブルバッファ233deにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6153D)。そして、S6152Dの処理によって表示データテーブルバッファ233ddに設定された表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233dhに設定し(S6154D)、ポインタ233dfを0に初期化する(S6155D)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6156D)、特殊演出関連コマンド処理(S6418D)を終了し、コマンド判定処理(図1248参照)に戻る。
S6151Dの処理において、受信したコマンドは疑似変動開始コマンドではないと判別した場合には(S6151D:No)、受信したコマンドは結果報知演出コマンドであるため、コマンドに対応した結果報知演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233ddに格納し(S6162D)、S6153Dの処理へ移行する。
ここで、図1248の説明に戻る。S6422の処理において、特殊演出関連コマンドがないと判別すると(S6422:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6410D)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6410D:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6411D)、S6401Dの処理へ戻る。S6410Dの処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別すると(S6410D:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6412D)、背面画像変更コマンドがあれば(S6412D:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6413D)、S6401Dの処理へ戻る。S6412Dの処理において、背面画像変更コマンドがないと判別すると(S6412D:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6414D)、エラーコマンドがあれば(S6414D:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6415D)、S6401Dの処理へ戻る。S6414Dの処理において、エラーコマンドがないと判別すると(S6414D:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6422)、S6401Dの処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401Dの処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401D:Yes)、再びS6402D~S6422の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401D~S6422の処理が繰り返し実行され、S6401Dの処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別すると、このコマンド判定処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第29制御例の第2変形例では、1の特別図柄の変動表示が実行されている期間中に、装飾用可動役物Ym1,Ym2をスタンバイ状態へと可変させる特殊演出を実行し、その特殊演出を1の特別図柄変動が終了した後も継続させるように構成している。このように構成することで、1の特別図柄変動が停止表示された後に新たな特別図柄変動が実行されない待機期間が継続した場合であっても、その待機期間の一部を用いて特殊演出を継続させることができるため、待機期間が長時間継続していることを遊技者に気付かれ難くすることができる。
また、特殊演出が待機期間中に実行されている状態で新たな特別図柄変動が開始された場合には、実行中の特殊演出の演出結果(装飾用可動役物Ym1,Ym2を用いた演出結果)を用いて新たに実行された特別図柄変動の結果に基づいて特殊演出の演出結果を示すための演出態様を可変設定し、特殊演出の演出結果によって新たなに実行された特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果を遊技者に示唆可能に構成しているため、特殊演出の演出効果を高めることができる。
加えて、本第2変形例では、上述した第29制御例、及び、第29制御例の第1変形例とは異なり、特殊演出が実行されている最中に新たな特別図柄変動が実行された場合であっても、新たに実行された特別図柄変動に対応する変動演出として、特殊演出が実行されていない場合と同一の演出態様が決定されるように構成している。つまり、特殊演出が実行されている期間は、第3図柄表示装置81の表示面のうち、変動演出が実行される表示領域(主表示領域Dmの中央部付近)が覆われるスタンバイ状態へと装飾用可動役物Ym1,Ym2が位置するため(図1221(b)参照)、特殊演出が実行されている最中に第3図柄表示装置81の表示面にて変動演出が実行されたとしても遊技者が変動演出を視認できず、新たな特別図柄変動に対応する変動演出が実行されたことを遊技者に気付かれ難くすることができる。よって、第29制御例のように新たに開始される特別図柄の変動時間内で複数の演出(結果報知演出の残り演出と書き換え演出と通常演出)を実行するための複雑な処理を音声ランプ制御装置113で行う必要がなくなるため、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
なお、本第2変形例では、新たな特別図柄変動が実行されている最中に特殊演出の演出期間が終了し、装飾用可動役物Ym1,Ym2が収納状態へと位置した場合には、実行中の変動演出が遊技者に視認可能な状態となる。つまり、連続して実行される特別図柄変動のうち、先に実行される特別図柄変動(変動時間17秒)が実行されてから12秒が経過したタイミングであって、変動演出として「リーチ状態」が表示されている状態で特殊演出が実行され、第3図柄表示装置81の表示面を視認できない状態となる。そして、連続して実行される特別図柄変動のうち、後に実行される特別図柄変動(例えば、当たり変動)が実行されている期間であって、予め定められた特殊演出の演出期間が経過したタイミングで再度第3図柄表示装置81の表示面を視認可能な状態となり、その後、後に実行される特別図柄変動に対応する変動演出によって第3図柄が停止表示される。このように構成することで、遊技者には先の特別図柄変動に対応して開始された変動演出と、後の特別図柄変動に対応して停止表示される変動演出とが一連の変動演出であると思わせることができる。よって、連続して実行される特別図柄変動を跨いで特殊演出が実行される場合であって、何れの特別図柄変動も外れ変動である場合には、遊技者に対して特別図柄抽選の結果が外れであることを報知する回数を減らすことができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、先に実行される特別図柄変動が外れ変動であって、後に実行される特別図柄変動が当たり変動である場合には、特殊変動を跨いで実行される複数回の変動演出が、当たり当選を示す長時間変動演出であると思わせることができるため、長時間の変動演出が実行されたことにより遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
上述した第2変形例では、特殊演出が実行される期間の長さを、上述した第29制御例と同様に、新たに実行される特別図柄変動の抽選結果や変動パターンに応じて決定するように構成しているが、これに限ること無く、新たに実行される特別図柄変動に対応して実行される変動演出の演出態様に応じて決定可能に構成すると良く、例えば、特定演出が実行されるタイミングにて第3図柄表示装置81の表示面にて実行されていた変動演出の演出内容を時系列的に複数のパターン(通常変動中、リーチ中、スーパーリーチ中)に分けて記憶手段に記憶可能に構成し、次に実行される特別図柄変動に対応する変動演出として、記憶手段に記憶されているパターンに対応した変動演出が実行されるタイミング、例えば、リーチ中に特殊演出が実行された場合には、リーチ中、或いは、スーパーリーチ発展タイミングにて特殊演出が終了するように、特殊演出の演出期間を更新(短縮、或いは延長)するように構成すると良い。このように構成することで、複数回の変動演出を跨いで特殊演出が実行される場合において、特殊演出が実行される前に表示されていた変動演出と、特殊演出が終了した後に表示される変動演出とに、時系列的な矛盾(例えば、スーパーリーチ中に特殊演出が実行されたにも関わらず、特殊演出終了後に通常変動中の変動演出が実行されている)を生じさせ難くすることができ、遊技者に対して、先の特別図柄変動に対応して開始された変動演出と、後の特別図柄変動に対応して停止表示される変動演出と、が一連の変動演出であると思わせ易くすることができる。
また、連続して実行される特別図柄変動のうち、先に実行される特別図柄変動が外れ変動であって、後に実行される特別図柄変動が当たり変動である場合においては、後に実行される特別図柄変動に対応して実行される変動演出に設定される演出態様のうち、遊技者に対して大当たり当選するか否かを煽る特定演出(例えば、遊技者に枠ボタン22を操作させる操作演出であって、操作演出の演出結果で大当たり当選の有無を報知(示唆)する演出)が実行されるタイミングを特定するタイミング特定手段を設け、そのタイミング特定手段により特定されたタイミングよりも前に特殊演出が終了するように特殊演出の演出期間を更新(短縮)する処理を実行するように構成すると良い。このように構成することで、特殊演出の演出結果として大当たり当選の期待度が高い演出結果(「激アツ」点灯表示)が実行された後に、変動演出を用いて遊技者を煽る演出を実行することができ演出効果を高めることができる。
また、本第29制御例の第2変形例では、連続して実行される特別図柄変動のうち、後に実行される特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様として、特殊演出の実行有無に関わらず、同一の演出態様を設定するように構成しているが、例えば、リーチ状態中に表示されている第3図柄(リーチ図柄)の種別(数字)や、表示画面に表示されるキャラクタの種別が、先に実行される特別図柄変動に対応して実行された変動演出の演出態様と同一となるように構成すると良い。具体的には、変動演出を決定する際に、決定された演出情報(リーチ図柄種別、キャラクタ種別)を記憶可能な記憶手段を設け、特殊演出中に新たに実行される変動演出の演出態様を決定する際には、記憶手段に記憶されている演出情報に基づいて演出態様の一部を決定する処理を実行すると良い。このように構成することで、遊技者に対して、先の特別図柄変動に対応して開始された変動演出と、後の特別図柄変動に対応して停止表示される変動演出と、が一連の変動演出であると思わせ易くすることができる。また、演出態様の一部(表示態様)を決定する処理を専用の処理として実行するだけであるため、後に実行される特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様の全てを、特殊演出の実行有無に応じて異なる処理を実行することで決定する場合に比べて、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
なお、疑似変動ありの演出態様が連続して設定された場合には、後に実行される特別図柄変動の変動開始を遊技者が視認できないと、1の特別図柄変動において同一の演出態様が2回実行されているように遊技者に認識させてしまう虞があるが、疑似変動が開始された特別図柄変動の次に実行される特別図柄変動においても疑似変動を含む演出態様が設定された場合に専用の動作シナリオに差し替えて装飾用可動役物が格納状態となるタイミングを早めることで次に実行される特別図柄変動の変動開始を遊技者が視認可能に構成しても良い。このように構成することで、疑似変動ありの演出態様が連続して設定された場合であっても、1の特別図柄変動において同一の演出態様が2回実行されているように遊技者に認識させることを防ぐことができ、違和感のある演出を提供してしまうことを抑制することができる。
なお、本第29制御例の第2変形例では、装飾用可動役物Ym1、Ym2を用いて第3図柄表示装置81の表示画面を遊技者が視認困難となるように構成したが、これに限るものではない。例えば、第3図柄表示装置81の表示画面を複数のレイヤーで構成し、主のレイヤーで第3図柄を変動表示させ、副のレイヤーで疑似変動を実行する構成としても良い。この場合、副のレイヤーは主のレイヤーよりも遊技者側に配置され、疑似変動が実行されていない期間は副のレイヤーを透過率100%とすることで主のレイヤーで実行される第3図柄の変動表示を遊技者が視認可能となり、疑似変動が実行される場合には、副のレイヤーの透過率を0%とすることで主のレイヤーで実行されている第3図柄の変動表示を遊技者が視認困難となるように構成する。装飾用可動役物Ym1、Ym2を用いて疑似変動を実行する場合には、経年劣化により装飾用可動役物Ym1、Ym2がシナリオ通りに可動しない虞があるが、複数のレイヤーを使用することで、シナリオ通りに疑似変動が実行されない不具合が生起する可能性を低くすることができる。
なお、本第29制御例の第2変形例では、第3図柄表示装置81の表示画面を全て覆い隠す装飾用可動役物Ym1、Ym2を用いたミッション演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、異なる形状の装飾用可動役物を用いても良い。例えば、第3図柄表示装置81において実行されている変動演出の少なくとも一部表示を覆い隠すことが可能であり、スタンバイ状態において遊技者の枠ボタン22の操作により複数の形態に可変可能な装飾用可動役物Ym3を用いても良い。より具体的には、装飾用可動役物Ym3は青、赤、緑の3色に発光可能なLEDが搭載されており、疑似変動が開始されると、まずミッション選択演出が実行される。このミッション選択演出では、装飾用可動役物Ym3が収納位置からスタンバイ状態へと可変する。このスタンバイ状態において遊技者が選択ボタン(十字ボタン)のうち、右ボタンを押下すると装飾用可動役物Ym3が青色に発光し、左ボタンを押下すると赤色に発光し、下ボタンを押下すると緑色に発光する。そして、スタンバイ状態から所定期間が経過し、装飾用可動役物Ym3が収納状態となった後に、スタンバイ状態における操作により発光させた各色に対応するミッション演出が実行される。なお、各ミッション演出の内容については、スタンバイ状態において選択ボタンが操作された場合に、操作された選択ボタンの種類に対応したミッション演出の内容を音声出力により遊技者に報知する。このように構成することで、装飾用可動役物によって変動演出が視認できない状態であっても、遊技者にボタン操作を促すことにより遊技に積極的に参加させることが可能となる。
なお、本第29制御例の第2変形例では、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定された場合に装飾用可動役物Ym1,Ym2を可動させる演出を実行する構成としたが、これに限るものではない。例えば、後述する第29制御例の第11変形例の構成と組み合わせても良い。具体的には、遊技者が演出ボタン22を操作することにより任意のタイミングで装飾用可動役物Ym1,Ym2を所定期間(例えば、5分間)スタンバイ状態とする構成とし、大当たり当選である特別図柄の変動表示が実行されると装飾用可動役物Ym1,Ym2が報知状態となる「お楽しみモード」を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、お楽しみモードの実行中は、通常の特別図柄の変動表示とは異なる遊技性を遊技者に提供しつつ、特別図柄の変動表示が実行されているか否かを遊技者に把握させ難くさせることができる。また、遊技者が演出ボタン22を2回押下した場合にはお楽しみモードを通常モードに切り替え、演出ボタン22を長押しした場合にはお楽しみモードを延長する構成としても良い。このように構成することで、お楽しみモードに切り替えたものの通常モードで遊技したくなった遊技者に対してはお楽しみモードの演出期間が経過する前に任意のタイミングで通常モードに切り替えることが可能となり、お楽しみモードをもっと楽しみたい遊技者に対しては通常モードに切り替えることなくお楽しみモードを延長することが可能であるので、遊技者の好みに合わせた遊技を提供することができる。
なお、装飾用可動役物Ym1、Ym2がスタンバイ状態である場合に、遊技者が枠ボタン22を操作することにより、主表示領域Dmの表示領域が隠された状況を復旧させる処理を行う構成としても良い。例えば、装飾用可動役物Ym1、Ym2がスタンバイ状態である場合に、遊技者により枠ボタン22が操作されたことに対応して、設定されている動作シナリオを装飾用可動役物Ym1、Ym2を格納状態へと可動させる動作シナリオに更新する。このように構成することで、変動演出を楽しみたい遊技者に対して、装飾用可動役物Ym1、Ym2により変動演出が隠された状況を速やかに復旧させることが可能となり、遊技者の好みに合わせた演出を提供することができる。
<第29制御例の第3変形例>
次に、図1250~図1286を参照して第29制御例の第3変形例について説明する。上述した第29制御例は、第1入球口64への入賞頻度が低く、保留球が途切れやすい状態である場合に、特別図柄の変動停止後も疑似変動が継続して実行されることで遊技者に特別図柄の変動表示が停止していることを気付かせ難くする構成であった。しかしながら、第29制御例では、疑似変動において実行される特殊演出の演出態様を遊技機が内部的に設定する構成であり、頻繁に疑似変動が実行されると同じ特殊演出の演出態様が連続して設定され、遊技者が早期に飽きてしまう虞があった。
これに対して、本第29制御例の第3変形例では特殊演出の演出態様を、遊技者が枠ボタン22Aを操作することによって選択できるように構成している点で、第29制御例と相違する。具体的には、疑似変動の実行期間中に、第3図柄表示装置81において図1252(b)に示す、複数の演出態様から1の演出態様を遊技者に決定させるための第1の演出であるミッション選択演出が表示される。本第29制御例の第3変形例では、特殊演出の演出態様として、遊技者のボタン操作方法が異なる複数(本第29制御例の第3変形例では、3つ)の演出態様から1の演出態様を遊技者が選択し、選択された演出態様に対応する結果報知演出(または書き換え演出)を実行可能に構成している。このように構成することで、疑似変動が頻繁に実行される場合であっても、遊技者の好みに応じた特殊演出の演出態様を設定することが可能となり、早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、特殊演出において遊技者のボタン操作を要する演出態様を設定することで、遊技者が積極的に演出に参加することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
この第29制御例の第3変形例におけるパチンコ機10が第29制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技機に選択ボタン600が配置された点、音声ランプ制御装置113のROM222の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点、表示制御装置114のMPU231により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行されるその他の処理については、第29制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第29制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第29制御例の第3変形例の枠ボタン22Aについて>
図1250~図1251を参照して、第29制御例の第3変形例において新たに配置された枠ボタン22Aについて説明する。図1250は、第29制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の正面図である。図1250に示すとおり、正面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1250参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、演出ボタン22(図1251(a)参照)と選択スイッチ600(図1251(b)参照)が設けられている。この演出ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作される。選択スイッチ600は、図1251(b)に示すように、演出等の選択を決定する決定スイッチ600a、上方向の選択を指示するための上スイッチ600b、右方向の選択を指示するための右スイッチ600c、下方向の選択を指示するための下スイッチ600d、左方向の選択を指示するための左スイッチ600eで構成されている。なお、本第29制御例の第3変形例では、選択ボタン600を決定スイッチ600aおよび上下左右のスイッチ600b~600eで構成したが、これに限るものではなく、例えば、上下左右に可動可能なレバースイッチで構成してもよい。
<第29制御例の第3変形例の演出内容について>
次に、図1252~図1259を参照して、本第29制御例の第3変形例において実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明する。まず、図1255を参照して、保留球が保留記憶されていない状態で疑似変動が開始され、疑似変動の実行期間中に新たな特別図柄の変動表示が開始されなかった場合に第3図柄表示装置81で実行される特殊演出について説明する。図1255は、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定された特別図柄の変動(以下、1回目の特図変動)停止時に保留球が記憶されておらず、疑似変動が終了するまでの期間に新たな特別図柄の変動(以下、2回目の特図変動)が開始されなかった場合(即ち、始動口(第1入球口64)に新たな入賞がなかった場合)の特別図柄の変動状態と、疑似変動中に実行される特殊演出との関係を示したタイミングチャートである。「特別図柄」の項目は、第1図柄表示装置37における特別図柄の変動状態の推移を示しており、「演出態様」の項目は、第3得柄表示装置81において実行される演出態様の推移を示している。
「時間調整フラグ」の項目は、本第29制御例の第3変形例の音声ランプ制御装置113に規定されている時間調整フラグ223drCのオンオフを示している。詳細な説明は後述するが、この時間調整フラグ223drCは、2回目の特図変動が開始された場合にオンに設定され、第1判定タイミングまたは第2判定タイミングにおいてオフに設定される。図1255に示す例では、2回目の特図変動が実行されないため、オフのままとなる。図1255に示す例では、1回目の特別図柄の変動パターンとして変動時間が17秒で疑似変動ありの表示用変動パターン(完全外れA)が設定されている。第1図柄表示装置37において1回目の特別図柄の変動表示が開始されると、第3図柄表示装置81では「通常演出」が実行される。この「通常演出」とは、第3図柄(特別図柄の変動表示に対応して変動する装飾図柄)の変動表示および変動中の特別図柄の当否判定結果を示唆するための予告演出のことを指す。特別図柄の変動開始から12秒経過すると通常演出を終了させ、変動表示している第3図柄を仮停止させる。第3図柄が仮停止した後、仮停止した第3図柄が再変動を開始する。そして、疑似変動の実行期間中は、通常演出とは異なる特殊演出が実行される。
本第29制御例の第3変形例では特殊演出として、ミッション選択演出、結果報知演出、書き換え演出の3つの演出で構成された特殊演出が実行される。ミッション選択演出は、1回目の特図の変動中に疑似変動を開始してから1回目の特図が停止表示され、1回目の特図停止から3秒経過するまでの期間で実行される演出であり、主に結果報知演出の演出態様を遊技者に選択させるための演出である。
ここで、図1252(a)を参照して、ミッション選択演出開始時の演出内容について説明する。図1252(a)は、特殊演出のミッション選択演出開始時の表示画面の一例を示した図である。主表示領域Dmにおいて第3図柄が仮停止された後、仮停止された第3図柄に重なってミッションアイコンAk1が表示され、主表示領域Dmの中央部に表示されている第3図柄の上部に「この後に表示される3つのミッションから好きなミッションを選べ!」という特殊演出に関する演出情報を案内する案内態様を表示するための表示領域HR1が形成される。このミッションアイコンAk1は、疑似変動中に実行される特殊演出である「ミッション演出」が開始されることを報知するための態様である。このように、ミッションアイコンAk1と、表示領域HR1に演出情報が表示されることで、これからミッション演出が開始されることを遊技者に分かり易く報知することができる。また、遊技者に対して、この後にミッションを選ぶ演出が実行されることを予告することで、遊技者にボタン操作を行う準備をさせることができる。
副表示領域Dsではミッション選択演出が開始されると、特殊演出の演出情報を案内するための案内コメントが表示される。このため、特殊演出が実行されている期間は、副表示領域Ds2において保留図柄が非表示となる。
図1255に戻り、説明を続ける。ミッション選択演出の開始から5秒が経過すると、第1図柄表示装置37では、1回目の特図変動が終了する。一方、第3図柄表示装置81では、図1252(b)に示す演出が開始される。
ここで、図1252(b)を参照して、ミッション選択演出開始から5秒経過した場合の演出内容について説明する。図1252(b)は、ミッション選択演出開始から5秒経過した場合の表示画面の一例を示した図である。主表示領域Dmの中央部には、ゾウを模したキャラクタ802と、ウサギを模したキャラクタ801と、カメを模したキャラクタ803が表示され、それぞれのキャラの下部には「一撃ミッション」、「連打ミッション」、「長押しミッション」という各ミッション内容を案内する案内態様が表示される表示領域HR33~HR35が形成される。
また、表示領域HR33の下部には、上向き矢印のカーソルKs1が表示されており、主表示領域Dm表示される表示領域HR1には「左右ボタンでカーソル移動、決定ボタンでミッション決定」という案内態様が表示される。これにより、遊技者は、選択ボタン600の内、左右ボタン600e,600cを操作すればカーソルKs1が移動し、決定ボタン600aを操作することによりミッションの種類を決定可能であることを容易に理解することができる。なお、カーソルKs1が指し示すミッションの詳細な内容については、副表示領域Dsに表示される構成としており、図1252(b)に示す例では、「一撃ミッション」を指し示す位置にカーソルKs1があるため、副表示領域Dsには一撃ミッションの内容を説明する案内態様が表示されている。このように構成することで、遊技者に各ミッション種別の内容を分かりやすくすることができるとともに、保留球数が非表示となることで特殊演出の実行期間に複数回の特別図柄の変動表示が実行されていることを遊技者に気付かせ難くすることができる。
また、カーソルKs1が移動した場合に、カーソルKs1が指し示すミッション種別に対応するキャラがアクション(例えば、キャラボイスを音声出力装置226から出力したり、キャラのポーズが可変したりといった演出)を行うことにより、どのミッション種別が選択されているのかを遊技者に分かり易くしている。
主表示領域Dmの正面視左上側には、ミッション選択演出の残り時間を示すための小表示領域Dm3が形成される。このように構成することで、遊技者にミッションを選択できる残り時間を分かりやすくし、ボタン操作を促すことができる。
なお、詳細は後述するが、本第29制御例の第3変形例では、ミッション選択演出でミッション種別が決定されると、カーソル位置記憶エリア223dhCに記憶されている情報を消去する構成であるので、ミッション選択演出が開始される場合には毎回予め定められたカーソル位置(例えば、図1252(a)に示す「連打ミッション」アイコンに対応するカーソル位置)にカーソルKs1が表示される。このように構成することで、ミッション選択演出開始時のカーソル位置が遊技者のお気に入りのミッション種別に対応するカーソル位置ではない場合に、お気に入りのミッション種別を選択しようと毎回選択ボタン600を操作させることができるので、ミッション選択演出に注目させることが可能となり、特別図柄の変動表示が実行されていないことを遊技者に気付かれ難くするという演出効果を向上させることができる。
なお、本第29制御例の第3変形例では、ミッション選択演出が開始される場合には毎回予め定められたカーソル位置にカーソルKs1が表示される構成としたが、これに限るものではなく、前回実行されたミッション選択演出における最終カーソル位置情報(前回のミッション選択演出で選択されたミッション種別アイコンに対応するカーソル位置の情報)をカーソル位置記憶エリア223dhCに記憶したまま消去せず、新たにミッション選択演出が開始される場合には前回のミッション選択演出における最終カーソル位置にカーソルKs1が表示される構成としても良い。このように前回選択したミッション種別に対応するカーソル位置からスタートすることで、遊技者が選択ボタン600を操作しなくても遊技者のお気に入りのミッション種別が選択され易くすることができる。
また、本第29制御例の第3変形例では、図1252(b)に示す「一撃ミッション」に対応する位置にカーソルKs1が表示されている場合に、遊技者がカーソルKs1を1つ左に移動させる左スイッチ600eを押下してもカーソルKs1はそれ以上左には移動しない構成としている。このように構成することで、右端に配置されているミッション種別アイコン(図1252(b)に示す例では、「長押しミッション」アイコン)に対応するカーソル位置から左端に配置されているミッション種別アイコン(図1252(b)に示す例では、「一撃ミッション」アイコン)に対応するカーソル位置にカーソルKs1を移動させようと遊技者が左スイッチ600eを焦って連打してもカーソル位置がループしないため、遊技者の任意のカーソル位置にカーソルKs1を移動させ易くなる。
なお、本第29制御例の第3変形例では、カーソル位置がループしない構成としたが、これに限るものではなく、カーソル位置がループする構成としても良い。このように構成することで、遊技者が選択ボタン600を適当に連打すると任意のカーソル位置にカーソルKs1を移動させることができないので、任意のカーソル位置にカーソルKs1を移動させようと選択ボタンの操作に集中させることが可能となり、特別図柄の変動表示が実行されていないことを遊技者に気付かれ難くするという演出効果を向上させることができる。
なお、図1252(b)に示す例では、第1図柄表示装置37における特別図柄の変動表示が停止している状態でミッション選択演出が実行されているが、ミッション選択演出は特別図柄が変動表示しているか否かに関わらず、1回目の特図変動の停止後も3秒間継続して実行される。なお、本第29制御例の第3変形例では、1回目の特図変動の停止後3秒間はミッション選択演出が継続する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、1回目の特図変動の停止後3秒が経過した時点で遊技者が選択ボタン600を操作している場合には、ミッション選択演出を延長させる構成としても良い。このように構成することで、遊技者が好みのミッション種別を選択する前にミッション選択演出が終了してしまい、遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
図1255に戻り、説明を続ける。ミッション選択演出の開始から3秒が経過すると、第1の演出において決定した演出態様に対応する情報を反映させた態様の演出である結果報知演出が開始される。結果報知演出では、ミッション選択演出で遊技者が選択したミッション種別に対応する演出態様の演出が実行される。図1255に示す例では、2回目の特図変動が実行されないため、ミッション選択演出が終了すると、決定されたミッション種別に対応する5秒間の外れ結果報知演出が実行される。この外れ結果報知演出の実行期間中に、第1入球口64への新たな入賞があり、特別図柄の変動表示が開始される場合には、第2判定タイミングにおいて書き換え演出が設定される。
次に、図1256を参照して、1回目の特図変動が終了する時点で保留球が存在し、1回目の特図変動終了後に2回目の特図変動が開始される場合の特別図柄変動と特殊演出の関係について説明する。図1256は、1回目の特図変動が終了する時点で保留球が存在し、1回目の特図変動終了後に2回目の特図変動が開始される場合の特別図柄変動と特殊演出の関係を示したタイミングチャートである。図1256に示すように、1回目の特図変動が終了するまでの流れは、図1255に示した例と同一である。また、第1図柄表示装置37における1回目の特図変動が終了し、2回目の特図変動(当たりショートリーチ変動)が開始された場合にも、図1255に示した例と同じく、第3図柄表示装置81ではミッション選択演出が継続して実行される。この場合、2回目の特図変動が開始されるタイミングで時間調整フラグ223drCがオンに設定される。詳細な説明は後述するが、時間調整フラグ223drCがオンに設定されている期間は、音声ランプ制御装置113において時間調整タイマ223dsCのタイマ値が更新される。この時間調整タイマ223dsCは、2回目の特図変動が開始される場合にタイマ値として5000(ms)が設定され、後述する液晶演出実行管理処理(図1272参照)において1ms毎にタイマ値が1減算される。そして、第1判定タイミングにおける時間調整タイマ223dsCのタイマ値に基づいて、ミッション選択演出終了後のスタンバイ画面の表示時間を設定する。
ここで、本第29制御例の第3変形例では、2回目の特図変動が実行されるか否かにかかわらずミッション選択演出が継続して実行される構成である。このため、1回目の特図変動が停止した時点では保留球が存在せず、ミッション選択演出が実行されている途中で2回目の特図変動が開始される場合には、ミッション選択演出の残りの演出時間を2回目の特図変動の変動時間内で実行することとなり、ミッション選択演出終了時点での2回目の特図変動の残り変動時間は一定にならない。このため、本第29制御例の第3変形例では、各変動パターン種別に対応する結果報知演出の演出時間を、その変動パターンの変動時間から5秒減算した時間とし、ミッション選択演出終了後にスタンバイ画面を表示する構成とすることで、ミッション選択演出の途中で、2回目の特図変動がどのタイミングで開始されても時間調整を可能に構成している。図1256に示す例では、2回目の特図変動が変動時間12秒の変動パターン種別であるため、演出時間が7秒の結果報知演出態様が設定される(図1267参照)。この場合、1回目の特図変動が停止してから3秒間継続してミッション選択演出が実行された後、スタンバイ画面を2秒間表示することで結果報知演出の演出時間と、残りの変動時間を合わせることができる。
ここで、図1253(a)を参照して、ミッション選択演出終了後実行されるスタンバイ画面について説明する。図1253(a)は、ミッション演出終了後に表示されるスタンバイ画面の一例を示した図である。図1253(a)に示す例では、ミッション選択演出において、「一撃ミッション」が決定された場合を示している。主表示領域Dmの中央部にある表示領域HR1では、ミッション選択演出において「一撃ミッション」が決定されたことを案内するための案内態様が表示される。そして、主表示領域Dmの中央部には、ゾウを模したキャラクタ802と岩の表面に数字が付された疑似図柄804a~804cが表示され、疑似図柄804a~804cの正面視背面側には大当たり当選であることを報知する態様である「777」の組み合わせの第3図柄が一部分のみ表示されている。併せて、副表示領域Dsには、「ボタンPUSHで岩を破壊できれば大当たり!」という「一撃ミッション」の内容を案内する案内態様が表示される。これにより、一撃ミッションでは、演出ボタン22を操作することで疑似図柄804a~804cを破壊する演出が実行されることを遊技者に分かりやすく案内することができる。
なお、特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合には、遊技者が演出ボタン22を押下することで、疑似図柄804a~804cが破壊され、大当たり当選であることを報知する態様である「777」という第3図柄の組み合わせの全体が表示される。これにより、遊技者は特別図柄の当否判定結果が大当たり当選であることを認識することができる。一方、特別図柄の当否判定結果が外れである場合には、遊技者が演出ボタン22を押下しても疑似図柄804a~804cは破壊されず、大当たり当選であることを報知する態様である「777」という第3図柄の組み合わせが一部分のみ表示されたままとなり、表示画面が暗転した後、疑似図柄804a~804cに表示されていた数字の組み合わせの第3図柄が主表示領域Dmに表示される。これにより、遊技者は特別図柄の当否判定結果が外れであることを認識することができる。
また、主表示領域の正面視左上側に形成されている小表示領域Dm3には、結果報知演出が準備中であることを案内するための「スタンバイ中」という表示がされることで、結果報知演出がまだ開始されていないことを遊技者に認識させることができる。
次に、図1257を参照して、1回目の特図変動終了時に保留球が存在せず、ミッション選択演出の実行期間中に新たな入賞があった場合における、特別図柄変動と特殊演出の関係について説明する。図1257は、1回目の特図変動終了時に保留球が存在せず、ミッション選択演出の実行期間中に新たな入賞があった場合における、特別図柄変動と特殊演出の関係を示したタイミングチャートである。図1256で示した例とは異なり、1回目の特図変動が終了してから2秒経過した時点で2回目の特図変動が開始されている。この場合、2回目の特図変動が開始され、時間調整フラグ223drCがオンに設定されてからt1(ms)経過後に第1判定タイミングとなっているため、2回目の特図変動が開始された時点で時間調整タイマ223dsCに設定された5000(ms)からt1(ms)を減算した値に基づいて、スタンバイ画面の表示時間が設定される。このように構成することで、結果報知演出の演出時間を特別図柄の変動開始タイミングに左右されずに一定とすることができる。
次に、図1258を参照して、1回目の特図変動終了時に保留球が存在せず、結果報知演出の実行期間中に新たな入賞があった場合における、特別図柄変動と特殊演出の関係について説明する。図1258は、1回目の特図変動終了時に保留球が存在せず、結果報知演出の実行期間中に新たな入賞があった場合における、特別図柄変動と特殊演出の関係を示したタイミングチャートである。図1257に示した例とは異なり、第1判定タイミングを経過した後に新たな入賞に基づいて2回目の特図変動が実行されている。この場合は、2回目の特図変動が開始されたタイミングで実行中の結果報知演出を中断すると、遊技者に違和感を与えることとなる。そのため、実行中の結果報知演出は中断させずに完走させ、結果報知演出終了後に2回目の特図変動の当否判定結果に対応する書き換え演出を実行する構成とし、遊技者に対して違和感を与え難くしている。
なお、本第29制御例の第3変形例では、各変動パターン種別に対応する書き換え演出の演出時間を、その変動パターンの変動時間から5秒減算した時間とし、結果報知演出が終了した後に揺れ表示画面を表示することで、2回目の特図変動の開始タイミングによって生じる変動時間のズレを調整可能に構成している。図1258に示す例では、2回目の特図変動が開始され、時間調整フラグ223drCがオンに設定されてからt2(ms)経過後に第2判定タイミングとなっているため、2回目の特図変動が開始された時点で時間調整タイマ223dsCに設定された5000(ms)からt2(ms)を減算した値に基づいて、揺れ表示画面の表示時間が設定される。このように構成することで、書き換え演出の演出時間を特別図柄の変動開始タイミングに左右されずに一定とすることができる。
ここで、図1253(b)を参照して、結果報知演出終了後に表示される揺れ表示画面について説明する。図1253(b)は、揺れ表示画面の一例を示した図である。図1253(b)に示すように、揺れ表示画面では、結果報知演出においてミッションが失敗した後に、ゾウを模したキャラ802が立ち上がろうとする演出が表示され、副表示領域Dsには、「ゾウが立ち上がればリベンジチャンス」という案内態様が表示される。これにより、まだ演出が継続しているのではないかという期待を遊技者に抱かせ、特殊演出に注目させることができる。その後、書き換え演出が開始されるタイミングになると、図1254(a)に示す書き換え演出が実行される。図1254(a)は、書き換え演出が開始された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図1254(a)に示す書き換え演出では、ゾウを模したキャラ802が立ち上がり、再び疑似図柄804a~804cを破壊しようとする演出が実行される。
次に、図1259を参照して、1回目の特図変動の当否判定結果が大当たり当選である場合に特殊演出が実行される場合の特別図柄変動と特殊演出の関係について説明する。図1259は、1回目の特図変動の当否判定結果が大当たり当選である場合に特殊演出が実行される場合の特別図柄変動と特殊演出の関係を示したタイミングチャートである。図1259に示すように、1回目の特図変動が大当たり当選である場合に疑似変動が実行される場合には、図1254(b)に示すように、当たり用ミッション選択演出が実行される。
ここで、図1254(b)を参照して、当たり用ミッション選択演出の演出内容について説明する。図1254(b)は、当たり用ミッション選択演出の表示画面の一例を示した図である。図1254(b)に示すように、通常のミッション選択演出とは異なり、当たり用ミッション選択演出ではそれぞれのキャラの回りにレインボーのエフェクトが表示され、表示領域HR33、表示領域HR34、表示領域HR35の表示内容がそれぞれ「超一撃ミッション」、「超連打ミッション」、「超長押しミッション」となる。このように構成することで、通常のミッション選択演出ではなく、特別なミッション選択演出が実行されていることを遊技者に分かり易くし、ミッション選択演出の演出態様にも興味を持たせることが可能となる。
図1259に戻り、説明を続ける。1回目の特図変動が大当たり当選である場合に疑似変動が実行される場合には、1回目の特図変動中に複数の演出態様から1の演出態様を遊技者に決定させるための第1の演出であるミッション選択演出を実行し、大当たり遊技のオープニング期間で第1の演出において設定された演出態様を反映した演出である結果報知演出が実行される。そして、大当たり遊技のオープニング期間で結果報知演出が実行される場合には、通常のオープニング演出よりも演出時間が短いショートオープニング演出が実行される。このため、遊技者に大当たり当選であることが報知されてから大当たり遊技のラウンドが開始されるまでの期間が、実際に特別図柄が停止表示されてから大当たり遊技のラウンドが開始されるまでの期間よりも短くなるため、遊技者にテンポの良い遊技を行わせることができる。
<第29制御例の第3変形例における電気的構成について>
次に、図1260~図1268を参照して、本第29制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図1260は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。上述した第29制御例に対して、枠ボタン22Aを追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図1260に示すように、枠ボタン22Aは音声ランプ制御装置113の入出力ポート225と接続しており、遊技者が枠ボタン22Aを操作することで、その操作情報が入力される。ここで入力された操作情報は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図1269参照)における枠ボタン入力監視・演出処理(S2125D)で処理される。枠ボタン入力監視・演出処理の詳細な説明は、図1271を参照して後述する。
<第29制御例の第3変形例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、図1261(a)を参照して、本第29制御例の第3変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の内容について説明をする。図1261(a)は、ROM222の規定内容を示したブロック図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、図1261(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222daCと、疑似変動更新時間設定テーブル222dbCと、結果報知演出態様設定テーブル222dcCと、書き換え演出態様設定テーブル222ddCとが少なくとも記憶されている。
ここで、図1262を参照して、変動パターン選択テーブル222daCの内容について説明する。図1262は、変動パターン選択テーブル222daCの規定内容を示したブロック図である。変動パターン選択テーブル222daCは、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて、表示用変動パターン(第3図柄表示装置81において実行される第3図柄変動および当否判定結果を示唆するための変動演出)を設定するためのテーブルである。図1262に示す通り、本第29制御例の第3変形例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において参照される変動パターン選択テーブルとして通常用変動パターン選択Aテーブル222daC1と、通常用変動パターン選択Bテーブル222daC2と、確変状態(特別図柄の高確率状態)および時短状態(普通図柄の高確率状態)において参照される確変・時短用変動パターン選択テーブル222daC3とが規定されている。
ここで、本第29制御例の第3変形例では、通常状態において表示用変動パターンを選択する際に、第1入球口64への入賞頻度を判定し、その結果に基づいて異なるテーブルを参照する構成としている。より具体的には、音声ランプ制御装置113において実行される演出態様設定処理(図1282参照)において、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるか否かを判定し、入賞頻度低フラグ223dsがオンではないと判定した場合(S2452D:No)、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定され難いテーブルである通常用変動パターン選択Aテーブル222daC1を参照して表示用変動パターンが設定される。一方、入賞頻度低フラグ223dsがオンであると判定した場合に(S2452D:Yes)、発射停止中フラグ223djがオンでなければ(S2453D:No)、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定され易いテーブルである通常用変動パターン選択Bテーブル222daC2が参照される。
なお、入賞頻度低フラグ223dsは、音声ランプ制御装置113において、第1入球口64への入賞頻度が低いと判定された状態であることを示すためのフラグである。この入賞頻度低フラグ223dsは、音声ランプ制御装置113において実行される入賞頻度計測処理(図1164参照)において、60000ms(60秒)間に受信した入賞コマンド数が4未満である場合に、入賞頻度が低いと判定され、入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定される。一方、60000ms(60秒)間に受信した入賞コマンド数が5以上である場合に、入賞頻度が高いと判定され、入賞頻度低フラグ223dsがオフに設定される。
また、発射停止中フラグ223djは、遊技球が発射されていない状態であることを示すためのフラグである。この発射停止中フラグ223djは、音声ランプ制御装置113において実行される発射関連コマンド処理(図1172参照)において、主制御装置110から発射停止コマンド(遊技球の発射が停止中であることを通知するコマンド)を受信した場合にオンに設定される(S2672D)。一方、主制御装置110から発射開始コマンド(遊技球の発射が開始されたことを通知するコマンド)を受信した場合にオフに設定される(S2673D)。このように、入賞頻度が低い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し易い状態である場合)であって、遊技者が遊技球を発射している場合は、特別図柄が停止した後に遊技球が第1入球口64に入球する可能性がある状態であるため、疑似変動に対応する演出態様が選択され易く構成することで、特別図柄の停止後に保留球が存在しない場合であっても疑似変動によって遊技球が第1入球口64に入球するまでの時間を稼ぐことが可能となり、遊技者に保留球が途切れていることを認識させ難くすることができる。
また、入賞頻度が高い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し難い状態である場合)には疑似変動に対応する演出態様が選択され難い構成であるため、相対的に疑似変動とは異なる演出態様が選択され易くなり、疑似変動に対応する演出態様が頻繁に実行されることで、演出が単調になり遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
図1263~図1265を参照して、各変動パターン選択テーブルの詳細な内容について説明する。まず、図1263を参照して、変動パターン選択テーブル222daCに規定されている通常用変動パターン選択Aテーブル222daC1の内容について説明する。図1263は、通常用変動パターン選択Aテーブル222daC1の内容を模式的に示した模式図である。上述したように、通常用変動パターン選択Aテーブル222daC1は、第1入球口64への遊技球の入賞頻度が高い場合に設定されるテーブルである。図1263に示す通り、通常用変動パターン選択Aテーブル222daC1は、第1演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した第1演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。より具体的には、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして大当たりA1とは表示される演出内容が異なる「当たりショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~74」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「75~149」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりロングリーチA1とは演出内容が異なる「当たりロングリーチA2」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「150~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの当たり変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの当たり変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で疑似変動を実行し、大当たり当選であることを報知する表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「当たりスーパーリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れA1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れA1とは演出内容が異なる「完全外れA2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れB」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れB1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れB」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れB1とは演出内容が異なる「完全外れB2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れC」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れC1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れC」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れC1とは演出内容が異なる「完全外れC2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れD」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れD1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れD」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れD1とは演出内容が異なる「完全外れD2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れショートリーチA1とは演出内容が異なる「外れショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~94」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「95~89」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れロングリーチA1とは演出内容が異なる「外れロングリーチA2」が設定される。また、変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「190~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの外れ変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの外れ変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で疑似変動を実行し、外れであることを報知する表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「外れスーパーリーチA2」が設定される。
このように、各変動パターン種別に対して複数の表示用変動パターンを設定可能に構成することで、変動時間や変動パターンの種別の情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制できる。
次に、図1264を参照して、変動パターン選択テーブル222daCに規定されている通常用変動パターン選択Bテーブル222daC2の内容について説明する。図1264は、通常用変動パターン選択Bテーブル222daC2の内容を模式的に示した模式図である。上述したように、通常用変動パターン選択Bテーブル222daC2は、第1入球口64への遊技球の入賞頻度が低く、遊技球が発射されている場合に設定されるテーブルである。図1262に示す通り、通常用変動パターン選択Bテーブル222daC2は、第1演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した第1演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。
より具体的には、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして大当たりA1とは表示される演出内容が異なる「当たりショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~49」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「50~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりロングリーチA1とは演出内容が異なる「当たりロングリーチA2」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの当たり変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの当たり変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で疑似変動を実行し、大当たり当選であることを報知する表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「当たりスーパーリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの外れ変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの外れ変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で疑似変動を実行し、外れであることを報知する表示用変動パターンである。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れB」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れB1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れB」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れB1とは演出内容が異なる「完全外れB2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れC」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れC1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れC」であり、痔1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れC1とは演出内容が異なる「完全外れC2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れD」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れD1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れD」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れD1とは演出内容が異なる「完全外れD2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れショートリーチA1とは演出内容が異なる「外れショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~49」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「50~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れロングリーチA1とは演出内容が異なる「外れロングリーチA2」が設定される。また、変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「疑似変動ありの外れ変動パターン」が設定される。この「疑似変動ありの外れ変動パターン」は、変動開始から12秒間の通常演出(第3図柄の変動表示と外れを示唆する演出)を実行し、12秒経過した時点で疑似変動を実行し、外れであることを報知する表示用変動パターンである。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れスーパーリーチAとは演出内容が異なる「外れスーパーリーチA2」が設定される。
このように、通常用変動パターン選択Aテーブル222daC1(図1263参照)では、変動パターン種別が「完全外れA」である場合には、疑似変動ありの変動パターンが選択されないのに対して、通常用変動パターン選択Bテーブル222daC2では変動パターン種別が「完全外れA」である場合には必ず疑似変動ありの表示用変動パターンが設定される構成としている。上述したように、「完全外れ」は当否判定結果が外れである場合に最も選択されやすい変動種別であり、「完全外れA」は保留球数が0個の場合に設定される変動パターン種別である。従って、完全外れAは変動終了後に最も特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し易い変動パターンであると言える。このため、入賞頻度が低い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し易い状態である場合)であって、遊技者が遊技球を発射している場合において、完全外れAが設定された場合には必ず疑似変動ありの表示用変動パターンが選択されることで、特別図柄の停止から次の特別図柄の変動表示開始までに第3図柄が停止表示していることを装飾用可動役物Ym1,Ym2によって気付かせ難くすることができる。
また、入賞頻度が低い場合であっても保留球数が0個でない場合には他の表示用変動パターンが設定される構成であるため、入賞頻度が低い場合に疑似変動ありの表示用変動パターンばかりが設定されて遊技が単調になることを抑制することができる。また、入賞頻度が高い場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない期間が発生し難い状態である場合)には疑似変動ありの表示用変動パターンが比較的選択され難い構成であるため、相対的に疑似変動とは異なる演出態様が選択され易くなり、疑似変動ありの表示用変動パターンが頻繁に選択されることで、演出が単調になり遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第29制御例の第3変形例では、入賞頻度が低い状態である場合に、遊技球の発射が停止されていない状態であれば、「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され易い通常用変動パターン選択Bテーブル222daC2を参照する構成としたが、これに限るものではなく、遊技球が発射されているか否かにかかわらず入賞頻度が低い状態である場合には「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され易い通常用変動パターン選択Bテーブル222daC2を参照する構成としても良い。或いは、特別図柄の表示用変動パターンを設定する場合における保留球数に基づいて参照する通常用変動パターン選択テーブルを決定する構成としても良い。例えば、特別図柄の変動が開始される場合に保留球数が0個であれば「疑似変動ありの表示用変動パターン」が選択され易い通常用変動パターン選択Bテーブル222daC2を参照し、保留球数が1個以上あれば「疑似変動ありの表示用変動パターン」が選択され難い通常用変動パターン選択Aテーブル222daC1を参照する構成としても良い。このように構成することで、入賞頻度にかかわらず保留球が途切れる可能性がある場合には「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され易くなる。
また、入賞頻度ではなく、その他の条件が成立したことに基づいて通常用変動パターン選択テーブルを決定する構成としても良い。例えば、所定時間内における大当たり当選回数や、スーパーリーチAやロングリーチAの実行回数が所定回数以上である場合には、遊技者が十分に遊技を楽しんでいる状況であり、疑似変動を実行して特別図柄の変動表示が実行されていないことを気付かせ難くし遊技者が感じるストレスを緩和する必要性が低いため、「疑似変動ありの表示用変動パターン」が設定され難い通常用変動パターン選択Aテーブル222daC1を参照する構成としても良い。
次に、図1265を参照して、変動パターン選択テーブル222daCに規定されている確変・時短用変動パターン選択テーブル222daC3の内容について説明する。図1265は、確変・時短用変動パターン選択テーブル222daC3の内容を模式的に示した模式図である。この確変・時短用変動パターン選択テーブル222daC3は、遊技状態として確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)または時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合における特別図柄の表示用変動パターンを設定するために参照されるテーブルである。
確変・時短用変動パターン選択テーブル222daC3は、第1演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、取得した第1演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。具体的には、変動パターン種別が「当たりショートリーチB」であり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチB1」(5秒の当たり変動)が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチB1」とは異なる「当たりショートリーチB2」(5秒の当たり変動)が設定される。
変動パターン種別が「当たりロングリーチB」であり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチB1」(10秒の当たり変動)が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチB1」とは異なる「当たりロングリーチB2」(10秒の当たり変動)が設定される。
変動パターン種別が「完全外れE」であり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れE1」(3秒の外れ変動)が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れE1」とは異なる「完全外れE2」(3秒の外れ変動)が設定される。
変動パターン種別が「外れショートリーチB」であり、第1演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチB1」(5秒の外れ変動)が設定され、第1演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチB1」とは異なる「外れショートリーチB2」(3秒の当たり変動)が設定される。
このように、各変動パターン種別に対して複数の表示用変動パターンを設定可能に構成することで、変動時間や変動パターンの種別の情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、本第29制御例の第3変形例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合のみ疑似変動が実行される構成としたが、これに限るものではなく、確変状態または時短状態が設定されている場合においても疑似変動が実行される表示用変動パターンを規定しても良い。
次に、図1266を参照して、疑似変動更新時間設定テーブル222dbCの内容について説明する。図1266は、疑似変動更新時間設定テーブル222dbCの規定内容を模式的に示した模式図である。疑似変動更新時間設定テーブル222dbCは、設定された変動パターン種別に対応する変動時間に基づいて、実行中の疑似変動の残り疑似変動時間を更新するための疑似変動更新時間を設定するために参照されるテーブルである。図1266に示す通り、疑似変動更新時間設定テーブル222dbCには、新たに開始される特別図柄の変動パターンに対応する変動時間に対して、疑似変動更新時間が規定されている。具体的には、新たに開始される特別図柄変動の変動時間が5000ms(5秒)である場合には(即ち、完全外れCの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として5000ms(5秒)が設定される。新たに開始される特別図柄変動の変動時間が8000ms(8秒)である場合には(即ち、完全外れBの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として8000ms(8秒)が設定される。新たに開始される特別図柄変動の変動時間が12000ms(12秒)である場合には(即ち、ショートリーチAの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として12000ms(12秒)が設定される。新たに開始される特別図柄変動の変動時間が17000ms(17秒)である場合には(即ち、完全外れAまたはロングリーチAの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として17000ms(17秒)が設定される。新たに開始される特別図柄変動の変動時間が30000ms(30秒)である場合には(即ち、スーパーリーチAの変動パターンが設定された場合)、疑似変動更新時間として30000ms(30秒)が設定される。
なお、新たに開始される特別図柄の変動時間が3秒である場合(即ち、完全外れDの変動パターンが設定された場合)には、疑似変動更新時間が設定されない構成としている。これは、完全外れDの変動パターンが設定されるのは、特別図柄の変動開始時に保留球数が3個存在する場合であり、この場合に疑似変動の残時間を3秒に更新してしまうと、ミッション選択演出(図1252(b)参照)の実行中に疑似変動が終了してしまうという不具合が生じるためである。このように構成することで、ミッション選択演出を完全外れDの特別図柄の変動期間で実行し、次の特別図柄の変動期間で結果報知演出を実行することが可能となり、短い変動時間の変動パターンが設定された場合であっても、ミッション選択演出と結果報知演出を実行することができる。
次に、図1267を参照して、結果報知演出態様設定テーブル222dcCの内容について説明をする。図1267は、結果報知演出態様設定テーブル222dcCに規定されている内容を模式的に示した図である。結果報知演出態様設定テーブル222dcCは、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)終了時に保留球が存在し、その保留球に基づいて新たに特別図柄の変動(2回目の特図変動)が開始される場合に実行される結果報知演出の演出態様を設定するために参照されるテーブルである。結果報知演出態様設定テーブル222dcCは、第2演出カウンタ値CS2に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)およびミッション種別に対応する演出態様がそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、遊技者が選択したミッション種別、取得した第2演出カウンタ値CS2に基づいて、詳細な結果報知演出の演出態様を選択する。
具体的には、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」で、ミッション種別が「一撃ミッション」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が7秒の「結果報知演出Ac1」が設定され、第2演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が7秒の「結果報知演出Bc1」が設定される。この「結果報知演出Ac1」と「結果報知演出Bc1」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、結果報知演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「結果報知演出Ac1」では大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「結果報知演出Bc1」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「当たりショートリーチA」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が7秒の「結果報知演出Ac2」が設定され、第2演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が7秒の「結果報知演出Bc2」が設定される。この「結果報知演出Ac2」と「結果報知演出Bc2」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、結果報知演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「結果報知演出Ac2」では大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「結果報知演出Bc2」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「当たりショートリーチA」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が7秒の「結果報知演出Ac3」が設定され、第2演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が7秒の「結果報知演出Bc3」が設定される。この「結果報知演出Ac3」と「結果報知演出Bc3」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、結果報知演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「結果報知演出Ac3」では大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「結果報知演出Bc3」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。
変動パターン種別が「当たりロングリーチA」で、ミッション種別が「一撃ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Cc1」が設定され、演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Dc1」が設定される。この「結果報知演出C」と「結果報知演出D」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、結果報知演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「結果報知演出Cc1」では大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「結果報知演出Dc1」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Cc2」が設定され、演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Dc2」が設定される。この「結果報知演出Cc2」と「結果報知演出Dc2」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、結果報知演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「結果報知演出Cc2」では大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「結果報知演出Dc2」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Cc3」が設定され、演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Dc3」が設定される。この「結果報知演出Cc3」と「結果報知演出Dc3」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、結果報知演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「結果報知演出Cc3」では大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「結果報知演出Dc3」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。
変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」で、ミッション種別が「一撃ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が25秒の「結果報知演出Ec1」が設定される。この「結果報知演出Ec1」は、ミッション演出が成功する演出態様であり、大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が25秒の「結果報知演出Ec2」が設定される。この「結果報知演出Ec2」は、ミッション演出が成功する演出態様であり、大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が25秒の「結果報知演出Ec3」が設定される。この「結果報知演出Ec3」は、ミッション演出が成功する演出態様であり、大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。
変動パターン種別が「完全外れA」で、ミッション種別が「一撃ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Fc1」が設定される。この「結果報知演出Fc1」はミッション演出が失敗する演出態様である。変動パターン種別が「完全外れA」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Fc2」が設定される。この「結果報知演出Fc2」はミッション演出が失敗する演出態様である。変動パターン種別が「完全外れA」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Fc3」が設定される。この「結果報知演出Fc3」はミッション演出が失敗する演出態様である。
変動パターン種別が「完全外れB」で、ミッション種別が「一撃ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が3秒の「結果報知演出Gc1」が設定される。この「結果報知演出Gc1」は、ミッション演出が失敗する演出態様である。変動パターン種別が「完全外れB」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が3秒の「結果報知演出Gc2」が設定される。この「結果報知演出Gc2」は、ミッション演出が失敗する演出態様である。変動パターン種別が「完全外れB」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が3秒の「結果報知演出Gc3」が設定される。この「結果報知演出Gc3」は、ミッション演出が失敗する演出態様である。
変動パターン種別が「完全外れC」で、ミッション種別が「一撃ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が2秒の「結果報知演出Hc1」が設定される。この「結果報知演出Hc1」は、ミッション演出が失敗する演出態様である。変動パターン種別が「完全外れC」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が2秒の「結果報知演出Hc2」が設定される。この「結果報知演出Hc2」は、ミッション演出が失敗する演出態様である。変動パターン種別が「完全外れC」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が2秒の「結果報知演出Hc3」が設定される。この「結果報知演出Hc3」は、ミッション演出が失敗する演出態様である。
変動パターン種別が「外れショートリーチA」で、ミッション種別が「一撃ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が7秒の「結果報知演出Ic1」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が7秒の「結果報知演出Jc1」が設定される。「結果報知演出Ic1」と「結果報知演出Jc1」は、どちらもミッション演出が失敗する演出態様であるが、結果報知演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「結果報知演出Ic1」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「結果報知演出Jc1」では大当たり当選期待度が20%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が7秒の「結果報知演出Ic2」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が7秒の「結果報知演出Jc2」が設定される。「結果報知演出Ic2」と「結果報知演出Jc2」は、どちらもミッション演出が失敗する演出態様であるが、結果報知演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「結果報知演出Ic2」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「結果報知演出Jc2」では大当たり当選期待度が20%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が7秒の「結果報知演出Ic3」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が7秒の「結果報知演出Jc3」が設定される。「結果報知演出Ic3」と「結果報知演出Jc3」は、どちらもミッション演出が失敗する演出態様であるが、結果報知演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「結果報知演出Ic3」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「結果報知演出Jc3」では大当たり当選期待度が20%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。
変動パターン種別が「外れロングリーチA」で、ミッション種別が「一撃ミッション」あり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Kc1」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Lc1」が設定される。「結果報知演出Kc1」と「結果報知演出Lc1」は、どちらもミッション演出が失敗する演出態様であるが、結果報知演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「結果報知演出Kc1」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「結果報知演出Lc1」では大当たり当選期待度が20%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「外れロングリーチA」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Kc2」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Lc2」が設定される。「結果報知演出Kc2」と「結果報知演出Lc2」は、どちらもミッション演出が失敗する演出態様であるが、結果報知演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「結果報知演出Kc2」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「結果報知演出Lc2」では大当たり当選期待度が20%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「外れロングリーチA」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Kc3」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「結果報知演出Lc3」が設定される。「結果報知演出Kc3」と「結果報知演出Lc3」は、どちらもミッション演出が失敗する演出態様であるが、結果報知演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「結果報知演出Kc3」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「結果報知演出Lc3」では大当たり当選期待度が20%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。
変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」で、ミッション種別が「一撃ミッション」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が25秒の「結果報知演出Mc1」が設定される。この「結果報知演出Mc1」は、ミッション演出が失敗する演出態様であり、大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が25秒の「結果報知演出Mc2」が設定される。この「結果報知演出Mc2」は、ミッション演出が失敗する演出態様であり、大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が25秒の「結果報知演出Mc3」が設定される。この「結果報知演出Mc3」は、ミッション演出が失敗する演出態様であり、大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。
次に、図1268を参照して、書き換え演出態様設定テーブル222ddCの内容について説明をする。図1268は、書き換え演出態様設定テーブル222ddCに規定されている内容を模式的に示した図である。書き換え演出態様設定テーブル222ddCは、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)終了時に保留球が存在せず、疑似変動継続中に新たな第1入球口64への入賞に基づいて特別図柄の変動(2回目の特図変動)が開始される場合に実行される書き換え演出(図1254(a)参照)の演出態様を設定するために参照されるテーブルである。図1268に示す通り、書き換え演出態様設定テーブル222ddCは、第2演出カウンタ値CS2に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)と、ミッション種別に対応する演出態様がそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、取得した演出カウンタ値CS2に基づいて、詳細な書き換え演出の演出態様を選択する。
具体的には、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」で、ミッション種別が「一撃ミッション」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が7秒の「書き換え演出Ac1」が設定され、第2演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が7秒の「書き換え演出Bc1」が設定される。この「書き換え演出Ac1」と「書き換え演出Bc1」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、書き換え演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「書き換え演出Ac1」では大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「書き換え演出Bc1」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「当たりショートリーチA」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が7秒の「書き換え演出Ac2」が設定され、第2演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が7秒の「書き換え演出Bc2」が設定される。この「書き換え演出Ac2」と「書き換え演出Bc2」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、書き換え演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「書き換え演出Ac2」では大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「書き換え演出Bc2」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「当たりショートリーチA」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が7秒の「書き換え演出Ac3」が設定され、第2演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が7秒の「書き換え演出Bc3」が設定される。この「書き換え演出Ac3」と「書き換え演出Bc3」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、書き換え演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「書き換え演出Ac3」では大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「書き換え演出Bc3」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。
変動パターン種別が「当たりロングリーチA」で、ミッション種別が「一撃ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が12秒の「書き換え演出Cc1」が設定され、演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「書き換え演出Dc1」が設定される。この「書き換え演出Cc1」と「書き換え演出Dc1」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、書き換え演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「書き換え演出Cc1」では大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「書き換え演出Dc1」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が12秒の「書き換え演出Cc2」が設定され、演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「書き換え演出Dc2」が設定される。この「書き換え演出Cc2」と「書き換え演出Dc2」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、書き換え演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「書き換え演出Cc2」では大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「書き換え演出Dc2」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が12秒の「書き換え演出Cc3」が設定され、演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「書き換え演出Dc3」が設定される。この「書き換え演出Cc3」と「書き換え演出Dc3」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、書き換え演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「書き換え演出Cc3」では大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「書き換え演出Dc3」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。
変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」で、ミッション種別が「一撃ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が25秒の「書き換え演出Ec1」が設定される。この「書き換え演出Ec1」は、ミッション演出が成功する演出態様であり、大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が25秒の「書き換え演出Ec2」が設定される。この「書き換え演出Ec2」は、ミッション演出が成功する演出態様であり、大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が25秒の「書き換え演出Ec3」が設定される。この「書き換え演出Ec3」は、ミッション演出が成功する演出態様であり、大当たり当選期待度が80%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」で、ミッション種別が「一撃ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が7秒の「書き換え演出Fc1」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が7秒の「書き換え演出Gc1」が設定される。「書き換え演出Fc1」と「書き換え演出Gc1」は、どちらもミッション演出が失敗する演出態様であるが、書き換え演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「書き換え演出Fc1」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「書き換え演出Gc1」では大当たり当選期待度が20%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。
変動パターン種別が「外れショートリーチA」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が7秒の「書き換え演出Fc2」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が7秒の「書き換え演出Gc2」が設定される。「書き換え演出Fc2」と「書き換え演出Gc2」は、どちらもミッション演出が失敗する演出態様であるが、書き換え演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「書き換え演出Fc2」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「書き換え演出Gc2」では大当たり当選期待度が20%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が7秒の「書き換え演出Fc3」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が7秒の「書き換え演出Gc3」が設定される。「書き換え演出Fc3」と「書き換え演出Gc3」は、どちらもミッション演出が失敗する演出態様であるが、書き換え演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「書き換え演出Fc3」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「書き換え演出Gc3」では大当たり当選期待度が20%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「外れロングリーチA」で、ミッション種別が「一撃ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が12秒の「書き換え演出Hc1」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「書き換え演出Ic1」が設定される。「書き換え演出Hc1」と「書き換え演出Ic1」は、どちらもミッション演出が失敗する演出態様であるが、書き換え演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「書き換え演出Hc1」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「書き換え演出Ic1」では大当たり当選期待度が20%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。
変動パターン種別が「外れロングリーチA」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が12秒の「書き換え演出Hc2」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「書き換え演出Ic2」が設定される。「書き換え演出Hc2」と「書き換え演出Ic2」は、どちらもミッション演出が失敗する演出態様であるが、書き換え演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「書き換え演出Hc2」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「書き換え演出Ic2」では大当たり当選期待度が20%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「外れロングリーチA」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が12秒の「書き換え演出Hc3」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が12秒の「書き換え演出Ic3」が設定される。「書き換え演出Hc3」と「書き換え演出Ic3」は、どちらもミッション演出が失敗する演出態様であるが、書き換え演出において表示されるチャンスアップの種類が異なり、「書き換え演出Hc3」では大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示され、「書き換え演出Ic3」では大当たり当選期待度が20%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」で、ミッション種別が「一撃ミッション」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が25秒の「書き換え演出Jc1」が設定される。この「書き換え演出Jc1」は、ミッション演出が失敗する演出態様であり、大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。
変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」で、ミッション種別が「連打ミッション」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が25秒の「書き換え演出Jc2」が設定される。この「書き換え演出Jc2」は、ミッション演出が失敗する演出態様であり、大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」で、ミッション種別が「長押しミッション」であり、第2演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が25秒の「書き換え演出Jc3」が設定される。この「書き換え演出Jc3」は、ミッション演出が失敗する演出態様であり、大当たり当選期待度が50%であることを示す態様のチャンスアップ演出が表示される。
次に、図1261(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図1261(b)に示すように、本第29制御例の第3変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第29制御例に対して、ボタン操作有効期間タイマ223daCと、決定ボタン押下フラグ223dbCと、選択ボタン押下フラグ223dcCと、ボタン操作有効期間経過フラグ223ddCと、ミッション選択期間フラグ223deCと、ミッション種別決定フラグ223dfCと、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCと、カーソル位置記憶エリアdhCと、ミッション種別格納エリア223djCと、結果報知演出開始タイマ223dkCと、結果報知演出開始タイマ計測フラグ223dmCと、書き換え演出開始タイマ223dnCと、書き換え演出開始タイマ計測フラグ223dpCと、特殊演出態様格納エリア223dqCと、時間調整フラグ223drCと、時間調整タイマ223dsCと、シナリオカウンタ223dtCと、仮結果報知演出設定フラグ223duCを新たに追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
ボタン操作有効期間タイマ223daCは、枠ボタン22Aへの操作が有効となる期間を設定する場合に、タイマ値が設定され(図1273および図1284参照)、枠ボタン入力・監視処理(S2125D)においてタイマ値が更新される(図1271参照)。決定ボタン押下フラグ223dbCは、枠ボタン入力・監視処理(S2125D)において、決定ボタン600aへの操作があったと判別された場合にオンに設定されるフラグである。本第29制御例の第3変形例では、決定ボタン押下フラグ223dbCがオンに設定されたことに基づいて、ミッション種別が決定される。選択ボタン押下フラグ223dcCは、枠ボタン入力・監視処理(S2125D)において、選択ボタン600b~600eへの操作があったと判別された場合にオンに設定されるフラグである。本第29制御例の第3変形例では、選択ボタン押下フラグ223dcCがオンに設定されたことに基づいて、第3図柄表示装置81に表示されるカーソルKs1(図1252(b)参照)の位置を可変させる。
ボタン操作有効期間経過フラグ223ddCは、枠ボタン入力・監視処理(S2125D)において、決定ボタン600aが操作される前にボタン操作有効期間タイマ223daCのタイマ値が0となった場合にオンに設定される。このボタン操作有効期間経過フラグ223ddCがオンに設定された場合には、ミッション選択演出において遊技者が決定ボタン600aを操作しなかった場合であっても、自動的にミッション種別を決定する処理が実行される。ミッション選択期間フラグ223deCは、ミッション選択演出が実行されている期間であることを示すフラグである。このミッション選択期間フラグ223deCがオンに設定されている期間は、疑似変動実行中処理(図1274参照)においてミッション選択処理(S2743D)が実行され、ミッション種別が決定されるとオフに設定される。ミッション種別決定フラグ223dfCは、ミッション種別が決定されたことを示すフラグであり、ミッション種別決定フラグ223dfCがオンに設定されると、ミッション選択期間フラグ223deCがオフに設定される。
特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCは、疑似変動の実行中に副表示領域Dsにおいて特殊演出用コメントを表示中であることを示すフラグであり、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンに設定されている期間は、保留個数表示更新処理(S2124D)において、副表示領域Dsで保留図柄を表示するための処理が実行されない(図1270参照)。カーソル位置記憶エリアdhCは、ミッション選択演出が実行されている期間に選択ボタン600b~600eの操作によってカーソルKs1の位置を可変させた場合に、カーソルKs1が指し示すミッション種別に対応する情報を設定するための領域である。カーソル位置記憶エリアdhCに設定されているミッション種別に対応する情報は、遊技者が決定ボタン600aを操作した場合、またはボタン操作有効期間が経過した場合に読み出され、ミッション種別格納エリア223djCに設定される。ミッション種別格納エリア223djCは、ミッション選択演出において決定されたミッション種別に対応する情報を設定するための領域である。ミッション種別格納エリア223djCに設定されている情報は、結果報知演出態様や、書き換え演出態様を設定する場合に読み出される。
結果報知演出開始タイマ223dkCは、疑似変動中に結果報知演出を実行するタイミングを制御するために用いられるタイマである。結果報知演出開始タイマ計測フラグ223dmCは、結果報知演出開始タイマ223dkCのタイマ値が設定された場合にオンに設定されるフラグであり、このフラグがオンに設定されている期間は、結果報知演出開始処理(S3213D)において、結果報知演出開始タイマ223dkCの更新が実行される。書き換え演出開始タイマ223dnCは、疑似変動中に書き換え演出を実行するタイミングを制御するために用いられるタイマである。書き換え演出開始タイマ計測フラグ223dpCは、書き換え演出開始タイマ223dnCのタイマ値が設定された場合にオンに設定されるフラグであり、このフラグがオンに設定されている期間は、書き換え演出開始処理(S3214D)において、書き換え演出開始タイマ223dghの更新が実行される。
特殊演出態様格納エリア2223dqCは、結果報知演出の演出態様や書き換え演出の演出態様が決定された場合に、結果報知演出または書き換え演出の開始タイミングとなるまでの期間、設定された演出態様に対応する情報を格納しておくための領域である。シナリオカウンタc223dtCは、疑似変動の実行期間において第1判定タイミングおよび第2判定タイミングを判別するために用いられるカウンタである。疑似変動が開始されると、1ms毎に1ずつカウンタ値が加算される。仮結果報知演出設定フラグ223duCは、ミッション種別が決定される前に特別図柄の変動表示が開始された場合に、一時的に仮の結果報知態様を設定していることを示すためのフラグである。
<第29制御例の第3変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図1269~図1284を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。なお、電源投入時の立ち上げ処理については上述した第29制御例と同一であるため、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。まず、図1269を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図1269は、このメイン処理を示したフローチャートである。上述した第29制御例におけるメイン処理に対して、保留個数表示更新処理(S2106D)に代えて保留個数表示更新処理(S2124D)を、枠ボタン入力監視・演出処理(S2107D)に代えて枠ボタン入力監視・演出処理(S2125D)を、液晶演出実行管理処理(S2110D)に代えて液晶演出実行管理処理(S2126D)を、コマンド判定処理(S2112D)に代えてコマンド判定処理(S2127D)を実行する点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、または前回S2101Dの処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したかを判別し(S2101D)、1ミリ秒以上経過していなければ(S2101D:No)、S2102D~S2105D、S2124D、S2125D、S2108D、S2109D、S2126DおよびS2111Dの処理を行わずにS2127Dの処理へ移行する。S2101Dの処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S2102D~S2105D、S2124D、S2125D、S2108D、S2109D、S2126DおよびS2111Dが主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2127Dのコマンド判定処理や、S2113Dの変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2127Dの処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2113Dの処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101Dの処理で1ミリ秒以上経過していれば(S2101D:Yes)、まず、S2102D~S2105D、S2124D、S2125D、S2108D、S2109D、S2126DおよびS2111D、S2127DおよびS2113Dの処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102D)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108Dの処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103D)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104D)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105Dの処理へ移行する。S2105Dの処理では客待ち演出処理を実行する(S2106D)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定が行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
客待ち演出処理が終わると、保留個数表示更新処理を実行する(S2124D)。保留個数表示更新処理(S2124D)では、主制御装置110から受信した保留球数コマンドに対応する保留図柄を第3図柄表示装置81に表示するための処理を行う。この保留個数表示更新処理(S2124D)の内容については、図1270を参照して後述する。その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2125D)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22Aが押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22Aの入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22Aの遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22Aが操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。なお、枠ボタン入力監視・演出処理の詳細な説明は、図1271を参照して後述する。
また、変動演出が未実行の期間に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22Aを押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22Aを押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22Aを複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2108D)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109D)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2109Dの処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S2126D)、S2111Dの処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2108Dのランプ編集処理が実行される。なお、S2109Dの音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。液晶演出実行管理処理の内容については、図1272を参照して後述する。
液晶演出実行管理処理が終わると、入賞頻度計測処理を実行する(S2111D)。この入賞頻度計測処理(S2111D)は、所定期間(本第29制御例の第3変形例では60秒間)に受信した入賞コマンド数に基づいて、遊技球が第1入球口64へ入賞する頻度の高低を判定するための処理である。本第29制御例の第3変形例では、この判定結果に基づいて、疑似変動ありの表示用変動パターンが選択され易い変動パターン選択テーブルを参照するか否かを決定する。入賞頻度計測処理が終わると、コマンド判定処理を実行する(S2127D)。コマンド判定処理(S2127D)では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行う。このコマンド判定処理の詳細については、図1280を参照して後述する。
コマンド判定処理が終わると、変動表示設定処理が実行される(S2113D)。変動表示設定処理は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である。
S2113Dの処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2114D)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2114Dの処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2114D:Yes)、電源断フラグおよび電源断処理中フラグを共にオンして(S2116D)、電源断処理を実行する(S2117D)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2118D)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。一方、S2114Dの処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2114D:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているかを判別し(S2115D)、RAM223が破壊されていなければ(S2115D:No)、S2101Dの処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2115D:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員を呼びパチンコ機10の修復を頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図1270を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留個数表示更新処理(S2124D)について説明する。図1270は、この保留個数表示更新処理(S2124D)を示したフローチャートである。この保留個数表示更新処理(S2124D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1269参照)の中で実行され、特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納されている保留球数に基づいて、第3図柄表示装置81における保留図柄の表示を更新させるための処理である。保留個数表示更新処理が実行されると、まず、特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納されている保留球数に変化があるかを判別する(S2141D)。保留球数に変化があると判別した場合には(S2141D:Yes)、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンであるかを判別し(S2153D)、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンではないと判別した場合には(S2153D:No)、特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納されている保留球数に基づく表示用保留球数コマンドを設定する。一方、S2142Dの処理において、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンであると判別した場合には(S2153D:Yes)、S2143Dの処理をスキップし、S2144Dの処理へ移行する。
ここで、本第29制御例の第3変形例では、上述したように疑似変動が開始されると副表示領域Dsに特殊演出用のコメント(案内態様)が表示される(図1252(a)参照)。これにより、疑似変動の実行中は、実行エリアDs1および保留球数表示エリアDs2に表示される保留図柄を遊技者が視認できないため、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンに設定されている場合は、第3図柄表示装置81における保留図柄の更新表示を実行せず、疑似変動終了時に再度保留球数に対応する保留図柄を表示させる構成としている。
S2141Dの処理において、保留球数に変化がないと判別した場合には(S2141D:No)、主制御装置110からの入賞コマンドを受信したかを判別する(S2150D)。入賞コマンドを受信したと判別した場合には(S2150D:Yes)、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンであるかを判別し(S2154D)、オンでないと判別した場合には(S2154D:No)、保留球数表示エリアDs2に表示されている保留図柄の最後尾に新たな保留図柄を表示させる入球演出を実行させるための表示用コマンドを設定する(S2154D)。一方、S2150Dの処理において、入賞コマンドを受信していないと判別した場合(S2150D:No)または入賞コマンドを受信したが特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンであると判別した場合には(S2154D:Yes)、S2152Dの処理をスキップし、S2144Dの処理へ移行する。このように構成することで、特別図柄の変動開始と第1入球口64への遊技球の入賞が同時となった場合のように、保留球のシフトが実行されても保留球数に変化がない場合に、第3図柄表示装置81における保留図柄の表示を更新させることができる。
S2144Dの処理では、主制御装置110からの変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S2144D)、変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S2144D:Yes)、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンであるかを判別し(S2155D)、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンではないと判別した場合には(S2155D:No)、保留球数表示エリアDs2の第1保留エリア(図1118の台座m1)から実行エリアDs1へ保留図柄がシフトする移行演出を実行させるための表示用コマンドを設定する(S2146D)。一方、S2144Dの処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合(S2144D:No)または変動パターンコマンドを受信したが、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンであると判別した場合には(S2155D:Yes)、S2146Dの処理をスキップし、S2147Dの処理へ移行する。
S2147Dの処理では、主制御装置110からの停止コマンドを受信したかを判別する(S2147D)。停止コマンドを受信したと判別した場合には(S2147D:Yes)、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンであるかを判別し(S2156D)、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンではないと判別した場合には(S2156D:No)、実行エリアDs1に表示されている保留図柄を消去する表示用コマンドを設定する(S2149D)。一方、S2147Dの処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合(S2147D:No)または停止コマンドを受信したが特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンであると判別した場合には(S2156D:Yes)、S2149Dの処理をスキップし、本処理を終了する。なお、保留個数表示更新処理では、各処理において特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンであるか否かを判別する構成としたが、これに限るものではない。例えば、保留個数表示更新処理が開始された場合に、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンであるか否かを判別し、オンであると判別した場合には、以降の各処理をスキップし、本処理を終了する構成としても良い。
次に、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S2125D)について説明する。図1271は、この疑似変動開始処理(S2125D)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S2125D)では、疑似変動の実行期間における枠ボタン22Aのボタン操作有効期間の更新、および枠ボタン22Aの操作の有無を監視するための処理を実行する。
枠ボタン入力監視・演出処理(S2125D)が実行されると、まず、ボタン操作有効期間タイマ223daCの値が0であるかを判別する(S2901D)。ボタン操作有効期間タイマ223daCのタイマ値は、後述する疑似変動開始処理(図1273参照)または停止処理(図1284参照)において設定される。ボタン操作有効期間タイマ223daCの値が0である場合には(S2901D:Yes)、ボタン操作有効期間ではないため、本処理を終了する。一方、ボタン操作有効期間タイマ223daCの値が0ではないと判別した場合には(S2901D:No)、ボタン操作有効期間タイマ223daCの値を1減算する(S2902D)。その後、S2902Dの処理において1減算した後のボタン操作有効期間タイマ223daCの値が0であるかを判別する(S2903D)。ボタン操作有効期間タイマ223daCの値が0であると判別した場合には(S2903D:Yes)、ボタン操作有効期間が経過したことを示すためのボタン操作有効期間経過フラグ223ddCをオンに設定する(S2909D)。このボタン操作有効期間経過フラグ223ddCがオンに設定されることで、ボタン操作有効期間中に遊技者が演出ボタン22を操作しなかった場合であっても、後述するミッション選択処理(図1275参照)において自動的にミッション種別が設定される。一方、S2903Dの処理において、ボタン操作有効期間タイマ223daCの値が0ではないと判別した場合には(S2903D:No)、遊技者が決定ボタン600aを操作したかを判別する(S2904D)。遊技者が決定ボタン600aを操作したと判別した場合には(S2904D:Yes)、決定ボタン押下フラグ223dbCをオンに設定し(S2905D)、ボタン操作有効期間タイマ223daCの値をクリアする(S2906D)。その後、S2907Dの処理に移行する。
S2904Dの処理において、遊技者が決定ボタン600aを操作していないと判別した場合には(S2904D:No)、S2905DおよびS2906Dの処理をスキップしてS2907Dの処理に移行する。S2907Dの処理では、遊技者が選択ボタン600を操作したかを判別する(S2907D)。遊技者が選択ボタン600を操作したと判別した場合には(S2907D:Yes)、選択ボタン押下フラグ223dcCをオンに設定し(S2908D)、本処理を終了する。一方、S2907Dの処理において、遊技者が選択ボタンを操作していないと判別した場合には(S2907D:No)、S2908Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
次に、図1272を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される液晶演出実行管理処理(S2126D)について説明する。図1272は、この液晶演出実行管理処理(S2126D)を示したフローチャートである。この液晶演出実行管理処理(S2126D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1269参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81で行われる疑似変動に関連するカウンタの値を更新する処理や疑似変動の開始終了を管理するための処理が実行される。液晶演出実行管理処理が実行されると、まず、疑似変動実行フラグ223dgがオンであるかを判別する(S2231D)。疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動が実行されていない場合)には(S2231D:No)、疑似変動待機フラグ223drがオンであるかを判別する(S2232D)。疑似変動待機フラグ223drがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動ありの特別図柄の変動が実行されていない場合)には(S2232D:No)、S2233D~S2234DおよびS2247Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
S2232Dの処理において、疑似変動待機フラグ223drがオンであると判別した場合(即ち、疑似変動ありの特別図柄の変動が実行されている場合)には(S2232D:Yes)、疑似変動開始タイマ223dpの値を1減算する(S2233D)。次に、S2233Dの処理において、減算された疑似変動開始タイマ223dpの値が0であるか否かを判別し(S2234D)、0でないと判別した場合には(S2234D:No)、疑似変動の開始タイミングではないため、S2235Dの処理をスキップし、本処理を終了する。一方、S2234Dの処理において、疑似変動開始タイマ223drの値が0であると判別した場合には(S2234D:Yes)、疑似変動開始処理を実行する(S2247D)。この疑似変動開始処理(S2247D)の詳細な説明については、図1273を参照して後述する。
S2231Dの処理において、疑似変動実行フラグ223dgがオンである(即ち、疑似変動の実行期間中である)と判別した場合には(S2231D:Yes)、疑似変動残時間タイマ223dhの値を1減算し(S2240D)、減算後の疑似変動残時間タイマ223dhの値が0であるかを判別する(S2241D)。疑似変動残時間タイマ223dhの値が0ではないと判別した場合には(S2241D:No)、疑似変動実行中処理を実行する(S2250D)。この疑似変動実行中処理(S2250D)の詳細な説明については、図1274を参照して後述する。一方、S2241Dの処理において、疑似変動残時間タイマ223dhの値が0であると判別した場合には(S2241D:Yes)、疑似変動終了を示すための表示用コマンドを設定し(S2242D)、疑似変動実行フラグ223dgをオフに設定する(S2243D)。その後、特別図柄1保留球数カウンタ223daのカウンタ値に対応する保留図柄を表示するための表示用コマンドを設定し(S2244D)、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCをオフに設定する(S2248D)。そして、シナリオカウンタ223dtCの値をクリアし(S2249D)、本処理を終了する。
次に、図1273を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される疑似変動開始処理(S2247D)について説明する。図1273は、この疑似変動開始処理(S2247D)を示したフローチャートである。この疑似変動開始処理(S2247D)は、上述した第29制御例における疑似変動開始処理に対して、疑似変動が開始される特別図柄の当否判定結果に基づいて、ミッション選択演出の実行を設定する処理が行われる点で相違している。疑似変動開始処理(S2247D)が実行されると、まず、変動中の特別図柄の当否判定結果は大当たり当選であるかを判別する(S2815D)。大当たり当選ではないと判別した場合には(S2815D:No)、ミッション選択演出(図1252(a)参照)を実行するための表示用コマンドを設定し(S2816D)、疑似変動残時間タイマhbに13000(ms)に対応する値を設定する(S2817D)。一方、S2815Dの処理において、変動中の特別図柄の当否判定結果が大当たり当選であると判別した場合には(S2815D:Yes)、当たり用ミッション選択演出(図1254(b)参照)を実行するための表示用コマンドを設定し(S2818D)、疑似変動残時間タイマ223dhに8000(ms)に対応する値を設定する(S2819D)。その後、ボタン操作有効期間タイマ223daCに5000(ms)に対応する値を設定し(S2820D)、ミッション選択期間フラグ223deCをオンに設定する(S2821D)。
S2817DまたはS2821Dの処理が終了すると、疑似変動実行フラグ223dgをオンに設定し(S2802D)、疑似変動待機フラグ223drをオフに設定する(S2803D)。そして、副表示領域Dsに特殊演出用コメント表示態様を表示するための表示用コマンドを設定し(S2822D)、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCをオンに設定し(S2823D)、本処理を終了する。
次に、図1274を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される疑似変動実行中処理(S2250D)について説明する。図1274は、この疑似変動実行中処理(S2250D)を示したフローチャートである。この疑似変動実行中処理(S2250D)では、ミッション種別の設定や、特殊演出のシナリオを設定されたミッション種別に対応するシナリオに更新するための処理が実行される。疑似変動実行中処理(S2250D)が実行されると、まず、ミッション選択期間フラグ223deCがオンであるかを判別する(S2742D)。ミッション選択期間フラグ223deCがオンであると判別した場合には(S2742D:Yes)、ミッション選択処理を実行する(S2743D)。このミッション選択処理(S2743D)の詳細な説明は、図1275を参照して後述する。S2743Dの処理が終了すると、ミッション種別決定フラグ223dfCがオンであるかを判別する(S2744D)。ミッション種別決定フラグ223dfCがオンであると判別した場合には(S2744D:Yes)、ミッション選択期間フラグ223deCをオフに設定し(S2745D)、S2747Dの処理へ移行する。
S2742Dの処理において、ミッション選択期間フラグ223deCがオンではないと判別した場合には(S2742D:No)、特殊演出シナリオ更新処理を実行する(S2746D)。特殊演出シナリオ更新処理(S2746D)では、結果報知演出や書き換え演出の演出時間の更新や、設定されたミッション種別に対応する演出態様の設定に関連する処理を実行する。この特殊演出シナリオ更新処理(S2746D)の詳細な説明については、図1276を参照して後述する。S2745DまたはS2746Dの処理が終了すると、時間調整フラグ223drCがオンであるかを判別する(S2747D)。時間調整フラグ223drCがオンであると判別した場合には(S2748D:Yes)、時間調整タイマ223dgkの値を1減算し(S2748D)、シナリオカウンタ223dtCの値を1加算し(S2749D)、本処理を終了する。
次に、図1275を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるミッション選択処理(S2743D)について説明する。図1275は、このミッション選択処理(S2743D)を示したフローチャートである。ミッション選択処理(S2743D)では、枠ボタン入力監視・演出処理(S2125D)において枠ボタン22Aの操作があった場合に、ミッション種別を決定するための処理が実行される。ミッション選択処理が実行されると、まず、決定ボタン押下フラグ223dbCがオンであるかを判別する(S3101D)。決定ボタン押下フラグ223dbCがオンであると判別した場合には(S3101D:Yes)、カーソル位置記憶エリア223dgcに設定されているミッション種別の情報をミッション種別格納エリア223dhCに設定し(S3102D)、カーソル位置記憶エリア223dhCに設定されているミッション種別の情報をクリアにする(S3103D)。そして、ミッション種別決定フラグ223dfCをオンに設定し(S3104D)、決定ボタン押下フラグ223dbCをオフに設定し(S3105D)、本処理を終了する。このように構成することで、新たにミッション選択演出が開始される場合のカーソルKs1の表示位置を毎回決まったカーソル位置(本第29制御例の第3変形例では図1252(b)に示す「連打ミッション」アイコンの下部)とすることができるので、ミッション選択演出開始時のカーソル位置が遊技者のお気に入りのミッション種別に対応するカーソル位置ではない場合に、お気に入りのミッション種別を選択しようと毎回選択ボタン600を操作させることができるので、ミッション選択演出に注目させることが可能となり、特別図柄の変動表示が実行されていないことを遊技者に気付かれ難くするという演出効果を向上させることができる。
なお、本第29制御例の第3変形例では、決定ボタン600aが押下されたことに対応してカーソル位置記憶エリア223dhCに記憶されている情報を消去する構成としたが、これに限るものではなく、前回実行されたミッション選択演出における最終カーソル位置情報(前回のミッション選択演出で選択されたミッション種別アイコンに対応するカーソル位置の情報)をカーソル位置記憶エリア223dhCに記憶したまま消去せず、新たにミッション選択演出が開始される場合には前回のミッション選択演出における最終カーソル位置にカーソルKs1が表示される構成としても良い。このように前回選択したミッション種別に対応するカーソル位置からスタートすることで、遊技者が選択ボタン600を操作しなくても遊技者のお気に入りのミッション種別が選択され易くすることができる。
一方、S3101Dの処理において、決定ボタン押下フラグ223dbCがオンではないと判別した場合には(S3106D:No)、次に、選択ボタン押下フラグ223dcCがオンであるかを判別する(S3106D)。選択ボタン押下フラグ223dcCがオンであると判別した場合には(S3106D:Yes)、選択ボタンの種別に対応した位置にカーソルKs1を移動させるための表示用コマンドを設定する(S3107D)。具体的には、遊技者が右ボタン600cを操作した場合には、図1252(b)に示す、表示中のカーソルKs1の位置を、右に1つ移動させるための表示用コマンドが設定される。これに合わせて、移動後のカーソル位置に対応するミッション種別アイコンのキャラがアクション(キャラボイスを音声出力装置226から出力したり、キャラのポーズを可変させる表示など)を行うための表示用コマンドを設定する。そして、選択ボタン600の操作によって移動させたカーソルKs1が示すミッション種別に対応する情報をカーソル位置記憶エリアdhCに設定し(S3108D)、選択ボタン押下フラグ223dcCをオフに設定し(S3109D)、本処理を終了する。
なお、本第29制御例の第3変形例では、例えば、図1252(b)に示す「一撃ミッション」に対応する位置にカーソルKs1が表示されている場合に、遊技者がカーソルKs1を1つ左に移動させる左スイッチ600eを押下してもカーソルKs1はそれ以上左には移動しない構成としている。このように構成することで、右端に配置されているミッション種別アイコン(図1252(b)に示す例では、「長押しミッション」アイコン)に対応するカーソル位置から左端に配置されているミッション種別アイコン(図1252(b)に示す例では、「一撃ミッション」アイコン)に対応するカーソル位置にカーソルKs1を移動させようと遊技者が左スイッチ600eを焦って連打してもカーソル位置がループしないため、遊技者の任意のカーソル位置にカーソルKs1を移動させ易くなる。
なお、本第29制御例の第3変形例では、カーソル位置がループしない構成としたが、これに限るものではなく、カーソル位置がループする構成としても良い。このように構成することで、遊技者が選択ボタン600を適当に連打すると任意のカーソル位置にカーソルKs1を移動させることができないので、任意のカーソル位置にカーソルKs1を移動させようと選択ボタンの操作に集中させることが可能となり、特別図柄の変動表示が実行されていないことを遊技者に気付かれ難くするという演出効果を向上させることができる。
S3106Dの処理において、選択ボタン押下フラグ223dcCがオンではないと判別した場合には(S3110D:No)、ボタン操作有効期間経過フラグ223ddCがオンであるかを判別する(S3110D)。ボタン操作有効期間経過フラグ223ddCがオンであると判別した場合には(S3110D:Yes)、カーソル位置記憶エリアdhCに設定されているミッション種別の情報をミッション種別格納エリア223djCに設定し(S3111D)、カーソル位置記憶エリアdhCに設定されているミッション種別の情報をクリアにする(S3112D)。そして、ミッション種別決定フラグ223dfCをオンに設定し(S3113D)、ボタン操作有効期間経過フラグ223ddCをオフに設定し(S3114D)、本処理を終了する。
次に、図1276を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特殊演出シナリオ更新処理(S2746D)について説明する。図1276は、この特殊演出シナリオ更新処理(S2746D)を示したフローチャートである。この特殊演出シナリオ更新処理(S2746D)では、結果報知演出および書き換え演出の開始に関連する処理や、疑似変動中に新たに特別図柄の変動表示が開始された場合に生じる変動時間と演出時間のギャップを調整するための処理を実行する。特殊演出シナリオ更新処理(S2746D)が実行されると、まず、第1判定タイミングであるかを判別する。具体的には、シナリオカウンタ223dtCの値が図1255に示す第1判定タイミングに対応する値であるかを判別する。第1判定タイミングであると判別した場合には(S3201D:Yes)、次に、時間調整フラグ223drCがオンであるかを判別する(S3202D)。時間調整フラグ223drCがオンであると判別した場合には(S3202D:Yes)、時間調整タイマ223dsCの値に基づいて報知演出開始タイマ223dgeの値を設定する。具体的には、時間調整タイマ223dsCの現在のタイマ値を報知演出開始タイマ223dgeに設定する。そして、スタンバイ画面(図1253(a)参照)を表示するための表示用コマンドを設定し(S3204D)、時間調整フラグ223drCをオフに設定する(S3205D)。
ここで、上述したように、本第29制御例の第3変形例における各変動パターンに対応する結果報知演出の演出時間は、ミッション選択演出とミッション選択演出終了後のスタンバイ画面の表示時間を考慮した時間で規定されている。例えば、変動パターン種別が「外れショートリーチA」(変動時間12秒の外れ変動)である場合、結果報知演出の演出時間は、ミッション選択演出の演出時間3秒と、スタンバイ画面の標準表示時間2秒を変動時間12秒から減算した7秒で規定されている。しかしながら、ミッション選択演出は疑似変動が開始された特別図柄の変動停止後に、新たな特別図柄の変動表示が開始されなかった場合であっても継続して実行されるため、ミッション選択演出の実行中に新たな特別図柄の変動表示が開始された場合には、結果報知演出の演出時間と、ミッション選択演出終了後の特別図柄の残り変動時間にズレが生じる。このズレを軽減するために、本第29制御例の第3変形例では、スタンバイ画面の表示時間を可変させる構成とし、スタンバイ画面の表示時間は結果報知演出開始タイマ223dkCのタイマ値によって決定する。結果報知演出開始タイマ223dkCのタイマ値は、第1判定タイミングにおける時間調整タイマ223dsCのタイマ値に相当する。
ここで、時間調整タイマ223dsCのタイマ値は、疑似変動の実行中に新たに特別図柄の変動表示が開始される場合に5000(ms)に対応する値が設定され(図1281参照)、疑似変動実行中処理において1減算される(図1274参照)。疑似変動実行中処理(S2250D)は、メイン処理において1ms毎に実行される液晶演出実行管理処理(図1269参照)で実行される処理であるため、時間調整タイマ223dsCのタイマ値は1ms毎に1減算されることとなる。つまり、第1判定タイミングにおける時間調整タイマ223dsCのタイマ値は、特別図柄の変動表示開始から第1判定タイミングまでの時間を5000msから減算した数値となる。この数値は、ミッション選択演出の実行開始時期と、特別図柄の変動表示開始時期がズレた場合に生じる結果報知演出の演出時間と特別図柄の残りの変動時間の差と、スタンバイ画面の標準表示時間を合わせた数値と合致するため、第1判定タイミングにおける時間調整タイマ223dsCの値に基づいてスタンバイ画面の表示時間を設定することで、結果報知演出の演出時間と、ミッション選択演出終了後の特別図柄の残り変動時間にズレが生じることを軽減することができる。S3205Dの処理が終了すると、結果報知演出更新処理を実行し(S3206D)、本処理を終了する。
一方、S3202Dの処理において、時間調整フラグ223drCがオンではないと判別した場合には(S3202D:No)、S3203D~S3205Dの処理をスキップし、S3206Dの処理を実行する。S3201Dの処理において、シナリオカウンタ223dtCの値が第1判定タイミングに対応する値ではないと判別した場合には(S3201D:No)、次に、シナリオカウンタ223dtCの値が第2判定タイミングに対応する値であるかを判別する(S3207D)。第2判定タイミングであると判別した場合には(S3207D:Yes)、時間調整フラグ223drCがオンであるかを判別し(S3208D)、オンであると判別した場合には(3208:Yes)、時間調整タイマ223dsCのタイマ値に基づいて書き換え演出開始タイマ223dggのタイマ値を設定し(S3209D)、揺れ画面(図1253(b)参照)を表示するための表示用コマンドを設定する(S3210D)。そして、時間調整フラグ223drCをオフに設定し(S3211D)、書き換え演出開始タイマ計測フラグ223dghをオンに設定し(S3212D)、本処理を終了する。一方、S3208Dの処理において、時間調整フラグ223drCがオンではないと判別した場合には(S3208D:No)、S3209D~S3212Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
S3207Dの処理において、第2判定タイミングではないと判別した場合には(S3207D:No)、結果報知演出開始処理を実行する(S3213D)。この結果報知演出開始処理(S3213D)の詳細な説明は、図1278を参照して後述する。その後、書き換え演出開始処理を実行し(S3214D)、本処理を終了する。この書き換え演出開始処理(S3214D)の詳細な説明は、図1279を参照して後述する。
次に、図1277を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特殊演出更新処理(S3206D)について説明する。図1277は、この特殊演出更新処理(S3206D)を示したフローチャートである。この特殊演出更新処理(S3206D)では、決定されたミッション種別に基づいて結果報知演出の演出態様を更新するための処理を実行する。特殊演出更新処理(S3206D)が実行されると、まず、仮結果報知演出設定フラグ223duCがオンであるかを判別する(S3301D)。なお、仮結果報知演出設定フラグ223duCは、ミッション種別が決定されていない時点で特別図柄の変動表示が開始されたことに基づいて、仮の結果報知演出態様を特殊演出態様格納エリア223dgiに格納していることを示すためのフラグである。S3301Dの処理において、仮結果報知演出設定フラグ223duCがオンであると判別した場合には(S3301D:Yes)、第2演出カウンタ223dfの値を取得し(S3302D)、ミッション種別格納エリア223djCに設定(格納)されているミッション種別と、特別図柄の変動パターン種別と、第2演出カウンタ223dfの値に基づいて結果報知演出態様選択テーブル223huから結果報知演出態様を決定し(S3303D)、特殊演出態様格納エリア223dqCに決定した結果報知態様を設定する(S3304D)。そして、仮結果報知演出設定フラグ223duCをオフに設定し(S3305D)、結果報知演出開始タイマ計測フラグ223dgfをオンに設定し(S3309D)、本処理を終了する。一方、仮結果報知演出設定フラグ223duCがオンではないと判別した場合には(S3301D:No)、特別図柄の変動表示中であるかを判別する(S3306D)。特別図柄の変動表示中であると判別した場合には(S3306D:Yes)、特別図柄の変動開始時点でミッション種別がすでに決定されており、結果報知演出態様を更新する必要がないため、S3309Dの処理に移行する。
S3306Dの処理において、特別図柄の変動表示中ではないと判別した場合には(S3306D:No)、設定されているミッション種別に対応する演出時間5秒の外れ結果報知演出態様を特殊演出態様格納エリア223dqCに設定し(S3307D)、結果報知演出開始タイマ223dkCに1(ms)に対応する値を設定し(S3308D)、S3309Dの処理に移行する。特別図柄の変動表示が実行されていない場合は、結果報知演出の演出時間と特別図柄の変動時間とにズレが生じる可能性がなく、スタンバイ画面でズレを調整する必要がない。このため、結果報知演出開始タイマ223dkCに1(ms)に対応する値を設定することにより、次回液晶演出実行管理処理(S2126D)が実行された場合に、結果報知演出を開始させることが可能となる。
次に、図1278を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される結果報知演出開始処理(S3213D)について説明する。図1278は、この結果報知演出開始処理(S3213D)を示したフローチャートである。この結果報知演出開始処理(S3213D)では、結果報知演出開始タイマ223dkCの更新と、結果報知演出開始に関連する処理を実行する。結果報知演出開始処理が実行されると、まず、結果報知演出開始タイマ計測フラグ223dmCがオンであるかを判別する(s3401)。結果報知演出開始タイマ計測フラグ223dmCがオンではないと判別した場合には(s3401:No)、S3402D~S3405Dの処理をスキップし、本処理を終了する。一方、結果報知演出開始タイマ計測フラグ223dmCがオンであると判別した場合には(S3401D:Yes)、結果報知演出開始タイマ223dkCの値を1減算し(S3402D)、減算後の結果報知演出開始タイマ223dkCの値が0であるかを判別する(S3403D)。結果報知演出開始タイマ223dkCの値が0ではないと判別した場合には(S3403D:No)、S3404DおよびS3405Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
S3403Dの処理において、結果報知演出開始タイマ223dkCの値が0であると判別した場合には、結果報知演出の開始タイミングであるため、特殊演出態様格納エリア223dqCに設定されている結果報知演出態様を表示するための表示用コマンドを設定し(S3404D)、特殊演出態様格納エリア223dqCをクリアにし(S3405D)、本処理を終了する。このように、結果報知演出開始タイマ223dkCの値が0になるまで結果報知演出の開始を待機させる構成とすることで、ミッション選択演出終了後の特別図柄の残りの変動時間と、結果報知演出の演出時間にズレが生じた場合であっても、スタンバイ画面によってそのズレを修正することができる。
次に、図1279を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される書き換え演出開始処理(S3214D)について説明する。図1279は、この書き換え演出開始処理(S3214D)を示したフローチャートである。この書き換え演出開始処理(S3214D)では、書き換え演出開始タイマ223dnCの更新と、書き換え演出開始に関連する処理を実行する。書き換え演出開始処理が実行されると、まず、書き換え演出開始タイマ計測フラグ223dpCがオンであるかを判別する(s3501)。書き換え演出開始タイマ計測フラグ223dpCがオンではないと判別した場合には(s3501:No)、S3502D~S3505Dの処理をスキップし、本処理を終了する。一方、書き換え演出開始タイマ計測フラグ223dpCがオンであると判別した場合には(S3501D:Yes)、書き換え演出開始タイマ223dnCの値を1減算し(S3502D)、減算後の書き換え演出開始タイマ223dnCの値が0であるかを判別する(S3503D)。書き換え演出開始タイマ223dnCの値が0ではないと判別した場合には(S3503D:No)、S3504DおよびS3505Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
S3503Dの処理において、書き換え演出開始タイマ223dnCの値が0であると判別した場合には、書き換え演出の開始タイミングであるため、特殊演出態様格納エリア223dqCに設定されている書き換え演出態様を表示するための表示用コマンドを設定し(S3504D)、特殊演出態様格納エリア223dqCをクリアにし(S3505D)、本処理を終了する。このように、書き換え演出開始タイマ223dnCの値が0になるまで書き換え演出の開始を待機させる構成とすることで、結果報知演出の実行中に新たな入賞により特別図柄の変動表示が開始された場合であって、結果報知演出終了後の特別図柄の残りの変動時間と、書き換え演出の演出時間にズレが生じた場合であっても、揺れ画面によってそのズレを修正することができる。
次に、図1280を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2126D)について説明する。図1280は、このコマンド判定処理(S2126D)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2126D)は、上述した第29制御例におけるコマンド判定処理に対して、変動パターン設定処理(S2202D)に代えて変動パターン設定処理(S2221D)を、停止処理(S2215D)に代えて停止処理(S2222D)を実行する点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したかを判別する(S2201D)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2201D:Yes)、変動パターン設定処理(S2221D)が実行される。変動パターン設定処理(S2221D)の詳細は、図1281を参照して後述する。S2227の処理の終了後は、メイン処理に戻る。一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S2201D:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したかを判別する(S2203D)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S2203D:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dbをオンに設定し(S2204D)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S2205D)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、変動表示設定処理(図1176参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S2203D:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したかを判別する(S2206D)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S2206D:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納する(S2207D)。S2207Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、または、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、または、特別図柄の抽選が行われる毎に、S2207Dの処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223dbの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値に合わせることができる。よって、ノイズの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値に合わせることができる。
S2206Dの処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S2206D:No)、次いで、主制御装置110より大当たり関連コマンド(オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンド)を受信したかを判別する(S2208D)。そして、大当たり関連コマンドを受信した場合には(S2208D:Yes)、大当たり関連処理(S2209D)を実行する。S2209Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。S2208Dの処理において、大当たり関連コマンドを受信していない場合には(S2208D:No)、次いで、主制御装置110より入賞コマンドを受信したかを判別する(S2210D)。そして、入賞コマンドを受信した場合には(S2210D:Yes)、入賞コマンド処理(S2211D)を実行する。S2211Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。S2210Dの処理において、入賞コマンドを受信していない場合には(S2210D:No)、次いで、主制御装置110より発射関連コマンド(発射開始コマンド、発射停止コマンド)を受信したかを判別する(S2212D)。そして、発射関連コマンドを受信した場合には(S2212D:Yes)、発射関連コマンド処理(S2213D)を実行する。S2213Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。
S2212Dの処理において、発射関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S2212D:No)、次いで、主制御装置110より停止コマンドを受信したかを判別する(S2214D)。そして、停止コマンドを受信した場合には(S2214D:Yes)、停止処理(S2222D)を実行する。停止処理(S2222D)の詳細は、図1284を参照して後述する。S2228の処理の終了後は、メイン処理に戻る。一方、S2214Dの処理において、停止コマンドを受信していない場合には(S2214D:No)、その他のコマンドを受信したかを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2216D)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図1281を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン設定処理(S2221D)について説明する。図1281は、この変動パターン設定処理(S2221D)を示したフローチャートである。この変動パターン設定処理(S2221D)は、上述した第29制御例における変動パターン設定処理に対して、演出態様設定処理(S2425D)に代えて演出態様設定処理(S2431D)を、特殊演出追加設定処理(S2426D)に代えて特殊演出追加設定処理(S2434D)を実行する点で相違している。変動パターン設定処理では、まず、第1演出カウンタ223deおよび第2演出カウンタ223dfのカウンタ値を取得し(S2421D)、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドから変動パターンを抽出する(S2422D)。その後、疑似変動実行フラグ223dgがオンであるか否かを判別する(S2423D)。そして、疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合には(S2423D:No)、変動開始フラグ223dbをオンに設定し(S2424D)、演出態様設定処理(S2431D)を実行する。演出態様設定処理(S2431D)の詳細は、図1245を参照して後述する。S2429Dの処理が終了すると、本処理を終了する。一方、S2423Dの処理において、疑似変動実行フラグ223dgがオンであると判別した場合には(S2423D:Yes)、時間調整タイマ223dsCにタイマ値として5000(ms)に対応する値を設定し(S2432D)、時間調整フラグ223drCをオンに設定する(S2433D)。そして、特殊演出追加設定処理を実行し(S2434D)、本処理を終了する。この特殊演出追加設定処理の詳細な説明は、図1283を参照して後述する。
ここで、疑似変動実行フラグ223dgは、上述した疑似変動開始処理(S2247D)においてオンに設定され、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が0になった場合に、オフに設定される。即ち、疑似変動実行フラグ223dgがオンに設定されている場合には、疑似変動が実行中であることを示しており、本第29制御例の第3変形例においては、特別図柄の変動が開始される時点で疑似変動が実行中である場合には、疑似変動中に実行されている特殊演出の演出態様を、新たに変動が開始される特別図柄の当否判定結果に対応する演出態様に更新させるための処理が実行される。このように、特別図柄の変動が開始される時点で疑似変動実行フラグ223dgがオンであるか否かによって異なる演出態様の設定処理が実行されるため、疑似変動の途中で新たな特別図柄の変動表示が開始される場合には、その特別図柄の当否判定結果に対応する追加演出を設定可能であり、特殊演出を途中で打ち切らずに新たに開始される特別図柄変動に対応する演出を実行することができる。
次に、図1282を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出態様設定処理(S2431D)について説明する。図1282は、この演出態様設定処理(S2431D)を示したフローチャートである。この演出態様設定処理(S2431D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン設定処理(図1281参照)の中で実行され、疑似変動が実行されていない場合に、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81において実行される変動演出の演出態様を設定するための処理である。演出態様設定処理では、まず、設定されている遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)であるかを判別する(S2451D)。具体的には、受信した変動パターンコマンドから抽出した変動パターンが、通常状態で選択される変動パターンであるか、確変状態または時短状態で選択される変動パターンであるかによって遊技状態を判別する。通常状態が設定されていない(即ち、確変状態または時短状態が設定されている)と判別した場合には(S2451D:No)、図1281のS2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deの値と、図1281のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別に基づいて、確変・時短用変動パターン選択テーブル222daC3(図1265参照)から表示用変動パターンを設定し(S2468D)、本処理を終了する。
なお、本第29制御例の第3変形例では、受信した変動パターンコマンドから抽出した変動パターンの種別によって遊技状態を判別する構成としたが、これに限るものではなく、主制御装置110で遊技状態が変更された場合に変更後の遊技状態を示す状態コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、音声ランプ制御装置113では受信した状態コマンドから新たに設定された遊技状態に対応する情報を抽出し、抽出した情報を記憶するための状態記憶領域に格納し、格納された情報を参照して遊技状態を判別する構成としても良い。
一方、S2451Dの処理において、通常状態が設定されていると判別した場合には(S2451D:Yes)、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるかを判別する(S2452D)。入賞頻度低フラグ223dsがオンであると判別した場合(即ち、入賞頻度が低い状態である場合)には(S2452D:Yes)、発射停止中フラグ223djがオンであるかを判別する(S2453D)。発射停止中フラグ223djがオンである(即ち、遊技球が発射されていない状態である)と判別した場合(即ち、遊技球が発射されていない状態である場合)には(S2453D:Yes)、図1281のS2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deの値と、図1281のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別に基づいて、通常用変動パターン選択Aテーブル222daC1(図1263参照)から表示用変動パターンを設定し(S2466D)、S2455Dの処理へ移行する。一方、S2453Dの処理において、発射停止中フラグ223djがオンではないと判別した場合(即ち、遊技球が発射されている状態である場合)には(S2453D:No)、図1281のS2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deの値と、図1281のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別に基づいて、通常用変動パターン選択Bテーブル222daB2(図1264参照)から表示用変動パターンを設定し(S2467D)、S2455Dの処理へ移行する。
なお、上述したように、通常用変動パターン選択Bテーブル222daC2では、通常用変動パターン選択Aテーブル222daC1に比べて、変動パターン種別が「完全外れA」である場合には必ず疑似変動ありの表示用変動パターンが選択され、「当たりロングリーチ」または「外れロングリーチ」の場合に疑似変動ありの表示用変動パターンが選択される割合が高く設定されている。「完全外れ」は当否判定結果が外れである場合に最も選択され易い変動種別であり、その中で「完全外れA」は保留球数が0個の場合に選択される変動パターンである。つまり、遊技球が第1入球口64に入賞する頻度が低く、遊技者が遊技球を発射している状態であって保留球数が0個の場合には、疑似変動が設定され易く構成している。
遊技球の発射を継続しているにもかかわらず保留球数が0個の場合、特別図柄の変動停止から次の特別図柄の変動開始までに第3図柄が変動表示されていない状態を挟むことで遊技のテンポが悪くなり、遊技者にストレスを与える虞があるが、このように構成することで、入賞頻度が低く遊技者が遊技球の発射を継続していても保留球が途切れ易い状態である場合に疑似変動が実行され易くなり、保留個数0個の状態で開始された特別図柄の変動中に遊技球が入賞しなくても疑似変動中に入賞すれば見た目上はテンポ良く第3図柄変動が実行されるため、特別図柄が変動表示されていない状態であったことを遊技者に気付かせ難くすることが可能となり、遊技者が感じるストレスを緩和することができる。一方、保留球数が0個の場合であって遊技者が遊技球を発射していない状況とは、遊技者が休憩のため遊技を中断しようとしている場合が考えられる。このような場合、大当たり変動を見逃さないように実行中の特別図柄の当否判定結果が判明してから遊技台を離れる遊技者が多いため、外れ変動で疑似変動が実行されると、早く休憩したい遊技者を外れが確定するまで待たせることになり、却って遊技者にストレスを与える虞がある。従って、遊技者が遊技球の発射をしていない場合には、入賞頻度が低い場合であっても疑似変動が設定され難い構成としている。
なお、本第29制御例の第3変形例では、入賞頻度低フラグ223dsがオンであり、且つ、発射停止中フラグ223djがオンでない場合に通常用変動パターン選択Bテーブル223hs2から表示用変動パターンを選択する構成としたが、これに限るものではない。入賞頻度低フラグ223dsがオンである場合には、発射停止中フラグ223djがオンであるか否かにかかわらずS2464Dの処理を実行する構成としても良いし、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるか否かにかかわらず、発射停止中フラグ223djがオンでない場合には、S2467Dの処理を実行する構成としても良い。
また、本第29制御例の第3変形例では、特定種別の変動パターンコマンドを受信した場合にのみ疑似変動を実行する構成としたが、これに限るものではなく、保留球数が0個の場合に開始される特別図柄の変動では変動パターンの種別にかかわらず疑似変動を実行する構成としても良い。このように構成することで、保留球が途切れる場合には必ず疑似変動が実行されるので、特別図柄が変動表示されていないことにより遊技者が退屈に感じる期間を短縮することができる。
S2466D、またはS2467Dの処理が終わると、S2455Dの処理を実行する。S2455Dの処理では、S2463DまたはS2464Dの処理において選択された表示用変動パターンに疑似変動が含まれているかを判別する(S2455D)。疑似変動が含まれていると判別した場合には(S2455D:Yes)、疑似変動開始タイマ223dpのカウンタ値として「12000(ms)」を設定し(S2456D)、疑似変動待機フラグ223drをオンに設定し(S2457D)、本処理を終了する。一方、S2455Dの処理において、疑似変動が含まれていないと判別した場合には(S2455D:No)、S2456DおよびS2457Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
ここで、本第29制御例の第3変形例では、疑似変動ありの表示用変動パターンが選択された場合には疑似変動開始タイマ223dpのカウンタ値として「12000ms(12秒)」が設定され、メイン処理において1ms毎に実行される液晶演出実行管理処理(図1272参照)で、カウンタ値が減算される。これにより、ロングリーチの変動パターンが開始されてから12秒後に、第3図柄表示装置81において特別図柄が仮停止し、疑似変動が開始される。
なお、本第29制御例の第3変形例では、疑似変動が実行される場合に設定される疑似変動開始タイマ223dpのカウンタ値を「12000(ms)」で固定としたが、これは疑似変動ありの表示用変動パターンが設定されるのは、変動時間が17秒である「完全外れA」と「ロングリーチA」のみで構成しているためであり、これに限るものではない。その他の変動パターン種別においても疑似変動が設定される構成とし、それぞれの変動パターン種別に応じて疑似変動開始タイマ223dpに設定されるカウンタ値を異ならせても良い。また、疑似変動開始タイマ223dpに設定されるカウンタ値を設定する場合に、複数のカウンタ値が規定されたテーブルの中からランダムに設定する構成としても良い。このように構成することで、特別図柄の変動開始から第3図柄の仮停止までの時間に変化を持たせることができるため、その期間で実行される変動演出が単調になることを抑制することができる。
次に、図1283を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特殊演出追加設定処理(S2434)について説明する。図1283は、この特殊演出追加設定処理(S2434)を示したフローチャートである。この特殊演出追加設定処理(S2434)は、上述した第29制御例における特殊演出追加設定処理に対して、ミッション種別が決定されているか否かや、特別図柄の変動表示が開始されるタイミングに応じて、特殊演出の演出態様を設定するための処理が実行される点で相違する。具体的には、特殊演出追加設定処理が実行されると、まず、ミッション種別決定フラグ223dfCがオンであるかを判別する(S2555D)。ミッション種別決定フラグ223dfCがオンであると判別した場合には(S2555D:Yes)、ミッション種別格納エリア223djCに設定されているミッション種別を読み出し(S2556D)、シナリオカウンタ223dtCの値が第1判定タイミング(図1255参照)を経過した値であるかを判別する(S2557D)。
第1タイミングを経過していないと判別した場合には(S2557D:No)、まだ結果報知演出が実行されていない状態であるため、設定されているミッション種別と、図1281のS2421Dの処理で取得した第2演出カウンタ223dfの値と、図1281のS2422Dの処理で取得した変動パターン種別に基づいて結果報知演出態様設定テーブル222dcCから結果報知演出態様を設定する(S2558D)。一方、S2557Dの処理において、第1判定タイミングを経過していると判別した場合には(S2557D:Yes)、設定されているミッション種別と、図1281のS2421Dの処理で取得した第2演出カウンタ223dfの値と、図1281のS2422Dの処理で取得した変動パターン種別に基づいて書き換え演出態様設定テーブル222ddCから書き換え演出態様を設定する(S2565D)。
また、S2555Dの処理において、ミッション種別決定フラグ223dfCがオンではないと判別した場合には(S2555D:No)、仮結果報知演出態様を決定する(S2563D)。より具体的には、図1281のS2421Dの処理で取得した第2演出カウンタ223dfの値と、図1281のS2422Dの処理で取得した変動パターン種別に基づいて、一時的に「一撃ミッション」のミッション種別に対応する結果報知演出態様を決定する。S2563Dの処理が終了すると、仮結果報知演出設定フラグ223duCをオンに設定する(S2564D)。
S2558D、S2565DおよびS2564Dの処理が終了すると、ミッション種別決定フラグ223dfCをオフに設定し(S2559D)、決定した特殊演出の演出態様に対応する情報を特殊演出態様格納エリア223dqCに格納する(S2560D)。そして、疑似変動残時間タイマ223dhの値をクリアにし(S2561D)、図1281のS2422Dの処理で取得した変動パターン種別の変動時間に基づいて、疑似変動更新時間設定テーブル222dbCから疑似変動更新時間を決定し、疑似変動残時間タイマ223dhに設定して(S2562D)、本処理を終了する。
次に、図1284を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される停止処理(S2222D)について説明する。図1284は、この停止処理(S2222D)を示したフローチャートである。この停止処理(S2222D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図1280参照)の中で実行され、特別図柄の停止に合わせて第3図柄表示装置81において実行されている変動演出を終了させるための処理を実行する。停止処理では、まず、疑似変動実行フラグ223dgはオンかを判別する(S2771D)。疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動が実行されていない場合)には(S2771D:No)、予め設定されている停止種別に対応する表示用停止コマンドを設定し(S2780D)、本処理を終了する。一方、疑似変動実行フラグ223dgがオンであると判別した場合(即ち、疑似変動が実行されている場合)には(S2771D:Yes)、停止種別は大当たりであるかを判別する(S2772D)。停止種別が大当たりであると判別した場合には(S2772D:Yes)、設定されているミッション種別に基づいて当たり結果報知用演出態様を設定し(S2787D)、当たり結果報知演出に対応する表示用特殊演出追加コマンドを設定し(S2777D)、変動回数更新処理を実行する(S2778D)。変動回数更新処理が終了すると、本処理を終了する。
S2772Dの処理において、停止種別は大当たりではない(即ち、外れである)と判別した場合には(S2772D:No)、ボタン操作有効期間タイマ223daCに3000(ms)に対応する値を設定する(S2785D)。そして、ミッション選択期間フラグ223deCをオンに設定し(S2786D)、変動回数更新処理を実行する(S2778D)。変動回数実行処理が終了すると、本処理を終了する。
<第29制御例の第3変形例における表示制御装置114の制御処理について>
次に、図1285および図1286を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。本第29制御例の第3変形例における表示制御装置114の制御は、上述した第29制御例における表示制御装置114の制御に対して、V割込処理で実行されるコマンド判定処理(S6302D)に代えてコマンド判定処理(S6312D)を実行する点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図1285および図1286を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理であるコマンド判定処理(S6312D)の詳細について説明する。まず、図1285は、コマンド判定処理(S6312D)を示すフローチャートである。このコマンド判定処理(S6312D)は、上述した第29制御例におけるコマンド判定処理(S6302D)に対して、特殊演出関連コマンド処理(S6409D)に代えて特殊演出関連コマンド処理(S6419D)を実行する点で相違し、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。コマンド判定処理(S6312D)が実行されると、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401D)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401D:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401D:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303D)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402D)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403D)。そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S6404D)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404D:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405D)、S6401Dの処理へ戻る。S6404Dの処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別すると(S6404D:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406D)、表示用変動種別コマンドがあれば(S6406D:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407D)、S6401Dの処理へ戻る。S6406Dの処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別すると(S6406D:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用特殊演出関連コマンドがあるか否かを判別し(S6422)、表示用特殊演出関連コマンドがあれば(S6422:Yes)、特殊演出関連コマンド処理を実行して(S6419D)、S6401Dの処理へ戻る。
ここで、図1286を参照して、特殊演出関連コマンド処理(S6419D)の詳細について説明する。図1286は、特殊演出関連コマンド処理を示すフローチャートである。この特殊演出関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用特殊演出関連コマンドに対応する処理を実行するものである。特殊演出関連コマンド処理では、まず、受信した特殊演出関連コマンドは疑似変動開始コマンドであるかを判別する(S6151D)。疑似変動開始コマンドであると判別した場合には(S6151D:Yes)、ミッション選択演出表示データテーブルを決定して表示データテーブルバッファ233ddに設定し(S6161D)、転送データテーブルバッファ233deにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6153D)。そして、S6152Dの処理によって表示データテーブルバッファ233ddに設定された表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233dhに設定し(S6154D)、ポインタ233dfを0に初期化する(S6155D)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6156D)、特殊演出関連コマンド処理(S6419D)を終了し、コマンド判定処理(図1285参照)に戻る。S6151Dの処理において、受信したコマンドは疑似変動開始コマンドではないと判別した場合には(S6151D:No)、コマンドに対応する結果報知演出または書き換え演出表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233ddに設定し(S6162D)、S6153Dの処理へ移行する。
ここで、図1285の説明に戻る。S6422の処理において、特殊演出関連コマンドがないと判別すると(S6422:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6410D)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6410D:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6411D)、S6401Dの処理へ戻る。
S6410Dの処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別すると(S6410D:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6412D)、背面画像変更コマンドがあれば(S6412D:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6413D)、S6401Dの処理へ戻る。
S6412Dの処理において、背面画像変更コマンドがないと判別すると(S6412D:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6414D)、エラーコマンドがあれば(S6414D:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6415D)、S6401Dの処理へ戻る。S6414Dの処理において、エラーコマンドがないと判別すると(S6414D:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6422)、S6401Dの処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401Dの処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401D:Yes)、再びS6402D~S6422の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401D~S6422の処理が繰り返し実行され、S6401Dの処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別すると、このコマンド判定処理を終了する。
以上、説明した通り、本第29制御例の第3変形例では、1の特別図柄の変動中に開始された疑似変動を、その特別図柄の変動が終了した後にも所定期間(3秒間)継続するように構成している。そして、疑似変動中に実行される特殊演出の演出態様を、疑似変動中に新たに開始された特別図柄の当否判定結果に対応する演出態様に更新させることが可能な構成にしている。このように構成することで、特別図柄が変動表示されていない期間であることを遊技者に気付かせ難くすることができるとともに、特別図柄が変動表示されていない期間に実行されている特殊演出の演出態様を、新たな入賞に基づいて開始された特別図柄の当否判定結果に対応する演出態様に可変させることで、保留が途切れても継続する連続演出を実行することが可能となり、先読み演出に近い演出を提供することができる。
また、本第29制御例の第3変形例では、特殊演出の実行期間中に、第3図柄表示装置81において図1252(b)に示す特殊演出の演出態様を選択する演出(ミッション選択演出)を実行し、遊技者が任意に選択した演出態様に対応する結果報知演出(または書き換え演出)を実行可能に構成している。よって、疑似変動が頻繁に実行される場合であっても、遊技者の好みに応じた特殊演出の演出態様を設定することが可能となり、早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、ミッション選択演出において、遊技者がミッション内容を選択するタイミングによって実行される結果報知演出の演出態様を異ならせることができるように構成している。つまり、ミッション選択演出の演出期間として、特殊演出が開始される特別図柄変動が停止表示された後に3秒間の期間が設定されるように構成しており、遊技者がミッション内容を選択する前に新たな特別図柄変動が開始された場合と、遊技者がミッション内容を選択し、選択した内容で結果報知演出が開始された後に新たな特別図柄変動が開始された場合とでは、異なる演出態様で結果報知演出が実行されるように構成している。より具体的には、特別図柄変動が停止表示され、ミッション選択演出が実行されてから2秒が経過したタイミングで、第1入球口64へと遊技球が入球し、大当たり変動が開始された場合において、ミッション選択演出が実行されてから1秒が経過したタイミングで遊技者がミッション内容を選択した場合には、選択したミッション内容に基づいて結果報知演出が開始された時点では大当たり変動が開始されていないため、結果報知演出の演出結果として失敗演出が実行され、その後、成功を示す書き換え演出(成功演出)が実行される。一方、ミッション選択演出が実行されてから2.5秒が経過したタイミングで遊技者がミッション内容を選択した場合には、選択したミッション内容に基づいて結果報知演出が開始された時点で、既に大当たり変動が開始されているため、結果報知演出の演出結果として成功演出が実行される。このように構成することで、遊技者がミッション内容を選択するタイミングによって実行される演出の演出態様を異ならせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
<第29制御例の第4変形例>
次に、図1287~図1299を参照して、第29制御例の第4変形例のパチンコ機10について説明をする。上述した第29制御例では、第1入球口64への入賞頻度が低く、保留球が途切れやすい状態である場合に、特別図柄の変動停止後も疑似変動が継続して実行されることで遊技者に特別図柄の変動表示が停止していることを気付かせ難くする構成であった。しかしながら、第29制御例では、疑似変動を実行するか否かを内部的に設定するのみであり、入賞頻度が低い状態が継続すれば、疑似変動を含む演出態様の変動パターンが設定され易い状態も継続するので、短い期間に頻繁に疑似変動を含む演出態様が実行されることになり、遊技者が早期に飽きてしまう虞があった。
これに対して、第29制御例の第4変形例では、疑似変動の実行タイミングにおいて疑似変動を実行するか否かを遊技者が選択可能に構成している点で、上述した第29制御例と相違する。具体的には、疑似変動を含む演出態様の変動パターンが設定されている場合に、疑似変動が開始される5秒前に、図1287(a)に示すミッション演出実行選択画面を表示し、ボタン操作により、遊技者がミッション演出(疑似変動を含む演出態様)を実行するか否かを選択可能に構成している。このように構成することで、短い期間で頻繁に疑似変動を含む演出態様の変動パターンが設定されている状態が続いても、遊技者の好みに合わせた演出を提供することが可能であり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、上述した第29制御例では、保留球がない状態で開始された特別図柄の変動表示において疑似変動を含む演出態様が設定され易く構成されており、入賞頻度が低い状態が継続すると、連続して疑似変動を含む演出態様が設定され、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう虞があった。また、第29制御例では、疑似変動が実行されている場合、疑似変動が開始された特別図柄の変動表示が大当たり当選であることを示す変動パターンであれば、疑似変動の結果報知演出において大当たり当選であることを示す態様が表示される一方で、疑似変動が開始された特別図柄の変動表示が外れ当選であることを示す変動パターンであり、その特別図柄の変動表示が終了し、次に開始される特別図柄の変動表示も外れ当選であることを示す変動パターンであれば、疑似変動が開始された特別図柄の変動表示態様として、ロングリーチの変動パターンが設定されている場合であっても、疑似変動の結果報知演出において外れを示す態様が表示されるのみで、遊技者はロングリーチの変動パターンであったことを認識できず、大当たり当選への期待感を高める演出(ロングリーチなど)を遊技者に提供する機会が減少してしまうというデメリットがあった。
これに対して、本第29制御例の第4変形例では、保留球数0個の状態でロングリーチの変動パターンが設定されている特別図柄の変動表示において疑似変動が実行され、その疑似変動の実行期間中に、新たな保留球を獲得し、その保留球の抽選結果が外れである場合に、実行中の疑似変動を中止してロングリーチ演出に切り替え可能に構成している。
このように構成することで、外れを示す態様の疑似変動が連続して実行されることを抑制することができる。
また、本第29制御例の第4変形例では、特別図柄の抽選結果が外れ当選である場合よりも大当たり当選である場合の方がロングリーチの変動パターンにおいて疑似変動を含む演出態様が設定され易いことから、実行中の疑似変動が中止され、ロングリーチ演出に切り替わることで、遊技者の大当たり当選への期待感を高め、演出結果に注目させることが可能となる。
この第29制御例の第4変形例におけるパチンコ機10が第29制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第29制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第29制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第29制御例の第4変形例の演出内容について>
まず、図1287~図1289を参照して、本第29制御例の第4変形例の第3図柄表示装置81にて実行される演出内容について説明する。図1287(a)は、本第29制御例の第4変形例におけるミッション演出実行選択画面の一例を示した図である。本第29制御例の第4変形例におけるミッション演出は、疑似変動に合わせて実行される特殊演出であり、特別図柄の変動期間中に仮停止した第3図柄が再変動した後に停止表示されるまでの期間(疑似変動の実行期間)で実行される。ミッション演出実行選択画面は、特別図柄の変動期間中に第3図柄が仮停止する5秒前に第3図柄表示装置81に表示され、仮停止する2秒前に非表示となる。図1287(a)に示すように、第3図柄表示装置81の中央に表示される第1表示領域HR1に疑似変動を行うか否かを遊技者に選択させるための表示態様である「ミッションを行いますか」という文字と、四角い枠で囲まれた「はい」という文字と、四角い枠で囲まれていない「いいえ」という文字が表示される。「はい」という文字を囲っている四角い枠は、現在選択されている選択肢を示すためのものであり、遊技者が選択ボタン600を操作することに対応して「はい」または「いいえ」のどちらかを囲むように移動する。これにより、現在どちらの選択肢を選択しているのかを遊技者は識別可能となる。
また、第1表示領域HR2の下方には、第2表示領域HR2が形成され、第2表示領域HR2には、遊技者に対して選択手段を報知するための態様である「左右ボタンで選んでね」という文字が表示される。このように構成することで、遊技者に対して、これから実行される予定のミッション演出を実行するか否かを遊技者が選択できるということを分かり易く報知することができる。ミッション演出実行選択画面では、選択ボタン600の操作が有効に設定され、第3図柄が仮停止する2秒前までは何度でも四角い枠を移動させることが可能である。第3図柄が仮停止する2秒前の時点で「はい」が選択されている場合には、ミッション演出実行選択画面が非表示となってから2秒経過するまでに、高速表示されている第3図柄の変動表示が次第に低速表示となり、ミッション演出実行選択画面が非表示となってから2秒経過した時点で仮停止状態となり、ミッション演出が開始される。
図1287(b)は、第4変形例におけるミッション演出の実行が選択された場合の表示画面の一例を示した図である。ミッション演出が開始されると、第3図柄表示装置81の中央部で仮停止している「246」という組み合わせの第3図柄の表示態様の一部に重なるように「ミッション」と表記されたアイコンAk1が表示され、第3図柄の上方にはミッション演出が開始されたことを示すための表示態様である「ミッション開始図柄を変えろ」という文字が表示された第1表示領域HR1が形成される。その後、仮停止している第3図柄が高速表示となることで、ミッション演出において再変動を開始した第3図柄の組み合わせが変わればミッション成功であるということを遊技者に分かり易くすることができる。なお、副表示領域Dsには、「決定ボタンを押すと通常変動に戻るよ」という文字が表示され、演出ボタン22を操作することにより、実行中のミッション演出を中止し、通常の第3図柄の変動表示に切り替えることが可能であることを遊技者に報知している。なお、本第29制御例の第4変形例において実行されるミッション演出は、上述した第29制御例において実行されるミッション演出と同様の流れで実行される。
本第29制御例の第4変形例では、ミッション演出の実行中に演出ボタン22を押下することで通常の特別図柄の変動表示に切り替えることを可能に構成している。このように構成することで、ミッション演出実行選択画面において遊技者がボタン操作を誤り、不本意にミッション演出の実行を選択してしまった場合であっても、任意のタイミングでミッション演出を中止することが可能となり、遊技者の好みに合わせた演出を提供することができる。
図1288(a)は、第4変形例におけるミッション演出の非実行が選択された場合の表示画面の一例を示した図である。ミッション演出実行選択画面において「いいえ」が選択された場合には、ミッション演出実行選択画面の非表示から2秒経過しても第3図柄の仮停止は実行されず、ミッション演出が開始されない。そして、特別図柄の変動表示期間が経過すると、特別図柄の抽選結果を示す態様の第3図柄が停止表示される。
次に、図1288(b)~図1289(b)を参照して、本第29制御例の第4変形例において実行されるブラックアウト演出について説明する。ブラックアウト演出は、保留球数が0個の状態で特別図柄の変動表示態様として当たりロングリーチまたは外れロングリーチの変動パターンが設定され、その特別図柄の変動表示期間中にミッション演出が実行されている場合において、新たな保留球を獲得し、その保留球に対応する特別図柄の抽選結果が外れ当選である場合に、実行中のミッション演出を中止し、ロングリーチの演出態様に切り替えるための演出である。図1288(b)は、保留球数が0個でミッション演出が実行されている場合の表示画面を示した図である。小表示領域Dm1aには保留球数が0個であることを示す「0」が表示され、小表示領域Dm1bには特別図柄が変動表示中であることを示す態様が表示されている。また、第1表示領域HR1にはミッション演出の実行中であることを示すための態様である「ミッション中」と表示され、小表示領域Dm3にはミッション演出の残演出時間を示すための態様である「残り6秒」が表示されている。
図1288(b)において、変動表示中の特別図柄の変動パターンがロングリーチであり、新たに保留球を獲得し、その保留球に対応する特別図柄の抽選結果が外れである場合、図1289(a)に示すブラックアウト演出が実行される。図1289(a)は、ミッション演出中にブラックアウト演出が実行された場合の表示画面の一例を示した図である。図1289(a)に示すとおり、ブラックアウト演出が実行されると、第3図柄表示装置81の表示画面が暗転し、何も表示されなくなる。そして、1秒経過すると暗転から復旧し、ミッション演出ではなくロングリーチ演出が実行される。これにより、遊技者はミッション演出が中止され、ロングリーチ演出に切り替わったことを認識することができる。
ここで、本第29制御例の第4変形例では、図1138および図1139に示すように変動パターン種別が外れロングリーチである場合よりも、当たりロングリーチである場合の方が、疑似変動を含む表示用変動パターンが設定され易い構成である。つまり、疑似変動が中止されロングリーチが実行された場合には、その特別図柄の抽選結果が大当たり当選である可能性が高いといえる。このように構成することで、ミッション演出に慣れた遊技者に対して、ミッション演出の実行中にブラックアウト演出が発生することを期待させることが可能となり、遊技者にブラックアウト演出を発生させるために保留球を獲得しようと思わせることで、積極的に遊技を行わせることができる。
<第29制御例の第4変形例における電気的構成について>
次に、図1290を参照して、本第29制御例の第4変形例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図1290は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。上述した第29制御例に対して、枠ボタン22Aを追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。図1290に示すように、枠ボタン22Aは音声ランプ制御装置113の入出力ポート225と接続しており、遊技者が枠ボタン22Aを操作することで、その操作情報が入力される。ここで入力された操作情報は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図1292参照)における枠ボタン入力監視・演出処理(S2125)で処理される。
<第29制御例の第4変形例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、図1291(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図1291(b)に示すように、本第29制御例の第4変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第29制御例に対して、ボタン操作有効期間タイマ223daCと、決定ボタン押下フラグ223dbCと、選択ボタン押下フラグ223dcCと、ボタン操作有効期間経過フラグ223っdCと、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCと、カーソル位置記憶エリア223dhCと、シナリオカウンタc223dtCと、選択コメント表示中フラグdaDと、ブラックアウト演出実行フラグ223dbCを新たに追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
ボタン操作有効期間タイマ223daCは、枠ボタン22Aへの操作が有効となる期間を設定する場合に、タイマ値が設定され、枠ボタン入力・監視処理(S2125D)においてタイマ値が更新される。決定ボタン押下フラグ223dbCは、枠ボタン入力・監視処理(S2125)において、決定ボタン600aへの操作があったと判別された場合にオンに設定されるフラグである。本第29制御例の第4変形例では、決定ボタン押下フラグ223dbCがオンに設定されたことに基づいて、実行中のミッション演出を中止し、通常の特別図柄の変動表示に切り替えることが可能である。選択ボタン押下フラグ223dcCは、枠ボタン入力・監視処理(S2125)において、選択ボタン600b~600eへの操作があったと判別された場合にオンに設定されるフラグである。本第29制御例の第4変形例では、選択ボタン押下フラグ223dcCがオンに設定されたことに基づいて、第3図柄表示装置81に表示されるミッション演出実行選択画面において「はい」または「いいえ」を囲む四角い枠を移動させることができる。
ボタン操作有効期間経過フラグ223ddCは、枠ボタン入力・監視処理(S2125)において、ボタン操作有効期間タイマ223daCのタイマ値が0となった場合にオンに設定される。このボタン操作有効期間経過フラグ223daCがオンに設定された場合は、ボタン操作有効期間が経過したことを示すため、カーソル位置記憶エリア223dhCに格納されている情報に対応する処理が実行される。特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCは、疑似変動の実行中に副表示領域Dsにおいて特殊演出用コメントを表示中であることを示すフラグであり、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCがオンに設定されている期間は、保留個数表示更新処理(S2124D)において、副表示領域Dsで保留図柄を表示するための処理が実行されない(図1270参照)。カーソル位置記憶エリア223dhCは、ミッション演出実行選択画面において選択ボタン600cまたは600eの操作によって四角い枠の位置を可変させた場合に、その四角い枠が指し示す選択肢に対応する情報を設定するための領域である。カーソル位置記憶エリア223dhCに設定されている情報は、ボタン操作有効期間が経過した場合に読み出される。
選択コメント表示中フラグ223daDは、第3図柄表示装置81においてミッション演出実行選択画面が表示中であることを示すためのフラグであり、液晶演出実行管理処理(S2128D)において疑似変動開始タイマ223dpの値が5000であると判別した場合にオンに設定され、ミッション演出の実行を選択するためのボタン操作有効期間が経過した場合にオフに設定される(図1294参照)。ブラックアウト演出実行フラグ223dbDは、ブラックアウト演出が実行されることを示すためのフラグであり、疑似変動実行中処理(S2253D)においてブラックアウト演出の実行が決定された場合にオンに設定され、ブラックアウト演出が実行されるとオフに設定される。
<第29制御例の第4変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図1292~図1299を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。なお、電源投入時の立ち上げ処理については上述した第29制御例と同一であるため、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。まず、図1292を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図1292は、このメイン処理を示したフローチャートである。上述した第29制御例におけるメイン処理に対して、保留個数表示更新処理(S2106D)に代えて保留個数表示更新処理(S2124D)を、枠ボタン入力監視・演出処理(S2107D)に代えて枠ボタン入力監視・演出処理(S2125D)を、液晶演出実行管理処理(S2110D)に代えて液晶演出実行管理処理(S2128D)を、変動表示設定処理(S2113D)に代えて変動表示設定処理(S2129D)を実行する点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、または前回S2101Dの処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したかを判別し(S2101D)、1ミリ秒以上経過していなければ(S2101D:No)、S2102D~S2105D、S2124D、S2125D、S2108D、S2109D、S2128DおよびS2111Dの処理を行わずにS2112Dの処理へ移行する。S2101Dの処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S2102D~S2105D、S2124D、S2125D、S2108D、S2109D、S2128DおよびS2111Dが主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2112Dのコマンド判定処理や、S2129Dの変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2112Dの処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2129Dの処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101Dの処理で1ミリ秒以上経過していれば(S2101D:Yes)、まず、S2102D~S2105D、S2124D、S2125D、S2108D、S2109D、S2126DおよびS2111D、S2127DおよびS2113Dの処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102D)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108Dの処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103D)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104D)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2105Dの処理へ移行する。S2105Dの処理では客待ち演出処理を実行する(S2106D)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定が行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
客待ち演出処理が終わると、保留個数表示更新処理を実行する(S2124D)。保留個数表示更新処理(S2124D)では、主制御装置110から受信した保留球数コマンドに対応する保留図柄を第3図柄表示装置81に表示するための処理を行う。その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2125D)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22Aが押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22Aの入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22Aの遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22Aが操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22Aを押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22Aを押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22Aを複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2108D)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109D)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。S2109Dの処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S2128D)、S2111Dの処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行管理処理で設定された時間に基づいてS2108Dのランプ編集処理が実行される。なお、S2109Dの音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。液晶演出実行管理処理の内容については、図1293を参照して後述する。
液晶演出実行管理処理が終わると、入賞頻度計測処理を実行する(S2111D)。この入賞頻度計測処理(S2111D)は、所定期間(本第29制御例の第4変形例では60秒間)に受信した入賞コマンド数に基づいて、遊技球が第1入球口64へ入賞する頻度の高低を判定するための処理である。本第29制御例の第4変形例では、この判定結果に基づいて、疑似変動ありの表示用変動パターンが選択され易い変動パターン選択テーブルを参照するか否かを決定する。入賞頻度計測処理が終わると、コマンド判定処理を実行する(S2112D)。コマンド判定処理(S2112D)では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行う。コマンド判定処理が終わると、変動表示設定処理が実行される(S2129D)。変動表示設定処理は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である。
S2129Dの処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2114D)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2114Dの処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2114D:Yes)、電源断フラグおよび電源断処理中フラグを共にオンして(S2116D)、電源断処理を実行する(S2117D)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2118D)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。一方、S2114Dの処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2114D:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているかを判別し(S2115D)、RAM223が破壊されていなければ(S2115D:No)、S2101Dの処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2115D:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員を呼びパチンコ機10の修復を頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図1293を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される液晶演出実行管理処理(S2128D)について説明する。図1293は、この液晶演出実行管理処理(S2128D)を示したフローチャートである。この液晶演出実行管理処理(S2128D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1292参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81で行われる疑似変動に関連するカウンタの値を更新する処理や疑似変動の開始終了を管理するための処理が実行される。液晶演出実行管理処理が実行されると、まず、疑似変動実行フラグ223dgがオンであるかを判別する(S2231D)。疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動が実行されていない場合)には(S2231D:No)、ミッション演出実行選択中処理を行う(S2251D)。ミッション演出実行選択中処理(S2251D)は、ミッション演出実行選択画面において選択ボタン600c、または600eが操作されたか否かを判別するための処理である。
ここで、図1294を参照して、ミッション演出実行選択中処理(S2251D)について説明する。ミッション演出実行選択中処理(S2251D)が実行されると、まず、選択コメント表示中フラグ223daDがオンであるかを判別する(S2271D)。S2271Dの処理において、選択コメント表示中フラグ223daDがオンはないと判別した場合(即ち、ミッション演出実行選択画面が表示されていないと判別した場合)には(S2271D:No)、本処理を終了する。一方、S2271Dの処理において、選択コメント表示中フラグ223daDがオンであると判別した場合(即ち、ミッション演出実行選択画面が表示されていると判別した場合)には(S2271D:Yes)、選択ボタン押下フラグ223dcCがオンであるかを判別する(S2272D)。S2272Dの処理において、選択ボタン押下フラグ223dcCがオンであると判別した場合には(S2272D:Yes)、押下された選択ボタンの種別に対応したカーソル位置を示すための表示用コマンドを設定し(S2273D)、カーソル位置記憶エリア223dhCに押下された選択ボタンの種別に対応する情報を格納する(S2274D)。その後、選択ボタン押下フラグ223dcCをオフに設定し(S2275D)、本処理を終了する。S2272Dの処理において、選択ボタン押下フラグ223dcCがオンではないと判別した場合には(S2272D:No)、ボタン操作有効期間経過フラグ223ddCはオンであるかを判別する(S2276D)。S2276Dの処理において、ボタン操作有効期間経過フラグ223ddCがオンではないと判別した場合には(S2276D:No)、本処理を終了する。一方、S2276Dの処理において、ボタン操作有効期間経過フラグ223ddCがオンであると判別した場合には、選択コメント表示中フラグ223daDをオフに設定し(S2277D)、ボタン操作有効期間経過フラグ223ddCをオフに設定する(S2278D)。
そして、カーソル位置記憶エリア223dhCに格納されている情報がミッション演出を実行することに対応する情報であるかを判別する(S2279D)。ミッション演出を実行することに対応する情報であると判別した場合(即ち、ミッション演出実行選択画面において「はい」が選択された場合)には(S2279:Yes)、本処理を終了する。S2279Dの処理において、ミッション演出を実行しないことに対応する情報が格納されていると判別した場合(即ち、ミッション演出実行選択画面において「いいえ」が選択された場合)には(S2279D:No)、疑似変動待機フラグ223drをオフに設定し(S2280D)、疑似変動開始タイマdpの値を「0」に設定する(S2281D)。これにより、実行中の特別図柄の変動表示期間における疑似変動が実行されなくなる。S2281Dの処理が終了すると、本処理を終了する。なお、本第29制御例の第4変形例では、ボタン操作有効期間が経過するまでミッション演出実行選択画面が継続する構成としたが、これに限るものではなく、遊技者が決定ボタン600aを押下したことに対応してミッション演出実行選択画面を終了する構成としても良い。
図1293に戻り、説明を続ける。ミッション演出実行選択中処理(S2251D)が終了すると、次に、疑似変動待機フラグ223drがオンであるかを判別する(S2232D)。疑似変動待機フラグ223drがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動ありの特別図柄の変動が実行されていない場合)には(S2232D:No)、S2233D~S2235Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
S2232Dの処理において、疑似変動待機フラグ223drがオンであると判別した場合(即ち、疑似変動ありの特別図柄の変動が実行されている場合)には(S2232D:Yes)、疑似変動開始タイマの223dpの値を1減算する(S2233D)。次に、ミッション演出実行選択開始処理を行う(S2252D)。このミッション演出実行選択開始処理(S2252D)は、疑似変動を含む演出態様が設定されている場合に、ミッション演出実行選択画面の表示タイミングであるか否かを判別するための処理である。
ここで、図1295を参照して、ミッション演出実行選択開始処理(S2252D)について説明する。ミッション演出実行選択開始処理(S2252D)が実行されると、まず、疑似変動開始タイマ223dpの値が「5000」であるかを判別する(S2291D)。疑似変動開始タイマ223dpの値が「5000」である場合(即ち、疑似変動の開始まで残り5秒である場合)には(S2291D:Yes)、ミッション演出実行選択画面における第1表示領域HR1および第2表示領域HR2に表示する選択コメント(図1287(a)参照)を表示するための表示用コマンドを設定し(S2292D)、選択コメント表示中フラグ223daDをオンに設定する(S2293D)。そして、ボタン操作有効期間タイマ223daCの値として「2999」を設定し(S2294D)、本処理を終了する。一方、S2291Dの処理において、疑似変動開始タイマ223dpの値が「5000」ではないと判別した場合には(S2291D:No)、本処理を終了する。
図1293に戻り、説明を続ける。S2252Dの処理が終了すると、S2233Dの処理において減算された疑似変動開始タイマ223dpの値が0であるか否かを判別し(S2234D)、0でないと判別した場合には(S2234D:No)、疑似変動の開始タイミングではないため、S2235Dの処理をスキップし、疑似変動中止処理を行う(S2253D)。疑似変動中止処理(S2253D)は、疑似変動の実行中にブラックアウト演出を設定するための処理である。
ここで、図1296を参照して、疑似変動中止処理(S2253D)について説明する。疑似変動中止処理(S2253D)が実行されると、まず、ブラックアウト演出実行フラグ223dbDがオンであるかを判別する(S2781D)。ブラックアウト演出実行フラグ223dbDがオンではないと判別した場合には(S2781D:No)、疑似変動の実行期間ではない、またはブラックアウト演出の実行条件が成立していないことを示しているので、本処理を終了する。一方、S2781Dの処理において、ブラックアウト演出実行フラグ223dbDがオンであると判別した場合には(S2781D:Yes)、ブラックアウト演出実行フラグ223dbDをオフに設定し(S2782D)、実行中の特別図柄の変動表示は当たり変動(当否判定結果が大当たり当選である特別図柄の変動パターン)かを判別する(S2783D)。S2783Dの処理において、実行中の特別図柄の変動表示が当たり変動であると判別した場合には(S2783D:Yes)、当たりロングリーチAを表示するための表示コマンドを設定する(S2784D)。
なお、ブラックアウト演出が実行されるタイミングによって、実行中の特別図柄の残りの変動表示期間は一定ではないため、シナリオカウンタc223dtCによって各表示用変動パターンの演出時間がどれだけ経過しているかを計測可能にしており、シナリオカウンタc223dtCの値に対応する演出パートの画像データが表示されるように表示コマンドを設定する。
S2783Dの処理において、実行中の特別図柄の変動表示が当たり変動ではないと判別した場合(即ち、外れ変動である場合)には(S2783D:No)、外れロングリーチAを表示するための表示用コマンドを設定し(S2785D)、本処理を終了する。
疑似変動中止処理(S2253D)が終了すると、シナリオカウンタc223dtCの値を1減算し(S2254D)、本処理を終了する。一方、S2234Dの処理において、疑似変動開始タイマ223drの値が0であると判別した場合には(S2234D:Yes)、疑似変動開始処理を実行する(S2235D)。疑似変動開始処理(S2235D)が終了すると、S2253DおよびS2254Dの処理を実行し、本処理を終了する。
S2231Dの処理において、疑似変動実行フラグ223dgがオンである(即ち、疑似変動の実行期間中である)と判別した場合には(S2231D:Yes)、疑似変動残時間タイマ223dhの値を1減算し(S2240D)、減算後の疑似変動残時間タイマ223dhの値が0であるかを判別する(S2241D)。疑似変動残時間タイマ223dhの値が0ではないと判別した場合には(S2241D:No)、疑似変動実行中処理を実行する(S2255D)。疑似変動実行中処理(S2255D)は、疑似変動の実行中に疑似変動を中止させる条件が成立したか否かを判別するための処理である。
ここで、図1297を参照して、疑似変動実行中処理(S2255D)について説明する。図1297は、この疑似変動実行中処理(S2255D)を示したフローチャートである。この疑似変動実行中処理(S2255D)が実行されると、まず、決定ボタン押下フラグ223dbCがオンであるかを判別する(S2850D)。決定ボタン押下フラグ223dbCがオンであると判別した場合には(S2850D:Yes)、実行中の疑似変動を通常の第3図柄変動演出に切り替えるための疑似変動切替処理(S2851D)を実行する。疑似変動切替処理(S2851D)の詳細な説明は後述する。一方、S2850Dにおいて決定ボタン押下フラグ223dbCがオンではないと判別した場合には(S2850D:No)、変動表示中の特別図柄の変動種別はロングリーチであるかを判別する(S2752D)。S2752Dの処理において、変動種別がロングリーチではない場合には(S2752:No)、ブラックアウト演出の実行条件を満たさないので、本処理を終了する。一方、S2752Dの処理において、変動種別がロングリーチであると判別した場合には(S2752:Yes)、次に、特別図柄1保留球数カウンタ223daの値が「1」であるかを判別する(S2753D)。特別図柄1保留球数カウンタ223daの値が「1」ではないと判別した場合には(S2753D:No)、本処理を終了する。
S2753Dの処理において、特別図柄1保留球数カウンタ223daの値が「1」であると判別した場合には(S2753D:Yes)、入賞情報格納エリア223ddの第1エリアに格納されている入賞情報が外れを示すものであるかを判別する(S2754D)。入賞情報格納エリア223ddの第1エリアに格納されている入賞情報が当たりを示すものである場合には(S2754D:No)、本処理を終了する。S2754Dの処理において、入賞情報格納エリア223ddの第1エリアに格納されている入賞情報が外れを示すものである場合には(S2754D:Yes)、ブラックアウト演出を表示するための表示用コマンドを設定し(S2755D)、ブラックアウト演出実行フラグ223dbDをオンに設定する(S2755D)。そして、疑似変動実行フラグ223dgをオフに設定し(S2856D)、本処理を終了する。
次に、図1298を参照して、疑似変動切替処理(S2851D)について説明する。図1298は、この疑似変動切替処理(S2851D)を示したフローチャートである。この疑似変動切替処理(S2851D)は、第3図柄表示装置81において実行中の疑似変動を中止し、実行中の特別図柄の変動パターン種別に対応する第3図柄の変動演出に切り替えるための処理である。疑似変動切替処理(S2851D)が実行されると、まず、決定ボタン押下フラグ223dbCをオフに設定し(S2951D)、疑似変動実行フラグ223dgをオフに設定する(S2952D)。S2952Dの処理の後は、疑似変動残時間タイマ223dhに設定されている値を「0」に設定し(S2953D)、実行中の特別図柄の変動パターン種別に対応する表示用変動パターンを表示するための表示用コマンドを設定する(S2954D)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ223daのカウンタ値に対応する数の保留図柄を表示するための表示用コマンドを設定し(2955D)、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCをオフに設定して(S2956D)、本処理を終了する。
図1293に戻り、説明を続ける。S2241Dの処理において、疑似変動残時間タイマ223dhの値が0であると判別した場合には(S2241D:Yes)、疑似変動終了を示すための表示用コマンドを設定し(S2242D)、疑似変動実行フラグ223dgをオフに設定する(S2243D)。その後、特別図柄1保留球数カウンタ223daのカウンタ値に対応する数の保留図柄を表示するための表示用コマンドを設定し(S2244D)、特殊演出用コメント表示中フラグ223dgCをオフに設定する(S2248D)。そして、S2254Dの処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図1299を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2129D)について説明する。図1299は、この変動表示設定処理(S2129D)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2129D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1292参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、上述した変動パターン設定処理(図1166参照)において設定した表示用変動パターンに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dcがオンか否かを判別する(S3001D)。そして、変動開始フラグ223dcがオンではないと判別した場合には(S3001D:No)、第3図柄の変動開始タイミングではないため、S3006Dの処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dcがオンであると判別した場合には(S3001D:Yes)、第3図柄の変動開始タイミングであるため、変動開始フラグ223dcをオフに設定し(S3002D)、次いで、演出態様設定処理(図1167参照)のS2454D,S2459D,S2458Dまたは特殊演出追加設定処理(図1168参照)のS2541Dの処理のいずれかにおいて設定された表示用変動パターンを取得する(S3003D)。そして、取得した表示用変動パターンに基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S3004D)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される表示用変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。そして、設定した表示用変動パターンに対応する値をシナリオカウンタc223dtCに設定する(S3011D)。ここでシナリオカウンタc223dtCに設定される値は、表示用変動パターンの変動表示時間に対応する値であり、上述した液晶演出実行管理処理(S2128D)が実行される毎に1減算し、特別図柄の変動表示が終了する時点で「0」となる。
次いで、入賞情報格納エリア223ddに格納されたデータをシフトする(S3005D)。S3005Dの処理では、入賞情報格納エリア223ddの第1エリア~第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S3006Dの処理へ移行する。S3006Dの処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dbがオンか否かを判別する(S3006D)。そして、停止種別選択フラグ223dbがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S3006D:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dbがオンであると判別した場合(S3006D:Yes)、停止種別選択フラグ223dbをオフし(S3007D)、次いで、コマンド判定処理(図1160参照)のS2205Dの処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S3008D)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別を第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S3009D)、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定して(S3010D)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
以上、説明をした通り、本第29制御例の第4変形例では、疑似変動の実行タイミングにおいて疑似変動を実行するか否かを遊技者が選択可能に構成し、疑似変動の実行中も遊技者の任意のタイミングで疑似変動を通常の変動演出に切り替えることが可能であるため、遊技者の好みに合わせた演出を提供可能となり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第29制御例の第4変形例の構成を、第29制御例の第2変形例の構成と組み合わせても良い。具体的には、図1221(a)に示す、ミッション演出の導入演出を表示する前に図1287(a)に示すミッション演出実行選択画面を表示し、遊技者がミッション演出を実行するか否かを選択可能とする。ミッション演出実行選択画面において、遊技者がミッション演出の実行を選択した場合には、引き続きミッション演出の導入演出を表示した後、装飾用可動役物Ym1、Ym2をスタンバイ状態とする。一方で、遊技者がミッション演出の非実行を選択した場合には、装飾用可動役物Ym1、Ym2を収納状態としたまま変動演出を継続する。
また、遊技者がミッション演出の実行を選択し、ミッション演出において装飾用可動役物Ym1、Ym2がスタンバイ状態となっている場合でも、遊技者が演出ボタン22を操作することによりミッション演出の実行期間中に主表示領域Dmが隠された状況を復旧する処理を実行する。具体的には、装飾用可動役物Ym1、Ym2を収納状態へと可動させ、第3図柄表示装置81において実行されている通常の変動演出を遊技者が視認可能な状態とする。
上述したように、第29制御例の第2変形例では、ミッション演出において装飾用可動役物Ym1、Ym2がスタンバイ状態である場合にも、装飾用可動役物Ym1、Ym2の背面側にある第3図柄表示装置81では通常の第3図柄の変動表示が実行されているので、スタンバイ状態である装飾用可動役物Ym1、Ym2が遊技者の任意のタイミングで収納状態へと可動しても、新たに第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示を表示するための複雑な処理が不要であるため、音声ランプ制御装置113における処理負荷を軽減することが可能となる。
なお、本第29制御例の第2変形例では、装飾用可動役物Ym1、Ym2を第3図柄表示装置81の表示画面全体を覆い隠すように構成としたが、これに限るものではなく、第3図柄表示装置81の表示画面の一部を覆い隠す構成としても良い。具体的には、第3図柄が停止表示される主表示領域Dmの中央部のみを装飾用可動役物によって覆い隠すことが可能に構成し、主表示領域Dmの中央部以外の表示領域は遊技者が視認可能とする。このように構成することで、第3図柄が停止表示されたか否かを遊技者に分かり難くしつつ、装飾用可動役物により覆い隠されていない表示領域で実行されるその他の当否判定結果を示唆するための変動演出は遊技者が視認可能であるため、変動演出の演出態様から遊技者に特別図柄の当否判定結果を予測させ、装飾用可動役物を収納状態にして第3図柄変動に切り替えるか否かを判断し易くすることができる。
なお、本第29制御例の第4変形例の構成と、上述した第29制御例の第3変形例の構成を組み合わせた構成としても良い。具体的には、図1252(a)に示す、ミッション選択演出を表示する前に図1287(a)に示すミッション演出実行選択画面を表示し、遊技者がミッション演出を実行するか否かを選択可能とする構成としても良い。
<第29制御例の第5変形例>
次に、図1300を参照して、第29制御例の第5変形例のパチンコ機10について説明する。上述した第29制御例の第3変形例では、疑似変動の実行期間中に新たに変動表示が開始された特別図柄の当否判定結果に基づいて、疑似変動に合わせて実行されるミッション演出の結果報知演出の内容を設定する構成であった。しかしながら、第29制御例の第3変形例では、疑似変動が開始されてから変動表示中の特別図柄が停止表示されるまでの期間で保留球を複数個獲得した場合であっても、その疑似変動に合わせて実行されるミッション演出の結果報知演出の内容を設定する際に参照されるのは、新たに変動表示が開始された特別図柄の当否判定結果のみであるため、その特別図柄の当否判定結果が外れ当選である場合には、他の保留球の中に特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である保留球があったとしても、ミッション演出の結果報知演出において外れに対応する演出結果が報知される。つまり、特別図柄1つ分の当否判定結果のみで結果報知演出の内容を設定すると大当たり当選であることに対応する演出結果が設定される確率は低く、外れ当選であることに対応する演出結果が設定される確率が高いので、結果的にミッション演出において外れであることに対応する演出結果が報知され易くなり、ミッション演出は大当たり当選の期待が持てない演出であるという印象を遊技者に与えてしまい、ミッション演出が実行されても遊技者が演出に注目し難くなることで演出効果が低下してしまう虞があった。
これに対して、本第29制御例の第5変形例では、疑似変動が開始されてから変動表示中の特別図柄が停止表示されるまでの期間で保留球を複数個獲得した場合に、各保留球に対応する特別図柄の当否判定結果を事前に取得し(先読みし)た結果に基づいて疑似変動に合わせて実行されるミッション演出の結果報知演出の内容を設定可能に構成している。このように構成することで、特別図柄1つ分の当否判定結果のみで結果報知演出の内容を設定する場合よりも、大当たり当選であることに対応する演出結果が設定される確率が高くなり、ミッション演出において大当たり当選であることに対応する演出結果が報知される機会が増えることで、ミッション演出で大当たり当選であることに対応する演出結果が報知されることを遊技者に期待させることが可能となり、遊技者をミッション演出に注目させ易くなるのでミッション演出の演出効果を高めることができる。
また、獲得した複数個の保留球のうち、どの保留球をミッション演出の結果報知演出の内容を設定する際に先読みの対象とするかを遊技者が選択可能に構成している。具体的には、図1300(b)に示すように、1つの保留球を対象とする「保1先読み」、保有している全ての保留球を対象とする「全保留先読み」、保有している保留球から対象とする保留球をランダムで選択する「ランダム先読み」の3種類のミッション種別から1のミッション種別を遊技者が枠ボタン22Aを操作することにより選択できる構成としている。このように構成することで、遊技者の好みに合わせた演出を提供することが可能となり、遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。
この第29制御例の第5変形例におけるパチンコ機10が第29制御例の第3変形例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第29制御例の第3変形例におけるパチンコ機10と同一である。
<第29制御例の第5変形例の演出内容について>
次に、図1300を参照して、本第29制御例の第5変形例のパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、疑似変動に合わせて実行されるミッション演出について説明する。まず、図1300(a)を参照して、本第29制御例の第5変形例におけるミッション選択演出B開始時の演出内容について説明する。図1300(a)は、本第29制御例の第5変形例におけるミッション選択演出B開始時の表示画面の一例を示した図である。
疑似変動ありの表示用変動パターンが設定されている特別図柄の変動表示において、予め規定されている疑似変動の開始タイミングになると、図1300(a)に示すように、主表示領域Dmでは、高速変動表示されていた第3図柄が低速変動表示された後に仮停止し、その第3図柄に重なってミッションアイコンAk1が表示され、主表示領域Dmの中央部に表示されている第3図柄の上部に「この後に表示される3つのミッションから好きなミッションを選べ!」というミッション選択演出Bに関する演出情報を案内する案内態様を表示するための表示領域HR1が形成される。このミッションアイコンAk1は、疑似変動中に実行される特殊演出である「ミッション演出」が開始されることを報知するための態様である。このように、ミッションアイコンAk1と、表示領域HR1に演出情報が表示されることで、これからミッション演出が開始されることを遊技者に分かり易く報知することができる。また、遊技者に対して、この後にミッション選択演出Bが実行されることを予告することで、遊技者にボタン操作を行う準備をさせることができる。
表示領域HR1とミッションアイコンAk1が表示された後、仮停止していた第3図柄が疑似変動を開始する。これにより、特別図柄の変動表示がまだ終了していないことを遊技者に分かり易くすることができる。副表示領域Dsでは導入演出が開始されると、特殊演出の演出情報を案内するための案内コメントが表示される。このため、ミッション選択演出およびミッション演出が実行されている期間は、副表示領域Ds2において保留図柄が非表示となる。なお、主表示領域Dm1aには入賞情報格納エリア223ddに格納されている入賞情報(保留球)の数に対応する値が表示され、図1300(a)に示す例では、保留球が0個であることを示している。
次に、図1300(b)を参照して、ミッション選択演出Bの演出内容について説明する。図1300(b)は、ミッション選択演出Bが開始されてから2秒経過した場合の表示画面の一例を示した図である。ミッション選択演出Bが開始されてから2秒経過するまでは、図1300(a)に示すミッションアイコンAk1と、表示領域HR1に「この後に表示される3つのミッションから好きなミッションを選べ!」というコメントが表示され、ミッション選択演出Bが開始されてから2秒が経過すると、ミッションアイコンAk1が非表示となり、表示領域HR1のコメントが「左右ボタンでカーソル移動 決定ボタンでミッション決定」という枠遊技者に対してボタン22Aを操作することを案内する案内態様に切り替わる。また、主表示領域Dm3が形成され、ボタン操作有効期間タイマ223daCのタイマ値に対応する値が表示される。図1300(b)に示す例では、「残り3秒」と表示されており、ボタン操作有効期間が残り3秒であることを遊技者に報知している。また、主表示領域Dm1aには保留球数が3であることを示す態様が表示され、主表示領域Dm1bには特別図柄に対応する第4図柄が変動表示中であることを示す態様が表示され、主表示領域Dm2には前回の大当たり遊技終了から特別図柄の変動表示が102回実行されたことを示す態様である「102変動」という文字が表示されている。これにより、図1300(b)に示す例では、図1300(a)に示すミッション選択演出Bが開始されてから変動表示中の特別図柄が停止表示されるまでの期間で4つの保留球を獲得し、そのうち1つの保留球に対応する特別図柄の変動表示が新たに実行されている状態であることを示しているとわかる。
主表示領域Dmには、うさぎを模したキャラ801と、ゾウを模したキャラ802と、カメを模したキャラ803が表示され、それぞれのキャラの下部に表示領域HR33と、表示領域HR34と、表示領域HR35が形成される。表示領域HR33には、ミッション演出の演出結果を設定する際に1つの保留球を対象とするミッション種別であることを示す態様である「保1先読み」という文字が表示され、表示領域HR34には、ミッション演出の演出結果を設定する際に保有している全ての保留球を対象とするミッション種別であることを示す態様である「全保留先読み」という文字が表示され、表示領域HR35には、ミッション演出の演出結果を設定する際に保有している保留球から対象とする保留球をランダムで選択するミッション種別であることを示す態様である「ランダム先読み」という文字が表示される。
また、表示領域HR33の下部には、上向き矢印のカーソルKs1が表示されており、このカーソルKs1は遊技者の枠ボタン22Aの操作に対応して左右に移動する。そして、遊技者が決定ボタン600aを押下した場合、またはボタン操作有効期間が経過した場合にカーソルKs1が指し示しているミッション種別が選択される。このように、通常の変動演出によって各保留球の当否判定結果を推測したい遊技者に対しては、1つの保留球を対象として結果報知演出の内容を設定する「保1先読み」、いち早く全ての保留球の当否判定結果を知りたい遊技者に対しては「全保留先読み」、結果報知演出で外れに対応する演出結果が報知された場合であっても結果報知演出の演出内容を設定する際にどの保留球を対象としたかがわからないので保有している保留球内で大当たり当選への期待感を持たせることができる「ランダム先読み」のいずれかを遊技者の好みに応じて選択可能に構成することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第29制御例の第6変形例>
次に、図1301~図1305を参照して、第29制御例の第6変形例のパチンコ機10について説明する。上述した第29制御例では、第1入球口64への入賞頻度が低く、保留球が途切れやすい状態である場合に、特別図柄の変動停止後も疑似変動が継続して実行されることで遊技者に特別図柄の変動表示が停止していることを気付かせ難くする構成であった。しかしながら、疑似変動が開始されるのは、特別図柄の変動表示が実行されている期間のみであり、特別図柄が停止表示されている期間には疑似変動が開始されない構成であった。このため、例えば、客待ち演出が実行されているパチンコ機10において新たな遊技者が遊技を開始した場合に、遊技を開始してから第1入球口64に遊技球が入賞するまでは特別図柄が停止表示された状態であるため、第1入球口64に遊技球が入賞するまでの期間が長くなると、遊技者が退屈して遊技を止めてしまう虞があった。
これに対して、第29制御例の第6変形例のパチンコ機10は、特別図柄の停止表示期間中にも疑似変動が開始される構成としている点で、上述した第29制御例と相違する。より具体的には、特別図柄が停止表示されている期間において客待ち演出が実行されている場合に、遊技者が球発射ユニット112aを操作し、遊技球の発射を開始すると8秒間の疑似変動が開始される。この疑似変動の実行期間中に第1入球口64に遊技球が入賞しなかった場合には、8秒経過した後、疑似変動開始前に停止表示されていた第3図柄の組み合わせが停止表示される。一方、疑似変動の実行期間中に第1入球口64に遊技球が入賞し、新たな特別図柄の変動表示が開始され、その特別図柄の抽選結果が当たり当選である場合には、疑似変動終了時に当たり当選である可能性が高いことを示唆する第3図柄の組み合わせが停止表示される。このように構成することで、遊技を開始してから第3図柄の変動表示が開始されるまでの期間を遊技者に短く感じさせ、遊技者を退屈させることを抑制することが可能となり、実際に第1入球口64に遊技球が入賞し、特別図柄の変動表示が開始されるまでの時間を稼ぐことができる。
この第29制御例の第6変形例のパチンコ機10が、第29制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222およびRAM223の一部構成を変更した点である。また、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第29制御例におけるパチンコ機10と同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
<第29制御例の第6変形例における演出内容について>
図1301および図1302を参照して、第29制御例の第6変形例のパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、疑似変動に合わせて実行される特殊演出について説明する。図1301(a)は、特別図柄の変動表示が終了し、特別図柄が停止表示されてから5経過した時点における第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した図である。主表示領域Dmでは特別図柄の当否判定結果が外れであることを示す態様の1つである「246」という組み合わせの第3図柄が停止表示され、小表示領域Dm1aでは特別図柄の当否判定結果が外れであることを示す態様の1つである「○×」という組み合わせの第1図柄が停止表示されている。また、特別図柄が停止表示されてから5分が経過すると、小表示領域Dm3が形成され、客待ち演出(デモ演出)の実行中であることを示す態様である「デモ」という文字が表示される。これにより、遊技者に対してパチンコ機10において遊技が実行されていないことを分かり易くすることができる。
図1300(b)は、特別図柄が停止表示されてから6分経過した時点で遊技者が遊技球の打ち出しを開始した場合の表示画面の一例を示した図である。詳細は後述するが、本第29制御例の第6変形例では、客待ち演出の実行中に球発射ユニット112aが操作されたと判別した場合に、8秒間の疑似変動演出が開始される。
図1301(b)に示す通り、客待ち演出の実行中に球発射ユニット112aが操作されると、主表示領域Dmでは、外れであることを示す態様で停止表示されていた第3図柄に重なるように疑似変動演出が開始されたことを示す態様であるミッションアイコンAk1が表示され、第1表示領域HR1には疑似変動演出の内容を示す態様である「ミッション開始図柄を変えろ!」という文字が表示される。ミッションアイコンAk1と、小表示領域HR1に「ミッション開始図柄を変えろ!」の文字が表示されると、主表示領域Dmにおいて停止表示されていた第3図柄が疑似変動を開始する。このように構成することで、変動表示を開始した第3図柄が異なる組み合わせで停止表示されるとミッション成功であることを遊技者に対して分かり易く報知することができる。
また、小表示領域Dm3では、「デモ」という表示が疑似変動演出の残り演出時間を示す態様である「残り8秒」という表示に切り替わる。これにより、疑似変動演出が客待ち演出とは異なる演出であることを遊技者に分かり易くすることができる。更に、疑似変動が開始されると、副表示領域Dsでは保留演出が開始される。この保留演出では、変動表示中の特別図柄に対応する実行エリアDs1に爆弾を模した疑似保留図柄th0aを表示し、その疑似保留図柄th0aから導火線duと、その導火線duの右端に火Hi1が表示され、ミッション演出の時間経過に合わせて火Hi1が導火線duを燃やしながら左に向かって進む演出が実行される。
また、保留球数表示エリアDs2に保留演出の内容を示すための「爆弾保留が爆発すると・・・」というコメントが表示されることにより、火Hi1が疑似保留図柄th0aに到達すると何かが起こると遊技者に期待させ、保留演出に注目させることが可能となる。
図1302(a)は、第29制御例の第6変形例におけるミッション演出の実行中に遊技球が第1入球口64に入賞し、長書き換え演出Aが開始された場合の表示画面の一例を示した図である。長書き換え演出Aは、特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合の一部で選択される演出態様であり、客待ち演出中に開始されたミッション演出において大当たり当選である可能性が低いことを示唆する第3図柄の組み合わせが停止表示された後にうさぎを模したキャラ801が出現し、停止表示されている第3図柄に向かってスプレーを吹きかけることで第3図柄の組み合わせを大当たり当選である可能性が高いことを示唆する組み合わせに変える演出である。なお、「書き換え演出A」には、演出時間が異なる「短書き換え演出A」、「中書き換え演出A」、「長書き換え演出A」があり、それぞれの書き換え演出Aでは、キャラクタ801がスプレーを使って第3図柄を完全に書き換え終了するまでの時間が異なっているのみで、何れの書き換え演出Aが設定された場合であっても最終的に表示される第3図柄の表示態様は同一である。どの書き換え演出Aが設定されるかはミッション演出の途中で特図変動が開始されたタイミングに応じて決定する。このように構成することで、特図変動の変動時間内で実行される残りのミッション演出の演出時間がその特図変動の開始タイミングによってまちまちであっても、書き換え演出によって帳尻を合わせることが可能となり、特図変動におけるミッション演出に割り当てる演出時間を一定にすることができる。
特別図柄の停止表示期間に開始されたミッション演出の残り時間が0秒になると、主表示領域Dmではミッション演出開始前に停止表示されていた当否判定結果が外れであることを示す第3図柄の組み合わせで第3図柄が停止表示され、第1表示領域に「ミッション失敗」というミッション演出が失敗したことを報知するための態様が表示される。また、副表示領域Dsでは、火Hi1が導火線duの分岐地点Pt1に到達したところで消える演出が表示される。
ミッション演出の残り時間が0秒になる前に遊技球が第1入球口64に入球していた場合には、図1302(a)に示すように、表示領域HR1には「ミッション継続!」というミッション演出が継続することを報知するための報知態様が表示され、キャラクタ801がスプレーを使って停止表示されている第3図柄を上書きする演出が実行される。また、小表示領域Dm3の下部には「+3」というミッション演出の演出時間が追加(延長)されたことを示す態様が表示され、その態様に対応して小表示領域Dm3に表示されている報知態様が「残り0秒」から「残り3秒」に更新される。このように構成することで、結果報知演出の終了時に「ミッション失敗」という報知態様が表示されたものの、ミッション演出は継続しており、外れであることを示す表示態様の第3図柄がまだ可変する可能性があることを遊技者に分かり易く認識させることができる。
また、副表示領域Dsでは、分岐地点Pt1に火Hi2が表示され、導火線du上を疑似保留図柄th0aに向かって進みはじめ、保留球数表示エリアDs2には保留演出が継続していることを報知する態様である「再着火!爆発のチャンス!?」というコメントが表示されることで、遊技者に保留演出が継続していることを分かり易く報知することができる。なお、書き換え演出が実行される場合には、再着火された導火線duの火の表示態様によって、特図変動の当否判定結果を示唆可能な構成としている。より具体的には、大当たり当選期待度が高いことを示す長書き換え演出Aが設定された場合には、再着火時に導火線duに火Hi1(図1119(a)参照)よりも燃え方が激しい火Hi2が表示される。一方、外れ当選であることを示す書き換え演出の演出態様が設定された場合には、再着火時に導火線duに火Hi1が表示される。このように構成することで、保留演出の途中で爆弾保留の爆発によらずに疑似保留図柄の表示態様を可変することなく、演出の流れに沿って特図変動の当否判定結果を示唆することが可能となり、遊技者に違和感を与えない演出を実行することが可能となる。
次に、図1302(b)を参照して、長書き換え演出A終了時の演出内容について説明する。図1302(b)は、長書き換え演出A終了時の表示画面の一例を示した図である。長書き換え演出Aの演出時間が経過すると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmでは、第3図柄が「341」という表示態様に書き換えられ、キャラクタ801はミッション演出が成功したことを示す態様であるピースサインをしている態様で表示される。なお、本第29制御例の第6変形例において、この「341」という第3図柄の組み合わせは、保留球内に大当たり当選する期待度が高い保留球(ターゲット保留)が存在する場合に実行される先読み予告演出において、ターゲット保留の特別図柄の変動表示よりも前に実行される他の保留球に基づく特別図柄の変動停止時に表示される表示態様(所謂、チャンス目)である。ミッション演出の終了時にこのチャンス目が表示されることで、この後に大当たり当選する可能性が高い特別図柄の変動表示が実行されることを遊技者に期待させることができる。
なお、本第29制御例の第6変形例では、「341」という第3図柄の組み合わせの他にもチャンス目となる組み合わせを規定しており、組み合わせによって保留球内の大当たり当選期待度が異なる構成としている。具体的には、「341」のチャンス目が表示された場合には80%の割合で大当たり当選するのに対して、「321」のチャンス目が表示された場合には50%の割合で大当たり当選するといったように、チャンス目の態様によって大当たり当選の期待度が異なる。このように構成することで、ミッション演出終了時に表示される第3図柄の表示態様に更に興味を持たせることが可能となる。なお、チャンス目の表示態様は「341」や「321」に限るものではなく、例えば、第3図柄の奇数図柄を赤色の図柄、偶数図柄を青色の図柄で構成し、赤色の図柄が3つ揃った組み合わせを最も大当たり当選期待度が高いチャンス目とし、青色の図柄が3つ揃った組み合わせを2番目に大当たり当選期待度が高いチャンス目としても良い。
長書き換え演出Aの演出時間が経過すると、主表示領域Dmの表示領域HR1の報知態様が、「ミッション成功」というミッション演出の結果を報知するための報知態様が表示され、小表示領域Dm3の表示が「残り0秒」に更新される。このように構成することで、ミッション演出が終了し、ミッション演出が成功したことを遊技者に分かり易く認識させることができる。長書き換え演出Aが終了すると、待機されていた特図変動に対応する第3図柄の変動表示を開始させる制御が実行され、変動開始待機フラグ223dnがオフに設定される。そして、主表示領域Dmにおいて通常演出が開始される。
図1302(b)の実行エリアDs1は、火Hi2が疑似保留図柄th0aに到達し、爆発する演出が実行された後の状態を示したものである。疑似変動の終了に合わせて、火Hi2が爆弾保留に到達して爆発した後、「大チャンス」と表示された特殊保留図柄th0bに可変する演出が実行される。この特殊保留図柄th0bは、変動中の特図の変動種別が当たり変動である場合か「外れスーパーリーチ」(図1132(b),(c)に示すように、外れ当選の場合に最も選択され難い変動種別)である場合にのみ設定される表示態様であるため、大当たり当選である可能性が極めて高いことを示す表示態様である。従って、「大チャンス」と記載された特殊保留図柄th0bが表示されることで、遊技者は大当たり当選する可能性が高いと予測することができる。
疑似保留図柄th0aが特殊保留図柄th0bに可変すると、それに合わせて、保留球数表示エリアDs2には「大チャンス」という特殊保留図柄th0bが示唆する演出情報に対応した報知態様が表示される。これにより、可変した保留図柄により示唆される演出情報が、保留図柄よりも大きな表示態様で表示されるため、遊技者に分かり易く演出情報を報知することができる。その後、主表示領域Dmにおいて通常演出が開始される前に、保留球数表示エリアDs2のシャッターが開き、保留球数に対応する保留図柄が表示される。なお、実行エリアDs1に表示されている特殊保留図柄th0bは、消去されずにそのまま継続して表示される。このように構成することで、特殊保留図柄th0bの「大チャンス」という演出情報の対象となる特別図柄の変動がまだ終了していないことを遊技者に分かり易くすることができる。
<第29制御例の第6変形例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、図1303(a)を参照して、本第29制御例の第6変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の内容について説明をする。図1303(a)は、ROM222の規定内容を示したブロック図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、図1303(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222daと、疑似変動更新時間設定テーブル222dbと、結果報知演出態様設定テーブル222dcと、書き換え用演出態様設定テーブル222ddと、疑似保留追加表示パターン設定テーブル222deとが少なくとも記憶されている。なお、上述した第29制御例の構成と同一であるため、詳細な説明は省略する。
次に、図1303(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図1303(b)に示すように、本第29制御例の第6変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第29制御例に対して、特図停止時間カウンタ223daEと、客待ち演出実行中フラグ223dcE新たに追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
特図停止時間カウンタ223daEは、特別図柄が停止表示されている時間を計測するためのカウンタである。音声ランプ制御装置113のメイン処理にて1ms毎に実行される客待ち演出処理(S2130D)において、客待ち演出が実行されておらず、特別図柄が停止表示されており、疑似変動も実行されていない場合に、カウンタ値に「1」加算され、カウンタ値が30000(5分に相当する値)となった場合に、客待ち演出が実行される。なお、特図停止時間タイマ223daEのカウンタ値は、特別図柄の変動表示が開始された場合に、「0」にリセットされる。客待ち演出実行中フラグ223dcEは、客待ち演出が実行されていることを示すためのフラグであり、客待ち演出処理(S2130D)において、特図停止時間カウンタ223daEのカウンタ値が30000になった場合にオンに設定され、発射停止中フラグ223djがオフになった場合(即ち、遊技球の発射が開始された場合)に、オフに設定される。
<第29制御例の第6変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図1304~図1305を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。なお、電源投入時の立ち上げ処理については上述した第29制御例と同一であるため、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。まず、図1304を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図1304は、このメイン処理を示したフローチャートである。上述した第29制御例におけるメイン処理に対して、客待ち演出処理(S2105D)に代えて客待ち演出処理(S2130D)を実行する点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、または前回S2101Dの処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したかを判別し(S2101D)、1ミリ秒以上経過していなければ(S2101D:No)、S2102D~S2104D、S2130D、S2106D~S2111Dの処理を行わずにS2123Dの処理へ移行する。S2101Dの処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S2102D~S2104D、S2130D、S2106D~S2111Dが主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2112Dのコマンド判定処理や、S2113Dの変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2112Dの処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2113Dの処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2101Dの処理で1ミリ秒以上経過していれば(S2101D:Yes)、まず、S2103D~S2104D、S2130D、S2106D~S2113Dの処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2102D)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2108Dの処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2103D)、その後電源投入報知処理を実行する(S2104D)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2130Dの処理へ移行する。S2130Dの処理では客待ち演出処理を実行する(S2130D)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定が行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。なお、この客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、消費電力を削減するために装飾用LEDや液晶ディスプレイのバックライトの光量(輝度)を減少(低下)させる処理が実行される。このパチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、装飾用LEDや液晶ディスプレイのバックライトの光量(輝度)を減少(低下)させる処理は、駆動モータを制御する制御データを可変して設定する処理の別形態である。また、客待ち演出の実行中に発射停止中フラグ223djがオフに設定されたことに対応して、疑似変動を開始させるための処理が行われる。
ここで、図1305を参照して、本第29制御例の第6変形例において実行される客待ち演出処理(S2130D)について説明する。図1305は、この客待ち演出処理(S2130D)を示したフローチャートである。客待ち演出処理(S2130D)が実行されると、まず、客待ち演出実行中フラグ223dcEがオンであるかを判別する(S2751D)。客待ち演出実行中フラグ223dcEがオンではないと判別した場合には(S2751D:No)、特別図柄の変動表示中であるかを判別する(S2752D)。特別図柄の変動表示中であると判別した場合には(S2752D:Yes)、客待ち演出を実行しないので本処理を終了する。一方、S2752Dにおいて特別図柄の変動表示中ではないと判別した場合には(S2752D:No)、疑似変動実行フラグ223dgがオンであるかを判別する(S2753D)。疑似変動実行フラグ223dgがオンであると判別した場合には(S2753D:Yes)、疑似変動の実行中であるため本処理を終了する。一方、疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合には(S2753D:No)、特図停止時間カウンタdaEに1加算し(S2754D)、特図停止時間カウンタ223daEのカウンタ値が「30000」であるかを判別する(S2755D)。特図停止時間カウンタ223dgのカウンタ値が30000ではないと判別した場合には(S2755D:No)、客待ち演出の実行タイミングではないため、本処理を終了する。一方、S2755Dの処理において、特図停止時間カウンタ223daEのカウンタ値が30000であると判別した場合には(S2755D:Yes)、客待ち演出を実行するための表示コマンドを設定し(S2756D)、客待ち演出実行中フラグ223dcEをオンに設定(S2757D)した後、本処理を終了する。
S2751Dの処理において、客待ち演出実行中フラグ223dcEがオンであると判別した場合には(S2751D:Yes)、発射停止中フラグ223djがオンであるかを判別する(S2758D)。発射停止中フラグ223dgがオンであると判別した場合には(S2758D:Yes)、遊技者が遊技球を発射していない状態であるため、本処理を終了する。一方、S2758Dの処理において、発射停止中フラグ223dgがオンではないと判別した場合には(S2758D:No)、疑似変動開始タイマ223dpのタイマ値を1に設定し(S2759D)、疑似変動待機フラグ223drをオンに設定する(S2760D)。このように構成することで、客待ち演出処理(2130D)の後に実行される液晶演出実行管理処理(S2110D)において疑似変動を開始するための処理を実行することが可能となる。S2760Dの処理が終了した後は、客待ち演出実行中フラグ223dcEをオフに設定し(S2761D)、特図停止時間カウンタ223daEのカウンタ値を0に設定し(S2762D)、本処理を終了する。
図1304に戻り、説明を続ける。客待ち演出処理(S2130D)が終わると、保留個数表示更新処理を実行する(S2106D)。保留個数表示更新処理(S2106D)では、主制御装置110から受信した保留球数コマンドに対応する保留図柄を第3図柄表示装置81に表示するための処理を行う。その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2107D)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2108D)、その後音編集・出力処理を実行する(S2109D)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2109Dの処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S2110D)、S2111Dの処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2108Dのランプ編集処理が実行される。なお、S2109Dの音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。液晶演出実行管理処理が終わると、入賞頻度計測処理を実行する(S2111D)。この入賞頻度計測処理(S2111D)は、所定期間(本第29制御例の第6変形例では60秒間)に受信した入賞コマンド数に基づいて、遊技球が第1入球口64へ入賞する頻度の高低を判定するための処理である。本第29制御例の第6変形例では、この判定結果に基づいて、疑似変動ありの表示用変動パターンが選択され易い変動パターン選択テーブルを参照するか否かを決定する。入賞頻度計測処理が終わると、コマンド判定処理を実行する(S2112D)。コマンド判定処理(S2112D)では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行う。
コマンド判定処理が終わると、変動表示設定処理が実行される(S2113D)。変動表示設定処理は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である。S2113Dの処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2114D)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2114Dの処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2114D:Yes)、電源断フラグおよび電源断処理中フラグを共にオンして(S2116D)、電源断処理を実行する(S2117D)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2118D)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。一方、S2114Dの処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2114D:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているかを判別し(S2115D)、RAM223が破壊されていなければ(S2115D:No)、S2101Dの処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2115D:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員を呼びパチンコ機10の修復を頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
以上、説明したように、本第29制御例の第6変形例では、特別図柄の変動表示が実行されていない客待ち演出の実行期間中に遊技者が遊技球の打ち出しを開始した場合に、疑似変動を開始することを可能に構成している。これにより、遊技者が発射した遊技球が第1入球口64に入球するまでの期間が長くなってしまった場合であっても、疑似変動が実行されることで遊技者が退屈に感じる時間を減少させることが可能となり、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
なお、第29制御例の第2変形例の構成と、第29制御例の第6変形例の構成とを組み合わせても良い。具体的には、特別図柄の変動表示が実行されていない客待ち演出中に遊技者が球発射ユニット112aを操作したことに対応して開始されるミッション演出において装飾用可動役物Ym1、Ym2を可動させるミッション演出(図1221(b)~図1223参照)を実行する構成としても良い。このように構成することで、ミッション演出として装飾用可動役物Ym1、Ym2が閉鎖状態(スタンバイ状態)となっている間に遊技球が第1入球口64に入球し、新たな特別図柄の変動表示が開始されても、ミッション演出と並行して第3図柄表示装置で新たな特別図柄の当否判定結果に対応した第3図柄の変動表示も実行できるため、どのタイミングで遊技球が第1入球口64に入球しても、特別図柄の変動表示期間と第3図柄の変動表示時間がズレることがなく、特別図柄の変動表示と第3図柄の変動表示の終了時期の帳尻を合わせるための複雑な制御が不要となるため、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
なお、第29制御例の第3変形例の構成と、第29制御例の第6変形例の構成とを組み合わせても良い。具体的には、特別図柄の変動表示が実行されていない客待ち演出中に遊技者が球発射ユニット112aを操作したことに対応して開始されるミッション演出におけるミッション内容を遊技者が枠ボタン22Aを操作することにより選択できる構成(図図1252~図1254参照)としても良い。このように構成することで、遊技者が枠ボタン22Aの操作に集中し、特別図柄の変動表示が実行されていないことに対する関心を薄れさせることが可能となり、ミッション演出の演出効果を高めることができる。
なお、本第29制御例の第6変形例のパチンコ機10では、特別図柄の変動表示が実行されていない客待ち演出中に疑似変動を開始可能に構成したが、これに限るものではなく、特別図柄の変動表示が実行されていない大当たり遊技中にも疑似変動を開始可能に構成しても良い。以下、特別図柄の変動表示が実行されていない大当たり遊技中に疑似変動が開始される構成の第29制御例の第7変形例のパチンコ機10について説明する。
<第29制御例の第7変形例>
図1306~図1307を参照して、第29制御例の第7変形例のパチンコ機10について説明する。本第29制御例の第7変形例のパチンコ機10では、大当たり遊技の実行中に疑似変動を開始することが可能な構成としている。具体的には、大当たり遊技の実行期間中に保留球数を判別し、保留球数が0個の場合には、大当たり遊技のラウンド演出中にミッション演出を開始し、大当たり遊技終了後もミッション演出を継続する。そのミッション演出中に新たな特別図柄の変動表示が開始され、その特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合には、その特別図柄が停止表示された後に実行される大当たり遊技の初回ラウンド数を、前回の大当たり遊技の最終ラウンド数から引き続きの数で表示し、あたかも1つの大当たり遊技が継続して実行されているかのように見せる演出を実行する。このように構成することで、大当たり遊技が終了してから次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの期間が長くなる場合であっても、実際の特別図柄の停止表示期間よりも遊技者が感じる特別図柄の停止表示期間を短くすることが可能となり、テンポの良い遊技を行わせることができる。
<第29制御例の第7変形例における演出内容について>
図1306~図1307を参照して、本第29制御例の第7変形例の第3図柄表示装置81において実行される演出について説明する。図1306(a)は、保留球数0個で大当たり遊技が実行される場合の表示画面について説明する。図1306(a)は、保留球数0個で大当たり遊技が実行される場合の表示画面の一例を示した図である。図1306(a)に示すように、主表示領域Dm3には実行中の大当たり遊技のラウンド数を示す態様である「4R」が表示され、主表示領域Dm1aには第1特別図柄の保留球数を示す態様である「0」が、主表示領域Dm1cには第2特別図柄の保留球数を示す態様である「0」がそれぞれ表示されており、第1特別図柄の保留球数および第2特別図柄の保留球数が共に0個であることを遊技者に報知している。
また、主表示領域Dm1bには第1特別図柄の当否判定結果が大当たり当選であることを報知するための態様で第4図柄が停止表示され、主表示領域Dm1dには第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを示す態様が表示されている。このように構成することで、第1特別図柄の当否判定結果が大当たり当選であり、第1特別図柄および第2特別図柄が変動表示されていないことを遊技者に分かり易くすることができる。また、主表示領域Dm2には前回の大当たり遊技終了から実行された特別図柄の変動表示回数が表示されており、図1306(a)では、102回の特別図柄の変動表示が実行されたことを示している。
ここで、本第29制御例の第7変形例のパチンコ機10では、大当たり遊技のラウンド数が異なる3種類の大当たり種別のうち1の大当たり種別を設定できる構成であり、それぞれの大当たり種別のラウンド数は、4ラウンド、8ラウンド、16ラウンドである。なお、本第29制御例の第7変形例では大当たり種別を3種類としたが、これに限るものではなく、2種類以下としても良いし、4種類以上としても良い。また、3ラウンド以下の大当たり種別を設けても良いし、17ラウンド以上の大当たり種別を設けても良い。
図1306(a)は、4ラウンドの大当たり種別の大当たり遊技が実行され、4ラウンド目(最終ラウンド)の大当たり遊技が実行されている状況を示している。1ラウンド目から3ラウンド目の大当たり遊技では、特別図柄の当否判定結果が大当たりであることを示すための第3図柄の組み合わせ(例えば、「111」)が主表示領域Dm3の下方に縮小表示され、主表示領域Dmでは大当たり遊技専用のムービーや画像が表示される。そして、4ラウンド目の大当たり遊技が開始される場合に保留球数を判別し、保留球数が0個であると判別した場合には、8秒間のミッション演出を開始する。ミッション演出が開始されると、図1306(a)に示すように、縮小表示されていた第3図柄を主表示領域Dmの中央部に拡大表示し、その第3図柄に重なるようにアイコンAk1が表示され、第1表示領域が形成されてミッション演出が開始されたことを報知する態様である「ミッション開始図柄を変えろ!」というコメントが表示された後に、停止表示している第3図柄が疑似変動を開始する。また、副表示領域Dsでは、ミッション演出の内容を説明するための態様である「全て「7」図柄に変われば大当たり遊技継続」というコメントが表示される。これにより、疑似変動を開始した第3図柄が全て「7」図柄に変われば大当たり遊技が継続するということを遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、図1306(b)を参照して、大当たり遊技中に開始されたミッション演出の実行中に遊技球が第2入球口640に入球し、その入球に対応する特別図柄の当否判定結果が大当たり当選であった場合の演出内容について説明する。図1306(b)は、大当たり遊技中に開始されたミッション演出の実行中に遊技球が第2入球口640に入球し、その入球に対応する特別図柄の当否判定結果が大当たり当選であった場合の表示画面の一例を示した図である。主表示領域Dm3には、ミッション演出の残り演出時間を示す態様である「残り2秒」という文字が表示され、主表示領域Dmの中央部では、疑似変動していた第3図柄が「777」の組み合わせで停止表示され、第1表示領域HR1にはミッション演出が成功したことを報知するための態様である「ミッション成功」のコメントが表示される。また、副表示領域Dsには大当たり遊技が継続することを報知するための態様である「大当たり遊技継続」のコメントが表示される。これにより、ミッション演出が成功し、大当たり遊技が継続して実行されることを遊技者に分かり易く報知することができる。なお、主表示領域Dm3の表示は、ミッション演出が開始された大当たり遊技の最終ラウンドが終了するまでは実行中のラウンド数を表示し、大当たり遊技のラウンドが終了したタイミングでミッション演出の残り演出時間に対応する態様に切り替える。ミッション演出が成功したことを示す態様が第3図柄表示装置81に表示され、新たな大当たり遊技が開始された場合には、新たな大当たり遊技の初回ラウンドであっても、前回の大当たり遊技の最終ラウンド数に続くラウンド数を主表示領域Dm3に表示する。図1307(a)に示す例では、前回の大当たり遊技の最終ラウンド数が4ラウンドであったため、新たな大当たり遊技の初回ラウンドでは、主表示領域Dm3に「5R」と表示される。また、副表示領域Dsには大当たり遊技の実行期間中であることを示す態様である「大当たり遊技中」というコメントが表示される。このように構成することで、あたかも1回の大当たり遊技が続いているという印象を遊技者に与えることが可能となり、ラウンド数が最も少ない大当たり種別に当選した場合であっても、ラウンド数が多い大当たり種別の大当たり遊技が実行されていると思わせることにより、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
なお、前回の大当たり遊技の最終ラウンドが16ラウンドであった場合には、新たな大当たり遊技の初回ラウンドでは「17R」と表示される。一方、ミッション演出中に開始された特別図柄の当否判定結果が外れ当選である場合には、図1307(b)に示すように、特別図柄の当否判定結果が外れであることを示す組み合わせで第3図柄が停止表示され、第1表示領域HR1にはミッション演出が失敗したことを報知するための態様である「ミッション失敗」のコメントが表示される。このように構成することで、ミッション演出が失敗したことを遊技者に分かり易く報知することができる。また、副表示領域Dsには大当たり遊技が終了したことを報知するための態様である「大当たり遊技終了」のコメントが表示される。
なお、大当たり遊技においてミッション演出が実行されない場合には、大当たり遊技の最終ラウンドが終了した後に実行される大当たり遊技のエンディング演出で、副表示領域Dsに「大当たり遊技終了」のコメントが表示されるが、大当たり遊技中にミッション演出が実行される場合には、その大当たり遊技の最終ラウンドが終了した後に大当たり遊技のエンディング演出を実行せずにミッション演出が終了したタイミングで「大当たり遊技終了」のコメントが表示される。このように構成することで、ミッション演出が大当たり遊技の実行期間中に行われている演出であるという印象を遊技者に与えることができる。
なお、このミッション演出を1回の大当たり遊技の途中のラウンドで実行しても良い。具体的には、保留球がある状態における16ラウンドの大当たり種別の8ラウンド目の大当たり遊技でミッション演出を実行し、ミッション演出の成功を報知した後に9ラウンド目の大当たり遊技を開始する。一方、保留球がある状態における8ラウンドの大当たり種別の8ラウンド目の大当たり遊技でミッション演出を実行し、保留球の中に大当たり当選の保留球がなければミッション演出失敗を報知した後に大当たり遊技の終了を報知する。このように構成することで、ラウンド数の少ない大当たり種別の大当たり遊技が実行されている場合であっても、ラウンド数の多い大当たり種別の大当たり遊技が実行されているのではないかと遊技者に期待させることが可能となり、よりミッション演出に注目させ、ミッション演出の演出効果を高めることができる。
なお、第29制御例の第2変形例の構成と、第29制御例の第7変形例の構成とを組み合わせても良い。具体的には、特別図柄の変動表示が実行されていない大当たり遊技の実行期間中に開始されるミッション演出において装飾用可動役物Ym1、Ym2を可動させるミッション演出(図1221(b)~図1223参照)を実行する構成としても良い。このように構成することで、ミッション演出として装飾用可動役物Ym1、Ym2が閉鎖状態(スタンバイ状態)となっている間に新たな特別図柄の変動表示が開始されても、ミッション演出と並行して第3図柄表示装置で新たな特別図柄の当否判定結果に対応した第3図柄の変動表示も実行できるため、どのタイミングで遊技球が第1入球口64または第2入球口640に入球しても、特別図柄の変動表示時間と第3図柄の変動表示時間がズレることがなく、特別図柄の変動表示と第3図柄の変動表示の終了時期の帳尻を合わせるための複雑な制御が不要となるため、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
なお、第29制御例の第3変形例の構成と、第29制御例の第7変形例の構成とを組み合わせても良い。具体的には、特別図柄の変動表示が実行されていない大当たり遊技の実行期間中に開始されるミッション演出におけるミッション内容を遊技者が枠ボタン22Aを操作することにより選択できる構成(図1252~図1254参照)としても良い。このように構成することで、遊技者が枠ボタン22Aの操作に集中し、特別図柄の変動表示が実行されていないことに対する関心を薄れさせることが可能となり、ミッション演出の演出効果を高めることができる。
<第29制御例の第8変形例>
次に、図1308~図1325を参照して、第29制御例の第8変形例のパチンコ機10について説明する。上述した第29制御例のパチンコ機10では、特別図柄の変動表示が開始されるタイミングで、特別図柄に対応する第3図柄の表示用変動パターンとして疑似変動ありの表示用変動パターンが設定された場合に疑似変動を実行する構成であり、疑似変動ありの表示用変動パターンは、入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定されている場合に設定され易い構成であった。このため、特別図柄の変動表示が開始されるタイミングで入賞頻度低フラグ223dsがオフに設定されている場合には、保留球数が0個の場合であっても疑似変動ありの表示用変動パターンが設定される割合が低く、特別図柄の変動表示が開始された後に入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定されても疑似変動が実行されないので、疑似変動を好適に実行できないという不具合があった。
これに対して、本第29制御例の第8変形例では、特別図柄の変動表示中に入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定された場合であっても、その特別図柄の変動表示において疑似変動を実行可能に構成している点で第29制御例と相違する。具体的には、各表示用変動パターンに第3図柄を仮停止させるタイミングと、第3図柄を仮停止させるために高速変動表示されている第3図柄を徐々に低速変動表示させるための期間(仮停止準備期間)を予め規定し、仮停止準備期間が始まるまでに入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定され、完全外れA、当たりショートリーチまたは外れショートリーチのいずれかの表示用変動パターンが設定されている場合に、高速変動表示中の第3図柄を低速変動表示させた後に仮停止させ、疑似変動を行う。即ち、特定の条件が成立した場合に、特定の図柄を表示させる構成である。
なお、仮停止準備期間となるまでに仮停止実行フラグ223daHがオンに設定されなかった場合には、仮停止準備期間となっても高速変動表示中の第3図柄をそのまま高速変動表示させ、仮停止タイミングで仮停止させずに設定されている表示用変動パターンに対応した通常演出を実行する。このように構成することで、特別図柄の変動表示が開始された後に疑似変動の実行条件が成立した場合であっても、その特別図柄の変動表示中に疑似変動を実行することが可能となり、疑似変動を好適に実行することが可能となる。また、各表示用変動パターンに第3図柄を仮停止させるタイミングと、仮停止準備期間を予め設定しておくことで、表示用変動パターンに対応する通常演出の流れを無視して疑似変動が実行されることを防ぎ、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
この第29制御例の第8変形例におけるパチンコ機10が第29制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第29制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第29制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第29制御例の第8変形例の演出内容について>
図1308~図1312を参照して、第29制御例の第8変形例の第3図柄表示装置81にて実行される演出内容について説明する。図1308(a)は、第29制御例の第8変形例における完全外れAの表示用変動パターンの第3図柄変動中に、疑似変動の実行条件が成立した場合の仮停止タイミングの表示画面の一例を示した図である。図1308(a)に示すように、完全外れAの表示用変動パターンの第3図柄変動中に疑似変動の実行条件が成立した場合(入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定された場合)には、仮停止タイミングで特別図柄の当否判定結果が外れであることを報知する組み合わせで第3図柄が仮停止される。なお、第3図柄が仮停止した後は、上述した第29制御例における疑似変動が開始され、ミッション演出(図1118(b)~図1121参照)が実行される。疑似変動およびミッション演出の内容については第29制御例と同一である。保留球数表示エリアDs2の台座m1上に表示されている黒い保留図柄h1は、特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合に設定される保留図柄である。
ここで、本第29制御例の第8変形例では、第3図柄の表示用変動パターンとして完全外れAが設定されるのは特別図柄の変動表示が開始される場合に保留球数が0個の場合であるため、図1308(a)は、特別図柄の変動表示が開始された後に、黒い保留図柄h1に対応する保留球を獲得した状態を示している。したがって、疑似変動が開始された特別図柄が停止表示された後に、黒い保留図柄h1に対応する特別図柄の変動表示が開始され、その特別図柄の変動表示期間の一部で疑似変動に合わせて実行されている特殊演出の結果報知演出が実行される(図1121(a)参照)。なお、黒い保留図柄h1に対応する特別図柄の当否判定結果は大当たり当選であるため、特殊演出の結果報知演出において大当たり当選である可能性が高いことを報知するための組み合わせ(本第29制御例の第8変形例では「341」の組み合わせ)で第3図柄が停止表示され、その後、変動表示中の特別図柄の残りの変動表示期間で、変動表示中の特別図柄の当否判定結果に対応する通常演出が実行される(図1121(b)参照)。
次に、図1308(a)を参照して、本第29制御例の第8変形例におけるスーパーリーチの表示用変動パターンの第3図柄変動中に、疑似変動の実行条件が成立した場合の演出内容について説明する。図1308(b)は、本第29制御例の第8変形例におけるスーパーリーチの表示用変動パターンの第3図柄変動中に、疑似変動の実行条件が成立した場合の仮停止タイミングの表示画面の一例を示した図である。本第29制御例の第8変形例では、図1308(b)に示すように、スーパーリーチの表示用変動パターンの第3図柄変動中は、特殊演出である疑似変動の実行条件が成立した場合であっても、仮停止タイミングで仮停止が実行されず、特殊演出である疑似変動の実行が禁止される構成としている。スーパーリーチやロングリーチの表示用変動パターンは特別図柄の当否判定結果が外れ当選である場合よりも大当たり当選である場合に設定され易い表示用変動パターンであり、スーパーリーチやロングリーチの表示用変動パターンの第3図柄変動が実行されることで、遊技者に大当たり当選への期待感を持たせることが可能となるが、疑似変動が実行されることでスーパーリーチやロングリーチを実行する機会が減ってしまうと、遊技者に対して大当たり当選への期待感を持たせる機会が減少し、遊技意欲を低下させてしまう虞がある。このため、本第29制御例の第8変形例のパチンコ機10では、スーパーリーチやロングリーチの表示用変動パターンの第3図柄変動が実行されている場合には、仮停止準備期間が始まる前に入賞頻度低フラグ223daHがオンに設定された場合であっても疑似変動を実行せず、保留球内に大当たり当選である保留球がある場合には、図1309に示す特殊演出の実行禁止が解除された場合に実行される特殊演出に対応する事後演出として事後報知演出を実行する。
次に、図1309を参照して、本第29制御例の第8変形例におけるスーパーリーチの表示用変動パターンの第3図柄変動中に、疑似変動の実行条件が成立した場合の次の特別図柄の変動表示が開始された場合の演出内容について説明する。図1309は、本第29制御例の第8変形例におけるスーパーリーチの表示用変動パターンの第3図柄変動中に、疑似変動の実行条件が成立した場合の次の特別図柄の変動表示が開始された場合の表示画面の一例を示した図である。
図1309に示すように、実行エリアDs1には特別図柄の当否判定結果が大当たり当選であることを示唆する黒い保留図柄h1が、保留球数表示エリアDs2の台座m1からシフトして表示され、主表示領域Dmでは第3図柄が変動表示を開始し、第1表示領域HR1が形成され、ミッション演出の結果報知演出の演出結果に対応する事後報知演出である「大チャンス変動中」というコメントが表示される。
ここで、黒い保留図柄h1に対応する特別図柄の当否判定結果は大当たり当選であるため、前回の特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の表示用変動パターンが完全外れA、当たりショートリーチ、外れショートリーチのいずれかであった場合には、疑似変動に合わせて実行されるミッション演出の結果報知演出において特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である可能性が高いことを示唆する第3図柄の組み合わせが停止表示されることにより遊技者に保留球内で大当たり当選する期待感を持たせることが可能であるが、図1309に示す例では、前回の特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の表示用変動パターンがスーパーリーチであったため実行条件が成立していても疑似変動が実行されず、遊技者に対して保留球内で大当たり当選することへの期待感を持たせることができなかった。
そこで、前回の特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示において実行条件が成立したにも関わらず疑似変動が実行されなかった場合であって、次に変動表示される特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合には、疑似変動に合わせて実行されるミッション演出の結果報知演出の演出結果に対応する事後報知演出を実行する構成としている。このように構成することで、前回の特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示において疑似変動が実行されなかった場合であっても、疑似変動が実行された場合に報知される演出情報を遊技者に対して提供することが可能となり、遊技者に保留球内で大当たり当選する期待感を持たせることができる。なお、事後報知演出の実行が決定された場合に、スーパーリーチ演出終了後に事後報知演出が実行されることを示唆する態様を表示しても良い。例えば、「大チャンス変動待機中」という禁止期間が解除された後に事後報知演出が実行されることを事前報知する態様を表示する。このように構成することで、遊技者に対して保留球内に大当たり当選する期待度が高い保留球が存在することを認識させることが可能となり、スーパーリーチ演出が外れであった場合でも、その後に実行される特別図柄変動に期待を持たせることが可能となるので、遊技の興趣を向上させることができる。なお、事後報知演出が実行されることを示唆する示唆態様はこれに限るものではなく、特定のキャラクターを表示させることで示唆する構成としても良いし、遊技者に事後報知演出が実行されることを認識させることができる態様であれば良い。
次に、図1310を参照して、本第29制御例の第8変形例のパチンコ機10における仮停止準備期間が始まる前に疑似変動の実行条件が成立した場合の特別図柄変動と特殊演出との関係について説明する。図1310は、仮停止準備期間が始まる前に疑似変動の実行条件が成立した場合の特別図柄変動と特殊演出との関係を模式的に示した図である。
特別図柄の項目は特別図柄の表示状況を示しており、演出態様は第3図柄表示装置81にて実行される第3図柄変動を含む演出の実行状況を示している。仮停止実行フラグの項目は仮停止実行フラグ223daHの設定状況を示している。なお、仮停止実行フラグ223daHは、仮停止準備期間が開始される場合に仮停止を実行するか否かを決定する際に参照されるフラグであり、仮停止準備期間が始まるまでに入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定された場合にオンに設定され、仮停止準備期間が開始される場合にオフに設定される。事後報知演出実行フラグの項目は事後報知演出実行フラグ223dbHの設定状況を示している。なお、事後報知演出は、仮停止準備期間が開始されてから変動表示中の特別図柄が停止表示されるまでの期間で入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定された場合であって保留球内に大当たり当選の保留球が存在する場合と、仮停止準備期間が始まるまでに入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定されたものの変動表示中の第3図柄の表示用変動パターンが完全外れA、当たりショートリーチ、外れショートリーチのいずれでもなかった場合であって保留球内に大当たり当選の保留球が存在する場合に実行される演出である。
事後報知演出実行フラグ223dbHは、入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定された特別図柄の変動表示の次に実行される特別図柄の変動表示が開始される場合に、事後報知演出を設定するために参照されるフラグであり、仮停止準備期間中に入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定された場合と、仮停止準備期間が開始される前に入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定されたものの変動表示中の第3図柄の表示用変動パターンが完全外れA、当たりショートリーチ、外れショートリーチのいずれでもなかった場合にオンに設定され、次に実行される特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の表示用変動パターンを設定する場合にオフに設定される。仮停止準備フラグの項目は仮停止準備フラグ223dcHの設定状況を示している。なお、仮停止準備フラグ223dcHは、入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定されても疑似変動が実行されない期間であることを示すためのフラグであり、仮停止準備期間が開始される場合にオンに設定され、変動表示中の特別図柄が停止表示される場合にオフに設定される。
図1310に示す例では、1回目の特別図柄の変動表示に対応して完全外れAの表示用変動パターンの第3図柄が変動表示されている。この完全外れAの表示用変動パターンでは、特別図柄の変動表示が開始されてから10秒経過したタイミングで仮停止準備期間となり、特別図柄の変動表示が開始されてから12秒経過したタイミングが仮停止タイミングとして予め規定されている。図1310に示すように、仮停止準備期間が始まる前に疑似変動の実行条件が成立した場合(即ち、入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定された場合)には、入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定されたことに基づいて仮停止実行フラグ223daHがオンに設定される。そして、仮停止準備期間が開始される場合に仮停止実行フラグ223daHをオフに設定する。なお、この場合に変動表示中の第3図柄の表示用変動パターンを判別し、完全外れA、当たりショートリーチ、外れショートリーチのいずれかであった場合には、疑似変動を実行するための処理が実行される。また、仮停止準備期間が開始される場合に仮停止準備フラグ223dcHがオンに設定される。なお、第3図柄表示装置81では、仮停止実行フラグ223daHがオンに設定された状態で仮停止準備期間が開始されたため、高速変動表示中の第3図柄を徐々に低速変動表示させる。その後、特別図柄の変動表示が開始されてから12秒が経過すると第3図柄の仮停止が実行され(図1308(a)参照)、疑似変動が実行される。特別図柄の変動表示が開始されてから17秒が経過すると、特別図柄は停止表示されるが、第3図柄表示装置81では疑似変動が継続して実行されており、1回目の特別図柄の停止表示後、4秒が経過すると第3図柄が停止表示され、2回目の特別図柄の当否判定結果に対応した第3図柄の変動表示が開始される。なお、オンに設定された仮停止準備フラグ223dcHは、1回目の特別図柄の変動表示が終了した場合にオフに設定される。
次に、図1311を参照して、本第29制御例の第8変形例のパチンコ機10における仮停止準備期間開始後に疑似変動の実行条件が成立した場合の特別図柄変動と特殊演出との関係について説明する。図1311は、仮停止準備期間開始後に疑似変動の実行条件が成立した場合の特別図柄変動と特殊演出との関係を模式的に示した図である。図1311に示すように、特別図柄の変動表示が開始されてから10秒が経過すると、仮停止準備期間となる。この仮停止準備期間が開始されてから変動表示中の特別図柄が停止表示されるまでの期間に入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定された場合には、仮停止実行フラグ223daHはオンに設定されず、事後報知演出実行フラグ223dbHがオンに設定される。これにより、1回目の特別図柄の変動表示中は第3図柄の仮停止が実行されず、次に実行される2回目の特別図柄の変動表示期間において、1回目の特別図柄の変動表示中に疑似変動が実行されていれば遊技者に報知されていた演出結果に対応する演出情報を表示するための事後報知演出が実行される。
次に、図1312を参照して、本第29制御例の第8変形例のパチンコ機10におけるスーパーリーチの表示用変動パターンの第3図柄変動中に疑似変動の実行条件が成立した場合の特別図柄変動と特殊演出との関係について説明する。図1312は、スーパーリーチの表示用変動パターンの第3図柄変動中に疑似変動の実行条件が成立した場合の特別図柄変動と特殊演出との関係を模式的に示した図である。図1312に示すように、特別図柄の変動表示が開始されてから18秒が経過したタイミングで入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定されたことに基づいて、仮停止実行フラグ223daHがオンに設定される。そして、特別図柄の変動表示が開始されてから20秒が経過したタイミングで仮停止準備期間となり、仮停止実行フラグ223daHがオフに設定され、仮停止準備フラグ223dcHがオンに設定される。上述した完全外れAの表示用変動パターンの第3図柄変動中に疑似変動の実行条件が成立した場合と異なるのは、事後報知演出実行フラグ223dbHがオンに設定される点である。上述したように、スーパーリーチの表示用変動パターンの第3図柄変動が実行されており、仮停止準備期間となるまでに入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定された場合には疑似変動は実行されず、事後報知演出が実行される。このように構成することで、変動表示中の特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である期待感を高めるスーパーリーチの実行機会を疑似変動によって減少させることなく、疑似変動が実行された場合に遊技者に報知されるはずであった演出結果に対応する演出情報を遊技者に提供可能となる。
<第29制御例の第8変形例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、図1313(a)を参照して、本第29制御例の第8変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の内容について説明をする。図1313(a)は、ROM222の規定内容を示したブロック図である。図1313(a)に示すように、上述した第29制御例とは、変動パターン選択テーブル222daに代えて変動パターン選択テーブル222daHが規定されている点で相違し、その他の構成については同一であるため、同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
次に、図1314を参照して、変動パターン選択テーブル222daHの内容について説明する。図1314は、変動パターン選択テーブル222daHの規定内容を示したブロック図である。変動パターン選択テーブル222daHは、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて、表示用変動パターン(第3図柄表示装置81において実行される第3図柄変動および当否判定結果を示唆するための変動演出)を設定するためのテーブルである。図1314に示す通り、本第29制御例の第8変形例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において参照される変動パターン選択テーブルとして通常用変動パターン選択Aテーブル222daH1と、通常用変動パターン選択Cテーブル222daH2と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)および時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)において参照される確変・時短用変動パターン選択テーブル222daH3とが規定されている。
通常用変動パターン選択Aテーブル222daH1は、疑似変動が実行されていない状態で新たに開始される特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の表示用変動パターンを設定するためのテーブルであり、通常用変動パターン選択Cテーブル222daH2は、疑似変動の実行中に開始される新たな特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の表示用変動パターンを設定するためのテーブルである。上述した第29制御例では、特別図柄の変動表示が開始される場合に入賞頻度低フラグ223dsがオンであるか否かによって、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定される割合が低い通常用変動パターン選択Aテーブル222da1と、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定される割合が高い通常用変動パターン選択Bテーブル222da2のどちらのテーブルを参照するかを決定する構成とすることで、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定される割合を異ならせる構成であった。
これに対して、本第29制御例の第8変形例では、特別図柄の変動表示が開始される場合に入賞頻度低フラグ223dsがオンであるか否かによって疑似変動ありの表示用変動パターンが設定される割合を異ならせるのではなく、特別図柄の変動表示中に疑似変動を実行するか否かを決定する構成であるため、疑似変動ありの表示用変動パターンが設定される割合が異なる通常用変動パターン選択テーブルを複数用意する必要がなく、音声ランプ制御装置113のデータ容量を節約することができる。
次に、図1315~図1317を参照して、各変動パターン選択テーブルの詳細な内容について説明する。まず、図1315を参照して、変動パターン選択テーブル222daHに規定されている通常用変動パターン選択Aテーブル222daH1の内容について説明する。図1315は、通常用変動パターン選択Aテーブル222daH1の内容を模式的に示した模式図である。図1315に示す通り、通常用変動パターン選択Aテーブル222daH1は、演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。
より具体的には、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして大当たりA1とは表示される演出内容が異なる「当たりショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりロングリーチA1とは演出内容が異なる「当たりロングリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「当たりスーパーリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れA1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れA1とは演出内容が異なる「完全外れA2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れB」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れB1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れB」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れB1とは演出内容が異なる「完全外れB2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れC」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れC1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れC」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れC1とは演出内容が異なる「完全外れC2」が設定される。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れD」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れD1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れD」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れD1とは演出内容が異なる「完全外れD2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れショートリーチA1とは演出内容が異なる「外れショートリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れロングリーチA1とは演出内容が異なる「外れロングリーチA2」が設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「外れスーパーリーチA2」が設定される。
このように、各変動パターン種別に対して複数の表示用変動パターンから1の表示用変動パターンを設定可能に構成することで、変動時間や変動パターンの種別の情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制できる。
次に、図1316を参照して、変動パターン選択テーブル222daHに規定されている通常用変動パターン選択Cテーブル222daH2の内容について説明する。図1316は、通常用変動パターン選択Cテーブル222daH2の内容を模式的に示した模式図である。上述したように、通常用変動パターン選択Cテーブル222daH2は、特別図柄の表示用変動パターンを設定する場合に、疑似変動が実行中であり、疑似変動の終了後に特別図柄の残りの変動時間で通常演出を実行する場合の表示用変動パターンを設定する場合に参照されるテーブルである。図1316に示す通り、通常用変動パターン選択Cテーブル222daH2には、通常演出時間と特別図柄の当否判定結果と演出カウンタ値CS1に対応して異なる表示用変動パターンが規定されている。通常演出時間とは、疑似変動中に開始された特別図柄の変動途中でその疑似変動が終了した後に残りの特別図柄の変動時間で実行される通常演出(特別図柄に対応する第3図柄変動および当否判定結果を示唆する演出)の演出時間のことを指す。本第29制御例の第8変形例では、疑似変動の途中で新たな特別図柄の変動が開始される場合には、疑似変動の変動時間を延長する処理を実行する。より具体的には、上述した特殊演出追加設定処理(図1168参照)または、結果報知演出設定処理(図1174参照)において、新たに開始される特別図柄の変動パターン種別に対応する変動時間に基づいて、実行中の疑似変動の変動時間を更新するための更新時間と疑似変動終了後に実行する通常演出の演出時間を、上述した図1142(a)に示す疑似変動更新時間設定テーブル222dbに基づいて決定する。
通常用変動パターン選択Cテーブル222daH2には、疑似変動更新時間設定テーブル222db(図1142(a)参照)に基づいて設定された通常演出時間と、特別図柄の当否判定結果と、演出カウンタ値CS1に対応する表示用変動パターンが規定されている。具体的には、通常演出時間として5000ms(5秒)が設定され、当否判定結果が外れであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れC1」が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れC1」とは異なる「完全外れC2」が設定される。なお、通常演出時間として5000ms(5秒)が設定されるのは、変動パターンが「完全外れB」の場合のみであるため、当否判定結果が当たりの場合は規定していない。
通常演出時間として8000ms(8秒)が設定され、当否判定結果が当たりであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たり超ショートリーチA1」が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たり超ショートリーチA1」とは異なる「当たり超ショートリーチA2」が設定される。上述したように、疑似変動なしの表示用変動パターンにおける変動時間が8秒の変動パターンは、「完全外れB」のみであり、当たりとなる変動パターンがない。一方、疑似変動終了後に8秒の通常演出が設定される変動パターンには、「当たりショートリーチA」(12秒の当たり変動)も含まれる。このため、疑似変動終了後に通常演出が実行される場合のみ設定される表示用変動パターンとして「当たり超ショートリーチA1」(8秒の当たり変動)および「当たり超ショートリーチA2」(8秒の当たり変動)を規定している。通常演出時間として8000ms(8秒)が設定され、当否判定結果が外れであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れ超ショートリーチA1」が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れ超ショートリーチA1」とは異なる「外れ超ショートリーチA2」が設定される。
通常演出時間として12000ms(12秒)が設定され、当否判定結果が当たりであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」とは異なる「当たりショートリーチA2」が設定される。一方、通常演出時間として12000ms(12秒)が設定され、当否判定結果が外れであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」とは異なる「外れショートリーチA2」が設定される。
通常演出時間として17000ms(17秒)が設定され、当否判定結果が当たりであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」とは異なる「当たりロングリーチA2」が設定される。一方、通常演出時間として17000ms(17秒)が設定され、当否判定結果が外れであり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」とは異なる「外れロングリーチA2」が設定される。
このように、疑似変動終了後に実行される通常演出の表示用変動パターンを、疑似変動なしの表示用変動パターンで実行される通常演出の表示用変動パターンと同一の態様とすることで、1の特別図柄の変動時間内に複数回の第3図柄変動が実行されていることを遊技者に気付かせ難くすることができる。
次に、図1317を参照して、変動パターン選択テーブル222daHに規定されている確変・時短用変動パターン選択テーブル222daH3の内容について説明する。図1317は、確変・時短用変動パターン選択テーブル222daH3の内容を模式的に示した模式図である。この確変・時短用変動パターン選択テーブル222daH3は、遊技状態として確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)または時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合における特別図柄の表示用変動パターンを設定するために参照されるテーブルである。確変・時短用変動パターン選択テーブル222daH3は、演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、取得した演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。具体的には、変動パターン種別が「当たりショートリーチB」であり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチB1」(5秒の当たり変動)が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりショートリーチB1」とは異なる「当たりショートリーチB2」(5秒の当たり変動)が設定される。
変動パターン種別が「当たりロングリーチB」であり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチB1」(10秒の当たり変動)が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「当たりロングリーチB1」とは異なる「当たりロングリーチB2」(10秒の当たり変動)が設定される。
変動パターン種別が「完全外れE」であり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れE1」(3秒の外れ変動)が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「完全外れE1」とは異なる「完全外れE2」(3秒の外れ変動)が設定される。
変動パターン種別が「外れショートリーチB」であり、演出カウンタ値CS1が「0~99」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチB1」(5秒の外れ変動)が設定され、演出カウンタ値CS1が「100~198」の範囲であれば、表示用変動パターンとして「外れショートリーチB1」とは異なる「外れショートリーチB2」(3秒の当たり変動)が設定される。このように、各変動パターン種別に対して複数の表示用変動パターンを設定可能に構成することで、変動時間や変動パターンの種別の情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
次に、図1313(b)を参照して、本第29制御例の第8変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の内容について説明をする。図1313(b)は、RAM223の規定内容を示したブロック図である。図1313(b)に示すように、上述した第29制御例とは、仮停止実行フラグ223daHと、事後報知演出実行フラグ223dbHと、仮停止準備フラグ223dcHと、シナリオカウンタ223ddHを追加している点で相違し、その他の構成については同一であるため、同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。上述した通り、仮停止実行フラグ223daHは、仮停止準備期間が開始される場合に仮停止を実行するか否かを決定する際に参照されるフラグであり、仮停止準備期間が始まるまでに入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定された場合にオンに設定され、仮停止準備期間が開始される場合にオフに設定される。
事後報知演出実行フラグ223dbHは、入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定された特別図柄の変動表示の次に実行される特別図柄の変動表示が開始される場合に、事後報知演出を設定するために参照されるフラグであり、仮停止準備期間中に入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定された場合と、仮停止準備期間が開始される前に入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定されたものの変動表示中の第3図柄の表示用変動パターンが完全外れA、当たりショートリーチ、外れショートリーチのいずれでもなかった場合にオンに設定され、次に実行される特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の表示用変動パターンを設定する場合にオフに設定される。仮停止準備フラグ223dcHは、入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定されても疑似変動が実行されない期間であることを示すためのフラグであり、仮停止準備期間が開始される場合にオンに設定され、変動表示中の特別図柄が停止表示される場合にオフに設定される。シナリオカウンタ223ddHは、設定された表示用変動パターンに対応する第3図柄の変動表示の進行状況を判別するためのカウンタであり、表示用変動パターンが設定される場合に抽出した変動パターン種別の変動表示時間に対応するカウンタ値が設定され、1ms毎に実行される液晶演出実行処理(S2130D)においてカウンタ値が1減算されていき、特別図柄が停止表示される場合にカウンタ値が0となるように構成している。本第29制御例の第8変形例では、このシナリオカウンタ223ddHのカウンタ値によって仮停止タイミングや、仮停止準備期間を開始するタイミングであるかを判別可能にしている。
<第29制御例の第8変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
図1318~図1325を参照して、本第29制御例の第8変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明する。なお、上述した第29制御例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。まず、図1318を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図1318は、このメイン処理を示したフローチャートである。本第29制御例の第8変形例において実行されるメイン処理は、上述した第29制御例において実行されるメイン処理に対して、液晶演出実行管理処理(S2110D)に代えて液晶演出実行管理処理(S2130D)が、コマンド判定処理(S2112D)に代えてコマンド判定処理(S2131D)が実行される点で相違し、その他の構成については同一である。第29制御例におけるメイン処理と同一の処理については、その詳細な説明を省略する。
ここで、図1319を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される液晶演出実行管理処理(S2130D)について説明する。図1319は、この液晶演出実行管理処理(S2130D)を示したフローチャートである。上述した第29制御例における液晶演出実行管理処理(S2110D)に対して、仮停止設定処理(S2257D)および仮停止準備処理(S2259D)が追加されている点で相違する。液晶演出実行管理処理(S2130D)が実行されると、まず、シナリオカウンタ223ddHのカウンタ値を1減算する(S2256D)し、疑似変動実行フラグ223dgがオンに設定されているかを判別する(S2231D)。S2231Dの処理において疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合には(S2231D:No)、仮停止設定処理を行う(S2257D)。この仮停止設定処理(S2257D)は、疑似変動の実行条件が成立したかを判別するための処理である。
ここで、図1320を参照して、仮停止設定処理(S2257D)について説明する。図1320は、この仮停止設定処理(S2257D)を示したフローチャートである。仮停止設定処理(S2257D)が実行されると、まず、入賞頻度低フラグ223dsがオンであるかを判別する(S3601D)。入賞頻度低フラグ223dsがオンではないと判別した場合には(S3601D:No)、疑似変動の実行条件が成立していないため、以後の処理をスキップし、本処理を終了する。一方、S3601Dの処理において入賞頻度低フラグ223dsがオンであると判別した場合には(S3601D:Yes)、次に、仮停止実行フラグ223daHがオンであるかを判別する(S3602D)。仮停止実行フラグ223daHがオンであると判別した場合には(S3602D:Yes)、以後の処理をスキップし、本処理を終了する。S3602Dの処理において、仮停止実行フラグ223daHがオンではないと判別した場合には(S3602D:No)、次に、仮停止準備フラグ223dcHがオンであるかを判別する(S3603D)。仮停止準備フラグ223dcHがオンではないと判別した場合には(S3603D:No)、仮停止実行フラグ223daHをオンに設定し(S3604D)、本処理を終了する。一方、S3603Dの処理において、仮停止準備フラグ223dcHがオンであると判別した場合には(S3603D:Yes)、事後報知演出実行フラグ223dbHがオンであるかを判別し(S3605D)、事後報知演出実行フラグ223dbHがオンであると判別した場合には(S3605D:Yes)、本処理を終了する。S3605Dの処理において事後報知演出実行フラグ223dbHがオンではないと判別した場合には(S3605D:No)、事後報知演出実行フラグ223dbHをオンに設定し(S3606D)、本処理を終了する。このように構成することで、1ms毎に入賞頻度低フラグ223dsがオンに設定されたか否かを判別可能となり、特別図柄の変動表示中にその特別図柄の変動表示期間で疑似変動を実行するか否かを決定することができる。
図1319に戻り、説明を続ける。仮停止設定処理(S2257D)が終了すると、次に、シナリオカウンタ223ddHのカウンタ値から仮停止準備期間が始まるタイミングであるかを判別する(S2258D)。仮停止準備期間が始まるタイミングではないと判別した場合には(S2258D:No)、S2259Dの処理をスキップし、S2232Dの処理へ移行する。一方、S2258Dの処理において、仮停止準備期間が始まるタイミングであると判別した場合には(S2258D:Yes)、仮停止準備処理を実行する(S2259D)。この仮停止準備処理(S2259D)は、仮停止を実行するための処理である。
ここで、図1321を参照して、仮停止準備処理(S2259D)について説明する。図1321は、この仮停止準備処理(S2259D)を示したフローチャートである。仮停止準備処理(S2259D)が実行されると、まず、仮停止実行フラグ223daHがオンであるかを判別する(S3651D)。仮停止実行フラグ223daHがオンではないと判別した場合には(S3651D:No)、疑似変動の実行条件が成立していない場合であるため、以後の処理をスキップし、本処理を終了する。一方、S3651Dの処理において、仮停止実行フラグ223daHがオンであると判別した場合には(S3651D:Yes)、次に、変動表示中の第3図柄の表示用変動パターン種別は完全外れA、当たりショートリーチ、外れショートリーチのいずれかであるかを判別する(S3652D)。S3652Dの処理において、変動表示中の第3図柄の表示用変動パターン種別は完全外れA、当たりショートリーチ、外れショートリーチのいずれかであると判別した場合には(S3652D:Yes)、高速変動表示中の第3図柄を低速変動表示させた後に仮停止させるための表示用コマンドを設定し(S3653D)、疑似変動開始タイマ223dpのタイマ値として2000を設定し(S3654D)、疑似変動待機フラグ223drをオンに設定する(S3655D)。そして、仮停止実行フラグ223daHをオフに設定し(S3656D)、仮停止準備フラグdcHをオンに設定し(S3657D)、本処理を終了する。S3652Dの処理において、変動表示中の第3図柄の表示用変動パターン種別は完全外れA、当たりショートリーチ、外れショートリーチのいずれでもないと判別した場合には(S3652D:No)、事後報知演出実行フラグ223dbHをオンに設定し(S3658D)、S3656Dの処理に移行する。
なお、本第29制御例の第8変形例では、完全外れB、完全外れC、完全外れDの表示用変動パターンが設定されている場合には、疑似変動の実行条件が成立していても疑似変動を実行しない構成としているが、これは、完全外れB、完全外れC、完全外れDの表示用変動パターンが設定されるのは、特別図柄の変動表示が開始される場合に少なくとも1以上の保留球を保有している場合であり、特別図柄の変動表示終了後に疑似変動を継続して実行し新たな特別図柄の変動表示が開始されるまでの時間を稼ぐ必要がないためである。
また、ロングリーチ、スーパーリーチの表示用変動パターンが設定されている場合にも、疑似変動の実行条件が成立していても疑似変動を実行しない構成としているが、上述したように、ロングリーチとスーパーリーチの表示用変動パターンは、特別図柄の当否判定結果が外れ当選である場合よりも大当たり当選である場合の方が設定され易い表示用変動パターンであり、ロングリーチまたはスーパーリーチの表示用変動パターンの第3図柄変動が実行されることで遊技者の大当たり当選への期待感を高めることが可能となるが、疑似変動を実行することにより貴重なロングリーチまたはスーパーリーチの実行機会を減少させてしまうと、遊技者の大当たり当選への期待感を高め難くなり、遊技意欲の低下に繋がる。このため、疑似変動の実行条件が成立していてもロングリーチまたはスーパーリーチの表示用変動パターンが設定されている場合には疑似変動を実行しない構成とすることで、遊技者の大当たり当選への期待感を高める演出の実行機会を減少させてしまうことを防ぎ、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することが可能となる。また、事後報知演出を実行することにより、疑似変動が実行されていれば遊技者に報知されるはずであった演出結果に対応する演出情報を遊技者に提供することが可能となる。
なお、本第29制御例の第8変形例では、表示用変動パターンの種別によって疑似変動を実行するか否かを決定する構成としたが、これに限るものではなく、仮停止準備期間が始まるタイミングにおける保留球数により疑似変動を実行するか否かを決定する構成としても良い。より具体的には、S3652Dの処理に代えて、特別図柄1保留球数カウンタ223daのカウンタ値が0個であるかを判別し、0個である場合にはS3653Dの処理に移行し、1個以上ある場合にはS3658Dの処理に移行する構成としても良い。このように構成することで、完全外れAの表示用変動パターン(変動パターン種別が完全外れである特別図柄の変動表示が開始される場合に、保留球数が0個であれば設定される表示用変動パターン)の第3図柄が変動表示中に保留球を獲得した場合には、実行条件が成立しても疑似変動を実行しないことが可能となり、疑似変動をより好適に実行することができる。また、S3652Dの処理の後に、特別図柄1保留球数カウンタ223daのカウンタ値が0個であるかを判別し、0個である場合にはS3653Dの処理に移行し、1個以上ある場合にはS3658Dの処理に移行する構成としても良い。このように構成することで、更に好適に疑似変動を実行することが可能となる。
図1319に戻り、説明を続ける。S2259Dが終了すると、次に、疑似変動待機フラグ223drがオンであるかを判別する(S2232D)。疑似変動待機フラグ223drがオンではないと判別した場合には(S2232D:No)、本処理を終了する。一方、S2232Dの処理において、疑似変動待機フラグ223drがオンであると判別した場合には(S2232D:Yes)、疑似変動開始タイマ223dpのタイマ値を1減算し(S2233D)、疑似変動開始タイマ223dpのタイマ値が0であるかを判別する(S2234D)。疑似変動開始タイマ223dpのタイマ値が0ではないと判別した場合には(S2234D:No)、疑似変動の開始タイミングではないため本処理を終了する。一方、疑似変動開始タイマ223dpのタイマ値が0であると判別した場合には(S2234D:Yes)、疑似変動開始処理を行い(S2235D)、本処理を終了する。なお、この疑似変動開始処理(S2235D)は、上述した第29制御例における疑似変動開始処理と同一であるため、詳細な説明は省略する。
S2231Dの処理において、疑似変動実行フラグ223dgがオンであると判別した場合には(S2231D:Yes)、疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値を1減算し(S2236D)、疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値が0であるかを判別する(S2237D)。疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値が0ではないと判別した場合には(S2237D:No)、本処理を終了する。一方、S2237Dの処理において、疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値が0であると判別した場合には(S2237D:Yes)、疑似変動実行フラグ223dgをオフに設定し(S2238D)、疑似変動終了処理を行う(S2239D)。この疑似変動終了処理(S2239D)は、上述した第29制御例における疑似変動終了処理と同一であるため、詳細な説明は省略する。S2239Dの処理が終了すると、変動開始待機フラグ223dnがオンであるかを判別する(S2240D)。変動開始待機フラグ223dnがオンではないと判別した場合には(S2240D:No)、本処理を終了する。一方、S2240Dの処理において、変動開始待機フラグ223dnがオンであると判別した場合には(S2240D:Yes)、変動開始待機フラグ223dnをオフに設定し(S2241D)、変動開始フラグ223dbをオンに設定する(S2242D)。
次に、図1322を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2131D)について説明する。図1322は、このコマンド判定処理(S2131D)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2131D)は、上述した第29制御例におけるコマンド判定処理(S2112D)に対して、変動パターン設定処理(S2202D)に代えて変動パターン設定処理(S2223D)を、停止処理(S2215D)に代えて停止処理(S2224D)を実行する点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。コマンド判定処理(S2131D)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したかを判別する(S2201D)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2201D:Yes)、変動パターン設定処理(S2223D)が実行される。変動パターン設定処理(S2223D)の詳細は、図1323を参照して後述する。S2223Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S2201D:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したかを判別する(S2203D)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S2203D:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dbをオンに設定し(S2204D)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S2205D)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、変動表示設定処理(図1176参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S2203D:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したかを判別する(S2206D)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S2206D:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daに格納する(S2207D)。S2207Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、または、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、または、特別図柄の抽選が行われる毎に、S2207Dの処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223dbの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値に合わせることができる。よって、ノイズの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223daの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dcの値に合わせることができる。
S2206Dの処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S2206D:No)、次いで、主制御装置110より大当たり関連コマンド(オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンド)を受信したかを判別する(S2208D)。そして、大当たり関連コマンドを受信した場合には(S2208D:Yes)、大当たり関連処理(S2209D)を実行する。S2209Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。S2208Dの処理において、大当たり関連コマンドを受信していない場合には(S2208D:No)、次いで、主制御装置110より入賞コマンドを受信したかを判別する(S2210D)。そして、入賞コマンドを受信した場合には(S2210D:Yes)、入賞コマンド処理(S2211D)を実行する。S2211Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。S2210Dの処理において、入賞コマンドを受信していない場合には(S2210D:No)、次いで、主制御装置110より発射関連コマンド(発射開始コマンド、発射停止コマンド)を受信したかを判別する(S2212D)。そして、発射関連コマンドを受信した場合には(S2212D:Yes)、発射関連コマンド処理(S2213D)を実行する。S2213Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。
S2212Dの処理において、発射関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S2212D:No)、次いで、主制御装置110より停止コマンドを受信したかを判別する(S2214D)。そして、停止コマンドを受信した場合には(S2214D:Yes)、停止処理(S2224D)を実行する。停止処理(S2224D)の詳細は、図1325を参照して後述する。S2224Dの処理の終了後は、メイン処理に戻る。一方、S2214Dの処理において、停止コマンドを受信していない場合には(S2214D:No)、その他のコマンドを受信したかを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2216D)、メイン処理に戻る。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図1323を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン設定処理(S2223D)について説明する。図1323は、この変動パターン設定処理(S2223D)を示したフローチャートである。この変動パターン設定処理(S2223D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図1322参照)の中で実行され、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81において実行される変動演出の演出態様を設定するための処理である。変動パターン設定処理(S2223D)では、まず、第1演出カウンタ223deおよび第2演出カウンタ223dfのカウンタ値を取得し(S2421D)、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドから変動パターンを抽出する(S2422D)。その後、疑似変動実行フラグ223dgがオンであるか否かを判別する(S2423D)。そして、疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合には(S2423D:No)、変動開始フラグ223dbをオンに設定し(S2424D)、演出態様設定処理(S2435D)を実行する。演出態様設定処理(S2435D)の詳細は、図1324を参照して後述する。S2435Dの処理の終了後は、シナリオカウンタ223ddHに抽出した変動パターン種別に対応するカウンタ値を設定し(S2436D)、本処理を終了する。一方、S2423Dの処理において、疑似変動実行フラグ223dgがオンであると判別した場合には(S2423D:Yes)、特殊演出追加設定処理(S2426D)を実行する。S2426Dの処理の終了後は、S2436Dの処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、疑似変動実行フラグ223dgは、上述した疑似変動開始処理(S2235D)においてオンに設定され、疑似変動残時間タイマ223dhのカウンタ値が0になった場合に、オフに設定される。即ち、疑似変動実行フラグ223dgがオンに設定されている場合には、疑似変動が実行中であることを示しており、本第29制御例の第8変形例においては、特別図柄の変動が開始される時点で疑似変動が実行中である場合には、疑似変動中に実行されている特殊演出の演出態様を、新たに変動が開始される特別図柄の当否判定結果に対応する演出態様に更新させるための処理が実行される。このように、特別図柄の変動が開始される時点で疑似変動実行フラグ223dgがオンであるか否かによって異なる演出態様の設定処理が実行されるため、疑似変動の途中で新たな特別図柄の変動表示が開始される場合には、その特別図柄の当否判定結果に対応する追加演出を設定可能であり、特殊演出を途中で打ち切らずに新たに開始される特別図柄変動に対応する演出を実行することができる。
次に、図1324を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出態様設定処理(S2435D)について説明する。図1324は、この演出態様設定処理(S2435D)を示したフローチャートである。この演出態様設定処理(S2435D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン設定処理(図1323参照)の中で実行され、疑似変動が実行されていない場合に、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81において実行される変動演出の演出態様を設定するための処理である。演出態様設定処理(S2435D)が実行されると、まず、設定されている遊技状態は通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)であるかを判別する(S2451D)。通常状態ではないと判別した場合(即ち、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)または時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合)には(S2451D:No)、変動パターン設定処理(S2223D)のS2422Dの処理において抽出した変動パターン種別と、S2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deのカウンタ値に基づいて、確変・時短用変動パターン選択テーブル222daH3から表示用変動パターンを設定し(S2474D)、本処理を終了する。S2451Dの処理において、通常状態であると判別した場合には(S2451D:Yes)、事後報知演出実行フラグ223dbHがオンに設定されているかを判別する(S2469D)。事後報知演出実行フラグ223dbHがオンであると判別した場合には(S2469D:Yes)、次に、今回の特別図柄の当否判定結果が大当たり当選であるかを判別し(S2470D)、大当たり当選であると判別した場合には(S2470D:Yes)、事後報知演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S2471D)、事後報知演出実行フラグ223dbHをオフに設定する(S2472D)。一方、S2470Dの処理において、大当たり当選ではないと判別した場合には(S2470D:No)、S2471Dの処理をスキップし、S2472Dの処理へ移行する。そして、S2472Dの処理が終了すると、S2422Dの処理において抽出した変動パターン種別と、S2421Dの処理において取得した第1演出カウンタ223deのカウンタ値に基づいて、通常用変動パターン選択Aテーブル222daH1から表示用変動パターンを設定し(S2473D)、本処理を終了する。なお、S2469Dの処理において、事後報知演出実行フラグ223dbHがオンではないと判別した場合には(S2469D:No)、S2470D~S2472Dの処理をスキップし、S2473Dの処理を実行し、本処理を終了する。
なお、本第29制御例の第8変形例では、今回の特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合にのみ事後報知演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、大当たり当選でない場合であっても事後報知演出を実行する構成としても良い。なお、このように構成する場合、例えば、抽出した変動パターン種別によって事後報知演出を実行するか否か決定する構成としても良い。このように構成することで、事後報知演出が実行されるか否かによって遊技者に特別図柄の当否判定結果を推測する楽しみを提供することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図1325を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される停止処理(S2224D)について説明する。図1325は、この停止処理(S2224D)を示したフローチャートである。この停止処理(S2224D)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図1323参照)の中で実行され、特別図柄の停止に合わせて第3図柄表示装置81において実行されている変動演出を終了させるための処理を実行する。停止処理では、まず、仮停止準備フラグ223dcHがオンであるかを判別し(S2788D)、仮停止準備フラグ223dcHがオンであると判別した場合には(S2788D:Yes)、仮停止準備フラグ223dcHをオフに設定する(S2789D)。一方、仮停止準備フラグ223dcHがオンではないと判別した場合には(S2788D:No)、S2789Dの処理をスキップし、疑似変動実行フラグ223dgはオンかを判別する(S2771D)。疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動が実行されていない場合)には(S2771D:No)、予め設定されている停止種別に対応する表示用停止コマンドを設定し(S2780D)、本処理を終了する。一方、疑似変動実行フラグ223dgがオンであると判別した場合(即ち、疑似変動が実行されている場合)には(S2771D:Yes)、停止種別は大当たりであるかを判別する(S2772D)。停止種別が大当たりであると判別した場合には(S2772D:Yes)、疑似変動において実行されている特殊演出(ミッション演出)に追加される結果報知演出の演出態様として当たり結果報知演出を設定し(S2779D)、当たり結果報知演出に対応する特殊演出追加コマンドを設定し(S2777D)、変動回数更新処理を実行する(S2778D)。変動回数更新処理が終了すると、本処理を終了する。
S2772Dの処理において、停止種別は大当たりではない(即ち、外れである)と判別した場合には(S2772D:No)、特別図柄1保留球数カウンタ223daの値を取得し(S2773D)、取得した保留球数が1未満であるかを判別する(S2774D)。保留球数が1未満であると判別した場合(即ち、保留球数が0である場合)には(S2774D:Yes)、疑似変動において実行されている特殊演出に追加される結果報知演出の演出態様として結果報知演出G(演出時間3秒のミッション失敗演出)を設定し(S2776D)、結果報知演出Gに対応する特殊演出追加コマンドを設定し(S2777D)、本処理を終了する。S2774Dの処理において、保留球数が1未満ではない(即ち、保留球が存在する)と判別した場合には(S2774D:No)、結果報知演出の演出態様を設定するための処理である結果報知演出設定処理を実行する(S2775D)。結果報知演出設定処理が終わると、設定した結果報知演出の演出態様に対応する特殊演出追加コマンドを設定し(S2777D)、変動回数更新処理を実行し(S2778D)、変動回数更新処理が終了すると、本処理を終了する。
このように、本第29制御例の第8変形例では、疑似変動が開始された特別図柄の変動表示が停止する時点における保留球の有無に応じて結果報知演出の演出態様を設定する構成としているため、疑似変動が開始された後に保留球を獲得した場合であっても、保留球数に対応する演出態様を設定することができる。
なお、本第29制御例の第8変形例では、保留球がない場合に設定される結果報知演出の演出態様は、結果報知演出Gのみで構成しているが、これに限るものではなく、複数の結果報知演出態様の中から1の演出態様を設定する構成としても良い。このように構成することで、特別図柄の変動停止時に保留球が存在しない場合の特殊演出の内容に多様性を持たせることができるため、特殊演出が単調になることを抑制することができる。
<第29制御例の第9変形例>
次に、図1326~図1340を参照して、第29制御例の第9変形例のパチンコ機10について説明する。上述した第29制御例において実行される疑似変動では、疑似図柄を所定期間高速変動表示させた後に停止表示させ、停止した際の疑似図柄の組み合わせによって変動表示中の特別図柄の当否判定結果を示唆する構成であった。しかしながら、第29制御例では、疑似図柄が停止表示されるまでは高速変動表示されていることから、高速変動表示中は疑似図柄がどのような組み合わせで停止表示されるかを遊技者が予測することが困難であり、遊技者は疑似図柄が停止表示されるまでただ高速変動を眺めるだけであった。
これに対して、本第29制御例の第9変形例では、疑似変動が開始されてから終了するまでの期間で疑似図柄がどのような組み合わせで停止表示されるかを遊技者に予測させることが可能な構成としている。具体的には、図1326(a)に示すように、疑似変動が開始されると第3図柄に代えて3つの疑似図柄を表示し、それぞれの疑似図柄を1秒毎に左方向にシフトさせる。表示位置L3に表示されている疑似図柄Gz3がシフトすると、図1326(b)に示すように、表示位置L3に新たな疑似図柄Gz4が表示され、表示位置L1の疑似図柄Gz1はシフトすると0.5秒間経過後に非表示となる。そして、疑似変動の実行中に有効ラインL4上に表示されている疑似図柄が特定の組み合わせとなれば、実行中の特別図柄の変動表示が大当たり当選である可能性が高い変動パターンで実行されていることを示唆する構成である。このように、疑似図柄を1秒毎に左方向にシフトさせ、組み合わせを可変させる構成とすることで、疑似図柄がどのような組み合わせで停止表示されるかを遊技者が予測し易くなり、疑似図柄のシフトにより新たに表示される疑似図柄の態様に興味を持たせることが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本第29制御例の第9変形例では、疑似変動の実行中に普通図柄の当たりに当選する保留球が存在すると判別した場合には、普通図柄の当たり保留球が存在することを示唆することが可能に構成している。このように構成することで、普通図柄の当たり遊技が実行されるタイミングで遊技者に遊技球を発射させ易くなり、疑似変動中に新たな特別図柄の保留球を獲得させ易くなる。
更に、本第29制御例の第9変形例では、疑似変動が実行される場合に遊技者に演出上の特典を付与する構成としている。具体的には、図1326(a)に示すように、疑似変動が実行されると1ミッションポイントが付与される。このミッションポイントが10ポイント分貯まると、図1328(b)に示すように、遊技機のモチーフとなったアニメや漫画等のレア画像を入手できる2次元コードが表示され、遊技者がスマートフォンで2次元コードを読み取ることができるように構成している。このように構成することで、レア画像を入手したい遊技者に疑似変動が実行されることを心待ちにさせることが可能となり、短期間で複数回疑似変動が実行された場合であっても、遊技者を喜ばせることができるので、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
この第29制御例の第9変形例におけるパチンコ機10が第29制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201によって実行される一部処理が変更されている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点、表示制御装置114のMPU231により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201、音声ランプ制御装置113のMPU221および表示制御装置114のMPU231によって実行されるその他の処理については、第29制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第29制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第29制御例の第9変形例の演出内容について>
図1326~図1328を参照して、本第29制御例の第9変形例のパチンコ機10において実行される特徴的な演出について説明する。まず、図1326(a)を参照して、疑似変動において実行されるミッション演出が開始される場合の演出内容について説明する。なお、副表示領域Dsで実行される保留演出については、上述した第29制御例と同様であるため、詳細な説明は省略する。図1326(a)は、ミッション演出が開始される場合の第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した図である。上述した第29制御例と同様に、表示用変動パターンとして疑似変動ありの表示用変動パターン種別が設定された場合には、第3図柄を所定期間変動表示させた後に仮停止させ、図1326(a)に示すミッション演出が開始される。ミッション演出が開始されると、仮停止されている第3図柄が疑似図柄Gz1~Gz3に変わり、その疑似図柄Gz1~Gz3の前面側にミッションアイコンAk1が表示される。また、第1表示領域HR1が形成され、ミッション演出の演出内容を遊技者に案内するための案内態様が表示される。また、小表示領域Dm3には、疑似変動の残り変動時間を示すための態様が表示される。これにより、8秒以内に疑似図柄が「3,4,1」の組み合わせで停止表示されるとミッション達成であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、小表示領域Dm4には獲得中のミッションポイントが表示され、疑似変動が実行されたことに対応してミッションポイントが付与されたことを報知するための報知態様である吹き出しFk1が表示される。図1326(a)に示した例では、疑似変動が開始されるまでに4ミッションポイントを獲得しており、新たに疑似変動が実行されたことにより1ミッションポイントが付与され、図1326(b)に示すように、小表示領域Dm4の表示が5ミッションポイントとなる。
ここで、本第29制御例の第9変形例では、疑似変動が実行されることに対応して遊技者に1ミッションポイントが付与される。このミッションポイントは疑似変動が終了しても消滅せず、最大10ミッションポイントまで貯めることが可能である。ミッションポイントが最大値まで貯まると、パチンコ機10のモチーフとなったアニメや漫画等のレア画像を入手することができる2次元コードが表示される。つまり、疑似変動を付加価値のある演出とする構成である。このように構成することで、レア画像を入手したい遊技者に疑似変動が実行されることを心待ちにさせることが可能となり、短期間で複数回疑似変動が実行された場合に、遊技者を喜ばせることができるので、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、小表示領域Dm4のミッションポイントの表示は、疑似変動が実行されている期間だけでなく、通常の第3図柄変動中および第3図柄の停止表示中も表示される。このように構成することで、現在獲得しているミッションポイントが何ポイントであるかを遊技者が把握し易くなり、ミッションポイントが最大値まで貯まるまでは遊技を継続しようと思わせ易くなる。なお、本第29制御例の第9変形例では、ミッションポイントが最大値まで貯まるとレア画像を入手できる2次元コードが表示される構成としたが、これに限るものではなく、遊技者に付加価値を与えるものであれば良い。例えば、特定の変動演出の出現確率を増減させることができる設定を遊技者が行う、所謂、演出カスタム機能において獲得したミッションポイント数によって演出カスタムの項目を増加させる構成としても良い。或いは、1ミッションポイントを使用することで、保留球内に大当たり当選保留球が存在するかを事前に報知する演出を実行する構成としても良い。このように構成することで、短時間しか遊技しない遊技者も疑似変動が実行されたことによる恩恵を受けることが可能となるので、遊技意欲の向上に繋げることができる。
次に、図1326(b)を参照して、疑似図柄がシフトした場合の第3図柄表示装置81の表示画面の一例について説明する。図1326(a)に示した表示画面から1秒が経過すると、ミッションアイコンAk1と第1表示領域HR1が非表示となり、疑似図柄Gz1~Gz3がそれぞれ非表示となった後に左方向に1つ表示位置をシフトして表示される。なお、疑似図柄をシフトさせる方向は、左方向に限るものではなく、右方向でも良いし上下方向でも良い。または、表示位置L0、L1に表示される疑似図柄を左方向に、表示位置L2、L3に表示される疑似図柄を右方向にそれぞれシフトさせる構成としても良い。或いは、表示位置で回転させ、大当たり当選期待度によって回転方向を異ならせる構成としても良い。図1326(b)に示す例では、表示位置L1に表示されていた疑似図柄Gz1が表示位置L0にシフトし、表示位置L2に表示されていた疑似図柄Gz2が表示位置L1にシフトし、表示位置L3に表示されていた疑似図柄Gz3が表示位置L2にシフトする。なお、本第29制御例の第9変形例で実行される疑似変動も、上述した第29制御例と同様に疑似変動が開始された時に実行中の特別図柄の変動表示が終了した後、新たな特別図柄の変動表示が開始されなくても3秒間は継続して実行される。具体的には、特別図柄の変動時間が経過したことに基づいて、第1図柄表示装置37では、特別図柄の変動表示が停止した状態(LED37aが点滅していない状態)となる。一方、第3図柄表示装置81では、特殊演出(ミッション演出)の導入演出が終了し、結果報知演出が開始される時点では、主表示領域Dmにおける疑似図柄の変動表示が停止することなく変動したままの状態が継続する。なお、疑似図柄は、所定の図柄が変動表示されている期間中に表示され、且つ、所定の図柄の変動表示が終了した後も継続して表示される特定の図柄であれば良く、例えば、文字を用いて特定の組み合わせ(例えば、「激」「ア」「ツ」の3文字の組み合わせ)が完成すればミッション達成としても良い。或いは、キャラクタが表示された図柄としても良い。表示位置L0にシフトした疑似図柄Gz1は、シフト後0.5秒が経過すると非表示となる。疑似図柄Gz3が表示位置L2にシフトしたことにより表示位置L3が空いた状態となるので、表示位置L3に新たな疑似図柄Gz4が表示される。表示位置L3に新たに表示される疑似図柄L4は、表示されてから1秒が経過するまでは疑似図柄の数字が回転し、1秒が経過すると回転が止まり確定した数字が表示される。なお、疑似図柄のシフトは表示位置L3に表示されている疑似図柄の数字が確定した後に行われる。このように、本第29制御例の第9変形例のミッション演出では、1秒毎に疑似図柄が1つ消え、新たに疑似図柄が追加される構成としており、既に表示されている疑似図柄の組み合わせから新たに疑似図柄が追加されることで特定の組み合わせを形成できるか遊技者に予測させることが可能となる。また、表示位置L3に表示される疑似図柄は、疑似図柄がシフトする直前まで数字が確定しないので、表示位置L3に新たな疑似図柄が表示されてから疑似図柄がシフトするまでの期間、遊技者の興味を持続させることが可能となる。
ミッション演出では、有効ラインL4上に表示される疑似図柄が特定の組み合わせとなった場合に、ミッション成功となる。図1326(a)に示した例では、疑似図柄が「3,4,1」の組み合わせとなるとミッション成功と遊技者に案内しているが、これに限るものではなく、例えば、同じ数字が3つ揃った組み合わせ(「7,7,7」等)としても良い。また、図1326(a)に示す例では、「2,4,6」の組み合わせでミッション演出が開始されたが、この組み合わせは疑似変動が開始される時点で変動表示中の特別図柄の変動パターン種別により異なる構成としている。このように構成することで、疑似変動開始時の疑似図柄の組み合わせの種類によっても変動表示中の特別図柄の当否判定結果を遊技者が推測可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本第29制御例の第9変形例では、表示位置L0に表示された疑似図柄を時間の経過によって非表示とする構成であるが、これに限るものではなく、表示位置L0に表示された疑似図柄も有効ラインに含める構成としても良い。具体的には、表示位置L0、L1、L2に表示された疑似図柄で有効ラインL4とは異なる有効ラインを形成可能に構成する。このように構成することで、複数の有効ラインを設定できるため、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図1327(a)を参照して、表示されている疑似図柄の数字を変化させる変化演出が実行された場合の演出内容について説明する。図1327(a)は、疑似図柄の変化演出が実行された場合の第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した図である。図1327(a)では、図1326(b)の状況から1秒が経過し、疑似図柄Gz4の数字が「4」で確定した後、疑似図柄をそれぞれ左方向にシフトさせた状況である。疑似図柄Gz2~Gz4の表示位置をそれぞれ左方向にシフトさせた後に、うさぎを模したキャラ801が出現し、表示位置L1に表示されている疑似図柄Gz4の数字を「6」から「3」に変化させている。疑似図柄がシフトする前は、ミッション達成に関係の無い数字である「6」と、ミッション達成に関係する数字である「4」の組み合わせが表示されていたため、疑似図柄がシフトした後に表示位置L3に表示される疑似図柄の数字が何であろうとミッション達成とはならず、遊技者の興味が薄れる虞があるが、疑似図柄のシフト後に疑似図柄Gz3の数字が「6」から「3」に変化したことでミッション達成の可能性が高まり、表示位置L3に新たに表示される疑似図柄の数字に興味を持たせることができる。このように、疑似図柄の数字が変化する可能性があるため、すでに表示されている疑似図柄の数字がミッション達成に関係ない数字である場合であっても、変化演出が実行されることを期待させることにより遊技者のミッション演出に対する興味をミッション演出終了まで持続させることが可能となる。なお、変化演出が実行されるか否かは、結果報知演出または書き換え演出の種別によって予め定められている。
次に、図1327(b)を参照して、ミッションが成功した場合の演出内容について説明する。図1327(b)は、ミッションが成功した場合の表示画面の一例を示した図である。図1327(a)に示した状況から1秒が経過し、表示位置L3に表示されている疑似図柄の数字が「1」で確定した状況である。疑似図柄Gz4の数字が「1」で確定したことにより、すでに表示位置L1、L2に表示されていた「3,4」と組み合わせてミッション達成となる特定の組み合わせとなり、ミッション成功であることを報知するための報知態様である「ミッション成功」という文字が表示領域HR1に表示される。これにより、遊技者にミッション成功であることを分かり易く認識させることが可能となる。
なお、本第29制御例の第9変形例では、ミッション演出成功の演出態様が設定されるのは、特別図柄の変動表示がロングリーチまたはスーパーリーチの変動パターンで実行されている場合としており、ロングリーチの変動パターンが設定されるのは当たり当選の場合で135/200、外れ当選の場合で40/200、スーパーリーチの変動パターンが設定されるのは当たり当選の場合で20/200、外れ当選の場合で5/200と、当たり当選である場合の方が外れ当選である場合よりも設定され易い構成であるため、ミッション成功により変動表示中の特別図柄が大当たり当選である可能性が高いことを示唆している。なお、図1327(b)では、疑似変動の残り変動時間が5秒となった段階でミッション達成となる特定の組み合わせが表示されているが、ミッション達成となる特定の組み合わせが表示されるまでの時間は、各結果報知演出または書き換え演出態様に予め定められている。また、ミッション成功が表示された後は、予め設定された疑似変動の変動時間が経過するまではミッション成功の画面が表示された状態となり、疑似変動の変動時間が経過した後に通常の変動演出に切り替わる。
次に、図1328(a)を参照して、疑似変動中に普通図柄の当たり保留球が存在すると判別した場合の演出内容について説明する。図1328(a)は、疑似変動中に普通図柄の当たり保留球が存在すると判別した場合の第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した図である。ここで、本第29制御例の第9変形例では、音声ランプ制御装置113において普通図柄の保留球の入賞情報をその保留球に対応する変動表示が実行される前に事前に判別(所謂、先読み)することが可能に構成している。詳細な説明は後述するが、本第29制御例の第9変形例では、疑似変動の実行中に普通図柄の保留球の入賞情報を先読みし、その結果、普通図柄の当たりに当選する保留球が存在すると判別した場合に、普通図柄の当たりに当選する保留球が存在することを示唆するための示唆演出を実行可能である。具体的には、図1328(a)に示すように、疑似変動が実行されており特別図柄の変動表示が実行されていない期間において普通図柄の当たりに当選する保留球が存在すると判別した場合に、主表示領域Dmに寝ている状態のキャラクタ801が表示され、表示位置L3に表示される疑似図柄Gz9が目覚まし時計を模した図柄に変化する。この目覚まし時計を模した図柄は左方向にシフトした後も変化せず、次に新たに表示位置L3に表示される疑似図柄も目覚まし時計を模した図柄で表示される。この目覚まし時計を模した図柄の出現は、普通図柄の当たりに当選する保留球に対応する普通図柄の変動表示が終了し、普通図柄の当たり遊技が終了するまでの期間継続する。目覚まし時計を模した図柄に表示されている時計の針は普通図柄の当たり遊技が開始されるまでの時間を示唆しており、この時計の針が12時を示す態様となった場合に普通図柄の当たり遊技が開始されたことを報知する態様として目覚まし時計が鳴った状態で表示され、第1入球口64に向けて遊技球を発射することを促す案内表示がされる。そして、普通図柄の当たり遊技中に遊技球が第1入球口64に入球した場合にキャラクタ801が目を覚ます演出が実行され、目覚まし時計を模した図柄は数字の疑似図柄に変化する。キャラクタ801が目を覚ましたことにより、疑似図柄の変化演出が行われるのではないかと遊技者に期待させることができる。なお、普通図柄の当たり遊技中に遊技球が第1入球口64に入球しなければキャラクタ801は目を覚まさずに非表示となり、目覚まし時計を模した図柄は数字の疑似図柄に変化する。
なお、疑似図柄の変化演出は疑似変動が開始された時点で実行されている特別図柄の変動表示が終了した後に、新たな特別図柄の変動表示が実行された場合に行われ得る演出である。そのため、疑似変動が開始された時点で実行されている特別図柄の変動表示が終了した後に、新たな特別図柄の変動表示が実行されない場合には、普通図柄の当たり遊技により電動役物64aが開放され入球し易くなる第1入球口64へ向けて遊技球を発射することを遊技者に促し、疑似変動の実行中に新たな特別図柄の変動表示を実行させ易くしている。なお、示唆演出の態様はこれに限るものではなく、遊技者に普通図柄の当たり保留球が存在することを認識させることができる態様であれば良い。
なお、本第29制御例の第9変形例では、通常状態における普通図柄の変動時間を30秒に設定している。そして、疑似変動が開始された時点で実行されている特別図柄の変動表示が終了した後に、新たな特別図柄の変動表示が実行されない場合の疑似変動時間は8秒であるため、疑似変動の実行中に普通図柄の当たり保留球が存在すると判別しても、その保留球に対応する普通図柄の変動表示が終了する前に疑似変動が終了してしまう。そこで、本第29制御例の第9変形例では、普通図柄の当たり保留球に対応する普通図柄の変動表示が終了した後に実行される普通図柄の当たり遊技が終了するまでは疑似変動を延長可能に構成している。詳細な説明は後述するが、特別図柄の変動表示が実行されていない期間に疑似変動が実行されている場合に、普通図柄の当たり保留球が存在すると判別した場合には、その保留球に対応する普通図柄の変動表示が終了し普通図柄の当たり遊技が終了するまでの期間に対応するタイマ値が疑似変動残時間タイマ223dhに設定され、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmでは疑似変動の残変動時間が延長されたことを示す報知態様である吹き出しFk2が表示される。このように構成することで、遊技者に疑似変動の残変動時間が延長されたことを分かり易くすることができる。
次に、図1328(b)を参照して、ミッションポイントが10ポイント貯まった場合の演出内容について説明する。図1328(b)は、ミッションポイントが10ポイント貯まった場合の第3図柄表示装置81の表示画面を示した図である。ミッションポイントを9ポイント獲得した状態で新たに疑似変動が実行され、1ミッションポイントを獲得すると、小表示領域Dm4に表示されるミッションポイント数が10ポイントとなる。ミッションポイント数が10ポイントになると、小表示領域Dm4が発光した後、特典が付与されたことを報知する態様である「お宝画像GET」という表示と、2次元コードQr1が表示される。これにより、表示されている2次元コードを遊技者の持つスマートフォンにより読み取れば、レア画像を入手することができることを遊技者に分かり易く報知することができる。
<第29制御例の第9変形例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、図1329(a)を参照して、本第29制御例の第9変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の内容について説明をする。図1329(a)は、ROM222の規定内容を示したブロック図である。上述した第29制御例の音声ランプ制御装置113のROM222に対して、結果報知演出態様設定テーブル222dcに代えて結果報知演出態様設定テーブル222daJが、書き換え演出態様設定テーブル222ddに代えて書き換え演出態様設定テーブル222dbJが、それぞれ記憶されている点で相違し、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
次に、図1330を参照して、結果報知演出態様設定テーブル222daJの内容について説明をする。図1330は、結果報知演出態様設定テーブル222daJに規定されている内容を模式的に示した図である。結果報知演出態様設定テーブル222daJは、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)終了時に保留球が存在し、その保留球に基づいて新たに特別図柄の変動(2回目の特図変動)が開始される場合に実行されるミッション演出の演出態様を設定するために参照されるテーブルである。
結果報知演出態様設定テーブル222daJは、演出カウンタ値CS2に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)に対応する演出態様がそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、取得した演出カウンタ値CS2に基づいて、詳細な結果報知演出の演出態様を選択する。具体的には、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が4秒の「結果報知演出A」が設定され、演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が4秒の「結果報知演出B」が設定される。この「結果報知演出A」と「結果報知演出B」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、疑似図柄が特定の組み合わせで表示されるまでの過程が異なっており、「結果報知演出A」では、疑似図柄の変化演出が実行され、「結果報知演出B」では疑似図柄の変化演出が実行されない。
変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS2が「0~149」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出C」が設定され、演出カウンタ値CS2が「150~198」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出D」が設定される。この「結果報知演出C」と「結果報知演出D」は、どちらもミッション演出が成功する演出態様であるが、疑似図柄が特定の組み合わせで表示されるまでの過程が異なっており、「結果報知演出C」では疑似図柄の変化演出が実行され、「結果報知演出D」では疑似図柄の変化演出が実行されない。
変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が13秒の「結果報知演出E」が設定される。この「結果報知演出E」は、ミッション演出が成功する演出態様であり、疑似図柄の変化演出が実行される。変動パターン種別が「完全外れA」または「完全外れC」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出F」が設定される。この「結果報知演出F」はミッション演出が失敗する演出態様であり、疑似図柄の変化演出が実行されない演出態様である。
変動パターン種別が「完全外れB」または「完全外れD」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が3秒の「結果報知演出G」が設定される。この「結果報知演出G」は、ミッション演出が失敗する演出態様であり、疑似図柄の変化演出が実行されない演出態様である。なお、「結果報知演出G」は、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)停止時に保留球が存在しない場合にも設定される演出態様である。
変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が4秒の「結果報知演出B」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が4秒の「結果報知演出I」が設定される。この「結果報知演出B」は「当たりショートリーチA」において選択される「結果報知演出B」と同一の演出態様であり、「結果報知演出H」はミッション演出が失敗する演出態様であり、疑似図柄の変化演出が実行されない演出態様である。
変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、演出カウンタ値CS2が「0~49」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出D」が設定され、演出カウンタ値CS2が「50~198」の範囲であれば、演出時間が5秒の「結果報知演出I」が設定される。この「結果報知演出D」は「当たりロングリーチ」において選択される「結果報知演出D」と同一の演出態様であり、「結果報知演出F」は「完全外れA」または「完全外れC」において選択される「結果報知演出F」と同一の演出態様である。
変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、演出カウンタ値CS2が「0~198」の範囲であれば、演出時間が13秒の「結果報知演出E」が設定される。この「結果報知演出E」は、「当たりスーパーリーチA」において選択される「結果報知演出E」と同一の演出態様である。
次に、図1331を参照して、書き換え演出態様設定テーブル222dbJの内容について説明をする。図1331は、書き換え演出態様設定テーブル222dbJに規定されている内容を模式的に示した図である。書き換え演出態様設定テーブル222dbJは、疑似変動が開始された特別図柄の変動(1回目の特図変動)終了時に保留球が存在せず、疑似変動継続中に新たな第1入球口64への入賞に基づいて特別図柄の変動(2回目の特図変動)が開始される場合に実行されるミッション演出の演出態様を設定するために参照されるテーブルである。図1331に示す通り、書き換え演出態様設定テーブル222dbJは、演出カウンタ値CS2に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)と、第1入球口64に入賞した時点における疑似変動の残時間に対応する演出態様がそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、取得した演出カウンタ値CS2に基づいて、詳細な結果報知演出の演出態様を選択する。具体的には、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「0~149」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が1000ms(1秒)の「短書き換え演出A」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「中書き換え演出A」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「長書き換え演出A」が選択される。
また、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「150~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が1000ms(1秒)の「短書き換え演出B」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「中書き換え演出B」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「長書き換え演出B」が選択される。
上述したように、書き換え演出は、既に実行中の結果報知演出Gが終了した後に実行される演出である。このため、遊技球が第1入球口64に入賞したことに基づいて特別図柄の変動が開始されるタイミングによって、その特別図柄の変動時間内で結果報知演出Gの残りの演出を実行する時間が可変する。例えば、結果報知演出Gの開始から1秒が経過した時点(即ち、疑似変動の開始から6秒が経過し残時間2秒の時点)で「当たりショートリーチ」の特別図柄の変動(12秒)が開始される場合、その特別図柄の変動中に2秒の結果報知演出Gの残りの演出が実行されることとなる。
上述したように、変動パターン毎に変動時間内で疑似変動に割り当てられる時間は一定であるため、「当たりショートリーチ」の変動パターンにおいては疑似変動が実行される時間(疑似変動更新時間)として4秒が割り当てられる。従って、この場合、2秒の結果報知演出Gの残りの演出を実行した後に、疑似変動の残時間は2秒となる。一方、結果報知演出Gの開始から2秒が経過した時点で「当たりショートリーチ」の特別図柄の変動(12秒)が開始される場合、その特別図柄の変動中に1秒の結果報知演出Gの残りの演出が実行されることとなる。従って、この場合には、1秒の結果報知演出Gの残りの演出を実行した後に、疑似変動の残時間は3秒となる。このように、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始されるタイミングによって、その特別図柄の変動時間内で結果報知演出の残りの演出を実行するための時間が可変し、書き換え演出を実行するための演出時間が可変するため、本第29制御例の第9変形例では、特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間に基づいて演出時間の異なる書き換え演出を設定する構成としている。このように構成することで、結果報知演出終了後の疑似変動の残時間と、書き換え演出の演出時間と、が大きく異なることを抑制し、書き換え演出終了から通常演出開始までが間延びすることを抑制することができる。
「短書き換え演出A」、「中書き換え演出A」、「長書き換え演出A」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す組み合わせで停止表示された疑似図柄を、ミッション達成となる特定の組み合わせに変える演出態様であり、疑似図柄を特定の組み合わせで表示するまでの過程が異なる。具体的には、「短書き換え演出A」では疑似図柄のシフトを1回実行し、疑似図柄の変化演出も実行することにより疑似図柄を特定の組み合わせで表示する演出態様である。「中書き換え演出A」は疑似図柄のシフトを2回実行し、疑似図柄の変化演出も実行することにより疑似図柄を特定の組み合わせで表示する演出態様であり、「長書き換え演出A」は疑似図柄のシフトを3回実行し、疑似図柄の変化演出を実行せずに疑似図柄を特定の組み合わせで表示する演出態様である。
このように、疑似変動の残時間に基づいて演出時間が異なる書き換え演出の演出態様が設定される構成であるため、疑似変動開始から終了までのどのタイミングで特別図柄の変動が新たに開始されても、その特別図柄の変動時間内で実行される疑似変動の変動時間と、疑似変動終了後に実行される通常演出の演出時間を一定とすることができる。一方、「短書き換え演出B」、「中書き換え演出B」、「長書き換え演出B」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す組み合わせで停止表示された疑似図柄を、新たにシフトさせた後、再度外れを示す組み合わせで停止表示させる演出態様であり、疑似図柄を外れを示す組み合わせで表示するまでの過程が異なる。具体的には、「短書き換え演出B」では疑似図柄のシフトを1回実行し、疑似図柄を外れを示す組み合わせで停止表示する演出態様である。「中書き換え演出B」は疑似図柄のシフトを2回実行し、疑似図柄を外れを示す組み合わせで停止表示する演出態様であり、「長書き換え演出B」は疑似図柄のシフトを3回実行し、疑似図柄を外れを示す組み合わせで停止表示する演出態様である。
変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「0~149」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が1000ms(1秒)の「短書き換え演出B」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「中書き換え演出B」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「長書き換え演出B」が選択される。この「短書き換え演出B」、「中書き換え演出B」、「長書き換え演出B」は、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」である場合に選択されるものと同一の演出態様である。一方、変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「150~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が1000ms(1秒)の「短書き換え演出F」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「中書き換え演出F」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「長書き換え演出F」が選択される。この「短書き換え演出F」、「中書き換え演出F」、「長書き換え演出F」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す組み合わせで停止表示された疑似図柄を、新たにシフトさせた後に外れを示す組み合わせで表示する演出態様であり、それぞれの演出態様で相違するのは新たに行われる疑似図柄のシフト回数ある。具体的には「短書き換え演出F」ではシフト回数が1回、「中書き換え演出F」ではシフト回数が2回、「長書き換え演出F」ではシフト回数が3回となる。
なお、書き換え演出が実行されるのは、特別図柄が変動表示されていない期間に疑似変動が継続している場合であるため、第1入球口64への新たな入賞に基づいて特別図柄の変動が開始される場合には、必ず保留球数が0個である。従って、保留球数が1個以上ある場合に設定される「完全外れB」、「完全外れC」、「完全外れD」が選択されることはないので、書き換え演出態様設定テーブル222dbJではそれらの変動パターン種別に対応する演出態様は規定していない。
変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「0~149」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「短書き換え演出C」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「中書き換え演出C」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が4000ms(4秒)の「長書き換え演出A」が選択される。また、変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「150~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「短書き換え演出D」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「中書き換え演出D」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が4000ms(4秒)の「長書き換え演出D」が選択される。「短書き換え演出C」、「中書き換え演出C」、「長書き換え演出C」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された第3図柄を、ミッション達成となる特定の組み合わせに変える演出態様であり、相違するのは、特定の組み合わせで表示するまでに行う疑似図柄のシフト回数と疑似図柄の変化演出を実行するか否かである。「短書き換え演出D」、「中書き換え演出D」、「長書き換え演出D」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す表示態様で停止表示された疑似図柄を、ミッション達成となる特定の組み合わせに変える演出態様であり、相違するのは、特定の組み合わせで表示するまでに行う疑似図柄のシフト回数と疑似図柄の変化演出を実行するか否かである。
変動パターン種別が「外れロングリーチ」または「完全外れA」であり、演出カウンタCS2の値が「0~49」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「短書き換え演出D」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「中書き換え演出D」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が4000ms(4秒)の「長書き換え演出D」が選択される。「短書き換え演出D」、「中書き換え演出D」、「長書き換え演出D」は、変動パターン種別が「当たりロングリーチA」である場合に選択されるものと同一の演出態様である。
変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「50~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が2000ms(2秒)の「短書き換え演出G」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が3000ms(3秒)の「中書き換え演出G」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が4000ms(4秒)の「長書き換え演出G」が選択される。この「短書き換え演出G」、「中書き換え演出G」、「長書き換え演出G」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す組み合わせで停止表示された疑似図柄を、新たにシフトさせた後に外れを示す組み合わせで停止表示させる演出態様であり、それぞれの演出態様で相違するのは、新たに行われる疑似図柄のシフト回数である。
また、変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「0~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が11000ms(11秒)の「短書き換え演出E」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が12000ms(12秒)の「中書き換え演出E」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が13000ms(13秒)の「長書き換え演出E」が選択される。
一方、変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、演出カウンタCS2の値が「0~198」の範囲内である場合、遊技球が第1入球口64に入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始される時点での疑似変動の残時間(T)が、「2000ms(2秒)≦T<3000ms(3秒)」の範囲内であれば演出時間が11000ms(11秒)の「短書き換え演出E」が選択され、「1000ms(1秒)≦T<2000ms(2秒)」の範囲内であれば演出時間が12000ms(12秒)の「中書き換え演出E」が選択され、「0<T<1000(1秒)」の範囲内であれば演出時間が13000ms(13秒)の「長書き換え演出E」が選択される。「短書き換え演出E」、「中書き換え演出E」、「長書き換え演出E」は、いずれも結果報知演出G終了時に外れを示す組み合わせで停止表示された疑似図柄を、ミッション達成となる特定の組み合わせに変える演出態様であり、相違するのは、疑似図柄を特定の組み合わせで表示するまでに行われる疑似図柄のシフト回数である。
次に、図1329(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図1329(b)に示すように、第29制御例の第9変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223には、上述した第29制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223に対して、普図入賞情報格納エリア223daJと、ミッションポイントカウンタ223dbJと、2次元コード表示中フラグ223dcJと、が新たに追加されている点で相違している。第29制御例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
普図入賞情報格納エリア223daJは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(第1エリア~第4エリア)とを普通図柄に対して有しており、これらの各エリアには、主制御装置110から出力された普図入賞コマンドに含まれる普図入賞情報が第1エリアから順に格納される。この普図入賞情報格納エリア223daJに格納される情報により、普通図柄の保留球の抽選結果が普通図柄の変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
本第29制御例の第9変形例では、普通図柄の保留球を最大で4個、保留記憶可能に構成しているため、普図入賞情報格納エリア223daJには、普通図柄用の4つの保留エリアが形成される。そして、新たな普通図柄抽選を実行する場合には、普通図柄の保留エリアのうち、最古に記憶された普図入賞情報(第1エリアに記憶された入賞情報)が実行エリアへと移行するように構成されている。そして、第2エリア~第4エリアに格納されている各入賞情報が1つ若い番号の保留エリアへとシフトするように構成されている。
ミッションポイントカウンタ223dbJは、付与されたミッションポイントのポイント数をカウントするためのカウンタであり、疑似変動が実行される場合にカウンタ値が1加算される。カウンタ値が10になると、後述するミッションポイント付与処理(S2260D)において、カウンタ値が0にリセットされる。2次元コード表示中フラグ223dcJは、上述したミッションポイントが10ポイント貯まった特典として表示される2次元コードが表示中であることを示すためのフラグであり、ミッションポイント付与処理(S2260D)においてオンに設定され、疑似変動終了処理(S2262D)においてオフに設定される。
<第29制御例の第9変形例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図1332を参照して、主制御装置111のMPU211により実行される各制御について説明する。本第29制御例の第9変形例における主制御装置111の制御は、上述した第29制御例における主制御装置111の制御に対して、タイマ割込処理で実行されるスルーゲート通過処理(S107D)に代えてスルーゲート通過処理(S112D)を実行する点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図1332を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S112D)の内容について説明する。図1332は、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S112D)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理は、普通図柄の保留球を獲得した場合に、その保留球の当否判定結果を事前に判別(所謂、先読み)し、判別結果に対応する情報を音声ランプ制御装置113に送信するためのコマンドを設定する処理(S506D)を実行する点で上述したスルーゲート通過処理(S107D)と相違し、その他の構成については同一である。
図1332に示すように、S505Dの処理が終了した後、S505Dの処理において普通図柄保留球格納エリア203dbに格納した第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値に基づいて普通図柄の抽選の当否を判別し、普図入賞コマンドを設定する(S506D)。この普図入賞コマンドを音声ランプ制御装置113で受信することにより、音声ランプ制御装置113においても普通図柄の保留球の判別結果を把握することが可能となる。
<第29制御例の第9変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図1333~図1337を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各制御について説明する。本第29制御例の第9変形例における音声ランプ制御装置113の制御は、メイン処理において実行される液晶演出実行管理処理(S2110D)に代えて液晶演出実行管理処理(S2132D)が実行される点およびコマンド判定処理(S2112D)において普図入賞コマンドを受信した場合の処理が追加された点で相違しており、その他の処理については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
まず、図1333を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される液晶演出実行管理処理(S2132D)について説明する。図1333は、この液晶演出実行管理処理(S2132D)を示したフローチャートである。上述した第29制御例における液晶演出実行管理処理(S2110D)に対して、ミッションポイント付与処理(S2260D)および普図先読み処理(S2261D)が追加されている点で相違する。液晶演出実行管理処理(S2132D)が実行されると、まず、疑似変動実行フラグ223dgがオンであるかを判別する(S2231D)。疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動が実行されていない場合)には(S2231D:No)、疑似変動待機フラグ223drがオンであるかを判別する(S2232D)。疑似変動待機フラグ223drがオンではないと判別した場合(即ち、疑似変動ありの特別図柄の変動が実行されていない場合)には(S2232D:No)、S2233D~S2235Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
S2232Dの処理において、疑似変動待機フラグ223drがオンであると判別した場合(即ち、疑似変動ありの特別図柄の変動が実行されている場合)には(S2232D:Yes)、疑似変動開始タイマ223dpの値を1減算する(S2233D)。次に、S2233Dの処理において、減算された疑似変動開始タイマ223dpの値が0であるか否かを判別し(S2234D)、0でないと判別した場合には(S2234D:No)、疑似変動の開始タイミングではないため、S2235Dの処理をスキップし、本処理を終了する。一方、S2234Dの処理において、疑似変動開始タイマ223drの値が0であると判別した場合には(S2234D:Yes)、疑似変動開始処理を実行する(S2235D)。疑似変動開始処理(S2235D)が終了すると、ミッションポイント付与処理(S2260D)を実行する。
ここで、図1334を参照して、ミッションポイント付与処理(S2260D)について説明する。図1334は、このミッションポイント付与処理(S2260D)を示したフローチャートである。ミッションポイント付与処理(S2260D)が実行されると、まず、ミッションポイントカウンタ223dbJのカウンタ値を1加算する(S2301D)。そして、ミッションポイント付与演出を実行するための表示用コマンドを設定する(S2302D)。その後、ミッションポイントカウンタ223dbJのカウンタ値が10であるかを判別する(S2303D)。カウンタ値が10であると判別した場合には(S2303D:Yes)、2次元コードを表示するための表示用コマンドを設定する(S2304D)。なお、本第29制御例の第9変形例では、遊技者が入手可能なレア画像を複数種類用意しており、レア画像毎に異なる2次元コードを設定可能である。そして、いずれの2次元コードを表示するかはS2304Dの処理においてランダムに設定する。このように構成することで、ミッションポイントを10ポイント貯める毎に異なるレア画像を遊技者に入手させることが可能となるので、レア画像をコンプリートするために長期的に遊技を行わせることが可能となる。
S2304Dの処理が終了すると、2次元コード表示中フラグ223dcJをオンに設定し(S2305D)、ミッションポイントカウンタ223dbJのカウンタ値を0に設定して(S2306D)、本処理を終了する。一方、S2303Dの処理において、ミッションポイントカウンタ223dbJのカウンタ値が10ではないと判別した場合には(S2303D:No)、S2304D、S2305D、S2306Dの処理をスキップし、本処理を終了する。
図1333に戻り、説明を続ける。S2231Dの処理において、疑似変動実行フラグ223dgがオンである(即ち、疑似変動の実行期間中である)と判別した場合には(S2231D:Yes)、疑似変動残時間タイマ223dhの値を1減算し(S2236D)、普図先読み処理を実行する(S2261D)。
ここで、図1335を参照して、普図先読み処理(S2261D)について説明する。図1335は、この普図先読み処理(S2261D)を示したフローチャートである。この普図先読み処理(S2261D)は、疑似変動の実行期間中に示唆演出を実行するか否かを決定するための処理である。普図先読み処理が実行されると、まず、入賞情報格納エリア223ddに入賞情報が格納されているかを判別する(S2371D)。入賞情報が格納されていると判別した場合には(S2371D:Yes)、本処理を終了する。一方、入賞情報格納エリア223ddに入賞情報が格納されていないと判別した場合には(S2371D;No)、特別図柄の変動表示中であるかを判別する(S2372D)。特別図柄の変動表示中ではないと判別した場合には(S2372D:No)、S2374Dの処理に移行する。S2372Dの処理において特別図柄の変動表示中であると判別した場合には(S2372D:Yes)、変動表示中の特別図柄の当否判定結果が当たり当選であるかを判別する(S2373D)。変動表示中の特別図柄の当否判定結果が当たり当選であると判別した場合には(S2373D:Yes)、本処理を終了する。一方、変動表示中の特別図柄の当否判定結果が当たり当選ではないと判別した場合には(S2373D:No)、S2374Dの処理に移行する。
S2374Dの処理では、普図入賞情報格納エリア223daJに格納されている普図入賞情報の中に当たり当選する普図入賞情報が格納されているかを判別する(S2374D)。当たり当選する普図入賞情報が格納されていないと判別した場合には(S2374D:No)、本処理を終了する。一方、当たり当選する普図入賞情報が格納されていると判別した場合には(S2374D:Yes)、その当たり当選する普図入賞情報が格納されている格納エリアに対応するタイマ値を疑似変動残時間タイマ223dhに設定する。具体的には、当たり当選する普図入賞情報が普図入賞情報格納エリア223daJの実行エリアに格納されている場合には31秒、第1エリアに格納されている場合には61秒、第2エリアに格納されている場合には91秒、第3エリアに格納されている場合には121秒、第4エリアに格納されている場合には151秒、にそれぞれ対応するカウンタ値を設定する。本第29制御例の第9変形例では、通常状態における普通図柄の変動時間を30秒に設定する構成であり、普通図柄の当たり当選した場合には電動役物64aが0.2秒間開放される。したがって、それぞれの格納エリアに対応するタイマ値を設定することにより普通図柄の当たり当選する保留球に対応する普通図柄の変動表示が実行され、その後に実行される普通図柄の当たり遊技が終了するまでの間、疑似変動を継続させることが可能となる。S2375Dの処理が終了すると、普図当たり示唆演出を実行するための表示用コマンドを設定する(S2376D)。ここで設定する表示用コマンドは、S2375Dで設定したタイマ値に対応する演出時間の普図当たり示唆演出を実行するためのものである。S2376Dの処理が終了すると、本処理を終了する。
図1333に戻り、説明を続ける。S2261Dの処理が終了すると、S2236Dの処理において減算した疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値が0(ms)であるかを判別する(S2237D)。S2237Dの処理において、0ではないと判別した場合には(S2237D:No)、S2238D~S2242Dの処理をスキップし、本処理を終了する。一方、S2237Dの処理において、0であると判別した場合には(S2237D:Yes)、疑似変動実行フラグ223dgをオフに設定し(S2238D)、疑似変動終了処理を行う(S2262D)。
ここで、図1336を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される疑似変動終了処理(S2262D)について説明する。図1336は、この疑似変動終了処理(S2262D)を示したフローチャートである。この疑似変動終了処理(S2262D)は、上述した第29制御例において実行される疑似変動終了処理(S2239D)に対して、2次元コードを非表示とするための処理が追加された点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
S2188Dの処理では、2次元コード表示中フラグ223dcJがオンであるかを判別する(S2188D)。2次元コード表示中フラグ223dcJがオンではないと判別した場合には(S2188D:No)、2次元コードが表示されていない状態であるため本処理を終了する。一方、2次元コード表示中フラグ223dcJがオンであると判別した場合には(S2188D:Yes)、2次元コード表示中フラグ223dcJをオフに設定し(S2189D)、2次元コードを非表示とするための表示用コマンドを設定し(S2190D)、本処理を終了する。このように、2次元コードが表示された疑似変動の終了時に2次元コードが非表示となるため、2次元コードが表示されている期間は僅かな期間であり、その期間中にしか入手できないレア画像の価値が高くなり、遊技者のレア画像を入手したい思いを高めることができる。これにより、疑似変動に対する遊技者の興味を向上させ、演出効果を高めることが可能となる。
次に、図1337を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2134D)について説明する。図1337は、このコマンド判定処理(S2134D)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2134D)は、上述した第29制御例におけるコマンド判定処理(S2112D)に対して、普図入賞コマンド関連の処理を追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
S2110Dの処理において、入賞コマンドを受信していないと判別した場合には(S2110D:No)、普図入賞コマンドを受信したか判別する(S2225D)。普図入賞コマンドを受信したと判別した場合には(S2225D:Yes)、受信した普図入賞コマンドに含まれる普図入賞情報を普図入賞情報格納エリア223daJの空きエリアのうち最も若い番号のエリアに格納する。一方、普図入賞コマンドを受信していないと判別した場合には(S2225D:No)、S2214Dの処理に移行する。なお、第29制御例において実行していた発射関連コマンド関連の処理は、S2216Dの処理において実行する。
<第29制御例の第9変形例における表示制御装置114の制御処理について>
図1338~図1340を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。本第29制御例の第9変形例における表示制御装置114の制御は、上述した第29制御例における表示制御装置114の制御に対して、V割込処理で実行されるコマンド判定処理(S6302D)に代えてコマンド判定処理(S6313D)を実行する点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図1338を参照して、コマンド判定処理(S6312D)について説明する。上述した第29制御例におけるコマンド判定処理(S6302D)に対して、示唆演出コマンド関連の処理と、2次元コード表示コマンド関連の処理を新たに追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。S6408Dの処理において、特殊演出関連コマンドがないと判別した場合には(S6408D:No)、示唆演出コマンドがあるかを判別する(S6420D)。示唆演出コマンドがあると判別した場合には(S6420D:Yes)、示唆演出コマンド処理を実行する(S6421D)。
ここで、図1339を参照して、示唆演出コマンド処理(S6421D)の詳細について説明する。図1339は、この示唆演出コマンド処理を示したフローチャートである。この示唆演出コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した示唆演出コマンドに対応する処理を実行するものである。示唆演出コマンド処理では、まず、表示用示唆演出コマンドによって示される示唆演出態様に対応した示唆演出表示データテーブルを決定し、その決定した示唆演出表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233dbから読み出して、表示データテーブルバッファ233ddに設定する(S6551D)。
次いで、S6551Dで設定された示唆演出表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233dbから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233deに設定する(S6552D)。そして、各示唆演出態様に対応する示唆演出表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S6551Dの処理によって設定された示唆演出表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の示唆演出表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S6553D)。表示設定処理では、S6553Dの処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233ddに設定された示唆演出表示データテーブルが、どの表示用示唆演出態様に対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S6551Dの処理によって表示データテーブルバッファ233ddに設定された示唆演出表示データテーブルに対応する示唆演出の演出時間を基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233dhに設定し(S6554D)、ポインタ233dfを0に初期化する(S6555D)。そして、示唆演出コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。この示唆演出コマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6555Dの処理によって初期化されたポインタ233dfを更新しながら、S6551Dの処理によって表示データテーブルバッファ233ddに設定された示唆演出表示データテーブルから、ポインタ233dfに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6552Dの処理によって転送データテーブルバッファ233deに設定された転送データテーブルから、ポインタ233dfに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236daに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
図1338に戻り、説明を続ける。S6420Dの処理において示唆演出コマンドがないと判別した場合には(S6420D:No)、2次元コード表示コマンドがあるかを判別する(S6422D)。2次元コード表示コマンドがあると判別した場合には(S6422D:Yes)、2次元コード表示コマンド処理を実行する(S6423D)。
ここで、図1340を参照して、2次元コード表示コマンド処理(S6422D)の詳細について説明する。図1340は、この2次元コード表示コマンド処理(S6422D)を示したフローチャートである。この2次元コード表示コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した2次元コード表示コマンドに対応する処理を実行するものである。2次元コード表示コマンド処理では、まず、表示用2次元コード表示コマンドによって示される2次元コード種別に対応した2次元コード表示データテーブルを決定し、その決定した2次元コード表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233dbから読み出して、表示データテーブルバッファ233ddに設定する(S6651D)。
次いで、S6651Dで設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233dbから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233deに設定する(S6652D)。そして、各2次元コード種別に対応する2次元コード表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S6651Dの処理によって設定された2次元コード表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の2次元コード表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S6653D)。表示設定処理では、S6653Dの処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233ddに設定された2次元コード表示データテーブルが、どの表示用2次元コードに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S6651Dの処理によって表示データテーブルバッファ233ddに設定された2次元コード表示データテーブルに対応する2次元コード表示演出の演出時間を基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233dhに設定し(S6654D)、ポインタ233dfを0に初期化する(S6655D)。そして、2次元コード表示コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
<第29制御例の第10変形例>
図1342を参照して、第29制御例の第10変形例のパチンコ機10について説明する。上述した第29制御例の第2変形例では、疑似変動ありの表示用変動パターンが選択された場合のみ装飾用可動役物Ym1、Ym2をスタンバイ状態とするミッション演出を実行する構成であったが、本第29制御例の第11変形例では遊技者が任意のタイミングで演出ボタン22を操作すると装飾用可動役物Ym1、Ym2がスタンバイ状態となる構成としている。具体的には、図1342(b)に示すように、主表示領域Dmにモード切替を案内するための案内態様が表示されており、遊技者が演出ボタン22を押下すると装飾用可動役物Ym1、Ym2がスタンバイ状態(図1219参照)となり、主表示領域Dmの一部分が隠された状況となる「お楽しみモード」に切り替わる。このお楽しみモードは特別図柄の変動表示が実行されているか否かに関わらず装飾用可動役物Ym1、Ym2が5分間スタンバイ状態となり、その5分間の間にロングリーチまたはスーパーリーチの変動パターンで特別図柄の変動表示が実行されると、お楽しみモードの開始から5分経過する前に装飾用可動役物Ym1、Ym2を報知状態(図1219参照)とし、収納状態へと可動させる。5分間の間にロングリーチまたはスーパーリーチの変動パターンで特別図柄の変動表示が実行されなければ、5分経過後にスタンバイ状態から収納状態へと可動する。このようにお楽しみモードでは、装飾用可動役物Ym1、Ym2が5分経過する前に報知状態となれば大当たり当選の可能性が高いことを遊技者に示唆するので、装飾用可動役物Ym1、Ym2がいつ報知状態となるのか遊技者に楽しませることが可能である。したがって、通常の変動演出とお楽しみモードとを遊技者の任意のタイミングで切替可能に構成することで、遊技者の好みに合わせたゲーム性で遊技を楽しませることが可能となり、遊技者が早期に遊技に飽きることを抑制することができる。
<第29制御例の第10変形例における装飾用可動役物Ym1、Ym2と表示画面の構成について>
図1342を参照して、本第29制御例の第10変形例における装飾用可動役物Ym1、Ym2と第3図柄表示装置81の表示画面の構成について説明する。図1342(a)は、装飾用可動役物Ym1、Ym2がスタンバイ状態である場合の表示画面との位置関係を模式的に示した図である。図1342(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、後面側から背景レイヤー、第1レイヤー、第2レイヤーが配置され、装飾用可動役物Ym1、Ym2がスタンバイ状態になると表示画面の前面側に配置される。背景レイヤーは背景画像を表示するためのレイヤーである。図1342(b)に示すように、第1レイヤーは第3図柄を表示するためのレイヤーである。図1342(c)に示すように、第2レイヤーは、動的表示中の特別図柄の大当たり当選期待度を報知する態様である「チャンス」といったコメントや、キャラクタを表示するためのレイヤーである。図1342(d)に示すように、本第29制御例の第10変形例における装飾用可動役物Ym1、Ym2は、スタンバイ状態となっても表示画面を完全に覆い隠す訳ではなく、主表示領域Dmの一部の表示領域が視認困難な状態とする。したがって、スタンバイ状態では遊技者からは第3図柄が変動表示されているのか停止表示されているのかは把握できないが、装飾用可動役物Ym1、Ym2に覆い隠されていない表示領域に表示される変動演出の一部表示は遊技者から視認することができる。このように構成することで、装飾用可動役物Ym1、Ym2に隠されていない表示領域に表示される変動演出の表示から、遊技者に通常モードに切り替えるかお楽しみモードを継続するかの判断をさせ易くすることができる。
<第29制御例の第10変形例における演出内容について>
図1341を参照して、本第29制御例の第10変形例において実行される演出内容について説明する。本第29制御例の第10変形例では、第3図柄変動と変動演出を遊技者が視認可能な状態である「通常モード」と、装飾用可動役物Ym1、Ym2がスタンバイ状態となり第3図柄変動と変動演出を遊技者が視認困難な状態である「お楽しみモード」のいずれかのモードで遊技を行うことができる構成である。パチンコ機10の電源が投入されると「通常モード」が設定される。「通常モード」から「お楽しみモード」への切替は、遊技者が任意のタイミングで演出ボタン22を操作することにより行うことが可能である。「お楽しみモード」から「通常モード」への切替は、「お楽しみモード」の開始から5分経過した場合か、遊技者が演出ボタン22を操作した場合、またはロングリーチかスーパーリーチの変動パターンで特別図柄変動が実行されたことに対応して行われる。
「通常モード」において遊技者が演出ボタン22を操作すると、「お楽しみモード」に切り替わり、装飾用可動役物Ym1、Ym2がスタンバイ状態となる。このスタンバイ状態は、特別図柄が変動表示されているか否かに関わらず5分間継続する。「お楽しみモード」に切り替わってから5分経過する前に、大当たり当選期待度が高い変動パターンであるロングリーチまたはスーパーリーチの特図変動が実行された場合には、その特図変動の実行から3秒間、装飾用可動役物Ym1、Ym2が報知状態(図1219(c)参照)となり、3秒経過後に収納状態となる。即ち、「お楽しみモード」開始から5分経過する前に装飾用可動役物Ym1、Ym2が収納状態となる。一方、「お楽しみモード」に切り替わってから5分経過する前に、ロングリーチまたはスーパーリーチの変動パターンで特図変動が実行されなかった場合には、「お楽しみモード」の切り替えから5分経過すると装飾用可動役物Ym1、Ym2がスタンバイ状態から収納状態となる。つまり、「お楽しみモード」は、装飾用可動役物Ym1、Ym2がスタンバイ状態となってから5分経過する前に報知状態となるかどうかを遊技者に楽しませるモードである。このように、「通常モード」では遊技者に変動演出を楽しませ、「お楽しみモード」では遊技者に装飾用可動役物Ym1、Ym2が報知状態となるかどうかを楽しませることができるため、遊技者に対して異なる楽しみを提供することが可能となり、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、遊技者の任意のタイミングで演出ボタン22を操作することによりモードを切り替えることが可能であるため、遊技者の好みに合わせた演出を提供することができる。なお、「お楽しみモード」では装飾用可動役物Ym1、Ym2が5分間スタンバイ状態となる構成としたが、このように構成することで、「お楽しみモード」に切り替えた遊技者が「お楽しみモード」の実行中に遊技を止めてしまった場合であっても、5分経過すると自動的に「通常モード」に切り替わるため、パチンコ機10で誰も遊技を行っていないことを新たな遊技者に分かり易くすることができる。なお、装飾用可動役物Ym1、Ym2をスタンバイ状態とする期間は、5分間に限るものではなく、5分以下でも良いし、5分以上でも良い。
なお、「お楽しみモード」の実行中に決定ボタン600aが操作されると、「お楽しみモード」の実行期間を5分延長することが可能に構成している。具体的には、「お楽しみモード」の実行中に決定ボタン600aが操作されたことに対応して、疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値に5分に対応する値を追加する。このように構成することで、「お楽しみモード」を楽しみたい遊技者には、5分経過しても「通常モード」に戻ることなく「お楽しみモード」を継続して楽しませることが可能となる。
以上、説明したように、本第29制御例の第10変形例では、遊技者のボタン操作により装飾用可動役物Ym1、Ym2をスタンバイ状態とし、主表示領域Dmの一部分が隠された状況を創出する演出である「お楽しみモード」が実行される。この「お楽しみモード」が実行されている期間は、特別図柄の変動表示が実行されていなくても遊技者に気付かれ難くすることが可能である。なお、この「お楽しみモード」を装飾用可動役物Ym1、Ym2を用いずに実行する構成としても良い。以下、装飾用可動役物Ym1、Ym2を用いずに「お楽しみモード」を実行する実施例である第11変形例のパチンコ機10について説明する。
<第29制御例の第11変形例>
図1343~図1359を参照して、第29制御例の第11変形例のパチンコ機10について説明する。上述した第29制御例の第10変形例では、装飾用可動役物Ym1、Ym2を第3図柄表示装置81の前面側で可動させることにより表示画面を遊技者が視認困難な状態とし、特別図柄の変動表示が実行されていないことを気付かせ難くする構成であった。これに対して本第29制御例の第11変形例では、表示画面を複数の画層(レイヤー)で構成し、特別図柄の変動表示に対応する変動演出が表示されるレイヤーよりも前面側に疑似変動を表示するレイヤーを配置することで、疑似変動の実行中は変動演出を視認困難な状態とすることができる構成としている。
また、上述した第29制御例の第2変形例では、疑似変動ありの表示用変動パターンが選択された場合のみ疑似変動を実行する構成であったが、本第29制御例の第11変形例では遊技者が任意のタイミングでボタン操作を実行すると疑似変動が実行される構成としている。具体的には、図1344(a)に示すように、主表示領域Dmの右下端にある表示領域Dm5にモード切替を案内するための案内態様が表示されており、遊技者が演出ボタン22を押下すると5分間の疑似変動が実行されるモードである「お楽しみモード」に切り替わる。詳細は後述するが、このお楽しみモードは特別図柄の変動表示が実行されているか否かに関わらず疑似図柄が5分間変動表示され、その5分間の間にロングリーチまたはスーパーリーチの変動パターンで特別図柄の変動表示が実行されると、疑似変動の開始から5分経過する前に大当たり当選する可能性が高いことを示唆する組み合わせで疑似図柄を停止表示させる。5分間の間にロングリーチまたはスーパーリーチの変動パターンで特別図柄の変動表示が実行されなければ、5分経過後に外れであることを示唆する組み合わせで疑似図柄を停止表示させる。このようにお楽しみモードでは、疑似変動が5分経過する前に停止されれば大当たり当選の可能性が高いことを遊技者に示唆するので、疑似変動がいつ停止するのかを遊技者に楽しませることが可能である。したがって、通常の変動演出とお楽しみモードとを遊技者の任意のタイミングで切替可能に構成することで、遊技者の好みに合わせたゲーム性で遊技を楽しませることが可能となり、遊技者が早期に遊技に飽きることを抑制することができる。
この第29制御例の第11変形例におけるパチンコ機10が上述した第29制御例の第2変形例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される一部処理が変更されている点、表示制御装置114のMPU231により実行される一部処理が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201、音声ランプ制御装置113のMPU221および表示制御装置114のMPU231によって実行されるその他の処理については、第29制御例の第2変形例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第29制御例の第2変形例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第29制御例の第11変形例における表示画面の構成について>
図1343を参照して、本第29制御例の第11変形例のパチンコ機10における第3図柄表示装置81の表示画面の構成について説明する。図1343(a)は、表示画面を構成する各画層(レイヤー)を模式的に示した模式図である。本第29制御例の第11変形例では、後面側から、背景レイヤー、第1レイヤー、第2レイヤー、第3レイヤーの順に配置されている。背景レイヤーは、背景画像を表示するためのレイヤーであり、第1レイヤーは図1343(b)に示すように第3図柄を表示するためのレイヤーであり、第2レイヤーは図1343(c)に示すように変動演出やデモ演出といった各種演出を表示するためのレイヤーであり、第3レイヤーは図1343(d)に示すようにお楽しみモード(疑似変動)を表示するためのレイヤーである。第3レイヤーは、通常のモードでは透過率が100%に設定されており、後面側で実行される第3図柄変動および各種演出を遊技者が視認可能である。一方、遊技者が演出ボタン22を操作し、お楽しみモードに切り替えた場合には、第3レイヤーの透過率が0%となり、疑似変動が表示されている表示領域の後面側で実行される第3図柄の変動表示や、変動演出の一部表示が遊技者から視認困難な状態となる。このように、お楽しみモードの実行中は第3図柄を遊技者が視認困難であるため、特別図柄の変動表示が実行されていないことを気付かせ難くすることができる。
<第29制御例の第11変形例における演出内容について>
図1344~図1347を参照して、本第29制御例の第11変形例のパチンコ機10において実行される演出内容について説明する。図1344(a)は、第3レイヤーの透過率が100%の場合の表示画面を示した図である。第3レイヤーの透過率が100%に設定されるのは通常モードの場合であり、通常モードでは、図1344(a)に示すように第3図柄の変動表示や変動演出を遊技者が視認可能である。通常モード中は表示領域Dm5にモード切替を案内する態様である「ボタンPUSHでお楽しみモード」という表示と、演出ボタン22を模したボタン表示Pb1が表示される。これにより、演出ボタンを操作するとお楽しみモードに切り替えることができることを遊技者に分かり易くすることができる。
図1344(b)は、第3レイヤーの透過率が0%である場合の表示画面を示した図である。通常モード中に遊技者が演出ボタン22を操作すると第3レイヤーの透過率が0%に設定される。図1344(b)に示すように、第3レイヤーにはお楽しみモードの演出が表示されるため、第3レイヤーの後面側に配置されている第1レイヤーに表示される第3図柄が遊技者からは視認困難となる。なお、第3レイヤーにおいて何も表示されていない領域では、第2レイヤーの表示が視認可能であり、遊技者は変動演出の表示を一部視認することができる。
ここで、お楽しみモードの詳細な演出内容について説明する。図1344(b)に示すように、お楽しみモードが実行されると3つの疑似図柄Gz1~Gz3が表示され、疑似変動が開始される。疑似変動の変動時間は5分であり、疑似変動の残り変動時間は表示領域HR2に表示される。疑似変動は特別図柄の変動表示が実行されていない期間も継続して実行され、疑似変動の開始から5分経過すると外れであることを示唆する組み合わせ(例えば、「2,4,6」)で疑似図柄を停止表示させる。このように、特別図柄の変動表示が実行されていない期間も疑似変動が継続して実行されることで、遊技者に特別図柄の変動表示が実行されていないことを気付かせ難くすることができる。また、疑似変動の変動時間を設定することで、お楽しみモードに切り替えた遊技者が遊技を止めた後も疑似変動が終わらず遊技中であると勘違いされてしまう不具合が生起することを防止することができる。
なお、お楽しみモード中に遊技者が演出ボタン22を押下すると疑似変動の変動時間が経過するよりも前に通常モードに切り替え可能であり、表示領域Dm5には演出ボタン22を押下することにより通常モードに切替可能であることを案内するための案内態様である「ボタンPUSHで通常モード」という表示と、演出ボタン22を模したボタン表示Pb1が表示される。このように構成することで、お楽しみモードに切り替えたものの変動演出を楽しみたくなった遊技者に対して疑似変動の変動時間経過を待たせることなく通常モードを楽しませることが可能となる。なお、お楽しみモード中に遊技者が決定ボタン600aを押下すると疑似変動の変動時間を延長することが可能であり、表示領域Dm6には決定ボタン600aを押下するとお楽しみモードが延長されることを案内するための案内態様である「ボタンPUSHでお楽しみモード延長」という表示と、決定ボタン600aを模したボタン表示Pb2が表示される。なお、お楽しみモード中は、副表示領域Dsにお楽しみモード実行中であることを報知する態様である「お楽しみモード中」という文字が表示されるため、第1レイヤーの副表示領域Dsに表示されている保留図柄が遊技者からは視認困難な状態となる。このように構成することで、第1レイヤーで保留図柄の表示を実行していても遊技者は保留球数を把握し難くなるので、保留図柄が表示されているか否かで特別図柄の変動表示が実行されているか否かを遊技者に気付かれてしまうことを抑制することが可能となり、演出効果を高めることができる。
次に、図1345(a)を参照して、疑似変動時間短縮演出について説明する。図1345(a)は、疑似変動時間短縮演出が実行された場合の表示画面を示した図である。この疑似変動時間短縮演出は、お楽しみモード中にロングリーチまたはスーパーリーチの変動パターンで特別図柄の変動表示が実行された場合に実行される演出である。より具体的には、お楽しみモード中にロングリーチまたはスーパーリーチの変動パターンで特別図柄の変動表示が実行されると、天使を模したキャラ805が出現し、小表示領域HR2に表示されている疑似変動の残り変動時間を早送りさせ、残り5秒であることを示す表示に変える。そして、5秒経過すると大当たり当選である可能性が高い特別図柄の変動表示が実行されていることを示唆する組み合わせ(本第29制御例の第11変形例では「3,4,1」)の疑似図柄(チャンス態様)が停止表示される。このように、お楽しみモードでは、疑似図柄が5分経過するよりも前に停止表示されるか否かを遊技者に楽しませることが可能である。
次に、図1345(b)を参照して、お楽しみモードが延長された場合の演出内容について説明する。図1345(b)は、お楽しみモードが延長された場合の表示画面の一例を示した図である。図1345(b)に示す例では、疑似変動の残り変動時間が10秒となった段階で遊技者が決定ボタン600aを押下したことにより、疑似変動の変動時間が延長された状況である。この場合、小表示領域HR2に表示されている疑似変動の残り変動時間が加算されることを示すための態様である吹き出しFk3が表示され、疑似変動の残り変動時間が310秒となる。このように構成することで、お楽しみモードを引き続き楽しみたい遊技者に対して通常モードに戻ることなく継続してお楽しみモードを楽しませることが可能となる。なお、本第29制御例の第11変形例では、2種類のボタンを用いて、どちらのボタンを操作するかによってモード切替かモード延長かを選択可能に構成したが、これに限るものではなく、1つの演出ボタンをどのように操作するかによってモード切替かモード延長かを選択可能に構成しても良い。具体的には、演出ボタン22が短い期間(例えば、1秒間隔)で2回押下された場合にはモード切替を実行し、演出ボタン22が長押しされた場合にはモード延長を行う構成としても良い。このように構成することで、複数種類の演出用のボタンを遊技機10に付ける必要が無いので、製造コストを安価にすることができる。また、このように構成する場合、遊技者が演出ボタン22を長押ししている期間はお楽しみモードを延長させる構成としても良い。
次に、図1346を参照して、お楽しみモードに切り替えた場合の演出と表示画面の関係について説明する。図1346は、お楽しみモードに切り替えた場合の演出と表示画面の関係を模式的に示したタイミングチャートである。「特図」の項目は特別図柄の変動状況を示しており、「第1レイヤーでの第3図柄」の項目は第3図柄の変動状況を示しており、「第3レイヤー」の項目は第3レイヤーに表示される疑似図柄の表示状況を示しており、「第3レイヤーの透過率」の項目は第3レイヤーの透過率の設定状況を示している。図1346に示す例は、完全外れAの変動パターンで特別図柄の変動表示が開始されてから12秒経過した段階で遊技者がモード切替操作(演出ボタン22の押下)を行った場合である。第1レイヤーでは特別図柄の変動表示に対応して表示用完全外れAの第3図柄変動が表示される。第3レイヤーではモード切替操作が実行されるまでは疑似図柄が停止表示されるが、透過率が100%に設定されているため遊技者からは停止表示されている疑似図柄が視認できず、第3レイヤーよりも後面側に配置されている第1レイヤー、第2レイヤーの表示を視認することが可能である。
完全外れAの特別図柄の変動表示開始から12秒が経過した段階で遊技者によりモード切替操作が実行されると、第1レイヤーでは表示用完全外れAの第3図柄変動を引き続き表示し、第3レイヤーでは疑似図柄の変動表示が開始される。なお、疑似図柄の変動表示開始に合わせて第3レイヤーの透過率が0%に設定されるため、疑似図柄の変動表示を遊技者が視認可能となる一方で、第1レイヤーに表示されている第3図柄を遊技者からは視認困難な状態となる。この疑似変動は、完全外れAの特別図柄の変動表示が終了した後も継続して実行され、特別図柄の変動表示終了後に新たな特別図柄の変動表示が開始されない場合も継続し、新たな特別図柄の変動表示が開始された場合にも継続する。第1レイヤーでは、疑似変動の実行中に新たに完全外れAの特別図柄の変動表示が実行されれば、表示用完全外れAの第3図柄変動を表示する。このように構成することで、遊技者がどのタイミングでお楽しみモードから通常モードに切り替える操作を行った場合であっても、第3レイヤーの透過率を100%に設定するだけの処理で第3図柄変動を視認させることができるので、モード切替のタイミングで新たに第3図柄変動を表示するための複雑な処理が不要となり、処理負荷を軽減することができる。
第3レイヤーにおける疑似図柄の変動表示は277秒実行され、その間にロングリーチまたはスーパーリーチの変動パターンで特別図柄の変動表示が実行されなかった場合には、277秒経過後に外れ態様で疑似図柄を停止表示させ、停止表示から3秒経過すると第3レイヤーの透過率を100%に設定する。なお、疑似図柄の変動表示中にモード切替操作が実行された場合には、疑似図柄を停止表示させずに変動表示された状態で第3レイヤーの透過率を100%に設定する。
次に、図1347を参照して、お楽しみモード中にロングリーチの変動パターンで特別図柄の変動表示が実行された場合の演出と表示画面の関係について説明する。図1347は、お楽しみモード中にロングリーチの変動パターンで特別図柄の変動表示が実行された場合の演出と表示画面の関係を模式的に示した図である。モード切替操作が実行されるまでは図1346に示した例と同様であり、図1347は、完全外れAの特別図柄の変動表示が終了した後に当たりロングリーチの特別図柄の変動表示が実行される場合を示している。疑似図柄の変動表示中に当たりロングリーチの特別図柄の変動表示が開始されると、第3レイヤーでは当たりロングリーチの特別図柄の変動表示が開始されたことに対応して疑似変動時間短縮演出が実行される。疑似変動時間短縮演出が実行されてから5秒経過すると疑似図柄をチャンス態様で停止表示させ、停止表示から3秒経過すると第3レイヤーの透過率を100%に設定する。このように、疑似図柄がチャンス態様で停止表示されることで、遊技者は第3図柄の表示用変動パターンがロングリーチまたはスーパーリーチであると予測できるので、通常モードに戻った後も大当たり当選する可能性が高い第3図柄の変動表示を楽しむことができる。
<第29制御例の第11変形例における電気的構成について>
次に、図1348を参照して、本第29制御例の第11変形例のパチンコ機10の電気的構成について説明する。図1348は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。上述した第29制御例の第2変形例に対して、演出ボタン22と選択ボタン600を新たに追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、演出ボタン22および選択ボタン600は上述した第29制御例の第3変形例における演出ボタン22と選択ボタン600と同一の構成である。
<第29制御例の第11変形例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、図1349(a)を参照して、本第29制御例の第11変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の内容について説明をする。図1349(a)は、ROM222の規定内容を示したブロック図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、図1349(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222daKが少なくとも記憶されている。
ここで、図1350を参照して、変動パターン選択テーブル222daKの内容について説明する。図1350は、変動パターン選択テーブル222daKの規定内容を示したブロック図である。変動パターン選択テーブル222daKは、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて、表示用変動パターン(第3図柄表示装置81において実行される第3図柄変動および当否判定結果を示唆するための変動演出)を設定するためのテーブルである。図1349に示す通り、本第29制御例の第11変形例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において参照される変動パターン選択テーブルとして通常用変動パターン選択Aテーブル222daK1と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)および時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)において参照される確変・時短用変動パターン選択テーブル222daK2とが規定されている。
図1351および図1352を参照して、各変動パターン選択テーブルの詳細な内容について説明する。まず、図1351を参照して、変動パターン選択テーブル222daKに規定されている通常用変動パターン選択Aテーブル222daK1の内容について説明する。図1351は、通常用変動パターン選択Aテーブル222daK1の内容を模式的に示した模式図である。上述したように、通常用変動パターン選択Aテーブル222daK1は、第1入球口64への遊技球の入賞頻度が高い場合に設定されるテーブルである。図1351に示す通り、通常用変動パターン選択Aテーブル222daK1は、第1演出カウンタ値CS1に各変動パターンの種別(完全外れ、各種リーチ)の表示用変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した第1演出カウンタ値CS1に基づいて、表示用変動パターンを選択する。
なお、上述した第29制御例の第2変形例とは異なり、お楽しみモード(疑似変動)の実行期間中に結果報知フラグ223dbKをオンに設定するか否かを「○×」で規定している。なお、「○」の場合には結果報知フラグ223dbKをオンに設定し、「×」の場合には結果報知フラグ223dbKをオンに設定しない。より具体的には、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりショートリーチA1」が設定される。また、変動パターン種別が「当たりショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして大当たりA1とは表示される演出内容が異なる「当たりショートリーチA2」が設定される。なお、どちらも結果報知フラグ223dbKがオンに設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~74」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「75~149」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりロングリーチA1とは演出内容が異なる「当たりロングリーチA2」が設定される。変動パターン種別が「当たりロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「150~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりロングリーチA1および当たりロングリーチA2とは異なる「当たりロングリーチA3」が設定される。いずれの表示用変動パターンも結果報知フラグ223dbKがオンに設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「当たりスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして当たりスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「当たりスーパーリーチA2」が設定される。なお、どちらも結果報知フラグ223dbKがオンに設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れA1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れA1とは演出内容が異なる「完全外れA2」が設定される。なお、どちらも結果報知フラグ223dbKはオンに設定されない。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れB」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れB1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れB」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れB1とは演出内容が異なる「完全外れB2」が設定される。なお、どちらも結果報知フラグ223dbKはオンに設定されない。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れC」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れC1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れC」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れC1とは演出内容が異なる「完全外れC2」が設定される。なお、どちらも結果報知フラグ223dbKはオンに設定されない。また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「完全外れD」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「完全外れD1」が設定される。変動パターン種別が「完全外れD」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして完全外れD1とは演出内容が異なる「完全外れD2」が設定される。なお、どちらも結果報知フラグ223dbKは設定されない。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れショートリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れショートリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れショートリーチA1とは演出内容が異なる「外れショートリーチA2」が設定される。なお、どちらも結果報知フラグ223dbKはオンに設定されない。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~94」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れロングリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「95~89」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れロングリーチA1とは演出内容が異なる「外れロングリーチA2」が設定される。また、変動パターン種別が「外れロングリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「190~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れロングリーチA3」が設定される。いずれの表示用変動パターンも結果報知フラグ223dbKがオンに設定される。
また、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「0~99」の範囲内であれば表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチA1」が設定される。変動パターン種別が「外れスーパーリーチA」であり、第1演出カウンタ値CS1の値が「100~198」の範囲内であれば表示用変動パターンとして外れスーパーリーチA1とは演出内容が異なる「外れスーパーリーチA2」が設定される。なお、どちらも結果報知フラグ223dbKがオンに設定される。
このように、各変動パターン種別に対して複数の表示用変動パターンを設定可能に構成することで、変動時間や変動パターンの種別の情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様が頻繁に表示されることを防止でき、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、結果報知フラグ223dbKは、お楽しみモード(疑似変動)の実行中は特別図柄の当否判定結果が大当たり当選である場合に対応する当たり変動パターンではオンに設定されるため、お楽しみモードの開始から5分経過していなくても疑似図柄がチャンス態様で停止表示されお楽しみモードが終了するので、遊技者が当たり変動を見逃してしまうことがない。
また、ロングリーチまたはスーパーリーチの変動パターンである場合には特別図柄の当否判定結果が当たり当選であるか否かに関わらず結果報知フラグ223dbKがオンに設定される構成としているが、本第29制御例の第11変形例ではロングリーチとスーパーリーチの変動パターンは外れ当選である場合よりも当たり当選である場合の方が設定され易い構成であり、ロングリーチまたはスーパーリーチが実行されると遊技者の大当たり当選に対する期待感を向上させることが可能であるため、お楽しみモード(疑似変動)の実行期間中にロングリーチまたはスーパーリーチが実行される場合には、お楽しみモードの開始から5分経過していなくても疑似図柄をチャンス態様で停止表示させお楽しみモードを終了させる構成としている。このように構成することで、お楽しみモードの実行期間中は大当たり当選の可能性が高い第3図柄の変動表示のみ遊技者が視認可能となり、特別図柄が外れ当選であることを報知するための第3図柄の停止態様を遊技者に視認させる機会を減少させることができるため、遊技者が認識可能な外れ当選の回数を実際の外れ当選の回数よりも少なく感じさせ、遊技意欲が低下することを抑制することができる。
次に、図1349(b)を参照して、本第29制御例の第11変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の内容について説明をする。図1349(b)は、RAM223の規定内容を示したブロック図である。上述した第29制御例の第11変形例に対して、シナリオ差し替えフラグ223daBと、シナリオカウンタ223dbBと、動作シナリオ格納エリア223dcBを削除した点と、モード変更フラグ223daKと、結果報知フラグ223dbKと、延長フラグ223dcKを新たに追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。
モード変更フラグ223daKは、モード切替操作が実行されたことを判別するためのフラグであり、枠ボタン入力監視・演出処理において演出ボタン22が操作されたと判別された場合にオンに設定され、後述する疑似変動開始処理(2264D)または疑似変動実行中処理(S2265D)においてオフに設定される。延長フラグ223dcKは、お楽しみモード(疑似変動)の実行期間中にお楽しみモードの延長操作が実行されたことを判別するためのフラグであり、枠ボタン入力監視・演出処理において疑似変動実行フラグ223dgがオンに設定されている場合に決定ボタン600aが押下されたと判別されるとオンに設定され、疑似変動実行中処理S2265Dにおいてオフに設定される。
<第29制御例の第11変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
図1353~図1356を参照して、本第29制御例の第11変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明する。なお、上述した第29制御例の第2変形例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。まず、図1353を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理の中の一処理である液晶演出実行管理処理(S2133D)について説明する。図1353は、液晶演出実行管理処理(S2133D)を示したフローチャートである。この液晶演出実行管理処理(S2133D)は、上述した第29制御例の第11変形例における液晶演出実行管理処理(S2122D)に代えて実行される処理である。液晶演出実行管理処理(S2133D)が実行されると、疑似変動実行フラグ223dgがオンであるかを判別する(S2231D)。疑似変動実行フラグ223dgがオンではないと判別した場合(S2231D)、モード切替操作が実行されたかを判別する(S2263D)。モード切替操作が実行されたか否かの判別は、モード変更フラグ223daKがオンであるか否かによって判別し、モード変更フラグ223daKがオンであると判別した場合にはモード切替操作が実行されたと判別する。なお、このモード変更フラグ223daKは、メイン処理の中の一処理である枠ボタン入力監視・演出処理(S2107D)において演出ボタン22が押下されたと判別された場合にオンに設定される。モード切替操作が実行されたと判別した場合には(S2263D:Yes)、疑似変動開始処理(S2264D)を実行する。一方、モード切替操作が実行されていないと判別した場合には(S2263D:No)、本処理を終了する。
ここで、図1354を参照して、疑似変動開始処理(S2264D)について説明する。図1354は、この疑似変動開始処理(S2264D)を示したフローチャートである。疑似変動開始処理(S2264D)では、通常モードからお楽しみモード(疑似変動)に切り替えるための処理を実行する。疑似変動開始処理(S2264D)が実行されると、まず実行中の特別図柄の変動表示は当たり変動パターンであるかを判別する(S2311D)。当たり変動パターンであると判別した場合には(S2311D:Yes)、疑似変動残時間タイマ223dhに6000を設定し(S2312D)、S2314Dの処理に移行する。なお、詳細は後述するが、本第29制御例の第11変形例では、疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値が5000になった場合に疑似図柄を停止表示させるための処理が実行される構成であるため、疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値を6000に設定することで、疑似変動の開始から1秒経過すると疑似変動が低速となり、3秒経過すると疑似図柄がチャンス態様で停止表示される。一方、S2311Dの処理において、実行中の特別図柄の変動表示が当たり変動パターンではないと判別した場合には(S2311D:No)、疑似変動残時間タイマ223dhに30000を設定し(S2313D)、S2314Dの処理に移行する。S2314Dの処理では疑似変動実行フラグ223dgをオンに設定する(S2314D)。そして、疑似変動を開始するための表示用コマンドを設定し(S2315D)、モード変更フラグ223daKをオフに設定して、本処理を終了する。なお、S2315Dで設定される表示用コマンドには、表示制御装置114において第3レイヤーの透過率を0%に設定させるためのコマンドも含まれる。
図1353に戻り、説明を続ける。S2231Dの処理において、疑似変動実行フラグ223dgがオンであると判別した場合には(S2231D:Yes)、疑似変動実行中処理を実行する(S2265D)。ここで、図1355を参照して、疑似変動実行中処理(S2265D)について説明する。図1355は、この疑似変動実行中処理(S2265D)を示したフローチャートである。疑似変動実行中処理(S2265D)が実行されると、まずモード切替操作が実行されたかを判別する(S2401D)。モード切替操作が実行されたか否かの判別は、モード変更フラグ223daKがオンであるか否かによって判別する。S2401Dの処理において、モード切替操作が実行されたと判別した場合には(S2401D:Yes)、モード変更フラグ223daKをオフに設定し、疑似変動を終了するための表示用コマンドを設定する(S2408D)。この疑似変動を終了させるためのコマンドには、表示制御装置114において第3レイヤーの透過率を100%にするためのコマンドが含まれる。そして、疑似変動実行フラグ223dgをオフに設定し(S2409D)、本処理を終了する。
一方、S2401Dの処理においてモード切替操作が実行されていないと判別した場合には(S2401D:No)、次に、お楽しみモードを延長させるための延長操作が実行されたかを判別する(S2402D)。延長操作が実行されたか否かは、延長フラグ223dcKがオンであるか否かによって判別する。この延長フラグ223dcKは、枠ボタン入力監視・演出処理(S2107D)において、疑似変動実行フラグ223dgがオンに設定されている場合に決定ボタン600aが押下されたと判別されるとオンに設定される。延長操作が実行されたと判別した場合には(S2402D:Yes)、疑似変動残時間タイマ223dhに30000を加算し(S2403D)、延長フラグ223dcKをオフに設定する(S2404D)。一方、S2402Dの処理において、延長操作が実行されていないと判別した場合には(S2402D:No)、S2404Dの処理に移行する。S2404Dの処理では、疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値を1減算する。この疑似変動実行中処理(S2265D)は、メイン処理において1ms毎に実行される液晶演出実行管理処理(S2133D)において実行される処理であるため、疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値は1ms毎に1減算される構成である。したがって、疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値として30000が設定された場合には5分経過すると0になる。
S2404Dの処理が終了すると、減算後の疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値が5000であるかを判別する(S2405D)。疑似変動算時間タイマ223dhのタイマ値が5000であると判別した場合には(S2405D:Yes)、疑似変動停止処理を実行し(S2406D)、S2407Dの処理に移行する。ここで、図1356を参照して、疑似変動停止処理(S2406D)について説明する。図1356は、疑似変動停止処理(S2406D)を示したフローチャートである。疑似変動停止処理(S2406D)が実行されると、まず、結果報知フラグ223dbKがオンであるかを判別する(S2441D)。結果報知フラグ223dbKがオンであると判別した場合には(S2441D:Yes)、結果報知フラグ223dbKをオフに設定し(S2442D)、疑似図柄をチャンス態様で停止するための表示用コマンドを設定して(S2443D)、本処理を終了する。一方、結果報知フラグ223dbKがオンではないと判別した場合には(S2441D:No)、疑似図柄を外れ態様で停止表示するための表示用コマンドを設定し(S2444D)、本処理を終了する。なお、上述したように、結果報知フラグ223dbKがオンに設定されるのは、疑似変動の実行中に開始された特別図柄の変動パターンがロングリーチまたはスーパーリーチに設定されている場合である。したがって、疑似図柄がチャンス態様で停止表示されることにより、遊技者はロングリーチまたはスーパーリーチが実行されると予測することができる。
図1355に戻り、説明を続ける。S2405Dの処理において、疑似変動算時間タイマ223dhのタイマ値が5000ではないと判別した場合には(S2405D:No)、次に疑似変動算時間タイマ223dhのタイマ値が0であるかを判別する(S2407D)。疑似変動算時間タイマ223dhのタイマ値が0であると判別した場合には(S2407D:Yes)、疑似変動を終了するための表示用コマンドを設定し(S2408D)、疑似変動実行フラグ223dgをオフに設定して(S2409D)、本処理を終了する。一方、疑似変動算時間タイマ223dhのタイマ値が0ではないと判別した場合には(S2407D:No)、本処理を終了する。S2408Dの処理において設定される表示用コマンドには、表示制御装置114において第3レイヤーの透過率を100%にするためのコマンドも含まれる。
次に、図1357を参照して、演出態様設定処理(S2437D)について説明する。図1357は、演出態様設定処理(S2437D)を示したフローチャートである。この演出態様設定処理(S2437D)は、上述した第29制御例の第11変形例において実行される演出態様設定処理(S2429D)に代えて実行される処理である。演出態様設定処理(S2437D)が実行されると、まず、設定されている遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)であるかを判別する(S2451D)。通常状態であるか否かの判別は、上述した変動パターン設定処理(S2219D)において抽出した変動パターン種別によって判別する。通常状態であると判別した場合には(S2451D:Yes)、変動パターン設定処理(S2219D)において抽出した変動パターン種別と、取得した第1演出カウンタの値に基づいて、通常用変動パターン選択Aテーブル222daK1から表示用変動パターンを設定し(S2463D)、本処理を終了する。一方、S2451Dの処理において、通常状態ではないと判別した場合には(S2451D:No)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)または時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)である場合であるため、抽出した変動パターン種別と、取得した第1演出カウンタの値に基づいて、確変・時短用変動パターン選択テーブル222daK2から表示用変動パターンを設定し(S2465D)、本処理を終了する。
次に、図1358を参照して、特殊演出追加設定処理(S2438D)について説明する。図1358は、特殊演出追加設定処理(S2438D)を示したフローチャートである。この特殊演出追加設定処理(S2438D)は、上述した第29制御例の第11変形例における特殊演出追加設定処理(S2430D)に代えて実行される処理である。特殊演出追加設定処理(S2438D)が実行されると、まず、変動パターン設定処理(S2219D)において抽出した変動パターン種別と、取得した第1演出カウンタの値に基づいて通常用変動パターン選択Aテーブル222daK2から表示用変動パターンを設定し(S2566D)、対応する表示用コマンドを設定する(S2567D)。そして、S2566Dの処理において設定された表示用変動パターンが結果報知フラグ223dbKをオンに設定する表示用変動パターン種別であるかを判別し(S2568D)、結果報知フラグ223dbKをオンに設定する表示用変動パターンであると判別した場合には(S2568D:Yes)、疑似変動残時間タイマ223dhのタイマ値を6000に設定し(S2569D)、結果報知フラグ223dbKをオンに設定して(S2570D)、本処理を終了する。このように構成することで、1000ms後に実行される疑似変動実行中処理(S2265D)において疑似変動停止処理(S2408D)が実行されることとなり、疑似変動の開始から5分経過する前に疑似変動を終了させることとなる。一方、S2568Dの処理において、結果報知フラグ223dbKをオンに設定表示用変動パターンではないと判別した場合には(S2568D:No)、本処理を終了する。
<第29制御例の第11変形例における表示制御装置114の制御処理について>
図1359~図1359を参照して、本第29制御例の第11変形例における表示制御装置114の制御処理について説明する。なお、上述した第29制御例の第2変形例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図1359を参照して、コマンド判定処理(S6314D)について説明する。図1359は、コマンド判定処理(S6314D)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S6314D)は、上述した第29制御例の第2変形例におけるコマンド判定処理(S6311D)に代えて実行される処理である。コマンド判定処理(S6314D)では、音声ランプ制御装置113から受信した表示用コマンドに対応する処理を行う。上述した第29制御例の第2変形例において実行されるコマンド判定処理(S6311D)に対して、特殊演出関連コマンド処理(S6418D)に代えて特殊演出関連コマンド処理(S6424D)を実行する点と、切替コマンドを受信したと判別した場合に実行される切替コマンド処理(S6426D)を追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。同一の構成については、その詳細な説明を省略する。
S6408Dの処理において、特殊演出関連コマンドがあると判別した場合に(S6408D)、特殊演出関連コマンド処理を実行する(S6424D)。ここで、図1360を参照して、特殊演出関連コマンド処理(S6424D)について説明する。図1360は、特殊演出関連コマンド処理(S6424D)を示したフローチャートである。特殊演出関連コマンド処理(S6424D)が実行されると、音声ランプ制御装置113から受信した表示用コマンドに対応する疑似変動表示データテーブルを決定して、第3レイヤー用の表示データテーブルバッファに設定する(S6164D)。なお、ここで設定される疑似変動表示データテーブルには、疑似図柄を高速変動表示から低速変動表示へと可変させ、チャンス態様または外れ態様で停止表示させるための表示データが少なくとも含まれている。S6164Dの処理が終了すると、転送データテーブルバッファをクリアし(S6153D)、表示データテーブルを基に時間データを計時カウンタ233dhに設定する(S6154D)。そして、ポインタ233dfを初期化し(S6155D)、本処理を終了する。
図1359に戻り、説明を続ける。S6408Dの処理において、特殊演出関連コマンドがないと判別した場合には(S6408D:No)、切替コマンドがあるかを判別する(S6425D)。切替コマンドがあると判別した場合には(S6425D:Yes)、切替コマンド処理を実行する(S6426D)。ここで、図1360を参照して、切替コマンド処理(S6425D)について説明する。図1360は、この切替コマンド処理(S6425D)を示したフローチャートである。切替コマンド処理(S6425D)は、音声ランプ制御装置113から受信した切替コマンドに対応して第3レイヤーの透過率を設定し、疑似変動を開始させるための処理を実行する処理である。切替コマンド処理(S6425D)が実行されると、受信した切替コマンドの内容が通常モードへの切替であるかを判別する(S6251D)。通常モードへの切替であると判別した場合には(S6251D:Yes)、第3レイヤーの透過率を100%に設定し(S6252D)、本処理を終了する。一方、S6251Dの処理において、通常モードへの切替ではないと判別した場合には(S6251D:No)、お楽しみモードへと切り替えるために、第3レイヤーの透過率を0%に設定し(S6253D)、疑似変動表示データテーブルを決定して、第3レイヤー用の表示データテーブルバッファに設定する(S6254D)。なお、S6254Dの処理において設定される疑似変動表示データテーブルには、疑似図柄が停止表示された状態から高速変動表示される表示データが少なくとも含まれており、特殊演出関連コマンド処理(S6424D)において疑似図柄を停止表示させるための疑似変動表示データテーブルが設定されるまで疑似図柄の高速変動表示がループして表示される構成としている。上述したように、お楽しみモード(疑似変動)の実行中に遊技者が決定ボタン600aを操作すると疑似変動時間が5分延長される構成であるが、このように、特殊演出関連コマンド処理(S6424D)の処理において疑似図柄を停止表示させるための疑似変動表示データテーブルが設定されるまで疑似図柄の高速変動表示がループして表示される構成とすることで、疑似変動が延長される度に新たに疑似変動表示データテーブルを設定する処理を行う必要がなく、表示制御装置114における処理負荷を軽減させることができる。
以上、説明したとおり、第29制御例の第11変形例では、表示画面を複数の画層(レイヤー)で構成し、特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が表示される第1レイヤーよりも前面側に疑似図柄の変動表示を表示するための第3レイヤーを配置して、第3レイヤーの透過率を可変させることで第1レイヤーに表示される第3図柄を遊技者が視認困難な状態とするものである。なお、この構成を、上述した第29制御例の第2変形例と組み合わせても良い。具体的には、装飾用可動役物Ym1、Ym2に代えて第3レイヤーに「激」「アツ」の文字を図1221(b)に示す例のように表示させ、第1レイヤーに表示される第3図柄を遊技者から視認困難な状態とする構成とする。このように構成することで、装飾用可動役物Ym1、Ym2をパチンコ機10に付ける必要が無いので、製造コストを安価にすることができる。
なお、上記した各変形例について、その全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
<第30制御例>
次いで、図1361から図1392を参照して、第30制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第30制御例では、上述した第1制御例に対して、遊技盤13の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点と、で相違している。
更に、本第30制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例のパチンコ機10に対して、特別図柄の変動表示中に実行される変動演出の一環として用いられる装飾用可動役物(落下役物900)を搭載し、その装飾用可動役物(落下役物900)を用いた新たな変動演出を追加している点で相違している。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
従来より、装飾用可動役物を可動させる場合において、装飾用可動役物と当接可能な当接部材に対して、可動している装飾用可動役物を当接させることで、装飾用可動役物の移動範囲を規制し、装飾用可動役物を所定の停止位置に停止させるパチンコ機10が知られている。このようなパチンコ機10では、可動している装飾用可動役物を当接部材に対して当接させることで装飾用可動役物を停止させることができるため、装飾用可動役物の停止に係る制御を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型のパチンコ機10では、決定された変動演出の内容に対応する装飾用可動役物の動作を決定(所定の動作部材の動作実行の決定)し、遊技者から視認困難な領域において装飾用可動役物と当接部材とを当接させることが一般的であるため、装飾用可動役物の動作を遊技者が事前に予測することが困難となり、遊技者にとって分り難い演出を提供してしまう虞があった。
これに対して本第30制御例では、第1駆動手段(保持ソレノイド920)が駆動されることにより第1位置(張出位置)から第2位置(原点位置)まで可動可能な可動手段(落下役物900)と、第2駆動手段(第1駆動ソレノイド955)により移動可能であって、可動手段(落下役物900)に当接可能な移動体(第1当接部材952)と、を設け、可動手段(落下役物900)を可動させる演出を含む役物演出において、移動体(第1当接部材952)が遊技者から視認可能な特定領域(第1小窓950を介して視認可能な領域)に位置している状態で可動手段(落下役物900)が第1位置(張出位置)から第2位置(原点位置)側に可動される場合に、可動手段(落下役物900)と移動体(第1当接部材952)とが当接し易く構成されている。
このように構成することで、移動体(第1当接部材952)が特定領域(第1小窓950を介して視認可能な領域)に位置している場合に、可動手段(落下役物900)と移動体(第1当接部材952)とが当接すること遊技者に予測させることができるので、予め可動手段(落下役物900)と移動体(第1当接部材952)とが当接する当接箇所の近傍へ遊技者の視線を集め易くことができる。よって、遊技者により分り易い演出を提供することができる。
また、本第30制御例では、可動手段(落下役物900)を可動させる演出を含む役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能に構成し、当該実行抽選において実行に対応する抽選結果となったことを示す表示態様(例えば、「役物演出GET!」という文字)が表示手段に表示された場合に、役物演出を実行するように構成している。このように構成することで、可動手段(落下役物900)が可動されない期間において、遊技者に対して可動手段(落下役物900)が可動されるのではないかと過度に期待させてしまうことを抑制することができる。よって、可動手段(落下役物900)の動作に注目すべき期間と、それ以外の期間と、を遊技者が区別し易くすることができるので、遊技者により分り易い演出を提供することができる。
また、本第30制御例では、可動手段(落下役物900)に当接することが可能な移動体(第1当接部材952)を移動させることが可能な第2駆動手段(第1駆動ソレノイド955)を所定の動作(プッシュバーを往復させる動作)で1回駆動する状態と、所定の動作(プッシュバーを往復させる動作)で所定の周期毎(0.5秒毎)に駆動させる状態と、を選択可能に構成され、第2駆動手段(第1駆動ソレノイド955)が所定の周期(0.5秒毎)で駆動された場合に、可動手段(落下役物900)と移動体(第1当接部材952)とが当接し易く構成されている。
このように構成することで、第2駆動手段(第1駆動ソレノイド955)が駆動されることで移動体(第1当接部材952)が遊技者から視認可能な特定領域に移動した場合において、可動手段(落下役物900)と移動体(第1当接部材952)とが当接する可能性を移動体の動作態様を利用して遊技者に示唆することができる。よって、遊技者に対してより分り易い演出を提供することができる。
<第30制御例における装飾用可動役物について>
まず、図1361から図1366を参照して、本第30制御例における装飾用可動役物について説明する。なお、以下の説明では、パチンコ機10を遊技者から見て、手前側を前面側とし、奥側を背面側として前後方向を規定する。また、パチンコ機10を遊技者から見た場合における左側、及び右側として左右方向を規定する。
本第30制御例では、特別図柄の変動表示中に可動することが可能な装飾用可動役物として落下役物900を搭載し、変動演出の一環として落下役物900を可動させる演出を含む役物演出を実行可能に構成されている。より具体的には、変動演出の一環として実行される役物演出において、保持ソレノイド920を駆動させることで落下役物900を第3図柄表示装置81の上方から下降(自由落下)する動作で可動させ、下降している落下役物900の停止位置(落下位置)に応じて所定の演出(大当たり期待度を示唆する落下予告)を実行可能に構成している。なお、詳細については後述するが、落下役物900における遊技者から視認可能な範囲は、透過性の樹脂材料で構成されており、所定の演出(大当たり期待度を示唆する落下予告)が実行されると、落下役物900の停止位置に応じて、落下役物900の背面側に大当たり期待度を示唆する表示態様を表示可能に構成している。このように構成することで、落下役物900の動作と、大当たり期待度を示唆する表示態様と、に対して遊技者が注目し易くすることができる。
図1361(a)は、落下役物900が原点位置に位置している状態における第3図柄表示装置81付近の態様を示した図である。図1361(a)に示した通り、落下役物900は、第3図柄表示装置81よりも前面側、且つ可変表示ユニット80における装飾枠よりも背面側に位置する平面上を上下方向に可動可能に配設されている。落下役物900が原点位置に位置している場合、落下役物900は第3図柄表示装置81の正面視右側の下方に位置しており、落下役物900における上側略半分が遊技者から視認可能に構成されている。詳細については後述するが、落下役物900は、特別図柄の変動表示中に実行される役物演出において可動する装飾用可動役物であり、保持ソレノイド920が駆動されることで自由落下により下降することが可能に構成されている。即ち、落下役物900は、駆動手段が電気的に作動されることで異なる位置へと移動可能な手段である。
また、本第30制御例では、可変表示ユニット80の正面視右側に、可変表示ユニット80の背面側の部材等を視認可能にするために背面側より透明樹脂を取り付けて第1小窓950、及び第2小窓960が形成されている。詳細については後述するが、本第30制御例では、自由落下している落下役物900に対して当接させることが可能な当接部材(第1当接部材952、及び第2当接部材962)を設けており、第1小窓950、及び第2小窓960を介して当該当接部材(第1当接部材952、及び第2当接部材962)が遊技者から視認可能となるように構成されている。即ち、自由落下している落下役物900と当接部材(第1当接部材952、及び第2当接部材962)とが当接する様子が遊技者から視認可能となるように構成している。これにより、遊技者に対して、より分かり易い演出を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、第1小窓950、及び第2小窓960の近傍にLED等の発光手段を設け、第1当接部材952、または第2当接部材962の動作に対応して当該発光手段を発光させるように構成してもよい。これにより、第1当接部材952、及び第2当接部材962の動作に対して遊技者の視線をより集め易くすることができる。また、第1小窓950、及び第2小窓960は、落下役物900と当接部材(第1当接部材952、または第2当接部材962)とが当接する様子を遊技者が視認できるように配置されていれば良く、図1361に示した配置、及び大きさに限定されるものではない。
図1361(b)は、落下役物900が張出位置に位置している状態における第3図柄表示装置81付近の態様を示した図である。ここで、張出位置とは、役物演出において落下役物900が可動される範囲における最も上方の特定の位置を指し、落下役物900が自由落下により下降する場合の下降開始位置である。即ち、落下役物900を落下動作(自由落下により下降する動作)で可動させる場合には、落下動作を開始させる前に落下役物900が張出位置まで上昇される。
図1361(b)に示したように、落下役物900が張出位置に位置している状態では、落下役物900は第3図柄表示装置81の正面視右側の上方に位置しており、落下役物900の下側略半分が遊技者から視認可能となる。一方で、落下役物900の上側略半分は可変表示ユニット80における装飾枠の背面側に位置しているため、遊技者から視認困難な状態となる。詳細については後述するが、本第30制御例では、役物演出において落下役物900を駆動モータ910の駆動力によって張出位置まで上昇させた後、落下役物900を自由落下により下降させることが可能に構成されている。このように構成することで、落下役物900を比較的速い速度(張出位置から原点位置まで0.5秒程度で到達する速度)で下降させることができる。よって、落下役物900をよりインパクトのある動作で可動させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図1362(a)は、落下役物900が第1中間位置に位置している状態における第3図柄表示装置81付近の態様を示した図である。本第30制御例では、落下役物900を可動させる演出を含む役物演出において、落下役物900と第1当接部材952とを当接させることにより、自由落下している落下役物900を第1中間位置に停止させることが可能に構成されている。図1362(a)に示した通り、落下役物900が第1中間位置に位置している場合には、落下役物900の略全体が第3図柄表示装置81の前面側に移動(可変表示ユニット80の装飾枠と重ならない位置まで進出)しているため、落下役物900の全体が遊技者から視認可能な状態となる。また、第1小窓950を介して、落下役物900と第1当接部材952とが当接している様子が遊技者から視認可能な状態となる。これにより、落下役物900が第1当接部材952に当接したことによって停止したことを遊技者に容易に把握させることができる。よって、遊技者に対して、より分り易い演出を提供することができる。
また、詳細については後述するが、本第30制御例では、落下役物900を可動させる演出を含む役物演出において、枠ボタン22が操作されたことに基づいて、第1駆動ソレノイドを駆動させることで第1当接部材952を可動させることが可能に構成されている。即ち、移動する物体を移動させることが可能なソレノイドを、遊技者による所定の操作に基づいて駆動させる制御を実行可能に構成されている。また、第1小窓950が設けられていることで、遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて第1当接部材952が可動していることを遊技者が容易に理解することができる。なお、ソレノイドを駆動させるための条件を追加しても良く、遊技者による所定の操作が実行された場合に第1条件が成立したことに基づいて所定の抽選を実行し、その抽選結果が特定の結果となった場合にソレノイドを駆動させる制御を実行可能に構成しても良い。
図1362(b)は、落下役物900が第2中間位置に位置している状態における第3図柄表示装置81付近の態様を示した図である。本第30制御例では、落下役物900を可動させる演出を含む役物演出において、落下役物900と第2当接部材962とを当接させることにより、自由落下している落下役物900を第2中間位置に停止させることが可能に構成されている。即ち、本第30制御例における役物演出では、張出位置から自由落下している落下役物900を、第1当接部材952に当接させることで第1中間位置に停止させる場合と、第2当接部材962に当接させることで第2中間位置に停止させる場合と、がある。これにより、自由落下している落下役物900を当接部材(第1当接部材952、及び第2当接部材962)に当接させることで落下役物900を停止させることが可能な停止位置を複数設けることができる。よって、落下役物900を自由落下により可動させる演出における演出態様を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、落下役物900が第2中間位置に停止している状態では、第2小窓960を介して、落下役物900と第2当接部材962とが当接している様子を遊技者が視認可能となるように構成されている。このように構成することで、落下役物900が第2当接部材962と当接することに起因して停止したことを遊技者に容易に理解させることができる。よって、遊技者に対してより分り易い演出を提供することができる。
次に、図1363、及び図1364を参照して、落下役物900の可動に係る構成について説明する。図1363は、落下役物900が駆動モータ910の駆動力によって上昇している状態における落下役物900の可動に係る構成を示した図である。上述した通り、落下役物900における遊技者から視認可能となる正面視略矩形状の表示部900aは、有色(黄色)透明の光透過性の樹脂材料からなり、表示部900aが第3図柄表示装置81の前面に重なっている場合でも、表示部900aの背面に位置している第3図柄表示装置81の表示領域を視認することができる。なお、本第30制御例では、落下役物900に対して遊技者が注目し易くするために、落下役物900の表示部900aを有色(黄色)透明の樹脂材料から形成されているが、これに限るものではなく、例えば、落下役物900の背面側の表示領域を見やすくするために無色透明の樹脂材料から形成してもよい。
落下役物900の縦長略直方体形状の支持部900bには、滑り止め用の溝が設けられた支柱990が挿通されている。これにより、落下役物900をなめらかに上下方向に可動させることができる。支柱990は、ポリカーボネート等の樹脂で構成された駆動ベース体930に固定され、当該駆動ベース体930には、支柱990に加え、駆動モータ910、各種位置センサ(退避センサ940、原点位置センサ941、張出位置センサ942、第1中間センサ943、及び第2中間センサ944)、保持ソレノイド920、及び当接部材(第1当接部材952、及び第2当接部材962)を遊技者から視認可能となる領域(即ち、第1小窓950、または第2小窓960を介して視認可能な領域)に向けて可動させるための各ガイド部(第1ガイド部952a、及び第2ガイド部962a)が設けられ(固定され)ている。なお、各ガイド部(第1ガイド部952a、及び第2ガイド部962a)は、各当接部材(第1当接部材952、及び第2当接部材962)をそれぞれ上下方向から挟持することで、各当接部材(第1当接部材952、及び第2当接部材962)を遊技者から視認可能な領域に向けて誘導するように形成されている。即ち、第1ガイド部952a、及び第2ガイド部962aは、移動する物体を所定の軌跡で移動させるための手段と言える。また、支柱990の左側には、落下役物900とラック991とが水平方向に回転しないように挟持するための挟持部(図示なし)が形成されている。これにより、落下役物900とラック991とは水平方向に変位(回転)することなく、上下方向にのみ可動させることができる。なお、移動する物体を所定の軌跡で移動させるための手段としては、第1ガイド部952aや第2ガイド部962aのように各当接部材を挟持する構成に限ること無く、空気の流れを作ることによって各当接部材の移動方向を誘導可能に構成したり、磁力を発生させることによって各当接部材の移動方向を誘導可能に構成したりしても良い。
第1当接部材952、及び第2当接部材962は、約1.5cmの厚みを有する形状であって、第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965のプッシュバーにそれぞれが固定され、第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965の駆動力によりそれぞれが水平方向(左右)に移動することで落下役物900と当接可能に構成されている。ここで、保持ソレノイド920、第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965は同様のプッシュソレノイドで構成されており、各ソレノイド(保持ソレノイド920、第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965)は、励磁されることによってプッシュバーが突出し、励磁状態から非励磁状態へと切替えた場合にバネの付勢力によってプッシュバーが突出状態から引込状態へと可変するソレノイドである。また、各ソレノイド(保持ソレノイド920、第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965)は、各役割に応じてストロークの長さが異なるソレノイドで構成されている。なお、上述した各ソレノイドはプッシュソレノイドに限定されるものではなく、ロータリーソレノイドやモータ等の駆動手段で構成してもよい。なお、本第30制御例では、第1当接部材952、及び第2当接部材962を装飾されていない部材で構成しているが、特定のイラストや文字等を表示することで遊技者がより視認し易くなるように構成してもよい。
本第30制御例では、保持ソレノイド920が駆動される場合、保持ソレノイド920のプッシュバーが4秒間突出状態となるように駆動される。第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965のプッシュバーが突出状態となる期間の長さは、状況に応じて異なっており、詳細については後述する。第1駆動ソレノイド955が駆動された場合は、突出したプッシュバーの作用により第1当接部材952が正面視左方向へと可動し、第2駆動ソレノイド965が駆動された場合は、突出したプッシュバーの作用により第2当接部材962が正面視左方向へと可動する。
なお、本第30制御例では、保持ソレノイド920が駆動されることで下降する落下役物900の下降速度と、第1駆動ソレノイド955が駆動されることによって可動する第1当接部材952の可動速度と、を異ならせるように構成している。このように構成することで、落下役物900と第1当接部材952とが同じ期間に可動し得る構成において、落下役物900と第1当接部材952との動作が類似することで演出効果が低減してしまうといった不具合を抑制することができる。
なお、本第30制御例では、落下役物900が原点位置から張出位置まで移動する場合における移動距離は、第1当接部材952が退避している状態から落下役物900と当接可能な状態まで移動する場合における移動距離よりも長くなるように構成されているが、これに限るものではなく、落下役物900が移動する移動距離よりも、第1当接部材952が移動する移動距離の方が長くなるように構成してもよい。このように構成することで、落下役物900と第1当接部材952とが当接する構成において、落下役物900と第1当接部材952とが当接した際の衝撃が第1当接部材952を可動させるための駆動手段に伝わってしまう不具合を軽減することができる。
各位置センサ(退避センサ940、原点位置センサ941、張出位置センサ942、第1中間センサ943、及び第2中間センサ944)は、落下役物900、またはラック991の位置を特定するための透過型センサである。より具体的には、退避センサ940はラック991が下限(即ち、支持部991bと規制部材995とが当接する位置)に位置しているか否かを特定するためのセンサであり、原点位置センサ941は、落下役物900が原点位置に位置している(図1361(a)参照)か否かを特定するためのセンサであり、張出位置センサ942は、落下役物900が張出位置(図1361(b)参照)に位置しているか否かを特定するためのセンサであり、第1中間センサ943は落下役物900が第1中間位置に位置している(図1362(a)参照)か否かを特定するためのセンサであり、第2中間センサ944は落下役物900が第2落下位置に位置している(図1362(b)参照)か否かを特定するためのセンサである。各位置センサ(退避センサ940、原点位置センサ941、張出位置センサ942、第1中間センサ943、及び第2中間センサ944)の検出方法については、図1365(a)を参照して後述する。落下役物900の正面視右側の端部には、当接部材(第1当接部材952、及び第2当接部材962)と当接させるための突出部900cが設けられている。
落下役物900の下方には、ピニオンギアである駆動ギア911と噛合可能なラック991が設けられ、ラック991には、駆動ギア911と噛合するギア部991a、落下役物900の支持部900bと当接可能な支持部991bが設けられている。また、ラック991は、落下役物900と同様に、支持部991bに支柱990が挿通されることで、なめらかに上下方向に可動可能に構成されている。ラック991のギア部991aと噛合する駆動ギア911は、ステッピングモータである駆動モータ910の出力軸に固定され、当該駆動モータ910は上述した駆動ベース体930に固着されている。即ち、駆動モータ910が電気的に作動されることで、駆動ギア911が回転し、駆動ギア911に噛合しているラック991が上昇する。なお、本第30制御例では、駆動モータ910が正方向(正面視反時計回り)に回転した場合に、ラック991が上昇し、駆動モータ910が負方向(正面視時計回り)に回転した場合に、ラック991が下降するように構成されている。また、ラック991の支持部991bと、落下役物900の支持部900bと、が当接可能に構成されているため、ラック991を上昇させることでラック991の支持部991bが落下役物900の支持部900bに作用し、落下役物900を上昇させる(押し上げる)ことが可能に構成されている。
図1364は、落下役物900が張出位置で停止している(保持されている)状態における、落下役物900の可動に係る構成を示した図である。図1364に示した通り、駆動ベース体930の上方に固定されたプッシュソレノイドである保持ソレノイド920のプッシュバーと、落下役物900の突出部900cと、は当接可能に構成されており、落下役物900の突出部900cが保持ソレノイド920のプッシュバーよりも高い位置まで可動された場合に保持ソレノイド920を可動させる(プッシュバーを突出させる)ことで、落下役物900を張出位置に支持することが可能に構成されている。即ち、落下役物900が張出位置まで上昇されると、落下役物900は保持ソレノイド920によって張出位置に所定時間(例えば、4秒間)保持される。
また、本第30制御例では、落下役物900の支持部900bと、ラック991の支持部991bと、が係脱可能(当接状態と離間状態とに可変可能)に構成されており、落下役物900が張出位置まで上昇された場合に、落下役物900が張出位置に保持された状態において、ラック991を駆動モータ910の駆動力によって退避位置(可動範囲における下限位置)まで所定時間(750ms)で可動する。なお、支柱990の下方にはラック991の下方への移動範囲を制限するための規制部材995が固定されている。即ち、ラック991は退避位置まで可動された後、ラック991の支持部991bが規制部材995と当接することによって、退避位置に位置している状態で保持される。これにより、ラック991が退避位置まで可動された後に、落下役物900の保持状態を解除することで、落下役物900を自由落下により可動させることができる。
なお、本第30制御例では、落下役物900を上昇させる場合に、落下役物900とラック991とを当接(係合)させ、落下役物900を自由落下により可動させる場合に、落下役物900とラック991とを離間させるように構成されているが、これに限るものではない。例えば、落下役物900に対してギア部を有するラック991を設け(固着し)、当該ラック991に設けられたギア部と駆動ギア911とを係脱可能に構成してもよい。より具体的には、落下役物900が張出位置に位置している状態で、駆動ギア911(及び駆動モータ910)を(例えば、正面視左方向にスライド変位)変位させ、落下役物900と共にラック991を自由落下により可動可能に構成してもよい。このように構成することで、ラック991を退避(下降)させる期間を設けることなく、落下役物900を落下させることができる。この場合、駆動モータ910、及び駆動ギア911を電気的に作動される駆動手段(例えば、プッシュソレノイド)によって水平方向にスライド変位可能に配設し、落下役物900を上昇させる場合において駆動ギア911とラック991を係合させ、落下役物900を下降させる場合に駆動ギア911とラックを離間させるように構成すればよい。
次に、図1365(a)を参照して、各位置センサ(退避センサ940、原点位置センサ941、張出位置センサ942、第1中間センサ943、及び第2中間センサ944)の検出方法について、張出位置センサ942を例に挙げて説明する。各位置センサ(退避センサ940、原点位置センサ941、張出位置センサ942、第1中間センサ943、及び第2中間センサ944)は、投光部と受光部とを有する遮光型のフォトセンサ(投光部と受光部とが一体化したタイプ)で構成されている。各位置センサ(退避センサ940、原点位置センサ941、張出位置センサ942、第1中間センサ943、及び第2中間センサ944)は、落下役物900の検出部900d(または、ラック991の検出部(図示なし))が投光部からの光を遮光していない場合にはオフ(非検出状態)であり、投光部からの光を遮光する(検出部900dがセンサに設けられたスリット部と略同じ高さに位置する)ことによってオン(検出状態)へと可変する。即ち、各位置センサに対応する位置(例えば、原点位置センサ941に対応する原点位置)に落下役物900が停止している期間は、当該位置センサは常にオンの状態(検出状態)となる。なお、ラック991の背面側の検出部(図示なし)も落下役物900の検出部900dと同様に構成されており、各位置センサはラック991の検出部(図示なし)も検出可能に構成されている。なお、上述した各位置センサは、落下役物900、またはラック991の位置を特定することが可能なものであればよく、例えば、反射型のセンサ等の検出手段を用いて構成してもよい。
次に、図1365(b)、及び図1366を参照して、落下役物900と第1当接部材952との動作態様について説明する。図1365(b)は、落下役物900が保持ソレノイド920により張出位置で保持されている状態を示した図である。落下役物900が張出位置で停止している(保持されている)期間は、落下役物900における検出部900dが張出位置センサ942から投光された光を遮光することにより、張出位置センサ942がオンの状態を維持している。本第30制御例では、落下役物900が張出位置に保持されている期間において、枠ボタン22が操作されたことに基づいて、第1駆動ソレノイド955を駆動(プッシュバーを突出)させることで第1当接部材952を可動可能に構成されている。詳細については後述するが、本第30制御例では、枠ボタン22が操作されたことに基づいて第1駆動ソレノイド955を駆動させることで第1当接部材952を可動させることが可能となる操作有効期間を設定し、当該操作有効期間が終了してから所定時間(1秒)経過後に落下役物900を自由落下により可動(下降)させるように構成されている。
図1366(a)は、第1当接部材952が遊技者から視認可能な領域まで移動した状態において、落下役物900が自由落下により下降し、落下役物900と第1当接部材952が当接した状態を示した図である。図1366(a)に示した通り、第1当接部材952が遊技者から視認可能な領域まで移動した状態において、落下役物900が自由落下により下降した場合、落下役物900の端部に設けられた突出部900cと第1当接部材952とが当接することで、落下役物900が第1中間位置に停止する。より具体的には、第1当接部材952は、駆動ベース体930に設けられたガイド部952aにより鉛直下向きの可動が規制されているため、自由落下により下降する落下役物900を受け止めることができる。詳細については後述するが、本第30制御例では、落下役物900を第1中間位置に停止させる場合は、落下役物900が張出位置から下降を開始するタイミングから第1駆動ソレノイド955を所定時間(例えば、5秒間)駆動する(即ち、5秒間突出状態となるように励磁する)ように構成されている。このように構成することで、落下役物900が第1中間位置に到達するよりも前に第1当接部材952を落下役物900と当接可能な位置(第1小窓950を介して視認可能な領域)に位置させておくことができる。よって、より安定した停止制御を行うことができる。
図1366(b)は、第1当接部材952が遊技者から視認可能な領域に位置していない場合において、落下役物900が自由落下により下降している状態を示した図である。図1366(b)に示した通り、第1当接部材952が遊技者から視認可能な領域に位置していない場合には、落下役物900は第1中間位置で停止することなく下降し続ける。ここで、第1当接部材952が遊技者から視認可能な領域に位置していない状態で落下役物900が下降した場合は、落下役物900は原点位置まで下降し、規制部材995により保持されているラック991の支持部991bに当接することによって原点位置で停止する。
なお、図1365(b)、及び図1366では、第1駆動ソレノイド955と第1当接部材952とを例に挙げて説明したが、第2駆動ソレノイド965と第2当接部材962とは、それぞれ第1駆動ソレノイド955と第1当接部材952とに対して、配設位置が第2中間位置に合わせた高さである点においてのみ相違し、その他の構成(例えば、落下役物900に対する当接方法)については同一であるため、その詳細な説明を省略する。
<第30制御例における演出内容について>
次に、図1367から図1372を参照して、本第30制御例におけるパチンコ機10で実行される各種演出のうち、特徴的な演出である役物演出について説明する。本第30制御例では、特別図柄の変動表示が実行されている期間における変動演出の一環として、落下役物900を可動させる演出を含む役物演出を実行可能に構成されている。この役物演出は、加算変動時間(加算時間)が設定されている変動演出(即ち、加算変動時間(加算時間)が0秒ではない変動演出)中に実行される役物演出の実行可否を決定する実行抽選において、特定の抽選結果(実行に対応する抽選結果)となった場合に実行される演出であり、基本変動時間(基本時間)に対応する変動演出が残り25秒となったタイミングで開始され、基本変動時間(基本時間)に対応する変動演出が終了するタイミング(即ち、加算変動時間(加算時間)に対応する変動演出が開始されるタイミング)で終了するように構成されている。役物演出では、落下役物900が張出位置から自由落下により下降する落下動作で3回可動され、当接部材(第1当接部材952、または第2当接部材962)が小窓(第1小窓950、または第2小窓960)内に停止した場合に、落下動作において落下役物900を張出位置と原点位置との間の途中位置で停止させ、大当たり期待度を示唆する演出である落下予告を実行可能に構成されている。即ち、役物演出は、変位する手段が変位する際に成立する条件の成立に対応して実行される演出である。当該落下予告は、第1落下予告、第2落下予告、及び最終落下予告の3種類で構成されており、各操作有効期間の終了後にそれぞれ落下予告を実行可能に構成されている。なお、上述した演出として、落下役物900が落下動作を実行している期間に対応する演出や、落下役物900の落下動作内容に対応する演出や、落下役物900の落下速度に対応する演出等を実行可能に構成しても良い。
図1367(a)は、本第30制御例における役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能な実行抽選期間の演出態様を示した図である。本第30制御例では、変動時間として加算変動時間(加算時間)を含む変動時間が設定された場合に、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選を実行可能に構成し、枠ボタン22が押下されたことに基づいて当該実行抽選を実行するように構成されている。このように構成することで、役物演出が実行されることを期待する遊技者に対して、枠ボタン22を押下する意欲を向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、換言すれば、特別図柄の変動時間として加算変動時間(加算時間)が設定された場合において、枠ボタン22が操作されなかった場合には、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選を実行しないように構成されているため、役物演出を実行させないことを遊技者が任意に決定することができる。よって、装飾用可動役物(落下役物900)が可動することを好まない遊技者の利便性を向上させることができる。
図1367(a)に示した通り、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選が実行可能な実行抽選期間は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおける左右方向の略中央上方に横長略矩形状の表示領域HR10が形成され、当該表示領域HR10には枠ボタン22を押下することで役物演出の実行可否を決定する実行抽選が実行されることを示唆する表示態様(例えば、「ボタンを押して役物演出GET?」という文字)が表示される。
主表示領域Dmの正面視左側下方には小表示領域Dm72が形成され、当該小表示領域Dm72には枠ボタン22の操作有効期間を示すためのタイムゲージtg1が表示される。当該タイムゲージtg1は、操作有効期間の残り時間を示すための残時間ゲージtg1aと、操作有効期間が開始されてからの経過時間を示すための経過時間ゲージtg1bと、で構成されている。なお、本第30制御例では、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能な実行抽選期間(枠ボタン22の操作有効期間)として2秒間を設定する。即ち、タイムゲージtg1における残時間ゲージtg1aは、2秒掛けて非表示状態(0となる)まで減少する表示態様であり、経過時間ゲージtg1bは、2秒間掛けて最大となる(タイムゲージtg1が経過時間ゲージtg1bのみで形成される)まで増加する表示態様である。また、小表示領域Dm72の上部に形成された小表示領域Dm72aには、枠ボタン22の操作を促す表示態様(例えば、「押せ」という文字)が表示される。小表示領域Dm72、及び小表示領域Dm72aに表示されている表示態様は、枠ボタン22が押下されたタイミングで非表示へと可変するように構成されており、枠ボタン22が押下されなかった場合には、操作有効期間(2秒)が経過した場合に非表示へと可変するように構成されている。
役物演出の実行可否を決定する実行抽選が実行可能な実行抽選期間は、主表示領域Dmにおける正面視左側上方に小表示領域Dm1が形成され、主表示領域Dmにおける正面視右側上方に小表示領域Dm2が形成される。小表示領域Dm1は、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び抽選結果)を示すための識別情報(図1367(a)では下向きの矢印で表示)が表示される領域であって、第1特別図柄(特図1)の抽選状況を示すための識別情報、或いは、第2特別図柄(特図2)の抽選状況を示すための識別情報が表示されている。小表示領域Dm2は、普通図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び抽選結果)を示すための識別情報(図1367(a)では下向きの矢印で表示)が表示される領域であって、普通図柄(普図)の抽選状況を示すための識別情報が表示されている。また、小表示領域Dm1の下方には、小表示領域Ds11、及び小表示領域Ds12が形成されている。小表示領域Ds11には特図1保留数(図では、特図1保留数が3個であることを示す「3」)が表示され、小表示領域Ds12には特図2保留数(図では、特図2保留数が2個であることを示す「2」)が表示されている。
なお、図示は省略したが、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選において、役物を実行させる抽選結果となった場合には、役物演出の実行が決定したことを示す表示態様(例えば、「役物演出GET!!」という文字)が表示され、役物演出を実行しない抽選結果となった場合、及び実行抽選が実行されなかった(枠ボタン22が押下されなかった)場合には、役物演出が実行されないことを示す表示態様(例えば、「役物演出GETならず」という文字)が表示される。これにより、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選における抽選結果を遊技者が容易に把握することができる。
なお、本第30制御例では、枠ボタン22が押下されることを役物演出の実行可否を決定する実行抽選の実行契機としているが、これに限るものではない。例えば、発射された遊技球が所定位置に到達したことを検出可能な検出センサ(非接触センサ)を設け、当該検出センサがオンとなった場合に実行抽選を実行するように構成してもよい。このように構成することで、枠ボタン22を操作するために遊技者が発射ハンドルから手を離す(即ち、遊技球の発射を中断してしまう)ことを抑制することができる。
また、遊技者が所有するスマートフォンに対して所定の操作(例えば、パチンコ機10で実行される演出と対応する演出を実行可能なアプリケーションプログラムによりスマートフォンに表示されたPush表示をタッチする操作)がされた場合に、役物演出の実行抽選を実行するように構成してもよい。この場合、Wifi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の通信手段を用いて、スマートフォンにおいて所定の操作がされたことをパチンコ機10に対して出力可能に構成すると良い。このように構成することで、感染症対策等により枠ボタン22に触りたくない遊技者やスマートフォンを利用しながら遊技している遊技者に対しても実行抽選を実行させ易くすることができる。
図1367(b)は、役物演出における準備期間の演出態様の一例を示した図である。本第30制御例では、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選において、役物演出の実行に対応する抽選結果となった場合、実行抽選期間(操作有効期間(2秒))が経過した後に、役物演出が開始され、役物演出における準備期間(1秒間)が設定される。即ち、上述した役物演出の実行可否を決定する実行抽選が実行された(枠ボタン22が押下された)タイミングによらず、実行抽選期間として設定される2秒が経過した後に、役物演出が実行される。役物演出における準備期間では、落下役物900が原点位置から張出位置まで1秒間で可動(上昇)する。また、表示領域HR10には、役物演出における準備期間であることを示すための表示態様(例えば、「役物演出準備中!!」という文字)が表示される。小表示領域Dm72には、タイムゲージtg1が満タンの状態で表示(残時間ゲージtg1aのみで構成)され、小表示領域Dm72aには、操作有効期間が間もなく開始されることを示す表示態様(例えば、「準備中」という文字)が表示されている。これにより、役物演出において枠ボタン22を操作する演出が間もなく実行されることを遊技者に容易に理解させることができる。
図1368(a)は、役物演出における1回目の操作有効期間(3秒間)の演出態様の一例を示した図である。本第30制御例では、役物演出における準備期間が終了すると、枠ボタン22の操作有効期間(1回目)として所定時間(3秒間)が設定され、当該操作有効期間において、枠ボタン22が操作されることに基づいて第1当接部材952を可動させることが可能に構成されている。より具体的には、当該操作有効期間において枠ボタン22が押下された場合に、第1駆動ソレノイド955の駆動力により第1当接部材952を可動させることが可能に構成され、遊技盤13に設けられた第1小窓950内に第1当接部材952が停止した場合に、張出位置から下降した落下役物900と第1当接部材952とを当接させることで落下役物900を第1中間位置に停止させ、特別図柄抽選の抽選結果を示唆する表示態様(第1落下予告の予告内容)を表示可能に構成されている。なお、詳細については後述するが、落下役物900を第1中間位置に停止させるか否か(即ち、第1落下予告を発生させるか否か)は、枠ボタン22が押下されたことに基づいて実行される抽選によって決定する。ここで、特別図柄抽選の抽選結果が当たりである場合は、外れである場合よりも落下役物900が第1中間位置に停止し易く構成されている。このように構成することで、落下役物900が第1中間位置に停止することを遊技者に期待させ、枠ボタン22を積極的に操作させることができる。なお、落下役物900を第1中間位置に停止させるか否かを決定する抽選の実行契機となる操作手段は、枠ボタン22に限定されるものではなく、例えば、操作レバーや遊技者の手の動きを検出可能な非接触センサ等の操作手段で構成してもよい。落下役物900を第1中間位置に停止させる場合には、落下役物900が張出位置から下降を開始するタイミングにおいて第1駆動ソレノイド955の駆動が開始され、所定期間(例えば、5秒間)突出状態を維持するように駆動される。
図1368(a)に示した通り、役物演出における1回目の操作有効期間では、表示領域HR10に「落下役物が途中で止まれば第1落下予告GET!」という文字が表示される。これにより、落下役物が原点位置に到達するまでの途中位置に停止することで、特別図柄抽選の抽選結果を示唆する演出が実行されることを遊技者に理解させることができる。また、役物演出における1回目の操作有効期間では、落下役物900が張出位置に位置している状態で保持されており、落下役物900を介して遊技者から視認可能となる落下役物900の背面側の小表示領域Dm76には「次回」という文字が表示される。
また、役物演出における1回目の操作有効期間では、当該操作有効期間の開始からの経過時間に対応して、小表示領域Dm72に表示されたタイムゲージtg1の残時間ゲージtg1aが減少し、経過時間ゲージtg1bが増加する。小表示領域Dm72aには、枠ボタン22の操作方法を示す表示態様(例えば、「押せ」という文字)が表示される。詳細については後述するが、本第30制御例では、枠ボタン22が押下された(押し込み状態へと可変した)ことを契機として第1当接部材952を可動させることが可能に構成され、その後、第1当接部材952が第1小窓950内に停止することを期待させる演出(所謂、煽り演出)として第1当接部材952を所定の周期毎に可動可能に構成されている。なお、本第30制御例では、第1当接部材952が所定の周期毎に可動された場合に、落下役物900と第1当接部材952とが当接し易く(即ち、第1落下予告が発生し易く)構成されている。これにより、枠ボタン22を操作した場合における第1当接部材952の可動状況に応じて、第1落下予告が発生する期待度を可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
小表示領域Dm72の正面視右側には、小表示領域Dm73が形成され、当該小表示領域Dm73には第1駆動ソレノイド955の駆動回数に対応する表示態様(図では、第1駆動ソレノイド955が1回可動されたことを示す「1回」という文字)が表示される。小表示領域Dm73内に形成された回数表示領域Dm73bに表示された表示態様(図では、第1駆動ソレノイド955の駆動回数を示す「1」という数字)は、第1駆動ソレノイド955の駆動が設定される毎に更新(1ずつ加算して表示)される。また、小表示領域Dm73の上部に形成された小表示領域Dm73aには、小表示領域Dm73に表示された回数が第1当接部材952の可動回数に対応する回数であることを示すための表示態様(例えば、「Try数」という文字)が表示されている。
小表示領域Dm73の右側に形成される小表示領域Dm74には、第1小窓950付近の遊技盤13を模した表示態様が表示され、小表示領域Dm74の上部に形成された小表示領域Dm74aには、遊技盤13における第1小窓950付近に注目することを促すための表示態様(例えば、「注目!」という文字)が表示される。このように構成することで、枠ボタン22を押下されたことに基づいて可動された第1当接部材952を、第1小窓950を介して視認させ易くすることができる。よって、実行されている演出内容を遊技者に理解させ易くすることができる。
また、主表示領域Dmにおける上下方向に対して略中央の左側に形成された小表示領域Dm75には、落下予告の発生した回数の累計を示すための表示態様(例えば、「0/3発生」という文字)が表示され、小表示領域Dm75の上部には、落下予告の発生した回数をカウントしていることを示す小態様(例えば、「予告」という文字)が表示される。小表示領域Dm75における回数表示領域Dm75bに表示された表示態様(図では「0」という数字)は、落下予告が発生する毎に表示態様が可変(数値が1ずつ加算)して表示される。これにより、落下予告の最大発生回数(3回)に対して、何回の落下予告を発生させることができたのかを遊技者に容易に把握させることができる。なお、役物演出が実行されている期間における、小表示領域Dm1、小表示領域Dm2、小表示領域Ds11、及び小表示領域Ds12は、上述した役物演出の実行抽選期間(図1367(a)参照)における小表示領域Dm1、小表示領域Dm2、小表示領域Ds11、及び小表示領域Ds12に対して、小表示領域Dm2の表示場所が左側に移動した点においてのみ相違しており、表示内容については同一であるため、詳細な説明を省略する。
図1368(b)は、役物演出において、第1落下予告が発生した場合の演出態様の一例を示した図である。本第30制御例における役物演出では、第1当接部材952が第1小窓950内に停止した場合に、自由落下により下降する落下役物900と第1当接部材952とを当接させることで落下役物900を第1中間位置に停止させることを可能に構成され、落下役物900が第1中間位置に停止した場合に特別図柄抽選の抽選結果を示唆する表示態様を表示させるように構成されている。図1368(b)に示した通り、役物演出において落下役物900が第1中間位置に停止した場合、第1中間位置に位置している落下役物900の背面側の小表示領域Dm77には、第1落下予告内容を示す表示態様(例えば、「激」という文字)が表示され、表示領域HR10には「第1落下予告発生!」という文字が表示される。詳細については後述するが、第1落下予告落下予告の予告内容は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて、「激」、「とても」、「やや」のいずれかが選択されるように構成されている。なお、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである場合には、予告内容として「激」が選択され易く、「やや」が選択され難く構成されている。即ち、大当たり期待度が高い方から順に、「激」、「とても」、「やや」となるように構成されている。このように構成することで、小表示領域Dm77に表示された表示態様(第1落下予告の予告内容)から特別図柄抽選の抽選結果を予想する遊技性を実現することができる。
主表示領域Dmの上下方向に対する略中央の左側に形成された小表示領域Dm75には、落下予告が発生した回数をカウントする表示態様(図では、「1/3発生」という文字)が更新して表示される。なお、第1当接部材952が第1小窓950内に停止しなかった場合(即ち、落下役物900を第1中間位置に停止させることができなかった場合)には、落下役物900が張出位置から原点位置まで落下するように構成されている。即ち、第1当接部材952が第1小窓950内に停止したか否かによらず、落下役物900を張出位置から自由落下により移動させるように構成されている。ここで、第1当接部材952が第1小窓950内に停止することなく、落下役物900が原点位置まで落下した場合には、表示領域HR10には何も表示されず(非表示となり)、小表示領域Dm75内の表示態様が更新されることもない(「0/3発生」という文字が表示され続ける)。
図1369(a)は、役物演出における2回目の操作有効期間における演出態様の一例を示した図である。本第30制御例では、役物演出における1回目の操作有効期間の終了タイミングで落下役物900を張出位置から自由落下により移動させた後、落下役物900を駆動モータ910の駆動力により再び張出位置まで移動させ、落下役物900が張出位置に到達したタイミングにおいて2回目の操作有効期間(3秒間)を設定するように構成されている。図1369(a)に示した通り、2回目の操作有効期間では、表示領域HR10に「第2落下予告発生のチャンス!」という文字が表示される。これにより、1回目の操作有効期間における演出と類似する演出が実行されていることを遊技者に容易に理解させることができる。2回目の操作有効期間では、小表示領域Dm77に第1落下予告として表示された表示態様(例えば、「激」という文字)が表示されている。2回目の操作有効期間では、1回目の操作有効期間に対して、実行された累計の予告回数を示す表示態様(例えば、「1/3発生」という文字)が小表示領域Dm75において表示されている点と、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965)が駆動された累計の駆動回数を示す表示態様(例えば、「4回」という文字)が小表示領域Dm73において表示されている点と、第2小窓960付近の遊技盤13を模した表示態様が小表示領域Dm74において表示されている点と、で相違している。
図1369(b)は、第2小窓960内に第2当接部材962が停止した状態で落下役物900が張出位置から落下することで、落下役物900が第2中間位置に停止した場合における演出態様の一例を示した図である。本第30制御例における役物演出では、上述した2回目の操作有効期間(3秒間)の終了から所定時間(1秒間)が経過したタイミングにおいて、張出位置に位置している落下役物900を自由落下により下降させるように構成されている。また、張出位置から自由落下により落下役物900を下降させた場合において、第2小窓960内に第2当接部材962が停止している場合には、落下役物900と第2当接部材962とを当接させることで落下役物900を第2中間位置に停止させることが可能に構成され、第2小窓960内に第2当接部材962が停止していない場合には、落下役物900を原点位置まで下降させ、原点位置で停止させることが可能に構成されている。これにより、自由落下により下降する落下役物900の移動範囲を可変させることができるため、落下役物900の動作態様を多様化させることで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図1369(b)に示した通り、落下役物900が第2中間位置で停止した場合には、表示領域HR10において「第2落下予告発生!ラストチャレンジ!」という文字が表示される。これにより、再び、最後の落下予告が発生する可能性のある演出が実行されていることを遊技者に理解させることができる。第2中間位置に位置している落下役物900の背面側の小表示領域Dm78には、第2落下予告の予告内容を示す表示態様(例えば、「アツ」という文字)が表示され、役物演出において発生した落下予告の累計数を更新した表示態様(例えば、「2/3発生」という文字)が小表示領域Dm75に表示される。詳細については後述するが、第2落下予告の予告内容は、特別図柄の抽選結果に応じて選択され、大当たり期待度を示唆することができる。このように構成することで、遊技者は、第1落下予告の予告内容に加え、第2落下予告の予告内容も参照して、特別図柄抽選の抽選結果を予想することができる。なお、第2落下予告の予告内容は第1落下予告の実行有無に関わらず表示可能に構成されている。即ち、第1落下予告が発生しなかった場合における第2落下予告発生時の演出態様は、第1落下予告が発生した場合における第2落下予告発生時の演出態様に対して、小表示領域Dm77において何も表示されない点と、小表示領域Dm75の回数表示領域Dm75bに表示された表示内容が異なる(例えば、第2落下予告の発生だけがカウントされた「1」という数値が表示される)点と、において相違し、その他の演出態様については同一である。
なお、本第30制御例では、小表示領域Dm75において、落下予告が発生した回数(累計)を表示するように構成しているが、これに加え、落下動作の実行回数(累計)を表示するように構成してもよい。より具体的には、落下予告の発生有無によらず、落下役物900が張出位置から自由落下により下降する落下動作が実行された回数を識別可能な識別情報を表示するように構成してもよい。このように構成することで、役物演出の進行度合いを遊技者に理解させ易くすることができる。
なお、図示は省略したが、張出位置に位置している落下役物900を自由落下により下降させた場合において、第2小窓960内に第2当接部材962が停止していない場合は、落下役物900は原点位置まで下降して停止するように構成されている。また、落下役物900が第2停止位置で停止することなく原点位置まで下降した場合には、小表示領域Dm78には何も表示されることはない。
落下役物900が2回目の落下動作(張出位置からの下降)を開始してから所定時間(1秒)が経過すると、3回目の操作有効期間(2秒間)が設定される。3回目の操作有効期間(2秒間)では、枠ボタン22が押下されたことに基づいて、第1当接部材952を可動させることが可能に構成されている。小表示領域Dm72では、3回目の操作有効期間(2秒間)を示すためのタイムゲージtg1が表示され、タイムゲージtg1における残時間ゲージtg1a、及び経過時間ゲージtg1bが、3回目の操作有効期間が開始からの経過時間に対応して可変して表示される。小表示領域Dm73では、役物演出において各当接部材(第1当接部材952、及び第2当接部材962)が可動された累計の可動回数に対応する表示態様(例えば、「7回」という文字)が表示される。
図1370は、役物演出において最終落下予告が発生した場合の演出態様を示した図である。本第30制御例では、役物演出における3回目の操作有効期間内に枠ボタン22が押下され、当該押下に基づいて実行される抽選において特定の抽選結果(予告有りを示す抽選結果)となった場合に、落下役物900が張出位置から自由落下により原点位置まで下降したタイミングにおいて、最終落下予告の予告内容を示す表示態様(例えば、「星5」という文字)を小表示領域Dm79に表示させることが可能に構成されている。詳細については後述するが、最終落下予告の予告内容は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて、上述した第1落下予告と第2落下予告との予告内容が規定されたデータテーブルとは異なるデータテーブルから決定される。即ち、第1落下予告と第2落下予告との予告内容から最終落下予告の予告内容を特定することが困難となるように構成されている。このように構成することで、大当たり期待度を示唆する表示態様を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上することができる。
なお、3回目の操作有効期間において、枠ボタン22が押下されなかった場合と、最終落下予告の発生有無を決定する抽選において特定の抽選結果とならなかった(予告無しの抽選結果となった)場合には、小表示領域Dm79には何も表示されることはない。このように構成することで、落下役物900の停止位置を可変させることのない3回目の落下動作において、演出態様を可変させることができる。
また、役物演出において最終落下予告が発生した場合は、表示領域HR10において、役物演出において発生した予告内容を示す表示態様(例えば、「次回激アツ星5リーチ」という文字)が表示される。なお、図示は省略したが、発生しなかった落下予告がある場合(例えば、最終落下予告のみ発生しなかった場合)、役物演出において発生した予告内容を示す表示態様は、発生した予告内容にのみ対応する表示態様(例えば、「次回激アツリーチ」という文字)で表示される。
次に、図1371を参照して、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965)の駆動パターンについて説明する。図1371(a)は、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)の動作内容として1回の動作が選択された場合の駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)の駆動状況を示したタイミングチャートである。
本第30制御例では、操作有効期間において枠ボタン22が押下された場合に、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965)を1回駆動させる状態と、駆動ソレノイドを所定の周期毎(0.5ms毎)に駆動させる状態とを選択可能に構成されている。なお、詳細については後述するが、駆動ソレノイドが所定の周期毎(0.5ms毎)に駆動された場合は、駆動ソレノイドが1回のみ駆動された場合よりも第1当接部材952と落下役物900とが当接し易く(即ち、第1落下予告が発生し易く)構成されている。これにより、第1落下予告の発生する期待度を第1当接部材952の動作態様によって示唆することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図1371(b)は、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)の周期動作が選択された場合における駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965)の駆動状況を示したタイミングチャートである。図1371(b)に示した通り、本第30制御例では、枠ボタン22が押下されたタイミングにおいて、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965)を駆動させるように構成されている。更に、落下予告の発生有無を決定する際に、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)の動作として周期動作が選択された場合に、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)を所定の周期毎(0.5秒毎)に駆動可能に構成されている。なお、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)を所定の周期毎(0.5秒毎)に駆動する駆動制御は、所定のタイミング(落下役物900を張出位置から下降させ始めるタイミング)まで継続して実行される。
より具体的には、枠ボタン22が押下されたタイミングにおいて1回目の駆動ソレノイドの可動が実行され、その後0.5秒毎(即ち、枠ボタン22の押下開始から0.5秒後、1秒後、及び1.5秒後)に駆動ソレノイドが繰り返し駆動される。これにより、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965)により可動される当接部材(第1当接部材952、及び第2当接部材962)の動作態様をより好適なものにすることができる。
なお、図示は省略したが、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)は、所定時間(例えば、0.25秒)プッシュバーが突出状態で維持(即ち、0.25秒励磁)されるように駆動される。ここで、落下役物900が張出位置から下降し始めるタイミングで駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)の駆動中である(即ち、当該駆動の開始から0.25msが経過していない)場合は、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)の動作が完了(即ち、0.25秒間の励磁が終了)したタイミングで所定の周期毎(0.5秒毎)に駆動する駆動制御を終了させるように構成されている。
次に、図1372を参照して、本第30制御例の役物演出における落下役物900の動作の流れを説明する。図1372は、役物演出における落下役物900の動作の流れを示した図である。本第30制御例における役物演出では、上述したように、張出位置に位置している落下役物900が自由落下により下降する落下動作で所定回数(3回)可動される。また、張出位置に位置している落下役物900を自由落下により下降させる場合において、第1小窓950内に第1当接部材952が停止している場合には落下役物900を第1中間位置に停止させ、第2小窓960内に第2当接部材962が停止している場合には落下役物900を第2中間位置に停止させ、第1小窓950内に第1当接部材952が停止しておらず、且つ第2小窓960内に第2当接部材962が停止していない場合には、落下役物900を原点位置で停止させることが可能に構成されている。このように構成することで、当接部材(第1当接部材952、及び第2当接部材962)の状態に応じて落下役物900の下降幅(移動幅)を可変させることができるため、落下役物900の動作態様を多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図1372(a)は、役物演出において第1落下予告と第2落下予告とが発生した場合の落下役物900の動作の流れを示した図である。役物演出の実行が決定されると、まず、役物演出の準備期間(図1367(b)参照)において、駆動モータ910の駆動力により落下役物900が原点位置から張出位置まで所定時間(1秒)掛けて上昇する。落下役物900が張出位置まで上昇すると、落下役物900は保持ソレノイド920(図1363参照)によって所定時間(4秒間)、張出位置に保持される。また、詳細については後述するが、落下役物900が保持ソレノイド920により張出位置に保持されている期間において、ラック991(図1363参照)が落下役物900と離間した状態で駆動モータ910の駆動力により下限まで(規制部材995(図1363参照)と当接するまで)所定時間(750ms)掛けて下降する。落下役物900は、張出位置に位置している状態で所定時間(4秒間)保持された後、保持ソレノイド920のプッシュバーが引込状態へと可変することで張出位置から自由落下により下降する。落下役物900が張出位置から自由落下により下降する場合において、第1小窓950内に第1当接部材952が停止している場合、落下役物900は第1中間位置まで下降して停止し、所定のタイミング(役物演出の開始から8秒後)に張出位置に到達するように再び上昇する。
落下役物900が第1中間位置から張出位置まで上昇すると、ラック991(図1363参照)が落下役物900と離間した状態で駆動モータ910の駆動力により下限まで(規制部材995(図1363参照)と当接するまで)下降すると共に、落下役物900が所定時間(4秒)張出位置に保持された後、自由落下により下降する。張出位置から下降した落下役物900は、第2当接部材962と当接することにより第2中間位置まで下降した状態で停止する。その後、落下役物900は、所定のタイミング(役物演出の開始から17秒後)で張出位置に到達するまで上昇する。落下役物900が第2中間位置から張出位置まで上昇すると、ラック991(図1363参照)が落下役物900と離間した状態で駆動モータ910の駆動力により下限まで(規制部材995(図1363参照)と当接するまで)下降すると共に、落下役物900が保持ソレノイド920によって張出位置に所定時間(4秒間)保持される。その後、落下役物900は張出位置から原点位置まで自由落下により下降して停止する。即ち、ラック991は、各落下予告の発生有無(換言すれば、落下役物900の停止位置)によらず、下限(ラック991と規制部材995とが当接するまで下降した位置)まで下降するように構成されている。
図1372(b)は、役物演出において第1落下予告が発生し、第2落下予告が発生しなかった場合における落下役物900の動作の流れを示した図である。本第30制御例では、落下予告の発生状況によらず、落下役物900を可動させるための駆動モータ910を予め規定されたシナリオに基づいて可動させるように構成されている。より具体的には、各所定のタイミング(役物演出の開始時、開始から7秒後、及び開始から16秒後)において、落下役物900を上昇させるために駆動モータ910を正方向に回転させてラック991(図1363参照)を1秒間で上昇させ、その後、所定時間(250ms)の待機動作(駆動モータ910のホールディングトルクによる保持)を経て駆動モータ910を負方向に回転させてラック991を退避させる(規制部材995(図1363参照)と当接するまで下降させる)ように構成されている。このように構成することで、落下役物900を可動させることが可能な駆動モータ910の制御内容を変更することなく、張出位置から自由落下により下降する落下役物900の停止位置を可変させることができる。よって、落下役物900の停止位置を可変させるための制御を簡素化することができる。
即ち、第1落下予告が発生し、第2落下予告が発生しなかった場合における落下役物900の動作内容は、第1落下予告と第2落下予告とが発生した場合における落下役物900の動作内容(図1372(a)参照)に対して、落下役物900の2回目の落下時における停止位置が原点位置である点においてのみ相違しており、その他の動作内容については同一であるため、詳細な説明を省略する。第1落下予告が発生し、第2落下予告が発生しなかった場合には、図1372(b)に示した通り、落下役物900は2回目の落下(下降)時に原点位置に位置するまで落下(下降)し、原点位置で停止する。
図1372(c)は、役物演出において、第1落下予告が発生せず、第2落下予告が発生した場合における落下役物900の動作の流れを示した図である。第1落下予告が発生せず、第2落下予告が発生した場合における落下役物900の動作内容は、第1落下予告と第2落下予告とが発生した場合における落下役物900の動作内容(図1372(a)参照)に対して、1回目の落下動作で落下役物900が原点位置まで落下(下降)して停止する点においてのみ相違している。その他の動作内容は同一であるため、詳細な説明は省略する。第1落下予告が発生せず、第2落下予告が発生した場合には、落下役物900の1回目の落下(下降)時に、落下役物900が原点位置まで落下(下降)し、原点位置で停止する。
図1372(d)は、役物演出において、第1落下予告と第2落下予告とが発生しなかった場合における落下役物900の動作の流れを示した図である。第1落下予告と第2落下予告とが発生しなかった場合における落下役物900の動作内容は、第1落下予告と第2落下予告とが発生した場合における落下役物900の動作内容(図1372(a)参照)に対して、1回目と2回目との落下役物900の落下(下降)時に、落下役物900が原点位置まで落下(下降)して停止する点において相違し、その他の動作内容については同一であるため詳細な説明を省略する。第1落下予告と第2落下予告とが発生しなかった場合には、落下役物900は1回目と2回目との落下(下降)時に原点位置まで落下(下降)し、原点位置で停止する。
なお、本第30制御例では、最終落下予告の発生有無によらず、落下役物900の3回目の落下(下降)時に落下役物900を原点位置まで落下(下降)させて停止させるように構成されている。このように構成することで、落下役物900の3回目の落下動作が終了した時点で落下役物900を原点位置に必ず位置させることができるので、落下役物900を原点位置に退避させるための制御を実行することなく落下役物900を原点位置に退避させることができる。
<第30制御例における電気的構成について>
次に、図1373から図1379を参照して、本第30制御例における電気的構成について説明する。図1373は、本第30制御例におけるパチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。本第30制御例では、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点、各種センサ230、及びその他装置228を追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な内容について説明を省略する。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、各種センサ230、その他装置228がそれぞれ接続されている。
各種センサ230とは、具体的には、退避センサ940と、原点位置センサ941と、張出位置センサ942と、第1中間センサ943と、第2中間センサ944と、が少なくとも設けられている。これにより、各部材の動作状況を正確に把握することができるので、落下役物900の動作制御をより好適に実行することができる。また、本第30制御例では、その他装置228を構成する装置として、駆動モータ910と、第1駆動ソレノイド955と、第2駆動ソレノイド965と、保持ソレノイド920とが設けられている。これらの駆動手段により、各部材を所定の動作で可動させることができる。
ここで、駆動モータ910について詳細に説明する。駆動モータ910は、公知のステッピングモータで構成され、パチンコ機10に搭載されている落下役物900を動作させるために設けられている。この駆動モータ910は、対応する制御用IC(モータドライバ)によって駆動される。具体的には、音声ランプ制御装置113のMPU221からモータ制御用IC(モータドライバ)に対して、回転のステップ数と、回転方向(正方向、または負方向)と、回転速度とを少なくとも含むコマンドを出力する。制御用IC(モータドライバ)は、出力されたコマンドに基づいて、駆動モータ910を駆動する。設定されたコマンドに基づいて、制御用IC(モータドライバ)が落下役物900を動作させる場合には、1ステップの動作を実行させる毎に、音声ランプ制御装置113のMPU221に対して動作を実行させたことを通知するための信号(実行信号)が出力される。この実行信号により、MPU221は、設定した動作の進捗を把握することができる。
なお、音声ランプ制御装置113には、図示しないステップカウンタが設けられている。このステップカウンタは、駆動モータ910が何ステップ回転動作したのかをカウントするカウンタである。即ち、原点位置を0ステップの位置として、制御用ICからの実行信号を受信する毎にその値が1ずつ更新される。より具体的には、落下役物900が原点位置から張出位置へと向かう方向(正方向)へ1ステップ動作する毎にその値が1ずつ加算される。また、張出位置から原点位置へと向かう方向(負方向)へ1ステップ動作する毎にその値が1ずつ減算される。よって、ステップカウンタの値に基づいて落下役物900を動作させるためのラック991(図1363参照)の動作位置を容易に把握することができる。ここで、原点位置とは、落下役物900が電源投入に基づく原点復帰において移行する位置のことである。具体的には、電源投入時に原点位置センサ941がオンでなければ、原点位置センサ941がオンを検出するまで落下役物900を変位させる(即ち、駆動モータ910を駆動する)。
これに加え、本第30制御例では、電源投入に基づいて原点復帰を実行した後に、落下役物900が正常に可動するかを確認するための初期動作を実行するように構成されている。この初期動作では、原点位置に位置する落下役物900を駆動モータ910の駆動力により張出位置まで上昇させ、保持ソレノイド920を駆動することにより落下役物900を張出位置に所定時間(例えば、4秒間)保持した後、自由落下により原点位置まで落下させるように構成されている。なお、当該初期動作が正常に実行されなかった(例えば、初期動作に要する時間が経過しても原点位置センサ941がオンとならない)場合には、第3図柄表示装置81においてエラー表示態様(例えば、「役物動作エラー」という文字)が表示される。このように構成することで、落下役物900に故障等の不具合が生じていないかを、電源投入時に確認することができる。
また、上述したステップカウンタの値が落下役物900を張出位置に移動させるまでに必要な設計値となったタイミングにおいて張出位置センサ942がオンでない場合に、エラー状態と判定し、原点位置センサ941がオンを検出するまで落下役物900を変位させるように構成されている。より具体的には、ステップカウンタの値が落下役物900を張出位置に移動させるまでに必要な設計値(250)まで加算されたタイミングにおいて張出位置センサ942がオンであるかを判別し、張出位置センサ942がオンでないと判別した場合には、第3図柄表示装置81においてエラー表示態様(例えば、「役物動作エラー」という文字)を表示すると共に、落下役物900を原点位置(原点位置センサ941がオンになる)まで変位させるように構成されている。このように構成することで、駆動モータ910の脱調等に起因して落下役物900が正常に動作していない場合に落下役物900を原点位置に退避させることができる。
なお、本第30制御例では、ステップカウンタの値が落下役物900を張出位置に移動させるまでに必要な設計値(250)まで加算されたタイミングにおいて張出位置センサ942がオンでないと判別した場合に、落下役物900を原点位置まで変位させるように構成しているが、これに限るものではない。例えば、ステップカウンタの値が落下役物900を張出位置に移動させるまでに必要な設計値(250)まで加算されたタイミングにおいて張出位置センサ942がオンでないと判別した場合に、所定時間(例えば、50ms)までは駆動モータ910を回転させ続け、所定時間が経過しても張出位置センサ942がオンであると判別しなかった場合に、エラー表示態様を表示すると共に、落下役物900を原点位置に退避させるように構成してもよい。このように構成することで、駆動モータ910の経年劣化に起因して発生した軽微な脱調によって、過度に復帰動作が実行されてしまう不具合を抑制することができる。
次いで、モータ制御用IC(モータドライバ)による駆動モータ910の制御の一例について図1374を参照して説明する。なお、説明を分かり易くするために、1ステップで90度回転する(即ち、4ステップで1周する)ステッピングモータを例に取って説明するが、実際の駆動モータ910は、1ステップの回転角度をより細かく設定できるように構成されている。
まず、図1374(a)は、ステッピングモータで構成される駆動モータ910の概要を示した図である。駆動モータ910は、対応するモータ制御用ICに対して音声ランプ制御装置113から励磁制御データを送ることにより、その励磁制御データに対応した部位が励磁されるように構成されている。具体的には、図1374(a)に示す「A、B、C、D」に対応した4桁の2進数で構成された励磁制御データによってモータ制御用ICにより励磁される。具体的には、駆動モータ910の各部位(即ち、A、B、C、Dのいずれか)に対応する励磁制御データが「1」であれば励磁され、励磁制御データが「0」であれば励磁されない。例えば、励磁制御データが「1100」であれば、A及びBが励磁され、C及びDは励磁されない。この励磁制御データは、音声ランプ制御装置113のROM222に設けられている励磁テーブル222ef(図1374(b)参照)に規定されている。
また、音声ランプ制御装置113には、励磁テーブル222ef(図1374(b)参照)に規定された複数の励磁制御データの中から1の励磁制御データを選択して設定するために用いられる励磁カウンタ223eghが設けられている。この励磁カウンタ223eghは「1」を起点として正方向に1ずつ更新することができ、励磁カウンタ223eghの値が「4」となってから値が更新されると値が「1」に戻るループカウンタとなっている。この励磁カウンタ223eghのカウンタ値が更新される毎に、対応する励磁制御データが読み出されて設定される。励磁制御データが設定されると、励磁制御データに基づく各部位の励磁が即座に行われる(即ち、励磁制御データの設定からタイムラグなく駆動モータ910が可動する)。更に、励磁カウンタ223eghは、負の方向にも更新することができる。つまり、値が「1」を起点として、「1」→「4」→「3」→「2」→「1」の順番に更新することができる。負方向に更新する場合は、正方向に更新した場合と駆動モータ910の回転方向が逆向きになる。
励磁カウンタ223eghを更新する方向と、励磁カウンタ223eghの更新頻度とは、予め定められている。なお、この励磁カウンタ223eghの最大値は駆動モータ910のステップ数に応じて変化する。例えば、1ステップで1度回転する(即ち、モータが1回転するのに360ステップを要する)駆動モータ910の場合、励磁カウンタ223eghは「1」~「360」の範囲で更新されるループカウンタとなる。
次いで、駆動モータ910の各部位を励磁するための励磁制御データの具体例について、図1374(b)を参照して説明する。図1374(b)は、励磁制御データを規定した励磁テーブル222efと、その励磁テーブル222efに規定された励磁制御データに基づいて励磁された駆動モータ910の状態との対応関係を示す図である。なお、図1374(b)に示した通り、励磁テーブル222efには、励磁カウンタ223eghのカウンタ値毎に励磁制御データが規定されている。
図1374(b)に示した通り、駆動モータ910に対応するシーケンスデータとして、励磁カウンタ223eghのカウンタ値「1」~「4」の順に「1100,0110,0011,1001」の励磁制御データがそれぞれ規定されている。また、励磁カウンタ223eghのカウンタ値「1」に対応するシーケンスデータである「1100」が設定されると、駆動モータ910のA、及びBの各部位が励磁される。また、励磁カウンタ223eghのカウンタ値「2」に対応するシーケンスデータである「0110」が設定されると、駆動モータ910のB、及びCの各部位が励磁されるので、励磁カウンタ223eghの値が「1」の状態から時計回りに90度回転する。
また、励磁カウンタ223eghのカウンタ値「3」に対応するシーケンスデータである「0011」が設定されると、駆動モータ910のC、及びDの各部位が励磁され、励磁カウンタ223eghのカウンタ値「2」の状態から時計回りに90度回転する。また、励磁カウンタ223eghのカウンタ値「4」に対応するシーケンスデータである「1001」が設定されると、駆動モータ910のA、及びDの各部位が励磁されるので、励磁カウンタ223eghのカウンタ値が「3」の状態から時計回りに90度回転する。
このように図1374に示した例では、励磁カウンタ223eghのカウンタ値が正方向に1更新される毎に、駆動モータ910が時計回りに90度ずつ回転する。なお、上述した通り、励磁カウンタ223eghのカウンタ値が負方向に更新される場合は、駆動モータ910が反時計回りに90度ずつ回転する。
以上のように、駆動モータ910の制御を簡略化した動作モデルで説明したが、本第30制御例で実際に用いられる駆動モータ910では、1ステップ毎に(即ち、励磁カウンタ223eghの値を1更新する毎に)より細かい角度で回転させることができる。即ち、落下役物900を変位させる場合は、変位させるステップ数に応じた回数だけ励磁カウンタ223eghのカウンタ値を1ずつ更新し、励磁カウンタ223eghの更新毎にカウンタ値に対応する励磁制御データを設定することで、正確に落下役物900を変位させることができる。
また、本第30制御例では、駆動モータ910を用いて、落下役物900を張出位置に所定時間(250ms)保持することが可能に構成されている。より具体的には、落下役物900が張出位置に到達したタイミングにおいて、励磁されていた駆動モータ910の部位を継続して励磁する(即ち、部位を切替えることなく励磁する)ことによって、駆動モータ910に保持力(所謂、ホールディングトルク)を発生させるように構成されている。このように構成することで、駆動モータ910を正方向の回転動作から逆回転への回転動作に切替えるタイミングにおいて、慣性により落下役物900が意図せず変位してしまう不具合を抑制することができる。
次に、図1375を参照して、本第30制御例の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図1375(a)は、本第30制御例におけるROM222の構成を示したブロック図である。本第30制御例では、上述した第1制御例の音声ランプ制御装置113のROM222(図28(a)参照)に対して、役物演出実行抽選テーブル222ea、予告有無抽選テーブル222eb、前半予告選択テーブル222ec、後半予告選択テーブル222ed、駆動テーブル222ee、及び励磁テーブル222efが追加されている点で相違している。
図1375(b)を参照して、上述した役物演出実行抽選テーブル222eaの詳細について説明する。図1375(b)は、役物演出実行抽選テーブル222eaの規定内容を示した図である。この役物演出実行抽選テーブル222eaは、枠ボタン22が操作されたことに基づいて役物演出を実行するか否かを決定する実行抽選を実行する場合に参照されるデータテーブルである。
図1375(b)に示した通り、特別図柄抽選の抽選結果毎に、役物演出を実行するか否かを判定する判定値(演出カウンタ223fの値)の範囲が規定されている。より具体的には、特別図柄抽選の抽選結果「大当たり」に対しては、演出カウンタ223fの値「0~29」の範囲が役物演出の実行なしと判定される判定値(カウンタ値)として規定され、演出カウンタ223fの値「30~99」の範囲が役物演出の実行と判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。一方、特別図柄抽選の抽選結果「外れ」に対しては、演出カウンタ223fの値「0~69」の範囲が役物演出の実行なしと判定される判定値(カウンタ値)として規定され、演出カウンタ223fの値「70~99」が役物演出の実行と判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。
演出カウンタ223fは、「0~99」の範囲で更新されるループカウンタで構成されているので、役物演出を実行するか否かを決定する実行抽選が実行された場合において、当該変動演出が大当たりに対応するものであった場合、70%(70/100)の割合で役物演出の実行と判定され、当該変動演出が外れに対応するものであった場合、30%(30/100)の割合で役物演出の実行と判定される。即ち、役物演出を実行するか否かを決定する実行抽選が実行された場合において、役物演出が実行される割合は、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである場合の方が外れである場合よりも40%高くなるように構成されている。このように構成することで、役物演出が実行された場合に、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりであることを遊技者に対して適度に期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上することができる。
次に、図1376(a)を参照して、上述した予告有無抽選テーブル222ebの詳細について説明する。図1376(a)は、予告有無抽選テーブル222ebの規定内容を示した図である。この予告有無抽選テーブル222ebは、役物演出中の操作有効期間において、枠ボタン22が押下された場合に、落下予告を発生させるか否かと、当接部材(第1当接部材952、または第2当接部材962)を1回可動させるか所定の周期毎(0.5秒毎)に可動させるかと、を選択するために参照されるデータテーブルである。
図1376(a)に示した通り、予告有無抽選テーブル222ebには、役物演出の発生有無と駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)の動作内容を選択するカウンタ値の範囲が規定されている。より具体的には、特別図柄抽選の抽選結果「大当たり」に対しては、演出カウンタ223fの値「0~74」の範囲が落下予告の予告有無として「予告有り」、駆動ソレノイドの動作内容として「周期」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「75~79」の範囲が落下予告の予告有無として「予告有り」、駆動ソレノイドの動作内容として「1回」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「80~81」の範囲が落下予告の予告有無として「予告無し」、駆動ソレノイドの動作内容として「周期」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「82~99」の範囲が落下予告の予告有無として「予告無し」、駆動ソレノイドの動作内容として「1回」が選択されるカウンタ値として規定されている。
一方、特別図柄抽選の抽選結果「外れ」に対しては、演出カウンタ223fの値「0~24」の範囲が落下予告の発生有無として「予告有り」、駆動ソレノイドの動作内容として「周期」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「25~29」の範囲が落下予告の発生有無として「予告有り」、駆動ソレノイドの動作内容として「1回」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「30~31」の範囲が落下予告の発生有無として「予告無し」、駆動ソレノイドの動作内容として「周期」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「32~99」の範囲が落下予告の発生有無として「予告無し」、駆動ソレノイドの動作内容として「1回」が選択されるカウンタ値としてきてされている。
即ち、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである場合の方が、外れである場合よりも落下予告が発生し易くされていることに加え、落下予告が発生する場合に駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)が周期動作で駆動され易く構成されている。このように構成することで、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)が周期動作で駆動された場合に、遊技者に対して落下予告の発生を期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1376(b)を参照して、上述した前半予告選択テーブル222ecの詳細について説明する。図1376(b)は、前半予告選択テーブル222ecの規定内容を示した図である。この前半予告選択テーブル222ecは、役物演出において、第1落下予告と第2落下予告との表示内容を決定するためのデータテーブルである。
図1376(b)に示した通り、前半予告選択テーブル222ecには、特別図柄抽選の抽選結果毎に、役物演出における第1落下予告の予告内容と第2落下予告の予告内容とを選択するカウンタ値の範囲が規定されている。より具体的には、特別図柄抽選の抽選結果「大当たり」に対しては、演出カウンタ223fの値「0~39」の範囲が第1落下予告の予告内容として「激」、第2落下予告の予告内容として「アツ」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「40~64」の範囲が第1落下予告の予告内容として「激」、第2落下予告の予告内容として「チャンス」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「65~84」の範囲が第1落下予告の予告内容として「とても」、第2落下予告の予告内容として「アツ」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「85~94」の範囲が第1落下予告の予告内容として「とても」、第2落下予告の予告内容として「チャンス」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「95~98」の範囲が第1落下予告の予告内容として「やや」、第2落下予告の予告内容として「アツ」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「99」が第1落下予告の予告内容として「やや」、第2落下予告の予告内容として「チャンス」が選択されるカウンタ値として規定されている。
一方、特別図柄抽選の抽選結果「外れ」に対しては、演出カウンタ223fの値「0~4」の範囲が第1落下予告の予告内容として「激」、第2落下予告の予告内容として「チャンス」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「5~14」の範囲が第1落下予告の予告内容として「とても」、第2落下予告の予告内容として「アツ」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「15~34」の範囲が第1落下予告の予告内容として「とても」、第2落下予告の予告内容として「チャンス」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「35~59」の範囲が第1落下予告の予告内容として「やや」、第2落下予告の予告内容として「アツ」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「60~99」の範囲が第1落下予告の予告内容として「やや」、第2落下予告の予告内容として「チャンス」が選択されるカウンタ値として規定されている。
即ち、第1落下予告の予告内容は、「激」、「とても」、及び「やや」の3パターンから選択され、第2落下予告の予告内容は、「アツ」、及び「チャンス」の2パターンから選択されるので、第1落下予告と第2落下予告とを合わせた内容は、「激アツ」、「激チャンス」、「とてもアツ」、「とてもチャンス」、「ややアツ」、及び「ややチャンス」の6パターンとなる。これにより、第1落下予告、または第2落下予告の予告内容が表示されることで大当たり期待度を示唆することが可能となることに加え、第1落下予告と第2落下予告との両方の予告内容が表示されることでより詳細な大当たり期待度を示唆することが可能となる。よって、特別図柄抽選の抽選結果を予想したい遊技者に対して、より多くの落下予告が表示されることを期待させることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1377(a)を参照して、上述した後半予告選択テーブル222edについて説明する。図1377(a)は、後半予告選択テーブル222edの規定内容を示した図である。この後半予告選択テーブル222edは、役物演出における最終落下予告の予告内容を選択する場合に参照されるデータテーブルである。
図1377(a)に示した通り、後半予告選択テーブル222edには、特別図柄抽選の抽選結果毎に、役物演出における最終落下予告の予告内容を選択するための演出カウンタ223fのカウンタ値の範囲が規定されている。具体的には、図1377(a)に示した通り、特別図柄抽選の抽選結果「大当たり」に対しては、演出カウンタ223fの値「0~39」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星5」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「40~64」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星4」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「65~84」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星3」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「85~94」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星2」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「95~99」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星1」が選択されるカウンタ値として規定されている。
一方、特別図柄抽選の抽選結果「外れ」に対しては、演出カウンタ223fの値「0~4」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星4」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「5~19」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星3」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「20~49」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星2」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「50~99」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星1」が選択されるカウンタ値として規定されている。
即ち、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである場合には、最終落下予告の予告内容として星の数が多い予告内容が選択され易くなり、特別図柄抽選の抽選結果が外れである場合には、最終落下予告の予告内容として星の数が少ない予告内容が選択され易くなるように構成されている。このように構成することで、最終落下予告の予告内容を参照して特別図柄抽選の抽選結果を遊技者が予想する遊技性を実現することができる。
また、本第30制御例では、第1落下予告の予告内容と第2落下予告の予告内容とを選択するための前半予告選択テーブル222ecと、最終落下予告の予告内容を選択するための後半予告選択テーブル222edと、を分けて設けているため、第1落下予告の予告内容と第2落下予告の予告内容とが両方表示された場合でも、最終落下予告の予告内容が遊技者に特定されることはない。これにより、特別図柄抽選の抽選結果を示唆する表示態様がより多く表示されることを期待する遊技者に対して、最終落下予告の予告内容が表示されることを期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1377(b)を参照して、上述した駆動テーブル222eeの詳細について説明する。図1377(b)は、駆動テーブル222eeの規定内容を示した図である。この駆動テーブル222eeは、役物演出において落下役物900を可動させるための駆動モータ910の動作内容が規定されたデータテーブルである。
図1377(b)に示した通り、駆動テーブル222eeには、駆動ポインタ223egbのポインタ値に対応付けて、駆動モータ910を制御するためのデータが規定されている。より具体的には、駆動ポインタ223egbの値「01H」に対応付けて、駆動モータ910を4ms毎に1ステップのスピードで張出位置センサ942がオンになるまで正方向に回転させるデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「02H」に対応付けて、駆動モータ910を250msの間、回転させずに励磁する(即ち、部位を切替えることなく励磁する)ためのデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「03H」に対応付けて、駆動モータ910を3ms毎に1ステップのスピードで退避センサ940がオンになるまで負方向に回転させるデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「04H」に対応付けて、駆動モータ910を励磁することなく5000ms待機させるデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「05H」に対応付けて、駆動モータ910を4ms毎に1ステップのスピードで張出位置センサ942がオンになるまで正方向に回転させるデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「06H」に対応付けて、駆動モータ910を250msの間、回転させずに励磁する(即ち、部位を切替えることなく励磁する)ためのデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「07H」に対応付けて、駆動モータ910を3ms毎に1ステップのスピードで退避センサ940がオンになるまで負方向に回転させるデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「08H」の値に対応付けて、駆動モータ910を励磁することなく7000ms待機させるためのデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「09H」に対応付けて、駆動モータ910を4ms毎に1ステップのスピードで張出位置センサ942がオンになるまで正方向に回転させるデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「0AH」に対応付けて、駆動モータ910を励磁することなく250ms待機させるためのデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「0BH」に対応付けて、駆動モータ910を3ms毎に1ステップのスピードで退避センサ940がオンになるまで負方向に回転させるデータが規定されている。
この駆動テーブル222eeの規定内容に基づいて、駆動モータ910が制御されることで、落下役物900が役物演出において3回、張出位置に位置する。なお、本第30制御例では、落下役物900が張出位置まで上昇した場合に、保持ソレノイド920を可動させることで落下役物900を張出位置に保持すると共に、落下役物900とラック991を離間させてラック991を下降させるように構成しているため、駆動モータ910が負方向に回転している期間において落下役物900が下降することはない。
また、本第30制御例では、落下役物900を原点位置から張出位置まで移動する際の所要ステップ数が250ステップとなるように構成されている。即ち、ラック991は、下限位置(ラック991と規制部材995とが当接する位置)から上限位置(落下役物900を張出位置まで上昇させた際に到達する位置)まで1000ms(4ms×250ステップ)掛けて上昇し、上限位置で250ms保持された後、750ms(3ms×250ステップ)掛けて下限位置まで下降する往復動作で3回可動する。
次に、図1378を参照して、本第30制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図1378は、本第30制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図1378に示した通り、本第30制御例におけるRAM223は、上述した第1制御例におけるRAM223の構成(図28(b)参照)に対して、従変動時間タイマ223ea、役物演出抽選フラグ223eb、役物演出実行フラグ223ec、役物演出操作タイマ223ed、予告内容格納エリア223ee、予告発生フラグ223ef、及び役物駆動関連エリア223egが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
従変動時間タイマ223eaは、第1特別図柄の基本変動時間(基本時間コマンドが示す変動時間)を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値「0」が設定される。この従変動時間タイマ223eaは、第1特別図柄の変動が開始される場合に、当該変動の基本変動時間に対応する値がタイマ値として設定され(図1382のS5002E参照)、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1380参照)において、演出更新処理(図1386参照)が実行された場合に、タイマ値が1ずつ減算される(図1386のS5402E参照)。
役物演出抽選フラグ223ebは、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能な変動演出が開始されたことを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この役物演出抽選フラグ223ebは、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能な変動演出が開始される場合にオンに設定され(図1382のS5005E参照)、当該実行抽選に対応する演出態様が設定されたタイミングにおいてオフに設定される(図1386のS5407E参照)。
役物演出実行フラグ223ecは、役物演出の実行が決定された変動演出中であることを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この役物演出実行フラグ223ecは、役物演出の実行可否を決定する実行抽選において役物演出の実行に対応する抽選結果となった場合にオンに設定され(図1384のS5327E参照)、役物演出の終了タイミングにおいてオフに設定される(図1389のS5501E参照)。
役物演出操作タイマ223edは、役物演出に係る枠ボタン22の操作有効期間を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値「0」が設定される。この役物演出操作タイマ223edは、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選を実行可能な抽選期間における枠ボタン22の操作有効期間の開始時と、役物演出が実行されている期間における枠ボタン22の操作有効期間の開始時と、に予め定められたタイマ値が設定され(図1386のS5405E、図1387のS5436E、S5439E、及びS5443E参照)、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1380参照)において、枠ボタン入力監視・演出処理(図1383参照)が実行された場合に、タイマ値が1ずつ減算される(図1383のS5302E参照)。また、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選が実行される場合(即ち、枠ボタン22が押下された場合)には、タイマ値「0」が設定される(図1384のS5321E参照)。これにより、枠ボタン22が押下された場合に、操作有効期間を強制的に打ち切ることができる。
予告内容格納エリア223eeは、前半予告選択テーブル222ec、及び後半予告選択テーブル222edから選択された役物演出における落下予告の予告内容を示すデータが格納される記憶領域である。この予告内容格納エリア223eeは、役物演出の実行が決定された場合に、前半予告選択テーブル222ecと後半予告選択テーブル222edとから選択されたデータが格納される(図1384のS5329E参照)。また、予告内容格納エリア223eeは、役物演出の終了タイミングにおいて、記憶領域がクリアされる(図1389のS5502E参照)。
予告発生フラグ223efは、役物演出において落下予告を発生させることが決定した(実行条件が成立した)ことを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この予告発生フラグ223efは、役物演出において落下予告の発生有無を決定する抽選において特定の抽選結果(「発生有り」に対応する抽選結果)となった場合にオンに設定され(図1385のS5360E参照)、各落下予告(第1落下予告、第2落下予告、及び最終落下予告)がそれぞれ発生する各タイミングにおいてオフに設定される(図1388のS5474E、S5477E、及びS5480E参照)。
役物駆動関連エリア223egは、落下役物900を駆動させるための各種タイマやフラグ等を有する記憶領域である。ここで、図1379を参照して、役物駆動関連エリア223egの内容について説明する。図1379は、役物駆動関連エリア223egの内容を示した図である。
図1379に示した通り、役物駆動関連エリア223egには、周期駆動カウンタ223ega、駆動ポインタ223egb、駆動データ格納エリア223egc、駆動タイマ223egd、駆動回数カウンタ223ege、ソレノイド選択ポインタ223egf、励磁スピードカウンタ223egg、励磁カウンタ223egh、励磁データ格納エリア223egi、及び回転開始フラグ223egjが設けられている。
周期駆動カウンタ223egaは、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)を所定の周期毎(0.5秒毎)に駆動させる場合に、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)の駆動が開始されてからの経過時間を計時するためのカウンタであり、初期状態ではカウンタ値「0」が設定される。この周期駆動カウンタ223egaは、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965)が可動されたタイミングにおいて0.5秒に対応する値がカウンタ値として設定され(図1385のS5362E、及び図1392のS5714E参照)、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1380参照)においてソレノイド駆動処理(図1392のS4121E参照)が実行された場合に、カウンタ値が1ずつ減算される(図1392のS5709E参照)。
駆動ポインタ223egbは、駆動テーブル222eeから駆動データ格納エリア223egcに格納するデータを選択する場合に参照されるポインタであり、初期状態ではポインタ値「00H」が設定される。この駆動ポインタ223egbは、役物演出の開始タイミングにおいてポインタ値「01H」が設定され(図1387のS5432E参照)、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータに対応する駆動モータ910の動作が完了した場合に、カウンタ値が1ずつ加算される(図1390のS5610E、及びS5617E参照)。また、駆動ポインタ223egbは、駆動テーブル222eeにおける最終のデータ(駆動ポインタ223egbのポインタ値「0BH」に対応するデータ)に対応する動作が完了した場合に、ポインタ値「00H」が設定される(図1390のS5613E参照)。
駆動データ格納エリア223egcは、駆動モータ910の動作内容が規定された駆動テーブル222eeから選択されたデータが格納される記憶領域である。この駆動データ格納エリア223egcは、役物演出の開始タイミングにおいて駆動ポインタ223egbのポインタ値「01H」に対応付けて規定されたデータが駆動テーブル222eeから選択されて格納され(図1387のS5432E参照)、駆動ポインタ223egbのポインタ値が更新(1ずつ加算)される毎に、駆動ポインタ223egbのポインタ値に対応するデータが駆動テーブル222eeから選択されて格納される(図1390のS5611E、及びS5618E参照)。また、この駆動データ格納エリア223egcは、役物演出の終了タイミングにおいて記憶領域がクリアされる(図1389のS5503E参照)。
駆動タイマ223egdは、駆動データ格納エリア223egcに格納されたデータに基づく駆動モータ910の動作が開始されてからの経過時間を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値「0」が設定される。この駆動タイマ223egdは、駆動テーブル222eeから時間データを含むデータ(即ち、待機に対応するデータ)が駆動データ格納エリア223egcに格納された場合に、当該時間データに対応する値がタイマ値として設定され(図1390のS5612E参照)、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1380参照)において役物駆動処理(図1390のS4120E参照)が実行された場合に、タイマ値が1ずつ減算される(図1390のS5615E参照)。
駆動回数カウンタ223egeは、役物演出における各駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965)の累計の駆動回数を計数するためのカウンタであり、初期状態ではカウンタ値「0」が設定される。この駆動回数カウンタ223egeは、各駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965)の駆動が設定された場合にカウンタ値が1ずつ加算され(図1385のS5354E、及び図1392のS5715E参照)、役物演出の終了タイミングにおいてカウンタ値「0」が設定される(図1389のS5505E参照)。これにより、駆動回数カウンタ223egeを参照することで、各駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965)の正確な累計の駆動回数に対応する表示態様を第3図柄表示装置81に表示することができる。
ソレノイド選択ポインタ223egfは、役物演出における各操作有効期間において、枠ボタン22が押下された場合に、駆動させる駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)を選択するために参照されるポインタである。このソレノイド選択ポインタ223egfは初期状態ではポインタ値「00H」が設定され、役物演出における2回目の操作有効期間(即ち、第2駆動ソレノイド965を駆動可能な期間)を設定する場合に、ポインタ値「01H」が設定される(図1387のS5440E参照)。即ち、第1駆動ソレノイド955を駆動させることを示すためのポインタ値として「00H」が設定され、第2駆動ソレノイド965を駆動させることを示すためのポインタ値として「01H」が設定されるように構成されている。
励磁スピードカウンタ223eggは、駆動モータ910を駆動テーブル222eeにおける各データに規定されたスピードデータに対応する時間(即ち、駆動モータ910の1ステップの動作に要する時間)を計時するためのタイマであり、初期状態ではカウンタ値「0」が設定される。この励磁スピードカウンタ223eggは、駆動モータ910を回転させる動作データが設定されている場合に、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図1380参照)における役物駆動処理(図1390のS4120E参照)において、駆動モータ回転処理(図1391のS5605E参照)が実行されるとカウンタ値が1ずつ加算され(図1391のS5632E)、回転開始(即ち、駆動モータ910の待機動作から回転動作に切替え)時にカウンタ値「0」が設定される(図1391のS5635E参照)。
励磁カウンタ223eghは、励磁データ格納エリア223egiに格納する励磁制御データを励磁テーブル222efから選択する場合に、カウンタ値が参照されるカウンタであり、初期状態ではカウンタ値「1」が設定される。また、この励磁カウンタ223eghは、カウンタ値「1」~「4」の範囲で正方向(加算)と負方向(減算)とに更新可能なループカウンタである。この励磁カウンタ223eghは、駆動モータ910が励磁されてから、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおけるスピードデータに対応する時間が経過する(即ち、駆動モータ910を新たに1ステップ回転させる)毎に、カウンタ値が更新(1ずつ加算、または減算)される(図1391のS5638E、S5639E、S5641E、及びS5642E参照)。
励磁データ格納エリア223egiは、励磁カウンタ223eghのカウンタ値に対応する励磁制御データが励磁テーブル222efから選択されて格納される記憶領域である。この励磁データ格納エリア223egiは、励磁カウンタ223eghのカウンタ値が更新(1加算、または減算)された場合に、励磁テーブル222efから励磁カウンタ223eghのカウンタ値に対応する励磁制御データが選択されて格納される(図1391のS5643E参照)。
回転開始フラグ223egjは、駆動モータ910を待機状態(回転させない状態)から回転状態へと切替えるタイミングであることを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この回転開始フラグ223egjは、駆動テーブル222eeから駆動モータ910を回転させるためのデータ(即ち、動作データが正方向、または負方向であるデータ)が駆動データ格納エリア223egcに格納された場合にオンに設定され(図1390のS5619E参照)、駆動モータ910の部位を切替えて励磁する場合にオフに設定される(図1391のS5634E)。これにより、待機状態から回転状態へと切替えるタイミングにおいて即座に1ステップ目の動作を開始させることができる。
<第30制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1380から図1392を参照して、本第30制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。本第30制御例では、上述した第1制御例に対して、変動表示設定処理(図66のS4113参照)に代えて変動表示設定処理(図1381のS4113E参照)を実行し、枠ボタン入力監視・演出処理(図70のS4107参照)に代えて枠ボタン入力監視・演出処理(図1383のS4107E参照)を実行し、演出更新処理(図58のS4111参照)に代えて演出更新処理(図1386のS4111E参照)を実行し、役物駆動処理(図1390のS4120E)とソレノイド駆動処理(図1392のS4121E)とを追加して実行する点で相違し、それ以外の処理の内容は同一である。同一処理の内容についてはその説明を省略する。
まず、図1380を参照して、本第30制御例におけるメイン処理の詳細について説明する。図1380は、このメイン処理を示したフローチャートである。
この本第30制御例におけるメイン処理(図1380参照)のうち、S4101~S4106,S4108~S4110,S4112,及びS4114~S4118の各処理では、それぞれ上述した第1制御例のメイン処理(図58参照)におけるS4101~S4106,S4108~S4110,S4112,及びS4114~S4118の各処理と同一の処理が実行される。また、本第30制御例におけるメイン処理(図1380)では、S4106の処理が終了すると、次いで、後述する枠ボタン入力監視・演出処理を実行し(図1383のS4107E参照)、S4108の処理に移行する。この枠ボタン入力監視・演出処理(図1383のS4107E参照)は、上述した第1制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図70のS4107参照)の処理内容に加え、枠ボタン22が操作された場合に役物演出に係る各種演出等を設定する処理である。
S4108~S4110の各処理では、上述した通り、第1制御例のS4108~S4110の各処理と同一の処理が実行され、S4110の処理が終了すると、後述する演出更新処理が実行される(図1386のS4111E参照)。この演出更新処理(図1386のS4111E参照)は、上述した第1制御例における演出更新処理の処理内容に加え、変動演出開始からの経過時間に応じて役物演出に係る演出等を設定する処理である。S4111Eの処理が終了すると、役物駆動処理が実行される(図1390のS4120E参照)。この役物駆動処理は、役物演出において落下役物900を駆動させるためのデータを設定する処理である。S4120Eの処理が終了すると、次いで、ソレノイド駆動処理(図1392のS4121E参照)が実行される。このソレノイド駆動処理は、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)を所定の周期毎(0.5秒毎)に駆動させる設定と、落下役物900を第1中間位置、または第2中間位置で停止させるために駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)を駆動させる設定と、を実行する処理である。
S4121Eの処理が終了すると、上述した第1制御例のS4112の処理と同一の処理であるS4112の処理が実行され、次いで、後述する変動表示設定処理が実行される(図1381のS4113E参照)。この変動表示設定処理(図1381のS4113E参照)は、上述した第1制御例における変動表示設定処理(図66のS4113参照)の処理内容に加え、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選に対応する演出を設定する処理である。S4113Eの処理が終了すると、S4114の処理に移行する。S4114~S4118の各処理では、上述した通り、第1制御例のS4114~S4118の各処理と同一の処理が実行される。
次に、図1381を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4113E)について説明する。図1381は、この変動表示設定処理(S4113E)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4113E)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1380参照)の中で実行され、上述したように、第1制御例の変動表示設定処理(図66のS4113参照)と同一の処理内容に加え、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選に係る演出を設定する処理である。
この本第30制御例における変動表示設定処理(図1381参照)のうち、S4901,S4902,及びS4904~S4911の各処理では、それぞれ上述した第1制御例の変動表示設定処理(図66参照)におけるS4901,S4902,及びS4904~S4911の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第30制御例における変動表示設定処理(図1381参照)では、S4902の処理が終了すると、次いで、後述する特図1演出態様設定処理が実行される(S4903E)。この特図1演出態様設定処理(図1382のS4903E参照)は、上述した第1制御例の特図1演出態様設定処理(図67のS4903参照)と同一の処理内容に加え、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選に係る演出を設定する処理である。S4903Eの処理が終了すると、次いで、S4904の処理が実行される。S4904~S4911の各処理では、上述した通り、第1制御例のS4904~S4911の各処理と同一の処理が実行される。
次に、図1382を参照して、本第30制御例における特図1演出態様設定処理(S4903E)の内容について説明する。図1382は、特図1演出態様設定処理(S4903E)の内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理(S4903E)は、上述した第1制御例における特図1演出態様設定処理(図67のS4903参照)に代えて実行される処理であり、第1制御例における特図1演出態様設定処理(図67のS4903参照)と同一の内容に加え、役物演出の実行可否を決定する実行抽選に係る演出を設定する処理である。
この本第30制御例における特図1演出態様設定処理(S4903E)のうち、S5001~S5012の各処理では、それぞれ上述した第1制御例の特図1演出態様設定処理(図67のS4903参照)におけるS5001~S5012の各処理と同一の処理が実行される。また、本第30制御例における特図1演出態様設定処理(S4903E)では、S5010の処理において、チャンスモードであると判別しなかった場合には(S5010:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに含まれる変動時間と加算コマンドに含まれる変動時間とを抽出する(S5001E)。S5001Eの処理が終了すると、次いで、基本変動時間(基本コマンドに含まれる変動時間)に対応する値を従変動時間タイマ223eaの値として設定し(S5002E)、加算変動時間(加算コマンドに含まれる変動時間)が0より大きいかを判別する(S5003E)。S5003Eの処理において、加算変動時間が0より大きいと判別しなかった場合には(S5003E:No)、S5011の処理に移行する。一方、S5003Eの処理において、加算変動時間が0より大きいと判別した場合には(S5003E:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5004E)、役物演出抽選フラグ223ebをオンに設定し(S5005E)、S5009の処理に移行する。S5009の処理では、上述したように、第1制御例のS5009の処理と同一の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図1383を参照して、本第30制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(S4107E)の詳細について説明する。図1383は、枠ボタン入力監視・演出処理(S4107E)の内容を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107E)は、上述した通り、第1制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図70のS4107参照)に代えて実行される処理であり、第1制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図70のS4107参照)の内容に加え、枠ボタン22が操作された場合に役物演出に係る各演出を設定する処理である。
本第30制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(S4107E)のうち、S5301~S5316の各処理では、それぞれ上述した第1制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図70のS4107参照)のS5301~S5316の各処理と同一の処理が実行される。また、本第30制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(S4107E)では、S5304の処理が終了すると、次いで、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいかを判別する(S5301E)。S5301Eの処理において、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいと判別した場合は(S5301E:Yes)、役物演出操作タイマ223edの値を減算し(S5302E)、S5305の処理に移行する。一方、S5301Eの処理において、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5301E:No)、S5302Eの処理をスキップし、S5305の処理に移行する。
S5305~S5308の各処理では、上述したように、第1制御例のS5305~S5308の各処理と同一の処理が実行される。S5308の処理が終了すると、次いで、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいか判別する(S5303E)。即ち、S5302Eの処理において減算された役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいか(操作有効期間であるか)を判別する。S5303Eの処理において役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいと判別しなかった場合には、S5309の処理に移行する。一方、S5303Eの処理において役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいと判別した場合は(S5303E:Yes)、後述する役物演出押下処理を実行し(S5304E)、S5309の処理に移行する。なお、本第30制御例では、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能な実行抽選期間の開始タイミング、または役物演出における1回目から3回目の各操作有効期間のそれぞれの開始タイミングにおいてタイマ値が設定されるように構成されているので、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいことは、役物演出の実行抽選期間、または役物演出中の各操作有効期間のいずれかの期間であることを意味している。S5309の処理では、上述した通り、第1制御例のS5309の処理と同一の処理が実行され、その後、本処理を終了する。
次に、図1384を参照して、本第30制御例における役物演出押下処理(S5304E)について説明する。図1384は、役物演出押下処理(S5304E)の内容を示したフローチャートである。この役物演出押下処理(S5304E)は、上述した枠ボタン入力監視・演出処理(図1383のS4107E参照)において実行される処理であり、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能な実行抽選期間、または役物演出中の操作有効期間において枠ボタン22の押下に対応する設定を実行する処理である。
役物演出押下処理(S5304E)が実行されると、まず、役物演出操作タイマ223edの値に0を設定する(S5321E)。これにより、再度、役物演出操作タイマ223edに値が設定されるまでは、枠ボタン22が押下されても役物演出押下処理が実行されないようにすることができる。S5321Eの処理が終了すると、次いで、役物演出実行フラグ223ecがオンであるかを判別する(S5322E)。S5322Eの処理において、役物演出実行フラグ223ecがオンであると判別しなかった場合には(S5322E:No)、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能な実行抽選期間において実行条件が成立(枠ボタン22が押下された)ことを意味するため、役物演出実行抽選テーブル222eaを読み出し(S5323E)、役物演出実行抽選テーブル222eaを参照して役物演出の実行可否を特定する(S5324E)。なお、本第30制御例では、役物演出操作タイマ223edが0より大きい値となり得るのは、役物演出の実行可否を決定する実行抽選が実行可能となる操作有効期間(即ち、役物演出の実行前における操作有効期間)か、役物演出が実行されている期間における操作有効期間かのいずれかであるため、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きい値である場合において実行される役物押下処理(S5321E)において、役物演出実行フラグ223ecの状態(オンであるか否か)を確認することで、役物演出実行前の操作有効期間に枠ボタン22が押下されたのか、役物演出が実行されている期間における操作有効期間において枠ボタン22が押下されたのか、の何れであるかを判別することができる。
S5324Eの処理が終了すると、次いで、役物演出を実行するかを判別する(S5325E)。S5325Eの処理において、役物演出を実行すると判別した場合には(S5325E:Yes)、役物演出の実行を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5326E)、役物演出実行フラグ223ecをオンに設定する(S5327E)。S5327Eの処理が終了すると、次いで、前半予告選択テーブル222ecと後半予告選択テーブル222edとを読み出し(S5328E)、前半予告選択テーブル222ecと後半予告選択テーブル222edとから演出カウンタ223fの値に対応するデータを予告内容格納エリア223eeに格納し(S5329E)、S5332Eの処理に移行する。一方、S5325Eの処理において、役物演出を実行すると判別しなかった場合には(S5325E:No)、役物演出を実行しないことを示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5330E)、S5332Eの処理に移行する。なお、図示は省略したが、役物演出を実行しないことを示す表示態様とは、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選において、役物演出を実行する抽選結果にならなかったことを遊技者が把握できるもの(例えば、「役物演出GETならず」という文字)であれば良い。
これらに対し、S5322Eの処理において、役物演出実行フラグ223ecがオンであると判別された場合は(S5322E:Yes)、役物演出が実行されている期間における操作有効期間に枠ボタン22が押下されたことを意味するため、後述する役物演出中処理を実行し(S5331E)、S5332Eの処理に移行する。S5332Eの処理では、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5332E)、本処理を終了する。
次に、図1385を参照して、本第30制御例における役物演出中処理(S5331E)の詳細について説明する。図1385は、役物演出中処理(S5331E)の内容を示したフローチャートである。この役物演出中処理(S5331E)は、役物演出押下処理(図1384のS5304E)において実行される処理であり、役物演出中の操作有効期間において枠ボタン22が押下されたことに対応する駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)の駆動を設定する処理である。
役物演出中処理(S5331E)が実行されると、まず、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであるかを判別する(S5351E)。S5351Eの処理において、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであると判別した場合には(S5351E:Yes)、第1駆動ソレノイド955を駆動する期間(即ち、役物演出における1回目、または3回目の操作有効期間)であることを意味するため、第1駆動ソレノイド955の駆動を設定し(S5352E)、S5354の処理に移行する。これに対し、S5351Eの処理において、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであると判別しなかった場合には(S5351E:No)、第2駆動ソレノイド965を駆動する期間(即ち、役物演出における2回目の操作有効期間)であることを意味するため、第2駆動ソレノイド965の駆動を設定し(S5353E)、S5354Eの処理に移行する。なお、本第30制御例では、ソレノイド選択ポインタ223egfは、ポインタ値に00H、または01Hが設定されるポインタであり、ポインタ値「00H」が第1駆動ソレノイド955を駆動させることを意味し、ポインタ値「01H」が第2駆動ソレノイド965を駆動させることを意味するため、ソレノイド選択ポインタ223egfのポインタ値が00Hであるかを判別することで、駆動する駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)を選択することができる。また、S5352Eの処理、及びS5353Eの処理では、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)のプッシュバーを0.25秒間突出させる駆動内容で駆動が設定される。
S5354Eの処理では、駆動回数カウンタ223egeの値に1を加算し(S5354E)、次いで、駆動回数カウンタ223egeの値に対応する表示態様を含む演出態様を設定する(S5355E)。これにより、第3図柄表示装置81の表示領域において、役物演出中に各駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、及び第2駆動ソレノイド965)が駆動された累計の回数に対応する表示態様を表示することができる。S5355Eの処理が終了すると、次いで、設定された駆動内容に対応する駆動コマンドを設定する(S5356E)。
S5356Eの処理が終了すると、次いで、予告有無抽選テーブル222ebを読み出し(S5357E)、予告有無抽選テーブル222ebを参照して落下予告の発生有無と駆動ソレノイドの動作内容とを特定し(S5358E)、落下予告は発生有りであるかを判別する(S5359E)。S5359Eの処理において、落下予告は発生有りであると判別した場合には(S5359E:Yes)、予告発生フラグ223efをオンに設定し(S5360E)、S5361Eの処理に移行する。一方、S5359Eの処理において、落下予告は発生有りと判別しなかった場合には(S5359E:No)、S5360Eの処理をスキップし、S5361Eの処理に移行する。S5361Eの処理では、駆動ソレノイドの動作内容が周期であるかを判別し(S5361E)、駆動ソレノイドの動作内容が周期であると判別した場合には(S5361E:Yes)、周期駆動カウンタ223egaの値に0.5秒に対応する値を設定し(S5362E)、本処理を終了する。一方、S5361Eの処理において、駆動ソレノイドの動作内容が周期であると判別しなかった(動作内容が1回であると判別した)場合には(S5361E:No)、S5362Eの処理をスキップし、本処理を終了する。
次に、図1386を参照して、本第30制御例における演出更新処理(S4111E)の詳細について説明する。図1386は、演出更新処理(S4111E)の内容を示したフローチャートである。この演出更新処理(S4111E)は、上述した通り、第1制御例の演出更新処理(図58のS4111参照)に代えて実行される処理であり、第1制御例における演出更新処理(図58のS4111参照)の内容に加え、変動演出の開始からの経過時間に応じて、役物演出に係る演出を設定する処理である。
演出更新処理(S4111E)が実行されると、まず、従変動時間タイマ223eaの値が0より大きいか判別する(S5401E)。従変動時間タイマ223eaの値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5401E:No)、S5414Eの処理に移行する。一方、S5401Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が0より大きいと判別した場合は(S5401E:Yes)、従変動時間タイマ223eaの値から1を減算し(S5402E)、役物演出抽選フラグ223ebがオンであるかを判別する(S5403E)。S5403Eの処理において、役物演出抽選フラグ223ebがオンであると判別した場合には(S5403E:Yes)、従変動時間タイマ223eaの値が25000であるかを判別する(S5404E)。S5404Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が25000であると判別しなかった場合には(S5404E:No)、S5414Eの処理に移行する。
一方、S5404Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が25000であると判別した場合には(S5404E:Yes)、役物演出操作タイマ223edに2秒に対応する値を設定し(S5405E)、役物演出実行抽選に対応する表示態様を含む演出態様を設定する(S5406E)。これにより、所定のタイミング(基本変動時間に対応する演出が終了する25秒前)に、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行するための操作有効期間と、実行抽選に対応する表示態様を含む演出態様を表示させることができる。S5406Eの処理が終了すると、次いで、役物演出抽選フラグ223ebをオフに設定し(S5407E)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5408E)、S5414Eの処理に移行する。
これらに対し、S5403Eの処理において、役物演出抽選フラグ223ebがオンであると判別しなかった場合は(S5403E:No)、役物演出実行フラグがオンであるかを判別する(S5409E)。S5409Eの処理において、役物演出実行フラグ223ecがオンであると判別しなかった場合は(S5409E:No)、S5414Eの処理に移行する。一方、S5409Eの処理において、役物演出実行フラグ223ecがオンであると判別した場合は(S5409E:Yes)、役物演出を実行している期間であることを意味するため、従変動時間タイマ223eaの値が0より大きいかを判別する(S5410E)。S5410Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が0より大きいと判別した場合は(S5410E:Yes)、後述する役物演出更新処理を実行し(S5411E)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5412E)、S5414Eの処理に移行する。一方、S5410Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5410E:No)、後述する役物演出終了処理を実行し(S5413E)、S5414Eの処理に移行する。S5414Eの処理では、その他各種カウンタ、及び各種タイマの更新処理を実行し(S5414E)、本処理を終了する。
次に、図1387を参照して、本第30制御例における役物演出更新処理(S5411E)の詳細について説明する。図1387は、役物演出更新処理(S5411E)の内容を示したフローチャートである。この役物演出更新処理(S5411E)は、演出更新処理(図1386のS4111E参照)において実行される処理であり、変動演出開始からの経過時間に応じて、役物演出の実行期間における演出を設定する処理である。
役物演出更新処理(S5411E)が実行されると、まず、従変動時間タイマ223eaの値が23000であるか判別する(S5431E)。S5431Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が23000であると判別した場合は(S5431E:Yes)、駆動ポインタ223egbの値に01Hを設定し(S5432E)、役物演出準備期間を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5433E)、駆動テーブル222eeから駆動ポインタ223egbの値に対応するデータを駆動データ格納エリア223egcに格納し(S5434E)、本処理を終了する。
S5431Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が23000であると判別しなかった場合には(S5431E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が22000であるかを判別する(S5435E)。S5435Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が22000であると判別した場合には(S5435E:Yes)役物演出操作タイマ223edに3秒に対応する値を設定し(S5436E)、操作有効期間を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5437E)、本処理を終了する。一方、S5435Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が22000であると判別しなかった場合には(S5435E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が15000であるかを判別する(S5438E)。
S5438Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が15000であると判別した場合には(S5438E:Yes)、役物演出操作タイマ223edに3秒に対応する値を設定し(S5439E)、ソレノイド選択ポインタ223egf(S5440E)、操作有効期間を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5441E)、本処理を終了する。一方、S5438Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が15000であると判別しなかった場合には(S5438E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が10000であるかを判別する(S5442E)。
S5442Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が10000であると判別した場合には(S5442E:Yes)、役物演出操作タイマ223edに2秒に対応する値を設定し(S5443E)、ソレノイド選択ポインタ223egfの値に00Hを設定し(S5444E)、操作有効期間を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5445E)、本処理を終了する。これに対し、S5442Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が10000であると判別しなかった場合には(S5442E:No)、後述する落下予告設定処理を実行し(S5446E)、本処理を終了する。
次に、図1388を参照して、本第30制御例における落下予告設定処理(S5446E)の詳細について説明する。図1388は、落下予告設定処理(S5446E)の内容を示したフローチャートである。この落下予告設定処理(S5446E)は、役物演出更新処理(図1387のS5411E)において実行される処理であり、役物演出における落下予告の予告内容を示すデータを設定する処理である。
落下予告設定処理(S5446E)が実行されると、まず、予告発生フラグ223efはオンであるか判別する(S5471E)。S5471Eの処理において、予告発生フラグ223efがオンであると判別しなかった場合には(S5471E:No)、落下予告を発生させる条件を満たしていないことを意味するため、本処理を終了する。一方、S5471Eの処理において、予告発生フラグ223efがオンであると判別した場合には(S5471E:Yes)、従変動時間タイマ223eaの値が17001以上、且つ18000未満であるか判別する(S5472E)。S5472Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が17001以上、且つ18000未満であると判別した場合には(S5472E:Yes)、落下役物900が第1中間位置に停止し得る期間であることを意味するため、第1中間センサ943がオンであるかを判別する(S5473E)。S5473Eの処理において、第1中間センサ943がオンであると判別しなかった場合には(S5473E:No)、落下役物900が第1中間位置に位置していないことを意味するため、本処理を終了する。
これに対し、S5473Eの処理において、第1中間センサ943がオンであると判別した場合は(S5473E:Yes)、落下役物900が第1中間位置に位置していることを意味するため、予告内容格納エリア223eeに格納されているデータを参照して第1落下予告の予告内容を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5474E)、予告発生フラグ223efをオフに設定し(S5475E)、本処理を終了する。
これらに対し、S5472Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が17001以上、且つ18000未満であると判別しなかった場合は(S5472E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が10001以上、且つ11000未満であるか判別する(S5476E)。S5476Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が10001以上、且つ11000未満であると判別した場合は(S5476E:Yes)、落下役物900が第2中間位置に停止し得る期間であることを意味するため、第2中間センサ944がオンであるか判別する(S5477E)。S5477Eの処理において、第2中間センサ944がオンであると判別しなかった場合は(S5477E:No)、落下役物900が第2中間位置に位置していないことを意味するため、本処理を終了する。これに対し、S5477Eの処理において、第2中間センサ944がオンであると判別した場合には(S5477E:Yes)、落下役物900が第2中間位置で停止していることを意味するため、予告内容格納エリア223eeに格納されているデータを参照して第2落下予告の予告内容を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5478E)、予告発生フラグ223efをオフに設定し(S5479E)、本処理を終了する。
また、S5476Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が10001以上、且つ11000未満であると判別しなかった場合は(S5476E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が1001以上、且つ2000未満であるか判別する(S5480E)。S5480Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が1001以上、且つ2000未満であると判別した場合は(S5480E:Yes)、原点位置センサ941はオンであるか判別する(S5481E)。S5481Eの処理において、原点位置センサ941がオンであると判別しなかった場合には(S5481:No)、本処理を終了する。一方で、S5481Eの処理において、原点位置センサ941がオンであると判別した場合は(S5481E:Yes)、予告内容格納エリア223eeに格納されているデータを参照して最終落下予告の予告内容を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5482E)、本処理を終了する。これに対し、S5480Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が1001以上、且つ2000未満であると判別しなかった場合には(S5480E:No)、役物演出において落下役物900が下降している期間ではないことを意味するため、本処理を終了する。
次に、図1389を参照して、本第30制御例における役物演出終了処理(S5413E)の詳細について説明する。図1389は、役物演出終了処理(S5413E)の内容を示したフローチャートである。この役物演出終了処理(S5413E)は、演出更新処理(図1386のS4111E)において実行される処理であり、役物演出に係る各種フラグ、及びカウンタ等をリセットする処理である。
役物演出終了処理(S5413E)が実行されると、まず、役物演出実行フラグ223ecをオフに設定し(S5501E)、次いで、予告内容格納エリア223eeをクリアし(S5502E)、駆動データ格納エリア223egcをクリアし(S5503E)、駆動回数カウンタ223egeの値が0より大きいか判別する(S5504E)。S5504Eの処理において、駆動回数カウンタ223egeの値が0より大きいと判別した場合には(S5504E:Yes)、駆動回数カウンタ223egeの値に0を設定し(S5505E)、本処理を終了する。一方、S5504Eの処理において、駆動回数カウンタ223egeの値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5504E:No)、S5505Eの処理をスキップし、本処理を終了する。
次に、図1390を参照して、本第30制御例における役物駆動処理(S4120E)の詳細について説明する。図1390は、役物駆動処理(S4120E)の内容を示したフローチャートである。この役物駆動処理(S4120E)は、役物演出において、落下役物900を動作させるためのデータを設定する処理である。
役物駆動処理(S4120E)が実行されると、まず、駆動ポインタ223egbの値が00Hであるかを判別する(S5601E)。S5601Eの処理において、駆動ポインタ223egbの値が00Hであると判別した場合は(S5601E:Yes)、役物演出が実行されていない(落下役物900を可動させる期間ではない)ことを意味するため、本処理を終了する。一方、S5601Eの処理において、駆動ポインタ223egbの値が00Hではないと判別した場合には(S5601E:No)、駆動データ格納エリア223egcからデータを読み出し(S5602E)、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおいてセンサデータが規定されているか判別する(S5603E)。ここで、センサデータが規定されているとは、退避センサ940がオンとなるまで可動させることを示すデータ(例えば、01H)、または張出位置センサ942がオンとなるまで可動させることを示すデータ(例えば、02H)、が規定されていることを意味し、センサデータが規定されていないことを示すためのデータ(例えば、ダミーデータとして規定される00H)が規定されていると判別した場合に、センサデータが規定されていないと判別する。
S5603Eの処理において、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおいてセンサデータが規定されていると判別した場合は(S5603E:Yes)、センサデータに対応するセンサ(退避センサ940、または張出位置センサ942)がオンであるか判別する(S5604E)。S5604Eの処理において、センサデータに対応するセンサ(退避センサ940、または張出位置センサ942)がオンであると判別しなかった場合には(S5604E:No)、センサデータに対応するセンサに到達していない(センサがオンとなるまで可動させる期間である)ことを意味するため、S5605Eの処理に移行する。
一方、S5604Eの処理において、センサデータに対応するセンサ(退避センサ940、または張出位置センサ942)がオンであると判別した場合は(S5604E:Yes)、退避センサ940がオンであるか判別する(S5607E)。即ち、S5604Eの処理でオンであると判別したセンサが、退避センサ940であるか判別する。S5607Eの処理において、退避センサ940がオンであると判別した場合は(S5607E:Yes)、駆動モータ910の励磁の停止を設定し(S5608E)、駆動ポインタ223egbの値が0BHであるか判別する(S5609E)。S5609Eの処理において、駆動ポインタ223egbの値が0BHではないと判別した場合は(S5609E:No)、駆動テーブル222eeの最後のデータに対応する動作まで進行していないことを意味するため、S5610Eの処理に移行する。
また、S5609Eの処理において、駆動ポインタ223egbの値が0BHであると判別した場合は(S5609E:Yes)、駆動ポインタ223egbの値に00Hを設定し(S5613E)、S5606Eの処理に移行する。これらに対し、S5607Eの処理において、退避センサ940がオンであると判別しなかった場合(即ち、張出位置センサ942がオンであると判別した場合)は(S5607E:No)、保持ソレノイド920の駆動を設定し(S5614E)、S5610Eの処理に移行する。なお、S5614Eの処理では、保持ソレノイド920のプッシュバーを4秒間突出状態で維持する(即ち、4秒間励磁する)駆動内容で駆動が設定される。これにより、張出位置まで移動した落下役物900を、4秒間突出状態となる保持ソレノイド920により保持することができる。
S5610Eの処理では、駆動ポインタ223egbの値に1を加算し(S5610E)、駆動テーブル222eeから駆動ポインタ223egbの値に対応するデータを駆動データ格納エリア223egcに格納し(S5611E)、駆動データ格納エリア223egcに格納したデータにおける時間データに対応する値を駆動タイマ223egdの値に設定し(S5612E)、S5606Eの処理に移行する。
S5603Eの処理において、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおいてセンサデータが規定されていると判別しなかった場合は(S5603E:No)、落下役物900を可動させない(即ち、動作データに待機を示すデータが規定されている)ことを意味するため、駆動タイマ223egdの値から1を減算し(S5615E)、減算後の駆動タイマ223egdの値が0であるか判別する(S5616E)。S5616Eの処理において、駆動タイマ223egdの値が0であると判別しなかった場合は(S5616E:No)、本処理を終了する。一方、S5616Eの処理において、駆動タイマ223egdの値が0であると判別した場合は(S5616E:Yes)、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおける時間データに対応する時間が経過したことを意味するため、駆動ポインタ223egbの値に1を加算し(S5617E)、駆動テーブル222eeから加算後の駆動ポインタ223egbの値に対応するデータを駆動データ格納エリア223egcに格納し(S5618E)、回転開始フラグ223egjをオンに設定し(S5619E)、S5605Eの処理に移行する。
S5615Eの処理では、後述する駆動モータ回転処理を実行し(S5605E)、その後、S5606Eの処理に移行する。S5606Eの処理では、設定された各種駆動内容に対応する駆動コマンドを設定し(S5606E)、本処理を終了する。
次に、図1391を参照して、本第30制御例における駆動モータ回転処理(S5605E)の詳細について説明する。図1391は、駆動モータ回転処理(S5605E)の内容を示したフローチャートである。この駆動モータ回転処理(S5605E)は、駆動モータ910を正方向、または負方向へと回転させるために各種データを設定する処理である。
駆動モータ回転処理が実行されると、まず、回転開始フラグ223egjがオンであるか判別する(S5631E)。S5631Eの処理において、回転開始フラグ223egjがオンであると判別しなかった場合は(S5631E:No)、励磁スピードカウンタ223eggの値に1を加算し(S5632E)、加算後の励磁スピードカウンタ223eggの値が駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおけるスピードデータの値と一致しているか判別する(S5633E)。S5633Eの処理において、励磁スピードカウンタ223eggの値が駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおけるスピードデータの値と一致していると判別しなかった場合は(S5633E:No)、1ステップあたりの所要時間が経過していないことを意味するため、本処理を終了する。一方、S5633Eの処理において、励磁スピードカウンタ223eggの値と駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおけるスピードデータの値が一致していると判別した場合は(S5633E:Yes)、S5635Eの処理に移行する。
これらに対し、S5631Eの処理において、回転開始フラグ223egjがオンであると判別した場合は(S5631E:Yes)、回転開始フラグ223egjをオフに設定し(S5634E)、S5635Eの処理に移行する。これにより、駆動モータ910を待機状態(回転していない状態)から回転状態に切替えるタイミングにおいて、即座に1ステップ目の動作に対応する励磁制御データを設定させることができる。
S5635Eの処理では、励磁スピードカウンタ223eggの値に0を設定し(S5635E)、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおける動作データが正方向を示すデータであるか判別する(S5636E)。S5636Eの処理において、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおける動作データが正方向を示すデータであると判別した場合は(S5636E:Yes)、励磁カウンタ223eghの値が4であるか判別する(S5637E)。S5637Eの処理において、励磁カウンタ223eghの値が4であると判別しなかった場合は(S5637E:No)、励磁カウンタ223eghの値に1を加算し(S5638E)、S5643Eの処理に移行する。一方、S5637Eの処理において、励磁カウンタ223eghの値が4であると判別した場合は(S5637E:Yes)、励磁カウンタ223eghの値に1を設定し(S5639E)、S5643Eの処理に移行する。
これらに対し、S5636Eの処理において、駆動データ格納エリア223egcに格納されている動作データが正方向であると判別しなかった(負方向であると判別した)場合には(S5636E:No)、励磁カウンタ223eghの値が1であるか判別する(S5640E)。なお、本第30制御例では、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおいてセンサデータが規定されている(即ち、駆動モータ910を回転させる)場合に、駆動モータ回転処理(S5605E)が実行されるように構成されているため、S5636Eの処理において、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおける動作データが正方向を示すデータであると判別しなかったことは、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおける動作データが負方向を示すデータであることを意味する。
S5640Eの処理において、励磁カウンタ223eghの値が1であると判別しなかった場合は(S5640E:No)、励磁カウンタ223eghの値から1を減算し(S5641E)、S5643Eの処理に移行する。一方、S5640Eの処理において、励磁カウンタ223eghの値が1であると判別した場合は(S5640E:Yes)、励磁カウンタ223eghの値に4を設定し(S5642E)、S5643Eの処理に移行する。
S5643Eの処理では、励磁テーブル222efから励磁カウンタ223eghの値に対応するデータを励磁データ格納エリア223egiに設定し(S5643E)、本処理を終了する。
次に、図1392を参照して、本第30制御例におけるソレノイド駆動処理(S4121E)の詳細について説明する。図1392は、ソレノイド駆動処理(S4121E)の内容を示したフローチャートである。このソレノイド駆動処理(S4121E)は、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)を所定の動作で駆動させる処理である。
ソレノイド駆動処理が実行されると、まず、役物演出実行フラグ223ecがオンであるか判別する(S5701E)。S5701Eの処理において、役物演出実行フラグ223ecがオンであると判別しなかった場合には(S5701E:No)、役物演出が実行されている期間ではないことを意味するため、本処理を終了する。一方、S5701Eの処理において、役物演出実行フラグ223ecがオンであると判別した場合には(S5701E:Yes)、従変動時間タイマ223eaの値が18000,11000のいずれかであるかを判別する(S5702E)。S5702Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が18000,11000のいずれかであると判別した場合には(S5702:Yes)、役物演出における落下役物900の1回目の落下動作、または2回目の落下動作のいずれかの開始タイミングであることを意味するため、周期駆動カウンタ223egaの値に0を設定し(S5703E)、予告発生フラグ223efはオンであるかを判別する(S5704E)。S5704Eの処理において、予告発生フラグ223efがオンであると判別しなかった場合には(S5704E:No)、落下予告の発生条件を満たしていないため、本処理を終了する。
一方、S5704Eの処理において、予告発生フラグ223efがオンであると判別した場合には(S5704E:Yes)、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであるかを判別する(S5705E)。S5705Eの処理において、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであると判別した場合には(S5705E:Yes)第1駆動ソレノイド955の駆動を設定し(S5706E)、S5715Eの処理に移行する。一方、S5705Eの処理において、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が01Hであると判別した場合には(S5705E:No)、第2駆動ソレノイド965の駆動を設定し(S5707E)、S5715Eの処理に移行する。なお、S5706E、及びS5707Eの処理では、落下役物900を第1中間位置、または第2中間位置に停止(維持)させるために、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)に対して所定時間(例えば、5秒間)プッシュバーを突出させる駆動内容で駆動が設定される。これにより、役物演出において、落下役物900を第1中間位置、または第2中間位置に停止させることができる。
これらに対し、S5702Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が18000,11000のいずれかであると判別しなかった(従変動時間タイマ223eaの値が18000,11000のどちらでも無いと判別した)場合には、周期駆動カウンタ223egaの値が0より大きいか判別する(S5708E)。S5708Eの処理において、周期駆動カウンタ223egaの値が0より大きい値であると判別しなかった場合には(S5708E:No)、本処理を終了する。一方、S5708Eの処理において、周期駆動カウンタ223egaの値が0より大きいと判別した場合には(S5708E:Yes)、周期駆動カウンタ223egaの値から1を減算し(S5709E)、減算後の周期駆動カウンタ223egaの値の値が0であるかを判別する(S5710E)。S5710Eの処理において、周期駆動カウンタ223egaの値が0であると判別しなかった場合には(S5710E:No)、本処理を終了する。
一方、S5710Eの処理において、減算後の周期駆動カウンタ223egaの値が0であると判別した場合には(S5710E:Yes)、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)を所定の周期毎(0.5秒毎)に駆動させる状態が選択された場合において、1周期分の時間(0.5秒)が経過したことを意味するため、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであるかを判別する(S5711E)。S5711Eの処理において、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであると判別した場合には(S5711E:Yes)、第1駆動ソレノイド955の駆動を設定し(S5712E)、S5714Eの処理に移行する。一方、S5711Eの処理において、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであると判別しなかった場合には(S5711E:No)、第2駆動ソレノイド965の駆動を設定し(S5713E)、S5714Eの処理に移行する。S5714Eの処理では、周期駆動カウンタ223egaの値に0.5秒に対応する値を設定し(S5714E)、S5715Eの処理に移行する。なお、S5712E、及びS5713Eの各処理では、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)のプッシュバーを0.25秒突出状態にさせる駆動内容で駆動が設定される。
S5715Eの処理では、駆動回数カウンタ223egeの値に1を加算し(S5715E)、加算後の駆動回数カウンタ223egeの値に対応する表示態様を含む演出態様を設定する(S5716E)。S5716Eの処理が終了すると、次いで、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5717E)、設定された駆動内容に対応する駆動コマンドを設定し(S5718E)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第30制御例では、保持ソレノイド920が駆動されることにより張出位置から可動可能な落下役物900と、第1駆動ソレノイド955の駆動力によって可動され、落下役物900に当接可能な第1当接部材952と、を設け、落下役物900が可動される演出を含む役物演出において、第1当接部材952が遊技者から視認可能な特定領域(第1小窓950を介して視認可能な領域)に位置している状態において、落下役物900が張出位置から原点位置側に可動される場合に、落下役物900と第1当接部材952とが当接し易くなるように構成した。このように構成することで、第1当接部材952が遊技者から視認可能な特定領域(第1小窓950を介して視認可能な領域)に位置している場合に、遊技者に対して落下役物900と第1当接部材952とが当接することを予測させ易くすることができるので、落下役物900と第1当接部材952とが当接する当接箇所の近傍に遊技者の視線を集め易くすることができる。よって、遊技者に対してより分り易い演出を提供することができる。
また、本第30制御例では、所定の実行抽選(役物演出の実行可否を決定する実行抽選)において特定の抽選結果(役物演出の実行に対応する抽選結果)となったことを示す表示態様(例えば、「役物演出GET!」という文字)が表示された場合に、落下役物900を可動させる演出を含む役物演出を実行可能に構成した。このように構成することで、落下役物900が可動され得る期間を遊技者がより明確に把握し易くすることができるので、遊技者に対してより分り易い演出を提供することができる。
また、本第30制御例では、役物演出において、移動体(第1当接部材952、または第2当接部材962)を移動させることが可能な第2駆動手段(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)を所定の周期毎(0.5秒毎)に駆動させることが可能に構成され、第2駆動手段(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)が所定の周期毎(0.5秒毎)に駆動された場合に、可動手段(落下役物900)と移動体(第1当接部材952、または第2当接部材962)とが当接し易く構成されている。このように構成することで、移動体(第1当接部材952、または第2当接部材962)が遊技者から視認可能な特定領域(第1小窓950、または第2小窓960を介して視認可能な領域)に移動した場合において、移動体(第1当接部材952、または第2当接部材962)の動作を用いて、可動手段(落下役物900)と移動体(第1当接部材952、または第2当接部材962)とが当接する可能性を示唆することができるので、遊技者により分かり易い演出を提供することができる。
本第30制御例では、枠ボタン22が押下された場合に、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能に構成していたが、これに限るものではない。例えば、遊技領域に発射された遊技球が所定の検出手段(例えば、近接スイッチ)により検出された場合に、当該実行抽選を実行可能に構成してもよい。このように構成することで、枠ボタン22を操作するために遊技者が発射ハンドルから手を離す(即ち、遊技球の発射を中断する)ことで、遊技の効率(一定時間あたりの遊技球の発射量)が低下してしまう不具合を抑制することができる。また、遊技者が所有しているスマートフォンに対して所定の操作(例えば、パチンコ機10で実行される演出と対応する演出を実行可能なアプリケーションプログラムによりスマートフォンに表示されたPush表示をタッチする操作)がされた場合に、当該実行抽選を実行可能に構成してもよい。このように構成することで、スマートフォンを操作しながら遊技している遊技者や、感染症対策等に起因してパチンコ機10への接触を減らしたい遊技者に対して、当該実行抽選を実行させる意欲を向上させることができる。この場合、Wifi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の無線通信手段を用いて、スマートフォンに対して実行された所定の操作をパチンコ機10に対して出力可能に構成すればよい。
本第30制御例では、役物演出において落下役物900が可動する範囲の下限を落下役物900の原点位置とし、上限を張出位置として構成していたが、これに限るものではない。例えば、役物演出において落下役物900が可動する範囲の下限を張出位置とし、上限を原点位置として構成してもよい。このように構成することで、役物演出の準備期間において落下役物900を上昇させる必要がなくなるため、最初に落下役物900が自由落下により下降した際に遊技者に与えるインパクトをより大きくすることができる。この場合、役物演出が終了するタイミングまでに、下限に位置している落下役物900を上限まで上昇させ、保持ソレノイド920を非励磁期間においてバネ等の付勢手段により突出状態となるソレノイド(所謂、プルソレノイド)で構成すると良い。
本第30制御例では、役物演出において第1駆動ソレノイド955の周期動作が設定された場合に、所定のタイミング(落下役物900が張出位置から下降し始めるタイミング)まで第1駆動ソレノイド955の周期動作を継続させるように構成していたがこれに限るものではなく、例えば、操作手段(例えば、枠ボタン22)が操作されることで成立する停止条件が成立した場合に、当該周期動作を停止させるように構成してもよい。このように構成することで、第1駆動ソレノイド955の動作を遊技者が任意のタイミングで停止させることができるため、遊技者の利便性を向上させることができる。
本第30制御例では、落下役物900が停止している停止期間において第1駆動ソレノイド955を所定の周期毎(0.5秒毎)に駆動させることが可能に構成したが、第1駆動ソレノイド955を所定の周期毎(0.5秒毎)に駆動させることが可能な期間は、落下役物900が停止している停止期間に限るものではなく、例えば、落下役物900が下降している期間において第1駆動ソレノイド955を所定の周期毎(0.5秒毎)に駆動可能に構成してもよい。この場合、ロータリダンパ等を設けることにより落下役物900の下降速度が比較的遅くなるように構成し、落下役物900が第1中間位置近傍に到達したことを検出可能な検出手段(遮光型センサ)を設け、当該検出手段が落下役物900を検出したタイミングで第1駆動ソレノイド955を所定の周期毎(0.5秒毎)に駆動させる駆動制御を停止するように構成すると良い。このように構成することで、落下役物900が第1中間位置に到達するタイミングに対してギリギリまで落下役物900と第1当接部材952とが当接することを煽る演出を実行することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第30制御例では、役物演出において、落下役物900が張出位置から原点位置側に向けて下降する落下動作が、必ず3回実行されるように構成していたが、これに限るものではなく、例えば、落下予告の発生有無に応じて落下動作の実行回数が可変するように構成しても良い。より具体的には、役物演出において、第1落下予告が発生したことを条件に2回目の落下動作を実行し、第2落下予告が発生したことを条件に3回目の落下動作を実行するように構成してもよい。このように構成することで、落下予告が発生していないにも関わらず落下動作が繰り返されることで遊技者が不快に感じることを抑制することができる。また、これに代えて、役物演出の実行可否を決定する実行抽選において、落下動作の実行回数を決定するように構成してもよい。この場合、落下動作の実行回数が多い方が遊技者にとって有利となる(例えば、大当たり期待度が高い)ように構成すると良い。このように構成することで、落下役物900の落下動作が多く実行されることを遊技者に期待させることができる。よって役物演出の演出効果を向上させることができる。
本第30制御例では、役物演出において、張出位置から下降した落下役物900を再び張出位置まで上昇させる駆動制御が予め決められた所定のタイミングで実行されるように構成しているが、これに限るものではなく、例えば、落下予告が発生せず、落下役物900が下降することで原点位置センサがオンとなった場合には、所定のタイミングよりも前に落下役物900を張出位置まで上昇させるように構成してもよい。このように構成することで、落下予告が発生しない状態が選択されたにも関わらず、落下役物900が原点位置に長く位置していることで、落下役物900の背面に予告等が表示されるのではないかと遊技者に勘違いさせてしまう不具合を軽減することができる。
本第30制御例では、第1当接部材952を第1ガイド部952aで挟持することによって水平方向にのみスライド変位するように構成していたが、これに限るものではなく、例えば、第1当接部材952を前面側と背面側でのみ挟持し、第1当接部材952と第1駆動ソレノイド955とを第1当接部材952が上下方向にも可動可能に具設(弾設)してもよい。より具体的には、第1当接部材952が正面視左方向に可動されることで第1当接部材952と落下役物900の突出部900cとが当接する場合に、第1当接部材952の左側曲面における上方の位置で突出部900cと当接した場合には第1当接部材952が正面視下方向に可動し、第1当接部材952の左側曲面における下方で突出部900cと当接した場合には第1当接部材952が正面視上方向に可動するように構成してもよい。即ち、所定方向へと変位する手段と移動する物体とが接触した場合に、該物体が異なる方向へ移動し得る状況を創出可能に構成してもよい。このように構成することで、落下役物900と第1当接部材952とが当接する場合に、落下役物900と当接することで可動する第1当接部材952の動作パターンを増加させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、上述した変形例では、落下役物900と当接した第1当接部材952の当接位置によって第1当接部材952の可動方向を異ならせることで動作パターンを増加させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、当接後の可動速度を変更させたり、当選時の外力によって第1当接部材952の形状を変形させたりすることによって動作パターンを増加させるように構成しても良い。
<第30制御例の第1変形例>
次に、図1393から図1399を参照して、本第30制御例の第1変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第30制御例におけるパチンコ機10では、落下役物900を可動させる演出を含む役物演出において、第1駆動ソレノイド955が駆動されることで第1当接部材952が遊技者から視認可能な特定領域(第1小窓950を介して視認可能な領域)に移動した場合に、張出位置から移動する落下役物900と第1当接部材952とが当接し易く構成することで、遊技者に対してより分り易い演出を実行可能に構成していた。
これに対して、第30制御例の第1変形例では、役物演出において、自由落下により下降する落下役物900と第1当接部材952とが複数の位置で当接可能に構成され、落下役物900と第1当接部材952とが当接する当接位置に応じて落下役物900が張出位置から移動する移動幅を可変可能に構成されている。このように構成することで、可動手段(落下役物900)と移動体(第1当接部材952)とが当接する場合における可動手段(落下役物900)の停止位置が固定化し、演出が単調になってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第1変形例におけるパチンコ機10が、上述した第30制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、落下役物900の可動に係る構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、及び音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第30制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第30制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
なお、上述した第30制御例における役物演出では、落下役物900が張出位置に位置している期間において枠ボタン22が押下された場合に第1駆動ソレノイド955を駆動させることが可能に構成されていたのに対し、本第1変形例における役物演出では、落下役物900が張出位置から原点位置側へ下降している期間において枠ボタン22が押下された場合に第1駆動ソレノイド955を駆動させることが可能に構成されている。即ち、上述した第30制御例では、落下役物900を第1中間位置に停止させるか否かを抽選により決定し、落下役物900を第1中間位置に停止させる場合には、落下役物900が張出位置から下降し始めるタイミングにおいて、第1駆動ソレノイド955を駆動させるように構成していたのに対し、本第1変形例では、落下役物900が張出位置から下降している期間において、枠ボタン22の操作タイミングに応じて第1駆動ソレノイド955を駆動させることで、落下役物900と第1当接部材952との当接位置が可変し得る構成としている。このように構成することで、落下役物900を第1中間位置に停止させるために枠ボタン22を操作するタイミングを計る遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、本第1変形例では、上述したように、遊技者が枠ボタン22を操作したタイミングに応じて落下役物900が第1中間位置に停止するか否かが可変するように構成しているため、第1中間センサ943が所定時間(1秒)オンとなったことを契機として、第1落下予告を発生させるように構成している。このように構成することで、遊技者が枠ボタン22を操作したタイミングに応じて、落下予告の発生有無が決定し得るため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、上述した第30制御例では、落下役物900を第1位置に停止させた場合に、第1位置から張出位置まで上昇させて、次の落下動作を実行させるように構成していたのに対して、本第1変形例では、落下役物900を第1位置に停止させた場合、落下役物900を第1位置に所定時間(例えば、1.5秒間)停止させた後、落下役物900を第1位置から原点位置まで自重により下降させ、その後、原点位置から張出位置まで上昇させるように構成されている。このように構成することで、落下役物900が下降を開始する下降開始位置を複数設けることができるので、落下役物900の動作態様を多様化することができる。なお、本第1変形例おいて、役物演出中に実行されるその他の演出態様(表示態様等)は、上述した第30制御例における役物演出中に実行される演出態様(表示態様等)と同一であるため、詳細な説明と図示とを省略する。
<第30制御例の第1変形例における装飾用可動役物について>
まず、図1393から図1395を参照して、本第1変形例における落下役物900の可動に係る構成について説明する。図1393は、本第1変形例における落下役物900の可動に係る構成を示した図である。図1393に示した通り、本第1変形例では、上述した第30制御例に対して、落下役物900の構成の一部を変更した点と、ロータリダンパ905を追加して設けた点と、落下役物900の構成の変更に応じて支柱990と駆動ベース体930との形状を変更した点と、において相違している。
図1393に示したように、本第1変形例における落下役物900は、上述した第30制御例に対して、突出部900cに代えて第1当接面900eaと第2当接面900ebとを有する突出部900eが設けられている点と、ギア部を有するラック900fが追加して設けられている点と、で相違している。突出部900e、及びラック900fは、落下役物900の構成の一部であり、落下役物900が上下方向に可動すると共に上下方向に可動可能に構成されている。また、駆動ベース体930の正面視上方には、ギア部906を有するロータリダンパ905が固着されており、当該ロータリダンパ905のギア部906とラック900fのギア部とが噛合するように構成されている。当該ロータリダンパ905は一方向(正面視時計回り)にのみトルクが発生し、回転力を減衰することが可能なものである。より具体的には、駆動モータ910の駆動力により落下役物900が上昇する場合には、ロータリダンパ905のギア部906が正面視時計回りに回転するので、ロータリダンパ905にトルクは発生せず、落下役物900が自重により下降(落下)する場合には、ロータリダンパ905のギア部906が正面視時計回りに回転するので、ロータリダンパ905にトルクが発生する。これにより、駆動モータ910の駆動力により落下役物900を上昇させる場合には、落下役物900の上昇動作を妨げることなく滑らかに落下役物900を上昇させることができ、落下役物900を下降(落下)させる場合には、自由落下により下降させる場合よりも遅いスピード(張出位置から原点位置まで約3秒で移動するスピード)で緩やかに下降させることができる。
なお、本第1変形例では、役物演出における1回目と2回目との操作有効期間(3秒間)が、落下役物900が張出位置から下降し始めるタイミングで開始されるように構成されている。即ち、落下役物900が下降している期間において駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)を駆動させることが可能に構成され、駆動ソレノイド(第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965)を駆動させるタイミングに応じて、当接部材(第1当接部材952、または第2当接部材962)が当接する箇所(第1当接面900ea、または第2当接面900eb)が可変するように構成されている。このように構成することで、当接部材(第1当接部材952、または第2当接部材962)を可動させるタイミングを計る遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第1変形例における役物演出は、上述した第30制御例における役物演出に対して、落下役物900が下降している期間を含む所定期間(3秒間)の操作有効期間が設定される点と、落下役物900が所定位置(第1中間位置、または第2中間位置)に所定時間(1秒間)停止した場合(即ち、当接部材(第1当接部材952、または第2当接部材962)が第1当接面900eaに当接した場合)に落下役物を発生させる点と、において相違している。
上述した通り、本第1変形例における落下役物900の突出部900eは、第1当接部材952、及び第2当接部材962が嵌合可能な凹状に形成された第1当接面900eaを有している。詳細については後述するが、本第1変形例では、張出位置から下降している落下役物900の突出部900cにおける第1当接面900eaに第1当接部材952が当接した場合には、落下役物900を第1中間位置に停止可能に構成され、張出位置から下降している落下役物900の突出部900cにおける第2当接面900ebに第1当接部材952が当接した場合には、落下役物900を第1中間位置に停止困難(第1中間位置からズレた位置で停止)となるように構成されている。このように構成することで、張出位置から下降する落下役物900と第1当接部材952とが当接した場合に、第1当接部材952が当接した当接箇所に応じて落下役物900の停止位置を可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1394、及び図1395を参照して、本第1変形例における落下役物900と第1当接部材952との動作態様について説明する。なお、第2駆動ソレノイド965と第2当接部材962とは、それぞれ第1駆動ソレノイド955と第1当接部材952とに対して、配設位置が第2中間位置に合わせた高さである点においてのみ相違し、その他の構成(例えば、落下役物900に対する当接方法)については同一であるため、その詳細な説明を省略する。図1394(a)は、落下役物900が張出位置に位置している場合における、突出部900eと第1当接部材952との状態を示した図である。落下役物900は、張出位置に位置している場合において、落下役物900の突出部900eにおける第2当接面900ebが駆動ベース体930に固着された保持ソレノイド920のプッシュバーに当接することにより、張出位置に保持されることが可能に構成されている。なお、本第1変形例では、落下役物900が張出位置まで移動(上昇)した場合に、保持ソレノイド920を1秒間励磁する(即ち、1秒間プッシュバーを突出させる)ように構成し、保持ソレノイド920が励磁状態から非励磁状態へ切り替わる(即ち、プッシュバーが引込まれる)ことにより、落下役物900と保持ソレノイド920との当接状態が解除され、落下役物900が自重により下降するように構成されている。
図1394(b)は、落下役物900の突出部900eにおける第1当接面900eaと第1当接部材952とが当接し、落下役物900が第1中間位置に停止している状態を示した図である。第1当接面900eaと第1当接部材952とが当接(嵌合)した場合、駆動ベース体930に形成された挟持部952aにより第1当接部材952の鉛直下向きの可動が規制されているため、第1当接部材952と吸着する落下役物900が第1中間位置に保持される。なお、上述した第30制御例と同様に、本第1変形例では落下役物900が第1中間位置に位置している状態では、第1中間センサ943がオン(検出状態)となる。即ち、図1394(b)に示したように、落下役物900の突出部900eにおける第1当接面900eaと第1当接部材952とが当接することで落下役物900が第1中間位置に停止している期間は、第1中間センサ943がオン(検出状態)となる。
図1395(a)は、落下役物900の突出部900eにおける第2当接面900ebと第1当接部材952とが当接した状態を示した図である。本第30制御例では、張出位置から下降している落下役物900の突出部900eにおける第2当接面900ebと第1当接部材952とが当接した場合には、落下役物900が第1中間位置からズレた位置(第1中間位置よりも上方の位置)に停止するように構成されている。即ち、落下役物900が下降している期間において、適当なタイミングで第1当接部材952が可動された場合に限り、落下役物900の突出部900eにおける第1当接面900eaと第1当接部材952とが当接(嵌合)することで、落下役物900を第1中間位置に停止させることが可能に構成されている。このように構成することで、第1落下予告を発生させるために第1当接部材952を可動させるタイミングを計る遊技性を実現することができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第30制御例の第1変形例における電気的構成について>
次に、図1396を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。本第1変形例におけるRAM223は、上述した第30制御例におけるRAM223の構成(図1378参照)に対して、センサ検出タイマ223eaAを追加した点において相違している。その他の構成については上述した第30制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
センサ検出タイマ223eaAは、役物演出において、第1中間センサ943、または第2中間センサ944がオンとなっている時間を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値に0が設定される。このセンサ検出タイマ223eaAは、役物演出において、第1中間センサ943、または第2中間センサ944がオンとなった場合にタイマ値に1秒に対応する値が設定され(図1399のS5875E)、第1中間センサ943、または第2中間センサ944がオンである期間において、落下予告設定処理(図1399のS5847E参照)が実行されるとタイマ値が1ずつ減算される(図1399のS5876E参照)。また、センサ検出タイマ223eaAは、第1中間センサ943、及び第2中間センサ944がオフの状態において、タイマ値が0より大きいと判別された場合に、タイマ値に0が設定される(図1399のS5873E参照)。
なお、本第1変形例では、減算後のセンサ検出タイマ223eaAのタイマ値が0となった(即ち、第1中間センサ943、または第2中間センサ943がオンの状態が1秒継続した)場合に、落下予告(第1落下予告、または第2落下予告)を発生させるように構成されている。
<第30制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1397から図1399を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理を説明する。まず、図1397を参照して、本第1変形例における役物演出押下処理(S5801E)の詳細について説明をする。この役物演出押下処理(S5801E)は、上述した第30制御例の役物演出押下処理(図1384のS5304E参照)に代えて実行される処理であり、役物演出の実行抽選期間、または役物演出中の操作有効期間において枠ボタン22が操作された場合に、当該操作に対応する設定を実行する処理である。図1397は、役物演出押下処理(S5801E)の処理内容を示したフローチャートである。
本第1変形例の役物演出押下処理(S5801E)のうち、S5321E~S5330E、及びS5332Eの各処理では、それぞれ上述した第30制御例における役物演出押下処理(図1384のS5304E参照)のS5321E~S5330E、及びS5332Eの各処理と同一の処理が実行される。また、本第1変形例における役物演出押下処理(S5801E)では、S5322Eの処理において、役物演出実行フラグ223ecがオンであると判別した場合は(S5322E:Yes)、ソレノイド選択ポインタ223egfの値は00Hであるか判別する(S5811E)。S5811Eの処理において、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであると判別した場合は(S5811E:Yes)、第1駆動ソレノイド955の駆動を設定し(S5812E)、S5814Eの処理に移行する。一方、S5811Eの処理において、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであると判別しなかった場合は(S5811E:No)、第2駆動ソレノイド965の駆動を設定し(S5813E)、S5814Eの処理に移行する。
なお、本第1変形例では、S5812E、またはS5813Eの処理によって第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965の駆動が設定された場合、第1駆動ソレノイド955、または第2駆動ソレノイド965のプッシュバーが1.5秒間突出状態となるように駆動(即ち、1.5秒間励磁)される。これにより、落下役物900と当接部材(第1当接部材952、または第2当接部材962)とが当接した場合には、落下役物900が最大で1.5秒間、張出位置と原点位置の途中である途中位置に保持される。
S5814Eの処理では、駆動回数カウンタ223egeの値に1を加算し(S5814E)、駆動回数カウンタ223egeの値に対応する表示態様を含む演出態様を設定し(S5815E)、設定された駆動内容に対応する駆動コマンドを設定し(S5816E)、S5332Eの処理に移行する。S5332Eの処理では、上述した通り、第30制御例におけるS5332Eと同一の処理が実行され、その後、本処理を終了する。
次に、図1398を参照して、本第1変形例における役物演出更新処理(S5831E)の詳細について説明する。図1398は、役物演出更新処理(S5831E)の内容を示したフローチャートである。この役物演出更新処理(S5831E)は、上述した第70制御の役物演出更新処理(図1387のS5411E参照)に代えて実行される処理であり、第1中間センサ943、または第2中間センサ944が所定時間(1秒間)オンの状態が継続した場合に、落下予告を発生させる処理である。
本第1変形例の役物演出更新処理(S5831E)のうち、S5431E~S5434E、S5437E、S5440E、及びS5441Eの各処理では、それぞれ上述した第30制御例における役物演出更新処理(図1387のS5411E参照)のS5431E~S5434E、S5437E、S5440E、及びS5441Eの各処理と同一の処理が実行される。また、本第1変形例における役物演出更新処理(S5831E)では、S5431Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が23000であると判別しなかった場合には(S5431E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が21000であるか判別する(S5841E)。S5841Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が21000であると判別した場合には(S5841E:Yes)、役物演出操作タイマ223edに2秒に対応する値を設定し(S5842E)、操作有効期間を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5437E)、本処理を終了する。
S5841Eの処理において従変動時間タイマ223eaの値が21000であると判別しなかった場合には(S5841E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が14000であるか判別する(S5843E)。S5843Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が14000であると判別した場合には(S5843E:Yes)、役物演出操作タイマ223edに2秒に対応する値を設定し(S5844E)、ソレノイド選択ポインタ223egfの値に01Hを設定し(S5440E)、操作有効期間を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5441E)、本処理を終了する。一方、S5843Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が14000であると判別しなかった場合には(S5843E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が1000であるか判別する(S5845E)。S5845Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が1000であると判別した場合には(S5845E:Yes)、予告内容格納エリア223eeに格納されているデータを参照して最終落下予告の予告内容を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5846E)、本処理を終了する。これにより、従変動時間タイマ223eaの値が1000となったタイミング(基本変動時間(基本時間)に対応する変動演出の残り時間が1秒となったタイミング)において、最終落下予告を発生させることができる。
なお、本第1変形例では、役物演出において最終落下予告が必ず発生するように構成しているが、これに限るものではない。例えば、第1落下予告と第2落下予告との発生有無に応じて最終落下予告の発生可否を決定するように構成してもよい。より具体的には、役物演出において、落下役物900の3回目の落下動作が終了した(落下役物900が原点位置に到達した)タイミングにおいて、第1落下予告と第2落下予告とが発生済みであると判別された場合に、最終落下予告を発生させるように構成してもよい。このように構成することで、最終落下予告が発生することを期待する遊技者に対して、第1落下予告と第2落下予告との発生状況への関心をより向上させることができる。
S5845Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が1000であると判別しなかった場合には(S5845E:No)、後述する落下予告設定処理を実行し(S5847E)、本処理を終了する。
次に、図1399を参照して、本第1変形例における落下予告設定処理(S5847E)の詳細について説明する。図1399は、落下予告設定処理(S5847E)の処理内容を示したフローチャートである。この落下予告設定処理(S5847E)は、本第1変形例の役物演出において、落下予告を発生させる実行条件が成立した場合に、落下予告(第1落下予告、または第2落下予告)を発生させるためのデータを設定する処理である。
落下予告設定処理(S5847E)では、まず、第1中間センサ943、または第2中間センサ944がオンであるか判別する(S5871E)。S5871Eの処理において、第1中間センサ943、または第2中間センサ944がオンであると判別しなかった(第1中間センサ943、及び第2中間センサ944が共にオフであると判別した)場合は(S5871E:No)、センサ検出タイマ223eaAの値が0より大きいか判別する(S5872E)。S5872Eの処理において、センサ検出タイマ223eaAの値が0より大きいと判別した場合は(S5872E:Yes)、センサ検出タイマ223eaAの値に0を設定し(S5873E)、本処理を終了する。これにより、落下役物900が通過することで第1中間センサ943、及び第2中間センサ944がオンになった場合(即ち、短期間(1秒未満)オンとなった場合)に、落下予告の予告内容を表示してしまうことを抑制することができる。一方、S5872Eの処理において、センサ検出タイマ223eaAの値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5872E:No)、S5873Eの処理をスキップし、本処理を終了する。
これらに対し、S5871Eの処理において、第1中間センサ943、または第2中間センサ944がオンであると判別した場合には(S5871E:Yes)、センサ検出タイマ223eaAの値が0より大きいか判別する(S5874E)。S5874Eの処理において、センサ検出タイマ223eaAの値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5874E:No)、第1中間センサ943、または第2中間センサ944がオフからオンになったタイミングであることを意味するため、センサ検出タイマ223eaAの値に1秒に対応する値を設定し(S5875E)、本処理を終了する。
一方、S5874Eの処理において、センサ検出タイマ223eaAの値が0より大きいと判別した場合には(S5874E:Yes)、第1中間センサ943、または第2中間センサ944がオンである状態が維持されていることを意味するため、センサ検出タイマ223eaAの値から1を減算し(S5876E)、減算後のセンサ検出タイマ223eaAの値が0であるか判別する(S5877E)。S5877Eの処理において、センサ検出タイマ223eaAの値が0であると判別しなかった場合には(S5877E:No)、本処理を終了する。これに対し、S5877Eの処理において、センサ検出タイマ223eaAの値が0であると判別した場合には(S5877E:Yes)、第1中間センサ943、または第2中間センサ944が1秒間オンの状態であったことを意味するため、第1中間センサ943がオンであるか判別する(S5878E)。S5878Eの処理において、第1中間センサ943がオンであると判別した場合には(S5878E:Yes)、落下役物900が第1中間位置で1秒間停止していることを意味するため、予告内容格納エリア223eeに格納されているデータを参照して第1落下予告の予告内容を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5879E)、本処理を終了する。S5878Eの処理において、第1中間センサ943がオンであると判別しなかった場合には(S5878E:No)、第2中間センサ944がオンであることを意味するため、予告内容格納エリア223eeに格納されているデータを参照して第2落下予告の予告内容を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5880E)、本処理を終了する。
以上説明した通り、第30制御例の第1変形例におけるパチンコ機10では、張出位置から下降している落下役物900と第1当接部材952とが当接する当接位置を複数設け、当該当接位置に応じて落下役物900が張出位置から移動する移動幅を可変可能に構成した。このように構成することで、落下役物900に第1当接部材952を当接させることが可能な構成において、第1当接部材952が当接した当接位置に応じて落下役物900が停止する位置を可変させることができるので、第1当接部材952と落下役物900とが当接した場合における落下役物900の動作態様が単調となる不具合を抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第1変形例では、落下役物900を第1中間位置に停止させた場合、落下役物900を第1中間位置から原点位置まで下降させた後に張出位置まで上昇させるように構成していたが、上述した第30制御例と同様に、落下役物900を第1中間位置に停止させた場合は、第1中間位置から張出位置まで上昇させるように構成してもよい。
本第1変形例では、落下役物900が張出位置から下降している期間において、枠ボタン22の操作に基づいて第1駆動ソレノイド955を駆動させる(即ち、遊技者が枠ボタン22を操作するタイミングに応じて落下役物900の停止位置が可変し得る)ように構成したが、これに限るものではない。例えば、上述した第30制御例と同様に、落下役物900が張出位置に位置している期間において、枠ボタン22の操作に基づいて、落下予告の発生有無を抽選により決定し、落下予告の発生有無に応じて第1駆動ソレノイド955を予め定められたタイミングで駆動させるように構成してもよい。より具体的には、落下予告を発生させることが決定された場合には、落下役物900の第1当接面900eaと第1当接部材952とが当接(嵌合)するタイミング(即ち、第1中間センサ943がオンとなったタイミング)において第1駆動ソレノイド955を駆動させ、落下予告を発生させないことが決定された場合には、落下役物900の第2当接面900ebと第1当接部材952とが当接するタイミング(即ち、落下役物900が張出位置から下降を開始したタイミングよりも後であり、第1中間センサ943がオンになるよりも前であるタイミング)において第1駆動ソレノイド955を駆動させるように構成してもよい。このように構成することで、落下役物900が停止する停止位置を落下役物900が張出位置から下降するよりも前に把握しておくことができるため、表示や音声等による演出態様を連動して実行させ易くすることができる。
本第1変形例では、張出位置から下降している落下役物900に対して第1当接部材952が当接し得るように構成していたが、これに限るものではなく、張出位置から下降している場合に加え、原点位置から上昇している落下役物900に対して第1当接部材952が当接し得るように構成しても良い。この場合、落下役物900が第1中間位置に到達することで第1中間センサ943がオンとなったタイミングにおいて枠ボタン22が押下された場合に、第1駆動ソレノイド955を駆動させるように構成するとよい。このように構成することで、落下役物900が第1中間位置に停止する前の落下役物900の動作が下降のみであることで演出が単調となることを抑制(軽減)することができる。
<第30制御例の第2変形例>
次に、図1400、及び図1401を参照して、第30制御例の第2変形例について説明をする。上述した第30制御例の第1変形例では、落下役物900が張出位置から自由落下により下降している期間において、枠ボタン22が操作されたことに基づいて第1駆動ソレノイド955を駆動させることで第1当接部材952を可動させ、落下役物900と第1当接部材952との当接位置に応じて落下役物900の停止位置を可変させることを可能に構成することで、興趣の向上を図っていた。
これに対して、本第2変形例では、落下役物900が張出位置から自由落下により下降している期間において、枠ボタン22が操作されたことに基づいて第1駆動ソレノイド955を駆動させることで第1当接部材952を可動させ、落下役物900と第1当接部材952との当接位置に応じて落下役物900が原点位置に到達するまでの期間を可変させることが可能に構成されている。より具体的には、第1当接部材952が落下役物900の第1当接面900eaに当接した場合には、落下役物900を第1中間位置に所定時間(例えば、1.5秒間)維持した後、原点位置まで下降させ、第1当接部材952が落下役物900の第2当接面900ebに当接した場合には、摩擦力により落下役物900の下降速度を一時的に(例えば、1秒間)緩やかにして原点位置まで下降させることが可能に構成されている。
このように構成することで、張出位置から下降する落下役物900が第1中間位置で停止する場合と、落下役物900の落下速度が緩やかになる場合とがあるので、落下役物900と第1当接部材952とが当接した場合の動作態様が停止のみになってしまうことで演出が単調となることを抑制することができる。よって、遊技者に対して落下役物900と第1当接部材952との動作により関心を持たせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第2変形例におけるパチンコ機10が、上述した第1変形例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、落下役物900の構成が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第30制御例の第1変形例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第30制御例の第1変形例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第30制御例の第2変形例における装飾用可動役物について>
まず、図1400、及び図1401を参照して、本第2変形例における落下役物900の可動に係る構成について説明をする。なお、図1400、及び図1401では、第1駆動ソレノイド955と第1当接部材952とを例に挙げて説明するが、第2駆動ソレノイド965と第2当接部材962とは、それぞれ第1駆動ソレノイド955と第1当接部材952とに対して、配設位置が第2中間位置に合わせた高さである点においてのみ相違し、その他の構成(例えば、落下役物900に対する当接方法)については同一である。本第2変形例では、上述した第70制御の第1変形例に対して、装飾用可動役物である落下役物900の突出部900cに代えて突出部900gを設けた点と、突出部900gの形状に適応して支持部900bの形状を変更した点と、において相違している。
図1400(a)に示した通り、本第2変形例における落下役物900の突出部900gは、水平方向(左右方向)にスライド変位可能に構成され、第1当接部材952と当接可能な当接面の形状が変更されている。本第2変形例における落下役物900の突出部900gは、落下役物900の支持部900bに対して遊嵌され、突出部900g内の空間にバネ900dを設けて支持部900bに弾設されている。即ち、本第2変形例における突出部900gは、内部に空間(遊び)を有するように支持部と遊嵌されることで左右方向にスライド変位可能に構成されており、また、バネ900dを設けて支持部900bと弾設されることにより、例えば、正面視左方向に変位した場合に、正面視右方向に付勢力が働くように構成されている。このように構成することで、当接位置によって第1当接部材952が落下役物900に当接するまでの可動距離が異なる構成において、第1駆動ソレノイド955に掛かる負荷を軽減することができる。
図1400(b)は、第1当接部材952が落下役物900の第1当接面900eaに当接し、落下役物900が第1中間位置に停止している状態を示した図である。図1400(b)に示した通り、第1当接部材952が落下役物900の第1当接面900eaに当接した場合には、バネ900dの付勢力により突出部900eと第1当接部材952とが嵌合した状態が維持されることで、落下役物900が第1中間位置に停止する。なお、落下役物900が第1中間位置に保持(維持)されている期間は、第1中間センサ943がオンの状態を維持している。
図1401(a)は、第1当接部材952が落下役物900の第2当接面900ebに当接し、落下役物900が摩擦力により緩やかに下降している状態を示した図である。第1当接部材952が落下役物900の第2当接面900ebに当接した場合は、突出部900gと第1当接部材952とが嵌合していない、且つ当接面積が比較的小さいことで、落下役物900が停止することなく下降を続ける。ここで、落下役物900と第1当接部材952との当接状態が解除されるまでの期間は、落下役物900と第1当接部材952との当接箇所において摩擦力が生じるため、落下役物900の下降動作が比較的緩やかに下降する。これにより、落下役物900と第1当接部材952とが当接する場合において、落下役物900が第1中間位置で停止する場合と、落下役物900が一時的に減速して下降を続ける場合と、があるので、落下役物900と第1当接部材952とが当接する場合における落下役物900の動作が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
以上、説明をした通り、本第2変形例では、落下役物900と第1当接部材952とが当接する当接位置に応じて、落下役物900が原点位置に到達するまでの期間が可変し得るように構成した。このように構成することで、落下役物900と第1当接部材952とが当接した場合における落下役物900と第1当接部材952との動作態様が単調となることを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第30制御例の第3変形例>
次に、図1402、及び図1403を参照して、第30制御例における第3変形例について説明する。本第3変形例では、上述した第30制御例の第2変形例に対して、落下役物900の構成の一部と、第1当接部材952の形状と、を変更した点において相違している。
上述した第30制御例の第2変形例では、落下役物900と第1当接部材952とが当接する当接位置に応じて、落下役物900が張出位置から原点位置に到達するまでの期間を可変可能に構成することで、遊技の興趣向上を図っていた。
これに対し、本第3変形例では、落下役物900と第1当接部材952とが当接する当接位置に応じて、張出位置から可動する落下役物900が第1当接部材と当接するまでの移動幅を可変可能に構成されている。より具体的には、張出位置から下降する落下役物900が第1当接部材952に当接した当接位置に応じて、落下役物900を第1中間位置、第1中間位置より僅かに上方の位置、及び第1中間位置より僅かに下方の位置に停止させることが可能に構成されている。即ち、当接した移動部材の当接位置に応じて変位幅が可変する可変状況を創出するように構成している。このように構成することで、落下役物900が第1中間位置を通過した後であっても落下役物900に対して第1当接部材952を当接させることで落下役物900を停止させることができるので、落下役物900が停止可能な停止位置をより細かく設けることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、本第3変形例の構成に限ること無く、落下役物900の移動速度を変化させることによって変化幅を可変させたり、第1当接部材952の形状を変化させることによって変化幅を可変させたりすることで上述した可変状況を創出するように構成しても良い。
この第3変形例におけるパチンコ機10が、上述した第2変形例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、落下役物900の構成が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第30制御例の第2変形例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第30制御例の第2変形例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第30制御例の第3変形例における装飾用可動役物について>
図1402、及び図1403を参照して、本第3変形例における落下役物900の可動に係る構成について説明する。なお、本第3変形例における落下役物900は、上述した第30制御例における落下役物900に対して、突出部900eの形状を変更した突出部900hを設けている点において相違している。その他の構成については同一であるため、その詳細な説明を省略する。また、図1402,及び図1403は、第1駆動ソレノイド955と第1当接部材952とを例に挙げて説明するが、第2駆動ソレノイド965と第2当接部材962とは、それぞれ第1駆動ソレノイド955と第1当接部材952とに対して、配設位置が第2中間位置に合わせた高さである点においてのみ相違し、その他の構成(例えば、落下役物900に対する当接方法)については同一である。
図1402(a)は、本第3変形例における落下役物900が張出位置に維持されている状態を示した図である。図1402(a)に示した通り、本第3変形例における落下役物900は、突出部900hの正面視右側の側面が3つの凹部(第1当接面900ha、第2当接面900hb、及び第3当接面900hc)を有する略鋸状に形成されている。なお、突出部900hに形成された各凹部(第1当接面900ha、第2当接面900hb、及び第3当接面900hc)は、それぞれが第1当接部材952と嵌合可能に構成されている。なお、本第3変形例では、図1402(a)に示した通り、第1当接部材952における正面視左側の側面が、落下役物900の突出部900hと嵌合可能な4つの凸部を有する略鋸状に形成されている。即ち、突出部900hの各種凹部(第1当接面900ha、第2当接面900hb、及び第3当接面900hc)のうち、いずれの凹部に対して第1当接部材952が当接した場合でも。落下役物900を張出位置と原点位置との間の途中位置で停止させることができる。
図1402(b)は、落下役物900の突出部900hと第1当接部材952とが当接し、落下役物900が第1中間位置に停止している状態を示した図である。図1402(b)に示した通り、落下役物900の突出部900hにおける第1当接面900haと第1当接部材952とが当接した場合には、突出部900hと第1当接部材952とが嵌合することにより落下役物900が第1中間位置に停止する。なお、落下役物900が第1中間位置に停止している場合、第1中間センサ943がオンとなる。
図1403(a)は、落下役物900の突出部900hと第1当接部材952とが当接し、落下役物900が第1中間位置とは異なる停止位置で停止した状態を示した図である。図1403(a)に示したように、落下役物900が第1中間位置とは異なる停止位置に位置しているタイミングで落下役物900と第1当接部材952とが当接した場合は、落下役物900が第1中間位置に位置している場合に対してズレた位置で突出部900hと第1当接部材952とが嵌合することで、落下役物900が第1中間位置とは異なる位置で停止するように構成されている。ここで、落下役物900が第1中間位置とはズレた位置で停止している場合には、第1中間センサ943はオフである。このように構成することで、落下役物900と第1当接部材952とが当接する場合において、落下役物900が停止する停止位置を第1中間位置に対して上下に設けることができるので、落下役物900と第1当接部材952とが当接する場合における落下役物900の停止位置を多様化させることができる。
以上、説明をした通り、本第3変形例では、落下役物900と第1当接部材952とが当接した当接位置に応じて、落下役物900が張出位置から移動する移動幅を可変させることを可能に構成した。このように構成することで、落下役物900と第1当接部材952とが当接した場合の落下役物900の停止位置が固定化されることで演出が単調となる不具合を抑制することができる。
<第30制御例の第4変形例>
次に、図1404、及び図1405を参照して、第30制御例における第4変形例について説明をする。本第4変形例では、上述した第30制御例の第3変形例に対して、落下役物900の構成の一部と、第1当接部材952の形状と、を変更した点において相違している。
上述した第30制御例の第3変形例では、落下役物900と第1当接部材952とが当接する当接位置に応じて、落下役物900が張出位置から移動する移動幅を可変可能に構成することで、落下役物900が停止する停止位置のバリエーションを増加させることができるものであった。
これに対し、本第4変形例では、張出位置から下降している落下役物900と第1当接部材952とが当接する当接位置に応じて、落下役物900が張出位置から移動する移動幅を可変させることが可能な構成において、第1当接部材952における落下役物900と当接する当接箇所が1つとなる形状で第1当接部材952を形成することにより、遊技者が落下役物900と第1当接部材952とが当接する当接箇所を、より視認し易く構成している。
この第4変形例におけるパチンコ機10が、上述した第3変形例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第1当接部材952の構成が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第30制御例の第3変形例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第30制御例の第3変形例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第30制御例の第4変形例における装飾用可動役物について>
図1404、及び図1405を参照して、本第4変形例における落下役物900の構成について説明する。なお、本第4変形例における落下役物900は、上述した第30制御例の第3変形例に対して、第1当接部材952の形状を変更した点において相違している。その他の構成については同一であるため、その詳細な説明を省略する。また、図1404、及び図1405では、第1駆動ソレノイド955と第1当接部材952とを例に挙げて説明するが、第2駆動ソレノイド965と第2当接部材962とは、それぞれ第1駆動ソレノイド955と第1当接部材952とに対して、配設位置が第2中間位置に合わせた高さである点においてのみ相違し、その他の構成(例えば、落下役物900に対する当接方法)については同一である。
図1404(a)に示した通り、本第4変形例における落下役物900は、上述した第30制御例の第3変形例と同様に、第1当接部材952が嵌合することが可能な複数の凹部が形成された突出部900hを有している。より具体的には、落下役物900の突出部900hは、第1当接部材952の凸部が嵌合可能な凹部が3つ(第1当接面900ea、第2当接面900eb、及び第3当接面900ec)形成されており、各凹部がそれぞれ同一の形状で形成されることで、第1当接部材952の凸部が各凹部それぞれに嵌合可能に構成されている。なお、本第4変形例では、上述した第30制御例の第3変形例と同様に、役物演出において、落下役物900が原点位置から下降している期間に枠ボタン22の操作に基づいて第1駆動ソレノイド955を駆動可能にされている。即ち、落下役物900が原点位置から下降している期間において、第1当接部材952を可動させることが可能に構成されている。
本第4変形例における第1当接部材952は、落下役物900の突出部900hに嵌合可能な凸部を1つ有する形状で形成されている。このように構成することで、上述した第30制御例の第3変形例のように複数の凸部を有する形状で形成した場合と比して、遊技者が当接箇所を視認し易くすることができるので、遊技者自身が狙ったタイミングで当接させることができたのか否かを、より把握し易くすることができる。
図1404(b)は、本第4変形例における落下役物900が第1中間位置に停止している状態を示した図である。図1404(b)に示した通り、本第4変形例では、第1当接部材952の凸部が落下役物900の突出部900hにおける第1当接面900eaに当接した場合に、落下役物900を第1中間位置に停止させることが可能に構成されている。なお、本第4変形例では、上述した第30制御例の第3変形例と同様に、落下役物900が第1中間位置に所定時間(1秒間)停止した場合(第1中間センサ943が1秒間オンであった場合)に、第1落下予告を発生させるように構成されている。即ち、本第4変形例では、第1当接部材952が第1当接面900eaに当接した場合には落下予告が発生し、第1当接部材952が第2当接面900eb、または第3当接面900ecに当接した場合には、第1落下予告が発生しないように構成されている。このように構成することで、落下役物900と第1当接部材952とが当接した場合における落下役物900の停止位置をより多様化することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図1405(a)は、本第4変形例における第1当接部材952が、落下役物900の突出部900hにおける第2当接面900ebに当接した状態を示した図である。第1当接部材952が落下役物900の突出部900hにおける第2当接面900ebに当接した場合には、落下役物900は第1中間位置とは異なる停止位置で停止する。即ち、張出位置から下降している落下役物900の突出部900hにおける第2当接面900ebに当接した場合には、第1中間センサ943はオフとなっており、第1落下予告の予告内容が表示されることはない。
以上、説明をした通り、本第4変形例では、落下役物900と第1当接部材952とが当接する場合において、落下役物900と第1当接部材952とが当接する当接位置に応じて落下役物900が張出位置から移動する移動幅を可変可能に構成し、第1当接部材952を落下役物900に当接可能な1の凸部を有する形状で形成した。これにより、落下役物900と第1当接部材952とが当接する当接箇所に応じて落下役物900が張出位置から移動する移動幅を可変させることが可能な構成において、落下役物900と第1当接部材952との当接箇所を遊技者により分り易くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第30制御例の第5変形例>
次に、図1406を参照して、本第30制御例の第5変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第30制御例の第4変形例におけるパチンコ機10では、落下役物900の突出部900hに対して第1当接部材952が当接する当接位置に応じて、落下役物900が第1当接部材952と当接するまでに張出位置から移動する移動幅を可変させることを可能に構成していた。より具体的には、落下役物900の突出部900hにおける第1当接面900haに第1当接部材952が当接する場合よりも、第2当接面900hbに第1当接部材952が当接する場合の方が、落下役物900を張出位置から移動する移動幅が大きくなる位置に停止させることを可能に構成した。このように構成することで、落下役物900と第1当接部材952とが当接する場合に落下役物900が停止可能な停止位置を増加(換言すれば、落下役物900が張出位置から移動する移動幅を増加)させることができるので、落下役物900の動作態様のバリエーションを増加させることができるものであった。
しかしながら、上述した第4変形例におけるパチンコ機10では、落下役物900と第1当接部材952と嵌合可能にするために、突出部900hに複数の凹部を形成し、第1当接部材952に凸部を形成することで、落下役物900と第1当接部材952とをより係止させ易くできる反面、第1当接部材952の駆動タイミングによっては落下役物900と第1当接部材952とが正確に嵌合せず、落下役物900、或いは第1当接部材952が破損してしまう不具合が起こり得るものであった。
これに対して、第30制御例の第5変形例では、上述した第4変形例に対して、落下役物900の突出部900gに代えて当接面が平面である突出部900iを設け、第1当接部材952を当接面が曲面である形状(上述した第30制御例と同一の構成)で形成することで、落下役物900に第1当接部材952が当接する当接位置に応じて、落下役物900が第1当接部材952と当接するまでに張出位置から移動する移動幅を可変可能に構成において、落下役物900と第1当接部材952とが当接する際に部材が破損する不具合の発生を軽減することができる。
更に、第30制御例の第5変形例では、落下役物900の突出部900iにおける当接面を右下に下降傾斜する斜面状に構成することで、落下役物900と第1当接部材952とを当接させることで停止させる場合と、落下役物900と第1当接部材952とを当接させることで比較的緩やかな速度で下降させる場合と、を選択可能に構成されている。より具体的には、落下役物900を停止させる場合には、駆動ソレノイド955の駆動力を比較的大きくし、落下役物900を緩やかに下降させる場合には、駆動ソレノイド955の駆動力を比較的小さくすることで、落下役物900と第1当接部材952との間に生じる摩擦力を可変させ、落下役物900を停止させる状態と落下役物900を緩やかに下降させる状態とを選択できるように構成されている。このように構成することで、落下役物900と第1当接部材952とが当接した場合に部材が破損する不具合を抑制しつつ、落下役物900と第1当接部材952とが当接することによる落下役物900の動作の変化パターンを増加させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第5変形例におけるパチンコ機10が、上述した第4変形例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、装飾用可動役物(落下役物900)と第1当接部材952との構成が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第30制御例の第2変形例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第30制御例の第4変形例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第30制御例の第5変形例における装飾用可動役物について>
図1406(a)は、本第5変形例における第1当接部材952が落下役物900の突出部900iにおける第1当接面900iaの下方に当接した状態を示した図である。第1当接面900iaと第1当接部材952とが当接した場合には、第1当接面900と第1当接部材とが当接した当接部に生じる摩擦力によって、落下役物900が第1中間位置に停止する。また、本第5変形例では、図1406(a)に示した通り、第1当接面900iaが落下役物900の進行方向(鉛直方向)に対して斜(正面視右下に下降傾斜する斜面状)に形成されていることにより、第1駆動ソレノイド955の駆動力を比較的小さくすることで、正面視左方向へ可動される第1当接部材952からの作用を受けて落下役物900が徐々に下降させることもできる。即ち、第1駆動ソレノイド955の駆動力を調整することによって、落下役物900が完全に停止させる状態と、落下役物900の落下速度を減速させる状態と、を選択可能に構成されている。このように構成することで、落下役物900と第1当接部材952とが当接する当接位置を可変させることなく、落下役物900と第1当接部材952とが当接した場合における落下役物900の動作態様の変化パターンを増加させることができる。よって、演出をより多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、落下役物900と第1当接部材952との間に生じる摩擦力は、突出部900iと第1当接部材952とに使用する素材によって適度なものとなるように調整しても良いし、突出部900iと第1当接部材952とが当接し得る当接箇所に適度な摩擦力を生じさせるための摩擦シート等を固着することで調整しても良い。
また、本第5変形例では、図示は省略したが、落下役物900の突出部900iにおける第1当接面900iaの下方に対して第1当接部材952が当接した状態(図1406(a)参照)では、第1中間センサ943がオンとなるように構成されている。即ち、落下役物900の突出部900iにおける第1当接面900iaの下方に第1当接部材952が当接した場合に、第1落下予告が発生する。
図1406(b)は、本第5変形例における、第1当接部材952が落下役物900の突出部900iにおける第1当接面900iaの上方に当接している状態を示した図である。第1当接部材952が落下役物900の突出部900iにおける第1当接面900iaの上方に当接している状態では、第1当接部材952が第1当接面900iaの下方に当接した状態(図1406(a)参照)よりも落下役物900が正面視下方に停止している。即ち、図1406(b)に示した通り、第1当接部材952が第1当接面900iaの上方に当接した場合には、落下役物900の支持部900b、及び検出部900dが第1中間センサ943よりも下方に位置しているため、第1中間センサ943はオフとなる。よって、第1当接部材952が第1当接面900iaの下方に当接した場合には、第1落下予告は発生しない。
また、本第5変形例では、第1当接部材952が落下役物900の突出部900iにおける第1当接面900iaの下方に当接している場合と同様に、第1駆動ソレノイド955の駆動力を比較的小さくすることにより、第1当接部材952が第1当接面900iaの下方に当接した場合にも、比較的緩やかな下降速度で落下役物900を下降させることが可能に構成されている。即ち、第1当接部材952が落下役物900の突出部900iにおける第1当接面900iaの下方に当接した状態(図1406(b)参照)から、第1当接部材952と落下役物900とが当接状態を維持したまま、第1当接部材952が落下役物900の突出部900iにおける第1当接面900iaの上方に当接する状態(図1406(b)参照)まで比較的緩やかな速度で下降させることができる。
以上説明した通り、第30制御例の第5変形例におけるパチンコ機10では、落下役物900の突出部900iにおける第1当接面900iaを平面で形成し、当該第1当接面900iaの複数位置に対して当接可能な曲面を有する第1当接部材952を設けることで、第1当接部材952が第1当接面900iaに対して当接する当接位置によって、落下役物900が張出位置から移動する移動幅を可変可能に構成した。このように構成することで、落下役物900をより簡素な構造としつつ、落下役物900に対して第1当接部材952が当接する当接位置に応じて落下役物900が張出位置から第1当接部材952と当接するまでに移動する移動幅を可変させることができる。
更に、第30制御例の第5変形例におけるパチンコ機10では、落下役物900の突出部900iにおける第1当接面900iaに対して第1当接部材を当接させる場合において、第1当接面900iaと第1当接部材952とを当接させることで落下役物900を停止させる状態と、第1当接面900iaと第1当接部材952とを当接させることで落下役物900を比較的緩やかな速度で下降させる(第1当接部材952と当接した状態でずり落ちる)ことが可能に構成されている。このように構成することで、落下役物900の突出部900iに対して第1当接部材952が当接する当接位置を可変させることなく、落下役物900と第1当接部材952とが当接する場合の動作態様を可変させることができる。
本第5変形例では、落下役物900の下降速度を緩やかにする場合において、第1当接部材952を落下役物900の突出部900iにおける第1当接面900iaの下方に当接させるように構成しているが、これに限るものではなく、例えば、設定された変動時間に応じて、第1当接部材952を第1当接面900iaの下方に当接させる制御と、第1当接部材952を第1当接面900iaの上方に当接させる制御と、を選択可能に構成しても良い。より具体的には、落下役物900の下降速度を一時的に緩やかにすることで、第1落下予告と追加予告とを発生させる構成において、第1当接部材952を第1当接面900iaの下方に当接させることで落下役物900の下降速度が緩やかになる期間を比較的長く維持させる場合と、第1当接部材952を第1当接面900iaの上方に当接させることで落下役物900の下降速度が緩やかになる期間を比較的短くする場合と、があるように構成してもよい。これにより、第1当接面900iaにおける第1当接部材952と当接する当接位置に応じて、落下役物900と第1当接部材952との当接状態が解除されるまでの期間(即ち、下降速度が比較的緩やかになる落下役物900がずり落ちている期間)を可変させることができるので、落下役物900の動作のバリエーションをより増加させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
本第5変形例では、第1当接部材952を第1当接面900iaに対して当接させるか第2当接面900ibに当接させるかを、特別図柄の抽選結果に基づいて決定する(即ち、落下役物900と第1当接部材952とが当接するよりも前に設定する)ように構成したが、これに限るものではなく、枠ボタン22が押下されたタイミングにおいて第1駆動ソレノイド955を駆動させることで、第1当接部材952を第1当接面900iaに当接させるか、第2当接面900ibに当接させるか、を遊技者が任意に選択し易く構成してもよい。このように構成することで、追加予告が発生した場合に、遊技者に対して追加予告を自力で発生させたような気分にさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第30制御例の第6変形例>
次いで、第30制御例の第6変形例におけるパチンコ機10について説明する。本第6変形例では、上述した第30制御例に対して、遊技盤13の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点と、で相違している。
更に、本第6変形例におけるパチンコ機10は、上述した第30制御例のパチンコ機10に対して、特別図柄の変動表示中に実行される変動演出の一環として用いられる装飾用可動役物(落下役物900)を搭載し、その装飾用可動役物(落下役物900)を用いた新たな変動演出を追加している点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
従来より、装飾用可動役物を可動させる場合において、装飾用可動役物と当接可能な当接部材に対して、可動している装飾用可動役物を当接させることで、装飾用可動役物の移動範囲を規制し、装飾用可動役物を所定の停止位置に停止させるパチンコ機10が知られている。このようなパチンコ機10では、可動している装飾用可動役物を当接部材に対して当接させることで装飾用可動役物を停止させることができるため、装飾用可動役物の停止に係る制御を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型のパチンコ機10では、装飾用可動役物と当接部材とを当接させた場合における装飾用可動役物の動作態様を含む演出態様が単調なものとなり、遊技の興趣が低下する虞があった。
これに対して本第6変形例では、第1駆動手段(駆動モータ910)の駆動力により可動可能な可動手段(落下役物900)と、第2駆動手段(第1射出ソレノイド955)により移動可能であって、可動手段(落下役物900)に当接可能な移動体(第1球状部材952)と、を設け、可動手段(落下役物900)を可動させる演出を含む役物演出において、可動している可動手段(落下役物900)の所定部(突出部900cの上面900ca)に当接することにより移動した移動体(第1球状部材952)が所定の検出手段(第1流路センサ951a)により検出された場合に、所定の演出(最終落下予告)を実行可能に構成されている。
このように構成することで、可動手段(落下役物900)と移動体(第1球状部材952)とが当接した場合における演出態様を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第6変形例では、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)が操作(押下)された場合に、可動手段(落下役物900)を可動させる演出を含む役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能に構成している。このように構成することで、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行するか否かを、遊技者に対して任意に決定(選択)させることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本第6変形例では、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)が所定時間(0.5秒)以上操作され続けた(長押しされた)場合に、可動手段(落下役物900)に当接することが可能な移動体(第1球状部材952)を移動させることが可能な第2駆動手段(第1射出ソレノイド955)を所定の周期(0.5秒毎)で可動させることが可能に構成され、第2駆動手段(第1射出ソレノイド955)が所定の周期(0.5秒毎)で可動された場合に、所定の周期(0.5秒毎)とは異なる間隔(例えば、0.6秒間隔)で可動された場合よりも可動手段(落下役物900)と移動体(第1球状部材952)とが当接し易く構成されている。
このように構成することで、遊技者の操作状況に応じて、可動手段(落下役物900)と移動体(第1球状部材952)とを当接させる難易度を可変させることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
<第30制御例の第6変形例における装飾用可動役物について>
まず、本第6変形例における装飾用可動役物について説明する。なお、以下の説明では、パチンコ機10を遊技者から見て、手前側を前面側とし、奥側を背面側として前後方向を規定する。また、パチンコ機10を遊技者から見た場合における左側、及び右側として左右方向を規定する。
本第6変形例では、特別図柄の変動表示中に可動することが可能な装飾用可動役物として落下役物900を搭載し、変動演出の一環として落下役物900を可動させる演出を含む役物演出を実行可能に構成されている。より具体的には、変動演出の一環として実行される役物演出において、上下方向に可動可能な落下役物900を第3図柄表示装置81の上方から下降(自由落下)する動作で可動させ、下降している落下役物900の停止位置(落下位置)に応じて所定の演出(大当たり期待度を示唆する落下予告)を実行可能に構成している。なお、詳細については後述するが、落下役物900における遊技者から視認可能な範囲は、透過性の樹脂材料で構成されており、所定の演出(大当たり期待度を示唆する落下予告)が実行されると、落下役物900の停止位置に応じて、落下役物900の背面側に大当たり期待度を示唆する表示態様を表示するように構成している。このように構成することで、落下役物900の動作と、大当たり期待度を示唆する表示態様と、に対して遊技者が注目し易くすることができる。
落下役物900は、第3図柄表示装置81よりも前面側、且つ可変表示ユニット80における装飾枠よりも背面側に位置する平面上を上下方向に可動可能に配設されている。落下役物900が原点位置に位置している場合、落下役物900は第3図柄表示装置81の正面視右側の下方に位置しており、落下役物900における上側略半分が遊技者から視認可能に構成されている。詳細については後述するが、落下役物900は、特別図柄の変動表示中に実行される役物演出において可動する装飾用可動役物であり、公知のステッピングモータで構成される駆動モータ910によって上昇し、自由落下により下降することが可能に構成されている。
また、本第6変形例では、可変表示ユニット80の正面視右側に、可変表示ユニット80の背面側の部材等を視認可能にするために背面側より透明樹脂を取り付けて第1小窓950、及び第2小窓960が形成されている。詳細については後述するが、本第6変形例では、自由落下している落下役物900に対して当接させることが可能な球状部材(第1球状部材952、及び第2球状部材962)を設けており、第1小窓950、及び第2小窓960を介して当該球状部材(第1球状部材952、及び第2球状部材962)が遊技者から視認可能となるように構成されている。即ち、自由落下している落下役物900と球状部材(第1球状部材952、及び第2球状部材962)とが当接する様子が遊技者から視認可能となるように構成している。これにより、遊技者に対して、より分かり易い演出を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
ここで、張出位置とは、役物演出において落下役物900が可動される範囲における最も上方の特定の位置を指し、落下役物900が自由落下により下降する場合の下降開始位置である。即ち、落下役物900を落下動作(自由落下により下降する動作)で可動させる場合には、落下動作を開始させる前に落下役物900が張出位置まで上昇される。
落下役物900が張出位置に位置している状態では、落下役物900は第3図柄表示装置81の正面視右側の上方に位置しており、落下役物900の下側略半分が遊技者から視認可能となる。一方で、落下役物900の上側略半分は可変表示ユニット80における装飾枠の背面側に位置しているため、遊技者から視認困難な状態となる。詳細については後述するが、本第6変形例では、役物演出において落下役物900を駆動モータ910の駆動力によって張出位置まで上昇させた後、落下役物900を自由落下により下降させることが可能に構成されている。このように構成することで、駆動モータ910を用いて落下役物900を下降させる場合と比して、落下役物900を速い速度(張出位置から原点位置まで0.5秒程度で到達する速度)で下降させることができる。よって、落下役物900をよりインパクトのある動作で可動させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第6変形例では、落下役物900を可動させる演出を含む役物演出において、落下役物900と第1球状部材952とを当接させることにより自由落下している落下役物900を第1中間位置に停止させることが可能に構成されている。落下役物900が第1中間位置に位置している場合には、落下役物900の略全体が第3図柄表示装置81の前面側に移動(可変表示ユニット80と重ならない位置まで進出)しているため、落下役物900の全体が遊技者から視認可能な状態となる。また、第1小窓950を介して、落下役物900と第1球状部材952とが当接している様子が遊技者から視認可能な状態となる。これにより、落下役物900が第1球状部材952に当接したことによって停止したことを遊技者に容易に把握させることができる。よって、遊技者に対して、より分り易い演出を提供することができる。
また、詳細については後述するが、本第6変形例では、落下役物900を可動させる演出を含む役物演出において、枠ボタン22が操作されたことに基づいて、第1球状部材952を可動させることが可能に構成されている。即ち、第1小窓950が設けられていることで、遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、第1球状部材952が可動していることを遊技者が容易に理解することができる。
第6変形例では、落下役物900を可動させる演出を含む役物演出において、落下役物900と第2球状部材962とを当接させることにより自由落下している落下役物900を第2中間位置に停止させることが可能に構成されている。即ち、本第6変形例における役物演出では、張出位置から自由落下している落下役物900を、第1球状部材952に当接させることで第1中間位置に停止させる場合と、第2球状部材962に当接させることで第2中間位置に停止させる場合と、がある。これにより、自由落下している落下役物900を球状部材(第1球状部材952、及び第2球状部材962)に当接させることで落下役物900を停止させることが可能な停止位置を複数設けることができる。よって、落下役物900を自由落下により可動させる演出における演出態様を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、落下役物900が第2中間位置に停止している状態では、第2小窓960を介して、落下役物900と第2球状部材962とが当接している様子を遊技者が視認可能となるように構成されている。このように構成することで、落下役物900が第2球状部材962と当接することに起因して停止したことを遊技者に容易に理解させることができる。よって、遊技者に対してより分り易い演出を提供することができる。
次に、落下役物900の可動に係る構成について説明する。上述した通り、落下役物900における遊技者から視認可能となる正面視略矩形状の表示部900aは、有色(黄色)透明の光透過性の樹脂材料からなり、表示部900aが第3図柄表示装置81の前面に重なっている場合でも、表示部900aの背面に位置している第3図柄表示装置81の表示領域を視認することができる。なお、本第6変形例では、落下役物900に対して遊技者が注目し易くするために、落下役物900の表示部900aを有色(黄色)透明の樹脂材料から形成されているが、これに限るものではなく、落下役物900の背面側の表示領域を見やすくするために、無色透明の樹脂材料から形成してもよい。
落下役物900の縦長略直方体形状の支持部900bには、滑り止め用の溝が設けられた支柱990が挿通されている。これにより、落下役物900をなめらかに上下方向に可動させることができる。支柱990は、ポリカーボネート等の樹脂で構成された駆動ベース体930に固定され、当該駆動ベース体930には、支柱990に加え、駆動モータ910、各位置センサ(退避センサ940、原点位置センサ941、張出位置センサ942、第1中間センサ943、及び第2中間センサ944)、保持ソレノイド920、及び球状部材(第1球状部材952、及び第2球状部材962)を可動させるための流路である各流路(第1流路951、及び第2流路961)が設けられている。支柱990の左側には、落下役物900とラック991とが水平方向に回転しないように挟持するための挟持部(図示なし)が形成されている。これにより、落下役物900とラック991とは水平方向に変位(回転)することなく、上下方向にのみ可動させることができる。
第1流路951内には、直径15mm程度の金属球である第1球状部材952と、その第1球状部材952を検出するための近接センサである第1流路センサ951aと、第1球状部材952を可動させるための第1射出ソレノイド955と、が設けられている。第2流路961は、第1流路951と同様の構成であり、第1球状部材952と同様の構成である第2球状部材962、第1流路センサ951aと同様の構成である第2流路センサ961a、及び第1射出ソレノイド955と同様の構成である第2射出ソレノイド965が設けられている。ここで、保持ソレノイド920、第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965は同様のプッシュソレノイドで構成されており、各ソレノイド(保持ソレノイド920、第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)は、励磁されることによってプッシュバーが突出し、励磁状態から非励磁状態へと切替えた場合にバネの付勢力によってプッシュバーが突出状態から引込状態へと可変するソレノイドである。なお、上述した各ソレノイドはプッシュソレノイドに限定されるものではなく、ロータリーソレノイド等の駆動手段で構成してもよい。
本第6変形例では、保持ソレノイド920が駆動される場合は、保持ソレノイド920のプッシュバーが4秒間突出状態となるように駆動され、第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965が駆動される場合は、第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965のプッシュバーが0.2秒突出状態となるように駆動される。第1射出ソレノイド955が可動された場合は、突出したプッシュバーの作用により第1球状部材952が正面視左方向へと可動し、第2射出ソレノイド965が可動された場合は、突出したプッシュバーの作用により第2球状部材962が正面視左方向へと可動する。なお、第1射出ソレノイド955と第1球状部材952とは係脱可能(当接状態と離間状態に可変可能)に構成されているため、第1射出ソレノイド955により可動した第1球状部材952は慣性により第1射出ソレノイド955と離間した状態で可動することができる。
また、各流路センサ(第1流路センサ951a、及び第2流路センサ961a)は、金属球を検出可能な非接触センサ(近接スイッチ)で構成されている。なお、本第6変形例では、各流路センサはフラット形の近接スイッチで構成されているが、第1球状部材952、または第2球状部材962を検出可能なものであればよく、貫通型の近接スイッチ等の検出手段で構成してもよい。
各位置センサ(退避センサ940、原点位置センサ941、張出位置センサ942、第1中間センサ943、及び第2中間センサ944)は、落下役物900、またはラック991の位置を特定するための透過型センサである。より具体的には、退避センサ940はラック991が下限(即ち、支持部991bと規制部材995とが当接する位置)に位置しているか否かを特定するためのセンサであり、原点位置センサ941は、落下役物900が原点位置に位置しているか否かを特定するためのセンサであり、張出位置センサ942は、落下役物900が張出位置に位置しているか否かを特定するためのセンサであり、第1中間センサ943は落下役物900が第1中間位置に位置しているか否かを特定するためのセンサであり、第2中間センサ944gは落下役物900が第2落下位置に位置しているか否かを特定するためのセンサである。
また、落下役物900の正面視右側には、球状部材(第1球状部材952、及び第2球状部材962)と当接させるための突出部900cが設けられている。なお、落下役物900が可動した場合において、落下役物900の突出部900cと、各流路(第1流路951、及び第2流路961)と、は当接(干渉)しないように形成されているため、落下役物900は、各流路(第1流路951、及び第2流路961)と当接することなく原点位置から張出位置までの範囲で上下方向に可動することができる。
落下役物900の支持部900bの下方には、ピニオンギアである駆動ギア911と噛合可能なラック991が設けられ、ラック991には、駆動ギア991と噛合するギア部991a、落下役物900の支持部900bと当接可能な支持部991b、及び落下役物900の突出部900cと同様の構成である突出部991cが設けられている。ラック991における突出部991cは、第1球状部材952、または第2球状部材962と落下役物900とが当接することにより落下役物900が停止した場合に、第1球状部材952または、第2球状部材962を退避(正面視右側へ移動)させるために設けられている。
また、ラック991は、支持部991に支柱990が挿通されることで、なめらかに上下方向に可動可能に構成されている。ラック911のギア部991aと噛合する駆動ギア911は、ステッピングモータである駆動モータ910の出力軸に固定され、当該駆動モータ910は上述した駆動ベース体930に固着されている。即ち、駆動モータ910が電気的に作動されることで、駆動ギア911が回転し、駆動ギア911に噛合しているラック991が上昇する。なお、本第6変形例では、駆動モータ910が正方向(正面視反時計回り)に回転した場合に、ラック991が上昇し、駆動モータ910が負方向(正面視時計回り)に回転した場合に、ラック991が下降するように構成されている。また、ラック991の支持部991bと、落下役物900の支持部900bと、が当接可能に構成されているため、ラック991を上昇させることでラック991の支持部991bが落下役物900の支持部900bに作用し、落下役物900を上昇させる(押し上げる)ことが可能に構成されている。
駆動ベース体930の上方に固定されたプッシュソレノイドである保持ソレノイド920のプッシュバーと、落下役物900の突出部900cと、は当接可能に構成されており、落下役物900の突出部900cが保持ソレノイド920のプッシュバーよりも高い位置まで可動された場合に保持ソレノイド920を可動させる(プッシュバーを突出させる)ことで、落下役物900を張出位置に支持することが可能に構成されている。即ち、落下役物900が張出位置まで上昇されると、落下役物900は保持ソレノイド920によって張出位置に所定時間(例えば、4秒間)保持される。
また、本第6変形例では、落下役物900の支持部900bと、ラック991の支持部991bと、が係脱可能(当接状態と離間状態とに可変可能)に構成されており、落下役物900が張出位置まで上昇された場合に、落下役物900が張出位置に保持された状態でラック991を駆動モータ910の駆動力によって退避位置(可動範囲における下限位置)まで所定時間(750ミリ秒)で可動する。なお、支柱990の下方にはラック991の下方への移動範囲を制限するための規制部材995が固定されている。即ち、ラック991は退避位置まで可動された後、ラック991の支持部991bが規制部材995と当接することによって、退避位置に位置している状態で保持される。これにより、ラック991が退避位置まで可動された後に、落下役物900の保持状態を解除することで、落下役物900を自由落下により可動させることができる。
なお、本第6変形例では、落下役物900を上昇させる場合に、落下役物900とラック991とを当接(係合)させ、落下役物900を自由落下により可動させる場合に、落下役物900とラック991とを離間させるように構成されているが、これに限るものではない。例えば、落下役物900に対してギア部を有するラック991を設け(固着し)、当該ラック991に設けられたギア部と駆動ギア911とを係脱可能に構成してもよい。より具体的には、落下役物900が張出位置に位置している状態で、駆動ギア911(及び駆動モータ910)を(例えば、正面視左方向にスライド変位)変位させ、落下役物900と共にラック991を自由落下により可動可能に構成してもよい。このように構成することで、ラック991を退避(下降)させる期間を設けることなく、落下役物900を落下させることができる。このように構成した場合、駆動モータ910、及び駆動ギア911を電気的に作動される駆動手段(例えば、プッシュソレノイド)によって水平方向にスライド変位可能に配設し、落下役物900を上昇させる場合において駆動ギア911とラックを係合させ、落下役物900を下降させる場合に駆動ギア911とラックを離間させるように構成すればよい。
次に、落下役物900の突出部900cと第1流路951との構成について説明する。駆動ベース体930に形成された第1流路951の正面視左側には落下役物900の突出部900cを通過可能にするためのスリット部が設けられており、落下役物900が上昇する場合、及び落下役物900が下降する場合には、落下役物900の突出部900cが当該スリット部を通過することで、落下役物900と第1流路951とが当接(干渉)することなく落下役物900を上下方向に可動させることができる。ここで、ラック991の突出部991cも落下役物900の突出部900cと同様の構成であるため、当該スリット部を通過することでラック991と第1流路951とを当接(干渉)させることなくラック991を上下方向に可動させることができる。当該スリット部は、突出部900c、及び突出部991cが通過可能であり、且つ第1球状部材952が落下しない(即ち、第1流路951外に飛び出さない)程度の溝状(例えば、前後方向7mm程度)に形成されている。
また、第1流路951の正面視左側の下面には、第1球状部材952を停止させ易くするために、第1球状部材952と緩嵌合することが可能な略円状の孔部951bが形成されている。上述した遊技盤13に設けられた小窓950は、当該孔部951bに緩嵌合した第1球状部材952、及びその第1球状部材952と当接する落下役物900の一部(突出部900c)を視認可能に配置されている。孔部951bは、第1球状部材952が落下しない範囲(即ち、第1球状部材952の直径15mm未満)の大きさ(例えば、直径10mm)で形成されている。これにより、第1射出ソレノイド955により可動された第1球状部材952が落下役物900の突出部900cと当接可能な所定位置(孔部951bに緩嵌合する位置)で停止し、落下役物900の突出部900cと第1球状部材952とが当接した場合に、当接した際の衝撃で第1球状部材952が変位する不具合を抑制することができる。なお、本第6変形例では、第1射出ソレノイド955により第1球状部材952が3回可動された場合に1回程度の割合で第1球状部材952が孔部951bに緩嵌合するように構成されている。即ち、第1射出ソレノイド955により第1球状部材952が可動された場合において、第1球状部材952は孔部951bに必ず緩嵌合するものではない。これにより、第1球状部材952の動作に対する遊技者の関心を向上させることができる。なお、第1球状部材952と孔部951bとの緩嵌合し易さ(即ち、第1球状部材952の可動回数に対する緩嵌合する割合)は、第1射出ソレノイド955の発射力、または孔部951bの大きさ等によって調整すればよい。第2流路961は、第1流路951と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
次に、各位置センサ(退避センサ940、原点位置センサ941、張出位置センサ942、第1中間センサ943、及び第2中間センサ944)の検出方法について、張出位置センサ942を例に挙げて説明する。各位置センサ(退避センサ940、原点位置センサ941、張出位置センサ942、第1中間センサ943、及び第2中間センサ944)は、投光部と受光部とを有する遮光型のフォトセンサ(投光部と受光部とが一体化したタイプ)で構成されている。各位置センサ(退避センサ940、原点位置センサ941、張出位置センサ942、第1中間センサ943、及び第2中間センサ944)は、落下役物900の検出部900d(または、ラック991の検出部(図示なし))が投光部からの光を遮光していない場合にはオフ(非検出状態)であり、投光部からの光を遮光する(検出部900dがセンサに設けられたスリット部と略同じ高さに位置する)ことによってオン(検出状態)へと可変する。即ち、各位置センサに対応する位置(例えば、原点位置センサ941に対応する原点位置)に落下役物900が停止している期間は、当該位置センサは常にオンの状態(検出状態)となる。なお、ラック991の背面側の検出部(図示なし)も落下役物900の検出部900dと同様に構成されており、各位置センサはラック991の検出部(図示なし)も検出可能に構成されている。なお、上述した各位置センサは、落下役物900、またはラック991の位置を特定することが可能なものであればよく、例えば、反射型のセンサ等の検出手段を用いて構成してもよい。
落下役物900が保持ソレノイド920により張出位置で保持されている期間において、第1球状部材952が可動した状態を示した図である。落下役物900が張出位置で停止している(保持されている)期間は、落下役物900における検出部900dが張出位置センサ942から投光された光を遮光することにより、張出位置センサ942がオンの状態を維持している。本第6変形例では、落下役物900が張出位置に保持されている期間において、枠ボタン22が操作されたことに基づいて、第1射出ソレノイド955を駆動(プッシュバーを突出)させることで第1球状部材952を第1流路内で可動可能に構成されている。詳細については後述するが、本第6変形例では、枠ボタン22が操作されたことに基づいて第1射出ソレノイド955を駆動させることで第1球状部材952を可動させることが可能となる操作有効期間を設定し、当該操作有効期間が終了してから所定時間(1秒)経過後に落下役物900を自由落下により可動(下降)させるように構成されている。これにより、第1球状部材952の慣性による動作が完全に停止するまでの時間を確保することができるので、第1球状部材952が孔部951bに緩嵌合した状態、または第1射出ソレノイド955と当接する位置まで移動(退避)した状態で停止させた後に、落下役物900を自由落下により下降させることができる。よって、落下役物900と第1球状部材952とが予期せぬ状態で当接(即ち、可動中の第1球状部材952と落下役物900とが当接)することを抑制することができる。
第1球状部材952が孔部951bと緩嵌合した状態において、落下役物900が自由落下により下降した場合、落下役物900の突出部900cにおける下面900cbが第1球状部材952と当接することで、落下役物900が第1中間位置に停止する。より具体的には、第1球状部材952は、駆動ベース体930に設けられた第1流路956により鉛直下向きの可動が規制されているため、孔部951bに緩嵌合した第1球状部材952は自由落下により下降する落下役物900を受け止める(下面900cbと当接した場合に停止させる)ことができる。
第1球状部材952が孔部951bに緩嵌合していない(即ち、第1球状部材952が第1射出ソレノイド955に当接(係合)する位置に位置している)場合には、落下役物900は第1中間位置で停止することなく下降し続ける。ここで、第1球状部材952が孔部951bに緩嵌合していない状態で落下役物900が下降した場合、落下役物900は原点位置まで下降し、規制部材995により保持されているラック991の支持部991bに当接することによって原点位置で停止する。
詳細については後述するが、本第6変形例では、落下役物900を可動させる演出を含む役物演出において、落下役物900が第2中間位置、または原点位置に位置している状態で、第1球状部材952を第1射出ソレノイド955により可動可能に構成している。即ち、落下役物900の突出部900cと第1球状部材952とは、落下役物900が下降している場合と、落下役物900が上昇している場合とにおいて当接し得るように構成されている。このように構成することで、落下役物900と第1球状部材952との当接パターンを多様化させることができる。よって、落下役物900と第1球状部材952とが当接する演出を含む役物演出における演出態様を多様化させることで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第1球状部材952が孔部951bに緩嵌合した状態において、落下役物900が上昇した場合には、落下役物900の突出部900cにおける上面900caと第1球状部材952とが当接する。また、落下役物900の突出部900cにおける上面900caは、正面視右下に傾く斜面となっているため、上面900caと第1球状部材952とが当接した状態で落下役物900が上昇することにより第1球状部材952を正面視右側に移動させることが可能となる。即ち、第1球状部材952を上昇している落下役物900と当接させることで、第1球状部材952を第1射出ソレノイド955と当接する位置まで移動(退避)させることができる。よって、第1球状部材952と第1射出ソレノイド955とが離間可能な構成において、第1球状部材952を所定位置(第1射出ソレノイド955と当接する位置)に移動(退避)させるための制御を簡素化することができる。なお、第1流路951を例に挙げて説明したが、第2流路961も、第1流路956に対して配設された高さが異なる点以外は同様である。よって、その詳細な説明を省略する。
また、本第6変形例では、駆動モータ910の駆動力により上昇する落下役物900に第1球状部材952が当接した場合に、所定の演出(最終落下予告)を実行可能に構成されている。より具体的には、上昇する落下役物900の突出部900cに設けられた上面900caに当接することで第1球状部材952が第1流路センサ951aにより検出された(即ち、第1流路956がオフからオンへと可変した)場合に、大当たり期待度を示唆する表示態様(最終落下予告の予告内容)を表示可能に構成されている。このように構成することで、落下役物900と第1球状部材952とを当接させる場合における演出態様を多様化させることができる。
なお、ラック991の突出部991cも落下役物900の突出部900cと同様の構成であるため、第1球状部材952が孔部951bに緩嵌合した状態で落下役物900が自由落下により下降した場合には、上昇するラック991の突出部991cと第1球状部材952とが当接することによって、第1球状部材952が所定位置(第1射出ソレノイド955と当接する位置)まで移動(退避)される。これにより、落下役物900を第1中間位置から張出位置まで上昇させるために実行されるラック991の上昇動作を利用して、第1球状部材952を所定位置(第1射出ソレノイド955と当接する位置)まで移動(退避)させることができるので、第1球状部材952の可動に係る制御を簡素化することができる。
<第30制御例の第6変形例における演出内容について>
次に、本第6変形例におけるパチンコ機10で実行される各種演出のうち、特徴的な演出である役物演出について説明する。本第6変形例では、特別図柄の変動表示が実行されている期間における変動演出の一環として、落下役物900を可動させる演出を含む役物演出を実行可能に構成されている。この役物演出は、加算変動時間(加算時間)が設定されている変動演出(即ち、加算変動時間(加算時間)が0秒ではない変動演出)中に実行される役物演出の実行可否を決定する実行抽選において、特定の抽選結果(実行に対応する抽選結果)となった場合に実行される演出であり、基本変動時間(基本時間)に対応する変動演出が残り25秒となったタイミングで開始され、基本変動時間(基本時間)に対応する変動演出が終了するタイミング(即ち、加算変動時間(加算時間)に対応する変動演出が開始されるタイミング)で終了するように構成されている。役物演出では、落下役物900が張出位置から自由落下により下降する落下動作で3回可動され、各落下動作の実行前に設けられた操作有効期間において枠ボタン22を操作することにより成立し得る所定条件が成立した(球状部材(第1球状部材952、または第2球状部材962)が小窓(第1小窓950、または第2小窓960)内に停止した)場合に、落下動作において落下役物900が停止する停止位置を可変させ、大当たり期待度を示唆する演出である落下予告を実行可能に構成されている。当該落下予告は、第1落下予告、第2落下予告、及び最終落下予告の3種類で構成されており、各操作有効期間の終了後に何れかの落下予告を実行可能に構成されている。
本第6変形例における役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能な実行抽選期間の演出態様を示した図である。本第6変形例では、変動時間として加算変動時間(加算時間)を含む変動時間が設定された場合に、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選を実行可能に構成し、枠ボタン22が押下されたことに基づいて当該実行抽選を実行するように構成されている。このように構成することで、役物演出が実行されることを期待する遊技者に対して、枠ボタン22を押下する意欲を向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、換言すれば、特別図柄の変動時間として加算変動時間(加算時間)が設定された場合において、枠ボタン22が操作されなかった場合には、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選を実行しないように構成されているため、役物演出を実行させないことを遊技者が任意に決定することができる。よって、装飾用可動役物(落下役物900)が可動することを好まない遊技者の利便性を向上させることができる。
役物演出の実行可否を決定するための実行抽選が実行可能な実行抽選期間は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおける左右方向の略中央上方には横長略矩形状の表示領域HR10が形成され、当該表示領域HR10には枠ボタン22を押下することで役物演出の実行可否を決定する実行抽選が実行されることを示唆する表示態様(例えば、「ボタンを押して役物演出GET?」という文字)が表示される。
主表示領域Dmの正面視左側下方には小表示領域Dm72が形成され、当該小表示領域Dm72には枠ボタン22の操作有効期間を示すためのタイムゲージtg1が表示される。当該タイムゲージtg1は、操作有効期間の残り時間を示すための残時間ゲージtg1aと、操作有効期間が開始されてからの経過時間を示すための経過時間ゲージtg1bと、で構成されている。なお、本第6変形例では、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能な実行抽選期間(枠ボタン22の操作有効期間)として2秒間を設定する。即ち、タイムゲージtg1における残時間ゲージtg1aは、2秒掛けて非表示状態(0となる)まで減少する表示態様であり、経過時間ゲージtg1bは、2秒間掛けて最大となる(タイムゲージtg1が経過時間ゲージtg1bのみで形成される)まで増加する表示態様である。また、小表示領域Dm72の上部に形成された回数表示領域Dm72aには、枠ボタン22の操作を促す表示態様(例えば、「押せ」という文字)が表示される。小表示領域Dm72、及び回数表示領域Dm72aに表示されている表示態様は、枠ボタン22が押下されたタイミングで非表示へと可変するように構成されており、枠ボタン22が押下されなかった場合には、操作有効期間(2秒)が経過した場合に非表示へと可変するように構成されている。
役物演出の実行可否を決定する実行抽選が実行可能な実行抽選期間は、主表示領域Dmにおける正面視左側上方に小表示領域Dm1が形成され、主表示領域Dmにおける正面視右側上方に小表示領域Dm2が形成される。小表示領域Dm1は、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び抽選結果)を示すための識別情報が表示される領域であって、第1特別図柄(特図1)の抽選状況を示すための識別情報、或いは、第2特別図柄(特図2)の抽選状況を示すための識別情報が表示されている。小表示領域Dm2は、普通図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び抽選結果)を示すための識別情報が表示される領域であって、普通図柄(普図)の抽選状況を示すための識別情報が表示されている。また、小表示領域Dm1の下方には、小表示領域Ds11、及び小表示領域Ds12が形成されている。小表示領域Ds11には特図1保留数(図では、特図1保留数が3個であることを示す「3」)が表示され、小表示領域Ds12には特図2保留数(図では、特図2保留数が2個であることを示す「2」)が表示されている。
なお、図示は省略したが、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選において、役物を実行させる抽選結果となった場合には、役物演出の実行が決定したことを示す表示態様(例えば、「役物演出GET!!」という文字)が表示され、役物演出を実行しない抽選結果となった場合、及び実行抽選が実行されなかった(枠ボタン22が押下されなかった)場合には、役物演出が実行されないことを示す表示態様(例えば、「役物演出GETならず」という文字)が表示される。これにより、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選における抽選結果を遊技者が容易に把握することができる。
なお、本第6変形例では、枠ボタン22が押下されることを役物演出の実行可否を決定する実行抽選の実行契機としているがこれに限るものではない。例えば、発射された遊技球が所定位置に到達したことを検出可能な検出センサ(非接触センサ)を設け、当該検出センサがオンとなった場合に実行抽選を実行するように構成してもよい。このように構成することで、枠ボタン22を操作するために遊技者が発射ハンドルから手を離す(即ち、遊技球の発射を中断してしまう)ことを抑制することができる。
また、遊技者が所有するスマートフォンに対して所定の操作(例えば、パチンコ機10で実行される演出と対応する演出を実行可能なアプリケーションプログラムによりスマートフォンに表示されたPush表示をタッチする操作)がされた場合に、実行抽選を実行するように構成してもよい。このように構成した場合、Wifi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の通信手段を用いて、スマートフォンにおいて所定の操作がされたことをパチンコ機10に対して出力可能に構成すると良い。このように構成することで、感染症対策等により枠ボタン22に触りたくない遊技者に対しても実行抽選の実行を促すことができる。
本第6変形例では、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選において、役物演出の実行に対応する抽選結果となった場合、実行抽選期間(操作有効期間(2秒))が経過した後に、役物演出が開始され、役物演出における準備期間(1秒間)が設定される。即ち、上述した役物演出の実行可否を決定する実行抽選が実行された(枠ボタン22が押下された)タイミングによらず、実行抽選期間として設定される2秒が経過した後に、役物演出が実行される。役物演出における準備期間では、落下役物900が原点位置から張出位置まで1秒間で可動(上昇)する。また、表示領域HR10には、役物演出における準備期間であることを示すための表示態様(例えば、「役物演出準備中!!」という文字)が表示される。小表示領域Dm72には、タイムゲージtg1が満タンの状態で表示(残時間ゲージtg1aのみで構成)され、回数表示領域Dm72aには、操作有効期間が間もなく開始されることを示す表示態様(例えば、「準備中」という文字)が表示されている。これにより、役物演出において枠ボタン22を操作する演出が間もなく実行されることを遊技者に容易に理解させることができる。
役物演出における1回目の操作有効期間(3秒間)の演出態様の一例を示した図である。本第6変形例では、役物演出における準備期間が終了すると、枠ボタン22の操作有効期間(1回目)として所定時間(3秒間)が設定され、当該操作有効期間において、枠ボタン22が操作されることに基づいて第1球状部材952を可動させることが可能に構成されている。より具体的には、当該操作有効期間において枠ボタン22が押下された場合に、第1射出ソレノイド955により第1球状部材952を可動させることが可能に構成され、遊技盤13に設けられた第1小窓950内に第1球状部材952が停止した場合に、張出位置から下降した落下役物900と第1球状部材952とを当接させることで落下役物900を第1中間位置に停止させ、特別図柄抽選の抽選結果を示唆する表示態様(第1落下予告の予告内容)を表示可能に構成されている。
役物演出における1回目の操作有効期間では、表示領域HR10に「第1小窓に球が止まれば第1落下予告GET!」という文字が表示される。これにより、第1小窓950内に第1球状部材952が停止することで、特別図柄抽選の抽選結果を示唆する演出が実行されることを遊技者に理解させることができる。また、役物演出における1回目の操作有効期間では、落下役物900が張出位置に位置している状態で保持されており、落下役物900を介して遊技者から視認可能となる落下役物900の背面側の回数表示領域Dm76には「次回」という文字が表示される。
また、役物演出における1回目の操作有効期間では、当該操作有効期間の開始からの経過時間に対応して、小表示領域Dm72に表示されたタイムゲージtg1の残時間ゲージtg1aが減少し、経過時間ゲージtg1bが増加する。小表示領域Dm72aには、枠ボタン22の操作方法を示す表示態様(例えば、「長押し」という文字)が表示される。詳細については後述するが、本第6変形例では、枠ボタン22が押下された(押し込み状態へと可変した)ことを契機として第1球状部材952を可動させることが可能に構成され、枠ボタン22が押下され続けている(長押しされている)期間において、球状部材952を可動させるための第1射出ソレノイド955を所定の周期(0.5秒毎)に可動させることが可能に構成されている。なお、操作有効期間において枠ボタン22を複数回押下した場合には、第1射出ソレノイド955の駆動規制期間(駆動されてから0.5秒間)は駆動させないように構成されている。即ち、第1射出ソレノイド955は0.5秒毎の駆動が最短の間隔であるため、枠ボタン22を長押しした方が第1球状部材952を第1小窓950内に停止させ易くなる。これにより、枠ボタン22の操作状況に応じて、落下役物900と第1球状部材952とを当接させる難易度を可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
小表示領域Dm72の正面視右側には、小表示領域Dm73が形成され、当該小表示領域Dm73には第1射出ソレノイド955の駆動回数を示すための表示態様(図では、第1射出ソレノイド955が3回可動されたことを示す「3回」という文字)が表示される。小表示領域Dm73内に形成された回数表示領域Dm73bに表示された表示態様(図では、第1射出ソレノイド955の駆動回数を示す「3」という数字)は、第1射出ソレノイド955の駆動が設定される毎に更新(1ずつ加算して表示)される。また、小表示領域Dm73の上部に形成された小表示領域Dm73aには、小表示領域Dm73に表示された回数が第1球状部材952の可動回数に対応する回数であることを示すための表示態様(例えば、「Try数」という文字)が表示されている。
本第6変形例では、上述した通り、枠ボタン22が所定時間(0.5秒)未満で複数回押下された場合に、第1射出ソレノイド955の駆動を規制することが可能に構成されており、第1射出ソレノイド955の駆動が規制された場合には、回数表示領域Dm73bに表示された表示態様を更新しないように構成されている。より具体的には、枠ボタン22が押下されてから0.5秒経過するよりも前に、次の押下がされた場合、2回目の操作に基づく第1射出ソレノイド955の駆動を規制し、実際に第1射出ソレノイド955を駆動した回数分(即ち、1回目の押下に基づいて可動された1回分)だけ回数表示領域Dm73bに表示された表示態様を更新するように構成されている。このように構成することで、枠ボタン22が高速で連打された場合に、第1球状部材952を可動させる駆動手段(第1射出ソレノイド955)の駆動が規制されている(即ち、押下しても駆動されない)にも関わらず、駆動手段(第1射出ソレノイド955)が枠ボタン22の押下回数分、駆動されていると遊技者に勘違いさせてしまう不具合を抑制することができる。
小表示領域Dm73の右側に形成される小表示領域Dm74には、第1小窓950付近の遊技盤13を模した表示態様が表示され、小表示領域Dm74の上部に形成された回数表示領域Dm74aには、遊技盤13における第1小窓950付近に注目することを促すための表示態様(例えば、「注目!」という文字)が表示される。このように構成することで、枠ボタン22を押下されたことに基づいて可動された第1球状部材952を、第1小窓950を介して視認させ易くすることができる。よって、実行されている演出内容を遊技者に理解させ易くすることができる。
また、主表示領域Dmにおける上下方向に対して略中央の左側に形成された回数表示領域Dm75には、落下予告の発生した回数の累計を示すための表示態様(例えば、「0/3発生」という文字)が表示され、回数表示領域Dm75の上部には、落下予告の発生した回数をカウントしていることを示す表示態様(例えば、「予告」という文字)が表示される。回数表示領域Dm75における回数表示領域Dm75bに表示された表示態様(図では「0」という数字)は、落下予告が発生する毎に表示態様が可変(数値が1ずつ加算)して表示される。これにより、落下予告の最大発生回数(3回)に対して、何回の落下予告を発生させることができたのかを遊技者に容易に把握させることができる。なお、役物演出が実行されている期間における、小表示領域Dm1、小表示領域Dm2、小表示領域Ds11、及び小表示領域Ds12は、上述した役物演出の実行抽選期間における小表示領域Dm1、小表示領域Dm2、小表示領域Ds11、及び小表示領域Ds12に対して、小表示領域Dm2の表示場所が左側に移動した点においてのみ相違しており、表示内容については同一であるため、詳細な説明を省略する。
本第6変形例における役物演出では、枠ボタン22が押下されたことに基づいて可動した第1球状部材952が第1小窓950内に停止した場合に、自由落下により下降する落下役物900と第1球状部材952とを当接させることで落下役物900を第1中間位置に停止させることを可能に構成され、落下役物900が第1中間位置に停止した場合に特別図柄抽選の抽選結果を示唆する表示態様を表示させるように構成されている。役物演出において落下役物900が第1中間位置に停止した場合、第1中間位置に位置している落下役物900の背面側の小表示領域Dm77には、第1落下予告内容を示す表示態様(例えば、「激」という文字)が表示され、表示領域HR10には「第1落下予告発生!」という文字が表示される。詳細については後述するが、第1落下予告落下予告の予告内容は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて、「激」、「とても」、「やや」の何れかが選択されるように構成されている。なお、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである場合には、予告内容として「激」が選択され易く、「やや」が選択され難く構成されている。即ち、大当たり期待度が高い方から順に、「激」、「とても」、「やや」となるように構成されている。このように構成することで、小表示領域Dm77に表示された表示態様(第1落下予告の予告内容)から特別図柄抽選の抽選結果を予想する遊技性を実現することができる。
主表示領域Dmの上下方向に対する略中央の左側に形成された小表示領域Dm75には、落下予告が発生した回数をカウントする表示態様(図では、「1/3発生」という文字)が更新して表示される。なお、第1球状部材952が第1小窓950内に停止しなかった場合(即ち、落下役物900を第1中間位置に停止させることができなかった場合)には、落下役物900が張出位置から原点位置まで落下するように構成されている。即ち、第1球状部材952が第1小窓950内に停止したか否かによらず、落下役物900を張出位置から自由落下により移動させるように構成されている。ここで、第1球状部材952が第1小窓950内に停止することなく、落下役物900が原点位置まで落下した場合には、表示領域HR10には何も表示されず(非表示となり)、小表示領域Dm75内の表示態様が更新されることもない(「0/3発生」という文字が表示され続ける)。
本第6変形例では、役物演出における1回目の操作有効期間の終了タイミングで落下役物900を張出位置から自由落下により移動させた後、落下役物900を駆動モータ910の駆動力により再び張出位置まで移動させ、落下役物900が張出位置に到達したタイミングにおいて2回目の操作有効期間(3秒間)を設定するように構成されている。2回目の操作有効期間では、表示領域HR10に「第2小窓内に球が止まれば第2落下予告GET!」という文字が表示される。これにより、第2小窓960、及び第2球状部材962を用いて、1回目の操作有効期間における演出と類似する演出が実行されていることを遊技者に容易に理解させることができる。2回目の操作有効期間では、小表示領域Dm77に第1落下予告として表示された表示態様(例えば、「激」という文字)が表示されている。2回目の操作有効期間では、1回目の操作有効期間に対して、実行された累計の予告回数を示す表示態様(例えば、「1/3発生」という文字)が小表示領域Dm75において表示されている点と、射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)が可動された累計の可動回数を示す表示態様(例えば、「6回」という文字)が小表示領域Dm73において表示されている点と、第2小窓960付近の遊技盤13を模した表示態様が小表示領域Dm74において表示されている点と、で相違している。
本第6変形例における役物演出では、上述した2回目の操作有効期間(3秒間)の終了から所定時間(1秒間)が経過したタイミングにおいて、張出位置に位置している落下役物900を自由落下により下降させるように構成されている。また、張出位置から自由落下により落下役物900を下降させた場合において、第2小窓960内に第2球状部材962が停止している場合には、落下役物900と第2球状部材962とを当接させることで落下役物900を第2中間位置に停止させることが可能に構成され、第2小窓960内に第2球状部材962が停止していない場合には、落下役物900を原点位置まで下降させ、原点位置で停止させることが可能に構成されている。これにより、自由落下により下降する落下役物900の移動範囲を可変させることができるため、落下役物900の動作態様を多様化させることで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
落下役物900が第2中間位置で停止した場合には、表示領域HR10において「第2落下予告発生!上昇までに第1小窓内に球を止めろ!」という文字が表示される。これにより、再び、第1小窓950内に第1球状部材952を停止させる演出が実行されていることを遊技者に理解させることができる。詳細については後述するが、本第6変形例では、第1小窓950内に停止している第1球状部材952に対して、駆動モータ910の駆動力により上昇している落下役物900を当接させることで、所定の演出(最終落下予告)を実行可能に構成されている。これにより、落下役物900と第1球状部材952との当接パターンを多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、第2中間位置に位置している落下役物900の背面側の小表示領域Dm78には、第2落下予告の予告内容を示す表示態様(例えば、「アツ」という文字)が表示され、役物演出において発生した落下予告の累計数を更新した表示態様(例えば、「2/3発生」という文字)が小表示領域Dm75に表示される。詳細については後述するが、第2落下予告の予告内容は、特別図柄の抽選結果に応じて選択され、大当たり期待度を示唆することができる。このように構成することで、遊技者は、第1落下予告の予告内容に加え、第2落下予告の予告内容も参照して、特別図柄抽選の抽選結果を予想することができる。なお、第2落下予告の予告内容は第1落下予告の実行有無に関わらず表示可能に構成されている。即ち、第1落下予告が発生しなかった場合における第2落下予告発生時の演出態様は、第1落下予告が発生した場合における第2落下予告発生時の演出態様に対して、小表示領域Dm77において何も表示されない点と、回数表示領域Dm75の回数表示領域Dm75bに表示された表示内容が異なる(例えば、第2落下予告の発生だけがカウントされた「1」という数値が表示される)点と、において相違し、その他の演出態様については同一である。
なお、本第6変形例では、小表示領域Dm75において、落下予告が発生した回数(累計)を表示するように構成しているが、これに加え、落下動作の実行回数(累計)を表示するように構成してもよい。より具体的には、落下予告の発生有無によらず、落下役物900が張出位置から自由落下により下降する落下動作が実行された回数を識別可能な識別情報を表示するように構成してもよい。このように構成することで、役物演出の進行度合いを遊技者に理解させ易くすることができる。
なお、図示は省略したが、張出位置に位置している落下役物900を自由落下により下降させた場合において、第2小窓960内に第2球状部材962が停止していない場合は、落下役物900は原点位置まで下降して停止するように構成されている。また、落下役物900が第2停止位置で停止することなく原点位置まで下降した場合には、小表示領域Dm78には何も表示されることはない。
落下役物900が2回目の落下動作(張出位置からの下降)を開始してから所定時間(1秒)が経過すると、3回目の操作有効期間(2秒間)が設定される。3回目の操作有効期間(2秒間)では、枠ボタン22が押下されたことに基づいて、第1球状部材952を可動させることが可能に構成されている。小表示領域Dm72では、3回目の操作有効期間(2秒間)を示すためのタイムゲージtg1が表示され、タイムゲージtg1における残時間ゲージtg1a、及び経過時間ゲージtg1bが、3回目の操作有効期間が開始からの経過時間に対応して可変して表示される。小表示領域Dm73では、役物演出において各球状部材(第1球状部材952、及び第2球状部材962)が可動された累計の可動回数に対応する表示態様(例えば、「9回」という文字)が表示される。
本第6変形例では、原点位置、または第2中間位置から駆動モータ910の駆動力により張出位置に向けて上昇している落下役物900が第1小窓950内に停止している第1球状部材952と当接した場合に、落下役物900が張出位置から自由落下により原点位置まで下降したタイミングにおいて、最終落下予告の予告内容を示す表示態様(例えば、「星5」という文字)を小表示領域Dm79に表示させることが可能に構成されている。詳細については後述するが、最終落下予告の予告内容は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて、上述した第1落下予告と第2落下予告との予告内容が規定されたデータテーブルとは異なるデータテーブルから決定される。即ち、第1落下予告と第2落下予告との予告内容から最終落下予告の予告内容を特定することが困難となるように構成されている。このように構成することで、大当たり期待度を示唆する表示態様を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上することができる。
なお、第1小窓950内に第1球状部材952が停止していない状態において、落下役物900が張出位置まで上昇した後、落下役物900が張出位置から原点位置まで自由落下により下降した場合には、小表示領域Dm79には何も表示されることはない。このように構成することで、落下役物900の停止位置を可変させることのない3回目の落下動作において、落下役物900と第1球状部材952とが当接したか否かに応じて、演出態様を可変させることができる。よって、落下役物900と第1球状部材952とが当接可能な構成において、演出態様を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、役物演出において最終落下予告が発生した場合は、表示領域HR10において、役物演出において発生した予告内容を示す表示態様(例えば、「次回激アツ星5リーチ」という文字)が表示される。なお、図示は省略したが、発生しなかった落下予告がある場合(例えば、最終落下予告のみ発生しなかった場合)、役物演出において発生した予告内容を示す表示態様は、発生した予告内容にのみ対応する表示態様(例えば、「次回激アツリーチ」という文字)で表示される。
次に、役物演出の操作有効期間における枠ボタン22の操作状況と射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)の駆動状況との関係について説明する。本第6変形例では、操作有効期間において枠ボタン22が押下されたことに基づいて射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)を駆動させることが可能に構成され、射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)が駆動されてから所定時間(例えば、0.5秒間)を射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)の駆動を規制する駆動規制期間として設定するように構成されている。即ち、射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)が可動されてから所定時間(例えば、0.5秒間)が経過するよりも前に、再び枠ボタン22が押下された場合には、当該押下を無効とする(射出ソレノイドを駆動させない)ように構成されている。このように構成することで、枠ボタン22を高速で連打された場合に、プッシュソレノイドである射出ソレノイドのプッシュバーが残留磁気等により突出し続けてしまう等の不具合を抑制することができる。駆動規制期間(0.5秒間)が経過した後に、枠ボタン22が押下された場合には、射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)が再び駆動される。
本第6変形例では、枠ボタン22が押下されたタイミングにおいて、射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)を駆動させるように構成されている。更に、上述した射出ソレノイドの駆動規制期間(駆動開始から0.5秒間)が経過したタイミングまで枠ボタン22が押下され続けていた(長押しされた)場合には、当該駆動規制期間が経過したタイミングにおいて、再び射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)を駆動させるように構成されている。上述した制御は、操作有効期間において枠ボタン22が押下され続けている(長押しされている)期間、継続して実行される。
より具体的には、例えば、枠ボタン22が1.5秒間押下された場合、枠ボタン22が押下されたタイミングにおいて1回目の射出ソレノイドの可動が実行され、その後0.5秒毎(即ち、枠ボタン22の押下開始から0.5秒後、1秒後、及び1.5秒後)に射出ソレノイドが繰り返し駆動される。即ち、役物演出の操作有効期間において、枠ボタン22が所定時間(0.5秒)以上、押下され続けた(長押しされた)場合に、射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)を所定の周期(0.5秒毎)で駆動させることが可能に構成されている。このように構成することで、射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)により可動される球状部材(第1球状部材952、及び第2球状部材962)の動作態様をより好適なものにすることができる。
なお、図示は省略したが、操作有効期間の開始前から枠ボタン22を押下し続けていた場合(例えば、操作有効期間の開始1秒前から押下し続けていた場合)に、操作有効期間の開始タイミングにおいて射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、または第2射出ソレノイド965)の1回目の駆動を設定することが可能に構成されている。これにより、操作有効期間の開始よりも前に枠ボタン22が押下されていた場合に、最速のタイミング(即ち、操作有効期間の開始タイミング)において射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、または第2射出ソレノイド965)を可動させることができる。
次に、本第6変形例の役物演出における落下役物900の動作の流れを説明する。本第6変形例における役物演出では、上述したように、張出位置に位置している落下役物900が自由落下により下降する落下動作で所定回数(3回)可動される。また、張出位置に位置している落下役物900を自由落下により下降させる場合において、第1小窓950内に第1球状部材952が停止している場合には落下役物900を第1中間位置に停止させ、第2小窓960内に第2球状部材962が停止している場合には落下役物900を第2中間位置に停止させ、第1小窓950内に第1球状部材952が停止しておらず、且つ第2小窓960内に第2球状部材962が停止していない場合には、落下役物900を原点位置で停止させることが可能に構成されている。このように構成することで、球状部材(第1球状部材952、及び第2球状部材962)の状態に応じて落下役物900の下降幅(移動幅)を可変させることができるため、落下役物900の動作態様を多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
役物演出の実行が決定されると、まず、役物演出の準備期間において、駆動モータ910の駆動力により落下役物900が原点位置から張出位置まで所定時間(1秒)掛けて上昇する。落下役物900が張出位置まで上昇すると、落下役物900は保持ソレノイド920によって所定時間(4秒間)、張出位置に保持される。また、詳細については後述するが、落下役物900が保持ソレノイド920により張出位置に保持されている期間において、ラック991が落下役物900と離間した状態で駆動モータ910の駆動力により下限まで(規制部材995と当接するまで)所定時間(750ミリ秒)掛けて下降する。落下役物900は、張出位置に位置している状態で所定時間(4秒間)保持された後、保持ソレノイド920のプッシュバーが引込状態へと可変することで張出位置から自由落下により下降する。落下役物900が張出位置から自由落下により下降する場合において、第1小窓950内に第1球状部材952が停止している場合、落下役物900は第1中間位置まで下降して停止し、所定のタイミング(役物演出の開始から8秒後)に張出位置に到達するように可動される。
落下役物900が第1中間位置から張出位置まで上昇されると、ラック991が落下役物900と離間した状態で駆動モータ910の駆動力により下限まで(規制部材995と当接するまで)下降すると共に、落下役物900が所定時間(4秒)張出位置に保持された後、自由落下により下降する。張出位置から下降した落下役物900は、第2球状部材962と当接することにより第2中間位置まで下降した状態で停止する。その後、落下役物900は、所定のタイミング(役物演出の開始から17秒後)で張出位置に到達するまで上昇する。落下役物900が第2中間位置から張出位置まで上昇すると、ラック991が落下役物900と離間した状態で駆動モータ910の駆動力により下限まで(規制部材995と当接するまで)下降すると共に、落下役物900が保持ソレノイド920によって張出位置に所定時間(4秒間)保持される。その後、落下役物900は張出位置から原点位置まで自由落下により下降して停止する。即ち、ラック991は、各落下予告の発生有無(換言すれば、落下役物900の停止位置)によらず、下限(ラック991と規制部材995とが当接するまで下降した位置)まで下降するように構成されている。
本第6変形例では、落下予告の発生状況によらず、落下役物900を可動させるための駆動モータ910を予め規定されたシナリオに基づいて可動させるように構成されている。より具体的には、各所定のタイミング(役物演出の開始時、開始から7秒後、及び開始から16秒後)において、落下役物900を上昇させるために駆動モータ910を正方向に回転させてラック991を1秒間で上昇させ、その後、所定時間(250ms)の待機動作(駆動モータ910のホールディングトルクによる保持)を経て駆動モータ910を負方向に回転させてラック991を退避させる(規制部材995と当接するまで下降させる)ように構成されている。このように構成することで、落下役物900を可動させることが可能な駆動モータ910の制御内容を変更することなく、張出位置から自由落下により下降する落下役物900の停止位置を可変させることができる。よって、落下役物900の停止位置を可変させるための制御を簡素化することができる。
即ち、第1落下予告が発生し、第2落下予告が発生しなかった場合における落下役物900の動作内容は、第1落下予告と第2落下予告とが発生した場合における落下役物900の動作内容に対して、落下役物900の2回目の落下時における停止位置が原点位置である点においてのみ相違しており、その他の動作内容については同一であるため、詳細な説明を省略する。第1落下予告が発生し、第2落下予告が発生しなかった場合には、落下役物900は2回目の落下(下降)時に原点位置に位置するまで落下(下降)し、原点位置で停止する。
第1落下予告が発生せず、第2落下予告が発生した場合における落下役物900の動作内容は、第1落下予告と第2落下予告とが発生した場合における落下役物900の動作内容に対して、1回目の落下動作で落下役物900が原点位置まで落下(下降)して停止する点においてのみ相違している。その他の動作内容は同一であるため、詳細な説明は省略する。第1落下予告が発生せず、第2落下予告が発生した場合には、落下役物900の1回目の落下(下降)時に、落下役物900が原点位置まで落下(下降)し、原点位置で停止する。
第1落下予告と第2落下予告とが発生しなかった場合における落下役物900の動作内容は、第1落下予告と第2落下予告とが発生した場合における落下役物900の動作内容に対して、1回目と2回目との落下役物900の落下(下降)時に、落下役物900が原点位置まで落下(下降)して停止する点において相違し、その他の動作内容については同一であるため詳細な説明を省略する。第1落下予告と第2落下予告とが発生しなかった場合には、落下役物900は1回目と2回目との落下(下降)時に原点位置まで落下(下降)し、原点位置で停止する。
なお、本第6変形例では、最終落下予告の発生有無によらず、落下役物900の3回目の落下(下降)時に落下役物900を原点位置まで落下(下降)させて停止させるように構成されている。このように構成することで、落下役物900の3回目の落下動作が終了した時点で落下役物900を原点位置に必ず位置させることができるので、落下役物900を原点位置に退避させるための制御を実行することなく落下役物900を原点位置に退避させることができる。
<第30制御例の第6変形例における電気的構成について>
次に、本第6変形例における電気的構成について説明する。本第6変形例では、上述した第6変形例におけるパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点、各種センサ230、及びその他装置228を追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な内容について説明を省略する。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、各種センサ230、その他装置228がそれぞれ接続されている。
各種センサ230とは、具体的には、退避センサ940と、原点位置センサ941と、張出位置センサ942と、第1中間センサ943と、第2中間センサ944と、第1流路センサ951aと、第2流路センサ961aとが少なくとも設けられている。これにより、各部材の動作状況を正確に把握することができるので、落下役物900の動作制御をより好適に実行することができる。また、本第6変形例では、その他装置228を構成する装置として、駆動モータ910と、第1射出ソレノイド955と、第2射出ソレノイド965と、保持ソレノイド920とが設けられている。これらの駆動手段により、各部材を所定の動作で可動することができる。
ここで、駆動モータ910について詳細に説明する。駆動モータ910は、公知のステッピングモータで構成され、パチンコ機10に搭載されている落下役物900を動作させるために設けられている。この駆動モータ910は、対応する制御用IC(モータドライバ)によって駆動される。具体的には、音声ランプ制御装置113のMPU221からモータ制御用IC(モータドライバ)に対して、回転のステップ数と、回転方向(正方向、または負方向)と、回転速度とを少なくとも含むコマンドを出力する。制御用IC(モータドライバ)は、出力されたコマンドに基づいて、駆動モータ910を駆動する。設定されたコマンドに基づいて、制御用IC(モータドライバ)が落下役物900を動作させる場合には、1ステップの動作を実行させる毎に、音声ランプ制御装置113のMPU221に対して動作を実行させたことを通知するための信号(実行信号)が出力される。この実行信号により、MPU221は、設定した動作の進捗を把握することができる。
なお、音声ランプ制御装置113には、図示しないステップカウンタが設けられている。このステップカウンタは、駆動モータ910が何ステップ回転動作したのかをカウントするカウンタである。即ち、原点位置を0ステップの位置として、制御用ICからの実行信号を受信する毎にその値が1ずつ更新される。より具体的には、落下役物900が原点位置から張出位置へと向かう方向(正方向)へ1ステップ動作する毎にその値が1ずつ加算される。また、張出位置から原点位置へと向かう方向(負方向)へ1ステップ動作する毎にその値が1ずつ減算される。よって、ステップカウンタの値に基づいて落下役物900を動作させるためのラック991の動作位置を容易に把握することができる。ここで、原点位置とは、落下役物900が電源投入に基づく原点復帰において移行する位置のことである。具体的には、電源投入時に原点位置センサ941がオンでなければ、原点位置センサ941がオンを検出するまで落下役物900を変位させる(即ち、駆動モータ910を駆動する)。
これに加え、本第6変形例では、電源投入に基づいて原点復帰を実行した後に、落下役物900が正常に可動するかを確認するための初期動作を実行するように構成されている。この初期動作では、原点位置に位置する落下役物900を駆動モータ910の駆動力により張出位置まで上昇させ、保持ソレノイド920を駆動することにより落下役物900を張出位置に所定時間(例えば、1秒間)保持した後、自由落下により原点位置まで落下させるように構成されている。なお、当該初期動作が正常に実行されなかった(例えば、初期動作に要する時間が経過しても原点位置センサ941がオンとならない)場合には、第3図柄表示装置81においてエラー表示態様(例えば、「役物動作エラー」という文字)が表示される。このように構成することで、落下役物900に故障等の不具合が生じていないかを、電源投入時に確認することができる。
また、上述したステップカウンタの値が落下役物900を張出位置に移動させるまでに必要な設計値となったタイミングにおいて張出位置センサ942がオンでない場合に、エラー状態と判定し、原点位置センサ941がオンを検出するまで落下役物900を変位させるように構成されている。より具体的には、ステップカウンタの値が落下役物900を張出位置に移動させるまでに必要な設計値(250)まで加算されたタイミングにおいて張出位置センサ942がオンであるかを判別し、張出位置センサ942がオンでないと判別した場合には、第3図柄表示装置81においてエラー表示態様(例えば、「役物動作エラー」という文字)を表示すると共に、落下役物900を原点位置(原点位置センサ941がオンになる)まで変位させるように構成されている。このように構成することで、駆動モータ910の脱調等に起因して落下役物900が正常に動作していない場合に落下役物900を原点位置に退避させることができる。
なお、本第6変形例では、ステップカウンタの値が落下役物900を張出位置に移動させるまでに必要な設計値(250)まで加算されたタイミングにおいて張出位置センサ942がオンでないと判別した場合に、落下役物900を原点位置まで変位させるように構成しているが、これに限るものではない。例えば、ステップカウンタの値が落下役物900を張出位置に移動させるまでに必要な設計値(250)まで加算されたタイミングにおいて張出位置センサ942がオンでないと判別した場合に、所定時間(例えば、50ms)までは駆動モータ910を回転させ続け、所定時間が経過しても張出位置センサ942がオンであると判別しなかった場合に、エラー表示態様を表示すると共に、落下役物900を原点位置に退避させるように構成してもよい。このように構成することで、駆動モータ910の経年劣化に起因して発生した軽微な脱調によって、過度に復帰動作が実行されてしまう不具合を抑制することができる。
次いで、モータ制御用IC(モータドライバ)による駆動モータ910の制御の一例について説明する。なお、説明を分かり易くするために、1ステップで90度回転する(即ち、4ステップで1周する)ステッピングモータを例に取って説明するが、実際の駆動モータ910は、1ステップの回転角度をより細かく設定できるように構成されている。
駆動モータ910は、対応するモータ制御用ICに対して音声ランプ制御装置113から励磁制御データを送ることにより、その励磁制御データに対応した部位が励磁されるように構成されている。具体的には、「A、B、C、D」に対応した4桁の2進数で構成された励磁制御データによってモータ制御用ICにより励磁される。具体的には、駆動モータ910の各部位(即ち、A、B、C、Dの何れか)に対応する励磁制御データが「1」であれば励磁され、励磁制御データが「0」であれば励磁されない。例えば、励磁制御データが「1100」であれば、A及びBが励磁され、C及びDは励磁されない。この励磁制御データは、音声ランプ制御装置113のROM222に設けられている励磁テーブル222eeに規定されている。
また、音声ランプ制御装置113には、励磁テーブル222eeに規定された複数の励磁制御データの中から1の励磁制御データを選択して設定するために用いられる励磁カウンタ223eghが設けられている。この励磁カウンタ223eghは「1」を起点として正方向に1ずつ更新することができ、励磁カウンタ223eghの値が「4」となってから値が更新されると値が「1」に戻るループカウンタとなっている。この励磁カウンタ223eghのカウンタ値が更新される毎に、対応する励磁制御データが読み出されて設定される。励磁制御データが設定されると、励磁制御データに基づく各部位の励磁が即座に行われる(即ち、励磁制御データの設定からタイムラグなく駆動モータ910が可動する)。更に、励磁カウンタ223eghは、負の方向にも更新することができる。つまり、値が「1」を起点として、「1」→「4」→「3」→「2」→「1」の順番に更新することができる。負方向に更新する場合は、正方向に更新した場合と駆動モータ910の回転方向が逆向きになる。
励磁カウンタ223eghを更新する方向と、励磁カウンタ223eghの更新頻度とは、予め定められている。なお、この励磁カウンタ223eghの最大値は駆動モータ910のステップ数に応じて変化する。例えば、1ステップで1度回転する(即ち、モータが1回転するのに360ステップを要する)駆動モータ910の場合、励磁カウンタ223eghは「1」~「360」の範囲で更新されるループカウンタとなる。
次いで、駆動モータ910の各部位を励磁するための励磁制御データの具体例について説明する。なお、励磁テーブル222eeには、励磁カウンタ223eghのカウンタ値毎に励磁制御データが規定されている。駆動モータ910に対応するシーケンスデータとして、励磁カウンタ223eghのカウンタ値「1」~「4」の順に「1100,0110,0011,1001」の励磁制御データがそれぞれ規定されている。また、励磁カウンタ223eghのカウンタ値「1」に対応するシーケンスデータである「1100」が設定されると、駆動モータ910のA、及びBの各部位が励磁される。また、励磁カウンタ223eghのカウンタ値「2」に対応するシーケンスデータである「0110」が設定されると、駆動モータ910のB、及びCの各部位が励磁されるので、励磁カウンタ223eghの値が「1」の状態から時計回りに90度回転する。
また、励磁カウンタ223eghのカウンタ値「3」に対応するシーケンスデータである「0011」が設定されると、駆動モータ910のC、及びDの各部位が励磁され、励磁カウンタ223eghのカウンタ値「2」の状態から時計回りに90度回転する。また、励磁カウンタ223eghのカウンタ値「4」に対応するシーケンスデータである「1001」が設定されると、駆動モータ910のA、及びDの各部位が励磁されるので、励磁カウンタ223eghのカウンタ値が「3」の状態から時計回りに90度回転する。
このように、励磁カウンタ223eghのカウンタ値が正方向に1更新される毎に、駆動モータ910が時計回りに90度ずつ回転する。なお、上述した通り、励磁カウンタ223eghのカウンタ値が負方向に更新される場合は、駆動モータ910が反時計回りに90度ずつ回転する。
以上のように、駆動モータ910の制御を簡略化した動作モデルで説明したが、本第6変形例で実際に用いられる駆動モータ910では、1ステップ毎に(即ち、励磁カウンタ223eghの値を1更新する毎に)より細かい角度で回転させることができる。即ち、落下役物900を変位させる場合は、変位させるステップ数に応じた回数だけ励磁カウンタ223eghのカウンタ値を1ずつ更新し、励磁カウンタ223eghの更新毎にカウンタ値に対応する励磁制御データを設定することで、正確に落下役物900を変位させることができる。
また、本第6変形例では、駆動モータ910を用いて、落下役物900を張出位置に所定時間(250ms)保持することが可能に構成されている。より具体的には、落下役物900が張出位置に到達したタイミングにおいて、励磁されていた駆動モータ910の部位を継続して励磁する(即ち、部位を切替えることなく励磁する)ことによって、駆動モータ910に保持力(所謂、ホールディングトルク)を発生させるように構成されている。このように構成することで、駆動モータ910を正方向の回転動作から逆回転への回転動作に切替えるタイミングにおいて、慣性により落下役物900が意図せず変位してしまう不具合を抑制することができる。
次に、本第6変形例の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。本第6変形例では、上述した第1制御例の音声ランプ制御装置113のROM222(図28(a)参照)に対して、役物演出実行抽選テーブル222ea、前半予告選択テーブル222eb、後半予告選択テーブル222ec、駆動テーブル222ed、及び励磁テーブル222eeが追加されている点で相違している。
上述した役物演出実行抽選テーブル222eaの詳細について説明する。この役物演出実行抽選テーブル222eaは、枠ボタン22が操作されたことに基づいて役物演出を実行するか否かを決定する実行抽選を実行する場合に参照されるデータテーブルである。
特別図柄抽選の抽選結果毎に、役物演出を実行するか否かを判定する判定値(演出カウンタ223fの値)の範囲が規定されている。より具体的には、特別図柄抽選の抽選結果「大当たり」に対しては、演出カウンタ223fの値「0~29」の範囲が役物演出の実行なしと判定される判定値(カウンタ値)として規定され、演出カウンタ223fの値「30~99」の範囲が役物演出の実行と判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。一方、特別図柄抽選の抽選結果「外れ」に対しては、演出カウンタ223fの値「0~69」の範囲が役物演出の実行なしと判定される判定値(カウンタ値)として規定され、演出カウンタ223fの値「70~99」が役物演出の実行と判定される判定値(カウンタ値)として規定されている。
演出カウンタ223fは、「0~99」の範囲で更新されるループカウンタで構成されているので、役物演出を実行するか否かを決定する実行抽選が実行された場合において、当該変動演出が大当たりに対応するものであった場合、70%(70/100)の割合で役物演出の実行と判定され、当該変動演出が外れに対応するものであった場合、30%(30/100)の割合で役物演出の実行と判定される。即ち、役物演出を実行するか否かを決定する実行抽選が実行された場合において、役物演出が実行される割合は、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである場合の方が外れである場合よりも40%高くなるように構成されている。このように構成することで、役物演出が実行された場合に、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりであることを遊技者に対して適度に期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上することができる。
次に、上述した前半予告選択テーブル222ebの詳細について説明する。この前半予告選択テーブル222ebは、役物演出において、第1落下予告を表示する場合と、第2落下予告を表示する場合とに参照されるデータテーブルである。
前半予告選択テーブル222ebには、特別図柄抽選の抽選結果毎に、役物演出における第1落下予告の予告内容と第2落下予告の予告内容とを選択するカウンタ値の範囲が規定されている。より具体的には、特別図柄抽選の抽選結果「大当たり」に対しては、演出カウンタ223fの値「0~39」の範囲が第1落下予告の予告内容として「激」、第2落下予告の予告内容として「アツ」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「40~64」の範囲が第1落下予告の予告内容として「激」、第2落下予告の予告内容として「チャンス」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「65~84」の範囲が第1落下予告の予告内容として「とても」、第2落下予告の予告内容として「アツ」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「85~94」の範囲が第1落下予告の予告内容として「とても」、第2落下予告の予告内容として「チャンス」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「95~98」の範囲が第1落下予告の予告内容として「やや」、第2落下予告の予告内容として「アツ」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「99」が第1落下予告の予告内容として「やや」、第2落下予告の予告内容として「チャンス」が選択されるカウンタ値として規定されている。
一方、特別図柄抽選の抽選結果「大当たり」に対しては、演出カウンタ223fの値「0~4」の範囲が第1落下予告の予告内容として「激」、第2落下予告の予告内容として「チャンス」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「5~14」の範囲が第1落下予告の予告内容として「とても」、第2落下予告の予告内容として「アツ」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「15~34」の範囲が第1落下予告の予告内容として「とても」、第2落下予告の予告内容として「チャンス」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「35~59」の範囲が第1落下予告の予告内容として「やや」、第2落下予告の予告内容として「アツ」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「60~99」の範囲が第1落下予告の予告内容として「やや」、第2落下予告の予告内容として「チャンス」が選択されるカウンタ値として規定されている。
即ち、第1落下予告の予告内容は、「激」、「とても」、及び「やや」の3パターンから選択され、第2落下予告の予告内容は、「アツ」、及び「チャンス」の2パターンから選択されるので、第1落下予告と第2落下予告とを合わせた内容は、「激アツ」、「激チャンス」、「とてもアツ」、「とてもチャンス」、「ややアツ」、及び「ややチャンス」の6パターンとなる。これにより、第1落下予告、または第2落下予告の予告内容が表示されることで大当たり期待度を示唆することが可能となることに加え、第1落下予告と第2落下予告との両方の予告内容が表示されることでより詳細な大当たり期待度を示唆することが可能となる。よって、特別図柄抽選の抽選結果を予想したい遊技者に対して、より多くの落下予告が表示されることを期待させることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、上述した後半予告選択テーブル222ecについて説明する。この後半予告選択テーブル222ecは、役物演出における最終落下予告の予告内容を選択する場合に参照されるデータテーブルである。
後半予告選択テーブル222ecには、特別図柄抽選の抽選結果毎に、役物演出における最終落下予告の予告内容を選択するための演出カウンタ223fのカウンタ値の範囲が規定されている。具体的には、特別図柄抽選の抽選結果「大当たり」に対しては、演出カウンタ223fの値「0~39」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星5」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「40~64」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星4」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「65~84」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星3」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「85~94」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星2」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「95~99」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星1」が選択されるカウンタ値として規定されている。
一方、特別図柄抽選の抽選結果「外れ」に対しては、演出カウンタ223fの値「0~4」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星4」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「5~19」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星3」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「20~49」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星2」が選択されるカウンタ値として規定され、演出カウンタ223fの値「50~99」の範囲が最終落下予告の予告内容として「星1」が選択されるカウンタ値として規定されている。
即ち、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである場合には、最終落下予告の予告内容として星の数が多い予告内容が選択され易くなり、特別図柄抽選の抽選結果が外れである場合には、最終落下予告の予告内容として星の数が少ない予告内容が選択され易くなるように構成されている。このように構成することで、最終落下予告の予告内容を参照して特別図柄抽選の抽選結果を遊技者が予想する遊技性を実現することができる。
また、本第6変形例では、第1落下予告の予告内容と第2落下予告の予告内容とを選択するための前半予告選択テーブル222ebと、最終落下予告の予告内容を選択するための後半予告選択テーブル222ecと、を分けて設けているため、第1落下予告の予告内容と第2落下予告の予告内容とが両方表示された場合でも、最終落下予告の予告内容が遊技者に特定されることはない。これにより、特別図柄抽選の抽選結果を示唆する表示態様がより多く表示されることを期待する遊技者に対して、最終落下予告の予告内容が表示されることを期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、上述した駆動テーブル222edの詳細について説明する。この駆動テーブル222edは、役物演出において落下役物900を可動させるための駆動モータ910の動作内容が規定されたデータテーブルである。
駆動テーブル222edには、駆動ポインタ223egbのポインタ値に対応付けて、駆動モータ910を制御するためのデータが規定されている。より具体的には、駆動ポインタ223egbの値「01H」に対応付けて、駆動モータ910を4ms毎に1ステップのスピードで張出位置センサ942がオンになるまで正方向に回転させるデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「02H」に対応付けて、駆動モータ910を250msの間、回転させずに励磁する(即ち、部位を切替えることなく励磁する)ためのデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「03H」に対応付けて、駆動モータ910を3ms毎に1ステップのスピードで退避センサ940がオンになるまで負方向に回転させるデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「04H」に対応付けて、駆動モータ910を励磁することなく5000ms待機させるデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「05H」に対応付けて、駆動モータ910を4ms毎に1ステップのスピードで張出位置センサ942がオンになるまで正方向に回転させるデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「06H」に対応付けて、駆動モータ910を250msの間、回転させずに励磁する(即ち、部位を切替えることなく励磁する)ためのデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「07H」に対応付けて、駆動モータ910を3ms毎に1ステップのスピードで退避センサ940がオンになるまで負方向に回転させるデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「08H」の値に対応付けて、駆動モータ910を励磁することなく7000ms待機させるためのデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「09H」に対応付けて、駆動モータ910を4ms毎に1ステップのスピードで張出位置センサ942がオンになるまで正方向に回転させるデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「0AH」に対応付けて、駆動モータ910を励磁することなく250ms待機させるためのデータが規定され、駆動ポインタ223egbの値「0BH」に対応付けて、駆動モータ910を3ms毎に1ステップのスピードで退避センサ940がオンになるまで負方向に回転させるデータが規定されている。
この駆動テーブル222edの規定内容に基づいて、駆動モータ910が制御されることで、落下役物900が役物演出において3回、張出位置まで上昇する。なお、本第6変形例では、落下役物900が張出位置まで上昇した場合に、保持ソレノイド920を可動させることで落下役物900を張出位置に保持すると共に、落下役物900とラック991を離間させてラック991を下降させるように構成しているため、駆動モータ910が負方向に回転している期間において落下役物900が下降することはない。
また、本第6変形例では、落下役物900を原点位置から張出位置まで移動する際の所要ステップ数が250ステップとなるように構成されている。即ち、ラック991は、下限位置(ラック991と規制部材995とが当接する位置)から上限位置(落下役物900を張出位置まで上昇させた際に到達する位置)まで1000ms(4ms×250ステップ)掛けて上昇し、上限位置で250ms保持された後、750ms(3ms×250ステップ)掛けて下限位置まで下降する往復動作で3回可動する。
次に、本第30制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。本第30制御例におけるRAM223は、上述した第1制御例におけるRAM223の構成(図28(b)参照)に対して、従変動時間タイマ223ea、役物演出抽選フラグ223eb、役物演出実行フラグ223ec、役物演出操作タイマ223ed、予告内容格納エリア223ee、最終予告フラグ223ef、及び役物駆動関連エリア223egが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
従変動時間タイマ223eaは、第1特別図柄の基本変動時間(基本時間コマンドが示す変動時間)を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値「0」が設定される。この従変動時間タイマ223eaは、第1特別図柄の変動が開始される場合に、当該変動の基本変動時間に対応する値がタイマ値として設定され、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理において、演出更新処理が実行された場合に、タイマ値が1ずつ減算される。
役物演出抽選フラグ223ebは、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能な変動演出が開始されたことを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この役物演出抽選フラグ223ebは、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能な変動演出が開始される場合にオンに設定され、当該実行抽選に対応する演出態様が設定されたタイミングにおいてオフに設定される。
役物演出実行フラグ223ecは、役物演出の実行が決定された変動演出中であることを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この役物演出実行フラグ223ecは、役物演出の実行可否を決定する実行抽選において役物演出の実行に対応する抽選結果となった場合にオンに設定され、役物演出の終了タイミングにおいてオフに設定される。
役物演出操作タイマ223edは、役物演出に係る枠ボタン22の操作有効期間を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値「0」が設定される。この役物演出操作タイマ223edは、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選を実行可能な抽選期間における枠ボタン22の操作有効期間の開始時と、役物演出が実行されている期間における枠ボタン22の操作有効期間の開始時と、に予め定められたタイマ値が設定され、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理において、枠ボタン入力監視・演出処理が実行された場合に、タイマ値が1ずつ減算される。また、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選が実行される場合(即ち、枠ボタン22が押下された場合)には、タイマ値「0」が設定される。これにより、枠ボタン22が押下された場合に、操作有効期間を強制的に打ち切ることができる。
予告内容格納エリア223eeは、前半予告選択テーブル222eb、及び後半予告選択テーブル222ecから選択された役物演出における落下予告の予告内容を示すデータが格納される記憶領域である。この予告内容格納エリア223eeは、役物演出の実行が決定された場合に、前半予告選択テーブル222ebから選択されたデータが格納され、役物演出において最終落下予告の予告内容を表示させることが決定した場合に、後半予告選択テーブル222ecから選択されたデータが格納される。また、予告内容格納エリア223eeは、役物演出の終了タイミングにおいて、記憶領域がクリアされる。
最終予告フラグ223efは、役物演出において最終落下予告の予告内容を表示させることが決定した(実行条件が成立した)ことを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この最終予告フラグ223efは、役物演出において最終落下予告の予告内容を表示させる実行条件が成立した場合にオンに設定され、役物演出の終了タイミングにおいてオフに設定される。
役物駆動関連エリア223egは、落下役物900を駆動させるための各種タイマやフラグ等を有する記憶領域である。ここで、役物駆動関連エリア223egの内容について説明する。役物駆動関連エリア223egには、駆動規制カウンタ223ega、駆動ポインタ223egb、駆動データ格納エリア223egc、駆動タイマ223egd、駆動回数カウンタ223ege、ソレノイド選択ポインタ223egf、励磁スピードカウンタ223egg、励磁カウンタ223egh、励磁データ格納エリア223egi、及び回転開始フラグ223egjが設けられている。
駆動規制カウンタ223egaは、射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)の駆動規制期間(駆動されてから0.5秒間)を計時するためのカウンタであり、初期状態ではカウンタ値「0」が設定される。この駆動規制カウンタ223egaは、射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)が可動されたタイミングにおいて0.5秒に対応する値がカウンタ値として設定され、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理における演出更新処理において、役物演出更新処理が実行された場合に、カウンタ値が1ずつ減算される。
駆動ポインタ223egbは、駆動テーブル222edから駆動データ格納エリア223egcに格納するデータを選択する場合に参照されるポインタであり、初期状態ではポインタ値「00H」が設定される。この駆動ポインタ223egbは、役物演出の開始タイミングにおいてポインタ値「01H」が設定され、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータに対応する駆動モータ910の動作が完了した場合に、カウンタ値が1ずつ加算される。また、駆動ポインタ223egbは、駆動テーブル222edにおける最終のデータ(駆動ポインタ223egbのポインタ値「0BH」に対応するデータ)に対応する動作が完了した場合に、ポインタ値「00H」が設定される。
駆動データ格納エリア223egcは、駆動モータ910の動作内容が規定された駆動テーブル222edから選択されたデータが格納される記憶領域である。この駆動データ格納エリア223egcは、役物演出の開始タイミングにおいて駆動ポインタ223egbのポインタ値「01H」に対応付けて規定されたデータが駆動テーブル222edから選択されて格納され、駆動ポインタ223egbのポインタ値が更新(1ずつ加算)される毎に、駆動ポインタ223egbのポインタ値に対応するデータが駆動テーブル222edから選択されて格納される。また、この駆動データ格納エリア223egcは、役物演出の終了タイミングにおいて記憶領域がクリアされる。
駆動タイマ223egdは、駆動データ格納エリア223egcに格納されたデータに基づく駆動モータ910の動作が開始されてからの経過時間を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値「0」が設定される。この駆動タイマ223egdは、駆動テーブル222edから時間データを含むデータ(即ち、待機に対応するデータ)が駆動データ格納エリア223egcに格納された場合に、当該時間データに対応する値がタイマ値として設定され、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理において役物駆動処理が実行された場合に、タイマ値が1ずつ減算される。
駆動回数カウンタ223egeは、役物演出における各射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)の累計の駆動回数を計数するためのカウンタであり、初期状態ではカウンタ値「0」が設定される。この駆動回数カウンタ223egeは、各射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)の駆動が設定された場合にカウンタ値が1ずつ加算され、役物演出の終了タイミングにおいてカウンタ値「0」が設定される。これにより、駆動回数カウンタ223egeを参照することで、各射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)の正確な累計の駆動回数に対応する表示態様を第3図柄表示装置81に表示することができる。
ソレノイド選択ポインタ223egfは、役物演出における各操作有効期間において、枠ボタン22が押下された場合に、駆動させる射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、または第2射出ソレノイド965)を選択するためにポインタ値が参照されるポインタである。このソレノイド選択ポインタ223egfは初期状態ではポインタ値「00H」が設定され、役物演出における2回目の操作有効期間(即ち、第2射出ソレノイド965を駆動可能な期間)を設定する場合に、ポインタ値「01H」が設定される。即ち、第1射出ソレノイド955を駆動させることを示すためのポインタ値として「00H」が設定され、第2射出ソレノイド965を駆動させることを示すためのポインタ値として「01H」が設定されるように構成されている。
励磁スピードカウンタ223eggは、駆動モータ910を駆動テーブル222edにおける各データに規定されたスピードデータに対応する時間(即ち、駆動モータ910の1ステップの動作に要する時間)を計時するためのタイマであり、初期状態ではカウンタ値「0」が設定される。この励磁スピードカウンタ223eggは、駆動モータ910を回転させる動作データが設定されている場合に、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理における役物駆動処理(において、駆動モータ回転処理が実行されるとカウンタ値が1ずつ加算され、回転開始(即ち、駆動モータ910の待機動作から回転動作に切替え)時にカウンタ値「0」が設定される。
励磁カウンタ223eghは、励磁データ格納エリア223egiに格納する励磁制御データを励磁テーブル222eeから選択する場合に、カウンタ値が参照されるカウンタであり、初期状態ではカウンタ値「1」が設定される。また、この励磁カウンタ223eghは、カウンタ値「1」~「4」の範囲で正方向(加算)と負方向(減算)とに更新可能なループカウンタである。この励磁カウンタ223eghは、駆動モータ910が励磁されてから、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおけるスピードデータに対応する時間が経過する(即ち、駆動モータ910を新たに1ステップ回転させる)毎に、カウンタ値が更新(1ずつ加算、または減算)される。
励磁データ格納エリア223egiは、励磁カウンタ223eghのカウンタ値に対応する励磁制御データが励磁テーブル222eeから選択されて格納される記憶領域である。この励磁データ格納エリア223egiは、励磁カウンタ223eghのカウンタ値が更新(1加算、または減算)された場合に、励磁テーブル222eeから励磁カウンタ223eghのカウンタ値に対応する励磁制御データが選択されて格納される。
回転開始フラグ223egjは、駆動モータ910を待機状態(回転させない状態)から回転状態へと切替えるタイミングであることを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この回転開始フラグ223egjは、駆動テーブル222edから駆動モータ910を回転させるためのデータ(即ち、動作データが正方向、または負方向であるデータ)が駆動データ格納エリア223egcに格納された場合にオンに設定され、駆動モータ910の部位を切替えて励磁する場合にオフに設定される。これにより、待機状態から回転状態へと切替えるタイミングにおいて即座に1ステップ目の動作を開始させることができる。
<第30制御例の第6変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、本第6変形例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。本第6変形例では、上述した第1制御例に対して、変動表示設定処理(図66のS4113参照)に代えて変動表示設定処理(S4113E)を実行し、枠ボタン入力監視・演出処理(図70のS4107参照)に代えて枠ボタン入力監視・演出処理(S4107E)を実行し、演出更新処理(図58のS4111参照)に代えて演出更新処理(S4111E)を実行し、役物駆動処理(S4120E)を追加して実行する点で相違し、それ以外の処理の内容は同一である。同一処理の内容についてはその説明を省略する。
まず、本第6変形例におけるメイン処理の詳細について説明する。この本第6変形例におけるメイン処理のうち、S4101~S4106,S4108~S4110,S4112,及びS4114~S4118の各処理では、それぞれ上述した第1制御例のメイン処理(図58参照)におけるS4101~S4106,S4108~S4110,S4112,及びS4114~S4118の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6変形例におけるメイン処理では、S4106の処理が終了すると、次いで、後述する枠ボタン入力監視・演出処理を実行し(S4107E)、S4108の処理に移行する。この枠ボタン入力監視・演出処理(S4017E)は、上述した第1制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)の処理内容に加え、枠ボタン22が操作された場合に役物演出に係る各種演出等を設定する処理である。
S4108~S4110の各処理では、上述した通り、第1制御例のS4108~S4110の各処理と同一の処理が実行され、S4110の処理が終了すると、後述する演出更新処理が実行される(S4111E)。この演出更新処理(S4111E)は、上述した第1制御例における演出更新処理の処理内容に加え、変動演出開始からの経過時間に応じて役物演出に係る演出等を設定する処理である。S4111Eの処理が終了すると、役物駆動処理が実行される(S4120E)。この役物駆動処理は、役物演出において落下役物900を駆動させるためのデータを設定する処理である。
S4120Eの処理が終了すると、上述した第1制御例のS4112の処理と同一の処理であるS4112の処理が実行され、次いで、後述する変動表示設定処理が実行される(S4113E)。この変動表示設定処理(S4113E)は、上述した第1制御例における変動表示設定処理(図66のS4113参照)の処理内容に加え、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選に対応する演出を設定する処理である。S4113Eの処理が終了すると、S4114の処理に移行する。S4114~S4118の各処理では、上述した通り、第1制御例のS4114~S4118の各処理と同一の処理が実行される。
次に、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4113E)について説明する。この変動表示設定処理(S4113E)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理の中で実行され、上述したように、第1制御例の変動表示設定処理(図66のS4113参照)と同一の処理内容に加え、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選に係る演出を設定する処理である。
この本第6変形例における変動表示設定処理のうち、S4901,S4902,及びS4904~S4911の各処理では、それぞれ上述した第1制御例の変動表示設定処理(図66)におけるS4901,S4902,及びS4904~S4911の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第6変形例における変動表示設定処理では、S4902の処理が終了すると、次いで、後述する特図1演出態様設定処理が実行される(S4903E)。この特図1演出態様設定処理(S4903E)は、上述した第1制御例の特図1演出態様設定処理(図67のS4903参照)と同一の処理内容に加え、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選に係る演出を設定する処理である。S4903Eの処理が終了すると、次いで、S4904の処理が実行される。S4904~S4911の各処理では、上述した通り、第1制御例のS4904~S4911の各処理と同一の処理が実行される。
次に、本第6変形例における特図1演出態様設定処理(S4903E)の内容について説明する。この特図1演出態様設定処理(S4903E)は、上述した第1制御例における特図1演出態様設定処理(図67のS4903参照)に代えて実行される処理であり、第1制御例における特図1演出態様設定処理(図67のS4903参照)と同一の内容に加え、役物演出の実行可否を決定する実行抽選に係る演出を設定する処理である。
この本第6変形例における特図1演出態様設定処理(S4903E)のうち、S5001~S5012の各処理では、それぞれ上述した第1制御例の特図1演出態様設定処理(図67のS4903参照)におけるS5001~S5012の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6変形例における特図1演出態様設定処理(S4903E)では、S5010の処理において、チャンスモードであると判別しなかった場合には(S5010:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに含まれる変動時間と加算コマンドに含まれる変動時間とを抽出する(S5001E)。S5001Eの処理が終了すると、次いで、基本変動時間(基本コマンドに含まれる変動時間)に対応する値を従変動時間タイマ223eaの値として設定し(S5002E)、加算変動時間(加算コマンドに含まれる変動時間)が0より大きいかを判別する(S5003E)。S5003Eの処理において、加算変動時間が0より大きいと判別しなかった場合には(S5003E:No)、S5011の処理に移行する。一方、S5003Eの処理において、加算変動時間が0より大きいと判別した場合には(S5003E:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5004E)、役物演出抽選フラグ223ebをオンに設定し(S5005E)、S5009の処理に移行する。S5009の処理では、上述したように、第1制御例のS5009の処理と同一の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、本第6変形例における枠ボタン入力監視・演出処理(S4107E)の詳細について説明する。この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107E)は、上述した通り、第1制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図70のS4107参照)に代えて実行される処理であり、第1制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図70のS4107参照)の内容に加え、枠ボタン22が操作された場合に役物演出に係る各演出を設定する処理である。
本第6変形例における枠ボタン入力監視・演出処理(S4107E)のうち、S5301~S5316の各処理では、それぞれ上述した第1制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図70のS4107参照)のS5301~S5316の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6変形例における枠ボタン入力監視・演出処理(S4107E)では、S5304の処理が終了すると、次いで、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいかを判別する(S5301E)。S5301Eの処理において、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいと判別した場合は(S5301E:Yes)、役物演出操作タイマ223edの値を減算し(S5302E)、S5305の処理に移行する。一方、S5301Eの処理において、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5301E:No)、S5302Eの処理をスキップし、S5305の処理に移行する。
S5305~S5308の各処理では、上述したように、第1制御例のS5305~S5308の各処理と同一の処理が実行される。S5308の処理が終了すると、次いで、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいか判別する(S5303E)。即ち、S5302Eの処理において減算された役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいか(操作有効期間であるか)を判別する。S5303Eの処理において役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいと判別しなかった場合には、S5309の処理に移行する。S5309の処理では、上述した通り、第1制御例のS5309の処理と同一の処理が実行される。一方、S5303Eの処理において役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいと判別した場合は(S5303E:Yes)、後述する役物演出押下処理を実行し(S5304E)、S5309の処理に移行する。
また、本第6変形例における枠ボタン入力監視・演出処理(S4107E)では、S5310の処理において、枠ボタンを押下中であると判別した場合は(S5310:Yes)、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいかを判別する(S5305E)。即ち、S5302Eの処理において減算された役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいか(操作有効期間であるか)を判別する。S5305Eの処理において、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5305E:No)、S5312の処理に移行する。一方、S5305Eの処理において、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きいと判別した場合には(S5305E:Yes)、後述する役物演出長押し処理を実行し(S5306E)、S5312の処理に移行する。S5312~S5316の各処理では、上述したように、それぞれ第1制御例のS5312~S5316の各処理と同一の処理が実行される。
次に、本第6変形例における役物演出押下処理(S5304E)について説明する。この役物演出押下処理(S5304E)は、上述した枠ボタン入力監視・演出処理(図1370のS4107E参照)において実行される処理であり、枠ボタン22が押下された場合に役物演出に係る演出を設定する処理である。
役物演出押下処理(S5304E)が実行されると、まず、役物演出実行フラグ223ecがオンであるかを判別する(S5321E)。S5321Eの処理において、役物演出実行フラグ223ecがオンであると判別しなかった場合には(S5321E:No)、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行する実行条件が成立(枠ボタン22が押下された)ことを意味するため、役物演出操作タイマ223edの値に0を設定し(S5322E)、役物演出実行抽選テーブル222eaを読み出し(S5323E)、役物演出実行抽選テーブル222eaを参照して役物演出の実行可否を特定する(S5324E)。なお、本第6変形例では、役物演出操作タイマ223edが0より大きい値となり得るのは、役物演出の実行可否を決定する実行抽選が実行可能となる操作有効期間(即ち、役物演出の実行前における操作有効期間)か、役物演出が実行されている期間における操作有効期間かの何れかであるため、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きい値である場合において実行される役物押下処理(S5321)において、役物演出実行フラグ223ecの状態(オンであるか否か)を確認することで、役物演出実行前の操作有効期間に枠ボタン22が押下されたのか、役物演出が実行されている期間における操作有効期間において枠ボタン22が押下されたのか、の何れであるかを判別することができる。
S5324Eの処理が終了すると、次いで、役物演出を実行するかを判別する(S5325E)。S5325Eの処理において、役物演出を実行すると判別した場合には(S5325E:Yes)、役物演出の実行を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5326E)、役物演出実行フラグ223ecをオンに設定する(S5327E)。S5327Eの処理が終了すると、次いで、前半予告選択テーブル222ebを読み出し(S5328E)、前半予告選択テーブル222ebから演出カウンタ223fの値に対応するデータを予告内容格納エリア223eeに格納し(S5329E)、S5340Eの処理に移行する。一方、S5325Eの処理において、役物演出を実行すると判別しなかった場合には(S5325E:No)、役物演出を実行しないことを示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5330E)、S5340Eの処理に移行する。なお、図示は省略したが、役物演出を実行しないことを示す表示態様とは、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選において、役物演出を実行する抽選結果にならなかったことを遊技者が把握できるもの(例えば、「役物演出GETならず」という文字)であれば良い。
これらに対し、S5321Eの処理において、役物演出実行フラグ223ecがオンであると判別された場合は(S5321E:Yes)、役物演出が実行されている期間における操作有効期間に枠ボタン22が押下されたことを意味するため、操作中カウンタ223tの値に3秒に対応する値を上書きして設定する(S5331E)。これにより、役物演出の実行されている期間における操作有効期間の最大時間(3秒間)、枠ボタン22が押下され続けた(長押しされた)場合に、枠ボタン22の操作状況に対応する演出を設定させることができる。S5331の処理が終了すると、次いで、駆動規制カウンタ223egaの値が0であるかを判別する(S5322E)。S5322Eの処理において、駆動規制カウンタ223egaの値が0ではないと判別した場合には(S5322E:No)、射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、または第2射出ソレノイド965)の駆動規制期間(駆動されてから0.5秒経過するまでの期間)であることを意味するため、本処理を終了する。これにより、枠ボタン22が高速で連打されることにより、射出ソレノイドの動作(プッシュバーの往復動作)が正常に行えないといった不具合を抑制することができる。
一方、S5332Eの処理において、駆動規制カウンタ223egaの値が0であると判別した場合には(S5332E:Yes)、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであるかを判別する(S5333E)。S5333Eの処理において、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであると判別した場合には(S5333E:Yes)、第1射出ソレノイド955を駆動する期間(即ち、役物演出における1回目、または3回目の操作有効期間)であることを意味するため、第1射出ソレノイド955の駆動を設定し(S5334E)、S5336の処理に移行する。これに対し、S5333Eの処理において、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであると判別しなかった場合には(S5333E:No)、第2射出ソレノイド965を駆動する期間(即ち、役物演出における2回目の操作有効期間)であることを意味するため、第2射出ソレノイド965の駆動を設定し(S5335E)、S5336Eの処理に移行する。なお、本第6変形例では、ソレノイド選択ポインタ223egfは、ポインタ値に00H、または01Hが設定されるポインタであり、ポインタ値「00H」が第1射出ソレノイド955を駆動させることを意味し、ポインタ値「01H」が第2射出ソレノイド965を駆動させることを意味するため、ソレノイド選択ポインタ223egfのポインタ値が00Hであるかを判別することで、駆動する射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、または第2射出ソレノイド965)を選択することができる。
S5336Eの処理では、駆動回数カウンタ223egeの値に1を加算し(S5336E)、次いで、駆動回数カウンタ223egeの値に対応する表示態様を含む演出態様を設定する(S5337E)。これにより、第3図柄表示装置81の表示領域において、役物演出中に各射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)が駆動された累計の回数に対応する表示態様を表示することができる。S5338Eの処理が終了すると、駆動規制カウンタ223egaの値に0.5秒に対応する値を設定し(S5338E)、設定された駆動内容に対応する駆動コマンドを設定し(S5339E)、S5340Eの処理に移行する。これにより、設定された駆動コマンドに基づいて、駆動内容に対応する動作で射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、または第2射出ソレノイド965)を駆動させることができる。S5340Eの処理では、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5340E)、本処理を終了する。
次に、本第6変形例における役物演出長押し処理(S5306E)の詳細について説明する。この役物演出長押し処理(S5306E)は、枠ボタン入力監視・演出処理(S4107E)において実行される処理であり、役物演出の実行されている期間における操作有効期間において、枠ボタン22が所定時間(0.5秒)以上押下され続けた(長押しされた)場合に、対応する演出を設定する処理である。
役物演出長押し処理(S5306E)が実行されると、まず、役物演出実行フラグ223ecがオンであるか判別する(S5351E)。S5351Eの処理において、役物演出実行フラグ223ecがオンであると判別しなかった場合には(S5351E:No)、本処理を終了する。ここで、役物演出操作タイマ223edの値が0より大きい場合に実行される役物演出長押し処理(S5306E)において、役物演出実行フラグ223ecがオンであると判別しなかった(オフであると判別した)ことは、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選を実行可能な抽選期間において、枠ボタンが所定時間(0.5秒)以上押下され続けた(長押しされた)ことを意味する。即ち、本第6変形例では、役物演出の実行可否を決定するための実行抽選を実行する契機である枠ボタン22の操作については、操作内容(押下している時間の長さ)によらず、抽選回数が1回となるように構成されている。
一方、S5351Eの処理において、役物演出実行フラグ223ecがオンであると判別した場合には(S5351E:Yes)、役物演出が実行されている期間における操作有効期間中に枠ボタン22が所定時間(0.5秒)以上、押下され続けている(長押しされている)ことを意味するため、駆動規制カウンタ223egaの値が0であるかを判別する(S5352E)。S5352Eの処理において、駆動規制カウンタ223egaの値が0であると判別しなかった場合には(S5352E:No)、各射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)の駆動規制期間であることを意味するため、本処理を終了する。これに対し、S5352Eの処理において、駆動規制カウンタ223egaの値が0であると判別した場合には(S5352E:Yes)、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであるかを判別する(S5353E)。
S5353Eの処理において、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであると判別した場合は(S5353E:Yes)、第1射出ソレノイド955の駆動を設定し(S5354E)、S5356Eの処理に移行する。一方、S5353Eの処理において、ソレノイド選択ポインタ223egfの値が00Hであると判別しなかった(即ち、ポインタ値が01Hである)場合には、第2射出ソレノイド965の駆動を設定し(S5355E)、S5356Eの処理に移行する。S5356Eの処理では、駆動回数カウンタ223egeの値に1を加算し(S5356E)、次いで、駆動回数カウンタ223egeの値に対応する表示態様を含む演出態様を設定する(S5357E)。S5357Eの処理が終了すると、次いで、駆動規制カウンタ223egaの値に0.5秒に対応する値を設定し(S5358E)、設定された駆動内容に対応する駆動コマンドを設定し(S5359E)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5360E)、本処理を終了する。
次に、本第6変形例における演出更新処理(S4111E)の詳細について説明する。この演出更新処理(S4111E)は、上述した通り、第1制御例の演出更新処理(S4111)に代えて実行される処理であり、第1制御例における演出更新処理(S4111)の内容に加え、変動演出の開始からの経過時間に応じて、役物演出に係る演出を設定する処理である。
演出更新処理(S4111E)が実行されると、まず、従変動時間タイマ223eaの値が0より大きいか判別する(S5401E)。従変動時間タイマ223eaの値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5401E:No)、S5414Eの処理に移行する。一方、S5401Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が0より大きいと判別した場合は(S5401E:Yes)、従変動時間タイマ223eaの値から1を減算し(S5402E)、役物演出抽選フラグ223ebがオンであるかを判別する(S5403E)。S5403Eの処理において、役物演出抽選フラグ223ebがオンであると判別した場合には(S5403E:Yes)、従変動時間タイマ223eaの値が25000であるかを判別する(S5404E)。S5404Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が25000であると判別しなかった場合には(S5404E:No)、S5414Eの処理に移行する。
一方、S5404Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が25000であると判別した場合には(S5404E:Yes)、役物演出操作タイマ223edに2秒に対応する値を設定し(S5405E)、役物演出実行抽選に対応する表示態様を含む演出態様を設定する(S5406E)。これにより、所定のタイミング(基本変動時間に対応する演出が終了する25秒前)に、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行するための操作有効期間と、実行抽選に対応する表示態様を含む演出態様を表示させることができる。S5406Eの処理が終了すると、次いで、役物演出抽選フラグ223ebをオフに設定し(S5407E)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5408E)、S5414Eの処理に移行する。
これらに対し、S5403Eの処理において、役物演出抽選フラグ223ebがオンであると判別しなかった場合は(S5403E:No)、役物演出実行フラグがオンであるかを判別する(S5409E)。S5409Eの処理において、役物演出実行フラグ223ecがオンであると判別しなかった場合は(S5409E:No)、S5414Eの処理に移行する。一方、S5409Eの処理において、役物演出実行フラグ223ecがオンであると判別した場合は(S5409E:Yes)、役物演出を実行している期間であることを意味するため、従変動時間タイマ223eaの値が0より大きいかを判別する(S5410E)。S5410Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が0より大きいと判別した場合は(S5410E:Yes)、後述する役物演出更新処理を実行し(S5411E)、決定された各種演出内容に対応する表示態様を示す表示用コマンドを設定し(S5412E)、S5414Eの処理に移行する。一方、S5410Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5410E:No)、後述する役物演出終了処理を実行し(S5413E)、S5414Eの処理に移行する。S5414Eの処理では、その他各種カウンタ、及び各種タイマの更新処理を実行し(S5414E)、本処理を終了する。
次に、本第6変形例における役物演出更新処理(S5414E)の詳細について説明する。この役物演出更新処理(S5414E)は、演出更新処理(S4111E)において実行される処理であり、変動演出開始からの経過時間に応じて、役物演出の実行期間における演出を設定する処理である。
役物演出更新処理(S5414E)が実行されると、まず、駆動規制カウンタ223egaの値が0より大きいかを判別する(S5431E)。S5431Eの処理において、駆動規制カウンタ223egaの値が0より大きいと判別した場合は(S5431E:Yes)、駆動規制カウンタ223egaの値から1を減算し(S5432E)、S5433Eの処理に移行する。一方、S5431Eの処理において、駆動規制カウンタ223egaの値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5431:No)、S5432Eの処理をスキップし、S5433Eの処理に移行する。S5433Eの処理では、従変動時間タイマ223eaの値が23000であるか判別する(S5433E)。S5433Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が23000であると判別した場合は(S5433E:Yes)、駆動ポインタ223egbの値に01Hを設定し(S5434E)、役物演出準備期間を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5435E)、駆動テーブル222edから駆動ポインタ223egbの値に対応するデータを駆動データ格納エリア223egcに格納し(S5436E)、本処理を終了する。
S5433Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が23000であると判別しなかった場合には(S5433E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が22000であるかを判別する(S5437E)。S5437Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が22000であると判別した場合には(S5437E:Yes)役物演出操作タイマ223edに3秒に対応する値を設定し(S5438E)、操作有効期間を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5439E)、本処理を終了する。一方、S5437Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が22000であると判別しなかった場合には(S5437E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が15000であるかを判別する(S5440E)。
S5440Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が15000であると判別した場合には(S5440E:Yes)、役物演出操作タイマ223edに3秒に対応する値を設定し(S5441E)、ソレノイド選択ポインタ223egf(S5442E)、操作有効期間を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5443E)、本処理を終了する。一方、S5440Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が15000であると判別しなかった場合には(S5440E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が10000であるかを判別する(S5444E)。
S5444Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が10000であると判別した場合には(S5444E:Yes)、役物演出操作タイマ223edに2秒に対応する値を設定し(S5445E)、ソレノイド選択ポインタ223egfの値に00Hを設定し(S5446E)、操作有効期間を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5447E)、本処理を終了する。これに対し、S5444Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が10000であると判別した場合には(S5444E:No)、後述する落下予告設定処理を実行し(S5448E)、本処理を終了する。
次に、本第6変形例における落下予告設定処理(S5448E)の詳細について説明する。この落下予告設定処理(S5448E)は、役物演出更新処理(S5411E)において実行される処理であり、役物演出における落下予告の予告内容を示すデータを設定する処理である。
落下予告設定処理(S5488E)が実行されると、まず、従変動時間タイマ223eaの値が17001以上、且つ18000未満であるか判別する(S5471E)。S5471Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が17001以上、且つ18000未満であると判別した場合には(S5471E:Yes)、第1落下予告を実行するかを判定する判定期間であることを意味するため、第1流路センサ951aがオフであるか判別する(S5472E)。S5472Eの処理において、第1流路センサ951aがオフであると判別しなかった場合には(S5472E)、第1球状部材が第1小窓内に停止していない(即ち、第1落下予告の実行条件を満たしていない)ため、本処理を終了する。一方、S5472Eの処理において、第1流路センサ951aがオフであると判別した場合には(S5472E:Yes)、第1中間センサ943がオンであるかを判別する(S5473E)。S5473Eの処理において、第1中間センサ943がオンであると判別しなかった場合には(S5473E:No)、本処理を終了する。
これに対し、S5473Eの処理において、第1中間センサ943がオンであると判別した場合は(S5473E:Yes)、第1落下予告の実行条件を満たした(即ち、落下役物900が第1中間位置で停止している)ことを意味するため、予告内容格納エリア223eeに格納されているデータを参照して第1落下予告の予告内容を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5474E)、本処理を終了する。このように、本第6変形例では、第1流路センサ951aがオフであり、且つ第1中間センサ943がオンである場合に第1落下予告を実行するように構成されているので、落下役物900が第1中間位置に停止せず通過した(即ち、第1球状部材と当接しなかった)場合において第1中間センサ943がオンであっても(通過時にオンを検出しても)、第1落下予告が実行されることはない。
これらに対し、S5471Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が17001以上、且つ18000未満であると判別しなかった場合は(S5471E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が10001以上、且つ11000未満であるか判別する(S5475E)。S5475Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が10001以上、且つ11000未満であると判別した場合は(S5475E:Yes)、第2流路センサ961aがオンであるか判別する(S5476E)。S5476Eの処理において、第2流路センサ961aがオンであると判別しなかった場合は(S5476E:No)、第2落下予告の実行条件を満たしていない(第2小窓960内に第2球状部材962が停止していない)ことを意味するため、本処理を終了する。一方、S5476Eの処理において、第2流路センサ961aがオンであると判別した場合には(S5476E:Yes)、第2中間センサ944がオンであるか判別する(S5477E)。S5477Eの処理において、第2中間センサ944がオンであると判別しなかった場合は(S5477E:No)、本処理を終了する。これに対し、S5477Eの処理において、第2中間センサ944がオンであると判別した場合には(S5477E:Yes)、落下役物900が第2中間位置で停止していることを意味するため、予告内容格納エリア223eeに格納されているデータを参照して第2落下予告の予告内容を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5478E)、本処理を終了する。
S5475Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が10001以上、且つ11000未満であると判別しなかった場合は(S5475E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が3001以上、且つ7000未満であるか判別する(S5479E)。S5479Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が3001以上、且つ7000未満であると判別した場合には(S5479E:Yes)、第1流路センサ951aのオンエッジを検出したかを判別する(S5480E)。S5480Eの処理において、第1流路センサ951aのオンエッジを検出したと判別しなかった場合には(S5480E:No)、最終落下予告の実行条件が成立していない(上昇する落下役物900が第1球状部材952に当接していない)ことを意味するため、本処理を終了する。
一方、S5480Eの処理において、第1流路センサ951aのオンエッジを検出したとハンベチした場合には(S5480E:Yes)、最終落下予告の実行条件が成立したことを意味するため、最終予告フラグ223efをオンに設定し(S5481E)、後半予告選択テーブル222ecを読み出し(S5482E)、後半予告選択テーブル222ecから演出カウンタ223fの値に対応するデータを予告内容格納エリア223eeに格納し(S5483E)、本処理を終了する。なお、本第6変形例では、所定期間(従変動時間タイマ223eaの値が3001以上、且つ7000未満となる期間)において、第1流路センサ951aがオンエッジを検出した場合に、最終落下予告の実行を設定するように構成されているため、役物演出の3回目の操作有効期間において、第1球状部材952が第1小窓950内に停止しなかった場合には、最終落下予告が実行されることはない。より具体的には、当該所定期間の開始時において、既に第1流路センサ951aがオンであった(即ち、オフからオンに切り替わっていない)場合には、最終落下予告が実行されることはない。
これらに対し、S5479Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が3001以上、且つ7000未満であると判別しなかった場合には(S5479E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が1001以上、且つ2000未満であるか判別する(S5484E)。S5484Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が1001以上、且つ2000未満であると判別した場合には(S5484E:Yes)、最終予告フラグ223efがオンであるか判別する(S5485E)。S5485Eの処理において、最終予告フラグ223efがオンであると判別しなかった場合には(S5485E:No)、本処理を終了する。S5485Eの処理において、最終予告フラグ223efがオンであると判別した場合には(S5485E:Yes)、原点位置センサ941がオンであるか判別する(S5486E)。S5486Eの処理において、原点位置センサ941がオンであると判別した場合には(S5486E:Yes)、最終落下予告を実行するタイミングであることを意味するため、予告内容格納エリア223eeに格納されているデータを参照して最終落下予告の予告内容を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5478E)、本処理を終了する。このように構成することで、落下役物900が原点位置まで落下したタイミングと、最終落下予告が実行されるタイミングとを一致させることができる。
次に、本第6変形例における役物演出終了処理(S5413E)の詳細について説明する。この役物演出終了処理(S5413E)は、演出更新処理(S4111E)において実行される処理であり、役物演出に係る各種フラグ、及びカウンタ等をリセットする処理である。
役物演出終了処理(S5413E)が実行されると、まず、役物演出実行フラグ223ecをオフに設定し(S5501E)、次いで、予告内容格納エリア223eeをクリアし(S5502E)、駆動データ格納エリア223egcをクリアし(S5503E)、駆動回数カウンタ223egeの値が0より大きいか判別する(S5504E)。S5504Eの処理において、駆動回数カウンタ223egeの値が0より大きいと判別した場合には(S5504E:Yes)、駆動回数カウンタ223egeの値に0を設定し(S5505E)、S5506Eの処理に移行する。一方、S5504Eの処理において、駆動回数カウンタ223egeの値が0より大きいと判別しなかった場合には(S5504E:No)、S5505Eの処理をスキップし、S5506Eの処理に移行する。S5506Eの処理では、最終予告フラグ223efがオンであるか判別する(S5506E)。S5506Eの処理において、最終予告フラグ223efがオンであると判別しなかった場合には(S5506E:No)、本処理を終了する。一方、S5506Eの処理において、最終予告フラグ223efがオンであると判別した場合は(S5506E:Yes)、最終予告フラグ223efをオフに設定し、本処理を終了する。
次に、本第6変形例における役物駆動処理(S4120E)の詳細について説明する。この役物駆動処理(S4120E)は、役物演出において、落下役物900を動作させるためのデータを設定する処理である。
役物駆動処理(S4120E)が実行されると、まず、駆動ポインタ223egbの値が00Hであるかを判別する(S5601E)。S5601Eの処理において、駆動ポインタ223egbの値が00Hであると判別した場合は(S5601E:Yes)、役物演出が実行されていない(落下役物900を制御する期間ではない)ことを意味するため、本処理を終了する。一方、S5601Eの処理において、駆動ポインタ223egbの値が00Hではないと判別した場合には(S5601E:No)、駆動データ格納エリア223egcからデータを読み出し(S5602E)、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおいてセンサデータが規定されているか判別する(S5603E)。ここで、センサデータが規定されているとは、退避センサ940がオンとなるまで可動させることを示すデータ(例えば、01H)、または張出位置センサ942がオンとなるまで可動させることを示すデータ(例えば、02H)、が規定されていることを意味し、センサデータが規定されていないことを示すためのデータ(例えば、ダミーデータとして規定される00H)が規定されていると判別した場合に、センサデータが規定されていないと判別する。
S5603Eの処理において、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおいてセンサデータが規定されていると判別した場合は(S5603E:Yes)、センサデータに対応するセンサ(退避センサ940、または張出位置センサ942)がオンであるか判別する(S5604E)。S5604Eの処理において、センサデータに対応するセンサ(退避センサ940、または張出位置センサ942)がオンであると判別しなかった場合には(S5604E:No)、センサデータに対応するセンサに到達していない(センサがオンとなるまで可動させる期間である)ことを意味するため、S5605Eの処理に移行する。
一方、S5604Eの処理において、センサデータに対応するセンサ(退避センサ940、または張出位置センサ942)がオンであると判別した場合は(S5604E:Yes)、退避センサ940がオンであるか判別する(S5607E)。即ち、S5604Eの処理でオンであると判別したセンサが、退避センサ940であるか判別する。S5607Eの処理において、退避センサ940がオンであると判別した場合は(S5607E:Yes)、駆動モータ910の励磁の停止を設定し(S5608E)、駆動ポインタ223egbの値が0BHであるか判別する(S5609E)。S5609Eの処理において、駆動ポインタ223egbの値が0BHではないと判別した場合は(S5609E:No)、駆動テーブル222edの最後のデータに対応する動作まで進行していないことを意味するため、S5610Eの処理に移行する。
また、S5609Eの処理において、駆動ポインタ223egbの値が0BHであると判別した場合は(S5609E:Yes)、駆動ポインタ223egbの値に00Hを設定し(S5613E)、S5606Eの処理に移行する。これらに対し、S5607Eの処理において、退避センサ940がオンであると判別しなかった場合(即ち、張出位置センサ942がオンであると判別した場合)は(S5607E:No)、保持ソレノイド920の4秒間の励磁を設定し(S5614E)、S5610Eの処理に移行する。これにより、張出位置まで移動した落下役物900を、4秒間励磁される保持ソレノイド920(即ち、プッシュバーが4秒間突出状態となる保持ソレノイド920)により保持することができる。
S5610Eの処理では、駆動ポインタ223egbの値に1を加算し(S5610E)、駆動テーブル222edから駆動ポインタ223egbの値に対応するデータを駆動データ格納エリア223egcに格納し(S5611E)、駆動データ格納エリア223egcに格納したデータにおける時間データに対応する値を駆動タイマ223egdの値に設定し(S5612E)、S5606Eの処理に移行する。
S5603Eの処理において、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおいてセンサデータが規定されていると判別した場合は(S5603E:No)、落下役物900を可動させない(即ち、動作データに待機を示すデータが規定されている)ことを意味するため、駆動タイマ223egdの値から1を減算し(S5615E)、減算後の駆動タイマ223egdの値が0であるか判別する(S5616E)。S5615Eの処理において、駆動タイマ223egdの値が0であると判別しなかった場合は(S5616E:No)、本処理を終了する。一方、S5616Eの処理において、駆動タイマ223egdの値が0であると判別した場合は(S5616E:Yes)、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおける時間データに対応する時間が経過したことを意味するため、駆動ポインタ223egbの値に1を加算し(S5617E)、駆動テーブル222edから加算後の駆動ポインタ223egbの値に対応するデータを駆動データ格納エリア223egcに格納し(S5618E)、回転開始フラグ223egjをオンに設定し(S5619E)、S5605Eの処理に移行する。S5615Eの処理では、後述する駆動モータ回転処理を実行し(S5605E)、その後、S5605Eの処理に移行する。S5605Eの処理では、設定された各種駆動内容に対応する駆動コマンドを設定し(S5606E)、本処理を終了する。
次に、本第6変形例における駆動モータ回転処理(S5605E)の詳細について説明する。この駆動モータ回転処理(S5605E)は、駆動モータ910を正方向、または負方向へと回転させるために各種データを設定する処理である。駆動モータ回転処理が実行されると、まず、回転開始フラグ223egjがオンであるか判別する(S5631E)。S5631Eの処理において、回転開始フラグ223egjがオンであると判別しなかった場合は(S5631E:No)、励磁スピードカウンタ223eggの値に1を加算し(S5632E)、加算後の励磁スピードカウンタ223eggの値が駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおけるスピードデータの値と一致しているか判別する(S5633E)。S5633Eの処理において、励磁スピードカウンタ223eggの値が駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおけるスピードデータの値と一致していると判別しなかった場合は(S5633E:No)、1ステップあたりの所要時間が経過していないことを意味するため、本処理を終了する。一方、S5633Eの処理において、励磁スピードカウンタ223eggの値と駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおけるスピードデータの値が一致していると判別した場合は(S5633E:Yes)、S5635Eの処理に移行する。
これらに対し、S5631Eの処理において、回転開始フラグ223egjがオンであると判別した場合は(S5631E:Yes)、回転開始フラグ223egjをオフに設定し(S5634E)、S5635Eの処理に移行する。これにより、駆動モータ910を待機状態(回転していない状態)から回転状態に切替えるタイミングにおいて、即座に1ステップ目の動作に対応する励磁制御データを設定させることができる。
S5635Eの処理では、励磁スピードカウンタ223eggの値に0を設定し(S5635E)、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおける動作データが正方向を示すデータであるか判別する(S5636E)。S5636Eの処理において、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおける動作データが正方向を示すデータであると判別した場合は(S5636E:Yes)、励磁カウンタ223eghの値が4であるか判別する(S5637E)。S5637Eの処理において、励磁カウンタ223eghの値が4であると判別しなかった場合は(S5637E:No)、励磁カウンタ223eghの値に1を加算し(S5638E)、S5643Eの処理に移行する。一方、S5637Eの処理において、励磁カウンタ223eghの値が4であると判別した場合は(S5637E:Yes)、励磁カウンタ223eghの値に1を設定し(S5639E)、S5643Eの処理に移行する。
これらに対し、S5636Eの処理において、駆動データ格納エリア223egcに格納されている動作データが正方向であると判別しなかった(負方向であると判別した)場合には(S5636E:No)、励磁カウンタ223eghの値が1であるか判別する(S5640E)。なお、本第6変形例では、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおいてセンサデータが規定されている(即ち、駆動モータ910を回転させる)場合に、駆動モータ回転処理(S5605E)が実行されるように構成されているため、S5636Eの処理において、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおける動作データが正方向を示すデータであると判別しなかったことは、駆動データ格納エリア223egcに格納されているデータにおける動作データが負方向を示すデータであることを意味する。
S5640Eの処理において、励磁カウンタ223eghの値が1であると判別しなかった場合は(S5640E:No)、励磁カウンタ223eghの値から1を減算し(S5641E)、S5643Eの処理に移行する。一方、S5640Eの処理において、励磁カウンタ223eghの値が1であると判別した場合は(S5640E:Yes)、励磁カウンタ223eghの値に4を設定し(S5642E)、S5643Eの処理に移行する。S5643Eの処理では、励磁テーブル222eeから励磁カウンタ223eghの値に対応するデータを励磁データ格納エリア223egiに設定し(S5643E)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第6変形例では、駆動モータ910の駆動力により可動可能な落下役物900と、射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、または第2射出ソレノイド965)によって可動され、落下役物900に当接可能な球状部材(第1球状部材952、及び第2球状部材962)と、を備え、落下役物900が可動される演出を含む役物演出において、落下役物900の所定部(突出部900cの上面900ca)に当接することで移動した第1球状部材952が第1流路センサ951aに検出された場合に、所定の演出(最終落下予告)を実行可能に構成した。このように構成することで、落下役物900と第1球状部材952とが当接する演出における演出態様を多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第6変形例では、枠ボタン22が押下された場合に実行可能な所定の実行抽選(役物演出の実行可否を決定する実行抽選)において、特定の抽選結果(役物演出の実行に対応する抽選結果)となった場合に、落下役物900を可動させる演出を含む役物演出を実行可能に構成した。
このように構成することで、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行するか否かを、遊技者に対して任意に選択させることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第6変形例では、役物演出において、枠ボタン22が所定時間(0.5秒)以上押下され続けた場合に、所定の周期(0.5秒毎)で射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)を可動可能に構成し、射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、及び第2射出ソレノイド965)が前記所定の周期(0.5秒毎)で可動された場合に、前記所定の周期(0.5秒毎)とは異なる間隔で可動された場合よりも落下役物900と球状部材(第1球状部材952、及び第2球状部材962)とが当接し易く構成した。
このように構成することで、枠ボタン22の操作内容により落下役物900と球状部材(第1球状部材952、及び第2球状部材962)とを当接させる難易度を可変させることができる。よって、演出を多様化させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第6変形例では、枠ボタン22が押下された場合に、役物演出の実行可否を決定する実行抽選を実行可能に構成していたが、これに限るものではない。例えば、遊技領域に発射された遊技球が所定の検出手段(例えば、非接触センサ)に検出された場合に、当該実行抽選を実行可能に構成してもよい。このように構成することで、枠ボタン22を操作するために遊技者が発射ハンドルから手を離す(即ち、遊技球の発射を中断する)ことで、遊技の効率(一定時間あたりの遊技球の発射量)が低下してしまう不具合を抑制することができる。また、遊技者が所有しているスマートフォンに対して所定の操作(例えば、パチンコ機10で実行される演出と対応する演出を実行可能なアプリケーションプログラムによりスマートフォンに表示されたPush表示をタッチする操作)がされた場合に、当該実行抽選を実行可能に構成してもよい。このように構成することで、感染症対策等に起因してパチンコ機10への接触を減らしたい遊技者に対して、当該実行抽選を実行させる意欲を向上させることができる。また、このように構成した場合、Wifi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の無線通信手段を用いて、スマートフォンに対して実行された所定の操作をパチンコ機10に対して出力可能に構成すればよい。
<第30制御例の第7変形例>
次に、本第30制御例の第7変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第6変形例におけるパチンコ機10では、落下役物900を可動させる演出を含む役物演出において、駆動モータ910の駆動力により可動している落下役物900の所定部(突出部900cの上面900ca)に第1球状部材952が当接した場合に、所定の演出(最終落下予告)を実行可能に構成し、興趣向上を図っていた。
これに対して、第30制御例の第7変形例では、役物演出において、自由落下により下降する落下役物900の複数箇所に当接することが可能な第1球状部材952が落下役物900の所定部(突出部900eの第1当接面900ea)に当接した場合に、第1球状部材952が落下役物900の所定部以外の当接部(突出部900eの第2当接面900eb)に当接した場合よりも、自由落下により下降する落下役物900の可動を停止させ易く構成している。このように構成することで、自由落下により下降する落下役物900を停止させる難易度を当接箇所に応じて可変させることができるので、落下役物900と第1球状部材952とが当接する態様に対する遊技者の関心を向上させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この本第7変形例におけるパチンコ機10が、上述した第30制御例の第6変形例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、落下役物900の可動に係る構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、及び音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成は、上述した第6変形例におけるパチンコ機10と同一であるため、詳細な説明を省略する。
まず、本第7変形例における落下役物900の可動に係る構成について説明する。本第7変形例では、上述した第6変形例に対して、落下役物900の構成の一部を変更した点と、第1流路951に代えて第1流路956を形成した点と、第2流路961に代えて第2流路966を形成した点と、落下役物900の構成の変更に応じて支柱990と駆動ベース体930との形状を変更した点と、において相違している。
本第7変形例における落下役物900は、上述した第30制御例の第6変形例に対して、突出部900cに代えて第1当接面900eaと第2当接面900ebとを有する突出部900eが設けられている点と、ギア部を有するラック900fが追加して設けられている点と、で相違している。突出部900e、及びラック900fは、落下役物900の構成の一部であり、落下役物900が上下方向に可動すると共に上下方向に可動可能に構成されている。また、駆動ベース体930の正面視上方には、ギア部906を有するロータリダンパ905が固着されており、当該ロータリダンパ905のギア部906とラック900fのギア部とが噛合するように構成されている。当該ロータリダンパ905は一方向(正面視時計回り)にのみトルクが発生し、回転力を減衰することが可能なものである。より具体的には、駆動モータ910の駆動力により落下役物900が上昇する場合には、ロータリダンパ905のギア部906が正面視時計回りに回転することで、ロータリダンパ905にトルクは発生せず、落下役物900が自重により下降(落下)する場合には、ロータリダンパ905のギア部906が正面視時計回りに回転することで、ロータリダンパ905にトルクが発生する。これにより、駆動モータ910の駆動力により落下役物900を上昇させる場合には、落下役物900の上昇動作を妨げることなく滑らかに落下役物900を上昇させることができ、落下役物900を下降(落下)させる場合には、自由落下により下降させる場合よりも遅いスピード(張出位置から原点位置まで約3秒で移動するスピード)で下降させることができる。
なお、本第7変形例では、役物演出における1回目と2回目との操作有効期間(3秒間)が、落下役物900が張出位置から下降し始めるタイミングで開始されるように構成されている。即ち、落下役物900が下降している期間において射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、または第2射出ソレノイド965)を駆動させることが可能に構成され、射出ソレノイド(第1射出ソレノイド955、または第2射出ソレノイド965)を駆動させるタイミングに応じて、球状部材(第1球状部材952、または第2球状部材962)が当接する箇所(第1当接面900ea、または第2当接面900eb)が可変するように構成されている。このように構成することで、球状部材(第1球状部材952、または第2球状部材962)を可動させるタイミングを計る遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上述した通り、本第7変形例における落下役物900の突出部900eは、第1球状部材952、及び第2球状部材962が嵌合可能な凹状に形成された第1当接面900eaを有している。また、当該第1当接面900eaには、磁力により球状部材(第1球状部材952、または第2球状部材962)を吸着させるためのシート状のマグネット901が固着されている。詳細については後述するが、本第7変形例では、張出位置から下降している落下役物900の突出部900cにおける第1当接面900eaに第1球状部材952が当接した場合には、落下役物900を第1中間位置に停止可能に構成され、張出位置から下降している落下役物900の突出部900cにおける第2当接面900ebに第1球状部材952が当接した場合には、落下役物900を第1中間位置に停止困難となるように構成されている。このように構成することで、張出位置から下降する落下役物900と第1球状部材952とが当接した場合に、第1球状部材952が当接した当接箇所に応じて落下役物900の停止位置を可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第7変形例における第1流路956は、第1射出ソレノイド955により可動された第1球状部材952が落下役物900の突出部900eにおける第1当接面900eaに当接しなかった場合において、第1球状部材952を第1射出ソレノイド955に当接(係合)する位置まで復帰(移動)させるために、下面(第1球状部材952が接地する接地面)が正面視右下へと傾く斜面状に形成されている。本第7変形例における第2流路966は、第1流路956に対して、形成された場所(高さ)が異なる点においてのみ相違し、その他の構成については第1流路956と同一であるため、詳細な説明を省略する。
次に、本第7変形例における落下役物900、及び第1流路956の構成について詳細に説明する。第1流路956は、落下役物900の突出部900eが上下方向に可動した場合に落下役物900が通過可能となるようにスリット部が形成されている。また、上述したように、本第7変形例における流路956は、下面(即ち、第1球状部材952が接地する接地面)が正面視右下へと傾く斜面状に形成されており、第1射出ソレノイド955により可動された第1球状部材952を第1射出ソレノイド955に当接する位置まで誘導可能に形成されている。即ち、第1射出ソレノイド955により可動された第1球状部材952が、落下役物900の所定部(突出部900eの当接面900ea)に当接しなかった場合には、第1球状部材952は第1流路956内を転がることにより第1射出ソレノイド955と当接するまで移動する。なお、上述したように、本第7変形例では、落下役物900の突出部900eにおける第1当接面900eaにシート状のマグネット901が固着されており、第1当接面900eaに第1球状部材952が当接した場合に、第1当接面900eaに第1球状部材952を吸着させることが可能に構成されている。
次に、本第7変形例における落下役物900と第1球状部材952との動作態様について説明する。落下役物900は、張出位置に位置している場合において、落下役物900の突出部900eにおける第2当接面900ebが駆動ベース体930に固着された保持ソレノイド920のプッシュバーに当接することにより、張出位置に保持されることが可能に構成されている。なお、本第7変形例では、落下役物900が張出位置まで移動(上昇)した場合に、保持ソレノイド920を1秒間励磁する(即ち、1秒間プッシュバーを突出させる)ように構成し、保持ソレノイド920が励磁状態から非励磁状態へ切り替わる(即ち、プッシュバーが引込まれる)ことにより、落下役物900と保持ソレノイド920との当接状態が解除され、落下役物900が自重により下降するように構成されている。
上述した通り、落下役物900の突出部900eにおける第1当接面900eaは、シート状のマグネット901が固着されており、第1射出ソレノイド955により可動された第1球状部材952が当接した場合に、第1当接面900eaと第1球状部材952と磁力により吸着することが可能に構成されている。また、第1当接面900eaに固着されたマグネット901は、自重により下降する落下役物900を保持するために必要な磁力を有するもので構成されている。即ち、第1当接面900eaと第1球状部材952とが当接(磁力により吸着)した場合、駆動ベース体930に形成された第1流路956により第1球状部材952の鉛直下向きへの可動が規制されているため、第1球状部材952と吸着する落下役物900が第1中間位置に保持される。
本第7変形例では、張出位置から下降している落下役物900の突出部900eにおける第2当接面900ebと第1球状部材952とが当接した場合には、落下役物900が第1中間位置に停止することなく原点位置まで下降するように構成されている。より具体的には、張出位置から下降している落下役物900の突出部900eにおける第2当接面900ebに第1球状部材952が当接した場合、第1球状部材952が第1流路956内を斜面に沿って正面視右方向へと移動する(転がる)ことにより、落下役物900は保持されることなく原点位置まで下降し続けるように構成されている。即ち、落下役物900が下降している期間において、適当なタイミングで第1球状部材952が可動された場合に限り、落下役物900の突出部900eにおける第1当接面900eaと第1球状部材952とが磁力により吸着することで、落下役物900を第1中間位置に停止させることが可能に構成されている。このように構成することで、第1落下予告を発生させるために第1球状部材952を可動させるタイミングを計る遊技性を実現することができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、図示は省略したが、本第7変形例では、可変表示ユニット80における第1小窓950、及び第2小窓960を、上述した第30制御例の第6変形例における第1小窓950、及び第2小窓960と比して大きいサイズで形成している。これにより、第1球状部材952が落下役物900の所定部(突出部900eにおける第1当接面900ea)に当接した場合と、第1球状部材952が落下役物900の所定部とは異なる当接部(突出部900eにおける第2当接面900eb)に当接した場合と、における落下役物900と第1球状部材952とが当接した態様を遊技者が視認することができる。
落下役物900と第1球状部材とが当接(磁力により吸着)した状態において、落下役物900が駆動モータ910の駆動力により上昇した場合、第1球状部材952が第1流路956の上面に当接(衝突)した衝撃によって、落下役物900と第1球状部材952とが離間する(非吸着状態となる)ように構成されている。なお、このように構成するためには、第1当接面900eaに固着されたマグネットの磁力を調節(衝撃で外れる程度のもので構成)してもよいし、駆動モータ910のトルクを増大させることで落下役物900が上昇した場合に第1球状部材952が第1当接面900eaと離間し易くなるように構成してもよい。落下役物900の突出部900eにおける当接面900eaと第1球状部材952とが離間すると、第1球状部材952は第1流路956内を斜面に沿って可動する(転がる)ことにより、第1射出ソレノイド955と当接(係合)する位置まで移動(退避)する。
<第30制御例の第7変形例における電気的構成について>
次に、本第7変形例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。本第7変形例におけるRAM223は、上述した第30制御例の第6変形例におけるRAM223の構成に対して、センサ検出タイマ223eaA、第1予告発生フラグ223ebA、及び第2予告発生フラグ223ecAを追加した点において相違している。その他の構成については上述した第6変形例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
センサ検出タイマ223eaAは、役物演出において、第1中間センサ943、または第2中間センサ944がオンとなっている時間を計時するためのタイマであり、初期状態ではタイマ値に0が設定される。このセンサ検出タイマ223eaAは、役物演出において、第1中間センサ943、または第2中間センサ944がオンとなった場合にタイマ値に1秒に対応する値が設定され(S5756E)、第1中間センサ943、または第2中間センサ944がオンである期間において、音声ランプ制御装置113内で定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理における役物演出更新処理(S5701E)で実行される落下予告設定処理(S5726E)が実行されるとタイマ値が1ずつ減算される(S5757E)。また、センサ検出タイマ223eaAは、第1中間センサ943、及び第2中間センサ944がオフの状態において、タイマ値が0より大きいと判別された場合に、タイマ値に0が設定される(S5765E)。
なお、本第6変形例では、減算後のセンサ検出タイマ223eaAのタイマ値が0となった(即ち、第1中間センサ943、または第2中間センサ943がオンの状態が1秒継続した)場合に、落下予告(第1落下予告、または第2落下予告)を発生させるように構成されている。
第1予告発生フラグ223ebAは、第1落下予告を設定したことを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この第1予告発生フラグ223ebAは、第1落下予告の予告内容を示す表示態様を設定した場合にオンに設定され(S5761E)、役物演出の終了タイミングにおいてオフに設定される(S5823E)。この第1予告発生フラグ223ebAにより、第1落下予告が重複して設定される不具合を抑制することができる。
第2予告発生フラグ223ecAは、第2落下予告を設定したことを示すためのフラグであり、初期状態ではオフに設定される。この第2予告発生フラグ223ecAは、第2落下予告の予告内容を示す表示態様を設定した場合にオンに設定され(S5763E)、役物演出の終了タイミングにおいてオフに設定される(S5825E)。この第2予告発生フラグ223ecAにより、第2落下予告が重複して設定される不具合を抑制することができる。
<第30制御例の第7変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、本第7変形例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理を説明する。まず、本第7変形例における役物演出更新処理(S5701E)の詳細について説明をする。この役物演出更新処理(S5701E)は、上述した第30制御例の第6変形例の役物演出更新処理(S5411E)に代えて実行される処理であり、本第7変形例における役物演出の進行に係るデータを設定する処理である。
本第7変形例の役物演出更新処理(S5701E)のうち、S5431E~S5436E、S5438E、S5439E、及びS5441E~S5443Eの各処理では、それぞれ上述した第30制御例の第6変形例における役物演出更新処理(S5411E)のS5431E~S5436E、S5438E、S5439E、及びS5441E~S5443Eの各処理各処理と同一の処理が実行される。また、本第7変形例における役物演出更新処理(S5701E)では、S5433Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が23000であると判別しなかった場合に(S5433E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が21000であるか判別する(S5721E)。S5721Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が21000であると判別した場合には(S5721E:Yes)、S5438Eの処理に移行する。上述したように、S5438E、及びS5439Eでは、第30制御例の第6変形例のS5438E、及びS5439Eと同一の処理が実行され、S5439Eの処理が終了すると、本処理を終了する。
S5721Eの処理において従変動時間タイマ223eaの値が21000であると判別しなかった場合には(S5721E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が14000であるか判別する(S5722E)。S5722Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が14000であると判別した場合には(S5722E:Yes)、S5441Eの処理に移行する。上述したように、S5441E~S5443Eの各処理では、第30制御例の第6変形例における役物演出更新処理(S5411E)のS5441E~S5443Eの各処理と同一の処理が実行され、S5443Eの処理が終了すると、本処理を終了する。一方、S5722Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が14000であると判別しなかった場合には(S5722E:No)、従変動時間タイマ223eaの値が1000であるか判別する(S5723E)。S5723Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が1000であると判別した場合には(S5723E:Yes)、後半予告選択テーブル222ecを読み出し(S5724E)、後半予告選択テーブル222ecを参照して最終予告内容を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5725E)、本処理を終了する。これにより、従変動時間タイマ223eaの値が1000となったタイミング(基本変動時間(基本時間)に対応する変動演出の残り時間が1秒となったタイミング)において、最終落下予告を発生させることができる。
なお、本第7変形例では、役物演出において最終落下予告が必ず発生するように構成しているが、これに限るものではない。例えば、第1落下予告と第2落下予告との発生有無に応じて最終落下予告の発生可否を決定するように構成してもよい。より具体的には、役物演出において、落下役物900の3回目の落下動作が終了した(落下役物900が原点位置に到達した)タイミングにおいて、第1予告発生フラグ223ebAと第2予告発生フラグ223ecAとが共にオンである場合に、最終落下予告を発生させるように構成してもよい。このように構成することで、最終落下予告が発生することを期待する遊技者に対して、第1落下予告と第2落下予告との発生状況への関心をより向上させることができる。
S5723Eの処理において、従変動時間タイマ223eaの値が1000であると判別した場合には(S5723E:No)、後述する落下予告設定処理を実行し(S5726E)、本処理を終了する。
次に、本第7変形例における落下予告設定処理(S5726E)の詳細について説明する。この落下予告設定処理(S5726E)は、本第7変形例の役物演出において、落下予告を発生させる実行条件が成立した場合に、落下予告(第1落下予告、または第2落下予告)を発生させるためのデータを設定する処理である。
落下予告設定処理(S5726E)では、まず、第1予告発生フラグ223ebAがオンであるか判別する(S5751E)。S5751Eの処理において、第1予告発生フラグ223ebAがオンであると判別しなかった場合は(S5751E)、第1中間センサ943がオンであるか判別する(S5752E)。S5752Eの処理において、第1中間センサ943がオンであると判別した場合は(S5752E:Yes)、S5755Eの処理に移行する。一方、S5752Eの処理において、第1中間センサ943がオンであると判別しなかった場合は(S5752E:No)、S5753Eの処理に移行する。これらに対し、S5751Eの処理において、第1予告発生フラグ223ebAがオンであると判別した場合は(S5751E:Yes)、役物演出において既に第1落下予告が発生していることを意味するため、S5752Eの処理をスキップし、S5753Eの処理に移行する。
S5753Eの処理では、第2予告発生フラグ223ecAがオンであるかを判別する(S5753E)。S5753Eの処理において、第2予告発生フラグ223ecAがオンであると判別しなかった場合には(S5753E:No)、第2中間センサ944がオンであるかを判別する(S5754E)。S5754Eの処理において、第2中間センサ944がオンであると判別した場合には(S5754E:Yes)、S5755Eの処理に移行する。S5755Eの処理では、センサ検出タイマ223eaAの値が0より大きいか判別する(S5755E)。S5755Eの処理において、センサ検出タイマ223eaAの値が0より大きいと判別しなかった場合は(S5755E:No)、第1中間センサ943、または第2中間センサ944がオフからオンへと切り替わったタイミングであることを意味するため、センサ検出タイマ223eaAの値に1秒に対応する値を設定し(S5756E)、本処理を終了する。
一方、S5755Eの処理において、センサ検出タイマ223eaAの値が0より大きいと判別した場合は(S5755E:Yes)、第1中間センサ943、または第2中間センサ944がオンである状態が継続していることを意味するため、センサ検出タイマ223eaAの値から1を減算し(S5757E)、減算後のセンサ検出タイマ223eaAの値が0であるか判別する(S5758E)。S5758Eの処理において、減算後のセンサ検出タイマ223eaAの値が0であると判別しなかった場合は(S5758E:No)、落下予告を発生させる実行条件が成立していないため、本処理を終了する。
これに対し、S5758Eの処理において、センサ検出タイマ223eaAの値が0であると判別した場合は(S5758E:Yes)、第1中間センサ943がオンであるか判別する(S5759E)。S5759Eの処理において、第1中間センサ943がオンであると判別した場合は(S5759E:Yes)、予告内容格納エリア223eeに格納されているデータを参照して第1落下予告の予告内容を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5760E)、第1予告発生フラグ223ebAをオンに設定し(S5761E)、本処理を終了する。これにより、落下役物900が第1中間位置に所定時間(1秒間)停止した場合に、第1落下予告を発生させることができる。また、S5759Eの処理において、第1中間センサ943がオンであると判別しなかった場合は(S5759E:No)、予告内容格納エリア223eeに格納されているデータを参照して第2落下予告の予告内容を示す表示態様を含む演出態様を設定し(S5762E)、第2予告発生フラグ223ecAをオンに設定し(S5763E)、本処理を終了する。これにより、落下役物900が第2中間位置に所定時間(1秒間)停止した場合に、第2落下予告を発生させることができる。
これらに対し、S5754Eの処理において、第2中間センサ944がオンであると判別しなかった場合は(S5754E:No)、S5764Eの処理に移行する。また、S5753Eの処理において、第2予告発生フラグ223ecAがオンであると判別した場合は(S5753E:Yes)、役物演出において既に第2落下予告が発生したことを意味するため、S5754Eの処理をスキップし、S5764Eの処理に移行する。S5764Eの処理では、センサ検出タイマ223eaAの値が0より大きいかを判別する(S5764E)。S5764Eの処理において、センサ検出タイマ223eaAの値が0より大きいと判別した場合は(S5764E)、センサ検出タイマ223eaAの値に0を設定し(S5764E)、本処理を終了する。これにより、第1中間センサ943、または第1中間センサ943がオンとなっている期間が1秒未満である場合(即ち、落下役物900がセンサを通過して原点位置まで下降した場合)に、センサ検出タイマ223eaAの値をリセットすることができる。また、S5764Eの処理において、センサ検出タイマ223eaAの値が0より大きいと判別しなかった場合は(S5764E:No)、S5765Eの処理をスキップし、本処理を終了する。
次に、本第7変形例における役物演出終了処理(S5801E)について説明する。この役物演出終了処理(S5801E)は、上述した第30制御例の第6変形例における役物演出終了処理(S5413E)に代えて実行される処理であり、役物演出の終了タイミングにおいて、役物演出の進行に係る各フラグや記憶エリア等をリセットする処理を実行する。
この役物演出終了処理(S5801E)のうち、S5501E~S5505Eの各処理では、それぞれ上述した第30制御例の第6変形例における役物演出終了処理(S5413E)のS5501E~S5505Eの各処理と同一の処理が実行される。また本第7変形例における役物演出終了処理(S5801E)では、S5505Eの処理が終了すると、次いで、ソレノイド選択ポインタ223egfの値に00Hを設定し(S5821E)、第1予告発生フラグ223ebAがオンであるか判別する(S5822E)。S5822Eの処理において、第1予告発生フラグ223ebAがオンであると判別した場合は(S5822E:Yes)、第1予告発生フラグ223ebAをオフに設定し(S5823E)、S5824Eの処理に移行する。
一方、S5822Eの処理において、第1予告発生フラグ223ebAがオンであると判別しなかった場合は(S5822E:No)、S5823Eの処理をスキップし、S5824Eの処理に移行する。S5824Eの処理では、第2予告発生フラグ223ecAがオンであるか判別する(S5824E)。S5824Eの処理において、第2予告発生フラグ223ecAがオンであると判別した場合は(S5824E:Yes)、第2予告発生フラグ223ecAをオフに設定し(S5825E)、本処理を終了する。一方、S5824Eの処理において、第2予告発生フラグ223ecAがオンであると判別しなかった場合は(S5824E:No)、S5825Eの処理をスキップし、本処理を終了する。
以上説明した通り、第30制御例の第7変形例におけるパチンコ機10では、張出位置から下降している落下役物900の複数箇所に当接可能な第1球状部材952が、落下役物900の所定部(突出部900eの第1当接面900ea)に当接した場合に、落下役物900の所定部以外(突出部900eの第2当接面900eb)に当接した場合よりも張出位置から下降している落下役物900を第1中間位置に停止させ易くなるように構成した。このように構成することで、落下役物900に第1球状部材952を当接させることが可能な構成において、第1球状部材952が当接した当接箇所に応じて落下役物900が停止する位置を可変させることができるので、第1球状部材952と落下役物900とがどのように当接するかに対する遊技者の関心を高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第31制御例>
次に、図1407から図1461を参照して、第31制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第31制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に対して、遊技盤13の構成を一部変更した点と、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点とで相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した第1制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成し、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させることを可能に構成していた。また、上述した大当たり遊技の終了後、及び、他の終了条件(例えば、特別図柄抽選の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する終了条件)が成立した場合に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を高確率状態から低確率状態へと移行させることを可能に構成していた。そして、遊技者に最も有利となる遊技状態である確変状態中に特別図柄抽選が50回実行された後、遊技状態が確変状態から時短状態へと移行するように構成していた。このように構成された第1制御例では、確変状態が設定された場合であっても、確変状態中に実行される特別図柄抽選の結果によっては、1度も大当たり遊技が実行されること無く確変状態が終了してしまう事態が発生し、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうという問題があった。
また、上述した第1制御例では、特別図柄抽選にて大当たり当選する確率として低確率と高確率の2段階の確率を設定可能に構成していたが、2段階の確率では遊技者が遊技に早期に飽きてしまうため、1回の特別図柄抽選の結果に基づいて大当たり遊技が実行される確率としてより多段階の確率が設定されることが求められていた。加えて、上述した第1制御例では、遊技者に最も有利となる確変状態が継続している期間中に実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合において特定の選択割合で大当たり遊技終了後に再度確変状態が設定されるように構成していたが、大当たり当選した場合において再度確変状態が設定される確率が常に同一であるため、長時間遊技を行っている遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
これに対して、本第31制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選で大当たり当選に加えて小当たり当選し得るように構成し、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に特定領域へと遊技球を通過させることで小当たり遊技の終了後に大当たり遊技を実行可能に構成している。このように構成することで、大当たり遊技を実行させるための実行契機として、特別図柄抽選による大当たり当選と、小当たり遊技中における特定領域への遊技球の通過と、複数の実行契機を設けることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。以降、特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技を図柄大当たり遊技と称し、小当たり遊技中に特定領域へと遊技球を通過させたことに基づいて実行される大当たり遊技をV大当たり遊技と称して説明をする。
なお、本第31制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に対して、特別図柄、及び普通図柄の確率状態を変化させる機能を有していない点で相違している。具体的には、特別図柄の変動時間(特図変動時間)、及び普通図柄の変動時間(普図変動時間)として通常状態よりも短い変動時間を設定し易くする変動時間短縮機能と、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技における電動役物640aの開放動作期間が通常状態よりも長くなる開放延長機能と、を有しており、各種機能を作動させることで通常状態とは異なる遊技性を提供可能に構成している。以下、説明の便宜上、パチンコ機10に設定される遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態、変動時間短縮機能及び開放延長機能未作動)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態、変動時間短縮機能及び開放延長機能作動)と、を用いて説明をする。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10の構成に限ること無く、上述した第1制御例におけるパチンコ機10と同様に、普通図柄の低確率状態と高確率状態とを設定可能に構成し、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも普通図柄の高確率状態が設定されている場合の方が普図当たり遊技中に第2入球口640へと遊技球を入賞させ易くなるように構成してもよい。
また、本第31制御例では、第1特別図柄抽選では小当たり当選すること無く、第2特別図柄抽選でのみ小当たり当選するように構成しており、時短状態中の方が通常状態中よりも第2特別図柄抽選(特図2抽選)を実行させ易くなるように構成している。さらに、時短状態中に実行された第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合において、設定されている時短状態の種別と、当選した小当たり種別との組合せによって、小当たり遊技が時短状態中に実行される遊技と、通常状態中に実行される遊技とを実行可能に構成している。そして、同一の小当たり種別に基づく小当たり遊技が実行される場合であっても、通常状態中に小当たり遊技が実行された場合の方が、時短状態中に小当たり遊技が実行された場合よりも小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと入球させ易くなるように構成している。このように構成することで、設定される時短状態の種別に応じて、特定領域へと遊技球が入球され易くなる小当たり遊技の種別を異ならせることができるため、実質的に大当たり遊技が実行される確率を複数有した遊技球を提供することができる。加えて、小当たり遊技中に特定領域へと遊技球を通過させたことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態(通常状態、時短状態)を小当たり種別に応じて異ならせていることから、設定される時短状態の種別に応じて、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される割合も異ならせることができる。
<第31制御例における遊技盤の構成について>
まず、図1407から図1411を参照して、本第31制御例のパチンコ機10が有する遊技盤13の構成について説明をする。まず、図1407を参照して、本第31制御例のパチンコ機10が有する遊技盤13の構成について詳細な説明を行う。図1407は、本第31制御例における遊技盤13の構成を示す正面図である。図1407に示した通り、本第31制御例のパチンコ機10が有する遊技盤13は、上述した第1制御例のパチンコ機10が有する遊技盤13(図4参照)に対して、遊技盤13の左側領域(可変表示装置ユニット80の左側に形成される遊技領域)からスルーゲート67を排除した点と、遊技盤中央下部に設けられた電動役物640a、及び可変入賞装置65を遊技盤13の右側領域(可変表示装置ユニット80の右側に形成される遊技領域)へと移設した点と、遊技盤13の右側領域の構成を大きく変更した点と、特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中にて開放制御される第2可変入賞装置650を設けた点とで相違している。なお、同一の構成については同一の符号を付して、その説明を省略する。
本第31制御例では、上述した第1制御例と同様に、遊技球が入球したことに基づいて第1特別図柄抽選の実行権利を取得可能な第1入球口64と、第2特別図柄抽選の実行権利を取得可能な第2入球口640とが遊技盤13に配設されている。そして、第2入球口640には電動役物640aが付随しており、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される普図当たり遊技にて電動役物640aが開放制御された場合に遊技球が第2入球口640へと入球可能となるように構成している。
ここで、図1407を参照して、遊技盤13の右側領域の構成について詳細に説明をする。図1407に示した通り、遊技盤13の右側領域には遊技球が流下可能な流下経路rkが形成されており、操作ハンドル51(図1参照)に対する操作量に基づいて発射制御装置112(図1422参照)によって遊技盤13の右側領域に向けて発射された遊技球(右打ち遊技によって発射された遊技球)が遊技盤13の右側領域に形成された流下経路rkを流下するように構成している。この流下経路rkには様々な構成要素が付設されており、流下経路rkの上流側から順に、スルーゲート67、電動役物640a、可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、一般入球口630が設けられている。また、作動中(普図当たり遊技中)の電動役物640aによって誘導された遊技球が入球可能な位置に第2入球口640が設けられ、上述した流下経路rkの途中で分岐した遊技球が入球可能な位置に一般入球口630aが設けられている。
スルーゲート67は、普通図柄抽選の実行権利を取得可能な通過領域であって、右打ち遊技によって発射された遊技球が100%通過するように遊技盤13の右側領域の上方に設けられている。普通図柄変動が実行されていない状態で遊技球がスルーゲート67を通過した場合には普通図柄抽選が実行される。また、普通図柄変動が実行されている状態で遊技球がスルーゲート67を通過した場合には普通図柄抽選の実行権利が最大で4個記憶(保留記憶)される。そして、普通図柄が外れを示す表示態様で停止表示された後、又は、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される普図当たり遊技が終了した後、即ち、新たな普通図柄抽選を実行するための実行条件が成立した場合に保留記憶されている普通図柄抽選の実行権利を用いた普通図柄抽選が実行されるように構成している。このように構成することで、普通図柄抽選の実行条件が成立した状態において即座に普通図柄抽選を実行させることができる。
スルーゲート67の下方には普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される普図当たり遊技中に作動制御される電動役物640aが配設されている。この電動役物640aは、普図当たり遊技が実行されることで作動位置へと位置した場合には遊技盤13の右側領域に形成された流下経路rkを遮るように突出し、図1407の視点において左上側から右下側へと下り傾斜となる誘導路が形成されるように構成している。この誘導路が上流端から下流端へと遊技球が流下するのに要する時間が約0.5秒となる長さで形成されており、下流端から流下した遊技球が第2入球口640へと入球するように構成している。一方で、普図当たり遊技が実行されていない状態では、電動役物640aが遊技盤13に埋設された非作動位置に位置するように構成しており(図1407では点線で表示)、右側領域の流下経路rkを流下する遊技球が非作動位置に位置している電動役物640aを通過して可変入賞装置65に向けて流下することになる。つまり、電動役物640aは、第2入球口640へと遊技球を入球させるための誘導手段となる。この電動役物640aは、スルーゲート67を通過した遊技球が0.4秒後に到達する位置に設けられている。ここで、遊技状態として時短状態が設定されている場合には、スルーゲート67を通過したことに基づいて変動時間が0.2秒の普通図柄変動が実行され、実行中の普通図柄変動が当たり当選を示す表示態様で停止表示された場合には5秒間の開放期間(作動期間)が1回の普図当たり遊技が実行され、遊技状態として通常状態が設定されている場合には、スルーゲート67を通過したことに基づいて変動時間が5秒の普通図柄変動が実行され、実行中の普通図柄変動が当たり当選を示す表示態様で停止表示された場合には0.1秒の開放期間(作動期間)が1回の普図当たり遊技が実行されるように構成している。つまり、時短状態中に実行された普通図柄抽選で当たり当選した場合には、その普通図柄抽選の実行契機となった遊技球、即ち、スルーゲート67を通過した遊技球が作動中の電動役物640aに到達するように構成している。
このように構成することで、時短状態が設定されている間は、右打ち遊技によって発射された遊技球の殆どが第2入球口640へと入球し、通常状態が設定されている間は右打ち遊技によって発射された遊技球が第2入球口640へと入球しないようにすることができる。よって、通常状態が設定されている状況において右打ち遊技を行ったとしても第2特別図柄抽選を実行させることができないため、通常状態では左打ち遊技を行うことで第1入球口64へと遊技球を入球させる遊技が遊技者に有利な遊技となる。なお、時短状態中に継続して右打ち遊技を行った場合には、普図当たり遊技が終了するタイミングで電動役物640aへと到達する遊技球が生じる場合がある。この場合、例えば、電動役物640aが作動位置から非作動位置へと変位するタイミングにて作動位置に位置している電動役物640a上の誘導路を流下している遊技球は、非作動位置に位置している電動役物640aを通過する遊技球と比して流下経路rkの一部を形成する誘導壁600h1の右側部(図1407を正面視で右側)へと到達し易く、誘導壁600h1によって一般入球口630aへと誘導され易くなるように構成している。このように構成することで、時短状態中において右打ち遊技にて発射された遊技球が流下経路rkの下流側を流下し難くさせることができる。
詳細な説明は後述するが、本第31制御例におけるパチンコ機10は、時短状態中に小当たり遊技が実行された場合にはその小当たり遊技中に遊技球が特定領域(第2可変入賞装置650内部に設けられたVゲート650v)を通過し難くなる(通過し得ない)ように構成している。具体的には、時短状態における小当たり遊技中に右打ち遊技を実行したとしても、普図当たり遊技が実行されることで発射された遊技球が第2入球口640や一般入球口630aへと誘導され、第2可変入賞装置650へと到達し難くなるように構成している。加えて、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球の個数が4個となった場合に第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球が特定領域(Vゲート650v)を通過し得るように切替弁650bが作動するように構成している。つまり、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと遊技球を4個入賞させない限り特定領域(Vゲート650v)に遊技球を通過させることができないように構成している。このように構成することで、時短状態中に小当たり遊技が実行されたとしても、その小当たり遊技中に特定領域へと遊技球を通過させてしまう事象が発生してしまうことを防止(抑制)することができる。また、通常状態にて小当たり遊技が実行された場合には、普図当たり遊技によって遊技球が第2入球口640へと誘導されることが無いため、時短状態中よりも多くの遊技球を第2可変入賞装置650へと到達させ易くすることができることから、小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと通過させ易くすることができる。
なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、上述した通り、時短状態中に実行される小当たり遊技の方が通常状態中に実行される小当たり遊技よりも小当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過させ難くするために、電動役物640aの作動している間は電動役物640aが作動していない期間よりも遊技球が第2可変入賞装置650へと到達し難くなるように構成し、且つ、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと遊技球が4個入賞した場合に第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球が特定領域を通過可能となるように構成しているが、何れか一方の構成のみを用いても良いし、本第31制御例におけるパチンコ機10の構成とは異なる構成を用いても良い。例えば、同一種別の小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技における第2可変入賞装置650の開放制御内容を小当たり遊技が実行される時点にて設定されている遊技状態に応じて異ならせるように構成しても良く、この場合、時短状態中に小当たり遊技が実行される場合の方が、通常状態中に小当たり遊技が実行される場合よりも小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと遊技球が入賞し難くなるように構成したり、時短状態中に小当たり遊技が実行される場合は第2可変入賞装置650内に設けられた切替弁650bが作動しないように構成したりすることで時短状態中に実行された小当たり遊技中は特定領域を遊技球が通過できないように構成しても良い。また、時短状態中に実行された小当たり遊技期間中は特定領域を遊技球が通過したとしてもその通過を無効とする処理を実行可能に構成しても良い。上述した様々な構成の一部、又は全部を用いた場合であっても、小当たり遊技中の遊技状態に応じて遊技球が特定領域を通過したことに基づいて実行される大当たり遊技の実行頻度を異ならせることができる。
非作動中の電動役物640aを通過した遊技球は誘導壁600h1に衝突し、その衝突位置が左傾斜位置(図1407の視点で左側の位置)となった遊技球は誘導壁600h1を転動しながら流下経路rkを可変入賞装置65に向かって流下する。一方、衝突位置が誘導壁600h1の右傾斜位置(図1407の視点で右側の位置)となった遊技球は誘導壁600h1を転動しながら一般入球口630aへと誘導される。この一般入球口630aは遊技球が入球することで10個の賞球が払い出される入球手段である。電動役物640aが非作動中に流下経路rkへと進入し、非作動中の電動役物640aを通過した遊技球の殆ど(約95%)は誘導壁600h1の左側位置に衝突するように構成されており、作動中の電動役物640aによって形成される誘導路を流下している途中で電動役物640aの作動が終了した場合、即ち、電動役物640aが作動位置に位置することで形成される誘導路上を第2入球口640に向かって流下している途中で電動役物640aから落下し誘導壁600h1へと衝突した(誘導壁600h1の右側位置へと衝突した)遊技球が主に一般入球口630aへと入球する遊技球となるように構成している。
可変入賞装置65は、上述した第1制御例と同様に特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技にて開放制御される可変入球手段であって、遊技球が1個入球した場合に15個の遊技球が賞球として払い出されるように構成している。本第31制御例では、当選した大当たりの種別(大当たり種別)に応じて大当たり遊技にて実行される可変入賞装置65の開放制御内容を異ならせており、最も開放制御期間が短い大当たり遊技では1ラウンド分の開放制御が実行され、最も開放制御期間が長い大当たり遊技では10ラウンド分の開放制御が実行されるように構成している。なお、本第31制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に加え、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいても可変入賞装置65が開放制御される大当たり遊技を実行可能に構成している。この場合は、第2可変入賞装置650が開放制御される小当たり遊技が終了した後に可変入賞装置65が開放制御される大当たり遊技が実行されるため、複数の可変入球手段(可変入賞装置65、第2可変入賞装置650)を連続して開放制御させることが可能な遊技を遊技者に提供することができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
なお、本第31制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技を図柄大当たり遊技と称し、小当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて実行される大当たり遊技をV大当たり遊技と称して説明をする。また、図柄大当たり遊技におけるラウンド数とは、可変入賞装置65に対して実行される1回目の開放制御を1ラウンド目のラウンド遊技とし、V大当たり遊技におけるラウンド数とは、小当たり遊技として第2可変入賞装置650に対して実行される開放制御を1ラウンド目のラウンド遊技とし、小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技として可変入賞装置65に対して実行される1回目の開放制御を2ラウンド目のラウンド遊技として説明をする。つまり、V大当たり遊技におけるラウンド数は可変入賞装置65に対して実行される開放制御の回数では無く、小当たり遊技の開放制御も含めた回数となる。換言すれば、所定ラウンド数(例えば、10ラウンド)のV大当たり遊技が実行された場合において、1ラウンド目の開放制御中(小当たり遊技中)に2ラウンド目以降の大当たり遊技を実行させるための実行条件を成立させることが可能に構成し、実行条件が成立した場合のみ2ラウンド目以降の大当たり遊技を実行させるように構成しているとも言える。
詳細な説明は省略するが、可変入賞装置65が開放制御されていない状況、即ち、遊技球を所定方向に案内する部材である可変入賞装置65の開閉扉65fが閉状態に位置している場合は、開閉扉65fの上面部が流下経路rkの底面部となり、流下経路rkを流下している遊技球が開閉扉65fの上面部を転動しながら流下経路rkの下流側に向けて流下することになる。閉状態の可変入賞装置65を通過した遊技球は、複数の釘が植設された流路を流下し、第2可変入賞装置650に到達する。この第2可変入賞装置650は、上述した通り、小当たり遊技中に開放制御される可変入球手段であって、遊技球が入賞した場合には15個の賞球が払い出されるように構成している。ここで、図1408及び図1409を参照して、第2可変入賞装置650の詳細な構成について説明をする。図1408(a)は、閉鎖状態の第2可変入賞装置650を模式的に示した平面図であって、図1408(b)は、開放状態の第2可変入賞装置650を模式的に示した平面図である。まず、図1408(a)を参照して、第2可変入賞装置650が閉鎖状態である場合における遊技球の球流れについて説明をする。第2可変入賞装置650の閉鎖状態では、開閉扉650fが第2特定入賞口650aの開口部を覆う位置(閉鎖位置)まで突出するように構成されており、流下経路rkを流下し釘Q2上を通過した遊技球が第2特定入賞口650aに入賞し得ないように構成している。そして、閉鎖位置に位置した開閉扉650fの上面には遊技球が流下可能な流下経路が形成される。
ここで、図1407に示した通り、本第31制御例では、開閉扉650fの右端(図1407の視点で正面視右端)から左端(図1407の視点で正面視左端)に向けて下り傾斜が形成されるように第2可変入賞装置650が遊技盤13に配設されているため、開閉扉650fの上面に到達した遊技球は、図1408(a)に示した通り、右端側から左端側へと流下する。さらに、開閉扉650fの上面には、遊技球を蛇行して流下させるための規制部材(650fa~650fe)が複数設けられている。具体的には、開閉扉650fの上流側(右端側)から下流側(左端側)に向けて順に第1規制部材650fa、第2規制部材650fb、第3規制部材650fc、第4規制部材650fd、第5規制部材650feが設けられており、第1規制部材650fa、第3規制部材650fc、第5規制部材650feが遊技球の流下方向(進行方向)に対して左側に設けられ、第2規制部材650fb、第4規制部材650fdが遊技球の流下方向(進行方向)に対して右側に設けられている。このように構成された開閉扉650fの上面を遊技球が流下する場合には、地点Aに到達した遊技球が第1規制部材650faの曲面部、第2規制部材650fbの曲面部、第3規制部材650fcの曲面部と順に衝突しながら流下し、地点Bに到達する。その後、第4規制部材650fdの曲面部、第5規制部材650feの曲面部に衝突しながら地点Cに到達し、開閉扉650fの上面に形成される流下経路の下流端から一般入球口630bの開口部を臨む位置へと排出されるように構成している。
このように、開閉扉650fの上面に複数の規制部材を設けることで、開閉扉650fの上面を蛇行状経路(図では矢印で表示)で遊技球を流下させることが出来ると共に、流下している遊技球を各規制部材へと衝突させることによって遊技球の流下速度を低下させることが可能となる。よって、開閉扉650fの上面に規制部材を設けない場合と比べて、遊技球が開閉扉650fの上面に滞在する期間を長くすることができる。よって、一定間隔(1分間に100個)で発射され流下経路rkを流下する遊技球が開閉扉650fに複数個位置している状況を比較的容易に創出することができるため、大当たり遊技によって第2可変入賞装置650が開放制御され開閉扉650fが開放状態となった場合に、一度に複数個の遊技球を第2特定入賞口650aに入賞させることができ、遊技者に爽快感を与え易くすることができる。
次に、図1408(b)を参照して、第2可変入賞装置650が開放状態である場合における遊技球の球流れについて説明をする。第2可変入賞装置650の開放状態では、開閉扉650fが遊技盤13の内部に埋設する位置まで退避し、第2特定入賞口650aの開口部へと遊技球が入賞可能な状態となる。そして、第2特定入賞口650aへと入賞した遊技球が第2可変入賞装置650の第1誘導路650t1を上流側(図1408視点で左側)から下流側(図1408視点で右側)へと流下するように構成している。そして、第1誘導路650t1上を流下した遊技球が第1誘導路650t1の下流端から排出されて入賞検知スイッチ650sを通過するように構成している。この入賞検知スイッチ650sは、第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球の個数を検知するための検知手段であって、遊技球1個が通過可能な大きさ(約15ミリ)で開口幅が形成された流路を通過した遊技球を非接触式に検知可能な近接センサで構成されている。この入賞検知スイッチ650sが遊技球を検知した場合には、主制御装置110へと検知信号が出力されるように構成しており、主制御装置110側では検知信号が入力されることで第2可変入賞装置650へと遊技球が入賞したことを判別し、対応する賞球数の払い出しを実行する処理と、小当たり遊技の終了条件(10個入賞)が成立したかを判別する処理と、切替弁650bの切替条件が成立したかを判別する処理と、が実行されるように構成している。
なお、本第31制御例では、入賞検知スイッチ650sが遊技球の通過を検知したことを契機に、対応する賞球数の払い出しを実行する処理と、小当たり遊技の終了条件(10個入賞)が成立したかを判別する処理と、切替弁650bの切替条件が成立したかを判別する処理と、が実行されるように構成しているが、これに限ることなく、第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球の少なくとも一部を検知可能な検知手段を複数個設け、各検知手段の検知結果に基づいて対応する処理を実行するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、第2可変入賞装置650へと入賞した全ての遊技球を検知可能な検知手段による検知結果に基づいて第2可変入賞装置650へと遊技球が入賞する毎に賞球の払い出し処理を実行し、第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球のうち一部の遊技球のみを検知可能な検知手段による検知結果に基づいて小当たり遊技の終了条件が成立したかを判別する処理を実行することが可能となる。また、第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球が第1流路、又は第2流路の何れかを流下するように構成した場合には、第1流路を流下する全ての遊技球を検知可能な検知手段(第1検知手段)と、第2流路を流下する全ての遊技球を検知可能な検知手段(第2検知手段)とを設け、第1検知手段、或いは第2検知手段の何れかが遊技球を検知したことに基づいて賞球を払い出す処理を実行し、第1検知手段の検知結果と、第2検知手段の検知結果とを合算した合算検知結果を用いて例えば、小当たり遊技の終了条件が成立したかを判別するように構成しても良い。
次に、図1409を参照して、第2可変入賞装置650の内部構成について詳細な説明をする。図1409は、第2可変入賞装置650の内部構成を模式的に示した図である。図1409に示した通り、第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球が第1誘導路650t1を流下し、V弁650bの作動状況に応じて、通常流路650c1、又は特定領域650Vを有するV流路650C2の何れかに流下するように構成している。具体的には、入賞検知スイッチ650sを通過した遊技球は、第2誘導路650t2上を流下し、V弁650bを臨む流路へと排出される。図1409に示した図では、V弁650bを点線で示しており、V弁650bが退避位置に位置している状況を表しており、V弁650bが退避位置に位置している状況では、第2誘導路650t2から排出された遊技球がV弁650bを通過し、通常流路650c1を流下しパチンコ機10の外部へと排出される。一方、V弁650bが突出位置(作動位置)に位置している状況では、第2誘導路650t2から排出された遊技球が、V弁650b上をV流路650c2に向かって流下し、特定領域650vを通過し、パチンコ機10の外部へと排出されるように構成している。また、図1409に示した通り、V流路650c2の上方は、第2誘導路650t2を形成する壁部材によって覆われており、第2誘導路650t2の流下端部が、通常流路650c1と、V流路650c2とを区分け形成する隔壁650k2よりも通常流路650c1側へと突出するように構成している。このように構成することで、V弁650bが退避位置に位置している状況において遊技球が特定領域650vを通過してしまうことを確実に抑制することができる。
次に、図1410、及び図1411を参照して、本第31制御例におけるパチンコ機10において小当たり遊技中に右打ち遊技を行った場合における遊技球の球流れについて説明をする。本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短状態中に右打ち遊技を実行することで主として実行される第2特別図柄抽選にて大当たり当選以外に小当たり当選し得るように構成している。そして、設定されている時短状態の種別、及び、当選した小当たりの種別の組合せによって、小当たり遊技中の遊技状態を異ならせることができるように構成している。
まず、図1410を参照して、通常状態の小当たり遊技中における遊技球の球流れについて説明をする。図1410(a)は、第2可変入賞装置650へと2個目の遊技球が入賞したことを検知した時点における球流れ状況を模式的に示した図であって、図1410(b)は、第2可変入賞装置650へと4個目の遊技球が入賞したことを検知した時点における球流れ状況を模式的に示した図である。なお、本図では、遊技盤13の右側領域(図1407参照)のうち、小当たり遊技中における球流れ状況に影響を与える流下経路rkの上流部(電動役物640a付近)と、下流部(第2可変入賞装置650付近)と、を示しており、それ以外の領域(例えば、可変入賞装置65付近)の球流れについては説明を省略している。
図1410(a)に示した通り、通常状態中は普図当たり遊技によって電動役物640aがロング開放しないため、右打ち遊技によって発射された遊技球の殆ど(約100%)が流下経路rkを流下し、第2可変入賞装置650へと到達することになる。そして、第2可変入賞装置650への入賞数が4個に達するまでは、切替弁650bが作動せず通常流路650c1を流下しパチンコ機10の外部へと排出される。その後、右打ち遊技を継続し小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球の個数が4個に達すると、図1410(b)に示した通り、切替弁650bが作動し、V流路650c2が連通した状態となる。なお、本第31制御例では、入賞検知スイッチ650sによって検知された遊技球が4個目の入賞であると主制御装置110にて判別されたことに基づいて切替弁650bの切替制御が実行され切替弁650bが誘導位置へと位置するまでの期間が、4個目の入賞球が入賞検知スイッチ650sを通過して切替弁650bに到達するまでに要する期間(約0.5秒)よりも短くなるように構成しているため、4個目の入賞球が最初にV流路650c2を流下することになる。そして、V流路650c2を流下した遊技球(4個目の入賞球)は、特定領域(Vゲート)650vを通過し、パチンコ機10の外部へと排出される。特定領域(Vゲート)650vは、遊技球が1個通過可能な幅(約15mm)に形成された領域であって、図示しないV検知手段(近接スイッチ等)によって特定領域(Vゲート)650vを通過した遊技球を検知可能に構成している。そしてV検知手段が遊技球を検知した場合にはV検知信号が主制御装置110へと出力される。主制御装置110ではV検知信号が入力された場合においてV検知信号が入力されたタイミングが適正範囲内(小当たり遊技中)であるかを判別し、適正範囲内であると判別した場合に大当たり遊技の実行権利を設定(Vフラグ203feをオンに設定)するように構成している。
なお、本制御例では、小当たり遊技中に切替弁650bの切替条件が成立した場合には、実行中の小当たり遊技が終了するまでの間、切替弁650bを誘導位置へと位置させておき、小当たり遊技の終了に基づいて切替弁650bを誘導位置から埋設位置(初期位置)へと移動させるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと4個の遊技球が入賞した時点から小当たり遊技が終了するまでの期間において第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球をV流路650c2へと誘導させることができるため、例えば、4個目の入賞球の流下速度が外力によって通常よりも著しく速くなり切替弁650bが誘導位置へと位置するよりも前に切替弁650bを通過し通常流路650c1を流下する事態が発生したとしても、5個目の入賞球やそれ以降の入賞球を確実にV流路650c2へと誘導することができる。また、本第31制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110では、1回の小当たり遊技中に大当たり遊技の実行権利を1つのみ設定(獲得)可能に構成しているため、1回の小当たり遊技中に複数個の入賞球が特定領域(Vゲート)650vを通過したとしても、後の遊技に影響を与えることが無い。つまり、遊技球が通過した場合に特典(大当たり遊技の実行権利)を付与可能な特定領域としては、小当たり遊技中において最初の遊技球が通過するVゲート650vが特定領域となり、2個目以降の遊技球が通過するVゲート650vは特定領域には該当しない。このように、1の領域(Vゲート650v)であっても、遊技内容に応じて遊技球の通過に基づいて特典が付与される状況と、特典が付与されない状況とが創出されることから、Vゲート650vは遊技球が通過した場合に特典を付与可能な特定領域となる。
なお、切替弁650bの切替制御の内容を、本第31制御例におけるパチンコ機10にて実行される切替弁650bの切替制御の内容と異ならせても良く、例えば、遊技球が特定領域(Vゲート)650vを通過したと主制御装置110が判別したことに基づいて(Vフラグ203feをオンに設定したことに基づいて)、切替弁650bを誘導位置から初期位置へと移動させるための制御を実行するように構成しても良い。このように構成することで、Vゲート650vを流下する遊技球の個数が無用に増加してしまうことを抑制することができるため、Vゲート650vに設けられたV検知手段(近接センサ等)が物理的に破壊されてしまうことを抑制することができる。また、1回の小当たり遊技中に複数個の遊技球がVゲート650vを通過したと主制御装置110が判別した場合に、その事象が適正ではない遊技によって発生した事象であると容易に特定することができるため、不適正な遊技によって小当たり遊技中にVゲート650vへと遊技球を通過させる不正遊技を早期に発見し易くすることができる。
次に、図1411を参照して、時短状態の小当たり遊技中における遊技球の球流れについて説明をする。図1411(a)は、小当たり遊技が開始された直後における球流れ状況を模式的に示した図であって、図1411(b)は、小当たり遊技終了時における球流れ状況を模式的に示した図である。なお、本図では、上述した図1410(a)、及び(b)と同様に、遊技盤13の右側領域(図1407参照)のうち、小当たり遊技中における球流れ状況に影響を与える流下経路rkの上流部(電動役物640a付近)と、下流部(第2可変入賞装置650付近)と、を示しており、それ以外の領域(例えば、可変入賞装置65付近)の球流れについては説明を省略している。
時短状態中は、普通図柄変動の変動時間が短時間(0.2秒)となり、且つ、1回の普図当たり遊技にて電動役物640aが作動する期間が長時間(5秒)となることから、時短状態中に小当たり遊技が実行された場合には、右打ち遊技によって発射された遊技球の殆ど(約95%)が、作動位置に位置している電動役物640aによって第2入球口640へと誘導される。普図当たり遊技は、普図当たり遊技が開始されてからの経過時間が所定時間(例えば、5.5秒)となった場合、或いは、1回の普図当たり遊技中に第2入球口640へと5個の遊技球が入球した場合に終了するように構成しており、普図当たり遊技が終了すると、獲得済みの普図保留(普通図柄抽選の実行権利)を用いて即座に新たな普通図柄抽選が実行されるように構成することで、時短状態中における電動役物640aが作動位置に位置している期間の占有率を高めているが、電動役物640aが作動位置に位置していない期間(例えば、普通図柄変動期間等)にて流下経路rkを流下する遊技球のごく一部(約5%)が非作動位置に位置している電動役物640aを通過することになる。その場合、電動役物640aを通過した遊技球は流下経路rkを流下し、閉鎖状態の可変入賞装置65を通過し、開放状態の第2可変入賞装置650へと到達し、第2特定入賞口650aへ入賞する。しかしながら、本制御例では第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球の個数が4個に到達するまでは、切替弁650bの切替制御が実行されないため、図1411(a)に示した通り、通常流路650c1を流下することになる。その後、第2可変入賞装置650への入賞数が4個を超えないまま小当たり遊技の終了条件が成立し、図1411(b)に示した通り、小当たり遊技中に切替弁650bが切替制御されること無く小当たり遊技が終了する。なお、詳細な説明は省略するが、本第31制御例におけるパチンコ機10は正面枠14(図1参照)の下部側位置に音声出力装置(スピーカー)が配設されており、遊技に基づいて実行される各種演出に対応する音声や、パチンコ機10の異常状態を報知するための報知音声等を出力可能に構成している。さらに、パチンコ機10には、上述した音声出力装置から出力される各種音声の音量を変更するための操作部が設けられており、遊技者は、操作部を操作することで、自身(遊技者)の好みに合うように音量レベルを変更(例えば、3段階に変更)可能としている。つまり、段階要素(音量レベル)に対応する複数の異なる設定データ(音量レベルデータ)のうち1のデータを設定可能としている。ここで、演出に用いられる各種音声については、遊技者に好みに合うように音量を変更することで遊技者が不快な思いをすることなく好適に遊技を行わせることができるものであるが、パチンコ機10の異常状態を報知するための報知音声の音量については、遊技者以外の店員等に早急に事態を報知する必要があるため、遊技者の操作によって音量が変更されてしまうと不具合が生じてしまう虞がある。そこで、遊技者の操作によって変更された音量レベルに関わらず、常に一定の音量(最大音量)で異常状態を報知するための報知音声が出力されるように構成している。また、正面枠14(図1参照)の下部位置に設けられた音声出力装置は、低音の音圧を向上させるために、バスレフ型のスピーカー装置を設けている。このバスレフ型のスピーカー装置は、バスレフダクトを備え、このバスレフダクトによってスピーカー装置の背面側(遊技機の正面側とは反対の背面側)に向けて出力された音を位相反転させることで、正面側に向けて出力された音と重畳させることで低域の音圧を向上させている。これにより、パチンコ機10の下部位置から音圧を向上させた低音を遊技者に向けて出力することができるため、臨場感のある演出を遊技者に提供することができる。
<第31制御例におけるパチンコ機10にて実行される演出内容について>
次に、図1412から図1419を参照して、本第31制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。本第31制御例におけるパチンコ機10は、複数の時短種別を決定可能に構成しており、決定された時短種別に応じた時短状態を設定可能に構成している。さらに、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に複数の小当たり種別を決定可能に構成し、複数の小当たり種別としてV大当たり遊技終了後に通常状態が設定される通常小当たり種別と、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される時短小当たり種別と、を決定可能に構成している。そして、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄変動回数が特定回数(10000回)に到達した場合に成立する変動時短終了条件に加え、特定の小当たり種別が決定された場合に成立する小当たり時短終了条件を設定可能に構成している。
より具体的には、時短種別毎に小当たり時短終了条件が成立する小当たり種別の数や種類を異ならせて予め規定しており、例えば、時短種別「時短A」に対しては、小当たり時短終了条件が成立する小当たり種別として、時短小当たり種別のみが予め規定されており、時短種別「時短E」に対しては、小当たり時短終了条件が成立する小当たり種別として、通常小当たり種別、及び時短小当たり種別の両方が予め規定されている。つまり、「時短A」の時短状態では、時短小当たりに当選した場合は小当たり時短終了条件が成立し通常状態にて小当たり遊技を実行可能となり、通常小当たりに当選した場合は小当たり時短終了条件が成立すること無く時短状態にて小当たり遊技が実行されることになる。よって、「時短A」の時短状態が設定された場合には、必ずV大当たり遊技終了後に再度時短状態が設定される有利時短状態となる。一方、「時短E」の時短状態では、時短小当たりに当選した場合も、通常小当たりに当選した場合も時短終了条件が成立し得るため、先に小当たり時短終了条件が成立する時短小当たりに当選した場合にはV大当たり遊技終了後に時短状態が設定され、先に小当たり時短終了条件が成立する通常小当たりに当選した場合にはV大当たり遊技終了後に通常状態が設定されることになる。よって、「時短E」は「時短A」に対して、V大当たり遊技終了後に通常状態が設定される可能性がある分、遊技者に不利な不利時短状態となる。
このように、本第31制御例では、通常状態よりも遊技者に有利となる時短状態が設定された場合であっても、その時短種別が遊技者に有利な時短種別であるか(有利時短状態であるか)について遊技者に興味を持たせることができる。よって、設定された時短状態の有利度合いを遊技者に示唆可能な演出として特徴的な演出を実行可能に構成している。このように構成することで、時短状態中に実行される演出に対して遊技者に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。なお、時短状態中の遊技を実行している遊技者には、現在設定されている時短状態の種別(有利時短状態であるか否か)が分かり難くなるように構成しているが、これに限ることなく、第1時短状態よりも有利な第2時短状態が設定されている場合の方が、第2時短状態が設定されていない場合よりも設定され易い、又は、され難い特殊モードを設定可能に構成しても良く、設定されている遊技状態を示唆可能な演出態様である特殊モード中専用の演出を実行可能に構成しても良い。
また、小当たり時短終了条件が成立しない小当たりに当選した場合には、遊技球を特定領域へと通過させることが出来ない(通過させ難い)小当たり遊技が実行されることになることから、時短状態中における特別図柄抽選の実行効率が低下してしまうという問題があった。さらに、小当たり時短終了条件が成立しない小当たり遊技、即ち、時短状態中に実行される小当たり遊技では遊技球を第2可変入賞装置650へと入賞させ難くなるため、小当たり遊技が実行されているにも関わらず賞球を獲得し難い遊技を遊技者に行わせることとなり遊技者の遊技意欲が低下してしまう虞があった。これに対して、本第31制御例におけるパチンコ機10では、小当たり時短終了条件が成立しない小当たり遊技が実行されることを遊技者に把握させ難くするための演出を実行可能に構成している。このように構成することで、小当たり時短終了条件が成立しない小当たり遊技が実行されたことを把握させ難くすることができる。
図1412(a)は、図柄大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される大当たり遊技のエンディング期間中に表示される表示画面の一例を示した図である。図1412(a)に示した通り、エンディング期間中には、時短状態に対応して実行されるモード演出の演出態様(バトルモード)を報知し、バトルモード中における演出内容を遊技者に案内するための表示態様が表示される。具体的には、図1412(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示面に形成される主表示領域Dmの左上部には、遊技者に有利な遊技方法(遊技球の発射方向)を案内するための表示領域Dm4が形成されており、図1412(a)に示した状況、即ち、時短状態が設定されている状況では左打ち遊技よりも右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法であることを案内するための「右打ち」の表示態様が表示されている。なお、本制御例では、右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法であることを案内する場合に同一の表示態様で「右打ち」が表示され、左打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法である状況においては表示領域Dm4に何ら表示態様を表示しないように構成している。つまり、表示領域Dm4を用いて遊技方法が案内されていない状況が右打ち遊技よりも左打ち遊技の方が遊技者に有利な遊技状況であることを案内している状況となるように構成している。このように、常に遊技者に有利な遊技方法を案内するための表示態様を表示することで遊技者に遊技方法を案内するのでは無く、2種類の遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)のうち、一方の遊技方法(右打ち遊技)が遊技者に有利な遊技方法となる状況においてのみ表示領域Dm4にて遊技方法を案内する表示態様(右打ち)を表示し、他方の遊技方法(左打ち遊技)が遊技者に有利な遊技方法となる状況においては表示領域Dm4に遊技方法を案内する表示態様(例えば、左打ち)を表示しないように構成した場合であっても、遊技者に有利な遊技方法を把握させることができる。また、「左打ち」の表示態様を表示領域Dm4に表示させるための表示データを用意する必要がなくなるため、第3図柄表示装置81の表示面に表示態様を表示させるための表示データの容量を削減することができる。
図1412(a)に戻り、エンディング期間中における表示画面の説明を続ける。主表示領域Dmの右上部には、第1特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が表示される表示領域Dm1が形成され、図1412(a)では、実行中の大当たり遊技の実行契機となった第1特別図柄抽選の結果に対応した「777」が表示されている。そして、主表示領域Dmの中央部には、大当たり遊技終了後に実行される演出内容を案内するために「バトルモード突入!!」の文字が表示され、バトルモード中に実行される各種演出に用いられる少年を模したキャラクタ801と、怪獣を模したキャラクタ802が対峙する表示態様が表示される。そして、副表示領域Dsには、バトルモード中に実行される演出内容を案内する案内表示態様として「少年が勝てばバトル継続!!少年が負けるとバトル終了!!」の文字が表示される。そして、主表示領域Dmの表示領域Dm4の下方には、バトルモード中における勝利期待度を示すための表示領域Dm10が形成され、図1412(a)に示した表示画面では「勝利期待度?%」が表示されている。このように、実際に時短状態が設定されるよりも前の時点(大当たり遊技期間中)にて時短状態中に実行される演出(バトルモード中の演出)の内容を遊技者に把握させるように構成することで、時短状態が設定された直後(例えば、1回転目の特別図柄変動)に大当たり当選をした場合であっても、時短状態中に実行される演出内容を把握させた状態で大当たり当選に対応する演出を実行し易くすることができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、本第31制御例では、時短状態が設定される前に実行中の大当たり遊技の最終期間(エンディング期間)にて、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを遊技者に報知するように構成しているが、時短状態が設定されることを遊技者に事前に報知可能とする期間はこれに限ること無く、例えば、大当たり遊技期間中に何れかの期間を用いても良いし、大当たり当選に対応する特別図柄が変動している期間(大当たり変動期間)を用いても良い。本第31制御例では、詳細な説明は省略するが、通常状態にて主として実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の50%で大当たり遊技終了後に時短状態が設定される時短大当たり遊技が実行され、残りの50%で大当たり遊技終了後に通常状態が設定される通常大当たり遊技が実行されるように構成している。そして、大当たり変動期間を、実行中の特別図柄変動が大当たり当選しているか否かを遊技者に示唆するための変動演出が実行される演出期間として用いており、大当たり遊技期間の一部期間を、今回の大当たり遊技が時短大当たり遊技であるか通常大当たり遊技であるかを遊技者に報知するための演出期間として用いている。そして、大当たり遊技中に今回の大当たり遊技が時短大当たり遊技であると報知された場合において、残期間(エンディング期間)を用いて、時短状態中に実行される演出内容を遊技者に事前に案内するための案内期間としている。このように、特別図柄抽選の結果に基づいて進行される遊技の内容を順を追って遊技者に報知するように構成することで、遊技の一連の流れを遊技者に分かり易く把握させることができる。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10とは異なり、例えば、通常状態において実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、必ず、時短大当たり遊技が実行されるように構成されたパチンコ機10であれば、第1特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることが報知された時点で、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることが確定するため、大当たり遊技期間の全期間(エンディング期間以外の期間)を用いて時短状態中に実行される演出の内容を事前に案内するように構成しても良い。
図1412(a)に示した通り、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の結果に基づく遊技の流れを、キャラクタ801とキャラクタ802とのバトルによって遊技者に報知するように構成しており、第2特別図柄抽選の結果が外れである場合には、キャラクタ801とキャラクタ802とが対峙し続ける演出が実行され、第2特別図柄抽選の結果が外れ以外(大当たり当選、又は小当たり当選)である場合には、キャラクタ801とキャラクタ802とがバトルを行うバトル演出が実行される。具体的には、時短状態中に実行された第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合(図柄大当たり遊技が実行される場合)には、キャラクタ801がキャラクタ802に勝利するバトル演出(勝利演出)が実行されるように構成している。
一方、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合においては、その小当たり当選における時短終了条件(小当たり時短終了条件)の成立の有無、及び、小当たり当選に対して決定される小当たり種別(時短小当たり、通常小当たり)に応じて異なる態様の演出が実行されるように構成しており、具体的には、小当たり時短終了条件が成立し、且つ、時短小当たりに当選した場合、即ち、V大当たり遊技を実行可能な状況であって、且つ、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合には、上述した大当たり当選時と同様にキャラクタ801がキャラクタ802に勝利するバトル演出(勝利演出)が実行され、小当たり時短終了条件が成立し、且つ、通常小当たりに当選した場合、即ち、V大当たり遊技を実行可能な状況であって、且つ、V大当たり遊技終了後に通常状態が設定される場合には、キャラクタ801がキャラクタ802に敗北するバトル演出(敗北演出)が実行されるように構成している。また、小当たり時短終了条件が成立しない小当たりに当選した場合、即ち、V大当たり遊技を実行させ難い状況(小当たり遊技中が時短状態となる状況)となる場合には、当選した小当たりに対して決定される小当たり種別に関わらず、バトル演出を実行しないように構成している。このように構成することで、バトル演出が実行された時点で、何らかの大当たり遊技(図柄大当たり遊技、V大当たり遊技)が実行される(実行可能な状況となる)ことを遊技者に分かり易く報知することができる。また、小当たり時短終了条件が成立しない小当たり遊技が実行される場合においてバトル演出が実行されないため、無用な小当たり遊技が実行されることを遊技者に把握させ難くすることができる。
さらに、小当たり時短終了条件が成立しない小当たりに当選した場合には、その小当たり当選に対応する特別図柄変動期間と、小当たり遊技期間とを含む演出期間を用いて、現在設定されている時短状態の種別(時短種別)を示唆可能な示唆演出(時短種別示唆演出)を実行するように構成している。このように構成することで、時短状態中に小当たり時短終了条件が成立しない小当たりに当選した場合、即ち、小当たり遊技中に遊技球を第2可変入賞装置650へと入賞させ難い小当たり遊技が実行される場合において、賞球の払い出しとは異なる特典を遊技者に提供することができるため、時短状態中に小当たり時短終了条件が成立しない小当たりに当選したことによって遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。なお、小当たり時短終了条件が成立しない小当たりに当選した場合に実行される演出の詳細な説明については、図1416を参照して後述する。
まず、図1412(b)を参照して、時短状態(時短A)中における外れ変動期間中に実行される演出内容について説明をする。図1412(b)は、時短状態(時短A)中における外れ変動中に実行される変動演出にて表示される表示画面の一例を示した図である。図1412(b)に示した通り、時短状態が設定されると第3図柄表示装置81の表示面では時短状態に対応したバトルモード演出が実行されていることを示すための「バトルモード中」の文字が表示される。本第31制御例では、大当たり遊技中も時短状態中も右打ち遊技が遊技者に有利な遊技となるように構成しているため表示領域Dm4には大当たり遊技中から継続して「右打ち」の文字が表示される。なお、本制御例の構成とは異ならせ、遊技者に有利となる遊技方法が切り替わること無く遊技状態(通常状態、時短状態、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態等)が切り替わる場合において、「右打ち」の表示態様を継続表示させるように構成しても良いし、遊技状態が切り替わる時点を含む所定期間において「右打ち」の表示態様を非表示とし、所定期間経過後に「右打ち」の表示態様を表示するように構成すると良い。このように構成することで表示領域Dm4の表示態様を視認することで遊技状態が切り替わったことを把握させ易くすることができる。
図1412(b)に示した図は、第2特別図柄変動中に表示される表示画面であって、表示画面の右上部には第2特別図柄の変動表示に対応する第3図柄が表示される表示領域Dm2が形成されており、第2特別図柄変動(特図2変動)が実行されていることに対応する態様(図では矢印で表示)で第3図柄が表示されている。また、表示領域Dm10には、勝利期待度「?%」の表示態様、即ち、現在設定されている時短状態の種別(時短種別)を遊技者に予測させ難い表示態様が表示されている。この表示領域Dm10は「?%」の表示態様以外に、「50%」,「60%」,「90%」,「100%」の表示態様を表示可能に構成している。そして、表示領域Dm10に表示される表示態様によって「?%」が表示されている状況よりも、現在設定されている時短状態の種別(時短種別)を遊技者に予測させ易くすることを可能に構成している。このように、現在の遊技状況を遊技者に予測させ易い第1状態と、その第1状態よりも予測させ難い第2状態とを少なくとも設定可能に構成することで現在の遊技状況を把握しようする遊技者が即座に遊技状況を把握してしまい、後の遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。また、詳細な説明は後述するが、本第31制御例では、時短状態宙に実行された第2特別図柄抽選で小当たり当選し、且つ、時短終了条件が成立しなかった場合において、その小当たり遊技中に表示領域Dm10に表示されている表示態様を変化させる演出を実行するように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行される小当たり遊技、即ち、V大当たり遊技が実行され難い小当たり遊技の実行期間を用いて遊技者が所望する情報を遊技者に提供することができるため、遊技者の遊技に対する興味が低下してしまう期間を減少させることができる。
そして、バトルモード中に時短終了条件が成立する小当たりに当選した場合には、図1413(a)に示した通り、小当たり変動中にキャラクタ801がキャラクタ802を攻撃するバトル演出が開始され、小当たり図柄が停止表示された時点で、図1413(b)に示した通り、バトルに勝利する演出結果が表示される。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短終了条件が成立する小当たり図柄(特別図柄)が停止表示されたタイミングで時短状態が終了するように構成しているため、図1413(b)に示した時点では遊技状態が通常状態となる。その後、通常状態(非時短状態)にて小当たり遊技が開始されると、図1414(a)に示した通り、右打ち遊技によって第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させることを促す小当たり遊技中演出が実行される。また、本制御例では、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと遊技球を4個入賞させた場合に、4個目の遊技球が特定領域650Vを通過するように構成しているため、主表示領域Dmに形成された表示領域Dm7には、今回の小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球の数を示す表示態様が表示されている。そして、小当たり遊技中に4個の遊技球を第2可変入賞装置650へと入賞させることで、図1413(b)に示した通り、表示領域Dm7の第4領域d7dが点灯し、V入賞(特定領域650vへの遊技球通過)したことを示す「おめでとう」のコメントと、表示領域HR10に「Vゲット」の文字が表示される。また、副表示領域Dsには、V大当たり遊技が実行されることを案内するための表示態様として「上のアタッカーが開くよ!!右打ちを続けてね」の文字が表示される。
一方、時短状態中に時短終了条件が成立しない小当たりに当選した場合には、図1415に示した演出が実行される。つまり、時短終了条件が成立していない状態では、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させることが困難であるため、図1413(a)に示した演出と同一態様の演出を小当たり遊技中の演出として実行してしまうと、特定領域650vへと遊技球を通過させることを促しているにも関わらず、小当たり遊技中に遊技球を特定領域650vへと到達させることができない事態が頻繁に発生してしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題が発生してしまうため、時短終了条件が成立せず、時短状態のまま実行される小当たり遊技中には、通常状態にて実行される小当たり遊技中に実行される演出(図1413(a)参照)とは異なる演出を実行するように構成している。より具体的には、特定領域650vへと遊技球を通過させることを促す演出を実行しないように構成している。さらに、本制御例では、現在設定されている時短状態の継続率を示唆するための演出を、時短状態中に実行される小当たり遊技期間を用いて実行するように構成している。このように構成することで、従来であれば遊技者が興味を持たない遊技期間を用いて、遊技者に興味を持たせることができる演出を実行することができる。
次に、図1416から図1417を参照して、複数回の小当たりに連続して当選する場合に実行される演出について説明をする。本制御例では、設定されている時短種別に応じて時短終了条件が成立する小当たり種別を異ならせていることから、設定されている時短種別によっては、時短終了条件が成立しない小当たりに連続して当選してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。これに対して、本制御例では、時短終了条件が成立しない小当たりを少なくとも含む複数回の小当たりに連続して当選する場合において、各小当たり変動期間の少なくとも一部と、複数回の小当たりのうち先に実行される小当たり遊技の遊技期間の少なくとも一部とを跨ぐように連続演出を実行するように構成している。
具体的には、時短状態中において第2入球口640へと遊技球が入球したことに基づいて入賞情報(第2特別図柄の入賞情報)を取得することで主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力される入賞コマンド(第2特別図柄の入賞情報)を音声ランプ制御装置113側で受信した場合に実行される特図用入賞情報コマンド処理(図1453のS4406F参照)にて、受信した入賞コマンドに含まれる入賞情報を事前判別し、事前判別に用いられた第2特別図柄の入賞情報に対応する特図抽選結果、及び変動パターンを特定する。そして、特定された特図抽選結果、及び変動パターンが特定条件(小当たり当選、且つ、超短変動)を満たした場合に、1つ前に実行される第2特別図柄抽選、即ち、今回事前判別に用いられた入賞情報に基づく第2特別図柄抽選の1つ前に実行される第2特別図柄抽選に対する事前判別結果が小当たり当選であるかを判別することで、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で連続して小当たり当選し得る状況であるかを特定し、連続して小当たり当選し得る状況であると特定された場合に、当該2つの第2特別図柄抽選に対応する期間(小当たり1回目の特別図柄変動時間、1回目の小当たり遊技期間、小当たり2回目の特別図柄変動時間、2回目の小当たり遊技期間)のうち、異なる第2特別図柄抽選に対応する期間を少なくとも跨いだ演出期間で連続演出を実行するように構成している。
連続演出が実行されると、まず、図1416(a)に示した表示画面が表示される。図1416(a)は、連続して小当たり当選する第2特別図柄変動のうち、1回目の小当たり変動期間中に表示される連続演出の表示画面の一例を示した図である。図1416(a)に示した通り、キャラクタ801の仲間として、ウサギを模したキャラクタ803が参戦し、キャラクタ803が敵キャラ802に対して攻撃を仕掛ける演出が実行される。そして、現在実行されている演出が連続演出であることを案内するための案内態様として、主表示領域Dmには「仲間の先制攻撃」の文字が表示され、副表示領域Dsには「仲間が参戦、勝利のチャンス」の文字が表示される。なお、図1416(a)に示した連続演出の導入表示は、連続演出の演出結果に関わらず、即ち、2回目に実行される小当たり遊技が、時短状態中に実行される小当たり遊技(時短終了条件不成立の小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技)である場合も、通常状態中に実行される小当たり遊技(時短終了条件が成立する小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技)である場合も、同一態様で表示されるように構成している。このように構成することで、連続演出が実行された時点では、遊技者に対して2回連続して小当たり当選する状況であることのみを把握させることが可能となる。また、連続演出の実行条件が、連続して小当たり当選した場合に成立し得る条件であることを把握していない遊技者に対しては、連続演出の実行期間中に複数回の小当たり遊技が実行されたことを把握させ難くすることができる。
次に、図1416(b)を参照して、連続演出のうち、2回目に実行される小当たり遊技が、時短終了条件が成立しない小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技である場合に実行される失敗連続演出の演出内容について説明をする。図1416(b)は、失敗連続演出における2回目の小当たり遊技中に表示される表示画面の一例を示した図である。図1416(b)に示した表示画面は、上述した図1416(a)に示した表示画面が表示された後、2回目の小当たり当選に対応する特別図柄変動中にキャラクタ803が敵キャラ802に勝てないことを察知し、キャラクタ801にアイテムを渡す演出を実行した後に表示される表示画面であって、今回のバトル(連続演出)にて敵キャラ802に勝利することができなかったことを示す「引き分け」の文字が表示される。また、キャラクタ801がマントを獲得したことに対応させてマントを装備した表示態様でキャラクタ801が表示され、表示領域Dm11aに獲得中のアイテムとして「マント」が表示される。さらに、表示領域Dm10には現在設定されている時短状態の種別(時短継続率)を示唆するための情報として「勝利期待度70%OVER」の文字が表示される。
以上、説明をした通り、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短状態中に実行される小当たり遊技のうち、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立しない小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技、即ち、小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球を通過させることが比較的困難な不利小当たり遊技の実行期間中に現在設定されている時短状態の種別(時短継続率)を示唆するための情報を表示可能に構成しており、連続演出のうち失敗連続演出が実行される場合には、単独で不利小当たり遊技が実行される場合よりも現在設定されている時短状態の種別(時短継続率)を示唆するための情報が表示され易く(表示される情報の精度が高くなり易く)なるように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行される不利小当たり遊技という遊技者にとって有利ではない遊技が連続して実行された場合の方が、単独で実行される場合よりも遊技者に有利な情報を提供し易くすることができるため、遊技者にとって有利ではない遊技が連続して実行されることを期待させることができるといった斬新な遊技性を提供することができる。なお、本第31制御例では、連続演出を2回の小当たり遊技に跨いで実行するように構成しているが、これに限ることなく、3回以上の小当たり遊技を跨いで実行するように構成しても良い。また、本第31制御例では、連続演出の導入表示を1回目の小当たり変動期間を用いて表示し、1回目の小当たり遊技期間と2回目の小当たり変動期間を用いて今回の連続演出が失敗連続演出であることを報知する結果表示を表示し、2回目の小当たり遊技期間を用いて有利情報(時短継続率に関する情報)を報知する特典表示を実行するように構成しているが、遊技の流れと連続演出の流れとの関係はこれ以外でも良く、複数の小当たり遊技が実行されたことを第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種表示態様によって遊技者が容易に把握させてしまうことを抑制できれば良い。加えて、本第31制御例では、連続演出の実行条件として、連続して小当たり当選したことを実行条件としているが、これに限ることなく、所定期間内に複数回の小当たり当選することが事前判別された場合に連続演出を実行可能に構成しても良く、例えば、特図2保留の上限数である4個の入賞情報に対する事前判別の結果に基づいて連続演出の実行有無を決定可能に構成しても良い。
次に、図1417(a),(b)を参照して、連続演出のうち成功連続演出の演出内容について説明をする。図1417(a)は、連続演出中の2回目に実行される小当たり遊技が時短終了条件が成立する小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技である場合に対応して実行される成功連続演出として1回目の小当たり遊技中に表示される表示画面の一例を示した図であって、図1417(b)は、成功連続演出における2回目の小当たり遊技中に表示される表示画面の一例を示した図である。
次に、図1418(a)を参照して、時短状態中において、時短終了条件が成立する小当たり当選のうち、V大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たり種別の小当たりに当選した場合に実行される演出の内容について説明をする。本第31制御例におけるパチンコ機10は、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄変動回数が特定回数(10000回)に到達した場合に成立する特図変動時短終了条件と、小当たり当選した小当たり種別が特定種別である場合に成立する小当たり時短終了条件と、を設定可能に構成されており、特図変動時短終了条件よりも時短終了条件が成立し易くなるように各終了条件が規定されている。そして、小当たり時短終了条件が成立した場合には、実行される小当たり遊技中に遊技球を特定領域650vへと入球させ易くなり、小当たり遊技終了後にV大当たり遊技を実行可能に構成している。加えて、小当たり時短終了条件が成立する小当たり種別に応じてV大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として、通常状態と時短状態とを含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態が決定されるように構成している。つまり、本第31制御例におけるパチンコ機10では、一旦時短状態が設定された場合には、時短終了条件が成立する小当たり種別として、V大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が通常状態となる小当たり種別の小当たり当選した場合に時点状態(連チャン状態)が終了し、通常の遊技へと以降するように構成されている。このように構成することで、時短状態中の遊技を実行している遊技者に対して少なくとも1回のV大当たり遊技を提供することができるため、時短状態が設定されたにも関わらず何の恩恵(大当たり遊技等)も受けることなく時短状態が終了してしまい遊技意欲が低下するといった事態が発生することを抑制することができる。一方で、時短状態中に実行された第2特別図柄抽選で小当たり当選し、当選した小当たりに基づいてV大当たり遊技が実行される遊技の流れとなった場合であっても、V大当たり遊技後に通常状態が設定される可能性があるため、V大当たり遊技が実行された場合であっても遊技者に安心して遊技を行わせ難いという課題も存在する。そこで、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短終了条件が成立する小当たりに当選した場合、その小当たり変動中に時短状態が継続するV大当たり遊技が実行されるか、時短状態が継続しないV大当たり遊技が実行されるかを遊技者に報知するための変動演出を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に安心してV大当たり遊技を実行させることができる。
具体的には、図1418(a)に示した通り、時短終了条件が成立し、且つ、V大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たり(不利小当たり)に当選した場合には、キャラクタ801が敵キャラ802に攻撃を行う演出(図1413(a)参照)が実行された後に、キャラクタ801が敗北する演出結果が表示され、副表示領域Dsに「少年が負けた、バトル終了ボーナス確定」の文字が表示される。これにより、今回当選した小当たりが不利小当たりであることを遊技者に把握させることができる。図1418(a)に示した表示画面が表示された後は、遊技状態として通常状態が設定され、バトル終了ボーナスとして、特定領域650vへと遊技球を入球させることが可能な小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技中に遊技球を特定領域650vへと入球させることでV大当たり遊技が実行される。なお、上述した通り、本第31制御例におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中の遊技状態が通常状態である場合の方が、時短状態である場合よりも小当たり遊技中に遊技球を特定領域650vへと入球させ易くなるように構成しており、不利小当たり当選した場合には、小当たり遊技が開始される時点で通常状態となっているため、図1418(a)に示した表示画面が表示された後に実行される小当たり遊技中に遊技球を特定領域650vへと入球させない遊技を行った場合には、単にV大当たり遊技が実行されること無く通常状態中の遊技が再開されることになり、正常に不利小当たり当選に対応する遊技を行った場合よりも不利な遊技が行われることになる。よって、遊技者が正常ではない遊技を行うことを抑制することができる。
次に、図1418(b),図1419(a)を参照して、通常状態中に第2特別図柄抽選が実行される場合の演出の内容について説明をする。図1418(b)は、時短状態中に獲得した特図2保留を獲得している状態で通常状態が設定されたことによって、通常状態中に第2特別図柄抽選が実行された場合に表示される演出モード「引き戻しモード」中の表示画面の一例を示した図である。
次に、図1420、及び図1421を参照して、本第31制御例における遊技状態の遷移内容について説明をする。図1420、及び図1421は、本第31制御例における遊技状態の遷移内容を模式的に示した図である。なお、図示されている各種内容については、後述する電気的構成にて説明しているため、その詳細な説明を省略する。
<第31制御例における電気的構成について>
次に、図1422を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図1422は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本第31制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成の一部と、を異ならせている。さらに、主制御装置110の入出力ポート205に接続される各種スイッチ208に含まれる構成やソレノイド209に含まれる構成の内容を変更している点で相違している。
図1422に示した通り、本第31制御例におけるパチンコ機10では、各種スイッチ208として少なくともV入賞検知スイッチ650s、V流路通過スイッチ208a、V通過スイッチ208bを有している。なお、それ以外の各種スイッチ208(例えば、第1入球手段64へと遊技球が入球したことを検知可能なスイッチや、第2入球手段640へと遊技球が入球したことを検知可能なスイッチ等)、即ち、上述した第1制御例におけるパチンコ機10と同様のスイッチ(検知手段)についてはその説明を省略する。
V入賞検知スイッチ650sは、第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球を検知するための検知手段であって、図1408(b)を参照して上述した通り、第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球が流下可能な第1誘導路650t1から排出された遊技球を検知するものである。このV入賞検知スイッチ650sが遊技球を検知した際に出力される検知信号は、入出力ポート205を介して主制御装置110が受信し、検知信号を受信したことを示す情報に基づいて後述する小当たり制御処理(図1430のS1805F参照)のS2810Fの判別が実行され、V入賞検知スイッチ650sが第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球を検知したことを示す情報を有していると判別した場合は(S2810F:Yes)、後述するVアタッカー入賞処理(図1431のS2811F参照)が実行され、入賞個数カウンタ203fgの値を1加算する処理(図1431のS2902F)が実行される。本第31制御例では、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと4個目の遊技球が入賞したことに基づいて流路ソレノイド209aをオンに設定する処理(図1431のS2904F)を実行することで、第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球をV流路650c2へと流下させるために切替弁650bを作動させるように構成している。よって、V入賞検知スイッチ650sは、小当たり遊技中に遊技球を特定領域(Vゲート)650vへと通過させる状況を創出させるために必要となる情報を検知可能な検知手段となる。
V流路通過スイッチ208aは、切替弁650bが作動した場合に遊技球が流下可能となる流路(V流路650c2)を遊技球が通過したことを検知可能な検知手段であって、V通過スイッチ208bは、遊技球が特定領域(Vゲート650v)を通過したことを検知可能な検知手段である。何れのスイッチも所定の流路を流下している遊技球を非接触で検知可能な近接センサで構成されている。そして、V流路通過スイッチ208aが遊技球を検知した場合に出力される検知信号、及び、V通過スイッチ208bが遊技球を検知した場合に出力される検知信号も主制御装置110の入出力ポート205へと出力され、主制御装置110のMPU201にて実行されるタイマ割込処理(図1416参照)にて実行されるV入口通過処理(図1425のS110F参照)、及びV通過処理(図1426のS111F参照)において用いられる。具体的には、V入口通過処理(S110F)において、V流路通過スイッチ208aから検知信号が出力されたか(球通過センサがオンであるか)が判別される(S2601F)。S2601Fの処理において球通過センサがオンである(V流路検知スイッチ208aが遊技球を検知した)と判別された場合は(S2601F:Yes)、現在がV流路650c2を遊技球が通過可能な状況(V入賞口開放期間中)であるかが判別され(S2602F)、V入賞口開放期間中であると判別された場合は(S2602F:Yes)、適正なV入口通過と判定しV入口通過コマンドを設定する処理(S2603F)が実行される。一方、S2602Fの処理において、V入賞口開放期間中では無いと判別した場合は(S2602F:No)、現在がV流路650c2を遊技球が通過可能な状況では無いにも関わらずV流路650c2を遊技球が流下している状況であると判定され、エラーコマンドが設定される(S2604F)。
また、V通過処理(図1426のS111F)では、V通過スイッチ208bから検知信号が出力されたか(V通過ありか)の判別(S2702F)が実行され、V通過ありと判別された場合に(S2702F:Yes)、V通過を適正に処理可能な期間(V有効期間)であるかが判別され(S2703F)、V有効期間であると判別された場合には(S2703F:Yes)、V通過に基づく処理(V大当たり遊技を実行するための処理)が実行され、V有効期間では無いと判別された場合には(S2703F:No)、適正では無いV通過であると判定し、エラーコマンドを設定する処理が実行される。このように、小当たり遊技中に開放制御される第2可変入賞装置650内における遊技球の流下状況を複数の検知手段(検知スイッチ)を用いて監視するように構成することで、不正にV大当たり遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、同一種別の小当たり遊技が実行される場合であっても小当たり遊技中に設定されている遊技状態に応じてV大当たり遊技の実行のし易さを異ならせることができるように構成しているが遊技状態に関わらず小当たり遊技にV有効期間が設定されるように構成している。このように構成することで、V大当たり遊技を実行させ難い遊技状態(時短状態)中であっても第2可変入賞装置650へと遊技球を所定個数(4個)入賞させることでV大当たり遊技を実行させることができるため遊技者の遊技意欲を著しく低下させてしまうことを抑制することができる。なお、これに限ることなく、V大当たり遊技を実行させ易い遊技状態(通常状態)中のみV有効期間期間が設定されるように構成しても良い。
流路ソレノイド209aは、第2可変入賞装置650内に設けられた切替弁650bを作動させるための駆動手段であって、切替弁650bを作動させる場合にオンに設定される。この流路ソレノイド209aは、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと4個目の遊技球が入賞したと判別された場合にオンに設定され、小当たり遊技が終了した場合にオフに設定される。
<第31制御例における電気的構成について>
次に、図1423から図1428を参照して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の構成について説明をする。図1423は、本第31制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成を模式的に示した図である。図1423に示した通り、本第31制御例のパチンコ機10におけるROM202は、上述した第1制御例のパチンコ機10におけるROM202(図23(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aに代えて第1当たり乱数テーブル202faを、第2当たり乱数テーブル202cに代えて第2当たり乱数テーブル202fcを、変動パターン選択テーブル202bに代えて変動パターン選択テーブル202fbを、第1当たり種別選択テーブル202dに代えて第1当たり種別選択テーブル202fdを設けた点で相違している。また、新たに時短付与テーブル202feを追加している点で相違している。それ以外は同一であり、同一の要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、図1424(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル202faの内容について説明をする。図1424(a)は、第1当たり乱数テーブル202faに規定されている内容を模式的に示した図であって、上述した第1当たり乱数テーブル202a(図24(a)参照)に対して、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に対応する特別図柄抽選の結果を異ならせている点で相違している。本第31制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に対して、特別図柄の確率状態が変更されないように構成しており、常に通常確率(低確率)で特別図柄抽選が実行される点と、第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果として、大当たりとは異なる小当たりに当選し得るように構成している点で相違している。具体的には、特別図柄の図柄種別が第1特別図柄に対しては、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~4」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、「5~999」の範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されており、図柄種別が第2特別図柄に対しては、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~4」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、「800」~「900」の範囲に対して抽選結果「小当たり」が、「5~799」の範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲は「0~999」の1000通りであって、特別図柄の図柄種別に関わらず特別図柄の低確率状態中に大当たりと判定される値が「0~4」の5通りであるため、特別図柄の低確率状態にて実行される特別図柄抽選の結果が大当たりと判定される確率は5/1000(約1/200)となる。また、第2特別図柄抽選で小当たりと判定される値が「800~999」の200通りであるため、特別図柄の低確率状態にて実行される第2特別図柄抽選の結果が小当たりと判定される確率は200/1000(約1/5)となる。
次に、図1424(b)を参照して、第2当たり乱数テーブル202fcの内容について説明をする。図1424(b)は、第2当たり乱数テーブル202fcに規定されている内容を模式的に示した図である。図1424(b)に示した通り、第2当たり乱数テーブル202fcは、上述した第1制御例における第2当たり乱数テーブル202cに対して、普通図柄抽選で当たり当選と判定される第2当たり乱数カウンタC4の値を異ならせている点で相違している。本第31制御例におけるパチンコ機10は、普通図柄の確率状態が変更されないように構成しており、どの遊技状態が設定されている場合であっても普通図柄の通常確率(低確率)で当たり抽選が実行されるように構成している点で上述した第1制御例と相違している。具体的には、取得した第2当たり乱数カウンタC4の値が「0~298」の範囲に対して抽選結果「当たり」が規定されており。「299」の値に対して抽選結果「外れ」が規定されている。第2当たり乱数カウンタC4の値が取り得る範囲は「0~299」の300通りであって、普通図柄抽選で当たりと判定される値が「0~298」の299通りであるため、普通図柄抽選の結果が当たりと判定される確率は299/300となる。また、普通図柄抽選で外れと判定される値が「299」の1通りであるため、普通図柄抽選の結果が外れとなる確率は1/300となる。
上述した通り、本第31制御例におけるパチンコ機10は、特別図柄抽選の確率状態、及び、普通図柄抽選の確率状態が変化されないように構成している。このように構成することで、主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理を、各図柄の確率状態に応じて異ならせて実行する必要が無くなるため、主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理の処理負荷を軽減することができる。また、詳細な説明は後述するが、本第31制御例におけるパチンコ機10では、遊技状態として、通常状態と、時短状態とを設定可能に構成しており、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、特別図柄抽選と普通図柄抽選とが同一確率で実行されるように構成している。そして、時短状態が設定されている場合の方が、通常状態が設定されている場合よりも、普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄の変動時間として短い時間(0.2秒)が設定されるように構成しており、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される普図当たり遊技の遊技内容として通常状態が設定されている場合よりも時短状態が設定されている場合の方が遊技球を第2入球口640へと入球させ易くなるように電動役物640aを作動させる普図当たり遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、普通図柄の確率状態を変更すること無く設定されている遊技状態に応じて第2入球口640への遊技球の入球のし易さを異ならせることができるため、結果として、遊技状態に応じて第2特別図柄抽選の実行のし易さを異ならせることができる。なお、本第31制御例においても、上述した第1制御例と同様に、特別図柄抽選の確率状態や、普通図柄抽選の確率状態として2つ以上の確率状態を設定可能に構成し、異なる確率状態を設定することによって第2特別図柄抽選の実行のし易さを設定されている遊技状態に応じて異ならせるように構成しても良い。
次に、図1424(c)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202fdの内容について説明をする。図1424(c)は、第1当たり種別選択テーブル202fdに規定されている内容を模式的に示した図である。図1424(c)に示した通り、第1当たり種別選択テーブル202fdには、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に参照される特図1大当たり用テーブル202fd1と、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に参照される特図2大当たり用テーブル202fd2と、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に参照される小当たり用テーブル202fd3と、が規定されている。このように構成することで、特別図柄抽選が実行された特別図柄の種別に応じて、大当たり当選した場合に設定される大当たり種別を異ならせたり、特定の大当たり種別が設定される割合を異ならせたりすることができる。
ここで、図1425(a)を参照して、特図1大当たり用テーブル202fd1に規定されている内容について説明をする。図1425(a)は、特図1大当たり用テーブル202fd1に規定されている内容を模式的に示した図である。図1425(a)に示した通り、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり当選した時点における遊技状態に関わらず、2種類の大当たり種別のうち何れかの大当たり種別が選択されるように特図1大当たり用テーブル202fd1の内容が規定されている。具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して、大当たり種別「大当たりA」が、「50~99」の範囲に対して、大当たり種別「大当たりB」が規定されている。つまり、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る範囲が「0~99」の100通りであることから、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、大当たり種別「大当たりA」が選択される割合が50%、大当たり種別「大当たりB」が選択される割合が50%となる。大当たり種別「大当たりA」が設定された場合には、可変入賞装置65を開放制御する大当たり遊技として、4ラウンド(4R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に時短状態(電サポ状態)が設定される。また、大当たり種別「大当たりB」が設定された場合には、可変入賞装置65を開放制御する大当たり遊技として、4ラウンド(4R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定されるように構成している。
つまり、本第31制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず4ラウンドの大当たり遊技が実行され、その後、50%の確率で時短状態が設定されるように構成している。ここで、時短状態が設定された場合には、通常状態中よりも第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができるように構成しており、第2特別図柄抽選は第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利となる抽選が実行されるように構成していることから、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される「大当たりA」は、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されない(通常状態が設定される)「大当たりB」よりも遊技者に有利な大当たり種別となる。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に必ず4ラウンドの大当たり遊技を実行させることで今回の大当たり種別が「大当たりA」であるか「大当たりB」であるかを、大当たり遊技中に遊技者に把握され難くするように構成しているが、これに限ること無く、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に異なるラウンド数の大当たり遊技が実行される大当たり種別が設定されるように特図1大当たり用テーブル202fd1の内容を規定しても良い。また、本第31制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に時短大当たりとなる割合と通常大当たりとなる割合が均等となるように構成しているがこれに限ること無く、通常大当たりよりも時短大当たりとなる割合が高くなるように構成しても良いし、時短大当たりとなる割合が通常大当たりとなる割合よりも高くなるように構成しても良い。加えて、本第31制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技のラウンド数を把握しただけでは大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に予測させ難くすることが可能に構成しているが、これに限ること無く、特定のラウンド数(例えば、7ラウンド)の大当たり遊技が実行されることで大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に容易に予測させることが可能となるように構成しても良い。具体的には、特図1大当たり用テーブル202fd1に規定される内容として、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別に対してのみ特定のラウンド数(例えば、7ラウンド)の大当たり遊技が実行される情報が規定されるように構成すれば良い。このように構成することで、大当たり遊技の遊技内容によって大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
次に、図1425(b)を参照して、特図2大当たり用テーブル202fd2の内容について説明をする。図1425(b)は、特図2大当たり用テーブル202fd2に規定されている内容を模式的に示した図である。図1425(b)に示した通り、特図2大当たり用テーブル202fd2には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0~99」の全範囲に対して、大当たり遊技終了後に時短状態(時短A)が設定される10R(ラウンド)大当たりが実行される「大当たりC」が大当たり種別として規定されている。つまり、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、ラウンド数が多い(賞球を多く得やすい)大当たり遊技、即ち、遊技者に有利な大当たり遊技が実行され易くなるように構成しており、さらに、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも大当たり遊技終了後に時短状態が設定され易くなるように構成している。よって、本第31制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が遊技者に有利な特典(大当たり遊技や遊技状態)が付与されるため、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が遊技者に有利な抽選といえる。
なお、詳細な説明は後述するが、図1109(b)に示した通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、時短状態の種別(時短種別)として「時短A」が設定されるように構成している。この「時短A」は複数の時短種別の中でも比較的遊技者に有利な時短種別であって、上述した第1特別図柄抽選で時短大当たりに当選した場合に設定される時短種別「時短E」よりは有利な時短種別となるように構成している。つまり、本第31制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選で時短大当たりに当選した場合よりも、第2特別図柄抽選で時短大当たりに当選した場合の方が、遊技者に有利な時短状態を提供し易くすることができる。
ここで、本第31制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選の抽選結果が大当たり又は外れの2種類であるのに対して、第2特別図柄抽選の抽選結果は大当たり、外れに加えて小当たりの3種類であり、しかも、第1特別図柄抽選で大当たり当選する確率と第2特別図柄抽選で大当たり当選する確率とが同一となるように構成している。さらに、第2特別図柄抽選で小当たり当選する確率(約1/5)が、第2特別図柄抽選で大当たり当選する確率(約1/200)よりも高確率となるように構成している。そして、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に特定条件が成立した(特定領域へと遊技球を通過させた)ことに基づいて小当たり遊技終了後に大当たり遊技を実行させることが可能に構成している。つまり、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とでは、抽選結果が大当たり当選となる確率は同一であるが、1回の特別図柄抽選の結果に基づいて大当たり遊技が実行され得る確率が異なるように構成している。よって、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が、大当たり遊技が実行され易い有利抽選であると言える。
次に、図1425(c)を参照して、小当たり用テーブル202fd3の内容について説明をする。図1425(c)は、小当たり用テーブル202fd3に規定されている内容を模式的に示した図である。この小当たり用テーブル202fd3は、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で小当たり当選した場合に設定される小当たり種別を決定する際に参照されるデータテーブルである。図1425(c)に示した通り、小当たり用テーブル202fd3には全部で12種類の小当たり種別(小当たりA1~小当たりZ)が規定されており、取得した小当たり種別カウンタC5の値に応じて異なる小当たり種別が選択されるように構成している。具体的には、取得した小当たり種別カウンタC5の値が「0~9」の範囲に対して小当たり種別「小当たりA1」が、「10~17」の範囲に対して小当たり種別「小当たりA2」が、「18~29」の範囲に対して小当たり種別「小当たりB1」が、「30~59」の範囲に対して小当たり種別「小当たりB2」が、「60~239」の範囲に対して小当たり種別「小当たりC」が、「240~419」の範囲に対して小当たり種別「小当たりD」が、「420~499」の範囲に対して小当たり種別「小当たりE」が、「500~579」の範囲に対して小当たり種別「小当たりF」が、「580~779」の範囲に対して小当たり種別「小当たりG」が、「780~899」の範囲に対して小当たり種別「小当たりH」が、「900~979」の範囲に対して小当たり種別「小当たりI」が、「980~999」の範囲に対して小当たり種別「小当たりZ」が、それぞれ規定されている。小当たり種別カウンタC5が取り得る値は「0~999」の合計1000個であることから、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりA1」が選択される確率は10/1000の1%で、第2特別図柄抽選で小当たり当選する確率は1/5であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりA1」の小当たりに当選する確率は1%×1/5の0.2%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりA2」が選択される確率は8/1000の0.8%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりA2」の小当たりに当選する確率は0.8%×1/5の0.16%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりB1」が選択される確率は12/1000の1.2%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりB1」の小当たりに当選する確率は1.2%×1/5の0.24%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりB2」が選択される確率は30/1000の3%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりB2」の小当たりに当選する確率は3%×1/5の0.6%となる。
さらに、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりC」が選択される確率は180/1000の18%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりC」の小当たりに当選する確率は18%×1/5の3.6%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりD」が選択される確率は180/1000の18%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりD」の小当たりに当選する確率は18%×1/5の3.6%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりE」が選択される確率は80/1000の8%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりE」の小当たりに当選する確率は8%×1/5の1.6%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりF」が選択される確率は80/1000の8%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりF」の小当たりに当選する確率は8%×1/5の1.6%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりG」が選択される確率は70/1000の7%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりG」の小当たりに当選する確率は7%×1/5の1.4%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりH」が選択される確率は120/1000の12%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりH」の小当たりに当選する確率は12%×1/5の2.4%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりI」が選択される確率は80/1000の8%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりI」の小当たりに当選する確率は8%×1/5の1.6%となる。最後に、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりZ」が選択される確率は20/1000の2%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりZ」の小当たりに当選する確率は2%×1/5の0.4%となる。
また、図1425(c)に示した通り、小当たり用テーブル202fd3には、各小当たり種別に対して、小当たり遊技中に実行条件が成立した(特定領域を遊技球が通過した)場合に実行される大当たり遊技(V通過時大当たり)の種別(大当たり情報)が規定されている。具体的には、「小当たりA1」、及び「小当たりA2」に対しては、10R(ラウンド)大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に「時短A」の時短状態が設定される大当たり情報が規定されており、「小当たりB1」、及び「小当たりB2」に対しては、10R(ラウンド)大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に「時短B」の時短状態が設定される大当たり情報が規定されており、「小当たりC」に対しては、7R(ラウンド)大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に「時短C」の時短状態が設定される大当たり情報が規定されており、「小当たりD」に対しては、7R(ラウンド)大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に「時短E」の時短状態が設定される大当たり情報が規定されており、「小当たりE」に対しては、4R(ラウンド)大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に「時短D」の時短状態が設定される大当たり情報が規定されており、「小当たりF」に対しては、4R(ラウンド)大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に「時短E」の時短状態が設定される大当たり情報が規定されており、「小当たりG」に対しては、7R(ラウンド)大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される大当たり情報が規定されており、「小当たりH」、及び「小当たりI」に対しては、4R(ラウンド)大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される大当たり情報が規定されており、「小当たりZ」に対しては、2R(ラウンド)大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に「時短Z」の時短状態が設定される大当たり情報が規定されている。
つまり、小当たり遊技中に成立した大当たり遊技の実行条件に基づいて大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行される場合は、60/1000(6%)の割合で10R(ラウンド)の大当たり遊技が実行され、560/1000(56%)の割合で7R(ラウンド)の大当たり遊技が実行され、360/1000(36%)の割合で4R(ラウンド)の大当たり遊技が実行され、20/1000(2%)の割合で2R(ラウンド)の大当たり遊技が実行されるように構成している。よって、V大当たり遊技が実行される場合には7R(ラウンド)の大当たり遊技が最も実行され易く、次いで、4R(ラウンド)の大当たり遊技が実行され易く、次に、7R(ラウンド)の大当たり遊技が実行され易く、2R(ラウンド)の大当たり遊技が最も実行され難い大当たり遊技となるように構成している。このように、V大当たり遊技が実行される場合には特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技(図柄大当たり遊技)が実行される場合よりもラウンド遊技のバリエーションを増加させるように構成することで、V大当たり遊技に対する興味をより高めることができる。
また、V大当たり遊技が実行される場合の700/1000(70%)の割合で大当たり遊技終了後に時短状態が設定され、300/1000(30%)の割合で大当たり遊技終了後に通常状態が設定されるように構成している。つまり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される確率が、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合(50%で時短状態が設定される)よりも高く、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合(100%で時短状態が設定される)よりも低くなるように構成している。ここで、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短状態が設定されている場合に主として第2特別図柄抽選が実行されるように構成しており、第2特別図柄抽選では、1/5の確率で小当たりに当選し、1/200の確率で大当たりに当選する抽選が実行されるように構成している。よって、例えば、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たりよりも先に大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技(図柄大当たり遊技)の終了後に必ず時短状態が設定される一方、大当たりよりも先に小当たりに当選し、V大当たり遊技が実行された場合には、設定された小当たり種別に応じて大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される可能性がある遊技性となるため、時短状態中の遊技を行っている遊技者に対して、高確率で当選する小当たりよりも先に低確率で当選する大当たりに当選することを目指す遊技を行わせることができる。
また、本第31制御例におけるパチンコ機10にて設定される時短状態は、時短状態中に実行される特別図柄変動の回数が10000回に到達した場合、或いは、第2特別図柄抽選で特定の小当たりに当選した場合に終了するように構成している。つまり、本第31制御例におけるパチンコ機10は、実質的に時短状態中に何らかの当たり(大当たり、小当たり)に当選すること無く時短状態の終了条件が成立し難くなるように構成しているため、時短状態中に実行された第2特別図柄抽選にて小当たり当選することによって時短状態が終了し、時短状態が終了した状態で実行される小当たり遊技中に実行条件を成立させ(特定領域を遊技球が通過させ)、V大当たり遊技を目指す遊技を遊技者に行わせ易くすることができる。よって、時短状態を遊技している遊技者に対する遊技意欲を高めることができる。
以上、説明をした通り、本第31制御例におけるパチンコ機10では、小当たり用テーブル202fd3を参照して12種類の小当たり種別の中から1の小当たり種別を決定可能に構成し、決定された小当たり種別に対応させて、V大当たり遊技の内容や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態、又は、時短状態が設定される場合における時短種別が決定されるように構成している。このように構成することで、時短状態を遊技している遊技者に対して、V大当たり遊技が実行されること無く時短状態が終了してしまうことを抑制すると共に、V大当たり遊技の実行契機となる小当たり種別に応じてV大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。さらに、設定されている時短種別に応じて、時短終了条件が成立する小当たり種別(V大当たり遊技の実行契機を成立させることが可能となる小当たり種別)を異ならせるように構成しているため、設定されている小当たり種別に応じて、V大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たり種別に対応する小当たりに当選した場合に時短終了条件が成立する(V大当たり遊技の実行契機が成立し易い)小当たり種別と、時短終了条件が成立しない(V大当たり遊技の実行契機が成立し難い)小当たり種別と、を設けることができる。よって、設定される時短状態の種別(時短種別)に応じて、V大当たり遊技終了後に再度時短状態が設定される割合(時短継続率)を異ならせることができる。なお、詳細な説明は後述するが、本第31制御例におけるパチンコ機10では、設定される時短種別に応じて4種類の時短継続率が設定されるように構成しており、具体的には、最低継続率が58%、最高継続率が100%となるように構成している。このように構成することで、設定される時短種別に応じて時短継続率を異ならせることができるため、時短状態中の遊技を行っている遊技者に対して様々な遊技性の遊技を行わせることができる。また、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短状態中に実行される演出として、現在設定されている時短種別に対応する時短継続率を遊技者に予測させることが可能な態様を含む演出を実行するように構成している。よって、時短状態中の遊技を行っている遊技者に対して、時短継続率を予測させるという新たな楽しみを提供することができる。
加えて、時短継続率が100%の時短種別を複数種類設けており、設定される時短種別に応じて、100%の時短継続率が連続して設定される回数を異ならせることができるように構成している。具体的には、特定の時短種別(例えば、時短A)が設定された場合には、少なくともV大当たり遊技終了後に時短継続率100%の時短状態(例えば、時短A、又は時短B)が設定されるように構成している。つまり、設定されている時短種別に応じて、複数回の大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行されることが実質的に確定する時短状態を設定可能に構成している。このように1の時短状態における時短継続率だけで無く、連続して設定される複数の時短状態における時短継続率まで時短種別によって決定可能に構成することで、大当たり遊技(V大当たり遊技)を跨いで連続して設定される時短状態の種別に対して一定のシナリオ(時短シナリオ)を持たせることが可能となるため、例えば、低い時短継続率の時短状態が設定されている状況で時短状態を継続させた場合には、次は時短継続率が高い時短状態を設定する時短シナリオや、低い時短継続率の時短状態を複数回継続させた場合には、時短継続率が高い時短状態が複数回連続して設定される時短シナリオや、高い時短継続率の時短状態が所定回数(5回)継続した後に低い時短継続率の時短状態が連続して設定される時短シナリオといった様々な時短シナリオを決定することを可能にすることができる。よって、決定される時短シナリオに応じて、時短状態中の遊技を長時間行っている遊技者に対して、飽きの来ない遊技を提供可能にしたり、時短状態が設定されたにも関わらず短時間で時短状態が終了してしまうことを抑制したりすることができる。
次に、図1426(a)を参照して、主制御装置110のROM202が有する変動パターン選択テーブル202fbの詳細な内容について説明をする。図1426(a)は、変動パターン選択テーブル202fbに規定されている内容を模式的に示した図である。変動パターン選択テーブル202fbは、上述した第1制御例におけるパチンコ機10が有する変動パターン選択テーブル202b(図26参照)と同様に、取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて特別図柄抽選の変動パターン(変動時間)を決定する際に参照されるデータテーブルであって、図1426(a)に示した通り、設定されている遊技状態に応じたデータテーブルとして、通常用テーブル202fb1、時短用第1テーブル202fb2、時短用第2テーブル202fb3とが規定されている。まず、図1426(b)を参照して、通常用テーブル202fb1の内容について説明をする。図1426(b)は、通常用テーブル202fb1に規定されている内容を模式的に示した図である。この通常用テーブル202fb1は、遊技状態として通常状態(非電サポ状態)が設定されている状態で実行された特別図柄抽選の変動パターンを決定する際に参照されるデータテーブルである。
図1110(b)に示した通り、通常用テーブル202fb1には、特別図柄の種別と、特別図柄抽選の結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値とに応じて異なる変動パターンが規定されている。具体的には、特別図柄の図柄種別が特図1(第1特別図柄)であって、抽選結果(特別図柄抽選の結果)が当たり(大当たり)の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~19」の範囲に対して、変動時間が30秒の変動パターン「ノーマル」が、「20~169」の範囲に対して、変動時間が60秒の変動パターン「スーパー」が、「170~198」の範囲に対して、変動時間が90秒の変動パターン「SP」が規定されており、抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~179」の範囲に対して、変動時間が8秒の変動パターン「外れ」が、「180~198」の範囲に対して、変動時間が30秒、60秒、90秒のうち何れかとなる変動パターン「各種リーチ外れ」が規定されている。つまり、通常状態(非電サポ状態)中に主として実行される第1特別図柄抽選(特図1抽選)では、変動時間が最大で90秒の変動パターンが決定される遊技、即ち、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の回数が比較的少ない遊技が実行されることになる。このように構成することで、時短状態(電サポ状態)中における第2入球口640よりも遊技球を入球させ難い第1入球口64へと遊技球を入球させることで実行契機が成立する特図1抽選が主として実行される通常状態において、短い変動時間の変動パターンが設定されることで特別図柄変動が実行されていない期間が頻繁に発生してしまうことを抑制することができる。また、特図1抽選で大当たり当選した場合よりも、外れの場合の方が短い変動時間(8秒)の変動パターンが設定され易くなるように構成している。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果が外れである場合に無用に長い変動時間の変動パターンが頻繁に設定されてしまい、特別図柄抽選を効率良く実行させることが出来なくなるといった不具合を解消することができる。また、長い変動時間の特別図柄変動が実行された場合の方が、短い変動時間の特別図柄変動が実行された場合よりも当たり当選している可能性を高めることができるため、特別図柄変動が開始されてから終了するまでの間、長い変動時間で特別図柄変動が実行されることを期待させながら遊技者に遊技を楽しませることができる。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、図1426(b)に示した通り、第1特別図柄抽選で当たり当選した場合に選択され得る変動時間(30秒、60秒、90秒)が外れの場合にも選択され得るように構成することで、変動時間が8秒を超えた時点においては、変動時間の長さによって特別図柄抽選の結果を遊技者に把握できないようにしているが、これに限ること無く、第1特別図柄抽選で当たり当選した場合のみ選択され得る変動時間の変動パターンを設けても良く、この場合、第1特別図柄抽選で外れとなった場合に選択され得る最も長い変動時間よりも長い変動時間の変動パターンを当たり当選した場合に選択可能に構成すると良い。このように構成することで、実行中の特別図柄変動の変動時間が外れの場合に選択され得る最も長い変動時間よりも長くなった時点で、特別図柄変動が停止表示するよりも前に当たり当選したことを遊技者に認識させることができるため、遊技者に対して特別図柄変動の変動時間に対しても興味を持たせることができる。さらに、本制御例では特別図柄の抽選結果に関わらず共通の変動時間の変動パターンを決定可能に構成することで特別図柄変動が停止表示するよりも前に遊技者に特別図柄抽選の結果を把握させ難くするように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄変動に対応して第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出のうち、抽選結果を示すための演出結果が導入されるまでの期間における変動演出の演出態様として抽選結果に関わらず共通の演出態様を設定可能に構成することで変動演出を注視している遊技者に特別図柄抽選の結果を把握させ難くしていれば、演出結果が導入された後の変動演出の演出期間を異ならせても良い。このように構成することで、特別図柄抽選で当たり当選した場合と、外れの場合とで、異なる変動時間の長さを選択可能に構成したとしても、演出結果が導入されるまでの演出期間において同一態様の変動演出が実行されるため、特別図柄抽選の結果を遊技者に早期に把握されてしまうことを抑制することができる。また、演出結果(特別図柄抽選の結果)が報知された後の演出期間の長さを特別図柄抽選の結果に応じて異ならせることができるため演出効果を高めることができる。
図1426(b)に戻り、通常状態における第2特別図柄(特図2)抽選に対応する変動パターンについて説明をする。本第31制御例では、図1407に示した通り、通常状態(非電サポ状態)中に右打ち遊技を行ったとしても、第2入球口640へと遊技球を入球させることができない(困難)構成で遊技盤13が形成されているため、ここでは、時短状態(電サポ状態)中に獲得した第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)を用いた第2特別図柄抽選が通常状態にて実行された場合に決定される変動パターンが規定されている。つまり、図1418(b)に示した引き戻しモード中に実行される特図2変動の変動パターンを決定する際に参照される変動パターンが規定されている。具体的には、特別図柄の図柄種別が特図2(第2特別図柄)であって、抽選結果(特別図柄抽選の結果)が大当たりの場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動時間が10秒の変動パターン「大当たり」が、抽選結果(特別図柄抽選の結果)が小当たりの場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動時間が10秒の変動パターン「小当たり」が、抽選結果(特別図柄抽選の結果)が外れの場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動時間が10秒の変動パターン「外れ」が、それぞれ規定されている。つまり、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄抽選では、抽選結果に関わらず同一の変動時間(10秒)の変動パターンが必ず選択されるように構成している。このように構成することで、特別図柄変動の変動時間によって特別図柄抽選の結果を遊技者に把握されてしまうことを防ぐことができるため、遊技者に対して変動演出(引き戻しモード中の演出)に対して興味を持たせ易くすることができる。
また、通常状態における第2特別図柄抽選という特定の条件下でのみ実行される特別図柄抽選において、複数種類の変動パターン(変動時間)を設けること無く特定の変動パターン(10秒の変動時間)のみを設けるように構成しているため、通常状態における第2特別図柄抽選という特定の条件下で実行される演出(引き戻しゾーン中の演出)に対して演出期間の異なる演出パターンを無用に用意する必要が無くなり、演出データを削減することができる。また、特定の変動パターン(10秒の変動時間)に対する演出のバリエーションのみを増加させることができるため、演出データの莫大な増加を抑えつつも演出効果を高めることができる。
次に、変動パターン選択テーブル202fbが有する時短用第1テーブル202fb2、及び時短用第2テーブル202fb3の内容について説明をする。上述した通り、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短状態中に参照されるデータテーブルを2種類(時短用第1テーブル202fb2、時短用第2テーブル202fb3)有しており、設定されている時短種別に対応したデータテーブルを参照して特別図柄の変動パターンが選択されるように構成している。詳細な説明は後述するが、時短用第1テーブル202fb2に規定されている各種変動パターンと、時短用第2テーブル202fb3に規定されている各種変動パターンとのうち、第1特別図柄(特図1)変動に対応して規定されている変動パターンは同一内容であり、時短状態中に主として実行される第2特別図柄(特図2)変動に対して規定されている変動パターンの内容(変動時間)を異ならせている。このように構成することで、設定されている時短種別に応じて第2特別図柄変動の変動時間を異ならせることができるため、単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行回数を時短種別によって異ならせることができる。なお、本第31制御例では、複数の時短種別のうち、時短継続率が高確率(100%)となる時短種別(時短A1,B1,Z)が設定されている場合に短い変動時間が選択され易い時短用第2テーブル202fb3を参照して変動パターンが決定されるように構成している。このように構成することで、実行される大当たり遊技の種別が時短大当たり遊技となる時短状態(時短継続率が100%の時短状態)において、次の大当たり遊技が実行されるまで(大当たり遊技の実行条件が成立し得る小当たりに当選するまで)の期間を短くすることができる。一方、時短継続率が100%よりも低い時短状態(例えば、時短継続率74%)では、第2特別図柄の変動パターンとして時短用第2テーブル202fb3よりも長い変動時間の変動パターンが規定されている時短用第1テーブル202fb2を参照して変動パターンが決定されるように構成している。このように構成することで、時短状態中における第2特別図柄抽選による小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技が、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される通常大当たり遊技となるか、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される時短大当たり遊技となるかを報知するための変動演出を長い時間(第2特別図柄の変動時間)を用いて実行することができるため、演出効果を高めることができる。
まず、図1427(a)を参照して、時短用第1テーブル202fb2に規定されている内容について説明をする。図1427(a)は、時短用第1テーブル202fb2に規定されている内容を模式的に示した図である。この時短用第1テーブル202fb2は、時短種別として、時短A2、時短B2、時短C~時短Eが設定されている時短状態にて実行される特別図柄変動の変動パターンを決定する際に参照されるデータテーブルであって、図柄種別(特別図柄種別)、抽選結果、取得した変動種別カウンタCS1の値に対応させて異なる変動パターンが規定されている。具体的には、図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」で、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動時間が「1秒」の変動パターン「短大当たり」が、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動時間が「1秒」の変動パターン「短小当たり」が、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動時間が「1秒」の変動パターン「短外れ」が規定されている。つまり、時短状態にて第1特別図柄抽選が実行される場合、例えば、通常状態にて獲得した第1特別図柄の保留記憶を保持している状態で大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合(第1特別図柄抽選よりも優先して実行される第2特別図柄抽選の実行権利を獲得していない状況が生じることで保留記憶している第1特別図柄抽選が実行される場合)における第1特別図柄変動の変動時間を抽選結果に関わらず一定(1秒)にすることができる。このように構成することで、時短状態中に実行される第1特別図柄変動に対応して実行される変動演出のうち、演出結果が表示されるまでの演出態様(演出期間を含む)を、第1特別図柄抽選の結果に関わらず同一態様とし、演出結果のみを第1特別図柄抽選の結果に応じた演出態様(停止表示される第3図柄の停止表示態様等)とすれば良くなるため、変動演出を実行するための演出データの容量を削減することができる。
一方、図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」で、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動時間が「5秒」の変動パターン「短変動」が規定され、抽選結果が「小当たりA」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が「15秒」の変動パターン「小当たり」が、「150~198」の範囲に対して、変動時間が「0.5秒」の変動パターン「超短小当たり」が規定され、抽選結果が「小当たりB,C」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~169」の範囲に対して、変動時間が「15秒」の変動パターン「小当たり」が、「170~198」の範囲に対して、変動時間が「0.5秒」の変動パターン「超短小当たり」が規定されている。また、抽選結果が「小当たりD,E,F,G,H,I,Z」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動時間が「20秒」の変動パターン「小当たり」が、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が「3秒」の変動パターン「短外れ」が、「150~194」の範囲に対して、変動時間が「15秒」の変動パターン「外れ」が、「195~198」の範囲に対して、変動時間が「10秒」の変動パターン「特殊外れ」がそれぞれ規定されている。
上述した通り、時短用第1テーブル202fb2を参照して変動パターンが決定される時短状態(時短A2、時短B2、時短C~時短E)では、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合において選択される変動パターンの種別を、当選した小当たりの種別(小当たり種別)に応じて異ならせるように構成しており、具体的には、小当たり当選に基づいて大当たり遊技の実行条件が成立した場合において、比較的ラウンド数が多い大当たり遊技が実行される小当たり種別(小当たりA,B,C)に当選した場合には、他の小当たり種別に当選した場合とは異なる変動時間(0.5秒、又は15秒)の変動パターンが選択されるように構成し、且つ、第2特別図柄抽選の結果が外れである場合にも小当たりA,B,Cに当選した場合に選択され得る変動時間(15秒)の変動パターンが選択されるように構成している。このように構成することで、特別図柄の変動時間に対応させて実行される変動演出の演出態様として、小当たりA,B,Cに当選したことに基づいて時短終了条件が成立する場合(大当たり遊技の実行条件が成立する場合)には、遊技者に有利となる演出結果を示す演出態様(例えば、図1413に示したバトル勝利演出態様)を設定し、小当たりA,B,Cに当選したことに基づいて時短終了条件が成立しない場合(大当たり遊技の実行条件が成立しない場合)、又は、第2特別図柄抽選の結果が外れである場合には、上述した遊技者に有利となる演出結果を示す演出態様とは異なる演出態様(例えば、図1415に示したバトルに発展せずに袋を発見する演出態様)を設定することが可能となる。よって、時短終了条件が成立しない小当たりに当選した場合における変動演出の演出態様を、第2特別図柄抽選の結果が外れである場合における変動演出の演出態様と同一にすることができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
また、小当たりD~I,Zに当選した場合には、同一の変動時間(20秒)の変動パターンが必ず選択されるように構成しているため、この20秒の変動時間を用いた変動演出を用いて、時短終了条件の成立有無、及び、実行条件が成立し得る大当たり遊技の種別に関する情報、即ち、時短状態が継続する時短大当たり遊技の実行条件が成立するか、通常状態が設定される通常大当たり遊技の実行条件が成立するか、大当たり遊技の実行条件が成立しないかについての情報が遊技者に報知されるように構成している。このように構成することで、20秒という固定された期間を演出期間とした様々な演出データのみを予め用意しておけば良く、異なる演出期間に対応した各演出データが必要となるように変動パターンが規定されている場合に比べて、演出データの総量を合わせた場合において1の演出期間に対応した演出データの種類を増加させることができ、演出効果を高めることができる。
次に、図1427(b)を参照して、時短用第2テーブル202fb3の構成について説明をする。図1427(b)は、時短用第2テーブル202fb3に規定されている内容を模式的に示した図である。この時短用第2テーブル202fb3は、時短種別として、時短A1、時短B1、時短Zが設定されている場合、即ち、時短大当たり遊技の実行契機が成立し得る小当たりに当選した場合のみ、時短終了条件が成立する時短種別が設定されている場合に参照されるデータテーブルである。ここで、時短A1、時短B1、時短Zが設定されている状況は、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される時短大当たり遊技以外の大当たり遊技が実行されない状況(有利時短状態)であり、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される通常大当たり遊技の実行契機が成立し得る小当たりに当選した場合には、その小当たり当選に基づいて時短終了条件が成立すること無く、小当たり遊技中に大当たり遊技の実行権利が成立しないように構成している。よって、有利時短状態中の遊技を行っている遊技者は、次の大当たり遊技が実行されたとしても必ず時短状態が設定されることから安心して遊技を行うことになる。このような遊技状況では、1回の特別図柄抽選の結果に対する遊技者の興味が低下することから、本制御例では、特別図柄変動の変動パターンとして、他の時短種別が設定されている場合よりも短い変動時間の変動パターンが設定され易くなるように構成している。このように構成することで、次の大当たり遊技が実行された後に設定される遊技状態が確定していない時短状態(不利時短状態)と比べて、有利時短状態において単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の回数を増加させることができ、遊技者に効率の良い遊技を提供することができる。
具体的には、図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」で、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動時間が「1秒」の変動パターン「短大当たり」が、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動時間が「1秒」の変動パターン「短小当たり」が、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動時間が「1秒」の変動パターン「短外れ」が規定されている。つまり、時短状態中において実行される第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動の変動パターンは、設定されている時短種別、及び、抽選結果に関わらず必ず1秒の変動時間が規定されている変動パターンが設定されるように構成している。このように構成することで、例えば、時短状態が設定されている状況で意図的に左打ち遊技を行うことで第1特別図柄抽選を実行させ、その変動パターン(変動時間)を把握することで現在設定されている時短種別を遊技者に把握されることを抑制することができるため、時短状態中における右打ち遊技を遊技者に行わせ易くすることができる。
また、図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」で、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動時間が「2秒」の変動パターン「短大当たり」が、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動時間が「2秒」の変動パターン「短小当たり」が、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動時間が「2秒」の変動パターン「短外れ」がそれぞれ規定されている。つまり、有利時短状態であって、時短用第2テーブル202fb3を参照して変動パターンが決定される時短A1、時短B1、時短Zにおいては、第2特別図柄抽選の結果に関わらず、比較的短い変動時間(2秒)の変動パターンが設定されるように構成している。このように構成することで、時短状態中の遊技(第2特別図柄抽選)を効率良く行わせることができる。なお、詳細な説明は省略するが、時短用第2テーブル202fb3を参照して変動パターンが決定される時短状態(時短A1、時短B1、時短Z)では、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出として、時短終了条件が成立する小当たりに当選するまでの期間を演出期間とした一連の変動演出が実行されるように構成しており、時短状態中に実行された特別図柄抽選の実行回数を遊技者が把握し難くなるように構成している。さらに、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短種別Aとして時短種別A1と時短種別A2を設定可能に、時短種別Bとして時短種別B1と時短種別B2を設定可能に構成している。つまり、時短終了条件が成立し得る小当たり種別が同一の時短種別として複数の時短種別を有しており、その複数の時短種別において設定された時短種別に応じて変動パターンを決定する際に参照されるデータテーブル(変動パターンテーブル)の種別を異ならせることができるように構成している。このように構成することで、時短終了条件が成立し得る小当たり種別が同一の遊技状態(時短継続率が同一の時短状態)であっても、異なる変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定させることができるため、現在設定されている時短種別を特別図柄の変動パターンのみで遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第31制御例では、次の大当たり遊技が実行された後も時短状態が継続する有利時短状態(時短A、時短B)として、時短用第1テーブル202fb2を参照する時短種別(時短A2、時短B2)と、時短用第2テーブル202fb3を参照する時短種別(時短A1、時短B1)と、を設定可能に構成しているため、有利時短状態が設定された場合の一部においては、遊技者に有利時短状態が設定されていることを把握させた状態で効率良く特別図柄抽選を実行させることができ、他においては、遊技者に有利時短状態が設定されていることを把握させ難くした状態で時短状態中の遊技を行わせることができる。なお、本第31制御例では、有利時短状態が設定された場合(時短A、時短Bが設定された場合)のみ異なる変動パターンテーブル(時短用第1テーブル202fb2、時短用第2テーブル202fb3)を参照して変動パターンを決定可能に構成しているが、これに限ること無く、不利時短状態が設定された場合であっても異なる変動パターンテーブルを参照できるように時短種別を細分化して規定しても良い。
次に、図1428を参照して、時短付与テーブル202feの詳細な内容について説明をする。図1428は、時短付与テーブル202feに規定されている内容を模式的に示した図である。この時短付与テーブル202feは、時短状態を終了させる複数の時短終了条件を、設定された時短種別に対応させて設定する際に参照されるデータテーブルであって、大当たり遊技終了時に実行される大当たり終了処理(図1448のS1910参照)にて参照される(図1448のS2102F)。この時短付与テーブル202feには、時短状態中に実行される特別図柄抽選の回数に基づいて成立する第1時短終了条件と、時短状態中に実行される特別図柄抽選の抽選結果に基づいて成立する第2時短終了条件と、が規定されており、上述した複数の時短終了条件のうち、何れかの時短終了条件が成立した場合に時短状態が終了するように構成している。
具体的には、時短種別「時短A」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値「10000」が、第2時短終了条件として、小当たり種別「小当たりA、小当たりB」が規定されている。つまり、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数(第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数とを合算した回数)が10000回に到達した場合、或いは、「小当たりA」、又は「小当たりB」に当選した場合に成立する時短終了条件が規定されている。ここで、本第31制御例では、時短状態中に主として実行される第2特別図柄抽選で小当たりに当選する確率が1/5(20%)となるように構成している(図1424参照)。そして、小当たり当選した場合の60/1000(6%)の割合で小当たり種別として「小当たりA」、「小当たりB」が設定されるように構成している。つまり、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の5回に1回は抽選結果が小当たりとなり、約90回に1回(60/5000)の割合で「小当たりA」、又は「小当たりB」が設定される小当たりに当選するように構成している。よって、時短種別「時短A」が設定された場合には、第1時短終了条件よりも第2時短終了条件の方が成立し易くなる。そして、第2時短終了条件が成立したことに基づいて時短状態が終了した場合には、「小当たりA」、又は「小当たりB」の小当たり遊技中が通常状態となるため、小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立し、小当たり遊技が終了した後に大当たり遊技が実行される。図1425(c)を参照して上述した通り、「小当たりA」、及び「小当たりB」の小当たり遊技中に遊技球が特定領域(V領域)を通過したことに基づいて大当たり遊技の実行条件が成立した場合には、10ラウンドの大当たり遊技が実行された後に、必ず時短状態が設定されるように構成している。
また、第2特別図柄抽選で大当たり当選する確率は1/200(0.5%)となるように構成しており、大当たり当選した場合には、図1425(b)に示した通り、10ラウンドの大当たり遊技が実行された後に、時短状態(時短A1)が設定されるように構成している。つまり、時短種別「時短A」が設定された場合には、次回の大当たり遊技として10ラウンド遊技が必ず実行され、その大当たり遊技が終了した後に必ず時短状態が設定される遊技者に有利な時短状態となる。なお、「時短A」が設定されている状態で、「小当たりA」、「小当たりB」以外の小当たりに当選した場合、即ち、時短終了条件(第2時短終了条件)が成立しない小当たりに当選した場合には、小当たり遊技中も時短状態が継続するため、小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立すること無く小当たり遊技が終了することになる。本第31制御例におけるパチンコ機10では、図1415(b)に示した通り、時短状態中に時短終了条件が成立しない小当たり(時短終了条件不成立小当たり)に当選した場合には、時短終了条件が成立する小当たり(時短終了条件成立小当たり)に当選した場合よりも小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと遊技球を入賞させることを促すための表示態様(矢印YG)を小さく表示することで、今回の小当たり遊技が大当たり遊技の実行条件が成立し難い小当たり遊技であることを遊技者に識別させることが可能に構成されている。また、時短終了条件不成立小当たりの小当たり遊技中に第3図柄表示装置81の表示面にて、現在設定されている時短種別(時短継続率)を示唆するための勝利期待度示唆演出を実行するように構成している。
このように構成することで、時短状態中に大当たり遊技の実行条件が成立し難い小当たり遊技が繰り返し実行された場合であっても、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、詳細な説明は後述するが、本第31制御例におけるパチンコ機10では、設定されている時短種別に応じて時短終了条件が成立する小当たり種別を異ならせることによって、各時短種別に対して時短継続率を異ならせており、具体的には、大当たり遊技の実行条件が成立した場合に通常大当たり遊技(大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり遊技)が実行される小当たり種別を時短終了条件不成立小当たりとすることで、時短継続率を高めるように構成している。つまり、時短終了条件不成立小当たりに当選する回数が増加するほど、高い時短継続率の時短状態が設定されている可能性を高めることができる。よって、時短状態中に時短終了条件が成立しない小当たりに頻繁に当選したとしても遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第31制御例におけるパチンコ機10では、勝利期待度示唆演出の演出態様を、現在設定されている時短種別と、当選した時短終了条件不成立小当たりの種別に関する累積情報と、に基づいて変化させるように構成している。具体的には、時短状態において単に時短終了条件不成立小当たりに当選した累計回数では無く、当選した小当たり種別の種類数に基づいて勝利期待度示唆演出の演出態様を変化させるように構成しており、時短終了条件不成立小当たりとして当選した小当たり種別の種類数が増加するほど、勝利期待度示唆演出の演出態様として、時短継続率が高い(勝利期待度が高い)ことに対応する演出態様が決定され易くなるように構成している。このように構成することで、時短終了条件不成立小当たりとして特定の小当たり種別のみ連続して当選した場合と、様々な小当たり種別に当選した場合とで、時短終了条件不成立小当たりに当選した回数が同一の場合であっても、勝利期待度示唆演出の演出態様が変化する頻度を異ならせることができる。さらに、上述した通り、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短終了条件不成立小当たりの小当たり種別数が増加するほど、時短継続率の高い時短状態となるように構成しているため、時短終了条件不成立小当たりに当選した回数と、勝利期待度示唆演出の演出態様が変化する頻度とに基づいて遊技者に現在の時短種別を予測させる楽しみを提供することができる。
また、時短状態中において最初に時短終了条件不成立小当たりに当選した場合には、当選した小当たりの種別が何れの小当たり種別であったとしても、時短終了条件不成立小当たりに当選した1種類目の小当たり種別となり、必ず勝利期待度示唆演出が実行されるように構成しているため、何れの時短種別が設定されている状況であっても、最初に時短終了条件不成立小当たりに当選した場合において第3図柄表示装置81の表示面にて実行される演出(勝利期待度示唆演出)の内容を合わせ易くすることができ、時短状態中の遊技を行っている遊技者が現在設定されている時短種別を早期に把握してしまうことを抑制することができる。さらに、時短継続率の最も高い時短種別(例えば、時短A2)が設定されている状況において、時短終了条件不成立小当たりとなる全ての小当たり種別(例えば、小当たりC~I、及び小当たりZ)に当選した場合には、勝利期待度示唆演出の演出態様として大当たり遊技終了後に必ず時短状態が設定されることに対応する「勝利期待度100%」が表示される演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、時短終了条件不成立小当たりの小当たり種別が多く規定された時短種別、即ち、時短継続率が比較的高い時短種別の時短状態における遊技が長時間継続した場合には遊技者に安心して遊技を行わせ易くすることができる。
図1428に戻り説明を続ける。時短種別「時短B」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値「10000」が、第2時短終了条件として、小当たり種別「小当たりA、小当たりB、小当たりC、小当たりD、小当たりE、小当たりF」が規定されている。つまり、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数(第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数とを合算した回数)が10000回に到達した場合、或いは、「小当たりA」~「小当たりF」に当選した場合に成立する時短終了条件が規定されている。時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりA~小当たりF)は、何れも小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立した場合には時短大当たり遊技が実行される小当たり種別(時短小当たり種別)であることから、時短種別「時短B」も、上述した「時短A」と同様に、大当たり遊技の終了後に時短状態が継続する有利時短状態となる。なお、時短種別「時短B」は、上述した時短種別「時短A」に対して、時短終了条件が成立する小当たり種別として「小当たりC」,「小当たりD」,「小当たりE」,「小当たりF」が追加されており、時短終了条件が成立する小当たり(時短終了条件成立小当たり)が小当たり全体の58%を占め、時短終了条件が成立しない小当たり(時短終了条件不成立小当たり)が小当たり全体の42%を占めることになる(図1425(c)参照)。よって、時短種別「時短B」の時短状態では、第2特別図柄抽選で大当たり当選する確率と、第2特別図柄抽選で時短終了条件成立小当たりに当選する確率との合算値、即ち、第2特別図柄抽選が実行された場合において、大当たり当選に基づいて図柄大当たり遊技が実行される確率と、小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立したことに基づいてV大当たり遊技が実行される確率とを含めた実質大当たり確率が121/1000となるように構成している。なお、上述した時短種別「時短A」の時短状態では、実質大当たり確率が17/1000となるため、時短Bは時短Aよりも約7倍大当たり遊技が実行され易い時短状態となる。
時短終了条件が成立する小当たり種別のうち、「小当たりA」、及び「小当たりB」に当選したことに基づいて実行されるV大当たり遊技は10ラウンドの大当たり遊技となり、「小当たりC」、及び「小当たりD」に当選したことに基づいて実行されるV大当たり遊技は7ラウンドの大当たり遊技となり、「小当たりE」、及び「小当たりF」に当選したことに基づいて実行されるV大当たり遊技は4ラウンドの大当たり遊技となる。図1425(c)に示した通り、小当たり当選時に設定される小当たり種別の選択割合は「小当たりA」と「小当たりB」を合算した値が60/1000で、「小当たりC」と「小当たりD」を合算した値が360/1000で、「小当たりE」と「小当たりF」を合算した値が160/1000となるように規定しているため、「時短B」の時短状態では、V大当たり遊技として7ラウンドの大当たり遊技が最も実行され易く、次いで、4ラウンド、10ラウンドの順に大当たり遊技が実行され易くなる。このように、時短継続率が100%となる時短種別「時短A」,「時短B」は、何れの時短種別もV大当たり遊技、又は図柄大当たり遊技の終了後に必ず時短状態が設定されるが、「時短A」の方が「時短B」よりも、ラウンド数の多い大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行され易いため、「時短B」よりも「時短A」の方が遊技者に有利な時短種別となる。
さらに、上述した通り、時短継続率が100%となる時短種別「時短A」と「時短B」とでは、時短終了条件が成立する小当たり種別が異なっており、V大当たり遊技終了後に設定される時短状態の時短種別も異なるように構成している。具体的には、「時短A」では、時短終了条件が成立する小当たり種別が「小当たりA」、及び「小当たりB」であり、「小当たりA」のうち「小当たりA1」に基づくV大当たり遊技の終了後には時短種別「時短A1」が、「小当たりA2」に基づくV大当たり遊技の終了後には時短種別「時短A2」が設定される。一方で、「小当たりB」のうち「小当たりB1」に基づくV大当たり遊技の終了後には時短種別「時短B1」が、「小当たりB2」に基づくV大当たり遊技の終了後には時短種別「時短B2」が設定される。ここで、「時短A1」と「時短A2」とでは、参照される変動パターンテーブルの種別が異なるだけであり、何れの時短種別も時短付与テーブル202feの、時短種別「時短A」に規定されている時短終了条件(時短付与内容)が設定され、「時短B1」と「時短B2」とでは、参照される変動パターンテーブルの種別が異なるだけであり、何れの時短種別も時短付与テーブル202feの、時短種別「時短B」に規定されている時短終了条件(時短付与内容)が設定されるように構成している。つまり、時短種別「時短A」が設定された場合には、V大当たり遊技終了後に時短種別「時短A」、又は「時短B」の時短状態が設定されることから、次回設定される時短状態も時短継続率が100%となる。
一方、時短種別「時短B」が設定された場合には、時短終了条件が成立する小当たり種別として、上述した「小当たりA」,「小当たりB」以外に、「小当たりC」,「小当たりD」,「小当たりE」,「小当たりF」が設定される。ここで、図1425(c)に示した通り、「小当たりC」に基づくV大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に時短種別「時短C」の時短状態が設定され、「小当たりE」に基づくV大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に時短種別「時短D」の時短状態が設定され、「小当たりD」,「小当たりF」に基づくV大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に時短種別「時短E」の時短状態が設定される。
図1428に戻り、説明を続ける。時短種別「時短C」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値「10000」が、第2時短終了条件として、小当たり種別「小当たりA、小当たりB、小当たりC、小当たりD、小当たりE、小当たりF、小当たりG」が規定されている。つまり、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数(第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数とを合算した回数)が10000回に到達した場合、或いは、「小当たりA」~「小当たりG」に当選した場合に成立する時短終了条件が規定されている。時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりA~小当たりG)のうち、「小当たりA」~「小当たりF」は、時短大当たり遊技が実行される小当たり種別(時短小当たり種別)であり、「小当たりG」は、通常大当たり遊技が実行される小当たり種別(通常小当たり種別)である。つまり、時短種別「時短C」の時短状態が設定された場合には、「小当たりG」の小当たりに当選するよりも前に、「小当たりA」~「小当たりF」の小当たりに当選することで時短状態が継続することを目指す遊技が行われる。
なお、時短種別「時短C」には、時短終了条件が成立する小当たり種別として「小当たりA」,「小当たりB」,「小当たりC」,「小当たりD」,「小当たりE」,「小当たりF」,「小当たりG」が規定されており、時短終了条件が成立する小当たり(時短終了条件成立小当たり)が小当たり全体の78%を占め、時短終了条件が成立しない小当たり(時短終了条件不成立小当たり)が小当たり全体の22%を占めることになる(図1425(c)参照)。よって、時短種別「時短C」の時短状態では、第2特別図柄抽選で大当たり当選する確率と、第2特別図柄抽選で時短終了条件成立小当たりに当選する確率との合算値、即ち、第2特別図柄抽選が実行された場合において、大当たり当選に基づいて図柄大当たり遊技が実行される確率と、小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立したことに基づいてV大当たり遊技が実行される確率とを含めた実質大当たり確率が161/1000となるように構成している。また、時短終了条件が成立する小当たり種別のうち、時短小当たり種別が占める割合が約74%であるため、「時短C」の時短状態の時短継続率は約74%となる。
次に、時短種別「時短D」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値「10000」が、第2時短終了条件として、小当たり種別「小当たりA、小当たりB、小当たりC、小当たりE、小当たりG、小当たりH、小当たりI」が規定されている。つまり、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数(第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数とを合算した回数)が10000回に到達した場合、或いは、「小当たりA」~「小当たりC」,「小当たりE」,「小当たりG」~「小当たりI」に当選した場合に成立する時短終了条件が規定されている。時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりA~小当たりC、小当たりE、小当たりG~小当たりI)のうち、「小当たりA」~「小当たりC」、及び「小当たりE」は、時短大当たり遊技が実行される小当たり種別(時短小当たり種別)であり、「小当たりG」~「小当たりI」は、通常大当たり遊技が実行される小当たり種別(通常小当たり種別)である。つまり、時短種別「時短D」の時短状態が設定された場合には、「小当たりG」~「小当たりI」の小当たりに当選するよりも前に、「小当たりA」~「小当たりC」,「小当たりE」の小当たりに当選することで時短状態が継続することを目指す遊技が行われる。
なお、時短種別「時短D」には、時短終了条件が成立する小当たり種別として「小当たりA」,「小当たりB」,「小当たりC」,「小当たりE」,「小当たりG」,「小当たりH」,「小当たりI」が規定されており、時短終了条件が成立する小当たり(時短終了条件成立小当たり)が小当たり全体の74%を占め、時短終了条件が成立しない小当たり(時短終了条件不成立小当たり)が小当たり全体の26%を占めることになる(図1425(c)参照)。よって、時短種別「時短D」の時短状態では、第2特別図柄抽選で大当たり当選する確率と、第2特別図柄抽選で時短終了条件成立小当たりに当選する確率との合算値、即ち、第2特別図柄抽選が実行された場合において、大当たり当選に基づいて図柄大当たり遊技が実行される確率と、小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立したことに基づいてV大当たり遊技が実行される確率とを含めた実質大当たり確率が153/1000となるように構成している。また、時短終了条件が成立する小当たり種別のうち、時短小当たり種別が占める割合が約73%であるため、「時短C」の時短状態の時短継続率は約73%となる。
また、時短種別「時短E」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値「10000」が、第2時短終了条件として、小当たり種別「小当たりA、小当たりB、小当たりC、小当たりD、小当たりE、小当たりF、小当たりG、小当たりH、小当たりI」が規定されている。つまり、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数(第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数とを合算した回数)が10000回に到達した場合、或いは、「小当たりA」~「小当たりI」に当選した場合に成立する時短終了条件が既定されている。時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりA~小当たりI)のうち、「小当たりA」~「小当たりF」が時短小当たり種別となり、「小当たりG」~「小当たりI」が通常小当たり種別となることから、時短種別「時短E」の時短状態が設定された場合には、小当たりG」~「小当たりI」の小当たりに当選するよりも前に、「小当たりA」~「小当たりF」の小当たりに当選することで時短状態が継続することを目指す遊技が行われる。
なお、時短種別「時短E」には、時短終了条件が成立する小当たり種別として「小当たりA」,「小当たりB」,「小当たりC」,「小当たりD」,「小当たりE」,「小当たりF」,「小当たりG」,「小当たりH」,「小当たりI」が規定されており、時短終了条件が成立する小当たり(時短終了条件成立小当たり)が小当たり全体の98%を占め、時短終了条件が成立しない小当たり(時短終了条件不成立小当たり)が小当たり全体の2%を占めることになる(図1425(c)参照)。よって、時短種別「時短E」の時短状態では、第2特別図柄抽選で大当たり当選する確率と、第2特別図柄抽選で時短終了条件成立小当たりに当選する確率との合算値、即ち、第2特別図柄抽選が実行された場合において、大当たり当選に基づいて図柄大当たり遊技が実行される確率と、小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立したことに基づいてV大当たり遊技が実行される確率とを含めた実質大当たり確率が201/1000となるように構成している。また、時短終了条件が成立する小当たり種別のうち、時短小当たり種別が占める割合が約59%であるため、「時短E」の時短状態の時短継続率は約59%となる。
最後に、時短種別「時短Z」に対しては、時短状態を終了させるために各時短種別に対して共通に設定される共通条件である第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値「10000」が、時短状態を終了させるために時短種別毎に異ならせて設定される専用条件である第2時短終了条件として、小当たり種別「小当たりA」が規定されている。つまり、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数(第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数とを合算した回数)が10000回に到達した場合、或いは、「小当たりA」に当選した場合に成立する時短終了条件が規定されている。時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりA)は、全て時短小当たり種別であることから、時短種別「時短Z」は、時短継続率が高い時短状態となる。また、時短種別「時短A」が設定される小当たり(小当たりA)に当選した場合にのみ第2時短終了条件が成立することから、「時短Z」の時短状態が設定された場合には、V大当たり遊技の終了後に時短継続率が100%の時短状態(「時短A」)が設定され、その時短状態におけるV大当たり遊技の終了後にも時短継続率が100%の時短状態(「時短A」、又は「時短B」)が設定されることになる。よって、「時短Z」の時短状態中に実行される大当たり遊技を含めて、時短状態が継続する期間中に3回の大当たり遊技が実行されることが確定するため、本第31制御例におけるパチンコ機10にて設定され得る時短種別の中で、最も有利な状態種別となる。
なお、この時短種別「時短Z」は、「小当たりZ」に基づく小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立した場合に実行されるV大当たり遊技の終了後に設定される時短種別であって、図1428に示した通り、何れの時短種別に対しても「小当たりZ」は第2時短終了条件として規定されていない。つまり、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で「小当たりZ」の小当たりに当選したとしても、時短終了条件不成立小当たりとなり、「小当たりZ」に基づくV大当たり遊技が実行されない(実行され難くする)ように構成している。よって、時短種別「時短Z」を設定する流れは、時短状態中に通常大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定された状態で実行される第2特別図柄抽選(時短状態中に獲得済みの特図2保留に基づく第2特別図柄抽選)にて「小当たりZ」の小当たりに当選した場合となる。このように、時短状態中に実行されるV大当たり遊技としては時短大当たり遊技よりも遊技者に不利となる通常大当たり遊技が実行された場合において、その後の遊技の結果に応じて遊技者に最も有利な時短種別(時短Z)の時短状態を設定可能に構成することによって、時短状態が終了し、通常状態が設定された場合であっても、その時点で獲得していた特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が全て終了するまでの間、遊技者に期待感を持たせる遊技を行わせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短状態中における第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技の終了後に必ず時短種別「時短A」の時短状態が設定されるように構成することで、第2特別図柄抽選にて高確率(1/5)で当選する小当たりよりも先に低確率(1/200)で当選する大当たりに当選したことに対する特典を遊技者に付与するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり当選した場合の一部、或いは全部に対して、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される通常大当たり遊技が実行されるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中において、大当たり当選よりも先に時短終了条件成立小当たりに当選することを目指すという斬新な遊技性を提供することができる。また、大当たり当選に基づいて時短状態を終了させることが可能となるため、小当たり当選に基づいて時短状態が継続する確率(時短継続率)を高めたとしても、時短状態が過剰に継続してしまうことを抑制でき、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選を目指すといった遊技性をより強調し易くすることができる。また、本第31制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選の抽選結果として、図柄大当たり遊技の実行契機となる大当たり当選と、V大当たり遊技の実行契機となる小当たり当選とを設けているが、これに限ること無く、大当たり当選すること無く、小当たりにのみ当選するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中に時短終了条件が成立する小当たり当選を目指す遊技性を有するパチンコ機10において、大当たり当選に基づいて実行される図柄大当たり遊技にて遊技者に付与される特典の量や、図柄大当たり遊技の終了後における時短状態の選択率の面で遊技者に有利不利を設ける必要が無くなるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短終了条件が成立しない小当たり種別「小当たりZ」に基づいてV大当たり遊技が実行された場合、即ち、通常状態にて実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合のみ小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件を成立させることができる小当たりに基づいてV大当たり遊技が実行された場合に、そのV大当たり遊技の終了後に遊技者に有利な遊技状態(時短継続率の高い時短状態)を設定することで、時短状態が終了した後の所定期間(残特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が実行される期間)を、その後の通常状態よりも遊技者に有利な遊技期間としているが、これに限ること無く、残特図2保留に基づいて通常状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選しない場合の方が、小当たり当選した場合よりも遊技者に有利な遊技が実行されるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中においては小当たり当選を目指す遊技を行わせ、時短状態が終了した後の通常状態においては小当たり当選を目指さない遊技を行わせるといった従来には無い斬新な遊技を行わせることができる。
さらに、本第31制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選が実行された時点における遊技状態や、小当たり遊技中の遊技状態に関わらず、小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立した場合には、同一の大当たり種別(大当たり遊技終了後に設定される時短種別)が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立した場合に設定される大当たり種別(大当たり遊技終了後に設定される時短種別)を、小当たり当選した時点の遊技状態や、小当たり遊技が開始された時点の遊技状態や、小当たり遊技中の遊技状態に基づいて異ならせるように構成しても良い。この場合、例えば、時短状態中に実行された第2特別図柄抽選で時短終了条件が成立する「小当たりA」の小当たりに当選し、通常状態にて実行される小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立したことに基づいてV大当たり遊技が実行された場合と、通常状態中に実行された第2特別図柄抽選で「小当たりA」の小当たりに当選し、通常状態にて実行される小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立したことに基づいてV大当たり遊技が実行された場合とで、V大当たり遊技のラウンド数や、V大当たり遊技(大当たり遊技)終了後に設定される遊技状態や、時短状態が設定される場合には時短種別の種類を異ならせれば良い。より具体的には、第2特別図柄抽選の実行回数が少ない方の遊技状態(通常状態)にて実行された第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合の方が、V大当たり遊技のラウンド数を多くしたり、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定され易くしたり、設定される時短種別が遊技者に有利な時短種別としたりするように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して、V大当たり遊技が実行されるか否かだけで無く、小当たり当選した時点における遊技状態に対しても興味を持たせることができる。
なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、設定される時短種別に応じて時短終了条件不成立小当たりとなる小当たり種別を異ならせることで、設定されている時短状態毎に時短継続率を異ならせているが、通常状態において小当たり当選した場合には、何れの小当たり種別であっても小当たり遊技中が通常状態となるため、小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件を成立させ易くなる。つまり、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合よりも、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合の方が、小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件を成立させ易くすることができるため、時短状態中においては、設定されている時短種別を予測しながら時短終了条件が成立する小当たり当選を目指す遊技を遊技者に行わせ、通常状態中においては、小当たり種別に関わらず単に小当たり当選を目指す遊技を遊技者に行わせることができる。このように、第2特別図柄抽選を実行させる遊技において、設定されている遊技状態に応じて全く異なる遊技性の遊技を遊技者に行わせることが可能に構成することで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、図1428から図1434を参照して、本第31制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113の電気的構成について説明をする。まずは、図1429を参照して、本第31制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図1429(a)は、本第31制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容を模式的に示した図である。図1113(a)に示した通り、本第31制御例におけるパチンコ機10が有するROM222は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10が有するROM222(図28(a)参照)に対して、第1制御例におけるパチンコ機10特有の各種演出を実行するために参照される各種テーブルを削除し、新たに、超バトルモード選択テーブル222fa、当たり図柄態様選択テーブル222fb、勝利期待度選択テーブル222fcと、を追加した点で相違している。
なお、従変動パターン選択テーブル222aについては、第1制御例に対して、主制御装置110にて決定される各種変動パターンの種別を異ならせているため、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドの種別に対応する変動演出の演出態様として従変動パターン選択テーブル222aに規定されている演出態様を異ならせているが、主制御装置110から出力された各種変動パターンを示すための変動パターンコマンドに対応させて様々な変動演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルである点で同一であり、その詳細な説明を省略する。
超バトルモード選択テーブル222faは、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄抽選の結果に基づいて、引き戻し演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される変動表示設定処理(図66のS4113参照)の特図2演出態様設定処理(図1460のS4907F参照)にて、現在の演出モードが引き戻しモードであると判別された場合(図1460のS5902F:Yes)に参照される(図1460のS5913F)。図1431に示した通り、超バトルモード選択テーブル222faには、第2特別図柄抽選の抽選結果と、取得した演出カウンタ223fの値と、に応じて、引き戻し演出の演出結果を示すための獲得アイコンの種別が規定されている。
具体的には、抽選結果が大当たり(大当たりC)に対しては取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、獲得アイコンの種別「VV」が、抽選結果が「小当たりA1」に対しては取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、獲得アイコンの種別「VV」が、抽選結果が「小当たりA2」に対しては取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、獲得アイコンの種別「V」が、抽選結果が「小当たりB1」に対しては取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、獲得アイコンの種別「VV」が、抽選結果が「小当たりB2」に対しては取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、獲得アイコンの種別「V」が、抽選結果が「小当たりZ」に対しては取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、獲得アイコンの種別「VV」が、抽選結果が「その他小当たり」に対しては取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、獲得アイコンの種別「V」がそれぞれ規定されている。また、詳細な図示は省略しているが、抽選結果が外れである場合には、獲得アイコンの種別「×」が規定されており、引き戻しモードにおける最後の特図2変動のみ、抽選結果が外れである場合には、獲得アイコンの種別「左向きの矢印」が規定されている。
そして、引き戻しモード中は、図1418(b)に示した変動演出が実行され、第2特別図柄変動の変動時間に対応させて、超バトルモード選択テーブル222faを参照して決定された獲得アイコンを獲得する演出態様の引き戻し演出が実行される。以上、説明をした通り、本第31制御例におけるパチンコ機10では、引き戻しモード中に実行された第2特別図柄抽選の結果が、大当たり遊技の終了後に時短継続率が100%の時短状態が設定される小当たりである場合のうち、大当たり遊技の終了後に設定される時短状態にて短い変動時間の特別図柄変動が実行される(時短用第2テーブル202fb3を参照して変動パターンが決定される)時短種別「時短A1」、「時短B1」、及び「時短Z」が設定される場合には獲得アイコンの種別「VV」が選択されるように構成している。つまり、「VV」の獲得アイコンを獲得した場合には、時短継続中に少なくとも2回の大当たり遊技が実行される遊技状況であることを遊技者に報知可能に構成している。このように構成することで、時短状態が継続して複数回設定される期間中に複数回の大当たり遊技を実行させることが可能な状況であることを遊技者にいち早く察知させることができるため、遊技者の優越感を高めることができる。また、獲得アイコン「VV」を獲得した後に設定される時短状態では、短い変動時間(2秒)の第2特別図柄変動が実行され、第3図柄表示装置81の表示面にも、大当たり遊技終了後に再度時短状態が設定されることを事前に報知する祝福演出が実行されるため、遊技者に対して、時短継続率が100%の有利状態であることを分かり易く報知することができる。
一方で、引き戻しモード中に実行された第2特別図柄抽選の結果が、大当たり遊技の終了後に時短継続率が100%の時短状態が設定される小当たりである場合のうち、大当たり遊技の終了後に設定される時短状態にて通常の長さの変動時間の特別図柄変動が実行される(時短用第1テーブル202fb2を参照して変動パターンが決定される)時短種別「時短A2」、「時短B2」が設定される場合、大当たり遊技の終了後に時短継続率が100%では無い時短状態が設定される場合、及び、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される場合には獲得アイコンの種別「V」が選択されるように構成している。つまり、獲得アイコン「V」をゲットした場合には、1回の大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行されることのみが遊技者に報知され、そのV大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されるか否かを遊技者が把握できないように構成している。このように構成することで、獲得アイコン「V」をゲットした場合には、V大当たり遊技が終了するまで遊技者に興味を持たせた状態で遊技を行わせることができる。さらに、「時短A2」や「時短B2」のように、時短継続率が100%であって、且つ、時短継続率が100%では無い時短状態と同一の変動パターンテーブル(時短用第1テーブル202fb2)を参照して変動パターンが決定される時短種別が設定される「小当たりA2」や「小当たりB2」に当選した場合も、獲得アイコン「V」をゲットする引き戻し演出が実行されるように構成しているため、獲得アイコン「VV」では無く、獲得アイコン「V」をゲットする引き戻し演出が実行されたとしても、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
また、引き戻しモード中に実行された第2特別図柄抽選の結果が外れである場合には、特図2保留の残り数(残特図2保留数)に応じて異なる獲得アイコンの種別が決定されるように構成しており、残特図2保留数が1以上である場合において、獲得アイコン「×」が選択された場合には、引き戻し演出の演出結果として、今回の第2特別図柄抽選が外れであることを示す「×」の獲得アイコンをゲットする演出態様が決定され、次の第2特別図柄抽選が実行されることを案内する表示態様が表示される。そして、残特図2保留数が0の場合において、獲得アイコン「左向きの矢印」が選択された場合には、引き戻し演出の演出結果として、今回の第2特別図柄抽選が外れであって、且つ、左打ち遊技へと以降することを案内する演出態様が決定される。このように、通常状態が設定されたタイミングで左打ち遊技を案内するのでは無く、通常状態が設定されてから所定期間が経過した後(残特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が終了した後)に、左打ち遊技を案内するように構成することで、例えば、残特図2保留を用いた第2特別図柄抽選で小当たり当選、或いは、大当たり当選したことによって、大当たり遊技が実行される場合には、右打ち遊技を継続させて行わせることができる。また、残特図2保留を用いた最後の第2特別図柄変動の実行期間中に、対応する第2特別図柄抽選の結果が外れであることと、左打ち遊技への移行を案内するように構成することで、残特図2保留を用いた最後の第2特別図柄変動が停止表示された後に左打ち遊技を案内する表示態様を表示させる場合に比べて、残特図2保留を用いた第2特別図柄変動が停止表示してから、新たな第1特別図柄変動が実行されるまでの期間の長さを短くすることが可能となる。よって、特別図柄変動が実行されていない期間を短くすることができ、遊技者に効率の良い遊技を行わせることができる。
なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、獲得アイコン「左向きの矢印」をゲットする演出が実行された時点で、左打ち遊技への移行が確定させることで効率の良い遊技を遊技者に行わせることができるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、獲得アイコン「左向きの矢印」をゲットした直後に、獲得アイコンが右方向に180度回転し、「右打ち継続」の案内と共に小当たり遊技が開始される特殊態様の引き戻し演出を実行可能に構成しても良い。さらに、獲得アイコン「V」をゲットした後に、第3図柄表示装置81の表示面に表示されるキャラクタ(図1418(b)のキャラクタ803)が獲得したアイコンを激しく振ることで「V」が「VV」へと変化する特殊態様の引き戻し演出を実行可能に構成しても良い。このように、実際の抽選結果よりも遊技者に不利な抽選結果に対応する獲得アイコンを一時的にゲットする(ゲットしようとする)演出が実行された後に、実際の抽選結果に対応する獲得アイコンをゲットする演出を実行可能に構成することで、演出効果を高めることができる。
次に、図1432を参照して、当たり図柄態様選択テーブル222fbの内容について説明をする。図1432は当たり図柄態様選択テーブル222fbに規定されている内容を模式的に示した図である。この当たり図柄態様選択テーブル222fbは、時短状態中(バトルモード中)に実行された第2特別図柄抽選で当たり当選した場合に、バトル演出の演出結果を決定するために参照されるデータテーブルであって、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される変動表示設定処理(図66のS4113参照)の特図2演出態様設定処理(図1460のS4907F参照)にて、現在がバトルモード中(図1460のS5903F:Yes)で、連続演出が実行されていない状況(図1460のS5904F:No)で、且つ、今回の第2特別図柄抽選の結果が当たり当選であると判別された場合(図1460のS5095F:Yes)に実行されるバトルモード中当たり演出設定処理(図1461のS5906F参照)にて参照される。そして、この当たり図柄態様選択テーブル222fbを参照して決定された当たり図柄(バトル演出の演出結果)に関する情報が表示済勝利期待度記憶エリア223fcに記憶され、連続して時短状態が設定される場合において最初に表示される勝利期待度を決定する際に参照される。また、今回当選した当たりの内容が、時短終了条件不成立小当たりである場合には時短状態のまま小当たり遊技が実行されることに対応する演出結果が選択され、時短終了条件成立小当たりであって、且つ、V大当たり遊技として通常大当たり遊技が実行される小当たりである場合にはバトル演出に敗北する演出結果が選択されるように各種演出結果(図柄態様)が規定されている。
具体的には、図柄種別が特図2(第2特別図柄)であって、今回の当たり種別(大当たり種別、又は小当たり種別)が「大当たりC」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対しては、図柄態様「V×90」が規定され、「20~99」の範囲に対しては、図柄態様「V×∞」が規定されている。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では時短状態中に大当たり当選した場合には必ず時短終了条件が成立し、通常状態にて大当たり遊技が実行されるように構成しているため、「大当たりC」に対しては時短終了条件「成立」のみが規定されている。ここで、図1425(b)に示した通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として必ず「大当たりC」が設定され、大当たり遊技終了後に時短種別「時短A1」の時短状態が設定されるように構成している。この時短種別「時短A1」は、時短継続率100%の時短状態であって、且つ、時短用第2テーブル202fb3を参照して短い変動時間の変動パターンが選択される有利時短状態である。よって、バトル演出の演出結果を示す図柄態様も、次回設定される時短状態における勝利期待度が90%以上に対応する「V×90」、又は勝利期待度が100%に対応する「V×∞」の何れかが決定されるように構成している。つまり、新たな時短状態が設定された場合において、実行される第2特別図柄変動の変動パターンによって時短継続率を遊技者に容易に把握されてしまう遊技状況となる場合には、事前に報知される勝利期待度も高くなるように構成することで遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
次に、今回の当たり種別が「小当たりA」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対しては、図柄態様「V」が、「10~29」の範囲に対しては、図柄態様「V×60」が、「30~49」の範囲に対しては、図柄態様「V×70」が、「50~79」の範囲に対しては、図柄態様「V×90」が、「80~99」の範囲に対しては、図柄態様「V×∞」がそれぞれ規定されている。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、何れの時短種別が設定されている場合であっても、第2時短終了条件として「小当たりA」が規定されていることから、「小当たりA」に対しては時短終了条件「成立」のみが規定されている。次いで、今回の当たり種別が「小当たりB」で、時短終了条件が「成立」する場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~29」の範囲に対しては、図柄態様「V」が、「30~49」の範囲に対しては、図柄態様「V×60」が、「50~79」の範囲に対しては、図柄態様「V×70」が、「80~89」の範囲に対しては、図柄態様「V×90」が、「90~99」の範囲に対しては、図柄態様「V×∞」がそれぞれ規定されている。また、時短終了条件「不成立」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、時短状態のまま小当たり遊技が実行されることを報知するための図柄態様「袋」が規定されている。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短種別「時短Z」が設定されている場合に、第2時短終了条件として「小当たりB」が規定されていないため、「小当たりB」に対しては、時短終了条件が成立する場合と、成立しない場合との何れのパターンにも対応させた演出結果(図柄態様)が規定されている。
そして、今回の当たり種別が「小当たりC」で、時短終了条件が「成立」する場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~24」の範囲に対しては、図柄態様「V」が、「25~69」の範囲に対しては、図柄態様「V×60」が、「70~99」の範囲に対しては、図柄態様「V×70」がそれぞれ規定されている。また、時短終了条件「不成立」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、時短状態のまま小当たり遊技が実行されることを報知するための図柄態様「袋」が規定されている。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短種別「時短A」,「時短Z」が設定されている場合に、第2時短終了条件として「小当たりC」が規定されていないため、「小当たりC」に対しては、時短終了条件が成立する場合と、成立しない場合との何れのパターンにも対応させた演出結果(図柄態様)が規定されている。
次に、小当たりの当たり種別が「小当たりD」で、時短終了条件が「成立」する場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~29」の範囲に対しては、図柄態様「V」が、「30~99」の範囲に対しては、図柄態様「V×60」がそれぞれ規定されている。また、時短終了条件「不成立」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、時短状態のまま小当たり遊技が実行されることを報知するための図柄態様「袋」が規定されている。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短種別「時短A」,「時短D」,「時短Z」が設定されている場合に、第2時短終了条件として「小当たりD」が規定されていないため、「小当たりD」に対しては、時短終了条件が成立する場合と、成立しない場合との何れのパターンにも対応させた演出結果(図柄態様)が規定されている。そして、小当たりの当たり種別が「小当たりE」で、時短終了条件が「成立」する場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対しては、図柄態様「V」が、「50~99」の範囲に対しては、図柄態様「V×50」がそれぞれ規定されている。また、時短終了条件「不成立」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、時短状態のまま小当たり遊技が実行されることを報知するための図柄態様「袋」が規定されている。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短種別「時短A」,「時短Z」が設定されている場合に、第2時短終了条件として「小当たりE」が規定されていないため、「小当たりE」に対しては、時短終了条件が成立する場合と、成立しない場合との何れのパターンにも対応させた演出結果(図柄態様)が規定されている。また、小当たりの当たり種別が「小当たりF」で、時短終了条件が「成立」する場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対しては、図柄態様「V」が、「50~99」の範囲に対しては、図柄態様「V×60」がそれぞれ規定されている。また、時短終了条件「不成立」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、時短状態のまま小当たり遊技が実行されることを報知するための図柄態様「袋」が規定されている。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短種別「時短A」,「時短D」,「時短Z」が設定されている場合に、第2時短終了条件として「小当たりF」が規定されていないため、「小当たりF」に対しては、時短終了条件が成立する場合と、成立しない場合との何れのパターンにも対応させた演出結果(図柄態様)が規定されている。
一方で、小当たりの当たり種別が「小当たりG」で、時短終了条件が「成立」する場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対しては、図柄態様「敗北A」が、「50~99」の範囲に対しては、図柄態様「敗北B」がそれぞれ規定されている。また、時短終了条件「不成立」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、時短状態のまま小当たり遊技が実行されることを報知するための図柄態様「袋」が規定されている。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短種別「時短A」,「時短B」,「時短Z」が設定されている場合に、第2時短終了条件として「小当たりG」が規定されていないため、「小当たりG」に対しては、時短終了条件が成立する場合と、成立しない場合との何れのパターンにも対応させた演出結果(図柄態様)が規定されている。さらに、小当たりの当たり種別が「小当たりH」,「小当たりI」で、時短終了条件が「成立」する場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対しては、図柄態様「敗北A」が、「20~99」の範囲に対しては、図柄態様「敗北B」がそれぞれ規定されている。また、時短終了条件「不成立」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、時短状態のまま小当たり遊技が実行されることを報知するための図柄態様「袋」が規定されている。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、時短種別「時短A」,「時短B」,「時短C」,「時短Z」が設定されている場合に、第2時短終了条件として「小当たりH」、及び「小当たりI」が規定されていないため、「小当たりH」,「小当たりI」に対しては、時短終了条件が成立する場合と、成立しない場合との何れのパターンにも対応させた演出結果(図柄態様)が規定されている。最後に、小当たりの当たり種別が「小当たりZ」に対しては、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、図柄態様「袋」が規定されている。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、何れの時短種別であっても、第2時短終了条件として「小当たりZ」が規定されていないため、「小当たりZ」に対しては、時短終了条件が成立しない場合の演出結果(図柄態様)のみが規定されている。
次に、図1433、及び図1434を参照して、勝利期待度選択テーブル222fcに規定されている内容について説明をする。図1433は、勝利期待度選択テーブル222fcのうち、時短種別「時短A」,「時短B」,「時短Z」,「時短C」に対して規定されている内容に対応する勝利期待度選択テーブル222fc-1を模式的に示した図であり、図1434は、勝利期待度選択テーブル222fcのうち、時短種別「時短D」,「時短E」に対して規定されている内容に対応する勝利期待度選択テーブル222fc-2を模式的に示した図である。この勝利期待度選択テーブル222fcは、バトルモード中に第3図柄表示装置81の表示面の表示領域Dm10(図1412(a)参照)に表示される勝利期待度に対応する表示態様を選択するためのデータテーブルであって、時短終了条件が成立しない時短終了条件不成立小当たりに当選した場合に参照され、時短状態のまま実行される小当たり遊技の遊技期間に対して遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制するために実行される勝利期待度UP演出(図1415(b)参照)の演出態様が決定される。この勝利期待度選択テーブル222fcには、現在表示されている勝利期待度(表示済勝利期待度記憶エリア223fcに記憶されている情報)と、今回当選した当たり種別(小当たり種別)が現在の時短状態にて初めて当選した小当たり種別(初当選小当たり種別)であるか、既に当選したことのある小当たり種別(既当選小当たり種別)であるかを示す情報と、取得した演出カウンタ223fの値とに対応させて異なる勝利期待度が規定されている。
具体的には、現在設定されている時短状態の時短種別が「時短A」,「時短B」,「時短Z」、即ち、時短継続率が100%の時短状態である場合には、表示済勝利期待度が「?」で、当選当たり種別が「初当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「10~49」の範囲に対しては、選択勝利期待度「60」が、「50~89」の範囲に対しては、選択勝利期待度「70」が、「90~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「90」がそれぞれ規定されており、当選当たり種別が「既当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「50~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「60」がそれぞれ規定されている。そして、表示済勝利期待度が「60」で、当選当たり種別が「初当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「20~89」の範囲に対しては、選択勝利期待度「70」が、「90~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「90」がそれぞれ規定されており、当選当たり種別が「既当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~59」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「60~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「70」がそれぞれ規定されている。
また、表示済勝利期待度が「70」で、当選当たり種別が「初当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~29」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「30~69」の範囲に対しては、選択勝利期待度「90」が、「70~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「100」がそれぞれ規定されており、当選当たり種別が「既当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「80~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「90」がそれぞれ規定されている。さらに、表示済勝利期待度が「90」で、当選当たり種別が「初当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~39」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「40~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「100」がそれぞれ規定されており、当選当たり種別が「既当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「90~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「100」がそれぞれ規定されている。最後に、表示済勝利期待度が「100」の場合は、当選当たり種別が「初当選小当たり種別」、及び「既当選小当たり種別」に共通し、且つ、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、選択勝利期待度「-」が規定されている。
次に、現在設定されている時短状態の時短種別が「時短C」、即ち、時短継続率が89%の時短状態である場合には、表示済勝利期待度が「?」で、当選当たり種別が「初当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「20~59」の範囲に対しては、選択勝利期待度「60」が、「60~89」の範囲に対しては、選択勝利期待度「70」が、「90~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「90」がそれぞれ規定されおり、当選当たり種別が「既当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~69」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「70~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「60」が規定されている。また、表示済勝利期待度が「60」で、当選当たり種別が「初当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「20~89」の範囲に対しては、選択勝利期待度「70」が、「90~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「90」がそれぞれ規定されおり、当選当たり種別が「既当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「80~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「70」が規定されている。そして、表示済勝利期待度が「70」で、当選当たり種別が「初当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~29」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「30~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「90」がそれぞれ規定されおり、当選当たり種別が「既当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「90~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「90」が規定されている。最後に、表示済勝利期待度が「90」の場合は、当選当たり種別が「初当選小当たり種別」、及び「既当選小当たり種別」に共通し、且つ、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、選択勝利期待度「-」が規定されている。
続いて、図1434に示した通り、現在設定されている時短状態の時短種別が「時短D」、即ち、時短継続率が50%の時短状態である場合には、表示済勝利期待度が「?」で、当選当たり種別が「初当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「90~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「50」がそれぞれ規定されおり、当選当たり種別が「既当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~94」の範囲に対しては、選択勝利期待度「-」が、「95~99」の範囲に対しては、選択勝利期待度「50」が規定されている。そして、表示済勝利期待度が「50」の場合は、当選当たり種別が「初当選小当たり種別」、及び「既当選小当たり種別」に共通し、且つ、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、選択勝利期待度「-」が規定されている。つまり、他の時短種別よりも時短継続率が低い(50%)時短種別である「時短D」が設定されている状況では、小当たり当選に基づいて表示される勝利期待度が他の時短種別では表示され得ない「50」となるため、勝利期待度「50」が表示された時点で遊技者に今回の時短種別を容易に把握させることができるように構成している。これにより、遊技者に対して時短継続率が高いことに対して過度に期待させてしまうことを抑制することができる。また、図1434に示した通り、「時短D」が設定されている状況では、他の時短種別が設定されている状況よりも、選択勝利期待度「―」が選択される割合を高く規定している。このように構成することで、「時短D」が設定されている状況において勝利期待度「50」を表示させ難くすることができるため、時短状態中に即座に勝利期待度「50」が表示されてしまい、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
次に、現在設定されている時短状態の時短種別が「時短E」、即ち、時短継続率が60%の時短状態である場合には、表示済勝利期待度が「?」で、当選当たり種別が「初当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、選択勝利期待度「60」が規定されており、当選当たり種別が「既当選小当たり種別」で、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、選択勝利期待度「60」が規定されている。そして、表示済勝利期待度が「60」の場合は、当選当たり種別が「初当選小当たり種別」、及び「既当選小当たり種別」に共通し、且つ、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、選択勝利期待度「-」が規定されている。
次に、図1430を参照して、本第31制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図1430は、本第31制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。本第31制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113が有するRAM223は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113が有するRAM223(図28(b)参照)に対して、新たに、入賞個数記憶エリア223faと、普電ロング開放中フラグ223fbと、表示済勝利期待度記憶エリア223fcと、獲得済アイテム情報記憶エリア223fdと、当選済小当たり種別情報記憶エリア223feと、時短終了待機フラグ223ffと、連続演出実行中フラグ223fgと、演出情報格納エリア223fhと、を新たに追加している点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素に対しては同一の符号を付してその説明を省略する。
入賞個数記憶エリア223faは、第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球の個数を計測するためのカウンタであって、主制御装置110から出力される入賞個数コマンドを受信したことに基づいて小当たり遊技中に第2可変入賞装置(Vアタッカー)650へと入賞した遊技球の個数を記憶するための記憶エリアである。本第31制御例におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中に第2可変入賞装置(Vアタッカー)650へと遊技球が4個入賞したことに基づいて流路ソレノイド209aがオンに設定され、第2可変入賞装置(Vアタッカー)650へと入賞した遊技球をV流路650c2へと流下させるために切替弁650bが作動するように構成している。そして、通常状態にて実行される小当たり遊技中には、図1414に示した通り、4個目の遊技球の入賞によってV領域(特定領域)を遊技球が通過可能になる(V大当たり遊技の実行条件が)ことを示す案内態様と、現時点で第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球の個数を示す表示態様とが表示されるように構成しており、表示領域Dm7の表示態様が入賞個数記憶エリア223faに記憶される情報が更新される毎、即ち、主制御装置110から新たな入賞個数コマンドが出力される毎に対応した表示態様へと変化される。
ここで、本第31制御例におけるパチンコ機10は、小当たり遊技中における大当たり遊技の実行条件の成立のし易さを、小当たり遊技中に設定されている遊技状態に応じて異ならせることができるように構成している。具体的には、右打ち遊技によって発射された遊技球が遊技盤13の右側領域を流下する流下経路内に配設される構成として、小当たり遊技中に遊技球が入賞し易くなる第2可変入賞装置650よりも上流側に電動役物640が配設される構成としている。よって、小当たり遊技中の遊技状態が時短状態である場合の方が通常状態である場合よりも、右側領域を流下する遊技球が電動役物640によって第2入球口640へと誘導され易くなるため、小当たり遊技中に右打ち遊技によって発射された遊技球が第2可変入賞装置650へと到達し難くすることができる。加えて、上述した通り、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球の個数が所定数(4個)となった場合に流路ソレノイド209aをオンに設定し、第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球が特定領域(V領域)を通過可能となるように構成しているため、時短状態が設定されている状況で実行されている小当たり遊技中に右側領域を流下している遊技球の一部(4個未満の遊技球)が電動役物640に誘導されること無く第2可変入賞装置650に到達したとしても、遊技球が特定領域(V領域)を通過したことに基づいて大当たり遊技の実行条件が成立してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第31制御例におけるパチンコ機10では、流路ソレノイド209aをオンに設定するための条件が成立する契機となる遊技球、即ち、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと入賞した4個目の遊技球が、第2可変入賞装置650内のV流路650c2を流下するように構成しているため、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと複数個の遊技球を入賞させることで、大当たり遊技の実行条件を成立させ難い状況(流路ソレノイド209aがオフの状況)から大当たり遊技の実行条件を成立させ易い状況(流路ソレノイド209aがオンの状況)へと移行したにも関わらず、遊技球が特定領域(V領域)を通過すること無く小当たり遊技が終了してしまうことを抑制することができる。また、第2可変入賞装置650へと入賞した4個目の遊技球が、そのまま特定領域(V領域)を通過するように構成しているため、図1414に示した通り、第3図柄表示装置81の表示面には、第2可変入賞装置650への遊技球の入賞個数が4個であることに対応した表示態様Dm7dとして「V」を表示することができ、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、上述した通り、第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球の流路を、大当たり遊技の実行条件を成立させ難い流路(通常流路650c1)から大当たり遊技の実行条件を成立させ易い流路(V流路650c2)へと切り替えるための条件を成立させた遊技球(4個目に入賞した遊技球)が、そのままV流路650c2を流下し易くなるように構成しているが、これに限ること無く、第2可変入賞装置650に入賞した遊技球の流路を通常流路650c1からV流路650c2へと切り替えるための条件を成立させた遊技球よりも後に第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球がV流路650c2を流下させ易くなるように構成しても良い。このように構成することで、第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球を検知する位置よりも上流側に通常流路650c1からV流路650c2へと切り替える機構(切替弁)を設けることが可能となるため、第2可変入賞装置650内の各種機構の設計自由度を高めることができる。なお、この場合、小当たり遊技の終了条件として設定される遊技球の入賞個数(例えば、10個)よりも、少ない入賞個数(例えば、4個)を、第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球が流下する流路を、通常流路650c1からV流路650c2へと切り替えるための条件が成立する入賞個数と規定すれば良い。
普電ロング開放中フラグ223fbは、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される普図当たり遊技として、ロング開放当たり遊技が実行されていることを示すためのフラグであって、普図関連処理(図1455のS4216F参照)において、主制御装置110から普図当たり開始コマンドを受信したタイミングが時短状態であると判別した場合(図1455のS4607:Yes)、即ち、今回実行される普図当たり遊技がロング開放当たりであると判別した場合にオンに設定される(図1455のS4610F)。そして、普電ロング開放中フラグ223fbがオンに設定されている状況で普図当たり終了コマンドを受信した場合(図1455のS4611F:Yes)に、オフに設定される(図1455のS4612F)。このように構成することで、普電ロング開放中フラグ223fbの設定状況を判別することで現在がロング開放当たり遊技中であるかを音声ランプ制御装置113側で判別することができる。そして、当たり関連処理(図1456のS4218F参照)において、通常状態中に小当たり遊技が開始される状況であると判別した場合(図1456のS5504F:Yes)に実行される通常中小当たり開始処理(図1457のS5506F)にて、普電ロング開放中フラグ223fbがオンに設定されているかが判別される(図1458のS5705F)。
このS5705Fの処理によって、通常状態にて小当たり遊技が開始される時点がロング開放当たり遊技の実行期間中では無いと判別した場合は(S5705F:No)、小当たり遊技の開始に合わせて、特定領域(V領域)へと遊技球を通過させることを案内する特定案内態様(図1414(a)参照)が表示される。一方、S5705Fの処理によって、通常状態にて小当たり遊技が開始される時点がロング開放当たり遊技の実行期間中であると判別した場合(S5705F:No)、即ち、時短状態中に実行されたロング開放当たり遊技の遊技期間中に遊技状態が通常状態へと移行し、小当たり遊技が開始された場合は、小当たり遊技の開始直後において右打ち遊技にて発射された遊技球が第2可変入賞装置650へと到達し難い状況となるため、実行中のロング開放当たり遊技が終了するまでの間、継続して右打ち遊技を行わせるための案内態様が表示される。尚、図示は省略しているが、本制御例では、継続して右打ち遊技を行わせるための案内態様として、例えば、図1414(a)に示した小当たり遊技中の表示画面に、「待機中」の文字が表示されるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技が開始された直後に右打ち遊技を実行した場合において、遊技球が第2可変入賞装置650へと到達し難い期間が経過した後に、適正な小当たり遊技(遊技球を第2可変入賞装置650へと入賞させ易い状態での小当たり遊技)が実行されることを遊技者に分かり易く把握させることができる。ここで、継続して右打ち遊技を行わせるための案内態様が表示された場合には、実行中のロング開放当たり遊技の終了を示す普図当たり終了コマンドを受信した場合に(図1455のS4609:Yes)、特定領域(V領域)へと遊技球を通過させることを案内する特定案内態様(図1414(a)参照)が表示される(図1455のS4615F)。
なお、本制御例では、通常状態にて実行される小当たり遊技が開始されるタイミングにてロング開放当たり遊技が継続している状況が発生した場合であっても、上述した演出を実行することによって遊技者に分かり易い遊技を提供可能に構成しているが、これに限ること無く、通常状態にて小当たり遊技が開始される場合において、小当たり遊技のオープニング期間の長さを、ロング開放当たり遊技の遊技期間よりも長くすることで、小当たり遊技にて第2可変入賞装置650へと遊技球を入賞させることが可能となるラウンド遊技の開始時においてロング開放当たり遊技が継続し得ないように構成しても良い。
表示済勝利期待度記憶エリア223fcは、時短状態に対応して設定されるバトルモード演出において表示される勝利期待度(図1412(a)の表示領域Dm10参照)に対応する情報を一時的に記憶するための記憶領域である。この表示済勝利期待度記憶エリア223fcには、時短状態中に実行された特別図柄抽選の結果が小当たりであって、小当たり遊技が実行される時点における遊技状態が時短状態である場合、即ち、時短状態中に時短終了条件が成立しない小当たり種別の小当たり当選した場合に実行される勝利期待度示唆演出の演出態様を決定するための処理(図1457のS5605F参照)において決定された勝利期待度が記憶される(図1457のS5606F参照)。そして、記憶されている勝利期待度は、表示済勝利期待度に対応する情報として用いられる。
本第31制御例におけるパチンコ機10では、通常状態にて実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技(初回大当たり)の終了後に時短状態が設定された場合(時短突入時)には、大当たり種別に関わらず勝利期待度「?%」が表示されるバトルモードが開始されるように構成している(図1412(a)参照)。そして、バトルモード中に時短終了条件不成立小当たりに当選した場合には、その小当たり遊技中(大当たり遊技の実行条件が成立し難い小当たり遊技中)に、勝利期待度示唆演出を実行し、現在設定されている時短状態の時短種別(時短継続率)を遊技者に予測させることができるように構成している。この勝利期待度示唆演出の演出態様は、現在設定されている時短種別と、既に表示画面に表示されている勝利期待度と、今回当選した時短終了条件不成立小当たりの小当たり種別とに基づいて決定されることから、表示済勝利期待度記憶エリア223fcに記憶されている情報が参照される。さらに、時短状態中に時短終了条件成立小当たりに当選した場合には、当選した小当たりの種別に基づいて当たり図柄が選択され、選択された当たり図柄に対応する勝利期待度に関する情報が、表示済勝利期待度記憶エリア223fcに新たに格納されるように構成している。そして、時短終了条件成立小当たりに当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立し、V大当たり遊技が実行された後に時短状態が設定される場合には、その時点で勝利期待度記憶エリア223fcに記憶されている勝利期待度に関する情報に基づいた勝利期待度が表示領域Dm10(図1412(a))に表示された状態で新たなバトルモードが開始される。このように構成することで、時短終了条件成立小当たりに当選した際に遊技者に報知される当たり図柄の種別によってV大当たり遊技終了後に設定される時短状態の時短種別(時短継続率)を遊技者に事前に予測させた状態で開始されるバトルモードにて、想定外の勝利期待度が表示されてしまうことを抑制することができる。
獲得済アイテム情報記憶エリア223fdは、バトルモード中に表示されるキャラクタ801が獲得したアイテムの情報を記憶するための記憶領域であって、新たなアイテムを獲得した場合に、獲得したアイテムに関する情報が記憶される。そして、バトルモードが終了する条件が成立した場合(時短終了条件成立小当たりに当選した場合)に記憶されている情報がクリアされる。
当選済小当たり種別情報記憶エリア223feは、1回の時短期間中(バトルモード中)に当選した小当たり種別を記憶しておくための記憶領域である。本第31制御例におけるパチンコ機10では、現在設定されている時短状態の時短種別(時短継続率)を、時短状態中に当選した時短終了条件不成立小当たり回数では無く、時短終了条件不成立小当たりとして設定された小当たり種別の種類数に基づいて遊技者に示唆可能な勝利期待度示唆演出の演出態様を決定可能に構成しているため、1回の時短期間中に当選した時短終了条件不成立小当たりの小当たり種別を当選済小当たり種別情報記憶エリア223feに一時的に格納するように構成している。
時短終了待機フラグ223ffは、時短終了条件が成立することが確定している状況を示すためのフラグであって、特図始動口(第1入球口64、第2入球口640)へと遊技球が入球した場合に取得される各種入賞情報(第1当たり乱数カウンタC1の値、第1当たり種別カウンタC2の値、小当たり種別カウンタC5の値等)に対応する情報を含む入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合(図1451のS4211:Yes)に実行される入賞コマンド処理内の特図用入賞情報コマンド処理(図1452のS4406F)にて、今回受信した入賞情報コマンドに時短終了条件が成立する入賞情報が含まれていると判別した場合にオンに設定される(図1453のS4508F参照)。
つまり、時短状態中において、獲得済みの特図保留(特図2保留)内に現在の時短種別に対して第2時短終了条件として規定されている小当たり種別の小当たり当選に対応する入賞情報が含まれていると判別した場合に時短終了待機フラグ223ffがオンに設定される。そして、時短終了条件成立小当たりに当選したことに基づいて実行される小当たり遊技が終了した場合に時短終了待機フラグ223ffがオフに設定される。なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、特図用入賞情報コマンド処理(図1452のS4406F)にて、複数回の第2特別図柄変動を跨いだ連続演出(図1416参照)を決定可能に構成している。具体的には、受信した入賞情報コマンドに含まれる各種入賞情報を判定し、連続して実行される第2特別図柄抽選の結果が何れも小当たり当選である場合において連続演出を実行可能に構成している。これにより、時短終了条件不成立小当たりに連続して当選した場合にのみ実行される連続演出を遊技者に提供することができるため、遊技者に飽きの来ない遊技を提供し易くすることができる。また、この連続演出は、既に時短終了条件が成立する入賞情報を含む特図2保留を獲得している状況において新たに獲得した入賞情報コマンドに基づいて決定されることが無いように構成しており、この場合において、時短終了待機フラグ223ffの設定状況が判別されるように構成している。つまり、時短終了待機フラグ223ffは、時短終了条件が成立する小当たり当選に対応する入賞情報を獲得している状況であることを示すためのフラグであると共に、バトルモード中における連続演出の実行を規制するためのフラグである。
連続演出実行中フラグ223fgは、バトルモード中において連続演出が実行されている期間を示すためのフラグであって、主制御装置110から特別図柄の入賞情報に関する入賞コマンドを受信した場合に実行される特図用入賞情報コマンド処理(図1453のS4406F参照)にて実行される時短中連続演出決定処理(図1454のS4509参照)において連続演出の実行が決定された場合にオンに設定される(図1454のS5412F)。また、通常状態においても、受信した入賞コマンドに基づいて連続演出の実行が決定された場合にオンに設定される(図1454の4504F)。そして、連続演出実行中フラグ223fgの設定状況は、特図用入賞情報コマンド処理(図1453のS4406参照)が実行された場合に参照され(図1453のS4501F)、オンに設定されていると判別された場合には(図1453のS4501F:Yes)、新たな連続演出の実行を決定するための各種処理がスキップされる。このように構成することで、複数回の特別図柄抽選が実行される期間を跨いで実行される連続演出が重複して設定されてしまうことを抑制することができる。そして、連続演出の実行対象となる入賞情報(連続演出の実行が決定された入賞コマンド)に基づく特別図柄変動に対応する特別図柄変動演出の演出態様を決定した時点、即ち、連続演出における最終演出が実行される場合にオフに設定される(図1460のS5911F参照)。
<第31制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図1435から図1450を参照して、本第31制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第31制御例では、上述した第1制御例に対して、タイマ割込処理(図40参照)に代えてタイマ割込処理(図1435参照)を、特別図柄大当たり判定処理(S208)に代えて特別図柄判定処理(S208F)を、特別図柄変動パターン選択処理(S209)に代えて特別図柄変動パターン選択処理(S209F)を、更新処理(S221)に代えて時短更新処理(S223F)を、それぞれ実行する点と、普通図柄変動処理(S106)および大当たり終了処理(S1910)における処理内容を一部変更している点と、小当たり抽選に関連する処理および小当たり当選した場合に実行される各種処理を新たに追加した点で相違しており、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。まず、図1435を参照して、タイマ割込処理について説明をする。図1435は、本第31制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201にて実行されるタイマ割込処理の処理内容を示すためのフローチャートである。図1435に示した通り、本第31制御例におけるタイマ割込処理では、上述した第1制御例におけるパチンコ機10にて実行される主制御装置110のタイマ割込処理(図40参照)に対して、小当たり種別カウンタC5のカウンタ値を更新する点と、V入口通過処理(S110F)とV通過処理(S111F)を新たに実行する点で相違し、それ以外は同一の処理が実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4および小当たり種別カウンタC5の更新を実行する(S103F)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本第31制御例ではそれぞれ、999,99,999、999)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4,C5の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64への球の入球(始動入賞)や第2入球口640への球の入球(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。なお、なお、特別図柄変動処理(S104)の詳細は、図1436を参照して後述し、始動入賞処理(S105)は、上述した第1制御例における始動入賞処理(S105)と同一の処理内容であるため、その詳細な説明は省略する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。なお、普通図柄変動処理(S106)の詳細は、図1446を参照して後述し、スルーゲート通過処理(S107)は、上述した第1制御例におけるスルーゲート通過処理(S107)と同一の処理内容であるため、その詳細な説明を省略する。スルーゲート通過処理を実行した後は、次いで、第2可変入賞装置(Vアタッカー)650における球の通過に伴うV入口通過処理(S110F)を実行し、その後、第2可変入賞装置650内部に設けられたVゲート650vにおける球通過に伴うV通過処理(S111F)を実行する。なお、V入口通過処理(S110F)およびV通過処理(S111F)の詳細は、図1444および図1445を参照して後述する。次いで、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。次に、図1436を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104)を説明する。この特別図柄変動処理(S104)は、上述した第1制御例における特別図柄変動処理(図40参照)に代えて実行される処理であり、第1制御例に対して、主に、特別図柄抽選において外れ当選であった場合の一部で小当たり当選可能な仕様に変更されたことに伴う変更が反映されたものである。図1436は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)のうち、S201~S207、S210~S218およびS220の各処理では、それぞれ第1制御例における特別図柄変動処理(図40参照)の、S201~S207、S210~S218およびS220の各処理と同一の処理が実行される。また、本第31制御例における特別図柄変動処理(S104)では、S207またはS213の処理が終了した後に、特別図柄判定処理を実行し(S208F)、次いで、特別図柄変動パターン選択処理を実行する(S209F)。なお、この特別図柄判定処理(S208F)および特別図柄変動パターン選択処理(S209F)の詳細は、図1436および図1437を参照して後述する。
特別図柄変動処理(S104)において、S218の処理が終了した後は、時短カウンタ203hのカウンタ値を0に設定する(S219F)。つまり、第31制御例では、特別図柄の大当たりに当選した場合には、その特別図柄の変動が終了(第1図柄の確定表示が終了)してから、大当たり遊技が開始されるまでのタイミングで時短状態が終了するように構成している。なお、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させるタイミングについては、予め定められているタイミングで有れば良く、特別図柄(第1図柄)の確定表示後以外にも、例えば、大当たりに当選した特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了しても良いし、特別図柄が停止表示されたタイミング(確定表示が開始されるタイミング)で時短状態を終了しても良い。また、当選した大当たりに対応した大当たり遊技を開始するタイミングや大当たり遊技が開始されてから所定期間後(例えば、可変入賞装置65が開放されるラウンド遊技開始タイミング)に時短状態を終了しても良い。このように構成することで、大当たり遊技中に電動役物640aが可動して球が可変入賞装置65ではなく第2入球口640へと誘導されてしまうことを抑制することができる。さらに、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させる終了タイミング(特別図柄の大当たりに当選した場合に成立する時短終了条件を成立させるタイミング)を、上述した複数のタイミングの中から1つだけ予め設定するように構成しても良いし、当選した大当たりの大当たり種別に応じて異なるタイミングで時短状態が終了するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了させた場合には、遊技者に対して、時短状態が終了し(例えば、特別図柄の変動回数が規定回数(100回)に到達し)通常状態が設定されたのか、それとも、時短状態中に大当たりに当選したことにより時短状態が終了したのかを分かり難くすることができる。よって、時短状態が終了した際に実行される特別図柄変動に対応する第3図柄の演出表示(変動表示)の内容を遊技者に注視させることができ、演出効果を高めることができる。また、複数の大当たり種別毎に時短終了条件が成立するタイミング(大当たりに当選した場合に時短状態を終了させるタイミング)を異ならせるように設定することで、時短状態の終了タイミングに基づいて特別図柄の抽選結果(判別結果)が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、複数の大当たり種別毎に設定される時短終了条件が成立するタイミングの一部に、時短状態が終了したタイミングを遊技者が識別した場合に、今回の特別図柄の抽選結果(判別結果)が大当たりであることを遊技者に報知できるタイミング、即ち、大当たりに当選したことにより成立する時短終了条件が成立した場合にのみ時短状態が終了する大当たり専用の時短終了タイミングを設けても良い。このように構成し、時短状態が終了するタイミングを遊技者が把握することで、大当たりに当選したことをいち早く知ることができ、優越感に浸る期間を長くすることができる。また、このような効果をより奏するために、上述した大当たり専用の時短終了タイミングを、特別図柄変動が実行されてから特別図柄変動が終了するまでの変動期間のうち、前半期間に設定するように構成すると良い。
特別図柄変動処理(S104)のS217の処理において、今回の特別図柄抽選(特図抽選)の結果が大当たり当選ではないと判別した場合には(S217:No)、今回の特図抽選の結果が小当たり当選であるかを判別する(S221F)。小当たり当選であると判別した場合には(S221F)、小当たり遊技を開始させるための処理である小当たり開始設定処理を実行し(S222F)、次いで、時短カウンタ203hのカウンタ値を更新するための処理である時短更新処理を実行する(S223F)。なお、小当たり開始設定処理(S222F)および時短更新処理(S223F)の詳細は、図1441および図1443を参照して後述する。一方、S221Fの処理において、今回の抽選結果が小当たりではないと判別した場合には(S221F:No)、S222Fの処理をスキップし、S223Fの処理を実行する。
次に、図1437を参照して、特別図柄変動処理(S104)の一処理である特別図柄判定処理(S208F)の処理内容について説明する。図1437は、この特別図柄判定処理(S208F)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄判定処理(S208F)は、上述した第1制御例における特別図柄大当たり判定処理(S208)に代えて実行される処理であり、特別図柄抽選における大当たり判定に加え、大当たり当選しなかった場合には小当たり判定(小当たり抽選)が実行される点で相違する。特別図柄判定処理(S208F)では、まず、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に記憶されている各カウンタ値を取得する(S301)。そして、第1当たり乱数テーブル202fa(図1424(a)参照)に基づいて、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり判定値或いは小当たり判定値と一致するか否かを判定し、その抽選結果(判定結果)を取得する(S302)。S302の処理を終えると、次に、今回の抽選結果が大当たりであるかを判別し(S303)、大当たりであると判別した場合は(S303:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S304)、取得した当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S305)、本処理を終了する。一方、S303の処理において今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S303:No)、小当たり抽選を実行するための処理である外れ時処理を実行する(S306F)。次に、図1438を参照して、外れ時処理(S306F)の処理内容について説明する。図1438は、この外れ時処理(S306F)の処理内容を示したフローチャートである。外れ時処理(S306F)が実行されると、まず、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるかを判別する。具体的には、特別図柄判定処理(S208F)のS302の処理において取得した抽選結果が小当たり当選であるかを判別する(S351F)。S351Fの処理において、小当たり当選であると判別した場合には(S351F:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S352F)、特別図柄判定処理(S208F)のS301の処理で取得した小当たり種別カウンタC5のカウンタ値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の小当たり図柄をセットして(S353F)、本処理を終了する。なお、小当たり種別カウンタC5のカウンタ値は、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納され、球が第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。一方、S351Fの処理において、小当たり当選ではないと判別した場合には(S351F:No)、第1図柄表示装置37に特別図柄の外れ図柄をセットし(S354F)、本処理を終了する。このように、本第31制御例では、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選ではないと判別された場合に小当たり抽選を実行する構成としている。このように構成することで、特別図柄抽選において大当たりと小当たりに同時に当選し、遊技者に過度に特典が付与されてしまうことを抑制することができる。
次に、図1439を参照して、特別図柄変動処理(S104)の一処理である特別図柄変動パターン選択処理(S209F)の処理内容について説明する。図1439は、この特別図柄変動パターン選択処理(S209F)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動パターン選択処理(S209F)は、上述した第1制御例における特別図柄変動パターン選択処理(図43のS209)に対して、S401の処理で特別図柄抽選の結果が大当たり当選でなかった場合に、外れ時種別決定処理(S410F)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。特別図柄変動パターン選択処理(S209F)では、まず、特別図柄判定処理(図1437のS208F)における特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S401)。S401の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S401:Yes)、第1当たり種別選択テーブル202fd(図1425(a)~(b)参照)と、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(S402)。次いで、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(S403)、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態))に対応した変動パターン選択テーブル202fbを読み出す(S404)。そして、S403の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S404の処理で読み出した変動パターン選択テーブル202fbとに基づいて変動パターンを選択し(S405)、S405の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S406)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理(図1447のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S407)、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S408)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を特図変動時間カウンタ(図示せず)の値にセットし(S409)、本処理を終了する。S407の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理(図1447)の外部出力処理(図1447のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。一方、S401の処理において、特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(S401:No)、小当たり種別を決定するための処理である外れ時種別決定処理を実行する(S410F)。ここで、図1440を参照して、外れ時種別決定処理(S410F)の処理内容について説明する。図1440は、この外れ時種別決定処理(S410F)の処理内容を示したフローチャートである。外れ時種別決定処理(S410F)が実行されると、まず、特別図柄判定処理(図1437のS208F)における特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否か、即ち、特別図柄の小当たりが設定されているか否かを判別する(S451F)。特別図柄の小当たりが設定されていると判別した場合には(S451F:Yes)、第1当たり種別選択テーブル202fdの小当たり用テーブル202fd3を参照して、小当たり種別カウンタC5のカウンタ値に対応する小当たり種別を決定する(S452F)。一方、S451Fの処理において、特別図柄の小当たりが設定されていないと判別した場合には(S451F:No)、S452Fの処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図1441を参照して、特別図柄変動処理(S104)の一処理である小当たり開始設定処理(S222F)の処理内容について説明する。図1441は、この小当たり開始設定処理(S222F)の処理内容を示したフローチャートである。小当たり開始設定処理(S222F)が実行されると、まず、小当たり種別に対応した第2可変入賞装置(Vアタッカー)650の開放シナリオを設定する(S2401F)。その後、V通過大当たり種別格納エリア203fdに小当たり種別に応じた大当たり種別を設定する(S2402F)。より具体的には、小当たり種別と小当たり用テーブル202fd3に基づいて、V通過時大当たり種別(小当たり遊技中に球が特定領域(第2可変入賞装置(Vアタッカー)650内に設けられたVゲート650v)を通過した場合に設定(実行)される大当たり遊技)を判別する。このように、V大当たりを獲得した場合に、大当たり種別を設定し、設定された大当たり種別に基づいて大当たり遊技を開始させる処理を実行することで、大当たりに当選した場合と、V大当たりを獲得した場合とで、大当たり遊技に関する処理を共通化することができ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。なお、本第31制御例の構成に限ること無く、大当たりに当選した場合のみ、或いは、V大当たりに当選した場合のみ、実行され得る大当たり遊技を設定可能に構成しても良いし、大当たりとV大当たりとで異なる大当たり遊技処理を実行するように構成しても良い。S2402Fの処理を終えると、次いで、小当たり種別に基づいて、小当たりの開始を設定し(S2403F)、小当たり開始フラグ203fbと小当たり中フラグ203fcをオンに設定する(S2404F)。その後、小当たり用時短更新処理を実行し(S2405F)、本処理を終了する。
次に、図1442を参照して、小当たり用時短更新処理(S222F)の一処理である小当たり時短更新処理(S2405F)の処理内容について説明する。図1442は、この小当たり時短更新処理(S2405F)の処理内容を示したフローチャートである。小当たり用時短更新処理(S2405F)が実行されると、まず、時短カウンタ203hのカウンタ値が0よりも大きいかを判別し(S2501F)、時短カウンタ203hのカウンタ値が0よりも大きくない、即ち、0であると判別した場合には(S2501F:No)、S2502F~S2507Fの処理をスキップし、本処理を終了する。一方、S2501Fの処理において時短カウンタ203hのカウンタ値が0よりも大きいと判別した場合には(S2501F:Yes)、小当たり種別格納エリア203faに格納されている小当たり種別を読み出し(S2502F)、遊技状態格納エリア203gに格納されている現在の時短種別を読み出し(S2503F)、読み出した小当たり種別と時短種別とに基づいて時短終了条件成立の判定を実行する(S2504F)。S2504Fの処理が終了すると、次いで、S2504Fの処理において時短終了条件が成立したか否かを判別し(S2505F)、時短終了条件が成立したと判別した場合には(S2505F:Yes)、時短カウンタ203hのカウンタ値を0に設定し(S2506F)、遊技状態格納エリア203gに通常状態を設定して(S2507F)、本処理を終了する。一方、S2505Fの処理において、時短終了条件が成立していないと判別した場合には(S2505F:No)、S2506FおよびS2507Fの処理をスキップし、本処理を終了する。このように、小当たり用時短更新処理(S222F)では、今回の小当たり種別が、設定されている時短種別における時短終了条件を成立させる小当たり種別であるかを判別し、時短終了条件が成立した場合には遊技状態を時短状態から通常状態に変更する。これにより、同一の小当たり種別であっても、設定されている時短種別によって時短終了条件が成立する場合と、成立しない場合とを設けることが可能となり、時短種別によって継続率の異なる時短状態を設定することができる。
次に図1443を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図1436参照)の一処理である時短更新処理(S223F)の処理内容について説明する。図1443は、この時短更新処理(S223F)の処理内容を示したフローチャートである。時短更新S223F)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいかを判別し、0よりも大きいと判別した場合、即ち、現在が普通図柄の高確率状態である場合は(S505:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S506)、減算後の時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S507)。S507の処理において時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は、遊技状態格納エリア203gに通常状態を設定し(S508)、時短カウンタ203hの値と現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S509F)、本処理を終了する。また、S505の処理において時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合(S505:No)、或いは、S507の処理において時短カウンタ203hの値が0では無いと判別した場合(S507:No)は、そのままS509Fの処理を実行する。なお、S509Fの処理において設定される状態コマンドには、小当たり当選経由で設定された(小当たり用時短更新処理(図1442参照)のS2507Fの処理において設定された)通常状態と、小当たり当選を経由していない(時短更新処理(図1443参照)のS508の処理において設定された)通常状態と、を判別可能な情報が含まれており、後述する音声ランプ制御装置113のMPU221で実行される状態コマンド受信処理(図1452参照)のS4301Fの処理ではこの情報により遊技状態の変更が小当たり当選に基づく変更であるか否かを判別可能となる。
次に、図1444を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図1435参照)の一処理であるV入口通過処理(S110F)の処理内容について説明する。図1444は、このV入口通過処理(S110F)を示すフローチャートである。V入口通過処理(S110F)では、まず、V流路通過スイッチ208aから検知信号が出力されたか(球通過センサがオンであるか)が判別される(S2601F)。球通過センサがオンでないと判別された場合は(S2601F:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2601Fの処理において、球通過センサがオンである(V流路検知スイッチ208aが遊技球を検知した)と判別された場合(S2601F:Yes)、現在がV流路650c2を遊技球が通過可能な状況(V入賞口開放期間中)であるかが判別され(S2602F)、V入賞口開放期間中であると判別された場合は(S2602F:Yes)、適正なV入口通過と判定しV入口通過コマンド(入賞個数コマンド)を設定する処理(S2603F)が実行される。ここで設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1447参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、第2可変入賞装置(Vアタッカー)650への入球に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる。一方、S2602Fの処理において、V入賞口開放期間中では無いと判別した場合は(S2602F:No)、現在がV流路650c2を遊技球が通過可能な状況では無いにも関わらずV流路650c2を遊技球が流下している状況であると判定され、エラーコマンドが設定される(S2604F)。このように構成することで、不正遊技が実行されることを抑制することができる。
次に、図1445を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図1435参照)の一処理であるV通過処理(S111F)の処理内容について説明する。図1445は、このV通過処理(S111F)を示すフローチャートである。V通過処理(S111F)が実行されると、まず、V通過フラグ203ffがオンであるか否かを判別し(S2701F)、V通過フラグ203ffがオンであると判別した場合には(S2701F:Yes)、S2702F~S2708Fの処理をスキップして、本処理を終了する。一方、S2701Fの処理においてV通過フラグ203ffがオンではないと判別した場合には(S2701F:No)、V通過スイッチ208bから検知信号が出力されたか(V通過ありか)を判別し(S2702F)、V通過スイッチ208bから検知信号が出力された(V通過あり)と判別された場合には(S2702F:Yes)、V通過を適正に処理可能な期間(V有効期間)中であるかを判別する(S2703F)。V有効期間中であると判別した場合には(S2703F:Yes)、V通過時大当たり種別格納エリア203fdに格納されているV通過時大当たり種別を取得し(S2704F)、取得したV通過時大当たり種別に対応したVフラグ203feをオンに設定する(S2705F)。その後、V通過コマンドを設定し(S2706F)、V通過フラグ203ffをオンに設定して(S2707F)、本処理を終了する。ここで設定されたV通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1447参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V通過コマンドを受信すると、表示制御装置114へV通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、V通過に基づく小当たり遊技中の演出(図1414(b)参照)を実行することができる。一方、S2703Fの処理において、V有効期間中では無いと判別された場合には(S2703F:No)、適正では無いV通過であると判定し、エラーコマンドを設定する処理が実行される(S2708F)。
次に、図1446を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図1435参照)の一処理である普通図柄変動処理(S106)の処理内容について説明する。図1446は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。本第31制御例における普通図柄変動処理(S106)は、上述した第1制御例における普通図柄変動処理(図48参照)に対して、普通図柄の低確率状態と高確率状態とで共通の第2当たり乱数テーブルを用いて抽選結果を取得する構成に変更した点と、設定される普通図柄の変動時間を変更した点と、普通図柄の当たり遊技における電動役物640aが可動時間(電動役物640の開放時間)を変更した点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。この普通図柄変動処理(S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるかを判別する(S801)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから(当たり図柄が停止表示してから)電動役物640aの開閉制御がなされている最中まで(当たり遊技が終了するまで)が含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合には(S801:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別した場合には(S801:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるかを判別する(S802)。普通図柄の変動表示中では無い、即ち、現在が新たな普通図柄変動(抽選)を実行可能な状態であると判別した場合は(S802:No)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し(S803)、その値が0よりも大きいかを判別する(S804)。S804の処理で普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であると判別された場合には(S804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値が0よりも大きいと判別した場合は(S804:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S805)。つまり、S804の処理において新たな普通図柄変動を実行するための条件(普通図柄変動に用いるための入賞情報が保留記憶されていること)が成立していると判別された場合は、保留記憶されている入賞情報を用いて普通図柄変動を実行するため、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を1減算する。次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S806)。S806の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの普通図柄保留1~普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S807)。なお、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されている普通図柄の実行権利(普図保留球)の数を示すコマンドを設定し、音声ランプ制御装置113に送信する構成としても良い。
次に、第2当たり乱数テーブル202fc(図1424(b)参照)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果(抽選結果)が取得され(S808F)、S811の処理を実行する。S811の処理では、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりであるかを判別し(S811)、当たりであると判別した場合は(S811:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定し(S812)、S814の処理を実行する。一方、S811の処理で、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S811:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(S813)、S814の処理を実行する。S814の処理では、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203hの値を参照して判別し(S814)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S814:Yes)、普通図柄の変動時間を0.2秒に設定し(S815F)、本処理を終了する。一方、S814の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S814:No)、普通図柄の変動時間を5秒に設定し(S816F)、本処理を終了する。
なお、本第31制御例では、上述した通り、設定される普通図柄の確率状態に応じて、普通図柄の変動時間を異ならせているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態に関わらず、常に変動時間として0.2秒が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技状態が切り替わるタイミングにおいて、具体的には、一般的に長い変動時間が設定され易い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、短い変動時間が設定され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が切り替わる大当たり遊技終了のタイミングにおいて、長い変動時間の普通図柄変動が実行されており、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない事態が発生することを抑制することができる。なお、普通図柄の変動時間の設定方法については、本第31制御例の構成に限ること無く、遊技状態に応じて変動時間を異ならせたり、普図保留球数に応じて変動時間を異ならせたり、取得した所定値に応じて変動時間を異ならせたりしても良く、例えば、普通図柄変動の変動時間を、設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)と、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普図保留数)と、に基づいて可変設定するように構成しても良い。一方、S802の処理において、普通図柄(第2図柄)が変動表示中ではないと判別した場合には(S802:No)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したかを判別し(S817)、変動時間が経過していないと判別した場合は(S817:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S817の処理において変動時間が経過していると判別した場合は(S817:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S818)。S818の処理では、今回の普通図柄の抽選が当たりである場合には、第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定する。一方、普通図柄の抽選が外れである場合には、第2図柄表示装置83には「×」図柄が停止表示(点灯表示)される。つまり、上述したS812、或いはS813の処理で設定された表示態様を停止表示させるための設定が行われる。S818の処理により、停止表示を設定すると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S812の処理、或いはS813の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかを判別する(S819)。普通図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S819:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別した場合には(S819:Yes)、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203hの値を参照して判別し(S820)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S820:Yes)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間が5秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(S821)、S822の処理を実行する。一方、S820の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S820:No)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間が0.1秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(S823F)、S822の処理を実行する。S822の処理では、S821、或いはS823の処理において設定されたシナリオに基づいて電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S822)、本処理を終了する。
このように、本第31制御例では、時短中(普通図柄の高確率状態)の普通図柄の変動時間を通常状態(普通図柄の低確率状態)よりも短く設定し、普通図柄の当たりに当選した場合の電動役物640aの開放時間を通常よりも長く設定する構成としている。上述したように、本第31制御例では、299/300(約99%)の確率で普通図柄の当たりに当選する構成であるため、時短中は電動役物640aが作動している期間が、電動役物640aが作動していない期間よりも長くなり、第2入球口640に球が誘導され易くなる。したがって、時短中は通常状態よりも第2可変入賞装置650に球が到達し難くなるため、通常状態と時短状態とで小当たり遊技におけるV入賞のし易さを異ならせることが可能となる。なお、本第31制御例のパチンコ機10では、普通図柄の当否判定を行うタイミング(S808F~S811の処理を行うタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミング(S817の処理で変動時間が経過したと判別したタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。即ち、本第31制御例では、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)と、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)とが独立して実行されるように構成されており、さらに、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果に基づいて普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)が可変するように構成している。よって、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)が実行されている期間中に並行して実行される特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果によっては、普通図柄の当否判定を行うタイミングでは普通図柄の高確率状態が設定され、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでは普通図柄の低確率状態が設定される場合が発生する。このような状況において、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングにて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定してしまうと、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、電動役物640aがロング開放(普通図柄の高確率状態中が設定されている場合に実行される開放パターン)してしまうという問題があった。そこで、本第31制御例では、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)を判別し、その判別結果に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。これにより、設定されている遊技状態に応じた開放パターンで電動役物640aを開放させることができる。なお、本第31制御例では、普通図柄の当否判定を行うタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されており、且つ普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでも普通図柄の高確率状態が設定されている場合にのみ、電動役物640aがロング開放するように構成しても良いし、普通図柄の当否判定を行うタイミングで設定されている遊技状態に基づいて、電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しても良い。また、詳細な説明は省略しているが、普通図柄変動処理(S106)において決定された各種情報(普通図柄抽選の結果、普通図柄変動の変動時間、普図当たりシナリオ等)は、それぞれ各種情報の内容を示すコマンドが設定され、主制御装置110のメイン処理(図1447参照)の外部出力処理(図1447のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、図1447を参照して、立ち上げ処理(図50参照)後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理の処理内容について説明する。図1447は、このメイン処理の処理内容を示したフローチャートである。本第31制御例におけるメイン処理は、上述した第1制御例におけるメイン処理(図51参照)に対して、小当たり遊技を実行するための処理である小当たり制御処理(S1805F)を新たに追加した点で相違しており、それ以外の構成については同一である。メイン処理(図1447参照)においては、まず、タイマ割込処理(図1435参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1801)。具体的には、タイマ割込処理(図1435参照)におけるスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図1436参照)や始動入賞処理(図45参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(図1447のS1801)により、主制御装置110の各種処理にて設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、第3図柄表示装置81にて表示される各種演出(変動演出、装飾演出等)を設定するための情報とする。また、大当たり制御処理(図42参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。さらに、その他制御処理において設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1802)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1803)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、音声ランプ制御装置113にて大当たり演出を実行させるためのコマンドの設定や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放動作するための大当たり制御処理を実行する(S1804)。なお、本第31制御例における大当たり制御処理(S1804)は、上述した第1制御例における大当たり制御処理(図52のS1804参照)に対して、大当たり終了処理(図52参照)に代わり大当たり終了処理(図1448のS1910参照)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一であるため、その詳細な説明については省略する。
ここで、図1448を参照して、本第31制御例において実行される大当たり制御処理(S1804)の一処理である大当たり終了処理(S1910)の処理内容について説明する。図1448は、この大当たり終了処理(S1910)の処理内容を示したフローチャートである。本第31制御例における大当たり終了処理(S1910)では、上述した第1制御例における大当たり終了処理(図54参照)に対して、主に、実行中の大当たり種別に応じて異なる時短終了条件を設定するための処理を実行する点で相違している。大当たり終了処理(S1910)が実行されると、まず、実行中の大当たり種別を読み出し(S2101F)、読み出した大当たり種別に基づいて時短付与テーブル202feを用いて対応する時短終了条件を決定(設定)する(S2102F)。次いで、時短状態の設定ありか、即ち、実行中の大当たり種別が大当たり遊技終了後に時短状態を設定する大当たり種別であるかを判別し(S2103F)、時短状態の設定あり(実行中の大当たり種別が大当たり遊技終了後に時短状態を設定する大当たり種別である)と判別した場合には(S2103F:Yes)、時短カウンタ203hのカウンタ値として10000を設定し(S2104F)、設定内容に対応する時短設定情報コマンドを設定し(S2105F)、大当たり遊技終了後の状態に対応する状態コマンドを設定し(S2106F)、大当たり遊技の終了を設定し(S2107F)、大当たり中フラグ203kをオフに設定し(S2108F)、本処理を終了する。一方、S2103Fの処理において、時短状態の設定なし(実行中の大当たり種別が大当たり遊技終了後に時短状態を設定する大当たり種別ではない)と判別した場合には(S2103F:No)、S2104Fの処理をスキップし、S2105Fの処理を実行する。なお、S2105Fの処理で設定された時短設定情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1447参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、時短設定情報コマンドを受信すると、従状態設定エリア223gに今回の時短状態の時短終了条件を示す時短情報を設定する。ここで設定された時短情報と、特別図柄の変動(抽選)において小当たり当選する場合の小当たり種別に基づいて、時短終了条件が成立するか否かを判別し、その判別結果に基づいて様々な演出態様が第3図柄表示装置81にて表示される。
図1447に戻り、説明を続ける。大当たり制御処理(S1804)が終了すると、次いで、小当たり制御処理を実行する(S1805F)。なお、小当たり制御処理(S1805F)の詳細な説明は、図1449を参照して後述する。小当たり制御処理(S1805F)が終了すると、次に、電動役物開閉制御処理を実行する(S1806)。なお、S1806~S1816の処理内容については、上述した第1制御例におけるメイン処理のS1806~S1816の処理内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。次に、図1449を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理の一処理である小当たり制御処理(S1805F)の処理内容について説明する。図1449は、この小当たり制御処理(S1805F)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり制御処理(S1805F)は、特別図柄が小当たり当選した場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(第2可変入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
小当たり制御処理(図1449のS1805F)では、まず、特別図柄の小当たり遊技が開始されるかを判定する(S2801F)。具体的には、小当たり開始設定処理(図1441参照)のS2404Fの処理により小当たり開始フラグ203fbがオンに設定されていれば、特別図柄の小当たり遊技が開始されると判定する。S2801Fの処理において、特別図柄の小当たり遊技が開始される場合には(S2801F:Yes)、オープニングコマンド(小当たり開始コマンド)を設定する(S2802F)。そして、入賞個数カウンタ203fgのカウンタ値を0に設定し(S2803F)、小当たり開始フラグ203fbをオフに設定して(S2804F)、本処理を終了する。一方、S2801Fの処理において、特別図柄の小当たり遊技が開始されない場合(小当たり開始フラグ203fbがオフである場合)には(S2801F:No)、特別図柄の小当たり中であるかを判別する(S2805F)。特別図柄の小当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の小当たり(特別図柄の小当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の小当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S2805Fの判別は小当たり中フラグ203fcがオンに設定されているかによって判別する。S2805Fの処理において、特別図柄の小当たり中では無いと判別した場合は(S2805F:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2805Fの処理において、特別図柄の小当たり中であると判別した場合には(S2805F:Yes)、S2806Fの処理を実行する。S2806の処理では、第2可変入賞装置(Vアタッカー)650の開放タイミングであるか判別する(S2806F)。なお、Vアタッカーの開放タイミングは、上述した小当たり開始設定処理(図1441のS222F参照)のS2401Fの処理において設定された開放シナリオに規定されている。S2806Fの処理において、Vアタッカー開放タイミングであると判別した場合には(S2806F:Yes)、Vアタッカーを解放する(開閉扉650fを可動させ、第2可変入賞装置(Vアタッカー)650に球が入球可能な状態とする)処理を実行し(S2807f)、本処理を終了する。
S2806Fの処理において第2可変入賞装置(Vアタッカー)650の開放タイミングではないと判別した場合には(S2806F:No)、Vアタッカーの閉鎖条件が成立したかを判別する(S2808F)。Vアタッカーの閉鎖条件は、Vアタッカーが開放されてから所定時間(例えば、5秒)が経過した場合、またはVアタッカーに所定数(例えば、10個)の球が入球した場合に成立する。Vアタッカーの閉鎖条件が成立したと判別した場合には(S2808F:Yes)、Vアタッカーを閉鎖する(開閉扉650fを可動させ、第2可変入賞装置(Vアタッカー)650に球が入球不可な状態とする)処理を実行し(S2806F)、本処理を終了する。一方、S2808Fの処理において、Vアタッカーの閉鎖条件が成立していないと判別した場合には(S2808F:No)、Vアタッカーへの入賞があったか、即ち、入賞検知スイッチ650sから主制御装置110に検知信号の出力があったかを判別する(S2810F)。Vアタッカーへの入賞があった(入賞検知スイッチ650sから主制御装置110に検知信号の出力があった)と判別した場合には(S2810F:Yes)、Vアタッカー入賞処理を実行し(S2811F)、本処理を終了する。このVアタッカー入賞処理(S2811F)は、Vアタッカーへの球の入球数に応じて第2可変入賞装置(Vアタッカー)650内での球の流路を切り替えるための処理である。なお、Vアタッカー入賞処理(S2811F)の処理内容については、図1450を参照して後述する。S2810Fの処理において、Vアタッカーへの入賞がなかったと判別した場合には(S2810F:No)、次に、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S2812F)。S2812Fの処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S2812F:Yes)、エンディングコマンド(小当たり終了コマンド)を設定し(S2813F)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1447参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。詳細は後述するが、音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、設定されている遊技状態が通常状態であるかを判別し、通常状態であると判別した場合には、特定領域(Vゲート650v)への球の通過の有無に応じて異なるエンディング演出を実行するための表示用コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において対応するエンディング演出が開始される。一方、S2812Fの処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S2812F:No)、S2814Fの処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S2814F)。S2814Fの処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S2814F:No)、本処理を終了する。S2814Fの処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S2814F:Yes)、Vフラグ203feがオンに設定されているかを判別し(S2815F)、オンに設定されていると判別した場合は(S2815F:Yes)、Vフラグ203feの内容に対応する大当たり種別に基づく開閉扉65fの開放シナリオを設定し(S2816F)、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203kをオンに設定し(S2817F)、Vフラグ203feをオフに設定し(S2818F)、V通過フラグ203ffをオフに設定し(S2819F)、小当たり中フラグ203fcをオフに設定し(S2820F)、切替済フラグ203fhをオフに設定し(S2821F)、切替弁650bを作動させるための流路ソレノイド209aをオフに設定し(S2822F)、本処理を終了する。なお、切替済フラグ203fhは、切替弁650bを作動させて第2可変入賞装置(Vアタッカー)650へと入賞した球をV流路650c2へと流下させる状態へと切り替えたことを示すためのフラグである。
次に、図1450を参照して、小当たり制御処理(S1805F)の一処理であるVアタッカー入賞処理(S2811F)の処理内容について説明する。図1450は、このVアタッカー入賞処理(S2811F)の処理内容を示したフローチャートである。上述したように、本第31制御例では、小当たり遊技において第2可変入賞装置(Vアタッカー)650に球が4個入球した場合に、切替弁650bが作動し、第2可変入賞装置(Vアタッカー)650へと入賞した球をV流路650c2へと流下させ、特定領域(Vゲート650v)に入球可能となる。Vアタッカー入賞処理(S2811F)では、主に切替弁650bを作動させるための処理を実行する。Vアタッカー入賞処理(S2811F)が実行されると、まず、切替済フラグ203fhはオンであるかを判別し(S2901F)、切替済フラグ203fhがオンであると判別した場合には(S2901F:Yes)、本処理を終了する。一方、切替済フラグ203fhがオンではないと判別した場合には(S2901F:No)、入賞個数カウンタ203fgのカウンタ値を1加算し(S2902F)、加算後の入賞個数カウンタ203fgのカウンタ値が4であるかを判別する(S2903F)。入賞個数カウンタ203fgのカウンタ値が4ではないと判別した場合には(S2903F:No)、本処理を終了する。一方、入賞個数カウンタ203fgのカウンタ値が4であると判別した場合には(S2903F:Yes)、流路ソレノイド209aをオンに設定し(S2904F)、切替済フラグ203fhをオンに設定する(S2905F)。これにより、第2可変入賞装置(Vアタッカー)650に球が4個入球した場合に切替弁650bを作動させ、第2可変入賞装置(Vアタッカー)650へと入賞した球をV流路650c2へと流下させることが可能となる。S2905Fの処理が終了すると、現在設定されている遊技状態が時短状態であるか(遊技状態格納エリア203gに格納されている遊技状態を示す情報が時短状態を示す情報であるか)を判別し(S2906F)、時短状態ではない、即ち、通常状態であると判別した場合には(S2906F:No)、本処理を終了する。一方、S2906Fの処理において、時短状態である(遊技状態格納エリア203gに時短状態を示す情報が格納されている)と判別した場合には(S2906:Yes)、小当たり遊技中の異常遊技であることを示すエラーコマンドを設定し(S2907F)、本処理を終了する。このように構成することで、遊技者が時短中の小当たり遊技において球を特定領域(Vゲート650v)に入球させる不正遊技を行うことを抑制することができる。なお、本第31制御例では、設定されている遊技状態に関わらず入賞個数カウンタ203fgのカウンタ値が4となった場合に流路ソレノイド209aをオンに設定し、切替弁650bを作動させる構成としたが、これに限るものではなく、遊技状態に応じて流路ソレノイド209aをオンに設定するか否かを決定する構成としても良い。具体的には、S2903Fの処理において入賞個数カウンタ203fgのカウンタ値が4であると判別した場合には、S2904Fの処理を実行する前に現在の遊技状態が時短状態であるかを判別し、時短状態であると判別した場合にはS2904FとS2905Fの処理をスキップして本処理を終了し、時短状態ではないと判別した場合にはS2904FとS2905Fの処理を実行する構成としても良い。このように構成することで、時短中の小当たり遊技では切替弁650bが作動しなくなり、Vアタッカーに到達した球が特定領域(Vゲート650v)を通過してしまうことを抑制することができる。
<第31制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
図1451~図1461を参照して、本第31制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第31制御例では、上述した第1制御例に対して、コマンド判定処理(図59のS4112参照)に代えてコマンド判定処理(図1451のS4112F参照)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。
図1451~図1461を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4112F)の処理内容について説明する。図1451は、このコマンド判定処理(S4112F)の処理内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4112F)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図58参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。本第31制御例におけるコマンド判定処理(S4112F)では、上述した第1制御例におけるコマンド判定処理(図59のS4112参照)に対して、状態コマンド受信処理(S4202)に代えて状態コマンド受信処理(S4202F)を、入賞コマンド処理(S4212)に代えて入賞コマンド処理(S4212F)を、普図関連処理(S4216)に代えて普図関連処理(S4216F)を、大当たり関連処理(S4218)に代えて当たり関連処理(S4218F)を、それぞれ実行する点で相違しており、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図1452を参照して、コマンド判定処理(S4112F)の一処理である状態コマンド受信処理(S4202F)の処理内容について説明する。図1452は、この状態コマンド受信処理(S4202F)の処理内容を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理(S4202F)は、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される表示モードを異ならせて設定するための処理を実行するものである。状態コマンド受信処理(S4202F)が実行されると、まず、現在設定されている遊技状態が変更されるか否かを判別する(S4301)。ここでは、従状態設定エリア223gに設定されている遊技状態と、今回受信した状態コマンドが示す遊技状態とが、相違するか否かが判別される。S4301の処理において、遊技状態に変更がないと判別した場合は(S4301:No)、そのまま本処理を終了する。遊技状態に変更があると判別した場合は(S4301:Yes)、変更後の遊技状態が通常状態(普通図柄の低確率状態)であるかを判別する(S4302)。S4302の処理において、変更後の遊技状態が通常状態であると判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドである場合)は(S4302:Yes)、今回の通常状態への変更が小当たり当選に基づく変更であるかを判別し(S4301F)、小当たり当選に基づく変更であると判別した場合には(S4301F:Yes)、本処理を終了する。なお、上述したように主制御装置110から受信した状態コマンドには、小当たり当選経由で設定された通常状態と、小当たり当選を経由せずに設定された通常状態と、を判別可能な情報が含まれており、これにより、S4301Fの処理では、小当たり当選に基づく変更であるか否かを判別することができる。一方、S4301Fの処理において、小当たり当選に基づく変更ではないと判別した場合には(S4301F:No)、受信した状態コマンドに含まれる状態情報を従状態設定エリア223gに格納し(S4302F)、入賞情報格納エリア223bに第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)に対応する入賞情報があるか判別する(S4303F)。S4303Fの処理において、特図2保留に対応する入賞情報が格納されていない(特図2保留なし)と判別した場合には(S4303F:No)、通常モードを示す表示用コマンドを設定し(S4303)、設定されたモード情報を演出モード記憶エリア223pに格納し(S4304F)、本処理を終了する。一方、S4303Fの処理において、特図2保留に対応する入賞情報が格納されている(特図2保留あり)と判別した場合には(S4303F:Yes)、引き戻しモードを示す表示用コマンドを設定し(S4305F)、S4304Fの処理を実行する。一方、S4302の処理において、通常状態への変更ではない(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドではない)と判別した場合には(S4302:No)、時短状態への変更であるかを判別する(S4306)。時短状態への変更である(今回受信した状態コマンドが時短状態を示すコマンドである)と判別した場合には(S4306:Yes)、受信した状態コマンドに含まれる時短情報(時短種別と、第1時短終了条件と、第2時短終了条件と、を示す情報)を従状態設定エリア223gに格納し(S4307F)、従時短カウンタ223nに時短回数に対応する値を設定し(S4308F)、バトルモードを示す表示用コマンドを設定し(S4309F)、表示済勝利期待度記憶エリア223fcに格納されている勝利期待度に対応する表示用コマンドを設定し(S4310F)、S4304Fの処理を実行する。一方、S4306Fの処理において、時短状態への変更ではない(今回受信した状態コマンドが時短状態を示すコマンドではない)と判別した場合には(S4306)、本処理を終了する。このように、状態コマンド受信処理(S4202F)が実行されることにより、主制御装置110において遊技状態が変更された場合に、第3図柄表示装置81に表示される表示モードを変更し、遊技者に現在どの遊技状態が設定されているのかを分かり易くすることができる。
次に、図1453を参照して、入賞コマンド処理(S4212F)の一処理である特図用入賞情報コマンド処理(S4406F)の処理内容について説明する。図1453は、この特図用入賞情報コマンド処理(S4406F)の処理内容を示したフローチャートである。なお、本第31制御例の入賞コマンド処理(S4212F)は、上述した第1制御例における入賞コマンド処理(図61のS4212参照)に対して、特図用入賞情報コマンド処理(S4406)に代えて特図用入賞情報コマンド処理(S4406F)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一であるためその詳細な説明を省略する。特図用入賞情報コマンド処理(S4406F)は、受信した入賞情報コマンドに基づいて連続演出(複数回の特別図柄変動に跨がって実行される演出)を設定するための処理である。特図用入賞情報コマンド処理(S4406F)が実行されると、まず、連続演出実行中フラグ223fgはオンであるかを判別し(S4501F)、連続演出実行中フラグ223fgがオンである(連続演出が実行されている期間である)と判別した場合には(S4501F:Yes)、S4501、S4502F~S4509F、S4507の各処理をスキップし、本処理を終了する。一方、S4501Fの処理において、連続演出実行中フラグ223fgがオンではない(連続演出が実行されていない期間である)と判別した場合には(S4501F:No)、従状態設定エリア223gに設定されている情報に基づいて現在の遊技状態を抽出し(S4501F)、抽出した遊技状態から時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)中であるかを判別する(S4502F)。S4502Fの処理において、時短状態中ではないと判別した場合には(S4502F:No)、受信した入賞情報コマンドに基づいて連続予告の演出態様を決定し(S4503F)、連続演出実行中フラグ223fgをオンに設定し(S4504F)、本処理を終了する。一方、S4502Fの処理において、現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合には(S4502F:Yes)、時短終了待機フラグ223ffはオンであるかを判別し(S4505F)、時短終了待機フラグ223ffがオンであると判別した場合には(S4505F:Yes)、S4506F~S4509F、S4507の各処理をスキップし、本処理を終了する。一方、S4505Fの処理において、時短終了待機フラグ223ffがオンではないと判別した場合には(S4505F:No)、受信した入賞情報コマンドに基づいて時短終了条件の成立有無を特定し(S4506F)、時短終了条件が成立する入賞情報であるかを判別する(S4507F)。S4507Fの処理において、時短終了条件が成立する入賞情報であると判別した場合には(S4507F:Yes)、時短終了待機フラグ223ffをオンに設定し(S4508F)、時短中連続演出決定処理を実行し(S4509F)、受信した特図用入賞情報コマンドに含まれる情報に基づいた表示用コマンドを設定して(S4507)、本処理を終了する。一方、S4507Fの処理において時短終了条件が成立する入賞情報ではないと判別した場合には(S4507F:No)、S4508Fの処理をスキップし、S4509Fの処理を実行する。
次に、図1454を参照して、特図用入賞情報コマンド処理(S4406F)の一処理である時短中連続演出決定処理(S4509F)の処理内容について説明する。図1454は、この時短中連続演出決定処理(S4509F)の処理内容を示したフローチャートである。この時短中連続演出決定処理(S4509F)は、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)において、小当たりに当選する第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)を連続して獲得した場合に連続演出(複数回の特別図柄変動に跨がって実行される演出)を実行するための処理である。時短中連続演出決定処理(S4509F)が実行されると、まず、受信した入賞情報コマンドに含まれる変動パターンを特定し(S5401F)、特定した変動パターンが第2特別図柄(特図2)の超短変動の変動パターン(本第31制御例では、変動時間が0.5秒の変動パターン)であるかを判別する(S5402F)。特図2の超短変動の変動パターンはないと判別した場合には(S5402F:No)、本処理を終了する。一方、S5402Fの処理において、特図2の超短変動の変動パターンであると判別した場合には(S5402F:Yes)、入賞情報格納エリア223bから今回受信した入賞情報の1つ前に受信した入賞情報を読み出し(S5403F)、読み出した入賞情報の変動パターンが小当たり変動(小当たり当選する変動)の変動パターンであるかを判別する(S5404F)。小当たり変動の変動パターンではないと判別した場合には(S5404F:No)、本処理を終了する。一方、S5404Fの処理において、小当たり変動の変動パターンであると判別した場合には(S5404F:Yes)、S5403Fで読み出した入賞情報に対応する特図2変動の演出として連続演出を決定し(S5405F)、今回受信した入賞情報は時短終了条件不成立の小当たり当選であるかを判別する(S5406F。)S5406Fの処理において、今回受信した入賞情報は時短終了条件不成立の小当たり当選であると判別した場合には(S5406F:Yes)、当選済小当たり種別情報記憶エリア223feに格納されている当選済小当たり種別を読み出し(S5407F)、今回受信した入賞情報に含まれる小当たり種別が当選済種別であるか否かを特定し(S5408F)、従状態設定エリア223gに格納されている情報に基づいて設定中の時短種別を特定し(S5409F)、特定した情報に基づいて勝利期待度選択テーブル222fcを参照して選択勝利期待度を決定し(S5410F)、選択された勝利期待度を表示済勝利期待度記憶エリア223fcに格納し(S5411F)、連続演出実行中フラグ223fgをオンに設定し(S5412F)、本処理を終了する。一方、S5406Fの処理において、今回受信した入賞情報は時短終了条件不成立の小当たり当選ではないと判別した場合には(S5406F:No)、今回受信した入賞情報コマンドに含まれる特図2抽選結果に基づいて連続演出の演出態様を決定し(S5413F)、S5412Fの処理を実行する。
次に、図1455を参照して、コマンド判定処理(図1451のS4112F参照)の一処理である普図関連処理(S4216F)の処理内容について説明する。図1455は、この普図関連処理(S4216F)の処理内容を示したフローチャートである。この普図関連処理(S4216F)は、主制御装置110から普通図柄抽選が実行されたことを示す普図変動パターンコマンドや、普図当たり遊技が開始されたことを示す普図当たり開始コマンドや、普図当たり遊技の終了を示す普図当たり終了コマンドを受信した場合に実行される処理である。普図関連処理(S4216F)が実行されると、まず、普図変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S4601)、受信したと判別した場合は(S4601:Yes)、表示用普図変動開始コマンドを設定し(S4602)、本処理を終了する。一方、S4601の処理にて普図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S4601:No)、次に、普図当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S4606)、普図当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S4606:Yes)、次いで、従時短カウンタ223nの値が0よりも大きいかを判別し(S4607)、0よりも大きく無いと判別した場合は(S4607:No)、ロング開放中を示す表示用コマンドを設定し(S4608)、普電ロング開放中フラグ223fbをオンに設定し(S4610F)、本処理を終了する。S4608の処理で表示用コマンドが設定されることで、第3図柄表示装置81の表示画面に第2入球口640への入球が可能な状態であることを示す表示態様が表示される。これにより、遊技者に対してロング開放当たりが実行されていることを容易に把握させることができる。また、S4607の処理にて、従時短カウンタ223nの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4607:Yes)、S4608およびS4610Fの処理をスキップして本処理を終了する。S4606の処理で、普図当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S4606:No)、普図当たり終了コマンドを受信したかを判別し(S4609)、受信したと判別した場合は(S4609:Yes)、普電ロング開放中フラグ223fbはオンであるかを判別する(S4611F)。普電ロング開放中フラグ223fbがオンではないと判別した場合には(S4611F:No)、本処理を終了する。一方、普電ロング開放中フラグ223fbがオンであると判別した場合には(S4611F:Yes)、普電ロング開放中フラグ223fbをオフに設定し(S4612F)、従時短カウンタ223nの値が0よりも大きいかを判別し(S4613F)、従時短カウンタ223nの値が0であると判別した場合は(S4613F:No)、本処理を終了する。一方、従時短カウンタ223nの値が0より大きいと判別した場合には(S4613F:Yes)、次に、小当たり遊技の実行中であるかを判別し(S4614F)、小当たり遊技の実行中であると判別した場合には(S4614F:Yes)、右打ち遊技を案内する特定案内態様(図1414(a)参照)を示す表示用コマンドを設定し(S4615F)、本処理を終了する。一方、S4614Fの処理において、小当たり遊技中ではないと判別した場合には(S4614F:No)、本処理を終了する。
次に、図1456を参照して、コマンド判定処理(図1451のS4112F参照)の一処理である当たり関連処理(S4218F)の処理内容について説明する。図1456は、この当たり関連処理(S4218F)の処理内容を示したフローチャートである。この当たり関連処理(S4218F)は、大当たり遊技或いは小当たり遊技に関するコマンドを受信した場合に実行される処理であって、各当たり遊技中に実行される演出(当たり遊技演出)の演出態様を決定するための処理が実行される。当たり関連処理(S4218F)が実行されると、まず、小当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S5501F)、小当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(S5501F:Yes)、受信した小当たり関連コマンドが小当たり開始コマンド(オープニングコマンド)であるかを判別する(S5502F)。小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合には(S5502F:Yes)、従時短設定エリア223gから現在の遊技状態を読み出し(S5503F)、現在の遊技状態が時短状態であるかを判別する(S5504F)。現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合には(S5504F:Yes)、時短中小当たり開始処理を実行し(S5505F)、本処理を終了する。
ここで、図1457を参照して、当たり関連処理(図1456のS4218F参照)の一処理である時短中小当たり開始処理(S5505F)の処理内容について説明する。図1457は、この時短中小当たり開始処理(S5505F)の処理内容を示したフローチャートである。この時短中小当たり開始設定処理(S5505F)は、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)において小当たり遊技が開始される場合の演出態様を決定するための処理である。時短中小当たり開始設定処理(S5505F)が実行されると、まず、連続演出実行中フラグ223fgはオンであるかを判別し(S5601F)、連続演出実行中フラグ223fgがオンではないと判別した場合には(S5601F:No)、当選済小当たり種別情報記憶エリア223fe格納されている当選済小当たり種別を読み出し(S5602F)、今回当選した小当たり種別が当選済種別であるか否かを特定する(S5603F)。次に、従状態設定エリア223gに格納されている情報に基づいて設定中の時短種別を特定し(S5604F)、S5603FおよびS5604Fの処理において特定した情報に基づいて勝利期待度選択テーブル222fcを参照して選択勝利期待度を決定し(S5605F)、選択された勝利期待度を示す情報を表示済勝利期待度記憶エリア223fcに格納する(S5606F)。次に、決定した選択勝利期待度に対応するアイテムを獲得するための小当たり遊技中の演出態様を決定し(S5607F)、決定された演出態様で獲得するアイテム情報を獲得済みアイテム情報格納エリア223fdに格納し(S5608F)、S5609Fの処理を実行した後、本処理を終了する。S5609Fの処理では、S5607FまたはS5610Fの処理において決定された演出態様を示す表示用コマンドを設定する(S5609F)。一方、S5601Fの処理において、連続演出実行中フラグ223fgがオンであると判別した場合には(S5601F:Yes)、実行中の連続演出に応じた小当たり遊技中の演出態様を決定し(S5610F)、S5609Fの処理を実行する。
図1456に戻り、説明を続ける。S5504Fの処理において、現在の遊技状態が時短状態ではないと判別した場合には(S5504F:No)、通常中小当たり開始処理を実行し(S5506F)、本処理を終了する。ここで、図1458を参照して、当たり関連処理(図1456のS4218F参照)の一処理である通常中小当たり開始処理(S5506F)の処理内容について説明する。図1458は、この通常中小当たり開始処理(S5506F)の処理内容を示したフローチャートである。この通常中小当たり開始設定処理(S5506F)は、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において小当たり遊技が開始される場合の演出態様を決定するための処理である。通常中小当たり開始処理(S5506F)が実行されると、まず、時短終了待機フラグ223ffはオンであるかを判別し(S5701F)、時短終了待機フラグ223ffがオンであると判別した場合には(S5701F:Yes)、獲得済アイテム情報記憶エリア223fdに格納されている情報をクリアし(S5702F)、当選済小当たり種別情報記憶エリア223feに格納されている情報をクリアし(S5703F)、演出情報格納エリア223fhに格納されている情報をクリアし(S5704F)、S5705Fの処理を実行する。一方、S5701Fの処理において、時短終了待機フラグ223ffがオンではないと判別した場合には(S5701F:No)、S5702F~S5704Fの処理をスキップし、S5705Fの処理を実行する。S5705Fの処理では、普電ロング開放中フラグ223fbはオンであるかを判別し(S5705F)、普電ロング開放中フラグ223fbがオンではないと判別した場合には(S5705F:No)、右打ち遊技を案内する特定案内態様(図1414(a)参照)を示すための表示用コマンドを設定し(S5706F)、受信した小当たり種別に応じた表示用コマンドを設定し(S5707F)、本処理を終了する。一方、S5705Fの処理において、普電ロング開放中フラグ223fbがオンであると判別した場合には(S5705F:Yes)、継続右打ち遊技を案内する案内態様(例えば、図1414(a)に示した小当たり遊技中の表示画面に、「待機中」の文字が表示される態様)を示す表示用コマンドを設定し(S5708F)、S5707Fの処理を実行する。なお、S5705Fの処理において普電ロング開放中フラグ223fbがオンであると判別されるのは、時短状態中に実行されたロング開放当たり遊技の遊技期間中に遊技状態が通常状態へと移行し、小当たり遊技が開始された場合であり、この場合、小当たり遊技の開始直後は右打ち遊技にて発射された遊技球が第2可変入賞装置(Vアタッカー)650へと到達し難い状況となる。このため、発射した球がVアタッカーへ到達しない状況を見て球の発射を中断した遊技者が、ロング開放当たり遊技が終了し、Vアタッカーへと球が到達可能な状況になったことに気付かずに球を発射せず、特典(V大当たり遊技)を獲得できない虞がある。これに対して、本第31制御例では、特定案内態様とは異なる継続右打ち遊技を案内する案内態様を表示することで、遊技者に右打ち遊技を継続させるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技が開始された直後に右打ち遊技を実行した場合において、遊技球が第2可変入賞装置650へと到達し難い期間が経過した後に、適正な小当たり遊技(遊技球を第2可変入賞装置650へと入賞させ易い状態での小当たり遊技)が実行されることを遊技者に分かり易く把握させることができる。
図1456に戻り、説明を続ける。S5502Fの処理において、受信した小当たり関連コマンドが小当たり開始コマンドではないと判別した場合には(S5502F:No)、小当たり中処理を実行し(S5507F)、S5508Fの処理を実行する。ここで、図1459を参照して、当たり関連処理(図1456のS4218F参照)の一処理である小当たり中処理(S5507F)の処理内容について説明する。図1459は、この小当たり中処理(S5507F)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり中処理(S5507F)は、主制御装置110から受信した小当たり遊技関連コマンドに対応して、小当たり遊技中に第3図柄表示装置81の表示画面に各種演出を表示するための処理を実行する。小当たり中処理(S5507F)が実行されると、まず、小当たり終了コマンド(エンディングコマンド)を受信したかを判別し(S5801F)、小当たり終了コマンドを受信したと判別した場合には(S5801F:Yes)、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)であるか(従状態設定エリア223gに通常状態を示す情報が設定されているか)を判別する(S5802F)。通常状態ではないと判別した場合には(S5802F:No)、本処理を終了する。一方、S5802Fの処理において通常状態であると判別した場合には(S5802F:Yes)、次に、V入賞の有無(第2可変入賞装置(Vアタッカー)650内の特定領域(Vゲート650v)を球が通過したか否か)を判別し(S5803F)、V入賞ありと判別した場合には(S5803F:Yes)、大当たり遊技開始を示す表示用コマンドを設定し(S5804F)、S5806Fの処理を実行する。一方、S5803Fの処理において、V入賞なし(Vゲート650vを球が通過していない)と判別した場合には(S5803F:No)、バトルモード終了を示す表示用コマンドを設定し(S5805F)、S5806Fの処理を実行する。なお、S5804FまたはS5805Fで設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理にて1ミリ秒毎に実行されるコマンド出力処理によって、表示制御装置114へと出力され、出力された表示用コマンドを表示制御装置114が受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面に表示用コマンドに対応する演出態様が表示される。S5806Fの処理では、時短終了待機フラグ223ffはオンであるかを判別し(S5806F)、時短終了待機フラグ223ffがオンであると判別した場合には(S5806F:Yes)、時短終了待機フラグ223ffをオフに設定し(S5807F)、本処理を終了する。一方、時短終了待機フラグ223ffがオンではないと判別した場合には(S5806F:No)、そのまま本処理を終了する。
S5801Fの処理において、小当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S5801F:No)、次に、入賞個数コマンド(V入口通過コマンド)を受信したかを判別する(S5808F)。入賞個数コマンドを受信したと判別した場合には(S5808F:Yes)、通常状態であるか(従状態設定エリア223gに通常状態を示す情報が設定されているか)を判別し(S5809F)、通常状態ではないと判別した場合には(S5809F:No)、本処理を終了する。一方、S5809Fの処理において通常状態であると判別した場合には(S5809F:Yes)、次に、今回の小当たり遊技における4個目の入賞であるか(今回受信した入賞個数コマンドは今回の小当たり遊技における4個目に受信した入賞個数コマンドであるか)を判別する(S5810F)。4個目の入賞であると判別した場合には(S5810F:Yes)、特定領域(Vゲート650v)へ球が入賞可能である状態を示す表示用コマンドを設定し(S5811F)、本処理を終了する。なお、S5811Fの処理において設定された表示用コマンドは、他の表示用コマンドと同様に、コマンド出力処理にて表示制御装置114に出力され、出力された表示用コマンドを表示制御装置114が受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面には特定領域(Vゲート650v)へ球が入賞可能であることを示す態様が表示される(例えば、図1414(a)の表示領域Dm6の表示として、開放状態のVアタッカーを模した表示と、「V領域開放中」の文字が表示される)。一方、S5810の処理において、4個目の入賞ではないと判別した場合には(S5810F:No)、現在の入賞個数に対応する表示用コマンドを設定し(S5812F)、本処理を終了する。なお、S5812Fの処理において設定された表示用コマンドは、他の表示用コマンドと同様に、コマンド出力処理にて表示制御装置114に出力され、出力された表示用コマンドを表示制御装置114が受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面には第2可変入賞装置(Vアタッカー)650への入球数に対応する演出(例えば、現在の入球数の表示や、V領域(Vゲート650v)への入球が可能な状態となるまでの残り入球数の表示)が表示される。一方、S5808Fの処理において、入賞個数コマンドを受信していないと判別した場合には(S5808F:No)、次に、V通過コマンドを受信したかを判別し(S5813F)、V通過コマンドを受信したと判別した場合には(S5813F:Yes)、大当たり当選を報知する表示用コマンドを設定し(S5814F)、本処理を終了する。なお、S5814Fの処理において設定された表示用コマンドは、他の表示用コマンドと同様に、コマンド出力処理にて表示制御装置114に出力され、出力された表示用コマンドを表示制御装置114が受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面にはV入賞画面(図1414(b)参照)が表示される。一方、V通過コマンドを受信していないと判別した場合には(S5813F:No)、本処理を終了する。
図1456に戻り、説明を続ける。S5501Fの処理において、小当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合(S5501F:No)、または小当たり中処理(S5507F)の処理が終了した場合には、S5508Fの処理を実行する。S5508Fの処理では、大当たり関連コマンドを受信していないかを判別し(S5508F)、大当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(S5508F:Yes)、受信した大当たり関連コマンドの種別に応じた各種表示用コマンドを設定し(S5509F)、本処理を終了する。一方、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S5508F:No)、本処理を終了する。
次に、図1460を参照して、本第31制御例における特図2演出態様設定処理(S4907F)の処理内容について説明する。図1460は、この特図2演出態様設定処理(S4907F)の処理内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理(S4907F)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のメイン処理(図58参照)にて実行される変動表示設定処理(S4113)の一処理である。なお、本第31制御例における変動表示設定処理は、上述した第1制御例における変動表示設定処理(S4113)に対して、特図2演出態様設定処理(S4907)に代えて特図2演出態様設定処理(S4907F)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一であるため、同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。この特図2演出態様設定処理(S4907F)は、第2特別図柄(特図2)の変動演出の演出態様を決定するための処理であり、特図2の抽選結果と設定されている演出モードに対応する演出態様を決定する処理が実行される。特図2演出態様設定処理(S4907F)が実行されると、まず、演出モード記憶エリア223pに格納(設定)されている演出モードを示す情報を読み出し(S5901F)、引き戻しモードであるか(読み出した演出モードを示す情報が引き戻しモードを示す情報であるか)を判別する(S5901F)。引き戻しモードではないと判別した場合には(S5901F:No)、次に、バトルモードであるか(読み出した演出モードを示す情報がバトルモードを示す情報であるか)を判別する(S5903F)。バトルモードであると判別した場合には(S5903F:Yes)、連続演出実行中フラグ223fgがオンであるかを判別し(S5904F)、連続演出実行中フラグ223fgがオンではないと判別した場合には(S5904F:No)、特図2の抽選結果が大当たり当選、または小当たり当選であるかを判別し(S5905F)、抽選結果が大当たり当選、または小当たり当選であると判別した場合には(S5905F:Yes)、バトルモード中当たり演出設定処理を実行する(S5906F)。ここで、図1461を参照して、バトルモード中当たり演出設定処理(S5906F)の処理内容について説明する。図1461は、このバトルモード中当たり演出設定処理(S5906F)の処理内容を示したフローチャートである。バトルモード中当たり演出設定処理(S5906F)が実行されると、まず、当たり図柄態様選択テーブル222fb(図1432参照)を参照して当たり図柄を決定する(S6001F)。具体的には、今回の当たり種別と、時短終了条件の成立の有無と、演出カウンタ223fのカウンタ値と、に基づいて図柄態様を決定する。S6001Fの処理が終了すると、次に、時短終了条件が成立する特別図柄変動であるかを判別し(S6002F)、時短終了条件が成立する特別図柄変動であると判別した場合には(S6002F:Yes)、表示済勝利期待度記憶エリア223fcに格納されている情報をリセット(クリア)し(S6003F)、今回決定された当たり図柄の図柄態様に対応する勝利期待度を示す情報を表示済勝利期待度記憶エリア223fcに格納し(S6004F)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S6005F)、本処理を終了する。一方、S6002Fの処理において、時短終了条件が成立する特別図柄変動ではないと判別した場合には(S6002F:No)、S6003FおよびS6004Fの処理をスキップし、S6005Fの処理を実行した後、本処理を終了する。
図1460に戻り、説明を続ける。バトルモード中当たり演出設定処理(S5906F)が終了すると、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5907F)、特図2演出態様設定処理(S4907F)を終了する。一方、S5904Fの処理において、連続演出実行中フラグ223fgがオンであると判別した場合には(S5904F:Yes)、今回の特図2変動が連続演出の対象変動であるかを判別し(S5908F)、連続演出の対象変動ではないと判別した場合には(S5908F:No)、S5905Fの処理を実行する。一方、連続演出の対象変動であると判別した場合には(S5908F:Yes)、演出情報格納エリア223fhに格納されている連続演出の演出態様を決定し(S5909F)、連続演出の最終変動であるかを判別する(S5910F)。連続演出の最終変動ではないと判別した場合には(S5910F:No)、S5907Fの処理を実行する。一方、連続演出の最終変動であると判別した場合には(S5910F:Yes)、連続演出実行中フラグ223fgをオフに設定し(S5911F)、S5907Fの処理を実行する。また、S5905Fの処理において、今回の特図2抽選結果が大当たりまたは小当たりのどちらでもないと判別した場合には(S5905F:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5912F)、S5907Fの処理を実行する。また、S5902Fの処理において、引き戻しモード中であると判別した場合には(S5902F:Yes)、特図2の抽選結果に基づいて超バトルモード選択テーブル222faを参照して、獲得アイコンの種別を決定し(S5913F)、S5907Fの処理を実行する。
以上説明したように、本第31制御例では、同一種別の小当たり遊技が実行される場合の遊技状態によって、第2可変入賞装置(Vアタッカー)650に球が到達できる状況と、到達できない状況とを創出可能である。また、時短種別と、小当たり種別とをそれぞれ複数設け、時短種別によって時短終了条件が成立する小当たり種別を異ならせることにより、時短状態における時短継続率(時短状態が継続する確率)を異ならせ、遊技者に有利な有利時短と、有利時短よりも不利な不利時短と、を設定可能である。このように有利度合いの異なる時短状態を設定可能であるため、時短状態が設定された場合に遊技者にどの時短種別が設定されたのかに対しても興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
<第31制御例の第1変形例について>
次に、図1462から図1479を参照して、上述した第31制御例の第1変形例について説明をする。上述した第31制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選にて小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に遊技球が特定領域(V領域)を通過したことに基づいて大当たり遊技(V大当たり遊技)を実行可能に構成したパチンコ機10において、小当たり遊技中に設定されている遊技状態の種別に応じて小当たり遊技中に遊技球が特定領域(V領域)を通過する確率を異ならせることができるように構成していた。より具体的には、小当たり遊技の遊技期間中が時短状態(電サポ状態)である場合には、通常状態(非電サポ状態)である場合よりも小当たり遊技中に発射された遊技球が特定領域(V領域)へと到達し難くするように構成していた。このように構成することで、小当たり遊技が実行されている期間(小当たり遊技状態中)に設定されている遊技状態によって、V大当たり遊技が実行される確率を異ならせることができるため、遊技者に対して、設定されている遊技状態に対しても興味を持たせることができるものであった。
さらに、上述した第31制御例におけるパチンコ機10では、時短状態の種別として複数種類の時短種別を設定可能に構成しており、設定された時短種別に応じて異なる内容の事端終了条件が設定されるように構成していた。そして、時短終了条件の少なくとも一部の要素として、小当たり当選に基づいて成立する時短終了条件が設定されるように構成していた。また、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に設定される小当たり種別に応じて、V大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態の種別(通常状態、時短状態)や、時短状態が設定される場合の時短種別を異ならせるように構成していた。そして、設定される時短種別に応じて、時短終了条件が成立する小当たり種別、即ち、通常状態にて実行される小当たり遊技の種別を異ならせることによって、時短状態中に実行された単位回数当たりの特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)の結果に基づいて大当たり遊技が実行される確率(実質大当たり確率)を異ならせることができるように構成していた。加えて、設定される時短種別に応じて、時短終了条件が成立する小当たり種別、即ち、通常状態にて実行される小当たり遊技の種別を異ならせることによって、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される割合(時短継続率)を時短種別に応じて異ならせるように構成していた。
このように構成することで、遊技者に最も有利となる時短種別が設定された場合には、V大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が設定される小当たり種別のみが時短終了条件として設定し、遊技者に最も不利となる時短種別が設定された場合には、V大当たり遊技終了後に遊技者に不利な遊技状態(通常状態)が設定される小当たり種別のみが時短終了条件として設定することができるため、時短状態中の遊技を行う遊技者に対して、実質大当たり確率、及び、時短継続率を異ならせた遊技を行わせることができるという斬新な遊技性を提供することができるものであった。
さらに、上述した第31制御例におけるパチンコ機10では、時短状態中に主として実行される第2特別図柄抽選の抽選結果として、外れ以外に、大当たりと小当たりに当選し得るように構成し、第2特別図柄抽選で大当たり当選する確率(1/200)が、小当たり当選する確率(1/5)よりも低くなるように構成し、時短状態中に大当たり当選した場合、即ち、小当たり当選に基づいてV大当たり遊技が実行されるよりも先に大当たり当選に基づいて大当たり遊技(図柄大当たり遊技)が実行された場合には、その大当たり遊技(図柄大当たり遊技)の終了後に遊技者に最も有利な時短種別が設定されるように構成していた。つまり、設定された時短種別に応じてV大当たり遊技が実行される確率(時短終了条件が成立する小当たりに当選する確率)を異ならせた遊技機において、V大当たり遊技が実行されるよりも前に図柄大当たり遊技が実行された場合には、V大当たり遊技が実行された場合よりも遊技者に有利な特典を付与し易くなるように構成していた。このように構成することで、V大当たり遊技が実行され難い時短状態、即ち、時短終了条件が成立する小当たり種別が少ない(選択割合が低い)時短種別が設定されたことにより、時短状態中の遊技期間(時短状態が設定されてから大当たり遊技が実行されるまでの期間)が長くなってしまったとしても、図柄大当たり遊技が実行される可能性が高くなることから遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら、上述した第31制御例におけるパチンコ機10では、時短状態中に実行された特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で大当たり当選した場合には小当たり当選した場合よりも遊技者に有利な特典を付与可能に構成していることから、例えば、時短状態が設定された直後に小当たり当選し、その後V大当たり遊技が実行された場合には、時短状態中の遊技を有効に実行することができなかったと遊技者の遊技意欲が低下してしまう虞があった。
これに対して、本第1変形例では、設定されている時短状態の種別(時短種別)に応じて、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で大当たり当選した場合の方が、小当たり当選した場合よりも遊技者に有利となる時短状態と、小当たり当選した場合の方が、大当たり当選した場合よりも遊技者に有利となる時短状態と、を設定可能に構成している。このように構成することで、時短状態中に実行される特別図柄抽選の結果の有利度合いを、設定されている遊技状態(時短種別)に応じて異ならせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、上述した第31制御例におけるパチンコ機10では、時短状態中に実行される特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいてV大当たり遊技が実行された場合に、当選した小当たり種別に基づいてV大当たり遊技終了後に設定される時短種別が決定されるように構成していた。そして、遊技球が入球口へと比較的入球し易くなる状況を開始させるための複数の開始条件の1つである遊技者に有利となる時短種別(例えば、時短A)が設定された場合には、V大当たり遊技終了後に設定される時短種別も比較的遊技者に有利となる時短種別(例えば、時短B)を含む複数の時短種別(例えば、時短A、時短B)の中から1の時短種別が設定されるように構成していた。ここで、再度時短種別として時短Aが設定された場合には、V大当たり遊技終了後に時短A又は時短Bの何れかが設定される遊技が繰り返し実行される。一方で、遊技球が入球口へと比較的入球し易くなる状況を開始させるための複数の開始条件の1つである時短Bが設定された場合にはV大当たり遊技終了後に、時短Aおよび時短Bよりも遊技者に不利な時短種別である時短C~時短Fも含む複数の時短種別(時短A~時短F)の中から1の時短種別が設定される遊技が実行される。つまり、上述した第31制御例におけるパチンコ機10では、設定される時短種別に応じてV大当たり遊技終了後に時短状態が設定される確率(時短状態の継続率)を異ならせるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技を介して複数回の時短状態が連続して設定される所謂連チャン中の遊技を行っている遊技者に対して、設定されている時短状態における時短状態の継続率を把握させ難くすることができるため、連チャン中の遊技を行っている遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら、上述した第31制御例におけるパチンコ機10は、上述した通り、V大当たり遊技が実行される毎に異なる時短状態の継続率が設定され得るように構成していることから、例えば、遊技者に最も有利な時短状態(最も時短状態の継続率が高い時短種別)が設定された場合であったとしても、その後、連チャン中に複数回のV大当たり遊技が実行された場合に遊技者に最も不利な時短状態(最も時短状態の継続率が低い時短種別)が設定される可能性があるため、連チャン中の遊技者に安心して遊技を行わせることができないという問題があった。
これに対して、本第31制御例の第1変形例では、時短状態中におけるV大当たり遊技が実行された後に設定される時短種別に応じた時短状態の継続率が継続し易くなるように構成している。具体的には、時短状態中に実行された特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいてV大当たり遊技が実行された場合には、そのV大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の継続率が、終了したV大当たり遊技の実行契機となった小当たりに当選した時点における時短状態の継続率と同一となるように構成している。このように構成することで、連チャン中に時短状態の継続率が変化し難くすることができるため、時短状態の継続率が高い時短種別が設定された遊技者に対して、連チャン中の遊技を安心して行わせることができる。
さらに、本第31制御例の第1変形例では、連チャン中に実行された特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、上述した通り時短状態の継続率が変化されないが、特別図柄抽選で大当たり当選した場合、即ち、特別図柄抽選の結果として、外れよりも遊技者に有利となる抽選であり、且つ、小当たりに当選(当選確率1/5)するよりも低確率の大当たりに当選(1/200)した場合には、大当たり遊技(図柄大当たり遊技)の終了後に、時短状態の継続率を変化させることが可能な時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、時短状態の継続率が高い時短状態を遊技している遊技者は、時短状態中に大当たり当選すること無くV大当たり遊技が実行されることを目指し、時短状態の継続率が低い時短状態を遊技している遊技者は、時短状態が終了するよりも前に、特別図柄抽選で大当たり当選し、新たな時短状態の継続率が設定されることを目指す遊技が行われることになる。つまり、時短状態中の遊技として、大当たり当選を目指す遊技と、大当たり当選を目指さない遊技と、を遊技者に行わせることができるという斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。
<第31制御例の第1変形例におけるパチンコ機10にて実行される演出内容について>
まず、図1462から図1466を参照して、本第31制御例の第1変形例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、上述した第31制御例におけるパチンコ機10では実行されない演出の内容について説明をする。上述した通り、本第31制御例の第1変形例では、通常状態にて主として実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に必ず時短状態(時短Aa)が設定されるように構成している。そして、この時短Aaの時短状態(初当たり時短状態)は、時短状態にて主として実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に設定される小当たり種別「小当たりAa」~「小当たりSa」の全てが時短終了条件(小当たり時短終了条件)となるように規定されており、時短Aaの時短状態中では、第2特別図柄抽選で最初に小当たり当選した際に設定される小当たり種別に応じて、小当たり当選に基づいて実行されるV大当たり遊技の内容やV大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が決定されるように構成している。詳細な説明は後述するが、本第1変形例では、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に設定される小当たり種別として、V大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される時短小当たり種別(小当たりAa~小当たりLa)と、V大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される通常小当たり種別(小当たりMa~小当たりSa)と、が規定されており、時短小当たり種別が設定される割合が50%、通常小当たり種別が設定される割合が50%となるように規定されている。さらに、時短小当たり種別として、12種類の小当たり種別が規定されており、設定された小当たり種別に応じて、V大当たり遊技のラウンド数と、設定される時点状態の種別を異ならせて規定されている。ここで、本第31制御例の第1変形例においても、上述した第31制御例と同様に、時短種別に応じて小当たり時短終了条件が成立する小当たり種別を異ならせることにより、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される割合(時短継続率)を異ならせており、最も遊技者に有利な時短種別では時短継続率が100%、最も遊技者に不利な時短種別では時短継続率が50%となるように構成している。
そして、本第31制御例の第1変形例におけるパチンコ機10では、初当たり時短状態では、上述した通り、異なる時短継続率の時短状態が設定され得るように構成しているが、V大当たり遊技終了後に設定された時短状態(連チャン時短状態)では、小当たり当選に基づいて時短継続率が変更されないように構成している。このように構成された本第1変形例では、初当たり時短状態が設定される大当たり遊技期間中や、初当たり時短状態中や、連チャン時短状態中において、上述した第31制御例におけるパチンコ機10では実行されない演出を実行することで、時短状態に関する遊技性を遊技者に分かり易く報知している。
まず、図1462から図1464を参照して、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(初当たり遊技)が終了した場合に設定される初当たり時短状態中に実行される演出内容について説明をする。図1462(a)は、初当たり遊技のエンディング期間中に実行されるエンディング演出の表示画面の一例を示した図であって、図1462(b)は、初当たり時短状態にて実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり変動中の表示画面の一例を示した図であって、図1463(a)は、通常小当たり当選した場合の小当たり変動中に実行される変動演出の表示画面の一例を示した図であって、図1463(b)は、通常小当たり遊技中に実行される小当たり遊技演出の一例を示した図である。また、図1464(a)は、初当たり時短状態中の時短小当たり変動中に実行される変動演出の一例を示した図であって、図1464(b)は、時短小当たり遊技中に実行される小当たり遊技演出の一例を示した図である。
本第31制御例の第1変形例におけるパチンコ機10では、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に時短状態(時短Aa)が設定されるように構成している。そして、時短Aaの時短状態は、何れの小当たり種別の小当たりに当選した場合であっても時短終了条件が成立する時短状態となるように構成している。よって、図1462(a)に示した通り、初当たり遊技(大当たり遊技)の終了間際に設定されるエンディング期間では、初当たり遊技終了後に設定される時短状態(初当たり時短状態)の遊技内容を案内するための表示態様として、第3図柄表示装置81の表示面に形成される主表示領域Dmに少年を模したキャラクタ801と、複数の風船アイコン820(820a~820e)が表示され、初当たり時短状態に対応する演出モード「継続率決定ゾーン」に突入することを示す「継続率決定ゾーン突入」の文字が表示される。そして、副表示領域Dsには、継続率決定ゾーン中の演出態様を説明する「最初にGETしたVで継続率が決まるよ」の文字が表示されている。より具体的には、主表示領域Dmに表示されている5個の風船アイコン820のそれぞれには、Vを模した文字と、時短継続率に対応する数字が付されている。第1風船アイコン820aには、時短継続率50%に対応する「50」の数字が付されており、第2風船アイコン820bには、時短継続率60%に対応する「60」の数字が付されており、第3風船アイコン820cには、時短継続率80%に対応する「80」の数字が付されており、第4風船アイコン820dには、時短継続率90%に対応する「90」の数字が付されている。また、第5風船アイコン820eには、時短継続率に関する数字では無く「S」の文字が付されている。
そして、キャラクタ801は弓801eを装備し、弓801dを放つ態様で表示されており、このキャラクタ801が放った矢801dが何れかの風船アイコン820を割ることで「V」および時短継続率に関する数字(文字)に対応する特典を獲得する演出が実行される。なお、初当たり時短状態中は、最初に当選した小当たり種別によって時短終了条件が成立するように構成しているため、最初に当選した小当たり種別に応じて割られる風船アイコン820の種類が決定される。具体的には、V大当たり遊技終了後に設定される時短状態における時短継続率が50%となる小当たりに当選した場合には、第1風船アイコン820aを割る演出が実行され、V大当たり遊技終了後に設定される時短状態における時短継続率が60%となる小当たりに当選した場合には、第2風船アイコン820bを割る演出が実行され、V大当たり遊技終了後に設定される時短状態における時短継続率が80%となる小当たりに当選した場合には、第3風船アイコン820cを割る演出が実行され、V大当たり遊技終了後に設定される時短状態における時短継続率が90%となる小当たりに当選した場合には、第4風船アイコン820dを割る演出が実行される。また、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選するよりも前に大当たり当選した場合には、図柄大当たり遊技終了後に設定される時短状態として時短継続率が100%となるように構成しているため特別感を出すために「S」の文字が付された第5風船アイコン820eを割る演出が実行される。なお、本第1変形例では、後に設定される時短継続率(時短ループモードとして設定される時短継続率)に対応する風船アイコン820を割る演出が継続率決定ゾーン中に実行されるように構成しているが、これに限ること無く、実際に設定される時短継続率よりも低い時短継続率に対応する風船アイコン820を割る演出を実行可能に構成しても良い。
次に、継続率決定ゾーン中に実行された第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、その小当たり変動中にキャラクタ801が矢801dを放つ演出が実行される(図1462(b)参照)。このように構成することで、小当たり当選したこと、即ち、時短終了条件が成立する特別図柄変動が実行されたことを遊技者に分かり易く把握させることができる。そして、継続率決定ゾーン中に最初に当選した小当たり種別が通常小当たりである場合には、図1463(a)に示した通り、放った矢801dが風船アイコン820に到達しない演出が実行され、副表示領域Dsに「残念失速、次に期待」の文字が表示される。その後、通常小当たり遊技中には、図1463(b)に示した通り、次の矢の種類を選択する演出が実行される。
一方で、継続率決定ゾーン中に最初に当選した小当たり種別が時短小当たりである場合には、当選した小当たり種別に応じた風船アイコン820を割る演出が実行され、図1464に示した例では、小当たりAa(V大当たり遊技が10ラウンド、時短継続率90%)に当選したことを示す演出として、第4風船アイコン820dを割る演出が実行され、副表示領域Dsには「V+90%継続ゲットおめでとう」の文字が表示される。その後、時短小当たり遊技中(特定領域へと遊技球を入賞させることが可能な小当たり遊技中)には、図1464(b)に示した表示画面が表示される。なお、時短小当たり遊技中に実行される各種演出、例えば、小当たり遊技にて開放される第2可変入賞装置650へと遊技球を入賞させることを促す演出や、第2可変入賞装置650内に設けられた特定領域(V領域)へと遊技球を通過させることを促す演出や、小当たり遊技の有効期間(特定領域へと遊技球を通過させることが可能な状況に関する期間)を案内する演出の内容については、上述した各制御例にて用いられている態様を適宜用いているためその詳細な説明を省略する。また、継続率決定ゾーン中に獲得した時短継続率に対応する「90」の値は、表示領域Dm10に「継続率90%」として表示される。これにより、V大当たり遊技終了後に設定される時短状態の継続率を遊技者に分かり易く把握させることができる。
そして、V大当たり遊技が終了すると、固定された継続率の時短状態(時短ループモード)が設定される。ここで、図1465および図1466を参照して、この時短ループモード中に実行される演出の内容について説明をする。図1465(a)は、時短ループモード中に表示される表示画面の一例を示した図であり、図1465(b)は、時短ループモードが終了する小当たりに当選した場合に実行される演出の一例を示した図であり、図1466(a)、及び(b)は、時短ループモード中に大当たり当選した場合に実行される演出の一例を示した図である。
<第31制御例の第1変形例の電気的構成について>
次に、図1467から図1472を参照して、本第31制御例の第1変形例におけるパチンコ機10が有する各種電気的構成について説明をする。本第1変形例では、上述した第31制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成として、特図1大当たり用テーブル202fd1に代えて特図1大当たり用テーブル202fd1Aを、特図2大当たり用テーブル202fd2に代えて特図2大当たり用テーブル202fd2Aを、時短付与テーブル202feに代えて時短付与テーブル202feAを、小当たり用テーブル202fd3に代えて小当たり用テーブル202fd3Aを設けている点で相違している。また、パチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成として、大当たり当選時態様選択テーブル222faAと、アイコン態様選択テーブル222fbAと、を新たに設け、RAM223の構成として、継続率記憶エリア223faAと、継続率表示済フラグ223fbAと、ループ回数カウンタ223fcAと、を新たに設けた点で相違している。
まず、図1467(a)を参照して、特図1大当たり用テーブル202fd1Aに規定されている内容について説明をする。図1467(a)は、特図1大当たり用テーブル202fd1Aに規定されている内容を模式的に示した図である。この特図1大当たり用テーブル202fd1Aは、上述した第31制御例の特図1大当たり用テーブル202fd1(図1425(a)参照)に対して、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、大当たり遊技終了後に時短状態(時短Aa)が設定される大当たり種別が必ず設定されるように規定内容を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその説明を省略する。具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0~99」の全範囲に対して、大当たり種別「大当たりA」が規定されている。つまり、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る範囲が「0~99」の100通りであることから、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、大当たり種別「大当たりA」が選択される割合が100%となる。大当たり種別「大当たりA」が設定された場合には、可変入賞装置65を開放制御する大当たり遊技として、4ラウンド(4R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後に時短状態(電サポ状態)が設定される。
つまり、本第31制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず4ラウンドの大当たり遊技が実行され、時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、通常状態において左打ち遊技を行うことで第1特別図柄抽選を実行し、大当たり当選した遊技者に対して必ず時短状態中の遊技を提供することができるため、遊技者の遊技意欲を高めることができる。なお、本第31制御例の第1変形例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に必ず4ラウンドの大当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ることなく、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別として、ラウンド遊技数を異ならせた大当たり種別を複数設けても良い。また、上述した第31制御例のように第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部において時短状態が設定される大当たり種別が設定されるように構成しても良い。
次に、図1467(b)を参照して、特図2大当たり用テーブル202fd2Aに規定されている内容について説明をする。図1467(b)は、特図2大当たり用テーブル202fd2Aに規定されている内容を模式的に示した図である。図1467(b)に示した通り、特図2大当たり用テーブル202fd2Aは、上述した第31制御例の特図2大当たり用テーブル202fd2(図1425(b)参照)に対して、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別の内容を異ならせている点で相違している。具体的には、特図2大当たり用テーブル202fd2Aには、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0~99」の全範囲に対して、大当たり遊技終了後に時短状態(時短Fa)が設定される4R(ラウンド)大当たりが実行される「大当たりA」が大当たり種別として規定されている。つまり、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合と同様に4ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される。なお、詳細は後述するが、本第31制御例の第1変形例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される時短状態(時短Aa)は時短継続率50%、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される時短状態(時短Fa)は時短継続率100%となるように構成している。つまり、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも大当たり遊技終了後に設定される時短状態における時短継続率が高くなるように構成しているため、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が遊技者に有利な特典(高い時短継続率の時短状態)が付与されるため、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が遊技者に有利な抽選といえる。
次に、図1467(c)を参照して、時短付与テーブル202feAの内容について説明をする。図1467(c)は、時短付与テーブル202feAに規定されている内容を模式的に示した図である。この時短付与テーブル202feAは、上述した第31制御例の時短付与テーブル202fe(図1428参照)に対して、各時短種別に規定されている時短終了条件の内容の一部を異ならせている点(時短継続率を異ならせている点)で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容についてはその説明を省略する。具体的には、時短種別「時短Aa」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値「10000」が、第2時短終了条件として、小当たり種別「小当たりAa~Sa」が規定されている。つまり、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数(第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数とを合算した回数)が10000回に到達した場合、或いは、「小当たりAa」~「小当たりSa」に当選した場合に成立する時短終了条件が規定されている。ここで、本第31制御例の第1変形例では、時短状態中に主として実行される第2特別図柄抽選で小当たりに当選する確率が1/5(20%)となるように構成している。そして、小当たり当選した場合の1000/1000(100%)の割合で小当たり種別として「小当たりAa」~「小当たりSa」の何れかが設定されるように構成している。つまり、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の5回に1回は抽選結果が小当たりとなり、小当たり当選した場合には必ず時短終了条件が成立するように構成している。よって、時短種別「時短Aa」が設定された場合には、第1時短終了条件よりも第2時短終了条件の方が成立し易くなる。また、詳細は図1468を参照して後述するが、第2時短終了条件として設定される「小当たりAa」~「小当たりSa」のうち、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される小当たり種別(「小当たりAa」~「小当たりLa」)が選択される割合が50%、V大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たり種別(「小当たりMa」~「小当たりSa」)が選択される割合が50%であるため、「時短Aa」が設定された場合における時短継続率は50%となる。
次に、時短種別「時短Ba」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値「10000」が、第2時短終了条件として、小当たり種別「小当たりDa」、「小当たりHa」、「小当たりLa」、「小当たりMa」、「小当たりOa」、「小当たりPa」が規定されている。つまり、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数(第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数とを合算した回数)が10000回に到達した場合、或いは、「小当たりDa」、「小当たりHa」、「小当たりLa」、「小当たりMa」、「小当たりOa」、「小当たりPa」に当選した場合に成立する時短終了条件が規定されている。ここで、本第31制御例の第1変形例では、時短状態中に主として実行される第2特別図柄抽選で小当たりに当選する確率が1/5(20%)となるように構成している。そして、小当たり当選した場合の208/1000(約20%)の割合で小当たり種別として「小当たりDa」、「小当たりHa」、「小当たりLa」、「小当たりMa」、「小当たりOa」、「小当たりPa」の何れかが設定されるように構成している。また、詳細は図1468を参照して後述するが、第2時短終了条件として設定される「小当たりDa」、「小当たりHa」、「小当たりLa」、「小当たりMa」、「小当たりOa」、「小当たりPa」のうち、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される小当たり種別(「小当たりDa」、「小当たりHa」、「小当たりLa」)が選択される割合が60%、V大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たり種別(「小当たりMa」、「小当たりOa」、「小当たりPa」)が選択される割合が40%であるため、「時短Ba」が設定された場合における時短継続率は60%となる。
次に、時短種別「時短Ca」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値「10000」が、第2時短終了条件として、小当たり種別「小当たりCa」、「小当たりGa」、「小当たりKa」、「小当たりMa」、「小当たりOa」が規定されている。つまり、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数(第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数とを合算した回数)が10000回に到達した場合、或いは、「小当たりCa」、「小当たりGa」、「小当たりKa」、「小当たりMa」、「小当たりOa」に当選した場合に成立する時短終了条件が規定されている。ここで、本第31制御例の第1変形例では、時短状態中に主として実行される第2特別図柄抽選で小当たりに当選する確率が1/5(20%)となるように構成している。そして、小当たり当選した場合の156/1000(約15%)の割合で小当たり種別として「小当たりCa」、「小当たりGa」、「小当たりKa」、「小当たりMa」、「小当たりOa」の何れかが設定されるように構成している。また、詳細は図1468を参照して後述するが、第2時短終了条件として設定される「小当たりDa」、「小当たりHa」、「小当たりLa」、「小当たりMa」、「小当たりOa」、「小当たりPa」のうち、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される小当たり種別(「小当たりCa」、「小当たりGa」、「小当たりKa」)が選択される割合が70%、V大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たり種別(「小当たりMa」、「小当たりOa」)が選択される割合が30%であるため、「時短Ca」が設定された場合における時短継続率は70%となる。
次に、時短種別「時短Da」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値「10000」が、第2時短終了条件として、小当たり種別「小当たりBa」、「小当たりFa」、「小当たりJa」、「小当たりMa」、「小当たりQa」が規定されている。つまり、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数(第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数とを合算した回数)が10000回に到達した場合、或いは、「小当たりBa」、「小当たりFa」、「小当たりJa」、「小当たりMa」、「小当たりQa」に当選した場合に成立する時短終了条件が規定されている。ここで、本第31制御例の第1変形例では、時短状態中に主として実行される第2特別図柄抽選で小当たりに当選する確率が1/5(20%)となるように構成している。そして、小当たり当選した場合の156/1000(約15%)の割合で小当たり種別として「小当たりBa」、「小当たりFa」、「小当たりJa」、「小当たりMa」、「小当たりQa」の何れかが設定されるように構成している。また、詳細は図1468を参照して後述するが、第2時短終了条件として設定される「小当たりBa」、「小当たりFa」、「小当たりJa」、「小当たりMa」、「小当たりQa」のうち、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される小当たり種別(「小当たりBa」、「小当たりFa」、「小当たりJa」)が選択される割合が80%、V大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たり種別(「小当たりMa」、「小当たりQa」)が選択される割合が20%であるため、「時短Da」が設定された場合における時短継続率は80%となる。
次に、時短種別「時短Ea」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値「10000」が、第2時短終了条件として、小当たり種別「小当たりAa」、「小当たりEa」、「小当たりIa」、「小当たりMa」が規定されている。つまり、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数(第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数とを合算した回数)が10000回に到達した場合、或いは、「小当たりAa」、「小当たりEa」、「小当たりIa」、「小当たりMa」に当選した場合に成立する時短終了条件が規定されている。ここで、本第31制御例の第1変形例では、時短状態中に主として実行される第2特別図柄抽選で小当たりに当選する確率が1/5(20%)となるように構成している。そして、小当たり当選した場合の138/1000(約13%)の割合で小当たり種別として「小当たりAa」、「小当たりEa」、「小当たりIa」、「小当たりMa」の何れかが設定されるように構成している。また、詳細は図1468を参照して後述するが、第2時短終了条件として設定される「小当たりAa」、「小当たりEa」、「小当たりIa」、「小当たりMa」のうち、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される小当たり種別(「小当たりAa」、「小当たりEa」、「小当たりIa」)が選択される割合が90%、V大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たり種別(「小当たりMa」)が選択される割合が10%であるため、「時短Ea」が設定された場合における時短継続率は90%となる。
最後に、時短種別「時短Fa」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値「10000」が、第2時短終了条件として、小当たり種別「小当たりAa」~「小当たりLa」が規定されている。つまり、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数(第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数とを合算した回数)が10000回に到達した場合、或いは「小当たりAa」~「小当たりLa」に当選した場合に成立する時短終了条件が規定されている。ここで、本第31制御例の第1変形例では、時短状態中に主として実行される第2特別図柄抽選で小当たりに当選する確率が1/5(20%)となるように構成している。そして、小当たり当選した場合の500/1000(約50%)の割合で小当たり種別として「小当たりAa」~「小当たりLa」の何れかが設定されるように構成している。また、詳細は図1468を参照して後述するが、第2時短終了条件として設定される「小当たりAa」~「小当たりLa」は、全てV大当たり遊技終了後に時短状態が設定される小当たり種別(「小当たりAa」~「小当たりLa」)であるため、「時短Fa」が設定された場合における時短継続率は100%となる。
次に、図1468を参照して、小当たり用テーブル202fd3Aの内容について説明をする。図1468は、小当たり用テーブル202fd3Aに規定されている内容を模式的に示した図である。この小当たり用テーブル202fd3Aは、上述した第31制御例の小当たり用テーブル202fd3(図1425(c)参照)に対して、規定されている小当たり種別の種類を異ならせている点と、各小当たり種別に対して規定されるV通過時大当たり種別の内容や、大当たり遊技終了後に設定される時短種別の内容を異ならせている点で相違している。なお、それ以外の内容については同一でありその説明を省略する。小当たり用テーブル202fd3Aに規定されている内容について具体的に説明をすると、小当たり用テーブル202fd3Aには全部で19種類の小当たり種別(小当たりAa~小当たりSa)が規定されており、取得した小当たり種別カウンタC5の値に応じて異なる小当たり種別が選択されるように構成している。具体的には、取得した小当たり種別カウンタC5の値が「0~49」の範囲に対して小当たり種別「小当たりAa」が、「50~99」の範囲に対して小当たり種別「小当たりBa」が、「100~149」の範囲に対して小当たり種別「小当たりCa」が、「150~199」の範囲に対して小当たり種別「小当たりDa」が、「200~249」の範囲に対して小当たり種別「小当たりEa」が、「250~299」の範囲に対して小当たり種別「小当たりFa」が、「300~349」の範囲に対して小当たり種別「小当たりGa」が、「350~399」の範囲に対して小当たり種別「小当たりHa」が、「400~424」の範囲に対して小当たり種別「小当たりIa」が、「425~449」の範囲に対して小当たり種別「小当たりJa」が、「450~474」の範囲に対して小当たり種別「小当たりKa」が、「475~499」の範囲に対して小当たり種別「小当たりLa」が、「500~512」の範囲に対して小当たり種別「小当たりMa」が、「513~599」の範囲に対して小当たり種別「小当たりNa」が、「600~639」の範囲に対して小当たり種別「小当たりOa」が、「640~669」の範囲に対して小当たり種別「小当たりPa」が、「670~687」の範囲に対して小当たり種別「小当たりQa」が、「688~899」の範囲に対して小当たり種別「小当たりRa」が、「900~999」の範囲に対して小当たり種別「小当たりSa」が、それぞれ規定されている。
小当たり種別カウンタC5が取り得る値は「0~999」の合計1000個であることから、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりAa」~「小当たりHa」が選択される確率はそれぞれ50/1000の5%で、第2特別図柄抽選で小当たり当選する確率は1/5であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりAa」~「小当たりHa」の小当たりに当選する確率は5%×1/5の1%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりIa」~「小当たりLa」が選択される確率はそれぞれ25/1000の2.5%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりIa」~「小当たりLa」の小当たりに当選する確率は2.5%×1/5の0.5%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりMa」が選択される確率は13/1000の1.3%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりMa」の小当たりに当選する確率は1.3%×1/5の0.26%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりNa」が選択される確率は87/1000の8.7%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりNa」の小当たりに当選する確率は8.7%×1/5の1.74%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりOa」が選択される確率は40/1000の4%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりOa」の小当たりに当選する確率は4%×1/5の0.8%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりPa」が選択される確率は30/1000の3%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりPa」の小当たりに当選する確率は3%×1/5の0.6%となる。
さらに、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりQa」が選択される確率は18/1000の1.8%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりQa」の小当たりに当選する確率は1.8%×1/5の0.36%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりRa」が選択される確率は212/1000の21.2%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりRa」の小当たりに当選する確率は21.2%×1/5の4.24%となる。また、小当たり当選した場合に小当たり種別「小当たりSa」が選択される確率は80/1000の8%であることから、1回の第2特別図柄抽選で「小当たりSa」の小当たりに当選する確率は8%×1/5の1.6%となる。
また、図1468に示した通り、小当たり用テーブル202fd3Aには、各小当たり種別に対して、小当たり遊技中に実行条件が成立した(特定領域を遊技球が通過した)場合に実行される大当たり遊技(V通過時大当たり)の種別(大当たり情報)が規定されている。具体的には、「小当たりAa」、「小当たりBa」、「小当たりCa」、「小当たりDa」に対しては、10R(ラウンド)大当たり遊技が実行され、「小当たりEa」、「小当たりFa」、「小当たりGa」、「小当たりHa」、「小当たりMa」、「小当たりNa」に対しては、7R(ラウンド)大当たり遊技が実行され、「小当たりIa」、「小当たりJa」、「小当たりKa」、「小当たりLa」、「小当たりOa」、「小当たりPa」、「小当たりQa」、「小当たりRa」に対しては、4R(ラウンド)大当たり遊技が実行され、「小当たりSa」に対しては、2R(ラウンド)大当たり遊技が実行されるように、V通過時の大当たり種別が規定されている。さらに、小当たり用テーブル202fd3には、各小当たり種別に対して、V大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態(通常状態、時短状態)と、時短状態が設定される場合には、その時短種別も規定されており、具体的には、「小当たりAa」、「小当たりEa」、「小当たりIa」に対して時短種別「時短Ea」が、「小当たりBa」、「小当たりFa」、「小当たりJa」に対して時短種別「時短Da」が、「小当たりCa」、「小当たりGa」、「小当たりKa」に対して時短種別「時短Ca」が、「小当たりDa」、「小当たりHa」、「小当たりLa」に対して時短種別「時短Ba」が、規定されている。そして、「小当たりMa」~「小当たりSa」に対しては時短種別が規定されていない。つまり、「小当たりAa」~「小当たりLa」は、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される小当たり種別となり、「小当たりMa」~「小当たりSa」は、V大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たり種別となる。
以上、説明をした通り、本第1変形例では、19種類の小当たり種別のうち、12種類の小当たり種別(小当たりAa~小当たりLa)がV大当たり遊技終了後に時短状態が設定される有利小当たり種別となり、残りの7種類の小当たり種別(小当たりMa~小当たりSa)がV大当たり遊技終了後に通常状態が設定される不利小当たり種別となるように構成しており、小当たり当選した場合に有利小当たり種別が設定される確率が50%、不利小当たり種別が設定される確率が50%となるように規定されている。さらに、本第1変形例では、小当たり遊技の実行期間が時短状態である場合には小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球が入球し難く、小当たり遊技の実行期間が通常状態である場合には小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球が入球し易くなるように構成しており、且つ、設定されている時短状態の種別(時短種別)によって、時短終了条件が成立する小当たり種別を異ならせている(図1467(c)参照)。このように構成することで、設定されている時短種別に応じて、有利小当たり種別に基づく小当たり遊技が通常状態中に実行される確率と、不利小当たり種別に基づく小当たり遊技が通常状態中に実行される確率と、を異ならせることができるため、各時短種別に対して、実質的な時短継続率を異ならせることができる。
さらに、本第1変形例では、時短付与テーブル202feA、及び小当たり用テーブル202fd3Aに示した通り、時短Aaが設定された時短状態、及び、時短Faが設定された時短状態、即ち、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される時短状態のみ、小当たり当選に基づいて実行されるV大当たり遊技が終了した後の時短状態における時短継続率を変化させることが可能に構成されており、小当たり当選に基づくV大当たり遊技終了後に設定された時短状態における時短継続率は、再度小当たり当選に基づくV大当たり遊技が実行されても変化しないように構成している。具体的には、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が実行される場合には、大当たり遊技終了後に時短Aa(時短継続率50%)が設定される。そして、時短Aaの時短状態では、上述した通り、小当たりAa~小当たりSaの全種類の小当たり種別が時短終了条件として規定されているため、時短Aaの時短状態中に実行された第2特別図柄抽選で最初に当選した小当たり種別によってV大当たり遊技終了後に設定される時短状態の時短継続率が決定されることになる。例えば、時短Aaの時短状態にて最初に小当たりAaに当選した場合には、V大当たり遊技終了後に時短Ea(時短継続率90%)が設定される。この時短Eaの時短状態では、時短終了条件が成立する小当たり種別として小当たりAa,Ea,Ia,Maが規定されており、そのうち、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される小当たり種別(小当たりAa,Ea,Ia)に当選した場合には、何れの小当たり種別であったとしても、V大当たり遊技終了後に時短Eaが設定されるように構成している。
また、他の時短種別(時短Ba,Ca,Da)に対しても、その時短状態中に実行された第2特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいてV大当たり遊技が実行され、そのV大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される場合には、同一の時短継続率の時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、一度設定された時短継続率の時短状態を繰り返し設定し易くすることができるため、上述した第31制御例に対して、同一の時短継続率がループする遊技をより楽しませることができる。さらに、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、設定されている時短種別に関わらず時短継続率が100%の時短Faが設定されるため、所定の時短継続率が設定されている時短状態において、大当たり当選したことに基づいて通常状態へと移行してしまうことを抑制することができる。なお、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される時短Faは、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される小当たり種別のみが時短終了条件として規定されているため、時短Fa中にV大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たり種別の小当たりに当選したとしてもその小当たり遊技中に遊技球が特定領域650vを通過することが無い。
次に、図1469を参照して、本第31制御例の第1変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図1469は、本第31制御例の第1変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を示した図である。図1469に示した通り、本第1変形例におけるパチンコ機10のROM222は、上述した第31制御例のROM222に対して、大当たり当選時態様選択テーブル222faAと、アイコン態様選択テーブル222fbAを追加している点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
大当たり当選時態様選択テーブル222faAは、時短状態の一部において実行される時短ループモード中(図1466(a)参照)に第2特別図柄抽選で大当たり当選したことに対応する表示態様を決定する際に参照されるデータテーブルである。上述した通り、本第31制御例の第1変形例では、初当たり後に設定される時短状態に対して継続率決定ゾーン(図1462参照)が実行され、継続率決定ゾーン中に獲得した風船アイコン820に対応する時短継続率で時短ループモードが実行されるように構成している。そして、時短ループモード中はV大当たり遊技を挟んで同一の時短継続率の時短状態が決定されるように構成し、時短ループモード中に大当たり当選した場合には再度継続率決定ゾーンに移行するように構成している。よって、時短継続率が低い(時短継続率60%)時短ループモード中に大当たり当選した場合には時短継続率を上げるチャンスとなり、時短継続率が高い(時短継続率90%)時短ループモード中に大当たり当選した場合には時短継続率を下げるピンチとなる。このように、時短状態中に大当たり当選した場合であっても、設定されている時短種別によって、大当たり当選が遊技者に有利な遊技結果となる場合と、不利な遊技結果となる場合とが発生し得るように構成しているため、時短ループモード中における大当たり当選に対応する表示態様を、現在の遊技状態(時短状態の時短種別)に応じて異ならせるように構成しており、大当たり当選時態様選択テーブル222faAには、現在の時短種別(時短継続率)に応じた各種表示態様が規定されている。
ここで、図1471を参照して、大当たり当選時態様選択テーブル222faAに規定されている詳細な内容について説明をする。図1471は、大当たり当選時態様選択テーブル222faAに規定されている内容を示した図である。図1471に示した通り、抽選結果が「大当たり」で、継続率記憶エリア223faAに記憶されている情報(継続率情報)が「60%」で、継続率表示済フラグ223fbAがオンに設定されている場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「S」が規定されている。この演出態様「S」は、現在の時短継続率よりも大当たり当選を介して高い時短継続率が設定される可能性が高いことを示唆するための演出態様であり、演出態様「S」が設定された場合には、図1466(a)に示した風船アイコン820eが表示される。また、継続率表示済フラグ223fbAがオフに設定されている場合、即ち、内部的に決定されている時短継続率に対応する継続率が表示領域Dm10(図1466(a)参照)に表示されていない場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~69」の範囲に対して演出態様「S」が、「70~99」の範囲に対して演出態様「?」が規定されている。この演出態様「?」は、大当たり当選を介して時短継続率が変化することを示唆するための演出態様であって、時短継続率が上がりやすい状況、或いは、下がりやすい状況に関する示唆が行われない演出態様である。
また、継続率記憶エリア223faAに記憶されている情報(継続率情報)が「70%」で、継続率表示済フラグ223fbAがオンに設定されている場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「?」が規定されている。また、継続率表示済フラグ223fbAがオフに設定されている場合、即ち、内部的に決定されている時短継続率に対応する継続率が表示領域Dm10(図1466(a)参照)に表示されていない場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~69」の範囲に対して演出態様「?」が、「70~99」の範囲に対して演出態様「×」が規定されている。この演出態様「×」は、現在の時短継続率よりも大当たり当選を介して低い時短継続率が設定される可能性が高いことを示唆するための演出態様である。
さらに、継続率記憶エリア223faAに記憶されている情報(継続率情報)が「80%」で、継続率表示済フラグ223fbAがオンに設定されている場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「?」が規定されている。また、継続率表示済フラグ223fbAがオフに設定されている場合、即ち、内部的に決定されている時短継続率に対応する継続率が表示領域Dm10(図1466(a)参照)に表示されていない場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して演出態様「?」が、「50~99」の範囲に対して演出態様「×」が規定されている。継続率記憶エリア223faAに記憶されている情報(継続率情報)が「90%」で、継続率表示済フラグ223fbAがオンに設定されている場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「×」が規定されている。また、継続率表示済フラグ223fbAがオフに設定されている場合、即ち、内部的に決定されている時短継続率に対応する継続率が表示領域Dm10(図1466(a)参照)に表示されていない場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対して演出態様「?」が、「10~99」の範囲に対して演出態様「×」が規定されている。
なお、詳細な説明は省略するが、この大当たり当選に対応する各種風船アイコン820は、特別図柄抽選の結果が外れであることに対応する特別図柄変動期間や特別図柄抽選の結果が小当たりであることに対応する特別図柄変動期間中も低確率で表示されるように構成している。このように構成することで、大当たり当選したか否かについて遊技者を煽る演出を実行することが可能となるため、高い時短継続率の時短状態を遊技している遊技者には、大当たり当選によって時短継続率が下がってしまうことを煽ることができ、低い継続率の時短状態を遊技している遊技者には、大当たり当選によって時短継続率が上がることを煽ることができる。また、この煽り演出に用いられる演出態様としては、高い時短継続率の時短状態中は、時短継続率が上昇することに対応する「S」よりも、時短継続率が低下することに対応する「×」の方が表示され易く、低い時短継続率の時短状態中は、時短継続率が上昇することに対応する「S」よりも、時短継続率が低下することに対応する「×」の方が表示され難くなるように構成している。このように構成することで、実際に大当たり当選した場合に表示され得る演出態様を煽り演出として表示させ易くすることができる。
アイコン態様選択テーブル222fbAは、継続率決定ゾーン(図1463参照)において小当たり当選した場合に実行される矢を放つ演出において用いられる矢アイコン801d等のアイコン種別を決定する際に参照されるデータテーブルであって、特別図柄抽選の結果に応じて異なるアイコン種別が規定されている。ここで、図1472を参照して、アイコン態様選択テーブル222fbAの内容について説明をする。図1472は、アイコン態様選択テーブル222fbAに規定されている内容を示した図である。図1472に示した通り、抽選結果が「大当たり」に対して、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲にアイコン種別1「特殊」が、「50~99」の範囲にアイコン種別2「豪華」が、規定されており、抽選結果が「小当たり」のうち、時短Eaが設定される小当たり種別に対して、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲にアイコン種別2「豪華」が、「80~89」の範囲にアイコン種別1「特殊」が、「90~99」の範囲にアイコン種別3「通常」が規定されており、抽選結果が「小当たり」のうち、時短Daが設定される小当たり種別に対して、取得した演出カウンタ223fの値が「0~59」の範囲にアイコン種別2「豪華」が、「60~79」の範囲にアイコン種別1「特殊」が、「80~99」の範囲にアイコン種別3「通常」が規定されており、抽選結果が「小当たり」のうち、時短Caが設定される小当たり種別に対して、取得した演出カウンタ223fの値が「0~39」の範囲にアイコン種別2「豪華」が、「40~99」の範囲にアイコン種別3「通常」が規定されており、抽選結果が「小当たり」のうち、時短Baが設定される小当たり種別に対して、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲にアイコン種別2「豪華」が、「20~99」の範囲にアイコン種別3「通常」が規定されており、抽選結果が「小当たり」のうち、通常状態が設定される小当たり種別に対して、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲にアイコン種別3「通常」が、「90~94」の範囲にアイコン種別1「特殊」が、「95~99」の範囲にアイコン種別3「豪華」が規定されている。
つまり、実際に各種風船アイコン820のうち何れか1の風船アイコン820をゲットするよりも前の時点で実行される演出(矢アイコン801d等を選択する演出や、放つ演出)に用いられる矢アイコン801d等を特別図柄抽選の結果に基づいて変化させることが可能に構成することで、ゲットする風船アイコン820の種別を遊技者に事前に予測させ易くすることができるため演出効果を高めることができる。なお、本変形例では、矢アイコン801d等の種別を異ならせることでゲットする風船アイコン820の種別を遊技者に事前に予測させ易くするように構成しているがこれに限ることなく、例えば、放たれる矢アイコンの速度を異ならせる、即ち、同一の表示態様(アイコン)を用いるが、どの表示態様の動的態様を異ならせることでゲットする風船アイコン820の種別を遊技者に事前に予測させ易くするように構成しても良いし、各種風船アイコン820の形状や大きさや配置位置を異ならせることでゲットする風船アイコン820の種別を遊技者に事前に予測させ易くするように構成しても良い。
図1470に戻り、本第31制御例の第1変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図1470は、本第31制御例の第1変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。図1470に示した通り、本第31制御例の第1変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第31制御例のRAM223に対して、継続率記憶エリア223faAと、継続率表示済フラグ223fbAと、ループ回数カウンタ223fcAを追加している点で相違しており、それ以外の要素は同一である。同一の要素に対しては同一の符号を付してその説明を省略する。
継続率記憶エリア223faAは、設定されている時短状態の種別(時短種別)に応じた時短継続率に関する情報を記憶するための記憶領域である。この継続率記憶エリア223faAには、時短種別が決定される毎に決定された時短種別に応じた時短継続率に関する情報(「50%」~「100%」)が記憶される。そして、時短状態中に実行される各種演出の演出態様を決定する際に記憶されている情報が参照される。
ループ回数カウンタ223fcAは、時短ループモードに連続して突入した回数を計測するためのカウンタであって、継続率決定ゾーンを経て時短ループモードに突入した場合に1の値がセットされ、その後、V大当たり遊技が実行される毎にカウンタの値が1加算される。このループ回数カウンタ223fcAの値は、第3図柄表示装置81の表示面に形成される表示領域Dm12(図1466(b)参照)に表示される。なお、詳細な説明は省略するが、時短ループモード中の大当たり当選し、継続率決定ゾーンへと移行した後に、再度時短ループモードに突入する場合には、大当たり当選前の時短ループモードにて計測されたカウンタ値がクリアされず、再度時短ループモードに突入した際にクリアされていないカウンタ値を用いて値の更新が実行される。
<第31制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
図1473~図1479を参照して、本第31制御例の第1変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第31制御例の第1変形例では、上述した第31制御例に対して、状態コマンド処理(S4202F)に代えて状態コマンド処理(S4232F)を、特図2演出態様設定処理(S4907F)に代えて特図2演出態様設定処理(S4937F)を、それぞれ実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。
図1473~図1474を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図1451のS4112F参照)の一処理である状態コマンド受信処理(S4232F)の処理内容について説明する。図1473は、この状態コマンド判定処理(S4232F)の処理内容を示したフローチャートである。本第31制御例における状態コマンド受信処理(S4232F)は、上述した第31制御例における状態コマンド受信処理(図1451のS4112F参照)に対して、主に、設定されている時短種別に対応する演出モード(各継続率決定ゾーンと、時短ループモード)を決定するための処理である時短中態様設定処理(S4331F)を新たに追加した点で相違する。状態コマンド受信処理(S4232F)が実行されると、まず、現在設定されている遊技状態が変更されるか否かを判別する(S4301)。ここでは、従状態設定エリア223gに設定されている遊技状態と、今回受信した状態コマンドが示す遊技状態とが、相違するか否かが判別される。S4301の処理において、遊技状態に変更がないと判別した場合は(S4301:No)、そのまま本処理を終了する。遊技状態に変更があると判別した場合は(S4301:Yes)、変更後の遊技状態が通常状態(普通図柄の低確率状態)であるかを判別する(S4302)。S4302の処理において、変更後の遊技状態が通常状態であると判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドである場合)は(S4302:Yes)、今回の通常状態への変更が小当たり当選に基づく変更であるかを判別し(S4301F)、小当たり当選に基づく変更であると判別した場合には(S4301F:Yes)、本処理を終了する。一方、S4301Fの処理において、小当たり当選に基づく変更ではないと判別した場合には(S4301F:No)、受信した状態コマンドに含まれる状態情報を従状態設定エリア223gに格納し(S4302F)、入賞情報格納エリア223bに第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)に対応する入賞情報があるか判別する(S4303F)。S4303Fの処理において、特図2保留に対応する入賞情報が格納されていない(特図2保留なし)と判別した場合には(S4303F:No)、通常モードを示す表示用コマンドを設定し(S4303)、ループ回数カウンタ223fcAの値に0を設定する(S4332F)。そして、設定されたモード情報を演出モード記憶エリア223pに格納し(S4304F)、本処理を終了する。一方、S4303Fの処理において、特図2保留に対応する入賞情報が格納されている(特図2保留あり)と判別した場合には(S4303F:Yes)、引き戻しモードを示す表示用コマンドを設定し(S4305F)、S4304Fの処理を実行する。一方、S4302の処理において、通常状態への変更ではない(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドではない)と判別した場合には(S4302:No)、時短状態への変更であるかを判別する(S4306)。時短状態への変更である(今回受信した状態コマンドが時短状態を示すコマンドである)と判別した場合には(S4306:Yes)、受信した状態コマンドに含まれる時短情報(時短種別と、第1時短終了条件と、第2時短終了条件と、時短継続率と、を示す情報)を従状態設定エリア223gに格納し(S4307F)、従時短カウンタ223nに時短回数に対応する値を設定し(S4308F)、時短中態様設定処理を実行し(S4331F)、S4304Fの処理を実行する。一方、S4306Fの処理において、時短状態への変更ではない(今回受信した状態コマンドが時短状態を示すコマンドではない)と判別した場合には(S4306)、本処理を終了する。
次に、図1474を参照して、状態コマンド受信処理(S4232F)の一処理である特時短中態様設定処理(S4331F)の処理内容について説明する。図1474は、この時短中態様設定処理(S4331F)の処理内容を示したフローチャートである。時短中態様設定処理(S4331F)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gに格納(設定)されている情報に基づいて時短種別を特定し(S6101F)、特定した時短種別が時短Aaであるかを判別する(S6102F)。特定した時短種別が時短Aaであると判別した場合には(S6102F:Yes)、初回継続率決定ゾーンに対応する演出モードを決定し(S6103F)、決定した演出モードを示すための表示用コマンドを設定し(S6109F)、本処理を終了する。一方、S6102Fの処理において、特定した時短種別が時短Aaではないと判別した場合には(S6102F:No)、ループ回数カウンタ223fcAの値に1を加算し(S6104F)、次に、S6101Fの処理において特定した時短種別が時短Faであるかを判別する(S6105F)。特定した時短種別が時短Faであると判別した場合には(S6105F:Yes)、継続率決定ゾーンに対応する演出モードを決定し(S6106F)、S6109Fの処理を実行する。一方、S6105Fの処理において、特定した時短種別が時短Faではないと判別した場合には(S6105F:No)、時短ループモードに対応する演出モードを決定し(S6107F)、今回決定された時短種別に対応する継続率を示す情報を継続率記憶エリア223faAに格納(設定)し(S6108F)、S6109Fの処理を実行する。
次に、図1475を参照して、本第31制御例の第1変形例における変動表示設定処理(S4113)の一処理である特図2演出態様設定処理(S4937F)の処理内容について説明する。図1475は、この特図2演出態様設定処理(S4937F)の処理内容を示したフローチャートである。本第31制御例の第1変形例における特図2演出態様設定処理(S4937F)は、第2特別図柄(特図2)の変動演出の演出態様を決定するための処理であり、特図2の抽選結果と設定されている各演出モードに対応する演出態様を決定する処理が実行される。特図2演出態様設定処理(S4907F)が実行されると、まず、演出モード記憶エリア223pに格納(設定)されている演出モードを示す情報を読み出し(S5901F)、引き戻しモードであるか(読み出した演出モードを示す情報が引き戻しモードを示す情報であるか)を判別する(S5901F)。引き戻しモードではないと判別した場合には(S5901F:No)、次に、初回継続率決定ゾーンであるか(読み出した演出モードを示す情報が初回継続率決定ゾーンを示す情報であるか)を判別する(S5931F)。初回継続率決定ゾーンであると判別した場合には(S5931F:Yes)、初回継続率ゾーン中態様決定処理を実行する(S5932F)。ここで、図1476を参照して、特図2演出態様設定処理(図1475のS4937F参照)の一処理である初回継続率ゾーン中態様決定処理(S5932F)の処理内容について説明する。図1476は、この初回継続率ゾーン中態様決定処理(S5932F)の処理内容を示したフローチャートである。初回継続率ゾーン中態様決定処理(S5932F)が実行されると、まず、受信した変動パターンコマンドに対応する抽選結果を特定し(S6201F)、特定した抽選結果は外れ当選であるかを判別する(S6202F)。特定した抽選結果が外れではないと判別した場合には(S6202F:No)、取得した演出カウンタ223fの値と、当たり種別とに基づいて、アイコン態様選択テーブル222fbAを参照してアイコン種別を決定し(S6203F)、決定したアイコン種別を用いた獲得演出態様を決定し(S6204F)、決定した演出態様を示すための表示用変動パターンコマンドを設定し(S6205F)、本処理を終了する。一方、S6202Fの処理において、特定した抽選結果が外れであると判別した場合には(S6202F:Yes)、矢を放つ準備を行う演出態様を決定し(S6206F)、S6205Fの処理を実行する。
図1475に戻り、説明を続ける。S5931Fの処理において、読み出した演出モードは初回継続率決定ゾーンではないと判別した場合には(S5931F:No)、次に、読み出した演出モードが継続率決定ゾーンであるかを判別し(S5933F)、継続率決定ゾーンであると判別した場合には(S5933F:Yes)、継続率ゾーン中態様決定処理を実行し(S5934F)、S5907Fの処理を実行する。ここで、図1477を参照して、本第31制御例の第1変形例における特図2演出態様設定処理(S4937F)の一処理である継続率ゾーン中態様決定処理(S5934F)の処理内容について説明する。図1477は、この継続率ゾーン中態様決定処理(S5934F)の処理内容を示したフローチャートである。継続率ゾーン中態様設定処理(S5934F)が実行されると、まず、受信した変動パターンコマンドに対応する抽選結果を特定し(S6301F)、特定した抽選結果が外れであるかを判別する(S6302F)。特定した抽選結果が外れであると判別した場合には(S6302F:Yes)、取得した演出カウンタ223fの値と、当たり種別とに基づいてアイコン態様選択テーブル222fbAを参照してアイコン種別を決定する(S6303F)。次に、S6301Fの処理において特定した抽選結果は通常小当たり(小当たり遊技において第2可変入賞装置(Vアタッカー)650内の特定領域(Vゲート650v)を球が通過したことに基づいて実行されるV大当たり遊技終了後に通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定される小当たり種別)当選であるかを判別し(S6304F)、通常小当たり当選ではないと判別した場合には(S6305F:No)、S6303Fの処理において決定したアイコン種別を用いた獲得演出態様を決定し(S6305F)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定して(S6306F)、本処理を終了する。一方、S6303Fの処理において、S6301Fの処理で特定した抽選結果が通常小当たり当選であると判別した場合には(S6304F:Yes)、決定したアイコン種別を用いた非獲得演出態様を決定し(S6307F)、S6306Fの処理を実行する。また、S6302Fの処理において、S6301Fの処理で特定した抽選結果が外れであると判別した場合には(S6302F:Yes)、矢を放つ準備を行う演出態様を決定し(S6308F)、S6306Fの処理を実行する。
図1475に戻り、説明を続ける。S5933Fの処理において、S5901Fの処理で読み出した演出モードは継続率決定ゾーンではないと判別した場合には(S5933F:No)、読み出した演出モードが時短ループモードであるかを判別し(S5935F)、時短ループモードであると判別した場合には(S5935F:Yes)、ループモード中態様決定処理を実行し(S5936F)、S5907Fの処理を実行する。ここで、図1478を参照して、特図2演出態様設定処理(図1475のS4937F参照)の一処理であるループモード中態様決定処理(S5936F)の処理内容について説明する。図1478は、このループモード中態様決定処理(S5936F)の処理内容を示したフローチャートである。ループモード中態様決定処理(S5936F)が実行されると、まず、受信した変動パターンコマンドに対応する抽選結果を特定し(S6401F)、特定した抽選結果が外れ当選であるかを判別する(S6402F)。特定した抽選結果が外れ当選ではないと判別した場合には(S6402F:No)、次に、特定した抽選結果が大当たり当選であるかを判別し(S6403F)、大当たり当選であると判別した場合には(S6403F:Yes)、継続率記憶エリア223faAに格納されている継続率情報を読み出し(S6404F)、読み出した継続率情報と、継続率表示済フラグ223fbAの設定状況とに基づいて大当たり当選時態様選択テーブル222faAを参照して演出態様を決定し(S6405F)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S6406F)、本処理を終了する。一方、S6402Fの処理において、S6401Fの処理で特定した抽選結果が外れ当選であると判別した場合には(S6402F:Yes)、受信した変動パターンコマンドに含まれる変動パターンに対応する外れ演出態様を決定し(S6407F)、S6406Fの処理を実行する。また、S6403Fの処理において、S6401Fの処理で特定した抽選結果は大当たり当選ではないと判別した場合には(S6403F:No)、小当たり当選であるため、小当たり時態様決定処理を実行し(S6408F)、S6406Fの処理を実行する。
ここで、図1479を参照して、ループモード中態様決定処理(S5936F)の一処理である小当たり時態様決定処理(S6408F)の処理内容について説明する。図1479は、この小当たり時態様決定処理(S6408F)の処理内容を示したフローチャートである。小当たり時態様決定処理(S6408F)が実行されると、まず、時短終了条件が成立するかを判別する(S6501F)。具体的には、従状態設定エリア223gに格納されている時短種別を示す情報と、受信した変動パターンコマンドに含まれる小当たり種別を示す情報と、に基づいて時短終了条件が成立するかを判別する。時短終了条件が成立すると判別した場合には(S6501F:Yes)、今回の小当たり種別は時短小当たり(小当たり遊技において第2可変入賞装置(Vアタッカー)650内の特定領域(Vゲート650v)を球が通過したことに基づいて実行されるV大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される小当たり種別)であるかを判別し(S6502F)、時短小当たりであると判別した場合には(S6408F:Yes)、時短継続態様を獲得する演出態様を決定し(S6503F)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S6504F)、本処理を終了する。一方、S6502Fの処理において、今回の小当たり種別が時短小当たりではないと判別した場合には(S6502F:No)、「END」態様を獲得する演出態様を決定し(S6505F)、S6504Fの処理を実行する。また、S6501Fの処理において、時短終了条件が成立しないと判別した場合には(S6501F:No)、矢を放つ準備を行う演出態様を決定し(S6506F)、S6504Fの処理を実行する。
図1475に戻り、説明を続ける。S5935Fの処理において、S5901Fの処理で読み出した演出モードが時短ループモードではないと判別した場合には(S5935F:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5937F)、S5907Fの処理を実行する。また、S5902Fの処理において、S5901Fの処理で読み出した演出モードが引き戻しモードであると判別した場合には(S5902F:Yes)、抽選結果に基づいて超バトルモード選択テーブル222faを参照して獲得アイコンの種別を決定し(S5913F)、S5907Fの処理を実行する。
以上、説明したとおり、本第31制御例の第1変形例では、設定されている時短状態の種別(時短種別)に応じて、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で大当たり当選した場合の方が、小当たり当選した場合よりも遊技者に有利となる時短状態と、小当たり当選した場合の方が、大当たり当選した場合よりも遊技者に有利となる時短状態と、を設定可能に構成している。このように構成することで、時短状態中に実行される特別図柄抽選の結果の有利度合いを、設定されている遊技状態(時短種別)に応じて異ならせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、時短状態中におけるV大当たり遊技が実行された後に設定される時短種別に応じた時短状態の継続率が継続し易くなるように構成している。具体的には、時短状態中に実行された特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいてV大当たり遊技が実行された場合には、そのV大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の継続率が、終了したV大当たり遊技の実行契機となった小当たりに当選した時点における時短状態の継続率と同一となるように構成している。このように構成することで、連チャン中に時短状態の継続率が変化し難くすることができるため、時短状態の継続率が高い時短種別が設定された遊技者に対して、連チャン中の遊技を安心して行わせることができる。更に、連チャン中に実行された特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、上述した通り時短状態の継続率が変化されないが、特別図柄抽選で大当たり当選した場合、即ち、特別図柄抽選の結果として、外れよりも遊技者に有利となる抽選であり、且つ、小当たりに当選(当選確率1/5)するよりも低確率の大当たりに当選(1/200)した場合には、大当たり遊技(図柄大当たり遊技)の終了後に、時短状態の継続率を変化させることが可能な時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、時短状態の継続率が高い時短状態を遊技している遊技者は、時短状態中に大当たり当選すること無くV大当たり遊技が実行されることを目指し、時短状態の継続率が低い時短状態を遊技している遊技者は、時短状態が終了するよりも前に、特別図柄抽選で大当たり当選し、新たな時短状態の継続率が設定されることを目指す遊技が行われることになる。つまり、時短状態中の遊技として、大当たり当選を目指す遊技と、大当たり当選を目指さない遊技と、を遊技者に行わせることができるという斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。
<第31制御例における第2変形例について>
次に、図1480から図1493を参照して、第31制御例における第2変形例について説明をする。上述した第31制御例、及び第31制御例における第1変形例では、設定された時短状態を終了させるための終了条件(時短終了条件)として、特定の小当たりに当選した場合に成立する時短終了条件(小当たり時短終了条件)が設定されるように構成していた。つまり、時短終了条件が成立した場合には、必ず、通常状態が設定されている状況で小当たり遊技が実行されるように構成しており。その通常状態における小当たり遊技中に遊技球を特定領域(V領域)へと通過させることでV大当たり遊技を実行させるように構成していた。そして、時短終了条件が成立する小当たり種別として、V大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される小当たり種別(時短小当たり種別)と、V大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される小当たり種別(通常小当たり種別)と、が規定されており、通常小当たり種別の小当たり遊技に基づいて実行されるV大当たり遊技が終了することで通常状態が設定され、遊技者に有利な遊技状況(時短状態と当たり遊技状態とが繰り返し設定される遊技状況)が終了するように構成していた。
これに対して、本第31制御例における第2変形例では、時短状態を終了させるための終了条件(時短終了条件)として、時短状態中に実行された特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件(変動時短終了条件)を設定可能に構成している。つまり、本第2変形例におけるパチンコ機10では、時短状態中に時短終了条件が成立する小当たり(V大当たり遊技を実行させ易い小当たり)に当選すること無く時短状態が終了し得るように構成している。このように構成することで、時短状態が設定された場合であってもV大当たり遊技が一度も実行されること無く時短状態が終了する可能性を残すことができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、上述した第31制御例では、通常小当たり種別の小当たり遊技に基づいてV大当たり遊技が実行された場合に、そのV大当たり遊技の終了を持って連チャン状態を終了させるように構成していたため、V大当たり遊技が実行され易い小当たり遊技、即ち、時短終了条件が成立する小当たり種別に応じた小当たり遊技が実行されたとしても、遊技者にとって有利な遊技状況であるかを遊技者が把握できないという問題があった。これに対して、本第2変形例では、V大当たり遊技の終了後には必ず時短状態が設定されるように構成している。つまり、時短終了条件が成立する小当たりに当選した時点(V大当たり遊技が実行され易い小当たり遊技の実行条件が成立した時点)で、遊技者に有利な遊技状況となるように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行された特別図柄抽選で当選した小当たりに基づいてV大当たり遊技が実行されることを目指す分かり易い遊技を遊技者に提供することができる。
また、本第2変形例においても、上述した第31制御例と同様に、設定されている時短状態の種別(時短種別)に応じて、時短終了条件が成立する小当たりの種別(小当たり種別)を異ならせている。つまり、本第2変形例では、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たりに当選する確率を時短種別に関わらず一定確率(1/5)とし、小当たり当選した場合に設定される小当たり種別として、選択割合の異なる複数の小当たり種別の中から1の小当たり種別が設定されるように構成している。そして、時短種別に応じて時短終了条件が成立する小当たり種別を異ならせるように構成することで、時短状態中に時短終了条件が成立する小当たりに当選する確率(V大当たり遊技を実行させ易い小当たり遊技が実行される確率)を、設定された時短種別に応じて異ならせることができるように構成している。
なお、上述した第31制御例におけるパチンコ機10では、V大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される通常小当たり種別と、V大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される時短小当たり種別と、を小当たり種別として設定可能に構成し、時短終了条件が成立する小当たり種別の種類を時短種別毎に異ならせることでV大当たり遊技終了後に時短状態が継続する確率を異ならせるように構成していた。具体的には、時短終了条件が成立する小当たり種別の種類を減らし、時短小当たり種別のみを時短終了条件が成立する小当たり種別と規定することでV大当たり遊技の終了後に時短状態が確実に設定される有利時短状態を創出するように構成していた。つまり、上述した第31制御例におけるパチンコ機10では、時短終了条件が成立する小当たり種別の数が少ない方が、多い場合よりも遊技者に有利な時短状態となるように構成していた。これに対して、本第2変形例におけるパチンコ機10では、小当たり当選した場合に時短小当たり種別のみが設定されるように構成し、時短終了条件が成立する小当たり種別の数が多い方が、少ない場合よりも遊技者に有利な時短状態となるように構成している。
<第31制御例の第2変形例における演出内容について>
まず、図1480、及び図1481を参照して、本第31制御例の第2変形例におけるパチンコ機10において実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。図1480(a)は、時短状態中における演出のうち、時短Fに対応する演出画面の一例を示した図であって、図1480(b)は、時短Aに対応する演出画面の一例を示した図である。また、図1481は、時短Cにおいて、保留内に小当たり当選に対応する入賞情報を有している際に実行される保留連演出の一例を示した図である。
図1480(a)に示した通り、時短状態が設定されると、第3図柄表示装置81の表示面には、キャラクタ801がボールBa1を的830に向かって投げる演出が実行される。具体的には、的830は、縦3×横3の9マス(830a~830i)で形成されており、設定されている時短種別に対応する時短終了条件として設定されている小当たり種別に対応して「V」または「×」が各マスに表示されている。的830の中央部に位置する第5マス830eは、小当たりA群に対応する表示態様であって、何れの時短種別が設定されている状態であっても、時短終了条件が成立する「小当たりA」群に対応している。よって、的830に向かって投げたボールBa1が的830の中央(第5マス830e)にぶつかった場合には、必ず時短終了条件が成立しV大当たり遊技を実行させ易い小当たり遊技が実行される。このように、的830を形成する各マスは、それぞれ各小当たり種別に対応付けて構成することで、ボールBa1を的830の中央に向けて放つといった視覚的な演出効果を高めることができる。また、図1480(a)に示した図では、時短終了条件が成立する小当たりが小当たりA群のみとなる時短Fにおける表示画面を示しているため、第5マス830eは「V」が、残りのマスは「×」が表示されている。このように構成することで、今回の時短状態(時短F)では、小当たり当選に基づいて時短終了条件が成立し難いことを遊技者に把握させ易くすることができる。
また、本第2変形例では、上述した第31制御例、及び、第31制御例の第1変形例とは異なり、短い時短回数が設定されているため、表示領域Dm13には、残りの時短回数に対応する表示態様として「残り15回」が表示されている。この表示態様は、特別図柄抽選が実行される毎に減算表示され、「残り0回」となった後に時短終了条件が成立し時短状態が終了することが報知される。また、表示領域Dm9には、獲得済みの特図2保留数を示すhr1~hr4が表示されており、特図2保留を1個獲得している状況ではhr1のみが黒色に表示され、特図2保留を上限数である4個獲得している状況ではhr1~hr4が黒色に表示されるように構成している。そして、獲得済みの特図2保留数に対応させて、キャラクタ801が投げるボールを待機表示している。図1480では、特図2保留を3個獲得している状況を示しているため、hr1~hr3が黒色に表示されると共に、待機ボールBa2~Ba4が表示されている。この待機ボールBaは、単に特図2保留数を示すものではなく、特図2保留に対する事前判別結果に関する情報に基づいて表示態様を変化させることができるように構成しており、例えば、hr2に対応する特図2保留が小当たりB群の何れかの小当たりに当選する入賞情報を有している場合には、hr2に対応する待機ボールBa3の表示態様が、通常の表示態様とは異なる特殊表示態様へと変化し易くなるように構成している。
図1480(b)は、時短種別「時短A」が設定されている状況における表示画面を示した図である。この「時短A」は、全ての小当たり種別が時短終了条件として規定されている時短状態、即ち、最もV大当たり遊技を実行させ易い有利時短状態であるため、図1480(b)に示した通り、的830を形成する9個の第1マス830a~第9マス830iの全てに対して「V」が表示されている。そして表示領域HRには「Vマスは9枚」と表示されている。図1480(a),(b)を用いて示した通り、本変形例では、時短状態中にV大当たり遊技が実行され易い時短種別(時短A)であるか、され難い時短種別(時短F)であるかを、的830の表示態様によって遊技者に把握させ易くすることができる。
次に、図1481を参照して、時短状態中における保留連演出の内容について説明をする。図1481は、時短Cにて保留連演出が実行された場合の表示画面を示した図である。図1481に示した通り、時短Cにおける時短終了条件が成立する小当たり種別(小当たりA群~E群)のそれぞれに対応する第2マス830b、第4マス830d、第5マス830e、第6マス830f、第8マス830gが「V」に表示され、それ以外が「×」に表示されている。そして、実行中の特別図柄変動が小当たりA群の小当たりであって、且つ、獲得済みの特図2保留に小当たりC群の小当たりに当選する入賞情報が含まれている状況であるため、ボールBa1が、小当たりA群に対応する第5マス830eと、小当たりC群に対応する第6マス830fの両方にぶつかる演出が実行されている。これにより、1個のボールで「V」を2つ獲得する演出結果となり、表示領域Dm14に「V保留×1個」が表示され、副表示領域Dsには、保留連が実行されることを案内するための案内態様として「Vをダブルゲット!!大当たりが2回続くよ」の文字が表示される。また、ボールBa1が通常の表示態様とは異なる特殊表示態様で表示されている。
ここで、本第2変形例における保留連演出の実行条件について説明をする。上述した通り、本第2変形例では、設定されている時短種別に応じて的830の各マスの表示態様を異ならせており、時短終了条件が成立する小当たり種別に対応するマスに対して「V」が表示されるように構成されている。そして、上下または左右に連続しているマスが共に「V」で表示されている状態であって、且つ、当該変動にて当選した小当たり種別と、保留連する小当たり種別とが、隣り合う「V」マスに対応する小当たり種別である場合にのみ上述した保留連演出が実行されるように構成している。つまり、小当たり変動中に獲得済みの特図2保留内に小当たり当選する入賞情報がある状況(保留連演出を実行するための1つの条件が成立している状況)において、保留連演出が実行される可能性を設定されている時短種別に応じて異ならせることができるように構成している。具体的には、全てのマスが「V」表示される時短Aが最も保留連演出が実行され易い時短状態となり、第5マス830eのみが「V」表示となる時短Fは保留連演出が実行されることのない時短状態となる。このように、時短種別に応じて、小当たり変動中に獲得済みの特図2保留内に小当たり当選する入賞情報がある状況(保留連演出を実行するための1つの条件が成立している状況)となった場合における保留連演出の実行確率を異ならせることで、時短状態中の遊技を行っている遊技者に対して演出効果の高い演出を提供することができる。なお、本第2変形例では、小当たり種別とマスの状況(配置、表示態様)との対応関係を固定することで遊技者に分かり易い演出を提供しているが、これに限ることなく、小当たり種別とマスの状況(配置、表示態様)との対応関係をランダムに切り替えるように構成しても良いし、マスの表示態様が時短状態中(特図変動中)に「V」、「×」、「?」と切り替わるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者が現在の時短種別を把握し難くすることができる。また、保留連演出が実行された場合には、大当たり遊技中に実行される大当たり中演出の演出態様を、保留連演出が実行されずに実行された大当たり遊技中に実行される大当たり中演出の演出態様と異ならせても良いし、保留連演出を大当たり遊技中に実行可能に構成しても良い。この場合、保留連演出を実行するための処理は、1回目の大当たり当選した場合に実行される変動演出(大当たり変動演出)や大当たり遊技中演出とは異なる演出態様の演出を実行するための処理となることから、連続して同一の演出態様が設定されてしまうことを抑制するための処理である。詳細な説明は省略するが、上述した保留連演出が実行された後、次の大当たり遊技が開始されるまでの遊技の流れと演出の内容について説明をする。保留連演出の演出結果として2つの「V」アイコンを獲得した場合には、その後、第3図柄表示装置81の表示面に「V」アイコンが2つ表示される。そして、実行中の特別図柄変動(小当たり当選変動)が停止表示されるよりも前に、実行中の特別図柄変動が小当たり当選に対応していることを遊技者に報知するために「V」アイコンを1つ用いた小当たり当選演出が実行される。この小当たり当選演出によって小当たり当選が報知された場合には、第3図柄表示装置81の表示面に表示されていた2つの「V」アイコンのうち、1つが消滅し、残り1つの「V」アイコンが表示されている状況で小当たり遊技が開始される。その後、小当たり遊技中に遊技球を特定領域に通過させることで大当たり遊技が開始され、その大当たり遊技が終了した後に実行される特別図柄変動に対して、継続して表示されていた残り1つの「V」アイコンを用いた小当たり当選演出が実行される。このように構成することで、獲得した(第3図柄表示装置81の表示面に表示させた)「V」アイコンの数によって、獲得している大当たり遊技の実行権利数を遊技者に分かり易く把握させることができる。なお、本制御例におけるパチンコ機10は、小当たり遊技中に特定領域へと遊技球を通過させなかった場合には、大当たり遊技の実行条件が成立すること無く、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されないように構成している。つまり、上述した保留連演出の演出結果は、大当たり遊技が実行される回数を示すものでは無く、あくまでも獲得した大当たり遊技の実行権利数(特定領域へと遊技球を比較的通過させ易い小当たり遊技が実行される回数)を示すものである。よって、例えば、パチンコ機10の不具合(操作ハンドル22の不具合)等で遊技球を適正に発射できなかったことが原因で小当たり遊技中に特定領域へと遊技球を通過させることができなかった場合には、表示面に表示されている「V」アイコンを用いて、「V」アイコンが消滅する演出が実行されるように構成している。つまり、特典が付与される場合も、特典が付与されない場合も遊技者に遊技な特典がストックされていることを示す態様を用いた演出を実行可能である。
<第31制御例の第2変形例における電気的構成について>
次に、図1482から図1487を参照して、本第31制御例の第2変形例における電気的構成について説明をする。本第2変形例では、上述した第31制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成の一部を変更している点で相違している。なお、同一の要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、図1482(a)を参照して、特図2大当たり用テーブル202fd2Bの内容について説明をする。図1482(a)は、特図2大当たり用テーブル202fd2Bに規定されている内容を示した図である。本第2変形例では、上述した通り、時短回数15回が設定されるため、上述した第31制御例とは異なり、時短状態が設定されたにも関わらず大当たり遊技が実行されること無く時短状態が終了する可能性が高くなるように構成している。よって、時短状態中に実行された特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典を大きくしている点で相違している。具体的には、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず、10ラウンドの大当たり遊技が実行され、且つ、時短状態として「時短Ab(時短A)」が設定されるように構成している。
次に、図1482(b)を参照して、小当たり用テーブル202d3Bの内容について説明をする。図1482(b)は、小当たり用テーブル202d3Bに規定されている内容を模式的に示した図である。図1482(b)に示した通り、各小当たり種別に対して、共通のV通過時大当たり種別(7R)が規定され、異なる時短種別が規定されている。次に、図1483を参照して、時短付与テーブル202feBの内容について説明をする。図1483は、時短付与テーブル202feBに規定されている内容を示した図である。図1483に示した通り、何れの時短種別に対しても時短カウンタ203hの値に対して15が規定されており、各時短種別に対して異なる小当たり種別が規定されている。これにより、時短継続率を時短種別毎に異ならせている。
次に、図1484を参照して、本第31制御例の第2変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図1484は、本第31制御例の第2変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を模式的に示した図である。図1484に示した通り、本第2変形例のROM222は、上述した第31制御例のROM222に対して、マス目態様選択テーブル222faB、ボール態様選択テーブル202fbBを設けた点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して説明を省略する。
マス目態様選択テーブル222faBは、的830を形成する第1マス830a~第9マス830iの表示態様が時短種別に対応させて規定されているデータテーブルである(図1486参照)。このマス目態様選択テーブル222faBは、時短状態が設定される際に参照される。
ボール態様選択テーブル222fbBは、時短状態中にキャラクタ801が投げるボールBaの表示態様を決定する際に参照されるデータテーブル(図1487参照)であって、実行中の特別図柄変動の抽選結果と、次変動の抽選結果(事前判別結果)と、設定されている時短種別と、に応じてボールBaの表示態様が規定されている。図1487に示した通り、特別図柄抽選で大当たり当選する場合には、大当たり当選しない場合よりも特殊な表示態様が決定され易く、保留連演出を実行可能な条件が成立する場合の方が、成立しない場合よりも特殊な表示態様が決定され易くなるように構成している。
<第31制御例の第2変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図1488を参照して、本第31制御例の第2変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第31制御例の第2変形例では、上述した第31制御例に対して、大当たり終了処理(図1448参照)に代えて大当たり終了処理(図1488参照)を実行する点で相違しており、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。図1488を参照して、本第31制御例の第1変形例における大当たり終了処理(S1910)について説明をする。図1488は、本第31制御例の第2変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201にて実行される大当たり終了処理(S1910)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理(S1910)は、主制御装置110のMPU201にて実行されるメイン処理内で実行される大当たり制御処理(S1804)の一処理である。図1488に示した通り、本第31制御例の第2変形例における大当たり終了処理(S1910)では、上述した第31制御例におけるパチンコ機10にて実行される大当たり終了処理(図1448参照)に対して、時短状態を設定する場合に時短カウンタ203hに設定する値が異なる点で相違し、それ以外は同一の処理が実行される。大当たり終了処理(S1910)が実行されると、まず、実行中の大当たり種別を読み出し(S2101F)、読み出した大当たり種別に基づいて時短付与テーブル202feを用いて対応する時短終了条件を決定(設定)する(S2102F)。次いで、時短状態の設定ありか、即ち、実行中の大当たり種別が大当たり遊技終了後に時短状態を設定する大当たり種別であるかを判別し(S2103F)、時短状態の設定あり(実行中の大当たり種別が大当たり遊技終了後に時短状態を設定する大当たり種別である)と判別した場合には(S2103F:Yes)、時短カウンタ203hのカウンタ値として設定される時短種別に対応する値を設定し(S2151F)、設定内容に対応する時短設定情報コマンドを設定し(S2105F)、大当たり遊技終了後の状態に対応する状態コマンドを設定し(S2106F)、大当たり遊技の終了を設定し(S2107F)、大当たり中フラグ203kをオフに設定し(S2108F)、本処理を終了する。一方、S2103Fの処理において、時短状態の設定なし(実行中の大当たり種別が大当たり遊技終了後に時短状態を設定する大当たり種別ではない)と判別した場合には(S2103F:No)、S2151Fの処理をスキップし、S2105Fの処理を実行する。
<第31制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1489~図1493を参照して、本第31制御例の第2変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第31制御例の第2変形例では、上述した第31制御例に対して、状態コマンド受信処理(図1452のS4202F参照)に代えて状態コマンド受信処理(図1489のS4252F参照)を、特図2演出態様設定処理(図1460のS4907F参照)に代えて特図2演出態様設定処理(図1491のS4957F)を、それぞれ実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。
図1489~図1490を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド受信処理(S4252F)の処理内容について説明する。図1489は、この状態コマンド受信処理(S4252F)の処理内容を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理(S4252F)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図58参照)の中で実行されるコマンド判定処理(図1451のS4112F参照)の一処理であり、この状態コマンド受信処理(S4252F)は、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される表示モードを異ならせて設定するための処理を実行するものである。図1491に示した通り、本第31制御例の第2変形例における状態コマンド受信処理(S4252F)は、上述した第31制御例における状態コマンド受信処理(S4202F)に対して、時短中態様設定処理(S4351F)を新たに追加した点と、バトルモードに関連する処理を削除した点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容については、その詳細な説明を省略する。状態コマンド受信処理(S4252F)が実行されると、まず、現在設定されている遊技状態が変更されるか否かを判別する(S4301)。ここでは、従状態設定エリア223gに設定されている遊技状態と、今回受信した状態コマンドが示す遊技状態とが、相違するか否かが判別される。S4301の処理において、遊技状態に変更がないと判別した場合は(S4301:No)、そのまま本処理を終了する。遊技状態に変更があると判別した場合は(S4301:Yes)、変更後の遊技状態が通常状態(普通図柄の低確率状態)であるかを判別する(S4302)。S4302の処理において、変更後の遊技状態が通常状態であると判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドである場合)は(S4302:Yes)、今回の通常状態への変更が小当たり当選に基づく変更であるかを判別し(S4301F)、小当たり当選に基づく変更であると判別した場合には(S4301F:Yes)、本処理を終了する。一方、S4301Fの処理において、小当たり当選に基づく変更ではないと判別した場合には(S4301F:No)、受信した状態コマンドに含まれる状態情報を従状態設定エリア223gに格納し(S4302F)、入賞情報格納エリア223bに第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)に対応する入賞情報があるか判別する(S4303F)。S4303Fの処理において、特図2保留に対応する入賞情報が格納されていない(特図2保留なし)と判別した場合には(S4303F:No)、通常モードを示す表示用コマンドを設定し(S4303)、設定されたモード情報を演出モード記憶エリア223pに格納し(S4304F)、本処理を終了する。一方、S4303Fの処理において、特図2保留に対応する入賞情報が格納されている(特図2保留あり)と判別した場合には(S4303F:Yes)、引き戻しモードを示す表示用コマンドを設定し(S4305F)、S4304Fの処理を実行する。一方、S4302の処理において、通常状態への変更ではない(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドではない)と判別した場合には(S4302:No)、時短状態への変更であるかを判別する(S4306)。時短状態への変更である(今回受信した状態コマンドが時短状態を示すコマンドである)と判別した場合には(S4306:Yes)、受信した状態コマンドに含まれる時短情報(時短種別と、第1時短終了条件と、第2時短終了条件と、を示す情報)を従状態設定エリア223gに格納し(S4307F)、従時短カウンタ223nに時短回数に対応する値を設定し(S4308F)、時短中態様設定処理(S4351F)を実行して、S4304Fの処理を実行する。一方、S4306Fの処理において、時短状態への変更ではない(今回受信した状態コマンドが時短状態を示すコマンドではない)と判別した場合には(S4306)、本処理を終了する。
次に、図1490を参照して、状態コマンド受信処理(図1489のS4252F参照)の一処理である時短中態様設定処理(S4351F)の処理内容について説明する。図1490は、この時短中態様設定処理(S4351F)の処理内容を示したフローチャートである。この時短中態様設定処理(S4351F)では、今回設定される時短種別に対応する時短中演出を決定するための処理が実行される。時短中態様設定処理(S4351F)が実行されると、まず、V保留フラグ223faBがオンであるかを判別し(S6151F)、V保留フラグ223faBがオンであると判別した場合には(S6151F:Yes)、V保留状態を示すための表示用コマンドを設定し(S6152F)、本処理を終了する。一方、S6151Fの処理において、V保留フラグ223faBがオンではないと判別した場合には(S6151F:No)、マス目態様選択テーブル222faBを参照して、今回設定される時短種別に対応するマス目態様を決定し(S6153F)、時短モードを示すための表示用コマンドを設定し(S6154F)、本処理を終了する。
次に、図1491を参照して、本第31制御例の第2変形例における特図2演出態様設定処理(S4957F)の処理内容について説明する。図1491は、この特図2演出態様設定処理(S4957F)の処理内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理(S4957F)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のメイン処理(図58参照)にて実行される変動表示設定処理(S4113)の一処理である。この特図2演出態様設定処理(S4957F)は、第2特別図柄(特図2)の変動演出の演出態様を決定するための処理であり、特図2の抽選結果と設定されている演出モードに対応する演出態様を決定する処理が実行される。特図2演出態様設定処理(S4957F)が実行されると、まず、演出モード記憶エリア223pに格納(設定)されている演出モードを示す情報を読み出し(S5901F)、引き戻しモードであるか(読み出した演出モードを示す情報が引き戻しモードを示す情報であるか)を判別する(S5901F)。引き戻しモードではないと判別した場合には(S5901F:No)、次に、時短モードであるか(読み出した演出モードを示す情報が時短モードを示す情報であるか)を判別する(S5951F)。時短モードであると判別した場合には(S5951F:Yes)、時短モード中態様決定処理を実行し(S5952F)、決定した演出態様を示すための表示用変動パターンコマンドを設定し(S5907F)、本処理を終了する。ここで、図1492を参照して、特図2演出態様設定処理(図1491のS4957F参照)の一処理である時短モード中態様決定処理(S5952F)の処理内容について説明する。図1492は、この時短モード中態様決定処理(S5952F)の処理内容を示したフローチャートである。時短モード中態様決定処理(S5952F)が実行されると、まず、従時短カウンタ223nの値を1減算し(S6601F)、減算後の従時短カウンタ223nの値に対応する残回数を示す表示用コマンドを設定し(S6602F)、今回の第2特別図柄(特図2)の抽選結果が外れであるかを判別する(S6603F)。特図2の抽選結果が外れであると判別した場合には(S6603F:Yes)、外れアクションの実行を抽選で決定する(S6604F)。具体的には、外れアクション決定テーブル(図示しない)を参照して、演出カウンタ223fの値に基づいて外れアクションの実行有無を決定する。なお、外れアクションとは、本第31制御例の第2変形例における時短状態中の演出態様(図1480参照)において、キャラクタ801がボールを投げるが、マス目には到達しない(当たらない)演出(図示しない)を示す。このように、外れアクションが実行されることで、時短中に大当たり、または小当たりの何れにも当選しない特図2変動が実行される場合であっても、遊技者に大当たり、または小当たりに当選するのではないかという期待感を抱かせることが可能となる。また、特図2の抽選結果が外れである場合に毎回外れアクションを実行するのではなく、抽選によって実行する場合と実行しない場合とを決定するため、特図2の外れ変動が連続して実行される場合に外れアクションが連続して実行され、遊技者が外れアクションに早期に飽きてしまうことを抑制することができる。S6604Fの処理が終了すると、S6604Fにおける抽選の結果、外れアクションの実行が決定されたかを判別し(S6605F)、外れアクションの実行が決定された場合には(S6605F:Yes)、キャラクタ801がマス目以外の領域へボールを投げるアクションを実行する演出態様を決定し(S6606F)、本処理を終了する。一方、S6605Fの処理において、S6604Fの抽選結果が外れアクションの実行ではないと判別した場合には(S6605F:No)、キャラクタ801がボールを投げる準備アクションを実行する演出態様を決定し(S6607F)、本処理を終了する。また、S6603Fの処理において、今回の特図2の抽選結果が外れではないと判別した場合には(S6603F:No)、時短モード中当たり態様決定処理を実行し(S6608F)、本処理を終了する。
ここで、図1493を参照して、時短モード中態様決定処理(図1492のS5952F参照)の一処理である時短モード中当たり態様決定処理(S6608F)の処理内容について説明する。図1493は、この時短モード中当たり態様決定処理(S6608F)の処理内容を示したフローチャートである。この時短モード中当たり態様決定処理(S6608F)は、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)における第2特別図柄(特図2)の抽選結果が大当たり当選、または小当たり当選である場合の演出態様を決定するための処理である。時短モード中当たり態様決定処理(S6608F)が実行されると、まず、今回の特図2の抽選結果は時短終了条件が成立する小当たり当選であるかを判別し(S6701F)、時短終了条件が成立する小当たり当選であると判別した場合には(S6701F:Yes)、次に、現在設定されている時短種別は時短A~時短Dの何れかであるかを判別する(S6702F)。具体的には、従状態設定エリア223gに格納されている現在設定されている時短種別を示す情報を読み出し判別を行う。現在設定されている時短種別が時短A~時短Dの何れかであると判別した場合には(S6702F:Yes)、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報に基づいて次変動の抽選結果情報(入賞情報格納エリア223bの保留エリアの内、第1エリアに格納されている入賞情報の抽選結果情報)を特定し(S6703F)、今回の当たり当選に基づいて設定される時短種別と、S6703Fの処理において特定した次変動の抽選結果とを比較し、次変動の抽選結果が時短終了条件成立当たりとなるかを判定し(S6704F)、判定の結果が時短終了条件成立当たりであるかを判別する(S6705F)。時短終了条件成立当たりであると判別した場合には(S6705F:Yes)、ボール態様選択テーブル222fbBを参照して、今回キャラクタ801が投げるボールの態様を決定する(S6706F)。具体的には、ボール態様選択テーブル222fbBを参照して、今回の特図2の抽選結果と、次変動の抽選結果(入賞情報格納エリア223bの保留エリアの内、第1エリアに格納されている入賞情報の抽選結果)と、現在設定されている時短種別と、に基づいてボールの態様を決定する。
S6706Fの処理が終了すると、次に、S6706Fの処理において決定したボールの態様は特殊態様(図1481に示す黒色のボールBa1)であるかを判別し(S6707F)、特殊態様であると判別した場合には(S6707F:Yes)、特殊態様のボールを用いて2枚抜きのアクション(図1481参照)を実行する演出態様を決定し(S6708F)、V保留フラグ223faBをオンに設定し(S6709F)、本処理を終了する。一方、S6707Fの処理において、S6706Fの処理で決定されたボールの態様は特殊態様ではないと判別した場合には(S6707F:No)、通常態様のボール(図1481に示す白色のボールBa2)を用いて2枚抜きのアクションを実行する演出態様を決定し(S6710F)、S6709Fの処理を実行する。また、S6705Fの処理において、次変動の抽選結果(入賞情報格納エリア223bの保留エリアの内、第1エリアに格納されている入賞情報の抽選結果)は時短終了条件成立当たり当選ではないと判別した場合には(S6705F:No)、今回当選した小当たり種別に対応するマス目(V態様)にボールを投げるアクションを実行する演出態様を決定し(S6711F)、本処理を終了する。なお、マス目(V態様)とは、マス目に「V」の文字が表示されている態様(例えば、図1480に示すVマス目830e)のことである。一方、S6701Fの処理において、今回の特図2の抽選結果が時短終了条件成立当たりではないと判別した場合には(S6701F:No)、今回当選した小当たり種別に対応するマス目(バツ態様)にボールを投げるアクションを実行する演出態様を決定し(S6712F)、本処理を終了する。なお、マス目(バツ態様)とは、マス目に「×」が表示されている表示態様(例えば、図1480に示すバツマス目830d)のことである。
図1491に戻り、説明を続ける。S5951Fの処理において、S5901Fの処理で読み出した演出モードは時短モードではないと判別した場合には(S5951F:No)、次に、V保留モードであるかを判別し(S5953F)、V保留モードであると判別した場合には(S5953F:Yes)、表示領域Dm14に表示されているV保留アイコンの放出を実行する演出態様を決定し(S5954F)、V保留フラグ223faBをオフに設定し(S5955F)、S5907Fの処理を実行する。また、S5953Fの処理において、S5901Fの処理で読み出した演出モードはV保留モードではないと判別した場合には(S5953F:No)、受信した変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5956F)、S5907Fの処理を実行する。また、S5902Fの処理において、S5901Fの処理で読み出した演出モードは引き戻しモードであると判別した場合には(S5902F:Yes)、第2特別図柄(特図2)の抽選結果に基づいて超バトルモード選択テーブル222faを参照して獲得アイコンの種別を決定し(S5913F)、S5907Fの処理を実行する。
以上、説明した通り、本第31制御例の第2変形例では、時短状態を終了させるための終了条件(時短終了条件)として、時短状態中に実行された特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件(変動時短終了条件)を設定可能に構成している。つまり、本第2変形例におけるパチンコ機10では、時短状態中に時短終了条件が成立する小当たり(V大当たり遊技を実行させ易い小当たり)に当選すること無く時短状態が終了し得るように構成している。このように構成することで、時短状態が設定された場合であってもV大当たり遊技が一度も実行されること無く時短状態が終了する可能性を残すことができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、V大当たり遊技の終了後には必ず時短状態が設定されるように構成している。つまり、時短終了条件が成立する小当たりに当選した時点(V大当たり遊技が実行され易い小当たり遊技の実行条件が成立した時点)で、遊技者に有利な遊技状況となるように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行された特別図柄抽選で当選した小当たりに基づいてV大当たり遊技が実行されることを目指す分かり易い遊技を遊技者に提供することができる。更に、小当たり当選した場合に時短小当たり種別のみが設定されるように構成し、時短終了条件が成立する小当たり種別の数が多い方が、少ない場合よりも遊技者に有利な時短状態となるように構成している。
<第31制御例の第3変形例について>
次に、図1494から図1508を参照して、上述した第31制御例の第3変形例について説明をする。上述した第31制御例におけるパチンコ機10では、遊技状態として時短状態が設定されている状況下で小当たり遊技が実行される場合よりも、通常状態が設定されている状況下で小当たり遊技が実行される場合の方が、その小当たり遊技中に遊技球を特定領域(V領域)へと通過させ易くなるように構成していた。これに対して、本第31制御例の第3変形例では、遊技状態として時短状態が設定されている状況下で小当たり遊技が実行される場合の一部において、その小当たり遊技中に遊技球を特定領域(V領域)へと通過させ易くする状況を創出可能に構成している点で相違している。このように構成することで、時短終了条件が成立しなかった小当たり遊技が実行された場合であっても、V大当たり遊技が実行される可能性を残すことができるため遊技者の遊技意欲を高めることができる。また、時短終了条件が成立しない小当たり遊技が頻繁に発生してしまうことで特別図柄抽選が効率良く行えなくなり遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
ここで、本第31制御例の第3変形例では、時短状態中に実行される普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄の変動パターンとして、殆どが短変動時間(0.2秒)の変動パターンが選択されることで、時短状態中に右打ち遊技にて発射された遊技球の殆どを第2入球口640へと誘導可能に構成しているが、低確率で長変動時間(60秒)の変動パターンが選択されるように構成している。この長変動時間の変動パターン(当たりロング等)が設定された場合には、普図当たり遊技の実行間隔が開くため右打ち遊技によって発射され、右側領域を流下する遊技球が第2可変入賞装置650へと到達し易くなる状況が創出される。よって、たとえ時短状態中に小当たり遊技が実行された場合(時短終了条件が成立しない小当たり種別に対応した小当たり遊技が実行された場合)であっても、普通図柄がロング変動している状況であれば特定領域(V領域)に遊技球を通過させることができるように構成している。つまり、本第31制御例の第3変形例では、時短状態中に実行される普通図柄のロング変動、即ち、普図当たり遊技の実行間隔が開いてしまうといった従来であれば遊技者に不利な遊技状況を創出させる事象が発生した場合であっても、その事象が発生したタイミングによっては遊技者に有利な遊技状況を創出させることが可能に構成しているため、斬新な遊技性を提供することができる。
さらに、本第31制御例の第3変形例では、時短状態中の小当たり遊技中に遊技球を特定領域(V領域)へと通過させた場合には、通常状態が設定されている小当たり遊技中に遊技球を特定領域(V領域)へと通過させた場合よりも、V大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態が設定されるように構成している。よって、時短終了条件が成立しない小当たりに当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中もより意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本第31制御例の第3変形例におけるパチンコ機10は、上述した第31制御例におけるパチンコ機10と同一の遊技盤13の構成を有しており、時短状態中において第2入球口640へと遊技球を入球させること無く(第2特別図柄抽選を実行すること無く)普通図柄抽選のみを実行させる遊技を行えないように構成している。このように構成された遊技盤13を用いることで、普通図柄のロング変動が実行されるまで普通図柄抽選のみを実行し、普通図柄のロング変動が実行された後に第2特別図柄抽選を実行させるといった不適切な遊技が行われてしまうことを防止することができる。
<第31制御例の第3変形例における演出内容について>
まず、図1494、及び図1495を参照して、本第31制御例の第3変形例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第3変形例では、時短状態中に実行される普通図柄変動の変動パターンとして、通常よりも長いロング変動を実行可能に構成していることから、時短終了条件が成立しない小当たりに当選し、時短状態のまま実行される小当たり遊技中であっても、特定領域650vへと遊技球を通過させる(V入賞させる)ことが可能に構成している。よって、時短状態のまま実行される小当たり遊技中の演出内容を上述した第31制御例と異ならせている。
図1494(a)は、時短状態のまま小当たり遊技が実行されている期間中に普図ロング変動が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。普図ロング変動が実行されていない時短状態の小当たり遊技中は、通常、図1415(b)に示した演出画面が表示されており、普図ロング変動が開始された時点で、図1494(a)に示した表示画面が表示される。図1494(a)の表示画面には、特定領域650vへと遊技球を入球させるチャンスが急に到来したことを示す「緊急ミッション」の文字が表示され、通常状態中に実行される小当たり遊技の表示画面(図1414(a)参照)が表示される。そして、既に経過している小当たり遊技期間に対応して減算表示された状態でタイムゲージga1が表示される。また、副表示領域Dsには、急に特定領域650vへと遊技球を入球させるチャンスが急に到来したことを案内するための案内態様として「緊急ミッション発生!!制限時間内にV入賞できれば大チャンス!!」が表示される。また、表示領域Dm3は、普通図柄変動(普図変動)の状況を示す図柄が変動表示されている。
そして、緊急ミッション中に特定領域650vへと遊技球を入賞させると、図1494(b)に示した表示画面が表示される。図1494(b)は、緊急ミッション中に特定領域650vへと遊技球を入賞させた場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、上述した図1414(b)の表示画面に対して、表示領域HR10の表示内容、及び、副表示領域Dsの表示内容が相違している。それ以外の表示内容および各表示態様の変位要件については同一であるため、その説明を省略する。本第3変形例では、時短状態中にV大当たり遊技の実行条件を成立させた場合には、設定されている時短種別や、当選した小当たり種別に関わらず、遊技者に最も有利となるV大当たり遊技が実行されるように構成している(図1497参照)。よって、表示領域HR10には「MAXVゲットおめでとう」の文字が表示され、副表示領域Dsには「最高勝利期待度のバトルモードが続くよ」の文字が表示される。
次に、図1495を参照して、非小当たり遊技中に普図ロング変動が実行された場合の演出内容について説明をする。図1495(a)は、外れ特図変動中に普図ロング変動が実行された場合に表示される表示画面を示した図である。図1495(a)に示した通り、主表示領域Dmに「カウントダウンバトルモード」と表示され、表示領域HR11には「残り10秒」が表示され、副表示領域Dsには「残り時間内に攻撃をしたら勝利確定!?」の文字が表示されている。ここで、表示領域HR11に表示される残り時間は、普図ロング変動の残時間では無く、普図ロング変動の残時間から、小当たり遊技中に遊技球を特定領域650vへと通過させるのに要する時間を差し引いた時間が表示され、時間経過と共に減算表示されるように構成している。つまり、表示領域HR11に表示されている残り時間が0秒になる前に小当たり遊技が実行された場合には、その小当たり遊技に基づいてV大当たり遊技を実行させ易くすることができることを遊技者に分かり易く報知している。これにより、残り時間内に小当たり変動が実行されたにも関わらず、小当たり遊技の開始直後に普図ロング変動が終了してしまい、V大当たり遊技を実行させることができない事態が発生してしまうことを抑制することができる。そして、カウントダウンバトルモード中に小当たり変動が開始された場合には、図1495(b)に示した通り、キャラクタ801が全てのアイテムを装備した状態で敵キャラ802を攻撃する演出が実行される。そして、勝利期待度100%が表示領域Dm10に表示される。
<第31制御例の第3変形例における電気的構成について>
次に、図1496から図1499を参照して、本第31制御例の第3変形例における電気的構成について説明をする。本第3変形例では、上述した第31制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成の一部を変更している点で相違している。なお、同一の要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図1496は、本第3変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成を示した図である。本第3変形例のROM202は、上述した第31制御例に対して、第1当たり種別選択テーブル202fdに代えて第1当たり種別選択テーブル202fdCを設け、新たに、普図変動パターン選択テーブル202ffCを設けた点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
まず、第1当たり種別選択テーブル202fdCが有する小当たり用テーブル202fd3Cに規定されている内容について、図1497を参照して説明をする。図1497は、小当たり用テーブル202fd3Cに規定されている内容を模式的に示した図である。この小当たり用テーブル202fd3Cは、上述した第31制御例の小当たり用テーブル202fd3に対して、V通過時の遊技状態が時短状態である場合に設定される時短種別として「時短A1」、即ち、最も遊技者に有利となる時短種別が設定されるように規定内容を変更している点で相違し、それ以外の要素は同一である。このように構成することで、時短終了条件が成立しない小当たりに当選した場合であっても、その小当たり遊技が実行されるタイミングと、普図ロング変動が実行されるタイミングとが合致した場合には遊技者に有利な遊技を提供することができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図1498を参照して、普図変動パターン選択テーブル202ffCの内容について説明をする。図1498は、普図変動パターン選択テーブル202ffCに規定されている内容を模式的に示した図である。この普図変動パターン選択テーブル202ffCには、電サポの有無(時短状態の有無)と、普通図柄抽選の結果と、変動種別カウンタCS1の値とに基づいて異なる変動時間の変動パターンが規定されている。具体的には、電サポありの状態では、抽選結果が「当たり」に対して、変動種別カウンタCS1の値が「0~195」の範囲に対して、変動時間が0.2秒の「当たりショート」が、「196~197」の範囲に対して、変動時間が30秒の「当たりミドル」が、「198」の値に対して、変動時間が60秒の「当たりロング」が規定されており、抽選結果が「外れ」に対して、変動種別カウンタCS1の値が「0~179」の範囲に対して、変動時間が30秒の「外れミドル」が、「180~198」の範囲に対して、変動時間が60秒の「外れロング」が規定されている。このように構成することで、時短状態中に実行される普通図柄変動の一部において普図ロング変動(30秒変動、60秒変動)を実行させることが可能となるため、時短状態のまま実行される小当たり遊技中にもV大当たり遊技を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。なお、本第3変形例では、普通図柄変動の時間を変化させることで、時短状態のまま実行される小当たり遊技中にもV大当たり遊技を実行させ易い期間を創出しているが、これに限ることなく、例えば、時短状態中に実行される普図当たり遊技における電動役物640aの開放パターンとして、途中で長時間の閉鎖期間(30秒閉鎖、60秒閉鎖)が設定される開放パターンの普図当たり遊技を実行するように構成しても良い。この場合であっても、長時間の閉鎖期間(30秒閉鎖、60秒閉鎖)中に小当たり遊技が実行された場合には、本第3変形例と同様にV大当たり遊技を狙った遊技を意欲的に行わせることができる。また、普図当たり遊技の開放パターンとして、1回の開閉動作によって、継続して右打ち遊技を実行することで発射される遊技球(0.6秒間隔で右側領域を流下する遊技球)の少なくとも一部が、電動役物640aよりも下流側へと流下可能となる特定開放パターンの普図当たり遊技を実行可能とし、連続して実行される普図当たり遊技が連続して特定開放パターンである場合に、小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球を通過させることが可能となるように構成しても良い。
次に、図1499を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRORAM223の構成について説明をする。図1499は、本第3変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を示した図である。図1499に示した通り、本第3変形例のRAM223は、上述した第31制御例のRAM223に対して、緊急ミッション中フラグ223faC、普図変動残時間タイマ223fbC、表示残時間タイマ223fcC、V有効残時間タイマ223fdCを追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
緊急ミッション中フラグ223faCは、時短状態における小当たり遊技中に普図ロング変動が実行されたことによって、緊急ミッション演出が実行されたことを示すためのフラグであって、緊急ミッション演出が実行される場合にオンに設定される。そして、小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球が入球した場合に緊急ミッション中フラグ223faCの設定状況が判別され、オンに設定されていると判別した場合には、図1494(b)に示した表示画面が表示される。
普図変動残時間タイマ223fbCは、普図変動の残変動時間を計測するためのカウンタであって、普図ロング変動(30秒変動、60秒変動)が実行される場合に値がセットされる。そして、セットされた値に基づいて、カウントダウン表示態様(図1495参照)の表示態様が決定される。
表示残時間タイマ223fcCは、カウントダウンバトルモード中に表示されている残り時間を計測するためのカウンタであって、普図ロング変動が実行された場合に表示残時間が算出され、その算出された値がセットされる。
V有効残時間タイマ223fdCは、小当たり遊技期間におけるV有効期間(特定領域650vへと遊技球を入球させることが可能な期間)の残時間を計測するためのカウンタであって、実行される小当たり遊技に対して予め規定されている時間に対応する値が小当たり遊技の開始時にセットされる。そして、緊急ミッション演出が実行された場合に、当該残時間に対応する表示態様でタイムゲージga1が表示される。
<第31制御例の第3変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図1500を参照して、本第31制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第31制御例の第3変形例では、上述した第31制御例に対して、普通図柄変動処理(図1446のS106参照)に代えて普通図柄変動処理(図1500のS136参照)を実行する点で相違しており、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。図1500を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図1435参照)の一処理である普通図柄変動処理(S136)の処理内容について説明する。図1500は、この普通図柄変動処理(S136)の処理内容を示したフローチャートである。本第31制御例の第3変形例における普通図柄変動処理(S136)は、上述した第31制御例における普通図柄変動処理(図1446のS106参照)に対して、普通図柄(普図)の変動時間を遊技状態に応じて一定にするのではなく、同一の遊技状態であっても変動種別カウンタCS1の値に基づいて複数の変動時間から対応する変動時間を設定する処理を実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。この普通図柄変動処理(S136)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるかを判別する(S801)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから(当たり図柄が停止表示してから)電動役物640aの開閉制御がなされている最中まで(当たり遊技が終了するまで)が含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合には(S801:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別した場合には(S801:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるかを判別する(S802)。普通図柄の変動表示中では無い、即ち、現在が新たな普通図柄変動(抽選)を実行可能な状態であると判別した場合は(S802:No)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し(S803)、その値が0よりも大きいかを判別する(S804)。S804の処理で普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であると判別された場合には(S804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値が0よりも大きいと判別した場合は(S804:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S805)。次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S806)。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S807)。次に、第2当たり乱数テーブル202fc(図1424(b)参照)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果(抽選結果)が取得され(S808F)、S811の処理を実行する。S811の処理では、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりであるかを判別し(S811)、当たりであると判別した場合は(S811:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定し(S812)、S831Fの処理を実行する。一方、S811の処理で、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S811:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(S813)、S831Fの処理を実行する。S831Fの処理では、普図変動パターン選択テーブル202ffCを参照して、普通図柄の変動時間を決定する(S831F)。具体的には、普通図柄変動が実行される場合の電サポの有無、即ち、電サポ状態(時短状態)であるか非電サポ状態(通常状態)であるかと、普通図柄の抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値とに基づいて変動パターンと変動時間が決定される。そして、S831Fの処理において決定された普通図柄の変動時間と、今回の普通図柄の抽選結果と、に対応する普図変動パターンコマンドを設定し(S832F)、本処理を終了する。
一方、S802の処理において、普通図柄(第2図柄)が変動表示中ではないと判別した場合には(S802:No)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したかを判別し(S817)、変動時間が経過していないと判別した場合は(S817:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S817の処理において変動時間が経過していると判別した場合は(S817:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S818)。S818の処理では、今回の普通図柄の抽選が当たりである場合には、第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定する。一方、普通図柄の抽選が外れである場合には、第2図柄表示装置83には「×」図柄が停止表示(点灯表示)される。つまり、上述したS812、或いはS813の処理で設定された表示態様を停止表示させるための設定が行われる。S818の処理により、停止表示を設定すると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S812の処理、或いはS813の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかを判別する(S819)。普通図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S819:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別した場合には(S819:Yes)、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203hの値を参照して判別し(S820)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S820:Yes)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間が5秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(S821)、S822の処理を実行する。一方、S820の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S820:No)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間が0.1秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(S823F)、S822の処理を実行する。S822の処理では、S821、或いはS823の処理において設定されたシナリオに基づいて電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S822)、本処理を終了する。
<第31制御例の第3変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
図1501~図1508を参照して、本第31制御例の第3変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第31制御例の第3変形例では、上述した第31制御例に対して、普図関連処理(図1455のS4216F参照)に代えて普図関連処理(図1501のS4246F参照)を、時短中小当たり開始処理(図1457のS5505F参照)に代えて時短中小当たり開始処理(図1503のS5535F参照)を、小当たり中処理(図1459のS5507F参照)に代えて小当たり中処理(図1505のS5537F参照)を、バトルモード中当たり演出設定処理(図1461のS5906F参照)に代えてバトルモード中当たり演出設定処理(図1506のS5936F参照)を、演出更新処理(図58のS4111参照)に代えて演出更新処理(図1508のS4131参照)を、それぞれ実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。
図1501~図1502を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される普図関連処理(S4246F)の処理内容について説明する。図1501は、この普図関連処理(S4246F)の処理内容を示したフローチャートである。本第31制御例の第3変形例における普図関連処理(S4246F)は、上述した第31制御例における普図関連処理(図1455のS4216F参照)に対して、普図変動パターンコマンドを受信した場合(S4601F:Yes)に普図演出設定処理(S4631F)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容については、その詳細な説明を省略する。ここで、図1502を参照して、普図関連処理(図1501のS4246F参照)の一処理である普図演出設定処理(S4631F)の処理内容について説明する。図1502は、この普図演出設定処理(S4631F)の処理内容を示したフローチャートである。この普図演出設定処理(S4631F)は、遊技状態と、今回の普通図柄の変動パターン(変動時間)と、に基づいて普通図柄変動の演出態様を決定する処理である。普図演出設定処理(S4631F)が実行されると、まず、設定されている遊技状態が時短状態であるかを判別する(S6801F)。具体的には、従状態設定エリア223gに格納(設定)されている遊技状態を示す情報を読み出し、時短状態を示す情報であるかを判別する。時短状態ではないと判別した場合には(S6801F:No)、表示用普図変動開始コマンドを設定し(S6802F)、決定した演出態様に対応する表示用コマンドを設定し(S6803F)、本処理を終了する。一方、S6801Fの処理において、設定されている遊技状態が時短状態であると判別した場合には(S6801F:Yes)、今回の普通図柄の変動時間は0.2秒であるかを判別し(S6804F)、変動時間が0.2秒であると判別した場合には(S6804F:Yes)、S6802Fの処理を実行する。また、S6804Fの処理において、今回の普通図柄の変動時間は0.2秒ではないと判別した場合には(S6804F:No)、小当たり遊技の実行中であるかを判別し(S6805F)、小当たり遊技の実行中ではないと判別した場合には(S6805F:No)、普図変動残時間タイマ23fbCに今回の普図変動時間に対応する値をセットし(S6806F)、表示残時間タイマ223fcCに普図変動時間から7秒差し引いた時間に対応する値をセットし(S6807F)、表示残時間タイマ223fcCの値に対応するカウントダウン表示態様を決定し(S6808F)、カウントダウンバトルモードに対応する演出態様を決定し(S6809F)、決定した演出態様に対応する表示用コマンドを設定し(S6803F)、本処理を終了する。一方、S6805Fの処理において、小当たり遊技の実行中であると判別した場合には(S6805F:Yes)、V有効残時間タイマ223fdCの値に基づいてV有効残時間を算出し(S6810F)、V有効残時間は5秒以上であるかを判別する(S6811F)。V有効残時間が5秒以上ではないと判別した場合には(S6811F:No)、S6803Fの処理を実行する。一方、V有効残時間は5秒以上であると判別した場合には(S6811F:Yes)、緊急ミッションに対応する演出態様を決定し(S6812F)、V有効残時間タイマ223fdCの値に対応する残時間ゲージの表示態様を決定し(S6813F)、緊急ミッション中フラグ223faCをオンに設定し(S6814F)、S6803Fの処理を実行する。
次に、図1503を参照して、当たり関連処理(図1456のS4218F参照)の一処理である時短中小当たり開始処理(S5535F)の処理内容について説明する。図1503は、この時短中小当たり開始処理(S5535F)の処理内容を示したフローチャートである。本第31制御例における時短中小当たり開始設定処理(S5535F)は、上述した第31制御例における時短中小当たり開始設定処理(S5505F)に対して、S5601Fの処理において連続演出実行中フラグ223qがオンではないと判別した場合には(S5601F:No)、S5602Fの処理を行う前にカウントダウンバトル設定処理(S5631F)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容については、その詳細な説明を省略する。ここで、図1504を参照して、時短中小当たり開始処理(S5535F)の一処理であるカウントダウンバトル設定処理(S5631F)の処理内容について説明する。図1504は、このカウントダウンバトル設定処理(S5631F)の処理内容を示したフローチャートである。カウントダウンバトル設定処理(S5631F)が実行されると、まず、表示残時間タイマ223fcCの値が0より大きいかを判別し(S6901F)、0より大きくない(0である)と判別した場合には(S6901F:No)、本処理を終了する。一方、表示残時間タイマ223fcCの値が0より大きいと判別した場合には(S6901F:Yes)、表示残時間タイマ223fcCの値に基づいて残カウントダウン時間を算出し(S6902F)、算出した残カウントダウン時間は5秒以上であるかを判別する(S6903F)。残カウントダウン時間が5秒以上であると判別した場合には(S6903F:Yes)、普図変動残時間タイマ223fbCの値に対応する期間でV入賞(第2可変入賞装置(Vアタッカー)650の特定領域(Vゲート650v)への球の入賞)を促す強案内表示態様を決定し(S6904F)、カウントダウンバトル用小当たり遊技中演出態様を決定し(S6905F)、決定した演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S6906F)、本処理を終了する。一方、S6903Fの処理において、残カウントダウン時間は5秒以上ではないと判別した場合には(S6903F:No)、普図変動残時間タイマ223fbCの値に対応する期間でV入賞を促す案内表示態様を決定し(S6907F)、S6905Fの処理を実行する。
次に、図1505を参照して、当たり関連処理(図1456のS4218F参照)の一処理である小当たり中処理(S5537F)の処理内容について説明する。図1505は、この小当たり中処理(S5537F)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり中処理(S5537F)は、主制御装置110から受信した小当たり遊技関連コマンドに対応して、小当たり遊技中に第3図柄表示装置81の表示画面に各種演出を表示するための処理を実行する。小当たり中処理(S5537F)が実行されると、まず、小当たり終了コマンド(エンディングコマンド)を受信したかを判別し(S5801F)、小当たり終了コマンドを受信したと判別した場合には(S5801F:Yes)、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)であるか(従状態設定エリア223gに通常状態を示す情報が設定されているか)を判別する(S5802F)。通常状態ではないと判別した場合には(S5802F:No)、本処理を終了する。一方、S5802Fの処理において通常状態であると判別した場合には(S5802F:Yes)、次に、V入賞の有無(第2可変入賞装置(Vアタッカー)650内の特定領域(Vゲート650v)を球が通過したか否か)を判別し(S5803F)、V入賞ありと判別した場合には(S5803F:Yes)、大当たり遊技開始を示す表示用コマンドを設定し(S5804F)、S5806Fの処理を実行する。一方、S5803Fの処理において、V入賞なし(Vゲート650vを球が通過していない)と判別した場合には(S5803F:No)、バトルモード終了を示す表示用コマンドを設定し(S5805F)、S5804Fの処理を実行する。S5806Fの処理では、時短終了待機フラグ223ffはオンであるかを判別し(S5806F)、時短終了待機フラグ223ffがオンであると判別した場合には(S5806F:Yes)、時短終了待機フラグ223ffをオフに設定し(S5807F)、本処理を終了する。一方、時短終了待機フラグ223ffがオンではないと判別した場合には(S5806F:No)、そのまま本処理を終了する。
S5801Fの処理において、小当たり終了コマンドを受信していないと判別した場合には(S5801F:No)、次に、入賞個数コマンド(V入口通過コマンド)を受信したかを判別する(S5808F)。入賞個数コマンドを受信したと判別した場合には(S5808F:Yes)、次に、今回の小当たり遊技における4個目の入賞であるか(今回受信した入賞個数コマンドは今回の小当たり遊技における4個目に受信した入賞個数コマンドであるか)を判別する(S5810F)。4個目の入賞であると判別した場合には(S5810F:Yes)、特定領域(Vゲート650v)へ球が入賞可能である状態を示す表示用コマンドを設定し(S5811F)、本処理を終了する。一方、S5810の処理において、4個目の入賞ではないと判別した場合には(S5810F:No)、現在の入賞個数に対応する表示用コマンドを設定し(S5812F)、本処理を終了する。また、S5808Fの処理において、入賞個数コマンドを受信していないと判別した場合には(S5808F:No)、次に、V通過コマンドを受信したかを判別し(S5813F)、V通過コマンドを受信したと判別した場合には(S5813F:Yes)、緊急ミッション中フラグ223faCはオンであるかを判別し(S5831F)、緊急ミッション中フラグ223faCがオンであると判別した場合には(S5831F:Yes)、緊急ミッション中フラグ223faCをオフに設定し(S5832F)、表示領域HR10に「MAXVゲット」の表示態様(図1494(b)参照)を示すための表示用コマンドを設定し(S5833F)、大当たり当選を報知する表示用コマンドを設定し(S5814F)、本処理を終了する。一方、V通過コマンドを受信していないと判別した場合には(S5831F:No)、S5832FおよびS5833Fの処理をスキップし、S5834Fの処理を実行する。
次に、図1506~図1507を参照して、特図2演出態様設定処理(図1460のS4907F参照)の一処理であるバトルモード中当たり演出設定処理(S5936F)の処理内容について説明する。図1506は、このバトルモード中当たり演出設定処理(S5936F)の処理内容を示したフローチャートである。本第31制御例の第3変形例におけるバトルモード中当たり演出設定処理(S5936F)は、上述した第31制御例におけるバトルモード中当たり演出設定設定処理(図1461のS5906F参照)に対して、S6001Fの処理を実行する前に、普図ロング変動中演出設定処理(S6031F)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容については、その詳細な説明を省略する。ここで、図1507を参照して、バトルモード中当たり演出設定処理(図1506のS5936F参照)の一処理である普図ロング変動中演出設定処理(S6031F)の処理内容について説明する。図1507は、この普図ロング変動中演出設定処理(S6031F)の処理内容を示したフローチャートである。この普図ロング変動中演出設定処理(S6031F)は、バトルモード中のカウントダウンバトルに関連する演出態様を決定するための処理である。普図ロング変動中演出設定処理(S6031F)が実行されると、まず、表示残時間タイマ223fcCの値が0より大きいかを判別し(S7001F)、0より大きくない(0である)と判別した場合には(S7001F:No)、本処理を終了する。一方、表示残時間タイマ223fcCの値が0よりも大きいと判別した場合には(S7001F:Yes)、今回の第2特別図柄(特図2)の変動が時短終了条件が成立する変動であるか、即ち、時短終了条件が成立する小当たり当選変動であるかを判別する(S7002F)。時短終了条件が成立する特図2変動であると判別した場合には(S7002F:Yes)、表示残時間タイマ223fcCの値を0に設定(クリア)し(S7003F)、カウントダウンバトルモード終了を示す演出態様を決定し(S7004)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S7009F)、本処理を終了する。一方、S7002Fの処理において、時短終了条件が成立する特図2変動ではないと判別した場合には(S7002F:No)、今回の特図変動時間経過時における表示残時間タイマ223fcCの値を算出し(S7005F)、算出した結果、残時間があるか(表示残時間タイマ223fcCの値から今回の特図変動時間に対応する値を差し引いた結果、表示残時間タイマ223fcCの値が0より大きくなるか)を判別する(S7006F)。残時間がないと判別した場合には(S7006F:No)、S7003Fの処理を実行する。一方、残時間があると判別した場合には(S7006F:Yes)、カウントダウンバトル発生を示す演出態様を決定し(S7007F)、表示領域Dm10に「勝利期待度100%」を示す表示態様(図1495(b)参照)を決定し(S7008F)、S7009Fの処理を実行する。
次に、図1508を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理の一処理である演出更新処理(S4131F)の処理内容について説明する。図1508は、この演出更新処理(S4131F)の処理内容を示したフローチャートである。本第31制御例における演出更新処理(S4131F)は、上述した第31制御例における演出更新処理(S4111)に代えて実行される処理である。この演出更新処理(S4131F)では、主に、各種タイマ値の更新処理と、更新後の各タイマ値に対応する演出を実行するための処理が実行される。演出更新処理(S4131F)が実行されると、まず、普図変動残時間タイマ223fbCの値は0より大きいかを判別し(S7101F)、0より大きいと判別した場合には(S7101F:Yes)、普図変動残時間タイマ223fbCの値を更新し(S7102F)、S7103Fの処理を実行する。一方、S7101Fの処理において、普図変動残時間タイマ223fbCの値が0より大きくない(0である)と判別した場合には(S7101F:No)、S7102Fの処理をスキップし、S7103Fの処理を実行する。S7103Fの処理では、表示残時間タイマ223fcCの値が0より大きいかを判別し(S7103F)、0より大きいと判別した場合には(S7103F:Yes)、表示残時間タイマ223fcCの値を更新し(S7104F)、更新後の表示残時間タイマ223fcCの値に対応する表示用コマンドを設定する(S7105F)。なお、S7105Fで設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理にて1ミリ秒毎に実行されるコマンド出力処理によって、表示制御装置114へと出力され、出力された表示用コマンドを表示制御装置114が受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面に表示用コマンドに対応する演出態様(例えば、図1495(a)に示す、表示領域HR11に表示されるカウントダウンの残時間の更新)が表示される。S7105Fの処理が終了すると、次に、更新後の表示残時間タイマ223fcCの値が0であるかを判別し(S7106F)、0であると判別した場合には(S7106F:Yes)、小当たり遊技の実行中であるかを判別する(S7107F)。小当たり遊技の実行中ではないと判別した場合には(S7107F:No)、カウントダウンバトル終了を示す表示用コマンドを設定し(S7108F)、S7109Fの処理を実行する。一方、S7103Fの処理において、表示残時間タイマ223fcCの値が0より大きくない(0である)と判別した場合には(S7103F:No)、S7104F~S7108Fの処理をスキップし、S7109Fの処理を実行する。また、S7106Fの処理において、更新後の表示残時間タイマ223fcCの値が0ではないと判別した場合には(S7106F:No)、S7107FおよびS7108Fの処理をスキップし、S7109Fの処理を実行する。また、S7107Fの処理において、小当たり遊技の実行中であると判別した場合には(S7107F:Yes)、S7108Fの処理をスキップし、S7109Fの処理を実行する。S7109Fの処理では、V有効残時間タイマ223fdCの値が0より大きいかを判別し(S7109F)、0より大きくない(0である)と判別した場合には(S7109F:No)、本処理を終了する。一方、V有効残時間タイマ223fdCの値が0より大きいと判別した場合には(S7109F:Yes)、V有効残時間タイマ223fdCの値を更新し(S7110F)、更新後のV有効残時間タイマ223fdCの値に対応する表示用コマンドを設定する(S7111F)。なお、S7111Fで設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理にて1ミリ秒毎に実行されるコマンド出力処理によって、表示制御装置114へと出力され、出力された表示用コマンドを表示制御装置114が受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面に表示用コマンドに対応する演出態様(例えば、図1494(a)に示す、V有効残時間ゲージga1の更新)が表示される。S7111Fの処理が終了すると、次に、更新後のV有効残時間タイマ223fdCの値が0であるかを判別し(S7112F)、0であると判別した場合には(S7112F:Yes)、緊急ミッション中フラグ223faCはオンであるかを判別し(S7113F)、緊急ミッション中フラグ223faCがオンであると判別した場合には(S7113F:Yes)、緊急ミッション終了を示す表示用コマンドを設定し(S7114F)、緊急ミッション中フラグ223faCをオフに設定し(S7115F)、本処理を終了する。一方、S7112Fの処理において、更新後のV有効残時間タイマ223fdCの値が0より大きいと判別した場合には(S7112F:No)、本処理を終了する。また、S7113Fの処理において、緊急ミッション中フラグ223faCがオンではないと判別した場合には(S7113F:No)、本処理を終了する。
以上、説明した通り、本第31制御例の第3変形例では、時短状態中に実行される普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄の変動パターンとして、殆どが短変動時間(0.2秒)の変動パターンが選択されることで、時短状態中に右打ち遊技にて発射された遊技球の殆どを第2入球口640へと誘導可能に構成しているが、低確率で長変動時間(60秒)の変動パターンが選択されるように構成している。この長変動時間の変動パターン(当たりロング等)が設定された場合には、普図当たり遊技の実行間隔が開くため右打ち遊技によって発射され、右側領域を流下する遊技球が第2可変入賞装置650へと到達し易くなる状況が創出される。よって、たとえ時短状態中に小当たり遊技が実行された場合(時短終了条件が成立しない小当たり種別に対応した小当たり遊技が実行された場合)であっても、普通図柄がロング変動している状況であれば特定領域(V領域)に遊技球を通過させることができるように構成している。つまり、本第31制御例の第3変形例では、時短状態中に実行される普通図柄のロング変動、即ち、普図当たり遊技の実行間隔が開いてしまうといった従来であれば遊技者に不利な遊技状況を創出させる事象が発生した場合であっても、その事象が発生したタイミングによっては遊技者に有利な遊技状況を創出させることが可能に構成しているため、斬新な遊技性を提供することができる。また、時短状態中の小当たり遊技中に遊技球を特定領域(V領域)へと通過させた場合には、通常状態が設定されている小当たり遊技中に遊技球を特定領域(V領域)へと通過させた場合よりも、V大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態が設定されるように構成している。よって、時短終了条件が成立しない小当たりに当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中もより意欲的に遊技を行わせることができる。更に、時短状態中において第2入球口640へと遊技球を入球させること無く(第2特別図柄抽選を実行すること無く)普通図柄抽選のみを実行させる遊技を行えないように構成している。このように構成された遊技盤13を用いることで、普通図柄のロング変動が実行されるまで普通図柄抽選のみを実行し、普通図柄のロング変動が実行された後に第2特別図柄抽選を実行させるといった不適切な遊技が行われてしまうことを防止することができる。
<第31制御例の第4変形例について>
次に、図1509から図1520を参照して、上述した第31制御例の第4変形例について説明をする。上述した第31制御例におけるパチンコ機10は、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に成立し得る小当たり時短終了条件が規定されており、上述した第31制御例の第2変形例では、特別図柄変動が実行されたことに基づいて成立し得る変動時短終了条件が規定されている。これに対して本第31制御例の第4変形例では、時短状態中に普通図柄抽選(普通図柄変動)が実行されたことに基づいて成立し得る普図変動時短終了条件が規定されている。ここで、本第4変形例では、上述した第31制御例におけるパチンコ機10と同様に、特別図柄変動と普通図柄変動とが並行して実行されるように構成しており、特別図柄抽選の結果に基づいて実行される当たり遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)中や、特別図柄変動が停止表示(確定表示)されている期間中も新たな普通図柄変動を実行させることが可能に構成されている。
このように構成された本第4変形例では、時短終了条件が成立しない小当たりに当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に普図変動時短終了条件が成立することで、小当たり遊技の途中で遊技状態が時短状態から通常状態へと移行可能となる。よって、時短終了条件が成立しない小当たり当選に基づいて小当たり遊技が実行された場合であっても、V大当たり遊技が実行される可能性を残すことができるため遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、本第31制御例の第4変形例では、小当たり当選に対応する特別図柄の確定表示期間(特別図柄が停止表示されてから小当たり遊技が実行されるまでの期間)の長さが異なる小当たり種別を決定可能であり、小当たり遊技の遊技期間(オープニング期間)の長さが異なる小当たり遊技を実行可能に構成している。つまり、小当たり当選したことを遊技者が把握することができる時点(小当たり当選に対応する特別図柄が停止表示された時点)から小当たり遊技中に遊技球を特定領域(V領域)へと通過させることが可能な期間が経過するまでの長さを異ならせることができるように構成している。このように構成することで、設定された小当たり種別や、実行された小当たり遊技の内容によって、小当たり遊技が実行されることが確定している期間中、および、小当たり遊技が実行されている期間中に実行させることが可能な普図変動回数を異ならせることができるため、普図変動時短終了条件を成立させる遊技を遊技者に楽しませることができる。
なお、詳細な説明は後述するが、本第4変形例では、時短状態が設定されてから実行された普通図柄の変動回数が所定回数(例えば、100回)実行された場合に普図変動時短終了条件が成立し時短状態が終了するように構成していることから、時短状態中に時短終了条件が成立する小当たりに当選すること無く普図変動時短終了条件が成立した場合には、V大当たり遊技が実行されること無く時短状態が終了することになる。つまり、普図変動時短終了条件は、成立するタイミングに応じて遊技者に有利な遊技状況を創出させることが可能な時短終了条件となり得るものであり、遊技者に不利な遊技状況を創出させることが可能な時短終了条件となり得るものである。
さらに、本第31制御例の第4変形例におけるパチンコ機10は、上述した通り、時短状態における小当たり遊技の遊技期間中に時短終了条件(普図変動時短終了条件)を成立させて通常状態を設定することが可能に構成されている。つまり、小当たり遊技の遊技期間中に、V大当たり遊技の実行権利を獲得し難い小当たり遊技からV大当たり遊技の実行権利を獲得し易い小当たり遊技へと切り替えることが可能に構成している。ここで、V大当たり遊技の実行権利を獲得し易い小当たり遊技(時短終了条件が成立する小当たり当選に基づく小当たり遊技)が実行される場合には、上述した第31制御例におけるパチンコ機10のように、小当たり遊技の開始に合わせて特定領域(V領域)に遊技球を通過させることを案内するための表示態様(図1414(a)の矢印YG参照)を含む小当たり遊技演出が実行されるものが一般的であった。しかしながら、そのような構成を本第4変形例におけるパチンコ機10に用いた場合には、V大当たり遊技の実行権利を獲得し難い小当たり遊技が実行されている期間中も特定領域(V領域)に遊技球を通過させることを案内するための表示態様(図1414(a)の矢印YG参照)を含む小当たり遊技演出が実行されてしまうため、実行されている演出内容に従って遊技球を発射したにも関わらず、遊技球が特定領域を通過しない期間が継続してしまい遊技者に不快感を与えてしまう虞があった。
これに対して、本第4変形例では、小当たり遊技の開始に基づくのでは無く、小当たり遊技中に普図変動時短終了条件が成立したことに基づいて特定領域(V領域)に遊技球を通過させることを案内するための表示態様(図1414(a)の矢印YG参照)を含む小当たり遊技演出を実行可能に構成している。このように構成することで、実行されている演出内容に従って遊技球を発射した場合に、その遊技球が特定領域へと通過し易くすることができるため遊技者に分かり易い演出を実行することができる。また、本第4変形例では、小当たり遊技が開始されてから普図変動時短終了条件が成立するまでの期間、即ち、V大当たり遊技の実行権利を獲得し難い小当たり遊技期間中に、1の演出として普図変動時短終了条件が成立するまでに必要とされる普通図柄変動(残普図変動回数)を遊技者に示唆可能な表示態様を含む小当たり遊技演出を実行可能に構成している。このように構成することで、時短状態が終了していない状況で小当たり遊技が実行された場合に、今回の小当たり遊技中に普図変動時短終了条件を成立させることが可能か否かを遊技者に予測させることが可能となる。そして、1の演出が終了した後に実行される演出として上述した特定領域(V領域)に遊技球を通過させることを案内するための表示態様(図1414(a)の矢印YG参照)を含む小当たり遊技演出を実行可能に構成しているため、小当たり遊技の遊技期間における一連の演出を遊技者に分かり易く提供することができる。
さらに、本第4変形例では、時短状態が終了していない状況で実行される小当たり遊技中に普図変動時短終了条件が成立するまでに必要とされる普通図柄変動(残普図変動回数)を遊技者に示唆可能な表示態様を含む小当たり遊技演出を実行するか否かの決定を、今回実行される小当たり遊技の種別(当選した小当たり種別)や、残普図変動回数に基づいて行うように構成している。つまり、短時間で終了してしまう小当たり遊技が実行される場合や、小当たり遊技が開始される時点における残普図変動回数が多い場合等、小当たり遊技中に正常な遊技(右打ち遊技)を行ったとしても普図変動時短終了条件を成立させることが困難となる状況においては、普図変動時短終了条件が成立するまでに必要とされる普通図柄変動(残普図変動回数)を遊技者に示唆可能な表示態様を含む小当たり遊技演出を実行しないように構成している。このように構成することで、時短終了条件が成立しない小当たり当選に基づく小当たり遊技が実行される毎に遊技者に過度な期待を抱かせてしまうことを抑制することができる。また、普図変動時短終了条件が成立するまでに必要とされる普通図柄変動(残普図変動回数)を遊技者に示唆可能な表示態様を含む小当たり遊技演出が実行されるだけでV大当たり遊技への期待度を高めることができるため演出効果を高めることができる。なお、時短状態が終了していない状況で実行される小当たり遊技中に普図変動時短終了条件が成立し、通常状態へと移行した後は遊技球を特定領域650vへと通過させ易い小当たり遊技となるため、左打ち遊技よりも右打ち遊技の方が有利な発射遊技となる。一方で、小当たり遊技が実行されていない状況における通常状態は、右打ち遊技よりも左打ち遊技の方が有利な発射遊技となる。
<第31制御例の第4変形例における演出内容について>
まず、図1509から図1511を参照して、本第31制御例の第4変形例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第4変形例では、普通図柄変動回数に基づいて成立する時短終了条件を設定可能に構成しているため、時短終了条件が成立しない小当たりに当選し、時短状態のまま実行される小当たり遊技中であっても、特定領域650vへと遊技球を通過させる(V入賞させる)ことが可能に構成している。よって、時短状態のまま実行される小当たり遊技中の演出内容を上述した第31制御例と異ならせている。なお、第3図柄表示装置81の表示面に表示される各表示要素のうち、上述した第31制御例におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示面に表示される各表示要素と同一の内容については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図1509(a)は、時短状態中に表示される表示画面であって、バトルモード(時短状態)が終了するまでの残期間が表示領域Dm13に表示されている。上述した通り、本変形例では、普通図柄変動回数に基づいて成立する普図変動時短終了条件が設定されるように構成しており、図1509(a)に示した図では、更新条件が成立する毎に態様を更新する処理が実行されることで時短状態中に普通図柄抽選(普通図柄変動)が後40回実行された場合にバトルモード(時短状態)が終了することを遊技者が視認可能な表示態様で表示されている。そして、時短状態における非小当たり遊技中に普図変動時短終了条件が成立した場合には、図1509(b)に示した通り、キャラクタ802が逃亡する演出が実行され、バトルモードが終了する。なお、普図変動時短終了条件は普通図柄変動が停止表示されたタイミングで成立するため、普図変動時短終了条件が成立する普通図柄抽選の結果が当たり当選である場合には、表示領域Dm3に普通図柄抽選が当りであることに対応する丸印が表示され、表示領域Dm13には「ラスト」の文字が表示される。そして、普図当たり遊技として、通常状態(非電サポ状態)中のショート開放が実行される。また、現時点で獲得済みの特図2保留の数を示すための表示態様が表示領域Dm9に表示される(保留図柄hr1~hr4)。このように、普図変動時短終了条件は、特別図柄抽選に関わらず独立して実行される普通図柄抽選の実行に基づいて成立するように構成しているため、特別図柄変動が実行されている期間、特別図柄変動が実行されていない期間の何れにおいても成立するものである。よって、普図変動時短終了条件が成立する場合において、特図2保留を獲得していない状況も発生し得る。この場合、特図2保留を獲得していない状況で普図変動時短終了条件が成立し、時短状態が終了してしまい引き戻しモードへと移行することができず、遊技者に不利な遊技を提供してしまう虞があるため、少なくとも、普図変動時短終了条件が成立する普通図柄変動の変動期間を含む特定期間を用いて、特図2保留を上限数獲得することを促す演出を実行するように構成すると良い。この場合、時短状態中に実行される普通図柄変動の変動時間は比較的短い時間であることから、普図変動時短終了条件が成立する普通図柄変動の変動期間だけで無く、普図変動時短終了条件が成立するまでの残普通図柄変動回数が10回を切った段階で特図2保留を上限数獲得することを促す演出を実行するように構成すると良い。そして、普図変動時短終了条件が成立する普通図柄変動が開始された時点における特図2保留数が上限数であるかを判別する処理の処理結果と、普図変動時短終了条件が成立する普通図柄変動の変動時間中に実行中の第2特別図柄変動が停止表示されるかを判別する処理の処理結果と、に基づいて特図2保留を上限数獲得することを促す演出の演出態様を決定するように構成すると良い。このように構成することで、特図2保留を上限数まで獲得した状態で引き戻しモードへと移行させ易くすることができる。
さらに、上述した通り、普図変動時短終了条件は、特別図柄抽選に関わらず独立して実行される普通図柄抽選の実行に基づいて成立するように構成しているため、特別図柄抽選の結果が小当たり当選であることに基づいて小当たり遊技が実行されている小当たり遊技期間中にも普図変動時短終了条件が成立し得るように構成されている。ここで、時短中に実行された特別図柄抽選の結果が時短終了条件が成立しない小当たりであって、その小当たり当選してから小当たり遊技が終了するまでの間に、普図変動時短終了条件が成立する場合に実行される演出の内容について、図1510、及び図1511を参照して説明する。図1510(a)は、時短終了条件が成立しない小当たりに当選している特別図柄変動期間中に普図変動時短終了条件が成立する場合に実行される変動演出の一例を示した図である。図1510(a)に示した通り、小当たり変動中に普図変動時短終了条件が成立すると判別された場合には、バトルモードにてバトルが開始される前にキャラクタ801を強化するためのアイテム(マント、剣)が袋810から飛び出し、後に実行されるバトルに勝利する可能性が高いことを示す事前演出が実行される。そして、小当たり変動中に普図変動時短終了条件が成立した場合には、図1510(b)に示した通り、キャラクタ801がキャラクタ802を討伐するカウンター攻撃演出が実行され、次の小当たり遊技が通常状態にて実行されることを、小当たり遊技が実行されるよりも前の段階で遊技者に報知される。なお、上述した例では、普図変動時短終了条件が成立するまでの残回数が表示領域Dm13に表示されており、実際に実行される普図変動回数に応じて残回数が更新されるように構成しているため、図1510(a)では「残り1回」、図1510(b)では「ラスト」が表示されている。つまり、事前演出の実行期間中に普図変動時短終了条件を成立させる要素に関する数値情報を更新するように構成しているが、これに限ることなく、事前演出が実行された時点で「ラスト」の文字を表示領域Dm13に表示するように構成しても良い。つまり、実際に普図変動時短終了条件が成立する普通図柄変動が実行されるよりも前に、普図変動時短終了条件が成立する普通図柄変動が実行される場合に表示される表示態様を表示領域Dm13に表示させるように構成しても良い。このように構成することで、表示領域Dm13に表示されている情報の更新条件を遊技者に分かり難くすることができる。
また、事前演出が実行された時点で、表示領域Dm13の表示態様を専用の表示態様(例えば、「チャンス?」)に切り替えるように構成し、実際に普図変動時短終了条件が成立しない特図変動期間中においても事前演出(ガセ事前演出)を実行するように構成しても良い。さらに、獲得済みの特図2保留に含まれる入賞情報を事前判別した結果に基づいて、事前演出を複数回の特別図柄変動期間を跨いで実行するように構成しても良い。
次に、時短状態のまま実行された小当たり遊技中に普図変動時短終了条件が成立する場合には、図1511(a)に示した通り、普図変動時短終了条件を成立させるまでの普図変動の残回数に対応した敵キャラ802を登場させ、普図変動が実行される毎に敵キャラ802を討伐する演出が実行される。図1511(a)に示した図では、小当たり遊技が開始された時点における普図変動時短終了条件が成立するまでの残普図変動回数が2回の状況を示しているため、表示領域Dm13には数字情報を少なくとも含む態様として「残り2回」が表示され、2匹の敵キャラ(敵キャラ802a、敵キャラ802b)が表示されている。そして、実行中の小当たり遊技中に時短終了条件が成立した場合にキャラクタ801がゲットするラッキーアイコン802vが表示されている。そして、この時点では、小当たり遊技中であっても、第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させる遊技よりも、時短終了条件を成立させる遊技の方が遊技者の優先度が高いため、表示領域Dm6には、スルーゲート67近傍を模した画像が表示され、副表示領域Dsには「右打ちをしてスルーを狙え!!残り2体撃破でラッキーゲット」のコメントが表示されている。
その後、小当たり遊技の遊技期間中に普図変動時短終了条件を成立させると、残りの小当たり遊技期間中に特定領域650vへと遊技球を通過させることを促す演出が実行される(図1511(b)参照)。なお、この場合は、小当たり遊技の残期間に応じてタイムゲージga1の表示態様が決定される。なお、詳細な説明は後述するが、この小当たり遊技中に実行される事前演出は、時短状態のまま実行される小当たり遊技の全てに対して実行されるのでは無く、普図変動時短終了条件が成立するまでの残普図変動回数や、実行される小当たり遊技のシナリオに応じて事前演出の実行有無が決定されるように構成している。つまり、事前演出が実行された時点で、小当たり遊技中に普図変動時短終了条件を成立させ易い状況であることを遊技者に把握させることが可能に構成している。このように構成することで、事前演出が実行されたにも関わらず、普図変動時短終了条件を成立させることができない遊技結果が頻繁に発生してしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。なお、これに限ることなく、普図変動時短終了条件が成立し難い小当たり遊技の少なくとも一部において事前演出(ガセ事前演出)を実行するように構成しても良い。この場合、ガセ事前演出中に表示されている残普図変動回数の更新結果(演出結果)が記憶され、次に事前演出(ガセ事前演出)が実行された場合に、前回のガセ事前演出にて記憶された演出結果(残普図変動回数の更新結果)に基づいた演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中に実行される複数回の小当たり遊技に対して関連した演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。
以上、説明をした通り、本第4変形例では、時短状態中において、普図変動時短終了条件が成立するまでの残普図変動回数を遊技者に把握させながら遊技を行わせる演出が実行されるため、普図変動時短終了条件が成立するタイミングが小当たり変動中であるか、又は小当たり遊技中であるかを予測しながら遊技者に遊技を行わせることができる。なお、本第4変形例では、時短状態における全期間に対して残普図変動回数(表示領域Dm13に表示される数値情報)を遊技者に報知するように構成しているが、これに限ることなく、例えば、時短状態であって、且つ、特別図柄変動が実行されている期間中のみ残普図変動回数を遊技者に報知可能に構成しても良いし、小当たり遊技の遊技期間のみ残普図変動回数を遊技者に報知可能に構成しても良い。このように構成することで、残普図変動回数の更新状況を遊技者に把握させ難くすることができるため、時短状態が終了するタイミングを遊技者に予測させ難くすることができる。また、残普図変動回数が特定回数(例えば、残り10回、残り5回)となった場合に、他の残普図変動回数に対応する表示態様とはデザインが異なるデザインで残普図変動回数を表示するように構成しても良く、この場合、残普図変動回数が特定回数に到達したことを遊技者に分かり易く報知するために、表示領域Dm13にて常に更新表示される表示態様とは異なる表示態様を表示領域Dm13とは異なる表示領域に表示するように構成すると良い。具体的には、残普図変動回数が5回となった場合には、別表示領域に「残り5回突破」の文字を所定期間(例えば、5秒間)表示するように構成し、「残り5回突破」の文字が表示されている期間においても、表示領域Dm13では、残普図変動回数を更新表示するように構成すれば良い。さらに、小当たり変動の変動期間から小当たり遊技期間を跨いで事前演出を実行可能に構成しても良い。
<第31制御例の第4変形例における電気的構成について>
次に、図1512から図1516を参照して、本第31制御例の第4変形例における電気的構成について説明をする。本第4変形例では、上述した第31制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成の一部を変更している点で相違している。なお、同一の要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、図1512から図1515を参照して、本第31制御例の第4変形例における主制御装置110のMPUが有する電気的構成について説明をする。図1512(a)は、本第4変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成を模式的に示した図である。図1512(a)に示した通り、本第4変形例におけるパチンコ機10のROM202は、上述した第31制御例におけるパチンコ機10のROM202に対して、変動パターン選択テーブル202fbに代えて変動パターン選択テーブル202fbDを、第2当たり乱数テーブル202fcに代えて第2当たり乱数テーブル202fcDを、第1当たり種別選択テーブル202fdに代えて第1当たり種別選択テーブル202fdDを、時短付与テーブル202feに代えて時短付与テーブル202feDを設け、新たに小当たり開放シナリオ202ffDを設けた点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素に対しては同一の符号を付してその説明を省略する。また、図1512(b)は、本第4変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成を模式的に示した図である。図1512(b)に示した通り、本第4変形例におけるパチンコ機10のRAM203は、上述した第31制御例におけるパチンコ機10のRAM203に対して、普図変動回数カウンタ203faDと、確定時間タイマ203faDを設けた点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素に対しては同一の符号を付してその説明を省略する。
図1513は、小当たり用テーブル202fd3Dに規定されている内容を示した図である。図1513に示した通り、この小当たり用テーブル202fd3Dの内容は、上述した第31制御例におけるパチンコ機10の小当たり用テーブル202fd3に対して、特別図柄が停止表示されてから小当たり遊技が実行されるまでの期間(図柄確定期間)を、小当たり種別に応じて異ならせて規定している点で相違している。それ以外の内容については同一であるためその説明を省略する。具体的には、小当たり種別「小当たりA2」,「小当たりB2」,「小当たりZ」に対しては図柄確定期間「10秒」が、それ以外の小当たり種別に対しては図柄確定期間「0.5秒」が規定されている。このように構成することで、小当たり当選した場合に設定された小当たり種別に応じて、小当たり変動が停止表示してから小当たり遊技が実行されるまでの期間の長さを異ならせることができる。よって、小当たり変動中に事前演出(図1510参照)が実行された場合において、設定された図柄確定期間の長さによって小当たり遊技中に普図変動時短終了条件が成立するか否かの結果を異ならせることができる。
図1514は、時短付与テーブル202feDに規定されている内容を示した図である。この時短付与テーブル202feDは上述した第31制御例におけるパチンコ機10の時短付与テーブル202feに対して、時短終了条件として普図変動時短終了条件(普図変動回数カウンタ203faDの値)が規定されている点で相違している。それ以外の内容は同一であるためその説明を省略する。図1514に示した通り、本第4変形例では、時短種別に応じて、異なる値が普図変動回数カウンタ203faDに設定されるように構成しており、実質普図変動時短終了条件が成立し得ない時短種別と、普図変動時短終了条件が成立し得る時短種別とを設定可能に構成している。このように構成することで、設定された時短種別に応じて異なる遊技性を遊技者に提供することができる。
図1515は、小当たり開放シナリオ202ffdに規定されている内容を示した図である。この小当たり開放シナリオ202ffdには、小当たり種別に応じて異なる開放シナリオが規定されている。つまり、本第4変形例では、小当たり種別に応じて小当たり遊技の遊技内容や遊技期間を異ならせるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技中に実行させることが可能な普図変動回数を、設定された小当たり種別に応じて異ならせることができる。よって、小当たり遊技が開始された時点における残普図変動回数が同一の値であった場合でも、小当たり遊技中に普図変動時短終了条件を成立させることが可能か否かについて遊技者に予測させ難くすることができる。なお、本第4変形例では、開放シナリオとしてオープニング期間を0.2秒~20秒と異ならせているが、それ以外に、1回の小当たり遊技にて第2可変入賞装置650が開放される回数を異ならせても良いし、閉鎖期間の長さや開放期間の長さを異ならせても良い。このように構成することで、頻繁に小当たり遊技が実行される遊技性において、第2可変入賞装置650の開閉状況に基づいて何回の小当たり遊技が実行されたのかを遊技者に予測させ難くすることができる。さらに、1回の小当たり遊技にて第2可変入賞装置650が開放される回数を異ならせても良いし、閉鎖期間の長さや開放期間の長さを異ならせた遊技性を用いた場合には、小当たり遊技の実行回数によって時短終了条件が成立するように構成しても良い。
次に、図1516を参照して、本第4変形例のパチンコ機10のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。本第4変形例では、上述した第31制御例のRAM223に対して、従普図変動回数カウンタ223faD、V有効残時間タイマ223fbD、反撃準備フラグ223fcD、ラッキーバトル中フラグ223fdDを設けている点で相違し、それ以外の要素は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
従普図変動回数カウンタ223faDは、時短状態が設定された際に主制御装置110から出力される状態コマンドに基づいて、時短終了条件が成立するまでの普図変動回数がセットされるカウンタであって、時短状態中における普図変動回数に関するコマンドを主制御装置110から受信したことに基づいて値が減算されるように構成している。そして、従普図変動回数カウンタ223faDのカウンタ値に基づいて、表示画面に表示される残期間を示す表示態様が可変表示される。
V有効残時間タイマ223fbDは、小当たり遊技中におけるV有効期間の残時間を計測するためのカウンタであって、上述した第31制御例のV有効残時間タイマ223fdCと同一内容であるため、その説明を省略する。反撃準備フラグ223fcDは、普図変動回数に基づいて時短終了条件が成立する可能性が高い場合に実行されるカウンター攻撃準備アクションを実行した際にオンに設定されるフラグである。ラッキーバトル中フラグ223fdDは、ラッキーバトルが実行されている状況でオンに設定されるフラグである。
<第31制御例の第4変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図1517から図1520を参照して、本第31制御例の第4変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第31制御例の第4変形例では、上述した第31制御例に対して、特別図柄変動処理(図1436参照)に代えて特別図柄変動処理(図1517参照)を、特別図柄変動パターン選択処理(図1439参照)に代えて特別図柄変動パターン選択処理(図1518参照)を、普通図柄変動処理(図1446のS106参照)に代えて普通図柄変動処理(図1519参照)を、それぞれ実行する点で相違しており、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。まず、図1517を参照して、本第31制御例の第4変形例における特別図柄変動処理(S134F)について説明をする。図1517は、特別図柄変動処理(S134F)の処理内容を示すためのフローチャートである。図1517に示した通り、本第31制御例の第4変形例における特別図柄変動処理(S134F)では、上述した第31制御例における特別図柄変動処理(図1436参照)に対して、特別図柄変動パターン選択処理(図1439参照)に代えて特別図柄変動パターン選択処理(S239F)を実行する点と、特別図柄の変動時間が経過した後に特別図柄の確定期間を計測するための処理を新たに追加した点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容については、その詳細な説明を省略する。図1517に示した通り、S201~S213およびS208Fの処理内容は上述した第31制御例における特別図柄変動処理(S104)におけるS201~S213およびS208Fの処理内容と同一である。S208Fの処理が終了すると、特別図柄変動パターン選択処理(S239F)を実行する。この特別図柄変動パターン選択処理(S239F)は、上述した第31制御例における特別図柄変動パターン選択処理(S209F)と同様に、特別図柄の抽選結果と、設定されている遊技状態に基づいて特別図柄の変動パターンを決定するための処理である。なお、特別図柄変動パターン選択処理(S239F)の処理内容については、図1518を参照して後述する。S214の処理において特別図柄の変動時間が経過したと判別した場合には(S214:Yes)、特別図柄判定処理(S208F)において予め設定されている停止図柄に対応する表示態様を第1図柄表示装置37に停止表示させるための設定を行い(S216)、特別図柄の確定時間が経過したかを判別する(S231F)。上述したように、この特別図柄の確定時間は、特別図柄の抽選結果に対応する表示態様が停止表示される期間であり、本第31制御例の第4変形例では、特別図柄の抽選結果が小当たり当選である場合に、小当たり種別によって異なる特別図柄の確定期間が設定される。S231Fの処理において、特別図柄の確定時間が経過していないと判別した場合には(S231F:No)、確定時間タイマ203fbDの値を更新し(S232F)、本処理を終了する。一方、S231Fの処理において、確定時間が経過したと判別した場合には(S231F:Yes)、S217の処理を実行する。このように、本第31制御例の第4変形例では、特別図柄の変動時間が経過した後に確定時間が経過するまでは小当たり遊技が開始されないため、同一の抽選結果(例えば、小当たりA)であっても、変動時間と図柄確定時間の組み合わせによって特別図柄の変動開始から小当たり遊技終了までの期間を多様に異ならせることが可能である。
次に、図1518を参照して、特別図柄変動処理(S134F)の一処理である特別図柄変動パターン選択処理(S239F)の処理内容について説明する。図1518は、この特別図柄変動パターン選択処理(S239F)の処理内容を示したフローチャートである。図1518に示した通り、この特別図柄変動パターン選択処理(S239F)は、上述した第31制御例における特別図柄変動パターン選択処理(図1439のS209F参照)に対して、特別図柄の図柄確定期間の値を確定時間タイマ203fbDに設定する処理(S431F)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。本第31制御例の第4変形例では、決定された図柄確定期間を確定時間タイマ203fbDに設定することで、上述した特別図柄変動処理(S134F)において、確定時間が経過したか否かを判別可能である。
次に、図1519~図1520を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図1435参照)の一処理である普通図柄変動処理(S156F)の処理内容について説明する。図1519は、この普通図柄変動処理(S156F)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S156F)は、上述した第31制御例における普通図柄変動処理(図1446参照)に代えて実行される処理であり、図1519に示す通り、普通図柄(普図)の変動時間が経過したと判別した場合に(S817F:Yes)、普図抽選結果に対応する表示態様を第2図柄表示装置83に停止表示させるための処理(S818)を実行し、新たに普図時短更新処理(S851F)を実行する点で相違しており、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。次に、図1520を参照して、普通図柄変動処理(図1519のS156F参照)の一処理である普図時短更新処理(S851F)の処理内容について説明する。図1520は、この普図時短更新処理(S851F)の処理内容を示したフローチャートである。上述したように、本第31制御例の第4変形例では、予め規定された回数分の普通図柄変動(普図変動)が実行されたことによっても時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が終了する構成であり、この普図時短更新処理(S851F)では、時短状態における普図変動回数が規定された変動回数に達した場合に、遊技状態を通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)に設定するための処理を実行する。普図時短更新処理(S851F)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値が0より大きいかを判別し(S3001F)、時短カウンタ203hの値が0より大きいと判別した場合には(S3001F:Yes)、普図変動回数カウンタ203faDの値を1減算し(S3002F)、次に、更新後の普図変動回数カウンタ203faDの値が0であるかを判別する(S3003F)。普図変動回数カウンタ203faDの値が0であると判別した場合には(S3003F:Yes)、時短カウンタ203hの値を0にクリアし(S3004F)、遊技状態格納エリア203gに通常状態を示す情報を設定し(S3005F)、現在の遊技状態および時短カウンタ203hの値を示すコマンドを設定し(S3006F)、本処理を終了する。一方、S3001Fの処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きくない(0である)と判別した場合には(S3001F:No)、S3002F~S3005Fの処理をスキップし、S3006Fの処理を実行する。また、S3003Fの処理において、普図変動回数カウンタ203faDの値が0ではないと判別した場合には(S3003F:No)、S3004およびS3005Fの処理をスキップし、S3006Fの処理を実行する。このように、本第31制御例の第4変形例では、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)において、普通図柄の変動回数が規定回数に達した場合にも時短終了条件が成立可能に構成されている。これにより、特別図柄の変動中に時短状態が終了し得る状況を生起させることができるため、特別図柄の実行権利(特図保留球)を上限まで獲得している場合であっても、普通図柄を変動させようと遊技者に普通図柄始動口(スルーゲート)67に向けて球を発射する遊技を行わせることが可能となる。なお、本第31制御例の第4変形例では、遊技状態に応じて一定の普図変動時間を設定する構成としたが、これに限るものではなく、複数の普図変動時間の中から1の普図変動時間を設定する構成としても良い。具体的には、図1498に示す普図変動パターン選択テーブル202ffCを用いて普図変動時間を設定する構成としても良い。このように構成することで、特別図柄の小当たり当選変動において、遊技者に普通図柄の変動回数に基づく時短終了条件が成立するか否かを予測させ難くすることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
<第31制御例の第4変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
図1521~図1527を参照して、本第31制御例の第4変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第31制御例の第4変形例では、上述した第31制御例に対して、普図関連処理(図1455参照)に代えて普図関連処理(図1521参照)を、時短中小当たり開始処理(図1457参照)に代えて時短中小当たり開始処理(図1524参照)を、特図2演出態様設定処理(図1460参照)に代えて特図2演出態様設定処理(図1526参照)を、それぞれ実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容については、その詳細な説明を省略する。まず、図1521~図1523を参照して、本第31制御例の第4変形例における普図関連処理(S4266F)の処理内容について説明する。図1521は、この普図関連処理(S4266F)の処理内容を示したフローチャートである。この普図関連処理(S4266F)は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図1451のS4112F参照)の一処理であり、上述した第31制御例における普図関連処理(S4216)に代えて実行される処理である。図1521に示す通り、普図関連処理(S4266F)は、上述した第31制御例における普図関連処理(S4216F)に対して、普図変動パターンコマンドを受信したと判別した場合に(S460F:Yes)、普図演出設定処理(S4651F)を実行する点と、普図変動停止コマンドを受信したと判別した場合に(S4652F:Yes)、普図停止演出設定処理(S4653F)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容については、その詳細な説明を省略する。
ここで、図1522を参照して、普図関連処理(図1522参照)の一処理である普図演出設定処理(S4651F)の処理内容について説明する。図1522は、この普図演出設定処理(S4651F)の処理内容を示したフローチャートである。普図演出設定処理(S4651F)は、主に、現在の遊技状態と、普通図柄(普図)の変動回数と、に基づいて対応する演出態様を決定するための処理である。普図演出設定処理(S4651F)が実行されると、まず、設定されている遊技状態が時短状態であるかを判別する(S7201F)。具体的には、従状態設定エリア223gに格納(設定)されている遊技状態を示す情報を読み出し、時短状態を示す情報であるかを判別する。時短状態であると判別した場合には(S7201F:Yes)、従普図変動回数カウンタ223faDの値を1減算し(S7202F)、減算後の従普図変動回数カウンタ223faDの値を示す表示用コマンドを設定する(S7203F)。なお、S7203Fの処理において設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理にて1ミリ秒毎に実行されるコマンド出力処理によって、表示制御装置114へと出力され、出力された表示用コマンドを表示制御装置114が受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面に表示用コマンドに対応する演出態様(例えば、図1509(a)に示す、表示領域Dm13に表示される時短状態終了までの残りの普図変動回数の表示)が表示される。上述したように、本第31制御例の第4変形例の主制御装置110では、普通図柄の変動が停止する場合に実行される普図時短更新処理(図1520参照)において普図変動回数カウンタ203faDの値を更新し、普図変動回数カウンタ203faDの値が0であると判別した場合には時短状態を終了し通常状態を設定する構成である。つまり、主制御装置110では、普図変動時短終了条件が成立するのは普通図柄の変動停止時である。一方、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から普図変動パターンコマンドを受信した場合に実行される普図演出設定処理(S4651F)において従普図変動回数カウンタ223faDの値を更新し、更新後の値に対応する残時短回数を第3図柄表示装置81の表示画面の表示領域Dm13(図1509(a)参照)に表示するための処理を行う。つまり、音声ランプ制御装置113では、普通図柄の変動開始時に残時短回数を更新する構成としている。このように時短状態が実際に終了するよりも前に時短状態が終了することを報知する演出(表示領域Dm13に表示される「ラスト」の文字)が実行されることで、引き戻しモードが実行されるまでに遊技者が第2特別図柄の実行権利(特図2保留)を上限まで貯めていないという状況が生起することを抑制することができる。なお、普図時短終了条件が成立する普図変動開始時に特図2保留球が上限まで貯まっている場合には、普図変動が停止表示される前に表示領域Dm13の残時短回数の表示を非表示としても良い。なお、本第31制御例の第4変形例では、時短状態が終了するよりも前に第3図柄表示装置81の表示領域Dm13に表示される残時短回数を0にする構成としたが、これに限るものではなく、時短状態が終了した後も表示領域Dm13に表示される残時短回数を更新する構成としても良い。例えば、時短状態が設定される場合に主制御装置110の普図変動回数カウンタ203faDに設定される値に対して0~4をランダムに加算し、加算した値を音声ランプ制御装置113の従普図変動回数カウンタ223faDに設定する。加算する値の上限を4としたのは、普図保留球の上限が4であるため、通常状態が設定された後に遊技者が右打ち遊技をしなくても普図保留球に対応して普図変動を実行可能であるからである。普図変動回数カウンタ203faDに設定される値に0が加算された場合には、普図時短終了条件が成立する普図変動が停止し、時短状態が終了するよりも前に表示領域Dm13に表示される残時短回数が0になる。一方、1~4が加算された場合には、普図時短終了条件が成立する普図変動が停止しても表示領域Dm13には残時短回数が表示された状態となり、時短状態終了後も表示領域Dm13の残時短回数の更新が継続するため、遊技者に時短状態が継続していると思わせることができる。このように構成することで、表示領域Dm13に残時短回数が表示されている状態で特別図柄の小当たり当選しV大当たりを獲得した場合に、時短状態で小当たり時短終了条件が成立したのか、通常状態で小当たり当選したのかを遊技者に分かり難くさせることが可能となる。上述したように、本第31制御例の第4変形例では、通常状態が設定されている場合にのみV入賞させることが可能な小当たり種別である小当たりZに当選し、小当たり遊技中にV入賞させることができれば最も有利な時短種別である時短Zが設定される構成である。このため、時短状態で小当たり当選しV入賞したと思っている遊技者に対して時短Zの時短状態が新たに設定されることで意外性のある遊技を提供することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、時短状態が終了するタイミングで、表示領域Dm13に表示される残時短回数の値を0にする構成としても良い。具体的には、従普図変動回数カウンタ223faDの値を減算する処理の実行タイミングを普図変動停止コマンドを受信した場合とする。これにより、普通図柄の変動が停止したことに対応して主制御装置110の普図変動回数カウンタ203faDの値と、音声ランプ制御装置110の従普図変動回数カウンタ223faDの値を更新可能となり、従普図変動回数カウンタ223faDの値が更新されたことに対応して表示領域Dm13の残時短回数も更新されるので、時短状態の終了を表示領域Dm13の残時短回数0の表示により遊技者に分かり易くすることができる。
なお、本第31制御例の第4変形例では、S7202Fの処理において従普図変動回数カウンタ223faDの値が更新された場合に、更新後の従普図変動回数カウンタ223faDの値を表示領域Dm13に残時短回数として表示する構成としたが、これに限るものではない。例えば、どの時短種別の時短状態が設定された場合であっても、表示領域Dm13には残時短回数として「50回」を表示し、従普図変動回数カウンタ223faDの値が50となるまでの期間は表示領域Dm13の残時短回数を更新しない構成としても良い。このように構成することで、時短状態が設定された直後の表示領域Dm13の残時短回数表示からはどの時短種別が設定されているのかを遊技者に分かり難くすることが可能であるため、最も時短継続率が低い時短Eが設定された場合に遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。なお、時短状態が設定されている場合において、普図変動回数カウンタ203faDの値が更新された場合であっても、従普図変動回数カウンタ223faDの値を更新する場合と、更新しない場合とを設ける構成としても良い。例えば、時短状態において、記憶されている情報に基づいて表示される表示態様が表示されていない状況である小当たり遊技が実行されていない期間に普通図柄の変動が実行された場合であっても、記憶されている情報を更新可能な処理として普図変動回数カウンタ203faDの値を更新する処理を実行する。一方で、従普図変動回数カウンタ223faDの値を更新せず、表示領域Dm13に表示される残時短回数を更新しない。一方、時短状態において小当たり遊技が実行されている期間に普通図柄の変動が実行された場合には普図変動回数カウンタ203faDの値と、従普図変動回数カウンタ223faDの値を更新し、表示領域Dm13に表示される残時短回数を更新する。このように、表示領域Dm13に表示される残時短回数が更新されなくても、普図変動回数カウンタ223faDの値は更新されるため、表示領域Dm13に表示される残時短回数が0になる前に時短状態が終了する状況を創出することができる。これにより時短状態が終了するタイミングを遊技者に分かり難くすることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。一方で、残時短回数「10回」に対応する数値情報として「残り10回」が表示領域Dm13に表示された場合に、同一の数値情報を用いた別表示として「残り10回がんばれ」の特殊表示態様を表示領域Dm13とは異なる領域に表示するように構成しても良く、この場合は特殊表示態様にて表示される数値情報の大きさを表示領域Dm13に表示される数値情報の大きさよりも大きくするように構成すると良い。このように構成することで、残時短回数が残り10回となったことを遊技者に把握させ易くすることができる。
S7203Fの処理が終了すると、次に、小当たり遊技の実行中であるかを判別し(S7204F)、小当たり遊技の実行中ではないと判別した場合には(S7204F:No)、反撃準備フラグ223fcDがオンであるかを判別する(S7206F)。反撃準備フラグ223fcDがオンではないと判別した場合には(S7205F:No)、従普図変動回数カウンタ223faDの値が3より少ないかを判別し(S7206F)、従普図変動回数カウンタ223faDの値が3より少ないと判別した場合には(S7206F:Yes)、小当たり変動中(抽選結果が小当たりである特別図柄の変動表示中)であるかを判別し(S7207F)、小当たり変動中であると判別した場合には(S7207F:Yes)、カウンター攻撃準備アクションを実行する演出態様(例えば、図1510(a)に示す演出態様)を決定し(S7208F)、反撃準備フラグ223fcDをオンに設定し(S7209F)、決定した演出態様に対応する表示用コマンドを設定し(S7210F)、本処理を終了する。なお、従普図変動回数カウンタ223faDの値が3より小さい場合というのは、最大でも2回の普図変動が実行されることで時短終了条件が成立する場合である。本第31制御例の第4変形例では、時短状態における普通図柄の変動時間は0.2秒であり、普図当たりに当選した場合の電動役物640aの開放時間は5秒であるため、2回の普図変動が実行された場合には10.4秒経過することとなる。そして、本第31制御例の第4変形例では、特別図柄が小当たり当選した場合の変動時間は15秒以上の変動時間が設定され易く(図1427参照)、また、小当たり遊技期間はオープニング期間を除いて13秒(図1515参照)であるため、従普図変動回数カウンタ223faDの値が3より小さい場合に小当たり変動が実行されると、その小当たり変動中に時短終了条件が成立する可能性が高く、小当たり遊技中にV入賞する可能性が高い。したがって、第3図柄表示装置81の表示画面においてカウンター攻撃準備アクション演出が実行されることにより、遊技者に現在小当たり当選変動中であり、この変動中に普図変動回数が規定回数に達すれば小当たり遊技においてV入賞可能であることを示唆することが可能である。なお、本第31制御例の第4変形例では、従普図変動回数カウンタ223faDの値が3より小さい場合であって、かつ、小当たり変動中である場合にカウンター攻撃準備アクション演出を実行する構成としたが、これに限るものではない。例えば、従普図変動回数カウンタ223faDの値が3となった場合に、特別図柄の変動中であるか否かに関わらず、主表示領域Dmに「時短終了まで残り3回!次の特図変動でカウンター攻撃準備アクションが発生すればV大当たりのチャンス!」というコメントを表示するとともに音声案内を行い、遊技者に残時短回数が3回であることを強調する演出を実行する構成としても良い。このように構成することで、例えば、表示画面を注視していない遊技者に対しても次の特図変動で実行される演出態様に注目させることが可能となり、その特図変動の終了後に小当たり遊技が実行される場合に遊技者がV入賞を逃してしまうことを抑制することができる。
一方、S7205Fの処理において、反撃準備フラグ223fcDがオンであると判別した場合には(S7205F:Yes)、S7206F~S7209Fの処理をスキップし、S7210Fの処理を実行する。また、従普図変動回数カウンタ223faDの値が3より小さくない(3以上である)と判別した場合には(S7206F:No)、S7206F~S7209Fの処理をスキップし、S7210Fの処理を実行する。また、S7207Fの処理において、小当たり変動中ではないと判別した場合には(S7207F:No)、S7208FおよびS7209Fの処理をスキップし、S7210Fの処理を実行する。また、S7204Fの処理において、小当たり遊技中であると判別した場合には(S7204F:Yes)、ラッキーバトル中フラグ223fdDがオンであるかを判別し(S7211F)、ラッキーバトル中フラグ223fdDがオンであると判別した場合には(S7211F:Yes)、敵キャラクターを1体撃破する演出態様を決定し(S7212F)、S7210Fの処理を実行する。一方、S7211Fの処理において、ラッキーバトル中フラグ223fdDがオンではないと判別した場合には(S7211F:No)、S7212Fの処理をスキップし、S7210Fの処理を実行する。また、S7201Fの処理において、時短状態ではない(従状態設定エリア223gに格納されている遊技状態を示す情報が時短状態を示す情報ではない)と判別した場合には(S7201F:No)、表示用普図変動開始コマンドを設定し(S7213F)、本処理を終了する。このように、普図演出設定処理(S4651F)が実行されることで、従普図変動回数カウンタ223faDの値(時短終了条件が成立するまでの残り普図変動回数)に対応する演出を実行することが可能となる。なお、本第31制御例の第4変形例では、従普図変動回数カウンタ223faDの値が3より小さい場合であって、かつ、小当たり変動中である場合には、カウンター攻撃準備アクションを実行する演出態様を決定する構成としたが、小当たり種別によって、カウンター攻撃アクションの演出態様を異ならせる構成としても良い。例えば、時短小当たり(V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される小当たり種別)に当選した場合には、カウンター攻撃準備アクションにおいて剣801cを獲得する演出態様が決定され、通常小当たり(V大当たり遊技終了後に通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定される小当たり種別)に当選した場合には、カウンター攻撃準備アクションにおいて剣801cとは異なるアイテム(例えば、木の棒)を獲得する演出態様を決定する構成としても良い。このように構成することで、カウンター攻撃準備アクションの演出態様から当選した小当たり種別を遊技者が予想する楽しみを提供することが可能となり遊技の興趣を向上させることができる。なお、本第31制御例の第4変形例では、普通図柄変動が実行される毎に更新される従普図変動回数カウンタ223faDの値に対応して、第3図柄表示装置81の表示画面の表示領域Dm13に残時短回数を表示する構成としたが、これに限るものではない。例えば、主制御装置110から普通図柄の当否判定結果や普図変動時間を含む普図入賞情報コマンドを送信し、音声ランプ制御装置113で受信した普図入賞情報コマンドを記憶可能に構成する。そして、記憶されている普図入賞情報の中に変動時間が30秒以上(普図ロング変動)の普図入賞情報がある場合には、当該普図入賞情報に対応する普通図柄変動が実行されるまでの時間を算出し、第3図柄表示装置81の表示画面の表示領域Dm13に算出した時間を表示し、時間経過により更新する構成としても良い。なお、本第31制御例の第4変形例では、普通図柄の変動中は電動役物640aが可動しておらず、第2可変入賞装置(Vアタッカー)650に球が到達可能であるため、普通図柄のロング変動中に特別図柄の小当たりに当選した場合には、小当たり遊技においてV入賞させることができる。したがって、普図ロング変動の普図入賞情報が存在する場合に、普図ロング変動が開始されるまでの残時間を遊技者に報知することで、遊技者に普図ロング変動が開始されるまでに特別図柄の小当たりに当選したいと思わせることが可能となり、多くの特別図柄抽選を受けるために特別図柄の実行権利(特図保留球)を上限まで貯めようと球の発射を促すことができる。また、例えば、60秒の変動時間を設定された特別図柄の小当たり変動が実行される場合に、従普図変動回数カウンタ223faDの値が特定値(例えば、10)より小さい場合には、その特別図柄の変動中に普図変動時短終了条件が成立し得ることを示唆する演出(例えば、V大当たりのチャンス!右打ち継続!)を実行する構成としても良い。このように構成することで、特別図柄の変動中に特図保留球が上限まで貯まった場合であっても、遊技者に普図変動時短終了条件を成立させようと球の発射を促すことができる。
次に、図1523を参照して、普図関連処理(図1521のS4266F参照)の一処理である普図停止演出設定処理(S4653F)の処理内容について説明する。図1523は、この普図停止演出設定処理(S4653F)の処理内容を示したフローチャートである。この普図停止演出設定処理(S4653F)は、主に、普通図柄(普図)の変動回数が予め規定された変動回数に達したことにより時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が終了する場合における演出態様を決定するための処理である。普図停止演出設定処理(S4653F)が実行されると、まず、従普図変動回数カウンタ223faDの値が0であるかを判別する(S7301F)。従普図変動回数カウンタ223faDの値が0であると判別した場合には(S7301F:Yes)、反撃準備フラグ223fcDはオンであるかを判別し(S7302F)、反撃準備フラグ223fcDがオンであると判別した場合には(S7302F:Yes)、カウンター攻撃アクションを実行する演出態様(例えば、図1510(b)に示す演出態様)を決定し(S7303F)、反撃準備フラグ223fcDをオフに設定し(S7304F)、S7305Fの処理を実行する。一方、S7302Fの処理において、反撃準備フラグ223fcDがオンではないと判別した場合には(S7302F:No)、S7303FおよびS7304Fの処理をスキップし、S7305Fの処理を実行する。S7305Fの処理では、ラッキーバトル中フラグ223fdDはオンであるかを判別し(S7305F)、ラッキーバトル中フラグ223fdDがオンであると判別した場合には(S7305F:Yes)、「ラッキーV」に対応する演出態様(図1511(b)参照)を決定し(S7306F)、V有効残時間タイマ223fbDの値に対応する残時間を示す表示態様を決定し(S7307F)、S7308Fの処理を実行する。一方、S7305Fの処理において、ラッキーバトル中フラグ223fdDがオンではないと判別した場合には(S7305F:No)、S7306FおよびS7307Fの処理をスキップし、S7308Fの処理を実行する。S7308Fの処理では、引き戻しモードへの移行であるかを判別する(S7308F)。具体的には、従状態設定エリア223gに格納されている情報が通常状態を示す情報であるか、かつ、入賞情報格納エリア223bに第2特別図柄の実行権利(特図2保留)に対応する情報が格納されているかを判別し、通常状態を示す情報と、特図2保留に対応する情報が格納されていると判別した場合には、引き戻しモードへの移行であると判別する。引き戻しモードへの移行であると判別した場合には(S7308F:Yes)、バトルモード終了を示す演出態様を決定し(S7309F)、決定した演出態様に対応する表示用コマンドを設定し(S7310F)、本処理を終了する。一方、S7308Fの処理において、引き戻しモードへの移行ではないと判別した場合には(S7308F:No)、S7309Fの処理をスキップし、S7310Fの処理を実行する。また、S7301Fの処理において、従普図変動回数カウンタ223faDの値が0ではないと判別した場合には(S7301F:No)、表示用普図変動停止コマンドを設定し(S7311F)、S7310Fの処理を実行する。このように、本第31制御例の第4変形例では、普通図柄が変動停止する場合における従普図変動回数カウンタ223faDの値が0である場合の各種フラグの設定状況により演出態様を決定可能であるため、状況に対応した演出を遊技者に提供することができる。
次に、図1524~図1525を参照して、時短中小当たり開始処理(S5555F)の処理内容について説明する。図1524は、この時短中小当たり開始処理(S5555F)の処理内容を示したフローチャートである。図1524に示す通り、本第31制御例の第4変形例における時短中小当たり開始処理(S5555F)は、上述した第31制御例における時短中小当たり開始処理(S5505F)に対して、連続演出実行中フラグ223fgがオンではないと判別した場合に(S5601F:No)、S5602Fの処理を行う前にラッキーバトル設定処理(S5651F)を新たに実行する点で相違しており、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容については、その詳細な説明を省略する。ここで、図1525を参照して、時短中小当たり開始処理(図1524のS5555F参照)の一処理であるラッキーバトル設定処理(S5651F)の処理内容について説明する。図1525は、このラッキーバトル設定処理(S5651F)の処理内容を示したフローチャートである。ラッキーバトル設定処理(S5651F)が実行されると、まず、従普図変動回数カウンタ223faDの値が3より小さいかを判別し(S7401F)、従普図変動回数カウンタ223faDの値が3より小さいと判別した場合には(S7401F:Yes)、入賞情報格納エリア223小当たり遊技のオープニング期間は10秒であるかを判別する(S7402F)。小当たり遊技のオープニング期間が10秒であると判別した場合には(S7402F:Yes)、ラッキーバトルに対応する演出態様を決定する(S7403F)。具体的には、従普図変動回数カウンタ223faDの値に対応する敵キャラクター(例えば、図1511(a)に示すキャラクター802a)の態様を決定する。そして、ラッキーバトル中フラグ223fdDをオンに設定し(S7404F)、決定した演出態様を示す表示用コマンドを設定し(S7405F)、本処理を終了する。一方、S7401Fの処理において、従普図変動回数カウンタ223faDの値が3より小さくない(3以上である)と判別した場合には(S7401F:No)、S7402F~S7404Fの処理をスキップし、S7405Fの処理を実行する。また、S7402Fの処理において、小当たり遊技のオープニング期間が10秒ではないと判別した場合には(S7402F:No)、S7403FおよびS7404Fの処理をスキップし、S7405Fの処理を実行する。このように、ラッキーバトル設定処理(S5651F)では、従普図変動回数カウンタ223gの値に対応してラッキーバトル演出の演出態様(ラッキーバトル中に出現する敵キャラクターの数)を決定可能であり、図1511(a)に示すように、ラッキーバトル演出では敵キャラクターを全滅させることにより普図変動時短終了条件が成立することを示しているため、小当たり遊技中に普図変動時短終了条件が成立するかを分かり易くすることができる。
次に、図1526~図1527を参照して、本第31制御例の第4変形例における変動表示設定処理(S4113)の一処理である特図2演出態様設定処理(S4977F)の処理内容について説明する。図1526は、この特図2演出態様設定処理(S4977F)の処理内容を示したフローチャートである。図1526に示す通り、本第31制御例の第4変形例における特図2演出態様設定処理(S4977F)は、上述した第31制御例における特図2演出態様設定処理(図1460のS4907F参照)に対して、S5905Fの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たり当選の何れでもない(外れ当選である)と判別した場合に(S5905F:No)、バトルモード中外れ演出設定処理(S58971F)を新たに実行する点で相違し、それ以外の処理内容については同一である。同一の処理内容については、その詳細な説明を省略する。ここで、図1527を参照して、特図2演出態様設定処理(S4977F)の一処理であるバトルモード中外れ演出設定処理(S5971F)の処理内容について説明する。図1527は、このバトルモード中外れ演出設定処理(S5971F)の処理内容を示したフローチャートである。このバトルモード中外れ演出設定処理(S5971F)は、バトルモード(時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)において設定される演出モード)中に実行される外れ当選の第2特別図柄(特図2)の変動における演出態様を決定するための処理である。バトルモード中外れ演出設定処理(S5971F)が実行されると、まず、従普図変動回数カウンタ223faDの値に基づいて残時短期間を算出し(S7501F)、今回の特別図柄(特図)変動中に普図変動回数に基づく時短終了条件が成立し得るか特定する(S7502F)。そして、S7502Fの処理において、今回の特図変動は普図変動回数に基づく時短終了条件が成立し得る特図変動(時短終了条件成立変動)であると特定されたかを判別し(S7503F)、時短終了条件成立変動であると特定されたと判別した場合には(S7503F:Yes)、バトルモード終了を示唆する演出態様を決定し(S7504F)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S7505F)、本処理を終了する。一方、S7503Fの処理において、S7502Fの処理で時短終了条件成立変動であると特定されていないと判別した場合には(S7503F:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S7506F)、S7505Fの処理を実行する。このように、バトルモード中外れ演出設定処理(S5971F)では、普図変動時短終了条件が成立する特別図柄変動と、普図変動時短終了条件が成立しない場合の特別図柄変動とで、異なる演出態様を決定可能であり、遊技状態が変わるか否かを遊技者に分かり易く報知することができる。
以上、説明したように、本第31制御例の第4変形例では、上述した第31制御例に対して時短状態において普通図柄の変動回数が規定回数に達した場合にも時短終了条件が成立する構成である。第31制御例では、特別図柄の変動が停止した場合に時短終了条件(特別図柄の変動回数が規定回数に達した場合、または特定の小当たり種別の小当たり遊技が実行される場合)が成立する構成であったが、本第31制御例の第4変形例では、特別図柄の変動が停止する場合のみならず、特別図柄の変動中や、小当たり遊技の実行中、或いは特別図柄の停止中にも時短終了条件が成立し得るため、時短終了条件が成立するタイミングによって遊技者に有利となる場合と不利となる場合とを異ならせることが可能であり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定され、大当たり遊技または小当たり遊技の何れも実行されていない期間に音声ランプ制御装置113において主制御装置110から普図入賞情報コマンドを受信した場合には、左打ち遊技(遊技盤13の左側領域に向けて球を発射する遊技)を指示するための表示用コマンドを設定する構成としても良い。これは、大当たり遊技または小当たり遊技が実行されている場合以外の通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)では、右打ち遊技(遊技盤13の右側領域に向けて球を発射する遊技)を行っても第1入球口64および第2入球口640の何れにも球が入球しないため、左打ち遊技を行う場合よりも遊技者に不利な状態であることを遊技者に報知するためである。なお、このように構成する場合、通常状態が設定され、大当たり遊技または小当たり遊技の何れも実行されていない期間に受信した普図入賞情報コマンドの受信数を記憶可能に構成し、受信数に応じて左打ち遊技の指示態様を段階的に可変させる構成とすると良い。具体的には、受信数が1の場合には第3図柄表示装置81の表示画面に左打ち遊技の指示態様を表示し音声案内は実行せず、受信数が多くなればなるほど左打ち遊技の指示態様が大きく表示され、左打ち遊技を指示する音声案内の音量を大きくする。このように段階的に左打ち遊技の指示態様を可変する構成することで、左打ち遊技を行おうとしたが力加減を誤り1~2球程度遊技盤13の右側領域に向けて球を発射してしまった遊技者に対しては左打ち遊技の指示を控えめに実行するため、遊技者に不快感を与えることを抑制可能である。一方で、左打ち遊技が有利な状態であることに気付づかずに右打ち遊技を継続している遊技者に対しては強く左打ち遊技を促すことが可能となり、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。なお、本第31制御例の第4変形例では、特別図柄の変動回数が規定回数に達した場合と、普通図柄の変動回数が規定回数に達した場合と、特定の小当たり種別の小当たりに当選した場合に、時短終了条件が成立する構成としたが、これに限るものではない。例えば、普図変動回数カウンタ203faDの値がゾロ目(例えば、11、22、33)である場合には一時的に時短状態を終了させ通常状態を設定し、普図変動回数カウンタ203faDの値がゾロ目となった普通図柄変動が終了した後に再度時短状態を設定する構成としても良い。このように構成する場合、第3図柄表示装置81の表示画面には残時短回数がゾロ目となったことに対応して残時短回数の表示を通常よりも大きくし、「ゾロ目チャンス!V入賞できるかも?」という通常状態が設定されていることを示唆するためのコメントを表示する。このように特定の残時短回数が表示されている場合には、通常の時短状態よりもV大当たりし易い状況となるため、遊技者に残時短回数にも興味を持たせることが可能となり、時短状態における遊技の興趣を向上させることができる。
<第31制御例の第5変形例>
次に、図1528から図1530を参照して、上述した第31制御例の第5変形例について説明をする。上述した第31制御例の第4変形例におけるパチンコ機10では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、普通図柄の変動回数に基づいて成立し得る普図変動時短終了条件を設定可能に構成することで、時短状態中に実行された小当たり遊技の遊技期間中に時短状態を終了させることが可能となり、時短状態中に小当たり当選したことに基づいて実行される全ての小当たり遊技に対してV大当たり遊技への期待を持たせた遊技を遊技者に提供可能に構成していた。しかしながら、上述した第31制御例の第4変形例におけるパチンコ機10は、上述した第31制御例におけるパチンコ機10と同一の遊技盤13(図1407参照)を用いており、図1407に示した通り、遊技盤13に形成される右側領域の最上流位置にスルーゲート67を配設していることから、当たり遊技(可変入賞装置65、又は第2可変入賞装置650が開閉制御される当たり遊技)の実行有無、及び、普図当たり遊技(電動役物640が開閉制御される普図当たり遊技)の実行有無に関わらず、右側領域に向けて発射された遊技球がスルーゲート67を通過し、普通図柄抽選が実行されるものであった。さらに、図1407に示した通り、右側領域を流下する遊技球の全てがスルーゲート67を通過するように構成されている。このように構成された第31制御例の第4変形例では、普図変動時短終了条件が成立することで遊技者に有利な遊技状況が創出される状況下であっても、時短状態における単位時間当たりの普通図柄の変動回数を増減させることができないため、残普図変動回数が表示された時点で今回の小当たり遊技中に普図変動時短終了条件を成立させることが可能な否かを遊技者に予測させ易くしてしまうという問題があった。
これに対して、本第31制御例の第5変形例では、時短状態中における遊技状況に応じて時短状態における単位時間当たりの普通図柄の変動回数を増減させることが可能に構成されている。このように構成することで、時短状態が設定されている状況下における小当たり遊技中に実行される普通図柄の変動回数を予測させ難くすることができるため、残普図変動回数が表示された場合において、普図変動時短終了条件が成立するか否かについて遊技者により興味を持たせることができる。さらに、本第5変形例では、普通図柄の種別として、第1普通図柄と第2普通図柄とを設けており、第1普通図柄抽選で当たり当選する確率よりも、第2普通図柄抽選で当たり当選する確率が低確率となるように設計している。加えて、第1普通図柄抽選の結果を示すための第1普通図柄変動よりも、第2普通図柄抽選の結果を示すための第2普通図柄変動の方が短い変動時間の変動パターンが設定され易くなるように構成している。つまり、第1普通図柄変動よりも第2普通図柄変動の方が、単位時間当たりに実行される普通図柄変動の回数を増加させ易くすることができるように構成している。
さらに、本第5変形例では、第1普通図柄変動が実行されている期間中に第2普通図柄変動を実行させることが可能であり、第2普通図柄変動が実行されている期間中に第1普通図柄変動を実行させることが可能に構成している。また、第1普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて普図当たり遊技が実行されている期間中に第2普通図柄変動を実行させることが可能であり、第2普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて普図当たり遊技が実行されている期間中に第1普通図柄変動を実行可能に構成している。そして、一方の普通図柄抽選(第1普通図柄抽選)の実行条件が成立し得る通過領域(スルーゲート67)を通過した遊技球の一部が、他方の普通図柄抽選(第2普通図柄抽選)の実行条件が成立し得る通過領域(第2スルーゲート67a)を通過可能に構成している。このように構成することで、単位時間当たりに実行される普通図柄変動の実行回数を遊技者により把握させ難くすることができる。
<第31制御例の第5変形例における遊技盤13の構成について>
まず、図1528を参照して、本第31制御例の第5変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図1528は、本第31制御例の第5変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13を示した正面図である。本第5変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第31制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13(図1407参照)に対して、右側領域の下流側に設けられた一般入球口630bに代えて第2スルーゲート67aを設けた点で相違している。それ以外の構成については同一であり、同一の構成に対しては同一の符号を付してその説明を省略する。図1528に示した通り、遊技盤13の右側領域(可変表示装置ユニット80の右側に形成される領域)を流下する遊技球が必ず通過する位置にスルーゲート67が設けられている。本第5変形例では、スルーゲート67を遊技球が通過したことに基づいて第1普通図柄抽選の実行権利を取得可能に構成している。そして、スルーゲート67の直下には電動役物640が設けられている。本第5変形例では、スルーゲート67を通過したことに基づいて実行される第1普通図柄抽選の結果を示すための第1普通図柄の変動時間として、時短状態中は第1普通図柄抽選の結果に関わらず0.2秒が設定され、普通図柄抽選で当たり当選する確率が高確率(299/300)に構成されている。これにより、第1普通図柄変動が実行されていない状態で右打ち遊技を行った場合には、スルーゲート67を通過した遊技球の殆どが普図当たり遊技として可動している電動役物640によって第2入球口640へと誘導される。そして、スルーゲート67を通過した遊技球のうち、第2入球口640に入球しなかった遊技球は、上述した第31制御例と同様に一般入球口630aへと誘導される流路、又は可変入賞装置65が配設されている流路の何れかを流下する。そして、現在が当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)の実行期間中、例えば、大当たり遊技中であれば、開放制御されている可変入賞装置65の特定入賞口65aへと入賞し、小当たり遊技中であれば、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aへと入賞する。一方、現在が当たり遊技の実行期間中では無い場合、或いは、当たり遊技中ではあるが可変入賞装置65、第2可変入賞装置650が開放されていないタイミングで遊技球が到達した場合には、右側領域の最下流側に向かって遊技球が流下し、第2スルーゲート67aを通過し、アウト口66に入球してパチンコ機10の外部へと排出される。
本第5変形例では、第2スルーゲート67aを遊技球が通過したことに基づいて第2普通図柄抽選の実行権利を取得可能に構成している。つまり、第2普通図柄抽選の実行権利は、第1普通図柄抽選の実行権利よりも取得し難くなるように構成している。また、図1528に示した通り、特定の遊技領域(右側領域)に向けて遊技球を発射させる遊技方法(右打ち遊技)を実行することで、第1普通図柄抽選の実行権利も、第2普通図柄抽選の実行権利も実行可能に構成している。
<第31制御例の第5変形例における電気的構成について>
次に、図1529、及び図1530を参照して、本第31制御例の第5変形例における電気的構成について説明をする。本第5変形例では、上述した第31制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成の一部を変更している点で相違している。なお、同一の要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。図1529に示した通り、本第5変形例では、第2当たり乱数テーブル202fcに代えて、第2当たり乱数テーブル202fcEを設け、普図変動パターン選択テーブル202fgEを設けている点で相違している。それ以外は上述した第4変形例と同一であるため、その説明を省略する。
本第4変形例では、スルーゲート67を遊技球が通過したことに基づいて第1普通図柄抽選が実行され、第2スルーゲート67aを遊技球が通過したことに基づいて第2普通図柄抽選が実行されるように構成している。そして、第1普通図柄抽選と第2普通図柄抽選とで、当たり確率を異ならせている。具体的には、図1530(a)に示した通り、第1普通図柄に対しては、第2当たり乱数カウンタC4のとり得る値「0~299」のうち、「0~298」の範囲が当たり判定値となるように規定されており、第2普通図柄に対しては、「0」の値のみが当たり判定値となるように規定されている。よって、第1普通図柄抽選に対して第2普通図柄抽選は外れやすい普通図柄となる。
さらに、図1530(b)に示した通り、普図変動パターン選択テーブル202fgEには、第1普通図柄の変動パターンと、第2普通図柄の変動パターンとを異ならせて規定されており、第1普通図柄の変動パターンよりも第2普通図柄の変動パターンの方が短い変動時間が選択され易くなるように構成している。つまり、第1普通図柄抽選の実行条件、第2普通図柄抽選の実行条件が潤沢に成立し得る状況においては、単一期間中に実行される第1普通図柄抽選の実行回数よりも、第2普通図柄抽選の実行回数の方が多くなるように構成している。このように構成することで、残普図変動回数が更新される回数を遊技者に予測させ難くすることができる。
<第31制御例の第6変形例について>
次に、図1531を参照して、上述した第31制御例の第6変形例について説明をする。本第31制御例の第6変形例におけるパチンコ機10は、上述した第31制御例の第5変形例におけるパチンコ機10に対して、第2スルーゲート67aの配設箇所を異ならせている点で大きく相違している。それ以外の要素についてはほぼ同一であり、同一内容の要素についてはその説明を省略する。図1528を参照して上述した通り、上述した第31制御例の第5変形例では、遊技盤13の右側領域の最下流側、即ち、右打ち遊技によって右側領域に向けて発射された遊技球のうち、第2入球口640、一般入球口630a、可変入賞装置65、第2可変入賞装置650の何れにも入球しなかった遊技球が通過可能な位置に第2スルーゲート67aを設けていた。そして、スルーゲート67を遊技球が通過したことに基づいて第1普通図柄抽選が実行され、第2スルーゲート67aを遊技球が通過したことに基づいて第2普通図柄抽選が実行されるように構成していた。さらに、第1普通図柄抽選と、第2普通図柄抽選と、が独立して実行されるように構成し、時短状態を終了させるための時短終了条件として、第1普通図柄抽選の実行回数(第1普通図柄の変動回数)と、第2普通図柄抽選の実行回数(第2普通図柄の変動回数)と、を合算した合算普図変動回数が所定回数に到達した場合に成立する普図変動時短終了条件を設定可能に構成することで、時短状態のまま実行されている小当たり遊技中に普図変動時短終了条件が成立するか否かを遊技者に把握させ難くするように構成していた。しかしながら、上述した第5変形例では、時短状態のまま実行される小当たり遊技中に遊技球が第2スルーゲート67aを通過する可能性が低く、時短状態のまま実行される小当たり遊技中に普図変動時短終了条件を成立させることで、実行中の小当たり遊技にて遊技球を特定領域650vに通過させV大当たり遊技を実行する確率を大きく上昇させることができないという問題があった。
これに対して、本第31制御例の第6変形例では、小当たり遊技中に遊技球が入球可能となる第2可変入賞装置650の内部に第2スルーゲート67aを設けている。つまり、小当たり遊技中の方が、小当たり遊技中以外よりも遊技球が通過し易い位置に第2スルーゲート67aを設けている。このように構成することで、小当たり遊技中に普図変動時短終了条件を成立させ易くすることができる。
図1531に示した通り、本第6変形例では、第1誘導路650t1の下流端から排出されて入賞検知スイッチ650sを通過した遊技球が臨む位置に振分装置650xを設け、振分装置650xによって特定方向へと振り分けられた遊技球が通過可能な位置に第2スルーゲート67aを設けている。より具体的には、振分装置650xは、内面に形成されたすり鉢状の流下領域を遊技球が渦を巻くように流下可能に構成されており、第1排出孔650x1、或いは、第2排出孔650x2の何れかへと遊技球が振り分けられるように構成されている。そして、第2排出孔650x2へと振り分けられた遊技球は、第2流路650x4を流下し、第2スルーゲート67aを通過し、V弁650bに向かって流下する。一般、第1排出孔650x1へと振り分けられた遊技球は、第1流路650x3を流下し、第2スルーゲート67aを通過すること無くV弁650bに向かって流下する。本第6変形例では、振分装置650xへと進入した遊技球の約50%が第2排出孔650x2へと振り分けられるように構成している。
このように構成することで、小当たり遊技が実行されている状況の方が、小当たり遊技が実行されていない状況よりも、普図変動時短終了条件に関する要素、即ち、第2普図変動回数を加算させ易くすることができるため、小当たり遊技中に普図変動時短終了条件を成立させ易くすることができる。さらに、小当たり遊技が実行されていない状況では第2スルーゲート67aに遊技球を通過させることができないため、時短状態中であって、小当たり遊技が実行されていない状況において、第2普通図柄抽選が頻繁に実行されてしまい、普図変動時短終了条件が早期に成立してしまうことを抑制することができる。
なお、本第6変形例では、上述した第31制御例の第5変形例に対して、第2スルーゲート67aの配設位置を異ならせているだけであり、普図変動時短終了条件の内容については変更していないため、普図変動時短終了条件を成立させるための価値は、第1普通図柄抽選が1回実行された場合と、第2普通図柄抽選が1回実行された場合とで同一価値となるが、これに限ることなく、時短状態を終了させるための価値として、第1普通図柄抽選が1回実行された場合と、第2普通図柄抽選が1回実行された場合とで異なる価値を付与可能に構成しても良い。この場合、例えば、第1普通図柄抽選が40回実行された場合、或いは、第2普通図柄抽選が1回実行された場合に普図変動時短終了条件が成立するように構成しても良い。さらに、本変形例では、時短状態中に実行された全ての普通図柄抽選に対して、普図変動時短終了条件を成立させるための要素(普図変動回数)が更新されるように構成しているがこれに限ることなく、例えば、時短状態のまま実行される小当たり遊技中に実行された普通図柄抽選の回数のみが普図変動時短終了条件を成立させるための要素を更新可能に構成しても良い。このように構成することで、普図変動時短終了条件を小当たり遊技中のみ成立し得る時短終了条件とすることができる。
また、本変形例では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄抽選の実行に関わる時短終了条件(特別図柄抽選の結果に基づいて成立する時短終了条件、特別図柄抽選の実行回数に基づいて成立する時短終了条件)以外に、1の状態を終了させる別条件として、普通図柄抽選の実行に関わる時短終了条件(普図変動時短終了条件)を設けており、何れの時短終了条件も、時短状態中に遊技者に有利となる遊技方法(右打ち遊技)を実行することで成立可能に構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、右打ち遊技よりも左打ち遊技を実行した場合の方が遊技球を入球させ易い第1入球口64へと遊技球を入球させたことに基づいて成立する時短終了条件(特定入球時短終了条件)を設けても良い。このように構成することで、時短状態のまま実行される小当たり遊技の遊技期間中に遊技方法を右打ち遊技から左打ち遊技へと切り替えることで、小当たり遊技中に特定入球時短終了条件を成立させる遊技を行うことが可能となる。このように、時短状態中における遊技方法を遊技者が選択することによって、成立させる時短終了条件の種別を異ならせることが可能に構成した場合には、遊技者が任意に時短状態を終了するタイミングを選択し易くすることができるため、遊技者の遊技意欲を高め易くすることができる。
以上、第31制御例、及び各変形例を用いて、遊技状態や遊技状況に応じて特定領域650vへの遊技球の入球のし易さを異ならせた小当たり遊技を実行するための遊技性について説明をしたが、上述した第31制御例、及び、第31制御例の各変形例に記載されている技術思想を適宜組み合わせても良い。例えば、上述した第31制御例の第4変形例に対して、上述した第3変形例の技術を組み合わせることで、普図変動時短終了条件が成立するまでの残普図変動回数を示す表示領域Dm13の表示態様を、小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球を比較的入球させ易い状況(時短状態が終了し通常状態が設定される状況、又は時短状態中に普図ロング変動が実行される状況)が創出されるまでの残期間を示すための表示態様として設定可能に構成しても良い。この場合、表示領域Dm13に表示される表示態様(数値情報)を、時短終了条件を成立させるための要素が更新される毎に更新するだけでなく、経過時間に基づいて更新されるように構成しても良い。さらに、表示領域Dm13に表示される表示態様が、小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球を比較的入球させ易い状況が到来したことを示す特定表示態様となるタイミングを、実際に小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球を比較的入球させ易い状況が到来したタイミングと異ならせても良く、例えば、小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球を比較的入球させ易い状況が到来した後の所定タイミング(例えば、2秒後)に特定表示態様を表示するように構成しても良い。このように構成することで、特定表示態様が表示されるまで意欲的に右打ち遊技を実行させることができるため、小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球を比較的入球させ易い状況が到来した後に第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させ易くすることができる。よって、小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球を比較的入球させ易い状況が到来したにも関わらず、特定領域650vへと遊技球を入球させることができない事態が発生することを抑制することができる。また、表示領域Dm13に表示される表示態様(数値情報)を、普図変動時短終了条件以外の終了条件を成立させる要素が更新された場合に変化させるように構成しても良いし、普図変動時短終了条件以外の終了条件を成立させる要素が更新された場合には変化させないように構成しても良い。また、表示領域Dm13に表示される表示態様(数値情報)を、時短終了条件を成立させるために必要としない別要素が更新されたことに基づいて変化させるように構成しても良い。このように構成することで、表示領域Dm13に表示されている表示態様(数値情報)が、何に基づいて変化しているかを遊技者に把握させ難くすることができるため、意外性のあるタイミングで、小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球を比較的入球させ易い状況が到来したことを報知することができる。
上述した第31制御例の第4変形例におけるパチンコ機10は、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄変動の回数が特定回数(10000回)に到達した場合に成立する時短終了条件(第1終了条件)と、普通図柄変動の回数が特定回数(100~10000回)に到達した場合に成立する時短終了条件(第2終了条件)と、特別図柄抽選で小当たり当選(小当たりA~I)したことに基づいて成立する時短終了条件(第3終了条件)と、を設定可能に構成し、設定された時短種別に応じて第2終了条件の内容と、第3終了条件の内容を異ならせ、設定された時点種別に関わらず第1終了条件の内容を共通にするように構成することで、設定された時短種別に応じて、成立し難い時短終了条件を固定した上で、成立し易い時短終了条件の種別を異ならせるように構成していたが、設定される時短終了条件のバリエーションを増やすことで成立し易い時短終了条件の種別をより多様化するように構成しても良い。
例えば、上述した第31制御例の第4変形例におけるパチンコ機10では、図1514に示した通り、何れの時短種別が設定された場合であっても、第1終了条件、第2終了条件、第3終了条件の全てが設定されるように構成しているが、これに限ることなく、例えば、第1終了条件のみが規定されている時短種別や、第2終了条件のみが規定されている時短種別や、第3終了条件のみが規定されている時短種別や、第1終了条件と第2終了条件のみが規定されている時短種別や、第1終了条件と第3終了条件のみが規定されている時短種別や、第2終了条件と第3終了条件のみが規定されている時短種別を設けても良い。このように構成することで、時短終了条件として1の終了条件(第1終了条件~第3終了条件)のみが規定されている時短種別が設定された場合には、遊技内容に関わらず、確実に他の終了条件よりも成立し易い特定の終了条件が決定される。また、時短終了条件として2つの終了条件(第1終了条件~第3終了条件のうち2つを組合せた終了条件)が規定されている時短種別が設定された場合には、遊技内容に関わらず、確実に他の終了条件よりも成立し難い特定の終了条件が決定される。
さらに、この場合、例えば、第1終了条件のみが規定されている時短種別として、時短カウンタ203hの値に「10000」が設定される時短種別(時短X1)と、時短カウンタ203hの値に「100」が設定される時短種別(時短X2)と、を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、複数の終了条件のうち、成立し易い終了条件が第1終了条件となる時短状態において、時短状態が終了するまでに大当たり当選する確率を異ならせることができる。
また、少なくとも、第1終了条件と第3終了条件が規定されている時短種別として、第1終了条件の方が第3終了条件よりも成立し易い時短種別(時短Y)を設定可能に構成すると良い。つまり、上述した第31制御例の第4変形例では、V大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たり種別(小当たりG、小当たりH、小当たりI)に当選したことに基づいて第3終了条件が成立するか否かを時短種別毎に異ならせることで、時短種別に応じて時短継続率(V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される割合)を変化させるように構成していることから、第3終了条件が成立し難い時短種別(例えば、時短A)が最も時短継続率が高くなるように構成している。そして、第1終了条件として「10000」の値が設定されることから、実質、第1終了条件が成立することが無いように構成している。よって、時短状態中の遊技を行っている遊技者は、小当たり当選したにも関わらず第3終了条件が成立しない状況(時短状態が継続したまま小当たり遊技が実行される状況)を把握すればするほど、時短継続率が高い時短状態であると安心して遊技を行うことになる。このように構成された上述した第31制御例の第4変形例のパチンコ機10に対して、上述した時短X2を新たに設けた場合、即ち、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される小当たり種別(小当たりA~小当たりF)に当選しても時短終了条件が成立しない時短種別を設けた場合には、小当たり当選したにも関わらず第3終了条件が成立しない状況(時短状態が継続したまま小当たり遊技が実行される状況)が頻繁に発生したとしても、遊技者に有利な(時短継続率が高い)時短状態では無い可能性を高めることができるため、時短状態中の遊技を行っている遊技者に最後まで飽きの来ない遊技を提供することができる。また、時短X2が設定された場合には、第1終了条件が「100」であるため、時短状態中に特別図柄抽選で大当たり当選すること無く第1終了条件が成立する事態が発生し得ることからより時短状態中の遊技を行っている遊技者に最後まで飽きの来ない遊技を提供することができる。さらに、上述した時短Yとして、例えば第1終了条件として「200」が、第3終了条件として「小当たりA」が規定される時短種別を設定可能に構成した場合には、第1終了条件が成立するよりも前に、小当たりAに当選することを目指す、即ち、第1終了条件が成立することで大当たり遊技が1回も実行されないまま時短状態が終了するという遊技者に最も不利となる遊技結果となるか、第3終了条件が成立することでV大当たり遊技が終了した後に時短継続率が最も高い(100%)時短状態が設定されるという遊技者に最も有利となる遊技結果となるかを楽しませる遊技を遊技者に提供することができる。
このように、複数の時短終了条件を設定可能に構成し、設定される時短種別に応じて、時短継続率を異ならせることが可能なパチンコ機10において、設定される各時短終了条件の内容を異ならせることで、時短状態中に小当たり当選する確率(第1確率)と、小当たり当選した場合に特定領域650vへと遊技球を入球させ易い小当たり遊技が実行される確率(第2確率)とを組合せて時短継続率を異ならせるように構成することで、従来に無い斬新な遊技性を提供することができる。なお、時短状態中に小当たり当選する確率と、小当たり当選した場合に特定領域650vへと遊技球を入球させ易い小当たり遊技が実行される確率とを組合せて時短継続率を異ならせる例としては、例えば、第1終了条件として「100」を設定することで、「10000」が設定される場合よりも第1終了条件を成立し易くすることで第1確率を高めたり、時短状態中に実行される特別図柄抽選で小当たり当選する確率を通常確率(1/5)で実行する第1時短状態と、通常確率よりも低確率(1/20)で実行する第2時短状態とを設定可能に構成し、第1時短状態よりも小当たり当選し難い第2時短状態を設定することで第1確率を高めるように構成し、第3終了条件として規定される小当たり種別として、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される小当たり種別(小当たりA~小当たりF)と、V大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たり種別(小当たりG~小当たりI)とがそれぞれ設定される割合を異ならせることで第2確率を異ならせたりする手法が考えられ、各パターンとを組み合わせることで、時短継続率を異ならせるように構成すると良い。このように構成することで、例えば、第2確率は高いが第1確率が低いパターンや、第2確率も第1確率も低いパターンや、第1確率は高いが第2確率が低いパターンや、第1確率も第2確率も高いパターン等を構成することができ、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
また、第1終了条件の規定内容に応じて少なくとも第1確率の一部要素が決定され、第3終了条件の規定内容に応じて少なくとも第2確率の一部要素が決定されることで、時短継続率を異ならせるように構成された遊技機においては、時短継続率が高い時短種別よりも時短継続率が低い時短種別の方が第1終了条件が成立し易くなる時短種別を設けたり、時短継続率が高い時短種別よりも時短継続率が低い時短種別の方が第3終了条件が成立し易くなる時短種別を設けたり、時短継続率が高い時短種別よりも時短継続率が低い時短種別の方が第3終了条件が成立し易くなる時短種別を設けたり、時短継続率が高い時短種別よりも時短継続率が低い時短種別の方が第1終了条件が成立し易くなる時短種別を設けたり、時短継続率が高い時短種別よりも時短継続率が低い時短種別の方が第1終了条件、第3終了条件共に成立し易くなる時短種別を設けたり、時短継続率が高い時短種別よりも時短継続率が低い時短種別の方が第1終了条件、第3終了条件共に成立し難くなる時短種別を設けたりすることで、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
また、上述した第31制御例、及び第31制御例の各変形例におけるパチンコ機10では、時短状態を終了させるための時短終了条件の内容を多様化させることで様々な遊技性を提供可能に構成していたが、時短状態が設定されるタイミングが大当たり遊技(図柄大当たり遊技、V大当たり遊技)の終了後に固定されていた。つまり、大当たり遊技の終了後に時短状態を設定するための条件(時短種別によって異なる時短設定条件)が成立し、成立した時短設定条件に対応した時短種別の時短状態が設定された後は、複数存在する時短終了条件の何れが成立して時短状態が終了した場合であっても、次に大当たり遊技が実行されるまでの期間中に、再度時短状態が設定されないように構成されていたため、長時間遊技を行っている遊技者に対して単調な遊技を提供してしまい易くなることから、更なる遊技性の向上が求められる。そこで、下記技術思想を有するパチンコ機10に対して、上述した第31制御例、及び第31制御例の各変形例におけるパチンコ機10が有する技術思想を適用しても良く、時短状態を設定するための契機(時短設定条件)として、大当たり遊技終了後に成立し得る時短設定条件以外の条件を設けたパチンコ機10に対して、上述した第31制御例、及び第31制御例の各変形例におけるパチンコ機10が有する技術思想を適用しても良い。
この場合、例えば、通常状態において実行される特別図柄抽選の結果が外れ(大当たり以外)となる遊技が大当たり遊技(V大当たり遊技)を挟むことなく予め定められた特定回数(500回)連続して実行されたことを契機に成立する時短設定条件を設けても良い。このように構成することで、1の大当たり遊技が実行されてから、次の大当たり遊技が実行されるまでの遊技期間において、時短設定条件を複数回成立させることが可能となる。よって、本構成を上述した第31制御例に用いた場合には、時短状態中に実行された第2特別図柄抽選で不利小当たり(時短終了条件が成立し、且つ、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たり種別)に当選した場合に実行され易い敗北演出(図1418(a)参照)が実行されたことを把握した遊技者に対して、時短状態が設定されてから当該敗北演出が実行されるまでに実行された特別図柄変動回数を予測した上で、小当たり遊技中に特定領域650v(図1409参照)へと遊技球を入球させない遊技を実行するといった斬新な遊技を選択させることが可能となる。
つまり、上述した第31制御例におけるパチンコ機10では、不利小当たり当選した場合に時短状態中に敗北演出が実行されるように構成しているため、その後実行される小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球を入球させたことに基づいて実行されるV大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される遊技が実行される。また、不利小当たり当選した時点(特別図柄が停止表示した時点)で時短終了条件が成立し時短状態が終了するため、小当たり遊技中に遊技球を特定領域650vへと入球させなかった場合には、V大当たり遊技が実行されることなく通常状態の遊技が再開される。そして、少なくとも特別図柄抽選の抽選結果に基づいて大当たり遊技が実行されるまでは新たに時短設定条件が成立することが無いため、通常状態へと移行した後は、再び特別図柄抽選の抽選結果に基づいて大当たり遊技が実行されることを目指す必要があった。これに対して、上述した技術思想、即ち、通常状態において実行される特別図柄抽選の結果が外れとなる遊技が予め定められた特定回数(500回)連続して実行されたことを契機に成立する時短設定条件の構成を、上述した第31制御例におけるパチンコ機10に適用した場合には、例えば、時短状態が設定されてから450回転目の特別図柄抽選で不利小当たりに当選し、敗北演出が実行された場合には、その後実行される小当たり遊技中に遊技球を特定領域650vへと入球させない遊技を選択することで、小当たり遊技終了後の通常状態にて50回の特別図柄抽選を実行するだけで時短設定条件が成立することになる。よって、不利小当たりに当選した場合において、確実にV大当たり遊技を1回実行した上で、再度通常状態での大当たり当選を目指す遊技を行うか、1回分のV大当たり遊技の実行権利獲得を放棄し(特定領域650vへと遊技球を入球させ易い小当たり遊技中に、敢えて特定領域650vへと遊技球を入球させない遊技を選択し)、短期間で新たな時短状態が設定されることを目指す遊技を行うかを遊技者に選択させるという斬新な遊技性を提供することができる。
また、上述した遊技性を有するパチンコ機10においては、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄変動回数に関する情報を遊技者に把握させることが可能な表示態様(特別図柄変動回数表示)を第3図柄表示装置81の表示面に表示させるように構成したり、敗北演出の演出態様や、敗北演出が実行された後の小当たり遊技中演出の演出態様として、遊技者が選択すべき遊技方法(遊技者にとって有利となり易い遊技方法)を示唆可能な演出態様を、時短設定条件が成立するまでの残特別図柄変動回数や、獲得済の特図2保留に含まれる入賞情報に対する事前判別結果や、今回の小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球を入球させた場合に実行されるV大当たり遊技の内容等に関する情報に基づいて決定可能に構成したりすると良い。このように構成することで、バリエーションに富んだ遊技のうち、遊技者に有利となり易い遊技を実行させるための遊技方法を遊技者に分かり易く把握させることができる。
さらに、上述した技術思想に加えて、大当たり遊技が終了してから所定期間内に成立可能となる時短設定条件(大当たり遊技終了後に成立する時短設定条件)よりも、大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄変動回数が特定回数(500回)となった後に成立可能となる時短設定条件(特図変動回数に基づいて成立する時短設定条件)の方が、遊技者に有利となる時短状態が設定され易くなるように、時短設定条件の種別に応じて設定される時短種別を異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、回分のV大当たり遊技の実行権利獲得を放棄し(特定領域650vへと遊技球を入球させ易い小当たり遊技中に、敢えて特定領域650vへと遊技球を入球させない遊技を選択し)、短期間で新たな時短状態が設定されることを目指す遊技を行うかを遊技者に選択させるという斬新な遊技性を遊技者に体感させ易くすることができるため、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。一方で、上述した技術思想に加えて、大当たり遊技が終了してから所定期間内に成立可能となる時短設定条件(大当たり遊技終了後に成立する時短設定条件)よりも、大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄変動回数が特定回数(500回)となった後に成立可能となる時短設定条件(特図変動回数に基づいて成立する時短設定条件)の方が、遊技者に有利となる時短状態が設定され難くなるように、時短設定条件の種別に応じて設定される時短種別を異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選を目指す遊技を重視したパチンコ機10を提供し易くすることができる。
また、大当たり遊技終了後に成立し得る時短設定条件以外の時短設定条件として、小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球を入球させること無く小当たり遊技が終了した場合(特定領域650vへと遊技球を入球させ易い小当たり遊技が実行されたにも関わらず、敢えて特定領域650vへと遊技球を入球させない遊技を行った場合)において、所定確率(例えば、1/5)で時短状態が設定される引き戻し抽選を実行し、引き戻し抽選に当選した場合に時短設定条件が成立するように構成しても良い。このように構成することで、小当たり遊技中に特定領域650vへと遊技球を入球させない遊技を選択した遊技者に対して、新たな時短状態を設定する機会を提供することができるため、例えば、時短状態が設定された直後に(大当たり遊技終了後2回目の特別図柄抽選で)敗北演出が実行された場合であっても、遊技者に対して、1回分のV大当たり遊技の実行権利獲得を放棄し(特定領域650vへと遊技球を入球させ易い小当たり遊技中に、敢えて特定領域650vへと遊技球を入球させない遊技を選択し)、短期間で新たな時短状態が設定されることを目指す遊技を行うかを選択させるという斬新な遊技性を提供することができる。
以上、時短状態を設定するための時短設定条件として、大当たり遊技終了後に成立する時短設定条件以外の時短設定条件を設定可能に構成する技術思想について説明をしたが、本技術思想のように、大当たり遊技間で時短設定条件を複数回設定可能とする技術思想を具現化する構成については、上述した例以外の構成を用いても良く、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選以外である場合に、時短状態を設定するための抽選を実行するように構成しても良いし、前回の大当たり遊技が終了してから実行された普通図柄抽選の実行回数が所定回数となった場合に成立する時短設定条件を設けても良いし、大当たり遊技間にて小当たり遊技が実行された回数が特定回数(例えば、5回)となった場合に成立する時短設定条件を設けても良い。
さらに、大当たり遊技終了後に成立する時短設定条件以外の時短設定条件が成立した場合に設定される時短状態の種別(時短種別)は、成立した時短設定条件の種別に対応させた固有の時短種別としても良いし、複数の時短種別の中から抽選で1の時短種別を決定可能に構成しても良い。また、大当たり遊技終了後に成立する時短設定条件が成立した場合よりも、大当たり遊技終了後に成立する時短設定条件以外の時短設定条件が成立した場合の方が遊技者に有利な時短種別が決定され易くなるように構成しても良いし、大当たり遊技終了後に成立する時短設定条件が成立した場合よりも、大当たり遊技終了後に成立する時短設定条件以外の時短設定条件が成立した場合の方が遊技者に不利な時短種別が決定され易くなるように構成しても良い。
<第32制御例>
次に、図1532から図1578を参照して、第32制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1制御例におけるパチンコ機10では、遊技者に不利な通常状態と、遊技者にとって比較的有利な時短状態と、遊技者にとって最も有利な確変状態と、の3種類の遊技状態を設ける構成とし、特別図柄の低確率状態に設定される通常状態および時短状態における大当たり確率が1/200に設定されると共に、特別図柄の高確率状態に設定される確変状態における大当たり確率が1/50に設定されるように構成していた。これに対して本第32制御例におけるパチンコ機10では、遊技状態として、通常状態、時短状態、確変状態に加え、特別図柄の高確率状態、および普通図柄の通常状態(電チューサポート無し状態、非電サポ状態)に設定される潜確状態を設ける構成とし、潜確状態に移行した場合に、遊技盤13における可変表示装置ユニット80の右側の流路に向けて遊技球を発射し続ける(右打ちをし続ける)ことで小当たりが頻繁に発生すると共に当該小当たり遊技による賞球の払い出しを頻繁に受けることができる極めて有利な遊技状態を形成可能に構成した。詳細については後述するが、普通図柄の時短状態(電チューサポート有り状態、電サポ状態)に設定される時短状態および確変状態では、右打ちし続けることで第2特別図柄の抽選自体は頻繁に実行されるが、第2特別図柄の小当たり当選を契機として開放される可変入賞装置(小当たり用アタッカー)2650へと遊技球を到達させることが極めて困難となるため、小当たり遊技中に可変入賞装置(小当たり用アタッカー)2650へと遊技球を入球させて賞球を獲得することも困難となる。これに対して、潜確状態では、第2特別図柄の抽選頻度を時短状態や確変状態と同等にしつつ、可変入賞装置(小当たり用アタッカー)にも遊技球を到達させることが可能な制御が実行されるため、第2特別図柄の抽選が実行され易い上に小当たりによる賞球も獲得し易い極めて有利な遊技状態を形成する。つまり、右打ちし続けることにより、小当たりによる賞球が断続的に払い出され続け、大当たりに当選しなくても持ち球を増加させ続けることができる有利な状態とすることができる。よって、潜確状態へと移行した場合に遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第32制御例では、パチンコ機10に設けられている操作手段に対して所定の操作を行うことにより、特別図柄の低確率状態の大当たり確率と高確率状態(確変状態)の大当たり確率との組み合わせ(設定値)を可変させることが可能に構成した。より具体的には、本第32制御例におけるパチンコ機10には、大当たり確率の組み合わせ(設定値)として、6種類の組み合わせ(設定値)が規定されており(図1757(a)参照)、例えば、ホールの店員等が営業時間外等において所定の操作(設定変更操作)を行うことにより、パチンコ機10の大当たり確率を任意に設定することができる。大当たり確率が高い設定(高設定)ほど、通常状態(特別図柄の低確率状態)においても潜確状態(特別図柄の高確率状態)においても大当たりに当選し易くなるため、通常状態が長い期間継続し難くなる(ハマりが発生し難くなる)反面、最も有利な潜確状態が比較的短期間で終了し易くなってしまう(潜確状態において大当たり当選により他の遊技状態が設定され易くなる)。一方、大当たり確率が低い設定(低設定)ほど、通常状態が長い期間継続し易くなる(ハマりが発生し易くなる)反面、最も有利な潜確状態が比較的長く継続し易くなるため、1の潜確状態において小当たり遊技によって獲得できるトータルの賞球数が多くなり易くなる。つまり、大当たり確率(確率)に応じて、遊技性(不利な状態も有利な遊技状態も比較的短い期間で終了し易くなる遊技性や、不利な遊技状態も有利な遊技状態も比較的長い期間継続し易い遊技性)を異ならせることができるので、遊技者の興趣をより向上させることができる。
加えて、本第32制御例では、通常遊技中に所定の変更条件が成立したことに基づいて、設定値を変更可能に構成した。具体的には、遊技領域への遊技球の発射球数が5000個以上となる毎に、予め定められた順番(設定シナリオに規定された順番)で設定値を変更可能に構成している。ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技機を初期化した際等において所定の操作を行うことにより、大当たり確率に対応する複数段階(例えば、「1」~「6」の6段階)の設定値の中から操作者(例えば、遊技機を設置しているホールの店員等)の任意の値を選択することが可能に構成されている仕様のものが広く一般的に知られている。かかる従来型の遊技機においては、遊技者に対してより有利な設定値(より高い設定)に設定されている遊技機で遊技を行うことを一つの目標として遊技を行わせることができるので、ホールに設置されている複数の遊技機の挙動等を比較して設定値を判別するという楽しみを遊技者に対して与えることができ、興趣向上が図られていた。しかしながら、かかる従来型の遊技機は、通常遊技中に遊技機の設定を変更することができない仕様(ホールの営業時間の終了後等の遊技者が遊技を行っていないタイミングでのみ設定を変更可能な仕様)が一般的であるため、遊技者によって一旦不利な設定値(低い設定値)であると判別されてしまうと、当該判別された遊技機で遊技を行おうというモチベーションが大きく低下してしまい、当該判別された遊技機の稼働率が低下してしまうという問題点があった。これに対して本第32制御例におけるパチンコ機10では、遊技者が遊技を行っている状況下でも成立し得る所定の変更条件(遊技領域への遊技球の発射球数が5000個以上となったこと)に基づいて、設定値を変更可能に構成したので、たとえ現在の設定値が不利な設定値(低い設定値)と判別されたとしても、所定の変更条件を成立させることで有利度合いが高い設定値に変更されるかもしれないと遊技者に思わせることができ、次の変更条件が成立するまで遊技を継続しようと思わせることができる。よって、遊技機の稼働率を向上させることができる。
この第32制御例におけるパチンコ機10が、上述した第1制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110に対して、パチンコ機10の設定(高確率状態および低確率状態における大当たり確率の組み合わせ)を変更するための各種の操作手段(設定キー110b、設定変更スイッチ110c)が設けられている点、主制御装置110のROM202及びRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222及びRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。まず、図1532を参照して、本第32制御例における遊技盤13の盤面構成について説明する。図1532は、本第32制御例における遊技盤13の正面図である。図1532に示した通り、本第32制御例における遊技盤13は、上述した第1制御例における遊技盤13(図2参照)に対して、特に、遊技盤13上に形成される遊技領域(発射された遊技球が通過可能な領域)のうち、可変表示ユニット80の右側(図1532正面視点で右側)に形成される右側領域に設けられていたスルーゲート67を削除した点、第1入球口64の下方領域に設けられていた可変入賞装置65を削除した点、および可変表示ユニット80の右側(図1532正面視点で右側)に形成される右側領域の構成を異ならせている点で相違している。また、遊技領域における上記以外の流路の形状や遊技釘の配置についても第1制御例から変更となっている。なお、同一の要素に対しては同一の符号を付し、その説明を省略する。
ここで、遊技盤13の右側領域の構成について詳細に説明をする。遊技盤13の右側領域には、球が1個通過可能な約15ミリ幅の流路として、上流側から第1流路ry1,第2流路ry2、第3流路ry3が形成されている。そして、第1流路ry1には、球が入球することにより第1特別図柄の抽選契機となる右第1入球口64zfと、第1流路ry1を流下する球が右第1入球口64zfへと入球することを規制する規制蓋64zfと、が設けられている。この規制蓋64zfは、第1流路ry1を流下する遊技球が右第1入球口64zfへと入球可能な開放状態と、その開放状態よりも入球困難となる閉鎖状態と、に可変可能な部材であり、第1流路ry1を流下した遊技球が規制蓋64zfに到達した時点において規制蓋64zfが閉鎖状態である場合は、規制蓋64zfの上面に形成された流路を転動しながら第1流路ry1の下流方向へと流下するように構成している。なお、本第32制御例では、規制蓋64zfの上面を遊技球が通過するのに要する時間が0.1秒となるように構成している。この規制蓋64zfは、パチンコ機10に電源が投入されたことに基づいて、予め定められたタイミングで開放位置(開放状態)と閉鎖位置(閉鎖状態)とに可変される常時可変部材として構成されている。具体的には、主制御装置110のメイン処理(図51参照)において4ミリ秒毎に実行される可変部材駆動処理(図示せず)において、ROM203に格納されている可動シナリオに基づいて動作制御されている。本第32制御例では、規制蓋64zfを開閉動作させるための可動シナリオとして、0.1秒間開放させ、その後1.2秒間閉鎖させる可動シナリオが規定されており、この可動シナリオに基づく動作制御が繰り返し実行されるように構成している。ここで、第32制御例の遊技盤13では、操作ハンドル51の操作に基づいて最短で0.6秒間隔で遊技球を発射可能に構成されているため、遊技者が右打ち遊技を行い続けた場合、右打ちにより発射された遊技球が0.6秒間隔で第1流路ry1に流入し、規制蓋64zfが配設されている転動面を転動しながら下流方向へと流下していく。この遊技球が第1流路ry1に流入し、規制蓋64zf上を転動(または、規制蓋64zf上に落下)するタイミングと、規制蓋64zfが開放状態となるタイミングとが合致した場合に球が開放状態の規制蓋64zf、右第1入球口64zに入球することになる。上述した通り、右打ち遊技によって発射された遊技球が規制蓋64zfに到達するタイミングは、0.6秒間隔であり、規制蓋64zfが開放状態となるタイミングは、1.3秒中の0.1秒であることから、規制蓋64zfが開放状態となる時点で遊技球が規制蓋64zfの上面に存在するタイミングは78秒中の1秒間となる。また、規制蓋64zfが開放状態となる期間が0.1秒であることから、規制蓋64zfが開放状態となってから0.1秒が経過するまでの間に規制蓋64zfへと到達する遊技球は、第1流路ry1を流下する遊技球のうち、0.1秒間の間に規制蓋64zfへと到達し得る位置を流下する遊技球となる。つまり、遊技者が継続して右打ち遊技を行った場合において、規制蓋64zfが開放状態となり、さらに、その開放状態中の規制蓋64zfを遊技球が通過可能なタイミングは、38秒間中の1秒間となる。即ち、右打ち遊技を連続して実行した場合には、1分間に約2個の球が右第1入球口64zに入球することになる。
これに対し、本第32制御例では、遊技状態が通常状態の場合において、左打ち遊技を行うと、発射された250発の球のうち、第1入球口64に約15個前後の遊技球が入球するように設計されており、第1入球口64へと遊技球が入球した場合は5個の賞球が払い出されるように構成されている。また、一般入球口63に対しては、約5個が入球するように設計されており、当該一般入球口63へと遊技球が入球した場合には5個の賞球が払い出される。よって、左打ち遊技では、250個の遊技球を発射した場合に、払い出される賞球を遊技に再利用可能である(遊技領域へと発射可能である)ことも考慮すると、約20個前後の遊技球を第1入球口64に入球させることが可能となる。これに対し、遊技状態が通常状態の場合において、右打ち遊技を行った場合は、発射された250個の球のうち、右第1入球口64zに約5個が入球するように設計されており、入球した場合は2発の賞球が払い出される。また、右側領域には一般入球口63が設けられていない。よって右打ち遊技では、250発の球を発射した場合に、払い出される賞球を遊技に再利用可能であることを考慮したとしても、約6個前後の遊技球しか右第1入球口64zへと入球しない。よって、本第32制御例におけるパチンコ機10は、設定されている遊技状態に関わらず、右打ち遊技を行っても左打ち遊技を行っても、第1特別図柄抽選の抽選契機となる始動口(第1入球口64、或いは、右第1入球口64z)へと遊技球を入球させることが可能に構成されているが、左打ち遊技のほうが右打ち遊技よりも効率良く第1特別図柄の抽選契機を成立させることができるように構成している。従って、通常状態が設定されている場合においては、左打ち遊技のほうが右打ち遊技よりも遊技者に有利な遊技方法となる。なお、本第32制御例では、右打ち遊技によって発射された球が通過する遊技領域(右側領域)に一般入球口63を設けていないが、遊技状態が通常状態において、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利とならない程度の設計思想の基、一般入球口63を配設してもよい。これにより、時短状態中や大当たり状態中の右打ち遊技において、賞球として払い出される球数を増加させることができる。
第1流路ry1のうち、規制蓋64zfよりも下流側の位置には、スルーゲート67が配設されている。このスルーゲート67は、上述した第1制御例におけるスルーゲート67と同一のものであり、遊技球がスルーゲート67を通過したことを基づいて普通図柄抽選の抽選契機が成立するように構成されている。なお、スルーゲート67を通過したことに基づいて実行される普通図柄抽選の内容や、詳細な処理の流れについては上述した第1制御例と同一であるため、その説明を省略する。次いで、スルーゲート67を通過した球が流下する箇所には、V入賞装置1650が配設されている。このV入賞装置1650は、特別図柄抽選において大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技中に可変動作される可変入球手段として構成されている。V入賞装置1650が、大当たり遊技中のみ遊技球が入賞可能となるように構成されており、大当たり遊技が実行されると開閉扉1650fが開放状態、或いは閉鎖状態へと可変動作される。開閉扉1650fは、閉鎖状態中においてその上面が第1流路ry1の下流側の流路となるように構成されており、大当たり遊技中以外においてV入賞装置1650へと到達した遊技球は、閉鎖状態中の開閉扉1650fの上面を転動し、第1流路ry1の最下流右端部と連通する第2流路ry2に向けて流下するように構成している。ここで、V入賞装置1650が可変動作される大当たり遊技が実行されると、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技として開閉扉1650fが最大で30秒間開放状態となる大当たり遊技が実行される。上述した通り、本第32制御例のパチンコ機10は、右打ち遊技によって右側領域を流下する遊技球は、その全てが第1流路ry1に流入するように構成されており、1分間に2発程度が入球する右第1入球口64zへと入球しなかった遊技球の全てがV入賞装置1650へと到達するように構成している。よって、V入賞装置1650が可変動作される大当たり遊技が実行された場合には、遊技者は右打ち遊技を実行するだけで無駄無くV入賞装置1650へと遊技球を入球させることができる。このV入賞装置1650の内部(V入賞装置1650に入賞した遊技球が通過可能な位置)には、特定領域(確変スイッチ1650e3)が設けられており、当該特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、第1制御例と同様に、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるように構成されている。
V入賞装置1650を通過した遊技球は、第1流路ry1と連通する第2流路ry2を流下し、第2入球口640へと到達する。この第2入球口640は、第2球流路ry2の転動面の一部を切り欠くように形成された開口部を有しており、球が1個入球する毎に、賞球として1個の球が払い出されるように構成している。また、上述した各実施形態と同様に、第2入球口640への球の入球が第2特別図柄の抽選(変動)のトリガとなるように構成している。この第2入球口640の開口部は、電動役物640aにより覆われており、その電動役物640aを球が入球可能な開放状態と、その開放状態よりも入球が困難(不可能)となる閉鎖状態とに可変制御することにより、球の入球のし易さを異ならせることができるように構成している。第2入球口640の開口部を電動役物640aが覆っている状態(閉鎖状態)では、第2球流路ry2を流下した球は、電動役物640a上を通過し、第2流路ry2の下流側へと流下するように構成している。つまり、第2流路ry2のうち、第2入球口640よりも下流側へと流下する球は、第2入球口640に入球しなかった(出来なかった)球ということになる。なお、第2入球口640に付随する電動役物640aは、上述した第1制御例と同様に普通図柄抽選にて当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技において開放状態へと可変されるように構成しており、その処理内容は上述した第1制御例と同一であるため、本第32制御例ではその詳細な内容についての説明を省略する。
第2流路ry2のうち、第2入球口640よりも下流側を流下する球は、第2流路ry2と連通する第3流路ry3に流入し、可変入賞装置(小当たり用アタッカー)2650に到達する。この可変入賞装置(小当たり用アタッカー)2650は、特定入賞口2650aと、その特定入賞口2650aの開口部を覆うための開閉扉2650fとから構成されている。特定入賞口2650aは、第3流路ry3の転動面の一部を切り欠くように形成された開口部を有しており、球が1個入球する毎に、賞球として15個の球が払い出されるように構成している。この可変入賞装置(小当たり用アタッカー)2650は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技の一部、或いは、特別図柄(第2特別図柄)の抽選において小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技中に開放動作するものであり、開閉扉2650fを予め定められた開放シナリオで開放させることにより、球が入球可能な開放状態と、その開放状態よりも入球困難(不可能)な閉鎖状態とに可変制御される。開閉扉2650fが特定入賞口2650aを閉鎖している閉鎖状態では、第3流路ry3を流下した球は開閉扉2650fの上面を通過し、アウト口66に向けて流下するように構成している。この開閉扉2650fの上面(球通路面)は、球の流下を遅延させるための遅延手段が設けられており、球が開閉扉2650f上を通過するために1秒を要するように構成している。この遅延手段を設けることにより、より小さなスペースで必要な球通過時間を確保することができる。詳細な説明は省略するが本第32制御例では遅延手段として、摩擦抵抗の高い(他の転動面よりも摩擦抵抗の高い)転動面となるように、開閉扉2650fの上面に球が乗り越え可能な凹凸部を形成している。なお、遅延手段としては、球通路面の構造を工夫することで球遅延通路(例えば、球経路がつづら折り状になる通路)を形成したり、球通路面の材質を工夫することで球遅延通路を形成したり、球が所定区間を通過するための通過時間を遅らせたりするものであれば何でも良い。さらに、左打ち遊技(可変表示装置ユニット80の左側の領域(左側領域)を狙う遊技)によって発射された球が上述した各流路(ry1~ry3)に設けられた各入賞口(入球口)に入球してしまうことを規制するための規制部材(規制手段)として、遊技盤13の下方(第1入球口64の下方、および右方)に釘を植設している。このように構成することで、右打ち遊技と左打ち遊技とで異なる遊技を遊技者に提供することができるため、遊技者に対して飽きの来ない(飽き難い)遊技を提供することができる。
次に、本第32制御例において右打ち遊技をした場合における球流れ内容と、設定されている遊技状態との関係について図1533を参照して説明をする。図1533(a)は、遊技状態として普通図柄の時短状態(電サポ状態)が設定されている状態における球流れを模式的に示した模式図であり、図1533(b)は、遊技状態として普通図柄の通常状態(非電サポ状態)が設定されている状態における球流れを模式的に示した模式図である。ここで、本第32制御例のパチンコ機10では、遊技状態として、普通図柄の通常状態(非電サポ状態)である通常状態と潜確状態、普通図柄の時短状態(電サポ状態)である時短状態と確変状態の4つの遊技状態を設定可能に構成している。そして、普通図柄の状態に関わらず高確率で普通図柄抽選で当たりに当選するように構成している。一方で、普通図柄の状態に応じて普通図柄抽選の変動時間と普図当たり遊技における電動役物640aの開放パターンを異ならせるように構成している。さらに、設定される遊技状態に応じて第2特別図柄抽選の変動時間を異ならせるように構成している。このように遊技状態に応じて普通図柄変動時間、普図当たり内容、特別図柄変動時間を異ならせることにより、右打ち遊技の遊技結果を設定されている遊技状態に応じて異ならせるように構成している。簡単に説明をすると、遊技状態として通常状態が設定されている場合には、右打ちを行うことで第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能である。また、普通図柄の時短状態に比較すると電動役物640aが閉鎖状態となる期間が長くなるため、当該閉鎖期間の間に第2入球口640を遊技球が通過して第3流路ry3へと流入可能となる。つまり、小当たり遊技が実行された場合に可変入賞装置2650へと遊技球を入球させることが比較的容易となる。しかしながら、通常状態では、第2特別図柄抽選の変動時間として長時間の変動時間(例えば10分)が設定され易くなるため、右打ち遊技を実行したとしても小当たり確率が高い第2特別図柄抽選を効率良く実行することができない。
また、遊技状態として時短状態および確変状態が設定されている場合には、通常状態よりも電動役物640aが開放状態に設定される期間の割合が高くなるため、第2入球口640へと遊技球をより容易に入球させることが可能であり、さらに、第2特別図柄抽選の変動時間として短時間の変動時間(例えば3秒)が設定され易くなるため、右打ち遊技を実行した場合に、効率良く第2特別図柄抽選を実行することができる。しかし、普図当たり遊技によって頻繁に電動役物640aが開放状態となるように構成しているため、右側領域を流下する遊技球が第3流路ry3へと流入し難くなり、第2特別図柄抽選の抽選結果が小当たりとなる小当たり遊技が実行された場合であっても、可変入賞装置2650の特定入賞口2650aに遊技球が入球し難い状態となる。なお、時短状態は、上述した通常状態よりも第2特別図柄抽選を効率良く実行させることができる分、遊技者に有利な遊技状態となる。また、確変状態は、時短状態に加えて特別図柄の高確率状態が設定される(時短状態は特別図柄の低確率状態に設定される)ため、確変状態が設定されている場合のほうが、時短状態が設定されている場合よりも、第2特別図柄抽選で大当たり当選する確率が高くなる分、遊技者に有利な遊技状態となる。更に、遊技状態として潜確状態が設定されている場合には、第2特別図柄抽選の変動時間は、上述した時短状態および確変状態と同様の変動時間(例えば、3秒)が設定され易く、且つ、電動役物640aが開放状態となる頻度が上述した時短状態および確変状態よりも低くなるように構成している。よって、時短状態や確変状態が設定されている場合よりも、右側領域を流下する遊技球が第3流路ry3へと流入し易くなり、小当たり遊技中に可変入賞装置2650の特定入賞口2650aへと遊技球を入球させ易くすることができる状態となる。上述した通り、本第32制御例におけるパチンコ機10では、右打ち遊技を実行する際の遊技状態として、潜確状態が設定されている場合が、第2特別図柄抽選を効率良く実行させ易く、且つ、小当たり遊技中に賞球を獲得し易い最も有利な遊技状態となり、次に有利な遊技状態が、小当たり遊技中に賞球を獲得し難いが、第2特別図柄を効率良く実行させ易い確変状態となり、次に有利な遊技状態が、確変状態と同一の頻度で第2特別図柄抽選を実行可能であり、且つ、確変状態よりも第2特別図柄抽選の大当たり確率が低い時短状態となる。そして、時短状態と同一の大当たり確率(低確率)で特別図柄抽選が実行され、且つ、第2特別図柄抽選が実行され難い通常状態が最も遊技者に不利な遊技状態となる。
図1533(a)に示した通り、第32制御例の遊技盤13には、スルーゲート67から第2入球口640までの球通過時間(スルーゲート67を通過した球が第2入球口640に到達するまでに要する時間)が0.5秒となるように構成している。また、第2入球口640を覆う電動役物640a上の球通過時間(電動役物640aの上流端から下流端まで球が通過(流下)するのみ要する時間)が1秒となるように構成している。詳細な説明は後述するが、本第32制御例では、遊技状態として普通図柄の時短状態が設定されている場合(時短状態、確変状態のいずれかである場合)には、普通図柄の変動時間が0.1秒~0.4秒、即ち、スルーゲート67から第2入球口640までの球通過時間よりも短い時間が設定されるように構成している。さらに、普通図柄の抽選にて当たりに当選した場合には、0.2秒の開放動作を0.8秒の閉鎖期間を挟んで2回実行するように構成している。つまり、球が電動役物640a上を通過する時間(1秒)よりも短い閉鎖期間が設定される開放動作を実行するように構成している。よって、図1533(a)に示した通り、遊技状態として時短状態または確変状態が設定されている場合に右打ち遊技を行うと、殆どの遊技球が第2入球口640へ入球することになる。更に、第32制御例では、スルーゲート67から第2入球口640までの球通過時間(0.5秒)の半分未満の時間で普通図柄の変動時間が設定されるため、普通図柄の抽選の結果が外れとなる抽選が1回行われたとしても、次の抽選において当たりに当選することにより、外れの抽選の起因となった球を第2入球口640へ入球させることができる。一方、普通図柄の通常状態が設定されている場合(通常状態、潜確状態のいずれかが設定されている場合)には、普通図柄の変動時間が3~5秒、即ち、スルーゲート67から第2入球口640までの球通過時間(0.5秒)よりも長い時間が設定されるように構成している。さらに、普通図柄の抽選にて普図当たりに当選した場合には、0.04秒の開放動作を1回実行するように構成している。よって、図1533(b)に示した通り、遊技状態として通常状態または潜確状態が設定されている場合に右打ち遊技を行うと、右打ちされた遊技球が第2入球口640へと入球する場合も、第2入球口640へと入球せずに第3流路ry3へと流入する場合もある。このため、普通図柄の通常状態において右打ちをし続けると、普通図柄の時短状態において右打ちをし続けた場合よりも、小当たり遊技中に遊技球を可変入賞装置(小当たり用アタッカー)2650の特定入賞口2650aへと入賞させ易くすることができる。なお、本第32制御例では電動役物640a上を球が通過する時間が1秒となるように構成しており、且つ、球が0.6秒に1発発射されるように構成していることから、継続して右打ち遊技を行うことで、常に、1個の球が電動役物640a上に滞在するように構成している。このように構成することで、普通図柄の抽選で普図当たりに当選した場合において、電動役物640aの開放期間が短い普図当たり遊技(開放期間が0.04秒の普図当たり遊技)を実行した場合であっても、1回の普図当たり遊技中に第2入球口640へと球を確実に入球させることができる。よって、右打ち遊技を実行する遊技状態(確変状態、時短状態、潜確状態)において、第2特別図柄の抽選が実行されない事態が発生することを抑制することができる。
このように、本第32制御例では、遊技状態として4つの遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態、潜確状態)を設定可能に構成し、そのうち3つの遊技状態(時短状態、確変状態、潜確状態)を、第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態としている。そして、第2特別図柄の抽選が実行され易い3つの遊技状態のうち、特定の遊技状態(潜確状態)のみ、他の遊技状態(時短状態、確変状態)よりも小当たり遊技中に付与される特典量が大きくなる(賞球を獲得し易くなる)構成としている。これにより、第2特別図柄の抽選が実行され易く、且つ、小当たり遊技中に特典が付与され易い第1遊技状態(潜確状態)と、その第1遊技状態よりも小当たり遊技中に付与される特典量を少なくし、且つ、第1遊技状態よりも第2特別図柄の抽選が実行され易い第2遊技状態(時短状態、確変状態)を設定することができる。よって、遊技者に対して異なる有利状況を付与可能な遊技状態を設定することで、多彩な遊技を提供することができ遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
次に、図1534を参照して、本第32制御例においてパチンコ機10の設定変更を行うための各種の操作手段の詳細について説明する。図1534は、本第32制御例におけるパチンコ機10の背面図である。図1534に示した通り、本第32制御例におけるパチンコ機10では、主制御装置110に対して、設定シナリオに対応する表示態様を表示させることが可能な設定値表示装置110aと、設定シナリオ変更動作(および設定確認動作)を受け付ける状態と、受け付けない状態(通常遊技状態)とを切り替えることが可能な設定キー110bと、設定シナリオ変更動作を受け付ける状態(設定変更状態)において操作者(例えば、パチンコ機10を設置しているホールの店員)の操作に応じてパチンコ機10の設定値を変更することが可能な設定スイッチ110cと、で少なくとも構成されている設定変更機構が設けられている。この設定変更機構を用いた設定変更の方法、および設定確認の方法について、図1535を参照して詳細に説明する。まず、図1535(a)~(d)を参照して、設定変更機構を用いたパチンコ機10の設定シナリオ変更手順について説明する。なお、設定シナリオとは、設定値(特別図柄の低確率状態および高確率状態における大当たり確率の組み合わせ)を変更する順番を示しており、詳細については図1763を参照して後述するが、例えば、「設定1」→「設定2」→「設定6」→「設定2」→「設定1」→「設定1」の順番で設定値が切り替わるシナリオ(シナリオ11)等が設けられている。ここで、上述した通り、本第32制御例では、通常遊技中に所定の変更条件が成立する毎に、設定されている設定シナリオに対応する順番で設定値を変更する(切り替える)ことが可能に構成している。設定変更機構では、この設定シナリオ(設定値を切り替える順番)を変更することができる。
図1535(a)~(d)に示した通り、パチンコ機10の設定シナリオを変更するためには、まず、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bを時計回りに回動することによりON位置へと回動させる(図1535(a)参照)。つまり、設定シナリオの変更を行うためには、まず、パチンコ機10の電源を遮断しておく必要がある。次に、設定キー110bをON側に回動させた状態でRAMクリアスイッチ122をオンにしてパチンコ機10の電源を投入する(図1535(b)参照)。これにより、電源投入後のパチンコ機10の状態が設定シナリオ変更状態に設定される。設定シナリオ変更状態になると、4桁の7セグメントディスプレイで構成された設定値表示装置110aの各桁に対して、「-」が表示される。この表示内容により、設定シナリオ変更状態に正常に遷移したということを操作者(例えば、ホールの店員等)に対して容易に理解させることができる。設定シナリオ変更状態に移行すると、設定スイッチ110cを押下する毎に、設定シナリオが1ずつ切り替わる(図1535(c)参照)。なお、本第32制御例では、設定1~6の6種類の設定値が設けられており、数値が大きくなる程大当たり確率が高くなるように構成されている。即ち、設定1の大当たり確率が最も低く(例えば、低確率状態で1/320、高確率(確変)状態で1/102)、設定6の大当たり確率が最も高くなる(例えば、低確率状態で1/220、高確率状態で1/70)ように構成されている。そして、本第32制御例では、これらの6種類の設定値を切り替える順番に対応する設定シナリオとして、シナリオ1~12の12種類のシナリオが設けられている。設定シナリオ変更状態では、設定スイッチ110cを押下する毎に、設定値表示装置110aに表示される数字が1→2→・・・→12といった具合に変更されていく。また、設定値表示装置110aに「12」が表示されている状態で設定スイッチ110cが押下された場合は、設定値表示装置110aに表示される数字が「1」に戻るように構成されている。これらの数字は、設定シナリオの種別に対応しており、シナリオ1~12のそれぞれの末尾の数字と同一の数字が設定値表示装置110aに表示されるように構成されている。なお、図1535(c)は、設定シナリオが「シナリオ5」に設定されている状態における表示態様を示した図である。図1535(c)に示した通り、設定スイッチ110cに対する押下操作によって設定シナリオが「シナリオ5」に切り替えられると、設定値表示装置110aにおける下1桁に対して、「シナリオ5」を示す「5」という数字が表示される。操作者が所望の設定シナリオへの切り替え動作を完了した後は、設定キー110bを反時計回りに回動させて設定キー110bをOFF位置に配置させることにより、設定変更状態が終了されて通常遊技が可能な状態に移行される(図1535(d)参照)。なお、設定キー110bは、鍵型のキー部と、キー部に合致する鍵穴形状の鍵穴部と、で構成されており、キー部を取り外すことができる。これにより、操作者(例えば、ホールの店員)が設定シナリオ変更動作を行う際にのみキー部を鍵穴部に挿入し、設定シナリオ変更動作を終了した際にはキー部を取り外して保管しておくことができる。これにより、不正遊技者等が営業中にパチンコ機10の設定シナリオを不正に変更することを抑制することができるので、ホールに対して不測の不利益を被らせてしまうことを防止することができる。なお、設定シナリオを設定することで、設定シナリオに規定されている最初の(第1期間の)設定値が設定された状態となる。この意味で、設定シナリオを設定するということは、所定要素(設定値)の状態を複数段階のうち1の段階に設定しているとも言える。
次に、図1535(e)~(g)を参照して、設定シナリオの確認を行うための手順(設定シナリオ確認動作)について説明する。設定シナリオの確認を行うためには、まず、設定シナリオ変更動作と同様に、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bをON位置に回動させる(図1535(e)参照)。そして、RAMクリアスイッチ122をオンにせずに(即ち、オフの状態のままで)パチンコ機10の電源を投入することにより、設定シナリオ確認状態に設定される(図1535(f)参照)。設定シナリオ確認状態に移行すると、設定値表示装置110aに対して現在設定されている設定シナリオが表示される。図1535(f)の例では、設定シナリオとして「シナリオ5」が設定されている状態を示しており、設定値表示装置110aに対して「シナリオ5」に対応する数字の「5」が表示されている状態を示している。操作者による設定シナリオの確認が終了すると、設定キー110bをON側に回動することで設定シナリオ確認状態が終了されて通常遊技が可能な状態に移行される(図1535(g)参照)。なお、本第32制御例では、設定キー110bと設定スイッチ110cとを別々に設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、設定スイッチ110cを削除して、設定キー110bの回動量に応じて設定を変更することができるように構成してもよい。より具体的には、設定キー110bを60度回動させる毎に、設定シナリオが1→2→・・・→12の順に切り替わるように構成してもよい。そして、設定シナリオ変更動作の終了時には、設定キー110bのキー部を鍵穴部から引き抜くことで通常遊技が可能な状態に戻すように構成してもよい。このように構成することで、設定シナリオ変更機構の構成を簡素化することができるので、部品点数の削減を図ることができる。よって、パチンコ機10の原価率を低減させることができる。また、本第32制御例では、設定シナリオ変更状態および設定シナリオ確認状態において、設定されている設定シナリオに対応する数字のみを設定値表示装置110aに対して表示させる構成としていたが、これに限られるものではない。設定シナリオに対応する数字に代えて、または加えて、選択されている設定シナリオにおいて設定値が切り替わる順番を示す情報を表示させる構成としてもよい。より具体的には、例えば、設定値表示装置110aを構成する4つの7セグメント表示部のうち、右端の表示部に対して設定シナリオを示す数字を表示させ、残りの3つの表示部に対して、選択されている設定シナリオに対応する設定の切替順を示す表示態様を表示させても良い。より具体的には、例えば、「設定1」→「設定2」→「設定6」→「設定2」→「設定1」→「設定1」の順番で設定値が切り替わるシナリオ11が選択されている場合に、3つの表示部に対して、「1 2 6 2 1 1」という表示情報が左方向に向けて流れているかのような見た目の表示を設定してもよい。より具体的には、まず、3つの表示部を用いて「1 2」という情報を表示させてから、所定期間後(例えば、2秒後)に「 2 」という情報に表示を更新し、更に所定期間後に「2 6」という情報に更新し、以降も同様に、「 6 」、「6 2」、「 2 」、「2 1」、「 1 」、「1 1」、「 1 」、「1 」、「 」という順で設定値表示装置110aの表示を更新することにより、操作者に対して「1 2 6 2 1 1」という数字が左方向に流れているかのような表示態様を実現することができる。つまり、「設定1」→「設定2」→「設定6」→「設定2」→「設定1」→「設定1」の順で切り替わる設定シナリオが選択されているということを操作者に対して容易に理解させることができるので、シナリオと設定値の順番との対応関係を把握していなくても設定シナリオを選択することが容易となる。よって、操作者の利便性をより向上させることができる。また、例えば、設定シナリオを示す数字に代えて、または加えて、選択されている設定シナリオにおいて最初に設定される設定値を表示させる構成としてもよい。このように構成した場合でも、操作者の利便性をある程度向上させることができる。
次に、図1536を参照して、本第32制御例において、パチンコ機10が初期化された(RAMクリアスイッチ122を押下しながら電源が投入された)後で直接、若しくは設定シナリオ変更動作を経て通常遊技が可能な状態に移行した場合における演出態様の推移について説明する。ここで、本第32制御例では、遊技者にとって不利な通常状態において、現在設定されている設定値を遊技者に示唆可能な演出を実行可能に構成している。より具体的には、本第32制御例では、特定の変動パターンが選択される毎に、パチンコ機10の現在の設定値を第3図柄表示装置81において表示される第3図柄によって示唆する設定示唆演出を実行可能に構成している。この設定示唆演出は、パチンコ機10が初期化された後における通常状態の方が、大当たりに1回以上当選した後で設定された通常状態よりも実行頻度が高くなり易くなるように構成している。この設定示唆演出では、左図柄列、および右図柄列が同一の数字を付した第3図柄で停止表示され、最終的に外れとなる演出(所謂、リーチ外れ演出)が実行されると共に、リーチ発生時に停止された左右の第3図柄の数字によって設定値を遊技者に示唆するように構成している。より具体的には、1図柄のリーチ(左右に数字の「1」を付した第3図柄が停止表示されるリーチ演出)は、設定値として「1」が設定されている場合に選択される可能性が高く、2図柄のリーチは、設定値として「2」が設定されている場合に選択される可能性が高く、3図柄のリーチは、設定値として「3」が設定されている場合に選択される可能性が高く、4図柄のリーチは、設定値として「4」~「6」が設定されている場合に選択される可能性が高く、5図柄のリーチは、設定値として「5」又は「6」が設定されている場合に選択される可能性が高く、6図柄のリーチは、設定値として「6」が設定されている場合に選択される可能性が高くなるように構成されている。また、「9」図柄のリーチは、設定値として「6」が設定されている場合にのみ選択され得るように構成されている。一方、8図柄のリーチは、設定が低い程選択される可能性が高くなるように構成されている。
図1536は、本第32制御例における初期化後の演出態様の推移を示した図である。図1536に示した通り、本第32制御例では、パチンコ機10の初期化後において、49回の特別図柄の抽選に基づく変動表示に渡って、通常の演出態様が実行され、50回目の変動表示において、設定示唆演出が実行される。そして、51回目から99回目の変動表示では、通常の演出態様が実行され、100回目の変動表示では設定示唆演出が実行される。以降も、最初に大当たりに当選するまでの間、変動表示の回数が50の倍数になる毎に、設定示唆演出が実行される。なお、本第32制御例では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力される変動パターンコマンドにより通知される変動パターンの種別によって、設定示唆演出を設定すべき変動パターンであるか否かを音声ランプ制御装置113側において判断するように構成している。詳細については図1760(a)、および図1762を参照して後述するが、本第32制御例では、RAMクリア122を伴う電源投入が実行された場合に、電源投入後の変動回数が50の倍数となる毎に、通常は選択されない特殊な変動種別(外れ特殊リーチ変動)が選択されるように変動パターンのシナリオが設定されている。音声ランプ制御装置113側においては、変動パターンコマンドとして外れ特殊リーチ変動が通知された場合にのみ、設定示唆演出の演出態様を決定して当該決定した演出態様の変動パターン演出を実行するように構成している。このように構成することで、音声ランプ制御装置113において、設定シナリオの変更が行われたのか否かや、電源投入後の変動回数等を把握しておく必要が無いため、音声ランプ制御装置113側における処理負荷を軽減することができる。なお、図示については省略したが、1回以上大当たりに当選した後で設定された通常状態においては、変動回数が100の倍数になる毎に外れ特殊リーチ変動が選択されて設定示唆演出が実行されるように構成されている。設定シナリオ変更後(または単純にパチンコ機10が初期化された後)、最初に大当たりに当選するまでの間、通常よりも短い間隔で(変動表示が50回実行される毎に)設定示唆演出を実行する構成とすることにより、遊技者に対して、ホールの開店から1回も大当たりに当選していないパチンコ機10で遊技を開始して、設定示唆演出が実行されるか否かを確認しようと思わせることができ、設定示唆演出の有無やその内容により、遊技を継続するモチベーションを遊技者に与えることができる。より具体的には、例えば、前日の結果が悪い(実際の遊技回数(特別図柄の抽選回数)と、大当たり回数と、から算出される大当たり確率が低い結果に終わっている)パチンコ機10において、設定示唆演出が確認できた場合には、有利な設定シナリオに変更された期待が持てると遊技者に予測させることができるので、当該設定示唆演出が確認されたパチンコ機10における遊技を継続しようと思わせることができる。また、例えば、前日の結果が良い(実際の遊技回数と、大当たり回数と、から算出される大当たり確率が高い結果に終わっている)パチンコ機10において変動回数が50回に到達したにもかかわらず設定示唆演出が確認できなかった場合は、前日の設定のまま変更されていないと遊技者に確信させることができるので、前日と同様に良い結果となることを期待して遊技を継続させることができる。更に、設定示唆演出において、高設定が期待できる演出が実行された場合には、高設定であることをより強く期待して遊技を続行させることができる。加えて、設定示唆演出が実行されるよりも前に(特別図柄の抽選が50回実行されるよりも前に)大当たりとなった場合でも、50回以内に当選するという事象は高設定ほど起こり易いと遊技者に考えさせることができるため、やはり、遊技を続行しようと思わせることができる。このように、本第32制御例では、設定シナリオの変更後(または単純にパチンコ機10が初期化された後)、最初に大当たりに当選するまでの間、通常よりも短い間隔で(50回の特別図柄の抽選が実行される毎に)パチンコ機10の有利度合いに関する特定要素の状態(設定されている設定値)を示唆可能な演出を実行することで、遊技者の遊技に対するモチベーションを高めることが可能に構成している。これにより、特に、大当たりに当選していない状態におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。なお、設定示唆演出が実行されている間は、設定値を推測し得る状態であるため、設定示唆演出が実行されていない状態よりも喜ばしい(有利度合いが高い)状態であるため、設定示唆演出を実行することにより、設定示唆演出が実行されておらず、設定推測が極めて困難な状況(第1の有利度合い)に設定された通常状態(特定の遊技状態)の有利度合いを設定示唆演出が実行されて設定推測が可能となる状況(第1の有利度合いとは異なる第2の有利度合い)に設定することができる。
<第32制御例における演出態様>
次に、本第32制御例における特徴的な演出について説明する。まず、本第32制御例における潜確状態(RUSH状態)中の演出態様について説明する。図1537(a)は、本第32制御例において最も有利な遊技状態である潜確状態中に第2特別図柄の抽選が実行されて変動表示演出が実行された場合の第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図1537(a)に示した通り、本第32制御例における潜確状態で第2特別図柄の抽選が実行されると、主表示領域Dmの中央付近に閉鎖された宝箱を模した宝箱画像852が表示される。また、主表示領域Dmの左上には、「右打ち」という文字が表示された横長略長方形形状の小領域Dm2が形成され、主表示領域Dmの右上には、通常状態へと移行することなく払い出された賞球数のトータル個数を示す文字が表示される横長略長方形形状の小領域Dm10が形成される。図1537(a)では、大当たりおよび潜確状態中の小当たりによって賞球がトータルで720個払い出された状況を例示しており、小領域Dm10に対して720個に対応する「720pt」という文字が表示されている。また、副表示領域Dsの中央に形成される横長略長方形形状の中央領域Ds2には、「~RUSH中~」という文字が表示される。これらの表示態様により、有利度合いが最も高いRUSH状態(潜確状態)であり、右打ちにより遊技を進行すれば良いということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、図1537(a)に示した通り、副表示領域Dsにおける左端には、第1特別図柄の保留球数を数字によって示すための特図1保留球数表示領域Ds1aと、第2特別図柄の保留球数を数字によって示すための特図2保留球数表示領域Ds1bと、が上下に形成される。また、副表示領域Dsにおける右端には、第1特別図柄に対応する演出用図柄の変動表示を実行するための特図1変動表示領域Ds3aと、第2特別図柄に対応する演出用図柄の変動表示を実行するための特図2変動表示領域Ds3bと、が形成される。次に、図1537(b)を参照して、潜確状態(RUSH状態)中に第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合の表示態様の一例について説明する。図1537(b)に示した通り、潜確状態において小当たりに当選すると、主表示領域Dmの中央に表示されていた宝箱画像852の蓋が開いて中から「+15」という文字が表示されたアイコン852aが出現する演出が実行される。これにより、遊技球を入球させる毎に15個の賞球が付与される可変入賞装置(小当たり用アタッカー)2650が開放されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図1538(a)を参照して、本第32制御例における潜確状態(RUSH状態)において、チャンスゾーンに突入する条件を満たした場合の演出態様について説明する。ここで、本第32制御例では、第2特別図柄よりも第1特別図柄の方が、大当たりとなった場合における有利度合いが高くなるように構成している。より具体的には、第1特別図柄の抽選で大当たりになると、100%の割合で確変大当たりとなる(特定領域へと遊技球を入球させることが可能となる大当たり種別となる)一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、65%の割合でしか確変大当たりにならないように構成している。つまり、第2特別図柄の抽選で大当たりになるよりも、第1特別図柄の抽選で大当たりになった方が、有利な確変状態または最も有利な潜確状態に設定される可能性が高くなるように構成している。しかしながら、通常状態以外の遊技状態においては、基本的に、右打ち遊技によって第2特別図柄の抽選ばかりが実行される構成となっている。係る仕様において、本第32制御例では、潜確状態において所定条件を満たした場合にのみ、所定期間の間、右打ち遊技を行っているにもかかわらず有利な第1特別図柄の抽選ばかりが実行される状態を形成可能に構成している。より具体的には、本第32制御例では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並列して(同時に)実行可能に構成した上で(所謂同時変動仕様)、通常状態以外の遊技状態においては、基本的に、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示の方が短い変動時間が設定されるように構成している。また、両方の特別図柄が変動中の状態において、一方の特別図柄が大当たり図柄または外れ図柄で先に停止表示された場合に、他方の特別図柄の変動表示を抽選結果によらずに外れ図柄で強制停止させる制御を採用している。このため、通常状態以外の遊技状態においては、基本的に、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも先に終了する上に、第2特別図柄の変動表示においては高確率で小当たり図柄が停止表示されるため、第1特別図柄の抽選が実行されたとしても、ほぼ、外れ図柄で強制停止されることとなる。つまり、第1特別図柄の変動表示で大当たり図柄が停止表示される可能性がほぼ無いように構成されている。しかしながら、本第32制御例では、潜確状態において第2特別図柄の抽選で大当たり抽選結果とは異なる所定の抽選結果(完全外れ)となった場合にのみ、第2特別図柄の変動時間を極めて長い時間(10分間)に設定する構成としている。この10分間の間は、第1特別図柄の変動時間の方が相対的に短くなるため、第1特別図柄の抽選を連続的に実行させることができ、大当たりに当選することで確変状態または潜確状態に移行することが確定する有利な状態(チャンスゾーン)を形成する。図1538(a)は、このチャンスゾーンへの突入条件が成立した(第2特別図柄の抽選で完全外れになった)場合における演出態様の一例を示した図である。
図1538(a)に示した通り、潜確状態において第2特別図柄の抽選で完全外れとなり、チャンスゾーンへの以降が確定した場合、宝箱画像852の蓋が開いて中から「CZ」という文字が表示されたアイコン852aが出現する演出が実行される。また、副表示領域Dsの中央に形成される横長略長方形形状の中央領域Ds2には、「チャンスゾーンGET!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対してチャンスゾーンに突入したということを容易に理解させることができる。チャンスゾーンへの移行が報知された後は、図1538(b)に示した通り、主表示領域Dmに対して、潜確状態においてチャンスゾーンに移行するよりも前に表示されていた宝箱画像852よりも豪華な見た目(装飾が施された見た目)のチャンス宝箱画像853が表示されると共に、当該チャンス宝箱画像853の上方に対して、「時間内に宝箱を開けろ!」という文字が示された横長略長方形形状の表示領域HRが形成される。また、小領域Dm10の直下に、チャンスゾーンが終了するまでの残り時間を示す表示態様が表示される横長略長方形形状の小領域Dm11が形成される。図1538の例では、第2特別図柄の外れ変動の残変動時間が8分42秒残っている状況を図示しており、小領域Dm11に対して、第2特別図柄の残変動時間に一致する「残り08:42」という文字が表示される。更に、中央領域Ds2には、「~チャンスゾーン中~」という文字が表示される。これらの表示内容によって、小領域Dm11に表示される残り時間が0になるよりも前にチャンス宝箱画像853の蓋が開けば遊技者にとって有利になるということを遊技者に対して直感的に理解させることができる。なお、チャンス宝箱画像853は、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に開放され、大当たりが報知される。上述した通り、本第32制御例では、第1特別図柄の抽選で大当たりになると、100%の割合で確変大当たりに当選する構成としている。即ち、大当たり終了後に有利度合いが低い時短状態へと移行する可能性がなく、有利な確変状態、若しくは最も有利な潜確状態のどちらかに設定される構成としている。よって、第2特別図柄の大当たりとなる可能性が無いチャンスゾーンの間に大当たりに当選すれば、特別図柄の高確率状態をループする極めて有利な状況が成立するため、遊技者に対してチャンスゾーンの間に大当たりとなることを強く期待して遊技を行わせることができる。
このように、本第32制御例では、第2特別図柄の抽選で大当たりになるよりも、第1特別図柄の抽選で大当たりになった方が有利度合いが高くなる(特別図柄の高確率状態が設定される割合が高くなる)ように構成した上で、有利度合いが最も高い遊技状態であって基本的に第2特別図柄の抽選でのみ大当たりに当選する可能性がある潜確状態において第2特別図柄の抽選で完全外れとなった場合に、当該完全外れの変動時間として極端に長い(600秒の)変動時間を設定し、その間に有利度合いが高い第1特別図柄の抽選を連続的に実行させることができる有利な状態を形成可能に構成している。つまり、潜確状態においてチャンスゾーン以外の状況下では、大当たりとなることで有利な潜確状態が終了される上に有利度合いが低い時短状態が設定される可能性もある一方で、大当たりにならずにハマるとより多くの回数の小当たりに当選してより多くの賞球を獲得可能となるため、大当たりとならないこと(ハマること)を期待させる遊技性となる一方で、チャンスゾーンが設定された後においては、大当たりになることで最低でも確変状態が設定されるため、大当たりに当選することを期待させる遊技性となる。即ち、同一の遊技状態が継続しているにもかかわらず、第2特別図柄の完全外れに対応する変動表示の実行中であるか否かによって、大当たりに当選しないことを期待させる遊技性と、大当たりに当選することを期待させる遊技性とを切り替えることができる斬新な遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1539を参照して、本第32制御例において設定シナリオに基づく設定切替が行われるまでの期間の目安を示唆する切替ポイント獲得演出について説明する。ここで、上述した通り、本第32制御例では、通常遊技中に所定の変更条件(遊技領域への遊技球の発射球数が5000個以上となったこと)が成立する毎に、設定シナリオに規定されている順番で設定値(特定要素の状態)を変更する(切り替える)構成としている。切替ポイント獲得演出では、この所定の変更条件が成立するまでの発射球数の目安を切替ポイントとして遊技者に対して示唆する構成としている。図1539(a)に示した通り、本第32制御例では、通常状態において、主表示領域Dmの左上に形成される小領域Dm1に対して、設定値の変更(切り替え)を行うための所定の変更条件(切替条件)が成立するまでの発射球数の目安を示すための切替ポイントが表示される。図1539(a)に示した例では、20ポイントが貯まった状態を示しており、「20pt/5000pt」という文字が表示されている。所定の変更条件が成立する前後において、この切替ポイントが5000ptまで貯まるようにポイントが制御される。また、図1539(a)に示した通り、主表示領域Dmの左下に形成される小領域Dm4に対して、宝箱を模した宝箱画像854が表示される。この宝箱画像854からは、切替ポイントの獲得条件が成立する毎に、切替ポイントを示すアイコンが出現するように構成されている。より具体的には、通常状態において外れに対応する変動表示演出の変動停止タイミングとなる毎に、発射球数を示唆するポイントを示すアイコンが宝箱画像854から出現して、当該出現したポイントが小領域Dm1に表示されている切替ポイントに加算される演出(切替ポイントを獲得する演出)が実行される。例えば、図1539(b)に示した通り、切替ポイントが20ポイント貯まっている状態で変動停止時に宝箱画像854aから「10pt」という文字が付されたアイコン画像854aが出現した場合は、その出現したアイコン画像854aに付されている「10pt」という文字に対応する10ポイントが、小領域Dm1に付加されて、切替ポイントが「20pt」から「30pt」に更新される演出が実行される。即ち、小領域Dm1の下部に、アイコン画像854aに付されていたポイントと同一のポイントを示す文字が付された加算ポイント画像854bが出現した後で、当該加算ポイント画像854bに示されたポイントの分だけ小領域Dm1の切替ポイントが増加する演出が実行される。これらの演出態様により、所定の変更条件(設定値の切替条件)が成立するまでの期間の目安を遊技者に対して分かり易く示すことができる。なお、本第32制御例では、操作ハンドル51に対して発射操作を行って規定の発射個数に到達させることで、設定値を高い段階の設定値に増加させたり低い段階の設定値に低下させることが可能となるように構成していたが、段階を低い段階に低下させることが可能な操作および高い段階に増加させることが可能な操作はこれに限られるものではない。例えば、左打ちを行っている(操作ハンドル51に対して左打ちに対応する操作を行っている)場合にのみ入球し得る入賞口(例えば、第1入球口64)へと遊技球が入球した回数が規定回数(例えば。500回)の倍数となる毎に、設定シナリオに従って設定値の段階を高い段階に増加させたり低い段階に低下させたりしてもよい。このように構成することで、通常状態において保留球が上限まで貯まっていたとしても、設定値の段階を変更させたいと考える遊技者に対して、左打ち操作を継続させることができる。また、例えば、枠ボタン22に対する連打操作を促す演出において枠ボタン22を押下操作した回数の累計が規定回数の倍数となる毎に、設定シナリオに従って設定値の段階を高い段階に増加させたり低い段階に低下させたりしてもよい。このように構成することで、連打操作を促す演出に対する参加意欲を向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次いで、図1540および図1541を参照して、所定の変更条件が成立して設定値が切り替えられたこと、および切り替え後の設定値を示唆する切替示唆演出について説明する。この切替示唆演出は、切替ポイントが5000ポイントに到達する毎に実行される演出である。変動停止時に切替ポイント獲得演出が実行された結果、切替ポイントが5000ポイントに到達した場合(図1540(a)参照)は、小領域Dm1に対して、切り替え後の設定値を示唆する演出が実行される。具体的には例えば、図1540(b)に示すような、小領域Dm1に対して「UP!?」という文字が表示される演出態様の切替示唆演出や、図1541(a)に示すような、小領域Dm1に対して「KEEP!?」という文字が表示される演出態様の切替示唆演出、図1541(b)に示すような、小領域Dm1に対して「CHANGE!?」という文字が表示される演出態様の切替示唆演出等が設けられている。ここで、「UP!?」という文字が表示される切替示唆演出は、切り替え後の設定値が切り替え前の設定値よりも高い設定値に上がっていることを示唆する演出態様であり、「KEEP!?」という文字が表示される演出態様の切替示唆演出は、切り替え前の設定値が切り替え後も維持されていることを示唆する演出態様であり、「CHANGE!?」という文字が表示される演出態様の切替示唆演出は、切り替えの前後で設定値が変更されたことを示唆する演出態様である。他にも、切り替えの前後で設定値が変更されたことが確定する「CHANGE!!」という文字が表示される演出態様や、切り替え後の設定値が切り替え前の設定値よりも高い設定値に上がったことが確定する「UP!!」という文字が表示される演出態様、切り替え後の設定値が切り替え前の設定値よりも2段階以上高い設定値に上がったことが確定する「EXTRA」という文字が表示される演出態様等が設けられている。これらの演出態様のバリエーションにより、遊技者に対して設定値が切り替えられた後の設定値を推測させる遊技性を実現することができるので、切替ポイントが5000ポイント貯まることを一つの目標として通常状態における遊技を行わせることができる。よって、通常状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
次に、図1542を参照して、本第32制御例におけるパチンコ機10に設けられている各遊技状態の移行方法について説明する。ここで、上述した通り、本第32制御例のパチンコ機10には、大別して4つの遊技状態が設けられている。即ち、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)と、確変状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)と、潜確状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の通常状態)と、の4つの遊技状態が設けられている。以下では、説明の簡略化のため、最も不利な通常状態のことを通常モードと称し、通常状態(通常モード)に次いで有利度合いが低いが、持ち球をほとんど減らさずに遊技を行うことができる時短状態のことを引き戻しモードと称し、次の大当たりまで持ち球をほとんど減らさずに遊技を行うことができる比較的有利度合いが高い確変状態のことを連荘モードAと称し、次に大当たりとなるまで小当たりに頻繁に当選して持ち球を増加させ続けることができる最も有利な潜確状態のことを連荘モードBと称する。図1542においては、通常モードを上部左側に、引き戻しモードを上部右側に、連荘モードAを下部左側側に、連荘モードBを下部右側に、それぞれ図示している。図1542の上部左側に示した通り、通常モードから他の状態へは、大当たりとなった場合に移行する可能性がある。具体的には、図1542の上部に示した通り、第1特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として5%の割合で決定される大当たりAが選択(決定)された場合には、大当たり終了後に連荘モードBへと移行する。また、第1特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として95%の割合で決定される大当たりB~Eのいずれかが選択(決定)された場合には、大当たり終了後に比較的有利な連荘モードAへと移行する。このため、通常モードにおいて大当たりに当選した場合には、連荘モードBへと移行することをより強く期待して遊技を行わせることができる。なお、上述した通り、本第32制御例では、設定に応じて大当たり確率が異なるように構成されており、設定が高いほど(高設定ほど)大当たり確率も高くなるように構成されている。このため、高設定ほど不利な通常モードにおいて早期に大当たりに当選する可能性が高まる。即ち、高設定ほど不利な通常モードにおいて大当たりに当選しない期間が長くなり難くなる(ハマり難くなる)。上述した通り、通常モードにおいて大当たりに当選すれば、必ず通常モードに比較して有利度合いが高い他のモード(連荘モードA,Bのいずれか)に移行するので、通常モードにおいては大当たり確率が高い高設定の方が、低設定に比較して有利度合いが高くなる。
また、図1542の上部右側に示した通り、引き戻しモードから他の状態へは、大当たりとなった場合、および規定の時短回数を経過させた場合に移行する可能性がある。具体的には、図1542の上部右側に示した通り、第2特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として5%の割合で決定される大当たりFが選択(決定)された場合には、大当たり終了後に最も有利な連荘モードBへと移行する。また、第2特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として60%の割合で決定される大当たりGが選択(決定)された場合には、大当たり終了後に比較的有利な連荘モードAへと移行する。また、引き戻しモードが設定されてから規定の時短回数(100回)が経過した場合には、遊技者にとって不利な通常モードへと移行する。これに対し、第2特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として35%の割合で決定される大当たりHが選択(決定)された場合には、大当たり終了後に再度、引き戻しモードが設定される(引き戻しモードをループする)。よって、引き戻しモードにおいては、右打ちによって持ち球をあまり減らさずに遊技を行うことができるというメリットはあるものの、大当たりになると引き戻しモードへと移行する可能性があるため、大当たりとなった場合における有利度合いは通常モードよりも低くなる。なお、上述した通り、本第32制御例では、設定が高くなるほど大当たり確率が高くなるので、規定の時短回数(100回)の間に大当たりに当選する可能性も設定が高くなるほど高くなる。つまり、設定が高い程、時短回数内で再度大当たりに当選する可能性が高くなる一方、設定が低いほど、時短回数内に大当たりに当選することなく不利な通常モードへと移行する可能性が高くなる。よって、引き戻しモードにおいても、通常モードと同様に大当たり確率が高い高設定の方が、低設定に比較して有利度合いが高くなる。また、図1542の下部左側に示した通り、連荘モードAから他の状態へは、大当たりとなった場合、および規定の時短回数を経過させた場合に移行する可能性がある。具体的には、図1542の下部左側に示した通り、第2特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として5%の割合で決定される大当たりFが選択(決定)された場合、および連荘モードAにおいて設定された時短回数(100回または65536回)が経過した場合には、遊技者にとって最も有利な連荘モードBへと移行する。また、第2特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として35%の割合で決定される大当たりHが選択(決定)された場合、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利度合いの低い引き戻しモードに設定される。これらに対し、第2特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として60%の割合で決定される大当たりGが決定された場合には、大当たり終了後に再度、連荘モードAが設定される。よって、連荘モードAにおいては、大当たり確率が高くなるものの、大当たり当選時に比較的有利度合いが低い引き戻しモードへと移行する割合が引き戻しモードと同様に高くなっている(35%になっている)ため、持ち球が減り難くなる上に早期に大当たりに当選する可能性が高い点では通常モードよりも有利となるが、大当たりに当選した場合の有利度合いとしては通常モードよりも不利となる。ここで、上述した通り、本第32制御例では、特別図柄の高確率(確変)状態においても、設定が高くなるほど大当たり確率が高くなる。よって、設定が高い程早期に大当たりに当選し易くなるので、連荘モードAにおける時短回数として100回が設定された場合には、設定が低い方が特別図柄の抽選で、100回連続で外れとなる可能性が高くなるため、より有利な連荘モードBへと移行し易くなる。即ち、設定が低いほど有利度合いが高くなるという斬新な遊技性を実現することができる。なお、連荘モードAは、実質的に次回の大当たりまで続く時短回数(65536回)が設定される可能性の方が高いが、次回の大当たりまで継続する場合は、大当たり確率が有利度合いに与える影響は比較的少なくなる。
更に、図1542の下部右側に示した通り、連荘モードBから他の状態へは、大当たりとなった場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図1542の下部右側に示した通り、第2特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として60%の割合で決定される大当たりGが選択(決定)された場合には、大当たり終了後に遊技者に比較的有利な連荘モードAへと移行する。また、第2特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として35%の割合で決定される大当たりHが決定された場合には、大当たり終了後に有利度合いの低い引き戻しモードが設定される。これらに対し、第2特別図柄の大当たりとなり、大当たり種別として5%の割合で決定される大当たりFが選択(決定)された場合には、大当たり終了後の遊技状態が再度、最も有利な連荘モードBに設定される(連荘モードBをループする)。ここで、上述した通り、本第32制御例では、設定が高くなるほど大当たり確率も高くなるため、遊技者にとって有利な連荘モードBが早期に終了し易くなる(少ない抽選回数で大当たりに当選し易くなる)。連荘モードBは、実質的に次回の大当たりまで継続し、且つ、連荘モードBが継続している間は小当たりによる賞球を頻繁に獲得することが可能となるため、大当たりに当選しない方がより多くの賞球の獲得を期待できる。よって、大当たりに当選し難い(大当たり確率が低い)低設定の方が、連荘モードBへと移行した場合に獲得できる賞球数の期待値が高設定よりも高くなるので、最も有利な遊技状態において低設定の方が有利になるという斬新な遊技性を実現することができる。言い換えれば、連荘モードBにおいては、当たりに当選し易くなるほど有利度合いが低くなるという極めて特殊な遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、連荘モードBにおいてのみ移行する可能性があるチャンスゾーンが設定された場合には、第2特別図柄の抽選結果が出難くなり、第1特別図柄の抽選ばかりを実行させることができる状態を形成するため、チャンスゾーン中に大当たりに当選させることができれば、確変大当たりが確定する。この場合、大当たりA,Bのいずれかに当選することで大当たり終了後の遊技状態が再度最も有利な連荘モードBに設定され、大当たりC~Eに当選することで大当たり終了後の遊技状態が連荘モードAに設定される。つまり、不利な引き戻しモードへと移行する可能性が無くなる上に、他のモードに比較して連荘モードBへの移行割合が10倍となる極めて有利な状態を形成するので、連荘モードBにおいては、チャンスモードが設定される前においては大当たりに当選しないことを強く期待させることができる一方で、チャンスモードが設定された場合には、当該チャンスゾーンの間に大当たりとなることを強く期待させる極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第32制御例における電気的構成>
次に、図1543(a)を参照して、本第32制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明する。図1543(a)は、本第32制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図1543(a)に示した通り、本第32制御例におけるROM202は、上述した第1制御例におけるROM202の構成(図23(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aに代えて第1当たり乱数テーブル202gaが設けられている点、変動パターン選択テーブル202bに代えて変動パターン選択テーブル202gbが設けられている点、第2当たり乱数テーブル202cに代えて第2当たり乱数テーブル202gcが設けられている点、第1当たり種別選択テーブル202dに代えて大当たり種別選択テーブル202gdが設けられている点、変動パターンシナリオテーブル202geが追加されている点、および設定切替シナリオテーブル202gfが追加されている点で相違している。ここで、変動パターンシナリオテーブル202geは、変動パターンテーブル202gbに規定されている4つの変動パターンテーブル(通常用テーブル202gb1、特殊通常用テーブル202gb2、時短・確変用テーブル202gb3、潜確用テーブル202gb4)のうちいずれの変動パターンテーブルを参照して変動パターン(変動時間)を選択するのかを決定するために参照されるデータテーブルである。また、設定切替シナリオテーブル202gfは、設定シナリオの種別と設定値を切り替える順序との対応関係が規定されているデータテーブルである。
まず、図1543(b)を参照して、本第32制御例における第1当たり乱数テーブル202gaの詳細について説明する。図1543(b)は、第1当たり乱数テーブル202gaの規定内容を示した図である。図1543(b)に示した通り、本第32制御例における第1当たり乱数テーブル202gaには、特別図柄の状態と設定値とに対応付けて、大当たりおよび小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲が規定されている。より具体的には、図1543(b)に示した通り、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値として、設定値「1」(設定1)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0~204」が対応付けて規定され、設定値「2」(設定2)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0~217」が対応付けて規定され、設定値「3」(設定3)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0~233」が対応付けて規定され、設定値「4」(設定4)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0~251」が対応付けて規定され、設定値「5」(設定5)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0~272」が対応付けて規定され、設定値「6」(設定6)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0~297」が対応付けて規定されている。また、特別図柄の低確率状態において小当たりと判定される乱数値として、設定値によらず、第1特別図柄には乱数値が対応付けられていない一方で、第2特別図柄に対して「936~65535」の範囲が対応付けられている。本第32制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る範囲が「0~65535」となっているため、特別図柄の低確率状態における設定1の大当たり確率は1/320(205/65536)であり、設定2の大当たり確率は1/301(218/65536)であり、設定3の大当たり確率は1/280(234/65536)であり、設定4の大当たり確率は1/260(252/65536)であり、設定5の大当たり確率は1/240(273/65536)であり、設定6の大当たり確率は1/220(298/65536)である。また、第2特別図柄の小当たり確率は、1/1.14(64601/65536)である。一方、図1543(b)に示した通り、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値として、設定1に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0~643」が対応付けて規定され、設定2に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0~686」が対応付けて規定され、設定3に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0~735」が対応付けて規定され、設定4に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0~791」が対応付けて規定され、設定5に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0~857」が対応付けて規定され、設定値6に対しては、第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値(乱数値)の範囲として「0~935」が対応付けて規定されている。一方、小当たりと判定される乱数値に関しては、特別図柄の低確率状態と全く同一の乱数値が規定されている。このため、特別図柄の高確率状態における設定1の大当たり確率は1/102(644/65536)であり、設定2の大当たり確率は1/95(686/65536)であり、設定3の大当たり確率は1/89(736/65536)であり、設定4の大当たり確率は1/82(792/65536)であり、設定5の大当たり確率は1/76(858/65536)であり、設定6の大当たり確率は1/70(936/65536)である。また、第2特別図柄の小当たり確率は、1/1.14(64601/65536)である。なお、低確率状態の大当たり確率と高確率状態の大当たり確率との比率は設定値によらず共通となるように構成されている。このように、本第32制御例では、第2特別図柄の抽選が実行されると、高確率(1/1.14)で小当たりに当選するように構成しているので、有利な潜確状態において頻繁に右可変入賞装置1650が開放され、賞球を遊技者に頻繁に獲得させることができる。よって、潜確状態における遊技の興趣を向上させることができるので、潜確状態へと移行することを強く期待して遊技を行わせることができる。
なお、本第32制御例では、トータルとして、設定が高い方が遊技者にとっての有利度合いが高くなるように構成している。即ち、設定6が遊技者にとって最も有利となり、設定1が最も不利となるように構成している。つまり、設定が高くなる程大当たり確率が高くなるため、大当たり自体で獲得できるトータルの賞球も多くなり、潜確状態の間に獲得できる小当たりによる賞球数が減少することを加味しても、設定が高い方がトータルの有利度合いが高くなるように構成している。つまり、低設定(例えば、設定1)は、遊技を継続する程に遊技者に不利となっていき易くなるため、1の潜確状態でどれだけの賞球を獲得することができるか(大当たりに当選せずにどれだけの回数特別図柄の抽選を実行させることができるか)に懸ける短時間勝負の遊技性となり、高設定では、遊技を継続する程に有利となって行き易くなるため、安定的に賞球を得られる長時間勝負の遊技性となる。このように、本第32制御例では、大当たり確率を設定するための設定値として、設定1から設定6の6段階の設定値を設ける構成としており、設定が高くなる(数字が大きくなる)ほど低確率状態、および高確率(確変)状態における大当たり確率が高くなる。よって、設定が高い方が不利な通常状態が長い期間継続し難くなる(ハマりが発生し難くなる)反面、最も有利な潜確状態が比較的短期間で終了し易くなる(潜確状態において大当たり当選により他の遊技状態が設定され易くなる)。ここで、上述した通り、本第32制御例では、最も有利な遊技状態である潜確状態において特別図柄の抽選が実行されると高確率で小当たりに当選して右可変入賞装置1650が開放されるため、大当たりに当選しなくても賞球を獲得する機会が頻繁に与えられる。更に、一旦有利な潜確状態に移行すると、大当たりに当選しない限り他の遊技状態に移行することがないように構成されている。換言すれば、潜確状態において小当たり抽選結果となった場合、完全外れの抽選結果になった場合と同様に、小当たり遊技の前後で遊技状態が潜確状態に維持される。よって、潜確状態においては、大当たりに当選しない期間が長くなる程(即ち、ハマる程)小当たりによる賞球を多く獲得することができるため、遊技者に有利となる。よって、有利な潜確状態においては、大当たり確率が高く、比較的ハマりが発生し難い高設定よりも、大当たり確率が低く、比較的ハマりが発生し易い低設定の方が、1の潜確状態において小当たり遊技によって獲得できるトータルの賞球数が多くなり易くなる。つまり、大当たり確率(確率)に応じて、遊技性(不利な状態も有利な遊技状態も比較的短い期間で終了し易くなる遊技性や、不利な遊技状態も有利な遊技状態も比較的長い期間継続し易い遊技性)を異ならせることができるので、遊技者の興趣をより向上させることができる。
なお、本第32制御例では、特別図柄の低確率状態における大当たり確率と、特別図柄の高確率状態(確変状態)における大当たり確率との比率を全設定共通として構成していたが、これに限られるものではなく、低確率状態と高確率状態との大当たり確率の比率を設定毎に異ならせてもよい。より具体的には、例えば、低確率状態の大当たり確率は上述した第32制御例と同様に設定値に応じて異ならせる一方で、高確率状態の大当たり確率については設定値によらず一定(例えば、1/90)としてもよい。このように構成することで、高確率状態におけるハマり易さを設定によらず共通とすることができるので、有利な潜確状態における有利度合いを設定によらず共通とすることができる。よって、高設定の優位性をより高めることができるので、設定が高い方があらゆる面で有利になるという分かり易い遊技性を提供することができる。また、例えば、低確率状態の大当たり確率は上述した第32制御例と同様に設定値に応じて異ならせる一方で、高確率状態の大当たり確率については、奇数設定(設定1,3,5)であるか偶数設定(設定2,4,6)であるかのみに応じて異ならせてもよい。具体的には、例えば、奇数設定では高確率状態における大当たり確率が低くなる(例えば、1/100)一方、偶数設定では高確率状態における大当たり確率が高くなる(例えば、1/70)ように構成してもよい。このように構成することで、奇数設定と偶数設定とで有利な潜確状態における有利度合いを異ならせることができるので、設定に応じて遊技性を大きく異ならせることができる。更に、この場合において、特別図柄の低確率状態における大当たり確率として、偶数設定の方が奇数設定よりも高い大当たり確率になるように構成した上で、奇数設定内、および偶数設定内では設定が高くなる方が大当たり確率が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、設定値が奇数であるか、偶数であるかに応じて遊技性を大きく異ならせることができる。即ち、偶数設定では不利な通常状態が長く続き難いが、潜確状態が長く続き難いため、比較的出玉推移が穏やかになり易い遊技性を実現できる一方で、奇数設定では、不利な通常状態が長く続き易いが、潜確状態が長く続き易いため、ハマりが厳しいが一度潜確状態に移行させてしまえばより多くの賞球の獲得を期待できるという、出玉推移が激しく上下し易くなる、いわば荒波のような遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、ホールの営業方針に応じて適切な設定を選択させることができるので、ホールの利便性を向上させることができる。
次に、図1544(a)を参照して、本第32制御例における変動パターンテーブル202gbの詳細について説明する。この変動パターンテーブル202gbは、上述した第1制御例における変動パターン選択テーブル202b(図26(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、当該特別図柄の抽選結果を示すための変動表示の変動パターン(変動時間)を決定するために参照されるデータテーブルである。図1544(a)に示した通り、本第32制御例における変動パターンテーブル202gbは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を決定するために参照される通常用テーブル202gb1と、通常状態における所定条件下(初期化後の通常状態において変動回数が50の倍数となった場合、および初期化後以外の通常状態において変動回数が100の倍数となった場合)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を決定するために参照される特殊通常用テーブル202gb2と、確変状態および時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を決定するために参照される時短・確変用テーブル202gb3と、潜確状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を決定するために参照される潜確用テーブル202gb4と、の4種類のデータテーブルで構成されている。まず、図1544(b)を参照して、本第32制御例における変動パターンテーブル202gbを構成する通常用テーブル202gb1の詳細について説明する。図1544(b)は、通常用テーブル202gb1の規定内容を示した図である。図1544(b)に示した通り、第1特別図柄の抽選に対しては、抽選結果が当たりの場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~39」の範囲に対して変動時間が20000msの当たりノーマル変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「40~119」の範囲に対しては、変動時間が30000msの当たりスーパー変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「120~198」の範囲に対しては、変動時間が40000msの当たりスペシャル変動が対応付けて規定されている。一方、図1544(b)に示した通り、第1特別図柄の抽選結果が外れ(若しくは小当たり)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~70」の範囲に対して、変動時間が8000msの短外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「71~130」の範囲に対して、変動時間が12000msの長外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「131~170」の範囲に対して、変動時間が20000msの外れノーマル変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「171~198」の範囲に対して、変動時間が30000msの外れスーパー変動が対応付けて規定されている。これに対して、第2特別図柄の抽選に対しては、抽選結果によらず、600000msの超ロング変動(当たり超ロング変動、または外れ超ロング変動)が対応付けて規定されている。よって、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されると、第1特別図柄の抽選に比較して著しく変動時間が長くなるため、右打ちにより第2入球口640へと遊技球を入球させて遊技を進行する変則的な遊技方法の遊技効率を極端に悪くすることができる。従って、通常状態における正規の遊技方法である左打ち遊技をより確実に遊技者に対して行わせることができる。
次に、図1545(a)を参照して、上述した特殊通常用テーブル202gb2の詳細について説明する。この特殊通常用テーブル202gb2は、上述した通り、通常状態における所定条件下(初期化後の通常状態において変動回数が50の倍数となった場合、および初期化後以外の通常状態において変動回数が100の倍数となった場合)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を決定するために参照されるデータテーブルである。図1545(a)は、特殊通常用テーブル202gb2の規定内容を示した図である。図1545(a)に示した通り、第1特別図柄の抽選に対しては、抽選結果が当たりの場合、通常用テーブル202gb1(図1544(b)参照)と同一の対応関係が規定されている。つまり、変動種別カウンタCS1の値が「0~39」の範囲に対して変動時間が20000msの当たりノーマル変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「40~119」の範囲に対しては、変動時間が30000msの当たりスーパー変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「120~198」の範囲に対しては、変動時間が40000msの当たりスペシャル変動が対応付けて規定されている。一方、図1544(b)に示した通り、第1特別図柄の抽選結果が外れ(若しくは小当たり)の場合、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が25000msの外れ特殊リーチが対応付けて規定されている。この外れ特殊リーチは、上述した通り、設定示唆演出を実行させるための変動種別である。即ち、音声ランプ制御装置113において、この外れ特殊リーチ変動を示す変動パターンコマンドを受信すると、当該外れ特殊リーチ変動の実行中における演出態様(変動パターン演出)として、設定示唆演出を実行するように構成されている。上述した通り、この特殊通常用テーブル202gb2は、初期化後の通常状態において変動回数が50の倍数となった場合、および初期化後以外の通常状態において変動回数が100の倍数となった場合にのみ参照されるテーブルであるため、RAMクリア操作後(設定シナリオ変更後)、1度も大当たりに当選していないことを条件として、特別図柄の抽選が50回実行される毎に設定示唆演出を実行することができる。また、1回以上大当たりに当選した後の通常状態においては、特別図柄の抽選が100回実行される毎に設定示唆演出を実行することができる。よって、設定示唆演出の内容によって現在遊技を行っているパチンコ機10の設定を推測したいと考える遊技者に対して、少なくとも50回以上、特別図柄の抽選で連続して外れになって欲しいと願わせる斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、電源投入後に50回以上特別図柄の抽選を実行しても設定示唆演出が発生しなかった場合や、50回未満の回数で設定示唆演出が発生した場合には、RAMクリア操作が行われていない(即ち、設定が変更されていない)と遊技者に確信させることができる。よって、遊技を行っているパチンコ機10の前日の結果が良い(実際の遊技回数(特別図柄の抽選回数)と、大当たり回数と、から算出される大当たり確率が高い結果に終わっている)場合には、前日以前に大当たり確率が良い設定(高設定)に設定され、本日まで当該良い設定のまま変更されていないのではないか、と遊技者に予測させることができる。一方、逆に、遊技を行っているパチンコ機10の前日の結果が悪い(実際の遊技回数(特別図柄の抽選回数)と、大当たり回数と、から算出される大当たり確率が低い結果に終わっている)場合には、前日以前に大当たり確率が悪い設定(低設定)に設定され、本日まで当該悪い設定のまま変更されていないのではないか、と遊技者に予測させることができる。このように、設定示唆演出の実行タイミングにより、設定変更の有無や設定値を推測させる遊技性を実現することができるので、遊技者の有利に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1545(b)を参照して、上述した時短・確変用テーブル202gb3の詳細について説明する。この時短・確変用テーブル202gb3は、上述した通り、確変状態(連荘モードA)および時短状態(引き戻しモード)において特別図柄の抽選が実行された場合に、変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図1545(b)に示した通り、第1特別図柄の抽選に対しては、抽選結果によらず、600000msのロング変動(当たりロング超変動、または外れ超ロング変動)が対応付けて規定されている。これに対して、第2特別図柄の抽選に対しては、抽選結果が当たりの場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~124」の範囲に対して変動時間が10000msの当たりノーマル変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「125~198」の範囲に対しては、変動時間が15000msの当たりスーパー変動が対応付けて規定されている。一方、図1545(b)に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が外れ(若しくは小当たり)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~99」の範囲に対して、変動時間が2000msの外れ短変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「100~149」の範囲に対して、変動時間が5000msの外れ長変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~196」の範囲に対して、変動時間が10000msの外れノーマル変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「197,198」の範囲に対して、変動時間が15000msの外れスーパー変動が対応付けて規定されている。よって、確変状態や時短状態においては、第2特別図柄の変動時間に対して第1特別図柄の変動時間が極端に長くなるため、右打ち遊技を行っている間に有利な第1特別図柄の抽選が実行されたとしても、第2特別図柄の抽選も並行して実行されて第2特別図柄の変動時間が先に経過して高確率で小当たり(若しくは大当たり)となるため、第1特別図柄の抽選結果によらず、第2特別図柄の変動停止時に高確率で第1特別図柄が強制的に外れ図柄で停止表示されることとなる。つまり、確変状態および時短状態において右打ち遊技を行った場合に、実質的に第2特別図柄の抽選のみが実行される(第1特別図柄の抽選が実行されても外れ図柄しか停止表示されない)状態を形成することができる。
次に、図1546を参照して、上述した潜確用テーブル202gb4の詳細について説明する。この潜確用テーブル202gb4は、上述した通り、最も有利な潜確状態(連荘モードB)において特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選結果を示すための変動パターン(変動時間)を決定するために参照されるデータテーブルである。図1546は、この潜確用テーブル202gb4の規定内容を示した図である。図1546に示した通り、第1特別図柄の抽選に対しては、抽選結果が当たりの場合、第1特別図柄の保留球数(第1特別図柄保留球数カウンタ203dのカウンタ値)と第2特別図柄の保留球数(第2特別図柄保留球数カウンタ203eのカウンタ値)との合計が4以下である場合は、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が10000msの当たり長変動が対応付けて規定されている。一方、保留球数の合計が5以上である場合は、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が1000msの当たりショート変動が対応付けて規定されている。また、抽選結果が外れの場合、保留球数の合計が4以下である場合は、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が10000msの外れ長変動が対応付けて規定されている。一方、保留球数の合計が5以上である場合は、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が1000msの外れショート変動が対応付けて規定されている。つまり、潜確状態においては、合計の保留球数が4以下である下5以上であるかのみに応じて変動時間を決定する構成としている。これにより、第2特別図柄のロング変動中は、第2特別図柄の保留球が減らなくなるため、右打ちをし続けることによって第2特別図柄の保留球数が比較的短時間で上限値である4となる上に、第1特別図柄の保留球数も貯めることができる(第1特別図柄の保留球数を1以上に維持し続けることができる)ので、有利度合いが高い第1特別図柄の抽選を短い(1秒)間隔で連続的に実行させることができる有利な状態を形成する。一方、第2特別図柄がロング変動を行っていない間は、第2特別図柄の保留球が上限まで貯まり難い上ため、第1特別図柄の変動時間がほぼ10秒間となる。詳細については後述するが、第2特別図柄の変動時間は基本的に10秒よりも短くなるため、第2特別図柄がロング変動しない限りは、第2特別図柄の変動時間の方が先に経過する結果、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選で大当たりとなる可能性をほぼ0にすることができる。よって、有利度合いが高い第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する可能性がある第2特別図柄のロング変動が実行されることを期待して遊技を行わせることができる。
これに対し、図1546に示した通り、第2特別図柄の抽選に対しては、抽選結果が当たりの場合、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が1000msの当たりショート変動が対応付けて規定されている。一方、図1546に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が外れ(若しくは小当たり)の場合、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が600000msの外れ超ロング変動が対応付けて規定されている。更に、図1546に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~194」の範囲に対して、変動時間が500msの小当たり長ショート変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「195~198」の範囲に対して、小当たりショート変動が対応付けて規定されている。よって、潜確状態において第2特別図柄の抽選が実行されると、低確率の外れにならない限り、基本的に短い変動時間(0.5秒間若しくは1秒間)の変動パターンのみが実行されるため、比較的短い間隔で第2特別図柄の小当たり遊技(または大当たり遊技)が実行される。よって、潜確状態において短期間により多くの賞球を獲得させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、潜確状態において第2特別図柄の抽選結果が外れとなった場合、変動時間が10分間という極めて長い時間に設定され、この間に第1特別図柄の変動表示を短い間隔(保留球数の合計が5以上となっている間は1秒間隔)で実行させることができるので、有利度合いが高い(大当たりになった場合に通常大当たりに当選する可能性が無い)第1特別図柄の抽選で大当たりとなることを期待させることができる。これにより、最も有利な潜確状態(連荘モードB)において、第2特別図柄の抽選で外れとなる(または大当たりとなって潜確状態が終了される)までの間は、大当たりに当選せずに潜確状態が長く継続し、より多くの回数小当たりに当選することを期待させる遊技性となる一方で、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合には、大当たりに当選することを強く期待させる遊技性を実現することができるので、遊技状態が潜確状態に維持されているにもかかわらず遊技性を切り替えることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、本第32制御例では、設定値が低いほど大当たり確率が高くなる一方で、小当たり確率は設定値によらず共通とする構成としている。言い換えれば、第2特別図柄の抽選で外れとなる確率は、設定値が低くなるほど高くなるように構成しているため、設定値が低いほど潜確状態において第2特別図柄の外れとなって有利な第1特別図柄の抽選で大当たりを目指すことができるチャンスゾーンに設定される頻度が高くなる。このため、設定値が低いほど、潜確状態において大当たりに当選した場合に大当たり終了後の遊技状態が有利度合いが低い時短状態に設定される可能性が低くなるので、潜確状態に移行した場合に、より低い設定値に設定されていることを期待させる極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1547(a)を参照して、本第32制御例における第2当たり乱数テーブル202gcの詳細について説明する。図1547(c)は、第2当たり乱数テーブル202gcの規定内容を示した図である。この第2当たり乱数テーブル202gcは、上述した第1制御例における第2当たり乱数テーブル202c(図24(b)参照)と同様に、普通図柄の抽選で当たりと判定される乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)が規定されているデータテーブルである。図1547(c)に示した通り、本第32制御例における第2当たり乱数テーブル202gcには、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として「0~298」の299個の乱数値(カウンタ値)が規定されている一方で、普通図柄の高確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として「0~299」の300個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。即ち、普通図柄の高確率状態であれば、普通図柄の抽選が実行された場合に100%の割合で普通図柄の当たりと判定され、普通図柄の低確率状態であれば、普通図柄の抽選が実行された場合に約99.7%の割合で普通図柄の当たりと判定される。換言すれば、普通図柄の状態によらず、ほぼ普通図柄の抽選が実行される毎に普通図柄の当たりになるように構成されている。これは、潜確状態(連荘モードB)を最も有利な遊技状態として構成するためである。即ち、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態(低確率状態)に設定される潜確状態においても、高確率で普通図柄の当たりに当選させて第2特別図柄の抽選を頻繁に実行させ、小当たりによる賞球も頻繁に獲得することができる極めて有利な遊技状態を形成するためである。つまり、上述した通り、潜確状態(連荘モードB)においては、普通図柄の当たりとなる頻度を確変状態(連荘モードA)や時短状態(引き戻しモード)とほぼ同等にする一方で、普通図柄の当たり当選時の電動役物640aの開放時間を短くすることにより、第2入球口640の下流側の可変入賞装置2650にも遊技球を到達可能に構成し、小当たり遊技中に賞球を容易に獲得することができるように構成している。つまり、潜確状態においてのみ、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる毎に可変入賞装置2650へと遊技球を入球させて賞球を得られる極めて有利な遊技状態を形成する構成としている。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1547(b)を参照して、本第32制御例における大当たり種別選択テーブル202gdの詳細について説明する。図1547(b)は、大当たり種別選択テーブル202gdの規定内容を示した図である。この大当たり種別選択テーブル202gdは、上述した第1制御例における第1当たり種別選択テーブル202dと同様に、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルである。図1547(b)に示した通り、本第32制御例における大当たり種別選択テーブル202gdには、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別として、「大当たりA」~「大当たりE」の5種類の大当たり種別が規定されている。一方、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりF」~「大当たりH」の3種類の大当たり種別が規定されている。図1547(b)に示した通り、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値「0~4」に対して、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、大当たりのラウンド数が16ラウンドであり、大当たり遊技中に右打ちをし続けるだけで容易に特定領域(確変スイッチ1650e3)を遊技球が通過可能となる種別の大当たり(16ラウンド(R)確変大当たり)である。「大当たりA」に係る大当たり遊技の実行中において遊技球が特定領域を通過すると、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な潜確状態(連荘モードB)に設定される(遊技状態によらず時短カウンタ203hの値に0が設定され、確変フラグ203gaがオンに設定される。この「大当たりA」は、ラウンド数が最も多い上に、大当たり終了後の遊技状態も最も有利となるため、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が5個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA」が決定される割合は5%(5/100)である。また、図1547(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~49」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり遊技中に右打ちをし続けるだけで容易に特定領域(確変スイッチ1650e3)を遊技球が通過可能となる種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。なお、通常状態において「大当たりB」に当選し、大当たり遊技中に特定領域を遊技球が通過した場合は、時短カウンタ203hの値に65536が設定される一方で、通常状態以外の遊技状態(時短状態、確変状態、および潜確状態)で当選した場合は、時短カウンタ203hの値に0が設定される。即ち、通常状態(通常モード)において「大当たりB」に当選すると、特定領域を遊技球が通過したことを条件として比較的有利な確変状態(連荘モードA)へと移行する。この確変状態では、時短回数が65536に設定されるため、実質的に次の大当たりまで確変状態が継続する。一方、通常状態以外の遊技状態において「大当たりB」に当選した場合は、時短回数が0に設定されるので、大当たり遊技中に特定領域を遊技球が通過したことを条件として大当たり終了後の遊技状態が最も有利な潜確状態となる。よって、「大当たりB」は、通常状態において当選した場合、遊技状態の面で比較的有利な大当たり種別となり、通常状態以外の遊技状態において当選した場合、遊技状態の面で最も有利な大当たり種別となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が45個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB」が決定される割合は45%(45/100)である。
また、図1547(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~84」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC」が対応付けて規定されている。この「大当たりC」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり遊技中に右打ちをし続けるだけで容易に特定領域(確変スイッチ1650e3)を遊技球が通過可能となる種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。「大当たりC」に係る大当たり遊技の実行中において遊技球が特定領域を通過すると、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な確変状態に設定される。よって、「大当たりC」は、遊技状態の面で比較的有利な大当たり種別となる。なお、通常状態において「大当たりC」に当選した場合は、時短カウンタ203hの値に65536が設定される一方で、通常状態以外の遊技状態(時短状態、確変状態、および潜確状態)では、時短カウンタ203hの値に100が設定される。即ち、通常状態において「大当たりC」に当選した場合は、実質的に次の大当たりまで継続する確変状態に設定される一方で、通常状態以外の遊技状態において「大当たりC」に当選した場合は、時短回数が100回の確変状態に設定される。即ち、大当たりに当選せずに時短回数が経過し得る確変状態に設定される。確変状態において時短回数が経過すると、特別図柄の高確率状態を維持したまま、普通図柄の非時短状態に切り替わるため、遊技状態が最も有利な潜確状態となる。よって、時短回数が100回の確変状態に設定された場合、大当たりとならずに時短回数が経過することを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が35個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC」が決定される割合は35%(35/100)である。また、図1547(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「85~94」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD」が対応付けて規定されている。この「大当たりD」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり遊技中に右打ちをし続けるだけで容易に特定領域(確変スイッチ1650e3)を遊技球が通過可能となる種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。「大当たりC」に係る大当たり遊技の実行中において遊技球が特定領域を通過すると、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な確変状態に設定される(時短カウンタ203hの値に65536が設定され、確変フラグ203gaがオンに設定される)。即ち、「大当たりD」に当選すると、当選時の遊技状態によらず、実質的に次の大当たりまで継続する確変状態(時短回数が65536回の確変状態)が設定される。よって、「大当たりD」は、遊技状態の面で比較的有利な大当たり種別となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が10個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりD」が決定される割合は10%(10/100)である。更に、図1547(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「95~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE」が対応付けて規定されている。この「大当たりE」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり遊技中に右打ちをし続けるだけで容易に特定領域(確変スイッチ1650e3)を遊技球が通過可能となる種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。「大当たりD」に係る大当たり遊技の実行中において遊技球が特定領域を通過すると、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が比較的有利な確変状態に設定される。なお、大当たり当選時の遊技状態によらず、「大当たりE」が終了した後の確変状態は時短回数が100回に設定される。よって、「大当たりE」は、当選時の遊技状態によらず、時短回数を経過させて最も有利な潜確状態へと移行させることを遊技者に対して期待させることができる大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が5個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりE」が決定される割合は5%(5/100)である。
一方で、図1547(b)に示した通り、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりF」が対応付けて規定されている。この「大当たりF」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、大当たり遊技中に右打ちをし続けるだけで容易に特定領域(確変スイッチ1650e3)を遊技球が通過可能となる種別の大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。「大当たりF」に係る大当たり遊技の実行中において遊技球が特定領域を通過すると、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な潜確状態に設定される。よって、「大当たりF」は、ラウンド数の面でも遊技状態の面でも最も有利度合いが高い大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりF」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が5個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりF」が決定される割合は5%(5/100)である。また、図1547(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~64」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりG」が対応付けて規定されている。この「大当たりG」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、大当たり遊技中に右打ちをし続けるだけで容易に特定領域(確変スイッチ1650e3)を遊技球が通過可能となる種別の大当たり(4ラウンド確変大当たり)である。「大当たりG」に係る大当たり遊技の実行中において遊技球が特定領域を通過すると、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が実質的に次の大当たりまで継続する確変状態に設定される(時短カウンタ203hが65536に設定され、確変フラグ203gaがオンに設定される)。よって、「大当たりG」は、ラウンド数の面では最も有利度合いが低く、遊技状態の面で比較的有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりG」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が60個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりG」が決定される割合は60%(60/100)である。
また、図1547(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「65~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりH」が対応付けて規定されている。この「大当たりH」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、大当たり遊技中に右打ちをし続けたとしても、特定領域(確変スイッチ1650e3)を遊技球が通過不可能(困難)となる種別の大当たり(4ラウンド通常大当たり)である。「大当たりH」に係る大当たり遊技が終了すると、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が、時短回数が100回の時短状態に設定される(時短カウンタ203hの値に100が設定され、確変フラグ203gaがオフに設定される)。よって、「大当たりH」は、ラウンド数の面でも大当たり終了後の遊技状態の面でも全ての大当たり種別の中で最も不利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりH」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が35個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりH」が決定される割合は35%(35/100)である。このように、本第32制御例では、第1特別図柄の抽選で大当たりになると、必ず特定領域を遊技球が通過可能な大当たり種別が決定される一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、35%の割合で、特定領域を通過不可能(困難)な大当たり種別が決定される。更に、第1特別図柄の抽選で大当たりになると、16ラウンド、若しくは8ラウンドのいずれかのラウンド数となる(平均のラウンド数が8.4ラウンドとなる)一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、8ラウンド、若しくは4ラウンドのいずれかのラウンド数となる(平均のラウンド数が4.2ラウンドとなる)。よって、ラウンド数(獲得できる賞球数)の面でも、大当たり終了後の遊技状態の面でも、第1特別図柄の大当たりの方が、第2特別図柄の大当たりよりも有利度合いが高くなり易くなる。このため、基本的に第2特別図柄の抽選でのみ大当たりとなる可能性がある潜確状態において、第2特別図柄の抽選で外れとなってチャンスゾーン(第2特別図柄の変動時間が10分間に設定され、第1特別図柄の抽選を連続的に実行させることができる状態)が形成された場合に、遊技者に対して大当たりに当選することを強く期待させることができる。即ち、最も有利な潜確状態(連荘モードB)において、第2特別図柄の抽選で外れとなる(または大当たりとなって潜確状態が終了される)までの間は、大当たりに当選せずに潜確状態が長く継続し、より多くの回数小当たりに当選することを期待させる遊技性となる一方で、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合には、大当たりに当選することを強く期待させる遊技性を実現することができるので、遊技状態が潜確状態に維持されているにもかかわらず遊技性を切り替えることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1548を参照して、本第32制御例における変動パターンシナリオテーブル202geの詳細について説明する。この変動パターンシナリオテーブル202geは、上述した通り、変動パターン選択テーブル202gbに規定されている4つのテーブル(通常用テーブル202gb1、特殊通常用テーブル202gb2、時短・確変用テーブル202gb3、潜確用テーブル202gb4)のうちいずれのテーブルを参照して変動パターン(変動時間)を選択するのかを規定した変動パターンシナリオを決定するために参照されるデータテーブルである。本第50実施形態では、大当たり終了時(またはパチンコ機10の初期化時)に、この変動パターンシナリオテーブル202geから1の変動パターンシナリオを決定し、当該決定した変動パターンシナリオに対応するデータを後述する変動パターンシナリオ格納エリア203gbに格納する構成としている。そして、特別図柄の抽選が実行される毎に、シナリオ格納エリア203gbに格納されている変動パターンシナリオと変動回数(特別図柄の抽選回数)とを参照して、変動パターンを決定するために参照する1の変動パターン選択テーブルを特定する構成としている。図1548に示した通り、本第32制御例における変動パターンシナリオテーブル202geには、前回の大当たりの大当たり種別、および前回の大当たり当選時の遊技状態、および大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動回数)に対応付けて、変動パターンを選択するために参照する変動パターンテーブルが規定されている。より具体的には、図1548に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりA,Fである場合には、前回の大当たり当選時の遊技状態および大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動回数)によらず、潜確用テーブル202gb4(図1546参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。このため、大当たりA,Fのどちらかに当選すると、次に大当たりとなるまで、右打ちを行うことによって第2特別図柄の抽選が頻繁に実行され、第2特別図柄の小当たりに当選して賞球を得る機会も頻繁に与えられる有利な遊技状態(連荘モードB)を形成する。
また、図1548に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりBであり、大当たり当選時の遊技状態が通常状態であった場合は、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動回数)によらず、時短・確変用テーブル202gb3(図1545(b)参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている一方で、大当たり当選時の遊技状態が通常状態以外の遊技状態であった場合は、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動回数)によらず、潜確用テーブル202bg4(図1546参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。このため、通常状態において大当たりBに当選すると、第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される比較的有利な遊技状態(連荘モードA)を形成する。一方で、通常状態以外の遊技状態において大当たりBに当選すると、右打ちを行うことによって第2特別図柄の抽選が頻繁に実行され、第2特別図柄の小当たりに当選して賞球を得る機会も頻繁に与えられる有利な遊技状態(連荘モードB)を形成する。また、図1548に示した通り、前回の大当たりが大当たりCであり、大当たり当選時の遊技状態が通常状態であった場合は、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動回数)によらず、時短・確変用テーブル202gb3(図1545(b)参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている一方で、大当たり当選時の遊技状態が通常状態以外の遊技状態であった場合は、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動回数)が100回以下の範囲において時短・確変用テーブル202gb3(図1545(b)参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定され、特別図柄の抽選回数(変動回数)が101回以上の範囲において潜確用テーブル202gb4(図1546参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。このため、通常状態において大当たりCに当選すると、第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される比較的有利な遊技状態(連荘モードA)を形成する。一方で、通常状態以外の遊技状態において大当たりBに当選すると、特別図柄の抽選回数(変動回数)が100回以下の範囲においては第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される比較的有利な遊技状態(連荘モードA)を形成し、特別図柄の抽選回数が100回を超えた後においては、右打ちを行うことによって第2特別図柄の抽選が頻繁に実行され、第2特別図柄の小当たりに当選して賞球を得る機会も頻繁に与えられる有利な遊技状態(連荘モードB)を形成する。
また、図1548に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりD,Gである場合は、大当たり当選時の遊技状態および大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動回数)によらず、時短・確変用テーブル202gb3(図1545(b)参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。このため、大当たりD,Gのいずれかに当選すると、大当たり当選時の遊技状態によらず、実質的に次に大当たりとなるまで第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される比較的有利な遊技状態(連荘モードA)を形成する。また、図1548に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりEである場合は、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動回数)が100回以下の範囲において時短・確変用テーブル202gb3(図1545(b)参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定され、特別図柄の抽選回数(変動回数)が101回以上の範囲において潜確用テーブル202gb4(図1546参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。このため、大当たりEに当選すると、大当たり当選時の遊技状態によらず、特別図柄の抽選回数(変動回数)が100回以下の範囲においては第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される比較的有利な遊技状態(連荘モードA)を形成し、特別図柄の抽選回数が100回を超えた後においては、右打ちを行うことによって第2特別図柄の抽選が頻繁に実行され、第2特別図柄の小当たりに当選して賞球を得る機会も頻繁に与えられる有利な遊技状態(連荘モードB)を形成する。また、図1548に示した通り、前回の大当たりが大当たりHである場合は、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動回数)が100回以下の範囲において時短・確変用テーブル202gb3(図1545(b)参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定され、特別図柄の抽選回数(変動回数)が101回以上、且つ、100の倍数以外の範囲において通常用テーブル202gb1(図1544(b)参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定され、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動回数)が101回以上、且つ、100の倍数において特殊通常用テーブル202gb2(図1545(a)参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。このため、大当たりHに当選すると、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の抽選回数(変動回数)が100以下の範囲においては第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される比較的有利な遊技状態(引き戻しモード)を形成し、特別図柄の抽選が100回を超えた後においては、右打ちを行っても第2特別図柄の変動時間が極めて長い時間(600秒)に設定されるため、左打ちにより遊技を進行する必要がある不利な遊技状態(通常モード)を形成する。なお、変動回数が100回を超えた後においては、特別図柄の抽選回数が100の倍数において第1特別図柄の抽選結果が外れとなる毎に、変動パターンとして外れ特殊リーチ変動が選択される(特殊通常用テーブル202gb2(図1545(a)参照)が参照されて変動パターンが決定される)ので、100回毎に設定示唆演出を実行することができる。このため、大当たりHに当選し、大当たり終了後100回を超えたとしても、設定示唆演出を確認したいと考える遊技者に対して遊技を継続させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
また、図1548に示した通り、RAMクリア後の通常状態に対しては、RAMクリア後の特別図柄の抽選回数が50の倍数以外の範囲において通常用テーブル202gb1(図1545(b)参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定され、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動回数)が50の倍数において特殊通常用テーブル202gb2(図1545(a)参照)が参照されて変動パターン(変動時間)が決定される変動パターンシナリオが対応付けて規定されている。このため、RAMクリア後の通常状態においては、特別図柄の抽選回数が50の倍数となる毎に外れ特殊リーチ外れ変動が選択されて設定示唆演出が実行される。よって、設定示唆演出の内容によって現在遊技を行っているパチンコ機10の設定を推測したいと考える遊技者に対して、少なくとも50回以上、特別図柄の抽選で連続して外れになって欲しいと願わせる斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、大当たりHに当選し、大当たりHの終了後の遊技状態として設定された時短状態が終了した後の通常状態に比較すると、外れ特殊リーチ変動の実行間隔が半分となるため、設定示唆演出をより多く確認して設定値をより早期に推測したいと考える遊技者に対して、RAMクリア操作が行われたパチンコ機10で遊技を開始したいと考えさせることができる。即ち、RAMクリア操作が行われた後の通常状態である可能性がある、ホールの開店後、1回も大当たりに当選していないパチンコ機10において遊技を開始したいと考えさせることができ、ホールの開店時間の直後から遊技を行いたいと考えさせ易くすることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図1549を参照して、本第32制御例におけるROM202に設けられている設定切替シナリオテーブル202gfの詳細について説明する。この設定切替シナリオテーブル202gfは、上述した通り、設定シナリオの種別と設定値を切り替える順序との対応関係が規定されているデータテーブルである。図1549に示した通り、本第32制御例の設定切替シナリオテーブル202gfには、「シナリオ1」から「シナリオ12」の12種類のシナリオが規定されており、シナリオの種別毎に、第1期間から第6期間の6種類の期間の設定値が対応付けて規定されている。ここで、本第32制御例では、設定シナリオを設定すると、まず、設定された設定シナリオのうち第1期間の設定値が設定され、その後は、所定の変更条件(切替条件)が成立する毎に(通常状態における発射球数が5000個の倍数となる毎に)、第2期間の設定値、第3期間の設定値、第4期間の設定値、第5期間の設定値、第6期間の設定値と切り替えられていき、第6期間において所定の変更条件(切替条件)が成立すると、第1期間の設定値が再び設定される。即ち、第1期間から第6期間をループするように構成されている。これにより、パチンコ機10に対して初期化操作(RAMクリア操作)を行わなかったとしても、通常遊技を行っているだけで設定値を定期的に切り替えることができるので、設定示唆演出等によって一旦低い設定値であると遊技者が推測したとしても、所定の変更条件が成立すれば高い設定値に切り替わるかもしれない、という期待感を抱かせることができるので、低い設定値と予測した遊技者に対しても、遊技を継続させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
図1549に示した通り、「シナリオ1」に対しては、第1期間~第3期間に対して設定値として設定1が規定され、第4期間に対して設定値として設定3が規定され、第5期間に対して設定値として設定1が規定され、第6期間に対して設定値として設定6が規定されているシナリオが対応付けられている。このため、設定シナリオとしてシナリオ1が設定された場合、第1期間から第3期間までは最も低い(最も不利な)設定1となるが、第3期間から第4期間に切り替わった場合に設定値が設定3に上昇し、第4期間から第5期間に切り替わると再度、最も不利な設定1に戻り、第5期間から第6期間に切り替わった場合に設定値が最も有利な設定6に上昇する。また、図1549に示した通り、「シナリオ2」に対しては、第1期間~第3期間に対して設定値として設定2が規定され、第4期間に対して設定値として設定4が規定され、第5期間に対して設定値として設定2が規定され、第6期間に対して設定値として設定6が規定されているシナリオが対応付けられている。このため、設定シナリオとしてシナリオ2が設定された場合、第1期間から第3期間までは設定1に次いで低い(2番目に不利な)設定2となるが、第3期間から第4期間に切り替わった場合に設定値が4に上昇し、第4期間から第5期間に切り替わると再度、2番目に不利な設定2に戻り、第5期間から第6期間に切り替わった場合に設定値が最も有利な設定6に上昇する。つまり、シナリオ1,2については、低設定から始まり、第4期間で一時的に設定値が2段階上昇した後で再び低設定に戻り、第6期間において最も有利な設定6へと大幅に上昇するシナリオとなっている。また、図1549に示した通り、「シナリオ3」に対しては、第1期間~第3期間に対して設定値として設定3が規定され、第4期間および第5期間に対して設定値として設定4が規定され、第6期間に対して設定値として設定6に次いで高い(2番目に有利な)設定5が規定されているシナリオが対応付けられている。このため、設定シナリオとしてシナリオ3が設定された場合、第1期間から第3期間までは所謂中間設定(中程度の有利度合い)の設定3となり、第3期間から第4期間に切り替わった場合に設定値が4に上昇し、第5期間においても設定値が4に維持され、第5期間から第6期間に切り替わった場合に設定値が2番目に有利な設定5に上昇する。つまり、後の期間になるほど設定値が上昇していく設定シナリオとなる。また、図1549に示した通り、「シナリオ4」に対しては、第1期間および第2期間に対して設定値として設定4が規定され、第3期間および第4期間に対して設定値として設定5が規定され、第5期間に対して設定値として最も有利な設定6が規定され、第6期間に対して設定値として設定3が規定されているシナリオが対応付けられている。このため、設定シナリオとして「シナリオ4」が設定された場合、第2期間までは所謂中間設定(中程度の有利度合い)の設定4となり、第2期間から第3期間に切り替わった場合に設定値が5に上昇し、第5期間においても設定値が5に維持され、第5期間から第6期間に切り替わった場合に設定値が中間設定である設定3に低下する。このため、「シナリオ4」に設定されると、第5期間までは期間が進むほど設定値が高くなっていくものの、第5期間ではシナリオの中で最も低い設定3に低下するシナリオとなっている。
また、図1549に示した通り、「シナリオ5」に対しては、第1期間に対して設定値として設定5が規定され、第2期間に対して設定値として設定3が規定され、第3期間および第4期間に対して設定値として設定5が規定され、第5期間に対して設定値として設定6が規定され、第6期間に対して設定値として設定3が規定されているシナリオが対応付けられている。このため、設定シナリオとしてシナリオ5が設定された場合、第1期間では2番目に高い設定5となるが、第2期間で一旦設定3に低下し、第3期間および第4期間において再び設定5に上昇し、第5期間で最も有利な設定6に上昇した後で、第6期間において設定3に低下する。このため、「シナリオ5」に設定されると、比較的設定値が頻繁に上がり下がりするシナリオとなっている。また、図1549に示した通り、「シナリオ6」に対しては、第1期間に対して設定値として最も高い設定6が規定され、第2期間に対して設定値として設定5が規定され、第3期間に対して設定値として設定6が規定され、第4期間に対して設定値として設定5が規定され、第5期間に対して設定値として設定6が規定され、第6期間に対して設定値として設定6が規定されているシナリオが対応付けられている。このため、設定シナリオとして「シナリオ6」が設定された場合、第1期間では最も高い設定6となり、第2期間において設定5に低下し、第3期間で再度設定6に上昇し、第4期間において再び設定5に低下し、第5期間および第6期間では最も有利な設定6に上昇する。このため、「シナリオ6」に設定されると、最低でも設定5が保証される上に、第1から第6期間のうち4つの期間において最も有利な設定6に設定される極めて有利なシナリオを構成する。また、図1549に示した通り、「シナリオ7」に対しては、第1期間に対して設定値として設定3が規定され、第2期間に対して設定値として設定2が規定され、第3期間から第6期間に対して設定値として設定1が規定されているシナリオが対応付けられている。このため、設定シナリオとして「シナリオ7」が設定された場合、第1期間では中間設定である設定3となり、第2期間において設定2に低下し、第3期間で更に設定が低下して設定1となり、以降は第6期間まで最も不利な設定6が維持される。このため、「シナリオ7」に設定されると、設定値が最高でも設定3止まりであり、期間が進むほどに設定値が低くなり、更に第1から第6期間のうち4つの期間において最も不利な設定1に設定される極めて不利なシナリオを構成する。
また、図1549に示した通り、「シナリオ8」に対しては、第1期間および第2期間に対して設定値として設定4が規定され、第3期間に対して設定値として設定3が規定され、第4期間に対して設定値として設定2が規定され、第5期間および第6期間に対して設定値として設定1が規定されているシナリオが対応付けられている。このため、設定シナリオとして「シナリオ8」が設定された場合、第1期間および第2期間では中間設定である設定4となるが、第3期間で設定3に低下し、第4期間で設定2に低下し、更に第5期間で設定1に低下した後、第6期間でも設定1が維持される。このため、「シナリオ8」に設定されると、期間が進むほどに設定が低くなっていく。また、図1549に示した通り、「シナリオ9」に対しては、第1期間および第2期間に対して設定値として設定5が規定され、第3期間に対して設定値として設定3が規定され、第4期間および第5期間に対して設定値として設定2が規定され、第6期間に対して設定値として設定1が規定されているシナリオが対応付けられている。このため、設定シナリオとして「シナリオ9」が設定された場合、第1期間および第2期間では2番目に高い設定である設定5となるが、第3期間で設定3に低下し、第4期間で設定2に低下し、第5期間でも設定2が維持された後、第6期間で最も不利な設定1に低下する。このため、「シナリオ9」に設定されると、シナリオ8と同様に、期間が進むほどに設定が低くなっていく。なお、「シナリオ8」に比べると、第1期間、第2期間、および第5期間の設定値がそれぞれ1段階高いため、「シナリオ9」は「シナリオ8」よりも有利度合いが高いシナリオと言える。また、図1549に示した通り、「シナリオ10」に対しては、第1期間に対して設定値として最も有利な設定6が規定され、第2期間および第3期間に対して設定値として設定4が規定され、第4期間に対して設定値として設定2が規定され、第5期間および第6期間に対して設定値として設定1が規定されているシナリオが対応付けられている。このため、設定シナリオとして「シナリオ10」が設定された場合、第1期間では最も有利な設定6となるが、第2期間で設定4に低下し、第3期間でも設定4が維持され、第4期間で設定2に低下し、更に第5期間で最も不利な設定1に低下した後、第6期間で最も不利な設定1が維持される。このため、「シナリオ10」に設定されると、「シナリオ8」や「シナリオ9」と同様に、期間が進むほどに設定が低くなっていく。なお、平均の設定値としては「シナリオ9」と同一であり、「シナリオ8」よりも高いシナリオとなる。よって、「シナリオ10」は「シナリオ8」よりも有利度合いが高いシナリオと言える。
また、図1549に示した通り、「シナリオ11」に対しては、第1期間に対して設定値として最も不利な設定1が規定され、第2期間に対して設定値として設定2が規定され、第3期間に対して設定値として最も有利な設定6が規定され、第4期間に対して設定値として設定2が規定され、第5期間および第6期間に対して設定値として設定1が規定されているシナリオが対応付けられている。このため、設定シナリオとしてシナリオ11が設定された場合、第1期間では最も不利な設定1となるが、第2期間で設定2に上昇し、更に第3期間で設定6へと大きく上昇し、第4期間で設定2に低下し、更に第5期間で最も不利な設定1に低下した後、第6期間で最も不利な設定1が維持される。このため、「シナリオ11」に設定されると、第3期間でのみ有利度合いが高くなるが、他の期間では低設定となる。また、図1549に示した通り、「シナリオ12」に対しては、第1期間に対して設定値として設定3が規定され、第2期間に対して設定値として設定2が規定され、第3期間に対して設定値として設定1が規定され、第4期間に対して設定値として設定3が規定され、第5期間に対して設定値として設定2が規定され、第6期間に対して設定値として設定1が規定されているシナリオが対応付けられている。このため、設定シナリオとして「シナリオ12」が設定された場合、第1期間では設定3となるが、第2期間、第3期間で設定値が1段階ずつ低下し、第4期間で設定3に戻った後、第5期間、第6期間で再び設定値が1段階ずつ低下する。このため、「シナリオ12」は、3の倍数の期間で最も不利な設定1になる上に、最高でも設定3までしか上がらない比較的有利度合いが低いシナリオとなる。このように、本第32制御例では、通常遊技中において所定の変更条件が成立する毎に、設定されている設定シナリオに規定された順番で設定値を切り替えることが可能に構成している。これにより、遊技を行っている時点での挙動(設定示唆演出による示唆内容、大当たり確率等)が悪かったとしても、所定の変更条件が成立して設定値が切り替わることで有利な設定値に切り替わることを期待して遊技を継続させ易くすることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、シナリオにおける前半の期間(第1および第2期間)において比較的高い設定値に設定されるシナリオ、中盤の期間(第3期間および第4期間)において比較的高い設定値に設定されるシナリオ、後半の期間(第5期間および第6期間)において比較的高い設定値に設定されるシナリオ等、傾向の異なる12種類のシナリオを設ける構成としているので、設定されているシナリオを予測する楽しみを遊技者に対して与えることもできる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1550を参照して、本第32制御例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図1550は、本第32制御例におけるRAM203の構成を示すブロック図である。図1550に示した通り、本第32制御例におけるRAM203は、上述した第1実施形態におけるRAM203の構成(図23(b)参照)に対して、確変カウンタ203iに代えて確変フラグ203gaが設けられている点、および変動パターンシナリオ格納エリア203gb、設定切替シナリオ格納エリア203gc、発射球数カウンタ203gd、進行状況フラグ203ge、設定値格納エリア203gf、特図1変動時間カウンタ203gg、特図2変動時間カウンタ203gh、大当たりフラグ203gi、小当たりフラグ203gj、特図2変動停止フラグ203gk、当選時状態格納エリア203gmが追加されている点で相違している。
確変フラグ203gaは、特別図柄の高確率状態となっているか否かを示すフラグである。この確変フラグ203gaがオンであれば、特別図柄の高確率状態に設定されていることを示し、オフであれば、特別図柄の低確率状態に設定されていることを示す。この確変フラグ203gaは、初期値がオフに設定されており、大当たりに当選する毎にオフにリセットされる(図1561のS2610G、図1567のS2909G参照)。また、大当たり遊技の実行中に遊技球が特定領域を通過した場合に、大当たり終了時にオンに設定される一方で、特定領域を通過しなかった場合はオフの状態が維持される。特別図柄の抽選を実行する際は、この確変フラグ203gaを参照して特別図柄の高確率状態であるか否かを判定し、特別図柄の状態に応じた大当たり確率で特別図柄の抽選を実行する。また、変動パターンシナリオ格納エリア203gbは、変動パターンシナリオを示すデータが格納される記憶領域である。この変動パターンシナリオ格納エリア203gbには、大当たりの終了タイミングとなる(若しくはパチンコ機10が初期化される)毎に、大当たり種別および大当たり当選時の遊技状態に応じた変動パターンシナリオが変動パターンシナリオテーブル202ge(図1548参照)から読み出されて格納される。特別図柄の抽選が実行されると、この変動パターンシナリオ格納エリア203gbに格納されているデータが読み出されて、読み出したデータ(変動パターンシナリオ)および大当たり終了後の変動回数に対応する変動パターン選択テーブルが特定される(図1559のS404G、図1566のS454G参照)。なお、この変動パターンシナリオ格納エリア203gbは、初期値が「00H」に設定されている。この「00H」という値は、パチンコ機10の初期化後の変動パターンシナリオを示すデータである。よって、パチンコ機10が初期化されて変動パターンシナリオ格納エリア203gbが初期値にリセットされた場合に、データを変更することなくそのままの状態で通常遊技に移行させることができる。また、設定切替シナリオ格納エリア203gcは、設定シナリオを示すデータを格納するための記憶領域である。この設定切替シナリオ格納エリア203gcにデータとして「00H」が格納されていれば、設定シナリオとして「シナリオ1」が設定されていることを示し、データとして「01H」が格納されていれば、設定シナリオとして「シナリオ2」が設定されていることを示し、データとして「02H」が格納されていれば、設定シナリオとして「シナリオ3」が設定されていることを示し、データとして「03H」が格納されていれば、設定シナリオとして「シナリオ4」が設定されていることを示し、データとして「04H」が格納されていれば、設定シナリオとして「シナリオ5」が設定されていることを示し、データとして「05H」が格納されていれば、設定シナリオとして「シナリオ6」が設定されていることを示し、データとして「06H」が格納されていれば、設定シナリオとして「シナリオ7」が設定されていることを示し、データとして「07H」が格納されていれば、設定シナリオとして「シナリオ8」が設定されていることを示し、データとして「08H」が格納されていれば、設定シナリオとして「シナリオ9」が設定されていることを示し、データとして「09H」が格納されていれば、設定シナリオとして「シナリオ10」が設定されていることを示し、データとして「0AH」が格納されていれば、設定シナリオとして「シナリオ11」が設定されていることを示し、データとして「0BH」が格納されていれば、設定シナリオとして「シナリオ12」が設定されていることを示す。通常遊技中に所定の変更条件(切替条件)が成立した場合(通常状態における発射球数の累計が5000個の倍数となった場合)には、この設定切替シナリオ格納エリア203gcのデータと、後述する進行状況フラグ203gdの状態と、を参照して、切り替え後の設定値を特定し、特定した設定値に応じて後述する設定値格納エリア203gfのデータが更新される(図1572のS1856G,S1857G参照)。なお、設定切替シナリオ格納エリア203gcは、初期値が「00H」に設定されており、設定シナリオ変更状態において設定スイッチ110cが押下(操作)される毎に、「01H」→「02H」→・・・→「0BH」と「01H」ずつ値が更新され、データが「0BH」の状態で更に設定スイッチ110cが押下されると、データが「00H」に更新される(図1570のS1757G参照)。
発射球数カウンタ203gdは、発射球数をカウントするためのカウンタである。この発射球数カウンタ203gdは、初期値が0に設定されており、通常状態において遊技球の発射を検出する毎に値が1ずつ加算される(図1572のS1853G参照)。また、この発射球数カウンタ203gdが5000になると、設定されている設定シナリオに応じて設定値が切り替えられると共に、値が0にリセットされる(図1572のS1859G参照)。なお、本第32制御例では、発射球数が5000の倍数となる毎に設定シナリオに応じて設定値を切り替える構成としていたが、設定値を切り替えるまでの発射球数はこれにかぎられるものではなく、任意に定めてもよい。設定値を切り替えるまでの発射球数を少なく設定することにより、設定値が切り替わる頻度を高くすることができ、逆に、設定値を切り替えるまでの発射球数を多く設定することにより、設定値が切り替わる頻度を低くすることができる。また、本第32制御例では、発射球数が規定数に到達したことを条件として設定値を切り替える構成としていたが、これに代えて、または加えて、特別図柄の抽選回数が規定回数に到達したことを条件として設定値を切り替える構成としてもよいし、通常遊技における積算の経過時間が規定時間に到達したことを条件として設定値を切り替える構成としてもよいし、時短状態において大当たりとならずに通常状態に移行した(有利な遊技状態を抜けた)回数が規定回数となったことを条件として設定値を切り替える構成としてもよい。これらの構成によっても、遊技中に大当たり確率(設定値)を異ならせることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、進行状況フラグ203geは、設定シナリオの進行状況(現在の期間の種別)を示すフラグである。この進行状況フラグ203geが「00H」に設定されていれば、設定シナリオにおける第1期間であることを示し、「01H」に設定されていれば、設定シナリオにおける第2期間であることを示し、「02H」に設定されていれば、設定シナリオにおける第3期間であることを示し、「03H」に設定されていれば、設定シナリオにおける第4期間であることを示し、「04H」に設定されていれば、設定シナリオにおける第5期間であることを示し、「05H」に設定されていれば、設定シナリオにおける第6期間であることを示す。この進行状況フラグ203geは、初期値が「00H」に設定されており、所定の変更条件が成立して設定値が切り替えられる毎に値が「01H」ずつ加算して更新される。また、「05H」の状態において更に所定の変更条件が成立した場合には、進行状況フラグ203geが「00H」に更新される。この進行状況フラグ203geにより、設定シナリオのいずれの期間に設定されているかを正確に把握することができる。
設定値格納エリア203gfは、パチンコ機10の設定値に対応するデータを格納しておくための記憶領域である。より具体的には、設定値格納エリア203maにデータとして「00H」が格納されていれば、設定値「1」が設定されていることを示し、データとして「01H」が格納されていれば、設定値「2」が設定されていることを示し、データとして「02H」が格納されていれば、設定値「3」が設定されていることを示し、データとして「03H」が格納されていれば、設定値「4」が設定されていることを示し、データとして「04H」が格納されていれば、設定値「5」が設定されていることを示し、データとして「05H」が格納されていれば、設定値「6」が設定されていることを示す。特別図柄の抽選を実行する際は、この設定値格納エリア203gfのデータを読み出して、その読み出したデータが示す設定値に対応する抽選確率で特別図柄の抽選(大当たり抽選)を実行する。即ち、第1当たり乱数テーブル202ga(図1543(b)参照)のうち、設定値格納エリア203gfのデータが示す設定値に対応する乱数値の範囲と、実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値とを比較することにより特別図柄の抽選を実行する(図1557のS303G,S304G、図1564のS353G,S354G参照)。
特図1変動時間カウンタ203ggは、第1特別図柄の変動時間をカウントするためのカウンタであり、特図2変動時間カウンタ203ghは、第2特別図柄の変動時間をカウントするためのカウンタである。これらの特図1変動時間カウンタ203gg、および特図2変動時間カウンタ203ghは、それぞれ第1特別図柄の抽選が実行されて抽選結果に応じた第1特別図柄の変動パターンが決定された場合、および第2特別図柄の抽選が実行されて抽選結果に応じた第2特別図柄の変動パターンが決定された場合に、決定された変動パターンに応じた変動時間に対応するカウンタ値が設定される。また、大当たりフラグ203giは、特別図柄の抽選で大当たりに当選したことを示すフラグである。この大当たりフラグ203giには、第1特別図柄の大当たりに対応する特図1大当たりフラグ203gi1と、第2特別図柄の大当たりに対応する特図2大当たりフラグ203gi2と、が存在する。特図1大当たりフラグ203gi1がオンに設定されている状態で第1特別図柄の変動時間が経過した場合は、第1特別図柄の変動停止を設定すると共に、第2特別図柄の変動表示の実行中であれば当該第2特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図1561のS2606G参照)。また、特図2大当たりフラグ203gi2がオンに設定されている状態で第2特別図柄の変動時間が経過した場合は、第2特別図柄の変動停止を設定すると共に、第1特別図柄の変動表示の実行中であれば当該第1特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図1567のS2905G参照)。即ち、大当たりフラグ203giは、一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄が大当たり図柄で停止表示された場合に、大当たり遊技の実行を設定すると共に変動表示中の他方の特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させるためのフラグである。また、小当たりフラグ203gjは、特別図柄の抽選で小当たりに当選したことを示すフラグである。この小当たりフラグ203gjには、第1特別図柄の小当たりに対応する特図1小当たりフラグ203gj1と、第2特別図柄の小当たりに対応する特図2小当たりフラグ203gj2と、が存在する。特図1小当たりフラグ203gj1がオンに設定されている状態で第1特別図柄の変動時間が経過した場合は、第1特別図柄の変動停止を設定すると共に、第2特別図柄の変動表示の実行中であれば当該第2特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図1562のS2656G参照)。また、特図2小当たりフラグ203gj2がオンに設定されている状態で第2特別図柄の変動時間が経過した場合は、第2特別図柄の変動停止を設定すると共に、第1特別図柄の変動表示の実行中であれば当該第1特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図1568のS2955G参照)。即ち、小当たりフラグ203gjは、一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄が小当たり図柄で停止表示された場合に、小当たり遊技の実行を設定すると共に変動表示中の他方の特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させるためのフラグである。
特図2変動停止フラグ203gkは、第2特別図柄の変動表示の実行中に第1特別図柄が大当たり図柄または小当たり図柄で停止表示され、第2特別図柄が外れ図柄で強制停止されたことを示すフラグである。この特図2変動停止フラグ203gkは、初期値がオフに設定されており、第2特別図柄が外れ図柄で強制停止された場合にオンに設定され(図1561のS2604G、図1562のS2654G参照)、第2特別図柄の変動表示の開始を設定するための第2特別図柄変動開始処理(図1563参照)の中でオフに設定される。詳述すると、この特図2変動停止フラグ203gkがオンの状態で第2特別図柄変動開始処理(図1563参照)が実行されると、第2特別図柄の変動表示の開始を設定することなく処理が終了される。つまり、第2特別図柄が外れ図柄で強制停止された直後(強制停止の契機となった第1特別図柄の大当たりまたは小当たりが開始されるよりも前)に第2特別図柄の抽選が実行されて第2特別図柄の変動表示が開始されてしまうことを防止(抑制)するためのフラグである。また、当選時状態格納エリア203gmは、大当たり当選時の遊技状態を示すデータを格納するための記憶領域である。この当選時状態格納エリア203gmには、大当たり図柄を停止表示させる際に当該停止表示時の遊技状態に対応するデータが格納される(図1561のS2609G、図1567のS2908G参照)。
次に、図1551(a)を参照して、本第32制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図1551(a)に示した通り、本第32制御例におけるROM222は、上述した第1制御例のROM222の構成(図28(a)参照)に対して、切替示唆演出選択テーブル222gaと、設定示唆演出選択テーブル222gbと、切替ポイント選択テーブル222gcと、が追加されている点で相違している。また、通常中特図2演出選択テーブル222b、確変中演出選択テーブル222c、連続予告実行選択テーブル222d、V報知実行選択テーブル222e、およびボタン操作時演出選択テーブル222fが削除されている点でも相違している。切替示唆演出選択テーブル222gaは、所定の変更条件(切替条件)が成立して設定値の切り替えが行われた場合に、切り替えが行われたこと、および切り替え後の設定値を示唆するための切替示唆演出の演出態様を選択するために参照されるデータテーブルである。また、設定示唆演出選択テーブル222gbは、主制御装置110から変動パターンコマンドにより変動種別として外れ特殊リーチ変動が通知された場合に、当該外れ特殊リーチ変動の実行期間中に実行する設定示唆演出の演出態様を選択するために参照されるデータテーブルである。また、切替ポイント選択テーブル222gcは、通常状態において変動停止毎に実行する切替ポイント獲得演出の演出態様(獲得ポイント数)を選択するために参照されるデータテーブルである。
まず、図1551(b)を参照して、切替示唆演出選択テーブル222gaの詳細について説明する。図1551(b)は、この切替示唆演出選択テーブル222gaの規定内容を示した図である。図1551(b)に示した通り、この切替示唆演出選択テーブル222gaには、所定の変更条件(切替条件)が成立して設定値が切り替えられた前後における設定値の差分(D)の値毎に、選択され得る演出態様と、演出カウンタ223fの値の範囲とが対応付けて規定されている。より具体的には、図1551(b)に示した通り、切り替え前後における設定値の差分(D)の値が-2以下である場合(即ち、設定値が2段階以上低い設定値に切り替わった場合)は、演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、「CHANGE!?」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様(図1541(b)参照)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「50~99」の範囲に対して、「CHANGE!!」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様が対応付けて規定されている。つまり、設定値が切り替わったことを示唆する演出態様、若しくは設定値が切り替わったことが確定する演出態様のいずれかが選択される。演出カウンタ223fが取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、設定値が切り替わったことを示唆する演出態様(「CHANGE!?」という文字が表示される演出態様)、および設定値が切り替わったことが確定する演出態様(「CHANGE!!」という文字が表示される演出態様)に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ50個ずつであるので、設定値の切り替わりの前後において設定値が2段階以上低下していた場合、50%の割合で設定値が切り替わったことを示唆する演出態様(「CHANGE!?」という文字が表示される演出態様)が決定され、50%の割合で設定値が切り替わったことが確定する演出態様(「CHANGE!!」という文字が表示される演出態様)が決定される。
また、図1551(b)に示した通り、切り替え前後における設定値の差分(D)の値が-1である場合(即ち、設定値が1段階低い設定値に切り替わった場合)は、演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対して、「KEEP!?」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様(図1541(a)参照)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「10~69」の範囲に対して、「CHANGE!?」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様(図1541(b)参照)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「70~99」の範囲に対して、「CHANGE!!」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様が対応付けて規定されている。つまり、設定値が維持されたことを示唆する演出態様、設定値が切り替わったことを示唆する演出態様、および設定値が切り替わったことが確定する演出態様のいずれかが選択される。演出カウンタ223fが取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、設定値が維持されたことを示唆する演出態様(「KEEP!?」という文字が表示される演出態様)、設定値が切り替わったことを示唆する演出態様(「CHANGE!?」という文字が表示される演出態様)、および設定値が切り替わったことが確定する演出態様(「CHANGE!!」という文字が表示される演出態様)に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ10個、60個、および30個であるので、設定値の切り替わりの前後において設定値が1段階低下していた場合、10%の割合で設定値が維持されたことを示唆する演出態様(「KEEP!?」という文字が表示される演出態様)が決定され、60%の割合で設定値が切り替わったことを示唆する演出態様(「CHANGE!?」という文字が表示される演出態様)が決定され、30%の割合で設定値が切り替わったことが確定する演出態様(「CHANGE!!」という文字が表示される演出態様)が決定される。つまり、設定値が2段階以上低下した場合に比較して、設定値が維持されたことを示唆する演出態様(「KEEP!?」という文字が表示される演出態様)が決定されるようになる点が大きく異なる。また、設定値が切り替わったことが確定する演出態様(「CHANGE!!」という文字が表示される演出態様)が決定され難くなる点でも相違している。
また、図1551(b)に示した通り、切り替え前後における設定値の差分(D)の値が0である場合(即ち、設定値が切り替わらなかった場合)は、演出カウンタ223fの値が「0~14」の範囲に対して、「UP!?」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様(図1540(b)参照)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「15~74」の範囲に対して、「KEEP!?」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様(図1541(a)参照)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「75~84」の範囲に対して、「KEEP!!」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「85~99」の範囲に対して、「CHANGE!?」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様(図1541(b)参照)が対応付けて規定されている。つまり、設定値が上昇したことを示唆する演出態様、設定値が維持されたことを示唆する演出態様、設定値が維持されたことが確定する演出態様、および設定値が切り替わったことを示唆する演出態様のいずれかが選択される。演出カウンタ223fが取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、設定値が上昇したことを示唆する演出態様(「UP!?」という文字が表示される演出態様)、設定値が維持されたことを示唆する演出態様(「KEEP!?」という文字が表示される演出態様)、設定値が維持されたことが確定する演出態様(「KEEP!!」という文字が表示される演出態様)、および設定値が切り替わったことを示唆する演出態様(「CHANGE!?」という文字が表示される演出態様)に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ15個、60個、10個、および15個であるので、設定値の切り替わりの前後において設定値が同一であった場合、15%の割合で設定値が上昇したことを示唆する演出態様(「UP!?」という文字が表示される演出態様)が決定され、60%の割合で設定値が維持されたことを示唆する演出態様(「KEEP!?」という文字が表示される演出態様)が決定され、10%の割合で設定値が維持されたことが確定する演出態様(「KEEP!!」という文字が表示される演出態様)が決定され、15%の割合で設定値が切り替わったことを示唆する演出態様(「CHANGE!?」という文字が表示される演出態様)が決定される。つまり、設定値が1段階、または2段階以上が低下した場合に比較して、設定値が上昇したことを示唆する演出態様、および設定値が維持されたことが確定する演出態様(「KEEP!!」という文字が表示される演出態様)が決定されるようになる点が大きく異なる。また、設定値が切り替わったことが確定する演出態様(「CHANGE!!」という文字が表示される演出態様)が決定されなくなる点でも大きく異なる。
また、図1551(b)に示した通り、切り替え前後における設定値の差分(D)の値が1である場合(即ち、設定値が1段階高い設定値に切り替わった場合)は、演出カウンタ223fの値が「0~34」の範囲に対して、「UP!?」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様(図1540(b)参照)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「35~39」の範囲に対して、「UP!!」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「40~49」の範囲に対して、「KEEP!?」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様(図1541(a)参照)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「50~79」の範囲に対して、「CHANGE!?」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様(図1541(b)参照)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「80~99」の範囲に対して、「CHANGE!!」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様が対応付けて規定されている。つまり、設定値が上昇したことを示唆する演出態様、設定値が上昇したことが確定する演出態様、設定値が維持されたことを示唆する演出態様、設定値が切り替わったことを示唆する演出態様、および設定値が切り替わったことが確定する演出態様のいずれかが選択される。演出カウンタ223fが取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、設定値が上昇したことを示唆する演出態様(「UP!?」という文字が表示される演出態様)、設定値が上昇したことが確定する演出態様(「UP!!」という文字が表示される演出態様)、設定値が維持されたことを示唆する演出態様(「KEEP!?」という文字が表示される演出態様)、設定値が切り替わったことを示唆する演出態様(「CHANGE!?」という文字が表示される演出態様)、および設定値が切り替わったことが確定する演出態様(「CHANGE!!」という文字が表示される演出態様)に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ35個、5個、10個、30個、および20個であるので、設定値の切り替わりの前後において設定値が1段階以上高い設定値に切り替わっていた場合、35%の割合で設定値が上昇したことを示唆する演出態様(「UP!?」という文字が表示される演出態様)が決定され、5%の割合で設定値が上昇したことが確定する演出態様(「UP!!」という文字が表示される演出態様)が決定され、10%の割合で設定値が維持されたことを示唆する演出態様(「KEEP!?」という文字が表示される演出態様)が決定され、30%の割合で設定値が切り替わったことを示唆する演出態様(「CHANGE!?」という文字が表示される演出態様)が決定され、20%の割合で設定値が切り替わったことが確定する演出態様(「CHANGE!!」という文字が表示される演出態様)が決定される。つまり、設定値が上昇しなかった場合(設定値が維持されるか、または低下した場合)に比較して、設定値が上昇したことを示唆する演出態様(「UP!?」という文字が表示される演出態様)、および設定値が上昇したことが確定する演出態様(「UP!!」という文字が表示される演出態様)が決定されるようになる点が大きく異なる。
また、図1551(b)に示した通り、切り替え前後における設定値の差分(D)の値が2以上である場合(即ち、設定値が2段階以上高い設定値に切り替わった場合)は、演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、「UP!?」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様(図1540(b)参照)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「50~59」の範囲に対して、「UP!!」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「60~64」の範囲に対して、「EXTRA」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「65~89」の範囲に対して、「CHANGE!?」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様(図1541(b)参照)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「90~99」の範囲に対して、「CHANGE!!」という文字が付されたアイコン852aが出現する演出態様が対応付けて規定されている。つまり、設定値が上昇したことを示唆する演出態様、設定値が上昇したことが確定する演出態様、設定値が2段階以上高くなったことが確定する特別な演出態様、設定値が切り替わったことを示唆する演出態様、および設定値が切り替わったことが確定する演出態様のいずれかが選択される。演出カウンタ223fが取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、設定値が上昇したことを示唆する演出態様(「UP!?」という文字が表示される演出態様)、設定値が上昇したことが確定する演出態様(「UP!!」という文字が表示される演出態様)、設定値が2段階以上高くなったことが確定する特別な演出態様(「EXTRA」という文字が表示される演出態様)、設定値が切り替わったことを示唆する演出態様(「CHANGE!?」という文字が表示される演出態様)、および設定値が切り替わったことが確定する演出態様(「CHANGE!!」という文字が表示される演出態様)に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ50個、10個、5個、25個、および10個であるので、設定値の切り替わりの前後において設定値が2段階以上高い設定値に切り替わっていた場合、50%の割合で設定値が上昇したことを示唆する演出態様(「UP!?」という文字が表示される演出態様)が決定され、10%の割合で設定値が上昇したことが確定する演出態様(「UP!!」という文字が表示される演出態様)が決定され、5%の割合で設定値が2段階以上高くなったことが確定する特別な演出態様(「EXTRA」という文字が表示される演出態様)が決定され、25%の割合で設定値が切り替わったことを示唆する演出態様(「CHANGE!?」という文字が表示される演出態様)が決定され、10%の割合で設定値が切り替わったことが確定する演出態様(「CHANGE!!」という文字が表示される演出態様)が決定される。つまり、設定値が上昇しなかった場合(設定値が維持されるか、または低下した場合)、および設定値が1段階のみ高くなった場合に比較して、設定値が2段階以上高くなったことが確定する特別な演出態様(「EXTRA」という文字が表示される演出態様)が決定されるようになる点が大きく異なる。
このように、本第32制御例では、通常遊技中に所定の変更条件(切替条件)が成立したことを契機として設定値(大当たり確率)を切替可能に構成したことに伴って、所定の変更条件が成立した前後の設定値の差分に応じて、当該設定値の差分を示唆する演出を実行する構成としている。このように構成することで、設定値がどのように切り替わったのかを演出態様から推測する楽しみを遊技者に対して与えることができる。具体的には例えば、「UP!?」という文字が表示される演出態様の切替示唆演出が実行された場合に、少なくとも設定値が低下していないと遊技者に対して確信させることができるので、切り替え後の設定値において遊技を継続しようと思わせることができる。また、「UP!!」という文字が表示される演出態様の切替示唆演出や「EXTRA」という文字が表示される演出態様の切替示唆演出が実行された場合に、設定値が高くなったことを確信させることができるので、より有利度合いが高くなったと思わせて遊技を継続させることができる。また、「CHANGE!!」という文字が表示される演出態様の切替示唆演出が実行された場合には、当該切替示唆演出が実行される前におけるパチンコ機10の挙動によって遊技を継続するか否かを判断させることができる。即ち、直近の挙動が悪かった(大当たり確率が低かった)状況下で設定値の切り替えが確定する「CHANGE!!」という文字が表示された場合は、良い(高い)設定値に切り替わったのではないかと思わせることができ、遊技を継続しようと思わせることができる。一方で、直近の挙動が良かった(大当たり確率が高かった)状況下で設定値の切り替えが確定する「CHANGE!!」という文字が表示された場合は、悪い(低い)設定値に切り替わったのではないかと思わせることができ、遊技を辞めるかどうか判断させることができる。このように、切替示唆演出の内容、および直近のパチンコ機10の挙動(大当たり確率)を加味して、切り替え後の設定値を推測させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、設定シナリオの種別毎の特定を把握しておくことにより、設定値の推移から設定されている設定シナリオをも推測させる遊技性を実現することができる。例えば、設定示唆演出の出現タイミング等から遊技機が初期化された後の通常状態であり、設定シナリオにおける第1期間に設定されていると判断した上で、最初の切替示唆演出(第1期間から第2期間へと切り替わったと推測されるタイミングで実行された切替示唆演出)において、前の期間よりも高い設定値に切り替わったことが確定する「UP!!」という文字が表示される演出態様の切替示唆演出が実行された場合、その時点で、設定シナリオを1つに絞り込むことができる。具体的には、12種類のシナリオの中で、第1期間よりも第2期間の設定値の方が高いシナリオは「シナリオ11」のみであるため(図1549参照)、設定されている設定シナリオが「シナリオ11」(第1期間において設定1に設定され、第2期間において設定2に上昇するシナリオ)であると予測させることができる。つまり、第3期間において最も有利な設定6に切り替わるシナリオであると予測させることができるので、少なくとも第3期間が終了するまで(3回目の切替示唆演出が実行されるまで)遊技を継続しようと思わせることができる。また、例えば、第4期間へと切り替わったと推測されるタイミングにおいて、前の期間と同一の設定値に維持されたことが確定する「KEEP!!」という文字が表示される演出態様の切替示唆演出が実行された場合、設定シナリオを3つに絞り込むことができる。即ち、第3期間および第4期間のいずれも設定5に設定される「シナリオ4」、「シナリオ5」、または第3期間および第4期間のいずれも設定1に設定される「シナリオ7」のいずれかであると遊技者に対して予測させることができる。「シナリオ4」、「シナリオ5」であれば、高設定(設定5または設定6)の期間が少なくとも第5期間まで継続する極めて有利な状況となる一方で、「シナリオ7」であれば、第6期間まで設定1が維持されるため、「シナリオ7」でないことを期待して遊技を行わせることができる。よって、シナリオ毎の設定値の推移と、切替示唆演出による各期間における示唆内容とを照らし合わせて設定シナリオを推測し、今後設定される期間における設定値をも推測する極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次いで、図1552を参照して、上述した設定示唆演出選択テーブル222gbの詳細について説明する。図1552は、この設定示唆演出選択テーブル222gbの規定内容を示した図である。図1552に示した通り、本第32制御例における設定示唆演出選択テーブル222gbには、設定値毎に、演出カウンタ223fの値と、演出態様とが対応付けて規定されている。具体的には、図24135に示した通り、1図柄リーチの演出態様に対しては、設定1の場合、演出カウンタ223fの値の範囲として「0~9」の10個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定2~6の場合、演出カウンタ223fの値の範囲として「0~2」の3個のカウンタ値が対応付けて規定されている。このため、設定1において外れ特殊リーチ変動が通知された場合(設定変更後の変動回数が50の倍数になった場合)に1図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は10%(10/100)である一方、設定1以外の設定において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に1図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は3%である。このため、初期化後の通常状態における変動回数が50の倍数となるか、初期化後以外の通常状態における変動回数が100の倍数となった場合(外れ特殊リーチ変動の変動表示が実行された場合)において1図柄リーチが実行された場合には、最低設定である1の可能性が比較的高くなる。また、図1552に示した通り、2図柄リーチの演出態様に対しては、設定1の場合、演出カウンタ223fの値として「10~12」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定2の場合、演出カウンタ223fの値として「3~12」の10個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定3~6の場合、「3~5」の3個のカウンタ値が対応付けて規定されている。よって、設定1において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に2図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は1%(1/100)であり、設定2において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に2図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は10%(10/100)であり、設定3~6において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に2図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は3%(3/100)である。このため、初期化後の通常状態における変動回数が50の倍数となるか、初期化後以外の通常状態における変動回数が100の倍数となった場合において2図柄リーチが実行された場合には、設定2の可能性が比較的高くなる。
また、図1552に示した通り、3図柄リーチの演出態様に対しては、設定1,2の場合、演出カウンタ223fの値として「13~15」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定3の場合、演出カウンタ223fの値として「6~20」の15個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定4~6の場合、「6~8」の3個のカウンタ値が対応付けて規定されている。よって、設定1,2,4~6において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に3図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は3%(3/100)である一方で、設定3において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に3図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は15%(15/100)である。このため、初期化後の通常状態における変動回数が50の倍数となるか、初期化後以外の通常状態における変動回数が100の倍数となった場合において3図柄リーチが実行された場合には、設定3の可能性が比較的高くなる。
また、図1552に示した通り、4図柄リーチの演出態様に対しては、設定1,2の場合、演出カウンタ223fの値として「16~18」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定3の場合、演出カウンタ223fの値として「21~23」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定4の場合、「9~23」の15個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定5,6の場合、「9~15」の7個のカウンタ値が対応付けて規定されている。よって、設定1~3において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に4図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は3%(3/100)であり、設定4において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に4図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は15%(15/100)であり、設定5,6において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に4図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は7%(7/100)である。このため、初期化後の通常状態における変動回数が50の倍数となるか、初期化後以外の通常状態における変動回数が100の倍数となった場合において4図柄リーチが実行された場合には、設定4の可能性が比較的高くなる上に、設定5や6の期待をも遊技者に抱かせることができる。
また、図1552に示した通り、5図柄リーチの演出態様に対しては、設定1,2の場合、演出カウンタ223fの値として「19~21」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定3,4の場合、演出カウンタ223fの値として「23~26」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定5の場合、「15~29」の15個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定6の場合、「16~22」の7個のカウンタ値が対応付けて規定されている。よって、設定1~4において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に5図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は3%(3/100)であり、設定5において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に5図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は15%(15/100)であり、設定6において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に5図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は7%(7/100)である。このため、初期化後の通常状態における変動回数が50の倍数となるか、初期化後以外の通常状態における変動回数が100の倍数となった場合において5図柄リーチが実行された場合には、設定5の可能性が比較的高くなる上に、設定6の期待をも遊技者に抱かせることができる。また、図1552に示した通り、6図柄リーチの演出態様に対しては、設定1,2の場合、演出カウンタ223fの値として「22~24」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定3,4の場合、演出カウンタ223fの値として「27~29」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定5の場合、「30~32」の3個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定6の場合、「23~38」の15個のカウンタ値が対応付けて規定されている。よって、設定1~5において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に6図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は3%(3/100)であり、設定6において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に6図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は15%(15/100)である。このため、初期化後の通常状態における変動回数が50の倍数となるか、初期化後以外の通常状態における変動回数が100の倍数となった場合において6図柄リーチが実行された場合には、設定6の可能性が比較的高くなる。
また、図1552に示した通り、8図柄リーチの演出態様に対しては、設定1,2の場合、演出カウンタ223fの値として「25~99」の75個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定3,4の場合、演出カウンタ223fの値として「30~99」の70個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定5の場合、「33~99」の67個のカウンタ値が対応付けて規定され、設定6の場合、「39~96」の57個のカウンタ値が対応付けて規定されている。よって、設定1,2において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に8図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は75%(75/100)であり、設定3,4において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に8図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は70%(70/100)であり、設定5において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に8図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は67%(67/100)であり、設定6において外れ特殊リーチ変動が通知された場合に8図柄リーチの変動パターン演出が選択される割合は57%である。よって、設定が低くなるほど8図柄リーチの変動パターン演出が選択され易くなるので、初期化後の通常状態における変動回数が50の倍数となるか、初期化後以外の通常状態における変動回数が100の倍数となった場合において8図柄リーチが実行された場合には、低設定の可能性が比較的高くなる。また、図1552に示した通り、9図柄リーチの演出態様に対しては、設定6の場合、演出カウンタ223fの値として「97~99」の3個のカウンタ値が対応付けて規定されている一方で、他の設定の場合、演出カウンタ223fの値が対応付けられていない。よって、初期化後の通常状態における変動回数が50の倍数となるか、初期化後以外の通常状態における変動回数が100の倍数となった場合において9図柄リーチが実行されると、最高設定である設定6が確定する。このように、本第32制御例では、初期化後の通常状態における変動回数が50の倍数となるか、初期化後以外の通常状態における変動回数が100の倍数となる毎に、内容から設定を推測することが可能な(設定値毎に各演出態様の選択率が異なる)設定示唆演出を実行するように構成している。これにより、少なくとも電源投入後の変動回数が50の倍数となるまで遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、電源投入後大当たりに当選するまでの間におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図1553を参照して、上述した切替ポイント選択テーブル222gcの詳細について説明する。この切替ポイント選択テーブル222gcは、上述した通り、通常状態において変動停止毎に実行する切替ポイント獲得演出の演出態様(獲得ポイント数)を選択するために参照されるデータテーブルである。図1553に示した通り、切替ポイント選択テーブル222gcには、発射球数と現在表示されている小領域Dm1に表示されている切替ポイントとの差分(H)の値および変動種別毎に、今回の変動表示演出において獲得が報知される切替ポイントの値と演出カウンタ223fの値の範囲とが対応付けて規定されている。より具体的には、図1553に示した通り、発射球数と表示上の切替ポイントとの差分(H)が10未満の範囲に対しては、変動種別によらず、演出カウンタ223fの値が取り得る全ての値の範囲(「0~99」の範囲)に対して、獲得ポイントとして「0pt」が対応付けて規定されている。つまり、発射球数と表示されている切替ポイントとの差が少ない(10未満の)範囲においては、変動種別によらず、変動停止時に切替ポイントが獲得されない(0ptが獲得される)演出が実行される。また、図1553に示した通り、発射球数と表示上の切替ポイントとの差分(H)が10以上、20未満の範囲に対しては、変動種別が短外れ、若しくは長外れである場合に、演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対して、獲得ポイントとして「0pt」が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「10~99」の範囲に対して、獲得ポイントとして「10pt」が対応付けて規定されている。一方、変動種別が短外れでも長外れでもない場合に、演出カウンタ223fの値が取り得る全ての範囲(「0~99」の範囲)に対して、獲得ポイントとして「10pt」が対応付けて規定されている。よって、表示上の切替ポイントが実際の発射球数に対して10ポイント以上少なく、且つ、差が20ポイント未満である状況下においては、変動種別が短外れ若しくは長外れの場合、90%の割合で10ポイントの切替ポイントを獲得する演出(表示上の切替ポイントに10ポイントが加算される演出)が実行され、10%の割合で切替ポイントが加算されない演出が実行される。また、短外れおよび長外れ以外の変動種別の場合、必ず10ポイントの切替ポイントを獲得する演出が実行される。
また、図1553に示した通り、発射球数と表示上の切替ポイントとの差分(H)が20以上、30未満の範囲に対しては、変動種別が短外れ、若しくは長外れである場合に、演出カウンタ223fの値が「0~24」の範囲に対して、獲得ポイントとして「10pt」が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「25~99」の範囲に対して、獲得ポイントとして「20pt」が対応付けて規定されている。一方、変動種別が短外れでも長外れでもない場合に、演出カウンタ223fの値が取り得る全ての範囲(「0~99」の範囲)に対して、獲得ポイントとして「20pt」が対応付けて規定されている。よって、表示上の切替ポイントが実際の発射球数に対して20ポイント以上少なく、且つ、差が30ポイント未満である状況下においては、変動種別が短外れ若しくは長外れの場合、25%の割合で10ポイントの切替ポイントを獲得する演出(表示上の切替ポイントに10ポイントが加算される演出)が実行され、75%の割合で20ポイントの切替ポイントを獲得する演出(表示上の切替ポイントに20ポイントが加算される演出)が実行される。また、短外れおよび長外れ以外の変動種別の場合、必ず20ポイントの切替ポイントを獲得する演出が実行される。また、図1553に示した通り、発射球数と表示上の切替ポイントとの差分(H)が30以上、50未満の範囲に対しては、変動種別が短外れ、若しくは長外れである場合に、演出カウンタ223fの値が「0~4」の範囲に対して、獲得ポイントとして「10pt」が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「5~34」の範囲に対して、獲得ポイントとして「20pt」が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「35~99」の範囲に対して、獲得ポイントとして「30pt」が対応付けて規定されている。一方、変動種別が短外れでも長外れでもない場合に、演出カウンタ223fの値が取り得る全ての範囲(「0~99」の範囲)に対して、獲得ポイントとして「30pt」が対応付けて規定されている。よって、表示上の切替ポイントが実際の発射球数に対して20ポイント以上少なく、且つ、差が30ポイント未満である状況下においては、変動種別が短外れ若しくは長外れの場合、5%の割合で10ポイントの切替ポイントを獲得する演出(表示上の切替ポイントに10ポイントが加算される演出)が実行され、30%の割合で20ポイントの切替ポイントを獲得する演出(表示上の切替ポイントに20ポイントが加算される演出)が実行され、65%の割合で30ポイントの切替ポイントを獲得する演出(表示上の切替ポイントに30ポイントが加算される演出)が実行される。また、短外れおよび長外れ以外の変動種別の場合、必ず30ポイントの切替ポイントを獲得する演出が実行される。
更に、図1553に示した通り、発射球数と表示上の切替ポイントとの差分(H)が50以上の範囲に対しては、変動種別が短外れ、若しくは長外れである場合に、演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、獲得ポイントとして「30pt」が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「50~99」の範囲に対して、獲得ポイントとして「50pt」が対応付けて規定されている。一方、変動種別が短外れでも長外れでもない場合に、演出カウンタ223fの値が取り得る全ての範囲(「0~99」の範囲)に対して、獲得ポイントとして「50pt」が対応付けて規定されている。よって、表示上の切替ポイントが実際の発射球数に対して50ポイント以上少ない状況下においては、変動種別が短外れ若しくは長外れの場合、50%の割合で30ポイントの切替ポイントを獲得する演出(表示上の切替ポイントに30ポイントが加算される演出)が実行され、50%の割合で50ポイントの切替ポイントを獲得する演出(表示上の切替ポイントに50ポイントが加算される演出)が実行される。また、短外れおよび長外れ以外の変動種別の場合、必ず50ポイントの切替ポイントを獲得する演出が実行される。このように、本第32制御例では、実際の発射球数と表示上の切替ポイントとの差分に応じて、獲得される切替ポイントを異ならせ、差分が大きくなるほどより多くの切替ポイントを獲得し易く構成しているので、実際の発射球数と表示上の切替ポイントとの差が大きくなり過ぎてしまうことを抑制することができる。言い換えれば、表示上の切替ポイントを、所定の変更条件が成立するまでの発射球数の目安として十分に用いることができるので、切替ポイントを一つの指標として、遊技者に対して遊技を行わせることができる。即ち、切替ポイントが上限値(5000pt)に近い場合は、切替ポイントが上限値に到達するまで遊技を継続しようと思わせることができる。また、切替ポイントが少ない値だったとしても、設定値が高い期間であると予測している場合には、少なくとも切替ポイントが上限値に到達して切替示唆演出が発生するまで遊技を継続しようと思わせることができる。よって、表示上の切替ポイント、推定の設定値等に応じて遊技を継続するか否かを判断させることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、本第32制御例では、変動種別が短外れや長外れになるよりも、リーチ以上の変動種別となった方が、より多くの切替ポイントを獲得することができる(実際の発射球数と表示上の切替ポイントとの差をより少なくすることができる)ので、たとえ外れになったとしても、リーチ演出が発生することで切替ポイントを実際の発射球数に近づかせることができたと遊技者に思わせることができ、外れになった場合の失望感を軽減することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1554を参照して、本第32制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図1554は、本第32制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図1554に示した通り、本第32制御例におけるRAM223は、上述した第1制御例におけるRAM223の構成(図28(b)参照)に対して、チャンスゾーン中フラグ223gaと、従発射球数カウンタ223gbと、切替ポイント格納エリア223gcと、従設定値格納エリア223gdと、設定切替フラグ223geと、が追加されている点で相違している。また、特殊演出中フラグ223i、V入賞フラグ223j、V演出実行フラグ223k、特殊連続予告フラグ223o、演出モード記憶エリア223p、連続予告実行中フラグ223q、SW有効時間カウンタ223r、特殊有効時間タイマ223s、操作中カウンタ223tが削除されている点でも相違している。チャンスゾーン中フラグ223gaは、チャンスゾーン中であるか否かを示すフラグである。このチャンスゾーン中フラグ223gaがオンであれば、潜確状態(連荘モードB)であり、且つ、チャンスゾーン中である(大当たりに当選した場合の有利度合いが高い第1特別図柄の抽選が実行され易い状態である)ことを意味する一方で、チャンスゾーン中フラグ223gaがオフであれば、チャンスゾーン中ではないことを意味する。このチャンスゾーン中フラグ223gaは、初期値がオフに設定されており、潜確状態において第2特別図柄の外れ超ロング変動に対応する変動パターンが通知された場合にオンに設定される(図1578のS5105G参照)。また、外れ超特殊変動が終了された場合にオフに設定される。従発射球数カウンタ223gbは、音声ランプ制御装置113側において発射球数をカウントするためのカウンタである。つまり、主制御装置110のRAM203に設けられていた発射球数カウンタ203gdに対応するカウンタである。この従発射球数カウンタ223gbは、初期値が0に設定されており、主制御装置110より遊技球の発射を示す発射コマンドを受信する毎に値が1ずつ加算される(図1575のS5407G参照)。また、この従発射球数カウンタ223gbは、設定値が切換えられたことを示す設定切替コマンドを受信した場合に、値が0にリセットされる(図1575のS5403G参照)。
切替ポイント格納エリア223gbは、切替ポイントを示すデータを格納しておくための記憶領域である。この切替ポイント格納エリア223gbは、初期値が0に設定されており、切替ポイント獲得演出によって切替ポイントが獲得される毎に、獲得したポイントに応じた値が加算される(図1577のS5059G参照)。また、切替示唆演出を実行した場合に値が0にリセットされる(図1577のS5055G参照)。従設定値格納エリア223gdは、現在の設定値に対応するデータを格納しておくための記憶領域である。この従設定値格納エリア223gdは、主制御装置110から出力される設定変更コマンド若しくは設定切替コマンドにより設定値が通知される毎に、当該通知された設定値に応じたデータに更新される(図1575のS5402G,S5405G参照)。設定示唆演出や切替示唆演出を実行する際は、この従設定値格納エリア223gdに格納されているデータに対応する設定値に基づいて、演出態様が決定される。設定切替フラグ223geは、所定の変更条件が成立して設定値が切り替えられたことを示すフラグである。この設定切替フラグ223geがオンであれば、設定値が切り替えられたことを示し、オフであれば、設定値が切り替えられていないことを示す。この設定切替フラグ223geは、初期値がオフに設定されており、主制御装置110から設定切替コマンドを受信した場合にオンに設定される(図1575のS5403G参照)。また、設定切替示唆演出の実行を設定した後でオフに設定される(図1577のS5055G参照)。
<第32制御例における主制御装置の制御処理について>
次いで、図1555から図1572を参照して、第32制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。本第32制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110にて実行される制御処理は、上述した第1制御例に対して、特別図柄変動処理(図41のS104参照)に代えて特別図柄変動処理(図1555のS101G参照)を実行する点、立ち上げ処理(図50参照)に代えて立ち上げ処理(図1569)を実行する点、およびメイン処理(図51参照)に代えてメイン処理(図1571参照)を実行する点で相違する。その他の処理内容については上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
まず、図1555を参照して、本第32制御例における特別図柄変動処理(S101G)について説明する。この特別図柄変動処理(S101G)は、上述した第1制御例における特別図柄変動処理(図41参照)に代えて実行される処理であり、第1制御例における特別図柄変動処理(図41参照)と同様に、特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄の変動表示を実行するための処理である。図1555は、この特別図柄変動処理(S101G)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理(S101G)では、まず、現在が大当たり遊技中又は小当たり遊技中であるかを判別し(S201G)、現在が大当たり遊技中でも小当たり遊技中でもないと判別した場合には(S201G:No)、次いで、特図1変動時間カウンタ203ggの値が0より大きい値かを判別する(S202G)。S202Gの処理において、特図1変動時間カウンタ203ggの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S202G:No)、第1特別図柄の変動表示の実行中ではなく、新たな第1特別図柄の抽選を実行可能であることを意味するため、第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1特別図柄変動開始処理を実行し(S203G)、処理をS203Gへと移行する。この第1特別図柄変動開始処理(S203G)の詳細については、図1556を参照して後述する。一方、S202Gの処理において、特図1変動時間カウンタ203ggの値が0より大きい値であると判別した場合には(S202G:Yes)、第1特別図柄の変動表示の実行中であることを意味するため、特図1変動時間カウンタ203ggを減算して更新し(S204G)、次いで、第1図柄表示装置37A,37Bの第1特別図柄の表示を更新し(S205G)、減算後の特図1変動時間カウンタ203ggの値が0であるかを判別する(S206G)。S206Gの処理において、特図1変動時間カウンタ203ggの値が0であると判別した場合には(S206G:Yes)、第1特別図柄の変動時間が経過したことを意味するため、第1特別図柄の変動停止を設定するための第1特別図柄変動停止処理を実行し(S207G)、処理をS208Gへと移行する。この第1特別図柄変動停止処理(S207G)の詳細については、図1561を参照して後述する。一方、S206Gの処理において、特図1変動時間カウンタ203ggの値が0ではないと判別した場合には(S206G:No)、第1特別図柄の変動時間が経過していない(変動表示が継続する)ことを意味するため、S207Gの処理をスキップし、処理をS208Gへと移行する。一方、S201Gの処理において、現在が大当たり遊技中又は小当たり遊技中であると判別した場合には(S201G:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S208Gの処理では、特図2変動時間カウンタ203ghの値が0より大きい値かを判別し(S208G)、特図2変動時間カウンタ203ghの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S208G:No)、第2特別図柄の変動表示の実行中ではなく、新たな第2特別図柄の抽選を実行可能であることを意味するため、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2特別図柄変動開始処理を実行し(S209G)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理(S209G)の詳細については、図1563を参照して後述する。一方、S208Gの処理において、特図2変動時間カウンタ203ghの値が0より大きい値であると判別した場合には(S208G:Yes)、第2特別図柄の変動表示の実行中であることを意味するため、特図2変動時間カウンタ203ghを減算して更新し(S210G)、次いで、第1図柄表示装置37A,37Bの第2特別図柄の表示を更新し(S211G)、減算後の特図2変動時間カウンタ203ghの値が0であるかを判別する(S212G)。S212Gの処理において、特図2変動時間カウンタ203ghの値が0であると判別した場合には(S212G:Yes)、第2特別図柄の変動時間が経過したことを意味するため、第2特別図柄の変動停止を設定するための第2特別図柄変動停止処理を実行し(S213G)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動停止処理(S213G)の詳細については、図1567を参照して後述する。一方、S212Gの処理において、特図2変動時間カウンタ203ghの値が0ではないと判別した場合には(S212G:No)、第2特別図柄の変動時間が経過していない(変動表示が継続する)ことを意味するため、S213Gの処理をスキップし、本処理を終了する。
次いで、図1556を参照して、上述した本第32制御例における特別図柄変動処理(図1555参照)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S203G)の詳細について説明する。図1556は、この第1特別図柄変動開始処理(S203G)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄変動開始処理(S203G)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(S2401G)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きい値であるか否かを判別する(S2402G)。S2402Gの処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きい値であると判別した場合には(S2402G:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算して更新し(S2403G)、減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)の値を音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(S2404G)。S2404Gの処理が終了すると、次いで、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S2405G)。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、次いで、第1特別図柄の抽選を実行するための第1特別図柄大当たり判定処理を実行する(S2406G)。この第1特別図柄大当たり判定処理(S2406G)の詳細については、図1557を参照して後述する。第1特別図柄大当たり判定処理(S2406G)が終了すると、次いで、第1特別図柄の抽選結果に応じて変動パターン(変動時間)を決定するための第1特別図柄変動パターン選択処理を実行する(S2407G)。この第1特別図柄変動パターン選択処理(S2407G)の詳細については、図1559を参照して後述する。第1特別図柄変動パターン選択処理(S2407G)が終了すると、次いで、遊技状態を更新するための遊技状態更新処理を実行し(S2408G)、本処理を終了する。この遊技状態更新処理(S2408G)の詳細については、図1560を参照して後述する。一方、S2402Gの処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S2402G:No)、特別図柄の抽選を実行することができない状態であることを意味するため、そのまま本処理を終了する。
次いで、図1557を参照して、上述した本第32制御例における第1特別図柄変動開始処理(図1556参照)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S2406G)について説明する。図1557は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S2406G)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄大当たり判定処理(S2406G)は、上述した通り、第1特別図柄の抽選を実行するための処理である。この第1特別図柄大当たり判定処理(S2406G)では、まず、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアのデータを取得し(S301G)、次いで、確変フラグ203gaがオンであるかを判別する(S302G)。確変フラグ203gaがオンであると判別した場合には(S302G:Yes)、現在が特別図柄の高確率状態であることを意味するため、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202ga(図1543(b)参照)のうち、現在の設定値に対応する当たり乱数値(大当たり(および小当たり)と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲)を読み出して(S303G)、処理をS305Gへと移行する。一方、S302Gの処理において、確変フラグ203gaがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S302G:No)、現在が特別図柄の低確率状態であることを意味するため、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202gaのうち、現在の設定値に対応する当たり乱数値を読み出し(S304G)、処理をS305Gへと移行する。S305Gの処理では、S303GまたはS304Gの処理において読み出した当たり乱数値(大当たり(および小当たり)と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲)と実行エリアに格納されているデータ(第1当たり乱数カウンタC1の値)とに基づいて第1特別図柄の抽選結果を取得し(S305G)、当該第1特別図柄の抽選結果が大当たりであるかを判別する(S306G)。S306Gの処理において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合には(S306G:Yes)、大当たりフラグ203giを構成する2種類のフラグのうち第1特別図柄に対応する特図1大当たりフラグ203gi1をオンに設定する(S307G)。S307Gの処理が終了すると、次いで、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S308G)、取得した実行エリアのデータに含まれる第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たり種別を特定し、当該大当たり種別に応じて第1図柄表示装置37A,37Bに表示する第1特別図柄の大当たり図柄をセットし(S309G)、本処理を終了する。一方、S306Gの処理において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S306G:No)、第1特別図柄の抽選結果が大当たり以外の抽選結果(完全外れ、小当たり)となった場合における各種制御を実行するための特図1外れ変動処理を実行し(S310G)、本処理を終了する。この特図1外れ変動処理(S310G)の詳細について、図1558を参照して説明する。
図1558は、上述した特図1外れ変動処理(S310G)の内容を示したフローチャートである。この特図1外れ変動処理(S310G)では、まず、今回の第1特別図柄の抽選結果が小当たりであるかを判別し(S2501G)、抽選結果が小当たりであると判別した場合には(S2501G:Yes)、小当たりフラグ203gjを構成する2種類のフラグのうち、第1特別図柄に対応する特図1小当たりフラグ203gj1をオンに設定し(S2502G)、第1特別図柄の抽選結果を小当たりに設定する(S2503G)。次いで、第1図柄表示装置37A,37Bに表示する第1特別図柄の小当たり図柄をセットし(S2504G)、本処理を終了する。一方、S2501Gの処理において、今回の第1特別図柄の抽選結果が小当たりではないと判別した場合には(S2501G:No)、今回の抽選結果が完全外れであることを意味するため、第1図柄表示装置に表示する第1特別図柄の外れ図柄をセットし(S2505G)、本処理を終了する。
次いで、図1559を参照して、上述した本第32制御例における第1特別図柄変動開始処理(図1556参照)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S2407G)について説明する。図1559は、この第1特別図柄変動パターン選択処理(S2407G)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄変動パターン選択処理(S2407G)は、上述した通り、第1特別図柄の抽選結果に応じた変動パターンを選択するための処理である。この第1特別図柄変動パターン選択処理(S2407G)では、まず、第1特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S401G)、第1特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合には(S401G:Yes)、大当たり種別選択テーブル202gd(図1547(b)参照)を参照して第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別を決定し(S402G)、処理をS403Gへと移行する。一方、S401Gの処理において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S401G:No)、S402Gの処理をスキップし、処理をS403Gへと移行する。S403Gの処理では、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得し(S403G)、次いで、変動パターンシナリオ格納エリア203gbのデータを参照して現在の変動回数に応じた変動パターンテーブルを読み出す(S404G)。S404Gの処理が終了すると、次いで、読み出したテーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(S405G)、選択した変動パターンを音声ランプ制御装置113に通知するための特図1変動パターンコマンドを設定する(S406G)。更に、停止図柄を示す特図1停止種別コマンドを設定し(S407G)、第1図柄表示装置で第1特別図柄の変動開始を設定し(S408G)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を第1特図変動時間カウンタ203ggにセットし(S409G)、本処理を終了する。
次いで、図1560を参照して、上述した本第32制御例における第1特別図柄変動開始処理(図1556参照)の一処理である遊技状態更新処理(S2408G)について説明する。図1560は、この遊技状態更新処理(S2408G)の内容を示したフローチャートである。この遊技状態更新処理(S2408G)は、上述した通り、遊技状態を更新するための処理である。この遊技状態更新処理(S2408G)では、まず、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であるかを判別し(S2551G)、時短カウンタ203hの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S2551G:No)、遊技状態が変更され得ないため、そのまま本処理を終了する。一方、S2551Gの処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であると判別した場合には(S2551G:Yes)、現在が時短状態若しくは確変状態であることを意味するため、時短カウンタ203hの値を1減算し(S2552G)、時短カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S2553G)。次いで、減算後の時短カウンタ203hの値が0になったか否かを判別し(S2554G)、時短カウンタ203hの値が0に減算されていないと判別した場合には(S2554G:No)、時短状態若しくは確変状態が継続する(遊技状態が変更されない)ことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、S2554Gの処理において、時短カウンタ203hの値が0に減算されたと判別した場合には(S2554G:Yes)、確変フラグ203gaがオンであるかを判別する(S2555G)。S2555Gの処理において、確変フラグ203gaがオンであると判別した場合には(S2554G:Yes)、確変状態から潜確状態に移行したことを意味するため、潜確状態を示す状態コマンドを設定し(S2556G)、本処理を終了する。一方、S2555Gの処理において、確変フラグ203gaがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2554G:No)、時短状態から通常状態に移行したことを意味するため、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S2557G)、本処理を終了する。
次いで、図1561を参照して、上述した本第32制御例における特別図柄変動処理(図1555参照)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S207G)について説明する。図1561は、この第1特別図柄変動停止処理(S207G)の内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理(S207G)は、上述した通り、第1特別図柄の変動停止を設定するための処理である。この第1特別図柄変動停止処理(S207G)では、まず、大当たりフラグ203giを構成する2種類のフラグのうち第1特別図柄に対応する特図1大当たりフラグ203gi1がオンであるかを判別し(S2601G)、特図1大当たりフラグ203gi1がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2601G:No)、大当たり以外の停止図柄(完全外れ若しくは小当たりに対応する停止図柄)の停止タイミングであることを意味するため、大当たり以外の図柄の停止表示を設定するための特図1外れ停止処理を実行し(S2602G)、処理をS2612Gへと移行する。この特図1外れ停止処理(S2602G)の詳細については、図1562を参照して後述する。一方、S2601Gの処理において、特図1大当たりフラグ203gi1がオンであると判別した場合には(S2601G:Yes)、第1特別図柄の大当たり図柄の停止表示タイミングであることを意味するため、まず、特図2変動時間カウンタ203ghの値が0より大きい値であるかを判別し(S2603G)、特図2変動時間カウンタ203ghの値が0より大きい値であると判別した場合には(S2603G:Yes)、第2特別図柄の変動表示中であることを意味するので、変動表示中の第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させるためのS2604G~S2607Gの処理を実行する。具体的には、まず、特図2変動停止フラグ203gkをオンに設定し(S2604G)、第2特別図柄の変動停止を示す特図2変動停止コマンドを設定する(S2605G)。次いで、第1図柄表示装置の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示し(S2606G)、特図2変動時間カウンタ203ghの値を0にセットして(S2607G)、処理をS2608Gへと移行する。一方、S2603Gの処理において、特図2変動時間カウンタ203ghの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S2603G:No)、第2特別図柄の変動中ではないことを意味し、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理を実行する必要が無いため、S2604G~S2607Gの処理をスキップし、処理をS2608Gへと移行する。
S2608Gの処理では、大当たりの開始を設定し(S2608G)、次いで、現在の遊技状態に応じて当選時状態格納エリア203gmのデータを更新し(S2609G)、大当たりフラグ203gi、小当たりフラグ203gj、確変フラグ203ga、時短カウンタ203h、をリセットし(S2610G)、大当たり開始フラグ203jをオンに設定する(S2611G)。次いで、特図1確定コマンドを設定し(S2612G)、第1図柄表示装置の第1特別図柄の変動を停止し(S2613G)、本処理を終了する。
次いで、図1562を参照して、上述した本第32制御例における第1特別図柄変動停止処理(図1561参照)の一処理である特図1外れ停止処理(S2602G)について説明する。図1562は、この特図1外れ停止処理(S2602G)の内容を示したフローチャートである。この特図1外れ停止処理(S2602G)では、まず、特図1小当たりフラグ203gj1がオンであるかを判別し(S2651G)、特図1小当たりフラグ203gj1がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2651G:No)、今回の抽選結果が完全外れであることを意味するので、第1図柄表示装置37A,37Bの第1特別図柄を外れ図柄で変動停止し(S2652G)、本処理を終了する。一方、S2651Gの処理において、特図1小当たりフラグ203gj1がオンであると判別した場合には(S2651G:Yes)、特図2変動時間カウンタ203ghの値が0より大きい値であるかを判別し(S2653G)、特図2変動時間カウンタ203ghの値が0より大きい値であると判別した場合には(S2653G:Yes)、第2特別図柄の変動表示中に先に第1特別図柄の小当たり図柄が停止表示されることを意味するので、変動中の第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させるためのS2654G~S2657Gの処理を実行する。具体的には、特図2変動停止フラグ203gkをオンに設定し(S2654G)、特図2変動の停止を示す特図2変動停止コマンドを設定する(S2655G)。次いで、第1図柄表示装置37A,37Bの第2特別図柄を外れ図柄で停止表示し(S2656G)、特図2変動時間カウンタ203ghの値を0にセットし(S2657G)、処理をS2658Gへと移行する。一方、S2653Gの処理において、特図2変動時間カウンタ203ghの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S2653G:No)、第2特別図柄の変動表示中ではないことを意味し、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる必要が無いため、S2654G~S2657Gの処理をスキップし、処理をS2658Gへと移行する。S2658Gの処理では、特図1小当たりの開始を設定し(S2658G)、大当たりフラグ203gi、小当たりフラグ203gjをオフに設定し(S2659G)、遊技状態格納エリア203gに小当たり中を設定し(S2660G)、第1図柄表示装置の第1特別図柄を小当たり図柄で変動停止し(S2661G)、本処理を終了する。
次いで、図1563を参照して、上述した本第32制御例における特別図柄変動処理(図1555参照)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S209G)について説明する。この第2特別図柄変動開始処理(S209G)は、第2特別図柄の変動表示を開始させるための処理である。図1563は、この第2特別図柄変動開始処理(S209G)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動開始処理(S209G)では、まず、特図2変動停止フラグ203gkがオンであるかを判別し(S2701G)、特図2変動停止フラグ203gkがオンであると判別した場合には(S2701G:Yes)、直前の第1特別図柄変動停止処理(図1561参照)において第1特別図柄の大当たり図柄または小当たり図柄の停止表示時に第2特別図柄が外れ図柄で強制停止されたことを意味するため、特図2変動停止フラグ203gkをオフに設定し(S2702G)、そのまま本処理を終了する。一方、S2701Gの処理において、特図2変動停止フラグ203gkがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2701G:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を取得し(S2703G)、取得した第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きい値であるかを判別する(S2704G)。取得した第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きい値であると判別した場合には(S2704G:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算して更新し(S2705G)、減算後の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を示す保留球数コマンドを設定する(S2706G)。次いで、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S2707G)。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、次いで、第2特別図柄の抽選を実行するための第2特別図柄大当たり判定処理を実行する(S2708G)。この第2特別図柄大当たり判定処理(S2708G)の詳細については、図1564を参照して後述する。S2708Gの処理が終了すると、第2特別図柄の抽選結果に応じた変動パターンを選択するための第2特別図柄変動パターン選択処理を実行する(S2709G)。この第2特別図柄変動パターン選択処理(S2709G)の詳細については、図1566を参照して後述する。次いで、遊技状態を更新するための遊技状態更新処理を実行し(S2710G(S2408G))、本処理を終了する。この遊技状態更新処理(S2710G(S2408G))の詳細については、図1560で上述したため、その詳細な説明を省略する。
次いで、図1564を参照して、上述した本第32制御例における第2特別図柄変動開始処理(図1563参照)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S2708G)について説明する。図1564は、この第2特別図柄大当たり判定処理(S2708G)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄大当たり判定処理(S2708G)では、まず、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアのデータを取得し(S351G)、次に、確変フラグ203gaがオンであるかを判別する(S352G)。S352Gの処理において、確変フラグ203gaがオンであると判別した場合には(S352G:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202gaのうち、現在の設定値に対応する当たり乱数値(当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値の範囲)を読み出し(S353G)、処理をS355Gへと移行する。一方、S352Gの処理において、確変フラグ203gaがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S352G:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202gaのうち、現在の設定値に対応する当たり乱数値を読み出し(S354G)、処理をS355Gへと移行する。S355Gの処理では、S353G、またはS354Gの処理において読み出した当たり乱数値(当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値の範囲)と実行エリアのデータ(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)とに基づいて抽選結果を取得する(S355G)。S355Gの処理が終了すると、S355Gの処理により取得した抽選結果が大当たりであるかを判別し(S356G)、抽選結果が大当たりであると判別した場合には(S356G:Yes)、特図2大当たりフラグ203gi2をオンに設定する(S357G)。次いで、第2特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S358G)、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置に表示する第2特別図柄の大当たり図柄をセットし(S359G)、本処理を終了する。一方、S356Gの処理において、抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S356G:No)、抽選結果が完全外れまたは小当たりであることを意味するため、大当たり以外の抽選結果に対応する制御を実行するための特図2外れ変動処理を実行し(S360G)、本処理を終了する。
次いで、図1565を参照して、上述した本第32制御例における第2特別図柄大当たり判定処理(図1564参照)の一処理である特図2外れ変動処理(S360G)について説明する。図1565は、この特図2外れ変動処理(S360G)の内容を示したフローチャートである。この特図2外れ変動処理(S360G)では、まず、第2特別図柄の抽選結果が小当たりであるかを判別し(S2801G)、抽選結果が小当たりであると判別した場合には(S2801G:Yes)、特図2小当たりフラグ203gj2をオンに設定し(S2802G)、第2特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S2803G)、次いで、第1図柄表示装置に表示する第2特別図柄の小当たり図柄をセットし(S2804G)、本処理を終了する。一方、S2801Gの処理において、抽選結果が小当たりではない(完全外れである)と判別した場合には(S2801G:No)、第1図柄表示装置に表示する第2特別図柄の外れ図柄をセットし(S2805G)、本処理を終了する。
次いで、図1566を参照して、上述した本第32制御例における第2特別図柄変動開始処理(図1563参照)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S2709G)について説明する。図1566は、この第2特別図柄変動パターン選択処理(S2709G)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動パターン選択処理(S2709G)では、まず、第2特別図柄の抽選結果が大当たりか否かを判別し(S451G)、第2特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には(S451G:Yes)、大当たり種別選択テーブル202gdより大当たり種別を決定し(S452G)、処理をS453Gへと移行する。一方、S451Gの処理において、第2特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S451G:No)、S452Gの処理をスキップし、処理をS453Gへと移行する。S453Gの処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得し(S453G)、次いで、変動パターンシナリオ格納エリア203gbのデータと、合計の保留球数(第1特別図柄の保留球数と第2特別図柄の保留球数との合計)とを参照して変動回数に応じた変動パターンテーブルを読み出す(S454G)。S454Gの処理が終了すると、次いで、S454Gの処理で読み出したテーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(S455G)、選択した変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定する(S456G)。更に、停止図柄を示す特図2停止種別コマンドを設定し(S457G)、第1図柄表示装置で第2特別図柄の変動開始を設定し(S458G)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を第2特図変動時間カウンタ203ghにセットし(S459G)、本処理を終了する。
次いで、図1567を参照して、上述した本第32制御例における特別図柄変動処理(図1555参照)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S213G)について説明する。図1567は、この第2特別図柄変動停止処理(S213G)の内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理(S213G)では、まず、特図2大当たりフラグ203gi2がオンであるかを判別し(S2901G)、特図2の大当たりフラグ203giがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2901G:No)、完全外れ又は小当たりに対応する停止図柄を停止させるタイミングであることを意味するため、大当たり以外の抽選結果に対応する図柄を停止表示させるための特図2外れ停止処理を実行し(S2902G)、処理をS2912Gへと移行する。この特図2外れ停止処理(S2902G)の詳細については、図1568を参照して後述する。一方、S2901Gの処理において、特図2大当たりフラグ203gi2がオンであると判別した場合には(S2901G:Yes)、第2特別図柄の大当たり図柄を停止表示させるタイミングであることを意味するため、特図1変動時間カウンタ203ggの値が0より大きい値であるかを判別し(S2903G)、特図1変動時間カウンタ203ggの値が0より大きい値であると判別した場合には(S2903G:Yes)、第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の大当たり図柄が停止表示されることを意味するため、第1特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制停止させるためのS2904G~S2906Gの処理を実行する。具体的には、第1特別図柄の変動停止を示す特図1変動停止コマンドを設定する(S2904G)。次いで、第1図柄表示装置37A,37Bの第1特別図柄を外れ図柄で停止表示し(S2905G)、特図1変動時間カウンタ203ggの値を0にセットし(S2906G)、処理をS2907Gへと移行する。一方、S2903Gの処理において、特図1変動時間カウンタ203ggの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S2903G:No)、S2904G~S2906Gの処理をスキップし、処理をS2907Gへと移行する。
S2907Gの処理では、大当たりの開始を設定し(S2907G)、次いで、現在の遊技状態に応じて当選時状態格納エリア203gmのデータを更新し(S2608G)、大当たりフラグ203gi、小当たりフラグ203gj、確変フラグ203ga、時短カウンタ203hをリセットし(S2909G)、大当たり開始フラグ203jをオンに設定する(S2910G)。次いで、特図2確定コマンドを設定し(S2911G)、第1図柄表示装置の第2特別図柄の変動を停止し(S2912G)、本処理を終了する。
次いで、図1568を参照して、上述した本第32制御例における第2特別図柄変動停止処理(図1567参照)の一処理である特図2外れ停止処理(S2902G)について説明する。図1568は、この特図2外れ停止処理(S2902G)の内容を示したフローチャートである。この特図2外れ停止処理(S2902G)では、まず、特図2小当たりフラグ203gj2がオンであるかを判別し(S2951G)、特図2小当たりフラグ203gj2がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S2951G:No)、今回の第2特別図柄の抽選結果が完全外れであることを意味するため、第1図柄表示装置37A,37Bの第2特別図柄を外れ図柄で変動停止し(S2952G)、本処理を終了する。一方、S2951Gの処理において、特図2小当たりフラグ203gj2がオンであると判別した場合には(S2951G:Yes)、特図1変動時間カウンタ203ggの値が0より大きい値であるかを判別し(S2953G)、特図1変動時間カウンタ203ggの値が0より大きい値であると判別した場合には(S2953G:Yes)、第1特別図柄の変動表示中に先に第2特別図柄が小当たり図柄で停止表示されることを意味するため、第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させるためのS2954G~S2956Gの処理を実行する。具体的には、第1特別図柄の変動停止を示す特図1変動停止コマンドを設定する(S2954G)。次いで、第1図柄表示装置37A,37Bの第1特別図柄を外れ図柄で停止表示し(S2955G)、特図1変動時間カウンタ203ggの値を0にセットし(S2956G)、処理をS2957Gへと移行する。一方、S2953Gの処理において、特図1変動時間カウンタ203ggの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S2953G:No)、S2654G~S2656Gの処理をスキップし、処理をS2657Gへと移行する。S2657Gの処理では、第2特別図柄の小当たりの開始を設定し(S2957G)、大当たりフラグ203gi、小当たりフラグ203gjをオフに設定し(S2958G)、遊技状態格納エリア203gに小当たり中を設定し(S2959G)、第1図柄表示装置の第2特別図柄を小当たり図柄で変動停止して(S2960G)、本処理を終了する。
次に、図1569を参照して、本第32制御例における立ち上げ処理(主制御装置)について説明する。この立ち上げ処理(主制御装置)は、上述した第1制御例における立ち上げ処理(主制御装置)(図50参照)に代えて実行される処理である。図1569は、この立ち上げ処理(主制御装置)の内容を示したフローチャートである。この立ち上げ処理(主制御装置)のうち、S1701~S1714の各処理では、それぞれ第1制御例における立ち上げ処理(主制御装置)(図50参照)のS1701~S1714の各処理と同一の処理が実行される。また、本第32制御例における立ち上げ処理(主制御装置)(図1569参照)では、S1703の処理が終了すると、設定キー110bがオン位置であるか否かを判別し(S2701G)、設定キー110bがオン位置であると判別した場合には(S2701G:Yes)、設定シナリオの設定を行うための設定値制御処理を実行し(S1702G)、処理をS1710へと移行する。この設定値制御処理(S1702G)の詳細については、図1570を参照して後述する。一方、S1701Gの処理において、設定キーがオン位置ではないと判別した場合には(S2701G:No)、処理をS1704へと移行する。また、本第32制御例における立ち上げ処理(主制御装置)では、S1710の処理を実行後、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S2703G)、処理をS1711へと移行する。
次いで、図1570を参照して、上述した本第32制御例における立ち上げ処理(主制御装置)の一処理である設定値制御処理(S1702G)について説明する。図1570は、この設定値制御処理(S1702G)の内容を示したフローチャートである。この設定値制御処理(S1702G)は、上述した通り、設定シナリオの設定を行うための処理である。この設定値制御処理(S1702G)では、まず、RAM消去スイッチ(RAMクリアスイッチ)122がオン状態となっているかを判別し(S1751G)、RAM消去スイッチ(RAMクリアスイッチ)がオン状態になっていると判別した場合には(S1751G:Yes)、設定シナリオ変更状態であることを意味するため、まず、払出制御装置111へと払出初期化コマンドを送信し(S1752G)、次に使用RAM領域をクリアする(S1753G)。次いで、RAM203の初期設定を行い(S1754G)、設定変更状態を示す状態コマンドを設定し(S1755G)、設定スイッチ110cがオンであるかを判別する(S1756G)。S1756Gの処理において、設定スイッチ110cがオンであると判別した場合には(S1756G:Yes)、設定切替シナリオ格納エリア203gcのデータを更新(次のシナリオに対応するデータに上書き)し(S1757G)、処理をS1758Gへと移行する。一方、S1756Gの処理において、設定スイッチ110cがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S1756G:No)、S1757Gの処理をスキップし、処理をS1758Gへと移行する。S1758Gの処理では、設定キー110bがオフ位置であるかを判別し(S1758)、設定キー110bがオフ位置であると判別した場合には(S1758:Yes)、本処理を終了する。これに対し、S1758Gの処理において、設定キー110bがオフ位置ではないと判別した場合には(S1758:No)、S1756Gの処理に戻る。以降は、S1758Gの処理において設定キー110bがオフ位置に配置されたと判別されるまで、S1756G~S1758Gの処理を繰り返し実行する。これらに対し、S1751Gの処理において、RAM消去スイッチ(RAMクリアスイッチ)122がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S1751G:No)、設定シナリオ確認状態であることを意味するため、まず、払出制御装置111へ払出復帰コマンドを送信し(S1759)、次に設定切替シナリオ格納エリア203gcのデータを読み出し(S1760)、読み出したデータに対応する設定切替シナリオを設定値表示装置110aに表示する(S1761)。次いで、設定シナリオ確認状態を示す状態コマンドを設定し(S1762)、設定キー110bがオフ位置かを判別し(S1763)、設定キー110bがオフ位置であると判別した場合には(S1763:Yes)、本処理を終了する。一方、S1763Gの処理において、設定キー110bがオフ位置ではないと判別した場合には(S1763:No)、設定キー110bがオフ位置になったと判別されるまでS1763Gの処理を繰り返し実行する。この設定値制御処理(図1570参照)を実行することにより、設定シナリオ変更状態における設定スイッチ110cの押下回数に応じて設定シナリオを選択することができると共に、設定シナリオ確認状態において現在設定されている設定シナリオに対応する表示態様を設定値表示装置110aに対して表示させることができる。
次に、図1571を参照して、本第32制御例におけるメイン処理について説明する。このメイン処理は、上述した第1制御例におけるメイン処理(図51参照)に代えて実行される処理である。図1571は、このメイン処理の内容を示したフローチャートである。このメイン処理のうち、S1801~S1804およびS1806~S1816の各処理では、それぞれ第1制御例におけるメイン処理(図51参照)のS1801~S1804およびS1806~S1816の各処理と同一の処理が実行される。また、本第32制御例におけるメイン処理(図1571参照)では、S1804の処理を実行した後、設定切替制御処理を実行し(S1801G)、処理をS1806へと移行する。この設定切替制御処理(S1801G)の詳細について、図1572を参照して後述する。
図1572は、この設定切替制御処理(S1801G)の内容を示したフローチャートである。この設定切替制御処理(S1801G)では、まず、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(S1851G)、現在の遊技状態が通常状態ではないと判別した場合には(S1851G:No)、設定値を変更する(切り替える)ための所定の変更条件が成立する可能性が無いことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、S1851Gの処理において、現在の遊技状態が通常状態であると判別した場合には(S1851G:Yes)、遊技球の発射を検出したかを判別し(S1852G)、遊技球の発射を検出なかったと判別した場合には(S1852G:No)、設定値を変更するための所定の変更条件が成立する可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。一方、S1852Gの処理において、遊技球の発射を検出したと判別した場合には(S1852G:Yes)、発射球数カウンタ203gdの値に1を加算して更新し(S1853G)、更新後のカウンタ値が5000以上であるかを判別する(S1854G)。S1854Gの処理において、更新後のカウンタ値が5000以上であると判別した場合には(S1854G:Yes)、設定値を変更する(切り替える)ためのS1855G~S1859Gの各処理を実行する。具体的には、進行状況フラグ203geを更新し(S1855G)、更新後の進行状況フラグ203geの状態に対応する設定値を設定切替シナリオ格納エリア203gcのデータから特定し(S1856G)、特定した設定値に対応するデータを設定値格納エリア203gfに上書きする(S1857G)。次いで、切替後の設定値を示す設定切替コマンドを設定し(S1858G)、発射球数カウンタ203gdの値を0にリセットして(S1859G)、本処理を終了する。一方、S1854Gの処理において、更新後のカウンタ値が5000より小さい値であると判別した場合には(S1854G:No)、設定値を変更するための所定の変更条件が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。この設定値切替制御処理(図1572参照)を実行することにより、通常状態において発射球数が5000個の倍数となる毎に、設定シナリオに従って設定値を切り替える(変更する)ことができる極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第32制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1573から図1578を参照して、本第32制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本第32制御例では、上述した第1制御例に対して、コマンド判定処理(図59のS4112参照)に代えてコマンド判定処理(図1573のS4101G参照)を実行する点、コマンド判定処理(図59参照)の1処理である状態コマンド受信処理(S4202)に代えて状態コマンド受信処理(図1574のS4201G参照)を実行する点、コマンド判定処理(図59参照)の1処理に設定関連コマンド処理を追加した点、特図1演出態様設定処理(図67のS4903参照)に代えて特図1演出態様設定処理(図1576のS4901G参照)を実行する点、特図1演出態様設定処理(図67参照)の1処理であるサブ演出設定処理(図1577のS5002G参照)を追加した点、特図2演出態様設定処理(図1578のS4902G参照)を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
まず、図1573を参照して、本第32制御例におけるコマンド判定処理(S4101G)の詳細について説明をする。このコマンド判定処理(S4101G)は、上述した第1制御例におけるコマンド判定処理(図59参照)と同様に、主制御装置110から受信した各種コマンドに応じた制御を実行するための処理である。図1573は、本第32制御例におけるコマンド判定処理(S4101G)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4101G)のうち、S4201およびS4203~S4219の各処理では、それぞれ第1制御例におけるコマンド判定処理(図59参照)のS4201およびS4203~S4219の各処理と同一の処理が実行される。また、本第32制御例におけるコマンド判定処理(S4101G)では、S4201の処理において、主制御装置110より状態コマンドを受信したと判別した場合に(S4201:Yes)、受信した状態コマンドにより通知された遊技状態の種別に応じた制御を実行するための状態コマンド受信処理を実行し(S4201G)、本処理を終了する。この状態コマンド受信処理(S4201G)の詳細については、図1574を参照して後述する。また、本第32制御例におけるコマンド判定処理(図1573参照)では、S4217の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合に(S4217:No)、次いで、主制御装置110から受信したコマンドの中に設定関連コマンドが含まれているかを判別し(S4202G)、主制御装置110から設定関連コマンドを受信したと判別した場合には(S4202G:Yes)、設定関連コマンドにより通知されたコマンドの種別に応じた制御を実行するための設定関連コマンド処理を実行し(S4203G)、本処理を終了する。この設定関連コマンド処理(S4203G)の詳細については、図1575を参照して後述する。一方、S4202Gの処理において、設定関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S4202G:No)、処理をS4219へと移行する。
次いで、図1574を参照して、上述した本第32制御例におけるコマンド判定処理(図1573参照)の一処理である状態コマンド受信処理(S4201G)について説明する。この状態コマンド処理(S4201G)は、上述した通り、受信した状態コマンドにより通知された遊技状態の種別に応じた制御を実行するための処理である。図1574は、この状態コマンド受信処理(S4201G)の内容を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理(S4201G)では、まず、主制御装置110から受信した状態コマンドが設定変更状態を示すコマンドであるかを判別し(S4251G)、設定変更状態を示すコマンドであると判別した場合には(S4251G:Yes)、設定変更画面に対応する表示用コマンドを設定し(S4252G)、処理をS4257Gへと移行する。一方、S4251Gの処理において、主制御装置110から受信した状態コマンドが設定変更状態を示すコマンドではないと判別した場合には(S4251G:No)、主制御装置110から受信したコマンドが設定確認状態を示すコマンドであるかを判別し(S4253G)、設定確認状態を示すコマンドであると判別した場合には(S4253G:Yes)、設定確認画面に対応する表示用コマンドを設定し(S4254G)、処理をS4257Gへと移行する。一方、S4253Gの処理において、設定確認状態を示すコマンドではないと判別した場合には(S4253G:No)、遊技状態が変更されたことを示す状態コマンドを受信したか否かを判別し(S4255G)、遊技状態が変更されたと判別した場合には(S4255G:Yes)、変更後の遊技状態に対応する表示用コマンドを設定して(S4256G)、処理をS4257Gへと移行する。一方、S4255Gの処理において、遊技状態が変更されていないと判別した場合は(S4255G:No)、S4256Gの処理をスキップして、処理をS4257Gへと移行する。S4252G,S4254G,S4255G,S4256Gの何れかが終了した場合に実行されるS4257Gの処理では、受信した状態コマンドが示す情報を従状態設定エリア223geに記憶し(S4257G)、本処理を終了する。
次いで、図1575を参照して、上述した本第32制御例におけるコマンド判定処理(図1573参照)の一処理である設定関連コマンド処理(S4203G)について説明する。この設定関連コマンド処理(S4203G)は、上述した通り、設定関連コマンドにより通知されたコマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。図1575は、この設定関連コマンド処理(S4203G)の内容を示したフローチャートである。この設定関連コマンド処理(S4203G)では、まず、設定切替コマンドを受信したかを判別し(S5401G)、設定切替コマンドを受信したと判別した場合には(S5401G:Yes)、主制御装置110側において所定の変更条件が成立して設定シナリオに従って設定値が変更された(切り替えられた)ことを意味するため、まず、従設定値格納エリア223geのデータを受信したコマンドが示す切替後の設定値に対応するデータに更新し(S5402G)、次いで、設定切替フラグ223geをオンに設定すると共に従発射球数カウンタ223gbの値を0にリセットし(S5403G)、本処理を終了する。一方、S5401Gの処理において、設定切替コマンドを受信していないと判別した場合には(S5401G:No)、設定変更コマンドを受信したかを判別し(S5404G)、設定変更コマンドを受信したと判別した場合には(S5404G:Yes)、従設定値格納エリア223geのデータを受信したコマンドが示す設定値に対応するデータに更新し(S5405G)、本処理を終了する。一方、S5404Gの処理において、設定変更コマンドを受信していないと判別した場合には(S5404G:No)、発射コマンドを受信したかを判別し(S5406G)、発射コマンドを受信したと判別した場合には(S5406G:Yes)、従発射球数カウンタ223gbの値に1を加算して更新し(S5407G)、本処理を終了する。一方、S5406Gの処理において、発射コマンドを受信していないと判別した場合には(S5406G:No)、そのまま本処理を終了する。この設定関連コマンド処理(S4203G)を実行することにより、設定シナリオが新たに設定された場合、および通常遊技中に所定の変更条件が成立して設定値が変更された場合に、主制御装置110側において設定された設定値に同期させて、従設定値格納エリア223geのデータを更新することができる。
次に、図1576を参照して、本第32制御例における特図1演出態様設定処理について説明する。この特図1演出態様設定処理(S4901G)は、上述した第1制御例における特図1演出態様設定処理(図67参照)に代えて実行される処理であり、第1制御例における特図1演出態様設定処理(図67参照)と同様に、第1特別図柄の変動パターンコマンドを受信した場合に、当該変動パターンコマンドが示す変動時間において実行する変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図1576は、この特図1演出態様設定処理(S4901G)の内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理(S4901G)では、まず、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(S5001G)、現在の遊技状態が通常状態であると判別した場合には(S5001G:Yes)、切替ポイント獲得演出(図1539(b)参照)や切替示唆演出(図1540(b)、図1541参照)等のサブ演出(第3図柄の変動表示とは異なる演出態様のサブ的な演出)の演出態様を決定するためのサブ演出設定処理を実行する(S5002G)。このサブ演出設定処理(S5002G)の詳細については、図1577を参照して後述する。S5002Gの処理が終了すると、次いで、今回の変動パターンが外れ特殊リーチ変動であるかを判別する(S5003G)。S5003Gの処理において、今回の変動パターンが外れ特殊リーチ変動であると判別した場合には(S5003G:Yes)、設定示唆演出を実行するための変動種別が通知されたことを意味するため、今回実行する設定示唆演出の演出態様を決定するべく、まず、設定示唆演出選択テーブル222gbを読み出し(S5004G)、次いで、演出カウンタ223fの値に対応する設定示唆演出を伴う演出態様を決定し(S5005G)、処理をS5007Gへと移行する。一方、S5001Gの処理において、現在が通常状態ではないと判別した場合(S5001G:No)、および、S5003Gの処理において、今回の変動パターンが外れ特殊リーチ変動ではないと判別した場合には(S5003G:No)、変動パターンコマンドが示す変動種別に対応する通常モード用の演出態様を決定し(S5006G)、処理をS5007Gへと移行する。S5005G、またはS5006Gの処理後に実行されるS5007Gの処理では、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5007G)、本処理を終了する。
次いで、図1577を参照して、上述した本第32制御例における特図1演出態様設定処理(図1577参照)の一処理であるサブ演出設定処理(S5002G)について説明する。このサブ演出設定処理(S5002G)は、第1特別図柄の変動表示演出においてサブ的に実行されるサブ演出(切替ポイント獲得演出、切替示唆演出等)の演出態様を決定するための処理である。図1577は、このサブ演出設定処理(S5002G)の内容を示したフローチャートである。このサブ演出設定処理(S5002G)では、まず、設定切替フラグ223geがオンであるかを判別し(S5051G)、設定切替フラグ223geがオンであると判別した場合には(S5051G:Yes)、所定の変更条件が成立してから(即ち、設定値が変更されてから)最初の変動表示演出であり、切替示唆演出の実行タイミングであることを意味するため、設定切替前後の設定値の差分(D)を演算し(S5052G)、演算した差分に対応する演出態様を切替示唆演出選択テーブル222ga(図1551(b)参照)を参照して特定する(S5053G)。次いで、切替ポイントが規定値に到達する演出の後でS5053Gの処理で特定した演出態様の切替示唆演出が発生するサブ演出を決定し(S5054G)、切替ポイント格納エリア223gcのデータを0にリセットすると共に設定切替フラグ223geをオフに設定し(S5055G)、本処理を終了する。これに対し、S5051Gの処理において、設定切替フラグ223geがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5051G:No)、所定の変更条件が成立していないことを意味するため、まず、抽選結果が外れであるかを判別し(S5056G)、抽選結果が外れであると判別した場合には(S5056G:Yes)、発射球数と現在の切替ポイントの値との差分(H)を演算し(S5057G)、切替ポイント選択テーブル222gc(図1553参照)を参照して今回獲得する切替ポイントを特定する(S5058G)。そして、特定したポイントを切替ポイント格納エリア223gcのデータに加算し(S5059G)、特定した切替ポイントを獲得するサブ演出を決定し(S5060G)、本処理を終了する。これらに対し、S5056Gの処理において、抽選結果が外れではないと判別した場合には(S5056G:No)、本処理を終了する。このサブ演出設定処理(図1577参照)を実行することにより、通常状態において第1特別図柄の抽選が実行される毎に、サブ演出を好適に実行することができるので、演出態様をより多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1578を参照して、本第32制御例における特図2演出態様設定処理(S4902G)について説明する。この特図2演出態様設定処理(S4902G)は、第2特別図柄の抽選に基づく変動パターンコマンドを受信した場合に、当該変動パターンコマンドが示す変動時間において実行する変動表示演出の演出態様を決定するための処理である。図1578は、この特図2演出態様設定処理(S4902G)の内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理(S4902G)では、まず、現在が潜確状態であるかを判別し(S5101G)、現在が潜確状態ではないと判別した場合には(S5101G:No)、変動パターンコマンドが示す変動種別に対応する演出態様を決定し(S5102G)、処理をS5106Gへと移行する。一方、S5101Gの処理において、現在が潜確状態であると判別した場合には(S5101G:Yes)、次いで、外れ超ロング変動に対応する変動パターンであるかを判別し(S5103G)、外れ超ロング変動に対応する変動パターンでないと判別した場合は(S5103G:No)、処理をS5102Gへと移行する。一方、S5103Gの処理において、外れ超ロング変動に対応する変動パターンであるかと判別した場合には(S5103G:Yes)、第2特別図柄の抽選を実行させずに有利な第1特別図柄の抽選ばかりを連続的に実行させることができるチャンスゾーンへと突入することを意味するため、チャンスゾーンへの突入を示す演出態様を決定し(S5104G)、チャンスゾーン中フラグ223gaをオンに設定して(S5105G)、処理をS5106Gへと移行する。S5106Gの処理では、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5106G)、本処理を終了する。
以上説明した通り、本第32制御例におけるパチンコ機10では、遊技状態として、通常状態、時短状態、確変状態に加え、特別図柄の高確率状態、および普通図柄の通常状態(電チューサポート無し状態、非電サポ状態)に設定される潜確状態を設ける構成とし、潜確状態に移行した場合に、遊技盤13における可変表示装置ユニット80の右側の流路に向けて遊技球を発射し続ける(右打ちをし続ける)ことで小当たりが頻繁に発生すると共に当該小当たり遊技による賞球の払い出しを頻繁に受けることができる極めて有利な遊技状態を形成可能に構成した。つまり、右打ちし続けることにより、小当たりによる賞球が断続的に払い出され続け、大当たりに当選しなくても持ち球を増加させ続けることができる有利な状態を設ける構成とした。これにより、潜確状態へと移行した場合に遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第32制御例では、パチンコ機10に設けられている操作手段に対して所定の操作を行うことにより、特別図柄の低確率状態の大当たり確率と高確率状態(確変状態)の大当たり確率との組み合わせ(設定値)を可変させることが可能に構成した。より具体的には、本第32制御例におけるパチンコ機10には、大当たり確率の組み合わせ(設定値)として、6種類の組み合わせ(設定値)が規定されており(図1757(a)参照)、例えば、ホールの店員等が営業時間外等において所定の操作(設定変更操作)を行うことにより、パチンコ機10の大当たり確率を任意に設定することができる。大当たり確率が高い設定(高設定)ほど、通常状態(特別図柄の低確率状態)においても潜確状態(特別図柄の高確率状態)においても大当たりに当選し易くなるため、通常状態が長い期間継続し難くなる(ハマりが発生し難くなる)反面、最も有利な潜確状態が比較的短期間で終了し易くなってしまう(潜確状態において大当たり当選により他の遊技状態が設定され易くなる)。一方、大当たり確率が低い設定(低設定)ほど、通常状態が長い期間継続し易くなる(ハマりが発生し易くなる)反面、最も有利な潜確状態が比較的長く継続し易くなるため、1の潜確状態において小当たり遊技によって獲得できるトータルの賞球数が多くなり易くなる。つまり、大当たり確率(確率)に応じて、遊技性(不利な状態も有利な遊技状態も比較的短い期間で終了し易くなる遊技性や、不利な遊技状態も有利な遊技状態も比較的長い期間継続し易い遊技性)を異ならせることができるので、遊技者の興趣をより向上させることができる。
また、本第32制御例におけるパチンコ機10では、設定変更操作を行うことにより、必ず通常状態に設定される(RAMクリア操作によりRAM203の設定が初期化される)ように構成した上で、設定変更後(RAMクリア操作後)に移行する通常状態の方が、他の条件で移行した通常状態よりも、特定の種別の変動パターン(変動時間)が選択される頻度が高くなるように構成した。即ち、設定変更後(RAMクリア操作後)の特別図柄の抽選回数が50の倍数となる毎に、変動時間が25秒間の外れ特殊リーチ変動が選択されるように構成する一方で、他の条件で移行した通常状態においては、特別図柄の抽選回数が100の倍数となる毎に、外れ特殊リーチ変動が選択されるように構成した。このように構成することで、電源投入後、特定条件が成立した(特別図柄の抽選回数が50の倍数になった)場合に実行される変動パターンの変動種別によって、初期化が行われたか(設定変更操作が実行されたか可能性があるか)否かを確認することができるので、電源投入後、特定条件が成立するまでの間におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。更に、本第32制御例では、外れ特殊リーチ変動の実行中における演出態様(変動パターン演出)として、リーチが発生する際の第3図柄の種別(第3図柄に付された数字)によって、設定されている設定値を示唆可能に構成した。このように構成することで、高設定で実行され易い演出態様のリーチ演出が実行された場合に、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。また、設定示唆演出において高設定を示唆する内容の演出態様が実行されなかった場合に、もう一度設定示唆演出を確認しようと思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
また、本第32制御例では、通常遊技中に所定の変更条件が成立したことに基づいて、設定値を変更可能に構成した。具体的には、遊技領域への遊技球の発射球数が5000個以上となる毎に、予め定められた順番(設定シナリオに規定された順番)で設定値を変更可能に構成している。ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技機を初期化した際等において所定の操作を行うことにより、大当たり確率に対応する複数段階(例えば、「1」~「6」の6段階)の設定値の中から操作者(例えば、遊技機を設置しているホールの店員等)の任意の値を選択することが可能に構成されている仕様のものが広く一般的に知られている。かかる従来型の遊技機においては、遊技者に対してより有利な設定値(より高い設定)に設定されている遊技機で遊技を行うことを一つの目標として遊技を行わせることができるので、ホールに設置されている複数の遊技機の挙動等を比較して設定値を判別するという楽しみを遊技者に対して与えることができ、興趣向上が図られていた。しかしながら、かかる従来型の遊技機は、通常遊技中に遊技機の設定を変更することができない仕様(ホールの営業時間の終了後等の遊技者が遊技を行っていないタイミングでのみ設定を変更可能な仕様)が一般的であるため、遊技者によって一旦不利な設定値(低い設定値)であると判別されてしまうと、当該判別された遊技機で遊技を行おうというモチベーションが大きく低下してしまい、当該判別された遊技機の稼働率が低下してしまうという問題点があった。これに対して本第32制御例におけるパチンコ機10では、遊技者が遊技を行っている状況下でも成立し得る所定の変更条件(遊技領域への遊技球の発射球数が5000個以上となったこと)に基づいて、設定値を変更可能に構成したので、たとえ現在の設定値が不利な設定値(低い設定値)と判別されたとしても、所定の変更条件を成立させることで有利度合いが高い設定値に変更されるかもしれないと遊技者に思わせることができ、次の変更条件が成立するまで遊技を継続しようと思わせることができる。よって、遊技機の稼働率を向上させることができる。加えて、本第32制御例では、所定の変更条件が成立したことに基づいて、変更後の設定値を示唆する演出を実行可能に構成している。より具体的には、設定値を変更させる前後における設定値の差分に応じて、設定値がどのように変わったのかを示唆する演出(切替示唆演出)を実行する構成としている。このように構成することで、設定値がどのように変わったのかを演出態様から遊技者に対して推測させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、切替示唆演出においては、設定値が上昇したことや、設定値が維持されたこと、設定値が変更されたことについて示唆可能に構成している一方で、設定値が低下したことについては示唆しない構成としている。このように構成することで、設定値が低下したとしても、設定値が低下したことを遊技者が認識し難くなるため、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させ易くすることができる。
また、本第32制御例では、第2特別図柄の抽選が実行され易い潜確状態において特別図柄の抽選で大当たりとは少なくとも異なる所定の抽選結果となった場合に、潜確状態を維持したまま、第2特別図柄の抽選よりも有利度合いが高い第1特別図柄の抽選ばかりを実行させることができる有利な状態(チャンスゾーン)を形成可能に構成した。より具体的には、潜確状態において設定が低いほど抽選される確率が相対的に高くなる完全外れの抽選結果と抽選されることにより、大当たりに当選しても有利度合いが低い時短状態へと移行する可能性が無い第1特別図柄の抽選に偏重して実行させることができるチャンスゾーンを形成可能に構成している。言い換えれば、チャンスゾーンが設定されていない潜確状態においては、小当たり確率が高い第2特別図柄の抽選に偏重して実行させることができるので、小当たりによる賞球を得続けることが可能となる反面、大当たりに当選すると有利度合いが低い時短状態へと移行する可能性がある遊技性となり、チャンスゾーンに移行した後は、小当たりの振り分けが無い第1特別図柄の抽選ばかりが実行されるので賞球が獲得し難くなる反面、大当たりに当選した場合に有利な確変状態または潜確状態のどちらかに設定される遊技性となる。よって、チャンスゾーンが設定されていない潜確状態においては、大当たりにならないことを期待させる遊技性となる一方で、チャンスゾーンが設定されている潜確状態では、大当たりになることを期待させる遊技性となるため、遊技状態が潜確状態に維持されているにもかかわらず、真逆の遊技性に切り替えることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第32制御例では、設定キー110bと設定スイッチ110cとを別々に設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、設定スイッチ110cを削除して、設定キー110bの回動量に応じて設定を変更することができるように構成してもよい。より具体的には、設定キー110bを60度回動させる毎に、設定シナリオが1→2→・・・→6の順に切り替わるように構成してもよい。そして、設定変更動作の終了時には、設定キー110bのキー部を鍵穴部から引き抜くことで通常遊技が可能な状態に戻すように構成してもよい。このように構成することで、設定変更機構の構成を簡素化することができるので、部品点数の削減を図ることができる。よって、パチンコ機10の原価率を低減させることができる。また、本第32制御例では、特別図柄の低確率状態における大当たり確率と、特別図柄の高確率状態(確変状態)における大当たり確率との比率を全設定共通として構成していたが、これに限られるものではなく、低確率状態と高確率状態との大当たり確率の比率を設定毎に異ならせてもよい。より具体的には、例えば、低確率状態の大当たり確率は上述した第32制御例と同様に設定値に応じて異ならせる一方で、高確率状態の大当たり確率については設定値によらず一定(例えば、1/90)としてもよい。このように構成することで、高確率状態におけるハマり易さを設定によらず共通とすることができるので、有利な潜確状態における有利度合いを設定によらず共通とすることができる。よって、高設定の優位性をより高めることができるので、設定が高い方があらゆる面で有利になるという分かり易い遊技性を提供することができる。また、例えば、奇数設定(設定1,3,5)と偶数設定(設定2,4,6)とで高確率状態の大当たり確率を異ならせてもよい。具体的には、例えば、奇数設定では高確率状態における大当たり確率が低くなる(例えば、1/100)一方、偶数設定では高確率状態における大当たり確率が高くなる(例えば、1/70)ように構成してもよい。このように構成することで、奇数設定と偶数設定とで有利な潜確状態における有利度合いを異ならせることができるので、設定に応じて遊技性を大きく異ならせることができる。更に、この場合において、特別図柄の低確率状態における大当たり確率として、偶数設定の方が奇数設定よりも高い大当たり確率になるように構成した上で、奇数設定内、および偶数設定内では設定が高くなる方が大当たり確率が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、設定値が奇数であるか、偶数であるかに応じて遊技性を大きく異ならせることができる。即ち、偶数設定では不利な通常状態が長く続き難いが、潜確状態が長く続き難いため、比較的出玉推移が穏やかになり易い遊技性を実現できる一方で、奇数設定では、不利な通常状態が長く続き易いが、潜確状態が長く続き易い上にチャンスゾーンに設定される可能性も高くなるため、ハマりが厳しいが一度潜確状態に移行させてしまえばより多くの賞球の獲得を期待できるという、出玉推移が激しく上下し易くなる、いわば荒波のような遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、ホールの営業方針に応じて適切な設定を選択させることができるので、ホールの利便性を向上させることができる。更に、例えば、最高設定である設定6のみ他の設定に対して遊技性が大幅に変わるように構成してもよい。具体的には、例えば、設定1から設定5については、上述した第32制御例における大当たり確率を採用する一方で、設定6のみ、極端に高い大当たり確率(例えば、設定5の2倍以上の確率)に設定するように構成してもよい。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態における大当たり確率を1/100、特別図柄の高確率状態における大当たり確率を1/30に設定してもよい。このように構成することで、大当たりの当選率から、比較的短時間の遊技で設定6であるか否かを遊技者が容易に判別することが可能となる。よって、設定6であると確信した遊技者に対し、長時間遊技を行わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、設定6であるか否かを判別し易くすることにより、設定6が設定された場合に、最高設定である(即ち、遊技者にとって最も有利な)設定6に切り替えられる有利なシナリオに設定する可能性があるホールであると遊技者に認知させることができる。よって、ホールの評判を向上させることができる。
本第32制御例では、確変大当たりの一部で、大当たり終了後に時短回数が100回の確変状態が設定されるように構成し、当該確変状態において100回の時短回数を経過させた(100回の特別図柄の抽選において連続で外れになった)場合に最も有利な潜確状態へと移行するように構成していた。つまり、特定の遊技状態(確変状態)において、特定回数(100回)の特別図柄の抽選に渡って連続して外れ(大当たりとは異なる抽選結果)になることで有利な状態に移行するように構成することで、特別図柄の高確率状態における大当たり確率が低い程(即ち、設定が低い程)有利になる遊技性を実現する構成としていたが、大当たり確率が低い程有利になる遊技性を実現するための構成は、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の確変状態が特定回数(例えば、100回)の特別図柄の抽選が実行されたことに基づいて終了される仕様とし、潜確状態を最も不利な状態(右打ちしても第1特別図柄の抽選も第2特別図柄の抽選も実行され難い状態)として、潜確状態において特定回数の特別図柄の抽選で連続して外れとなった場合に比較的有利な通常状態へと移行するように構成してもよい。即ち、潜確状態では、大当たりに当選してもラウンド数が少なく、且つ、大当たり終了後に再度潜確状態が設定される大当たり種別が大半となる一方で、通常状態で大当たりに当選すると、大当たり終了後に有利な確変状態に設定される大当たり種別が大半となるように構成してもよい。そして、確変状態では、持ち球をほとんど減らさずに大当たりに当選し易くなる上に、大当たり終了後も再度確変状態が設定され易くなるように構成し、有利な確変状態へと移行することを一つの目標に遊技を行わせる仕様を採用してもよい。この仕様においても、潜確状態において大当たり確率が低いほど、比較的有利な通常状態へと移行し易くなり、結果的に最も有利な確変状態へと移行し易くなるため、大当たり確率が低い(即ち、設定が低い)程有利度合いが向上するという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、この場合、大当たり確率が低いと、有利度合いの高い通常状態において大当たりになり難くなる上に、有利な確変状態において大当たりにならずに確変回数(特定回数)が終了する可能性も高くなるため、大当たり確率が高い高設定では、潜確状態と不利な大当たりとが繰り返され易くなるが、通常状態に移行させることができれば、比較的少ない抽選回数で大当たりに当選させることができる上に、確変状態において大当たりと確変状態とがより多くの回数繰り返され易くなる遊技性を実現することができる。このように、低設定と高設定とで遊技性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第32制御例では、特別図柄の高確率状態、且つ、非時短状態に設定される潜確状態を、最も有利な遊技状態として構成していたが、これに限られるものではない。例えば、潜確状態ではなく通常状態における第2特別図柄の変動時間を短くすることで、通常状態を最も有利な遊技状態(第2特別図柄の抽選が実行され易く、小当たり用アタッカー2650へも遊技球が到達可能となる遊技状態)として構成してもよい。このように構成することで、パチンコ機10を初期化した場合に、有利な遊技状態から開始させることができるので、パチンコ機10が初期化されていることを期待して、遊技を行わせることができる。よって、ホールの開店直後等、パチンコ機10が初期化された可能性がある状況下において、稼働率をより向上させることができる。なお、この場合は、通常状態以外の遊技状態(例えば、潜確状態や確変状態)において第2特別図柄の変動時間を極端に長くすることにより、左打ちにより遊技を行う不利な遊技状態(見かけ上の通常状態)を設ける構成としてもよい。これにより、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制することができる。
本第32制御例では、設定変更状態において設定された設定値によらず、設定変更後(RAMクリア操作後)の通常状態において特別図柄の抽選が50回行われる毎、およびRAMクリア操作以外の条件で設定された通常状態において特別図柄の抽選が100回行われる毎に、設定示唆演出を実行する(外れ特殊リーチ変動が選択される)ように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、外れ特殊リーチ変動が選択された場合に設定示唆演出を実行する割合を異ならせてもよい。即ち、外れ特殊リーチ変動が通知された場合に音声ランプ制御装置113側で設定示唆演出を実行する割合を、設定値に応じて異ならせてもよい。若しくは、設定値毎に通常状態において参照される変動パターン選択テーブルを異ならせることで、設定値に応じて変動回数が50の倍数若しくは100の倍数となった場合に外れ特殊リーチ変動が選択される割合自体を異ならせてもよい。より具体的には、例えば、設定が高いほど外れ特殊リーチ変動以外の変動パターンが選択され易くなる(設定示唆演出が実行され難くなる)ように構成してもよい。このように構成することで、特別図柄の抽選回数が50の倍数若しくは100の倍数になったにもかかわらず外れ特殊リーチ変動が実行されなかった(設定示唆演出が実行されなかった)場合に、高設定に対する期待感を向上させることができる。また、例えば、設定値に応じて外れ特殊リーチ変動が実行される(設定示唆演出が実行される)周期を異ならせてもよい。このように構成することで、何変動おきに外れ特殊リーチ変動が実行されるかに注目して遊技を行わせることができるので、通常状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第32制御例では、RAMクリア操作を伴ってパチンコ機10に対して電源が投入された場合に、設定値格納エリア203gfのデータも初期値にクリアされるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、設定値格納エリア203gfのデータはRAMクリア操作が行われたとしてもクリアされないように構成してもよい。このように構成することで、設定は変更したくないが、RAMクリア操作を行いたいとホール側が希望した場合に、当該希望を叶えることができるので、ホールの利便性を向上させることができる。また、本第32制御例では、現在の設定値を設定示唆演出によってのみ示唆するように構成していた。即ち、設定変更後の通常状態において特別図柄の抽選回数が50の倍数となって外れ特殊リーチ変動の変動パターンが設定された場合に、当該外れ特殊リーチ変動における変動パターン演出として設定示唆演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりのオープニング演出やエンディング演出において、設定を示唆するように構成してもよい。この場合、オープニング演出やエンディング演出において第3図柄表示装置81に出現するキャラクタの種別(選択割合)を、設定値毎に異ならせておけばよい。また、例えば、有利な遊技状態(連荘モードAや連荘モードB)へと移行した後で、有利な遊技状態が終了されて不利な通常モードへと移行する場合に表示される、有利な遊技状態における遊技結果を示す表示態様(所謂、リザルト表示)の表示態様の種別を異ならせてもよい。具体的には、例えば、遊技結果に応じて表示される称号として、遊技結果のみに応じて決定される種別の称号と、設定値も加味して決定される種別の称号とを設ける構成としてもよい。このように構成することで、有利な遊技状態の終了時においてリザルト表示に注目させることができる。
本第32制御例では、設定が高くなる程遊技者にとって有利になり易くなる(所謂、機会割が高くなる)ように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、一部の設定と、他の一部の設定とでトータルの有利度合いが同等となるように構成してもよい。より具体的には、例えば、大当たり確率を調節することにより、設定1と、設定6との有利度合いをそれぞれ同等にしてもよい。つまり、設定1では、一旦潜確状態へと移行した場合に、当該潜確状態において獲得できる賞球数の期待値を、他の設定に比較して大幅に多くする(例えば、特別図柄の高確率状態における大当たり確率を1/200にする)ことにより、特別図柄の低確率状態において大当たり確率が低いことを加味しても、設定6以外の設定値(設定2~5)よりも有利になるように構成してもよい。また、これに加えて、設定2と設定5とがそれぞれ同等の有利度合いとなり、設定3と設定4とがそれぞれ同等の有利度合いとなるように構成してもよい。つまり、設定1および設定6が最も有利度合いが高い設定となるように構成し、設定3および設定4が最も有利度合いが低い設定となるように構成してもよい。つまり、設定1から設定3では、大当たり確率が低い方が有利となる遊技性(潜確状態における小当たりの賞球で持ち球を増加させることがメインとなる遊技性)となり、設定4から設定6では、大当たり確率が高い方が有利となる遊技性(大当たりの賞球で持ち球を増加させることがメインとなる遊技性)となるように構成してもよい。このように構成することで、設定毎の遊技性の違いをより顕著にすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。更に、この場合において、潜確状態における小当たりの賞球で持ち球を増加させることがメインとなる遊技性の設定(設定1~3)が設定されているのか、大当たりの賞球で持ち球を増加させることがメインとなる遊技性の設定(設定4~6)が設定されているのかを、遊技者に対して報知することが可能に構成してもよい。より具体的には、例えば、パチンコ機10における遊技が所定期間(例えば、30秒)以上行われていない場合に表示されるデモ表示において、どちらの遊技性であるのかを報知する(例えば、設定1~3であれば「一撃タイプ」という文字を表示させ、設定4~6であれば「コツコツタイプ」という文字を表示させる)ように構成してもよい。これにより、遊技者に対して好みの遊技性の設定で遊技を開始させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。また、デモ表示画面に代えて、又は加えて、パチンコ機10の音量を変更するための音量変更操作を行った場合に表示される音量表示や、LED等の各種発光部材の光量を変更するための光量変更操作を行った場合に表示される光量表示等の表示態様でも、遊技性(一撃タイプであるかコツコツタイプであるか)を報知可能に構成してもよい。このように構成することで、音量変更操作若しくは光量変更操作を行うことで遊技者の任意のタイミングで遊技性も確認することができるので、遊技者の利便性をより向上させることができる。更に、大当たりのエンディング画面や潜確状態終了後のリザルト画面における表示態様についても、遊技性に応じて異ならせてもよい。具体的には、例えば、一撃タイプの遊技性(設定1~3)が設定されている場合は、有利状態において獲得した賞球数の総計をより目立つ態様で表示させる一方で、コツコツタイプの遊技性(設定4~6)が設定されている場合は、有利状態において当選した大当たりの総回数をより目立つ態様で表示させるように構成してもよい。このように構成することで、遊技性毎に、遊技者がより注目しがちな項目を視認し易く構成できるので、遊技者の利便性を向上させることができる。また、この場合において、設定値表示装置110aには、設定1,2,3に代えて、設定A,B,Cと表示されるように構成してもよい。つまり、遊技性に応じて、設定値の表記を異ならせてもよい。このように構成することで、ホールの店員等が設定値を変更若しくは確認する際に、有利度合いが数字の順になっていない(設定3,4→2,5→1,6の順に有利度合いが高くなる)ことにより混乱してしまうことを抑制することができる。また、本第32制御例では、RAMクリア操作後(初期化後)の通常状態において特別図柄の抽選が50回実行される毎に、若しくは上記以外の条件で設定された通常状態において特別図柄の抽選が100回実行される毎に、外れ特殊リーチ変動が実行されるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、外れ特殊リーチ変動が1回のみ実行され得るように構成してもよい。このように構成することで、設定示唆演出を確認したいと考える遊技者に対して、初期化後と思われるパチンコ機10で遊技を開始したいとより強く思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本第32制御例では、設定シナリオに規定されている第1期間から第6期間まで設定値を切り替えていき、第6期間において所定の変更条件が成立した場合に、第1期間に戻す構成とし、第1期間から第6期間をループさせる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第6期間に切り替えられた後は、期間をループさせずに第6期間を維持する構成としてもよい。この場合において、第6期間に対応付けられている設定値として、設定6等の比較的有利度合いが高い設定値に設定しておく構成としてもよい。このように構成することで、遊技を長く継続していれば、比較的有利度合いが高い設定値に切り替わった後で当該有利な設定値に固定されると遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、パチンコ機10を設置しているホールに対して、第6期間(若しくは第6期間に近い期間)に設定されているパチンコ機10の設定シナリオを積極的に切り替えさせることができるので、設定シナリオの変更頻度を向上させることができる。
本第32制御例では、通常状態においてのみ、設定シナリオに基づいて設定を変更するための所定の変更条件(切替条件)が成立し得る要に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態や時短状態、潜確状態等の有利な遊技状態においても所定の変更条件が成立し得るように構成してもよい。即ち、通常状態以外の遊技状態においても、発射球数カウンタ203gdを更新し、発射球数が規定個数(5000個)の倍数となる毎に設定されている設定シナリオに従って設定値を変更するように構成してもよい。このように構成することで、特に、大当たり確率が低いほど有利度合いが高くなる(大当たりまでの抽選回数が多くなることで小当たりによる賞球をより多く得易くなる上に、チャンスゾーンが設定され易くなる)潜確状態に移行した後において、より低い設定値に変更されることを期待させたり、時短回数の範囲内で特別図柄の抽選で大当たりに当選しなければ不利な通常状態に移行してしまう時短状態において、より判別(特別図柄の抽選)の有利度合い(大当たり確率)が高い設定値に変更されることを期待させることができる。よって、より積極的に遊技球を発射させることができる。また、逆に、潜確状態において低い設定値に設定されていると推測される場合や、時短状態において高い設定値に設定されていると推測される場合においては、設定値が切り替わらないように発射球数を最低限に抑えようとさせることができる。つまり、設定されている遊技状態と設定値とに応じて、遊技球の発射態様(発射ハンドル51に対する操作内容)を異ならせる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第32制御例では、通常状態において遊技球の発射を検出する毎に発射球数カウンタ203gdの値に1を加算する構成としていたが、加算する値は1に限られるものではない。例えば、発射を検出する毎に、発射球数カウンタ203gdに加算するカウンタ値を1~10の範囲で抽選により決定する構成としてもよい。このように構成することで、所定の変更条件が成立するタイミングをバラつかせることができるので、所定の変更条件が成立するタイミングを切替ポイントの獲得状況等から予測させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、本第32制御例では、遊技球の発射球数が5000個の倍数となる毎に、設定されている設定シナリオに従って設定値を変更する(切り替える)構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、設定シナリオを設定した後における経過時間が所定時間となる毎に設定値を変更する構成としてもよいし、特別図柄の抽選回数が所定回数となる毎に設定値を変更する構成としてもよいし、大当たりとなった回数が所定回数となる毎に設定値を変更する構成としてもよいし、時短状態において時短回数が経過して通常状態へと移行した回数が所定回数となる毎に設定値を変更する構成としてもよい。また、通常状態において大当たりに当選せずに規定回数の抽選が実行された場合に有利な遊技状態に移行する仕様(所謂、天井抽選回数が設けられている仕様)において、天井抽選回数に到達する毎に設定値を変更する構成としてもよい。
本第32制御例では、所定の変更条件が成立する毎に、予め設定されている設定シナリオに規定された順番で設定値を変更する構成としていたが、必ずしも設定シナリオを設定する必要はない。例えば、所定の変更条件が成立する毎に、所定の乱数値を用いた抽選で変更後の設定値を決定する構成としてもよい。このように構成することで、所定の設定条件が成立した場合に、常に高設定に変更されることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第32制御例では、設定値毎に1通りの低確率状態と高確率状態との大当たり確率の組合せが対応付けられているが、これに限られるものではなく、設定値が変更された場合に、設定値毎に予め設定されている選択率で、低確率状態および高確率状態の大当たり確率を選択する構成としてもよい。このように構成することで、たとえ低設定に変更されたとしても、高い大当たり確率に設定される可能性があるため、演出によって低設定が示唆されたとしても、高い大当たり確率であることを期待して遊技を行わせることができる。また、本第32制御例では、設定値に応じて、特別図柄の高確率状態および低確率状態の大当たり確率を変更可能に構成していたが、設定値に応じて可変可能な対象はこれに限られるものではなく、有利度合いに関する要素であればあらゆる要素に適用することができる。具体的には例えば、設定値を変更することで大当たりとなった場合における有利度合い(ラウンド数の振り分けや確変大当たりと決定される割合、各ラウンドにおける可変入賞装置1650の開放期間の長さ等)を変更可能に構成してもよいし、時短状態または確変状態となった場合に設定される時短回数を変更可能に構成してもよいし、第2特別図柄の抽選が実行された場合に小当たりとなる確率を変更可能に構成してもよいし、各種入賞口へと遊技球が入球した場合に払い出される賞球数を変更可能に構成してもよい。また、例えば、通常状態において大当たりに当選せずに規定回数の抽選が実行された場合に有利な遊技状態に移行する仕様(所謂、天井抽選回数が設けられている仕様)において、設定される天井抽選回数を変更可能に構成してもよいし、特別図柄の高確率状態において大当たりとなる連続回数に制限が設けられている仕様(所謂、確変リミット仕様)において、確変リミット回数を変更可能に構成してもよいし、特別図柄の高確率状態において特別図柄の抽選が実行される毎に低確率状態へと転落させるか否かの抽選を実行する仕様(所謂、転落抽選仕様)において、転落させると判定される確率を変更可能に構成してもよい。また、遊技球の発射間隔を設定値に応じて変更可能に構成してもよいし、普通図柄の当たり確率や普通図柄の当たりとなった場合に有利な開放パターンが選択される割合を変更可能に構成してもよい。設定値によって変更可能な有利度合いは、賞球等の遊技における現実的な利益だけでなく、遊技者の精神的な利益(満足感、達成感等)に関連するものでもよい。例えば、レアなキャラクタや演出態様等の出現確率を変更可能に構成してもよいし、レアなLEDの点灯パターンや音声態様等の選択確率を変更可能に構成してもよい。また、逆に、出現率が高い演出(遊技者が見飽きている可能性がある演出)の選択頻度を変更し、設定が高くなるほど出現率が低くなるように構成してもよい。また、設定値に応じて変更することを可能とする対象(有利度合いに関する要素)は一種類に限られるものでもなく、複数の要素を設定値に応じて異ならせてもよい。異ならせる要素を多くするほど、高い設定値に設定されている場合における有利度合いが高くなり易くなるため、設定値を看破する重要性をより高くすることができる。一方で、異ならせる要素を少なくするほど、設定値に応じて変わるデータの数を少なくすることができるので、制御処理を簡素化することができる。更に、設定値に応じて異ならせる要素の数を異ならせる構成としてもよい。具体的には例えば、設定2では、設定1に対して大当たり確率のみが高くなり、設定3では、設定1,2よりも大当たり確率が高くなる上に小当たり確率も高くなるように構成し、設定4では、設定1~3よりも大当たり確率、小当たり確率が高くなる上に各種入賞口へと遊技球が入球した場合に払い出される賞球数が多くなるように構成し、設定5では、設定1~4よりも大当たり確率、小当たり確率、各種入賞口へと遊技球が入球した場合に払い出される賞球数が有利になる上に、第2特別図柄の大当たりとなった場合における確変大当たりの割合、レアな演出態様の出現確率を有利にする構成とし、設定6では、設定1~5に対して、全ての要素が有利になるように構成してもよい。このように構成することで、設定値毎の有利度合いの変更幅をより広くすることができる。なお、特に、設定値応じて異ならせる要素の数を複数にする場合において、設定値が変更された場合において設定値格納エリア203gcに設定するデータのみを変更後の設定値に対応するデータに書き替えるのに代えて、各要素に対応するデータ(例えば、大当たりと判定される乱数値の範囲、小当たりと判定される乱数値の範囲、各種入賞口へと遊技球が入球した場合に払い出される賞球数の個数を示すデータ、各大当たり種別と判定される乱数値の範囲、レアな演出を実行すると判定される乱数値の範囲等)を格納しておく記憶領域を用意しておき、設定値が変更された時点で各要素に対応するデータを変更後の設定値に対応するデータに更新する構成としてもよい。つまり、設定値が変更された場合に、当該変更に伴って変化する要素に対応するデータを変更後の設定値に対応するデータに上書きする一方で、変更されない要素に対応するデータを維持する処理を実行してもよい。そして、通常遊技中は確要素に対応するデータを参照して各種判定処理(特別図柄の大当たりであるか否かの判定、小当たりであるか否かの判定、大当たり種別の判定等)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、各種判定処理が実行される毎に、設定値を判別して設定値を加味した判定を実行する必要がなくなり、単に予め記憶しておいた各要素に対応するデータを参照するだけで各種判定処理を実行することができるため、各種判定処理における処理負荷を軽減することができる。
本第32制御例では、切替示唆演出を、所定の変更条件が成立した後の変動表示演出の変動停止時に実行する構成としていたが、必ずしも変動停止時に実行する必要はない。例えば、変動表示演出の演出結果に応じて、切替示唆演出の実行タイミングや演出態様等を異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、短外れや長外れの変動パターンの場合は変動停止時に実行する一方で、ノーマルリーチ以上の変動時間の変動パターンの場合は、リーチ演出が発生する前に切替示唆演出を実行する構成としても良い。このように構成することで、比較的期待度が高い(リーチ演出が発生する)変動表示演出において、大当たりとなるか否かの報知(変動停止)と、設定値が切り替えられたことの報知とが重複して実行されてしまい、いずれかの報知を見逃してしまう不具合を抑制することができる。また、抽選結果が大当たりであった場合は、変動終了後の大当たり遊技の実行中等に切替示唆演出を実行する構成としても良い。このように構成することで、遊技者に対して落ち着いた気持ちで切替示唆演出を確認させることができる。よって、切替示唆演出の見逃しを抑制することができる。
<第32制御例の第1変形例>
次に、図1579から図1592を参照して、第32制御例の第1変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第32制御例におけるパチンコ機10では、設定示唆演出として、リーチ発生時に停止された左右の第3図柄の数字によって設定値を遊技者に示唆するように構成していた。これに対して本第1変形例では、遊技を行っている遊技者に対して設定値を直接的に示唆するのではなく、周囲の遊技者と協力することで設定示唆演出における示唆内容を特定することができる極めて斬新な演出態様を実現している。より具体的には、設定示唆演出を、特定の表示態様と特定の音声の出力とによって特別図柄の抽選の有利度合い(特別図柄の抽選で大当たりとなる確率に対応する設定値)を示唆する演出として構成した上で、特定の表示態様単体でも、特定の音声単体でも、特別図柄の抽選の有利度合いに関する示唆内容を特定することが困難となるように構成した。即ち、設定示唆演出において第3図柄表示装置81に表示された特定の表示態様と、指向性スピーカ55L,55Rから出力される特定の音声と、を照らし合わせることにより、1の示唆内容を特定することができる演出を実行する構成としている。更に、本第1の変形例における設定示唆演出では、特定の音声を、パチンコ機10の正面方向とは少なくとも異なる所定方向に向けて出力することにより、パチンコ機10の正面において遊技を行っている遊技者が特定の音声を聴き取ることが困難となるように構成した。より具体的には、隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者が聴き取ることが可能となる一方で、特定の表示態様を正面から視認できる位置で遊技を行っている遊技者が聴き取り困難となるように指向性を持たせた特定の音声を、指向性スピーカ55L,55Rから出力するように構成した。このように構成することで、設定示唆演出が実行されて特定の表示態様が表示された場合に、隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者に特定の音声の内容を教えて貰うことにより、設定示唆演出における示唆内容を特定することができる斬新な遊技性を実現することができる。即ち、隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者と協力して示唆内容を解明する極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。ここで、パチンコ機等の遊技機においては、遊技を一人で行うのが通常であり、他の遊技者と協力する場面がほとんど無いため、遊技が単調となりがちになってしまい、遊技者の遊技に対する興趣を向上させ難いという問題点があった。これに対して第1変形例におけるパチンコ機10では、設定示唆演出として、隣接する遊技台で遊技を行う遊技者と協力することで示唆内容を特定可能となる演出を実行する構成としているので、隣接する遊技台で遊技を行う遊技者との一体感を感じさせることができ、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、上述した第32制御例におけるパチンコ機10では、潜確状態(連荘モードB)において第2特別図柄の抽選で完全外れ(大当たりでも小当たりでもない抽選結果)となった場合に、必ずチャンスゾーンへと移行する構成としていた。即ち、第2特別図柄の抽選で完全外れになると、有利度合いが高い第1特別図柄の抽選ばかりが実行される有利な状態を形成する構成としていた。これに対して本第1の変形例では、潜確状態において第2特別図柄の抽選で完全外れになったとしても、必ずチャンスゾーンが設定されるわけではなく、所定割合でチャンスゾーンが設定されるように構成した。そして、完全外れが連続するほど、チャンスゾーンが設定される可能性が高くなっていくように構成した。このように構成することで、小当たりに当選するほど賞球を多く獲得することができる有利な潜確状態において、賞球を一切獲得することができない完全外れが連続することを期待させるという、極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
この第1変形例におけるパチンコ機10が、上述した第32制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、所定の音声を出力するための音声出力装置として、指向性スピーカ55L,55Rが追加されている点、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第32制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第32制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図1579(a)を参照して、本第1の変形例において追加されている指向性スピーカ55L,55Rについて説明する。図1579(a)に示した通り、本第1変形例におけるパチンコ機10では、遊技台の左上部分、および右上部分に対して、所定の音声を出力可能な音声出力装置として、指向性スピーカ55L、および指向性スピーカ55Rがそれぞれ設けられている。これらの指向性スピーカ55L,55Rは、指向性を持たせた音声を出力することができる公知の指向性スピーカで構成されている。より具体的には、指向性スピーカ55Lは、パチンコ機10で遊技を行っている(正面に座っている)遊技者が聴き取ることが困難であって、パチンコ機10の左側に隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者が容易に聴き取ることが可能な指向性を持たせた音声を少なくとも出力することが可能に構成されている。また、指向性スピーカ55Rは、パチンコ機10で遊技を行っている(正面に座っている)遊技者が聴き取ることが困難であって、パチンコ機10の右側に隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者が容易に聴き取ることが可能な指向性を持たせた音声を少なくとも出力することが可能に構成されている。より具体的には、図1579(b)に示した通り、例えば、指向性スピーカ55Lから「1」という音声が出力され、指向性スピーカ55Rから「A」という音声が出力された場合、パチンコ機10の正面で遊技を行っている遊技者には指向性スピーカ55Lからの「1」という音声も指向性スピーカ55Rからの「A」という音声も聴き取れないように「1」という音声、および「A」という音声に指向性が付与される。また、図1579(b)に示した通り、パチンコ機10の左隣の遊技台で遊技を行う遊技者は、「1」という音声は聞き取れるものの、「A」という音声は聞き取れないように指向性が付与される。更に、パチンコ機10の右隣の遊技台で遊技を行う遊技者は、「A」という音声は聞き取れるものの、「1」という音声は聞き取れないように指向性が付与される。
次に、図1580を参照して、この指向性スピーカ55L,55Rから出力される指向性を持たせた音声を用いた演出態様について説明する。図1580(a)は、本第1変形例における設定示唆演出の演出態様の一例を示した図である。図1580(a)に示した通り、本第1変形例における設定示唆演出が実行されると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおける中央付近に、横長略長方形形状の示唆画像MGが表示される。この示唆画像MGは、縦3個×横3個の9個の領域に区分され、各領域の内部に互いに異なる示唆内容を示す文字が付された複数領域画像と、その複数領域画像の上方および左側に示され、各領域を特定するための文字画像と、で少なくとも構成されている。図1580(a)に示した通り、複数領域画像は、当該複数領域画像の上段左側に配置され、「偶」の文字が付された第1領域と、複数領域画像の上段中央に配置され、「奇」の文字が付された第2領域と、複数領域画像の上段右側に配置され、「高」の文字が付された第3領域と、複数領域画像の中段左側に配置され、「1否定」の文字が付された第4領域と、複数領域画像の中段中央に配置され、「3以上」の文字が付された第5領域と、複数領域画像の中段右側に配置され、「456」の文字が付された第6領域と、複数領域画像の下段左側に配置され、「4or6」の文字が付された第7領域と、複数領域画像の下段中央に配置され、「5or6」の文字が付された第8領域と、複数領域画像の下段右側に配置され、「6!」の文字が付された第9領域と、で構成されている。また、文字画像は、複数領域画像のうち上段左側の領域の左側に付された「1」の文字(第1文字画像)と、中段左側の領域の左側に付された「2」の文字(第2文字画像)と、下段左側の領域の左側に付された「3」の文字(第3文字画像)と、上段左側の領域の上方に付された「A」の文字(第4文字画像)と、上段中央の領域の上方に付された「B」の文字(第5文字画像)と、上段右側の領域の上方に付された「C」の文字(第6文字画像)と、で構成されている。また、図1580(a)に示した通り、示唆画像MGの上方に形成された表示領域HRには、「解読チャンス!」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsの中央領域Ds2には、「左右の遊技者と協力して示唆内容を解読するんだ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、第1から第9領域のうち1の領域に示された示唆内容が今回の設定示唆演出における示唆内容であるということ、および左右の遊技者に対して示唆内容を特定するための何らかのヒントが通知されるということを遊技者に対して直感的に理解させることができる。
なお、上述した通り、本第1変形例における設定示唆演出では、特定の表示態様(示唆画像MG)と特定の音声とを照らし合わせることで、設定示唆演出における示唆内容を特定(解読)することが可能となるように構成している。より具体的には、本第1変形例では、示唆画像MGに形成されている複数の領域のうち1の領域を、文字画像の種別を特定可能な音声を出力することにより特定可能に構成している。例えば、「A」という音声と「1」という音声とが出力された場合は、今回の設定示唆演出が第1領域(「偶」という文字が付された領域)を示す設定示唆演出であると直感的に理解(解読)させることができ、「B」という音声と「3」という音声とが出力された場合は、今回の設定示唆演出が第8領域(「5or6」という文字が付された領域)を示す設定示唆演出であると直感的に理解(解読)させることができ、「C」という音声と「2」という音声とが出力された場合は、今回の設定示唆演出が第6領域(「456」という文字が付された領域)を示す設定示唆演出であると直感的に理解(解読)させることができる。また、本第1変形例では、文字画像に対応する音声(特定の音声)を、特定の表示態様(示唆画像MG)の正面方向とは少なくとも異なる所定方向へと出力する構成としている。つまり、特定の音声に対して、設定示唆演出が実行されたパチンコ機10で遊技を行っている遊技者にとって聞き取り難くなる(聞き取ることが不可能となる)指向性であって、隣接する遊技台で遊技を行う遊技者が容易に聴き取り可能となる指向性を持たせる構成としている。より具体的には、第1から第3文字画像のうち1の画像に対応する音声を、指向性スピーカ55Lから出力させて、設定示唆演出が実行されたパチンコ機10の左側に隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者のみが聴き取り可能に構成している。また、第4から第6文字画像のうち1の画像に対応する音声を、指向性スピーカ55Rから出力させて、設定示唆演出が実行されたパチンコ機10の右側に隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者のみが聴き取り可能に構成している。このように構成することで、設定示唆演出が実行され、当該設定示唆演出による示唆内容を特定したいと考える遊技者に対して、隣接する遊技台で遊技を行う遊技者が聴き取った特定の音声の内容(音声態様)を教えて貰うように行動させることができる。よって、隣接する遊技台で遊技を行う遊技者と協力して1の示唆内容を特定(解読)する斬新な遊技性を実現することができるので、隣接する遊技者との一体感を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図1580(b)は、設定示唆演出の別例である。図1580(b)に示した設定示唆演出では、1種類の音声態様のみによって示唆内容を特定することが可能となる演出態様を実現している。具体的には、図1580(b)に示した通り、本別例の示唆画像MGは、横3列の3個の縦長略長方形形状の領域に区分された複数領域画像と、各領域を特定するための文字画像と、で少なくとも構成されている。即ち、図1580(a)の例に対して、複数領域画像を構成する各領域の数が9個から3個に減少している点で相違している。図1580(b)に示した通り、複数領域画像は、当該複数領域画像の左側に配置され、「偶」の文字が付された第1領域と、複数領域画像の中央に配置され、「奇」の文字が付された第2領域と、複数領域画像の右側に配置され、「高」の文字が付された第3領域と、で構成されている。また、文字画像は、左側の領域の上方に付された「A」の文字(第4文字画像)と、中央の領域の上方に付された「B」の文字(第5文字画像)と、右側の領域の上方に付された「C」の文字(第6文字画像)と、のみで構成されている。即ち、図1580(a)の例に対して、第1から第3文字画像が表示されない点でも相違している。この別例の設定示唆演出(3マス型示唆演出)においては、1の音声態様のみ(「A」から「C」のいずれかの音声のみ)で示唆内容を特定することができる。よって、この別例の設定示唆演出が実行されると、指向性スピーカ55L,55Rから、今回の設定示唆演出における示唆内容(文字画像の種別)に対応する同一の音声が出力される。これに伴って、副表示領域Dsの中央領域Ds2の表示内容が、「右or左の遊技者と協力して示唆内容を解読するんだ!!」という内容に変更されている。指向性スピーカ55L,55Rから同一の音声が出力されるため、この別例の設定示唆演出(3マス型示唆演出)では、示唆内容を特定する(解読する)難易度が低くなる。即ち、パチンコ機10の左右どちらかに隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者に対して、出力された特定の音声の種別を教えて貰うことにより示唆内容を特定することができるので、より手軽に示唆内容を知ることができる。この反面、示唆内容は図1580(a)に例示した設定示唆演出(9マス型示唆演出)に比較して大まかなものになる(設定値を絞り込み難くなる)ので、設定値を正確に把握したいと考える遊技者に対しては、図1580(a)に例示した設定示唆演出(9マス型示唆演出)が実行されることをより強く期待させることができる。一方で、示唆内容を容易に特定したいと考える遊技者や、そもそも両隣の遊技台で他の遊技者が遊技を行っておらず、一方の遊技台のみで遊技が行われている場合のように9マス型示唆演出において示唆内容を特定する(2種類の特定の音声を両方知る)ことが物理的に不可能な場合については、3マス型示唆演出が実行されることをより強く期待させることができる。このように、パチンコ機10に隣接する他の遊技台における遊技状況や遊技者毎の好み等に応じて、実行を期待する設定示唆演出の演出態様を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、本第1変形例では、9マス型示唆演出として、示唆内容によらず、図1580(a)に示した表示態様が表示されるように構成している。つまり、表示態様を共通とし、音声態様のみを異ならせることにより、異なる示唆を行うことが可能に構成している。また、3マス型示唆演出についても同様に、示唆内容によらず、図1580(b)に示した表示態様が表示されるように構成し、音声態様のみを異ならせて異なる示唆を行うことが可能に構成している。このように構成することで、9マス型示唆演出および3マス型示唆演出の表示態様として、それぞれ1種類の表示態様に対応するデータのみを用意しておけば良いので、設定示唆演出を実行するための表示制御用のデータの容量を削減することができる。
次いで、図1581、及び図1582を参照して、本第1変形例の連荘モードB(潜確状態)において実行される特徴的な演出態様について説明する。図1581は、本第1変形例の連荘モードBにおいて第2特別図柄の抽選で完全外れとなった場合に実行される連続外れ演出の表示態様を示した図である。ここで、本第1変形例では、上述した第32制御例と同様に、第2特別図柄の抽選が実行されると、高確率で小当たり又は大当たりとなるように構成している。即ち、特別図柄の抽選で比較的低確率で完全外れとなるように構成している。本第1変形例では、この比較的低確率の外れが予め定められた第1回数に渡って連続した(例えば、第1特別図柄の抽選で外れが3連続した)場合に、当該第1回数目の外れ変動として必ず外れ超ロング変動を設定する(有利な第1特別図柄の抽選を集中的に実行させることが可能なチャンスゾーンを形成する)ように構成している。また、完全外れの連続回数が第1回数未満であったとしても、完全外れとなる毎に、所定の割合(例えば、約50%の割合)で、外れロング超変動を設定する(チャンスゾーンを形成する)ように構成している。つまり、第2特別図柄の完全外れが連続するほど、チャンスゾーンを形成し易く構成しているので、第2特別図柄の完全外れの連続回数に注目して遊技を行わせることができる。これから説明する連続外れ演出は、完全外れの連続回数およびチャンスゾーンへの突入可否を遊技者に示唆(報知)するために実行される演出態様である。
まず、図1581を参照して、上述した連続外れ演出の開始時における表示態様について説明する。この連続外れ演出は、潜確状態において、前回の第2特別図柄の抽選結果が完全外れではない(小当たりまたは大当たりである)状況下で第2特別図柄の抽選で外れとなった場合に開始される。図1581(a)に示した通り、第2特別図柄の抽選が完全外れになると、完全外れに対応する変動表示演出として、主表示領域Dmにおいて、ウサギを模したキャラクタ811が、頂上にSPという文字を付した旗FGが立てられた丘を発見する演出が実行される。また、この丘を発見する演出に伴って、副表示領域Dsに「さらなる頂きを目指せ」の文字が表示される。加えて、主表示領域Dmの右側に、チャンスゾーンが実行されるまでの状況を遊技者に示唆する案内示唆表示が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して、ウサギを模したキャラクタ811が丘を登って旗FGまで到達することができればチャンスゾーンが開始されるということを容易に理解させることができる。なお、図1581(a)に示した通り、キャラクタ811が発見する丘には、麓から中腹まで続く梯子HG1と、中腹から頂上まで続く梯子HG2との2つの梯子が掛けられている。加えて、丘の麓には、ジャンプ台JDも設置されている。本第1変形例においてチャンスゾーンが開始される場合は、梯子を1つずつ登ることで2変動を要してキャラクタ811が頂上(旗FG)まで到達する演出と、ジャンプ台JDを用いて1変動で一気に頂上まで跳躍する場合との2パターンのいずれかの演出が実行される。より具体的には、第2特別図柄の抽選において2連続で外れとなった場合において、2連続目の変動パターンが外れ超ロング変動に設定された場合は、2連続目の完全外れ変動においてジャンプ台JDを用いて一気に頂上まで跳躍する演出が実行されてチャンスゾーンの開始が報知される。一方、第2特別図柄の抽選で外れが3連続し、且つ、2連続目の外れが外れ超ロング変動でなかった場合には、2連続目の完全外れ変動中に麓から中腹まで続く梯子HG1を登る演出が実行され、3連続目の完全外れ変動中に中腹から頂上まで続く梯子HG2を登る演出が実行されてチャンスゾーンの開始が報知される。なお、初回の第2特別図柄の完全外れにおいて外れ超ロング変動に設定された場合は、2連続目の変動パターンが外れ超ロング変動に設定された場合と同様に、丘を発見する演出が実行された後でジャンプ台JDを用いて一気に頂上まで跳躍する演出が、外れ超ロング変動における最初の2秒間で実行される。そして、以降はチャンスゾーン中の演出(図1538(b)参照)に切り替わる。
一方で、初回の完全外れの次の第1特別図柄の抽選が外れでなかった(小当たりであった)場合は、図1581(b)に示した通り、主表示領域Dmにおいて、キャラクタ811がジャンプ台JDを用いて頂上目掛けて跳躍するものの、頂上へ到達できずに転倒してしまう演出が実行される。また、副表示領域Dsにおいて、「失敗・・・」という文字が表示される。これらの演出態様により、完全外れが連続せず、チャンスゾーンへと突入しなかったということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、図1582に示した通り、連荘モードB(潜確状態)において第2特別図柄の抽選で外れが3連続し、第2特別図柄の外れ超ロング変動が設定された場合は、当該超ロング変動が開始されたことに基づいて、キャラクタ811が梯子HG2を登り切って旗SPまで到達し、旗SPを掲げて喜ぶ演出が実行される。これに加えて、副表示領域Dsに対して、「チャンスゾーンGET!!」という文字が表示される。これにより、有利な第1特別図柄の抽選ばかりを実行させることができるチャンスゾーンへと移行したことを遊技者に対して分かり易く報知することができる。なお、第2特別図柄の抽選で完全外れが2回連続し、2回とも外れ超ロング変動が選択されなかった状況下(キャラクタ811が丘の中腹まで到達した状況下)において、小当たりとなった(完全外れにならなかった)場合は、丘の中腹から頂上に向けて梯子HGを登っている途中で梯子HG2が破損してしまい、キャラクタ811が落下してしまう演出が実行される。これにより、チャンスゾーンへと移行させることができなかったということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、連続外れ演出の実行中において、外れ超ロング変動が決定されずに大当たりに当選した場合は、チャンスゾーンへと移行する場合と同様に丘の頂上に到達する演出が実行されるが、旗FGの文字が「V」に変更されると共に、大当たりに当選したことが報知される構成としている。これらによって、連続外れ演出における各回の特別図柄の抽選結果を遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、本第1変形例では、上述した第32制御例と同様に、設定に応じて大当たり確率を異ならせる一方で小当たり確率を全設定共通としている。そして、特別図柄の抽選結果として、大当たり、小当たり、および完全外れの3種類の抽選結果のみが設けられている。このため、設定が高い程、完全外れとなる確率が低くなるため、チャンスゾーンに突入する(外れが連続する)可能性が低くなるように構成されている。言い換えれば、設定が低い程、遊技者に有利となるチャンスゾーンへと移行する可能性が高くなるので、連荘モードBに移行した場合には、低設定の方がより有利度合いが高くなるという極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第32制御例の第1変形例における電気的構成>
次に、図1583を参照して、本第1変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、本第1変形例におけるROM202は、上述した第32制御例におけるROM202の構成(図1543(a)参照)に対して、変動パターン選択テーブル202gbを構成する4種類のデータテーブルのうち、潜確用テーブル202gb4(図1546参照)に代えて潜確用テーブル202gb4Aが設けられている点でのみ相違している。この潜確用テーブル20gb4の詳細について、図1583を参照して説明する。なお、ROM202のその他の構成については上述した第32制御例におけるROM202の構成(図1543(a)参照)と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。図1583は、本第1変形例における潜確用テーブル202gb4Aの規定内容を示した図である。
図1583に示した通り、本第1変形例における潜確用テーブル202gb4Aは、上述した第32制御例における潜確用テーブル202gb4(図1546参照)に対して、第2特別図柄の抽選結果が完全外れとなった場合における規定内容のみが変更されており、第1特別図柄の変動パターン全て、および第2特別図柄の大当たりまたは小当たりとなった場合の変動パターンに関する規定内容は全く同一である。よって、ここでは第2特別図柄の完全外れとなった場合における変動パターンのみについて説明する。図1583に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が完全外れの場合は、大当たりおよび小当たり終了後の第2特別図柄の変動回数に応じて選択される変動パターン(変動時間)の振り分けが可変するように構成されている。より具体的には、図1583に示した通り、大当たりおよび小当たり終了後の第2特別図柄の変動回数(第2特別図柄の抽選回数)が1であれば、変動種別カウンタCS1の値が「0~99」の範囲に対して、変動種別として変動時間が1000msの外れショート変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「100~198」の範囲に対して、変動種別として変動時間が600000msの外れ超ロング変動が対応付けて規定されている。このため、潜確状態における初回の(連続していない)外れでは、約50%(99/199)の割合でチャンスゾーン(超ロング変動)が設定される。これに対して、図1583に示した通り、当たり(大当たり若しくは小当たり)後の第2特別図柄の変動回数が2回であれば、変動種別カウンタCS1の値が「0~58」の範囲に対して変動種別として変動時間が1000msの外れショート変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「59~198」の範囲に対して変動種別として変動時間が600000msの外れ超ロング変動が対応付けて規定されている。よって、潜確状態において外れが2連続した場合には、約70%(140/199)の割合で外れ超ロング変動が設定される。即ち、有利な第2特別図柄の抽選のみを実行させることができる有利な状態(チャンスゾーン)を形成することができる。更に、図1583に示した通り、大当たり若しくは小当たり終了後の第2特別図柄の変動回数が3回以上であれば、変動種別カウンタCS1の値によらず、変動種別として変動時間が600000msの外れ超ロング変動が対応付けて規定されている。よって、潜確状態において外れが3連続以上した場合は、必ず外れ超ロング変動(チャンスゾーン)が設定されるので、外れが連続することを強く願う斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、設定が低い程第2特別図柄の外れ確率が高くなるため、潜確状態においては、設定が低い程有利になる(チャンスゾーンが設定され易くなるため、結果として有利な第1特別図柄の大当たりに当選し易くなる)という斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1584を参照して、本第1変形例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図1584は、本第1変形例におけるRAM203の構成を示すブロック図である。図1584に示した通り、本第1変形例におけるRAM203は、上述した第32制御例におけるRAM203の構成(図1550参照)に対して、投入回数カウンタ203gnAが追加されている点でのみ相違している。この投入回数カウンタ203gnAは、設定シナリオが新たに設定されてから初期化を伴わずに電源が投入された回数をカウントするためのカウンタである。この投入回数カウンタ203gnAは、初期値が0に設定されており、パチンコ機10に対してRAMクリア操作を伴わずに電源が投入される毎に、値に1が加算されて更新される(図1589のS1771G)。また、投入回数カウンタ203gnAの値が10となった場合(即ち、設定シナリオを変更せずに電源が10回遮断されて復電した場合)に、進行状況フラグ203geが更新される(設定値が切り替えられる)と共に、値が0にリセットする。つまり、本第1変形例では、通常状態における遊技球の発射球数だけでなく、初期化(RAMクリア操作)を伴わない電源投入の回数によっても所定の変更条件(切替条件)が成立し得る構成としている。このように構成することで、遊技者に対して、電源が遮断されて再投入された可能性が高いパチンコ機10において遊技を開始したいと考えさせることができる。即ち、ホールの営業時間外においてパチンコ機10の電源を遮断しておき、営業開始前に電源を投入するようにしているホールにおいては、電源が投入されてパチンコ機10の設定値が切り替わっている可能性があるため、ホールの開店直後から遊技を開始したいと考えさせることができる。よって、ホールの開店直後からパチンコ機10の稼働率を高めることができる。
次に、図1585、および図1586を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。ここで、図示については省略したが、本第1変形例におけるROM222は、上述した第32制御例におけるROM222の構成(図1551(a)参照)に対して、設定示唆演出選択テーブル222gb(図1552参照)に代えて設定示唆演出選択テーブル222gbAが設けられている点でのみ相違している。その他の構成については上述した第32制御例におけるRAM222の構成(図1551(a)参照)と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。この設定示唆演出選択テーブル222gbAについて、図1585(a)を参照して説明する。ここで、この設定示唆演出選択テーブル222gbAは、上述した第32制御例における設定示唆演出選択テーブル222gb(図1552参照)と同様に、設定示唆演出の演出態様を設定値に応じて決定するために参照されるデータテーブルである。図1585(a)に示した通り、本第1変形例における設定示唆演出選択テーブル222gbAは、設定値が設定1に設定されている場合に設定示唆演出の演出態様を選択する貯めに参照される設定1用テーブル222gbA1と、設定値が設定2に設定されている場合に設定示唆演出の演出態様を選択する貯めに参照される設定2用テーブル222gbA2と、設定値が設定3に設定されている場合に設定示唆演出の演出態様を選択する貯めに参照される設定3用テーブル222gbA3と、設定値が設定4に設定されている場合に設定示唆演出の演出態様を選択する貯めに参照される設定4用テーブル222gbA4と、設定値が設定5に設定されている場合に設定示唆演出の演出態様を選択する貯めに参照される設定5用テーブル222gbA5と、設定値が設定6に設定されている場合に設定示唆演出の演出態様を選択する貯めに参照される設定6用テーブル222gbA6と、の6種類のデータテーブルで少なくとも構成されている。
まず、図1585(b)を参照して、上述した設定1用テーブル222gbA1の詳細について説明する。図1585(b)は、この設定1用テーブル222gbA1の規定内容を示した図である。なお、以降の説明では、上記6種類のデータテーブルのうち、設定1用テーブル222gbA1、設定3用テーブル222gbA3、設定6用テーブル222gbA6のみについて詳細な説明を行い、その他のテーブルについては傾向を簡単に説明するに留める。図1585(b)に示した通り、この設定1用テーブル222gbA1は、実行する設定示唆演出の演出態様と演出カウンタ223fの値の範囲とが対応付けて規定されている。具体的には、図1585(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「0~4」の範囲に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「1」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「A」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「偶」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1585(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「5~33」の範囲に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「1」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「B」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「奇」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1585(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値「34」に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「1」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「C」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「高」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1585(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「35~44」の範囲に対して、演出態様として表示態様が3マス型示唆演出の表示態様(図1580(b)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55L,55Rから共に「A」という音声が出力される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、3マス型示唆演出において「偶」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1585(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「45~98」の範囲に対して、演出態様として表示態様が3マス型示唆演出の表示態様(図1580(b)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55L,55Rから共に「B」という音声が出力される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、3マス型示唆演出において「奇」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1585(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値「99」に対して、演出態様として表示態様が3マス型示唆演出の表示態様(図1580(b)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55L,55Rから共に「C」という音声が出力される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、3マス型示唆演出において「高」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。よって、設定1においては、9マス型示唆演出が実行される割合が35%に設定され、3マス型示唆演出が実行される割合が65%に設定される。また、9マス型示唆演出または3マス型示唆演出にて偶数設定を示唆する「偶」という示唆内容が示唆される割合は15%(5%+10%)であり、奇数設定を示唆する「奇」という示唆内容が示唆される割合は83%(29%+54%)であり、高設定を示唆する「高」という示唆内容が示唆される割合は2%(1%+1%)である。このため、設定1において設定示唆演出が実行された場合は、ほとんどが奇数設定を示唆する演出態様に設定され、高設定を示唆する演出態様が設定される割合がごく僅かとなる。なお、図示については省略したが、設定2用テーブル222gbA2に関しては、設定1用テーブル222gbA1の規定内容に対して、ほぼ、「奇」という示唆内容が示唆される割合と、「偶」という示唆内容が示唆される割合とが逆転したような形となり、且つ、設定1以外の設定であることを示唆する「1否定」という示唆内容が示唆される振り分けを設けている点でのみ相違している。つまり、「偶」という示唆内容が80%の割合で示唆され、「奇」という示唆内容が15%の割合で示唆され、「高」という示唆内容が2%の割合で示唆され、「1否定」という示唆内容が3%の割合で示唆されるように演出カウンタ223fの値が振り分けられている。このため、設定2において設定示唆演出が実行された場合は、ほとんどが偶数設定を示唆する演出態様に設定され、高設定を示唆する演出態様が設定される割合がごく僅かとなる。また、設定1を否定する示唆内容についても低確率で選択される。
次に、図1586(a)を参照して、上述した設定3用テーブル222gbA3の詳細について説明する。図1586(a)は、この設定3用テーブル222gbA3の規定内容を示した図である。図1586(a)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「0~2」の範囲に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「1」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「A」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「偶」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(a)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「3~19」の範囲に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「1」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「B」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「奇」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(a)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「20~29」の範囲に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「1」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「C」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「高」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(a)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「30~33」の範囲に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「2」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「A」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「1否定」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(a)に示した通り、演出カウンタ223fの値「34」に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「2」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「B」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「3以上」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(a)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「35~39」の範囲に対して、演出態様として表示態様が3マス型示唆演出の表示態様(図1580(b)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55L,55Rから共に「A」という音声が出力される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、3マス型示唆演出において「偶」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「40~89」の範囲に対して、演出態様として表示態様が3マス型示唆演出の表示態様(図1580(b)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55L,55Rから共に「B」という音声が出力される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、3マス型示唆演出において「奇」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(a)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「90~99」の範囲に対して、演出態様として表示態様が3マス型示唆演出の表示態様(図1580(b)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55L,55Rから共に「C」という音声が出力される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、3マス型示唆演出において「高」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。よって、設定3においても、設定1と同様に、9マス型示唆演出が実行される割合が35%に設定され、3マス型示唆演出が実行される割合が65%に設定される。また、9マス型示唆演出または3マス型示唆演出にて偶数設定を示唆する「偶」という示唆内容が示唆される割合は8%(3%+5%)であり、奇数設定を示唆する「奇」という示唆内容が示唆される割合は67%(17%+50%)であり、高設定を示唆する「高」という示唆内容が示唆される割合は20%(10%+10%)であり、設定1が否定される「1否定」という示唆内容が示唆される割合は4%であり、設定3以上の設定値であることが確定する「3以上」という示唆内容が示唆される割合は1%である。このため、設定3において設定示唆演出が実行された場合は、約2/3の確率で奇数設定を示唆する演出態様に設定される。また、高設定を示唆する演出態様が設定される割合が設定1や設定2よりも高くなる(10倍高くなる)。更に、設定値が3以上であることを示す示唆内容が低確率で選択されるようになる。なお、図示については省略したが、設定4用テーブル222gbA4に関しては、設定3用テーブル222gbA3に対して、ほぼ、「奇」という示唆内容が示唆される割合と、「偶」という示唆内容が示唆される割合とが逆転したような形となり、且つ、設定4,5,6のいずれかであることが確定する「456」という示唆内容、および設定4と設定6のどちらかであることが確定する「4or6」という示唆内容が示唆される振り分けを設けている点でも相違している。つまり、「偶」という示唆内容が65%の割合で示唆され、「奇」という示唆内容が8%の割合で示唆され、「高」という示唆内容が20%の割合で示唆され、「1否定」という示唆内容が4%の割合で示唆され、「3以上」という示唆内容、「456」という示唆内容、および「4or6」という示唆内容が各1%の割合で示唆されるように演出カウンタ223fの値が振り分けられている。このため、設定4において設定示唆演出が実行された場合は、約2/3の確率で偶数設定を示唆する演出態様に設定される。また、高設定を示唆する演出態様が設定される割合が設定1や設定2よりも高くなる(10倍高くなる)。更に、設定値が3以上であることを示す示唆内容、設定値が4以上であることを示す示唆内容、および設定値が4と6のどちらかであることを示す示唆内容が低確率で選択されるようになる。
次に、図1586(b)を参照して、上述した設定6用テーブル222gbA6の詳細について説明する。図1586(b)は、この設定6用テーブル222gbA6の規定内容を示した図である。図1586(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「0~17」の範囲に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「1」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「A」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「偶」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値「18」に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「1」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「B」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「奇」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「19~21」の範囲に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「1」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「C」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「高」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(a)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「22~26」の範囲に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「2」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「A」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「1否定」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「27~29」の範囲に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「2」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「B」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「3以上」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「30,31」の範囲に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「2」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「C」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「456」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値「32」に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「3」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「A」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「4or6」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値「33」に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「3」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「B」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「5or6」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値「35」に対して、演出態様として表示態様が9マス型示唆演出の表示態様(図1580(a)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55Rから「3」という音声が出力され、指向性スピーカ55Lから「C」という音声が出力される音声態様に設定される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、9マス型示唆演出において「6!」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。
更に、図1586(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「35~71」の範囲に対して、演出態様として表示態様が3マス型示唆演出の表示態様(図1580(b)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55L,55Rから共に「A」という音声が出力される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、3マス型示唆演出において「偶」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「72~74」の範囲に対して、演出態様として表示態様が3マス型示唆演出の表示態様(図1580(b)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55L,55Rから共に「B」という音声が出力される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、3マス型示唆演出において「奇」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。また、図1586(b)に示した通り、演出カウンタ223fの値が「75~99」の範囲に対して、演出態様として表示態様が3マス型示唆演出の表示態様(図1580(b)参照)に設定され、音声態様として指向性スピーカ55L,55Rから共に「C」という音声が出力される演出態様が対応付けて規定されている。つまり、3マス型示唆演出において「高」という文字が示唆される演出態様の演出が対応付けられている。よって、設定6においても、他の設定値と同様に、9マス型示唆演出が実行される割合が35%に設定され、3マス型示唆演出が実行される割合が65%に設定される。また、9マス型示唆演出または3マス型示唆演出にて偶数設定を示唆する「偶」という示唆内容が示唆される割合は55%(18%+37%)であり、奇数設定を示唆する「奇」という示唆内容が示唆される割合は4%(1%+3%)であり、高設定を示唆する「高」という示唆内容が示唆される割合は28%(3%+25%)であり、設定1が否定される「1否定」という示唆内容が示唆される割合は5%であり、設定3以上の設定値であることが確定する「3以上」という示唆内容が示唆される割合は3%であり、設定4以上の設定値であることが確定する「456」という示唆内容が示唆される割合は2%であり、設定4又は6であることが確定する「4or6」という示唆内容、設定5又は6であることが確定する「5or6」という示唆内容、および設定6であることが確定する「6!」という示唆内容が示唆される割合は各1%である。このため、設定6において設定示唆演出が実行された場合は、過半数が偶数設定を示唆する演出態様に設定される。また、高設定を示唆する演出態様が設定される割合が設定4以下の設定値よりも高くなる。更に、設定5又は6であることを示唆する示唆内容や、設定6であることが確定する示唆内容についても低確率ではあるが選択されるようになる。なお、図示については省略したが、設定5用テーブル222gbA5に関しては、設定6用テーブル222gbA6に対して、ほぼ、「奇」という示唆内容が示唆される割合と、「偶」という示唆内容が示唆される割合とが逆転したような形となり、且つ、設定4又は6であることが確定する「4or6」という示唆内容、および設定6であることが確定する「6!」という示唆内容の振り分けが設けられていない点でも相違している。つまり、「偶」という示唆内容が4%の割合で示唆され、「奇」という示唆内容が57%の割合で示唆され、「高」という示唆内容が28%の割合で示唆され、「1否定」という示唆内容が5%の割合で示唆され、「3以上」という示唆内容が3%の割合で示唆され、「456」という示唆内容が2%の割合で示唆され、「5or6」という示唆内容が1%の割合で示唆されるように演出カウンタ223fの値が振り分けられている。このため、設定5において設定示唆演出が実行された場合は、過半数の割合で奇数設定を示唆する演出態様に設定される。また、高設定を示唆する演出態様が設定される割合が設定4以下の設定値よりも高くなる。更に、設定5又は設定6であることを示す示唆内容が低確率で選択されるようになる。
このように、本第1変形例では、設定されている設定値に応じて、設定示唆演出による各示唆内容の選択比率を異ならせる構成としているので、設定示唆演出が実行された場合に、設定値を推測する楽しみを遊技者に対して与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第1変形例における設定示唆演出は、パチンコ機10で表示される示唆画像MGと、設定示唆演出が実行されたパチンコ機10に隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者しか聞き取れない音声と、を照らし合わせることにより、示唆内容を特定(解読)することが可能となる演出態様で構成されている。このように構成することで、設定示唆演出が実行され、当該設定示唆演出による示唆内容を特定したいと考える遊技者に対して、隣接する遊技台で遊技を行う遊技者が聴き取った特定の音声の内容(音声態様)を教えて貰うように行動させることができる。よって、隣接する遊技台で遊技を行う遊技者と協力して1の示唆内容を特定(解読)する斬新な遊技性を実現することができるので、隣接する遊技者との一体感を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1587を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図1587は、本第1変形例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図1587に示した通り、本第1変形例におけるRAM223は、上述した第32制御例におけるRAM223の構成(図1554参照)に対して、連続外れ回数カウンタ223ggAが追加されている点でのみ相違する。連続外れ回数カウンタ223ggAは、連続外れ演出(図1581,図1582参照)における演出の進行状況を示すカウンタである。この連続外れ回数カウンタ223ggAは、初期値が0に設定されており、潜確状態中に第2特別図柄の抽選で外れが連続する毎に値が1ずつ加算されて更新される(図1592のS5158G,S5160G参照)。連続外れ演出の演出態様を設定する際は、この連続外れ回数カウンタ223ggAの値と、変動種別とに応じた演出態様が設定される。
<第32制御例の第1変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図1588および図1589を参照して、本第32制御例の第1変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第32制御例の第1変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110にて実行される制御処理は、上述した第32制御例に対して、立ち上げ処理(主制御装置)(図1569参照)に代えて立ち上げ処理(主制御装置)(図1588)を実行する点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容についてはその説明を省略する。
まず、図1588を参照して、本第32制御例の第1変形例における立ち上げ処理(主制御装置)について説明する。この立ち上げ処理(主制御装置)は、上述した第32制御例における立ち上げ処理(主制御装置)(図1569参照)に代えて実行される処理である。図1588は、この立ち上げ処理(主制御装置)の内容を示したフローチャートである。この立ち上げ処理(主制御装置)のうち、S1701~S1714およびS1701G~S1703Gの各処理では、それぞれ第32制御例における立ち上げ処理(主制御装置)(図1569参照)のS1701~S1714およびS1701G~S1703Gの各処理と同一の処理が実行される。また、本第32制御例の第1変形例における立ち上げ処理(主制御装置)(図1588参照)では、S1709の処理を実行後、初期化(RAMクリア操作)を伴わずに電源が投入された回数を判別して当該判別した回数に応じた制御を実行するための電源投入回数判別処理を実行し(S1711G)、処理をS1710へと移行する。この投入回数判別処理(S1711G)の詳細について、図1589を参照して説明する。
図1589は、この投入回数判別処理(S1711G)の内容を示したフローチャートである。この投入回数判別処理(S1711G)では、まず、投入回数カウンタ203ggAの値に1を加算して更新し(S1771G)、更新後のカウンタ値が10以上であるかを判別する(S1772G)。S1772Gの処理において、更新後の投入回数カウンタ203ggAのカウンタ値が10より小さい値であると判別した場合には(S1772G:No)、所定の変更条件が成立していないため、そのまま本処理を終了する。一方、S1772Gの処理において、更新後の投入回数カウンタ203ggAのカウンタ値が10以上であると判別した場合には(S1772G:Yes)、所定の変更条件が成立したことを意味するため、設定されている設定シナリオに基づいて設定値を変更するためのS1773G~S1775Gの各処理を実行する。具体的には、進行状況フラグ203geを更新する(S1773G)。次いで、投入回数カウンタ203ggAの値を0にリセットし(S1774G)、発射球数カウンタ203gdの値を0クリアし(S1775G)、本処理を終了する。この投入回数判別処理(図1589参照)を実行することにより、発射球数が5000個に到達した場合のみならず、初期化(RAMクリア操作)を伴わずに電源が投入された回数が規定回数(10回)に到達した場合においても設定シナリオに従って設定値を変更することができるので、設定値の変更頻度を高めることができる。また、電源が投入された可能性が高いホールの開店直後等の状況において、設定変更が行われたことを期待して遊技を行わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
<第32制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1590から図1592を参照して、本第32制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本第32制御例の第1変形例では、上述した第32制御例に対して、特図1演出態様設定処理(図1576のS4901G参照)に代えて特図1演出態様設定処理(図1590のS4911G参照)を実行する点、特図2演出態様設定処理(図1578のS4902G参照)に代えて特図2演出態様設定処理(図1591のS4912G参照)を実行する点、特図2演出態様設定処理(図1591参照)の1処理に外れ時演出設定処理を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
まず、図1590を参照して、本第32制御例の第1変形例における特図1演出態様設定処理(S4911G)の詳細について説明をする。図1590は、本第32制御例の第1変形例における特図1演出態様設定処理(S4911G)を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理(S4911G)のうち、S5001G~S5003GおよびS5005G~S5007Gの各処理では、それぞれ上述した第32制御例における特図1演出態様設定処理(図1576参照)のS5001G~S5003GおよびS5005G~S5007Gの各処理と同一の処理が実行される。また、本第32制御例の第1変形例における特図1演出態様設定処理(S4911G)では、S5003Gの処理において、今回の変動パターンが外れ特殊リーチ変動であると判別した場合は(S5003G:Yes)、設定示唆演出選択テーブル223gbAのうち、現在の設定値に対応するテーブルを読み出し(S5011G)、演出カウンタ223fの値に対応する設定示唆演出を伴う演出態様を決定し(S5005G)、決定した演出態様に対応する音声態様の出力を指向性スピーカ55L,55Rに対して設定して(S5012G)、S5007Gへと移行する。この特図1演出態様設定処理(図1590参照)により、設定示唆演出として、パチンコ機10で表示される表示態様と、隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者にしか聴き取ることができない指向性を付与した特定の音声と、を照らし合わせなければ示唆内容を特定することができない斬新な演出を実行することができるので、隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者と協力して示唆内容を特定する遊技性を実現することができる。よって、周囲の遊技者との連帯感を生じさせ易くすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1591を参照して、本第32制御例の第1変形例における特図2演出態様設定処理について説明する。図1591は、この特図2演出態様設定処理(S4912G)の内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理(S4912G)のうち、S5101G,S5102GおよびS5106Gの各処理では、それぞれ第32制御例における特図2演出態様設定処理(図1578参照)のS5101G,S5102GおよびS5106Gの各処理と同一の処理が実行される。また、本第32制御例の第1変形例における特図2演出態様設定処理(S4912G)では、S5101Gの処理において、現在が潜確状態であると判別した場合には(S5101G:Yes)、抽選結果が完全外れであるか否かを判別し(S5111G)、抽選結果が完全外れではないと判別した場合には(S5111G:No)、連続外れ回数カウンタ223ggAの値が0より大きい値であるか否かを判別する(S5112G)。S5112Gの処理において、連続外れ回数カウンタ223ggAの値が0より大きい値であると判別した場合は(S5112G:Yes)、完全外れの連続性が途切れ、チャンスゾーンに移行する可能性が無くなったことを意味するため、登頂に失敗する演出態様を決定する(S5113G)。S5113Gの処理では、具体的には、連続外れ回数カウンタ223ggAの値が1である場合は、ジャンプ台JDで一気に頂上まで飛び上がろうとして失敗する演出態様が決定される(図1581(b)参照)。また、連続外れ回数カウンタ223ggAの値が2である場合は、丘の中腹から梯子HG2を登って頂上を目指すが梯子HG2が壊れてしまい、キャラクタ811が梯子HG2から落下して登頂に失敗する演出態様が決定される。S5113Gの処理が終了すると、連続外れ回数カウンタ223ggAの値を0にリセットして、処理をS5106Gへと移行する。一方で、S5112Gの処理において、連続外れ回数カウンタ223ggAの値が0であると判別した場合は、連続外れ演出の実行中ではないので、処理をS5102Gへと移行する。これに対し、S5111Gの処理において、今回の第2特別図柄の抽選結果が完全外れであると判別した場合には(S5111G:Yes)、完全外れに対応する演出態様を設定するための外れ時演出設定処理を実行し(S5115G)、処理をS5106Gへと移行する。この外れ時演出設定処理(S5115G)の詳細について、図1592を参照して説明する。
図1592は、外れ時演出設定処理(S5115G)を示すフローチャートである。この外れ時演出設定処理(S5115G)では、まず、チャンスゾーン中フラグ223gaがオンであるか否かを判別し(S5151G)、チャンスゾーン中フラグ223gaがオンであると判別した場合は(S5151G:Yes)、チャンスゾーンの上乗せを示す演出態様を決定して(S5152G)、本処理を終了する。一方で、S5151Gの処理において、チャンスゾーン中フラグ223gaがオフであると判別した場合は、今回の完全外れに対応する変動パターンが外れ超ロング変動に対応する変動パターンであるか否かを判別し(S5153G)、外れ超ロング変動に対応する変動パターンであると判別した場合は(S5153G:Yes)、連続外れ回数カウンタ223ggAの値に対応する登頂成功演出を決定し(S5154G)、連続外れ回数カウンタ223ggAの値を0にリセットし、チャンスゾーンフラグ223gaをオンに設定して(S5155G)、本処理を終了する。また、S5153Gの処理において、今回の完全外れに対応する変動パターンが外れ超ロング変動でないと判別した場合は(S5153G:No)、連続外れ回数カウンタ223ggAの値が0であるか否かを判別し(S5166G)、連続外れ回数カウンタ223ggAの値が0であると判別した場合は(S5156G:Yes)、連続外れ演出における初回の演出態様(丘を発見する演出態様)を決定し(S5157G)、連続外れ回数カウンタの値に1を加算して(S5158G)、本処理を終了する。一方で、S5156Gの処理において、連続外れ回数カウンタ223ggAの値が0でないと判別した場合は(S5156G:No)、値が1であることが確定する(値が2の状態で完全外れになると100%外れ超ロング変動が選択される)ので、キャラクタ811が1段目の梯子HG1を登る演出態様を決定し(S5159G)、連続外れ回数カウンタ223ggAの値に1を加算して更新し(S5160G)、本処理を終了する。
以上説明した通り、第32制御例の第1変形例におけるパチンコ機10では、設定示唆演出を、特定の音声と特定の表示態様とで少なくとも構成される演出態様とし、特定の音声と特定の表示態様とを照らし合わせなければ正確な示唆内容を把握することが困難となるように構成した。加えて、特定の音声を、パチンコ機10の正面方向とは少なくとも異なる所定方向に向けて出力することにより、パチンコ機10の正面において遊技を行っている遊技者が特定の音声を聴き取ることが困難となるように構成した。より具体的には、隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者が聴き取ることが可能となる一方で、特定の表示態様を正面から視認できる位置で遊技を行っている遊技者が聴き取り困難となるように指向性を持たせた特定の音声を出力するように構成した。このように構成することで、設定示唆演出が実行されて特定の表示態様が表示された場合に、隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者に特定の音声の内容を教えて貰うことにより、設定示唆演出における示唆内容を特定することができる斬新な遊技性を実現することができる。即ち、隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者と協力して示唆内容を解明する極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。ここで、パチンコ機等の遊技機においては、遊技を一人で行うのが通常であり、他の遊技者と協力する場面がほとんど無いため、遊技が単調となりがちになってしまい、遊技者の遊技に対する興趣を向上させ難いという問題点があった。これに対して第1変形例におけるパチンコ機10では、設定示唆演出として、隣接する遊技台で遊技を行う遊技者と協力することで示唆内容を特定可能となる演出を実行する構成としているので、隣接する遊技台で遊技を行う遊技者との一体感を感じさせることができ、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、本第1変形例におけるパチンコ機10では、設定が高くなるほど、特別図柄の外れとなる確率を低く構成した上で、有利な潜確状態において第2特別図柄の抽選で第1回数に渡って連続して外れとなった場合に、必ず遊技者に有利なチャンスゾーンを設定する構成とした。より具体的には、第1回数目の完全外れ変動として、変動時間が極めて長い(10分間の)外れ超ロング変動を設定する構成とした。このように構成することで、当該外れ超ロング変動の実行中に、有利な第1特別図柄の抽選に偏らせて実行させることができる。つまり、必ず確変大当たりに当選する第1特別図柄の抽選で大当たりを目指すことができる有利な状態を形成する。よって、潜確状態において、設定が低い程チャンスゾーンが設定され易くなるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第1変形例におけるパチンコ機10では、RAMクリア操作(初期化)を伴わずに電源が投入された回数が規定回数(10回)に到達したことに基づいて、設定シナリオに従って設定値を切り替える(設定シナリオに規定された期間を進める)ように構成している。このように構成することで、設定値を切り替える頻度をより高めることができる。また、設定シナリオが進むことを防止したいと考えるホールに対して、設定シナリオの変更操作を促すことができる。つまり、設定シナリオの変更頻度を高めることができる。
なお、本第1変形例では、潜確状態において第2特別図柄の抽選において初回の完全外れで50%の割合でチャンスゾーンを設定し、2連続で完全外れとなった場合に、約70%の割合でチャンスゾーンを設定し、外れが3回以上連続した場合に100%の割合でチャンスゾーンを設定するように構成していたが、外れの連続回数とチャンスゾーンの設定割合との対応関係は、これに限られるものではなく任意に定めてよい。完全外れの連続回数とは無関係に、第2特別図柄の抽選で外れになった場合に一定の割合(例えば、一律50%の割合)でチャンスゾーンを設定するように構成してもよい。このように構成することで、チャンスゾーンの出現率を増加させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第1変形例では、チャンスゾーンにおいて実行され易い第1特別図柄の抽選が実行されると、大当たりに当選した場合に有利な大当たり種別が選択され易い構成としていたが、これに限られるものではなく、第2特別図柄の抽選よりも有利となる範囲で任意に仕様を定めることができる。具体的には、例えば、潜確状態においては、第1特別図柄の抽選でも小当たりに当選し得る構成としてもよい。このように構成することで、潜確状態において第1特別図柄の抽選が連続的に実行された場合であっても、小当たりにより賞球を獲得できるようになり、チャンスゾーン以外の潜確状態と同等の出球性能を保つことができるので、チャンスゾーンにおいて大当たりにならずに長い期間が経過したとしても、遊技者に対して不満感を抱かせ難くすることができる。
本第1変形例では、有利な連荘モードB(潜確状態)において、比較的不利な第2特別図柄の抽選で外れとなった場合に、比較的有利な第1特別図柄の抽選のみを頻繁に実行させることができるチャンスゾーンを形成するように構成していたが、チャンスゾーンを設定する契機は外れに限られるものではない。例えば、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり変動の変動時間を長くする(例えば、10分間にする)ことで、その大当たり変動の実行中を、有利な第1特別図柄の抽選のみを頻繁に実行させることができるチャンスゾーンとして形成してもよい。この場合、チャンスゾーン中に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、且つ、チャンスゾーンが終了するよりも前に第1特別図柄の大当たり図柄が停止表示されなければ(つまり、第2特別図柄の大当たり変動を第1特別図柄の大当たり図柄停止によって強制的に外れに変更しなければ)、チャンスゾーン終了時に比較的不利な第2特別図柄の大当たりが開始されてしまうため、チャンスゾーンの間に有利な第1特別図柄の大当たりとなることを強く期待させる遊技性を実現することができる。よって、チャンスゾーンの間における遊技者の興趣をより向上させることができる。また、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合にチャンスゾーンを形成可能に構成としてもよいし、小当たりの連続回数に応じてチャンスゾーンが設定される割合を異ならせてもよい。この場合、小当たりに基づくチャンスゾーンについては、設定値によらず突入確率を一定にすることができる。また、本第1変形例では、不利な第2特別図柄の抽選で外れとなった場合に、有利な第1特別図柄の抽選のみを集中的に実行させることができる有利なチャンスゾーンを形成する構成としていたが、これに代えて、又は加えて、有利な第1特別図柄の抽選で完全外れとなった場合にも所定確率で長い変動時間(例えば、5分間)が設定され得るように構成することで、比較的不利な第2特別図柄の抽選ばかりが実行されてしまう期間(ピンチゾーン)を形成するように構成してもよい。このように構成することで、低設定ほど、チャンスゾーンもピンチゾーンも出現し易くなるため、低設定ほど有利な連荘モードBにおける遊技にメリハリを付けることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第1変形例では、特定の表示態様と特定の音声とで構成される特定演出(設定示唆演出)において、特定の音声を、設定示唆演出が実行されているパチンコ機10で遊技を行っている遊技者が聴き取ることが困難となるように指向性を持たせた音声として構成していたが、これに限られるものではない。所定割合で、設定示唆演出が実行されているパチンコ機10で遊技を行っている遊技者にも聴き取ることが可能となる特定の音声が出力される設定示唆演出(特別設定示唆演出)を実行する構成としてもよい。より具体的には、例えば、指向性スピーカ55L,55Rから出力される音声を所定方向に反響(反射)させることが可能な音声反響部材を設ける構成とし、通常の設定示唆演出においては指向性スピーカ55L,55Rから出力される音声を反響させない位置に音声反響部材を退避させておく一方で、特別設定示唆演出では、音声反響部材を移動させて指向性スピーカ55L,55Rから出力される音声をパチンコ機10で遊技を行っている遊技者の方向へと反響させる構成としてもよい。また、例えば、指向性スピーカ55L,55Rの向きをモータ等によって可変可能に構成し、特別設定示唆演出では、指向性スピーカ55L,55Rの向きを可変させて出力される音声の向きをパチンコ機10で遊技を行っている遊技者の方向へと可変させる構成としてもよい。このように構成することで、隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者がいないなど、他の遊技者との協力が見込めない状況下において設定示唆演出が実行された場合であっても、特定設定示唆演出が実行されることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第1変形例では、設定示唆演出において特定の音声が出力される方向として、パチンコ機10の左右隣接する遊技台で遊技を行っている遊技者の方向を設定していたが、これに限られるものではない。例えば、設定示唆演出が実行されたパチンコ機10の背面側に向けて特定の音声を出力する構成としてもよい。このように構成することで、背面側の遊技台で遊技を行っている遊技者と協力する斬新な遊技性を実現することができると共に、正面側の遊技者とは正反対の方向に特定の音声を出力することで遊技者に特定の音声が聴き取られることをより確実に防止することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第32制御例の第2変形例>
次いで、図1593から図1605を参照して、上述した第32制御例の第2変形例におけるパチンコ機10について説明する。ここで、上述した第32制御例、およびその第1変形例では、通常遊技中に設定値を切り替える順番を規定した設定シナリオを設定可能に構成し、通常遊技中に所定の変更条件が成立する毎に、設定されている設定シナリオに予め規定されている順序で設定値を切り替える構成としていた。これに対して本第2変形例では、設定シナリオを設定するのでなく、従来型の遊技機と同様に、設定変更状態において1の設定値を選択して設定することができるように構成している。加えて、本第2の変形例では、所定の判別条件が成立したことに基づいて、設定値を所定期間上昇させるか否かの抽選を実行可能に構成している。より具体的には、予め定められた規定回数(500回)の特別図柄の抽選が実行されたことに基づいて、3段階以下の範囲内において設定値を上昇させるか否かを抽選することが可能に構成している。このように構成することで、上述した第32制御例のように、設定シナリオ毎の設定値の推移を特定するための比較的データ量が多いデータ(設定切替シナリオテーブル202gfや設定切替シナリオ格納エリア203gb等)を設ける必要がなくなるため、主制御装置110のROM202やRAM203の記憶容量を削減することができる。よって、ROM202やRAM203をより効率良く使用することができる。
この第2変形例におけるパチンコ機10が、上述した第32制御例の第1変形例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第32制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第32制御例の第1変形例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、本第2変形例における設定値の変更方法および確認方法について説明する。ここで、上述した通り、本第2変形例では、上述した第32制御例、およびその第1変形例におけるパチンコ機10とは異なり、次に、設定キー110bをON側に回動させた状態でRAMクリアスイッチ122をオンにしてパチンコ機10の電源を投入することにより、設定値を変更することができるように構成されている。つまり、特別図柄の抽選の有利度合い(大当たり確率)に対応する6段階の設定値のうち1の設定値を選択して設定することが可能な状態に移行させることができる。この仕様は公知の設定変更機構と同様であるため、ここでは第32制御例、およびその変形例における設定変更機構との違いを図1535を参照して簡単に説明する。図1535を参照して上述した通り、第32制御例、およびその第1変形例では、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bを時計回りに回動することによりON位置へと回動させ、更にRAMクリアスイッチ122をオンにしてパチンコ機10の電源を投入することで(図1535(b)参照)、設定シナリオ変更状態に変更され、設定スイッチ110cを押下する毎に、設定シナリオが1ずつ切り替わるように構成されていた(図1535(c)参照)。これに対して本第2変形例では、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bを時計回りに回動することによりON位置へと回動させ、更にRAMクリアスイッチ122をオンにしてパチンコ機10の電源を投入することで(図1535(b)参照)、設定値を変更(選択)することが可能な設定変更状態に設定されるように構成されている。これに伴って、本第2変形例では、設定変更状態において設定スイッチ110cを押下する毎に、設定シナリオではなく、設定値そのものが1ずつ切り替わるように構成されている。なお、上述した第32制御例、およびその第1変形例と同様に、本第2変形例における設定変更状態において設定キー110bをOFF位置へと回動させることで、設定変更状態を終了させることができる。また、本第2変形例では、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bをON位置に回動させ(図1535(e)参照)、更にRAMクリアスイッチ122をオンにせずに(即ち、オフの状態のままで)パチンコ機10の電源を投入することにより、設定されている設定値を確認することが可能な設定確認状態に設定される。つまり、上述した第32制御例、およびその変形例のように設定値表示装置110aに対して設定シナリオが表示されるのではなく、設定値そのものを示す数字が表示される。また、上述した第32制御例、およびその第1変形例と同様に、本第2変形例における設定確認状態において設定キー110bをOFF位置へと回動させることで、設定変更状態を終了させることができる。なお、本第2変形例では、設定変更状態において設定スイッチ110cを押下する毎に異なる大当たり確率の段階に対応する設定値に変更する処理を実行する構成としていたが、段階要素に対応する複数の異なる設定データのうち1のデータを設定する処理は、これに限られるものではない。これに代えて、または加えて、例えば、設定スイッチ110cを押下する毎に、段階要素として確変大当たりの割合に対応する設定データを変更する処理を実行してもよいし、平均の大当たりのラウンド数に対応する設定データを変更する処理を実行してもよいし、平均の変動時間に対応する設定データを変更する処理を実行してもよいし、小当たり確率に対応する設定データを変更する処理を実行してもよい。
次に、図1593、および図1594を参照して、本第2変形例における特徴的な演出態様について説明する。ここで、本第2変形例は、上述した第32制御例、およびその変形例とは異なり、設定変更状態に移行させる(設定変更操作を行う)ことで、パチンコ機10に対して単一の設定値(基本設定値)のみを設定可能な構成としていた。そして、通常状態において規定回数(例えば、500回)の特別図柄の抽選が実行されたことに基づいて、設定されている設定値(基本設定値)に対して所定数加算することにより、設定値を上昇させるか否かを抽選により決定(判別)する構成としている。そして、当該抽選で設定値を上昇させると決定(判別)された場合は、所定期間(例えば、特別図柄の抽選が100回実行されるまで)の間、基本設定値に対して所定数が加算された後の設定値に対応する大当たり確率で特別図柄の抽選が実行される。以下では、この通常状態において規定回数の特別図柄の抽選が実行されて所定期間に移行するまでの一連の演出態様について説明する。なお、以降の説明では、簡略化のため、設定値を所定期間上昇させるか否かの抽選のことを「設定値上昇抽選」と称し、設定値上昇抽選が実行された後の設定値が上昇している可能性がある期間(設定値上昇抽選が実行されてから100回の特別図柄の抽選が終了するまでの期間)のことを、「上昇抽選後期間」と称する。また、上昇抽選後期間に設定されていない通常状態のことを「基本設定値期間」と称する。図1593(a)は、本第2変形例の通常状態において規定回数に到達する前の第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図1593(a)に示した通り、本第2変形例では、通常状態において、主表示領域Dmの左上に形成される小領域Dm1に対して、設定値を所定期間上昇させるか否かの抽選(設定値上昇抽選)を行うための所定の抽選条件が成立するまで(通常状態において特別図柄の抽選回数が500回に到達するまで)の特別図柄の抽選回数を示す表示内容が表示される。図1593(a)に示した例では、通常状態においてパチンコ機10が初期化されてから、または前回の上昇抽選後期間が終了してから499回の抽選が終了している状況下を示しており、「499回/500回」という文字が表示されている。図1593(b)に示した通り、基本設定値期間において500回目の特別図柄の抽選が実行され、変動表示演出が終了すると、変動停止時に宝箱画像854aから「ステージUP!」という文字が付されたアイコン画像854aが出現する演出が実行される。この「ステージUP!」という文字は、設定値上昇抽選が実行されて背面画像が変更されることを示している。つまり、設定値が上昇した可能性があることを示唆している。なお、上昇抽選後期間に移行する場合、基本設定値期間においては設定されない特別な背面画像に設定される。これにより、上昇抽選後期間であるということを遊技者に対して分かり易く報知することができる。なお、本第2変形例では、上昇抽選後期間に移行する場合にのみ、特別な背面画像へと変更される特定の報知態様が設定され得る構成としていたが、特定の報知態様を設定するための条件および特定の報知態様の内容はこれに限られるものではない。例えば、特別図柄の抽選回数が500回に到達していなくても(即ち、設定値上昇抽選が実行されていなくても)、所定確率(例えば、1/250の確率)で特定の報知態様を設定するための条件が成立する構成としてもよい。これにより、設定値上昇抽選が実行されていなくても、設定値が上昇したのかもしれないと遊技者に対して思わせることができるので、設定値(大当たり確率)が上昇したことに対する期待感をより頻繁に抱かせることができる。この場合において、通常状態において特別図柄の抽選が実行される毎に極めて低確率(例えば、1/1000の確率)で、設定値上昇抽選を実行するまでの残りの抽選回数を強制的に0にするように構成してもよい。このように構成することで、特別図柄の抽選回数が500回に到達していないにもかかわらず特定の報知態様が設定された場合に、設定値上昇抽選を実行するまでの残りの抽選回数が強制的に0になって設定値上昇抽選が実際に実行された可能性があると遊技者に対して認識させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、特定の報知態様として、背面画像を変更することに代えて、または加えて、変動表示演出中に出現するキャラクタの種別やリーチ演出が発生した場合におけるリーチ図柄、外れ時における停止図柄の組合せ、図柄が停止表示された際の図柄停止音の種別、装飾用LEDの点灯パターン等、任意の報知態様を適用することができる。これにより、演出の自由度を向上させることができる。
図1594(a)は、上昇抽選後期間における背面画像として設定される可能性がある空ステージ背景を示した図である。この空ステージ背景は、設定値上昇抽選において当選した(設定値が上昇した)場合も、当選しなかった(設定値が上昇しなかった)場合も選択され得る背面画像である。図1594(a)に示した通り、空ステージ背景に設定されると、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmにおいて、背面画像が雲海を模した画像に設定される。また、小領域Dm1に対して、上昇抽選後期間が終了するまでの残りの抽選回数を示す表示態様が表示される。図1594(a)の例では、上昇抽選後期間に移行した直後(上昇抽選期間が100回残っている状況)を示しており、小領域Dm1に対して「残り100回」という文字が表示されている。更に、副表示領域Dsにおける右側には、「期待度上昇中?」という文字が表示される。これらの表示内容により、上昇抽選後期間に設定されていること、および設定値が上昇している可能性があること(特別図柄の抽選の有利度合いが高くなっている可能性があること)を遊技者に対して容易に理解させることができる。また、図1594(b)は、上昇抽選後期間における背面画像として設定される可能性がある神殿ステージ背景を示した図である。この神殿ステージ背景は、設定値上昇抽選において当選した(設定値が上昇した)場合にのみ選択される背面画像である。図1594(b)に示した通り、神殿ステージ背景に設定されると、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmにおいて、背面画像が神殿を模した画像に設定される。また、副表示領域Dsにおいて右側には、「期待度上昇中!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、上昇抽選後期間に設定されていること、および設定値が上昇したこと(特別図柄の抽選の有利度合いが高くなっていること)を遊技者に対して容易に理解させることができる。このように、本第2変形例では、設定値上昇抽選が実行されて上昇抽選後期間に移行した場合に、上昇抽選後期間であることを背面画像を変更することによって分かり易く報知するだけでなく、背面画像の種別によって設定値上昇抽選の結果をも示唆可能に構成している。このように構成することで、背面画像の種別にも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第32制御例の第2変形例における電気的構成>
次に、図1595(a)を参照して、本第2変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図1595(a)は、本第2変形例におけるROM202の構成を示すブロック図である。図1595(a)に示した通り、本第2変形例におけるROM202は、上述した第32制御例(およびその第1変形例)におけるROM202の構成(図1543(a)参照)に対して、設定切替抽選テーブル202ggBが追加されている点で相違している。また、設定切替シナリオテーブル202gfが削除されている点でも相違している。設定切替抽選テーブル202ggBは、設定値上昇抽選を実行する場合に設定値を上昇させるか否か、および設定値を上昇させる場合の上昇段階数をする決定するために参照されるデータテーブルである。この設定切替抽選テーブル202ggBの詳細について、図1595(b)を参照して説明する。図1595(b)は、この設定切替抽選テーブル202ggBの規定内容を示した図である。図1595(b)に示した通り、この設定切替抽選テーブル202ggBには、基本設定値の値毎に、抽選結果(設定値の上昇値)と設定値抽選カウンタS1の値の範囲とが対応付けて規定されている。より具体的には、図1595(b)に示した通り、基本設定値が1である場合、設定値抽選カウンタS1の値が「0~74」の範囲に対して、設定値の上昇値として「0」が対応付けて規定され、設定値抽選カウンタS1の値が「75~96」の範囲に対して、設定値の上昇値として「+1」が対応付けて規定され、設定値抽選カウンタS1の値が「97,98」の範囲に対して、設定値の上昇値として「+2」が対応付けて規定され、設定値抽選カウンタS1の値「99」に対して、設定値の上昇値として「+3」が対応付けて規定されている。ここで、設定値抽選カウンタS1は、設定値上昇抽選に用いる乱数値(カウンタ値)であり、第1当たり乱数カウンタC1や第1当たり種別カウンタC2等の各種カウンタ値と同様に、メイン処理等の中で更新されるループカウンタで構成されている。この設定値抽選カウンタS1は、「0~99」の100個の値の範囲で更新されるループカウンタであるため、基本設定値が設定1に設定されている状況下で設定値上昇抽選が実行された場合、75%(75/100)の割合で設定値の上昇値が「0」に決定され(即ち、設定値上昇抽選で非当選となり)、22%(22/100)の割合で設定値の上昇値が「1」に決定され(即ち、設定値上昇抽選で設定値を1段階上昇させる抽選結果となり)、2%(2/100)の割合で設定値の上昇値が「2」に決定され(即ち、設定値上昇抽選で設定値を2段階上昇させる抽選結果となり)、1%(1/100)の割合で設定値の上昇値が「3」に決定される(即ち、設定値上昇抽選で設定値を3段階上昇させる抽選結果となる)。
また、図1595(b)に示した通り、基本設定値が2である場合、設定値抽選カウンタS1の値が「0~79」の範囲に対して、設定値の上昇値として「0」が対応付けて規定され、設定値抽選カウンタS1の値が「80~97」の範囲に対して、設定値の上昇値として「+1」が対応付けて規定され、設定値抽選カウンタS1の値「98」に対して、設定値の上昇値として「+2」が対応付けて規定され、設定値抽選カウンタS1の値「99」に対して、設定値の上昇値として「+3」が対応付けて規定されている。よって、基本設定値が設定2に設定されている状況下で設定値上昇抽選が実行された場合、80%(80/100)の割合で設定値の上昇値が「0」に決定され(即ち、設定値上昇抽選で非当選となり)、18%(18/100)の割合で設定値の上昇値が「1」に決定され(即ち、設定値上昇抽選で設定値を1段階上昇させる抽選結果となり)、1%(1/100)の割合で設定値の上昇値が「2」に決定され(即ち、設定値上昇抽選で設定値を2段階上昇させる抽選結果となり)、1%(1/100)の割合で設定値の上昇値が「3」に決定される(即ち、設定値上昇抽選で設定値を3段階上昇させる抽選結果となる)。また、図1595(b)に示した通り、基本設定値が3である場合、設定値抽選カウンタS1の値が「0~89」の範囲に対して、設定値の上昇値として「0」が対応付けて規定され、設定値抽選カウンタS1の値が「90~98」の範囲に対して、設定値の上昇値として「+1」が対応付けて規定され、設定値抽選カウンタS1の値「99」に対して、設定値の上昇値として「+2」が対応付けて規定されている。よって、基本設定値が設定3に設定されている状況下で設定値上昇抽選が実行された場合、90%(90/100)の割合で設定値の上昇値が「0」に決定され(即ち、設定値上昇抽選で非当選となり)、19%(19/100)の割合で設定値の上昇値が「1」に決定され(即ち、設定値上昇抽選で設定値を1段階上昇させる抽選結果となり)、1%(1/100)の割合で設定値の上昇値が「2」に決定される(即ち、設定値上昇抽選で設定値を2段階上昇させる抽選結果となる)。また、図1595(b)に示した通り、基本設定値が4である場合、設定値抽選カウンタS1の値が「0~96」の範囲に対して、設定値の上昇値として「0」が対応付けて規定され、設定値抽選カウンタS1の値が「97,98」の範囲に対して、設定値の上昇値として「+1」が対応付けて規定され、設定値抽選カウンタS1の値「99」に対して、設定値の上昇値として「+2」が対応付けて規定されている。なお、設定4は、設定値が上昇する余地が2段階しか無く、設定値を3段階上昇させることが不可能であるため、「+3」は規定されていない。よって、基本設定値が設定4に設定されている状況下で設定値上昇抽選が実行された場合、90%(97/100)の割合で設定値の上昇値が「0」に決定され(即ち、設定値上昇抽選で非当選となり)、2%(2/100)の割合で設定値の上昇値が「1」に決定され(即ち、設定値上昇抽選で設定値を1段階上昇させる抽選結果となり)、1%(1/100)の割合で設定値の上昇値が「2」に決定される(即ち、設定値上昇抽選で設定値を2段階上昇させる抽選結果となる)。
また、図1595(b)に示した通り、基本設定値が設定5である場合、設定値抽選カウンタS1の値が「0~98」の範囲に対して、設定値の上昇値として「0」が対応付けて規定され、設定値抽選カウンタS1の値「99」に対して、設定値の上昇値として「+1」が対応付けて規定されている。なお、設定5は、設定値が上昇する余地が1段階しか無く、設定値を2段階以上上昇させることが不可能であるため、「+2」および「+3」は規定されていない。よって、基本設定値が設定5に設定されている状況下で設定値上昇抽選が実行された場合、99%(99/100)の割合で設定値の上昇値が「0」に決定され(即ち、設定値上昇抽選で非当選となり)、1%(1/100)の割合で設定値の上昇値が「1」に決定される(即ち、設定値上昇抽選で設定値を1段階上昇させる抽選結果となる)。更に、図1595(b)に示した通り、基本設定値が最高設定の設定6である場合、設定値抽選カウンタS1の値が取り得る全ての値の範囲(「0~99」の範囲)に対して、設定値の上昇値として「0」が対応付けて規定されている。なお、設定6は、最高設定であり、設定値が上昇する余地が無いため、「+1」、「+2」、および「+3」は規定されていない。よって、基本設定値が設定6に設定されている状況下で設定値上昇抽選が実行された場合、100%(100/100)の割合で設定値の上昇値が「0」に決定される(即ち、設定値上昇抽選で非当選となる)。このように、設定値上昇抽選が実行された場合に、基本設定値に応じて異なる振り分け(割合)で設定値が上昇する構成としているので、設定値の上昇頻度から設定値を推測させるという新たな遊技性を創出することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1596を参照して、本第2変形例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図1596は、本第2変形例におけるRAM203の構成を示すブロック図である。図1596に示した通り、本第2変形例におけるRAM203は、上述した第32制御例の第1変形例におけるRAM203の構成(図1584参照)に対して、変動回数カウンタ203goBと、設定値加算カウンタ203gpBと、切替抽選後カウンタ203ggBと、が追加されている点で相違している。また、設定切替シナリオ格納エリア203gcと、進行状況フラグ203geと、が削除されている点でも相違している。変動回数カウンタ203goBは、通常状態における変動回数をカウントするためのカウンタである。この変動回数カウンタ203goBは、初期値が0に設定されており、通常状態(且つ、基本設定値期間)において第1特別図柄の抽選が実行される毎に値に1が加算される(図1601のS3007G参照)。また、この変動回数カウンタ203goBの値が500以上に更新されると、設定値上昇抽選が実行されると共に値が0にリセットされる。これにより、基本設定値期間における第1特別図柄の抽選回数が500回に到達する毎に、設定値上昇抽選を実行することができる。設定値加算カウンタ203gpBは、設定値上昇抽選に当選した場合に、当該当選に基づいて上昇させる設定値に対応する数値を設定するためのカウンタである。この設定値加算カウンタ203gpBは、初期値が0に設定されており、設定値上昇抽選に当選する毎に、上昇させる設定値に対応する数値が設定される(図1601のS3010G参照)。また、設定値上昇抽選後の上昇抽選後期間が終了すると、この設定値加算カウンタ203gpBの値が0にリセットされる(図1601のS3004G参照)。本第2変形例において特別図柄の抽選を実行する際は、設定値格納エリア203gfに格納されている基本設定値と、設定値加算カウンタ203gpBに格納されている設定値の上昇分とを加味して(加算して)、設定値上昇抽選による上昇後の設定値を特定し、当該特定した設定値に応じた大当たり確率で特別図柄の抽選を実行する構成としている(図1599のS321G参照)。これにより、設定値上昇抽選の抽選結果を好適に特別図柄の抽選に反映させることができる。切替抽選後カウンタ203ggBは、設定値上昇抽選が終了した後の上昇抽選後期間における特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタである。この切替後抽選カウンタ203ggBは、初期値が0に設定されており、設定値上昇抽選が実行される毎に、値に100が設定される(図1601のS3013G参照)。また、切替抽選後カウンタ203ggBは、上昇抽選後期間において第1特別図柄の抽選が実行される毎に値が1ずつ減算して更新される。この切替抽選後カウンタ203ggBの値が1以上の間は、設定値上昇抽選の抽選結果を反映した設定値で特別図柄の抽選が実行される。
次に、図1597(a)を参照して、本第2変形例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM222の詳細について説明する。図1597(a)は、本第2変形例におけるROM222の構成を示すブロック図である。す2458(a)に示した通り、本第2変形例におけるROM222は、上述した第1変形例におけるROM222の構成に対して、切替抽選後背面選択テーブル222gdBが追加されている点でのみ相違している。この切替抽選後背面選択テーブル222gdBは、設定値上昇抽選が実行された場合に、その後に移行する上昇抽選後期間における背面画像を選択するために参照されるデータテーブルである。この切替抽選後背面選択テーブル222gdBの詳細について、図1597(b)を参照して説明する。図1597(b)は、この切替抽選後背面選択テーブル222gbAの規定内容を示した図である。図1597(b)に示した通り、この切替抽選後背面選択テーブル222gdBは、設定値上昇抽選の抽選結果毎に、演出カウンタ223fの値の範囲と背面画像の種別(演出態様)との対応関係が規定されている。
具体的には、図1597(b)に示した通り、設定値上昇抽選の抽選結果が「0」(設定値上昇抽選に非当選)である場合に対しては、演出カウンタ223fの取り得る値の全範囲(「0~99」の範囲)に対して、背面画像として「空ステージ」に対応する背面画像(図1594(a)参照)が対応付けて規定されている。このため、設定値上昇抽選で非当選だった場合は、上昇抽選後期間における背面画像が必ず「空ステージ」に設定される。また、図1597(b)に示した通り、設定値上昇抽選の抽選結果が「+1」である場合(設定値上昇抽選に当選して設定値が1上昇される場合)に対しては、演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、背面画像として「空ステージ」に対応する背面画像(図1594(a)参照)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「50~99」の範囲に対して、背面画像として「神殿ステージ」に対応する背面画像(図1594(b)参照)が対応付けて規定されている。このため、設定値上昇抽選で設定値が1上昇する抽選結果となった場合は、50%の割合で「空ステージ」に設定され、50%の割合で「神殿ステージ」に設定される。また、図1597(b)に示した通り、設定値上昇抽選の抽選結果が「+2」である場合(設定値上昇抽選に当選して設定値が2上昇される場合)に対しては、演出カウンタ223fの値が「0~24」の範囲に対して、背面画像として「空ステージ」に対応する背面画像(図1594(a)参照)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「25~99」の範囲に対して、背面画像として「神殿ステージ」に対応する背面画像(図1594(b)参照)が対応付けて規定されている。このため、設定値上昇抽選で設定値が2上昇する抽選結果となった場合は、25%の割合で「空ステージ」に設定され、75%の割合で「神殿ステージ」に設定される。また、図1597(b)に示した通り、設定値上昇抽選の抽選結果が「+3」である場合(設定値上昇抽選に当選して設定値が3上昇される場合)に対しては、演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対して、背面画像として「空ステージ」に対応する背面画像(図1594(a)参照)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「10~98」の範囲に対して、背面画像として「神殿ステージ」に対応する背面画像(図1594(b)参照)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値「99」に対して、背面画像として「宇宙ステージ」に対応する背面画像が対応付けて規定されている。このため、設定値上昇抽選で設定値が3上昇する抽選結果となった場合は、10%の割合で「空ステージ」に設定され、89%の割合で「神殿ステージ」に設定され、1%の割合で「宇宙ステージ」に設定される。このように、設定値上昇抽選の抽選結果に応じて各背面画像の選択比率を異ならせる構成としているので、背面画像から抽選結果を予測する遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、設定値が3段階上昇した場合にのみ選択される特別な背面画像(「宇宙ステージ」に対応する背面画像)を設ける構成としているので、当該特別な背面画像が出現した場合に、遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができる。
次に、図1598を参照して、本第2変形例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図1598は、本第2変形例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図1598に示した通り、本第2変形例におけるRAM223は、上述した第1変形例におけるRAM223の構成(図1587参照)に対して、従変動回数カウンタ223ghBと、従設定値加算カウンタ223giと、従切替抽選後カウンタ223gjBと、設定切替終了フラグ223gkBと、が追加されている点で相違している。その他の構成については上述した第1変形例と同様であるため、ここではその詳細な説明については省略する。従変動回数カウンタ223ghB、従設定値加算カウンタ223giB、および従切替抽選後カウンタ223gjBは、それぞれ主制御装置110のRAM203に設けられている変動回数カウンタ203goB、設定値加算カウンタ203gpB、および切替抽選後カウンタ223ggBに対応するカウンタ(これらのカウンタに同期して更新されるカウンタ)である。カウントする内容については主制御装置110のRAM203に設けられている各カウンタと同一であるため、その詳細な説明については省略する。また、設定切替終了フラグ223gkBは、設定値が基本設定値に対して上昇している可能性がある期間(上昇抽選後期間)が終了したか否かを示すフラグである。この設定切替終了フラグ223gkBは、初期値がオフに設定されており、主制御装置110から上昇抽選後期間が終了したことを示す設定切替コマンドを受信した場合に値が0にリセットされる。
<第32制御例の第2変形例における主制御装置の制御処理について>
次いで、図1599から図1602を参照して、本第32制御例の第2変形例における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図1599を参照して、本第2変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(S2411G)の詳細について説明する。この第2変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(S2411G)は、上述した第1変形例(および第32制御例)における第1特別図柄大当たり判定処理(図1557参照)に代えて実行される処理であり、上述した第1変形例(および第32制御例)における第1特別図柄大当たり判定処理(図1557参照)と同様に、第1特別図柄の抽選で大当たりか否かを判定するための処理である。この第2変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(S2411G)のうち、S301G~S310Gの処理では、それぞれ上述した第1変形例(および第32制御例)における第1特別図柄大当たり判定処理(図1557参照)のS301G~S310Gの処理と同一の処理が実行される。また、本第2変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(図1599参照)では、S301Gの処理が終了すると、次いで、設定値格納エリア203gfのデータと設定値加算カウンタ203gpBの値とから、設定値上昇抽選による上昇を加味した設定値を特定し(S321G)、処理をS302Gへと移行する。この第1特別図柄大当たり判定処理(図1599参照)を実行することにより、設定値上昇抽選の抽選結果に応じた抽選確率で特別図柄の抽選を実行させることができる。なお、第2特別図柄大当たり判定処理(図1564参照)についても同一の変形が施されているが、ここではその詳細な説明については省略する。
次いで、図1600を参照して、本第2変形例における遊技状態更新処理(S2412G)の詳細について説明する。この遊技状態更新処理(S2412G)は、上述した第1変形例(および第32制御例)における遊技状態更新処理(図1560参照)に代えて実行される処理であり、第1変形例(および第32制御例)における遊技状態更新処理(図1560参照)と同様に、遊技状態を更新するための処理である。この第2変形例における遊技状態更新処理(S2412G)のうち、S2551G~S2557Gの各処理では、それぞれ上述した第1変形例(および第32制御例)における遊技状態更新処理(図1560参照)のS2551G~S2557Gの各処理と同一の処理が実行される。また、本第2変形例における遊技状態更新処理(S2412G)では、S2551Gの処理で時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合(S2551G:No)、S2554Gの処理で時短カウンタ203hの値が0でないと判別した場合(S2554G:No)、S2556Gの処理が終了した場合、およびS2557Gの処理が終了した場合において、現在の遊技状態が通常状態であるか否かを判別し(S2561G)、通常状態であると判別した場合は(S2561G:Yes)、設定値を切り替えるか否かを判断するための設定切替関連処理を実行して(S2562G)、本処理を終了する。一方で、S2561Gの処理において通常状態ではないと判別した場合は(S2561G:No)、S2562Gの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。この設定切替関連処理(S2562G)の詳細について、図1601を参照して説明する。
図1601は、この設定切替関連処理(S2562G)を示すフローチャートである。図1601に示した通り、この設定切替関連処理(S2562G)が実行されると、まず、切替抽選後カウンタ203ggBの値が0より大きい値であるか否かを判別し(S3001G)、0より大きい値であると判別した場合は(S3001G:Yes)、次いで、切替抽選後カウンタ203ggBの値を1減算して更新し(S3002G)、更新後のカウンタ値が0になったか否かを判別する(S3003G)。S3003Gの処理において、切替抽選後カウンタ203ggBの値が0でないと判別した場合は(S3003G:No)、そのまま本処理を終了する。一方で、S3003Gの処理において、切替抽選後カウンタ203ggBの値が0であると判別した場合は(S3003G:Yes)、上昇抽選後期間が終了したことを意味するので、設定値加算カウンタ203gpBの値を0にリセットし(S3004G)、リセット後の設定値を示す設定切替コマンドを設定して(S3005G)、本処理を終了する。これらに対し、S3001Gの処理において、切替抽選後カウンタ203ggBの値が0であると判別した場合は(S3001G:No)、変動回数カウンタ203goBの値に1を加算して更新し(S3006G)、加算後のカウンタ値が500以上の値であるか否かを判別する(S3007G)。S3007Gの処理において、500未満の値であると判別した場合は(S3007G:No)、設定値上昇抽選の抽選条件が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方で、S3007Gの処理において、加算後のカウンタ値が500以上の値であると判別した場合は(S3007G:Yes)、設定値上昇抽選を実行するためのS3008G~S3013Gの各処理を実行する。具体的には、設定切替抽選テーブル202ggBを読み出して(S3008G)、現在の設定値(基本設定値)と設定値抽選カウンタS1の値とに対応する設定値の上昇値を特定する(S3009G)。次いで、設定値加算カウンタ203gpBに対してS3009Gの処理で特定した上昇値に対応するデータを上書きし(S3010G)、上昇値を加算した設定値を示す設定切替コマンドを設定する(S3011G)。次いで、変動回数カウンタ203goBの値を0にリセットし(S3012G)、切替後抽選カウンタ203ggBの値を100に設定することで上昇抽選後期間に設定して(S3013G)、本処理を終了する。
次に、図1602を参照して、本第2変形例における投入回数判別処理(S1721G)の詳細について説明する。この投入回数判別処理(S1721G)は、上述した第1変形例における投入回数判別処理(図1589参照)に代えて実行される処理であり、第1変形例における投入回数判別処理(図1589参照)と同様に、投入回数を判別して、規定の電源投入回数となった場合に対応する制御を実行するための処理である。この第2変形例における投入回数判別処理(S1721G)のうち、S1771G、およびS1772Gの各処理では、それぞれ上述した第1変形例における投入回数判別処理(図1589参照)のS1771G、およびS1772Gの各処理と同一の処理が実行される。また、本第2変形例における投入回数判別処理(図1589参照)では、S1772Gの処理おいて、更新後の投入回数カウンタ203gnAの値が10以上であると判別した場合に(S1772G:Yes)、次いで、設定値加算カウンタ203gpBの値が0より大きい値であるか(設定値上昇抽選に当選したことにより設定値が上昇しているか)否かを判別する(S1781G)。S1781Gの処理において、設定値加算カウンタ203gpBの値が0より大きい値であると判別した場合は(S1781G:Yes)、既に設定値が上昇されているので、設定値上昇抽選を重複して実行せずに、そのまま本処理を終了する。一方、S1781Gの処理において、設定値加算カウンタ203gpBの値が0であると判別した場合は(S1781G:No)、設定切替抽選テーブル202ggBを読み出して(S1782G)、現在の設定値(基本設定値)と設定値抽選カウンタS1の値とに対応する設定値の上昇値を特定する(S1783G)。次いで、設定値加算カウンタ203gpBに対してS3009Gの処理で特定した上昇値に対応するデータを上書きし(S1784G)、上昇値を加算した設定値を示す設定切替コマンドを設定する(S1785G)。次いで、変動回数カウンタ203goBの値を0にリセットし(S1786G)、切替後抽選カウンタ203ggBの値を100に設定することで上昇抽選後期間に設定して(S1787G)、本処理を終了する。この投入回数判別処理(図1602参照)を実行することにより、電源の投入回数が規定回数(10回)に到達した場合にも、設定値上昇抽選を実行することができる。言い換えれば、電源の投入回数が10回未満の間においては、設定値上昇抽選を実行せずに設定値を維持する一方で、電源の投入回数が10回を超えた場合には、設定値上昇抽選を実行する構成としている。このように構成することで、電源が投入された可能性が高いホールの開店直後等において遊技を開始したいと強く思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、開店直後に設定値を上昇させたくないと考えるホールに対して、より積極的に設定値を変更させることができるので、長い期間に渡って同一の設定値のまま変更がなされないことを抑制することができる。なお、本第32制御例では、電源の投入回数をカウントするための投入回数カウンタ203gnAが10未満の値であるか、10以上の値であるかを判断対象として、設定値上昇抽選を実行するための処理をスキップするか、設定値上昇抽選を実行するための処理を行わせるかを決定する構成としていたが、規定の値に設定されているか、規定の値とは異なる値に設定されているかに応じて設定値上昇抽選を実行するための処理を行うか否かを異ならせる判断対象は、これに限られるものではない。これに代えて、または加えて、例えば、設定が変更されず(RAMクリア操作が行われず)に長い期間が経過した(抽選回数が規定の範囲を超えて実行された)か否かを判断対象として、設定値上昇抽選を実行するか否かを異ならせる構成としてもよい。具体的には例えば、パチンコ機10が初期化された後において特別図柄の抽選が実行される毎に値が加算されるカウンタを設ける構成とし、3000未満の値に設定されている場合には、長い期間が経っていないと判別して設定値上昇抽選を実行しない一方で、3000以上の値に設定されている場合には、前回の初期化から長い期間が経ったと判断して設定値上昇抽選を実行する構成としてもよい。また、例えば、実際の大当たり確率が低いか否か(即ち、パチンコ機10が好調であるか否か)を判断対象として、設定値上昇抽選を実行するか否かを異ならせる構成としてもよい。具体的には例えば、パチンコ機10が初期化された後における特別図柄の抽選回数をカウントするカウンタと大当たり当選回数をカウントするためのカウンタとを設ける構成とし、電源投入時における大当たり確率(特別図柄の抽選回数/大当たり当選回数)が所定確率以上(例えば、特別図柄の低確率状態における設定1の大当たり確率である1/320以上)であれば、設定値上昇抽選を実行しない一方で、所定確率未満(1/320未満)である場合は、実際の大当たり確率が低い(不調である)と判断して設定値上昇抽選を実行する構成としてもよい。このように構成することで、電源投入直後の可能性が高いパチンコ機10を発見した場合に、当該パチンコ機10の前日までの遊技履歴を加味して、設定値が上昇している可能性があるか否かを判断する斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第32制御例の第2変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図1603、および図1604を参照して、本第2変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図1603を参照して、本第2変形例における設定関連コマンド処理(S4213G)の詳細について説明する。この設定関連コマンド処理(S4213G)は、上述した第1変形例(および第32制御例)における設定関連コマンド処理(図1575参照)に代えて実行される処理であり、第1変形例(および第32制御例)における設定関連コマンド処理(図1575参照)と同様に、設定関連のコマンドが主制御装置110から出力された場合に、出力されたコマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。この第2変形例における設定関連コマンド処理(S4213G)のうち、S5401G,S5404G、およびS5405Gの各処理では、それぞれ上述した第1変形例(および第32制御例)における設定関連コマンド処理(図1575参照)のS5401G,S5404G、およびS5405Gの各処理と同一の処理が実行される。また、本第2変形例における設定関連コマンド処理(S4213G)では、S5401Gの処理において設定切替コマンドを受信したと判別した場合に(S5401G)、設定値上昇抽選(設定切替抽選)に対応するコマンドであるか否かを判別し(S5411G)、設定値上昇(切替)抽選に関連するコマンドでないと判別した場合は(S5411G:No)、上昇抽選後期間が終了したことを示すコマンドであることが確定するため、従設定値加算カウンタ223giBの値を0にリセットし(S5412G)、設定切替終了フラグ223gkBをオンに設定して(S5413G)、本処理を終了する。一方で、S5411Gの処理において、設定値上昇抽選に対応するコマンドであると判別した場合は(S5411G:Yes)、従設定値加算カウンタ203giBの値を受信したコマンドが示す上昇値に更新し(S5414G)、設定切替フラグ203geをオンに設定し(S5415G)、本処理を終了する。
次いで、図1604を参照して、本第2変形例におけるサブ演出設定処理(S5011G)の詳細について説明する。図1604は、このサブ演出設定処理(S5011G)を示すフローチャートである。このサブ演出設定処理(S5011G)は、上述した第1変形例(および第32制御例)におけるサブ演出設定処理(図1577参照)に代えて実行される処理であり、上述した第1変形例(および第32制御例)におけるサブ演出設定処理(図1577参照)と同様に、変動表示演出に付随して実行されるサブ的な演出の演出態様を設定するための処理である。なお、本第2変形例におけるサブ演出は主として背面画像による示唆演出である。この第2変形例におけるサブ演出設定処理(S5011G)では、まず、設定切替フラグ223geがオンであるか否かを判別し(S5051G)、設定切替フラグ223geがオンであると判別した場合は(S5051G:Yes)、従設定値加算カウンタ223giBの値と、切替抽選後背面選択テーブル222gdBとを参照して対応するステージ(背面画像)を決定し(S5071G)、決定したステージへの変更を決定すると共に設定切替フラグ223geをオフに設定する(S5072G)。次いで、従変動回数カウンタ223ghBの値を0にリセットし、従切替抽選後カウンタ223gjBの値を100に設定して(S5073G)、本処理を終了する。一方で、S5051Gの処理において、設定切替フラグ223geがオフであると判別した場合は(S5051G:No)、設定切替終了フラグ203gkBがオンであるか否かを判別し(S5074G)、オンであると判別した場合は(S5074G:Yes)、上昇抽選後期間が終了したことを意味するため、ステージを通常ステージに変更し(S5075G)、設定切替終了フラグ223gkBをオフに設定して(S5076G)、本処理を終了する。これに対して、S5074Gの処理において、設定切替終了フラグ223gkBがオフであると判別した場合は(S5074G:No)、そのまま本処理を終了する。
以上説明した通り、第32制御例の第2変形例におけるパチンコ機10では、パチンコ機10が初期化された場合にのみ移行し得る設定変更状態において、操作可能な操作手段(設定キー110b、設定スイッチ110c)に対して特定の操作が行われたことに基づいて、判別(特別図柄の抽選)の有利度合い(大当たり確率)に対応する複数段階の設定値のうち1の設定値を設定することが可能に構成した上で、設定値が第1の設定値に設定された状況下の所定の遊技状態において第1条件が成立したことに基づいて、第1の設定値よりも高い段階に対応する第2の設定値に変更可能に構成している。より具体的には、パチンコ機10が初期化された場合に少なくとも設定される不利な所定の遊技状態(通常状態)において特別図柄の抽選回数が予め定められた規定回数(500回)に到達したことに基づいて、3段階以下の範囲内において設定値を上昇させるか否かの抽選を実行し、当該抽選で設定値を上昇させる抽選結果となったことに基づいて、設定されている設定値を一時的に第1の設定値よりも高い第2の設定値に上昇させることが可能に構成している。また、第2の設定値に変更された後で第2条件が成立したことに基づいて、第2の設定値よりも低い段階に対応する設定値に変更可能に構成している。即ち、第2の設定値に変更された後で特別図柄の抽選が100回実行されたことに基づいて、設定値の上昇を終了させ、第1の設定値へと復帰させる構成としている。このように構成することで、通常遊技中において、遊技状態が変更されていないにもかかわらず判別の有利度合いが可変する斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、本第2変形例では、上述した第1変形例と同様に、初期化を伴わずにパチンコ機10に対して電源が投入された場合に、電源が遮断される前の設定値とは異なる設定値が設定され得るように構成した。具体的には、初期化を伴わずに電源が投入された回数が10回に到達したことに基づいて、3段階以下の範囲内において設定値を上昇させるか否かの抽選を実行する構成としている。このように構成することで、設定値が変更されているか否かによらず、電源が新たに投入された可能性が高い状態のパチンコ機10において遊技を開始したいと遊技者に対して思わせることができる。即ち、ホールの開店直後等、設置されている遊技台に対して電源が一斉に投入されたと思われるタイミングにおいて、本第2変形例におけるパチンコ機10で遊技を開始させることができる。よって、ホールの開店時における稼働率を向上させることができる。また、設定値が上昇することを避けたいと考える遊技店に対して、規定回数(10回)の電源投入が行われるよりも前に設定値を変更したいと思わせることができる。よって、パチンコ機10の設定値の変更を促進させることができる。
なお、本第2変形例では、空ステージや神殿ステージ、宇宙ステージ等の背面画像への変更による設定値が上昇したことを示唆する報知を、設定値上昇抽選が実行された場合にのみ実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、設定値上昇抽選が実行されていなくても、設定値が上昇したことを示唆する報知(空ステージの背面画像への変更)を実行する構成としてもよい。より具体的には、例えば、設定値上昇抽選までの抽選回数を表示させない構成とした上で、特別図柄の抽選回数が100回に到達する毎に、100回の特別図柄の抽選が実行されるまでの間、空ステージに設定するこうせいとしてもよい。そして、実際に設定値上昇抽選が実行された場合にのみ、抽選結果に応じて、空ステージ、神殿ステージ、宇宙ステージのいずれかが設定され得るように構成してもよい。このように構成することで、設定値上昇抽選が実行されたのか否かを分かり難くすることができるので、設定値上昇抽選が実行されていなくても設定値が上昇した可能性があると遊技者に思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、この場合において、設定値上昇抽選が実行される条件を複数設ける構成としてもよい。より具体的には、例えば、基本設定値期間に設定された場合に、次に設定値上昇抽選を行うまでの特別図柄の抽選回数を、複数の回数の中から1の回数に決定する構成としてもよい。即ち、100回、300回、500回、700回、900回の中から抽選により決定する構成としてもよい。このように構成することで、設定値が上昇したことを示唆する報知(空ステージの背面画像への変更)が実行された場合に、設定値上昇抽選が実行されたのか否かをより把握し難くすることができる。よって、設定値上昇抽選が実行されていなくても設定値が上昇した可能性があると遊技者に思わせることができる可能性をより高めることができる。
本第2変形例では、初期化を伴わずにパチンコ機10の電源が遮断された回数が10回に到達する毎に、設定値上昇抽選を実行する構成としていたが、これに限られるものではなく、設定値上昇抽選を実行するまでの電源の遮断回数(投入回数)は任意に定めることができる。設定値上昇抽選が実行されるまでの回数を少なくすることで、設定値上昇抽選の頻度をより高めることができ、ホールの開店直後におけるパチンコ機10の稼働率をより向上させることができる。特に、電源が遮断される毎に設定値上昇抽選を実行する構成とした場合は、ホールの開店毎に設定値が上昇している可能性があるため、設定値が上昇しているか否かを見極めたいと考える遊技者に対して、ホールの開店直後からパチンコ機10で遊技を行いたいという思いをより強くすることができる。よって、ホールの開店直後におけるパチンコ機10の稼働率をより向上させることができる。一方、設定値上昇抽選を実行するまでの電源の遮断回数(投入回数)を多くすることにより、設定値上昇抽選を実行させたくないと考えるホールの手間(設定変更の頻度)を少なくすることができる。また、初期化を伴わない電源投入時には設定値上昇抽選を行わない構成としてもよい。このように構成することで、ホールの開店直後から有利度合いが極端に高まってしまい、ホールに対して不測の不利益を被らせてしまうことを抑制することができる。
本第2変形例では、設定値上昇抽選の実行回数に制限を設けることなく、基本設定値期間において規定回数(500回)の特別図柄の抽選が実行される毎に設定値上昇抽選が実行されるように構成していたが、これに限られるものではなく、回数に制限を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定値上昇抽選の実行回数を1回に限る構成としてもよい。このように構成することで、1回の抽選機会を確実に得たいと考える遊技者に対して、設定値上昇抽選が実行されるまで遊技を継続させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。なお、設定値上昇抽選の回数は1回に限られず、任意に定めてもよい。また、本第2変形例では、設定値上昇抽選において設定値を上昇させると判定された場合に、設定値が1段階から3段階の範囲で上昇する構成としていた。より具体的には、基本設定値が設定1であれば、設定2~4のいずれかに上昇し、設定2であれば設定3~5のいずれかに上昇し、設定3であれば設定4又は5のどちらかに上昇し、設定4であれば設定5又は6のどちらかに上昇し、設定5であれば設定6に上昇する構成としていたが、これに限られるものではなく、上昇させる段階数は固定としてもよい。例えば、設定値によらず、1段階のみ上昇するように構成してもよい。このように構成することで、設定値上昇抽選の抽選内容を簡素化することができるので、設定値上昇抽選に要する処理負荷を軽減することができる。また、例えば、基本設定値に対して設定値を上昇させるか否かの抽選を実行するのに代えて、固定の設定値(例えば、最高設定である設定6)に変更するか否かの抽選(設定値変更抽選)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、設定値変更抽選に当選したか否かに応じて、特別図柄の抽選を実行する際に参照する設定値として基本設定値と固定の設定値とを切り替えるだけでよいので、特別図柄の抽選に要する処理負荷を軽減することができる。
本第2変形例では、設定値が1段階から3段階の範囲で上昇させるか否かを抽選により決定する構成としていたが、これに代えて、または加えて、設定値を所定段階低下させるか否かを抽選により決定してもよい。このように構成することで、背面画像が変更された場合に、設定値が低下している可能性もあるので、背面画像の種別から設定値がどのように推移したのかをより真剣に見極めようと遊技者に対して思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、本第2変形例では、設定値上昇抽選の実行条件が成立した場合に、毎回同一内容の抽選を実行する構成としていたが、実行条件の種別毎に種別の異なる複数の抽選の中から1の抽選を実行する構成としてもよい。また、例えば、基本設定期間において第1回数(例えば、100回)の特別図柄の抽選が実行された場合に第1の設定値上昇抽選を実行し、第1回数よりも多い第2回数(例えば、500回)の特別図柄の抽選が実行された場合に、第1の設定値上昇抽選よりも有利度合いが高い(当選率が高い、当選した場合の設定値の上昇段階数が多くなり易い、または上昇抽選後期間が長い等)第2の設定値上昇抽選を実行する構成としてもよい。また、この場合において、設定値が上昇した可能性があることを背面画像により報知する報知演出の種別も、第1の設定値上昇抽選後の上昇抽選後期間であるか、第2の設定値上昇抽選後の上昇抽選後期間であるかによって異ならせてもよい。具体的には例えば、第1の設定値上昇抽選が実行された後の上昇抽選後期間では、必ず空ステージに設定される一方で、有利度合いが高い第2の設定値上昇抽選が実行された後の上昇抽選後期間では、空ステージに加え、神殿ステージや宇宙ステージも設定され得るように構成してもよい。このように構成することで、報知演出の種別に応じて設定値上昇抽選の種別を特定することができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
また、本第2変形例では、基本設定値期間において特別図柄の抽選回数が500回に到達したことに基づいて設定値上昇抽選を実行する構成としていたが、設定値上昇抽選を実行する契機はこれに限られるものではない。例えば、上述した第32制御例、およびその第1変形例と同様に、発射球数が規定個数(例えば、5000個)に到達したことを条件として、設定値上昇抽選を実行する構成としてもよい。即ち、遊技者のハンドル51に対する操作状況に応じて、設定値上昇抽選の実行され易さが可変する構成としてもよい。このように構成することで、設定値上昇抽選を早期に実行させたいと考える遊技者に対して、遊技効率よりも発射球数を優先して遊技を行わせることができる。また、例えば、基本設定期間における経過時間が所定時間となったことを契機として、設定値上昇抽選を実行する構成としてもよい。このように構成することで、本第2変形例におけるパチンコ機10で遊技を行うか否かを、時刻によって判断するという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第2変形例では、初期化を伴わない電源の投入回数が規定回数(10回)に到達した場合に実行される設定値上昇抽選と、基本設定値期間において規定回数(500回)の特別図柄の抽選が実行された場合に実行される設定値上昇抽選とで、全く同一の抽選を実行する構成としていたが、異なる抽選を実行してもよい。具体的には、例えば、初期化を伴わない電源の投入回数が規定回数(10回)に到達した場合に実行される設定値上昇抽選では、比較的有利度合いが低い(例えば、当選したとしても設定値が1段階しか上昇しない)抽選を行うように構成する一方で、基本設定値期間において規定回数(500回)の特別図柄の抽選が実行された場合に実行される設定値上昇抽選では、比較的有利度合いが高い(例えば、当選した場合に設定値が2段階以上高くなる)抽選を行うように構成してもよい。このように構成することで、電源投入直後のパチンコ機10の有利度合いが高くなり過ぎてしまうことを抑制することができるので、ホールの開店直後からホールに大きな不利益を被らせてしまうことを抑制することができる。また、逆に、初期化を伴わない電源の投入回数が規定回数(10回)に到達した場合に実行される設定値上昇抽選では、比較的有利度合いが高い抽選を行うように構成する一方で、基本設定値期間において規定回数(500回)の特別図柄の抽選が実行された場合に実行される設定値上昇抽選では、比較的有利度合いが低い抽選を行うように構成してもよい。このように構成した場合、ホールの開店直後等、電源が投入された可能性が高い状況下においてより積極的に遊技を行わせることができるので、ホールの開店直後における稼働率を向上させることができる。
本第2変形例では、基本設定値として設定6が設定された場合には、設定値を上昇させる余地が無い構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、基本設定値としては設定され得ない設定7や設定8を設ける構成とし、基本設定値として最高設定値である設定6が設定されていたとしても、設定値を上昇させる余地を設ける構成としてもよい。このように構成することで、基本設定値として設定6が設定されていたとしても、設定値上昇抽選によって設定を上昇させることが可能に構成することができる。また、逆に、基本設定値として設定5までしか設定できないように構成してもよい。このように構成した場合も、全ての基本設定値において、設定値上昇抽選で設定値が上昇する余地を設けることができるので、より好適な設定値上昇抽選を実行することができる。
<第32制御例の第3変形例>
次いで、図1605から図1608を参照して、第32制御例の第3変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第32制御例、およびその第1変形例では、特別図柄の抽選を実行する際に参照されるデータテーブルとして、設定値と当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲との対応関係が規定された1のデータテーブル(第1当たり乱数テーブル202ga)を設ける構成とし、特別図柄の抽選条件が成立した場合は、上記1のデータテーブルから設定値に対応する乱数値(カウンタ値)の範囲を読み出すことにより、設定値に応じた抽選確率で特別図柄の抽選を実行する構成としていた。これに対して本第3変形例では、特別図柄の抽選を実行する場合に、まず、設定されている設定値によらない共通の抽選を実行した後で、当該設定値によらない抽選の抽選結果と設定されている設定値とに基づいて最終的な抽選結果を決定する構成としている。このように構成することで、通常遊技中に設定値が切り替わる変則的な仕様において、不具合が発生し難い抽選を実現することができる。即ち、設定値を変更する仕様も搭載されていないスタンダードな遊技機と同様の特別図柄の抽選方式で抽選を行った後で、設定値を加味した抽選を実行することで、最低限、設定値によらない抽選を確実に完了させることができる。つまり、設定値を設定可能な従来型の遊技機と比較しても設定値が切り替わる頻度が高い上述した第32制御例およびその各種変形例において、特別図柄の抽選を設定値に依存しない抽選と設定値に依存する抽選とに分けて構成することにより、設定値に不適切な値が格納されてしまい、設定値を特定することができなくなったとしても、最低限、設定値に依存しない抽選によって抽選結果を特定することができる。よって、特別図柄の抽選自体が実行されなくなってしまう重篤な不具合が発生することを防止(抑制)することができる。この第3変形例におけるパチンコ機10が、上述した第32制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第32制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第32制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第32制御例の第3変形例における電気的構成>
図1605(a)を参照して、本第3変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明する。図1605(a)は、本第3変形例におけるROM202の構成を示すブロック図である。図1605(a)に示した通り、本第3変形例におけるROM202は、上述した第32制御例におけるROM202の構成(図1543(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202gaに代えて第1当たり乱数テーブル202gaCが設けられている点、および外れ書き替え抽選テーブル202ghCが追加されている点である。その他の構成については上述した第32制御例におけるROM202の構成(図1543(a)参照)と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。まず、図1605(b)を参照して、上述した第1当たり乱数テーブル202gaCの詳細について説明する。図1605(b)は、この第1当たり乱数テーブル202gaCの規定内容を示した図である。本第3変形例における第1当たり乱数テーブル202gaCは、上述した第32制御例における第1当たり乱数テーブル202ga(図1543(b)参照)に対して、設定値によらない1の規定内容のみとなっている点で相違している。なお、この1種類の規定内容は、上述した第32制御例における設定1に対応する規定内容となっている。つまり、特別図柄の低確率状態における大当たり確率が1/320(205/65536)となり、特別図柄の高確率状態における大当たり確率が1/102(644/65536)となり、第2特別図柄の小当たり確率が、1/1.14(64601/65536)となるように乱数値(カウンタ値)が対応付けられている。また、図1605(b)に示した通り、本第3変形例における第1当たり乱数テーブル202gaCには、「暫定外れ」という抽選結果が設けられている。この「暫定外れ」は、設定値によらない抽選では外れとして取り扱うが、設定値に応じた抽選によって大当たりに書き替えられる可能性がある外れ抽選結果に対応している。この「暫定外れ」には、特別図柄の低確率状態において「205~935」の範囲が対応付けて規定され、特別図柄の高確率状態において「644~935」の範囲が対応付けて規定されている。よって、特別図柄の低確率状態において「暫定外れ」となる確率は約1/89.7(731/65536)であり、特別図柄の高確率状態において「暫定外れ」となる確率は約1/224.4(292/65536)である。本第3変形例では、「暫定外れ」以外の抽選結果(大当たり、小当たり、および完全外れ)と判定された場合には、その時点で抽選結果が確定する一方で、暫定外れとなった場合には、更に設定値に応じた抽選を実行するように構成している。
次に、図1606を参照して、上述した外れ書き替え抽選テーブル202ghCの詳細について説明する。図1606は、この外れ書き替え抽選テーブル202ghCの規定内容を示した図である。この外れ書き替え抽選テーブル202ghCは、特別図柄の抽選において、設定値によらない抽選(第1当たり乱数テーブル202gaCを参照した抽選)が実行された後で、当該設定値によらない抽選の抽選結果を用いて設定値を加味した抽選を実行し、最終的な特別図柄の抽選結果を決定(特定)するために参照されるデータテーブルである。具体的には、設定値によらない抽選の抽選結果が「暫定外れ」となった場合に、当該「暫定外れ」の抽選結果を設定値に応じた確率で大当たりに書き替えるために参照されるデータテーブルである。図1606に示した通り、本第3変形例における外れ書き替え抽選テーブル202ghCは、特別図柄の状態毎に、設定値と、抽選結果を大当たりに書き替えると判定する乱数値(書き替えカウンタS2のカウンタ値)の値の範囲とが対応付けて規定されている。具体的には、図1606に示した通り、特別図柄の低確率状態に対しては、設定1に対して、抽選結果を大当たりに書き替えると判定する乱数値(カウンタ値)が対応付けられておらず、設定2に対して、抽選結果を大当たりに書き替えると判定する乱数値(カウンタ値)として「0~1165」が対応付けて規定され、設定3に対して、抽選結果を大当たりに書き替えると判定する乱数値(カウンタ値)として「0~2599」が対応付けて規定され、設定4に対して、抽選結果を大当たりに書き替えると判定する乱数値(カウンタ値)として「0~4213」が対応付けて規定され、設定5に対して、抽選結果を大当たりに書き替えると判定する乱数値(カウンタ値)として「0~6095」が対応付けて規定され、設定6に対して、抽選結果を大当たりに書き替えると判定する乱数値(カウンタ値)として「0~8337」が対応付けて規定されている。また、特別図柄の高確率状態に対しては、設定1に対して、抽選結果を大当たりに書き替えると判定する乱数値(カウンタ値)が対応付けられておらず、設定2に対して、抽選結果を大当たりに書き替えると判定する乱数値(カウンタ値)として「0~9425」が対応付けて規定され、設定3に対して、抽選結果を大当たりに書き替えると判定する乱数値(カウンタ値)として「0~20647」が対応付けて規定され、設定4に対して、抽選結果を大当たりに書き替えると判定する乱数値(カウンタ値)として「0~33216」が対応付けて規定され、設定5に対して、抽選結果を大当たりに書き替えると判定する乱数値(カウンタ値)として「0~48029」が対応付けて規定され、設定6に対して、抽選結果を大当たりに書き替えると判定する乱数値(カウンタ値)として「0~65535」が対応付けて規定されている。このため、特別図柄の低確率状態において「暫定外れ」の抽選結果を大当たりに書き替える確率は、設定1が0(0/65536)であり、設定2が約1/56.2(1166/65536)であり、設定3が約1/25.2(2600/65536)であり、設定4が約1/15.6(4214/65536)であり、設定5が約1/10.8(6096/65536)であり、設定6が約1/7.9(8338/65536)である。また、特別図柄の高確率状態において「暫定外れ」の抽選結果を大当たりに書き替える確率は、設定1が0(0/65536)であり、設定2が約1/7(9426/65536)であり、設定3が約1/3.2(20648/65536)であり、設定4が約1/2(13269/65536)であり、設定5が約1/1.4(48030/65536)であり、設定6が1(65536/65536)である。
ここで、特別図柄の大当たり確率は、設定値によらない抽選(第1当たり乱数テーブル202gaCを用いた抽選)により大当たりとなる確率と、設定値によらない抽選で「暫定外れ」となり、且つ、当該「暫定外れ」の抽選結果が設定値に応じた抽選で大当たりに書き替えられる確率と、の和によって求められる。そして、上述した通り、本第3変形例における特別図柄の低確率状態において「暫定外れ」となる確率は約1/89.7(731/65536)であるので、特別図柄の低確率状態において大当たりとなる確率は、設定1で約1/320(204/65536+731/65536×0/65536)となり、設定2で約1/302(204/65536+731/65536×1166/65536)であり、設定3で約1/281.3(204/65536+731/65536×2600/65536)であり、設定4で約1/261.1(204/65536+731/65536×4214/65536)であり、設定5で約1/240.9(204/65536+731/65536×6096/65536)であり、設定6で約1/220.7(204/65536+731/65536×8338/65536)である。また、上述した通り、特別図柄の高確率状態において「暫定外れ」となる確率は約1/224.4(292/65536)であるので、特別図柄の高確率状態において大当たりとなる確率は、設定1で約1/101.8(644/65536+292/65536×0/65536)となり、設定2で約1/95.5(644/65536+292/65536×9426/65536)であり、設定3で約1/89.0(644/65536+292/65536×20648/65536)であり、設定4で約1/82.7(644/65536+292/65536×33217/65536)であり、設定5で約1/76.4(644/65536+292/65536×48030/65536)であり、設定6で約1/70.0(644/65536+292/65536×65536/65536)である。つまり、上述した第32制御例における大当たり確率と同等の大当たり確率にすることができる。このように、本第3変形例では、特別図柄の抽選を実行する場合に、まず、設定されている設定値によらない共通の抽選を実行した後で、当該設定値によらない抽選の抽選結果と設定されている設定値とに基づいて最終的な抽選結果を決定する構成としている。このように構成することで、通常遊技中に設定値が切り替わる変則的な仕様において、不具合が発生し難い抽選を実現することができる。即ち、設定値を変更する仕様も搭載されていないスタンダードな遊技機と同様の特別図柄の抽選方式で抽選を行った後で、設定値を加味した抽選を実行することで、最低限、設定値によらない抽選を確実に完了させることができる。つまり、設定値を設定可能な従来型の遊技機と比較しても設定値が切り替わる頻度が高い上述した第32制御例およびその各種変形例において、特別図柄の抽選を設定値に依存しない抽選と設定値に依存する抽選とに分けて構成することにより、設定値に不適切な値が格納されてしまい、設定値を特定することができなくなったとしても、最低限、設定値に依存しない抽選によって抽選結果を特定することができる。よって、特別図柄の抽選自体が実行されなくなってしまう重篤な不具合が発生することを防止(抑制)することができる。
<第32制御例の第3変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図1607、および図1608を参照して、第32制御例の第3変形例における主制御装置110内のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図1607を参照して、本第3変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(S2421G)の詳細について説明する。図1607は、第1特別図柄大当たり判定処理(S2421G)を示すフローチャートである。この第3変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(S2421G)は、上述した第32制御例およびその第1変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(図1557参照)に代えて実行される処理であり、上述した第32制御例およびその第1変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(図1557参照)と同様に、第1特別図柄の抽選を実行するための処理である。この第3変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(S2421G)のうち、S301G,S302G,S305G~S310Gでは、それぞれ上述した第32制御例およびその第1変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(図1557参照)のS301G,S302G,S305G~S310Gの各処理と同一の処理が実行される。また、本第3変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(S2421G)では、S302の処理において、確変フラグ203gaがオンであると判別した場合に(S302G:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202gaCから各種抽選結果に対応する乱数値(カウンタ値)を読み出して(S331G)、処理をS305Gへと移行する。一方で、S302Gの処理において、確変フラグ203gaCがオフであると判別した場合は(S302G:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202gaから各種抽選結果に対応する乱数値を読み出して(S332G)、処理をS305Gへと移行する。なお、上述した通り、本第1変形例における第1当たり乱数テーブル202gaCには、大当たりと判定される乱数値、小当たりと判定される乱数値、暫定外れと判定される乱数値が規定されており、これらの乱数値は、設定値によらない共通の値として規定されている。つまり、S302G,S331G,S332G,S305Gの各処理は、特別図柄の抽選のうち、設定されている設定値によらない1段階目の抽選を実行するための処理である。また、本第3変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(S2421G)では、S305Gの処理が終了すると、暫定外れの抽選結果を大当たりに設定値に応じた確率で大当たりに書き替えるか否かを抽選する書き替え抽選処理を実行し(S333G)、処理をS306Gへと移行する。この書き替え抽選処理(S333G)は、特別図柄の抽選のうち、設定値を反映させた2段階目の抽選を実行するための処理である。この書き替え抽選処理(S333G)の詳細については、図1608を参照して後述する。なお、本第3変形例では、特別図柄の抽選を、予め設定された設定値(大当たり確率)によらない抽選処理と、予め設定された設定値を反映させた処理とに分ける構成としていたが、本制御は特別図柄の抽選に限られるものではなく、他の制御処理についても、設定された要素の状態によらない処理と、設定された要素の状態を反映させた処理とに分けて構成してもよい。具体的には、例えば、大当たり終了後の遊技状態を決定するための処理を、大当たり当選時の遊技状態として当選時状態格納エリア203gmに設定されたデータによらない処理と、大当たり当選時の遊技状態として当選時状態格納エリア203gmに設定されたデータを反映させた処理と、に分ける構成としてもよい。具体的には、例えば、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり遊技の実行中に確変スイッチ1650e3を通過したか否かのみに基づいて確変フラグ203gaをオンとするか否かを決定した後で、大当たり当選時の遊技状態に応じて、時短カウンタ203hに設定するカウンタ値を決定することにより、大当たり終了後の遊技状態を時短状態とするか確変状態とするか潜確状態とするかを最終的に決定する構成としてもよい。これにより、遊技状態格納エリア203gmに格納されたデータがノイズ等の影響により異常なデータになってしまっていたとしても、最低限、確変フラグ203gaの状態だけは確変スイッチ1650e3の通過の有無に応じて好適に設定することができるので、遊技状態自体を設定することが不可能となってしまう重篤な不具合の発生を抑制することができる。また、例えば、変動パターンを決定するための処理を、始動入賞時に取得されて第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに設定されていた変動種別カウンタCS1の値によらない処理と、変動種別カウンタCS1の値を反映させた処理とに分けて構成してもよい。具体的には、例えば、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、特別図柄の抽選結果と特別図柄の種別とのみを判別して、第2特別図柄の抽選であれば、当たり超ロング変動または外れ超ロング変動に決定する一方で、第1特別図柄の抽選であれば、暫定当たり変動または暫定外れ変動に決定する構成としてもよい。そして、暫定当たり変動または暫定外れ変動の場合にのみ、変動種別カウンタCS1の値を用いて詳細な変動時間を決定する構成としてもよい。このように構成することで、必ず超ロング変動に設定される通常状態における第2特別図柄の抽選で無駄に変動種別カウンタCS1の値を参照することを抑制できるので、処理負荷を軽減させることができる。
次に、図1608を参照して、上述した書き替え抽選処理(S333G)の詳細について説明する。図1608は、上述した書き替え抽選処理(S333G)を示すフローチャートである。図1608に示した通り、書き替え抽選処理(S333G)が実行されると、まず、設定値によらない第1段階目の抽選(第1特別図柄大当たり判定処理のS305Gの処理)の抽選結果が暫定外れであるか否かを判別し(S351G)、暫定外れでない(大当たり、小当たり、または完全外れである)と判別した場合は(S351G:No)、第1段階目の抽選結果を今回の抽選結果に確定させ(S352G)、本処理を終了する。一方、S351Gの処理において、抽選結果が暫定外れであると判別した場合は(S351G:Yes)、次いで、確変フラグ203gaがオンであるか否かを判別し(S353G)、確変フラグ203gaがオンであると判別した場合は(S353G:Yes)、高確率時用の外れ書き替え抽選テーブルghC(図1606参照)から現在の設定値に対応する書き替え乱数値を読み出して(S354G)、処理をS356Gへと移行する。これに対して、S353Gの処理において確変フラグ203gaがオフであると判別した場合は(S353G:No)、低確率時用の外れ書き替え抽選テーブルghC(図1606参照)から現在の設定値に対応する書き替え乱数値を読み出して(S355G)、処理をS356Gへと移行する。S356Gの処理では、S354G、またはS355Gの処理で読み出した書き替え乱数値と実行エリアの書き替えカウンタS2の値とに基づいて書き替え抽選結果を取得し(S356G)、当該S356Gの処理による抽選結果が書き替えに対応する抽選結果であるか否かを判別する(S357G)。S357Gの処理において、書き替えに対応する抽選結果であると判別した場合は(S357G:Yes)、今回の特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S358G)、本処理を終了する。一方で、S357Gの処理において、書き替えに対応する抽選結果ではないと判別した場合は(S357G:No)、特別図柄の抽選結果を外れに設定し(S359G)、本処理を終了する。この書き替え抽選処理(S333G)を実行することにより、設定値によらない共通の抽選の抽選結果と、現在設定されている設定値とを用いて、最終的な特別図柄の抽選結果を確定させることができる。なお、第2特別図柄大当たり判定処理(図1564参照)についても、本第3変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(図1607、図1608参照)と同様の変形が施されている。
以上説明した通り、第32制御例の第3変形例におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選を実行する場合に、まず、設定されている設定値によらない共通の抽選を実行した後で、当該設定値によらない抽選の抽選結果と設定されている設定値とに基づいて最終的な抽選結果を決定する構成としている。このように構成することで、通常遊技中に設定値が切り替わる変則的な仕様において、不具合が発生し難い抽選を実現することができる。即ち、設定値を変更する仕様も搭載されていないスタンダードな遊技機と同様の特別図柄の抽選方式で抽選を行った後で、設定値を加味した抽選を実行することで、最低限、設定値によらない抽選を確実に完了させることができる。つまり、設定値を設定可能な従来型の遊技機と比較しても設定値が切り替わる頻度が高い上述した第32制御例およびその各種変形例において、特別図柄の抽選を設定値に依存しない抽選と設定値に依存する抽選とに分けて構成することにより、設定値に不適切な値が格納されてしまい、設定値を特定することができなくなったとしても、最低限、設定値に依存しない抽選によって抽選結果を特定することができる。よって、特別図柄の抽選自体が実行されなくなってしまう重篤な不具合が発生することを防止(抑制)することができる。
<第32制御例の第4変形例>
次に、図1609を参照して、第32制御例の第4変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第32制御例の第3変形例では、第32制御例、およびその第1変形例における特別図柄の抽選方法の変形例について説明した。これに対して本第4変形例では、第32制御例の第2変形例におけるパチンコ機10の特別図柄の抽選方法の変形例について説明する。この第4変形例におけるパチンコ機10が、上述した第2変形例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第32制御例の第2変形例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第32制御例の第2変形例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
ここで、図示については省略したが、本第4変形例における主制御装置110内に設けられているROM202には、上述した第3変形例におけるROM202に設けられていた第1当たり乱数テーブル202gaC(図1605(b)参照)、および外れ書き替え抽選テーブル202ghC(図1606参照)が設けられている。つまり、本第4変形例においても、特別図柄の抽選を実行するにあたって、まず、第1当たり乱数テーブル202ghC(図1605(b)参照)を参照して設定値によらない共通の抽選(第1段階目の抽選)を実行した後で、当該共通の抽選の抽選結果を用いて、設定値に応じた抽選(第2段階目の抽選)を実行する構成としている。つまり、本第4変形例における第1特別図柄大当たり判定処理では、上述した第3変形例における第1特別図柄大当たり判定処理(図1607参照)と同様の変形が施されている。変形箇所については上述した第3変形例と同様であるので、ここではその詳細な説明については省略する。なお、本第4変形例では、上述した第3変形例に対し、書き替え抽選処理の内容が一部変更となっている。この変更点について、図1609を参照して説明する。
図1609は、本第4変形例における書き替え抽選処理(S341G)を示すフローチャートである。図1609に示した通り、本第4変形例における書き替え抽選処理(S341G)のうち、S351G~S359Gの各処理では、それぞれ上述した第3変形例における書き替え抽選処理(図1608参照)のS351G~S359Gの各処理と同一の処理が実行される。また、本第4変形例における書き替え抽選処理(S341G)では、S351Gの処理において、1段階目の抽選の抽選結果が暫定外れであると判別した場合に(S351G)、次いで、設定値格納エリア203gfのデータと設定値加算カウンタ203gpBのデータとを参照して設定値の上昇分を加味した現在の設定値を特定し(S361G)、処理をS353Gへと移行する。このように、S361Gの処理を実行しておくことにより、設定値に応じた2段階目の抽選において、設定値の上昇分を加味した正確な設定値に基づいて抽選を実行することができる。
以上説明した通り、第32制御例の第4変形例におけるパチンコ機10では、上述した第3変形例におけるパチンコ機10と同様に特別図柄の抽選を実行する場合に、まず、設定されている設定値によらない共通の抽選を実行した後で、当該設定値によらない抽選の抽選結果と設定されている設定値とに基づいて最終的な抽選結果を決定する構成としている。このように構成することで、通常遊技中に設定値を上昇させるか否かの抽選を実行し、当選した場合に所定期間の間設定値が上昇する変則的な仕様において、不具合が発生し難い抽選を実現することができる。即ち、設定値を変更する仕様も搭載されていないスタンダードな遊技機と同様の特別図柄の抽選方式で抽選を行った後で、設定値を加味した抽選を実行することで、最低限、設定値によらない抽選を確実に完了させることができる。つまり、設定値を設定可能な従来型の遊技機と比較しても設定値が切り替わる頻度が高い上述した第32制御例の第2変形例において、特別図柄の抽選を設定値に依存しない抽選と設定値に依存する抽選とに分けて構成することにより、設定値に不適切な値が格納されてしまい、設定値を特定することができなくなったとしても、最低限、設定値に依存しない抽選によって抽選結果を特定することができる。よって、特別図柄の抽選自体が実行されなくなってしまう重篤な不具合が発生することを防止(抑制)することができる。
なお、本第4変形例、および上述した第3変形例では、設定値を特定することができない重大な異常が発生した場合に、設定値に依存しない第1段階目の抽選の抽選結果のみを用いて特別図柄の抽選を実行し、当該抽選の抽選結果に対応する変動表示演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、設定値を特定することができない重大な異常が発生した場合には、設定値を所定値(例えば、設定3)とみなして第2段階目の抽選を実行し、特別図柄の抽選結果を特定する構成としてもよい。また、例えば、設定値を特定することができない重大な異常が発生した場合には、抽選により1の設定値を特定し、異常な設定値に対して上書きし、当該上書きした設定値によって第2段階目の抽選を実行する構成としてもよい。このように構成した場合も、特別図柄の抽選を好適に実行することができる。また、本第4変形例、および上述した第3変形例では、第1段階の抽選結果として、暫定外れとなった場合に、設定値を加味した第2段階目の抽選で、当該暫定外れを大当たりに書き替えるか否かの抽選を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。これに代えて、または加えて、大当たりの一部に「暫定大当たり」という抽選結果(例えば、設定6であれば大当たりが確定するが、設定5以下では外れとなる可能性がある乱数値に対応する抽選結果)を設ける構成とし、暫定大当たりとなった場合には、第2段階目の抽選で、当該暫定大当たりを外れに書き替えるか否かの抽選を実行する構成としてもよい。このように構成した場合においても、本第4変形例、および上述した第3変形例と同様の効果を得ることができる。
本第4変形例、および上述した第3変形例では、一段階目の抽選として、大当たり、小当たり、または暫定外れのいずれかの抽選結果となるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、暫定大当たり、小当たり、または完全外れのいずれかの抽選結果となるように構成してもよい。この場合において、一段階目の抽選で小当たりまたは完全外れとなった場合は抽選結果を確定させる一方で、一段階目の抽選で暫定大当たりとなった場合は、二段階目の抽選で暫定大当たりを大当たりおよび完全外れのいずれに確定させるのかを決定する構成としてもよい。このように構成したとしても、上述した第4変形例、および第3変形例におけるパチンコ機10と同等の制御を実現することができる。この場合において、一段階目の抽選で暫定大当たりとなり、二段階目の抽選において設定値を特定することができない重篤な不具合(例えば、設定値として異常な値が設定されている不具合等)が発生していた場合に、暫定大当たりを完全外れとして取り扱うように構成してもよい。このように構成することで、本来設定されている設定値よりも高い大当たり確率で大当たりが出現してしまうことを抑制することができる。
本第4変形例、および上述した第3変形例では、二段階目の抽選に移行した際に設定値が特定できない重篤な不具合が発生していれば、二段階目の抽選を実行せずに暫定外れを完全外れとして決定することで、最低限、設定1の大当たり確率で特別図柄の抽選を実行可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、一段階目の抽選を実行する前に、設定値を正常に特定することができるか否かの判別を実行し、設定値を正常に特定することができた場合にのみ、一段階目の抽選および二段階目の抽選の両方を実行する一方で、設定値を正常に特定することができなかった場合には、一段階目の抽選のみを実行する構成としてもよい。このように構成したとしても、上述した第4変形例、および第3変形例におけるパチンコ機10と同等の制御を実現することができる。また、これらに代えて、設定値を加味しない特別図柄の抽選(上述した第3変形例、および第4変形例における一段階目の抽選)と、設定値を加味した特別図柄の抽選(上述した第32制御例およびその第1、第2変形例)との両方の制御処理を設け、状況(設定値が正常に特定できたか否か)に応じて設定値を加味しない特別図柄の抽選を実行するか、設定値を加味した特別図柄の抽選を実行するかを異ならせる構成としてもよい。このように構成したとしても、上述した第4変形例、および第3変形例におけるパチンコ機10と同等の制御を実現することができる。この場合において、設定値を加味しない特別図柄の抽選を実行するか設定値を加味した特別図柄の抽選を実行するかを決定するための条件は、設定値を特定することができたか否かに限られるものではない。例えば、遊技者が通常状態において右打ち遊技を行う変則的な遊技方法で遊技を行ったと判別した場合に、ペナルティーとして所定期間(例えば、特別図柄の抽選が10回実行されるまで)の間、設定値を加味しない特別図柄の抽選を実行する構成とし、変則的な遊技方法で遊技を行わずに正規の遊技方法で遊技を行っている間は、設定を加味した特別図柄の抽選を実行する構成としてもよい。このように構成することで、変則的な遊技を行うと最低の設定値である設定1の大当たり確率に設定されてしまい、遊技者にとって不利益となるため、変則的な遊技に対する抑制を図ることができる。また、例えば、設定値を加味しない特別図柄の抽選を設定6の大当たり確率(若しくは設定6よりも高い大当たり確率)の抽選となるように構成した上で、通常時は設定値を加味した特別図柄の抽選を実行する一方で、大当たりに当選せずに所定回数(例えば、1000回)の特別図柄の抽選が実行された場合に、以降は少なくとも大当たりに当選するまでの間、設定値を加味しない特別図柄の抽選を実行するように構成してもよい。このように構成することで、所謂大きなハマりが発生した場合に、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下することを抑制し、所定回数までハマることを目指す遊技性を付加することができる。また、例えば、特別図柄の抽選条件が成立する毎に、乱数値による抽選で設定値を加味しない特別図柄の抽選を実行するか設定値を加味した特別図柄の抽選を実行するかを決定する構成としてもよい。このように構成することで、通常遊技中に大当たり確率を上下させることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第111実施形態~第161実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1610から図1713を参照し、第111実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1610は、第111実施形態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図1611は、パチンコ機H10の背面図であり、図1612は、外枠H11に対して内枠H12を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図1613は、外枠H11に対して内枠H12を開放した状態で裏パックユニットH94を内枠H12に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図1614は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠H14を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図1615は、正面枠H14を取り外した状態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図1616は、遊技盤H13及び内枠H12の分解正面斜視図であり、図1617は、正面枠H14の分解正面斜視図であり、図1618は、正面枠H14の分解背面斜視図である。なお、図1615では、発射位置送球ユニットH170から球発射ユニットH112aに球を送球するための背面側開口H172が2点鎖線で図示される。また、以下の説明では、図1610に示す状態のパチンコ機H10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1610に示す状態のパチンコ機H10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図1610参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機H10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。また、特段の説明がない限り、パチンコ機H10を遊技する遊技者は、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に位置し、パチンコ機H10の背面側(矢印B方向側)に視線を向けた状態(パチンコ機H10の正面側と対面した状態)で遊技するものとして説明する。
図1610~図1618に示すように、パチンコ機H10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠H11と、その外枠H11と略同一の外形形状に形成され外枠H11に対して開閉可能に支持された内枠H12と、その内枠H12と略同一の外形形状に形成され内枠H12に対して開閉可能に支持された正面枠H14とを主に備えている。外枠H11には、内枠H12を支持するために正面視(図1610参照)左側(矢印L方向側)の上下(矢印U-D方向)2カ所に金属製のヒンジH18が取り付けられ、そのヒンジH18が設けられた側を開閉の軸として内枠H12が正面枠H14と共に正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている。パチンコ機H10は、外枠H11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機H10において外枠H11は必須の構成ではなく、外枠H11又は外枠H11と同一の内形を有し、外枠H11の内枠H12支持構造(ヒンジH18等)及び施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としても良い。
外枠H11は、上方側(矢印U方向側)に配設される上方板H11aと、下方側(矢印D方向側)に配設される下方板H11bと、それら上方板H11a及び下方板H11bの左右(矢印L-R方向)の両端同士を上下方向に連結する左方板H11c及び右方板H11dとを組み合わせて枠状に形成される。なお、外枠H11は、木材で形成されるものに限られるものではなく、アルミ等の金属材料やプラスチック等の樹脂材料で形成されていても良く、それら木材、金属材料、又は、樹脂材料から形成される部材(上方板H11a,下方板H11b,左方板H11c,右方板H11d)を組み合わせて形成されるものであっても良い。また、本実施形態では、外枠H11の正面視左側(矢印L方向側)にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視右側(矢印R方向側)を正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能とされるが、外枠H11の正面視右側にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視左側を正面手前側へ開閉可能としても良く、又、ヒンジH18を外枠H11の正面視下側(矢印D方向側)の左右(矢印L-R方向)両端に取り付け、外枠H11に対して内枠H12の正面視上側(矢印U方向側)を正面手前側へ開閉可能とするものであっても良い。
内枠H12は、外枠H11と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12aと、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図1613参照)。また、内枠H12には、枠形成ユニットH12aと裏パックユニットH94とで正面側(矢印F方向側)が開放する略箱状に形成された内側に多数の釘や入賞口H63,H64等を有する遊技盤H13(図1615及び図1616参照)が配設される。この遊技盤H13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2が配設される。遊技盤H13は、左端支持部H12a1にベース板H60の左側端部が挿入されつつ内枠H12の背面側(矢印B方向側)に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H60の正面と係合する(ベース板H60の正面を支持する)ことで内枠H12の内側に固定される。
また、内枠H12の枠形成ユニットH12aは、球を遊技盤H13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニットH112a(図1615参照)と、正面枠H14(上下皿ユニットH15)に球を送球する皿通路形成部材H160と(図1615参照)を主に備えて形成される。さらに、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、正面枠H14を支持するために正面視左側(矢印L方向側)の上下2カ所に金属製のヒンジH19が取り付けられ、そのヒンジH19が設けられた側を開閉の軸として正面枠H14が正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている(図1614参照)。なお、内枠H12の施錠と正面枠H14の施錠とは、枠形成ユニットH12aに配設されるシリンダ錠H20の鍵穴H21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。なお、シリンダ錠H20の鍵穴H21は、振動または動作可能に構成されると共に変位可能に構成される。なお、ヒンジH19による内枠H12と正面枠H14との開錠は、シリンダ錠H20に専用の鍵を差し込むものではなく、後述する操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで行われるようにしても良い。また、内枠H12又は正面枠H14を開放した後で、開放されたの内側から操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで、所定の部材(例えば、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cの化粧板)の係合が解除され所定の部材が取り外されるようにしても良い。
球発射ユニットH112aは、上皿H17から発射位置送球ユニットH170を介して1球ずつ所定のタイミングで送球される球を受け入れ可能に形成され、遊技盤H13(内レールH61及び外レールH62)への球の送球方向に延設される発射レールH112a1と、回転可能に軸支され発射レールH112a1上に送球された球に回転して当接可能に形成される回転体H112a2と、その回転体H112a2を回転させるための駆動モータH850(図1680参照)とを主に備えて形成される。即ち、球発射ユニットH112aは、変位可能に構成される回転体H112a2を変位させて遊技球を発射可能に構成される。なお、回転体H112a2は、駆動または動作可能に構成される。球発射ユニットH112aから遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)への球の発射(送球)は、発射レールH112a1上に球が送球された後、回転体H112a2を回転させて発射レールH112a1上に送球された球に回転体H112a2を衝突させることで行われる。なお、本実施形態では、回転する回転体H112a2により球発射ユニットH112aから球が発射(送球)されるが、球を発射する構造は回転する部材(回転体H112a2)に限られるものではない。例えば、球の発射方向にスライド変位可能なスライド体と、そのスライド体をスライド変位させるソレノイドとを備え、ソレノイドの励磁によりスライド体を変位させて球に衝突させることで球の発射(送球)が行われるように構成しても良い。なお、駆動モータH850は、振動または動作可能に構成される。即ち、駆動モータH850は、変位可能に構成される。これより、回転体H112a2を回転させ、遊技球を発射することが可能とされる。また、球発射ユニットH112aは、内枠H12に配設されるものに限られるものでなく、パチンコ機H10の演出装置としてベース板H60の背面側(矢印B方向側)に(遊技盤H13に)配設することも可能である。例えば、センターフレームH86やベース板H60に開口した開口部からベース板H60の背面側に配設される発射レールH112a1上に球を送球して、その球を回転体H112a2により発射して第3図柄表示装置H81の正面側を球が通過するように構成しても良い。
皿通路形成部材H160は、図1615に示すように、本体側上皿通路部H161と本体側下皿通路部H162とを有している。本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162は、背面側(矢印B方向側)の端部が内枠H12に前後方向(矢印F-B方向)に貫通される貫通孔と連通可能となるように背面側(矢印B方向側)へ向けて開放され、正面側(矢印F方向側)の端部が下方(矢印D方向)へ向けて開放されるように、内部で通路の方向が90度変化する(前後方向から上下方向に変化する)湾曲通路を形成する。この構成において、払出装置H133から払い出された球は内枠H12の貫通孔を通り、皿通路形成部材H160の背面側の端部から皿通路形成部材H160に進入し、正面側の端部から排出される。なお、皿通路形成部材H160の下側部分には、図1615に示すように、本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162からの球の流出を規制するシャッタH163が設けられている。シャッタH163は、両通路の出口部分を狭め球の流出を阻止する阻止位置と、球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられており、内枠H12に対して正面枠H14を閉鎖した状態とされる場合に許容位置に配置され、内枠H12に対して正面枠H14を開放した状態(図1614に示す状態)とされる場合に阻止位置に配置される。これにより、本体側上皿通路部H161又は本体側下皿通路部H162に球が貯留されている状態で正面枠H14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。正面枠H14は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠H14dと、その本体枠H14dに配設され、その本体枠H14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットH14aと、その上側装飾ユニットH14aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットH14b及び右側装飾ユニットH14cと、本体枠H14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットH15と、本体枠H14dを介して上下皿ユニットH15の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170とを主に備えて構成され、内枠H12に回動可能に取り付けられている。
また、正面枠H14の回動基端側には、図1617及び図1618に示すように、前扉取付金具H57,H58が設けられ、この前扉取付金具H57,H58(前扉取付金具H57は円柱状部、前扉取付金具H58は軸孔を有する金属板)が内枠H12に係合することにより、内枠H12に対して正面枠H14が回動可能に支持される。詳細には、前扉取付金具H57は、内枠H12の上側のヒンジH19の下方位置において内枠H12の正面側端部から正面側(矢印F方向側)へ延設され先端から背面側(矢印B方向側)へ前扉取付金具H57が内嵌可能な大きさで凹設される嵌合凹部H12e1(図1616参照)を有する軸支板部H12eに軸支される。また、前扉取付金具H58は、内枠H12の下側のヒンジH19から上方(矢印U方向)に突設される段付き円柱形状(直径の違う円柱が上下に連設される構成において上側の円柱の直径の方が小さい形状)の支持ピンH19aに外嵌されることで軸支される。また、正面枠H14には、上側装飾ユニットH14aと左側装飾ユニットH14bと右側装飾ユニットH14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部H14eが形成され、その窓部H14eを塞ぐように正面枠H14(本体枠H14d)の背面側(矢印B方向側)に2枚の板ガラスを有し光を透過可能に構成されるガラスユニットH16が配設される(図1610参照)。なお、パチンコ機H10は、ガラスユニットH16(窓部H14e)を介してパチンコ機H10の正面側から遊技盤H13の正面が視認可能となっている。
ガラスユニットH16は、図1610及び図1614に示すように、窓部H14eより大きな外形で光透過性(透明性)を有する前後一対の透明ガラスH16a,H16bと、これら透明ガラスH16a,H16bを一体化する固定枠(図示せず)と、を備えている。固定枠は、樹脂材料により透明ガラスH16a,H16bより一回り大きな環状に形成され、透明ガラスH16a,H16bの外周縁が固定枠に接着されることでガラスユニットH16は一体化された複層ガラスとされている。なお、ガラスユニットH16は、透明ガラスH16a,H16bによって光を透過可能に構成される(無色透明に形成されている)が、これに限定されることはなく樹脂材料によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機H10前方からガラスユニットH16を通じて遊技領域を視認可能であれば無色透明でなく有色透明に形成されていても良い。また、2枚の透明ガラスH16a,H16bは、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態で配設しても良い。透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態とする場合には、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に変位可能な変位手段を配設して、遊技盤H13よりも前方側(矢印F方向側)で変位手段による演出を可能にしても良い。この場合の変位手段とは、例えば、紙やナイロン等の部材から形成される複数の変位部材を固定枠に形成した孔から送り出す風により吹き飛ばす演出をするものや、固定枠に変位可能に配設した変位部材を音声ランプ制御装置H113(図1619参照)により2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間で変位させるものである。また、2枚の透明ガラスH16a,H16bを固定する固定板に発光手段を配設し、その発光手段から出射される光を前方側の透明ガラスH16aまたは背面側(矢印B方向側)の透明ガラスH16bの一方に照射して、透明ガラスH16a,H16bの一方に照射された光を遊技者に視認させる演出をするようにしても良い。
正面枠H14(上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14c)において窓部H14eの周囲には、図1610に示すようにLED等の発光手段を内蔵した電飾部H29~H33が複数設けられている。これら電飾部H29~H33では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部H14eの上側(矢印U方向側)の電飾部H30には、払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。また、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cの電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、電飾部H29~H33から出射される光を非透過とする非透過性の樹脂材料から形成される。これにより、電飾部H29~H33の発光(点灯や点滅)を遊技者に注目させやすい構造となっている。なお、電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、非透過に形成されるものに限られず、透過性の樹脂材料から形成して電飾部H29~H33に発光(点灯や点滅)があった場合に正面枠H14の全体から光を出射(透過)可能に構成しても良い。また、電飾部H29~H33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材を配設して煌びやかさを醸し出すように構成しても良い。
上側装飾ユニットH14aの左側(矢印L方向側)及び右側(矢印R方向側)には(窓部H14eの右上側及び左上側には)、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカー組立体(音声出力装置H226(図1619参照))を覆うスピーカーカバーH27(パンチングメタルから形成される薄板部材)が設けられており、スピーカーカバーH27を介してスピーカーの音をパチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に放音可能に構成されている。窓部H14eの下方(矢印B方向)には、図1610に示すように、上皿H17と下皿H50とが手前側へ膨出して配置されると共にそれら上皿H17と下皿H50とが上下に並設される上下皿ユニットH15が配設される。上皿H17は、上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿H17に賞球や貸出球などが排出される。また、上皿H17は、払出装置H133(図1611参照)より払い出された球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射ユニットH112a(図1615参照)側へ導く機能を有しており、底面が正面視右側(矢印R方向側)に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿H17に投入された球を発射位置送球ユニットH170へと案内可能に形成される。なお、上皿H17から発射位置送球ユニットH170に送球された球は、発射位置送球ユニットH170の動作により1球ずつ球発射ユニットH112aへ案内される。即ち、遊技球が通過可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。言い換えると、遊技球を送球可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。
下皿H50は、上面を開放した略箱状に形成され、上皿H17内にて余剰となった球を貯留する機能を有している。また、下皿H50の背面側(矢印B方向側)側面には、前後方向(矢印F-B方向)に開口され球が下皿H50に案内される球案内開口H53が形成される。下皿H50の正面側(矢印F方向側)の下方(矢印D方向)部には、下皿H50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバーH52が設けられている。この球抜きレバーH52は、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、下皿H50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバーH52の操作は、通常、下皿H50の下方に下皿H50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。なお、球抜きレバーH52の操作により、千両箱に球を排出するものに限らず、島設備に連通する回収口に球を排出するものであっても良い。また、上皿H17と下皿H50とに分けて複数箇所に球を貯留する部位を設ける必要はなく、下皿H50を廃止して上皿H17のみとした1つの貯留部のみを有する構成としても良い。また、下皿H50から球を排出する球抜きレバーH52の操作を駆動モータにより制御することも可能である。これによれば、下皿H50に球が払い出されたことや下皿H50に所定数の球数が払い出されたこと起因して、球抜きレバーH52を駆動モータにより変位させることで、下皿H50からの球の排出を遊技者が忘れて下皿H50の貯留領域に球が溢れることを抑制できる。
特に、最近では、パチンコ機H10が設置される店舗の島設備に連通する回収口に下皿H50から球を排出する店舗が多くなっており、所定数の球数しか貯留できない千両箱に下皿H50から排出される球を排出する店舗が少なくなっている。店舗の島設備に連通する回収口に下皿H50から球を排出する店舗では、下皿H50から球が払い出されている最中に千両箱の交換等が必要ないので、下皿H50への球の払い出しに伴って駆動モータにより球抜きレバーH52を変位させる構成とすることで、遊技者の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。即ち、後述する主制御装置H110のMPUH201により大当たりの演出がされることに伴って、下皿H50の球抜きレバーH52を駆動モータにより変位させることで、大当たりにより下皿H50に払い出される球を回収口に排出することができ、遊技者の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。その結果、遊技者をパチンコ機H10の演出(特に大当たりの演出)に集中させることができ、遊技者の興趣を向上できる。
上皿H17(球の貯留領域)の手前側(矢印F方向側)には、変位可能に構成され、遊技者らにより手動操作される操作ユニットH180が設けられている。操作ユニットH180は、第3図柄表示装置H81の表示画面等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。なお、操作ユニットH180は、振動または動作可能に構成される。この操作ユニットH180には、上面側にボタン部H181が配設される。ボタン部H181は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される軸を中心に下方側に向けて押圧操作可能とされ、例えば、第3図柄表示装置H81(図1615参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。なお、操作ユニットH180は、上皿H17以外に下皿H50周辺等の別の部位に設けられても良いし、複数箇所に設けられても良く、また、操作方法として押しボタン式のスイッチであっても良く、タッチセンサ、非接触式のセンサ等の別の操作方法によって情報入力可能な構成としても良い。また、操作ユニットH180は、上皿H17の手前側でなく、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b、右側装飾ユニットH14cに配設しても良く、この場合、上皿H17の手前側と別の操作ユニットH180を配設して、それぞれ別の演出でそれぞれの操作ユニットH180を遊技者に操作させるようにしても良い。
操作ユニットH180の右側には、上下皿ユニットH15の上面側に貸球操作部H40(図1617参照)と機能調整操作部H190と、球排出レバーH54とが配設されている。貸球操作部H40には、度数表示部H41と、球貸しボタンH42と、返却ボタンH43とが設けられている。パチンコ機H10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部H40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部H41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタンH42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿H17に供給される。返却ボタンH43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿H17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部H40が不要となるが、この場合には、貸球操作部H40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。機能調整操作部H190は、決定ボタンH191と、その決定ボタンH191を中心とする十字状の4方向外側の位置に配設される上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195と備える。機能調整操作部H190は、上側装飾ユニットH14aに配設されるスピーカー(音声出力装置H226)の音量、第3図柄表示装置H81の表示画面の明るさ、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに配設される電飾部H29~H33の明るさなどを変更するための操作部である。遊技者は、決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195を操作することで、自身(遊技者)の好みに合うように音量や明るさを変更可能とされる。また、音量や明るさを変更する際には、第3図柄表示装置H81の一部に音量や明るさの調整度合いが数値やボリューム等で表示されるようになっている。これにより、遊技者が別のパチンコ機H10を遊技し始める場合に音量や明るさの調整を簡易に行うことができる。なお、機能調整操作部H190による変更は、音量や明るさに限られるものではなく、第3図柄表示装置H81に表示される演出等を変更可能とするものであっても良い。また、音量や明るさの調整度合いを第3図柄表示装置H81に表示するものに限られるものではなく、例えば、第3図柄表示装置H81に表示しなくても操作と同時に変更(調整)後の音や表示をして調整させるものでも良いし、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に調整度合いを表示するものであっても良い。
球排出レバーH54は、上皿H17に貯留された球を下皿H50に送球する際に遊技者が操作するレバーであり、図示しない付勢手段(バネ)により上方側(矢印U方向側)に付勢された状態で配設される。なお、球排出レバーH54は、操作される(下方側(矢印D方向側)に押し込まれる)ことにより上皿H17から発射位置送球ユニットH170に連通される通路を上皿H17から下皿H50(ファール球通路部H145)に連通する状態に切替可能に構成される。これにより、上皿H17に貯留された球を下皿H50に排出することができる。下皿H50の右側(矢印R方向側)には、変位可能に構成され、遊技者が遊技時に操作する操作ハンドルH51が配設される。なお、操作ハンドルH51は、振動または動作可能に構成される。操作ハンドルH51の内部には、球発射ユニットH112aの駆動を許可するためのタッチセンサH51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチH51bと、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドルH51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサH51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤H13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドルH51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサH51aおよび発射停止スイッチH51bがオフとなっている。なお、操作ハンドルH51は、操作ユニットH180や機能調整操作部H190や貸球操作部H40の操作ボタンに置き換え可能である。例えば、操作ボタンの押し込み量を可変抵抗器で検出して操作ボタンの押し込み量に対応した球の打ち出し速度で遊技盤H13の正面へ球を打ち込むようにしても良い。また、機能調整操作部H190に球の打ち出し速度を調整する制御を設け、遊技者が設定した打ち出し速度で球を遊技盤H13の正面へ打ち込むようにしても良い。さらに、操作ハンドルH51を、上述した球排出レバーH52に置き換えても良い。即ち、下皿H50からの球の排出を許容する役割と、遊技盤H13の正面への球の打ち出しを許容する役割と球排出レバーH52に兼用させても良い。この場合、遊技盤H13の正面へ球が打ち出されると下皿H50から球の排出を許容でき、遊技盤H13の正面へ球の打ち出しが停止されると下皿H50からの球の排出を規制できるので、下皿H50に球が溜まり過ぎることを抑制できる。通路形成ユニットH140は、樹脂材料により成形されており、上皿H17に通じる前扉側上皿通路部H141と、下皿H50に通じる前扉側下皿通路部H142と、ファール球通路部H145と、を有している。
通路形成ユニットH140の上側隅部(正面枠H14の回動基端側の隅部)には後方(矢印B方向)に突出し上方に開放された払出球受口部H143が形成されており、その払出球受口部H143が仕切壁H144によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部H141の通路入口と前扉側下皿通路部H142の通路入口とがそれぞれ形成されている(図1617参照)。なお、前扉側上皿通路部H141の通路入口には、内枠H12の本体側上皿通路部H161(図1615参照)が連通されており、前扉側下皿通路部H142の通路入口には、内枠H12の本体側下皿通路部H162(図1615参照)が連通される。これにより、払出装置H133から送球される球は、上皿H17又は下皿H50に送球されることとなる。ファール球通路部H145(図1617参照)は、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として下皿H50に排出する通路を形成する部位である。ファール球通路部H145には、図1618に示すように、上方側(矢印U方向側)が開放したファール球受口部H146が設けられる。このファール球受口部H146に受け入れられたファール球は、ファール球通路部H145(図1617参照)の内部通路を流下した後で、下皿H50に排出される。なお、ファール球通路部H145は、下皿H50でなく、上皿H17に接続され、ファール球が上皿H17に排出される構成としても良い。また、ファール球通路部H145は、遊技者が球排出レバーH54を操作することにより上皿H17から下皿H50に流下する未発射球が案内される通路である球抜き通路(図示しない)と合流するように形成される。発射位置送球ユニットH170は、上皿H17に貯留される球を1球ずつ球発射ユニットH112aに送球するためのユニットである。発射位置送球ユニットH170は、上皿H17の送球経路の開口部に連なる正面側開口H171と、その正面側開口H171から流入した球を背面側から排出可能な背面側開口H172と、それら正面側開口H171から背面側開口H172までを通過する通路上に変位可能に配設される切替手段(図示しない)と、その切替手段を駆動させるソレノイド(図示しない)とを主に備えて形成される。
発射位置送球ユニットH170の切替手段は、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが可能な位置と、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置とに変位可能に構成されており、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置に変位された場合に発射位置送球ユニットH170の通路上にある球を背面側開口H172から球発射ユニットH112a(発射レールH112a1)に流入可能に形成される。これにより、切替手段の位置の切り替え(1往復の変位)に伴って1球ずつ球を背面側開口H172から排出することが可能となっている。なお、背面側開口H172は、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1の上方(矢印U方向)の正面側(矢印F方向側)に位置する(図1615参照)。従って、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1に発射位置送球ユニットH170から1球ずつ球が送球されることとなる。また、図1615に示すように、背面側開口H172は、発射レールH112a1の球の送球方向における発射レールH112a1の両端部の間に形成される。従って、背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される球は、発射レールH112a1上を左右(矢印L-R方向)の両方向に転動可能となるが、発射レールH112a1は一方側(回転体H112a2から離れる側)が上方(矢印U方向)に向かって傾斜した状態で配設されるので、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球された球(回転体H112a2により発射前の球)が回転体H112a2から離れる方向に転動することが抑制される。
図1615に示すように、遊技盤H13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板H60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール部材H61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12の裏面側に取り付けられる。なお、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65は、光を透過可能に構成される。ベース板H60は、光を透過可能に構成される(光透過性の)樹脂材料からなり、その正面側(矢印F方向側)からベース板H60の背面側(矢印B方向側)に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変表示装置ユニットH80は、ルータ加工によってベース板H60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤H13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。なお、ベース板H60は、光透過性の樹脂材料から形成されるものに限られるものではなく、薄い板材を張り合わせた木材から形成されるものであっても良いし、非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても良い。なお、これらの場合、装飾がされたシール等をベース板H60の正面側(矢印F方向側)の全域に貼付してベース板H60の装飾性を確保することが好ましい。遊技盤H13の正面中央部分は、正面枠H14の窓部H14e(図1610参照)の一部を通じて内枠H12の正面側(矢印F方向側)から視認することができる。以下に、主に図1615を参照して、遊技盤H13の構成について説明する。
遊技盤H13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レールH62が植立され、その外レールH62の内側位置には外レールH62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールH61が植立される。この内レールH61と外レールH62とにより遊技盤H13の正面外周が囲まれ、遊技盤H13とガラスユニットH16(図1610参照)とにより前後(矢印F-B方向)が囲まれることにより、遊技盤H13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤H13の正面であって2本のレール部材H61,H62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材H73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。なお、2本のレール部材H61,H62、金属板である必要なく、樹脂材料から帯状に形成されるものであっても良い。2本のレール部材H61,H62は、球発射ユニットH112aから発射された球を遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)へ案内するために設けられたものである。内レールH61の先端部分(図1615の左上部)には戻り球防止部材H68が取り付けられる。戻り球防止部材H68は、内レールH61側から外レールH62側に延設される樹脂製の板部材から形成され、内レールH61側の一端側を軸に他端側を外レールH62から離間する方向に回転可能とされる。また、戻り球防止部材H68は、一端側に錘を備え、その錘により他端側が外レールH62に近づく方向に付勢される。これにより、遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)に案内される球の勢いで戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62から離間する方向に回転させることができると共に、戻り球防止部材H68を超える位置(遊技盤H13の上方側)に球が案内された際に戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62に近づく方向に回転させることができ、一旦、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。なお、戻り球防止部材H68は、樹脂材料から形成される必要はなく、金属材料から形成されていても良い。また、錘以外に磁石などの磁力やねじりバネなどの付勢力によって戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62側に付勢する構成としても良い。また、戻り球防止部材H68は、後述する風車のように、一方向に継続して回転できるもの(1球ずつ所定位置に戻らないもの)であっても良い。この場合、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻らないように、遊技盤H13の上部への球の案内によって回転する方向(一方向)とは反対の方向(他方向)に回転することを規制するワンウェイクラッチを配設することが好ましい。外レールH62の先端部(図1615の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムH69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムH69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図1615の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bは、主制御装置H110(図1619参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機H10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、球が、第1入賞口H64へ入賞したか、第2入賞口H640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口H64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口H640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Bが作動するように構成されている。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、LEDにより、パチンコ機H10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機H10の各種遊技状態を示唆することができる。尚、本パチンコ機H10では、第1入賞口H64及び第2入賞口H640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機H10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。なお、大当たりのラウンド数は、15Rと4Rに限られるものではなく、パチンコ機H10の機種により他のラウンド数に変更しても良く、又、2種以上のラウンド数を有するものであっても良い。また、時短状態における所定の変動回数は、100変動回数に限られるものではなく、例えば、1変動回数や1000変動回数に設定しても良い。また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機H10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物H640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物H640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。なお、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物H640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであっても良い。遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口H63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニットH80が配設されている。可変表示装置ユニットH80には、第1入賞口H64及び第2入賞口H640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置H81と、スルーゲートH67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成され、光を発光可能に構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニットH80には、第3図柄表示装置H81の外周を囲むようにして、センターフレームH86が配設されている。なお、センターフレームH86は、遊技領域を流下する球がベース板H60の中央開口を介して第3図柄表示装置H81側に流下することを防止するための部材であり、ベース板H60の正面側(矢印F方向側)に張り出して形成される。また、センターフレームH86は光を透過可能に構成される。また、センターフレームH86の一部には、遊技領域を流下する球を受け入れると共に第3図柄表示装置H81の周囲を通過させて第1入賞口H64側から排出するワープ通路(図示せず)が一部に形成される。センターフレームH86に形成されるワープ通路は、遊技球が通過可能に構成される。言い換えると、ワープ通路は、遊技球を送球可能に構成される。また、センターフレームH86には、ワープ通路から排出された遊技球が通過可能に構成されるステージを備える。即ち、ワープ通路から排出される遊技球を送球可能に構成されるステージを備える。センターフレームH86のステージは、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される凹部を備え、その凹部により遊技球をベース板H60の所定の領域に送球可能に構成される。
本実施形態では、ベース板H60よりも正面側を球が通過するようにワープ通路が構成されるが、ベース板H60よりも背面側を球が通過するようにワープ通路を形成することも可能である。例えば、ベース板H60よりも背面側を通る通路をベース板H60よりも背面側に配設される円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400よりも背面を通過するように構成して、その円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400の変位に伴ってワープ通路を通過する遊技球を遊技者から視認できるようにしても良い。なお、センターフレームH86には、遊技領域まで突出して遊技領域の背面側を区画する部分に、所定の幅を隔てた状態で正面側に向かって立設される一対の立設部を形成して、それら一対の立設部により区画される領域に沿って遊技球を流下させるようにしても良い。即ち、センターフレームに遊技球が通過可能に構成される流下経路(一対の立設部)を形成しても良い。また、センターフレームH86で遊技球の流下経路を形成した場合には、一対の立設部の対向面(流下経路の内面側)に凹設される凹部または凸設される凸部を形成して、一対の立設部の対向間に沿って流下される遊技球を凹部または凸部に当接させることで、一対の立設部の対向間を流下する遊技球に流下方向(一対の立設部の延設方向)以外の方向の力成分を付与して、一対の立設部の対向間を流下する遊技球における流下方向の速度を低下するようにしても良い。即ち、一対の立設部に形成される凹部または凸部は、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される。これによれば、球の流下速度を遅くすることで、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできると共に、球発射ユニットH112aにより遊技領域に送球(発射)された遊技球がその発射された速度を維持したまま(流下速度が速いまま)釘や突起に当接することで釘や突起が曲がったりすることを抑制できる。なお、一対の立設部をセンターフレームH86と別体で構成することも可能である。即ち、遊技球が通過可能に構成される一対の立設部を有する部材をベース板H60に別途配設しても良い。これによれば、遊技球を送球可能に構成される一対の立設部により、遊技球を所定の方向に流下させることができる。
第3図柄表示装置H81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図1619参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。なお、第3図柄表示装置H81は、9インチ以外のサイズで構成されていても、2枚以上の複数の液晶ディスプレイを並設して構成されていても良い。また、第3図柄表示装置H81は、後述する円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400に配設され、その円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400の変位に伴って第3図柄表示装置H81の表示を切り替える(表示を変更する)ものであっても良い。また、第111実施形態では、第3図柄表示装置H81の周囲(上方)に退避位置における花弁動作装置G800が配置され、その花弁動作装置G800が張出位置に変位されると花弁動作装置G800が第3図柄表示装置H81の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に変位される。よって、花弁動作装置G800が張出位置に変位される際には、第3図柄表示装置H81の演出を花弁動作装置G800と共に遊技者に視認させることができる。なお、花弁動作装置G800は、花回転ユニットG400の正面側(矢印F方向側)に配設される第2装飾ユニットG480が光透過性の材料から形成される。従って、花弁動作装置G800が張出位置に配置された状態においては、第2装飾ユニットG480の第2装飾ユニットG480を介して第3図柄表示装置H81の少なくとも一部が遊技者に視認される。
第3図柄表示装置H81の各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置H81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置H81は、主制御装置H110(図1619参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。即ち、第3図柄表示装置H81は、第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた光を発光可能に構成される。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置H81を構成するようにしても良い。第2図柄表示装置は、球がスルーゲートH67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機H10では、球がスルーゲートH67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。なお、第2図柄表示装置は、第3図柄表示装置H81の一部を用いて図柄を表示されるものであって良いし、第3図柄表示装置H81と別の表示装置とのどちらにも図柄を表示させるものであっても良く、本実施形態では、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示される。パチンコ機H10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口H640に付随された電動役物H640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口H640の電動役物H640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としても良い。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしても良いし、また、1回の当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしても良い。
スルーゲートH67は、可変表示装置ユニットH80の左右の領域において遊技盤H13に組み付けられ、遊技盤H13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートH67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。球のスルーゲートH67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。なお、本実施形態では、光を発光可能に構成される第2図柄保留ランプは、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示されるように構成されるが、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に点灯表示するものであっても良い。例えば、スルーゲートH67への球の通過に伴って点灯する4つのLEDを第3図柄表示装置H81の下方に配設して点灯表示するものであっても良い。また、スルーゲートH67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートH67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲートH67の組み付け位置は可変表示装置ユニットH80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットH80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしても良い。可変表示装置ユニットH80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口H64が配設されている。この第1入賞口H64へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図1619参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。一方、第1入賞口H64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口H640が配設されている。この第2入賞口H640へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図1619参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。また、第1入賞口H64および第2入賞口H640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成しても良い。
第2入賞口H640には電動役物H640aが付随されている。この電動役物H640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物H640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口H640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートH67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口H640へ入賞しやすい状態となる。なお、本実施形態では、第2入賞口H640の左右(矢印L-R方向)両側に開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設され、電動役物H640aが開放状態となった場合に第2入賞口H640の左右両側から球が第2入賞口H640に入賞可能に構成されるが、左右方向の一方側の流路を塞ぐ壁を形成して、他方側からのみ第2入賞口H640に球が入賞可能となるように構成しても良い。この場合、第2入賞口H640の他方側にのみ開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設される。また、電動役物H640aは、回転する羽部材に限られるものではなく、第2入賞口H640を開放する位置と閉鎖する位置とに移動するものであればスライド変位するものであっても良い。例えば、電動役物H640aは、上下方向(矢印U-D方向)にスライド変位するものや、前後方向(矢印F-B方向側)にスライド変位するものであっても良い。上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物H640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。本実施形態におけるパチンコ機H10は、遊技盤H13の構成が左右対称とされるため、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「右打ち」)、第1入賞口H64を狙うことも、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「左打ち」)第2入賞口H640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機H10は、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。なお、低確率状態であっても高確率状態でも大当たりとなる確率が変わらない(低確率状態の大当たり確率と高確率状態の大当たり確率とが同じ確率である)構成としても良い。この場合には、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率が、第2入賞口H640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口H64へ球が入賞した場合よりも高く設定されるように構成すると共に、「左打ち」側の流路に第1入賞口H64を配設し、「右打ち」側の流路に第2入賞口H640を配設する構成(遊技盤H13の構成を左右非対称)とすることが好ましい。この構成によれば、通常中においては、第2入賞口H640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口H640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口H64へ向けて、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射し(「左打ち」)、第1入賞口H64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、スルーゲートH67に球を通過させることで、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放状態となりやすく、第2入賞口H640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口H640へ向けて、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射し(「右打ち」)、スルーゲートH67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口H640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。従って、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができ、遊技者の興趣を維持できる。
第1入賞口H64の下方には可変入賞装置H65(図1615参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口H65aが設けられている。パチンコ機H10においては、第1入賞口H64又は第2入賞口H640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置H81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口H65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。この特定入賞口H65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口H65aが所定時間開放される。この特定入賞口H65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口H65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口H65aが所定時間開放され、その特定入賞口H65aの開放中に、球が特定入賞口H65a内へ入賞することを契機として特定入賞口H65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口H65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口H64の下方右側や、第1入賞口H64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニットH80の左方でも良い。遊技盤H13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠H14のガラスユニットH16を介して視認することができる。遊技盤H13には、アウト口H71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口H63,H64,H65a,H640にも入賞しなかった球は、アウト口H71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口H71は、特定入賞口H65aの下方(矢印D方向側)に配設される。また、遊技盤H13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車(図示しない)等の各種部材(役物)とが配設されている。さらに、第3図柄表示装置H81を取り囲む態様でベース板H60の中央開口部に配設されるセンターフレームH86の一部は、上方側(矢印U方向側)の遊技領域まで背面側(矢印B方向側)の側面が延設され、その延設された領域に正面側(矢印F方向側)に向かって突出する突出部を複数備える。遊技盤H13の遊技領域を流下する球は、多数の釘や、センターフレームH86の突出部、風車等に衝突しつつ流下されることで、球の落下方向が適宜分散される。なお、本実施形態では、センターフレームH86の一部が延設される方向が上方側(矢印U方向)に設定されているが、右側(矢印R方向側)や左側(矢印L方向側)に延設されていても良く、その延設部分に突出部だけでなくスルーゲートH67や各入賞口H63,H64,H65a,H640を配置する構成としても良い。また、センターフレームH86は、延設部分や突出部を備えない構成としても良い。
風車は、前後方向(矢印F-B方向)の軸を中心に回転可能に形成される。また、風車は、正面視において回転軸を中心とする円形に形成されベース板H60の正面から1球分の距離を隔てた位置に配設される円盤部材と、その円盤部材の一部からベース板H60側(矢印B方向側)に向かって突出され風車の回転方向に沿って所定の角度(本実施形態では120度)で分散配置される複数(本実施形態では3枚)の球当接部とを備えて形成されており、遊技盤H13を流下する球が球当接部に当接した衝撃で回転しつつ当接した球を複数(2以上)の方向に案内可能に形成される。また、風車は、全体が光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、球当接部に当接した球の流下方向を遊技者に視認させやすくできると共に、風車の回転方向を遊技者に認識させにくくできる。なお、遊技盤H13は、ベース板H60に必ずしも風車を備えている必要はなく風車を備えない構成としても良い。また、センターフレームH86のワープ通路(図示しない)や、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入球した球が通過する通路(図示しない)の通路途中に風車を配設して、風車により球の通路を変更するように構成することも可能である。さらに、風車は、一部が非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても、全部が非透過性のアルミ等の金属製の材料から形成されるものであっても良く、球が当接した際に球を複数の方向に案内可能であれば形状、色、材質は何でも良い。例えば、風車は、1球ずつ交互に異なる方向に球を振り分け可能に構成されていても良い。また、風車に変えて、上述した戻り球防止部材H68を配設して、遊技領域を流下する球を一方向に流下させる(球が戻らない)ように構成しても良い。また、上記第111実施形態では、遊技盤H13のベース板H60に配設した風車に遊技領域を流下する遊技球を当接(衝突)させて風車を回転させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、風車に駆動手段の駆動力を伝達するように構成しても良い。例えば、上記第111実施形態における風車に置き換えて左側円環部材G710、右側円環部材G720、アーム部G812、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420,G6420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480をベース板H60に配設するように構成して、それら回転する左側円環部材G710、右側円環部材G720、アーム部G812、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420,G6420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480に遊技領域を流下する遊技球を衝突させて、遊技球の流下方向を変更するように構成しても良い。
図1611に示すように、パチンコ機H10の背面側には、制御基板ユニットH90,H91と、裏パックユニットH94とが主に備えられている。制御基板ユニットH90は、主基板(主制御装置H110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置H113)と表示制御基板(表示制御装置H114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニットH91は、払出制御基板(払出制御装置H111)と発射制御基板(発射制御装置H112)と電源基板(電源装置H115)とカードユニット接続基板H116とが搭載されてユニット化されている。裏パックユニットH94は、保護カバー部を形成する裏パックH92と払出ユニットH93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。なお、主制御装置H110、音声ランプ制御装置H113及び表示制御装置H114、払出制御装置H111及び発射制御装置H112、電源装置H115、カードユニット接続基板H116は、それぞれ基板ボックスH100~H104に収納されている。基板ボックスH100~H104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。また、基板ボックスH100(主制御装置H110)及び基板ボックスH102(払出制御装置H111及び発射制御装置H112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックスH100,H102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックスH100,H102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックスH100,H102が開封されたかどうかを知ることができる。払出ユニットH93は、裏パックユニットH94の最上部に位置して上方に開口したタンクH130と、タンクH130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールH131と、タンクレールH131の下流側に縦向きに連結されるケースレールH132と、ケースレールH132の最下流部に設けられ、払出モータH216(図1619参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置H133とを備えている。タンクH130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置H133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレールH131には、当該タンクレールH131に振動を付加するためのバイブレータH134が取り付けられており、このバイブレータH134の振動によりタンクレールH131内に球が詰まることが抑制される。なお、バイブレータH134は、タンクレールH131に取り付けられるだけでなく、他のレール部分(通路)に取り付けることも可能である。例えば、上皿H17や下皿H50に球を送球する球送通路(皿通路形成部材H160)や、上皿H17から球発射ユニットH112aに球を送球する送球通路(発射位置送球ユニットH170)に配設しても良い。また、払出制御装置H111には状態復帰スイッチH120が設けられ、発射制御装置H112には可変抵抗器の操作つまみH121が設けられ、電源装置H115にはRAM消去スイッチH122が設けられている。状態復帰スイッチH120は、例えば、払出モータH216(図1619参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみH121は、スピーカー(音声出力装置H226)から放音される音の大きさを店舗側で調整するために操作される。RAM消去スイッチH122は、パチンコ機H10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。なお、タンクH130に上述した球発射ユニットH112aを別途配設して、球発射ユニットH112aにより球を打ち出すことでタンクH130に送球される球が詰まることや、タンクH130からタンクレールH131に送球される球が詰まることを抑制しても良い。
次に、図1619を参照して、本パチンコ機H10の電気的構成について説明する。図1619は、パチンコ機H10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置H110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU(マイクロプロセッサー)H201が搭載されている。MPUH201には、該MPUH201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM(半導体メモリ)H202と、そのROMH202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM(ランダムアクセスメモリ)H203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置H110では、MPUH201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置H81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機H10の主要な処理を実行する。なお、払出制御装置H111や音声ランプ制御装置H113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置H110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置H110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAMH203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPUH201の内部レジスタの内容やMPUH201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAMH203は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAMH203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAMH203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機H10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAMH203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAMH203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPUH201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路H252からの停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。主制御装置H110のMPUH201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH204を介して入出力ポートH205が接続されている。入出力ポートH205には、払出制御装置H111、音声ランプ制御装置H113、第1図柄表示装置H37A,H37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口H65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイドH209が接続され、MPUH201は、入出力ポートH205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。なお、ソレノイドH209は、大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドだけでなく、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源(駆動モータ)や、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、上皿H17へ球を送球するための払出装置H133を駆動する駆動モータ(図示しない)等を含む構成としても良い。入出力ポートH205には、図示しないスイッチ群およびスルーゲートH67を通過したことを検出するセンサ(スルーゲートH67)、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ球が入賞したことを検知する入賞検出センサ(図示しない)、パチンコ機H10に振動が入力されたことを検出する振動検出センサ(図示しない)、遊技盤H13の遊技領域に磁石等が近づけられたことを検出する磁力検出センサ等のセンサ群などからなる各種スイッチH208、電源装置H115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路H253が接続され、MPUH201は各種スイッチH208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路H253より出力されるRAM消去信号HSG2に基づいて各種処理を実行する。なお、各種スイッチH208は、音声ランプ制御装置H113における枠ボタンH22(操作ユニットH180のボタン部H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)を含む構成としても良い。
払出制御装置H111は、払出モータH216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPUH211は、そのMPUH211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH212と、ワークメモリ等として使用されるRAMH213とを有している。払出制御装置H111のRAMH213は、主制御装置H110のRAMH203と同様に、MPUH211の内部レジスタの内容やMPUH211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAMH213は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置H110のMPUH201と同様、MPUH211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路H252から停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。払出制御装置H111のMPUH211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH214を介して入出力ポートH215が接続されている。入出力ポートH215には、主制御装置H110や払出モータH216、発射制御装置H112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置H111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置H111に接続されるが、主制御装置H110には接続されていない。発射制御装置H112は、主制御装置H110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドルH51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニットH112aを制御するものである。球発射ユニットH112aの回転体H112a2は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドルH51に触れていることをタッチセンサH51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチH51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)に対応して駆動モータから駆動力が伝達され、操作ハンドルH51の操作量に応じた速度で回転体H112a2が回転される。これにより、操作ハンドルH51の操作量に応じた強さで球発射ユニットH112aから内レールH61及び外レールH62の対向間に球が発射される。
音声ランプ制御装置H113は、音声出力装置(図示しないスピーカーなど)H226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部H29~H33など)H227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置H114で行われる第3図柄表示装置H81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPUH221は、そのMPUH221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH222と、ワークメモリ等として使用されるRAMH223とを有している。音声ランプ制御装置H113のMPUH221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH224を介して入出力ポートH225が接続されている。入出力ポートH225には、主制御装置H110、表示制御装置H114、音声出力装置H226、ランプ表示装置H227、その他装置H228、ボタン部H181などがそれぞれ接続されている。その他装置H228には、駆動モータG910、駆動モータG840、及び、駆動手段H750が含まれる。なお、その他装置H228には、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源だけでなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、第2入賞口H640の電動役物H640aを含む構成としても良い。音声ランプ制御装置H113は、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置H81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置H114へ通知する。また、音声ランプ制御装置H113は、ボタン部H181からの入力を監視し、遊技者によってボタン部H181が操作された場合は、第3図柄表示装置H81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置H81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置H114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置H81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置H114は、この音声ランプ制御装置H113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置H81に各種の画像を表示する。さらに、音声ランプ制御装置H113は、機能調整操作部H190(決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)からの入力を監視し、遊技者によって機能調整操作部H190が操作された場合は、スピーカー(音声出力装置H226)の音量を変更したり、第3図柄表示装置H81の明るさを変更したり、電飾部H29~H33の明るさを変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。音量や明るさが変更される場合は、音量や明るさの調整度合いが第3図柄表示装置H81に表示される主要な表示の前方側に数値やボリューム等で一時的に表示される。
なお、図1619では、操作ユニットH180のボタン部H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195をまとめて枠ボタンH22として図示している。また、音声ランプ制御装置H113は、表示制御装置H114から第3図柄表示装置H81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置H113では、表示制御装置H114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置H81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置H226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置H227の点灯および消灯を制御する。表示制御装置H114は、音声ランプ制御装置H113及び第3図柄表示装置H81が接続され、音声ランプ制御装置H113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置H81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置H114は、第3図柄表示装置H81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置H113へ送信する。音声ランプ制御装置H113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置H226から音声を出力することで、第3図柄表示装置H81の表示と音声出力装置H226からの音声出力とをあわせることができる。なお、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208が、音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に接続されるように構成して、MPUH221が、各種スイッチH208から出力される信号に基づいて各種処理を実行しても良い。また、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208とは別に音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に各種スイッチを接続しても良い。この場合には、主に遊技盤H13に配設される役物装置の位置検出センサ等のセンサ群を各種スイッチとして構成することが好ましい。
電源装置H115は、パチンコ機H10の各部に電源を供給するための電源部H251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路H252と、RAM消去スイッチH122(図1619参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路H253とを有している。電源部H251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置H110~H114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部H251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチH208などの各種スイッチや、ソレノイドH209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置H110~H114等に対して必要な電圧を供給する。停電監視回路H252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置H110のMPUH201及び払出制御装置H111のMPUH211の各NMI端子へ停電信号HSG1を出力するための回路である。停電監視回路H252は、電源部H251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号HSG1を主制御装置H110及び払出制御装置H111へ出力する。停電信号HSG1の出力によって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部H251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。RAM消去スイッチ回路H253は、RAM消去スイッチH122(図1619参照)が押下された場合に、主制御装置H110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号HSG2を出力するための回路である。主制御装置H110は、パチンコ機H10の電源投入時に、RAM消去信号HSG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置H111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置H111に対して送信する。
次いで、図1620から図1626を参照して、上側装飾ユニットH14aについて説明する。図1620は、上側装飾ユニットH14aの分解正面斜視図であり、図1621は、上側装飾ユニットH14aの分解背面斜視図であり、図1622は、化粧ユニットH320の分解正面斜視図であり、図1623は、化粧ユニットH320の分解背面斜視図である。初めに、図1620及び図1621を参照して、上側装飾ユニットH14a、及び、上側装飾ユニットH14aのベースユニットH310について説明する。図1620及び図1621に示すように、上側装飾ユニットH14aは、本体枠H14d(図1617参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH320とを主に備える。ベースユニットH310は、正面視において左右方向(矢印L-R方向)に長い矩形状のベース部材H311と、そのベース部材H311の左右両側に配設されるスピーカー組立体H312と、それら一対のスピーカー組立体H312の間に配設される検出装置H313と、ベース部材H311の左側端部に配設される前扉取付金具H57とを主に備える。ベース部材H311は、後述する化粧ユニットH320の背面側(矢印B方向側)の空間を覆う部材であり、正面視において化粧ユニットH320と略同一の形状に形成される。また、ベース部材H311は、長手方向(矢印L-R方向)の中央部に前後方向に開口する開口H311aと、化粧ユニットH320及びスピーカー組立体H312に接続される配線を係止するための係止部H311bと、上方側(矢印U方向側)の縁部に沿って背面側に向かって立設される覆設部H311dと、その覆設部H311dよりも下方側に所定の間隔を隔てる位置から正面側(矢印F方向側)に向かって立設される立設部H311eと、それら覆設H311dおよび立設部H311eの間の位置において背面側に向かって溝状に形成される係合凹部H311cとを主に備える。なお、ベースユニットH310は、ベース部材H311の背面側から挿通される螺子が化粧ユニットH320に螺入されることで、化粧ユニットH320の背面側に締結される。開口H311aは、化粧ユニットH320及びスピーカー組立体H312に連結される配線を通すための開口であり、複数の配線が挿通可能な大きさに形成される。なお、本実施形態では、化粧ユニットH320及びスピーカー組立体H312に連結される配線が同じ開口から挿通されるが、これに限られるものではなく、それぞれの配線が異なる開口から挿通されるよう複数の開口を備えるものであっても良い。なお、本実施形態では、開口H311aがベース部材H311の中央部の一か所に形成されることで、ベース部材H311の剛性を確保して、ベース部材H311が破損することを抑制できる。
係止部H311bは、開口H311aから挿通されスピーカー組立体H312に接続される配線を係止するためのものであり、ベース部材H311の正面側(矢印F方向側)から略L字状に突出して形成される。また、係止部H311bは、開口H311aの下方側からスピーカー組立体H312に向かう直線に沿って複数個形成される。覆設部H311dは、上側装飾ユニットH14aが本体枠H14dに配設される際に、本体枠H14dの上端面を覆う部分であり、背面側(矢印B方向側)に向かう立設寸法が本体枠H14dの前後方向の厚みよりも大きく設定される。これにより、上側装飾ユニットH14aを本体枠H14dに配設した際に本体枠H14dの上端面を上側装飾ユニットH14aにより隠すことができる。立設部H311eは、化粧ユニットH320とベースユニットH310とが組み付けられた際に、化粧ユニットH320の上面板H332を支持する部分であり、上面板H332の厚み分、ベース部材H311の上端面よりも下方側(矢印D方向側)の位置に形成される。即ち、上面板H332は、背面側(矢印B方向側)の端部が立設部H311eに載置された状態で配設される。また、上面板H332は、背面側の端部に形成される背面側凸部H332bがベース部材H311の係合凹部H311cに挿入されており、これにより、上面板H332も上方側(矢印U方向側)への移動が抑制される。なお、ベース部材H311は、非透過の樹脂材料から形成されており、これにより、正面側(矢印F方向側)に配設される化粧ユニットH320の光がベース部材H311側(矢印B方向側)に反射した場合に、その光がベース部材H311側から漏れ出ることを抑制できる。スピーカー組立体H312は、電気信号を可聴音波に変換して聴こえるようにする音響機器であるスピーカー(コーン型スピーカー)H312aと、そのスピーカーH312aの前面フランジH312a1をベース部材H311に締結固定する締結部材H312bとを主に備える。スピーカーH312aは、遊技に関連して演出音(録音された音楽、効果音、音声など)を発するものであり、ベース部材H311の開口H311aを通した配線が接続されることで、音声ランプ制御装置H113に接続されるように構成される(図1619参照)。音声ランプ制御装置H113によりスピーカーH312aに電気振動が伝達されることで、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)および背面側から遊技に関連した演出音を放音(出力)することができる。なお、スピーカーH312aの前面部には、スピーカーH312aから発せられる音声の通過を許容する合成繊維素材からなる保護カバーが被覆されている。そして、この保護カバーが被覆されてなるスピーカーH312aは、前面部の保護カバーが後述するスピーカーカバーH27を介して外部の大気と直接接触することで、前面部側に放音(出力)された音を篭らせることなく、高音質にして再生出力できる。即ち、スピーカーH312aは、前面部から放音(出力)される音が遊技者にとって聞こえやすい周波数帯の音を放音可能に構成される。また、スピーカーH312aは、振動(動作)して音を発生させる振動板(前面部側)が締結部材H312bにより遊技者側(正面視において遊技盤H13の中央下方側)に向けた姿勢で配設される。これにより、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)から放音(出力)される音を遊技者に聞こえやすくできる。
締結部材H312bは、スピーカーH312aの背面側(矢印B方向側)を覆う形状に形成されると共に、ベース部材H311の正面側(矢印F方向側)とスピーカーH312aとの間に所定の隙間を形成するようにスピーカーH312aを支持した状態でベース部材H311に配設される。これにより、後述する装飾ユニットH330の配設空間H300FにスピーカーH312aを配設した際に、スピーカーH312aの背面側に空間(第2空間H300Bを形成できる。また、締結部材H312bは、背面側(矢印B方向側)を覆う複数個所に開口される開口部H312b1を備え、その開口部H312b1を介してスピーカーH312aの背面側から放音(出力)される音を第2空間H300Bに放音することが可能とされる。検出装置H313は、光を照射する発光部およびその発光部から照射され対象物によって反射する光を受光する受光部を備える光センサとして形成され、ガラスユニットH16の透明ガラスH16aの前方における遊技者の手指の有無を検出可能に形成される。なお、遊技者の手指の有無を検出する検出装置H313(各種スイッチH208(図1619参照))は、入出力ポートH205(図1619参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号に基づいてMPUH201が各種処理(音声出力や液晶表示)を実行可能とされる。検出装置H313の発光部は、光を遊技盤H13(図1616参照)の正面側(矢印F方向側)に出射できるように、上側装飾ユニットH14aの下方側(矢印D方向側)に向けて配設される。また、検出装置H313は、後述する化粧ユニットH320の内部空間に配設されると共に、化粧ユニットH320に形成される検出用開口部H333aから発光部の光を上側装飾ユニットH14aの下方側に出射可能となっている。これにより、検出装置H313は、上側装飾ユニットH14aの内側の奥まった位置に配設され、遊技者が検出装置H313に直接触れることを抑制できる。
次いで、図1622及び図1623を参照して化粧ユニットH320について説明する。図1622及び図1623に示すように、化粧ユニットH320は、背面側(矢印B方向側)が開放した箱状(図1621参照)に形成される装飾ユニットH330と、その装飾ユニットH330の内側に配設される発光ユニットH340及び一対の音伝達ユニットH350とを主に備える。装飾ユニットH330は、ベースユニットH310(図1620参照)の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(上面板H332、下面板H333及び左面板H334を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)の縁部に沿う位置に配設される上面板H332と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の縁部に沿って配設され上面板H332及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H334と、正面板H331の中央部正面側に配設される装飾板H335とを主に備える。正面板H331は、後述する発光ユニットH340及び音伝達ユニットH350が配設される部材であり、発光ユニットH340の光を透過可能な透明な樹脂材料から形成される。また、正面板H331は、ベース部材H311の正面側(矢印F方向側)に対向配置される本体部H331aと、その本体部H331aの外縁部から背面側に向かって撓む外縁部H331bとを備え、背面側の中央部が凹む椀型に形成される。なお、正面板H3331は、正面視においてベースユニットH310の正面側を塞ぐ大きさに形成される。本体部H331aには、正面視おける左右方向(矢印L-R方向)中央部に装飾板H335が配設される領域が形成されると共に、その領域の外側に音伝達ユニットH350のスピーカーカバーH27を通過する音を上側装飾ユニットH14aの外側(正面側)に放音可能なスリットH331a1が形成される。スリットH331a1は、ベースユニットH310のスピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)に開口して形成される。これにより、スピーカーH312aから正面側に放音(出力)される音をスリットH331a1を介して正面側に放音できる。また、スリットH331a1は、正面視において一方向に長い長孔に形成され、その幅が遊技球よりも小さく設定される。これにより化粧ユニットH320の内部に指や遊技球などが挿入されることを抑制できると共に、スピーカーH312aからの音の放音性を確保できる。なお、本実施形態では、スリットH331a1は、正面視において上下方向(矢印U-D方向)に長い長孔に形成される。よって、パチンコ機H10に対する上下方向の放音性を確保できる。外縁部H331bは、本体部H331aの背面側(矢印B方向側)に配設される取付部材H341を正面板H331の内側に収容するための部分であり、外縁部H331bの背面側への延設距離が、取付部材H341の前後方向(矢印F-B方向)における厚みよりも大きく設定される。これにより、正面板H331の外縁部H331bと取付部材H341とが上下方向(矢印U-D方向)に重なる状態で配設される。なお、本実施形態では、外縁部H331bは、上下方向(矢印U-D方向)において取付部材H341と所定の隙間を隔てる位置に形成され、これにより、外縁部H331bと取付部材H341との対向間に第1連通路H300C(図1626(a)参照)が形成される。
上面板H332、下面板H333、及び、左面板H334は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に、発光ユニットH340、音伝達ユニットH350、及び、一対のスピーカー組立体H312を配設するための空間を形成(区画)するための部材であり、正面板H331の外縁部H331bに沿う形状に形成されると共に、上面板H332及び下面板H333の端部同士が左面板H334により連結される。また、正面板H331の右側(矢印R方向側)縁部には、後述する右側装飾ユニットH14cが配設される。これにより、化粧ユニットH320は、右側が右側装飾ユニットH14cにより塞がれることで、背面側のみが開放する箱状に形成される。なお、右側装飾ユニットH14cについての詳しい説明は後述する。また、化粧ユニットH320には、箱状に形成される内側に後述する発光ユニットH340が配設される。なお、発光ユニットH340は、左右方向(矢印L-R方向)における寸法が化粧ユニットH320よりも小さく形成される。従って、化粧ユニットH320に発光ユニットH340を配設することで、発光ユニットH340の左右両側(スリットH331a1)の背面側に一対の配設空間H300Fを形成し、それら一対の配設空間H300Fを利用して一対のスピーカー組立体H312を化粧ユニットH320の内側に配設することができる。また、上面板H332、下面板H333、及び、左面板H334は、非透過の樹脂材料から形成されており、発光ユニットH340から出射される光が上側装飾ユニットH14aの正面板H331からのみ抜け出るように構成される。これにより、上側装飾ユニットH14aの発光位置を限定して、遊技者の注目を一部(装飾板H335)に集めやすくできる。上面板H332は、正面側(矢印F方向側)の縁部に沿って正面側に突出する正面側凸部H332aと、背面側(矢印B方向側)の縁部に沿って背面側に突出する背面側凸部H332bと、螺子を挿通可能な貫通孔を有する締結部H332cと、左右方向(矢印L-R方向)における両端部の下面側から突設される被係合部H332gと、を主に備える。正面側凸部H332a及び背面側凸部H332bは、それぞれ上面板H332の正面側に配設される正面板H331及び上面板H332の背面側に配設されるベース部材H311に係合される部分であり、上面板H332の上方側(矢印U方向側)の端部よりも一段低い位置から突出される。なお、正面側凸部H332aは、正面板H331の上方側の外縁部H331bよりも内側(下方側)に挿入されることで正面板H331と係合され、背面側凸部H332bは、ベース部材H311の係合凹部H311cに挿入されることでベース部材H311と係合可能とされる。これにより、上面板H332が上側装飾ユニットH14aに配設された状態で、上面板H332の正面側端部または背面側端部が正面板H331またはベース部材H311に対して浮き上がることを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14aが組み上げられた状態で、不正な部材が上面板H332側から挿入されることを抑制できる。締結部H332cは、上面板H332の背面側(矢印B方向側)の端部から下方側(矢印D方向側)に向けて突出して形成される。また、締結部H332cは、螺子を挿通可能な貫通孔を備えており、その貫通孔に背面側から挿通した螺子を覆設部材H343に螺入することで、正面板H331に配設された覆設部材H343に上面板H332を締結できる。即ち、上面板H332は、正面板H331に覆設部材H343が配設された後、覆設部材H343に締結される。被係合部H332gは、上面板H332の左右方向(矢印L-R方向)における両端部から下方側(矢印D方向側)に向かって突出して形成されており、上面板H332の左右方向外側端部に形成される第1片H332g1と、その第1片H332g1よりも上面板H332の内側に形成される第2片H332g2とを備える。第1片H332g1及び第2片H332g2は、後述する右側装飾ユニットH14cの屈曲部H452の係合部H452bを対向間に挿入する部分であり(図1633参照)、屈曲部H452の左右方向(矢印L-R方向)における厚みよりも、若干大きい隙間を隔てて配設される。下面板H333は、上側装飾ユニットH14aの下面を構成する部分であり、正面側(矢印F方向側)から背面側(矢印B方向側)に向かうに連れて上方側(矢印U方向側)に傾斜する状態で正面板H331に配設される。言い換えると、下面板H333は遊技盤H13(ベースユニットH310)から正面側に向かって離れるほど下方側(矢印D方向側)に張り出す状態で配設される。これにより、正面板H331の正面視における外形(特に上下方向の大きさ)を大きくした場合であっても、遊技盤H13の遊技領域が小さくなることを抑制できる。よって、遊技盤H13の遊技領域を確保したまま、正面板H331の装飾性(意匠性)を向上(正面板H331の装飾可能な領域を大きく)できる。また、下面板H333は、ベース部材H311に配設される検出装置H313の発光部および受光部と対向する位置に開口される検出用開口部H333aと、正面側(矢印F方向側)の縁部に沿って複数位置に開口される放音用開口部H333bと、それら検出用開口部H333a及び放音用開口部H333bの間の位置から上方側(矢印U方向側)に向かって立設される区画壁H333cとを備える。
検出用開口部H333aは、上述したように検出装置H313の検出光を通過させるための開口であり、検出装置H313の発光部および受光部と対応する大きさに形成される。これにより、ガラスユニットH16の透明ガラスH16aの前方における遊技者の手指の有無を検出装置H313により検出可能とされる。また、検出用開口部H333aは、検出装置H313側に向かって立設される立設部H333a1を備え、その立設部H333a1の立設先端側に検出装置H313が配設される。これにより、検出用開口部H333aと検出装置H313との接続部分を上側装飾ユニットH14aの内側に形成できる。その結果、検出装置H313と検出用開口部H333aの開口端との隙間を上側装飾ユニットH14aの内側に設定でき(遊技者から視認しにくくでき)、検出装置H313と検出用開口部H333aの開口端との間の隙間から不正な部材が上側装飾ユニットH14aの内部に挿入されることを抑制できる。なお、本実施形態では、検出装置H313が、光により遊技者の手指を検出するものとして説明したが、これに限らず、パチンコ機H10に振動が入力されたことを検出する振動検出センサ、遊技盤H13の遊技領域に磁石等が近づけられたことを検出する磁力検出センサ等が配設されるものであっても良い。放音用開口部H333bは、スピーカーH312aから放音(出力)される音を、ガラスユニットH16の正面側(上側装飾ユニットH14aの下方側)に放音して、正面側からスピーカーH312aの音が遊技者に伝達されるようにするための開口であり、正面視においてスピーカーH312aと遊技盤H13の第3図柄表示装置H81(図1616参照)とを繋ぐ位置に形成される。
区画壁H333cは、下面板H333の左右方向(矢印L-R方向)に亘って立設される。また、区画壁H333cの上方側(矢印U方向側)への立設距離は、上側装飾ユニットH14aを組み立てた際に、先端部が覆設部材H343の下面に当接される長さに設定される。よって、上側装飾ユニットH14aを組み立てた状態では、区画壁H333cの正面側(矢印F方向側)と区画壁H333cの背面側(矢印B方向側)とが区画壁H333cにより区画される。装飾板H335は、模様やキャラクターや文字等の情報を表示する板部材であり、全体が透明な樹脂材料から形成されると共に、正面側(矢印F方向側)の表面に模様やキャラクターや文字等の情報が描かれる。これにより、複数機種のパチンコ機H10がある場合には、装飾板H335の装飾を見ることで遊技者にどのパチンコ機H10であるのか認識させやすくなっている。なお、パチンコ機H10の機種(遊技機の仕様)を変更する場合には、上側装飾ユニットH14aの全部を変更しなくても、装飾板H335のみを該当の模様やキャラクターや文字等の情報が描かれる装飾板H335に変更することで、変更先のパチンコ機H10に該当する装飾に切り替えることが可能となっている。なお、本実施形態では、上面板H332、下面板H333、及び、左面板H334は、非透過の樹脂材料から形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上面板H332が透明な樹脂材料で形成され、下面板H333及び左面板H334が非透過の樹脂材料で形成され、発光ユニットH340から出射される光を正面板H331側から出射するだけでなく、上面板H332が配設される上方側からも出射可能に構成されていても良い。また、上面板H332、下面板H333、及び、左面板H334を透明な樹脂材料から形成しても良く、この場合には、装飾ユニットH330の全体から発光ユニットH340の光を出射することができる。発光ユニットH340は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に締結固定される取付部材H341と、その取付部材H341の背面側に配設され光を発光可能に構成される基板部材H342と、基板部材H342との背面側を覆う覆設部材H343とを主に備える。取付部材H341は、装飾ユニットH330の正面板H331の背面と対向する位置に配設され、正面視において装飾ユニットH330の装飾板H335と同形状に形成される板状の正面側板部H341aと、その正面側板部H341aの上方側(矢印U方向側)の縁部に沿って正面側(矢印F方向側)に向かって立設される上側縁部H341bと、正面側板部H341aの下方側(矢印D方向側)の縁部に沿って正面側に向かって立設される下側縁部H341cと、その下側縁部H341cと所定の間隔を隔てて下側縁部H341cに沿って延設される区画部H341dとを主に備え、正面側板部H341aの背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子により、正面板H331の背面に締結される。なお、取付部材H341は、非透過性の樹脂材料から形成される。正面側板部H341aは、後述する基板部材H342のLED(発光ダイオード)H342aの光の照射領域を区画する部材であり、基板部材H342のLEDH342aと対応する位置に開口する複数の開口部H341a1を備える。取付部材H341は、非透過性の樹脂材料から形成されるので、基板部材H342のLEDH342aの光を開口部H341a1を介して正面側(矢印F方向側)に出射することで、基板部材H342のLEDH342aの光の照射領域が広がりすぎることを抑制できる。その結果、複数のLEDの発光色が混ざり合うことを抑制して、領域ごとに色違いの発光表示を装飾ユニットH330(装飾板H335)にさせることができる。なお、取付部材H341の正面側板部H341aは、正面板H331を介して装飾板H335の背面側(矢印B方向側)に配設されており、装飾板H335に描かれる模様やキャラクターや文字等(本実施形態では文字)の情報の表示を部分的に色違いで発光させられるようになっている。上側縁部H341bは、正面側板部H341aの開口部H341a1を介してLEDH342aから出射される光が上方側(矢印U方向側)に漏れ出ることを抑制する部分であり、正面板H331の背面に正面側(矢印F方向側)の端部が当接する大きさに形成される。また、上側縁部H341bの上方側の側面には、凹凸状に形成される凹凸面H341b1が形成される。凹凸面H341b1は、凸部の頂点が前後方向(矢印F-B方向)に延びて形成され、左右方向(矢印L-R方向)に向かって複数の凹凸が現れるように形成される。
下側縁部H341cは、正面側板部H341aの開口部H341a1を介してLEDH342aから出射される光が下方側(矢印D方向側)に漏れ出ることを抑制する部分であり、正面板H331の背面に正面側(矢印F方向側)の端部が当接する大きさに形成される。また、下側縁部H341cの下方側の側面には、凹凸状に形成される凹凸面H341c1が形成される。凹凸面H341b1は、凸部の頂点が前後方向(矢印F-B方向)に延びて形成され、左右方向(矢印L-R方向)に向かって複数の凹凸が現れるように形成される。区画部H341dは、正面側板部H341aの開口部H341a1を介して区画部H341dと下側縁部H341cとの間に出射されるLEDH342aの光を区画する部分であり、下側縁部H341cと上下方向(矢印U-D方向)に所定の間隔を隔てる位置に形成されると共に、正面板H331の背面に正面側(矢印F方向側)の端部が当接する大きさに形成される。これにより、上側装飾ユニットH14aを正面視した際に、上方側の領域と下方側の領域とで上側装飾ユニットH14aの発光態様を変更(区画)することができる。また、区画部H341dは、正面側(矢印F方向側)への立設距離が下側縁部H341cの正面側への立設距離よりも大きく設定される。これにより、区画部H341dと下側縁部H341cとの間に出射される光を区画部H341dにより下方側へ反射させやすくできる。即ち、パチンコ機H10の上方側に配設される上側装飾ユニットH14aから遊技者側(下方側)に向かって光を照射させやすくできる。その結果、光による演出で遊技者の興趣を高めやすくできる。基板部材H342は、光を出射するLED(発光ダイオード)H342aが正面側(矢印F方向側)に複数個配設される。このLEDH342aにより基板部材H342の正面側に向けて光を出射可能に形成される。また、基板部材H342の背面側(矢印B方向側)には、基板部材H342に接続される配線を繋ぐコネクタH342bが配設される。基板部材H342は、コネクタH342bにベース部材H311の開口H311aを通した配線が接続されることにより、LEDH342aから光を出射することが可能となっている。また、基板部材H342は、取付部材H341の正面側板部H341aの背面側(矢印B方向側)に形成される係合部に係止されることにより、取付部材H341の背面側に配設される。覆設部材H343は、基板部材H342の背面側(矢印B方向側)を覆う部材であり、正面視における外形が基板部材H342よりも大きく形成され、背面側から挿通される螺子により取付部材H341に締結される。また、覆設部材H343は、正面視における中央部が背面側(矢印B方向側)に向かって膨出し、正面側(矢印F方向側)の中央部が開口する箱状に形成される。さらに、覆設部材H343は、正面視における上方側(矢印U方向側)の側面から上方に向かって立設される区画壁H343bを備え、上側装飾ユニットH14aを組み立てた際に区画壁H343bの先端部が上面板H332と当接される。なお、区画壁H343bは左右方向(矢印L-R方向)に延設されており、上側装飾ユニットH14aを組み立てた状態において、区画壁H343bの正面側(矢印F方向側)と区画壁H343bの背面側とが区画壁H343bにより区画される。
正面視における覆設部材H343の中央部の開口形状は、基板部材H342の正面視における外形と酷似した形状に形成される。よって、覆設部材H343を取付部材H341に配設した場合に、取付部材H341の背面側に配設される基板部材H342の背面に覆設部材H343が当接することを抑制できる。これにより、LEDH342aを発光することにより基板部材H342に生じる熱を覆設部材H343の内部空間に逃がすことができる。その結果、基板部材H342(LEDH342a)が破損することを抑制できる。また、覆設部材H343は、背面側(矢印B方向側)に向かって膨出した端部に前後方向(矢印F-B方向)に貫通する貫通孔(図示しない)が形成され、その貫通孔を介して、基板部材H342により発生する熱を覆設部材H343の外側に逃がすことができると共に、基板部材H342のコネクタH342bに接続される配線を挿通できる。なお、覆設部材H343は、非透過性の樹脂材料から形成される。これにより、基板部材H342のLEDH342aから照射される光が背面側に向かって反射したとしても、覆設部材H343を介して光が背面側に出射されることを抑制できる。その結果、LEDH342aの光を所定の領域から出射させやすくでき、光による演出効果を向上しやすくできる。音伝達ユニットH350は、正面視においてベースユニットH310に一対配設されるスピーカー組立体H312と対応する位置に配設されるものであり、一対のスピーカー組立体H312の正面側(矢印F方向側)にそれぞれ1組ずつ配設される。なお、本実施形態では、一対配設される音伝達ユニットH350の形状が左右で若干異なるが主要な構成は左右で同一であるため、左右で同一の符号を付すと共に正面視において左側に配設される音伝達ユニットH350を参照して説明する。音伝達ユニットH350は、パンチングメタルから形成される薄板部材のスピーカーカバーH27と、そのスピーカーカバーH27の前後(矢印F-B方向)に配設される第1保持部材H351及び第2保持部材H352とを主に備え、装飾ユニットH330に一対形成される配設空間H300Fの内部に配設される。スピーカーカバーH27は、スピーカーH312aから正面側(矢印F方向側)に向かって放音(出力)される音を通過させると共に、スピーカーH312a側へ物体が挿通されることを抑制するための保護部材であり、スピーカーH312aの振動板(音を発生させる部分)に沿って配設される。また、スピーカーカバーH27には、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)に重なる部分に複数の貫通孔が形成され、その貫通孔を介してスピーカーH312aの正面側から放音(出力)される音を上側装飾ユニットH14aの外側に放音可能とされる。なお、スピーカーカバーH27の貫通孔の穴径は、直径2ミリほどで形成されており、遊技者の指や不正な部材が挿通されにくいように形成される。その結果、スピーカーH312aの振動板にいたずらがされることを抑制して、スピーカーH312aが破損することを抑制できる。また、本実施形態では、スピーカーカバーH27の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔を隔てて正面板H331のスリットH331a1が配置されるように構成される。これにより、スリットH331a1を介してスピーカーH312a側に不正な部材を挿通できたとしても、スピーカーカバーH27までの所定の隙間により不正な部材を撓ませることで、不正な部材がそのままスピーカーカバーH27の貫通孔に挿通されることを抑制できる。その結果、スピーカーH312aの振動板にいたずらがされることを抑制して、スピーカーH312aが破損することを抑制できる。
第1保持部材H351及び第2保持部材H352は、スピーカーカバーH27を保持する部材であり、スピーカーカバーH27よりも大きい外形に形成され、スピーカーカバーH27の前後(矢印F-B方向)にそれぞれ配設される。また、第1保持部材H351及び第2保持部材H352は、スピーカーカバーH27を通して放音される音が遮られないよう中央部(スピーカーカバーH27の貫通孔が形成される領域と対応する部分)に開口する第1開口部H351a、第2開口部H352aを備え、それら第1開口部H351a、第2開口部H352a及びスピーカーカバーH27の貫通孔を介して、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)から放音(出力)される音を上側装飾ユニットH14aの外部に放音できる。さらに、スピーカーカバーH27は、スピーカーH312aの前面フランジH312a1と当接する位置に配設される。これにより、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)から放音(出力)される音をスピーカーカバーH27の貫通孔を介して、音伝達ユニットH350の正面側に放音することができる。一方、スピーカーH312aの背面側(矢印B方向側)から放音(出力)される音は、スピーカーH312aよりも正面側(矢印F方向側)が音伝達ユニットH350により塞がれる(スピーカーH312aの正面側と背面側とが音伝達ユニットH350により区画される)ことにより、音伝達ユニットH350の正面側に回り込むことが抑制される。即ち、スピーカーH312aの背面側から放音(出力)され、開口部H312b1を介して第2空間H300Bに放音される音は、後述する第1空間H300A側に回り込むことが抑制される。即ち、装飾ユニットH300の一対の配設空間H300Fのそれぞれに音伝達ユニットH350及びスピーカーH312aが配設されることで、配設空間H300Fの正面側と背面側とが区画され、スピーカーH312aの正面側に第1空間H300Aが形成されると共にスピーカーH312aの背面側に第2空間H300Bが形成される。なお、音伝達ユニットH350は、第1保持部材H351及び第2保持部材H352の間にスピーカーカバーH27を挟持した状態で、第2保持部材H352の背面側から挿通される螺子を第1保持部材H351に螺入することで、1組のユニットとして構成される。また、1組のユニットとして構成された音伝達ユニットH350は、第2保持部材H352の背面側から挿通される螺子を覆設部材H343に螺入することで、発光ユニットH340と共に装飾ユニットH330に締結できる。
次いで、図1624を参照して、放音用開口部H333bからの音の放音について説明する。図1624は、上側装飾ユニットH14aの正面図である。なお、図1624では、装飾ユニットH330が透明視された状態で図示される。図1624に示すように、上側装飾ユニットH14aは、正面視におけるスピーカーカバーH27の周囲を取り囲む態様で第1保持部材H351及び第2保持部材H352が配設される(即ち、スピーカーH312aの正面側と背面側とが音伝達ユニットH350及びスピーカーH312aにより区画され、配設空間H300Fの正面側を区画した第1空間H300Aが形成されると共に、配設空間H300Fの背面側を区画した第2空間H300Bが形成される)。これにより、スピーカーH312aから正面側(矢印F方向側)に向かって放音(出力)され、スピーカーカバーH27の貫通孔を介してスピーカーカバーH27の正面側に放音される音が音伝達ユニットH350(第1保持部材H351及び第2保持部材H352)の背面側(矢印B方向側)に回り込むことを抑制できる。また、音伝達ユニットH350及び発光ユニットH340の正面側(矢印F方向側)を取り囲む態様で装飾ユニットH330(図1622参照)が配設されると共に、左右(矢印L-R方向)に一対配設される音伝達ユニットH350の間に発光ユニットH340が配設される。これにより、それぞれのスピーカーカバーH27の正面側に装飾ユニットH330、発光ユニットH340、音伝達ユニットH350で囲まれた第1空間H300A(図1624参照)が形成される。よって、左側のスピーカーカバーH27の貫通孔を介してスピーカーカバーH27の正面側(矢印F方向側)に放音される音を左側の第1空間H300Aに伝達させることができると共に、右側のスピーカーカバーH27の貫通孔を介してスピーカーカバーH27の正面側に放音される音を右側の第1空間H300Aに伝達させることができる。また、図1624に示すように第1空間H300Aを形成する領域における下面板H333には、放音用開口部H333bが形成される。これにより、スピーカーカバーH27の貫通孔を介して第1空間H300Aに放音される音を、正面板H331のスリットH331a1からだけではなく、放音用開口部H333bからも放音させることができる。これにより、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)から放音される音を、上側装飾ユニットH14aの正面側(スリットH331a1側)及び下方側(放音用開口部H333b側)から放音させることができる。即ち、第111実施形態における上側装飾ユニットH14aでは、スピーカーH312aから放音(出力)した音をスピーカーH312aの正面側のスリットH331a1と、スピーカーH312aの下方側の放音用開口部H333bの2箇所から放音することができる。これにより、パチンコ機H10の外側に音を好適に拡散する(広げる)ことができ、音の出力の態様を改善できる。その結果、音による演出効果を高めることができる。
また、第111実施形態では、スリットH331a1と放音用開口部H333bとが第1空間H300Aに対して異なる方向に開口されるので、第1空間H300Aから異なる2方向に向けて音を放音することができる。これにより、音を立体的に拡散する(広げる)ことができ、音の出力の態様を改善できる。その結果、音による演出効果を高めることができる。なお、放音用開口部H333bは、スピーカーH312aが配設される位置よりも上側装飾ユニット(パチンコ機H10)の左右方向(矢印L-R方向)中央側に形成される。これにより、放音用開口部H333bを介して上側装飾ユニットH14aの下方側から放音される音を正面視におけるパチンコ機H10の中央側に伝達しやすくできる。その結果、パチンコ機H10を遊技する遊技者に上側装飾ユニットH14aから放音される音を聞かせやすくできる。また、放音用開口部H333bは、上述したように正面視においてスピーカーH312a(スピーカーカバーH27)と遊技盤H13の第3図柄表示装置H81(図1616参照)とを繋ぐ位置に形成される。即ち、放音用開口部H333bは、正面視においてスピーカーH312a(スピーカーカバーH27)と第3図柄表示装置H81との間の位置に形成される。これにより、スピーカーH312a(放音用開口部H333b)から放音(出力)される音が遊技者に聞こえるタイミングと、第3図柄表示装置H81に表示される演出が遊技者に視認されるタイミングとに差ができることを抑制できる。よって、スピーカーH312a(放音用開口部H333b)から放音(出力)される音と第3図柄表示装置H81の表示による演出とを遊技者に関連付けやすくできる。なお、第111実施形態における放音用開口部H333bは、スピーカーH312a(スピーカーカバーH27)と第3図柄表示装置H81との間の位置に形成される場合について説明したが、第3図柄表示装置H81でなく他の表示装置との間に放音用開口部H333bを形成しても良い。例えば、第3図柄表示装置H81の正面側(矢印F方向側)を変位可能に形成される花回転ユニットG400(図1687参照)の変位領域との間に放音用開口部H333bを形成して、花回転ユニットG400の変位に合わせてスピーカーH312a(放音用開口部H333b)から音を出力しても良い。
次いで、図1625及び図1626を参照して、上側装飾ユニットH14aの内部に形成される音の伝達経路について説明する。図1625は、上側装飾ユニットH14a及び右側装飾ユニットH14cの正面図であり、図1626(a)は、図1625におけるMDCCCXLIXa線における上側装飾ユニットH14aの断面模式図であり、図1626(b)は、図1625におけるMDCCCXLIXb線における上側装飾ユニットH14aの断面模式図である。なお、図1625及び図1626では、右側装飾ユニットH14cが上側装飾ユニットH14aに配設された状態が図示される。なお、図1625及び図1626では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1625及び図1626(a)に示すように、上側装飾ユニットH14aの正面板H331と取付部材H341とは、外縁部H331bの上方側(矢印U方向側)の内面と取付部材H341の上側縁部H341bとの間に上下方向(矢印U-D方向)に所定の隙間(第1連通路H300C(図1626(a)参照))を有した状態で正面板H331に取付部材H341が配設される。また、外縁部H331bの上方側(矢印U方向側)の内面と取付部材H341の上側縁部H341bとの間に形成される隙間は、正面側(矢印F方向側)が正面板H331の本体部H331aにより塞がれ、背面側(矢印B方向側)が覆設部材H343の区画壁H343bにより塞がれており、前後方向(矢印F-B方向)にも所定の隙間を有した状態とされる。これにより、上側装飾ユニットH14aの上方側に、左右方向(矢印L-R方向)に延設される空間の第1連通路H300Cが形成される。第1連通路H300Cは、左右方向(矢印L-R方向)に延設される両端が、スピーカーカバーH27の正面側(矢印F方向側)に形成される第1空間H300Aに連通される。これにより、一対のスピーカーカバーH27の正面側に形成されるそれぞれの第1空間H300Aが、第1連通路H300Cにより連通される。よって、それぞれのスピーカーH312aから正面側(矢印F方向側)に向かって放音(出力)され、スピーカーカバーH27の貫通孔を介してスピーカーカバーH27の正面側の第1空間H300Aに放音される音を、第1連通路H300Cを介して隣の第1空間H300AのスリットH331a1又は放音用開口部H333bから上側装飾ユニットH14aの外側に放音することができる。即ち、一方側(例えば、左側)に配設されるスピーカーH312aから放音(出力)される音を、他方側(例えば、右側)のスピーカーH312aの正面側に迂回させて、上側装飾ユニットH14aから放音することができる。
ここで、第1連通路H300Cを備えていない(即ち、一対の配設空間H300Fが連通されていない)場合には、それぞれのスピーカーH312aから放音(出力)される音を、それぞれのスピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)の第1空間H300Aを介して上側装飾ユニットH14aからしか放音できない。そのため、第1連通路H300Cを備えていない場合には、一対のスピーカーH312aのどちらか一方側が破損した場合に、上側装飾ユニットH14aの他方側からしか音が放音されなくなる。そのため、遊技者に違和感を与える可能性がある。これに対し、第111実施形態では、一方側に配設されるスピーカーH312aから放音(出力)される音を他方側に配設されるスピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)に迂回させて上側装飾ユニットH14aから放音することができるので、一対のスピーカーH312aのどちらか一方側が破損した場合でも、他方側のスピーカーH312aから放音される音を上側装飾ユニットH14aの両側から放音させることができる。その結果、一対のスピーカーH312aのどちらか一方側が破損した場合でも、遊技者が違和感を感じることを抑制でき、遊技者が遊技を行わなくなることを抑制できる。
次いで、図1624及び図1625(b)に示すように、下面板H333と覆設部材H343とは、下面板H333と覆設部材H343との間に上下方向(矢印U-D方向)に所定の隙間(第2連通路H300D(図1626(b)参照))を有した状態で覆設部材H343に下面板H333が配設される。また、下面板H333と覆設部材H343との間に上下方向(矢印U-D方向)に形成される隙間は、正面側(矢印F方向側)が下面板H333の区画壁H333cにより塞がれており、背面側(矢印B方向側)がベース部材H311により塞がれる。即ち、前後方向(矢印F-B方向)にも所定の隙間(第2連通路H300D)を有した状態とされ、上側装飾ユニットH14aの下方側に、左右方向(矢印L-R方向)に延設される第2連通路H300Dが形成される。第2連通路H300Dは、左右方向(矢印L-R方向)に延設される両端が、スピーカーH312aの背面側(矢印B方向側)に形成される第2空間H300Bに連通される。これにより、一対のスピーカーH312aの背面側に形成されるそれぞれの第2空間H300Bが、第2連通路H300Dにより連通される。これにより、それぞれのスピーカーH312aから背面側に向かって放音され、開口部H312b1を介して第2空間H300Bに放音される音を第2連通路H300D内に伝達させることができる。下面板H333の第2連通路H300Dの下面側の内壁を形成する部分には、検出用開口部H333aが形成される。これにより、第2空間H300B内を伝わる音は、検出用開口部H333aから放音され、上側装飾ユニットH14aの下方側から放音されることとなる。これにより、一方側に配設されるスピーカーH312aの背面側から放音(出力)される音と、他方側に配設されるスピーカーH312aの背面側から放音(出力)される音とを、第2空間H300B内で合わせて検出用開口部H333aから放音することができる。そのため、一方側に配設されるスピーカーH312a、又は、他方側に配設されるスピーカーH312aのどちらか(例えば、一方側)が破損して音が一方側のスピーカーH312aから放音(出力)されなくなったとしても、破損していない他方側のスピーカーH312aから放音(出力)される音を検出用開口部H333aから放音することができるので、遊技者が違和感を感じることを抑えることができる。
また、第111実施形態における検出用開口部H333aでは、検出装置H313の検出光及び反射光を通過させる役割と、音を上側装飾ユニットH14aの外側に放音させるための役割とをさせることができる。従って、下面板H333に形成する開口部の数を少なくすることができる。その結果、下面板H333の剛性が低下することを抑制できる。さらに、スピーカーH312aには、背面側(矢印B方向側)から配線等がコネクタにより連結されため、スピーカーH312aの背面側に不正な部材が挿入されると不正な部材によりパチンコ機H10の不正がされやすいところ、スピーカーH312aの背面側に形成される第2連通路H300Dからの音の放音部分に検出装置H313が配設される構造であるので、検出装置H313により上側装飾ユニットH14aの内部に不正な部材が挿入されたことを検出装置H313により検出させることができる。その結果、不正部材が挿入されたまま遊技が継続されることを抑制できる。なお、検出装置H313により不正がされていないか確認するタイミングとしては、パチンコ機H10の電源投入時や、パチンコ機H10の大当たりの終了時等、検出装置H313により遊技盤H13の正面側(矢印F方向側)の人の手や指を検知していない時に、不正部材が検出用開口部内に挿入されていないかを検出するように構成される。ここで、コーン型のスピーカーH312aは、スピーカーの特性上、正面側(矢印F方向側)から放音される音と背面側(矢印B方向側)から放音される音とが逆位相の関係になる。そのため、正面側から放音される音と背面側から放音される音とを合わせる(混ぜる)とそれらの音が打ち消し合う恐れがある。これに対し、本実施形態では、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)から放音される音と、スピーカーH312aの背面側から放音される音とを、上側装飾ユニットH14aの異なる経路を通じて上側装飾ユニットH14aから放音させることができるので、正面側から放音される音と、背面側から放音される音とが打ち消し合うことを抑制できる。特に、第111実施形態におけるスピーカーH312aでは、前面側に保護カバーがされ正面側の第1空間H300Aに放音(出力)される音が背面側の第2空間H300Bに放音(出力)される音に比べて高周波となり遊技者とって聞き取りやすい音とされる。上記したように、背面側の第2空間H300Bに放音(出力)される音が、正面側の第1空間H300A側に回り込むことを抑制することで、第1空間H300Aに放音(出力)される聞き取りやすい音が聞こえにくくなることを抑制できる。その結果、音による演出効果を高めることができる。
また、スピーカーH312aの背面側から放音される音をスピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)から放音される音と異なる経路(第2連通路H300D)を伝達させることで、スピーカーH312aの正面側から放音される音と、スピーカーH312aの背面側から放音される音との音域を変更することができる。その結果、遊技者に聞こえる音の音域を増やすことができ、遊技者の興趣を高めることができる。なお、第111実施形態では、スピーカーH312aの背面側に形成される第2空間H300Bに音を放音するスリットH331a1(開口部)が形成されるのではなく、スピーカーH312aの正面側に形成される第1空間H300AにスリットH331a1が形成され(配設空間H300Fに配設されるスピーカーH312aの正面側にスリットH331a1(開口部)が形成され)、そのスリットH331a1が形成される側の第1空間H300A同士が第1連通路H300Cにより連通されるので、第1空間H300Aから第1連通路H300Cを通して、遊技者が聞き取りやすい周波数帯の音(高音質な音)を他方側の第1空間H300Aに導くことができる。よって、一対のスピーカーH312aのうち一方側のスピーカーH312aが故障した場合に、他方側のスピーカーH312aから放音(出力)され第1連通路H300Cを介して一方側のスピーカーH312aが配設される第1空間H300Aから放音される音を遊技者が聞き取りやすくできる。その結果、一対のスピーカーH312aの一方が故障した場合において、遊技者が違和感を感じることを抑制できる。
次いで、図1627から図1634を参照して、右側装飾ユニットH14cについて説明する。初めに図1627から図1630を参照して、右側装飾ユニットH14cの全体構成について説明する。図1627(a)は、右側装飾ユニットH14cの正面図であり、図1627(b)は、右側装飾ユニットH14cの側面図であり、図1628(a)は、右側装飾ユニットH14cの分解正面斜視図であり、図1628(b)は、右側装飾ユニットH14cの分解背面斜視図であり、図1629(a)は、重板ユニットH400L,H400Rの分解正面斜視図であり、図1629(b)は、重板ユニットH400L,H400Rの分解背面斜視図であり、図1630は、支持板部H410の正面図である。なお、図1627(b)では、パチンコ機H10の内側から外側(矢印R方向側)を視認した状態における右側装飾ユニットH14cの側面が図示される。また、図1630では、左重板ユニットH400Lの導光部材H440の背面側(矢印B方向側)端部の外形が2点鎖線で図示される。図1627から図1629に示すように、右側装飾ユニットH14cは、左右方向(矢印L-R方向)で重ね合わされる左重板ユニットH400L及び右重板ユニットH400Rと、それら重板ユニットH400L,H400Rが締結固定されると共に、本体枠H14d(図1617参照)に締結固定される上下に長尺な板状の支持板部H410と、を主に備える。重板ユニットH400L,H400Rは、支持板部H410の背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に向けて挿通される螺子により支持板部H410に締結固定される。右側装飾ユニットH14cは、重板ユニットH400L,H400Rが支持板部H410に締結固定された状態で本体枠H14dに背面側から正面側へ向けて挿通される螺子により本体枠H14dに締結固定される。支持板部H410は、組立状態において本体枠H14dの右側(矢印R方向側)の正面側(矢印F方向側)に配設される固定板H411と、その固定板H411の上下方向に延設された領域の正面側に配設される基板部材H412と、を主に備える。
固定板H411は、正面視(矢印B方向視)において上下(矢印U-D方向)左右(矢印L-R方向)を反転させた略L字状に形成される延設部H411aと、本体枠H14dと対向する背面側(矢印B方向側)の外縁に沿って背面側へ向かって立設される内縁部H411c,外縁部H411dとを主に備え、延設部H411a、外縁部H411d、及び、内縁部H411cにより断面が略C字状に形成される。なお、内縁部H411cは、正面視におけるパチンコ機H10の内方側の延設部H411aの外縁に沿って形成され、外縁部H411dは、正面視におけるパチンコ機H10の外方側の延設部H411aの外縁に沿って形成される。また、内縁部H411cの背面側(矢印B方向側)への立設距離は、外縁部H411dの延設部H411aからの背面側(矢印B方向側)への立設距離よりもガラスユニットH16(図1614参照)の前後方向(矢印F-B方向)の厚み分小さく設定される。これにより、内縁部H411c(本体枠H14d)にガラスユニットH16を配設した際に、正面枠H14に対してガラスユニットH16が背面側に部分的に飛び出ることが抑制される。さらに、正面枠H14の組立状態(図1614参照)において、外縁部H411dの内壁(左側壁および下側壁)が本体枠H14dの外側面に当接され、内縁部H411cの内壁(右側壁)が本体枠H14dの内側面に所定の間隔を隔てた状態で配設される。即ち、固定板H411は、本体枠H14dの右側部分を外縁部H411dと内縁部H411cとで挟んだ状態で本体枠H14dに配設される。また、固定板H411は、基板部材H412が取り付けられる領域の右側(矢印R方向側)において穿設される複数の右側用締結孔H411a1と、その右側用締結孔H411a1よりも右側において固定板H411に穿設される支持孔H411a2と、基板部材H412が取り付けられる領域の左側(矢印L方向側)において固定板H411に穿設される左側用締結孔H411a3と、を主に備える。延設部H411aは、正面視において基板部材H412が重なる大きさに形成される。また、延設部H411aには、基板部材H412が配設される領域に正面側(矢印F方向側)へ向けて台状にせり出す台部H411bが形成され、その台部H411bの正面に面当たりする状態で基板部材H412が固定板H411に締結固定される。なお、本実施形態では、基板部材H412は、正面側から挿入される螺子が延設部H411aに螺入されることで台部H411bに締結固定される。台部H411bは、正面枠H14の組立状態(図1627(a)参照)において、幅方向(矢印L-R方向)外側の側面が重板ユニットH400L,H400Rに当接可能とされる。これにより、重板ユニットH400L,H400Rの左右方向(矢印L-R方向)への傾倒を抑制できる。即ち、支持板部H410に対する重板ユニットH400L,H400Rの姿勢を維持しやすくできる。固定板H411の右側(矢印R方向側)側面においては、台部H411bよりも延設部H411aの方が、後述する右重板ユニットH400Rの外カバー部材H470、第1外レンズ部材H450、及び、第2外レンズ部材H460を組み合わせた厚み分、右側にずれた位置に形成される。これにより、延設部H411aの正面側(矢印F方向側)に外カバー部材H470、第1外レンズ部材H450、及び、第2外レンズ部材H460の背面側(矢印B方向側)端部を支持板部H410に当接させることができる。
一方、固定板H411の左側(矢印L方向側)側面においては、台部H411bの側面と内縁部H411cの側面とが略同一の面位置に形成され、前後方向(矢印F-B方向)において後述する左重板ユニットH400Lの内カバー部材H420の背面側(矢印B方向側)端部が内縁部H411cの背面側端部と同一の面位置に配置可能とされ、組立状態では内カバー部材H420の背面側端部H421bの内縁部が固定板H411の内縁部H411cの一部と当接される。基板部材H412は、正面側に複数のLED(発光ダイオード)H412aが配置される電子基板(プリント基板)である。複数のLEDH412aは、上下方向(矢印L-R方向)に所定の間隔を空けて配設されると共に、後述する導光部材H440の湾曲形状に合わせて湾曲する列状に配置される(図1630参照)。即ち、複数のLEDH412aは、導光部材H440が正面側から投影された形状の内側に配置され、導光部材H440の背面側(矢印B方向側)から導光部材H440へ向けて互いの光軸を平行にする姿勢で光を照射する。なお、LEDH412aの幅(発光部分の左右幅)よりも、導光部材H440のLEDH412a側の端面の幅は長く形成される。よって、LEDH412aから照射される光は、導光部材H440の幅方向外側に漏れることなく導光部材H440に入射し、導光部材H440のいずれかの面から出射される。また、列状に配置される複数のLEDH412aの上端に配設されるLEDH412a1は、導光部材H440よりも上方に配置されており、その光を外カバー部材H470の区画壁H478に照射可能とされる。なお、区画壁H478に照射される光については後述する。
右側用締結孔H411a1は、後述する右重板ユニットH400Rの外カバー部材H470に形成される背面側締結部H476と、第1外レンズ部材H450に形成される背面側締結部H456と、第2外レンズ部材H460に形成される背面側締結部H465とを位置決めすると共に、それら背面側締結部H456,H465,H476に締結される螺子が背面側から挿通される孔である。背面側締結部H456,H465,H476に螺子が螺入されることにより、外カバー部材H470,第1外レンズ部材H450,第2外レンズ部材H460が支持板部H410に締結固定される。左側用締結孔H411a3は、後述する左重板ユニットH400Lの内カバー部材H420に形成される背面側締結部H428及び内レンズ部材H430に形成される背面側締結部H431b1を位置決めすると共に、それら背面側締結部H428,H431b1に締結される螺子が背面側から挿通される孔である。背面側締結部H428,H431b1に螺子が螺入されることにより、内カバー部材H420及び内レンズ部材H430が支持板部H410に締結固定される。支持孔H411a2は、外カバー部材H470の突出部H479が挿通される貫通孔である。支持孔H411a2は、正面視において上下方向(矢印U-B方向)に長い矩形状に貫通形成されると共に、突出部H479の外形よりも若干大きく形成される。これにより、外カバー部材H470の左右方向(矢印L-R方向)の位置を規定しながら、外カバー部材H470の背面側(矢印B方向側)の端部を延設部H411aの正面側に当接させることができる。
次いで、図1629及び図1631を参照して、左重板ユニットH400Lについて説明する。図1631は、左重板ユニットH400Lの分解正面斜視図である。図1629及び図1631に示すように、左重板ユニットH400Lは、窓部H14e(図1610参照)の右側を構成すると共に光を透過可能な開口を有する内カバー部材H420と、その内カバー部材H420に右側から締結固定されると共に光透過性の無色の樹脂材料から形成される内レンズ部材H430と、右重板ユニットH400Rと対向配置される導光部材H440と、を主に備える。内カバー部材H420は、上下(矢印U-D方向)に長尺の板状に形成される本体板部H421と、その本体板部H421の上端および下端に穿設される上側開口部H422及び下側開口部H423と、本体板部H421に開口される複数の開口部H424と、導光部材H440に挿通される円筒部であって導光部材H440を内カバー部材H420に固定する螺子が螺入される複数の第1締結部H425と、内レンズ部材H430に挿通される円筒部であって内レンズ部材H430を内カバー部材H420に固定する螺子が螺入される複数の第2締結部H426と、第1締結部H425及び第2締結部H426よりも長尺に形成され内レンズ部材H430及び導光部材H440に挿通される円筒部であって内レンズ部材H430及び導光部材H440を内カバー部材H420に固定する螺子が螺入される複数の第3締結部H427と、本体板部H421の右側に突設されると共に背面側から支持板部H410を固定するネジが螺入される複数の背面側締結部H428と、を主に備える。本体板部H421は、側面視(パチンコ機H10の内側から外側に向かう方向視)において正面側(矢印F方向側)の端部を形成する正面側端部H421aが波を模した形状とされ、全体が有色の非透過の樹脂材料から形成される。また、本体板部H421の背面側(矢印B方向側)の端部を形成する背面側端部H421bは、側面視において上下方向(矢印U-D方向)に略直線状に延設され、右側装飾ユニットH14cの組立状態では背面側端部H421bが固定板H411の内縁部H411cの背面側端部と前後方向(矢印F-B方向)において略同一となる位置に配置される。また、本体板部H421は、正面側端部H421aの上方側の一部(内レンズ部材H430の下側レンズ部H432よりも上方側に位置する部分)において、右重板ユニットH400Rに向かって立設される上側カバー部H421a1を備える。上側カバー部H421a1は、右重板ユニットH400Rと左重板ユニットH400Lとを組み合わせた場合に、右重板ユニットH400R(外カバー部材H470)に立設先端部が当接する大きさに形成される。即ち、左重板ユニットH400Lは、上方側の正面が上側カバー部H421a1により覆われた状態とされる。
一方、本体板部H421の上側カバー部H421a1よりも下方側(矢印D方向側)においては、正面側端部H421aと右重板ユニットH400R(第2外レンズ部材H460)との間に所定の隙間が形成され、その隙間に内レンズ部材H430が介在される。即ち、右側装飾ユニットH14cの下方側は、内カバー部材H420と外カバー部材H470との間から正面側(矢印F方向側)に向かって内レンズ部材H430と第2外レンズ部材H460とが張り出した状態とされる。なお、本体板部H421は、非透過に形成されるものに限られることはなく、全部を光が透過可能な樹脂材料から形成したり、一部を光が透過可能な樹脂材料から形成したりしても良く、無色透明な樹脂材料から形成しても、半透明の樹脂材料から形成しても良い。上側開口部H422及び下側開口部H423は、外カバー部材H470(締結部H472)に螺入される螺子が挿通される開口であり、本体板部H421に配設される内レンズ部材H430及び導光部材H440よりも上下方向(矢印U-D方向)の外側にずれた位置に形成される。これら上側開口部H422及び下側開口部H423に挿通される螺子が外カバー部材H470の締結部H472に螺入されることで、内カバー部材H420が外カバー部材H470に固定される。開口部H424は、上下3箇所に並設されると共に組立状態において内レンズ部材H430の視認窓として機能する。各開口部H424は、側面視において撓んだ略半月状に形成され、下方側の開口部H424から上方側の開口部H424に向かって開口される領域が大きくされる。なお、本体板部H421の開口部H424が形成される縁部は、内レンズ部材H430(矢印R方向側)に向かって撓んで形成されており、これにより、内カバー部材H420と内レンズ部材H430との間に隙間が形成されることが抑制される。第1締結部H425は、本体板部H421の正面側(矢印F方向側)の縁部に主に形成されており、導光部材H440と内レンズ部材H430を左右方向(矢印L-R方向)に重ねた場合に、内レンズ部材H430から張り出した導光部材H440の一部が締結される。即ち、第1締結部H425には、内レンズ部材H430を介さず導光部材H440が締結固定される。第2締結部H426は、側面視における本体板部H421の中央領域に主に形成されており、内レンズ部材H430が締結される。即ち、第2締結部H426には、内レンズ部材H430のみが締結固定される。第3締結部H427は、本体板部H421の背面側(矢印B方向側)の縁部に主に形成されており、導光部材H440と内レンズ部材H430とを左右方向(矢印L-R方向)に重ねた場合に、内レンズ部材H430と導光部材H440とが重なる領域に形成される。また、第3締結部H427は、左右に重ねた状態の内レンズ部材H430と導光部材H440を挿通可能な長さに形成されており、内レンズ部材H430と導光部材H440とを挿通した状態で締結される。即ち、内レンズ部材H430は、第2締結部H426と第3締結部H427とにより内カバー部材H420に締結固定され、導光部材H440は、第1締結部H425と第3締結部H427とにより内カバー部材H420に締結固定される。
内レンズ部材H430は、内カバー部材H420と導光部材H440との間に配設され、導光部材H440から出射される光を透過して内カバー部材H420の開口部H424及び内カバー部材H420の正面側(矢印F方向側)から出射する部材であり、全体が透明の樹脂材料から形成される。また、内レンズ部材H430は、内カバー部材H420の3箇所の開口部H424を覆う位置に形成される上側レンズ部H431と、その上側レンズ部H431の下方側に配設される下側レンズ部H432と、を主に備える。なお、上側レンズ部H431と、下側レンズ部H432とは、下側レンズ部H432側から挿通される螺子が上側レンズ部H431に螺入されることで締結固定されており、下側レンズ部H432が上側レンズ部H431よりも導光部材H440側(右重板ユニットH400R)に近接する位置に配設される。上側レンズ部H431は、開口部H424の内側から視認される部分あり、3箇所の開口部H424を覆う大きさに形成される。また、上側レンズ部H431は、開口部H424と対応する位置に開口部H424の内側に向かって椀型に膨出する膨出部H431aと、背面側(矢印B方向側)の縁部に沿って導光部材H440側に向かって立設される背面側立設部H431bと、その背面側立設部H431bに連なる位置で穿設される第1開口部H431c及び第2開口部H431dと、背面側立設部H431bから背面側から円柱状に突設される背面側締結部H431b1と、を主に備える。膨出部H431aは、開口部H424に嵌り込む部分であり、それぞれの開口部H424と対応する形状の外形に形成される。即ち、右側装飾ユニットH14cが組み立てられた状態において、開口部H424から膨出部H431aが右側装飾ユニットH14cの外側へ張り出した状態とされる。また、膨出部H431aは、導光部材H440と対向する側の側面に凹凸が形成されており、この凹凸により膨出部H431a(上側レンズ部H431)に入射する光を開口部H424から拡散して右側装飾ユニットH14cの外側に出射することができる。一方、膨出部H431aは、開口部H424に嵌り込む側の側面(即ち、開口部H424から右側装飾ユニットH14cの外側に突出する部分)が凹凸の少ない滑らかな面として形成される。これにより、膨出部H431aの光拡散性を維持しつつ、膨出部H431aの外面に異物(ちりやほこり等)が溜まる(入り込む)ことを抑制して膨出部H431aの清掃性を向上できる。
背面側立設部H431bは、導光部材H440の側面に当接する高さに設定される。これにより、導光部材H440の背面側(矢印B方向側)を上側レンズ部H431(内レンズ部材H430)に当接させて配設することで、右側装飾ユニットH14cの前後方向における中央部(内レンズ部材H430と導光部材H440との間)に所定の空間を形成できる。これにより、右側装飾ユニットH14cの内部に熱がこもることを抑制できる。第1開口部H431cは、内カバー部材H420の第2締結部H426と対応する位置に形成される。これにより、第1開口部H431cを挿通した螺子を内カバー部材H420の第2締結部H426に螺入させて、内カバー部材H420と内レンズ部材H430とを締結することができる。第2開口部H431dは、内カバー部材H420の第3締結部H427と導光部材H440の第2開口部H445と対応する位置に形成されると共に、第3締結部H427の外形よりも大きい内径に形成される。また、第3締結部H427は、上述したように内レンズ部材H430の第2開口部H431dを挿通可能な長さに形成されており、第2開口部H431dの内側に挿入された状態で、導光部材H440の第2開口部H445から挿通される螺子が螺入される。なお、上側レンズ部H431は、内カバー部材H420の第1締結部H425よりも正面側(矢印F方向側)の端部が背面側(矢印B方向側)に位置する大きさに形成される。従って、右側装飾ユニットH14cを組み立てた状態では、上側レンズ部H431の正面側端部と内カバー部材H420の上側カバー部H421a1との間に所定の隙間が形成され、その隙間に内カバー部材H420の第1締結部がH425が配置される。これにより、導光部材H440の第1開口部H444を挿通した螺子を上側レンズ部H431(内レンズ部材H430)を介さず内カバー部材H420の第1締結部H425に螺入させることができる。下側レンズ部H432は、上述したように、右側装飾ユニットH14cを組み立てた状態において、内カバー部材H420と外カバー部材H470との間から正面側に張り出す部分であり、正面側の端部が波形状に形成される。また、下側レンズ部H432の正面側(矢印F方向側)の端部には、外カバー部材H470側(矢印R方向側)に向かって立設される立設部H432aが形成される。立設部H432aは、内カバー部材H420に導光部材H440を配設した状態において、導光部材H440よりも右重板ユニット側(矢印R方向側)に立設先端部が位置する大きさに形成される。即ち、立設部H432aの内側に導光部材H440が収容される。これにより、導光部材H440から正面側(矢印F方向側)に出射される光を立設部H432aを介して右側装飾ユニットH14cの正面側に出射させることが可能とされる。さらに、下側レンズ部H432には、上側レンズ部H431の第2開口部H431dと同様の機能を有する開口部H432bが正面側の一部に形成される。これにより、右側装飾ユニットH14cの組立状態において、内カバー部材H420と導光部材H440との間に下側レンズ部H432を挟んだ状態とすることができる。従って、内カバー部材H420から下側レンズ部H432が離れることを抑制でき、内カバー部材H420と下側レンズ部H432との間に隙間が形成されることを抑制できる。
導光部材H440は、上述したように、基板部材H412のLEDH412aから照射される光を導光させる部材であり、全体が無色透明の熱可塑性樹脂材料から形成される。また、導光部材H440は、内カバー部材H420と内レンズ部材H430とを組み合わせた状態の左重板ユニットH400Lよりも一回り小さく形成されており、内カバー部材H420と内レンズ部材H430の内側に収容された状態で内カバー部材H420に締結される。なお、導光部材H440に用いられる熱可塑性樹脂は特に限定されないが、透明性を有するものが好ましく、アクリル系樹脂(メタクリル系樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル、スチレン共重合化合物)を例示することができる。このうち、特にアクリル系樹脂を用いることで、平均輝度が高く、輝度分布の低下が少ない導光部材H440を得ることができる。導光部材H440は、側面に第1の凹凸で形成される第1凹凸面H441と、第1の凹凸とは異なる第2の凹凸で形成される第2凹凸面H442と、背面側(矢印B方向側)の端部に突出して形成される複数の入射部H443と、正面側の縁部に沿う位置に穿設される複数の第1開口部H444と、背面側の縁部に沿う位置に穿設される複数の第2開口部H445と、正面側の縁部から正面側に向かって突出して形成される複数の係合部H446と、を主に備える。第1凹凸面H441は、内レンズ部材H430の膨出部H431a及び下側レンズ部H432と対応する位置に主に形成される。即ち、第1凹凸面H441は、LEDH412aから入射する光を内カバー部材H420及び外カバー部材H470が配設される方向(左右方向(矢印L-R方向)へ主に反射可能に構成される。これにより、上側レンズ部H431の膨出部H431aおよび下側レンズ部H432から出射される光を遊技者に認識させやくできる。なお、本実施形態における第1凹凸面H441は、底面に対する傾斜角度45°且つ底円の直径約1mmの円錐形状部が、約3mm間隔で格子状に分散配置されるパターンを有する型板を熱可塑性樹脂に押し当てる(熱プレスする)ことにより形成される。LEDH412aから照射された光の内、凹状部に到達した光は、凹状部により反射し、導光部材H440の左右側面から概略垂直な方向へ出射される。
第2凹凸面H442は、内レンズ部材H430の上側レンズ部H431および下側レンズ部H432を連結する部分と対応する位置に主に形成される。即ち、内カバー部材H420より覆設され遊技者から視認されにくい位置に形成される。また、第2凹凸面H442は、内レンズ部材H430の膨出部H431aと対応する位置に形成される側の第1凹凸面H441の周囲を取り囲むように形成されると共に、凸部の頂点が上下に延設される凹凸状に形成される。これにより、第2凹凸面H442は、導光部材H440の背面側から正面側に向けて入射する光を上下に反射して、第1凹凸面H441側に拡散できるようになっている。その結果、第1凹凸面H441から遊技者に向けて出射される光量を増やすことができる。入射部H443は、導光部材H440の背面側(矢印B方向側)に配設される基板部材H412のLEDH412aと対応する位置に一個ずつ形成される。また、入射部H443の突出先端は、側面視において背面側に向かって湾曲する形状に形成されており、この湾曲形状によりLEDH412aから入射される光を上下方向に拡散できる。これにより、LEDH412aの上下方向における配設間隔を空けても導光部材H440の全体に光を透過することができ、LEDH412aの配設数を少なくすることができる。第1開口部H444は、内カバー部材H420の第1締結部H425に螺入される螺子が挿通される開口であり、第1締結部H425と対応する位置に形成される。よって、第1開口部H444を挿通させた螺子を第1締結部H425に螺入させることで、導光部材H440の正面側を内カバー部材H420に締結させることができる。第2開口部H445は、内カバー部材H420の第3締結部H427に締結される螺子が挿通される開口であり、第3締結部H427と対応する位置に形成される。よって、第2開口部H445を挿通させた螺子を第3締結部H427に螺入させることで、導光部材H440の背面側を内カバー部材H420に締結させることができる。係合部H446は、後述する右重板ユニットH400Rの被係合部H457と係合する部分であり、被係合部H457の内側に挿入可能な大きさに形成される。なお、係合部H446と被係合部H457との係合は、左重板ユニットH400Lと右重板ユニットH400Rとが組み立てられた状態で行われ、右重板ユニットH400Rの背面側から左重板ユニットH400Lが正面側にスライドされることで、被係合部H457に係合部H446が挿入されるようになっている。これにより、右重板ユニットH400Rと左重板ユニットH400Lとの正面側が互いに離れる左右方向(矢印L-R方向)に変位することを抑制できる。
次いで、左重板ユニットH400Lの組み立て方法について説明する。初めに、左重板ユニットH400Lは、内カバー部材H420の右側(矢印R方向側)から内レンズ部材H430が内カバー部材H420に配設される。この場合、内カバー部材H420の第3締結部H427の先端が第1開口部H431cに挿入されることで、内カバー部材H420に内レンズ部材H430を位置決めした状態で配設することができる。内カバー部材H420に内レンズ部材H430を配設した後は、内カバー部材H420の第2締結部H426に内レンズ部材H430の第2開口部H431dを挿通した螺子が螺入されることで、内レンズ部材H430が内カバー部材H420に固定される。次に、内レンズ部材H430が内カバー部材H420に固定された状態で、導光部材H440が内カバー部材H420の右側(矢印R方向側)から内カバー部材H420に配設された後、導光部材H440の第2開口部H445を挿通させた螺子が内カバー部材H420の第3締結部H427に螺入され、導光部材H440の第1開口部H444を挿通させた螺子が内カバー部材H420の第1締結部H425に螺入されることで、内レンズ部材H430に導光部材H440が固定される。これにより、左重板ユニットH400Lが組み立てられる。
次いで、図1629及び図1632を参照して、右重板ユニットH400Rについて説明する。図1632は、右重板ユニットH400Rの分解正面斜視図である。図1629及び図1632に示すように、右重板ユニットH400Rは、左重板ユニットH400Lの導光部材H440の右側に配設される第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460と、それら第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460の右側に配設され、光を非透過な樹脂材料から形成されると共に、第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460が締結固定される外カバー部材H470と、を主に備える。外カバー部材H470は、上下に長尺の板状に形成される本体板部H471と、その本体板部H471の上端および下端に形成される2箇所の締結部H472と、本体板部H471に開口される複数の開口部H473と、第1外レンズ部材H450に先端が挿入される円筒部であって第1外レンズ部材H450を外カバー部材H470に固定する螺子が螺入される複数の第1締結部H474と、その第1締結部H474よりも短く形成される円筒部であって、第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460を外カバー部材H470に固定する螺子が螺入される複数の第2締結部H475と、本体板部H471の左側側面から突設されると共に背面側から支持板部H410を固定する螺子が螺入される複数の背面側締結部H476と、本体板部H471の背面側から突設され支持板部H410の支持孔H411a2に挿入される突出部H479と、を主に備える。本体板部H471は、側面視(矢印L方向視)において、正面側(矢印F方向側)の端部が湾曲した円弧形状に形成されると共に、背面側の端部が上下方向に直線状に延設され、全体が非透過の樹脂材料から形成される。また、本体板部H471は、上端から左重板ユニットH400L側に向かって立設される立設部H477を備えており、正面視において上下(矢印U-D方向)左右(矢印L-R方向)を反転した略L字状に形成される。なお、本体板部H471の上下方向(矢印U-D方向)における延設長さは、支持板部H410と対応する長さに形成されており、右重板ユニットH400Rを支持板部H410に配設した場合に固定板H411の正面側に重なる状態とされる。立設部H477は、正面視における正面枠H14の上部右側を構成する部分であり、正面枠H14の組立状態において上側装飾ユニットH14a側に向かって立設される先端部が上側装飾ユニットH14aの上面板H332の右端部と当接する大きさに設定される。また、立設部H477には、後述する第1外レンズ部材H450に形成される貫通孔H452aに挿通される挿通部H477aが複数個形成される。この挿通部H477aを貫通孔H452aに挿通した状態で、第1外レンズ部材H450を外カバー部材H470に配設することで、立設部H477と対向する第1外レンズ部材H450の屈曲部H452が立設部H477に対して相対変位することを抑制できる。締結部H472は、左重板ユニットH400Lを右重板ユニットH400Rに固定するための螺子を螺入する部分であり、内カバー部材H420の本体板部H421に形成される上側開口部H422及び下側開口部H423と対応する位置に形成される。左重板ユニットH400Lと右重板ユニットH400Rとは、それぞれが組み立てられた状態で内カバー部材H420の上側開口部H422及び下側開口部H423に挿入される螺子を外カバー部材H470の締結部H472に螺入することで左重板ユニットH400Lが右重板ユニットH400Rに固定される。複数の開口部H473は、第1外レンズ部材H450の複数の膨出部H455と対応する位置および形状に形成され、組立状態において第1外レンズ部材H450の視認窓として機能する。また、本体板部H471には、各開口部H473の開口縁に沿って第1外レンズ部材H450側にリブが立設され、そのリブの内側に膨出部H455が挿入された状態で配設される。これにより、外カバー部材H470と第1外レンズ部材H450との間に隙間が形成されることが抑制される。なお、本体板部H421の上部に形成される開口部H473(以下「上端開口部H473a」と称す(図1634(b)参照))の縁部に沿って形成されるリブには、下方側を形成するリブから左重板ユニットH400L側に向かって立設される区画壁H478が形成される。
区画壁H478は、左重板ユニットH400Lの導光部材H440の上方に立設先端部が位置する大きさに形成される。これにより、上端開口部H473aと対向する位置から出射される導光部材H440から出射される光と、他の領域から出射される光とが混ざることを抑制できる。その結果、上端開口部H473aから出射される光を他の光を区別しやすくできる。第1締結部H474は、第1外レンズ部材H450を外カバー部材H470に固定するための螺子を螺入する部分であり、第1外レンズ部材H450に形成される第1挿通孔H453と対応する位置に形成される。第2締結部H475は、第1外レンズ部材H450または第2外レンズ部材H460を外カバー部材H470に固定するための螺子を螺入する部分であり、第1外レンズ部材H450に形成される第2挿通孔H454又は第2外レンズ部材H460に形成される挿通部H464と対応する位置に形成される。第1挿通孔H453に挿通される螺子が第1締結部H474に螺入され、第2挿通孔H454又は挿通部H464に挿通される螺子が第2締結部H475に締結されることにより、第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460が外カバー部材H470に固定される。背面側締結部H476は、外カバー部材H470を支持板部H410に固定するための螺子を螺入する部分であり、支持板部H410の固定板H411に形成される右側用締結孔H411a1と対応する位置に形成される。外カバー部材H470は、右側用締結孔H411a1を挿通した螺子が背面側締結部H476に螺入されることで、支持板部H410に固定される。第1外レンズ部材H450は、上下に長尺の板状に形成される本体板部H451と、その本体板部H451の上端部から内カバー部材H420側に向かって屈曲する屈曲部H452と、外カバー部材H470に締結される螺子が挿通される貫通孔として構成される複数の第1挿通孔H453,第2挿通孔H454と、第1挿通孔H453で囲まれる領域において外カバー部材H470側(右側(矢印R方向側))に張り出し、外カバー部材H470越しに視認可能とされる膨出部H455と、本体板部H451の背面側に穿設されると共に背面側から支持板部H410に固定する螺子が螺入される背面側締結部H456と、正面側の縁部に沿って複数個形成される被係合部H457と、を主に備える。また、第1外レンズ部材H450は、左重板ユニットH400Lの導光部材H440と外カバー部材H470との間に配設され導光部材H440から出射される光を透過して外カバー部材H470の開口部H473及び外カバー部材H470の正面側から出射する部分であり、全体が半透明の樹脂材料から形成される。本体板部H451は、前後端部の形状が外カバー部材のH470の前後端部の形状に倣って形成されると共に、下方側の端部から下方側に張り出す張出部H451aを備えて形成される。張出部H451aは、外カバー部材H470の下方側から外カバー部材H470よりも正面側(矢印F方向側)に張り出す部分であり、背面側の端部が外カバー部材H470の正面側の端面に沿って形成される。即ち、張出部H451aは、外カバー部材H470の下方側において外カバー部材H470と前後方向(矢印F-B方向)に隣り合う位置に配置される。
屈曲部H452は、外カバー部材H470の立設部H477と所定の間隔を隔ててて配設され、外カバー部材H470の立設部H477と共に正面枠H14の正面視における上部右側を構成する部分であり、正面視において右側から左側への立設距離が立設部H477よりも大きく設定される。即ち、外カバー部材H470に第1外レンズ部材H450を配設した状態では、第1外レンズ部材H450の屈曲部H452が、外カバー部材H470の立設部H477よりも張り出した状態とされる。また、屈曲部H452は、本体板部H451に連結される基端部H452cと、その基端部H452cの先端側に連なって形成されると共に基端部H452cよりも一段高く形成される先端部H452dと、その基端部H452cと先端部H452dとの段差部分に開口する貫通孔H452aと、先端部H452dの先端側端部から上方側(矢印U方向側)に向かって屈曲する係合部H452bと、を主に備える。なお、屈曲部H452は、先端部H452dが外カバー部材H470の立設部H477よりも張り出した状態とされる。貫通孔H452aは、上述したように外カバー部材H470の挿通部H477aが挿通される部分であり、複数の挿通部H477aと対応する位置にそれぞれ形成される。これにより、外カバー部材H470の立設部H477に対して、第1外レンズ部材H450の屈曲部H452の位置がずれることを抑制できる。なお、挿通部H477aは、右側(矢印R方向側)から左側(矢印L方向側)に向かって突出して形成され、貫通孔H452aは、左右方向(矢印L-R方向)に貫通して形成される。これにより、外カバー部材H470に対して、左側から第1外レンズ部材H450を配設する際に、貫通孔H452aの内側に挿通部H477aを挿通させることができる。係合部H452bは、上述した上側装飾ユニットH14aの上面板H332(被係合部H332g)と係合する部分であり、上面板H332との係合により、上面板H332に対して屈曲部H452が離間することを抑制して、上面板H332に対して立設部H477が離間することを抑制できる。なお、上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH14cとの組み立て方法についての詳しい説明は後述する。第1挿通孔H453は、上述したように外カバー部材H470の第1締結部H474に螺入される螺子が挿通される部分であり、第1締結部H474と対応する位置に形成される。また、第1挿通孔H453は、外カバー部材H470側(矢印R方向側)から導光部材H440側(矢印L方向側)に向かって円形状に凹設される凹設底面に形成されており、凹設部に第1締結部H474の先端部を挿入可能とされる。これにより、外カバー部材H470に対して第1外レンズ部材H450を位置決めしつつ、外カバー部材H470に第1外レンズ部材H450を固定することができる。第2挿通孔H454は、上述したように外カバー部材H470の第2締結部H475に螺入される螺子が挿通される部分であり、第2締結部H475と対応する位置に形成される。なお、第2挿通孔H454は、第1挿通孔H453のように第2締結部H475の先端部を挿入可能な凹設部を備えておらず、本体板部H451の側面に第2締結部H475の先端部を当接させた状態で螺子が挿通される。膨出部H455は、開口部H473に嵌り込む部分であり、それぞれの開口部H473と対応する形状の外形に形成される。即ち、右側装飾ユニットH14cが組み立てられた状態において、開口部H473から膨出部H455が右側装飾ユニットH14cの外側へ張り出した状態とされる。なお、上端開口部H473aに挿入される上端側の膨出部H455(以下「上方側膨出部H455a」と称す)は、上端開口部H473aの内縁と若干の隙間を隔てた状態で形成される。
背面側締結部H456は、第1外レンズ部材H450を支持板部H410に固定するための螺子を螺入する部分であり、支持板部H410の固定板H411に形成される右側用締結孔H411a1と対応する位置に形成される。第1外レンズ部材H450は、右側用締結孔H411a1を挿通した螺子が背面側締結部H456に螺入されることで、支持板部H410に固定される。被係合部H457は、導光部材H440の係合部H446と係合する部分であり、右側装飾ユニットH14cを組み立てた状態において、係合部H446と対応する位置に形成される。また、被係合部H457は、本体板部H451の正面側端部にブリッジ状に形成されており、そのブリッジにより前後方向(矢印F-B方向)に開口する空間が形成される。第2外レンズ部材H460は、全体が透明の樹脂材料から形成され、第1外レンズ部材H450の張出部H451aを除いた部分の下側(矢印D方向側)に配設される。また、第2外レンズ部材H460は、左重板ユニットH400Lの導光部材H440と外カバー部材H470との間に配設される挟持部H461と、その挟持部H461よりも正面側に張り出される張出部H462と、挟持部H461及び張出部H462との間を連結する連結部H463と、を主に備える。挟持部H461及び連結部H463は、第2外レンズ部材H460を外カバー部材H470に固定するための部分であり、外カバー部材H470の第2締結部H475と対応する位置に開口する複数の挿通部H464を備える。挿通部H464に挿通した螺子を外カバー部材H470の第2締結部H475に螺入することで、第2外レンズ部材H460を第1外レンズ部材H450と共に外カバー部材H470に固定できる。また、挟持部H461には、背面側の端部に背面側締結部H465が形成される。背面側締結部H465は、第2外レンズ部材H460を支持板部H410に固定するための螺子を螺入する部分であり、支持板部H410の固定板H411に形成される右側用締結孔H411a1と対応する位置に形成される。第2外レンズ部材H460は、右側用締結孔H411a1を挿通した螺子が背面側締結部H465に螺入されることで、支持板部H410に固定される。なお、上述した外カバー部材H470、第1外レンズ部材H450、及び、第2外レンズ部材H460の支持板部H410への固定は、外カバー部材H470に第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460を固定した状態(即ち、右重板ユニットH400Rの組立状態)で行われる。より詳しくは、左重板ユニットH400Lと右重板ユニットH400Rとを組み付けた状態で行われる。連結部H463は、左重板ユニットH400Lの導光部材H440と第1外レンズ部材H450の張出部H451aとの間に配設される部分であり、挟持部H461及び張出部H462よりも左右方向(矢印L-R方向)における厚みが薄く形成される。これにより、右重板ユニットH400Rの組立状態において、第1外レンズ部材H450の張出部H451aは、第2外レンズ部材H460の挟持部H461と張出部H462とにより前後が挟まれた状態とされる。張出部H462は、右側装飾ユニットH14cを組み立てた状態において、上述した下側レンズ部H432と共に内カバー部材H420と外カバー部材H470との間から正面側(矢印F方向側)に張り出す部分であり、正面側の端部が下側レンズ部H432と同形状の波形状に形成される。また、張出部H462には、正面側の端部に内カバー部材H420側(矢印L方向側)に向かって立設される立設部H462aが形成される。立設部H462aは、右側装飾ユニットH14cを組み立てた状態において、下側レンズ部H432の立設部H432aの正面側に重なる大きさに形成される。即ち、組立状態における右側装飾ユニットH14cの下側レンズ部H432の立設部H432aの正面側には、第2外レンズ部材H460の立設部H462aが重なる状態で配設される。第2外レンズ部材H460の立設部H462aには、前後方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される被係合部H462a1が形成され、下側レンズ部H432の立設部H432aには、被係合部H462a1に向かって突出する係合部H432a1が形成される。これにより、右側装飾ユニットH14cの組立状態において、被係合部H462a1に係合部H432a1が挿入された状態とされ、左重板ユニットH400Lの正面側と右重板ユニットH400Rの正面側とが互いに離れる左右方向(矢印L-R方向)に変位することが規制される。なお、本実施形態では、第2外レンズ部材H460及び下側レンズ部H432が透明の樹脂材料から形成されると共に、導光部材H440から出射される光を透過可能に形成されるので、立設部H462a及び立設部H432aに光を透過させることで被係合部H462a1及び係合部H432a1を遊技者に認識させにくくできる。その結果、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
次いで、右重板ユニットH400Rの組み立て方法について説明する。初めに、右重板ユニットH400Rは、外カバー部材H470の左側から第1外レンズ部材H450が重ね合わされる。この際、第1外レンズ部材H450の貫通孔H452aに外カバー部材H470の挿通部H477aが挿通されると共に、第1外レンズ部材H450の第1挿通孔H453が形成される凹部に第1外レンズ部材H450の第1締結部H474の先端部が挿入される。これにより、外カバー部材H470に対して第1外レンズ部材H450を位置決めしつつ配置することができる。次に、外カバー部材H470に第1外レンズ部材H450が配置された状態で、第2外レンズ部材H460が外カバー部材H470の左側から第1外レンズ部材H450に配設される。この場合、第2外レンズ部材H460の挟持部H461と張出部H462との間に第1外レンズ部材H450の張出部H451aを挟み込まれる。これにより、第2外レンズ部材H460を第1外レンズ部材H450に対して位置決めしつつ配設できる。最後に、外カバー部材H470に第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460が配設された状態で、外カバー部材H470の第1締結部H474及び第2締結部H475に螺子が螺入されることで、右重板ユニットH400Rを組み立てることができる。なお、本実施形態では、第1外レンズ部材H450と第2外レンズ部材H460とが色違いの樹脂材料から形成されるため、第1外レンズ部材H450と第2外レンズ部材H460とが別部材から構成されるが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460を同色(例えば、無色透明)の樹脂材料から1の部材として構成しても良い。
次いで、図1633及び図1634を参照をして、右側装飾ユニットH14cと上側装飾ユニットH14aとについて説明する。図1633(a)は、正面枠H14の分解正面斜視図であり、図1633(b)は、正面枠H14の正面斜視図であり、図1634(a)は、図1627(b)に示すMDCCCLVIIa線における右側装飾ユニットH14c及び上側装飾ユニットH14aの断面模式図であり、図1634(b)は、図1627(b)に示すMDCCCLVIIb線における右側装飾ユニットH14c及び上側装飾ユニットH14aの断面模式図である。なお、図1633(a)では、本体枠H14dから上側装飾ユニットH14aを取り外した状態における正面枠H14が図示される。また、図1634(a)及び図1634(b)では、正面枠H14が組み立てられた状態における右側装飾ユニットH14c及び上側装飾ユニットH14aの一部(上面板H332)の断面が模式的に図示される。図1633(a)及び図1633(b)に示すように、右側装飾ユニットH14cと上側装飾ユニットH14aとは、右側装飾ユニットH14cを本体枠H14dに固定した後、正面側から上側装飾ユニットH14aが本体枠H14dに配設されて螺子により固定される。この場合、上側装飾ユニットH14aの上面板H332が、右側装飾ユニットH14cの外カバー部材H470の立設部H477と隣り合う位置に配設される。なお、ここで説明する隣り合う位置とは、上面板H332と立設部H477とが当接している状態から組立公差や部品の寸法公差などにより若干の隙間を有した状態を含む位置である。本実施形態においては、上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH14cとを、正面視における左右方向(矢印L-R方向)に分割する(正面視における本体枠H14dの上下両端の間の位置で分割)のではなく、上下方向(矢印U-D方向)に分割する(正面視における本体枠H14dの左右両端の間の位置で分割する)ことで、右側装飾ユニットH14cの上下方向における装飾領域を増やすことができる。即ち、右側装飾ユニットH14cの外カバー部材H470の視認窓(開口部H473)を介して視認される領域を大きくすることができる。その結果、右側装飾ユニットH14cによる発光態様をパチンコ機H10の周囲にいる人に見せやすくできる。即ち、パチンコ機H10を遊技していない人に右側装飾ユニットH14c(パチンコ機H10)を注目させやすくできる。また、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477とが左右方向に隣り合って配置され、上下方向に分割される(正面視における本体枠H14dの左右両端の間の位置で分割する)ので、右側装飾ユニットH14cに配設される基板部材H412や、上側装飾ユニットH14aに配設される基板部材H342に生じる熱を上面板H332と立設部H477との隙間から逃がしやすくできる。その結果、右側装飾ユニットH14cに配設される基板部材H412や、上側装飾ユニットH14aに配設される基板部材H342が熱により破損することを抑制できる。しかしながら、上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH14cとを、左右方向(矢印L-R方向)に隣り合って配設するので、組立公差や部品の寸法公差などに起因して上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH14cとの境界に隙間が形成されたり、上側装飾ユニットH14a又は右側装飾ユニットH14cに作用された外力に起因して上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH14cとの境界に隙間が形成される虞がある。隙間が形成されると、隙間から異物(例えば、不正行為を行うための針金等、ちりやほこり等、液体)が侵入して内部の機械的構成や電気的構成に悪影響を及ぼす虞がある。特に、液体(例えば、遊技中に飲用するもの)は、微小な隙間であっても侵入しやすく、また、電気的構成に悪影響を及ぼしやすい。
なお、機械的構成に悪影響を及ぼす例としては、摺動する変位部材の間に異物が噛み込み変位部材の摺動が停止される場合や、光を透過する透過面が異物により汚れて光の発光態様が悪くなる場合や、異物が侵入することで異音が発生する場合や、異物によりセンサ等の検出態様が悪くなる(誤検出する)場合等が挙げられ、電気的構成に悪影響を及ぼす例としては、異物が基板部材に付着し基板部材がショートする場合や、異物が駆動モータ等の駆動源となる電気部品に付着しショートする場合や、異物が配線のコネクタ等に入り込むことで誤った信号が電気部品に送信される場合等が挙げられる。また、上側装飾ユニットH14aは、上面(上面板H332)が略平坦な面に形成されており、遊技者が物を置きやすい構造となっている。そのため、遊技者が上側装飾ユニットH14aの上面に置いた物が上側装飾ユニットH14aの上面に溜まりやすくなっている。よって、正面枠H14の上側に上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH14cとの隙間から異物が入り込む可能性が高くなる。これに対し、第111実施形態における右側装飾ユニットH14cには、図1634(a)及び図1634(b)に示すように、立設部H477の下方側に配設される第1外レンズ部材H450の屈曲部H452(先端部H452d)が立設部H477よりも立設部H477の立設方向(即ち、上側装飾ユニットH14a側)に張り出されて形成される。即ち、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)の重力方向下方側(矢印U方向側)に、第1外レンズ部材H450の屈曲部H452(先端部H452d)が配置される。これにより、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界に隙間が形成され、その隙間から侵入する異物を屈曲部H452で受け止めることができる。従って、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界から入った異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。また、屈曲部H452は、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)の下方に先端部H452dが配設される共に、その先端部H452dに連なって境界(連結部)から離間する方向に延設される基端部H452cを備える。これにより、境界(連結部)に隙間が形成された場合に、その隙間から侵入した異物を先端部H452dで受け止めると共に、その受け止めた異物を機械的構成や電気的構成に悪影響を及ぼしにくい位置(本実施形態では、右側装飾ユニットH14cの内部)へ向けて基端部H452cにより案内できる。これにより、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。なお、先端部H452d及び基端部H452c(屈曲部H452)は、それぞれ屈曲部H452の基端側(本体板部H451側)に向かって上面が下降傾斜して形成される。また、先端部H452d及び基端部H452cと所定の間隔を隔てる位置で先端部H452d及び基端部H452cの上方側を覆設する位置に外カバー部材H470の立設部H477が配設される。即ち、先端部H452d及び基端部H452c(屈曲部H452)と、立設部H477との対向間に右側装飾ユニットH14cの右側に向かって延設される通路空間H400A(図1634(a)及び(b)参照)が形成される。先端部H452dで受け止めた異物は、通路空間H400Aを介して所定の方向に案内されるので、異物の通過方向が通路空間H400Aにより規定される。よって、異物を機械的構成や電気的構成に悪影響を及ぼしにくい位置(本実施形態では、右側装飾ユニットH14cの内部)へ向けて案内しやすくできる。これにより、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
また、本実施形態では、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)の下方に位置する屈曲部H452が、光を透過する第1外レンズ部材H450の一部により形成されるので、上面板H332に対する立設部H477の配置がずれて境界(連結部)の隙間が大きくなった場合に境界(連結部)の隙間から光を漏れ出させることができる。この光により、パチンコ機H10を設置するパチンコ店(ホール)の管理者(店員)にパチンコ機H10に異常がある(上面板H332と立設部H477との間に隙間が形成された)ことを認識させることができる。その結果、境界(連結部)の隙間が大きくなった状態のままパチンコ機H10が放置される(遊技可能な状態のままにされる)ことを抑制できる。なお、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)から侵入する液体を先端部H452dで受け止めた場合には、基板部材H412のLEDH412aの発光に伴う熱により、その液体を蒸発させて上面板H332と立設部H477との境界(連結部)からパチンコ機H10の外部へ排出することができる。これにより、上面板H332と立設部H477との境界(連結部)から侵入した液体により機械的構成や電気的構成(特に、液体による部品のショート)に悪影響が生じることを抑制できる。さらに、右側装飾ユニットH14cの屈曲部H452には、その先端に係合部H452bが形成されており、この係合部H452bが、上側装飾ユニットH14aの上面板H332に形成される被係合部H332gに係合する(第1片H332g1と第2片H332g2との間に挿入される)ように形成される。よって、係合部H452bは、右側装飾ユニットH14cと上側装飾ユニットH14aとが本体枠H14dに配設された際に、上面板H332の第1片H332g1及び第2片H332g2の対向間に挿入され、上面板H332の被係合部H332gに係合される。これにより、上側装飾ユニットH14a及び右側装飾ユニットH14cを本体枠H14dに配設した後で、上側装飾ユニットH14aに対して右側装飾ユニットH14cの位置がずれることを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)の隙間が大きくなることを抑制して、その境界(連結部)の隙間から異物が入りやすくなることを抑制できる。
被係合部H332gは、右側装飾ユニットH14cの立設部H477との連結部分となる上面板H332の左右方向(矢印L-R方向)の両端部に形成される。よって、上面板H332の左右方向の両端部から離れた位置に別部材で被係合部H332gが形成される場合に比べて、部品の製造公差や組立公差により被係合部の(係合部H452bと係合する)位置がずれることを抑制できる。よって、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)の隙間が大きくなることを抑制して、その境界(連結部)の隙間から異物が入りやすくなることを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14aの視認性が悪くなることを抑制できる。また、屈曲部H452の係合部H452bを上側装飾ユニットH14aに係合させるので、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)に対して、屈曲部H452の位置がずれることを抑制できる。よって、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)から異物が入った場合に、その異物を屈曲部H452で確実に受け止めることができる。なお、第1片H332g1と第2片H332g2とは、上側装飾ユニットH14aの背面側(矢印B方向側)の端部が開放されて(所定の隙間を隔てて)形成される。これにより、第1片H332g1と第2片H332g2との間への係合部H452bの配設は、本体枠H14dに上側装飾ユニットH14aを配設する際に、上側装飾ユニットH14aを本体枠H14dの正面側から背面側に向かって挿入することで、第1片H332g1と第2片H332g2との間に係合部H452bを挿入することができる。その結果、第1片H332g1と第2片H332g2との間に係合部H452bを挟み込んだ状態で、上側装飾ユニットH14aを本体枠H14dに配設することができる。なお、図1634に示すように、屈曲部H452は、外カバー部材H470の立設部H477と上下方向(矢印U-D方向)に所定の隙間を隔てて配設される(通路空間H400Aを備える)と共に、上面側が本体板部H451側(矢印R方向側)に向かって下方側(矢印D方向側)に傾斜して形成される。これにより、屈曲部H452で受け止めた異物を屈曲部H452の上面を転動させて(滑り落として)本体板部H451側(矢印R方向側)に移動させることができる。よって、外カバー部材H470の本体板部H471と第1外レンズ部材H450の本体板部H451との間の隙間に異物を落下させることができる。その結果、異物を上側装飾ユニットH14aの装飾と関係のない位置に流下させることができ、異物により上側装飾ユニットH14aの視認性が悪くなることを抑制できる。
また、屈曲部H452には、本体板部H451からの屈曲先端部に形成される係合部H452bが屈曲部H452の屈曲先端部に沿って屈曲先端部の全域に形成される。そのため、屈曲部H452で受け止めた異物が屈曲部H452の屈曲先端側(矢印L方向側)に転動した(滑り落ちた)としても、屈曲部H452の屈曲先端部を超えて異物が下方に落下することを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14aの視認性が悪くなることを抑制できる。また、本実施形態では、屈曲部H452に段差が形成され、その段差に貫通孔H452aが形成される。上述したように、右側装飾ユニットH14cの上部は、上側装飾ユニットH14aのスピーカーH312aの背面側を覆う状態で配設される。従って、貫通孔H452aによりスピーカーH312aの背面側から放音される音を貫通孔H452aを介して立設部H477と屈曲部H452との間の隙間に放音させることができ、この音により屈曲部H452を微振動させることができる。このスピーカーH312aの音による屈曲部H452の微振動により、屈曲部H452の上面に乗る異物を上面に沿って滑りやすく(移動させやすく)できる。その結果、外カバー部材H470の本体板部H471と第1外レンズ部材H450の本体板部H451との間の隙間に異物を落下させやすくできる。また、本実施形態では、貫通孔H452aを介して放音される音が、スピーカーH312aの背面側から放音(出力)される音であるので、スピーカーH312aの正面側から放音される音に比べて低音となりやすい。そのため、スピーカーH312aの音により屈曲部H452を振動させやすくできる。その結果、外カバー部材H470の本体板部H471と第1外レンズ部材H450の本体板部H451との間の隙間に異物を落下させやすくできる。
次いで、外カバー部材H470の本体板部H471と、第1外レンズ部材H450の本体板部H451とについて説明する。図1634に示すように、本体板部H471には、開口部H473が形成され、その開口部H473の内側に所定の隙間を空けた状態で本体板部H451の膨出部H455が挿入される。従って、本体板部H471と本体板部H451との対向間(通路空間H400A)は、開口部H473(特に上端開口部H473a)を介して右側装飾ユニットH14cの外側の空間に連通される。即ち、通路空間H400Aとパチンコ機H10の外部とを連通可能な開口部H473を備える。よって、外カバー部材H470の本体板部H471と第1外レンズ部材H450の本体板部H451との間の隙間に異物が落下する場合には、開口部H473(特に上端開口部H473a)を介して異物を右側装飾ユニットH14cの外側に排出することができる。即ち、本実施形態では、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)と、右側装飾ユニットH14cの開口部H473とを連通する通路(本体板部H471及び本体板部H451の隙間と、立設部H477及び屈曲部H452の隙間)を備える。これにより、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)から異物が入った場合に、その異物が右側装飾ユニットH14cの内部を下端まで落下することを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部)から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。また、上側装飾ユニットH14aの上面板H332及び右側装飾ユニットH14cの立設部H477の境界(連結部)と、右側装飾ユニットH14cの開口部H473とを連通する通路空間H400Aは、右側装飾ユニットH14cのLEDH412aの光を拡散する導光部材H440のとは別の部材(第1外レンズ部材H450及び外カバー部材H470)に形成される。従って、通路を異物や液体が流れる場合にLEDH412aから出射される光の拡散性が悪くなることを抑制できる。その結果、異物を流す通路を有する右側装飾ユニットH14cの装飾が視認されにくくなることを抑制できる。さらに、第111実施形態では、通路空間H400Aの下方側(流下方向側)において第1外レンズ部材H450に膨出部H455が形成され、その膨出部H455が開口部H473に挿入される。これにより、外カバー部材H470の本体板部H471と第1外レンズ部材H450の本体板部H451との間の隙間に落下する(通路空間H400Aを通過する)異物を膨出部H455に当接させると共に、膨出部H455の外面に沿って落下させることができる。その結果、開口部H473から異物を右側装飾ユニットH14cの外側へ排出しやすくできる。異物が右側装飾ユニットH14cの内部に留まることを抑制できる。即ち、外カバー部材H470に対する第1外レンズ部材H450の位置決めとして膨出部H455を利用できるだけでなく、通路空間H400を通過する異物を受け止めてパチンコ機H10の外側に排出する手段としても膨出部H455を利用(兼用)できる。特に、第1外レンズ部材H450の上方側に形成される上方側膨出部H455aは、屈曲部H452の基端部H452cと連続する高さに形成されるので、通路空間H400A内を通過する異物を基端部H452c上を通過させてそのまま上方側膨出部H455aに案内することができる。その結果、上端開口部H473aから異物を右側装飾ユニットH14cの外側へ排出しやすくできる。
なお、通路空間H400Aの基端部H452cは、上端開口部H473aに向かって傾斜して形成される。これより、第111実施形態における上端開口部H473aは、外カバー部材H470に対して前後方向における寸法が1/5以下に小さく設定されるが、通路空間H400A内を通過する異物を上端開口部H473aを通して右側装飾ユニットH14cの外側へ排出しやすくできる。これにより、外カバー部材H470に対して異物が排出される部分を一部に限定して、異物が排出されていることを遊技者に分かりにくくできる。また、異物が排出される領域を外カバー部材H470の背面側に偏る位置に設定できるので、遊技者に視認されにくい位置から異物を排出することができる。その結果、遊技者の興趣が定価することを抑制できる。また、上端開口部H473aの下方に位置する開口部H473は、少なくとも一部が上端開口部H473aと上下方向に重なる位置に形成されており、上端開口部H473aに案内されず落下する異物を他の開口部H473を通して右側装飾ユニットH14cの外側へ排出しやすくされる。なお、上記第111実施形態では、上端開口部H473aの前後方向の大きさが外カバー部材H470に対して十分に小さく設定される場合について説明したが、上端開口部H473aの前後方向における大きさを外カバー部材H470の前後方向における大きさと略同一に設定しても良い。この場合には、上端開口部H473aからほとんどの異物を右側装飾ユニットH14cの外側に排出することができ、上端開口部H473aの下方側に他の開口部H473を不要とできる。その結果、設計の自由度を向上できる。また、外カバー部材H470の上部に形成される上端開口部H473a(図1641(b)参照)に上端開口部H473aの下方側縁部に連なって区画壁H478が突設され、上端開口部H473aに挿入される上方側膨出部H455aの周囲に、区画壁H478と対応する形状の開口H455a1が形成され、その開口H455a1に区画壁H478が挿通される。即ち、通路空間H400Aと上端開口部H473aとが連通される下方側端部に区画壁H478が形成され、その区画壁H478が開口H455a1に挿入されるので、外カバー部材H470に第1外レンズ部材H450を組付ける際には、開口H455a1への区画壁H478の挿入により、外カバー部材H470と第1外レンズ部材H450とを位置決めできる。これにより、外カバー部材H470への第1外レンズ部材H450への組付け作業を容易とできる。また、外カバー部材H470に第1外レンズ部材H450が配設された状態では、区画壁H478が通路空間H400の下方に位置するので、通路空間H400を上流(上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界(連結部))側から通過する異物を区画壁H478で受け止めると共に、その受け止めた異物を上端開口部H473aに向けて案内できる。従って、外カバー部材H470に対する第1外レンズ部材H450の位置決めとして区画壁H478を利用できるだけでなく、通路空間H400を通過する異物を受け止めてパチンコ機H10の外側に排出する手段としても区画壁H478を利用(兼用)できる。
次いで、図1635から図1654を参照して、上下皿ユニットH15について説明する。初めに、図1635から図1637を参照して、上下皿ユニットH15の全体構成について説明する。図1635は、上下皿ユニットH15の正面図であり、図1636は、上下皿ユニットH15の分解正面斜視図であり、図1637は、上下皿ユニットH15の分解背面斜視図である。図1635から図1637に示すように、上下皿ユニットH15は、本体枠H14d(図1617参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H510と、そのベース部材H510の正面側に配設される上皿形成部材H520及び操作ハンドルH51と、ベース部材H510及び上皿形成部材H520の正面側に配設される下皿形成部材H530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H530の間に配設される操作ユニットH180と、を主に備える。ベース部材H510は、上下皿ユニットH15を本体枠H14d(図1617参照)の正面側(矢印F方向側)に配設するための部材であり、正面視において本体枠H14dよりも左右方向(矢印L-R方向)に大きく形成されると共に、下方側の縁部が本体枠H14dよりも下方側に位置して配設される。上皿形成部材H520は、遊技領域に打ち出される球を貯留する上皿H17を上下皿ユニットの上部に形成するための部材であり、ベース部材H510の上方側の縁部に沿ってベース部材H510の正面側(矢印F方向側)に配設される。操作ユニットH180は、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H530の間に配設されると共に、遊技者に操作されるボタン部H181を上皿形成部材H520の上面よりも上方側に突出させた状態で配設される。下皿形成部材H530は、上下皿ユニットH15の化粧面を構成する部材であり、正面視においてベース部材H510及び上皿形成部材H520を覆う位置に配設される。また、下皿形成部材H530は、下皿H50の貯留空間を形成する下皿構成ユニットH550と、その下皿構成ユニットH550に貯留された球を抜く球抜きユニットH560とを備える。本体枠H14dへのベース部材H510の配設は、ベース部材H510に上皿形成部材H520、下皿形成部材H530、操作ユニットH180、及び、操作ハンドルH51を配設し、上下皿ユニットH15を組み立てた状態で取り付けられる。
次いで、図1638及び図1639を参照して、ベース部材H510について説明する。図1638(a)は、ベース部材H510及び上皿形成部材H520の正面図であり、図1638(b)は、ベース部材H510及び上皿形成部材H520の背面図であり、図1639(a)は、図1638(a)のMDCCCLXIIa線におけるベース部材H510の断面図であり、図1639(b)は、図1638(a)のMDCCCLXIIb線におけるベース部材H510の断面図であり、図1639(c)は、図1638(a)のMDCCCLXIIc線におけるベース部材H510の断面図である。図1638に示すように、ベース部材H510は、本体枠H14dの下部正面側(矢印F方向側)を覆う板状に形成されると共に、左右方向(矢印L-R方向)の縁部および下方向の縁部に背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲する側壁部を有し、その側壁部の内側に本体枠H14dを収容する状態で本体枠H14dに配設される。また、ベース部材H510は、本体枠H14dの背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子を螺入可能に穿設される複数の締結孔H511と、本体枠H14dの背面側から正面側(矢印F方向側)に向けて螺子を挿通可能に穿設される複数の挿通孔H512と、上皿H17の貯留領域の背面側に開口する上皿用球流入部H513及び送球用球流出部H516と、下皿H50の貯留領域の背面側に開口する下皿用球流入部H514と、正面側に向かって凸状に突出する凸状部H515と、シリンダ錠H20が内側に配設されるベース側保持孔H517と、を主に備え、有色(第111実施形態では黒色)の非透過性の樹脂材料から形成される。上皿用球流入部H513は、ベース部材H510(上下皿ユニットH15)の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140(図1616参照)の前扉側上皿通路部H141から送球される球を上皿H17に流入させるための開口であり、前扉側上皿通路部H141と前後方向(矢印F-B方向)に対向する位置に形成される。これにより、パチンコ機H10が遊技状態とされる際に通路形成ユニットH140の前扉側上皿通路部H141から送球される球を上皿H17に流入させることができる。下皿用球流入部H514は、ベース部材H510(上下皿ユニットH15)の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140(図1616参照)の前扉側下皿通路部H142から送球される球を下皿H50に流入させるための開口であり、前扉側下皿通路部H142と前後方向(矢印F-B方向)に対向する位置に形成される。これにより、パチンコ機H10が遊技状態とされる際に通路形成ユニットH140の前扉側下皿通路部H142から送球される球を下皿H50に流入させることができる。送球用球流出部H516は、ベース部材H510(上下皿ユニットH15)の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140(図1616参照)を介して、上皿H17に貯留される球を発射位置送球ユニットH170に送球するための開口であり、発射位置送球ユニットH170の正面側開口H171と連通する位置に形成される。また、送球用球流出部H516の下方には、送球用球流出部H516と同様にベース部材H510の前後方向に開口する排出用球流出部H518が形成される。排出用球流出部H518は、球排出レバーH54の操作により開放される開口であり、通路形成ユニットH140のファール球受口部H146(図1617参照)に連通される。これにより、遊技者が球排出レバーH54を操作した際に、上皿H17に貯留した球を排出用球流出部H518を介して下皿H50に球を送球することができる。締結孔H511は、ベース部材H510の背面側(矢印B方向側)に配設される本体枠H14d(図1617参照)とベース部材H510とを締結固定するための螺子を螺入するための孔であり、本体枠H14dに形成される螺子挿通用の貫通孔と対応する位置に形成される。また、一部の締結孔H511は、本体枠H14dの下部背面側(矢印B方向側)に締結固定される通路形成ユニットH140の背面側から本体枠H14dを介して挿通される螺子を螺入可能に形成される。即ち、通路形成ユニットH140を上下皿ユニットH15に締結可能に構成される。これにより、上下皿ユニットH15に対する通路形成ユニットH140の位置ずれを抑え、上皿用球流入部H513に対する前扉側上皿通路部H141の連通状態と、下皿用球流入部H514に対する前扉側下皿通路部H142の連通状態とを安定させることができる。その結果、通路形成ユニットH140の前扉側上皿通路部H141から上皿H17への球の流入、及び、前扉側下皿通路部H142から下皿H50への球の流入を安定させることができる。なお、ベース部材H510への通路形成ユニットH140の配設は、上下皿ユニットH15が組み立てられた状態で行われる。挿通孔H512は、ベース部材H510の正面側(矢印F方向側)に配設される上皿形成部材H520、下皿形成部材H530、操作ユニットH180、及び、操作ハンドルH51を締結するための螺子を挿通するための孔であり、上皿形成部材H520、下皿形成部材H530、操作ユニットH180、及び、操作ハンドルH51のそれぞれに形成されるねじ穴と対応する位置に形成される。これにより、ベース部材H510に上皿形成部材H520、下皿形成部材H530、操作ユニットH180、及び、操作ハンドルH51を締結固定できる。
次いで、上皿形成部材H520について説明する。上皿形成部材H520は、ベース部材H510との対向間に上皿H17の貯留空間を形成する部材であり、ベース部材H510側(背面側(矢印B方向側))から正面側(矢印F方向側)に向かって上方に湾曲するお椀型に形成され(図1636参照)、背面側がベース部材H510に当接した状態でベース部材H510に配設される。これにより、上皿形成部材H520とベース部材H510とで上方側が開口された空間(上皿H17の貯留領域)が形成される。また、上皿形成部材H520は、正面側(矢印F方向側)の一部がベース部材H510の上皿用球流入部H513の正面側に重なる位置に形成されており、上皿用球流入部H513を介して通路形成ユニットH140の前扉側上皿通路部H141からベース部材H510の正面側に送球される球を上皿形成部材H520に当接させて上皿H17の貯留空間に貯留できるように構成される。なお、上皿形成部材H520は、上皿H17に貯留される遊技球を正面視において右側(矢印R方向側)に1球ずつ流下可能に構成されており、これにより、ベース部材H510(上下皿ユニットH15)の背面側(矢印B方向側)に配設される発射位置送球ユニットH170に1球ずつ球を送球することができる。また、上皿形成部材H520は、正面視における右側(矢印R方向側)の上面に機能調整操作部H190、貸球操作部H40、及び、球排出レバーH54を備え、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)から機能調整操作部H190、貸球操作部H40、及び、球排出レバーH54を操作可能とされる。なお、第111実施形態では、遊技者が操作する機能調整操作部H190、貸球操作部H40、及び、球排出レバーH54が、上皿形成部材H520の1箇所にまとまって構成されるので、遊技者に各操作部を探す手間を省かせることができる。また、機能調整操作部H190及び貸球操作部H40がまとまって構成されるので、それら機能調整操作部H190及び貸球操作部H40に繋がる配線を一か所にまとめることができ、配線を作業を簡易にできる。
次いで、図1639を参照して、ベース部材H510の凸状部H515について説明する。凸状部H515は、後述する下皿形成部材H530の被挿入部H555eに挿入され、ベース部材H510に対する下皿形成部材H530の位置決めを行う部分であり、被挿入部H555eにより形成される挿入空間と前後方向(矢印F-B方向)に対向する位置に形成される。また、凸状部H515は、下方側に作用する力により若干弾性変形可能な樹脂材料から形成される。図1639に示すように、凸状部H515は、正面視において横長矩形に形成されると共に、突出先端に向かうほど正面視における上下左右の厚みが薄く(先細り形状に)形成され、上面側の上面側傾斜部H515aと、下面側の下面側傾斜部H515bと、左右の側面の側面側傾斜部H515cと、を備える。凸状部H515は、それら上面側傾斜部H515aと、下面側の下面側傾斜部H515bと、左右の側面の側面側傾斜部H515cとの傾斜により、凸状部H515を下皿形成部材H530に挿入しやすくなっている。また、下面側傾斜部H515bには、左右方向(矢印L-R方向)における中央部に凸状部H515の突出先端から基端側に向かう溝状の凹部H515b1が凹設されると共に、その凹部H515b1の凹設底面の一部に被係合部H515b2が開口形成される。被係合部H515b2は、後述する下皿形成部材H530の係合部H555b1が係合される開口であり、凸状部H515の突出先端から基端側に向かって溝状に形成される凹部H515b1の基端側の端部に形成される。凹部H515b1は、後述する下皿形成部材H530の係合部H555b1が形成される突設部H555bを被係合部H515b2まで案内する案内溝であり、突設部H555bの左右方向(矢印L-R方向)における厚み寸法よりも溝幅が大きく形成される。なお、凹部H515b1に突設部H555bを案内することで、被係合部H515b2に対する係合部H555b1の位置ずれを抑えることができ、係合部H555b1の被係合部H515b2への係合を簡易にさせることができる。なお、係合部H555b1が被係合部H515b2の内部に挿入され、係合部H555b1と被係合部H515b2とが係合状態とされた場合には、被係合部H515b2の正面側(矢印F方向側)の内面に係合部H555b1が当接することで、下皿形成部材H530に対してベース部材H510が離れる方向(対向間を広げる方向)に変位することが規制される。これにより、ベース部材H510と下皿形成部材H530との間に無理に隙間を形成して、その隙間から不正な部材が挿入されたりする(即ち、不正がされる)ことを抑制できる。
次いで、図1640から図1642を参照して下皿形成部材H530について説明する。初めに図1640から図1642を参照して下皿形成部材H530の全体構成について説明する。図1640(a)は、下皿形成部材H530の正面図であり、図1640(b)は、下皿形成部材H530の背面図であり、図1641は、下皿形成部材H530の分解正面斜視図であり、図1642は、下皿形成部材H530の分解背面斜視図である。図1640から図1642に示すように、下皿形成部材H530は、ベース部材H510及び上皿形成部材H520の正面側(矢印F方向側)を覆う形状に形成され上下皿ユニットH15の正面側の化粧面を形成する化粧ユニットH540と、下皿H50を構成する下皿構成ユニットH550と、下皿H50に貯留される球を排出するための球抜きユニットH560と、を主に備えて形成される。化粧ユニットH540は、ベース部材H510に締結固定される第1化粧板H541と、その第1化粧板H541に締結固定されると共に第1化粧板H541と共に上下皿ユニットH15の化粧面を形成する第2化粧板H542と、第1化粧板H541の正面側(矢印F方向側)の一部を覆って配設される上側保護板H570及び下側保護板H580と、を主に備える。第1化粧板H541は、正面側(矢印F方向側)が凸状に湾曲する板状に形成され、上端の一部が上皿形成部材H520の正面側の外縁と当接する形状に形成されると共に、下端がベース部材H510の正面と当接する形状に形成される。また、第1化粧板H541は、正面側の化粧面の一部に開口する第1開口部H541aと、第2開口部H541bとを備え、全体が有色(桃色)の非透過性の樹脂材料から形成される。第1開口部H541aは、下皿H50の貯留領域に正面側(矢印F方向側)からのアクセスを可能にするための開口であり、遊技者の手が挿入可能な大きさに形成される。また、第1開口部H541aの背面側(矢印B方向側)には、下皿H50を構成するための下皿構成ユニットH550が配設される。第2開口部H541bは、下皿H50の貯留領域に貯留される球を排出するための球抜きユニットH560を配設するための開口であり、下皿H50の貯留用域の下方側に形成される。また、第2開口部H541bは、球抜きユニットH560を内側に収容可能な大きさに形成される。なお、球抜きユニットH560の詳細な構成については後述する。第2化粧板H542は、上皿形成部材H520と下皿形成部材H530との間に配設される操作ユニットH180の正面側(矢印F方向側)に配設され、操作ユニットH180の正面側の化粧面を形成する部材であり、上端が操作ユニットH180及び上皿形成部材H520の一部と当接する形状に形成され、下方側が第1化粧板H541の背面側(矢印B方向側)に締結固定される。また、第2化粧板H542は、全体が光を透過可能な無色透明の樹脂材料から形成される。これにより、背面側(矢印B方向側)の操作ユニットH180から出射される光を第2化粧板H542を介して上下皿ユニットH15の正面側(矢印F方向側)に出射することができる。よって、例えば、操作ユニットH180のボタン部H181を操作が必要な場合に第2化粧板H542の正面側(矢印F方向側)から光を出射することで、遊技者にボタン部H181の操作が必要であることを認識させやすくできる。また、操作ユニットH180の光による演出を遊技者に視認させることができるので、操作ユニットH180光による演出効果を向上させやすくできる。なお、第111実施形態では、第1化粧板H541を非透過性の材料から形成して、第2化粧板H542を透過性の材料から形成する場合について説明したが、第1化粧板H541及び第2化粧板H542の両方を透過性の材料から形成することも可能である。この場合、上下皿ユニットH15の光の透過領域を増やすことができるので、光による演出態様を増やすことができる。その結果、遊技者に与える興趣を向上させやすくできる。
上側保護板H570および下側保護板H580は、第1化粧板H541を保護する部材であり、第1化粧板H541の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に形成される。なお、上側保護板H570及び下側保護板H580の詳細については後述する。下皿構成ユニットH550は、下皿H50の底面を形成する底板H551と、下皿H50の上面の一部を形成すると共に底板H551の背面側(矢印B方向側)の外縁に当接する側面板H552と、を主に備える。底板H551は、底面を形成する底面部H553と、その底面部H553の正面側(矢印F方向側)の外縁に沿って上方側に向かって立設される正面側側壁H554と、底面部H553の外側であって正面側側壁H554に連なって形成される連結部H555と、を主に備える。底面部H553は、下皿H50に貯留される遊技球を支持する支持面であり、その一部に上下方向(矢印U-D方向)に開口する底面口H553aが形成される。また、底面部H553は、上面が底面口H553aに向かって下降傾斜する形状に形成されており、球抜きレバーH52の操作により底面口H553aが開放された際に、下皿H50に貯留された球を底面口H553aに向かって転動可能とされる。正面側側壁H554は、下皿H50の正面側(矢印F方向側)の側面を形成する部分であり、第1化粧板H541の背面に沿って形成されると共に、第1開口部H541aの開口縁に上端が沿う形状に形成される。また、正面側側壁H554は、底面部H553から上方に向かって少なくとも遊技球の2球分の直径よりも高く立設される。これにより、下皿H50の貯留領域に貯留される遊技球を積み重ねて保持することが可能とされる。連結部H555は、前後方向に所定の厚みを有し第1化粧板H541側(正面側)に配設される本体部H555dと、背面視において下方側が開放された門型に形成され本体部H555dの背面側(矢印B方向側)に連なって形成される被挿入部H555eとを主に備え、全体が非透過性の樹脂材料から形成される。なお、連結部H555は、下方側に作用される力により若干弾性変形可能に形成される。被挿入部H555eは、背面視において下方側が開放された門型に形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有した形状に形成される。また、被挿入部H555eは、ベース部材H510に下皿構成ユニットH550を配設した際に、ベース部材H510の凸状部H515が挿入される部分であり、凸状部H515と対応する位置に配置される。なお、被挿入部H555eについての詳細な説明は後述する。
側面板H552は、下皿H50の貯留領域の上部を覆う上板H556と、その上板H556の背面側(矢印B方向側)の外縁から下方に向かって延設される背面側側壁H557と、を主に備える。上板H556は、第1化粧板H541の第1開口部H541aの上方側の開口縁に沿う湾曲形状に形成されると共に、正面側(矢印F方向側)の外縁が第1化粧板H541の背面に当接される。背面側側壁H557は、下皿H50の背面側(矢印B方向側)の側面を形成する部材であり、上板H556の背面側の縁部から底面部H553を超える下方側まで延設され、底面部H553の背面側の縁部に背面側側壁H557の正面を当接した状態で配設される。また、背面側側壁H557は、ベース部材H510の下皿用球流入部H514と対向する位置に前後方向に開口する球案内開口H53を備える。これにより、通路形成ユニットH140の前扉側下皿通路部H142から送球される球を下皿用球流入部H514及び球案内開口H53を介して下皿H50に流入させることができる。なお、球案内開口H53は、下方側の開口縁が正面側側壁H554の上端よりも低い位置に形成される。これにより、下皿H50の貯留領域に球が貯留された際に、球案内開口H53から流入される球が貯留領域に積み重なる球の上部を転動して、第1化粧板H541の第1開口部H514aから流出することを抑制できる。球抜きユニットH560は、上方側が開口する箱状に形成される収容部材H561と、その収容部材H561の内側に配設されるスライド板H562と、そのスライド板H562に連結され正面側(矢印F方向側)の少なくとも一部が収容部材H561の外側に配置される球抜きレバーH52と、スライド板H562及び球抜きレバーH52を一方向に付勢するコイルバネ(図示せず)と、を主に備える。収容部材H561は、第1化粧板H541の第2開口部H541bの内側に収容可能な大きさに形成され、第2開口部H541bの上方に配設される下皿構成ユニットH550の下方側に隣り合う状態で配設される。また、収容部材H561は、箱状に形成される内部に後述するスライド板H562の変位を案内する案内機構を備えており、その案内機構によりスライド板H562の変位方向が一方向に規定される。スライド板H562は、底面部H553の底面口H553aの開口よりも大きい板状に形成され、底面口H553aの下側縁部を塞ぐ閉塞位置と、その閉塞位置から変位して底面口H553aを開放する開放位置とに変位可能に形成される。スライド板H562が閉塞位置に配置される場合には、下皿H50の貯留領域に球を貯留可能な状態とされ、スライド板H562が開放位置に配置される場合には、下皿H50の貯留領域にある球を底面口H553aから払い出す状態とされる。なお、収容部材H561には、スライド板H562を開放位置に配置した場合に、球を下方に挿通させるための排出口H561aが底面口H553aと対応する位置に形成される。球抜きレバーH52は、下皿H50に貯留された球を下方へ排出する際に遊技者が操作するためのレバーであり、スライド板H562に連なって形成される。この球抜きレバーH52は、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、スライド板H562が閉鎖位置(排出口H561aを塞ぐ位置)から開放位置(排出口H561aを開放する位置)に変位される。
次いで、図1643を参照して、下皿構成ユニットH550の被挿入部H555eについて説明する。図1643(a)は、連結部H555の上面図であり、図1643(b)は、連結部H555の下面図であり、図1643(c)は、図1643(b)のMDCCCLXVIc線における連結部H555の断面図である。上述したように、連結部H555は、前後方向に所定の厚みを有し第1化粧板H541側(正面側)に配設される本体部H555dと、背面視において下方側が開放された門型に形成され本体部H555dの背面側(矢印B方向側)に連なって形成される被挿入部H555eとを主に備える。図1643に示すように、被挿入部H555eは、上面にT状に開口する開口部H555aと、その開口部H555aの下方側に位置し本体部H555dから突設される突設部H555bと、被挿入部H555eの側面から被挿入部H555eの内側に向かって立設される複数のガイド壁H555cと、を主に備える。開口部H555aは、被挿入部H555eを形成する際に後述する突設部H555bを形成するための金型を挿通するための開口であり、突設部H555bの上面視における外形よりも若干大きい開口に形成される。突設部H555bは、本体部H555dから背面側(矢印B方向側)に向かって突設されており、その突設先端部の上面に凸状に形成される係合部H555b1を備える。また、突設部H555bは、ベース部材H510の凸状部H515が被挿入部H555eに挿入される際に凸状部H515の凹部H515b1に案内される部分であり、凹部H515b1により形成される溝と対応する位置に形成される。係合部H555b1は、ベース部材H510の被係合部H515b2に係合する部分であり、突設部H555bの上面から上方に向かって突設されると共に、前後方向に切断した断面が略三角形状に形成される。この断面における傾斜により、ベース部材H510の凸状部H515が被挿入部H555eに挿入される際、又は、ベース部材H510の凸状部H515から被挿入部H555eから引き抜かれる際に、突設部H555bを撓ませやすくできる。その結果、ベース部材H510に下皿形成部材H530を取り付ける作業、及び、ベース部材H510から下皿形成部材H530を取り外す作業を簡易にできる。ガイド壁H555cは、ベース部材H510の凸状部H515が被挿入部H555eに挿入される際に、凸状部H515の左右方向(矢印L-R方向)における位置を調整する部分であり、被挿入部H555eの左右の両側壁に前後方向に所定の間隔で複数個並設される。また、ガイド壁H555cは、背面側(凸状部H515の挿入部側)に形成されるガイド壁H555cに対して、正面側(凸状部H515の挿入方向側)に形成されるガイド壁H555cの方が被挿入部H555eの左右方向(矢印L-R方向)の中央側に張り出される(図1643(b)参照)。これにより、凸状部H515を被挿入部H555eに挿入し始めたタイミングでの凸状部H515とガイド壁H555cとの隙間を大きくして、凸状部H515を被挿入部H555eの内側に挿入しやすくできると共に、凸状部H515を被挿入部H555eに挿入し終えるタイミングでの凸状部H515とガイド壁H555cとの隙間を小さくして、凸状部H515に対する被挿入部H555eの配置を調整することができる。その結果、ベース部材H510に下皿形成部材H530を取り付ける作業を簡易にできる。
次いで、図1644から図1646を参照して、ベース部材H510への下皿形成部材H530の配設方法について説明する。図1644は、上下皿ユニットH15の分解斜視図であり、図1645(a)及び(b)は、ベース部材H510から下皿形成部材H530を取り外した状態における上下皿ユニットH15の断面図であり、図1635のMDCCCLXVIII線における上下皿ユニットH15の断面と対応し、図1646(a)は、図1635のMDCCCLXVIII線における上下皿ユニットH15の断面図であり、図1646(b)は、図1646(a)のMDCCCLXIXb線における上下皿ユニットH15の断面図である。なお、図1645(a)では、ベース部材H510から下皿形成部材H530が完全に取り外された状態における上下皿ユニットH15の断面が図示され、図1645(b)では、ベース部材H510に下皿形成部材H530を取り付け途中における上下皿ユニットH15の断面が図示される。図1644から図1646に示すように、ベース部材H510への下皿形成部材H530の配設は、ベース部材H510の正面側(矢印F方向側)に上皿形成部材H520及び操作ユニットH180が配設された状態で行われる。なお、上皿形成部材H520及び操作ユニットH180は、ベース部材H510の背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子が上皿形成部材H520及び操作ユニットH180のそれぞれに螺入されることでベース部材H510の正面側に締結固定される。上皿形成部材H520及び操作ユニットH180が配設された状態におけるベース部材H510の正面側(矢印F方向側)から下皿形成部材H530が押し込まれると、ベース部材H510の凸状部H515の正面側端部が下皿形成部材H530の被挿入部H555eの背面側端部と初めに重なり合い、凸状部H515が被挿入部H555eの内側に挿入される。即ち、突設部H555b及び係合部H555b1は、被挿入部H555eの内側(被挿入部H555eの背面側端部よりも正面側)に位置し、被挿入部H555eよりも背面側(矢印B方向側)に突出されないので、ベース部材H510の凸状部H515の正面側端部が下皿形成部材H530の被挿入部H555eの背面側端部に初めに当接(案内)可能とされる。これにより、連結部H555に対する凸状部H515の所定以上の位置ずれが抑えられる。
図1645(b)に示すように、被挿入部H555eの内側への凸状部H515の挿入がさらに行われると、凸状部H515の凹部H515b1の溝内に連結部H555に形成される突設部H555bが挿入され、凹部H515b1の案内溝に沿って突設部H555bが移動されることで、ベース部材H510に対する下皿形成部材H530の左右の配設位置が位置決めされる。即ち、連結部H555は、凸状部H515を位置決めする位置決め手段(突設部H555b)を備え、凸状部H515は、突設部H555bによって位置決めされる被位置決め手段(凹部H515b1)を備えるので、ベース部材H510へ下皿形成部材H530を組付ける作業において、凹部H515b1と突設部H555bとによって、ベース部材H510と下皿形成部材H530とを位置決めすることができる。これにより、ベース部材H510と下皿形成部材H530とを螺子止めする際に、両者の部材の相対位置を位置合わせすることなく螺子止めすることができ、組付け作業を効率化できる。図1646に示すように、ベース部材H510に対し下皿形成部材H530が所定位置(組立位置)に配置されると、突設部H555bの突設先端側(背面側)に形成される係合部H555b1が、凹部H515b1に形成される被係合部H515b2の内部に挿入される。これにより、ベース部材H510に対し下皿形成部材H530が所定位置(組立位置)に配置された後、ベース部材H510と下皿形成部材H530との相対変位が規制される。これにより、ベース部材H510へ下皿形成部材H530を組付ける作業において、ベース部材H510と下皿形成部材H530とを螺子止めする際に、両者の部材を仮固定することができるので、両者の部材を抑えることなく螺子止めすることができ、組付け作業を効率化できる。従って、ベース部材H510に下皿形成部材H530を組付ける際には、位置決めを可能とする凹部H515b1及び突設部H555bにそれぞれ係合部H555b1及び被係合部H515b2が形成されるので、凹部H515b1及び突設部H555bにより位置決めされた状態で、係合部H555b1及び被係合部H515b2が係合可能とされる。その結果、係合部H555b1及び被係合部H515b2の係合を容易に行うことができる。なお、ベース部材H510に対し下皿形成部材H530が所定位置(組立位置)に配置された場合には、被挿入部H555eに挿入された凸状部H515の左右(矢印L-R方向)両側に被挿入部H555eのガイド壁H555cが当接され(図1646(b)参照)、ガイド壁H555cに対して凸状部H515の左右方向への変位が規制される。即ち、凹部H515b1と突設部H555bとによるベース部材H510と下皿形成部材H530との左右方向の位置決めに加えて、ガイド壁H555cと凸状部H515bb1とにより左右方向の位置決めがされる。これにより、ベース部材H510と下皿形成部材H530とを螺子止めする際に、両者の部材の相対位置を位置合わせを確実にできる。一方、被挿入部H555eに挿入された凸状部H515の上面および下面は、被挿入部H555eの上方側の内壁および突設部H555bの上面側傾斜部H515aとの間に所定の隙間を空けて配設される(図1646(a)参照)。即ち、凸状部H515に対して被挿入部H555e(連結部H555)が上下方向に変位可能な状態で配設される。
また、ベース部材H510に下皿形成部材H530が配設された(被係合部H515b2に係合部H555b1が係合された)後では、ベース部材H510の挿通孔H512を介してベース部材H510の背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子を下皿形成部材H530(第1化粧板H541)の背面側に螺入することで下皿形成部材H530がベース部材H510に締結固定される。この場合、ベース部材H510と下皿形成部材H530とを締結する螺子は、凸状部H515及び被挿入部H555e(連結部H555)を避けた位置に締結される。これにより、凸状部H515に対して被挿入部H555e(連結部H555)が上下方向に変位可能な状態でベース部材H510と下皿形成部材H530とが締結固定される。即ち、被挿入部H555e(連結部H555)は、下皿形成部材H530の背面側に片持ち支持された状態とされると共に、凸状部H515は、ベース部材H510に片持ち支持された状態される。また、被挿入部H555eを有する連結部H555には、操作ユニットH180の下面が当接した状態で配設される。よって、操作ユニットH180を連結部H555により支持させることができる。これにより、操作ユニットH180がぐらつかないように姿勢を安定させ、操作ユニットH180の操作を安定させることができる。また、上述したように、被挿入部H555e(連結部H555)は、下皿形成部材H530の背面側(矢印B方向側)に片持ち支持された状態とされる。そのため、操作ユニットH180(ボタン部H181)を過剰に押圧する力が連結部H555に作用する場合には、連結部H555の非支持側(矢印F方向側)を操作ユニットH180の操作方向(下方)に変位させることで操作ユニットH180に作用する力を連結部H555で逃がすことができる。詳しく説明すると、両側で支持される支持部材に操作ユニットH180が支持されたり、支持部材に操作ユニットH180が締結固定されるものであると、操作ユニットH180が過剰に押圧操作される場合にその押圧力を逃がすことができず、操作ユニットH180を支持する支持部材や操作ユニットH180に破損が生じやすいという問題がある。これに対し、第111実施形態では、下皿形成部材H530の背面側(矢印B方向側)に片持ち支持された連結部H555に操作ユニットH180が支持されるので、操作ユニットH180を過剰に押圧する力が連結部H555に作用した場合に連結部H555を弾性変形させることができる。この場合、操作ユニットH180と連結部H555とが被締結とされるので、連結部H555の弾性変形に伴って操作ユニットH180と連結部H555との当接位置(当接状態)を変更することができる。即ち、操作ユニットH180を連結部H555の上面に対して滑らす(摺動させる)ことができる。その結果、操作ユニットH180に作用する力が連結部H555に作用する場合に、連結部H555が破損したり操作ユニットH180が破損することを抑制できる。即ち、第111実施形態では、操作ユニットH180を配設するための配設スペースを前後に隔てて配置される下皿形成部材H530及びベース部材H510と、下皿形成部材H530から突出され、下皿形成部材H530及びベース部材H510の対向間に位置する連結部H555と、下皿形成部材H530及びベース部材H510の対向間に配置されると共にベース部材H510に配設される操作ユニットH180とを備え、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)が連結部H555に当接可能とされるので、操作ユニットに操作に伴い作用される操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲内である場合には、操作ユニットH180を連結部H555により支持させることができる。これにより、操作ユニットH180がぐらつかないように姿勢を安定させ、操作ユニットH180の操作を安定させることができる。
一方、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲を超える場合には、連結部H555を弾性変形させて外力を逃がすことができる(操作力をベース部材H510と連結部H555とに分散させることができる。これにより、操作ユニットH180、下皿形成部材H530、及び、ベース部材H510の破損を抑制できる。また、この場合、弾性変形される連結部H555が、上下皿ユニットH15の正面側に配置される(即ち、装飾側となる)下皿形成部材H530に形成されるので、連結部H555を弾性変形させて外力を逃がした場合に、下皿形成部材H530の装飾面が撓むことを抑制できる。即ち、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲を超える場合に、その操作力をベース部材H510と連結部H555とに分散させると、連結部H555の弾性変形に伴って、操作ユニットH180が配設されるベース部材H510も弾性変形されやすい。そのため、ベース部材H510が装飾面とされると、操作ユニットH180の操作に伴って装飾面の外観が悪化する(装飾面が撓んで部品同士の間に隙間が形成される)恐れがあるところ、連結部H555が形成される下皿形成部材H530が装飾面とされることで、遊技機の外観が悪化することを抑制できる。さらに、第111実施形態では、被挿入部H555eを有する連結部H555には、本体部H555dの上面側に弾性部材H558が配設され、その弾性部材H558に操作ユニットH180の下面が当接した状態で配設される。詳しく説明すると、操作ユニットH180の下面が弾性部材H558を介して本体部H555dの上面に当接した状態で配設される。従って、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H555を弾性変形させた場合に、操作ユニットH180と連結部H555との間に介在する弾性部材H558を弾性変形させることで、操作ユニットH180の下面と、連結部H555の上面とが擦れることを抑制できる。即ち、弾性部材H558を操作ユニットH180の下面および連結部H555の上面に当接させた状態で、操作ユニットH180を連結部H555の上面に対して滑らす(摺動させる)ことができる。その結果、操作ユニットH180の下面と連結部H555の上面とが擦れて異音が発生したり、それらの当接面が破損(摩耗)したりすることを抑制できる。なお、第111実施形態では、操作ユニットH180が上方側から下方側に向かって操作され、その操作方向側に連結部H555が配置されるが、操作ユニットH180の操作方向は前後左右のどちらでもよく、その方向側に連結部H555が操作ユニットH180に当接した状態で配設される構造であればよい。また、第111実施形態では、遊技者に操作される操作ユニットH180の下端が連結部H555に当接した状態で配設されるが、操作ユニットH180の操作により変位する変位部材(例えば、花弁動作装置G800のベースユニットG600)を連結部H555に当接した状態で配設しても良い。この場合には、花弁動作装置G800が変位基端でベースユニットG600に当接した際に、ベースユニットG600に作用する力を連結部H555を弾性変形させることで逃がすことができる。その結果、花弁動作装置G800及びベースユニットG600が破損することを抑制できる。
次いで、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H555が所定範囲を超えて弾性変形される場合について説明する。上記したように、連結部H555の被挿入部H555eには、ベース部材H510から突設される凸状部H515が内側に挿入されると共に、被挿入部H555eに挿入された凸状部H515の上面側傾斜部H515aが、被挿入部H555eの上方側の内壁との間に所定の隙間を空けて配設される。従って、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H555が所定範囲を超えて弾性変形される場合には、連結部H555の上方側の内壁を凸状部H515の上面に当接させて、連結部H555の弾性変形を抑制することができる。これにより、連結部H555の破損を抑制できる。また、連結部H555(被挿入部H555e)と凸状部H515とは、非固定とされるので、連結部H555が拘束されず、連結部H555が凸状部H515に対して摺動できる。よって、連結部H555及び凸状部H515の弾性変形性を確保できる。これにより、連結部H555が凸状部H515に当接した際に、連結部H555と凸状部H515との間で作用する反力が急激に増加することを抑制でき、連結部H555及び凸状部H515の破損を抑制できる。なお、第111実施形態では、操作ユニットH180は、凸状部H515に係合する係合部H555b1に当接されず、係合部H555b1が形成される本体部H555dの上面に当接されるので、操作ユニットH180を操作した力が係合部H555b1(突設部H555b)に直接作用することを抑制できる。そのため、突設部H555bのみが撓んで、係合部H555b1と被係合部H515b2との係合が解除されることを抑制できる。また、係合部H555b1が形成される連結部H555には、本体部H555dの上面側に弾性部材H558が配設され、その弾性部材H558に操作ユニットH180の下面が当接した(弾性部材H558を弾性変形させた)状態で配設されるので、弾性部材H558により、操作ユニットH180のボタン部H181が押圧操作された際の所定の範囲(連結部H555が弾性変形されない程度)の押圧力を吸収できる。さらに、弾性部材H558を弾性変形させた状態で操作ユニットH180を配設するので、操作ユニットH180や下皿形成部材H530の配置に誤差がある場合でも、弾性部材H558と操作ユニットH180との当接状態を維持することができる。よって、操作ユニットH180と弾性部材H558との間に隙間が形成されることを抑制でき、操作ユニットH180の操作した力により操作ユニットH180が下方に移動して操作ユニットH180の下面が弾性部材H558に当接することを抑制できる。その結果、操作ユニットH180を操作した際に衝撃が発生することを抑制できる。
次いで、図1647からL15を参照して、第1化粧板H541に配設される下側保護板H580について説明する。図1647(a)は、上下皿ユニットH15の下面図であり、図1647(b)は、下側保護板H580の正面図であり、図1648(a)は、下側保護板H580の正面斜視図であり、図1648(b)は、下側保護板H580の背面斜視図であり、図1649(a)は、図1647(a)のMDCCCLXXIIa線における上下皿ユニットH15の断面図であり、図1649(b)は、図1647(a)のMDCCCLXXIIb線における上下皿ユニットH15の断面図である。図1647から図1649に示すように、下側保護板H580は、第1化粧板H541の正面側(矢印F方向側)を覆う正面側保護部H581と、その正面側保護部H581の下側縁部から背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲される底面側保護部H582と、その底面側保護部H582の下面から下方側に向かって突出される突出部H583と、正面側保護部H581の左右方向一方側(第111実施形態では正面視左側(矢印L方向側))の上端部から背面側に向かって突出して形成される係合部H585と、正面側保護部H581の左右方向他方側(第111実施形態では正面視右側(矢印R方向側)の背面から背面側に向かって突出して形成される締結部H584と、を主に備え、光透過性の半透明な樹脂材料から形成される。正面側保護部H581は、第1化粧板H541の下部前面を覆う位置に形成されると共に、第1化粧板H541の前面に沿う形状に形成される。また、底面側保護部H582は、第1化粧板H541の下面を覆う位置に形成され、第1化粧板H541の底面に沿う形状に形成される。これら正面側保護部H581及び底面側保護部H582により、第1化粧板H541の下部に直接、遊技者の手や物が当接することを抑制して、第1化粧板H541の下部が破損することを抑制できる。
ここで、パチンコ機H10は、上述したように下皿H50の前方に遊技者が操作する球抜きレバーH52が配置されており、球抜きレバーH52を操作する遊技者の手が第1化粧板H541の下部に当接しやすく、また、下皿H50の下方に下皿H50から払い出された球を貯留する千両箱が配置され千両箱を交換する際に、その千両箱や遊技者の手が第1化粧板H541の下部に当接しやすくなっている。そのため、第1化粧板H541の下部は、他の装飾面を形成する部分(上側装飾ユニットH15a、左側装飾ユニットH15b、又は、右側装飾ユニットH15c)に比べて破損しやすいという問題がある。これに対し、第111実施形態では、正面側保護部H581と底面側保護部H582とにより第1化粧板H541の下部を覆うことができるので、第1化粧板H541の下部が破損することを抑制できる。また、仮に、遊技者の手や物が当接することにより下側保護板H580が破損する場合には、第1化粧板H541に配置される下側保護板H580を交換するだけでよいので、第1化粧板H541を交換する場合に比べて、第1化粧板H541に配置される他の部材(例えば、球抜きユニットH560など)を第1化粧板H541から取り外す必要がなくなる。その結果、破損時の部品交換作業を簡易に行うことができる。さらに、正面側保護部H581は、第1化粧板H541の前面に対して所定の隙間を少なくとも一部に有した状態で配設される(図1649参照)。従って、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)から背面側(矢印B方向側)に向かって比較的大きな力が作用される場合には、第1化粧板H541との隙間の分、正面側保護部H581を撓ませることができる。よって、パチンコ機H10の正面側から作用する力が第1化粧板H541の下部に直接作用することを抑制して、第1化粧板H541の破損を抑制できる。なお、第111実施形態では、正面側保護部H581の背面側に所定の隙間を有した状態で第1化粧板H541が配設される場合について説明したが、正面側保護部H581の背面側に所定の隙間を有した状態でLEDを配置するものであってもよい。底面側保護部H582は、第1化粧板H541の下面に上面の全域が当接した状態で配設される(図1649参照)。また、底面側保護部H582には、背面側(矢印B方向側)の外縁部に上下方向(矢印U-D方向)に貫通形成される被係合部H582aが2箇所に形成される。被係合部H582aは、第1化粧板H541の下面から下方に向かって突出する係合部H541cと係合する部分であり、係合部H541cをその内部に収容可能な大きさに開口される。なお、係合部H541cへの被係合部H582aの係合方法については後述する。突出部H583は、下皿H50に貯留された球を排出口H561aから千両箱に排出する際に球が飛び散ることを防止する部分であり、下皿H50の排出口H561aよりも正面側(矢印F方向側)に形成されると共に、下皿H50の排出口H561aよりもパチンコ機H10の右側(矢印R方向側)に偏る位置に形成される。
ここで、下皿H50には、その貯留領域に球を流入させる球案内開口H53が貯留領域に対して正面視左側(矢印L方向側)に偏る位置に形成されると共に、下皿H50から球を排出する排出口H561aが、下皿H50の貯留領域において中央よりも正面側(矢印F方向側)であって正面視右側(矢印R方向側)に偏る位置に形成される。これにより、下皿H50の貯留用域から排出される球に前方および右方に向かう方向成分を持たせて、千両箱の全体に散らばって排出させることができる。しかしながら、千両箱にまだ球が貯留されていない場合など、千両箱に落下球が落下した際の衝撃が大きいと、千両箱に落下して跳ね上がる球が千両箱の上端を超える位置まで跳ね上がる場合がある。この場合、前方に向かう方向成分が球に付与されていると、その球が千両箱の正面側(矢印F方向側)から飛び出て遊技者側に落下し、遊技者がその球に注目することで遊技者に遊技を継続させることが困難となる恐れがある。これに対し、第111実施形態では、正面視において突出部H583が排出口H561aを挟んで球案内開口H53と左右方向(矢印L-R方向)反対側(千両箱の正面右側の上部)に形成されるので、下皿H50から排出された球が千両箱に衝突して跳ね上がる場合に、その球を突出部H583に当接させることができる。その結果、下皿H50から排出される球が千両箱の上部から遊技者側に飛び出ることを抑制して、遊技者に遊技を継続させやすくできる。また、突出部H583は、下皿H50から球を排出する排出口H561aよりも正面側(即ち、正面枠H14(図1614参照)の底面の正面側に偏る位置)に形成されるので、下皿H50から排出された球が千両箱に衝突して跳ね上がって正面から飛び出ようとする場合に、その球を突出部H583に当接させやすくできる。その結果、下皿H50から排出される球が千両箱の上部から遊技者側に飛び出ることを抑制して、遊技者に遊技を継続させやすくできる。さらに、突出部H583は、正面視におけるパチンコ機H10の左右方向(矢印L-R方向)に延設されると共に、正面視における排出口H561a側に近い左側(矢印L方向側)から排出口H561aから離れる右側(矢印R方向側)に向かって背面側(矢印B方向側)に傾斜して延設される。これにより、下皿H50から排出された球が千両箱に衝突して跳ね上がる場合に、千両箱の右方から飛び出ることを抑制することができ、遊技者に遊技を継続させやすくできる。なお、第111実施形態における突出部H583は、正面側(矢印F方向側)に凸状に湾曲する湾曲壁H583aを複数個(4個)左右方向(矢印L-R方向)に連結させた形状に形成され、下皿H50から球を排出する排出口H561aよりも正面側(即ち、正面枠H14(図1614参照)の底面の正面側に偏る位置)に形成される。これにより、下皿H50から排出された球が突出部H583に当接する場合に、その当接により跳ね返る方向を分散させる(ばらけさせる)ことができる。その結果、球を千両箱の全体に散らばって排出させやすくできる(即ち、一か所に集中して払い出されることを抑制できる)。
係合部H585及び締結部H584は、下側保護板H580を第1化粧板H541配設する際に、下側保護板H580の上部が第1化粧板H541から脱落することを抑制する部分であり、正面側保護部H581の上部に形成される。係合部H585は、背面側(矢印B方向側)に向かって突出されると共にその突出先端が上方に向かって屈曲するL字状に形成されており、第1化粧板H541に下側保護板H580が配設された際に、第1化粧板H541と下皿構成ユニットH550の正面側側壁H554との間に形成される隙間に配置可能に構成される。これにより、係合部H585が形成される下側保護板H580の左側上部が前後方向に動くことを抑制できるようになっている。なお、係合部H585の形状は、第1化粧板H541又は下皿構成ユニットH550に係合するものであればなんでもよく、例えば下方に向かって屈曲するL字状に形成されてもよい。締結部H584は、第1化粧板H541の背面側(矢印B方向側)から挿通した螺子が螺入される部分であり、これにより、係合部H585及び被係合部H582aにより第1化粧板H541に係合させた下側保護板H580を第1化粧板H541に締結固定できる。なお、第1化粧板H541への下側保護板H580の配設方法は、下側保護板H580の上部に形成される係合部H585を第1化粧板H541及び下皿構成ユニットH550の隙間に挿入した後で、下側保護板H580の下部に形成される被係合部H582aを第1化粧板H541の係合部H541cに係合させることで配設できる。この場合、第1化粧板H541の係合部H541cは、下側保護板H580の配設方向と対向する側(正面側(矢印F方向側))の側面の一部が突出基端側に向かって正面側に傾斜して形成される。これにより、第1化粧板H541の係合部H541cに下側保護板H580の被係合部H582aを係合させる際に、下側保護板H580の底面側保護部H582を係合部H541cの傾斜面に沿って変形させて係合部H541cを乗り越えさせることができる。その結果、第1化粧板H541の係合部H541cに下側保護板H580の被係合部H582aを係合させやすくできる。
次いで、図1650を参照して、正面枠H14を床に立てて仮置きする場合について説明する。図1650(a)及び(b)は、正面枠H14の側面図である。なお、図1650(a)及び(b)では、正面枠H14の下部が拡大して図示されると共に、床面が2点鎖線で図示される。また、図1650(a)では、正面枠H14のベース部材H510及び第1化粧板H541の下面が床面に当接した状態で配置された状態が図示され、図1650(b)では、図1650(a)に示す状態から正面枠H14が前方に傾倒された状態が図示される。なお、正面枠H14を床に立てて仮置きする場合とは、パチンコ機H10の製造時における工場の製造ラインでの一時的な仮置きや、パチンコ店(ホール)での設置作業や点検作業において正面枠H14を一時的にパチンコ機H10から取り外して仮置きする場合である。この仮置き時において、ベース部材H510及び第1化粧板H541の下面が平坦面として構成されると、床面に凹凸があると、その凹凸を受けて正面枠H14の姿勢が安定せず、正面枠H14が倒れやすいという問題がある。なお、正面枠H14の正面側(矢印F方向側)の面または背面側(矢印B方向側)の面を床面に載置することは、正面枠H14の正面側の装飾面や正面枠H14の背面側に配設されるガラスユニットH16に傷が生じる可能性や、正面枠H14の背面側から連結される配線が挟み込まれて断線する可能性があるため、行うことができない上、載置するためのスペースが嵩む。そのため、工場での製造工程やパチンコ店での設置作業や点検作業においては、載置するためのスペースを最小とするために、正面枠H14の長手方向一側(上面側または下面側)の面が床面に載置される。これに対し、第111実施形態における正面枠H14では、図1650(a)に示すように、ベース部材H510がその正面側に配設される下皿形成部材H530よりも下方側に突出する位置に配設され(即ち、下皿形成部材H530がベース部材H510の下端よりも上方側に配設されると共に、前後方向(矢印F-B方向)における幅が下皿形成部材H530の前後方向における幅よりも小さくされる。これにより、図1650(a)に示すように、ベース部材H510の下面が床面に当接する状態で正面枠H14が仮置きされる場合には、下皿形成部材H530の荷重により正面枠H14を前方側に傾けて、図1650(b)に示すように、下皿形成部材H530に配設される下側保護板H580の突出部H583を床面に当接させることができる。即ち、第111実施形態における正面枠H14は、正面枠H14の長手方向一側(下面側)の面から突出される突出部H583を備え、その突出部H583がベース部材H510から正面側に離れた位置(正面枠H14の下面における前後方向の前方側に偏る位置)に形成されるので、ベース部材H510の下端と突出部H583の突出先端とを床面に当接させて、正面枠H14を自立させることができる。これにより、正面枠H14の長手方向一側(下面側)の面が平坦面に形成される場合に比べて、床面の凹凸の影響を受けにくくすることができ、正面枠H14の自立時の姿勢を安定させることができる。その結果、正面枠H14を倒れにくくできる。
また、突出部H583は、ベース部材H510の下端と突出部H583の突出先端とが床面に当接される前後方向(矢印F-B方向)において、正面枠H14の下面の前後方向における中央よりも(正面枠H14の重心よりも)正面側(矢印F方向側)に偏る位置に形成される。これにより、正面枠H14は、ベース部材H510の前後方向(矢印F-B方向)における幅が下皿形成部材H530の前後方向における幅よりも小さくされるので、重心位置が正面側に偏りやすいところ、その重心よりも正面側に突出部H583が形成されるので、正面枠H14の自立時における重心の偏りを抑制できる。即ち、当接位置の前後方向外側に正面枠H14の重心位置が位置して正面枠H14の自立時に正面枠H14が正面側に倒れやすくなることを抑制できる。なお、突出部H583は、ベース部材H510の下端よりも突出先端が上方(矢印U方向)に位置するように構成される。従って、突出部H583を床面に当接させて正面枠H14を仮置きする場合に、正面枠H14を正面側(矢印F方向側)に傾けた状態で保持することができる。よって、突出部H583が床面に支持される点と、ベース部材H510及び第1化粧板H541が床面に支持される点との間に正面枠H14の重心を配置しやすくでき、正面枠H14を床面に立てて仮置きした場合に立てた状態での保持を安定させることができる。また、突出部H583は、第1化粧板H541の下部に配設される球抜きユニットH560よりも突出先端が下方に位置するように構成される。これにより、突出部H583を床面に当接させて正面枠H14を仮置きする場合に、球抜きユニットH560が床面に当接することを抑制できる。従って、球抜きユニットH560に力が作用することを抑制して、球抜きユニットH560のスライド機構(スライド板H562のスライド変位)が破損することを抑制できる。さらに、突出部H583は、正面視において左右方向(矢印L-R方向)の幅がベース部材H510及び下皿形成部材H530の左右方向の幅よりも小さく設定される。これにより、正面枠H14を床に仮置きした場合に突出部H583の突出先端と床面との当接面積を小さくすることができる。よって、正面枠H14を床に仮置きした場合に床面の凹凸の影響を受けにくくできる。その結果、正面枠H14の自立時の姿勢を安定させ、正面枠H14を倒れにくくすることができる。なお、第111実施形態における突出部H583は、正面側(矢印F方向側)に凸状に湾曲する湾曲壁H583aを複数個(4個)左右方向(矢印L-R方向)に連結させた形状に形成されるので、正面枠H14を床に仮置きした場合に湾曲壁H583aの一部が床面に当接される。これにより、正面枠H14を床に仮置きした場合に突出部H583の突出先端と床面との当接面積を小さくすることができる。よって、正面枠H14を床に仮置きした場合に床面の凹凸の影響を受けにくくできる。その結果、正面枠H14の自立時の姿勢を安定させ、正面枠H14を倒れにくくすることができる。
次いで、床面に仮置きした正面枠H14持ち上げる場合について説明する。正面枠H14を持ち上げる際には、次工程で正面枠H14をパチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に取り付けることが多い。そのため、正面枠H14を持ち上げる作業者は、正面枠H14の正面側から正面枠H14の下面に手を差し込んで正面枠H14を持ち上げる。この場合、図1650(b)に示すように、突出部H583は、正面枠H14の下面の正面側(矢印F方向側)端部よりも背面側(矢印B方向側)に所定の間隔を隔てて配設されるので、正面枠H14の正面側の下面と床面との間に所定の隙間を形成できる。これにより、作業者は、正面枠H14の正面側の下面と床面との間に指を差し入れて、突出部H583よりも正面側の部分に指を掛けることができる。その結果、作業者が正面枠H14を持ち上げやすくできる。また、突出部H583が正面枠H14の下面の正面側(矢印F方向側)端部よりも背面側(矢印B方向側)に所定の間隔を隔てて配設されることで、突出部H583が正面枠H14の下面の正面側端部に形成される場合に比べて、自立状態における正面枠H14の傾きを変更することなく、突出部H583の下方への突出距離を短くすることができる。従って、突出部H583を使用しない場合(例えば、遊技中)に突出部H583が邪魔になることを抑制できる。さらに、突出部H583が正面枠H14の下面の正面側端部に形成される場合に比べて背面側に突出部H583が形成されるので、遊技者から突出部H583が視認されることを抑制できる。その結果、突出部H583が遊技者の興味を無駄に引き付けることを抑制して、遊技者を遊技に集中させることができる。
次いで、図1651を参照して、外枠H11(図1612参照)に配設された正面枠H14を外枠H11に対して回転させる場合について説明する。図1651(a)は、正面枠H14の下面図であり、図1651(b)は、正面枠H14の側面図である。なお、図1651(a)及び(b)では、作業者の手が2点鎖線で図示されると共に、正面枠H14以外(例えば外枠H11)の図示が省略される。正面枠H14は、上述したように正面視において外枠H11(図1612参照)の正面視左側上下の2箇所に取り付けられたヒンジH18を軸に正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている。また、上下皿ユニットH15に形成される突出部H583は、正面枠H14の正面視において、左右方向(矢印L-R方向)の中央よりも右側に偏る位置に形成されると共に、正面枠H14の回転軸から径方向外側に向かって延設される(一端側が回転軸に近い側に形成され、他端側が回転軸から離れる位置に形成される)。よって、図1651(a)及び(b)に示すように、外枠H11(図1612参照)に対して正面枠H14を開放する場合には、突出部H583に作業者の手を把持させやすくできる。従って、外枠H11に対して正面枠H14を作業者が開放しやすくできる。また、突出部H583は、複数の湾曲壁H583aを連結した形状とされるので、1の湾曲壁H583aの湾曲部分(凹部分)に遊技者の指を引っ掛けさせることができる。従って、外枠H11(図1612参照)に対して正面枠H14を開放する場合に遊技者の指が突出部H583に対して左右方向(矢印L-R方向)に滑ることを抑制できる。その結果、外枠H11に対して正面枠H14を開放させやすくできる。さらに、複数の湾曲壁H583aには、その前後の側面に底面側保護部H582の下面と連結されるリブH583bが形成される。これにより、突出部H583の強度を確保して、突出部H583の破損を抑制できる。また、作業者が突出部H583に指を引っ掛けた場合に、突出部H583が底面側保護部H582に対して変形する(倒れる)ことを抑制できる。その結果、外枠H11(図1612参照)に対して正面枠H14を開放する場合に遊技者の指が突出部H583に引っ掛かりにくくなることを抑制できる。また、突出部H583は、正面側保護部H581よりも背面側(矢印B方向側)に形成されるので、突出部H583に指を引っ掛ける作業者の指を上下皿ユニットH15の背面側に入れさせやすくできる。よって、作業者の指を上下皿ユニットH15の下部に配置する面積を増やすことができ、外枠H11(図1612参照)に対して正面枠H14を開放する場合に正面枠H14を持ち上げる方向の力を作用させやすくできる。これにより、外枠H11に対して正面枠H14を開放する場合には、正面枠H14の正面視右側を持ち上げつつ正面枠H14を開放することができる。その結果、外枠H11の回転軸から離間する正面枠H14の右側がその自重により傾いて下面が外枠H11に当接している(回転抵抗が大きい)場合であっても、外枠H11に対して正面枠H14を開放させやすくできる。
次いで、図1652から図1654を参照して、上側保護板H570について説明する。初めに、図1652及び図1653を参照して、上側保護板H570の構成について説明する。図1652(a)は、上側保護板H570の正面図であり、図1652(b)は、図1652(a)のMDCCCLXXVb線における上側保護板H570の断面図であり、図1652(c)は、図1652(a)のMDCCCLXXVc線における上側保護板H570の断面図であり、図1653(a)は、図1635のMDCCCLXXVIa線における上下皿ユニットH15の断面図であり、図1653(b)は、図1635のMDCCCLXXVIb線における上下皿ユニットH15の断面図である。なお、図1653(a)における断面位置と図1652(b)における断面位置とは、同じ位置における断面が図示され、図1653(b)における断面位置と図1652(b)における断面位置とは、同じ位置における断面が図示される。L21及び図1653に示すように、上側保護板H570は、第1化粧板H541の正面側(矢印F方向側)を覆う形状の正面側保護部H571と、その正面側保護部H571の対向する縁部から第1化粧板H541側に向かって立設される挿入部H572と、正面側保護部H571の下端から背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲して形成される屈曲部H573とを主に備える。正面側保護部H571は、第1化粧板H541の前面に沿う形状の板状体から形成され、正面視において上皿H17と下皿H50との間の第1化粧板H541の正面側(矢印F方向側)を覆う位置に形成される。正面側保護部H571が第1化粧板H541の前面側に配置されることにより、第1化粧板H541に直接、遊技者の手や物が当接することを抑制して、第1化粧板H541が破損することを抑制できる。ここで、下皿H50や下皿H50の下方に配置される千両箱に貯留された球を、パチンコ機H10の上皿H17に送るには、下皿H50や千両箱に貯留された球を遊技者が把持して上皿H17の貯留領域に送る必要がある。また、パチンコ機H10の遊技中には、右手で操作ハンドルH51を把持しておく必要があり、遊技中に上皿H17に球を送るには、左手で球をつかみ上皿H17に球を送る必要がある。従って、上皿H17と下皿H50との間および上皿H17の左側は、遊技者の左手の動線上に位置しやすく、遊技者の手や物(例えば、遊技者が把持する球)が当接しやすくなっている。そのため、第1化粧板H541の正面視における上皿H17と下皿H50との間および上皿H17の左側は、他の装飾面を形成する部分(上側装飾ユニットH15a、左側装飾ユニットH15b、又は、右側装飾ユニットH15c)に比べて破損しやすいという問題がある。これに対し、第111実施形態では、第1化粧板H541の正面視における上皿H17と下皿H50との間および上皿H17の左側を覆う位置に正面側保護部H571が配置されるので、第1化粧板H541に遊技者の手や物が直接当接することを抑制して、第1化粧板H541が破損することを抑制できる。また、仮に、遊技者の手や物が当接することにより上側保護板H570が破損する場合には、第1化粧板H541に配置される上側保護板H570を交換するだけでよいので、第1化粧板H541を交換する場合に比べて、第1化粧板H541に配置される他の部材(例えば、球抜きユニットH560など)を第1化粧板H541から取り外す必要がなくなる。その結果、破損時の部品交換作業を簡易に行うことができる。
挿入部H572は、正面視において上下方向(矢印U-D方向)に長く形成されると共に左右方向(矢印L-R方向)の厚みが小さく形成される正面側保護部H571の左右両側の縁部に沿って延設されると共に、背面側に向かって立設される。また、第1化粧板H541には、上側保護板H570の正面側保護部H571が配設される部分に背面側(矢印B方向側)に向かって凹む凹部H541dが形成されると共に、挿入部H572と対応する位置にその挿入部H572を挿入可能な被挿入部H541d1が形成される(図1653(b)参照)。凹部H541dは、正面側保護部H571の前後方向における厚みより少し大きく背面側(矢印B方向側)に凹設された形状に形成される。これにより、正面側保護部H571が正面側に配設した際に、正面側保護部H571の正面を第1化粧板H541の化粧面に沿って配置する(正面側保護部H571と第1化粧板H541との化粧面の繋ぎ目の段差を少なくする)ことができる。その結果、上下皿ユニットH15の化粧面を触る遊技者に違和感を感じさせにくくできる。被挿入部H541d1は、挿入部H572の厚みよりも若干大きい溝状に形成されており、その溝の内部に挿入部H572を挿入可能に形成される。また、被挿入部H541d1は、その凹設底面に挿入部H572の背面側(矢印B方向側)の端部が当接可能な長さに設定される。即ち、正面側保護部H571の背面と凹部H541dの正面との隙間は、被挿入部H541d1の凹設底面に挿入部H572を当接させることで形成される。よって、正面側保護部H571の背面と凹部H541dの正面との隙間の形成を簡易にできると共に、その隙間を維持しやすくできる。なお、被挿入部H541d1は、第1化粧板H541を背面側に曲げて形成されており、被挿入部H541d1が形成される領域の第1化粧板H541の板厚と、被挿入部H541d1以外の領域の第1化粧板H541の板厚とが略同一に形成される。これにより、被挿入部H541d1の剛性を確保することができる。その結果、被挿入部H541d1に挿入して配設される上側保護板H570に所定の力が作用される場合に、被挿入部H541d1が破損することを抑制できる。一対形成されるうちの一方の被挿入部H541d1は、上端の凹設底面が切り欠かれる被係合部(図示せず)を備え、その被係合部に一方の挿入部H572の上端部から下方に向かって突設される係合部H572aが挿入可能とされる。これにより、第1化粧板H541の正面側(矢印F方向側)に上側保護板H570を配設した際に、上側保護板H570の上側右部が背面側(矢印B方向側)に向かって移動することを抑制できる。なお、正面側保護部H571には、係合部H572aが形成される一方と左右方向反対側の背面側(矢印B方向側)から被締結部H571a(図1652(b)参照)が突設される。被締結部H571aは、第1化粧板H541側から正面側(矢印F方向側)に挿通される螺子を螺入させる部分であり、これにより、第1化粧板H541に対して上側保護板H570の上側左部を締結固定できる。即ち、第111実施形態では、上側保護板H570の上側は、右側部分が係合部H572aにより第1化粧板H541に係合され、左側部分が被締結部H571aにより第1化粧板H541に締結される。これらの係合および締結により、上側保護板H570の上側部分が第1化粧板H541に対して正面側(矢印F方向側)に移動すること(脱落すること)を抑制できる。
本実施形態では、被締結部H571aが正面視における正面側保護部H571の左右方向(矢印L-R方向)の他方側に偏る位置に形成されるので、後述するように、正面側保護部H571に所定の力が作用する場合に正面側保護部H571を背面側(矢印B方向側)に向かって撓ませることが可能とされる。即ち、正面側保護部H571の左右の両端が締結固定されては、正面側保護部H571に所定の力が作用する場合に正面側保護部H571が左右方向に変形できなくなるところ、第111実施形態では、左右方向の一方側が係合部H572aによる係合とされるので、正面側保護部H571の一方側への変形を可能とできる。屈曲部H573は、第1化粧板H541の第1開口部H541aの内縁に沿って背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲して形成され、屈曲先端側の少なくとも一部が下皿H50の貯留空間に入り込んだ位置に形成される。また、屈曲部H573は、第1開口部H541aの内縁に沿って形成されることにより、正面視において上方側(正面側保護部H571の内側)に向かって凹状に湾曲して形成される。また、屈曲部H573には、上下方向(矢印U-D方向)に開口する被係合部H573aが形成され、その被係合部H573aが第1化粧板H541の第1開口部H541aの上側内縁から下方に向かって突出する係合部H541eに係合される。なお、係合部H541eへの被係合部H573aの係合方法については後述する。
次いで、正面側保護部H571が第1化粧板H541の前面に配設された状態について説明する。図1653に示すように正面側保護部H571は、第1化粧板H541の前面に対して所定の隙間を少なくとも一部に有した状態で配設される。パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)から背面側(矢印B方向側)に向かって比較的大きな力が作用される場合には、第1化粧板H541に対する正面側保護部H571の所定の隙間により正面側保護部H571を背面側に向かって撓ませることができる。よって、パチンコ機H10の正面側から作用する力が第1化粧板H541に直接作用することを抑制して、第1化粧板H541の破損を抑制できる。しかしながら、上側保護板H570の下方側は、第1化粧板H541から下方に向かって突出する係合部H541eに被係合部H573aが係合されるだけであるので、第1化粧板H541に対する正面側保護部H571の所定の隙間により正面側保護部H571を背面側(矢印B方向側)に向かって撓ませた際に、正面視において正面側保護部H571の外側に向かって屈曲部H573が広がり、被係合部H573aと係合部H541eとの係合が解除される恐れがある。これに対し、第111実施形態では、挿入部H572が形成される正面側保護部H571の左右の両端から中央側に向かって正面側(矢印F方向側)に凸状に湾曲した形状に形成されるので、正面側保護部H571に正面側から所定の力が作用される場合に、正面側保護部H571を左右方向(矢印L-R方向)外側に広がる方向に撓ませることができ被係合部H573aと係合部H541eとの係合が解除されることを抑制できる。即ち、第111実施形態では、正面側保護部H571に正面側(矢印F方向側)から所定の力が作用する場合に、重力方向(矢印U-D方向)における弾性変形量に比べて、左右方向(矢印L-R方向)における弾性変形量を大きくすることができると共に、弾性変形量が小さい重力方向外側に第1化粧板H541(係合部H541e)と係合する被係合部H573aが形成されるので、正面側保護部H571が弾性変形した場合に、被係合部H573aの位置がずれることを抑制できる。その結果、被係合部H573aと係合部H541eとの係合が解除されることを抑制できる。なお、上側保護板H570は、左右方向(矢印L-R方向)の両側に形成される挿入部H572が第1化粧板H541の被挿入部H541d1に挿入されるので、正面側保護部H571に作用する力により正面側保護部H571が左右方向に変形する場合に正面側保護部H571が第1化粧板H541の化粧面に当接することを抑制できる。
また、挿入部H572が第1化粧板H541の被挿入部H541d1に挿入されるので、正面側保護部H571に作用する力により正面側保護部H571が左右方向に変形する場合に、正面側保護部H571の位置がずれることを抑制できる。その結果、上下皿ユニットH15の見た目が変わることを抑制できる。また、第111実施形態では、屈曲部H573が、正面視において一対の挿入部H572の対向方向に延設されると共に、上方側(正面側保護部H571の内側)に向かって凹状に湾曲して形成されるので、正面側保護部H571が左右方向(矢印L-R方向)に弾性変形する場合に、その正面側保護部H571の撓みにより屈曲部H573の左右両側が引っ張られる力を、屈曲部H573の被係合部H573aが形成される部分を正面視における正面側保護部H571の中央側に傾倒させる方向の力に変換しやすくできる。これにより、第111実施形態では、正面側保護部H571に正面側(矢印F方向側)から所定の力が作用して正面側保護部H571が弾性変形する場合に、被係合部H573aが係合部H541eとの係合を解除する方向に変位することを抑制できる。その結果、被係合部H573aと係合部H541eとの係合が解除されることを抑制できる。また、係合部H541eは、第1開口部H541aの内側に形成される。即ち、下皿H50の内側に形成されるので、被係合部H573aと係合部H541eとの係合箇所を遊技者から視認されにくくできる。その結果、被係合部H573aと係合部H541eとの係合が遊技者により解除されることを抑制できる。なお、第111実施形態では、第1化粧板H541に突出形成される係合部H541eを上側保護板H570の被係合部H573aに係合される場合について説明したが、係合部H541eと被係合部H573aとが反対に形成されていてもよく、第1化粧板H541に凹設される被係合部に上側保護板H570に突出形成される係合部を係合させても良い。この場合には、上側保護板H570に被係合部H573aの開口を形成する必要がなくなるので、第1化粧板H541に上側保護板H570を配設した際に、上下皿ユニットH15の化粧面に開口が現れなくなるので、遊技者が上側保護板H570と第1化粧板H541との係合を外そうとすることを抑制できる。その結果、被係合部H573aと係合部H541eとの係合が解除されることを抑制できる。
次いで、図1654を参照して、第1化粧板H541への上側保護板H570の配設方法について説明する。図1654(a)及び(b)は、第1化粧板H541から上側保護板H570を分解した状態における上下皿ユニットH15の断面図である。なお、図1654(a)及び(b)は、図1635のMDCCCLXXVIa線における上下皿ユニットH15の断面と対応する。また、図1654(a)では、第1化粧板H541から上側保護板H570が完全に取り外された状態における上下皿ユニットH15の断面が図示され、図1654(b)では、第1化粧板H541に上側保護板H570を取り付け途中における上下皿ユニットH15の断面が図示される。図1654(a)及び(b)に示すように、上側保護板H570を第1化粧板H541に取り付ける際には、第1化粧板H541の被挿入部H541d1に上側保護板H570の挿入部H572を挿入しつつ、上側保護板H570を第1化粧板H541に向かって押し込むことで、屈曲部H573が第1化粧板H541の第1開口部H541aの内縁に当接する上下位置に合わせられる。この場合、第1化粧板H541の係合部H541eは、上側保護板H570の配設方向と対向する側(正面側(矢印F方向側)の側面の一部が突出基端側に向かって正面側に傾斜して形成される。これにより、第1化粧板H541の係合部H541eに上側保護板H570の被係合部H573aを係合させる際に、上側保護板H570の屈曲部H573を係合部H541eの傾斜面に沿って変形させて係合部H541eを乗り越えさせることができる。その結果、第1化粧板H541の係合部H541eに上側保護板H570の被係合部H573aを係合させやすくできる。
次いで、図1655から図1677を参照して、操作ユニットH180について説明する。初めに、図1655から図1657を参照して、操作ユニットH180の全体構成について説明する。図1655(a)は、操作ユニットH180の正面斜視図であり、図1655(b)は、操作ユニットH180の背面斜視図であり、図1656は、操作ユニットH180の分解正面斜視図であり、図1657は、操作ユニットH180の分解背面斜視図である。図1655から図1657に示すように、操作ユニットH180は、上面にボタン部H181を有する傾倒装置H710と、その傾倒装置H710が上下方向(矢印U-D方向)に揺動可能な状態で内側に配設される下枠部材H720と、その下枠部材H720の内側に配設される揺動装置H730と、傾倒装置H710のリング部材H713を上方側(矢印U方向側)から支持し下枠部材H720と向かい合わせで配置される上枠部材H740と、下枠部材H720の下方側(矢印D方向側)に配設されアーム部材H755を介して傾倒装置H710に駆動力を伝達する駆動手段H750と、下枠部材H720の下方側に配設され駆動手段H750を左右方向(矢印L-R方向)と後方(矢印F方向)との三方から覆う箱状に形成される保護カバー部材H760と、を主に備える。下枠部材H720は、下方側(矢印D方向側)に向かって凹状のカップ型に形成されると共に、光を透過可能な透明な樹脂材料で形成される。これにより、下枠部材H720の内側に揺動装置H730を配設できると共に、その揺動装置H730から正面側(矢印F方向側に向かって出射される光を正面側に透過できる。また、下枠部材H720は、上述した上下皿ユニットH15の第2化粧板H542の背面に沿って湾曲した形状に形成される正面板H721と、その正面板H721の背面側(矢印B方向側)端部に連なって形成され、正面板H721の背面側の縁部から背面側に向かって上昇傾斜する形状に形成される背面板H722と、その背面板H722の背面側の上端から上方(矢印U方向)に突設される一対の突設部H723と、背面板H722から背面側に向かって延設され、下方側に駆動手段H750が保持される保持部形成板H724と、その保持部形成板H724の下方側に左右一対で配置される左側検出センサH725Lと、右側検出センサH725Rと、背面板H722の右側(矢印R方向側)の下端部に配設されるボタン検出センサH726と、を主に備える。正面板H721は、操作ユニットH180を上下皿ユニットH15(ベース部材H510)に配設した際に、第2化粧板H542(図1636参照)の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される部分であり、第2化粧板H542の背面に沿う湾曲形状に形成される。また、正面板H721は、正面側の外縁に沿って正面側に向かって立設される壁部H721aと、下端の一部に前後方向に開口される開口部H721bとを備える。壁部H721aは、正面側の立設先端部が第2化粧板H542の背面に当接可能な立設距離に設定される。よって、操作ユニットH180を上下皿ユニットH15(ベース部材H510)に配設した際に、壁部H721aを除く正面板H721の正面と、第2化粧板H542の背面との間に空間を形成することができる。その空間により、第2化粧板H542の正面に入力される衝撃が正面板H721(操作ユニットH180)に直接作用することを抑制できる。その結果、後述する揺動装置H730の駆動手段H780及び変位部材H790が第2化粧板H542に入力される衝撃で揺動することを抑制できる。
開口部H721bは、後述する傾倒装置H710との隙間から下枠部材H720の内側にゴミ(埃等)や液体が流入された場合に、傾倒装置H710の外側に排出するための空間であり正面板H721の下方側端部に形成される。従って、下枠部材H720の内側に流入したゴミ(埃等)や液体を開口部H721bを介して操作ユニットH180の外側に排出することができる。これにより、下枠部材H720の内側にゴミ(埃等)や液体が溜まって、操作ユニットH180の傾倒装置H710や揺動装置H730の変位が規制されたり、揺動装置H730の基板部材H773がショートしたりすることを抑制できる。背面板H722は、後述する揺動装置H730を配設するためのベース板であり、揺動装置H730に螺入される螺子を挿通するための挿通孔H722aが前後方向(矢印F-B方向)に開口される。なお、揺動装置H730は、背面側(矢印B方向側)に向かって上昇傾斜する背面板H722に配設されることで、正面側(矢印F方向側)を上方側(矢印U方向側)に傾けた姿勢で配置される。また、背面板H722は、左右の両外側に前後方向(矢印F-B方向)に開口される一対の開口部H722bと、一方の開口部H722b(正面視において右側の開口部H722b)と隣り合う位置に配置されるボタン検出センサH726を下枠部材H720に締結固定するための螺子を螺入するねじ穴(図示しない)と、を備える。一対の開口部H722bは、下枠部材H720の外側に配置される駆動手段H750と、下枠部材H720の内側に配設される傾倒装置H710とを連結するための一対のアーム部材H755を挿通するための開口であり、それぞれのアーム部材H755の変位軌跡上に開口されると共に、アーム部材H755が変位された際にアーム部材H755と干渉しない程度の大きさに形成される。一対の突設部H723は、背面板H722の上端から上方側(矢印U方向側)に向かって突設されると共に、その突設先端に傾倒装置H710のリング部材H713を上方側から挿入可能に上方側が開放される下側軸受け部H723aを備える。下側軸受け部H723aは、一対の突設部H723のそれぞれの突設先端側を半円形状に凹設して形成されると共に、一対の突設部H723の対向面側を開放した形状に形成される。なお、下側軸受け部H723aは、その凹設部分の内側に傾倒装置H710のリング部材H713を配置可能に形成されており、円柱状に形成されるリング部材H713の直径よりも若干大きい直径の半円形状に形成される。
保持部形成板H724は、背面板H722の背面側(矢印B方向側)に配設される駆動手段H750を変位可能に保持するための部分であり、背面板H722の上方側(矢印U方向側)の縁部から背面側に延出して形成される。また、保持部形成板H724には、左右方向(矢印L-R方向)における中央部の下面側に駆動手段H750を駆動する駆動力を発生させる駆動モータH727が配設用ブラケットH728を介して取り付けられると共に、その駆動モータH727の左右方向外側に左側検出センサH725L及び右側検出センサH725Rが配設される。また、保持部形成板H724には、駆動手段H750の伝達軸棒H753の前後を保持する保持部H724aが左右方向(矢印L-R方向)に離れた位置に一対形成される。それぞれの保持部H724aは、前後方向に所定の間隔を隔てた一対の突出部を備え、その一対の突出部の対向間に伝達軸棒H753を挟んで保持可能に形成される。左側検出センサH725Lは、後述する駆動手段H750の左円板カムH754Lの回転位置を検出するセンサであり、右側検出センサH725Rは、駆動手段H750の右円板カムH754Rの回転位置を検出するセンサである。左側検出センサH725L及び右側検出センサH725Rは、それぞれの円板カムH754L,H754Rと対応する位置に配設される。なお、左側検出センサH725L及び右側検出センサH725Rは、円板カムH754L,H754Rに切り欠き形成される検出部H754gL,H754gRにより検出光が遮られなくなることで、それぞれの円板カムH754L,H754Rの回転位置を検出することができる。ボタン検出センサH726は、上下一対の上方側センサH726aと下方側センサH726bとを備えて形成され、上方側センサH726aにより傾倒位置に配置される傾倒装置H710を検出可能とされ、下方側センサH726bにより傾倒位置から押し込まれた傾倒装置H710を検出可能とされる。即ち、上方側センサH726aは、傾倒位置に配置される傾倒装置H710の検出片H715を検出可能とされ、下方側センサH726bは、傾倒位置から押し込まれた位置の傾倒装置H710の検出片H715を検出可能とされる。なお、操作ユニットH180の操作を検出する各センサ(左側検出センサH725L、右側検出センサH725R、ボタン検出センサH726)の各種スイッチH208(図1619参照)は、入出力ポートH205(図1619参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号に基づいてMPUH201が各種処理(音声出力や液晶表示)を実行可能とされる。
傾倒装置H710は、上面にボタン部H181と、そのボタン部H181の正面側の外縁から下方側に向かって延設される正面側透過部H711と、ボタン部H181の左右両外側の外縁から下方側に向かって延設される側面側反射部H712と、ボタン部H181の背面側の外縁に沿って配設される軸部材H716(図1665参照)と、その軸部材H716の両端に配設されるリング部材H713と、軸部材H716に巻き付けされるねじりバネH717と、側面側反射部H712の下端の縁部に沿って配設されるブラケットH714と、側面側反射部H712の正面側の下端に配設され、下方側に突出する検出片H715と、を主に備え、ボタン部H181、正面側透過部H711、及び、側面側反射部H712により下方側が開口する箱状に形成される。なお、傾倒装置H710は、リング部材H713を回転軸として回転可能に形成されており、上述した傾倒位置と、その傾倒位置から正面側を上方側に回転させた起立位置との間で変位可能とされ、傾倒位置においてボタン部H181、正面側透過部H711、及び、側面側反射部H712の内側に揺動装置H730を配置可能とされる。なお、第111実施形態では、リング部材H713(回転軸)が傾倒装置H710の背面側に配置されるが、リング部材H713(回転軸)を正面側や左右のどちらか一方側に配置して、傾倒装置H710の背面側が上昇する形態や、左右のどちらか他方側が上昇する形態としても良い。ボタン部H181は、遊技者が押圧操作する部材であり、傾倒装置H710が傾倒位置に配置された状態において、上述した上皿形成部材H520と下皿形成部材H530(図1636参照)との対向間から上方側(矢印U方向側)に突出する位置に配置される。また、ボタン部H181は、無色透明の樹脂材料から形成されており、下方側(矢印D方向側)に配置される揺動装置H730から出射される光を上方側に向かって透過可能とされる。なお、第111実施形態におけるボタン部H181は、貝を模した形状に形成されており、上面視において左右方向に広がる扇状に形成される。なお、第111実施形態では、ボタン部H181が無色透明の樹脂材料から形成されるが、ボタン部H181を有色の光を透過可能な樹脂材料から形成して、ボタン部H181を透過する光にボタン部H181の色味を付与する構造であっても良い。正面側透過部H711は、傾倒装置H710が起立位置に配置された状態において、ボタン部H181の正面側(矢印F方向側)を覆う部材であり、起立位置において上皿形成部材H520と下皿形成部材H530との対向間に下方側の端部が配置される。これにより、傾倒装置H710が起立位置に配置された状態において、傾倒装置H710と下皿形成部材H530との対向間から針金やピアノ線等の不正な部材が挿入されることを抑制できる。
なお、正面側透過部H711(傾倒装置H710)は、光を透過可能な無色透明の樹脂材料から形成されるので、傾倒装置H710が起立位置に配置された状態においては、下方側(矢印D方向側)に配置される揺動装置H730から出射される光を正面側透過部H711を介して正面上方側(即ち、遊技者側)に出射できる。また、傾倒装置H710が傾倒位置に配置された状態においては、正面側透過部H711が正面板H721と対向する位置に配置されると共に後述する揺動装置H730の正面側に配置される。これにより、揺動装置H730から出射する光を正面側透過部H711及び正面板H721を介して正面側に出射できる。さらに、正面側透過部H711は、遊技者により傾倒装置H710が下方に押し込まれた場合に、下方側の端部が後述する揺動装置H730に当接可能な大きさに形成され、傾倒装置H710を押圧操作に伴って揺動装置H730を変位可能とされる。これにより、傾倒装置H710の押圧操作に伴って揺動装置H730から出射される光の方向を変更できるので、揺動装置H730による光の態様を傾倒装置H710の押圧操作に伴って変更できる。なお、傾倒装置H710の当接による揺動装置H730の動作についての詳しい説明は後述する。なお、第111実施形態では、揺動装置H730の正面板H721が透明の樹脂材料から形成され、傾倒装置H710が傾倒位置に配置される場合に基板部材H773から出射される正面側透過部H711が正面板H721を介して正面側に出射される場合について説明したが、正面板H721を有色の不透明(光を非透過)の樹脂材料から形成しても良い。この場合には、傾倒装置H710が傾倒位置では、基板部材H773から出射される光の正面側への光の透過が規制され、傾倒装置H710が起立位置では、基板部材H773から出射される光の正面側への透過の規制が解除される。即ち、傾倒装置H710が起立位置に配置される場合にのみ、正面側透過部H711から透過される基板部材H773の光を遊技者が視認可能とされる。これによれば、傾倒装置H710が傾倒位置に配置される場合と起立位置に配置される場合とで遊技者側に出射される光の光量に差を設けやすくでき、傾倒装置H710が傾倒位置に配置される場合に遊技者に傾倒装置H710に注目させやすくできる。側面側反射部H712は、傾倒装置H710が起立位置に配置された状態において、ボタン部H181の左右両側面を覆う部材であり、上皿形成部材H520と下皿形成部材H530との対向間に下方側の端部が配置される。これにより、傾倒装置H710が起立位置に配置された状態において、傾倒装置H710と下皿形成部材H530との対向間から針金やピアノ線等の不正な部材が挿入されることを抑制できる。また、側面側反射部H712は、下方側の端部に配設されるブラケットH714と重ない位置における左右両側に上方側に向かって凹設される被係合凹部H712aを備える。被係合凹部H712aは、傾倒装置H710が傾倒位置に配置された状態から傾倒装置H710がねじりバネH717の付勢力で起立位置に変位することを抑制する(傾倒装置H710を傾倒位置に保持する)ために、後述する回転爪部材H757と係合する部分であり、回転爪部材H757と対応する位置に形成される。また、側面側反射部H712は、傾倒装置H710の内部空間側に光を反射可能な塗装がされ、側面側反射部H712に照射される光を反射可能に形成される。ここで、傾倒装置H710が傾倒位置に配置された状態において、側面側反射部H712が後述する揺動装置H730の背面側に配置される。これにより、揺動装置H730から側面側反射部H712側に光が出射される場合に、その光を正面側透過部H711側に反射させることができる。その結果、傾倒装置H710が傾倒位置に配置される状態において、傾倒装置H710の正面側透過部H711から正面側に出射される光量を増加して、遊技者の興趣を向上できる。
リング部材H713は、傾倒装置H710の回転軸となる部分であり、円柱状に形成される。また、リング部材H713は、左右方向に軸を有しボタン部H181の背面側の縁部に沿って配設される。これにより、ボタン部H181の正面側の端部を下方に配置した傾倒位置と、その傾倒位置からボタン部H181の正面側の端部を上方に配置した起立位置との間で傾倒装置H710を回転させることができる。なお、傾倒装置H710の軸部材H716には、ねじりバネH717が配設されており、そのねじりバネH717が下枠部材H720と傾倒装置H710とに係合される。これにより、傾倒装置H710は、下枠部材H720に対して正面側の端部を上方に押し上げる方向(起立位置に変位する方向)に付威された状態で下枠部材H720に配設される。ブラケットH714は、アルミ等の金属材料を屈曲して構成され、下面視において側面側反射部H712の下縁部に沿う(正面側が開放された)コ字形状に形成される。ブラケットH714が傾倒装置H710の下面に配設されることで、ボタン部H181の押圧操作時に傾倒装置H710が下枠部材H720の背面板H722に当接して傾倒装置H710が破損することを抑制できる。また、ブラケットH714は、コ字形状の対向する板部分から下方側に屈曲して形成される連結部H714aを備える。連結部H714aは、傾倒装置H710に駆動力を伝達する駆動手段H750のアーム部材H755が連結される部分であり、アーム部材H755の連結棒H755bを挿通可能な貫通孔が形成される。アーム部材H755の連結棒H755bが連結部H714aに挿通されることで、アーム部材H755の変位に連動して傾倒装置H710を変位させることができる。検出片H715は、ボタン検出センサH726の検出光を遮る部材であり、ボタン検出センサH726の上方側センサH726aを遮る部分と下方側センサH726bを遮る部分とが異なる突出長さで形成される。詳しく説明すると、傾倒装置H710が傾倒位置から押し込まれた位置を検出する下方側センサH726bを遮る部分の突出距離が、傾倒装置H710の傾倒位置を検出する上方側センサH726aを遮る部分の突出距離よりも短く形成される。上枠部材H740は、上面視において傾倒装置H710の側面側反射部H712の下端に屈曲形成される係合片H712bが引っかかる(上下方向に重なる)大きさの半円弧形状に形成される。これにより、傾倒装置H710が傾倒位置から起立位置に変位した際に、傾倒装置H710が起立位置を超えて上方側に張り出し変位することを抑制できる。また、上枠部材H740は、下枠部材H720の背面板H722と上下方向に対向配置されると共に下側が開放された半円形状に形成され、傾倒装置H710のリング部材H713を支持する上側軸受け部H741を備える。
上側軸受け部H741は、下側軸受け部H723aとの対向間に傾倒装置H710のリング部材H713を収容してリング部材H713を保持する部分であり、円柱状に形成されるリング部材H713の半径よりも若干大きい半径の半円形状に形成される。駆動手段H750は、傾倒装置H710の回転を制御する部分であり、下枠部材H720に配設される駆動モータH727の駆動力により駆動して、傾倒装置H710の回転を制御することができる。なお、駆動手段H750についての詳しい説明については後述する。また、駆動手段H750を駆動する駆動モータH727(その他装置H228(図1619参照))は、音声ランプ制御装置H113の入出力ポートH225に接続され、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて駆動される。保護カバー部材H760は、上面視において略矩形状に形成される底面部H761と、その底面部H761の外縁に沿って延設され上方側に向かって立設される側壁部H762とを備え、上方側が開放する箱状に形成され、その内側に駆動手段H750を収容した状態で下枠部材H720の下面側に配置可能に構成される。底面部H761は、正面側の端部から突出されると共に下方側に屈曲するL字形状に形成される係合部H763と、上方側に向かって突出され駆動手段H750の伝達軸棒H753を下方から支持する凸状部H764とを備える。係合部H763は、駆動手段H750の第1スプリングH758の下端を係合させる部分である。第1スプリングH758は、保護カバー部材H760に対して軸支される回転爪部材H757の第1係合部H757dと、保護カバー部材H760の係合部H763とに両端が係合されることで、回転爪部材H757の第1係合部H757dを下方側に引っ張る方向に付勢することができる。
次いで、図1658から図1662を参照して、駆動手段H750について説明する。初めに図1658及び図1659を参照して、駆動手段H750の全体構成について説明する。図1658(a)は、駆動手段H750の正面図であり、図1658(b)は、図1658(a)のMDCCCLXXXIb線における駆動手段H750の側面図であり、図1659は、駆動手段H750の正面分解斜視図である。図1658及び図1659に示すように、駆動手段H750は、板状の板金部材を折り曲げることにより骨組みを構成する本体部材H751と、その本体部材H751の左右両側に配設される軸部材H752と、駆動モータH727の駆動力を伝達する伝達軸棒H753と、その伝達軸棒H753の両端に回転不能に固定される一対の円板カムH754(左円板カムH754L、右円板カムH754R)と、その円板カムH754の連結ピンH754eが挿通されるアーム部材H755と、軸部材H752に軸支されると共に円板カムH754の第1突出部H754c1や第2突出部H754c2と回転方向で当接する解除部材H756と、その解除部材H756と同軸で軸支され解除部材H756の回転に伴って相対動作する回転爪部材H757と、その回転爪部材H757を下倒れさせる方向へ向けた付勢力を発生するコイルスプリング状のバネ部材である第1スプリングH758と、解除部材H756と回転爪部材H757との間で互いに離反させる方向の付勢力を発生するねじりバネ状のバネ部材である第2スプリングH759と、を主に備える。本体部材H751は、アルミ等の金属材料から形成され、左右両端から上方へ向かって折曲され正面視コ字形状に形成される。また、本体部材H751は、対向配置される板部分の対向位置(同軸上)に穿設される軸支孔H751bと、左右方向(矢印L-R方向)に延設される板部分に穿設される挿通孔H751cと、を主に備える。なお、駆動モータH727は、正面時コ字状形状に形成される本体部材H751の内側に配置される。軸支孔H751bは、軸部材H752の一端が圧入される孔であり、軸部材H752の外径と略同一の内径に形成される。軸支孔H751bに軸部材H752が圧入されることで、本体部材H751の左右両外側に軸部材H752が突出した状態で配設され、本体部材H751の左右両外側に解除部材H756及び回転爪部材H757を配設可能とされる。
次いで、図1660を参照して、伝達軸棒H753について説明する。図1660(a)は、伝達軸棒H753の正面分解斜視図であり、図1660(b)は、伝達軸棒H753の背面分解斜視図である。図1660に示すように、伝達軸棒H753は、両端に円板カムH754(図1659参照)が固定される柱部材H753aと、その柱部材H753aに軸支されると共に駆動モータH727の回転ギヤと歯合する伝達ギヤH753bと、その伝達ギヤH753bと柱部材H753aとの間で駆動力を伝達するか否かを軸方向の移動により切り替え可能な可動クラッチH753cと、その可動クラッチH753cを伝達ギヤH753bに押し付けるコイルバネH753dと、伝達ギヤH753bの軸部に挿入される挿入部材H753eと、を主に備える。柱部材H753aは、金属性の材料から形成されると共に、断面六角形の柱状体に形成される。また、柱部材H753aは、その両端部に円板カムH754を係合させる溝状の係合溝H753a1を備える。伝達ギヤH753bは、柱部材H753aが挿通される円形状の挿通孔H753b1と、可動クラッチH753cと対向配置される面から軸中心の円周位置において軸心方向に沿った凹凸が形成されるクラッチ部H753b2と、を主に備える。挿入部材H753eは、柱部材H753aに対する伝達ギヤH753bの軸位置を決める部材であり、伝達ギヤH753bの挿通孔H753b1に挿入可能な円柱状に形成される。また、挿入部材H753eは、柱部材H753aが挿通される六角形状の挿通孔H4753e1が形成され、柱部材H753aに対して回転(空回り)不能な状態で配設される。伝達ギヤH753bは、挿通孔H753b1に挿入部材H753eが挿入された状態で柱部材H753aに挿入されることで、柱部材H753aが固定された場合にでも、柱部材H753a(挿入部材H753e)に対して回転(空回り)することができる。可動クラッチH753cは、柱部材H753aが挿通される六角形状の挿通孔H753c1と、伝達ギヤH753bと対向配置される面から軸中心の円周位置において軸方向に沿った凹凸が形成されると共にクラッチ部H753b2と係合可能に構成されるクラッチ部H753c2と、を主に備える。なお、本実施形態では、両クラッチ部H753b2,H753c2の頂部の角度が約100°の山形の凸部および凹部から構成される。柱部材H753aの外形と同様の六角形状に挿通孔H753c1が形成されることで、挿通孔H753b1に柱部材H753aを挿通させた状態では、柱部材H753aに対する伝達ギヤH753bの回転(空振り)が規制される。また、両クラッチ部H753b2,H753c2とが係合されることで、駆動モータH727から伝達ギヤH753bに伝達される駆動力が、可動クラッチH753cを介して柱部材H753aに伝達される。これにより、円板カムH754(図1659参照)を回転させることが可能になる。なお、可動クラッチH753cは、通常はコイルバネH753dの付勢力により伝達ギヤH753bに近接する位置に配置され、両クラッチ部H753b2,H753c2の係合関係が保たれる。一方で、可動クラッチH753cに軸方向の負荷がかけられることにより、柱部材H753aの軸方向に沿って伝達ギヤH753bから離反する態様で移動可能に構成される。アーム部材H755は、樹脂材料から構成され、一方向に長い板状に形成される。またアーム部材H755は、長手方向一方側の端部に長手方向に沿って長孔状に穿設されると共に円板カムH754の連結ピンH754eが挿通される案内孔H755aと、長手方向他方側の端部に配設されると共に傾倒装置H710の連結部H714aに挿通される円柱状の連結棒H755bと、を主に備える。アーム部材H755は、傾倒装置H710の連結部H714aに連結棒H755bが回転可能な状態で軸支される。また、案内孔H755aの長手方向における距離は、円板カムH754が回転された際の連結ピンH754eの回転軌跡の直径よりも大きく形成される。これらにより、傾倒装置H710が傾倒位置に配置された状態において、円板カムH754が一回転以上回転した際に、円板カムH754の連結ピンH754eの変位に伴って連結ピンH754eを案内孔H755aに沿って摺動させられると共に、軸部H711eを軸に回転させられる。
次いで、図1661を参照して、円板カムH754について説明する。図1661(a)は、図1659の矢印MDCCCLXXXIVa方向視における右円板カムH754Rの側面図であり、図1661(b)は、図1659の矢印MDCCCLXXXIVb方向視における右円板カムH754Rの側面図であり、図1661(c)は、図1659の矢印MDCCCLXXXIVc方向視における左円板カムH754Lの側面図であり、図1661(d)は、図1659の矢印MDCCCLXXXIVd方向視における左円板カムH754Lの側面図である。なお、以下の説明では、左円板カムH754Lと右円板カムH754Rとのそれぞれにおいて、対向する側を「対向方向内側」と称し、対向する側と反対側を「対向方向外側」と称して説明する。図1661(a)及び(b)に示すように、右円板カムH754Rは、略円板状に形成される円板部H754aと、その円板部H754aの軸心部分に穿設される中心軸部H754bと、円板部H754aの軸心部分が対向方向内側に向かって屈曲されることで対向方向内側に向かって凸状に膨出される第1膨出部H754cと、その第1膨出部H754cの径方向外側部分から対向方向外側に向かって屈曲されることで対向方向外側に向かって凸状に膨出される第2膨出部H754dと、その第2膨出部H754dから対向方向外側に向かって円柱状に突出されアーム部材H755(図1660参照)に連結される連結ピンH754eと、第2膨出部H754dよりも軸心側から対向方向外側に突設して形成される係合部H754fと、円板部H754aの外周面の一部を軸心側に向かって切り欠いて形成される右検出部H754gRと、を主に備える。なお、右円板カムH754Rは、右検出部H754gRが、左円板カムH754Lの左検出部H754gLと60°の角度をなす位置に配置されることのみが異なり、その他は右円板カムH754Rの形状を鏡写しした形状から構成される。中心軸部H754bは、内周が柱部材H753aと対応する六角形状に形成される。これにより、中心軸部H754bに柱部材H753aを挿通させた状態では、柱部材H753aに対する右円板カムH754Rの回転(空回り)が規制される。第1膨出部H754cは、中心軸部H754bの軸を中心に円環形状に膨出して形成されると共に、外周面の一部から径方向の外側に突出する2箇所の第1突出部H754c1と、第2突出部H754c2とを備える。第1突出部H754c1と第2突出部H754c2とは、後述する解除部材H756と当接する部分であり、同一の形状に形成されると共に中心軸部H754bの中心から径方向外側に同じ距離突出する位置に形成される。また、第1突出部H754c1と第2突出部H754c2とは、それぞれ円板部H754aの軸を中心に公転方向に約150°ずれた位置に形成され、円板カムH754の回転時に異なるタイミングで解除部材H756に当接可能に構成される。連結ピンH754eは、駆動手段H750の第1初期状態において、傾倒状態における傾倒装置H710の軸部H711eと最も離間距離の長い位置に配置される。即ち、中心軸部H754bに対して傾倒状態における傾倒装置H710の軸部H511eの反対側に連結ピンH754eが配設される。係合部H754fは、円板部H754aの中心軸部H754bを挟んで一対形成される。また、係合部H754fは、突出先端が略L字状に屈曲され、その屈曲部分の先端が柱部材H753aの係合溝H753a1に挿入される。これにより、柱部材H753aを右円板カムH754Rの中心軸部H754bに挿入した状態では、柱部材H753aに対して右円板カムH754Rの軸方向への変位が規制される。
次いで、図1662を参照して、解除部材H756と回転爪部材H757とについて説明する。なお、解除部材H756と回転爪部材H757とは左右一対で配設され、それらの構成は左右で同一なので、一方のみを説明する。図1662(a)及び図1662(b)は、図1659の矢印MDCCCLXXXVa方向視における解除部材H756及び回転爪部材H757の側面図である。なお、図1662(a)では、解除部材H756に対して回転爪部材H757が第2スプリングH759の付勢方向終端位置まで回転した角度大状態が図示され、図1662(b)では、解除部材H756に対して回転爪部材H757が第2スプリングH759の付勢力に抗して終端位置まで回転した角度小状態が図示される。図1662(a)及び図1662(b)に示すように、解除部材H756は、軸部材H752に軸支される軸支孔H756aを有する円環状に形成される本体部H756b(図1659参照)と、軸支孔H756aの中心軸を中心とする円弧形状で回転爪部材H757側に向かって本体部H756bから凸設される凸設ピンH756cと、本体部H756bから最大径で張り出す部分として構成される被当接部H756dと、を主に備え、樹脂材料から形成される。解除部材H756は、軸支孔H756aが軸部材H752に軸支されることで、本体部材H751に対して回転可能に保持され、被当接部H756dに円板カムH754が当接しない状態では、第2スプリングH759の付勢力により回転爪部材H757に対して軸部材H752を軸に図1662に示す状態において右回り方向に最大位置まで回転され、角度大状態とされる。凸設ピンH756cは、回転爪部材H757に当接して、回転爪部材H757に駆動力を伝達する部分であり、回転爪部材H757に当接可能な長さに設定される。また、凸設ピンH756cには、第2スプリングH759の一端が係合されており、これにより、第2スプリングH759の付勢力が解除部材H756に伝達される。被当接部H756dは、組立状態において、円板カムH754の第1突出部H754c1及び第2突出部H754c2が当接可能に構成される部分である。被当接部H756dに第1突出部H754c1及び第2突出部H754c2が当接されることで、解除部材H756を本体部材H751に対して回転させることができる。回転爪部材H757は、軸部材H752に軸支される軸支孔H757aを有する本体部H575bと、軸支孔H757aの中心軸を中心とする円弧形状に沿って解除部材H756の凸設ピンH756cを案内可能な大きさで本体部H757bに穿設される(凸設ピンH756cの移動軌跡を内側に含む大きさで穿設される)案内長孔H757cと、本体部H757bから突設され第1スプリングH758の上端を係合可能に湾曲して形成される第1係合部H757dと、軸支孔H757aの中心軸から径方向外側に最大径で張り出した位置から軸支孔H757aを軸とする周方向に沿って本体部H757bから凸設される鉤状部H757eと、軸支孔H757aを軸とする周方向に沿って本体部H575bに凹設され第2スプリングH759の端部が係合される第2係合部H757fと、を主に備える。本実施形態では、図1662(a)に示す角度大状態において、解除部材H756が回転爪部材H757に対して後転方向(図1662(a)時計回り方向)の終端位置に配置される。そのため、角度大状態において、被当接部H756dに押し下げ方向の負荷がかけられると、解除部材H756及び回転爪部材H757が一体となって後転方向に回転する。一方、角度大状態において、被当接部H756dに押し下げ方向の負荷がかけられると、図1662(b)に示す角度小状態に至るまでは解除部材H756のみを回転させ回転爪部材H757の姿勢を維持することができる。
次いで、操作ユニットH180の動作について説明する。初めに、図1663及び図1664を参照して、傾倒装置H710が傾倒位置に配置された状態において、遊技者が押し込み操作する場合に動作について説明する。図1663及び図1664は、図1635のMDCCCLXXXVI線における操作ユニットH180の断面図である。なお、図1663では、傾倒装置H710が傾倒位置に配置された状態が図示され、図1664では、図1663の状態から遊技者が傾倒装置H710を終端位置まで押し込んだ状態が図示される。また、図1663及び図1664では、傾倒装置H710を押圧操作する遊技者の手の一例が2点鎖線で図示される。図1663に示すように、傾倒装置H710は、ねじりバネH717により後転方向(図1663時計周り)の付勢力を受けると共に、側面側反射部H712の被係合凹部H712aが回転爪部材H757の鉤状部H757eに引っ掛けられる。これにより、傾倒位置に配置された状態で傾倒装置H710が姿勢維持される。即ち、傾倒位置に配置された状態において傾倒装置H710には、後転方向(図1663時計回り)の付勢力が常時作用される。図1663に示す状態において、傾倒装置H710の検出片H715gは、ボタン検出センサH726の上方側センサH726aの検出溝に挿通されると共に、ボタン検出センサH726の下方側センサH726bの検出溝の手前に配置される。これにより、パチンコ機H10は、傾倒装置H710が傾倒位置に配置されることと、遊技者による押圧操作がされていないこととを認識することができる。図1664に示すように、遊技者が傾倒装置H710を押し込む操作を行うと、傾倒装置H710が前転方向(図1663反時計周り)に約3°回転する。この状態において、傾倒装置H710の検出片H715gは、ボタン検出センサH726の上方側センサH726aの検出溝に挿通されると共に、ボタン検出センサH726の下方側センサH726bの検出溝に挿通される。従って、ボタン検出センサH726の上方側センサH726a及び下方側センサH726bの検出状態の変化を判定することにより、傾倒装置H710が傾倒位置から遊技者に押し込み操作されたことを判定することができる。
次いで、図1663、図1665及び図1666を参照して、傾倒装置H710が傾倒位置から起立位置に第1の速度(円板カムH754の回転速度)で変位する場合の動作について説明する。図1665及び図1666は、図1635のMDCCCLXXXVI線における操作ユニットH180の断面図である。なお、図1665及び図1666では、図1663に示す状態から円板カムH754が所定量だけ前転方向(図1665反時計回り方向)に回転し回転爪部材H757が姿勢変化した状態が図示される。図1665及び図1666に示すように、傾倒装置H710が傾倒位置に配置され、かつ、駆動手段H750が第1初期状態とされる図1663に示す状態から、円板カムH754を前転方向(図1663反時計回り方向)に回転させると、円板カムH754の第1突出部H754c1が解除部材H756の被当接部H756dを押し下げることで解除部材H756が後転方向(図1663時計回り方向)に回転し、その回転に伴い回転爪部材H757が傾倒装置H710の被係合凹部H712aとの係合が外れる位置まで後転方向に回転する。このとき、傾倒装置H710に連結されるアーム部材H755の案内孔H755aの一方の終端位置(傾倒装置H710に連結される側から遠い側の終端位置)に円板カムH754の連結ピンH754eが配置される。よって、傾倒装置H710の上昇方向の(起立位置への)動作は、アーム部材H755により規制されるので、傾倒装置H710の上昇動作が、円板カムH754の回転角度に対応した動作態様とされる。そして、図1666に示すように、円板カムH754の連結ピンH754eが、傾倒装置H710の連結部H714a(アーム部材H755の連結棒H755bが連結される位置)と円板カムH754の回転軸とを繋ぐ直線上まで回転されることで、傾倒装置H710が起立位置まで変位される。なお、円板カムH754の第1突出部H754c1と解除部材H756との当接が解除され、解除部材H756が図1665に示す状態から前転方向(図1665反時計回り方向)に回転し、その回転に伴い回転爪部材H757が傾倒位置における傾倒装置H710の被係合凹部H712aと係合可能な位置(図1663に示す位置と同じ位置)まで前転方向に回転される。よって、図1666に示す起立位置に配置された状態から、傾倒装置H710のボタン部H181が遊技者に押圧操作される場合には、傾倒装置H710に連結されるアーム部材H755を円板カムH754の連結ピンH754eに倣って(案内孔H755aに沿って連結ピンH754eを摺動させて)変位させることで、傾倒装置H710を傾倒位置まで変位させると共に、傾倒装置H710を傾倒位置に保持することができる。また、図1666に示す起立位置に配置された状態から、円板カムH754が前転方向(図1666反時計回り方向)にさらに回転される場合には、円板カムH754の連結ピンH754eが前転方向に回転することで、アーム部材H755が下方に向けて引っ張られ、傾倒装置H710が傾倒位置に向けて変位される。即ち、円板カムH754の回転角度に対応した下降動作を傾倒装置H710にさせることができる。
次いで、図1667及び図1668を参照して、傾倒装置H710が傾倒位置から起立位置に第2の速度(傾倒装置H710の軸部材H716に配設されるねじりバネH717の付勢力)で変位する場合の動作について説明する。図1667及び図1668は、図1635のMDCCCLXXXVI線における操作ユニットH180の断面図である。なお、図1667では、図1662に示す状態から円板カムH754が回転され、第2突出部H754c2が被当接部H756dに当接された状態が図示され、図1668では、図1667に示す状態から円板カムH754が所定量だけ前転方向(図1667の反時計回り方向)に回転し回転爪部材H757が姿勢変化した状態が図示される。図1667及び図1668に示すように、傾倒装置H710が傾倒位置に配置され、かつ、駆動手段H750が第2初期状態とされる図1667に示す状態から、円板カムH754を前転方向(図1667反時計回り方向)に回転させると、円板カムH754の第2突出部H754c2が解除部材H756の被当接部H756dを押し下げることで解除部材H756が後転方向(図1667時計回り方向)に回転し、その回転に伴い回転爪部材H757が傾倒装置H710の被係合凹部H712aとの係合が外れる位置まで後転方向に回転する。このとき、傾倒装置H710に連結されるアーム部材H755の案内孔H755aの他方の終端位置(傾倒装置H710に連結される側に近い終端位置)に近い位置に円板カムH754の連結ピンH754eが配置される(即ち、一方の終端位置との間に距離を隔てた位置に配置される)。よって、傾倒装置H710の上昇方向の動作は、上記した第1の速度(円板カムH754の回転速度)に伴って変位されず、傾倒装置H710に配置されるねじりバネH717の付勢力による変位速度に伴って変位される。なお、第111実施形態では、ねじりバネH717の付勢力による傾倒装置H710の変位速度は、第1の速度よりも速く設定される(即ち、付勢力が十分に強く設定される)。従って、第111実施形態では、第1の速度と第2の速度とで、傾倒装置H710の上昇方向への動作速度を変更することができるので、傾倒装置H710の変位による演出態様を増やすことができる。その結果、傾倒装置H710の変位による演出効果を向上できる。また、第111実施形態では、円板カムH754を後転方向(図1663~図1668時計回り方向)に回転させて、円板カムH754の第1突出部H754c1及び第2突出部H754c2を被当接部H756dに当接させて解除部材H756を前転方向(図1663~図1668反時計回り方向)に回転させた場合には、上記したように回転爪部材H757が非変位とされる(図1662(b)参照)。これにより、回転爪部材H757が傾倒装置の被係合凹部H712aとの係合を解除しない態様で、円板カムH754の位置を変更することができる。その結果、第1の速度または第2の速度で連続して傾倒装置H710を起立位置に変位させることが可能となり、傾倒装置H710の変位による演出効果を向上することができる。
次いで、図1669から図1677を参照して、揺動装置H730について説明する。初めに、図1669から図1672を参照して、揺動装置H730の全体構成について説明する。図1669(a)は、揺動装置H730上面図であり、図1669(b)は、図1669(a)の矢印MDCCCXCIIb方向視における揺動装置H730の側面図であり、図1670(a)は、図1669(b)のMDCCCXCIIIa線における揺動装置H730の断面図であり、図1670(b)は、図1669(a)のMDCCCXCIIIb線における揺動装置H730の断面図であり、図1671は、揺動装置H730の分解正面斜視図であり、図1672は、揺動装置H730の分解背面斜視図である。なお、上記したように、揺動装置H730はパチンコ機H10に対して変位部材H790を正面側上方に傾けた状態で下枠部材H720に配置される(図1656参照)が、揺動装置H730における以下の説明では、ベース手段H770、駆動手段H780、及び、変位部材H790が配設される方向(図1669(a)の上下方向)を前後方向として説明する。図1669から図1672に示すように、揺動装置H730は、下枠部材H720の背面板H722(図1656参照)に配設されるベース手段H770と、そのベース手段H770の背面側(矢印B方向側)に軸支される駆動手段H780と、ベース手段H770を介して駆動手段H780の正面側(矢印F方向側)に配設される変位部材H790と、を主に備える。なお、変位部材H790は、ベース手段H770及び駆動手段H780に対して相対変位可能に配設されており、第1コイルバネH793及び第2コイルバネH794により駆動手段H780に対して正面側に平行に張り出した状態(図1669(a)に示す状態)を駆動手段H780に対する変位部材H790の初期位置として説明する。変位部材H790は、光を透過可能な無色透明な樹脂材料から形成されており、背面側(矢印B方向側)に配設されるベース手段H770から出射される光を正面側に透過可能に構成される。また、変位部材H790は、正面側に向かって半球状に湾曲して形成される透過部H791と、その透過部H791の背面側の縁部3箇所から背面側に向かって突出する係合部H792と、を主に備える。透過部H791は、背面側(矢印B方向側)から入射される光を拡散して正面側から出射させるための光拡散部であり、半円形状に形成される内方側の側面(背面側の側面)に凹凸状に形成される凹凸部H791aを備え、無色透明の光を透過可能な樹脂材料から形成される。なお、透過部H791の凹凸部H791aは、透過部H791の外方側の側面(正面側の側面)に形成されても良いし、透過部H791の内方側および外方側の両側面に形成しても良い。また、透過部H791が平坦面を有する平板状に形成され、その平坦面の少なくとも一方の側面に凹凸部H791aが形成されても良い。また、凹凸形状の凹凸部H791aにより光を拡散するものでなく、レーザー光等により透過部H791の内部に形成した傷により光を拡散するものであっても良い。
係合部H792は、上方側の同一高さ位置に形成される一対の上側係合部H792aと、下方側の縁部に形成される下側係合部H792bと、を備え、それら一対の上側係合部H792a及び下側係合部H792bがベース手段H770または駆動手段H780に変位可能な状態で連結される。これにより、変位部材H790は、ベース手段H770及び駆動手段H780に対して変位可能とされる。一対の上側係合部H792aは、背面側の突出先端部から屈曲する屈曲部H792a1と、その屈曲部H792a1から背面側に向かって円柱状に突出する円柱部H792a2と、を主に備える。屈曲部H792a1は、駆動手段H780に係合される部分であり、組み立て状態では駆動手段H780の内側に配設され、変位部材H790が正面側(矢印F方向側)へ所定距離変位する場合に、駆動手段H780に当接して変位部材H790の正面側への変位を規制可能とされる。これにより、駆動手段H780からの変位部材H790の脱落を抑制できる。なお、第111実施形態では、一対の上側係合部H792aのそれぞれの屈曲部H792a1が、それぞれ反対方向となる左右方向外側に向けて屈曲される。円柱部H792a2は、上側係合部H792aと駆動手段H780との間に配設される第1コイルバネH793を案内する部分であり、第1コイルバネH793の内径よりも小さい外径に形成され、第1コイルバネH793の内部に挿入可能とされる。なお、上側係合部H792aは、円柱部H792a2に案内される第1コイルバネH793の付勢力により正面側に向かって付勢された状態で駆動手段H780に配設される。下側係合部H792bは、ベース手段H770と係合される屈曲部H792b1を備える。組み立て状態では、ベース手段H770に形成される溝部の内側に屈曲部H792b1が挿入され、正面側(矢印F方向側)または背面側(矢印B方向側)へ変位部材H790が所定距離変位する場合に、ベース手段H770に当接して変位部材H790の正面側または背面側への変位を規制可能とされる。これにより、ベース手段H770からの変位部材H790の脱落を抑制できる。なお、下側係合部H792bとベース手段H770との間には、第2コイルバネH794が配設されており、その第2コイルバネH794の付勢力により、下側係合部H792bは正面側に向かって付勢された状態で配設される。変位部材H790は、第1コイルバネH793及び第2コイルバネH794により正面側に付勢されることで、ベース手段H770及び駆動手段H780に対して相対変位した後で初期位置に変位することができる。即ち、変位部材H790に負荷がかけられていない状態(例えば、駆動手段H780からの駆動力が作用していない状態)では、駆動手段H780に対して変位部材H790が初期位置に配置される。
次いで、図1673を参照して、ベース手段H770について説明する。図1673(a)は、ベース手段H770の分解正面斜視図であり、図1673(b)は、ベース手段H770の分解背面斜視図である。図1673(a)及び図1673(b)に示すように、ベース手段H770は、下枠部材H720の背面板H722(図1656参照)に締結固定される上側ベース部材H771と、その上側ベース部材H771の下方側(矢印D方向側)に配設される下側ベース部材H772と、上側ベース部材H771の正面側(矢印F方向側)に配設される基板部材H773と、基板部材H773の正面側を覆う態様で上側ベース部材H771の正面側に配設される第1拡散部材H774と、を主に備える。上側ベース部材H771は、正面側に基板部材H773が取り付けられる正面部H771aと、その正面部H771aの上方側の縁部から背面側に向かって延設される上面部H771bと、正面部H771aの下方側の縁部の左右両端から背面側に向かって突出される第1係合部H771cと、正面部H771aの下方側の縁部から下方側に向かって突出される第2係合部H771dと、正面部H771aの左右両側に位置し前後方向に開口する円環形状に形成される挿通孔H771eと、を主に備え、光を透過可能な透明な樹脂材料から形成される。正面部H771aは、正面視において上方側が開放される略コ字形状に形成され、開放部分を介して正面側(矢印F方向側)に配設される基板部材H773に配線を連結することができる。また、正面部H771aの開放部分を覆設する位置に基板部材H773を配設可能に形成され、開放部分を介して基板部材H773の発光により生じる熱を放温することが可能とされる。これにより、基板部材H773が熱により破損することを抑制できる。また、正面部H771aには、左右両側に一対形成される挿通孔H771eの内側部分に第1拡散部材H774を挿通した螺子を螺入可能な締結部H771a1が円柱状に形成される。これにより、正面部H771aの正面側に第1拡散部材H774を締結固定することができる。なお、基板部材H773は、正面部H771aに円柱状に形成される締結部H771a1を避けるように円弧状に凹設される凹部H773aを備え、その凹部H773aの内側に締結部H771a1を挿入した状態で正面部H771aの正面側に配設される。これにより、上側ベース部材H771に対する基板部材H773の上下左右方向への移動を規制でき、また、正面側に第1拡散部材H774が配設されることで、上側ベース部材H771に対する基板部材H773の前後方向の移動が規制される。
上面部H771bは、後述する駆動手段H780を軸支する部分であり、上下方向に円形状に貫通され駆動手段H780の軸部H783c,H784bが挿通される上側軸支部H771b1を備える。これにより、駆動手段H780がベース手段H770に対して相対変位可能な状態で保持される。第1係合部H771cは、下枠部材H720の背面板H722(図1656参照)に係合する部分であり、下枠部材H720に係合するように先端が屈曲される略L字状に形成される。下枠部材H720に揺動装置H730を配設する際には、第1係合部H771cを下枠部材H720に係合させることで、挿通孔H771eを挿通した螺子を下枠部材H720に締結させやすくできる。なお、ベース手段H770は、挿通孔H771eを挿通した螺子を下枠部材H720に締結することにより、下枠部材H720に対して固定される。これにより、後述するように駆動手段H780が動作される際に、ベース手段H770が下枠部材H720に対して非変位とされる。第2係合部H771dは、下側ベース部材H772に係合する部分であり、下側ベース部材H772に係合するように先端が屈曲される略L字状に形成される。上側ベース部材H771に下側ベース部材H772を配設する際には、第2係合部H771dを下側ベース部材H772に係合させることで、下側ベース部材H772を挿通した螺子を上側ベース部材H771に締結させやすくできる。下側ベース部材H772は、上側ベース部材H771の下方側(矢印D方向側)に配設され、第2係合部H771dが係合される底面部H772aと、その底面部H772aの背面側(矢印D方向側)の縁部から上方側に延設され、上側ベース部材H771の背面側の一部を覆う背面部H772bと、を主に備え、光を非透過の樹脂材料から形成される。底面部H772aは、第2係合部H771dを挿入させると共に第2係合部H771dの先端を係合可能な形状に凹設される被係合部H772a1と、矩形状に開口され変位部材H790の下側係合部H792bの屈曲部H792b1を挿入可能な開口部H772a2と、を主に備える。開口部H772a2は、変位部材H790を駆動手段H780に対して初期位置から変位させる場合に、その変位を許容すると共に所定以上の変位を規制する部分であり、屈曲部H792b1に対して所定の隙間を有する大きさに形成される。背面部H772bは、上下方向に円形状に貫通され駆動手段H780の軸部H783c,H784bが挿通される下側軸支部H772b1と、前後方向に穿設され上側ベース部材H771に螺入する螺子を背面側から挿入可能な挿通孔H772b2と、を主に備える。
下側軸支部H772b1は、上面部H771bに形成される上側軸支部H771b1と同軸上に形成される。これにより、駆動手段H780は、ベース手段H770に対して上下の軸部H783c,H784bが軸支され、上側軸支部H771b1及び下側軸支部H772b1の中心を軸として回転可能とされる。基板部材H773は、正面側に複数の発光手段H773bが配置される電子基板(プリント基板)であり、正面側に配設される第1拡散部材H774に向けて光を発光可能とされる。なお、第1拡散部材H774に出射される光は、第1拡散部材H774を透過して変位部材H790の背面側に出射され、変位部材H790を介し操作ユニットH180の正面側から出射される。第1拡散部材H774は、正面視において基板部材H773を覆設する大きさに形成される。これにより、操作ユニットH180の内部に不正部材を挿入できたとしても、基板部材H773まで、その不正部材が挿入されることを抑制できる。即ち、基板部材H773は、遊技者の操作が不可能な領域に配置される。また、第1拡散部材H774は、発光手段H773bの光が照射される領域が正面側に向かって部分的に膨出され、その膨出部分の正面側の側面に凹凸状に形成される凹凸部H774aが形成される。発光手段H773bから出射される光は、凹凸部H774aを介して正面側に出射されることにより左右上下方向に拡散される。これにより、第1拡散部材H774の正面側に配設される変位部材H790に発光手段H773bの光を照射しやすくできる。また、第1拡散部材H774は、上側ベース部材H771の締結部H771a1に螺入する螺子を挿通可能に前後方向に挿通する挿通孔H774bを備え、正面側から挿通孔H774bを挿通した螺子を上側ベース部材H771に締結することで、上側ベース部材H771に締結固定される。
次いで、図1674を参照して、駆動手段H780について説明する。図1674(a)は、駆動手段H780の分解正面斜視図であり、図1674(b)は、駆動手段H780の分解背面斜視図である。図1674(a)及び図1674(b)に示すように、駆動手段H780は、駆動軸H781aを背面側(矢印B方向側)に向かって突出させた状態で配設される駆動モータH781と、その駆動モータH781の駆動軸H781aに連結される錘部材H782と、駆動モータH781及び錘部材H782の上方側を覆設する上側カバー部材H783と、駆動モータH781及び錘部材H782の下方側を覆設する下側カバー部材H784と、を主に備える。錘部材H782は、駆動モータH781の駆動軸H781aの回転により回転される部材であり、駆動軸H781aが挿入される挿入孔H782aを備える。また、錘部材H782は、半円形状に形成されると共に、挿入孔H782aが円形部分の中心位置に形成される。即ち、錘部材H782は、駆動軸H781aの軸に対して一方に偏る位置に配置される。そのため、錘部材H782を駆動軸H781aの軸を中心に回転させた際には、錘部材H782の回転に伴って錘部材H782の重心が駆動軸H781aの軸回りを回転変位することとなり、錘部材H782の回転に伴って錘部材H782の遠心力が作用する方向を変更することができる。この遠心力の作用する方向の変化により、駆動手段H780をベース手段H770に対して変位させることができる。なお、ベース手段H770に対する駆動手段H780の変位についての詳しい説明は後述する。上側カバー部材H783は、駆動モータH781及び錘部材H782の上方側(矢印U方向側)を覆設するために下方側(矢印D方向側)が開放された箱状に形成されるカバー部H783aと、そのカバー部H783aの左右両側から上方側に向かって突設されると共に上方側の端部に背面側に向かって凹設される収容凹部H783b1が形成される突設部H783bと、カバー部H783aの上面から上方に向かって円柱状に突設されベース手段H770の上側軸支部H771b1に挿入される上側軸部H783cと、を主に備え、光を非透過の樹脂材料から形成される。収容凹部H783b1は、上述した変位部材H790(図1672参照)の上側係合部H792aが挿入される部分であり、左右外側の側面に上側係合部H792aの屈曲部H792a1と係合可能な凸部H783b2が内側に向かって突出される。また、凸部H783b2と上下に隣り合う部分には、収容凹部H783b1の一部が背面側に向かって切り欠かれる。これにより、凸部H783b2を左右外側に変形可能とされ、収容凹部H783b1の内側に上側係合部H792aを挿入する際には、凸部H783b2を左右外側に変形させて上側係合部H792aを挿入可能な大きさの開口を形成できる。一方で、収容凹部H783b1の内側に上側係合部H792aを挿入した後では、凸部H783b2を元の位置に戻すことで、凸部H783b2を上側係合部H792aの屈曲部H792a1と前後方向に重なる位置に配置できる。その結果、変位部材H790が上側カバー部材H783(駆動手段H780)から抜け出ることを抑制できる。なお、収容凹部H783b1の内側部分における左右方向(矢印L-R方向)の開口幅は、屈曲部H792a1を除く上側係合部H792aの左右方向における厚みよりも若干大きく形成される。これにより、所定の駆動力が変位部材H790に作用する場合に変位部材H790が駆動手段H780に対して左右方向に変位可能とされる。なお、駆動手段H780に対する変位部材H790の変位ついての詳しい説明は後述する。下側カバー部材H784は、駆動モータH781及び錘部材H782の下方側(矢印D方向側)を覆設するために上方側(矢印U方向側)が開放された箱状に形成されるカバー部H784aと、カバー部H784aの下面から下方に向かって円柱状に突設されベース手段H770の下側軸支部H772b1に挿入される下側軸部H784bと、下側カバー部材H784の背面側の縁部から下方側に向かって突設され正面側に弾性体H785が配設される被当接部H784cと、を主に備え、無色透明の樹脂材料から形成される。被当接部H784cは、上述したボタン部H181が遊技者に押圧操作され傾倒装置H710が下方側に押し込まれる位置に変位した場合に、傾倒装置H710の正面側透過部H711の下端が弾性体H785を介して当接される部分である。これにより、遊技者がボタン部H181を押圧操作した場合には、その遊技者の操作力が駆動手段H780に作用される。従って、ボタン部H181の操作に伴って傾倒装置H710の内側に配設される揺動装置H730を変位させることができる。その結果、ボタン部H181を操作する遊技者の興趣を向上できる。なお、ボタン部H181の押圧操作に伴う揺動装置H730の変位についての詳しい説明は後述する。
次いで、図1675から図1677を参照して、ベース手段H770に対して駆動手段H780および変位部材H790を変位させた場合について説明する。初めに、図1675及び図1676を参照して、ベース手段H770に対する駆動手段H780の変位について説明する。図1675(a)は、ベース手段H770及び駆動手段H780の上面図であり、図1675(b)は、図1675(a)のMDCCCXCVIIIb線における駆動手段H780の断面図であり、図1676(a)は、ベース手段H770及び駆動手段H780の上面図であり、図1676(b)は、図1676(a)のMDCCCXCIXb線における駆動手段H780の断面図である。なお、図1675(a)及び図1675(b)では、駆動手段H780がベース手段H770に対して、軸部H783c,H784bを軸に時計回り方向(正面側を左方向)に回転させた状態(以下「左向き状態」と称す)が図示され、図1676(a)及び図1676(b)では、駆動手段H780がベース手段H770に対して、軸部H783c,H784bを軸に反時計回り方向(正面側を右方向)に回転させた状態(以下「右向き状態」と称す)が図示される。また、以下の説明では、左向き状態と右向き状態との間の中間位置に駆動手段H780が配置される状態(図1669に示す状態)を「中間配置状態」と称して説明する。また、図1675(b)及び図1676(b)では、錘部材H782の変位により作用する遠心力の方向が矢印H782bの符号を付して図示される。また、錘部材H782を駆動する駆動モータH781(その他装置H228(図1619参照))は、音声ランプ制御装置H113の入出力ポートH225に接続され、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて駆動される。図1675に示すように、駆動手段H780の駆動モータH781が回転されて、錘部材H782が駆動軸H781aに対して右側に位置する際には、その錘部材H782の遠心力が右方向に作用される(図1675(b)の矢印H782b参照)。これにより、駆動手段H780の背面側が右方向に引っ張られ、駆動手段H780がベース手段H770に対して、軸部H783c,H784bを軸に反時計回り方向(正面側を右方向)に回転される。一方、図1676に示すように、駆動手段H780の駆動モータH781が回転されて、錘部材H782が駆動軸H781aに対して左側に位置する際には、その錘部材H782の遠心力が左方向に作用される(図1676(b)の矢印H782b参照)。これにより、駆動手段H780の背面側が左方向に引っ張られ、駆動手段H780がベース手段H770に対して、軸部H783c,H784bを軸に時計回り方向(正面側を左方向)に回転される。この場合、上記したように駆動手段H780には、変位部材H790が配設されるので、ベース手段H770に対して駆動手段H780を変位させた場合には、ベース手段H770に対して変位部材H790を変位させることができる。よって、ベース手段H770の第1拡散部材H774及び基板部材H773に対する変位部材H790の姿勢を変化させることができるので、変位部材H790の透過部H791を介して遊技者側に出射される光の態様を変更することができる。その結果、光の態様の変化による演出効果を向上することができる。即ち、発光手段の正面に透過手段を配設し、発光手段から発光された光を透過手段に入射させ、透過手段を透過する光を遊技者に視認させることで、演出効果を得るものがある。この場合、発光手段の発光の態様(例えば、発光強度や点滅の間隔など)を変化させ、視認される光の態様を変化させるものもあるが、演出効果が十分ではない。また、発光手段と透過手段とを一体化(ユニット化)して、それら発光手段および透過手段から構成されるユニットを変位させることで、ユニットの変位に伴う光の移動を視認させるものもあるが、発光手段と透過手段との関係は一定であるため、透過手段を介して視認される光の態様(発光手段から透過手段に入射され、透過手段を透過する光の態様)自体は一様であり、演出効果が十分ではない。
これに対し、第111実施形態における操作ユニットH180では、発光手段H773bを有する基板部材H773の正面側に配設され光を拡散可能な凹凸部H791aを有する変位部材H790が、発光手段H773bの光の出射方向と交差する方向に発光手段H773bに対して変位することができるので、変位部材H790に対する光の入射位置を変更することができる。これにより、変位部材H790の透過部H791を介して視認される光の演出を変位部材H790の変位により変更できる。その結果、発光手段H773bによる光の演出を向上できる。即ち、発光手段H773bに対して光を透過可能な変位部材H790が相対変位可能に配設されるので、発光手段H773bから変位部材H790への光の入射態様(入射角度)及び、変位部材H790を透過する光の態様(遊技者が視認する光の態様)を変化させることができる。その結果、変位部材H790を介して視認される光の態様を変化させ、演出効果を高めることができる。さらに、第111実施形態における操作ユニットH180では、発光手段H773bを有する基板部材H773が下枠部材H720に固定され、変位部材H790が基板部材H773及び下枠部材H720に対して変位可能とされるので、変位部材H790を介して視認される光の態様を変化させる演出に加え、発光手段H773bの発光状態(発光、非発光)に関わらず、変位部材H790を変位させて変位部材H790の変位を視認させる演出も行うことができる。また、発光手段H773bを有する基板部材H773が下枠部材H720に固定され、変位部材H790が基板部材H773及び下枠部材H720に対して変位可能とされるので、変位部材H790を介して視認される光の態様を変更する際に、基板部材H773が振動することを抑制できる。その結果、発光手段H773b(基板部材H773)の破損を抑制できる。さらに、上記したように、変位部材H790は、凹凸部H791aを備え、変位部材H790に入射する光を拡散可能とされるので、凹凸部H791aが形成されていない場合に比べて、発光手段H773b(基板部材H773)に対する変位部材H790の変位による光の態様の変化を大きくできる。その結果、変位部材H790を介して視認される光の態様を変化させ、演出効果を向上できる。なお、第111実施形態における変位部材H790は、凹凸部H791aを有する場合について説明したが、変位の前後で発光手段H773bから出射される光の入射角を変更できるものであれば、変位部材H790が凹凸部H791aを備えず平坦面に形成されるものであっても良い。また、第111実施形態における操作ユニットH180では、駆動手段H780がベース手段H770に対して軸部H783c,H784bを軸に変位可能に構成されるので、駆動手段H780に伴って変位する変位部材H790も同様に回転変位される。従って、変位部材H790が基板部材H773に対して左右方向(矢印L-R方向)に変位される際に、変位部材H790は前後方向(矢印F-B方向)にも変位される。これにより、発光手段H773bから出射される光が変位部材H790に入射するまでの距離を変更することができるので、変位部材H790の変位に伴って、変位部材H790の透過部H791を介して遊技者側に出射される光の態様を変更しやすくできる。その結果、発光手段による光の演出を向上できる。
なお、第111実施形態における揺動装置H730では、錘部材H782を駆動モータH781により回転させることで、錘部材H782の遠心力が作用する向きを変更してベース手段H770に対して駆動手段H780の位置を左向き状態および右向き状態の間で変更することができると共に、駆動手段H780に配設される変位部材H790をベース手段H770に対して変位することができる。よって、駆動モータH781の駆動を継続させることで、ベース手段H770に対して駆動手段H780の位置を左向き状態および右向き状態に繰り返し変位させることができる。即ち、揺動装置H730に連結される(揺動装置H730と一緒に変位される)変位部材H790は、駆動モータH781が配設され、駆動モータH781の駆動力により変位される。従って、駆動モータH781の駆動力を利用して、発光手段H773b(基板部材H773)に対して変位部材H790を変位させることができるので、任意のタイミング(駆動モータH781を駆動するタイミング)で発光手段H773b(基板部材H773)に対して変位部材H790を変位させることができる。また、揺動装置H730に駆動モータH781が配設されるので、駆動モータH781が下枠部材H720に固定される基板部材H773に配設される場合に比べて、変位部材H790に駆動力を伝達するまでの介在部品を少なくできる。従って、駆動モータH781の駆動力を揺動装置H730(変位部材H790)に使えやすくできる。また、第111実施形態における揺動装置H730は、上述したように、揺動装置H730はパチンコ機H10に対して変位部材H790を正面側上方に傾けた状態で下枠部材H720に配置される(図1656参照)ので、ベース手段H770に対して駆動手段H780を中間配置状態となる位置に変位させる場合には、錘部材H782を駆動軸H781aに対して下方側に配置することで、錘部材H782の重力によりベース手段H770に対して駆動手段H780を中間配置状態とされる位置まで回転させることができる。即ち、駆動手段H780の錘部材H782の停止位置を変更する(錘部材H782を所定位置に停止させる)ことで、ベース手段H770に対する駆動手段H780の停止位置を変更することができる。さらに、第111実施形態における操作ユニットH180では、傾倒装置H710のボタン部H181が押圧操作された際に、傾倒装置H710の正面側透過部H711の下端が弾性体H785を介して駆動手段H780に当接され、その当接により駆動手段H780をベース手段H770に対して中間配置状態の位置に変位させることができる。また、傾倒装置H710のボタン部H181が押圧操作された場合には、変位部材H790が駆動手段H780と共に所定位置(駆動手段H780が中間位置状態とされる位置)に変位される。従って、遊技者のボタン部H181の押圧操作に連動して、変位部材H790の透過部H791を介して視認される光の演出態様を変更することができる。
即ち、第111実施形態における操作ユニットH180では、傾倒装置H710のボタン部H181を押圧操作した際に、駆動手段H780及び変位部材H790を変位させることができ、変位部材H790の少なくとも一部を第1拡散部材H774(基板部材H773)に対して近づける方向(第1拡散部材H774の正面側)に変位部材H790の透過部H791を変位させることができる。従って、第1拡散部材H774(基板部材H773)に透過部H791が近づくので、透過部H791を介して基板部材H773から出射される光を拡散しやすくできる。その結果、ボタン部H181が操作されたことを光により遊技者に認識させやすくでき、遊技者の興趣を向上できる。なお、遊技者がボタン部H181の押圧操作に際に、変位部材H790の少なくとも一部が第1拡散部材H774(基板部材H773)に対して離れる方向(第1拡散部材H774の正面側から退避する方向)に変位するように構成しても良い。これによれば、透過部H791を第1拡散部材H774の正面側から退避させることができるので、上記した第1拡散部材H774の正面側に透過部H791が変位される場合に比べて、透過部H791による基板部材H773の光の拡散を抑えることができる。その結果、基板部材H773から出射される光を遊技者の手(ボタン部H181)に照射しやすくでき、遊技者の手に光を当てることでボタン部H181を押圧操作する際の興趣を向上できる。また、駆動手段H780(変位部材H790)に当接可能に変位される傾倒装置H710を備え、駆動手段H780(変位部材H790)に当接された傾倒装置H710の変位に伴って駆動手段H780(変位部材H790)が変位可能とされるので、発光手段H773b(基板部材H773)に対する駆動手段H780(変位部材H790)の変位を傾倒装置H710の変位に連動させることができる。これにより、発光手段H773b(基板部材H773)に対する駆動手段H780(変位部材H790)の変位による演出効果を高めることができる。なお、傾倒装置H710は、遊技者により操作される操作ユニットH180を備え、その操作ユニットH180)操作により、傾倒装置H710の変位に伴って駆動手段H780(変位部材H790)を変位させることができるので、駆動手段H780(変位部材H790)の変位を所望のタイミングで変位させることができる。これにより、変位部材H790を介して視認される光の態様と遊技者のボタン部H181の操作とを関連付けて、演出効果を高めることができる。例えば、遊技者のボタン部H181の押圧操作に連動して、変位部材H790の透過部H791を介して視認される光の演出態様を変更することができるので、光の演出態様の変更によりボタン部H181を所定位置まで押下したことを遊技者に認識させることができる。これにより、遊技者がボタン部H181を何度も押圧操作したり、遊技者がボタン部H181を必要以上に押圧操作し続けることを抑制できる。その結果、遊技者の間違った認識の操作によりボタン部H181が破損することを抑制できる。
また、第111実施形態では、駆動手段H780(変位部材H790)が駆動モータH781の駆動力により変位可能とされるので、駆動モータH781の駆動力により駆動手段H780(変位部材H790)が変位される態様に加え、傾倒装置H710の当接により駆動手段H780(変位部材H790)が変位(連動)される態様とを形成できる。これにより、駆動手段H780(変位部材H790)の変位の態様のバリエーションを増やすことができる。なお、傾倒装置H710のボタン部H181の押圧操作がされて傾倒装置H710が駆動手段H780に当接された場合には(当接状態では)、駆動手段H780(変位部材H790)の変位が規制される。即ち、傾倒装置H710を駆動手段H780(変位部材H790)に当接させることで、駆動手段H780(変位部材H790)の変位を規制することができるので、駆動手段H780(変位部材H790)の変位を所望のタイミングで停止させることができる。また、傾倒装置H710のボタン部H181は、遊技者により操作されるので、ボタン部H181の操作によって、傾倒装置H710の変位に伴う駆動手段H780(変位部材H790)の変位を構成できる。よって、駆動手段H780(変位部材H790)の変位の規制を遊技者の所望のタイミングで行わせることができる。これにより、駆動手段H780(変位部材H790)を介して視認される光の態様の変化と、ボタン部H181の操作とを関連付けて、演出効果を高めることができる。なお、第111実施形態における操作ユニットH180では、左向き状態や右向き状態とされる際に遊技者にボタン部H181を押下させて駆動手段H780を中間配置状態とする位置に変位させる態様や、遊技者のボタン部H181の操作前に、駆動手段H780を中間配置状態とする位置に変位させて、ボタン部H181の押下持に駆動手段H780が変位しない態様を形成することができる。また、遊技者がボタン部H181を押圧操作し続けた場合には、変位部材H790の変位を規制した状態を維持することができるので、変位部材H790の透過部H791を介して視認される光の演出態様が変更しない演出態様を形成することができる。その結果、変位部材H790による光を演出態様(演出態様が変更される形態の他に演出態様が変更されない形態)を増やすことができ遊技者の興趣を向上できる。さらに、遊技者がボタン部H181を押圧操作し続けた場合に、駆動手段H780の駆動モータH781を駆動することで、錘部材H782の回転により駆動手段H780に作用する遠心力を駆動手段H780に当接する傾倒装置H710に作用させることができる。これにより、ボタン部H181を押圧操作する感触を変更することができ、その結果、ボタン部H181を操作する遊技者の興趣を向上できる。なお、第111実施形態における変位部材H790は、左右方向(矢印L-R方向)に揺動される場合について説明したが、変位部材H790が上下または前後方向または上下方向に揺動されるように構成しても良い。また、第111実施形態では、操作ユニットH180のボタン部H181の操作により変位部材H790を変位させる場合について説明したが、操作ユニットH180の操作に連動するものではなく、機能調整操作部H190の各ボタンH191~H195の操作により変位部材H790を変位させるようにしても良い。この場合、各ボタンH191~H195の操作に合わせて、変位部材H790を変位させて光の態様を変更できるので、遊技者に各ボタンH191~H195を操作できていることを認識させやすくできる。特に、決定ボタンH191に連動させるようにした場合には、変位部材H790の変位により光の態様の変化で調整後の設定に変更されたことを認識させやすくできる。
次いで、図1677を参照して、駆動手段H780に対する変位部材H790の変位について説明する。図1677(a)及び図1677(b)は、揺動装置H730の断面図であり、図1669(b)のMDCCCXCIII線における断面に対応する。なお、図1677(a)では、駆動手段H780が左向き状態に変位された状態が図示され、図1677(b)では、駆動手段H780が右向き状態に変位された状態が図示される。なお、左向き状態に変位された状態と、右向き状態に変位された状態とは、その変位方向が反対向きになるだけであるので、以下の説明では、左向き状態とされる場合についてのみ説明し、右向き状態とされる場合についての説明は省略する。図1677(a)に示すように、駆動手段H780が左向き状態に変位される場合には、ベース手段H770に対して軸部H783c,H784bを軸に時計回り方向(正面側を左方向)に駆動手段H780が回転された際の慣性力が変位部材H790に伝達され、駆動手段H780に対して左方側(矢印L方向側)に変位する力が変位部材H790に作用する。この場合、正面視における右方側(矢印R方向側)の上側係合部H792aが収容凹部H783b1の内壁側に当接されることで、その当接部分を軸に回転され正面視における左方側(矢印L方向側)の上側係合部H792aが収容凹部H783b1の背面側に向かって押し込まれる。即ち、変位部材H790は、駆動手段H780に対して正面視における左方側が背面側に押し込まれ、透過部H791を左側に向かうにつれて背面側に傾けた姿勢とされる。従って、第111実施形態では、ベース手段H770に対する駆動手段H780の変位と連動して変位部材H790を軸部H783c,H784bの軸回りに変位させるだけでなく、駆動手段H780に対して変位部材H790を相対変位させることができる。ここで、変位部材を変位するためにリンク構造等を変位部材に連結して、そのリンク構造により駆動手段の駆動力を変位部材に伝達して変位部材を変位させる構造では、変位部材の変位が駆動手段の駆動と一致(連動)するため、変位手段の変位の態様を複雑にすることが難しくなり、変位手段の変位による演出効果が低下する可能性があった。また、駆動手段の駆動力を変更して変位手段の変位態様を複雑にすることもできるが、この場合には駆動手段の制御が複雑になるという問題があった。これに対し、第111実施形態における揺動装置H730では、ベース手段H770に対して変位する駆動手段H780と、その駆動手段H780に対して変位可能に配設される変位部材H790を備え、駆動手段H780をベース手段H770に対して変位させた際の慣性力により変位部材H790を駆動手段H780に対して変位可能に構成されるので、駆動手段H780の駆動モータH781の駆動力を一定とした場合であっても、変位部材H790の変位速度にばらつきを持たせることができる。その結果、駆動モータH781の制御を複雑化することなく、変位部材H790の変位態様を複雑にして、変位部材H790の変位による演出効果を向上できる。また、ベース手段H770に変位可能に配設される駆動手段H780と、その駆動手段H780に変位可能に配設される変位部材H790を備え、駆動手段H780に対して変位された変位部材H790を透過して光を出射することができるので、変位部材H790の変位の態様が一様になることを抑制できると共に、第2手段から出射される光の態様(遊技者が視認する光の態様)の変化を大きくすることができる。なお、駆動手段H780に対して相対変位された変位部材H790は、駆動手段H780の収容凹部H783b1と変位部材H790との間に配設される第1コイルバネH793により駆動手段H780に対して所定位置に変位するように構成される。これにより、駆動手段H780をベース手段H770に対して左向き状態にして変位部材H790の左側を背面側に傾けた後、第1コイルバネH793によりその傾きを戻すことができる。即ち、変位部材H790は、ベース手段H770に対する駆動手段H780が変位した際の所定以上の慣性力が作用した場合に駆動手段H780に対して相対変位可能とされる一方、駆動手段H780から慣性力が作用していない(駆動手段H780が停止した状態の)場合に第1コイルバネH793により駆動手段H780に対して所定位置に規定可能に構成される。これにより、駆動手段H780が変位した際の慣性力が所定以下の場合には、駆動手段H780と変位部材H790とを一体に変位させることができる一方、所定以上の慣性力が駆動手段H780から作用する場合には駆動手段H780に対して変位部材H790を相対変位させることができる。よって、変位部材H790を態様な態様で変位させることができる。
また、駆動手段H780に対して変位部材H790を所定位置に付勢する第1コイルバネH793は、弾性変形に伴って付勢力が大きくされるバネ部材で構成されるので、駆動手段H780をベース手段H770に対して回転させた際に生じる外力の強度(ベース手段H770に対して駆動手段H780が回転した際に変位部材H790に作用する慣性力の強さ)によって、駆動手段H780に対して変位部材H790を変位させる態様と変位させない態様と切り替えることができる(即ち、錘部材H782の回転速度を変更して駆動手段H780のベース手段H770に対する回転速度を変更することで、駆動手段H780に対する変位部材H790の変位量を変更することができる)。これにより、変位部材H790を多用な態様で変位させることができる。その結果、演出効果を高めることができる。なお、駆動手段H780に対する変位部材H790の姿勢を戻すための復帰手段としては、第1コイルバネH793の付勢力だけでなく、ゴムの弾性力、磁石の磁力、重力によるものであっても良い。しかしながら、磁力により駆動手段H780に対して変位部材H790の位置を規定する場合には、磁力線が直線でないため駆動手段H780に対して変位部材H790を規定位置に変位させる方向が定まりにくく、又、重力により駆動手段H780に対して変位部材H790の位置を規定する場合には、力が重力方向に作用するので駆動手段H780に対して変位部材H790の位置を規制することが難しい。従って、第111実施形態のように、弾性変形するバネやゴムにより、駆動手段H780に対して変位部材H790の位置を規定することが好ましい。また、上記したように、揺動装置H730は、基板部材H773に対して変位することで、変位部材H790の透過部H791を介して視認される光の演出を変更して、発光手段H773bによる光の演出効果を向上できる。この場合、第111実施形態における揺動装置H730では、ベース手段H770に対する駆動手段H780の変位と連動して変位部材H790を軸部H783c,H784bの軸回りに変位させるだけでなく、駆動手段H780に対して変位部材H790を相対変位させることができるので、単に変位部材H790が回転変位する場合に比べて、基板部材H773に対する変位部材H790の変位態様を変更しやすくできる。従って、変位部材H790の透過部H791を介して視認される光の演出を変更しやすくできる。その結果、発光手段H773bによる光の演出効果を向上できる。即ち、駆動手段H780に対して変位部材H790が相対変位可能な方向は、駆動手段H780の変位に伴って回転変位される方向と異なる前後方向(駆動手段H780に対して前後方向)に設定される。これにより、変位部材H790を多方向に変位させることができるので、変位部材H790による光の演出態様を変更しやすくできる。その結果、発光手段H773bによる光の演出効果を向上できる。また、第111実施形態における揺動装置H730では、駆動手段H780が回転変位された際の慣性力で変位部材H790を駆動手段H780に対して相対変位させるので、変位部材H790を変位させるための別の駆動手段を配設することなく、変位部材H790の変位態様を複雑にすることができる。その結果、製造コストを削減できる。
次いで、図1678から図1686を参照して、球発射ユニットH112aについて説明する。初めに、図1678及び図1679を参照して、球発射ユニットH112aが配設される内枠H12について説明する。図1678は、内枠H12の正面図であり、図1679は、内枠H12の分解正面斜視図である。なお、図1678では、発射位置送球ユニットH170から球発射ユニットH112aに遊技球を送球するための背面側開口H172が2点鎖線で図示される。図1678及び図1679に示すように、内枠H12の外形を形成する枠形成ユニットH12aは、上方側(矢印U方向側)及び左右外側(矢印L-R方向側)の三方を囲うコ字形状に金属製の材料から構成される上側ベースユニットH12bと、そのコ字形状に構成される上側ベースユニットH12bの下方側(矢印D方向側)の開放部分に配設され上側ベースユニットH12bと共に枠状を形成する下側ベースユニットH12cと、下側ベースユニットH12cの正面側(矢印F方向側)に配設される球発射ユニットH112aと、下側ベースユニットH12cの背面側(矢印B方向側)に配設される鉤ユニットH12dと、を主に備える。球発射ユニットH112aは、下側ベースユニットH12cの正面側(矢印F方向側)に凹設される収容凹部H12c1に球発射ユニットH112aの背面側(矢印B方向側)に配設される駆動モータH850を収容した状態で下側ベースユニットH12cの正面側に配設されると共に、正面側に配設される発射レールH112a1が枠形成ユニットH12a(図1616参照)に配設される遊技盤H13(図1615参照)の遊技領域と前後方向(矢印F-B方向)に一致する位置に配置され、発射レールH112a1から発射される遊技球を遊技盤H13の遊技領域に発射することができる。なお、球発射ユニットH112aの正面側(矢印F方向側)には、外枠H11の背面側(矢印B方向側)に配設される発射位置送球ユニットH170が配設され、発射位置送球ユニットH170を介して上皿H17から球発射ユニットH112aに1球ずつ遊技球を送球可能とされる。
次いで、図1680から図1682を参照して、発射位置送球ユニットH170及び球発射ユニットH112aについて説明する。図1680は、球発射ユニットH112aの分解正面斜視図であり、図1681は、発射位置送球ユニットH170の分解斜視図であり、図1682(a)は、図1678のMCMVa線における球発射ユニットH112a及び発射位置送球ユニットH170の断面図であり、図1682(b)は、図1678のMCMVb線における球発射ユニットH112a及び発射位置送球ユニットH170の断面図である。なお、図1681では、正面側ケースH860及び送球手段H880が正面斜視図で図示されると共に、背面側ケースH870が背面斜視図で図示される。図1680に示すように、球発射ユニットH112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射(打ち出し)可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850と、を主に備える。なお、駆動モータH850には、球発射ユニットH112aの駆動を許可するためのタッチセンサH51aの検出、及び、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化を検出する可変抵抗器の抵抗の検出があった場合に、それらが接続される入出力ポートH205を介して駆動モータH850を駆動する制御信号が駆動モータH850に送信される。これにより、所定の駆動力(操作ハンドルH51の回動操作量に応じた駆動力)で駆動モータH850が駆動される。ベース部材H810は、下側ベースユニットH12cの収容凹部H12c1と対応する大きさの板状に形成され、収容凹部H12c1を覆設する状態で下側ベースユニットH12cに配設される。また、ベース部材H810は、正面側(矢印F方向側)に向かって膨出され案内手段H820及び当接手段H840の第1弾性部材H841を配設する基部となる第1膨出部H811と、正面側に向かって膨出して形成され当接手段H840の第2弾性部材H842を配設する基部となる第2膨出部H812と、前後方向(矢印F-B方向)に穿設され駆動モータH850の軸部H852が挿通される貫通孔H813と、を主に備える。発射手段H830は、金属材料から矩形状の板状に形成されると共に一端側に駆動モータH850の軸部H852が挿入される挿入部H112a3を有する回転体H112a2と、弾性材料から形成され回転体H112a2の他端側の周囲を取り囲む状態で配設される発射部H831と、回転体H112a2と駆動モータH850の軸部H852とを締結固定するための締結部材H832と、を主に備える。
回転体H112a2は、ベース部材H810の貫通孔H813を正面側(矢印F方向側)に挿通された駆動モータH850の軸部H852が挿入部H112a3に挿入されると共に締結部材H832により軸部H852と締結され、駆動モータH850の駆動力により軸部H852を軸に回転可能とされる。これにより、発射手段H830は、退避位置(図1683(a)参照)と発射位置(図1683(c)参照との間で回転可能とされる。発射部H831は、駆動モータH850により回転される回転体H112a2が回転された際に後述する球発射ユニットH112aの発射レールH112a1上に送球される遊技球に当接する部分であり、正面視における反時計回り側の側面に発射レールH112a1上の球に当接する当接面H831aを備え、弾性変形可能な弾性材料が形成される。当接面H831aは、発射手段H830が発射位置から退避位置側に若干退避した初期位置(図1683(b)参照)で発射レールH112a1上の遊技球に当接可能に構成されており、初期位置を超えて発射位置まで発射手段H830が回転されることで当接面H831aに当接する遊技球を発射することが可能とされる。なお、発射部H831が弾性変形可能な樹脂材料から形成され、当接面H831aに遊技球を当接した際に発射部H831を変形させることができるので、遊技球に当接した衝撃が発射手段H830側に伝わることを抑制できると共に、発射部H831を遊技球に当接させた際の当接音を小さくすることができる。案内手段H820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H821と、金属材料から形成され第1案内部材H821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。第1案内部材H821は、ベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に沿って形成される背面部H821aと、その背面部H821aから正面側に向かって立設され遊技球の転動面となる転動部H821bと、その転動部H821bに連なって形成され第2案内部材H822が正面側に配設される配設部H821cと、その配設部H821cよりも上方側(矢印U方向側)から背面部H821aの正面側に向かって立設され発射位置送球ユニットH170から第2案内部材H822(発射レールH112a1)に送球される遊技球をガイドする上方側ガイド部H821dとを主に備える。背面部H821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、発射レールH112a1及び転動部H821bの球の転動方向に沿って背面側に凹設される凹部H821a1を備える。凹部H821a1は、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を凹部H821a1の内側に受け入れることで、遊技球の送球を安定させるためのガイド部であり、遊技球の一部を受け入れ可能な大きさに形成される。また、凹部H821a1は、遊技球の半径よりも大きい半径の湾曲形状に凹設される。なお、凹部H821a1による遊技球の案内についての詳しい説明は後述する。
第2案内部材H822は、発射位置送球ユニットH170から送球される遊技球を初期位置の発射手段H830と当接する位置に案内すると共に、発射手段H830により発射される遊技球が転動される発射レールH112a1を上面に有する。発射レールH112a1は、前後方向における略中央部が下方側(矢印D方向側)に断面三角形状に凹んで形成されており、その凹部に沿って遊技球を案内可能とされる。なお、断面三角形状に凹設される下方側の頂部H112a4は、遊技球の発射方向視(図1682(a)参照)において転動部H821bと連なる略同一の高さ、もしくは転動部H821bよりも若干高い位置に設定される。これにより、球発射方向視において発射レールH112a1を案内される遊技球の方が、転動部H821bを案内される遊技球よりも上方を案内され、発射レールH112a1から転動部H821bに案内される遊技球が詰まる(転動部H821bの端部に当接する)ことを抑制できる。その結果、発射レールH112a1から転動部H821bへの遊技球の送球を安定させることができる。上方側ガイド部H821dは、発射位置送球ユニットH170から送球される遊技球が上方側(矢印U方向側)に弾むことを抑制するための部分であり、発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172と正面視において左右方向(矢印L-R方向)に隣り合う位置に形成されると共に、第2案内部材H822と上下方向に1球分以上離れた位置に形成される(図1678参照)。当接手段H840は、弾性部材から形成される第1弾性部材H841及び第2弾性部材H842を備え、第1弾性部材H841が初期位置の発射手段H830の回転体H112a2と当接可能な位置に配設され、第2弾性部材H872が退避位置の発射手段H830の回転体H112a2と当接可能な位置に配設される。これにより、発射手段H830を回転させる際に発射手段H830を発射位置および退避位置で停止させやすくできると共に、停止させた際の衝撃を吸収することが可能とされる。なお、発射手段H830は、初期位置で回転体H112a2が第1弾性部材H841に当接された後、第1弾性部材H841を弾性変形させつつ発射位置まで回転されることで遊技球を発射することが可能とされる。
次いで、図1681を参照して、発射位置送球ユニットH170について説明する。図1681に示すように、発射位置送球ユニットH170は、正面側(矢印F方向側)に配設され正面側開口H171を有する正面側ケースH860と、その正面側ケースH860の背面側(矢印B方向側)に配設され背面側開口H172を有する背面側ケースH870と、それら正面側ケースH860および背面側ケースH870の間に配設される送球手段H880とを主に備える。送球手段H880は、ソレノイドH881と、そのソレノイドH881の駆動より第1位置および第2位置との間で変位可能な変位部材H882とを主に備え、第1位置に変位部材H882が変位されることにより上皿H17(正面側開口H171)から1球の遊技球を正面側ケースH860及び背面側ケースH870の内側に流入させて保持し、第2位置に変位部材H882が変位されることにより正面側ケースH860及び背面側ケースH870の内側に流入させて保持した1球の遊技球を背面側開口H172から排出して発射レールH112a1上に送球可能に構成される。これにより、1球ずつ遊技球を発射レールH112a1上に送球可能とされる。なお、変位部材H882は、ソレノイドH881により変位されるものに限られず、例えば、モータ等の駆動手段により変位させても良い。また、変位部材H882は、駆動手段等の駆動源を備えず、球発射ユニットH112aにより発射される球の送球により一方向(第1位置)に変位され、自重により他方向(第2位置)に変位されるものであっても良い。また、遊技球を送球するソレノイドH881(その他装置H228(図1619参照))は、音声ランプ制御装置H113の入出力ポートH225に接続され、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて駆動される。これにより、1球ずつ遊技球を発射レールH112a1上に送球可能とされる。
次いで、図1682を参照して、発射位置送球ユニットH170及び球発射ユニットH112aの配置について説明する。図1682に示すように、発射位置送球ユニットH170及び球発射ユニットH112aは、前後方向(矢印F-B方向)に隣り合う位置に配置されると共に、発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172が、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1よりも若干上方に配置される。これにより、発射位置送球ユニットH170から発射レールH112a1に送球される遊技球が発射レールH112a1に当接して(遮られて)詰まることなく、発射レールH112a1上に送球される。また、発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172は、球発射ユニットH112aの凹部H821a1と少なくとも一部が前後方向に重なる位置に形成される。これにより、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球される遊技球を凹部H821a1に受け入れることができると共に、凹部H821a1の湾曲面に沿って流下させることができる。ここで、球発射ユニットH112aの背面部H821aが平面状に形成される(背面部H821aに凹部H821a1が形成されていない)場合には、発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172から遊技球が送球され背面部H821aに当接すると、その当接した反力が正面側に向かって作用する。よって、背面部H821aに当接した遊技球は、正面側に向かって跳ね返り発射位置送球ユニットH170の背面側に当接し背面側に向かって跳ね返る。即ち、発射位置送球ユニットH170から送球される遊技球が前後に暴れた状態で発射レールH112a1上(初期位置の発射手段H830と当接される位置)に案内される。そのため、発射手段H830により発射される(打ち出される)遊技球が前後に暴れた状態で発射される虞があり、この場合、遊技球は発射レールH112a1に沿って真っ直ぐに送球されず、流路の内面(遊技球が転動する転動面の側方の内面)に衝突することがある。このように、流路の内面に遊技球が衝突すると、内面から受ける反力により遊技球が暴れ、発射手段H830により発射された遊技球の軌跡が安定しないという問題がある。これに対し、第111実施形態における球発射ユニットH112aは、背面側開口H172の背面側に重なる位置に凹部H821a1を備え、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球される遊技球を湾曲状に形成される凹部H821a1の内面に当接させることができるので、凹部H821a1の内面に当接した遊技球に作用する反力を正面側だけでなく上下方向(矢印U-D方向)に作用させることができる。よって、背面部H821aに当接した遊技球が正面側に向かって跳ね返ることを抑制できる。従って、初期位置の発射手段H830と当接される位置に送球される遊技球が暴れることを抑制できる。その結果、発射手段H830により発射される(打ち出される)遊技球の軌跡を安定させやすくできる。また、凹部H821a1の下方側(矢印D方向側)の縁部は、背面側開口H172よりも下方側に配置されており、これにより、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球される遊技球を凹部H821a1に当接させやすくできる。なお、発射手段H830により発射される遊技球の転動面となる発射レールH112a1及び転動部H821bの前後(矢印F-B方向)には、背面側(矢印B方向側)に第1案内部材H821の背面部H821aが配設され、正面側(矢印F方向側)に背面側ケースH870が配設される。これにより、発射手段H830により発射される遊技球は、背面部H821aと背面側ケースH870と発射レールH112a1及び転動部H821bとに囲われた空間(流路)を転動して、遊技盤H13に送球される。また、凹部H821a1は、正面視において背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される遊技球(図1683(b)参照)と重なる背面側から発射レールH112a1及び転動部H821bとの連結部分を超える長さに形成される。これにより、発射手段H830に打ち出された遊技球がすぐに前後方向に暴れた場合でもその遊技球を凹部H821a1の内側に受け入れることができると共に、発射レールH112a1上を転動する遊技球が転動部H821bに送球された衝撃で前後方向に暴れた場合でも球を凹部H821a1の内側に受け入れることができる。 即ち、凹部H821a1は、遊技球に外力が加わりやすい転動面の切り替わり部分や発射位置の背面側に形成される。これにより、第111実施形態では、発射される遊技球が前後に暴れることを抑制しやすくできる。
次いで、図1683を参照して、発射手段H830による遊技球の発射について説明する。図1683(a)は、退避位置における発射手段H830の正面図であり、図1683(b)は、初期位置における発射手段H830の正面図であり、図1683(c)は、発射位置における発射手段H830の正面図である。なお、発射手段H830は、駆動モータH850の駆動力が働いていない状態(即ち、操作ハンドルH51が操作されていない状態)では、初期位置に配置される。図1683に示すように、発射手段H830は、操作ハンドルH51が遊技者に操作されると、駆動モータH850が駆動され初期位置から退避位置に変位される。この場合、同時に発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172から1球の遊技球が発射レールH112a1上に送球され、初期位置の発射手段H830と当接可能な位置に保持される。図1683(a)に示す退避位置に発射手段H830が変位された後は、操作ハンドルH51の操作量に応じた強さで発射手段H830が図1683(c)に示す発射位置に向けて変位される。この場合、図1683(b)に示す初期位置で、発射レールH112a1上に保持される遊技球に発射手段H830の当接面H831aが当接されつつ、発射手段H830が発射位置まで変位されることで、当接面H831aが当接した遊技球が所定の発射強さで発射レールH112a1及び転動部H821b上を転動して遊技盤H13に送球される。発射手段H830により遊技盤H13へ遊技球を発射した(打ち出した)後は、再度図1683(a)に示す退避位置に発射手段H830を変位した後、図1683(c)に示す発射位置に発射手段H830を変位させる動作が継続される。これにより、遊技盤H13に1球ずつ所定の間隔で遊技球を送球できる。
次いで、図1684を参照して、発射レールH112a1及び転動部H821bを送球される遊技球について説明する。図1684(a)及び図1684(b)は、図1682(b)のMCMVII部における球発射ユニットH112a及び発射位置送球ユニットH170の部分拡大断面図である。なお、図1684(a)及び図1684(b)では、発射手段H830により発射される遊技球の遷移状態が順に図示される。図1684(a)に示すように、発射位置送球ユニットH170から発射レールH112a1に送球される遊技球は、通常、発射レールH112a1の凹みの頂部H112a4に沿って発射レールH112a1の前後方向(矢印F-B方向)における中央部に案内される。よって、図1684(b)に示すように、発射手段H830の当接面H831aが当接して発射される遊技球は、発射レールH112a1の頂部H112a4に沿って転動し第1案内部材H821の転動部H821bに案内され、転動部H821bの前後方向(矢印F-B方向)における中央部を転動して遊技盤H13まで送球される。
次いで、図1685及び図1686を参照して、発射レールH112a1及び転動部H821bを送球される遊技球が前後方向に暴れる場合について説明する。図1685(a)及び図1685(b)は、図1682(b)のMCMVII部における球発射ユニットH112a及び発射位置送球ユニットH170の部分拡大断面図であり、図1686は、図1682(a)のMCMIX部における球発射ユニットH112a及び発射位置送球ユニットH170の部分拡大断面図である。なお、図1685(a)及び図1685(b)では、発射手段H830により発射される遊技球の遷移状態が順に図示される。また、図1686では、図1685(b)に対応する位置に送球された遊技球が図示される。図1685(a)に示すように、発射位置送球ユニットH170から発射レールH112a1に送球される遊技球が発射レールH112a1の凹みの頂部H112a4に対して前後方向(矢印F-B方向)に偏る位置に配置された(前後に暴れた)状態で、発射手段H830の当接面H831aが遊技球に当接される場合には、遊技球に対して前後に偏る位置に当接面H831aが当接される(例えば、発射位置送球ユニットH170から送球される遊技球が発射レールH112a1の頂部H112a4に向かう傾斜面に沿って発射レールH112a1の前後方向における中央部に案内される前に、発射手段H830の当接面H831aが遊技球に当接される場合には、遊技球に対して正面側に偏る位置に当接面H831aが当接される)。これにより、発射レールH112a1に対して前後方向(矢印F-B方向)に向かう方向の力成分が遊技球に付与された状態で発射手段H830から遊技球が発射され(打ち出され)、案内手段H820を転動して遊技盤H13に送球される遊技球が前後に暴れる恐れがあった。この場合、上述したように遊技球は発射レールH112a1に沿って真っ直ぐに送球されず、流路の内面(遊技球が転動する転動面の側方の内面)に衝突することがある。このように、流路の内面に遊技球が衝突すると、内面から受ける反力により遊技球が暴れ、発射手段H830により発射された遊技球の軌跡が安定しないという問題がある。これに対し、第111実施形態における案内手段H820は、遊技球の発射経路における背面側(矢印B方向側)の壁部を形成する背面部H821aに凹部H821a1が形成され、前後方向(矢印F-B方向)に遊技球が暴れる場合には、図1685及び図1686に示すように、遊技球の一部を凹部H821a1に受け入れて、凹部H821a1の内面に遊技球を当接させることができる。ここで、凹部H821a1は、上記したように遊技球の半径よりも大きい半径の湾曲形状に形成されるので、凹部H821a1の内面に当接する遊技球に作用する反力に上下方向(矢印U-D方向)に向かう方向成分を付与することができる。即ち、凹部H821a1の内面に当接した反力を正面側(矢印F方向側)に跳ね返る成分と、上方側または下方側に変位させる成分とに分散することができる。よって、正面側(矢印F方向側)に跳ね返る方向成分の反力を弱めることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。なお、第111実施形態における案内手段H820の凹部H821a1は、湾曲状に凹設される背面側の凹設底部が、発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心部よりも上方側に配置され、発射手段H830により発射される遊技球が背面側に向かって暴れる場合に、その遊技球を凹部H821a1の凹設底部よりも下方側に当接させることができる。即ち、上方側に向かって背面側に湾曲する領域に遊技球を当接させることができる。従って、凹部H821a1の内面に当接する遊技球に上方に向かう方向の反力を付与することができ、下方側に向かう方向の力成分が付与されて、発射レールH112a1と遊技球との転動部分の抵抗が増加することを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。即ち、発射手段H830により発射された遊技球が流路(発射レールH112a1、背面部H821a、背面側ケースH870により囲まれる通路)の内面(背面部H821aに当接する場合に、遊技球に作用する当接方向(前後方向)の反力を凹部H821a1により抑制可能とされるので、内面(背面部H821a)から受ける反力により遊技球が暴れることを抑制できる。その結果、遊技球の軌跡を安定させることができる。
また、凹設して形成される凹部H821a1により遊技球に作用する当接方向(前後方向)の反力を抑制できるので、弾性変形可能な弾性部材に当接させて遊技球に作用する当接方向の反力を抑制する場合に比べて、転動(送球)方向の抵抗が増加することを抑制できる。即ち、凹部H821a1に当接させることで遊技球に作用する反力を分散(上下方向の反力を付与)して、当接方向の反力を小さくできるので、転動方向の抵抗が増加することを抑制できる。その結果、遊技球の軌跡を安定させることができる。さらに、凹部H821a1は、凹設して形成されるので、凸設して形成される場合に比べて、球発射ユニットH112aの前後方向の小型化を図ることができると共に、流路の空間を増加させることができるので流路内に遊技球が詰まることを抑制できる。案内手段H820の背面部H821aは、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)に向かって(発射レールH112a1の頂部H112a4に対して)背面側(矢印B方向側)に傾斜して正面側(矢印F方向側)の側面が形成される。即ち、背面部H821aは、遊技盤H13(図1615参照)の盤面に対して正面側の少なくとも一部が傾斜して形成される。一方、凹部H27821a1は、背面側の凹設底部が発射手段H830による遊技球の発射方向に(発射レールH112a1の頂部H112a4)に対して平行に形成される。即ち、凹部H821a1の背面側(矢印B方向側)への凹設深さが遊技球の発射方向に沿って浅くなるように構成され、発射方向における凹部H821a1の端部が背面部H821aの正面と連なるように形成される。これにより、凹部H821a1の発射方向側の端部に段差ができることを抑制でき、凹部H821a1の端部で凹部H821a1の内面に当接する遊技球が凹部H821a1の端部から発射方向に抜け出る際に発射方向と反対方向の抵抗が増大することを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に安定して遊技球を送球することができる。また、第111実施形態における発射位置送球ユニットH170は、変位部材H882の背面側開口H172から遊技球を発射レールH112a1に送球する球送球部H882a(図1681参照)が背面側開口H172から背面側(矢印B方向側)に飛び出た位置に配置されると共に、変位部材H882が第2位置(発射レールH112a1に遊技球を送球する位置)に配置される際に発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心部よりも若干下方に位置される。よって、発射手段H830により発射される遊技球が正面側(矢印F方向側)に暴れる場合には、その遊技球を球送球部H882aの上方側(矢印U方向側)の端部に当接させることができる。これにより、球送球部H882aに当接する遊技球に作用する反力に上方に向かう方向成分を付与することができる。即ち、球送球部H882aに当接した反力を背面側(矢印B方向側)に跳ね返る成分と、上方に向かう成分とに分散することができる。よって、背面側(矢印B方向側)に跳ね返る方向成分の反力を弱めることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。また、発射手段H830により発射される遊技球が正面側(矢印F方向側)に暴れる場合に遊技球を球送球部H882aに当接させることができるので、正面側に暴れる遊技球がそのまま背面側開口H172の内部に流入(即ち、逆流)することを抑制できる。その結果、発射位置送球ユニットH170から発射レールH112a1への球の送球を安定させることができる。さらに、凹部H821a1は、発射方向側の終端側に向かうに従って狭く(幅が小さく)形成される。これにより、凹部H821a1に遊技球が当接して案内される際に、その遊技球を凹部H821a1に当接した状態を維持しやすくできる。即ち、凹部H821a1は、遊技球の発射(送球)方向に向かうに従って幅が小さくなるように構成されるので、遊技球を凹部H821a1の内側に受け入れた状態(凹部H821a1により支持した状態)に維持しやすくできる。これにより、発射レールH112a1と転動部H821bとを遊技球が転動(通過)している間、その遊技球に対して凹部H821a1の作用を継続させ、遊技球の暴れを抑えやすくできる。その結果、遊技盤H13への遊技球の送球を安定させることができる。なお、第111実施形態では、凹部H821a1の終端でのみ幅が狭く形成されるが、凹部H821a1は、全体に亘って溝幅が発射方向に向かって狭く形成されるものであっても良い。また、第111実施形態では、発射方向側の終端側に向かうに従って凹部H821a1の幅が狭く(幅が小さく)形成される場合について説明したが、発射方向の終端側に向かうに従って凹部H821a1の幅が広く(幅が大きく)形成されても良い。この場合には、比較的暴れが大きな遊技球に対して凹部を徐々に作用させることができる。即ち、遊技球と凹部H821a1との重なり(当接可能な)面積を徐々に大きくすることができる。これにより、凹部H821a1への遊技球の衝突により遊技球の暴れが増幅することを抑制できる。即ち、遊技球が当接方向と異なる方向に暴れる(例えば、上側に弾んだり)することを抑制できる。その結果、遊技盤H13への遊技球の送球を安定させることができる。
次いで、図1687から図1689を参照して、動作ユニットG200について説明する。図1687は、遊技盤H13の正面図であり、図1688は、遊技盤H13の分解正面斜視図であり、図1689は、動作ユニットG200の分解正面斜視図である。図1687から図1689に示すように、動作ユニットG200は、箱状に形成される背面ケースG300を備え、その背面ケースG300の内部空間には、上方に演出動作ユニットG1000が、下方に発光装飾ユニットG500が、それぞれ配設される。背面ケースG300は、正面視略矩形の底壁部G301と、その底壁部G301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部G302とを備え、それら各壁部G301,G302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部G301には、その中央に正面視矩形の開口G301aが開口形成され、その開口G301aを通じて、底壁部G301の背面に配設される第3図柄表示装置H81が視認可能とされる。演出動作ユニットG1000は、背面ケースG300の底壁部G301に配設される門型のベースユニットG600(ベース部材G610)と、そのベースユニットG600(ベース部材G610)に変位可能に配設される花弁動作装置G800とを備え、その花弁動作装置G800をベースユニットG600(ベース部材G610)の前方(背面ケースH300の上方(矢印U方向))に退避させる退避位置と、背面ケースG300の開口G301a(即ち、第3図柄表示装置H81)の正面側に張り出す張出位置との間で変位させることができる(図1695参照)。即ち、演出動作ユニットG1000は、変位可能に構成される花弁動作装置G800を備える。また、図1687では、花弁動作装置G800が退避位置に配置された状態が図示されており、図1687に示すように、花弁動作装置G800が退避位置に配置された状態では、センターフレームH86の上枠部から花弁動作装置G800が視認可能とされる。また、花弁動作装置G800の退避位置と張出位置との間の変位に連動して後述する円環形成ユニットG700が変位するように形成されており、以下の説明では、花弁動作装置G800が退避位置に配置された状態の円環形成ユニットG700及び進退動作ユニットG900の位置を円環形成ユニットG700及び進退動作ユニットG900の退避位置、花弁動作装置G800が張出位置に配置された状態の円環形成ユニットG700及び進退動作ユニットG900の位置を円環形成ユニットG700及び進退動作ユニットG900の張出位置として説明する。なお、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800は、変位可能に構成され、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800の変位により花弁動作装置G800が変位可能に構成される。また、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800は、振動または動作可能に構成され、その振動または動作により花弁動作装置G800が振動または動作可能に構成される。発光装飾ユニットG500は、樹脂材料から形成されるベース体G510と、そのベース体G510の正面側に配設される発光装置G520とを主に備え、発光装置G520の内部に配設された複数のLED(発光ダイオード)G521から発光する光の様態(例えば、照射するLEDG521の数やLED521の発光色)を変更することで、発光による演出を行う。
次いで、図1690から図1713を参照して、演出動作ユニットG1000について説明する。初めに、図1690から図1694を参照して、演出動作ユニットG1000の全体構成について説明する。図1690(a)は、演出動作ユニットG1000の正面図であり、図1690(b)は、演出動作ユニットG1000の背面図であり、図1691は、演出動作ユニットG1000の花弁動作装置G800側の分解正面斜視図であり、図1692は、演出動作ユニットG1000の花弁動作装置G800側の分解背面斜視図であり、図1693は、演出動作ユニットG1000の円環形成ユニットG700側の分解正面斜視図であり、図1694は、演出動作ユニットG1000の円環形成ユニットG700側の分解背面斜視図である。図1690から図1694に示すように、演出動作ユニットG1000は、門型に形成されるベースユニットG600と、そのベースユニットG600に配設される進退動作ユニットG900と、ベースユニットG600に配設され進退動作ユニットG900の駆動力により上下動される花弁動作装置G800と、ベースユニットG600に配設され花弁動作装置G800の上下動に連動して円環状態を形成する円環形成ユニットG700とを主に備えて形成される。なお、第111実施形態では、演出動作ユニットG1000は、花弁動作装置G800が上方の退避位置から下方に変位して張出位置に変位されるが、退避位置は必ずしも上方でなくても良く、下方の退避位置から上方に変位して張出位置に変位されるものであっても良い。即ち、正面視における演出動作ユニットG1000を上下反対に配置しても良い。また、上下だけでなく、正面視における演出動作ユニットG1000を90度回転した状態で配置して、左右方向に花弁動作装置G800が変位するように構成しても良い。ベースユニットG600は、背面ケースG300底壁部G301の正面側(矢印F方向側)に配設されるベース部材G610と、そのベース部材G610の正面側に配設される左側保持部材G620、右側保持部材G630、左側配線部材G640と、右側配線部材G650と、を主に備えて形成される。なお、本実施形態では、ベースユニットG600が、主に光を透過可能な樹脂材料から形成されるが、金属製の板材をプレス加工して形成するものであっても良い。ベース部材G610は、左右方向(矢印L-R方向)に長い矩形の本体板部G611と、その本体板部G611の左右両端から下方に向かって延設される左側延設部G612と、右側延設部G613と、を主に備える。本体板部G611は、後述する進退動作ユニットG900及び花弁動作装置G800が配設される部分であり、進退動作ユニットG900の各従動ギヤG921~G928及びアーム側従動ギヤG929を軸支するピン部G611a~G611hと、進退動作ユニットG900の左側アームユニットG930を軸支する軸支部G611jと、花弁動作装置G800の正面側ベース部材G810の摺動面の一部を形成する摺動部G611kとが正面側(矢印F方向側)に形成される。また、本体板部G611の背面側(矢印B方向側)には、背面ケースG300にベースユニットG600を締結固定するためのめねじが形成され、背面ケースG300の底壁部G301に前後方向(矢印F-B方向)に貫通する貫通孔を通して螺子が締結される。これにより、背面ケースG300にベースユニットG600(演出動作ユニットG1000)を固定した状態で配設可能とされる。なお、本実施形態では、本体板部G611の背面側にめねじが形成され、背面ケースG300の底壁部G301に前後方向(矢印F-B)方向に貫通する貫通孔が形成されるが、これに限らず、本体板部G611に前後方向に貫通する貫通孔が形成され、背面ケースG300の底壁部G301にめねじが形成されてもよい。この場合、背面ケースG300の正面側(矢印F方向側)に演出動作ユニットG1000を配設した後、背面ケースG300の背面側(矢印B方向側)に作業者が移動しなくても、演出動作ユニットG1000を背面ケースG300に配設作業した正面側から演出動作ユニットG1000を背面ケースG300にねじ止めすることができる。そのため、演出動作ユニットG1000の背面ケースG300への配設作業を簡易にすることができる。
ピン部G611a~G611hは、上述したように進退動作ユニットG900の各従動ギヤG921~G928及びアーム側従動ギヤG929を軸支する部分であり、円形状に形成され正面側(矢印F方向側)に向かって突設される。また、ピン部G611a~G611e,G611hには、突設先端部にめねじが形成されており、対応する各ギヤG921~G925,G928を軸支した状態で立設先端部に螺子が締結される。これにより、ピン部G611a~G611e,G611hから各従動ギヤG921~G925,G928が抜け落ちることを抑制できる。一方、ピン部G611f,G611gは、所定の内径を有する円環状に突設され、その外周側でギヤG926,G927を軸支可能に形成される。また、ピン部G611f,G611gには、その中心部に金属製の棒状部材G611m,G611nがそれぞれ嵌め込まれ、その金属製の棒状部材G611m,G611nにより、後述する円環形成ユニットG700(左側円環部材G710および右側円環部材G720)を軸支可能とされる。なお、ピン部G611f,G611gに軸支されるギヤG926,G927は、金属製の棒状部材G611m,G611nに軸支される左側円環部材G710および右側円環部材G720と、本体板部G611との間に挟まれることで、棒状部材G611m,G611nから抜け落ちることが抑制される。棒状部材G611mには、円形状に形成された小径部と、その小径部の軸方向一端側から径方向外側に張り出した大径部とを備えたカラーG611iaが先端部に締結固定される。カラーG611iaは、円環状に形成されるアーム側従動ギヤG929の内側に小径部が挿入して配設される。また、カラーG611iaの小径部とアーム側従動ギヤG929の内側との間には、若干の隙間が形成される。これにより、ピン部G611iからアーム側従動ギヤG929が抜け落ちることを抑制できると共に、アーム側従動ギヤG929がピン部G661i(カラーG611ia)に対して回転可能とされる。棒状部材G611m,G611nは、後述する円環形成ユニットG700の左側円環部材G710及び右側円環部材G720を軸支する部分であり、本体板部G611の正面側に配設される左側保持部材G620との間で挟持される。なお、ピン部G611f,G611gに軸支される進退動作ユニットG900のギヤG926,G927は、棒状部材G611m,G611nに軸支される左側円環部材G710及び右側円環部材G720によりピン部G611f,G611gから抜け出ることが規制される。軸支部G611jは、正面視(矢印B方向視)において本体板部G611の左側(矢印L方向側)に形成される。軸支部G611jは、上述したように進退動作ユニットG900の本体部材G931を軸支する部分であり、正面視円形状に形成されると共に正面側に向かって突設される。この軸支部G611jにより、進退動作ユニットG900の本体部材G931が軸支部G611jを軸として回転可能とされ、その軸支部G611jを中心(回転軸)とする本体部材G931の回転により進退動作ユニットG900に配設される花弁動作装置G800が上下方向(矢印U-D方向)に変位可能とされる。摺動部G611kは、正面視において本体板部G611の右側(矢印R方向側)の上端、下端、及び右端の縁部を囲うように正面側に立設される壁部G611pの上端部と下端部との左端同士を上下方向(矢印U-D方向)に結んだ直線状に形成されており、壁部G611pよりも正面側への立設距離が低く設定される。これにより、壁部G611pと摺動部G611kとにより囲まれる領域の前方側に後述する右側保持部材G630を配設した際に、摺動部G611kと右側保持部材G630の背面側との対向間に溝を形成することができ、その溝に後述する花弁動作装置G800の正面側ベース部材G810を摺動可能な状態で保持することができる。
なお、正面視(矢印B方向視)において本体板部G611の壁部G611pと摺動部G611kとにより囲まれる領域は、他の領域に比べて正面側に位置して(即ち、摺動部G611kの形成部分で正面側に向かって段差が形成されて)おり、摺動部G611kと右側保持部材G630の背面側との間に花弁動作装置G800のカラーG815を配設した場合に、カラーG815の大径部の外周面が本体板部G611の正面に当接することを抑制できる。これにより、花弁動作装置G800の正面側ベース部材G810が摺動部G611kに沿って摺動する際の抵抗が増加すること抑制でき、花弁動作装置G800を上下方向(矢印U-D方向)にスムーズに変位させることができる。なお、花弁動作装置G800の動作についての詳しい説明は後述する。左側延設部G612は、後述する円環形成ユニットG700が配設される部分であり、下方(矢印D方向)端部側に左側リンク軸支部G612aと、その左側リンク軸支部G612aよりも上方側(矢印U方向側)に左側保持部G612bとを備える。左側リンク軸支部G612aは、円環形成ユニットG700の左側リンク部材G730の一端が軸支される部分であり、正面視円形状に形成されると共に正面側に立設して形成される。これにより、左側リンク部材G730の一端が左側リンク軸支部G612aを軸に回転可能な状態で保持される。左側保持部G612bは、退避位置に配設される円環形成ユニットG700の左側円環部材G710の背面が当接可能な位置に形成されると共に、その円環形成ユニットG700の左側円環部材G710に連結される左側リンク部材G730の側面が当接可能な位置に形成される。これにより、退避位置に配置される左側円環部材G710に外部からの振動が作用した際に、左側円環部材G710が揺れ動いて、退避位置に配設される左側円環部材G710が遊技者から視認可能とされる位置(遊技盤H13のセンターフレームG86の内側領域)に変位することを抑制できる。右側延設部G613は、左側延設部G612と同様に、後述する円環形成ユニットG700が配設される部分であり、下方(矢印D方向)の端部側に右側リンク軸支部G613aと、その右側リンク軸支部G613aよりも上方側(矢印U方向側)に右側保持部G613bとを備える。なお、右側リンク軸支部G613aは、上述した左側リンク軸支部G612aと連結される部材(右側リンク部材G740)が異なるだけであり、右側保持部G613bは、上述した左側保持部G612bと当接可能な部材(右側円環部材G720及び右側リンク部材G740)が異なるだけであり、その他の構成は同じであるので、それらの詳しい説明は省略する。また、左側延設部G612と右側延設部G613との正面側には、左側延設部G612の左側リンク軸支部G612a、左側保持部G612b、右側リンク軸支部G613a、及び、右側保持部G613bを避けて左側配線部材G640と右側配線部材G650とが左側延設部G612の正面と右側延設部G613の正面との間に所定の空間を形成した状態で配設される。これら左側配線部材G640及び左側延設部G612の間の空間と、右側配線部材G650及び右側延設部G613の間の空間とを介して、後述する円環形成ユニットG700および花弁動作装置G800に連結される電気配線が挿通される。これにより、退避位置と張出位置との間で変位する円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800に電気配線が接触して、電気配線が断線したり電気配線の被覆が剥がれたりすることを抑制できる。
左側保持部材G620は、本体板部G611の正面視左側端部から上端部に沿って本体板部G611の左右方向(矢印L-R方向)の中央を超えた位置まで延設される板状に形成され、後述する進退動作ユニットG900の各従動ギヤG921~G928及びアーム側従動ギヤG929の正面側(矢印F方向側)を覆う状態で本体板部G611に配設される。また、左側保持部材G620は、後述する進退動作ユニットG900の駆動モータG910の軸を挿通する貫通孔G621と、その貫通孔G621の周囲に駆動モータG910を左側保持部材G620に締結するためのめねじ部G622と、本体板部G611に配設される棒状部材G611m,G611nの正面側(矢印F方向側)を保持する凹部G623とを主に備え、本体板部G611に締結される。貫通孔G621は、左側保持部材G620の正面視において左側(矢印L方向側)上部の背面側(矢印B方向側)に向かって一段低く形成される領域に形成される。これにより、左側保持部材G620に駆動モータG910を配設した際に、左側保持部材G620よりも正面側(矢印F方向側)に駆動モータG910が張り出すことを抑制できる。その結果、後述する円環形成ユニットG700が退避位置に変位されて、その円環形成ユニットG700が左側保持部材G620の正面側に位置する場合に、円環形成ユニットG700が駆動モータG910に当接することを抑制できる。また、駆動モータG910は、正面側(矢印F方向側)から軸を貫通孔G621に挿通された後、駆動モータG910に形成された貫通孔を介して左側保持部材G620のめねじ部G622に螺子が締結されることで、左側保持部材G620に配設される。なお、左側保持部材G620に配設された駆動モータG910には、貫通孔G621を挿通した軸に背面側から駆動ギヤG911が配設される。凹部G623は、本体板部G611の背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に向かって円形状に凹設され、凹設された内縁が本体板部G611に配設される棒状部材G611m,G611nと対応する形状(内径)に形成される。これにより、左側保持部材G620を本体板部G611に配設した際に、棒状部材G611m,G611nの先端部を凹部G623の内部空間に収容して保持することができる。ここで、棒状部材G611m,G611nには、後述する円環形成ユニットG700の被軸支部G712ba,G722baが配設される(挿入される)。従って、円環形成ユニットG700は、被軸支部G712ba,G722baが棒状部材G611m,G611nに挿入された状態で、正面側(矢印F方向側)から左側保持部材G620がベース部材G610に配設されることで、ベースユニットG600に保持される。右側保持部材G630は、上述したように、本体板部G611に形成される壁部G611pと摺動部G611kとの正面側(矢印F方向側)を覆う部材であり、壁部G611pの正面側への立設先端部に形成されるめねじに螺子で締結固定される。これにより、摺動部G611kと右側保持部材G630の背面との間に空間を形成でき、その空間に後述する花弁動作装置G800のアーム部G812(カラーG815)を摺動可能な状態で配設できる。
次いで、進退動作ユニットG900について説明する。進退動作ユニットG900は、駆動モータG910と、その駆動モータG910の軸に配設される駆動ギヤG911と、その駆動ギヤG911の回転により駆動モータG910の駆動力を伝達する複数の従動ギヤG921~G928,アーム側従動ギヤG929と、本体板部G611の軸支部G611jに軸支されると共にアーム側従動ギヤG929の回転により回転変位する左側アームユニットG930と、その左側アームユニットG930に連結され左側アームユニットG930の回転により変位可能なスライド板G940と、そのスライド板G940のスライド方向を規定するスライドレールG950とを主に備える。なお、本実施形態では、従動ギヤG921~G928,アーム側従動ギヤG929,左側アームユニットG930,スライド板G940が主に、樹脂材料から形成される。また、進退動作ユニットG900の張出位置において、第3図柄表示装置H81の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に配設されるスライド板G940は、光を透過可能な材料から形成される。これにより、第3図柄表示装置H81から出射される光が張出位置における進退動作ユニットG900のスライド板G940より第3図柄表示装置H81に反射して、スライド板G940と重ならない位置から視認される第3図柄表示装置H81の表示が認識されにくくなることを抑制できる。駆動モータG910は、上述したように、ベースユニットG600の左側保持部材G620の貫通孔G621に軸を通して配設され、その軸に左側保持部材G620の背面側(矢印B方向側)から駆動ギヤG911が配設される。即ち、駆動モータG910の本体部分と駆動ギヤG911との間に左側保持部材G620を挟んだ状態で配設される。従動ギヤG921は、駆動ギヤG911に刻設される歯に歯合されており、駆動ギヤG911が回転されることにより回転される。従動ギヤG921から順に歯合される従動ギヤG922~G928は、従動ギヤG921が駆動ギヤG911により回転されることで、中間のギヤG923から終端のギヤG928までが同期して回転される。また、従動ギヤG925及び従動ギヤG928は、後述する円環形成ユニットG700の左側円環部材G710及び右側円環部材G720に駆動力を伝達可能に構成されており、正面側(矢印F方向側)に向かって突設される突設部G925a,G928aと、それら突設部G925a,G928aに軸支されるカラーG925b,G928bとを主に備えて形成される。突設部G925a,G928aは、従動ギヤG925及び従動ギヤG928の回転軸と異なる位置(回転軸から径方向に離れた位置)に形成される。また、突設部G925a,G928aは、後述する左側円環部材G710及び右側円環部材G720の摺動溝G712bb,G722bbに挿通され、その挿通された先端側にカラーG925b,G928bが配設される。これにより、従動ギヤG925及び従動ギヤG928が回転される(駆動モータG910から駆動力が伝達される)と、その従動ギヤG925及び従動ギヤG928の回転に伴って突設部G925a,G928aの位置が変位され、この変位に伴って左側円環部材G710及び右側円環部材G720が変位される(即ち、左側円環部材G710及び右側円環部材G720に駆動力が伝達される)。
アーム側従動ギヤG929は、従動ギヤG922が従動ギヤG921と歯合する位置とは異なる位置で従動ギヤG921と歯合されており、駆動ギヤG911が回転されることで従動ギヤG921を介して回転可能に構成される。また、アーム側従動ギヤG929は、正面側に向かって円柱状に突設される突設部G929aと、その突設部G929aの突設先端部に軸支されるカラーG929bと、外周面の正面側端部から径方向外側に向かって突設されると共に周方向に延設される壁部G929cと、その壁部G929cの一部から径方向外側に向かって突出して形成される被検出部G929dと、歯が刻設される外周面および壁部の間に膨出される膨出部G929eとを主に備え、左側アームユニットG930に駆動力を伝達可能に構成される。突設部G929aは、アーム側従動ギヤG929の回転軸と異なる位置から突設され、後述する左側アームユニットG930の被軸支部G931aに挿通される。また、突設部G929aには、左側アームユニットG930の被軸支部G931aに挿通される先端側にカラーG929bが配設される。これにより、アーム側従動ギヤG929が回転される(駆動モータG910から駆動力が伝達される)と、そのアーム側従動ギヤG929の回転に伴って突設部G929aの位置が変位され、この変位に伴って左側アームユニットG930が変位される(即ち、左側アームユニットG930に駆動モータG910の駆動力が伝達される)。壁部G929cは、アーム側従動ギヤG929の歯面を保護する部分であり、アーム側従動ギヤG929の歯面の側端面に連なって形成される。これにより、アーム側従動ギヤG929の歯の剛性を向上して、アーム側従動ギヤG929の歯が破損することを抑制できる。また、壁部G929cにより、アーム側従動ギヤG929の歯面に対して、軸方向に従動ギヤG921が相対変位することを抑制できるので、従動ギヤG921がピン部G611aから抜け落ちることを抑制できると共に、アーム側従動ギヤG929と従動ギヤG921との歯合状態が悪くなる(噛み合い位置が軸方向にずれる)ことを抑制できる。また、突設部G929aは、壁部G929cから突設される。これにより、動作不良等で通常の動作よりも大きな駆動モータG910の駆動力が突設部G929aに作用する場合に、壁部G929cを撓ませてその力を逃がすことができる。そのため、通常の動作よりも大きな駆動力が作用する場合に、アーム側従動ギヤG929とギヤG922との歯合位置がずれることを抑制でき、歯合位置がずれたまま駆動してアーム側従動ギヤG929又はギヤG922の歯に過大が力が作用することを抑制できる。その結果、アーム側従動ギヤG929及びギヤG922の歯が破損すること抑制できる。
被検出部G929dは、アーム側従動ギヤG929の回転位置を検出するための突起であり、ベースユニットG600のベース部材G610に配設される検出装置G660に検出可能に配設される。本実施形態では、花弁動作装置G800が退避位置に配置される際に、被検出部G929dが検出装置G660に検出可能とされる。これにより、退避位置に花弁動作装置G800がその自重や外部から入力される振動で張出位置に変位しようとした場合に、退避位置から移動したことを検出して、花弁動作装置G800を退避位置に戻すための制御を行うことができる。その結果、花弁動作装置G800が誤って張出位置に変位して、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。なお、本実施形態では、花弁動作装置G800が退避位置に配置される際に被検出部G929dが検出装置G660に検出される場合について説明したが、これに限らず、花弁動作装置が張出位置に配置される際に被検出部G929dを検出する検出装置を別途備えてもよいし、花弁動作装置G800が張出位置に配置される際に被検出部G929dが検出されるように検出装置G660を配置してもよい。この場合には、花弁動作装置G800が退避位置から張出位置に変位された際に、その変位を検出装置で検出することができるので、その検出に伴い張出位置に変位する直前で花弁動作装置G800の変位速度を低下させることで、張出位置に停止させることに伴い花弁動作装置G800に作用する振動を抑えることができる。よって、花弁動作装置G800を張出位置に張り出して花弁動作装置G800を遊技者から視認しやすい状態とした際に、花弁動作装置G800を遊技者に効果的に視認させることができる。その結果、遊技者の興趣を高めやすくできる。膨出部G929eは、アーム側従動ギヤG929の回転範囲を規定する部材であり、花弁動作装置G800が退避位置と張出位置とに変位された際に、本体板部G611から張り出した規制部G611rに当接可能とされる。なお、規制部G611rは、花弁動作装置G800が退避位置と張出位置とのそれぞれに配置される場合の膨出部G929eの対応する位置に形成される(即ち、2か所に形成される)。これにより、制御不良等により、アーム側従動ギヤG929が回転しすぎることを抑制して、突設部G929aと左側アームユニットG930との連結部分が破損することを抑制できる。左側アームユニットG930は、従動ギヤG921から伝達される駆動力をスライド板G940を介して花弁動作装置G800に伝達する部材であり、正面視においてT字状に形成される本体部材G931と、その本体部材G931をベースユニットG600に軸支するためのベース側カラーG932と、本体部材G931の背面側に配設されベース側カラーG932と同軸上の円環形状に形成されるバネ配設部材G933と、そのバネ配設部材G933の外周側に配設され本体部材G931に付勢力を作用させるねじりバネG934と、本体部材G931をスライド板G940に連結させるためのスライド側カラーG935とを主に備える。本体部材G931は、正面視においてT字の上部側を左側(矢印L方向側)から右側(矢印R方向側)に向かって上方(矢印U方向側)に傾倒させた状態で配設され、左側(矢印L方向側)の端部が本体板部G611と左側保持部材G620との対向間に配設される。また、本体部材G931は、正面視においてT字に形成される下部側がスライド板G940の背面側に配設される。
本体部材G931は、正面視において左側(矢印L方向側)端部に形成される被軸支部G931aと、その被軸支部G931aの上方側(矢印U方向側)に上下方向(矢印U-D方向)に沿った溝状に形成される摺動溝G931bと、スライド板G940の背面側に位置しスライド板G940(正面側(矢印F方向側)に向かって突設される突設部G931cとを主に備えて形成される。被軸支部G931aは、本体板部G611に形成される軸支部G611jが挿通可能に形成される貫通孔であり、軸支部G611jの外径よりも若干大きな円形状に形成される。また、被軸支部G931aには、ベース側カラーG932の小径部が若干の隙間を隔てた状態で配設される。これにより、本体部材G931は、本体板部G611の軸支部G611jの軸を中心に回転可能な状態で本体板部G611(ベース部材G610)に配設される。摺動溝G931bは、上述したようにアーム側従動ギヤG929の突設部G929aが挿通される部分であり、突設部G929aがアーム側従動ギヤG929の回転に伴って回転された場合に、突設部G929aが摺動溝G931bの内部を摺動可能な大きさに形成される。突設部G931cは、スライド板G940に連結される部分であり、後述するスライド板G940の摺動溝G942に挿入可能な長さに形成される。また、突設部G931cは、突設先端にスライド側カラーG935が配設され、スライド側カラーG935の外周面が摺動溝G942の内縁に当接した状態とされる。これにより、被軸支部G931a(軸支部G611j)を軸として本体部材G931を回転させた際に、本体部材G931に対してスライド板G940を相対変位させることができる。バネ配設部材G933は、本体部材G931の背面側とベース部材G610の本体板部G611の正面側との間に配設され、円環状に形成された内側の空間に本体板部G611の軸支部G611jが挿通される。また、バネ配設部材G933は、円環状に形成された軸方向の両端が径方向外側に立設されており、その両端に立設される対向間にねじりバネG934が配設される。これにより、ねじりバネG934が、本体部材G931の背面側や、ベース部材G610の本体板部G611の正面側に当接することを抑制できる。ねじりバネG934は、本体部材G931を退避位置側に付勢する付勢力をアーム部材に作用させるバネであり、弾性変形された状態でバネ配設部材G933の外周側に配設される。また、ねじりバネG934は、一端がベース部材G610に係止されると共に他端が本体部材G931の背面側に係止される。なお、ねじりバネG934は、弾性変形させていない状態では、複数回旋回して形成されるバネ部分の内径が、バネ配設部材G933の軸方向両端に立設される部分の外径よりも大きく形成される。これにより、ねじりバネG934をバネ配設部材G933に簡易に配設することができる。また、ねじりバネG934は、一端がベース部材G610に係止されると共に他端が本体部材G931の背面側(矢印B方向側)に係止されて弾性変形された状態では、その弾性変形によりバネ部分の内径がバネ配設部材G933の軸方向両端に立設される部分の外径よりも小さくされる。これにより、ベース部材G610と本体部材G931とにねじりバネG934の両端が係合された状態とされた場合にねじりバネG934がベース部材G610や本体部材G931から脱落することを抑制できる。本実施形態では、左側アームユニットG930を退避位置側に付勢するために、ねじりバネG934を配設したが、ねじりバネに限らず、コイルバネ、ゴム、磁石により左側アームユニットG930を退避位置側に付勢するように構成しても良い。また、退避位置側に左側アームユニットG930を付勢する形態でなく、張出位置側に付勢する形態や、退避位置と張出位置の間の位置に付勢する形態として、付勢される位置を基準位置として左側アームユニットG930を変位させても良い。
スライド板G940は、左側アームユニットG930に伝達される駆動力を花弁動作装置G800に伝達するための伝達部材である。スライド板G940は、背面側(矢印B方向側)から螺子を挿通可能に貫通形成される第1貫通孔G941と、本体部材G931が連結される摺動溝G942と、正面側(矢印F方向側)から螺子を挿通可能に貫通形成される第2貫通孔G943とを主に備える。第1貫通孔G941は、後述する花弁動作装置G800にスライド板G940を締結するための螺子を挿通する孔であり、花弁動作装置G800の背面側ベース部材G820のねじ穴(雌ねじ)と対応する位置に形成される。第1貫通孔G941を介してスライド板G940と花弁動作装置G800とが締結されることで、スライド板G940の変位を介して左側アームユニットG930に伝達される駆動力を花弁動作装置G800に伝達することができ、花弁動作装置G800を退避位置と張出位置との間で変位させることが可能とされる。摺動溝G942は、左右方向(矢印L-R方向)に長い溝状に形成されており、その溝に本体部材G931のスライド側カラーG935が摺動可能な状態で配設される。なお、スライド側カラーG935は、上述したように本体部材G931の突設部G931cの突設先端に配設される。また、摺動溝G942は、本体部材G931の突設部G931cの円弧状の変位軌跡と異なる方向に溝が延設される。従って、本体部材G931が被軸支部G931a(軸支部G611j)を軸として回転されることに伴って突設部G931cが変位されると、スライド側カラーG935が摺動溝G942の内部を摺動しつつスライド板G940を上下方向(矢印U-D方向)に押し出し、スライド板G940を後述するスライドレールG950に沿って上下方向に変位させる。スライドレールG950は、伸縮式の直線案内機構であり、その伸縮方向を上下方向(矢印U-D方向)に沿わせた姿勢で配設される。スライドレールG950は、ベース部材G610の本体板部G611の正面側(矢印F方向側)に配設される基部側レールG951と、その基部側レールG951の正面側に基部側レールG951に対して上下方向にスライド可能に配設される摺動側レールG952とを備える。また、摺動側レールG952は、スライド板G940の背面側に第2貫通孔を介して締結固定される。これにより、スライド板G940は、摺動側レールG952に対する姿勢が固定されると共に、基部側レールG951に対する摺動側レールG952のスライド方向にスライド可能とされる。即ち、スライド板G940は、その変位方向が上下方向(矢印U-D方向)に限定される。上述したように、スライド板G940には、花弁動作装置G800が締結固定されるので、スライド板G940の上下方向の変位に伴って花弁動作装置G800を上下方向に変位させることが可能とされる。なお、本実施形態では、スライドレールG950の基部側レールG951及び摺動側レールG952がアルミの金属材料から形成されるが、これに限らず、スライドレールG950が樹脂材料から形成されるものであっても良い。
円環形成ユニットG700は、正面視半円弧状に形成され、左右方向に対称に配設される一対の左側円環部材G710及び右側円環部材G720と、それら一対の左側円環部材G710及び右側円環部材G720のそれぞれの一端側に配設される左側リンク部材G730及び右側リンク部材G740とを主に備えて形成される。なお、円環形成ユニットG700の左側円環部材G710、右側円環部材G720、左側リンク部材G730、右側リンク部材G740は主に樹脂材料から形成される。なお、それぞれ一対形成される左側円環部材G710及び右側円環部材G720と、左側リンク部材G730及び右側リンク部材G740とは、正面視において左右方向(矢印L-R方向)中央部を軸に線対称に形成されるので、以下の説明では左側(矢印L方向側)に配設される左側円環部材G710及び左側リンク部材G730を説明し、右側(矢印R方向側)に配設される右側円環部材G720と、右側リンク部材G740との説明は省略する。また、符号については、左側円環部材G710の頭のG71を右側円環部材G720でG72と表記し、左側リンク部材G730の頭のG73を右側リンク部材G740でG74と表記する。左側円環部材G710は、正面側(矢印F方向側)が遊技者に視認可能な化粧面として形成されており、正面側に蝶や波や花等の装飾が形成されると共に、正面側の一部が光を透過可能な樹脂材料で形成される。詳しく説明すると、正面側に蝶や波や花等の輪郭線が光を非透過の樹脂材料で形成されると共に、それら蝶や波や花等の輪郭線の内側および外側が光を透過可能な樹脂材料で形成される。また、左側円環部材G710は、内部に光を出射可能なLED(発光ダイオード)を有する発光基板を備えており、光を透過可能な材料から形成される部分を介してLEDの光を遊技者側に照射可能に構成される。また、左側円環部材G710は、半円環状に形成される一端側(正面視下方側(矢印D方向側))の背面に背面側に向かって円柱状に突出する突出部G711と、半円環状に形成される他端側(正面視上方側(矢印U方向側)の背面に背面側に向かって立設される連結部G712とを主に備えて形成される。突出部G711は、後述する左側リンク部材G730に連結される部分であり、左側リンク部材G730よりも背面側に突出されると共に、その突出先端部にカラーG711aが突設部に対して回転可能な状態で配設される。連結部G712は、左側円環部材G710の背面側から立設される立設部G712aと、その立設部G712aの立設先端部から左側円環部材G710の背面に沿う方向に屈曲される屈曲部G712bとを主に備える。立設部G712aは、左側円環部材G710の背面とベース部材G610との間に進退動作ユニットG900の左側アームユニットG930を配設するための空間を形成する部分であり、左側アームユニットG930の本体部材G931の前後方向(矢印F-B方向)の厚みよりも背面側(矢印B方向側)への立設距離が大きく設定される。これにより、左側円環部材G710を本体部材G931よりも正面側(矢印F方向側)に配設することができ、左側円環部材G710の装飾面が本体部材G931に隠れることを抑制できる。なお、上記で説明する左側円環部材G710の背面とは、左側円環部材G710から突出部G711及び連結部G712を除いた部分における左側円環部材G710の背面である。
屈曲部G712bは、円環状に貫通形成される被軸支部G712baと、その被軸支部G712baと異なる位置に一方向に長い溝状に形成される摺動溝G712bbとを主に備えて形成される。被軸支部G712baは、左側円環部材G710の回転軸が挿通される貫通孔であり、上述したベース部材G610の棒状部材G611mが挿通可能な大きさに貫通形成される(右側の右側円環部材G720はベース部材G610のピン部G612nが挿通可能な大きさに貫通形成される)。これにより、左側円環部材G710及び右側円環部材G720は、被軸支部G712b1が棒状部材G611m,G611nに軸支されることで、それぞれ棒状部材G611m,G611nを軸に回転可能な状態で配設される。摺動溝G712bbは、進退動作ユニットG900の従動ギヤG925から進退動作ユニットG900から伝達される駆動モータG910の駆動力が伝達される部分であり、従動ギヤG925の突設部G925a(カラーG925b)が挿通可能な大きさに形成される(右側円環部材G720には摺動溝G722bbに突設部G928a(カラーG928b)が挿通される)。よって、左側円環部材G710及び右側円環部材G720は、駆動モータG910の駆動力で従動ギヤG925,G928(カラーG925b,G928b)が変位されることにより、駆動モータG910の駆動力が伝達される。左側リンク部材G730は、左側円環部材G710の一端側を支持して、左側円環部材G710が前後方向に揺れ動くことを抑制する部材であり、ベース部材G610の左側延設部G612と左側円環部材G710とに連結される。左側リンク部材G730は、正面視矩形の板状に形成されると共に、正面視における一端側に長手方向に沿う溝状に形成される溝部G731と、他端側に円環状に貫通形成される貫通孔G732とを主に備える。貫通孔G732は、ベース部材G610の正面に対して平行な平面上を左側リンク部材G730が回転可能とするために、左側リンク部材G730の被軸支部となる貫通孔であり、ベース部材G610の正面に対して直交する前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成される。また、貫通孔G732には、ベース部材G610から前後方向に突設される左側リンク軸支部G612aが挿通可能に形成される。これにより、左側リンク軸支部G612aが挿通された状態では、左側リンク軸支部G612aを軸に左側リンク部材G730が回転可能とされる。なお、貫通孔G732の内径と左側リンク軸支部G612aの外径とは、貫通孔G732に左側リンク軸支部G612aを挿通可能とする分の若干の隙間を有する大きさに形成される。これにより、左側リンク部材G730が回転した際に、左側リンク部材G730の一端側が前後方向(矢印F-B方向)に揺れ動くことを抑制できる。従って、左側リンク部材G730の一端側に連結される左側円環部材G710の一端側が前後方向に揺れ動くことを抑制できる。溝部G731は、左側円環部材G710の突出部G711(カラーG711a)が挿通される部分であり、突出部G711と対応する位置に形成されると共に、カラーG711aが摺動可能な溝幅に形成される。これにより、棒状部材G611mを軸に左側円環部材G710が回転された際に、溝部G731の内縁に沿って突出部G711を変位させることができると共に、貫通孔G732に挿通される左側リンク軸支部G612aを軸に左側リンク部材G730を回転させることができる。
次いで、図1695を参照して、ベース部材G610に対する花弁動作装置G800の動作および円環形成ユニットG700の動作について説明する。図1695(a)及び(b)は、演出動作ユニットG1000の正面図である。なお、図1695(a)では、花弁動作装置G800及び円環形成ユニットG700が退避位置に配置され、図1695(b)では、花弁動作装置G800及び円環形成ユニットG700が張出位置に配置された状態が図示される。また、図1695(a)及び図1695(b)では、理解を容易とするために、円環形成ユニットG700の外形および摺動溝G712bb、突出部G711が破線で図示されると共に、ベースユニットG600の左側保持部材G620を透明視した状態で図示される。図1695に示すように、駆動モータG910の駆動力により駆動ギヤG911が回転されると、その駆動ギヤG911に歯合される従動ギヤG921が回転される。これにより、従動ギヤG921に歯合されるアーム側従動ギヤG929が回転され、そのアーム側従動ギヤG929の回転に伴ってアーム側従動ギヤG929の突設部G929aに配設されるカラーG929bがアーム側従動ギヤG929の回転軸を中心に変位される。カラーG929bは、上述したように本体部材G931の摺動溝G931bの内縁側を摺動可能に配設される。これにより、カラーG929bが変位されることで駆動モータG910の駆動力が本体部材G931に伝達され、被軸支部G931aを軸支する軸支部G611j(図1691参照)を軸として(中心に)本体部材G931が回転される。この本体部材G931の回転により、本体部材G931に連結されるスライド板G940(図1691参照)を介して花弁動作装置G800が退避位置(図1695(a)に示す位置)から下方(矢印D方向)に変位され張出位置(図1695(b)に示す位置)まで変位される。なお、花弁動作装置G800の背面側に連結されるスライド板G940は、上述したようにスライドレールG950により変位方向が上下方向(矢印U-D方向)に規定される。よって、左側アームユニットG930の回転変位を直線変位に変換して花弁動作装置G800を上下方向に変位させることができる。また、花弁動作装置G800の正面側ベース部材G810は、一端側(矢印R方向側)の端部にカラーG815が配設され、そのカラーG815が右側保持部材G630と本体板部G611の摺動部G611kとの対向間を上下方向(矢印U-D方向)に摺動可能な状態で挟まれる。これにより、正面側ベース部材G810が前後方向(矢印F-B方向)に揺れ動くことを抑制できる。従って、花弁動作装置G800が上下方向に変位される際に花弁動作装置G800が前後方向に揺れ動くことを抑制できる。
次いで、円環形成ユニットG700の変位について説明する。上述した花弁動作装置G800の変位と同様に、駆動モータG910の駆動力により駆動ギヤG911が回転されると、駆動ギヤG911に歯合する従動ギヤG921が回転される。従動ギヤG921には、従動ギヤG922~G928が歯合されるので、従動ギヤG921が回転されることにより、従動ギヤG922~G928が連動して回転される。ここで上述したように、従動ギヤG925,G928には、その回転軸と異なる位置に突設部G925a,G928aが配設されており、従動ギヤG925,G928が回転されることに伴って突設部G925a,G928aに配設されるカラーG925b,G928bが変位される。カラーG925b,G928bは、円環形成ユニットG700の摺動溝G712bb,G722bbに挿入されるので、カラーG925b,G928bの変位によりカラーG925b,G928bが摺動溝G712bb,G722bbの内縁に沿って摺動しつつ、円環形成ユニットG700の左側円環部材G710及び右側円環部材G720に駆動モータG910の駆動力を伝達する。このように、従動ギヤG925,G928を介して円環形成ユニットG700に駆動モータG910の駆動力が伝達されることで、被軸支部G712ba,G722baを軸支する棒状部材G611m,G611nを軸として(中心に)円環形成ユニットG700の左側円環部材G710及び右側円環部材G720が回転される。これら左側円環部材G710及び右側円環部材G720の回転により、左側円環部材G710及び右側円環部材G720の突出部G711,G721が連結される左側リンク部材G730及び右側リンク部材G740が、貫通孔G732,G742に挿通される左側リンク軸支部G612a及び右側リンク軸支部G613aを軸として回転される。この左側リンク部材G730及び右側リンク部材G740により、左側円環部材G710及び右側円環部材G720の回転軸側から離れた位置の左側円環部材G710及び右側円環部材G720をベースユニットG600に連結することができる。これにより、左側円環部材G710及び右側円環部材G720が回転された際に、左側円環部材G710及び右側円環部材G720の回転軸から離れた位置が回転軸方向(矢印F-B方向)に揺れ動くことを抑制できる。その結果、左側円環部材G710及び右側円環部材G720の変位を遊技者に視認させやすくできる。なお、左側円環部材G710及び右側円環部材G720(円環形成ユニットG700)は、駆動モータG910の駆動力により、半円環状に形成される装飾面の下方側(矢印D方向側)端部を中央から左右方向(矢印L-R方向)の外側に開いた退避位置(図1695(a)に示す位置)と、半円環状に形成される装飾面の下方側端部を左右方向の中央側に移動させて閉じた(退避位置よりも近づけた状態の)張出位置(図1695(b)に示す位置)との間で変位可能に形成される。
また、上述したように、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800は、同じ駆動モータG910(駆動源)の駆動力により変位可能に構成され、連動するように構成される。よって、円環形成ユニットG700が退避位置に配置された状態では、上述した花弁動作装置G800が退避位置に配置される。これにより、演出動作ユニットG1000の背面側に配設される第3図柄表示装置H81を遊技者に視認させやすくできる。また、円環形成ユニットG700が張出位置に配置された状態では、左側円環部材G710及び右側円環部材G720が正面視において1の円環を形成する位置に配置されると共に、花弁動作装置G800が張出位置に配置され、左側円環部材G710及び右側円環部材G720により円環を形成した内側に花弁動作装置G800が配置される。これにより、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800の演出を合わせて遊技者に視認させやすくできる。その結果、演出効果を向上できる。さらに、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800が張出位置に配置された状態では、左側円環部材G710及び右側円環部材G720と花弁動作装置G800とが演出動作ユニットG1000の背面側に配設される第3図柄表示装置H81(図1615参照)の正面側(矢印F方向側)に配置され、左側円環部材G710及び右側円環部材G720と花弁動作装置G800とに合わせた表示が第3図柄表示装置H81の表示面に表示される。これにより、第3図柄表示装置H81と左側円環部材G710及び右側円環部材G720と花弁動作装置H800とによる演出効果を向上できる。なお、本実施形態では、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800が、同じ駆動モータG910(駆動源)の駆動力により変位される場合について説明したが、円環形成ユニットG700と花弁動作装置G800とで異なる2つの駆動源を備えるように構成しても良い。即ち、円環形成ユニットG700と花弁動作装置G800とを別々に変位させるように構成しても良い。この場合、円環形成ユニットG700の変位態様を複数形成することができるので、円環形成ユニットG700及び花弁動作装置G800による演出効果を向上できる。
次いで、図1696及び図1697を参照して、花弁動作装置G800の全体構成について説明する。図1696は、花弁動作装置G800の分解正面斜視図であり、図1697は、花弁動作装置G800の分解背面斜視図である。図1696及び図1697に示すように、花弁動作装置G800は、正面側に配設される正面側ベース部材G810と、その正面側ベース部材G810の背面側の一部を覆設した状態で配設される背面側ベース部材G820と、正面側ベース部材G810の背面側から軸を正面側に挿通した状態で正面側ベース部材G810の背面側に配設される駆動モータG830と、その駆動モータG830に連結され駆動モータG830の駆動力が伝達されるギヤ列G841~G848と、正面側ベース部材G810の正面側の一部の覆設した状態で正面側ベース部材G810に配設されるカバー部材G850と、正面側ベース部材G810の正面側に配設されると共にギヤ列G841~G848から駆動力が伝達される花回転ユニットG400とを主に備える。なお、本実施形態では、花弁動作装置G800の駆動モータG830を除いた他の部分が主に光を非透過の樹脂材料から成型される。正面側ベース部材G810は、正面視略円環の板状に形成される円環部G811と、その円環部G811から径方向外側に突出するアーム部G812とを主に備え、それら円環部G811及びアーム部G812が背面側(矢印B方向側)を開放した箱状に形成される。なお、背面側が開放した箱状の円環部G811及びアーム部G812は、背面側の空間に後述する従動ギヤG843~G848を配設可能に形成されており、開放された底面から解放部(背面側端部)までの前後方向(矢印F-B方向)における距離が従動ギヤG843~G848の歯面の厚みよりも大きく設定される。円環部G811には、円環状に形成された内縁に沿って正面側(矢印F方向側)に刻設される刻設部G811aと、背面側(矢印B方向側)の開放された底面から背面側に向かって円形状に突出される複数の軸支部G811b,G811cと、それら軸支部G811b,G811cと同様に背面側に向かって円形状に突出される複数の締結部G811d~G811fとが形成される。また、円環部G811には、円環状に形成された内側に背面側(矢印B方向側)からカラーG813が挿入されると共に、後述する従動ギヤG847の回転位置を検出する検出センサG814が開放された底面に配設される。
アーム部G812には、前後方向(矢印F-B方向)に貫通形成される第1貫通孔G812aと、その第1貫通孔G812aの近傍で第1貫通孔G812aよりも大きい内径で貫通形成される第2貫通孔G812bと、その第2貫通孔G812bの縁部に沿って背面側(矢印B方向側)に向かって円環状に立設される壁部G812cと、背面側の開放された底面から背面側に向かって円形状に突出される複数の軸支部G812d,G812eと、箱状に形成された側面に略円環状に立設される支持部G812fとが形成される。刻設部G811aは、後述する花回転ユニットG400の回転ギヤG421(図1701参照)が歯合される歯面であり、歯底が円環部G811の中心から径方向外側に向かって延設されると共に円環状に形成された円環部G811の内縁に沿って歯面が円環状に連なって形成される。軸支部G811b,G811c,G812d,G812eは、後述する従動ギヤG846,G848が軸支される部分であり、従動ギヤG844~G846,G848の軸部と対応する位置に形成される。また、軸支部G811b,G811c,G812d,G812eには、背面側(矢印B方向側)の突出先端に螺子締結用の雌ねじが形成されており、背面側から螺子を締結することにより従動ギヤG844~G846,G848を正面側ベース部材G810に配設可能とされる。なお、軸支部G811b,G812d,G812eは、突出先端部が軸支部G811cよりも背面側(矢印B方向側)に位置され、正面側ベース部材G810に背面側ベース部材G820を配設した際に背面側ベース部材G820の正面に軸支部G811b,G812d,G812eの突出先端面を当接可能とされる。そして、背面側ベース部材G820の貫通孔G822を背面側から挿通させた螺子を軸支部G811b,G812d,G812eの突出先端に締結することにより、従動ギヤG844~G846を正面側ベース部材G810に配設できると共に、正面側ベース部材G810に背面側ベース部材G820を配設(締結)可能とされる。締結部G811d~G811fは、背面側ベース部材G820を正面側ベース部材G810に配設するための螺子を締結する部分であり、背面側(矢印B方向側)の先端に雌ねじが形成される。よって、背面側ベース部材G820の背面側から背面側ベース部材G820の貫通孔G822を挿通させた螺子を締結部G811d~G811fに締結することで、正面側ベース部材G810に背面側ベース部材G820を配設(締結)可能とされる。即ち、締結部G811d~G811fだけでなく、従動ギヤG844~G846を正面側ベース部材G810に配設するための軸支部G811b,G812d,G812eでも正面側ベース部材G810に背面側ベース部材G820が締結される。よって、正面側ベース部材G810に背面側ベース部材G820を締結するための締結部を少なくすることができる。
第1貫通孔G812aは、駆動モータG830の駆動軸を挿通するための挿通孔であり、駆動モータG830の軸が回転した際に内周面に駆動モータG830の軸が当接しない程度の内径に形成される。第2貫通孔G812bは、従動ギヤG843の連結部G843aを挿通させて、正面側ベース部材G810の正面側(矢印F方向側)に配設される従動ギヤG82と正面側ベース部材の背面側に配設される従動ギヤG842とを連結するための貫通孔であり、従動ギヤG843の連結部G843aの外径よりも若干大きな内径に形成される。また、第2貫通孔G812bに沿って正面側ベース部材G810の背面側(矢印B方向側)に向かって壁部G812cが立設される。これにより、第2貫通孔G812bに対して連結部G843aがぶれることを抑制できる。その結果、従動ギヤG842,G843に歯合される駆動ギヤG841及び従動ギヤG844の歯合状態を安定させることができる。支持部G812fは、アーム部G812の右側(矢印R方向)側の側面から右側に向かって円環状に突出して形成され、外周側にカラーG815が配設される。これにより、カラーG815が支持部G812fに対して回転可能な状態で支持される。なお、カラーG815は、上述したようにベースユニットG600の摺動部G611kと右側保持部材G630との対向間に小径部が配設されると共に、大径部が摺動部G611kと右側保持部材G630との対向間の外側に配設される。これにより、カラーG815が摺動部G611kと右側保持部材G630との対向間を上下方向(矢印U-D方向)に摺動可能とされる。背面側ベース部材G820は、正面側ベース部材G810の背面側(矢印B方向側)に配設される従動ギヤG843~G848の背面側を覆って、従動ギヤG843~G848の背面側への移動を規制する部材であり、従動ギヤG843~G848の背面側を覆設可能な大きさに形成される。また、背面側ベース部材G820には、正面側ベース部材G810の円環部G811の正面視における中心と対応する位置に背面側(矢印B方向側)に向かって凹設される凹部G821と、背面側ベース部材G820を正面側ベース部材G810に配設するための螺子を挿通する複数の貫通孔G822とが形成される。凹部G821は、後述する花回転ユニットG400の棒部材G451の背面側(矢印B方向側)端部(D字カット部G451a)を挿入するための凹みであり、棒部材G451の背面側端部のD形状の外形と略同一の内形に形成される。
駆動モータG830は、後述する花回転ユニットG400の駆動源である。また、上述したように駆動モータG830は、正面側ベース部材G810の背面側(矢印B方向側)から第1貫通孔G812aを介して駆動軸を正面側(矢印F方向側)に突出させた状態で配設される。また、駆動モータG830は、背面側(矢印B方向側)が開放する箱状に形成される正面側ベース部材G810の底面に配設される。これにより、駆動モータG830の背面側への突出距離を抑えることができ、花弁動作装置G800(駆動モータG830)が背面側に部分的に突出することを抑制できる。駆動ギヤG841は、駆動モータG840の駆動軸に連結されるギヤであり、正面側ベース部材G810の正面側で駆動モータG840の駆動軸に連結される。また、駆動ギヤG841は、従動ギヤG842に歯合されており、駆動ギヤG841が回転することにより従動ギヤG842を回転させることができる。従動ギヤG842は、上述したように従動ギヤG843から正面側(矢印F方向側)に向かって突出する連結部G843aを介して、正面側ベース部材G810の背面側(矢印B方向側)に配設される従動ギヤG843と連結される。これにより、従動ギヤG842が回転されることに伴って従動ギヤG843を回転させることができる。また、従動ギヤG843は、それぞれ順に歯合される従動ギヤG844~G848の従動ギヤG844に歯合される。よって、駆動モータG840の駆動力により駆動ギヤG841が回転されると、従動ギヤG842~G847を介して駆動モータG840の駆動力が終端の従動ギヤG848まで伝達される。なお、終端の従動ギヤG848は、後述する花回転ユニットG400の花弁側伝達部材G430に連結される従動ギヤG847の回転位置を検出するためのギヤであり、背面側の端部に径方向外側に突出する板状の被検出部G848aを備える。この被検出部G848aが、正面側ベース部材G810に配設される検出センサG814の検出光を遮ることで、従動ギヤG847の回転位置を検出可能とされる。また、従動ギヤG847には、花回転ユニットG400の花弁側伝達部材G430に従動ギヤG847を締結するための螺子を挿通可能な貫通孔G847aが複数個形成されており、これにより従動ギヤG847と花回転ユニットG400(花弁側伝達部材G430)とが締結される。従って、従動ギヤG847が回転されることに伴って花回転ユニットG400に駆動モータG830の駆動力を伝達することができる。また、従動ギヤG847と花回転ユニットG400とが締結されるので、上述したように従動ギヤG848の被検出部G848aと検出センサG814とにより従動ギヤG847の回転位置を検出できる。従って、花回転ユニットG400の回転位置を検出センサG814により検出可能とされる。なお、花回転ユニットG400についての詳しい説明は後述する。カバー部材G850は、正面側ベース部材G810の正面側(矢印F方向側)に配設される駆動ギヤG841及び従動ギヤG842を正面側から視認不能にするための部材であり、光を非透過の樹脂材料から形成されると共に正面視において駆動ギヤG841及び従動ギヤG842の正面側を覆う状態で正面側ベース部材G810の正面側に配設される。
次いで、図1698から図1700を参照して、花回転ユニットG400について説明する。図1698(a)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図1698(b)は、図1698(a)のMCMXXIb線における花回転ユニットG400の断面図であり、図1699は、花回転ユニットG400の分解正面斜視図であり、図1700は、花回転ユニットG400の分解背面斜視図である。なお、以下の説明では、理解を容易とするために、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480の正面視における中央の(棒部材G451を軸(中心)とする)回転軸を軸GOの符号を付して2点鎖線で図示している。なお、花回転ユニットG400は、第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480が変位可能に構成され、それら第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480の変位により花回転ユニットG400が変位可能に構成される。また、第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480は、振動または動作可能に構成され、それら第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480の振動または動作により花回転ユニットG400が振動または動作可能に構成される。図1698から図1700に示すように、花回転ユニットG400は、背面側(矢印B方向側)に配設される第1回転ベースG410と、その第1回転ベースG410の正面視における周囲を取り囲む態様で第1回転ベースG410の周囲に複数個配設される第1装飾ユニットG420と、第1回転ベースG410の正面側(矢印F方向側)に配設される花弁側伝達部材G430と、その花弁側伝達部材G430の正面側に配設される第1固定ユニットG450と、その第1固定ユニットG450の背面側に配設され光を発光可能に構成される基板部材G440と、第1固定ユニットG450の正面側に配設される第2回転ベースG460と、第2回転ベースG460の正面側に配設される第2固定ユニットG470と、その第2固定ユニットG470の正面側に配設される第2装飾ユニットG480とを主に備えて形成される。なお、第111実施形態における花回転ユニットG400は、主に樹脂材料から形成されると共に、光を透過可能な材料から形成され、基板部材G440から出射される光を正面側(矢印F方向側)に透過可能に構成される。また、第111実施形態における花回転ユニットG400では、第1回転ベースG410の周囲に5個の第1装飾ユニットG420が配設されるが、第1装飾ユニットG420の個数は5個以外の個数であっても良い。さらに、第1装飾ユニットG420は、第1回転ベースG410の周囲に等間隔で配設されるものでなくても良く、不等間隔で第1回転ベースG410の周囲に配設されるものであっても良い。
第1固定ユニットG450は、背面側ベース部材G820の凹部G821に背面側(矢印B方向側)の先端が挿入されて背面側ベース部材G820と螺合される棒状の棒部材G451と、その棒部材G451の正面側(矢印F方向側)の先端に配設される円盤状の固定部材G452とを主に備えて形成される。棒部材G451は、金属製の材料から形成され、前後方向(矢印F-B方向)に所定の長さを有する円柱形状に形成される。また、棒部材G451は、前後方向の両側端に外周面の一部を凹設したD字カット部G451aを備えており、上端の外縁形状がD字形状に形成される。また、背面側の端部が挿入される背面側ベース部材G820の凹部G821と、正面側の端部が挿入される固定部材G452の貫通孔G452eとの内縁形状は、棒部材G451の両端部の外縁形状に対応したD字形状に形成される。これにより、棒部材G451が、背面側ベース部材G820及び固定部材G452に対して回転することが規制され、背面側ベース部材G820に対して固定部材G452の相対位置が規定(固定)される。固定部材G452は、正面視(矢印B方向視)において略円形の板状に形成されると共に、背面側(矢印B方向側)に配設される基板部材G440よりも正面視における外形が大きく形成される。また、固定部材G452は、全体が光を透過可能な透明な樹脂材料から形成される。これにより、背面側に配設される基板部材G440のLEDG441の光を透過して外側に出射可能とされる。また、固定部材G452は、正面視における略中央部に前後方向(矢印F-B方向)に貫通する貫通孔H452eと、背面側(矢印B方向側)の一面に正面側に向かって凹設される収容凹部G452aと、その収容凹部G452aの凹設底面に形成される雌ねじの締結孔G452bと、正面側の一面に背面側に向かって凹設される3箇所の凹設部G452cと、基板部材G440に接続される配線(図示しない)を挿通するための開口部G452dとを主に備える。収容凹部G452aは、固定部材G452の背面側(矢印B方向側)に配設される基板部材G440を内側に収容するための凹部であり、基板部材G440の外形と対応した円形状で背面側から正面側(矢印F方向側)に向かって凹設される。なお、収容凹部G452aの正面側における凹設深さは、基板部材G440の板厚よりも大きく設定される。これにより、基板部材G440は、固定部材G452の内側に収容した状態で配設される。締結孔G452bは、基板部材G440を固定部材G452の背面側に固定するための螺子を締結するための雌ねじであり、基板部材G440を挿通した螺子が螺合される。これにより、基板部材G440が固定部材G452の背面側に固定される。
凹設部G452cは、後述する第2固定ユニットG470のカラーG476aを収容するための凹部であり、中央に螺子を挿通するための貫通孔が形成される。カラーG476aを凹設部G452cに収容した状態で、凹設部G452cに背面側から挿通した螺子を第2固定ユニットG470に螺合することで、固定部材G452(第1固定ユニットG450)と第2固定ユニットG470とが締結固定される。なお、カラーG476aは、第1固定ユニットG450(固定部材G452)と第2固定ユニットG470との間に配設される第2回転ベースG460を回転可能な状態で保持するための部材であり、中央に貫通孔が形成される円盤状に形成される第2回転ベースG460の円盤部G461の貫通孔の内縁に沿って(当接した状態で)等間隔に3箇所に配設される。これにより、第1固定ユニットG450及び第2固定ユニットG470に対して第2回転ベースG460が軸GOを中心に相対回転可能な状態で配設される。基板部材G440は、発光手段となるLED(発光ダイオード)G441が配設される基板であり、正面側(矢印F方向側)にLEDG441が複数個(本実施形態では13個)分散配置されると共に、背面側(矢印B方向側)にLEDG442が複数個(本実施形態では15個)分散配置される。なお、LEDG441は、正面側および軸GOから離間する方向に向けて光を照射可能に配設され、LEDG442は、背面側および軸GOから離間する方向に向けて光を照射可能に配設される。また、基板部材G440には、固定部材G452の凹設部G452cと対応する位置の3か所に開口部G443が開口形成される。これにより、基板部材G440を第1固定ユニットG450に配設した状態で、凹設部G452cに基板部材G440側(背面側)から螺子を挿通させることができる。さらに、開口部G443を利用してLEDG441,G442の発光(特に、固定部材G50との対向間に配設される正面側(矢印F方向側)のLEDG441の発光)で基板部材G440に溜まる熱を放熱することができる。その結果、基板部材G440が破損することを抑制できる。花弁側伝達部材G430は、正面視(矢印B方向視)において略円形状の板状に形成される伝達部G431と、その伝達部G431の背面側(矢印B方向側)から円柱状に突出する軸支部G432とを主に備え、全体が光を透過可能な樹脂材料から形成される。また、伝達部G431と軸支部G432との中心部には、前後方向(矢印F-B方向)に開口する被挿通部G433が形成される。伝達部G431は、正面視(矢印B方向視)において湾曲状に開口形成される摺動溝G431aが周方向に5か所に形成され、被挿通部G433により中心が開口した円環形状に形成される。また、円環形状に形成された伝達部G431の正面視における外径は、花弁側伝達部材G430の正面側に配設される第2回転ベースG460の円盤部G461の外径よりも若干小さく形成される。即ち、花弁側伝達部材G430は、第2回転ベースG460の背面側に重なる大きさに設定される。
摺動溝G431aは、後述する第1装飾ユニットG420の摺動部G425aが挿通される部分であり、溝幅が摺動部G425aよりも若干大きく形成される。また、摺動溝G431aは、径方向内側の内側端部G431a1(図1704(a)参照)から径方向外側の外側端部G431a2(図1704(a)参照)に向かうに従って、反時計回りの湾曲形状に形成される。これにより、伝達部G431(花弁側伝達部材G430)の回転に伴って、摺動溝G431aに挿通される摺動部G425aを摺動させて、第1装飾ユニットG420を変位させることができる。また、摺動溝G431aは、正面視において湾曲して形成される摺動溝G431aの内側の内面の第1摺動面G431a3により、摺動溝G431aに挿通される摺動部G425aを軸GOから径方向外側に押し出すことができると共に、正面視において湾曲して形成される摺動溝G431aの外側の内面の第2摺動面G431a4により、摺動溝G431aに挿通される摺動部G425aを軸GOに向かって径方向内側に押し出すことができる。なお、第1装飾ユニットG420(摺動部G425a)の変位についての詳しい説明は後述する。軸支部G432は、正面側ベース部材G810と背面側ベース部材G820との対向間に配設される従動ギヤG847(図1696参照)に締結される部分であり、背面側(矢印B方向側)の端部に締結孔G432aが形成され、その締結孔G432aに従動ギヤG847の貫通孔G847aを挿通した螺子が螺合される。これにより、従動ギヤG847と軸支部G432とが締結され、従動ギヤG847の回転に伴って花弁側伝達部材G430を回転させることができる。また、軸支部G432は、円環状の外径が正面側ベース部材G810のカラーG813(図1696参照)の内径よりも小さく形成され、正面側ベース部材G810に対して回転可能な状態で配設される。被挿通部G433は、上述した花弁動作装置G800の正面側ベース部材G810と背面側ベース部材G820(図1696参照)との対向間に挿通される配線(図示しない)を花回転ユニットG400の内側に通すための空間であり、前後(矢印F-B方向)に貫通形成される。これにより、第1回転ベースG410、花弁側伝達部材G430、及び、第1固定ユニットG450の間に配設される基板部材G440に配線を繋ぐことができる。第1回転ベースG410は、正面側(矢印F方向側)に円盤状に形成される溝形成部G411と、その溝形成部G411の背面側(矢印B方向側)に円環状に突出する軸形成部G412と、それら溝形成部G411及び軸形成部G412の中心を前後方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される被軸支部G413とを主に備える。なお、本実施形態では、第1回転ベースG410の溝形成部G411と軸形成部G412とは、それぞれ異なる2の部材から形成され、溝形成部G411が光を透過可能な樹脂材料から形成されると共に軸形成部G412が光を非透過の樹脂材料から形成される。溝形成部G411は、正面視において軸GOから径方向外側に向かって延設して形成される第2摺動溝G411aと、正面視における径方向外側の外縁部に所定の間隔で貫通形成される螺子挿通部G411bとを主に備え、被軸支部G413により中心が開口した円環形状に形成される。
第2摺動溝G411aは、後述する第1装飾ユニットG420の摺動部G425aが挿通される部分であり、溝幅が摺動部G425aよりも若干大きく形成される。また、第2摺動溝G411aは、径方向内側の端部から径方向外側の端部に向かって直線状に形成される。即ち、上述した摺動溝G431aと異なる溝形状に形成される。これにより、摺動部G425aが摺動溝G431aの変位に伴って摺動される際に、摺動部G425aを第2摺動溝G411aに沿って変位させることができる(摺動部G425aを摺動溝G431aと第2摺動溝G411aとに沿って変位させることができる)。螺子挿通部G411bは、第1回転ベースG410と第2回転ベースG460とを締結するための螺子を挿通するための挿通孔である。第1回転ベースG410の背面側(矢印B方向側)から螺子挿通部G411bに挿通させた螺子を第2回転ベースG460の螺子締結部G465に螺合させることで、第1回転ベースG410と第2回転ベースG460とを締結できる。即ち、第1回転ベースG410と第2回転ベースG460とは一体となって回転可能に構成される。軸形成部G412は、被軸支部G413により中心が開口する円環状に形成される。また、軸形成部G412は、円環状に形成される外周面から径方向外側に円柱状に突出する装飾側軸部G412aを備える。装飾側軸部G412aは、後述する第1装飾ユニットG420の回転ギヤG421を軸支する部分であり、軸形成部G412の周方向に所定の間隔で5個(第1装飾ユニットG420の配設個数)形成され、回転ギヤG421の第1被軸支部G421aよりも若干小さい外径に形成されると共に、突出先端側に回転ギヤG421を螺子止めするための雌ねじが形成される。被軸支部G413は、花弁側伝達部材G430の軸支部G432が挿入される部分であり、軸支部G432の外径よりも若干大きい内径の円環形状に形成される。これにより、第1回転ベースG410に対して花弁側伝達部材G430の姿勢を維持した状態で回転させることができる。第2回転ベースG460は、正面視略円環状に形成される円盤部G461と、その円盤部G461の内周縁に沿って正面側(矢印F方向側)に向かって立設される正面側立設部G462と、その正面側立設部G462の内周面に刻設される複数の歯G463と、円盤部G461の外周縁に沿って背面側(矢印B方向側)に向かって立設される背面側立設部G464と、その背面側立設部G464の立設先端部の一部の複数個所(本実施形態では5か所)から背面側に向かって突出される螺子締結部G465とを主に備えて形成され、全体が光を透過可能な樹脂材料から形成される。円盤部G461は、正面視略円盤形状に形成される外径が第1固定ユニットG450の固定部材G452の外径よりも大きく形成される。また、背面側立設部G464の背面側(矢印B方向側)への立設距離は、第1固定ユニットG450の固定部材G452の前後方向(矢印F-B方向)における厚みよりも大きく設定される。これにより、第2回転ベースG460の円盤部G461と背面側立設部G464とにより形成される空間の内側に第1固定ユニットG450の固定部材G452を配設することができる(図1697(b)参照)。正面側立設部G462は、外周面に周方向に沿って所定の間隔で凹設される係合凹部G462a(図1710(a)参照)を備える。係合凹部G462aは、後述する第2固定ユニットG470の係合片G477bが係合される部分であり、正面側立設部G462の外周面に軸GO側に向かって凹設され、その凹設面が周方向の一方側と他方側とで異なる形状に形成される。なお、係合凹部G462aについての詳しい説明は後述する。
歯G463は、後述する第2固定ユニットG470に配設される第1従動ギヤG474a,抵抗ギヤG475bの歯が歯合される部分であり、円盤部G461の内周縁に沿って全周に亘って形成される。これにより、第2回転ベースG460が回転されることに伴って第2固定ユニットG470に配設される第1従動ギヤG474a,抵抗ギヤG475bを回転させることができる。なお、歯G463は、正面側立設部G462の内周面に凹設して形成されており、円盤部G461の内周面に非形成とされる。円盤部G461には歯G463を非形成とすることにより、円盤部G461の内周面を摺動面として利用することができ、カラーG476aを円盤部G461の内周面に沿って配置することで、第2固定ユニットG470に対して第2回転ベースG460を回転させることができる。背面側立設部G464は、外周面に凹凸状に形成される光拡散部G464aが形成される。また、上述したように、第2回転ベースG460の円盤部G461と背面側立設部G464とにより形成される空間の内側に第1固定ユニットG450の固定部材G452が配設されるので、固定部材G452を介して固定部材G452に配設される基板部材G440のLEDG441から出射される光を第1固定ユニットG450に入射させやすくできる。この場合、背面側立設部G464に光拡散部G464aが形成されるので、第2回転ベースG460に入射されたLEDG441の光を光拡散部G464aにより径方向外側に向かって拡散して出射させることができる。螺子締結部G465は、上述したように第1回転ベースG410の螺子挿通部G411bを挿通させた螺子を締結する部分であり、背面側(矢印B方向側)の端部に雌ねじが形成される。これにより、第1回転ベースG410と第2回転ベースG460とが締結され、第1回転ベースG410と第2回転ベースG460とを軸GOを中心に一体に回転可能に構成される。第2固定ユニットG470は、正面視円環状に形成される正面側光拡散部G471と、その正面側光拡散部G471の外周縁から背面側(矢印B方向側)に向かって立設される側面側光拡散部G472と、を主に備えて形成され、全体が光を透過可能な樹脂材料から形成される。正面側光拡散部G471は、背面側から入射されるLEDG441の光を正面側に拡散して出射するための光拡散部であり、正面側が凹凸状に形成される。側面側光拡散部G472は、その側面側光拡散部G472の径方向内側から入射される光を径方向外側に拡散して出射するための光拡散部であり、外周面が凹凸状に形成される。これら正面側光拡散部G471及び側面側光拡散部G472により、基板部材G440の光を花回転ユニットG400の正面側および正面視における花回転ユニットG400の周囲に拡散することができる。
また、正面側光拡散部G471は、正面視(矢印B方向視)における中央部(軸GO側)に円形に形成される開口部G473と、背面側(矢印B方向側)から円柱状に突出するギヤ保持部G474と、背面側から円柱状に突出する3か所のカラー保持部G476と、背面側を凹設して形成される凹部G475とを主に備える。開口部G473は、第2装飾ユニットG480を転可能に保持するためのカラーG476aが挿入される開口であり、カラーG476aの小径部よりも若干小さい内径に形成される。なお、カラーG476aには、第2装飾ユニットG480の連結部G481がカラーG476aの内周面と若干の隙間を有した状態で挿入される。また、カラーG476aに挿入された連結部G481の先端は、第2固定ユニットG470の背面側(矢印B方向側)に配設される第2従動ギヤG473bの側面に締結固定される。これにより、第2固定ユニットG470に対して第2装飾ユニットG480が回転可能な状態で保持される。ギヤ保持部G474は、後述する第1従動ギヤG474aを軸支する部分であり、第1従動ギヤG474aの内径よりも若干小さな外径に形成される。なお、第1従動ギヤG474aは、第2回転ベースG460の歯G463に歯合される。従って、第2固定ユニットG470に対して、第2回転ベースG460が回転されると、その第2回転ベースG460の回転に伴って第1従動ギヤG474aが回転される。また、第1従動ギヤG474aには、第2装飾ユニットG480に締結固定される第2従動ギヤG473bが歯合されており、第1従動ギヤG474aの回転に伴って第2従動ギヤG473bが回転可能とされる。即ち、第2回転ベースG460が第2固定ユニットG470に対して回転されると、第2装飾ユニットG480が第2回転ベースG460の回転方向と反対方向に回転される。カラー保持部G476は、第2回転ベースG460を回転可能に保持するためのカラーG476aが配設される突起であり、カラーG476aの内径よりも若干小さい外径に形成される。また、カラーG476aは、第2回転ベースG460の円盤部G461の内周面に沿って(円盤部G461の内縁側に)配置される。これにより、第2固定ユニットG470に対して第2回転ベースG460を回転可能な状態で配設できる。さらに、カラーG476aは、第1固定ユニットG450の凹設部G452cに背面側の大径部が収容される。また、カラーG476aの内側に配置されるカラー保持部G476には、凹設部G452cを挿通した螺子が締結される。これにより、第1固定ユニットG450と第2固定ユニットG470とが締結固定される。
凹部G475は、第2回転ベースG460が第2固定ユニットG470に対して回転しすぎることを抑制するために第2回転ベースG460の回転に抵抗を付与する抵抗手段G475aが配設される凹部であり、抵抗手段G475aと対応する大きさに凹設される。また、抵抗手段G475aには、抵抗ギヤG475bが回転可能な状態で軸支されると共に、その抵抗ギヤG475bの歯が第2回転ベースG460の歯G463に歯合する位置に配設される。よって、第2回転ベースG460が第2固定ユニットG470に対して回転する場合に、抵抗ギヤG475bが回転される。抵抗ギヤG475bには抵抗手段G475aから一定の回転抵抗が作用されるので、第2固定ユニットG470に対して第2回転ベースG460が回転する際に、第2回転ベースG460に抵抗手段G465aから一定の回転抵抗が作用される。これにより、第2回転ベースG460が駆動モータG830の駆動力が切断された後も、その慣性力によって回転が継続されることを抑制できる。即ち、駆動モータG830の駆動力を切断持に第2回転ベースG460の回転を停止することができる。また、第2固定ユニットG470の背面側(矢印B方向側)には、逆回転規制ユニットG477が配設される。逆回転規制ユニットG477は、背面側カバーG477aと、その背面側カバーG477aに回転可能な状態で支持される係合片G477bと、係合片G477bを付勢するねじりバネG477cとを主に備えて形成される。係合片G477bは、正面視略矩形の板状に形成されると共に、第2回転ベースG460の正面側立設部G462の外周面に当接可能な状態で配設される。また、係合片G477bは、第2回転ベースG460の外周面に対して所定の位置で係合可能とされ、この係合により、第2回転ベースG460の第2固定ユニットに対する所定の方向(矢印GL方向(図1710参照))への回転が規制される。なお、係合片G477bと正面側立設部G462との係合について詳しい説明は後述する。第2装飾ユニットG480は、正面視において略円形、詳細には花を模した形状に形成され、全体が光を透過可能な樹脂材料から形成される。また、第2装飾ユニットG480には、光を透過可能な塗料により、正面側に塗装が施される。よって、第2装飾ユニットG480は、背面側から入射する光を正面側に透過可能とされる。また、第2装飾ユニットG480は、背面側の中央部に突出する連結部G481を備える。連結部G481は、上述したように、第2固定ユニットG470のカラーG476aに挿入されと共に、第2固定ユニットG470の第2従動ギヤG473bに締結される部分であり、カラーG476aの内周面と若干の隙間を有する大きさに形成される。これにより、第2装飾ユニットG480は、連結部G481を軸に(軸GOを中心に)第2固定ユニットG470に対して回転可能とされる。なお、第111実施形態における第2装飾ユニットG480は、正面視において略円形に形成されるが、角形状や異形状に形成されるものであっても良い。また、第2装飾ユニットG480は、光を透過可能な樹脂材料から形成されるものではなく、正面側(矢印F方向側)側面および背面側(矢印B方向側)の側面に光を反射する装飾が施され、光を非透過に形成されるものであっても良い。
次いで、図1701を参照して、第1装飾ユニットG420について説明する。図1701(a)は、図1698(a)のMCMXXIV方向視における第1装飾ユニットG420の側面図であり、図1701(b)は、第1装飾ユニットG420の分解正面斜視図である。なお、以下の説明では、図1701(a)に示す状態の第1装飾ユニットG420に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1701(a)に示す状態の第1装飾ユニットG420に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側として、それぞれ説明する。図1701に示すように、第1装飾ユニットG420は、ギヤ歯が形成される回転ギヤG421と、その回転ギヤG421に連結される第1継手部材G422と、その第1継手部材G422に配設される変位ユニットG426と、第1継手部材G422と変位ユニットG426との間に配設される第2継手部材G423と、その第2継手部材G423に配設される伝達部材G424と、その伝達部材G424に配設される被摺動部材G425とを主に備えて形成される。回転ギヤG421は、第1回転ベースG410(図1699参照)の装飾側軸部G412aに配設されるギヤであり、装飾側軸部G412aが挿通可能に貫通される第1被軸支部G421aと、外周面に刻設される歯G421bと、装飾側軸部G412aが挿入される側と反対面から突出する一対の連結部G421cとを主に備えて形成される。第1被軸支部G421aは、装飾側軸部G412aの外径よりも若干大きい内径の貫通孔として形成される。回転ギヤG421は、図1701(a)に示す左側(矢印L方向側)から第1被軸支部G421aに装飾側軸部G412aを挿通させると共に、第1被軸支部G421aを挿通させた装飾側軸部G412aの先端に第1被軸支部G421aの内径よりも大きい外径の頭部を有する螺子を締結することで、装飾側軸部G412aを軸として第1回転ベースG410に対して回転可能な状態で配設される。歯G421bは、正面側ベース部材G810(図1696参照)の刻設部G811aに歯合する歯であり、刻設部G811aと対応する形状に形成される。回転ギヤG421は、第1回転ベースG410(図1698(b)参照)に軸支された状態で、第1固定ユニットG450(図1698(b)参照)の棒部材G451が背面側ベース部材G820(図1696参照)に挿入され固定される(花回転ユニットG400が正面側ベース部材G810及び背面側ベース部材G820に配設される)ことで、刻設部G811aに歯合される。なお、刻設部G811aは、花回転ユニットG400が正面側ベース部材G810に対して回転した際の回転ギヤG421の回転軌跡と重なる位置に形成される。従って、回転ギヤG421は、花回転ユニットG400が正面側ベース部材G810に対して回転することに伴って、装飾側軸部G412aを軸として第1回転ベースG410に対して回転される。連結部G421cは、板状に形成されると共に、その板状に形成された一面が第1被軸支部G421aを挟んで対向した状態で形成される。また、一対の連結部G421cは、対向する方向に貫通する第2被軸支部G421c1を備えており、その第2被軸支部G421c1に連結棒G421dが回転可能な状態で挿通される。連結棒G421dは、第1継手部材G422を回転ギヤG421に連結するための部材であり、第2被軸支部G421c1に挿通可能な外径の円柱状に形成される。また、連結部G421cは、円柱状に形成される軸方向中央部に径方向に貫通する第3被軸支部G421d1と、軸方向の両端部に周方向に沿って溝状に凹設される止め輪保持部G421d2とを備える。第3被軸支部G421d1は、後述する第1継手部材G422の連結棒G422cが挿通される部分であり、連結棒G422cよりも大きい外径に形成される。この第3被軸支部G421d1に連結棒G422cが挿通されることで、回転ギヤG421と第1継手部材G422とが連結される。これにより、第1継手部材G422は、回転ギヤG421が第1回転ベースG410に対して回転されることに伴って回転される。止め輪保持部G421d2は、止め輪G421eが外嵌される部分であり、第2被軸支部G421c1に連結棒G421dが挿入された状態で止め輪G421eが連結棒G421dの両端に外篏されることで、第2被軸支部G421c1から連結棒G421dが抜け出ることが規制される。なお、第111実施形態における連結棒G421d及び止め輪G421eは、金属製の材料から形成されており、連結棒G421dが連結部G421cに対して回転した際に破損することが抑制される。また、第111実施形態における連結棒G421dは、止め輪G421eにより止められるが、連結棒G421dの端部に螺子を締結して第2被軸支部G421c1から抜け出ることが規制されるものであっても良い。
第1継手部材G422は、円盤状に形成される第1連結部G422aと、その第1連結部G422aの一面から突出する一対の第2連結部G422bとを主に備えて形成される。第1連結部G422aは、第1継手部材G422と変位ユニットG426とを連結する部分であり、円盤状に形成される中央部に変位ユニットG426の軸部G427を挿入する凹部G422a1が凹設される。凹部G422a1は、変位ユニットG426の軸部G427の端部と同形状のD字状に凹設される。また、凹部G422a1には、変位ユニットG426の軸部G427の端部が圧入される。これにより、第1継手部材G422と変位ユニットG426とが連結され、第1継手部材G422の回転に伴って変位ユニットG426を回転させることができる。第2連結部G422bは、板状に形成されると共に、その板状に形成された一面が凹部G422a1を挟んで対向した状態で形成される。また、一対の第2連結部G422bは、対向する方向に貫通する被軸支部G422b1を備えており、その被軸支部G422b1に連結棒G422cが回転可能な状態で挿通される。連結棒G422cは、回転ギヤG421の連結棒G421dと連結される部材であり、連結棒G421dの第3被軸支部G421d1の内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。連結棒G422cは、上述したように第3被軸支部G421d1に挿通されることで、回転ギヤG421の連結棒G421dに連結される。これにより、第1継手部材G422は、回転ギヤG421が第1回転ベースG410に対して回転されることに伴って回転される。また、連結棒G422cは、軸方向の両端部に周方向に沿って溝状に凹設される止め輪保持部G422c1を備える。止め輪保持部G422c1は、止め輪G422dが外嵌される部分であり、被軸支部G422b1に連結棒G422cが挿入された状態で止め輪G422dが連結棒G422cの両端に外篏されることで、被軸支部G422b1から連結棒G422cが抜け出ることが規制される。なお、第111実施形態における連結棒G422c及び止め輪G422dは、金属製の材料から形成されており、連結棒G422cが被軸支部G422b1に対して回転した際に破損することが抑制される。また、第111実施形態における連結棒G422cは、止め輪G42dにより止められるが、連結棒G422cの端部に螺子を締結して被軸支部G422b1から抜け出ることが規制されるものであっても良い。被摺動部材G425は、花弁側伝達部材G430(図1699参照)に連結される部材であり、花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aに挿通される摺動部G425aと、その摺動部G425aの反対側(下方側)に貫通形成される被軸支部G425bとを主に備える。摺動部G425aは、花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aの溝幅よりも小さい外径の円柱状に形成され、摺動溝G431aに挿通可能とされる。また、摺動部G425aは、摺動溝G431aに挿通される際に基端側に第1カラーG425a1(図1699参照)が配設されると共に、摺動溝G431aに挿通された先端側に第2カラーG425a2(図1699参照)が配設される。即ち、花弁側伝達部材G430の伝達部G431の前後方向(矢印F-B方向)を第1カラーG425a1と第2カラーG425a2とで挟んだ状態で、摺動部G425aが摺動溝G431aに挿入される。これにより、摺動部G425aに対して花弁側伝達部材G430が前後方向に揺れ動くことを抑制でき、摺動溝G431aの内側を摺動部G425aが摺動する際の抵抗を低減できる。被軸支部G425bは、被摺動部材G425と伝達部材G424とを連結する部分であり、伝達部材G424に配設される第1連結棒G424cを挿通可能な内径の貫通孔として形成される。
伝達部材G424は、一対の板状の部材から形成されると共に、互い一面側を対向した状態で配設される。また、伝達部材G424は、被摺動部材G425と第2継手部材G423とを連結する部材であり、被摺動部材G425と伝達部材G424とを連結するための第1被軸支部G424aと、第2継手部材G423と伝達部材G424とを連結するための第2被軸支部G424bとを備える。第1被軸支部G424aは、第1連結棒G424cが挿通される貫通孔であり、第1連結棒G424cを挿通可能な内径に形成されると共に、一対の伝達部材G424の対向する方向に貫通される。第1連結棒G424cは、一対の伝達部材G424の間に被摺動部材G425(被軸支部G425b)を挟んだ状態で、伝達部材G424の第1被軸支部G424aと被摺動部材G425の被軸支部G425bとに挿通される。これにより、被摺動部材G425と伝達部材G424とが連結される。また、第1連結棒G424cは、軸方向の両端部に周方向に沿って溝状に凹設される止め輪保持部G424c1を備える。止め輪保持部G424c1は、止め輪G424dが外嵌される部分であり、第1被軸支部G424aと被軸支部G425bとに第1連結棒G424cが挿入された状態で止め輪G424dが第1連結棒G424cの両端に外篏されることで、第1被軸支部G424aと被軸支部G425bとから第1連結棒G424cが抜け出ることが規制される。なお、伝達部材G424と被摺動部材G425とは、第1連結棒G424cに対して回転可能に連結される。従って、後述する被摺動部材G425の変位に伴って被摺動部材G425に対して伝達部材G424の姿勢を変更することができる。第2被軸支部G424bは、第2連結棒G424eが挿通される貫通孔であり、第2連結棒G424eを挿通可能な内径に形成されると共に、一対の伝達部材G424の対向する方向に貫通される。第2連結棒G424eは、一対の伝達部材G424の間に第2継手部材G423(第1貫通孔G423a)を挟んだ状態で、伝達部材G424の第2被軸支部G424bと第2継手部材G423の第1貫通孔G423aとに挿通される。これにより、伝達部材G424と第2継手部材G423とが連結される。また、第2連結棒G424eは、第1連結棒G424cと同様に、軸方向の両端部に周方向に沿って溝状に凹設される止め輪保持部G424e1を備える。止め輪保持部G424e1は、止め輪G424fが外嵌される部分であり、第2被軸支部G424bと第1貫通孔G423aとが挿入された状態で止め輪G424fが第2連結棒G424eの両端に外篏されることで、第2被軸支部G424bと第1貫通孔G423aとから第2連結棒G424eが抜け出ることが規制される。なお、伝達部材G424と第2継手部材G423とは、第2連結棒G424eに対して回転可能に連結される。従って、伝達部材G424の変位(被摺動部材G425に対する姿勢の変化)に伴って伝達部材G424に対して第2継手部材G423の姿勢を変更することができる。また、本実施形態における第1連結棒G424c、第2連結棒G424e、止め輪G424d,G424fは、金属製の材料から形成されており、第1連結棒G424c及び第2連結棒G424eが第1被軸支部G424a及び第2被軸支部G424bに対して回転した際に破損することが抑制される。
第2継手部材G423は、伝達部材G424と変位ユニットG426とを連結するための部材であり、矩形の立方体から形成される。また、第2継手部材G423は、異なる方向に貫通する第1貫通孔G423a及び第2貫通孔G423bを備える。なお、第1貫通孔G423aと第2貫通孔G423bとは、互いにずれた位置に形成される。第1貫通孔G423aは、上述したように第2連結棒G424eが挿通される貫通孔であり、第2連結棒G424eを挿通可能な内径に形成される。第1貫通孔G423aに伝達部材G424の第2被軸支部G424bを挿通した第2連結棒G424eを挿通させることで、伝達部材G424と第2継手部材G423とが連結される。第2貫通孔G423bは、変位ユニットG426の軸部G427が挿通される貫通孔であり、軸部G427を挿通可能な内径に形成される。第2貫通孔G423bに軸部G427を挿通することで、第2継手部材G423を介して伝達部材G424と変位ユニットG426とが連結される。これにより、伝達部材G424が変位されると、その伝達部材G424の変位に伴って変位ユニットG426を変位させることができる。変位ユニットG426は、湾曲する板状に形成され、その湾曲する内側(矢印L方向側)の第1装飾面G426aと、その第1装飾面G426aと反対側(矢印R方向側)の側面の第2装飾面G426bと、第1装飾面G426aと第2装飾面G426bとの正面側(矢印F方向側)の端部同士を繋ぐ第1端面G426cと、その第1端面G426cの反対側(矢印B方向側)に形成され軸部G427に連結される連結部G426dとを主に備える。なお、変位ユニットG426は、第1装飾面G426a,第2装飾面G426b,第1端面G426cに金や銀等の反射率の高い装飾が施される。これにより、変位ユニットG426に照射される光を反射することができる。なお、変位ユニットG426の光の反射についての詳しい説明は後述する。また、第111実施形態における変位ユニットG426は、正面視において花弁側伝達部材G430(第2装飾ユニットG480)に沿って湾曲する板状に形成されるが、必ずしもこれに限られるものではなく、平板状や棒状(円柱状)に形成されるものであっても良い。また、第111実施形態における変位ユニットG426は、透明な樹脂材料で形成され、第1装飾面G426a,第2装飾面G426bから入射する光を透過して第1装飾面G426a,第2装飾面G426bから出射することで、透過する光による演出を遊技者に視認させるものであっても良い。連結部G426dは、軸部G427を変位ユニットG426に連結するための部分であり、湾曲形成される変位ユニットG426の湾曲方向の内方側(矢印L方向側)に張り出して形成される。これにより、第1装飾面G426a,第2装飾面G426b及び第1端面G426cを軸部G427の軸線上から外れた位置に配置することができる。これにより、軸部G427を軸に変位ユニットG426を回転させた際に、第1装飾面G426a,第2装飾面G426b及び第1端面G426cを前後方向(矢印F-B方向)に変位させることができる。なお、連結部G426dには、軸部G427の上方側(矢印U方向側)の端部を挿入するための凹部(図示しない)が形成されており、その凹部に軸部G427の上方側の端部が圧入されることにより変位ユニットG426と軸部G427とが連結される。
次いで、図1702及び図1703を参照して、第1装飾ユニットG420の変位について説明する。なお、以下の説明では、図1702(a)に示す第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426の位置を起立位置として、図1702(c)に示す第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426の位置を傾倒基準位置(起立位置から第1装飾ユニットG420が倒れた状態の位置)として説明する。初めに、図1702を参照して変位ユニットG426の起立位置から傾倒基準位置までの変位について説明する。図1702(a)から図1702(c)は、第1装飾ユニットG420の側面図であり、図1698(a)のMCMXXIV方向視における側面図と対応する。なお、図1702(a)から図1702(c)では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置に変位する遷移状態が順に図示される。また、図1702(a)から図1702(c)では、花弁側伝達部材G430(図1704(a)参照)の摺動溝G431aの内側端部G431a1及び外側端部G431a2の位置が2点鎖線で図示される。図1702(a)に示すように、花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aの内側端部G431a1に当接する位置に摺動部G425aが配設される状態では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が第1端面G426cを遊技者側(正面側(矢印F方向側)に向けた状態で配設される。なお、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置に配置される状態では、変位ユニットG426の第1装飾面G426aが花回転ユニットG400の軸GO側に向けて配置されており、正面視における花回転ユニットG400が縮小した状態とされる(図1704参照)。図1702(b)及び図1702(c)に示すように、花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aの内側端部G431a1に当接した位置から摺動部G425a(被摺動部材G425)が外側端部G431a2側(矢印R方向側)まで移動されると、その摺動部G425a(被摺動部材G425)の変位に伴って、被摺動部材G425に連結される伝達部材G424が第1連結棒G424cを軸として被摺動部材G425に対する姿勢を変えつつ外側端部G431a2側に変位される。そして、伝達部材G424が変位されることにより、伝達部材G424に連結される第2継手部材G423が変位される。上述したように、第2継手部材G423には第2貫通孔G423bに変位ユニットG426の軸部G427が挿通されているので、第2継手部材G423の変位に伴って変位ユニットG426が変位される。変位ユニットG426は、軸部G427が第1継手部材G422に連結され、第1継手部材G422は、回転ギヤG421に対して連結棒G421dを軸として回転可能に配設される。従って、被摺動部材G425の変位に伴って駆動力が変位ユニットG426まで伝達されると、変位ユニットG426は、連結棒G421dを軸として傾倒される。連結棒G421dを軸とする変位ユニットG426の傾倒は、花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aの外側端部G431a2に摺動部G425aが当接することで規制される。なお、本実施形態では、連結棒G421dを軸として変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置に約60度回転され、傾倒基準位置において第1装飾面G426aを正面側(矢印F方向側)に向けた状態とされる。
次いで、図1703(a)から図1703(d)を参照して、傾倒基準位置に配設される変位ユニットG426が軸部G427を軸として回転される場合について説明する。図1703(a)から図1703(d)は、変位ユニットG426が傾倒基準位置に配置された状態における第1装飾ユニットG420の側面図であり、図1698(a)のMCMXXVI方向視における側面図と対応する。なお、図1703(a)から図1703(d)では、傾倒基準位置に配置された変位ユニットG426が軸部G427を軸に回転された際の遷移状態が順に図示され、図1703(a)に示す状態を傾倒基準位置として、順に90度ずつ回転された状態が図示される。また、本実施形態では、変位ユニットG426が軸部G427を軸に回転される場合に変位ユニットG426(第1装飾ユニットG420)が第1固定ユニットG450及び第2固定ユニットG470(図1699参照)の周囲を回転するが、ここでの説明では、図1703(a)に示す図示を形式的に側面図として、図1703(b)から図1703(d)についても同様に側面図として説明する。図1703(a)から図1703(d)に示すように、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置(図1703(a)に示す位置)に変位された位置から回転ギヤG421が回転されると、その回転ギヤG421の回転に伴って、回転ギヤG421に連結される第1継手部材G422が回転される。第1継手部材G422には、凹部G422a1に変位ユニットG426の軸部G427(図1701(b)参照)が連結されるので、第1継手部材G422が回転されることにより変位ユニットG426が軸部G427を軸として回転される。これにより、第1装飾面G426aを正面側(矢印F方向側)に向けた位置(傾倒基準位置)から変位ユニットG426が回転して、第2装飾面G426bを正面側に向けた位置(以下の説明では「傾倒半回転位置」と称す)に変位ユニットG426を回転させることができる。即ち、遊技者に視認させられる変位ユニットG426の表示面を変更することができる。その結果、遊技者の興趣を向上できる。また、第1装飾面G426a及び第2装飾面G426bは、軸部G427の軸心とずれた位置に形成される。従って、軸部G427を軸に変位ユニットG426を回転させると、装飾面(第1装飾面G426a及び第2装飾面G426b)の前後方向の位置を変位させることができる。詳しく説明すると、図1703(a)に示す傾倒基準位置では、第1装飾面G426aが軸部G427の軸心の延長線上よりも背面側(矢印B方向側)に位置して遊技者に視認され、図1703(c)に示す傾倒半回転位置では、第2装飾面G426bが軸部G427の軸心の延長線上よりも正面側(矢印F方向側)に位置して遊技者に視認される。これにより、変位ユニットG426の変位に前後方向の動きを付与することができるので、遊技者の興趣を向上できる。なお、図1703(a)から図1703(d)に示す位置まで変位ユニットG426が約270度回転したあとは、さらに回転ギヤG421の回転が継続されることで、図1703(a)に示す回転基準位置まで回転される。即ち、変位ユニットG426は、回転ギヤG421の回転により軸部G427を軸とする回転が継続される。
次いで、図1704及び図1705を参照して、変位ユニットG426を起立位置から傾倒基準位置に変位させる際の駆動手段の駆動力の伝達について説明する。図1704(a)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図1704(b)は、図1704(a)のMCMXXVIIb線における花回転ユニットG400の断面図である。図1705(a)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図1705(b)は、図1705(a)のMCMXXVIIIb線における花回転ユニットG400の断面図である。なお、図1704及び図1705では、理解を容易とするための花回転ユニットG400の基板部材G440よりも正面側(矢印F方向側)に配設される部材(基板部材G440,第1固定ユニットG450,第2回転ベースG460,第2固定ユニットG470,第2装飾ユニットG480(図1699参照)の図示が省略される。また、図1704(a)及び図1705(a)では、花弁側伝達部材G430の背面側の第2摺動溝G411aが鎖線で図示される。さらに、図1704及び図1705では、軸GOを中心とする正面視右回りの回転に矢印GRの符号が付して図示され、軸GOを中心とする正面視左回りの回転に矢印GLの符号が付して図示される。初めに、上述したように、花弁側伝達部材G430は、軸支部G432(図1699参照)が正面側ベース部材G810(図1696参照)と背面側ベース部材G820(図1696参照)との対向間に配設される従動ギヤG847(図1696参照)に締結される。従って、従動ギヤG842~G846を介して従動ギヤG847が駆動モータG830の駆動力により回転されると、花弁側伝達部材G430が回転される。花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aには、第1装飾ユニットG420の摺動部G425aが挿入されるので、図1704(a)及び図1705(a)に示すように、花弁側伝達部材G430が正面視右回り(矢印GR方向)に回転されると、摺動部G425aが摺動溝G431aの第1摺動面G431a3に沿って軸GOの径方向外側に押し出される。この場合、第1装飾ユニットG420の摺動部G425aには、花弁側伝達部材G430の背面側(矢印B方向側)が第1回転ベースG410の第2摺動溝G411aに挿入されるので、摺動部G425aが摺動溝G431aの第1摺動面G431a3により押し出されると、摺動部G425aは、第2摺動溝G411aに沿って軸GOの径方向外側に向かって移動される。これにより、上述した図1702(a)から図1702(c)に示すように、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置に変位される。なお、起立位置から傾倒基準位置に変位ユニットG426が変位される場合には、第1装飾ユニットG420の摺動部G425aが第1回転ベースG410の第2摺動溝G411aに沿って変位される。そのため、正面視(矢印B方向視)における軸GOを中心とする周方向(矢印GR方向や矢印GL方向)に第1装飾ユニットG420を変位させることなく、連結棒G421dを軸として変位ユニットG426を傾倒基準位置に変位させることができる。また、図1704及び図1705に示すように、本実施形態では、変位ユニットG426が遊技盤H13(図1687参照)の連結棒G421dを軸として回転可能に配設され、起立位置と傾倒基準位置との間で変位させることにより、正面視における変位ユニットG426の姿勢を変えることができるので、起立位置では正面視における外形を小さくできると共に、傾倒位置では正面視における外形を大きくできる。これにより、花回転ユニットG400の正面視における外形を小さくするために、変位ユニットG426を他の部材(例えば、第2装飾ユニットG480)の背面側に隠す必要がなくなるので、変位ユニットG426を隠す部材の正面視における外形の大きさに関係なく変位ユニットG426の外形の大きさを変更することができる。
詳しく説明すると、花回転ユニットG400(第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480)において、第2装飾ユニットH480が第1装飾ユニットG420の外側に張り出され第1装飾ユニットG420と第2装飾ユニットG480とが共に視認可能とされる拡大状態と、第2装飾ユニットG480を第1装飾ユニットG420に近づけて第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が視認不能とされる縮小状態とを形成し、第1装飾ユニットG420と第2装飾ユニットG480との全体としての視覚上の大きさを変化させる演出が行われる。しかしながら、この場合、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を第2装飾ユニットG480の背面側(矢印B方向側)にスライド変位させて、第2装飾ユニットG480により第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を視認不能として縮小状態を形成する一方、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を第2装飾ユニットG480の外方にスライド変位させて、第1装飾ユニットG420の所定の領域を視認可能として拡大状態を形成するものであると、第2装飾ユニットG480の背面側に第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を配置するため、第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の正面視における外形を第2装飾ユニットG480の正面視における外形よりも小さくする必要があり(第2装飾ユニットG480の外形の大きさに依存するため)、変位ユニットG426の外形を大型化することが困難であるという問題がある。即ち、第2装飾ユニットG480の正面視における外形を大きくすると、その分、他の部材の配設スペースが減少される。即ち、第2装飾ユニットG480の外形の大型化に伴い花回転ユニットG400全体の正面視における外形が大きくなり、他の部材に干渉しやすくなる。一方、第1装飾ユニットG420の正面視における大きさを小さくしたのでは、その分遮蔽できる面積が小さくなるため、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が小さくなり、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を第2装飾ユニットG480と共に視認させる(拡大状態とした)際の大きさを大きくすることができない。これに対し、本実施形態では、花回転ユニットG400の正面視における外形を小さくする際に、変位ユニットG426の姿勢を変えて、正面視における変位ユニットG426の外形を小さくすることができる。即ち、第1装飾ユニットG420が変位されることで、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が第2装飾ユニットG480の正面視外側を向く状態(起立位置に配置された状態)と、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が正面側(矢印F方向側)を向く状態(傾倒基準位置に配置された状態)とを形成可能に構成されるので、他の部材を配設するスペースを確保しつつ、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を第2装飾ユニットG480と共に視認させる際の大きさを大きくできる。具体的には、第2装飾ユニットG480の正面視における大きさ(外形)を小さくできるので、その分、他の手段(部材)を配設するスペースを確保できる。また、他の手段(部材)を相対的に変位させる際に、他の部材が第2装飾ユニットG480(第1装飾ユニットG420)と干渉し難くでき、他の部材を相対的に変位させる演出の自由度を向上できる。一方、第2装飾ユニットG480の正面視における大きさを小さくしても、第2装飾ユニットG480の正面視における大きさが第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426の大きさに依存しないので、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を大きくできる。よって、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を第2装飾ユニットG480と共に視認させる際の大きさを大きくすることができる。言い換えると、パチンコ機H10の役物が配設される空間は、上下左右方向に比べて前後方向(正面と背面とを結ぶ方向)のスペースに比較的余裕があるところ、その前後方向のスペースの利用して、第2装飾ユニットG480を前後方向に長くすることで、第2装飾ユニットG480の正面視の大きさを小さくできると共に、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426の大きさを大きくできる。これにより、他の手段(部材)を配設するスペースを確保しつつ、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を第2装飾ユニットG480と共に視認させる際の大きさを大きくできる。また、縮小状態は小さく、拡大状態は大きくでき、縮小状態と拡大状態との間の正面視における視覚上の大きさの変化をより大きくできる。また、変位ユニットG426は、起立位置で第1装飾面G426aが軸GO側に向けて配置され(図1698(b)参照)、傾倒基準位置で第1装飾面G426aが正面側(矢印F方向側)に向けられて配置される。上述したように第1装飾面G426aには、光を反射可能な装飾が施されているため、起立位置に配置される場合と、傾倒基準位置に配置される場合とで光の反射方向を変更することができる。
詳しく説明すると、変位ユニットG426が起立位置に配置され、第1固定ユニットG450、第2回転ベースG460、又は、第2回転ベースG460を介して基板部材G440から出射される光が第1装飾面G426aに照射される場合には、第1装飾面G426aが正面視において第2装飾ユニットG480側(軸GO側)に向けられているので、光が第2装飾ユニットG480側に向かって反射される。これにより、第2装飾ユニットG480を介して正面側(矢印F方向側)に向けて出射する光量を増やすことができる。その結果、第2装飾ユニットG480に注目させやすくできる。一方、変位ユニットG426が傾倒基準位置に配置され、第1固定ユニットG450、第2回転ベースG460、又は、第2回転ベースG460を介して基板部材G440から出射される光が第1装飾面G426aに照射される場合には、第1装飾面G426aが正面側に向けられているので、光が遊技者側に反射される。これにより、第1装飾ユニットG420に注目させやすくできる。即ち、第2装飾ユニットG480の背面側に配設され、光を発光可能に構成される基板部材G440を備え、第2装飾手段は、光透過性材料から構成され、変位ユニットG426の第1装飾面G426aが光を反射可能に構成されるので、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が正面側(矢印F方向側)を向く状態(拡大状態)とされた場合に、基板部材G440から発光され変位ユニットG426の第1装飾面G426aで反射した光を遊技者に視認させるだけでなく、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)に向く状態とされた場合には、基板部材G4440から発光され変位ユニットG426で反射した光を第2装飾ユニットG480にその背面側(矢印B方向側)から入射させ、第2装飾ユニットG480を透過した光(第2装飾ユニットG480の正面側から出射される光を)遊技者に視認させることができる。これにより、光の視認態様を変化させ、演出効果を向上できる。なお、第1装飾ユニットG420を第2装飾ユニットG480の背面側にスライド変位させるものでは、縮小状態において基板部材G440から発光され変位ユニットG426で光を反射させても、その反射させた光が基板部材G440に遮られてしまい、第2装飾ユニットG480へ入射させることができないところ、本実施形態では、変位ユニットG426で反射された光を第2装飾ユニットG480及び基板部材G440にの正面視外側から回り込ませることができ、基板部材G440に遮られることなく、第2装飾ユニットG480の背面側(矢印B方向側)へ入射させることができる。さらに、図1704及び図1705に示すように、起立位置から傾倒基準位置に変位する際の変位ユニットG426の回転軸(連結棒G421d)は、花弁側伝達部材G430の背面側(矢印B方向側)に重なる位置に配置される。そのため、第1装飾ユニットG420の回転軸(連結棒G421d)を遊技者側から視認しにくくできる。これにより、遊技者が第1装飾ユニットG420の機構を理解することで、第1装飾ユニットG420を変位させた際の遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
次いで、図1706から図1709を参照して、軸部G427を軸として変位ユニットG426を傾倒基準位置から回転させる際の駆動手段の駆動力の伝達について説明する。図1706(a)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図1706(b)は、図1706(a)の矢印MCMXXIXb方向視における花回転ユニットG400の側面図であり、図1706(c)は、図1706(a)の矢印MCMXXIXc方向視における花回転ユニットG400の側面図である。図1707(a)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図1707(b)は、図1707(a)の矢印MCMXXXb方向視における花回転ユニットG400の側面図であり、図1707(c)は、図1707(a)の矢印MCMXXXc方向視における花回転ユニットG400の側面図である。図1708(a)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図1708(b)は、図1708(a)の矢印MCMXXXIb方向視における花回転ユニットG400の側面図であり、図1708(c)は、図1708(a)の矢印MCMXXXIc方向視における花回転ユニットG400の側面図である。図1709(a)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図1709(b)は、図1709(a)の矢印MCMXXXIIb方向視における花回転ユニットG400の側面図であり、図1709(c)は、図1709(a)の矢印MCMXXXIIc方向視における花回転ユニットG400の側面図である。なお、図1706から図1709では、傾倒基準位置に配置される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が傾倒基準位置から軸部G427を軸として90度ずつ回転された状態が順に図示される。また、図1706から図1709では、理解を容易とするための花回転ユニットG400の基板部材G440よりも正面側(矢印F方向側)に配設される部材(基板部材G440,第1固定ユニットG450,第2回転ベースG460,第2固定ユニットG470,第2装飾ユニットG480(図1699参照)の図示が省略される。上述したように、起立位置から傾倒基準位置に変位する変位ユニットG426は、駆動モータG830の駆動力が伝達されて花弁側伝達部材G430が回転されることで、被摺動部材G425の摺動部G425aが第1摺動面G431a3に押し出される。この変位により、摺動部G425aは、摺動溝G431aの外側端部G431a2に当接する位置まで変位される。この状態から、図1706及び図1707に示すように、駆動モータG830の駆動力の伝達を継続して軸GOを中心に花弁側伝達部材G430を正面視右回り(矢印GR方向)に回転させると、外側端部G431a2に当接する摺動部G425aが花弁側伝達部材G430の回転に伴って軸GOを中心とする花弁側伝達部材G430の回転方向(矢印GR方向)に変位される。即ち、花弁側伝達部材G430、第1装飾ユニットG420、及び、第1回転ベースG410までが一体となって、正面側ベース部材G810及び背面側ベース部材G820に対して軸GOを中心に正面視右回りに回転される。第1装飾ユニットG420の回転ギヤG421の歯G421bは、正面側ベース部材G810の刻設部G811aに歯合されているので、正面側ベース部材G810(正面側ベース部材G810)に対して第1装飾ユニットG420が軸GOを中心に回転されることで、第1装飾ユニットG420の回転ギヤG421が装飾側軸部G412a(図1705(b)参照)を軸として回転される。
上述したように、第1装飾ユニットG420の回転ギヤG421が装飾側軸部G412aを軸として回転されると、その回転ギヤG421の回転に伴って、第1継手部材G422が回転されると共に、第1継手部材G422に軸部G427を介して連結される変位ユニットG426が軸部G427を軸として回転される。即ち、第1装飾ユニットG420は、軸GOを中心に正面視右回りに回転させられると共に、変位ユニットG426を軸部G427を軸として回転させられる。これにより、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を起立位置から傾倒基準位置に変位させて、花回転ユニットG400の正面視における視認可能領域を広げるだけでなく、その広げた視認可能領域で第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を複雑に変位させる(軸GOを中心に正面視右回りに回転させると共に、変位ユニットG426を軸部G427を軸として回転させる)ことができる。この場合、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を起立位置から傾倒基準位置に変位させたあと、第1装飾ユニットG420を軸GOを中心に回転させる(第2装飾ユニットG480の周りを周回(公転)させる)だけでは、第1装飾ユニットG420と第2装飾ユニットG480の両者の相対変位が単調であり、十分な演出効果を得ることができない。これに対し、第111実施形態における花回転ユニットG400では、第1装飾ユニットG420を軸GOを中心に回転させると共に、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を軸部G427を軸として回転させることができる。即ち、第1装飾ユニットG420は、第2装飾ユニットG480の周りを周回(公転)する(軸GOを中心に回転する)際に、軸部G427を軸に回転(自転)可能に構成されるので、両者の相対変位が単調となることを抑制でき、演出効果を高めることができる。また、変位ユニットG426の第1装飾面G426a及び第2装飾面G426bには、光を反射可能な装飾がされるので、変位ユニットG426を軸部G427を軸として回転させる場合には、第1装飾面G426a及び第2装飾面G426bにより反射される光の方向へ変更することができる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位を遊技者に注目させやすくでき、演出効果を高めることができる。即ち、第1装飾ユニットG420は、軸部G427を軸に回転(自転)する際の回転中心を挟んで位置する第1装飾面G426a及び第2装飾面G426bを備え、第1装飾面G426a及び第2装飾面G426bとが異なる態様に構成されるので、第2装飾ユニットG480の周りを第1装飾ユニットG420が周回(公転)する際に、第1装飾ユニットG420の異なる装飾面(第1装飾面G426a及び第2装飾面G426b)を交互に現出させることができる。これにより、例えば、視認される外形や反射される光の態様の変化を大きくして、演出効果を高めることができる。さらに、変位ユニットG426は、第1装飾面G426a及び第2装飾面G426bが湾曲した形状に形成されるので、第1装飾面G426aと第2装飾面G426bとで光の反射態様が異ならせることができる。よって、第1装飾面G426aと第2装飾面G426bとの反射光による演出を異なる態様で遊技者に視認させることができる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位を遊技者に注目させやすくでき、遊技者の興趣を向上できる。なお、第111実施形態では、変位ユニットG426が軸GOから離れる方向に延びる軸(軸部G427の軸)を中心に回転(自転)される場合について説明したが、変位ユニットG426は、軸GOと平行に伸びる軸を中心に回転(自転)するものであっても良い。この場合、第1装飾面G426aへ光が照射される領域を一部にすることで、変位ユニットG426を回転(自転)させることで第1装飾面G426aに対する光の照射領域が変更され、第1装飾面G426aにより反射される反射光の反射態様を変更することができる。また、第111実施形態では、花弁側伝達部材G430が軸GOを中心に約18度回転することで、第1装飾ユニットG420が軸部G427を軸として約90度回転するように設定される。即ち、花弁側伝達部材G430が軸GOを中心に約72度回転することで、第1装飾ユニットG420が軸部G427を軸として1回転するように設定される。
さらに、第1装飾ユニットG420は花弁側伝達部材G430(第1回転ベースG410)の軸GOを中心とする周囲に5個等間隔で配設される。即ち、隣り合う第1装飾ユニットG420と約72度の間隔を隔てて配設される。上述したように、第1装飾ユニットG420は、花弁側伝達部材G430が軸GOを中心に約72度回転することで、第1装飾ユニットG420が1回転するように設定されるので、正面視において変位ユニットG426が傾倒基準位置に配置される位置を同一にできる(即ち、変位ユニットG426の第1装飾面G426aを遊技者に視認させる位置、及び、変位ユニットG426の第2装飾面G426bを遊技者に視認させる位置を同じにできる)。この場合、変位ユニットG426が傾倒基準位置となる位置の背面側(矢印B方向側)に重なる位置に正面側ベース部材G810のアーム部G812が配設される。即ち、前後方向(矢印F-B方向)における幅が小さくされる位置の背面側にアーム部G812が配設される。これにより、アーム部G812と変位ユニットG426との干渉を抑えつつ、アーム部G812を花回転ユニットG400に対して正面側に近づけて配置することができる。その結果、花弁動作装置G800が前後方向(矢印F-B方向)に大型化することを抑制できる。また、第111実施形態では、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置までの変位と、変位ユニットG426が傾倒基準位置から軸部G427を軸として回転される場合の変位とが、同じ駆動モータG830の駆動力により行われるので、駆動手段(駆動モータG830)の配設数を少なくすることができる。その結果、製造コストを削減できると共に、花弁動作装置G800が大型化することを抑制できる。さらに、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置までの変位と、変位ユニットG426が傾倒基準位置から軸部G427を軸として回転される場合の変位とが、異なるタイミングで行われる(即ち、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置までの変位をした後、変位ユニットG426が軸部G427を軸として回転される)ので、それぞれの駆動のタイミングが重なって、駆動力の伝達が不安となることを抑制できる。その結果、変位ユニットG426の変位が不安定となることを抑制できる。なお、第111実施形態では、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置までの変位と、変位ユニットG426が傾倒基準位置から軸部G427を軸として回転される場合の変位とが、同じ駆動モータG830の駆動力により行われる場合について説明したが、これに限らず、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置までの変位と、変位ユニットG426が傾倒基準位置から軸部G427を軸として回転される場合の変位とが、それぞれ別の駆動手段の駆動力により変位されるように構成されていても良い。この場合、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置までの変位と、変位ユニットG426が傾倒基準位置から軸部G427を軸として回転される場合の変位とに、駆動手段の駆動力を同時に付与することが可能になるので、起立位置から傾倒基準位置に変位させている途中に変位ユニットG426を軸部G427を軸として回転させ始めることができる。その結果、第1装飾ユニットG420に複雑な変位をさせることができ、第1装飾ユニットG420の変位による演出効果を向上できる。
次いで、図1710から図1712を参照して、第2装飾ユニットG480の回転について説明する。図1710(a)及び図1710(b)と図1711(a)及び図1711(b)は、花回転ユニットG400の正面図であり、図1712(a)から図1712(d)は、従動ギヤG846からG848及び検出センサG814の背面図である。なお、図1710(a)から図1711(b)では、第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480が軸GOを中心に回転する遷移状態が順に図示され、図1712(a)では、図1710(a)に対応する位置に従動ギヤG846~G848が回転された状態が図示され、図1712(b)では、図1710(b)に対応する位置に従動ギヤG846~G848が回転された状態が図示され、図1712(c)では、図1711(a)に対応する位置に従動ギヤG846~G848が回転された状態が図示され、図1712(d)では、図1711(b)に対応する位置に従動ギヤG846~G848が回転された状態が図示される。また、図1710(a)から図1711(b)では、第2装飾ユニットG480の全体が透明視され外形のみ2点鎖線で図示されると共に、第2固定ユニットG470の正面側光拡散部G471及び側面側光拡散部G472が透明視して図示される。さらに、図1710(a)から図1711(b)では、第2装飾ユニットG480の所定の1箇所を仮想点GAとして図示する。上述したように、花弁側伝達部材G430の回転により第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置から軸GOを中心に正面視右回り(矢印GR方向)に回転される際には、第1回転ベースG410に連結される第2回転ベースG460が第1回転ベースG410と共に軸GOを中心に正面視右回りに回転される。第2回転ベースG460の歯G463には、第1従動ギヤG474aが歯合されており、第2回転ベースG460の回転により第1従動ギヤG474aが回転され、第1従動ギヤG474aに歯合する第2従動ギヤG473bが回転される。これにより、第2従動ギヤG473bに締結される第2装飾ユニットG480が回転させられる。この場合、第2従動ギヤG473bと第2回転ベースG460の歯G463との間に奇数個(本実施形態では、1個)の第1従動ギヤG474aが配設されるので、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置から軸GOを中心に正面視右回り(矢印R方向側)に回転される際に、第2装飾ユニットG480が軸GOを中心に正面視左回り(矢印L方向側)に回転される。即ち、正面視において第1装飾ユニットG420と第2装飾ユニットG480とは反対方向に回転される。従って、軸GOを中心に第1装飾ユニットG420が回転(公転)される際には、第2装飾ユニットG480に対する第1装飾ユニットG420の回転(公転)を遊技者に視認させることができる。そのため、第2装飾ユニットG480が実際よりも速い速度で回転しているように感じさせることができ、その結果、第1装飾ユニットG420の回転による演出効果を向上させることができる。即ち、第1装飾ユニットG420の周回の速度と、第2装飾ユニットG480の回転の速度とが異なるので、第1装飾ユニットG420の周回(公転)と第2装飾ユニットG480の回転(自転)とを関連付けることができ、演出効果を高めることができる。例えば、第1装飾ユニットG420の周回(公転)と同じ方向に第2装飾ユニットG480が回転(自転)される場合に、第1装飾ユニットG420の周回の速度が第2装飾ユニットG480の回転の速度よりも遅くすることで、第1装飾ユニットG420が第1装飾ユニットG420と逆方向に周回していると遊技者に錯覚させることができる。また、例えば、第1装飾ユニットG420の周回(公転)と反対方向に第2装飾ユニットG480が回転(自転)される場合に、第1装飾ユニットG420の周回の速度が第2装飾ユニットG480の回転の速度よりも速くすることで、第1装飾ユニットG420の周回(公転)の速度を遊技者に錯覚させやすくし(見かけの速度をより速くして)、遊技者に第1装飾ユニットG420の周回(公転)を着目させやすくできる。
なお、本実施形態では、第1装飾ユニットG420と第2装飾ユニットG480とが正面視において反対方向に回転される場合について説明したが、第1装飾ユニットG420と第2装飾ユニットG480とを正面視において同じ方向に回転させるものであってもよい。即ち、第2従動ギヤG473bと第2回転ベースG460の歯G463との間に偶数個(例えば2個)の第1従動ギヤG474aを配設して、第2装飾ユニットG480を軸GOを中心に正面視右回り(矢印R方向)に回転させるものであっても良い。この場合には、第2装飾ユニットG480に対する第1装飾ユニットG420の変位を遊技者に視認させることで、第1装飾ユニットG420が実際よりも遅い速度で回転しているように感じさせることができる。そのため、花回転ユニットG400よりも他の演出(例えば、第3図柄表示装置H81の表示による演出)に注目させやすくできる。即ち、第2装飾ユニットG480は、第1装飾ユニットG420の周回と同じ方向または反対方向へ回転可能に構成される連結部G481を備え軸GOを中心に回転(自転)可能に構成されるので、第1装飾ユニットG420の周回(公転)と第2装飾ユニットG480の回転(自転)とを関連付けることができ、演出効果を高めることができる。例えば、第1装飾ユニットG420の周回(公転)と同じ方向に第2装飾ユニットG480が回転(自転)される場合には、第1装飾ユニットG420の周回(公転)と第2装飾ユニットG480の回転(自転)とを一体的に視認させ、遊技者に第1装飾ユニットG420の回転(自転)を着目させやすくできる一方、第1装飾ユニットG420の周回(公転)と反対方向に第2装飾ユニットG480が回転(自転)される場合には、第2装飾ユニットG480の回転(自転)の分、第1装飾ユニットG420の周回(公転)の速度を遊技者に錯覚させ(見かけの速度を速くして)、遊技者に第1装飾ユニットG420の周回(公転)を着目させやすくできる。また、第2従動ギヤG473bに対して、第1従動ギヤG473aのギヤ比が約2倍に設定される。従って、図1710(a)及び図1710(b)に示すように、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置から軸GOを中心に正面視右回り(矢印R方向側)に約18度回転される際に、第2装飾ユニットG480は軸GOを中心に正面視左周り(矢印L方向側)に約36度回転される(図1710の仮想点GA参照)。即ち、軸GOを中心とする第1装飾ユニットG420の回転量に対して、軸GOを中心とする第2装飾ユニットG480の回転量が大きく設定される。そのため、第1装飾ユニットG420が複雑な(軸GOを中心に正面視右回りに回転させると共に、変位ユニットG426を軸部G427を軸として回転させる)変位をする場合であっても、第2装飾ユニットG480が回転していることを遊技者に認識させることができる。その結果、第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480の全体を遊技者に注目させることができ、第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480の変位による演出効果を向上できる。なお、本実施形態では、軸GOを中心とする第1装飾ユニットG420の回転量に対して、軸GOを中心とする第2装飾ユニットG480の回転量が大きく設定される場合について説明したが、軸GOを中心とする第1装飾ユニットG420の回転量に対して、軸GOを中心とする第2装飾ユニットG480の回転量が小さく設定されても良い。即ち、第2従動ギヤG473bに対して、第1従動ギヤG473aのギヤ比が半分に設定され、軸GOを中心に第1装飾ユニットG420が約18度回転される際に、軸GOを中心に第2装飾ユニットG480が約9度回転するようにしても良い。この場合には、第2装飾ユニットG480の回転を遊技者に認識させにくくできるので、第2装飾ユニットG480に対して第1装飾ユニットG420の変位を遊技者に注目させやすくできる。その結果、遊技者の視線を一部に注目させやすくできる。
次いで、図1710から図1712を参照しつつ、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置から軸GOを中心に正面視右回り(矢印GR方向)に回転され(変位ユニットG426が軸部G427を軸として回転され)た位置から、第1装飾ユニットG420が軸GOを中心に正面視左回り(矢印GL方向)に回転されて変位ユニットG426が傾倒基準位置(図1710(a)に示す位置)に変位される場合について説明する。図1710(a)及び図1710(b)に示すように、第1装飾ユニットG420が軸部G427を軸として傾倒基準位置から約90度回転された際には、第2回転ベースG460が正面側立設部G462の外周面に係合片G477bを当接した状態で回転して、第2回転ベースG460の係合凹部G462aの内側から係合片G477bが抜け出され、正面側立設部G462に所定間隔を隔てて複数個所に形成される係合凹部G462aの間に係合片G477bが配置された状態とされる。図1710(b)に示す状態から図1710(a)に示す傾倒基準位置に第1装飾ユニットG420を戻すためには、駆動モータG830の駆動方向を反対方向にして花弁側伝達部材G430を正面視左回り(矢印GL方向)に回転させる。これにより、花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aに挿入される第1装飾ユニットG420の摺動部G425aが摺動溝G431aの第2摺動面G431a4に押し出されて第1回転ベースG410が正面視左回りに回転される。従って、第1回転ベースG410の正面視左回りの回転に伴って第1装飾ユニットG420を変位させて、第1装飾ユニットG420の回転ギヤG421を回転させることで、変位ユニットG426を傾倒基準位置まで戻す方向に軸部G427を軸として回転させることができる。この場合、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が傾倒基準位置まで回転されると第1回転ベースG410の正面視左回り(矢印GL方向)の回転に伴って第2回転ベースG460も正面視左回りに回転され、正面側立設部G462の係合凹部G462aが係合片G477bと対応する位置に変位され、係合凹部G462aと係合片G477bとが係合される。即ち、係合片G477b及び係合凹部G462aは、第2回転ベースG460が正面視右回りの回転をされる場合に係合しない(引っ掛からない)形状に形成され、第2回転ベースG460が正面視左回りに回転される場合に係合する(引っ掛かる)形状に形成される。これにより、傾倒基準位置からの第2回転ベースG460の軸GOを中心とする正面視左回り(矢印GL方向)の回転が規制される。よって、第2回転ベースG460に連結される第1回転ベースG410の回転も規制される。なお、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置まで回転された後、駆動モータG830の同方向への駆動が継続される(花弁側伝達部材G430の正面視左回り(矢印GL方向)の回転が継続される)場合には、第1回転ベースG410の回転が規制されることにより、第1装飾ユニットG420の摺動部G425aが摺動溝G431aの第2摺動面G431a4に押し出されて傾倒基準位置から起立位置まで変位される。詳しく説明すると、第1回転ベースG410の回転が規制されることにより、花弁側伝達部材G430が第1回転ベースG410に対して相対変位される。これにより、花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aに挿入される第1装飾ユニットG420の摺動部G425aが摺動溝G431aの変位(花弁側伝達部材G430の回転)に伴って第2摺動面G431a4に当接され、摺動部G425aが外側端部G431a2から内側端部G431a1まで摺動される。これにより、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が傾倒基準位置から起立位置まで変位される。即ち、第1装飾ユニットG420は、第2装飾ユニットG480の外方側(軸GO側)に近接する方向および離間する方向へそれぞれ変位可能に構成され、第2装飾ユニットG480の外方側(軸GO側)へ近接する方向への第1装飾ユニットG420の変位は、第1装飾ユニットG420の軸部G427を軸とする回転(自転)における回転位置が所定の回転位置(傾倒基準位置)にある場合に行われるように構成される。これにより、常に同じ姿勢で第1装飾ユニットG420を第2装飾ユニットG480の外方側(軸GO側)へ近接させることができ、第1装飾ユニットG420が第2装飾ユニットG480の外方側に干渉する(当接する)ことを抑制できる。これにより、第1装飾ユニットG420の外形形状の設計の自由度を高められると共に、第2装飾ユニットG480の外方側へ第1装飾ユニットG420をより近接させることができる。
本実施形態では、軸GOを中心とする第1装飾ユニットG420の正面視右回り(矢印GR方向)の回転数に関係することなく、所定の位置(係合片G477b及び係合凹部G462aが係合する位置)まで第1装飾ユニットG420を正面視左回り(矢印GL方向)に回転させることで、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を起立位置に戻すことができる。これにより、花回転ユニットG400の正面視における領域を拡大して、第1装飾ユニットG420の変位による演出をした後、その演出時間よりも短いタイミングで花回転ユニットG400の正面視における領域を縮小することができる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位による演出効果を向上できる。なお、本実施形態では、軸GOを中心とする第1装飾ユニットG420の配設間隔と、軸GOを中心とする係合凹部G462aとの形成間隔とが略同一に設定される。これにより、第1装飾ユニットG420を軸GOを中心に正面視右回り(矢印GR方向)に回転させた後、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置に変位を開始する位置を同じ位置に設定できる。従って、変位ユニットG426が起立位置に配置される場合における花回転ユニットG400の外形を同じすることができ、遊技者が違和感を持つことを抑制できる。即ち、第1装飾ユニットG420が第2装飾ユニットG480の外方側(軸GO側)に近接する方向に最も変位した際に、第1装飾ユニットG420の周回(公転)における周回位置が所定の周回位置となるように構成されるので、第1装飾ユニットG420が第2装飾ユニットG480の外方側(軸GO側)に最も近づいた状態において、第1装飾ユニットG420の周回位置を常に同じ周回位置とすることができる。これにより、第2装飾ユニットG480の周りを第1装飾ユニットG420が周回(公転)する構成において、常に同じ周回位置において第1装飾ユニットG420を第2装飾ユニットG480の外方側に最も近づいた状態とすることができると共に、常に同じ周回位置を起点(始点)として第1装飾ユニットG420を第2装飾ユニットG480の外方側から離間する方向へ変位させることができる。その結果、演出効果を高めることができる。
次いで、駆動モータG830の駆動方向を反対方向にして、図1711(a)及び図1711(b)に示す位置から図1710(a)に示す傾倒基準位置に第1装飾ユニットG420を戻した場合について説明する。図1711(a)及び図1711(b)に示す位置から第2回転ベースG460を正面視左周り(矢印GL方向)に回転させた場合には、図1711(a)に示す第1装飾ユニットG420が傾倒半回転位置で、正面側立設部G462の係合凹部G462aの内側に係合片G477bが係合されることとなる。即ち、第1装飾ユニットG420を傾倒基準位置まで戻すことが不能とされる。なお、本実施形態では、図1712(c)及び図1712(d)に示すように図1711(a)及び図1711(b)に示す位置まで花弁側伝達部材G430が回転されると、検出センサG814に従動ギヤG848の被検出部G848aが重なることとなる。この検出により、図1711(a)及び図1711(b)に示す位置から第2回転ベースG460を正面視左周り(矢印GL方向)に回転される駆動力が駆動モータG830から入力されることが規制される。即ち、本実施形態では、図1711(a)及び図1711(b)に示す位置から第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が傾倒基準位置に回転されることが規制される。従って、変位ユニットG426が起立位置とされる場合には、花回転ユニットG400を同じ態様にすることができる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位による演出効果を向上できる。また、図1712(a)に示すように、図1710(a)に示す傾倒基準位置においても、検出センサG814に従動ギヤG848の被検出部G848aが重なるように構成される。これにより、変位ユニットG426が傾倒基準位置に配置される位置に対して、正面側立設部G462の係合凹部G462aと係合片G477bとの係合位置がずれた場合に、傾倒半回転位置に配置される状態で起立位置に戻される不具合を抑制できる。一方、図1712(b)に示すように、図1710(b)に示す傾倒基準位置から変位ユニットG426が軸部G427を軸として少し回転される場合には、検出センサG814に従動ギヤG848の被検出部G848aが重ならないように構成される。従って、本実施形態においては、変位ユニットG426を起立位置から傾倒基準位置に変位された後、少なくとも軸部G427を軸として変位ユニットG426を回転させてから、起立位置への変位が行われるように構成される。
次いで、図1713を参照して、第1装飾ユニットG420を傾倒基準位置から起立位置に変位させる場合について説明する。図1713(a)から図1713(c)は、花回転ユニットG400を正面視した模式図である。なお、図1713(a)では、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置に配置された状態が模式的に図示され、図1713(b)では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が傾倒基準位置から起立位置に変位される途中の位置にある状態が模式的に図示され、図1713(c)では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置に配置された状態が模式的に図示される。また、図1713(a)から図1713(c)では、第2装飾ユニットG480が透明視して図示されると共に、第2装飾ユニットG480の外形が2点鎖線で図示される。図1713(a)に示すように、本実施形態における複数(5個)の第1装飾ユニットG420は、変位ユニットG426が傾倒基準位置に配置された場合に隣り合う変位ユニットG426どうしの間隔が小さくされた状態で花回転ユニットG400のベース部分(第1回転ベースG410,花弁側伝達部材G430,基板部材G440,第1固定ユニットG450,第2回転ベースG460,第2固定ユニットG470)の周囲に配設される。これにより、第1装飾ユニットG420を傾倒基準位置に配置した場合に、正面視における花回転ユニットG400の全体を大型化して花回転ユニットG400の演出に注目させやすくできる。しかしながら、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を起立位置に配置する場合には、第1装飾ユニットG420を連結棒G421dを軸として回転させて、花回転ユニットG400のベース部分に対する姿勢を変更するものである(即ち、軸GOに対する周方向の変位ユニットG426の1辺の長さ(大きさ)を変更せず、第1装飾ユニットG420を軸GOに向けて近づける)ため、変位ユニットG426を起立位置に変位させる場合に隣り合う変位ユニットG426の間隔が小さくなる。そのため、起立位置に配置する場合に隣り合う変位ユニットG426どうしが衝突して起立位置まで変位ユニットG426を変位させることができなくなる恐れがある。これに対し、本実施形態では、図1713(b)及び図1713(c)に示すように、傾倒基準位置から起立位置に変位ユニットG426を変位させる場合に、第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GL方向側の端部が、第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GR方向側の端部に比べて先行して軸GOに向かって変位される。即ち、第1装飾ユニットG420は、変位ユニットG426の第1装飾面G426aが正面側(矢印F方向側)を向く状態から第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)を向く状態となる際に、第1装飾ユニットG420の一側が他側よりも第2装飾ユニットG480の正面視外方側に到着するように構成される。これにより、図1713(c)に示すように起立状態とした場合には、第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GL方向側の端部を、矢印GL方向側に隣り合う第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GR方向側の端部と軸GOを中心とする径方向内側に重ねた状態で配設することができる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を傾倒基準位置から起立位置に変位させる場合に、隣り合う変位ユニットG426どうしが衝突して起立位置まで変位ユニットG426を変位させることができなくなることを抑制できる。
また、第1装飾ユニットG420の一側が他側よりも第2装飾ユニットG480の正面視外方側に到着するように構成されることで、第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)に複数配設される第1装飾ユニットG420が、変位ユニットG426が第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)を向く状態では、隣り合う第1装飾手段の一方の一側に他方の他側が軸GOから径方向外側に重なるので、縮小状態において第1装飾ユニットG420の配設に要するスペースを抑制できる。言い換えると、第1装飾ユニットG420の大きさを大きくできる。一方、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が正面側を向く状態(拡大状態)では、隣り合う第1装飾ユニットG420の間の隙間を小さくできる。また、図1713(c)に示すように起立状態とした場合に、全ての第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GL方向側の端部を、矢印GL方向側に隣り合う第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GR方向側の端部の内側に配置でき、第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の外側端部の径方向における重なり方がそれぞれの第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)で異なる状態にならないので、正面視における花回転ユニットG400の見た目をよくすることができる。さらに、図1713(c)に示すように起立位置に第1装飾ユニットG420を配置した状態では、第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GL方向側の端部の正面側(矢印F方向側)に第2装飾ユニットG480の一部を重ねた状態とされる。即ち、第2装飾ユニットG480は、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)を向く状態において隣り合う第1装飾ユニットG420の一方の一側と他方の他側とが重なる部分の少なくとも一部と正面視において重なるように構成される。これにより、縮小状態において第1装飾ユニットG420どうしが重なる部分を遊技者から見えにくくできる。よって、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)を向く状態(縮小状態)から第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が正面側を向く状態(拡大状態)に遷移した際の意外性を向上できる。なお、第111実施形態では、第2装飾ユニットG480が光を透過可能な透明な樹脂材料から形成されるので、第2装飾ユニットG480の背面側(矢印B方向側)に配設される第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)が視認可能とされる。しかしながら、第111実施形態における第2装飾ユニットG480では、有色(赤色)の透明な樹脂材料で形成されており、これにより第2装飾ユニットG480の背面側に重なる第1装飾ユニットG420が遊技者から見えにくくされる。また、第111実施形態では、起立位置の第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)の矢印GL方向側の端部の正面側に第2装飾ユニットG480が重なる大きさに設定されるが、起立位置の第1装飾ユニットG420の全体に第2装飾ユニットG480が重なる大きさに第2装飾ユニットG480が設定されるものであっても良く、さらに、傾倒位置(拡大状態)の第1装飾ユニットG420の全体に第2装飾ユニットG480が重なる大きさに第2装飾ユニットG480が設定され、第2装飾ユニットG480を介して第1装飾ユニットG420の変位を遊技者に視認させるものであっても良い。
次いで、図1714から図1715を参照して、第112実施形態における花回転ユニットG2400について説明する。上記第111実施形態では、複数個配設される第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)が同時に変位する場合について説明したが、第112実施形態では、複数個配設される第1装飾ユニットG420(変位ユニットG426)が異なるタイミングで変位される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。初めに、図1714を参照して、花回転ユニットG2400の花弁側伝達部材G2430について説明する。図1714は、第112実施形態における花回転ユニットG2400を正面視した模式図である。第112実施形態における花回転ユニットG2400は、背面側(矢印B方向側)に配設される第1回転ベースG410と、その第1回転ベースG410の正面視における周囲を取り囲む態様で第1回転ベースG410の周囲に複数個(第112実施形態では6個)配設される第1装飾ユニットG420と、第1回転ベースG410の正面側(矢印F方向側)に配設される花弁側伝達部材G2430と、その花弁側伝達部材G430の正面側に配設される第1固定ユニットG450と、その第1固定ユニットG450の背面側に配設される基板部材G440と、第1固定ユニットG450の正面側に配設される第2回転ベースG460と、第2回転ベースG460の正面側に配設される第2固定ユニットG470と、その第2固定ユニットG470の正面側に配設される第2装飾ユニットG480とを主に備えて形成される。なお、図1714では、花弁側伝達部材G2430よりも正面側に配設される基板部材G440,第1固定ユニットG450,第2回転ベースG460,第2固定ユニットG470,第2装飾ユニットG480の図示が省略される。図1714に示すように、第112実施形態における花弁側伝達部材G2430は、正面視(矢印B方向視)において略円形の板状に形成される伝達部G2431と、その伝達部G2431の背面側(矢印B方向側)から円柱状に突出する軸支部G432とを主に備え、全体が光を透過可能な樹脂材料から形成される。また、伝達部G431と軸支部G432との中心部には、前後方向(矢印F-B方向)に開口する被挿通部G433が形成される。伝達部G2431は、正面視(矢印B方向視)において湾曲状に開口形成される第1摺動溝G2434及び第2摺動溝G2435が軸GOを中心とする周方向に所定の間隔で交互に形成される。なお、伝達部G2431の正面視における外径は、第111実施形態と同様に花弁側伝達部材G430の正面側(矢印F方向側)に配設される第2回転ベースG460の円盤部G461の外径よりも若干小さく形成される。即ち、花弁側伝達部材G430は、第2回転ベースG460の背面側(矢印B方向側)に重なる大きさに設定される。第1摺動溝G2434及び第2摺動溝G2435は、第1装飾ユニットG420の被摺動部材G425(摺動部G425a)が挿通される部分であり、溝幅が摺動部G425aよりも若干大きく形成される。第1摺動溝G2434は、正面視(矢印B方向視)において伝達部G2431の径方向内側の内側端部G2434a1から径方向外側の外側端部G2434a2に向かうに従って、反時計周りの湾曲形状に形成される。一方、第2摺動溝G2435は、正面視(矢印B方向視)において、軸GOを中心とする周方向に沿って延設される非変位部G2435aと、その非変位部G2435aの一端から径方向外側に向かうに従って反時計回りの湾曲形状に形成される変位部G2435bとを備える。また、第2摺動溝G2435の変位部G2435bが連結される側と反対側の非変位部G2435aの内側端部G2435a1から変位部G2435bの径方向外側の外側端部G2435b2までの軸GOを中心とする形成角度は、第1摺動溝G2434の内側端部G2434a1から外側端部G2434a2までの軸GOを中心とする形成角度と略同一に設定される。即ち、第1摺動溝G2434に挿入される被摺動部材G425(摺動部G425a)の軸GOを中心とする周方向の移動距離と、第2摺動溝G2435に挿入される被摺動部材G425(摺動部G425a)の軸GOを中心とする周方向の移動距離とが略同一に設定される。さらに、第2摺動溝G2435の内側端部G2435a1と第1摺動溝G2434の内側端部G2434a1とは、正面視において軸GOからの離間距離が同一に設定され、第2摺動溝G2435の外側端部G2435b2と第1摺動溝G2434の外側端部G2434a2とは、正面視において軸GOからの離間距離が同一に設定される。即ち、第1摺動溝G2434に挿入される被摺動部材G425(摺動部G425a)の径方向における移動距離と、第2摺動溝G2435に挿入される被摺動部材G425(摺動部G425a)の径方向における移動距離とが略同一に設定される。
次いで、図1715を参照して、第112実施形態における花回転ユニットG2400における変位ユニットG426の起立位置から傾倒基準位置までの変位および傾倒基準位置から起立位置までの変位について説明する。図1715(a)から図1715(c)は、花回転ユニットG2400を正面視した模式図である。なお、図1715(a)から図18351(c)では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置まで変位する遷移状態が順に図示される。初めに、図1715を参照して、変位ユニットG426の起立位置から傾倒基準位置までの変位について説明する。なお、変位ユニットG426が起立位置に配置される場合には、図1714(a)に示すように、第1摺動溝G2434に連結される側の第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が第2摺動溝G2435に連結される側の第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426に対して軸GOを中心とする径方向外側に重なった状態で配設される。また、変位ユニットG426の起立位置から傾倒基準位置までの変位は、第111実施形態と同様に、駆動モータG830(図1696参照)の駆動力により花弁側伝達部材G2430が正面視右回り(矢印GR方向)に回転され、第1摺動溝G2434及び第2摺動溝G2435の移動に伴って被摺動部材G425(摺動部G425aが軸GOを中心とする径方向外側に変位(摺動)されることで行われる。図1715(a)及び図1715(b)に示すように、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置から変位され始めた場合には、第1摺動溝G2434に挿入される被摺動部材G425(摺動部G425a)が花弁側伝達部材G2430の回転に伴って第1摺動溝G2434の内側端部G2434a1から離間され、湾曲形成される第1摺動溝G2434の内側の第1摺動面G2434a3に当接して軸GOを中心とする径方向外側に押し出される。これにより、第1摺動溝G2434に連結される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426は、起立位置から傾倒基準位置に向けて傾倒を開始する。一方、第2摺動溝G2435に挿入される被摺動部材G425(摺動部G425a)は、花弁側伝達部材G2430の回転に伴って第2摺動溝G2435の内側端部G2435a1から離間される。この場合、第2摺動溝G2435の非変位部G2435aは、軸GOを中心とする湾曲状に形成されるので、非変位部G2435a内を摺動する被摺動部材G425(摺動部G425a)は、第1回転ベースG410に対して相対位置を変更しない。従って、第2摺動溝G2435に連結される第1装飾ユニットG420は、第1摺動溝G2434に連結される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置に向けて傾倒を開始し始めた際に、起立位置から傾倒基準位置に向けて傾倒を開始しない。なお、第2摺動溝G2435に連結される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426の起立位置から傾倒基準位置への変位の開始は、被摺動部材G425(摺動部G425a)が第2摺動溝G2435の非変位部G2435aと変位部G2435bとの連結部を超える位置まで変位されることで行われる。即ち、変位部G2435bは、上述したように径方向外側に向かうに従って反時計回りの湾曲形状に形成されるので、被摺動部材G425(摺動部G425a)が変位部G2435bまで変位されると、被摺動部材G425(摺動部G425a)に変位部G2435bの第1摺動面G2435b3に当接される。これにより、被摺動部材G425(摺動部G425a)が軸GOを中心とする径方向外側に押し出されて、起立位置から傾倒基準位置に向けて傾倒を開始する。
次いで、図1715(c)を参照して、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置まで変位された場合について説明する。上記したように、第2摺動溝G2435の外側端部G2435b2と第1摺動溝G2434の外側端部G2434a2とが、正面視において軸GOからの離間距離が同一に設定されるので、第1装飾ユニットG420の傾倒基準位置までの変位された場合には、隣り合う第1装飾ユニットG420同士の背面側(矢印B方向側)への傾倒角度を同一にすることができる。即ち、第1装飾ユニットG420を傾倒基準位置に配置した場合の正面視における第1装飾ユニットG420のそれぞれの見え方を同一にすることができる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位による演出効果を向上できる。
次いで、第112実施形態における第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を傾倒基準位置から起立位置に変位させる場合についての説明をする。なお、第112実施形態における第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を傾倒基準位置から起立位置まで変位させる場合には、第111実施形態と同様に駆動モータG830の駆動方向を反対して花弁側伝達部材G2430を正面視左回り(矢印GL方向)に回転させることで行われる。第112実施形態では、上述したように、第2摺動溝G2435の内側端部G2435a1から外側端部G2435b2までの軸GOを中心とする第2摺動溝G2435の形成角度が、第1摺動溝G2434の内側端部G2434a1から外側端部G2435b2までの軸GOを中心とする第1摺動溝G2434の形成角度と同一に設定され、かつ、第2摺動溝G2435の内側端部G2435a1から外側端部G2435b2までの軸GOを中心とする径方向の離間距離が、第1摺動溝G2434の内側端部G2434a1から外側端部G2434a2までの軸GOを中心とする径方向の離間距離と同一に設定されるので、第2摺動溝G2435の変位部G2435bの正面視における曲率が、第1摺動溝G2434の正面視における曲率よりも大きく形成される。これにより、第112実施形態では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を傾倒基準位置から起立位置に変位を開始した場合に、第2摺動溝G2345に連結される第1装飾ユニットG420を第1摺動溝G2434に連結される第1装飾ユニットG420に比べて早いタイミングで起立位置まで変位させることができる。即ち、第2摺動溝G2435に連結される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426は、第2摺動溝G2435の変位部G2435bと非変位部G2435aとの連結部まで被摺動部材G425(摺動部G425a)が変位されることで起立位置に変位される。図1715(b)及び図1715(a)に示すように、第2摺動溝G2435の変位部G2435bと非変位部G2435aとの連結部まで被摺動部材G425(摺動部G425a)が変位された第2摺動溝G2435に連結される第1装飾ユニットG420は、花弁側伝達部材G2430が正面視左回り(矢印GL方向)の回転が継続されることで、非変位部G2435aの内部を摺動して非変位部G2435aの内側端部G2435a1まで変位される。なお、第2摺動溝G2435に連結される第1装飾ユニットG420が非変位部G2435aの内部を摺動して非変位部G2435aの内側端部G2435a1まで変位される場合に、第1摺動溝G2434に連結される第1装飾ユニットG420が第1摺動溝G2434の内側端部G2434a1まで変位される。これにより、第2摺動溝G2435に連結される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426の軸GOを中心とする径方向外側に、第1摺動溝G2434に連結される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が重なって当接した状態(図1715(a)に示す状態)とされる。
以上説明したように、第112実施形態では、隣り合う第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が異なるタイミングで起立位置まで変位される。即ち、第1装飾ユニットG420は、変位ユニットG426が正面側を向く状態から変位ユニットG426がだい2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)を向く状態となる際に、隣り合う第1装飾ユニットG420の一方の変位が開始された後に他方の変位が開始されるように構成されるので、第1装飾ユニットG420を複雑な軌跡で変位させることを回避しつつ、隣り合う第1装飾ユニットG420同士が干渉することを抑制できる。例えば、第1装飾ユニットG420の一側が他側よりも先に第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)に到着するようにする必要がなく、第1装飾ユニットG420の一側および他側が同時に第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)に到着するようにできる。よって、第112実施形態では、傾倒基準位置から起立位置まで変位ユニットG426変位させる場合に、第111実施形態における第1装飾ユニットG420のように、変位ユニットG426の周方向の一方側(矢印GL方向側)を他方側(矢印GR方向側)に比べて先行させる必要がないので、傾倒基準位置における第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426の第1装飾面G426aを遊技盤H13の正面に対して平行に配置することができる。その結果、第112実施形態における花回転ユニットG2400では、第1装飾ユニットG420を傾倒基準位置に配置した場合における花回転ユニットG2400の演出効果を向上させることができる。また、第112実施形態における花回転ユニットG2400では、摺動部G425aが挿入される摺動溝を第1摺動溝G2434と第2摺動溝G2435との2種類で隣り合う第1装飾ユニットG420が衝突することを抑制できるので、第1装飾ユニットG420の配設数分、異なる形状の摺動溝を形成する必要がないので、花弁側伝達部材G2430の形状が複雑になったり、第1装飾ユニットG420の変位が複雑になることを抑制できる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位を安定して行うことができる。なお、第112実施形態における花回転ユニットG2400では、第1摺動溝G2434に連結される第1装飾ユニットG420に対して、第2摺動溝G2435に連結される第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を先行して傾倒基準位置から起立位置に変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、第2摺動溝G2435の変位部G2435bにおいて、第2摺動面G2345b4の正面視における曲率を、第1摺動溝G2434の第1摺動面G2434a3の正面視における曲率よりも大きくして、第2摺動面G2434a4により押し出されて傾倒基準位置から起立位置に変位される変位ユニットG426の変位よりも第2摺動面G2435b4により押し出されて傾倒基準位置から起立位置に変位される変位ユニットG426の変位を遅くしても良い。この場合、起立位置から傾倒基準位置に変位させる際の第1摺動面G2435b3については第1摺動面G2434a3と同じ形状にすることができるので、起立位置から傾倒基準位置に変位ユニットG426を変位させる際には、第1摺動溝G2434と第2摺動溝G2435とで変位ユニットG426の変位タイミングを同じにできる。その結果、第1装飾ユニットG420の変位による演出効果を向上できる。即ち、第1装飾ユニットG420は、変位ユニットG426が第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)を向く状態(縮小状態)から変位ユニットG426が正面側を向く状態(拡大状態)となる際に、隣り合う第1装飾ユニットG420の一方の変位と他方の変位とが同時に開始されるように構成されるので、拡大状態から縮小状態となる際と、縮小状態から拡大状態となる際の第1装飾ユニットG420の変位の態様を異ならせることができる。これにより、第1装飾ユニットG420を変位させることによる演出効果を向上できる。
次いで、図1716を参照して、第113実施形態における花回転ユニットG3400について説明する。上記第111実施形態では、第1装飾ユニットG420が軸部G427を軸に半回転される際に、係合片G477bが次の係合凹部G462aと係合可能な状態とされる場合について説明したが、第113実施形態では、第1装飾ユニットG420が軸部G427を軸に1回転される際に、係合片G477bが次の係合凹部G3462aと係合可能な状態とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。初めに、図1716を参照して、第113実施形態における花回転ユニットG3400の第2回転ベースG3460について説明する。図1716(a)及び図1716(b)は、第113実施形態における花回転ユニットG3400の正面図である。なお、図1716(a)では、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置に配置された状態が図示され、図1716(b)では、第1装飾ユニットG420が傾倒半回転位置に配置された状態が図示される。第113実施形態における花回転ユニットG3400は、背面側(矢印B方向側)に配設される第1回転ベースG410と、その第1回転ベースG410の正面視における周囲を取り囲む態様で第1回転ベースG410の周囲に複数個(第113実施形態では4個)配設される第1装飾ユニットG420と、第1回転ベースG410の正面側(矢印F方向側)に配設される花弁側伝達部材G430と、その花弁側伝達部材G430の正面側に配設される第1固定ユニットG450と、その第1固定ユニットG450の背面側に配設される基板部材G440と、第1固定ユニットG450の正面側に配設される第2回転ベースG3460と、第2回転ベースG3460の正面側に配設される第2固定ユニットG470と、その第2固定ユニットG470の正面側に配設される第2装飾ユニットG480とを主に備えて形成される。なお、図1716では、第2回転ベースG3460よりも正面側に配設される第2固定ユニットG470,第2装飾ユニットG480の図示が省略される。また、第113実施形態では、第111実施形態における花回転ユニットG400に比べて、第1装飾ユニットG420の配設数が異なる(少ない)分、第1装飾ユニットG420が連結される第1回転ベースG410の装飾側軸部G412a及び花弁側伝達部材G430の摺動溝G431aの形成数が異なる(少ない)がそれらの形成される数が異なるだけであるので、以下の説明において第113実施形態における第1装飾ユニットG420及び花弁側伝達部材G430を第111実施形態と同一の符号を付して説明する。
第113実施形態における第2回転ベースG3460は、正面視略円環状に形成される円盤部G461と、その円盤部G461の内周縁に沿って正面側(矢印F方向側)に向かって立設される正面側立設部G3462と、その正面側立設部G3462及び円盤部G461の内周面に刻設される複数の歯G463と、円盤部G461の外周縁に沿って背面側(矢印B方向側)に向かって立設される背面側立設部G464と、その背面側立設部G464の立設先端部の一部の複数個所から背面側に向かって突出される螺子締結部G465とを主に備えて形成され、全体が光を透過可能な樹脂材料から形成される。正面側立設部G3462は、外周面に周方向に沿って所定の間隔で4か所(即ち、90度の間隔で4か所)に凹設される係合凹部G462aを備える。係合凹部G462aは、第2固定ユニットG470の係合片G477bが係合される部分であり、外周面側から径方向内側に向かって凹設され、その凹設面が周方向の一方側と他方側とで異なる形状に形成される。また、第113実施形態では、図1716(a)及び図1716(b)に示すように、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置から軸GOを中心に正面視右回り(矢印GR方向)に略45度回転されると、第1装飾ユニットG420が軸部G427を軸として回転され傾倒半回転位置(即ち、変位ユニットG426の第2装飾面G426bを正面側(矢印F方向側)に向けた位置)に変位するように構成される。第2回転ベースG3460は、第111実施形態における第2回転ベースG460と同様に、第1回転ベースG410に締結されるので、第1装飾ユニットG420が軸GOを中心に回転される場合には、第1装飾ユニットG420の回転に伴って軸GOを中心に第1装飾ユニットG420と同様に回転される。従って、図1716(b)に示すように、第1装飾ユニットG420が傾倒基準位置から傾倒半回転位置まで回転される場合には、第2回転ベースG3460が略45度回転されるので、軸GOを中心に略90度の間隔で正面側立設部G3462に凹設される係合凹部G462aの中間位置に第2固定ユニットG470の係合片G477bが位置される。これにより、第113実施形態では、第1装飾ユニットG420を傾倒半回転位置まで軸GOを中心に正面視右回り(矢印GR方向に)回転させた状態で、駆動モータG830の駆動の方向を反対にしたとしても、第111実施形態のように傾倒半回転位置で係合片G477bが係合凹部G462aと係合することがなくなるので、第1装飾ユニットG420を傾倒基準位置を軸部G427を軸に回転させて傾倒基準位置に戻るまで、第1装飾ユニットG420を軸GOを中心に正面視左回り(矢印GL方向)に回転させることができる。よって、第113実施形態では、傾倒半回転位置(即ち、変位ユニットG426の第2装飾面G426bを正面側(矢印F方向側)に向けた状態で変位ユニットG426が連結棒G421dを軸として回転して、変位ユニットG426が起立位置に向かって変位されることを抑制できる。これにより、第113実施形態では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426を傾倒させた状態から起立させる場合にその起立された態様を同一にすることができる。即ち、第111実施形態における花回転ユニットG400のように、変位ユニットG426が第2装飾面G426bを正面側に向けた状態で起立位置に変位することを抑制するために従動ギヤG848と検出センサG814とで、第1装飾ユニットG420の回転位置を検出する必要がなくなるので、第113実施形態では、従動ギヤG848及び検出センサG814を不要とすることができる。さらに、検出センサG814の検出による制御を不要とすることができるので、従動ギヤG848及び検出センサG814を不要とすることで製造コストを低下できるだけでなく、花回転ユニットG400の制御を簡易にできる。その結果、花回転ユニットG400の変位を安定させやすくできる。
次いで、図1717を参照して、第114実施形態における花回転ユニットG400について説明する。上記第111実施形態では、従動ギヤG848及び検出センサG814が配設される場合について説明したが、第114実施形態では、従動ギヤG848及び検出センサG814が取り外される場合について説明する。なお、第114実施形態では、第111実施形態における花弁動作装置G800から従動ギヤG848及び検出センサG814を取り外しただけであるので、第111実施形態と同一の符号を付してその説明は省略する。図1717(a)は、第114実施形態における花回転ユニットG400の正面図であり、図1717(b)は、図1717(a)のMCMXLb線における花回転ユニットG400の断面図である。上記したように、第111実施形態における従動ギヤG848及び検出センサG814は、軸部G427を中心とする第1装飾ユニットG420の回転位置を検出するためのものであり、この検出により第111実施形態では、第2装飾面G426bを正面側に向けた姿勢で起立位置に変位されることが抑制される。第114実施形態では、上述したように従動ギヤG848及び検出センサG814が取り外されるので、図1717(a)及び図18353(b)に示すように、変位ユニットG426の第2装飾面G426bを正面側(矢印F方向側)に向けた状態(即ち、変位ユニットG426を傾倒半回転位置に配置した状態)で変位ユニットG426を起立位置に変位させることができる。なお、変位ユニットG426を傾倒半回転位置から起立位置に変位させる駆動については、変位ユニットG426を傾倒基準位置から起立位置に変位させる駆動と同じであるため、その詳しい説明は省略する。図1717(a)及び図18353(b)に示すように、変位ユニットG426が傾倒半回転位置から起立位置に変位された場合には、第2装飾面G426bを軸GO側に向けた姿勢で配置される。ここで、変位ユニットG426は、第1装飾面G426a側を中心に湾曲する板状に形成されるので、第2装飾面G426bを軸GO側に向けた姿勢で配置される場合には、変位ユニットG426の軸GOを中心とする周方向の両端が軸GOから径方向外側に離間する方向に湾曲した状態で配設される。従って、傾倒基準位置から起立位置に変位された場合と正面視における態様を変更することができる。その結果、第114実施形態では、起立位置における第1装飾ユニットG420の配設態様を複数形成することができ、第1装飾ユニットG420による演出効果を向上できる。また、変位ユニットG426は、第1装飾面G426a,第2装飾面G426b,第1端面G426cに金や銀等の反射率の高い装飾が施されるので、傾倒基準位置から起立位置に変位ユニットG426が変位された態様と、傾倒半回転位置から起立位置に変位ユニットG426が変位された態様とで、変位ユニットG426により光が反射される方向を変更することができる。詳しく説明すると、傾倒基準位置から起立位置に変位ユニットG426が変位された態様では、変位ユニットG426の第1装飾面G426aが軸GOを中心とする周方向に湾曲した態様で配置されるので、基板部材G440から発光され第1固定ユニットG450及び第2固定ユニットG470を介して変位ユニットG426に照射される光を軸GO側に向けて反射させることができる。その結果、第2装飾ユニットG480を介して正面側に出射される光の光量を多くすることができ、花回転ユニットG400が縮小状態(変位ユニットG426が起立位置に配置された場合)でも花回転ユニットG400に注目させやすくできる。一方、傾倒半回転位置から起立位置に変位ユニットG426が変位された態様では、第2装飾面G426bの正面視における周方向の両端が軸GOから径方向に離れる方向に湾曲した態様で配置されるので、基板部材G440から発光され第1固定ユニットG450及び第2固定ユニットG470を介して変位ユニットG426に照射される光を花回転ユニットG400の外側へ向けて反射させることができる。これにより、花回転ユニットG400の外側に配設される他の部材に花回転ユニットG400の基板部材G440から出射される光を照射することができる。例えば、張出位置で花回転ユニットG400を取り囲む態様で配設される円環形成ユニットG700(図1690参照)に花回転ユニットG400の基板部材G440から出射される光を照射することができる。その結果、花回転ユニットG400以外(円環形成ユニットG700)の演出効果を向上させることができる。
次いで、図1718を参照して、第115実施形態における花回転ユニットG5400について説明する。上記第111実施形態では、第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が傾倒基準位置から起立位置に変位される場合について説明したが、第115実施形態では、第1装飾ユニットG5420の変位ユニットG5426がどの位置からであっても起立位置に変位可能とされる場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1718(a)及び図1718(b)は、第115実施形態における花回転ユニットG5400の正面図である。なお、図1718(a)では、変位ユニットG5426が起立位置に変位された状態の花回転ユニットG5400が図示され、図1718(b)では、変位ユニットG5426が傾倒位置に変位された状態の花回転ユニットG5400が図示される。図1718に示すように、第115実施形態における花回転ユニットG5400は、背面側(矢印B方向側)に配設される第1回転ベースG410と、その第1回転ベースG410の正面視における周囲を取り囲む態様で第1回転ベースG410の周囲に複数個配設される第1装飾ユニットG5420と、第1回転ベースG410の正面側(矢印F方向側)に配設される花弁側伝達部材G430と、その花弁側伝達部材G430の正面側に配設される第1固定ユニットG450と、その第1固定ユニットG450の背面側に配設される基板部材G440と、第1固定ユニットG450の正面側に配設される第2回転ベースG5460と、第2回転ベースG460の正面側に配設される第2固定ユニットG470と、その第2固定ユニットG470の正面側に配設される第2装飾ユニットG480とを主に備えて形成される。第1装飾ユニットG5420は、ギヤ歯が形成される回転ギヤG421と、その回転ギヤG421に連結される第1継手部材G422と、その第1継手部材G422に配設される変位ユニットG5426と、第1継手部材G422と変位ユニットG426との間に配設される第2継手部材G423と、その第2継手部材G423に配設される伝達部材G424と、その伝達部材G424に配設される被摺動部材G425とを主に備えて形成される。変位ユニットG5426は、6角形の柱状に形成され、柱状に形成された一端側の中央部に軸部G427が連結される。また、6角形の柱状に形成される変位ユニットG5426の外周面には、6面のそれぞれに異なる文字が装飾される。なお、異なる文字とは、例えば、「チャンス」、「激熱」、「もしかしたら・・」、「期待度50パーセント」等の大当たりの期待度を表現するものである。また、文字に限らず異なる絵柄や色をそれぞれ6面に装飾されるものであっても良い。第2回転ベースG5460は、正面視略円環状に形成される円盤部G461と、その円盤部G461の内周縁に沿って正面側(矢印F方向側)に向かって立設される正面側立設部G5462と、その正面側立設部G5462及び円盤部G461の内周面に刻設される複数の歯G463と、円盤部G461の外周縁に沿って背面側(矢印B方向側)に向かって立設される背面側立設部G464と、その背面側立設部G464の立設先端部の一部の複数個所から背面側に向かって突出される螺子締結部G465とを主に備えて形成され、全体が光を透過可能な樹脂材料から形成される。正面側立設部G5462は、外周面に周方向に沿って連続して形成される係合凹部G462aを備える。係合凹部G462aは、第2固定ユニットG470の係合片G477bが係合される部分であり、外周面側から径方向内側に向かって凹設され、その凹設面が周方向の一方側と他方側とで異なる形状に形成される。
次いで、第1装飾ユニットG5420が軸GOを中心に正面視右回り(矢印GR方向)に回転される場合について説明する。なお、第115実施形態における第1装飾ユニットG5420の変位ユニットG5426が起立位置から傾倒位置に変位する駆動は、第111実施形態における第1装飾ユニットG420の変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置に変位する駆動と同じであるため、その詳しい説明は省略する。第1装飾ユニットG5420が軸GOを中心に正面視右回りに回転される場合には、第111実施形態における第1装飾ユニットG420と同様に、第1装飾ユニットG5420の回転ギヤG421が正面側ベース部材G810の刻設部G811aに歯合することで、軸部G427を軸として回転される。即ち、6角形の柱状に形成される変位ユニットG5426の外周面の装飾を切り替えながら変位される。一方、第1装飾ユニットG5420の変位ユニットG5426を傾倒位置から起立位置に変位させるために、駆動モータG830の駆動の方向を反対方向に切り替えた場合には、正面側立設部G5462に係合凹部G462aが連続して形成されることにより、第2回転ベースG5460の軸GOを中心とする正面視左回り(矢印GL方向)の回転が規制される。これにより、駆動モータG830の駆動の方向を反対方向に切り替えた位置で、変位ユニットG5426を傾倒位置から起立位置に変位させることができる。従って、第115実施形態では、変位ユニットG5426のそれぞれの外周面に装飾される装飾を所定の外周面に切り替えた状態のまま起立位置に変位ユニットG5426を変位させることができる。その結果、起立位置における態様を複数形成することができ、第1装飾ユニットG5420の変位による演出効果を向上できる。なお、第115実施形態では、第1装飾ユニットG5420が軸GOを中心に正面視右回りに回転されて、正面視における変位ユニットG5426の装飾面が切り替えられる場合に、係合片G477bが隣りの係合凹部G462aに係合する位置に配置されるように構成される。これにより、所定の装飾面を正面側に向けた状態に変位ユニットG5426が変位された場合に、その位置で変位ユニットG5426を傾倒位置から起立位置に変位させることができる。
次いで、図1719を参照して、第116実施形態における第1装飾ユニットG6420について説明する。上記第111実施形態では、変位ユニットG426が起立位置から傾倒基準位置に変位される場合に、その回転軸からの変位ユニットG426の距離が一定(変わらない)状態とされる場合について説明したが、第116実施形態における変位ユニットG6426は、起立位置から傾倒基準位置に変位される場合に、その回転軸からの変位ユニットG5426の距離が変化される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1719(a)は、第116実施形態における第1装飾ユニットG6420の側面図であり、図1698(a)のMCMXXVI方向視における側面図と対応し、図1719(b)は、第1装飾ユニットG6420の分解正面斜視図であり、図1720(a)及び図18356(b)は、第1装飾ユニットG6420の側面図である。なお、図1720(a)及び図18356(b)では、第1装飾ユニットG6420の変位ユニットG6426が傾倒基準位置まで変位される際の遷移状態が順に図示される。また、図1719(a)、図1720(a)、及び、図1720(b)では、花弁側伝達部材G430(図1704(a)参照)の摺動溝G431aの内側端部G431a1及び外側端部G431a2の位置が2点鎖線で図示される。図1719(a)及び図18355(b)に示すように、第116実施形態における第1装飾ユニットG6420は、ギヤ歯が形成される回転ギヤG421と、その回転ギヤG421に連結される第1継手部材G422と、その第1継手部材G422に配設される変位ユニットG6426と、変位ユニットG6426の一部を挟持した状態で配設される第2継手部材G6423と、その第2継手部材G6423に配設される伝達部材G424と、その伝達部材G424に配設される被摺動部材G425とを主に備えて形成される。第2継手部材G6423は、伝達部材G424と変位ユニットG6426とを連結するための部材であり、矩形の立方体から形成される。また、第2継手部材G6423は、異なる方向に貫通する第1貫通孔G423a及び第2貫通孔G423bと、第2貫通孔G423bに連通するように側面を凹設して形成される凹設部G6423cとを備える。なお、第1貫通孔G423aと第2貫通孔G423bとは、互いにずれた位置に形成される。
凹設部G6423cは、後述する変位ユニットG6426の連結部G6426dが挿入される部分であり、連結部G6426dの厚みに対して少し幅が広い溝状に形成される。また、凹設部G6423cは、第2貫通孔G6423bを上下に分断する位置まで凹設される。変位ユニットG6426は、湾曲する板状に形成され、その湾曲する内側(矢印L方向側)の第1装飾面G426aと、その第1装飾面G426aと反対側(矢印R方向側)の側面の第2装飾面G426bと、第1装飾面G426aと第2装飾面G426bとの正面側(矢印F方向側)の端部同士を繋ぐ第1端面G426cと、その第1端面G426cの反対側(矢印B方向側)に形成され、第2継手部材G6423の凹設部G6423cに挿入される連結部G6426dとを主に備える。連結部G6426dは、側面視略L字に形成されると共に、第2継手部材G6423の凹設部G6423cに挿入される部分に軸部G6427を挿入可能な大きさに形成される摺動孔G6426d1を備える。なお、連結部G6426dが、凹設部G6423cに挿入される(凹設部G6423cの内側面に挟まれる)ことで、第2継手部材G6423が軸部G6427に対して摺動変位した場合に、その第2継手部材G6423の変位に伴って変位ユニットG6426を変位させことができる。軸部G6427は、金属製の棒部材から形成されると共に、その断面の一部が切り欠かれ断面がD字状に形成される。また、軸部G6427は、第1継手部材G422の凹部G422a1に一端が連結可能に構成されると共に、第2継手部材G6423の第2貫通孔G6423b及び連結部G6426dの摺動孔G6426d1に挿入可能に形成される。なお、摺動孔G6426d1は、軸部G6427の断面形状と同一のD字状に形成されると共に、軸部G6427の外形よりも若干大きく形成される。これにより、軸部G6427の軸方向に沿って変位ユニットG6426を摺動させることができると共に、軸部G6427が軸回りに回転される場合には、その回転に伴って変位ユニットG6426を回転させることができる。一方、第2継手部材G6423の第2貫通孔G423bは、軸部G6427の外形よりも大きい円形状の貫通孔として形成される。これにより、軸部G6427の軸回りに第2継手部材G6423を回転させることができると共に、軸部G6427の軸方向に沿って第2継手部材を摺動させることができる。
次いで、図1720を参照して、第116実施形態における第1装飾ユニットG6420の傾倒基準位置までの変位について説明する。図1720(a)に示すように、第116実施形態における変位ユニットG6426は、摺動部G425aが摺動溝G431aの外側端部G431a2まで変位する手前で、第1装飾面G426aが正面側(矢印F方向側)に向けられた姿勢とされる。図1720(b)に示すように、図1720(a)に示す位置から摺動部G425aが摺動溝G431aの外側端部G431a2まで変位される場合には、第2継手部材G6423が軸部G6427の軸方向に押し出されることで、第2継手部材G423が軸部G6427の軸方向に沿って変位される。そして、変位ユニットG6426は、第2継手部材G6423の凹設部G6423cに収容されるので、第2継手部材G6423の変位に伴って軸部G6427の軸方向に沿って変位される。即ち、第116実施形態における第1装飾ユニットG6420は、変位ユニットG6426が第2装飾ユニットG480の正面視外方側(軸GO側)を向く状態(縮小状態)から変位ユニットG426が正面側を向く状態(拡大状態)とされた後、第2装飾ユニットG480の正面視外方へ変位可能に構成されるので、第1装飾ユニットG420の正面視における大きさを拡大状態よりも更に大きく見せることができる。よって、正面視における視覚上の大きさの変化をより大きくできる。
次いで、図1721(a)を参照して、第117実施形態における上側装飾ユニットH7014aについて説明する。上記第111実施形態では、第1連通路H300Cが上側装飾ユニットH14aの上方側に形成される場合について説明したが、第117実施形態における上側装飾ユニットH7014aでは、第1連通路H7300Cが上側装飾ユニットH7014aの下方側に形成される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1721(a)は、第117実施形態における上側装飾ユニットH7014aの断面模式図であり、図1625のMDCCCXLIXa線における断面に対応する。なお、図1721(a)では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1721(a)に示すように、第117実施形態における上側装飾ユニットH7014aは、本体枠H14d(図1617参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH7320とを主に備える。化粧ユニットH7320は、第111実施形態における装飾ユニットH330(図1621参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH330と、その装飾ユニットH330の内側に配設される発光ユニットH7340及び一対の音伝達ユニットH350とを主に備える。発光ユニットH7340は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に締結固定される取付部材H341と、その取付部材H341の背面側に配設される基板部材H342と、基板部材H342との背面側を覆う覆設部材H7343とを主に備える。覆設部材H7343は、基板部材H342の背面側(矢印B方向側)を覆う部材であり、正面視における外形が基板部材H342よりも大きく形成され、背面側から挿通される螺子により取付部材H341に締結される。また、覆設部材H7343は、正面視における中央部が背面側(矢印B方向側)に向かって膨出し、正面側(矢印F方向側)の中央部が開口する箱状に形成される。さらに、覆設部材H7343は、正面視における下方側(矢印D方向側)の側面から下方に向かって立設される区画壁H7343bを備え、上側装飾ユニットH7014aが組み立てられた状態において区画壁H7343bの先端部が下面板H333と当接される。なお、区画壁H7343bは、左右方向(矢印L-R方向)に延設されており、上側装飾ユニットH7014aが組み立てられた状態において区画壁H7343bの正面側と区画壁H7343bの背面側とが区画壁H7343bにより区画される。なお、第117実施形態における取付部材H341は、第111実施形態における取付部材H341よりも上方側(矢印U方向側)に配設され、正面板H331の外縁部H331bの上方側の内面と取付部材H341の上側縁部H341bとが当接した状態で配設される。即ち、第117実施形態では、第111実施形態における第1連通路H300Cが非形成とされる。一方、取付部材H341の下方側は、上側装飾ユニットH14aの下面板H333と、取付部材H341との間に上下方向(矢印U-D方向)に所定の隙間(第1連通路H7300C)を有した状態とされる。
また、上側装飾ユニットH14aの下面板H333と取付部材H341との間に形成される隙間は、正面側(矢印F方向側)が正面板H331の本体部H331aにより塞がれ、背面側(矢印B方向側)が覆設部材H7343の区画壁H7343bにより塞がれており、前後方向(矢印F-B方向)にも所定の隙間(第1連通路H7300C)を有した状態とされる。即ち、上側装飾ユニットH7014aの下方側には、左右方向(矢印L-R方向)に延設される第1連通路H7300Cが形成される。第1連通路H7300Cは、左右方向(矢印L-R方向)に延設される両端が、スピーカーカバーH27の正面側(矢印F方向側)に形成される第1空間H300A(装飾ユニットH330、発光ユニットH7340、音伝達ユニットH350で囲まれた空間)に連通される。これにより、一対のスピーカーカバーH27の正面側に形成されるそれぞれの第1空間H300Aが、第1連通路H7300Cにより連通される。従って、それぞれのスピーカーH312aから正面側(矢印F方向側)に向かって放音(出力)され、スピーカーカバーH27の貫通孔を介してスピーカーカバーH27の正面側の第1空間H300Aに放音される音を、第1連通路H7300Cを介して隣の第1空間H300AのスリットH331a1又は放音用開口部H333bから上側装飾ユニットH7014aの外側に放音することができる。即ち、一方側に配設されるスピーカーH312aから放音(出力)される音を他方側に配設されるスピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)に迂回させて上側装飾ユニットH14aから放音することができるので、一対のスピーカーH312aのどちらか一方側が破損した場合でも、他方側のスピーカーH312aから放音される音を上側装飾ユニットH14aの両側から放音させることができる。その結果、一対のスピーカーH312aのどちらか一方側が破損した場合でも、遊技者が違和感を感じることを抑制でき、遊技者が遊技を行わなくなることを抑制できる。また、第117実施形態では、第1連通路H7300Cに放音用開口部H333bが形成されるので、第1連通路H7300C内を伝達される音を放音用開口部H333bから放音させやすくできる。即ち、放音用開口部H333bから放音される音を第1連通路H7300C内に伝達された音にできるので、第111実施形態のように、第1連通路H300Cと異なる位置に放音用開口部H333bが形成される場合に比べて、放音用開口部H333bから放音される音を大きくすることができる。その結果、遊技者にスピーカーH312aの音を聞かせやすくできる。さらに、第117実施形態では、第1連通路H7300Cと第2連通路H300Dとが、下面板H333の区画壁H333cと覆設部材H7343の区画壁H7343bとにより、前後に所定の空間を隔てて配設される。即ち、上側装飾ユニットH7014aの下面板H333に沿って形成される第1連通路H7300Cと第2連通路H300Dとが前後方向に所定の隙間を有して形成される。これにより、区画壁H333cが振動して伝わる音が第1連通路H7300C内に伝達されることを抑制できると共に、区画壁H7343bが振動して伝わる音が第2連通路H300D内に伝達されること抑制できる。その結果、第1連通路H7300C及び第2連通路H300D内を伝達して上側装飾ユニットH7014aの外側に放音される音が小さくなることを抑制できる。なお、第117実施形態では、上側装飾ユニットH7014aの下面板H333に沿って形成される第1連通路H7300Cと第2連通路H300Dとが前後方向に所定の隙間を有して形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1連通路H7300Cと第2連通路H300Dとを隣り合う状態で配設しても良い。
次いで、図1721(b)を参照して、第118実施形態における上側装飾ユニットH8014aについて説明する。上記第111実施形態では、第2連通路H300D内を伝達される音が検出用開口から形成される場合について説明したが、第118実施形態における上側装飾ユニットH8014aでは、第2連通路H300D内を伝達される音が、第2放音用開口部H8333dを介して放音される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1721(b)は、第118実施形態における上側装飾ユニットH8014aの断面模式図であり、図1625のMDCCCXLIXa線における断面に対応する。なお、N10(b)では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1721(b)に示すように、第118実施形態における上側装飾ユニットH8014aは、本体枠H14d(図1617参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH8320とを主に備える。化粧ユニットH8320は、第111実施形態における装飾ユニットH330(図1621参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH8330と、その装飾ユニットH8330の内側に配設される発光ユニットH340及び一対の音伝達ユニットH350(図1621参照)とを主に備えて形成される。装飾ユニットH8330は、ベースユニットH310(図1620参照)の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(上面板H332、下面板H333、及び、左面板H334を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される上面板H332と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H8333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の縁部に沿って配設され上面板H332及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H334と、正面板H331の中央部正面側に配設される装飾板H335とを主に備える。下面板H8333は、上側装飾ユニットH14aの下面を構成する部分であり、正面側(矢印F方向側)から背面側(矢印B方向側)に向かうに連れて上方側(矢印U方向側)に傾斜する状態で正面板H331に配設される。言い換えると、下面板H8333は遊技盤H13(ベースユニットH310)から正面側に向かって離れるほど下方側(矢印D方向側)に張り出す状態で配設される。これにより、正面板H331の正面視における外形(特に上下方向の大きさ)を大きくした場合であっても、遊技盤H13の遊技領域が小さくなることを抑制できる。よって、遊技盤H13の遊技領域を確保したまま、正面板H331の装飾性(意匠性)を向上(正面板H331の装飾可能な領域を大きく)できる。
また、下面板H8333は、正面側(矢印F方向側)の縁部に沿って複数位置に開口される放音用開口部H333bと、背面側(矢印B方向側)の縁部に沿って複数位置に開口される第2放音用開口部H8333dと、それら検出用開口部H333a及び第2放音用開口部H8333dの間の位置に上方側に向かって突設され、それら検出用開口部H333a及び放音用開口部H333bの間の位置に上方側に向かって立設される区画壁H333cとを備える。第2放音用開口部H8333dは、スピーカーH312aの背面側(矢印F方向側)から放音され、第2連通路H300D内を伝達される音をガラスユニットH16の正面側(上側装飾ユニットH14aの下方側)に放音して、正面側からスピーカーH312aの音が遊技者に伝達されるようにするための開口であり、下面板H8333の第2連通路H300Dを形成する領域に形成される。また、第2放音用開口部H8333dは、放音用開口部H333bよりも下面板H8333の左右方向(矢印L-R方向)の中央側に形成される。これにより、放音用開口部H333bから放音される音と、第2放音用開口部H8333dから放音される音とが混ざり合うことを抑制できる。その結果、第2放音用開口部H8333dから放音される音を遊技者に聞かせやすくできる。なお、第118実施形態においては、下面板H8333に検出用開口部H333aが形成されない場合について説明したが、下面板H333に検出用開口部H333aが形成されていても良い。この場合には、検出用開口部H333aの立設部H333a1に検出装置H313を当接した状態で配設して、検出用開口部H333aから第2連通路H300D内を伝達される音が漏れ出ないようにすることが好ましい。また、第2放音用開口部H8333dを下面板H8333の中央部の1箇所に形成しても良い。この場合、左右のスピーカーH312aの背面側から放音され第2連通路H300D内を伝達される音を混ぜて第2放音用開口部H8333dから上側装飾ユニットH8014aの外側へ放音することができる。その結果、第2放音用開口部H8333dから放音される音を左右で均一の音量で遊技者に聞かせやすくでき、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
次いで、図1722~図1724を参照して、第119実施形態における上側装飾ユニットH9014aについて説明する。上記第111実施形態では、第1連通路H300Cが閉じた通路として形成される場合について説明したが、第119実施形態における上側装飾ユニットH9014aでは、第1連通路H300Cが閉じた状態から開放される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。初めに、図1722を参照して、第119実施形態における上側装飾ユニットH9014aの全体構成について説明する。図1722は、第119実施形態における上側装飾ユニットH9014aの分解背面斜視図である。図1722に示すように、第119実施形態における上側装飾ユニットH9014aは、本体枠H14d(図1617参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH9320とを主に備える。化粧ユニットH9320は、第111実施形態における装飾ユニットH330(図1621参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH9330と、その装飾ユニットH9330の内側に配設される発光ユニットH340及び一対の音伝達ユニットH350とを主に備えて形成される。装飾ユニットH9330は、ベースユニットH310の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(上面板H332、下面板H333、及び、左面板H334を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される上面板H9332と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設され、上面板H9332及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H9334と、正面板H331の右側(矢印R方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側に隣り合う位置に配設され、上面板H9332及び下面板H333の右側(矢印R方向側)端部を連結する右面板H9336と、上面板H9332を変位させる駆動力を付与する駆動ユニットH9337とを主に備える。上面板H9332、下面板H333、左面板H9334、及び、右面板H9336は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に、発光ユニットH340及び音伝達ユニットH350を配設するための空間を形成(区画)するための部材であり、正面板H331の縁部に沿う形状に形成されると共に、上面板H9332及び下面板H333の両端がそれぞれ左面板H9334及び右面板H9336により連結される。上面板H9332は、左右方向(矢印L-R方向)両端部に下方側に向かって延設される側面板H9332dと、それら一対の側面板H9332dの対向間に配設される網部材H9332eと、背面側(矢印B方向側)の左右方向(矢印L-R方向)両外側から円柱状に突出される軸部H9332fとを主に備える。なお、第119実施形態における上面板H9332には、第111実施形態における上面板H332の正面側凸部H332a、背面側凸部H332b、及び、締結部H332cが非形成とされる。これにより、第119実施形態では、上面板H9332を正面板H331に対して回転させることが可能となる。側面板H9332dは、上面板H9332が後述する軸部H9332fを軸として回転された際にその回転を案内すると共に上面板H9332の左右方向(矢印L-R方向)の側面を塞ぐ板状の部材であり、上面板H9332の左右両側の端部から軸部H9332fを軸とする回転軌跡に沿って下方側に向かって延設される。これにより、一対の側面板H9332dの対向間に空間H9332d2(図1724(b)参照)が形成される。また、一対の側面板H9332dの一方側の対向面には、駆動ユニットH9337の駆動力が伝達されるピン部H9332d1(図1724参照)が他方側の側面板H9332dに向かって円柱形状に突設される。ピン部H9332d1に駆動ユニットH9337の連結部材H9337bが連結されることで、駆動ユニットH9337の駆動力により上面板H9332を軸部H9332fを軸として回転させることができる。
網部材H9332eは、上面板H9332を回転させた際に上側装飾ユニットH9014a(側面板H9332dの対向間の空間H9332d2)に不正な部材が挿入されることを抑制する部材であり、一対の側面板H9332dを繋ぐ状態で側面板H9332dの正面側縁部に沿って配設される。なお、網部材H9332eは、パンチングメタルや網状に編み込んだ金属材料から形成され、その金属材料の開口を介して網部材H9332eの音の通過が許容される。また、網部材H9332eは、側面板H9332dに締結固定されており、上面板H9332の変位に伴って変位可能とされる。軸部H9332fは、後述する左面板H9334及び右面板H9336に形成される被軸支部H9334a,H9336aに軸支される。これにより、上面板H9332は、軸部H9332fを中心に回転可能な状態で左面板H9334及び右面板H9336に配設される。なお、上面板H9332の回転についての詳しい説明は後述する。左面板H9334は、上述したように、正面板H331の背面側に連なる形状に形成されると共に、上面板H9332の右側の軸部H9332fを軸支する被軸支部H9334aを備える。また、右面板H9336も同様に、正面板H331の背面側に連なる形状に形成されると共に、上面板H9332の左側の軸部H9332fを軸支する被軸支部H9336aを備える。これにより、上面板H9332を回転可能な状態で上側装飾ユニットH9014aに配設できる。なお、一対の被軸支部H9334a,H9336aは、背面側が開放される形状に形成されており、上面板H9332は、左面板H9334及び右面板H9336を正面板H331に配設した後で、軸部H9332fを被軸支部H9334a,H9336aに挿入することで配設される。駆動ユニットH9337は、上面板H9332を回転させる駆動力を発生させるソレノイドH9337aと、そのソレノイドH9337aに連結される連結部材H9337bとを主に備え、ソレノイドH9337aの駆動力により連結部材H9337bを上下方向に変位可能に配設される。なお、上面板H9332を駆動するソレノイドH9337a(その他装置H228(図1619参照))は、音声ランプ制御装置H113の入出力ポートH225に接続され、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて駆動される。連結部材H9337bは、柱状体の背面側の一部を切り欠いたコ字状に形成され、その切り欠かれた内側に上面板H9332のピン部H9332d1が収容可能に構成される。なお、連結部材H9337bは、背面側が切り欠かれるので、上面板H9332を左面板H9334及び右面板H9336の対向間に背面側から挿入して配設する際に、ピン部H9332d1を連結部材H9337bの切り欠き部分に収容することができる。
次いで、図1723及び図1724を参照して、第119実施形態における上面板H9332の変位について説明する。図1723(a)及び(b)は、上側装飾ユニットH9014aの正面図であり、図1724(a)は、図1723(a)のMCMXLVIIa線における上側装飾ユニットH9014aの断面模式図であり、図1724(b)は、図1723(b)のMCMXLVIIb線における上側装飾ユニットH9014aの断面模式図である。なお、図1723(a)及び図1724(a)では、上面板H9332が正面板H331に対して閉じた状態が図示され、図1723(b)及び図1724(b)では、上面板H9332が正面板H331に対して開放された状態が図示される。なお、図1723及び図1724では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1723(a)及び図1724(a)に示すように、ソレノイドH9337aの軸が引き込まれた状態では、上面板H9332の上面が正面板H331の上面と略面一となる位置に配設される。即ち、上面板H9332が正面板H331に対して閉じた位置に配置される。これに対し、図1723(b)及び図1724(b)に示すように、ソレノイドH9337aの軸が突出された状態では、連結部材H9337bの移動に伴って、上面板H9332のピン部H9332d1が連結部材H9337bの切り欠き内部を摺動しつつ上方に変位される。これにより、上面板H9332は、軸部H9332fを軸として回転され、網部材H9332eが配設される正面側(矢印F方向側)が上方に向けて変位される。これにより、網部材H9332e(空間H9332d2)が上側装飾ユニットH9014aの上方側に突出した状態とされ、正面板H331と取付部材H341との間の隙間により形成される第1連通路H300Cが網部材H9332eの開口を介して開放(空間H9332d2を介して外部空間と連通される)される。これにより、スピーカーH312aの正面側(矢印F方向側)から放音され、第1連通路H300C内を伝達される音を網部材H9332eの開口(空間H9332d2)を介して上側装飾ユニットH9014aの外側に放音することができる。即ち、第119実施形態では、第1連通路H300Cの上方側を上面板H9332により塞いで第1空間H300A(図1626参照)同士を第1連通路H300Cで連通する態様と、第1連通路H300Cの上方側を開放して上側装飾ユニットH9014aの上方側からパチンコ機H10(図1610参照)の外部空間に第1連通路H300Cに伝達される音を放音する態様とを形成できる。従って、第1連通路H300Cを開放した通路として、上側装飾ユニットH9014aの上方側から放音する態様とした場合には、音の放射角度を大きくすることができる。その結果、音による演出態様を複数形成できるので、音による演出効果を高めることができる。なお、第119実施形態では、第1連通路H300Cの上方側を上面板H9332により塞いだ場合には、第1連通路H300Cの両端部に側面板H9332dが配設されるが、第1空間H300A(図1626参照)から第1連通路H300Cに向かって放音される音は、第1連通路H300Cと側面板H933dとの間に形成される隙間を介して第1連通路H300Cに伝達される。また、第1連通路H300Cの開放とは、空間H9332d2の上方への突出面積(開口面積)が、少なくとも組立時の部品同士の隙間により生じる開口面積(最小の隙間)よりも、3倍以上とされることが好ましく、3倍以上の開口面積とされることで第1連通路H300Cから空間H9332d2を介して音を好適に放音できるからである。
さらに、網部材H9332eは、第1連通路H300Cが閉鎖状態とされる際に第1連通路H300Cの正面側に沿って配設され、第1連通路H300Cが開放された際に、空間H9332d2の正面側に配置される。これにより、不正部材が第1連通路H300Cの内部に挿入されることを抑制しつつ、網部材H9332eの開口を介して第1連通路H300Cと外部空間とを連通させることができる。また、第119実施形態では、上面板H9332の変位により第1連通路H300Cが開放される際に、第1連通路H300Cの開放幅(空間H9332d2の上方への突出幅)が変化するので、空間H9332d2から放音される音の態様を上面板H9332の変位に応じて変位させることができる。即ち、第1連通路H300Cの開放幅を変更して空間H9332d2から出る音の音域や音量を変更することができる。その結果、音による演出効果を高めることができる。さらに、第119実施形態では、図1723(a)及び図1724(a)に示すように第1連通路H300Cを閉じた通路とする場合に、上面板H9332を区画壁H343bに当接した状態とされる一方、図1723(b)及び図1724(b)に示すように第1連通路H300Cを開放した場合に、上面板H9332を区画壁H343bから離間した状態とされる。これにより、第1連通路H300Cを開放した場合には、第1連通路H300Cを閉じた通路とする場合に対して、上側装飾ユニットH9014aの剛性を低下させることができる。この剛性の変化により上側装飾ユニットH9014aの内部に配設されるスピーカーH312a(図1620参照)から放音され、上側装飾ユニットH9014aの外部に出力される音の態様を変化させることができる。即ち、スピーカーH312a(図1620参照)の音量を変更するだけでは、上側装飾ユニットH9014aから放音される音の態様の変化が乏しくなるところ、第119実施形態における上側装飾ユニットH9014aでは、上側装飾ユニットH9014a(区画壁H343b)に対する上面板H9332の当接状態を変化させることで、スピーカーH312aの音量を一定とした場合でも、上側装飾ユニットH9014aの剛性の変化に伴い、上側装飾ユニットH9014aから出力される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。ここで、出力される音の態様の変化について詳しく説明する。上面板H9332を区画壁H343bに当接した状態とされる場合には、上側装飾ユニットH9014aの剛性を高めることができるので、上側装飾ユニットH9014aの内部を音が伝わりやすくして音を装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図1620参照),放音用開口部H333b(図1622参照),検出用開口部H333a(図1623参照))から放音させやすくできる。一方、上面板H9332を区画壁H343bから離間した状態とされる場合には、上側装飾ユニットH9014aの剛性が低下するので、上側装飾ユニットH9014aの内部を音が伝わりにくくできる。これにより、装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図1620参照),放音用開口部H333b(図1622参照),検出用開口部H333a(図1623参照))から放音される音の音量を小さくして、第1連通路H300Cの上方側から放音される音を遊技者に聞かせやすくできる。その結果、上側装飾ユニットH9014aの全体から音が放音されているように聞かせることができる。また、上面板H9332は、上側装飾ユニットH9014aの装飾面(外壁)の一部であるので、上面板H9332を変位させた際にその上面板H9332の変位前の空間を利用して音を放音することができる。これにより、上面板H9332を区画壁H343bから離間した状態とした際に、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
さらに、上面板H9332は、上面板H9332を区画壁H343bに当接した状態とされる場合に、スピーカーH312aが配設される配設空間H300Fを連通する第1連通路H300Cの上方側を塞ぐ壁部として構成されるので、第1連通路H300Cの上方側からスピーカーH312aの音を放音して上側装飾ユニットH9014aから放音される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。また、正面視において上面板H9332は、2箇所に配設されるスピーカーH312aの間に配設される、即ち、2箇所のスピーカーH312aの間で上面板H9332と区画壁H343bとの当接状態が変化されるので、スピーカーH312aから出力される音の態様を変化させやすくできる。言い換えると、2箇所のスピーカーH312aの音の出力態様に変化を与えやすい領域(正面視における間の位置)に上面板H9332が配設されるので、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。さらに、上面板H9332は、背面側に形成される軸部H9332fを中心に回転可能な板状体として構成されるので、区画壁H343bから離間させた際に上側装飾ユニットH9014aとの当接面積を最小とすることができる。即ち、軸部H9332f以外の領域を非当接とすることができるので、上側装飾ユニットH9014aの剛性を低くしやすくできる(上側装飾ユニットH9014aの剛性の変化を大きくできる)。これにより、上側装飾ユニットH9014aから放音される音の態様を変化させやすくできる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。なお、第1連通路H300Cを閉じた通路とする状態と、第1連通路H300Cを開放した通路とする状態の切り替えは、遊技者のボタン部H181(図1610参照)の操作に連動して行われる。即ち、操作ユニットH180(図1610参照)のボタン部H181の操作(入力)を各種スイッチH208(図1619参照)で検出し、その検出結果に基づき上面板H9332を変位させる信号を音声ランプ制御装置H113からその他装置H228(上面板H9332を変位させるソレノイドH9337a(図1619参照))を出力するように構成される。よって、ボタン部H181(図1610参照)が操作された場合に上面板H9332が変位されるので、音の放音態様が変化されるタイミングをボタン部H181の操作と関係付けることができる。その結果、操作ユニットH180(図1610参照)の操作による演出効果を向上でき、遊技者の興趣を向上できる。なお、第119実施形態における放音態様の変化は、ボタン部H181(図1610参照)の操作に限られるものではなく、例えば、パチンコ機H10(図1610参照)が第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図1615参照)へ入賞があったことを契機としてする抽選において大当たりとなった場合に、上面板H9332を変位させて第1連通路H300Cを開放することで音をパチンコ機H10から放音させやすくしても良い。
この場合には、大当たりとなった場合に、第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図1610参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に大当たり中の遊技に注目させやすくできる。一方、非大当たり時(抽選が外れ、又は、抽選中)では、第1連通路H300Cを閉じた通路とすることで、遊技者が無駄にパチンコ機H10(図1610参照)に注目することを抑制して、店内放送の音や、他のパチンコ機H10(例えば隣りのパチンコ機H10)の音を遊技者に聞かせやすくできる。なお、この場合には、第1空間H300A(図1626(a)参照)から第1連通路H300Cに伝達される音どうしが打ち消し合うように第1連通路H300Cの通路幅、第1連通路H300Cの通路長さを設定して、第1連通路H300Cが閉じられた通路とされる場合にパチンコ機H10から放音される音を小さくしても良い。また、大当たりでなく、所定の(例えば、大当たりの期待度が高い)リーチ演出がされる場合に、第1連通路H300Cを開放して、遊技者にリーチ演出を注目させやすくしても良い。さらに、第119実施形態における放音態様の変化は、所定の入球(例えば、第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図1615参照)への球の入球)や操作ハンドルH51(図1610参照)の操作がされる場合に、第1連通路H300Cを閉じた通路とした状態から上面板H9332を変位させて第1連通路H300Cを開放することで音をパチンコ機H10(図1610参照)から放音させやすくしても良い。この場合には、遊技者が遊技を開始する(遊技球を遊技領域に打ち出す、又は、その打ち出した遊技球を所定の入球口に入れる)場合に第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図1610参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に遊技中の音を聞こえやすくできると共に、遊技者が遊技をしていない(遊技球が遊技領域に打ち出されていない、又は、その打ち出された遊技球が所定の入球口に入っていない)他のパチンコ機H10(例えば隣りのパチンコ機H10)の音が遊技者に聞こえることを抑制できる。その結果、自身が遊技しているパチンコ機H10の演出を遊技者に注目させやすくできる。また、第119実施形態では、上面板H9332を変位させることで、第1連通路H300Cを開放する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上面板H9332を変位させることで、第1連通路H300Cの通路幅を変更するものであっても良い。例えば、第119実施形態では、上面板H9332に貫通孔を有する網部材H9332eが配設される場合について説明したが、網部材H9332eに変えて貫通孔を有していない板部材を上面板H9332(側面板H9332dの対向間)に配設するように構成してもよい。この場合には、上面板H9332を上方側に変位させた際に、上面板H9332が上側装飾ユニットH9014aの外側に変位する分、第1連通路H300Cの通路幅を変更(大きく)できる。この場合、音が伝達される通路の幅が変更されるので、第1連通路H300Cの通路幅を変更する前と後とで、第1連通路H300C内を伝達される音の音域を変更することがでる。その結果、遊技者に聞こえる音を変更することができ、遊技者の興趣を向上できる。また、第119実施形態における網部材H9332eに変えて貫通孔を有していない板部材を上面板H9332(側面板H9332dの対向間)に配設するように構成した場合には、上面板H9332が第1連通路H300Cの通路幅を狭める方向に変位された際に、上面板H9332が第1連通路H300Cの内部空間に配設され、上面板H9332が第1連通路H300Cを区画する(第1連通路H300Cの通路幅をなくす)ように構成しても良い。これによれば、一方の配設空間H300Fに配設されるスピーカーH312aから放音(出力)される音が、第1連通路H300Cを介して他方の配設空間H300Fの第1空間H300A(図1626(a)参照)に伝達される音の態様を上面板H9332の変位に応じて変化させることができる。その結果、スピーカーH312aの音による演出効果を高めることができる。さらに、上記第119実施形態では、第1連通路H300Cを閉じた通路として構成する場合に、上面板H9332を区画壁H343bに直接当接させる場合について説明したが、上面板H9332と区画壁H343bとの間に弾性体から構成される弾性体を配設しても良い。これによれば、第1連通路H300Cを閉じた通路とする場合に、上面板H9332を区画壁H343bに密着させることができる。よって、第1連通路H300Cを閉じた通路とした場合に上面板H9332と区画壁H343bとの間から音が漏れ出ることを抑制することができる。従って、第1連通路H300Cを閉じた通路とした場合と、第1連通路H300Cを開放した場合とで、上側装飾ユニットH9014aから放音される音の態様を変化させやすくできる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
次いで、図1725を参照して、第120実施形態における右側装飾ユニットH10014cについて説明する。上記第111実施形態では、スピーカーH312aの音による振動で屈曲部H452の上面に乗る異物を上面に沿って滑りやすく(移動させやすく)する場合について説明したが、第120実施形態では、ファンH10480の風による風圧で屈曲部H452の上面に乗る異物を上面に沿って滑りやすくする場合について説明する。初めに、図1725(a)を参照して、第120実施形態における右側装飾ユニットH10014cについて説明する。図1725(a)は、第120実施形態における右側装飾ユニットH10014cの分解正面斜視図である。図1725(a)に示すように、第120実施形態における上側装飾ユニットH10014aは、右側装飾ユニットH14cは、左右方向(矢印L-R方向)で重ね合わされる左重板ユニットH400L及び右重板ユニットH400Rと、それら重板ユニットH400L,H400Rが締結固定されると共に、本体枠H14d(図1617参照)に締結固定される上下に長尺な板状の支持板部H10410と、を主に備える。支持板部H10410は、組立状態において本体枠H14dの右側(矢印R方向側)の正面側(矢印F方向側)に配設される固定板H411と、その固定板H411の上下方向に延設された領域の正面側に配設される基板部材H412と、固定板H411の上端から左右方向に延設された領域の正面側に配設されるファンH10480と、を主に備える。ファンH10480は、内部に配設される羽を回転させて風を発生させる部材であり、上方向けて風を送れるように基板部材H412に配設される。また、ファンH10480は、外カバー部材H470の立設部H477及び第1外レンズ部材H450の屈曲部H452の下方に配置され(図1725(b)参照)、屈曲部H452の段差部に形成される貫通孔H452aに主に風を送ることができるように配置される。これにより、第120実施形態では、ファンH10480から送られる風を屈曲部H452の貫通孔H452aを通して屈曲部H452と立設部H477との対向間に送ることができる。
次いで、図1725(b)を参照して、屈曲部H452と立設部H477との対向間に送られる風について説明する。図1725(b)は、右側装飾ユニットH10014c及び上側装飾ユニットH14aの断面模式図である。なお、図1725(b)は、第111実施形態の図1634(b)における断面と対応する。また、図1725(b)では、ファンH10480から送られる風が矢印で模式的に図示される。図1725(b)に示すように、ファンH10480から送られる風は、主に、貫通孔H452aを介して屈曲部H452と立設部H477との対向間に送られる風と、貫通孔H452a内に送風されず上側装飾ユニットH14a側または右側装飾ユニットH14c側に送風される風とに分散される。貫通孔H452a内に挿通される風は、屈曲部H452及び立設部H477の間と、本体板部H451及び本体板部H471の間とに形成される異物の通路を通過して、主に上端開口部H473aから右側装飾ユニットH10014cの外部に送風されるように構成される。この風により、屈曲部H452の上面に乗る異物を上面に沿って滑りやすくして、異物を上端開口部H473aから排出しやすくできる。その結果、右側装飾ユニットH10014cの内部に異物が溜まることを抑制しやすくできる。即ち、第120実施形態では、空気を流動させるファンH10480を備えて、そのファンH10480により通路空間H400Aの空気を外カバー部材H470の本体板部H471と第1外レンズ部材H450の本体板部H451との間の隙間から離間する方向に流動させることができる。これにより、基端部H452cを流下する異物を開口部H473からパチンコ機H10の外部に排出しやすくできる。その結果、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH14cの立設部H477との境界から入った異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。また、貫通孔H452a内に挿通される風の一部は、屈曲部H452及び立設部H477の間を通過して、上面板H332と立設部H477との境界(連結部)の隙間から正面枠H14の外部に送風される。この風により、上面板H332と立設部H477との境界(連結部)の隙間に入り込もうとする異物を正面枠H14の外側に吹き飛ばすことができる。その結果、上面板H332と立設部H477との境界(連結部)の隙間から異物が上側装飾ユニットH14aの内部に侵入することを抑制できる。また、第120実施形態では、貫通孔H452a内に送風されず右側装飾ユニットH14c側に送風される風は、右側装飾ユニットH10014cの導光部材H440の周囲を通過して送風されるように構成される。上記したように、導光部材H440は、基板部材H412のLEDH412aの正面側(矢印F方向側)に配置される。従って、導光部材H440の周囲を通過する風を基板部材H412に当てることができる。これにより、LEDH412aの発光により基板部材H412に蓄えられる熱を冷ますことができる。その結果、基板部材H412が破損することを抑制できる。なお、第120実施形態では、ファンH10480の回転(送風)は、パチンコ機H10の電源投入時や、操作ハンドルH51のタッチセンサH51aが所定期間操作されていない場合に行われる。即ち、第120実施形態では、遊技者がパチンコ機H10を遊技していない状態の場合に、ファンH10480による風の送風が行われる。これにより、上端開口部H473aから飛び出す異物が遊技者側に飛び出る場合にその異物や遊技者に当たることを抑制できる。また、ファンH10480の回転(送風)が遊技者がパチンコ機H10を遊技していない状態の場合だけでなく、常に(遊技中)に回転されるように形成されていても良い。これにより、上面板H332と立設部H477との境界(連結部)の隙間から正面枠H14の外部に送風される風を遊技者に感じさせて、パチンコ機H10の上部(上側装飾ユニットH14aの上面)に遊技者が物を置くことを抑制させることができる。その結果、屈曲部H452及び立設部H477の間に侵入しようとする異物を減らして、上側装飾ユニットH14aの視認性が悪くなることを抑制できる。
次いで、図1726(a)を参照して、第121実施形態における右側装飾ユニットH11014cについて説明する。上記第111実施形態では、屈曲部H452で受け止めた異物を右側装飾ユニットH14cの内部に形成される通路を介して右側装飾ユニットH14c(正面枠H14)の外側に排出する場合について説明したが、第121実施形態では、右側装飾ユニットH11014cの内部を通過させずに異物を正面枠H14の外側に排出する場合について説明する。初めに、図1726(a)を参照して、第121実施形態における右側装飾ユニットH11014cについて説明する。図1726(a)は、第121実施形態における右側装飾ユニットH11014c及び上側装飾ユニットH14aの断面模式図である。なお、図1726(a)は、第111実施形態における図1634(b)の断面と対応する。図1726(a)に示すように、第121実施形態における右側装飾ユニットH11014cは、左右方向(矢印L-R方向)で重ね合わされる左重板ユニットH400L及び右重板ユニットH11400Rと、それら重板ユニットH400L,H11400Rが締結固定されると共に、本体枠H14d(図1617参照)に締結固定される上下に長尺な板状の支持板部H410と、を主に備える。重板ユニットH400L,H11400Rは、支持板部H410の背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に向けて挿通される螺子により支持板部H410に締結固定される。右側装飾ユニットH11014cは、重板ユニットH400L,H11400Rが支持板部H410に締結固定された状態で本体枠H14dに背面側から正面側へ向けて挿通される螺子により本体枠H14dに締結固定される。右重板ユニットH11400Rは、左重板ユニットH400Lの導光部材H440の右側に配設される第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460と、それら第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460の右側に配設され、光を非透過な樹脂材料から形成されると共に、第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460が締結固定される外カバー部材H11470と、を主に備える。外カバー部材H11470は、上下に長尺の板状に形成される本体板部H11471と、その本体板部H11471の上端および下端に形成される2箇所の締結部H472と、本体板部H11471に開口される複数の開口部H473と、第1外レンズ部材H450に先端が挿入される円筒部であって第1外レンズ部材H450を外カバー部材H470に固定する螺子が螺入される複数の第1締結部H474と、その第1締結部H474よりも短く形成される円筒部であって、第1外レンズ部材H450及び第2外レンズ部材H460を外カバー部材H11470に固定する螺子が螺入される複数の第2締結部H475と、本体板部H471の左側側面から突設されると共に背面側から支持板部H410を固定する螺子が螺入される複数の背面側締結部H476と、を主に備える。本体板部H11471は、側面視(矢印L方向視)において、正面側(矢印F方向側)の端部が湾曲した円弧形状に形成されると共に、背面側の端部が上下方向に直線状に延設され、全体が非透過の樹脂材料から形成される。また、本体板部H11471は、上端から左重板ユニットH400L側に向かって立設される立設部H11477を備えており、正面視において上下(矢印U-D方向)左右(矢印L-R方向)を反転した略L字状に形成される。なお、本体板部H11471の上下方向(矢印U-D方向)における延設長さは、支持板部H410と対応する長さに形成されており、右重板ユニットH11400Rを支持板部H410に配設した場合に固定板H411の正面側(矢印F方向側)に重なる状態とされる。
立設部H11477は、正面視における正面枠H14の上部右側を構成する部分であり、正面枠H14の組立状態において上側装飾ユニットH14a側に向かって立設される先端部が上側装飾ユニットH14aの上面板H332の右端部と当接する大きさに設定される。また、立設部H11477には、第1外レンズ部材H450に形成される貫通孔H452aに挿通される挿通部H477aが複数個形成される。この挿通部H477aをH452aに挿通した状態で、第1外レンズ部材H450を外カバー部材H470に配設することで、立設部H11477と対向する第1外レンズ部材H450の屈曲部H452が立設部H11477に対して相対変位することを抑制できる。さらに、立設部H11477には、立設先端側(矢印L方向側)から下方側に向かって突出して形成される係合部H11477bが形成される。なお、第121実施形態における係合部H11477bは、第111実施形態における係合部H452bと同様に、上面板H332の被係合部H332gに係合する部分であり、先端側が被係合部H332gの第1片H332g1及び第2片H332g2の間に挿入されるように構成される。なお、第121実施形態では、被係合部H332gと係合する部分を立設部H11477に形成したことにより、屈曲部H452の係合部H452bの形成が省略される。係合部H11477bは、立設部H11477の立設先端部よりも本体板部H11471側に引いた(近い)位置に形成され、立設部H11477に連なる基端側から被係合部H332gに係合する先端側までを繋ぐ領域が、右側装飾ユニットH11014cの立設部H11477と上側装飾ユニットH14aの上面板H332との境界(連結部)の下方に配置される。これにより、右側装飾ユニットH11014cの立設部H11477と上側装飾ユニットH14aの上面板H332の境界(連結部)の隙間から異物が正面枠H14の内部に侵入する場合に、その異物を係合部H11477bで受け止めることができる。その結果、上側装飾ユニットH14aの内部に異物が入って上側装飾ユニットH14aの視認性が悪くなることを抑制できる。なお、第121実施形態では、連結部分における立設部H11477と上面板H332と係合部H11477bとにより形成される通路空間H11400A(図1726a参照)が正面枠H14の正面側まで開口される。これにより、第121実施形態では、右側装飾ユニットH11014cの立設部H11477と上側装飾ユニットH14aの上面板H332の境界(連結部)から正面枠H14に侵入する異物を、右側装飾ユニットH11014cの内部を通過させずに正面枠H14の外側に排出することができる。その結果、右側装飾ユニットH11014cに異物を通過させるための通路を形成しなくてよくなるので、右側装飾ユニットH11014cを小型化(薄型化)しやすくできる。
次いで、図1726(b)を参照して、第122実施形態における右側装飾ユニットH12014cについて説明する。上記第111実施形態では、立設部H477と上面板H332との隙間から異物が正面枠H14の内部に侵入する場合について説明したが、第122実施形態では、立設部H477と上面板H332との隙間から異物が侵入することが規制される。初めに、図1726(b)を参照して、第122実施形態における右側装飾ユニットH12014cについて説明する。図1726(b)は、第122実施形態における右側装飾ユニットH12014c及び上側装飾ユニットH14aの断面模式図である。なお、図1726(b)は、第111実施形態における図1634(b)の断面と対応する。図1726(b)に示すように、第122実施形態における右側装飾ユニットH12014cは、左右方向(矢印L-R方向)で重ね合わされる左重板ユニットH400L及び右重板ユニットH12400Rと、それら重板ユニットH400L,H12400Rが締結固定されると共に、本体枠H14d(図1617参照)に締結固定される上下に長尺な板状の支持板部H410と、を主に備える。重板ユニットH400L,H12400Rは、支持板部H410の背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に向けて挿通される螺子により支持板部H410に締結固定される。右側装飾ユニットH12014cは、重板ユニットH400L,H12400Rが支持板部H410に締結固定された状態で本体枠H14dに背面側から正面側へ向けて挿通される螺子により本体枠H14dに締結固定される。右重板ユニットH12400Rは、左重板ユニットH400Lの導光部材H440の右側に配設される第1外レンズ部材H12450及び第2外レンズ部材H460と、それら第1外レンズ部材H12450及び第2外レンズ部材H460の右側に配設され、光を非透過な樹脂材料から形成されると共に、第1外レンズ部材H12450及び第2外レンズ部材H460が締結固定される外カバー部材H470と、を主に備える。第1外レンズ部材H12450は、上下に長尺の板状に形成される本体板部H451と、その本体板部H451の上端部から内カバー部材H420側に向かって屈曲する屈曲部H12452と、外カバー部材H470に締結される螺子が挿通される貫通孔として構成される複数の第1挿通孔H453,第2挿通孔H454と、それら第1挿通孔H453,第2挿通孔で囲まれる領域において外カバー部材H470側(右側(矢印R方向側))に張り出し、外カバー部材H470越しに視認可能とされる膨出部H455と、本体板部H451の背面側に穿設されると共に背面側から支持板部H410に固定する螺子が螺入される背面側締結部H456と、正面側の縁部に沿って複数個形成される被係合部H457と、を主に備える。また、第1外レンズ部材H12450は、左重板ユニットH400Lの導光部材H440と外カバー部材H470との間に配設され導光部材H440から出射される光を透過して外カバー部材H470の開口部H473及び外カバー部材H470の正面側から出射する部分であり、全体が半透明の樹脂材料から形成される。第122実施形態における屈曲部H12452は、屈曲先端側(先端部H12452d)が外カバー部材H470の立設部H477の下面と当接した状態で配設されると共に、先端が立設部H477を超える長さに設定される。なお、第122実施形態では、上側装飾ユニットH14aの上面板H332に形成される被係合部H332gが上面板H332の左右方向(矢印L-R方向)の内側に距離を隔てた位置に形成され、その被係合部H332gの第1片H332g1を収容可能な収容部H12452eが屈曲部H12452に形成される。
第122実施形態における正面枠H14の組立状態では、第1片H332g1が収容部H12452eに収容されることで、上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH12014cとを係合させることができる。これにより、上側装飾ユニットH14aに対して右側装飾ユニットH12014cの位置がずれることを抑制できる。よって、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH12014cの外カバー部材H470との境界(連結部)の隙間が大きくなることを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH12014cとの間に異物が侵入することを抑制でき、上側装飾ユニットH14aの視認性が悪くなることを抑制できる。また、第122実施形態では、外カバー部材H470の下面と当接した状態で屈曲部H12452が配設されるので、上側装飾ユニットH14aと右側装飾ユニットH12014cとを本体枠H14dに配設した際に、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH12014cの外カバー部材H470との境界(連結部)の下部に屈曲部H12452の上面を配置することができる。これにより、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH12014cの外カバー部材H470との境界(連結部)に異物が侵入したとしても、屈曲部H12452の上面により境界(連結部)の間から上側装飾ユニットH14a又は右側装飾ユニットH12014cの内部に異物が侵入することを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14a及び右側装飾ユニットH12014cの視認性が悪くなることを抑制できる。なお、第122実施形態では、外カバー部材H470の下面に屈曲部H12452が単に当接した状態で配設される場合について説明したが、屈曲部H12452が外カバー部材H470側に付勢される状態で配設されていても良い。この場合、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH12014cの外カバー部材H470との境界(連結部)の下方に隙間ができることを抑制できる。よって、境界(連結部)に異物が侵入したとしてもその異物を屈曲部H12452により確実に受け止めて、上側装飾ユニットH14a又は右側装飾ユニットH12014cの内部に異物が侵入することを抑制できる。その結果、上側装飾ユニットH14a及び右側装飾ユニットH12014cの視認性が悪くなることを抑制できる。
次いで、図1727を参照して、第123実施形態における右側装飾ユニットH13014cについて説明する。上記第111実施形態では、膨出部H455が本体板部H451と一体に形成される場合について説明したが、第123実施形態では、膨出部H13455が本体板部H13451から取り外し可能に形成される。初めに、図1727(a)及び図1727(b)を参照して、第123実施形態における右側装飾ユニットH13014cについて説明する。図1727(a)及び図1727(b)は、第123実施形態における右側装飾ユニットH13014c及び上側装飾ユニットH14aの断面模式図である。なお、図1727(a)及び図1727(b)は、第111実施形態における図1634(b)の断面と対応する。また、図1727(a)では、膨出部H13455が本体板部H13451に取り付けられた状態図示され、図1727(b)では、膨出部H13455が本体板部H13451から取り外された状態が図示される。図1727(a)及び図1727(b)に示すように、第123実施形態における右側装飾ユニットH13014cは、左右方向(矢印L-R方向)で重ね合わされる左重板ユニットH400L及び右重板ユニットH13400Rと、それら重板ユニットH400L,H13400Rが締結固定されると共に、本体枠H14d(図1617参照)に締結固定される上下に長尺な板状の支持板部H410と、を主に備える。重板ユニットH400L,H13400Rは、支持板部H410の背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に向けて挿通される螺子により支持板部H410に締結固定される。右側装飾ユニットH13014cは、重板ユニットH400L,H13400Rが支持板部H410に締結固定された状態で本体枠H14dに背面側から正面側へ向けて挿通される螺子により本体枠H14dに締結固定される。右重板ユニットH13400Rは、左重板ユニットH400Lの導光部材H440の右側に配設される第1外レンズ部材H13450及び第2外レンズ部材H460と、それら第1外レンズ部材H13450及び第2外レンズ部材H460の右側に配設され、光を非透過な樹脂材料から形成されると共に、第1外レンズ部材H13450及び第2外レンズ部材H460が締結固定される外カバー部材H470と、を主に備える。第1外レンズ部材H13450は、上下に長尺の板状に形成される本体板部H13451と、その本体板部H13451の上端部から内カバー部材H420側に向かって屈曲する屈曲部H452と、外カバー部材H470に締結される螺子が挿通される貫通孔として構成される複数の第1挿通孔H453,第2挿通孔H454と、第1挿通孔H453で囲まれる領域において外カバー部材H470側(右側(矢印R方向側))に張り出し、外カバー部材H470越しに視認可能とされる膨出部H455,H13455と、本体板部H451の背面側に穿設されると共に背面側から支持板部H410に固定する螺子が螺入される背面側締結部H456と、正面側の縁部に沿って複数個形成される被係合部H457と、を主に備える。また、第1外レンズ部材H13450は、左重板ユニットH400Lの導光部材H440と外カバー部材H470との間に配設され導光部材H440から出射される光を透過して外カバー部材H470の開口部H473及び外カバー部材H470の正面側から出射する部分であり、全体が半透明の樹脂材料から形成される。第123実施形態における第1外レンズ部材H13450は、図1727に示すように本体板部H13451の上端部に形成される膨出部H13455が着脱可能に形成されており、その膨出部H13455と対応する位置の本体板部H13451に開口H13451bが穿設される。
開口H13451bは、膨出部H13455の外径と対応する内径に形成されると共に、その内縁の一部から開口H13451bの内側に向けて張り出す係合片H13451b1が形成される。膨出部H13455は、一方側(矢印R方向側)の端部が塞がった円筒形状に形成される。また、膨出部H13455は、他方側(矢印L方向側)の端部に繋がるL字状に凹設される第1溝部H13455aと、一方側の端面に十字状に凹設される第2溝部H13455bとを備える。第1溝部H13455aは、開口H13451bの係合片H13451b1を受け入れる部分であり、係合片H13451b1よりも溝幅に形成される。なお、第1溝部H13455aへの係合片H13451b1の挿入は、第1溝部H13455aの他方側の端部と係合片H13451b1との位置を合わせつつ、膨出部H13455を本体板部H13451側に押し込むことで行われる。この挿入された状態で、膨出部H13455を本体板部H13451に対して、膨出部H13455の軸回りに回転させることで、係合片H13451b1がL字状に形成される第1溝部H13455aの凹設先端側まで挿入される。これにより、膨出部H13455を本体板部H13451から離れる方向に引き抜いた場合、膨出部H13455が本体板部H13451から取り外されることを抑制できる。なお、本体板部H13451に対する膨出部H13455の軸回りの回転は、膨出部H13455の一方側の端面に形成される第2溝部H13455bに専用の工具(第123実施形態では、マイナスドライバー)を挿入することで簡易に行えるようになっている。即ち、第2溝部H13455bは、膨出部H13455の取り外しのための工具を引っ掛ける部分(着脱する部分)として形成される。以上のように構成される右側装飾ユニットH13014cによれば、膨出部H13455を本体板部H13451から取り外すことができるので、上側装飾ユニットH14aの上面板H332と右側装飾ユニットH13014cの外カバー部材H470との境界(連結部)の隙間から侵入した異物が外カバー部材H470の開口部H473まで落下した後、開口部H473から右側装飾ユニットH13014cの外側に排出されなかった(区画壁H478の上面に留まる)場合に、膨出部H13455を取り外して、異物を右側装飾ユニットH13014cの外側に排出することが可能となる。その結果、右側装飾ユニットH13014cの内部に異物が溜まり続けることを抑制できる。
次いで、図1728から図1730を参照して、第124実施形態における上下皿ユニットH14015について説明する。上記第111実施形態では、突出部H583が固定される場合について説明したが、第124実施形態では、突出部H14563bが張り出し変位される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。初めに、図1728を参照して、第124実施形態における上下皿ユニットH14015の全体構成について説明する。図1728は、第124実施形態における上下皿ユニットH14015の分解正面斜視図である。図1728に示すように、第124実施形態における上下皿ユニットH14015は、本体枠H14d(図1617参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H510(図1729参照)と、そのベース部材H510の正面側に配設される上皿形成部材H520(図1729参照)及び操作ハンドルH51(図1729参照)と、ベース部材H510及び上皿形成部材H520の正面側に配設される下皿形成部材H14530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H530の間に配設される操作ユニットH180(図1729参照)とを主に備える。下皿形成部材H14530は、ベース部材H510(図1729参照)及び上皿形成部材H520の正面側(矢印F方向側)を覆う形状に形成され上下皿ユニットH14015の正面側の化粧面を形成する化粧ユニットH540と、下皿H50(図1635参照)を構成する下皿構成ユニットH550と、下皿H50に貯留される球を排出するための球抜きユニットH14560と、を主に備えて形成される。球抜きユニットH14560は、上方側が開口する箱状に形成される収容部材H561と、その収容部材H561の内側に配設されるスライド板H14562と、そのスライド板H14562に連結され正面側(矢印F方向側)の少なくとも一部が収容部材H561の外側に配置される球抜きレバーH52と、スライド板H14562及び球抜きレバーH52を一方向に付勢するコイルバネ(図示せず)と、スライド板H14562の少なくとも一部の下方に重なる位置に配設される第2スライド板H14563と、を主に備える。収容部材H561は、第1化粧板H541の第2開口部H541bの内側に収容可能な大きさに形成され、第2開口部H541bの上方に配設される下皿構成ユニットH550の下方側に隣り合う状態で配設される。また、収容部材H561は、箱状に形成される内部に後述するスライド板H14562の変位を案内する案内機構を備えており、その案内機構によりスライド板H14562の変位方向が一方向に規定される。スライド板H14562は、底面部H553の底面口H553aの開口よりも大きい板状に形成され、底面口H553aの下側縁部を塞ぐ閉塞位置と、その閉塞位置から変位して底面口H553aを開放する開放位置とに変位可能に形成される。スライド板H14562が閉塞位置に配置される場合には、下皿H50(図1635参照)の貯留領域に球を貯留可能な状態とされ、スライド板H14562が開放位置に配置される場合には、下皿H50の貯留領域にある球を底面口H553aから払い出す状態とされる。なお、収容部材H561には、スライド板H14562を開放位置に配置した場合に、球を下方に挿通させるための排出口H561aが底面口H553aと対応する位置に形成される。
また、第124実施形態におけるスライド板H14562には、スライド板H14562の閉鎖位置(排出口H561aを塞ぐ位置)から開放位置(排出口H561aを開放する位置)への変位方向と反対方向に収容部材H561から突出される押圧片H14562aが形成され、その押圧片H14562aの下方に第2スライド板H14563が配設される。第2スライド板H14563は、第1化粧板H541の底面部に沿った板状に形成されると共に、収容部材H561の右側外方に配設される。また、第2スライド板H14563は、上面側から上方に膨出する膨出部H14563aと、下面側から下方に張り出される突出部H14563b(L33参照)と、第2スライド板H14563の下面に当接する位置に配設され第2スライド板H14563を第1化粧板H541に対して上方側に付勢するコイルバネH14564(図1730参照)と、を主に備え、第1化粧板H541の底面側の上方に重なる位置に配置される。膨出部H14563aは、スライド板H14562が閉塞位置から開放位置に変位される際に、スライド板H14562の押圧片H14562aが当接する部分であり、閉塞位置におけるスライド板H14562の押圧片H14562aと上下方向(矢印U-D方向)に重ならない位置に形成されると共に、閉塞位置におけるスライド板H14562の押圧片H14562aと少なくとも一部が左右方向(矢印L-R方向)に重なる位置に形成される。これにより、スライド板H14562が閉塞位置から開放位置にスライド変位された際に、スライド板H14562の押圧片H14562aを第2スライド板H14563の膨出部H14563aに当接させることができる。なお、この当接により第2スライド板H14563が下方に変位されるが、その変位についての詳しい説明は後述する。突出部H14563bは、第2スライド板H14563の後述する上下動の変位に伴って第1化粧板H541及び下側保護板H580の底面から下方に張り出される部分であり、第2スライド板H14563が上方に位置する場合(図1730(a)に示す状態の場合)に第1化粧板H541及び下側保護板H580の底面から突出部H14563bの突出先端(下端)が張り出さない長さに設定される。なお、第1化粧板H541及び下側保護板H580には、突出部H14563bが形成される位置に突出部H14563bと対応する形状の開口が形成される。突出部H14563bは、第1化粧板H541及び下側保護板H580の開口を介して突出部H14563bを張出変位される。また、突出部H14563bは、第111実施形態における突出部H583と同様に正面側(矢印F方向側)に凸状に湾曲する湾曲壁H583aを複数個(4個)左右方向(矢印L-R方向)に連結させた形状に形成されており、湾曲形状による機能および作用は第111実施形態における突出部H583と同様であるので、その詳しい説明は省略する。
次いで、図1729及び図1730を参照して、突出部H14563bの変位について説明する。図1729(a)及び(b)は、上下皿ユニットH14015の側面図であり、図1730(a)は、図1729(a)のMCMLIIIaにおける上下皿ユニットH14015の断面図であり、図1730(b)は、図1729(b)のMCMLIIIb線における上下皿ユニットH14015の断面図である。なお、図1729(a)及び図1730(a)では、突出部H14563bが上方に退避された状態(以下「退避状態」と称す)が図示され、図1729(b)では、突出部H14563bが下方に張り出した状態(以下「張出状態」と称す)が図示される。図1729(a)及び図1730(a)に示すように、スライド板H14562が閉塞位置に配置される場合には、スライド板H14562の押圧片H14562aが第2スライド板H14563の膨出部H14563aの右側に位置し、押圧片H14562aと膨出部H14563aとが上下方向(矢印U-D方向)に重ならない位置に配置される。よって、第2スライド板H14563は、第2スライド板H14563と第1化粧板H541との間に配設されるコイルバネH14564により上方に付勢され、膨出部H14563aが形成される部分を除く第2スライド板H14563の上面が押圧片H14562aに当接する位置に配置される。これにより、第2スライド板H14563の下面に形成される突出部H14563bは、第1化粧板H541及び下側保護板H580に形成される開口の内側に配置される(即ち、退避状態とされる)。一方、図1730(b)及び図1730(b)に示すように、スライド板H14562が開放位置に配置される場合には、スライド板H14562の押圧片H14562aが第2スライド板H14563の膨出部H14563aと上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に配置される。よって、第2スライド板H14563は、スライド板H14562の押圧片H14562aの下面と膨出部H14563aとの当接により下方に向かって押し出される。これにより、第2スライド板H14563の下面に形成される突出部H14563bは、第1化粧板H541及び下側保護板H580に形成される開口から下方に張り出される(即ち、張出状態とされる)。即ち、第124実施形態では、正面枠H14(上下皿ユニットH14015)の下面側から張り出される突出部H14563bの張り出し量を変更可能に構成される。これにより、突出部H14563bの張り出しが不要の場合には、突出部H14563bを第1化粧板H541及び下側保護板H580の内側に退避させて、突出部H14563bの突出高さを低くできる。よって、突出部H14563bが遊技の邪魔になることやパチンコ機H10(上下皿ユニットH14015)の外観が悪化することを抑制できる。特に、第124実施形態では、遊技者が球抜きレバーH52(図1728参照)を操作して、スライド板H14562を開放位置に変位させ下皿H50(図1635参照)に貯留される球を千両箱に排出する際に、突出部H14563bを上下皿ユニットH14015の底面から張り出させることができ、下皿H50に貯留される球が排出されない状態持(スライド板H14562が閉鎖位置(排出口H561aを塞ぐ位置)に突出部H14563bを上下皿ユニットH14015の内側に退避させることができる。即ち、遊技者の球吹きレバーH52の操作により、突出部H14563bをスライド変位させることができ、遊技者の任意のタイミング(球抜きタイミング)で突出部H14563bの突出高さを変更できる。従って、第124実施形態では、球が排出されていない状態持に突出部H14563bを退避させて突出部H14563bが邪魔になることを抑制できる。よって、例えば、千両箱に払い出される球が一杯になり千両箱を交換する場合に、交換前後の千両箱が突出部H14563bに引っ掛かることを抑制できる。その結果、下皿H50(図1635参照)の周囲の作業性を向上できる。
なお、第124実施形態では、図1729(a)に示すように、突出部H14563bを第1化粧板H541及び下側保護板H580の内側に退避させた場合に、突出部H14563bの先端が正面枠H14(上下皿ユニットH14015)から非突出とされる(即ち、正面枠H14(上下皿ユニットH14015)の内側に突出先端が配置される)。これにより、突出部H14563bの突出先端が遊技の邪魔になることや、突出部H14563bの突出先端が見えてパチンコ機H10の外観が悪化することを確実に抑制できる。また、下皿H50(図1635参照)から球を排出する際には、突出部H14563bが張り出された状態とされるので、上記第111実施形態における突出部H583同様に、千両箱に落下して跳ね返る球を当接させることができ、下皿H50から排出される球が千両箱の前方から飛び出ることを抑制できる。なお、第124実施形態における突出部H14563bを上記1実施形態における突出部H583のように、正面枠H14(図1614参照)を開放する際の持ち手として利用させる場合には、作業者に球抜きレバーH52(図1728参照)を操作させて、スライド板H14562を開放位置に変位させることで、第111実施形態における突出部H583と同様に、突出部H14563bを持ち手として利用させることができる。また、第124実施形態における突出部H14563bを上記第111実施形態における突出部H583のように、正面枠H14(図1614参照)を仮置きする場合の床の支持部として利用する場合も同様に、作業者に球抜きレバーH52(図1728参照)を操作させて、スライド板H14562を開放位置に変位させることで、第111実施形態における突出部H583と同様に、正面枠H14を仮置きする場合の床の支持部として利用することができる。この場合、第124実施形態では、突出部H14563b(第2スライド板H14563)の上部にスライド板H14562の押圧片H14562aが配置される。従って、突出部H14563bを床面に当接させた状態で正面枠H14(図1614参照)を仮置きした場合に、突出部H14563bが変形または破損することをスライド板H14562(押圧片H14562a)で抑制できる。即ち、突出部H14563bは、他の部材の配置の邪魔にならないよう上下皿ユニットH14015に対して比較的小さく形成される。そのため、突出部H14563bに力が集中すると突出部H14563bが変形または破損する恐れがあった。これに対し、第124実施形態では、突出部H14563bをスライド板H14562で支持できるので、突出部H14563bに力が集中しすぎることを抑制して、突出部H14563aが変形または破損することを抑制できる。即ち、スライド板H14562を突出部H14563bの支持部(補強)として利用できる。なお、第124実施形態では、スライド板H14562が突出部H14563b(第2スライド板H14563)の上方に重なるだけであるが、スライド板H14562を突出部H14563bの前後に重なる大きさに形成(即ち、押圧片H14562aの前後幅を第2スライド板H14563の前後幅よりも大きく形成して、押圧片H14562aに第2スライド板H14563と前後に重なる領域を形成)しても良い。この場合には、突出部H14563bに前後方向における力が作用する場合であっても、突出部H14563bをスライド板H14562で支持することができる。その結果、突出部H14563aが変形または破損することを抑制できる。
また、第124実施形態では、球抜きレバーH52(図1728参照)の操作に伴うスライド板H14562の変位により、第2スライド板H14563を上下にスライド変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、正面枠H14(図1614参照)を外枠H11(図1612参照)から開放(取り外し)た際にスライド変位するスライド板を設け、そのスライド板の変位により第2スライド板H14563を下方に変位させるように構成しても良い。この場合、正面枠H14(図1614参照)が外枠H11(図1612参照)から取り外された場合に、突出部H14563bを張り出させることができるので、上記第111実施形態における突出部H583のように正面枠H14を床に仮置きする場合の支持部として突出部H14563bを利用することができる。また、第124実施形態では、第111実施形態における突出部H583が非形成とされる場合について説明したが、突出部H583を備えるものであっても良い。この場合には、第2スライド板H14563の突出部H14563bが突出部H583の正面側に沿って(正面側に隣り合う位置に)突出可能に形成されることが好ましい。これによれば、外枠H11(図1612参照)に対して正面枠H14(図1614参照)を開放する場合に突出部H583を正面枠H14の開放方向に引っ張る場合に、その力で突出部H583が変形または破損することを突出部H14563bにより抑制できる。即ち、突出部H14563bを突出部H583の支持部(補強)として利用できる。
次いで、図1731を参照して、第125実施形態における上下皿ユニットH35015について説明する。上記第124実施形態では、スライド板H14562(球抜きレバーH52)の変位に連動して第2スライド板H14563が変位される場合について説明したが、第125実施形態では、スライド板H14562(球抜きレバーH52)の変位に第2スライド板H14563が非連動とされる場合を形成可能に構成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1731(a)から(d)は、第125実施形態における上下皿ユニットH15015の断面図であり、図1729(a)のMCMLIIIa線における断面と対応する。また、図1731(a)から図1731(d)では、第2スライド板H14563又は係合片H15543が変位された際の遷移状態が順に図示される。さらに、図1731(a)及び(d)では、突出部H14563bが上下皿ユニットH15015の内側に退避した退避状態が図示され、図1731(b)及び(c)では、突出部H14563bが上下皿ユニットH15015の下方から張り出した張出状態が図示される。図1731に示すように、第125実施形態における上下皿ユニットH15015は、上述した第124実施形態における上下皿ユニットH14015の第1化粧板H541の底面側に係合片H15543が配設される。係合片H15543は、第1化粧板H541及び下側保護板H580の開口を介して張出変位された位置の(張出状態となる位置に変位された)第2スライド板H14563の上面と係合する部材であり、一端側(上方側)に鉤状に形成される係合部H15543aを備える。また、係合片H15543は、第1化粧板H541に形成される軸受部H15541fに軸支され、第1化粧板H541に対して回転可能な状態で配設されると共に、係合部H15543aが形成される側と反対側の他端側が第1化粧板H541及び下側保護板H580に形成された開口(図示せず)を介して上下皿ユニットH15015の下方側に突出される。即ち、係合片H15543は、上下皿ユニットH15015の下方側から突出される部分により操作可能とされる。さらに、係合片H15543は、第1化粧板H541の軸受部H15541fとの間に配設されるねじりバネ(図示せず)により、係合部H15543a側が第2スライド板H14563側に近づく方向に付勢される。係合部H15543aは、突出部H14563bを第1化粧板H541及び下側保護板H580の内側に退避させた状態(退避状態)において、突出部H14563bの非形成部分における第2スライド板H14563の下面側端部に当接する位置に配置される。また、第2スライド板H14563の下面側端部が当接される係合部H15543aの当接面は、傾斜して形成される。これにより、第2スライド板H14563が退避状態から張出状態に変位される際には、第2スライド板H14563の下面側端部が係合部H15543aの当接面を外側に押し出すことで、係合片H15543が回転される。
以上のように構成される第125実施形態における上下皿ユニットH15015によれば、図1731(a)及び図1731(b)に示すように、遊技者が球抜きレバーH52(図1728参照)を操作して第2スライド板H14563が張出位置にスライド変位されると、第2スライド板H14563の張出変位に伴って係合片H15543の係合部H15543aが第2スライド板H14563から離れる方向に回転された後、突出部H14563bの非形成部分における第2スライド板H14563が係合部H15543aを超えて下方側まで変位されることで、ねじりバネの付勢力により係合部H15543aが再び第2スライド板H14563に近づく方向に回転される。この場合、突出部H14563bの非形成部分における第2スライド板H14563が係合部H15543aを超えて下方側に位置することで、係合部H15543aが第2スライド板H14563の上面に係合して、第2スライド板H14563の上方側への変位が規制される(以下の説明では「規制状態」と称す)。この規制状態では、図1731(c)に示すように、遊技者が球抜きレバーH52(図1728参照)を操作してスライド板H14562を閉鎖位置(排出口H561a(図1730参照)を塞ぐ位置)に変位させたとしても、係合部H1553aが第2スライド板H14563に引っ掛かることで、第2スライド板H14563の退避方向への変位が規制される。一方、図1731(d)に示すように、第125実施形態における上下皿ユニットH15015は、上下皿ユニットH15015の下方側から突出される係合片H15543を遊技者が操作することで、係合部H15543aと第2スライド板H14563との係合が解除される。これにより、第2スライド板H14563が退避方向に変位され、第1化粧板H541及び下側保護板H580の内側に突出部H14563bを退避させた状態(即ち、図1731(a)に示す状態)とされる。即ち、第125実施形態では、遊技者の球抜き操作(球抜きレバーH52(図1728参照)の操作)により突出部H14563bを上下皿ユニットH15015の下方側から張り出させる(張出状態とする)ことができると共に、球抜き操作を終えた後(球抜きレバーH52を元の位置に戻した後)においても突出部H14563bを上下皿ユニットH15015の下方側から張り出した状態(張出状態)に維持することができる。また、上下皿ユニットH15015の下方側から突出部H14563bを張り出した状態においては、遊技者の任意のタイミングで突出部H14563bを下側保護板H580の内側に退避させた状態にできる。さらに、球抜きレバーH52(図1728参照)を操作した状態(スライド板H14562を開放位置に変位させて遊技球を下皿H50(図1635参照)から払出可能な状態)においては、図1731(b)に示すように第2スライド板H14563の膨出部H14563aの上方にスライド板H14562の押圧片H14562aが位置される。従って、遊技者が係合片H15543を操作したとしても突出部H14563bが下側保護板H580の内側に退避されることを抑制できる。よって、下皿H50から遊技球を払い出し可能な場合に、突出部H14563bが不用意に退避方向に変位することを抑制できる。その結果、千両箱に落下して跳ね返る球を突出部H14563bに当接させることができ、下皿H50から排出される球が千両箱の前方から飛び出ることを抑制できる。
また、突出部H14563bに係合部H15543aを係合させて維持状態にし、球抜きレバーH52(図1728参照)を初期位置に戻した(スライド板H14562を閉鎖位置(排出口H561a(図1730参照)を塞ぐ位置)に変位させた)後、再度球抜きレバーH52を操作してスライド板H14562を開放位置(排出口H561aを開放する位置)に変位させる場合には、第2スライド板H14563の下方側への変位が必要なくなるので、スライド板H14562と第2スライド板H14563との接触抵抗を小さくすることができる。即ち、第2スライド板H14563を下方側に維持した状態とすることができるので、第2スライド板H14563を下方側に変位させるためにスライド板H14562を第2スライド板H14563に当接させる必要がなくなり、その分、スライド板H14562の操作抵抗を減らすことができる。従って、下皿H50(図1635参照)からの非球抜き時(スライド板H14562を閉鎖位置(排出口H561a(図1730参照)を塞ぐ位置)に配置した状態)において、退避状態とされる位置への突出部H14563bの変位を必要としない(突出部H14563bが張出状態とされた状態で良い)遊技者の場合には、球抜きレバーH52(図1728参照)の操作抵抗を小さくすることができ、球抜きレバーH52を操作させやすくできる。即ち、遊技者の好みにより、突出部H14563bを張出状態とするか否かを遊技者に選択させることができる。さらに、第125実施形態においては、上記第111実施形態における突出部H583のように突出部H14563bを正面枠H14(図1614参照)を仮置きする場合の床の支持部として利用する際には、球抜きレバーH52(図1728参照)を初期位置に戻してスライド板H14562を排出口H561a(図1730参照)を塞ぐ閉鎖位置に配置することができるので、正面枠H14を仮置きする場合に球が下皿H50の貯留領域に払い出されたとしても、下皿H50から球が払い出されることを抑制できる。これにより、床面に球が散らばることを抑制できる。
次いで、図1732及び図1733を参照して、第126実施形態における上下皿ユニットH16015及び上側装飾ユニットH16014aについて説明する。上記第124実施形態では、第2スライド板H14563を上下皿ユニットH14015の下方側から突出させる場合について説明したが、第126実施形態では、第2スライド板H16562を上側装飾ユニットH16014aから突出させる場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1732(a)及び(b)は、第126実施形態における正面枠H16014の正面模式図であり、図1733(a)は、図1732(a)のMCMLVIa線における上側装飾ユニットH16014aの断面模式図であり、図1733(b)は、図1732(b)のMCMLVIb線における上側装飾ユニットH16014aの断面模式図である。なお、図1732(a)及び図1733(a)では、基板ユニットH16344が上側装飾ユニットH16014aの内側に退避した退避状態が図示され、図1732(b)及び図1733(b)では、基板ユニットH16344が上側装飾ユニットH16014aから張り出した張出状態が図示される。なお、図1732及び図1733では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1732及び図1733に示すように、第126実施形態における正面枠H16014は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠H14d(図1617参照)と、その本体枠H14dに配設され、その本体枠H14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットH16014aと、その上側装飾ユニットH16014aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットH14b及び右側装飾ユニットH14cと、本体枠H14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットH16015と、本体枠H14dを介して上下皿ユニットH16015の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140(図1617参照)と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170(図1617参照)とを主に備えて構成され、内枠H12(図1616参照)に回動可能に取り付けられている。上下皿ユニットH16015は、本体枠H14d(図1617参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H510(図1636参照)と、そのベース部材H510の正面側に配設される上皿形成部材H520及び操作ハンドルH51と、ベース部材H510の正面側に配設される下皿形成部材H16530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H16530の間に配設される操作ユニットH180(図1636参照)と、を主に備える。下皿形成部材H16530は、上下皿ユニットH16015の化粧面を構成する部材であり、正面視においてベース部材H510を覆う位置に配設される。また、下皿形成部材H16530は、下皿H50(図1635参照)の貯留空間を形成する下皿構成ユニットH550(図1641参照)と、その下皿構成ユニットH550に貯留された球を抜く球抜きユニットH16560(図1641参照)とを備える。
球抜きユニットH16560は、上方側が開口する箱状に形成される収容部材H561(図1641参照)と、その収容部材H561の内側に配設されるスライド板H562(図1641参照)と、そのスライド板H562に連結され正面側(矢印F方向側)の少なくとも一部が収容部材H561の外側に配置される球抜きレバーH16052と、スライド板H562及び球抜きレバーH16052を一方向に付勢するコイルバネ(図示せず)と、を主に備える。球抜きレバーH16052は、下皿H50(図1635参照)に貯留された球を下方へ排出する際に遊技者が操作するためのレバーであり、スライド板H562(図1641参照)に連なって形成されると共に、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、スライド板H562が閉鎖位置(排出口H561aを塞ぐ位置)から開放位置(排出口H561aを開放する位置)に変位される。また、球抜きレバーH16052には、上下皿ユニットH16015の化粧面よりも背面側の位置に連結部材H16501が連結される。連結部材H16501は、金属製の棒部材を曲げて形成されており、上下皿ユニットH16015、右側装飾ユニットH14c及び上側装飾ユニットH16014aの背面側を左右方向(矢印L-R方向)にスライド変位可能に構成され、球抜きレバーH16052の操作に伴って左右方向にスライド変位可能とされる。また、連結部材H16501は、球抜きレバーH16052に連結される側と反対側の端部に、スライド板H16502が連結され、球抜きレバーH16052の操作により左右方向にスライド変位されることで、スライド板H16502を左右方向にスライド変位可能とされる。
次いで、上側装飾ユニットH16014aについて説明する。上側装飾ユニットH16014aは、本体枠H14d(図1617参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH16320とを主に備える。化粧ユニットH16320は、背面側(矢印B方向側)が開放される箱状に形成される装飾ユニットH330と、その装飾ユニットH330の内側に配設される発光ユニットH16340及び一対の音伝達ユニットH350(図1622参照)とを主に備える。発光ユニットH16340は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に締結固定される取付部材H341と、その取付部材H341の背面側に上下方向に変位可能な状態で配設され光を発光可能に構成される基板ユニットH16344と、その基板ユニットH16344及び取付部材H341との背面側を覆う覆設部材H343とを主に備える。基板ユニットH16344は、光を出射するLED(発光ダイオード)H342aが正面側(矢印F方向側)に複数個配設される基板部材H342と、その基板部材H342の正面側を覆う正面カバーH16345と、基板部材H342の背面側を覆う背面カバーH16346と、その背面カバーH16346の背面側に連結される伝達部材H16347とを主に備える。なお、正面カバーH16345は、光を透過可能な透明な樹脂材料から形成され、背面側に配設される基板部材H342のLEDH342aから出射される光を正面側に向けて透過可能とされる。これにより、LEDH342aから出射される光を取付部材H341の開口部H341a1(図1624参照)を介して装飾板H335に出射し、装飾板H335をLEDH342aの光で発光させることができる。伝達部材H16347は、基板ユニットH16344に駆動力を伝達する部材であり、上下皿ユニットH16015の球抜きレバーH16052に連結される連結部材H16501のスライド板H16502に当接可能な位置に形成される。また、伝達部材H16347は、下方側の一部がスライド板H16502の傾斜面により支持されており、スライド板H16502が変位されることにより傾斜面に沿って上方側に変位可能とされる。この伝達部材H16347の変位により基板ユニットH16344が上下方向(矢印U-D方向)に変位可能とされる。なお、第126実施形態では、伝達部材H16347が下方に位置する(退避状態とされる)場合(図1732(a)に示す位置に配置される場合)に、基板ユニットH16344の上端面が装飾ユニットH330の上面と略一致する高さに設定されると共に、伝達部材H16347が上方に位置する(張出状態とされる)場合(図1732(b)に示す位置に配置される場合)に基板ユニットH16344の上端面が装飾ユニットH330から上方側に張り出すように設定される。
以上のように構成される第126実施形態における正面枠H16014によれば、球抜きレバーH16052の操作に伴って、正面枠H16014の上方側から基板ユニットH16344を張り出させることができる。従って、遊技者や遊技直前の遊技者に排出口H561aが開放されていることを認識させることができる。その結果、遊技者が排出口H561aを開放したことを忘れて、下皿H50(図1635参照)に遊技球を貯留しようとした場合(例えば、上皿H17の貯留が一杯になり、払い出される遊技球が下皿H50の貯留領域に迂回した場合)に下皿H50から遊技球が払い出されてしまうことを抑制できる。また、正面枠H16014の上方側から張り出す基板ユニットH16344には、LEDH342aが配設されるので、正面枠H16014の外側から光を出射することができる。これにより、基板ユニットH16344が張り出していることを遊技者に認識させやすくできる(即ち、排出口H561aが開放されていることを遊技者に認識させやすくできる)。さらに、パチンコ機H10の遊技状態が大当たりとなり遊技球が下皿H50(図1635参照)から払い出され、遊技者が球抜きレバーH16052を操作した際に、光を出射するLEDH342を正面枠H16014から張り出させることができるので、大当たり時にパチンコ機H10の演出領域を増やすことができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。また、第126実施形態では、正面枠H16014から基板ユニットH16344を張り出した場合の上方側への張出距離が、正面視における正面枠H16014よりも若干大きく形成される外枠H11(図1612参照)よりも先端が外方側に張り出す距離に設定される。これにより、組み立てた状態のパチンコ機H10(図1610参照)を床に仮置きする場合には、基板ユニットH16344と外枠H11の上面の一部との2点を床面に当接させた状態にできる。その結果、床面の影響を受けることなく仮置きすることができ、パチンコ機H10が倒れることを抑制できる。なお、第126実施形態では、基板ユニットH16344が張出状態とされる(図1732に示す状態とされる)場合に、伝達部材H16347の下方側にスライド板H16502が配置される。即ち、基板ユニットH16344の下方側がスライド板H16502により支持(補強)される。これにより、基板ユニットH16344を張出状態としてパチンコ機H10を床面に仮置きする場合に、基板ユニットH16344が変形または破損することを抑制できる。
さらに、外枠H11(図1612参照)よりも基板ユニットH16344の先端が外方側に張り出すので、パチンコ機H10(図1610参照)を背面側に傾倒させた状態で仮置きすることができる。これにより、基板ユニットH16344に作用する自重に比べて、外枠H11に作用する自重を大きくできる。その結果、装飾面となる上側装飾ユニットH16014aが破損することを抑制できる。また、仮置きしたパチンコ機H10が倒れる場合には、正面側よりも背面側に倒れやすくできるので、仮にパチンコ機H10が倒れた場合に装飾面となる正面側に倒れることを抑制して、装飾面が破損する(ヒビや傷が入る)ことを抑制できる。また、正面枠H16014からの基板ユニットH16344の張り出し量が大きくされることで、パチンコ店においてパチンコ機H10の上方に配置されるデータ表示器(大当たり回数や遊技回数のデータ表示器)を遊技中や遊技直前の遊技者に視認させにくくできる。これにより、基板ユニットH16344が張り出していることを遊技者に認識させやすくできる(即ち、排出口H561aが開放されていることを遊技者に認識させやすくできる)。なお、上記第126実施形態では、変位する基板ユニットH16344にのみ基板部材H342が配置される場合について説明したが、基板ユニットH16344の基板部材H344の他に固定された基板部材H342を別途配設して、基板ユニットH16344の変位に関わらず他に固定された基板部材H342により装飾板H345を常に発光させるものとし、基板ユニットH16344を張出状態とした際に正面視における発光領域を増やすものであっても良い。また、上記第126実施形態では、変位する基板ユニットH16344に光を出射可能なLEDH342aを備えた基板部材H342を配置する場合について説明したが、基板ユニットH16344に基板部材H342を非搭載のものであっても良い。例えば、背面カバーH16346のみで構成される基板ユニットH16344であっても良い。さらに、上記第126実施形態では、基板ユニットH16344が上側装飾ユニットH16014aから張り出されていない(図1732(a)に示す状態)場合に、LEDH342aから出射される光を取付部材H341の開口部H341a1(図1624参照)を介して装飾板H335に出射し、装飾板H335をLEDH342aの光で発光させることについて説明したが、基板ユニットH16344が上側装飾ユニットH16014aから張り出されていない場合に、装飾板H335や取付部材H341に光を反射させて、上側装飾ユニットH16014aの下方側(下面板H333)から光を出射可能に構成しても良い。
次いで、図1734(a)を参照して第127実施形態における上下皿ユニットH17015について説明する。上記第111実施形態では、操作ユニットH180の下面が被挿入部H555eに当接される場合について説明したが、第127実施形態における上下皿ユニットH17015では、操作ユニットH180の下面が凸状部H17515に当接される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1734(a)は、第127実施形態における上下皿ユニットH17015の断面図である。なお、図1734(a)は、図1635のMDCCCLXVIIIa線における上下皿ユニットH15の断面図と対応する。図1734(a)に示すように、第127実施形態における上下皿ユニットH17015は、本体枠H14d(図1617参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H17510と、そのベース部材H17510の正面側に配設される上皿形成部材H520及び操作ハンドルH51と、ベース部材H17510及び上皿形成部材H520の正面側に配設される下皿形成部材H17530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H17530の間に配設される操作ユニットH180と、を主に備える。ベース部材H17510は、本体枠H14d(図1617参照)の下部正面側(矢印F方向側)を覆う板状に形成されると共に、左右方向(矢印L-R方向)の縁部および下方向の縁部に背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲する側壁部を有し、その側壁部の内側に本体枠H14dを収容する状態で本体枠H14dに配設される。また、ベース部材H17510は、本体枠H14dの背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子を螺入可能に穿設される複数の締結孔H511と、本体枠H14dの背面側から正面側(矢印F方向側)に向けて螺子を挿通可能に穿設される複数の挿通孔H512と、上皿H17の貯留領域の背面側に開口する上皿用球流入部H513及び送球用球流出部H516と、下皿H50(図1635参照)の貯留領域の背面側に開口する下皿用球流入部H514と、正面側に向かって凸状に突出する凸状部H17515と、シリンダ錠H20が内側に配設されるベース側保持孔H517と、を主に備え、有色(第111実施形態では黒色)の非透過性の樹脂材料から形成される。凸状部H17515は、後述する下皿形成部材H17530の一対の側壁H17555fに挿入され、ベース部材H510に対する下皿形成部材H530の位置決めを行う部分であり、一対の側壁H17555fにより形成される挿入空間と前後方向(矢印F-B方向)に対向する位置に形成される。また、凸状部H17515は、正面視において横長矩形に形成され、上面を形成する上面部H17515dと、下面を形成する下面側傾斜部H515bと、左右の側面を形成する側面側傾斜部H515cと、を主に備える。なお、凸状部H515は、下方側に作用する力により若干弾性変形可能な樹脂材料から形成される。上面部H17515dは、前後方向に延設され、下面側傾斜部H515bは、正面側(矢印F方向側)に向かって上方に傾斜して形成される。また、一対の側面側傾斜部H515cは、正面側に向かって近づく方向に傾斜して形成される。これら上面部H17515dと下面側傾斜部H515bと側面側傾斜部H515cとにより、凸状部H17515は、突出先端側に向かって正面視における上下左右の厚みが薄く(先細り形状)に形成される。
また、上面部H17515dには、正面側(矢印F方向側)の上部に弾性変形可能な弾性部材H17515eが配置されており、その弾性部材H17515eに上皿形成部材H520及び下皿形成部材H17530の間に配設される操作ユニットH180の下面が当接した状態で配置される。下面側傾斜部H515bには、左右方向(矢印L-R方向)における中央部に凸状部H515の突出先端から基端側に向かう溝状の凹部H515b1が凹設されると共に、その凹部H515b1の凹設底面の一部に被係合部H515b2が開口形成される。被係合部H515b2は、後述する下皿形成部材H17530の係合部H555b1が係合される開口であり、凸状部H515の突出先端から基端側に向かって溝状に形成される凹部H515b1の基端側の端部に形成される。下皿形成部材H17530は、ベース部材H17510及び上皿形成部材H520の正面側(矢印F方向側)を覆う形状に形成され上下皿ユニットH17015の正面側の化粧面を形成する化粧ユニットH540と、下皿H50(図1635参照)を構成する下皿構成ユニットH17550と、下皿H50に貯留される球を排出するための球抜きユニットH560と、を主に備えて形成される。下皿構成ユニットH17550は、下皿H50(図1635参照)の底面を形成する底板H17551と、下皿H50の上面の一部を形成すると共に底板H17551の背面側(矢印B方向側)の外縁に当接する側面板H552と、を主に備える。底板H17551は、底面部H553と、その底面部H553の正面側(矢印F方向側)の外縁に沿って上方側に向かって立設される正面側側壁H554と、底面部H553の外側であって正面側側壁H554に連なって形成される連結部H17555と、を主に備える。連結部H17555は、前後方向に所定の厚みを有し第1化粧板H541側(正面側)に配設される本体部H17555dと、その本体部H17555dの背面側(矢印B方向側)の左右両側の縁部に沿って背面側に向かって突出される一対の側壁H17555fと、本体部H17555dの背面側の下方側の縁部から背面側に向かって突出される突設部H555bと、を主に備え、全体が非透過性の樹脂材料から形成される。なお、連結部H17555は、下方側に作用される力により若干弾性変形可能に形成される。一対の側壁H17555fは、その対向間の幅が凸状部H17515を挿入可能な大きさに形成され、その対向面にガイド壁H555cが複数個並設される。下皿形成部材H17530をベース部材H17510に配設した際には、一対の側壁H17555fの対向間に凸状部H17515が挿入可能とされる。
ガイド壁H555cは、ベース部材H17510の凸状部H17515が被挿入部H555eに挿入される際に、凸状部H515の左右方向(矢印L-R方向)における位置を調整する部材であり、被挿入部H555eの左右の両側壁に前後方向に所定の間隔で複数個並設される。また、突設部H555bは、背面側(矢印B方向側)に向かって突設されており、その突設先端部の上面に凸状に形成される係合部H555b1を備える。また、突設部H555bは、ベース部材H17510の凸状部H17515が一対の側壁H17555fの対向間に挿入される際に凸状部H17515の凹部H515b1に案内される部分であり、凹部H515b1により形成される溝と対応する位置に形成される。係合部H555b1は、ベース部材H17510の被係合部H515b2に係合する部分であり、突設部H555bの上面から上方に向かって突設されると共に、前後方向に切断した断面が略三角形状に形成される。この断面における傾斜により、ベース部材H17510の凸状部H17515が一対の側壁H17555fの対向間に挿入される際、又は、ベース部材H17510の凸状部H17515が一対の側壁H17555fの対向間から引き抜かれる際に、突設部H555bを撓ませやすくできる。その結果、ベース部材H17510に下皿形成部材H17530を取り付ける作業、及び、ベース部材H17510から下皿形成部材H17530を取り外す作業を簡易にできる。
以上のように構成される上下皿ユニットH17015によれば、下方側(下面側傾斜部H515b)に被係合部H515b2が形成される凸状部H17515の上方(上面部H17515d)に操作ユニットH180が載置され、凸状部H17515の下方から被係合部H515b2に係合部H555b1が係合されるので、操作ユニットH180が遊技者に操作された場合や操作ユニットH180が駆動された場合に、被係合部H515b2と係合部H555b1との係合が解除されることを抑制できる。詳しく説明すると、操作ユニットH180が遊技者に操作された場合や操作ユニットH180が駆動された場合には、操作ユニットH180の下方側に向かう方向の力が入力されやすく、操作ユニットH180が載置される凸状部H17515が下方側に向かって変形しやすい。第127実施形態では、操作ユニットH180により凸状部H17515の変位しやすい方向側から係合部H555b1が挿入されるので、操作ユニットH180により凸状部H17515が下方側に向かって変位した際に、被係合部H515b2の内側に係合部H555b1を挿入する嵌る方向に被係合部H515b2を変位させることができる。その結果、係合部H555b1と被係合部H515b2との係合が解除されることを抑制できる。
次いで、図1734(b)を参照して第128実施形態における上下皿ユニットH18015について説明する。上記第111実施形態では、係合部H555b1が被係合部H515b2に下方側から係合する場合について説明したが、第128実施形態では、係合部H18555b1が被係合部H18515a2に上方側から係合する場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1734(b)は、第128実施形態における上下皿ユニットH18015の断面図である。なお、図1734(b)は、図1635のMDCCCLXVIII線における上下皿ユニットH15の断面図と対応する。図1734(b)に示すように、第128実施形態における上下皿ユニットH18015は、本体枠H14d(図1617参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H18510と、そのベース部材H18510の正面側に配設される上皿形成部材H520及び操作ハンドルH51と、ベース部材H18510及び上皿形成部材H520の正面側に配設される下皿形成部材H18530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H18530の間に配設される操作ユニットH180と、を主に備える。ベース部材H18510は、本体枠H14d(図1617参照)の下部正面側(矢印F方向側)を覆う板状に形成されると共に、左右方向(矢印L-R方向)の縁部および下方向の縁部に背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲する側壁部を有し、その側壁部の内側に本体枠H14dを収容する状態で本体枠H14dに配設される。また、ベース部材H18510は、本体枠H14dの背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子を螺入可能に穿設される複数の締結孔H511と、本体枠H14dの背面側から正面側(矢印F方向側)に向けて螺子を挿通可能に穿設される複数の挿通孔H512と、上皿H17の貯留領域の背面側に開口する上皿用球流入部H513及び送球用球流出部H516と、下皿H50(図1635参照)の貯留領域の背面側に開口する下皿用球流入部H514と、正面側に向かって凸状に突出する凸状部H18515と、シリンダ錠H20が内側に配設されるベース側保持孔H517と、を主に備え、有色(第111実施形態では黒色)の非透過性の樹脂材料から形成される。凸状部H18515は、後述する下皿形成部材H18530の一対の側壁H17555fの対向間に挿入され、ベース部材H510に対する下皿形成部材H530の位置決めを行う部分であり、被挿入部H18555eにより形成される挿入空間と前後方向(矢印F-B方向)に対向する位置に形成される。また、凸状部H18515は、正面視において横長矩形に形成され、上面を形成する上面側傾斜部H18515aと、下面を形成する下面側傾斜部H18515bと、左右の側面を形成する側面側傾斜部H515cと、を主に備える。なお、凸状部H18515は、下方側に作用する力により若干弾性変形可能な樹脂材料から形成される。上面側傾斜部H18515aは、正面側(矢印F方向側)に向かって下方に傾斜して形成され、下面側傾斜部H18515bは、正面側に向かって上方に傾斜して形成される。また、一対の側面側傾斜部H515cは、正面側に向かって近づく方向に傾斜して形成される。これら上面側傾斜部H18515aと下面側傾斜部H18515bと側面側傾斜部H515cとにより、凸状部H18515は、突出先端側に向かって正面視における上下左右の厚みが薄く(先細り形状)に形成される。
また、上面側傾斜部H18515aには、左右方向(矢印L-R方向)における中央部に凸状部H18515の突出先端から基端側に向かう溝状の凹部H18515a1が凹設されると共に、その凹部H515b1の凹設底面の一部に被係合部H18515a2が開口形成される。被係合部H18515a2は、後述する下皿形成部材H18530の係合部H18555b1が係合される開口であり、凸状部H18515の突出先端から基端側に向かって溝状に形成される凹部H515b1の基端側の端部に形成される。凹部H18515a1は、後述する下皿形成部材H18530の係合部H18555b1が形成される突設部H18555bを被係合部H18515a2まで案内する案内溝であり、突設部H18555bの左右方向(矢印L-R方向)における厚み寸法よりも溝幅が大きく形成される。なお、凹部H18515a1に突設部H18555bを案内することで、被係合部H18515a2に対する係合部H18555b1の位置ずれを抑えることができ、係合部H18555b1の被係合部H18515a2への係合を簡易にさせることができる。下皿形成部材H18530は、ベース部材H18510及び上皿形成部材H520の正面側(矢印F方向側)を覆う形状に形成され上下皿ユニットH18015の正面側の化粧面を形成する化粧ユニットH540と、下皿H50(図1635参照)を構成する下皿構成ユニットH18550と、下皿H50に貯留される球を排出するための球抜きユニットH560と、を主に備えて形成される。下皿構成ユニットH18550は、下皿H50(図1635参照)の底面を形成する底板H18551と、下皿H50の上面の一部を形成すると共に底板H18551の背面側(矢印B方向側)の外縁に当接する側面板H552と、を主に備える。底板H18551は、底面部H553と、その底面部H553の正面側(矢印F方向側)の外縁に沿って上方側に向かって立設される正面側側壁H554と、底面部H553の外側であって正面側側壁H554に連なって形成される連結部H18555と、を主に備える。連結部H18555は、前後方向に所定の厚みを有し第1化粧板H541側(正面側)に配設される本体部H18555dと、背面視において上方側が開放された門型に形成され本体部H18555dの背面側(矢印B方向側)に連なって形成される被挿入部H18555eと、本体部H18555dの上方側の縁部から背面側に向かって突出される突設部H18555bと、を主に備え、全体が非透過性の樹脂材料から形成される。なお、連結部H18555は、下方側に作用される力により若干弾性変形可能に形成される。被挿入部H18555eは、背面視において上方側が開放された門型に形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有した形状に形成される。また、被挿入部H18555eは、ベース部材H18510に下皿構成ユニットH18550を配設した際に、ベース部材H18510の凸状部H18515が挿入される部分であり、凸状部H18515と対応する位置に配置される。
また、被挿入部H18555eは、対向する側面から被挿入部H18555eの内側に向かって立設される複数のガイド壁H555c、を備え、そのガイド壁H555cにより凸状部H18515の位置を左右位置を位置決めすることが可能に形成される。突設部H18555bは、本体部H18555dの背面側端部から上方側に向かって突設されると共に背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲される断面略L字状に形成され、背面側の突設先端部の下面に凸状に形成される係合部H18555b1を備える。また、突設部H18555bは、ベース部材H18510の凸状部H18515が被挿入部H18555eに挿入される際に凸状部H18515の凹部H18515a1に案内される部分であり、凹部H18515a1により形成される溝と対応する位置に形成される。係合部H18555b1は、ベース部材H18510の被係合部H18515a2に係合する部分であり、突設部H18555bの下面から下方に向かって突設されると共に、前後方向に切断した断面が略三角形状に形成される。この断面における傾斜により、ベース部材H18510の凸状部H18515が被挿入部H18555eに挿入される際、又は、ベース部材H18510の凸状部H18515が被挿入部H18555eから引き抜かれる際に、突設部H18555bを撓ませやすくできる。その結果、ベース部材H18510に下皿形成部材H18530を取り付ける作業、及び、ベース部材H18510から下皿形成部材H18530を取り外す作業を簡易にできる。以上のように構成される上下皿ユニットH18015によれば、上方側から被係合部H18515a2に挿入される係合部H18555b1が挿入可能に形成され、その係合部H18555b1が形成される突設部H18555bの上方側に操作ユニットH180が載置されるので、操作ユニットH180を連結部H18555により支持することができる。これにより、操作ユニットH180がぐらつかないように姿勢を安定させ、操作ユニットH180の操作を安定させることができる。また、被挿入部H18555e(連結部H18555)は、下皿形成部材H18530の背面側(矢印B方向側)に片持ち支持された状態とされる。そのため、操作ユニットH180(ボタン部H181)を過剰に押圧する力が連結部H18555に作用する場合には、連結部H18555の非支持側(矢印F方向側)を操作ユニットH180の操作方向(下方)に変位させることで操作ユニットH180に作用する力を連結部H18555で逃がすことができる。即ち、下皿形成部材H18530の背面側(矢印B方向側)に片持ち支持された連結部H18555に操作ユニットH180が支持されるので、操作ユニットH180を過剰に押圧する力が連結部H18555に作用した場合に連結部H18555を弾性変形させることができる。この場合、操作ユニットH180と連結部H18555とが被締結とされるので、連結部H18555の弾性変形に伴って操作ユニットH180と連結部H18555との当接位置(当接状態)を変更することができる。即ち、操作ユニットH180を連結部H18555の上面に対して滑らす(摺動させる)ことができる。その結果、操作ユニットH180に作用する力が連結部H18555に作用する場合に、連結部H18555が破損したり操作ユニットH180が破損することを抑制できる。従って、操作ユニットに操作に伴い作用される操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲内である場合には、操作ユニットH180を連結部H18555により支持させることができる。これにより、操作ユニットH180がぐらつかないように姿勢を安定させ、操作ユニットH180の操作を安定させることができる。
一方、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲を超える場合には、連結部H18555を弾性変形させて外力を逃がすことができる(操作力をベース部材H18510と連結部H18555とに分散させることができる。これにより、操作ユニットH180、下皿形成部材H18530、及び、ベース部材H18510の破損を抑制できる。また、この場合、弾性変形される連結部H18555が、上下皿ユニットH15の正面側に配置される(即ち、装飾側となる)下皿形成部材H18530に形成されるので、連結部H18555を弾性変形させて外力を逃がした場合に、下皿形成部材H18530の装飾面が撓むことを抑制できる。即ち、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲を超える場合に、その操作力をベース部材H18510と連結部H18555とに分散させると、連結部H18555の弾性変形に伴って、操作ユニットH180が配設されるベース部材H18510も弾性変形されやすい。そのため、ベース部材H18510が装飾面とされると、操作ユニットH180の操作に伴って装飾面の外観が悪化する(装飾面が撓んで部品同士の間に隙間が形成される)恐れがあるところ、連結部H18555が形成される下皿形成部材H18530が装飾面とされることで、遊技機の外観が悪化することを抑制できる。さらに、第128実施形態では、被挿入部H18555eを有する連結部H18555には、本体部H18555dの上面側に弾性部材H558が配設され、その弾性部材H558に操作ユニットH180の下面が当接した状態で配設される。詳しく説明すると、操作ユニットH180の下面が弾性部材H558を介して本体部H18555dの上面に当接した状態で配設される。従って、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H18555を弾性変形させた場合に、操作ユニットH180と連結部H18555との間に介在する弾性部材H558を弾性変形させることで、操作ユニットH180の下面と、連結部H18555の上面とが擦れることを抑制できる。即ち、弾性部材H558を操作ユニットH180の下面および連結部H18555の上面に当接させた状態で、操作ユニットH180を連結部H18555の上面に対して滑らす(摺動させる)ことができる。その結果、操作ユニットH180の下面と連結部H18555の上面とが擦れて異音が発生したり、それらの当接面が破損(摩耗)したりすることを抑制できる。
次いで、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H18555が所定範囲を超えて弾性変形される場合について説明する。上記したように、連結部H18555の突設部H18555bは、凸状部H18515の上方側に配置されると共に、凸状部H18515の凹部H18515a1に沿って挿入される。この場合、突設部H18555bは、下面側が凹部H18515a1の内面との間に所定の隙間が設けられた状態で配設されるとされる。従って、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H18555が所定範囲を超えて弾性変形される場合には、突設部H18555bの下面を凹部H18515a1の内面に当接させて、連結部H18555の弾性変形を抑制することができる。これにより、連結部H18555の破損を抑制できる。また、第128実施形態では、突設部H18555bに形成される係合部H18555b1が下方側に向かって突出して形成され、その係合部H18555b1が係合される被係合部H18515a2が凸状部H18515の上方側に形成されるので、係合部H18555b1を上方側から被係合部H18515a2に係合させることができる。これにより、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H18555が所定範囲を超えて弾性変形される場合には、係合部H18555b1が被係合部H18515a2に挿入される方向に変位される。即ち、第128実施形態では、被係合部H18515a2が係合部H18555b1よりも操作ユニットH180の操作方向側に形成されるので、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力により、連結部H18555が所定範囲を超えて弾性変形されると、係合部H18555b1が被係合部H18515a2に対し係合する方向に変位する。これにより係合部H18555b1と被係合部H18515a2との係合状態を維持しやすくできる。その結果、操作ユニットH180を押圧操作することで、係合部H18555b1と被係合部H18515a2との係合を解除する不正を抑制できる。さらに、第128実施形態では、連結部H18555の本体部H18555dが係合部H18555b1よりも下方側に配置される。これにより、連結部H18555に操作ユニットH180の押圧力が作用して連結部H18555が基部側(本体部H18555d側)を起点に下方側に撓む場合に、係合部H18555b1の下方側への変位と共に係合部H18555b1を背面側(矢印B方向側)に向かって変位させることができる。これにより、操作ユニットH180の操作方向側の変位により連結部H18555が弾性変形される場合の係合部H18555b1の変位方向を被係合部H18515a2との隙間が大きくなる方向とできる。即ち、係合部H18555b1が、被係合部H18515a2の正面側(矢印F方向側)の内面に当接することで、係合部H18555b1が正面側に向かって変位することを抑制できるところ、連結部H18555の弾性変形により係合部H18555b1の正面側の内面から係合部H18555b1を離間させることができる。そのため、連結部H18555が弾性変形される前(即ち、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲内)の状態における係合部H18555b1と被係合部H18515a2との間隔を小さくして、下皿形成部材H18530とベース部材H18510との対向間隔を大きくする方向に変位される不正を抑制できる一方、連結部H18555が弾性変形される(即ち、操作ユニットH180の操作方向側(下方側)の操作力が所定の範囲外とされる)際には、係合部H18555b1と被係合部H18515a2とが干渉して連結部H18555の凸状部H18515に対する相対変位が規制されることを抑制できる。
次いで、図18359(a)を参照して、第129実施形態における上下皿ユニットH19015について説明する。上記第111実施形態では、操作ユニットH180と連結部H555とが非締結とされる場合について説明したが、第129実施形態では、操作ユニットH180と連結部H19555とが締結される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1735(a)は、第129実施形態における上下皿ユニットH19015の断面図である。なお、図1735(a)は、図1635のMDCCCLXVIII線における上下皿ユニットH15の断面図と対応する。図1735(a)に示すように、第129実施形態における上下皿ユニットH19015は、本体枠H14d(図1617参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H510と、そのベース部材H510の正面側に配設される上皿形成部材H520及び操作ハンドルH51と、ベース部材H510の正面側に配設される下皿形成部材H19530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H19530の間に配設される操作ユニットH180と、を主に備える。下皿形成部材H19530は、ベース部材H510の正面側(矢印F方向側)を覆う形状に形成され上下皿ユニットH19015の正面側の化粧面を形成する化粧ユニットH540と、下皿H50(図1635参照)を構成する下皿構成ユニットH19550と、下皿H50に貯留される球を排出するための球抜きユニットH560と、を主に備えて形成される。下皿構成ユニットH19550は、下皿H50(図1635参照)の底面を形成する底板H19551と、下皿H50の上面の一部を形成すると共に底板H19551の背面側(矢印B方向側)の外縁に当接する側面板H552と、を主に備える。底板H19551は、底面部H553と、その底面部H553の正面側(矢印F方向側)の外縁に沿って上方側に向かって立設される正面側側壁H554と、底面部H553の外側であって正面側側壁H554に連なって形成される連結部H19555と、を主に備える。連結部H19555は、前後方向に所定の厚みを有し第1化粧板H541側(正面側)に配設される本体部H19555dと、背面視において下方側が開放された門型に形成され本体部H555dの背面側(矢印B方向側)に連なって形成される被挿入部H555eとを主に備える。本体部H19555dには、下方側から挿入される螺子を挿通可能な挿通孔H19555d1が上下方向(矢印U-D方向)に開口され、その挿通孔H19555d1を挿通した螺子が操作ユニットH180の下方に螺入される。これにより、連結部H19555と操作ユニットH180とが締結固定される。従って、第129実施形態における上下皿ユニットH19015では、連結部H19555と操作ユニットH180とが締結されるので、操作ユニットH180と連結部H19555とを一体化することができる。そのため、操作ユニットH180を押し込んだ後に連結部H19555により上方に押し返される力が作用する場合に、操作ユニットH180のみが上方に変位して、操作ユニットH180と連結部H19555との間に隙間が形成されることを抑制できる。その結果、操作ユニットH180の操作による変形を抑えやすくできる。
次いで、図1735(b)を参照して、第130実施形態における上下皿ユニットH20015について説明する。上記第111実施形態では、連結部H555と凸状部H515とが係合される場合について説明したが、第130実施形態では、連結部H20555と凸状部H20515とが締結固定される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1735(b)は、第130実施形態における上下皿ユニットH20015の断面図である。なお、図1735(b)は、図1635のMDCCCLXVIII線における上下皿ユニットH15の断面図と対応する。図1735(b)に示すように、第130実施形態における上下皿ユニットH20015は、本体枠H14d(図1617参照)の下部正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベース部材H20510と、そのベース部材H20510の正面側に配設される上皿形成部材H520及び操作ハンドルH51と、ベース部材H20510及び上皿形成部材H520の正面側に配設される下皿形成部材H20530と、上皿形成部材H520及び下皿形成部材H20530の間に配設される操作ユニットH180と、を主に備える。ベース部材H20510は、本体枠H14d(図1617参照)の下部正面側(矢印F方向側)を覆う板状に形成されると共に、左右方向(矢印L-R方向)の縁部および下方向の縁部に背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲する側壁部を有し、その側壁部の内側に本体枠H14dを収容する状態で本体枠H14dに配設される。また、ベース部材H20510は、本体枠H14dの背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子を螺入可能に穿設される複数の締結孔H511と、本体枠H14dの背面側から正面側(矢印F方向側)に向けて螺子を挿通可能に穿設される複数の挿通孔H512と、上皿H17の貯留領域の背面側に開口する上皿用球流入部H513及び送球用球流出部H516と、下皿H50(図1635参照)の貯留領域の背面側に開口する下皿用球流入部H514と、正面側に向かって凸状に突出する凸状部H20515と、シリンダ錠H20が内側に配設されるベース側保持孔H517と、を主に備え、有色(第111実施形態では黒色)の非透過性の樹脂材料から形成される。凸状部H20515は、後述する下皿形成部材H20530の連結部H20555と前後方向(矢印F-B方向)に対向配置され、その連結部H20555に締結される部分であり、正面視における中央部に前後方向に開口して螺子を挿通可能な挿通孔H20515fを備える。下皿形成部材H20530は、ベース部材H20510及び上皿形成部材H520の正面側(矢印F方向側)を覆う形状に形成され上下皿ユニットH20015の正面側の化粧面を形成する化粧ユニットH540と、下皿H50(図1635参照)を構成する下皿構成ユニットH20550と、下皿H50に貯留される球を排出するための球抜きユニットH560と、を主に備えて形成される。
下皿構成ユニットH20550は、下皿H50(図1635参照)の底面を形成する底板H20551と、下皿H50の上面の一部を形成すると共に底板H20551の背面側(矢印B方向側)の外縁に当接する側面板H552と、を主に備える。底板H20551は、底面部H553と、その底面部H553の正面側(矢印F方向側)の外縁に沿って上方側に向かって立設される正面側側壁H554と、底面部H553の外側であって正面側側壁H554に連なって形成される連結部H20555と、を主に備える。連結部H20555は、前後方向(矢印F-B方向)に所定の厚みを有して形成され、背面側(矢印B方向側)に螺子を螺入可能な締結孔H20555gを備える。また、連結部H20555は、上面に操作ユニットH180が当接されると共に、背面側がベース部材H20510の凸状部H20515の突設先端面に当接可能な大きさに設定される。締結孔H20555gは、凸状部H515に形成される挿通孔H20515fを介してベース部材H20510の背面側から挿通される螺子を螺入する部分であり、挿通孔H20515fと対応する位置に形成される。挿通孔H20515fを介して締結孔H20555gに螺子止めされることにより、連結部H20555と凸状部H20515とが締結固定される。第130実施形態における上下皿ユニットH20015によれば、連結部H20555と凸状部H20515とが締結固定されるので、連結部H20555及び凸状部H2015の前後の両側が保持される。そのため、操作ユニットH180が下方側に押し込まれる場合に、操作ユニットH180を連結部H20555と凸状部H20515とで支持して操作ユニットH180を押し込んだ力で操作ユニットH180が下方側に変位することを抑制できる。
次いで、図1736及び図1737を参照して、第131実施形態における揺動装置H21730について説明する。上記第111実施形態では、駆動手段H780の錘部材H782の遠心力により駆動手段H780をベース手段H770に対して回転させる場合について説明したが、第131実施形態では、駆動手段H21780の当接手段H21786を上側カバー部材H21783及び下側カバー部材H21784に当接させた衝撃で駆動手段H21780をベース手段H770に対して回転させる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1736(a)は、第131実施形態における揺動装置H21730の断面図であり、図1675(a)のMDCCCXCVIIIb線における断面に対応し、図1736(b)は、駆動モータH781及び当接手段H21786の分解正面斜視図であり、図1737(a)から図18351(d)は、揺動装置H21730の断面図であり、図1675(a)のMDCCCXCVIIIb線における断面に対応する。なお、図1737(a)から図18351(d)では、当接手段H21786の遷移状態が順に図示され、図1737(a)では、当接手段H21786が上側カバー部材H21783に当接した状態が図示され、図1737(c)では、当接手段H21786が下側カバー部材H21784に当接した状態が図示される。また、図1737(a)及び図1737(c)では、当接手段H21786による衝撃が作用する方向が矢印で図示される。図1737に示すように、第131実施形態における揺動装置H21730は、下枠部材H720の背面板H722(図1656参照)に配設されるベース手段H770と、そのベース手段H770の背面側(矢印B方向側)に軸支される駆動手段H21780と、ベース手段H770を介して駆動手段H21780の正面側(矢印F方向側)に配設される変位部材H790と、を主に備える。駆動手段H21780は、駆動軸H781aを背面側(矢印B方向側)に向かって突出させた状態で配設される駆動モータH781と、その駆動モータH781の駆動軸H781aに連結される当接手段H21786と、駆動モータH781及び当接手段H21786の上方側を覆設する上側カバー部材H21783と、駆動モータH781及び当接手段H21785の下方側を覆設する下側カバー部材H21784と、を主に備える。当接手段H21786は、駆動モータH781の駆動軸H781aが挿通される挿通孔H21786a1を有する第1部材H21786aと、その第1部材H21786aの挿通孔H21786a1が形成される側と反対側の端部に第1部材H21786aに対して相対変位可能な状態で連結される第2部材H21786bと、それら第1部材H21786a及び第2部材H21786bを相対変位可能な状態で軸支する軸部材H21786cと、第1部材H21786aに対して第2部材H21786bを所定位置に復帰させる方向に付勢するバネ部材H21786dと、を主に備える。第1部材H21786aは、駆動モータH781の駆動軸H781aに連結されており、駆動軸H781aの回転に伴って駆動軸H781aの回転軸回りに回転可能とされる。
第2部材H21786bは、第1部材H21786aの挿通孔H21786a1が形成される側と反対側の端部に軸部材H21786cにより第1部材H21786aに対して回転可能な状態で配設されると共に、第2部材H21786bに外力が作用していない状態ではバネ部材H21786dにより第1部材H21786aの挿通孔H21786a1の中心から径方向外側に直線状に配置される。上側カバー部材H21783は、駆動モータH781及び当接手段H21786の上方側(矢印U方向側)を覆設するために下方側(矢印D方向側)が開放された箱状に形成されるカバー部H21783aと、そのカバー部H21783aの左右両側から上方側に向かって突設されると共に上方側の端部に背面側に向かって凹設される収容凹部H783b1が形成される突設部H783bと、カバー部H21783aの上面から上方に向かって円柱状に突設されベース手段H770の上側軸支部H771b1に挿入される上側軸部H783cと、カバー部H21783aの下面から下方側に向かって突設され先端が第2部材H21786bの変位軌跡上に配設される上側突設部H21783a1と、を主に備え、光を非透過の樹脂材料から形成される。下側カバー部材H21784は、駆動モータH781及び当接手段H21786の下方側(矢印D方向側)を覆設するために上方側(矢印U方向側)が開放された箱状に形成されるカバー部H21784aと、カバー部H21784aの下面から下方に向かって円柱状に突設されベース手段H770の下側軸支部H772b1に挿入される下側軸部H784bと、下側カバー部材H784の背面側の縁部から下方側に向かって突設され正面側に弾性体H785が配設される被当接部H784cと、カバー部H21784aの上面から上方側に向かって突設され先端が第2部材H21786bの変位軌跡上に配設される下側突設部H21784a1とを主に備え、無色透明の樹脂材料から形成される。
次いで、図1737を参照して、第131実施形態における揺動装置H21730の動作について説明する。図1737(a)から図1737(d)に示すように、第131実施形態における揺動装置H21730では、駆動モータH781の駆動により当接手段H21786が回転されると、当接手段H21786の第2部材H21786bが、上側カバー部材H21783の上側突設部H21783a1及び下側カバー部材H21784の下側突設部H21784a1に当接しつつ変位される(図1737(a)及び図1737(c)参照)。この場合、第2部材H21786bが上側突設部H21783a1及び下側突設部H21784a1に当接する衝撃により、駆動手段H21780の背面側が第2部材H21786bの当接方向に変位される。詳しく説明すると、図1737(a)に示すように、上側突設部H21783a1に第2部材H21786bが正面視において左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印R方向側)に向かって当接する場合には、駆動手段H21780の背面側が右方側に変位される。これにより、駆動手段H21780がベース手段H770に対して、軸部H783c,H784bを軸に上面視反時計回り方向(正面側を左方向)に回転され、駆動手段H21780が左向き状態とされる。一方、図1737(c)に示すように、上側突設部H21783a1に第2部材H21786bが正面視において右方側(矢印R方向側)から左方側(矢印L方向側)に向かって当接する場合には、駆動手段H21780の背面側が左方側に変位される。これにより、駆動手段H21780がベース手段H770に対して、軸部H783c,H784bを軸に上面視時計回り方向(正面側を右方向)に回転され、駆動手段H21780が右向き状態とされる。なお、第2部材H21786bは、上側突設部H21783a1及び下側突設部H21784a1に当接した後、それら上側突設部H21783a1及び下側突設部H21784a1を乗り越える位置まで第1部材H21786aの変位に伴って変位されることで、図1737(b)及び図1737(d)に示すように、バネ部材H21786dの付勢力により第1部材H21786aの挿通孔H21786a1の中心から径方向外側に直線状に配置され、上側突設部H21783a1及び下側突設部H21784a1に当接可能な位置に再び配置される。従って、第131実施形態における揺動装置H21730では、駆動モータH781の駆動を継続して、第1部材H21786aを一方向回転させることで、第2部材H21786bを上側突設部H21783a1及び下側突設部H21784a1に繰り返し当接させることができ、ベース手段H770に対する駆動手段H21780の位置を右向き状態と左向き状態とに繰り返し変更することができる。
次いで、図1738及び図1739を参照して、第132実施形態における揺動装置H22730について説明する。上記第111実施形態では、駆動軸H781aに対して錘部材H782の位置が変わらない場合について説明したが、第132実施形態では、駆動軸H781aに対して錘部材H22787bの位置が変更される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1738(a)は、第132実施形態における揺動装置H22730の断面図であり、図1675(a)のMDCCCXCVIIIb線における断面に対応し、図1738(b)は、駆動モータH781及び変位手段H22787の分解正面斜視図であり、図1739(a)から図18351(c)は、揺動装置H22730の断面図であり、図1675(a)のMDCCCXCVIIIb線における断面に対応する。なお、図1739(a)から図18353(c)では、変位手段H22787の遷移状態が順に図示される。図1738に示すように、第132実施形態における揺動装置H22730は、下枠部材H720の背面板H722(図1656参照)に配設されるベース手段H770と、そのベース手段H770の背面側(矢印B方向側)に軸支される駆動手段H22780と、ベース手段H770を介して駆動手段H21780の正面側(矢印F方向側)に配設される変位部材H790と、を主に備える。駆動手段H22780は、駆動軸H781aを背面側(矢印B方向側)に向かって突出させた状態で配設される駆動モータH781と、その駆動モータH781の駆動軸H781aに連結される変位手段H22787と、駆動モータH781及び変位手段H22787の上方側を覆設する上側カバー部材H783と、駆動モータH781及び当接手段H21785の下方側を覆設する下側カバー部材H784と、を主に備える。変位手段H22787は、駆動モータH781の駆動軸H781aが挿通される挿通孔H22787a1を中心に有する円柱状の回転ベースH22787aと、その回転ベースH22787aの外側に配設される錘部材H22787bと、回転ベースH22787aの外周面側に連結される棒状の案内部材H22787dと、その案内部材H22787dが挿通されるコイルバネH22787cと、を主に備える。案内部材H22787dは、一端側が回転ベースH22787aの外周面に連結されると共に、他端側の端部に拡径して形成される係合部H22787d1を備える。係合部H22787d1は、コイルバネH22787cが案内部材H22787dから抜け出ることを規制するための部材であり、コイルバネH22787cの外径よりも大きく形成される。錘部材H22787bは、駆動手段H22780に回転するための遠心力を作用させる部材であり、鉛等の比較的重い金属材料から形成される。また、錘部材H22787bは、案内部材H22787dが挿通される挿通孔H22787b1を備え、案内部材H22787dに沿って摺動可能な状態で配設される。また、錘部材H22787bは、コイルバネH22787cにより、回転ベースH22787aに近づく方向に付勢されており、錘部材H22787bに遠心力が作用していない状態では、回転ベースH22787aの外周面に当接した状態で配設される。
次いで、図1739を参照して、第132実施形態における揺動装置H22730の動作について説明する。図1739(a)から図1739(c)に示すように、第132実施形態における揺動装置H21730では、駆動モータH781の駆動により回転ベースH22787aが回転されることで錘部材H22787bが回転される。この場合、錘部材H22787bの回転に伴って、錘部材H22787bに遠心力が作用することで、コイルバネH22787cの付勢力に抗して回転軸から離れる方向に変位される。この錘部材H22787bの変位により錘部材H22787bを回転させた際に錘部材H22787bから駆動手段H22780に作用する遠心力を大きくすることができる。また、第132実施形態では、錘部材H22787bの回転速度を遅くして、錘部材H22787bに作用する遠心力を小さくすることで、回転軸に対して錘部材H22787bが離れにくくすることで、錘部材H22787bを回転させた際に錘部材H22787bから駆動手段H22780に作用する遠心力を小さくすることができる。これにより、例えば、変位手段H22787の回転速度を遅くして、駆動手段H22780に作用する錘部材H787bの遠心力を小さくして、駆動手段H22780のベース手段H770に対する変位速度を遅くしたり、反対に、変位手段H22787の回転速度を早くして、駆動手段H22780に作用する錘部材H787bの遠心力を大きくして、駆動手段H22780のベース手段H770に対する変位速度を早くするといった変更の調整幅を大きくすることができる。
次いで、図1740を参照して、第133実施形態における発射位置送球ユニットH23170について説明する。上記第111実施形態では、発射手段H830による遊技球の発射経路における背面側(矢印B方向側)に凹部H821a1が形成される場合について説明したが、第133実施形態では、発射手段H830による遊技球の発射経路における正面側(矢印F方向側)にも第2凹部H23871が形成される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1740(a)は、第133実施形態における発射位置送球ユニットH23170及び球発射ユニットH112aにおける断面図であり、図1678のMCMVa線における断面図と対応し、図1740(b)は、発射位置送球ユニットH23170及び球発射ユニットH112aにおける断面図であり、図1678のMCMVb線における断面図と対応する。図1740(a)及び図1740(b)に示すように、第133実施形態における発射位置送球ユニットH23170は、正面側(矢印F方向側)に配設され正面側開口H171を有する正面側ケースH860と、その正面側ケースのH860の背面側(矢印B方向側)に配設され背面側開口H172を有する背面側ケースH23870と、それら正面側ケースH860および背面側ケースH23870の間に配設される送球手段H880とを主に備える。第133実施形態における背面側ケースH23870は、球発射ユニットH112aの背面部H821aと対面し、発射手段H830による発射経路の正面側(矢印F方向側)を形成する面が、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)に向かうに従って背面側(矢印B方向側)に傾斜して形成されると共に、遊技球の発射方向に沿って正面側に溝状に凹設される第2凹部H23871を備える。第2凹部H23871は、遊技球の半径よりも大きい半径で正面側に向かって背面側ケースH23870の背面側に凹設されると共に、発射手段H830による遊技球の発射方向(矢印L方向)と平行に形成される。また、球発射ユニットH112aの背面部H821aに形成される凹部H821a1と前後方向に一部が重なる位置に形成される。以上のように形成される発射位置送球ユニットH23170及び球発射ユニットH112aによれば、発射手段H830により発射された遊技球が流路(発射レールH112a1、背面部H821a、背面側ケースH23870により囲まれる通路)の内面(背面部H821a又は背面側ケースH23870に当接する場合に、遊技球に作用する当接方向(前後方向)の反力を凹部H821a1又は第2凹部H23871により抑制可能とされる。内面(背面部H821a又は背面側ケースH23870)から受ける反力により遊技球が暴れることを抑制できる。その結果、遊技球の軌跡を安定させることができる。即ち、流路(発射レールH112a1、背面部H821a、背面側ケースH23870により囲まれる通路)の内面の両側(背面部H821a及び背面側ケースH23870)に形成されるので、遊技球が前後方向(矢印F-B方向)のどちらに暴れた場合においても遊技球が暴れることを抑制でき、遊技球の軌跡を安定させることができる。また、球発射ユニットH112aの凹部H821a1の内側に当接して正面側に跳ね返る遊技球の反力が依然として大きく発射位置送球ユニットH23170と当接する位置まで跳ね返る場合には、その遊技球を第2凹部H23871の内面に当接させて凹部H871と同様、遊技球に作用する反力に上下方向(矢印U-D方向)に向かう方向成分を付与することができる。即ち、第2凹部H23871の内面に当接した反力を背面側(矢印B方向側)に跳ね返る成分と、上方側または下方側に変位させる成分とに分散することができる。よって、背面側(矢印B方向側)に跳ね返る力方向成分の反力を弱めることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。また、第133実施形態では、球発射ユニットH112aの背面部H821aに形成される凹部H821a1と前後方向に一部が重ならない位置に第2凹部H23871が形成される。これにより、凹部H821a1と第2凹部H23871とが重なっていない領域を利用して背面側開口H172を形成することができる。
次いで、図1741(a)を参照して、第134実施形態における球発射ユニットH24112aについて説明する。上記第111実施形態では、背面部H821aに凹部H821a1が凹設される場合について説明したが、第134実施形態における球発射ユニットH24112aでは、背面部H24821aに凸部H24821a2が凸設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1741(a)は、第134実施形態における発射位置送球ユニットH170及び球発射ユニットH24112aにおける断面図であり、図1678のMCMVa線における断面図と対応する。図1741(a)に示すように、第134実施形態における球発射ユニットH24112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H24820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850と、を主に備えて形成される。案内手段H24820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H24821と、金属材料から形成され第1案内部材H24821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H24821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。第1案内部材H24821は、ベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に沿って形成される背面部H24821aと、その背面部H24821aから正面側に向かって立設され遊技球の転動面となる転動部H821bと、その転動部H821bに連なり第2案内部材H822が配設される配設部H821cと、その配設部H821cよりも上方側(矢印U方向側)から背面部H821aの正面側に向かって立設され第2案内部材H822に送球される遊技球をガイドする上方側ガイド部H821dとを主に備える。背面部H24821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、発射レールH112a1及び転動部H821bの遊技球の転動方向に沿って正面側(矢印F方向側)に向かって凸設される凸部H24821a2を備える。凸部H24821a2は、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を当接させることで遊技球の前後方向の暴れを抑える部分であり、正面側(矢印F方向側)に向かって湾曲状に突出される。
なお、凸部H24821a2の正面側への突出先端部は、背面側開口H172から発射レールH112a1に遊技球を送球するための球送球部H882a上を転動する遊技球の中心部よりも若干高い位置に形成される。これにより、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球される遊技球が凸部H24821a2に当接する場合に、下方側に向かって背面側に湾曲する領域に遊技球を当接させることができる。そのため、当接した遊技球に作用する反力を正面側に跳ね返る方向だけでなく下方側に向く方向にも作用させることができる。よって、背面部H24821aに当接した遊技球が正面側に向かって跳ね返ることを抑制できる。その結果、初期位置の発射手段H830と当接される位置に送球される遊技球が暴れることを抑制でき、発射手段H830により発射される(打ち出される)遊技球を安定させやすくできる。また、凸部H24821a2の正面側への突出先端部は、発射手段H830により発射されて発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心部よりも若干高い位置に形成されるので、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れて、凸部H24821a2に当接する場合に、凸部H24821a2に当接する遊技球に作用する反力に下方に向かう方向成分を付与することができる。即ち、凸部H24821a2に当接した反力を背面側(矢印B方向側)に跳ね返る成分と、下方側に向かう成分とに分散することができる。よって、正面側に跳ね返る方向成分の反力を弱めることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。また、第134実施形態における凸部H24821a2は、その突出先端部か発射位置送球ユニットH170の背面までの距離が遊技球の直径よりも小さくされる。これにより、発射手段H830に発射される遊技球が上下方向に暴れた場合に、その遊技球が凸部H24821a2の突出先端部よりも上方に変位することを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
次いで、図1741(b)を参照して、第135実施形態における球発射ユニットH25112aについて説明する。上記第111実施形態では、凹部H821a1が円弧形状に凹設される場合について説明したが、第135実施形態における球発射ユニットH25112aでは、凹部H25821a1が角形状に凹設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。なお、図1741(b)は、第135実施形態における発射位置送球ユニットH170及び球発射ユニットH25112aにおける断面図であり、図1678のMCMVa線における断面図と対応する。図1741(b)に示すように、第135実施形態における球発射ユニットH25112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H25820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850と、を主に備えて形成される。案内手段H25820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H25821と、金属材料から形成され第1案内部材H25821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H25821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。第1案内部材H25821は、ベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に沿って形成される背面部H25821aと、その背面部H25821aから正面側に向かって立設され遊技球の転動面となる転動部H821bと、その転動部H821bに連なり第2案内部材H822が配設される配設部H821cと、その配設部H821cよりも上方側(矢印U方向側)から背面部H821aの正面側に向かって立設され第2案内部材H822に送球される遊技球をガイドする上方側ガイド部H821dとを主に備える。背面部H25821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、発射レールH112a1及び転動部H821bの遊技球の転動方向に沿って背面側に凹設される凹部H25821a1を備える。
凹部H25821a1は、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を凹部H821a1の内側に沿って案内させることで、遊技球の送球を安定させるためのガイド部であり、遊技球の半径よりも大きい溝幅の溝状に形成される。また、第135実施形態における凹部H25821a1は、溝幅に対する凹設深さが十分に深く形成されており、凹部H25821a1に遊技球を受け入れた際に、上端および下端の2点が遊技球に当接可能な形状に形成される。さらに、凹部H25821a1は、発射手段H830により発射され発射レールH112a1上を転動する遊技球が凹部H25821a1の内側に受け入れられる場合に、初めに凹部H25821a1の下端(段差部分)に遊技球が当接する位置に設定される。これにより、発射手段H830により発射された遊技球が前後方向に暴れる場合に、凹部H25821a1の下端(段差部分)に遊技球を当接させることで、遊技球に作用する反力を正面側(矢印F方向側)に跳ね返る方向だけでなく上方側に持ち上がる方向にも作用させることができる。即ち、凹部H25821a1の下端に当接した反力を正面側に跳ね返る成分と、上方側に向かう成分とに分散することができる。よって、正面側に跳ね返る方向成分の反力を弱めることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。なお、背面側へ向かう方向の力が大きく(前後方向に暴れる力が大きく)、凹部H25821a1の下端(段差部分)に遊技球を当接させた際の上方側に向かう力で遊技球が持ち上がる場合には、その遊技球を凹部H25821a1の上端(段差部分)側にも当接させることができる。即ち、遊技球の背面側の一部を凹部H25821a1の上端と下端との間に挟み込むことができる。これにより、遊技球が正面側へ跳ね返ることを抑制できる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
次いで、図1742及び図1743を参照して、第136実施形態における球発射ユニットH26112aについて説明する。上記第111実施形態では、発射手段H830により発射される遊技球が前後に暴れる場合に凹部H821a1に遊技球を受け入れる場合について説明したが、第136実施形態では、経路変更部材H26890により遊技球を凹部H821a1に受け入れる場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1742は、第136実施形態における内枠H12の正面図であり、図1743(a)は、経路変更部材H26890の背面図であり、図1743(b)は、図1743(a)の矢印MCMLXVIb方向視における経路変更部材H26890の側面図であり、図1743(c)は、図1743(b)のMCMLXVIc線における経路変更部材H26890の断面図であり、図1743(d)は、図1743(a)のMCMLXVId線における経路変更部材H26890の断面図である。図1742及び図1743に示すように、第136実施形態における球発射ユニットH26112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850(図1680参照)と、案内手段H820の遊技球の発射経路上に回転可能に配設される経路変更部材H26890と、を主に備えて形成される。経路変更部材H26890は、図1743に示すように、円板状に形成され正面側(矢印F方向側)に配設される第1部H26891と、その第1部H26891の軸回りに等間隔の3箇所から径方向に延設される3箇所の区画壁H26892と、その区画壁H26892を挟んで第1部H26891と対向配置される扇形状の第2部H26893と、を主に備える。第2部H26893は、円板状に形成される板の一部を切り欠いた凹欠部H26893aを有する扇形状に形成され、3箇所の区画壁H26892に区画される内の2箇所の区画領域の背面側(矢印B方向側)を覆って形成され、1箇所の区画領域の背面側を空けた状態で配設される。また、凹欠部H26893aが形成される領域において正面側(矢印F方向側)に配設される第1部H26891は他の部分における板厚よりも厚く形成される。以上のように形成される球発射ユニットH26112aによれば、球発射ユニットH112aにより発射され、発射レールH112a1を転動する遊技球が第1部H2681と第2部H26893(凹欠部H26893a以外の部分)との間を通過する場合には、その遊技球を発射レールH112a1に沿って(即ち、遊技球を凹部H821a1に受け入れず)、遊技領域に送球することができる。即ち、凹部H821a1と当接不能となる方向へ案内することができるので、凹部H821a1を利用せずに遊技球を送球する態様を形成できる。従って、送球される遊技球が暴れて、遊技球の軌跡が不安定となる態様で遊技球を送球できる。これにより、遊技の興趣を向上できる。一方で、球発射ユニットH112aにより発射され、発射レールH112a1を転動する遊技球が第1部H2681と第2部H26893の凹欠部H26893aとの間を通過する場合には、その遊技球を凹部H821a1に受け入れて遊技領域に送球することができる。即ち、凹部H821a1と当接可能となる方向へ案内する態様を形成することができる。従って、送球される遊技球の暴れを抑制して、遊技球の軌跡を安定させた態様で遊技球を送球できる。よって、第136実施形態では、経路変更部材H26890により、凹部H821a1を利用せずに遊技球を送球する態様と、凹部H821a1を利用して遊技球を送球する態様とを形成できる。これにより、遊技盤H13に送球される遊技球がどちらによって案内された遊技球であるのかを遊技者に注目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
次いで、図1744(a)を参照して、第137実施形態における球発射ユニットH27112aについて説明する。上記第111実施形態では、球発射ユニットH112aが枠形成ユニットH12aの下側ベースユニットH12cに配設される場合について説明したが、第137実施形態では、球発射ユニットH27112aが遊技盤H27013に配設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1744(a)は、第137実施形態における内枠H27012の正面図である。なお、図1744(a)では、球発射ユニットH27112aが配設される領域が部分的に拡大されて図示される。図1744(a)に示すように、第137実施形態における内枠H27012は、外枠H11(図1616参照)と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12a(図1616参照)と、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94(図1611参照)とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図1613参照)。なお、内枠H27012の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H27013の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1(図1616参照)と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H27013の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2(図1616参照)が配設される。遊技盤H27013は、左端支持部H12a1にベース板H27060の左側端部が挿入されつつ内枠H27012の背面側(矢印B方向側)に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H27060の正面と係合する(ベース板H27060の正面を支持する)ことで内枠H27012の内側に固定される。また、第137実施形態における遊技盤H27013は、正面視略正方形状に形成されると共に、下方側の縁部の一部から下方側に向かって突出する突出部H27060aを有するベース板H27060に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レールH61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等(図1615参照)を組み付けて構成される。突出部H27060aは、球発射ユニットH27112aが配設される領域であり、その球発射ユニットH27112aから送球される球を受け入れる側の外レールH62の延長線上に形成される。また、突出部H27060aが形成される領域の背面側においては、内枠H27012の下側ベースユニットH27012cに凹部H27012c2が形成され、その凹部H27012c2の内側に突出部H27060aが配設される。
球発射ユニットH27112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射(打ち出し)可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H27820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850(図1680参照)と、を主に備えて形成される。案内手段H27820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H27821と、金属材料から形成され第1案内部材H27821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H27821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。第1案内部材H27821は、ベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に沿って形成される背面部H27821aと、その背面部H27821aから正面側に向かって立設され遊技球の転動面となる転動部H821bと、その転動部H821bに連なって形成され第2案内部材H822が正面側に配設される配設部H821c(図1680参照)と、その配設部H821cよりも上方側(矢印U方向側)から背面部H27821aの正面側に向かって立設される上方側ガイド部H27821dとを主に備える。背面部H27821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、発射レールH112a1及び転動部H821bの球の転動方向に沿って背面側に凹設される凹部H27821a1を2箇所に備える。なお、第137実施形態では、凹部H27821a1が転動面の影響を受けやすい2箇所に形成されるが、凹部H27821a1は1箇所であっても3箇所以上に形成されていても良い。また、第137実施形態では、複数形成される凹部H27821a1が正面視において同一直線状に形成されるが、それぞれの凹部H27821a1が転動面に対し異なる高さに形成されても良い。さらに、それぞれの凹部H27821a1が正面視において非平行に延設されるものであってよい。また、背面部H27821aは、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)に向かって(発射レールH112a1の頂部H112a4(図1682(a)参照)に対して)背面側(矢印B方向側)に傾斜して正面側(矢印F方向側)の側面が形成される。即ち、背面部H27821aは、遊技盤H27013の盤面に対して正面側の少なくとも一部が傾斜して形成される。一方、凹部H27821a1は、背面側の凹設底部が発射手段H830による遊技球の発射方向に(発射レールH112a1の頂部H112a4)に対して平行に形成される。即ち、凹部H27821a1の背面側(矢印B方向側)への凹設深さが遊技球の発射方向に沿って浅くなるように構成され、発射方向における凹部H27821a1の端部が背面部H27821aの正面と連なるように形成される。これにより、凹部H27821a1の発射方向側の端部に段差ができることを抑制でき、凹部H27821a1の端部で凹部H27821a1の内面に当接する遊技球が凹部H27821a1の端部から発射方向に抜け出る際に発射方向と反対方向の抵抗が増大することを抑制できる。その結果、遊技盤H27013の遊技領域に安定して遊技球を送球することができる。
凹部H27821a1は、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が暴れる)際に、遊技球を凹部H27821a1の内側に受け入れることで、遊技球の送球を安定させるためのガイド部であり、遊技球が暴れやすくなる部分に形成される。即ち、凹部H27821a1は、転動部H821bと発射レールH112a1との連結部の上方に亘って形成され、転動部H821bと発射レールH112a1との連結部により形成される隙間(段差)等により球が弾む(暴れる)場合に、凹部に球を受け入れることで遊技球の送球を安定させることができる。なお、発射レールH112a1は、発射当初の遊技球が暴れやすいため転動面が略V字状に凹設される一方、転動部H821bは、発射レールH112a1のように転動面を凹設した形状に形成すると、遊技球が転動する際に遊技球と転動面との当接面が増える(2点支持となる)ため、遊技球の転動面に凹設面が非形成(即ち、平面形状に形成される)とされる。そのため、発射レールH112a1と転動部H821bとがそれぞれ別の部材から形成される。また、発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172と正面視において重なる位置では、凹部H27821a1が非形成とされ、上方側に上方側ガイド部H27821dが形成される。これにより、背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される遊技球は、上方側ガイド部H27821dと発射レールH112a1との対向間を案内される。ここで、背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される遊技球の発射方向は、遊技球と発射手段H830(発射部H831)との当接状態に起因するため、発射直後の遊技球は暴れやすく不安定となりやすい。第137実施形態では、発射直後における位置(背面側開口H172と正面視において重なる位置)の背面部H27821aに凹部H27821a1が非形成とされることで、前後の空間を狭めて発射直後における遊技球が前後に暴れることを抑制できる。特に、第137実施形態では、遊技盤H27013に球発射ユニットH27112aを配設するためにベース板H27060の下方側に突出部H27060aが形成される。即ち、ベース板H27060は、第111実施形態におけるベース板H60に比べて上下方向に長く形成される。そのため、球発射ユニットH27112aをベース板H27060に配設した場合には、ベース板H27060が前後方向(矢印F-B方向)に撓みやすく、その場合に球発射ユニットH27112aの配置も前後にずれやすいという問題がある。この場合、球発射ユニットH27112aの正面側には発射位置送球ユニットH170が配設されるため、ベース板H27060が正面側に撓む場合には、発射直後における前後方向(矢印F-B方向)の間隔が変更されにくいが、ベース板H27060が背面側に撓む場合には、ベース板H27060のみが背面側に変位して、発射位置送球ユニットH170と球発射ユニットH27112aとの前後の間隔が開くことで、発射直後における遊技球が前後に暴れる可能性が高くなる。
これに対し、第137実施形態では、上述したように発射直後(発射位置送球ユニットH170からの遊技球の送球位置)における背面部H27821aに凹部H27821a1が非形成とされることで、前後の空間を狭めて発射直後における遊技球が前後に暴れることを抑制できる。また、発射位置送球ユニットH170からの遊技球の送球位置における背面部H27821aに凹部H27821a1が非形成とされる、即ち、発射位置送球ユニットH170の球送球部H882aにより背面側開口H172から送球され、背面側開口H172から一部が突出される球送球部H882a(図1681参照)により発射位置送球ユニットH170への遊技球の逆流が規制される領域よりも遊技球の発射方向側に凹部H27821a1が形成されるので、背面側開口H172から突出した球送球部H882aにより前後の空間を狭めやすくできる。その結果、発射直後における遊技球が前後に暴れることを抑制しやすくできる。また、上方側ガイド部H27821dは、発射レールH112a1との対向面側に段差部H27821d1が形成され、発射位置側における発射レールH112a1からの離間距離(上下幅)よりも、凹部H27821a1が形成される手前の発射レールH112a1からの離間距離が小さくされる。この段差部H27821d1の段差により、発射手段H830により発射された遊技球が上方に暴れた場合においても、転動部H821bと発射レールH112a1との連結部の手前で遊技球を下方側に落ち着かせることができる。即ち、遊技球の転動面となる発射レールH112a1と対向する位置に配設される上方側ガイド部H27821dに段差部H27821d1が形成されることで、発射手段H830により発射された遊技球が上方側に暴れた状態のまま送球されることを抑制できる。なお、段差部H27821d1により発射位置側の転動面との間隔を大きくすることにより、発射手段H830により発射される球が発射位置で詰まることを抑制できる。さらに、段差部H27821d1により発射レールH112a1からの離間距離が小さくされた部分は、転動部H821b及び発射レールH112a1の連結部と対向する位置まで延設される。これにより、転動部H821bと発射レールH112a1との連結部で遊技球が上方側に暴れて(遊技球が上方に弾んで)凹部H27821a1に受け入れられなくなることを抑制できる。その結果、転動部H821bと発射レールH112a1との連結部で遊技球が暴れることを抑制しやすくできる。また、第137実施形態では、凹部H27821a1が転動部H821bの終端側(発射位置から離れる側)の上方にも形成される。この2箇所目の凹部H27821a1は、転動部H821bの終端の前後に亘って形成される共に、発射方向における端部が正面視におけるベース部材H810の外縁部まで形成される。
これにより、転動部H821bを転動して転動部H821bの終端からレールH61,H62の対向間(外レールH62の上部)に向かって送球される遊技球が前後に暴れることを抑制できる。よって、遊技盤H27013(ベース板H27060)の正面とベース部材H810の正面との前後方向(矢印F-B方向)における配置がずれた場合や、遊技盤H27013(ベース板H27060)とベース部材H810との上下方向(矢印U-D方向)における配置がずれた場合に、遊技盤H27013(ベース板H27060)とベース部材H810との境界に形成される段差に遊技球が引っ掛かり(当接して)、遊技球がレールH61,H62の対向間から外れた位置に送球されることを抑制できる。なお、第137実施形態では、2箇所目の凹部H27821a1が正面視におけるベース部材H810の外縁部まで形成される場合について説明したが、正面視におけるベース部材H810の外縁の内側に2箇所目の凹部H27821a1の発射方向側の端部が設定されるものであっても良い。さらに、2箇所目の凹部H27821a1がベース部材H810の外縁部で背面部H27821aの正面と連なるものでなく、2箇所の凹部H27821a1がベース部材H810の外縁部で背面部H27821aよりも背面側に凹設され、その2箇所目の凹部H27821a1が、遊技盤H27013に凹設した凹部や遊技盤H27013に配設された別のベース部材H810の凹部に連なる構成とされても良い。また、第137実施形態では、遊技盤H27013に球発射ユニットH27112aが配設されるので、第111実施形態における球発射ユニットH112aのように遊技盤H13と別部材に配置されるものに比べて、遊技盤H27013に対する球発射ユニットH27112aの配置のずれを抑えることができる。従って、遊技盤H27013と球発射ユニットH27112aとの間に(球発射ユニットH27112aから発射される遊技球の送球路上に)段差が形成されることを抑制できる。その結果、球発射ユニットH27112aから遊技盤H27013への遊技球の送球を安定させられる。
次いで、図1744(b)を参照して、第138実施形態における球発射ユニットH28112aについて説明する。上記27実施形態では、球発射ユニットH27112aの全部が遊技盤H27013に配設される場合について説明したが、第138実施形態では、球発射ユニットH28112aの遊技球の送球部分が遊技盤H28013に配設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。図1744(b)は、第138実施形態における内枠H28012の正面図である。なお、図1744(b)では、球発射ユニットH28112aが配設される領域が部分的に拡大されて図示される。図1744(a)に示すように、第138実施形態における内枠H28012は、外枠H11(図1616参照)と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12a(図1616参照)と、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94(図1611参照)とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図1613参照)。なお、内枠H28012の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H28013の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1(図1616参照)と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H28013の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2(図1616参照)が配設される。遊技盤H28013は、左端支持部H12a1にベース板H28060の左側端部が挿入されつつ内枠H28012の背面側(矢印B方向側)に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H28060の正面と係合する(ベース板H27060の正面を支持する)ことで内枠H28012の内側に固定される。また、第138実施形態における遊技盤H28013は、正面視略正方形状に形成されると共に、下方側の縁部の一部から下方側に向かって突出する突出部H28060aを有するベース板H28060に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レールH61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等(図1615参照)を組み付けて構成される。突出部H28060aは、球発射ユニットH28112aの案内手段H28820側が配設される領域であり、その球発射ユニットH28112aから送球される球を受け入れる側の外レールH62の延長線上に形成される。また、突出部H28060aが形成される領域の背面側においては、内枠H28012の下側ベースユニットH28012cに凹部H28012c2が形成され、その凹部H28012c2の内側に突出部H28060aが配設される。
球発射ユニットH28112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H28810と、そのベース部材H28810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射(打ち出し)可能な発射手段H830と、ベース部材H28810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H27820と、ベース部材H28810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H28810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850(図1680参照)と、を主に備えて形成される。ベース部材H28810は、ベース板H28060の突出部H28060aの正面側に配設される第1ベース部材H28814と、その第1ベース部材H28814の下方側に隣り合う位置に配設され、下側ベースユニットH28012cの収容凹部H28012c1に配設される第2ベース部材H28815とを主に備える。第1ベース部材H28814は、正面視において突出部H28060aと対応する大きさの板状に形成される。また、第1ベース部材H28814は、正面側に向かって膨出され案内手段H27820及び当接手段H840の第1弾性部材H841を配設する基部となる第1膨出部H811(図1680参照)を備え、正面側に案内手段H27820及び当接手段H840の第1弾性部材H841が配設される。第2ベース部材H28115は、正面視において収容凹部H28012c1と対応する大きさの板状に形成される。また、第2ベース部材H28815は、正面側に向かって膨出して形成され当接手段H840の第2弾性部材H842を配設する基部となる第2膨出部H812(図1680参照)と、前後方向(矢印F-B方向)に穿設され駆動モータH850(図1680参照)の軸部H852が挿通される貫通孔H813(図1680参照)と、を主に備え、正面側に発射手段H830及び当接手段H840の第2弾性部材H842が配設され、背面側に駆動モータH850が配設される。即ち、第138実施形態におけるベース部材H28810は、第137実施形態におけるベース部材H810に対して、遊技球を案内する案内手段H27820と、遊技球を発射する発射手段H830とが異なる部材(第1ベース部材H28814、第2ベース部材H28815)に配設される。これにより、第137実施形態における遊技盤H27013のベース板H27060に比べて、第138実施形態における遊技盤H28013のベース板H28060では、上下方向(矢印U-D方向)における長さを短くできる。これにより、ベース板H28060が前後方向(矢印F-B方向)に撓むことを抑制して、球発射ユニットH27112aの配置が前後にずれることを抑制できる。その結果、発射直後における遊技球が前後に暴れることを抑制しやすくできる。なお、案内手段H27820による遊技球の送球については、第137実施形態における案内手段H27820と同様であるため、その詳しい説明は省略する。また、第138実施形態では、発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172と正面視において重なる位置に凹部H27821a1が非形成とされる場合について説明したが、凹部H27821a1が非形成とされる領域を切り欠いて、発射位置送球ユニットH170の背面側開口H172と対向する位置に遊技盤H28013(ベース板H28060)の正面を配置しても良い。即ち、遊技球の発射当初において、遊技盤H28013の盤面に沿って遊技球を送球した後で、遊技盤H28013に配設した案内手段H27820に遊技球を送球するものであっても良い。なお、凹部H27821a1が非形成とされる領域を切り欠いた場合には、V字状に凹設される発射レールH112a1の頂部H112a4(図1682(a)参照)を遊技盤H28013側へ寄せて形成することで、凹部H27821a1が非形成とされる領域を送球される遊技球が遊技盤H28013と当接するように構成しても良い。この場合には、遊技盤H28013に遊技球が当接することで遊技球の暴れを抑制しやすくできる。また、凹部H27821a1が非形成とされる領域を切り欠いた場合には、その切り欠いた領域と隣り合う位置における背面部H28821aの端部を遊技盤H28013に向かって傾斜して形成しても良い。これにより、遊技盤H28013から背面部H28821aの正面側に送球される場合に、背面部H28821aと遊技盤H28013との境界に形成される前後方向の段差に引っ掛かることを抑制できる。その結果、遊技盤H28013の遊技球の送球を安定させることができる。なお、背面部H28821aと遊技盤H28013との境界に形成される前後方向の段差に引っ掛かることを抑制するために、背面部H28821a1の厚み分、遊技盤H13を凹設して、その遊技盤に凹設した凹みに背面部H28821a1を配設して、背面部H28821aと遊技盤H28013との境界に前後方向の段差が形成されることを抑制しても良い。
次いで、図1745(a)を参照して、第139実施形態における球発射ユニットH29112aについて説明する。上記第111実施形態では、正面視において遊技球の発射方向(発射レールH112a1及び転動部H821b)と平行に凹部H821a1が形成される場合について説明したが、第139実施形態では、正面視において遊技球の発射方向と非平行に凹部H29821a1が形成される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。図1745(a)は、第139実施形態における球発射ユニットH29112aの正面図である。図1745(a)に示すように、第139実施形態における球発射ユニットH29112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射(打ち出し)可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H29820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850(図1680参照)と、を主に備える。案内手段H29820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H29821と、金属材料から形成され第1案内部材H29821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H29821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。第1案内部材H29821は、ベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に沿って形成される背面部H29821aと、その背面部H29821aから正面側に向かって立設され遊技球の転動面となる転動部H821bと、その転動部H821bに連なって形成され第2案内部材H822が正面側に配設される配設部H821c(図1680参照)と、その配設部H821cよりも上方側(矢印U方向側)から背面部H821aの正面側に向かって立設され発射位置送球ユニットH170(図1681参照)から第2案内部材H822(発射レールH112a1)に送球される遊技球をガイドする上方側ガイド部H821dとを主に備える。背面部H29821aは、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を凹部H29821a1の内側に受け入れることで、遊技球の送球を安定させるためのガイド部であり、遊技球の一部を受け入れ可能な大きさに形成される。また、凹部H29821a1は、遊技球の半径よりも大きい半径の湾曲形状に凹設される。背面部H29821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、発射レールH112a1及び転動部H821bの球の転動方向に沿って背面側に凹設される凹部H29821a1を1箇所に備える。
なお、第139実施形態では、凹部H29821a1が1箇所に形成されるが、凹部H29821a1は2箇所以上の複数個所に形成されていても良い。また、第139実施形態では、複数形成される凹部H29821a1が正面視において転動面に対し異なる高さに形成されても良い。また、背面部H29821aは、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)に向かって(発射レールH112a1の頂部H112a4(図1682(a)参照)に対して)背面側(矢印B方向側)に傾斜して正面側(矢印F方向側)の側面が形成される。即ち、背面部H29821aは、遊技盤H13(図1615参照)の盤面に対して正面側の少なくとも一部が傾斜して形成される。一方、凹部H27821a1は、背面側の凹設底部が発射手段H830による遊技球の発射方向に(発射レールH112a1の頂部H112a4)に対して平行に形成される。即ち、凹部H29821a1の背面側(矢印B方向側)への凹設深さが遊技球の発射方向に沿って浅くなるように構成され、発射方向における凹部H29821a1の端部が背面部H29821aの正面と連なるように形成される。これにより、凹部H29821a1の発射方向側の端部に段差ができることを抑制でき、凹部H29821a1の端部で凹部H29821a1の内面に当接する遊技球が凹部H29821a1の端部から発射方向に抜け出る際に発射方向と反対方向の抵抗が増大することを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に安定して遊技球を送球することができる。凹部H29821a1は、遊技球の転動面となる発射レールH112a1及び転動部H821bの上方側に形成され、遊技球の発射方向と反対側の背面部H29821aの端部(遊技球の初期位置側の端部)から発射方向側の背面部H29821aの端部の手前まで延設される。また、凹部H29821a1は、正面視において発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部に向かうにつれて発射レールH112a1に対して発射初期位置から上昇傾斜される。一方、凹部H29821a1は、正面視において発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部から発射終端位置に向かうにつれて転動部H821bに対して下降傾斜される。即ち、発射レールH112a1の上方では、発射レールH112a1(遊技球の転動面)に対して凹部H29821a1が上昇傾斜される一方、転動部H821bの上方では、転動部H821b(遊技球の転動面)に対して凹部H29821a1が下降傾斜される。なお、発射される遊技球の初期位置に対応する位置(遊技球の発射方向と反対側の端部)の凹部H29821a1の発射レールH112a1からの高さは、凹部H29821a1に遊技球が受け入れられる際に発射レールH112a1から離間した遊技球が凹部H29821a1の背面側への凹設底部よりも下面側に当接するように構成される。即ち、凹部H29821a1の背面側への凹設底部は、発射レールH112a1の転動面から遊技球の半径よりも高い位置に設定される。これにより、凹部H29821a1の内面に当接する遊技球に作用する反力に上下方向(矢印U-D方向)に向かう方向成分を付与することができる。即ち、凹部H29821a1の内面に当接した反力を正面側(矢印F方向側)に跳ね返る成分と、上方側に変位させる成分とに分散することができる。よって、正面側(矢印F方向側)に跳ね返る方向成分の反力を弱めることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。即ち、第139実施形態では、遊技球の送球方向に対して凹部H29821a1が非平行に形成されるので、非平行な凹部H29821a1に遊技球を当接させることで遊技球が暴れることを抑制できる。その結果、遊技球の軌跡を安定させることができ、遊技球の送球を改善できる。また、第139実施形態では、凹部H29821a1の内面に当接した遊技球に転動面から離れる上方側に反力を付与することができると共に、発射レールH112a1(遊技球の転動面)に対して凹部H29821a1が上昇傾斜されるので、発射レールH112a1上で遊技球が凹部H29821a1に受け入れられた場合に、その遊技球に凹部H29821a1の上昇傾斜に沿って上方に持ち上げることができる。これにより、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部で遊技球を浮かせやすくすることができる。
ここで、上記したように発射レールH112a1は、発射当初の遊技球が暴れやすいため転動面が略V字状に凹設される一方、転動部H821bは、発射レールH112a1のように転動面を凹設した形状に形成すると、遊技球が転動する際に遊技球と転動面との当接面が増える(2点支持となる)ため、遊技球の転動面に凹設面が非形成(即ち、平面形状に形成される)とされる。そのため、発射レールH112a1と転動部H821bとがそれぞれ別の部材から形成される。よって、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部に段差が形成されやすく、その段差により遊技球が暴れる恐れがある。これに対し、第139実施形態では、発射レールH112a1(遊技球の転動面)に対する凹部H29821a1の上昇傾斜により、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部で遊技球を浮かせやすくすることができるので、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を越える遊技球が段差に引っ掛かって暴れることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。なお、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた位置(転動部H821bの上方)における凹部H29821a1が、転動部H821b(遊技球の転動面)に対して下降傾斜されるので、凹部H29821a1の上昇傾斜により転動面から離れた遊技球を凹部H29821a1の下降傾斜により転動面側に向かわせることができる。これにより、発射手段H830により発射される遊技球が凹部H29821a1の上昇傾斜により上下方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。また、凹部H29821a1の発射方向側の終端は、転動部H821bの終端よりも手前に設定される。即ち、転動部H821bの終端から遊技盤H13に送球される遊技球は、転動部H821bの転動面に沿って送球される。これにより、転動部H821bの終端から送球される遊技球が凹部H29821a1の下降傾斜の影響を受けることを抑制して、遊技盤H13への遊技球の送球が不安定となることを抑制できる。さらに、凹部H29821a1は、発射方向側の終端側に向かうに従って狭く(幅が小さく)形成される。これにより、凹部H29821a1に遊技球が当接して案内される際に、その遊技球を凹部H29821a1に当接した状態を維持しやすくできる。即ち、凹部H29821a1は、遊技球の発射(送球)方向に向かうに従って幅が小さくなるように構成されるので、凹部H29821a1の内側に受け入れた状態(凹部H821a1により支持した状態)に維持しやすくできる。これにより、発射レールH112a1と転動部H821bとを遊技球が転動(通過)している間、その遊技球に対して凹部H29821a1の作用を継続させ、遊技球の暴れを抑えやすくできる。その結果、遊技盤H13への遊技球の送球を安定させることができる。なお、第139実施形態では、凹部H29821a1の終端でのみ幅が狭く形成されるが、凹部H821a1は、全体に亘って溝幅が発射方向に向かって狭く形成されるものであっても良い。なお、正面視において転動部H821bと遊技盤H13のレールH61,H62の間の下方には、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として受け入れるファール球受口部H146(図1746、図1614参照)が配設される。即ち、球発射ユニットH112aから発射された遊技球が遊技盤H13に到達するまでの送球経路上に分岐する経路が形成される。
第139実施形態では、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた位置(転動部H821bの上方)における凹部H29821a1が、転動部H821b(遊技球の転動面)に対して下降傾斜され、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた遊技球を転動面側に送球することができるので、遊技球が前後方向に暴れることにより転動速度が遅くなり過ぎた場合に、その遊技球をファール球受口部H146に受け入れることができる。その結果、転動速度が遅すぎる遊技球が遊技領域まで至らず、ファール球となることを抑制できる。その結果、遊技が一時的に停止することを抑制できる。また、上記第139実施形態では、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた位置(転動部H821bの上方)における凹部H29821a1が、転動部H821b(遊技球の転動面)に対して下降傾斜される場合について説明したが、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた位置(転動部H821bの上方)においては、凹部H29821a1を遊技球の発射方向に平行(遊技球の転動面と平行)に形成されていても良い(即ち、第111実施形態における、凹部H821a1を第139実施形態における凹部H29821a1と組み合わせても良い)。この場合には、比較的暴れる要因の少ない、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた位置(転動部H821bの上方)で、遊技球の発射方向と平行に形成される凹部H821a1により遊技球を発射(送球)方向に沿って案内することができる。これにより遊技球の軌跡を安定させることができる。なお、上記の説明では、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた位置(転動部H821bの上方)における凹部H29821a1を遊技球の発射方向に平行(遊技球の転動面と平行)に形成する場合について説明したが、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の手前側が遊技球の発射方向に平行(遊技球の転動面と平行)に形成されていても良い。この場合には、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部に形成される段差で遊技球が暴れる場合に、発射方向に対して傾斜して形成される凹部H29821a1により遊技球の暴れを抑制しやすくできると共に、発射方向に対して平行に形成される凹部H821a1により発射直後の遊技球の暴れを抑制しやすくできる。また、第139実施形態では、発射方向側の終端側に向かうに従って凹部H29821a1の幅が狭く(幅が小さく)形成される場合について説明したが、発射方向の終端側に向かうに従って凹部H29821a1の幅が広く(幅が大きく)形成されても良い。この場合には、比較的暴れが大きな遊技球に対して凹部を徐々に作用させることができる。即ち、遊技球と凹部H29821a1との重なり(当接可能な)面積を徐々に大きくすることができる。これにより、凹部H29821a1への遊技球の衝突により遊技球の暴れが増幅することを抑制できる。即ち、遊技球が当接方向と異なる方向に暴れる(例えば、上側に弾んだり)することを抑制できる。その結果、遊技盤H13への遊技球の送球を安定させることができる。
次いで、図1745(b)を参照して、第140実施形態における球発射ユニットH30112aについて説明する。上記第139実施形態では、凹部H29821a1が転動面に対して上昇傾斜および下降傾斜して形成される場合について説明したが、第140実施形態では、凹部H30821a1が転動面に対して下降傾斜して形成される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。図1745(b)は、第140実施形態における球発射ユニットH30112aの正面図である。図1745(b)に示すように、第140実施形態における球発射ユニットH30112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射(打ち出し)可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H30820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850(図1680参照)と、を主に備える。案内手段H30820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H30821と、金属材料から形成され第1案内部材H30821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H30821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。第1案内部材H30821は、ベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に沿って形成される背面部H30821aと、その背面部H30821aから正面側に向かって立設され遊技球の転動面となる転動部H821bと、その転動部H821bに連なって形成され第2案内部材H822が正面側に配設される配設部H821c(図1680参照)と、その配設部H821cよりも上方側(矢印U方向側)から背面部H821aの正面側に向かって立設され発射位置送球ユニットH170(図1681参照)から第2案内部材H822(発射レールH112a1)に送球される遊技球をガイドする上方側ガイド部H821dとを主に備える。背面部H30821aは、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を凹部H30821a1の内側に受け入れることで、遊技球の送球を安定させるためのガイド部であり、遊技球の一部を受け入れ可能な大きさに形成される。また、凹部H30821a1は、遊技球の半径よりも大きい半径の湾曲形状に凹設される。
背面部H30821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、発射レールH112a1及び転動部H821bの球の転動方向に沿って背面側に凹設される凹部H30821a1を2箇所に備える。また、背面部H30821aは、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)に向かって(発射レールH112a1の頂部H112a4(図1682(a)参照)に対して)背面側(矢印B方向側)に傾斜して正面側(矢印F方向側)の側面が形成される。即ち、背面部H30821aは、遊技盤H13(図1615参照)の盤面に対して正面側の少なくとも一部が傾斜して形成される。一方、凹部H27821a1は、背面側の凹設底部が発射手段H830による遊技球の発射方向に(発射レールH112a1の頂部H112a4)に対して平行に形成される。即ち、凹部H30821a1の背面側(矢印B方向側)への凹設深さが遊技球の発射方向に沿って浅くなるように構成され、発射方向における凹部H30821a1の端部が背面部H30821aの正面と連なるように形成される。これにより、凹部H30821a1の発射方向側の端部に段差ができることを抑制でき、凹部H30821a1の端部で凹部H30821a1の内面に当接する遊技球が凹部H30821a1の端部から発射方向に抜け出る際に発射方向と反対方向の抵抗が増大することを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に安定して遊技球を送球することができる。凹部H30821a1は、遊技球の転動面となる発射レールH112a1及び転動部H821bの上方側に形成され、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の上方に亘って形成される。また、凹部H30821a1は、正面視において発射レールH112a1側から転動部H821b側に(遊技球の発射方向に)向かって遊技球の転動面に対して下降傾斜して形成される。なお、発射レールH112a1側の凹部H30821a1の端部(遊技球の発射方向と反対側の端部)における発射レールH112a1からの高さは、発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心よりも高い位置に形成されており、発射レールH112a1の転動面に対して上方側に所定の距離弾んだ遊技球が受け入れる位置に設定される。
また、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部における凹部H30821a1は、背面側への凹設底部の位置が転動部H821bを転動する遊技球の中心と略一致する位置に設定される。これにより、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を越える遊技球が発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部に形成された段差に引っ掛かって暴れた場合にその遊技球を凹部H30821a1に受け入れられると共に、その受け入れた遊技球を凹部H30821a1の背面側の凹設底部よりも高い位置の内面に当接させることができる。よって、凹部H30821a1の内面に当接する遊技球に作用する反力に上下方向(矢印U-D方向)に向かう方向成分を付与することができる。即ち、凹部H30821a1の内面に当接した反力を正面側(矢印F方向側)に跳ね返る成分と、下方側に変位させる成分とに分散することができる。よって、正面側(矢印F方向側)に跳ね返る方向成分の反力を弱めつつ、転動面側に向かわせることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制しつつ、上下方向に暴れることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。即ち、第140実施形態では、遊技球の送球方向に対して凹部H30821a1が非平行に形成されるので、非平行な凹部H30821a1に遊技球を当接させることで遊技球が暴れることを抑制できる。その結果、遊技球の軌跡を安定させることができ、遊技球の送球を改善できる。また、凹部H30821a1は、発射方向側の終端側に向かうに従って狭く(幅が小さく)形成される。これにより、凹部H30821a1に遊技球が当接して案内される際に、その遊技球を凹部H30821a1に当接した状態を維持しやすくできる。即ち、凹部H30821a1は、遊技球の発射(送球)方向に向かうに従って幅が小さくなるように構成されるので、凹部H29821a1の内側に受け入れた状態(凹部H821a1により支持した状態)に維持しやすくできる。これにより、発射レールH112a1と転動部H821bとを遊技球が転動(通過)している間、その遊技球に対して凹部H29821a1の作用を継続させ、遊技球の暴れを抑えやすくできる。その結果、遊技盤H13への遊技球の送球を安定させることができる。さらに、正面視において転動部H821bと遊技盤H13のレールH61,H62の間の下方には、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として受け入れるファール球受口部H146が配設される。即ち、球発射ユニットH112aから発射された遊技球が遊技盤H13に到達するまでの送球経路上に分岐する経路が形成される。第140実施形態では、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の上方に凹部H30821a1が下降傾斜して形成され、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を超えた遊技球を転動面側に送球することができるので、遊技球が前後方向に暴れることにより転動速度が遅くなり過ぎた場合に、その遊技球をファール球受口部H146に受け入れることができる。その結果、転動速度が遅すぎる遊技球が遊技領域まで至らず、ファール球となることを抑制できる。その結果、遊技が一時的に停止することを抑制できる。
次いで、図1745(c)を参照して、第141実施形態における球発射ユニットH31112aについて説明する。上記第140実施形態では、凹部H30821a1が転動面に対して下降傾斜しつつ凹設される場合について説明したが、第141実施形態では、凸部H31821a2が転動面に対して直交する方向に突設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。図1745(c)は、第141実施形態における球発射ユニットH31112aの正面図である。図1745(c)に示すように、第141実施形態における球発射ユニットH31112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射(打ち出し)可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H31820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850(図1680参照)と、を主に備える。案内手段H31820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H31821と、金属材料から形成され第1案内部材H31821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H31821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。第1案内部材H31821は、ベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に沿って形成される背面部H31821aと、その背面部H31821aから正面側に向かって立設され遊技球の転動面となる転動部H821bと、その転動部H821bに連なって形成され第2案内部材H822が正面側に配設される配設部H821c(図1680参照)と、その配設部H821cよりも上方側(矢印U方向側)から背面部H821aの正面側に向かって立設され発射位置送球ユニットH170(図1681参照)から第2案内部材H822(発射レールH112a1)に送球される遊技球をガイドする上方側ガイド部H821dとを主に備える。背面部H31821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、正面視において発射レールH112a1及び転動部H821bの遊技球の転動方向と直交する方向に延設されつつ正面側(矢印F方向側)に向かって凸設される凸部H31821a2を備える。
凸部H31821a2は、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を当接させることで遊技球の前後方向の暴れを抑える部分であり、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の上方に形成される。また、凸部H31821a2は、正面側(矢印F方向側)に向かって湾曲状に突出されると共に、その湾曲形状が正面視において遊技球の発射方向と直交する方向に延設される。即ち、発射方向に沿って前後方向に平行な平面で切断した凸部H31821a2の断面は、半円形状に形成される。なお、凸部H31821a2の断面は、半円形状に限られるものではなく、三角形状や、矩形状に形成されるものであっても良い。また、凸部H31821a2は、詳細には、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の上方を起点に発射方向側(即ち、遊技球の発射方向と反対側における転動部H821bの端部上方)に形成される。さらに、凸部H31821a2は、転動部H821bを転動する遊技球の中心よりも若干高い位置に形成され、転動部H821bの上部に当接しつつ転動する遊技球が当接しない位置に形成される。以上のように形成される凸部H31821a2によれば、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を越える遊技球が発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部に形成された段差に引っ掛かって上方側に弾む場合にその遊技球を凸部H31821a2に当接させることができる。これにより、凸部H31821a2に当接する遊技球に作用する反力に発射方向と反対方向に向かう方向成分を付与することができる。よって、転動部H821bを転動する遊技球の転動速度を弱めて、凸部H31821a2に当接した遊技球(即ち、上方に弾んだ遊技球)を落ち着かせることができる。従って、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を越えて送球される遊技球が上下方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。
次いで、図1746(a)及び(b)を参照して、第142実施形態における球発射ユニットH32112a及び発射位置送球ユニットH32170について説明する。上記第133実施形態では、背面部H821aに凹部H821a1が形成され、背面側ケースH23870に第2凹部H23821が形成される場合について説明したが、第142実施形態では、背面部H32821a及び背面側ケースH32870に凸部H32821a2及び第2凸部H32872が形成される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。図1746(a)は、第142実施形態における球発射ユニットH32112a及び発射位置送球ユニットH32170の断面図であり、図1678のMCMVb線における断面図と対応し、図1746(b)は、図1746(a)におけるMCMLXIXb方向視における球発射ユニットH32112aの正面図である。図1746(a)及び図1746(b)に示すように、第142実施形態における球発射ユニットH32112aは、樹脂材料から形成されるベース部材H810と、そのベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に回転して遊技球を遊技領域に発射(打ち出し)可能な発射手段H830と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830により発射される遊技球を案内する案内手段H32820と、ベース部材H810の正面側に配設され発射手段H830の回転基端で発射手段H830と当接可能に配設される当接手段H840と、ベース部材H810の背面側(矢印B方向側)に配設され発射手段H830が回転する駆動力を発生させる駆動モータH850(図1680参照)と、を主に備える。案内手段H32820は、樹脂材料から形成されベース部材H810の正面側(矢印F方向側)に配設される第1案内部材H32821と、金属材料から形成され第1案内部材H32821の正面側に配設される第2案内部材H822とを主に備え、第1案内部材H32821と第1膨出部H811との間に当接手段H840の第1弾性部材H841を挟んだ状態でベース部材H810に配設される。背面部H32821aは、発射手段H830により発射される遊技球の背面側(矢印B方向側)の送球面となる部分であり、正面側(矢印F方向側)に向かって凸設される凸部H32821a2を遊技球の発射方向に沿って複数個(第142実施形態では5個)備える。凸部H32821a2は、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を当接させることで遊技球の前後方向の暴れを抑える部分であり、正面視において略矩形状に形成されると共に、正面側の端面が遊技球の発射方向に沿って正面側に向かって傾斜して形成される。
発射位置送球ユニットH32170は、正面側(矢印F方向側)に配設され正面側開口H171を有する正面側ケースH860と、その正面側ケースH860の背面側(矢印B方向側)に配設され背面側開口H172を有する背面側ケースH32870と、それら正面側ケースH860および背面側ケースH32870の間に配設される送球手段H880とを主に備える。背面側ケースH32870は、球発射ユニットH32112aの背面部H32821aと対面し、発射手段H830による発射経路の正面側(矢印F方向側)を形成する面が、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)に平行に形成されると共に、背面側に向かって突出する第2凸部H32872を遊技球の発射方向に沿って複数個(第142実施形態では4個)備える。第2凸部H32872は、発射手段H830により発射される遊技球の送球が不安定となる(遊技球が前後方向に暴れる)際に、遊技球を当接させることで遊技球の前後方向の暴れを抑える部分であり、背面側の端面が遊技球の発射方向に沿って背面側に向かって傾斜して形成される。また、第2凸部H32872は、背面側ケースH32870と対向する背面部H32821aに形成される複数の凸部H32821a2と前後方向に重ならない位置に形成され、遊技球の発射方向において凸部H32821a2の間に形成される。なお、凸部H32821a2と第2凸部H32872とは、遊技球の発射方向に沿って遊技球の半径分離れて形成されると共に、正面側または背面側の傾斜面が略20度傾斜して形成される。また、凸部H32821a2と第2凸部H32872とは、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球の半径分の高さに位置するように形成され、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球が当接可能とされる。以上のように構成される球発射ユニットH32112a及び発射位置送球ユニットH32170によれば、発射手段H830により発射され、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球が前後に暴れる場合に、その遊技球を凸部H32821a2または第2凸部H32872に当接させることができる。上述したように凸部H32821a2と第2凸部H32872とは、発射方向に沿って送球路の内側に向かって傾斜して形成される。そのため、凸部H32821a2または第2凸部H32872に当接する遊技球は、凸部H32821a2または第2凸部H32872の傾斜面に沿って転動面の前後方向における中央部に寄せられる。従って、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。また、第142実施形態では、発射方向側における凸部H32821a2の側面および第2凸部H32872の側面が発射方向と直交する方向(前後方向)に延設される。これにより、遊技球が発射方向と反対側に流下する場合にその遊技球を発射方向側における凸部H32821a2の側面または第2凸部H32872の側面に当接させて遊技球の流下速度を低下させることができる。従って、遊技盤H13のレールH61,H62に送球された遊技球が遊技領域まで送球されず(戻り球防止部材H68を通過せず)外レールH62に沿って球発射ユニットH32112a側まで逆流(流下)する場合には、その遊技球の流下速度を低下させることができる。これにより、遊技球が発射初期位置まで流下して、その遊技球が発射位置送球ユニットH32170から発射レールH112a1上に送球された第2の遊技球(次に発射される遊技球)や発射手段H830に当接した際の衝撃を小さくできる。その結果、衝突音を小さくして不具合が起きた際の音が遊技者に聞こえることを抑制できる。また、第2の遊技球(次に発射される遊技球)に当接した際の衝撃を小さくすることで、第2の遊技球が発射初期位置からずれた位置に跳ねることを抑制でき、第2の遊技球の送球が不安定となることを抑制できる。また、第142実施形態では、発射方向において転動部H821bを超えた位置に凸部H32821a2と第2凸部H32872とが配置される。これにより、逆流する遊技球が転動部H821bまで流下する前に遊技球の流下速度を低下させることができる。ここで、正面視において転動部H821bと遊技盤H13のレールH61,H62の間の下方には、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として受け入れるファール球受口部H146が配設される。従って、逆流(流下)する遊技球が転動部H821bまで流下する前に遊技球の流下速度を低下させることで、逆流した遊技球をファール球受口部H146に案内することができる。これにより、逆流する遊技球が発射初期位置(遊技球を発射する送球路)まで流下して、第2の遊技球(次に発射される球)と当接することを抑制できる。その結果、球発射ユニットH112aから発射された遊技球が遊技領域まで至らなかった場合でも、第2の球の送球を安定させることができる。その結果、球の送球が不安定となり遊技が一時的に停止することを抑制できる。なお、逆流した遊技球をファール球受口部H146に案内するために凸部H32821a2の発射方向側の側面をファール球受口部H146側に向く(ファール球受口部H146に対向する方向に向く)傾斜面として形成したり、凸部H32821a2の全体を遊技球の発射(送球)方向に対して傾斜する方向に延設しても良い。
次いで、図1746(c)を参照して、第143実施形態における凸部H33821a2について説明する。上記第142実施形態では、凸部H32821a2が正面視略矩形に形成される場合について説明したが、第143実施形態では、凸部H33821a2が正面視略三角形状に形成される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。図1746(c)は、第143実施形態における球発射ユニットH33112aの正面図であり、図1746(a)のMCMLXIXb方向視における正面図と対応する。なお、第143実施形態では、第142実施形態における球発射ユニットH32112aの凸部H32821a2の形状が異なるだけであるので、その他の詳しい説明は省略する。第143実施形態における凸部H33821a2は、正面視において略三角形状に形成され、そのうちの第1辺H33821a3が転動面と平行に形成されると共に、第2辺H33821a4が第1辺H33821a3の発射方向側の端部から転動面(転動部H821b)に向かって発射方向と直交する方向に延設され、残りの第3辺H33821a5がそれら2辺の端部同士を連結する方向に延設され、発射方向に沿って下降傾斜する形状とされる。また、第1辺H33821a3が、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球の中心よりも転動面から離れる位置に形成されると共に、第2辺H33821a4の下端(転動部H821b側の端部)が発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球の中心よりも転動面に近い位置に形成される。さらに、凸部H33821a2は、正面側の端面が遊技球の発射方向に沿って正面側に向かって傾斜して形成される。以上のように形成される凸部H33821a2よれば、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球が前後に暴れて凸部H33821a2に当接した場合に、その遊技球を正面側の傾斜面により転動面の前後方向における中央部に寄せられる。従って、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。また、第143実施形態における凸部H33821a2によれば、第1辺H33821a3が、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球の中心よりも転動面から離れる位置に形成されると共に、第2辺H33821a4の下端(転動部H821b側の端部)が発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球の中心よりも転動面に近い位置に形成されるので、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球が上下に暴れて(上方に跳ねて)凸部H33821a2に当接した場合に、その遊技球を下方側に向けて送球することができる。よって、発射手段H830により発射される遊技球が上下方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。なお、遊技盤H13のレールH61,H62に送球された遊技球が遊技領域まで送球されず(戻り球防止部材H68を通過せず)外レールH62に沿って球発射ユニットH33112a側まで逆流(流下)する場合については、第142実施形態における凸部H33821a2と同様であるので、その詳しい説明については省略する。また、第143実施形態においては、球発射ユニットH33112aの正面側に配設される発射位置送球ユニットH32170の第2凸部H32872が、凸部H33821a2を前後方向に反転した形状に形成され、凸部H33821a2と同様に、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向および上下方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。さらに、第143実施形態では、凸部H33821a2が正面視において略三角形状に形成される場合について説明したが、凸部H33821a2が正面視において四角形状に形成され、そのうちの一片が転動面に対して傾斜する方向に形成されても良い。この場合も同様に、凸部H33821a2に当接する遊技球を転動面の中央部に寄せることができる。
次いで、図1746(d)を参照して、第144実施形態における凸部H34821a2について説明する。上記第142実施形態では、凸部H32821a2が発射レールH112a1及び転動部H821bから離間して形成される場合について説明したが、第144実施形態では、凸部H34821a2が発射レールH112a1及び転動部H821bに連続して形成される。図1746(d)は、第144実施形態における球発射ユニットH34112aの正面図であり、図1746(a)のMCMLXIXb方向視における正面図と対応する。なお、第144実施形態では、第142実施形態における球発射ユニットH32112aの凸部H32821a2の形状が異なるだけであるので、その他の詳しい説明は省略する。第144実施形態における凸部H34821a2は、正面視において発射レールH112a1及び転動部H821bと連なる(隣り合う)位置から発射方向と直交する方向に延設され、上方側が発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球よりも高い位置に設定される(即ち、送球経路の上下方向全域に亘って延設される)。また、凸部H34821a2は、断面が略三角形状に形成され、正面側の端面が遊技球の発射方向に沿って正面側に向かって傾斜して形成される。以上のように形成される凸部H34821a2よれば、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球が前後に暴れて凸部H33821a2に当接した場合に、その遊技球を正面側の傾斜面により転動面の前後方向における中央部に寄せられる。従って、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。また、第144実施形態における凸部H34821a2によれば、送球経路の上下方向全域に亘って延設されるので、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動する遊技球が上下に暴れる(上方に跳ねる)場合でも凸部H34821a2に当接させることができる。即ち、前後に暴れる遊技球が凸部H34821a2に当接せずに送球されることを抑制できる。よって、発射手段H830により発射される遊技球が上下方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。なお、遊技盤H13のレールH61,H62に送球された遊技球が遊技領域まで送球されず(戻り球防止部材H68を通過せず)外レールH62に沿って球発射ユニットH34112a側まで逆流(流下)する場合については、第142実施形態における凸部H33821a2と同様であるので、その詳しい説明については省略する。また、第144実施形態においては、球発射ユニットH34112aの正面側に配設される発射位置送球ユニットH32170の第2凸部H32872が、凸部H33821a2を前後方向に反転した形状に形成され、凸部H34821a2と同様に、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向および上下方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制できる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。さらに、上記第144実施形態では、凸部H34821a2の断面が略三角形状に形成される場合について説明したが、凸部H34821a2の断面形状が半円形に形成されるものであっても良い。この場合も同様に、凸部H34821a2に当接する遊技球を転動面の中央部に寄せることができる。
次いで、図1747を参照して、第145実施形態における上側装飾ユニットH35014aについて説明する。上記第126実施形態では、球抜きレバーH16052が操作された場合に上側装飾ユニットH16014aから基板ユニットH16344が張り出される場合について説明したが、第145実施形態では、シリンダ錠H20の開錠操作により上側装飾ユニットH16014aから基板ユニットH16344が張り出される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1747(a)及び(b)は、第145実施形態における正面枠H35014の正面模式図である。なお、図1747(a)では、基板ユニットH16344が上側装飾ユニットH35014aの内側に退避した退避状態が図示され、図1747(b)では、基板ユニットH16344が上側装飾ユニットH35014aから張り出した張出状態が図示される。なお、図1747(a)及び(b)では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1747に示すように、第145実施形態における正面枠H35014は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠H14d(図1617参照)と、その本体枠H14dに配設され、その本体枠H14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットH35014aと、その上側装飾ユニットH35014aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットH14b及び右側装飾ユニットH14cと、本体枠H14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットH15と、本体枠H14dを介して上下皿ユニットH15の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140(図1617参照)と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170(図1617参照)とを主に備えて構成され、内枠H12(図1616参照)に回動可能に取り付けられている。なお、正面枠H35014には、内枠H12(図1614参照)に配設される際に内枠H12の係合片H12f(図1614参照)が係合可能な開口(図示しない)が本体枠H14d(図1617参照)に形成される。正面枠H35014と内枠H12とは、係合片H12fが係合されることで、内枠H12に対する正面枠H35014の開放が規制される。なお、係合片H12fの係合の解除は、シリンダ錠H20の鍵穴H21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行い係合片H12fを持ち上げることで解除される。第145実施形態における上側装飾ユニットH35014aは、本体枠H14d(図1617参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310(図1620参照)と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH16320とを主に備える。化粧ユニットH16320は、背面側(矢印B方向側)が開放される箱状に形成される装飾ユニットH330と、その装飾ユニットH330の内側に配設される発光ユニットH16340(図1733参照)及び一対の音伝達ユニットH350(図1622参照)とを主に備える。
発光ユニットH16340は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に締結固定される取付部材H341と、その取付部材H341の背面側に上下方向に変位可能な状態で配設される基板ユニットH16344と、その基板ユニットH16344及び取付部材H341との背面側を覆う覆設部材H343とを主に備える。基板ユニットH16344は、光を出射するLED(発光ダイオード)H342aが正面側(矢印F方向側)に複数個配設される基板部材H342と、その基板部材H342の正面側を覆う正面カバーH16345と、基板部材H342の背面側を覆う背面カバーH16346と、その背面カバーH16346の背面側に連結される伝達部材H16347とを主に備える。なお、第145実施形態における伝達部材H16347には、金属性の連結部材H35347が連結され、その反対側の端部が係合片H12fの上方に当接した状態で配設される。従って、係合片H12fが上方に変位される(即ち、シリンダ錠H20が開錠される)ことに伴って伝達部材H16347を上方に変位可能とされる。また、上側装飾ユニットH35014aの上面板H332には、伝達部材H16347が上方に変位した場合に、伝達部材H16347の下面と係合して、伝達部材H16347を支持可能な係合片H35331cが配設される。これにより、伝達部材H16347が上方に変位され、基板ユニットH16344が上方に張り出した状態で基板ユニットH16344をその張り出した位置に維持することができる。なお、係合片H35331cの動作態様については、上記第125実施形態における係合片H15543と同様であるので、その詳しい説明は省略する。以上のように構成される第145実施形態における正面枠H35014によれば、正面枠H35014を内枠H12から開放する際に基板ユニットH16344を上方から突出させることができるので、正面枠H35014(上側装飾ユニットH35014a)の上部に物が乗っていた場合に、正面枠H35014を内枠H12から開放する前に正面枠H35014(上側装飾ユニットH35014a)の上部に乗せられたものを移動させる(落とす)ことができる。これにより、パチンコ店において正面枠H35014を内枠H12(図1614参照)から開放する際に、正面枠H35014(上側装飾ユニットH35014a)の上部に物が乗せられていることを作業者に認識させることができる。従って、正面枠H35014を内枠H12から開放した際に、物が遊技領域内に落下することを抑制でき、遊技領域内に物が落下することでパチンコ機H10(図1610参照)が破損する(特に飲料等の液体が流入して電気的な制御基板に不具合が起こる)ことを抑制できる。また、内枠H12(図1614参照)から正面枠H35014を開放する際に基板ユニットH16344を張り出させ、その張出状態を係合片H35331cにより維持することができるので、パチンコ店にて正面枠H35014を内枠H12から取り外して床面に仮置きする場合に、内枠H12から正面枠H35014を取り外した際に基板ユニットH16344を張り出した状態にさせやすくできる。これにより、内枠H12から正面枠H35014を取り外した後で、基板ユニットH16344を上側装飾ユニットH35014aから張り出す作業を不要とできる。その結果、内枠H12から正面枠H35014を取り外した際に正面枠H35014をすぐに仮置きさせることができ、正面枠H35014を内枠H12から取り外す作業を簡易にできる。上記第145実施形態では、係合片H35331cを正面枠H35014の外方から操作可能に構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、係合片H35331cの操作部分を上側装飾ユニットH35014aの内部に配置して、遊技者の操作を不能としパチンコ店の作業者(店員)のみが操作可能としても良い。この場合、正面枠H35014が内枠H12(図1614参照)に対して不正に開放された場合に、基板ユニットH16344を上側装飾ユニットH35014aから張り出させることができるので、パチンコ店の作業者(店員)に不正に開放され不正がされた可能性があることを認識させやすくできる。その結果、遊技者の不正を抑制しやすくできる。
次いで、図1748を参照して、第146実施形態における内枠H36012について説明する。上記第125実施形態では、球抜きレバーH16052が操作された場合に上側装飾ユニットH16014aから基板ユニットH16344が張り出される場合について説明したが、第146実施形態では、ケースレールH132の遊技球の送球が停止された場合にタンクH36130の内方から張出部材H36130aが張り出される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1748(a)及び(b)は、第146実施形態における内枠H12の背面模式図である。なお、図1748(a)では、タンクH36130の内方に張出部材H36130aが退避した退避状態が図示され、図1748(b)では、タンクH36130の内方から張出部材H36130aが張り出された状態が図示される。なお、図1748(a)及び(b)では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1748に示すように、第146実施形態における内枠H36012は、外枠H11(図1612参照)と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12aと、その枠形成ユニットH12a(図1611参照)の背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図1613参照)。また、内枠H36012の背面側には、裏パックユニットH94の最上部に位置して上方に開口したタンクH36130と、そのタンクH36130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールH131と、タンクレールH131の下流側に縦向きに連結されるケースレールH132と、ケースレールH132の最下流部に設けられ、払出モータH216(図1619参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置H133(図1616参照)とを備えている。タンクH36130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置H133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。また、タンクH36130は、その内縁部に沿って形成される略枠状の張出部材H36130aがタンクH36130の内縁に沿って上下方向に変位可能に配設される。また、張出部材H36130aには、駆動力が伝達される伝達部H36130a1が連結され、その伝達部H36130a1がタンクH36130の下面の一部に形成された開口(図示しない)を介してタンクH36130の下方側に突出される。伝達部H36130a1は、後述する連結部材H36132bの一端に連結されるスライド板H36132cの傾斜面に下面が当接されスライド板H36132cに支持され、スライド板H36132cがスライド変位されることで、傾斜面によって上方側にスライド変位可能とされる。ケースレールH132は、パチンコ機H10のメンテナンス時などに送球を停止する送球停止レバーH132aを備え、変位可能に構成される送球停止レバーH132aをケースレールH132の送球経路内に変位させることで、遊技球の送球を一時的に停止可能に構成される。第146実施形態における送球停止レバーH132aには、反対側にスライド板H36132cが配設された連結部材H36132bが連結される。よって、送球停止レバーH132aが操作され、送球が停止された場合にスライド板H36132cをスライド変位させることができる。この場合、上記したように、スライド板H36132cのスライド変位により張出部材H36130aの伝達部H36130a1が上方に変位可能とされる。よって、第146実施形態では、ケースレールH132の遊技球の送球を送球停止レバーH132aにより停止した場合に、張出部材H36130aをタンクH36130から張り出させることができる。このタンクH36130からの張出部材H36130aの張出変位により、タンクH36130の貯留空間を大きくすることができる。従って、ケースレールH132を送球を停止した後で、遊技ホールの島設備からタンクH36130に遊技球が供給され続けた場合に、タンクH36130の遊技球が溢れることを抑制できる。また、タンクH36130の張出部材H36130aにより高くすることができるので、遊技ホールの島設備からタンクH36130に遊技球が供給された際に、遊技球がタンクH36130の外方に飛び出ることを張出部材H36130aにより規制できる。なお、遊技球がタンクH36130に貯留された状態からケースレールH132の送球を許容した場合には、その送球に伴ってタンクH36130に貯留された遊技球を送球させることができる。これにより、タンクH36130に遊技球が貯留された状態から張出部材H36130aをタンクH36130の内側に退避した場合に遊技球がタンクH36130から溢れることを抑制できる。また、第146実施形態では、張出部材H36130aの上方側への張出し距離は、内枠H36012が配設される外枠H11(図1612参照)の外形よりも先端が外側へ突出させる。これにより、外枠H11に対して内枠H36012を開放してメンテナンスのためケースレールH132の送球を送球停止レバーH132aにより停止した場合に、送球停止レバーH132aを戻し忘れて内枠H36012が閉鎖されることを抑制できる。即ち、送球停止レバーH132aによりケースレールH132の送球を停止した状態では、外枠H11に対する内枠H12の閉鎖が張出部材H36130aにより規制される。その結果、遊技ができない(遊技球が送球されない)状態で、外枠H11に対して内枠H12が閉鎖され遊技可能な状態として放置される(遊技者が遊技を開始可能な状態とされる)ことを抑制できる。
次いで、図1749を参照して、第147実施形態における上側装飾ユニットH37014aについて説明する。上記第119実施形態では、上面板H9332の正面側縁部に沿って配設した網部材H9332eの開口を介して第1連通路H300Cを開放する(網部材H9332eの開口を介して第1連通路H300Cと外部空間とを連通する)場合について説明したが、第120実施形態では、開口が非形成の板部材H37332hを上面板H9333に備える場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1749(a)は、第147実施形態における上側装飾ユニットH37014aの断面模式図であり、図1723(a)のMCMXLVIIa線における断面に対応し、図1749(b)は、上側装飾ユニットH37014aの断面模式図であり、図1723(b)のMCMXLVIIb線における断面に対応する。なお、図1749(a)では、第1連通路H300Cが上面板H37332により閉鎖された状態が図示され、N14(b)では、第1連通路H300Cが上面板H37332により開放された状態が図示される。また、図1749では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1749に示すように、第147実施形態における上側装飾ユニットH37014aは、本体枠H14d(図1617参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH37320とを主に備える。化粧ユニットH37320は、第111実施形態における装飾ユニットH330(図1621参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH37330と、その装飾ユニットH37330の内側に配設される発光ユニットH340及び一対の音伝達ユニットH350(図1621参照)とを主に備えて形成される。装飾ユニットH37330は、ベースユニットH310の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(上面板H37332、下面板H333、左面板H9334(図1723参照)及び右面板H9336(図1723参照)を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される上面板H37332と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設され、上面板H37332及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H9334(図1723参照)と、正面板H331の右側(矢印R方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側に隣り合う位置に配設され、上面板H37332及び下面板H333の右側(矢印R方向側)端部を連結する右面板H9336(図1723参照)と、上面板H37332を変位させる駆動力を付与する駆動ユニットH9337とを主に備える。上面板H37332、下面板H333、左面板H9334、及び、右面板H9336は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に、発光ユニットH340及び音伝達ユニットH350(図1621参照)を配設するための空間を形成(区画)するための部材であり、正面板H331の縁部に沿う形状に形成されると共に、上面板H37332及び下面板H333の両端がそれぞれ左面板H9334及び右面板H9336(図1723参照)により連結される。上面板H37332は、左右方向(矢印L-R方向)両端部に下方側に向かって延設される側面板H9332dと、それら一対の側面板H9332dの対向間に配設される板部材H37332hと、背面側(矢印B方向側)の左右方向(矢印L-R方向)両外側から円柱状に突出される軸部H9332fとを主に備える。なお、第147実施形態における上面板H37332には、第111実施形態における上面板H332の正面側凸部H332a、背面側凸部H332b、及び、締結部H332cが非形成とされる。これにより、第147実施形態では、上面板H37332を正面板H331に対して回転させることが可能となる。板部材H37332hは、上面板H37332を回転させた際に上側装飾ユニットH37014a(側面板H9332dの対向間の空間H9332d2)に不正な部材が挿入されることを抑制する部材であり、第1連通路H300Cの背面側(矢印B方向側)の内壁(内面)に沿う位置に形成される。また、板部材H37332hは、一対の側面板H9332dの正面側端部どうしを繋いで形成される。なお、第147実施形態では、上面板H37332の下面から板部材H37332hが突出され、上面板H37332と一体の樹脂材料で板部材H37332hが形成されるが、板部材H37332hを上面板H37332と別体の樹脂材料で形成しても良い。この場合には、上面板H37332に対する板部材H37332hの取付位置に若干の調整幅を持たせることが好ましい。これによれば、第1連通路H300Cの形成位置が製造誤差等によりずれたとしても上面板H37332の取付位置を調整することが可能となり、側面板H9332dの対向間の空間H9332d2に隙間ができることを抑制できる。
次いで、第147実施形態における上面板H37332の変位について説明する。なお、ソレノイドH9337aの駆動により上面板H37332が軸部H9332fを中心に回転する変位については、第119実施形態に上面板H9332と同一であるので、その変位についての詳しい説明は省略する。図1749(a)に示すように、第1連通路H300Cの上部に沿って上面板H37332が配設され、第1連通路H300Cを上面板H37332の下面が塞ぐ状態では、第1連通路H300Cの背面側の内面に沿って板部材H37332hが配設される。この状態から図1749(b)に示すように、上面板H37332が軸部H9332fを中心に上方側に回転された状態では、第1連通路H300Cの上方側と上面板H37332との間に空間が形成される。これにより、第1連通路H300Cを開放する(第1連通路H300Cと外部空間とを連通する)ことができる。一方、上面板H37332の板部材H37332hは、区画壁H343bの上端と板部材H37332hの下端とが前後方向(矢印F-B方向)に隣り合う位置に配置され、一対の側面板H9332dの対向間に形成される空間H9332d2と外部空間とが非連通とされる。これにより、上面板H37332を回転させた際に上側装飾ユニットH37014a(側面板H9332dの対向間の空間H9332d2)に不正な部材が挿入されることを抑制できる。また、板部材H37332hは、第1連通路H300Cの背面側の側面と連なって位置する(一対の側面板H9332dの対向間に形成される空間H9332d2と外部空間とが板部材H37332hにより非連通とされる)ので、第1連通路H300Cに放音される音が空間H9332d2側に回り込むことを抑制できる。これにより、第111実施形態における上面板H9332に比べて第1連通路H300Cから外部空間に効率的に音を放音することができる。その結果、音による演出効果を高めることができる。なお、第147実施形態における上面板H37332の変位タイミングについては、第119実施形態と同様であるので、その詳しい説明は省略する。
次いで、図1750を参照して、第148実施形態における上側装飾ユニットH38014aについて説明する。上記第147実施形態では、上側装飾ユニットH37014aの上部に樹脂の板部材から形成される上面板H37332が配設される場合について説明したが、第148実施形態では、上側装飾ユニットH38014aの上部に発光手段を有する光照射ユニットH38336が配設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1750(a)は、第148実施形態における上側装飾ユニットH38014aの断面模式図であり、図1723(a)のMCMXLVIIa線における断面に対応し、図1750(b)は、上側装飾ユニットH38014aの断面模式図であり、図1723(b)のMCMXLVIIb線における断面に対応する。なお、図1750(a)では、第1連通路H300Cが発光ユニットH37336により閉鎖された状態が図示され、N16(b)では、第1連通路H300Cが光照射ユニットH38336の変位により開放された状態が図示される。また、図1750では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1750に示すように、第148実施形態における上側装飾ユニットH38014aは、本体枠H14d(図1617参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH38320とを主に備える。化粧ユニットH38320は、第111実施形態における装飾ユニットH330(図1621参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH38330と、その装飾ユニットH38330の内側に配設される発光ユニットH38340及び一対の音伝達ユニットH350(図1621参照)とを主に備えて形成される。装飾ユニットH38330は、ベースユニットH310の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(光照射ユニットH38336、下面板H333、左面板H9334(図1723参照)及び右面板H9336(図1723参照)を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される光照射ユニットH38336と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設され、光照射ユニットH38336及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H9334(図1723参照)と、正面板H331の右側(矢印R方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側に隣り合う位置に配設され、光照射ユニットH38336及び下面板H333の右側(矢印R方向側)端部を連結する右面板H9336(図1723参照)と、光照射ユニットH38336を変位させる駆動力を付与する駆動ユニットH9337とを主に備える。光照射ユニットH38336、左面板H9334、及び、右面板H9336は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に、発光ユニットH340及び音伝達ユニットH350を配設するための空間を形成(区画)するための部材であり、正面板H331の縁部に沿う形状に形成されると共に、光照射ユニットH38336及び下面板H333の両端がそれぞれ左面板H9334及び右面板H9336により連結される。
光照射ユニットH38336は、LED(発光ダイオード)H38336a1を有し光を発光可能に構成される基板部材H38336aと、その基板部材H38336aの発光側に配設される第1ケース部材H38336bと、基板部材H38336aを第1ケース部材H38336bとの間に挟む態様で配設される第2ケース部材H38336cとを主に備える。第1ケース部材H38336bは、基板部材H38336aに配設した基板部材H38336aのLEDH38336a1から出射される光を透過可能な樹脂材料から形成される。これにより、基板部材H38336aから出射される光を第1ケース部材H38336b側から出射可能とされる。なお、LEDH38336a1の光の照射方向は、基板部材H38336aの配設面と直交する方向に設定されており、第148実施形態においては、光照射ユニットH38356が第1連通路H300Cの上方を覆設する状態(図1750(a)に示す状態)の場合に、下方側(矢印D方向側)に向けて設定されており、光照射ユニットH38356が第1連通路H300Cを開放する状態(図1750(b)に示す状態)の場合に、下方側から若干前方側(矢印F方向側)に傾いた方向に向けて設定される。第2ケース部材H38336cは、上側装飾ユニットH38014aの上方を覆う板部材であり、第1ケース部材H38336b及び基板部材H38336aよりも上面視における外形が大きく形成される。また、第2ケース部材H38336cは、左右方向(矢印L-R方向)両端部に下方側に向かって延設される側面板H9332dと、それら一対の側面板H9332dの対向間に配設される板部材H37332hと、背面側(矢印B方向側)の左右方向(矢印L-R方向)両外側から円柱状に突出される軸部H9332fとを主に備える。なお、第148実施形態における第2ケース部材H38336cには、第111実施形態における上面板H332の正面側凸部H332a、背面側凸部H332b、及び、締結部H332cが非形成とされる。これにより、第38施形態では、光照射ユニットH38336を正面板H331に対して回転させることが可能となる。
また、第2ケース部材H38336cには、下面から板部材H37332hが突出され、第2ケース部材H38336cと一体の樹脂材料で板部材H37332hが形成される。なお、第2ケース部材H38336cと板部材H37332hとを別体の樹脂材料から形成しても良い。発光ユニットH38340は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に締結固定される取付部材H341と、その取付部材H341の背面側を覆う覆設部材H38343とを主に備える。覆設部材H38343は、正面視において取付部材H341と略同一の形状に形成され、背面側(矢印B方向側)から挿通される螺子により取付部材H341に締結される。また、覆設部材H38343は、正面視における中央部が背面側(矢印B方向側)に向かって膨出し、正面側(矢印F方向側)の中央部が開口する箱状に形成される。また、覆設部材H38343は、光を非透過であって光の反射率の高い白色の樹脂材料から形成されると共に、下方側(矢印D方向側)の内面が背面側(矢印B方向側)に向かって上方側(矢印U方向側)に傾斜して形成される。これにより、LEDH38336a1から照射される光を反射して正面板H331側に照射可能とされる。さらに、覆設部材H38343は、正面視における上方側(矢印U方向側)の側面から上方に向かって立設される区画壁H343bと、光照射ユニットH38336の閉鎖時においてLEDH38336a1と対向する位置に開口される上方側開口部H38343c及び下方側開口部H38343dとを備え、上側装飾ユニットH38014aを組み立てた際に(第1連通路H300Cの上方を光照射ユニットH38336で塞いだ(覆設した)状態では)区画壁H343bの先端部が光照射ユニットH38336の第2ケース部材H38336cに当接される。上方側開口部H38343cは、主に第1連通路H300Cを覆設した状態における光照射ユニットH38336のLEDH38336a1と対向する位置に形成されており、これにより、LEDH38336a1から照射された光を覆設部材H38343の内部に照射可能とされる。下方側開口部H38343dは、上方側開口部H38343cと同様に第1連通路H300Cを覆設した状態おける光照射ユニットH38336のLEDH38336a1と対向する位置に形成されており、これにより、LEDH38336a1から照射された光を下面板H333に照射可能とされる。よって、第1連通路H300Cの上方を光照射ユニットH38336により覆設した状態において、LEDH38336a1から照射される光を上方側開口部H38343c及び下方側開口部H38343dを通して下面板H333に照射することができる。なお、第148実施形態では、下面板H333が光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、第1連通路H300Cの上方を光照射ユニットH38336により覆設した状態において、下面板H333の一部(上方側開口部H38343c及び下方側開口部H38343dと対応する位置)から出射することができる。
なお、上方側開口部H38343cは、下方側開口部H38343dに比べて、正面側に長い長孔に形成される。これにより、第1連通路H300Cを光照射ユニットH38336により開放(光照射ユニットH38336を起立させて第1連通路H300Cの上方側を開放)した場合に、LEDH38336a1から出射される光を覆設部材H38343の内部に照射できる。さらに、下方側開口部H38343dは、第1連通路H300Cを光照射ユニットH38336により開放した場合に、LEDH38336a1と非対向となる位置に形成される。従って、第1連通路H300Cを光照射ユニットH38336により開放した場合には、上方側開口部H38343cから覆設部材H38343の内部に照射された光が覆設部材H38343の下方側の内面により反射され正面板H331側に照射される。即ち、第148実施形態においては、光照射ユニットH38336を変位させることで、第1連通路H300Cの開放状態を切り替える(音の放音状態を変える)だけでなく、光による演出面を変更(光を正面板H331に照射するか、下面板H333に照射するかを変更)することができる。その結果、遊技者の興趣を向上できる。なお、第148実施形態では、第1連通路H300Cの上方を光照射ユニットH38336により覆設した場合に、LEDH38336a1の光を下面板H333に照射し、第1連通路H300Cを光照射ユニットH38336により開放した場合に、LEDH38336a2の光を正面板H331に照射する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、光の照射対象を反対にしたり、光の照射対象を変更しても良い。また、光を通過させる覆設部材H38343の上方側開口部H38343c又は下方側開口部H38343dの開口位置を変更しても良い。例えば、第1連通路H300Cの上方を光照射ユニットH38336により覆設した場合に、LEDH38336a1の光を正面板H331に照射(反射)可能な位置に上方側開口部H38343c及び下方側開口部H38343dを形成すると共に、第1連通路H300Cを光照射ユニットH38336により開放した場合に、LEDH38336a2の光を下面板H333に照射可能な位置に上方側開口部H38343c及び下方側開口部H38343dを形成しても良い。この場合には、通常の遊技状態(第1連通路H300Cの上方を光照射ユニットH38336により閉鎖した状態)では、正面板H331の装飾を遊技者に視認させることができ、遊技者が無駄に大当たりの期待をすることを抑制できる。また、第1連通路H300Cを光照射ユニットH38336により開放した場合に、上方側開口部H38343cから覆設部材H38343の内側に出射される光を覆設部材H38343の内面に照射せず下方側開口部H38343dを介して正面板H331の下面側から出射可能となる位置に下方側開口部H38343dを形成しても良い。また、第148実施形態では、第1連通路H300Cを閉じた通路とする状態と、第1連通路H300Cを開放した通路とする状態の切り替えが、遊技者のボタン部H181(図1610参照)の操作に連動して行われる。即ち、操作ユニットH180(図1610参照)のボタン部H181の操作(入力)を各種スイッチH208(図1619参照)で検出し、その検出結果に基づき光照射ユニットH38336を変位させる信号を音声ランプ制御装置H113からその他装置H228(光照射ユニットH38336を変位させるソレノイドH9337a(図1619参照))を出力するように構成される。よって、ボタン部H181(図1610参照)が操作された場合に光照射ユニットH38336が変位されるので、音の放音態様が変化されるタイミングをボタン部H181の操作と関係付けることができる。その結果、操作ユニットH180(図1610参照)の操作による演出効果を向上でき、遊技者の興趣を向上できる。
さらに、第148実施形態では、N16(a)に示すように第1連通路H300Cを閉じた通路とする場合に、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)を区画壁H343bに当接した状態とされる一方、図1750(b)に示すように第1連通路H300Cを開放した場合に、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)を区画壁H343bから離間した状態とされる。これにより、第1連通路H300Cを開放した場合には、第1連通路H300Cを閉じた通路とする場合に対して、上側装飾ユニットH38014aの剛性を低下させることができる。この剛性の変化により上側装飾ユニットH38014aの内部に配設されるスピーカーH312a(図1620参照)から放音され、上側装飾ユニットH38014aの外部に出力される音の態様を変化させることができる。即ち、スピーカーH312a(図1620参照)の音量を変更するだけでは、上側装飾ユニットH38014aから放音される音の態様の変化が乏しくなるところ、第148実施形態における上側装飾ユニットH38014aでは、上側装飾ユニットH38014a(区画壁H343b)に対する光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)の当接状態を変化させることで、スピーカーH312aの音量を一定とした場合でも、上側装飾ユニットH38014aの剛性の変化に伴い、上側装飾ユニットH38014aから出力される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。ここで、出力される音の態様の変化について詳しく説明する。光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)を区画壁H343bに当接した状態とされる場合には、上側装飾ユニットH38014aの剛性を高めることができるので、上側装飾ユニットH38014aの内部を音が伝わりやすくして音を装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図1620参照),放音用開口部H333b(図1622参照),検出用開口部H333a(図1623参照))から放音させやすくできる。一方、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)を区画壁H343bから離間した状態とされる場合には、上側装飾ユニットH38014aの剛性が低下するので、上側装飾ユニットH38014aの内部を音が伝わりにくくできる。これにより、装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図1620参照),放音用開口部H333b(図1622参照),検出用開口部H333a(図1623参照))から放音される音の音量を小さくして、第1連通路H300Cの上方側から放音される音を遊技者に聞かせやすくできる。その結果、上側装飾ユニットH38014aの全体から音が放音されているように聞かせることができる。また、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)は、上側装飾ユニットH38014aの装飾面(外壁)の一部であるので、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)を変位させた際にその光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)の変位前の空間を利用して音を放音することができる。これにより、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)を区画壁H343bから離間した状態とした際に、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。さらに、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)は、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)を区画壁H343bに当接した状態とされる場合に、スピーカーH312aが配設される配設空間H300Fを連通する第1連通路H300Cの上方側を塞ぐ壁部として構成されるので、第1連通路H300Cの上方側からスピーカーH312aの音を放音して上側装飾ユニットH38014aから放音される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
また、正面視において光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)は、2箇所に配設されるスピーカーH312aの間に配設される、即ち、2箇所のスピーカーH312aの間で光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)と区画壁H343bとの当接状態が変化されるので、スピーカーH312aから出力される音の態様を変化させやすくできる。言い換えると、2箇所のスピーカーH312aの音の出力態様に変化を与えやすい領域(正面視における間の位置)に光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)が配設されるので、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。さらに、光照射ユニットH38336(第2ケース部材H38336c)は、背面側に形成される軸部H9332fを中心に回転可能な板状体として構成されるので、区画壁H343bから離間させた際に上側装飾ユニットH38014aとの当接面積を最小とすることができる。即ち、軸部H9332f以外の領域を非当接とすることができるので、上側装飾ユニットH38014aの剛性を低くしやすくできる(上側装飾ユニットH38014aの剛性の変化を大きくできる)。これにより、上側装飾ユニットH38014aから放音される音の態様を変化させやすくできる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。また、第148実施形態におけ光照射ユニットH38336は、光を出射可能に構成されるので、第1連通路H300Cを開放するために上側装飾ユニットH38014aの上部に突出された場合に遊技者に視認されやすくなる。そのため、上側装飾ユニットH38014aの剛性が変化されることを光照射ユニットH38336の変化を視認させることによって遊技者に認識させることができる。なお、第148実施形態における放音態様の変化は、ボタン部H181(図1610参照)の操作に限られるものではなく、例えば、パチンコ機H10(図1610参照)が第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図1619参照)へ入賞があったことを契機としてする抽選において大当たりとなった場合に、光照射ユニットH38336を変位させて第1連通路H300Cを開放して音をパチンコ機H10から放音させやすくしても良い。この場合には、大当たりとなった場合に、第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図1610参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に大当たり中の遊技に注目させやすくできる。また、第148実施形態では、第1連通路H300Cを開放した空間の背面側から光照射ユニットH38336の光を遊技者側に照射することができるので、音による演出と光による演出とを遊技者に認識させることができ、遊技者に大当たり中の遊技に注目させやすくできる。一方、非大当たり時(抽選が外れ、又は、抽選中)では、第1連通路H300Cを閉じた通路とすることで、遊技者が無駄にパチンコ機H10(図1610参照)に注目することを抑制できる。これにより、店内放送の音や、他のパチンコ機H10(例えば、隣りのパチンコ機H10)の音を遊技者に聞かせやすくできる。なお、この場合には、第1空間H300A(図1626(a)参照)から第1連通路H300Cに伝達される音同士が打ち消し合うように第1連通路H300Cの通路幅、第1連通路H300Cの通路長さを設定して、第1連通路H300Cが閉じられた通路とされる場合にパチンコ機H10から放音される音を小さくしても良い。また、大当たりでなく、所定の(例えば、大当たりの期待度が高い)リーチ演出がされる場合に、第1連通路H300Cを開放して、遊技者にリーチ演出を注目させやすくしても良い。さらに、第148実施形態における放音態様の変化は、所定の入球(例えば、第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図1615参照)への球の入球)や操作ハンドルH51(図1610参照)の操作がされる場合に、光照射ユニットH38336を変位させて第1連通路H300Cを開放することで音をパチンコ機H10(図1610参照)から放音させやすくしても良い。この場合には、遊技者が遊技を開始する(遊技球を遊技領域に打ち出す、又は、その打ち出した遊技球を所定の入球口に入れる)場合に第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図1610参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に遊技中の音を聞こえやすくできると共に、遊技者が遊技をしていない(遊技球が遊技領域に打ち出されていない、又は、遊技領域に打ち出された遊技球が所定の入球口に入っていない)他のパチンコ機H10(例えば隣りのパチンコ機H10)の音が遊技者に聞こえることを抑制できる。その結果、自身が遊技しているパチンコ機H10の演出を遊技者に注目させやすくできる。
次いで、図1751を参照して、第149実施形態における上側装飾ユニットH39014aについて説明する。上記第147実施形態では、上面板H37332が軸部H9332fにより回転される場合について説明したが、第149実施形態では、上面板H39332が軸部H9332fの他に第2軸部H39332nにより回転される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1751(a)は、第149実施形態における上側装飾ユニットH39014aの断面模式図であり、図1723(a)のMCMXLVIIa線における断面に対応し、図1751(b)は、上側装飾ユニットH39014aの断面模式図であり、図1723(b)のMCMXLVIIb線における断面に対応する。なお、図1751(a)では、第1連通路H300Cが上面板H39332により閉鎖された状態が図示され、N17(b)では、第1連通路H300Cが上面板H39332により開放された状態が図示される。また、図1751では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1751に示すように、第149実施形態における上側装飾ユニットH39014aは、本体枠H14d(図1617参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH39320とを主に備える。化粧ユニットH39320は、第111実施形態における装飾ユニットH330(図1621参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH39330と、その装飾ユニットH39330の内側に配設される発光ユニットH340及び一対の音伝達ユニットH350(図1621参照)とを主に備えて形成される。装飾ユニットH39330は、ベースユニットH310の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(上面板H39332、下面板H333、左面板H9334(図1723参照)及び右面板H9336(図1723参照)を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される上面板H39332と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設され、上面板H39332及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H9334(図1723参照)と、正面板H331の右側(矢印R方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側に隣り合う位置に配設され、上面板H39332及び下面板H333の右側(矢印R方向側)端部を連結する右面板H9336(図1723参照)と、上面板H39332を変位させる駆動力を付与する駆動ユニットH9337とを主に備える。
上面板H39332、下面板H333、左面板H9334、及び、右面板H9336は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に、発光ユニットH340及び音伝達ユニットH350を配設するための空間を形成(区画)するための部材であり、正面板H331の縁部に沿う形状に形成されると共に、上面板H39332及び下面板H333の両端がそれぞれ左面板H9334及び右面板H9336により連結される。上面板H39332は、板状に形成される第1部材H39332kと、その第1部材H39332kに回転可能に配設される板状の第2部材H39332mと、を主に備え、上面板H39332により第1連通路H300Cの上方を塞いだ状態において、第1部材H39332kの正面側に第2部材H39332mが配設され、それらの上面が略同一の高さ(平行)に配設される。また、第1部材H39332kと第2部材H39332mとは、第1部材H39332aと第2部材H39332mとの間に配設したねじりバネ(図示しない)により常に第1部材H39332kの上面と第2部材H39332mの上面とが平行に位置する状態に付勢される。これにより、駆動ユニットH9337のソレノイドH9337aから駆動力が第2部材H39332mに伝達される際には、第1部材H39332kの上面と第2部材H39332mの上面とを平行にした状態で第1部材H39332kと第2部材H39332mとを回転させることができる。また、第1部材H39332kにソレノイドH9337aによる駆動の方向(上方)と反対の方向(下方)に力が作用してねじりバネが弾性変形される場合には、第1部材H39332kに対して第2部材H39332mを回転させることができる。第1部材H39332kは、左右方向(矢印L-R方向)両端部に下方側に向かって延設される側面板H9332dと、背面側(矢印B方向側)の左右方向(矢印L-R方向)両外側から円柱状に突出される軸部H9332fとを主に備える。第2部材H39332mは、左右方向(矢印L-R方向)両端部に下方側に向かって延設される側面板H39332dと、それら一対の側面板H39332dの対向間に配設される板部材H37332hと、側面板H39332dの一方に配設され駆動ユニットH9337の駆動力が伝達されるピン部H9332d1と、第1部材H39332kと連結される第2軸部H39332nとを主に備える。なお、第1部材H39332kと第2部材H39332mとの上面が平行に配置された状態においては、第1部材H39332kの側面板H9332dと第2部材H39332mの側面板H39332dとが前後方向(矢印F-B方向)に隣り合う位置に配設される。
次いで、第148実施形態における上面板H39332の変位について説明する。第148実施形態における上面板H39332は、上面板H39332の上方側に外力が作用していない場合には、ソレノイドH9337aの駆動により第2部材H39332mが上方へ持ち上げられることにより第1部材H39332kと第2部材H39332mとがそれらの上面を平行にした状態で第1部材H39332kの軸部H9332fを中心に回転される。一方、上面板H39332の上方側に外力が作用する場合(例えば、上面板H39332の上面に遊技者の私物(財布や携帯電話や飲料物)が乗せられた場合)には、ソレノイドH9337aの駆動により第2部材H39332mが上方へ持ち上げられることにより、第2部材H39332mの第2軸部H39332nを中心に回転され、第1部材H39332kの変位が規制される。詳しく説明すると、ソレノイドH9337aの駆動力が作用し始めた状態では、第1部材H39332kと第2部材H39332mとがそれらの上面を平行にした状態で第1部材H39332kの軸部H9332fを中心に回転され、第1部材H39332kと第2部材H39332mとの上面が背面側から正面側に向かって上昇傾斜した状態とされる。この傾斜により、上面板H39332の上面に乗せられた遊技者の私物を背面側(第1部材H39332k側)にスライドさせることで、正面側の第2部材H39332mに遊技者の私物が乗っていない状態を形成できる。第2部材H39332mの上方側に外力が作用せず、第1部材H39332kの上方側に外力が作用する状態とすることで、第2部材H39332mを第1部材H39332kに対して第2軸部H39332nを中心に上方側に向かって回転させることができる。これにより、第148実施形態では、上面板H39332の上方側に外力が作用する場合であっても、ソレノイドH9337aの駆動力により第1連通路H300Cを開放可能とされる。即ち、第149実施形態では、上面板H39332を回転させて第1連通路H300Cを開放する際の回転軸(回転中心)の位置を変更可能に形成されるので、上面板H39332の上方側に水平となる面(第1部材H39332kの上面)を形成しやすくできる。これにより、上側装飾ユニットH39014aの上方に遊技者の私物を乗せておける領域を形成することができる。従って、上面板H39332の回転により上側装飾ユニットH39014aの上方側に乗せた遊技者の私物が落下したり、上面板H39332の回転が遊技者の私物により回転しなくなることを抑制できる。その結果、上面板H39332を回転して第1連通路H300Cを開放した際の音の変化による演出を安定させることができる。また、上側装飾ユニットH39014aの上方に遊技者の私物を乗せておける領域を形成した場合(即ち、第2部材H39332mのみが変位された場合)には、第1部材H39332kを上側装飾ユニットH39014aの外面側に維持することができるので、第1部材H39332kと第2部材H39332mとの両者を変位させた場合に比べて、第1連通路H300Cから放音される音が第1部材H39332kの下方側に逃げることを抑制できる。これにより、第1連通路H300Cから放音される音を遊技者に聞かせやすくできる。従って、上側装飾ユニットH39014aに遊技者の視線を注目させやすくできる。その結果、上側装飾ユニットH39014aの上方に乗せられた遊技者の私物を退かことを遊技者に促すことができる(上側装飾ユニットH39014aの上方に私物が乗っていることを遊技者に認識させることができる)。さらに、第149実施形態では、図1751(a)に示すように第1連通路H300Cを閉じた通路とする場合に、上面板H39332(第2部材H39332m)を区画壁H343bに当接した状態とされる一方、図1751(b)に示すように第1連通路H300Cを開放した場合に、上面板H39332(第2部材H39332m)を区画壁H343bから離間した状態とされる。これにより、第1連通路H300Cを開放した場合には、第1連通路H300Cを閉じた通路とする場合に対して、上側装飾ユニットH39014aの剛性を低下させることができる。
この剛性の変化により上側装飾ユニットH39014aの内部に配設されるスピーカーH312a(図1620参照)から放音され、上側装飾ユニットH39014aの外部に出力される音の態様を変化させることができる。即ち、スピーカーH312a(図1620参照)の音量を変更するだけでは、上側装飾ユニットH39014aから放音される音の態様の変化が乏しくなるところ、第149実施形態における上側装飾ユニットH39014aでは、上側装飾ユニットH39014a(区画壁H343b)に対する上面板H39332(第2部材H39332m)の当接状態を変化させることで、スピーカーH312aの音量を一定とした場合でも、上側装飾ユニットH39014aの剛性の変化に伴い、上側装飾ユニットH39014aから出力される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。ここで、出力される音の態様の変化について詳しく説明する。上面板H39332(第2部材H39332m)を区画壁H343bに当接した状態とされる場合には、上側装飾ユニットH39014aの剛性を高めることができるので、上側装飾ユニットH39014aの内部を音が伝わりやすくして音を装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図1620参照),放音用開口部H333b(図1622参照),検出用開口部H333a(図1623参照))から放音させやすくできる。一方、上面板H39332(第2部材H39332m)を区画壁H343bから離間した状態とされる場合には、上側装飾ユニットH39014aの剛性が低下するので、上側装飾ユニットH39014aの内部を音が伝わりにくくできる。これにより、装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図1620参照),放音用開口部H333b(図1622参照),検出用開口部H333a(図1623参照))から放音される音の音量を小さくして、第1連通路H300Cの上方側から放音される音を遊技者に聞かせやすくできる。その結果、上側装飾ユニットH39014aの全体から音が放音されているように聞かせることができる。また、上面板H39332(第2部材H39332m)は、上側装飾ユニットH39014aの装飾面(外壁)の一部であるので、上面板H39332(第2部材H39332m)を変位させた際にその上面板H39332(第2部材H39332m)の変位前の空間を利用して音を放音することができる。これにより、上面板H39332(第2部材H39332m)を区画壁H343bから離間した状態とした際に、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。さらに、上面板H39332(第2部材H39332m)は、上面板H39332(第2部材H39332m)を区画壁H343bに当接した状態とされる場合に、スピーカーH312aが配設される配設空間H300Fを連通する第1連通路H300Cの上方側を塞ぐ壁部として構成されるので、第1連通路H300Cの上方側からスピーカーH312aの音を放音して上側装飾ユニットH39014aから放音される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。また、正面視において上面板H39332(第2部材H39332m)は、2箇所に配設されるスピーカーH312aの間に配設される、即ち、2箇所のスピーカーH312aの間で上面板H39332(第2部材H39332m)と区画壁H343bとの当接状態が変化されるので、スピーカーH312aから出力される音の態様を変化させやすくできる。言い換えると、2箇所のスピーカーH312aの音の出力態様に変化を与えやすい領域(正面視における間の位置)に上面板H39332(第2部材H39332m)が配設されるので、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。さらに、上面板H39332(第2部材H39332m)は、背面側に形成される軸部H9332fを中心に回転可能な板状体として構成されるので、区画壁H343bから離間させた際に上側装飾ユニットH39014aとの当接面積を最小とすることができる。即ち、軸部H9332f以外の領域を非当接とすることができるので、上側装飾ユニットH39014aの剛性を低くしやすくできる(上側装飾ユニットH39014aの剛性の変化を大きくできる)。これにより、上側装飾ユニットH39014aから放音される音の態様を変化させやすくできる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
また、第149実施形態では、上面板H39332を回転させて第1連通路H300Cを開放する際の回転軸(回転中心)の位置を変更可能に形成され(第1部材H39332kを上側装飾ユニットH39014aの外面に配置した状態を形成可能とされ)るので、第1連通路H300Cを開放した状態とした場合に上側装飾ユニットH39014aと上面板H39332との当接面積を変更することができる。これにより、上側装飾ユニットH39014aの剛性の変化態様を複数形成することができる(即ち、中間の剛性となる状態を形成できる)。よって、上側装飾ユニットH39014aから放音される音の態様を変化させやすくできる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。なお、第149実施形態では、第1連通路H300Cを閉じた通路とする状態と、第1連通路H300Cを開放した通路とする状態の切り替えが、遊技者のボタン部H181(図1610参照)の操作に連動して行われる。即ち、操作ユニットH180(図1610参照)のボタン部H181の操作(入力)を各種スイッチH208(図1619参照)で検出し、その検出結果に基づき上面板H39332を変位させる信号を音声ランプ制御装置H113からその他装置H228(上面板H39332を変位させるソレノイドH9337a(図1619参照))を出力するように構成される。よって、ボタン部H181(図1610参照)が操作された場合に上面板H39332が変位されるので、音の放音態様が変化されるタイミングをボタン部H181の操作と関係付けることができる。その結果、操作ユニットH180(図1610参照)の操作による演出効果を向上でき、遊技者の興趣を向上できる。なお、第149実施形態における放音態様の変化は、ボタン部H181(図1610参照)の操作に限られるものではなく、例えば、パチンコ機H10(図1610参照)が第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図1619参照)へ入賞があったことを契機としてする抽選において大当たりとなった場合に、上面板H39332を変位させて第1連通路H300Cを開放して音をパチンコ機H10から放音させやすくしても良い。この場合には、大当たりとなった場合に、第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図1610参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に大当たり中の遊技に注目させやすくできる。一方、非大当たり時(抽選が外れ、又は、抽選中)では、第1連通路H300Cを閉じた通路とすることで、遊技者が無駄にパチンコ機H10(図1610参照)に注目することを抑制できる。これにより、店内放送の音や、他のパチンコ機H10(例えば、隣りのパチンコ機H10)の音を遊技者に聞かせやすくできる。なお、この場合には、第1空間H300A(図1626(a)参照)から第1連通路H300Cに伝達される音同士が打ち消し合うように第1連通路H300Cの通路幅、第1連通路H300Cの通路長さを設定して、第1連通路H300Cが閉じられた通路とされる場合にパチンコ機H10から放音される音を小さくしても良い。また、大当たりでなく、所定の(例えば、大当たりの期待度が高い)リーチ演出がされる場合に、第1連通路H300Cを開放して、遊技者にリーチ演出を注目させやすくしても良い。さらに、第149実施形態における放音態様の変化は、所定の入球(例えば、第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図1615参照)への球の入球)や操作ハンドルH51(図1610参照)の操作がされる場合に、上面板H39332を変位させて第1連通路H300Cを開放することで音をパチンコ機H10(図1610参照)から放音させやすくしても良い。この場合には、遊技者が遊技を開始する(遊技球を遊技領域に打ち出す、又は、その打ち出した遊技球を所定の入球口に入れる)場合に第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図1610参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に遊技中の音を聞こえやすくできると共に、遊技者が遊技をしていない(遊技球が遊技領域に打ち出されていない、又は、遊技領域に打ち出された遊技球が所定の入球口に入っていない)他のパチンコ機H10(例えば隣りのパチンコ機H10)の音が遊技者に聞こえることを抑制できる。その結果、自身が遊技しているパチンコ機H10の演出を遊技者に注目させやすくできる。なお、第149実施形態では、上面板H39332が2箇所の回転軸(軸部H9332fと第2軸部H39332n)を備える場合について説明したが、1箇所の回転軸を前後にスライド変位させて、上側装飾ユニットH39014aの上方に遊技者の私物を乗せておける領域を形成するように構成しても良い。また、上面板H39332が3箇所以上の回転軸を備えて形成されても良い。
次いで、図1752を参照して第150実施形態における上側装飾ユニットH40014aについて説明する。上記第147実施形態では、上面板H37332により第1連通路H300Cの上方を閉鎖した場合に第1連通路H300Cを介して第1空間H300A(図1626(a)参照)同士が連通される場合について説明したが、第150実施形態では、上面板H40332により第1連通路H300Cの上方を閉鎖した場合に第1連通路H300Cによる第1空間H300A同士の連通が規制される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1752(a)から図1752(c)は、第150実施形態における上側装飾ユニットH40014aの断面模式図であり、図1723(a)のMCMXLVIIa線における断面に対応する。なお、図1752(a)から図1752(c)では、上面板H40332の遷移状態が順に図示され、図1752(a)では、第1連通路H300Cを閉鎖した状態が図示され、図1752(b)では、第1連通路H300Cと第1空間H300A(図1626(a)参照)とを連通した状態が図示され、図1752(c)では、第1連通路H300Cを開放した状態が図示される。なお、図1752では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1752に示すように、第151実施形態における上側装飾ユニットH40014aは、本体枠H14d(図1617参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH40320とを主に備える。化粧ユニットH40320は、第111実施形態における装飾ユニットH330(図1621参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH40330と、その装飾ユニットH40330の内側に配設される発光ユニットH340及び一対の音伝達ユニットH350(図1621参照)とを主に備えて形成される。装飾ユニットH40330は、ベースユニットH310の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(上面板H40332、下面板H333、左面板H9334(図1723参照)及び右面板H9336(図1723参照)を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される上面板H40332と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設され、上面板H40332及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H9334(図1723参照)と、正面板H331の右側(矢印R方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側に隣り合う位置に配設され、上面板H40332及び下面板H333の右側(矢印R方向側)端部を連結する右面板H9336(図1723参照)と、上面板H40332を変位させる駆動力を付与する駆動ユニットH9337と、上面板H40332の下面側に連結され上面板H40332の変位に伴って変位可能な第2変位部材H40337と、を主に備える。
上面板H40332、下面板H333、左面板H9334、及び、右面板H9336は、正面板H331の背面側(矢印B方向側)に、発光ユニットH340及び音伝達ユニットH350を配設するための空間を形成(区画)するための部材であり、正面板H331の縁部に沿う形状に形成されると共に、上面板H40332及び下面板H333の両端がそれぞれ左面板H9334及び右面板H9336により連結される。上面板H40332は、左右方向(矢印L-R方向)両端部に下方側に向かって延設される側面板H9332dと、それら一対の側面板H9332dの対向間に配設される閉鎖部H40332pと、背面側(矢印B方向側)の左右方向(矢印L-R方向)両外側から円柱状に突出される軸部H9332fと、一端が上面板H40332の下面に連結されると共に他端が第2変位部材H40337の上面に連結されるリンク部材H40332qとを主に備える。閉鎖部H40332pは、上面板H40332を第1連通路H300Cの上方側に配置した際に、第1連通路H300Cを閉鎖する部材であり、第1連通路H300Cの内部空間と略同一の形状に形成される。上面板H40332を第1連通路H300Cの上方側に配置した状態においては、閉鎖部H40332pが第1連通路H300Cの内部を塞ぐことで第1連通路H300Cによる第1空間H300A(図1626(a)参照)同士の連通が解除される。リンク部材H40332qは、第2変位部材H40337に連結されるリンク部材であり、上面板H40332に対して回転可能な状態で配置される。また、リンク部材H40332qの第2変位部材H40337との連結側は、第2変位部材H40337に対して回転可能な状態とされると共に、第2変位部材H40337に対してスライド変位可能に連結される。これにより、上面板H40332が回転変位された際には、リンク部材H40332qの一端および他端が上面板H40332及び第2変位部材H40337に対して回転され、上面板H40332及び第2変位部材H40337に対するリンク部材H40332qの姿勢を変化させることができると共に、第2変位部材H40337に対してリンク部材H40332qの他端をスライド変位させることで、第2変位部材H40337を上下方向にスライド変位させることができる。
次いで、第150実施形態における上面板H40332の変位について説明する。なお、ソレノイドH9337aの駆動により上面板H40332が軸部H9332fを中心に回転する変位については、第119実施形態の上面板H9332と同一であるので、その変位についての詳しい説明は省略する。図1752(b)に示すように、閉鎖部H40332pが第1連通路H300Cから抜け出る直前の位置まで上面板H40332を変位させた場合には、閉鎖部H40332pの下面が第1連通路H300Cの下面から離間されると共に、第1連通路H300Cの上方側を塞ぐ位置に配置される。これにより、上方側が閉鎖部H40332pにより閉鎖された空間の第1連通路H300Cが形成され、第1空間H300A(図1626(a)参照)同士が第1連通路H300Cにより連通される。また、図1752(c)に示すように、閉鎖部H40332pが第1連通路H300Cから抜け出る位置まで上面板H40332を変位させた場合には、第1連通路H300Cの上方側が開放され第1連通路H300Cと外部空間とが連通される。これにより、第1連通路H300Cに放音される音を第1連通路H300Cを介して外部空間に放音することができる。その結果、音による演出効果を高めることができる。即ち、第150実施形態では、上面板H40332により、第1連通路H300Cの空間を非形成な(第1連通路H300Cを閉鎖部H40332pにより閉鎖した)状態と、第1連通路H300Cを形成した(第1連通路H300Cの上方を閉鎖部H40332pにより塞いだ)状態と、第1連通路H300Cを開放した状態とを形成することができる。その結果、音による演出態様を複数形成することができ、音による演出効果を高めることができる。さらに、図1752(c)に示すように、閉鎖部H40332pが第1連通路H300Cから抜け出る位置まで上面板H40332が変位されるので、開放時には第1連通路H300Cの内部空間にアクセスしやすくできる。その結果、第1連通路H300Cのメンテナンス性(清掃性)を向上することができる。なお、第150実施形態では、図1752(c)に示すように閉鎖部H40332pが第1連通路H300Cから抜け出る位置まで上面板H40332が変位された状態では、第2変位部材H40337が上面板H40332の変位に伴ってリンク部材H40332qにより上方側に変位され、駆動前の上面板H40332が配置された位置(図1752(a)に示す位置)と重なる位置に第2変位部材H40337が変位される。これにより、上面板H40332を変位させたこと(第1連通路H300Cを開放したこと)により、上側装飾ユニットH40014aに隙間が形成されることを抑制できる。即ち、第150実施形態では、上面板H40332を変位させることによる隙間を第2変位部材H40337により埋めることができる。従って、上面板H40332の変位後において形成される隙間から不正な部材が挿入されることを抑制できる。
なお、第1連通路H300Cの正面側の内面および背面側の内面は、第1連通路H300Cの空間を非形成な(第1連通路H300Cを閉鎖部H40332pにより閉鎖した)状態における閉鎖部H40332pの正面側の側面および背面側の側面と平行に形成されていても良く、第1連通路H300Cの空間を非形成な状態において、第1連通路H300Cの正面側の内面および背面側の内面が閉鎖部H40332pの正面側の側面および背面側の側面と当接する状態としても良い。これによれば、第1連通路H300Cの空間を非形成な状態において、第1連通路H300Cの内面と閉鎖部H40332pの正面側の側面または背面側の側面との間を音が通過することを抑制できる。さらに、第150実施形態では、図1752(a)に示すように第1連通路H300Cの空間を非形成な状態とする場合に、上面板H40332の閉鎖部H40332pを第1連通路H300Cの内面に当接した状態とされ、図1752(b)に示すように第1連通路H300Cを閉じた通路とした状態とする場合に、上面板H40332の閉鎖部H40332pを第1連通路H300Cの内面の一部に当接した状態とされ、図1752(c)に示すように、第1連通路H300Cを開放した場合に、上面板H40332の閉鎖部H40332pを第1連通路H300Cから離間した状態にすることができる。これにより、上面板H40332を上方側に変位させた際に、上側装飾ユニットH40014aの剛性を上面板H40332の変化に伴って低下させることができる。この剛性の変化により上側装飾ユニットH40014aの内部に配設されるスピーカーH312a(図1620参照)から放音され、上側装飾ユニットH40014aの外部に出力される音の態様を変化させることができる。即ち、スピーカーH312a(図1620参照)の音量を変更するだけでは、上側装飾ユニットH40014aから放音される音の態様の変化が乏しくなるところ、第150実施形態における上側装飾ユニットH40014aでは、上側装飾ユニットH40014a(区画壁H343b)に対する上面板H40332の当接状態を変化させることで、スピーカーH312aの音量を一定とした場合でも、上側装飾ユニットH40014aの剛性の変化に伴い、上側装飾ユニットH40014aから出力される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
ここで、出力される音の態様の変化について詳しく説明する。第1連通路H300Cの空間を非形成な状態とする場合には、上側装飾ユニットH40014aの剛性を高めることができることに加えて、第1連通路H300Cに伝達される音をなくすことができるので、上側装飾ユニットH40014aの内部を音が伝わりやすくして音を装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図1620参照),放音用開口部H333b(図1622参照),検出用開口部H333a(図1623参照))から放音させやすくできる。第1連通路H300Cを閉じた通路とした状態とする場合には、第1連通路H300Cの空間を非形成な状態とする場合に比べて、上側装飾ユニットH40014aの剛性が低下するので、上側装飾ユニットH40014aの内部を音が伝わりにくくできる。これにより、装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図1620参照),放音用開口部H333b(図1622参照),検出用開口部H333a(図1623参照))から放音される音の音量を小さくできる。一方、第1連通路H300Cを開放した場合には、第1連通路H300Cを閉じた通路とした状態とする場合に比べて、上側装飾ユニットH40014aの剛性が低下するので、上側装飾ユニットH40014aの内部を音が伝わりにくくできる。これにより、装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図1620参照),放音用開口部H333b(図1622参照),検出用開口部H333a(図1623参照))から放音される音の音量を小さくして、第1連通路H300Cの上方側から放音される音を遊技者に聞かせやすくできる。その結果、上側装飾ユニットH40014aの全体から音が放音されているように聞かせることができる。また、上面板H40332は、上側装飾ユニットH40014aの装飾面(外壁)の一部であるので、上面板H40332を変位させた際にその上面板H40332の変位前の空間を利用して音を放音することができる。これにより、上面板H40332を区画壁H343bから離間した状態とした際に、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。さらに、上面板H40332の閉鎖部H40332pは、第1連通路H300Cを閉じた通路とした状態とされる場合に、スピーカーH312aが配設される配設空間H300Fを連通する第1連通路H300Cの上方側を塞ぐ壁部として構成されるので、第1連通路H300Cの上方側からスピーカーH312aの音を放音して上側装飾ユニットH40014aから放音される音の態様を変化させることができる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。
また、正面視において上面板H40332は、2箇所に配設されるスピーカーH312aの間に配設される、即ち、2箇所のスピーカーH312aの間で上面板H40332と区画壁H343bとの当接状態が変化されるので、スピーカーH312aから出力される音の態様を変化させやすくできる。言い換えると、2箇所のスピーカーH312aの音の出力態様に変化を与えやすい領域(正面視における間の位置)に上面板H40332が配設されるので、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。さらに、上面板H40332は、背面側に形成される軸部H9332fを中心に回転可能な板状体として構成されるので、区画壁H343bから離間させた際に上側装飾ユニットH40014aとの当接面積を最小とすることができる。即ち、軸部H9332f以外の領域を非当接とすることができるので、上側装飾ユニットH40014aの剛性を低くしやすくできる(上側装飾ユニットH40014aの剛性の変化を大きくできる)。これにより、上側装飾ユニットH40014aから放音される音の態様を変化させやすくできる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。また、上記したように第150実施形態では、上面板H40332の閉鎖部H40332pと第1連通路H300Cの内面との当接面積を上面板H40332の変位に伴って変化させることができるので、上面板H40332の変位に伴って上側装飾ユニットH40014aの剛性を変化させることができる。よって、上側装飾ユニットH40014aから放音される音の態様を変化させやすくできる。その結果、スピーカーH312aから放音される音の態様を改善できる。なお、第150実施形態では、第1連通路H300Cを閉じた通路とする状態と、第1連通路H300Cを開放した通路とする状態の切り替えが、遊技者のボタン部H181(図1610参照)の操作に連動して行われる。即ち、操作ユニットH180(図1610参照)のボタン部H181の操作(入力)を各種スイッチH208(図1619参照)で検出し、その検出結果に基づき上面板H40332を変位させる信号を音声ランプ制御装置H113からその他装置H228(上面板H40332を変位させるソレノイドH9337a(図1619参照))を出力するように構成される。よって、ボタン部H181(図1610参照)が操作された場合に上面板H40332が変位されるので、音の放音態様が変化されるタイミングをボタン部H181の操作と関係付けることができる。その結果、操作ユニットH180(図1610参照)の操作による演出効果を向上でき、遊技者の興趣を向上できる。
なお、第149実施形態における放音態様の変化は、ボタン部H181(図1610参照)の操作に限られるものではなく、例えば、パチンコ機H10(図1610参照)が第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図1619参照)へ入賞があったことを契機としてする抽選において大当たりとなった場合に、上面板H40332を変位させて第1連通路H300Cを開放して音をパチンコ機H10から放音させやすくしても良い。この場合には、大当たりとなった場合に、第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図1610参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に大当たり中の遊技に注目させやすくできる。一方、非大当たり時(抽選が外れ、又は、抽選中)では、第1連通路H300Cを閉じた通路とすることで、遊技者が無駄にパチンコ機H10(図1610参照)に注目することを抑制できる。これにより、店内放送の音や、他のパチンコ機H10(例えば、隣りのパチンコ機H10)の音を遊技者に聞かせやすくできる。なお、この場合には、第1空間H300A(図1626(a)参照)から第1連通路H300Cに伝達される音同士が打ち消し合うように第1連通路H300Cの通路幅、第1連通路H300Cの通路長さを設定して、第1連通路H300Cが閉じられた通路とされる場合にパチンコ機H10から放音される音を小さくしても良い。また、大当たりでなく、所定の(例えば、大当たりの期待度が高い)リーチ演出がされる場合に、第1連通路H300Cを開放して、遊技者にリーチ演出を注目させやすくしても良い。さらに、第149実施形態における放音態様の変化は、所定の入球(例えば、第1入賞口H64及び第2入賞口H640(図1615参照)への球の入球)や操作ハンドルH51(図1610参照)の操作がされる場合に、上面板H40332を変位させて第1連通路H300Cを開放することで音をパチンコ機H10(図1610参照)から放音させやすくしても良い。この場合には、遊技者が遊技を開始する(遊技球を遊技領域に打ち出す、又は、その打ち出した遊技球を所定の入球口に入れる)場合に第1連通路H300Cを開放してパチンコ機H10(図1610参照)から放音される音を遊技者に聞こえやすくできるので、遊技者に遊技中の音を聞こえやすくできると共に、遊技者が遊技をしていない(遊技球が遊技領域に打ち出されていない、又は、遊技領域に打ち出された遊技球が所定の入球口に入っていない)他のパチンコ機H10(例えば隣りのパチンコ機H10)の音が遊技者に聞こえることを抑制できる。その結果、自身が遊技しているパチンコ機H10の演出を遊技者に注目させやすくできる。
次いで、図1753を参照して、第151実施形態における上側装飾ユニットH41014aについて説明する。上記第147実施形態では、空間H9332d2への不正部材の挿入を板部材H37332hにより規制する場合について説明したが、第151実施形態では、第1空間H300Aの第1連通路H300Cとの連通部分に設けた検出装置(検出光出射装置H41361及び検出光検出装置H41362)により空間H9332d2への不正部材の挿入を規制する場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1753(a)は、第151実施形態における上側装飾ユニットH41014aの断面模式図であり、図1625におけるMDCCCXLIXa線における断面に対応し、図1753(b)は、図1753(a)の矢印MCMLXXVIb方向視における上側装飾ユニットH41014aの上面模式図である。なお、図1753(b)では、上面板H37332が透明視された状態で図示される。また、図1753では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1753に示すように、第151実施形態における上側装飾ユニットH41014aは、本体枠H14d(図1617参照)の正面側(矢印F方向側)に締結固定されるベースユニットH310と、そのベースユニットH310の正面側に配設される化粧ユニットH41320とを主に備える。化粧ユニットH41320は、第111実施形態における装飾ユニットH330(図1621参照)のように背面側(矢印B方向側)が開放した箱状に形成される装飾ユニットH41330と、その装飾ユニットH41330の内側に配設される発光ユニットH340及び一対の音伝達ユニットH350(図1621参照)とを主に備えて形成される。装飾ユニットH41330は、ベースユニットH310の正面側(矢印F方向側)に所定の間隔(上面板H37332、下面板H333、左面板H9334及び右面板H9336を配設するための間隔)を隔てて配設される正面板H331と、その正面板H331の上方側(矢印U方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される上面板H37332と、正面板H331の下方側(矢印D方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設される下面板H333と、正面板H331の左側(矢印L方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側(矢印B方向側)に隣り合う位置に配設され、上面板H37332及び下面板H333の左側(矢印L方向側)端部を連結する左面板H9334と、正面板H331の右側(矢印R方向側)の背面側端部に沿う形状に形成されると共に正面板H331の背面側に隣り合う位置に配設され、上面板H37332及び下面板H333の右側(矢印R方向側)端部を連結する右面板H9336と、上面板H37332を変位させる駆動力を付与する駆動ユニットH9337(図1749参照)と、と主に備える。
また、第151実施形態における上側装飾ユニットH41014aに形成される第1空間H300Aには、第1連通路H300Cとの連通部分の一方側に検出光出射装置H41361が配設され、第1連通路H300Cとの連通部分の他方側に検出光検出装置H41362が配設され、検出光出射装置H41361から出射された光を第1連通路H300Cを介して検出光検出装置H41362により検出可能に構成される。なお、第151実施形態では、上側装飾ユニットH41014aに形成される第1連通路H300Cが左右方向(矢印L-R方向)に略直線状に延設され、その直線部分を通して検出光出射装置H41361の光を検出光検出装置H41362により検出可能とされ、それら検出光出射装置H41361及び検出光検出装置H41362により第1連通路H300Cの内部空間の物の有無を検出可能とされる。このように、第151実施形態では、検出光出射装置H41361及び検出光検出装置H41362により第1連通路H300Cの内部空間を検出することで、上面板H37332が第1連通路H300Cの上方側を閉鎖する位置に配設される場合には、上面板H37332の板部材H37332hを第1連通路H300Cの内部に配置することで、上面板H37332が規定の位置に配置されている(無理やり開口されていない)ことを検出することができる。一方、上面板H37332が第1連通路H300Cを開放する場合には、第1連通路H300Cから板部材H37332hが張り出すことで、検出光出射装置H41361及び検出光検出装置H41362による上面板H37332の検出が不要とされる。よって、第1連通路H300Cの内部に挿入される不正な部材を検出光出射装置H41361及び検出光検出装置H41362により検出することが可能とされる。従って、第151実施形態では、第1連通とH300Cを開放した場合に、第1連通路H300Cを介して空間H9332d2(図1749参照)の内部空間に不正な部材が挿入されることを抑制できると共に、第1連通路H300Cの両端を介して第1空間H300Aに不正な部材が挿入されることを抑制できる。その結果、遊技者に不正行為がされることを抑制できる。なお、検出光出射装置H41361の光を検出する検出光検出装置H41362(各種スイッチH208(図1619参照))は、入出力ポートH205(図1619参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号に基づいてMPUH201が各種処理(音声出力や液晶表示)を実行可能とされる。
次いで、図1754を参照して第152実施形態における揺動装置H42730について説明する。上記第111実施形態では、変位部材H790を介して基板部材H773から出射される光を遊技者側に出射する場合について説明した、第152実施形態では、変位部材H40773により基板部材H773から出射される光を遮る場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1754(a)及び図1754(c)は、第152実施形態における揺動装置H42730の正面模式図であり、図1754(b)は、図1754(a)のMCMLXXVIIb線における揺動装置H42730の断面模式図であり、図1754(d)は、図1754(c)のMCMLXXVIId線における揺動装置H42730の断面模式図である。なお、図1754(a)及び(b)では、変位部材H42790の変位前の状態が図示され、図1754(c)および(d)では、変位部材H42790の変位後の状態が図示される。なお、図1754では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1754に示すように、第152実施形態における揺動装置H42730は、下枠部材H720の背面板H722(図1656参照)に配設されるベース手段H770と、そのベース手段H770の背面側(矢印B方向側)に軸支される駆動手段H780と、ベース手段H770を介して駆動手段H780の正面側(矢印F方向側)に配設される変位部材H42790と、を主に備える。なお、第152実施形態における変位部材H42790も第111実施形態における変位部材H790と同様にベース手段H770及び駆動手段H780に対して相対変位可能に配設される(図18341-2参照)が、図1754では、理解を容易とするために変位部材H42790が駆動手段H780に対して固定した状態で図示される。変位部材H42790は、光を非透過の有色材料(白色)から形成されており、背面側に配設されるベース手段H770(基板部材H773)から出射される光を遮ることが可能とされる。また、変位部材H42790は、左右方向(矢印L-R方向)における寸法がベース手段H770よりも小さく形成されており、ベース手段H770の正面側に重なって配置される際(例えば、図1754(a)及び(b)に示す位置に配置される際)に、ベース手段H770の一部を隠すことが可能とされる。なお、変位部材H42790は、全体が光を非透過の有色材料から形成されるものに限られるものではなく、一部が光を透過可能な透明材料から形成されるもので形成され、光を非透過な領域と、光を透過可能な領域とを備えるものであっても良い。例えば、正面視において光を非透過な領域の周囲に光を透過可能な領域を形成して、非透過な領域の周囲から出射される光の出射角度を変更しても良い。これによれば、非透過な領域の周囲の光の態様を変更できるので、非透過な領域の装飾面に遊技者の視線を注目させることができる。また、正面視において光を透過可能な領域の周囲に光を非透過な領域を形成して、非透過な領域の中央から出射される光の出射角度を変更しても良い。この場合には、非透過な領域の中央の光の態様を変更できるので、光を透過可能な領域から出射される光に遊技者の視線を注目させることができる。さらに、変位部材H42790の左右方向における寸法をベース手段H770よりも大きく形成したり、複数の変位部材H42790を左右方向に並べて配置して、正面視におけるベース手段H770の全部を変位部材H42790で隠すようにしても良い。この場合には、変位部材H42790を変位させることで、基板部材H773から出射される光を視認可能な状態と、基板部材H773から出射される光を視認不可能な状態とを形成することができ、基板部材H773の光を視認不可な状態とすることで、基板部材H773の光を視認可能とする状態を形成した場合の遊技者の視線を基板部材H773の光に注目させやすくできる。
基板部材H773に配設される発光手段H773bは、正面視において上下左右に整列した状態で配設され、変位部材H42790がベース手段H770の正面側に重なって配設される際に、同列の発光手段H773bが変位部材H42790により隠された状態とされる。なお、発光手段H773bは、正面視において千鳥状に配設されるものや、正面視において一部に集まって配置されるものであっても良い。例えば、正面視において左右方向両外側の発光手段H773bの数を、左右方向中央部の発光手段H773bの数よりも多くして、左右両外側の発光量を多くしても良い。また、正面視における変位部材H42790の形状を異形に形成して、同列の発光手段H773bの内の一部の発光手段H773bを隠しても良い。また、第152実施形態では、図1754(c)及びS40(d)に示すように、変位部材H42790が駆動手段H780の駆動力(慣性力)により上側軸支部H771b1及び下側軸支部H772b1を中心に回転された際に、変位部材H42790がベース手段H770と正面視において重ならない位置まで回転可能に設定される。即ち、第152実施形態では、変位部材H42790がベース手段H770(基板部材H773)の正面側に重なって配置される状態と、変位部材H42790がベース手段H770と重ならない位置に退避する状態とを形成することができる。これにより、第152実施形態では、変位部材H42790の変位と基板部材H773の発光とを合わせて視認させる状態と、変位部材H42790を基板部材H773の正面側から退避させ、基板部材H773の発光のみを視認させる状態とを形成することができる。よって、演出の形態を複数形成することができ、遊技の興趣を向上できる。なお、第152実施形態では、変位部材H42790は、ベース手段H770の上側軸支部H771b1及び下側軸支部H772b1を中心に正面視において左右方向に回転可能に軸支されるが、左右方向に延設される軸を中心に上下方向に回転されるものであっても良い。また、変位部材H42790の変位位置を検出装置により検出して、基板部材H773の発光態様を変更しても良い。即ち、変位部材H42790により隠れる領域に配置される発光手段H773bの光の照射をオフ、又は、照射量を少なくしても良い。この場合には、変位部材H42790の背面側に照射される光を少なくすることができるので、変位部材H42790の背面側で光が反射して他の領域にその光が入ることを抑制できる。これにより、発光手段H773bの列ごとに発光色を分けた場合に反射光が混ざることを抑制して、光による演出効果を向上できる。さらに、変位部材H42790の変位位置を検出装置により検出する場合には、変位部材H42790を発光手段H773bにより注目させるために、正面視において変位部材H42790と隣り合う位置(正面視において近い位置)の発光手段H773bの発光量を多くする一方、正面視において変位部材H42790から離れる位置の発光手段の発光量をオフ、又は、少なくしても良い。これによれば、正面視において変位部材H42790の周囲の発光量が多くなるので、変位部材H42790に注目させやすくできる。なお、変位部材H42790の変位位置を検出する検出装置(各スイッチH208(図1619参照))は、入出力ポートH205(図1619参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号に基づいてMPUH201が各種処理(発光手段H773bの光の照射量を調整する)を実行可能とされる。また、第152実施形態では、揺動装置H42730の正面側を覆設した状態で配設される傾倒装置H710(図1656参照)に光を非透過の領域が形成され、その非透過の領域が正面視において基板部材H773の左右両外側に形成される。これにより、ベース手段H770(基板部材H773)と正面視において重ならない領域に変位部材H42790が変位された場合には、変位部材H42790を傾倒装置H710の非透過の領域により隠すことができる。即ち、基板部材H773の全域を視認させる場合には、揺動装置H42730の正面側に配設した別部材により、変位部材H42790を遊技者から視認されにくくすることができる。これにより、発光手段H773bの発光に注目させることができ、発光手段H773bによる演出効果を向上できる。
さらに、第111実施形態における操作ユニットH180では、傾倒装置H710のボタン部H181が押圧操作された際に、傾倒装置H710の正面側透過部H711の下端が弾性体H785を介して駆動手段H780に当接され、その当接により駆動手段H780をベース手段H770に対して中間配置状態の位置に変位させることができる。また、傾倒装置H710のボタン部H181が押圧操作された場合には、変位部材H790が駆動手段H780と共に所定位置(駆動手段H780が中間位置状態とされる位置)に変位される。従って、遊技者のボタン部H181の押圧操作に連動して、変位部材H790の透過部H791を介して視認される光の演出態様を変更することができる。なお、第152実施形態では、変位部材H42790が光を非透過の樹脂材料から形成される場合について説明したが、変位部材H42790を光を透過可能な透明の樹脂材料から形成すると共にその変位部材H42790に凹凸形成して、変位部材H42790を介して視認される光を、他の領域(変位部材H42790を介さず視認される領域)の光と異なる態様で遊技者に視認させるものであっても良い。また、変位部材H42790は、光を非透過の白色ではなく、光を非透過の黒色の樹脂材料から形成され、正面側に装飾が施されるものであっても良い。即ち、発光手段の光を照射可能な位置の変位部材H42790の側面(背面)が黒色に形成されるものであっても良い。この場合には、変位部材H42790の背面側に発光手段H773bの光が照射されたとしても、その光を変位部材H42790により吸収しやすくできる。即ち、変位部材H42790が光を吸収しやすい色で構成されていても良い。これによれば、変位部材H42790の背面から反射される光が他の領域の光に干渉することを抑制できる。さらに、変位部材H42790を、光の透過量を電気(印加電圧の変更)により変更可能な調光ガラス等で構成して、所定の演出の際に光の透過量を変更するように構成しても良い。例えば、ボタン部H181の押圧操作が必要な場合には、光の透過量を多くして遊技者にボタン部H181の操作が必要なことを認識させやすくする一方、ボタン部H181の操作が必要のない場合には、基板部材H773から出射される一部の光の透過量を変更して(又は遮って)視認される光の色合いを変更する演出を遊技者に視認させても良い。なお、この場合には、変位不能に構成される複数の調光ガラスを並べて配置して、それぞれの調光ガラスの光の透過量を変更する(例えば、左右方向に複数枚配置される調光ガラスの光の透過量を左側から順に少なくして、左側の発光量を多くする)ことで、遊技者に視認される光の態様を変更してもよい。また、上記第152実施形態における揺動装置H42730は、第111実施形態における揺動装置H730と同様に、傾倒装置H710のボタン部H181が押圧操作された際に傾倒装置H710の下端が当接されることで揺動装置H42730を変位可能に構成される。また第152実施形態では、傾倒装置H710の下端が当接されることで、変位部材H42790が第1拡散部材H774(基板部材H773)に近づく方向に変位するように構成される。これによれば、第1拡散部材H774(基板部材H773)に変位部材H42790を近づけることができるので、正面側に配設される変位部材H42790で発光手段H773bから出射される光を遮りやすくできる。即ち、発光手段H773bの照射範囲を変位部材H42790により狭くしやすくできる。第152実施形態では、基板部材Hの照射範囲を区画しやすくできる。
次いで、図1755及び図1756を参照して第153実施形態における揺動装置H43730について説明する。上記第152実施形態では、光を非透過の変位部材H42790により基板部材H773の光を遮る場合について説明したが、第154実施形態における揺動装置H43730では、変位部材H42790の背面側に配置した第2変位部材H43795により、基板部材H773の光が遮られる場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。初めに、図1755を参照して、第153実施形態における揺動装置H43730の全体構成について説明する。図1755(a)は、第153実施形態における揺動装置H43730の正面模式図であり、図1755(b)は、図1755(a)のMCMLXXVIIIb線における揺動装置H43730の断面模式図である。なお、図1755では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1755に示すように、第153実施形態における揺動装置H43730は、下枠部材H720の背面板H722(図1656参照)に配設されるベース手段H43770と、そのベース手段H43770の背面側(矢印B方向側)に配置され、ベース手段H43770に軸支される駆動手段H780と、ベース手段H43770を介して駆動手段H780の正面側(矢印F方向側)に配設される変位部材H42790と、ベース手段H770の内部空間(第1拡散部材H43774と基板部材H773との対向間)を変位可能な状態で駆動手段H780の正面側に配設される第2変位部材H43795と、を主に備える。なお、第153実施形態における変位部材H42790も第111実施形態における変位部材H790と同様にベース手段H770及び駆動手段H780に対して相対変位可能に配設されるが、図1755及び図1756では、理解を容易とするために変位部材H42790が駆動手段H780に対して固定した状態で図示される。また、以下の説明では、変位部材H42790が駆動手段H780に相対変位可能に配設される部分を「連結部分」と称して説明する。第2変位部材H43795は、光を非透過の樹脂材料から形成されると共に、変位部材H42790の駆動手段H780との連結部分側(即ち、上側係合部H792a(図1672参照)に配設される。即ち、変位部材H42790の背面側(矢印B方向側)に配設される。よって、第2変位部材H43795は、変位部材H42790の変位に伴って変位可能とされる。なお、第152実施形態における第2変位部材H42795は、上方側の一端側のみが変位部材H42790に接続(配設)され、ベース手段H770内部空間(第1拡散部材H43774及び基板部材H773の対向間)を変位可能とされる。ベース手段H43770は、下枠部材H720の背面板H722(図1656参照)に締結固定される上側ベース部材H771と、その上側ベース部材H771の下方側(矢印D方向側)に配設される下側ベース部材H772と、上側ベース部材H771の正面側(矢印F方向側)に配設される基板部材H773と、基板部材H773の正面側を覆う態様で上側ベース部材H771の正面側に配設される第1拡散部材H43774と、を主に備える。第1拡散部材H43774には、正面側の一面に左右方向に3分割され、それぞれ異なる色が付与されたフィルムが配設(貼付)される。なお、図1756及び図1757では、第1拡散部材H43774に貼付された各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)がそれぞれ異なる位置に貼付され、それぞれ所定の模様を付して図示される。各フィルムに装飾される色としては、例えば、各色に危険、注意、正常等の意味を持たせるために「赤、黄、青」の信号機等の配色や、各色を混ぜて他の色を形成するために「赤、黄、緑」の光の3原色の配色がされる。なお、第1拡散部材H43774に貼付される各フィルムは、第1拡散部材H43774の背面側に配設(貼付)されても良く、また、3分割に限らず2分割や4分割以上に分割されるものであっても良い。さらに、第1拡散部材H43774に貼付される各フィルムは、正面側の一面に上下方向に分割されていても良い。
また、第1拡散部材H43774は、基板部材H773の正面と所定の隙間(第2変位部材H43795を変位可能な隙間)を隔てた状態で配設されると共に、左右方向(矢印L-R方向)の両側に第2変位部材H43795を挿通可能な開口部H43774fが形成される。なお、開口部H43774fは、第1拡散部材H43774の上方側の縁部から下方側に沿って延設されており、これにより、上方側が連結される第2変位部材H43795を開口部H43774fを介して第1拡散部材H43774の内側から張出変位可能とされる。また、変位部材H42790がベース手段H43770に対して回転されていない状態(即ち、図1755に示す位置に配置される場合には)では、変位部材H42790の背面側に第2変位部材H43795が重なって配設されると共に、変位部材H42790に対して変位部材H42790における左右方向(矢印F-B方向)の寸法が若干小さくされる。また、変位部材H4290がベース手段H43770に対して回転されていない状態(即ち、図1755に示す位置に配置される場合)には、中央フィルムH3774cの正面側に変位部材H42790が配設されると共に、中央フィルムH43774cの背面側に第2変位部材H43795が配設される。これにより、発光手段H773bから中央フィルムH43774cの背面側に照射される光を第2変位部材H43795で遮ることができる。その結果、遊技者に第1フィルムH43774dと第2フィルムH43774eとを介した発光手段H773bの光を視認させやすくできる。即ち、第2変位部材H43795により発光手段H773bの光を遮らず、変位部材H42790により中央フィルムH43774cを介して出射される光を遮る場合には、変位部材H42790の背面に照射される光が変位部材H42790の背面で反射することにより、第1フィルムH43774d又は第2フィルムH43774eを介して出射される光と混ざり、第1フィルムH43774d及び第2フィルムH43774eを介した光が正しく遊技者に認識されない可能性がある。また、変位部材H42790の変位を検出センサ等により検出して、変位部材H42790の変位に合わせて変位部材H42790の背面側に位置する発光手段H773bの発光を弱くする、又は、オフにすることも可能であるが、この場合には、変位部材H42790の変位を常に監視する必要があるため、制御が複雑になり変位部材H42790の変位に合わせて発光手段H773bの光を弱めることが困難とされる。
これに対し、第153実施形態では、異なる色を付した中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eの背面側で、発光手段H773bから出射される光を第2変位部材H43795により遮ることができるので、中央フィルムH43774cを介して光が出射されることを抑制して、中央フィルムH43774cを介した光が他の領域の光を混ざることを抑制できる。その結果、第1フィルムH43774dと第2フィルムH43774eとを介した発光手段H773bの光を正しく遊技者に視認させることができる。即ち、第153実施形態では、中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eの背面側で、発光手段H773bから出射される光を第2変位部材H43795により遮ることにより、発光手段H773bから同じ発光がされている(即ち、複数の発光手段H773bからの光の出射量が制御により変更されていない(全ての発光手段H773bが同様に発光している))場合でも、第1拡散部材H43774(各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e))を介して視認される光の態様を変更できる。その結果、遊技者の興趣を向上できる。また、第153実施形態では、第2変位部材H43795により光の出射を遮られた領域の中央フィルムH43774cを変位部材H42790により遊技者に視認させにくくできる(即ち、光が出射されていない領域の正面側に変位部材H42790が配置される)ので、遊技者が中央フィルムH43774cに注目することを抑制できる。その結果、遊技者に第1フィルムH43774dと第2フィルムH43774eとを介した発光手段H773bの光を視認させやすくできる。なお、第153実施形態では、第2変位部材H43795が光を非透過の樹脂材料から形成される場合について説明したが、第2変位部材H43795は、発光手段H773bから出射される光の透過量を変えるものであれば良い。即ち、第2変位部材H43795が半透明の樹脂材料から形成され、第2変位部材H43795に照射される基板部材H773の光の一部が第2変位部材H43795を透過して第1拡散部材H43774の各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)側に出射されるようにしても良い。この場合には、各フィルムの一部からの発光量を少なくすることができる。これにより、各フィルムを介して視認される光の色合いを複雑に変更できる。また、第2変位部材H43795を、光の透過量を電気より変更可能な調光ガラス等で構成して、所定の演出の際に光の透過量を変更するように構成しても良い。例えば、ボタン部H181の押圧操作が必要な場合には、光の透過量を多くして遊技者にボタン部H181の操作が必要なことを認識させやすくする一方、ボタン部H181の操作が必要のない場合には、基板部材H773から出射される一部の光の透過量を変更して(又は遮って)各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)を介して視認される光の色合いを変更する演出を遊技者に視認させても良い。なお、この場合には、変位不能に構成される複数の調光ガラスを並べて配置して、それぞれの調光ガラスの光の透過量を変更する(例えば、左右方向に複数枚配置される調光ガラスの光の透過量を左側から順に少なくして、左側の第1フィルムH43374dを介して照射される光の透過量を多くする)ことで、遊技者に視認される光の態様を変更してもよい。
次いで、図1756を参照して、第153実施形態における揺動装置H43730の変位について説明する。図1756(a)及び図1756(c)は、第153実施形態における揺動装置H43730の正面模式図であり、図1756(b)は、図1756(a)のMCMLXXIXb線における揺動装置H43730の断面模式図であり、図1756(d)は、図1756(c)のMCMLXXIXd線における揺動装置H43730の断面模式図である。なお、図1756では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1756(a)及び(b)に示すように、第2変位部材H43795は、駆動手段H780の駆動により変位部材H42790が変位されることで、変位部材H42790の変位方向に変位され、第2変位部材H43795が第1フィルムH43774dの背面側に配置される場合には、第1フィルムH43774d側の中央フィルムH43774cの略半分と第2変位部材H43795が重なる位置に配置される。これにより、第2フィルムH43774eの中央フィルムH43774c側の略半分から中央フィルムH43774cを介した光を正面側に出射できると共に、第2フィルムH43774eを介した光を正面側に出射できる。なお、中央フィルムH43774cの左右方向における幅は、第1フィルムH43774d及び第2フィルムH43774eの略2倍に設定されており、中央フィルムH43774cを介した光と、第1フィルムH43774d又は第2フィルムH43774eのどちらか一方を介した光とを遊技者に視認させる際に、中央フィルムH43774cを介した光の領域と、第1フィルムH43774d又は第2フィルムH43774eを介した光の領域とを略同一にすることができる。一方、図1756(c)及び(d)に示すように、第2変位部材H43795が第1拡散部材H43774の開口部H43774fから第1拡散部材H43774の外側へ張り出される場合には、第2変位部材H43795が中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eと重ならない状態とされ、正面視において変位部材H42790が第1拡散部材H43774と重ならない位置に配置される。これにより、中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eを介して正面側に出射されるそれぞれの光を遊技者に視認させることができる。従って、第153実施形態では、中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eの背面側に配設される第2変位部材H43795により、中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eのうち2枚のフィルムを介して出射される光の形態や、全てのフィルムを介して出射される光の形態を形成することができる。これにより、例えば、2色または3色に発光される色を遊技者に視認されるまでに各フィルムの境界部分や各フィルムの全体で混ざり合わせることで、遊技者に複数の色を視認させることができる。その結果、基板部材H77の光による演出効果を向上できる。
なお、上記第153実施形態では、第1拡散部材H43774の正面側に3個のフィルムが配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、4個以上のフィルムから構成しても良いし、2個のフィルムにより基板部材H773から出射される光の色を変更しても良い。例えば、2個のフィルムにより基板部材H773から出射される光の色を変更する場合には、フィルムを介した色の光を遊技者にそのまま視認させて良い。また、上記第153実施形態では、第2変位部材H43795が変位部材H43790の変位に連動される場合について説明したが、第2変位部材H43795を変位するための駆動手段を別途配設しても良い。さらに、上記第153実施形態では、中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eを隣り合う状態で配設したが、それらフィルムの間に発光色を区画するための区画部材(例えば黒色のシール等)を配設しても良い。この場合には、区画部材により中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eから出射される光を区画することができるので、それぞれのフィルムを介して視認される色を区画することができ、隣り合う色同士が混ざることを抑制できる。なお、本実施形態のように、区画部材を備えず、中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774eを隣り合う状態で配設した場合には、それらの隣り合う領域を介して出射される光を混ぜることができる。これにより、複数の発光色を形成することができ、光による演出効果を向上できる。また、第153実施形態における揺動装置H43730は、傾倒装置H710のボタン部H181が押圧操作された際に傾倒装置H710の下端が当接されることで、変位部材H43790が第1拡散部材H774(基板部材H773)から離れる方向に変位されるように構成される。これによれば、変位部材H43790に配設される第2変位部材H43795を基板部材H773から離れる方向に変位させることができるので、第1拡散部材H774と基板部材H773との間を変位可能に配設される第2変位部材H43795を第1拡散部材H774に近づける(基板部材H773から離す)ことができる。即ち、第2変位部材H43795を第1拡散部材H774に貼付される各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)に近づけることができる。よって、第2変位部材H43795と各フィルムとの対向間の距離を狭めることができ、その対向間に光が入射することを抑制しやすくできる。その結果、各フィルムへの光の照射領域を区画しやすくできる。
次いで、図1757を参照して、第154実施形態における揺動装置H44740について説明する。上記第111実施形態では、揺動装置H730のベース手段H770が下枠部材H720に固定される場合について説明したが、第154実施形態では、揺動装置H44740の変位部材H44790が下枠部材H720に配設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1757(a)は、第154実施形態における操作ユニットH44180の断面模式図であり、図1757(b)は、図1757(a)のMCMLXXXb線における操作ユニットH44180の断面模式図である。なお、図1757(a)では、操作ユニットH44180の左右方向(矢印L-R方向)略中央部で切断した断面が模式的に図示される。また、図1757では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1757に示すように、第154実施形態における揺動装置H44740は、下枠部材H720の背面板H722(図1656参照)に配設される変位部材H44790と、その変位部材H44790の背面側に軸支されるベース手段H44770と、そのベース手段H44770の背面側に配設される駆動手段H780と、を主に備える。変位部材H44790は、光を透過可能な無色透明な樹脂材料から形成されており、背面側(矢印B方向側)に配設されるベース手段H44770から出射される光を正面側に透過可能に構成される。また、変位部材H44790は、正面側に向かって半球状に湾曲して形成される透過部H791と、その透過部H791の背面側の縁部3箇所から背面側に向かって突出する係合部H44792と、を主に備える。係合部H44792は、下枠部材H720の背面板H722(図1656参照)に係合された後、螺子により背面板H722に締結される部分であり、背面側の先端が背面板H722を超える長さに設定されると共に、先端が背面板H722と係合可能な鉤形状に形成される。ベース手段H44770は、上側軸支部H771b1を有する上側ベース部材H44771と、下側軸支部H772b1を有する下側ベース部材H44772と、上側ベース部材H44771の正面側(矢印F方向側)に配設される基板部材H773と、基板部材H773の正面側を覆う態様で上側ベース部材H44771の正面側に配設される第1拡散部材H774と、を主に備え、上側軸支部H771b1及び下側軸支部H772b1が変位部材H44790の係合部H44792に軸支されることで、変位部材H44790に対して回転可能に構成される。なお、ベース手段H44770の上側ベース部材H44771及び下側ベース部材H44772には、背面側に駆動手段H780が配設される。よって、駆動手段H780の駆動力により変位部材H44790に対してベース手段H44770が回転される。第154実施形態における揺動装置H44740によれば、光を透過する変位部材H44790(透過部H791)に対して、光を出射する基板部材H773を有するベース手段H44770が変位されるので、第111実施形態における変位部材H790のように変位部材H790を変位させる場合に比べて、基板部材H773から出射される光の照射角度を大きくしやすくできる。即ち、第111実施形態では、変位部材H790を透過させることで基板部材H773から出射される光の出射方向を変更することができなかったのに対して、第154実施形態では、光源の出射方向を変更することができるので、光の出射角度を変更しやすくできる。その結果、基板部材H773の光の照射角度を広くして、基板部材H773の光による演出領域を大きくすることができる。なお、第154実施形態では、揺動装置H44740を変位させる場合について説明したが、第154実施形態における変位部材H44790を第111実施形態における変位部材H790に置き換えて(即ち、変位可能な変位部材H790として)、揺動装置H44740と変位部材H790との両方を変位させても良い。なお、この場合、揺動装置H44740と変位部材H790とのそれぞれを独立して変位可能とする構成とすることが好ましい。光を出射する基板部材H773に対して変位部材H790の位置を変位させて、変位部材H790を介して視認される光の態様を変更しやすくできるからである。
次いで、図1758を参照して、第155実施形態における操作ユニットH45180について説明する。上記第111実施形態では、揺動装置H730の基板部材H773から出射される光をボタン部H181を介して出射する場合について説明したが、第155実施形態では、ボタン部H181に配設される第2基板部材H45718の光をボタン部H181を介して出射する場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1758(a)及び図1758(b)は、第155実施形態における操作ユニットH45180の断面模式図である。なお、図1758(a)及び図1758(b)では、操作ユニットH45180の左右方向(矢印L-R方向)略中央部で切断した断面が模式的に図示される。また、図1758(a)は、傾倒装置H45710が傾倒位置に配置された状態が図示され、図1758(b)では、傾倒装置H45710が起立位置に配置された状態が図示される。なお、図1758では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1758に示すように、第155実施形態における操作ユニットH45180は、上面にボタン部H181を有する傾倒装置H45710と、その傾倒装置H45710が上下方向(矢印U-D方向)に揺動可能な状態で内側に配設される下枠部材H720と、その下枠部材H720の内側に配設される揺動装置H730と、傾倒装置H45710のリング部材H713(図1656参照)を上方側(矢印U方向側)から支持し下枠部材H720と向かい合わせで配置される上枠部材H740と、下枠部材H720の下方側(矢印D方向側)に配設されアーム部材H755(図1656参照)を介して傾倒装置H710に駆動力を伝達する駆動手段H750(図1656参照)と、下枠部材H720の下方側に配設され駆動手段H750を左右方向(矢印L-R方向)と後方(矢印F方向)との三方から覆う箱状に形成される保護カバー部材H760と、を主に備える。傾倒装置H45710は、上面にボタン部H181と、そのボタン部H181の正面側の外縁から下方側に向かって延設される正面側透過部H711と、ボタン部H181の左右両外側の外縁から下方側に向かって延設される側面側反射部H712と、ボタン部H181の背面側の外縁に沿って配設される軸部材H716(図1665参照)と、その軸部材H716の両端に配設されるリング部材H713(図1657参照)と、軸部材H716に巻き付けされるねじりバネH717(図1657参照)と、側面側反射部H712の下端の縁部に沿って配設されるブラケットH714(図1657参照)と、側面側反射部H712の正面側の下端に配設され、下方側に突出する検出片H715(図1657参照)と、ボタン部H181の背面側であって軸部材H716の正面側に配設される第2基板部材H45718と、を主に備え、ボタン部H181、正面側透過部H711、及び、側面側反射部H712により下方側が開口する箱状に形成される。なお、傾倒装置H45710は、リング部材H713(図1657参照)を回転軸として回転可能に形成されており、上述した傾倒位置(図1758(a)に示す位置)と、その傾倒位置から正面側を上方側に回転させた起立位置(図1758(b)に示す位置)との間で変位可能とされ、傾倒位置においてボタン部H181、正面側透過部H711、及び、側面側反射部H712の内側に揺動装置H730を配置可能とされる。第2基板部材H45718は、光を出射可能な発光手段H45718aを備え、その発光手段H45718aから出射される光をボタン部H181の上面に出射可能に形成される。なお、第2基板部材H45718は、ボタン部H181の上面に対して鋭角となる交差角度で発光手段H45718aの光を出射可能に形成される。また、ボタン部H181は、上述したように貝を模した形状に形成されており、図1758に示すように、上面に貝の装飾に沿った凹凸が形成される。よって、第155実施形態では、上面に対して鋭角となる方向(即ち、揺動装置H730の基板部材H773の光の照射方向と異なる方向)からボタン部H181の装飾面(上面の凹凸)に光を照射することで、ボタン部H181の装飾を目立たせることができる。即ち、第155実施形態では、ボタン部H181の上面に対して直交する方向に近い方向から(鈍角となる交差角度で)光を入射させる基板部材H773と、ボタン部H181の上面に対して鋭角となる交差角度で光を入射させる第2基板部材H45718とを備えることで、ボタン部H181の凹凸を介して視認される光の態様を変更することができる。その結果、光による演出効果を向上できる。また、第155実施形態では、第2基板部材H45718が傾倒装置H45710に配設されるので、図1758(b)に示すように傾倒装置H45710が傾倒位置に配設された場合には、ボタン部H181の変位に伴って第2基板部材H45718を変位させることができる。従って、傾倒装置H45710の配置によって、基板部材H773から出射される光をボタン部H181に入射しにくくできると共に、第2基板部材H45718から出射される光のボタン部H181へ入射量は略一定にすることができる。その結果、ボタン部H181の発光態様を複数形成することができ、光による演出効果を向上できる。なお、第2基板部材H45718は、傾倒装置H45710でなく、例えば、下枠部材H720に配設され、傾倒位置または起立位置のどちらかにおける傾倒装置H45710のボタン部H181に光を照射可能に構成されても良い。また、第155実施形態では、ボタン部H181が光を透過可能に構成される場合について説明したが、ボタン部H181に光を反射可能な反射部材を設けて、傾倒装置H710が傾倒位置に配置される場合には、ボタン部H181の反射部材により傾倒装置H710を介して揺動装置H730を遊技者から視認不能としつつ、ボタン部H181に設けた反射部材により基板部材H773から出射される光を正面側透過部H711側から出射するように構成しても良い。なお、傾倒装置H710を起立位置に配置した場合には、正面側透過部H711を介して揺動装置H730を遊技者に視認可能とすることができる。
次いで、図1759を参照して第156実施形態における操作ユニットH46180について説明する。上記第155実施形態では、傾倒装置H45710に第2基板部材H45718が配設される場合について説明したが、第156実施形態では、第2基板部材H46742が上枠部材H46740に配設される場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。図1759(a)及び図1759(b)は、第156実施形態における操作ユニットH46180の断面模式図である。なお、図1759(a)及び図1759(b)では、操作ユニットH46180の左右方向(矢印L-R方向)略中央部で切断した断面が模式的に図示される。また、図1759(a)は、傾倒装置H46710が傾倒位置に配置された状態が図示され、図1759(b)では、傾倒装置H46710が起立位置に配置された状態が図示される。さらに、図1759では、理解を容易とするために各部材の構造が簡略化して図示される。図1759に示すように、第156実施形態における操作ユニットH46180は、上面にボタン部H181を有する傾倒装置H46710と、その傾倒装置H46710が上下方向(矢印U-D方向)に揺動可能な状態で内側に配設される下枠部材H720と、その下枠部材H720の内側に配設される揺動装置H730と、傾倒装置H46710のリング部材H713を上方側(矢印U方向側)から支持し下枠部材H720と向かい合わせで配置される上枠部材H46740と、下枠部材H720の下方側(矢印D方向側)に配設されアーム部材H755(図1657参照)を介して傾倒装置H46710に駆動力を伝達する駆動手段H750(図1657参照)と、下枠部材H720の下方側に配設され駆動手段H750を左右方向(矢印L-R方向)と後方(矢印F方向)との三方から覆う箱状に形成される保護カバー部材H760と、を主に備える。傾倒装置H46710は、上面にボタン部H181と、そのボタン部H181の正面側の外縁から下方側に向かって延設される正面側透過部H711と、ボタン部H181の左右両外側の外縁から下方側に向かって延設される側面側反射部H712と、ボタン部H181の背面側の外縁に沿って配設される軸部材H716(図1665参照)と、その軸部材H716の両端に配設されるリング部材H713(図1657参照)と、軸部材H716に巻き付けされるねじりバネH717(図1657参照)と、側面側反射部H712の下端の縁部に沿って配設されるブラケットH714(図1657参照)と、側面側反射部H712の正面側の下端に配設され、下方側に突出する検出片H715(図1657参照)と、ボタン部H181の下面側にスライド変位可能に配設される変位部材H46182と、を主に備え、ボタン部H181、正面側透過部H711、及び、側面側反射部H712により下方側が開口する箱状に形成される。なお、傾倒装置H46710は、リング部材H713(図1657参照)を回転軸として回転可能に形成されており、上述した傾倒位置と、その傾倒位置から正面側を上方側に回転させた起立位置との間で変位可能とされ、傾倒位置においてボタン部H181、正面側透過部H711、及び、側面側反射部H712の内側に揺動装置H730を配置可能とされる。変位部材H46182は、光を透過可能な透明な樹脂材料から形成され、ボタン部H181の下面に沿う板状に形成され、ボタン部H181にスライド変位可能な状態で配設される。また、変位部材H46182には、一端が下枠部材H720の背面板H722に軸支されるリンク部材H46182aの他端が連結される。このリンク部材H46182aにより傾倒装置H46710が傾倒位置から起立位置に変位される駆動力に伴って、変位部材H46182がボタン部H181に対して引っ張られる。即ち、ボタン部H181に対し変位部材H46182が追従して変位することをリンク部材H46182aにより規制して、ボタン部H181に対し変位部材H46182を変位させることができる。これにより、傾倒装置H46710が傾倒位置から起立位置に変位される際に、変位部材H46182がボタン部H181に対して変位される。なお、第156実施形態では、図1759(b)に示すように、ボタン部H181に対して変位部材H46182が変位した際に、ボタン部H181の背面側(軸部材H716側)に形成した開口から変位部材H46182がボタン部H181の外側に張出変位される。また、変位部材H46182は、ボタン部H181に対して張り出す側の端部からL字状に屈曲される屈曲部H46182bと、レーザー加工等により変位部材の内部に凹凸加工される反射部H46182cとを備える。屈曲部H46182bは、ボタン部H181に対して変位部材H46182が内側に入り込み過ぎることを抑制する部分であり、ボタン部H181の背面側(軸部材H716側)に形成される開口の開口幅よりも厚く設定される。また、屈曲部H46182bの屈曲先端面は、凹凸の少ない平坦面に形成され、後述する第2基板部材H46742からの光を内部に導光可能に形成される。
上枠部材H46740は、上面視において傾倒装置H46710の側面側反射部H712の下端に屈曲形成される係合片H712b(図1656参照)が引っかかる(上下方向に重なる)大きさの半円弧形状に形成される。これにより、傾倒装置H46710が傾倒位置から起立位置に変位した際に、傾倒装置H46710が起立位置を超えて上方側に張り出し変位することを抑制できる。また、上枠部材H46740には、発光手段H46742aを有する第2基板部材H46742が内側に配設される。第2基板部材H46742は、傾倒装置H46710が傾倒位置に配置される状態において、第2基板部材H46742から出射される光がボタン部H181に向けた状態で配設される。なお、第2基板部材H46742は、ボタン部H181の上面に対して鋭角となる交差角度で発光手段H46742aの光を出射可能に形成される。また、ボタン部H181は、上述したように貝を模した形状に形成されており、図1759に示すように、上面に貝の装飾に沿った凹凸が形成される。よって、第156実施形態では、上面に対して鋭角となる方向(即ち、揺動装置H730の基板部材H773の光の照射方向と異なる方向)からボタン部H181の装飾面(上面の凹凸)に光を照射することで、ボタン部H181の装飾を目立たせることができる。即ち、第156実施形態では、ボタン部H181の上面に対して直交する方向に近い方向から(鈍角となる交差角度で)光を入射させる基板部材H773と、ボタン部H181の上面に対して鋭角となる交差角度で光を入射させる第2基板部材H46742とを備えることで、ボタン部H181の凹凸を介して視認される光の態様を変更することができる。その結果、光による演出効果を向上できる。さらに、第156実施形態では、傾倒装置H46710を起立位置に配置した場合に、図1759に示すように、変位部材H46182の屈曲部H46182bが第2基板部材H46742の正面側に配設される。これにより、第2基板部材H46742から出射される光を変位部材H46182の内部を透過させると共に、内部に形成した反射部により所定の模様を表示することができる。この場合、変位部材H46182に表示される模様を、正面側透過部H711を介して遊技者に視認させることができる。従って、正面側透過部H711を介して揺動装置H730から出射される光を遊技者に視認させることができると共に、正面側透過部H711を介して変位部材H46182に表示される模様を遊技者に視認させることができる。その結果、光による演出効果を向上できる。なお、所定の模様としては、傾倒装置H46710を遊技者に操作させるために表示する文字(例えば「押せ」)や、パチンコ機H10の遊技状態を表す表示(例えば「チャンス」や、キャラクター等の表示である。さらに、傾倒装置H46710を起立位置に配置した場合には、揺動装置H730の基板部材H773から出射された光の一部を傾倒装置H710の正面側透過部H711の下端側から入射させてボタン部H181の内部を透過させることができる。よって、ボタン部H181の上面に形成した装飾部(貝を模した凹凸)を発光させることができる。即ち、第156実施形態では、傾倒装置H46710を起立位置に配置した状態において、基板部材H773の光と第2基板部材H46742との光とで傾倒装置H46710の異なる領域を発光させることができる。その結果、光による演出効果を向上できる。なお、第156実施形態では、変位部材H46182の内部に形成される反射部H46182cは、傾倒装置H46710が傾倒位置に配置された状態において第2基板部材H46742から出射される光に対して、反射しにくい(そのまま透過させやすい)形状に形成される。これにより、傾倒装置H46710が傾倒位置に配置される場合には、変位部材H46182が発光しにくく(模様を形成しにくく)して、変位部材H46182が所定の変位をした場合にのみ、変位部材H46182で光の演出をすることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。以下に示す変形例(別実施形態)においても同様であり、一の変形例における構成の一部または全部を、他の変形例における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の変形例としても良い。以下に示す変形例の適用対象となる実施形態は任意であり、いずれの変形例(変形例の組み合わせ又は置き換え)をいずれの実施形態に適用しても良い。上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第111実施形態では、一対のスピーカー組立体H312がベース部材H311の左右両側に配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、右側装飾ユニットH14cに一対のスピーカー組立体H312を別途配設して、それら一対のスピーカー組立体H312が配設される空間同士を連通する連通路を右側装飾ユニットH14cに形成しても良い。上記第111実施形態では、スピーカー組立体H312が配設される配設空間H300Fが化粧ユニットH320に一対形成される場合について説明したが、配設空間H300Fが3個以上形成され、それら配設空間が連通路によって連通されるものであっても良い。上記第111実施形態では、第1連通路H300C及び第2連通路H300Dが複数の部材を組み合わせて形成する(隙間を空けて配設する)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、中空形状の棒部材を一対の配設空間H300F(第1空間H300A又は第2空間H300B)に両端が配置されるように配設して、棒部材の内部空間を利用して音を伝達可能に構成しても良い。また、正面側が開放されるお椀型状に形成される覆設部材H343の左右方向(矢印L-R方向)両側の一部を切り欠いて、覆設部材H343の内部空間を音が伝達するように構成しても良い。この場合、一対の配設空間H300F(第1空間H300A又は第2空間H300B)を連通する連通路(第1連通路H300C又は第2連通路H300D)が装飾ユニットH330の中央部に形成され、連通路の外側を化粧ユニットH320で取り囲むことができるので、連通路を通過する音が連通路の内壁を伝わり連通路の外側に放音されたとしても、その音が装飾ユニットH330の外側まで伝わることを抑制できる。その結果、装飾ユニットH330に形成される開口部(スリットH331a1(図1620参照),放音用開口部H333b(図1622参照),検出用開口部H333a(図1623参照))以外から音が放音されることを抑制できる。
上記第111実施形態および第117実施形態から第119実施形態、第147実施形態から第151実施形態では、一方のスピーカーH312aから放音(出力)された音を第1連通路H300C,H7300C及び第2連通路H300Dを通して、他方のスピーカーH312aが配設される配設空間H300F(第1空間H300A、第2空間H300B)に放音する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、変位部材が変位された際の駆動音や衝突音を第1連通路H300C,H7300C及び第2連通路H300Dを通して、他方のスピーカーH312aが配設される配設空間H300F(第1空間H300A、第2空間H300B)に伝達して駆動音や衝突音がパチンコ機H10の外部に漏れ出にくくしても良い。上記第119実施形態、第147実施形態から第151実施形態では、上側装飾ユニットH9014aの上方側(矢印U方向側)に形成される第1連通路H300Cが上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336を変位させることで開放される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、上側装飾ユニットH9014aの下方側(矢印D方向側)に形成される第2連通路H300Dが下面板H333を変位させることで開放されるように構成しても良い。さらに、第119実施形態では、上面板H9332を回転させる場合について説明したが、上面板H9332をスライド変位させて第1連通路H300Cを開放するように構成しても良く、また、上面板H9332が第1連通路H300Cを開放する位置に変位できるものであれば、例えば、上面板H9332を上側装飾ユニットH9014aの内側に向かって変位させて第1連通路H300Cを開放しても良い。上記第119実施形態、第147実施形態から第151実施形態では、上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336が操作ユニットH180の操作に連動して変位される場合について説明したが、操作ユニットH180の操作ではなく、機能調整操作部H190の操作により上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336を変位させても良い。この場合には、機能調整操作部H190の操作により遊技者が上面板H9332の状態を常に変更することができる。その結果、遊技者の好みに合った放音態様に調整することが可能となり、遊技者の興趣を向上できる。また、上記第119実施形態、第147実施形態から第151実施形態では、上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336が操作ユニットH180の操作に連動して変位される場合について説明したが、遊技球を発射を制御する操作ハンドルH51の操作(遊技領域への遊技球の打ち出し)や、遊技領域の所定のセンサ(スルーゲート)の通過に伴って、上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336を変位させても良い。なお、遊技球を発射を制御する操作ハンドルH51の操作や、遊技領域の所定のセンサの通過や、操作ユニットH180の操作を検出する各種スイッチH208は、入出力ポートH205(図1619参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号に基づいてMPUH201が各種処理(張出部材H36130aを張り出させる)を実行可能とされる。
上記第119実施形態、第147実施形態から第151実施形態では、上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336を変位して第1連通路H300Cを開放する(第1連通路H300Cの通路幅を変更する)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、下面板H333を変位して第2連通路H300Dを開放するものであっても良い。第147実施形態および第148実施形態では、第1連通路H300Cを開放した場合に板部材H37332hが空間H9332d2の外部空間との連通を規制する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1連通路H300Cを開放した場合に、板部材H37332hの先端が第1連通路H300Cよりも上方に位置し、空間H9332d2が外部空間と連通されるものであっても良い。また、この場合、第148実施形態のように光照射ユニットH38336に配設したLEDH38336a1の光を、空間H9332d2と外部空間とを連通する開口を介して遊技者が視認できるように、LEDH383336a1の光の向きを調整しても良い。これにより、LEDH383336a1の光を遊技者に直接視認させることができ、光により第1連通路H300Cの放音状態が変更されたことを遊技者に認識させやすくできる。さらに、光照射ユニットH38336に配設したLEDH38336a1の光が、外部空間と連通された第1連通路H300Cを介して遊技者に視認されるようにLEDH38336aの光の向きを調整しても良い。この場合も同様に、光により第1連通路H300Cの放音状態が変更されたことを遊技者に認識させやすくできる。上記第119実施形態、第147実施形態、第149実施形態、第150実施形態、及び、第151実施形態では、上面板H9332,H37332,H39332,H40332が板部材から形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第148実施形態のように、光を照射可能な基板部材H38336aを有する光照射ユニットH38336から形成されるものであっても良い。上記第119実施形態、第147実施形態から第150実施形態では、パチンコ機H10の演出に注目させる際に第1連通路H300Cを開放する場合について説明したが、これに限られるものではなく、パチンコ機H10の演出に注目させる際に第1連通路H300Cを閉じた通路として、パチンコ機H10から放音される音を小さくして、遊技者にパチンコ機H10の音を集中して聞かせるように構成しても良い。第150実施形態では、上面板H40332が変位され第1連通路H300Cを開放する場合に、上面板H40332が正面側に向かって上昇傾斜した状態に配置される場合について説明したが、上面板H40332が鉛直となる位置まで(約90度)回転させるものであっても良い。なお、この場合には、第148実施形態のように光を照射可能な基板部材H38336aを有する光照射ユニットH38336で構成されることが好ましい。これによれば、第1連通路H300Cを開放した際に光照射ユニットH38336から出射する光を上側装飾ユニットH40014aの内部を通さず遊技者に直接視認させることができ、光による演出態様を複数形成できるからである。なお、上面板H40332の回転角度については、第150実施形態に限られず、第147実施形態から第150実施形態における上面板H37332、H39332又は光照射ユニットH38336においても同様である。即ち、第147実施形態から第150実施形態における上面板H37332、H39332又は光照射ユニットH38336を鉛直となる位置まで(約90度)回転可能に構成しても良い。
上記第150実施形態では、第1連通路H300Cの内部空間の全体に上面板H40332の閉鎖部H40332pが配置され、第1連通路H300Cによる第1空間H300A同士の連通が規制される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1連通路H300Cの一部を遮るように第1連通路H300Cの内側面と同形状の板部材から形成される閉鎖部H40332pを第1連通路H300Cの内側に配置して、第1空間H300A同士の連通を規制するものであっても良い。この場合には、第1連通路H300Cの内部に配設される閉鎖部H40332pの配設スペースを小さくできる(即ち、閉鎖部H40332pの外形を小さくできる)ので、上面板H40332に光を発光可能な基板部材H38336aが配設される場合に、閉鎖部H40332pにより光が遮られることを抑制できる。その結果、光による演出効果が低下することを抑制できる。また、上面板H40332に閉鎖部H40332pを配設するものではなく、上面板H40332とは関係ない位置に閉鎖部H40332pを配設するものであっても良い。例えば、遊技者やパチンコ店の作業者(店員)が操作可能な位置に閉鎖部H40332pを配設して、遊技者やパチンコ店の作業者(店員)の操作により第1連通路H300Cの内部に閉鎖部H40332pが変位されるものであっても良い。例えば、パチンコ店の作業者(店員)のみが閉鎖部H40332pを操作可能として、パチンコ機H10のスピーカーH312aの破損時(故障時)にのみ閉鎖部H40332pを第1連通路H300Cの内部に変位させて、スピーカーH312aの破損時に一方側のスピーカーH312aから他方側のスピーカーH312a側に音を伝達するように構成しても良い。また、例えば、パチンコ機H10の演出により、第1連通路H300Cの内部に閉鎖部H40332pを変位させたり、第1連通路H300Cの外側に閉鎖部H40332pを変位させるようにしても良い。即ち、パチンコ機H10の演出に連動して第1連通路H40332bの連通状態を変更(制御)するものであっても良い。これによれば、パチンコ機H10の演出に合わせて音の態様を変化させることができるので遊技の興趣を向上できる。また、上記第150実施形態では、第1連通路H300Cの内部空間が埋まる形状に閉鎖部H40332pが形成される場合について説明したが、第1連通路H300Cの一部の領域を開放する(連通可能な空間が空いた)形状に閉鎖部H40332pが形成されても良い。
第147実施形態、第149実施形態、及び、第151実施形態では、上面板H37332,H39332が板状に形成される場合について説明したが、第1連通路H300Cの上方側を閉鎖する上面板H37332,H39332の下面側から装飾部を張り出し形成しても良い。この場合には、第1連通路H300Cを開放した際に、装飾部を遊技者に視認させることができ、正面視における装飾の形成領域を増やすことができる。なお、装飾部は第1連通路H300Cの通路幅よりも小さく形成されることが好ましく、これによれば、第1連通路H300Cの上方側を上面板H37332,H39332で閉鎖した場合に第1連通路H300Cの内部に装飾部を収容することができる。その結果、装飾部を形成した分、上側装飾ユニットH37014a,H39014a,H41014aを上下方向に大きくする必要がなくなり、上側装飾ユニットH37014a,H39014a,H41014aを大型化させず、装飾領域を増やすことができる。上記第150実施形態では、第2変位部材H40337が上下方向に変位される場合について説明したが、第2変位部材H40337は、前後方向にスライド変位されるものでも、回転変位されるものでもよい。例えば、第1連通路H300Cを閉鎖する上面板H40332に沿って第2変位部材H40337を前後方向にスライド変位させる場合には、上側装飾ユニットH40014aの内部空間における第2変位部材H40337の変位領域を最小にすることができる。これにより、第2変位部材H40337を配設するためのスペースを確保できる。上記第119実施形態、第147実施形態から第151実施形態では、上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336を例に説明したが、上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336に加えて、或いは、上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、変位可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。変位可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(上面板H9332,H37332,H39332,H40332又は光照射ユニットH38336)と同様の効果が得られる。上記第119実施形態、第147実施形態から第151実施形態では、スピーカーH312aを例に説明したが、スピーカーH312aに加えて、或いは、スピーカーH312aに変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、振動または動作が可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。振動または動作が可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(スピーカーH312a)と同様の効果が得られる。上記第120実施形態では、遊技者がパチンコ機H10を遊技していない状態時にファンH10480の回転(送風)が行われる場合について説明したが、遊技者が風を発生させるか否か選択できるように構成しても良い。なお、この場合、上端開口部H473aの開口をパチンコ機H10を遊技する遊技者側に向けて開口させる(即ち、右側装飾ユニットH10014cの内カバー部材H420側に開口を形成する)ことが好ましく、これにより、パチンコ機H10を遊技する遊技者にファンH10480の風を当てることができる。よって、遊技者が店舗の室温を高いと感じる場合には、ファンH10480を遊技者にオンさせてファンH10480の風が当たるようにすることで、快適に遊技できるようになる。また、遊技者が風を発生させるか否か選択するものではなく、パチンコ機H10の演出に合わせてファンH10480を回転させるように構成してもよい。例えば、「大当たり」の期待が高い演出を行う場合に、ファンH10480を回転させることでファンH10480の風を感じる遊技者の「大当たり」への期待感を高めることができる。なお、上記第120実施形態では、ファンH10480により風を送る場合について説明したが、風を送ることが可能であれば良く、例えば、スライド変位する機構により空気を押し出して風を送るものであっても良い。また、スピーカーH312aから音を放音(出力)した際のスピーカーH312aの振動により発生する風により、通路空間H400Aの空気を流動させて異物を開口部H473から排出するようにしても良い。
上記第121実施形態では、立設部H11477と上面板H332と係合部H11477bとにより形成される通路空間H11400A(図1726(a)参照)が正面枠H14の正面側まで開口される場合について説明したが、通路空間H11400Aが、正面枠H14の背面側まで開口されるものであっても良い。この場合には、立設部H11477と上面板H332との隙間から侵入する異物を正面枠H14の背面側に案内することができる。即ち、異物を遊技者から視認されない位置に排出することができる。その結果、遊技者の興趣が低下擦ることを抑制できる。上記第111実施形態では、通路空間H400Aを異物が通過する案内面となる屈曲部H452が、光を透過可能な第1外レンズ部材H450から形成される場合について説明したが、第1外レンズ部材H450とは別部材から形成されていても良い。この場合には、異物により第1外レンズ部材H450が汚れることを抑制でき、第1外レンズ部材H450を介して照射される光の光量を安定させることができる。なお、第111実施形態では、ベース部材H510を下皿形成部材H530よりも下方側に設定したが、下皿形成部材H530をベース部材H510の下方側に位置する状態で配設し、ベース部材H510の下面側に突出する突出部を形成し、下皿形成部材H530の下端とベース部材の突出部の突出先端とを床面に当接させて、正面枠H14を自立させる構成としても良い。この場合には、正面枠H14をベース部材H510に対して下方に配設できる分、遊技者が視認可能とされる面積を増加させることができる。その結果、遊技領域を増加させたり装飾面を増加させることができ、遊技者の興趣を向上させやすくできる。上記第111実施形態では、正面枠H14の下面側を床面に当接させて正面枠H14を自立させる場合について説明したが、正面枠H14の上面側を床面に当接させて正面枠H14を自立させても良い。この場合には、上側装飾ユニットH14aの化粧ユニットH320(上面板H332)の上面に突出部H583を形成すると共に、化粧ユニットH320をベースユニットH310の上端よりも下方側に配置することが好ましい。これによれば、正面枠H14の上面側を床面に当接させた際に、ベースユニットH310の上端と化粧ユニットH320に形成した突出部H583の突出先端とを床面に当接させて、正面枠H14を自立させることができる。上記第124実施形態では、球抜きレバーH52の操作に伴ってスライド板H14562を変位させることで、第2スライド板H14563(突出部H14563b)を張出状態とする場合について説明したが、第2スライド板H14563を備えず、突出部H583を備える構成としても良い。この場合には、球抜きレバーH52の操作に伴ってスライド板H14562の押圧片H14562aを突出部H583の上方に(第1化粧板H541を挟んで突出部H583の反対側)に配置することで、突出部H583に力が作用する場合に突出部H583をスライド板H14562の押圧片H14562aで支持(補強)することができる。下皿H50から球を排出する際に球が突出部H583に当接した場合や、正面枠H14を外枠H11に対して開放する際に突出部H583を把持した場合や、正面枠H14を床面に仮置きする場合に、突出部H583が変形することや破損することを抑制できる。
上記第111実施形態、第124実施形態および第125実施形態では、突出部H583,H14563bが下皿H50から球を払い出す底面口H553aよりも右側に偏る位置に形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、底面口H553aの左右両側に一対形成されるものであっても良い。上記第111実施形態、第124実施形態および第125実施形態では、突出部H583,H14563bが湾曲して形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、突出部H583,H14563bは、一端から他端に向かって直線状に形成されるものや、突出部H583,H14563bは、円柱状に突出形成されるものであっても良い。上記第111実施形態、第124実施形態および第125実施形態では、球抜き時に球が飛び散ることを抑制するために突出部H583,H14563bを利用する場合について説明したが、球抜き時の球の当接面としての利用だけなく、演出部分として利用しても良い。例えば、突出部H583,H14563bに光を出射可能な発光手段を配設して、遊技者により球抜き操作等の所定の操作がされる際に突出部H583,H14563bから光を照射するものであっても良い。これによれば、光により遊技者に所定の操作が正しくされていることを認識させることができる。また、光による演出で球が排出されている高揚感を遊技者に与えることができる。上記第124実施形態および第125実施形態では、突出部H14563bを第1化粧板H541及び下側保護板H580の内側に退避させた場合に、突出部H14563bの先端が正面枠H14(上下皿ユニットH14015)から非突出とされる場合について説明したが、突出部H14653bを退避させた場合に、突出部H14563bの先端が正面枠H14(上下皿ユニットH14015)から突出されても良い。即ち、突出部H14563bを上下皿ユニットH14015から最大限張り出した第1の突出状態と、その第1の突出状態よりも上下皿ユニットH14015の突出距離が少ない第2の突出状態との間で、突出部H14563bを変位させるものであっても良い。この場合には、第1の突出状態または第2の突出状態における突出部H14563bの突出高さを、正面枠H14を自立させるのに適した高さ(重心位置を適切な位置に配置できる高さ)、排出口H561aから排出される球が千両箱から飛び出ることを抑制する高さ、又は、千両箱を出し入れしやすい高さ等、適宜適した状態の突出高さに設定できる。上記第124実施形態および第125実施形態では、球抜きレバーH52の操作により変位するスライド板H14562が突出部H14563bを有する第2スライド板H14563に当接することで突出部H14563bが変位される場合について説明したが、遊技者の操作(例えば、操作ユニットH180の操作)をセンサで検出して、第2スライド板H14563を別途配設する駆動手段により変位させて突出部H14563bの突出高さを変更するように構成しても良い。この場合には、遊技者が操作する操作部材に第2スライド板H14563を変位する際の抵抗が作用しないので、遊技者に操作部材の操作をさせやすくできる。なお、操作ユニットH180の操作を検出する各種スイッチH208は、入出力ポートH205(図1619参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号に基づいてMPUH201が各種処理(突出部H14563bを変位させる)を実行可能とされる。
上記第124実施形態および第125実施形態では、突出部H14563bが上下方向に変位して上下皿ユニットH14015の下面から突出される場合について説明したが、上下方向の変位に限定されるものではなく、回転されることで上下皿ユニットH14015の下面から突出されるものであっても良い。なお、この場合、突出部H14563bは、直線状に形成されることが好ましく、これによれば、非突出とされる場合に突出部H14563bを上下皿ユニットH14015の下面に沿って配設しやすくできる。上記第124実施形態では、突出部H14563bを有する第2スライド板H14563が上下皿ユニットH14015に配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない、例えば、右側装飾ユニットH14cや上側装飾ユニットH14aに配設しても良い。右側装飾ユニットH14c又は上側装飾ユニットH14aに配設する場合には、球抜きレバーH52に変わって正面枠H14に配設する機能調整操作部H190の操作等により第2スライド板H14563を変位させて突出部H14563bを正面視右側から突出させることで、正面枠H14を床に仮置きする場合に右側装飾ユニットH14cの右側側面を設置面として利用することができる。上記第111実施形態では、リブH583bが湾曲壁H583aの湾曲面の前後に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、リブH583bを各湾曲壁H583aの連結部に形成しても良い。例えば、湾曲壁H583aの凹側の側面の各湾曲壁H583aの連結部にリブH583bを形成した場合には、外枠H11(図1612参照)に対して正面枠H14を開放する場合に遊技者の指が突出部H583に対して滑ることをリブH583bで抑制できる。その結果、外枠H11に対して正面枠H14を開放させやすくできる。また、リブH583bは、湾曲壁H583aの正面側の片面のみに形成されていても良い。これによれば、外枠H11(図1612参照)に対して正面枠H14を開放する場合に遊技者の指がリブH583bにより湾曲壁H583aに引っ掛かりにくくなることを抑制できる。その結果、外枠H11に対して正面枠H14を開放させやすくできる。上記第111実施形態、第127実施形態、及び、第128実施形態では、操作ユニットH180が連結部H555,H18555又は凸状部H17515に載置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、連結部H555,H18555又は凸状部H17515に機能調整操作部H190を載置しても良い。上記第126実施形態、第145実施形態では、基板ユニットH16344が上下方向に変位して上側装飾ユニットH16014a,H35014aの下面から突出される場合について説明したが、上下方向にスライド変位されるものに限られるものではなく、回転されるものあっても良い。即ち、回転により上側装飾ユニットH16014a,H35014aの下面から突出されるものであっても良い。
上記第126実施形態、第145実施形態および第146実施形態では、基板ユニットH16344、又は、張出部材H36160aが遊技者や作業者の所定の操作により突出される場合について説明したが、遊技者の操作(例えば、操作ユニットH180の操作)をセンサで検出して、基板ユニットH16344、又は、張出部材H36160aを別途配設する駆動手段により変位させて基板ユニットH16344、又は、張出部材H36160aの突出高さを変更するように構成しても良い。この場合には、遊技者が操作する操作部材に基板ユニットH16344、又は、張出部材H36160aの操作抵抗が作用しないので、遊技者に操作部材の操作をさせやすくできる。なお、遊技者の操作を検出するセンサ(各スイッチH208(図1619参照))は、入出力ポートH205(図1619参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号や基づいてMPUH201が各種処理を実行可能とされる(例えば、基板ユニットH16344、又は、張出部材H36160aを変位させる)。上記第125実施形態および第145実施形態では、係合片H15443,H35331cを遊技者または作業者(店員)が操作可能に形成される場合について説明したが、係合片H15443,H35331cを別途配設する駆動モータにより駆動させても良い。この場合には、突出部H14563b又は基板ユニットH16344を所定のタイミングで退避させることができる。なお、所定のタイミングとは、例えば、所定の時間経過のタイミングや、所定の遊技状態とされたタイミングや、所定の操作がされたタイミングである。例えば、第125実施形態において、所定の時間経過のタイミングで突出部H14563bを退避させるように構成した場合には、球抜きレバーH52が操作された後、所定の時間経過で突出部H14563bを退避させることができるので、突出部H14563bが張り出された状態で放置される(非遊技状態とされる)ことを抑制できる。その結果、次に遊技する遊技者が遊技を開始する際に、球抜き孔が開放された状態となっていることを抑制でき、遊技球を貸し出し操作した際に下皿H50に送球された遊技球がそのまま千両箱に払い出されて遊技者の手間(千両箱内の遊技球を拾い集めること)が増えることを抑制できる。なお、係合片H15443,H35331cを駆動する駆動モータ(その他装置H228(図1619参照))は、音声ランプ制御装置H113の入出力ポートH225に接続され、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて駆動される。また、第125実施形態において、所定の遊技状態とされたタイミングで突出部H14563bを退避させるように構成する場合には、例えば、大当たりが終了し、通常の遊技状態に戻った状態とされた際に突出部H14563bを退避させるように構成する。この場合には、大当たりが終了して遊技球が下皿H50に払い出されなくなったタイミングで、突出部H14563bを退避させることができる。そのため、突出部H14563bを退避させる遊技者の操作を不要とできる。なお、この場合には、球抜きレバーH52を別途駆動モータにより駆動して、大当たりの開始に伴って球抜きレバーH52を変位させることで、大当たり時の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。その結果、パチンコ機H10の演出に集中させることができる。なお、この場合の球抜きレバーH52を駆動する駆動モータ(その他装置H228(図1619参照))は、音声ランプ制御装置H113の入出力ポートH225に接続され、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて駆動される。さらに、第125実施形態において、所定の操作がされた場合に突出部H14563bを退避させるように構成する場合には、例えば、状態復帰スイッチH120(図1611参照)の操作がされた際に突出部H14563bを退避させるように構成する。この場合には、遊技中に突出部H14563bが戻らなくなった場合に、状態復帰スイッチH120の操作により突出部H14563bを退避位置に戻すことができる。
また、第146実施形態において、所定の操作がされたタイミングで基板ユニットH16344を退避させるように構成する場合には、例えば、正面枠H35014が内枠H12に対して閉じた位置に配置された場合(図1612参照)に退避するように構成する。この場合には、正面枠H35014が内枠H12に配設された後、基板ユニットH16344を退避位置へ変位させる操作を必要としないので、正面枠H35014を内枠H12に組み付ける作業を簡易にできる。上記第124実施形態および第125実施形態では、球抜きレバーH52の操作に連動して上下皿ユニットH14015,H15015の下面から突出部H14563bを張り出させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球排出レバーH54の操作に連動して上下皿ユニットH14015,H15015の下面から突出部H14563bを張り出させても良い。この場合には、遊技をやめる際に上皿H17から下皿H50に球を払い出す球排出レバーH54の操作に伴って突出部H14563bを張り出させることができるので、遊技をやめる場合に突出部H14563bを張り出させて、下皿H50から千両箱に払い出される遊技球が飛び散ることを抑制できる。また、上記第126実施形態では、基板ユニットH16344を球抜きレバーH16052の操作に連動して上側装飾ユニットH16014aから張り出す場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球排出レバーH54の操作に連動して上側装飾ユニットH16014aから基板ユニットH16344aを張り出させても良い。この場合には、球排出レバーH54が押圧されたままの状態で放置された場合に、次に遊技しようとする遊技者に球排出レバーH54が押圧されたままの状態になっていることを認識させて、球排出レバーH54を所定の位置に戻させることができる。これにより、次に遊技する遊技者が球を貸し出し操作した際に、その遊技球が上皿H17に貯留されず上皿H17から下皿H50に払い出されることを抑制できる。その結果、遊技者の手間(下皿H50に払い出された遊技球を上皿H17に戻すこと)が増えることを抑制できる。第124実施形態、第125実施形態、第126実施形態、第145実施形態では、突出部H14563b又は基板ユニットH16344を、球抜きレバーH52,H16052又はシリンダ錠H20の操作で張り出させる場合について説明したが、例えば、遊技球を発射を制御する操作ハンドルH51の操作(遊技領域への遊技球の打ち出し)や、遊技領域の所定のセンサ(スルーゲート)の通過や、操作ユニットH180の操作に伴って、突出部H14563b又は基板ユニットH16344を張り出させても良い。この場合には、遊技状態により突出部H14563b又は基板ユニットH16344を張り出させることができるので、突出部H14563b又は基板ユニットH16344の張り出しを演出の一部として利用できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。なお、遊技球を発射を制御する操作ハンドルH51の操作や、遊技領域の所定のセンサの通過や、操作ユニットH180の操作を検出する各種スイッチH208は、入出力ポートH205(図1619参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号やに基づいてMPUH201が各種処理(突出部H14563b又は基板ユニットH16344を張り出させる)を実行可能とされる。また、第124実施形態および第125実施形態では、遊技状態とされた場合に、突出部H14563bを張り出させることができるので、遊技球が下皿H50から払い出される場合に確実に突出部H14563bを張り出した状態にできる。その結果、千両箱に払い出された遊技球が飛び散ることを抑制できる。
上記第146実施形態では、張出部材H36130aを送球停止レバーH132aの操作で張り出させる場合について説明したが、例えば、遊技球を発射を制御する操作ハンドルH51の操作(遊技領域への遊技球の打ち出し)や、遊技領域の所定のセンサ(スルーゲート)の通過や、操作ユニットH180の操作に伴って、張出部材H36130aを張り出させても良い。なお、遊技球を発射を制御する操作ハンドルH51の操作や、遊技領域の所定のセンサの通過や、操作ユニットH180の操作を検出する各種スイッチH208は、入出力ポートH205(図1619参照)に接続され、その各種スイッチH208から出力される信号に基づいてMPUH201が各種処理(張出部材H36130aを張り出させる)を実行可能とされる。上記第124実施形態から第126実施形態、第145実施形態、第146実施形態では、第2スライド板H14563、基板ユニットH16344、張出部材H36130aを例に説明したが、第2スライド板H14563、基板ユニットH16344、張出部材H36130aに加えて、或いは、第2スライド板H14563、基板ユニットH16344、張出部材H36130aに変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、変位可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。変位可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(第2スライド板H14563、基板ユニットH16344、張出部材H36130a)と同様の効果が得られる。上記第124実施形態から第126実施形態、第145実施形態、第146実施形態では、球抜きレバーH52、シリンダ錠H20、送球停止レバーH132aについて説明したが、球抜きレバーH52、シリンダ錠H20、送球停止レバーH132aに加えて、或いは、球抜きレバーH52、シリンダ錠H20、送球停止レバーH132aに変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、変位可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。変位可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(球抜きレバーH52、シリンダ錠H20、送球停止レバーH132a)と同様の効果が得られる。上記第111実施形態では、下枠部材H720に固定される発光手段H773b(基板部材H773)に対して、変位部材H790を相対変位させる場合について説明したが、下枠部材H720に変位部材H790を固定し、発光手段H773bを変位部材H790に対して相対変位させてもよい。この場合、発光手段H773bの光源の位置を変更することができるので、発光手段H773bの変位に伴って光源の移動を遊技者に注目(視認)させることができ、光源の移動に伴う光の態様の変化を遊技者に見せやすくできる。その結果、演出効果を高めることができる。なお、下枠部材H720に発光手段H773b(基板部材H773)と変位部材H790とのどちらも固定せず、下枠部材H720に対して発光手段H773b(基板部材H773)と変位部材H790とをそれぞれ独立して変位させても良い。
上記第111実施形態、及び、第153実施形態から第156実施形態では、駆動手段H780がベース手段H770に対して回転変位される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、ベース手段H770にレール部材を配設して、そのレール部材に沿って駆動手段H780を左右方向に直線変位させるようにしても良い。上記第111実施形態、及び、第153実施形態から第156実施形態では、駆動手段H780を変位させた際の慣性力で駆動手段H780に対して変位部材H790を変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限るものではなく、例えば、駆動手段H780にソレノイドを別途配設して、そのソレノイドの駆動により駆動手段H780に配設される変位部材H790を変位させるようにしても良い。なお、この場合の駆動手段H780を駆動するソレノイド(その他装置H228(図1619参照))は、音声ランプ制御装置H113の入出力ポートH225に接続され、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて駆動される。上記第111実施形態では、変位部材H790が駆動手段H780に対して前後方向に変位可能に配設される場合について説明したが、変位部材H790を駆動手段H780に対して左右方向に変位可能に配設しても良い。この場合には、駆動手段H780が回転する慣性力により変位部材H790を駆動手段H780の回転方向にスライド変位させることができる。従って、駆動手段H780の回転範囲を狭くしつつ、駆動手段H780の先端に配設される変位部材H790の変位量を大きくできる。その結果、駆動手段H780の配設スペースを小さくしつつ、変位部材H790の変位量を確保して変位部材H790の変位による演出効果を高めることができる。上記第111実施形態、第152実施形態、及び、第153実施形態では、駆動手段H780(変位部材H790,H42790,H43790)がベース手段H770に対して回転される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動手段H780(変位部材H790,H42790,H43790)がベース手段H770に対してスライド変位されるように構成されても良い。また、この場合には、駆動手段H780(変位部材H790,H42790,H43790)がベース手段H770の基板部材H773の光の照射方向に対して直交する平面上を回転または直線変位されるように構成することが好ましい。変位部材H790,H42790,H43790の変位により光の態様を変更しやすくできるからである。上記第111実施形態では、変位部材H790が基板部材H773と正面視において重なる範囲を変位可能に構成される場合について説明したが、変位部材H790(駆動手段H780)の変位領域を発光手段H773bと正面視において重ならない範囲を含む領域に設定しても良い。即ち、変位部材H790(駆動手段H780)の変位範囲を左右方向に大きくして、正面視において発光手段H773bと重ならない状態と、正面視において発光手段H773bと重なる状態とを形成可能に構成しても良い。この場合には、発光手段H773bの視認態様を増やすことができるので、変位部材H790の変位による演出効果を向上できる。上記第111実施形態、第152実施形態、及び、第153実施形態では変位部材H790,H42790が上側ベース部材H771及び下側ベース部材H772に連結され、基板部材H773が上側ベース部材H771及び下側ベース部材H772に配設される場合について説明したが、変位部材H790,H42790を下枠部材H720に連結し、基板部材H773を下枠部材H720に配設するものであっても良い(即ち、変位部材H790,H42790及び基板部材H773が配設される対象が下枠部材H720とされても良い)。
上記第152実施形態、第153実施形態では、一個の揺動装置H42730,H43730が配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、揺動装置H42730,H43730が複数個整列して配設されるものであっても良い。これによれば、複数色を同時に表示することができるので、揺動装置H42730,H43730の光による演出を複数形成できるので、光による演出効果を向上できる。また、この場合に、各揺動装置H42730,H43730に配設される変位部材H42790を、各揺動装置H42730,H43730の基板部材H773(第1拡散部材H43774)と異なる個数(例えば、1個)にしても良い。これによれば、1個の変位部材H42790に対して、各基板部材H773から発光され第1拡散部材H43774の各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)で色分けされた各発光色を1個の変位部材H42790の周囲から遊技者に視認させることができる。そのため、変位部材H42790の変位と、基板部材H773の光とによる演出効果を向上できる。なお、変位部材H42790は、1個に限られるものではなく第1拡散部材H43774の数に対して少ないものであれば良い(即ち、1個の変位部材H42790に対して複数色の発光を視認させることが可能であれば良い)。また、2個以上の変位部材H42790を配設した場合には、各変位部材H42790を基板部材H773の正面側で隣り合わせ(合体させ)、1個の変位部材H42790が基板部材H773の正面側に配置されているように遊技者に視認させても良い。この場合には、各変位部材H42790の間に光を照射可能な位置の発光手段H773bの光の出射をオフにする、又は、各変位部材H42790の間に照射される光を第2変位部材H43795で遮ることで、各変位部材H42790の間から光が漏れ出ることを抑制できる。これにより、隣り合わせた(合体させた)状態の各変位部材H42790を1個の変位部材H42790として遊技者に視認させやすくできる。上記第152実施形態、第153実施形態では、変位部材H42790,H43790が光を非透過の樹脂材料から形成される場合について説明したが、変位部材H42790,H43790の一部が光を透過可能な樹脂材料から形成されても良い。この場合には、光非透過の領域で背面側の第1拡散部材H774,H43774を視認させにくくできる一方、光を透過可能な領域で第1拡散部材H774,H43774を介して照射される光を遊技者に視認させることができる。上記第153実施形態では、第2変位部材H43795が光を非透過の樹脂材料から形成される場合について説明したが、光を透過可能な透明な樹脂材料から形成され、光を集光可能なレンズ部材や光を拡散可能な拡散部材を第2変位部材H43795の両端部に配置して、変位部材H790の縁部(両端部)を介して視認される光の見え方を変更しても良い。これにより、変位部材H790の周囲から出射される光を目立たせることができる。上記第152実施形態、第153実施形態では、正面視において変位部材H42790の左右幅が第1拡散部材H774,H43774の左右幅よりも小さく形成される場合について説明したが、変位部材H42790の左右幅を第1拡散部材H774,H43774の左右幅よりも大きく形成しても良い。
上記第152実施形態、第153実施形態では、変位部材H42790及び第2変位部材H43795が回転変位される場合について説明したが、変位部材H42790及び第2変位部材H43795をスライド変位させるものであっても良い。これによれば、第1拡散部材H774,H43774(基板部材H773)に対する変位部材H42790及び第2変位部材H43795の姿勢を維持することができるので、変位部材H42790及び第2変位部材H43795に遮られて反射する光が他の発光領域に入射することで不具合が起きることを抑制できる。なお、上記第152実施形態、第153実施形態では、変位部材H42790及び第2変位部材H43795が回転変位されるので、変位部材H42790及び第2変位部材H43795を変位させた際の左右方向における変位領域を小さくすることができる。これにより、揺動装置H42730,H43730を傾倒装置H710の内側に配設しやすくできる。上記第153実施形態では、第2変位部材H43795を変位させて、発光手段H773bの光が第1拡散部材H43774に照射される領域を変更する場合について説明したが、第2変位部材を備えず第1拡散部材H43774を基板部材H773に対して変位させることで、第1拡散部材H43774の各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)に照射される発光手段H773bの光の領域を変位するものであっても良い。即ち、第1拡散部材H43774を基板部材H773に対して変位させることで、第1拡散部材H43774の光が非透過とされる領域のフィルムを基板部材H773の正面側から退避させるものであっても良い。上記第156実施形態では、変位部材H46182がボタン部H181から張り出される場合(傾倒装置H46710が傾倒位置に配置される場合)に、変位部材H46182の屈曲部H46182bに第2基板部材H46742から出射される光を入射可能に構成されるが、変位部材H41682をボタン部H181の内部に収容した場合に、変位部材H46182の屈曲部H46812bから第2基板部材H46742の光を変位部材H46182の内部に入射させるように第2基板部材H46742の配置を変更しても良い。上記第152実施形態から第156実施形態では、揺動装置H42730,H43730,H44730,H45700,H46700が1箇所に配設される場合について説明したが、揺動装置H42730,H43730,H44730,H45700,H46700を複数個並べて配置して、複数の揺動装置H42730,H43730,H44730,H45700,H46700による演出を遊技者に視認させるものであっても良い。上記第111実施形態、第131実施形態、第132実施形態では、錘部材H787b,H22787bを回転させた際の慣性力や、当接手段H21786を当接させた際の慣性力で駆動手段H780,H21780,H22780を変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、駆動モータH781の駆動軸に連結するクランクにより駆動手段H780,H21780,H22780を変位させても良い。この場合には、駆動モータH781の駆動に伴った変位を駆動手段H780,H21780,H22780にさせることができるので、慣性力により変位させる場合に比べて駆動手段H780,H21780,H22780の位置を制御しやすくできる。また、上記第111実施形態、第131実施形態、第132実施形態では、駆動手段H780,H21780,H22780がベース手段H770に対して回転変位される場合について説明したが、スライドレールにより駆動手段H780,H21780,H22780がベース手段H770に対してスライド可能に連結されるものであっても良い。
上記第153実施形態では、操作ユニットH180のボタン部H181の操作により変位部材H43790を変位させる場合について説明したが、操作ユニットH180の操作に連動するものではなく、機能調整操作部H190の各ボタンH191~H195の操作により変位部材H43790を変位させるようにしても良い。即ち、機能調整操作部H190の各ボタンH191~H195の操作により、第2変位部材H43795を第1拡散部材H774に貼付される各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)に近づけるように構成しても良い。この場合には、機能調整操作部H190の操作により第2変位部材H43795と各フィルムとの対向間の距離を調整することができる。従って、第2変位部材H43795と各フィルムとの対向間への光の入射量を遊技者が制御することができ、遊技者の好みに合わせた発光を遊技者に視認させることができる。上記第111実施形態、第152実施形態から第156実施形態では、図示および説明を省略したが、操作ユニットH180,H45180,H46180とガラスユニットH16の間に導光板を配設しても良い。なお、導光板は、所定の方向からの光のみを所定の方向に反射可能な反射部を有し、光を透過可能に構成される。また、導光版は、変位可能に構成されても良い。上記第111実施形態、第152実施形態から第156実施形態では、変位部材H790,H42790,H43790を例に説明したが、変位部材H790,H42790,H43790に加えて、或いは、変位部材H790,H42790,H43790に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、変位可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。変位可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(変位部材H790,H42790,H43790)と同様の効果が得られる(第152実施形態、第153実施形態では、変位部材H42790の一部が光を透過可能に構成された場合)。上記第111実施形態、第152実施形態から第156実施形態では、基板部材H773を例に説明したが、基板部材H773に加えて、或いは、基板部材H773に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、光を発光可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。光を発光可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(基板部材H773)と同様の効果が得られる。上記第111実施形態、第152実施形態から第156実施形態では、発光手段H773b、第2変位部材H43795を例に説明したが、発光手段H773b、第2変位部材H43795に加えて、或いは、発光手段H773b、第2変位部材H43795に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、光の光量を変更可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。光の光量を変更可能に構成される手段であれば上述した実施形態の場合と同様の効果が得られる。上記第153実施形態では、各フィルム(中央フィルムH43774c、第1フィルムH43774d、第2フィルムH43774e)を例に説明したが、各フィルムに加えて、或いは、各フィルムに変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、出射される光の色を変更可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。出射される光の色を変更可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合と同様の効果が得られる。
上記第154実施形態から第156実施形態では、傾倒装置H710,H46710を例に説明したが、傾倒装置H710,H46710に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、光を透過可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。光を透過可能に構成される手段であれば上述した実施形態の場合と同様の効果が得られる。上記第155実施形態および第156実施形態では、第2基板部材H45718を例に説明したが、第2基板部材H45718に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、光を発光可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。光を発光可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合と同様の効果が得られる。上記第111実施形態、第152実施形態から第156実施形態では、傾倒装置H710,H46710を例に説明したが、傾倒装置H710,H46710に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、変位部材H790,H42790,H43790を変位可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。変位部材H790,H42790,H43790を変位可能に構成される手段であれば、上述した実施形態と同様の効果が得られる。上記第111実施形態、第133実施形態、及び、第25実施形~第140実施形態では、凹部H821a1,H24821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1及び第2凹部H23871が凹設した溝状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、凹部H821a1を前後に貫通した開口で形成しても良い。なお、この場合には、凹部H821a1の溝幅が遊技球の直径よりも小さい形状に形成され、前後に暴れる遊技球が凹部H821a1の開口縁に当接されるように構成される。また、上記第111実施形態、第133実施形態から第140実施形態では、凹部H821a1,H24821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1、第2凹部H23871、凸部H24821a2により、流路の内面に当接する遊技球が内面から受ける前後方向の反力を小さくする場合について説明したが、流路の内面に弾性部材を配設して流路の内面から受ける前後方向の反力を小さくしても良い。上記第111実施形態、第133実施形態から第144実施形態では、回転体H112a2の他端側に配設される発射部H831が弾性変形可能な弾性材料から形成される場合について説明したが必ずしもこれに限られるものではなく、発射レールH112a1上の遊技球に当接した際の衝撃を吸収できるものであれば、例えば、金属製のコイルスプリングで構成され、遊技球と当接した際にスプリング部分で当接した際の衝撃を吸収するものであっても良い。上記第111実施形態、第133実施形態、及び、第136実施形態では、案内手段H820の凹部H821a1の湾曲状に凹設される背面側の凹設底部が発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心部よりも上方側に配置される場合について説明したが、案内手段H820の凹部H821a1の湾曲状に凹設される背面側の凹設底部が発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心部よりも下方側に配置しても良い。この場合には、発射手段H830により発射される遊技球が背面側に向かって暴れる場合に、その遊技球を凹部H821a1の凹設底部よりも上方側に当接させることができる。即ち、下方側に向かって背面側に湾曲する領域に遊技球を当接させることができる。従って、凹部H821a1の内面に当接する遊技球に下方に向かう方向の反力を付与することができ、遊技球が発射レールH112a1の転動面から上方に離れることを抑制できる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が上下方向に暴れることを抑制できる。
上記第111実施形態では、変位部材H882が第2位置(発射レールH112a1に遊技球を送球する位置)に配置される際に発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心部よりも球送球部H882a(図1681参照)が若干下方に配置される場合について説明したが、変位部材H882が第2位置(発射レールH112a1に遊技球を送球する位置)に配置される際に発射レールH112a1上を転動する遊技球の中心部よりも若干上方に位置されてもよい。この場合には、正面側(矢印F方向側)に暴れる遊技球を球送球部H882aの下方側(矢印D方向側)の端部に当接させることができる。これにより、球送球部H882aに当接する遊技球に作用する反力に下方に向かう方向成分を付与することができる。即ち、球送球部H882aに当接した反力を背面側(矢印B方向側)に跳ね返る成分と、下方に向かう成分とに分散することができる。よって、背面側(矢印B方向側)に跳ね返る方向成分の反力を弱めることができる。その結果、発射手段H830により発射される遊技球が前後方向に暴れた状態で遊技盤H13の遊技領域に送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球できる。さらに、発射手段H830により発射される遊技球が正面側(矢印F方向側)に暴れる場合に遊技球が球送球部H882aの下方側の端部に当接するので、遊技球が背面側開口H172の上方側に乗って背面側開口H172内に逆流することを抑制できる。その結果、発射位置送球ユニットH170から発射レールH112a1への球の送球を安定させることができる。上記第111実施形態および第136実施形態~第140実施形態では、案内手段H820,H24820,H25820,H27820,H29820,H30820の背面部H821a,H24821a,H25821a,H27821a,H29821a,H30821aが、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)に向かって(発射レールH112a1の頂部H112a4(図1682(a)参照)に対して)背面側(矢印B方向側)に傾斜して形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、案内手段H820,H27820,H29820,H30820の背面部H821a,H27821a,H29821a,H30821aが、発射手段H830による遊技球の発射方向側(矢印L方向側)と平行に形成され、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1の凹設深さが遊技球の発射方向に沿って浅く形成されても良い。即ち、凹部H821a1の凹設底部が遊技球の発射方向に沿って正面側に傾斜しても良い。この場合には、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1の傾斜により凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1に受け入れた遊技球に対して発射方向と反対方向の抵抗を付与しやすくできる。そのため、遊技球の発射方向の速度を低下させやすくでき、遊技球を発射レールH112a1上(前後方向における転動面の中央部)に戻しやすくできる。その結果、遊技盤H13の遊技領域に遊技球を安定して送球しやすくできる。上記第111実施形態では、凹部H821a1の下方側(矢印D方向側)の縁部が背面側開口H172よりも下方側に配置され、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球される遊技球を凹部H821a1に当接させやすくする場合について説明したが、凹部H821a1の上方側(矢印U方向)の縁部を背面側開口H172よりも上方側に配置して、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球される遊技球が勢いのある状態で送球される場合でも遊技球を確実に凹部H821a1に当接させるようにしても良い。上記第111実施形態、第136実施形態から第139実施形態、及び、第30実施径形態では、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1が背面部H821a,H27821a,H29821a,H30821aに形成される場合について説明したが、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1をベース板H60の端部(球発射ユニットH112a,H26112a,H27112a,H28112a,H29112a,H30112aとの境界部分)に形成しても良い。この場合には、内枠H12に対する遊技盤H13の配置が前後に位置ずれしたとしても、ベース板H60に形成される凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1によりベース板H60と球発射ユニットH112a,H26112a,H27112a,H28112a,H29112a,H30112aとの境界部分に前後方向の段差が形成されることを抑制できる。その結果、球発射ユニットH112a,H26112a,H27112a,H28112a,H29112a,H30112aから遊技盤H13への遊技球の送球を安定させることができる。なお、ベース板H60に凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1を直接凹設するものではなく、ベース板H60に別途配設したベース部材に凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1を形成するものであっても良い。
上記第133実施形態では、凹部H821a1と第2凹部H23871との一部が前後方向に重なって形成される場合について説明したが、凹部H821a1と第2凹部H23871とが遊技球の発射方向において互い違いに形成されていても良い。この場合には、凹部H821a1により前後方向に暴れる力を抑えることができない場合に、第2凹部H23871により継続して前後方向に暴れる力を抑えることができる。その結果、前後に暴れた状態で案内手段H820から遊技盤H13に遊技球が送球されることを抑制でき、遊技盤H13の遊技領域に安定して遊技球を送球することができる。なお、上記第134実施形態では、凸部H24821a2が正面側(矢印F方向側)に向かって湾曲状に凸設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凸部H24821a2に当接する遊技球に作用する反力に上下方向の力成分を付与できるものであれば、例えば、凸部H2481a2は、発射方向と直交する方向における断面が略三角形状に形成されていても良い。上記第111実施形態、第136実施形態から第140実施形態では、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1が、遊技球の半径よりも大きい半径の湾曲形状に凹設される場合について説明したが、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1が遊技球の半径よりも小さい半径の湾曲形状に形成され、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1の内側に遊技球が受け入れる場合に、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1の下端部または上端部に遊技球を当接させるものであっても良い。また、上記第111実施形態、第136実施形態から第140実施形態では、凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1が、遊技球の一部を受け入れ可能な大きさに凹設される場合について説明したが、遊技球の全部を受け入れ可能な大きさに凹設されても良い。上記第111実施形態、第134実施形態から第144実施形態では、遊技球の転動面となる発射レールH112a1がV字状に形成される場合について説明したが、発射レールH112a1の転動面に第111実施形態、第134実施形態から第144実施形態における凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1又は凸部H24821a2,H31821a2,H32821a2,H33821a2,H34821a2を形成して、遊技球が転動面に形成された凹部または凸部によって所定の軌跡で送球されるように構成されても良い。上記第111実施形態、第134実施形態から第144実施形態において、内枠H12に対する遊技盤H13の配置状態により、それぞれの球発射ユニットH112a,H24112a,H25112a,H26112a,H27112a,H28112a,H29112a,H30112a,H31112a,H32112a,H33112a,H34112aを取り換え可能に構成しても良い。これによれば、各パチンコ機H10の遊技盤H13の配設態様に合わせて球発射ユニットH112a,H24112a,H25112a,H26112a,H27112a,H28112a,H29112a,H30112a,H31112a,H32112a,H33112a,H34112aを配設するので、パチンコ機H10毎による遊技球の発射のばらつきを抑えることができる。また、上記第111実施形態、第134実施形態から第144実施形態において、第1案内部材H821,H24821,H25821,H26821,H27821,H28821,H29821,H30821,H31821,H32821,H33821のベース部材H810に対する配置を調整可能に形成しても良い。例えば、第1案内部材H821,H24821,H25821,H26821,H27821,H28821,H29821,H30821,H31821,H32821,H33821の螺子による締結部を長孔に形成して、ベース部材H810に対する配設位置を調整可能に形成されるものであっても良い。これによれば、遊技盤H13への遊技球の送球状態に応じて、第1案内部材H821,H24821,H25821,H26821,H27821,H28821,H29821,H30821,H31821,H32821,H33821の配置を変更して、遊技盤H13への遊技球の発射強度を調整することができる。
上記第135実施形態では、凹部H25821a1の溝幅に対して凹部H25821a1の凹設深さが十分に深く形成されており、凹部H25821a1に遊技球を受け入れた際に、上端および下端の2点が遊技球に当接可能に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凹部H25821a1に遊技球を受け入れた際に、凹部H25821a1の下端と凹設底面との2点が当接するように、凹部H25821a1の溝幅および凹設深さを設定しても良い。上記第111実施形態、及び、第24~第141実施形態では、発射手段H830により発射される遊技球の流路における球発射ユニットH112a,H23112a,H25112aの背面部H821a,H24821a,H25821a,H27821a,H29821a,H30821a,H31821aにのみ凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1は、発射レールH112a1及び転動部H821bを転動した後の遊技盤H13に凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1が形成されていても良い。なお、第134実施形態および第141実施形態から第144実施形態における凸部H24821a2,H31821a2,H32821a2,H33821a2,H34821a2においても同様である。例えば、遊技盤H13の遊技領域へ送球される遊技球を案内する内レールH61及び外レールH62の間の送球領域に凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1を凹設して、遊技領域に流入する手前で前後方向における遊技球の暴れを抑制するようにしても良い。即ち、所定の領域に送球される手前の位置に凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1を凹設して、所定の領域における遊技球の送球を安定させるようにしても良い。上記第139実施形態では、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部を境界にして発射方向側の凹部H29821a1が正面視において発射方向に対し下降傾斜して形成され、発射方向と反対側の凹部H29821a1が正面視において発射方向に対し上昇傾斜して形成される場合について説明したが、発射方向側の凹部H29821a1が正面視において発射方向に対し上昇傾斜して形成され、発射方向と反対側の凹部H29821a1が正面視において発射方向に対し下降傾斜して形成されても良い。上記第140実施形態では、凹部H30821a1が発射方向に対して下降傾斜して形成される場合について説明したが、上昇傾斜して形成されるものであっても良い。この場合には、凹部H30821a1に受け入れた遊技球を発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部から上方に離間させる方向に送球することができるので、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の段差で遊技球が上下方向に暴れることを抑制できる。また、上記第139実施形態および第140実施形態では、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の上方側に凹部H29821a1、H30821a1が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の連結部や送球経路の分岐点などに凹部H29821a1、H30821a1を形成して、凹部H29821a1、H30821a1に遊技球を受け入れることにより遊技球を所定の方向に流下しやすくしても良い。
上記第142実施形態から第144実施形態では、凸部H32821a2,H33821a2,H34821a2がそれぞれ正面視略矩形状、正面視略三角形状に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面視略円形や半円形状に形成されても良い。また、上記第142実施形態から第144実施形態では、背面側の凸部H32821a2,H33821a2,H34821a2と、正面側の第2凸部H32871とが発射手段H830による遊技球の発射方向に異なる位置(互い違い)に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、背面側の凸部H32821a2,H33821a2,H34821a2と、正面側の第2凸部H32871と正面視において重なる位置に配置されて良い。この場合、それら背面側の凸部H32821a2,H33821a2,H34821a2と、正面側の第2凸部H32871との対向間が遊技球の直径よりも若干大きい形状に形成される。さらに、上記第142実施形態から第144実施形態では、背面側の凸部H32821a2,H33821a2,H34821a2と、正面側の第2凸部H32871とが送球経路の内側に向かって突設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第111実施形態における凹部H821a1のように凹設して形成されていても良い。上記第137実施形態および第138実施形態では、球発射ユニットH27112a,H28112aの案内手段H27820,H28820が遊技盤H27013,H28013に配設され、その案内手段H27820,H28820により発射手段H830により発射された球を案内する場合について説明したが、案内手段H27820は、発射手段H830から離れた位置に形成されても良い。例えば、球発射ユニットH27112a,H28112aから発射され、転動部H8221bの端部から外レールH62まで遊技球が発射される領域の一部に球発射ユニットH27112a,H28112aに配設される案内手段H27820,H28820とは別の案内手段H27820,H28820を配設しても良い。この場合には、転動部H821bの端部から外レールH62まで飛んで送球される遊技球の姿勢(送球方向)を案内手段H27820により正すことができる。その結果、遊技球が外レールH62まで飛ばず、転動部H821bと外レールH62との間から落下して、ファール球受口部H146に回収されることを抑制できる。上記第137実施形態から上記第141実施形態では、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部の上方に凹部H27821a1,H29821a1,H30821a1及び凸部H31821a2が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部に対して遊技球の送球方向にずれた位置に凹部H27821a1,H29821a1,H30821a1及び凸部H31821a2を形成しても良い。これによれば、発射レールH112a1と転動部H821bとの連結部に形成される段差により遊技球が暴れた場合に、遊技球が発射方向に送球されつつ最大の暴れ量となる位置で遊技球を凹部H27821a1,H29821a1,H30821a1に受け入れる又は、凸部H31821a2に当接させることができる。これにより、送球に影響のない(遊技領域までの安定して送球される)程度の暴れ量で送球される遊技球は、凹部H27821a1,H29821a1,H30821a1に受け入れず、又は、凸部H31821a2に当接させず送球させることができる一方、送球に影響がある(遊技領域までの送球が不安定となる)暴れ量の大きい状態で送球される遊技球は、凹部H27821a1,H29821a1,H30821a1に受け入れ、又は、凸部H31821a2に当接させて送球することで、遊技領域までの送球を安定させることができる。従って、遊技領域までの送球を安定して行える遊技球まで、凹部H27821a1,H29821a1,H30821a1に受け入れられ、又は、凸部H31821a2に当接されて、遊技球により遊技領域の到達位置が変わることを抑制できる。
上記第142実施形態では、凸部H32821a2と第2凸部H32872とは、遊技球の発射方向に沿って遊技球の半径分離れて形成される場合について説明したが、凸部H32821a2と第2凸部H32872とが遊技球の発射方向に沿って遊技球の直径分離れて形成されても良い。また、凸部H32821a2と第2凸部H32872との発射方向において離れる距離が遊技球の発射方向に沿って短く又は長く設定されるものであっても良い。例えば、凸部H32821a2と第2凸部H32872との発射方向において離れる距離が長く設定される場合には、発射当初における遊技球の暴れを抑制しやすくできると共に、転動部H821bを遊技球が送球される位置で遊技球が凸部H32821a2と第2凸部H32872に当接する回数を少なくして遊技球の送球速度が遅くなることを抑制できる。その結果、遊技盤H13(図1615参照)への遊技球の送球を安定させることができる。上記第142実施形態から第144実施形態では、凸部H32821a2,H33821a2,H34821a2が突出して形成される場合について説明したが、凹設されるものであっても良い。例えば、第111実施形態、第137実施形態から第142実施形態における凹部H821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1であっても良い。また、第139実施形態および第140実施形態における凹部H29821a1,H30821a1のように遊技球の発射(送球)方向に対して非平行に形成されるものであっても良い。上記第111実施形態、第133実施形態から第142実施形態では、それぞれ別形状に形成される凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1及び凸部H24821a2,H31821a2,H32821a2,H33821a2,H34821a2を例に説明したが、それぞれ凹部または凸部を組み合わせて構成されるものであっても良い。例えば、遊技球の発射(送球)方向に対して平行に形成される凹部H821a1と、遊技球の発射(送球)方向に対して平行に形成される凹部H29821a1とを組み合わせて凹部を構成しても良い。上記第111実施形態、第133実施形態から第142実施形態では、凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1及び凸部H24821a2,H31821a2,H32821a2,H33821a2,H34821a2を例に説明したが、凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1及び凸部H24821a2,H31821a2,H32821a2,H33821a2,H34821a2に加えて、或いは、変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、例えば、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(凹部H821a1,H25821a1,H27821a1,H29821a1,H30821a1及び凸部H24821a2,H31821a2,H32821a2,H33821a2,H34821a2)と同様の効果が得られる。上記第111実施形態、第133実施形態から第142実施形態では、背面部H821a,H24821a,H25821a,H27821a,H29821a,H30821a,H31821a,H32821a,H33821a,H34821aを例に説明したが、背面部H821a,H24821a,H25821a,H27821a,H29821a,H30821a,H31821a,H32821a,H33821a,H34821aに加えて、或いは、変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、例えば、遊技球が通過可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。遊技球が通過可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(背面部H821a,H24821a,H25821a,H27821a,H29821a,H30821a,H31821a,H32821a,H33821a,H34821a)と同様の効果が得られる。上記第111実施形態、第133実施形態から第142実施形態では、発射手段H830を例に説明したが、発射手段H830に加えて、或いは、発射手段H830に変えて、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、例えば、遊技球を送球可能に構成される手段なら任意の手段が採用可能である。遊技球を送球可能に構成される手段であれば、上述した実施形態の場合(発射手段H830)と同様の効果が得られる。上記第111実施形態から第116実施形態では、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480の回転軸となる軸GOが前後方向に向いた状態で配設される場合について説明したが、軸GOを左右方向や上下方向に向けた状態で第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480を配置しても良い。
上記第111実施形態から第116実施形態では、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480が正面視においてセンターフレームH86の内側に配置される場合について説明したが、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480をセンターフレームH86を介して視認可能となる位置や、正面視においてセンターフレームH86の外側に配置して、遊技領域の一部に第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480が配置されるものであっても良い。上記第111実施形態から第116実施形態では、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480が回転する演出を遊技者に視認させる場合について説明したが、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480を円環形成ユニットG700に当接可能に構成して、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480を円環形成ユニットG700に当接させて円環形成ユニットG700を変位させる演出を遊技者に視認させるものであっても良い。即ち、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480を他の部材に当接させて、他の部材を変位させるように構成しても良い。上記第111実施形態から第116実施形態では、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420が軸GOを中心に右方向に回転する際に、第2装飾ユニットG480が軸GOを中心に左方向に回転する場合について説明したが、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420及び第2装飾ユニットG480の軸GOを中心とする回転方向は左右のどちらであっても良い。上記第111実施形態から第116実施形態では、第1装飾ユニットG420,G5420,G6420の変位ユニットG426,G5426が光を非透過の装飾がされる場合について説明したが、変位ユニットG426,G5426を光を透過可能な樹脂材料から形成して、入射する光を透過可能に構成して、背面側に配設される液晶等の表示を変位ユニットG426,G5426を介して視認可能に構成しても良い。本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<回転中に外形が変化する変位手段>
所定の回転軸を中心に傾倒可能に構成される変位手段を有する演出手段を備え、前記演出手段は、前記変位手段の傾倒中に、少なくとも前記回転軸から離れる方向に延びるような外形の変化を視認させることが可能に構成されることを特徴とする遊技機SNA1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段が勢いよく傾倒するように演出したとしても、傾倒時に変位手段の外形が変化することはないので、迫力に欠け、演出効果の面で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNA1によれば、演出手段が、変位手段の傾倒中に外形を変化可能に構成されることから、変位手段が勢いよく傾倒している最中に外形を変化させるという迫力ある演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
遊技機SNA1において、前記変位手段の傾倒中に、傾倒中の前記変位手段の前記外形を維持させる第1状態から傾倒中の前記変位手段の前記外形を変化させる第2状態へ移行可能に構成されることを特徴とする遊技機SNA2。
遊技機SNA2によれば、遊技機SNA1の奏する効果に加え、変位手段の傾倒動作が進むほど、外形が維持される第1状態から外形が変化する第2状態へ移行されるので、傾倒し始めにおいて必要となる力を抑えることができ、傾倒動作をスムーズに開始し易くすることができる。
遊技機SNA2において、前記変位手段は、傾倒を開始する側の変位終端位置において前記第1状態となるように構成されることを特徴とする遊技機SNA3。
遊技機SNA3によれば、遊技機SNA2の奏する効果に加え、傾倒開始時に外形を変化させるための力を不要とできるので、傾倒開始時に必要となる力を傾倒に必要な力のみにできることから、必要とされる力を低減することができる。
遊技機SNA2又はSNA3おいて、前記第1状態から前記第2状態へ移行する方向で前記変位手段が傾倒する過程で、前記変位手段の傾倒角度に対する前記外形の変化の度合いが増大する区間を備えることを特徴とする遊技機SNA4。
遊技機SNA4によれば、遊技機SNA2又はSNA3の奏する効果に加え、第2状態における変位手段の傾倒中における外形の変化が、第1状態で配置されていた側から離れる程に(傾倒する程に)大きくなるので、変位手段の傾倒の度合いと、変位手段の外形の変化の度合いとを対応付けることができる。
遊技機SNA1からSNA4のいずれかにおいて、前記変位手段は、前記所定の回転軸を中心に傾倒可能に支持される軸側手段と、その軸側手段に対して相対変位可能に構成される構成手段と、を備え、第1姿勢から傾倒することで第2姿勢となるよう構成され、前記第1姿勢よりも前記第2姿勢の方が、前記構成手段と前記所定の回転軸との距離が長くなるよう構成されることを特徴とする遊技機SNA5。
遊技機SNA5によれば、遊技機SNA1からSNA4のいずれかの奏する効果に加え、傾倒の方向に対応して、構成手段と所定の回転軸との距離の変化の方向が一方向に定められることで、傾倒の角度が大きくなるほど効果の度合いを大きくさせることができる。
即ち、変位手段が傾倒するほど、構成手段が所定の回転軸から離れていくことになるので、変位手段の重心位置を傾倒先端側に移動させることができ、傾倒の勢いを変位手段の自重により補助することができるので、勢いよい傾倒動作を実現できることから、演出効果を高めることができる。
更に、変位手段が傾倒の逆方向(起き上がり方向)に変位するほど、構成手段が所定の回転軸に近づいていくことになるので、変位手段の重心位置を回転軸側に移動させることができ、起き上がり動作に必要となる力を減少させることができる。
遊技機SNA5において、前記第1姿勢を終端姿勢とする所定角度の傾倒に対する前記構成手段と前記所定の回転軸との距離の変化の度合いよりも、前記第2姿勢を終端姿勢とする前記所定角度の傾倒に対する前記構成手段と前記所定の回転軸との距離の変化の度合いを大きくさせる度合い変化手段を備えることを特徴とする遊技機SNA6。
遊技機SNA6によれば、遊技機SNA5の奏する効果に加え、第2姿勢付近において、小さな傾倒角度であっても構成手段の所定の回転軸との距離を大きく変化させることができることから、所定の回転軸に対する変位手段の配置を大きくは変えずに、変位手段の外形を大きく変化させるという演出を行うことができる。
更に、第2姿勢から第1姿勢へ起き上がる変位(傾倒とは逆方向の変位)を変位手段に生じさせる場合に、変位の開始後において構成手段と所定の回転軸との距離を大きく変化させる(短くする)ことができるので、変位手段の重心を早期に所定の回転軸側に寄せることができ、起き上がる変位に必要となる力を低減することができる。
遊技機SNA5又はSNA6において、前記構成手段は、前記所定の回動軸を中心とする円の径方向に変位可能な第1構成手段と、前記径方向と直交する方向に変位可能な第2構成手段と、を備えることを特徴とする遊技機SNA7。
遊技機SNA7によれば、遊技機SNA5又はSNA6の奏する効果に加え、第1姿勢と第2姿勢とで、変位手段の外形を更に異ならせることができる。
遊技機SNA7において、前記変位手段の傾倒中において、前記第1構成手段の変位開始から遅れて、前記第2構成手段の変位が開始されることを特徴とする遊技機SNA8。
遊技機SNA8によれば、遊技機SNA7の奏する効果に加え、第1構成手段の変位と第2構成手段の変位とが同時に開始される場合に比較して、必要とされる力を低減させることができる。
遊技機SNA7又はSNA8において、前記第2構成手段は、前記軸側手段に配設されることを特徴とする遊技機SNA9。
遊技機SNA9によれば、遊技機SNA7又はSNA8の奏する効果に加え、所定の回転軸側が膨らんだ外観形状で、変位手段を視認させることができる。
遊技機SNA7又はSNA8において、前記第2構成手段は、前記構成手段に配設されることを特徴とする遊技機SNA10。
遊技機SNA10によれば、遊技機SNA7又はSNA8の奏する効果に加え、構成手段側の広い外観形状で、変位手段を視認させることができる。
<回転軸から離れた位置で駆動力伝達>
所定の回転軸を中心に傾倒可能に構成される変位手段と、その変位手段を変位させる駆動手段と、を備え、前記所定の回転軸よりも前記変位手段の傾倒先端側に配置される配置部を介して前記駆動手段の駆動力が前記変位手段に伝達されるよう構成されることを特徴とする遊技機SNB1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1軸線の側における変位手段の構造が大型化し易く、第1軸線を配置空間の隅に寄せて変位手段を配置することが困難となるという問題点があった。即ち、変位手段の配置に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNB1によれば、駆動手段の駆動力が、変位手段の傾倒先端側に配置される配置部を介して伝達されることから、第1軸線の側における変位手段の構造を簡素化することができ、第1軸線を配置空間の隅に寄せて変位手段を配置することが容易となる。これにより、変位手段の配置を改善することができる。
遊技機SNB1において、前記変位手段の傾倒中において、前記駆動手段による駆動力の方向を所定方向に維持しながら、前記配置部の変位方向を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機SNB2。
遊技機SNB2によれば、遊技機SNB1の奏する効果に加え、駆動手段の駆動力の方向を維持している状態で、配置部の変位方向を変化可能に構成されるので、駆動手段の動作が単調であっても、配置部の変位を複雑にすることができる。
遊技機SNB1又はSNB2において、前記変位手段が傾倒側の変位終端位置に近づくほど、前記配置部に与えられる駆動力の方向が、前記所定の回転軸と前記配置部とを通る直線方向に近づくことを特徴とする遊技機SNB3。
遊技機SNB3によれば、遊技機SNB1又はSNB2の奏する効果に加え、傾倒中に配置部に与えられる駆動力の方向を変化させることにより、変位手段が傾倒側の変位終端位置に近づく場合に、傾倒方向に生じる荷重が過大となることを避けることができる。
これにより、変位手段の傾倒が高速で生じる場合であっても、変位手段が傾倒側の変位終端位置に到達する際の衝撃を和らげ易くすることができるので、変位手段の耐久性を向上することができる。また、衝撃吸収用の緩衝材を不要とできる。
遊技機SNB1からSNB3のいずれかにおいて、前記駆動手段の駆動力の方向は、前記変位手段に対して所定の直線方向の負荷を生じるよう構成されることを特徴とする遊技機SNB4。
遊技機SNB4によれば、遊技機SNB1からSNB3のいずれかの奏する効果に加え、駆動力を安定させ易くすることができる。また、駆動力のうち、変位手段の傾倒方向へ向く成分と変位手段の傾倒方向に対して直交する方向へ向く成分との比は、変位手段の位置(姿勢)に対応して定まるので、変位手段の傾倒方向への負荷の大小を、変位手段の位置(姿勢)に対応させることができる。
遊技機SNB4において、前記所定の直線方向と、前記配置部に当接される前記変位手段の当接部の移動方向のうちの前記所定の回転軸を中心とする回転方向成分との間の角度が大きくなるほど、前記配置部と、前記所定の回転軸との間の距離が長くなるよう構成されることを特徴とする遊技機SNB5。
遊技機SNB5によれば、遊技機SNB4の奏する効果に加え、駆動力の方向と傾倒する変位手段の変位方向との間の角度が大きいという、傾倒方向の負荷を伝達し難い状況であっても、駆動力が伝達される配置部と所定の回転軸との間の距離を長くすることにより、変位手段の傾倒のための駆動力が不足することを回避し易くすることができる。
即ち、変位手段の傾倒範囲において、傾倒に必要となる駆動力が局所的に増減することを抑制することにより、必要となる駆動力の変化幅を小さく抑え、駆動手段の選定を容易とすることができる。
遊技機SNB4又はSNB5において、前記変位手段は、表示装置の前方位置と、表示装置の外方位置とで変位可能とされ、前記前方位置における前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度は、前記外方位置における前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度よりも大きいことを特徴とする遊技機SNB6。
遊技機SNB6によれば、遊技機SNB4又はSNB5の奏する効果に加え、前方位置における回転方向の勢いを低減させることができるので、回転動作の停止を狙いの位置でさせ易い。そのため、回転途中では高速で回転動作させる一方、前方位置では回転をスムーズに止めるという動作を、容易に行うことができる。
遊技機SNB6において、前記外方位置から前記前方位置へ向かう程、前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度が大きくなることを特徴とする遊技機SNB7。
遊技機SNB7によれば、遊技機SNB6の奏する効果に加え、回転動作を段階的に減速させることができる。
遊技機SNB1からSNB7のいずれかにおいて、前記変位手段に接続させる電気配線は、前記所定の回転軸側から接続されることを特徴とする遊技機SNB8。
遊技機SNB8によれば、遊技機SNB1からSNB7のいずれかの奏する効果に加え、駆動手段の配置を傾倒先端側にずらしたことにより空いたスペースを、電気配線の配置スペースとして有効利用することができる。
遊技機SNB1からSNB8のいずれかにおいて、前記配置部は、第2の所定の直線方向で移動されることで前記所定の回転軸との距離が変化可能に構成され、前記配置部を通る前記第2の所定の直線方向は、前記所定の回転軸を通らないように構成されることを特徴とする遊技機SNB9。
遊技機SNB9によれば、遊技機SNB1からSNB8のいずれかの奏する効果に加え、配置部を第2の所定の直線方向で移動させるための力を、変位手段を所定の回転軸を中心に回転動作させるためにも利用することができる。
遊技機SNB1からSNB9のいずれかにおいて、前記駆動手段の駆動力を伝達可能な無端ベルトを備えることを特徴とする遊技機SNB10。
遊技機SNB10によれば、遊技機SNB1からSNB9のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位幅を大きく確保し易くすることができる。
<抵抗感を範囲ごとに変化させる>
変位可能な変位手段と、その変位手段を変位させる駆動手段と、を備える遊技機において、変位中の前記変位手段が受ける力の態様を、前記変位手段の位置に対応して変化させる態様変化手段を備えることを特徴とする遊技機SNC1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、変位中の変位手段が受ける力について何ら考慮されておらず、変位途中において駆動手段に与えられる負荷が急激に変化する等する可能性があり、改良の余地があるという問題点があった。即ち、変位手段の変位について改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNC1によれば、態様変化手段により、変位中の変位手段が受ける力の態様を、変位手段の位置に対応して変化させることができることから、変位途中において変位手段に与えられる力を適切に調整することができ、駆動手段に与えられる負荷が急激に変化することを防止できる。これにより、変位手段の変位を改良することができる。
遊技機SNC1において、前記変位手段は、第1範囲と、その第1範囲と異なる第2範囲とを変位可能であって、前記態様変化手段により前記変位手段が受ける力は、前記第1範囲に配置される場合よりも、前記変位手段が前記第2範囲に配置される場合の方が大きくなることを特徴とする遊技機SNC2。
遊技機SNC2によれば、遊技機SNC1の奏する効果に加え、変位手段が受ける力の態様を範囲ごとに変化させることができる。
遊技機SNC2において、前記第1範囲または前記第2範囲は、前記変位手段の少なくとも一方の変位終端を含む範囲とされることを特徴とする遊技機SNC3。
遊技機SNC3によれば、遊技機SNC2の奏する効果に加え、変位終端において変位手段が受ける力が変化することを防止することができる。
遊技機SNC3において、前記第1範囲は、前記変位手段の前記変位終端を含むことを特徴とする遊技機SNC4。
遊技機SNC4によれば、遊技機SNC3の奏する効果に加え、変位手段の変位終端からの変位に要する駆動力を低減させることができる。
遊技機SNC4において、前記態様変化手段は、前記変位手段に対して相対変位可能な相対変位手段を備え、前記第2範囲において相対変位する前記相対変位手段の個数が、前記第1範囲において相対変位する前記相対変位手段の個数よりも多くされることを特徴とする遊技機SNC5。
遊技機SNC5によれば、遊技機SNC4の奏する効果に加え、相対変位する相対変位手段の個数を変化させることで演出効果を高めながら、態様変化手段から生じる力の増減を生じさせることができる。
遊技機SNC5において、前記相対変位手段は、第1の態様で相対変位する第1相対変位手段と、第2の態様で相対変位する第2相対変位手段と、を備え、前記変位手段が一方の変位終端から変位開始する場合に、前記第1相対変位手段の相対変位から生じることを特徴とする遊技機SNC6。
遊技機SNC6によれば、遊技機SNC5の奏する効果に加え、複数態様で相対変位する相対変位手段が同時に相対変位を開始するのではなく、相対変位のタイミングがずらされることにより、変位手段の変位を安定させることができる。
遊技機SNC6において、前記変位手段が他方の変位終端から変位開始する場合に、前記第2相対変位手段の相対変位から生じることを特徴とする遊技機SNC7。
遊技機SNC7によれば、遊技機SNC6の奏する効果に加え、変位手段が変位を開始する終端ごとに、先に相対変位する相対変位手段を異ならせることで、演出効果の向上を図ることができる。
遊技機SNC3において、前記第1範囲は、前記変位手段の少なくとも一方の変位終端を含むことを特徴とする遊技機SNC8。
遊技機SNC8によれば、遊技機SNC3の奏する効果に加え、少なくとも一方の変位終端において、変位手段を減速させ易くすることができる。
遊技機SNC8において、前記変位手段が受ける前記力は、所定の抵抗力であることを特徴とする遊技機SNC9。
遊技機SNC9によれば、遊技機SNC8の奏する効果に加え、変位手段が受ける所定の抵抗力を変位終端で大きくし、変位途中で小さくするように構成することで、変位手段の変位の迅速化を図ることができる。
遊技機SNC8又はSNC9において、前記第1範囲は、前記変位手段の両方の変位終端を含むことを特徴とする遊技機SNC10。
遊技機SNC10によれば、遊技機SNC8又はSNC9の奏する効果に加え、両変位終端において変位手段を減速させ易くすることができるので、両変位方向において変位手段の変位の迅速化を図ることができる。
遊技機SNC10において、前記変位手段は一対で構成され、その一対の前記変位手段から前記駆動手段側に伝達される荷重は、前記両方の変位終端において同じとされることを特徴とする遊技機SNC11。
遊技機SNC11によれば、遊技機SNC10の奏する効果に加え、両方の変位終端からの変位開始に要する駆動力を同じにすることができる。
<基板に位置合わせされる導光板に平行に光を照射>
板状部材から構成される第1手段と、その第1手段の所定面側に配設される第1発光手段と、その第1発光手段の光を受光可能な板状の第1受光手段と、を備え、前記第1受光手段は、前記所定面と対向配置される側面が前記第1手段の前記所定面と当接されることを特徴とする遊技機SND1。
パチンコ機等の遊技機において、発光手段が配設される板状部材と、その板状部材の発光手段に対向配置され、発光手段の光が入射されるよう構成される板状部を有する受光手段と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-198675号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、受光手段を位置合わせするための他の部材が必要であり、構造が複雑化するという問題点があった。即ち、受光手段の配置に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SND1によれば、第1手段と第1受光手段との当接により第1受光手段の第1手段に対する位置合わせを行うことができるので、第1受光手段を位置合わせするための構造を簡素化することができる。即ち、受光手段の配置に関して改善することができる。
遊技機SND1において、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が前記反対面と当接されることを特徴とする遊技機SND2。
遊技機SND2によれば、遊技機SND1の奏する効果に加え、第2受光手段についても第1手段との当接により第1手段に対する位置合わせを行うことができるので、第1受光手段および第2受光手段を位置合わせするための構造を簡素化することができる。即ち、受光手段の配置に関して更に改善することができる。
遊技機SND2において、前記第1受光手段および前記第2受光手段は、前記第1手段に、所定の押圧手段からの押圧により固定可能とされることを特徴とする遊技機SND3。
遊技機SND3によれば、遊技機SND2の奏する効果に加え、押圧手段からの押圧により3部材を固定可能とされるので、複数部材を固定するための固定箇所を減らすことができ、製造工数を削減できる。
遊技機SND1からSND3のいずれかにおいて、前記第1手段および前記第1受光手段を支持可能に構成される支持手段を備え、その支持手段は、前記第1手段に嵌合可能な第1突設部と、前記第1受光手段に嵌合可能な第2突設部と、を備えることを特徴とする遊技機SND4。
遊技機SND4によれば、遊技機SND1からSND3のいずれかの奏する効果に加え、支持手段によって第1手段および第1受光手段を支持することで、第1手段の板面と平行な方向における第1手段と第1受光手段との位置ずれを防ぐことができる。
なお、第2受光手段が配設される場合において、第2突設部が第2受光手段にも嵌合可能に構成するようにしても良い。この場合、第1手段の板面と平行な方向における第1受光手段と第2受光手段との位置ずれを防ぐことができる。
遊技機SND3又はSND4において、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が前記反対面と当接され、前記第1手段は、前記第2突設部の外方に配置され、前記第1受光手段および前記第2受光手段は、前記第2突設部において所定の押圧手段により押圧され固定可能とされることを特徴とする遊技機SND5。
遊技機SND5によれば、遊技機SND3又はSND4の奏する効果に加え、手段からの押圧力が第1手段の端部にかけられるようにすることができる。これにより、押圧力が過大になった場合でも、第1手段の端部が破損することで留めることができ、発光手段が配設される中央部側が破損することを避け易くすることができる。
遊技機SND5において、前記第1受光手段または前記第2受光手段は、第1手段と当接する当接部の形状が対応するように構成されることを特徴とする遊技機SND6。
遊技機SND6によれば、遊技機SND5の奏する効果に加え、所定の押圧手段からの押圧により第1受光手段を介して第1手段に力がかけられる部分と、第2受光手段を介して第1手段に力がかけられる部分とを対応させることができるので、第1手段にかけられる力の方向を面直方向にしやすく、表裏にかけられる力のバランスを良くすることができる。これにより、第1手段の面と傾斜する方向に力がかけられることによる第1手段の割れを防止することができる。
遊技機SND3からSND6のいずれかにおいて、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が、前記反対面と当接され、前記第1発光手段は、前記第2発光手段に対応する位置に配置され、前記第2発光手段の照射方向に対して平行な方向に光を照射するよう構成されることを特徴とする遊技機SND7。
遊技機SND7によれば、遊技機SND3からSND6のいずれかの奏する効果に加え、第1発光手段から第1受光手段に光が照射される位置と、第2発光手段から第2受光手段に光が照射される位置とを、対応させることができる。これにより、異なる発光部により照らされる位置を合わせることができるので、第1受光手段および第2受光手段の平面と直交する方向視における発光演出を良好とすることができる。
遊技機SND7において、前記第1発光手段は、複数の発光部を備え、それら複数の発光部からの光の光軸方向が互いに平行とされることを特徴とする遊技機SND8。
遊技機SND8によれば、遊技機SND7の奏する効果に加え、第1発光手段の光により第1手段を広範囲で均一に光らせることができる。
遊技機SND1からSND8のいずれかにおいて、前記第1手段および前記第1発光手段を支持可能に構成される支持手段、を備え、前記第1受光手段は、前記第1手段が配設される側の反対側の被支持面が前記支持手段の支持面に支持されるよう構成され、前記被支持面または前記支持面は、複数の突起部を備え、その複数の突起部は、所定の発光手段からの光を受けて演出可能に構成されることを特徴とする遊技機SND9。
遊技機SND9によれば、遊技機SND1からSND8のいずれかの奏する効果に加え、複数の突起部を、光を受けて演出する演出面と、押圧力を分割可能な構造面とで利用することができる。
遊技機SND9において、前記所定の発光手段は、前記第1発光手段に対する前記第1受光手段の反対側に配置されることを特徴とする遊技機SND10。
遊技機SND10によれば、遊技機SND9の奏する効果に加え、所定の発光手段からの光と第1発光手段からの光とが干渉することを避けることができる。
遊技機SND1からSND10のいずれかにおいて、前記第1手段は、複数枚の板状部材を備えることを特徴とする遊技機SND11。
遊技機SND11によれば、遊技機SND1からSND10のいずれかの奏する効果に加え、第1受光手段へ光を照射する第1発光手段の配設箇所を増やすことができるので、第1受光手段の大きさの設計自由度を向上させることができる。
遊技機SND1からSND11のいずれかにおいて、前記第1受光手段の受光側端部は、前記第1発光手段の照射方向側の前記第1手段の端部よりも前記発光手段側に配置されることを特徴とする遊技機SND12。
遊技機SND12によれば、遊技機SND1からSND11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段を遮蔽部材として利用することで、第1受光手段に受光される前の光が漏れることを防止することができる。
<光を通す方向を制限する制限手段>
前面側に遊技球が流下可能な領域を構成する流下手段と、その流下手段よりも正面側に設けられ、背面側に位置する前記領域を遊技球が流下する場合がある正面側手段と、を備え、前記正面側手段は、第1方向の方向視と、その第1方向の方向視よりも前記領域を流下する遊技球を視認し易い第2方向の方向視とで視認可能に構成されることを特徴とする遊技機SNE1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技球の流下経路の正面側に装飾用の文字や図形等が描かれた透明板が配設される遊技機がある(例えば、特開2017-23543号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、装飾用の文字や図形越しに流下経路を流れる遊技球を視認することになるが、どちらか一方を見易くすると(例えば、装飾用の文字や図形を濃くすると)、他方の視認性が悪くなる(例えば、遊技球が見え難くなる)といった事態が生じ得ることになり、遊技中における遊技球の視認性について改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNE1によれば、正面側手段は、見る方向によって、流下手段を流下する遊技球を視認し易い状態と、視認し難い状態とを構成できる。即ち、第1方向視においては正面側手段の正面側を視認させる一方で、第2方向視において正面側手段越しに遊技球を視認させるようにすることで、正面側手段を採用したまま、遊技中における遊技球の視認性を改善することができる。
遊技機SNE1において、前記正面側手段は、光透過性の樹脂材料から形成され、前記領域へ向かう前記第1方向の光を遮り、前記第2方向の光が前記領域へ向かうことを許容する方向選択手段を備えることを特徴とする遊技機SNE2。
遊技機SNE2によれば、遊技機SNE1の奏する効果に加え、方向選択手段により、光が透過可能な方向を制限することにより、方向の違いによる視認性の程度の違いをより明確にすることができる。
遊技機SNE2において、前記流下手段よりも正面側に配置され、遊技球が流下する領域の前側面を構成する前側面構成手段を備え、前記方向選択手段は、前記正面側手段と前記前側面構成手段との間の領域に配置され所定の厚みを有するよう構成されることを特徴とする遊技機SNE3。
遊技機SNE3によれば、遊技機SNE2の奏する効果に加え、方向視の違いによる視認性の変化を、正面側手段と前側面構成手段との間という厚みの薄い領域に配置される方向選択手段により実現できるので、方向選択手段自体による光の減衰の影響を受け難くすることができ、第1方向の方向視と、第2方向の方向視との見え方の違いを顕著にすることができる。
遊技機SNE1からSNE3のいずれかにおいて、前記方向選択手段により視認される方向で遊技球の視認性が変化する第1の流路と、視認される方向で遊技球の視認性が変化しない第2の流路とが隣り合って設けられることを特徴とする遊技機SNE4。
遊技機SNE4によれば、遊技機SNE1からSNE3のいずれかの奏する効果に加え、所定範囲を視認する遊技者の視線の方向の違いにより、第2の流路に注目させ易い状態と、第1の流路および第2の流路の両方に同程度に注目させ易い状態とを生じさせることができる。
遊技機SNE4において、前記第1の流路を流下する遊技球を検出可能な検出手段を備えることを特徴とする遊技機SNE5。
遊技機SNE5によれば、遊技機SNE4の奏する効果に加え、方向選択手段により遊技球が第1の流路を流下したことを視認できない事態が生じても、検出手段により遊技球の流下が検出された場合に遊技者側に報知を行うように制御することが可能となるので、第1の流路を遊技球が流下したか否かを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機SNE4又はSNE5において、前記第1の流路に流入した遊技球は、前記第1の流路を介して遊技領域から排出されることを特徴とする遊技機SNE6。
遊技機SNE6によれば、遊技機SNE4又はSNE5の奏する効果に加え、遊技領域から排出される予定の第1の流路を流下する遊技球に比較して、流下した後も遊技領域を流下し得る第2の流路を流下する遊技球に対して、より注目させることができる。
遊技機SNE1からSNE6のいずれかにおいて、前記正面側手段は、前記領域へ向かう前記第1方向の光を遮り、前記第2方向の光が前記領域へ向かうことを許容する方向選択手段を備え、その方向選択手段は、その表面側を覆うように光透過性の樹脂部材が配置され、その樹脂部材の表面に装飾図形が形成されることを特徴とする遊技機SNE7。
遊技機SNE7によれば、遊技機SNE1からSNE6のいずれかの奏する効果に加え、第1方向から領域側へ視線を送る遊技者に対して、樹脂部材の表面の装飾図形を視認させることができるので、正面側手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機SNE7において、前記方向選択手段は、積層配置される複数の板状部を有する板状手段から形成されることを特徴とする遊技機SNE8。
遊技機SNE8によれば、遊技機SNE7の奏する効果に加え、前後方向の隙間寸法が大きい場合に、その隙間を方向選択手段により埋め易くすることができる。
遊技機SNE1からSNE8のいずれかにおいて、光照射手段を備え、その光照射手段の光により前記正面側手段の視認性が変化されることを特徴とする遊技機SNE9。
遊技機SNE9によれば、遊技機SNE1からSNE8のいずれかの奏する効果に加え、光照射手段の光を点灯させる場合と、消灯させる場合とで、正面側手段の視認性に変化を生じさせることができるので、領域を流下する遊技球の視認性の切り替えを、演出に対応させて実行させることができる。
遊技機SNE9において、前記光照射手段の光により前記正面側手段の視認性が変化される範囲を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機SNE10。
遊技機SNE10によれば、遊技機SNE9の奏する効果に加え、光照射手段の照射態様を切り替えることにより、正面側手段の範囲ごとの視認性を変化させることができる。これにより、遊技球が流下する領域を視認性良く視認できる方向を、光照射手段により切り替えることができる。
遊技機SNE1からSNE10のいずれかにおいて、前記正面側手段は、変位可能に構成されることを特徴とする遊技機SNE11。
遊技機SNE11によれば、遊技機SNE1からSNE10のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が目線を動かさなくても、正面側手段が変位することにより遊技者の目線と正面側手段との間の角度が変化する場合を生じさせることができ、領域の視認性を変化させることができる。
<基板ボックスW100~W3100,W700~W9100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備え、前記係合部材が取り外されて、前記配設部材が取り外される遊技機において、前記係合部材が取り外されると、前記配設部材が取り外されたのと同等の状況が形成可能とされることを特徴とする遊技機SNWA1-0。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
ここで、取り外した配設部材が再び配設される場合がある。この場合には、配設部材の状態を確認できることが好ましいが、上述した遊技機では、配設部材の状態を確認可能とする上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の状態を確認可能とすることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNWA1-0によれば、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、係合部材が取り外されると、前記配設部材が取り外されたのと同等の状況が形成可能とされる。これにより、その状況に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
遊技機SNWA1-0において、前記係合部材は、本体部と、前記第1部材に係合される係合部と、前記本体部および前記係合部を連結する連結部と、を備え、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記連結部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機SNWA1-1。
遊技機SNWA1-1によれば、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、連結部に対応する位置に形成されるので、連結部が切断される際に、凹部(空間)を利用して(連結部を切断するための工具の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を破損させやすくできる。即ち、切断部が切断された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
なお、配設部材に痕跡が無い場合には、その配設部材が新品である可能性が高いと判断できる。配設部材に痕跡が有る場合には、第1部材および第2部材から係合部材が取り外される際に配設部材に痕跡が形成され、第1部材および第2部材から取り外されて、同一または別の第1部材および第2部材に再度配設(再利用)された配設部材である、又は、第1部材および第2部材または収納物に対して不正な操作を行うために、第1部材および第2部材から係合部材のみが取り外され、その係合部材の取り外しの際に痕跡が形成された配設部座合である可能性が高いと判断できる。
遊技機SNWA1-1において、前記第1部材と前記第2部材とは、ねじの締結により連結され、前記ねじの頭部は、前記凹部に位置することを特徴とする遊技機SNWA1-2。
遊技機SNWA1-2によれば、遊技機SNWA1-1の奏する効果に加え、第1部材と前記第2部材とは、ねじの締結により連結され、ねじの頭部は、凹部に位置するので、連結部が切断される際に形成される配設部材の痕跡を、ねじの頭部に対応する位置に形成することができる。よって、配設部材によりねじの頭部が隠れている場合でも、配設部材の痕跡に基づいて、ねじの位置を把握できる。その結果、ねじの締結を解除する作業の作業性を向上できる。
遊技機SNWA1-1又はSNWA1-2において、前記係合部材は、前記本体部と前記配設部材との間の対向間隔よりも前記連結部と前記配設部材との間の対向間隔が小さくされることを特徴とする遊技機SNWA1-3。
遊技機SNWA1-3によれば、遊技機SNWA1-1又はSNWA1-2の奏する効果に加え、係合部材は、本体部と配設部材との間の対向間隔よりも連結部と配設部材との間の対向間隔が小さくされるので、連結部を切断するための工具の先端を配設部材に近づけることができ、連結部が切断される際に、配設部材を破損させやすくできる。
遊技機SNWA1-1からSNWA1-3のいずれかにおいて、前記連結部は、少なくとも一方の側面が傾斜して形成されることを特徴とする遊技機SNWA1-4。
遊技機SNWA1-4によれば、遊技機SNWA1-1からSNWA1-3のいずれかの奏する効果に加え、連結片は、少なくとも一方の側面が傾斜して形成されるので、連結片が切断される際に、側面の傾斜に沿って工具を移動させることができる。よって、工具の先端を配設部材に当接させ、配設部材を破損させやすくできる。
例えば、一対の刃の間に連結片を挟み込んで(一対の刃を両側面に当接させて)、連結片を切断する工具を使用する場合には、連結片が切断される際に、側面の傾斜に沿って工具を回転させ、その回転に伴って、工具の先端を配設部材に当接させやすくできる。
遊技機SNWA1-1からSNWA1-4のいずれかにおいて、前記連結部は、第1部分と、その第1部分よりも両側面の間の距離が小さくされる第2部分とを備え、前記第1部分と前記配設部材との間の対向間隔よりも前記第2部分と前記配設部材との間の対向間隔が小さくされることを特徴とする遊技機SNWA1-5。
遊技機SNWA1-5によれば、遊技機SNWA1-1からSNWA1-4のいずれかの奏する効果に加え、第2部分は、第1の部分よりも両側面間の距離が小さくされるので、第2部分の切断により、連結部の切断を容易とできる。
この場合、第1部分と配設部材との間の対向間隔よりも第2部分と配設部材との間の対向間隔が小さくされるので、第2部分を切断するための工具の先端を配設部材に近づけることができ、第2部分が切断される際に、配設部材を破損させやすくできる。
また、このように、第1部分と配設部材との間の対向間隔よりも第2部分と配設部材との間の対向間隔が小さくされる(即ち、第2部分を配設部材側へ延長できる)ことで、その分、第1部分と第2部分との横断面の面積の差を抑制できる。よって、係合部材を樹脂材料から形成する場合には、その成形性を確保できる。
<基板ボックスW4100~W6100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、前記第1部材に係合される係合部と、前記本体部および前記係合部を連結する連結部と、を備え、前記係合部材の係合部は、前記配設部材へ向けて突設される突部を備えることを特徴とする遊技機SNWA2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
ここで、取り外した配設部材が再び配設される場合がある。この場合には、配設部材の状態を確認できることが好ましいが、上述した遊技機では、配設部材の状態を確認可能とする上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の状態を確認可能とすることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNWA2-1によれば、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、係合部材は、配設部材へ向けて突設される突部を備えるので、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材との係合を解除しようとすると、突部により配設部材を破損させることができる。即ち、係合が解除されたか否かに関わらず、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
なお、配設部材に痕跡が無い場合には、その配設部材が新品である可能性が高いと判断できる。配設部材に痕跡が有る場合には、第1部材および第2部材から係合部材が取り外される際に配設部材に痕跡が形成され、第1部材および第2部材から取り外されて、同一または別の第1部材および第2部材に再度配設(再利用)された配設部材である、又は、第1部材および第2部材または収納物に対して不正な操作を行うために、第1部材および第2部材から係合部材のみが取り外され、その係合部材の取り外しの際に痕跡が形成された配設部座合である可能性が高いと判断できる。
遊技機SNWA2-1において、前記突部は、前記係合部の外縁側に位置されることを特徴とする遊技機SNWA2-2。
遊技機SNWA2-2によれば、遊技機SNWA2-1の奏する効果に加え、突部は、係合部の外縁側に位置されるので、第1部材に係合部材が係合された状態であっても、配設部材の痕跡を視認しやすくできる。即ち、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)の確認を行いやすくできる。
遊技機SNWA2-1又はSNWA2-2において、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記突部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機SNWA2-3。
遊技機SNWA2-3によれば、遊技機SNWA2-1又はSNWA2-2の奏する効果に加え、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、突部に対応する位置に形成されるので、連結部を切断せずに、係合部の操作(弾性変形)により第1部材との係合が解除される際には、凹部(空間)を利用して(突部の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を突部により破損させやすくできる。即ち、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成しやすくできる。
遊技機SNWA2-3において、前記係合部材は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、前記第1部材から取り外し可能とされ、前記凹部は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、前記係合部材が前記所定方向へ前記所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲に少なくとも形成されていることを特徴とする遊技機SNWA2-4。
遊技機SNWA2-4によれば、遊技機SNWA2-3の奏する効果に加え、係合部材は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、第1部材から取り外し可能とされ、凹部は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、係合部材が所定方向へ所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲に少なくとも形成されているので、配設部材の破損範囲を確保できる。
即ち、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材と係合部材との係合が解除される際には、突部の先端が凹部に受け入れられた状態で、係合部材が所定方向へ変位されるので、その係合部材が所定方向へ所定距離を変位される間、凹部に受け入れられた突部の先端により配設部材を破損し続けることができる。よって、配設部材の破損範囲を確保できる。
遊技機SNWA2-3において、前記係合部材は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、前記第1部材から取り外し可能とされ、前記凹部は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、前記係合部材が前記所定方向へ前記所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲のうちの前半部分のみに形成されていることを特徴とする遊技機SNWA2-5。
遊技機SNWA2-5によれば、遊技機SNWA2-3の奏する効果に加え、係合部材は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、第1部材から取り外し可能とされ、凹部は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、係合部材が所定方向へ所定距離を変位される際の突部に対応する範囲のうちの前半部分のみに形成されているので、配設部材の破損範囲の確保と、係合部材が第1部材から不正に取り外されることの抑制とを図ることができる。
即ち、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材と係合部材との係合が解除される際には、突部の先端が凹部に受け入れられた状態で、係合部材が所定方向へ変位されるので、その係合部材が所定方向へ所定距離の前半部分を変位される間、凹部に受け入れられた突部の先端により配設部材を破損し続けることができる。よって、配設部材の破損範囲を確保できる。
一方で、係合部材が所定方向へ所定距離の前半部分を変位された後は、凹部に受け入れられた突部の先端を凹部の終端に係合させることができる。これにより、係合部材の所定方向への変位を規制することができるので、係合部材が第1部材から不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWa100~Wc100,Wi100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部が分離された前記本体部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機SNWB1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNWB1-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、係合部が分離された本体部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の本体部は、比較的大きく、把持がしやすいので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機SNWB1-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記本体部は、前記配設部材の所定領域に対応する位置に配設される変更手段を備え、前記連結部が切断された状態では、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接する位置まで前記本体部が前記第1部材および前記第2部材に対して変位可能とされることを特徴とする遊技機SNWB1-2。
遊技機SNWB1-2によれば、遊技機SNWB1-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、本体部は、配設部材の所定領域に対応する位置に配設される変更手段を備え、連結部が切断された状態では、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接する位置まで本体部が第1部材および第2部材に対して変位可能とされるので、連結部を切断した後であって、第1部材および第2部材から本体部を取り外す前に、本体部を変位させて、配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる(配設部材の配設状態を変更する)ことができる。即ち、連結部を切断し、本体部を第1部材および第2部材から取り外す作業と、取り外した本体部(変更手段)を使用して配設部材の配設状態を変更する作業とを別々に行う必要がなく、これらの作業を一連の作業として効率的に行うことができるので、配設部材の配設状態の変更を容易に行うことができる。
また、変更手段が配設部材の所定領域に対応する位置に配設されるので、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け(取り外し)作業時、或いは、連結部材の切断により係合部が分離された本体部の廃棄処理時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、変更手段が本体部に形成される分、本体部の剛性を高めることができる。
遊技機SNWB1-2において、前記本体部の前記変更手段は、前記配設部材の前記所定領域に対して少なくとも一部が傾斜して形成されていることを特徴とする遊技機SNWB1-3。
遊技機SNWB1-3によれば、遊技機SNWB1-2の奏する効果に加え、本体部の変更手段は、配設部材の所定領域に対して少なくとも一部が傾斜して形成されているので、本体部を変位させて、配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させた際に、配設部材の配設状態を変更しやすくできる。
遊技機SNWB1-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記本体部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記係合部に対向する位置に配設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機SNWB1-4。
遊技機SNWB1-4によれば、遊技機SNWB1-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
本体部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され係合部に対向する位置に配設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、係合部に対向する位置に配設され、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、変更手段が本体部に形成される分、本体部の剛性を高めることができる。
遊技機SNWB1-4において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方は、被当接部を備え、前記本体部は、前記被当接部に当接可能に形成される当接部を備え、前記被当接部に前記当接部が当接されると、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接されることを特徴とする遊技機SNWB1-5。
遊技機SNWB1-5によれば、遊技機SNWB1-4の奏する効果に加え、被当接部に当接部が当接されると、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接されるので、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる)際に、配設部材の所定領域の位置を探す手間を抑制できる。
遊技機SNWB1-5において、前記被当接部は、その被当接部に当接された前記当接部が前記被当接部に沿って変位可能に形成され、前記被当接部に沿って前記当接部が変位されると、前記配設部材の所定領域に沿って前記変更手段が変位されることを特徴とする遊技機SNWB1-6。
遊技機SNWB1-6によれば、遊技機SNWB1-5の奏する効果に加え、被当接部に沿って当接部が変位されると、配設部材の所定領域に沿って変更手段が変位されるので、被当接部をガイドとして利用して、配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域を変更手段で切断する)作業を容易とできる。
<基板ボックスWe100~Wg100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記本体部から分離された前記係合部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機SNWB2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNWB2-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、本体部から分離された係合部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の係合部は、比較的小さく、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できるので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機SNWB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記本体部に対向する位置に配設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機SNWB2-2。
遊技機SNWB2-2によれば、遊技機SNWB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され本体部に対向する位置に配設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、本体部に対向する位置に配設され、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
遊技機SNWB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記配設部材へ向けて突設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機SNWB2-3。
遊技機SNWB2-3によれば、遊技機SNWB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され配設部材へ向けて突設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、配設部材へ向けて突設され(即ち、配設部材に対向する位置に配設され)、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、係合手段は、係合部から配設部材へ向けて突設されるので、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材との係合を解除しようとすると、係合手段により配設部材を破損させることができる。即ち、係合が解除されたか否かに関わらず、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
遊技機SNWB2-2又はSNWB2-3において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方は、被当接部を備え、前記係合部は、前記被当接部に当接可能に形成される当接部を備え、前記被当接部に前記当接部が当接されると、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接されることを特徴とする遊技機SNWB2-4。
遊技機SNWB2-4によれば、遊技機SNWB2-2又はSNWB2-3の奏する効果に加え、被当接部に当接部が当接されると、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接されるので、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる)際に、配設部材の所定領域の位置を探す手間を抑制できる。
遊技機SNWB2-4において、前記被当接部は、その被当接部に当接された前記当接部が前記被当接部に沿って変位可能に形成され、前記被当接部に沿って前記当接部が変位されると、前記配設部材の所定領域に沿って前記変更手段が変位されることを特徴とする遊技機SNWB2-5。
遊技機SNWB2-5によれば、遊技機SNWB2-4の奏する効果に加え、被当接部に沿って当接部が変位されると、配設部材の所定領域に沿って変更手段が変位されるので、被当接部をガイドとして利用して、配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域を変更手段で切断する)作業を容易とできる。
遊技機SNWB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成される変更手段を備え、前記変更手段は、切断された前記連結部により形成されることを特徴とする遊技機SNWB2-6。
遊技機SNWB2-6によれば、遊技機SNWB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成される変更手段を備え、変更手段は、切断された連結部により形成されるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、係合部材の係合部は、比較的小さく、連結部は係合部よりも更に小さいので、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できると共に、配設部材の配設状態を変更することに適した形状(例えば、鋭利な形状)を形成しやすい。よって、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすくできる。
また、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされる(即ち、切断された連結部が変更手段となる)ので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
遊技機SNWB2-6において、前記連結部は、前記係合部の一辺の一側の端部を前記本体部に連結する一側連結部と、前記係合部の前記一辺の前記一側と反対側の他側の端部を前記本体部に連結する他側連結部とを備えることを特徴とする遊技機SNWB2-7。
遊技機SNWB2-7によれば、連結部は、係合部の一辺の一側の端部を本体部に連結する一側連結部と、係合部の一辺の一側と反対側の他側の端部を本体部に連結する他側連結部とを備えるので、配設部材の所定領域における一側には一側連結部を使用して係合部を一側へ変位させると共に、配設部材の所定領域における他側には他側連結部を使用して係合部を他側へ変位させることで、所定領域の配設状態を変更できる。即ち、係合部を持ち替えて係合部の向きを反転させなくても、周囲の部材(第1部材または第2部材)との干渉を抑制しつつ、所定領域の一側の端部および他側の端部まで、その配設状態を変更(切断)できる。よって、配設部材の所定領域における配設状態を効率的に変更できる。
遊技機SNWB2-6又はSNWB2-7において、前記連結部は、前記本体部に連結される側と前記係合部に連結される側との間に断面積が小さくされる部位を備えることを特徴とする遊技機SNWB2-8。
遊技機SNWB2-8によれば、遊技機SNWB2-6又はSNWB2-7の奏する効果に加え、連結部は、本体部に連結される側と係合部に連結される側との間に断面積が小さくされる所定部位を備えるので、所定部位の切断により、連結部の切断を容易とできる。また、配設部材の配設状態を変更することに適した形状(例えば、鋭利な形状)を、切断された連結部(所定部位)に形成しやすくできる。
<基板ボックスWd100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記本体部とその本体部から分離された前記係合部とが連結可能に形成され、前記本体部に連結された前記係合部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機SNWB3-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNWB3-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、本体部とその本体部から分離された係合部とが連結可能に形成され、本体部に連結された係合部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の本体部は、比較的大きく、把持がしやすい一方、係合部材の係合部は、比較的小さく、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できるので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機SNWB3-1において、前記係合部は、前記第1部材に係合される部位が前記本体部に連結されることを特徴とする遊技機SNWB3-2。
遊技機SNWB3-2によれば、遊技機SNWB3-1の奏する効果に加え、係合部は、第1部材に係合される部位が本体部に連結されるので、本体部と連結するための部位を係合部に別途設ける必要がない。即ち、第1部材に係合される部位を、本体部に連結される部位としても兼用できる。よって、係合部の形状を簡素化できる。
遊技機SNWB3-1又はSNWB3-2において、前記係合部材は、前記第1部材と係合する姿勢を規定可能に前記本体部に形成される規定部を備え、前記本体部は、前記規定部が前記係合部に連結されることを特徴とする遊技機SNWB3-2。
遊技機SNWB3-3によれば、遊技機SNWB3-1又はSNWB3-2の奏する効果に加え、係合部材は、第1部材と係合する姿勢を規定可能に本体部に形成される規定部を備え、本体部は、規定部が係合部に連結されるので、係合部と連結するための部位を本体部に別途設ける必要がない。即ち、係合部材の姿勢を規定する部位(規定部)を、係合部に連結される部位としても兼用できる。よって、係合部の形状を簡素化できる。
<基板ボックスWj100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部が前記第1部材に係合された状態で、所定方向へ変位可能に形成され、前記第1部材または前記第2部材は、前記所定方向へ変位された前記係合部材に対し、前記第1部材との係合が解除される方向への前記係合部の変位を抑制可能に形成される抑制手段を備えることを特徴とする遊技機SNWC1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNWC1-1によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、係合部材は、係合部が第1部材に係合された状態で、所定方向へ変位可能に形成され、第1部材または第2部材は、所定方向へ変位された係合部材に対し、第1部材との係合が解除される方向への係合部の変位を抑制可能に形成される抑制手段を備えるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機SNWC1-1において、前記第1部材または前記第2部材は、前記抑制手段による前記係合部の変位の抑制が可能な位置から前記係合部材が前記所定方向と反対方向へ変位することを規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機SNWC1-2。
遊技機SNWC1-2によれば、遊技機SNWC1-1の奏する効果に加え、第1部材または第2部材は、抑制手段による係合部の変位の抑制が可能な位置から係合部材が所定方向と反対方向へ変位することを規制する規制手段を備えるので、係合部と第1部材との係合が不正に解除されることを抑制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機SNWC1-2において、前記規制手段は、前記所定方向へ変位された前記係合部材の前記係合部と係合可能に形成され、前記係合部と係合することで、前記係合部材が前記所定方向と反対方向へ変位することを規制可能とされることを特徴とする遊技機SNWC1-3。
遊技機SNWC1-3によれば、遊技機SNWC1-2の奏する効果に加え、規制手段は、所定方向へ変位された係合部材の係合部と係合可能に形成され、係合部と係合することで、係合部材が所定方向と反対方向へ変位することを規制可能とされるので、係合部材を所定方向へ変位させるだけで、係合部材の変位が規制手段により規制された状態を形成でき、係合部材の組み付け作業の作業性を向上できる。
遊技機SNWC1-3において、前記第1部材または前記第2部材は、前記規制手段を遮蔽する遮蔽手段を備えることを特徴とする遊技機SNWC1-4。
遊技機SNWC1-4によれば、遊技機SNWC1-3の奏する効果に加え、1部材または第2部材は、規制手段を遮蔽する遮蔽手段を備えるので、係合部と規制手段との係合が不正に解除されることを抑制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWk100,Wl100,Wr100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方と前記係合部材とは、複数箇所で係合され、それら複数箇所の係合の相互作用により係合が解除され難く形成されることを特徴とする遊技機SNWC2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNWC2-1によれば、第1部材または第2部材の少なくとも一方と係合部材とは、複数箇所で係合され、それら複数箇所の係合の相互作用により係合が解除され難く形成されるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機SNWC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される第1係合部および第2係合部と、を備え、前記第1係合部および前記第2係合部は、前記係合部材の変位に伴って、前記第1係合部材が前記第1部材に係合された後に、前記第2係合部が前記第1部材に係合可能に形成され、前記第1部材は、前記第1部材との係合が解除される方向への前記第1係合部の変位を規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機SNWC2-2。
遊技機SNWC2-2によれば、本体部から第1係合部および第2係合部を分離(切断)することで、第1係合部および第2係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ第1係合部および第2係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と第1係合部および第2係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機SNWC2-2によれば、遊技機SNWC2-1の奏する効果に加え、第1係合部および第2係合部は、係合部材の変位に伴って、第1係合部材が第1部材に係合された後に、第2係合部が前記第1部材に係合可能に形成され、第1部材は、前記第1部材との係合が解除される方向への前記第1係合部の変位を規制する規制手段を備えるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
即ち、第1部材との係合が解除される方向への第1係合部の変位は、規制手段により規制でき、規制手段による第1係合部の変位の規制を解除する方向への係合部材の変位は、第1部材と第2係合部との係合により規制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機SNWC2-2において、前記第1係合部が前記第1部材に係合される際の前記係合部材の変位の方向と、前記第2係合部が前記第1部材に係合される際の前記係合部材の変位の方向とは、略同一の方向であることを特徴とする遊技機SNWC2-3。
遊技機SNWC2-3によれば、遊技機SNWC2-2の奏する効果に加え、第1係合部が第1部材に係合される際の係合部材の変位の方向と、第2係合部が第1部材に係合される際の係合部材の変位の方向とは、略同一の方向であるので、例えば、第1の方向へ係合部材を変位させて、第1係合部を係合させた後、第2の方向へ係合部材を変位させて、第2係合部を係合させる2段階の操作を行う必要がなく、第1部材および第2部材へ係合部材を取り付ける際の一方向への操作のみで第1係合部と第2係合部との係合を行うことができる。よって、係合部材の取り付け操作を簡素化して、作業効率を高めることができる。
また、2段階の操作が必要となる構成では、第2の方向への操作を作業者が失念すると、第2係合部が係合されず、第1部材および第2位部材から係合部材が不正に取り外される虞があるところ、第1部材および第2部材へ係合部材を取り付ける際の一方向への操作のみで第1係合部と第2係合部との係合を行うことができることで、必要な操作を作業者が失念することを抑制でき、第2係合部を確実に係合させることができる。
遊技機SNWC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される第1係合部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第2部材に係合される第2係合部と、を備え、前記第1係合部と前記第1部材との係合が解除される前記第1係合部の変位の方向と、前記第2係合部と前記第2部材との係合が解除される前記第2係合部の変位の方向とが反対の方向とされることを特徴とする遊技機SNWC2-4。
遊技機SNWC2-4によれば、本体部から第1係合部および第2係合部を分離(切断)することで、第1係合部および第2係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材および第2部材との係合が解除される方向へ第1係合部および第2係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材および第2部材と第1係合部および第2係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機SNWC2-4によれば、遊技機SNWC2-1の奏する効果に加え、第1係合部と第1部材との係合が解除される第1係合部の変位の方向と、第2係合部と第2部材との係合が解除される第2係合部の変位の方向とが反対の方向とされるので、第1係合部または第2係合部の一方を係合が解除される方向へ変位させると、その一方の変位に伴う係合部材の変位によって、第1係合部または第2係合部の他方を係合が維持される方へ変位させることができる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機SNWC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部は、前記係合部の第1部分および第2部分の2箇所が前記第1部材に係合され、前記第1部分または前記第2部分の一方と前記第1部材との係合が解除される方向へ前記係合部が変位されると、前記第1部分または前記第2部分の他方と前記第1部材との係合が維持される方向へ前記係合部が変位されることを特徴とする遊技機SNWC2-5。
遊技機SNWC2-5によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部分および第2部分と第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部(第1部分および第2部分)との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機SNWC2-5によれば、遊技機SNWC2-1の奏する効果に加え、第1部分または第2部分の一方と第1部材との係合が解除される方向へ係合部が変位されると、第1部分または第2部分の他方と第1部材との係合が維持される方向へ係合部が変位されるので、第1部材と係合部との係合を解除し難くできる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWo100~Wq100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、を備えた遊技機において、取付部材を備え、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記取付部材は、前記係合部に取り付け可能に形成され、前記第1部材と前記係合部との係合が解除される方向への前記係合部の変位が前記取付部材により抑制可能に形成されることを特徴とする遊技機SNWD1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNWD1-1によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、取付部材は、係合部に取り付け可能に形成され、第1部材と係合部との係合が解除される方向への係合部の変位が取付部材により抑制可能に形成されるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
一方で、係合部に取付部材が取り付けられていても、本体部から係合部を分離(切断)することは可能であるので、正規の作業においては、係合部の分離(切断)により、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を容易に取り外すことができる。
遊技機SNWD1-1において、前記係合部は、前記第1部材との係合が解除される方向へ変位されると、前記係合部の第1面側が前記第1部材へ近接され、前記取付部材は、前記係合部に取り付けられると、前記取付部材の一部が前記係合部の前記第1面と前記第1部材との間に配置されることを特徴とする遊技機SNWD1-2。
遊技機SNWD1-2によれば、遊技機SNWD1-1の奏する効果に加え、係合部は、第1部材との係合が解除される方向へ変位されると、係合部の第1面側が第1部材へ近接され、取付部材は、係合部に取り付けられると、取付部材の一部が係合部の第1面と第1部材との間に配置されるので、第1部材との係合が解除される方向へ係合部が変位可能な距離を、取付部材の一部が配置される分、短くすることができる。その結果、第1部材と係合部との係合を解除され難くできるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機SNWD1-2において、前記取付部材は、第1部材に係合された前記係合部に取り付け可能に形成されることを特徴とする遊技機SNWD1-3。
遊技機SNWD1-3によれば、遊技機SNWD1-2の奏する効果に加え、取付部材は、第1部材に係合された係合部に取り付け可能に形成されるので、第1部材に係合部を係合させる際に、係合部の変位が取付部材の一部によって阻害されない。よって、第1部材への係合部の係合(即ち、第1部材および第2部材への係合部材の装着)をスムーズに行うことができる。また、第1部材と係合部との係合代を大きくできるので、第1部材と係合部との係合が解除されることを抑制しやすくできる。
遊技機SNWD1-2又はSNWD1-3において、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材を備え、前記係合部の取り付けられた前記取付部材の一部は、前記第1面から突設される突部として形成され、前記突部は、前記第1部材に配設される前記配設部材に向けて突設されることを特徴とする遊技機SNWD1-4。
遊技機SNWD1-4によれば、遊技機SNWD1-2又はSNWD1-3の奏する効果に加え、第1部材および第2部材に配設される配設部材を備え、係合部の取り付けられた取付部材の一部は、第1面から突設される突部として形成され、突部は、第1部材に配設される配設部材に向けて突設されるので、本体部から係合部を分離(切断)せずに、第1部材と係合部との係合を解除しようとすると(即ち、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位させようとすると)、突部により配設部材を破損させることができる。即ち、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
遊技機SNWD1-4において、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記突部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機SNWD1-5。
遊技機SNWD1-5によれば、遊技機SNWD1-4の奏する効果に加え、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、突部に対応する位置に形成されるので、本体部から係合部を分離(切断)せずに、第1部材と係合部との係合を解除しようとすると(即ち、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位させようとすると)、凹部(空間)を利用して(突部の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を突部により破損させやすくできる。即ち、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成しやすくできる。
<無駄球を減らすための構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて所定パターンで動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記検出手段を通過した遊技球を前記動作手段まで所定経路で案内する案内手段を備えることを特徴とする遊技機SNYA1。
パチンコ機等の遊技機において、検出領域で遊技球の通過を検出してから規定の時間経過後に開閉動作する可動役物を備える遊技機がある(例えば、特開2017-000562号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、検出領域を通過した遊技球の流下経路は複数通りの流下態様で流下するので、遊技球の流下態様次第で、検出領域を通過した遊技球が可動役物に拾われる場合と、可動役物から零れる場合とがランダムに生じることになることから、可動役物から零れる遊技球が多い場合には、遊技者は遊技機店が遊技者に不利になる調整を行っているのではないかと誤解し易く、平等な環境で遊技することができていないと不満に思う可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNYA1によれば、検出手段を通過してからの遊技球の流下はランダムではなく、案内手段により遊技球が動作手段まで案内されるので、検出手段を通過した遊技球が動作手段に拾われるか、動作手段から零れるかの違いが、動作制御(入賞時に予め行われた抽選の当否に基づく制御)によるものであると遊技者に理解させることができる。即ち、案内手段の構成により規定される流下時間に基づいて、動作手段の動作制御のパターンが設定されているのであり、遊技機店の調整によるものではないと理解することができるので、平等な環境で遊技していると感じさせることができる。
なお、遊技領域は、流下した遊技球により遊技者に与えられる利益が確定するまでの遊技球の流下領域を意味し、例えば、遊技盤の正面側の領域に限られるものではない。例えば、遊技球の通過を検出することで第1図柄の抽選がされる検出装置の上流側に形成される流路であって、遊技盤の内部や遊技盤の背面側に配設される流路も遊技領域に含まれる。
遊技機SNYA1において、前記案内手段は、前記遊技領域の背面側を通るように配設されることを特徴とする遊技機SNYA2。
遊技機SNYA2によれば、遊技機SNYA1の奏する効果に加え、案内手段で案内される遊技球を、遊技領域で流下する遊技球により隠すことができるので、案内手段から動作手段までの領域における注目力を向上することができる。
遊技機SNYA2において、前記案内手段に案内される遊技球は、所定範囲において遊技領域を構成する遊技盤の正面側に向けて流下することを特徴とする遊技機SNYA3。
遊技機SNYA3によれば、遊技機SNYA2の奏する効果に加え、案内手段に案内される遊技球が遊技盤の正面側に流下することから、遊技者に遊技球が近づいてくるように視認させることができる。そのため、通常の下方に流下するだけの遊技球との比較において、案内手段に案内される遊技球を目立たせることができる。
遊技機SNYA1からSNYA3のいずれかにおいて、前記案内手段は、遊技球が前記検出手段から前記動作手段まで流下するのに要する時間を管理可能に構成されることを特徴とする遊技機SNYA4。
遊技機SNYA4によれば、遊技機SNYA1からSNYA3のいずれかの奏する効果に加え、遊技球を動作手段で拾うパターンの動作制御と、零すパターンの動作制御とを、容易に設定することができる。
遊技機SNYA1からSNYA4のいずれかにおいて、前記動作手段は、閉鎖状態または開放状態において遊技球を転動させる態様で流下を案内するよう構成され、遊技球の流下方向の幅寸法が、遊技球の直径の2倍以下に設定される第1動作部を備え、その第1動作部に前記案内手段に案内された遊技球が誘導されることを特徴とする遊技機SNYA5。
遊技機SNYA5によれば、遊技機SNYA1からSNYA4のいずれかの奏する効果に加え、第1動作部によって、遊技球が動作手段に案内される時間を短縮することができると共に、動作手段で遊技球を1球ずつ案内することができる。動作手段の幅を短くすることができる。
遊技機SNYA5において、前記動作手段は、第1動作部よりも長い第2動作部を備え、遊技球が前記第1動作部を転動するのに要する期間よりも、遊技球が前記第2動作部を転動するのに要する期間の方が長く構成されることを特徴とする遊技機SNYA6。
遊技機SNYA6によれば、遊技機SNYA5の奏する効果に加え、同様に動作手段に到達した遊技球の案内態様として、動作手段が同様の動作パターンで動作している場合に、遊技球が第1動作部に到達するか、第2動作部に到達するかによって、遊技球が下流側にどのように流下するかを変えることができる。
遊技機SNYA6において、前記第1動作部に案内される遊技球と、前記第2動作部に案内される遊技球とは、異なる流下領域に案内されることを特徴とする遊技機SNYA7。
遊技機SNYA7によれば、遊技機SNYA6の奏する効果に加え、一の動作手段を利用して、球の案内方向を複数方向構成することができるので、動作手段による遊技球の案内時の見映えを複数通りで実現することができる。
遊技機SNYA7において、前記検出手段を通過した遊技球は、前記第1動作部に案内され得るよう構成され、前記検出手段を通過せずに流下した遊技球は、前記第2動作部に案内され得ることを特徴とする遊技機SNYA8。
遊技機SNYA8によれば、遊技機SNYA7の奏する効果に加え、検出手段を通過した遊技球が、その他の遊技球に弾かれて案内不良が生じる不具合を防止することができる。
遊技機SNYA6からSNYA8のいずれかにおいて、前記第1動作部に案内される遊技球と、前記第2動作部に案内される遊技球とは、動作手段上での衝突が抑制されることを特徴とする遊技機SNYA9。
遊技機SNYA9によれば、遊技機SNYA6からSNYA8のいずれかの奏する効果に加え、動作手段上を転動する遊技球が衝突して、流下態様の不均一が生じることを回避し易くすることができる。
なお、第1動作部上に配置される遊技球と、第2動作部上に配置される遊技球との間に壁が配置されることで隔離されても良いし、壁は無いとしても衝突しないような流下態様に管理されても良い。
遊技機SNYA9において、前記第1動作部に案内される遊技球は、前記第2動作部に案内される遊技球の流下方向とは逆側へ流下することを特徴とする遊技機SNYA10。
遊技機SNYA10によれば、遊技機SNYA9の奏する効果に加え、第1動作部に案内される遊技球と、第2動作部に案内される遊技球とが、同方向に流下する場合と異なり、遊技球の流下速度に関わらず遊技球の衝突を回避することができる。
なお、遊技球の流下方向は、左右逆方向でも良いし、前後逆方向でも良い。また、所定軌跡(例えば、円形状軌跡)に沿う逆方向でも良い。
遊技機SNYA1からSNYA10のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定経路として複数経路を備えることを特徴とする遊技機SNYA11。
遊技機SNYA11によれば、遊技機SNYA1からSNYA10のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動作パターンの種類は少なくしながら、遊技球の流下パターンを増やすことができる。
<8チャンスの経路にセンサが配置され不利側から有利側に球を引き抜く構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、遊技球の流下経路を構成する構成手段と、その構成手段の下流側に配設され遊技球が第1入球口に案内される第1経路と、前記構成手段の下流側に配設され遊技球が第2入球口に案内される第2経路と、を備える遊技機において、前記第1経路を流下する遊技球を前記第2経路側へ移動させる移動手段を備えることを特徴とする遊技機SNYB1。
パチンコ機等の遊技機において、入球口に遊技球が通る順番で、遊技球がどの経路に向かうかが周期的に変化する遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、入球口への入球の有利不利は遊技球が入球する周期でのみ変化することになり、全般的に有利な状態や、全般的に不利な状態を形成することが困難であるという問題点があった。換言すれば、遊技者の有利度合いの変化幅が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNYB1によれば、移動手段によって、構成手段に構成される経路を流下した遊技球が第1入球口に入球するか、第2入球口に入球するかを無秩序に生じさせることができるので、遊技球が入球する入球口が周期的に変化する場合に比較して、遊技者の有利度合いの変化幅を拡大することができる。
遊技機SNYB1において、前記構成手段に構成される経路は、分岐経路であることを特徴とする遊技機SNYB2。
遊技機SNYB2によれば、遊技機SNYB1の奏する効果に加え、移動手段の作用により遊技球の流下態様に変化が生じるだけでなく、経路の分岐によっても遊技球の流下態様に変化を生じさせることができるので、構成手段に入球した遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機SNYB1又はSNYB2において、前記経路を流下する遊技球の通過を検出可能に構成される検出手段を備え、前記移動手段は、前記経路内における遊技球の流下に影響を与える態様で動作可能に構成される動作手段を備え、その動作手段は、第1状態の場合に遊技球が第1入球口へ向けて送球され、第2状態の場合に遊技球が第2入球口へ向けて送球されるよう構成され、前記検出手段で遊技球の通過が検出されることに基づいて動作制御可能に構成されることを特徴とする遊技機SNYB3。
遊技機SNYB3によれば、遊技機SNYB1又はSNYB2の奏する効果に加え、動作手段の動作パターン次第で、構成手段に入球した遊技球が第1入球口に入球するか、第2入球口に入球するかが切り替えられるので、遊技球が入球する入球口の周期性を低くし易くすることができる。これにより、遊技球が入球する入球口が周期的に変化する場合に比較して、遊技者の有利度合いの変化幅を拡大することができる。
遊技機SNYB3において、前記動作手段は、前記構成手段の外側を流下する遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機SNYB4。
遊技機SNYB4によれば、遊技機SNYB3の奏する効果に加え、構成手段に構成される流路を流下する遊技球を案内する手段と、構成手段に構成される流路外で流下する遊技球を案内する手段と、を動作手段で兼用することができる。
遊技機SNYB3又はSNYB4において、前記構成手段の前記経路外に配設される第2検出手段を備え、前記検出手段を通過した遊技球の前記動作手段への案内態様と、前記第2検出手段を通過した遊技球の前記動作手段への案内態様と、が異なることを特徴とする遊技機SNYB5。
遊技機SNYB5によれば、遊技機SNYB3又はSNYB4の奏する効果に加え、動作手段への案内態様を複数種類で構成することができる。
なお、案内態様の違いについては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技球の経路の違いであっても良いし、遊技球の流下速度の違いであっても良い。
遊技機SNYB3からSNYB5のいずれかにおいて、前記動作手段は、前記第1状態と前記第2状態との切り替えにより、遊技球の流下方向を上下方向と左右方向とで変化させることを特徴とする遊技機SNYB6。
遊技機SNYB6によれば、遊技機SNYB3からSNYB5のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下方向の変化を遊技者が把握し易いようにすることができる。
遊技機SNYB3からSNYB6のいずれかにおいて、前記検出手段は、遊技球の通過に基づいて所定の図柄が所定期間変動するように制御され、前記所定期間は、遊技球が前記経路に入球してから前記検出手段を通過するまでに要する期間よりも短く設定されることを特徴とする遊技機SNYB7。
遊技機SNYB7によれば、遊技機SNYB3からSNYB6のいずれかの奏する効果に加え、構成手段の経路の入口から検出手段までの間に配置される遊技球が1個以下の状態を維持することにより、検出手段を遊技球が通過する時点において図柄が変動中であるという事態を回避することができる。従って、検出手段を遊技球が通過した直後に所定の図柄の変動を開始させることができる。
従って、遊技球が検出手段を通過するタイミングと、遊技球が検出手段を通過したことに基づく動作手段の動作制御を開始するタイミングと、を合わせることができる。
遊技機SNYB7において、前記動作手段は、前記検出手段で検出された遊技球を案内しない第1制御態様と、前記検出手段で検出された遊技球を案内する第2制御態様とで、制御態様が切替可能とされることを特徴とする遊技機SNYB8。
遊技機SNYB8によれば、遊技機SNYB7の奏する効果に加え、動作手段の動作が実行されたとしても、制御態様の違いにより、動作手段に遊技球が案内される場合と、案内されない場合とを構成できるので、動作手段の動作に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
遊技機SNYB8において、前記制御態様の切替は、前記検出手段での検出の度に実行可能に構成され、切替可能な前記制御態様の種類は、大当たり遊技の度に変化可能に構成されることを特徴とする遊技機SNYB9。
遊技機SNYB3からSNYB9のいずれかにおいて、遊技球が前記第1入球口に入球することで遊技者が得られる利益と、遊技球が前記第2入球口に入球することで遊技者が得られる利益とが異なることを特徴とする遊技機SNYB10。
遊技機SNYB10によれば、遊技機SNYB3からSNYB9のいずれかの奏する効果に加え、動作手段に対する注目力を向上させることができる。
<動作手段に複数位置で流下する構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段は、遊技球が流下可能な第1流下位置と、その第1流下位置とは異なる第2流下位置と、を備え、前記第1流下位置を流下する遊技球の流下態様と前記第2流下位置を流下する遊技球の流下態様とが異なるように構成されることを特徴とする遊技機SNYC1。
パチンコ機等の遊技機において、検出手段に遊技球が検出されることに基づいて可動役物が開放し、その可動役物により遊技球が入賞口へ案内される遊技機がある(例えば、特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球が可動役物に案内される態様は単調であり、可動役物の注目力を向上するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNYC1によれば、動作手段が遊技球を流下させる複数の流下位置を備えており、遊技球がどの流下位置を流下するかで流下態様が異なるように構成されるので、遊技球が可動役物に案内される態様にバリエーションを設けることができ、可動役物の注目力を向上させることができる。
遊技機SNYC1において、前記流下態様は、遊技球の流下速度、流下方向または流下間隔であることを特徴とする遊技機SNYC2。
遊技機SNYC2によれば、遊技機SNYC1の奏する効果に加え、動作手段に沿って流下する遊技球の流れをばらつかせることができ、その遊技球への注目力を向上させることができる。
遊技機SNYC1又はSNYC2において、前記第1流下位置は、前記検出手段を通過した遊技球が流下可能な位置として設定されることを特徴とする遊技機SNYC3。
遊技機SNYC3によれば、遊技機SNYC1又はSNYC2の奏する効果に加え、第1流下位置に遊技球が到達していることを確認することで、遊技球が検出手段を通過したことを把握できるので、検出手段を視認する必要をなくすことができる。
また、検出手段を通過した遊技球と、検出手段を通過しなかった遊技球とが、動作手段の別位置で流下するようにすることで、動作手段に同時に乗せることができる遊技球の個数を、全球が検出手段を通過するように狙う発射態様か、一部の遊技球は検出手段を逸らすことを狙う発射態様かで、変化させることができる。
遊技機SNYC3において、前記検出手段を通過した遊技球の流下経路は、分岐しない経路として構成されることを特徴とする遊技機SNYC4。
遊技機SNYC4によれば、遊技機SNYC3の奏する効果に加え、第1流下位置に遊技球が到達したことを確認することで、その遊技球が検出手段を通過したことを把握することができる。
遊技機SNYC1からSNYC4のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下した遊技球の流下経路と、前記第2流下位置を流下した遊技球の流下経路とは、前記動作手段の下流側における所定の合流位置において合流することを特徴とする遊技機SNYC5。
遊技機SNYC5によれば、遊技機SNYC1からSNYC4のいずれかの奏する効果に加え、動作手段により流下された遊技球により遊技球が得られる利益を、その流下位置によらず同じとすることができる。
遊技機SNYC5において、前記合流位置は、前記動作手段から離れた位置に配置されることを特徴とする遊技機SNYC6。
遊技機SNYC6によれば、遊技機SNYC5の奏する効果に加え、合流時に遊技球で生じる負荷が動作手段の動作に与える影響を小さくすることができる。これにより、動作手段の動作を円滑に実行することができる。
遊技機SNYC5において、前記合流位置は、前記動作手段に近接配置されることを特徴とする遊技機SNYC7。
遊技機SNYC7によれば、遊技機SNYC5の奏する効果に加え、動作手段に沿って流下する遊技球の通過を検出する検出装置を、より上流側に配置することができるので、利益を早期に生じさせることができる。従って、動作手段に沿って遊技球が流下してから利益発生までの待ち時間を短縮することができる。
遊技機SNYC5からSNYC7のいずれかにおいて、前記合流位置で遊技球が下方に落下するよう構成されることを特徴とする遊技機SNYC8。
遊技機SNYC8によれば、遊技機SNYC5からSNYC7のいずれかの奏する効果に加え、合流した後の球が逆流したり、球詰まりが生じたりする事態の発生を回避することができる。
遊技機SNYC1からSNYC8のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下する遊技球と、前記第2流下位置を流下する遊技球との、流下方向が同じように構成されることを特徴とする遊技機SNYC9。
遊技機SNYC9によれば、遊技機SNYC1からSNYC8のいずれかの奏する効果に加え、動作手段に到達した遊技球に注目する側を統一することができるので、遊技者が注目すべき箇所を容易に把握させることができる。
遊技機SNYC1からSNYC8のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下する遊技球と、前記第2流下位置を流下する遊技球との、流下方向が異なるように構成されることを特徴とする遊技機SNYC10。
遊技機SNYC10によれば、遊技機SNYC1からSNYC8のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下する方向を視認することで、遊技球が第1流下位置を流下したか、遊技球が第2流下位置を流下したかを、判断することができるので、動作手段に近接配置される遊技球が前後に重なり見難い構成においても、動作手段よりも下流側において遊技球の流下方向を把握することができる。
遊技機SNYC1からSNYC10のいずれかにおいて、遊技球が入球することで遊技者に第1の利益を付与可能に構成される第1入球口と、遊技球が入球することで遊技者に第1の利益よりも大きな第2の利益を付与可能に構成される第2入球口と、を備え、前記第1流下位置は、前記第1入球口に入球した遊技球の流下経路に配置され、前記動作手段は、前記第1流下位置を流下する遊技球を前記第2入球口側に案内可能に構成されることを特徴とする遊技機SNYC11。
遊技機SNYC11によれば、遊技機SNYC1からSNYC10のいずれかの奏する効果に加え、動作手段によって、第1入球口に入球した遊技球により利益が付与される前に、その遊技球を第2入球口側に引き抜くことができる。
これにより、例えば、左右対称盤面の遊技機(特別図柄の抽選のための入賞口や、特別遊技において開閉する入賞口が、左右中央位置に縦並びに配置され、それらの入賞口に左打ちでも右打ちでも入球させることができる盤面構成の遊技機)であっても、動作手段の動作によって、第1入球口への入球により利益が生じる頻度を落とすことができる。
そのため、第1入球口への入球頻度を落とすために、第1入球口へ遊技球が案内されない右打ち経路を構成する必要性を下げることができ、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
<分岐手段で分岐する第1流路と第2流路との有利不利を変化可能>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、所定の入球領域の下流側に第1流路および第2流路を構成する構成手段と、を備え、遊技球が前記第1流路を流下する場合に遊技者が得られる第1の利益と、遊技球が前記第2流路を流下する場合に遊技者が得られる第2の利益と、の大小関係を変化可能に構成される変化手段を備えることを特徴とする遊技機SNYD1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の入球領域を流下した遊技球が左側に流下した場合と、右側に流下した場合とで、遊技者が得られると期待される利益に違いがある遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球が流下した場合に有利な方向が固定されているため、分岐位置における遊技球の流下方向さえ確認できればその後で得られる利益が予想できてしまい、実際に利益が確定する確定領域に遊技球が到達する前に遊技者の集中力のピークが来てしまうので、分岐位置から確定領域までの経路に対する注目力が低下することになり、遊技領域を演出領域として利用するという観点から改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNYD1によれば、変化手段によって、第1の利益と第2の利益との大小関係が切替可能とされることから、遊技者の集中力のピークを、遊技球が第1流路または第2流路に入球する時点ではなく、実際に利益が確定する確定領域に遊技球が入球する時点に持ってくることができるので、分岐領域から確定領域までの経路に対する注目力を高く維持することができる。これにより、遊技境域を演出領域として有効利用することができる。
なお、利益が確定する時点としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技球が検出口(検出領域、特定領域等)を通過する時点としても良いし、遊技球が検出口を通過したことで確定した利益が遊技者側に報知される時点(遊技者が利益を認識できる時)としても良い。
遊技機SNYD1において、前記第1の利益または前記第2の利益の内、大側の利益が遊技者に付与される場合に、遊技球を正面側に流下させる流下領域を備えることを特徴とする遊技機SNYD2。
遊技機SNYD2によれば、遊技機SNYD1の奏する効果に加え、遊技球が通常の流下態様(下方に流下する流下態様)と異なる際に大側の利益が遊技者に付与されることから、遊技球を視認させることで、大側の利益が付与されたことを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機SNYD1又はSNYD2において、前記第1流路および前記第2流路は合流可能に構成され、その合流位置への進入位置に上下方向の位置差があることを特徴とする遊技機SNYD3。
遊技機SNYD3によれば、遊技機SNYD1又はSNYD2の奏する効果に加え、第1流路および第2流路から、遊技球が合流位置に同時に進入した場合であっても、衝突時の負荷が上下方向(第1流路および第2流路と交差する方向)で生じるので、遊技球が逆流することを回避し易くすることができる。
遊技機SNYD3において、前記進入位置は、遊技球の通過頻度が高い側が下側配置されることを特徴とする遊技機SNYD4。
遊技機SNYD4によれば、遊技機SNYD3の奏する効果に加え、高頻度で所定の進入位置を通過する遊技球が、他の進入位置に誤って入球することを避け易くすることができる。
遊技機SNYD1からSNYD4のいずれかにおいて、前記第1流路および前記第2流路は、遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて所定パターンで動作制御される動作手段と、を備え、前記第1流路における前記検出手段と前記動作手段との間隔と、前記第2流路における前記検出手段と前記動作手段との間隔と、が異なるように構成されることを特徴とする遊技機SNYD5。
遊技機SNYD5によれば、遊技機SNYD1からSNYD4のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動作制御は同一としながら、第1流路を遊技球が流下する場合と、第2流路を遊技球が流下する場合とで、動作手段が遊技球に作用するか否かを異ならせることができる。
<3状態で切替>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作する動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段の動作態様に対応して、遊技球が第1入球口に入球し易い第1状態と、遊技球が第2入球口に入球し易い第2状態と、遊技球が第1入球口および第2入球口に入球し易い第3状態と、で状態を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機SNYE1。
パチンコ機等の遊技機において、第1始動口および第2始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1始動口および第2始動口(第1の第2始動口)に入球し易い状態と、第2始動口(第2の第2始動口)のみに入球し易い状態と、で状態を切り替えることはできるが、第1始動口のみに入球し易い状態に切り替えることはできず、遊技球の入球態様の自由度が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNYE1によれば、動作手段の動作態様に対応して、第1入球口および第2入球口に入球し易い第3状態と、第2入球口に入球し易い第2状態だけでなく、第1入球口に入球し易い第1状態にも状態を切り替えることができるので、遊技球の入球態様の自由度を向上させることができる。
遊技機SNYE1において、前記第3状態では、流下した遊技球が第1入球口に入球する場合と、第2入球口に入球する場合とが、交互に生じることを特徴とする遊技機SNYE2。
遊技機SNYE2によれば、遊技機SNYE1の奏する効果に加え、第3状態における第1入球口への入球個数と第2入球口への入球個数とを均一化することができる。
遊技機SNYE1又はSNYE2において、流下した遊技球が、前記第1入球口または前記第2入球口に入球可能に形成される所定流路を備えることを特徴とする遊技機SNYE3。
遊技機SNYE3によれば、遊技機SNYE1又はSNYE2の奏する効果に加え、所定流路を遊技球が流下している時点では、その遊技球は第1入球口に入球する可能性も、第2入球口に入球する可能性も残されているので、所定流路を流下している遊技球に対する注目力を向上することができる。
<サポートで特1特2の両方が貯まる>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段は、前記動作手段が配置される位置まで流下した遊技球の流下経路を、前記第1入球口側へ向かう第1経路と、前記第2入球口側へ向かう第2経路と、その他の経路と、に分岐可能に構成されることを特徴とする遊技機SNYF1。
パチンコ機等の遊技機において、第1始動口および第2始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、可動片の開状態において第2始動口(第2の第2始動口)に入球し易い状態を形成することができるが、第1始動口へ入球し易い状態を形成することはできず、可動片による遊技球の案内態様に改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNYF1によれば、動作手段から下流側の流下経路として、第1経路と第2経路とが形成されることで、第1入球口へ遊技球を案内することも第2入球口へ遊技球を案内することもできるので、動作手段による遊技球の案内態様を改良することができる。
遊技機SNYF1において、前記第1入球口に遊技球が入球した場合に遊技者に付与可能な利益よりも、前記第2入球口に遊技球が入球した場合に遊技者に付与可能な利益が大きく設定され、前記第1入球口は前記動作手段の中央側の下方に配置され、前記第2入球口は前記動作手段の端側の下方に配置されることを特徴とする遊技機SNYF2。
遊技機SNYF2によれば、遊技機SNYF1の奏する効果に加え、動作手段の端側まで遊技球が流れきれば第2入球口に入球可能となるので、途中位置で落下する(タイミングよく動作手段が動作する)ことで第1入球口に入球する事態に比較して、第2入球口に遊技球が入球する事態を発生し易くすることができる。
遊技機SNYF1又はSNYF2において、動作手段の端部からの遊技球の零れを防止するための零れ防止手段を備えることを特徴とする遊技機SNYF3。
遊技機SNYF3によれば、遊技機SNYF1又はSNYF2の奏する効果に加え、零れ防止手段によって動作手段から遊技球が勢い余って零れる事態を回避することができるので、動作手段に遊技球が到達した場合の遊技者の安心感を高めることができる。
また、零れ防止手段で遊技球が高反発で跳ね返るようにすることで、動作手段の上面における遊技球の転動速度を高め、動作手段の上面を遊技球が短時間で通過し易くすることができる。
<振分け左右で構成違い>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する複数の検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作する動作手段と、その動作手段に案内された遊技球が入球可能に構成される被案内入球口と、を備える遊技機において、前記複数の検出手段は、前記動作手段の上流側に配設される第1検出手段と、その第1検出手段とは異なる位置に配設される第2検出手段と、を備えることを特徴とする遊技機SNYG1。
パチンコ機等の遊技機において、普図始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2016-54970号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、普図始動口に案内される経路と、開閉部材側に案内される経路とが、別経路とされ、それぞれの経路を遊技球が交互に流下するため、普図始動口の真上に配置される釘に遊技球が衝突して普図始動口から逸れる事態が生じると、次に普図始動口に遊技球が案内されるまでに期間が開いてしまうことから、開閉部材が閉じている時に開閉部材側に遊技球が流下するという、期待感の薄い状態になり易い。この場合、遊技が間延びしてしまい、遊技者の興趣を低下させる可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNYG1によれば、動作手段の上流側に配設される第1検出手段と、動作手段の上流側とは異なる位置に配設される第2検出手段と、を備えるので、遊技球が検出手段に検出される状況を頻繁に生じさせることができる。これにより、動作手段の動作頻度を向上させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機SNYG1において、前記第1検出手段と前記動作手段との間に所定の流路が形成されることを特徴とする遊技機SNYG2。
遊技機SNYG2によれば、遊技機SNYG1の奏する効果に加え、第1検出手段から動作手段への遊技球の流れを整流化することができる。
遊技機SNYG1又はSNYG2において、前記動作手段は、前記第2検出手段を通過する遊技球の流下経路側へ延びるように形成されることを特徴とする遊技機SNYG3。
遊技機SNYG3によれば、遊技機SNYG1又はSNYG2の奏する効果に加え、第2検出手段側の注目力が第1検出手段側の注目力との比較において低くなり過ぎることを回避することができる。
<遊技球を案内する手段が長い>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を案内する案内手段と、その案内手段の下流側に配設され遊技球の通過を検出する第1検出手段と、前記案内手段の下流側に配設され遊技球の通過を検出した場合に、前記第1検出手段に遊技球の通過が検出されることに基づいて遊技者に与え得る利益とは異なる利益を遊技者に与え得る第2検出手段と、を備え、前記案内手段は、前記入球領域から流下した遊技球を受けるための所定部と、その所定部よりも下流側に配置され前記所定部の変位に対応して変位する下流側部と、を備え、少なくとも前記下流側部の配置に応じて、遊技球を前記第1検出手段に案内し易い第1状態と、遊技球を前記第2検出手段に案内し易い第2状態と、で状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機SNBA1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の検出領域(第2始動入賞口27)において遊技球の通過が検出された場合において、一定確率で開放されて奥側に配設される賞球口への遊技球の案内が可能となる可動役物(第2可変入賞装置31)が配設され、その可動役物の開放動作を頻繁に生じさせて賞球口への入球が頻繁に生じることにより多量の賞球の払い出しを遊技者が獲得できる遊技状態が、通常状態よりも有利な遊技状態として設定される遊技機がある(例えば、特開2017-169630号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、別の検出領域(可変始動入賞口28a)に可動部材(開閉部材28b)が配設されていることを理由に、所定の検出領域を開閉する可動部材が配設されておらず、常に遊技球を所定の検出領域に通過可能に構成されている。通常状態では遊技領域の左側に遊技球を流下させる遊技方法が推奨されているが、遊技初心者などは特に、誤って遊技領域の右側に遊技球を流下させるように発射してしまう場合がある。
所定の検出領域において遊技球の通過が検出された場合、可動役物の開放動作の抽選(小当たりの抽選)の他に、特別図柄の抽選(大当たりの抽選)も行われ、特別図柄の抽選による大当たりが発生すると、大当たり終了後の遊技状態としてペナルティが課され、通常状態よりも不利な遊技を強いられることとなる。遊技初心者からすれば、理由もわからずペナルティを課されたと疑念を抱きかねず、遊技機に対する興味関心が薄れ、新規の遊技者を獲得し損なる状況を生み出しかねない。即ち、遊技初心者に優しくなく、平等性に欠けるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNBA1によれば、案内手段が第1状態で維持されることで、第1検出手段へ遊技球が案内され易い状態を構成することができ、この状態において第2検出手段(所定の検出領域)への遊技球の案内を抑制することができる。これにより、案内手段を利用することで、第2検出手段に遊技球を通過させることを防ぐことができ、遊技の平等性を高めることができる。
なお、案内手段は、所定部と下流側部とが一体的に形成されるよう構成されても良いし、所定部と下流側部とが別体で形成されるよう構成されても良い。
遊技機SNBA1において、前記下流側部は、前記第1状態において前記第2検出手段への遊技球の案内を防止可能とされ、前記第2状態において前記第1検出手段への遊技球の案内を防止可能とされるよう構成されることを特徴とする遊技機SNBA2。
遊技機SNBA2によれば、遊技機SNBA1の奏する効果に加え、下流側部により、案内手段を介して流下する遊技球が通過する検出手段を切り替えることができる。
遊技機SNBA1又はSNBA2において、前記案内手段は、前記所定部が受けた遊技球を前記下流側部へ向けて流下させる中間部を備えることを特徴とする遊技機SNBA3。
遊技機SNBA3によれば、遊技機SNBA1又はSNBA2の奏する効果に加え、中間部により、案内手段を介して流下する遊技球が第1検出手段に案内されるのか、第2検出手段に案内されるのかが、不明確な状態を引き延ばすことができる。
なお、中間部は、下流側部の変位に対応して変位可能に構成しても良いし、下流側部の変位に関わらず変位しないように構成しても良い。
遊技機SNBA3において、前記中間部は、前記第1状態でも前記第2状態でも遊技球の流下方向が変化しないよう構成され、下流側において前記第1検出手段または前記第2検出手段への案内が行われることを特徴とする遊技機SNBA4。
遊技機SNBA4によれば、遊技機SNBA3の奏する効果に加え、入球領域に入球した後の遊技球が中間部を案内されている時に案内手段が第1状態と第2状態とで切り替わったとしても、中間部における遊技球の流下方向に影響を与えないので、中間部を案内されている遊技球の流下態様の変化から案内手段の状態変化を把握されるという事態の発生を避けることができる。
遊技機SNBA1からSNBA4のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記第1状態において、前記所定部が前記入球領域から前記案内手段への入球を制限する位置に配置され、前記第2状態において、前記所定部が前記入球領域から前記案内手段への入球を許容する位置に配置されることを特徴とする遊技機SNBA5。
遊技機SNBA5によれば、遊技機SNBA1からSNBA4のいずれかの奏する効果に加え、案内手段の状態の切り替えによって、案内手段への新たな遊技球の入球の可否を切り替えることができる。
また、所定部における遊技球の通過と、下流側部における遊技球の通過と、のそれぞれに注目させることができる。即ち、遊技者の視線を複数位置で集めることができ、案内手段の注目箇所を増加させることができる。
遊技機SNBA5において、前記所定部の配置の切り替えと、前記下流側部の配置の切り替えとは、同時に実行されることを特徴とする遊技機SNBA6。
遊技機SNBA6によれば、遊技機SNBA5の奏する効果に加え、異なる位置で同時に切替が実行されることから、遊技者に、所定部における切り替えか、下流側部における切り替えか、いずれかを選択して視認させるという遊技性を付与することができる。
遊技機SNBA5において、前記所定部の配置の切り替えと、前記下流側部の配置の切り替えとは、タイミングがずれて実行されることを特徴とする遊技機SNBA7。
遊技機SNBA7によれば、遊技機SNBA5の奏する効果に加え、別タイミングで異なる位置における切り替えが実行されることから、遊技者に、所定部における切り替えと、下流側部における切り替えと、が視線をずらすことで視認することができるという遊技性を付与することができる。加えて、遊技者の視線の動きを誘導することができる。
遊技機SNBA1からSNBA7のいずれかにおいて、前記所定部は、前後方向にスライド変位することを特徴とする遊技機SNBA8。
遊技機SNBA8によれば、遊技機SNBA1からSNBA7のいずれかの奏する効果に加え、正面視における所定部の動きが目立つことを避けることができる。所定部は、案内手段への入球の可否を切り替える部分であり、第1検出手段に案内されるか、第2検出手段に案内されるかが決定される箇所ではないので、目立つことを避けることで、相対的に下流側部の動作を目立たせることができる。
遊技機SNBA1からSNBA8のいずれかにおいて、前記下流側部は、回転動作する態様で変位することを特徴とする遊技機SNBA9。
遊技機SNBA9によれば、遊技機SNBA1からSNBA8のいずれかの奏する効果に加え、第1検出手段に案内されるか、第2検出手段に案内されるかが決定される箇所としての下流側部の動きを目立たせることができる。
遊技機SNBA1からSNBA9のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定部と前記下流側部との間の正面視における距離よりも、前記所定部から前記下流側部へ流下する遊技球の流下距離が長くなるように構成されることを特徴とする遊技機SNBA10。
遊技機SNBA10によれば、遊技機SNBA1からSNBA9のいずれかの奏する効果に加え、所定部から流れた遊技球が下流側部に到達する前に、遊技者が所定部から下流側部に視線を移動させ易くすることができる。
遊技機SNBA1からSNBA10のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定部を介さない遊技球が前記下流側部へ到達することを防止するための防止手段を備えることを特徴とする遊技機SNBA11。
遊技機SNBA11によれば、遊技機SNBA1からSNBA10のいずれかの奏する効果に加え、防止手段により、下流側部へ到達する遊技球の流下経路を制限することができるので、遊技球が意図しない経路で下流側部に到達し、誤った検出手段に入球する事態の発生を避けることができる。
遊技機SNBA1からSNBA11のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記入球領域からの複数の遊技球を前記所定部が受ける第1期間よりも、その第1期間に前記所定部が受けた前記複数の遊技球が前記下流側部を通過する第2期間を短縮可能に構成されることを特徴とする遊技機SNBA12。
遊技機SNBA12によれば、遊技機SNBA1からSNBA11のいずれかの奏する効果に加え、案内手段により、所定部が遊技球を受けるタイミングのずれよりも、下流側部における遊技球の通過タイミングのずれを小さくすることができるので、下流側部での遊技球の流下方向の切替の精度を保ちながら、所定部において遊技球を受けるタイミングのずれの許容幅を拡大することができ、快適な遊技を提供し易くすることができる。
遊技機SNBA12において、前記所定部は、変位する際に、遊技球を加速させる方向の負荷を遊技球に負荷する形状から構成されることを特徴とする遊技機SNBA13。
遊技機SNBA13によれば、遊技機SNBA12の奏する効果に加え、所定部の変位が生じる際に遊技球を加速させる方向の負荷が生じることになるので、所定部が変位する前に所定部を通過した遊技球へ向けて、所定部が変位する際に所定部上に配置された遊技球を加速させることで、遊技球同士の間隔が縮まる状況を生じさせることができる。
<流下経路を引き延ばす>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を下流側領域へ流下させる流下手段と、前記下流側領域を流下する遊技球の通過を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記流下手段は、遊技球を流下させる第1可動部と、その第1可動部よりも下流側に配置され遊技球を流下させる第2可動部と、前記第1可動部および前記第2可動部の間に配置され遊技球を流下させる所定部と、を備えることを特徴とする遊技機SNBB1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技球が入球可能な検出センサと、その検出センサに遊技球を案内する可動部材と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-181572号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、検出センサへ向けた遊技球の流下経路が可動部材の長さに限定されるので、遊技球の流下が単調となり易いので遊技者を飽きさせ易い可能性があることから、遊技球の流下態様について改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNBB1によれば、検出手段の上流側に配置される流下手段が、所定部を挟む複数の可動部を備えることから、可動部の長さや形状にバリエーションを持たせ易くでき、遊技球の流下態様について改良することができる。
遊技機SNBB1において、前記第1可動部は、少なくとも下流側端部において前記所定部と上下方向で重なる重なり部を備えることを特徴とする遊技機SNBB2。
遊技機SNBB2によれば、遊技機SNBB1の奏する効果に加え、重なり部を介して所定部へ遊技球を流すことができるので、第1可動部と所定部との間で遊技球が脱落することを防止し易くすることができる。
遊技機SNBB1又はSNBB2において、前記第1可動部は、少なくとも下流側端部において、遊技球の流下する向きを前記所定部側へ向けさせるための傾斜部を備えることを特徴とする遊技機SNBB3。
遊技機SNBB3によれば、遊技機SNBB1又はSNBB2の奏する効果に加え、傾斜部によって遊技球の流下向きを所定部側へ寄せることができるので、遊技球の流下が乱れた場合であっても、第1可動部と所定部との間で遊技球が脱落することを防止し易くすることができる。
<下流側において遊技球を密集させる>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を下流側領域へ流下させる流下手段と、前記下流側領域を流下する遊技球の通過を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記流下手段は、前記入球領域に所定間隔で入球した複数の遊技球が、前記下流側領域を流下する間隔を、前記所定間隔よりも短くするための所定手段を備えることを特徴とする遊技機SNBBZ1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の入球領域から遊技球が流下した場合において、その遊技球から与えられる負荷により第1検出手段または前記第2検出手段への遊技球の案内が可能となる2種類の開放状態を構成可能な複数の可動役物が配設され、その可動役物は、それぞれ賞球口に所定個数の遊技球が入球した場合に機械的な負荷の伝達により開放状態から閉鎖するよう構成される遊技機がある(例えば、特開2016-202338号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、通常時は第1検出手段にも第2検出手段にも遊技球を案内しない状態で維持されているので、遊技球を第1検出手段に案内する第1状態と、遊技球を第2検出手段に案内する第2状態と、合計で3つの状態に切り替えられるが、いずれの状態においても、入球領域に入球した後の遊技球の流下経路は一本道とされており、入球領域に入球するタイミング(間隔)と、その入球に伴う賞球の払い出しのタイミング(間隔)とがほぼ同じとされるので、遊技者に与えられる利益が発生するタイミングが遊技球の発射間隔(一定間隔)に制限されてしまい、遊技に緩急をつけることが難しく、遊技者の興趣を高めることが難しいという問題点があった。
これに対し、遊技機SNBBZ1によれば、流下手段の所定手段により、遊技球が入球領域に入球する間隔よりも、遊技球が下流側領域を流下する間隔が短くなる場合を生じさせることができるので、遊技球の発射間隔よりも短い間隔で遊技球が下流側領域を流下する場合を生じさせることができる。これにより、遊技球が入球領域に入球したことで遊技者に与えられる利益の発生タイミングが一定間隔となることを避け易くすることができ、遊技に緩急をつけることで、遊技者の興趣を高めることができる。
遊技機SNBBZ1において、前記所定手段は、前記入球領域側における遊技球の流下速度を、前記下流側領域側における遊技球の流下速度よりも大きくさせるように構成されることを特徴とする遊技機SNBBZ2。
遊技機SNBBZ2によれば、遊技機SNBBZ1の奏する効果に加え、所定手段により、下流側領域側を流下する遊技球が、入球領域側における遊技球に追いつかれるような状態を構成することができる。
遊技機SNBBZ1又はSNBBZ2において、前記流下手段は、一方向または他方向に変位可能に構成され、前記一方向における変位または前記他方向における変位によって、前記入球領域に入球した遊技球に対して前記下流側領域へ向けた所定の負荷を与え得るよう構成されることを特徴とする遊技機SNBBZ3。
遊技機SNBBZ3によれば、遊技機SNBBZ1又はSNBBZ2の奏する効果に加え、流下手段が往復変位可能に構成されており、遊技手段は、流下手段が一方向に変位する場合に流下手段を流下するか、流下手段が他方向に変位する場合に流下手段を流下するかによって、流下態様を変化させることができる。
遊技機SNBBZ3において、前記流下手段を流下する遊技球は、遊技球の流下方向に分岐が生じない非分岐位置と、遊技球の流下方向に分岐が生じ得る分岐位置と、のいずれかに配置されることを特徴とする遊技機SNBBZ4。
遊技機SNBBZ4によれば、遊技機SNBBZ3の奏する効果に加え、遊技球が流下手段を流下している間中において、遊技球が分岐位置に配置されている場合に比較して、遊技球を注視する遊技者の疲労を軽減させることができる。
遊技機SNBBZ4において、前記分岐位置は、前記非分岐位置よりも視認性が高くなる側に配置されることを特徴とする遊技機SNBBZ5。
遊技機SNBBZ5によれば、遊技機SNBBZ4の奏する効果に加え、遊技球を注視する遊技者の疲労を軽減させることができる。
なお、視認性が高くなる側としては、種々の態様が例示される。例えば、遊技者に近い側(前側)であっても良いし、遊技領域を流下する遊技球に隠され難い位置側であっても良いし、LED等の発光演出が生じた場合に眩しくならない側であっても良い。
遊技機SNBBZ4又はSNBBZ5において、前記分岐位置は、前記入球領域側の第1位置と、その第1位置よりも下流側の第2位置と、に配置され、前記第1位置と前記第2位置との間に前記非分岐位置が配置されることを特徴とする遊技機SNBBZ6。
遊技機SNBBZ6によれば、遊技機SNBBZ4又はSNBBZ5の奏する効果に加え、遊技球が流下手段上を流下する場合において、分岐位置に2回、間隔をあけて配置されることから、1個の遊技球が流下手段に案内される場合に遊技者の注目力を2回のタイミングで向上させることができる。これにより、遊技球への注目力を効率よく向上させることができる。
遊技機SNBBZ1からSNBBZ6のいずれかにおいて、前記流下手段は、前記入球領域側の水平面に対する傾斜角度が、前記下流側領域側の水平面に対する傾斜角度よりも大きくされることを特徴とする遊技機SNBBZ7。
遊技機SNBBZ7によれば、遊技機SNBBZ1からSNBBZ6のいずれかの奏する効果に加え、流下手段を流下する遊技球が、入球領域側でより加速され、下流側領域側における遊技球との間隔と短くすることができる。
遊技機SNBBZ1からSNBBZ7のいずれかにおいて、前記入球領域は、前記下流側領域よりも大きいことを特徴とする遊技機SNBBZ8。
遊技機SNBBZ8によれば、遊技機SNBBZ1からSNBBZ7のいずれかの奏する効果に加え、入球領域に同時に複数の遊技球が入球し易くすることができ、それらの遊技球が下流側領域で密集する(連なる)状態が生じ易くなるようにすることができる。
遊技機SNBBZ8において、前記入球領域は複数箇所に分割配置可能に構成されることを特徴とする遊技機SNBBZ9。
遊技機SNBBZ9によれば、遊技機SNBBZ8の奏する効果に加え、遊技球の流下手段への入球箇所が複数用意されているので、流下手段への遊技球の入球頻度を高めることができる。
遊技機SNBBZ9において、遊技球が入球する前記入球領域の違いに対応して、前記流下手段に流下される遊技球の流下経路が異なることを特徴とする遊技機SNBBZ10。
遊技機SNBBZ10によれば、遊技機SNBBZ9の奏する効果に加え、遊技球が流下手段を通過するまでの期間や、流下手段上の遊技球の配置等が、遊技球がいずれの入球領域に入球するかに対応して変化し得ることから、流下手段に入球した遊技球が、いずれの入球領域から入球したかについての遊技者の興味関心を高めることができ、入球領域への注目力を向上することができる。
遊技機SNBBZ1からSNBBZ10のいずれかにおいて、前記流下手段を流下する遊技球が、前記下流側領域へ向けた流下経路から外れないようにするための流下経路制限手段を備えることを特徴とする遊技機SNBBZ11。
遊技機SNBBZ11によれば、遊技機SNBBZ1からSNBBZ10のいずれかの奏する効果に加え、流下経路制限手段により、入球領域に入球した遊技球が確実に下流側領域に到達するように構成することができる。
<入球領域から離れた位置で遊技球を受ける技術思想>
遊技球を入球領域へ案内可能とする第1状態と、前記入球領域への遊技球の入球を制限する第2状態とで状態を切り替え可能とされる切替手段と、その切替手段へ向けて遊技球が流下可能な流下領域と、を備え、前記流下領域は、前記切替手段の前記入球領域から離れた側に配置されることを特徴とする遊技機SNBC1。
パチンコ機等の遊技機において、賞球口へ遊技球を案内可能とする状態と賞球口への遊技球の入球を制限する状態とで切り替えられる可動役物への、遊技球の着地位置が、賞球口付近の下流側位置と、その下流側位置よりも上流側の上流側位置とで複数あり、下流側位置に着地するか上流側位置に着地するかに関わらず、遊技球が賞球口を通過可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2017-029531号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、上流側位置に着地した遊技球が賞球口に近接するタイミングで下流側位置に別の遊技球が着地して、複数の遊技球がかたまって賞球口を通過しようとする場合に、球詰まりが生じたり、遊技球の流下抵抗が大きくなったりする可能性があるという問題点があった。換言すれば、遊技球の流下態様を向上するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNBC1によれば、入球領域から離れた側において遊技球が切替手段に流下されるよう構成されているので(切替手段への遊技球の着地位置が制限されているので)、切替手段を流下する間に遊技球を整列させることができ、入球領域を通過しようとする場合に、球詰まりが生じたり、遊技球の流下抵抗が大きくなったりすることを回避することができるので、遊技球の流下態様を向上するという観点で改良を図ることができる。
遊技機SNBC1において、前記流下領域の外方における前記切替手段への流下を防止する防止手段を備えることを特徴とする遊技機SNBC2。
遊技機SNBC2によれば、遊技機SNBC1の奏する効果に加え、防止手段によって、遊技球が流下領域の外方を通って切替手段へ到達することを防止することができる。
遊技機SNBC2において、前記切替手段は、遊技領域を構成する遊技盤前面よりも後側に少なくとも一部が配設されることを特徴とする遊技機SNBC3。
遊技機SNBC3によれば、遊技機SNBC2の奏する効果に加え、遊技球が切替手段に着地する位置を少なくとも遊技領域側(遊技盤前面)に登場させ、その他の少なくとも一部を遊技盤前面よりも後側に配設することで、切替手段上の遊技球の流下長さを遊技盤前面よりも後側に確保しながら、切替手段が遊技領域を侵食する長さを狭めることができる。これにより、他の構成を配置する領域を広く確保し、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
遊技機SNBC1からSNBC3のいずれかにおいて、前記切替手段は、遊技球が転動可能な第1部と、その第1部よりも下流側に配置される第2部とを備え、前記流下領域から前記切替手段に着地する遊技球は、前記第1部に着地し易く構成されることを特徴とする遊技機SNBC4。
遊技機SNBC4によれば、遊技機SNBC1からSNBC3のいずれかの奏する効果に加え、切替手段上を長距離で転動させることで遊技球の跳ねを抑え流下を落ち着かせることができると共に、入球領域までの流下長さを確保でき、遊技球への注目力を向上させることができる。
遊技機SNBC4において、前記切替手段は、前記第1部と前記第2部との間に、前記第1状態および前記第2状態において遊技球を橋渡し可能な案内経路を備えることを特徴とする遊技機SNBC5。
遊技機SNBC5によれば、遊技機SNBC4の奏する効果に加え、切替手段の第1部に着地した後の遊技球について、切替手段の状態に関係なく遊技球の転動を維持させる箇所としての案内経路が配設されることから、切替手段の状態切替と、遊技球の流下態様の変化とが一対一で対応する場合に比較して、遊技球の流下のバリエーションを増加させることができる。
遊技機SNBC5において、前記案内経路における遊技球の流下長さが複数種類構成されることを特徴とする遊技機SNBC6。
遊技機SNBC6によれば、遊技機SNBC5の奏する効果に加え、遊技球の流下のバリエーションを増加させることができる。
なお、案内経路における遊技球の流下長さが変化する要因としては、種々の態様が例示される。例えば、切替手段への入球位置の違いで変化するよう構成されても良いし、切替手段への入球のタイミングと切替手段の状態が切り替えられるタイミングとの相対的な関係により変化するよう構成されても良い。
遊技機SNBC5又はSNBC6において、前記切替手段は、前記案内経路よりも上流側における所定範囲に亘って、遊技球を案内経路側に接近するように移動させる接近手段を備えることを特徴とする遊技機SNBC7。
遊技機SNBC7によれば、遊技機SNBC5又はSNBC6の奏する効果に加え、接近手段により、案内経路に遊技球が乗るタイミングよりも事前に案内経路側に遊技球を寄せることができるので、案内経路への橋渡し部分における遊技球の滞留を回避することができる。
遊技機SNBC7において、前記接近手段は、前記切替手段の第1部または前記案内経路における遊技球の流下方向と直交する方向に遊技球を移動させる傾斜面であることを特徴とする遊技機SNBC8。
遊技機SNBC8によれば、遊技機SNBC7の奏する効果に加え、切替手段の第1部または案内部における遊技球の流下方向と、傾斜面の傾斜方向とが直交することから、傾斜面により遊技球に与えられる負荷が、切替手段の第1部または案内部における遊技球の流下速度を加速も減速もさせず、影響を最小限に抑えることができる。
遊技機SNBC4からSNBC8のいずれかにおいて、前記第2部は、同時の複数個の遊技球の受入を制限するよう構成されることを特徴とする遊技機SNBC9。
遊技機SNBC9によれば、遊技機SNBC4からSNBC8のいずれかの奏する効果に加え、第2部に想定以上の遊技球が入球する事態を回避し易くすることができる。
遊技機SNBC1からSNBC9のいずれかにおいて、前記切替手段は、前記流下領域側の端部側の所定区間に遊技球が着地してから、その遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に状態が切り替えられた場合に、その遊技球が前記案内経路側に入球することを制限する入球制限手段を備えることを特徴とする遊技機SNBC10。
遊技機SNBC10によれば、遊技機SNBC1からSNBC9のいずれかにおいて、切替手段が微小時間での状態切替を実行した場合に、遊技球が案内経路側に誤って入球することを回避し易くすることができる。
遊技機SNBC1からSNBC10のいずれかにおいて、前記切替手段は、下流側部において遊技球の流下速度を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機SNBC11。
遊技機SNBC11によれば、遊技機SNBC1からSNBC10のいずれかの奏する効果に加え、切替手段の下流側において遊技球の流下態様を落ち着かせる(整流させる)ことができる。
<複数個目の入球が、先の入球に影響されて検出手段を通過し易い>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通った遊技球が流下可能な第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記下流側領域に遊技球が配置されていない状態で前記流下領域から前記下流側領域に遊技球が流下する第1の場合よりも、前記下流側領域に遊技球が配置されている状態で前記流下領域から前記下流側領域に遊技球が流下する第2の場合の方が、遊技球が前記第2流下領域を流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機SNBD1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉手段の奥に入球口と特定入球口とが配置され、その特定入球口は、スライド動作する板部材に塞がれる状態と、板部材が退避して遊技球の入球を許容する状態とで切り替えられるよう構成され、板部材が入球を許容する状態の場合には、開閉手段に受け入れられたほとんどの遊技球が特定入球口に入球するよう構成され、特定入球口への入球により後の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態に設定される遊技機がある(例えば、特開2015-150122号公報の段落0030~0032を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、開閉手段に遊技球が1個受け入れられた時点で特定入球口へ入球するものと考えられるので、遊技者が安心できてしまい、2個目以降の開閉手段への入球に注目させることが困難であるという問題点があった。換言すれば、開閉手段に受け入れられる遊技球への注目力を持続させることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNBD1によれば、下流側領域に受け入れられた遊技球の内、複数個目に受け入れられた遊技球の方が、1個目に受け入れられた遊技球よりも、第2流下領域に受け入れられる可能性が高くなるよう構成されるので、下流側領域に流下した遊技球に対する注目力を持続させることができる。
遊技機SNBD1において、前記下流側領域に1球目で入球した遊技球よりも、2球目以降で入球した遊技球の方が、第2流下領域に入球し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機SNBD2。
遊技機SNBD2によれば、遊技機SNBD1の奏する効果に加え、流下領域に流下した遊技球に対する遊技者の注目力を長い間維持することができる。
遊技機SNBD1又はSNBD2において、前記下流側領域に遊技球が複数個同時に配置されている場合に、前記第2流下領域を遊技球が流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機SNBD3。
遊技機SNBD3によれば、遊技機SNBD1又はSNBD2の奏する効果に加え、流下領域に流下した遊技球に対する遊技者の注目力を、遊技球が下流側領域に配置されている間において維持することができる。また、遊技球の発射態様を遊技者に意識させることができる。
遊技機SNBD1からSNBD3のいずれかにおいて、前記下流側領域に複数の遊技球が停留することで、第2流下領域に遊技球が受け入れられ易くなるように構成されることを特徴とする遊技機SNBD4。
遊技機SNBD4によれば、遊技機SNBD1からSNBD3のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域における遊技球の配置態様に注目させることができる。
遊技機SNBD1からSNBD4のいずれかにおいて、流下領域からの遊技球の流下経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段を備え、前記下流側領域は、前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態へ切り替えられた直後において、前記第2流下領域側に遊技球が案内され難いように構成されることを特徴とする遊技機SNBD5。
遊技機SNBD5によれば、遊技機SNBD1からSNBD4のいずれかの奏する効果に加え、開閉手段が第1状態に切り替えられた後における下流側領域に対する遊技者の注目力の維持期間を長くすることができる。
遊技機SNBD5において、前記開閉手段が前記第1状態に切り替えられた時点から、前記下流側領域に所定期間に入球した遊技球よりも、前記所定期間経過後に入球した遊技球の方が、第2流下領域を流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機SNBD6。
遊技機SNBD6によれば、遊技機SNBD5の奏する効果に加え、下流側領域に対する注目力を開閉手段が第1状態に切り替えられた時点から長く持続させることができる。
遊技機SNBD6において、前記開閉手段が前記第1状態に切り替えられた時点から前記所定期間が経過した後においては、前記流下領域を流下した遊技球が前記第2流下領域を流下するまでの期間の変化を抑制可能とされることを特徴とする遊技機SNBD7。
遊技機SNBD7によれば、遊技機SNBD6の奏する効果に加え、開閉手段が第1状態に切り替えられ所定期間が経過した後における遊技球の流下態様(流下期間)を一定とすることで、下流側領域における注目力を下げ、遊技者をリラックスさせることができる。
遊技機SNBD5からSNBD7のいずれかにおいて、前記流下領域に、前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替えられてから数えて1個目で入球した遊技球を、前記第2流下領域側へ案内しないように構成される案内球選択手段を備えることを特徴とする遊技機SNBD8。
遊技機SNBD8によれば、遊技機SNBD5からSNBD7のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域に遊技球を受け入れさせるために、開閉手段の第1状態において複数個の遊技球を入球させる必要が生じるので、開閉手段および開閉手段を通過する遊技球の個数に対する注目力を向上させることができる。
遊技機SNBD1からSNBD8のいずれかにおいて、前記第2流下領域に受け入れられる遊技球の個数と、前記第2流下領域に受け入れられない遊技球の個数とを同等とするよう構成されることを特徴とする遊技機SNBD9。
遊技機SNBD9によれば、遊技機SNBD1からSNBD8のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域に全球入球する場合のように、過度に多くの遊技球が受け入れられる場合が生じることで、遊技者に過度な期待を持たせることを回避することができる。
遊技機SNBD1からSNBD9のいずれかにおいて、前記下流側領域が受入可能な遊技球の最大個数が設定され、その最大個数を超えた遊技球が前記第2流下領域に受け入れられるよう構成されることを特徴とする遊技機SNBD10。
遊技機SNBD10によれば、遊技機SNBD1からSNBD9のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域および第2流下領域に対する注目力を向上させることができる。
遊技機SNBD1からSNBD10のいずれかにおいて、通過した遊技球が前記第1流下領域側に流入し易い位置に、流下領域を配置可能とされることを特徴とする遊技機SNBD11。
遊技機SNBD11によれば、遊技機SNBD1からSNBD10のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域に配置された遊技球が第1流下領域側に流入し易い状態が構成され易い。
遊技機SNBD1からSNBD11のいずれかにおいて、前記下流側領域に配置された遊技球を前記下流側領域で留めるための滞留手段を備えることを特徴とする遊技機SNBD12。
遊技機SNBD12によれば、遊技機SNBD1からSNBD11のいずれかの奏する効果に加え、第1流下領域に配置された遊技球が第2流下領域側へ流れることを滞留手段により制限することができる。
遊技機SNBD1からSNBD12のいずれかにおいて、前記第2流下領域は、前記第1流下領域よりも上側に配置されることを特徴とする遊技機SNBD13。
遊技機SNBD13によれば、遊技機SNBD1からSNBD12のいずれかの奏する効果に加え、第1流下領域に配置された遊技球が第2流下領域側へ流れることを、配置の高低差で防止することができる。
<遊技球との当接、非当接の切り替え>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域を通過する遊技球の経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段と、前記流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通過した遊技球が流下可能に構成される第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球に当接可能な当接状態と、非当接となる非当接状態とで切り替え可能な当接可能手段と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記当接可能手段に遊技球が当接している状態で前記開閉手段を前記第1状態から前記第2状態に切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機SNBE1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉部材により開閉される入球口に入球した遊技球の流下経路において複数の可動部材が配設され、可動部材からの負荷を受けて遊技球の流下経路が変化し得る遊技機がある(例えば、特開2017-000562号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、可動部材は流下した遊技球と必ず当接し得るよう構成されているので、入球口に入球した遊技球の流下態様が変わり映えせず、遊技者を飽きさせる可能性が高く、遊技者の興趣を向上させる観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNBE1によれば、当接可能手段が、下流側領域を通った遊技球に当接可能な当接状態と、非当接となる非当接状態とで切り替え可能とされるので、遊技球が当接可能手段に当接する場合と、当接可能手段に当接しない場合とで、遊技球の流下態様を大きく異ならせることができる。これにより、遊技球の流下態様のバリエーションを多くすることができ、遊技者の興趣を向上させる観点で改良することができる。
遊技機SNBE1において、前記当接可能手段に当接している遊技球を介して負荷を受けた遊技球が、前記第2流下領域を流下し得るよう構成されることを特徴とする遊技機SNBE2。
遊技機SNBE2によれば、遊技機SNBE1の奏する効果に加え、下流側領域における遊技球の流下態様に対する注目力を向上させることができる。
遊技機SNBE1又はSNBE2において、前記当接可能手段に遊技球が当接している状態で前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替えられた場合において、前記流下領域から前記下流側領域に流下した遊技球が前記第2流下領域を流下し得るよう構成されることを特徴とする遊技機SNBE3。
遊技機SNBE3によれば、遊技機SNBE1又はSNBE2の奏する効果に加え、開閉手段が開放されるタイミングで当接可能手段に遊技球が当接している場合に、開閉手段が開放された後で開閉手段を通過した遊技球が第2流下領域を流下し易くなることから、当接可能手段に対する注目力を向上させることができる。
<遊技球の通過を止められる状態を経て第2遊技領域に遊技球が受け入れられる>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域を通過する遊技球の経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段と、前記流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通過した遊技球が流下可能に構成される第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記下流側領域の所定部における遊技球の通過が防止される状態から、前記第2流下領域に遊技球が流下可能な状態へ移行されることを特徴とする遊技機SNBEZ1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉手段の奥に入球口と特定入球口とが配置され、その特定入球口は、スライド動作する板部材に塞がれる状態と、板部材が退避して遊技球の入球を許容する状態とで切り替えられるよう構成され、板部材が入球を許容する状態の場合には、開閉手段に受け入れられたほとんどの遊技球が特定入球口に入球するよう構成され、特定入球口への入球により遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態に設定される遊技機がある(例えば、特開2015-150122号公報の段落0030~0032を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、入球口と特定入球口との位置が、左右の違いがあるだけでほとんど変わらないので、遊技球が特定入球口に入球したかどうかを開閉手段越しには一目で把握させ難い。特定入球口へ遊技球が入球したことに起因して液晶装置に報知がされる場合には、液晶装置での表示の方が分かり易いので、遊技者の注目力が液晶装置に集中してしまうという問題点があった。換言すれば、開閉手段に受け入れられた遊技球への注目力を持続させることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNBEZ1によれば、下流側領域の所定部において遊技球の通過が防止される状態を経て、第2流下領域に遊技球が流下するように構成されるので、第2流下領域への入球準備状態として下流側領域で停止している遊技球に遊技者の視線を集めることができ、開閉手段に受け入れられた遊技球への注目力を持続させることができる。
遊技機SNBEZ1において、前記所定部は、前記第1流下領域に位置することを特徴とする遊技機SNBEZ2。
遊技機SNBEZ2によれば、遊技機SNBEZ1の奏する効果に加え、所定の利益の付与には影響しない領域としての第1流下領域への入球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機SNBEZ1又はSNBEZ2において、前記所定部は、所定の遊技球によって、遊技球の通過が防止されることを特徴とする遊技機SNBEZ3。
遊技機SNBEZ3によれば、遊技機SNBEZ1又はSNBEZ2の奏する効果に加え、遊技球が第2流下領域から逸れて流下した場合であっても、所定部を塞ぐかもしれないという期待感から、その遊技球に対する注目力を高い状態で維持することができる。
遊技機SNBEZ1又はSNBEZ2において、前記所定部は、遊技球とは異なる所定部材によって、遊技球の通過が防止され、前記所定部材の正面視における大きさは、遊技球の大きさよりも小さく設定されることを特徴とする遊技機SNBEZ4。
遊技機SNBEZ4によれば、遊技機SNBEZ1又はSNBEZ2の奏する効果に加え、遊技球の通過を防止する所定部材が、遊技球よりも目立たないようにすることができるので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機SNBEZ1からSNBEZ4のいずれかにおいて、前記第1流下領域が遊技球で満たされた状態を経て、後追いで到達する遊技球が前記第2流下領域へ受け入れられるよう構成されることを特徴とする遊技機SNBEZ5。
遊技機SNBEZ5によれば、遊技機SNBEZ1からSNBEZ4のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の目線を第1流下領域に留める状態から、第2流下領域へ移行させることができるので、当初から第2流下領域に注目される場合に比較して、第2流下領域が視認される期間を長くすることができる。
更に、第2流下領域への入球時には、第1流下領域が遊技球で満たされることから、第2流下領域へ入球した遊技球を見失ったとしても、一目で第2流下領域へ入球可能な状態であると把握することができる。
遊技機SNBEZ5において、前記第1流下領域に遊技球を留める滞留状態と、前記第1流下領域から遊技球を排出する排出状態と、で切替可能とされる状態切替手段を備え、前記開閉手段の状態の切り替えに対応して、前記状態切替手段の状態が切り替えられることを特徴とする遊技機SNBEZ6。
遊技機SNBEZ6によれば、遊技機SNBEZ5の奏する効果に加え、開閉手段と状態切替手段との状態の切り替えを関連付けることができるので、いずれか一方を視認することで、他方の状態を予測し易くすることができる。
遊技機SNBEZ5又はSNBEZ6において、前記第1流下領域に受け入れ可能な遊技球の上限個数が設定されていることを特徴とする遊技機SNBEZ7。
遊技機SNBEZ7によれば、遊技機SNBEZ5又はSNBEZ6の奏する効果に加え、第1流下領域に配置されている遊技球の個数を確認することで、あと何球の遊技球を流下領域に通過させれば第2流下領域に遊技球が受け入れられるかの予測を立て易くすることができる。
遊技機SNBEZ1からSNBEZ7のいずれかにおいて、変位可能に構成される変位手段を備え、その変位手段は、受け入れた遊技球を前記下流側領域に排出可能な排出可能状態と、受け入れた遊技球を前記下流側領域に排出不能な排出不能状態とで状態を切り替えるように変位することを特徴とする遊技機SNBEZ8。
遊技機SNBEZ8によれば、遊技機SNBEZ1からSNBEZ7のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域への遊技球の受入の前提として遊技者の注目力の高い下流側領域へ遊技球が排出されるか否かが、変位手段の状態により変化するように構成されることから、下流側領域および変位手段に対する注目力を向上させることができる。
即ち、流下領域を通過した遊技球が下流側領域に確実に流下する場合には、遊技球が流下領域を通過する個数を把握すれば第2流下領域に遊技球が流下するタイミングを経験から予測することができるので、下流側領域にまでは視線をやらずに遊技をしても不利益は大きくない可能性があった。
これに対し、変位手段の状態次第で下流側領域への遊技球の流下の有無が切り替えられる状況下では、流下領域を通過する遊技球の個数と、下流側領域に流下する遊技球の個数にずれが生じることから、下流側領域にも視線を向ける必要がある。これにより、下流側領域に対する注目力を向上させることができる。
遊技機SNBEZ8において、前記変位手段は、受け入れた遊技球の流下速度を、流下領域を流下する遊技球の流下速度に比較して減速可能に構成されることを特徴とする遊技機SNBEZ9。
遊技機SNBEZ9によれば、遊技機SNBEZ8の奏する効果に加え、変位手段に受け入れられた遊技球の流下速度を落とすことができるので、変位手段に受け入れられた遊技球を遊技者が見失う事態の発生を回避し易くすることができる。
遊技機SNBEZ8又はSNBEZ9において、前記変位手段は、遊技球を所定数まで受け入れ可能な球受部を備え、前記変位手段の変位により前記球受部に受け入れられた遊技球が変位することを特徴とする遊技機SNBEZ10。
遊技機SNBEZ10によれば、遊技機SNBEZ8又はSNBEZ9の奏する効果に加え、変位手段の変位に伴い変位する遊技球の個数を、球受部に対して所定数までに制限することができるので、変位手段の変位速度を所定の範囲に設定することで、所定期間において変位手段から下流側領域に排出され得る遊技球の個数を所定の範囲に抑えることができる。
<エンディングにおいて終了時点を知らせる報知手段>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の継続期間の終わりを遊技者が把握可能に報知する報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機SNBG1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了したら特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技の終了時点が分かり難く、特図変動遊技が可能な状態に切り替わった直後に特別図柄の抽選を開始させたいという遊技者にとって、不満の元となっていた。
例えば、一般的な遊技進行として、特別図柄1の抽選で大当たりとなった後で、大当たり遊技終了後に特別図柄1よりも有利な特別図柄2の抽選を獲得容易な状態に移行する振分けが存在する遊技機があるが、このような遊技機では、大当たり遊技終了直後は特別図柄2の抽選が未獲得な状態で始まるので、特別図柄1の抽選が保留されていると、大当たり遊技終了後に特別図柄1の抽選が実行されてしまい、万が一その抽選で大当たりを獲得すると、遊技者に不利益が生じる可能性があった。
この事態を回避するため、大当たり終了後の特別図柄1の抽選による大当たりを獲得するよりも前に、大当たり終了後になるべく間隔を空けずに特別図柄2の抽選を獲得することが好ましいので、特別図柄2の抽選を獲得できる状態になるや否や遊技球の発射を開始することが望まれる。
一方で、特別図柄2の抽選を獲得するために入球口は電動役物により開閉される場合が一般的であるが、その電動役物は大当たり遊技中には閉鎖状態で維持されており、大当たり遊技終了後に開放可能な状態となる。そのため、電動役物が開放される前に遊技球を発射しても、その多くは無駄球となり易い。
このような事情から、大当たり遊技中に電動役物側へ遊技球を発射しても電動役物が閉鎖状態を維持しており特別図柄2の抽選を獲得できないので遊技球の発射は避けたいが、それにも増して特別図柄1の抽選による大当たりを獲得するよりも前に特別図柄2の抽選を獲得するために大当たり遊技が終了するや否や開放された電動役物の下流側にある入球口に遊技球を打ち込みたいと遊技者は思うと考えられる。
これに対し、従来の遊技機では、いつ大当たり遊技が終了するのかが分かり難く、遊技球を発射させるタイミングを図りがたいという問題点があった。
これに対し、遊技機SNBG1によれば、所定の演出の終了時点を遊技者が把握可能に報知する報知手段を備えるようにしたので、その報知手段の報知を目安として遊技球を発射させるタイミングを図り易くすることができる。
遊技機SNBG1において、前記所定の演出は、第1演出またはその第1演出とは報知の内容が異なる第2演出の少なくとも一方が実行され、報知の組み合わせによって前記継続期間が変化可能とされ、前記報知手段は、前記所定の演出の前記継続期間の違いを遊技者に伝達可能に構成され、所定の演出の終了時点を示す終了手段と、現時点から前記終了時点までに経過する時間を示す時間報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機SNBG2。
遊技機SNBG2によれば、遊技機SNBG1の奏する効果に加え、所定の演出の継続期間が複数種類用意されている場合においても、現在行われている所定の演出の継続期間と、その終了時点とを把握することができる。
遊技機SNBG2において、前記時間報知手段は、現時点から前記所定の演出の終了時点までに経過する時間と、所定の時間差を設けた疑似時間を示す疑似時間報知手段を備えることを特徴とする遊技機SNBG3。
遊技機SNBG3によれば、遊技機SNBG2の奏する効果に加え、疑似時間報知手段により、所定の演出の終了時点よりも前の好ましいタイミングを遊技者に報知することができる。これにより、例えば、遊技球が発射されてから所定の入球口に到達するまでに経過し得る時間を所定の演出の実行中に消化することができ、所定の演出の終了直後に所定の入球口に遊技球を流入させるという遊技を実現させ易くすることができる。
遊技機SNBG1からSNBG3のいずれかにおいて、前記所定の演出は、少なくとも所定の特典遊技の終了直前に実行可能とされるものであり、前記特典遊技の種別に対応して、実行の態様が変化されることを特徴とする遊技機SNBG4。
遊技機SNBG4によれば、遊技機SNBG1からSNBG3のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技の種別と、所定の演出とを対応付けることができる。
遊技機SNBG1からSNBG4のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記所定の演出期間の終了時の所定期間前の時点を報知することを特徴とする遊技機SNBG5。
遊技機SNBG5によれば、遊技機SNBG1からSNBG4のいずれかの奏する効果に加え、報知手段により所定演出期間の終了時を前もって把握させることができる。
なお、所定の演出期間のタイミングは、何ら限定されるものではなく種々の態様が例示される。例えば、所定の特定遊技中でも良いし、図柄変動中でも良いし、図柄変動待機中でも良い。
遊技機SNBG1からSNBG5のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時に、表示手段の表示領域に遊技者を冷静にさせるための所定の静止画または動画が表示されることを特徴とする遊技機SNBG6。
遊技機SNBG6によれば、遊技機SNBG1からSNBG5のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の遊技に対するのめり込みを効果的に抑制することができる。
遊技機SNBG1からSNBG6のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時の後において、表示手段の表示が切り替えられることを特徴とする遊技機SNBG7。
遊技機SNBG7によれば、遊技機SNBG1からSNBG6のいずれかの奏する効果に加え、表示が切り替えられることにより所定の演出の終了時を過ぎたことを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機SNBG7において、前記所定の演出の終了時の後において、前記所定の演出から継続して特定の演出を実行可能とされることを特徴とする遊技機SNBG8。
遊技機SNBG8によれば、遊技機SNBG7の奏する効果に加え、所定の演出の終了時の後において新規で演出を実行する場合に比較して、所定の演出の実行中から特定の演出を実行することができるので、演出時間を長く確保することができる。
遊技機SNBG1からSNBG8のいずれかにおいて、前記所定の演出は、表示手段の表示領域の少なくとも一部において視認可能に実行されることを特徴とする遊技機SNBG9。
遊技機SNBG9によれば、遊技機SNBG1からSNBG8のいずれかの奏する効果に加え、表示手段の表示領域を視認すれば所定の演出を確認することができるので、表示手段の表示領域外(例えば、遊技領域の外方等)で所定の演出が実行される場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機SNBG8又はSNBG9において、表示手段の表示領域における表示の、所定のタイミングにおける態様が異なる場合を構成可能とされることを特徴とする遊技機SNBG10。
遊技機SNBG10によれば、遊技機SNBG8又はSNBG9の奏する効果に加え、所定のタイミングにおける態様に対する注目力を向上させることができる。
なお、所定のタイミングにおける異なる態様については、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定のタイミングで動作開始する場合と、所定のタイミングで停止維持される場合とで異なる場合や、所定のタイミングで操作可能となる場合と、所定のタイミングで操作不能とされる場合とで異なる場合等が例示される。
遊技機SNBG8又はSNBG9において、前記所定の演出の終了時よりも前において、終了時であるように錯覚させる錯覚演出を実行させることを特徴とする遊技機SNBG11。
遊技機SNBG11によれば、遊技機SNBG8又はSNBG9の奏する効果に加え、錯覚演出ごとに遊技者の集中力を高めることができる。
遊技機SNBG8からSNBG11のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時から、所定の条件が満たされるまで表示手段の表示領域において遊技球の発射により所定の利益を獲得可能であることを示唆する示唆表示がされることを特徴とする遊技機SNBG12。
遊技機SNBG12によれば、遊技機SNBG8からSNBG11のいずれかの奏する効果に加え、表示領域を視認する遊技者に対して、示唆表示により遊技球の発射に適したタイミングを知らせることができるので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、所定の条件の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定期間が経過することでも良いし、所定の入球口を所定個数の遊技球が通過したことや、その通過を検出したことでも良い。
遊技機SNBG12において、前記示唆表示は、所定の入球口またはその所定の入球口を開閉する電動役物の開閉の抽選を実行する開閉抽選入球口を狙うことを示唆する表示であることを特徴とする遊技機SNBG13。
遊技機SNBG13によれば、遊技機SNBG12の奏する効果に加え、示唆表示により、発射した遊技球の狙いが明確にされるので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機SNBG12又はSNBG13において、前記所定の演出において、所定の発射可能タイミングまで継続される表示が構成され、前記所定の発射タイミングを過ぎても発射がされない場合または所定の検出口で遊技球が検出されない場合、そのいずれかがされるまで所定の報知が継続されることを特徴とする遊技機SNBG14。
遊技機SNBG14によれば、遊技機SNBG12又はSNBG13の奏する効果に加え、所定の報知が継続されていることを確認すれば、所定の発射タイミングを過ぎてから、遊技球の発射がされていないか、所定の検出口で遊技球が検出されていないかのいずれかであることを、遊技者に把握させることができる。
遊技機SNBG12からSNBG14のいずれかにおいて、前記所定の演出中に所定個数の入球または前記所定個数以上の入球を検出した場合に、所定の報知をすることを特徴とする遊技機SNBG15。
遊技機SNBG15によれば、遊技機SNBG12からSNBG14のいずれかの奏する効果に加え、所定の報知により、所定の演出中に所定個数以上に入球が生じていることを遊技者に知らせることができるので、それをヒントに遊技者は遊技球の発射強度の調整等を行うことができ、遊技負担を軽減させることができる。
なお、所定の報知の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定の四字熟語が表示されるものでも良いし、遊技球の発射を躊躇させるための表示がされるものでも良いし、所定の発光手段を発光させるものでも良いし、所定の音声を出力するものでも良い。
遊技機SNBG1からSNBG15のいずれかにおいて、前記所定の演出は、遊技者により行われる音量の設定に関わらず所定の音量で実行されるか、又は、遊技者により行われる発光強度の設定に関わらず所定の発光強度や所定の発光色で実行されることを特徴とする遊技機SNBG16。
遊技機SNBG16によれば、遊技機SNBG1からSNBG15のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の設定により、音や光に遊技者が気づかない事態が発生することを防止することができる。
<エンディングにおいて音量光量の変更期間を設定する>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の実行中に、遊技に関わる所定の設定を変更可能な変更可能状態を構成可能な変更手段と、を備えることを特徴とする遊技機SNBH1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了して特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技におけるラウンド遊技の終了から特図変動遊技が可能な状態へ移行するまでの間に遊技者が手持無沙汰となるため、ハンドルを握ったままとなり易いが、この場合に誤って遊技球を発射してしまう事態が生じ易いという問題点があった。即ち、遊技球を有効に利用するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNBH1によれば、所定の演出中に、変更可能状態を構成可能とされているので、所定の演出中における暇な時間を、所定の設定を変更させる時間に当てることができる。これにより、遊技者の手をハンドルから離させ易くすることができるので、遊技球の誤発射を防止し易くすることができる。即ち、遊技球を有効に利用するという観点で改良することができる。
遊技機SNBH1において、前記所定の演出の継続期間の終わりを遊技者が把握可能に報知する報知手段を備え、前記変更可能状態において、前記報知手段による演出が継続されることを特徴とする遊技機SNBH2。
遊技機SNBH2によれば、遊技機SNBH1の奏する効果に加え、所定の設定を変更させた後で、ハンドルを再び握ることが好ましいタイミングを遊技者に知らせることができる。これにより、適切なタイミングで遊技球を発射しないことによる不利益を遊技者が受けることを避け易くすることができる。
遊技機SNBH1又はSNBH2において、前記変更可能状態において、変更可能な前記所定の設定が切り替え可能な状態を構成可能であることを特徴とする遊技機SNBH3。
遊技機SNBH3によれば、遊技機SNBH1又はSNBH2の奏する効果に加え、変更可能な所定の設定が複数あることで、遊技者が暇となる時間が長い場合であっても、遊技者が手持無沙汰となることを避け易くすることができる。
遊技機SNBH3において、前記変更可能状態において、変更可能な前記所定の設定または変更中の前記所定の設定が表示手段により表示されることを特徴とする遊技機SNBH4。
遊技機SNBH4によれば、遊技機SNBH3の奏する効果に加え、遊技に関わる所定の設定の内の、変更される対象を表示により明確とすることができる。これにより、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機SNBH1からSNBH4のいずれかにおいて、前記変更可能状態において実行された所定の操作により、表示手段における所定の表示の視認可能領域が変化することを特徴とする遊技機SNBH5。
遊技機SNBH5によれば、遊技機SNBH1からSNBH4のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が行った所定の操作により、表示手段における所定の表示の視認可能領域を変化させることで、遊技者が興味を持つと考えられる表示を遊技者の視線の先に配置させることができる。これにより、遊技者に視線を動かす煩わしさを感じさせることなく、遊技に集中させることができる。
遊技機SNBH5において、前記変更可能状態において実行された所定の操作により、表示手段の表示領域の一部が視認不能とされる状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機SNBH6。
遊技機SNBH6によれば、遊技機SNBH5の奏する効果に加え、所定の操作により表示手段の表示領域の一部が視認不能となることから、視認不能となる可能性がある表示を視認できる状態で維持したいと考える遊技者に対して、所定の操作を行うか否かを考えさせることができる。これにより、遊技者がむやみに所定の操作を行う事態を回避し易くすることができる。
遊技機SNBH1からSNBH6のいずれかにおいて、前記変更可能状態で前記所定の設定を変更した場合に、その変更が所定条件で戻される、又は前記変更が所定条件で無効化されるよう構成されることを特徴とする遊技機SNBH7。
遊技機SNBH7によれば、遊技機SNBH1からSNBH6のいずれかの奏する効果に加え、所定条件の成立により所定の設定が戻される、又は無効化されるので、違和感から、所定条件が成立したことを遊技者に把握させることができる。
なお、所定条件としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、大当たり遊技が開始されることでも良いし、大当たり遊技が所定回数継続されることでも良いし、所定期間に所定個数以上の遊技球を所定の検出手段で検出することでも良いし、所定のタイミングで所定の操作手段を操作することでも良い。
遊技機SNBH7において、前記所定条件は、前記所定の設定の変更を実行するために操作した所定の操作手段の操作により達成されることを特徴とする遊技機SNBH8。
遊技機SNBH8によれば、遊技機SNBH7の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作をすることで所定の設定の変更を戻す、又は無効化することができるので、所定の設定の変更を戻す、又は無効化することを意図的に行うことを容易にすることができる。
遊技機SNBH7において、前記所定条件は、前記所定の設定の変更を実行したタイミングによらず、所定のタイミングで達成されることを特徴とする遊技機SNBH9。
遊技機SNBH9によれば、遊技機SNBH7の奏する効果に加え、所定条件が所定のタイミングで達成されるので、所定条件がいつまでたっても達成されないという事態を回避することができる。
なお、所定のタイミングは、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、特図変動が所定回数実行された場合でも良いし、所定の内容の報知がされた場合でも良いし、正午など所定の時刻とされても良い。
遊技機SNBH7において、前記所定条件は、所定の状態が所定時間経過することにより達成されることを特徴とする遊技機SNBH10。
遊技機SNBH10によれば、遊技機SNBH7の奏する効果に加え、所定の設定の変更が戻ること、又は無効化されることにより、所定の状態が所定時間経過したことを遊技者に把握させることができる。
なお、所定の状態については何ら限定されるものではない。例えば、大当たり遊技が連荘した場合において獲得した大当たりの大当たり種別が同じ(又は所定のラウンド数以上や以下)で繰り返されることでも良いし、操作手段の操作がされないことでも良いし、特図変動が実行されないことでも良い。
遊技機SNBH1からSNBH10のいずれかにおいて、前記所定の設定に予め所定の目標量を設定可能とされ、前記変更可能状態において、前記所定の設定と前記目標量との差分を把握可能とする差分報知手段を備えることを特徴とする遊技機SNBH11。
遊技機SNBH11によれば、遊技機SNBH1からSNBH10のいずれかの奏する効果に加え、所定の設定の変更が戻された、又は無効となった場合であっても、遊技を行う遊技者が同じであれば、差分報知手段により目標量との差分を把握しながら所定の設定を変更することで、所定の設定を戻される前、又は無効とされる前の状態に容易に戻すことができる。
これにより、遊技を行う遊技者が交代した場合に、所定の設定が前の遊技者の設定のままで維持されることで後の遊技者に与える遊技負担を考慮して所定の設定の変更が戻される、又は無効化されるよう遊技機が制御されている場合においても、所定の設定を前の状態に容易に戻すことができることから、遊技を行う遊技者が交代していないにも関わらず意図せず所定の設定が戻された、又は無効化されたとしても、所定の設定を前の状態に容易に戻すことができるので、遊技者に与える遊技負担を軽減することができる。
<同一の表示を状況によって表示態様変更>
遊技に関する所定の表示演出を実行可能な演出実行手段を備え、前記所定の表示演出の実行中に前記所定の表示演出の表示位置または表示される大きさの変更が可能に構成されることを特徴とする遊技機SNBI1。
パチンコ機等の遊技機において、表示装置の正面側に配置される可動役物と、表示装置の表示とを組み合わせて一体的な形状を視認させることができる遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、可動役物の配置位置、大きさ及び形状に合わせて、表示の配置位置、大きさ及び形状を決める必要があるので、表示装置の表示領域を有効に活用する観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNBI1によれば、所定の表示演出の実行中に、所定の表示演出の表示位置または表示される大きさの変更が可能に構成されるので、可動役物の形状の影響を受けることなく、表示装置の表示領域を有効に活用する観点で改良することができる。
遊技機SNBI1において、前記所定の表示演出は、表示領域の中央側に表示される場合よりも、表示領域の端側に表示される場合の方が、識別性が低下するよう構成されることを特徴とする遊技機SNBI2。
遊技機SNBI2によれば、遊技機SNBI1の奏する効果に加え、表示領域のどの位置に表示されるかによって、所定の表示演出に対する注目力の調整を行うことができる。
なお、識別性を低下させる態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、半透明で表示するようにしても良いし、表示の大きさを小さくするようにしても良い。
遊技機SNBI1又はSNBI2において、前記変更は、所定の操作手段が操作されることにより実行されることを特徴とする遊技機SNBI3。
遊技機SNBI3によれば、遊技機SNBI1又はSNBI2の奏する効果に加え、所定の表示演出の表示態様の変更を実行するか否かを、遊技者に選択させることができる。これにより、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
<ボタン操作絡み>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の実行中に所定の操作手段が操作されることにより、前記所定の演出を第1の状態から第2の状態に切り替え可能に構成される演出切替手段と、を備えることを特徴とする遊技機SNBIZ1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了して特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技におけるラウンド遊技の終了から特図変動遊技が可能な状態へ移行するまでの間に遊技者が手持無沙汰となるため、ハンドルを握ったままとなり易いが、この場合に誤って遊技球を発射してしまう事態が生じ易いという問題点があった。
これに対し、遊技機SNBIZ1によれば、所定の演出中に、所定の操作手段を操作することで実行される演出を切り替え可能とされるので、所定の演出中における暇な時間を、所定の操作手段を操作する時間に当てることができる。操作手段を操作することにより演出が切替可能とされるので、遊技者の操作手段の操作意欲を効果的に高めることができる。これにより、遊技者の手をハンドルから離させ易くすることができるので、遊技球の誤発射を防止し易くすることができる。
遊技機SNBIZ1において、前記所定の操作手段を操作可能であることを報知可能な操作報知手段を備え、前記操作報知手段の報知に従い前記所定の操作手段を操作することで、前記所定の演出の態様が切り替えられることを特徴とする遊技機SNBIZ2。
遊技機SNBIZ2によれば、遊技機SNBIZ1の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が操作報知手段により補助されることから、不慣れな遊技者であっても迷うことなく所定の操作手段を操作することができる。
遊技機SNBIZ2において、前記操作報知手段からの報知は、前記所定の演出の継続期間の一部の時間において実行されることを特徴とする遊技機SNBIZ3。
遊技機SNBIZ3によれば、遊技機SNBIZ2の奏する効果に加え、操作報知手段からの報知が所定の演出の継続時間の一部の時間で実行されるので、その他の時間においては所定の演出を視認させる余裕を持たせることができる。
なお、操作報知手段からの報知のタイミングは何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定の演出の途中から操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良いし、所定の演出の途中まで操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良いし、所定の演出の実行中に亘り操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良い。また、所定の演出の実行中に亘り操作報知手段からの報知が実行される場合において、その報知の実行中に亘って操作が有効となっても良いし、操作が無効となる時間を含むようにしても良い。
遊技機SNBIZ1からSNBIZ3のいずれかにおいて、前記所定の演出の後半の所定期間において、前記所定の操作手段の操作により演出が切り替えられないよう構成されることを特徴とする遊技機SNBIZ4。
遊技機SNBIZ4によれば、遊技機SNBIZ1からSNBIZ3のいずれかの奏する効果に加え、所定の演出の後半の所定期間における所定の操作手段の操作を無効とすることで、後半の所定期間における所定の演出に注目させることができる。
遊技機SNBIZ4において、前記所定の演出の後半の前記所定期間において、表示手段の表示領域における前記操作報知手段の表示を非表示とすることを特徴とする遊技機SNBIZ5。
遊技機SNBIZ5によれば、遊技機SNBIZ4の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が無効となる期間に入ったことを、表示手段の表示領域を視認することで把握することができる。
遊技機SNBIZ1からSNBIZ5のいずれかにおいて、前記所定の操作手段の操作により切り替えられる演出が複数種類用意されている場合において、前記所定の操作手段の操作により実行される演出を予測させるための付属報知手段を備えることを特徴とする遊技機SNBIZ6。
遊技機SNBIZ6によれば、遊技機SNBIZ1からSNBIZ5のいずれかの奏する効果に加え、付属報知手段により所定の操作手段の操作により実行される演出が予測できるので、所定の操作手段を操作したにも関わらず予想外の演出に切り替えられたという残念感や徒労感を低減することができ、遊技者は好みの演出に切り替えられる時にのみ所定の操作手段を操作すれば良いので、繰り返し所定の操作手段を操作する煩わしさを解消することができる。
遊技機SNBIZ1からSNBIZ6のいずれかにおいて、前記所定の操作手段の操作は、前記所定の演出の途中から可能となることを特徴とする遊技機SNBIZ7。
遊技機SNBIZ7によれば、遊技機SNBIZ1からSNBIZ6のいずれかの奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が可能となるまでの間は、所定の演出に注目させることができる。
遊技機SNBIZ6又はSNBIZ7において、前記付属報知手段は、特定の操作タイミングを示唆するための表示を備えており、前記特定の操作タイミングは、前記所定の演出の終了時点までに所定の調整期間を確保可能なタイミングとして設定されることを特徴とする遊技機SNBIZ8。
遊技機SNBIZ8によれば、遊技機SNBIZ6又はSNBIZ7の奏する効果に加え、調整期間の長さ次第で特定の操作タイミングが変化し得るので、特定の操作タイミングから、所定の操作手段を操作した後の演出の展開を予想させることができる。
遊技機SNBIZ1からSNBIZ8のいずれかにおいて、前記所定の操作手段を操作したことで切り替えられた演出の態様は、所定の条件で、切り替えられる前の態様に戻されることを特徴とする遊技機SNBIZ9。
遊技機SNBIZ9によれば、遊技機SNBIZ1からSNBIZ8のいずれかの奏する効果に加え、所定の条件で演出の態様が切り替えられる前の状態に戻されるので、再び所定の操作手段を操作させることができる。これにより、所定の操作手段の操作回数を多くすることができ、遊技者が遊技に参加している雰囲気を高めることができる。
遊技機SNBIZ2から遊技機SNBIZ9のいずれかにおいて、前記操作報知手段からの報知は、同時に操作される前記所定の操作手段の個数が異なる複数種類の態様が設けられていることを特徴とする遊技機SNBIZ10。
遊技機SNBIZ10によれば、遊技機SNBIZ2からSNBIZ9のいずれかの奏する効果に加え、同時に操作される所定の操作手段の個数が1個の場合と、2個以上となる場合とが設けられることになるので、敢えて2個の所定の操作手段を操作させるようにすることで、遊技球を発射する必要のないタイミングでの暇を紛らわせて遊技に熱中させることができる。この場合、遊技者の手を球発射用のハンドルから離させることができるので、遊技球の誤発射を抑制でき、発射した遊技球が無駄になることによる不要な不利益の発生を回避することができる。
遊技機SNBIZ2からSNBIZ10のいずれかにおいて、前記操作報知手段からの報知は、所定の入球口に入球した場合に得られる所定の利益が上限となった場合に実行される報知を含むことを特徴とする遊技機SNBIZ11。
遊技機SNBIZ11によれば、遊技機SNBIZ2からSNBIZ10のいずれかの奏する効果に加え、操作報知手段からの報知を視認させることで、所定の入球口に入球した場合に得られる所定の利益が上限となったことを遊技者に把握させることができる。
<振分部材C170~C3170を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記第1の球が第1の通路へ案内され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、前記変位部材は、前記球の重量が作用されていない状態では、前記所定位置に配置されることを特徴とする遊技機SNCA1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017-148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、到達した遊技球の状態に関わらず、到達した順番に第1の通路と第2の通路へ交互に振り分けるのみであるので、かかる振り分け動作を遊技者に着目させることができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNCA1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、第1の球が第1の通路へ案内され、変位部材が第1の球の重量で変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、変位部材は、球の重量が作用されていない状態では、所定位置に配置されるので、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第1の球の重量で所定位置から変位されている変位部材により第2の球を第2の通路へ案内することができる一方、第1の球に第2の球が所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第2の球が到達する前に変位部材が所定位置へ配置されることで、第2の球も第1の通路へ案内することができる。このように、球の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔)に応じて案内する通路を変化させられるので、球の状態を遊技者に着目させて、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1の球の後続となる第2の球とは、第1の球に対して所定量よりも小さい間隔を隔てて後行する球を意味する。よって、第2の球は第1の球に当接した状態で転動や流下するものであっても良い。
遊技機SNCA1において、前記変位部材の前記所定位置への変位は、前記変位部材の重量により行われることを特徴とする遊技機SNCA2。
遊技機SNCA2によれば、遊技機SNCA1の奏する効果に加え、変位部材の前記所定位置への変位は、変位部材の重量により行われるので、付勢ばねを利用する場合と比較して、構造を簡素化できる。また、付勢ばねを利用する場合と比較して、変位部材への変位を低速とできるので、第2の球を第2の通路へ案内する前に変位部材が所定位置へ配置されることを抑制できる。更に、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を付与できる。
遊技機SNCA2において、前記変位部材は、前記球を前記第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され前記本体部を前記所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、前記錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされることを特徴とする遊技機SNCA3。
遊技機SNCA3によれば、遊技機SNCA2の奏する効果に加え、球を第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され本体部を所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされるので、錘部の位置(状態)に基づいて、球が案内される方向を遊技者に認識させることができる。また、本体部を変位させるための錘としての役割と球の案内方向を認識させる部位としての役割とを錘部に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
遊技機SNCA1からSNCA3において、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備えることを特徴とする遊技機SNCA4。
遊技機SNCA4によれば、遊技機SNCA1からSNCA3のいずれかにおいて、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面を備えるので、第1の球が第1面を転動している間、その球の重量を変位部材に作用させることができる。よって、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態(即ち、第2の球を第2の通路へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
遊技機SNCA4において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機SNCA5。
遊技機SNCA5によれば、遊技機SNCA4の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機SNCA4又はSNCA5において、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機SNCA6。
遊技機SNCA6によれば、遊技機SNCA4又はSNCA5の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機SNCA4からSNCA6のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面は、前記軸から離間する方向へ延設されることを特徴とする遊技機SNCA7。
遊技機SNCA7によれば、遊技機SNCA4からSNCA6のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面は、軸から離間する方向へ延設されるので、第1の球が第1の通路へ向けて転動するに従って、その第1の球の重量を変位部材に効果的に作用させることができる。よって、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機SNCA4からSNCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機SNCA8。
遊技機SNCA8によれば、遊技機SNCA4からSNCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機SNCA4からSNCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸に対して同じ側に配置されることを特徴とする遊技機SNCA9。
遊技機SNCA9によれば、遊技機SNCA4からSNCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸に対して同じ側に配置されるので、第1の球が第1面から排出されたとしても、第2の球の重量を利用して、変位部材の姿勢を、第2の球を第2の通路へ案内するための姿勢とすることができる。その結果、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機SNCA4からSNCA9のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させることを特徴とする遊技機SNCA10。
遊技機SNCA10によれば、遊技機SNCA4からSNCA9のいずれかの奏する効果に加え、第1面へ向けて第1の球が転動する上流面を備え、第1面は、上流面から転動された第1の球の転動方向を反転させるので、その反転に要する時間の分、第1の球が第1面に滞留する時間を確保できる。よって、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。更に、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機SNCA1からSNCA10のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記軸は、前記上流面を前記球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されることを特徴とする遊技機SNCA11。
遊技機SNCA11によれば、遊技機SNCA1からSNCA10のいずれかの奏する効果に加え、軸は、上流面を球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されるので、ベース部材に変位部材が配設されたユニットの小型化を図ることができる。特に、上流面を球が転動する方向を遊技機の幅方向に沿わせてベース部材を配設することで、遊技機の幅方向を有効活用して、変位部材を配設するスペースを確保しやすくできる。
遊技機SNCA1からSNCA10のいずれかにおいて、ベース部材を備え、そのベース部材に前記変位部材がスライド変位可能に配設されることを特徴とする遊技機SNCA12。
遊技機SNCA12によれば、遊技機SNCA1からSNCA10のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に変位部材がスライド変位可能に配設されるので、例えば、変位部材が回転可能にベース部材に軸支される場合と比較して、変位部材を小型化でき、その分、ベース部材における他の部材の配設スペースを確保できる。
遊技機SNCA1からSNCA12のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態で前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態では、前記上流面の下流端よりも前記第2面の上流端が鉛直方向下方に位置することを特徴とする遊技機SNCA13。
ここで、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位されると、その変位された際の衝撃で変位部材が跳ね上がることがあり、この変位部材の跳ね上がりにより、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方に位置すると、第2の球を上流面から第2面へ転動させることができなくなる虞がある。特に、跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突すると、その衝撃で変位部材が更に跳ね上げられ(第2の球で変位部材が押し上げられ)、第1の球が転動するべき通路(第1面)へ第2の球が流入する虞がある。
これに対し、遊技機SNCA13によれば、遊技機SNCA1からSNCA12のいずれかの奏する効果に加え、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態では、上流面の下流端よりも第2面の上流端が鉛直方向下方に位置するので、その分、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返った場合に、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方へ位置することを抑制できる。よって、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機SNCA13において、前記第2面の上流端は、前記上流面へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機SNCA14。
遊技機SNCA14によれば、遊技機SNCA13の奏する効果に加え、第2面の上流端は、上流面へ向けて下降傾斜されるので、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返り(跳ね上がり)、その跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突した際に、第2の球から変位部材へ作用する力を、変位部材を押し下げる方向の力として作用させることができる。その結果、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機SNCA1からSNCA14のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させ、前記変位部材が第1の球の重量で前記所定位置から変位される際には、前記第1面の反転する位置にある前記第1の球の前記上流面側の変位軌跡よりも前記変位部材の前記上流面側の変位軌跡が前記上流面から離間された位置とされることを特徴とする遊技機SNCA15。
遊技機SNCA15によれば、遊技機SNCA1からSNCA14のいずれかの奏する効果に加え、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される際には、第1面の反転する位置にある第1の球の上流面側の変位軌跡よりも変位部材の上流面側の変位軌跡が上流面から離間された位置とされるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのけることができる。
遊技機SNCA15において、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記所定位置から所定以上の変位がされるまでは、前記第1面の転動方向を反転させる位置に前記第1の球を留めることを特徴とする遊技機SNCA16。
遊技機SNCA16によれば、遊技機SNCA15の奏する効果に加え、変位部材は、第1の球の重量で所定位置から所定以上の変位がされるまでは、第1面の転動方向を反転させる位置に第1の球を留めるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことをより確実に抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのける動作をより確実に実行できる。
遊技機SNCA1からSNCA16のいずれかにおいて、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、前記流出部が前記通過経路において前記変位部材よりも上流側に位置することを特徴とする遊技機SNCA17。
遊技機SNCA17によれば、遊技機SNCA1からSNCA16のいずれかの奏する効果に加え、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、流出部が通過経路において変位部材よりも上流側に位置するので、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせ、これら第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連なった状態で変位部材に到達させやすくできる。即ち、流入部から流入される際の第1の球と第2の球との間隔が所定量よりも大きな間隔であっても、往復面を往復変位されることで、これら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせる(間隔を所定量以下とする)ことができる。
遊技機SNCA17において、前記往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されることを特徴とする遊技機SNCA18。
遊技機SNCA18によれば、遊技機SNCA17の奏する効果に加え、往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されるので、流入部から往復面へ流入され往復面を往復変位される第1の球と第2の球とがすれ違うことを抑制できる。よって、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機SNCA18において、前記往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、前記流出部は、前記往復面の最下方に配置されることを特徴とする遊技機SNCA19。
遊技機SNCA19によれば、遊技機SNCA18の奏する効果に加え、往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、流出部は、往復面の最下方に配置されるので、往復面を往復変位される慣性が弱まった状態で第1の球と第2の球とを流出部から流出させることができる。即ち、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせた状態を維持して流出させやすくできる。
遊技機SNCA19において、前記往復面は、上面視直線状に形成されることを特徴とする遊技機SNCA20。
遊技機SNCA20によれば、遊技機SNCA19の奏する効果に加え、往復面は、上面視直線状に形成されるので、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機SNCA1からSNCA20のいずれかにおいて、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えることを特徴とする遊技機SNCA21。
遊技機SNCA21によれば、遊技機SNCA1からSNCA20のいずれかの奏する効果に加え、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えるので、かかる吸着部材により球の通過経路を形成して、遊技の興趣を向上できる。即ち、吸着部材の下降傾斜した下面に球を吸着させると、球を自重により摺動させ吸着部材の下面に沿って変位させることができる。この場合、球の状態(球に作用される慣性力と吸着力との関係)によって、吸着部材の下面から球が落下する可能性(即ち、通過経路(吸着部材の下面)の終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態とできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNCA21において、前記吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えることを特徴とする遊技機SNCA22。
遊技機SNCA22によれば、遊技機SNCA21の奏する効果に加え、吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えるので、球が摺動する面を下面形成部材の下面により形成する構造とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化を容易として、球の通過経路を簡素な構造で確実に形成できる。
遊技機SNCA21又はSNCA22において、前記吸着部材は、前記第2の通路の少なくとも一部を形成することを特徴とする遊技機SNCA23。
遊技機SNCA23によれば、遊技機SNCA21又はSNCA22の奏する効果に加え、吸着部材は、第2の通路の少なくとも一部を形成するので、遊技の興趣を向上できる。即ち、第2の球が変位部材により案内されて第2の通路へ到達できるのは、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なった状態で変位部材に到達した場合のみであり、その可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て到達した第2の球を、落下する可能性(吸着部材の下面の終端まで到達できない可能性)がある不安定を状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNCA23において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面と、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面とを備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機SNCA24。
遊技機SNCA24によれば、遊技機SNCA23の奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面と、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面とを備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される(第1面の位置が下方へ変位される)ことで、第2面の位置を上方へ変位させることができる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機SNCA24において、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機SNCA25。
遊技機SNCA25によれば、遊技機SNCA24の奏する効果に加え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機SNCA24又はSNCA25において、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機SNCA26。
遊技機SNCA26によれば、遊技機SNCA24又はSNCA25の奏する効果に加え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2の面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
<皿部材C120,C2120,C4120を一例とする発明の概念について>
球の通路を備えた遊技機において、前記通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えることを特徴とする遊技機SNCB1。
ここで、球を往復動可能とする通路部材(ステージ)を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。しかしながら、上述した遊技機では、遊技の興趣が十分ではないという問題点があった。
これに対し、遊技機SNCB1によれば、通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNCB1において、前記第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、前記第1の球および前記第2の球の案内先となる通路が変化されることを特徴とする遊技機SNCB2。
遊技機SNCB2によれば、遊技機CB1の奏する効果に加え、第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、第1の球および第2の球の案内先となる通路が変化されるので、球が所定の通路へ案内されること(即ち、第1の球と第2の球との間隔が所定の間隔となること)を遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1の通路における往復動によって第1の球と第2の球の間隔とが決定されるところ、それら第1の球および第2の球が、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路へ第1の通路から流下されるので、第1の球と第2の球との間隔を遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNCB2において、前記第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、前記間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、前記第1の通路は、第1の球と第2の球とが前記往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されることを特徴とする遊技機SNCB3。
遊技機SNCB3によれば、遊技機SNCB2の奏する効果に加え、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、第1の通路は、第1の球と第2の球とが往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されるので、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔を所定量以下とし易くできる。その結果、有利な通路へ案内されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNCB1からSNCB3のいずれかにおいて、中央が開口された遊技盤を備え、前記第2の通路は、前記遊技盤の開口に配置されることを特徴とする遊技機SNCB4。
遊技機SNCB4によれば、遊技機SNCB1からSNCB3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、中央が開口された遊技盤を備え、第2の通路は、遊技盤の開口に配置されるので、前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、第2の通路の全長を確保し易くできる。
<磁性部C2400,c5400,c6400(通路部CRt2004)を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第1の球とは異なる通路へ案内されることを特徴とする遊技機SNCC1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017-148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、球は重量方向下方へ流下するのみであるので、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNCC1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第1の球とは異なる通路へ案内されるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNCC1において、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されることを特徴とする遊技機SNCC2。
遊技機SNCC2によれば、遊技機SNCC1の奏する効果に加え、変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されるので、かかる通路の途中で球が落下される態様を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNCC2において、前記磁性部は、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置することを特徴とする遊技機SNCC3。
遊技機SNCC3によれば、遊技機SNCC2の奏する効果に加え、磁性部は、変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置するので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位されていない場合には、上方へ持ち上げられるべき部分を第2の球が通過したとしても、その第2の球を磁性部に吸着させない態様を確実に形成できる。
遊技機SNCC2又はSNCC3において、前記変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、前記第1の球の重量が作用される部分と、前記上方へ持ち上げられる部分とが位置することを特徴とする遊技機SNCC4。
遊技機SNCC4によれば、遊技機SNCC2又はSNCC3の奏する効果に加え、変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、第1の球の重量が作用される部分と、上方へ持ち上げられる部分とが位置するので、上方へ持ち上げられる部分を第2の球が通過する際に、第1の球の重量を利用して、第2の球が通過する部分を上方へ持ち上げられた状態に維持しやすくできる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に変位され、前記通路への球の入球されやすさを変化させることを特徴とする遊技機SNDA1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNDA1によれば、変位部材は、通路に球が入球された場合に変位され、通路への球の入球されやすさを変化させるので、よって、第1の球が通路へ入球され、更に、第2の球が通路へ入球されることを期待する場合、或いは逆に、第1の球が通路へ入球された状態では、第2の球が通路へ入球されないことを期待する場合に、通路へ第2の球が入球されるか否かを着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNDA1において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に、前記通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されることを特徴とする遊技機SNDA2。
遊技機SNDA2によれば、遊技機SNDA1の奏する効果に加え、変位部材は、通路に球が入球された場合に、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるので、通路へ入球された球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)を通路へ入球されやすくできる。即ち、通路へ1の球が入球されれば、後行する球が連続して通路へ入球されやすい状態を形成でき、後行する球が通路へ入球されれば、その後行する球の通路への入球に起因して、次の後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できる。よって、通路への球の入球により、通路への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNDA1において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に、前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機SNDA3。
遊技機SNDA3によれば、遊技機SNDA1の奏する効果に加え、変位部材は、通路に球が入球された場合に、通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、第1の球が通路へ入球された状態では、第2の球が通路へ入球されないことを期待する場合に、第2の球が通路へ入球され難くできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNDA1からSNDA3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機SNDA4。
遊技機SNDA4によれば、遊技機SNDA1からSNDA3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
遊技機SNDA2又はSNDA3において、前記通路に入球された球が転動可能とされ前記転動される球の重さで変位される転動部材と、その転動部材の変位を前記変位部材へ伝達する伝達手段とを備え、前記変位部材は、前記転動する球の重さで前記転動部材が変位され、その転動部材の変位が前記伝達手段により伝達されることで、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機SNDA5。
遊技機SNDA5によれば、遊技機SNDA2又はSNDA3の奏する効果に加え、通路に入球された球が転動可能とされ、転動される球の重さで変位される転動部材と、その転動部材の変位を変位部材へ伝達する伝達手段とを備え、変位部材は、転動する球の重さで転動部材が変位され、その転動部材の変位が前記伝達手段により伝達されることで、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、球が転動部材を転動している間、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材を変位させておくことができる。即ち、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機SNDA5において、前記転動部材を複数備えることを特徴とする遊技機SNDA6。
遊技機SNDA6によれば、遊技機SNDA5の奏する効果に加え、転動部材を複数備えるので、その分、球が転動する区間(転動可能距離)を確保して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が変位されている期間を長くできる。即ち、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機SNDA5又はSNDA6において、前記通路へ入球された球は、前記転動部材をその転動部材の下降傾斜によって転動され、前記転動部材は、回転可能に軸支され、球が転動されている状態における前記転動部材の下降傾斜が、球が非転動の状態における前記転動部材の下降傾斜よりも小さくされることを特徴とする遊技機SNDA7。
遊技機SNDA7によれば、遊技機SNDA5又はSNDA6の奏する効果に加え、通路へ入球された球は、転動部材をその転動部材の下降傾斜によって転動され、転動部材は、回転可能に軸支され、球が転動されている状態における転動部材の下降傾斜が、球が非転動の状態における転動部材の下降傾斜よりも小さくされるので、転動部材を転動する球に勢いが付与されることを抑制できる。よって、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機SNDA5からSNDA7のいずれかにおいて、前記転動部材は、前記球の重量で変位される前の状態に自重により復帰されることを特徴とする遊技機SNDA8。
遊技機SNDA8によれば、遊技機SNDA5からSNDA7のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、球の重量で変位される前の状態に自重により復帰されるので、転動部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
遊技機SNDA5からSNDA8のいずれかにおいて、前記転動部材を転動する球に作用する作用手段を備えることを特徴とする遊技機SNDA9。
遊技機SNDA9によれば、遊技機SNDA5からSNDA8のいずれかの奏する効果に加え、転動部材を転動する球に作用する作用手段を備えるので、球の転動に影響を与えることができる。即ち、作用手段の作用により球の転動に抵抗を付与し、その転動の速度を低くすることができる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機SNDA9において、前記作用手段は、前記通路の内側面から突設され鉛直方向に沿って延設される突部として形成され、前記転動面を転動する球の転動方向に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設されることを特徴とする遊技機SNDA10。
遊技機SNDA10によれば、遊技機SNDA9の奏する効果に加え、作用手段は、通路の内側面から突設され鉛直方向に沿って延設される突部として形成され、転動面を転動する球の転動方向に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設されるので、球が転動面を転動する際には、突部(作用手段)が当接されることで、球の転動に抵抗を付与して、その転動速度を低くすることができる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
一方で、突部(作用手段)は、鉛直方向に沿って延設されるので、鉛直方向へ移動する球には抵抗が付与され難くできる。よって、転動部材の転動面から球が上方へ跳ね上がった場合には、その球を下方(転動面)へ速やかに落下させることができる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、転動部材が上方へ変位した場合でも、かかる転動部材が球の重量により変位された状態に速やかに復帰させることができる。その結果、通路へ球が入球されやすくなる側へ球の重量によって変位されていた変位部材が、転動面からの球の跳ね上がりによって、初期位置(通路へ球が入球する前の位置)へ復帰される不具合の発生を抑制できる。
遊技機SNDA10において、前記転動部材は、球が転動する転動面が球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成されることを特徴とする遊技機SNDA11。
遊技機SNDA11によれば、遊技機SNDA10の奏する効果に加え、転動部材は、球が転動する転動面が球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成されるので、転動面を転動する球が上方(鉛直方向)へ跳ね上がることを抑制できる。よって、通路へ球が入球されやすくなる側へ球の重量によって変位されていた変位部材が、転動面からの球の跳ね上がりによって、初期位置(通路へ球が入球する前の位置)へ復帰される不具合の発生を抑制できる。
なお、転動面は、平坦面である必要はなく、起伏を有する面(断面形状が円弧を滑らかに連ねて形成される面)であっても良い。即ち、転動面は、少なくとも球の直径の1/10以上の高さの段差を有していなければ良い。
遊技機SNDA10又はSNDA11において、前記突部は、前記通路の内側面であって前記転動面を挟んだ両側に形成され、一方の内側面の突部と他方の内側面の突部とが前記転動部材の転動面に沿って千鳥状に配置されることを特徴とする遊技機SNDA12。
遊技機SNDA12によれば、遊技機SNDA10又はSNDA11の奏する効果に加え、突部は、通路の内側面であって転動面を挟んだ両側に形成され、一方の内側面の突部と他方の内側面の突部とが転動部材の転動面に沿って千鳥状に配置されるので、球が転動面を転動する際に、球を突部に当接させやすくできる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機SNDA5からSNDA12のいずれかにおいて、前記転動部材は、回転可能に軸支され、前記通路へ入球された球は、前記軸支された部位へ向けて前記転動部材を転動することを特徴とする遊技機SNDA13。
遊技機SNDA13によれば、遊技機SNDA5からSNDA12のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、回転可能に軸支され、通路へ入球された球は、軸支された部位へ向けて転動部材を転動するので、球が転動部材を転動する際には、その初期段階において転動部材の変位を最大とできる。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側への変位部材の変位を、球が通路へ入球し転動部材に達した際に速やかに行わせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合(例えば、両球が連なって流下される場合)に、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、球の転動が進行するに従って、転動部材の変位量を徐々に小さくできる。即ち、球の転動が進行するに従って、通路へ球が入球されやすくなる側にあった変位部材を初期位置(通路へ球が入球され難くされる側)へ向けて徐々に変位させることができる。これにより、通路へ球が入球する期待を変化させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、通路へ入球された球が転動部材に落下される場合には、落下された球を、転動部材の変位量が大きい位置(軸支された部位から離れた位置)で受け止めることができる。よって、落下された球の運動エネルギーを、転動部材の変位により吸収(消費)して、球が上方へ跳ね上がることを抑制できる。その結果、球の重量を転動部材に安定して作用させ、変位部材の状態を安定させる(例えば、通路へ球が入球され難くされる側または通路へ球が入球され易くなる側へ変位部材が一時的に変位されることを抑制)できる。
遊技機SNDA13において、前記通路へ入球された球は、前記転動部材に落下されることを特徴とする遊技機SNDA14。
遊技機SNDA14によれば、遊技機SNDA13の奏する効果に加え、通路へ入球された球は、転動部材に落下されるので、落下された球の運動エネルギーを利用して、転動部材を速やかに変位させることができる。その結果、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位部材の変位を速やかに行わせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合(例えば、両球が連なって流下される場合)でも、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、通路部材へ入球した球を、転動部材とは別の部材(固定された非変位の部材)に落下させる場合には、別の部材の破損を招きやすくなるところ、本発明によれば、落下された球の運動エネルギーを、転動部材の変位により吸収(消費)して、破損を抑制できる。よって、球の落下を許容できる分、通路の設計の自由度を高めることができる。
遊技機SNDA13において、前記転動部材を転動する球は、少なくとも前記転動部材の前記軸支された部位まで転動されることを特徴とする遊技機SNDA14。
遊技機SNDA14によれば、遊技機SNDA13の奏する効果に加え、転動部材を転動する球は、少なくとも転動部材の軸支された部位(回転軸)まで転動されるので、転動部材の軸支された部位(回転軸)に到達する前に球が排球される場合と比較して、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が作用されなくなる影響)を抑制して、転動部材が回転方向にばたつくことを抑制できる。よって、変位部材の状態を安定させる(例えば、通路へ球が入球されやすくされる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が一時的に変位されることを抑制)できる。
遊技機SNDA5からSNDA12のいずれかにおいて、前記転動部材は、回転可能に軸支され、前記通路へ入球された球は、前記軸支された部位から離間される方向へ向けて前記転動部材を転動することを特徴とする遊技機SNDA16。
遊技機SNDA16によれば、遊技機SNDA5からSNDA12のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、回転可能に軸支され、通路へ入球された球は、軸支された部位から離間される方向へ向けて転動部材を転動するこので、球が転動部材を転動する際には、その後期段階(所定量を越えて転動した段階)において転動部材の変位を最大とできる。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が変位するタイミングを遅らせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的大きい場合に、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、球の転動が進行するに従って、転動部材の変位量を徐々に大きくできる。即ち、球の転動が進行するに従って、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ向けて変位部材を徐々に変位させることができる。これにより、通路へ球が入球する期待を変化させ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNDA5からSNDA16のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記転動部材が球の重量により変位されていない状態では、前記通路へ球が入球がされやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側への変位が規制されることを特徴とする遊技機SNDA17。
遊技機SNDA17によれば、遊技機SNDA5からSNDA16の奏する効果に加え、変位部材は、転動部材が球の重量により変位されていない状態では、通路へ球が入球がされやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位が規制されるので、変位部材を、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ強制的に変位させる不正を抑制できる。
遊技機SNDA17において、前記転動部材が球の重量により変位されていない状態では、前記伝達手段の変位が前記転動部材に規制されることで、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側への前記変位部材の変位が規制されることを特徴とする遊技機SNDA18。
遊技機SNDA18によれば、遊技機SNDA17の奏する効果に加え、転動部材が球の重量により変位されていない状態では、伝達手段の変位が転動部材に規制されることで、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位部材の変位が規制されるので、変位部材の強制的変位を規制するための部品を別途設ける必要がなく、伝達手段を流用することができる。即ち、変位部材を強制的に変位させる不正を抑制するための構造を簡素化できる。
遊技機SNDA5からSNDA18のいずれかにおいて、前記転動部材と前記伝達手段との間には、所定の隙間が形成され、球の重量で変位された前記転動部材は、前記隙間を埋めた後に前記伝達手段に当接されることを特徴とする遊技機SNDA19。
遊技機SNDA19によれば、遊技機SNDA5からSNDA18のいずれかの奏する効果に加え、転動部材と伝達手段との間には、所定の隙間が形成され、球の重量で変位された転動部材は、隙間を埋めた後に伝達手段に当接されるので、転動部材の変位が比較的小さい場合には、伝達手段を介して、転動部材の変位を変位部材へ伝達することができない。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材を変位させるためには、隙間を越える変位を転動部材に形成する必要があり、よって、遊技機を叩いて転動部材を変位させることや、針金等の異物で転動部材を変位させようとする不正を成功し難くできる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材の変位速度が変化可能に形成されることを特徴とする遊技機SNDB1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNDB1によれば、変位部材の変位速度が変化可能に形成されるので、通路への球の入球のされやすさの変化速度を変化させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNDB1において、前記変位部材は、前記通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、前記通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも速くされることを特徴とする遊技機SNDB2。
遊技機SNDB2によれば、遊技機SNDB1の奏する効果に加え、変位部材は、通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも速くされるので、通路へ球が入りやすくされた状態を素早く形成して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、テンポの良い演出を行うことができる。また、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度が相対的に遅くされることで、通路へ球が入りやすくされた状態の期間を確保して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、通路への入球が間に合うか否かを着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNDB1において、前記変位部材は、前記通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、前記通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも遅くされることを特徴とする遊技機SNDB3。
遊技機SNDB3によれば、遊技機SNDB1の奏する効果に加え、変位部材は、通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも遅くされるので、通路への球の入りやすさを徐々に増加させ、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、その期待を徐々に高まらせることができる。また、通路へ球が入球され難くされた状態を素早く形成して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、テンポの良い演出を行うことができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNDB1からSNDB3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機SNDB4。
遊技機SNDB4によれば、遊技機SNDB1からSNDB3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材を複数備え、前記複数の変位部材のうちの一の前記変位部材は、他の前記変位部材と変位態様が異なることを特徴とする遊技機SNDC1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNDC1によれば、変位部材を複数備え、複数の変位部材のうちの一の変位部材は、通路他の変位部材と変位態様が異なるので、それら複数の変位部材の変位態様の組み合わせにより、通路への球の入球のされやすさの変化を大きくできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、変位態様としては、変位を開始する時期(タイミング)、変位方向、変位速度、これらの組み合わせが例示される。
遊技機SNDC1において、前記一の変位部材の変位の開始は、前記他の変位部材の変位が開始され、所定時間の経過後とされることを特徴とする遊技機SNDC2。
遊技機SNDC2によれば、遊技機SNDC1の奏する効果に加え、一の変位部材の変位の開始は、他の変位部材の変位が開始され、所定時間の経過後とされるので、通路への球の入球のされやすさが変化される位置を異ならせると共にそのタイミングを異ならせることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNDC1又はSNDC2において、前記通路へ球を流下させる上流通路を備え、前記変位部材の変位方向は、前記上流通路における球の転動方向と略平行とされることを特徴とする遊技機SNDC3。
遊技機SNDC3によれば、遊技機SNDC1又はSNDC2の奏する効果に加え、通路へ球を流下させる上流通路を備え、変位部材の変位方向は、上流通路における球の転動方向と略平行とされるので、上流通路を転動する球の転動方向や転動位置と変位部材の変位方向や変位位置とを、通路への球の入球のしやすさに関係づけることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNDC1からSNDC3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機SNDC4。
遊技機SNDC4によれば、遊技機SNDC1からSNDC3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記通路に入球された球が転動可能に形成される転動部材を備え、前記変位部材は、前記転動部材を転動する球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位され、前記転動部材は、球の転動経路の途中で球が落下可能に形成されることを特徴とする遊技機SNDD1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNDD1によれば、通路に入球された球が転動可能に形成される転動部材を備え、変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位され、転動部材は、球の転動経路の途中で球が落下可能に形成されるので、球が転動経路を転動する距離に応じて、球の重量を利用できる期間を変化させることができる。即ち、転動部材を転動する球の状態に応じて、通路への球の入球のされやすさを変化させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNDD1において、前記変位部材は、前記転動部材を転動する球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されることを特徴とする遊技機SNDD2。
遊技機SNDD2によれば、遊技機SNDD1の奏する効果に加え、変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるので、通路へ入球された球が転動部材を転動する間、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)を通路へ入球されやすくできる。
即ち、通路へ1の球が入球され、その球が転動部材を転動している間は、後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成でき、後行する球が通路へ入球され転動部材を転動すれば、次の後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できる。よって、通路への球の入球により、通路への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。一方で、通路へ入球された球が転動部材の転動経路の途中で落下されると、球の重量を利用できなくなり、後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できなくなる。これにより、球の転動状態(転動経路の終端に達することができるか否か)を遊技者に注目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNDD1において、前記転動部材を所定数以上の球が転動する場合に、前記転動する球を前記転動部材から落下させやすくする落下手段を備えることを特徴とする遊技機SNDD3。
遊技機SNDD3によれば、遊技機SNDD1の奏する効果に加え、転動部材を所定数以上の球が転動する場合に、転動する球を転動部材から落下させやすくする落下手段を備えるので、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下されるか否かを遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、遊技機SNDD3における変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるものであっても良く、通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるものであっても良い。前者の場合には、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下される可能性が高くなるので、かかる別の球が通路へ流下されるか否かを行方を遊技者に着目させやすくできる。後者の場合には、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下される可能性を低くできるので、遊技者に安心感を付与できる。
遊技機SNDD2又はSNDD3において、前記転動部材の転動経路の途中で落下した球が通過する落下通路を備え、前記落下通路を通過した球には、前記通路を通過した球よりも有利な遊技条件が付与されることを特徴とする遊技機SNDD4。
遊技機SNDD4によれば、遊技機SNDD2又はSNDD3の奏する効果に加え、転動部材の転動経路の途中で落下した球が通過する落下通路を備え、落下通路を通過した球には、通路を通過した球よりも有利な遊技条件が付与されるので、転動部材の転動経路の途中で球が落下するか否かをより強く遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:下降傾斜されたトゲトゲステージが往復駆動、ステージを下降傾斜に沿って流下する際にトゲトゲで流下先にランダム性を持たせる。トゲトゲによる球の保持を往復駆動で抑制>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機SNEA1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNEA1によれば、通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えるので、変位手段により通路部材が変位されることで、通路部材を移動する球の移動方向の変化を多様化できる。これにより、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNEA1において、前記通路部材に配設され前記球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記付与手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機SNEA2。
遊技機SNEA2によれば、遊技機SNEA1の奏する効果に加え、通路部材に配設され球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、付与手段は、通路部材の転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、通路部材(転動部)を転動する際の球の移動方向の変化を多様化して、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。
また、球の移動方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできる。即ち、転動部を転動する球は比較的移動速度が低く、転動部の移動に比較的時間を要するところ、突部または凹部から受ける作用により球の移動に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の移動方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNEA2において、前記変位手段は、前記通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に前記通路部材を変位させることを特徴とする遊技機SNEA3。
遊技機SNEA3によれば、遊技機SNEA2の奏する効果に加え、変位手段は、通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に通路部材を変位させるので、球の転動方向と平行な変位成分を突部に形成することができる。その結果、球の移動方向に変化を付与しやすくできる。また、球の移動方向の変化を多様とできる。
遊技機SNEA2又はSNEA3において、前記突部は、前記突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されることを特徴とする遊技機SNEA4。
遊技機SNEA4によれば、遊技機SNEA2又はSNEA3の奏する効果に加え、突部は、突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されるので、球が通路部材(転動部)に留まることを抑制できる。よって、球が通路部材(転動部)に留まることを抑制するために、通路部材(転動部)を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制できる。その結果、変位手段を簡素化できる。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:ステージを通過したら所定の価値付与>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材の球の通過のしやすさを変化させる変化手段を備え、前記通路部材を通過した球に対して所定の価値を付与可能に形成されることを特徴とする遊技機SNEB1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球が通過できるか否か(ステージを渡り切って終端に到達できるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNEB1によれば、通路部材の球の通過のしやすさを変化させる変化手段を備え、通路部材を通過した球に対して所定の価値を付与可能に形成されるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNEB1において、前記変化手段は、前記通路部材の少なくとも一部を変位させる変位手段を備えることを特徴とする遊技機SNEB2。
遊技機SNEB2によれば、遊技機SNEB1の奏する効果に加え、変化手段は、通路部材の少なくとも一部を変位させる変位手段を備えるので、球が通路部材を移動する際に、変位手段により通路部材が変位されることで、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過する(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得る)ことを阻害する又は補助する手段として、変位手段(通路部材の変位)を機能させることができるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNEB2において、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記変化手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機SNEB3。
遊技機SNEB3によれば、遊技機SNEB2の奏する効果に加え、通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、変化手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、転動部を転動する球の転動方向(移動方向)にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過する(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得る)ことを阻害する又は補助する手段として突部や凹部を機能させることができるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNEB1からSNEB3のいずれかにおいて、前記通路部材は、第1通路部材と、その第1通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、前記所定の価値は、前記第2通路部材を通過した球に対して付与可能に形成され、前記変化手段は、前記第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、前記第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とを異ならせることが可能に形成されることを特徴とする遊技機SNEB4。
遊技機SNEB4によれば、遊技機SNEB1からSNEB3のいずれかの奏する効果に加え、通路部材は、第1通路部材と、その第1通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、所定の価値は、第2通路部材を通過した球に対して付与可能に形成され、変化手段は、第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とを異ならせることが可能に形成されるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なる態様として、遊技者に付与することができる。その結果、かかる遊技性を多様化して、遊技の興趣を向上できる。
なお、球の通過のしやすさを変化させる手段としては、例えば、通路部材の形状や姿勢(傾斜)、通路部材の変位態様(変位の種類(回転、直線変位、曲線変位、これらの組み合わせ)、変位方向、変位速度、往復動作の態様(周期、振幅)など)、通路部材の球が移動する面(転動面)の態様(突部や凹部の有無、突部や凹部の態様(大きさ、形状、配置など))が例示される。即ち、第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とが異なるとは、上述した手段の少なくとも一部または全部が、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なることを意味する。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:球を滞留させる滞留手段>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、入球された球に対して所定の価値を付与可能に形成される入球手段と、前記通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、前記通路部材および前記第2通路部材は、球の移動経路の途中で球が落下可能に形成され、前記第2通路部材を通過した球は、前記通路部材を通過した球よりも前記入球手段へ入球されやすくされることを特徴とする遊技機SNEC1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、ステージの所定位置から流下された球は、入賞口(入球口)へ直接入球されるため、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNEC1によれば、入球された球に対して所定の価値を付与可能に形成される入球手段と、通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備えるので、通路部材を通過した球が第2通路部材を移動することで、その分、入球手段に球が入球されるまでに要する時間を嵩ませることができる。即ち、入球手段への入球を期待できる期間を長くして、遊技者の期待感を盛り上げることができる。特に、第2通路部材を通過した球は、通路部材を通過した球よりも入球手段へ入球されやすくされるので、入球手段へ球が今から入球されるという高揚感を遊技者に持たせて、球の行方を追わせることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNEC1において、前記第2通路部材は、球が転動可能に形成される転動部と、その転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機SNEC2。
遊技機SNEC2によれば、遊技機SNEC1の奏する効果に加え、第2通路部材は、球が転動可能に形成される転動部と、その転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、第2通路部材(転動部)を転動する際の球の移動方向を変化させ、球が第2通路部材を通過できるか否か(第2通路部材を渡り切って、入球手段に入球される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
また、球の移動を遊技者に視認させやすくできる。即ち、転動部を転動する球は比較的移動速度が低く、転動部の移動に比較的時間を要するところ、突部や凹部から受ける作用により球の移動に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の行方を遊技者に追わせやすくできると共に、入球手段への入球を期待できる期間を長くして、遊技者の期待感を盛り上げることができる。
遊技機SNEC1又はSNEC2において、前記通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機SNEC3。
遊技機SNEC3によれば、遊技機SNEC1又はSNEC2の奏する効果に加え、通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えるので、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過して第2通路部材に到達することを阻害する又は補助する手段として、変位手段(通路部材の変位)を機能させることができる。よって、球が通路部材を通過できるか否か(球が第2通路部材に到達できるか否か、ひいては、入球手段に入球できるか否か)を楽しむ遊技性を形成することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNEC3において、前記第2通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される第2変位手段を備えることを特徴とする遊技機SNEC4。
遊技機SNEC4によれば、遊技機SNEC3の奏する効果に加え、第2通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される第2変位手段を備えるので、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過して第2通路部材に到達すること、及び、球が第2通路部材と通過して入球手段に入球すること、を阻害する又は補助する手段として、第2変位手段(第2通路部材の変位)を機能させることができる。よって、通路部材を通過した球が第2通路部材へ到達できるか否か、及び、その到達した球が第2通路部材を通過できるか否か(球が入球手段に入球できるか否か)を楽しむ遊技性を形成することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNEC4において、前記変位手段による前記通路部材の変位態様と、前記第2変位手段による前記第2通路部材の変位態様とが異なる態様であることを特徴とする遊技機SNEC5。
遊技機SNEC5によれば、遊技機SNEC4の奏する効果に加え、変位手段による通路部材の変位態様と、第2変位手段による第2通路部材の変位態様とが異なる態様であるので、球の変位態様を多様化できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、変位手段による通路部材の変位態様と、第2変位手段による第2通路部材の変位態様とが異なる態様であるとは、例えば、変位の種類(回転、直線変位、曲線変位、これらの組み合わせ)、変位方向、変位速度、往復動作の態様(周期、振幅)などの少なくとも一部または全部が、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なることを意味する。
<下側フレームF86b~F5086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成される第1手段と、前記第1手段が受け取った球の重量により変位される第2手段と、を備え、前記第2手段は、前記被流入部の大きさを変更する方向へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機SNFA1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNFA1によれば、所定の球が被流入部へ向かう場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、第2手段が被流入部の大きさを変更する方向へ変位されるので、所定の球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くできる。よって、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFA1において、前記被流入部の大きさを変更する方向へ前記第2手段が変位された状態を維持する維持手段を備えることを特徴とする遊技機SNFA2。
遊技機SNFA2によれば、遊技機FA1の奏する効果に加え、第1手段に球の重量が作用しなくなっても、所定の球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くした状態を維持できる。よって、球の流入を期待できる期間または期待し難い期間を確保でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFA2において、前記維持手段による維持を解除する解除手段を備え、前記維持手段は、前記第1手段が受け取った球の重量により前記第2手段が前記被流入部の大きさを大きくする方向へ変位された状態を維持し、前記解除手段による解除は、前記被流入部に少なくとも1の球が流入された場合に行われることを特徴とする遊技機SNFA3。
遊技機SNFA3によれば、遊技機SNFA2の奏する効果に加え、少なくとも1の球が被流入部に流入されるまでの間、被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位された状態が維持されるので、被流入部への球の流入を確実化できる。よって、遊技者に安心感を付与できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFA3において、前記維持手段により維持された状態では、球を受け取ることで変位された位置に前記第1手段が維持されることを特徴とする遊技機SNFA4。
遊技機SNFA4によれば、遊技機SNFA3の奏する効果に加え、維持手段による維持がされた状態(被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位された状態)であることを、第1手段の変位位置からも遊技者に理解させやすくできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFA1から遊技機SNFA4のいずれかにおいて、前記第1手段から球が流下することを遅延させる遅延手段を備えることを特徴とする遊技機SNFA5。
遊技機SNFA5によれば、遊技機SNFA1から遊技機SNFA4の奏する効果に加え、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機SNFA5において、前記遅延手段は、前記第1手段に形成される開口と、その開口の周囲に沿って球が転動可能とされ前記第1手段に形成される第1転動部とを備え、前記第1転動部を転動し前記開口へ流入されることで、球が前記第1手段から流下されることを特徴とする遊技機SNFA6。
遊技機SNFA6によれば、遊技機SNFA5の奏する効果に加え、開口の周囲に沿って第1転動部を転動することで、球の速度を低下させられるので、その分、第1手段からの球の流下を遅延させられる。即ち、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機SNFA6において、前記第1転動部は、前記開口の周囲に沿って連続して形成され、前記遅延手段は、前記第1転動部における前記開口から偏心した位置へ向けて球が転動可能とされ前記第1手段に形成される第2転動部を備えることを特徴とする遊技機SNFA7。
遊技機SNFA7によれば、遊技機SNFA6の奏する効果に加え、第1転動部が、開口の周囲に沿って連続して形成されるので、第1転動部において球を周回させることができる。また、第2転動部が、第1転動部における開口から偏心した位置へ向けて球が転動可能とされるので、第1転動部における球の周回を形成しやすくできる。その結果、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機SNFA7において、前記第1転動部を球が転動する状態では、前記第1転動部の鉛直方向における高さが前記開口の周囲に沿って略同一に設定されることを特徴とする遊技機SNFA8。
遊技機SNFA8によれば、遊技機SNFA7の奏する効果に加え、高低差が形成されることを抑制して、第1転動部において球を周回させやすくできる。
遊技機SNFA5から遊技機SNFA8のいずれかにおいて、前記遅延手段は、球が転動可能とされ前記第1手段に形成される転動部と、その転動部に球を保持する保持手段と、を備え、前記保持手段に保持された球は、前記第1手段が球の重量により所定量だけ変位されることで、前記保持手段を乗り越えて転動可能とされることを特徴とする遊技機SNFA9。
遊技機SNFA9によれば、遊技機SNFA5から遊技機SNFA8のいずれかの奏する効果に加え、球の転動を一時的に停止させることができる。よって、第1手段が球の重量により所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間を長くできる。その分、被流入部が大きくされている期間を長くできる。また、第1手段の姿勢変化を利用して保持手段の保持が解除される(球が転動を再開する)ので、解除する手段を設けることを不要とできる。
遊技機SNFA9において、前記遅延手段は、前記第1手段が球の重量により所定量だけ変位された場合に、前記保持手段により保持された球に作用する作用手段を備えることを特徴とする遊技機SNFA10。
遊技機SNFA10によれば、遊技機SNFA9の奏する効果に加え、作用手段の作用により、保持手段による球の保持の解除を確実化できる(球が保持手段を乗り越えやすくすることができる)。
遊技機SNFA9又は遊技機SNFA10において、前記第1手段へ球が流下可能に形成される流下部を備え、球の重量により前記第1手段が変位される方向は、少なくとも前記転動部が前記流下部から離間される方向であることを特徴とする遊技機SNFA11。
遊技機SNFA11によれば、遊技機SNFA9又は遊技機SNFA10の奏する効果に加え、流下部から流下した後行の球の衝突により、保持手段による保持が解除されることを抑制できる。
遊技機SNFA1から遊技機SNFA11のいずれかにおいて、前記第1手段の変位を前記第2手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機SNFA12。
遊技機SNFA12によれば、遊技機SNFA1から遊技機SNFA11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第2手段を変位させられる。よって、第2手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機SNFA12において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第2手段の重量により、前記第1手段および前記第2手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機SNFA13。
遊技機SNFA13によれば、遊技機SNFA12の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を復帰させるための手段を不要として、製品コストを抑制できる。
<下側フレームF6086b~F11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部と、その被流入部へ向けて球が移動可能に形成される経路と、を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成される第1手段と、前記第1手段が受け取った球の重量により変位され前記経路を移動する球に作用可能に形成される第2手段と、を備えることを特徴とする遊技機SNFB1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNFB1によれば、所定の球が経路を移動する場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、経路を移動する所定の球に第2手段が作用可能とされる。よって、経路を移動する所定の球の被流入部への流入の可能性が第2手段の作用により変化させることができる。その結果、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFB1において、前記第1手段球が受け取った球の重量により変位された位置から変位される前の位置へ向かう前記第2手段の変位方向には、前記経路を前記第2手段へ向けて移動する球の移動方向成分が含まれることを特徴とする遊技機SNFB2。
遊技機SNFB2によれば、遊技機SNFB1の奏する効果に加え、経路を第2手段へ向けて移動する球が第2手段へ当接した際に、その球の移動方向へ第2手段も変位(初期位置へ向けて後退)して、衝撃を吸収できる。よって、第2手段の破損を抑制できる。
遊技機SNFB2において、前記第1手段が受け取った球の重量により変位された前記第2変位手段は、前記経路を移動する球に対して、前記被流入部へ流入され易くなるように作用することを特徴とする遊技機SNFB3。
遊技機SNFB3によれば、遊技機SNFB2の奏する効果に加え、被流入部へ球を流入させ易くできるので、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFB2又はSNFB3において、前記経路は、傾斜して形成される傾斜部を備え、前記第2手段は、前記傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に変位可能とされることを特徴とする遊技機SNFB4。
遊技機SNFB4によれば、遊技機SNFB2又はSNFB3の奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球は徐々に速度を低下させるので、球の移動と、その球への第2手段の作用とを遊技者に視認させやすくできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFB4において、前記傾斜部は、傾斜して形成される第1傾斜部と、その第1傾斜部と反対方向へ傾斜して形成される第2傾斜部とを備え、前記第1傾斜部および前記第2傾斜部を球が往復移動可能に形成され、前記第2手段は、前記第1傾斜部または前記第2傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に変位可能に形成されることを特徴とする遊技機SNFB5。
遊技機SNFB5によれば、遊技機SNFB4の奏する効果に加え、傾斜部(第1傾斜部および第2傾斜部)における球の往復移動により、第2手段からの作用を受けることが可能な位置に球を複数回到達させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFB4又は遊技機SNFB5において、前記第2手段が前記傾斜部を上昇する球に作用可能とされる位置は、前記傾斜部を上昇する球が到達可能な最大到達位置よりも下方となる位置であることを特徴とする遊技機SNFB6。
ここで、最大到達位置では、球の速度が低く(又は速度が0となり)、球の勢いが弱いため、傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に第2手段が変位され、第2手段に球が当接したとしても、被流入部へ流入されやすくなる方向へ球を案内できない虞がある。これに対し、遊技機FB6によれば、遊技機FB4又は遊技機FB5の奏する効果に加え、最大到達位置よりも下方となる位置において、傾斜部を上昇する球に第2手段が作用可能とされることで、球の速度が確保されている状態で、球を第2手段に当接させることができる。よって、球の勢いを利用して、被流入部へ流入されやすくなる方向へ案内しやすくできる。
また、第1傾斜部および第2傾斜部を球が往復移動する構成においては、第2手段からの作用を受けることが可能な位置に球を複数回到達させやすくできる。
遊技機SNFB6において、前記第2手段は、前記傾斜部を上昇する球に作用可能とされる位置に変位された状態では、前記傾斜部を下降する球に作用可能に形成されることを特徴とする遊技機SNFB7。
遊技機SNFB7によれば、遊技機SNFB6の奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球が通過した後に、第2手段が球に作用可能な位置に変位された場合であっても、傾斜部の頂部に達して下降する球に作用を与える可能性を形成できる。
遊技機SNFB4から遊技機SNFB7のいずれかにおいて、前記第2手段は、円弧状の湾曲に沿って球を案内可能に形成される案内部を備え、前記傾斜部を上昇する球は、前記案内部に沿って移動されることで、前記被流入部へ流入されやすくなる方向へ案内されることを特徴とする遊技機SNFB8。
遊技機SNFB8によれば、遊技機SNFB4から遊技機SNFB7のいずれかの奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球を、湾曲に沿って徐々に案内(移動方向を転換)することができる。即ち、被流入部へ流入されやすくなる方向へ確実に案内できる。
遊技機SNFB8において、前記第2手段は、前記傾斜部から突出可能に形成され、前記第2手段が前記傾斜部から非突出とされた状態では、前記第2手段が前記傾斜部の一部とされることを特徴とする遊技機SNFB9。
ここで、傾斜部の側方から傾斜部の幅方向(傾斜部を球が上昇する方向と直交する方向)に沿って第2手段(案内部)を突出させる構成では、第2手段(案内部)を収納するためのスペースとして傾斜部の幅と同等のスペースを傾斜部の側方に確保する必要があり、大型化する。これに対し、遊技機SNFB9によれば、遊技機SNFB8の奏する効果に加え、第2手段(案内部)の収容に必要なスペースを傾斜部の側方に確保する必要がなく、また、傾斜部の厚み方向のデッドスペースを有効に活用できるので、その分、小型化できる。
また、傾斜部の側方から傾斜部の幅方向(傾斜部を球が上昇する方向と直交する方向)に沿って第2手段(案内部)を突出させる構成では、第2手段(案内部)に必要な変位量が大きい分、第2手段を変位させるのに要する時間が嵩む。これに対し、遊技機FB8によれば、遊技機FB7の奏する効果に加え、第2手段(案内部)に必要な変位量が抑制できる分、第2手段を変位させるのに要する時間を短縮できるので、傾斜部を上昇する球に作用する位置に第2手段を速やかに配置できる。
遊技機SNFB1から遊技機SNFB9のいずれかにおいて、前記経路を移動する球に作用可能な位置に前記第2手段が変位された状態を維持する維持手段を備えることを特徴とする遊技機SNFB10。
遊技機SNFB10によれば、遊技機SNFB1から遊技機SNFB9のいずれかの奏する効果に加え、第1手段に球の重量が作用しなくなっても、所定の球を被流入部へ流入させやすくした状態を維持できる。よって、球の流入を期待しやすくでき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFB10において、前記維持手段による維持を解除する解除手段を備え、その解除手段による解除は、前記被流入部に少なくとも1の球が流入された場合に行われることを特徴とする遊技機SNFB11。
遊技機SNFB11によれば、遊技機SNFB10の奏する効果に加え、被流入部への球の流入を確実化できる。即ち、被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位されれば、少なくとも1の球が流入されるまでの間、安心感を付与できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFB1から遊技機SNFB11のいずれかにおいて、前記第1手段の変位を前記第2手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機SNFB12。
遊技機SNFB12によれば、遊技機SNFB1から遊技機SNFB11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第2手段を変位させられる。よって、第2手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機SNFB12において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第2手段の重量により、前記第1手段が前記所定位置へ変位可能に形成され、前記第2手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機SNFB13。
遊技機SNFB13によれば、遊技機SNFB12の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を復帰させるための手段を不要として、コストを抑制できる。
<下側フレームF86b~F11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成され前記受け取った球の重量により前記被流入部への球の流入のし易さを変化させるための第1手段と、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態で前記受け取った球とは別の球の影響を前記第1手段が受けることを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機SNFC1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNFC1によれば、所定の球が被流入部へ向かう場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、被流入部への所定の球の流入のし易さを変化させることができる。よって、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。この場合、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制手段で抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFC1において、前記第1手段へ向けて球が移動可能に形成される経路を備え、前記抑制手段は、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態において、前記経路を移動する球が前記第1手段へ向けて移動し難くする第1規制手段を備えることを特徴とする遊技機SNFC2。
遊技機SNFC2によれば、遊技機SNFC1の奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第1規制手段により、経路を移動する球が第1手段へ向けて移動し難くすることができるので、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFC2において、球を受け取り可能に形成され前記受け取った球の重量により前記被流入部への球の流入のし易さを変化させるための第2手段を備え、前記経路は、前記第1手段および前記第2手段へ向けて球が移動可能に形成され、前記第1規制手段は、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態において、前記経路を移動する球が前記第1手段よりも前記第2手段へ移動し易くすることを特徴とする遊技機SNFC3。
遊技機SNFC3によれば、遊技機SNFC2の奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第1規制手段により、経路を移動する球を第2手段へ向けて移動し易くできるので、被流入部への所定の球の流入のし易さの変化を継続させ易くできる。即ち、第1手段に球の重量が作用されている状態では、その状態が中断される(例えば、経路を移動する球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制しつつ、経路を移動する球を第2手段に受け取らせ、その受け取った球の重量が第2手段に作用された状態を形成することで、第2手段によっても、被流入部への所定の球の流入のし易さが変化された状態を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFC3において、前記第1手段または前記第2手段が受け取った球の重量により変位される第3手段を備え、前記第3手段は、前記被流入部の大きさを変更する方向へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機SNFC4。
遊技機SNFC4によれば、遊技機SNFC2又はSNFC3の奏する効果に加え、第3手段の変位により球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くできる。よって、第1手段および第2手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFC1から遊技機SNFC4のいずれかにおいて、前記抑制手段は、前記受け取った球の重量が作用された状態において、前記第1手段の少なくとも側面に前記別の球が当接し難くする第2規制手段を備えることを特徴とする遊技機SNFC5。
遊技機SNFC5によれば、遊技機SNFC1から遊技機SNFC3のいずれかの奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第2規制手段により、第1手段の少なくとも側面に球が当接し難くすることができるので、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段の側面に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1手段に重量を作用させていた球に別の球が当接する場合には、重量を作用させていた球が第1手段から脱落しても、その球に代わって、別の球が第1手段に重量を作用させることができる場合がある。また、第1手段の上面(重量を作用させる球が保持または転動される部位)に別の球が当接する場合には、重量を作用させていた球に加え、別の球も第1手段に重量を作用させることができる場合がある。よって、別の球が少なくとも第1手段の側面へ当接し難くできれば有効となる。
遊技機SNFC2において、前記第1手段の変位を前記第1規制手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機SNFC6。
遊技機SNFC6によれば、遊技機SNFC2の奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第1規制手段を変位させられる。よって、第1規制手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機SNFC6において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第1規制手段の重量により、前記第1手段および前記第1規制手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機SNFC7。
遊技機SNFC7によれば、遊技機SNFC6の奏する効果に加え、第1手段および第1規制手段を復帰させるための手段を不要として、製品コストを抑制できる。
遊技機SNFC5において、前記第1手段へ球が流下可能に形成される流下部を備え、球の重量により前記第1手段が変位される方向は、少なくとも前記第1手段が前記流下部から離間される方向であることを特徴とする遊技機SNFC8。
遊技機SNFC8によれば、遊技機SNFC5の奏する効果に加え、流下部から流下した後行の球が第1手段の側面に当接することを抑制できる。
<下側フレームF11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、前記被流入部へ球が移動可能に形成される経路と、前記被流入部への球の流入のし易さを変化させる変化手段と、を備え、第1位置から前記経路へ流入し前記経路を移動する球が、第2位置から前記経路へ流入し前記経路を移動する球よりも前記被流入部へ流入し易くされることを特徴とする遊技機SNFD1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNFD1によれば、被流入部への球の流入のし易さを変化手段により変化させることができるので、経路を移動する球に対する変化手段の影響を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1位置から経路へ流入し経路を移動する球が、第2位置から経路へ流入し経路を移動する球よりも被流入部へ流入し易くされるので、球が経路へ流入する位置(第1位置または第2位置)を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1位置からの球が入り易くする構成としては、例えば、当接部F6154が例示される。
遊技機SNFD1において、前記第1位置から前記経路へ流入する球を検出可能に形成される検出手段を備え、少なくとも前記検出手段により球が検出されることを条件に、前記被流入部へ球が流入し易くなるように前記変化手段による変化が行われることを特徴とする遊技機SNFD2。
遊技機SNFD2によれば、遊技機SNFD1が奏する効果に加え、遊技者に期待感を持たせて、遊技の興趣を高めることができる。即ち、第1位置から経路へ流入し経路を移動する球は、第2位置から経路へ流入し経路を移動する球よりも被流入部へ流入し易くされるところ、更に、被流入部へ球が流入し易くなるように変化手段による変化が行われるので、被流入部への流入の期待を遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、変化手段による変化(被流入部へ球が流入し易くなる動作)が行われる条件としては、検出手段により球が検出されることに加え、所定時間の経過、抽選の当選、或いは、これらの組み合わせを条件としても良い。また、変化手段による変化が行われる期間としては、所定時間で区切っても良く、動作の回数で区切っても良い。
遊技機SNFD2において、前記第1位置および前記第2位置が形成される形成手段を備え、前記形成手段は、前記第1位置と前記第2位置との間を球が移動可能に形成されることを特徴とする遊技機SNFD3。
遊技機SNFD3によれば、遊技機SNFD2の奏する効果に加え、第1位置と第2位置との間を球が移動可能に形成されるので、第1位置または第2位置のどちらから経路へ球が流下するか、形成手段における球の移動を遊技者に注視させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFD2又はSNFD3において、前記経路は、前記第1位置から流下した球が移動可能に形成される第1経路と、前記第2位置から流下した球が移動可能に形成される第2経路とを備え、前記第1経路と前記第2経路との間を球が移動可能に形成されることを特徴とする遊技機SNFD4。
遊技機SNFD4によれば、遊技機SNFD2又は遊技機SNFD3の奏する効果に加え、第1経路と第2経路との間を球が移動可能に形成されるので、第1位置(第2位置)から流入した球が第1経路(第2経路)のみを移動可能に形成される場合と比較して、一定のスペース内に形成できる球の移動可能な経路の種類をより多く確保できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機SNFD4において、前記第1経路または前記第2経路から突設され球が当接可能に形成される1又は複数の当接手段を備えることを特徴とする遊技機SNFD5。
遊技機SNFD5によれば、遊技機SNFD4の奏する効果に加え、第1経路または第2経路を移動する球が当接手段に当接されることで、球の移動方向に変化を付与して、第1経路と第2経路との間での球の移動を形成し易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
<複数の手段を異なる契機で動作させる構造>
第1位置と第2位置とを変位可能な変位手段と、その変位手段を変位させ得る第1手段と、前記変位手段の変位を防止できる第1状態と前記変位手段の変位を防止できない第2状態とで状態変化可能な第2手段と、前記第1手段の動作に基づいて前記第2手段の状態を前記第1状態と前記第2状態とで変化可能に構成される変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機SNKA1。
パチンコ機等の遊技機において、変位手段を所定位置から変位させる演出を行う演出役物において、変位手段を所定位置に保持する保持手段と、変位手段を所定位置に変位させるための駆動力を伝達する伝達手段と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-231434号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、保持手段と伝達手段とで、駆動装置が別であることから、例えば、伝達手段の駆動装置が故障している時に、保持手段の駆動装置が動かされ変位手段が所定位置から移動(落下)された場合に、変位手段を所定位置に復帰させることができなくなるので、変位手段の演出効果を低下させる可能性があるという問題点があった。即ち、上述した従来の遊技機では、変位手段の演出効果の面で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNKA1によれば、変化手段により、第2手段の状態の変化が第1手段の動作に基づくので、第1手段が動作し得ない状態において、第2手段が第1状態から第2状態に変化されることを防止することができる。これにより、変位手段が所定位置に復帰できないにも関わらず第2手段が第1状態から第2状態に変化されてしまい変位手段が所定位置から変位させられる事態が生じることを防止することができるので、変位手段の演出効果の向上を図ることができる。
遊技機SNKA1において、前記第1位置は前記第2位置よりも上側に位置し、前記第2手段は、前記変位手段が所定位置よりも前記第1位置側に配置されている状態で前記所定位置よりも前記第2位置側に進入することで前記第1状態に変化されることを特徴とする遊技機SNKA2。
遊技機SNKA2によれば、遊技機SNKA1の奏する効果に加え、第2手段が第1状態にされる際に変位手段と第2手段との間に隙間を生じさせることで、摩擦力が生じることを回避でき、動作不良を防止することができる。
更に、変位手段と第2手段とは第1手段により連動することから、動作タイミングがずれることを避け易いことに加え、第2手段を別の駆動機構で動作させる場合には必要となる変位手段が所定位置よりも第1位置側に位置したことを検出する検出センサを不要とすることができる。
遊技機SNKA1又はSNKA2において、前記第2手段は、所定の回転軸を中心に回転動作可能に構成され、前記第1状態において、前記変位手段からの荷重を前記回転軸へ向けさせる形状から構成されることを特徴とする遊技機SNKA3。
遊技機SNKA3によれば、遊技機SNKA1又はSNKA2の奏する効果に加え、変位手段からの荷重で第2手段の状態が変化される事態を回避し易くすることができる。
遊技機SNKA1からSNKA3のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記第2手段の状態が前記第1状態から前記第2状態へ変化する場合に、前記変位手段と前記第2手段との間に隙間を空ける第1連動状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機SNKA4。
遊技機SNKA4によれば、遊技機SNKA1からSNKA3のいずれかの奏する効果に加え、第2手段を第1状態から第2状態へ変化させる場合における変位手段と第2手段との間の動作抵抗を小さくすることができる。
遊技機SNKA1からSNKA4のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記第2手段の状態が前記第1状態から前記第2状態へ変化する場合に、前記第2手段を前記変位手段に擦らせる第2連動状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機SNKA5。
遊技機SNKA5によれば、遊技機SNKA1からSNKA4のいずれかの奏する効果に加え、第2手段の位置を基準にして変位手段の位置を特定することができるので、変位手段の変位開始位置を安定させることができる。
遊技機SNKA4又は遊技機SNKA5において、前記第1連動状態と前記第2連動状態とでは、前記第1手段の動作方向が反転されることを特徴とする遊技機SNKA6。
遊技機SNKA6によれば、遊技機SNKA4又は遊技機SNKA5の奏する効果に加え、第1手段の停止状態から、第1連動状態での連動が生じるのか、第2連動状態での連動が生じるのかを遊技者に分からせ難くすることができる。
遊技機SNKA1からSNKA6のいずれかにおいて、前記変位手段が前記第1位置に配置されている状態において前記第2手段が前記第1状態から前記第2状態へ変化された場合に、変位手段は、前記第1手段に支持されない状態での非支持変位を実行可能に構成されることを特徴とする遊技機SNKA7。
遊技機SNKA7によれば、遊技機SNKA1からSNKA6のいずれかの奏する効果に加え、変化手段に支持されていないことから第2手段との連動ではない動作態様で変位手段を動作させることができる。
遊技機SNKA7において、前記変位手段に前記非支持変位をさせる場合に、前記変位手段と前記第1手段との間を仕切るように配設される接触防止部を備えることを特徴とする遊技機SNKA8。
遊技機SNKA8によれば、遊技機SNKA7の奏する効果に加え、非支持変位において第1手段と変位手段とが誤って接触し、破損することを避けることができる。
遊技機SNKA1からSNKA8のいずれかにおいて、前記第2手段を前記第1状態から前記第2状態に変化させる場合に、前記変化手段が重力方向に下降変位されることを特徴とする遊技機SNKA9。
遊技機SNKA9によれば、遊技機SNKA1からSNKA8のいずれかの奏する効果に加え、第2手段が第1状態から第2状態へ変化する際に、変化手段の変位に要する力を重力で補助させることができる。
遊技機SNKA1からSNKA9のいずれかにおいて、前記変位手段の変位量を、前記第1手段の変位量に対して第1の比で変化させる第1変位量変化手段と、前記第2手段の変位量を、前記第1手段の変位量に対して第2の比で変化させる第2変位量変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機SNKA10。
遊技機SNKA10によれば、遊技機SNKA1からSNKA9のいずれかにおいて、第1手段の変位に伴う変位手段の変位量と第2手段の変位量とを異ならせることができるので、連動の設計自由度を向上させることができる。
<付勢力での移動の停止位置が複数あるように構成>
移動可能な第1移動手段と、その第1移動手段の移動に連動して第1位置から第2位置へ移動可能な第2移動手段と、その第2移動手段を前記第1位置から前記第2位置へ向けて付勢する付勢手段と、を備える遊技機において、前記第2移動手段が前記第1位置と前記第2位置との間の所定位置に配置された場合の前記第1移動手段の移動を防止可能な防止手段を備えることを特徴とする遊技機SNKB1。
パチンコ機等の遊技機において、付勢力により液晶表示装置の前側に張り出す移動手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-240386号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、移動手段の配置は、液晶表示装置の前側か、液晶表示装置の前側とは異なる位置かの2位置に限定されており、取り得る状態のバリエーションが少ないことから遊技者が飽きてしまう可能性があり、移動手段を利用した演出効果に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNKB1によれば、防止手段が第1移動手段の移動を防止することにより、第2移動手段を第1位置と第2位置との間の所定位置で止めることができるので、第2移動手段の停止位置として、第1位置または第2位置の2種類だけでなく、所定位置も使うことができる。これにより、第2移動手段の取り得る状態のバリエーションを増やすことができ、第2移動手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機SNKB1において、駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記第1移動手段に伝達可能な伝達手段と、を備え、前記伝達手段は、前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態を維持しながら所定範囲で動作可能に構成されることを特徴とする遊技機SNKB2。
遊技機SNKB2によれば、遊技機SNKB1の奏する効果に加え、所定範囲においては伝達手段の配置が定まっていなくても第2移動手段を所定位置に維持することができるので、駆動手段の制御を簡素化することができる。
遊技機SNKB2において、前記伝達手段は、駆動手段の駆動方向に因らず、前記所定範囲における動作が生じた場合に前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態を維持させるように構成されることを特徴とする遊技機SNKB3。
遊技機SNKB3によれば、遊技機SNKB2の奏する効果に加え、付勢手段の付勢力に沿う方向の動作か、付勢力に抗する方向の動作かによらず、第2移動手段を所定位置に維持し易くすることができる。これにより、第2移動手段を高速移動させた後に所定位置で急速停止させる動作態様を、動作方向に因らず、簡素な制御で実現可能とすることができる。
遊技機SNKB2又はSNKB3において、前記伝達手段は、前記第1移動手段側に配設される第1伝達手段と、前記駆動手段側に配設される第2伝達手段と、を備え、前記第2伝達手段は、前記第1伝達手段の凹設部に進入した状態において第1伝達手段の動作を停止させる動作停止手段を備え、前記遊技機は、前記動作停止手段の配置を検出する検出手段を備えることを特徴とする遊技機SNKB4。
遊技機SNKB4によれば、遊技機SNKB2又はSNKB3の奏する効果に加え、動作停止手段に複数の機能を兼用させることができ、動作停止手段の形状を簡素化させることができる。
遊技機SNKB4において、前記第2移動手段が所定位置に配置されるか否かで、前記検出手段の出力が切り替えられるよう構成されることを特徴とする遊技機SNKB5。
遊技機SNKB5によれば、遊技機SNKB4の奏する効果に加え、検出手段の出力から第2移動手段が所定位置に配置されているか否かを判定することができる。
遊技機SNKB1からSNKB5のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記第1位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが直交することを特徴とする遊技機SNKB6。
遊技機SNKB6によれば、遊技機SNKB1からSNKB5のいずれかの奏する効果に加え、第2移動手段が第1位置に配置された状態における、第2移動手段からの力による第1移動手段の移動を防止することができる。これにより、第2移動手段を第1位置で停止させることができる。
遊技機SNKB1からSNKB6のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記第2位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが直交することを特徴とする遊技機SNKB7。
遊技機SNKB7によれば、遊技機SNKB1からSNKB6のいずれかの奏する効果に加え、第2移動手段が第2位置に配置された状態における、第2移動手段からの力による第1移動手段の移動を防止することができる。これにより、第2移動手段を第2位置で停止させることができる。
遊技機SNKB1からSNKB7のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが平行となることを特徴とする遊技機SNKB8。
遊技機SNKB8によれば、遊技機SNKB1からSNKB7のいずれかの奏する効果に加え、所定位置に配置された第2移動手段への力の伝達効率を向上させることができる。
<スライド移動する部材のスライド開始時までの助走範囲を構成>
所定軸を中心に回転移動可能に支持される第1手段と、その第1手段の回転移動と連動して第1位置から第2位置へ移動可能な第2手段と、を備え、前記第2手段を前記第1位置から前記第2位置へ移動開始させる場合に、予め移動を開始されている前記第1手段の移動方向が、前記第2手段の移動方向に沿う方向になるよう構成されることを特徴とする遊技機SNKC1。
パチンコ機等の遊技機において、回転移動する第1手段と移動する第2手段とを備え、第1手段の周方向の力を第2手段に伝達させることで、第2手段を移動させる遊技機がある(例えば、特開2007-098027号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第2手段としての扉部材に力を伝達させる第1手段としてのピニオンは、第2手段の配置に関係なく荷重を与えるものであり、扉部材および自身の慣性に打ち勝って回転するために必要な駆動力が大きいことから、駆動装置が励磁されてからピニオンの回転が開始されるまでの時間差が長くなり易いという問題点があった。即ち、第2手段の動作に改善の余地があるという問題点があった。
そのため、遊技機の演出に合わせたタイミングで駆動装置が励磁されても、ピニオン及び扉部材の動作タイミングが遅れることになるので、演出に合致しないタイミングでピニオン及び扉部材が動作することになり、演出効果が低下する可能性がある。即ち、上述した従来の遊技機では、第2手段の演出効果に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNKC1によれば、第2手段を第1位置から第2位置へ移動させる際に、第1手段の移動方向が第2手段の移動方向に沿うので、第1手段の回転の勢いを利用して第2手段の慣性に容易に打ち勝つことができ、第2手段の移動タイミングの時間遅れを短くすることができるので、第2手段の動作を改善することができ、第2手段の演出効果を改善することができる。
遊技機SNKC1において、前記第1手段の移動方向が前記第2手段の移動方向に沿う場合に、前記第1手段の回転先端が前記所定軸よりも下側に位置するよう構成されることを特徴とする遊技機SNKC2。
遊技機SNKC2によれば、遊技機SNKC1の奏する効果に加え、第1手段の移動方向が第2手段の移動方向に沿う姿勢で第1手段を安定させ易くすることができる。
遊技機SNKC1又はSNKC2において、前記第1手段に所定方向で当接し得る当接手段を備え、前記第1手段が前記当接手段と当接し停止されることに基づいて、前記第2手段が前記第2位置に維持可能とされることを特徴とする遊技機SNKC3。
遊技機SNKC3によれば、遊技機SNKC1又はSNKC2の奏する効果に加え、第1手段が当接手段と当接し停止されることに基づいて、第2手段が第2位置に配置されることから、第2手段を係止する必要を無くすことができるので、第2手段を第2位置で停止させるために第2手段に大きな荷重がかけられるという事態を避けることができ、第2手段の破損を防止することができる。
遊技機SNKC3において、前記当接手段は、前記第1手段に回転方向から当接する面であって、前記第2手段の移動方向に対して傾斜する傾斜面として構成されることを特徴とする遊技機SNKC4。
遊技機SNKC4によれば、遊技機SNKC3の奏する効果に加え、傾斜面に第1手段が当接している状態で、第1手段に第2手段の移動方向の荷重が加えられた場合に、その荷重を、所定軸へ向かう方向と、第1手段の回転方向とに分散させることができる。これにより、所定軸が受ける荷重を低減することができる。
遊技機SNKC1からSNKC4のいずれかにおいて、前記第1手段が所定方向に回転動作され前記第2手段が前記第1位置から前記第2位置まで移動された後に継続される前記第1手段の回転動作により、前記第2手段が移動されないように構成されることを特徴とする遊技機SNKC5。
遊技機SNKC5によれば、遊技機SNKC1からSNKC4のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の過回転による第2手段の配置のずれを回避し易くすることができる。
遊技機KC1からKC5のいずれかにおいて、前記第2手段を前記第2位置から前記第1位置へ移動開始させる場合に、予め移動を開始されている前記第1手段の移動方向が、前記第2手段の移動方向に沿う方向になるよう構成されることを特徴とする遊技機SNKC6。
遊技機SNKC6によれば、遊技機SNKC1からSNKC5のいずれかの奏する効果に加え、第1移動手段の移動方向に因らず第2手段の移動タイミングの時間遅れを短くすることができるので、第2手段の演出効果を改善することができる。
遊技機SNKC1からSNKC6のいずれかにおいて、前記第1手段の回転量に比例して前記第2手段の移動方向で移動可能とされる第3手段を備えることを特徴とする遊技機SNKC7。
遊技機SNKC7によれば、遊技機SNKC1からSNKC6のいずれかの奏する効果に加え、第2手段の移動を開始させる前に予め第1手段を回転させている状態において、第3手段を移動させることができるので、遊技機の演出効果を向上させることができる。
遊技機SNKC3からSNKC7のいずれかにおいて、前記第1手段の回転量には、前記第3手段の移動が生じない程度の限界値が設定されており、前記第2手段が前記第2位置に到達してから前記第1手段が前記当接手段に当接するまでの回転量は、前記限界値以下となるように構成されることを特徴とする遊技機SNKC8。
遊技機SNKC8によれば、遊技機SNKC3からSNKC7のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の過回転により第3手段が位置ずれすることを回避することができる。
遊技機SNKC7又はSNKC8において、前記第2手段を移動させない範囲における前記第1手段の往復動作を可能に構成されることを特徴とする遊技機SNKC9。
遊技機SNKC9によれば、遊技機SNKC7又はSNKC8の奏する効果に加え、第2手段の移動が生じる場合に比較して、第3手段を抵抗少なく移動させることができる。
遊技機SNKC9において、前記第1手段への駆動力伝達が、第1手段の所定量の移動を待たずに停止されるよう制御されることを特徴とする遊技機SNKC10。
遊技機SNKC10によれば、遊技機SNKC9の奏する効果に加え、駆動力による勢いで移動した第1手段が、第2手段の慣性抵抗(静止摩擦)により停止されることになるので、第1手段の所定量の移動中において駆動力伝達を生じさせ続ける場合に比較して、第2手段の誤動作を回避し易くすることができる。
<球に対する光の見え方を演出に利用するように発光手段を配置する>
遊技球が入球可能な入球領域と、遊技球を前記入球領域へ向かわせる状態を形成可能な形成手段と、所定の照射範囲に光を照射可能な光照射手段と、を備え、前記入球領域へ向かう第1流下態様または前記入球領域へ向かわない第2流下態様で遊技球を流下させ得るよう構成され、遊技球が前記第1流下態様で流下している場合における前記所定の照射範囲における視認態様と、遊技球が前記第2流下態様で流下している場合における前記所定の照射範囲における視認態様とを異ならせるよう構成されることを特徴とする遊技機SNKD1。
パチンコ機等の遊技機において、入球領域に遊技球を案内可能な状態と案内不能な状態とを切り替える可動体よりも上流側の下側領域に光照射手段を配置し、発光演出を行う遊技機がある(例えば、特開2016-120220号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、光照射手段の上側に形成される坂の上を遊技球が流下するものであり、光照射手段からの光が照射される領域には遊技球が入り込まないよう構成されているので、遊技球が流下した場合に光の見え方が変化することは無く光照射手段の付近では遊技球が明るく見えるのだが、可動体と光照射手段との間に若干の距離があるために可動体側に光が届きにくく、可動体付近が暗く視認されてしまい、通常の注目力で行う遊技では入球領域に遊技球が入っているのかどうかが判別し難い。
そのため、遊技者に可動体付近を覗き込む遊技を強いることになり、遊技者の遊技負担を大きくさせ、興趣の向上を図れなくなる可能性があった。即ち、上述した従来の遊技機では、遊技者の興趣の向上の観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNKD1によれば、遊技球が入球領域へ向かう第1流下態様で流下しているか、遊技球が入球領域へ向かわない第2流下態様で流下しているかによって、光照射手段からの光の見え方を異ならせることができるので、光照射手段からの光を視認することにより、遊技球が入球領域へ向かっているか否かを遊技者に把握させることができる。これにより、遊技者の遊技負担を低減させることができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
遊技機SNKD1において、前記光照射手段は、前記第1流下態様で流下する遊技球に光が遮蔽されない位置に配置されることを特徴とする遊技機SNKD2。
遊技機SNKD2によれば、遊技機SNKD1の奏する効果に加え、遊技球が入球領域に入球を継続している場合においても、光照射手段からの光による演出効果を維持することができる。
遊技機SNKD1又はSNKD2において、前記光照射手段は、前記形成手段を光で照らす位置に配置されることを特徴とする遊技機SNKD3。
遊技機SNKD3によれば、遊技機SNKD1又はSNKD2の奏する効果に加え、形成手段の視認性が低下することを回避し易くすることができる。
遊技機SNKD3において、前記形成手段よりも正面側に配置され遊技球の流下経路を覆う覆設手段を備え、前記覆設手段の正面側に描かれる形状は、前記形成手段の形状に沿う形状とされることを特徴とする遊技機SNKD4。
遊技機SNKD4によれば、遊技機SNKD1からSNKD3のいずれかの奏する効果に加え、形成手段の視認性が向上されることに伴って、覆設手段の視認性を向上させることができる。即ち、形成手段を介して視認される光により覆設手段の正面側に描かれる形状を明るく照らすことができ、演出効果を向上させることができる。
遊技機SNKD4において、前記覆設手段に描かれる前記形状は、後方を視認し易い第1視認部と、その視認容易部よりも視認性が劣る第2視認部とから形成され、前記第1視認部は、少なくとも前記第1流下態様における遊技球の流下経路の前方に形成され、前記形成手段を介して進行する光は、前記第1視認部を通過することを特徴とする遊技機SNKD5。
遊技機SNKD5によれば、遊技機SNKD4の奏する効果に加え、第1流下態様で流下する遊技球に対する注目力を向上させることができると共に、第1視認部を明るくすることで後方の視認性を向上させることができる。
遊技機SNKD1からSNKD5のいずれかにおいて、形成手段を支持する支持手段を備え、その支持手段は、形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射可能に形成される反射部を備えることを特徴とする遊技機SNKD6。
遊技機SNKD6によれば、遊技機SNKD1からSNKD5のいずれかの奏する効果に加え、形成手段の色味が反射部を介しても視認されるように構成することができる。
遊技機SNKD6において、前記反射部は、前記形成手段が遊技球を前記入球領域へ向かわせる状態では形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射可能とされ、前記形成手段が遊技球を前記入球領域へ向かわせない状態では形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射不可能とされることを特徴とする遊技機SNKD7。
遊技機SNKD7によれば、遊技機SNKD6の奏する効果に加え、反射部の視認態様と、形成手段の状態とが対応づけられる。これにより、形成手段の状態の変化が分かり難い場合であっても、反射部を視認することで形成手段の状態を把握することができるので、遊技者の遊技負担を軽減させることができる。
遊技機SNKD6又はSNKD7において、前記反射部は、遊技球の流下経路よりも上側に形成されることを特徴とする遊技機SNKD8。
遊技機SNKD8によれば、遊技機SNKD6又はSNKD7の奏する効果に加え、流下経路を流下する遊技機により反射部が隠される事態を回避し易くすることができる。
遊技機SNKD3からSNKD8のいずれかにおいて、前記覆設手段は、前記形成手段を背景として視認可能な位置に前記形成手段よりも小さな形状部を備えることを特徴とする遊技機SNKD9。
遊技機SNKD9によれば、遊技機SNKD3からSNKD8のいずれかの奏する効果に加え、形成手段を背景とした形状部の視認態様と、形成手段を背景としない形状部の視認態様とを異ならせることで、固定の覆設手段の見え方を変化させることができる。
遊技機SNKD9において、前記形状部が、前記形成手段の上流側位置に配置されることを特徴とする遊技機SNKD10。
遊技機SNKD10によれば、遊技機SNKD9の奏する効果に加え、形状部により注目させる箇所を形成手段の上流側位置とすることで、形状部付近で遊技者に視認された遊技球が入球領域に入球するまでの時間を長く確保することができる。これにより、遊技者に入球領域への入球を確認させる時間的余裕を与えることができる。
<化粧板の背後の変位手段の見え方が配置によって異なる>
遊技球が入球可能な入球領域と、遊技球を前記入球領域へ向かわせる第1位置と遊技球を前記入球領域へ向かわせない第2位置とに変位可能な変位手段と、光透過性材料から形成され、所定方向視で前記変位手段の少なくとも一部と重なるよう配置される透過手段と、を備え、前記透過手段には所定の装飾が施され、前記変位手段が前記第1位置に配置されるか前記第2位置に配置されるかによって、前記所定方向視における前記変位手段と前記透過手段との重なる領域が変化し得ることを特徴とする遊技機SNKE1。
パチンコ機等の遊技機において、入球領域の正面側に覆設される化粧部材が可動とされ、その化粧部材を動かすことで入球領域付近の見え方を変化させる遊技機がある(例えば、特開2015-107293号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、化粧部材を動作させるための駆動手段や伝達機構が別途必要となることから、入球領域付近の領域が駆動手段や伝達機構により圧迫され易く、入球領域付近の設計自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNKE1によれば、透過手段を通して変位手段が視認される構造において、変位手段の配置が変化することで透過手段と変位手段とが重なる領域が変化することから、透過手段を動作させなくても透過手段の所定の装飾を異なる態様で視認させることができる。これにより、駆動手段や伝達機構が配設されるスペースを空けることができ、入球領域付近の設計自由度を向上させることができる。
遊技機SNKE1において、前記変位手段が前記第1位置に配置された状態で、前記変位手段が前記所定の装飾の背景とされることで、前記変位手段が前記第2位置に配置された状態に比較して前記所定の装飾を判別し易いように構成されることを特徴とする遊技機SNKE2。
遊技機SNKE2によれば、遊技機SNKE1の奏する効果に加え、変位手段が第1位置に配置された状態で所定の装飾を判別し易くなるので、所定の装飾に注目することで、変位手段の状態を把握し易くすることができる。更に、判別し易い状態において変位手段が遊技球を入球領域に向かわせることで、更に入球領域付近への注目力を上昇させることができる。
遊技機SNKE1又はSNKE2において、前記所定の装飾は、前記入球領域と関連する形状とされることを特徴とする遊技機SNKE3。
遊技機SNKE3によれば、遊技機SNKE1又はSNKE2の奏する効果に加え、所定の装飾への注目を、入球領域への注目へと誘導させ易くすることができる。
遊技機SNKE1からSNKE3のいずれかにおいて、前記入球領域は、前記所定方向視とは異なる方向視であって、前記所定の装飾と前記変位手段とが重ならない方向視において視認可能な位置に配置されることを特徴とする遊技機SNKE4。
遊技機SNKE4によれば、遊技機SNKE1からSNKE3のいずれかの奏する効果に加え、所定の装飾における視認態様の変化を煩わしく感じる遊技者に対して、遊技負担を低減させることができる。
遊技機SNKE1において、前記変位手段が前記第1位置に配置された状態で、前記変位手段が前記所定の装飾の後方から退避されることで、前記変位手段が前記第2位置に配置された状態に比較して前記所定の装飾を判別し易いように構成されることを特徴とする遊技機SNKE5。
遊技機SNKE5によれば、遊技機SNKE1の奏する効果に加え、変位手段が第1位置に配置された状態で所定の装飾を判別し易くなるので、所定の装飾に注目することで、変位手段の状態を把握し易くすることができる。更に、判別し易い状態において変位手段が遊技球を入球領域に向かわせることで、更に入球領域付近への注目力を上昇させることができる。
遊技機SNKE1からSNKE5のいずれかにおいて、前記入球領域を複数備え、前記所定の装飾が、各入球領域に対応して複数設けられることを特徴とする遊技機SNKE6。
遊技機SNKE6によれば、遊技機SNKE1からSNKE5のいずれかの奏する効果に加え、所定の装飾を視認することで、複数の入球領域のどこに遊技球が案内されるのかを把握し易くすることができる。
遊技機SNKE6において、複数の前記所定の装飾は、異なる大きさで形成されることを特徴とする遊技機SNKE7。
遊技機SNKE7によれば、遊技機SNKE6の奏する効果に加え、所定の装飾による遊技球の入球先の判別をしやすくすることができる。また、複数の入球領域の利益差に応じて、所定の装飾の大小関係が設定されることで、遊技者に直感的に得られる利益を把握させることができる。
遊技機SNKE6又はSNKE7において、複数の前記所定の装飾は、一方の内部に他方が配置される態様で設けられることを特徴とする遊技機SNKE8。
遊技機SNKE8によれば、遊技機SNKE6又はSNKE7の奏する効果に加え、複数の所定の装飾に注目させる場合に、遊技者が目線を変えることを不要することができる。これにより、遊技者の遊技負担を軽減することができる。
遊技機SNKE1からSNKE8のいずれかにおいて、前記透過手段は、前記変位手段の位置を合わせる位置合わせ部を備えることを特徴とする遊技機SNKE9。
遊技機SNKE9によれば、遊技機SNKE1からSNKE8のいずれかの奏する効果に加え、位置合わせ部により、変位手段が第1状態とされた場合における変位手段と所定の装飾との位置ずれを抑制することができる。
遊技機SNKE9において、前記位置合わせ部は、前記所定の装飾とは異なる位置に配設されることを特徴とする遊技機SNKE10。
遊技機SNKE10によれば、遊技機KE9の奏する効果に加え、所定の装飾の視認性を確保することができる。
<複数の層を組み合わせて一連の装飾となる構造>
第1の層に第1手段が配置可能とされ、所定方向視において前記第1の層と重なる第2の層に第2手段が配置可能とされる遊技機において、前記第2手段と、前記第1手段とは、独立して変位可能であり、前記所定方向視において所定領域に配置される前記第1手段および前記第2手段が、一連の視認態様で視認され得ることを特徴とする遊技機SNKF1。
パチンコ機等の遊技機において、はさみの刃を模した形状から形成される第1手段および第2手段を備え、第1手段および第2手段により一連の視認態様で視認される遊技機がある(例えば、特開2011-110255号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1手段および第2手段が互いに連動しているため、動作速度が遅くなり、第1手段および第2手段が液晶表示装置の外方に配置された状態から、第1手段および第2手段が液晶表示装置の前方に配置されて一連の視認態様で視認させる状態に変化するまでに時間が長くかかることになり、演出の自由度が低くなる可能性があるという問題点があった。即ち、第1手段および第2手段の演出効果に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNKF1によれば、第1手段が、第2手段に対して独立して変位可能に構成されているので、第1手段の動作速度が第2手段の重さにより制限されることを避けることができ、第1手段および第2手段の動作の迅速化を図ることができ、第1手段および第2手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機SNKF1において、前記第1手段が視認態様の異なる可動状態と非可動状態とを切替可能に構成され、非可動状態において前記一連の視認態様で視認されることを特徴とする遊技機SNKF2。
遊技機SNKF2によれば、遊技機SNKF1の奏する効果に加え、第1手段で動的に演出する状態と、第1手段を非可動として一連の形状に注目させる状態とを切り替えることができる。
遊技機SNKF1又はSNKF2において、前記第1手段は、動作手段と被動作手段とを備え、動作手段の変位が、被動作手段の状態に対応して生じるよう構成されることを特徴とする遊技機SNKF3。
遊技機SNKF3によれば、遊技機SNKF1又はSNKF2のいずれかの奏する効果に加え、動作手段と被動作手段とが独立動作する場合のように互いに衝突することを防止することができる。
遊技機SNKF1からSNKF3のいずれかにおいて、前記第1手段が非可動状態とされる場合において前記第2手段が可動とされることを特徴とする遊技機SNKF4。
遊技機SNKF4によれば、遊技機SNKF1からSNKF3のいずれかの奏する効果に加え、第2手段についても第1手段に独立して変位可能とされることから、動作演出のバリエーションを増加させることができる。
遊技機SNKF1からSNKF4のいずれかにおいて、前記第1手段と前記第2手段とが一連の視認態様で視認されない状態から、前記第1手段と前記第2手段とが移動することで互いに近づいた近接状態において一連の視認態様で視認されることを特徴とする遊技機SNKF5。
遊技機SNKF5によれば、遊技機SNKF1からSNKF4のいずれかの奏する効果に加え、一連の視認態様で視認される範囲を狭めることができるので、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機SNKF1からSNKF5のいずれかにおいて、前記第1手段または前記第2手段は、前記所定領域で動作が停止され、前記所定領域以外の領域では動作が継続され得ることを特徴とする遊技機SNKF6。
遊技機SNKF6によれば、遊技機SNKF1からSNKF5のいずれかの奏する効果に加え、所定領域において一連の視認態様で視認される場合以外における第1手段または第2手段の視認態様を継続動作により変化させることができるので、一連の視認態様で視認される態様への注目力を向上させることができる。
遊技機SNKF1からSNKF6のいずれかにおいて、前記第1手段で囲われる領域に前記第2手段が配置され、前記第2手段の発光態様に対応して、前記第1手段の発光態様が変化されることを特徴とする遊技機SNKF7。
遊技機SNKF7によれば、遊技機SNKF1からSNKF6のいずれかの奏する効果に加え、発光態様を対応させることにより第1手段および第2手段による演出効果を向上させることができる。
遊技機SNKF1からSNKF7のいずれかにおいて、前記所定方向視において前記第1手段または前記第2手段と重なり得る位置に表示領域を有する表示装置を備え、前記表示領域からの光が、前記第1手段または前記第2手段に対応する領域で照らされることを特徴とする遊技機SNKF8。
遊技機SNKF8によれば、遊技機SNKF1からSNKF7のいずれかの奏する効果に加え、表示装置の表示領域からの光により第1手段または第2手段を明るく照らすことができ、演出効果を向上させることができる。
遊技機SNKF8において、前記表示領域からの光の態様が、前記第1手段または前記第2手段の変位中と、前記第1手段または前記第2手段の非変位中とで変化可能とされることを特徴とする遊技機SNKF9。
遊技機SNKF9によれば、遊技機SNKF8の奏する効果に加え、第1手段または第2手段の見せ方を、変位中と非変位中とで異ならせることができるので、一連の視認態様で視認させる状態と、それ以外の状態とで、第1手段または第2手段の見せ方にバリエーションを設けることができる。
遊技機SNKF8又はSNKF9において、前記表示領域で、前記第1手段または前記第2手段の視認態様に対応した表示がされることを特徴とする遊技機SNKF10。
遊技機SNKF10によれば、遊技機SNKF8又はSNKF9の奏する効果に加え、第1手段または第2手段が透過性材料で構成されている場合に、表示領域における表示と第1手段または第2手段自体の装飾とが組み合わされた視認態様で視認させることができる。
また、第1手段または第2手段に動作不良が生じた場合であっても、表示領域における表示を第1手段または第2手段に代替させることができ、演出効果の低下を最小限に留めることができる。
遊技機SNKF8からSNKF10のいずれかにおいて、前記表示装置による表示と、前記第1手段または前記第2手段とが連動されることを特徴とする遊技機SNKF11。
遊技機SNKF11によれば、第1手段または第2手段が配置されていない層における表示装置の表示領域全体を利用して、第1手段または第2手段に連動される対象を遊技者に視認させることができる。これにより、遊技者に注目させる領域を広げられる。
遊技機SNKF8からSNKF11のいずれかにおいて、前記表示装置による表示を視認させる第1視認範囲と、前記第1視認範囲とは異なる態様で視認させる第2視認範囲と、を備え、前記第2視認範囲は、前記第1視認範囲よりも前側の層に形成されることを特徴とする遊技機SNKF12。
遊技機SNKF12によれば、遊技機SNKF8からSNKF11のいずれかの奏する効果に加え、第1視認範囲と、第2視認範囲とを、前後配置の関係する視認態様で視認させることができるので、立体感または積層感のある演出を実現できる。
遊技機SNKF12において、前記第1視認範囲と、前記第2視認範囲との隙間を狭める隙間防止手段を備えることを特徴とする遊技機SNKF13。
遊技機SNKF13によれば、遊技機SNKF12の奏する効果に加え、第1視認範囲における視認態様と、第2視認範囲における視認態様とを一連の視認態様で視認させ易くすることができる。
遊技機SNKF8からSNKF13のいずれかにおいて、前記第1手段または前記第2手段の変位に伴って変位される発光手段を備えることを特徴とする遊技機SNKF14。
遊技機SNKF14によれば、遊技機SNKF8からSNKF13のいずれかの奏する効果に加え、第1手段または第2手段の変位に対する、光演出の時間遅れを回避し易くすることができる。
遊技機SNKF8からSNKF14のいずれかにおいて、前記第1の層における視認態様は、電圧制御に基づく前記第2の層における状態に対応して変化し得ることを特徴とする遊技機SNKF15。
遊技機SNKF15によれば、遊技機SNKF8からSNKF14のいずれかの奏する効果に加え、第2の層における第2手段の状態に対応して第1手段の視認態様の変化を生じさせることができる。
遊技機SNKF15において、前記第2の層における状態に対応して、所定の光を遮断する遮断範囲と、所定の光を遮断しない非遮断範囲と、を構成可能とされることを特徴とする遊技機SNKF16。
遊技機SNKF16によれば、遊技機SNKF15の奏する効果に加え、第2の層における状態によって背面からの光の透過態様を変化させることにより、第2の層および第1の層とを重ねた視認態様を変化させることができる。
<ベース板の裏側に基板を配置>
正面側に遊技領域が形成される遊技盤と、その遊技盤に光を照射する光照射手段と、を備え、前記光照射手段は、前記遊技盤の厚さ方向に対して交差する方向で光が前記遊技盤に進入し得る位置に配置されることを特徴とする遊技機SNKG1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤の背面側に発光基板が配設され、発光基板に配設されるLED等の発光手段から正面側へ向けて光が照射されることで、遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材を明るく照らすように構成される遊技機がある(例えば、特開2006-333887号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、限られた発光手段で遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材の広い範囲を明るく照らすために、発光基板を遊技盤からある程度離して配設する必要があるため、そのためのスペースを遊技盤の背面側に確保する必要がある一方で、発光基板と遊技盤との間に演出用の可動役物を配設してしまうと、遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材に可動役物の影が映ることで暗くなってしまうため、この観点からは発光手段を遊技盤側に寄せて可動役物の配設スペースを作りたいという、相反する課題があった。即ち、光照射手段の配置に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNKG1によれば、光照射手段からの光は遊技盤の厚さ方向に対して交差する方向で遊技盤に進入し得る位置に配置されることから、遊技盤の厚さ幅の内側で光の照射範囲を拡げられ、光により照らす面積を増大させることができることから遊技盤を明るく視認させることができると共に、光照射手段を遊技盤の後方に離して配置する必要がないので、遊技盤の背面側に可動役物の配設スペースを十分確保することができる。即ち、光照射手段の配置を改善することができる。
遊技機SNKG1において、前記光照射手段は、前記遊技盤の後方に配設されることを特徴とする遊技機SNKG2。
遊技機SNKG2によれば、遊技機SNKG1の奏する効果に加え、光照射手段を遊技盤で隠すように配設することができ、見栄えを良くすることができる。
遊技機SNKG1又はSNKG2において、前記遊技盤は前記遊技領域が形成される範囲外において背面側に凹設される凹設部を備え、その凹設部により形成される空間に前記光照射手段が配置されることを特徴とする遊技機SNKG3。
遊技機SNKG3によれば、遊技機SNKG1又はSNKG2の奏する効果に加え、光照射手段を遊技盤の厚み寸法内に収めることができるので、遊技盤の背面側のスペースを確保し易くすることができる。
遊技機SNKG1からSNKG3のいずれかにおいて、前記遊技盤は、背面側面に前記光照射手段からの光を正面側へ向けさせるための変化部を備えることを特徴とする遊技機SNKG4。
遊技機SNKG4によれば、遊技機SNKG1からSNKG3のいずれかの奏する効果に加え、変化部の配置により正面視における光の見え方を容易に設計することができる。
遊技機SNKG4において、前記遊技盤は、前記変化部にシボ加工が形成されることを特徴とする遊技機SNKG5。
遊技機SNKG5によれば、遊技機SNKG4の奏する効果に加え、変化部で光を拡散させることができ、変化部を明るく視認させるためのLED等の光照射部の個数を削減させることができる。
遊技機SNKG4又はSNKG5において、前記変化部は、前記光照射手段から所定の光軸で発射される光が到達し得る複数位置に形成されることを特徴とする遊技機SNKG6。
遊技機SNKG6によれば、遊技機SNKG4又はSNKG5の奏する効果に加え、所定の光軸で発射される光により変化部が明るく視認される範囲を広げることができる。
遊技機SNKG4からSNKG6のいずれかにおいて、前記変化部は、前記遊技盤の内側の開口部の縁部に周状に形成されることを特徴とする遊技機SNKG7。
遊技機SNKG7によれば、遊技機SNKG4からSNKG6のいずれかの奏する効果に加え、遊技盤の内側の開口部の縁部を略円環状に照らすことができる。これにより、開口部内側に配置される表示装置への視線誘導をし易くすることができる。
遊技機SNKG7において、前記変化部は、前記開口部の縁部前端よりも縁部後端の方が開口が大きくなるように構成されることを特徴とする遊技機SNKG8。
遊技機SNKG8によれば、遊技機SNKG7の奏する効果に加え、開口部の縁部前端を基準として遊技盤にセンターフレームを配設することができ、変化部を介する光によりセンターフレームを明るく照らすことができる。
遊技機SNKG1からSNKG8のいずれかにおいて、前記光照射手段から前記遊技盤に進入した光の進行方向が正面側へ向けられるまでの間、その光は前記遊技盤の厚み寸法内を進行することを特徴とする遊技機SNKG9。
遊技機SNKG9によれば、遊技機SNKG1からSNKG8のいずれかの奏する効果に加え、正面側へ向けられる前の光が遊技領域内を進行する場合と異なり、遊技領域を流下する球に光が遮られることを回避することができる。
遊技機SNKG9において、前記光照射手段から前記遊技盤に進入した光は、前記遊技領域に配設される入球領域に入球した遊技球の通過経路を通過可能に構成されることを特徴とする遊技機SNKG10。
遊技機SNKG10によれば、遊技機SNKG9の奏する効果に加え、光照射手段から進入した光が遮蔽された場合と、遊技球が入球領域に入球したこととを対応付けることができるので、光照射手段から照射される光に対する注目力を向上させることができる。
<視認部の視認態様が変化し得る回転動作手段>
視認態様が変化し得る所定の視認部を有する動作手段を備え、前記所定の視認部が回転移動し得ることを特徴とする遊技機SNKKH1。
パチンコ機等の遊技機において、演出効果を高める動きを生じ得る動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2007-98027号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、図柄の変動に対応して連動される動作手段が、遊技機中央部に固定された表示装置の手前側で開閉される動作をするに過ぎず、この場合、表示装置への注目力は向上されるが、動作手段を目で追わせるように注目させることは難しい。即ち、動作手段の演出効果について改善の余地があった。
これに対し、遊技機SNKKH1によれば、所定の視認部が回転移動し得ることから、動作手段の回転動作が所定の一点を中心に継続される場合に、所定の視認部の視認態様の変化を確認するために、動作手段への注目力を向上させることができる。その場合に、回転中心からある程度の範囲を視界に収めておけば済むので、所定の視認部の視認態様の変化を確認しようとする遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機SNKKH1において、前記動作手段は、回転移動することに伴って前記所定の視認部を通した視認態様が変化されることを特徴とする遊技機SNKKH2。
遊技機SNKKH2によれば、遊技機SNKKH1の奏する効果に加え、所定の視認部の視認態様の変化に注目させるタイミングを動作手段の回転移動中に限定させることができるので、所定の視認部の視認態様の変化がいつ生じるか分からない場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機SNKKH1又はSNKKH2において、前記所定の視認部の視認態様は、前記動作手段の回転軸を挟んで位置する第1位置および第2位置で少なくとも変わり得ることを特徴とする遊技機SNKKH3。
遊技機SNKKH3によれば、遊技機SNKKH1又はSNKKH2の奏する効果に加え、所定の視認部の視認態様が変化する箇所が1箇所である場合に比較して、所定の視認部の視認態様の変化の確認の難易度を上げることができるので、遊技者の動作手段に対する注目力をより向上させることができる。
遊技機SNKKH3において、前記第1位置での前記所定の視認部の視認態様の変化が生じた場合と、前記第2位置での前記所定の視認部の視認態様の変化が生じた場合とで、遊技者が得られる利益が変化し得ることを特徴とする遊技機SNKKH4。
遊技機SNKKH4によれば、遊技機SNKKH3の奏する効果に加え、所定の視認部の視認態様の変化に対する遊技者の興味関心を向上させることができ、動作手段に対する注目力を増大させることができる。
遊技機SNKKH1からSNKKH4のいずれかにおいて、前記所定の視認部の視認態様が、第1の視認態様で変化する場合と、第2の視認態様で変化する場合とがあることを特徴とする遊技機SNKKH5。
遊技機SNKKH5によれば、遊技機SNKKH1からSNKKH4のいずれかの奏する効果に加え、所定の視認態様が、どのように変化するかに対する遊技者の興味を向上させることができ、遊技者の動作手段に対する注目力を向上させることができる。
<球流下と回転動作手段とを関連させる演出>
遊技機KKH1からKKH5のいずれかにおいて、遊技者に視認され得るよう構成され、遊技球の流下に対応して動かされ得る動作手段を備える遊技機SNKH1。
パチンコ機等の遊技機において、演出効果を高める動きを生じ得る動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2007-98027号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、図柄の変動に対応して動作手段の演出動作が実行されることに留まり、その動作態様から実際の遊技球の流下についての情報を得ることは難しかった。そのため、遊技者の目線が動作手段に注目している場合には遊技球の流下態様を把握することはできず、遊技球の流下の感じを見ながら遊技球の発射強度の調整をリアルタイムで行うことが困難であった。
この場合、液晶表示装置でのロングリーチを視認しながら遊技球の発射を継続することが困難であり、特別図柄の保留を満タンまで溜めた状態で遊技を行いたい遊技者の遊技負担を増加させる可能性が高く、興趣が低下する可能性がある。このように、上述した従来の遊技機では、動作手段に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNKH1によれば、遊技機SNKKH1からSNKKH5のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動きを遊技者が視認することにより、遊技球の流下について遊技者に把握させることができる。これにより、動作手段を改善することができる。
遊技機SNKH1において、遊技球の流下に基づく所定条件が成立した場合に前記動作手段が動かされることを特徴とする遊技機SNKH2。
遊技機SNKH2によれば、遊技機SNKH1の奏する効果に加え、遊技領域に遊技球が流下してさえいれば動作手段に動きが生じる場合に比較して、動作手段の動きから、遊技者が遊技球の流下態様を予測し易くすることができる。
遊技機SNKH1又はSNKH2において、前記動作手段が動き得る状態で支持され、一側端部を支点とする変位が可能に構成される支持手段と、その支持手段の変位を許容する許容状態と、前記支持手段の変位を規制する規制状態とを構成可能な規制手段と、を備えることを特徴とする遊技機SNKH3。
遊技機SNKH3によれば、遊技機SNKH1又はSNKH2の奏する効果に加え、支持手段の配置に対応して、動作手段の配置にバリエーションを持たせることができるので、流下態様の状態の把握を容易にすることができる。
遊技機SNKH2又はSNKH3において、遊技領域を流下する遊技球が所定部位を通過した場合に前記前記所定条件が成立し得ることを特徴とする遊技機SNKH4。
遊技機SNKH4によれば、遊技機SNKH2又はSNKH3の遊技機の奏する効果に加え、動作手段の動きを視認することで、遊技球が所定部位を通過したことを遊技者に把握させることができる。
なお、所定部位としては、種々の態様が例示される。例えば、遊技球の流下が検出されることで所定の賞球の払い出しが実行される賞球口であっても良いし、賞球の払い出しは生じないが何らかの抽選が実行される開口でも良いし、賞球の払い出しも何らかの抽選も実行されず単に遊技球の流下を検出する検出センサであっても良いし、遊技球からのエネルギーの伝達により動作される動作部材の被衝突部であっても良い。
遊技機SNKH4において、前記動作手段の上側の第1所定部位を遊技球が右方に通過する場合には、前記動作手段が動かされない一方、前記第1所定部位よりも左側を遊技球が流下する場合には、前記動作手段が動かされ得ることを特徴とする遊技機SNKH5。
遊技機SNKH5によれば、遊技機SNKH4の奏する効果に加え、動作手段を視認することで、動作手段を基準にして、遊技球が左右どちら側を流下しているのかを遊技者に把握させることができる。これにより、例えば、右打ち遊技を実行しているつもりの遊技者に対して、遊技球が左側に流下していることに気付かせ易くすることができる。
遊技機SNKH4において、前記動作手段の上側の第2所定部位を遊技球が右方に通過する場合には、前記動作手段が右方側に動かされる一方、前記第2所定部位よりも左側を遊技球が流下する場合には、前記動作手段が左方側に動かされ得ることを特徴とする遊技機SNKH6。
遊技機SNKH6によれば、遊技機SNKH4の奏する効果に加え、動作手段の動きの方向と、遊技球の流下する方向とが対応しているので、動作手段を視認した遊技者に対して、遊技球の流下について直感的に理解させ易くすることができる。
遊技機SNKH6において、前記第2所定部位よりも上側に位置する第3所定部位を遊技球が右方に通過する場合には、前記動作手段が動かされないことを特徴とする遊技機SNKH7。
遊技機SNKH7によれば、遊技機SNKH6の奏する効果に加え、動作手段との離間幅と、動作手段の動きの有無とが対応しているので、動作手段が動いていないことを視認した遊技者に対して、遊技球が動作手段と離れた位置を流下していることを把握させ易くすることができる。
遊技機SNKH4から遊技機SNKH7のいずれかにおいて、前記所定部位を遊技球が通過したことに基づいて前記動作手段が動いている状態において、前記所定部位を遊技球が通過した場合に、前記動作手段の動く速度が変化されることを特徴とする遊技機SNKH8。
遊技機SNKH8によれば、遊技機SNKH4からSNKH7のいずれかの奏する効果に加え、頻度や流下方向にランダム性を有する遊技球の流下を動作手段の動きに反映させることで、ランダム性の高い演出を動作手段で実行させることができる。更に、動作手段の動く速度の変化を視認した遊技者に対して、所定部位を再び遊技球が通過したことを把握させることができるので、遊技球の流下のパターン(流下態様のばらつきの程度)を遊技者が把握し易くすることができる。
遊技機SNKH3からSNKH8のいずれかにおいて、前記支持手段は、前記規制手段が前記許容状態か前記規制状態かに関わらず、前記動作手段が動き得る状態で支持することを特徴とする遊技機SNKH9。
遊技機SNKH9によれば、遊技機SNKH3からSNKH8のいずれかの奏する効果に加え、支持手段が変位される状態か、支持手段の変位が規制される状態かのいずれかでのみ動作手段が動き得る場合に比較して、動作手段による見映えの向上の効果を生じさせることができる状態を増やすことができる。
遊技機SNKH3からSNKH9のいずれかにおいて、前記規制手段の前記許容状態から前記規制状態への変化は、前記支持手段の変位に連動して生じることを特徴とする遊技機SNKH10。
遊技機SNKH10によれば、遊技機SNKH3からSNKH9のいずれかの奏する効果に加え、規制手段の状態の変化が支持手段の変位に連動して生じることから、規制手段と支持手段とがそれぞれ独立の基準で動作し得る場合に比較して、誤動作(例えば、動作タイミングが合わずに、干渉し合う等)の発生を回避し易くすることができる。
遊技機SNKH3からSNKH9のいずれかにおいて、前記規制手段が前記許容状態とされる場合に、前記支持手段が前記規制手段の前記規制状態において配置される上下位置に、前記支持手段を維持可能に構成されることを特徴とする遊技機SNKH11。
遊技機SNKH11によれば、遊技機SNKH3からSNKH9のいずれかの奏する効果に加え、規制手段の許容状態からの支持手段の変位と、規制手段の規制状態からの支持手段の変位とを、同じ上下位置から開始させることができるので、遊技者に注目させる高さ位置を統一することができ、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機SNKH3からSNKH11のいずれかにおいて、前記動作手段は、前記支持手段の変位に基づいて変位することを特徴とする遊技機SNKH12。
遊技機SNKH12によれば、遊技機SNKH3からSNKH11のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下に対応する動きの他に、支持手段の変位に基づく変位による動きをも生じさせることができるので、動作手段の視認態様のバリエーションを増加させることができる。
遊技機SNKH3からSNKH12のいずれかにおいて、前記支持手段の前記一側端部を支点とする変位は、前記動作手段が、前記支持手段の中心位置よりも前記一側端部側に配置された状態で生じることを特徴とする遊技機SNKH13。
遊技機SNKH13によれば、遊技機SNKH3からSNKH12のいずれかの奏する効果に加え、支持手段の変位時における変位が小さい側に動作手段が配置されることから、支持手段が急に停止される等の衝撃が生じた場合に動作手段が受ける衝撃(荷重)を小さくすることができる。
<遊技球の流下範囲の正面側に装飾を形成するポイント>
遊技球が流下する所定の流下領域の正面側に配設され所定の厚みを有する光透過部を備え、前記光透過部は、第1の光の透過率で構成される第1透過率部と、その第1透過率部よりも高い透過率で光を透過する第2透過率部と、を備え、正面視で前記第1透過率部と重なる遊技球の一部は、前記第2透過率部と重なるように構成されることを特徴とする遊技機SNKI1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に模様が形成される遊技機がある(例えば、特開2011-83381号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、流下する遊技球により模様が隠されることで演出効果の妨げとなる可能性があるところ、単純に遊技領域の前側に模様を形成するだけでは、今度は逆に模様により遊技球が隠されてしまい遊技球を見失う事態を生じさせる可能性があることから、遊技球を見失わせることなく演出効果を向上させる観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNKI1によれば、遊技球が第1透過率部と重なる場合に、第2透過率部とも重なるように構成されているので、第1透過率部に遊技球が完全に覆われる状況を避けることにより遊技者が遊技球を見失う事態が生じることを避け易くしながら、光透過部の背面側を遊技球が流下する場合と流下しない場合とで視認態様を変化させることにより演出効果を向上させることができる。
遊技機SNKI1において、前記第1透過率部は、所定の記号の少なくとも一部を構成することを特徴とする遊技機SNKI2。
遊技機SNKI2によれば、遊技機SNKI1の奏する効果に加え、流下領域における遊技球の流下の有無に関わらず、所定の記号による何らかの意味合いを遊技者に認識させることができるので、演出性の向上を図ることができる。
遊技機SNKI2において、前記第1透過率部は、前記所定の記号の輪郭の少なくとも一部を構成することを特徴とする遊技機SNKI3。
遊技機KI3によれば、遊技機KI2の奏する効果に加え、所定の記号の識別を容易とさせることができる。
遊技機SNKI1からSNKI3のいずれかにおいて、前記第1透過率部の、遊技球の流下方向の寸法または遊技球の流下方向に対して交差する方向の寸法の少なくとも一方は、遊技球の直径よりも短くされることを特徴とする遊技機SNKI4。
遊技機SNKI4によれば、遊技機SNKI1からSNKI3のいずれかの奏する効果に加え、第1透過率部の設計自由度を向上させることができ、構成される模様の種類を増加させることによる演出効果の向上を図ることができる。
遊技機SNKI4において、前記第1透過率部が前記所定の記号の輪郭の少なくとも一部を構成する場合に、前記輪郭の幅が遊技球の半径未満とされることを特徴とする遊技機SNKI5。
遊技機SNKI5によれば、遊技機SNKI4の奏する効果に加え、所定の記号の輪郭が複数近接して隣り合うような場合においても、遊技球が輪郭により完全に隠される事態を避けることができる。
即ち、複数の輪郭が隙間なく並べられる場合には、複数の輪郭の外側において遊技球を視認させることができる一方で、複数の輪郭の間に隙間が生じる場合には、その隙間を通して遊技球を視認させることができる。
遊技機SNKI1からSNKI5のいずれかにおいて、前記所定の流下領域における遊技球の流下方向は、水平方向成分を有することを特徴とする遊技機SNKI6。
遊技機SNKI6によれば、遊技機SNKI1からSNKI5のいずれかの奏する効果に加え、自由落下する遊技球に比較して、所定の流下領域における遊技球の流下速度を遅くすることができるので、光透過部を介して遊技球を視認させる期間を長くすることができる。これにより、第1透過率部および第2透過率部により構成される模様の見え方が変化する状態を長く保ち易くすることができる。
遊技機SNKI1からSNKI6のいずれかにおいて、前記所定の流下領域は、第1流下領域と、その第1流下領域とは異なる方向に遊技球を流下させる第2流下領域と、を備えることを特徴とする遊技機SNKI7。
遊技機SNKI7によれば、遊技機SNKI1からSNKI6のいずれかの奏する効果に加え、遊技球が第1流下領域を流下している場合において光透過部と重なる遊技球が変位する方向と、遊技球が第2流下領域を流下している場合において光透過部と重なる遊技球が変位する方向とが異なることから、光透過部に視認される模様に対する遊技球による影響の変位方向を複数種類生じさせることができるので(模様が動的に変化する状態における光透過部の視認態様を複数種類構成することができるので)、光透過部による演出効果の向上を図ることができる。
遊技機SNKI1からSNKI7のいずれかにおいて、前記第1透過率部により構成される輪郭の内側に、前記第1透過率部よりも低い透過率で構成される構成部を備えることを特徴とする遊技機SNKI8。
遊技機SNKI8によれば、遊技機SNKI1からSNKI7のいずれかの奏する効果に加え、構成部を配置することにより、第1透過率部を通して視認される光の視認性を相対的に向上させることができ、構成部の識別性を向上させることができる。
遊技機SNKI1からSNKI8のいずれかにおいて、前記光透過部の前方に向けて光を照射する光照射装置を備え、前記光透過部を透過した前記光照射装置から照射される光により視認される模様を変更可能に構成されることを特徴とする遊技機SNKI9。
遊技機SNKI9によれば、遊技機SNKI1からSNKI8のいずれかの奏する効果に加え、光透過部を透過した光照射装置から照射される光により視認される模様が変更可能に構成されることにより、光透過部による演出効果を向上させることができる。
遊技機SNKI9において、遊技球が前記光照射装置から照射される光により前記第2透過率部に影を映しながら流下する場合があることを特徴とする遊技機SNKI10。
遊技機SNKI10によれば、遊技機SNKI9の奏する効果に加え、光照射装置から光が照射されることにより第2透過率部に映される遊技球の影を濃くすることができ、遊技者が遊技球を見失う事態を避け易くすることができる。
遊技機SNKI1からSNKI10のいずれかにおいて、正面視で前記所定の流下領域と重ならない所定範囲に配設される補助部を備え、その補助部により形成される模様は、前記第1透過率部により形成される模様と一連の視認態様で視認され得ることを特徴とする遊技機SNKI11。
遊技機SNKI11によれば、遊技機SNKI1からSNKI10のいずれかの奏する効果に加え、第1透過率部と一連の視認態様で視認さ得る補助部により演出効果を向上させることができると共に、遊技球の流下によらず補助部の視認性を高く維持することができる。
<変位手段に光を照射する照射手段を備えるポイント>
所定の領域を開閉可能な開閉部材と、その開閉部材の所定面側の領域を照らし得る光を照射可能な照射手段と、前記所定面側を変位可能な変位手段と、を備えることを特徴とする遊技機SNKJ1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉部材を備える遊技機がある(例えば、特開2007-98027号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、閉じた状態における開閉部材に対して背面側の表示装置から光が照射されることで開閉部材の視認態様が変化し得るところ、開閉部材の正面側を変位する他の部材があるわけではなく、開閉部材の視認態様のバリエーションが少ないことから、開閉部材の視認態様に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNKJ1によれば、照射手段から光が照射される所定の開閉部材の所定面側において変位可能な変位手段を備えるので、変位手段が開閉部材と重なって視認される状態と、変位手段が開閉部材と重ならずに視認される状態とを構成できることから、開閉部材の視認態様のバリエーションを増加させることができ、開閉部材の視認態様を改善することができる。
遊技機SNKJ1において、前記変位手段は、所定の直線に沿う方向で変位可能に構成されることを特徴とする遊技機SNKJ2。
遊技機SNKJ2によれば、遊技機SNKJ1の奏する効果に加え、変位手段の変位を予測し易くすることで、変位手段を視認する遊技者の遊技負担を軽減することができる。
遊技機SNKJ1又はSNKJ2において、前記変位手段と前記開閉部材とが連動され得ることを特徴とする遊技機SNKJ3。
遊技機SNKJ3によれば、遊技機SNKJ1又はSNKJ2の奏する効果に加え、開閉部材の変位と変位手段の変位とを、独立したものではなく、互いに関連し合うものとして遊技者に視認させることができることから、開閉部材の視認態様の改善を図ることができる。
遊技機SNKJ1からSNKJ3のいずれかにおいて、前記開閉部材が開閉移動されることに基づいて、前記照射手段から照射される光の視認態様が変化されることを特徴とする遊技機SNKJ4。
遊技機SNKJ4によれば、遊技機SNKJ1からSNKJ3のいずれかの奏する効果に加え、開閉部材の開閉移動と、照射手段から照射される光の視認態様の変化とを関連づけることにより、遊技者が開閉部材の開閉移動に気付き易い状態を構成することができる。
遊技機SNKJ1からSNKJ4のいずれかにおいて、前記変位手段の変位の方向が変化されることに基づいて、前記照射手段から照射される光の視認態様が変化されることを特徴とする遊技機SNKJ5。
遊技機SNKJ5によれば、遊技機SNKJ1からSNKJ4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位の方向の変化と、照射手段から照射される光の視認態様の変化とを関連づけることにより、遊技者が変位手段の変位の方向の変化に気付き易い状態を構成することができる。
遊技機SNKJ1からSNKJ5のいずれかにおいて、前記開閉部材を閉鎖状態から開放状態に変化させる方向の荷重に対する抵抗を生じさせる抵抗発生手段を備えることを特徴とする遊技機SNKJ6。
遊技機SNKJ6によれば、遊技機SNKJ1からSNKJ5のいずれかの奏する効果に加え、開閉部材に予期せぬ荷重がかけられたとしても開閉部材を閉鎖状態で維持し易くすることができるので、開閉部材の視認態様が予期せず変化されることを回避し易くすることができる。
遊技機SNKJ1からSNKJ6のいずれかにおいて、前記変位手段が所定位置を所定方向に通過可能な第1状態と、前記変位手段が前記所定位置を前記所定方向に通過不能な第2状態と、を構成し得る切替手段を備えることを特徴とする遊技機SNKJ7。
遊技機SNKJ7によれば、遊技機SNKJ1からSNKJ6のいずれかの奏する効果に加え、切替手段の状態を視認することで、変位手段の変位を予想させることができる。これにより、切替手段に対する注目力を向上させることができる。
遊技機SNKJ7において、前記切替手段の状態変化は、前記所定方向に通過する前記変位手段が到達する前に生じるよう構成されることを特徴とする遊技機SNKJ8。
遊技機SNKJ8によれば、遊技機SNKJ7の奏する効果に加え、変位手段が所定位置に到達する前から切替手段の状態変化を把握させることができるので、切替手段の注目力を長期間に亘り向上させることができる。
遊技機SNKJ1からSNKJ8のいずれかにおいて、前記変位手段の変位の方向を、第1の方向から、その第1の方向に対して交差する第2の方向に変化させる方向変化手段を備えることを特徴とする遊技機SNKJ9。
遊技機SNKJ9によれば、遊技機SNKJ1からSNKJ8のいずれかの奏する効果に加え、方向変化手段により変位手段の変位の方向をずらし得るので、変位手段の変位の方向が一定とされる場合に比較して、変位手段の視認態様のバリエーションを増やすことができる。
遊技機SNKJ9において、前記方向変化手段は変位手段を挟むようにして両側に配設されることを特徴とする遊技機SNKJ10。
遊技機SNKJ10によれば、遊技機SNKJ9の奏する効果に加え、方向変化手段が変位手段に両側から作用することにより、方向変化手段による変位手段の変位の方向の変化を複数態様で生じさせることができる。
遊技機SNKJ10において、前記両側に配置される前記方向変化手段は、変位手段に対して交互に作用することを特徴とする遊技機SNKJ11。
遊技機SNKJ11によれば、遊技機SNKJ10の奏する効果に加え、方向変化手段が変位手段に作用するタイミングがずらされることにより、方向変化手段による変位手段の変位の方向の変化が高頻度で生じるようにすることができる。
<上側装飾ユニットH14aの第1連通路H300Cを一例とする発明の概念について>
音声を出力可能に構成される第1音声出力手段および第2音声出力手段と、前記第1音声出力手段が配設される第1配設空間および前記第2音声出力手段が配設される第2配設空間と、を備えた遊技機において、前記第1配設空間と前記第2配設空間とを連通可能に形成される連通空間を備えることを特徴とする遊技機SNXA1。
音声を出力可能な複数の音声出力手段を備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、音声の出力の態様に関し、改善の余地があった。
即ち、遊技者からみて左右に所定の間隔を隔てて配設される第1音声出力手段と第2音声出力手段とを備えた遊技機において、第1音声出力手段または第2音声出力手段の一方が故障した場合、一方からのみ音声が出力され、他方から音声が出力されない態様となり、遊技者に違和感を与える虞がある。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、音声の出力の態様を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNXA1によれば、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、第1配設空間と第2配設空間とを連通可能に形成される連通空間を備えるので、第1音声出力手段(第2音声出力手段)から出力される音声を、連通空間を介して、第2配設空間(第1配設空間)へ導くことができる。よって、例えば、第2音声出力手段の故障時において、第1配設空間に加え、第2配設空間からも音声を出力できる。その結果、遊技者の違和感を抑制できる。
遊技機SNXA1において、前記第1配設空間および前記第2配設空間は、前記遊技機の正面側に形成される一又は複数の第1開口部をそれぞれ備え、前記連通空間は、前記第1音声出力手段および前記第2音声出力手段よりも前記第1開口部側となる位置において、前記第1配設空間と前記第2配設空間とを連通可能に形成されることを特徴とする遊技機SNXA2。
遊技機SNXA2によれば、遊技機SNXA1の奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、連通空間は、第1音声出力手段および第2音声出力手段よりも第1配設空間および第2配設空間の開口部側となる位置において、第1配設空間と第2配設空間とを連通可能に形成されるので、第1配設空間または第2配設空間から連通空間を介して第2配設空間または第1配設空間へ導かれる音声として、遊技者が聞き取りやすい音声(周波数帯)を導きやすくできる。よって、例えば、第2音声出力手段の故障時において、遊技者の違和感を抑制できる。
遊技機SNXA2において、前記連通空間は、一又は複数の第2開口部を備えることを特徴とする遊技機SNXA3。
遊技機SNXA3によれば、遊技機SNXA2の奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、連通空間は、一又は複数の第2開口部を備えるので、第2開口部からも音声を出力できる。その結果、音声による演出効果を高めることができる。
遊技機SNXA3において、液晶表示手段を備え、前記第2開口部は、前記遊技機の正面視において、前記第1音声出力手段と前記液晶表示手段との間となる位置、又は、前記第2音声出力手段と前記液晶表示手段との間となる位置の少なくとも一方に形成されることを特徴とする遊技機SNXA4。
遊技機SNXA4によれば、遊技機SNXA3の奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、第2開口部は、遊技機の正面視において、第1音声出力手段と液晶表示手段との間となる位置、又は、第2音声出力手段と液晶表示手段との間となる位置の少なくとも一方に形成されるので、第2開口部から出力される音声と液晶表示装置の表示による演出とを遊技者に関連付けやすくできる。その結果、演出効果を高めることができる。
遊技機SNXA1からSNXA4のいずれかにおいて、前記第1配設空間および前記第2配設空間のそれぞれを、前記第1音声出力手段および前記第2音声出力手段よりも前記第1開口部側となる正面側配設空間と前記第1音声出力手段および前記第2音声出力手段よりも前記第1開口部と反対側となる背面側配設空間とに区画する区画手段を備えることを特徴とする遊技機SNXA5。
遊技機SNXA5によれば、遊技機SNXA1からSNXA4のいずれかの奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、第1配設空間および第2配設空間のそれぞれを、第1音声出力手段および第2音声出力手段よりも第1開口部側となる正面側配設空間と第1音声出力手段および第2音声出力手段よりも第1開口部と反対側となる背面側配設空間とに区画する区画手段を備えるので、正面側配設空間における比較的高周波の音声と背面側配設空間における比較的低周波の音声とが重なり合い、前者の音声により後者の音声が打ち消されることを抑制できる。
遊技機SNXA1からSNXA5のいずれかにおいて、変位可能に構成される変位手段を備え、前記変位手段は、前記連通空間の少なくとも一部を区画可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXA6。
遊技機SNXA6によれば、遊技機SNXA1からSNXA5のいずれかの奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、変位可能に構成される変位手段を備え、変位手段は、連通空間の少なくとも一部を区画可能に構成されるので、変位手段の変位により連通空間の形態を変化させることができる。これにより、第1音声出力手段(第2音声出力手段)から出力される音声が、連通空間を介して、第2配設空間(第1配設空間)へ導かれる際の態様を変位手段の変位に応じて変化させることができる。即ち、第2配設空間(第1配設空間)から出力される音声の態様を変位手段の変位に応じて変化させることができる。その結果、音声による演出効果を高めることができる。
遊技機SNXA6において、前記連通空間は、一又は複数の第2開口部を備え、一又は複数の前記第2開口部の大きさが前記変位手段の変位により変化可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXA7。
遊技機SNXA7によれば、遊技機SNXA6の奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、連通空間は、一又は複数の第2開口部を備え、一又は複数の第2開口部の大きさが変位手段の変位により変化可能に構成されるので、変位手段の変位により第2開口部の大きさを変化させることができる。これにより、第2開口部から出力される音声の態様を変位手段の変位に応じて変化させることができる。その結果、音声による演出効果を高めることができる。
遊技機SNXA7において、前記変位手段が所定位置に変位された状態では、前記連通空間が開放されることを特徴とする遊技機SNXA8。
遊技機SNXA8によれば、遊技機SNXA7の奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、変位手段が所定位置に変位された状態では、連通空間が開放されるので、第1配設空間または第2配設空間から連通空間に導かれた音声の出力方向を広くできる。即ち、指向性(音の放射角度)を小さくできる。その結果、音声による演出効果を高めることができる。
なお、連通空間の開放とは、第2開口部の大きさ(開口面積)が、最小の大きさ(最小の開口面積)の3倍以上とされることをいう。
遊技機SNXA6からSNXA8のいずれかにおいて、遊技者により操作可能に構成される操作手段を備え、前記操作手段が操作された場合に前記変位手段が変位可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXA9。
遊技機SNXA9によれば、遊技機SNXA6からSNXA8のいずれかの奏する効果に加え、音声の出力の態様を改善できる。
即ち、操作手段が操作された場合に変位手段が変位可能に構成されるので、出力される音声の態様が変化されるタイミングを操作手段の操作と関係付けることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
<上下皿ユニットH15の突出部H583を一例とする発明の概念について>
正面視略矩形に形成される前扉手段を備えた遊技機において、前記前扉手段の長手方向一側の面から突出可能に形成される突出手段を備え、前記突出手段の突出位置は、前記前扉手段の長手方向一側の面における短手方向中央よりも前記前扉手段の正面側または背面側とされることを特徴とする遊技機SNXB1。
正面視略矩形に形成される前扉手段を備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、前扉手段に関し、改善の余地があった。
即ち、工場での製造工程やホールでの設置・点検作業において、前扉手段の長手方向一側(上方または下方)の面を床面に載置して前扉手段を一時的に自立させる(仮置きする)ことがあるところ、前扉手段の長手方向一側の面の全面が平坦面とされる構成では、床面に凹凸があると、その凹凸の影響を受けて前扉手段の姿勢が安定せず、前扉手段が倒れる虞があった。
なお、前扉手段の正面(遊技者側の面)又は背面を床面に載置することは、正面側のガラスや装飾手段(部材)または背面側の電気的構成に破損や傷が生じる虞があるため、行うことができないだけでなく、載置するためのスペースが嵩む。そのため、工場での製造工程やホールでの設置・点検作業においては、載置するためのスペースを最小とするために、前扉手段の長手方向一側(上方または下方)の面を床面に載置される。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、前扉手段を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNXB1によれば、前扉手段を改善できる。
即ち、前扉手段の長手方向一側の面から突出可能に形成される突出手段を備え、突出手段の突出位置は、前扉手段の長手方向一側の面における短手方向中央よりも前記前扉手段の正面側または背面側とされるので、前扉手段の長手方向一側の面における前扉手段の背面側または正面側の外縁と突出手段とを床面に当接させて、前扉手段を自立させることができる。これにより、前扉手段の長手方向一側の面の全面が平坦面とされる構成と比較して、床面の凹凸の影響を受け難くでき、前扉手段の自立時の姿勢を安定させることができる。よって、前扉手段を倒れ難くできる。
遊技機SNXB1において、前記突出手段の突出位置は、前記前扉手段の長手方向一側の面における短手方向中央よりも前記前扉手段の正面側とされることを特徴とする遊技機SNXB2。
遊技機SNXB2によれば、遊技機XB1の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、前扉手段は、その重心が正面側に偏って位置するところ、突出手段の突出位置は、前扉手段の長手方向一側の面における短手方向中央よりも前扉手段の正面側とされるので、前扉手段の自立時における重心の偏りを抑制できる。よって、前扉手段の自立時の姿勢を安定させ、前扉手段を倒れ難くできる。
遊技機SNXB2において、前記突出手段の突出位置は、前記前扉手段の長手方向一側の面における前記前扉手段の正面側の外縁との間に間隔を隔てた位置とされることを特徴とする遊技機SNXB3。
遊技機SNXB3によれば、遊技機SNXB2の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、突出手段の突出位置は、前扉手段の長手方向一側の面における前扉手段の正面側の外縁との間に間隔を隔てた位置とされるので、自立時の前扉手段を作業者が持ち上げる場合に、前扉手段の長手方向一側の面と床面との間に指を差し入れて、突出手段よりも前扉手段の正面側の部分に指をかけることができる。また、突出手段の突出位置が前扉手段の長手方向一側の面における前扉手段の正面側の外縁と接する位置(即ち、外縁と間隔を隔てない位置)とされる場合と比較して、突出手段の突出高さを低くすることができると共に突出手段の突出位置を遊技者から見え難い位置とできる。
遊技機SNXB1において、前記前扉手段の正面視において、前記前扉手段の幅寸法よりも前記突出手段の幅寸法が小さくされることを特徴とする遊技機SNXB4。
遊技機SNXB4によれば、遊技機SNXB1の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、前扉手段の正面視において、前扉手段の幅寸法よりも突出手段の幅寸法が小さくされるので、突出手段が床面に当接される面積を抑制して、床面の凹凸の影響を受け難くできる。よって、前扉手段の自立時の姿勢を安定させ、前扉手段を倒れ難くできる。
遊技機SNXB1からSNXB4のいずれかにおいて、遊技球を貯留可能な貯留手段と、前記貯留手段へ遊技球を流入させる流入口手段と、前記貯留手段に貯留された遊技球を前記前扉手段の長手方向一側の面から流出させる流出口手段と、を備え、前記突出手段の少なくとも一部は、前記前扉手段の正面視において、前記流出口手段に対して前記流入口手段と反対側に位置されることを特徴とする遊技機SNXB5。
遊技機SNXB5によれば、遊技機SNXB1からSNXB4のいずれかの奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、突出手段の少なくとも一部は、前扉手段の正面視において、流出口手段に対して流入口手段と反対側に位置されるので、貯留手段の遊技球を流出口手段から流出させる際に、遊技球を突出手段に当接させることができる。これにより、遊技球が飛び散ることを抑制できる。
遊技機SNXB5において、前記突出手段の突出位置は、前記前扉手段の長手方向一側の面における短手方向中央よりも前記前扉手段の正面側とされ、前記突出手段は、前記前扉手段の長手方向一側の面の正面視において、前記前扉手段の背面側が凹となる湾曲形状の湾曲部を複数連結した形状に形成されることを特徴とする遊技機SNXB6。
遊技機SNXB6によれば、遊技機SNXB5の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、突出手段は、前扉手段の長手方向一側の面の正面視において、前扉手段の背面側が凹となる湾曲形状の湾曲部を複数連結した形状に形成されるので、突出手段(湾曲部の凹)に手指をかけやすくできる。また、流出口手段から流出され突出手段に当接された遊技球の跳ね返り方向を分散させることができる。これにより、流出口手段から千両箱へ流出された遊技球が千両箱の一か所(所定箇所)に集中することを抑制できる。
遊技機SNXB6において、前記前扉手段の長手方向一側の面と前記突出手段の側面とを連結するリブを備えることを特徴とする遊技機SNXB7。
遊技機SNXB7によれば、遊技機SNXB6の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、前扉手段の長手方向一側の面と突出手段の側面とを連結するリブを備えるので、突出手段の強度を確保して、突出手段の破損を抑制できる。
遊技機SNXB7において、前記リブは、前記湾曲部の凹となる側の側面であって、前記湾曲部同士が連結される部位に位置されることを特徴とする遊技機SNXB8。
遊技機SNXB8によれば、遊技機SNXB7の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、リブは、湾曲部の凹となる側の側面であって、湾曲部同士が連結される部位に位置されるので、突出手段(湾曲部の凹)にかけた手指が滑ることをリブにより抑制できる。
遊技機SNXB1からSNXB8のいずれかにおいて、前記前扉手段の長手方向一側の面からの前記突出手段の突出高さが変更可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXB9。
遊技機SNXB9によれば、遊技機SNXB1からSNXB8のいずれかの奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、前扉手段の長手方向一側の面からの突出手段の突出高さが変更可能に構成されるので、突出手段の突出が不要の場合には、突出手段の突出高さを低くできる。よって、突出手段が遊技の邪魔になることや遊技機の外観が悪化することを抑制できる。
なお、突出手段の突出高さを変更する構成は、遊技者や作業者による操作により行われる構成であっても良く、駆動手段(モータ等のアクチュエータ)の駆動力により行われる構造であっても良い。遊技者等の操作により行われる構成は、遊技者等が突出手段を直接操作する構成するであっても良く、突出手段とは別の操作手段を遊技者等が操作した場合に、操作手段の操作(変位)が直接または間接的に突出手段に伝達され、突出手段の突出高さが変更される構成であっても良い。
また、突出手段の突出高さが変更されるタイミングは任意であり、所定の遊技状態が発生した場合に、制御により自動で(即ち、遊技者の操作とは無関係に)突出手段の突出高さが変更可能とされる構成であっても良い。
遊技機SNXB9において、前記前扉手段の長手方向一側の面から前記突出手段が非突出とされる状態を形成可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXB10。
遊技機SNXB10によれば、遊技機SNXB9の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、前扉手段の長手方向一側の面から突出手段が非突出とされる状態を形成可能に構成されるので、突出手段が遊技の邪魔になることや遊技機の外観が悪化することをより確実に抑制できる。
遊技機SNXB9又はSNXB10において、遊技者により操作可能に構成される操作手段を備え、前記操作手段が操作された場合に前記突出手段の突出高さが変更可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXB11。
遊技機SNXB11によれば、遊技機SNXB9又はSNXB10の奏する効果に加え、前扉手段を改善できる。
即ち、操作手段が操作された場合に突出手段の突出高さが変更可能に構成されるので、突出手段の達出高さを任意のタイミングで変更することができる。
例えば、流出口手段(球抜き孔)を開閉するための操作手段(球抜きレバー)が操作された場合に、その操作に連動して突出手段の突出高さが変更可能に構成される場合には、操作手段(球抜きレバー)が非操作とされ流出口手段(球抜き孔)が閉じた状態では、突出手段の突出高さが第1の高さとされ、操作手段(球抜きレバー)が操作され流出口手段(球抜き孔)が開いた状態では、突出手段の突出高さが第1の高さと異なる高さの第2の高さに変更される構成としても良い。これにより、前扉手段を自立させるのに適した高さ(重心位置を適切な位置に配置できる高さ)と、流出口手段から遊技球を流出させるのに適した高さ(遊技球を跳ね返しやすい高さ、千両箱を出し入れしやすい高さ)とを適宜設定できる。第1の高さと第2の高さはどちらが大きな寸法であっても良い。
なお、操作手段の操作を検出する検出手段(センサ)と、駆動力を発生する駆動手段(アクチュエータ)と、その駆動手段の駆動力を突出手段に伝達する伝達手段(歯車やリンク等)とを配設し、検出手段により操作手段の操作が検出された場合に、駆動手段を駆動させ、駆動力を伝達手段により突出手段に伝達させることで、突出手段の突出高さを変更するように構成しても良い。
<上下皿ユニットH15の連結部H555を一例とする発明の概念について>
遊技者により操作可能に構成される操作手段を備えた遊技機において、第1手段と、前記第1手段との間に間隔を隔てて位置する第2手段と、前記第2手段から突出され、前記第1手段および前記第2手段の対向間に位置する突出手段と、を備え、前記第1手段および前記第2手段の対向間には前記操作手段の少なくとも一部が位置し、前記操作手段は、前記第1手段に配設され、前記遊技者による前記操作手段の操作は、少なくとも第1方向へ向けた操作が可能とされ、前記突出手段は、前記操作手段の前記第1方向側の部位に当接可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXC1。
遊技者により操作可能に構成される操作手段を備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、操作手段を支持する構造に関し、改善の余地があった。
即ち、遊技者により操作される操作手段には、操作に伴う外力が作用されるため、操作手段またはその操作手段を支持する手段に破損が生じやすいという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、操作手段を支持する構造を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNXC1によれば、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、第1手段と、第1手段との間に間隔を隔てて位置する第2手段と、第2手段から突出され、第1手段および第2手段の対向間に位置する突出手段と、を備え、第1手段および第2手段の対向間には操作手段の少なくとも一部が位置し、操作手段は、第1手段に配設され、遊技者による操作手段の操作は、少なくとも第1方向へ向けた操作が可能とされ、突出手段は、操作手段の第1方向側の部位に当接可能に構成されるので、操作手段の操作に伴い作用される第1方向への外力が所定の範囲内である場合には、操作手段を突出手段により支持させることができる。これにより、操作手段がぐらつかないように姿勢を安定させ、操作手段の操作感を向上できる。一方、上記第1方向への外力が所定の範囲を超える場合は、突出手段を弾性変形させて、外力を逃がす(外力を第1手段と第2手段とに分散させる)ことができる。これにより、操作手段およびその操作手段を支持する手段(第1手段および第2手段、突出手段)の破損を抑制できる。
なお、突出手段は、操作手段の第1方向側の部位に当接可能に構成され、突出手段と操作手段とは非固定(相対変位可能)であるので、突出手段が拘束されず、突出手段が操作手段に対して摺動できる。よって、突出手段の弾性変形性を確保して、上記第1方向への外力を逃がしやすくできる。
遊技機SNXC1において、前記第2手段が前記遊技機の正面側に配設されることを特徴とする遊技機SNXC2。
遊技機SNXC2によれば、遊技機SNXC1の奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、上記第1方向への外力が所定の範囲を超える場合、第2手段側では、主に突出手段が弾性変形されるのに対し、第1手段側では、突出手段の弾性変形に伴う操作手段の第1方向への変位に伴って、第1手段も弾性変形されやすい。このように、第2手段の弾性変形は、第1手段の弾性変形よりも抑制されるので、第2手段が遊技機の正面側に配設されることで、操作手段が操作される際に遊技機の外観が悪化する(例えば、第2手段が変位して、第2手段と他の手段(部材)との境界に隙間が形成される)ことを抑制できる。
遊技機SNXC1又はSNXC2において、前記第1手段から突出され、前記突出手段の前記第1方向側の部位との間に所定の間隔を隔てて位置する第2突出手段を備え、前記突出手段の前記第1方向側の部位が前記第2突出手段に当接可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXC3。
遊技機SNXC3によれば、遊技機SNXC1又はSNXC2の奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、第1手段から突出され、突出手段の第1方向側の部位との間に所定の間隔を隔てて位置する第2突出手段を備え、突出手段の第1方向側の部位が第2突出手段に当接可能に構成されるので、上記第1方向への外力が所定の範囲を超え、突出手段を弾性変形させる場合に、初期段階(突出手段の第1方向側の部位と第2突出手段との間に間隔が形成されている間)は、第2突出手段が突出手段の弾性変形を阻害せず、突出手段の弾性変形性を確保できる一方、より大きな外力が上記第1方向へ入力された場合には、突出手段の第1方向側の部位を第2突出手段に当接させ、突出手段の弾性変形を抑制することができる。これにより、操作手段およびその操作手段を支持する手段(第1手段および第2手段、突出手段)だけでなく、突出手段の破損を抑制できる。
なお、第2突出手段は、突出手段の第1方向側の部位に当接可能に構成され、突出手段と第2突出手段とは非固定(相対変位可能)であるので、突出手段が拘束されず、突出手段が第2突出手段に対して摺動できる。よって、突出手段および第2突出手段の弾性変形性を確保できる。これにより、突出手段が第2突出手段に当接した際に、突出手段と第2突出手段との間で作用する反力が急激に増加することを抑制でき、突出手段および第2突出手段の破損を抑制できる。
遊技機SNXC3において、前記突出手段は、位置決め手段を備え、前記第2突出手段は、前記位置決め手段によって所定位置に位置決めされる被位置決め手段を備えることを特徴とする遊技機SNXC4。
遊技機SNXC4によれば、遊技機SNXC3の奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、突出手段は、位置決め手段を備え、第2突出手段は、位置決め手段によって所定位置に位置決めされる被位置決め手段を備えるので、第1手段および第2手段の一方を他方に組み付ける作業において、位置決め手段と被位置決め手段とによって第1手段と第2手段とを位置決めすることができる。これにより、例えば、ねじによる締結作業を容易として、組付け作業を効率化できる。
遊技機SNXC3又はSNXC4において、前記突出手段は、係合手段を備え、前記第2突出手段は、前記係合手段に係合可能に構成される被係合手段を備え、前記係合手段と前記被係合手段とが係合した状態において、前記突出手段と前記第2突出手段とが相対変位可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXC5。
遊技機SNXC5によれば、遊技機SNXC3又はSNXC4の奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、突出手段は、係合手段を備え、第2突出手段は、係合手段に係合可能に構成される被係合手段を備えるので、第1手段および第2手段の一方を他方に組み付ける作業において、係合手段と被係合手段との係合によって、第1手段および第2手段を仮固定できる。これにより、例えば、ねじによる締結作業を容易として、組付け作業を効率化できる。
この場合、係合手段と被係合手段とが係合した状態において、突出手段と第2突出手段とが相対変位可能に構成されるので、突出手段および第2突出手段が拘束されず、それら突出手段および第2突出手段の弾性変形性を確保できる。よって、上記第1方向への外力を逃がしやすくできると共に、突出手段と第2突出手段との間で作用する反力の急激な増加を抑制して、突出手段および第2突出手段の破損を抑制できる。
遊技機SNXC5において、前記係合手段および前記被係合手段は、前記第1手段および前記第2手段の対向間隔が大きくなる方向に前記第1手段または前記第2手段が変位されることを規制可能となるように係合可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXC6。
遊技機SNXC6によれば、遊技機SNXC5の奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、係合手段および被係合手段は、第1手段および第2手段の対向間隔が大きくなる方向に第1手段または第2手段が変位されることを規制可能となるように係合可能に構成されるので、第1手段または第2手段がそれらの対向間隔を大きくする方向に変位される不正(例えば、第1手段または第2手段の上記方向への変位により隙間を形成し、その隙間から異物を挿入する不正)を抑制できる。
なお、突出手段が第2手段から突出され、操作手段が第1手段に配設される、即ち、突出手段と第1手段とが非固定とされ、操作手段と第2手段とが非固定とされるため、第1手段または第2手段がそれらの対向間隔を大きくする方向へ変位されやすい。よって、遊技機SNXC6の構成が特に有効となる。
遊技機SNXC5又はSNXC6において、前記突出手段は、位置決め手段を備え、前記第2突出手段は、前記位置決め手段によって所定位置に位置決めされる被位置決め手段を備え、前記係合手段および前記被係合手段は、前記位置決め部により前記被位置決め部が位置決めされた状態で係合可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXC7。
遊技機SNXC7によれば、遊技機SNXC5又はSNXC6の奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、係合手段および被係合手段は、位置決め部により被位置決め部が位置決めされた状態で係合可能に構成されるので、係合手段および被係合手段の係合を容易に行うことができる。
遊技機SNXC5からSNXC6のいずれかにおいて、前記被係合手段は、前記係合手段よりも前記第1方向側に位置することを特徴とする遊技機SNXC8。
遊技機SNXC8によれば、遊技機SNXC5からSNXC6のいずれかの奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、被係合手段は、係合手段よりも第1方向側に位置するので、操作手段の操作に伴い作用される第1方向への外力により突出手段が第1方向へ弾性変形された状態において、係合手段および被係合手段の係合を維持しやすくできる。よって、操作手段を第1方向へ変位させ、突出手段を弾性変形させることで、係合手段および被係合手段の係合を解除する不正を抑制できる。
なお、突出手段は、操作手段の第1方向側の部位に当接可能に構成されるものであり、操作手段に固定されていないため、操作手段を第1方向と反対方向へ変位させても、突出手段は変位(弾性変形)されない。よって、操作手段を第1方向と反対方向へ変位させても、係合手段および被係合手段の係合に影響はなく、かかる係合が維持される。
遊技機SNXC8において、前記突出手段の前記第2手段側の基端は、前記係合手段および前記被係合手段よりも前記第1方向側に位置することを特徴とする遊技機SNXC9。
遊技機SNXC9によれば、遊技機SNXC8の奏する効果に加え、操作手段を支持する構造を改善できる。
即ち、突出手段の第2手段側の基端は、係合手段および被係合手段よりも第1方向側に位置するので、上記第1方向への外力により突出手段が弾性変形される場合の係合手段の変位の方向を、被係合手段との間の間隔が大きくなる方向とできる。これにより、初期(突出手段が弾性変形される前)における係合手段と被係合手段との間の間隔を小さくして、第1手段または第2手段がそれらの対向間隔を大きくする方向に変位される不正(例えば、第1手段または第2手段の上記方向への変位により隙間を形成し、その隙間から異物を挿入する不正)を抑制できる一方、上記第1方向の外力により突出手段が弾性変形される場合に係合手段と被係合手段とが干渉(係合)して、突出手段の第2突出手段に対する相対変位(突出手段の弾性変形)が規制(阻害)されることを抑制できる。
<右側装飾ユニットH14cの屈曲部H452を一例とする発明の概念について>
第1手段と、前記第1手段に隣り合って配設される第2手段とを備えた遊技機において、前記第1手段の縁部と前記第2手段の縁部との境界における重力方向下方に位置し、前記第1手段に配設される配設手段を備えることを特徴とする遊技機SNXD1。
第1手段と、前記第1手段に隣り合わせて配設される第2手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、第1手段と前記第2手段とが隣り合って配設される構造に改善の余地があった。
即ち、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造では、第1手段および第2手段の寸法公差や組付け公差に起因して、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界に隙間が形成される虞がある。また、第1手段または第2手段の一方または両方に作用された外力によっても隙間が形成される虞がある。隙間が形成されると、隙間から異物(例えば、不正行為を行うための針金等、ちりやほこり等、液体)が侵入して内部の機械的構成や電気的構成に悪影響を及ばす虞がある。特に、液体(例えば、遊技者が遊技中に飲用するもの)は、微小な隙間からであっても侵入しやすく、また、電気的機器に悪影響を及ぼしやすい。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNXD1によれば、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界における重力方向下方に位置し、第1手段に配設される配設手段を備えるので、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界に隙間が形成された場合に、その隙間から侵入した異物を配設手段で受け止めることができる。これにより、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
遊技機SNXD1において、前記配設手段は、前記第1手段の縁部と前記第2手段の縁部との境界の重力方向下方に位置する下方手段と、その下方部に連なり前記境界から離間する方向へ延設される延設手段とを備えることを特徴とする遊技機SNXD2。
遊技機SNXD2によれば、遊技機SNXD1の奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、配設手段は、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界の重力方向下方に位置する下方手段と、その下方手段に連なり境界から離間する方向へ延設される延設手段とを備えるので、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界に隙間が形成された場合に、その隙間から侵入した異物を配設手段の下方手段により受け止めると共に、その受け止めた異物を機械的構成や電気的構成に悪影響を及ぼしにくい位置へ向けて延設手段により案内できる。これにより、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
遊技機SNXD2において、前記配設手段の延設部と前記第1手段との間には、前記境界から離間する方向へ通過可能に形成される通路手段が形成されることを特徴とする遊技機SNXD3。
遊技機SNXD3によれば、遊技機SNXD2の奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、配設手段の延設部と第1手段との間には、境界から離間する方向へ通過可能に形成される通路手段が形成されるので、延設手段により異物を案内する際に、その通過方向を通路手段により規定でき、異物を所望の位置まで到達させやすくできる。これにより、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
遊技機SNXD3において、前記第1手段には、前記通路手段と外部とを連通可能に形成される連通手段が形成されることを特徴とする遊技機SNXD4。
遊技機SNXD4によれば、遊技機SNXD3の奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、第1手段には、通路手段と外部とを連通可能に形成される連通手段が形成されるので、延設手段により案内された異物を連通手段から第1手段の外部へ排出できる。これにより、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
遊技機SNXD1からSNXD4のいずれかにおいて、光を発光可能に形成される発光手段を備え、前記配設手段は、導光材料から構成され、前記発光手段から発光される光を受光可能に位置することを特徴とする遊技機SNXD5。
遊技機SNXD5によれば、遊技機SNXD1からSNXD4のいずれかの奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、光を発光可能に形成される発光手段を備え、配設手段は、導光材料から構成され、発光手段から発光される光を受光可能に位置するので、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界に隙間が形成された場合に、発光手段から発光され配設手段を導光(透過)された光で隙間を照射することができる。これにより、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界に隙間が形成された場合に、隙間から外部へ光が漏れることで、隙間が形成されたことをホールの店員に認識させやすくできる。
また、発光手段および配設手段の発光に伴う熱により、発光手段(下方手段)に受け止められた液体を蒸発させて、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界の隙間から外部へ排出できる。これにより、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
遊技機SNXD4において、空気を流動させることが可能に形成される流動手段を備え、前記流動手段は、前記通路手段の空気を前記境界から離間させる方向へ流動させることが可能に形成されることを特徴とする遊技機SNXD6。
遊技機SNXD6によれば、遊技機SNXD4の奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、空気を流動させることが可能に形成される流動手段を備え、前記流動手段は、前記通路手段の空気を前記境界から離間させる方向へ流動させることが可能に形成されるので、延設手段により案内された異物を連通手段から第1手段の外部へ排出しやすくできる。これにより、第1手段の縁部と第2手段の縁部との境界から侵入した異物により機械的構成や電気的構成に悪影響が生じることを抑制できる。
遊技機SNXD4において、前記第1手段または前記延設手段から突出される突出手段と、前記突出手段が挿入可能に前記延設手段または前記第1手段に形成される被挿入手段とを備え、前記被挿入手段に前記突出手段が挿入された状態では、前記突出手段が前記連通手段の下方に位置することを特徴とする遊技機SNXD7。
遊技機SNXD7によれば、遊技機SNXD4の奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、第1手段または延設手段から突出される突出手段と、突出手段が挿入可能に延設手段または第1手段に形成される被挿入手段とを備えるので、第1手段に配設手段を配設する(組み付ける)際に、突出手段の被挿入手段への挿入により、両者を位置決めできる。これにより、第1手段への配設手段の配設(組み付け)作業を容易とできる。
この場合、被挿入手段に突出手段が挿入された状態では、突出手段が連通手段の下方に位置するので、延設手段により案内される異物を突出手段により受け止めると共に、その受け止めた異物を連通手段へ向けて突出手段により案内できる。即ち、突出手段を、位置決めのための手段として利用できるだけでなく、異物を第1手段の外部へ排出させるための手段としても兼用できる。
遊技機SNXD7において、前記突出手段は、前記延設手段から突出され、前記被挿入手段は、前記第1手段に形成されることを特徴とする遊技機SNXD8。
遊技機SNXD8によれば、遊技機SNXD7の奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、突出手段は、延設手段から突出され、被挿入手段は、第1手段に形成されるので、突出手段により受け止めた異物を第1手段の外部へ確実に排出できる。即ち、被挿入手段が延設手段に形成される場合、被挿入手段と突出手段との間に隙間が形成されていると、突出手段により受け止めた異物が被挿入手段と突出手段との間の隙間を通過して第1手段の内部に留まる虞がある。これに対し、被挿入手段が第1手段に形成されることで、突出手段で受け止めた異物が、被挿入手段と突出手段との間の隙間を通過したとしても、かかる異物を第1手段の外部へ排出することができる。
遊技機SNXD8において、前記連通手段の一部が前記被挿入手段とされることを特徴とする遊技機SNXD9。
遊技機SNXD9によれば、遊技機SNXD8の奏する効果に加え、第1手段と第2手段とが隣り合って配設される構造を改善できる。
即ち、連通手段の一部が被挿入手段とされるので、連通手段を、異物を第1手段の外部へ排出させるための手段としてだけでなく、位置決めのための手段としても兼用できる。
<球発射ユニットH112aの凹部H821a1を一例とする発明の概念について>
遊技球を送球可能に構成される送球手段と、その送球手段により送球された遊技球の流路となる流路手段とを備えた遊技機において、前記流路手段の内面に当接された遊技球に作用される当接方向の反力を抑制可能に構成される抑制手段を備えることを特徴とする遊技機SNXE1。
遊技球を送球可能に構成される送球手段と、その送球手段により送球された遊技球の流路となる流路手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、遊技球の送球に関し、改善の余地があった。
即ち、送球手段により遊技球が送球される際、遊技球の初期位置(送球手段に対する相対位置)にはばらつきが生じるため、遊技球は、流路手段に沿って真っ直ぐに送球されず、流路手段の内面(遊技球が転動する転動面の側方の内面)に衝突(当接)することがある。このように、流路手段の内面に遊技球が衝突(当接)すると、内面から受ける反力により遊技球が暴れ、その軌跡が安定しないという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技球の送球を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNXE1によれば、遊技球の送球を改善できる。
即ち、流路手段の内面に当接された遊技球に作用される当接方向の反力を抑制可能に構成される抑制手段を備えるので、流路手段の内面(遊技球が転動する転動面の側方の内面)に遊技球が衝突(当接)した際に、内面から受ける反力により遊技球が暴れることを抑制でき、遊技球の軌跡を安定させることができる。
遊技機SNXE1において、前記抑制手段は、前記流路手段の内面の少なくとも一部に凹設される凹部として構成されることを特徴とする遊技機SNXE2。
遊技機SNXE2によれば、遊技機SNXE1の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、抑制手段は、流路手段の内面の少なくとも一部に凹設される凹部として構成されるので、凹部に遊技球が衝突(当接)した際に、内面から受ける反力の成分として、遊技球の当接方向の成分と、遊技球の当接方向に直交する方向(遊技球を転動面に押し付ける方向または転動面から持ち上げる方向)の成分とを形成できる。これにより、遊技球の当接方向に直交する方向の成分の分、遊技球の当接方向の成分を小さくできるので、内面から受ける反力により遊技球が暴れることを抑制でき、遊技球の軌跡を安定させることができる。
また、抑制手段を流路手段の内面の少なくとも一部から突設される突部として構成する場合と比較して、流路手段を備えるユニットの小型化を図ることができる。
遊技機SNXE2において、前記凹部は、前記流路手段の一方側の内面の少なくとも一部と、前記流路手段の他方側の内面の少なくとも一部とにそれぞれ凹設されることを特徴とする遊技機SNXE3。
遊技機SNXE3によれば、遊技機SNXE2の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、凹部は、流路手段の一方側の内面の少なくとも一部と、流路手段の他方側の内面の少なくとも一部とにそれぞれ凹設されるので、流路手段の内面(遊技球が転動する転動面の側方の内面)の内の一方側または他方側のどちらに遊技球が衝突(当接)した場合でも、内面から受ける反力により遊技球が暴れることを抑制でき、遊技球の軌跡を安定させることができる。
遊技機SNXE3において、前記流路手段の一方側の内面における凹部と、前記流路手段の他方側の内面における凹部とは、遊技球の送球方向に位置を異ならせていることを特徴とする遊技機SNXE4。
遊技機SNXE4によれば、遊技機SNXE3の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、流路手段の一方側の内面における凹部と、流路手段の他方側の内面における凹部とは、遊技球の送球方向に位置を異ならせているので、設計の自由度を高めることができる。例えば、他方側の凹部が位置を異ならせたことで空いたスペースに他の手段(例えば、流入手段)を配設することができる。
遊技機SNXE2からSNXE4において、前記流路手段へ向かう遊技球が通過可能に構成される通過口手段を備え、通過口手段を通過して前記流路手段に流入された遊技球が前記凹部に当接可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXE5。
遊技機SNXE5によれば、遊技機SNXE2からSNXE4の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、流路手段へ向かう遊技球が通過可能に構成される通過口手段を備え、通過口手段を通過して流路手段に流入された遊技球が凹部に当接可能に構成されるので、凹部を利用して、流路手段上の遊技球の動きを早期に収束させることができる。これにより、遊技球の姿勢のばらつきを抑制して、送球手段により安定して送球できる。その結果、遊技球の暴れを抑制でき、遊技球の軌跡を安定させることができる。
遊技機SNXE5において、少なくとも前記凹部の下方側の縁部は、前記通過口手段よりも下方側に位置することを特徴とする遊技機SNXE6。
遊技機SNXE6によれば、遊技機SNXE5の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、少なくとも凹部の下方側の縁部は、通過口手段よりも下方側に位置するので、通過口手段を通過して流路手段に流入された遊技球を凹部に確実に当接させることができる。
遊技機SNXE5において、少なくとも前記凹部の上方側の縁部は、前記通過口手段よりも上方側に位置することを特徴とする遊技機SNXE7。
遊技機SNXE7によれば、遊技機SNXE5の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、少なくとも凹部の上方側の縁部は、通過口手段よりも上方側に位置するので、通過口手段を通過して流路手段に流入された遊技球に勢いがあり流路手段で暴れる場合でも、かかる遊技球を凹部に確実に当接させることができる。
遊技機SNXE2からSNXE7のいずれかにおいて、前記送球手段により送球される遊技球を前記凹部と当接不能となる方向へ案内可能に構成される案内手段を備えることを特徴とする遊技機SNXE8。
遊技機SNXE8によれば、遊技機SNXE2からSNXE7のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、送球手段により送球される遊技球を凹部と当接不能となる方向へ案内可能に構成される案内手段を備えるので、凹部を利用せずに遊技球を送球手段により送球する態様を形成できる。即ち、遊技球が暴れて、その軌跡が不安定となる態様で遊技球を送球できる。これにより、遊技の興趣を向上できる。
遊技機SNXE8において、前記案内手段は、前記送球手段により送球される遊技球を前記凹部と当接不能となる方向へ案内する態様と、前記送球手段により送球される遊技球を前記凹部と当接可能となる方向へ案内する態様とを構成可能とされることを特徴とする遊技機SNXE9。
遊技機SNXE9によれば、遊技機SNXE8の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、案内手段は、送球手段により送球される遊技球を凹部と当接不能となる方向へ案内する態様と、送球手段により送球される遊技球を凹部と当接可能となる方向へ案内する態様とを構成可能とされるので、凹部を利用せずに遊技球を送球手段により送球する態様と、凹部を利用して遊技球を送球手段により送球する態様とを形成できる。即ち、遊技球が暴れて、その軌跡が不安定となる遊技球の送球の態様と、遊技球の暴れを抑制して、その軌跡を安定させた遊技球の送球の態様とを形成できる。これにより、遊技の興趣を向上できる。
<操作ユニットH180の揺動装置H730を一例とする発明の概念について>
光を発光可能に構成される発光手段と、入射された光を透過可能に構成される透過手段とを備えた遊技機において、発光手段に対して透過手段が相対変位可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXF1。
光を発光可能に構成される発光手段と、入射された光を透過可能に構成される透過手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、視認される光の態様に関し、改善の余地があった。
即ち、発光手段の正面に透過手段を配設し、発光手段から発光された光を透過手段に入射させ、透過手段を透過する光を遊技者に視認させることで、演出効果を得るものがある。この場合、発光手段の発光の態様(例えば、発光強度や点滅の間隔など)を変化させ、視認される光の態様を変化させるものもあるが、演出効果が十分ではない。発光手段と透過手段とを一体化(ユニット化)して、それら発光手段および透過手段から構成されるユニットを変位させることで、ユニットの変位に伴う光の移動を視認させるものもあるが、発光手段と透過手段との関係は一定であるため、透過手段を介して視認される光の態様(発光手段から透過手段に入射され、透過手段を透過する光の態様)自体は一様であり、演出効果が十分ではない。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、視認される光の態様を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNXF1によれば、視認される光の態様を改善できる。
即ち、発光手段に対して透過手段が相対変位可能に構成されるので、発光手段と透過手段との関係を変化させることができる。これにより、発光手段から透過手段への光の入射の態様、及び、透過手段を透過する光の態様(遊技者が視認する光の態様)を変化させることができる。その結果、透過手段を介して視認される光の態様を変化させ、演出効果を高めることができる。
遊技機SNXF1において、ベース手段を備え、前記発光手段は、前記ベース手段に固定され、前記透過手段は、前記ベース手段に変位可能に配設されることを特徴とする遊技機SNXF2。
遊技機SNXF2によれば、遊技機SNXF1の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、ベース手段を備え、発光手段は、ベース手段に固定され、透過手段は、ベース手段に変位可能に配設されるので、発光手段から透過手段への光の入射の態様、及び、透過手段を透過する光の態様を変化させ、透過手段を介して視認される光の態様を変化させる演出に加え、発光手段の状態(発光状態、非発光状態)に関わらず、透過手段を変位させ、その透過手段の変位を視認させる演出も行うことができる。
また、発光手段がベース手段に固定されるので、変位(振動)に伴う発光手段の破損(例えば、断線)を抑制できる。
遊技機SNXF1又はSNFX2において、前記透過手段は、光を拡散可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXF3。
遊技機SNXF3によれば、遊技機SNXF1又はSNXF2の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、透過手段は、光を拡散可能に構成されるので、発光手段に対する透過手段の相対変位を利用して、透過手段を透過する光の態様(遊技者が視認する光の態様)の変化をより大きくすることができる。その結果、透過手段を介して視認される光の態様を変化させ、演出効果を高めることができる。
遊技機SNXF2又はSNXF3において、前記透過手段に配設され、駆動力を発生可能に構成される駆動手段を備えることを特徴とする遊技機SNXF4。
遊技機SNXF4によれば、遊技機SNXF2又はSNXF3の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、透過手段に配設され、駆動力を発生可能に構成される駆動手段を備えるので、駆動手段の駆動力を利用して、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)を形成しやすくできると共に、駆動手段の駆動状態を切り替えることで、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)を所望のタイミングで開始または停止させることができる。
また、駆動手段が透過手段に配設されることで、駆動手段の駆動力を透過手段に伝えやすくでき、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)を形成しやすくできる。なお、駆動手段を発光手段に配設し、駆動手段の駆動力が間接的に透過手段に伝わるようにしても良い。この場合でも、駆動手段の駆動力を利用して、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)を形成できる。
遊技機SNXF2からSNXF4のいずれかにおいて、変位可能かつ前記透過手段に当接可能に構成される当接手段を備え、前記透過手段に当接された前記当接手段の変位に伴って前記透過手段が変位可能とされることを特徴とする遊技機SNXF5。
遊技機SNXF5によれば、遊技機SNXF2からSNXF4のいずれかの奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、透過手段に当接された当接手段の変位に伴って前記透過手段が変位可能とされるので、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)を当接手段の変位に連動させることができ、演出効果を高めることができる。また、駆動手段を備える場合には、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)の態様として、駆動手段の駆動力による変位の態様に加え、当接手段との連動による変位の態様を形成することができ、変位の態様のバリエーションを増やすことができる。
遊技機SNXF2からSNXF5のいずれかにおいて、変位可能かつ前記透過手段に当接可能に構成される当接手段を備え、前記当接手段の前記透過手段との当接により前記透過手段の変位が規制可能とされることを特徴とする遊技機SNXF6。
遊技機SNXF6によれば、遊技機SNXF2からSNXF5のいずれかの奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、当接手段の透過手段との当接により透過手段の変位が規制可能とされるので、当接手段を透過手段に当接させることで、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)を所望のタイミングで停止させることができる。
遊技機SNXF5において、遊技者により操作可能に構成される操作手段を備え、前記操作手段の操作によって、前記当接手段の変位に伴う前記透過手段の変位を構成可能とされることを特徴とする遊技機SNXF7。
遊技機SNXF7によれば、遊技機SNXF5の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、操作手段の操作によって、当接手段の変位に伴う前記透過手段の変位を構成可能とされるので、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)を遊技者の所望の態様(例えば、変位のタイミングや変位速度など)で形成できる。即ち、視認される光の態様(透過手段の変位)と遊技者の操作とを関連付けて、演出効果を高めることができる。
遊技機SNXF5において、遊技者により操作可能に構成される操作手段を備え、前記操作手段の操作によって、前記当接手段の当接による前記透過手段の変位の規制が構成可能とされることを特徴とする遊技機SNXF7。
遊技機SNXF7によれば、遊技機SNXF5の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、操作手段の操作によって、当接手段の当接による透過手段の変位の規制が構成可能とされるので、透過手段の変位(発光手段に対する透過手段の相対変位)の規制(停止)を遊技者の所望のタイミングで形成できる。即ち、透過手段の変位の規制(停止)と遊技者の操作とを関連付けて、演出効果を高めることができる。
遊技機SNXF2からSNXF8のいずれかにおいて、前記透過手段は、ベース手段に変位可能に配設される第1手段と、前記第1手段に変位可能に配設される第2手段とを備え、少なくとも前記第2手段は、入射された光を透過可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXF9。
遊技機SNXF9によれば、遊技機SNXF2からSNXF8のいずれかの奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、透過手段は、ベース手段に変位可能に配設される第1手段と、第2手段に変位可能に配設される第2手段とを備え、少なくとも第2手段は、入射された光を透過可能に構成されるので、第2手段の変位(発光手段に対する第2手段の相対変位)の態様が一様となることを抑制でき、第2手段を透過する光の態様(遊技者が視認する光の態様)の変化をより大きくすることができる。その結果、演出効果を高めることができる。
遊技機SNXF9において、前記透過手段は、前記ベース手段に対する前記第1手段の変位と、前記第1手段に対する前記第2手段の変位とが異なる態様で変位可能となるように構成されることを特徴とする遊技機SNXF10。
遊技機SNXF10によれば、遊技機SNXF9の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、透過手段は、ベース手段に対する第1手段の変位と、第1手段に対する第2手段の変位とが異なる態様で変位可能となるように構成されるので、それら第1手段および第2手段の異なる変位態様を組み合わせて、第2手段を多様な態様で変位させることができる。その結果、第2手段を透過する光の態様(遊技者が視認する光の態様)の変化を多様として、演出効果を高めることができる。
遊技機SNXF10において、所定以上の外力が作用された状態では前記第1手段に対する前記第2手段の相対変位を許容可能に構成され、少なくともとも外力が作用されていない状態では前記第1手段に対する前記第2手段の相対位置を所定位置に規定可能に構成される規定手段を備えることを特徴とする遊技機SNXF11。
遊技機SNXF11によれば、遊技機SNXF10の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、所定以上の外力が作用された状態では第1手段に対する第2手段の相対変位を許容可能に構成される規定手段を備えるので、所定以下の外力では第1手段および第2手段を一体に変位させる一方、所定以上の外力では第1手段に対して第2手段を相対変位させることができ、第2手段を多様な態様で変位させることができる。
この場合、規定手段は、少なくともとも外力が作用されていない状態では第1手段に対する第2手段の相対位置を所定位置に規定可能に構成されるので、外力の作用が終了した際に、第1手段に対する第2手段の相対位置が所定位置と異なる位置である場合には、第2手段の相対位置を規定手段により所定位置に規定する(第2手段を所定位置に変位させる)ことができる。即ち、外力の作用が終了した後であっても、少なくとも第2手段を変位させることができる。これにより、第2手段を多様な態様で変位させることができ、第2手段を透過する光の態様(遊技者が視認する光の態様)の変化を多様とできる。その結果、演出効果を高めることができる。
遊技機SNXF11において、前記規定手段は、弾性材料から弾性変形可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXF12。
遊技機SNXF12によれば、遊技機SNXF11の奏する効果に加え、視認される光の態様を改善できる。
即ち、規定手段は、弾性材料から弾性変形可能に構成されるので、外力の大きさに応じた(比例した)大きさの弾性変形を規定手段に生じさせ、この弾性変形を利用して、第1手段に対する第2手段の相対変位を外力の大きさに応じた(比例した)大きさで形成できる。例えば、重力や磁力を利用する場合と比較して、第1手段に対して第2手段が急激に相対変位することを抑制できる。
<第1装飾ユニットG420及び第2装飾ユニットG480を一例とする発明の概念について>
第1手段および第2手段を備え、少なくとも前記第2手段が変位可能に構成された遊技機において、前記第2手段が変位されることで、前記第2手段の所定領域が前記第1手段の正面視外方側を向く状態と、前記第2手段の前記所定領域が正面側を向く状態とを形成可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXG1。
第1手段および第2手段を備え、少なくとも第2手段が変位可能に構成された遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、第1手段および第2手段に関し、改善の余地があった。
即ち、第2手段が変位されることで、正面視において、第2手段の所定領域が第1手段と共に視認可能とされる状態(以下「拡大状態」と称す)と、第2手段の所定領域が視認不能される状態(以下「縮小状態」と称す)とを形成して、第1手段および第2手段の全体としての視覚上の大きさを変化させる演出が行われる。
具体的には、第2手段を第1手段の背面側(正面視において重なる位置)にスライド変位させることで、正面視において、第2手段の所定領域を第1手段により遮蔽して、第2手段の所定領域を視認不能とする(縮小状態を形成する)。また、第2手段を第1手段の背面側から外方(正面視において重ならない位置)にスライド変位させることで、第2手段の所定領域を第1手段と共に視認可能とする(拡大状態を形成する)。
しかしながら、このような従来の構成では、第2手段の所定領域の大きさが第1手段の正面視における大きさ(外形)に依存するため、第2手段の所定領域の大きさを十分に大きくすることができなかった。
即ち、第1手段の正面視における大きさ(外形)を大きくすると、その分、他の手段(部材)を配設するスペースが減少される。また、他の手段(部材)を相対的に変位させる際に、第1手段と干渉しやすくなり、他の部材を相対的に変位させる演出の自由度が阻害される。
一方、第1手段の正面視における大きさを小さくしたのでは、その分、遮蔽できる面積が小さくなるため、第2手段の所定領域が小さくなり、第2手段の所定領域を第1手段と共に視認させる際の大きさを大きくすることができない。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、第1手段および第2手段を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNXG1によれば、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段が変位されることで、第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態と、第2手段の所定領域が正面側を向く状態とを形成可能に構成されるので、他の手段(部材)を配設するスペースを確保しつつ、第2手段の所定領域を第1手段と共に視認させる際の大きさを大きくできる。
具体的には、第1手段の正面視における大きさ(外形)を小さくできるので、その分、他の手段(部材)を配設するスペースを確保できる。また、他の手段(部材)を相対的に変位させる際に、第1手段(第2手段)と干渉し難くでき、他の部材を相対的に変位させる演出の自由度を向上できる。一方、第1手段の正面視における大きさを小さくしても、第1手段の正面視における大きさが第2手段の所定領域の大きさに依存しないので、第2手段の所定領域を大きくできる。よって、第2手段の所定領域を第1手段と共に視認させる際の大きさを大きくすることができる。
言い換えると、遊技機の役物が配設される空間は、前後方向(正面と背面とを結ぶ方向)のスペースに比較的余裕があるところ、遊技機XG1によれば、上述した前後方向のスペースに着目し、第1手段を前後方向に長くすることで、第1手段の正面視の大きさを小さくできると共に、第2手段の所定領域の大きさを大きくできる。これにより、他の手段(部材)を配設するスペースを確保しつつ、第2手段の所定領域を第1手段と共に視認させる際の大きさを大きくできる。また、縮小状態は小さく、拡大状態は大きくでき、縮小状態と拡大状態との間の正面視における視覚上の大きさの変化をより大きくできる。
遊技機SNXG1において、前記第1手段の背面側に配設され、光を発光可能に構成される発光手段を備え、前記第1手段は、少なくとも一部が光透過性材料から構成され、前記所定領域は、少なくとも一部が光を反射可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXG2。
遊技機SNXG2によれば、遊技機XG1の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第1手段の背面側に配設され、光を発光可能に構成される発光手段を備え、第1手段は、少なくとも一部が光透過性材料から構成され、所定領域は、少なくとも一部が光を反射可能に構成されるので、第2手段の所定領域が正面側を向く状態(拡大状態)とされた場合に、発光手段から発光され所定領域で反射した光を遊技者に視認させることができるだけでなく、第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)とされた場合には、発光手段から発光され所定領域で反射した光を、第1手段にその背面側から入射させ、第1手段を透過した光(第1手段の正面側から出射される光)を遊技者に視認させることができる。これにより、光の視認態様を変化させ、演出効果を向上できる。
なお、第2手段を第1手段の背面側(正面視において重なる位置)にスライド変位させる上述した従来の構成では、縮小状態においては、発光手段から発光され所定領域で光を反射させても、その反射させた光が発光手段(発光手段の基板)に遮られてしまい、第1手段へ入射させることができない。これに対し、遊技機XG2によれば、所定領域で反射された光を、第1手段および発光手段の正面視外方側から回り込ませることができ、発光手段(発光手段の基板)に遮られることなく、第1手段の背面側へ入射させることができる。
遊技機SNXG1又はSNXG2において、前記第2手段は、前記第1手段の正面視外方側に複数が配設され、前記第2手段の前記所定領域が前記第1手段の正面視外方側を向く状態では、隣り合う前記第2手段の一方の一側に他方の他側が重なることを特徴とする遊技機SNXG3。
遊技機SNXG3によれば、遊技機SNXG1又はSNXG2の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)では、隣り合う第2手段の一方の一側に他方の他側が重なるので、縮小状態において第2手段の配設に要するスペースを抑制できる。言い換えると、第2手段の大きさを大きくできる。一方、第2手段の所定領域が正面側を向く状態(拡大状態)では、隣り合う第2手段の間の隙間を小さくできる。
遊技機SNXG3において、前記第1手段は、前記第2手段の前記所定領域が前記第1手段の正面視外方側を向く状態において隣り合う前記第2手段の一方の一側と他方の他側とが重なる部分の少なくとも一部と正面視において重なるように構成されることを特徴とする遊技機SNXG4。
遊技機SNXG4によれば、遊技機SNXG3の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第1手段は、第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)において隣り合う第2手段の一方の一側と他方の他側とが重なる部分の少なくとも一部と正面視において重なるように構成されるので、縮小状態において第2手段どうしが重なる部分を遊技者から見えにくくできる。よって、第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)から第2手段の所定領域が正面側を向く状態(拡大状態)に遷移した際の意外性を向上できる。
遊技機SNXG4において、前記第2手段は、前記第2手段の前記所定領域が正面側を向く状態から前記第2手段の前記所定領域が前記第1手段の正面視外方側を向く状態となる際に、前記第2手段の一側が他側よりも先に前記第1手段の正面視外方側に到着するように構成されることを特徴とする遊技機SNXG5。
遊技機SNXG5によれば、遊技機SNXG4の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段は、第2手段の所定領域が正面側を向く状態(拡大状態)から第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)となる際に、第2手段の一側が他側よりも先に第1手段の正面視外方側に到着するように構成されるので、隣り合う第2手段の一方および他方の変位を同じ態様としつつ、これら隣り合う第2手段同士が干渉することを抑制できる。
遊技機SNXG4において、前記第2手段は、前記第2手段の前記所定領域が正面側を向く状態から前記第2手段の前記所定領域が前記第1手段の正面視外方側を向く状態となる際に、前記隣り合う前記第2手段の一方の変位が開始された後に他方の変位が開始されるように構成されることを特徴とする遊技機SNXG6。
遊技機SNXG6によれば、遊技機SNXG4の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段は、第2手段の所定領域が正面側を向く状態(拡大状態)から第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)となる際に、隣り合う前記第2手段の一方の変位が開始された後に他方の変位が開始されるように構成されるので、第2手段を複雑な軌跡で変位させることを回避しつつ、隣り合う第2手段同士が干渉することを抑制できる。例えば、第2手段の一側が他側よりも先に第1手段の正面視外方側に到着するようにする必要がなく、第2手段の一側および他側が同時に第1手段の正面視外方側に到着するようにできる。
遊技機SNXG6において、前記第2手段は、前記第2手段の前記所定領域が前記第1手段の正面視外方側を向く状態から前記第2手段の前記所定領域が正面側を向く状態となる際に、前記隣り合う前記第2手段の一方の変位と他方の変位とが同時に開始されるように構成されることを特徴とする遊技機SNXG7。
遊技機SNXG7によれば、遊技機SNXG6の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段は、第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)から第2手段の所定領域が正面側を向く状態(拡大状態)となる際に、隣り合う第2手段の一方の変位と他方の変位とが同時に開始されるように構成されるので、拡大状態から縮小状態となる際と、縮小状態から拡大状態となる際の第2手段の変位の態様を異ならせることができる。これにより、第2手段を変位させることによる演出効果を向上できる。
遊技機SNXG1からSNXG7において、前記第2手段は、前記第2手段の前記所定領域が前記第1手段の正面視外方側を向く状態から前記第2手段の前記所定領域が正面側を向く状態とされた後、前記第1手段の正面視外方へ変位可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXG8。
遊技機SNXG8によれば、遊技機SNXG1からSNXG7のいずれかの奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段は、第2手段の所定領域が第1手段の正面視外方側を向く状態(縮小状態)から第2手段の所定領域が正面側を向く状態(拡大状態)とされた後、第1手段の正面視外方へ変位可能に構成されるので、第2手段の正面視における大きさを拡大状態よりも更に大きく見せることができる。よって、正面視における視覚上の大きさの変化をより大きくできる。
<花回転ユニットG400の第1装飾ユニットG420を一例とする発明の概念について>
第1手段と、前記第1手段の周りを周回可能に構成された第2手段とを備えた遊技機において、前記第2手段は、前記第1手段の周りを周回する際に、回転可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXH1。
第1手段と、第1手段の周りを周回可能に構成された第2手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、第1手段および第2手段に関し、改善の余地があった。
即ち、第1手段の周りを第2手段が周回(公転)する演出では、両者の相対変位が単調であり、十分な演出効果を得ることができない。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、第1手段および第2手段を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNXH1によれば、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段は、第1手段の周りを周回(公転)する際に、回転(自転)可能に構成されるので、両者の相対変位が単調となることを抑制でき、演出効果を高めることができる。
遊技機SNXH1において、前記第2手段は、前記回転の際の回転中心を挟んで位置する一側領域および他側領域を備え、前記一側領域と前記他側領域とが異なる態様に構成されることを特徴とする遊技機SNXH2。
遊技機SNXH2によれば、遊技機SNXH1の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段は、回転の際の回転中心を挟んで位置する一側領域および他側領域を備え、一側領域と他側領域とが異なる態様に構成されるので、第1手段の周りを第2手段が周回する際に、第2手段の異なる態様(一側領域、他側領域)を交互に現出させることができる。これにより、例えば、視認される外形や反射される光の態様の変化を大きくして、演出効果を高めることができる。
なお、異なる態様とは、例えば、視認される形状(外形)が異なるもの、外面の粗さや色が異なるもの(即ち、光の反射態様が異なるもの)、材質が異なるもの、これらを組み合わせたもの等が例示される。
遊技機SNXH1又はSNXH2において、前記第2手段は、前記第1手段の外方側に近接する方向および離間する方向へそれぞれ変位可能に構成され、前記第1手段の外方側へ近接する方向への前記第2手段の変位は、前記第2手段の前記回転における回転位置が所定の回転位置にある場合に行われるように構成されることを特徴とする遊技機SNXH3。
遊技機SNXH3によれば、遊技機SNXH1又はSNXH2の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第1手段の外方側へ近接する方向への第2手段の変位は、第2手段の回転(自転)における回転位置が所定の回転位置にある場合に行われるので、常に同じ姿勢で第2手段を第1手段の外方側へ近接させることができ、第2手段が第1手段の外方側に干渉する(当接する)ことを抑制できる。これにより、第2手段の外形形状の設計の自由度を高められると共に、1手段の外方側へ第2手段をより近接させることができる。
遊技機SNXH1からSNXH3のいずれかにおいて、前記第2手段は、前記第1手段の外方側に近接する方向および離間する方向へそれぞれ変位可能に構成され、前記第2手段が前記第1手段の外方側に近接する方向に最も変位した際に、前記第2手段の前記周回における周回位置が所定の周回位置となるように構成されることを特徴とする遊技機SNXH4。
遊技機SNXH4によれば、遊技機SNXH1からSNXH3のいずれかの奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段が第1手段の外方側に近接する方向に最も変位した際に、第2手段の周回(公転)における周回位置が所定の周回位置となるように構成されるので、第2手段が第1手段の外方側に最も近づいた状態において、第2手段の周回位置を常に同じ周回位置とすることができる。これにより、第1手段の周りを第2手段が周回(公転)する構成において、常に同じ周回位置において第2手段を第1手段の外方側に最も近づいた状態とすることができると共に、常に同じ周回位置を起点(始点)として第2手段を第1手段の外方側から離間する方向へ変位させることができる。その結果、演出効果を高めることができる。
遊技機SNXH1からSNXH4のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記第2手段の周回と同じ方向または反対方向へ回転可能に構成される回転手段を備えることを特徴とする遊技機SNXH5。
遊技機SNXH5によれば、遊技機SNXH1からSNXH4のいずれかの奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第1手段は、第2手段の周回と同じ方向または反対方向へ回転可能に構成される回転手段を備えるので、第2手段の周回(公転)と回転手段の回転(自転)とを関連付けることができ、演出効果を高めることができる。例えば、第2手段の周回(公転)と同じ方向に回転手段が回転(自転)される場合には、第2手段の周回(公転)と回転手段の回転(自転)とを一体的に視認させ、遊技者に第2手段の回転(自転)を着目させやすくできる一方、第2手段の周回(公転)と反対方向に回転手段が回転(自転)される場合には、回転手段の回転(自転)の分、第2手段の周回(公転)の速度を遊技者に錯覚させ(見かけの速度を速くして)、遊技者に第2手段の周回(公転)を着目させやすくできる。
遊技機SNXH5において、前記第2手段の周回の速度と、前記回転手段の回転の速度とが異なることを特徴とする遊技機SNXH6。
遊技機SNXH6によれば、遊技機SNXH5の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を改善できる。
即ち、第2手段の周回の速度と、前記回転手段の回転の速度とが異なるので、第2手段の周回(公転)と回転手段の回転(自転)とを関連付けることができ、演出効果を高めることができる。例えば、第2手段の周回(公転)と同じ方向に回転手段が回転(自転)される場合に、第2手段の周回の速度が回転手段の回転の速度よりも遅くすることで、第2手段が第2手段と逆方向に周回していると遊技者に錯覚させることができる。また、例えば、第2手段の周回(公転)と反対方向に回転手段が回転(自転)される場合に、第2手段の周回の速度が回転手段の回転の速度よりも速くすることで、第2手段の周回(公転)の速度を遊技者に錯覚させやすくし(見かけの速度をより速くして)、遊技者に第2手段の周回(公転)を着目させやすくできる。
<上側装飾ユニットH14aの第1連通路H300Cを一例とする発明の概念について>
動作可能に構成される動作手段と、その動作手段が配設される配設手段とを備えた遊技機において、変位可能に構成され前記配設手段との当接状態を変化可能に構成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機SNXI1。
動作可能に構成される動作手段と、その動作手段が配設される配設手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、動作に伴う出力に改善の余地があった。
即ち、動作手段の動作に伴い音を出力する場合、動作手段の動作態様(例えば、動作(振動)の振動数や波形)を変化させることで、出力される音の態様を変化させることができる。しかしながら、動作手段の動作態様を変化させるのみでは、出力される音の態様の変化が不十分であるという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、動作に伴う出力を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNXI1によれば、動作に伴う出力を改善できる。
即ち、変位可能に構成され配設手段との当接状態を変化可能に構成される変位手段を備えるので、変位手段の配設手段との当接状態を変化させることで、配設手段の剛性を変化させることができる。これにより、動作手段の動作態様を一定とした場合でも、配設手段の剛性の変化に伴い、出力させる音の態様を変化させることができる。その結果、動作に伴う出力を改善できる。
遊技機SNXI1において、前記動作手段は、所定間隔を隔てて前記配設手段に配設される第1動作手段および第2動作手段を備え、所定方向視において前記変位部材の一側に前記第1動作手段が位置されると共に前記変位部材の他側に前記第2動作手段が位置されることを特徴とする遊技機SNXI2。
遊技機SNXI2によれば、動作に伴う出力を改善できる。
即ち、動作手段は、所定間隔を隔てて配設手段に配設される第1動作手段および第2動作手段を備え、所定方向視において変位部材の一側に第1動作手段が位置されると共に変位部材の他側に第2動作手段が位置されるので、所定方向視において第1動作手段と第2動作手段との間となる領域を含む領域において、変位手段の配設手段に対する当接状態を変化させることができる。即ち、出力される音の態様に変化を与えやすい領域において、変位手段の配設手段に対する当接状態(配設手段の剛性)を変化させることができる。これにより、配設手段の剛性を変化させた際に、出力させる音の態様を効率的に変化させることができる。その結果、動作に伴う出力を改善できる。
遊技機SNXI1又はSNXI2において、前記変位手段は、前記配設手段の外側の壁部の一部を構成することを特徴とする遊技機SNXI3。
遊技機SNXI3によれば、遊技機SNXI1又はSNXI2の奏する効果に加え、動作に伴う出力を改善できる。
即ち、変位手段は、配設手段の外側の壁部の一部を構成するので、出力される音の態様に変化を与えやすい領域において、変位手段の配設手段に対する当接状態(配設手段の剛性)を変化させることができる。これにより、配設手段の剛性を変化させた際に、出力させる音の態様を効率的に変化させることができる。その結果、動作に伴う出力を改善できる。
なお、変位手段が構成する壁部(配設手段の外側の壁部の一部)は、遊技者から視認可能に構成されることが好ましい。変位手段の変位を遊技者に視認させることで、配設手段の剛性が変化されること(即ち、出力される音の態様が変化されること)を聴覚だけでなく視覚によっても認識させることができる。
遊技機SNXI2において、前記配設手段は、前記第1動作手段が配設される第1配設空間および前記第2動作手段が配設される第2配設空間と、前記第1配設空間および前記第2配設空間を連通可能に形成される連通空間とを備え、前記変位手段は、前記連通空間を区画する壁部の一部を構成することを特徴とする遊技機SNXI4。
遊技機SNXI4によれば、遊技機SNXI2の奏する効果に加え、動作に伴う出力を改善できる。
即ち、第1配設空間と第2配設空間とを連通可能に形成される連通空間を備え、変位手段は、連通空間を区画する壁部の一部を構成するので、変位手段の配設手段との当接状態の変化により配設手段の剛性を変化させることで、出力させる音の態様を変化させることができるだけでなく、変位手段の変位に伴い連通空間の外部への開放量(閉塞も含む)を変化させることで、出力される音の態様を変化させることもできる。特にこれら剛性の変化と開放量の変化とを同時に行わせることができるので、出力される音の態様の変化をより大きくすることができる。
遊技機SNXI1からSNXI4のいずれかにおいて、前記変位手段は、前記配設手段に一辺側が回転可能に軸支された板状体として構成されることを特徴とする遊技機SNXI5。
遊技機SNXI5によれば、遊技機SNXI1からSNXI4のいずれかの奏する効果に加え、動作に伴う出力を改善できる。
即ち、変位手段は、配設手段に一辺側が回転可能に軸支された板状体として構成されるので、変位手段を配設手段から離間する方向に変位(回転)させることで、変位手段が配設手段に対して当接されている領域を最小限とすることができる。即ち、軸支された部分以外を非当接とすることができる。これにより、配設手段の剛性の変化を大きくでき、出力させる音の態様をより変化させやすくできる。その結果、動作に伴う出力を改善できる。
遊技機SNXI1からSNXI5のいずれかにおいて、前記変位手段と前記配設手段との当接部分には、弾性材料から構成される弾性体が介設されることを特徴とする遊技機SNXI6。
遊技機SNXI6によれば、遊技機SNXI1からSNXI5のいずれかの奏する効果に加え、動作に伴う出力を改善できる。
即ち、変位手段と配設手段との当接部分には、弾性材料から構成される弾性体が介設されるので、変位手段を配設手段に密着させ、両者の間の滑りを抑制できる。これにより、配設手段の剛性を変化させやすくでき、出力させる音の態様をより大きく変化させることができる。その結果、動作に伴う出力を改善できる。
遊技機SNXI1からSNXI6のいずれかにおいて、遊技者により操作可能に構成される操作手段を備え、前記操作手段が操作された場合に前記変位手段が変位可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXI7。
遊技機SNXI7によれば、遊技機SNXI1からSNXI6のいずれかの奏する効果に加え、動作に伴う出力を改善できる。
即ち、操作手段が操作された場合に変位手段が変位可能に構成されるので、配設手段の剛性が変化されるタイミング(即ち、出力される音の態様が変化されるタイミング)を操作手段の操作と関係付けることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
<球発射ユニットH29112aの凹部H29821a1を一例とする発明の概念について>
遊技球を送球可能に構成される送球手段と、その送球手段により送球された遊技球の流路となる流路手段とを備えた遊技機において、前記流路手段を通過する遊技球に作用可能に構成される凹部または凸部を備え、前記凹部または凸部は、前記送球手段による送球方向に対して非平行に構成される非平行部を備えることを特徴とする遊技機SNXJ1。
遊技球を送球可能に構成される送球手段と、その送球手段により送球された遊技球の流路となる流路手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2017-221847号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、遊技球の送球に関し、改善の余地があった。
即ち、送球手段により遊技球が送球される際、遊技球の初期位置(送球手段に対する相対位置)にはばらつきが生じるため、遊技球は、流路手段に沿って真っ直ぐに送球されず、流路手段の内面(遊技球が転動する転動面の側方の内面)に衝突(当接)することがある。このように、流路手段の内面に遊技球が衝突(当接)すると、内面から受ける反力により遊技球が暴れ、その軌跡が安定しないという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技球の送球を改善できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機SNXJ1によれば、遊技球の送球を改善できる。
即ち、流路手段を通過する遊技球に作用可能に構成される凹部または凸部を備え、凹部または凸部は、送球手段による送球方向に対して非平行に構成される非平行部を備えるので、非平行部に遊技球を衝突(当接)させて、遊技球が暴れることを抑制できる。これにより、遊技球の軌跡を安定させることができ、遊技球の送球を改善できる。
遊技機SNXJ1において、前記凹部または凸部は、前記送球手段による送球方向に対して略平行に構成される平行部を備えることを特徴とする遊技機SNXJ2。
遊技機SNXJ2によれば、遊技機SNXJ1の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、凹部または凸部は、送球手段による送球方向に対して略平行に構成される平行部を備えるので、比較的暴れが小さい遊技球を送球方向に沿って案内することができる。これにより、遊技球の軌跡を安定させることができ、遊技球の送球を改善できる。
遊技機SNXJ1又はSNXJ2において、前記凹部または凸部の少なくとも一部は、前記送球手段による送球方向へ向かうに従って幅が大きくなるように構成されることを特徴とする遊技機SNXJ3。
遊技機SNXJ3によれば、遊技機SNXJ1又はSNXJ2の奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、前記凹部または凸部の少なくとも一部は、前記送球手段による送球方向へ向かうに従って幅が大きくなるように構成されるので、比較的暴れが大きな遊技球に対して凹部または凸部を徐々に作用させることができる。即ち、凹部または凸部への遊技球の衝突(当接)により遊技球の暴れが増幅することを抑制できる。これにより、遊技球の軌跡を安定させることができ、遊技球の送球を改善できる。
遊技機SNXJ1からSNXJ3のいずれかにおいて、前記凹部または凸部の少なくとも一部は、前記送球手段による送球方向へ向かうに従って幅が小さくなるように構成されることを特徴とする遊技機SNXJ4。
遊技機SNXJ4によれば、遊技機SNXJ1からSNXJ3のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、前記凹部または凸部の少なくとも一部は、前記送球手段による送球方向へ向かうに従って幅が小さくなるように構成されるので、遊技球が通過している間、かかる遊技球に対して凹部または凸部の作用を継続させ、遊技球の暴れを収束させやすくできる。これにより、遊技球の軌跡を安定させることができ、遊技球の送球を改善できる。
遊技機SNXJ1からSNXJ4のいずれかにおいて、前記凹部または凸部は、前記送球手段の送球方向に通過する遊技球と、前記送球手段の送球方向と反対方向に通過する遊技球とに対して、異なる作用を付与可能に構成されることを特徴とする遊技機SNXJ5。
遊技機SNXJ5によれば、遊技機SNXJ1からSNXJ4のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の送球を改善できる。
即ち、凹部または凸部は、送球手段の送球方向に通過する遊技球と、送球手段の送球方向と反対方向に通過する遊技球とに対して、異なる作用を付与可能に構成されるので、送球手段の送球方向に通過する遊技球に対しては、その軌跡を安定化させる一方、送球手段の送球方向とは反対方向に通過する遊技球(例えば、発射強度が弱く、発射手段へ戻ってくる遊技球)に対しては、遊技球の通過方向を変更させる(例えば、遊技球を回収口へ案内し、発射装置まで戻らないようにする)ことができる。その結果、遊技球の送球を改善できる。
遊技機SNA1からSNA10、SNB1からSNB10、SNC1からSNC11、SND1からSND12、SNE1からSNE11、SNWA1-0からSNWA1-5、SNWA2-1からSNWA2-5、SNWB1-1からSNWB1-6、SNWB2-1からSNWB2-8、SNWB3-1からSNWB3-3、SNWC1-1からSNWC1-4、SNWC2-1からSNWC2-5及びSNWD1-1からSNWD1-5、遊技機SNYA1からSNYA11、SNYB1からSNYB10、SNYC1からSNYC11、SNYD1からSNYD5、SNYE1からSNYE3、SNYF1からSNYF3及びSNYG1からSNYG3、遊技機SNBA1からSNBA13、SNBB1からSNBB3、SNBBZ1からSNBBZ11、SNBC1からSNBC11、SNBD1からSNBD13、SNBE1からSNBE3、SNBEZ1からSNBEZ10、SNBG1からSNBG16、SNBH1からSNBH11、SNBI1からSNBI3及びSNBIZ1からSNBIZ11、遊技機SNCA1からSNCA26、SNCB1からSNCB4、SNCC1からSNCC4、SNDA1からSNDA19、SNDB1からSNDB4、SNDC1からSNDC4、SNDD1からSNDD4、SNEA1からSNEA4、SNEB1からSNEB4及びSNEC1からSNEC5、遊技機SNFA1からSNFA13、SNFB1からSNFB12、SNFC1からSNFC8又はSNFD1からSNFD5、遊技機SNKA1からSNKA10、SNKB1からSNKB8、SNKC1からSNKC10、SNKD1からSNKD10、SNKE1からSNKE10、SNKF1からSNKF16、SNKG1からSNKG10、SNKKH1からSNKKH5、SNKH1からSNKH13、SNKI1からSNKI11及びSNKJ1からSNKJ11、SNXA1からSNXA9、SNXBからSNXB11、SNXC1からSNXC9、SNXD1からSNXD9、SNXE1からSNXE9、SNXF1からSNXF12、SNXG1からSNXG8、SNXH1からSNXH6、SNXI1からSNXI7、SNXJ1からSNXJ5のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機SNZ1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機SNA1からSNA10、SNB1からSNB10、SNC1からSNC11、SND1からSND12、SNE1からSNE11、SNWA1-0からSNWA1-5、SNWA2-1からSNWA2-5、SNWB1-1からSNWB1-6、SNWB2-1からSNWB2-8、SNWB3-1からSNWB3-3、SNWC1-1からSNWC1-4、SNWC2-1からSNWC2-5及びSNWD1-1からSNWD1-5、遊技機SNYA1からSNYA11、SNYB1からSNYB10、SNYC1からSNYC11、SNYD1からSNYD5、SNYE1からSNYE3、SNYF1からSNYF3及びSNYG1からSNYG3、遊技機SNBA1からSNBA13、SNBB1からSNBB3、SNBBZ1からSNBBZ11、SNBC1からSNBC11、SNBD1からSNBD13、SNBE1からSNBE3、SNBEZ1からSNBEZ10、SNBG1からSNBG16、SNBH1からSNBH11、SNBI1からSNBI3及びSNBIZ1からSNBIZ11、遊技機SNCA1からSNCA26、SNCB1からSNCB4、SNCC1からSNCC4、SNDA1からSNDA19、SNDB1からSNDB4、SNDC1からSNDC4、SNDD1からSNDD4、SNEA1からSNEA4、SNEB1からSNEB4及びSNEC1からSNEC5、遊技機SNFA1からSNFA13、SNFB1からSNFB12、SNFC1からSNFC8又はSNFD1からSNFD5、遊技機SNKA1からSNKA10、SNKB1からSNKB8、SNKC1からSNKC10、SNKD1からSNKD10、SNKE1からSNKE10、SNKF1からSNKF16、SNKG1からSNKG10、SNKKH1からSNKKH5、SNKH1からSNKH13、SNKI1からSNKI11及びSNKJ1からSNKJ11、SNXA1からSNXA9、SNXBからSNXB11、SNXC1からSNXC9、SNXD1からSNXD9、SNXE1からSNXE9、SNXF1からSNXF12、SNXG1からSNXG8、SNXH1からSNXH6、SNXI1からSNXI7、SNXJ1からSNXJ5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機SNA1からSNA10、SNB1からSNB10、SNC1からSNC11、SND1からSND12、SNE1からSNE11、SNWA1-0からSNWA1-5、SNWA2-1からSNWA2-5、SNWB1-1からSNWB1-6、SNWB2-1からSNWB2-8、SNWB3-1からSNWB3-3、SNWC1-1からSNWC1-4、SNWC2-1からSNWC2-5及びSNWD1-1からSNWD1-5、遊技機SNYA1からSNYA11、SNYB1からSNYB10、SNYC1からSNYC11、SNYD1からSNYD5、SNYE1からSNYE3、SNYF1からSNYF3及びSNYG1からSNYG3、遊技機SNBA1からSNBA13、SNBB1からSNBB3、SNBBZ1からSNBBZ11、SNBC1からSNBC11、SNBD1からSNBD13、SNBE1からSNBE3、SNBEZ1からSNBEZ10、SNBG1からSNBG16、SNBH1からSNBH11、SNBI1からSNBI3及びSNBIZ1からSNBIZ11、遊技機SNCA1からSNCA26、SNCB1からSNCB4、SNCC1からSNCC4、SNDA1からSNDA19、SNDB1からSNDB4、SNDC1からSNDC4、SNDD1からSNDD4、SNEA1からSNEA4、SNEB1からSNEB4及びSNEC1からSNEC5、遊技機SNFA1からSNFA13、SNFB1からSNFB12、SNFC1からSNFC8又はSNFD1からSNFD5、遊技機SNKA1からSNKA10、SNKB1からSNKB8、SNKC1からSNKC10、SNKD1からSNKD10、SNKE1からSNKE10、SNKF1からSNKF16、SNKG1からSNKG10、SNKKH1からSNKKH5、SNKH1からSNKH13、SNKI1からSNKI11及びSNKJ1からSNKJ11、SNXA1からSNXA9、SNXBからSNXB11、SNXC1からSNXC9、SNXD1からSNXD9、SNXE1からSNXE9、SNXF1からSNXF12、SNXG1からSNXG8、SNXH1からSNXH6、SNXI1からSNXI7、SNXJ1からSNXJ5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1760から図1817を参照し、第157実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1760は、第157実施形態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図1761は、パチンコ機H10の背面図であり、図1762は、外枠H11に対して内枠H12を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図1763は、外枠H11に対して内枠H12を開放した状態で裏パックユニットH94を内枠H12に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図1764は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠H14を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図1765は、正面枠H14を取り外した状態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図1766は、遊技盤H13及び内枠H12の分解正面斜視図であり、図1767は、正面枠H14の分解正面斜視図であり、図1768は、正面枠H14の分解背面斜視図である。なお、図1765では、発射位置送球ユニットH170から球発射ユニットH112aに球を送球するための背面側開口H172が2点鎖線で図示される。また、以下の説明では、図1760に示す状態のパチンコ機H10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1760に示す状態のパチンコ機H10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図1760参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機H10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。また、特段の説明がない限り、パチンコ機H10を遊技する遊技者は、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に位置し、パチンコ機H10の背面側(矢印B方向側)に視線を向けた状態(パチンコ機H10の正面側と対面した状態)で遊技するものとして説明する。
図1760~図1768に示すように、パチンコ機H10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠H11と、その外枠H11と略同一の外形形状に形成され外枠H11に対して開閉可能に支持された内枠H12と、その内枠H12と略同一の外形形状に形成され内枠H12に対して開閉可能に支持された正面枠H14とを主に備えている。外枠H11には、内枠H12を支持するために正面視(図1760参照)左側(矢印L方向側)の上下(矢印U-D方向)2カ所に金属製のヒンジH18が取り付けられ、そのヒンジH18が設けられた側を開閉の軸として内枠H12が正面枠H14と共に正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている。パチンコ機H10は、外枠H11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機H10において外枠H11は必須の構成ではなく、外枠H11又は外枠H11と同一の内形を有し、外枠H11の内枠H12支持構造(ヒンジH18等)及び施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としても良い。外枠H11は、上方側(矢印U方向側)に配設される上方板H11aと、下方側(矢印D方向側)に配設される下方板H11bと、それら上方板H11a及び下方板H11bの左右(矢印L-R方向)の両端同士を上下方向に連結する左方板H11c及び右方板H11dとを組み合わせて枠状に形成される。なお、外枠H11は、木材で形成されるものに限られるものではなく、アルミ等の金属材料やプラスチック等の樹脂材料で形成されていても良く、それら木材、金属材料、又は、樹脂材料から形成される部材(上方板H11a,下方板H11b,左方板H11c,右方板H11d)を組み合わせて形成されるものであっても良い。また、本実施形態では、外枠H11の正面視左側(矢印L方向側)にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視右側(矢印R方向側)を正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能とされるが、外枠H11の正面視右側にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視左側を正面手前側へ開閉可能としても良く、又、ヒンジH18を外枠H11の正面視下側(矢印D方向側)の左右(矢印L-R方向)両端に取り付け、外枠H11に対して内枠H12の正面視上側(矢印U方向側)を正面手前側へ開閉可能とするものであっても良い。内枠H12は、外枠H11と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12aと、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図1763参照)。また、内枠H12には、枠形成ユニットH12aと裏パックユニットH94とで正面側(矢印F方向側)が開放する略箱状に形成された内側に多数の釘や入賞口H63,H64等を有する遊技盤H13(図1765及び図1766参照)が配設される。この遊技盤H13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2が配設される。遊技盤H13は、左端支持部H12a1にベース板H60の左側端部が挿入されつつ内枠H12の背面側(矢印B方向側)に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H60の正面と係合する(ベース板H60の正面を支持する)ことで内枠H12の内側に固定される。また、内枠H12の枠形成ユニットH12aは、球を遊技盤H13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニットH112a(図1765参照)と、正面枠H14(上下皿ユニットH15)に球を送球する皿通路形成部材H160と(図1765参照)を主に備えて形成される。
さらに、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、正面枠H14を支持するために正面視左側(矢印L方向側)の上下2カ所に金属製のヒンジH19が取り付けられ、そのヒンジH19が設けられた側を開閉の軸として正面枠H14が正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている(図1764参照)。なお、内枠H12の施錠と正面枠H14の施錠とは、枠形成ユニットH12aに配設されるシリンダ錠H20の鍵穴H21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。なお、シリンダ錠H20の鍵穴H21は、振動または動作可能に構成されると共に変位可能に構成される。なお、ヒンジH19による内枠H12と正面枠H14との開錠は、シリンダ錠H20に専用の鍵を差し込むものではなく、後述する操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで行われるようにしても良い。また、内枠H12又は正面枠H14を開放した後で、開放されたの内側から操作ユニットH180、機能調整操作部H190、操作ハンドルH51、球抜きレバーH52、球排出レバーH54、又は、貸球操作部H40等の正面枠H14に配設される操作ユニットを操作することで、所定の部材(例えば、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cの化粧板)の係合が解除され所定の部材が取り外されるようにしても良い。球発射ユニットH112aは、上皿H17から発射位置送球ユニットH170を介して1球ずつ所定のタイミングで送球される球を受け入れ可能に形成され、遊技盤H13(内レールH61及び外レールH62)への球の送球方向に延設される発射レールH112a1と、回転可能に軸支され発射レールH112a1上に送球された球に回転して当接可能に形成される回転体H112a2と、その回転体H112a2を回転させるための駆動モータH850(図1680参照)とを主に備えて形成される。即ち、球発射ユニットH112aは、変位可能に構成される回転体H112a2を変位させて被案内物体である遊技球を発射可能に構成される。なお、回転体H112a2は、駆動または動作可能に構成される。球発射ユニットH112aから遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)への球の発射(送球)は、発射レールH112a1上に球が送球された後、回転動作物体である回転体H112a2を回転させて発射レールH112a1上に送球された球に回転体H112a2を衝突させることで行われる。なお、本実施形態では、回転する回転体H112a2により球発射ユニットH112aから球が発射(送球)されるが、球を発射する構造は回転する部材(回転体H112a2)に限られるものではない。例えば、球の発射方向にスライド変位可能なスライド体と、そのスライド体をスライド変位させるソレノイドとを備え、ソレノイドの励磁によりスライド体を変位させて球に衝突させることで球の発射(送球)が行われる伸縮装置として構成しても良い。
なお、駆動モータH850は、振動または動作可能に構成される。即ち、駆動主体としての駆動モータH850は、変位可能に構成される。これより、被回転物体である回転軸棒と一体的に回転体H112a2を回転させ、遊技球を発射することが可能とされる。また、球発射ユニットH112aは、内枠H12に配設されるものに限られるものでなく、パチンコ機H10の演出装置としてベース板H60の背面側(矢印B方向側)に(遊技盤H13に)配設することも可能である。例えば、センターフレームH86やベース板H60に開口した開口部からベース板H60の背面側に配設される発射レールH112a1上に球を送球して、その球を回転体H112a2により発射して第3図柄表示装置H81の正面側を球が通過するように構成しても良い。皿通路形成部材H160は、図1765に示すように、本体側上皿通路部H161と本体側下皿通路部H162とを有している。本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162は、背面側(矢印B方向側)の端部が内枠H12に前後方向(矢印F-B方向)に貫通される貫通孔と連通可能となるように背面側(矢印B方向側)へ向けて開放され、正面側(矢印F方向側)の端部が下方(矢印D方向)へ向けて開放されるように、内部で通路の方向が90度変化する(前後方向から上下方向に変化する)湾曲通路を形成する。この構成において、払出装置H133から払い出された球は内枠H12の貫通孔を通り、皿通路形成部材H160の背面側の端部から皿通路形成部材H160に進入し、正面側の端部から排出される。なお、皿通路形成部材H160の下側部分には、図1765に示すように、本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162からの球の流出を規制するシャッタH163が設けられている。シャッタH163は、両通路の出口部分を狭め球の流出を阻止する阻止位置と、球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられており、内枠H12に対して正面枠H14を閉鎖した状態とされる場合に許容位置に配置され、内枠H12に対して正面枠H14を開放した状態(図1764に示す状態)とされる場合に阻止位置に配置される。これにより、本体側上皿通路部H161又は本体側下皿通路部H162に球が貯留されている状態で正面枠H14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。
正面枠H14は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠H14dと、その本体枠H14dに配設され、その本体枠H14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットH14aと、その上側装飾ユニットH14aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットH14b及び右側装飾ユニットH14cと、本体枠H14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットH15と、本体枠H14dを介して上下皿ユニットH15の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170とを主に備えて構成され、内枠H12に回動可能に取り付けられている。また、正面枠H14の回動基端側には、図1767及び図1768に示すように、前扉取付金具H57,H58が設けられ、この前扉取付金具H57,H58(前扉取付金具H57は円柱状部、前扉取付金具H58は軸孔を有する金属板)が内枠H12に係合することにより、内枠H12に対して正面枠H14が回動可能に支持される。詳細には、前扉取付金具H57は、内枠H12の上側のヒンジH19の下方位置において内枠H12の正面側端部から正面側(矢印F方向側)へ延設され先端から背面側(矢印B方向側)へ前扉取付金具H57が内嵌可能な大きさで凹設される嵌合凹部H12e1(図1766参照)を有する軸支板部H12eに軸支される。また、前扉取付金具H58は、内枠H12の下側のヒンジH19から上方(矢印U方向)に突設される段付き円柱形状(直径の違う円柱が上下に連設される構成において上側の円柱の直径の方が小さい形状)の支持ピンH19aに外嵌されることで軸支される。また、正面枠H14には、上側装飾ユニットH14aと左側装飾ユニットH14bと右側装飾ユニットH14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部H14eが形成され、その窓部H14eを塞ぐように正面枠H14(本体枠H14d)の背面側(矢印B方向側)に2枚の板ガラスを有し光を透過可能に構成されるガラスユニットH16が配設される(図1760参照)。なお、パチンコ機H10は、ガラスユニットH16(窓部H14e)を介してパチンコ機H10の正面側から遊技盤H13の正面が視認可能となっている。ガラスユニットH16は、図1760及び図1764に示すように、窓部H14eより大きな外形で光透過性(透明性)を有する前後一対の透明ガラスH16a,H16bと、これら透明ガラスH16a,H16bを一体化する固定枠(図示せず)と、を備えている。固定枠は、樹脂材料により透明ガラスH16a,H16bより一回り大きな環状に形成され、透明ガラスH16a,H16bの外周縁が固定枠に接着されることでガラスユニットH16は一体化された複層ガラスとされている。なお、ガラスユニットH16は、透明ガラスH16a,H16bによって光を透過可能に構成される(無色透明に形成されている)が、これに限定されることはなく樹脂材料によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機H10前方からガラスユニットH16を通じて遊技領域を視認可能であれば無色透明でなく有色透明に形成されていても良い。また、2枚の透明ガラスH16a,H16bは、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態で配設しても良い。透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態とする場合には、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に変位可能な変位手段を配設して、遊技盤H13よりも前方側(矢印F方向側)で変位手段による演出を可能にしても良い。この場合の変位手段とは、例えば、紙やナイロン等の部材から形成される複数の変位部材を固定枠に形成した孔から送り出す風により吹き飛ばす演出をするものや、固定枠に変位可能に配設した変位部材を音声ランプ制御装置H113(図1769参照)により2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間で変位させるものである。また、2枚の透明ガラスH16a,H16bを固定する固定板に発光手段を配設し、その発光手段から出射される光を前方側の透明ガラスH16aまたは背面側(矢印B方向側)の透明ガラスH16bの一方に照射して、透明ガラスH16a,H16bの一方に照射された光を遊技者に視認させる演出をするようにしても良い。
正面枠H14(上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14c)において窓部H14eの周囲には、図1760に示すようにLED等の発光手段を内蔵した電飾部H29~H33が複数設けられている。これら電飾部H29~H33では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部H14eの上側(矢印U方向側)の電飾部H30には、遊技球が通過可能に構成される被通過進入物体である検出センサにより検出される払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。また、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに独立して配置される独立配置物体である電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、電飾部H29~H33から出射される光を非透過とする非透過性の樹脂材料から形成される。これにより、電飾部H29~H33の発光(点灯や点滅)を遊技者に注目させやすい構造となっている。なお、電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、非透過に形成されるものに限られず、透過性の樹脂材料から形成して電飾部H29~H33に発光(点灯や点滅)があった場合に正面枠H14の全体から光を出射(透過)可能に構成しても良い。また、電飾部H29~H33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材を配設して煌びやかさを醸し出すように構成しても良い。上側装飾ユニットH14aの左側(矢印L方向側)及び右側(矢印R方向側)には(窓部H14eの右上側及び左上側には)、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカー組立体(音声出力装置H226(図1769参照))を覆うスピーカーカバーH27(パンチングメタルから形成される薄板部材)が設けられており、スピーカーカバーH27を介してスピーカーの音をパチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に放音可能に構成されている。窓部H14eの下方(矢印B方向)には、図1760に示すように、上皿H17と下皿H50とが手前側へ膨出して配置されると共にそれら上皿H17と下皿H50とが上下に並設される上下皿ユニットH15が配設される。上皿H17は、上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿H17に賞球や貸出球などが排出される。また、上皿H17は、払出装置H133(図1761参照)より払い出された球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射ユニットH112a(図1765参照)側へ導く機能を有しており、底面が正面視右側(矢印R方向側)に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿H17に投入された球を発射位置送球ユニットH170へと案内可能に形成される。なお、上皿H17から発射位置送球ユニットH170に送球された球は、発射位置送球ユニットH170の動作により1球ずつ球発射ユニットH112aへ案内される。即ち、遊技球が通過可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。言い換えると、遊技球を送球可能に構成される発射位置送球ユニットH170により遊技球を球発射ユニットH112aに送球可能とされる。
下皿H50は、上面を開放した略箱状に形成され、上皿H17内にて余剰となった球を貯留する機能を有している。また、下皿H50の背面側(矢印B方向側)側面には、前後方向(矢印F-B方向)に開口され球が下皿H50に案内される球案内開口H53が形成される。下皿H50の正面側(矢印F方向側)の下方(矢印D方向)部には、下皿H50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバーH52が設けられている。この球抜きレバーH52は、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、下皿H50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバーH52の操作は、通常、下皿H50の下方に下皿H50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。なお、球抜きレバーH52の操作により、千両箱に球を排出するものに限らず、島設備に連通する回収口に球を排出するものであっても良い。また、上皿H17と下皿H50とに分けて複数箇所に球を貯留する部位を設ける必要はなく、下皿H50を廃止して上皿H17のみとした1つの貯留部のみを有する構成としても良い。また、下皿H50から球を排出する球抜きレバーH52の操作を駆動モータにより制御することも可能である。これによれば、下皿H50に球が払い出されたことや下皿H50に所定数の球数が払い出されたこと起因して、球抜きレバーH52を駆動モータにより変位させることで、下皿H50からの球の排出を遊技者が忘れて下皿H50の貯留領域に球が溢れることを抑制できる。特に、最近では、パチンコ機H10が設置される店舗の島設備に連通する回収口に下皿H50から球を排出する店舗が多くなっており、所定数の球数しか貯留できない千両箱に下皿H50から排出される球を排出する店舗が少なくなっている。店舗の島設備に連通する回収口に下皿H50から球を排出する店舗では、下皿H50から球が払い出されている最中に千両箱の交換等が必要ないので、下皿H50への球の払い出しに伴って駆動モータにより球抜きレバーH52を変位させる構成とすることで、遊技者の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。即ち、後述する主制御装置H110のMPUH201により大当たりの演出がされることに伴って、下皿H50の球抜きレバーH52を駆動モータにより変位させることで、大当たりにより下皿H50に払い出される球を回収口に排出することができ、遊技者の球抜きレバーH52の操作を不要とできる。その結果、遊技者をパチンコ機H10の演出(特に大当たりの演出)に集中させることができ、遊技者の興趣を向上できる。
上皿H17(球の貯留領域)の手前側(矢印F方向側)には、変位可能に構成され、遊技者らにより手動操作される操作ユニットH180が設けられている。操作ユニットH180は、第3図柄表示装置H81の表示画面等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。なお、操作ユニットH180は、振動または動作可能に構成される。この操作ユニットH180には、上面側にボタン部H181が配設される。ボタン部H181は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される軸を中心に下方側に向けて押圧操作可能とされ、例えば、第3図柄表示装置H81(図1765参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。なお、操作ユニットH180は、上皿H17以外に下皿H50周辺等の別の部位に設けられても良いし、複数箇所に設けられても良く、また、操作方法として押しボタン式のスイッチであっても良く、タッチセンサ、非接触式のセンサ等の別の操作方法によって情報入力可能な構成としても良い。また、操作ユニットH180は、上皿H17の手前側でなく、上側装飾ユニットH14a、左側装飾ユニットH14b、右側装飾ユニットH14cに配設しても良く、この場合、上皿H17の手前側と別の操作ユニットH180を配設して、それぞれ別の演出でそれぞれの操作ユニットH180を遊技者に操作させるようにしても良い。操作ユニットH180の右側には、上下皿ユニットH15の上面側に貸球操作部H40(図1767参照)と機能調整操作部H190と、球排出レバーH54とが配設されている。貸球操作部H40には、度数表示部H41と、球貸しボタンH42と、返却ボタンH43とが設けられている。パチンコ機H10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部H40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部H41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタンH42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿H17に供給される。返却ボタンH43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿H17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部H40が不要となるが、この場合には、貸球操作部H40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。機能調整操作部H190は、決定ボタンH191と、その決定ボタンH191を中心とする十字状の4方向外側の位置に配設される上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195と備える。機能調整操作部H190は、上側装飾ユニットH14aに配設されるスピーカー(音声出力装置H226)の音量、第3図柄表示装置H81の表示画面の明るさ、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに配設される電飾部H29~H33の明るさなどを変更するための操作部である。遊技者は、決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195を操作することで、自身(遊技者)の好みに合うように音量や明るさを変更可能とされる。また、音量や明るさを変更する際には、第3図柄表示装置H81の一部に音量や明るさの調整度合いが数値やボリューム等で表示されるようになっている。これにより、遊技者が別のパチンコ機H10を遊技し始める場合に音量や明るさの調整を簡易に行うことができる。なお、機能調整操作部H190による変更は、音量や明るさに限られるものではなく、第3図柄表示装置H81に表示される演出等を変更可能とするものであっても良い。また、音量や明るさの調整度合いを第3図柄表示装置H81に表示するものに限られるものではなく、例えば、第3図柄表示装置H81に表示しなくても操作と同時に変更(調整)後の音や表示をして調整させるものでも良いし、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に調整度合いを表示するものであっても良い。
球排出レバーH54は、上皿H17に貯留された球を下皿H50に送球する際に遊技者が操作するレバーであり、図示しない付勢手段(バネ)により上方側(矢印U方向側)に付勢された状態で配設される。なお、球排出レバーH54は、操作される(下方側(矢印D方向側)に押し込まれる)ことにより上皿H17から発射位置送球ユニットH170に連通される通路を上皿H17から下皿H50(ファール球通路部H145)に連通する状態に切替可能に構成される。これにより、上皿H17に貯留された球を下皿H50に排出することができる。下皿H50の右側(矢印R方向側)には、変位可能に構成され、遊技者が遊技時に操作する操作ハンドルH51が配設される。なお、操作ハンドルH51は、振動または動作可能に構成される。操作ハンドルH51の内部には、球発射ユニットH112aの駆動を許可するためのタッチセンサH51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチH51bと、回転移動物体である操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドルH51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサH51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤H13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドルH51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサH51aおよび発射停止スイッチH51bがオフとなっている。なお、操作ハンドルH51は、操作ユニットH180や機能調整操作部H190や貸球操作部H40の操作ボタンに置き換え可能である。例えば、操作ボタンの押し込み量を可変抵抗器で検出して操作ボタンの押し込み量に対応した球の打ち出し速度で遊技盤H13の正面へ球を打ち込むようにしても良い。また、機能調整操作部H190に球の打ち出し速度を調整する制御を設け、遊技者が設定した打ち出し速度で球を遊技盤H13の正面へ打ち込むようにしても良い。さらに、操作ハンドルH51を、上述した球排出レバーH52に置き換えても良い。即ち、下皿H50からの球の排出を許容する役割と、遊技盤H13の正面への球の打ち出しを許容する役割と球排出レバーH52に兼用させても良い。この場合、遊技盤H13の正面へ球が打ち出されると下皿H50から球の排出を許容でき、遊技盤H13の正面へ球の打ち出しが停止されると下皿H50からの球の排出を規制できるので、下皿H50に球が溜まり過ぎることを抑制できる。通路形成ユニットH140は、樹脂材料により成形されており、上皿H17に通じる前扉側上皿通路部H141と、下皿H50に通じる前扉側下皿通路部H142と、ファール球通路部H145と、を有している。通路形成ユニットH140の上側隅部(正面枠H14の回動基端側の隅部)には後方(矢印B方向)に突出し上方に開放された払出球受口部H143が形成されており、その払出球受口部H143が仕切壁H144によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部H141の通路入口と前扉側下皿通路部H142の通路入口とがそれぞれ形成されている(図1767参照)。なお、前扉側上皿通路部H141の通路入口には、内枠H12の本体側上皿通路部H161(図1765参照)が連通されており、前扉側下皿通路部H142の通路入口には、内枠H12の本体側下皿通路部H162(図1765参照)が連通される。これにより、払出装置H133から送球される球は、上皿H17又は下皿H50に送球されることとなる。
ファール球通路部H145(図1767参照)は、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として下皿H50に排出する通路を形成する部位である。ファール球通路部H145には、図1768に示すように、上方側(矢印U方向側)が開放したファール球受口部H146が設けられる。このファール球受口部H146に受け入れられたファール球は、ファール球通路部H145(図1767参照)の内部通路を流下した後で、下皿H50に排出される。なお、ファール球通路部H145は、下皿H50でなく、上皿H17に接続され、ファール球が上皿H17に排出される構成としても良い。また、ファール球通路部H145は、遊技者が球排出レバーH54を操作することにより上皿H17から下皿H50に流下する未発射球が案内される通路である球抜き通路(図示しない)と合流するように形成される。発射位置送球ユニットH170は、上皿H17に貯留される球を1球ずつ球発射ユニットH112aに送球するためのユニットである。発射位置送球ユニットH170は、上皿H17の送球経路の開口部に連なる正面側開口H171と、その正面側開口H171から流入した球を背面側から排出可能な背面側開口H172と、それら正面側開口H171から背面側開口H172までを通過する通路上に変位可能に配設される切替手段(図示しない)と、その切替手段を駆動させるソレノイド(図示しない)とを主に備えて形成される。発射位置送球ユニットH170の切替手段は、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが可能な位置と、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置とに変位可能に構成されており、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置に変位された場合に発射位置送球ユニットH170の通路上にある球を背面側開口H172から球発射ユニットH112a(発射レールH112a1)に流入可能に形成される。これにより、切替手段の位置の切り替え(1往復の変位)に伴って1球ずつ球を背面側開口H172から排出することが可能となっている。なお、背面側開口H172は、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1の上方(矢印U方向)の正面側(矢印F方向側)に位置する(図1765参照)。従って、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1に発射位置送球ユニットH170から1球ずつ球が送球されることとなる。また、図1765に示すように、背面側開口H172は、発射レールH112a1の球の送球方向における発射レールH112a1の両端部の間に形成される。従って、背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される球は、発射レールH112a1上を左右(矢印L-R方向)の両方向に転動可能となるが、発射レールH112a1は一方側(回転体H112a2から離れる側)が上方(矢印U方向)に向かって傾斜した状態で配設されるので、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球された球(回転体H112a2により発射前の球)が回転体H112a2から離れる方向に転動することが抑制される。
図1765に示すように、遊技盤H13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板H60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール部材H61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12の裏面側に取り付けられる。なお、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65は、光を透過可能に構成される。ベース板H60は、光を透過可能に構成される(光透過性の)樹脂材料からなり、その正面側(矢印F方向側)からベース板H60の背面側(矢印B方向側)に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変表示装置ユニットH80は、ルータ加工によってベース板H60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤H13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。なお、ベース板H60は、光透過性の樹脂材料から形成されるものに限られるものではなく、薄い板材を張り合わせた木材から形成されるものであっても良いし、非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても良い。なお、これらの場合、装飾がされたシール等をベース板H60の正面側(矢印F方向側)の全域に貼付してベース板H60の装飾性を確保することが好ましい。遊技盤H13の正面中央部分は、正面枠H14の窓部H14e(図1760参照)の一部を通じて内枠H12の正面側(矢印F方向側)から視認することができる。以下に、主に図1765を参照して、遊技盤H13の構成について説明する。遊技盤H13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した領域構成部である外レールH62が植立され、その外レールH62の内側位置には外レールH62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールH61が植立される。この内レールH61と外レールH62とにより遊技盤H13の正面外周が囲まれ、遊技盤H13とガラスユニットH16(図1760参照)とにより前後(矢印F-B方向)が囲まれることにより、遊技盤H13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤H13の正面であって2本のレール部材H61,H62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材H73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。なお、2本のレール部材H61,H62、金属板である必要なく、樹脂材料から帯状に形成されるものであっても良い。2本のレール部材H61,H62は、球発射ユニットH112aから発射された球を遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)へ案内するために設けられたものである。内レールH61の先端部分(図1765の左上部)には戻り球防止部材H68が取り付けられる。戻り球防止部材H68は、内レールH61側から外レールH62側に延設される樹脂製の板部材から形成され、内レールH61側の一端側を軸に他端側を外レールH62から離間する方向に回転可能とされる。また、戻り球防止部材H68は、一端側に錘を備え、その錘により被押進物体である他端側が外レールH62に近づく方向に付勢される。これにより、遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)に案内される球の勢いで戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62から離間する方向に回転させることができると共に、抑制物体としての壁部によって回転角度を抑制されており、戻り球防止部材H68を超える位置(遊技盤H13の上方側)に球が案内された際に戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62に近づく方向に回転させることができ、一旦、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。なお、戻り球防止部材H68は、樹脂材料から形成される必要はなく、金属材料から形成されていても良い。また、対象物の動作を抑制する錘以外に磁石などの磁力やねじりバネなどの付勢力によって戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62側に付勢する構成としても良い。また、戻り球防止部材H68は、後述する風車のように、一方向に継続して回転できるもの(1球ずつ所定位置に戻らないもの)であっても良い。この場合、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻らないように、遊技盤H13の上部への球の案内によって回転する方向(一方向)とは反対の方向(他方向)に回転することを規制するワンウェイクラッチを配設することが好ましい。
外レールH62の先端部(図1765の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムH69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムH69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。遊技領域の正面視左側下部(図1765の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bは、主制御装置H110(図1769参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機H10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、球が、第1入賞口H64へ入賞したか、第2入賞口H640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口H64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口H640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Bが作動するように構成されている。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、LEDにより、パチンコ機H10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機H10の各種遊技状態を示唆することができる。尚、本パチンコ機H10では、第1入賞口H64及び第2入賞口H640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機H10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数(例えば、可変入賞装置H65(図1765参照)が連続開放される最大回数)が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。大当たり中において、最大ラウンド数や現在のラウンド数は、数字の変更を視認させる状態で表示が可能な視認変更物体である表示層(ラウンド数が表示される表示層またはその表示層よりも後方の表示層)での表示と共に第3図柄表示装置M81においても表示される。大当たりが終了する際には、ラウンド数の表示が第3図柄表示装置M81においてされる表示層よりも前側に位置する視認可能物体である表示層においてエンディング表示(静止画または動画)が実行される。このエンディング表示によりラウンド数の表示が隠されることで、遊技者は、大当たりが終了したことを視覚的に把握することができ、戸惑うことなく大当たり後の遊技が開始されることを理解することができる。
また、ラウンド間において、ラウンド数の表示が第3図柄表示装置M81においてされる表示層よりも前側に位置する表示層においてインターバル表示(静止画または動画)が実行される。このインターバル表示によりラウンド数の表示が隠されることで、遊技者は、ラウンドの切れ目であることを視覚的に把握することができる。なお、大当たりのラウンド数は、15Rと4Rに限られるものではなく、パチンコ機H10の機種により他のラウンド数に変更しても良く、又、2種以上のラウンド数を有するものであっても良い。また、時短状態における所定の変動回数は、100変動回数に限られるものではなく、例えば、1変動回数や1000変動回数に設定しても良い。また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機H10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aを駆動する駆動主体としてのソレノイドの制御態様が変更され、電動役物H640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物H640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物H640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。なお、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物H640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであっても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口H63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニットH80が配設されている。可変表示装置ユニットH80には、第1入賞口H64及び第2入賞口H640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置H81と、スルーゲートH67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成され、光を発光可能に構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニットH80には、第3図柄表示装置H81の外周を囲むようにして、センターフレームH86が配設されている。なお、センターフレームH86は、遊技領域を流下する球がベース板H60の中央開口を介して第3図柄表示装置H81側に流下することを防止するための部材であり、ベース板H60の正面側(矢印F方向側)に張り出して形成される。また、センターフレームH86は光を透過可能に構成される。また、センターフレームH86の一部には、遊技領域を流下する球を受け入れると共に第3図柄表示装置H81の周囲を通過させて第1入賞口H64側から排出するワープ通路(図示せず)が一部に形成される。センターフレームH86に形成されるワープ通路は、遊技球が通過可能に構成される。言い換えると、ワープ通路は、遊技球を送球可能に構成される。また、センターフレームH86には、ワープ通路から排出された遊技球が通過可能に構成されるステージを備える。即ち、ワープ通路から排出される遊技球を送球可能に構成されるステージを備える。センターフレームH86のステージは、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される凹部を備え、その凹部により遊技球をベース板H60の所定の領域に送球可能に構成される。本実施形態では、ベース板H60よりも正面側を球が通過するようにワープ通路が構成されるが、ベース板H60よりも背面側を球が通過するようにワープ通路を形成することも可能である。例えば、ベース板H60よりも背面側を通る通路をベース板H60よりも背面側に配設される円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400よりも背面を通過するように構成して、その円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400の変位に伴ってワープ通路を通過する遊技球を遊技者から視認できるようにしても良い。なお、センターフレームH86には、遊技領域まで突出して遊技領域の背面側を区画する部分に、所定の幅を隔てた状態で正面側に向かって立設される一対の立設部を形成して、それら一対の立設部により区画される領域に沿って遊技球を流下させるようにしても良い。即ち、センターフレームに遊技球が通過可能に構成される流下経路(一対の立設部)を形成しても良い。また、センターフレームH86で遊技球の流下経路を形成した場合には、一対の立設部の対向面(流下経路の内面側)に凹設される凹部または凸設される凸部を形成して、一対の立設部の対向間に沿って流下される遊技球を凹部または凸部に当接させることで、一対の立設部の対向間を流下する遊技球に流下方向(一対の立設部の延設方向)以外の方向の力成分を付与して、一対の立設部の対向間を流下する遊技球における流下方向の速度を低下するようにしても良い。即ち、一対の立設部に形成される凹部または凸部は、遊技球が当接した際に別方向の反力を付与可能に構成される。これによれば、球の流下速度を遅くすることで、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできると共に、球発射ユニットH112aにより遊技領域に送球(発射)された遊技球がその発射された速度を維持したまま(流下速度が速いまま)釘や突起に当接することで釘や突起が曲がったりすることを抑制できる。なお、一対の立設部をセンターフレームH86と別体で構成することも可能である。即ち、遊技球が通過可能に構成される一対の立設部を有する部材をベース板H60に別途配設しても良い。これによれば、遊技球を送球可能に構成される一対の立設部により、遊技球を所定の方向に流下させることができる。
第3図柄表示装置H81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図1769参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。なお、第3図柄表示装置H81は、9インチ以外のサイズで構成されていても、2枚以上の複数の液晶ディスプレイを並設して構成されていても良い。また、第3図柄表示装置H81は、後述する円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400に配設され、その円環形成ユニットG700、花弁動作装置G800、又は、花回転ユニットG400の変位に伴って第3図柄表示装置H81の表示を切り替える(表示を変更する)ものであっても良い。また、第111実施形態では、第3図柄表示装置H81の周囲(上方)に退避位置における花弁動作装置G800が配置され、その花弁動作装置G800が張出位置に変位されると花弁動作装置G800が第3図柄表示装置H81の正面側(矢印F方向側)に重なる位置に変位される。よって、花弁動作装置G800が張出位置に変位される際には、第3図柄表示装置H81の演出を花弁動作装置G800と共に遊技者に視認させることができる。なお、花弁動作装置G800は、花回転ユニットG400の正面側(矢印F方向側)に配設される第2装飾ユニットG480が光透過性の材料から形成される。従って、花弁動作装置G800が張出位置に配置された状態においては、第2装飾ユニットG480の第2装飾ユニットG480を介して第3図柄表示装置H81の少なくとも一部が遊技者に視認される。第3図柄表示装置H81の各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置H81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置H81は、主制御装置H110(図1769参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。即ち、第3図柄表示装置H81は、第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた光を発光可能に構成される。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置H81を構成するようにしても良い。第2図柄表示装置は、球がスルーゲートH67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機H10では、球がスルーゲートH67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。なお、第2図柄表示装置は、第3図柄表示装置H81の一部を用いて図柄を表示されるものであって良いし、第3図柄表示装置H81と別の表示装置とのどちらにも図柄を表示させるものであっても良く、本実施形態では、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示される。
パチンコ機H10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口H640に付随された電動役物H640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口H640の電動役物H640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としても良い。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしても良いし、また、1回の当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしても良い。スルーゲートH67は、可変表示装置ユニットH80の左右の領域において遊技盤H13に組み付けられ、遊技盤H13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートH67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。球のスルーゲートH67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。なお、本実施形態では、光を発光可能に構成される第2図柄保留ランプは、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示されるように構成されるが、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に点灯表示するものであっても良い。例えば、スルーゲートH67への球の通過に伴って点灯する4つのLEDを第3図柄表示装置H81の下方に配設して点灯表示するものであっても良い。また、スルーゲートH67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートH67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲートH67の組み付け位置は可変表示装置ユニットH80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットH80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニットH80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口H64が配設されている。この第1入賞口H64へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図1769参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。一方、第1入賞口H64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口H640が配設されている。この第2入賞口H640へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図1769参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。また、第1入賞口H64および第2入賞口H640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成しても良い。第2入賞口H640には電動役物H640aが付随されている。この電動役物H640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物H640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口H640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートH67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口H640へ入賞しやすい状態となる。なお、本実施形態では、第2入賞口H640の左右(矢印L-R方向)両側に開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設され、電動役物H640aが開放状態となった場合に第2入賞口H640の左右両側から球が第2入賞口H640に入賞可能に構成されるが、左右方向の一方側の流路を塞ぐ壁を形成して、他方側からのみ第2入賞口H640に球が入賞可能となるように構成しても良い。この場合、第2入賞口H640の他方側にのみ開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設される。また、電動役物H640aは、回転する羽部材に限られるものではなく、第2入賞口H640を開放する位置と閉鎖する位置とに移動するものであればスライド変位するものであっても良い。例えば、電動役物H640aは、上下方向(矢印U-D方向)にスライド変位するものや、前後方向(矢印F-B方向側)にスライド変位するものであっても良い。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物H640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。本実施形態におけるパチンコ機H10は、遊技盤H13の構成が左右対称とされるため、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「右打ち」)、第1入賞口H64を狙うことも、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「左打ち」)第2入賞口H640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機H10は、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。なお、低確率状態であっても高確率状態でも大当たりとなる確率が変わらない(低確率状態の大当たり確率と高確率状態の大当たり確率とが同じ確率である)構成としても良い。この場合には、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率が、第2入賞口H640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口H64へ球が入賞した場合よりも高く設定されるように構成すると共に、「左打ち」側の流路に第1入賞口H64を配設し、「右打ち」側の流路に第2入賞口H640を配設する構成(遊技盤H13の構成を左右非対称)とすることが好ましい。この構成によれば、通常中においては、第2入賞口H640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口H640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口H64へ向けて、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射し(「左打ち」)、第1入賞口H64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、確変中や時短中は、スルーゲートH67に球を通過させることで、第2入賞口H640に付随する被押進物体である電動役物H640aが開放状態となりやすく、第2入賞口H640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口H640へ向けて、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射し(「右打ち」)、スルーゲートH67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口H640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。従って、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができ、遊技者の興趣を維持できる。
第1入賞口H64の下方には可変入賞装置H65(図1765参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口H65aが設けられている。パチンコ機H10においては、第1入賞口H64又は第2入賞口H640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置H81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口H65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞することが配置検出センサである不図示の入賞検出センサに検出されるまで)開放される。この特定入賞口H65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口H65aが所定時間開放される。この特定入賞口H65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口H65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口H65aが所定時間開放され、その特定入賞口H65aの開放中に、球が特定入賞口H65a内へ入賞することを契機として特定入賞口H65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口H65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口H64の下方右側や、第1入賞口H64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニットH80の左方でも良い。遊技盤H13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠H14のガラスユニットH16を介して視認することができる。遊技盤H13には、アウト口H71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口H63,H64,H65a,H640にも入賞しなかった球は、アウト口H71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口H71は、特定入賞口H65aの下方(矢印D方向側)に配設される。また、遊技盤H13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車(図示しない)等の各種部材(役物)とが配設されている。さらに、第3図柄表示装置H81を取り囲む態様でベース板H60の中央開口部に配設されるセンターフレームH86の一部は、上方側(矢印U方向側)の遊技領域まで背面側(矢印B方向側)の側面が延設され、その延設された領域に正面側(矢印F方向側)に向かって突出する突出部を複数備える。遊技盤H13の遊技領域を流下する球は、多数の釘や、センターフレームH86の突出部、風車等に衝突しつつ流下されることで、球の落下方向が適宜分散される。なお、本実施形態では、センターフレームH86の一部が延設される方向が上方側(矢印U方向)に設定されているが、右側(矢印R方向側)や左側(矢印L方向側)に延設されていても良く、その延設部分に突出部だけでなくスルーゲートH67や各入賞口H63,H64,H65a,H640を配置する構成としても良い。また、センターフレームH86は、延設部分や突出部を備えない構成としても良い。
風車は、前後方向(矢印F-B方向)の軸を中心に回転可能に形成される。また、風車は、正面視において回転軸を中心とする円形に形成されベース板H60の正面から1球分の距離を隔てた位置に配設される円盤部材と、その円盤部材の一部からベース板H60側(矢印B方向側)に向かって突出され風車の回転方向に沿って所定の角度(本実施形態では120度)で分散配置される複数(本実施形態では3枚)の球当接部とを備えて形成されており、遊技盤H13を流下する球が球当接部に当接した衝撃で回転しつつ当接した球を複数(2以上)の方向に案内可能に形成される。また、風車は、全体が光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、球当接部に当接した球の流下方向を遊技者に視認させやすくできると共に、風車の回転方向を遊技者に認識させにくくできる。なお、遊技盤H13は、ベース板H60に必ずしも風車を備えている必要はなく風車を備えない構成としても良い。また、センターフレームH86のワープ通路(図示しない)や、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入球した球が通過する通路(図示しない)の通路途中に風車を配設して、風車により球の通路を変更するように構成することも可能である。さらに、風車は、一部が非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても、全部が非透過性のアルミ等の金属製の材料から形成されるものであっても良く、球が当接した際に球を複数の方向に案内可能であれば形状、色、材質は何でも良い。例えば、風車は、1球ずつ交互に異なる方向に球を振り分け可能に構成されていても良い。また、風車に変えて、上述した戻り球防止部材H68を配設して、遊技領域を流下する球を一方向に流下させる(球が戻らない)ように構成しても良い。また、上記第157実施形態では、遊技盤H13のベース板H60に配設した風車に遊技領域を流下する遊技球を当接(衝突)させて風車を回転させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、風車に駆動手段の駆動力を伝達するように構成しても良い。例えば、上記第157実施形態における風車に置き換えて左側円環部材G710、右側円環部材G720、アーム部G812、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420,G6420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480をベース板H60に配設するように構成して、それら回転する左側円環部材G710、右側円環部材G720、アーム部G812、第1回転ベースG410、第1装飾ユニットG420,G6420、花弁側伝達部材G430、第2回転ベースG460、第2装飾ユニットG480に遊技領域を流下する遊技球を衝突させて、遊技球の流下方向を変更するように構成しても良い。
図1761に示すように、パチンコ機H10の背面側には、制御基板ユニットH90,H91と、裏パックユニットH94とが主に備えられている。制御基板ユニットH90は、主基板(主制御装置H110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置H113)と表示制御基板(表示制御装置H114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニットH91は、払出制御基板(払出制御装置H111)と発射制御基板(発射制御装置H112)と電源基板(電源装置H115)とカードユニット接続基板H116とが搭載されてユニット化されている。裏パックユニットH94は、保護カバー部を形成する裏パックH92と払出ユニットH93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。なお、主制御装置H110、音声ランプ制御装置H113及び表示制御装置H114、払出制御装置H111及び発射制御装置H112、電源装置H115、カードユニット接続基板H116は、それぞれ基板ボックスH100~H104に収納されている。基板ボックスH100~H104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。また、基板ボックスH100(主制御装置H110)及び基板ボックスH102(払出制御装置H111及び発射制御装置H112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックスH100,H102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックスH100,H102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックスH100,H102が開封されたかどうかを知ることができる。払出ユニットH93は、裏パックユニットH94の最上部に位置して上方に開口したタンクH130と、タンクH130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールH131と、タンクレールH131の下流側に縦向きに連結されるケースレールH132と、ケースレールH132の最下流部に設けられ、払出モータH216(図1769参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置H133とを備えている。タンクH130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置H133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレールH131には、当該タンクレールH131に振動を付加するためのバイブレータH134が取り付けられており、このバイブレータH134の振動によりタンクレールH131内に球が詰まることが抑制される。なお、バイブレータH134は、タンクレールH131に取り付けられるだけでなく、他のレール部分(通路)に取り付けることも可能である。例えば、上皿H17や下皿H50に球を送球する球送通路(皿通路形成部材H160)や、上皿H17から球発射ユニットH112aに球を送球する送球通路(発射位置送球ユニットH170)に配設しても良い。また、払出制御装置H111には状態復帰スイッチH120が設けられ、発射制御装置H112には可変抵抗器の操作つまみH121が設けられ、電源装置H115にはRAM消去スイッチH122が設けられている。状態復帰スイッチH120は、例えば、払出モータH216(図1769参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみH121は、スピーカー(音声出力装置H226)から放音される音の大きさを店舗側で調整するために操作される。RAM消去スイッチH122は、パチンコ機H10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。遊技機が配置されるホール(遊技機店舗)では、払出エラーの発生時において、パチンコ機H10の設定に影響を与えないように構成される非調整部である店員呼び出しボタンを遊技者が操作することで、ホールの店員が払出エラーに気付くことができるように構成されている。なお、タンクH130に上述した球発射ユニットH112aを別途配設して、球発射ユニットH112aにより球を打ち出すことでタンクH130に送球される球が詰まることや、タンクH130からタンクレールH131に送球される球が詰まることを抑制しても良い。
次に、図1769を参照して、本パチンコ機H10の電気的構成について説明する。図1769は、パチンコ機H10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置H110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU(マイクロプロセッサー)H201が搭載されている。MPUH201には、該MPUH201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM(半導体メモリ)H202と、そのROMH202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM(ランダムアクセスメモリ)H203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置H110では、MPUH201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置H81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機H10の主要な処理を実行する。なお、払出制御装置H111や音声ランプ制御装置H113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置H110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置H110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。RAMH203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPUH201の内部レジスタの内容やMPUH201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAMH203は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAMH203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAMH203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機H10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAMH203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAMH203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPUH201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路H252からの停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置H110のMPUH201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH204を介して入出力ポートH205が接続されている。入出力ポートH205には、払出制御装置H111、音声ランプ制御装置H113、第1図柄表示装置H37A,H37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口H65aの被押進物体である開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための駆動主体としての大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイドH209が接続され、MPUH201は、入出力ポートH205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。なお、ソレノイドH209は、大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドだけでなく、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源(駆動モータ)や、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、上皿H17へ球を送球するための払出装置H133を駆動する駆動モータ(図示しない)等を含む構成としても良い。入出力ポートH205には、図示しないスイッチ群およびスルーゲートH67を通過したことを検出するセンサ(スルーゲートH67)、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入賞した球が進入可能な被進入物体であって、球が入賞したことを検知する入賞検出センサ(図示しない)、パチンコ機H10に振動が入力されたことを検出する振動検出センサ(図示しない)、遊技盤H13の遊技領域に磁石等が近づけられたことを検出する磁力検出センサ等のセンサ群などからなる各種スイッチH208、電源装置H115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路H253が接続され、MPUH201は各種スイッチH208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路H253より出力されるRAM消去信号HSG2に基づいて各種処理を実行する。なお、各種スイッチH208は、音声ランプ制御装置H113における枠ボタンH22(操作ユニットH180のボタン部H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)を含む構成としても良い。払出制御装置H111は、払出モータH216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPUH211は、そのMPUH211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH212と、ワークメモリ等として使用されるRAMH213とを有している。払出制御装置H111のRAMH213は、主制御装置H110のRAMH203と同様に、MPUH211の内部レジスタの内容やMPUH211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAMH213は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置H110のMPUH201と同様、MPUH211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路H252から停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。払出制御装置H111のMPUH211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH214を介して入出力ポートH215が接続されている。入出力ポートH215には、主制御装置H110や払出モータH216、発射制御装置H112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置H111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置H111に接続されるが、主制御装置H110には接続されていない。
発射制御装置H112は、主制御装置H110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドルH51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニットH112aを制御するものである。球発射ユニットH112aの回転体H112a2は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドルH51に触れていることをタッチセンサH51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチH51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)に対応して駆動モータから駆動力が伝達され、操作ハンドルH51の操作量に応じた速度で回転体H112a2が回転される。これにより、操作ハンドルH51の操作量に応じた強さで球発射ユニットH112aから内レールH61及び外レールH62の対向間に球が発射される。音声ランプ制御装置H113は、音声出力装置(図示しないスピーカーなど)H226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部H29~H33など)H227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置H114で行われる第3図柄表示装置H81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPUH221は、そのMPUH221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH222と、ワークメモリ等として使用されるRAMH223とを有している。音声ランプ制御装置H113のMPUH221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH224を介して入出力ポートH225が接続されている。入出力ポートH225には、主制御装置H110、表示制御装置H114、音声出力装置H226、ランプ表示装置H227、その他装置H228、ボタン部H181などがそれぞれ接続されている。その他装置H228には、駆動モータG910、駆動モータG840、及び、駆動手段H750が含まれる。なお、その他装置H228には、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源だけでなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、第2入賞口H640の電動役物H640aを含む構成としても良い。音声ランプ制御装置H113は、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置H81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置H114へ通知する。また、音声ランプ制御装置H113は、ボタン部H181からの入力を監視し、遊技者によってボタン部H181が操作された場合は、第3図柄表示装置H81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置H81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置H114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置H81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置H114は、この音声ランプ制御装置H113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置H81に各種の画像を表示する。さらに、音声ランプ制御装置H113は、機能調整操作部H190(決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)からの入力を監視し、遊技者によって機能調整操作部H190が操作された場合は、スピーカー(音声出力装置H226)の音量を変更したり、第3図柄表示装置H81の明るさを変更したり、電飾部H29~H33の明るさを変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。音量や明るさが変更される場合は、音量や明るさの調整度合いが第3図柄表示装置H81に表示される主要な表示の前方側に数値やボリューム等で一時的に表示される。なお、図1769では、操作ユニットH180のボタン部H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195をまとめて枠ボタンH22として図示している。
また、音声ランプ制御装置H113は、表示制御装置H114から第3図柄表示装置H81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置H113では、表示制御装置H114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置H81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置H226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置H227の点灯および消灯を制御する。表示制御装置H114は、音声ランプ制御装置H113及び第3図柄表示装置H81が接続され、音声ランプ制御装置H113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置H81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置H114は、第3図柄表示装置H81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置H113へ送信する。音声ランプ制御装置H113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置H226から音声を出力することで、第3図柄表示装置H81の表示と音声出力装置H226からの音声出力とをあわせることができる。なお、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208が、音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に接続されるように構成して、MPUH221が、各種スイッチH208から出力される信号に基づいて各種処理を実行しても良い。また、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208とは別に音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に各種スイッチを接続しても良い。この場合には、主に遊技盤H13に配設される役物装置の位置検出センサ等のセンサ群を各種スイッチとして構成することが好ましい。電源装置H115は、パチンコ機H10の各部に電源を供給するための電源部H251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路H252と、RAM消去スイッチH122(図1769参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路H253とを有している。電源部H251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置H110~H114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部H251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチH208などの各種スイッチや、ソレノイドH209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置H110~H114等に対して必要な電圧を供給する。停電監視回路H252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置H110のMPUH201及び払出制御装置H111のMPUH211の各NMI端子へ停電信号HSG1を出力するための回路である。停電監視回路H252は、電源部H251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号HSG1を主制御装置H110及び払出制御装置H111へ出力する。停電信号HSG1の出力によって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部H251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。RAM消去スイッチ回路H253は、RAM消去スイッチH122(図1769参照)が押下された場合に、主制御装置H110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号HSG2を出力するための回路である。主制御装置H110は、パチンコ機H10の電源投入時に、RAM消去信号HSG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置H111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置H111に対して送信する。
図1770はパチンコ機H10の遊技盤M13の正面図である。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。本実施形態では、パチンコ機H10は、少なくとも、正面枠H14(図1764参照)と、ベース板M60(ベース板H60に相当、図1764参照)と、内レールM61(内レールH61に相当、図1764参照)と、外レールM62(外レールH62に相当、図1764参照)と、一般入賞口M63(一般入賞口H63に相当、図1766参照)と、第1入賞口M64(第1入賞口H64に相当、図1765参照)と、第2入賞口M640(第2入賞口H640に相当、図1766参照)と、電動役物M640a(電動役物H640aに相当、図1765参照)と、第1可変入賞装置M65(可変入賞装置H65に相当、図1765参照)と、第1特定入賞口M65a(特定入賞口H65aに相当、図1765参照)と、スルーゲートM67(スルーゲートH67に相当、図1765参照)と、戻り球防止部材M68(戻り球防止部材H68に相当、図1765参照)と、返しゴムM69(返しゴムH69に相当、図1765参照)と、アウト口M71(アウト口H71に相当、図1765参照)と、を備える。更に、本実施形態では、パチンコ機H10は、少なくとも、外縁部材M73(外縁部材H73に相当、図1765参照)と、可変表示装置ユニットM80(可変表示装置ユニットH80に相当、図1765参照)と、第3図柄表示装置M81(第3図柄表示装置H81に相当、図1765参照)と、センターフレームM86(センターフレームH86に相当、図1765参照)と、を備える。図1770に示すように、遊技盤M13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板M60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車MWFの他、レールM61,M62、一般入賞口M63、第1入賞口M64、第2入賞口M640、第1可変入賞装置M65、第2可変入賞装置M650、スルーゲートM67、可変表示装置ユニットM80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12(図1765参照)の裏面側(又は表面側)に取り付けられる。ベース板M60は、木製の板部材から形成される。一般入賞口M63、第1入賞口M64、第2入賞口M640、可変表示装置ユニットM80は、ルータ加工によってベース板M60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤M13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。なお、ベース板M60を光透過性の樹脂材料から構成しても良い。この場合、その正面側からベース板M60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となる。遊技盤M13の正面中央部分は、正面枠H14に配設されるガラスユニットH16(図1767参照)を通じて内枠H12の正面側から視認することができる。以下に、主に図1770を参照して、遊技盤M13の構成について説明する。遊技盤M13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レールM62が植立され、その外レールM62の内側位置には外レールM62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールM61が植立される。この内レールM61と外レールM62とにより遊技盤M13の正面外周が囲まれ、遊技盤M13とガラスユニットH16(図667参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤M13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤M13の正面であって2本のレールM61,M62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材M73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレールM61,M62は、球発射ユニットH112a(図1765参照)から発射された球を遊技盤M13上部へ案内するために設けられたものである。内レールM61の先端部分(図1770の左上部)には戻り球防止部材M68が取り付けられ、一旦、遊技盤M13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レールM62の先端部(図1770の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムM69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムM69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。遊技領域の正面視左側下部(図1770の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bの機能は上述したので、ここでは説明を省略する。尚、本パチンコ機H10では、第1入賞口M64及び第2入賞口M640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機H10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R時短有通常大当たり、4R時短有通常大当たり、15R時短無し通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。本パチンコ機H10では、時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口M640に付随する電動役物M640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物M640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物M640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口M640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、時短中は、第2入賞口M640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。電動役物M640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、前後にスライド変位可能な開閉板の開閉動作により生じる。電動役物M640aが開放状態の時は、開閉板がベース板M60の前面よりも前方に張り出すことで、開閉板の上面を遊技球が転動可能となり、その転動した遊技球が第2入賞口M640へ入球可能となり、電動役物M640aが閉鎖状態の時は、開閉板がベース板M60の前面よりも後方に退避され、遊技球を第2入賞口M640まで橋渡しすることができなくなることで遊技球が第2入賞口M640に入球し難くなるように構成される。なお、電動役物M640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化が前後にスライド変位可能な開閉板の開閉動作により生じる例として、電動役物M640aの下方に第2入賞口M640が配置され、電動役物M640aが開放状態の時に開閉板が後方に退避され、電動役物M640aが閉鎖状態の時に開閉板が前方に張り出すように構成しても良い。即ち、電動役物M640aが開放状態の時は、開閉板がベース板M60の前面よりも後方に退避され、遊技球が第2入賞口M640側へ入球可能となり、電動役物M640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口M640との間を塞ぐことで球が第2入賞口M640に入球し難くなる(左方へ流される)ように構成されるようにしても良い。また、電動役物M640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、下端部に回転軸を備え、遊技領域側へ傾倒または起立する態様で回転変位する開閉板の開閉動作により生じるようにしても良い。この場合、電動役物M640aが開放状態の時は、開閉板の上面に拾われた遊技球が第2入賞口M640に案内され易く、電動役物M640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口M640との間を塞ぐことで球が第2入賞口M640に入球し難くなるように構成することができる。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口M63が配設されている。また、遊技領域の中央部分を通して視認可能な位置(ベース板M60の窓部の後方)に、可変表示装置ユニットM80が配設されている。可変表示装置ユニットM80には、第1入賞口M64及び第2入賞口M640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置M81と、スルーゲートM67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、ベース板M60には、第3図柄表示装置M81を正面視で囲むようにして、センターフレームM86が配設されている。第3図柄表示装置M81は9インチサイズから19インチサイズ程度の大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図1769参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置M81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置M81は、主制御装置H110(図1769参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置M81を構成するようにしても良い。第2図柄表示装置は、球がスルーゲートM67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機H10では、球がスルーゲートM67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。パチンコ機H10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口M640に付随された電動役物M640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、時短中の方が短くなるように設定される。これにより、時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口M640の電動役物M640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短中は、第2入賞口M640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。なお、時短中において、当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物M640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、時短中に第2入賞口M640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物M640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲートM67は、可変表示装置ユニットM80の右側の領域において遊技盤M13に組み付けられ、遊技盤M13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートM67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。球のスルーゲートM67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置M81の下方に左右対称に配設されている。なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置M81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置M81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲートM67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートM67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、例えば2つであっても良い。また、スルーゲートM67の組み付け位置は可変表示装置ユニットM80の右側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットM80の左右や、下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示される場合等には、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。可変表示装置ユニットM80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口M64が配設されている。この第1入賞口M64へ球が入賞すると遊技盤M13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図1769参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。一方、スルーゲートM67の正面視左下側には、球が入賞し得る第2入賞口M640が配設されている。この第2入賞口M640へ球が入賞すると遊技盤M13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図1769参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。なお、第2入賞口M640の配置は、これに限られるものではない。例えば、第1入賞口M64の正面視下方でも良いし、遊技領域の左右中央よりも左側(例えば、第1入賞口M64よりも正面視左下側)でも良い。また、第1入賞口M64および第2入賞口M640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口M64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口M640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口M64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口M640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口M64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口M640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。この場合の賞球個数の大小関係は逆転しても良い。
第2入賞口M640には電動役物M640aが付随されている。この電動役物M640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物M640aが閉鎖状態(退避状態)となって、球が第2入賞口M640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートM67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物M640aが開放状態(張出状態)となり、球が第2入賞口M640へ入賞しやすい状態となる。上述した通り、時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物M640aが開放状態(張出状態)となる回数が増える。更に、時短中は、電動役物M640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口M640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。ここで、第1入賞口M64に球が入賞した場合と第2入賞口M640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は同一(約1/319)である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R時短有通常大当たりとなる確率は、第2入賞口M640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口M64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口M64は、第2入賞口M640にあるような電動役物M640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。よって、通常中においては、第2入賞口M640に付随する電動役物M640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口M640に入賞しづらいので、電動役物M640aのない第1入賞口M64へ向けて、可変表示装置ユニットM80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口M64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。一方、時短中は、スルーゲートM67に球を通過させることで、第2入賞口M640に付随する電動役物M640aが開放状態となりやすく、第2入賞口M640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口M640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲートM67を通過させて電動役物M640aを開放状態にすると共に、第2入賞口M640への入賞によって15R時短有通常大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。なお、本実施形態におけるパチンコ機H10とは異なり、遊技盤M13の構成が左右対称とされる場合には、「右打ち」で第1入賞口M64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口M640を狙うこともできる。この場合、遊技者から球の打ち方を変化させる煩わしさを取り去ることができる。一方で、本実施形態におけるパチンコ機H10では、「右打ち」では第1入賞口M64を狙うことはできないように構成され、「左打ち」で発射された球はスルーゲートM67を通過しないように構成されている。そのため、本実施形態のパチンコ機H10は、パチンコ機H10の遊技状態(時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えることを要求することができる。よって、球の打ち方を変化させる遊技性を付加することで遊技が緩慢となることを防止することができる。
第1入賞口M64の右方には第2可変入賞装置M650(図1770参照)が配設されており、その下流側位置に第2特定入賞口M650aが設けられている。パチンコ機H10においては、第1入賞口M64又は第2入賞口M640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置M81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第2特定入賞口M650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。この第2特定入賞口M650aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その第2特定入賞口M650aが所定時間開放される。この第2特定入賞口M650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。抽選された大当たりが時短有通常大当たりだった場合、大当たり遊技終了後の時短中に右打ち遊技を行うことで、第2入賞口M640へ遊技球を入賞させることができる。本実施形態では、付与される時短の回数は3回とされ、第2入賞口M640に遊技球が入賞すると、約1/2の確率で小当たりが発生し、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて小当たりに対応したLEDが点灯する。この小当たりにより、第2特定入賞口M650aよりも上流側に配置され、第1特定入賞口M65aを前後方向への変位により開放する退避位置と閉鎖する張出位置とが切り替えられることで開閉させる張出物体である開閉板M65bが所定時間開放され(後方側へ退避され)、その第1特定入賞口M65aの開放中に、球が第1特定入賞口M65a内へ入賞し、その特定入賞口M65aの下流側の特定領域M65cを通過することを契機として特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この場合において、第1特定入賞口M65aへ向けて流下する遊技球の有無によって、開閉板M65bの可動範囲が変化する場合(遊技球が開閉板M65bの張出先端側(前側)に位置することで開閉板M65bの移動を阻害する場合等)が生じても良い。
特定領域M65cの上流側であって第1特定入賞口M65aの下流側の位置には、第1特定入賞口M65aに入球した遊技球を特定領域M65cに入球させる入球状態と、特定領域M65cに入球することを防止する防止状態とで切り替え可能に変位される下側変位物体である不図示の切替手段が配設される。このように、本パチンコ機H10では、右打ち遊技において、第2入賞口M640へ遊技球が入球すると約1/2の確率で特別遊技状態へ遊技状態を遷移させることが可能になり、これは左打ち遊技における大当たり確率(約1/319)よりも著しく高い確率となるので、右打ち遊技状態に対する遊技者の興趣を向上させることができる。また、特定入賞口M65a,M650aの個数は限定されるものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口M64の右方に限らず、例えば、第1入賞口M64の下方右側や、第1入賞口M64の下方左側や、可変表示装置ユニットM80の左方または右方や、上方でも良い。遊技盤M13には、アウト口M71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口M63,M64,M65a,M640,M650aにも入賞しなかった球は、アウト口M71を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤M13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。なお、本実施形態におけるその他装置H228(図1769参照)には、駆動ソレノイドM487や駆動モータM442,M501,M720,M820や、回転クルーンM950を駆動させる駆動モータ等が含まれる。なお、本実施形態においても、その他装置H228(図1769参照)には、上述の役物装置の駆動源だけではなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示せず)や、第2入賞口M640の電動役物M640aの駆動源等を含む構成としても良い。また、本実施形態における各種スイッチH208(図1769参照)には、検出センサM453,M483,M516,M713,M815,M942,M3489等が含まれる。なお、各種スイッチH208の接続先は、主制御装置H110に限られるものではなく、用途に応じて直接的に音声ランプ制御装置H113に接続されても良い。どちらに接続するかは、個別に任意に選択可能とされる。
次いで、遊技盤M13及び動作ユニットM300の構造について説明する。図1771は、遊技盤M13及び動作ユニットM300の分解正面斜視図であり、図1772は、遊技盤M13及び動作ユニットM300の分解背面斜視図である。なお、図1771及び図1772では、背面ケースM310の開口M311aに配設される液晶表示装置(可変表示装置ユニットM80)の図示が省略され、開口M311aを通して奥側を視認可能に図示される。動作ユニットM300は、正面視で第3図柄表示装置M81(図1770参照)の表示領域の左右側領域および上側領域に配設される複合動作役物ユニットM400と、その複合動作役物ユニットM400の後方側に配置され正面視で第3図柄表示装置M81の表示領域の上側領域に配設されるスライド動作役物ユニットM700と、そのスライド動作役物ユニットM700と同様の前後位置において複合動作役物ユニットM400の後方側に配置され正面視で第3図柄表示装置M81の表示領域の下側領域に配設される昇降動作役物ユニットM800と、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800が収容され締結固定された前側の層において複合動作役物ユニットM400が収容され締結固定される背面ケースM310と、を備える。背面ケースM310は、底壁部M311と、その底壁部M311の外縁から立設される外壁部M312とを備え、底壁部M311及び外壁部M312から正面側が開放された箱状に形成される。背面ケースM310は、底壁部M311の中央に矩形状の開口M311aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口M311aは、第3図柄表示装置M81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置M81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。背面ケースM310は、外壁部M312の正面側端部に遊技盤M13の背面に対して平行に配置される板状部として延設され、遊技盤M13に面で支持される支持板部M313を備える。その支持板部M313が遊技盤M13に面で支持された状態で、遊技盤M13のベース板M60に締結ネジを螺入することにより、遊技盤M13と動作ユニットM300とを一体的に固定することができるので、遊技盤M13及び動作ユニットM300の全体としての剛性の向上を図ることができる。ベース板M60は、光透過性の樹脂材料から形成される板状部材から形成されており、その板状部材が中央部において前後方向に貫通形成されており、その貫通形成された箇所には、光透過性の樹脂材料から形成され光を導光可能に構成される板状の導光板M260が配設されている。ベース板M60及び導光板M260が光透過性の樹脂材料から形成されていることにより、正面側からベース板M60の背面側に配設された各種構造体(動作ユニットM300に配設される複合動作役物ユニットM400、スライド動作役物ユニットM700、昇降動作役物ユニットM800及び第3図柄表示装置M81等)を遊技者に視認させ易いように構成される。これにより、ベース板M60の貫通部分の形状や導光板M260の配置に関わらず、その背面側に配設される構造体を視認させ易くすることができ、各種演出に利用することができる。なお、遊技者に対して見せたくない箇所がある場合には、光透過性の低い(又は光不透過の)シール部材を貼り付ける等して対処すれば良い。また、ベース板M60を木製の板部材(ベニヤ等)から形成するようにしても良い。
導光板M260は、板状部の端部側(上側および右側)において略等間隔に配置される複数のLEDから入射された光を複数の位置で正面側へ屈曲させ、正面視において特定の装飾模様やキャラクターが光で描画されているように視認させ得る一般的な導光板であって、背後に配置される各種構造体(複合動作役物ユニットM400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800等)の動作中に発光させる制御や、各種構造体の停止中において発光させる制御が、実行可能とされる。各種構造体(複合動作役物ユニットM400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800等)が退避され、停止されている場合には、第3図柄表示装置M81の表示領域と視認可能物体である導光板M260とが正面視で重ねられることで、第3図柄表示装置M81の表示領域における表示と導光板M260により描画される形状とを合わせて視認させることができ、立体的な表示態様を実現可能となる。本実施形態では、導光板M260に端部側から入射される光により描画される形状は、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770に描画される形状に対応するものとして設計される。即ち、演出動作ユニットM500の手前側においてスライド動作役物ユニットM700に対応する特定表示(例えば、スライド動作役物ユニットM700に装飾されているキャラクターに関連する絵が拡大して描画される表示)を視認させることが可能に構成される。なお、導光板M260に端部側から入射される光により描画される形状は、スライド動作役物ユニットM700に描画される形状に対応するものに限られるものではない。例えば、複合動作役物ユニットM400の形状に対応するものでも良いし、昇降動作役物ユニットM800の形状に対応するものでも良いし、第3図柄表示装置M81の表示領域に(一時的に)表示される形状に対応するものでも良い。図1773は、複合動作役物ユニットM400の分解正面斜視図であり、図1774は、複合動作役物ユニットM400の分解背面斜視図である。複合動作役物ユニットM400は、背面ケースM310に直接締結固定されるか又は背面ケースM310に締結固定された物体に締結固定されることで間接的に固定されることにより背面ケースM310(図Z1参照)に対して位置が固定される部分(左側支持装飾部M410、背面側支持部M430、昇降駆動部M440、切替動作部M480)と、当該部分に変位可能に支持されており背面ケースM310に対して相対変位可能に構成される部分(演出動作ユニットM500)とにより構成される。即ち、複合動作役物ユニットM400は、最前面の左側部において背面ケースM310(図1773参照)に締結固定される左側支持装飾部M410と、その左側支持装飾部M410の背面側において間隔を空けて対向配置されておりスライド動作役物ユニットM700(図1773参照)に締結固定されることで背面ケースM310に対する位置が固定される背面側支持部M430と、最前面の右側部において背面ケースM310に締結固定される昇降駆動部M440と、その昇降駆動部M440と背面ケースM310との間の位置において背面ケースM310の底壁部M311に締結固定されると共に昇降駆動部M440が締結固定される切替動作部M480と、その切替動作部M480に上下端部が支持され上下方向に延びている金属棒M401と、その金属棒M401により被案内部M550の変位が案内される演出動作ユニットM500と、を主に備える。
図1773及び図1774に図示されるように、複合動作役物ユニットM400は、演出動作ユニットM500の左右端部を前後両側で支持可能に構成されている。これにより、演出動作ユニットM500の前後方向への変位を抑制することができる。即ち、第1に、演出動作ユニットM500は、左端部の前側突部M511が左側支持装飾部M410の板状ベースM411の案内長孔M412に変位可能に支持され、左端部の後側突部M531が背面側支持部M430の板状ベースM431において案内長孔M412の後方位置に貫通形成され案内長孔M412と平行に形成される案内長孔M432に変位可能に支持されることにより、前後両側から支持されている。第2に、金属棒M401に案内される被案内部M550の前側には昇降駆動部M440が対向配置され、被案内部M550の後側には切替動作部M480が対向配置されている。被案内部M550と昇降駆動部M440及び切替動作部M480との間は、通常、僅かな隙間が空くように構成されており、変位の抵抗が生じることを防止している。一方で、意図せず演出動作ユニットM500の被案内部M550が前後方向に大きく変位した場合には、その変位を当接により防止可能に構成されている。演出動作ユニットM500は、被案内部M550の背面側から検出片M554が突設されており、その検出片M554が切替動作部M480の上端側において検出可能に構成される。図1775は、演出動作ユニットM500の分解正面斜視図であり、図1776は、演出動作ユニットM500の分解背面斜視図である。演出動作ユニットM500は、金属棒M401によって上下方向への変位を案内される部分(板状本体部M510、被案内部M550等)と、その部分に変位可能に支持される部分(可動装飾ユニットM600)とにより構成される。即ち、演出動作ユニットM500は、樹脂材料から略長方形状の板状に形成され骨格を成す板状本体部M510と、その板状本体部M510の背面側に左側寄りで配置され板状本体部M510との間に空間を形成するように板状本体部M510に対して締結固定される左側蓋部M530と、板状本体部M510の背面側に右側寄りで配置され板状本体部M510との間に空間を形成するように板状本体部M510に対して締結固定される右側蓋部M540と、を主に備える。更に、演出動作ユニットM500は、右側蓋部M540を回転移動可能に支持する被案内部M550と、右側蓋部M540に対して回転移動可能に支持される扇形状の扇形状構成部M560と、右側蓋部M540に配設される駆動モータM501と、その駆動モータM501の駆動力を伝達可能に構成される伝達部M580と、板状本体部M510に回転移動可能に支持され伝達部M580により駆動モータM501の駆動力が伝達可能とされる可動装飾ユニットM600と、を主に備える。
板状本体部M510は、大部分が有色(例えば、赤色)で透明の樹脂材料から形成されており、左側端部において前方へ向けて円柱状に突設される前側突部M511と、中央よりも左側の領域における複数位置において点在され無色透明の略星状に形成される透過部M512と、その透過部M512に対応する位置にLED等の発光手段を配置可能となるように内部において締結固定される電飾基板M513と、可動装飾ユニットM600の回転軸を形成する部分であって前方に延設される筒状部M514と、その筒状部M514を中心とする円弧に沿って形成されており可動装飾ユニットM600の変位を案内可能な領域を構成する領域構成部である円弧状貫通部M515と、その円弧状貫通孔M515の上端部側において検出溝が前側を向く姿勢で配設されており可動装飾ユニットM600を検出可能な検出センサM516と、筒状部M514に対して円弧状貫通部M515の反対側の領域において筒状部M514を中心とする円弧に沿って形成される複数の補助貫通部M517と、筒状部M514と円弧状貫通部M515との間の領域において前後方向に貫通形成される伝達用貫通孔M518と、を主に備える。前側突部M511は、左側支持装飾部M410(図1773参照)の案内長孔M412に挿通され、その案内長孔M412の延びる直線方向(水平方向、左右方向)に変位が案内される。前側突部M511は、左側支持装飾部M410を挟むように配置される一対の円環形状のカラー部材(図示せず)に挿通される。これにより、左側支持装飾部M410と板状本体部M510との間に円環形状のカラー部材が介在することになるので、変位を滑らかにすることができる。電飾基板M513に配置されるLEDから照射される光のうち、透過部M512を通して遊技者に視認される光は、透過部M512以外(周囲)の位置を通って遊技者に視認される光に比較して、明るく視認される。即ち、電飾基板M513に配置されるLEDを発光させることにより、板状本体部M510の前面を全体的に明るくしながら、点在する透過部M512をより明るく視認させることができる。円弧状貫部M515は、前面側における開口として形成されている。板状本体部M510は、円弧状貫通部M515を囲む位置から円弧状貫通部M515の外形よりも若干大きな形状で背面側へ向けて延設される枠状部M521を備える。即ち、円弧状貫通部M515と枠状部M521との間には段部が形成される。検出センサM516は、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端位置に配置されている場合に検出溝に被検出部M616が位置するように配設される。左側蓋部M530は、主に樹脂材料から形成される板状部であって、左端端部において後方へ向けて円柱状に突設される後側突部M531と、右側端部において湾曲面として形成される湾曲縁部M532と、を備える。後側突部M531は、背面側支持部M430(図1773参照)の案内長孔M432に挿通され、その案内長孔M432の延びる直線方向(水平方向、左右方向)に変位が案内される。後側突部M531は、背面側支持部M430を挟むように配置される一対の円環形状のカラー部材(図示せず)に挿通される。これにより、背面側支持部M430と左側蓋部M530との間に円環形状のカラー部材が介在することになるので、変位を滑らかにすることができる。
本実施形態では、後側突部M531と前側突部M511とが前後方向に延びる同一直線上に配置されており、案内長孔M412と案内長孔M432とが同一の直線に対して平行に延びていることから、演出動作ユニットM500の左端部は、前側突部M511及び後側突部M531を介して前後から両持ちで支持される。湾曲縁部M532は、枠状部M521の後方に位置し、その枠状部M521と共通の湾曲面を構成するよう形成される。即ち、湾曲縁部M532の湾曲面は、筒状部M514の中心軸を中心とする円弧に合致する形状とされる。右側蓋部M540は、主に樹脂材料から形成される板状部であって、右端側において背面側に突設され被案内部M550に支持される金属製の突設軸部M541と、その突設軸部M541に対して平行に突設され被案内部M550に挿通される金属製の補助突設部M542と、断面が突設軸部M541よりも大きな円形に類似する形状の柱形状で背面側へ突設される大径支持部M543と、その大径支持部M543に支持される扇形状構成部M560の抜け止めが可能となるように大径支持部M543の外形よりも直径の大きな円形板状に形成され大径支持部M543の突設先端側から金属製の締結ネジM502で締結固定される脱落防止部M544と、大径支持部M543の円形状の中心と同軸の円弧形状に沿う位置に突設される突設補助部M545と、その突設補助部M545の外周側において大径支持部M543を中心とする円弧に沿う形状で凹設形成(背面側の面が前方側へ変位されるよう形成)される段部M546と、伝達部M580の構成部材を回転可能に支持する複数の突設部M547と、を主に備える。大径支持部M543は、その外形を構成する円形状が、筒状部M514を構成する円形状の中心との関係で同心円とされる。即ち、扇形状構成部M560の回転中心と、可動装飾ユニットM600の回転中心とが同一となるように構成される。大径支持部M543は、脱落防止部M544を締結固定する締結ネジM502が内部に位置することから、樹脂材料のみから形成される場合に比較して強度が向上される。これにより、扇形状構成部M560を安定的に支持することができ、扇形状構成部M560の動作を長期間にわたって安定させることができる。このように扇形状構成部M560は、大径支持部M543という一点での支持でありながら、扇形状構成部M560の動作を長期間にわたって安定させることができる。段部M546は、扇形状構成部M560の回転先端側部と対向配置される。扇形状構成部M560の段部M546に対する当接面積が小さくなるように(抑制されるように)、段部M546の形状や配置および扇形状構成部M560の形状や配置が設計されることで、扇形状構成部M560の変位時の抵抗を抑制することができ、扇形状構成部M560の動作不良を防止し易くすることができる。
被案内部M550は、上下方向一直線上に貫通形成されており金属棒M401(図1773参照)が挿通可能とされる直線貫通部M551と、右側蓋部M540の突設軸部M541を回転可能に軸支する貫通孔M552と、その貫通孔M552を中心とする円弧形状で貫通形成され右側蓋部M540の補助突設部M542が挿通される円弧状孔M553と、背面側から後方へ向けて板状に突設され切替動作部M480(図1773参照)により検出され得る検出片M554と、右側寄り下端位置から下方へ向けて延設される下方延設部M555と、上端部付近から前方へ向けて突設される被支持突部M556と、を主に備える。演出動作ユニットM500は、被案内物体である被案内部M550を備えていれば何でも良く、樹脂材料から構成される部材に限定されるものではなく、金属材料から構成される部材であってもよい。扇形状構成部M560は、主に光透過性の低い(不透明な)樹脂材料から形成されており、右側蓋部M540の大径支持部M543に回転可能に軸支される円筒部M561と、円筒部の外周側に扇形状で延設される板状本体部M562と、その板状本体部M562の周方向端部において直線に沿って前方へ突設される突条部M563と、板状本体部M562の回転先端側に肉厚の形状で形成される円弧状肉厚部M564と、その円弧状肉厚部M564の内周側において回転中心を中心とする円弧形状で貫通形成される円弧状孔M565と、その円弧状孔M565よりも外周側において円弧状肉厚部M564よりも肉厚に形成される外周側増厚部M566と、その外周側増厚部M566の前面側から回転中心を中心とする円弧形状に沿って突設される円弧突条M567と、外周側増厚部M566の周方向端部から径方向に延設される延設部M568と、を主に備える。扇形状構成部M560が樹脂材料から形成されていることから、扇形状構成部M560の軽量化を図ることができるので、駆動モータM501の駆動力で可動装飾ユニットM600を押し上げる場合に扇形状構成部M560の自重による動作抵抗を小さくすることができ、駆動モータM501の負担を低減させることができる。また、扇形状構成部M560が樹脂材料から形成されていることから、設計自由度を向上させることができる。円弧状孔M565は、右側蓋部M540の突設補助部M545が挿通されることで、扇形状構成部M560の回転移動を安定させる。突設補助部M545には先端側から雌ネジが形成されており、突設補助部M545の幅長さよりも直径の大きな頭部を有する雄ネジを螺入することや、円環状のカラーが嵌められた雄ネジを螺入することにより、突設補助部M545からの扇形状構成部M560の脱落を防止することができる。即ち、扇形状構成部M560の回転移動を安定させつつ、軸方向の変位(脱落)を規制することができる。外周側増厚部M566は、対向配置される右側蓋部M540の段部M546の凹設深さに対応して、増厚形成されている。即ち、扇形状構成部M560と右側蓋部M540との間隔は、円弧状肉厚部M564の位置においても、外周側増厚部M566の位置においても、ほぼ同様となるように構成されている。これにより、扇形状構成部M560の回転先端側が意図せず右側蓋部M540に近接する方向で変位した場合に、円弧状肉厚部M564ばかりが右側蓋部M540と当接し負荷が与えられ外周側増厚部M566には負荷が与えられないという事態を避けることができ、外周側増厚部M566にも負荷を分担させることができる。円弧突条M567は、外周側増厚部M566において右側蓋部M540の段部M546と優先して当接する部分となっており、少なくとも円弧突条M567が残存している(すり減っていない)状況において外周側増厚部M566は右側蓋部M540と離間するよう構成されている。また、この場合、設計寸法から円弧状肉厚部M564においても右側蓋部M540と離間する。
延設部M568は、略正方形の断面を構成する形状で延設される。即ち、前後方向幅と上下方向(周方向)幅とが同じ長さで構成される。これにより、延設部M568が特定の方向に撓む事態を避けることができ、全方位で十分な剛性を有するよう構成することができる。更に、特定の方向の幅が小さい(薄い)場合に比較して、荷重(繰り返し荷重や衝撃荷重)を受けた場合に破損する可能性を低くすることができる。伝達部M580は、駆動モータM501の駆動軸に固定される被回転物体であるモータギアM581と、そのモータギアM581に歯合可能となるように一つ目の突設部M547に回転可能に支持されるピン付きギアM582と、そのピン付きギアM582に歯合可能となるように二つ目の突設部M547に回転可能に支持される増厚ギアM583と、その増厚ギアM583と歯合可能となるように背面側に突設される三つ目の突設部M547に回転可能に支持される円板付きギアM584と、を主に備える。円板付きギアM584は、扇形状構成部M560の動作と関連して動作可能に構成されており、扇形状構成部M560の上方向への動作を抑制する抑制物体であれば何でも良く、樹脂材料から構成されるものに限らず、金属材料から構成されてもよい。図1777は、可動装飾ユニットM600の分解正面斜視図であり、図1778は、可動装飾ユニットM600の分解背面斜視図である。可動装飾ユニットM600は、板状本体部M510の筒状部M514を中心として回転移動する動作が可能な部分(板状本体部M610、前側蓋部M620、右側装飾部M670等)と、その部分を基準として直線方向にスライドする動作が可能な部分(前側スライド移動体M640、左側装飾部M680等)とにより構成される。即ち、可動装飾ユニットM600は、樹脂材料から略長方形状の板状に形成され骨格を成す板状本体部M610と、外周縁部において背面側に向けて突設されるリブ部によって板状本体部M610の外周縁部を封じるように板状本体部M610に締結固定され光透過性の樹脂材料から形成される前側蓋部M620と、その前側蓋部M620と板状本体部M610とにより間に収納される電飾基板M630と、前側蓋部M620の前側平面に沿ってスライド移動可能に構成され光透過性の樹脂材料から形成される前側スライド移動体M640と、を主に備える。また、可動装飾ユニットM600は、回転動作物体である板状本体部M610の後側平面に沿ってスライド移動体M640と一体的にスライド移動可能に構成される樹脂製の後側スライド移動体M650と、その後側スライド移動体M650と板状本体部M610とを変位可能に連結する樹脂製のリンク部材M660と、光透過性の樹脂材料から形成され前側蓋部M620の右側寄り領域を前側から覆う形状から構成され前側蓋部M620に締結固定される右側装飾部M670と、光透過性の樹脂材料から形成され前側スライド移動体M640を前側から覆う形状から構成され前側スライド移動体M640に締結固定される左側装飾部M680と、を主に備える。
板状本体部M610は、右上端部付近において貫通形成される円形開口部M611と、その円形開口部M611の近傍において貫通形成される矩形状開口部M612と、左側端部付近において左右方向に延びる長孔状に貫通形成される複数の長孔状開口部M613と、上縁部における左右方向略中央位置から後方へ向けて延設される延設支持部M614と、右側端部から後方へ向けて突設される複数の補助突設部M615と、を主に備える。また、板状本体部M610は、円形開口部M611及び延設支持部M614の間の位置において円形開口部M611を中心とする円に沿う板形状で後方へ向けて突設される被検出部M616と、円柱形状で後方へ向けて突設されリンク部材M660を回転移動可能に支持する突設支持部M617と、長孔状開口部M613の延びる方向と平行に延びる長尺形状で後方へ向けて突設され前側スライド移動体M640の右端における前後方向の位置に左端が合致するように配置される補助突設部M618と、その補助突設部M618の上方において背面側へ向けて延設され右端部に鉤状部が形成される鉤状支持部M619と、外周側を縁取る枠状部の外側において前面に沿って左方に延設される延設当接部M605と、を主に備える。円形開口部M611は、内径が、板状本体部M510の筒状部M514(図1775参照)の外径よりも長くなるように設計されている。即ち、円形開口部M611は、筒状部M514との間には若干の隙間が生じるように構成されていることから、可動装飾ユニットM600が板状本体部M510に対して適切に支持されている場合には何ら抵抗を与えるものではない一方で、可動装飾ユニットM600が板状本体部M510に対して位置ずれする場合であっても、その位置ずれの度合いを抑制可能に構成される。延設支持部614は、樹脂材料からリング状に形成されるカラー部材M601を介して板状本体部M510の円弧状貫通部M515(図1775参照)に挿通される部分であって、先端側において樹脂製(又は金属製)の当接部材M602が締結固定される。当接部材M602の形状が円弧状貫通部M515よりも大きく形成されていることから、当接部材M602は延設支持部M614の板状本体部M510からの脱落を防止する機能を有する。補助突設部M615は、板状本体部M510の補助貫通部M517に挿通される部分であって、一方(下側)の補助突設部M615の先端側にフランジ付きのネジが固定されることで補助貫通部M517からの脱落が防止され、他方(上側)の補助突設部M615の先端には鉤形状部が形成されている。この鉤形状部に弾性バネM603(図1776参照)の端部が引っかけられることにより、板状本体部M610は、正面視時計回り方向に付勢されることになる。被検出部M616は、板状本体部M510の検出センサM516の検出溝に進入可能とされている。本実施形態では、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端位置に配置されている場合に検出センサM516の検出溝に進入するよう配置されているが、配置位置については任意に設定可能であり、また、配置個数も自由に設定可能である。突設支持部M617は、板状本体部M610の上側寄りの領域において背面側へ向けて増厚形成される荷重付与部M604の下側の空間に配置されており、この空間においてリンク部材M660を回転移動可能に支持する。突設支持部M617の先端部にはツバ付きネジが螺入固定されており、リンク部材M660の後方への変位(板状本体部M610から離間する方向への変位)を抑制できる。
前側蓋部M620は、板状本体部M610の円形開口部M611に挿通されるように後方へ向けて円柱形状で延設される回転軸部M621と、右寄りの領域において前側に増厚形成される増厚部M622と、その増厚部M622とは異なる箇所(増厚されていない箇所)において板状本体部M610の長孔状開口部M613に対応する形状で貫通形成される複数の長孔状開口部M623と、その長孔状開口部M623と増厚部M622との間の位置において上下方向に亘って複数の星状の模様が形成される装飾部M624と、を主に備える。回転軸部M621は、板状本体部M610及び電飾基板M630を通過した状態で、板状本体部M510の筒状部M514に挿通されることで板状本体部M510に対する回転移動の回転軸部を構成する。また、回転軸部M621は、その先端側において大径の円形板部M621aが締結ネジM502に締結固定されることで、板状本体部M510からの脱落が防止される。増厚部M622は、左端部の形状が、短手方向に延びる当接端部M622aの間に長手方向(長孔状開口部M613が延設される方向と平行)に延びる修正部M622bが形成される(所謂「イナズマ状」に形成される)。これにより、対応して配置される前側スライド移動体M640の配置を良好に修正することができる。長孔状開口部M623は、背面側へ延設される外周縁部M623aを有しており、この外周縁部M623aの延設端部が板状本体部M610の長孔状開口部M613の内周面に当接するよう構成されている。これにより、長孔状開口部M623と板状本体部M610との間に生じ得る隙間が埋められるので、電飾基板M630からの光が長孔状開口部M623の内側に漏れることを避け易くすることができる。更に、外周縁部M623aの延設端部が長孔状開口部M613の内周面と当接することにより補強され、前側スライド移動体M640の動作を安定的に支持することができる。装飾部M624は、前側に若干盛り上がって模様が形成されており、その形成範囲は、前側スライド移動体M640が移動された場合に露出し得る領域に渡るように構成されている。即ち、前側スライド移動体M640が増厚部M622から離れる離間位置に配置されている場合における増厚部MM622と前側スライド移動体M640との間の領域に少なくとも形成される。そのため、装飾部M624は前側スライド移動体M640が増厚部M622に近接配置されている場合には前側スライド移動体M640に覆われる。電飾基板M630は、前側蓋部M620の領域全体を背面側からカバーする形状から形成されており前側蓋部M620に複数位置でネジ留めされる板状本体部M631と、その板状本体部M631の右側寄り位置において前側蓋部M620の回転軸部M621が挿通される円形開口部M633と、板状本体部M631の左側寄り位置において前側蓋部M620の外周縁部M623aが挿通される複数の長孔状開口部M634と、を主に備える。板状本体部M631は、正面側にLED等の発光部M632が複数個分散配置されている。発光部M632は、無数の矩形状で図示されており、その位置は、広い面を構成している箇所に限らず、円形開口部M633と板状本体部M631の右上角部との間や、上側の長孔状開口部M634と板状本体部M631の上縁部との間や、下側の長孔状開口部M634と板状本体部M631の下縁部との間や、複数の長孔状開口部M634の間等にも漏れなく配置されている。
円形開口部M633は、前側蓋部M620の回転軸部M621と同心であって、板状本体部M610の円形開口部M611よりも直径の大きな円形状から形成される。内周側に板状本体部M510の筒状部M514(図1776参照)が挿通され遮蔽部として機能することにより、発光部M632から出射される光が円形開口部M633の内周側の領域に漏れ出すことを防止することができる。長孔状開口部M634は、前側蓋部M620の外周縁部M623aの外形よりも大きな形状で貫通形成されており、外周縁部M623aが挿通される。そのため、発光部M632から出射される光のうち、正面視で長孔状開口部M634の内周側へ向かう成分は外周縁部M623aにより反射または吸収(減衰)されることになるので、発光部M632から出射される光が長孔状開口部M634の内周側の領域に漏れ出すことを防止することができる。なお、電飾基板M630は、第3図柄表示装置の表示領域と正面視で重なり得る位置に配置されるものに限られるものではなく、演出動作ユニットM500の変位とは独立して配置を設定可能に構成される独立配置物体として電飾基板M421のように常時第3図柄表示装置M81の表示領域の外方(表示領域と重ならない位置)に配置されても良く、背後からLED等の発光手段から光が照射されることで視認される明るさが変化され得るものでも良く、上下左右または前方からの光照射により視認される明るさが変化され得るものでも良い。前側スライド移動体M640は、前側蓋部M620の前側において増厚部M622を除く領域を埋める形状から形成される板状本体部M641と、その板状本体部M641の右端側において背面側から厚みを減らすように凹設形成される凹設形成部M642と、左右一対で後方へ向けて突設され前側蓋部M620の長孔状開口部M623に挿通される複数の突設案内部M643と、を主に備える。板状本体部M641は、前側蓋部M620の正面側における平面状部に背面側が面で支持されていることで、前側スライド移動体M640の前側蓋部M620に対する安定した移動を可能としている。凹設形成部M642により前側スライド移動体M640の背面の位置が前側へ変化しており、これにより生じた前側蓋部M620との間の隙間領域に、装飾部M624が配置される。即ち、凹設形成部M642により、装飾部M624を盛り上げ形成した場合であっても装飾部M624と前側スライド移動体M640とが擦れることを避けることができる。突設案内部M643は、前側蓋部M620の長孔状開口部M623及び板状本体部M610の長孔状開口部M613に挿通され、その端部において後側スライド移動体M650に締結固定される。即ち、前側スライド移動体M640の移動は、長孔状開口部M623及び長孔状開口部M613により、その延設される直線方向に案内される。
後側スライド移動体M650は、左右方向に延びる長尺本体部M651と、その長尺本体部M651の左側端部から上方へ延びる延設部M652と、長尺本体部M651の右側端部において上下方向に延びる長孔状に開口形成される伝達開口部M653と、長尺本体部M651の中間部において左右方向に延びる長孔状に開口形成される案内開口部M654と、延設部M652に一端が支持される弾性バネM655と、を主に備える。長尺本体部M652は、前側蓋部M620の長孔状開口部M623及び板状本体部M610の長孔状開口部M613に挿通された前側スライド移動体M640の突設案内部M643が締結固定される。即ち、後側スライド移動体M650及び前側スライド移動体M640は、長孔状開口部M623が延設される直線方向に沿ってスライド移動可能に案内される。伝達開口部M653には、リンク部材M660の端部が挿通され、その挿通端においてツバ付きネジが螺入固定されることで、リンク部材M660の後側スライド移動体M650からの脱落が防止される。案内開口部M654は、板状本体部M610の補助突設部M618が挿通される。補助突設部M618が左右方向に延びた形状とされていることから、案内開口部M654の形状と合わせて、後側スライド移動体M650の変位を左右方向に案内する。補助突設部M618は、その端部においてツバ付きネジが螺入固定される場合、後側スライド移動体M650の板状本体部M610に対する後方への変位(離間する方向への変位)を抑制できるので採用しても良いが、本実施形態では、リンク部材M660側(端側)にネジを採用することで、補助突設部M618でのネジの採用を省略している。これにより、省略されるネジ頭部の分、可動装飾ユニットM600と板状本体部M510との間隔を狭めることができる。弾性バネM655は、延設部M652に一方の端部が支持されており、他方の端部が板状本体部M610の鉤状支持部M619に支持されており、後側スライド移動体M650に対して右方向の付勢力を作用させる。弾性バネM655は、後側スライド移動体M650が移動可能範囲の右側終端位置に配置されている状態において既に付勢力を生じさせる(自然長よりも延ばされている)状態となるように長さが設定されている。これにより、後側スライド移動体M650に対して常時右向きの付勢力が生じるようにすることができるので、後側スライド移動体M650を移動可能範囲の右側終端位置に安定させることができる。リンク部材M660は、板状本体部M610の突設支持部M617に回転移動可能に支持される長尺板状に形成される板状本体部M661と、その板状本体部M661の一方の端部において後方へ円柱形状に突設され後側スライド移動体M650の伝達開口部M653に挿通される伝達突設部M662と、板状本体部M661の他方の端部において中央部が割れた二股形状に形成される伝達爪部M663と、を主に備える。伝達突設部M662に対して伝達開口部M653が挿通される場合、後側スライド移動体M650の長尺本体部M651はリンク部材M660に後側から被せられる。伝達突設部M662は、その端部においてツバ付きネジが螺入固定される。これにより、後側スライド移動体M650のリンク部材M660に対する後方への変位(離間する方向への変位)を抑制できる。伝達爪部M663は、伝達部M580のピン付きギアM582(図1776参照)の回転を受けて荷重が伝達される。伝達爪部M663に荷重が伝達されることで被押進物体であるリンク部材M660が回転移動すると、一体形成されている伝達突設部M662の位置も変化することになり、連動して後側スライド移動体M650がスライド移動される。右側装飾部M670は、前側蓋部M620の増厚部M622の前方に配置され、前側蓋部M620に後方側から挿通される締結ネジにより締結固定される。これにより、締結ネジを右側装飾部M670で隠すことができる。左側装飾部M680は、前側スライド移動体M640の前方に配置され、板状本体部M641に後方側から挿通される締結ネジにより締結固定される。これにより、締結ネジを左側装飾部M680で隠すことができる。
図1779(a)、図1779(b)、図1780(a)及び図1780(b)は、演出動作ユニットM500の正面図である。演出動作ユニットM500に対して可動装飾ユニットM600が反時計回り方向に回転動作開始する動作が時系列で図示される。図1779(a)には、可動装飾ユニットM600が演出動作ユニットM500に対して動作範囲の正面視時計回り方向終端に位置する起き上がり側終端状態が図示され、図1779(b)には、起き上がり側終端状態から可動装飾ユニットM600が正面視反時計回り方向に回転移動された後における中間状態が図示され、図1780(a)には、可動装飾ユニットM600が演出動作ユニットM500に対して動作範囲の正面視反時計回り方向終端に位置する傾倒側終端状態が図示され、図1780(b)には、傾倒側終端状態から前側スライド移動体M640が平行移動した伸長状態が図示される。図1779(a)、図1779(b)、図1780(a)及び図1780(b)に図示されるように、演出動作ユニットM500に対する可動装飾ユニットM600の動作は、回転移動と平行移動とが一連の流れの中の異なるタイミングで実行されるよう構成される。即ち、図1779(a)、図1779(b)及び図1780(a)では、平行移動は停止される一方、下側変位物体である可動装飾ユニットM600が回転移動する様子が時系列で図示されており、図1780(a)及び図1780(b)では、回転移動は停止される一方、可動装飾ユニットM600が平行移動される様子が時系列で図示されている。可動装飾ユニットM600は、図1779(a)、図1779(b)、図1780(a)及び図1780(b)に時系列で図示される状態を逆向きに移行することで、伸長状態から、傾倒側終端状態、中間状態を経て起き上がり側終端状態まで復帰することができる(復帰制御により復帰する動作が実行される)。本実施形態では、復帰制御は、可動装飾ユニットM600の動作のみに使用されるものではなく、他の動作ユニット(演出動作ユニットM500、可動装飾ユニットM600、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800等)と兼用される。復帰制御では、まず検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616(図1778参照)が進入している状態かがMPUH221(図1769参照)により判別され、検出センサM516の検出溝に被検出部M616が進入している状態ではない場合には、駆動モータM501が逆方向(正面視反時計回り方向)に90[rpm]の速さ(ピン付きギアM582が30[rpm]で回転する速さ)で回転駆動され、その回転駆動が検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616が進入していると判別されるまで(可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態となるまで)継続される。可動装飾ユニットM600の回転移動は、ほとんどの場合、可動装飾ユニットM600の回転の中心軸線MJ1の位置が固定された状態で実行される。これにより、可動装飾ユニットM600が平行移動している最中に可動装飾ユニットM600が回転移動される場合のように、可動装飾ユニットM600の速度方向が複雑となる場合に比較して、可動装飾ユニットM600及び可動装飾ユニットM600と連動される扇形状構成部M560の動作を制御し易くすることができ、可動装飾ユニットM600及び扇形状構成部M560の動作不良を回避することができる。
<発光制御>
演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600の動作に基づいて電飾基板M513(図1775参照)及び電飾基板M630(図1777参照)のLEDを点灯させたり消灯させたりする制御の一例について説明する。電飾基板M513(図1775参照)及び電飾基板M630(図1777参照)のLEDの制御は、被案内部M550の検出片M554(図1776参照)が切替動作部M480(図1773参照)に検出されているかどうか(被案内部M550が移動可能範囲の上端位置に配置されているかどうか)で切り替えられる。ここでは、検出片M554が切替動作部M480に検出され被案内部M550が移動可能範囲の上端位置に配置されている場合を説明する。可動装飾ユニットM600の起き上がり側終端状態(図1779(a)参照)では、検出センサM516の検出溝に被検出部M616が配置される。この状態においては、電飾基板M513(図1775参照)及び電飾基板M630(図1777参照)のLEDは、中程度の発光強度の点灯が維持される通常発光で制御される。可動装飾ユニットM600の起き上がり側終端状態(図1779(a)参照)では、可動装飾ユニットM600が複数の透過部M512と重なっており、この重なっている透過部M512を通る光については可動装飾ユニットM600に隠されて効果的に視認させることが難しいが、可動装飾ユニットM600に隠されていない透過部M512については光を視認させることができる。可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態(図1779(a)参照)から変化し、検出センサM516から被検出部M616(図1778参照)が離れたことが検出されると、可動装飾ユニットM600に隠されていた透過部M512が露出されるので(図1780(b)参照)、電飾基板M513(図1775参照)及び電飾基板M630(図1777参照)のLEDは、電飾基板M513(図1775参照)のLEDの発光強度のみが強化される露出発光で制御される。駆動主体としての駆動モータM501(図1776参照)の動作速度および動作時間を音声ランプ制御装置H113(図1769参照)において計測し、可動装飾ユニットM600が伸長状態(図1780(b)参照)とされた場合に、電飾基板M513(図1775参照)及び電飾基板M630(図1777参照)のLEDは、露出発光からの変化として電飾基板M630(図1777参照)のLEDが通常発光の時よりも強く発光される強発光で制御される。この場合、装飾部M624が露出される態様で左側装飾部M680がスライド移動しており、可動装飾ユニットM600の正面視での面積が大きくされていることからも、可動装飾ユニットM600を目立たせることができる。
<検出>
可動装飾ユニットM600の姿勢が検出センサM516により検出されることから、当接部材M602の位置について音声ランプ制御装置H113(図1769参照)が把握することが可能とされる。可動装飾ユニットM600については、遊技者に注目させることが多く、連動して第3図柄表示装置M81における表示を切り替えることもあり、この連動が適切に実行されるか否かが遊技者の興趣の向上に大きく関わるためである。一方、扇形状構成部M560は、上述のように回転動作可能に構成されているが、その姿勢を検出するようには構成されていない。遊技者に見えない部分であるので検出の重要性が低いためであり、検出センサを配設しないことで製品コストの削減を図ることができる。更に、扇形状構成部M560は、当接部材M602と連動することから、一方の検出で足り、必要不可欠な箇所にのみ検出センサを配置することで省コスト化を図ることができる。図1781(a)、図1781(b)、図1782(a)、図1782(b)、図1783(a)及び図1783(b)は、伝達部M580の動作について時系列で図示される可動装飾ユニットM600の部分正面図である。図1781(a)、図1781(b)、図1782(a)、図1782(b)、図1783(a)及び図1783(b)では、伝達部M580の動作の理解を容易とするために、駆動モータM501、扇形状構成部M560、伝達部M580、後側スライド移動体M650及びリンク部材M660等が実線で図示される一方、それらの部材に重なる演出動作ユニットM500や可動装飾ユニットM600については大部分において図示が省略され、外形線が想像線で図示される。なお、外形線として図示される演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600は、図1781(a)が図1779(a)の状態(起き上がり側終端状態)に対応し、図1782(b)が図1779(b)の状態(中間状態)に対応し、図1783(a)が図1780(a)の状態(傾倒側終端状態)に対応し、図1783(b)が図1780(b)の状態(伸長状態)に対応する。
<自重動作>
図1781(a)に図示されるように、可動装飾ユニットM600は、ピン付きギアM582の回転軸と平行に突設される柱状部M582aに、荷重付与部M604が下から支えられることにより板状本体部M510に対する姿勢が保たれる。荷重付与部M604は、起き上がり側終端状態におけるピン付きギアM582の柱状部M582aの回転開始方向(柱状部M582aの中心軸とピン付きギアM582の回転軸とを通る直線に対して直交する直線方向)に沿って延びる平面形状から形成されることから、柱状部M582aと荷重付与部M604とが連動する場合に滑らかに連動させることができる(柱状部M582aの荷重付与部M604による案内を滑らかにすることができる)。柱状部M582aは、外周の一部が平面状とされ正面視における断面D字形状とされており、その平面状部が、起き上がり側終端状態(図1781(a)参照)において可動装飾ユニットM600の荷重付与部M604の下面と面で接触するようにされている。これにより、荷重付与部M604に対してピン付きギアM582が滑り回転することを避けることができる。可動装飾ユニットM600は、大径支持部M543及び筒状部M514(図1775参照)において共通の中心軸線MJ1を中心とした回転移動が鉛直下方へ向けた移動により開始されるものであり、水平方向に延びる荷重付与部M604の下面と直角に交差する直線であって起き上がり側終端状態(図1781(a)参照)において柱状部M582aの中心を通る直線がピン付きギアM582の回転軸を通るよう構成される。これにより、起き上がり側終端状態において、可動装飾ユニットM600から柱状部M582aに上下方向で付与される荷重がピン付きギアM582の回転軸へ向かうようになるので、可動装飾ユニットM600の自重による荷重によりピン付きギアM582が回転する事態を避け易くすることができる。図1781(a)に図示される状態から駆動モータM501を正方向(正面視時計回り方向)に駆動開始させ、ピン付きギアM582及び柱状部M582aを正面視反時計回りに回転移動させることで荷重付与部M604を介する支持力が効かなくなると、可動装飾ユニットM600は、自らの自重により回転移動される(図1781(b))。駆動モータM501の動作制御としては、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態である場合における駆動モータM501の正方向への駆動が、荷重付与部M604を介する支持力が効かなくなる角度までに限定される場合(可動装飾ユニットM600の下方への移動は自重に因る移動)と、指定した角度(例えば、可動装飾ユニットM600の中間状態(図1782(b)参照)の角度)まで継続される場合とを設定可能とされる。前者の場合、駆動モータM501の駆動継続時間を短くすることができることから駆動モータM501の寿命の長期化を図ることができ、後者の場合、可動装飾ユニットM600の停止位置の安定を図ることができる。可動装飾ユニットM600は、当接部材M602が案内される円弧状貫通部M515の形成される範囲において回転動作可能に構成されているが、図1782(b)に図示される中間状態において停止し易くされている。これは、可動装飾ユニットM600の回転動作開始後における駆動モータM501のみによるものではなく、回転動作開始後に駆動モータM501の通電を解除した場合であっても機能する工夫にもよるものであって、扇形状構成部M560と円板付きギアM584とが機能する。
図1781(a)に図示されるように、駆動モータM501により回転駆動されるピン付きギアM582は、可動装飾ユニットM600から荷重を受けるだけでなく、増厚ギアM583を介して円板付きギアM584からも荷重を受ける。円板付きギアM584は、背面側へ円弧状に突出され、回転動作中に扇形状構成部M560の突条部M563を押進可能となるように形成される円弧形成部M584aを備える。起き上がり側終端状態(図1781(a)参照)において、円弧形成部M584aは、突条部M563と接触しておらず扇形状構成部M560から離間されていることにより、円板付きギアM584が空回りする態様とされ、回転抵抗が低い。これにより、起き上がり側終端状態からの可動装飾ユニットM600の回転移動をスムーズに開始させることができる。駆動モータM501を正方向(正面視時計回り方向)に駆動開始させることで可動装飾ユニットM600の下方向への回転動作が開始された直後に、駆動モータM501の通電が解除される場合、可動装飾ユニットM600の荷重付与部M604が柱状部M582aを押し下げることでピン付きギアM582が正面視反時計回り方向に回転され、その回転に伴って正面視時計回り方向に回転される増厚ギアM583を介して円板付きギアM584が正面視反時計回り方向に回転される。扇形状構成部M560は、段部M546(図1776参照)から円弧突条M567が受ける摩擦力により、自重による回転動作が生じ難いようにされている。即ち、可動装飾ユニットM600が回転動作して当接部材M602が扇形状構成部M560の延設部M568から離れたとしても、静止摩擦により扇形状構成部M560の姿勢は維持される。そのため、扇形状構成部M560の下降方向の回転移動は、自重により開始されるものではなく、円弧形成部M584aに押進されることにより開始されることになる。即ち、円板付きギアM584の正面視反時計回り方向への回転により扇形状構成部M560の突条部M563が円弧形成部M584aに当接された後で押進開始され(図1782(a))、扇形状構成部M560が静止摩擦以上の荷重を受けた場合に扇形状構成部M560の動作が開始される。円板付きギアM584が扇形状構成部M560を押進する際に受ける抵抗は、そのまま、増厚ギアM583を介してピン付きギアM582の回転動作の抵抗として作用する。ピン付きギアM582の回転動作の抵抗は柱状部M582aで下支えされる可動装飾ユニットM600の回転動作の抵抗と言い替えることができる。この抵抗は一定では無く、互いの接触の仕方や、接触が生じる位置によって異なる。図1781(a)に図示される状態から駆動モータM501を正方向(正面視時計回り方向)に駆動開始させる場合、円板付きギアM584は正面視反時計回り方向に回転されることで円弧形成部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563から遠ざかるため、可動装飾ユニットM600の回転移動が開始される時点(当接部材M602が延設部M568から離れ始める時点)においては、扇形状構成部M560は静止した状態で維持され、円板付きギアM584も空転される(図1781(a)、図1781(b))。その後の円板付きギアM584の正面視反時計回り方向の回転中において円弧形成部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563に当接し(図1782(a))、押進することにより扇形状構成部M560が回転移動して、中間状態(図1782(b)参照)に至る。即ち、下降方向への回転動作において、当接部材M602の移動と扇形状構成部M560との移動は同時に開始されるものではなく、当接部材M602の移動開始から遅れて扇形状構成部M560の移動が開始されるよう構成される。これにより、可動装飾ユニットM600(当接部材M602)の下降方向への移動開始が遅れることを回避し易くすることができる。
可動装飾ユニットM600の中間状態(図1782(b)参照)では、扇形状構成部M560が抑制物体としての突設補助部M545により規定される動作終端に位置されていると共に、円弧形成部M584aが寸法の長い外周側で扇形状構成部M560の突条部M563と当接していることから、円板付きギアM584が受ける摩擦抵抗が大きくなっており、扇形状構成部M560の上昇方向への戻りが防止される(変位が抑制される)。即ち、可動装飾ユニットM600の動作速度が高速になっている場合であっても、その動作に追従して回転移動される扇形状構成部M560の円弧状孔M565の上側内側面が突設補助部M545に衝突して扇形状構成部M560が跳ね返る(跳ね戻る)動作が防止される(変位が抑制される)。更に、可動装飾ユニットM600がピン付きギアM582の柱状部M582aに下支えされるのみの構成であるから、柱状部M582aの変位速度によっては柱状部M582aと可動装飾ユニットM600が離間する(可動装飾ユニットM600の荷重付与部M604が柱状部M582aに対して浮く)事態が生じ得るところ、扇形状構成部M560が跳ね返る(跳ね戻る)動作が防止される(変位が抑制される)ことにより、扇形状構成部M560の延設部M568の下面と当接する当接部材M602を具備する可動装飾ユニットM600が浮くような事態を避けることができ、柱状部M582aの変位速度に関わらず可動装飾ユニットM600を中間状態(図1782(b)参照)で安定させ易くすることができる。円板付きギアM584が受ける摩擦抵抗が大きくされることにより、駆動モータM501の駆動力の伝達経路において上流側に位置するピン付きギアM582の回転抵抗も大きくされる。これにより、円板付きギアM584及びピン付きギアM582を停止させ易くすることができることから、ピン付きギアM582の柱状部M582aに支えられている可動装飾ユニットM600を中間状態(図1782(b)参照)で停止させ易くすることができる。なお、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態から中間状態まで回転移動する際におけるピン付きギアM582の回転角度は90度とされる。
<駆動>
可動装飾ユニットM600の起き上がり側終端状態(図1781(a)参照)から、可動装飾ユニットM600の回転動作開始後に駆動モータM501の駆動を正方向で継続させる場合について説明する。駆動モータM501の駆動を正方向で継続させる場合においても、ピン付きギアM582を可動装飾ユニットM600の中間状態に対応する状態(図1782(b)参照)に至る直前まで回転させた直後に、通電を解除するよう制御することで、残りは惰性で、可動装飾ユニットM600の自重によりピン付きギアM582が回転され、中間状態(図1782(b)参照)で停止させ易くすることができる。このように駆動モータM501を制御することで、惰性で中間状態(図1782(b)参照)に落ち着くことになるので、中間状態までピン付きギアM582を駆動モータM501の駆動力により回転させる駆動態様に比較して、可動装飾ユニットM600の回転し過ぎを避けられる。即ち、慣性で、可動装飾ユニットM600が中間状態を超えて回転動作することを避け易くすることができる。中間状態(図1782(b)参照)に到達した後もピン付きギアM582が継続回転するように駆動モータM501の正方向の駆動を継続すれば、円板付きギアM584が更に回転して円弧形成部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563から離れることになり、駆動モータM501にかけられる回転抵抗を低減させることができる。これにより、駆動モータM501の駆動力をピン付きギアM582の回転に集中させた状態で(増厚ギアM583及び円板付きギアM584は空転させた状態で)、当接部材M602が扇形状構成部M560から離間する方向に変位する形で傾倒側終端状態(図1783(a)参照)へ向けて可動装飾ユニットM600を回転移動させることができる。中間状態から更に駆動モータM501が正方向で駆動されピン付きギアM582が回転されると、可動装飾ユニットM600は円弧状貫通部M515に移動を規制されることにより傾倒側終端状態で停止され、柱状部M582aは荷重付与部M604から離れてリンク部材M660の伝達爪部M663と接触可能となる(図1783(a)参照)。なお、柱状部M582aが荷重付与部M604から離れてからリンク部材M660の伝達爪部M663に接触する(図1783(a)参照)までの間、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600の外形は傾倒側終端状態で維持される。即ち、可動装飾ユニットM600の傾倒側終端状態(図1780(a)参照)におけるピン付きギアM582の状態は、図1783(a)に図示される状態に限定されるものではなく、可動装飾ユニットM600の荷重付与部M604との間の領域において柱状部M582aは配置され得る。傾倒側終端状態(図1783(a)参照)から更に駆動モータM501が正方向で駆動されピン付きギアM582が回転されると、柱状部M582aによりリンク部材M660の伝達爪部M663が押進され、突設支持部M617を中心にリンク部材M660が回転移動され、これに連動して後側スライド移動体M650がスライド移動される(図1783(b)参照)。柱状部M582aがリンク部材M660の伝達爪部M663に当接する伝達爪部M663の部位は、当接開始時(図1783(a)参照)及び方向転換時(図1783(b)参照)において同じであり、この部位が、当接する部位として伝達爪部M663の最も先端側にあたる。そのため、当接開始時の部位において強度を確保できるように設計すれば良いので、当接開始時の部位よりも先端側において柱状部M582aが当接し得る場合に比較して、伝達爪部M663の設計難易度を低減させることができる。これにより、後側スライド移動体M650に締結固定される前側スライド移動体M640(図1778参照)及びその前側スライド移動体M640に締結固定される左側装飾部M680がスライド移動され、伸長状態を構成する(図1780(b)参照)。このように、左側装飾部M680がスライド移動される際において、ピン付きギアM582の柱状部M582aが可動装飾ユニットM600の荷重付与部M604と離れているため、スライド移動を実行している際に可動装飾ユニットM600が回転移動することを防止することができる。即ち、左側装飾部M680をスライド移動させる際に、駆動モータM501の駆動力が可動装飾ユニットM600の回転移動に使用される可能性を無くすことができ、駆動力をスライド移動に集中させることができる。
<往復>
これは、往復スライド動作させるように駆動する場合も同様である。即ち、可動装飾ユニットM600の傾倒側終端状態(図1783(a)参照)と身長状態(図1783(b)参照)とが交互に切り替えられるように駆動モータM501の駆動を正逆で交互に切り替える制御を行うことで、可動装飾ユニットM600の傾倒姿勢(角度)は維持したままで、左側装飾部M680を往復移動させることができる。この往復移動において、駆動モータM501が逆方向(正面視反時計回り方向)に駆動される移動(伸長状態(図1783(b)参照)から傾倒側終端状態(図1783(a)参照)へ変化する向きの移動)は、弾性バネM655(図1778参照)の付勢力に補助されることにより必要な駆動力が低減される。この弾性バネM655が配設されていることにより、駆動モータM501の駆動の切替の制御は、駆動モータM501の駆動方向を正回転と逆回転とで切り替える反転態様でも良いし、駆動モータM501へ通電させる状態と通電を解除させる状態とで切り替える入切態様でも良い。即ち、伸長状態(図1783(b)参照)において駆動モータM501の通電を解除した場合、弾性バネM655の付勢力により後側スライド移動体M650が傾倒側終端状態(図1783(a)参照)へ向けて移動され、これに伴ってリンク部材M660が回転移動され、そのリンク部材M660に被案内物体である柱状部M582aが押進されることでピン付きギアM582が正面視時計回りに回転移動される。そのため、逆方向に駆動される前段階(反転時において回転方向速度=0となる段階)において既にピン付きギアM582の回転を開始させることができるので、左側装飾部M680の動作方向の反転を迅速に行わせることができる。また、ピン付きギアM582の正面視時計回り方向の回転と連動して、円板付きギアM584も正面視時計回り方向に回転されるところ、後側スライド移動体M650のスライド移動途中において、円板付きギアM584の円弧形成部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563と擦れる位置に到達する。これにより、後側スライド移動体M650のスライド移動が弾性バネM655(図1778参照)の付勢力により終端まで加速度的に移動しきるものに限定されるものではく、途中位置で制動させることができるので、この制動を利用することで後側スライド移動体M650の伸長状態近傍での往復スライド動作(伸縮動作)をさせる場合においても駆動モータM501への負荷が大きくなることを避けることができる。即ち、伸縮動作では、伸長状態(図1783(b)参照)において駆動モータM501の通電を解除し、その解除中において弾性バネM655(図1778参照)の付勢力で後側スライド移動体M650、ピン付きギアM582及び円板付きギアM584が動作されることで円弧形成部M584aが突条部M563と擦れる位置に到達するのを待ち、その到達後に再び駆動モータM501を正方向(正面視時計回り方向)に駆動させ伸長状態とすることを繰り返すように制御される。後側スライド移動体M650は、そのスライド方向が、可動装飾ユニットM600の回転移動における移動方向に対して傾斜されている。これにより、後側スライド移動体M650のスライド移動による荷重(反力)を可動装飾ユニットM600の回転方向にかけられる成分と、可動装飾ユニットM600の回転方向と直角の方向にかけられる成分とに分けることができる。駆動モータM501の駆動方向を交互に逆転させることで生じさせる往復動作は、傾倒側終端状態(図1783(a)参照)及び伸長状態(図1783(b)参照)間でのみ生じさせることができるわけではなく、傾倒側終端状態(図1783(a)参照)から起き上がり側終端状態(図1781(a)参照)までも可能であるし、伸長状態(図1783(b)参照)から傾倒側終端状態(図1783(a)参照)を経て起き上がり側終端状態(図1781(a)参照)に戻すことも可能である。
<下から上>
図1784(a)、図1784(b)、図1785(a)及び図1785(b)は、伝達部M580の動作について時系列で図示される可動装飾ユニットM600の部分正面図である。図1784(a)、図1784(b)、図1785(a)及び図1785(b)では、可動装飾ユニットM600が上昇方向に回転移動される様子が時系列で図示される。図1784(a)、図1784(b)、図1785(a)及び図1785(b)では、伝達部M580の動作の理解を容易とするために、駆動モータM501、扇形状構成部M560、伝達部M580、後側スライド移動体M650及びリンク部材M660等が実線で図示される一方、それらの部材に重なる演出動作ユニットM500や可動装飾ユニットM600については大部分において図示が省略され、外形線が想像線で図示される。なお、外形線として図示される演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600は、図1784(a)が図1780(a)の状態(傾倒側終端状態)に対応し、図1784(b)が図1779(b)の状態(中間状態)に対応し、図1785(b)が図1779(a)の状態(起き上がり側終端状態)に対応する。駆動モータM501を逆方向(正面視反時計回り方向)に駆動させる場合、傾倒側終端状態(図1784(a)参照)では、円板付きギアM584の円弧形成部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563から離れているので、抵抗の少ない状態でピン付きギアM582の正面視時計回り方向の回転を生じさせ、柱状部M582aで荷重付与部M604を押し上げることで可動装飾ユニットM600を正面視反時計回りに回転移動させることができる。この場合において、円弧形成部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563に最接近する中間状態(図1784(b)参照)から、更にピン付きギアM582が可動装飾ユニットM600を上昇させる方向(正面視時計回り方向)に回転されることに対応して、円弧形成部M584aが扇形状構成部M560から離間する方向(正面視時計回り方向)へ変位される。これにより、扇形状構成部M560と円板付きギアM584とを連動させることができ、扇形状構成部M560の回転移動が円板付きギアM584に妨害されることを回避することができる。傾倒側終端状態(図1784(a)参照)から、可動装飾ユニットM600の当接部材M602が扇形状構成部M560の延設部M568に接近する方向で変位され、当接された場合、更に可動装飾ユニットM600が同方向に回転移動されると、当接部材M602に延設部M568が押進されることになり、当接部材M602と共に扇形状構成部M560が変位される。なお、当接部材M602に当接されるまでの間、扇形状構成部M560は停止されるよう構成されているので、当接部材M602と扇形状構成部M560との当接位置を安定させることができ、動作の再現性を高くさせることができる。扇形状構成部M560は、当接部材M602に押進されることで変位される被押進物体であれば何でも良く、外形は偏心した形状に関わらず対称形状でもよく、配置が固定される部材に配設される物体であってもよく、一の部材から構成されるものに限られるものではなく複数部材から構成されても良く、対象物から荷重が与えられない位置に退避可能に構成されても良く、幅長さが一定となる形状でも良く、箇所によって幅広、幅狭が生じるような形状でも良く、対象物から荷重が長期間継続して与えられるよう構成されても良く、対象物から荷重が衝突の一時点で与えられるよう構成されても良く、これらの組合せでも良い。駆動モータM501が逆方向で駆動され、中間状態(図1784(b)参照)から起き上がり側終端状態(図1785(b)参照)へ向けて可動装飾ユニットM600が回転移動される場合、駆動モータM501の駆動力は、可動装飾ユニットM600の当接部材M602を介して扇形状構成部M560に伝達される。つまり、可動装飾ユニットM600と扇形状構成部M560とが共に(一体的に)回転動作される。このように、扇形状構成部M560の動作態様は、下方向移動時(正面視反時計回り方向移動時)と、上方向移動時(正面視時計回り方向移動時)とで、当接部材M602との関係が異なる。即ち、下方向移動時においては、当接部材M602のみが先に下方向へ移動し扇形状構成部M560は少し遅れて下方向へ移動するといったように当接部材M602と扇形状構成部M560とが離れたが、上方向移動時においては、当接部材M602が扇形状構成部M560を押し上げる態様となることから、離れずに一体的な動作とされる。特に上方向移動時において当接部材M602の移動に対する扇形状構成部M560の動作遅れを低減させられることにより、可動装飾ユニットM600の上方向移動(復帰制御による退避動作)を迅速に行うことができることから、俊敏な動作を遊技者に視認させることができる。
中間状態(図1784(b)参照)において、円板付きギアM584の円弧形状部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563と当接することから、駆動モータM501の駆動力の強弱により動作態様を変化させることができる。即ち、円弧形状部M584aと突条部M563との間の摩擦力よりも弱い駆動力で駆動モータM501を駆動させる場合、中間状態(図1784(b)参照)で停止され姿勢が維持され得る一方、突条部M563との間の摩擦力を超える駆動力で駆動モータM501を駆動させる場合、円板付きギアM584を更に回転させることができ、中間状態を超えて当接部材M602を介して扇形状構成部M560を押し上げることができる。当接部材M602は、円弧状貫通部M515に案内される被案内物体として可動装飾ユニットM600の一部として構成される物体であれば何でも良く、外形は矩形状(非球体形状)でも、球体形状でもよい。上述したように、当接部材M602と扇形状構成部M560の延設部M568とが当接可能に構成されているところ、可動装飾ユニットM600の動作中において延設部M568が視認可能に構成されている(図1779、図1780参照)。これにより、当接部材M602との当接により延設部M568が破損する不良が発生した場合に、正面視で不良に気付かせ易い。そのため、延設部M568が破損しているのにも関わらず遊技を継続する事態を防止し易くすることができる。この作用は、扇形状構成部M560が光透過性の低い(不透明)な樹脂材料から形成されることからも補完されている。即ち、扇形状構成部M560が透明である場合、円弧状貫通部M515を通して延設部M568が露出しているとしても、背後の構造が透き通って視認されるだけであり、延設部M568の状態の変化に気づかせることが難しい。これに対し、扇形状構成部M560が不透明で構成されることで、延設部M568の状態の変化に気づき易くすることができる。なお、延設部M568を黒色の樹脂材料から形成することで、背後の構造と同時に視認された場合であっても違和感なく視認させることができる。なお、上述した説明は、中間状態(図1784(b)参照)から起き上がり側終端状態(図1785(b)参照)までの間、ピン付きギアM582の柱状部M582aが可動装飾ユニットM600の荷重付与部M604に常時接触することを前提としているが、ピン付きギアM582の回転が高速でされ、可動装飾ユニットM600がピン付きギアM582の柱状部M582aから離間されるように回転動作しても良い。この場合において、当接部材M602が扇形状構成部M560の延設部M568を押し上げる場合、円板付きギアM584の円弧形成部M584aが扇形状構成部M560を下降側終端姿勢に押し下げる位相(図1784(b)参照)まで到達する前に扇形状構成部M560を上向きに回転移動させることができるので、より上方まで回転移動させることができる。即ち、駆動モータM501の駆動態様により、当接部材M602及び扇形状構成部M560の動作態様を変化させることができる。なお、この場合においても、円弧形成部M584aにより扇形状構成部M560の変位が抑制される。また、扇形状構成部M560と当接部材M602とが接触している状態において、ピン付きギアM582の柱状部M582aが可動装飾ユニットM600の荷重付与部M604を下支えしているわけでは無いので、上向きの勢いが失われれば、当接部材M602は扇形状構成部M560から離間する方向に変位される。
図1786は、左側支持装飾部M410の分解正面斜視図であり、図1787は、左側支持装飾部M410の分解背面斜視図である。左側支持装飾部M410は、演出動作ユニットM500よりも前側(即ち、扇形状構成部M560と当接部材M602とが近接離反する動作が実行される領域よりも前側)において演出動作ユニットM500の動作を案内可能な箇所を有し、且つ、その案内可能となる部分以外の箇所において発光演出を実行可能とされる。左側支持装飾部M410は、光透過性の材料(樹脂やガラス)から上下方向に長い板状に形成される板状ベースM411と、その板状ベースM411に長孔状に開口形成される案内長孔M412と、その案内長孔M412とは異なる領域(外側の領域)に配置される装飾受け部M413と、その装飾受け部M413の前側に配設される電飾基板M421と、を主に備える。また、左側支持装飾部M410は、電飾基板M421を被覆するように無色の光透過性の樹脂材料から形成され装飾受け部M413に締結固定される被覆部M424と、その被覆部M424の一部を被覆可能な形状とされ被覆部M424よりも透過率の低い有色(本実施形態では赤色)の樹脂材料から形成される低透過率部M426と、被覆部M424及び低透過率部M426によりカバーされない位置において電飾基板M421の前側に配設される六角形状の枠状部M427と、無色の光透過性樹脂材料から枠状部M427の内側部の隙間を埋める有底カップ形状に形成されるカップ形状部M428と、を主に備える。左側支持装飾部M410は、案内長孔M412において背面側に位置する演出動作ユニットM500の板状本体部M510を支持することから、板状ベースM411によって板状本体部M510の少なくとも一部を隠し得る。一方で、延設部M568(図1780(a)参照)を備える扇形状構成部M560は、左側支持装飾部M410と前後方向で重なり得る位置に無く、左側支持装飾部M410によっては隠されないようになっている。これにより、演出動作ユニットM500及び扇形状構成部M560の配置や変位に関わらず、左側支持装飾部M410によって扇形状構成部M560が視認し難くなることを避けることができ、扇形状構成部M560の破損等の不良に正面視で気づき易くすることができる。板状ベースM411には、背面ケースM310(図1771参照)に締結固定される被固定孔部M414aが形成され、装飾受け部M413の後面側には、背面側支持部M430(図1774参照)に締結固定される雌ネジ部M414bが形成される。案内長孔M412は、演出動作ユニットM500の前側突部M511(図1773参照)が左側支持装飾部M410の背面側平面に沿って変位可能に挿通される。これにより、可動装飾ユニットM600(当接部材M602)を含む演出動作ユニットM500が、左側支持装飾部M410の背面側平面に沿って変位可能とされる。案内長孔M412の縁部は板状ベースM411の背面部よりも後方へ向けて突条状に突設形成されている。これにより、左側支持装飾部M410と演出動作ユニットM500との接触面積を減らすことができ(面接触では無いようにすることができ)、演出動作ユニットM500の左側支持装飾部M410に対する動作抵抗を低減させることができる。また、案内長孔M412の前後両側には、演出動作ユニットM500の前側突部M511(図1775参照)が挿通される円形環状のカラー部材M402が配置される。後側に配置されるカラー部材M402は、板状ベースM411及び演出動作ユニットM500の板状本体部M510(図1775参照)に挟まれ、前側に配置されるカラー部材M402は、前側突部M511の先端側に螺入されるツバ付きネジ(図示せず)により脱落が防止される。このカラー部材M402が案内長孔M412と演出動作ユニットM500との間に介在し、案内長孔M412との当接により演出動作ユニットM500の前側突部M511の変位に伴って適宜回転することにより、変位抵抗を低減し、案内長孔M412が受ける摩擦力を低減することができる。
被覆部M424は、案内長孔M412の一部(左側部)と重なり、その他の部分(右側部)と重ならないように構成される。即ち、案内長孔M412は、一部が被覆部M424に隠されており、その他の部分が被覆部M424に隠されずに露出される。上側の被覆部M424の前方には、可動装飾ユニットM600の延設当接部M605(図1778参照)が重なり得る。即ち、演出動作ユニットM500の配置として、案内長孔M412の右側端部に板状本体部M510の前側突部M511が位置する状態では延設当接部M605は被覆部M424の前方から外れる(右側に離れる)一方で、前側突部M511の配置が左側へ移行するにつれて、延設当接部M605が被覆部M424の前方に重なるようになる。この場合、延設当接部M605は、正面視で被覆部M424と重なる位置において被覆部M424に背面側から当接され得る。これにより、可動装飾ユニットM600の前後位置のずれを戻すことができる。また、この当接位置は、案内長孔M412のうち、被覆部M424に隠されて露出していない位置に対応する。図1788は、昇降駆動部M440の分解正面斜視図であり、図1789は、昇降駆動部M440の分解背面斜視図である。昇降駆動部M440は、演出動作ユニットM500の被案内部M550に作用することで、演出動作ユニットM500に対して上下方向の変位を生じさせる。昇降駆動部M440は、金属材料から上下方向に延設されボールネジのネジ軸を構成するように形成されるネジ軸部M441と、そのネジ軸部M441との間にギアが介在されておりネジ軸部M441を回転させる駆動力を発生させる駆動モータM442と、ネジ軸部M441が挿通される内部にネジ軸部M441に対応する固定ネジが形成されネジ軸部M441の回転方向および回転量に対応して上下方向に移動される昇降移動体M443と、を主に備える。また、昇降駆動部M440は、ネジ軸部M441を支持するようにネジ軸部M441の前後に配設され樹脂材料から形成される支持部M450と、その支持部M450に変位可能に支持される変位部M460と、その変位部M460を挟んで支持部M450の前側に配設される前側蓋部M470と、を主に備える。ネジ軸部M441は、ボールネジのリード(ネジ軸の一回転に伴いナット(本実施形態では昇降移動体M443に相当)が軸方向に進む距離)が5[mm]となるように形成される。本実施形態では、このリードの長さが、変位部M460に許容される上下方向スライド変位量に対応する。昇降移動体M443は、略直方体状で樹脂材料から形成され、ネジ軸部M441が上下方向に挿通されており、上下方向に長尺の板形状で前方へ突設される前方突設部M444と、右方へ突設される右方突設部M445と、上下方向に長尺の板形状が二股で形成され後方へ突設される後方二股部M446と、その後方二股部M446の上側に配設され後方二股部M446よりも柔軟な樹脂材料から形成されるクッション部材M447と、を主に備える。昇降移動体M443は、樹脂材料から形成されているため、軽量化を図ることができる。これにより、昇降移動体M443の動作方向が上下方向という自重の影響を受けやすい方向でありつつも、その影響を最小限に抑えることができる。即ち、上昇移動させる場合における移動抵抗を低減させることができるので、駆動源としての駆動モータM442にかかる負荷を低減することができるし、下降移動させる場合においても自重による加速を抑制することができるので、停止位置を安定させることができる。
後方二股部M446は、金属棒M401(図1773参照)に対して左右側から対向配置される。即ち、昇降移動体M443は、金属棒M401に沿って昇降動作するように構成されており、その左右方向への過変位や、ネジ軸部M441を中心とする回転が、金属棒M401との当接により防止される(姿勢を維持させる)。クッション部材M447は、上下方向視で被案内部M550(図1779参照)と少なくとも一部が重なるように形成されている。そのため、昇降移動体M443が昇降移動(上昇移動)される場合に、クッション部材M447が被案内部M550と当接すれば(押し上げれば)、被案内部M550を昇降移動(上昇移動)させることが可能とされる。支持部M450は、ネジ軸部M441を両端部でベアリングを介して支持可能に構成される板状本体部M451と、その板状本体部M451の上端部において後方側からネジ軸部M441を挟み込むように配置され板状本体部M451に締結固定される後方蓋部M456と、を主に備える。板状本体部M451は、上下方向に延びる溝形状で後方側から凹設形成される凹設溝部M452と、その凹設溝部M452と検出溝が一致するように配設される検出センサM453と、前方側へ柱状に突設され変位部M460を変位可能に支持する複数の支持突設部M454と、弾性バネM448の一端を支持する鉤状部M455と、を主に備える。凹設溝部M452は、昇降移動体M443の前方突設部M444が進入可能な左右幅で形成される。即ち、凹設溝部M452は昇降移動体M443の上下方向変位幅に対応する長さで凹設形成されており、被案内物体の所定部としての前方突設部M444を介して昇降移動体M443の上下方向変位を案内すると共に、昇降移動体M443がネジ軸部M441を中心に回転することを防止する(姿勢を維持させる)。このように構成されていることから、検出センサM453の検出溝には、昇降移動体M443の前方突設部M444が進入可能とされる。即ち、前方突設部M444は、昇降移動体M443の変位方向の案内や回転の防止をする部分として用いられると共に、昇降移動体M443の位置を配置検出センサである検出センサM453に検出させる部分にも用いられる(兼用される)。凹設溝部M452及び検出センサM453の検出溝による昇降移動体M443の移動可能方向が上下方向で一致されていることから、昇降移動体M443の前方突設部M444が検出センサM453の検出溝に進入する前段階から前方突設部M444の移動方向を検出センサM453の検出溝を移動する際と同じ上下方向とすることができる。これにより、前方突設部M444が検出センサM453と接触する可能性を低くすることができ、接触による破損が生じる可能性を低くすることができる。検出センサM453は、図1789に図示されるように、検出溝が凹設溝部M452の開放側(後方側)に向けられる姿勢で、凹設溝部M452の左右側両側壁に断面コの字形状で切り欠き形成される切欠き部M452aの内部に左右端部が収容される形で配設される。この場合、検出センサM453の上面の少なくとも一部(左右端部)は、切欠き部M452aの上側部と対向配置され、切欠き部M452aの上側部に被覆されることになる。これにより、前方突設部M444と検出センサM453との衝突をより生じさせ難くすることができる。
後方蓋部M456は、変位部M460の回転連動部M466を回転可能に支持する支持軸部M457と、その支持軸部M457を中心とする円弧状に穿設される円弧状補助孔M458と、を主に備える。変位部M460は、上下に長い金属棒部の両端に樹脂板部が固定される長尺本体部M461と、その長尺本体部M461の下端位置から後方に突設され板状本体部M451の貫通孔M451aを通って後方に張り出す受動突設部M462と、支持突設部M454が挿通可能な大きさの上下方向に長い長孔状で長尺本体部M461の樹脂板部に穿設される複数の案内長孔M463と、支持軸部M457に支持される回転連動部M466と、その回転連動部M466の前面から円弧状補助孔M458に挿通されるように突設される複数の円柱状挿通部M467と、下端側の円柱状挿通部M467が挿通されるように長尺本体部M461の上端部において前後方向に穿設される左右方向に長い長孔形状の連動孔M464と、を主に備える。長尺本体部M461は、弾性バネM448の一端が支持される鉤状部M461aを備える。弾性バネM448の付勢力が常時上向きに掛けられることにより、通常、長尺本体部M461は変位可能範囲の上端位置に配置される。受動突設部M462は、昇降移動体M443の右方突設部M445に押し下げられる部分である。即ち、昇降移動体M443が下降して右方突設部M445が受動突設部M462を押し下げると、変位部M460の長尺本体部M461は変位可能範囲の上端位置から下降変位する。案内長孔M463に挿通される支持突設部M454の先端側には、リング形状のカラー部材M454aに挿通されるネジ部材(図示せず)が螺入される。このカラー部材M454aが案内長孔M463の幅よりも長い直径で形成されているので、カラー部材M454aにより長尺本体部M461の脱落を防止することができる。連動孔M464に回転連動部M466が変位可能に連結されていることで、長尺本体部M461の上下動作に伴って回転連動部M466が回転動作される。回転連動部M466は、左上端部において左方へ向けて嘴形状で張出形成される部分を有しており、その嘴形状部の上側部M466aが支持軸部M457を中心とする円弧形状で形成され、嘴形状部の下側先端部において下方に垂下部M466bが突設される。ここで、回転連動部M466に支持される被案内部M550(図1775参照)の被支持突部M556は、上面が水平な面状に形成されており、下面が回転連動部M466の上側部M466aと面で当接可能な湾曲形状で形成される。
回転連動部M466に垂下部M466bが形成されていることにより、被案内部M550が上昇移動され回転連動部M466を下側から押し上げる場合に、被支持突部M556の上面と回転連動部M466の下面とが面で当接することを避け、摩擦抵抗を低減することができる。一方で、回転連動部M466を押し上げた後においては、被案内部M550の被支持突部M556の下面に沿って回転連動部M466の上側部M466aが滑り込むように回転連動部M466を回転させることができる。これにより、被案内部M550が上昇移動されることに伴う、回転連動部M466の回転動作(制限状態への移行)をスムーズに実行させることができる。上側の円弧状補助孔M458に挿通される円柱状挿通部M467の先端側には、リング形状のカラー部材M467aに挿通されるネジ部材(図示せず)が螺入される。このカラー部材M467aが円弧状補助孔M458の幅よりも長い直径で形成されているので、カラー部材M467aにより回転連動部M466の後方蓋部M456からの脱落を防止することができる。前側蓋部M470は、変位部M460の長尺本体部M461を前側から覆い得る大きさで形成され板状本体部M451に前側から締結固定され、その下側寄りの位置においてLED等の発光手段が配設される電飾基板M471が締結固定される。図1790(a)、図1790(b)及び図1790(c)は、昇降駆動部M440の背面図である。図1790(a)、図1790(b)及び図1790(c)では、昇降移動体M443及び変位部M460の一方向(解除状態へ向かう方向)の変位が時系列で図示されており、変位部M460の変位に付いての理解を容易とするために板状本体部M451の図示が一部省略され(破られて図示され)、特に省略された箇所においてカラー部材M454aのみが図示され、そのカラー部材M454aを支持する支持突設部M454の図示が省略される。
図1790(a)及び図1790(b)では、制限状態における変位部M460が図示され、図1790(c)では、解除状態における変位部M460が図示される。即ち、変位部M460は、通常は弾性バネM448の付勢力で長尺本体部M461が変位可能範囲の上端位置に配置される制限状態とされる一方で、駆動モータM442が逆方向に駆動されることで下降変位される昇降移動体M443により弾性バネM448の付勢力を超える力で受動突設部M462が押し下げられることで長尺本体部M461が変位可能範囲の下端位置に配置される解除状態に変化される。この長尺本体部M461の上下方向の変位に伴い、回転連動部M466が、制限状態における左方に張り出す姿勢(図1790(a)及び図1790(b)参照)から、解除状態における右側へ退避する姿勢(図1790(c)参照)へ向けて回転移動される。図1790(a)で図示される状態では、検出センサM453の検出溝に昇降移動体M443の前方突設部M444が進入しておらず(検出センサM453で昇降移動体M443を検出不可能とされており)、図1790(b)で図示される状態および図1790(c)で図示される状態では、検出センサM453の検出溝に昇降移動体M443の前方突設部M444が進入している(検出センサM453で昇降移動体M443を検出可能とされている)。つまり、昇降移動体M443の右方突設部M445が受動突設部M462に当接する前段階において昇降移動体M443が受動突設部M462に近接配置されていることが検出可能となるように構成されているので、検出センサM453の検出を駆動モータM442の駆動停止制御に利用することで、受動突設部M462を変位させる直前の位置に昇降移動体M443を容易に待機させておくことができる。受動突設部M462を変位させる直前の位置(待機位置、図1790(b)参照)に昇降移動体M443を待機させておく場合の制御態様は何ら限定されるものではなく種々の態様が例示される。一例として、本実施形態では、昇降移動体M443が変位しないように停止させておくようにされている。この場合、昇降移動体M443の誤動作により意図せず回転連動部M466が制限状態から解除状態に切り替えられるという不具合を回避することができる。また、例えば、定期的(又は不定期)に、昇降移動体M443を前方突設部M444が検出センサM453の検出溝から退避する程度に上昇させ、その上昇した後の位置(図1790(a)参照)から下降させることで昇降移動体M443を元の位置(図1790(b)参照)に戻すという動作を繰り返すように制御しても良い。この場合、回転連動部M466の動作を生じさせることなく、昇降移動体M443の動作が可能であることを定期的(又は不定期)に把握させることができ、昇降移動体M443(又はその駆動源となる駆動モータM442)に動作不良が生じていないことを主制御装置H110や音声ランプ制御装置H113に把握させることができる。この動作により検出センサM453からの出力が切り替えられることになるが、本実施形態では、検出センサM453からの出力の切り替えを、他の特定の装置の出力の切り替えに利用しないようにしている。この場合、昇降移動体M443の動作が開始されていることを遊技者に予想させ難くすることができるので、昇降移動体M443の動作を起点とする演出動作ユニットM500(図1773参照)の演出動作の開始タイミングを図り難くすることができ、演出動作に対する注目力を向上させることができる。なお、検出センサM453からの出力の切り替えを他の特定の装置の出力の切り替えに利用しても良い。他の特定の装置の出力の切り替えとしては、例えば、発光手段(電飾基板M421(図1786参照)に配置されるLED、電飾基板M513(図1775参照)に配置されるLED、発光部M632(図1777参照)等)の制御(点灯消灯の切り替え等)に利用しても良いし、第3図柄表示装置M81(図1770参照)における表示の制御(エフェクトの発生消滅の切り替え等)に利用しても良いし、音声出力装置H226(図1769参照)からの音声出力の制御(切り替えのタイミングで音声を出力する等)に利用しても良い。この場合、遊技者に視認させるものではない昇降移動体M443の動作を検出する検出センサM453を、遊技者に知覚させて演出を行う装置としての、発光手段や、第3図柄表示装置M81や、音声出力装置H226等の制御に兼用することができる。
他の特定の装置の出力の切り替えが生じる頻度については、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、検出センサM453からの出力の切り替えが生じたら毎回、他の特定の装置の出力の切り替えを実行するようにしても良い。この場合、昇降移動体M443の昇降移動を他の特定の装置を利用した演出に効率的に作用させることができる。また、例えば、特定のタイミングに検出センサM453の出力の切り替えが生じたら(例えば、被案内部M550が他の位置から上昇端位置に配置が変化され、可動装飾ユニットM600が他の状態から起き上がり側終端状態に変化された後における初回の検出の切り替えが生じたら)他の特定の装置の出力の切り替えを実行するようにしても良い。この場合、初回の検出以降は、昇降移動体M443による検出センサM453の出力の切り替えが生じても、他の特定の装置の出力の切り替えは生じないようにできるので、昇降移動体M443がどう動作制御されていても他の特定の装置で実行される演出を邪魔することがない。これにより、昇降移動体M443の昇降移動の制御の自由度を向上させることができる。なお、回転動作しながらの落下移動が可能な演出動作ユニットM500は、見映えの変更がされる視認変更物体であればよく、配置が固定されるように構成しても良いし、透過率が高くされることで背面側が透けて視認できるよう構成されても良いし、非透過とされることで背面側を視認できなく構成しても良い。図1790(c)に図示される状態から、受動突設部M462から離間するように昇降移動体M443を上昇させると、弾性バネM448の付勢力により長尺本体部M461が再び上昇変位される。長尺本体部M461が上昇変位されることに伴って回転連動部M466が解除状態における姿勢から制限状態における姿勢となるように回転移動される。なお、ここでは昇降移動体M443による変位部M460の状態変化の説明を行ったが、本実施形態では、昇降移動体M443が受動突設部M462を押し下げること以外にも、回転連動部M466が回転方向の荷重を受けることで状態が変化され得る。
図1791、図1792及び図1793は、複合動作役物ユニットM400の正面図である。図1791、図1792及び図1793では、被案内部M550が上昇端位置から下降する動作の一例(第1の上下移動制御)が時系列で図示されており、理解を容易とするために、左側支持装飾部M410の図示が省略され、昇降駆動部M440については回転連動部M466のみが実線で図示され、クッション部材M447の外形が想像線で図示され、クッション部材M447及び回転連動部M466を除き図示が省略される。複合動作役物ユニットM400は、通常、演出動作ユニットM500の被案内部M550が上昇端位置で回転連動部M466に下支えされているが(図1791参照)、回転連動部M466が回転移動されると支えが解除され、上下方向に移動可能とされる。第1の上下移動制御の実行は、検出センサM453に昇降移動体M443の前方突設部M444が検出されている状態(待機位置、図1790(b)参照)において昇降移動体M443が下降方向に変位される方向(逆方向)にMPUH221により駆動モータM442が駆動制御されると同時に開始される。これにより、回転連動部M466が回転移動され変位部M460が解除状態とされ(図1790(c)参照)、被案内部M550が金属棒M401に沿った落下を開始する。図1792及び図1793で図示されるように、回転連動部M466が回転移動され変位部M460が解除状態とされると、被案内部M550が金属棒M401に沿って落下する。この落下に伴い第3図柄表示装置M81(図1770参照)の正面側位置に張り出す張出物体である演出動作ユニットM500の左端側では前側突部M511が案内長孔M412に沿って案内されることで直線方向(水平方向、左右方向)にスライド移動される。即ち、演出動作ユニットM500は、右端部では被案内部M550が上下方向にスライド移動され、左端部では前側突部M511が案内長孔M412に沿って右下方向にスライド移動される。なお、図1791、図1792及び図1793では、切替動作部M480の回転切替部M490が停止姿勢とされ、被案内部M550が落下終端位置までは落下せず、中間位置まで落下される動作が図示される。図1791及び図1793で図示されるように、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600が下降移動されることにより、より上下方向中央側(第3図柄表示装置M81の前方側(図1770参照))へ進出することになり、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600に対する遊技者の注目力を高めることができる。本実施形態では、これとは別に、被案内部M550が落下終端位置まで落下する動作が実行可能とされる。
図1791及び図1792では、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態(図1779(a)参照)とされている様子が図示され、図1793では、可動装飾ユニットM600が中間状態(図1779(b)参照)とされている様子が図示される。MPUH221により駆動モータM442が駆動制御されることで第1の上下移動制御が開始されてから、85[msec]後に検出センサM483の検出結果として検出溝から被案内部M550の検出片M554(図1776参照)が退避されている状態であるかが判断され、検出片M554が検出センサM483の検出溝から退避されている状態である場合には、第1の上下移動制御の開始から250[msec]後に駆動モータM501(図1775参照)が正方向(正面視時計回り方向)に駆動開始されることで、可動装飾ユニットM600が中間状態にされる。第1の上下移動制御では駆動モータM501(図1775参照)の回転速度は180[rpm](ピン付きギアM582が60[rpm]で回転する速度)に設定されているので、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態から中間状態となるまでに250[msec]経過する。従って、第1の上下移動制御の開始から500[msec]経過した状態が、図1793で図示されている状態に対応する。中間状態は可動装飾ユニットM600が回転移動可能な範囲の途中位置であり駆動制御のみで位置決めをすると位置ずれが生じ得るが、本実施形態では図1781及び図1783で上述したように円板付きギアM584の円弧形成部M584aが扇形状構成部M560の突条部M563と擦れ制動されることにより位置ずれを生じさせることなく中間状態における停止位置(可動装飾ユニットM600の姿勢)を安定させることができる。これにより、図1793に図示されるような、可動装飾ユニットM600の姿勢が水平とされる状態で容易に維持することができる。図1794は、切替動作部M480の分解正面斜視図であり、図1795は、切替動作部M480の分解背面斜視図である。なお、図1794及び図1795では、内部形状を視認し易くするために、カップ状本体部M481が、実際の形状(図1773参照)から一部破断された(図示を省略された)状態で図示される。切替動作部M480は、被案内部M550(図1791参照)の移動可能範囲を切り替える部分として機能する。図1794及び図1795に図示されるように、切替動作部M480は、前側が開放されるカップ形状で形成されるカップ状本体部M481と、そのカップ状本体部M481に締結固定される駆動ベースM485と、その駆動ベースM485及びカップ状本体部M481に締結固定される蓋部M486と、その蓋部M486及び駆動ベース部M485の間に配置される駆動ソレノイドM487と、その駆動ソレノイドM487のプランジャに連結されスライド動作可能に構成されるスライド体M488と、そのスライド体M488のスライド動作に基づいて回転移動下方に構成される回転切替部M490と、を主に備える。カップ状本体部M481は、カップ形状部が樹脂材料から形成されており、金属棒M401(図1773参照)を配置可能に上下端部において凹設形成される凹設支持部M482と、検出溝が前方に向けられる姿勢で配設される検出センサM483と、下端側において被案内部M550の下方延設部M555(図1775参照)と対応する位置(移動方向視で重なる位置)に配設されカップ形状部よりも柔軟な樹脂材料から形成されるクッション部材M484と、を主に備える。
凹設支持部M482は、下側に形成される箇所においては手前側に蓋部(脱落防止板)が一体形成されることで配置された金属棒M401の脱落が防止され、上側に形成される箇所においては後方蓋部M456(図1789参照)の上端位置から後方に張り出し形成される箇所により蓋をされることで金属棒M401の脱落が防止される。即ち、金属棒M401の組立においては、先に下側の凹設支持部M482に先端を差し込むようにし、反対側の先端を上側の凹設支持部M482に入れてから昇降駆動部M440を切替動作部M480に締結固定することで、組立を容易に行うことができる。検出センサM483は、検出溝に被案内部M550の検出片M554(図1776参照)が進入可能とされる位置に配設されており、検出結果により、被案内部M550が移動可能範囲の上端位置に位置しているか否かを音声ランプ制御装置H113(図1769参照)が把握可能に構成される。検出センサM483は、被案内物体である被案内部M550の検出片M554を検出可能に構成されていれば何でも良く、移動範囲の終端において検出するものでも良く、対象物を移動範囲の途中において検出するものでも良い。また、被案内部M550が検出時に停止するものでもよく、被案内部M550が検出時に停止しないものでも良い。駆動ベースM485は、浅い皿状に形成されており、その皿状の底面部において回転切替部M490の回転軸となる金属軸棒部M485aが前方へ延びる姿勢で支持されており、皿形状の内側に駆動ソレノイドM487、スライド体M488及び回転切替部M490が配置された上で、蓋部M486に蓋をされる構成となっている。回転切替部M490は蓋部M486の円弧開口部M486aを通って一部が前方に張り出される。蓋部M486は、上下端部に締結ネジが挿通可能に開口形成される開口部M486bが形成されており、その開口部M486bに挿通された締結ネジにより駆動ベースM485と締結固定されるが、同様にしてカップ状本体部M481にも締結固定される。即ち、開口部M486bは、挿通された締結ネジが駆動ベースM485の被締結部M485bに螺入される開口と、挿通された締結ネジがカップ状本体部M481の被締結部M481aに螺入される開口と、を備えており、蓋部M486の固定に必要な数の締結ネジを螺入することにより、駆動ベースM485も同時にカップ状本体部M481に固定されるよう設計されている。この設計によれば、カップ状本体部M481、駆動ベースM485及び蓋部M486を前後方向に積層するという配置としつつも、カップ状本体部M481に駆動ベースM485を締結固定し、蓋部M486を駆動ベースM485のみに締結固定する(積層順に固定する)場合に比較して、駆動ベースM485又は蓋部M486がカップ状本体部M481に対して位置ずれする程度を低減することができる。即ち、蓋部M486がカップ状本体部M481の被締結部M481aに締結固定されることから、複数部材を積層配置した場合において間に他の部材が挟まる蓋部M486とカップ状本体部M481との間における位置ずれを最小限に抑えることができる。蓋部M486は、上述した円弧開口部M486a、開口部M486bの他、更に、駆動ソレノイドM487の本体部の位置ずれを当接により防止可能に形成される位置ずれ防止部M486cと、金属軸棒部M485aの先端部(駆動ベースM485に支持される側とは反対側の端部)を受け入れ可能に開口形成される受入部M486dと、を主に備える。
回転切替部M490は、非透過の樹脂材料から形成され金属軸棒部M485aに回転可能に支持されており、金属軸棒部M485aが挿通される円形開口部である支持孔M491と、その支持孔M491の軸線と平行に背面側へ突設される突設部M492と、その突設部M492の突設方向と平行な方向に延びる姿勢で固定される金属棒部M493と、開放部が上側に位置するコの字形状で前方へ向けて延設される延設支持部M494と、その延設支持部M494の開放部から一部がはみ出す態様で支持されるクッション部材M495と、を主に備える。突設部M492は、スライド体M488の移動先端側から前方へ突設される突設爪部M488aよりも上側に位置するように形成されており、上下方向視で突設爪部M488aと重なる長さで形成される。延設支持部M494は、コの字形状の下側板部からの長さが、左側板よりも右側板の方が長い(右側板が左側板よりも長く張り出す)形状で形成されている。これにより、クッション部材M495の露出が右側よりも左側の方が多くされる。クッション部材M495は、延設支持部M494よりも柔軟な樹脂材料から形成されており、延設支持部M494と共に円弧開口部M486aを通って円弧開口部M486aよりも前側に位置するよう構成される。これにより、クッション部材M495は、演出動作ユニットM500の下方延設部M555と同程度の前後方向位置に位置することになる。図1796(a)及び図1796(b)は、駆動ベースM485、駆動ソレノイドM487、スライド体M488及び回転切替部M490の正面図である。図1796(a)では、駆動ソレノイドM487に通電されていない状態が図示され、図1796(b)では、駆動ソレノイドM487に通電されている状態が図示される。図1796(a)及び図1796(b)に図示されるように、駆動ソレノイドM487が通電されると、ボディの中央部で上下方向に延びるプランジャが上方へ引き込まれることで、スライド体M488が上方へスライド移動される(図1796(b)参照)。駆動ベースM485には上下方向に延びる長孔形状で穿設される一対の案内長孔M485cが形成されており、スライド体M488の後方から突設される補助突部M488bが案内長孔M485cに摺動されるよう支持されていることで、スライド体M488の変位方向が上下方向に案内される。図1796(a)に図示される回転切替部M490の停止姿勢とされる状態から、駆動ソレノイドM487が通電され、スライド体M488が上方へ変位されると、突設爪部M488aにより突設部M492が押進されることで、回転切替部M490は持ち上げられる態様で回転移動され、解除姿勢とされる。駆動ソレノイドM487の通電が維持されている限り、回転切替部M490は解除姿勢で維持される。図1796(b)に図示される回転切替部M490の解除姿勢とされる状態から、駆動ソレノイドM487の通電が解除されると、駆動ソレノイドM487に内蔵される戻りバネ(図示せず)の付勢力によりスライド体M488が下方へ変位される。スライド体M488が下方へ変位されると、突設爪部M488aにより金属棒部M493が押進されることで、回転切替部M490は押し下げられる態様で回転移動され、停止姿勢とされる。駆動ソレノイドM487が通電されていない状態では、突設爪部M488aの左端平面(左右方向に直交する平面)が金属棒部M493の右端曲面と当接することで、回転切替部M490の戻り動作(右方へ戻るように回転する動作)を防止することができ、回転切替部M490を停止姿勢で安定的に維持させることができる。即ち、スライド体M488の変位は案内長孔M485cにより上下方向のみが許容されており左右方向へは規制されているところ、そのスライド体M488に金属棒部M493が左右方向で当接されることで、被案内物体である回転切替部M490の回転が規制される。
図1797、図1798及び図1799は、複合動作役物ユニットM400の正面図である。図1797、図1798及び図1799では、被案内部M550が上昇端位置から下降する動作の一例(第2の上下移動制御(第1動作パターン))が時系列で図示されており、理解を容易とするために、左側支持装飾部M410の図示が省略され、昇降駆動部M440については回転連動部M466のみが実線で図示され、クッション部材M447の外形が想像線で図示され、クッション部材M447及び回転連動部M466を除き図示が省略される。第2の上下移動制御における第1の上下移動制御(図1791から図1793参照)との違いとして、図1797に図示されるように、駆動ソレノイドM487(図1794参照)に通電され回転切替部M490が解除姿勢とされる。即ち、第2の上下移動制御では、回転連動部M466の回転移動よりも前に予め駆動ソレノイドM487に通電されるよう制御され、通電された状態が維持される(図1797、図1798及び図1799参照)。駆動ソレノイドM487(図1794参照)に通電されると回転切替部M490は解除姿勢とされる。この解除姿勢において回転切替部M490のクッション部材M495は被案内部M550の下方延設部M555の移動軌跡から退避される。これにより、回転連動部M466が回転移動され変位部M460が解除状態とされ、被案内部M550が金属棒M401に沿って落下した場合であっても、切替動作部M480の回転切替部M490が停止姿勢とされていた場合(図1792参照)と異なり、被案内部M550が中間位置で停止されず、落下終端位置(図1799参照)まで落下される。即ち、被案内部M550が回転切替部M490のクッション部材M495と当接されることはなく、クッション部材M495が配置され得る位置を通過して、クッション部材M484に停止される。図1800は、第2の上下移動制御(第1動作パターン)における検出センサM453、駆動モータM442、被案内部M550、検出センサM483、駆動モータM501、検出センサM516及び対応表示ME590の計時変化を示した図である。なお、図1800において、検出センサM453,M483,M516について、ONは検出センサM453,M483,M516の検出溝に検出対象が進入している状態を意味する。なお、図1800では、駆動モータM501の動作開始から検出センサM516の検出結果の切り替えまで、実際には微少な時間ずれが生じるが、その時間ずれについての図示が省略され、駆動モータM501の動作開始と同時点で検出センサM516の検出結果が切り替えられるよう図示される。また、図1800では、被案内部M550の上昇端位置からの落下動作開始(又は上昇移動後の上昇端位置への到達)と検出センサM483の検出結果の切り替えとに、実際には微少な時間ずれが生じるが、その時間ずれについての図示が省略され、被案内部M550の上昇端位置からの落下動作開始(又は上昇移動後の上昇端位置への到達)と同時点で検出センサM483の検出結果が切り替えられるよう図示される。また、駆動モータM442の回転速度は正方向および逆方向において一定速度で制御されるので、図1800ではその向きのみが示される。一方で、駆動モータM501の回転速度には大小があるので、図1800ではその向きのみではなく、駆動モータM501の回転速度の大小がタイミングチャートの上下方向の幅長さに対応して図示される。なお、駆動モータM442のものとして図示されるタイミングチャートの上下方向幅長さと、駆動モータM501のものとして図示されるタイミングチャートの上下方向幅長さとに対応関係は無い。以下では、第2の上下移動制御(第1動作パターン)について、図1797、図1798、図1799に基づいて、図1800を参照しながら説明する。
第2の上下移動制御における演出動作ユニットM500の動作開始は、昇降駆動部M440の検出センサM453(図1790参照)の検出状態を把握して準備がされる。即ち、検出センサM453の検出状態は、第2の上下移動制御での動作開始前に音声ランプ制御装置H113(図1769参照)において把握される。即ち、第2の上下移動制御の実行は、検出センサM453に昇降移動体M443の前方突設部M444が検出されている状態(待機位置、図1790(b)参照)において昇降移動体M443が下降方向に変位される方向(逆方向)にMPUH221により駆動モータM442が駆動制御されることに基づいて開始される(図1800におけるタイミングa参照)。駆動モータM442は、ネジ軸部M441を600[rpm]で回転させる回転速度で100[msec]駆動され停止されるが(ネジ軸部M441を1回転させ停止されるが)、この駆動により回転連動部M466が回転移動され変位部M460が解除状態とされる(図1790(c)参照)変位を受動突設部M462(図1790(c)参照)に生じさせる長さで昇降移動体M443が下降されるようネジ軸部M441(図1790(c)参照)が形成されており、第2の上下移動制御の実行開始から100[msec]後に変位部M460が解除状態とされることに基づいて被案内部M550が金属棒M401に沿った落下を開始する。なお、検出センサM453(図1790参照)による検出状態は、演出動作ユニットM500の戻り動作(上昇動作)の開始時においても音声ランプ制御装置H113(図1769参照)において把握されるものであるため、検出センサM453は重要性が高い。この検出センサM453についての制御を、主制御装置H110(図1769参照)で行うようにしても良い。図1799に図示されるように、被案内部M550が落下終端位置に配置されている場合、被案内部M550の下縁部と、昇降移動体M443のクッション部材M447の上面部との間には、若干の隙間が生じる。即ち、昇降移動体M443が動作範囲の下端位置に配置されている場合(図1790(c)参照)には十分な隙間が生じるようにされ、その下端位置から昇降移動体M443が上昇して変位部M460が制限状態に切り替えられた場合(図1790(b)参照)であっても僅かな隙間が生じるようにされる。昇降移動体M443が上昇して変位部M460が制限状態に切り替えられた場合(図1790(b)参照)には、依然として昇降移動体M443の前方突設部M444が検出センサM453に検出されており、前方突設部M444を検出センサM453(図1790参照)の検出溝から退避させるためには昇降移動体M443を更に上昇させる必要があるが、その上昇中に被案内部M550の下縁部に昇降移動体M443のクッション部材M447が押し当てられることになるため、検出センサM453での検出の切り替えに先立って被案内部M550が昇降移動体M443により押し上げ開始される。そのため、検出センサM453(図1790参照)での検出の切り替えによって、昇降移動体M443の上昇動作が開始されたことのみではなく、被案内部M550の落下終端位置からの上昇動作も開始されることを音声ランプ制御装置H113(図1769参照)に把握させることができる。第2の上下移動制御では、検出センサM453に昇降移動体M443の前方突設部M444が検出されている状態(図1790(b)参照)から、昇降移動体M443が下降方向に変位されるように駆動モータM442が駆動制御されることで、回転連動部M466が回転移動され変位部M460が解除状態とされ(図1790(c)参照)、被案内部M550が金属棒M401に沿って落下を開始する(図1798参照)。この落下に伴い演出動作ユニットM500の左端側では前側突部M511が案内長孔M412に沿って案内されることで直線方向(水平方向、左右方向)にスライド移動され、演出動作ユニットM500の右端部では被案内部M550が上下方向にスライド移動されることは第1の上下移動制御(図1791から図1793参照)と同様である。一方で、第2の上下移動制御では、検出センサM483の検出結果に関わらず、昇降移動体M443を下降方向に変位させる駆動モータM442(図1790(b)参照)の駆動開始(逆方向への駆動開始)に基づいて可動装飾ユニットM600に予備的な回転移動を実行させるように制御されることが、第1の上下移動制御とは異なる。即ち、図1798に図示されるように、回転連動部M466は回転移動され被案内部M550の落下が開始はされているが前側突部M511はほとんど変位していない状態となるまでの予備期間において、可動装飾ユニットM600に水平な姿勢をとらせる程度の駆動量で駆動モータM501(図1781(a)参照)を駆動させる制御(低速の第1動作の制御)が昇降移動体M443を下降方向に変位させる駆動モータM442(図1790(b)参照)の駆動開始に基づいて(駆動開始から100[msec]遅れて)実行される(図1800におけるタイミングb参照)。
本実施形態では、第1動作における駆動モータM501の回転速度は、約234[rpm]に設定される。これは、落下開始からの経過時間(被案内部M550が自由落下により図1798まで移動する(実寸で約36[mm]移動する)のに要する期間(約85[msec]))で、可動装飾ユニットM600を水平とさせるために若干の角度(約5[度])だけ傾倒させるためにピン付きギアM582を若干の角度(約40[度]、図1781(a)及び図1781(b)参照)調度回転させられる回転速度として設定される。即ち、駆動モータM501が第1動作で駆動されることにより回転動作される可動装飾ユニットM600は、自由落下する被案内部M550の移動に対応して動作され、被案内部M550が図1798で図示される位置を通過するのと同時に図1798に図示される姿勢(水平姿勢)にされる。この低速な第1動作が予備的に実行されることで、被案内部M550の落下よりも先に可動装飾ユニットM600が下方へ移動する等、演出動作ユニットM500における可動装飾ユニットM600の位置(相対位置)が不安定になることを避け、可動装飾ユニットM600が水平状態を保ったまま下降変位するように遊技者に視認させる演出を実行可能となる。第2の上下移動制御において、予備期間における検出センサM483の検出結果が把握される。即ち、MPUH221により駆動モータM442が駆動制御されることで第2の上下移動制御が開始されてから、150[msec]後に検出センサM483の検出結果として検出溝から被案内部M550の検出片M554(図1776参照)が退避されている状態であるかが判断され、検出片M554が検出センサM483の検出溝から退避されている状態である場合には、被案内部M550が問題なく落下開始されたと判断され、第2の上下移動制御の開始から185[msec]後(図1800におけるタイミングc参照)から駆動モータM501(図1781(a)参照)に同方向かつ速度を上げた駆動制御(高速の第2動作の制御)が実行され、可動装飾ユニットM600が中間状態を超えて傾倒側終端状態まで動作される。本実施形態では、第2動作における駆動モータM501の回転速度は、約423[rpm]に設定される。これは、図1798に図示される状態から被案内部M550が落下終端位置(図1799参照)に到達するまでの経過時間(被案内部M550が自由落下により上昇端位置から落下終端位置まで移動する(実寸で約216[mm]移動する)のに要する期間(約215[msec]と被案内部M550が自由落下により図1798まで移動する(実寸で約36[mm]移動する)のに要する期間(約85[msec])との差である約130[msec])で、被案内部M550の動作に対応して可動装飾ユニットM600を水平とさせるために必要な角度(約33[度])だけ傾倒させるためにピン付きギアM582を必要な角度(約110[度]、図1781(b)及び図1784(b)参照)調度回転させられる回転速度として設定される。即ち、駆動モータM501が第1動作から第2動作での駆動に切り替えられることにより回転動作される可動装飾ユニットM600は、自由落下する被案内部M550の移動に対応して動作され、被案内部M550が落下終端位置に到達するのと同時に傾倒側終端状態(図1799参照)にされる。この第1動作よりも長期間で高速の第2動作が実行されることで、被案内部M550の落下速度の上昇に合わせた可動装飾ユニットM600の回転移動速度の上昇を図ることができ、可動装飾ユニットM600が水平状態を保ったまま下降変位するように遊技者に視認させる演出を実行可能となる。
第2動作において、上述したように駆動モータM501が約130[msec]駆動継続された後で停止される(図1800におけるタイミングd参照)ことで可動装飾ユニットM600が傾倒側終端状態で維持されることになるが、駆動モータM501の停止が若干遅れた(勢いで過回転した)場合であっても、ピン付きギアM582は可動装飾ユニットM600から柱状部M582aを離間させる方向へ回転動作するに留まるので(図1783(a)参照)、可動装飾ユニットM600を傾倒側終端状態で維持させることができる。上述した通り、第2の上下移動制御における可動装飾ユニットM600の動作は、制御を実行開始後まず検出センサM483の検出結果によらず予備期間において第1動作を実行し、予備期間の終了時に検出センサM483の検出が切り替えられていたことが判断できたことを条件として、第2動作が継続的に実行される。このように、第2の上下移動制御では、演出動作ユニットM500も可動装飾ユニットM600も、最初の動作は予め決められたタイミングで開始される。この場合に、可動装飾ユニットM600の動作は第1動作からの開始とされており、先に第2動作が実行されるものではない。また、第2の上下移動制御は、昇降移動体M443が下降方向に変位されるように駆動モータM442(図1790(b)参照)が駆動制御されることをきっかけに開始されることから、可動装飾ユニットM600の動作開始よりも先に演出動作ユニットM500の被案内部M550の下降動作が開始されるよう制御される。
<表示>
第2の上下移動制御が開始される場合、その開始と同時(図1800におけるタイミングa参照)に第3図柄表示装置M81(図1770参照)において演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600の外形の形状に対応する対応表示ME590(オーラのように演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600から外側に放射されているように視認される表示)が表示される。第2の上下移動制御によって、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600が高速で下降方向に移動されることに加えて、対応表示ME590が表示されることで、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600に対する注目力を向上させることができる。
<発光>
落下が検出センサM483により検出されたことに基づいて、可動装飾ユニットM600の電飾基板M630の発光態様が変化される。即ち、第1動作の実行中は全体で均一な白色ベースの発光が継続されるところ、検出センサM483により被案内部M550の落下が確認された直後、電飾基板M630が消灯するよう制御される。その後、被案内部M550が落下終端位置に到達するまでの期間において消灯が維持され、被案内部M550が落下終端位置に到達した直後において全体で均一な白色ベースの発光を再開するよう制御される。この時、再開した時の光量は、再開前と同じでも良いし、異なっていても良い。再開時の方が光量を大きくすると、動作演出の迫力を増すことができる。図1798から図1799に図示される第2動作では、被案内部M550が落下移動する際に、何ら対策しなければ、可動装飾ユニットM600が慣性で板状本体部M510に追従するだけであり姿勢が傾斜しがちであるところを、落下中の被案内部M550の位置に合わせて可動装飾ユニットM600を水平な姿勢とできるように駆動モータM501(図1781(a)参照)を駆動させるよう制御される。第1動作の終了時点として図1798に図示されるのが、駆動モータM501が図1781(a)の状態から回転駆動された後において図1782(b)までは至らない状態であることから、第2動作が開始され駆動モータM501が高速回転されると、駆動モータM501に連動されて高速回転される円板付きギアM584の円弧形成部M584aからの荷重により扇形状構成部M560が図1782(b)の状態に変位される。この場合、円弧形成部M584aによる負荷により扇形状構成部M560(図1781(a)参照)が傾倒方向に回転移動され、これに伴い延設部M568が可動装飾ユニットM600の当接部材M602を押し下げるように作用することで、可動装飾ユニットM600が慣性により板状本体部M510に追従した傾斜姿勢(右下傾斜の姿勢)となることを回避し易くすることができる。図1793に図示される可動装飾ユニットM600の姿勢が水平であり、図1799でも水平姿勢とされる。つまり、単に上下スライド動作のみを実行するエレベーター態様の移動役物と同様に、姿勢を水平に維持した状態での段階別の位置移動を実行することができる。回転切替部M490は、姿勢が切り替えられることにより、被案内部M550の移動幅を切り替えて演出動作ユニットM500の動作態様を切り替えるように機能する。このうち、被案内部M550に対して移動方向(上下方向)から当接する場合と(図1792及び図1793参照)、被案内部M550に対して側方から当接可能となる場合とがある。即ち、図1799に図示されるように、被案内部M550が落下終端位置に配置されている場合、被案内部M550は回転切替部M490の移動軌跡内に配置される。即ち、回転切替部M490の駆動ソレノイドM487(図1796(a)参照)の通電を解除して回転切替部M490が被案内部M550に接近するように移動可能とすると、回転切替部M490が延設支持部M494において被案内部M550と当接可能となる。
回転切替部M490が延設支持部M494において被案内部M550と当接している場合、被案内部M550を制動させる荷重がかけられることで被案内部M550の動作速度が若干低下し得るが、動作自体を妨げるものではなく、被案内部M550を上昇方向へ動作させることが可能である。可動装飾ユニットM600は、配置によらず遊技者が視認可能とされる。これにより、可動装飾ユニットM600に対しては、動作により張り出した状態に関わらず、上方に退避している状態においても、常に注目力の向上を図ることができる。図1801及び図1802は、複合動作役物ユニットM400の正面図である。図1801及び図1802では、理解を容易とするために、左側支持装飾部M410の図示が省略され、昇降駆動部M440については回転連動部M466のみが図示され、回転連動部M466を除き図示が省略される。図1803は、第2の上下移動制御(第2動作パターン)における検出センサM453、駆動モータM442、被案内部M550、検出センサM483、駆動モータM501、検出センサM516及び対応表示ME590の計時変化を示した図である。なお、図1803において、検出センサM453,M483,M516について、ONは検出センサM453,M483,M516の検出溝に検出対象が進入している状態を意味する。なお、図1803では、駆動モータM501の動作開始から検出センサM516の検出結果の切り替えまで、実際には微少な時間ずれが生じるが、その時間ずれについての図示が省略され、駆動モータM501の動作開始と同時点で検出センサM516の検出結果が切り替えられるよう図示される。また、駆動モータM442の回転速度は正方向および逆方向において一定速度で制御されるので、図1803ではその向きのみが示される。一方で、駆動モータM501の回転速度には大小があるので、図1803ではその向きのみではなく、駆動モータM501の回転速度の大小がタイミングチャートの上下方向の幅長さに対応して図示される。なお、駆動モータM442のものとして図示されるタイミングチャートの上下方向幅長さと、駆動モータM501のものとして図示されるタイミングチャートの上下方向幅長さとに対応関係は無い。以下では、第2の上下移動制御(第2動作パターン)について、図1801、図1802に基づいて、図1803を参照しながら説明する。図1801では、第2の上下移動制御における動作制御が実行されたものの、何らかの理由(例えば、駆動の不良や、動作不良)によって回転連動部M466の動作が完全にはされず、被案内部M550が上昇端位置に残存した場合(第2の上下移動制御(第2動作パターン))が図示される。この場合、可動装飾ユニットM600については、第2の上下移動制御における第1動作は実行されている。この場合においても、既に対応表示ME590が表示されていることから、このままでは遊技者に違和感を与えることになる。対応表示ME590を即座に別の表示に切り替えるように制御しても良いが、一瞬でも表示が実行されてしまうと、遊技者に与える違和感を薄らげることは難しい。これに対して本実施形態では、MPUH221により駆動モータM442が駆動制御されることで第2の上下移動制御が開始されてから、150[msec]後に検出センサM483の検出結果として検出溝から被案内部M550の検出片M554(図1776参照)が退避されている状態であるかが判断され、検出片M554が検出センサM483の検出溝から退避されていない状態である場合には、第2の上下移動制御の開始から185[msec]後(図1803におけるタイミングa参照)から、駆動モータM501を第1の上下移動制御の時と同じ180[rpm]の回転速度で往復回転させることで可動装飾ユニットM600を起き上がり側終端状態と傾倒側終端状態(図1802参照)とで往復動作させる制御が実行される。即ち、初回は可動装飾ユニットM600を33度傾倒させるため、ピン付きギアM582を110度回転させるために駆動モータM501が正方向に約310[msec]回転駆動され、その後(図1803におけるタイミングb参照)は、正逆交互に420[msec]回転駆動されることで、ピン付きギアM582が150度正逆回転され、可動装飾ユニットM600の往復動作が実行される。これにより、対応表示ME590を、前方を回転移動する可動装飾ユニットM600そのものや可動装飾ユニットM600の残像により隠すことができるので、対応表示ME590のみが視認されることによる違和感を遊技者に与えることを避けることができ、更には、対応表示ME590を可動装飾ユニットM600の動作に対応した表示であるかのように遊技者に視認させることができる。これにより、演出効果を向上させることができる。
本実施形態では、演出動作ユニットM500、可動装飾ユニットM600、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800という少なくとも4種類の動作ユニットが備えられているが(図1771参照)、中には動作領域が互いに重なる動作ユニットがあるため、全動作ユニットを自由に動作させると不具合が生じる可能性が有る。そのため、復帰制御では、可動装飾ユニットM600を動作させる場合において、他の動作ユニットの状況を把握するための制御が実行される。以下では、第2の上下移動制御後の復帰制御について、図1797、図1798、図1799、図1801、図1802に基づいて、図1802及び図1803を参照しながら説明する。復帰制御では、被案内部M550の上昇移動と可動装飾ユニットM600の回転移動とが順次実行される。即ち、可動装飾ユニットM600の回転移動の制御が先に実行開始され、続いて被案内部M550の上昇移動の制御が実行開始される。詳細には、復帰制御では、まず検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616(図1778参照)が進入している状態かがMPUH221(図1769参照)により判別され、検出センサM516の検出溝に被検出部M616が進入している状態ではない場合(図1800におけるタイミングe、図1803におけるタイミングc参照)には、駆動モータM501が逆方向(正面視反時計回り方向)に90[rpm]の速さ(ピン付きギアM582が30[rpm]で回転する速さ)で回転駆動され、その回転駆動が検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616が進入していると判別されるまで(可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態となるまで)継続される。復帰制御では、検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616が進入している状態であるかがMPUH221(図1769参照)により判別され、検出センサM516の検出溝に被検出部M616が進入している状態である場合には、駆動モータM501が停止される(停止していた場合は停止状態が維持され、回転していた場合は停止される。図1800におけるタイミングf、図1803におけるタイミングd参照)。その駆動モータM501が停止された状態において検出センサM483の検出溝に被案内部M550の検出片M554(図1776参照)が進入している状態かがMPUH221(図1769参照)により判別される。検出センサM483の検出溝に検出片M554が進入している状態ではない場合には、昇降移動体M443が上昇方向に変位される方向(正方向)にMPUH221により駆動モータM442が回転駆動され、その回転駆動は、検出センサM483の検出溝に、昇降移動体M443により上昇される被案内部M550の検出片M554が進入しているとMPUH221(図1769参照)により判別されるまで(被案内部M550が上昇端位置に配置されるまで、図1800におけるタイミングg参照)継続される。被案内部M550が上昇端位置に配置されると、被案内部M550は回転連動部M466に下支えされるため(図1797参照)、昇降移動体M443によらずとも被案内部M550は上昇端位置で維持される。
次に、復帰制御では、検出センサM483の検出溝に被案内部M550の検出片M554(図1776参照)が進入している状態であるかが判別され、検出センサM483の検出溝に検出片M554が進入している状態である場合には、MPUH221により駆動モータM442が逆方向(昇降移動体M443が下降方向に変位される方向)に回転駆動される。この駆動モータM442の逆方向への回転駆動は、昇降移動体M443の前方突設部M444が検出センサM453の検出溝に進入しているとMPUH221(図1769参照)により判別されるまで(昇降移動体M443が受動突設部M462を変位させる直前の位置(待機位置、図1790(b)参照)に配置されるまで(図1800におけるタイミングh参照)継続される。次に、復帰制御では、検出センサM453の検出溝に昇降移動体M443の前方突設部M444が進入している状態であるかがMPUH221(図1769参照)により判別され、検出センサM453の検出溝に前方突設部M444が進入している状態である場合(昇降移動体M443が待機位置に配置されている場合)には、駆動モータM442が停止される(停止していた場合は停止状態が維持され、回転していた場合は停止される)。本実施形態では、復帰制御により被案内部M550及び可動装飾ユニットM600が上方向に移動開始した後においても、対応表示ME590(図1799参照)が維持される。対応表示ME590は、駆動モータM442の動作が停止された後において消され、第3図柄表示装置M81では別の表示が実行される。この場合、被案内部M550が上昇端位置に配置され、且つ可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態とされた状態(図1797参照)と併せて、対応表示ME590を視認させることができる。これにより、復帰制御が開始される前の被案内部M550及び可動装飾ユニットM600に実行される動作態様に関わらず、停止された可動装飾ユニットM600(図1797参照)に対応する表示として対応表示ME590を視認させることができ、対応表示ME590の演出効果を向上させることができる。上述のように、復帰制御では、被案内部M550の上昇移動と可動装飾ユニットM600の回転移動とが順次実行されるが、図1801の状態では、被案内部M550は既に上昇端位置に配置されているので、可動装飾ユニットM600を起き上がり側終端状態に戻す動作制御(第2の上下移動制御の第1動作を実行させるよう制御される駆動モータM501(図1781(a)参照)を第1動作の逆方向に駆動させる制御)のみが実行されるようにしても良い。なお、図1801に図示されるように被案内部M550が下降移動を開始していなかった場合に、第1動作のみの実行で終了し、即座に復帰制御を実行させるようにしても良い。第1動作は低速かつ短時間の動作であるので、第2動作まで実行された場合に比較して、遊技者に動作前の状態(図1797参照)との違いを把握させ難くすることができ、可動装飾ユニットM600が動作を開始したという印象を最小限に抑えることができる。復帰制御では、被案内部M550の上昇移動と可動装飾ユニットM600の回転移動とが順次実行される(可動装飾ユニットM600の回転移動の制御が先に実行開始され、続いて被案内部M550の上昇移動の制御が実行開始される)が、図1801の状態では、被案内部M550は既に上昇端位置に配置されているので、可動装飾ユニットM600を起き上がり側終端状態に戻す動作制御のみが完全な態様で実行され、被案内部M550を上昇させる動作制御は簡略化される。即ち、検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616が進入している状態であるかがMPUH221(図1769参照)により判別され、検出センサM516の検出溝に被検出部M616が進入している状態である場合には、駆動モータM501が停止される(停止していた場合は停止状態が維持され、回転していた場合は停止される)ことは、復帰制御についての上述の説明と同じ(完全な態様)であるが、駆動モータM442の動作制御が簡略化される。
詳細には、駆動モータM501が停止された状態(図1803におけるタイミングd参照)において検出センサM483の検出溝に被案内部M550の検出片M554(図1776参照)が進入している状態かがMPUH221(図1769参照)により判別された結果、駆動モータM442により昇降移動体M443が上昇されるのに要する最短期間として設定される予定期間(約100[msec])が経過する前に検出センサM483の検出溝に検出片M554が進入している状態である場合には、更に、検出センサM453の検出溝に昇降移動体M443の前方突設部M444が進入している状態であるかがMPUH221(図1769参照)により判別され、検出センサM453の検出溝に前方突設部M444が進入している状態である場合、駆動モータM442の正方向(昇降移動体M443が下降方向に変位される方向)への回転駆動が、昇降移動体M443の前方突設部M444が検出センサM453の検出溝に進入していない位置(図1790(a)参照)まで上昇されたとMPUH221(図1769参照)により判別される(図1803におけるタイミングe参照)まで継続される。この駆動モータ442が正方向に回転駆動されている状態において昇降移動体M443の前方突設部M444が検出センサM453の検出溝に進入していない位置まで上昇されたとMPUH221(図1769参照)により判別された場合、駆動モータM442は停止され、続いて駆動モータM442が逆方向(昇降移動体M443が下降方向に変位される方向)に回転駆動される(図1803におけるタイミングf参照)。この駆動モータM442の逆方向への回転駆動は、昇降移動体M443の前方突設部M444が検出センサM453の検出溝に進入しているとMPUH221(図1769参照)により判別されるまで(昇降移動体M443が受動突設部M462を変位させる直前の位置(待機位置、図1790(b)参照)に配置されるまで)継続される。そして、検出センサM453の検出溝に昇降移動体M443の前方突設部M444が進入している状態であるかがMPUH221(図1769参照)により判別され、検出センサM453の検出溝に前方突設部M444が進入している状態である場合(昇降移動体M443が待機位置に配置されている場合)には、駆動モータM442が停止される(停止していた場合は停止状態が維持され、回転していた場合は停止される)。このように、図1801及び図1802に図示される状態からの復帰制御では、昇降移動体M443により被案内部M550を上昇端位置まで押し上げる場合に比較して、昇降移動体M443の動作距離が短くなるように制御されているため(簡略化されているため)、被案内部M550の配置に関わらず昇降移動体M443を同じ距離で上下に昇降移動(往復移動)させる場合に比較して、復帰制御に要する時間を短縮化することができる。
本実施形態では、復帰制御により可動装飾ユニットM600が上方向に移動開始した後においても、対応表示ME590(図1799参照)が維持される。対応表示ME590は、駆動モータM442の動作が停止された(図1800におけるタイミングh、図1803におけるタイミングg参照)後において消され、第3図柄表示装置M81では別の表示が実行される。この場合、被案内部M550が上昇端位置に配置され、且つ可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態とされた状態(図1797参照)と併せて、対応表示ME590を視認させることができる。これにより、復帰制御が開始される前の被案内部M550及び可動装飾ユニットM600に実行される動作態様に関わらず、停止された可動装飾ユニットM600(図1797参照)に対応する表示として対応表示ME590を視認させることができ、対応表示ME590の演出効果を向上させることができる。本実施形態では、検出センサM453の検出溝に昇降移動体M443の前方突設部M444が進入している状態であるかがMPUH221(図1769参照)により判別され、検出センサM453の検出溝に前方突設部M444が進入している状態である場合(昇降移動体M443が待機位置に配置されている場合(図1800におけるタイミングh、図1803におけるタイミングg参照))に、駆動モータM442が停止され、且つ、対応表示ME590も消えるよう制御される。そのため、昇降移動体M443の動作距離が長いか短いかによって、対応表示ME590の維持期間が異なる場合を構成することができ、対応表示ME590を利用した演出の演出効果を向上させることができる。即ち、可動装飾ユニットM600に第2動作が実行された後、可動装飾ユニットM600が復帰制御により退避された後において対応表示ME590の維持期間を長く確保することができることから、遊技者が対応表示ME590を見逃す事態を避けることができる。一方、可動装飾ユニットM600に第2動作が実行されなかった場合(往復移動する可動装飾ユニットM600そのものや可動装飾ユニットM600の残像により対応表示ME590を隠す動作が実行された場合、図1803参照)対応表示ME590については可動装飾ユニットM600の往復動作により隠されてはいるものの、第2動作が実行された場合に比較して、露出される箇所が多く、対応表示ME590に対する遊技者の視認の程度も大きい。そのため、可動装飾ユニットM600が復帰制御により退避された後において対応表示ME590の維持期間を短く設定することにより、遊技者が対応表示ME590を視認する期間が過度に長くなることを避け、遊技者が対応表示ME590に飽きることを避けることができる。なお、対応表示ME590を維持する期間の設定はこれに限られるものではなく、種々の態様が設定可能とされる。例えば、対応表示ME590が維持される条件として、復帰制御により被案内部M550及び可動装飾ユニットM600が復帰されてから予め設定される特定の秒数だけ維持されるよう設定されても良いし、被案内部M550又は可動装飾ユニットM600が次に動作されるまで維持されるよう設定されても良い。なお、第2の上下移動制御において第3図柄表示装置M81に表示される表示は対応表示ME590に限られるものではなく、例えば、対応表示ME590とは異なる第2対応表示ME592(図1801参照)が対応表示ME590の代替または対応表示ME590と併せて表示されようにしても良い。この第2対応表示ME592の意味合いについては何ら限定されるものではないが、本実施形態では、表示される場合の方が、表示されない場合に比較して、大当たり期待度(即ち、抽選が大当たりである割合)が高いことを示唆する。
第2対応表示ME592は、対応表示ME590の内部領域の一部に表示され、被案内部M550が落下終端位置に配置されている場合(図1799参照)には板状本体部M510に隠される一方で、被案内部M550が上昇端位置に配置されている場合(図1801参照)には板状本体部M510には隠されないが、可動装飾ユニットM600には隠され得る(図1802参照)位置に構成される。即ち、可動装飾ユニットM600が往復回転動作される場合において、可動装飾ユニットM600が傾倒側終端状態の場合には第2対応表示ME592が隠れ、傾倒側終端状態における位置から退避すると第2対応表示ME592が露出されることから、可動装飾ユニットM600が往復回転動作をしている最中に遊技者は第2対応表示ME592を視認することができる。第2対応表示ME592の表示開始タイミングは、対応表示ME590の表示開始タイミングよりも遅らせる。詳しくは、第2の上下移動制御が開始されて所定時間(約250[msec])経過した時に表示される。これにより、被案内部M550が落下する場合において、落下終端位置に到達する前に第2対応表示ME592が実行されることを避けることができる。また、第2対応表示ME592の表示終了タイミングは、対応表示ME590の表示終了タイミングと同じとしている。これにより、第2対応表示ME592が視認されるタイミングを、被案内部M550が落下したか否かで異ならせることができる。即ち、被案内部M550が落下した場合(図1799参照)、復帰制御により被案内部M550が上昇され板状本体部M510が上方に退避されることで始めて第2対応表示ME592を視認可能となる。一方で、被案内部M550が落下しなかった場合(図1801及び図1802参照)、復帰制御が開始される前に可動装飾ユニットM600が往復動作している最中において第2対応表示ME592が視認可能とされる。従って、第2対応表示ME592に注目させるタイミングを複数構成することができるので、第3図柄表示装置M81に対する注目力を向上させることができる。上述したように、第2の上下移動制御において、第1動作の後の第2動作は、検出センサM483により被案内部M550が下降移動を開始したことが検出された場合に実行される。即ち、検出センサM483は、演出動作ユニットM500の動作状況を把握可能なセンサとしての機能を有する。なお、被案内部M550の検出片M554が進入可能に構成される被進入物体である検出センサM483は、検出片M554を移動範囲の終端において検出するものに限られるものではなく、検出片M554を移動範囲の途中において検出するものでも良い。このように、本実施形態では、第2の上下移動制御の途中であっても、検出センサM483の検出状況に基づき、第2の上下移動制御が中断され、可動装飾ユニットM600を戻す動作を含む復帰制御に切り替えられ得るよう構成される。
<発光制御>
電飾基板M630のLEDの発光パターンの一例として、光が横一文字で視認されるよう制御可能(点灯させるLEDを選択可能)に構成されている。即ち、電飾基板M630のLEDの発光態様として、被案内部M550が上昇端位置に配置された場合における可動装飾ユニットM600の起き上がり側終端状態(図1797参照)において光が横一文字で視認される第1横ライン発光態様と、可動装飾ユニットM600が第1動作され姿勢が傾斜した場合(図1801参照)において光が横一文字で視認される第2横ライン発光態様とが、用意されている。本実施形態では、第2の上下移動制御において可動装飾ユニットM600の第1動作が実行された後で、検出センサM483により被案内部M550が落下を開始していないと判断された場合、第2の上下移動制御の開始時において電飾基板M630が第1横ライン発光態様で制御されていた場合に電飾基板M630の発光態様を第2横ライン発光態様に変化可能に制御される。これにより、可動装飾ユニットM600の動作に不具合が生じた場合であっても、可動装飾ユニットM600を通した光の視認態様は正常な状態と変わりなく視認されることから、可動装飾ユニットM600に不具合が生じたことを遊技者に気付かれないようにすることができる。また、検出センサM483の検出の切り替わりが生じていないことから、電飾基板M630を消灯する制御が開始されないので、電飾基板M630の発光が維持される。そのため、可動装飾ユニットM600の状態の変化を目立たせ難くでき、遊技者に違和感を与え難くすることができる。図1804は、スライド動作役物ユニットM700の分解正面斜視図であり、図1805は、スライド動作役物ユニットM700の分解背面斜視図である。スライド動作役物ユニットM700は、左右長尺に形成されており左端部から垂下する垂下部を有し背面ケースM310の底壁部M311(図1771参照)に締結固定される本体部M710と、その本体部M710に締結固定される駆動モータM720と、その駆動モータM720の駆動力が伝達されることで直線方向にスライド変位可能に本体部M710に支持される第1スライド部M730と、を主に備える。また、スライド動作役物ユニットM700は、第1スライド部M730が本体部M710との前後方向間に位置するように配置され本体部M710に締結固定される固定伝達部M740と、その固定伝達部M740の下方に配置され第1スライド部M730のスライド移動に連動されて第1スライド部M730の移動方向と平行な直線方向にスライド変位可能に本体部M710に支持される第2スライド部M750と、第1スライド部M730、固定伝達部M740及び第2スライド部M750を本体部M710との間に配置させるように本体部M710に締結固定される前カバー部M760と、その前カバー部M760に一部が重なるように前カバー部M760の前方に配置され第2スライド部M750に締結固定される移動装飾部M770と、を主に備える。
本体部M710は、左右両端まで亘って右下傾斜の長孔状に穿設される主案内開口M711と、その主案内開口M711の上側において主案内開口M711と平行であって主案内開口M711よりも短い長孔状に穿設される補助案内開口M712と、その補助案内開口M712の左端部側に検出溝が向けられる検出センサM713と、左端の垂下部に締結固定される中継基板M714と、その中継基板M714に接続され移動装飾部M770に電力を供給する帯状ケーブルM701を折り返し位置(左右長さの半分の位置)の長さまで本体部M710に固定するケーブル固定部M715と、垂下部において中継基板M714の前方の開放部に蓋をする蓋部M716と、帯状ケーブルM701を下面に沿って案内可能となるように前側に張り出す平面壁状部M717と、を主に備える。駆動モータM720は、本体部M710の背後に締結固定されており、本体部M710を前方へ貫通される駆動軸に駆動ギアM721が固定されており、その駆動ギアM721に歯合されており互いに連動して回転可能に構成される伝達ギアM722が本体部M710に回転可能に支持される。第1スライド部M730は、上面にギア歯(複数の凹部および凸部)が形成される板状部材であって、背面側へ円柱状に突設形成され補助案内開口M712に挿通される複数の案内突部M731と、左端部から上方へ板状に延設され検出センサM713の検出溝に進入可能とされる検出片M732と、左側寄りの位置から前方へ円柱形状で突設される支持突設部M733と、その支持突設部M733に回転可能に支持される移動伝達ギアM734と、を主に備える。案内突部M731には、先端から雌ネジが形成されており、補助案内開口M712の上下幅よりも長い直径で形成されるリング状のカラー部材M731aを介して締結ネジが螺入される。これにより、第1スライド部M730の補助案内開口M712からの脱落が防止されると共に、スライド移動時に生じる抵抗をカラー部材M731aの滑り回転により低減させることができる。支持突設部M733には、先端から雌ネジが形成されており、その先端にツバ付きのネジが螺入固定されることにより、移動伝達ギアM734が支持突設部M733から脱落することを防止する。固定伝達部M740は、下面に形成されるギア歯(複数の凹部および凸部)が主案内開口M711の延びる方向と平行な方向に延びるように形成される板状部材であって、本体部M710に締結固定された状態において移動伝達ギアM734が歯合可能とされる。第2スライド部M750は、移動伝達ギアM734に歯合されるギア歯(複数の凹部および凸部)が上面に形成される板状部材であって、背面側へ円柱状に突設形成され主案内開口M711に挿通される複数の案内突部M751と、移動装飾部M770が締結固定可能に開口形成される複数の締結孔M752と、を主に備える。
案内突部M751には、先端から雌ネジが形成されており、主案内開口M711の上下幅よりも長い直径で形成されるリング状のカラー部材M751aを介して締結ネジが螺入される。これにより、第2スライド部M750の主案内開口M711からの脱落が防止されると共に、スライド移動時に生じる抵抗をカラー部材M751aの滑り回転により低減させることができる。締結孔M752の間には、締結孔M752の中心間を通る直線方向に沿う凹部を形成する上下一対のリブ部が形成される。このリブ部により、第2スライド部M750の剛性が向上される。前カバー部M760は、主案内開口M711と平行な直線方向に延びる形状の突条として前方へ突設される突条部M761を備える。突条部M761は、移動装飾部M770が後方変位したり、移動装飾部M770が後倒れ方向に姿勢変化したりした場合に背面が当接可能とされており、その形成方向が移動方向と合致されていることから、当接が生じた場合であっても移動装飾部M770の移動抵抗の上昇を抑制することができる。移動装飾部M770は、正面視において、人の頭部を模した意匠として設計される。この頭部に対応する胴体部等については、第3図柄表示装置M81(図1770参照)での表示に補完される。移動装飾部M770は、第3図柄表示装置M81の表示領域の外方に位置することから、換言すれば、第3図柄表示装置M81のみで表示する場合には第3図柄表示装置M81の表示枠の内側で表示を完結させなければみっともない場合が多いところ、移動装飾部M770により表示を補完するように構成することで、実質的に、表示枠の大きさを拡大することができ、演出の自由度を向上させることができる。移動装飾部M770は、背面側から円柱状に突設され中心部に雌ネジを有し第2スライド部M750の締結孔M752に締結固定される複数の締結突設部M771と、その締結突設部M771の間に形成される突条部M772と、下端部から後方に張り出す部分を有することで右面視L字形状で右方に延設される配線案内部M773と、帯状ケーブルM701を基板に接続する直前において留める配線留め部M774と、内部に配設され帯状ケーブルM701が接続される電飾基板M775と、を主に備える。突条部M772は、第2スライド部M750の締結孔M752の中心間に形成される凹部に嵌め込まれる。これにより、互いに締結固定される第2スライド部M750及び移動装飾部M770の剛性の向上を図ることができる。配線案内部M773は、帯状ケーブルM701を案内すると共に帯状ケーブルM701が下方へ垂れることを防止可能な形状とされている。即ち、本実施形態によれば、移動装飾部M770がスライド移動しても帯状ケーブルM701が下方に垂れることが防止される。電飾基板M775は、正面側に光を照射するLED等の発光手段を有する基板であって、移動装飾部M770の明るさや色合いを変化可能に制御される。発光態様の制御は、停止時だけでなく、移動装飾部M770の移動中において移動態様に対応した制御が可能とされる。
図1806(a)及び図1806(b)は、スライド動作役物ユニットM700の正面図である。なお、図1806(a)及び図1806(b)では、内部構造の理解を容易とするために前カバー部M760の図示が省略され、移動装飾部M770については外形のみが想像線で図示される。図1806(a)及び図1806(b)に図示されるように、スライド動作役物ユニットM700は、移動装飾部M770が移動可能範囲の左端位置(上端位置)に配置される第1の状態と、移動装飾部M770が移動可能範囲の右端位置(下端位置)に配置される第2の状態とを往復移動可能に構成される。移動装飾部M770の第1の状態は、検出センサM713の検出溝に検出片M732が位置していることから、音声ランプ制御装置H113(図1769参照)により把握される。移動装飾部M770の第1の状態から駆動モータM720(図1804参照)が正方向(正面視時計回り)に駆動回転されることで、移動装飾部M770が第2の状態へ向けて移動される。本実施形態では、移動装飾部M770の移動速度が、第1の状態から第2の状態へ向けて移動される場合には第1の速度(本実施形態では、駆動モータM720が150[rpm]で回転される際の速度)とされ、第2の状態から第1の状態へ向けて移動される場合には第2の速度(本実施形態では、駆動モータM720が100[rpm]で回転される際の速度)とされるように、駆動モータM720(図1804参照)は動作制御される。これにより移動装飾部M770の移動態様を画一化することができるので、例えば、稀に移動装飾部M770が超高速で移動するような場合と異なり、遊技者が移動装飾部M770を見失う事態を避けることができる。移動装飾部M770の第1の状態と第2の状態との間の変位は、主案内開口M711及び補助案内開口M712に沿う直線方向の変位であり、第2スライド部M750の上面に形成されるギア歯に歯合される移動伝達ギアM734を介して第1スライド部M730と連動される。ここで移動伝達ギアM734は、第1スライド部M730の移動に伴い固定伝達部M740に対して歯合回転されるので、第1スライド部M730の移動速度に対して移動伝達ギアM734に歯合される第2スライド部M750の移動速度が増速される。これにより、第2スライド部M750に締結固定される移動装飾部M770の移動速度も増速可能とされる。移動伝達ギアM734は、伝達ギアM722と同形状で形成されるギア部材である。また、第2スライド部M750の上面に形成されるギア歯は、固定伝達部M740の下面に形成されるギア歯および第1スライド部M730の上面に形成されるギア歯と同形状で形成されている。これにより、第1スライド部M730の移動速度に対する第2スライド部M750(及び移動装飾部M770)の増速の程度は、2倍となる。即ち、第2スライド部M750(及び移動装飾部M770)の変位量は、第1スライド部M730の変位量の2倍となる。これにより、第1スライド部M730の移動量を抑えながら、第2スライド部M750の移動量を大きく確保することができる。本実施形態によれば、移動装飾部M770の第1の状態では、第1スライド部M730の左右方向位置を固定伝達部M740と同程度としながら第2スライド部M750を固定伝達部M740よりも左側に引き込んだ位置とする一方で、移動装飾部M770の第2の状態では、第1スライド部M730及び第2スライド部M750の左右位置を固定伝達部M740よりも右側に同程度張り出した位置とすることができる。即ち、移動装飾部M770は、所定の直線方向に平行移動することで退避した第1の状態と張出した第2の状態とで変位する張出物体として構成される。
図1807(a)、図1807(b)及び図1807(c)は、導光板M260の正面図である。図1807(a)、図1807(b)及び図1807(c)では、光の導光態様が異なる場合が図示される。図1807(a)に図示されるように、導光板M260は、上面側に第1電飾基板M261が配置され、右面側に第2電飾基板M262及び第3電飾基板M263が配置される。第1電飾基板M261、第2電飾基板M262及び第3電飾基板M263は、対向配置される導光板M260の各面に対して平行に延びる板状基板であって、導光板M260に対向する位置にLED等の発光手段が等間隔に配置される。第1電飾基板M261、第2電飾基板M262又は第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段から照射される光は導光板M260の端部から導光板M260へ導光され、導光板M260面上に楔形状で凹設される凹設部で屈折されることで、凹設部により形成される形状が光により描かれる態様で遊技者に視認される。第1電飾基板M261、第2電飾基板M262及び第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段の点灯、消灯は、それぞれ独立して実行可能に制御される。例えば、第1電飾基板M261、第2電飾基板M262及び第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段を全て消灯させている状態(図1807(a)参照)から、第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段を同時に点灯させ、第2電飾基板M262に配置されるLED等の発光手段については消灯したままの状態(図1807(b)参照)としたり、第2電飾基板M262に配置されるLED等の発光手段を点灯させ第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段については消灯したままの状態(図1807(c)参照)としたりする制御が可能である。第1電飾基板M261、第2電飾基板M262又は第3電飾基板M263を任意のタイミングで個別に点灯、消灯させる制御は当然可能である。また、第1電飾基板M261、第2電飾基板M262又は第3電飾基板M263のうち任意の基板を組み合わせて同時に点灯、消灯させる制御が可能とされる。また、第1電飾基板M261(第2電飾基板M262、第3電飾基板M263)に配置されるLED等の発光手段は、全てを同時に点灯、消灯させる制御に限られず、一部のLEDのみを点灯させるといった制御も可能とされる。この場合において、例えば、第1電飾基板M261に配置されるLED等の発光手段のうち、左側半分のみを点灯させる状態と、右側半分のみを点灯させる状態とを構成したり、それらを切り替えたりするように制御することが可能である。同様に、例えば、第1電飾基板M261に配置されるLED等の発光手段のうち、左端のLEDを点灯させた直後に、隣のLEDを点灯させ、またその直後に更に隣のLEDを点灯させ、といったふうに点灯させるLEDを動的に変化させるように制御することが可能である。
図1807(b)に図示されるように、本実施形態では、導光板M260が複雑な形状であって、第1電飾基板M261が導光板M260の上面全体を覆ってはいない態様であるにも関わらず、第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段を点灯させることにより、導光板M260の全体で光により描かれる第1発光形状M271を視認させることができる。第1発光形状M271は、動作ユニットM300(図1771参照)で遊技者に視認されるいずれかの意匠と関係のある形状とされている。そのため、動作ユニットM300における動作と、第1発光形状M271を視認させる第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263の制御とを対応付けることにより、一体的な演出として遊技者に視認させることができる。第1発光形状M271が遊技者に視認される場合(第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段が点灯制御される場合)、導光板M260の全域が発光しているように視認させ、導光板M260を透過して後方を視認することを困難とすることができる。図1807(c)に図示されるように、第2電飾基板M262に配置されるLED等の発光手段を点灯させることにより、導光板M260の上端側のみで光により描かれる第2発光形状M272を視認させることができる。第2発光形状M272は、第1発光形状M271とは異なり、動作ユニットM300(図1771参照)で遊技者に視認されるいずれかの意匠に関わらず、遊技者が意味内容を把握可能となる態様で形成される(本実施形態では、「大チャンス」の文字が形成される)。そのため、動作ユニットM300における動作の実行の有無に関わらず、第2電飾基板M262に配置されるLED等の発光手段を点灯させることで遊技者の注目力を第2発光形状M272に集めることができ、特定の意味内容の報知を実行することができる。第2発光形状M272を構成する位置で導光板M260面上に楔形状で凹設される凹設部は、第1電飾基板M261から照射される光は屈折させず、第2電飾基板M262から照射される光は屈折させる形状で形成される。これにより、第1発光形状M271と第2発光形状M272とを、独立して遊技者に視認させることができる。また、第1電飾基板M261、第2電飾基板M262及び第3電飾基板M263に配置されるLED等の発光手段を全て点灯させれば、第1発光形状M271と第2発光形状M272とを同時に視認させることができる。
図1808、図1809及び図1810は、第3図柄表示装置M81、複合動作役物ユニットM400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800の正面図である。図1808、図1809及び図1810では、関連動作制御の一例(第1の関連動作制御)が時系列で図示される。第1の関連動作制御は、上述した第2の上下移動制御を含んで構成される。図1808では、被案内部M550が落下終端位置に位置し可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態とされ移動装飾部M770が第1の状態とされており、図1809では、被案内部M550が中間位置に位置し可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態とされ移動装飾部M770が第1の状態とされており、図1810では、被案内部M550が中間位置に位置し可動装飾ユニットM600が伸長状態とされ移動装飾部M770が第2の状態とされている。第1の関連動作制御では、第3図柄表示装置M81において、移動装飾部M770の意匠を補完する意匠であって移動装飾部M770の意匠と一体的に把握可能な連動意匠M781が表示され、移動装飾部M770が移動することに基づいて共に移動する態様で動的に表示される。即ち、移動装飾部M770が左側終端(第1の状態)から右側終端(第2の状態)まで移動する一連の動作に合わせて、第3図柄表示装置M81の表示が更新(可変)される。連動意匠M781は、移動装飾部M770に描かれる「人」に対応する胴体と、両腕と、その両腕に装着された「ボクシング用グローブ」と、を備えており、右腕は構え、左腕は正面側に延ばして突きを出している態様から構成される。移動装飾部M770の移動が、第3図柄表示装置M81の表示面と平行な同一平面内でのスライド移動とされており、移動装飾部M770の移動前後で正面視における移動装飾部M770の形状が不変とされることから、第3図柄表示装置M81で表示される連動意匠M781においても同じ形状を表示しておき移動装飾部M770の移動に合わせて表示を変位させるように制御すれば移動装飾部M770と連動意匠M781とを一体的に視認させることが可能となるので、動作制御および表示の制御の難易度を低くすることができる。図1808に図示される状態は、被案内部M550が落下終端位置に位置し可動装飾ユニットM600が傾倒側終端状態とされた状態(図1799参照)から、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態へ回転移動された状態に相当する。図1808において、可動装飾ユニットM600が第3図柄表示装置M81の表示と重なる位置にあるので、前後の位置関係の分、表示よりも、可動装飾ユニットM600に遊技者の注目を集め易くすることができる(目立たせることができる)。図1808及び図1809に図示されるように、被案内部M550の上昇移動は、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態になった後で実行される。これは、可動装飾ユニットM600が傾倒側終端状態(図1799参照)や伸長状態(図1780(b)参照)の時に被案内部M550の上昇移動を行うと、その上昇移動に伴う板状本体部M510の姿勢変化の影響で可動装飾ユニットM600の回転先端側がより下側へ張り出し、他の役物(昇降動作役物ユニットM800、球案内ユニットM900等、図1772参照)と衝突し得るためであり、その衝突を未然に防ぐためである。図1808及び図1809に図示されるように、可動装飾ユニットM600の起き上がり方向への回転移動は、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が停止している時に実行される。
図1809及び図1810に図示されるように、スライド動作ユニットM700の移動装飾部M770の移動は、被案内部M550が中間位置で停止された後で実行される。このように制御される理由の一つは、移動中における移動装飾部M770の縁を演出動作ユニットM500の板状本体部M510で覆うことで、その視認性を低下させることにある。本実施形態では、移動装飾部M770の第1の状態と第2の状態との間の変位は、第1スライド部M730が駆動ギアM721に歯合される伝達ギアM722を介してスライド移動され、第2スライド部M750が上面に形成されるギア歯に歯合される移動伝達ギアM734を介して第1スライド部M730と連動されることにより生じるようになっており、介在されるギアがいくつもあるため、動作時におけるバックラッシを避けることが困難であり、駆動モータM720に実行される駆動制御と、移動装飾部M770の変位態様とにずれが生じ得る。更には、ギアを歯合回転させるために必要となる隙間が各歯合箇所に設けられるため、バックラッシの発生箇所もバラバラとなり得るため、連動意匠M781の動的表示を、駆動モータM720の駆動制御から想定される移動装飾部M770の変位に対応させたとしても、実際の移動装飾部M770の変位と連動意匠M781の動的表示との間でずれが生じ得る。これに対し、スライド動作ユニットM700の移動装飾部M770と第3図柄表示装置M81との境界領域が遊技者に視認され易くなることを避け、移動装飾部M770と連動意匠M781とを分断して視認させることで、第1の関連動作制御において第3図柄表示装置M81において移動装飾部M770の配置に合わせて連動意匠M781を表示させる場合において、移動装飾部M770と連動意匠M781との間に多少の位置ずれが生じたとしても、遊技者に与える違和感を最小限に抑えることができる。スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第1の状態(図1809参照)から第2の状態(図1810参照)に変化するまでの期間に、同時に可動装飾ユニットM600が回転移動される。即ち、移動装飾部M770が第1の状態から移動開始すると同時に可動装飾ユニットM600が回転移動を開始し、移動装飾部M770及び可動装飾ユニットM600は共に等速で移動され、移動装飾部M770が第2の状態に到達すると同時に可動装飾ユニットM600が傾倒側終端状態に到達する。この可動装飾ユニットM600の回転移動により遊技者の注目が可動装飾ユニットM600に誘導されることにより、板状本体部M510の内側に形成される円弧状貫通部M515を通して第3図柄表示装置M81の表示が視認され得るよう構成されている場合であっても、遊技者が移動装飾部M770と表示との間の領域を視認する可能性を低くすることができる。これにより、移動装飾部M770と表示との間に多少の位置ずれが生じたとしても、遊技者に与える違和感を最小限に抑えることができる。図1809に図示される状態から図1810に図示される状態への可動装飾ユニットM600の回転移動により、板状本体部M510の下側において視認される第3図柄表示装置M81の表示領域の面積が小さくされる。これにより、第3図柄表示装置M81における動的表示を更に視認させにくい状態を構成可能となる。このように、演出動作ユニットM500において、被案内部M550が落下終端位置に配置される場合か、中間位置に配置される場合かに関わらず、可動装飾ユニットM600が同様の最大動作幅で動作可能となるよう構成される。ここで、可動装飾ユニットM600の回転移動は、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770の移動と同時に実行されるので、移動装飾部M770の移動開始時には、板状本体部M510の下側において視認される第3図柄表示装置M81の表示領域の面積は十分大きくされているため、第3図柄表示装置M81に表示される連動意匠M781を遊技者に明確に視認させることができる。
スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770の移動が開始されると、可動装飾ユニットM600が回転移動を開始することで連動意匠M781が表示される面積が徐々に小さくされることになるが、移動装飾部M770が右下方向へ移動するのと共に同方向に一体的に移動を開始する連動意匠M781の移動開始時点においては連動意匠M781が表示される面積は小さくされていないので、移動開始時点における連動意匠M781を遊技者が視認し易く構成される。そのため、遊技者に対して、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770と連動意匠M781とが一体的に移動しているという印象を持たせることができ、連動意匠M781が見え難くなった後においても、移動装飾部M770を視認させることにより連動意匠M781の存在を遊技者に想像させ続けることができる。即ち、可動装飾ユニットM600に隠されているにも関わらず、その隠されている部分については、遊技者に記憶を基に補完させるように図ることにより、演出動作ユニットM500に連動意匠M781が分断されて表示範囲(表示の内容)の大きさが制限されることを回避することができる。第1の関連動作制御では、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第2の状態まで到達した後、第1の状態側に所定量(約2cm)戻された後で再び第2の状態まで到達する繰り返し往復動作が実行される。この繰り返し往復動作と同時に、第3図柄表示装置M81では、連動意匠M781が移動装飾部M770と移動タイミング、移動速度、移動量および移動方向を同じとして平行移動されるように制御される。これにより、移動装飾部M770が第2の状態に到達した後においても、移動装飾部M770と連動意匠M781とが一体的な意匠であるとの印象を遊技者に想起させることができ、板状本体部M510及び可動装飾ユニットM600に隠されている箇所の裏側に表示されているだろう内容を遊技者が自ら補完し易くすることができる。移動装飾部M770及び連動意匠M781の繰り返し往復移動と同時に、可動装飾ユニットM600の伸縮動作が実行される。これにより、移動装飾部M770及び連動意匠M781の意匠と、可動装飾ユニットM600との関連性を遊技者に想起させ、広範囲での演出動作を遊技者に視認させることができる。上述したように、第1の関連動作制御では、演出動作ユニットM500の上昇動作開始前に可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態まで変位され(図1808参照)、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態に到達した後で演出動作ユニットM500の被案内部M550が上昇され(図1809参照)、その後で可動装飾ユニットM600が最大動作幅(傾倒側終端状態、伸長状態)となるまで演出動作ユニットM500に対して相対的に回転移動される(図1810参照)。このように、被案内部M550が移動される際には可動装飾ユニットM600の演出動作ユニットM500に対する移動(相対移動)が停止され、可動装飾ユニットM600が演出動作ユニットM500に対して移動(相対移動)する場合には被案内部M550が移動されずに停止されるように構成されており、互いの動作が独立している。これにより、被案内部M550の移動中に可動装飾ユニットM600が回転移動される場合(第2の上下移動制御等)と異なり、被案内部M550と可動装飾ユニットM600とが、互いに、動作の影響を受けることを回避できる(反動や助走が生じないように構成できる)。
図1810に図示される状態からの第1の関連動作制御における復帰制御は、スライド動作役物ユニットM700の動作に対応して複合動作役物ユニットM400の動作タイミングが設定されている。まず、第1の関連動作制御における復帰制御では、駆動モータM501(図1775参照)の駆動と駆動モータM720(図1804参照)の駆動とが同時に開始される。即ち、駆動モータM501が逆方向(正面視反時計回り方向)に駆動回転されることによる可動装飾ユニットM600の起き上がり側終端状態へ向かう動作と、駆動モータM720が逆方向(正面視反時計回り)に駆動回転されることによるスライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第2の状態(図1810参照)から第1の状態へ向かう動作とが同時に実行される。詳細には、第1の関連動作制御における復帰制御では、開始時にまず検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616(図1778参照)が進入している状態かがMPUH221(図1769参照)により判別され、検出センサM516の検出溝に被検出部M616が進入している状態ではない場合には、駆動モータM501(図1775参照)が逆方向(正面視反時計回り方向)に90[rpm]の速さ(ピン付きギアM582が30[rpm]で回転する速さ)で回転駆動され、その回転駆動が検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616が進入していると判別されるまで(可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態となるまで)継続される。また、第1の関連動作制御における復帰制御では、上述の制御と平行して、開始時にまず検出センサM713の検出溝に第1スライド部M730の検出片M732(図1804参照)が進入している状態かがMPUH221(図1769参照)により判別され、検出センサM713の検出溝に検出片M732が進入している状態ではない場合には、駆動モータM720(図1804参照)が逆方向(正面視反時計回り方向)に回転駆動され、その回転駆動が検出センサM713の検出溝に第1スライド部M730の検出片M732が進入していると判別されるまで(移動装飾部M770が第1の状態となるまで)継続される。
次いで、第1の関連動作制御における復帰制御では、検出センサM516の検出溝に可動装飾ユニットM600の被検出部M616(図1778参照)が進入している状態であるかがMPUH221(図1769参照)により判別され、検出センサM516の検出溝に被検出部M616が進入している状態である場合には、駆動モータM501(図1775参照)が停止される(停止していた場合は停止状態が維持され、回転していた場合は停止される)。また、第1の関連動作制御における復帰制御では、上述の制御と平行して、検出センサM713の検出溝に第1スライド部M730の検出片M732(図1804参照)が進入している状態かがMPUH221(図1769参照)により判別され、検出センサM713の検出溝に検出片M732が進入している状態である場合には、駆動モータM720(図1804参照)が停止される(停止していた場合は停止状態が維持され、回転していた場合は停止される)。次いで、上述のように駆動モータM501(図1775参照)及び駆動モータM720(図1804参照)が停止された状態(検出センサM516の検出溝に被検出部M616が進入しており、検出センサM713の検出溝に検出片M732が進入している状態)において、検出センサM483の検出溝に被案内部M550の検出片M554(図1776参照)が進入している状態かがMPUH221(図1769参照)により判別される。検出センサM483の検出溝に検出片M554が進入している状態ではない場合には、昇降移動体M443が上昇方向に変位される方向(正方向)にMPUH221により駆動モータM442が回転駆動され、その回転駆動は、検出センサM483の検出溝に、昇降移動体M443により上昇される被案内部M550の検出片M554が進入しているとMPUH221(図1769参照)により判別されるまで(被案内部M550が上昇端位置に配置されるまで)継続される。被案内部M550が上昇端位置に配置されると、被案内部M550は回転連動部M466に下支えされるため(図1797参照)、昇降移動体M443によらずとも被案内部M550は上昇端位置で維持される。復帰制御では、検出センサM483の検出溝に被案内部M550の検出片M554(図1776参照)が進入している状態であるかが判別され、検出センサM483の検出溝に検出片M554が進入している状態である場合には、MPUH221により駆動モータM442が逆方向(昇降移動体M443が下降方向に変位される方向)に回転駆動される。この駆動モータM442の逆方向への回転駆動は、昇降移動体M443の前方突設部M444が検出センサM453の検出溝に進入しているとMPUH221(図1769参照)により判別されるまで(昇降移動体M443が受動突設部M462を変位させる直前の位置(待機位置、図1790(b)参照)に配置されるまで)継続される。
次いで、復帰制御では、検出センサM453の検出溝に昇降移動体M443の前方突設部M444が進入している状態であるかがMPUH221(図1769参照)により判別され、検出センサM453の検出溝に前方突設部M444が進入している状態である場合(昇降移動体M443が待機位置に配置されている場合)には、駆動モータM442が停止される(停止していた場合は停止状態が維持され、回転していた場合は停止される)。このように、第1の関連動作制御における復帰制御では、移動装飾部M770が第1の状態に到達したことが検出センサM713(図1806参照)により検出され、且つ、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態へ向けて移動され、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態に到達したことが検出センサM516により検出された後で、被案内部M550が上昇端位置へ向けて移動される。第3図柄表示装置M81に表示される連動意匠M781は、移動装飾部M770と一体的に移動され、移動装飾部M770が第1の状態で停止することに伴い異なる表示に切り替えられる。このような制御とすることで、移動装飾部M770及び連動意匠M781を退避させる場合において、移動装飾部M770及び連動意匠M781よりも前側に配置される演出動作ユニットM500の可動装飾ユニットM600についても同時に動作させることで注目させることができ、遊技者の視線(注目力)が退避する移動装飾部M770及び連動意匠M781のみに集中することを避けることができる。これにより、移動装飾部M770及び連動意匠M781の動作にずれが生じた場合であっても、そのずれを遊技者が視認する可能性を低くすることができる。図1811は、第3図柄表示装置M81、複合動作役物ユニットM400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800の正面図である。図1811では、手前側に導光板M260が配置され第1発光形状M271で発光されている様子が図示される。導光板M260は、複合動作役物ユニットM400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800の手前側において第1発光形状M271を視認させることが可能に構成される。第1発光形状M271は、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770(図1810参照)の意匠に対応する形状とされている。即ち、第1発光形状M271では、移動装飾部M770の胴体等が表示された連動意匠M781の備えるグローブが拡大された状態で描かれ、中央に「K.O.」の文字が表記され、中央部へ向けた直線が無数に描かれる。導光板M260が第1発光形状M271により全体が密に埋められているため、第1発光形状M271を介して光が視認されている状態では、導光板M260の背後の状態が見え難くなる。第1発光形状M271を介する光を照射するのは、第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263(図1807参照)である。第1の関連動作制御では、第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263からの光照射が、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第2の状態(図1810参照)とされてから時間を空けて実行される。これにより、移動装飾部M770の第2の状態へ向けた移動中や、移動装飾部M770が第2の状態とされるのと同時に第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263(図1807参照)からの光照射が実行される場合に比較して、スライド移動中や移動終了直後における移動装飾部M770及び連動意匠M781の視認性を向上させ、遊技者が見逃すことを回避し易くすることができる。なお、第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263からの光照射が、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第2の状態(図1810参照)とされると同時に実行されるようにしても良い。この場合、移動装飾部M770が第2の状態となるや否や第1発光形状M271に注目させることができるので、移動装飾部M770から遊技者の視線を早期に外すことができ、移動装飾部M770の復帰制御を実行させるタイミングを早めることができる。第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263(図1807参照)からの光照射が実行された後は、第1発光形状M271で導光板M260が埋められることになり遊技者は移動装飾部M770(図1810参照)や第3図柄表示装置M81を視認し難くなる。第1の関連動作制御では、第1電飾基板M261及び第3電飾基板M263(図1807参照)からの光照射が実行されている状態において移動装飾部M770が第2の状態から第1の状態へ向けてスライド移動され、このスライド移動と共に連動意匠M781が平行移動される。これにより、移動装飾部M770と連動意匠M781との境界が多少ずれた場合であっても、そもそも視認が困難なので、遊技者に違和感を与えることを避けることができる。
<顔がスライド移動しなかった場合のエラー制御>
第1の関連動作制御では、第3図柄表示装置M81に表示される連動意匠M781(図1810参照)の平行移動が、移動装飾部M770を駆動させる駆動モータM720(図1804参照)の駆動開始と連動するように実行される。駆動モータM720(図1804参照)の駆動開始後において、検出センサM713(図1804参照)により検出態様が切り替われば、音声ランプ制御装置H113(図1769参照)は駆動モータM720が正常に駆動されていると判断し、連動意匠M781の平行移動を継続させる。一方で、駆動モータM720(図1804参照)の駆動開始後において、検出センサM713(図1804参照)により検出態様が切り替わらなかった場合、音声ランプ制御装置H113(図1769参照)は駆動モータM720に動作不良が生じていると判断し、連動意匠M781の移動態様を変更することで対処するよう構成されている。即ち、移動方向(傾斜角度)をより下向き側へ変化させ、連動意匠M781の上側に空いた領域に移動装飾部M770の意匠と同様の表示(立体的な移動装飾部M770を正面視での平面的な意匠で変換した表示)をさせるように制御される。これにより、駆動モータM720に動作不良が生じた場合であっても遊技者に与える違和感を少なくすることができる。移動装飾部M770と連動意匠M781との関連動作は、これに限られるものではない。例えば、移動装飾部M770の移動方向と連動意匠M781の移動方向とを非平行とする場合を構成可能としても良いし、逆方向とする場合を構成可能としても良い。また、基準となるタイミングからの移動装飾部M770の動作回数をカウントし、その動作回数に対応して連動意匠M781として表示される態様を切り替えるようにしても良い。例えば、胴体に数字が描かれ、それが「1」、「2」、「3」と順に増えていくように切り替えても良いし、連動意匠M781の衣服の装飾が徐々に豪華になっていく態様で切り替えても良い。また、移動装飾部M770の動作は、第1の状態から第2の状態へ到達する動作に限定されるものではなく、第1の状態から第2の状態の手前まで行って、第1の状態に戻るような動作を構成することも可能である。この場合において、連動意匠M781が移動装飾部M770に常に追従するように構成しても良いし、連動意匠M781だけは移動範囲の端まで移動する(移動装飾部M770と分離される)ように表示されても良いし、これらを場合によって切り替えても良い。
図1812、図1813及び図1814は、昇降動作役物ユニットM800の正面図である。図1812、図1813及び図1814では、昇降動作役物ユニットM800の昇降移動部材M860が、下端位置状態(図1812参照)から中間位置状態(図1813参照)を経て上端位置状態(図1814参照)へ向けて変化される様子が時系列で図示される。なお、図1812、図1813及び図1814では、理解を容易とするために前カバー部材M801(図1771参照)の図示が省略される。図1812、図1813及び図1814に図示されるように、昇降動作役物ユニットM800は、背面ケースM310(図1771参照)に締結固定されるL字形状のベース板M810と、そのベース板M810の左下端部において背面側に締結固定される駆動モータM820と、その駆動モータM820の駆動力が伝達されるように前カバー部材M801(図1771参照)に固定される金属棒部M802に回転可能に支持される扇形状ギアM830と、その扇形状ギアM830の回転移動に伴って回転移動されるようにベース板M810に支持される回転アーム部材M840と、その回転アーム部材M840に一端が支持され他端が前カバー部材M801(図1771参照)のバネ支持部M803に支持される弾性バネM850と、回転アーム部材M840の先端部が摺動可能に支持される昇降移動部材M860と、を主に備える。ベース板M810は、左端部において上下方向に延びる姿勢で締結固定され昇降移動部材M860の移動を案内する金属棒部M811と、その下方において前方へ向けて円柱状に突設される支持突設部M812と、その支持突設部M812の右方において前方へ向けて延びる姿勢で固定される金属棒部M813と、右端部において上下方向に伸縮可能に配設される金属製の伸縮可能ガイドレールM814と、その伸縮可能ガイドレールM814側(右側)に検出溝を向けて配設され昇降移動部材M860の位置を検出可能に構成される検出センサM815と、を主に備える。駆動モータM820は、駆動軸に固定される駆動ギアM821と、その駆動ギアM821に歯合されベース板M810の支持突設部M812に回転可能に支持される伝達ギアM822と、を主に備える。駆動モータM820は、駆動力を回転移動に変換できるものであれば何でも良く、駆動モータM442、駆動ソレノイドM487又は駆動モータM720のように配置が固定されているものでも良く、駆動モータM501のように配置位置が変化し得るものでも良く、駆動モータM501のように駆動力を平行移動に変換できる伸縮装置でも良く、駆動力を回転移動にも平行移動にも変換できる伸縮回転装置でも良く、これらの組合せでも良い。扇形状ギアM830は、円弧状に並んで形成されるギア歯が伝達ギアM822に歯合されると共に金属棒部M802に回転可能に支持されており、回転により変位する位置において金属棒部M831が回転軸と平行に後方へ突設される姿勢で配置される。
回転アーム部材M840は、金属棒部M813に回転可能に支持される本体部M841と、その本体部M841において金属棒部M813の中心を通る直線に沿う長孔状に穿設される連動長孔M842と、本体部M841の回転先端側において昇降移動部材M860が配置される後方側へ向けて延びる姿勢で固定される金属棒部M843と、金属棒部M813と金属棒部M843との間に配設され弾性バネM850の一端が支持されるバネ支持部M844と、を主に備える。昇降移動部材M860は、移動先端側の装飾体が「チャンピオンベルト」の意匠を模した横長の形状から形成されており、金属棒部M811が挿通されることにより上下方向に移動可能に案内される案内部M861と、回転アーム部材M840の金属棒部M843が挿通可能となるように左右方向に延びる長孔状に穿設される伝達長孔M862と、検出センサM815の検出溝に配置可能となるように下端部から延設される検出片M863と、内部に配設され正面側に光を照射するLED等の発光手段を備える電飾基板M864と、を主に備える。昇降移動部材M860の上端位置状態(図1814参照)又は下端位置状態(図1812参照)では、正面視において、金属棒部M802及び金属棒部M831を通る直線と、金属棒部M831及び金属棒部M813を通る直線とが直角に交差する。これにより、昇降移動部材M860側から回転アーム部材M840に伝達される荷重が扇形状ギアM830の金属棒部M831から金属棒部M802(扇形状ギアM830の回転軸)に向けられることになり、扇形状ギアM830が回転することを防止でき、昇降移動部材M860が移動することを防止することができる。一方、昇降移動部材M860の中間位置状態(図1813参照)では、金属棒部M802及び金属棒部M831を通る直線と、金属棒部M831及び金属棒部M813を通る直線とが一直線上に配置され、その直線上に連動長孔M842が配置される。昇降移動部材M860の中間位置状態(図1813参照)では、下端位置状態(図1812参照)や上端位置状態(図1814参照)に比較して、扇形状ギアM830の小さな角度の回転を、同様に小さな角度の回転移動として回転アーム部材M840に伝達させ易い。そのため、昇降移動部材M860を小幅で上下往復移動させる場合には、中間位置状態(図1813参照)を基準として実行することで、応答性良く上下往復移動を実行させることができる。本実施形態では、扇形状ギアM830の金属棒部M831が回転軸としての金属棒部M802と回転アーム部材M840の回転軸としての金属棒部M813との間に位置する。これにより、回転アーム部材M840の回転先端の移動量に必要な扇形状ギアM830の回転角度を低減させることができる。図1814には、被案内部M550が落下終端位置に配置され可動装飾ユニットM600が傾倒側終端状態とされた場合(図1799参照)における可動装飾ユニットM600の配置が最下端領域ME600として想像線で図示される。
図1814に図示される通り、本実施形態では、可動装飾ユニットM600が正面視で視認される最下端領域ME600と、上端位置状態における昇降移動部材M860が正面視で視認される領域とが重複されるように構成される。従って、可動装飾ユニットM600を到達させる位置に、昇降移動部材M860を到達させることが可能であるので、例えば、第3図柄表示装置M81において最下端領域ME600に注目させるための表示を可能とし、その表示をした後で、その最下端領域ME600に可動装飾ユニットM600が到達する動作制御か、又は昇降移動部材M860が到達する動作制御かを、選択的に実行可能に構成することで、遊技者の注目力を最下端領域ME600に集中させることができる。更に、この場合において、可動装飾ユニットM600が到達するか、昇降移動部材M860が到達するかによって、対応する抽選が大当たりである確率が異なる場合、遊技者の注目力を最下端領域ME600に更に集中させることができる。なお、関係する意匠を視認させる視認可能物体であって平行移動可能な昇降移動部材M860は、非透過とされることで背面側を視認できなくするものに限られず、透過率が高くされることで背面側が透けて視認できるものでもよい。また、関係する意匠を視認させる視認可能物体であって回転移動可能な可動装飾ユニットM600は、非透過とされることで背面側を視認できなくするものに限られず、透過率が高くされることで背面側が透けて視認できるものでもよい。
<制御>
昇降動作役物ユニットM800の動作は、例えば、第1の関連動作制御において制御される。即ち、第1の関連動作制御では、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第2の状態(図1810参照)とされてから時間を空けて駆動モータM820が制御されることで昇降移動部材M860が下端位置状態から上端位置状態へ向けて上昇移動される。これにより、移動装飾部M770の第2の状態へ向けた移動中や、移動装飾部M770が第2の状態とされるのと同時に駆動モータM820が制御される場合に比較して、スライド移動中や移動終了直後における移動装飾部M770及び連動意匠M781の視認性を向上させ、遊技者が見逃すことを回避し易くすることができる。そして、移動装飾部M770及び連動意匠M781をしっかり視認させた後において、第3図柄表示装置M81の手前側において連動意匠M781を部分的に隠す位置に昇降移動部材M860を上昇させることで、遊技者の視線を連動意匠M781から昇降移動部材M860に誘導することができることから、移動装飾部M770及び連動意匠M781が退避する時にまで注目させることを避けることができる。本実施形態では、昇降移動部材M860が「チャンピオンベルト」を模した意匠とされていることから、連動意匠M781におけるボクシング用グローブとの関連性を遊技者に想像させることができる。これにより、移動装飾部M770及び連動意匠M781に注目していた遊技者の視線を、昇降移動部材M860に自然に誘導することができる。図1815は、遊技盤M13及び動作ユニットM300の部分正面斜視図である。図1815では、導光板M260及び風車MWFの図示が省略され、球案内ユニットM900の構造が視認可能とされる。球案内ユニットM900は、センターフレームM86(図1770参照)の開口部を通った遊技球を前後に蛇行させながら流下させる第1流路M910と、その第1流路M910の下流側において右方へ向けて下降傾斜され遊技球の流下方向を分岐させる分岐部M920と、その分岐部M920から右方に向けて延設される第2流路M930と、分岐部M920から前方へ向けて延設開始された後で2回屈曲される第3流路M940と、を主に備える。また、球案内ユニットM900は、第2流路M930又は第3流路M940を流下した遊技球を受け入れ可能な股構成部を有し固定の回転軸M951を中心に円周方向に係属回転可能に構成される6股の回転クルーンM950と、その回転クルーンM950の所定の股部に受け入れられた遊技球が流入可能とされ、流入した遊技球が第1入賞口M64の真上位置から前方へ排出される流入排出経路M960と、分岐部M920における遊技球の流下方向を変化可能に動作される動作部M970と、を主に備える。回転クルーンM950及び動作部M970は、電源投入から一定のパターンでの動作が継続されるよう制御される。即ち、回転クルーンM950は、一定の速度(本実施形態では6秒間で1回転する速度)で上面視時計回りに継続的に回転動作され、動作部M970は、実線で図示される状態と想像線で図示される状態とで10秒毎に切り替えられる。
第2流路M930では、等間隔で突条M931が前後から突設されている。これにより、第2流路M930を流下する遊技球の流下速度が過大となることを避けることができるので、第2流路M930の終端から回転クルーンM950の後方に位置する股部へ向けた遊技球の落下を落ち着いた状況(遊技球の流下速度が小さい状況)で生じさせることができる。これにより、第2流路M930の終端で遊技球が逆流方向(左方向)に跳ね返ってしまい落下するまでの時間が長くなる不具合や、回転クルーンM950の股部から遊技球が跳ね飛ばされる不具合を回避し易くすることができる。第3流路M940においても、上述の突条M931と同様に、等間隔で突条M941が突設されており、更に流入位置において遊技球を検出可能に構成される検出センサM942が配設される。回転クルーンM950は、受け入れた遊技球を流入排出経路M960に流入させることができる2箇所の有利股部M952(図1815において回転軸M951の前方および後方に位置)と、受け入れた遊技球を流入排出経路M960に流入させないよう底面が閉じられている4箇所の不利股部M953と、を備える。不利股部M953に到達した遊技球は、回転クルーンM950の回転に基づいて不利股部M953が回転軸M951の正面に到達した時に前方に流されてステージ前側上面M901を転動するか、又は回転クルーンM950の回転に基づいて不利股部M953が回転軸M951の左前側に到達した時に左前方に流されてステージ中側上面M902を転動して段差を落ちてステージ前側上面M901を転動して、前方(ベース板M60の前方)へ流下される。動作部M970は、一方の端部を軸として回転可能に構成される羽状動作部M971と、第3流路M940の途中位置において前後方向にスライド移動可能に構成される板状動作部M972と、を主に備える。羽状動作部M971は、第2流路M930側へ遊技球が流下可能とし第3流路M940側への遊技球の流下を防止する第1状態(図1815において実線で図示)と、第3流路M940側へ遊技球が流下可能とし第2流路M930側への遊技球の流下を防止する第2状態(図1815において想像線で図示)とで切り替えられる。板状動作部M972は、羽状動作部M971と同期して状態が切り替えられる。即ち、羽状動作部M971が第1状態(図1815において実線で図示)の場合には、第3流路M940から退避して遊技球の流下を許容する第1状態(図1815において実線で図示)とされ、羽状動作部M971が第2状態(図1815において想像線で図示)の場合には、第3流路M940内に張り出して遊技球の流下をせき止める第2状態(図1815において想像線で図示)とされる。板状動作部M972の配置は、検出センサM942を基準として設定される。即ち、本実施形態では、板状動作部M972が第2状態(図1815において想像線で図示)の場合において、板状動作部M972に複数個の遊技球が流下をせき止められる状況において、そのせき止められた4個目の遊技球が検出センサM942に検出される(継続的に検出される)ように、板状動作部M972に配置が設定される。即ち、板状動作部M972が第2状態(図1815において想像線で図示)で維持される10秒間において4個の遊技球が第3流路M940側に案内された場合、4個目の遊技球が検出センサM942に検出された状態が継続される。
<報知>
第3図柄表示装置M81における表示制御において本実施形態が有する制御の一例(発射状況表示)について説明する。発射状況表示では、羽状動作部M971及び板状動作部M972が第1状態とされているか第2状態とされているかが把握可能とされており、第2状態とされている場合において検出センサM942で遊技球の検出がされた場合に、その検出が極短期間(例えば、1秒未満)であれば遊技球の流下であると判断し、検出が長期間(例えば、1秒以上)であれば遊技球の滞留であると判断する。検出センサM942において長期間の検出がされた場合、板状動作部M972の上流側に4個の遊技球が滞留しており、板状動作部M972が第1状態(図1815において実線で図示)に切り替えられた場合、滞留していた4個の遊技球が一度に回転クルーンM950に案内され、それらの遊技球が第1入賞口M64に入球し得る。ここで、遊技球の個数(4個)は、第1特別図柄の変動を保留させる個数(保留個数、第1図柄表示装置H37Aによる表示に対応)と関係して設定されている。即ち、本実施形態では、第1特別図柄の保留個数が4個であることを基に、検出センサM942までの滞留可能個数が4個となるように板状動作部M972の配置が設定されている。4個の遊技球が一度に回転クルーンM950に案内される場合、この時点で第1特別図柄の保留個数が満タンになる可能性が有る。そのため、検出センサM942において長期間の検出がされた場合には、第3図柄表示装置M81において、球案内ユニットM900へ向けた遊技球の発射を停止するように促す表示がされるよう制御される。一方、検出センサM942において長期間の検出がされていない場合(板状動作部M972の上流側に4個の遊技球が滞留していない場合)には、球案内ユニットM900へ向けた遊技球の発射を促す表示を実行可能に制御される。即ち、球案内ユニットM900における遊技球の流下状態の検出に基づいて、異なる報知を実行可能に制御される。これらの報知が実行される第3図柄表示装置M81は、球案内ユニットM900を流下した遊技球が排出される流入排出経路M960よりも上側に配置されているので、遊技者が報知に気付き易くすることができる。
<演出制御>
図1816は、第3図柄表示装置M81、複合動作役物ユニットM400及び昇降動作役物ユニットM800の正面図である。図1816に図示される状態は、複合動作役物ユニットM400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800が、それぞれ第3図柄表示装置M81と重なる位置には配置されず、退避している状態に相当する。図1816では、関連動作制御の一例(第2の関連動作制御)について説明する。図1816では、複合動作役物ユニットM400の被案内部M550が上昇端位置に位置し可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態とされており、昇降動作役物ユニットM800の昇降移動部材M860が下端位置状態とされている。第2の関連動作制御の開始時には、図1816に図示されるように、第3図柄表示装置M81において、正面視で最下端領域ME600(図1814参照)と重なる領域において到達領域表示M81aが表示される。到達領域表示M81aは、背景表示を透視可能な態様で背景表示の手前の層でされるものであって、可動装飾ユニットM600の意匠と昇降移動部材M860の意匠とが交互に出現するような動的な表示として構成される。第2の関連動作制御の開始後は、演出待機動作として、到達領域表示M81aの表示態様に合わせて、可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860が動作するよう制御される。即ち、第2の関連動作制御の演出待機動作では、到達領域表示M81aにおいて可動装飾ユニットM600の意匠が表示されている期間において可動装飾ユニットM600が低速の第1動作と復帰動作とを繰り返し実行されることで繰り返し往復移動される。これにより、可動装飾ユニットM600及び到達領域表示M81aに対する注目力を向上させることができる。一方、第2の関連動作制御の演出待機動作では、到達領域表示M81aにおいて昇降移動部材M860の意匠が表示されている期間において昇降移動部材M860が中間位置状態への上昇移動と下端位置状態への下降移動とを繰り返し実行されることで繰り返し往復移動される。到達領域表示M81aの表示期間が終了されると、第2の関連動作制御は3通りに分岐する。即ち、可動装飾ユニットM600が到達領域表示M81aと重なる位置まで移動し停止して演出実行後に復帰制御が実行されることで退避される第1演出動作、昇降移動部材M860が到達領域表示M81aと重なる位置まで移動し停止して演出実行後に退避(下端位置状態まで下降変位)される第2演出動作、又は可動装飾ユニットM600も昇降移動部材M860も到達領域表示M81aと重なる位置まで移動せずに退避される第3演出動作のいずれかが実行される。これにより、第2の関連動作制御において、到達領域表示M81aが表示される領域に対する注目力を、到達領域表示M81aの表示期間が終了されるまで維持し続けることができる。なお、第2の関連動作制御では、可動装飾ユニットM600が退避された状態で昇降移動部材M860が上昇移動する場合を説明しているが、昇降移動部材M860の上昇移動は、これに限られるものではない。例えば、第1の関連動作制御において説明したように(図1809、図1810参照)、被案内部M550が中間位置に配置されている状態において昇降移動部材M860が上昇移動可能に構成される。即ち、昇降移動部材M860と可動装飾ユニットM600とが前後に位置ずれされていることから、正面視で重なる配置となっても衝突することはなく、傾倒側終端状態や伸長状態の可動装飾ユニットM600の背後において昇降移動部材M860が上昇移動可能とされる。換言すれば、最下端領域ME600において、昇降移動部材M860と可動装飾ユニットM600とを共に視認させることができる。この場合において、昇降移動部材M860の上流側に可動装飾ユニットM600が配置される関係は維持されることから、遊技者に視認させる意匠の上下関係まで変化することは防止することができる。
図1817は、第3図柄表示装置M81、複合動作役物ユニットM400及び昇降動作役物ユニットM800の正面図である。図1817では、複合動作役物ユニットM400の被案内部M550が上昇端位置に位置し可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態とされており、昇降動作役物ユニットM800の昇降移動部材M860が下端位置状態とされている。第2の関連動作制御において、到達領域表示M81aの表示期間中において、その到達領域表示M81a(図1816参照)よりも前側の層で重なるように操作示唆表示M81bを実行可能とされる。操作示唆表示M81bは、「ボタンを押せ」との表示の下に、操作対象を分かり易くするためのボタン部H181(図1760参照)を表すイラストが表示され、そのイラストの下に操作可能期間をカウントダウンするバーが表示される。操作可能期間のカウントダウンは、バーの網掛け部M81cの右端が左端に徐々に(一定速度で)近づくアニメーションとして表示され、網掛け部M81cの右端が左端に到達するタイミングが、操作示唆表示M81bにおける操作可能期間の終期と一致するように制御される。操作示唆表示M81bが表示されているにも関わらず、遊技者がボタン部H181(図1760参照)を操作しなかった場合、網掛け部M81cの右端が左端に到達するタイミングで到達領域表示M81a(図1816参照)の表示期間が終了し、そのタイミングで第2の関連動作制御における第1演出動作、第2演出動作または第3演出動作が実行される。一方、操作示唆表示M81bが表示されている期間において遊技者がボタン部H181(図1760参照)を操作した場合、その操作が検出されたタイミングで到達領域表示M81a(図1816参照)の表示期間が終了し、そのタイミングで第2の関連動作制御における第1演出動作、第2演出動作または第3演出動作が実行される。可動装飾ユニットM600の復帰制御は、第1の関連動作制御における復帰制御と同様であって、移動装飾部M770が第1の状態となっていることが検出センサM713(図1806参照)により検出されている状態であれば、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態へ向けて移動され、可動装飾ユニットM600が起き上がり側終端状態に到達したことが検出センサM516(図1810参照)により検出された後で、被案内部M550が上昇端位置へ向けて移動され、上昇端位置に到達したことが検出センサM483(図1799参照)に検出されることで音声ランプ制御装置H113(図1769参照)に把握される。このように、操作示唆表示M81bが表示されている期間に遊技者がボタン部H181(図1760参照)を操作したことに基づいて、第1演出動作が実行された場合に、可動装飾ユニットM600が復帰制御された場合において、検出センサM516(図1810参照)及び検出センサM483(図1799参照)の検出結果から可動装飾ユニットM600の復帰制御が終了したことを音声ランプ制御装置H113(図1769参照)に把握させることができる。この復帰の検出までに、ボタン部H181の操作から少し時間が空けられる。なお、遊技者は、操作示唆表示M81bが表示される期間以外でもボタン部H181を押し込み操作することは可能であるが、本実施形態では、操作示唆表示M81bが表示される期間以外の期間にボタン部H181が操作されたとしても、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600の動作に影響が与えられないように制御される(演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600がボタン部H181の操作と独立して制御される)。これにより、遊技者がボタン部H181を手当たり次第に操作した場合であっても、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600の動作に不具合が生じることを避けることができる。なお、ボタン部H181は、遊技者が操作可能な操作物体であれば何でも良く、発光制御されても良く、発光制御されなくても良く、所定の直線方向で変位可能とされ押し込み又は引き抜き操作がされるスライド操作物体でも良く、所定の回転軸を中心とした回転移動が可能とされ回転移動させる操作がされる回転移動物体でも良く、パチンコ機に配設されていても良く、操作によりパチンコ機に作用を与えるものであればパチンコ機とは離れた位置に配設されても良く、これらの組合せでも良い。
<上書動作制御(検出結果で動作制御を上書)>
第2の関連動作制御では、第3図柄表示装置M81における到達領域表示M81a(図1816参照)と重なる動作部材が有ることを前提として制御される。即ち、第1演出動作では可動装飾ユニットM600により到達領域表示M81aが隠され、第2演出動作では昇降移動部材M860により到達領域表示M81aが隠されることを前提として設計されている。一方で、経年劣化等により動作不良が生じる等、様々な理由によって、制御通りに可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860が動作されない場合があり、この場合には隠される前提の到達領域表示M81aが遊技者に視認されることになり、みっともない場合がある。これに対し、本実施形態では、可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860の一方に動作不良が疑われた場合に、代わりに可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860の他方を動作させることで到達領域表示M81aを隠すように実行される上書動作制御を備える。第1の上書動作制御は、可動装飾ユニットM600側に動作不良が疑われた場合に昇降移動部材M860を動作させる制御である。即ち、第2の関連動作制御において第1演出動作が実行されたにも関わらず、検出センサM483(図1799参照)の検出が2秒間切り替わらなかった場合に、被案内部M550が下降しない不具合が生じたと判断し、第1演出動作を第2演出動作に切り替えて実行するよう構成される。これにより、2秒のタイムラグは生じるものの、昇降移動部材M860によって到達領域表示M81aを隠すことができる。第2の上書動作制御は、昇降移動部材M860側に動作不良が疑われた場合に可動装飾ユニットM600を動作させる制御である。即ち、第2の関連動作制御において第2演出動作が実行されたにも関わらず、検出センサM815(図1812参照)の検出が2秒間切り替わらなかった場合に、昇降移動部材M860が上昇しない不具合が生じたと判断し、第2演出動作を第1演出動作に切り替えて実行するよう構成される。これにより、2秒のタイムラグは生じるものの、可動装飾ユニットM600によって到達領域表示M81aを隠すことができる。本実施形態(及び各実施形態)において例示される各動作制御は、抽選にかかる変動ごとに割り当てられたタイミングで実行されるか、抽選の非実行時において、所定のタイミング(時間間隔、時刻等)で実行される。後者の場合において、例えば、演出動作ユニットM500、可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860が第3図柄表示装置M81の正面側に重なった状態で維持されてもよく、遊技者が着席して遊技を開始したことが検出されることにより第3図柄表示装置M81の正面側から退避されるように制御しても良い。この場合、演出動作ユニットM500、可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860により隠されている箇所における表示の実行を省略することができるので、第3図柄表示装置M81の処理負担を下げることができる(低電力モード)。本実施形態(及び各実施形態)において例示される各動作制御は、大当たり中において実行されるように構成されても良い。例えば、ラウンド遊技の切り替えのタイミングに合わせて動作制御が実行されることで、遊技者がラウンド遊技の切り替えのタイミングを把握し易くすることができる。この場合において、実際は「10ラウンド」の大当たり遊技であるにもかかわらず第3図柄表示装置M81においては「3ラウンド」の大当たり遊技であるように表示しておき、途中で「10ラウンド」の大当たり遊技であることを報知する場合(所謂、昇格演出)、「3ラウンド」の終了時に動作制御が実行されることで、大当たり遊技が終了してしまうと思い込んでいた遊技者に対して、意外性と、「まだ大当たりが続く」という歓喜を付与することができる。
本実施形態(及び各実施形態)において例示される各動作制御は、一の抽選に係る変動中(又は大当たり中)において、複数の動作制御が実行される場合があっても良いし、一の動作制御が複数回実行される場合があっても良い。また、各動作制御の説明は、理解を容易とするためにまとまりよい範囲で説明したものであるので、例えば、各動作制御として説明した動作の一部だけが実行される場合があっても良い。本実施形態(及び各実施形態)において説明した主制御装置H110と音声ランプ制御装置H113の機能は、一例であって、これに限られるものではない。例えば、主制御装置H110の機能の少なくとも一部を音声ランプ制御装置H113が備えるようにしても良いし、音声ランプ制御装置H113の機能の少なくとも一部を主制御装置H110が備えるようにしても良い。図1818から図1819を参照し、第158実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1818は、第158実施形態における可動装飾ユニットM2600の分解背面斜視図であり、図1819(a)及び図1819(b)は、演出動作ユニットM2500及び可動装飾ユニットM2600の部分正面図である。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。図1818に図示されるように、可動装飾ユニットM2600は、上述した可動装飾ユニットM600に対して、延設支持部M614(図1778参照)が左側の円筒部のみから形成される延設支持部M2614に変更され、その延設支持部M2614の直径方向に穿設される開口を通って一端側の腕部が延びており他端側は延設支持部M2614に巻きつけられるねじりバネM2614aと、延設支持部M2614に変位可能に支持される当接部材M2602と、を主に備える。当接部材M2602は、樹脂材料から形成されており、内側開口M2602aが長孔形状(外形が長円形状)で形成される筒状部材であって、長手方向に穿設される受入孔部M2602bと、長孔形状の左端部側を含む円柱形状領域と右端部側を含む長孔形状領域とで分けるように上下から突設される一対の突条部M2602cとを備え、開口方向視における外周の4隅が円弧で形成される。一対の突条部M2602c同士の間隔は、延設支持部M2614の直径未満とされ、且つねじりバネM2614aを構成する金属線材の太さ以上とされる。従って、ねじりバネM2614aの一端側の腕部は一対の突条部M2602c間を通過可能とされる一方で、延設支持部M2614は一対の突条部M2602c間を通過することができない。
当接部材M2602は、内側開口M2602aにおける突条部M2602cの左側の領域(円柱形状領域)に延設支持部M2614が挿通され、受入孔部M2602bにねじりバネM2614aの一端側の腕部が挿通される。これにより、当接部材M2602は、延設支持部M2614を軸に回転移動可能な態様で延設支持部M2614に支持されることになり、回転移動が生じても、ねじりバネM2614aの弾性回復力により、長手方向がねじりバネM2614aの一端側の腕部の延びる方向に合う姿勢に復帰される。また、当接部材M2602が延設支持部M2614の延設方向(前後方向)の変位が生じたとしても、ねじりバネM2614aの弾性回復力により復帰される。そのため、本実施形態では、延設支持部M2614の先端側には脱落防止用のツバ付きのネジは非配設とし、当接部材M2602の延設支持部M2614に対する変位を許容している。これにより、当接部材M2602と、扇形状構成部M2560との当接位置がばらつき得るように構成することができるので、扇形状構成部M2560に荷重がかけられることで生じる疲労の蓄積の程度を低減することができる。図1819(a)及び図1819(b)に図示されるように、扇形状構成部M2560は、上述した扇形状構成部M560(図1775参照)に対して、延設部M568が短くされ延設部M2568に変更されたことのみが異なる。図1819(a)では、扇形状構成部M2560の延設部M2568の下側から当接部材M2602が上昇してきて当接した状態が図示されており、図1819(b)では、延設部M2568の先端側と擦れる当接部材M2602に与えられる荷重による回転移動により当接部材M2602の姿勢が変化し、当接部材M2602が延設部M2568の先端側を通り抜けようとする状態が図示される。このように、延設部M2568に当接部材M2602が当接する前と、当接している最中とで、円弧状貫通部M515の幅方向における当接部材M2602の長さに対する円弧状貫通部M515の幅方向の長さが変化し得るよう構成されており、当接部材M2602は円弧状貫通部M515の幅方向に変位可能とされる。なお、当接部材M2602は、円弧状貫通部M515に案内される被案内物体として可動装飾ユニットM2600の一部として構成される物体であれば何でも良く、図1819(a)に図示される形状に限らず、外形は矩形状(非球体形状)でも、球体形状でもよい。
本実施形態では、可動装飾ユニットM2600の上昇速度が大きい場合において、図1819(b)のような状態となる。即ち、可動装飾ユニットM2600の上昇速度が小さい場合には、ねじりバネM2614aの弾性力により姿勢維持される当接部材M2602を介する荷重により、可動装飾ユニットM2600に対する当接部材M2602の姿勢が維持されたままで扇形状構成部M2560が上昇方向に回転移動される。一方で、可動装飾ユニットM2600の上昇速度が大きい場合には、当接部材M2602を介する荷重により扇形状構成部M2560が静止摩擦に打ち勝ち上昇方向に回転移動される前に(又は、回転移動の開始後に)、当接部材M2602の姿勢変化が生じ、当接部材M2602が延設部M2568の先端側を通り抜け得る。これらは、上昇方向の移動に関わらず、下降方向の移動も同様である。当接部材M2602が延設部M2568に近い側の先端側で延設部M2568と擦れながら回転する態様で姿勢変化することになるが、当接部材M2602の4隅が円弧形状とされているので、当接部材M2602と延設部M2568との擦れによる延設部M2568側の損耗を抑制することができる。この場合、延設部M2568から当接部材M2602にかけられる荷重の方向は、延設支持部M2614の周囲を回転する方向とされる。そのため、延設支持部M2614に対して軸直方向の荷重が生じる場合に比較して、延設支持部M2614の耐久性を向上させ易くすることができる。更に、延設部M2568と当接部材M2602とが当接したとしても、当接部材M2602の姿勢変化が生じれば延設部M2568にかけられる荷重が低減されるので、延設部M2568の耐久性を向上させることができる。当接部材M2602が延設部M2568の先端側を通り抜ける場合には、当接部材M2602が延設部M2568の先端側に対して面で当接する(図1819(b)参照)。そのため、当接部材M2602及び延設部M2568とで相互に生じる荷重が一点に生じる場合(例えば、当接部材M2602の外形が真円形状とされる場合)に比較して、荷重を分散させることができるので、当接部材M2602及び延設部M2568の疲労の蓄積を回避し易く、破損を防止し易く、耐久性を向上させ易くすることができる。当接部材M2602が延設部M2568の先端側を通り抜ける場合には、扇形状構成部M2560が停止される場合に限らず、当接部材M2602の動作速度によっては当接部材M2602が通り抜ける際に扇形状構成部M2560が動かされる(当接部材M2602が動作する扇形状構成部M2560を追い越す)挙動も生じ得る。この場合、当接部材M2602が延設部M2568から離れた時には扇形状構成部M2560の姿勢が中途半端な位置で維持されることになるが、その後、円板付きギアM584の回転により円弧形成部M584aが突条部M563を介して扇形状構成部M560を押し下げる。
当接部材M2602の動作速度は、柱状部M582aに荷重付与部M604が持ち上げられることから多くの場合においてピン付きギアM582の回転速度に一対一で対応するが、ピン付きギアM582の回転態様によっては、非対応となる。例えば、ピン付きギアM582が極端に高速で回転動作された場合(例えば、駆動モータM501の回転が600[msec]で生じた場合)、柱状部M582aと荷重付与部M604との衝突により可動装飾ユニットM2600が跳ね上げられ得る(柱状部M582aと荷重付与部M604とが離間する)し、柱状部M582aにより荷重付与部M604を途中位置まで持ち上げた後でピン付きギアM501の回転方向を反転させて極端に高速で回転させると、可動装飾ユニットM2600の姿勢変化を置き去りにして柱状部M582aが回転移動し得る(柱状部M582aと荷重付与部M604とが離間する)。特に、柱状部M582aと荷重付与部M604との衝突により可動装飾ユニットM2600が跳ね上げられる場合、例えば、ピン付きギアM582の姿勢が可動装飾ユニットM2600の中間状態に対応している場合(図1819(a)参照)において、可動装飾ユニットM2600の姿勢が中間状態の姿勢よりも起き上がり終端状態の姿勢(図1819(b)参照)側に変化され得る。この場合において、ピン付きギアM582と円板付きギアM584とはギアの歯合により位相関係が一対一で対応しているので、扇形状構成部M2560の上方への回転動作は、突条部M563が円板付きギアM584の円弧形成部M584aと当接することにより抑制される。そのため、当接部材M2602との当接により扇形状構成部M2560が上方へ回転動作することを抑制することができ、当接部材M2602が延設部M2568の先端側を通り抜け、当接部材M2602が扇形状構成部M2560から離間する態様で上方へ移動する状況を構成し易くすることができる。なお、扇形状構成部M2560について、静止摩擦で姿勢を維持する構成ではなく、追加の錘が付けられることで自重により動作範囲の下側終端(図1819(a)参照)に付勢されるようにしても良い。この場合、円板付きギアM884の回転によらずとも扇形状構成部M2560の姿勢を下げることができる。この場合において、錘の位置は、延設部M2568に位置しても良いし、延設部M2568と中心軸線MJ1との間に位置しても良いし、中心軸線MJ1に対して延設部M2568の反対側に位置しても良い。
当接部材M2602が延設部M2568の先端側を上方に通り抜けた場合、再度当接部材M2602が下降する方向で移動すると延設部M2568と当接し得る。ここで、当接部材M2602がゆっくりと下降される場合、ねじりバネM2614aの弾性回復力により可動装飾ユニットM2600に対する当接部材M2602の姿勢が維持されることから、可動装飾ユニットM2600の姿勢を当接部M2602が、突設補助部M545にそれ以上の下降変位を規制された場合における扇形状構成部M2560の延設部M2568の上面に当接した状態(起き上がり側終端状態と中間状態との間の状態)で維持することができる。これにより、可動装飾ユニットM2600で姿勢を容易に停止させられる状態(下降動作からの姿勢維持が容易となる状態)を増やすことができることから、可動装飾ユニットM2600に注目させる位置を増やすことができ、可動装飾ユニットM2600による演出効果を向上させることができる。一方、第2の上下移動制御における第2動作のように高速で可動装飾ユニットM2600を下降動作させる場合には、ねじりバネM2614aの弾性回復力に抗して当接部材M2602の姿勢が変化され、当接部材M2602が延設部M2568の先端側を下方向へ通り抜け得る。図1820から図1821を参照し、第159実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。上述した第157実施形態では、第3図柄表示装置M81における表示が実際に表示できる領域全体におよぶ表示(通常表示)とされる場合を説明したが、第159実施形態では、第3図柄表示装置M81における表示を通常表示から切り替え可能とされる。図1820は、第159実施形態における正面枠H3014の分解正面斜視図である。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。正面枠H3014では、上述した正面枠H14(図1767参照)との比較において、上下皿ユニットH15における度数表示部H41の右隣位置に、遊技者が操作可能に構成される調整ボタンH3044が配設されていることが異なる。調整ボタンH3044は、抽選に係る変動表示に合わせて操作タイミングを報知されるボタン部H181とは異なり、任意のタイミングで操作が可能とされる。そのため、抽選に係る変動表示とは独立したタイミングで、遊技者に注目させるための制御が実行可能とされる。例えば、抽選に係る変動表示がされていない状況において調整ボタンH3044の内部に配置されるLEDを発光制御して調整ボタンH3044自体を明るく照らしたり、電飾部H29~H33におけるLEDを特定の発光態様(例えば、LEDを順に点灯させて光が調整ボタンH3044に徐々に近づく等の態様)で発光させたりすることで、操作有効状態であることを示唆し、調整ボタンH3044への操作を促すようにする制御が可能とされる。
調整ボタンH3044が操作有効状態である場合には上述のような発光をさせるように制御され、調整ボタンH3044が操作無効状態である場合には、上述の発光を止めるよう制御される。例えば、上述した第1の関連動作制御等、第3図柄表示装置M81の表示と複合動作役物ユニットM3400の動作とが関連する制御が実行される場合には、演出の都合上、調整を不可能とするように制御されるため、調整ボタンH3044が操作無効状態とされる。図1821は、第3図柄表示装置M81、複合動作役物ユニットM3400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800の正面図である。図1821では、遊技者により調整ボタンH3044(図1820参照)が操作された後の状態が図示される。図1821に図示されるように、調整ボタンH3044が操作有効状態において操作されると、被案内部M550が中間位置まで下降し、可動装飾ユニットM600が中間状態まで回転移動するように制御されると共に、第3図柄表示装置M81における表示の大きさが、実際の表示領域よりも小さい調整領域M3081aに変化する。調整ボタンH3044が操作有効状態において操作されると、第3図柄表示装置M81における表示が通常表示であった場合に、調整表示に切り替えられる。調整表示では、調整ボタンH3044の操作前における表示(通常表示)が調整領域M3081aの上下幅に収まる程度に上下方向および左右方向が等比となるように縮小された表示が調整領域M3081aの左右中央に配置され、調整領域M3081aの左端位置には、調整ボタンH3044の操作後であることが容易に把握できるように「調整中」の文字が表示される(明るく表示される)。このように、調整表示によれば、表示自体が小さくされる一方で、表示位置が第3図柄表示装置M81の下方に寄せられる。これにより、第3図柄表示装置M81の下方に配置される第1入賞口M64(図1770参照)に注目しながら、その視界の端で第3図柄表示装置M81の表示を視認するという遊技態様(第3図柄表示装置M81の全域はそもそも視認していない態様)においても、第3図柄表示装置M81における表示内容を見逃す可能性を低くすることができる。なお、調整ボタンH3044は、第3図柄表示装置における表示の調整が可能であれば何でも良く、他の機能が制限されるものではないので、例えば、ボタン部H181のように抽選に係る変動表示に合わせて操作タイミングを報知されるものでも良く、抽選に係る変動表示とは無関係に操作が報知されるものでも良く、抽選に係る変動表示が実行中において操作が出来なくなるものでも良く、抽選に係る変動表示が実行中であっても操作可能であっても良く、機能調整操作部H190のように遊技に関わる音声や光量の調整が可能であっても良く、操作しても遊技に関わる調整は実行されない非調整部でも良く、球貸しボタンH42のように操作により遊技球が払い出されるものでも良く、操作によって遊技球が払い出されるものではなくても良く、これらの組合せでも良い。
図1821に図示される状態から、調整ボタンH3044(図1820参照)が再び操作されると、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600は復帰制御により退避され、被案内部M550の検出片M554(図1776参照)が検出センサM483に検出されることに基づいて第3図柄表示装置M81における表示が縮小された表示(調整表示)から元の表示(通常表示)に戻され、「調整中」の文字の表示が消される(暗く表示される)。即ち、調整ボタンH3044を繰り返し操作することで、表示態様を切り替えることができる。即ち、調整ボタンH3044の操作前においては、被案内部M550が上昇端位置に配置されていることが検出センサM483により検出される。一方で、複合動作役物ユニットM3400では、調整ボタンH3044の操作後において中間位置に配置された被案内部M550の検出片M554(図1776参照)を検出可能な検出センサM3489が配設される。従って、何らの駆動制御(第1の上下移動制御、第2の上下移動制御、第1の関連動作制御等)も実行されていないのに、検出センサM3489により検出片M554(図1776参照)が検出された場合には、音声ランプ制御装置H113(図1769参照)は調整ボタンH3044が操作されたと判断し、第3図柄表示装置M81における表示を通常表示から調整表示に切り替えるように制御される。または、何らかの駆動制御(第1の上下移動制御、第2の上下移動制御、第1の関連動作制御等)が実行されているか否かに関わらず、各駆動制御において被案内部M550が中間位置に配置される期間の最大長さを超える時間長さで検出センサM3489により検出片M554(図1776参照)が検出された場合には、音声ランプ制御装置H113(図1769参照)は調整ボタンH3044が操作されたと判断し、第3図柄表示装置M81における表示を通常表示から調整表示に切り替えるように制御される。このように制御されるので、上述した各駆動制御(第1の上下移動制御、第2の上下移動制御、第1の関連動作制御等)の実行中に検出センサM3489に検出片M554(図1776参照)が検出されたとしても、その検出(上述した各駆動制御において被案内部M550が中間位置に配置される期間の最大長さを超えない時間長さの検出)により即座に第3図柄表示装置M81における表示が通常表示から調整表示へ切り替えられることを回避でき、各駆動制御中の第3図柄表示装置M81における表示を、検出片M554(図1776参照)が検出センサM483に検出されることに基づく通常表示で維持することができることから、一体感のある演出を実行することができる。また、このように制御することで、上述した各駆動制御において被案内部M550の検出片M554を検出し得る位置に検出センサM3489を配置しても、検出センサM3489による検出が、各駆動制御の実行中における視認態様に影響を与えないようにすることができる。なお、被案内部M550の検出片M554が進入可能に構成される被通過進入物体である検出センサM3489は、検出片M554を移動範囲の途中において検出するものに限られるものではなく、検出片M554を移動範囲の終端において検出するものでも良い。
調整ボタンH3044の操作に基づく変化は、第3図柄表示装置M81において生じるようにされるだけでも良いが、それ以外の報知がされても良い。例えば、通常表示である場合に調整ボタンH3044が押されることに基づいて、音声出力装置H226(図1769参照)から「調整ボタンが押されました」等の報知が実行されても良い。この場合、遊技者は調整ボタンH3044を操作したことを確認できるので、操作できているか分からずに何度も押し込み操作するという事態を避けることができる。また、この報知が実行されている間に調整ボタンH3044を再操作する場合に、報知を停止する(キャンセルする)ように制御することで、調整ボタンH3044を誤操作により操作した場合に、報知だけが継続されるという事態を避けることができる。また、例えば、調整ボタンH3044自体が裏側に配置されるLEDからの光で発光されるよう構成される前提において、通常表示である場合に調整ボタンH3044が押される(押し込まれる、又は長押しされる)ことに基づいて、発光のベースが白色から橙色に変更されるようにしても良い。この場合、調整ボタンH3044を視認すれば、遊技者は調整ボタンH3044を操作したことを確認できるので、操作できているか分からずに何度も押し込み操作するという事態を避けることができる。また、この報知が実行されている間に調整ボタンH3044を再操作すると、発光のベースが橙色から白色に戻るように制御することで、調整ボタンH3044を誤操作により操作したとしても、再操作すれば調整ボタンH3044の視認態様が橙色のまま維持される事態を避けることができる。この報知態様によれば、上述のように音声の報知で実行される場合に比較して、抽選に係る変動表示と連動して出力される音声と重なって聞こえ難くなる事態が生じることを回避することができる。可動装飾ユニットM600の電飾基板M630(図1777参照)の発光色は、第3図柄表示装置M81で通常表示を表示するよう制御されている場合にはベースが白色の発光態様とされる一方で、第3図柄表示装置M81で調整表示を表示するよう制御されている場合にはベースが橙色の発光態様とされる。これにより、第3図柄表示装置M81における表示の調整の有無について遊技者に把握させ易くすることができる。あくまで、調整表示は通常表示に対応する表示態様を縮小したものとなる。そのため、第3図柄表示装置M81で調整表示を表示するよう制御されている場合に可動装飾ユニットM600の電飾基板M630(図1777参照)の発光のベースが橙色の発光態様とされるとしても、第3図柄表示装置M81における表示色のベースは橙色とはならず、通常表示と同様の色味で表示される。これにより、第3図柄表示装置M81における表示を違和感なく視認させることができる。
可動装飾ユニットM600の電飾基板M630(図1777参照)の発光色の切替は、事前の調整では変わらないよう制御される。通常表示においては、正面枠H3014(図1820参照)の機能調整操作部H190を操作することにより電飾基板M630(図1777参照)の明るさを遊技者が任意に変更可能とされるが、この調整はあくまで通常表示における調整であって、これを調整表示において流用できるとは限らないためである。本実施形態では、第3図柄表示装置M81における表示が調整表示とされる場合、表示の大きさが縮小され迫力に欠ける可能性があるので、電飾基板M630(図1777参照)の発光の明るさが最大で固定される。これにより、調整表示となって表示が縮小されることで第3図柄表示装置M81から受けとる光の量が少なくなったとしても、電飾基板M630(図1777参照)からの光の量を増やすことにより、遊技者が視認する光の総量が低下することを回避することができる。第3図柄表示装置M81における通常表示と調整表示との切替は、調整ボタンH3044の操作自体の検出ではなく、検出センサの検出結果を把握することにより実行される。ここで、調整ボタンH3044の操作実行から、検出片M554(図1776参照)による検出の切替が生じるまでに当然タイムラグがある。そのため、調整ボタンH3044を誤操作した場合であっても、すぐに再操作すれば、第3図柄表示装置M81における表示が変化することを避けることができるので、誤操作であっても表示が即座に切り替えられる場合に比較して、調整ボタンH3044の操作に対するストレスを低減することができる。上述した第1の関連動作制御等、第3図柄表示装置M81の表示と複合動作役物ユニットM3400の動作とが関連する制御が実行開始される場合には、演出の都合上、調整表示から通常表示に切り替えられるよう制御される。即ち、第1の関連動作制御等の制御が開始される前に予め検出センサM3489により検出片M554(図1776参照)が検出される位置に被案内部M550が配置されているか否か(即ち、第3図柄表示装置M81における表示が調整表示となっているか否か)が判断され、被案内部M550が配置されていると判断された場合、第1の関連動作制御等の制御が開始される前に、複合動作役物ユニットM3400に復帰制御が実行される。復帰制御の実行後、検出センサM483で検出片M554が検出されたことに基づいて、第3図柄表示装置M81の表示が調整表示から通常表示に切り替えられる。これにより、第1の関連動作制御等により動作される複合動作役物ユニットM3400と第3図柄表示装置M81における表示とを一体的に視認させることができる。そのため、第3図柄表示装置M81において調整表示がされている時に第1の関連動作制御等の制御が開始される場合、その開始と同時期に可動装飾ユニットM600の電飾基板M630(図1777参照)の発光色が、ベースが橙色の発光態様からベースが白色の発光態様に切り替えられる。この第1の関連動作制御等の制御が終了した後は、通常表示が維持される。即ち、第1の関連動作制御等の制御が終了した後において調整表示での遊技を遊技者が望む場合には、改めて調整ボタンH3044(図1820参照)を操作すればよい。
遊技者が常に調整表示での遊技を望む場合には、第1の関連動作制御等の制御が実行される度に調整ボタンH3044(図1820参照)を操作する必要があり、手間に感じる可能性はあるが、通常表示への変更が時間経過で生じるものでは無いので、比較的負担は少ない。例えば、調整表示から通常表示への変更が30秒毎にされる場合、遊技者は30秒毎に調整ボタンH3044(図1820参照)を操作する必要があり、大変な手間である。一方、第1の関連動作制御等の制御は、第3図柄の変動表示と共に毎回実行されるものではなく、変動表示のうちの一部の変動表示において実行されるものである。そのため、遊技者が調整ボタンH3044を操作する機会が多くなることを避けることができ、調整表示での遊技を望む遊技者の遊技負担を低減することができる。第3図柄表示装置M81における表示が調整表示となっている場合において、第1の関連動作制御等の制御が開始される場合に、複合動作役物ユニットM3400に強制的に復帰制御が実行される制御態様に代替して(又は追加して)、復帰制御させるか否かを遊技者に選択させる制御を構成可能としても良い。即ち、第1の関連動作制御等の制御が開始される前段階において、第3図柄表示装置M81で「演出確認を望む場合はボタンを押せ」との表示の下に操作示唆表示M81b(図1817参照)がされ、バーの網掛け部M81cにより報知される操作可能期間の内に遊技者がボタン部H181(図1820参照)を操作したことが音声ランプ制御装置H113で把握された場合に、複合動作役物ユニットM3400に復帰制御が実行されるように構成しても良い。この場合、遊技者に対して、実行される演出を支配している感覚を付与することができ、遊技の興趣を高めることができる。遊技者の選択のもと、報知に従いボタン部H181を操作した場合には表示は通常表示に戻され、通常表示のもとで第1の関連動作制御等の制御が実行される。一方で、遊技者がボタン部H181を操作しなければ第3図柄表示装置M81の表示は調整表示で維持されることから、第1の関連動作制御が終了した後に再度調整表示に戻すために調整ボタンH3044を操作するという煩わしさから遊技者を解放することができる。なお、遊技者がボタン部H181を操作せず調整表示で維持された場合における調整領域M3081aにおける表示の内容は、種々の態様が例示される。例えば、第1の関連動作制御等の制御によって動作が実行されるべき複合動作役物ユニットM3400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800が縮小されたサイズで調整領域M3081aにおいて表示され、第1の関連動作制御等の制御による動作と同様の動作態様で動作するように動的に表示しても良い。即ち、第3図柄表示装置M81の表示を縮小させた状態で視認させるだけではなく、表示の前方や周囲に配置される構成も含めて縮小させた状態で視認できるように構成しても良い。この場合、表示は調整表示のサイズで維持しながら、第1の関連動作制御等の制御と同様の動作により構築される演出を調整領域M3081aにおける表示により視認させることができる。
遊技者が通常表示での遊技を望む場合、敢えて調整ボタンH3044(図1820参照)を操作するモチベーションが無く、調整ボタンH3044の存在が無駄になる可能性が有る。これに対し、本実施形態では、調整表示とされている場合(検出センサM3489により検出片M554(図1776参照)が検出されている場合)に限り導光板M260で第2発光形状M272(図1807(c)参照)が発光され得るよう制御される。この第2発光形状M272(図1807(c)参照)の発光は、抽選に関して取得された乱数に応じて実行の有無が選択されるものであって、抽選に係る入賞の検出と同時に実行される。本実施形態では、抽選が大当たりである場合に発光される。そのため、第3図柄表示装置M81に表示される変動を待つことなく大当たりとなったことが把握できることから、通常表示での遊技を望む遊技者に対しても、調整ボタンH3044を操作するモチベーションを与えることができる。導光板M260の第2発光形状M272(図1807(c)参照)による報知は、第2発光形状M272(図1807(c)参照)の配置が固定されており、且つ、第3図柄表示装置M81の前側に配置される層状部における表示であるため、遊技者に気付かせ易くすることができる。図1822から図1825を参照し、第160実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。上述した第157実施形態では、ピン付きギアM582の回転が360度未満の回転角度に限定される場合を説明したが、第160実施形態では、360度以上の回転角度での回転が可能とされる。図1822は、第160実施形態における可動装飾ユニットM3600の分解背面斜視図である。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。可動装飾ユニットM3600では、上述した可動装飾ユニットM600(図1778参照)との比較において、リンク部材M660の形状が部分的に変更されたリンク部材M3660が構成されており、荷重付与部M604が前後方向に平行移動可能に支持される変位部材M3690に形成されることが異なる。図1822に図示されるように、変位部材M3690は、下縁部に荷重付与部M604が形成されており、板状本体部M3610に形成される案内対向面M3607に左右両側を案内される状態で前後方向への平行移動が可能に支持される。板状本体部M3690は、荷重付与部M604の右下端部において形成されるテーパ面M3691と、上端側において後方に板バネ式の被検出部が張り出す検出センサM3693と、電飾基板M630との間に配置されるコイルスプリングM3695と、を備える。テーパ面M3691は、下方へ向かう程に前方へ向かう傾斜として形成されており、下方から荷重を受けた場合に、板状本体部M3690を前方側へ逃がす(退避させる)ように構成される。板状本体部M3690の前方側への変位は、荷重付与部M604が板状本体部M3610の板部後側面よりも埋没する位置まで可能とされている。板状本体部M3690を前方へ変位させる荷重が取り去られるとコイルスプリングM3695の弾性力により板状本体部M3690が後方側へ変位され、荷重付与部M604が板状本体部M3610の板部後側面よりも後方へ張り出す。
検出センサM3693は、ピン付きギアM582の柱状部M582aの移動軌跡と重なる位置に配設される。具体的には、柱状部M582aからの荷重により板状本体部M3690が前方側へ退避された後もピン付きギアM582が同方向に回転された場合に柱状部M582aを検出センサM3693が検出可能に構成されているが、詳細は後述する。図1823(a)、図1823(b)、図1824(a)及び図1824(b)は、可動装飾ユニットM3600の部分正面図である。図1823(a)、図1823(b)、図1824(a)及び図1824(b)では、伝達部M580の動作に基づいて可動装飾ユニットM3600が動作される様子が時系列で図示される。図1823(a)、図1823(b)、図1824(a)及び図1824(b)では、伝達部M580の動作の理解を容易とするために、駆動モータM501、扇形状構成部M560、伝達部M580、後側スライド移動体M650及びリンク部材M3660等が実線で図示される一方、それらの部材に重なる演出動作ユニットM500や可動装飾ユニットM3600については大部分において図示が省略され、外形線が想像線で図示される。なお、外形線として図示される演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM3600は、図1823(a)では、傾倒側終端状態が図示され、図1823(b)では、伸長状態が図示され、図1824(a)では、伸長状態から更に後側スライド移動体M650がスライド移動される超伸長状態が図示され、図1824(b)では、傾倒側終端状態が図示される。リンク部材M3660は、突設支持部M617に回転移動可能に支持される長尺板状に形成される板状本体部M661と、その板状本体部M661の一方の端部において後方へ円柱形状に突設され後側スライド移動体M650の伝達開口部M653に挿通される伝達突設部M662と、板状本体部M661の他方の端部において板状に形成されており正面視反時計回り方向にピン付きギアM582が回転される場合に柱状部M582aに押進される被押進面を有する被押進板部M3663と、その被押進板部M3663に対向配置される対向突部M3664と、を主に備える。被押進板部M3663は、柱状部M582aに押進されることでリンク部材M3660の回転動作が生じる部分として構成されている。被押進板部M3663は、対向突部M3664よりも長く形成されており、柱状部M582aとの接触位置が動作中に変化する。即ち、押進開始時には被押進板部M3663の中腹辺り(途中部)に接触するが(図1823(a)参照)、ピン付きギアM582が回転するにつれて接触位置が変化し、最終的には先端側に移る(図1824(a)参照)。これにより、ピン付きギアM582から被押進板部M3663に付与される荷重の集中位置をずらすことで、部材の疲労の集中を避けることができる。なお、被押進板部M3663は、伝達爪部M663(図1778参照)よりも長くされることに起因して、正面視において荷重付与部M604と重なる長さになったが、被押進板部M3663の前側部が荷重付与部M604と干渉しないように凹設形成される。そのため、被押進板部M3663が荷重付与部M604に荷重を付与する事態は回避することができており、干渉しないような離間配置とされる。
正面視反時計回り方向のピン付きギアM582の回転が継続されると、柱状部M582aにより変位部材M3690のテーパ面M3691(図1822参照)が押進され、変位部材M3690が前方側へ退避されるため、柱状部M582aが変位部材M3690の荷重付与部M604にせき止められなくなり、同方向へのピン付きギアM582の回転が継続可能とされる(図1824(a)及び図1824(b)参照)。即ち、ピン付きギアM582は正面視反時計回り方向に1回転以上の回転動作が可能とされる。ピン付きギアM582の回転が正面視反時計回り方向で継続される場合、柱状部M582aは被押進板部M3663の先端を越えて通過することになるが、柱状部M582aからの押進力が失われることでリンク部材M3660の姿勢は弾性バネM655(図1822参照)の付勢力により時間経過で即座に戻る(図1824(b)参照)。この場合、ピン付きギアM582が正面視時計回り方向に回転しそうになったとしても、被押進板部M3663の背面側に柱状部M582aが遮られることから、ピン付きギアM582の回転移動を防止することができる。即ち、被押進板部M3663の背面側に柱状部M582aから荷重が与えられた場合、リンク部材M3660は正面視反時計回り方向へ傾倒動作され得るが、その傾倒動作は、リンク部材M3660と連動される後側スライド移動体M650に固定される左側装飾部M680の移動が右側装飾部M670(図1822参照)により規制される(防止される)。従って、ピン付きギアM582の回転移動がリンク部材M3660により防止される。そのため、ピン付きギアM582の回転速度が想定以上に高速となり、変位部材M3690の退避方向への変位が間に合わずに柱状部M582aが逆方向に跳ね返るような回転が発生した場合であっても、柱状部M582aの戻りをリンク部材M3660により制限することができ、ピン付きギアM582の正面視反時計回り方向への回転動作をスムーズに再開させることができる。
図1825は、ピン付きギアM582及びリンク部材M3660の正面図である。図1825では、ピン付きギアM582とリンク部材M3660との動作関係が、状態違いを想像線で描くことにより図示される。即ち、図1825では、ピン付きギアM582が正面反時計回りで回転動作される場合における柱状部M582aが被押進板部M3663に当接開始する状態(図1823(a)参照)が実線で図示される。更にピン付きギアM582が回転動作され、ピン付きギアM582の回転軸と突設支持部M617の中心軸とを結ぶ直線状に柱状部M582aが位置された場合における柱状部M582aの外形M582F1及びリンク部材M3660の外形M3660F1が想像線で図示される。更にピン付きギアM582が回転動作され、可動装飾ユニットM3600が伸長状態(図1823(b)参照)とされた場合における柱状部M582aの外形M582F2及びリンク部材M3660の外形M3660F2が想像線で図示される。更にピン付きギアM582が回転動作され、可動装飾ユニットM3600が超伸長状態(図1824(a)参照)とされた場合における柱状部M582aの外形M582F3及びリンク部材M3660の外形M3660F3が想像線で図示される。なお、リンク部材M3660の部位についても、符号の対応は同様とする。例えば、外形M3660F3において、被押進板部M3663に対応する箇所は外形M3663F3と図示する。図1825に図示されるように、ピン付きギアM582が正面視反時計回りで回転される場合におけるリンク部材M3660の押進では、ピン付きギアM582により押進されるリンク部材M3660の部位が徐々に変化される。即ち、押進が開始される時点における柱状部M582aと被押進板部M3663との当接位置よりも、外形M582F3と外形M3663F3との当接位置の方が、被押進板部M3663の先端側とされる。これにより、柱状部M582aから被押進板部M3663へ付与される荷重を複数位置で分散させることができ、局所的な疲労が蓄積される事態を避け易くすることができる。外形M582F3の位置を柱状部M582aが超えてピン付きギアM582が正面視反時計回りに回転動作されると、リンク部材M3660は姿勢が復帰され(図1824(b)参照)、柱状部M582aが板バネ式の被検出部を押し込むことにより検出センサM3693(図1822参照)に検出される。検出センサM3693は、被検出部が柱状部M582aに押し込まれることに基づいて検出されることに因り特定の遊技が開始される。開始される特定の遊技の態様は種々の態様が例示されるが、例えば、演出動作ユニットM500の電飾基板M513における発光の制御でも良いし、演出動作ユニットM500以外の演出役物(例えば、可動装飾ユニットM3600、スライド動作役物ユニットM700(図1810参照)又は昇降動作役物ユニットM800(図1814参照))の動作制御または発光制御でも良いし、所定の変動表示でも良いし、遊技者に所定の利益(一定数貯めることで演出の開放に利用可能な仮想のポイント等)を付与するものでも良い。これにより、ピン付きギアM582の正面視反時計回り方向への回転を継続した場合に、可動装飾ユニットM3600の姿勢が傾倒側終端状態から変化しない構成であっても、柱状部M582aを検出センサM3693で検出させることで特定の遊技を開始させることにより、遊技者が遊技に飽きる事態を回避することができる。なお、リンク部材M3660の姿勢の検出は行わないことから、リンク部材M3660の姿勢の検出を行う場合には考慮する必要が生じる検出に必要となる時間長さの停止を考慮することなく、リンク部材M3660を高速動作させる制御を実行する等しても遊技に支障は無い。
図1826から図1829を参照し、第161実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10に適用した場合の一実施形態について説明する。上述した第157実施形態では、リンク部材M660が可動装飾ユニットM600と共に回転移動する場合を説明したが、第161実施形態では、可動装飾ユニットM4600の回転移動がリンク部材M660に相当する回転移動部材M4660に対して独立に実行可能に構成される。図1826は、第161実施形態における複合動作役物ユニットM4400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800の正面図である。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。複合動作ユニットM4400の可動装飾ユニットM4600では、上述した可動装飾ユニットM600(図1778参照)との比較において、リンク部材M660に相当する回転移動部材M4660は回転軸が固定配置で構成されている。それに伴い、被案内部M550が自由落下する構成は除外されており(上昇端位置で固定とされており)、可動装飾ユニットM4600の傾倒動作と、回転移動部材M4660の回転動作とが、単一のピン付きギアM582(図1775参照)の回転動作により実現される。回転移動部材M4660を回転可能に支持する円柱状の回転軸部M4476が形成される支持板M4475が前側蓋部M470から左方へ延設されている。可動装飾ユニットM4600の周囲側のうち右下側を構成する壁部は、支持板M4475と干渉しないように必要箇所が切欠き形成されている。これにより、可動装飾ユニットM4600は、支持板M4475と干渉することなく傾倒動作が可能に構成される。図1827(a)及び図1827(b)は、ピン付きギアM582の動作について時系列で図示される可動装飾ユニットM4600及び回転移動部材M4660の部分正面図である。図1827(a)及び図1827(b)では、ピン付きギアM582の動作の理解を容易とするために、駆動モータM501、扇形状構成部M560、ピン付きギアM582及び回転移動部材M4660等が実線で図示される一方、それらの部材に重なる演出動作ユニットM500や可動装飾ユニットM4600については大部分において図示が省略され、外形線が想像線で図示される。なお、図1827(a)及び図1827(b)では、外形線として図示される可動装飾ユニットM4600は傾倒側終端状態とされている。また、図1827(a)では、回転移動部材M4660の待機状態が図示され、図1827(b)では、回転移動部材M4660の回動状態が図示される。回転移動部材M4660は、上述の板状本体部M661(図1822参照)と、その板状本体部M661の一方の端部において後方へ円柱形状で突設される被検出部M4662と、上述の被押進板部M3663(図1822参照)と、上述の対向突部M3664(図1822参照)と、板状本体部M661に一体形成され一直線に延設される延設構成部M4665と、を主に備える。
被検出部M4662は、伝達突設部M662(図1822参照)に類似の形状から構成されているが、伝達対象としての後側スライド移動体M650(図1822参照)は省略されているため、動力を伝達する部位としては機能しない。本実施形態では、被検出部M4662を支持板M4475に配設される検出センサ(図示せず)の検出溝に進入させることで、回転移動体M4660の姿勢を音声ランプ制御装置H113のMPUH221(図1769参照)に把握させるための部位として機能する。即ち、支持板M4475に配設される検出センサ(図示せず)に被検出部M4662が検出されている状態において、回転移動部材M4660は、延設構成部M4665が下方に垂下する待機状態(図1827(a)参照)であることが音声ランプ制御装置H113のMPUH221(図1769参照)に把握される。なお、支持板M4475に配設される検出センサ(図示せず)は、ピン付きギアM582の柱状部M582aの検出には利用されないため、柱状部M582aの形状や大きさに制限されることなく、被検出部M4662が進入可能な大きさの検出溝が形成されれば良いので、検出センサの設計自由度を向上させることができる。延設構成部M4665は、可動装飾ユニットM4600よりも後方側に配置されており、可動装飾ユニットM4600が傾倒するほど隠される量が多くなるが、少なくとも一部(特に延設先端側)が常時視認可能とされる。従って、可動装飾ユニットM4600の姿勢に因らず、遊技者に視認される箇所を利用した演出を実行することが可能とされる。回転移動部材M4660を押進する柱状部M582aと当接する荷重付与部M604は、変位部材M3690の下縁部として構成される(図1822参照)。従って、上述したように、ピン付きギアM582が正面視反時計回りで回転動作される場合には変位部材M3690が退避されることで、柱状部M582aが被押進板部M3663を越える位置までピン付きギアM582を回転動作させることが可能とされ(図1824(b)参照)、ピン付きギアM582に一回転以上の回転動作を実行させることができる。なお、円板付きギアM584のギア歯の数とピン付きギアM582のギア歯の数との関係から、ピン付きギアM582が1回転することに対応して円板付きギアM584が3回転するので、ピン付きギアM582に一方向で一回転以上の回転動作を実行する場合であっても、ピン付きギアM582と円板付きギアM584との角度関係は周期的に維持される。図1828及び図1829は、複合動作役物ユニットM4400、スライド動作役物ユニットM700及び昇降動作役物ユニットM800の正面図である。図1828及び図1829では、可動装飾ユニットM4600が傾倒側終端状態とされている。また、図1828では、回転移動部材M4660の待機状態が図示され、図1829では、回転移動部材M4660の回動状態が図示される。即ち、図1828に図示される状態は図1827(a)に図示される状態と同じであり、図1829に図示される状態は図1827(b)に図示される状態と同じである。図1828及び図1829に図示されるように、傾倒側終端状態の可動装飾ユニットM4600の後方側で回転移動部材M4660が回転動作される場合、回転移動部材M4660は可動装飾ユニットM4600の下側へ垂れる姿勢から、可動装飾ユニットM4600を上側へ追い越す姿勢となる最大角度で回転動作されることから、回転基端側は可動装飾ユニットM4600に重なって隠されることが有るのに対し、回転先端側は可動装飾ユニットM4600とは重ならないため回転移動部材M4660の姿勢に関わらず視認させることができる。延設構成部M4665は、前方側へ光を照射可能に構成されるLED等に例示される発光部M4666を複数備えている。発光部M4666が点灯または点滅制御されることにより、延設構成部M4665の形状を利用したライン状の発光演出を行うことができる。複数個の発光部M4666の発光態様を独立で制御することで、多くのバリエーションの発光演出を行うことができる。
発光部M4666は、延設構成部M4665の延設方向に並んでおり、延設構成部M4665の延設先端側から基端側に等間隔で26個配置されている。回転移動部材M4660の待機状態では、全ての発光部M4666が視認可能とされており(図1828参照)、回転移動部材M4660の回動状態では、延設先端側における複数個(17個)の発光部M4666が視認可能とされ、残り(延設基端側)は可動装飾ユニットM4600に隠される。このように、発光部M4666の視認態様は、延設構成部M4665が停止された状態においても、延設構成部M4665の姿勢が異なれば発光部M4666が並ぶ方向が異なることに加え、視認される発光部M4666の個数にも違いが生じるので、異なった態様で視認させることができる。これに加えて、延設構成部M4665の往復動作の実行中に複数の発光部M4666の発光態様を制御することで、延設構成部M4665の移動軌跡において発光部M4666から照射される光の残像により文字や絵を視認させる演出が実行可能とされている。以下、詳しく説明する。光の残像により文字や絵を視認させる演出を実行させるためには、まず視認させたい文字や絵の仮想外形線M4690Fを延設構成部M4665の動作軌跡上に配置し、延設構成部M4665が回転動作される場合において、仮想外形線M4690Fと重なる位置の発光部M4666を、その重なるタイミングで発光させ、重ならなくなったら消灯させるという制御を行う。この制御のためには、発光部M4666の点灯および消灯のタイミングを決めるために、延設構成部M4665の回転速度と、待機状態からの延設構成部M4665の回転開始時点とを、音声ランプ制御装置H113のMPUH221(図1769参照)に把握させることが前提となる。延設構成部M4665の回転動作は、駆動モータM501(図1827(a)参照)の回転駆動により実行されるので、駆動モータM501の回転駆動制御により速度を任意に設定可能とされるので、音声ランプ制御装置H113のMPUH221(図1769参照)に延設構成部M4665の回転速度を把握させることができる。詳細には、駆動モータM501(図1827(a)参照)が例えば300[rpm]で回転する場合にピン付きギアM582は100[rpm]で回転するよう構成されており、ピン付きギアM582が例えば52[度]回転動作する場合に延設構成部M4665が78[度]回転動作されているので(図1827(a)及び図1827(b)参照)、ピン付きギアM582が100[rpm]で回転する場合に延設構成部M4665は150[rpm]で回転する。従って、延設構成部M4665は駆動モータM501の回転数(角速度)の半分の回転数(角速度)で回転動作される。また、支持板M4475の検出センサ(図示せず)に被検出部M4662(図1827(a)参照)が検出されることにより、回転移動部材M4660が待機状態から回転開始するタイミングが検出される。即ち、支持板M4475の検出センサ(図示せず)の検出結果から、待機状態からの延設構成部M4665の回転開始時点を、音声ランプ制御装置H113のMPUH221(図1769参照)に把握させることが前提となる。
上述の通り、延設構成部M4665の回転速度と、待機状態からの延設構成部M4665の回転開始時点とを、音声ランプ制御装置H113のMPUH221(図1769参照)に把握させることができているため、回転動作する回転移動部材M4660に配設される複数の発光部M4666を適切に発光制御する(適切なタイミングで点灯消灯させる)ことで、光の残像により文字や絵を視認させる演出が実行可能とされる。光の残像により文字や絵を視認させる演出の一例について説明する。例えば、延設構成部M4665を約40度の回転角度MR1で往復動作させる範囲では、可動装飾ユニットM4600と重なる面積が狭いため、動作軌跡の大部分を光の残像により視認させる文字や絵を形成する領域として利用することができ、延設構成部M4665の延設方向に沿う縦長の残像形状M4691F(例えば「アツイ」との文字、図1828参照)であっても視認させることができる。また、例えば、延設構成部M4665を約78度の回転角度MR2で往復動作させる範囲では、回転基端側において可動装飾ユニットM4600と重なる部分においては光の残像を視認させることは難しいが、可動装飾ユニットM4600と重ならない回転先端側の大部分を光の残像により視認させる文字や絵を形成する領域として利用することができ、延設構成部M4665の回転方向に沿う湾曲帯状領域内に並ぶ残像形状M4692F(例えば「オメデトウ」との文字、図1829参照)であっても視認させることができる。本実施形態では、残像形状M4691F,M4692Fは、抽選に係る変動中に視認させるように延設構成部M4665の動作制御がされるところ、残像形状M4692Fが視認される変動の大当たり期待度(即ち、抽選が大当たりである割合)の方が、残像形状M4691Fが視認される変動の大当たり期待度よりも高くされている。なお、残像形状M4691Fや残像形状M4692Fで視認させる形状は例示であり、これに限られるものではない。片仮名の羅列である場合を例示したが、文字の種類が限定されるものでは無く、漢字、平仮名、アルファベットでも良いし、文字では無く絵を視認させるようにしても良い。また、残像形状M4691F,M4692Fがそれぞれ単独で視認される場合を例示したが、これに限られるものではない。例えば、残像形状M4691F,M4692Fをそれぞれ同時に視認させるようにしても良いし、交互に視認させるようにしても良いし、残像形状M4691Fが視認される期間の後で残像形状M4692Fが視認される期間が設定されても良い。
延設構成部M4665の回転速度は、上述の通りピン付きギアM582(図1827(a)参照)の回転速度に対応する。同様に、可動装飾ユニットM4600が起き上がり側終端状態から傾倒側終端状態へ回転動作する場合の回転速度もピン付きギアM582の回転速度に対応する。そのため、ピン付きギアM582を回転動作させることで可動装飾ユニットM4600と延設構成部M4665とを同様の速度で連続的(段階的)に動作させることができる。可動装飾ユニットM4600と延設構成部M4665とが同様の速度で連続的に動作される場合、可動装飾ユニットM4600と延設構成部M4665とが連動しているように遊技者に視認させることができ、可動装飾ユニットM4600及び延設構成部M4665に対する注目力を向上させることができる。ここで、延設構成部M4665により視認される残像表示M4691F,M4692Fは、上述した通り、残像表示M4691Fが視認される場合よりも残像表示M4692Fが視認される場合の方が遊技者にとって有利となるところ、残像表示M4692Fを視認させるために必要となる延設構成部M4665の回転角度は残像表示M4691Fを視認させるために必要となる延設構成部M4665の回転角度よりも大きいため、延設構成部M4665の動作速度を予測させる可動装飾ユニットM4600の動作速度に高低が有る場合に、高速である方が、残像表示M4692Fが表示されるかもしれないという期待感を遊技者に持たせ易い。本実施形態では、駆動モータM501(図1827(a)参照)の駆動制御として、少なくとも、180[rpm]の第1回転制御(低速制御)と、423[rpm]の第2回転制御(高速制御)とが可能に構成される。駆動モータM501が第1回転制御で動作される場合に延設構成部M4665により残像表示M4691Fが視認され、駆動モータM501が第2回転制御で動作される場合に延設構成部M4665により残像表示M4692Fが視認されるように構成される。多くの場合、駆動モータM501は第1回転制御で駆動制御される。そのため、可動装飾ユニットM4600の回転動作後に延設構成部M4665が動作される場合に視認されるのは残像表示M4691Fとされる。一方、稀(例えば、50変動に1回程度の割合)に、第1回転制御での駆動制御が開始された駆動モータM501が、可動装飾ユニットM4600が起き上がり側終端状態から傾倒側終端状態に至る前に第2回転制御に切り替えられる場合があり、この場合には可動装飾ユニットM4600の回転動作後に延設構成部M4665が動作される場合に視認されるのは残像表示M4692Fとされる。そのため、可動装飾ユニットM4600の動作に対する注目力を向上させることができる。また、ごく稀(例えば、100変動に1回程度の割合)に、可動装飾ユニットM4600を起き上がり側終端状態から回転動作開始させる時点から駆動モータM501が第2回転制御で動作される。この場合には可動装飾ユニットM4600の回転動作後に延設構成部M4665が動作される場合に視認されるのは残像表示M4692Fとされる。そのため、可動装飾ユニットM4600の動作に対する注目力を向上させることができる。このように、可動装飾ユニットM4600の動作速度は、初めから第1回転制御での速度が維持される場合、第1回転制御での速度から第2回転制御での速度に途中で切り替えられる場合、初めから第2回転制御での速度が維持される場合があるが、本実施形態では、可動装飾ユニットM4600を動作させる際にボタン部H181(図1767参照)を操作することに基づく所定条件が成立した場合に、可動装飾ユニットM4600の速度が第1回転制御での速度から第2回転制御での速度に途中で切り替えられる場合における切り替えタイミングを早めることができるよう構成される。即ち、ボタン部H181の操作を行うことで、より早いタイミングで可動装飾ユニットM4600を第2回転制御での速度で動作させることができ、より早いタイミングで残像表示M4692Fが視認され得るか否か(大当たり期待度が高いか否か)を知ることができるかもしれないという期待から、ボタン部H181に対する操作意欲を向上させることができる。
ボタン部H181の操作に基づく所定条件の成立としては、例えば、操作有無のみの判定から成立としても良いし、操作の判定があった場合に一定確率で成立するものとしても良いし、操作回数が規定値を越えた場合に成立するものとしても良いし、連打速度(一定期間における操作回数)が規定値を越えた場合に成立するものとしても良い。また、ボタン部H181の操作に基づく所定条件の成立としては、例えば、操作量(押し込み量)が規定値以下の場合には第1回転制御が維持され、操作量(押し込み量)が規定値を超えると成立し第2回転制御に切り替えられるものとしても良いし、操作量が規定値以下の場合にはその操作量の大小に対応して、第2回転制御での速度よりも小さい範囲で駆動モータM501の動作速度が段階的に変化されるように構成し、操作量(押し込み量)が規定値を超えると成立し第2回転制御に切り替えられるものとしても良い。ボタン部H181の操作タイミングについては、報知はせず、可動装飾ユニットM4600の動作を視認した遊技者が自発的に行うようにしても良いが、可動装飾ユニットM4600を動作させる際に第3図柄表示装置M81において操作示唆表示M81b(図1817参照)を表示することで、ボタン部H181を操作すべきタイミングであることを遊技者が分かり易くなることからボタン部H181への操作意欲を向上させることができ、更に、操作示唆表示M81bがされることで可動装飾ユニットM4600の動作開始を遊技者に予測させることができ、可動装飾ユニットM4600の動作開始前から可動装飾ユニットM4600に対する注目力を向上させることができる。また、上述の通り、延設構成部M4665の回転速度は、ピン付きギアM582(図1827(a)参照)の回転速度に対応する。同様に、可動装飾ユニットM4600が起き上がり側終端状態から傾倒側終端状態へ回転動作する場合の回転速度もピン付きギアM582の回転速度に対応するが、可動装飾ユニットM4600を回転させる場合と延設構成部M4665を回転させる場合とは独立している(柱状部M582aは荷重付与部M604又は回転移動部材M4660のいずれか一方と当接する(図1827(a)及び図1827(b)参照)ため、ピン付きギアM582の回転速度をタイミングよく変えることで可動装飾ユニットM4600の動作速度と延設構成部M4665の動作速度とを変えることもできる。なお、可動装飾ユニットM4600を動作させる速度とは異なる速度で延設構成部M4665を動作させる場合(可動装飾ユニットM4600が傾倒側終端状態となった後で駆動モータM501(図1827(a)参照)の回転速度を変化させる場合)、可動装飾ユニットM4600の動作から延設構成部M4665の動作内容を予測することを困難とさせることができるので、延設構成部M4665に対する注目力をより長く維持することができる。この場合において、延設構成部M4665を動作させる速度は、可動装飾ユニットM4600を動作させる速度よりも遅い場合があっても良いし、可動装飾ユニットM4600を動作させる速度よりも速い場合があっても良い。バリエーションが多いほど、遊技者の延設構成部M4665に対する注目力を向上させることができる。また、この場合において、延設構成部M4665の動作態様を複数構成しても良い。例えば、動作範囲の途中までの回転動作としても良いし(図1828参照)、動作範囲の終端まで回転動作しても良いし(図1829参照)、延設構成部M4665の回転はさせない角度で駆動モータM501を一旦停止させて、回転方向を反転させて可動装飾ユニットM4600を起き上がり側終端状態に戻しても良い。また、その駆動モータM501を一旦停止させた後で、回転方向を反転させるのではなく、一拍おいてから、延設構成部M4665の回転動作を生じさせるようにしても良い。なお、延設構成部M4665の回転動作という場合には、回動状態へ向けて回転動作されて待機状態に復帰する一往復の動作に限らず、複数回の往復回転動作を含む。また、回動状態へ向けて回転動作されて待機状態に復帰する一往復の動作としては、ピン付きギアM582が往復動作することにより構成されるものも、ピン付きギアM582が正面視反時計回りに回転動作して柱状部M582aが被押進板部M3663を越えることにより生じるものも含む。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。上記第157実施形態では、被案内部M550が落下終端位置に配置されている場合には、検出センサM453での検出の切り替えに先立って被案内部M550が昇降移動体M443により押し上げ開始される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被案内部M550と昇降移動体M443との上下間隔をより大きく確保するようにして、被案内部M550が押し上げられない状態(落下終端位置で維持された状態)での昇降移動体M443の昇降移動によって前方突設部M444が検出センサM453の検出溝から退避可能(検出結果を切り替え可能)としても良い。この場合、昇降移動体M443を昇降移動させるように制御させて、その昇降移動を検出センサM453で検出することにより、昇降移動体M443が動作不良を起こしていないことを定期的に確認させたり、検出センサM453の検出結果を他の特定の装置の出力の切り替えに利用したりする制御を、被案内部M550を落下終端位置で維持した状態でも実行することが可能となる。従って、昇降移動体M443の昇降移動を、被案内部M550が落下終端位置にある場合においても落下終端位置に対して独立させることができるので、昇降移動体M443によって、動作不良の確認をしたり、他の特定の装置の出力の切り替えをしたりする制御を実行するタイミングの自由度を向上させることができる。換言すれば、被案内部M550が落下終端位置とは異なる位置にある時に限って上述の制御を実行するという煩わしさが解消され、制御を簡素に構築することができる。上記第157実施形態では、昇降移動体M443が樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降移動体M443を金属材料から構成するようにしても良い。この場合、より硬質であって、昇降移動体M443の破損の可能性を低減させることができ、更に、検出センサM453による前方突設部M444の検出の感度を向上させることができる。上記第157実施形態では、上下方向に延びる凹設溝部M452の左右幅が略均一な溝として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹設溝部M452の左右幅が上から下に向かうにつれて縮小されていくように変化され、検出センサM453に到達する上下位置で最小(検出センサM453の検出溝の幅長さと同等)とされるように構成しても良い。この場合、上側の位置において前方突設部M444の左右位置が変化していたとしても凹設溝部M452との衝突を回避し易くすることができる一方、検出センサM453に近づく下側の位置において前方突設部M444の左右位置が変化していた場合には前方突設部M444の位置を凹設溝部M452の内壁に当接させることで検出センサM453の検出溝の中心側へ寄せる(案内する)ことができるので、前方突設部M444と検出センサM453とが真正面から衝突し破損するという事態を避けることができる。また、昇降移動体M443の姿勢を維持させるための後方二股部M446等の構成を省略することができ、姿勢維持に伴い生じていた移動抵抗を低減させることができる。
上記第157実施形態では、検出センサM453の検出溝の上部が開放されており、その開放される箇所を前方突設部M444が通る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサM453の検出溝の上部を覆う柔軟な膜部材が構成され、前方突設部M444が下降する際にはその膜部材を引き延ばしながら変位するように構成しても良い。この場合、前方突設部M444と検出センサM453の検出溝との間に柔軟な膜部材を介在させることができるので、前方突設部M444と検出センサM453の検出溝とが直接的に接触することを回避させることができるので、前方突設部M444及び検出センサM453が破損する可能性を低減させることができる。上記第157実施形態では、左側蓋部M530及び右側蓋部M540が共に樹脂材料から構成されることで軽量化が図られており演出動作ユニットM500を上昇移動させる駆動モータM442の負担が低減される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側蓋部M530又は右側蓋部M540の少なくとも一方を金属材料から構成するようにしても良い。この場合において、左側蓋部M530を金属材料から構成し右側蓋部M540を樹脂材料から構成する場合、左側蓋部M530を光が透過することを避けることができるので、左側蓋部M530が第3図柄表示装置M81の表示と重なるように配置される場合であっても第3図柄表示装置M81からの照射光が左側蓋部M530の手前側まで透けて遊技者に視認される事態を避けることができる。これにより、第3図柄表示装置M81からの照射光の色味が板状本体部M510や可動装飾ユニットM600に重なって視認されることを回避でき、板状本体部M510や可動装飾ユニットM600の演出効果を向上させることができる。また、第1の関連動作制御において、移動装飾部M770が第1の状態から第2の状態へ向けて移動を開始する時点における移動装飾部M770と連動意匠M781との境界部を隠す機能を向上させることができ、更に、移動装飾部M770が第2の状態に到達した場合には右側蓋部M540を部分的に光が透過することにより移動装飾部M770と連動意匠M781との境界部を隠す機能を弱めることができる。上記第157実施形態では、板状本体部M510と被案内部M550とが互いに相対変位可能な別体で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状本体部M510と被案内部M550とが互いに相対変位不能(例えば、一体構造)に構成されても良い。この場合、板状本体部M510に姿勢変化を生じさせることなく被案内部M550の案内される方向(直線方向)への移動を構成することができる。上記第157実施形態では、扇形状構成部M560が回転軸を構成する大径支持部M543に支持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側蓋部M530の湾曲縁部M532側端部の背面に扇形状構成部M560の回転軸を中心とする円弧形状のレール部が形成され、このレール部に扇形状構成部M560の延設部M568が移動(摺動)可能に支持されることで、円弧形状に沿って扇形状構成部M560が移動すると大径支持部M543を中心とする回転移動が生じるように構成しても良い。この場合、扇形状構成部M560の支持に利用される領域の面積を大きくすることができるので、扇形状構成部M560が高頻度で動作した場合であっても、扇形状構成部M560の支持に利用される箇所の損耗を抑えることができる。
上記第157実施形態では、扇形状構成部M560が回転軸を構成する大径支持部M543に支持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大径支持部M543の代わりに円形孔が穿設されており、その円形孔に脱落防止部M544の小径円形部(前方部)が挿通されることにより脱落防止部M544が支持される構造としても良い。この場合、脱落防止部M544を、扇形状構成部M560の脱落を防止する役割と、扇形状構成部M560を支持する役割とで兼用することができる。この場合において、締結ネジM502が右側蓋部M540の前方まで貫通する長さとして、その締結ネジM502を右側蓋部M540の手前側に配設され円形孔よりも外形が大きい追加の抜け止め板に締結させることにより、脱落防止部M544の抜け止めを図るようにしても良い。これにより、脱落防止部M544の軸方向の位置ずれを防止することができる。また、脱落防止部M544の小径円形部(前方部)や締結ネジM502が右側蓋部M540だけでなく、板状本体部M510まで挿通される長さで構成されても良い。なお、構成材料としては、基本的には締結ネジM502が金属材料から形成され、脱落防止部M544が樹脂材料から形成されるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、脱落防止部M544も金属材料から形成するようにしても良い。この場合、脱落防止部M544の強度や耐久性を向上させることができる。また、締結ネジM502を樹脂材料から形成するようにしても良い。この場合、透過性の樹脂材料を採用することにより締結ネジM502を通して光を通過させることができることから、後方から照射される光(例えば、第3図柄表示装置M81の表示による光)を締結ネジM502の位置を通して前方へ通過させることができるので、締結ネジM502の前方の位置において電飾基板M630に円形開口部M633が形成されている構成であっても、締結ネジM502の前方の位置(可動装飾ユニットM600の中心軸線MJ1に対応する位置)を光らせる演出を採用することができる。上記第157実施形態では、扇形状構成部M560は円板付きギアM584の円弧形成部M584aからの下方への荷重により下方へ押し下げられる態様で変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、扇形状構成部M560の突条部M563又は円板付きギアM584の円弧形成部M584aの一方が鉄などの磁性体材料から形成され、他方に磁石が配設されることにより、円弧形成部M584aと突条部M563との間で引き合う方向の磁力が生じるようにしても良い。この場合、円板付きギアM584の回転動作により扇形状構成部M560を上方へ変位させる場合を構成可能とされ、当接部材M602の上昇方向の変位に先立って扇形状構成部M560を上方へ退避させることもできることから、毎回当接部材M602に扇形状構成部M560を当接させて上方へ変位させる場合に比較して当接回数を減らすことができ、耐用年数を長くすることができる。
上記第157実施形態では、荷重付与部M604は、起き上がり側終端状態におけるピン付きギアM582の柱状部M582aの回転開始方向(柱状部M582aの中心軸とピン付きギアM582の回転軸とを通る直線に対して直交する直線方向)に沿って延びる平面形状から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹凸形状から形成されても良い。この場合、柱状部M582aの回転動作時に荷重付与部M604から抵抗を与えることができ、柱状部M582aが滑り動作することを防止し易くすることができ、ピン付きギアM582を特定の位相で停止させ易くすることができる。また、ピン付きギアM582の回転動作時に荷重付与部M604の凹部および凸部に柱状部M582aが交互に当接することで可動装飾ユニットM600を振動変位させることができる。上記第157実施形態では、当接部材M602の上面の一部に扇形状構成部M560の下面が当接するよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、扇形状構成部M560の延設部M568の延設長さを延長し、当接部材M602の上面の全体に扇形状構成部M560の下面が当接するよう構成しても良い。この場合、当接部材M602から扇形状構成部M560に与えられる荷重をより大きな面積で分散させることができ、延設部M568が受ける圧力を最小限とすることができるので、扇形状構成部M560の材料や形状の設計自由度を向上させることができると共に、扇形状構成部M560の耐久性を向上させることができる。上記第157実施形態では、可動装飾ユニットM600の動作中において延設部M568が視認可能に構成されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円弧状貫通部M515の上端縁と延設支持部M614の上縁とを連結するようにして不透明な膜状で伸縮可能な遮蔽膜部材が配設され、この遮蔽膜部材が円弧状貫通部M515の内側を覆い視線を遮蔽することにより、正面視で延設部M568を視認不能に構成しても良い。この場合、延設部M568という内部の構造を遊技者に視認させないようにすることで、可動装飾ユニットM600により構成される動作演出に注目させ易くすることができる。上記第157実施形態では、扇形状構成部M560が樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、扇形状構成部M560を金属材料から形成しても良い。この場合、扇形状構成部M560の強度を向上させることができ、荷重の蓄積により延設部M568が破損するという事態を避けることができる。上記第157実施形態では、扇形状構成部M560が光透過性の低い(不透明な)樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、光透過性の高い(透明な)樹脂材料から形成しても良い。この場合、延設部M568が正面視で露出している場合であっても、目立たせないようにすることができ、背面側の意匠や表示を透かすことができる。これにより、演出効果を目的としない(換言すれば、装飾を意図しない)内部構造(背面側構造)としての延設部M568について目立たせないようにすることができる。上記第157実施形態では、扇形状構成部M560の延設部M568が略正方形(交差する2方向の幅が同じ長さ)の断面を構成する形状で延設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前後方向(中心軸線MJ1と平行な方向)の幅よりも、その前後方向と交差する方向の幅(正面視で視認される方向の幅、即ち、中心軸線MJ1を中心とする円の接線方向の幅)が小さい形状で延設されるようにしても良い。この場合、延設部M568が露出して視認される場合であっても、正面視で視認される幅が狭くなっているので、延設部M568が後方の意匠や表示を隠す度合を小さくすることができる。これにより、後方の意匠や表示の視認性を向上させることができる。
上記第157実施形態では、可動装飾ユニットM600の左右長さを十分に確保しながら、被案内部M550の上昇移動時における可動装飾ユニットM600の動作タイミングを制限することで可動装飾ユニットM600が他の役物(昇降動作役物ユニットM800、球案内ユニットM900等)と衝突することを未然に防ぐ場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、可動装飾ユニットM600が傾倒側終端状態または伸長状態で維持されたままで被案内部M550を上昇移動させたとしても可動装飾ユニットM600の回転先端側が他の役物と衝突しない程度に可動装飾ユニットM600の左右長さを短く形成しても良い。この場合、被案内部M550(による演出動作ユニットM500)の配置に関わらず可動装飾ユニットM600を任意の状態とすることができる(動作終端まで動作可能とされる)ので、演出動作ユニットM500の動作と可動装飾ユニットM600の動作との組合せの設計自由度を向上させることができる。上記第157実施形態では、可動装飾ユニットM600の正面視の形状の全体において光が透過して視認されるように意匠が描かれる(白地で図示される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転軸部M621の正面側の領域は黒色で塗りつぶされる意匠を描くようにしても良い。この場合、回転軸部M621が電飾基板M630を貫通する態様とされ、電飾基板M630から光が照射されないとしても、正面視の視認態様が違和感なく形成される。上記第157実施形態では、円弧状貫通部M515の幅が一定で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、配置に応じて異ならせても良い。例えば、扇形状構成部M560に近い上側ほど狭く、離れる程に広くなるようにすれば、当接部材M602と扇形状構成部M560とが当接する位置における支持を強固としつつ、当接が生じない箇所では動作抵抗を下げることができる。これを逆とすれば、当接により当接部材M602の配置がずれた場合であっても、下降側において円弧状貫通部M515に配置を修正させることができる。上記第157実施形態では、可動装飾ユニットM600の検出を一側終端位置でのみ行う場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作範囲の両端において検出可能にしても良いし、動作範囲の途中位置で検出できるようにしても良い。上記第157実施形態では、第2の関連動作制御の演出待機動作として、到達領域表示M81aにおいて可動装飾ユニットM600の意匠が表示されている期間において可動装飾ユニットM600が低速の第1動作と復帰動作とを繰り返し実行されることで繰り返し往復移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1の関連動作制御においてスライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770に対して制御される、第2の状態まで到達した後、第1の状態側に所定量(約2cm)戻された後で再び第2の状態まで到達する繰り返し往復動作と同期して(周期が同じか、又は動作の始期および終期が同じ)、上述したような可動装飾ユニットM600の繰り返し往復移動が実行されるように制御しても良い。この場合、移動装飾部M770の繰り返し往復動作と可動装飾ユニットM600の繰り返し往復移動とを一体的に視認させることができ、演出効果を向上させることができる。
上記第157実施形態では、可動装飾ユニットM600の第1動作を、第2の上下移動制御における動作として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被案内部M550は上昇端位置に配置が維持された状態で可動装飾ユニットM600に第1動作と復帰制御による動作とを順に実行しても良いし、これを連続で繰り返すように制御しても良い。この場合、可動装飾ユニットM600が高頻度で上下動作している様子を遊技者に視認させることができ、何らかの抽選についての前兆演出であると想像させることができる。また、第1動作と復帰制御による動作とを順に実行する(ことを繰り返す)制御の後で第2の上下移動制御や、第1の関連動作制御や、第2の関連動作制御が実行される場合を構成しても良い。上記第157実施形態では、第2の上下移動制御において被案内部M550の落下が生じていないと判断した場合において、可動装飾ユニットM600の第2動作を実行せずに復帰制御を行う場合を説明したが、制御の切り替えは必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1の上下移動制御において被案内部M550の落下が生じていないと判断した場合においても制御の切り替えが生じるように構成しても良い。即ち、第1の上下移動制御において被案内部M550の落下が生じていないと判断した場合においては、可動装飾ユニットM600を起き上がり側終端状態から動作させることなく、起き上がり側終端状態のままで維持させるように構成しても良い。また、例えば、検出センサM483の検出結果に因らず可動装飾ユニットM600を傾倒側終端まで変位させるように駆動モータM501が駆動制御されても良い。この場合において、事後的に、第3図柄表示装置M81における表示を可動装飾ユニットM600の配置(被案内部M550が上昇端位置に配置される場合における傾倒側終端状態における配置)と重なる領域を含み若干拡大された領域に集中させる態様(可動装飾ユニットM600と同時に視認して違和感のない態様)に切り替えても良い。上記第157実施形態では、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600の動作方向が上下方向となる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600が前後方向でも良いし、前後方向の成分を含む方向でも良い。この場合、遠近感による演出効果により、迫力のある動作演出を実行することができる。上記第157実施形態では、演出動作ユニットM500の板状本体部M510に可動装飾ユニットM600が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状本体部M510とは離れた位置において別の駆動源で駆動される可動装飾ユニットM600が配設されており、板状本体部M510の動作と、可動装飾ユニットM600の動作とが関連して実行されるように構成しても良い。
上記第157実施形態では、可動装飾ユニットM600がガラスユニットの後方に配置される場合を説明したが、同構成を利用したユニットがガラスユニットの手前側に配設されており、遊技者が触れられるように構成しても良い。この場合において、可動装飾ユニットM600をボタン部H181のような操作部材として採用しても良い。上記第157実施形態では、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600の動作が単一の検出センサM483の検出結果を基に開始される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサM483を上下方向に複数個並べて、複数の検出センサM483の検出結果から動作の開始を判断可能にしても良い。また、検出センサM483の個数を増やすのではなく、演出動作ユニットM500の検出片M554の配設個数を増やす(複数個縦に並べて配設する)ことで、検出センサM483による検出を複数回生じさせることが可能にしても良い。この場合、演出動作ユニットM500が下降を開始していることを複数回の検出から判断できるので、検出の安定性を向上させることができる。上記第157実施形態では、第2の上下移動制御における可動装飾ユニットM600の動作は予定された時間設定で実行されるよう構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技者からの操作によって変更されるようにしても良い。即ち、第2の上下移動制御中において、遊技者がボタン部H181に所定の操作を行うことにより、復帰制御の開始が早まるようにしても良い。この場合、可動装飾ユニットM600が退避して対応表示ME590や第2対応表示ME592を視認可能となるタイミングを早めることができるので、ボタン部H181の操作を意欲的に実行させることができる。上記第157実施形態では、第2対応表示ME592の表示開始タイミングは、対応表示ME590の表示開始タイミングよりも遅らせる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、対応表示ME590が表示されるよりも前に第2対応表示ME592を表示させる場合を構成しても良い。この場合、遊技者は第2の上下移動制御が開始される可能性を事前に予想することができることから、第2の上下移動制御が開始されてからの注目力だけでなく、それ以前から、第3図柄表示装置M81の表示領域に対する遊技者の注目力を向上させることができる。また、第2対応表示ME592の表示態様は、一つに限定されるものではなく、複数態様あっても良い。例えば、第2対応表示ME592が白色で表示される場合と、赤色で表示される場合とが有り、後者の方が大当たり期待度を大きく設定しても良い。この場合、第2対応表示ME592を注意深く視認するようになり、注目力をより向上させることができる。また、第2対応表示ME592の表示色として、表示が終了するまで同色であっても良いし、途中で変更されるようにしても良い。例えば、対応表示ME590の表示開始タイミングよりも前においては白色で第2対応表示ME592が表示され、対応表示ME590の表示開始タイミングよりも遅れて第2対応表示ME592が赤色に変化されるように構成しても良い。この場合、第2対応表示ME592が一度視認されたら注目力が低下されるものではなく、色が変化するかもしれないという期待から遊技者の注目力を維持し続けさせることができる。一方で、例えば、対応表示ME590の表示開始タイミングよりも前においては赤色で第2対応表示ME592が表示され、対応表示ME590の表示開始タイミングよりも遅れて第2対応表示ME592が白色に変化されるように構成しても良い。この場合、第2の上下移動制御が開始された後の視認では第2対応表示ME592が赤色で表示されたことを見逃すように構成することができるので、第2の上下移動制御が開始される前から第3図柄表示装置M81の表示領域に対する注目力を向上させることができる。
上記第157実施形態では、第2の上下移動制御における可動装飾ユニットM600の動作として、第1動作パターンで開始され、途中から第2動作パターンに切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2の上下移動制御の開始時点から第2動作パターンで制御が開始されるようにしても良い。この場合、対応表示ME590として第2動作パターンに更に適切な表示(例えば、可動装飾ユニットM600の往復動作と同期して変動する表示)を設定すれば、第3図柄表示装置M81を利用した演出の演出効果を更に高めることができる。上記第157実施形態では、電飾基板M513,M630の発光態様として、可動装飾ユニットM600の配置に対応して通常発光、露出発光、強発光とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、配置の変更は生じていなくとも、上述の通常発光、露出発光、強発光での発光態様でそれぞれ切り替えられるように構成しても良いし、点灯と消灯とを繰り返す制御が可能に構成しても良いし、発光色の規則的な変化がループされるよう構成しても良いし、他の動作ユニットの動作に対応して発光態様が切り替えられるように構成しても良い。例えば、発光色の規則的な変化がループされる場合、視認される光の変化から移動装飾部M770の動作タイミングを予想されることを避けることができるので、移動装飾部M770が動作開始するまでの間、移動装飾部M770の登場する位置に対する注目力を向上させることができる。例えば、第1の関連動作制御において、移動装飾部M770が第1の状態から第2の状態へ移動する場合において、移動装飾部M770の左右位置と合う透過部M512に対応する電飾基板M513のLEDを、移動装飾部M770の移動に合わせて順に発光させるように制御可能とすることで、移動装飾部M770の移動に伴って透過部M512を光らせる光が移動しているように遊技者に視認させることができる。この後、移動装飾部M770が第2の状態に到達したら、電飾基板M513,M630の発光態様を通常発光、露出発光または強発光で維持させることで、透過部M512を通して視認される光の態様が変化され、遊技者は移動装飾部M770が第2の状態に到達したことを把握し易くなる。上記第157実施形態では、第1の関連動作制御の説明として、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第1の状態から第2の状態に変化するまでの期間に、同時に可動装飾ユニットM600が回転移動され、この場合において被案内部M550が中間位置に維持されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータM442が微少の往復動作を繰り返すことにより板状本体部M510が微少長さの上下往復移動を繰り返す中でスライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が移動するように構成しても良い。なお、板状本体部M510の繰り返し移動のタイミングは、移動装飾部M770の移動タイミングに対して同期する必要はない。この場合であっても、板状本体部M510の上下幅の内側に移動装飾部M770と連動意匠M781との境界(少なくとも移動装飾部M770の下端部)が隠されていれば、遊技者が演出に違和感を受けることを避けることができる。また、移動装飾部M770及び連動意匠M781よりも手前側で繰り返し動作する板状本体部M510及び可動装飾ユニットM600に注目させることができるので、移動装飾部M770と連動意匠M781との境界に注目されることを避けることができる。
上記第157実施形態では、第1の関連動作制御の説明として、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第2の状態から第1の状態へ向けて移動され、移動装飾部M770が第1の状態に到達したことが検出センサM713により検出された後で、被案内部M550が上昇端位置へ向けて移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装飾部M770の第1の状態と第2の状態との往復移動が一回生じる度に被案内部M550が上昇位置へ復帰されるのではなく、移動装飾部M770の往復移動が複数回生じる間、被案内部M550の位置が上昇位置へ復帰されないように構成しても良い。この場合、演出動作が画一的になることを避けることができるので、移動装飾部M770や、被案内部M550により動作される可動装飾ユニットM600等に対する注目力を向上させることができる。この場合において、移動装飾部M770に設定される往復移動の回数としては、1を最小として1ずつ増加する数(自然数)で設定されても良いし、特定の自然数(例えば、「3」「10」)で設定されても良い。抽選に係る変動においては基本的に変動時間が長いほど大当たりの期待度が高いため、後者の設定の場合、3回目の往復移動を超えて4回目の往復移動が開始されると、この往復移動は10回まで継続されることから、遊技者に大当たりかもという期待感を与えることができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。上記第157実施形態では、スライド動作役物ユニットM700は、移動装飾部M770の動作の際に電飾基板M775の発光態様が維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装飾部M770が第1の状態から第2の状態へ移動される場合に比較して、第2の状態から第1の状態へ移動される場合の方が発光強度を暗くする(又は消灯する)ように構成しても良い。また、その逆でも良い。上記第157実施形態では、連動意匠M781が、移動装飾部M770の平行移動に対応して共に平行移動するよう表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、連動意匠M781の移動方向は移動装飾部M770の移動方向と平行なわけではなく、所定のラインに沿って移動装飾部M770に引っ張られる移動として構成されても良い。また、移動に対応する場合に限定されるものではなく、例えば、移動装飾部M770の発光色に対応した色味で連動意匠M781が表示され、移動装飾部M770の発光色の変化に対応して連動意匠M781の表示色も変化されるように構成されても良い。上記第157実施形態では、連動意匠M781が、一定の形状を有する構成である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、「雲」や「雷」など不定形の構成とされても良い。この場合、移動装飾部M770の移動と連動意匠M781の変化とのずれを目立たなくすることができる。例えば、移動装飾部M770の移動に対応して、連動意匠M781としての「雲」から「雷」が落ちるといった表示をさせても良い。移動装飾部M770の移動速度が高速になるほど「雷」の落ちる頻度が上がったり、「雷」の落ちる範囲が広がったりすることで、対応していることを遊技者が分かり易くすることができる。上記第157実施形態では、連動意匠M781が、移動装飾部M770の平行移動に対応して共に平行移動するよう表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、連動意匠M781の移動タイミング(周期)と移動装飾部M770の移動タイミング(周期)とが異なるように制御されても良いし、移動装飾部M770の停止中において、連動意匠M781が移動するようにしても良い。この場合において、移動装飾部M770側から拡大されるような動的な表示として構成されても良いし、移動装飾部M770の移動中において表示と非表示とが切り替えられるように構成しても良い。これにより、移動装飾部M770又は連動意匠M781の一方だけに注目される事態を避けることができ、双方に注目される機会を生じさせることができる。
また、例えば、連動意匠M781が移動装飾部M770側から拡大されるような動的な表示として構成される場合において、その動的な表示の繰り返し周期は、移動装飾部M770の移動の周期と独立させるように制御すればよい。この場合、連動意匠M781と移動装飾部M770とを別体として視認させ易くすることができるので、連動意匠M781と移動装飾部M770との境界でずれが生じても違和感を持たれ難くすることができる。また、移動装飾部M770の移動が生じても連動意匠M781の配置は維持されるように構成しても良い。この場合、第3図柄表示装置M81における連動意匠M781の描画のためのデータを削減することができ、ロードのための時間を短くすることができる。この場合において、移動装飾部M770の移動方向が前後方向であれば、移動装飾部M770と連動意匠M781との正面視における位置ずれが生じることも無いので、より演出効果の向上を図ることができる。また、連動意匠M781が、グローブでパンチするような動作態様で表示されることに対応して可動装飾ユニットM600が第1動作と復帰制御による動作とが繰り返される態様で動作するように制御しても良い。これにより、連動意匠M781と連動される動作役物の数を増やし、遊技者の注目力を広範囲に広げることができる。上記第157実施形態では、移動装飾部M770と共に平行移動する連動意匠M781の表示態様が維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、連動意匠M781におけるグローブに追加の装飾がされ、この装飾が移動装飾部M770の移動に合わせて変化するように構成しても良い。この場合、連動意匠M781における変化を視認することで、遊技者は、移動装飾部M770の移動タイミングを把握することができる。追加の装飾としては、種々の態様が例示される。例えば、グローブの傷が増えていくものでも良いし、パンチの打ち出し回数に対応する「1」「2」等の数字が増加される態様で追加されるものでも良い。または、グローブの傷などの特定のアイコンが徐々に減少されるものでも良い。増加される態様について代表して以下で説明する(なお、減少される態様についても同様に設計できることは言うまでもない)。追加の装飾として、この数字が、特定の変動表示における任意のタイミングにおける移動装飾部M770の移動に対応して「1」から開始され、同変動表示内における移動装飾部M770の往復移動の度に1ずつ増加するように制御する場合、移動装飾部M770の連続した動作の開始時期を認識させ易くすることができるし、連続した動作の途中から移動装飾部M770に遊技者が注目し始めた場合であっても、数字を見れば途中であることを認識することができる。この場合、移動装飾部M770の移動回数を遊技者にわざわざ記憶させることを強いることなく、移動装飾部M770の往復移動の回数を連動意匠M781で視認される追加の装飾と対応付けることができ、追加の装飾の数字が多くなるほど抽選に係る変動表示が長いことを認識させることで、大当たり期待度(遊技者が得られる利益)が大きいことを遊技者に予想させ、遊技者の期待感を高めることができる。この追加の装飾として数字が描かれる場合において、「1」から開始されるのではなく、「0」や、「2」以上の数字から開始されるものでも良い。この場合、連動意匠M781に初めから注目していた遊技者に対して、なぜ「1」から開始しないのかという違和感を抱かせることができる。そして、大当たり期待度の高い変動表示において、「0」や、「2」以上の数字から開始される場合が生じるように制御することで、追加の装飾を含めた連動意匠M781に対する注目力を向上させることができる。この追加の装飾として数字が描かれる場合において、移動装飾部M770の往復移動の度に1ずつ増加する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装飾部M770の往復移動に合わせて、追加の装飾の数字において、同じ数字が繰り返される態様や、2以上増加された数字に変化される態様が生じるように制御しても良い。この場合、連動意匠M781に注目していた遊技者に対して、なぜ「1」ずつ増加しないのかという違和感を抱かせることができる。そして、大当たり期待度の高い変動表示において、同じ数字が繰り返される態様や、2以上増加された数字に変化される態様が生じるように制御することで、追加の装飾を含めた連動意匠M781に対する注目力を向上させることができる。そして、この違和感は、追加の装飾をある程度の長さ見ていれば把握できるが、追加の装飾を一瞬見るだけでは把握できないため、遊技者の連動意匠M781に対する注目力を長期にわたり向上させることができる。また、この場合に連動意匠M781の色味も変化させるように制御することで、連動意匠M781に対する注目力を向上させることができる。
なお、ここでいう追加の装飾の態様は、少なくとも「初回」か「途中」かが認識可能であればよく、数字に限定されるものではない。例えば、「スタート」から開始され、「コンティニュー」に続く態様や、「開始」から開始され、「継続」に続く態様でも良い。追加の装飾の変化の時期については、種々の態様が例示される。例えば、追加の装飾の変化は、移動装飾部M770の往復移動に合わせて生じるものであって、第2の関連動作制御の演出待機動作として到達領域表示M81aにおいて可動装飾ユニットM600の意匠が表示されている期間において可動装飾ユニットM600が低速の第1動作と復帰動作とを繰り返し実行する動作が実行されても生じないように制御されても良い。この場合、追加の装飾の変化を視認した遊技者に対して可動装飾ユニットM600よりも移動装飾部M770に注目すべきタイミングであることを認識させ易くすることができる。また、例えば、追加の装飾の変化は、第2の関連動作制御の演出待機動作として到達領域表示M81aにおいて可動装飾ユニットM600の意匠が表示されている期間において可動装飾ユニットM600が低速の第1動作と復帰動作とを繰り返し実行する動作の繰り返し回数と同期して生じるように制御されても良い。この場合、追加の装飾の変化と可動装飾ユニットM600の動作とを一体的に視認させることができることから、連動意匠M781及び可動装飾ユニットM600の演出効果を向上させることができる。また、例えば、追加の装飾の変化が、電飾基板M513,M630の発光態様として、通常発光、露出発光、強発光での発光態様でそれぞれ切り替えられるタイミングと同期して生じるように構成しても良い。この場合、追加の装飾の変化と電飾基板M513,M630の発光態様の変化とを一体的に視認させることができることから、連動意匠M781及び電飾基板M513,M630の演出効果を向上させることができる。上記第157実施形態では、対応表示ME590、第2対応表示ME592、到達領域表示M81aが可動装飾ユニットM600の移動先の位置に表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技者の注目を集めるための表示であればよく、実際には第3図柄表示装置M81の表示領域の前方に配置されないものでも、表示することが可能である。例えば、第1可変入賞装置M65の形状が表示され、特定領域M65cをより目立つように明るく表示するような態様での表示でも良い。この場合、遊技者の注目を特定領域M65cに集めることができる。上記第157実施形態では、連動意匠M781が視認可能な状態において移動装飾部M770が第1の状態から第2の状態へ向けてスライド移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、連動意匠M781の表示が別の表示に切り替えられた状態で移動装飾部M770が移動される場合を構成しても良い。この場合、移動装飾部M770と連動意匠M781との境界がそもそも生じ無いので、移動装飾部M770と連動意匠M781との境界を隠す必要は無く、移動装飾部M770の動作タイミングの自由度を向上させることができる。上記第157実施形態では、移動装飾部M770の移動速度が固定され移動態様が画一化される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータM720の駆動制御を複数パターンの速度で実行可能に構成することで、移動装飾部M770の移動速度が複数生じるように構成しても良い。この場合、移動装飾部M770の動作速度の違いを、現在行われている変動に係る抽選の大当たり期待度と対応させることにより、移動装飾部M770の動作に対する注目力を向上させることができることから、演出効果の向上を図ることができる。
上記第157実施形態では、移動装飾部M770が直線方向で移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装飾部M770が蛇行しながら移動される構成でも良い。この場合、連動意匠M781も同様に蛇行した移動態様とすることで移動装飾部M770との対応を維持させることができるし、蛇行の方向転換時において速度が変化する(減速する)ことが通常である分、移動装飾部M770に生じるバックラッシによる速度変化が目立ち難くすることができ、移動装飾部M770と連動意匠M781との動作ずれについても同様に目立ち難くすることができる。上記第157実施形態では、移動装飾部M770は右側へ向かうにつれて下降傾斜する直線方向でスライド移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装飾部M770が前後方向に移動するように構成しても良い。この場合、正面視では移動装飾部M770が移動したか否かを遊技者に気付かせ難く、視線の方向を変えることで(斜め方向から見ることで)変化に気づき易い態様とすることができるので、移動装飾部M770への注目力を向上させると共に、移動装飾部M770の移動を把握したい場合には視線の方向を変える等、遊技者に意欲的に取り組ませることができ、漫然と遊技することの解消を図ることができる。上記第157実施形態では、第1の関連動作制御において、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が動作不良を起こしていると判断した場合に第3図柄表示装置M81における表示を別態様に切り替える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、それと代えて又はそれに加えて、導光板M260の第2発光形状M272を発光可能に構成しても良い。第2発光形状M272は、正面視で移動装飾部M770の動作軌跡と重なるため、発光により、移動装飾部M770の動作不良を目立たせ難くすることができる。上記第157実施形態では、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第1の関連動作制御として特定される一定のパターンで動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技待機状態(抽選に係る変動表示が停止されている状態等)において移動装飾部M770が第1の状態(又は第2の状態)にある場合に遊技者がボタン部H181を操作することに対応して移動装飾部M770が第2の状態(又は第1の状態)へ向けて移動するように構成しても良い。この場合、遊技者の操作によって移動装飾部M770の移動を生じさせることができることから、ボタン部H181に対する遊技者の操作意欲を高めることができる。また、例えば、遊技者がボタン部H181の操作をすることで移動装飾部M770が移動されるよう制御される期間は、遊技待機状態に限るものではない。例えば、大当たり中において上述のように制御されても良い。この場合、大当たり中における遊技の楽しみ方として、遊技球を発射させることの他に、ボタン部H181を操作して移動装飾部M770を自由に移動させることを追加することができる。この場合において、ボタン部H181を操作することで移動装飾部M770を第1の状態へ早期に移動させることができ、対応する連動意匠M781を第3図柄表示装置M81の表示領域から退避させ、代わりに後方で隠されていた演出動作をより長い時間視認可能となることから、ボタン部H181に対する操作意欲を向上させることができる。
上記第157実施形態では、スライド動作役物ユニットM700の移動装飾部M770が第3図柄表示装置M81の上側に隣接する領域内においてスライド移動可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装飾部M770が正面視で第3図柄表示装置M81の表示領域の中央側(表示領域内)まで移動可能に構成しても良い。この場合、移動装飾部M770の全周を第3図柄表示装置M81での表示と接する位置とすることができるので、移動装飾部M770と第3図柄表示装置M81での表示との一体感を高めるように演出することができる。上記第157実施形態では、昇降移動部材M860が、第1の関連動作制御の終盤において上昇移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1の関連動作制御に関わらず、所定の契機において昇降移動部材M860を上昇移動させる場合を用意しても良い。所定の契機としては、例えば、被案内部M550が上昇端位置に維持された状態において可動装飾ユニットM600の第1動作と復帰制御による動作とが数回繰り返されたことが検出された場合や、被案内部M550が上昇端位置から離れてから上昇端位置に戻るという上下動作が数回繰り返されたことが検出された場合に、昇降移動部材M860が上昇移動されるように構成しても良い。これにより、意外性のある演出動作を視認させることができる。上記第157実施形態では、昇降移動部材M860が、第1の関連動作制御の終盤において上昇移動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降移動部材M860が上昇移動する代わりに又は上昇移動に加えて、第3図柄表示装置M81において、昇降移動部材M860の意匠と同様の表示(立体的な昇降移動部材M860を正面視での平面的な意匠で変換した表示)をさせるように制御しても良い。この場合、昇降移動部材M860が動作不良を起こしても、それにより第1の関連動作制御の見映えが落ちることを避けることができる。また、この表示を、昇降移動部材M860に動作不良が生じたと主制御装置H110又は音声ランプ制御装置H113において判断した場合に実行するように構成しても良い。上記第157実施形態では、第2の関連動作制御の演出待機動作として、可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860が動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作に代えて、又は動作に加えて、可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860が発光するよう制御されても良い。この場合において、動作の順に発光させる対象を切り替えるようにすれば、発光によっても、可動装飾ユニットM600又は昇降移動部材M860の一方に注目させることができる。
上記第158実施形態では、延設部M2568の角部が略直角形状とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上隅は略直角形状とされ、下隅は面取り傾斜形状とされても良い。この場合、当接部材M2602が下から通り抜ける場合よりも、上から通り抜ける場合の方が通過を困難とできるので、延設部M2568の上側に当接部材M2602を維持させ易くすることができる。上記第158実施形態では、当接部材M2602が正面視で細長い形状とされ姿勢変化可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面視の外形が円形の形状から構成されても良い。即ち、当接部材M2602の内側開口M2602aが円形状で形成され、受入孔部M2602bは円の直径方向で穿設され突条部M2602cの形成は省略するよう構成すれば良い。この場合において、ねじりバネM2614aの一端側において直線方向に伸縮するコイルスプリングが形成され、そのコイルスプリングの弾性力により、形状変形された当接部材M2602を可動装飾ユニットM2600の回転軸を通る直線方向(動作円の直径方向)に変位可能に構成することで、延設部M2568に下側から当接して当接部材M2602と延設部M2568とが共に動作する態様と、当接部材M2602が延設部M2568の先端側を通り抜けようと動作する態様とを構成することができる。この場合、ねじりバネM2614aが屈曲変形される場合に比較してバネの変形を緩やかにできることから、ねじりバネM2614aが折れる等の不良を防止し易く、耐久性の向上を図ることができる。更に、当接部材M2602の外形が円形で構成されることから、構造的に均一とすることができ、局所的に疲労が蓄積されて破損するという事態を避け易く、耐久性の向上を図ることができる。なお、当接部材M2602の形状は、外形が円形の筒状に限らず、外形が略球状に構成されるようにしても良い。例えば、当接部材M2602の外形を球状で形成した上で、延設支持部M2614と対向する側に延設支持部M2614を受け入れ可能な凹部を形成し、その凹部に延設支持部M2614が受け入れられるようにして当接部材M2602を配置しても良い。この場合、当接部材M2602の強度をより向上させることができる。また、当接部材M2602を構成する材料について、樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、当接部材M2602を金属材料から構成しても良い。
当接部材M2602が樹脂材料から構成される場合には、材料的に軽量であるという利点や、安価であるという利点がある一方で、衝撃に弱く破損し易いという難点があり、それを解消するために肉厚になり易く、配置させるためのスペース確保が難しい場合があった。これに対し金属材料から形成する場合、強度的には十分であるので、無理に肉厚にする必要は無く、配置の自由度を向上させることができる。上記第159実施形態では、可動装飾ユニットM600の視認態様が、検出センサM483及び検出センサM3489により被案内部M550が検出されることに基づいて変化される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサM483又は検出センサM3489に検出されるはずとして設定される期間において検出センサM483又は検出センサM3489に検出されないことに基づいて、可動装飾ユニットM600の視認態様が変化されるように構成しても良い。検出されることに基づくか、検出されないことに基づくかは、検出センサM483又は検出センサM3489ごとに設定が可能とされる。上記第159実施形態では、調整表示として、縦の縮尺と横の縮尺とが同じ比率で縮小される表示となる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、縦だけ縮められた表示(表示が全体的に縦に潰された態様)となっていても良い。また、表示の大きさは変更されず、単に可動装飾ユニットM600により隠される部分が生じるだけでも良い。また、調整表示について、表示位置は左右中央である必要は無く、右端または左端にあっても良いし、左右方向位置のいずれかにあっても良い。また、その位置を遊技者が設定可能とされていても良い。上記第159実施形態では、調整表示において、電飾基板M630の発光態様を変化させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、調整表示として、電飾基板M630の発光態様を切り替えることに代えて、又はそれに加えて、導光板M260の発光を切り替えるようにしても良い。調整表示において導光板M260の第2発光形状M272を発光させるようにすることで、通常表示との違いを導光板M260の視認態様で示すと共に、可動装飾ユニットM600が下降して空いたスペース(演出跡地)が露出されることを防止することができる。
上記第159実施形態では、第1の関連動作制御等の制御が開始される前において、演出の都合上、調整表示から通常表示に切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、調整表示における縮小された表示の領域内において、第1の関連動作制御において動作される可動部(可動装飾ユニットM600、移動装飾部M770、昇降移動部材M860等)の意匠が第3図柄表示装置M81に動的に表示されることで遊技者に第1の関連動作制御と同等の動作態様を視認させるようにしても良い。また、この場合において、実際の可動体の前後関係に基づいて表示層の前後関係を設定するようにしても良い。上記第159実施形態では、第1の関連動作制御等の制御が開始される前において、演出の都合上、調整表示から通常表示に切り替えられ、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600が動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ボタン部H181の操作に基づいて可動装飾ユニットM600が動作されるようにしても良い。このボタン部H181の操作は、第3図柄表示装置M81における表示や、音声出力により示唆されるものではなくても良い。この場合において、可動装飾ユニットM600の動作態様(動作速度、動作方向、動作量等)が、変動中の抽選が大当たりかどうかや、抽選の大当たり期待度の大小に基づいて変化するように構成される場合、ボタン部H181の操作意欲を高めると共に可動装飾ユニットM600に対する注目力を向上させることができる。上記第159実施形態では、調整表示にされることに基づいて、可動装飾ユニットM600が下降されることで表示の視認範囲が狭められる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降移動部材M860の上昇により表示範囲を上寄りで狭めるようにしても良いし、可動装飾ユニットM600及び昇降移動部材M860を近接方向に動作させて表示範囲を上下中央位置寄りで狭めるようにしても良い。昇降移動部材M860の上昇により表示範囲を変える場合、通常は球案内ユニットM900の背後に隠されており特定の演出動作(第1の関連動作制御等)が実行されないと視認することができない昇降移動部材M860を、遊技者が調整ボタンH3044を操作したタイミングで視認することが可能となる。これにより、昇降移動部材M860が視認される頻度を引き上げることができ、昇降移動部材M860の演出効果を向上させることができる。この場合において、橙色にLEDの発光ベースが変更されるのを、昇降移動部材M860だけではなく、可動装飾ユニットM600と共通で行っても良い。即ち、昇降移動部材M860の電飾基板M864と、可動装飾ユニットM600の電飾基板M630とで行っても良い。この場合において、発光ベースが別々に変更されても良い。例えば、電飾基板M864は白色ベースから橙色ベースに変更され、電飾基板M630は白色ベースから赤色ベースに変更されても良い。または、発光ベースの発光色は変更されず、光量が明確に変化されるようにしても良い。例えば、通常は使用しないようなLEDの最大光量で発光させるように制御しても良い。
上記第159実施形態では、調整表示における表示色のベースは橙色(電飾基板M630の発光のベースに合わせた色味)とはならず、通常表示と同様の色味で表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、調整表示における表示色のベースについても橙色に変化させても良い。この場合、第3図柄表示装置M81における表示の大小だけではなく、表示の色味からも、通常表示ではなく調整表示となっていることを遊技者に把握させ易くすることができる。そのため、先に遊技を行っていた遊技者が調整表示に変更したままで席を立った場合に、その後で遊技を開始した遊技者が、第3図柄表示装置M81の表示が通常表示ではなく調整表示とされていることに気づかずに調整表示のまま遊技を継続する事態を回避し易くすることができる。上記第159実施形態では、第3図柄表示装置M81における表示が調整表示とされる場合、電飾基板M630の発光の明るさが最大で固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、機能調整操作部H190を操作することによる電飾基板M630による発光の明るさ等についての設定が、調整表示とされる場合にも流用されるように制御しても良い。この場合、調整表示とされた場合に電飾基板M630の発光の明るさが突然変化した際に、その変化を、抽選に係る変動表示に対応した明るさの変化であると遊技者が勘違いする事態の発生を回避し易くすることができる。上記第159実施形態では、検出センサM3489により検出片M554が検出される時間長さについてある条件が成立した場合に通常表示から調整表示に切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサM3489により検出片M554が検出されたら即座に通常表示から調整表示に切り替えられるように構成しても良い。この場合、通常表示と調整表示とを切り替える制御が容易となり、制御のためのデータ容量を縮小させることができる。上記第159実施形態では、検出センサM3489により検出片M554が検出される時間長さについてある条件が成立した場合に通常表示から調整表示に切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、事前に設定された数値との比較によるものであれば十分であり、事前に設定された検出回数とのずれ(回数超過または回数未達)や、事前に設定された検出頻度とのずれ(頻度超過または頻度未達)を条件として通常表示から調整表示に切り替えられるよう構成しても良い。
上記第159実施形態では、調整ボタンH3044が操作有効状態において操作されると、被案内部M550が中間位置まで下降し、可動装飾ユニットM600が中間状態まで回転移動するように制御されると共に、第3図柄表示装置M81における表示が調整表示に切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、調整ボタンH3044が操作されると被案内部M550及び可動装飾ユニットM600が第1の関連動作制御で動作され、その途中で被案内部M550が中間位置とされ、可動装飾ユニットM600が中間状態とされる状態において停止されると共に第3図柄表示装置M81における表示が調整表示に切り替えられるように構成しても良い。この場合、調整ボタンH3044が操作された場合における可動装飾ユニットM600の動作範囲を大きくすることで、可動装飾ユニットM600への遊技者の注目力を向上させることができる。なお、この場合においても、再び調整ボタンH3044が操作された場合における可動装飾ユニットM600の動作は、復帰制御で構成されることから、通常表示への切り替えを即座に実行させることが可能とされるので、調整表示から通常表示に切り替えるのに要する待ち時間を短縮させることができる。上記第159実施形態では、調整表示への切り替えと共に可動装飾ユニットM600を動作させるための操作部として調整ボタンH3044のみを備える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作することで昇降移動部材M860を上昇移動または下降移動させることができる第2調整ボタンを追加で備えるようにしても良い。即ち、昇降移動部材M860が下端位置状態の時に第2調整ボタンが操作されると昇降移動部材M860が上端位置状態へ向けて上昇移動され、昇降移動部材M860が上端位置状態の時に第2調整ボタンが操作されると昇降移動部材M860が下端位置状態へ向けて下降移動される。第2調整ボタンの操作により昇降移動部材M860が上端位置状態とされている場合、調整ボタンH3044の操作により動作される演出動作ユニットM500の動作態様によっては(例えば、第1の関連動作制御による動作の場合)、演出動作ユニットM500が昇降移動部材M860と干渉し、移動を完了できないため、昇降移動部材M860が上端位置状態である場合には演出動作ユニットM500の動作の実行を開始しないように制御しても良い。これにより、演出動作ユニットM500と昇降移動部材M860とが衝突する事態を避け、破損防止を図ることができる。また、昇降移動部材M860が上端位置状態であることを検出する検出センサを追加し、その検出センサの検出結果により昇降移動部材M860が上端位置状態であると判断された場合には、演出動作ユニットM500の動作が開始される前に、遊技者に対して第2調整ボタンを操作することを促す報知を実行するように構成しても良い。これに応じて遊技者が第2調整ボタンを操作した場合には、昇降移動部材M860が下降移動されることで、演出動作ユニットM500が移動を完了できる状態となる。これにより、演出動作ユニットM500と昇降移動部材M860とが衝突する事態を避け、破損防止を図ることができると共に、報知により遊技者の遊技に対する参加意欲を促進することができる。なお、第2調整ボタンは、新規の構成として正面枠H3014に追加するようにしても良いが、既にある構成を兼用するようにすれば、新規の構成を追加する場合に比較して正面枠H3014の外観に与える影響を少なくでき、製造用の金型を流用することができるので、製造コストの低減を図ることができる。例えば、ボタン部H181や、機能調整操作部H190や、球抜きレバーH52や、球排出レバーH54等に、第2調整ボタンとしての機能を兼用させるように構成することが想定される。この場合において、ボタン部H181が第2調整ボタンとしての機能を兼用する場合、ボタン部H181が上下皿ユニットH15の左右中央位置において他の操作部材に比較して大きな構造物として配設されていることから、操作させ易く、遊技者が操作部を探す際のストレスを低減することができる。
機能調整操作部H190が第2調整ボタンとしての機能を兼用する場合、特に、決定ボタンH191にその機能を持たせることで、決定ボタンH191の有効利用を図ることができる。決定ボタンH191は、音量や光量の設定をした後においては、操作されること自体が稀であり、構成として無駄となってしまう。これに対し、決定ボタンH191に第2調整ボタンとしての機能を持たせることで、音量や光量の設定をした後においても機能調整操作部H190を意味のある構成とすることができる。球抜きレバーH52が第2調整ボタンとしての機能を兼用する場合、遊技の調整を行う主なタイミングとなる遊技開始時には下皿H50には球が未だ貯留されていないはずなので、第2調整ボタンとして操作しても、下皿50に貯留されている遊技球を意図せず排出することになるという事態を避け易い。更に、ファール球が下皿へ供給される関係上、気づかない間に下皿H50に球が数球残される(溜まる)ことがあるが、上皿H17やボタン部H181に視界が遮られることで下皿H50の内部は視認されにくくなっており、下皿H50の残球に遊技者が気づかないことがある。これに対し、球抜きレバーH52が第2調整ボタンとしての機能を兼用する場合、遊技の調整を行う主なタイミングとなる遊技開始時に積極的に球抜きレバーH52を操作させることで、下皿H50の残球の存在を遊技者に気付かせ易くすることができる。球排出レバーH54が第2調整ボタンとしての機能を兼用する場合、遊技の調整を行う主なタイミングとなる遊技開始時において、球貸しボタンH42を操作する前には上皿H17には球が未だ貯留されていないはずなので、第2調整ボタンとして操作しても、上皿H17に貯留されている遊技球を意図せず排出することになるという事態を避け易いため、せっかく上皿H17に貯留されている球を無駄に排出するという事態を避けられる。なお、昇降移動部材M860が上端位置状態とされている場合に調整ボタンH3044の操作により動作される演出動作ユニットM500が昇降移動部材M860と干渉することから、第2調整ボタンの操作を促す報知をする代わりに、又は報知をすることに加えて、昇降移動部材M860が上端位置状態とされている場合に調整ボタンH3044が操作された場合には昇降移動部材M860が演出動作ユニットM500と干渉しない位置に移動する制御(下端位置状態へ向けて移動する制御)がされ、その制御が完了した後で演出動作ユニットM500が動作されても良い。これにより、演出動作ユニットM500と昇降移動部材M860とが衝突する事態を避け、破損防止を図ることができる。更に、調整ボタンH3044の操作に加え、別のボタンの操作も必要とされる場合に比較して、遊技者が煩わしく感じることを避け易く、遊技を快適とすることができる。上記第159実施形態では、調整ボタンH3044の操作により演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600が復帰制御により退避され、被案内部M550の検出片M554が検出センサM483に検出されることに基づいて第3図柄表示装置M81における表示が縮小された表示(調整表示)から元の表示(通常表示)に戻される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被案内部M550の検出片M554が検出センサM483に検出された場合に、調整表示のまま維持可能に構成しても良い。この場合において、更に、現在実行されている変動表示に対応する抽選の大当たり期待度が高い場合に調整表示で維持され易いように制御を構築することで、遊技者に対して調整ボタンH3044の操作を意欲的に実行させることができる。
上記第159実施形態では、第1の関連動作制御等、第3図柄表示装置M81の表示と複合動作役物ユニットM3400の動作とが関連する制御が実行開始される場合には、演出の都合上、調整表示から通常表示に切り替えられるよう制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、制御の実行に関わらず、調整ボタンH3044の操作がされない限り調整表示から通常表示に切り替えられることは無いように構成しても良い。この場合、調整ボタンH3044を一度操作すれば、調整表示で維持した状態で遊技を継続することができるので、調整ボタンH3044を繰り返し操作する必要がある場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。上記第160実施形態では、リンク部材M3660の復帰動作が弾性バネM655の付勢力による場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、リンク部材M3660の所定部に錘が配設され自重による回転で復帰しても良い。この場合、リンク部材M3660の復帰動作をバネ弾性に基づく弾性的な動作ではなく、重力加速度に基づく動作とすることができるので、仮に弾性バネM655が劣化したとしてもリンク部材M3660の動作不良が生じることを避けることができるし、更にはリンク部材M3660の復帰動作が後側スライド移動体M650に起因する状況を回避することができ、後側スライド移動体M650の配設を省略することができる。また、リンク部材M3660に駆動力を付与する別の駆動装置を配設して、その駆動装置の駆動によってリンク部材M3660の回転動作を任意のタイミングで実行可能に構成することにより、駆動力で復帰するようにしても良い。この場合、駆動装置の駆動力によりリンク部材M3660を任意の姿勢で停止させることも可能となる。上記第160実施形態では、ピン付きギアM582の回転が駆動モータM501の駆動制御のみ対応する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータM501の駆動が解除されている場合においてピン付きギアM582の回転が発生する場合を構成可能としても良い。即ち、例えば、円弧形成部M584aに金属材料から形成される錘部を配設することで、可動装飾ユニットM3600が起き上がり側終端状態である場合からのピン付きギアM582の正面視反時計回り方向への回転角度が小さい場合(駆動力が弱い場合)に、錘部による回転動作によりピン付きギアM582が元の姿勢に戻るように構成しても良い。この場合、駆動モータM501の駆動力が意図せず弱くなった場合に、演出意図に合わない不十分な角度でピン付きギアM582が停止する事態が生じても、ピン付きギアM582を自動的に元の姿勢に戻すことができる。なお、円弧形成部M584aに金属材料から形成される錘部を配設しない構成であれば、自動的にピン付きギアM582を回転させることはできないとしても、ピン付きギアM582及び円板付きギアM584の回転抵抗を低減させることができるので、ピン付きギアM582を回転動作させるのに必要となる駆動モータM501の駆動力を抑制させることができるので、駆動モータM501の駆動力が意図せず弱くなる事態が発生し難くすることができる。また、ピン付きギアM582に対して正面視時計回りに方向に付勢力を付与する付勢バネを採用することで、ピン付きギアM582に戻り動作をさせるように構成しても良い。
上記第160実施形態では、ピン付きギアM582が正面視反時計回りに回転動作中に柱状部M582aが被押進板部M3663を越えた場合に、リンク部材M3660が即座に傾倒する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、弾性バネM655を省略することで、リンク部材M3660の回転動作は柱状部M582aから付与される荷重でのみ実行され柱状部M582aがリンク部材M3660から離間している状態ではリンク部材M3660の姿勢が維持されるように構成しても良い。この場合、リンク部材M3660に付勢力がかけられていないので、押進時における動作抵抗を低減させることができ、ピン付きギアM582の回転動作に要する駆動モータM501の駆動力を小さく抑えることができるし、更に、柱状部M582aが被押進板部M3663を越えた後でピン付きギアM582の回転方向を反転させた場合でも被押進板部M3663に柱状部M582aが進行を遮られることが無いので、ピン付きギアM582の回転動作の設計自由度を向上させることができる。なお、この場合であっても、ピン付きギアM582が正面視時計回り方向で回転動作する場合に柱状部M582aが対向突部M3664を押進することでリンク部材M3660の姿勢を変化させることから、リンク部材M3660の往復回転動作は問題なく実行可能である。上記第160実施形態では、リンク部材M3660が二股の爪を有するように構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、片方の爪(被押進板部M3663)のみが形成され、残りの爪(対向突部M3664)は省略しても良い。対向突部M3664があれば、ピン付きギアM582の柱状部M582aの動作速度に対応した速度でリンク部材M3660を動作させることができる(追従動作させることができる)が、リンク部材M3660の戻り動作は付勢力や自重に任せるとして対向突部M3664を省略しても良い。この場合、ピン付きギアM582の動作の設計自由度を向上させることができる。即ち、ピン付きギアM582が正面視反時計回りで継続回転される場合において、仮にリンク部材M3660の姿勢が中途半端な状態で柱状部M582aがリンク部材M3660に衝突しても(例えば、リンク部材M3660の姿勢が復帰しきる前に柱状部M582aがリンク部材M3660に衝突するほどにピン付きギアM582の回転速度が高速とされたとしても)、ピン付きギアM582の柱状部M582aが対向突部M3664と衝突する事態が生じることは無く、常に柱状部M582aを被押進板部M3663で受けることができるので、ピン付きギアM582を高速で回転制御させることができる。また、リンク部材M3660の初期姿勢の設定の自由度についても向上させることができ、柱状部M582aを待ち受ける際のリンク部材M3660の姿勢にバリエーションを増やす設計をすることができる。上記第160実施形態では、リンク部材M3660が二股の爪を有するように構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、二股の爪とされている部分の先端部が連結され、柱状部M582aを内周側に配置させる異形孔形状を有する構成としても良い。この場合、柱状部M582aがリンク部材M3660から外れることを防止することができ、動作を安定させることができる。
上記第160実施形態では、検出センサM3663として接触式のセンサが採用されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、柱状部M582aが進入可能な検出溝を備える非接触式のセンサを採用しても良い。この場合、センサに柱状部M582aからの荷重が付与されることが無く、荷重による欠損の可能性を低くすることができるので、安定して柱状部M582aの移動を検出することができる。また、検出センサM3663の配置についても、変位部材M3690に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、柱状部M582aの移動を検出可能な位置であれば、固定配置でも良い。この場合、変位部材M3690の移動により検出センサM3663の位置が設計位置(変位許容位置)から外れることを避けることができるので、柱状部M582aの検出を安定させることができる。上記第161実施形態では、回転移動部材M4660が二股の爪を有するように構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、片方の爪(被押進板部M3663)のみが形成され、残りの爪(対向突部M3664)は省略しても良い。対向突部M3664があれば、ピン付きギアM582の柱状部M582aの動作速度に対応した速度で回転移動部材M4660を動作させることができる(追従動作させることができる)が、回転移動部材M4660の戻り動作は付勢力や自重に任せるとして対向突部M3664を省略しても良い。この場合、ピン付きギアM582の動作の設計自由度を向上させることができる。即ち、ピン付きギアM582が正面視反時計回りで継続回転される場合において、仮に回転移動部材M4660の姿勢が中途半端な状態で柱状部M582aが回転移動部材M4660に衝突しても(例えば、回転移動部材M4660の姿勢が復帰しきる前に柱状部M582aが回転移動部材M4660に衝突するほどにピン付きギアM582の回転速度が高速とされたとしても)、ピン付きギアM582の柱状部M582aが対向突部M3664と衝突する事態が生じることは無く、常に柱状部M582aを被押進板部M3663で受けることができるので、ピン付きギアM582を高速で回転制御させることができる。また、回転移動部材M4660の初期姿勢の設定の自由度についても向上させることができ、柱状部M582aを待ち受ける際の回転移動部材M4660の姿勢にバリエーションを増やす設計をすることができる。上記第161実施形態では、ピン付きギアM582は可動装飾ユニットM4600に遮蔽されることで視認されないようになっており、可動装飾ユニットM4600の動作速度から回転移動部材M4660の回転動作について遊技者に予測させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ピン付きギアM582aと重なる位置における可動装飾ユニットM4600の部品が光透過性材料から形成されており、ピン付きギアM582の柱状部M582aが正面視で視認可能に構成されても良い。この場合、回転移動部材M4660を押進する柱状部M582aの動作速度を直接視認させることができるので、例えば可動装飾ユニットM4600から柱状部M582aが離間する場合(可動装飾ユニットM4600を置き去りにして柱状部M582aが下方へ回転移動する場合等)であっても、回転移動部材M4660の動作を柱状部M582aの動作態様から予測することが可能となるので、柱状部M582aに対する注目力を向上させることができる。なお、柱状部M582aを視認させる領域は、柱状部M582aの移動軌跡の全体を含む領域として設定しても良いし、柱状部M582aの移動軌跡の一部のみを含む領域として設定しても良い。例えば、回転移動部材M4660に近い側(例えば、ピン付きギアM582の回転軸よりも下側)においてピン付きギアM582aが視認可能とされ、回転移動部材M4660から離れた側(例えば、ピン付きギアM582の回転軸よりも上側)においてピン付きギアM582aが視認不能とされるように構成しても良い。この場合、回転移動部材M4660に当接する以前から当接するタイミングまで柱状部M582aを視認可能とすることで、柱状部M582aの動作速度を遊技者に把握させることができ、柱状部M582aに対する注目力を向上させることができる一方で、回転移動部材M4660に当接しない場合にまで柱状部M582aに注目が向かうことを避けることができる。これにより、遊技者の目線を分散させることができる。
上記第161実施形態では、可動装飾ユニットM4600の起き上がり側終端状態から傾倒側終端状態へ向けた動作中においてボタン部H181を操作することでピン付きギアM582の動作速度が変化され得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、可動装飾ユニットM4600が起き上がり側終端状態とされている状態でボタン部H181を操作すると、ピン付きギアM582が正面視反時計回り方向で回転動作される場合を構成可能としても良い。この場合において、ボタン部H181の操作によるピン付きギアM582の動作態様は種々の態様が例示される。例えば、ピン付きギアM582は所定の角度を往復回転動作するものでも良いし、一方向に回転動作するものでも良い。また、例えば、ボタン部H181を一回操作する度に一定の角度回転動作される(複数回の操作で、一定の角度と操作回数との積となる角度で回転動作される)ものでも良いし、ボタン部H181を操作している期間においてピン付きギアM582の動作が継続されるものでも良いし、ボタン部H181の操作量を検出可能に構成し操作量が大きいほどピン付きギアM582の動作速度が高速となるように構成しても良い。また、ボタン部H181の操作が解除された時においてピン付きギアM582が停止するものでも良いし、動作前の状態に復帰するように戻り動作するものでも良い。戻り動作するものである場合、ボタン部H181の操作を解除した状態でも可動装飾ユニットM4600の動作が継続されることから、ボタン部H181及び可動装飾ユニットM4600に注目を分散させることができる。また、戻り動作の有無が、ピン付きギアM582の柱状部M582aの変位量に基づいて決定されても良い。柱状部M582aの変位量が僅か(例えば、回転移動部材M4660に到達しない量)である場合には戻り動作させる一方、それ以上に変位している場合(回転移動部材M4660を越える程度に変位している場合)には、同方向に回転動作させる方が戻り動作に必要な回転角度を抑えられる。上記第161実施形態では、ピン付きギアM582の回転動作に対応して可動装飾ユニットM4600が回転動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、可動装飾ユニットM4600の回転先端側を下支え可能な出没式のストッパ装置を備え、没入状態では可動装飾ユニットM4600の回転動作を許容し、突出状態では可動装飾ユニットM4600を起き上がり側終端状態で固定する(回転動作を許容しない)ように構成しても良い。この場合、可動装飾ユニットM4600は起き上がり側終端状態で維持したままで回転移動部材M4660を回転動作させることが可能となるので、動作態様として、可動装飾ユニットM4600の独立動作だけでなく、回転移動部材M4660の独立動作も構成させることができる。なお、このストッパ装置を上記第157実施形態~上記第160実施形態において採用しても良い。
上記第161実施形態では、回転移動部材M4660の待機状態において延設構成部M4665が視認可能とされ、発光演出を実行可能な場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、待機状態において延設構成部M4665が視認不能に構成されても良い。これにより、延設構成部M4665へ注目させるタイミングを、延設構成部M4665が待機状態から動作した場合に限定させることができ、延設構成部M4665が待機状態にある場合には注目を他の箇所(例えば、第3図柄表示装置M81の表示等)に向けさせることができる。上記第161実施形態では、延設構成部M4665において発光部M4666が等間隔で配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、不等間隔でも良い。特に、可動装飾ユニットM4600に隠されない回転先端側において残像を形成可能な領域は、回転動作軌跡としての円の径方向の幅が狭いため、回転先端側における発光部M4666の配置間隔を狭めることで、より精密な表示を可能とすることができる。上記第161実施形態では、延設構成部M4665を構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設構成部M4665の構成を省略しても良い。この場合においても、残像形状M4691F,M4692Fについては、対応する透過表示を第3図柄表示装置M81で実行させることで同様の演出効果を生じさせることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<所定領域において一緒に動作させる構造>
表示装置と、その表示装置の表示領域の正面視外方から変位され前記表示装置の前方側に位置し得る第1手段が当接可能とされる第2手段と、を備え、所定領域における前記第1手段の上方側への変位に基づく前記第1手段との当接により前記第2手段が変位される遊技機であって、前記所定領域における前記第1手段の変位を案内可能な案内手段を備え、前記遊技機は、前記第1手段の変位に基づく前記第2手段の変位を抑制する第3手段を備え、前記第2手段の変位が前記第3手段に抑制された後において、前記第1手段は前記第2手段から離間する態様で変位可能とされることを特徴とする遊技機SNMA1。
パチンコ機等の遊技機において、変位可能な第1手段および第1手段の上方側への変位に基づいて変位される第2手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-82311号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1手段と第2手段とが常時接触されており、第1手段の変位を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNMA1によれば、第1手段と、第2手段とが、所定領域において共に変位されるものであって、第2手段の変位を抑制する第3手段を備え、第2手段の変位が第3手段に抑制された後において、第1手段は第2手段から離間する態様で変位可能とされることから、第1手段の変位を好適とすることができる。
第1手段は、それ単体で動作可能に構成される可動装飾ユニットM600自体でも良いし、可動装飾ユニットM600の一部として構成される当接部材M602でも良いし、可動装飾ユニットM2600の当接部材M2602でも良い。また、樹脂材料から構成される部材であってもよく、金属材料から構成される部材であってもよい。第2手段は、扇形状構成部M560でも良い。案内手段は、円弧状貫通部M515でも良い。第3手段は、突設補助部M545でも良いし、円板付きギアM584でも良い。
遊技機SNMA1において、前記第1手段は、前記第2手段の変位が前記第3手段に抑制された後において下方へ変位される場合に前記第2手段から離間されることを特徴とする遊技機SNMA2。
遊技機SNMA2によれば、遊技機MA1の奏する効果に加え、第3手段によって第2手段の変位が抑制された後においても、その抑制が第1手段にまで影響を及ぼす事態を避け易くすることができる。
遊技機SNMA1又はSNMA2において、前記所定領域における前記第1手段の上方側への変位に基づいて前記第2手段が変位された場合において、前記第1手段が前記第2手段を越える態様で変位されることを特徴とする遊技機SNMA3。
遊技機SNMA3によれば、遊技機SNMA1又はSNMA2の奏する効果に加え、第1手段の変位が、第3手段により抑制された第2手段に制限を受けないで実行されるよう構成することができる。
遊技機SNMA1からSNMA3のいずれかにおいて、前記所定領域における前記第1手段の上方側への変位に基づいて前記第2手段が変位され、前記第1手段が前記第2手段から離間された場合において、前記第2手段は、変位される前の位置へ復帰する動作が可能に構成されることを特徴とする遊技機SNMA4。
遊技機SNMA4によれば、遊技機SNMA1からSNMA3のいずれかの奏する効果に加え、第1手段により変位される前の第2手段の位置を安定させることができる。
遊技機SNMA1からSNMA4のいずれかにおいて、前記第2手段は前後方向の変位はせず、前記第1手段は前後方向の変位が許容されることを特徴とする遊技機SNMA5。
遊技機SNMA5によれば、遊技機SNMA1からSNMA4のいずれかの奏する効果に加え、第1手段と第2手段との当接位置を変化させることができ、当接位置における疲労の蓄積を低減させることができる。
遊技機SNMA1からSNMA5のいずれかにおいて、駆動手段を備え、前記第1手段は前記駆動手段の駆動力で上向きに移動されることを特徴とする遊技機SNMA6。
遊技機SNMA6によれば、遊技機SNMA1からSNMA5のいずれかの奏する効果に加え、自重による変位の他、駆動手段の駆動力による変位を構成することができる。駆動手段は駆動モータM501でも良い。
遊技機SNMA1からSNMA6のいずれかにおいて、検出手段を備え、前記第1手段の変位は前記検出手段により検出可能とされ、前記第2手段の変位は前記検出手段により検出されないことを特徴とする遊技機SNMA7。
遊技機SNMA7によれば、遊技機SNMA1からSNMA6のいずれかの奏する効果に加え、検出手段の配設個数を削減することができる。
遊技機SNMA1からSNMA7のいずれかにおいて、前記第1手段および前記第2手段は、共通の回転軸を中心として回転移動可能に構成されることを特徴とする遊技機SNMA8。
遊技機SNMA8によれば、遊技機SNMA1からSNMA7のいずれかの奏する効果に加え、第1手段および第2手段の変位の方向を合わせることができる。
遊技機SNMA1からSNMA8のいずれかにおいて、前記第2手段は、所定の回転軸を中心とした回転移動が、前記所定の回転軸の移動中に実行可能に構成されることを特徴とする遊技機SNMA9。
遊技機SNMA9によれば、遊技機SNMA1からSNMA8のいずれかの奏する効果に加え、第2手段の動作態様を複数種類構成可能となる。
遊技機SNMA1からSNMA9のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記第2手段に近接する方向で前記所定領域へ向けて変位され前記第2手段に当接可能に構成されており、前記第1手段が前記第2手段に近接する方向で前記所定領域へ向けて変位される場合において、前記第2手段は、前記第1手段が当接していない状態において停止されることを特徴とする遊技機SNMA10。
遊技機SNMA10によれば、遊技機SNMA1からSNMA9のいずれかの奏する効果に加え、第1手段が第2手段に対して近接する方向で変位される場合に第2手段が停止されることから、当接位置を安定させることができる。
遊技機SNMA1からSNMA10のいずれかにおいて、前記所定領域の少なくとも一部において、前記第1手段の変位方向が所定方向からその逆方向に変化可能に構成されており、前記第2手段が前記第3手段により前記第1手段の前記逆方向への変位に対する抵抗を生じるように構成されることを特徴とする遊技機SNMA11。
遊技機SNMA11によれば、遊技機SNMA1からSNMA10のいずれかの奏する効果に加え、第1手段が逆方向よりも所定方向に変位し易いようにすることができるので、第1手段の所定方向への変位を安定的に生じさせることができる。
遊技機SNMA1からSNMA11のいずれかにおいて、前記第2手段は、所定の回転軸を中心に往復動作可能に構成され、前記所定の回転軸は、少なくとも金属部材を含み、皿状部を端部に有する棒状部材であることを特徴とする遊技機SNMA12。
遊技機SNMA12によれば、遊技機SNMA1からSNMA11のいずれかの奏する効果に加え、第2手段を所定の回転軸で支持するという支持強度が足らなくなりがちな構成にあっても、回転軸が少なくとも金属部材を含むことで強度を確保することができ、更に回転軸の形状により第2手段の軸線方向の位置ずれを防止し易くすることができる。
遊技機SNMA1からSNMA12のいずれかにおいて、前記案内手段には、前記第1手段を検出可能な検出手段が配設されることを特徴とする遊技機SNMA13。
遊技機SNMA13によれば、遊技機SNMA1からSNMA12のいずれかの奏する効果に加え、案内手段を、第1手段の変位を案内するものと、検出手段を配設するものとで兼用させることができる。
遊技機SNMA12又はSNMA13において、前記案内手段は、前記所定の回転軸を配置させる孔部を備えることを特徴とする遊技機SNMA14。
遊技機SNMA14によれば、遊技機SNMA12又はSNMA13の奏する効果に加え、第1手段の変位を案内する案内手段の孔部に第2手段の回転軸としての所定の回転軸が配置されることから、第1手段の変位を第2手段の変位に対応させ易くすることができる。
遊技機SNMA1からSNMA14のいずれかにおいて、前記第1手段の速度が大きい場合の方が、前記第1手段の速度が小さい場合に比較して、前記第1手段が前記第2手段を超えて通過され易いよう構成されることを特徴とする遊技機SNMA15。
遊技機SNMA15によれば、遊技機SNMA1からSNMA14のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の速度を異ならせることにより、第1手段の変位態様を異ならせることができるので、第1手段の変位のバリエーションの増加を図ることができる。
<移動手段の移動途中で動作する第2動作手段を有する構成>
駆動手段と、移動手段へ前記駆動手段の駆動力を伝達させるための伝達手段と、前記移動手段を所定方向に移動させる場合に動作される第1動作手段と、前記移動手段の移動可能領域に少なくとも一部が位置するように構成されており前記移動手段に当接されることに基づく動作が可能に構成される第2動作手段と、を備え、前記第2動作手段は、前記第1動作手段の所定部から離間して配置されており、前記移動手段は、前記第2動作手段と当接する第1領域と、その第1領域とは異なる第2領域とを移動可能に構成されることを特徴とする遊技機SNMB1。
パチンコ機等の遊技機において、駆動モータにより回転される駆動ギアに連動して回転移動される移動手段である回転移動ギアの偏心した位置から円柱状に突設される突設部を介して駆動力が伝達される動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-82311号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回転移動ギアの動作により実現される動作は動作手段が往復される態様に限定されており、動作による演出が単調となっていた。一方で、単純に動作手段の動作態様を増加させるとしても、回転移動ギアの回転(抵抗)に影響を及ぼす可能性があり、それを解決するための困難性が生じることは想像に難くない。即ち、上述した従来の遊技機では、回転移動ギアにより生じる動作が複数構成される場合に、回転移動ギアである移動手段の移動を好適とする観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNMB1によれば、移動手段により動作される第1動作手段と第2動作手段とが構成され、それらが離間して配置されていることから、移動手段に対する第1動作手段からの影響と、第2動作手段からの影響とが、同時に生じることを回避し易くすることができるので、移動手段の移動を好適とすることができる。
なお、駆動手段は、駆動モータM501でもよく、移動手段は、柱状部M582aでもよく、伝達手段は、モータギアM581でもよく、第1動作手段は、板状本体部M610でもよく、第2動作手段は、リンク部材M660でもよい。
遊技機SNMB1において、前記第1動作手段の所定動作が実行された後で前記第2動作手段が動作され得ることを特徴とする遊技機SNMB2。
遊技機SNMB2によれば、遊技機MB1の奏する効果に加え、第1動作手段の動作が実行されたことを把握させた場合に第2動作手段が動作することを事前に把握させることができるので、第2動作手段に注目させることができる。
遊技機SNMB2において、前記所定動作が実行された後で前記第2動作手段が動作されない場合を構成可能とされており、前記所定方向に移動している前記移動手段が前記第2動作手段に当接するよりも前の所定領域の少なくとも一部において前記移動手段が視認可能に構成されることを特徴とする遊技機SNMB3。
遊技機SNMB3によれば、遊技機SNMB2の奏する効果に加え、第2動作手段が動作するか否かを所定領域の移動手段を視認することで把握することができるので、遊技者の注目力を所定領域に集めることができ、移動手段の移動に注目させることができる。
遊技機SNMB3において、前記所定領域の少なくとも一部は、前記所定領域における前記第2動作手段に近い側に位置することを特徴とする遊技機SNMB4。
遊技機SNMB4によれば、遊技機MB3の奏する効果に加え、第2動作手段に当接し得ない位置でまで移動手段に注目させることを避け、不必要な注目力の分散を防止することができる。
遊技機SNMB1からSNMB4のいずれかにおいて、前記第2動作手段が前記所定方向に移動する前記移動手段と一側の面で当接可能に構成され、その当接後、前記移動手段が前記第2動作手段から前記所定方向に離れる場合と、前記移動手段が前記第2動作手段から前記所定方向の逆方向に離れる場合とを構成可能であることを特徴とする遊技機SNMB5。
遊技機SNMB5によれば、遊技機SNMB1からSNMB4のいずれかの奏する効果に加え、第22動作手段に当接された後の移動手段の移動のバリエーションを増やすことができ、第2動作手段および移動手段に対する注目力を向上させることができる。
遊技機SNMB1からSNMB5のいずれかにおいて、前記第2動作手段は、前記所定方向に移動する前記移動手段と一側の面で当接可能に構成され、その一側の面に当接し前記第1領域を通過した前記移動手段の前記所定方向の逆方向への移動を他側の面で遮ることが可能に構成されることを特徴とする遊技機SNMB6。
遊技機SNMB6によれば、遊技機SNMB1からSNMB5のいずれかの奏する効果に加え、第2動作手段により移動手段の逆方向への移動を遮ることができるので、移動手段の所定方向への移動を継続させ易くすることができる。
遊技機SNMB1からSNMB6のいずれかにおいて、前記第1動作手段が前記第2動作手段と一体的に変位する場合を構成可能であることを特徴とする遊技機SNMB7。
遊技機SNMB7によれば、遊技機SNMB1からSNMB6のいずれかの奏する効果に加え、第1動作手段と第2動作手段とが別々に動作される場合のみではなく、一体的に変位する場合を構成できることで、第1動作手段および第2動作手段を利用した動作演出のバリエーションを増やすことができる。
遊技機SNMB1からSNMB7のいずれかにおいて、前記第1動作手段の動作速度と第2動作手段の動作速度とが対応することを特徴とする遊技機SNMB8。
遊技機SNMB8によれば、遊技機SNMB1からSNMB7のいずれかの奏する効果に加え、第2動作手段の動作が開始される前から第2動作手段の動作速度を予測させることができる。
遊技機SNMB1からSNMB8のいずれかにおいて、前記第1動作手段の動作力と第2動作手段の動作力とが対応することを特徴とする遊技機SNMB9。
遊技機SNMB9によれば、遊技機SNMB1からSNMB8のいずれかの奏する効果に加え、第2動作手段の動作が開始される前から第2動作手段の動作力(動作量)を予測させることができる。
遊技機SNMB1からSNMB9のいずれかにおいて、前記第2動作手段を常時視認可能とさせることを特徴とする遊技機SNMB10。
遊技機SNMB10によれば、遊技機SNMB1からSNMB9のいずれかの奏する効果に加え、第2動作手段の動きを把握させ易くすることができ、第2動作手段に対する注目力を向上させることができる。
<一方の動きに合わせて他方の動きが変化>
制御手段と、その制御手段の制御に基づいて動作可能に構成される第1可動部および第2可動部と、前記第2可動部の動作と対応した表示を実行可能に構成される表示手段と、を備え、移動手段の所定部の検出に基づいて前記第1可動部の動作開始を前記制御手段に判断させることが可能に構成され、前記第1可動部の動作開始に対応して前記第2可動部が第1の制御態様で動作可能に構成され、前記第2可動部は、所定領域側に進出している状態と、前記所定領域側から退避している状態と、を切り替え可能とされ、前記制御手段は、前記第1の制御態様における前記第2可動部の動作実行期間中に成立し得る所定の条件が成立した場合に、前記第1の制御態様での動作実行期間中であっても前記第2可動部が第2の制御態様で動作するよう構成されることを特徴とする遊技機SNMC1。
パチンコ機等の遊技機において、第1可動部と、その第1可動部に対応する第2可動部とが、独立して動作可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2015-231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1可動部の動作に対応して第2可動部が動作されることで適切な演出が実行されるものであるところ、第1可動部または第2可動部の一方に動作不良があるかに関わらず、他方の動作が実行されるものとなっており、第1可動部および第2可動部の動作を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNMC1によれば、制御手段は、第1の制御態様における第2可動部の動作実行期間中に成立し得る所定の条件が成立した場合に、第1の制御態様での動作の途中であっても第2可動部は第2の制御態様での動作を実行するよう構成されるので、第1可動部に動作不良があった場合であっても第2可動部の制御態様を変えることで、第1可動部および第2可動部の動作を好適とすることができる。
なお、第1可動部は、板状本体部M510(演出動作ユニットM500)でも良い。第2可動部は、可動装飾ユニットM600でも良い。移動手段の所定部は、前方突設部M444でも良い。
遊技機SNMC1において、前記表示手段による前記対応した表示は、前記第2可動部の前記第1の制御態様での動作に対応するよう構成されており、前記対応した表示は、前記第2可動部の前記第2の制御態様での動作実行期間中において継続して実行されることを特徴とする遊技機SNMC2。
遊技機SNMC2によれば、遊技機SNMC1の奏する効果に加え、所定の条件が成立した場合に遊技者が対応した表示を視認した場合であっても、敢えて表示を消さずに継続して実行し、第2可動部の動作を第2の制御態様で継続させることにより、動作不良の発生を遊技者に気付かせ難くすることができる。
遊技機SNMC1又はSNMC2において、前記対応した表示は、前記第2可動部の動作停止後において継続して実行可能に構成されることを特徴とする遊技機SNMC3。
遊技機SNMC3によれば、遊技機SNMC1又はSNMC2の奏する効果に加え、第2可動部の動作停止後において対応した表示が継続して実行可能とされていることから、第2可動部が第1の制御態様での動作を完了して停止したか、第2可動部が第2の制御態様での動作を実行した後で停止したかに関わらず、停止した第2可動部および対応した表示に基づく同様の視認態様を遊技者に視認させることができるので、動作不良の発生を遊技者に気付かせ難くすることができる。
遊技機SNMC1からSNMC3のいずれかにおいて、前記対応した表示の実行期間が複数構成可能とされることを特徴とする遊技機SNMC4。
遊技機SNMC4によれば、遊技機SNMC1からSNMC3のいずれかの奏する効果に加え、対応した表示の実行期間が複数構成可能とされるので、対応した表示を利用した演出効果を向上させることができる。
遊技機SNMC4において、前記表示手段による前記対応した表示は、前記第2可動部の前記第1の制御態様での動作に対応するよう構成されており、前記第2可動部の前記第2の制御態様での動作が実行された場合の方が、前記第2可動部の前記第2の制御態様での動作が実行されなかった場合に比較して、前記対応した表示の実行期間が短くされることを特徴とする遊技機SNMC5。
遊技機SNMC5によれば、遊技機SNMC4の奏する効果に加え、対応した表示を、対応する第1の制御態様での動作と視認される状態が継続して実行される場合には長く残す一方、第1の制御態様とは異なる第2の制御態様での動作と視認される状態では短くすることで、対応した表示を視認する遊技者が違和感を抱く可能性を低くすることができ、対応した表示の演出効果を向上させることができる。
遊技機SNMC1からSNMC5のいずれかにおいて、前記第2可動部は、発光可能に構成される発光手段を備え、前記発光手段の発光態様が前記第2可動部の移動に基づいて変化可能に構成されることを特徴とする遊技機SNMC6。
遊技機SNMC6によれば、遊技機SNMC1からSNMC5のいずれかの奏する効果に加え、移動中における第2可動部の演出効果を向上させることができる。
遊技機SNMC1からSNMC6のいずれかにおいて、前記所定の条件は、前記第1可動部の動作に関連することを特徴とする遊技機SNMC7。
遊技機SNMC7によれば、遊技機SNMC1からSNMC6のいずれかの奏する効果に加え、第1可動部と第2可動部との連動を適切に実行することができる。
遊技機SNMC1からSNMC7のいずれかにおいて、移動手段の所定部を検出可能な検出手段を備えることを特徴とする遊技機SNMC8。
遊技機SNMC8によれば、遊技機SNMC1からSNMC7のいずれかの奏する効果に加え、検出手段による検出によって第1可動部の動作開始を制御手段が判断できるので、第2可動部の動作を適切なタイミングで開始させることができる。なお、検出手段は、検出センサM453でも良い。
遊技機SNMC8において、前記検出手段には、前記第2可動部の動作準備段階に検出可能な第1の検出手段と、前記第2可動部の所定の動作に伴って検出可能となる第2の検出手段とがあることを特徴とする遊技機SNMC9。
遊技機SNMC9によれば、遊技機SNMC8の奏する効果に加え、第2可動部の動作準備段階による検出と、第2可動部の動作開始後の検出とを別々の検出センサで行うことで、第2可動部の動作を正確に実行させることができる。
本願発明の第2の検出手段は、検出センサM516や検出センサM815のように対象物を移動範囲の終端において検出するものでも良く、対象物を移動範囲の途中において検出するものでも良く、対象物が検出時に停止するものでもよく、対象物が検出時に停止しないものでも良い。
遊技機SNMC9において、第1可動部の復帰動作は、前記第1の検出手段の検出に基づいて実行されることを特徴とする遊技機SNMC10。
遊技機SNMC10によれば、遊技機SNMC9の奏する効果に加え、第1可動部の復帰の開始タイミングを制御手段に把握させることができるので、第1可動部の復帰動作を適切に実行することができる。例えば、第1可動部の復帰動作の時間遅れや、復帰動作が必要以上に長く実行される事態を避けることができる。
遊技機SNMC1からSNMC10のいずれかにおいて、前記第2可動部は前記第1可動部とは独立した制御態様で動作するよう構成され、前記第2可動部の動作には、前記第1可動部の動作開始と合わせて動作開始される第1動作と、前記第1可動部の動作開始とずれて動作開始される第2動作とがあることを特徴とする遊技機SNMC11。
遊技機SNMC11によれば、遊技機SNMC1からSNMC10のいずれかの奏する効果に加え、第2可動部の動作にバリエーションを持たせることで、第1可動部と第2可動部とが同一の態様で連動する場合のように、遊技者が第1可動部の視認のみで足りると感じ第2可動部の動作にまで注目しないという事態を避けることができる。
遊技機SNMC11において、前記第2可動部の前記第2動作は、前記検出手段により前記第1可動部の動作開始が判断された後に実行されることを特徴とする遊技機SNMC12。
遊技機SNMC12によれば、遊技機SNMC11の奏する効果に加え、第2動作が第1可動部の動作開始前に実行されるという不具合を回避し易くすることができる。
遊技機SNMC1からSNMC12のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記第1可動部、前記第2可動部は、終了動作のタイミングが前記操作手段の操作に基づいて可変となるよう構成されることを特徴とする遊技機SNMC13。
遊技機SNMC13によれば、遊技機SNMC1からSNMC12のいずれかの奏する効果に加え、操作手段の操作の有無により第1可動部および第2可動部に実行される動作にバリエーションを持たせることができるので、遊技者の操作手段の操作に対する意欲を高めることができる。なお、操作手段は、遊技者が操作可能な操作物体であれば良く、ボタン部H181でもよい。
遊技機SNMC1からSNMC13のいずれかにおいて、前記第1可動部は、終端位置まで至る終端動作と、前記終端位置までは至らない中間動作と、が構成され得ることを特徴とする遊技機SNMC14。
遊技機SNMC14によれば、遊技機SNMC1からSNMC13のいずれかの奏する効果に加え、第1可動部の動作にバリエーションを持たせることができ、第1可動部に対する注目力を向上させることができる。
遊技機SNMC14において、前記第1可動部の動作を前記終端動作と前記中間動作とで変化させることが可能に構成される第2の移動手段を備え、前記第2の移動手段は、前記第1可動部の一部に動作方向で当接する場合と、前記動作方向と交差する方向で当接する場合とがあることを特徴とする遊技機SNMC15。
遊技機SNMC15によれば、遊技機SNMC14の奏する効果に加え、第2の移動手段の当接により第1可動部の動作を変えることができるので、停止位置の精度を向上させることができる。なお、第2の移動手段は回転切替部M490でも良い。
遊技機SNMC14又はSNMC15において、前記第1可動部が前記終端動作をする場合も、前記第1可動部が前記中間動作をする場合も、前記第2動作による動作量は同様となるように構成されることを特徴とする遊技機SNMC16。
遊技機SNMC16によれば、遊技機SNMC14又はSNMC15の奏する効果に加え、第1可動部の動作態様に対応して第2可動部の動作量を可変とする場合に比較して第2可動部の動作制御を容易とすることができ、第2可動部の動作を安定させることができる。
<可動部と表示とを一体で視認させる>
所定位置から開始される動作が可能な特定手段と、視認領域において前記特定手段の動作に対応した表示を視認させることが可能な所定手段と、前記特定手段と前記対応した表示との間で所定の態様を視認させることが可能な第1手段と、を備え、前記特定手段の所定動作が終了した場合に前記対応した表示を隠すことが可能な表示がされることを特徴とする遊技機SNMD1。
パチンコ機等の遊技機において、動作手段と一体的に視認される表示を実行可能な表示装置を備える遊技機がある(例えば、特開2011-177230号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、動作手段の動作の駆動伝達態様に起因する動作遅れを完全に排除することが困難なため、表示を動作手段の動作に対応させる観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNMD1によれば、動作する特定手段と対応した表示との間に第1手段が所定の態様で視認されるため、特定手段と対応した表示とを分断して視認させることができ、対応した表示に対する特定手段の動作遅れが生じたとしても、目立たせなくすることができるので、表示を動作手段の動作に対応させることができる。
なお、特定手段は、移動装飾部M770でも良い。第1手段は、演出動作ユニットM500でも良いし、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600でも良い。特定手段の動作に対応した表示は、連動意匠M781でも良い。
また、特定手段に対応した表示は、特定手段の移動に対応して特定手段の移動方向と同方向に移動しても良いし、特定手段の移動方向とは異なる方向に移動しても良いし、特定手段が停止したら表示も停止するように構成しても良いし、特定手段が移動している時に表示のみが変化しても良いし、一定の表示が視認されるようにしても良いし、一定期間において増減し得る表示が視認されるようにしても良いし、この増減が特定手段の往復動作の回数に対応して生じても良いし、特定手段とは無関係に他の対象物との関係で生じても良いし、これらの組合せでも良い。
遊技機SNMD1において、前記特定手段を前記所定位置に位置させる場合に前記対応した表示を隠すことが可能に構成される第2手段を備える遊技機SNMD2。
遊技機SNMD2によれば、遊技機SNMD1の奏する効果に加え、特定手段の動作と、対応した表示の変化とにずれがあっても、第2手段により遊技者の意識を逸らすことができる。第2手段は、可動装飾ユニットM600でも良いし、導光板M260でも良いし、昇降移動部材M860でも良い。
遊技機SNMD1又はSNMD2において、前記第1手段は、少なくとも前記特定手段の動作実行期間に前記特定手段の動作の態様とは異なる態様で視認手段を視認させることを特徴とする遊技機SNMD3。
遊技機SNMD3によれば、遊技機SNMD1又はSNMD2の奏する効果に加え、特定手段の動作と、対応した表示の変化とにずれがあっても、視認手段により特定手段の動作の態様とは異なる態様が視認されることにより、特定手段の動作とその動作に対応した表示の変化とのずれから遊技者の意識を逸らすことができる。視認手段は、可動装飾ユニットM600でも良い。
遊技機SNMD3において、前記視認手段は、前記特定手段側から前記対応する表示側へ向けて移動する態様で視認されることを特徴とする遊技機SNMD4。
遊技機SNMD4によれば、遊技機SNMD3の奏する効果に加え、視認手段により視認される移動態様により、遊技者の視線を対応した表示側に誘導させることができるので、特定手段に動作遅れが生じた場合であっても、対応した表示の変化の滑らかさと同様に滑らかに動作しているものであると錯覚させることができる。
遊技機SNMD1からSNMD4のいずれかにおいて、前記特定手段の動作に基づいて、前記特定手段の動作に対応した表示が変化可能とされることを特徴とする遊技機SNMD5。
遊技機SNMD5によれば、遊技機SNMD1からSNMD4のいずれかの奏する効果に加え、特定手段と、特定手段の動作に対応した表示との関連を強めることができる。
遊技機SNMD1からSNMD5のいずれかにおいて、前記特定手段が所定の直線方向に変位可能とされ、その変位を案内する案内手段を備えることを特徴とする遊技機SNMD6。
遊技機SNMD6によれば、遊技機SNMD1からSNMD5のいずれかの奏する効果に加え、特定手段を対応した表示と一体的に移動させる場合にずれを生じさせにくいようにすることができる。
遊技機SNMD1からSNMD6のいずれかにおいて、前記特定手段は、所定方向視において視認される外形が動作により変化しないよう構成されることを特徴とする遊技機SNMD7。
遊技機SNMD7によれば、遊技機SNMD1からSNMD6のいずれかの奏する効果に加え、対応した表示を特定手段の動作に対応して平行移動させるだけで一体的な視認を維持できる。
遊技機SNMD1からSNMD7のいずれかにおいて、前記特定手段の動作態様を複数構成可能であって、前記特定手段に対応した表示は、前記特定手段の各動作態様に対応されることを特徴とする遊技機SNMD8。
遊技機SNMD8によれば、遊技機SNMD1からSNMD7のいずれかの奏する効果に加え、特定手段の動作態様に関わらず特定手段と、特定手段の動作に対応した表示との関連を強めることができる。
遊技機SNMD1からSNMD8のいずれかにおいて、前記特定手段の前記所定位置への復帰動作において、前記特定手段が視認され難く構成されることを特徴とする遊技機SNMD9。
遊技機SNMD9によれば、遊技機SNMD1からSNMD8のいずれかの奏する効果に加え、復帰動作時にまで対応した表示を特定手段に対応させて表示する必要性を低めることができ、表示の自由度を向上させることができる。
遊技機SNMD1からSNMD9のいずれかにおいて、前記特定手段を前記所定位置に位置させる場合に前記対応した表示を隠すことが可能に構成される第2手段を備え、前記特定手段の動作終了から前記第2手段が前記対応した表示を隠すまでに所定の時間遅れがあることを特徴とする遊技機SNMD10。
遊技機SNMD10によれば、遊技機SNMD1からSNMD9のいずれかの奏する効果に加え、特定表示により特定手段を隠す前に、動作終了時における特定手段と、特定手段の動作と対応した表示とを一体的に視認させる時間を確保することで、特定手段による演出効果の向上を図ることができる。
遊技機SNMD1からSNMD10のいずれかにおいて、前記第1手段は、視認領域において、前記特定手段と前記対応した表示との間に正面視で位置する所定領域上において視認され、前記所定領域が前記第1手段により後方側を視認できないように遮蔽されている状態において前記特定手段が動作可能とされることを特徴とする遊技機SNMD11。
遊技機SNMD11によれば、遊技機SNMD1からSNMD10のいずれかの奏する効果に加え、特定手段と対応した表示との間に位置する所定領域上が遮蔽されている状態で特定手段が動作されることから、動作中における特定手段と対応した表示とを分断された状態で視認させることができる。
遊技機SNMD1からSNMD11のいずれかにおいて、前記特定手段が動作範囲の終端に配置されている場合において、前記第2手段が視認可能とされることを特徴とする遊技機SNMD12。
遊技機SNMD12によれば、遊技機SNMD1からSNMD11のいずれかの奏する効果に加え、特定手段を動作範囲の終端に配置しつつ第2手段を視認させることにより、遊技者の視線が分散されることを避けることができ、第2手段への注目力を向上させることができる。
遊技機SNMD1からSNMD12のいずれかにおいて、前記特定手段の所定の動作が実行されることに基づいて、前記対応する表示が変化可能とされることを特徴とする遊技機SNMD13。
遊技機SNMD13によれば、遊技機SNMD1からSNMD12のいずれかの奏する効果に加え、対応する表示を視認することで、特定手段の動作内容を把握させることができる。
遊技機SNMD1からSNMD13のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記特定手段が前記所定位置から動作したことを判断可能に構成される検出手段を備えることを特徴とする遊技機SNMD14。
遊技機SNMD14によれば、遊技機SNMD1からSNMD13のいずれかの奏する効果に加え、特定手段の動作に対応する表示を検出手段の検出結果を基に実行させることができる。
遊技機SNMD14において、所定期間における前記検出手段の検出結果に基づいて、前記所定手段が異なる表示態様で前記対応する表示を実行可能とされることを特徴とする遊技機SNMD15。
遊技機SNMD15によれば、遊技機SNMD14の奏する効果に加え、所定期間において対応する表示を常には見ていなくても、途中で視認することで、その時点における検出手段の検出結果について把握することができるので、常に見ていないと対応する表示から遊技者が情報を取得できない場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
<検出に基づく判断により、視認態様を変化させる>
表示装置を備える遊技機であって、前記表示装置よりも遊技機正面側に位置する所定領域へ向けて移動可能に構成される移動手段の所定部を検出可能な複数の検出手段と、その検出手段による検出結果に基づく視認態様が複数構成される視認可能手段と、を備え、前記検出は、前記移動手段が前記所定領域から移動したことに基づく第1の検出と、その第1の検出とは異なる検出であって前記移動手段が前記所定領域側へ移動する場合に生じる第2の検出とがあり、前記視認可能手段の視認態様は、前記第1の検出の結果に基づく態様とは異なる態様で前記第2の検出の結果に基づく態様が実行可能に構成され、前記遊技機は、前記視認可能手段が前記第2の検出に基づく視認態様となっている場合に前記視認態様を解除させるために遊技者が操作可能であって操作に基づいて所定の報知が実行されるように構成される操作手段とは異なる第2の操作手段を備え、前記第2の操作手段の操作に基づく所定条件の成立により前記第1の検出が生じ得ることを特徴とする遊技機SNME1。
パチンコ機等の遊技機において、装飾され遊技者に視認させる視認可能手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-82311号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、上昇位置では視認可能手段が退避されており視認されず、下降位置でのみ視認されるものとなっており、その視認態様のバリエーションに乏しく、視認可能手段を好適に視認させる観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNME1によれば、視認可能手段の視認態様は、第1の検出の結果に基づく態様とは異なる態様で第2の検出の結果に基づく態様が実行可能に構成されることから、視認態様のバリエーションを多くすることができ、視認可能手段を好適に視認させる観点で改善することができる。
視認可能手段は、電飾基板M630でも良い。移動手段は、演出動作ユニットM500でも良い。第1の検出は、検出センサM483でも良い。第2の検出は、検出センサM3489でも良い。操作手段は、調整ボタンH3044でも良い。
遊技機SNME1において、前記視認可能手段の視認態様の変化は、前記操作手段の操作とは同期されないことを特徴とする遊技機SNME2。
遊技機SNME2によれば、遊技機SNME1の奏する効果に加え、操作手段を誤って操作しても視認可能手段の視認態様が変化されることは無いので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機SNME1又はSNME2において、前記視認可能手段による視認態様は、時間経過では変更されないように制御されることを特徴とする遊技機SNME3。
遊技機SNME3によれば、遊技機SNME1又はSNME2の奏する効果に加え、視認可能手段による視認態様が意図せず変化されることを避けることができる。
遊技機SNME1からSNME3のいずれかにおいて、遊技機の光量を設定可能な設定ボタンを備え、その設定ボタンによる設定変更が、前記第2の検出に基づく前記視認態様に影響を与えないように構成されることを特徴とする遊技機SNME4。
遊技機SNME4によれば、遊技機ME1からME3のいずれかの奏する効果に加え、光量の設定の影響で第2の検出に基づく視認態様が把握され難くなる事態を避けることができる。
遊技機SNME1からSNME4のいずれかにおいて、前記視認可能手段の視認態様は、前記第2の検出が所定長さよりも長い場合に前記第2の検出の結果に基づく態様とされることを特徴とする遊技機SNME5。
遊技機SNME5によれば、遊技機SNME1からSNME4のいずれかの奏する効果に加え、第2の検出が生じる度に視認可能手段の視認態様が変化される場合に比較して検出手段の配置の自由度を向上させることができる。
遊技機SNME1からSNME5のいずれかにおいて、前記第2の操作手段を操作させる期間であることを報知可能な可変表示を実行可能な可変表示手段を備えることを特徴とする遊技機SNME6。
遊技機SNME6によれば、遊技機SNME1からSNME5のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が第2の操作手段を操作し損ねる事態を回避し易くすることができる。
遊技機SNME1からSNME6のいずれかにおいて、前記視認可能手段は、演出ボタンとは異なる操作手段を操作させることを促す視認をさせることを特徴とする遊技機SNME7。
遊技機SNME7によれば、遊技機SNME1からSNME6のいずれかの奏する効果に加え、視認可能手段を視認することで操作手段の操作が示唆されていることに気づくことができるので、視認可能手段の注目力を向上させることができる。
遊技機SNME1からSNME7のいずれかにおいて、前記視認可能手段の視認態様の変化は、前記操作手段の操作とは同期されないことを特徴とする遊技機SNME8。
遊技機SNME8によれば、遊技機SNME1からSNME7のいずれかの奏する効果に加え、操作手段を誤って操作しても視認可能手段の視認態様が変化されることは無いので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機SNME1からSNME8のいずれかにおいて、前記視認可能手段による視認態様は、時間経過では変更されないように制御されることを特徴とする遊技機SNME9。
遊技機SNME1からSNME9のいずれかにおいて、遊技機の光量を設定可能な設定ボタンを備え、その設定ボタンによる設定変更が、前記第2の検出に基づく前記視認態様に影響を与えないように構成されることを特徴とする遊技機SNME10。
遊技機SNME1からSNME10のいずれかにおいて、前記視認可能手段は、前記移動手段の配置によらず遊技者が視認可能に配設されることを特徴とする遊技機SNME11。
遊技機SNME1からSNME11のいずれかにおいて、前記移動手段は、前記遊技機に配設される第2の操作手段が操作されたことにより動作され、その動作中に所定条件が成立することに基づいて検出されることを特徴とする遊技機SNME12。
遊技機SNME12において、前記遊技機は、前記第2の操作手段を操作させる期間であることを報知可能な可変表示を実行可能な可変表示手段を備えることを特徴とする遊技機SNME13。
遊技機SNME13において、前記可変表示は、所定の限界幅において、最大から最小側へ向かって変化させる場合があることを特徴とする遊技機SNME14。
遊技機SNME12からSNME14のいずれかにおいて、前記第2の検出は、前記第2の操作手段の操作から時間遅れが生じてされることを特徴とする遊技機SNME15。
遊技機SNME1からSNME15のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第2の検出に基づく視認態様を解除させる所定手段を備えることを特徴とする遊技機SNME16。
遊技機SNME1からSNME16のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記可変表示手段において前記移動手段による所定の目標手段を表示可能に構成され、前記所定の目標手段として表示される状態に前記移動手段が到達できない場合において、状態を切替可能に構成されることを特徴とする遊技機SNME17。
目標手段は、到達領域表示M81aのように移動手段の移動先を予測させるように構成されても良く、移動手段の移動先以外であっても移動手段が登場する回数に関する数字から構成されても良く、その数字が移動手段の登場の度に増加(減少)されるように更新される登場更新手段でも良く、登場の有無に関わらず移動手段の検出に基づいて更新される検出更新手段でも良く、その数字は更新されるものではなく数字の回数だけ移動手段が登場することを予告するものでも良く、これらの組合せでも良い。
<当接位置を変えながら動作する構成>
駆動手段と、その駆動手段により回転動作される伝達手段と、その伝達手段の所定部に当接されることにより動作される動作手段と、を備え、前記動作手段は、前記伝達手段の所定部に当接される被当接部と、その被当接部の動作方向に動作される被動作部と、を備え、前記被動作部は、所定の直線方向に案内されることを特徴とする遊技機SNMF1。
パチンコ機等の遊技機において、駆動モータにより回転される駆動ギアに連動して回転移動される回転移動ギアの偏心した位置から円柱状に突設される突設部を介して駆動力が伝達される動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-82311号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回転移動ギアの動作により実現される動作は動作手段が回転方向に往復される態様に限定されており、動作による演出が単調となっており、動作手段の動作を好適とする観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機MF1によれば、伝達手段が回転動作される一方で動作手段の被動作部は所定の直線方向に案内されることから、動作方向を複数構成することができ、動作が単調となることを避けることができることから、動作手段の動作を好適とすることができる。なお、駆動手段は、駆動モータM501でもよく、伝達手段の所定部は、柱状部M582aでもよく、動作手段は、リンク部材M660(リンク部材M3660又は回転移動部材M4660)及び後側スライド移動体M650でも良い。
遊技機SNMF1において、前記被当接部に対して前記所定部が当接する位置は、前記伝達手段の回転動作に基づいて変化されることを特徴とする遊技機SNMF2。
遊技機SNMF2によれば、遊技機SNMF1の奏する効果に加え、所定部と被当接部との当接位置をばらつかせることにより、局所的な負担が生じることを避けることができる。
遊技機SNMF1又はSNMF2において、前記被動作部に対して所定の直線方向に沿った付勢力を付与可能な付勢手段を備えることを特徴とする遊技機SNMF3。
遊技機SNMF3によれば、遊技機SNMF1又はSNMF2の奏する効果に加え、被動作部を駆動手段の駆動力に限らず、付勢手段の付勢力によっても動作させることができるので、被動作部の動作バリエーションを増加させることができる。
<一緒に動作させる所定領域がある構造>
所定の表示装置の表示領域の正面視外方から前記表示装置の前方側に変位され得る変位手段が当接可能とされる被当接手段を備え、所定領域における前記変位手段の上方側への変位に基づく前記変位手段との当接により前記被当接手段が変位される遊技機であって、前記変位手段の変位に基づく前記被当接手段の変位を抑制する抑制手段を備え、前記被当接手段の変位が前記抑制手段に抑制された後において、前記変位手段は前記被当接手段から離間する態様で変位可能とされることを特徴とする遊技機SNMG1。
パチンコ機等の遊技機において、変位可能な変位手段および変位手段の上方側への変位に基づいて変位される被当接手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-82311号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段と被当接手段とが常時接触されており、変位手段の変位を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNMG1によれば、変位手段と、被当接手段とが、所定領域において共に変位されるものであって、被当接手段の変位を抑制する抑制手段を備え、被当接手段の変位が抑制手段に抑制された後において、変位手段は被当接手段から離間する態様で変位可能とされることから、変位手段の変位を好適とすることができる。
変位手段は、それ単体で動作可能に構成される可動装飾ユニットM600自体でも良いし、可動装飾ユニットM600の一部として構成される当接部材M602でも良いし、可動装飾ユニットM2600の当接部材M2602でも良い。また、樹脂材料から構成される部材であってもよく、金属材料から構成される部材であってもよい。被当接手段は、扇形状構成部M560でも良い。抑制手段は、突設補助部M545でも良いし、円板付きギアM584でも良い。
遊技機SNMG1において、前記所定領域における前記変位手段の上方側への変位に基づいて前記被当接手段が変位された場合において、前記変位手段が前記被当接手段を越える態様で変位されることを特徴とする遊技機SNMG2。
遊技機SNMG2によれば、遊技機SNMG1の奏する効果に加え、変位手段の変位が、抑制手段により抑制された被当接手段に制限を受けないで実行されるよう構成することができる。
遊技機SNMG1又はSNMG2において、前記変位手段は、前記被当接手段の変位が前記抑制手段に抑制された後において下方へ変位される場合に前記被当接手段から離間されることを特徴とする遊技機SNMG3。
遊技機SNMG3によれば、遊技機SNMG1又はSNMG2の奏する効果に加え、抑制手段によって被当接手段の変位が抑制された後においても、その抑制が変位手段にまで影響を及ぼす事態を避け易くすることができる。
<移動手段の移動途中で第2動作手段を動作させる構成>
駆動装置と、その駆動装置の駆動力を移動手段へ伝達させるための伝達手段と、前記移動手段を所定方向に移動させる場合に動作される動作手段と、前記移動手段の移動可能領域に少なくとも一部が位置するように構成されており前記移動手段に当接されることに基づく動作が可能に構成される第2動作手段と、を備え、前記移動手段は、前記第2動作手段と当接する第1領域と、その第1領域とは異なる第2領域とを移動可能に構成されていることを特徴とする遊技機SNMH1。
パチンコ機等の遊技機において、回転移動される移動手段である回転移動ギアを介して駆動力が伝達される動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-82311号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、動作による演出が単調となっていた。即ち、上述した従来の遊技機では、回転移動ギアにより生じる動作を複数構成させる場合に、回転移動ギアである移動手段の移動を好適とする観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNMH1によれば、移動手段により動作される動作手段と第2動作手段とが構成され、それらが異なる領域において当接されることから、移動手段に対する動作手段からの影響と、第2動作手段からの影響とが、同時に生じることを回避し易くすることができるので、移動手段の移動を好適とすることができる。
なお、駆動装置は、駆動モータM501でもよく、移動手段は、柱状部M582aでもよく、伝達手段は、モータギアM581でもよく、動作手段は、板状本体部M610でもよく、第2動作手段は、リンク部材M660でもよい。
遊技機SNMH1において、前記動作手段の所定動作の実行後に前記第2動作手段の動作が実行され得ることを特徴とする遊技機SNMH2。
遊技機SNMH2によれば、遊技機SNMH1の奏する効果に加え、動作手段の動作が生じた場合に第2動作手段が動作することを遊技者に事前に把握させることができるので、第2動作手段に注目させることができる。
遊技機SNMH2において、前記所定動作の実行後に前記第2動作手段の動作が実行されない場合を構成可能とされており、前記所定方向へ移動中の前記移動手段が前記第2動作手段に当接するよりも前の所定領域の少なくとも一部において前記移動手段が視認可能に構成されることを特徴とする遊技機SNMH3。
遊技機SNMH3によれば、遊技機SNMH2の奏する効果に加え、第2動作手段の動作の有無を所定領域において移動手段を視認することで把握することができるので、遊技者の注目力を所定領域に集めることができ、移動手段の移動に注目させることができる。
<一側の動きが変わると他側の動きも引きずられて変化>
制御手段と、その制御手段の制御に基づいて動作可能に構成される第1動作部および第2動作部と、を備え、変位手段の所定部の検出に基づいて前記第1動作部の動作開始を前記制御手段に判断させることが可能に構成され、前記第2動作部の動作と対応した表示を実行可能に構成される表示手段を備え、前記第1動作部の動作開始に対応して前記第2動作部が第1の制御で動作可能に構成され、前記制御手段は、前記第1の制御における前記第2動作部の動作実行期間中に成立し得る所定の条件が成立した場合に、前記第1の制御での動作実行期間中であっても前記第2動作部が第2の制御で動作するよう構成されており、前記第2動作部は、所定領域側に進出している状態と、前記所定領域側から退避している状態と、を切り替え可能とされることを特徴とする遊技機SNMI1。
パチンコ機等の遊技機において、第1動作部と、その第1動作部に対応する第2動作部とが、独立して動作可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2015-231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1動作部の動作に対応して第2動作部が動作されることで適切な演出が実行されるものであるところ、第1動作部または第2動作部の一方に動作不良があるかに関わらず、他方の動作が実行されるものとなっており、第1動作部および第2動作部の動作を好適とする観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNMI1によれば、制御手段は、前記第1の制御における前記第2動作部の動作実行期間中に成立し得る所定の条件が成立した場合に、第1の制御での動作の途中であっても第2動作部は第2の制御での動作を実行するよう構成されるので、第1動作部に動作不良があった場合であっても第2動作部の制御を変えることで、第1動作部および第2動作部の動作を好適とすることができる。
なお、第1動作部は、板状本体部M510(演出動作ユニットM500)でも良い。第2動作部は、可動装飾ユニットM600でも良い。変位手段の所定部は、前方突設部M444でも良い。
遊技機SNMI1において、前記対応した表示は、前記第2動作部の動作停止後において継続して実行可能に構成されることを特徴とする遊技機SNMI2。
遊技機SNMI2によれば、遊技機SNMI1の奏する効果に加え、第2動作部の動作停止後において対応した表示が継続して実行可能とされていることから、第2動作部が第1の制御での動作を完了して停止したか、第2動作部が第2の制御での動作を実行した後で停止したかに関わらず、停止した第2動作部および対応した表示に基づく同様の視認態様を遊技者に視認させることができるので、動作不良の発生を遊技者に気付かせ難くすることができる。
遊技機SNMI1又はSNMI2において、前記表示手段による前記対応した表示は、前記第2動作部の前記第1の制御での動作に対応するよう構成されており、前記対応した表示は、前記第2動作部の前記第2の制御での動作実行期間中において継続して実行されることを特徴とする遊技機SNMI3。
遊技機SNMI3によれば、遊技機SNMI1又はSNMI2の奏する効果に加え、所定の条件が成立した場合に遊技者が対応した表示を視認した場合であっても、敢えて表示を消さずに継続して実行し、第2動作部の動作を第2の制御で継続させることにより、動作不良の発生を遊技者に気付かせ難くすることができる。
<可動部に関連した表示を実行する>
第1位置から動作可能な動作手段と、視認領域において前記動作手段の動作に対応した表示を視認させることが可能な手段と、前記動作手段と前記対応した表示との間で所定の態様を視認させることが可能な第1手段と、を備え、前記動作手段の所定動作が終了した場合に前記対応した表示を隠すことが可能な表示がされることを特徴とする遊技機SNMJ1。
パチンコ機等の遊技機において、動作手段に対応して視認される表示を実行可能な表示装置を備える遊技機がある(例えば、特開2011-177230号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、表示を動作手段の動作に対応させる観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNMJ1によれば、動作する動作手段と対応した表示との間に第1手段が所定の態様で視認されるため、動作手段と対応した表示とを分断して視認させることができ、対応した表示に対する動作手段の動作遅れが生じたとしても、目立たせなくすることができるため、表示を動作手段の動作に対応させることができる。
なお、動作手段は、移動装飾部M770でも良い。第1手段は、演出動作ユニットM500でも良いし、演出動作ユニットM500及び可動装飾ユニットM600でも良い。動作手段の動作に対応した表示は、連動意匠M781でも良い。
また、動作手段に対応した表示は、動作手段の移動に対応して動作手段の移動方向と同方向に移動しても良いし、動作手段の移動方向とは異なる方向に移動しても良いし、動作手段が停止したら表示も停止するように構成しても良いし、動作手段が移動している時に表示のみが変化しても良いし、一定の表示が視認されるようにしても良いし、一定期間において増減し得る表示が視認されるようにしても良いし、この増減が動作手段の往復動作の回数に対応して生じても良いし、動作手段とは無関係に他の対象物との関係で生じても良いし、これらの組合せでも良い。
遊技機SNMJ1において、前記第1手段は、少なくとも前記動作手段の動作実行期間に前記動作手段とは異なる態様で視認手段を視認させることを特徴とする遊技機SNMJ2。
遊技機SNMJ2によれば、遊技機SNMJ1の奏する効果に加え、動作手段の動作と、対応した表示の変化とにずれがあっても、視認手段により動作手段の動作の態様とは異なる態様が視認されることにより、動作手段の動作とその動作に対応した表示の変化とのずれから遊技者の意識を逸らすことができる。視認手段は、可動装飾ユニットM600でも良い。
遊技機SNMJ1又はSNMJ2において、前記動作手段を前記第1位置に位置させる場合に前記対応した表示を隠すことが可能に構成される第2手段を備える遊技機SNMJ3。
遊技機SNMJ3によれば、遊技機SNMJ1又はSNMJ2の奏する効果に加え、動作手段の動作と、対応した表示の変化とにずれがあっても、第2手段により遊技者の意識を逸らすことができる。第2手段は、可動装飾ユニットM600でも良いし、導光板M260でも良いし、昇降移動部材M860でも良い。
<動作中に当接箇所が変化する構成>
駆動手段と、その駆動手段により回転動作される回転動作手段と、その回転動作手段の所定部に当接されることにより変位される変位手段と、を備え、前記変位手段は、前記回転動作手段の所定部に当接される当接部と、その当接部の動作方向側に動作される動作部と、を備え、前記動作部は、所定の直線方向に案内されることを特徴とする遊技機SNMK1。
パチンコ機等の遊技機において、駆動モータにより回転される駆動ギアに連動される回転ギアから突設される突設部を介して駆動力が伝達される変位手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-82311号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回転ギアの動作により実現される動作は変位手段の回転方向への動作に限定されており、動作による演出が単調となっており、変位手段の変位を好適とする観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機SNMK1によれば、回転動作手段が回転動作される一方で変位手段の動作部は所定の直線方向に案内されることから、動作方向を複数構成することができ、動作が単調となることを避けることができることから、変位手段の変位を好適とすることができる。なお、駆動手段は、駆動モータM501でもよく、回転動作手段の所定部は、柱状部M582aでもよく、変位手段は、リンク部材M660(リンク部材M3660又は回転移動部材M4660)及び後側スライド移動体M650でも良い。
遊技機SNMK1において、前記動作部に対して所定の直線方向に沿った付勢力を付与可能に構成されることを特徴とする遊技機SNMK2。
遊技機SNMK2によれば、遊技機MK1の奏する効果に加え、動作部を駆動手段の駆動力に限らず、付勢力によっても動作させることができるので、動作部の動作バリエーションを増加させることができる。
遊技機SNMK1又はSNMK2において、前記所定部に対して前記当接部が当接する位置は、前記回転動作手段の回転動作に基づいて変化されることを特徴とする遊技機SNMK3。
遊技機SNMK3によれば、遊技機SNMK1又はSNMK2の奏する効果に加え、所定部と当接部との当接位置をばらつかせることにより、局所的な負担が生じることを避けることができる。
遊技機SNMA1からSNMA15,SNMB1からSNMB10,SNMC1からSNMC16,SNMD1からSNMD15,SNME1からSNME17、SNMF1からSNMF3、SNMG1からSNMG3、SNMH1からSNMH3、SNMI1からSNMI3、SNMJ1からSNMJ3、SNMK1からSNMK3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機SNMZ1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機SNMA1からSNMA15,SNMB1からSNMB10,SNMC1からSNMC16,SNMD1からSNMD15,SNME1からSNME17、SNMF1からSNMF3、SNMG1からSNMG3、SNMH1からSNMH3、SNMI1からSNMI3、SNMJ1からSNMJ3、SNMK1からSNMK3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機SNMZ2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機SNMA1からSNMA15,SNMB1からSNMB10,SNMC1からSNMC16,SNMD1からSNMD15,SNME1からSNME17、SNMF1からSNMF3、SNMG1からSNMG3、SNMH1からSNMH3、SNMI1からSNMI3、SNMJ1からSNMJ3、SNMK1からSNMK3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機SNMZ3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<第33制御例>
次に、図1830から図1943を参照して、第33制御例におけるパチンコ機10について説明をする。従来、入球口(第1入球口64、第2入球口640)に遊技球が入球したことに基づいて特典を付与するか否かの抽選(特別図柄抽選)を行い、その抽選結果に対応する装飾図柄(第3図柄)の組み合わせを液晶画面(第3図柄表示装置81)に表示する構成のパチンコ機が知られている。近年、このようなパチンコ機では、装飾図柄(第3図柄)の構成として、数字(例えば、「1」~「9」)に加えて、パチンコ機のモチーフとなっているアニメや漫画のキャラクタを各数字に割り当てているものが一般的となっている。ここで、従来のパチンコ機では、特別図柄抽選の結果が特典を付与する大当たり当選である場合には、その特典の内容が、例えば、大当たり遊技状態(遊技球が入球することで一般入賞口63よりも多くの賞球が払い出しされる特定入賞口65aへ遊技球が入球可能となる遊技状態)の設定に加えて、その大当たり遊技状態終了後に有利状態(例えば、通常状態よりも第2入球口640に遊技球が入球し易くなる時短状態)が設定される特典種別(時短大当たり)である場合には、装飾図柄の組み合わせを奇数図柄で構成される組み合わせ(例えば、「777」)で表示し、大当たり遊技状態の終了後に通常状態が設定される特典種別(通常大当たり)である場合には、偶数図柄で構成される組み合わせ(例えば、「222」)で表示することにより、装飾図柄の表示態様によって特典内容を遊技者に示唆する。一方で、特別図柄抽選の結果が外れ当選である場合には、大当たり当選であることを示す装飾図柄の組み合わせとは異なる組み合わせ(例えば、3つの装飾図柄の内、少なくとも1つが異なる数字の組み合わせ)で表示する。この場合、各装飾図柄の数字は偶数奇数の何れでも良いため、ランダムで決定される。つまり、従来のパチンコ機では、装飾図柄の表示態様を特図変動(特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄の変動表示)毎に独立して決定するため、装飾図柄の表示態様は変動毎に不規則に可変するものであった。しかしながら、このように装飾図柄の表示態様が特図変動毎に独立して決定されるため、表示される装飾図柄の種類に偏りが発生する可能性があり、例えば、頻繁に同一の装飾図柄が表示されたり、遊技者のお気に入りのキャラクタが付された数字の装飾図柄が長期間表示されなかったりといった事象が生起することで、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう虞があった。また、変動中に実行される装飾図柄の表示態様が特図変動毎で不規則に可変する構成であるため、装飾図柄の表示態様を遊技者が予測しようがなく、2つの図柄列の特別図柄が大当たり当選を示す特定の組合せの一部を示す態様(所謂、リーチ態様)で停止表示されるまでの期間は遊技者に装飾図柄の表示態様に対する興味を持たせることが難しいという問題点があった。
これに対して、本第33制御例では、装飾図柄(第3図柄)の表示態様を変動毎に規則的に可変させる構成とし、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(例えば、大当たり当選)である場合にはその規則性を崩す構成としている。詳細な説明は後述するが、本第33制御例では、液晶画面中の左図柄列、中図柄列、右図柄列の3つの図柄列に表示される装飾図柄のうち、左図柄列に停止する装飾図柄(左図柄)を変動毎に順番に可変させる構成である。例えば、1回目の特図変動では左図柄として「1」の数字が付された装飾図柄を停止表示させ、2回目の特図変動では左図柄として「2」の数字が付された装飾図柄を停止表示させる。このように、新たな特図変動が実行される毎に、左図柄列には前回左図柄として停止表示された装飾図柄の数字に1が加算された数字を付された装飾図柄が停止表示される。そして、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果である場合(例えば、大当たり当選)には、前回の特図変動において左図柄として停止表示された装飾図柄と同一の数字が付された装飾図柄が左図柄列に停止表示される。つまり、通常は特図変動毎に1ずつ左図柄の数字が繰り上がるパターンで左図柄列の装飾図柄が可変し、前回の特図変動における左図柄と同一態様の装飾図柄が左図柄列に停止表示された場合には大当たり当選である可能性が高いことを遊技者に示唆することとなる。このように構成することで、表示される装飾図柄の種類が偏り難くなり、変動毎に異なるキャラクタが付された装飾図柄を表示し易くなる。また、周期的に特定のキャラクタが付された装飾図柄が表示されるため、お気に入りのキャラクタが付された装飾図柄が表示されるタイミングを遊技者が予測することが可能となる。さらに、前回の特図変動における左図柄と同一態様の装飾図柄が停止表示されることで大当たり当選の可能性が高いことを示唆するため、新たな特図変動が開始されてから左図柄が停止表示されるまでの期間で前回の左図柄と同一態様の装飾図柄が停止表示されることを遊技者に期待させ、装飾図柄の表示態様に強い興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。加えて、前回の特図変動で左図柄列に停止表示された装飾図柄の態様(数字)を確認していなければ、今回の特図変動で左図柄列に停止表示される装飾図柄が同一の態様であるのかが分からないため、毎変動、遊技者に装飾図柄の態様を注視させ易くなり遊技に集中させることができる。
また、本第33制御例では、特定の数字が付された装飾図柄の表示タイミングでのみ特定演出が実行され得る構成としている。具体的には、「1」の数字が付された装飾図柄(1図柄)を表示予定の特図変動において、通常の1図柄D1に付されたキャラクタの態様(図1838参照)とは一部態様が異なるキャラクタ(例えば、キャラクタの色が異なる)が付された特殊1図柄(図1845(a)参照)が表示された場合に、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である可能性が高いことを示唆する演出である「チャンスゾーン演出」が実行される。このように構成することで、1図柄が表示されるタイミングでは遊技者にチャンスゾーン演出が実行されるかもしれないと期待させることが可能となるため、遊技者の期待感を周期的に向上させることができる。
また、従来、特図変動中に液晶画面にて表示される変動演出(例えば、リーチ演出)に対応してスピーカーからBGMを出力するパチンコ機が一般的である。このようなパチンコ機において、同じリーチ演出であってもBGMの種類によって大当たり当選期待度が異なる構成のものが知られている。例えば、BGMとして、1番の歌詞と2番の歌詞が異なる楽曲が使用され、1番の歌詞の楽曲データが再生された場合よりも、2番の歌詞の楽曲データが再生された場合の方が大当たり当選である可能性が高いことを示唆する構成である。このような構成の場合、再生されているBGMの種類が分かった時点で遊技者はBGMに対する興味を無くしてしまうという不具合があった。また、BGMの種類毎に1つの楽曲データが必要であるため、BGMの種類が増えれば増えるほど楽曲データの容量が大きくなってしまうという問題点があった。
これに対して、本第33制御例では、1のBGMの楽曲データを音データAと、その音データAの音色を一部変えた音データBの2つの音データによって構成し、2つの音データの音量をそれぞれ調整することでBGMの音色を可変可能に構成している。具体的には、リーチ演出が開始される場合に、音データAと音データBの再生を開始する。この際に、音データAの音量を最大に設定し、音データBの音量をミュートとすることで音データAの楽曲のみがスピーカーから出力される。そして、特別図柄抽選の結果に対応して設定されるシナリオに基づいて音データBの音量を最大とすることで、スピーカーから音データAと音データBが合わさった楽曲が出力される。これによりBGMの音色を可変させる構成である。このように構成することで、音データBの音量を可変させるタイミングによってBGMの音色が可変するタイミングを異ならせることができるため、2つの音データのみで複数のBGMの出力パターンを設けることが可能である。そして、BGMの音色が可変するタイミングを複数設けることで、BGMの出力が終了するまで音色が可変する可能性を残すことが可能となり、BGMの再生が終了するまで遊技者のBGMに対する興味を維持することができる。
本第33制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に対して、遊技盤13の構成を一部変更した点と、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点で相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部と、表示制御装置114のMPU231が実行する制御内容の一部と、音声出力装置113のMPU301が実行する制御内容を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
<第33制御例におけるパチンコ機10の盤面構成について>
図1830は、第33制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図1831はパチンコ機10の遊技盤13の正面視右下領域を拡大した拡大図であり、図1832から図1835は、パチンコ機10に設けられたV入賞装置650の構造を示した模式図であり、図1836は、パチンコ機10に設けられた各種ボタンの構成を示した図であり、図1837は、パチンコ機10の後面図である。図1830に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置(V入賞装置)650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図3501参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置(V入賞装置)650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図3501参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図1830を参照して、遊技盤13の構成について説明する。遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図3501参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された遊技球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図1860参照)から発射された遊技球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図1830の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図1830の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。遊技領域の正面視右側上部(図1830の正面視で右側上部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37として、第1特別図柄に対応した表示装置37aと、第2特別図柄に対応した表示装置37bが配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110(図1860参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本第33制御例では、第1図柄表示装置37は、遊技球が、第1入球口64へ入球したか、第2入球口640へ入球したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、遊技球が、第1入球口64へ入球した場合には、表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入球した場合には、表示装置37bが作動するように構成されている。また、第1図柄表示装置37は、パチンコ機10に設定されている遊技状態を点灯状態によって報知可能なLED(状態LED)を点灯表示したり、停止図柄が時短大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判別(大当たり抽選)を行うと共に、当否判別の結果が大当たりであると判別した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、3R時短254回大当たり(大当たりA)、3R時短1回大当たり(大当たりB)、10R時短10回大当たり(大当たりC)、3R時短10回大当たり(大当たりD)が用意されている。第1図柄表示装置37には、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。ここで、「3R時短254回大当たり」とは、最大ラウンド数が3ラウンドの大当たり遊技の後に、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)よりも遊技者に有利となる遊技状態である時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、その時短状態を特図変動が254回実行されるまで継続させる大当たり種別(大当たりA)のことであり、「3R時短1回大当たり」とは、最大ラウンド数が3ラウンドの大当たり遊技の後に時短状態を設定し、その時短状態を特図変動が1回実行されるまで継続させる大当たり種別(大当たりB)のことである。また、「10R時短10回大当たり」は、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり遊技の後に時短状態を設定し、その時短状態を特図変動が10回実行されるまで継続させる大当たり種別(大当たりC)のことであり、「3R時短10回大当たり」は、最大ラウンド数が3ラウンドの大当たり遊技の後に時短状態を設定し、その時短状態を特図変動が10回実行されるまで継続させる大当たり種別(大当たりD)のことである。ここで、本第33制御例におけるパチンコ機10の遊技の流れについて簡単に説明をする。本第33制御例におけるパチンコ機10では、遊技領域に発射された遊技球が第1入球口64へと入球したことに基づいて実行条件が成立した場合に抽選が実行される第1図柄(第1特別図柄)と、第2入球口640へと入球したことに基づいて実行条件が成立した場合に抽選が実行される第1図柄(第2特別図柄)と、を有している。そして、各第1図柄(特別図柄)の抽選の結果として、大当たり、小当たり、外れの何れかが判定されるように構成している。
特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、第1可変入賞装置65の開閉扉65b(図1830参照)が開放され、特定入賞口65a(図1830参照)へと遊技球を入賞させ易くなる大当たり遊技が実行されるように構成している。特定入賞口65aへと遊技球が入賞すると、入賞した遊技球1個に対して11個の賞球が払い出されるように構成されている。よって、遊技者はパチンコ機10における遊技にて多くの賞球を獲得するために、特別図柄の抽選で大当たり当選することを目指して意欲的に遊技を行わせることができる。さらに、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合には、第2可変入賞装置(V入賞装置)650の開閉扉650f(図1830参照)が開放され、V入賞口650a(図1830参照)へと遊技球を入賞させ易くなる小当たり遊技が実行されるように構成している。V入賞口650aへと遊技球が入賞すると、入賞した遊技球1個に対して11個の賞球が払い出されるように構成されている。加えて、本第33制御例では、V入賞口650aへと入賞した遊技球が第2可変入賞装置(V入賞装置)650内に設けられた特定領域(V領域)650e4を通過した場合には、小当たり遊技の終了後に第1可変入賞装置65の開閉扉65bを開放させる大当たり遊技を実行可能に構成している。つまり、本第33制御例では、大当たり遊技を実行させるための実行契機として、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に成立する第1大当たり契機と、小当たり遊技中に遊技球が特定領域(V領域)650e4を通過した場合に成立する第2大当たり契機と、を有している。このように構成することで、様々な契機で大当たり遊技を実行させることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、上述した通り、本第33制御例におけるパチンコ機10では、遊技者へ賞球を付与可能な当たり遊技として、大当たり遊技と、小当たり遊技と、を実行可能に構成しており、小当たり遊技中よりも、大当たり遊技中の方が、遊技者に多くの賞球を付与可能(多くの遊技球を入賞させることが可能)となるように、各当たり遊技の内容が予め決定されている。つまり、大当たり遊技は、小当たり遊技よりも遊技者が獲得可能な賞球数の点で遊技者に有利な当たり遊技となる。また、大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技の終了後に大当たり種別に対応した遊技状態を設定可能に構成しているのに対して、小当たり遊技の終了後には、小当たり遊技が開始される時点で設定されていた遊技状態が再度設定されるように構成している。つまり、例えば、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技の大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に通常状態とは異なる遊技状態(時短状態)が設定可能となり、通常状態が設定されている状態で小当たり遊技が実行された場合には、小当たり遊技終了後に通常状態が設定されるように構成している。よって、現在設定されている遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態が設定されることを期待しながら遊技を行っている遊技者に対しては、新たな遊技状態を設定可能な大当たり遊技の方が、小当たり遊技よりも有利な当たり遊技となる。また、本第33制御例におけるパチンコ機10では、上述した特別図柄の抽選(特別図柄抽選)以外に、普通図柄(第2図柄)の抽選を実行可能に構成しており、遊技盤13に設けられたスルーゲート67へと遊技球を通過(入球)させたことに基づいて実行条件が成立した場合に、普通図柄の抽選が実行される。そして、普通図柄(第2図柄)の抽選の結果として、当たり、外れの何れかが判定されるように構成している。普通図柄の抽選で当たり当選した場合には、電動役物640a(図1830参照)を作動させることで、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くする普図当たり遊技が実行される。
つまり、普図当たり遊技が実行されることで、普図当たり遊技が実行されていない場合よりも、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くすることができる。よって、遊技者に対して、第1入球口64へと遊技球を入球させることで第1特別図柄抽選を実行し大当たり遊技を目指す遊技と、スルーゲート67へと遊技球を入球(通過)させ普通図柄抽選を実行し、第2入球口640へと遊技球を入球させることで第2特別図柄抽選を実行し大当たり遊技を目指す遊技と、を実行させることが可能となるため、遊技者に多彩な遊技を提供することができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。さらに、詳細な説明は後述するが、本第33制御例におけるパチンコ機10では、普通図柄の確率状態として、「低確率状態」と、「高確率状態」を設定可能に構成しており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合は、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも、1回の普通図柄抽選の結果に基づいて第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となる期待度が低くなるように構成している。具体的には、「普通図柄の高確率状態」とは、普通図柄(第2図柄)抽選の当たり確率がアップし、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ遊技球が入球しやすい状態となる。よって、普通図柄の高確率状態中は、第2入球口640へ遊技球が入球し易い状態となり、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が行われる回数を増やすことができる。
なお、普通図柄の高確率状態中の普図当たり遊技として、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を長くするのではなく、または、その開放時間を長くすることに加えて、1回の普図当たり遊技で電動役物640aが開放する回数を普通図柄の低確率状態中に実行される普図当たり遊技よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、普通図柄の高確率状態中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の普図当たり遊技で電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、普通図柄の高確率状態中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の普図当たり遊技で電動役物640aを開放する回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、普通図柄の低確率状態中と比してアップするよう変更するものであってもよい。なお、本第33制御例では、上述した通り、普通図柄の確率状態を「低確率状態」、「高確率状態」と変更可能に構成し、特別図柄の確率状態は変更されないように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄の確率状態も、上述した普通図柄の確率状態と同様に「低確率状態」、「高確率状態」と変更可能に構成しても良い。この場合、特別図柄の高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる確率(大当たり確率)を高めるように構成すると良い。また、大当たり確率だけで無く、特別図柄の抽選結果が小当たりとなる確率(小当たり確率)を高めるように構成しても良いし、大当たり確率、小当たり確率を共に高めるように構成しても良いし、特別図柄の高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、特別図柄の抽選結果が外れとなる確率(外れ確率)が低くなるように構成しても良い。
遊技領域には、遊技球が入球することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入球口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、装飾用の第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への遊技球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図1860参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本第33制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図1860参照)の制御に伴った特別図柄の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本制御例においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。第2図柄(普通図柄)の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常状態(普通図柄の低確率状態)の場合よりも、時短状態(普通図柄の高確率状態)の方が短くなるように設定される。これにより、時短状態中は、第2図柄(普通図柄)の変動表示が短い時間で行われるので、単位期間当たりにおける普通図柄抽選の実行回数を通常状態よりも多くすることができる。よって、普通図柄抽選の結果が当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会(普図当たり遊技が実行される機会)を遊技者に多く与えることができる。よって、時短状態(普通図柄の高確率状態)中は、第2入球口640へ遊技球が入球しやすい状態とすることができる。普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された遊技球のうち、遊技盤13の右方を流下する遊技球の一部が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を遊技球が通過すると、第2図柄(普通図柄)の抽選が行われる。普通図柄抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、普通図柄抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、普通図柄抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
遊技球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数(普図保留数)が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。なお、第2図柄の変動表示は、本第33制御例のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の遊技球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方(右側領域)に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方(左側領域)でも良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。可変表示装置ユニット80の下方には、遊技球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図1860参照)で特別図柄抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37の表示装置37aで示される。
一方、遊技盤13の右側領域下方には、遊技球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図1860参照)で特別図柄抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37の表示装置37bで示される。また、第1入球口64に遊技球が入球すると、4個の遊技球が賞球として払い出され、第2入球口640に遊技球が入球すると1個の球が賞球として払い出されるように構成している。つまり、第1入球口64、及び、第2入球口640は、特別図柄抽選を実行させるための始動入賞口の役割と、賞球を払い出すための入賞口の役割を兼ね備えている。なお、本第33制御例においては、第1入球口64へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異ならせるように構成したが、第1入球口64へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同一の数、例えば、第1入球口64へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数を1個とし、第2入球口640へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数と同一となるように構成してもよい。第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(埋設状態)となって、遊技球が第2入球口640へ入球しにくい状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(突出状態)となり、遊技球を第2入球口640へと入球させ易い状態となる。
上述した通り、時短状態中は、通常状態中と比して第2図柄(普通図柄)の当たり確率が高く、また、第2図柄(普通図柄)の変動表示にかかる時間(普図変動時間)も短いので、第2図柄(普通図柄)の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(突出状態)となる回数が増える。更に、時短状態中は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態中より長くなる。よって、時短状態中は、通常状態中と比して、第2入球口640へ遊技球が入球しやすい状態を作ることができる。より具体的には、普通図柄の低確率状態が設定される通常状態においては、遊技者が遊技盤13の右側領域に向けて遊技球を発射させる右打ち遊技を実行し、スルーゲート67へと遊技球を通過させることで普図当たり遊技を実行させたとしても、第2入球口640へと遊技球を殆ど入球させることができず、遊技盤13の左側領域に向けて遊技球を発射させる左打ち遊技を実行し、第1入球口64へと遊技球を入球させる遊技を行った方が、より多くの特別図柄抽選を実行させることが可能となるように構成している。一方で、普通図柄の高確率状態が設定される時短状態においては、遊技者が遊技盤13の右側領域に向けて遊技球を発射させる右打ち遊技を実行し、スルーゲート67へと遊技球を通過させることで普図当たり遊技を実行させた場合に、第2入球口640へと容易に遊技球を入球させることができ、遊技盤13の左側領域に向けて遊技球を発射させる左打ち遊技を実行し、第1入球口64へと遊技球を入球させる遊技を行った場合よりも、より多くの特別図柄抽選を実行させることが可能となる。
つまり、本第33制御例におけるパチンコ機10では、通常状態が設定されている場合には右打ち遊技よりも左打ち遊技の方が特別図柄抽選を実行させる視点から遊技者に有利な遊技となり、時短状態が設定されている場合には左打ち遊技よりも右打ち遊技の方が特別図柄抽選を実行させる視点から遊技者に有利な遊技となる。このように、本第33制御例では、設定されている遊技状態に応じて、遊技者に有利となる遊技方法を異ならせているため、長時間遊技を行っている遊技者に対して遊技方法を変更させながら遊技を行わせることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。ここで、第1入球口64に遊技球が入球した場合に実行される第1特別図柄抽選と、第2入球口640へと遊技球が入球した場合に実行される第2特別図柄抽選とで、抽選結果が大当たりとなる確率が同一(約1/230)となるように構成している。しかしながら、大当たり当選した場合に選定される大当たりの種別として、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数が最大の10ラウンド(R)となるのは、第2特別図柄抽選の場合のみで構成している。また、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合に、その時短状態が継続する期間として、第1特別図柄抽選では最も長い期間(特図変動が254回実行されるまでの期間)継続可能な時短状態が設定される可能性があるものの、その確率は4%と極めて低く、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の多くは最も短い期間(特図変動が1回実行されるまでの期間)継続可能な時短状態が設定される大当たり種別(大当たりB)となる。一方、第2特別図柄抽選では、何れの大当たり種別(大当たりC,D)であっても特図変動が10回実行されるまで継続可能な時短状態が設定される。よって、第1特別図柄抽選が実行されるよりも第2特別図柄抽選が実行される方が遊技者にとっては有利であると言える。一方で、第1入球口64は、第2入球口640のように電動役物640aを有しておらず、遊技球が常時入球可能な状態となっている。よって、通常状態においては、第2入球口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640へと遊技球を入球させ難いので、電動役物640aのない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように遊技球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって第1特別図柄抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、時短状態中は、普通図柄始動口(スルーゲート)67に球を通過させることで、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640へと入球させ易い状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように遊技球を発射し(所謂「右打ち」)、普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入球口640への入球によって大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。そして、上述した通り、本第33制御例のパチンコ機10では、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、遊技者に有利な大当たり遊技(ラウンド数が多い大当たり遊技)が実行され易く構成しており、且つ、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成している。よって、第1特別図柄抽選が主として実行される通常状態よりも、第2特別図柄抽選が主として実行される時短状態の方が、遊技者に有利な遊技状態となる。このように、本第33制御例のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(時短状態中であるか、通常状態中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。ここで、図1830、及び図1831を参照して本第33制御例のパチンコ機10に設けられた第2入球口640への球流れについて説明をする。第33制御例では図1830に示した通り、遊技盤13の遊技領域の略中央位置に可変表示装置ユニット80を配設し、遊技領域を可変表示装置ユニット80の左方側(左打ち領域)と右方側(右打ち領域)とに区画しており、遊技者が操作ハンドル51の操作量を調整することで発射された球の行き先を右打ち領域或いは左打ち領域へと打ち分けることが可能に構成している。以下、遊技者が操作ハンドル51を操作して遊技領域のうち左打ち領域へと球を発射させる遊技を左打ち遊技、右打ち領域へと球を発射させる遊技を右打ち遊技と称す。
図1830に示した通り、第2入球口640と、第2入球口640に付随する電動役物640a、及び、電動役物640aを動作させるか否かの抽選のトリガとなる普通図柄始動口(スルーゲート)67が右打ち領域に配設されており、遊技状態として時短状態が設定されている場合には右打ち遊技が行われるように構成している。左打ち遊技により発射された球が第2入球口640に入球することが無いように可変表示装置ユニット80の下方には釘が植設されており、左打ち遊技中に第2入球口640に球が入球することが無いように構成している。このように構成することで、左打ち遊技では第1特別図柄の抽選を実行させるために遊技球を第1入球口64へと入球させる遊技を行わせ、右打ち遊技では第2特別図柄の抽選を実行させるために遊技球を第2入球口640へと入球させる遊技を行わせることができ、遊技方法に応じて異なる遊技性を適切に提供することができる。第33制御例のパチンコ機10では、図1830に示した通り、右打ち領域には、上流側から順にスルーゲート67、第2可変入賞装置650、電動役物640a、第1可変入賞装置65の順で各機構が配設されており、右側領域のスルーゲート67よりも上流側に植設された複数の釘によって右側領域を流下する遊技球の流下速度や流下方向を不規則に可変させながら、右側領域を流下する遊技球の約2/3がスルーゲート67を通過するように構成している。そして、スルーゲート67を通過した遊技球は、スルーゲート67の下方に植設された複数の釘によって、第2可変入賞装置650の上流側へと誘導されながら、第2可変入賞装置650に到達するように構成している。一方で、スルーゲート67を通過すること無く(スルーゲート67の左側に形成された流路を流下して)第2可変入賞装置650に到達した遊技球は、スルーゲート67を通過した遊技球よりも、第2可変入賞装置650の下流側に到達する、或いは、第2可変入賞装置650に到達すること無く、第2可変入賞装置650よりも下流側に配設されている電動役物640aへと到達するように構成している。
図1830に示した通り、第2可変入賞装置650は、その上面が左下方向(図1830の正面視で左下方向)に向けて下り傾斜する球流路となるように遊技盤13に配設されており、その第2可変入賞装置650の上面(閉鎖状態である開閉扉650f1の上面)を流下した遊技球は、電動役物640aに向けて流下するように構成している。詳細は後述するが、この第2可変入賞装置650は、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技によって、開閉作動するものであって、小当たり遊技が実行されていない状態では、第2可変入賞装置650のV入賞口650aの開口部が閉鎖状態の開閉扉650f1によって覆われており、第2可変入賞装置650に到達した遊技球の殆どがV入賞口650aへと入賞すること無く、下流側に向けて排出される。一方、小当たり遊技が実行されている間は、開閉扉650f1が開放状態と閉鎖状態とに繰り返し切り替わる開閉作動が実行されることにより、第2可変入賞装置650の上流側に到達した遊技球(スルーゲート67を通過した遊技球)がV入賞口650aへと入賞し易くなる。つまり、右側領域には、小当たり遊技中に遊技球を第2可変入賞装置650へと入賞させ易い第1流路(スルーゲート67を通過した遊技球が流下する流路)と、第2可変入賞装置650へと入賞させ難い第2流路(スルーゲート67を通過しない遊技球が流下する流路)と、が形成されている。よって、小当たり遊技が実行された場合に、発射した遊技球数に対する第2可変入賞装置650への入賞数の割合が高くなることを期待しながら、右側領域を流下する遊技球の挙動に注目させることができる。上述した通り、本第33制御例では、右打ち遊技によって発射された遊技球のうち、約2/3がスルーゲート67を通過し、第2可変入賞装置650の上流側に向けて流下し、残りの約1/2がスルーゲート67を通過すること無く、第2可変入賞装置650に向けて流下するように構成している。そして、小当たり遊技が実行されていない間は、右打ち遊技によって発射され、右側領域を流下した全ての遊技球が、第2可変入賞装置650のV入賞口650aへと入賞すること無く、電動役物640aに到達することになる。
そして、電動役物640aが待避状態(埋設状態)に位置している場合は、退避状態の電動役物640aを通過し第1可変入賞装置65に向けて遊技球が流下する。一方、電動役物640aが突出状態に位置している場合は、電動役物640aに到達した遊技球が突出状態の電動役物640aの上面を右下方向(図1830の正面視で右下方向)に向けて流下する。そして、電動役物640aの右端まで到達した球は第2入球口640へ入球し、電動役物640aの右端に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変した場合は、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球するように構成している。さらに、本パチンコ機10は上述した電動役物640a、第2入球口640、一般入賞口63を覆うように透過性のカバー部材655を設けている。このカバー部材655は入射する光を乱反射させるためのカット加工が表面に施されている。このカバー部材655を設けることで、遊技中はパチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)や第3図柄表示装置81から発せられる様々な光によってカバー部材655の内部を遊技者に視認させ難くすることができる。よって、電動役物640aの動作タイミングを図って右打ち遊技を行う行為を抑制することができる。また、遊技が行われていない状態(遊技機の電源がオフになっている状態)では、カバー部材への入射光が抑えられるため、カバー部材655の内部を容易に視認することができ、パチンコ機10のメンテナンスを容易に行うことができる。なお、このようにカバー部材655を用いて内部の視認性を可変させる構成を用いる場合には、上述したように装飾用に発光する発光手段を利用可能に構成することで発光手段を共有することができ、パチンコ機10を構成する部品点数を削減することができるが、カバー部材655の内部を視認困難とするための発光手段を専用に設けても良い。
また、電動役物640aの動作が行われる期間を含む所定期間の間カバー部材655の内部を視認困難にすればよく、例えば、電動役物640aの動作が実行されると判別した場合(即ち、普通図柄の抽選により当たりに当選した場合)に、カバー部材655の表面に電動役物640aが動作する旨を報知する文字(例えば、「オープン」)が表示されるように発光手段を制御し、その表示された文字により、カバー部材655の内部を視認困難にするように構成しても良い。これにより、電動役物640aが動作することを遊技者に把握させるとともに、その詳細な動作タイミングを把握させ難くすることができる。ここで、図1831を参照して、本パチンコ機10の右打ち領域に設けられた電動役物640aの構成について、より詳細に説明をする。図1831に示した通り、右打ち遊技により発射された球のうち、第2可変入賞装置650から流下した遊技球は、電動役物640aが配設されている領域に向けて流下する。具体的に説明をすると、電動役物640aは、50mmの長さを有し、その上面を球が流下可能な板状部材で構成され、右下方向(図1830の正面視で右下方向)に向けて下り傾斜となるように遊技盤13に配設されている。そして、第2可変入賞装置650から流下した遊技球は電動役物640aの左端から20mmの範囲に該当する領域a(図1831参照)に流下する。領域aに到達した遊技球は、電動役物640aが待避状態に位置している場合は電動役物640aを通過し第1可変入賞装置65に向けて流下する。一方、電動役物640aが突出状態に位置している場合は電動役物640aの上面を右端側に向けて遊技球が流下する。そして、領域b(電動役物640aの左端から20mmから40mmが該当する領域)に球が到達した状態で電動役物640aが待避状態へと可変した場合には、電動役物640aの下方に設けられた一般入賞口63に向けて遊技球が流下するように構成されている。最後に、領域c(電動役物640aの右端から10mmが該当する領域)に球が到達すると、その球は第2入球口640へ入球するように構成されている。
なお、本第33制御例では、遊技状態(普通図柄の確率状態)によって、電動役物640aが突出状態を継続する期間が異なるように構成しており、遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で電動役物640aが動作する(普図当たり遊技を実行する)場合には、突出状態に位置する電動役物640a上を流下する遊技球が領域b(図1831参照)に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変し、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定されている状態では、電動役物640a上を流下する遊技球が領域c(図1831参照)へと到達するのに十分な期間の間、電動役物640aが突出状態を継続させるように構成している。具体的には、電動役物640aの動作期間(継続して突出状態に位置する期間)が、時短状態中は2秒、通常状態中は0.2秒となるように構成している。そして、電動役物640aは図1831に示した領域(領域aから領域cまでの範囲)を球が流下するための流下期間が0.2秒よりも長く、且つ2秒よりも短くなるように構成されている(第33制御例では、0.8秒)。このように構成することで、通常状態中に右打ち遊技を行い、普通図柄の当たりに当選し、動作中の電動役物640aの上面を遊技球が流下する状態になった場合であっても、電動役物640aの上面を流下する遊技球が第2入球口640に到達するまでに電動役物640aの動作が終了し、退避状態となる、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができる。また、時短状態中においては、電動役物640aの上面を遊技球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.8秒)よりも長い期間、電動役物640aの突出状態を継続させるため、突出状態である電動役物640aの上面を流下した遊技球が第2入球口640へ到達し易くし、第2特別図柄の抽選を実行させ易くすることができる。
さらに、時短状態中において、例えば、電動役物640aが作動してから1.5秒後に電動役物640aに到達した遊技球は電動役物640aの上面を流下し、領域bに到達したタイミングで電動役物640aの作動が終了する(電動役物640aが作動してから2秒経過する)ことになる。このような遊技球は図1831に示した通り、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球し、10個の球が賞球として払い出される。このように、時短状態中において右打ち遊技をした場合には、電動役物640aの作動タイミングと、電動役物640aへの遊技球の到達タイミングとによって、異なる入球口(第2入球口640或いは一般入賞口63)へと遊技球を誘導することができるように構成することで、遊技者に対して時短状態中に継続して右打ち遊技を行わせることができる。また、本第33制御例では、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を最大で1個保持(保留記憶)可能に構成している。つまり、新たな特別図柄抽選を実行させるための実行条件が成立していない状態であっても、第2入球口640へと遊技球を入球させることで特図2保留を獲得し、特図2保留を獲得している状態で、特別図柄抽選を実行させるための実行条件が成立した場合には、特図2保留を用いて第2特別図柄抽選を実行させることができるように構成している。よって、時短状態が設定されている状態において、特別図柄抽選を実行させるための実行条件が成立していない場合、例えば、特別図柄変動が実行されている場合であっても、特図2保留を獲得するために意欲的に遊技者に右打ち遊技を行わせることができる。さらに、特図2保留を既に最大数(1個)獲得している状態であっても、時短状態中に右打ち遊技を行うことで、第2入球口640の下方に設けられた一般入賞口63へと遊技球を入賞させ易くすることができるため、時短状態中に多くの賞球を獲得しようとする遊技者に対して、意欲的に右打ち遊技を行わせ易くすることができる。
なお、本第33制御例では、第2入球口640へと遊技球が入球した場合に払い出される賞球数(1個)よりも、第2入球口640の下方に設けられた一般入賞口63へと遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数(10個)の方が多くなるように構成することで、時短状態中において、特図2保留の獲得を目指す遊技に加え、多くの賞球獲得を目指す遊技を遊技者に提供するように構成している。このように構成することで、時短状態における遊技状況に応じて目的を異ならせた遊技を遊技者に行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。本第33制御例では、上述した通り、時短状態中において、特図2保留の獲得を目指す遊技とは異なる遊技として、多くの賞球獲得を目指す遊技を実行させることが可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、一般入賞口63へと遊技球が入球したことに基づいて、賞球とは異なる特典を遊技者に提供するように構成しても良いし、一般入賞口63の代わりに、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得可能な入賞口や、普通図柄抽選の実行権利(普図保留)を獲得可能な入賞口を設けるように構成しても良い。上述したように、一般入賞口63への入球に応じた賞球数が10個で、第2入球口640への入球に応じた賞球数が1個となるように構成しているため、第2特別図柄抽選(特図2抽選)の実行条件が成立している状態であれば、第2入球口640に遊技球が入球する場合の方が一般入賞口63に遊技球が入球するよりも遊技者に有利な特典(即ち、特図2抽選および1個の賞球)を付与することができ、第2特別図柄抽選(特図2抽選)の実行条件が成立しておらず、且つ、特図2保留を条件数獲得している状態であれば、第2入球口640よりも一般入賞口63に遊技球が入球するほうが遊技者に有利な特典(即ち、10個の賞球)を付与することができるように構成している。
これにより、遊技の状況(特別図柄の変動の有無)に応じて、遊技者が入球を所望する入球口(多くの特典を獲得可能な入球口)を可変させることができるため、時短状態中における右打ち遊技を遊技者に楽しませることができる。また、電動役物640aの一回の動作中に第2入球口640と、一般入賞口63との両方に球を入球させるためには、右打ち遊技を継続して実行する必要があるため遊技の稼働を高めることができる。尚、第33制御例では時短状態中における電動役物640aの動作期間として、電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと到達する期間(0.8秒)よりも十分に長い期間(2秒)を設定し、電動役物640aが動作した場合に第2入球口640へ遊技球を確実に入球させるように構成しているが、それ以外に、例えば、時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を遊技球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.8秒)よりも若干長い期間(例えば、0.9秒)となるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中においてスルーゲート67に遊技球を通過させた後、遊技球の打ち出しを止め、電動役物640aが動作したことを確認した後に再度遊技球の打ち出しを開始する行為(所謂、止め打ち)を抑制することができるため、時短状態中において右打ち遊技を継続して行わせ遊技の稼働を向上させることができる。第1入球口64の下方右側には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64又は第2入球口640への入球に起因して行われた特別図柄抽選の結果が大当たり当選であると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たり当選を示すための停止図柄となるよう第1図柄表示装置37にて特別図柄を点灯表示させると共に、その大当たり当選に対応した第3図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、遊技者に対して大当たり当選が報知される。
そして、遊技球が第1可変入賞装置65へと入賞し易い大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技が実行されている特別遊技状態では、通常時(非大当たり遊技中)には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。そして、遊技球が第1可変入賞装置65へと入賞し易い大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技が実行されている特別遊技状態では、通常時(非大当たり遊技中)には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
第1可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aの開口部を覆う横長矩形状の開閉扉65bと、その開閉扉65bを前後方向(図1830の視点で奥行き方向)へと開閉駆動するための特定入賞口ソレノイド209a(図1860参照)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉鎖状態、具体的には、開閉扉65bが手前側(図1830の視点で手前側)に突出している閉鎖状態となり、特定入賞口65aの開口部が閉鎖状態の開閉扉65bに覆われるように構成されている。なお、閉鎖状態に開閉扉65bが位置している状態では、開閉扉65bの上面に遊技球が流下可能な流路が形成されており、閉鎖状態の第1可変入賞装置65へと遊技球が到達した場合には、開閉扉65bの上面に形成された球流路を流下し、特定入賞口65aへと入賞すること無く、第1可変入賞装置65の下流側に流下し、遊技盤13の遊技領域の下側に設けられたアウト口66に入球し、パチンコ機10の外部へと排出される。そして、大当たり遊技が実行されると特定入賞口ソレノイド209aを駆動して開閉扉65bが奥側(図1830の視点で奥側)へと作動することにより、遊技球が特定入賞口65aに入賞しやすい開放状態を一時的に形成し、その開放状態と閉鎖状態とを交互に繰り返すように作動する。なお、特別遊技状態(大当たり遊技の内容)は上記した構成に限定されるものではなく、特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たり当選を示す特別図柄が表示された場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入球口64の下方右側や、第1入球口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
第2可変入賞装置(V入賞装置)650は、具体的には、V入賞口650aの開口部を覆う横長矩形状の開閉扉650f1と、その開閉扉650f1を前後方向(図1830の視点で奥行き方向)へと開閉駆動するためのV入賞口ソレノイド209b(図1860参照)とを備えている。V入賞口650aは、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉鎖状態、具体的には、開閉扉650f1が手前側(図1830の視点で手前側)に突出している閉鎖状態となり、V入賞口650aの開口部が閉鎖状態の開閉扉650f1に覆われるように構成されている。なお、閉鎖状態に開閉扉650f1が位置している状態では、開閉扉650f1の上面に遊技球が流下可能な流路が形成されており、閉鎖状態の第2可変入賞装置650へと遊技球が到達した場合には、開閉扉650f1の上面に形成された球流路を流下し、V入賞口650aへと入賞すること無く、第2可変入賞装置650の下流側に流下し、第2可変入賞装置650よりも右側領域の下流側に設けられた電動役物640aに向けて流下する。そして、小当たり遊技が実行されるとV入賞口ソレノイド209bを駆動して開閉扉650f1が奥側(図1830の視点で奥側)へと作動することにより、遊技球がV入賞口650aに入賞しやすい開放状態を一時的に形成し、その開放状態と閉鎖状態とを交互に繰り返すように作動する。なお、第2可変入賞装置650の詳細な構造については、図1832から図1835を参照して後述する。ここで、図1832から図1835を参照してV入賞装置650の構成について詳細に説明をする。まず、図1830に示した通り、V入賞装置650の開閉扉650f1が特定入賞口(V入賞口)650aを閉鎖している閉鎖状態である場合は、閉鎖状態である開閉扉650f1の上面を遊技球が流下可能に構成されており、V入賞装置650が閉鎖状態中にV入賞装置650に到達した遊技球は、開閉扉650f1上を左下側(図1830の正面視で左下側)に向けて流下し、スルーゲート67に向けて流出される。一方、V入賞装置650が開放状態(即ち、小当たり遊技中)である場合は、遊技球がV入賞装置650内へと入賞する。
本第33制御例では、小当たり遊技中におけるV入賞装置650の開放動作として、2秒間の閉状態(オープニング期間)の後、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(1.5秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(1.5秒)、開状態(0.2秒)、閉状態(4.8秒)、開状態(0.8秒)、閉状態(9秒)となる開放期間(ラウンド遊技期間)が実行されるように構成されている。このように、1回の開状態(開放期間)が継続する期間は最短で0.1秒と短く設定されているが、V入賞装置650が開放するタイミングにおいて開閉扉650f1上を流下している遊技球がV入賞装置650へと入賞するのに十分な期間である。V入賞装置650に入賞した遊技球は、第1規制部材或いは第2規制部材上を流下しながら検出口650a1(図1834(a)参照)に向けて整列して流下するように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が開閉扉650f1のどの位置からV入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、円滑に球を流下させることができる。なお、第33制御例ではV入賞装置650の開閉扉650f1が継続して開放される期間の最短期間を0.1秒に設定しているが、開閉扉650f1の開放期間中に開閉扉650f1上を流下している遊技球がV入賞装置650へと入賞可能な期間であればその他の期間を設定しても良い。また、第33制御例では1回の小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を開放させる回数を8回としているが、それ以外の回数を設定しても良い。
詳細は後述するが、本第33制御例では小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を1回開放させてから次に開放させるまでの閉鎖期間(開放間インターバル期間)として、小当たり遊技中の5回目の開放動作までよりも、5回目開放動作以降の方が長い閉鎖期間が設定されるように構成している。これは、小当たり遊技が行われている期間中にV入賞装置650へ遊技球を入賞させ易くさせるためのものである。具体的には、小当たり遊技中において5回目の開放動作が終了した時点で特定領域(Vスイッチ)650e3が球を検知していないと判別した場合には、遊技者に右打ち遊技を強調して促す遊技案内表示を第3図柄表示装置81に表示するように構成している。そして、第3図柄表示装置81に表示された遊技案内表示を把握することで右打ち遊技を開始した場合にも、V入賞装置650へ遊技球を入球させることができるように、開放間インターバル期間を長く設定している。このように構成することで、小当たり遊技中に適切な遊技をしていない遊技者(右打ち遊技をしていない遊技者)に対しても適切な遊技を実行させ易くすることができる。このように、複数回の開放動作が実行される特定遊技(小当たり遊技)中において、一部の開放間インターバル期間を他よりも長く設定し、適正な遊技を行っていないと判別した場合に、適正な遊技内容を促すための遊技案内表示を表示可能とすることで、誤った遊技を行っている遊技者に対して、安心して遊技を行わせることができる。また、小当たり遊技中に実行される5回目の開放動作までは、閉鎖期間が短く(0.4秒)設定されているため、小当たり遊技が実行された直後から右打ち遊技を実行している遊技者に対して、5回目の開放動作が終了するまでの間に、遊技球を所定数(10個)V入賞装置650へと入賞させることで小当たり遊技の終了条件を成立させることで、長い閉鎖期間が設定されるよりも前に小当たり遊技を終了させ易くすることが可能となる。よって、小当たり遊技中に実行される1回目の開放動作終了後から長い閉鎖期間が設定される場合と比べて、小当たり遊技期間が無用に長くなってしまい適正な遊技を実行している遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図1832を参照してV入賞装置650の構造について詳細に説明をする。図1832は、このV入賞装置650の分解斜視図である。V入賞装置650は、図1832に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材650b、その開口部形成部材650bの背面側に組み合わされて、V入賞装置650を遊技盤13にビス留めするためのベース部材650cと、そのベース部材650cの背面側に配置されてベース部材650cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板650dと、そのLED基板650dをベース部材650cと狭持する裏カバー体650eと、開口部形成部材650bに形成されている特定入賞口(V入賞口)650aを開閉するための開閉扉650f1を有した開閉ユニット650fと、裏カバー体650eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体650gと、裏カバー体650eと流路カバー体650gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材650hと、その切替部材650hと係止されるリンク部材650iと、流路カバー体650gの背面側に配置される背面カバー体650jと、その背面カバー体650jの背面側に固定されて、リンク部材650iを作動させる流路ソレノイド650kと、その流路ソレノイド650kを背面側から覆って背面カバー体650jにビスにより固定するための固定用カバー体650mとで構成されている。
図1833は、V入賞装置650の断面図である。図1833(c)はV入賞装置650の上面図であり、図1833(b)は、V入賞装置650のLb-Lb断面図である。図1833(b)に示すように、V入賞装置650には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口(V入賞口)650aが形成されている。特定入賞口(V入賞口)650aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図1833(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ(球検知スイッチ)650c1で構成された検出口650a1が配置されている。この検出口650a1を通過した遊技球は、図1834(a)で示す裏カバー体650eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。なお、図1833(b)に示すように特定入賞口(V入賞口)650aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉650f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉650f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉650f1は、ベース部材650cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口(V入賞口)650a内から退避されるように構成されている。このように構成することで、時短遊技中と、大当たり遊技中と、小当たり遊技中とを継続して右打ち遊技させることができるため、遊技状態に応じて遊技方法を変更させる手間を軽減することができる。従って、より楽に遊技を行うことができる。また、開閉扉650f1の開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面をV入賞装置650の開口として構成できるので、遊技球を効率よく特定入賞口(V入賞口)650a内に入賞させることができる。よって、小当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図1833(a)は、図1833(b)に示すLa-La断面図である。図1833(a)に示すように検出口650a1を有する磁気センサ650c1は、裏カバー体650eの振り分け流路側へと検出口650a1が傾くようにベース部材650cに固定されている。次に、図1834を参照して、裏カバー体650eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路650e1と特別排出流路650e2とに振り分けられる構成について説明する。図1834(a)は、遊技球が特別排出流路650e2に振り分けられるように切替部材650hが作動された状態を示す裏カバー体650eの背面図である。図1834(a)に示すように、切替部材650hは、リンク部材650iの突部が挿入される係止穴650h1と遊技球を誘導する誘導片650h2とを有しており、流路カバー体650gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体650gには、この誘導片650h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体650gの背面側より振り分け流路内に誘導片650hを回動可能に配置することが可能に構成されている。図1834(a)に示すように、検出口650a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片650h2の上面に誘導されて特別排出流路650e2に誘導される。特別排出流路650e2を通過した遊技球は特別排出流路650e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成されたVスイッチ650e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、第33制御例におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中に上記したVスイッチ(特定領域)650e3を遊技球が通過することにより、小当たり遊技後に大当たり遊技の開始が設定される。即ち、Vスイッチ(特定領域)650e3は、大当たり遊技を開始させるためのトリガとして構成されている。また、切替部材650hは、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球がVスイッチ650e3を通過可能な流路(特別排出流路650e2)、或いはVスイッチ650e3を通過不可能(困難)な流路(通常排出流路650e1)の何れかを連通させるためのものであって、流路ソレノイド650kをオンに設定することでV入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替える(図1834(b)参照)ように構成している。第33制御例で用いられるパチンコ機10は、通常に遊技を行っている間は流路ソレノイド650kがオフに設定されており、V入賞装置650に入賞した遊技球が通常排出流路650e1を流下するように構成している。そして、小当たりに当選した場合に、図示しない開放シナリオテーブル202gに規定されている内容に従って流路ソレノイド650kをオンに設定し、V入賞装置650に入賞した遊技球が特別排出流路650e2を流下可能となるように構成している。このように、流路ソレノイド650kをオフに設定している場合に、パチンコ機10において長期間維持される状態、即ち、V入賞装置650に入賞した遊技球が通常排出流路650e1を流下するように切替部材650hを維持する状態(図1834(a)参照)を提供するように構成することで、パチンコ機10の使用電力を抑えることが出来る。
このように、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球の流下ルートにより小当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、小当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、V入賞装置650の開口(特定入賞口)から特別排出流路650e2の入り口(切替部材650hの誘導片650h2により閉鎖される開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。このように構成することで、小当たりに当選していないにも関わらず開閉扉650f1が開放されたことを検知してから切替部材650hにより球の流下ルートを切り替えたとしても、確実に球が特別排出流路650e2を流下する事態を抑制することができる。また、通常排出流路650e1の下流端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ650e4が設けられている。これにより、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ650e4とVスイッチ650e3との検知数の合計により判別できる。なお、小当たり遊技の終了タイミング(小当たり遊技の終了条件(V入賞装置650に所定数(10個)の入賞があった場合、或いは、V入賞装置650の開放シナリオが終了した場合)が成立した後に実行される小当たりエンディング期間を経過したタイミング)において、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されていない場合には、V入賞装置650内部の異常と判別し、外部に異常を報知したり、大当たり遊技や通常遊技が開始されないように遊技を停止させたりするように構成すると良い。これにより、パチンコ機10の一部において異常が発生している状態で遊技が進行してしまい2次的な異常が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、第2可変入賞装置(V入賞装置)650のV入賞口650aに入賞した遊技球が磁気センサ650c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(1個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、Vスイッチ650e4通過するか否かを振り分け可能に構成することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるか否かを振り分けることができる。よって、大当たり遊技を付与するための専用の入賞口(特定領域)をV入賞装置650とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。なお、本第33制御例では、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に複数種類の小当たり種別の中から1の小当たり種別(小当たりA~C)を設定可能に構成し、何れの小当たり種別が設定された小当たり遊技が実行された場合にも、小当たり遊技中に特定領域へと遊技球を入球させることができるように、流路ソレノイド650kがオンに設定されるように構成しているがこれに限ること無く、設定される小当たり種別に応じて、小当たり遊技中にV入賞装置650へと入賞した遊技球が特定領域(Vスイッチ650e3)を通過する確率を異ならせるように構成しても良い。例えば、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA~C)に応じて、流路ソレノイド650kをオンに設定する期間やタイミングが異なる小当たり遊技が実行されるように構成し、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技の内容によって、その小当たり遊技中に球がVスイッチ650e3を通過する期待度(V入賞期待度)を異ならせるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して、小当たりに当選することだけではなく、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図1835を参照して、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉する開閉扉650f1の球流下面の構造について説明をする。図1835(a)は、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉扉650f1が閉鎖している状態を平面視した模式図である。第33制御例の開閉扉650f1は、図1835(a)に示した通り、V入賞装置650の上面に到達した遊技球は、V入賞装置650上面の傾斜(図1830参照)に沿って、V入賞装置650の右側上面650y1から開閉扉650f1の上面を介して左側上面650y2を流下し、可変入賞装置65に向けて流出するように構成されている。そして、開閉扉650f1の上面には、遊技球の流下を遅延させるための遅延部材として第1遅延部材650fa、第2遅延部材650fb、第3遅延部材650fcが設けられており、球が開閉扉650f1上面を流下する流下期間が0.6秒となるように構成している。この流下期間(0.6秒)は、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aが小当たり遊技によって複数回開放される際の間隔(閉鎖期間(0.4秒))よりも長くなるように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している遊技球が、小当たり遊技により特定入賞口(V入賞口)650aが開放された場合に確実に入賞するように構成している。
図1835(a)に示した状態で、小当たり遊技が実行され、開閉扉650f1が開放状態に可変すると、図1835(b)に示した状態へと移行する。図1835(b)は、V入賞装置650のV入賞口650aが開放している状態を平面視した模式図である。図1835(b)に示した通り、開閉扉650f1は開放状態になると、遊技盤13の内部に待避するように可動し、右側上面650y1を流下した球が特定入賞口(V入賞口)650aに入賞可能となるように特定入賞口(V入賞口)650aが開放状態となる。また、開閉扉650f1上を流下中の球も、開閉扉650f1が待避位置に位置することで、特定入賞口(V入賞口)650aへ入賞する。また、V入賞装置650には、開閉扉650f1上を流下していた球がどの位置から特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、入賞後の球流れを円滑にするための第1規制部材651と、第2規制部材652が設けられており、開閉扉650f1上面上流側で特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した球は第1規制部材651、第2規制部材652を介して一列に整列させてから、遊技球1個分の通路幅である検出口650a1に向けて流下するように構成されている。このように第1規制部材651、第2規制部材652を設けることで、第1規制部材の下方位置に検出口650a1を設けたとしても、開閉扉650f1から勢いよく入賞した遊技球が直接検出口650a1に衝突することを防止することができるため、検出口650a1に設けられた球検知スイッチ650c1が故障することを抑制することができる。加えて、遊技球1個分の通路幅の検出口650a1を遊技球が通過するまでに遊技球を整列させるための流路(第1規制部材651、第2規制部材652上を流下する流路)を確保することができるため、V入賞装置650内で球詰まりが発生し、遊技に支障を来す事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をしたように、本第33制御例では判別手段の判別結果(特別図柄の抽選の結果)が所定の判別結果(小当たり)である場合に実行される特典遊技(小当たり遊技)において作動する可変部材(開閉扉650f1)の開放間インターバル期間(0.4秒)よりも、その可変部材(開閉扉650f1)上を球が流下するのに要する流下期間(0.6秒)が長くなるように構成しているため、小当たり遊技中の開放間インターバル(開閉扉650f1が閉鎖状態のタイミング)中に可変部材上を流下する遊技球を確実に次の開放タイミングでV入賞装置650へ入賞させることができる。また、可変部材上を流下中の遊技球のみを小当たり遊技中にV入賞装置650へ入賞させるだけでも小当たり遊技中に所定個数(10個)を入賞させることができるように、1回の小当たり遊技における開放動作回数(8回)を設定しているため、1回の開放期間(0.1秒)を短く設定したとしても、充分の入賞個数を確保することができる。加えて、1回の開放期間を長く設定してしまうことにより、小当たり遊技中に過剰な個数の球をV入賞装置650へ入賞させてしまうという事態が発生することを抑制することができる。
図1837に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図1860参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図1860参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第33制御例における演出内容について>
次に、図1838から図1859を参照して、本第33制御例のパチンコ機10において実行される各種演出内容について説明をする。図1838は、本第33制御例において第3図柄表示装置81に表示される各第3図柄の態様を示した図である。図1838に示す通り、本第33制御例における第3図柄は、「1」から「8」の数字n1~n8と、それぞれの数字に異なるキャラクタc1~c8が付された態様で構成されている。より具体的には、図1838に示すように、1図柄D1は数字の「1」とタコのキャラクタc1で構成され、2図柄D2は数字の「2」とフグのキャラクタc2で構成され、3図柄D3は数字の「3」とカメのキャラクタc3で構成され、4図柄D4は数字の「4」とサメのキャラクタc4で構成され、5図柄D5は数字の「5」とエビのキャラクタc5で構成され、6図柄D6は数字の「6」とアンコウのキャラクタc6で構成され、7図柄D7は数字の「7」とジュゴンのキャラクタc7で構成され、8図柄D8は数字の「8」と熱帯魚のキャラクタc8で構成されている。本第33制御例では、主制御装置110において第1特別図柄抽選(または第2特別図柄抽選)が実行されると、第3図柄表示装置81の表示面の主表示領域Dmでは第3図柄の変動表示が実行され、主表示領域Dmの左図柄列Z1、中図柄列Z2、右図柄列Z3に停止表示された第3図柄による複数の数字で構成された表示態様によって特別図柄抽選の結果が報知される。なお、特別図柄抽選の結果を報知する態様を、複数の数字で構成された表示態様で示す構成としたが、これに限るものではなく、複数のキャラクタを特定の組み合わせ(例えば、同一態様の組み合わせ)で表示することで特別図柄抽選の結果を報知する構成としても良い。
次に、図1839及び図1840を参照して、本第33制御例における変動毎の左図柄(第3図柄表示装置81の左図柄列Z1に停止表示される第3図柄)の通常の停止表示パターンについて説明する。図1839及び図1840は、通常の左図柄の表示パターンの流れを示した図である。図1839(a)は、1回目の特図変動において特別図柄抽選の結果が外れであることを示す第3図柄の組み合わせが停止表示されている状態の表示画面を示した図である。主表示領域Dmには、左図柄列Z1に1図柄D1、中図柄列Z2に3図柄D3、右図柄列Z3に4図柄D4がそれぞれ停止表示されている。上述したように、本第33制御例では、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合、各図柄列Z1~Z3に表示される第3図柄の数字が同一となる。従って、図1839(a)に示す例では、各図柄列Z1~Z3に表示されている第3図柄の数字が異なっていることから、特別図柄抽選の結果が外れであると遊技者は容易に認識することができる。図1839(b)は、図1839(a)に示した状態から新たな特図変動が開始され、所定の変動時間が経過した後に各図柄列Z1~Z3に第3図柄が停止表示された図である。図1839(b)に示した例では、左図柄列Z1に2図柄D2、中図柄列Z2に6図柄D6、右図柄列Z3に5図柄D5がそれぞれ停止表示されている。図1839(b)に示す例でも、各図柄列Z1~Z3に表示された各第3図柄の数字が異なっていることから特別図柄抽選の結果は外れである。図1840(a)は、図1839(b)に示した状態から新たな特図変動が開始され、所定の変動時間が経過した後に各図柄列Z1~Z3に第3図柄が停止表示された図である。図1840(a)に示した例では、左図柄列に3図柄D3、中図柄Z2に1図柄D1、右図柄Z3に8図柄D8がそれぞれ停止表示されている。図1840(a)に示す例でも、各図柄列Z1~Z3に表示された各第3図柄の数字が異なっていることから特別図柄抽選の結果は外れである。図1840(b)は、図1840(a)に示した状態から新たな特図変動が開始され、所定の変動時間が経過した後に左図柄列Z1に第3図柄が停止表示された図である。図1840(b)に示す例では、左図柄列Z1に4図柄D4、右図柄列Z3に1図柄D1が停止表示され、中図柄列Z2の第3図柄は変動表示中である。左図柄列Z1と右図柄列Z2に停止表示されている第3図柄の数字が異なっていることから、リーチ態様(2つの図柄列の特別図柄が停止表示された時点で、大当たり当選を示す特定の組合せの一部を示す態様)ではなく、特別図柄抽選の結果が外れであることが分かる。
ここで、図1839から図1840に示した例では、左図柄列Z1に停止表示された第3図柄が、1回目の特図変動では1図柄D1、2回目の特図変動では2図柄D2、3回目の特図変動では3図柄D3、4回目の特図変動では4図柄D4、となっている。このように、本第33制御例では、前回の特図変動において停止表示された左図柄列Z1の第3図柄の数字に1加算した数字の第3図柄が左図柄列Z1に停止表示される構成としている。なお、8図柄D8が停止表示された場合には、次に実行される特図変動では、左図柄列Z1に1図柄D1が停止表示される。なお、本第33制御例では、左図柄(左図柄列Z1に停止表示される第3図柄)が特図変動毎に1ずつ昇順に可変する構成としているが、これに限るものではなく、1ずつ降順に可変する構成としても良い。
次に、図1841及び図1842を参照して、4変動目が当たりスーパーリーチ変動であり、同一図柄停止演出が実行される場合の左図柄の表示パターンについて説明する。図1841(a)~図1842(a)に示す通り、3変動目までは特図変動の変動パターンとしてリーチ態様とならない変動パターンが決定されており、図1839(a)~(c)に示した例と同様に、前回の特図変動において左図柄列Z1に停止表示された第3図柄の数字に1加算した数字の第3図柄が左図柄列Z1に停止表示される。図1842(b)は、図1842(a)に示した状態から当たりスーパーリーチの変動パターンで新たな特図変動が実行された場合の例を示している。図1842(b)に示す例では、左図柄列Z1に前回の特図変動(図1842(a)に示す特図変動)において停止表示された第3図柄と同一の図柄である3図柄D3が停止表示されている。ここで、上述したように、本第33制御例では、リーチ態様とならない変動パターン(特別図柄抽選の結果が外れである場合に設定される変動パターン)で特図変動が実行される場合には、前回の特図変動において左図柄列Z1に停止表示された第3図柄の数字に1加算した数字の第3図柄が左図柄列Z1に停止表示される。一方、リーチ態様となる変動パターン(特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合に設定され易い変動パターン)で特図変動が実行される場合には、前回の特図変動において左図柄列Z1に停止表示された第3図柄と同一の第3図柄が左図柄列Z1に停止表示される同一図柄停止演出が実行される。このように構成することで、前回の特図変動において左図柄列Z1に停止表示された第3図柄と同一の第3図柄が左図柄列Z1に再度停止表示されれば、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である可能性が高いと予測できるため、遊技者に特図変動における第3図柄の数字に興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、前回の特図変動における第3図柄の態様を確認していないと、次の特図変動で左図柄列Z1に同一の第3図柄が停止表示されたのかが分からないため、外れの特図変動においても遊技者に停止表示された第3図柄を確認しようと表示画面に注目させることが可能となり、演出効果を向上させることができる。
次に、図1843~図1844を参照して、特図変動における左図柄列Z1に第3図柄が停止表示される前の期間で実行されるキャラ出現演出について説明する。図1843(a)は、左図柄列Z1に1図柄D1が停止表示された特図変動の次に実行される特図変動におけるキャラ出現演出の一例を示した図である。このキャラ出現演出は、左図柄列Z1に第3図柄が停止表示される前に、主表示領域Dmにキャラクタを表示させる演出である。キャラ出現演出で表示されたキャラクタは、実行中の特図変動において左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様を示唆するものである。図1843(a)に示した通り、主表示領域Dmにおける正面視左上には保有している各特別図柄の保留球数を表示するための小表示領域Dm1a及びDm1cと、各特別図柄の変動表示に対応する第4図柄の変動表示を実行するための小表示領域Dm1b及びDm1dが形成されている。副表示領域Dsには、保有している特別図柄の保留球数に対応する保留図柄が表示されている。なお、本第33制御例では、遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)が設定されている場合には特図1保留球数に対応する数の保留図柄を表示し、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定されている場合には特図2保留球数に対応する数の保留図柄を表示する構成としているが、これに限るものではなく、設定されている遊技状態に関わらず、特図1保留球に対応する保留図柄と、特図2保留球に対応する保留図柄のどちらの保留図柄も表示する構成としても良い。主表示領域Dmでは、各図柄列Z1~Z3の第3図柄が変動表示中であり、主表示領域Dmの正面視右下にはフグのキャラクタc2が表示されている。このキャラクタc2は、図1838に示すように2図柄D2を構成するキャラクタであり、特図変動が開始されてから左図柄列Z1に第3図柄が停止表示されるまでの期間で表示画面の右端に表示され、表示画面の左端に向かって移動した後、非表示となる。その後、図1843(b)に示すように、左図柄列Z1には第3図柄として2図柄D2が停止表示される。つまり、第3図柄が停止表示される前に表示されたキャラクタは、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様を示唆しており、図1843(a)に示す例では、今回の特図変動において左図柄列Z1に2図柄D2が停止表示されることを遊技者に示唆している。これにより、例えば、第3図柄が停止表示される前に表示されたキャラクタが、前回の特図変動において左図柄列Z1に停止表示された第3図柄を構成するキャラクタである場合には、同一図柄停止演出が実行されることを遊技者が予測できるため、特図変動が開始されてから第3図柄が停止表示されるまでの期間は、遊技者にどのキャラクタが表示されるのかに興味を持たせることが可能となる。一方、第3図柄が停止表示される前に表示されたキャラクタが、前回の特図変動において左図柄列Z1に停止表示された第3図柄を構成するキャラクタではない場合には、遊技者は同一図柄停止演出が実行されないと思い、今回の特図変動の抽選結果に対する興味を失ってしまう虞がある。これに対して、本第33制御例では、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合にのみ、第3図柄が停止表示される前に表示されたキャラクタとは異なるキャラクタで構成された第3図柄が左図柄列Z1に停止表示されるキャラ矛盾演出を実行可能に構成している。具体的には、図1843(a)に示すキャラ出現演出が実行された後に、図1844に示すように、左図柄列Z1には、前回の特図変動において左図柄列Z1に停止表示された第3図柄と同一の第3図柄である1図柄D1が停止表示される。このように構成することで、第3図柄が停止表示される前に表示されたキャラクタが、前回の特図変動において左図柄列Z1に停止表示された第3図柄を構成するキャラクタではない場合であっても、同一図柄停止演出が実行される可能性を残すことが可能となり、更に同一図柄停止演出が実行された場合には大当たり当選であることが確定するため、左図柄列Z1に第3図柄が停止表示されるまで遊技者に第3図柄の態様への興味を持たせ続けることが可能となり、演出効果を向上させることができる。
次に、図1845を参照して、リーチ態様で停止表示された第3図柄の態様を異なる態様へと可変させる図柄変更演出について説明する。ここで、詳細は後述するが、本第33制御例では第1特別図柄の大当たり種別として、大当たり遊技終了後に時短254回(特図変動が254回実行されるまで継続する時短状態)が付与される大当たりAと、大当たり遊技終了後に時短1回(特図変動が1回実行されるまで継続する時短状態)が付与される大当たりBの2種類の大当たり種別がある。時短状態中は、第2特別図柄抽選が実行され易く、第2特別図柄抽選では約1/6の確率で小当たりに当選するため、大当たりAが選択された場合には、実質2連チャンとなる。そして、特図変動において7図柄の組み合わせ(各図柄列の第3図柄が「777」の組み合わせ)により大当たり当選であることが報知された場合には大当たり種別が大当たりAであることが確定し、7図柄D7以外の第3図柄の組み合わせにより大当たり当選であることが報知された場合には大当たりBであることが確定する構成としている。このため、左図柄列Z1に6図柄D6が停止表示された特図変動の次に実行される特図変動では、大当たりAに当選している場合のみ左図柄列Z1に7図柄D7が停止表示され、大当たりAに当選していない場合には例外的に8図柄D8が停止表示される構成としている。このように構成することで、左図柄列Z1に6図柄D6が停止表示された特図変動の次に実行される特図変動において左図柄列Z1に7図柄D7が停止表示されるのか否かに興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。一方で、左図柄列Z1に1図柄D1~6図柄D6の何れかが停止表示される特図変動において大当たりAに当選した場合には、7図柄D7以外の第3図柄の組み合わせにより大当たり当選であることが報知されることとなり、遊技者に報知される大当たり種別と、実際に当選した大当たり種別とが異なる不具合が生じる。これに対して、本第33制御例では、左図柄列Z1に1図柄D1~6図柄D6の何れかが停止表示される特図変動において大当たりAに当選した場合には、主表示領域Dmにおいて停止表示された第3図柄がリーチ態様となった後に、停止表示されている第3図柄の態様を7図柄D7に可変させる構成としている。以下、具体的な図柄変更演出の内容について説明する。図1845(a)は、2図柄D2でリーチ態様となった場合に図柄変更前兆演出が実行された場合の表示画面の一例を示した図である。図1845(a)に示す例では、主表示領域Dmの左図柄列Z1と右図柄列Z3にそれぞれ2図柄D2が停止表示され、2図柄D2によるリーチ態様が表示されている。そして、主表示領域Dmの正面視右下には、7図柄D7を構成するジュゴンのキャラクタc7の一部態様が表示されている。この図柄変更前兆演出が実行されている特図変動の特別図柄抽選の結果が大当たりA当選(大当たり当選であり、かつ、大当たり種別が大当たりAであること)である場合には、図1845(b)に示す、図柄変更成功演出が実行される。具体的には、図1845(b)に示すように、キャラクタc7が表示画面の正面視右端から全身を現し、表示画面の正面視左端に向かって移動表示される。そして、キャラクタc7が図柄列Z1、Z3を通過したことに合わせて、各図柄列に停止表示されている2図柄D2が7図柄D7に可変する。一方、特別図柄抽選の結果が大当たりA当選ではない場合には、図柄変更失敗演出(図示しない)が実行される。この図柄変更失敗演出では、図柄変更前兆演出が実行された後、キャラクタc7が全身を現さないまま表示画面の正面視右端に引っ込む演出が実行され、図柄列Z1、Z3の2図柄D2はそのままの状態が維持される。このように、図柄変更演出が実行されることで、左図柄列Z1に7図柄D7以外の第3図柄が停止表示される特図変動において大当たりAに当選した場合であっても、違和感なく遊技者に正しい情報を報知することができる。また、左図柄列Z1に7図柄D7以外の第3図柄が停止表示される特図変動であっても、リーチ態様となった後に7図柄D7に可変するかもしれないと遊技者を期待させることが可能となり、7図柄D7以外の第3図柄が停止表示される特図変動に対して遊技者の興味が薄れることを抑制することができる。
次に、図1846~図1848を参照して、第1特別図柄の変動演出の1つであるチャンスゾーン演出について説明する。このチャンスゾーン演出は、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の方が外れである場合よりも実行され易い演出であり、今回の特図変動は大当たり当選である可能性が高い特図変動であることを示唆するための演出である。本第33制御例では、特図変動の変動パターンがスーパーリーチであり、かつ、今回の特図変動において左図柄列Z1に停止表示される第3図柄が1図柄D1である場合にチャンスゾーン演出が実行される。まず、図1846(a)を参照して、特別図柄抽選の結果が外れであり、リーチ態様とならない変動パターンで特図変動が実行される場合の演出内容について説明する。図1846(a)は、左図柄列Z1に通常の1図柄D1が停止表示され、チャンスゾーン演出が実行されない場合の表示画面を示した図である。図1846(a)に示す通り、左図柄列Z1には通常の1図柄D1が停止表示され、その後、図1846(b)に示すように、右図柄列Z3には2図柄D2が停止表示される。このように、リーチ態様とならない変動パターンで特図変動が実行される場合には、左図柄列Z1に1図柄D1が停止表示される状況であってもチャンスゾーン演出は実行されない。次に、図1847及び図1848を参照して、チャンスゾーン演出が実行される場合の演出の流れについて説明する。図1847(a)は、左図柄列Z1に特殊な1図柄D1aが停止表示され、チャンスゾーン演出が実行される場合の表示画面を示した図である。図1847(a)に示す例では、左図柄列Z1に通常の1図柄D1(図1838参照)とはキャラクタc1の色が異なる特殊な1図柄D1aが停止表示され、その後、図1847(b)に示すように、主表示領域Dmの中央にはチャンスゾーン演出が実行されたことを報知する態様であるチャンスゾーンアイコンAk1が表示される。また、副表示領域Dsでは、保留図柄を非表示とし、チャンスゾーンに突入したことを報知する「チャンスゾーン突入」というコメントが表示される。これにより、チャンスゾーン演出が実行されたことを遊技者が容易に認識することができる。なお、チャンスゾーンアイコンAk1が表示された後、右図柄列Z3には1図柄D1が停止表示され、リーチ態様となる。チャンスゾーン演出が実行された場合のリーチ演出では、主表示領域Dmにリーチ図柄(左図柄列Z1に特殊1図柄D1a、右図柄列Z3に通常1図柄D1)とチャンスゾーンアイコンAk1が表示される。これにより、チャンスゾーン演出が継続していることを遊技者に分かり易くすることができる。なお、今回の特図変動が大当たりA当選である場合には、チャンスゾーンアイコンAk1が表示された後に、停止表示された第3図柄を再変動させ、異なる図柄態様(例えば、7図柄D7)に可変させる構成としても良い。また、特殊1図柄D1aが停止表示される場合に、通常1図柄D1が停止表示される場合よりも第3図柄を大きく表示した後、チャンスゾーンアイコンAk1が停止表示されるタイミングで通常の大きさに戻す構成としても良い。このように構成することで、特殊1図柄D1aが停止表示されたことを強調し、遊技者に特殊1図柄D1aが停止表示されたことを分かり易くすることができる。なお、これに限るものではなく、特殊1図柄D1aを通常の大きさで停止表示させ、チャンスゾーンアイコンAk1が表示されるタイミングで通常よりも小さく表示する構成としても良い。このように構成することで、チャンスゾーンアイコンAk1を強調することができるため、遊技者にチャンスゾーン演出が実行されることをさらに分かり易くすることができる。また、左図柄列Z1に特殊1図柄D1が停止表示される場合に、演出ボタン22aの操作を促す態様を表示し、遊技者が演出ボタン22aを押下することで、特殊1図柄D1が停止表示される構成としても良い。このように構成することで、遊技者を演出に注目させることが可能となり、演出効果を向上させることができる。また、特殊1図柄D1aが停止表示された場合に、中図柄列Z2に演出ボタン22aの操作を促す態様を表示させ、遊技者が演出ボタン22aを押下することで、チャンスゾーンアイコンAk1を表示させる構成としても良い。このように構成する場合、例えば、演出ボタン22aを押下し、チャンスゾーンアイコンAk1が表示されなければ、右図柄列Z3にも特殊1図柄D1aが停止表示される構成としても良い。つまり、チャンスゾーン演出よりも上位の超チャンスゾーン演出が実行される構成とすることで、演出ボタン22aを押下したときにチャンスゾーンアイコンAk1が表示されるか否かに遊技者の興味を持たせることが可能となり、演出効果を向上させることができる。また、表示されるチャンスゾーンアイコンAk1の種類によってリーチ演出の種別を示唆する構成としても良い。具体的には、チャンスゾーンアイコンAk1の種類として、赤色のチャンスゾーンアイコン、緑色のチャンスゾーンアイコン、青色のチャンスゾーンアイコンの色違いのチャンスゾーンアイコンの中から1のチャンスゾーンアイコンを決定可能な構成とし、赤色のチャンスゾーンアイコンが停止表示された場合にはスペシャルリーチ、緑色のチャンスゾーンアイコンが表示された場合にはスーパーリーチ、青色のチャンスゾーンアイコンが表示された場合にはノーマルリーチといったように、表示されたアイコンの種類によってリーチ演出の種別を示唆する構成としても良い。このように構成することで、表示されるチャンスゾーンアイコンの種類にも興味を持たせることが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
図1848(a)は、左図柄列Z1に通常の1図柄D1が停止表示された後に、右図柄列Z3に特殊な1図柄D1aが停止表示され、チャンスゾーン演出が実行される場合の表示画面を示した図である。この場合、左図柄列Z1に通常の1図柄D1が停止表示された時点ではチャンスゾーン演出の実行を報知する態様であるチャンスゾーンアイコンAk1は表示されず、図1848(b)に示すように、右図柄列Z3に特殊な1図柄D1aが停止表示された後にチャンスゾーンアイコンAk1が表示され、チャンスゾーン演出が実行される。上述したように、本第33制御例では左図柄列Z1に停止表示される第3図柄が変動毎に規則的に可変する構成であり、左図柄列Z1に1図柄D1が停止表示される特図変動が周期的に実行される。このため、左図柄列Z1に1図柄D1が停止表示される特図変動の実行タイミングでは、チャンスゾーン演出が実行されるのではないかと遊技者に期待感を与えることが可能となり、遊技意欲の低下を抑制することができる。また、左図柄列Z1に特殊な1図柄D1aが停止表示されなかった場合であっても、右図柄列Z3に特殊な1図柄D1aが停止表示される可能性があるため、右図柄列Z3に第3図柄が停止表示されるまで遊技者の第3図柄の態様に対しての興味を維持させることができる。なお、本第33制御例では、左図柄列Z1と、右図柄列Z3の何れかに特殊1図柄D1aが停止表示された場合にチャンスゾーン演出を実行する構成としたが、これに限るものではない。例えば、保留球内に大当たり当選保留がある場合に、左図柄列Z1に1図柄D1が停止表示される特図変動において、左図柄列Z1に通常の1図柄D1、右図柄列Z3に1図柄D1以外の第3図柄を停止表示させ、中図柄列Z2に特殊1図柄D1aを停止表示させることで、保留球内に大当たり当選保留があることを示唆する構成としても良い。このように構成することで、左図柄列Z1に1図柄D1が停止表示される特図変動においてリーチ態様とならなかった場合であっても、中図柄列Z2に特殊1図柄D1aが停止表示されれば保留球内に大当たり当選することが確定するため、左図柄列Z1に1図柄D1が停止表示される特図変動が終了するまで遊技者の第3図柄に対する興味を維持させることができる。また、左図柄列Z1に特殊1図柄D1aが停止表示された後に、右図柄列Z3にも特殊1図柄D1aが停止表示されることでチャンスゾーンよりも大当たり当選期待度が高いことを示唆する超チャンスゾーンに突入させる構成としても良い。
次に、図1849~図1851を参照して、リーチ演出中の楽曲演出について説明する。本第33制御例では、表示画面において第3図柄がリーチ態様で停止表示された場合に、主表示領域Dmではリーチ演出が実行され、そのリーチ演出に合わせて音声出力装置226のスピーカー部306からリーチ演出中BGMが出力される。図1849(a)は、特別図柄抽選の結果が外れである特図変動においてリーチ演出が開始されてから5秒経過した時点における楽曲演出の内容を示した図である。図1849(a)に示す例では、左図柄列Z1と右図柄列Z3に1図柄D1がそれぞれ停止表示され、中図柄列Z2では第3図柄が変動表示されている。また、表示領域HR1にはリーチ演出の実行中であることを報知する態様である「リーチ」という文字が表示されているため、リーチ演出の実行中であることを遊技者に分かり易くしている。そして、音声出力装置226のスピーカー部306からはリーチ演出中BGMを構成する音声AデータOs1に基づく音が出力されている。ここで、図1850を参照して、特別図柄抽選の結果が外れである特図変動におけるリーチ演出とBGMの関係について説明する。図1850は、特別図柄抽選の結果が外れである特図変動におけるリーチ演出とBGMの関係を模式的に示したタイミングチャートである。本第33制御例では、リーチ演出に対応するBGMを、音声AデータOs1と音声BデータOs2の2種類の音声データによって構成している。音声AデータOs1はBGMの基本となる音色を収録したデータであり、音声BデータOs2は音声AデータOs1の音色と一部異なる音色が収録されたデータである。そして、音声AデータOs1のみがスピーカー306から出力された場合と、音声AデータOs1と音声BデータOs2がスピーカー306から出力された場合で、遊技者にはBGMの音色が異なって聞こえるように構成している。図1850に示す例では、特図変動の変動パターンとして外れノーマルリーチの変動パターン(図1866(b)参照)が設定されており、特図変動が開始されてからリーチ演出が実行されるまでのリーチ前演出が実行されている期間(第3図柄がリーチ態様で停止表示されるまでの期間)は、リーチ演出に対応するBGMを構成する音声AデータOs1及び音声BデータOs2が停止状態(再生されていない状態)となっている。そして、特図変動が開始されてから20秒が経過したタイミングで主表示領域Dmではリーチ演出が開始され、リーチ演出の開始に合わせて音声出力装置226では音声AデータOs1及び音声BデータOs2の再生が開始される。なお、各音声データの再生が開始される場合に、各音声データの音量も設定される。図1850に示す例では、リーチ演出が開始される時点では、音声AデータOs1の音量が大に、音声BデータOs2の音量がミュートに、それぞれ設定されている。なお、音量「大」とは、スピーカー部306から音声データに基づく音が出力され、遊技者に音が聞こえる状態であり、音量「ミュート」とは、スピーカー部306から音声データに基づく音が出力されず、遊技者に音が聞こえない状態である。したがって、音声AデータOs1の音量が大に、音声BデータOs2の音量がミュートに、それぞれ設定されている場合には、遊技者には音声AデータOs1に基づく音しか聞こえていない状態となる。そして、リーチ演出の開始から終了までの期間中に音声BデータOs2の音量は変更されず、リーチ演出の終了に合わせて音声AデータOs1及び音声BデータOs2の再生が停止されている。つまり、図1850に示す例では、リーチ演出中にBGMが可変せずにリーチ演出が終了したこととなる。
次に、図1849(b)を参照して、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である特図変動におけるリーチ演出中の楽曲演出について説明する。図1849(b)は、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合において、リーチ演出が開始されてから5秒経過したタイミングにおける楽曲演出の内容を示した図である。図1849(a)に示した例と異なるのは、音声出力装置226のスピーカー部306から音声AデータOs1と音声BデータOs2が出力されている点である。ここで、図1851を参照して、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である特図変動におけるリーチ演出とBGMの関係について説明する。図1851は、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である特図変動におけるリーチ演出とBGMの関係を模式的に示したタイミングチャートである。図1851に示す例では、特図変動の変動パターンとして、当たりノーマルリーチ(図1866(b)参照)が設定されており、図1850に示した例と同様に、リーチ前演出が実行されている期間は、リーチ演出に対応するBGMを構成する音声AデータOs1と音声BデータOs2は停止状態となっている。そして、特図変動が開始されてから20秒が経過したタイミングで主表示領域Dmではリーチ演出が開始され、リーチ演出の開始に合わせて音声AデータOs1と音声BデータOs2の再生が開始される。図1850に示す例と同様に、リーチ演出が開始されたタイミングでは、音声AデータOs1の音量は大に、音声BデータOs2の音量はミュートにそれぞれ設定されている。図1850に示す例と異なるのは、リーチ演出が開始されてから5秒が経過したタイミングでミュート状態であった音声BデータOs2の音量が大に設定されている点である。音声BデータOs2の音量が大に設定されることにより、音声出力装置226のスピーカー部306からは音声AデータOs1と音声BデータOs2が出力され、遊技者には音色の異なるBGMが聞こえる状態となる。つまり、リーチ演出中のBGMの音色が通常のBGM(スピーカー306から音声AデータOs1のみが出力された状態のBGM)の音色か否かによって、大当たり当選である否かを遊技者は予測可能となる。なお、音声BデータOs2の音量を可変するタイミングは、リーチ演出の開始から5秒経過したタイミングに限るものではなく、リーチ演出中の様々なタイミングで可変可能に構成している。具体的には、音声BデータOs2の音量を可変するタイミングを規定した複数の楽曲演出シナリオから1の楽曲演出シナリオが設定される。この楽曲演出シナリオには、例えば、リーチ演出が開始されるタイミングで音声BデータOs2の音量を大に設定するパターンや、リーチ演出が開始されてから15秒後に音声BデータOs2の音量が大に設定されるパターンが規定されている。これにより、リーチ演出が開始されてから終了するまでのどのタイミングにおいてもBGMの音色が可変するかもしれないと遊技者に期待させることが可能となり、リーチ演出が終了するまで、遊技者を演出に集中させることができる。また、音声AデータOs1と音声BデータOs2の2つのデータのみで複数パターンのBGMを出力することができるため、データ容量を増やさずに多様な演出を提供することが可能となる。なお、本第33制御例では、リーチ演出中のBGMを可変させる楽曲演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、リーチ前演出の実行期間中にBGMを可変させる楽曲演出を実行する構成としても良い。また、大当たり遊技中にBGMを可変させる楽曲演出を実行する構成としても良い。この場合、大当たり遊技中に楽曲演出が実行された場合には、保留連(保留球内に大当たり当選保留がある)を示唆する構成としても良い。また、本第33制御例では、音色の異なる2つの音データのうち、一部の音データの音量を調整することで遊技者に聞こえる音が可変する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、「調」の異なる複数の音データを楽曲演出に用いても良い。具体的には、同じ楽曲の「ハ長調」の音データと、「ハ単調」の音データを有する構成としても良い。ここで、「ハ長調」の音データによって出力される楽曲では、遊技者に明るい印象を与えることが可能であり、「ハ単調」の音データによって出力される楽曲は、遊技者に暗い印象を与えることが可能である。従って、例えば、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別の大当たり遊技が実行されている場合には、「ハ長調」の音データによって楽曲を出力し、大当たり遊技終了後に通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定される大当たり種別の大当たり遊技が実行されている場合には、「ハ単調」の音データによって楽曲を出力し、遊技者にどちらの大当たり種別の大当たり遊技が実行されているかを示唆する構成としても良い。これにより、遊技機で長い期間遊技をしている遊技者は、遊技機で初めて遊技を行う遊技者よりも、楽曲の曲調の違いによって実行中の大当たり遊技終了後にどの遊技状態が設定されるかをいち早く知ることが可能となり、遊技機で長い期間遊技をしている遊技者に優越感を与えることが可能となるため、遊技意欲を向上させることができる。なお、大当たり遊技中に限ることなく、通常状態において、通常の特図変動は「ハ単調」の音データに基づく楽曲を出力し、大当たり当選する特図変動である場合には「ハ長調」の音データに基づく楽曲を出力しても良い。また、特図変動が所定回数(例えば、100回)実行されるまでの期間で時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される場合に、時短状態が終了するまでの特図変動の残りの実行回数が所定回数以上(例えば、10回以上)である場合には「ハ長調」の音データに基づく楽曲を出力し、所定回数以下(10回以下)である場合には「ハ単調」の音データに基づく楽曲を出力する構成としても良い。このように構成することで、遊技をしているにも関わらず、第3図柄表示装置81に表示される演出を注視せず、他のことに気を取られている遊技者(例えば、スマートフォンを操作している遊技者)に対して、楽曲の曲調により遊技情報を伝えることが可能となる。なお、「ハ長調」「ハ単調」の音データのみに限るものではなく、その他の曲調(例えば、「イ長調」や「ト単調」等)の音データを有する構成としても良い。
次に、図1852~図1856を参照して、本第33制御例におけるタイマー演出について説明する。このタイマー演出は、特図変動中に主表示領域Dmに表示されるタイマーTm1にタイマー秒数が設定され、そのタイマー秒数が0秒となった場合に、演出情報を報知するための報知態様(例えば、装飾用可動役物を可動させる演出が実行されることを報知する報知態様や、今回の特図変動の大当たり当選期待度を報知する報知態様)が表示される演出である。タイマー演出は、タイマーTm1に表示されるタイマー秒数を決定するための演出であるタイマー秒数決定演出と、タイマーTm1に表示されたタイマー秒数を時間の経過に合わせて更新する演出であるカウントダウン演出によって構成されている。図1852(a)及び(b)はタイマー秒数決定演出が実行される場合の表示画面の一例を示した図である。図1852(a)に示すように、タイマー秒数決定演出が実行されると、主表示領域Dmの正面視右端には、演出情報を報知するための報知態様が表示されるまでの残り時間を表示する態様であるタイマーTm1が表示され、表示領域HR1にはタイマー秒数決定演出が実行されたことを報知する態様である「タイマー出現」という文字が表示される。また、主表示領域Dmには、第1表示位置Hi1~第5表示位置Hi5にそれぞれ風船Fs1~Fs5と、銃を持ったうさぎのキャラクタ801が表示される。タイマー秒数決定演出では、各表示位置Hi1~Hi5に表示された風船Fs1~Fs5をキャラクタ801が銃により破裂させることで各表示位置Hi1~Hi5にはそれぞれ数字が表示され、表示された全ての数字を合算した値がタイマーTm1のタイマー秒数として設定される。したがって、タイマー秒数決定演出が開始された時点では、タイマー表示Tm1にはタイマー秒数が設定されていないことを示す態様である「?」が表示され、副表示領域Dsには「表示された秒数がタイマーに加算されるよ!」という主表示領域Dmの各表示位置Hi1~Hi5に表示される秒数を合算した値がタイマー表示Tm1のタイマー秒数として設定されることを報知するための態様が表示される。
図1852(b)は、タイマー秒数決定演出実行中の表示画面の一例を示した図である。図1852(b)では、図1852(a)に示した状態からキャラクタ801により第1表示位置Hi1、第2表示位置Hi2、第3表示位置Hi3にそれぞれ表示されている風船Fs1~Fs3が破裂され、第4表示位置Hi4、第5表示位置Hi5に表示されている風船Fs4、Fs5はまだ破裂していない状態を示している。なお、各風船は、時間の経過に合わせて1秒毎に第1表示位置Hi1から順番に破裂していく。図1852(b)に示すように、第1表示位置Hi1~第3表示位置Hi3には、それぞれ「5」、「1」、「2」の数字が表示されている。この数字は、タイマーTm1に加算されるタイマー秒数を示す態様であり、それぞれ5秒、1秒、2秒が加算されることを示している。図1853(a)は、各表示位置Hi1~Hi5にタイマー秒数を示す数字が表示された後の演出の一例を示した図である。図1853(a)では、図1852(b)に示した状態から、キャラクタ801が第4表示位置Hi4に表示された風船Fs4と、第5表示位置Hi5に表示された風船Fs5を順番に破裂させたことで、各表示位置Hi1~Hi5にはタイマ-Tm1に加算されるタイマー秒数を示す数字がそれぞれ表示された状態となっている。各表示位置Hi1~Hi5に数字(秒数)が表示されると、その数字がタイマーTm1に吸収される演出が実行された後、タイマーTm1の「?」表示は、タイマー秒数計算中であることを示す態様に可変する。そして、所定期間(本第33制御例では、1秒)が経過すると、図1853(b)に示すように、タイマー表示Tm1には各表示位置Hi1~Hi5に表示されていた数字を合算した値に対応するタイマー秒数「16秒」を示す態様が表示される。このように、タイマーTm1が表示されてからタイマー秒数が設定されるまでの期間において段階的にタイマー秒数が報知されることで、最終的に設定されるタイマー秒数を遊技者が推測可能となり、タイマーTm1にタイマー秒数が設定されるまでの期間も遊技者にタイマーTm1を用いた演出に注目させることができるため、演出効果を向上させることが可能である。
なお、本第33制御例では、タイマー演出においてタイマーを1つ表示する構成としたが、これに限るものではなく、複数のタイマーを表示する構成としても良い。例えば、タイマー秒数決定演出において、3つのタイマーA、B、Cを表示し、各表示位置Hi1~Hi5に表示された表示秒数が、それぞれ3つのタイマーのうち、いずれかのタイマーに設定される。この場合、タイマーAは保留図柄に関する演出(例えば、保留図柄可変演出)が実行されることを示唆する発動時報知態様が表示され、タイマーBは第3図柄に関する演出(例えば、第3図柄態様可変演出)が実行されることを示唆する発動時報知態様が表示され、タイマーCはその他の演出(例えば、導光板発光演出や、役物可動演出など)が実行されることを示唆する発動時報知態様が表示される構成とし、設定されるタイマー秒数が長いほど大当たり当選期待度が高いことを示唆する演出が実行される構成とする。このため、各表示位置Hi1~Hi5に表示された表示秒数が、各タイマーに分散して設定される場合よりも、特定のタイマーにまとまって設定される場合の方が大当たり当選期待度の高い演出が実行され易くなる。また、例えば、保留図柄の態様として、複数段階可変する構成(例えば、保留図柄が白色、青色、緑色、赤色の順に可変する構成)とした場合、既に数段階可変した保留図柄が表示されている場合(例えば、緑色の保留図柄が表示されている場合)には、タイマーAに表示秒数が設定されれば、最も大当たり当選期待度の高い最終段階の保留図柄へと可変することが示唆されることとなる。したがって、各表示位置Hi1~Hi5に表示された表示秒数がどのタイマーに設定されるのかに対して遊技者に興味を持たせることが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。なお、タイマー毎に異なる種類の演出が実行されることを示唆する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、タイマー毎に優劣を付ける構成としても良い。具体的には、タイマーA、タイマーB、タイマーCの順に大当たり当選期待度が高いことを示唆する演出が実行されることを報知する発動時報知態様が表示され易くなる構成としても良い。この場合、各タイマーで特定の発動時報知態様(例えば、「役物可動」の表示)が表示され易いタイマー秒数を設定しても良い。
図1854は、設定されたタイマー秒数が0になり装飾用可動役物演出の実行が報知された場合の表示画面の一例を示した図である。詳細な処理内容は後述するが、タイマー秒数決定演出においてタイマーTm1にタイマー秒数が設定されると、時間の経過に合わせてタイマーTm1に表示されているタイマー秒数が1秒ずつ減っていくカウントダウン演出が実行される。そして、16秒が経過するとタイマーTm1に「0秒」を示す態様が表示された後、タイマーTm1には「役物可動」という文字が表示され、合わせて装飾用可動役物演出が実行される。この「役物可動」という文字は、装飾用可動役物Ym1が収納位置(第3図柄表示装置81の表示画面と重ならない位置)から表示画面の前面側の所定位置に可動する装飾用可動役物演出が実行されることを報知する報知態様である。本第33制御例の装飾用可動役物演出は、特別図柄抽選の結果が外れである場合よりも大当たり当選である場合の方が実行され易い演出であり(図1871参照)、装飾用可動役物演出が実行されることで遊技者の大当たり当選に対する期待感を向上させることができる。なお、タイマーTm1のタイマー秒数が0となった場合に表示される報知態様は「役物可動」という文字に限るものではなく、同一図柄停止演出が実行されることを報知する態様や、第3図柄表示装置81の表示画面の前面側に配置されている導光板を発行させる導光板発光演出(図示しない)が実行されることを報知する態様といった各種演出が実行されることを報知する報知態様を設定可能に構成している。
また、図1855(a)に示すように、タイマー秒数が0秒となった場合に、新たにタイマー秒数が設定されることを報知する態様である「再セット」という文字が表示される場合もある。本第33制御例では、タイマーTm1に「再セット」が表示された場合には、予め規定されたタイマー秒数(前回設定されたタイマー秒数を2/3倍した値)が設定される。図1855(b)に示す例では、前回設定されたタイマー秒数が16秒であったため、「12秒」を示す態様が表示されている。ここで、本第33制御例では、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の方が、外れである場合よりも特図変動の変動パターンとしてスーパーリーチが設定され易い構成であり、変動パターンとしてノーマルリーチが設定されている場合よりも、スーパーリーチが設定されている場合の方が、長いタイマー秒数が設定され易く構成している(図1873参照)。具体的には、ノーマルリーチが設定されている場合にはタイマー秒数として16秒が設定され易く、スーパーリーチが設定されている場合には30秒以上のタイマー秒数が設定され易い。つまり、タイマー秒数決定演出において長いタイマー秒数(30秒以上)が設定された場合には、遊技者に今回の特図変動は大当たり当選の可能性が高いと思わせることができるため、特図変動終了まで特別図柄抽選の結果に興味を持たせることが可能である。一方、タイマー秒数決定演出において短いタイマー秒数(16秒)が設定された場合、遊技者は今回の特図変動はスーパーリーチの変動パターンではなく、外れである可能性が高いと予測し、特図変動終了前に遊技者の特別図柄抽選の結果に対する興味が薄れてしまう虞がある。これに対して、タイマー秒数が0となった後にタイマー秒数が再セットされるパターンを設けることで、タイマー秒数決定演出において短いタイマー秒数が設定された場合であっても、再セットされる可能性があると遊技者に思わせ、特図変動終了まで特別図柄抽選の結果に興味を持たせることが可能となる。なお、本第33制御例では、「再セット」が表示された場合に、前回設定されたタイマー秒数を2/3倍した値を設定する構成としたが、これに限るものではなく、前回設定されたタイマー秒数よりも長い秒数のタイマー秒数を設定する構成としても良い。また、再度タイマー秒数決定演出を実行する構成としても良い。なお、本第33制御例では、1の特図変動中にタイマー演出が実行される構成としたが、これに限るものではなく、複数の特図変動に跨がってタイマー演出を実行する構成としても良い。例えば、タイマー秒数決定演出を実行した特図変動ではタイマー秒数を設定せずにスタンバイ状態とし、次変動でタイマー秒数を設定し、カウントダウン演出を実行する構成としても良い。また、カウントダウン演出を複数の特図変動に跨がって実行する構成としても良い。このように構成することで、どの特図変動で発動時報知態様が表示されるのか遊技者に分かり難くなるため、タイマー演出の対象となる特図変動以外の特図変動においても発動時報知態様が表示されるのではないかと遊技者に思わせることで、特図変動に注目させることができる。或いは、発動時報知態様として「再セット」が表示された場合に、次回の特図変動で新たなタイマー秒数が設定される構成としても良い。
図1856(a)は、タイマー秒数決定演出において風船が割れた後の第5表示位置Hi5に「×」が表示された場合の演出内容を示した図である。タイマー秒数決定演出では、各表示位置Hi1~Hi5に表示された数字を合算した値がタイマーTm1のタイマー秒数として設定されるため、序盤で小さい数字が続いた場合には、第5表示位置Hi5に数字が表示されるよりも前に遊技者のタイマー演出に対する興味が薄れてしまう虞がある。これに対して、表示位置に数字の代わりに「×」が表示された場合には、表示された数字を全て乗算した値がタイマーTm1のタイマー秒数として設定される構成としている。具体的には、タイマー秒数決定演出において「×」が表示された場合は、各表示位置Hi1~Hi5に表示された数字を加算した値がタイマーTm1に設定されるのではなく、図1856(b)に示すように、各表示位置Hi1~Hi5に表示された数字を乗算した値である「50秒」がタイマーTm1に設定される。このように構成することで、タイマー秒数決定演出において第1表示位置Hi1~第3表示位置Hi3に表示されている数字から短いタイマー秒数が設定されると予測した遊技者がタイマー演出に対する興味を失ってしまうことを抑制することができる。なお、本第33制御例では、タイマー秒数決定演出において各表示位置Hi1~Hi5に表示される風船Fs1~Fs5を同一態様で表示する構成であったが、これに限るものではない。例えば、風船の色によって表示秒数を示唆する構成としても良い。具体的には、通常は青色の風船を表示し、表示秒数が10秒以上の場合には風船の色を赤色で表示可能に構成しても良い。このように構成することで、風船の態様から遊技者がタイマー秒数を予測し易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、本第33制御例では、表示された風船が全て破裂し、各表示位置Hi1~Hi5に表示秒数が設定される構成としたが、これに限るものではなく、一部の風船のみ破裂し、風船が破裂しなかった表示位置には表示秒数が表示されない構成としても良い。このように構成する場合、風船の色によって表示秒数を示唆する構成と組み合わせることで、遊技者が予測したとおりのタイマー秒数が設定されるかにも興味を持たせることができるため、更に遊技の興趣を向上させることができる。また、本第33制御例では、第1表示位置Hi1~第5表示位置Hi5の5つの表示位置に風船が表示される構成としたが、これに限るものではなく、タイマー演出種別によって表示される風船の数が異なる構成としても良い。具体的には、6個以上の風船が表示されるタイマー演出種別や、4個以下の風船が表示されるタイマー演出種別を設けても良い。
次に、図1857~図1859を参照して、ファイナルチャレンジ演出について説明する。ファイナルチャレンジ演出は、時短最終変動(時短状態における最後の特図変動)と、時短状態が終了するまでに獲得した特図2保留球に基づいて通常状態(普通図柄の低確率状態)で実行される特図変動に跨がって行われる演出である。図1857(a)は、時短状態(普通図柄の高確率状態)にて実行される最後の特図変動(時短最終変動)における表示画面の一例を示した図である。時短最終変動が開始されると、主表示領域Dmでは前回の特図変動において各図柄列Z1~Z3に表示された第3図柄の変動が開始される。副表示領域Dsでは、保留図柄h0~h4が演出ボタン22aの操作を促す態様であるボタン保留図柄態様でそれぞれ表示されている。なお、時短状態における時短最終変動以外の特図変動では、副表示領域Dsに表示される保留図柄はボタン保留図柄態様ではなく白色の丸印で表示される通常図柄態様(図1843(a)参照)で表示されており、時短最終変動が開始されると、保留図柄h0~h3は通常図柄態様からボタン保留図柄態様に可変する。そして、時短最終変動開始後に第2入球口640に遊技球が入球したことに基づいて表示される保留図柄h4は、ボタン保留図柄態様で表示される。主表示領域Dmの表示領域HRには、ファイナルチャレンジ演出の実行中であることを報知する態様である「ファイナルチャレンジ」という文字と、演出ボタンを操作することで各保留図柄h0~h4の態様が可変し、特定の態様(V態様)となった場合には大当たり当選となることを案内する態様が表示されている。ファイナルチャレンジ演出において遊技者が演出ボタン22aを押下すると、図1857(b)に示すように、押下回数に応じて保留図柄がh0から順番に可変する。
図1857(b)は、遊技者が演出ボタン22aを3回押下した場合の表示画面の一例を示した図である。図1857(b)に示す例では、保留図柄h0と保留図柄h1がそれぞれ×態様で、保留図柄h2がV態様で表示されている。この保留図柄の×態様は、保留図柄に対応する特別図柄抽選の結果が外れである可能性があることを示唆する態様であり、保留図柄h0は変動中の特別図柄に対応する保留図柄であることから、実行中の特図変動は大当たり当選確定ではないことを示唆していることとなる。一方、保留図柄h2はV態様に可変したことから、保留図柄h2に対応する特図変動は大当たり当選確定であることを示している。なお、詳細は後述するが、本第33制御例では、遊技者が演出ボタン22aを押下した場合に、ボタン保留図柄態様から×態様とV態様のどちらの態様に可変させるかを決定する構成であり、V態様は特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合にのみ決定され、×態様は特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合よりも外れである場合に決定され易く構成している(図1873(c)参照)。なお、遊技者が演出ボタン22aを押下しなければ、各保留図柄に対応する特図変動が実行されてもボタン保留図柄態様は可変することなく、対応する特図変動が終了する際にボタン保留図柄態様のまま消化される。このように構成することで、特図変動が終了する前に特別図柄抽選の結果をいち早く知りたいと思う遊技者は演出ボタン22aを押下してボタン保留図柄態様を可変させることが可能であり、各特図変動が終了するまでじっくりと演出を楽しみたいと思う遊技者は演出ボタン22aを押下しなければボタン保留図柄態様は可変しないため、遊技者の好みに合わせた演出を提供することができる。
次に、図1858を参照して、ファイナルチャレンジ演出中に実行される保留図柄変化演出について説明する。上述したように、ファイナルチャレンジ演出では遊技者が演出ボタン22aを押下することによりボタン保留図柄態様で表示されている保留図柄が異なる態様へと可変し、各保留図柄に対応する特図変動が終了する前にその特図変動の特別図柄抽選の結果が示唆される。このため、保留図柄h0~h4の全ての保留図柄が×態様(外れである可能性があることを示唆する態様)に可変した場合、保留球の中に大当たり当選である保留球はないと予測した遊技者が、ファイナルチャレンジ演出が終了する前に遊技意欲を低下させてしまう虞がある。これに対して、本第33制御例では、特図変動の終了後に各保留図柄がシフトした場合に、大当たり当選である保留球があれば、×態様からV態様へと保留図柄の態様を可変させる保留図柄変化演出を実行可能に構成している。図1858(a)は、ファイナルチャレンジ演出が実行されてから遊技者が演出ボタン22aを5回押下し、保留図柄h0~保留図柄h4の全ての保留図柄が×態様へと可変した状態を示した図である。ファイナルチャレンジ演出において、実行エリアを含め保留図柄が5つ表示されている場合には、遊技者が演出ボタン22aを5回押下すると、保留図柄h0~h4の全ての保留図柄がボタン保留図柄態様とは異なる態様へと可変する。図1858(a)に示す例では、全ての保留図柄が×態様へと可変している。そして、実行中の特図変動が終了すると実行エリアの台座m0上に表示されていた保留図柄h0は非表示となり、新たな特図変動が開始される場合に、第1保留エリアの台座m1上に表示されていた保留図柄h1は台座m0上に、第2保留エリアの台座m2上に表示されていた保留図柄h2は第1保留エリアの台座m1上に、第3保留エリアの台座m3上に表示されていた保留図柄h3は第2保留エリアの台座m2上に、第4保留エリアの台座m4上に表示されていた保留図柄h4は第3保留エリアの台座m3上に、それぞれシフトする。図1858(b)に示す例では、図1858(a)に示した状態において第1保留エリアの台座m1上に表示されていた保留図柄h1に対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるため、台座m0上へのシフトに合わせて×態様からV態様へと可変している。また、主表示領域Dmの表示領域HR1には、大当たり当選であることが確定したことを示唆する態様である「おめでとう」の文字が表示される。このように構成することで、ファイナルチャレンジ演出中に演出ボタン22aを押下した結果、保留図柄がV態様へと可変しなかった場合であっても、保留図柄がシフトした場合に保留図柄変化演出が実行されるかもしれないと遊技者に期待させることで、遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。なお、本第33制御例では、保留図柄が実行エリアの台座m0上にシフトした場合に保留図柄変更演出が実行され得る構成としたが、これに限るものではなく、実行エリア以外の保留エリアにシフトする場合にも保留図柄変更演出を実行可能に構成しても良い。
次に、図1859を参照して、表示されている全ての保留図柄が×態様へと可変した後も、遊技者が演出ボタン22aの押下を続けた場合の演出内容について説明する。本第33制御例では、ファイナルチャレンジ演出が実行されている期間は演出ボタン22aへの操作が有効となっており、全ての保留図柄がボタン保留図柄態様ではなくなった後も、演出ボタン22aへの操作は有効のままとなる。そして、遊技者のボタン押下回数に応じて異なる演出が実行される構成としている。図1859(a)は、全ての保留図柄が×態様となった後に、遊技者が演出ボタン22aを1回押下した場合の演出内容の一例を示した図である。図1859(a)に示すように、遊技者の演出ボタン22aの押下に合わせて、音声出力装置226のスピーカー部306から「まだ押してるの?」という音声Os3が出力される。この音声Os3は、実行中の特図変動及び保留球内の特別図柄抽選の結果に関わらず出力される音声である。そして、遊技者の演出ボタン22aの押下回数に応じて出力される音声が可変するように構成している。具体的には、全ての保留図柄が×態様に可変してから2回目の演出ボタン22aの押下に対しては「諦めないね」という音声が出力され、3回目の演出ボタン22aの押下に対しては「しつこいよ?」という音声が出力される。そして、保留球内に大当たり当選である保留球が存在しない場合には、4回目の演出ボタン22aの押下に対して1回目の押下時に出力された音声Os3が出力され、以後は演出ボタン22aの押下に対して3つの音声をループする。一方、保留球内に大当たり当選である保留球が存在する場合には、4回目の演出ボタン22aの押下に対して、図1859(b)に示すように、音声Os3とは異なる音声Os4が出力され、主表示領域Dmでは表示領域HR1に「V待機中」の文字が表示される特殊復活演出が実行される。この音声Os4は、保留球内に大当たり当選する保留球が存在する場合に出力される音声であり、「V待機中」という文字は保留球内に大当たり当選する保留球が存在することを報知する態様である。この特殊復活演出は、演出ボタン22aの操作を促す表示態様が表示されていない状況であっても積極的に演出ボタン22aを操作する遊技者に対してのみ実行される演出であり、特殊復活演出が実行されることで、遊技者に意外性のある演出を提供することができるとともに、ファイナルチャレンジ演出の実行期間以外にも演出ボタン22aを操作することで何らかの演出が実行されるかもしれないと遊技者に思わせることが可能となり遊技意欲を向上させることができる。なお、特殊復活演出が実行された後も、演出ボタン22aを押下した場合には、大当たり(小当たり)当選保留図柄を×態様からV態様に可変させる構成としても良い。なお、全ての保留図柄が×態様で表示された後も演出ボタン22aの押下を継続した場合に、保留内に大当たり(小当たり)当選保留があれば特殊復活演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、全ての保留図柄が×態様で表示された場合であって、演出ボタン22aの押下を継続しなかった場合に、保留内に大当たり(小当たり)当選保留があれば、特殊復活演出とは異なる復活演出を実行する構成としても良い。例えば、全ての保留図柄が×態様で表示された後に実行される特図変動において、特殊ステージに移行する構成としても良い。この場合、特殊ステージでは、大当たり(小当たり)当選保留に基づく特図変動が終了するまで副表示領域Dsに表示されている保留図柄や、主表示領域Dmで変動表示されている第3図柄を非表示とする構成としても良い。このように、全ての保留図柄が×態様で表示された後に演出ボタン22aを押下するか否かで異なる復活演出が実行されることで、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第33制御例では、ファイナルチャレンジ演出中は特図変動毎に保留図柄がシフトする構成としたが、これに限るものではなく、ファイナルチャレンジ演出中は保留図柄をシフトさせない構成としても良い。例えば、ファイナルチャレンジ演出中は時短最終変動と、特図2保留球に対応する特図変動をまとめて1の特図変動であるかのように見せる構成とし、ボタン保留図柄がV態様に可変した場合には保留球内に大当たり(小当たり)当選する保留球が存在することを報知する構成とする。つまり、V態様が表示された位置の保留図柄に対応する保留球が大当たり(小当たり)当選する保留図柄であるとは限らない。このように構成することで、何個目の保留球が大当たり(小当たり)当選するのかを遊技者が把握できなくなるため、その保留球に基づく大当たり遊技が実行された後に新たに時短状態が設定された場合に、今回の特図変動が、ファイナルチャレンジ演出で事前判別された保留球に基づく特図変動であるかを遊技者に分かり難くすることができる。なお、このように構成する場合、V態様が表示されたタイミングにおける残りの演出時間に応じて実行される演出を可変する構成としても良い。具体的には、遊技者によって、演出ボタン22aを操作するスピードが異なり、例えば、ファイナルチャレンジ演出が実行された後、速やかに演出ボタン22aを操作する遊技者もいれば、ファイナルチャレンジ演出が実行された後、しばらく時間が経過してから演出ボタン22aを操作する遊技者もいるため、V態様が表示されたタイミングにおいて残りの演出時間(特図変動時間)が異なる。例えば、ファイナルチャレンジ演出の全体の演出時間が100秒である場合に、ファイナルチャレンジ演出開始から10秒経過するまでにV態様が表示された場合には、通常のV報知ムービーを表示し、ファイナルチャレンジ演出開始から40秒が経過するまでにV態様が表示された場合には、短縮版のV報知ムービーを表示する構成としても良い。このように、残りの演出時間に応じて異なる演出を実行することで、時短最終変動と特図2保留球に基づく特図変動の変動時間内で違和感のない演出を遊技者に提供することができる。
なお、第33制御例では、ファイナルチャレンジ演出において、ボタン保留図柄がV態様に可変した後も演出ボタン22aを操作することで、残りのボタン保留図柄を可変させることが可能であったが、これに限るものではなく、V態様が表示された後にボタン保留図柄が残っている場合には、演出ボタン22aを操作してもボタン保留図柄が可変しない構成としても良い。このように構成することで、保留球内に大当たり(小当たり)当選する保留球が複数存在しているか否かを遊技者に把握させ難くすることができる。ここで、例えば、V態様が表示された後に残りのボタン保留図柄が×態様に可変した場合、そのV態様の保留球に基づく大当たり遊技終了後に設定される新たな時短状態において、ファイナルチャレンジ演出で×態様で表示された保留球に基づく特図変動が実行されるため、遊技者は大当たり(小当たり)当選の可能性は低いと予想し、その特図変動に対する興味を失ってしまう虞がある。したがって、V態様が表示された後にボタン保留図柄が残っている場合には、演出ボタン22aを操作してもボタン保留図柄が可変しない構成とすることで、V態様に可変した保留図柄の後に残っている保留図柄に対応する保留球の事前判別を実行しないため、遊技者に大当たり(小当たり)当選である期待感を抱かせることができる。そして、ファイナルチャレンジ演出において、ボタン保留図柄がV態様へと変化しなかった場合、即ち、保留内に大当たり(小当たり)当選保留が無い場合には、第3図柄表示装置81の表示画面に「残念終了」の文字と共に、継続していた有利状態(当たり遊技状態と時短状態とが継続した有利期間)中に獲得した賞球数に対応する表示態様や、有利状態が継続した期間に対応する表示態様が表示されるエンディング画面が表示される。本制御例では、遊技状態を切り替えるタイミングと、遊技状態に対応する表示態様を切り替えるタイミングとを異ならせる処理を実行することで、時短状態に対応する上述したエンディング画面が、少なくとも時短状態が終了した後に実行される第2特別図柄の保留(残保留)を用いた特別図柄変動が全て終了するまで継続する。
<第33制御例における電気的構成について>
次に、図1860を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図1860は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本第33制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成の一部と、を異ならせている。さらに、主制御装置110の入出力ポート205に接続される各種スイッチ208に含まれる構成やソレノイド209に含まれる構成の内容を変更している点で相違している。その他の構成については、第1制御例と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図1861を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図1861は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄の小当たり種別を選択するために使用する小当たり種別カウンタC5と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図1880参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図1895参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第1入球口64への入球に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aiと、1つの保留エリア(保留第1エリア)からなる第2入球口640への入球に対応する第2特別図柄保留球格納エリア203biと、が設けられており、第1特別図柄保留球格納エリア203aiには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5、及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納され、第2特別図柄保留球格納エリア203biには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5、及び、変動種別カウンタCS1の各値が格納される。
そして、特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aiの保留第1エリアに格納されている各種値、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203biの保留第1エリアに格納されている各種値のうち、次に抽選が実行される特別図柄種別に対応する特別図柄の情報を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動(特別図柄抽選)が開始される。なお、本第33制御例では、特別図柄の種別が2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)の構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別を1種類としても良い。そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)、或いは、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、対応する特別図柄種別の特別図柄保留球格納エリアの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始されるように構成しても良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別を用いたパチンコ機10であっても、各々の特別図柄変動を円滑に実行することができる。さらに、本第33制御例では、特別図柄抽選の実行条件(特別図柄変動の始動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aiに格納されている情報よりも、第2特別図柄保留球格納エリア203biに格納されている情報を優先して読み出すように構成している。つまり、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選を優先して実行可能に構成している。また、第2特別図柄抽選の方が、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な抽選が実行されるように構成している。このように構成することで、第1特別図柄保留球格納エリア203ai、第2特別図柄保留球格納エリア203biの何れにも情報が格納されている状態で特別図柄抽選の実行条件が成立した場合であっても、遊技者に有利な特別図柄抽選を優先して実行させることができる。
なお、本第33制御例のように、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)を有するパチンコ機10であれば、何れか一方の特別図柄種別の抽選を、他の特別図柄種別の抽選よりも優先して実行するのでは無く、第1特別図柄保留球格納エリア203ai、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203biに情報が格納された順序を記憶可能な格納順序記憶手段を設け、その格納順序記憶手段に記憶されている順序(入賞順)に基づいて特別図柄抽選を実行可能に構成しても良い。さらに、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成しても良く、この場合、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203ai、第2特別図柄保留球格納エリア203bi)がそれぞれ特別図柄実行エリアを有するように構成すれば良い。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。また、本第33制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たりと小当たりと外れとなるように構成している。具体的には、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、大当たり当選時よりも少ない特典(大当たり当選時とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合であっても、遊技者に特典を付与する機会を設けることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
本第33制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、小当たり当選した場合も、抽選結果を示すための特別図柄が停止表示された場合に通常状態が設定され、設定された当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に対応した当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が通常状態にて実行されるように構成している。そして、大当たり遊技が終了した後には、設定された大当たり種別に応じた遊技状態が設定されるのに対して、小当たり遊技が終了した後は通常状態が継続する(小当たり種別に応じて遊技状態を設定する機能を有していない)ように構成している。つまり、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて遊技者に付与される大当たり(第1特典)と、小当たり(第2特典)とでは、実行される当たり遊技の内容だけで無く、遊技状態の移行内容も異なるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果に基づいて遊技者に付与される特典の種類にバリエーションを持たせ易くすることができる。なお、大当たり当選した場合と、小当たり当選した場合とで遊技状態の移行内容を異ならせる手法として、本第33制御例に用いた手法以外を用いても良く、例えば、大当たり当選した場合は、大当たり遊技の開始時に遊技状態を通常状態へと移行させ、さらに、設定された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に新たな遊技状態を設定可能に構成するのに対して、小当たり当選した場合は、小当たり当選時の遊技状態を維持したまま小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技終了後も遊技状態を移行させないように構成しても良い。このように構成することで、当選した当たり種別(大当たり、小当たり)に応じて、遊技状態の移行の有無や、移行内容を異ならせることができるため、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。さらに、本第33制御例のRAM203には、4つの保留エリア(保留第1エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203ciが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203ciには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタ(図示せず)の各値がそれぞれ格納される。
そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203ciの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。次に、図1861を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~65535)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~65535の値を取り得るカウンタの場合は65535)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~65535の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~65535の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図1880参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図1895参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本第33制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aiに、第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203biに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aiによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aiによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、特別図柄の小当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aiによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aiによって設定された小当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の小当たりと判定する。ここで、図1863を参照して、第1当たり乱数テーブル202aiについて説明する。図1863(a)は、第1当たり乱数テーブル202aiに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202aiは、特別図柄の抽選において、大当たり、或いは、小当たりと判定される乱数値(判定値)が規定されたテーブルであって、特別図柄抽選に用いられる特別図柄種別に応じて異なる乱数値(判定値)が規定されているデータテーブルを有している。具体的には、図1863(a)に示した通り、第1当たり乱数テーブル202aiは、特別図柄1乱数テーブル202ai1と、特別図柄2乱数テーブル202ai2と、を有している。この特別図柄1乱数テーブル202ai1は、第1特別図柄抽選が実行された場合に抽選結果を判定するために参照されるデータテーブルであって、特別図柄2乱数テーブル202ai2は、第2特別図柄抽選が実行された場合に抽選結果を判定するために参照されるデータテーブルである。
次に、図1863(b)を参照して、特別図柄1乱数テーブル202ai1の内容について説明をする。図1863(b)は、特別図柄1乱数テーブル202ai1に規定されている内容を模式的に示した図である。特別図柄1乱数テーブル202ai1には、大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)と、小当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)とが規定されている。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~285」の範囲に対して大当たり当選と判定する大当たり判定値を規定し、第1当たり乱数カウンタC1の値が「65535」に対して小当たり当選する小当たり判定値を規定している。つまり、第1当たり乱数カウンタC1の更新範囲は「0~65535」であり、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値は全部で65536個であって、そのうち大当たり判定値が286個で、小当たり判定値が1個に規定しているため、第1特別図柄抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、286/65536(約1/230)となり、小当たりと判定される確率は、1/65536となる。よって、第1特別図柄抽選が実行された場合には、小当たり当選する確率よりも大当たり当選する確率の方が高確率となるため、第1特別図柄抽選が主として実行される通常状態が設定されている場合には、第1特別図柄抽選を実行し、大当たり当選を目指す遊技が行われる。次に、図1863(c)を参照して、特別図柄2乱数テーブル202ai2の内容について説明をする。図1863(c)は、特別図柄2乱数テーブル202ai2に規定されている内容を模式的に示した図である。特別図柄2乱数テーブル202ai2には、大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)と、小当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)とが規定されている。
具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~285」の範囲に対して大当たり当選と判定する大当たり判定値を規定し、第1当たり乱数カウンタC1の値が「54614~65535」の範囲に対して小当たり当選と判定する小当たり判定値を規定している。つまり、第1当たり乱数カウンタC1の更新範囲は「0~65535」であり、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値は全部で65536個であって、そのうち大当たり判定値が286個で、小当たり判定値が10922個に規定しているため、第2特別図柄抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、286/65536(約1/230)となり、小当たりと判定される確率は、10922/65536(約1/6)となる。よって、第2特別図柄抽選が実行された場合には、大当たり当選する確率よりも小当たり当選する確率の方が高確率となるため、第2特別図柄抽選が主として実行される時短状態が設定される場合には、第2特別図柄抽選を実行し、小当たり当選を目指す遊技が行われる。つまり、時短状態においては大当たりに当選する可能性に加え、小当たり当選に基づく大当たり当選の可能性もあるため、実質的に大当たり遊技(有利遊技)は通常状態よりも時短状態(有利な所定の遊技状態)において実行され易くなる。よって、遊技状態に応じて有利度合いを大きく異ならせることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。以上、説明をした通り、本第33制御例では、特別図柄種別に応じて、特別図柄抽選に基づいて付与され易い特典の種別(大当たり、小当たり)を異ならせるように構成している。このように構成することで、第1特別図柄抽選が実行された場合と、第2特別図柄抽選が実行された場合とで、異なる特典が付与され易くなるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、本第33制御例では、設定されている遊技状態に応じて、特別図柄抽選が実行され易い特別図柄種別を異ならせるように構成しており、具体的には、通常状態が設定されている場合には、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選が実行され易く、時短状態が設定されている場合には、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。さらに、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立することで(特定領域(V領域)へと遊技球が入賞することで)、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技を実行可能に構成している。
このように構成することで、設定されている遊技状態に応じて、大当たり遊技を実行させるための過程を異ならせ易くすることができる。具体的には、通常状態が設定されている場合には、第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技の実行条件(第1実行条件)を成立させて大当たり遊技を実行することを目的とした遊技を遊技者に主として行わせ、時短状態が設定されている場合には、第2特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいて小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技中に特定領域(V領域)へと遊技球を入球させることによって大当たり遊技の実行条件(第2実行条件)を成立させて大当たり遊技を実行することを目的とした遊技を遊技者に主として行わせるように構成している。このように構成することで、設定されている遊技状態に応じて成立し易い大当たり遊技の実行条件を異ならせることができるため、様々な実行条件の成立に基づいて大当たり遊技を実行させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。さらに、本第33制御例では、第1特別図柄抽選が実行される場合よりも第2特別図柄抽選が実行された場合の方が、大当たり遊技を実行させるための実行条件が成立し易く(第2実行条件が成立し易く)なるように構成しており、且つ、通常状態よりも時短状態の方が第2特別図柄抽選を実行させ易く構成している。また、時短状態は、大当たり遊技の終了後に設定されるように構成している。このように構成することで、通常状態中の遊技を行っている遊技者に対して、まず、第1特別図柄抽選で大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たりの当選を目指し、その後、時短状態にて第2特別図柄抽選で小当たり当選を目指す遊技、即ち、遊技者に対して最も有利となる遊技を実行するために、段階を踏んだ遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きることの無いパチンコ機10を提供することができる。
なお、本第33制御例では、設定されている遊技状態(通常状態、時短状態)に応じて、大当たり判定値が可変しないように構成しているが、これに限ること無く、遊技状態に応じて大当たり判定値を可変させるように構成しても良い。この場合、例えば、遊技状態として特別図柄の低確率状態が設定される遊技状態と、特別図柄の高確率状態が設定される遊技状態と、を設定可能に構成し、特別図柄の低確率状態よりも特別図柄の高確率状態の方が、大当たり判定値を増加するように構成すると良い。また、特別図柄の高確率状態は、特定の大当たり種別が設定された場合において大当たり遊技終了後に設定されるように構成すると良い。このように構成することで、第1特別図柄抽選が主として実行される遊技状態であったとしても、設定されている特別図柄の確率状態に応じて、大当たり当選する確率を異ならせることができるため、遊技者への有利度合いを異ならせた遊技状態を複数設定することが可能となる。よって、様々な有利度合いの遊技状態で遊技者に遊技を行わせることで遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、本第33制御例では、設定されている遊技状態(通常状態、時短状態)に応じて、小当たり判定値が可変しないように構成しているが、これに限ること無く、遊技状態に応じて小当たり判定値を可変させるように構成しても良い。この場合、例えば、遊技状態として特別図柄の低確率状態が設定される遊技状態と、特別図柄の高確率状態が設定される遊技状態と、を設定可能に構成し、特別図柄の低確率状態よりも特別図柄の高確率状態の方が、小当たり判定値を増加するように構成すると良い。また、特別図柄の高確率状態は、特定の大当たり種別が設定された場合において大当たり遊技終了後に設定されるように構成すると良い。このように構成することで、第1特別図柄抽選が主として実行される遊技状態であったとしても、設定されている特別図柄の確率状態に応じて、小当たり当選する確率を異ならせることができるため、遊技者への有利度合いを異ならせた遊技状態を複数設定することが可能となる。よって、様々な有利度合いの遊技状態で遊技者に遊技を行わせることで遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、特別図柄の確率状態として特別図柄の高確率状態と、特別図柄の低確率状態と、を設定可能に構成した場合には、特別図柄の高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、大当たり当選確率も小当たり当選確率も高くなるように構成しても良いし、一方のみが特別図柄の低確率状態よりも高確率となるように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の高確率状態として、第1高確率状態、第2高確率状態、第3高確率状態を設定可能に構成し、第1高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、大当たり当選確率も小当たり当選確率も高くなるように構成し、第2高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、大当たり当選確率のみが高くなるように構成し、第3高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、小当たり当選確率のみが高くなるように構成すると良い。このように構成することで、特別図柄の確率状態としてより多彩な状態を設定することが可能となるため、遊技者が遊技に飽きてしまうことをより抑制することができる。また、特別図柄の確率状態として、大当たり確率、小当たり確率を3種類以上設定可能に構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率、又は小当たり確率を設定するように構成しても良い。本第33制御例では、図1863(b)、及び図1863(c)に示した通り、第1特別図柄抽選における大当たり確率と、第2特別図柄抽選における大当たり確率と、が同一となるように構成しているが、これに限ること無く、実行される特別図柄抽選の種別(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)に応じて、大当たり当選する確率を異ならせても良い。
また、本第33制御例では、図1863(b)、及び図1863(c)に示した通り、第1特別図柄抽選における小当たり確率と、第2特別図柄抽選における小当たり確率と、を異ならせているが、これに限ること無く、第1特別図柄抽選の小当たり確率と、第2特別図柄抽選の小当たり確率と、が同一となるように構成しても良い。さらに、本第33制御例では、当選確率は異なるが、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選との何れでも小当たり当選し得るように構成しているが、これに限ること無く、何れか一方の特別図柄種別のみ小当たり当選し得る特別図柄抽選を実行可能に構成しても良い。第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄抽選が大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本第33制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aiに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203biに格納される。本第33制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本第33制御例では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、大当たり種別選択テーブル202biを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判定するように構成している。ここで、図1864(a)を参照して大当たり種別選択テーブル202biの内容について説明をする。図1864(a)は、大当たり種別選択テーブル202biに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図1864(a)に示した通り、この大当たり種別選択テーブル202biは、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される情報と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される情報と、が規定されている。
具体的には、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値(更新範囲「0~99」)が「0~4」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、大当たり遊技のラウンド数が3ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hiの値に「254」が設定される大当たり種別である。図1864(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が5個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図1864(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、大当たり遊技のラウンド数が3ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hiの値に「254」が設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が95個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB」が決定される割合は95%(95/100)である。即ち、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る2個の大当たり種別(大当たりA、大当たりB)は、大当たり遊技のラウンド数は同一であるが、大当たり遊技終了後に設定される時短状態が継続する期間(特図変動回数)を異ならせており、「大当たりA」のほうが「大当たりB」よりも大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる時短状態が設定される分、有利な大当たり種別となる。一方、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC」が、第1当たり種別カウンタC2の値が「20~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD」がそれぞれ対応付けて規定されている。この「大当たりC」は、大当たり遊技のラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後に大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hiの値に「10」が設定される大当たり種別である。また、「大当たりD」は、大当たり遊技のラウンド数が3ラウンドであり、大当たり遊技終了後に大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hiの値に「10」が設定される大当たり種別である。即ち、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る2個の大当たり種別(大当たりC、大当たりD)は、大当たり遊技終了後に設定される時短状態が継続する期間(特図変動回数)は同一であるが、大当たり遊技のラウンド数が異なっており、「大当たりC」のほうが「大当たりD」よりも大当たり遊技のラウンド数が多く実行される分、有利な大当たり種別となる。ここで、本第33制御例では、第2特別図柄抽選が実行された場合には、約1/6の確率で小当たり当選し、その小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立し易くなり、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行される遊技が主として実行されるように構成している。
図1861に戻り説明を続ける。小当たり種別カウンタC5は、例えば、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタC5の値は、例えば、定期的に(本第33制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aiに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203biに格納される。本第33制御例のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC5の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本制御例では取得した小当たり種別カウンタC5の値を用いて、小当たり種別選択テーブル202fiを参照して小当たりに当選した場合の小当たり種別を判定するように構成している。ここで、図1865を参照して小当たり種別選択テーブル202fiの内容について説明をする。
図1865は、小当たり種別選択テーブル202fiに規定されている内容を模式的に示した図である。図1865に示した通り、この小当たり種別選択テーブル202fiは、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に参照される情報と、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に参照される情報と、が規定されている。具体的には、第1特別図柄(特図1)の小当たり種別としては、小当たり種別カウンタC5の値(更新範囲「0~99」)が「0~99」の全範囲に対して、小当たり種別として「小当たりA」が対応付けて規定されている。この「小当たりA」は、小当たり遊技中に特定領域(V領域)へと遊技球を入球させることが困難な小当たり遊技が実行される小当たり種別である。一方、第2特別図柄(特図2)の小当たり種別としては、小当たり種別カウンタC5の値(更新範囲「0~99」)が「0~19」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりB」が対応付けて規定されており、「20~99」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりC」が対応付けて規定されている。この「小当たりB」は、小当たり遊技中に特定領域(V領域)へと遊技球を容易に入球させることが可能な小当たり遊技が実行される小当たり種別であって、特定領域(V領域)へと遊技球を入球させたことに基づいて大当たり種別「大当たりC」が設定される小当たり種別である。また、「小当たりC」は、小当たり遊技中に特定領域(V領域)へと遊技球を容易に入球させることが可能な小当たり遊技が実行される小当たり種別であって、特定領域(V領域)へと遊技球を入球させたことに基づいて大当たり種別「大当たりD」が設定される小当たり種別である。
つまり、第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が100個であるので、第1特別図柄の抽選で小当たりになった場合に、「小当たりA」が決定される割合は100%(100/100)である。一方、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が20個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に、「小当たりB」が決定される割合は20%(20/100)である。また、「小当たりC」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が80個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に、「小当たりC」が決定される割合は80%(80/100)である。ここで、各小当たり遊技が実行されたことに基づいて設定され得る大当たり種別について説明をする。本第33制御例では、小当たり遊技中に開放動作される第2可変入賞装置(V入賞装置)650へと入賞した遊技球が通過可能な遊技球流路内に特定領域(V領域)を設け、小当たり遊技中に遊技球が特定領域(V領域)を通過した場合に、大当たり遊技の実行条件(V条件)が成立し、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技を実行可能に構成している。そして、V条件が成立した場合に実行される大当たり遊技の内容は、小当たり当選時に設定される小当たり種別に応じて予め決定されている。つまり、小当たり当選した場合に設定される小当たり種別には、V条件が成立したことに基づいて実行される大当たり遊技に関する大当たり種別が規定されている。具体的には、図1865に示した通り、「小当たりB」に対しては、「大当たりC」の大当たり種別が規定されており、「小当たりC」に対しては、「大当たりD」の大当たり種別が規定されている。
ここで、「大当たりC」が設定された場合には、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(「大当たりC」が設定される大当たり遊技)と同一の大当たり遊技、即ち、大当たり遊技のラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後に大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hiの値に「10」が設定される。一方、「大当たりD」は、大当たり遊技のラウンド数が3ラウンドであり、大当たり遊技終了後に大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hiの値に「10」が設定される大当たり種別である。つまり、本第33制御例では、パチンコ機10全体として、4種類の大当たり種別(大当たりA~大当たりD)を設定可能に構成しており、「大当たりA」、「大当たりB」は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合にのみ設定され得る大当たり種別となり、「大当たりC」、「大当たりD」は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合、及び、特別図柄抽選で小当たり当選時に設定され得る大当たり種別となる。このように、大当たり遊技を実行するための複数の実行条件のうち、成立した実行条件に応じて異なる大当たり種別の大当たり遊技を実行可能に構成することで、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させるために様々な実行条件を成立させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本第33制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部と、小当たり遊技中にV条件が成立した場合の一部とで同一内容の大当たり遊技(「大当たりC」、「大当たりD」に基づく大当たり遊技)を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、小当たり遊技中にV条件が成立した場合とで異なる内容の大当たり遊技が実行されるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技を実行するための実行条件を複数有するパチンコ機10において、成立させた実行条件に応じて異なる内容の大当たり遊技を実行させることができる。図1861に戻り説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図1895参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202di(図1866(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図1866(a)を参照して変動パターン選択テーブル202diの内容について説明をする。図1866(a)は変動パターン選択テーブル202diに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図1866(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202diには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用変動パターンテーブル202di1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用変動パターンテーブル202di2、時短最終変動パターンテーブル202di3、が規定されている。図1861に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図1880参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203ciに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202ciによって規定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202ciによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たり(普図当たり)と判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202ciは、普通図柄の低確率時用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。この第2当たり乱数テーブル202ciに規定されている内容について、詳細に説明をすると、普通図柄の低確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0~2」の値に普図当たりが規定され、普通図柄の高確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0~149」の範囲に普図当たりが規定されている。つまり、本第33制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/100)が低確率に設定されている。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態と、普通図柄の高確率状態である時短状態と、で同一の遊技方法(左打ち遊技)が実行される本実施形態において、通常状態中に普図当たりに当選し難くすることができるため、通常状態中に普図当たり遊技が実行され第2入球口640内に球が入球する事態を発生し難くすることができる。一方、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/2)が高確率に設定されている。これにより、時短状態中において普通図柄の当たり当選に基づく普図当たり遊技を実行し易くすることができる。
また、本第33制御例では、設定されている遊技状態に応じて普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄変動の変動時間として異なる長さの変動時間が設定されるように構成されており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも長い変動時間(例えば、10秒)が設定されるように構成している。このように、普通図柄抽選で当たり当選する確率と、普通図柄変動の変動時間の長さと、を遊技状態に応じて可変させることにより、普通図柄抽選で当たり当選し、第2入球口640へと球を入球させ易い遊技状態(時短状態)を容易に設定することができる。さらに、本第33制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で実行された普通図柄抽選にて当たり当選した場合には、第2入球口640へと球を入球させることが困難な動作態様(ショート開放)で電動役物640aが開放動作される普図当たり遊技が実行されるように構成している。よって、普通図柄抽選で当たり当選し難い遊技状態(通常状態)において普通図柄抽選で当り当選しても、第2入球口640へと遊技球が入球してしまうことを抑制することができるため、通常状態が設定されている場合において、第1特別図柄抽選が実行されることを目指す左打ち遊技では無く、第2特別図柄抽選が実行されることを目指す右打ち遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第33制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態)にて、第2入球口640へと遊技球を入賞させ難くするために、普通図柄の低確率状態中は、普通図柄の高確率状態中に比べて、普通図柄抽選で当り当選し難くし、且つ、普通図柄抽選で当り当選(普図当たり当選)した場合であっても、第2入球口640へと遊技球を入球させることが困難となる動作態様で電動役物640aを動作させる普図当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、左打ち遊技を実行している際中にも普通図柄抽選が実行されるように、スルーゲート67を左打ち遊技によって発射された遊技球が通過可能な右打ち領域(可変表示ユニット80の左側に形成される遊技領域)に設け、通常状態中に実行された普通図柄抽選によって当たり当選した場合の一部において、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能な動作態様(ロング開放)で電動役物640aを動作される普図当たり遊技(ロング普図当たり遊技)を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、普通図柄抽選で当たり当選し難い遊技状態(通常状態)であっても、一時的に第2入球口640へと遊技球を入球させ易くすることができるため、どのような遊技状態が設定されている状態であっても、遊技者に対して第2特別図柄抽選が実行される可能性を残すことができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、この場合、ロング普図当たり遊技が実行される普図当たりに当選したことを示すための普通図柄変動の変動時間(ロング普図当たり変動時間)が、他の普通図柄の変動時間よりも長くなるように構成し、ロング普図当たり変動時間中に、遊技者に対して、ロング普図当たり遊技が実行されることを示すための情報と、遊技方法を右打ち遊技へと切り替えることを案内するための情報と、を少なくとも含む普図当たり演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、通常状態中であって、左打ち遊技を実行している遊技者に対して、ロング普図当たり遊技が実行された場合に第2入球口640へと遊技球を入球させ易くすることができる。
さらに、普通図柄の低確率状態中における普通図柄の当たり確率を極端に低確率(例えば、1/65536)に設定しておき、普通図柄の低確率状態中に実行された普通図柄抽選で当り当選した場合に、ロング普図当たり遊技が必ず実行されるように構成しても良い。また、この場合、1回のロング普図当たり遊技を契機に第2特別図柄抽選が複数回実行されるように構成すると良い。具体的には、ロング普図当たり遊技の動作パターンとして、遊技球が第1期間の間隔を空けて第2入球口640へと複数回入球し得るよう動作パターンを決定し、且つ、第2特別図柄変動の変動時間が、第1期間よりも短い第2期間となるように構成すると良い。このように構成することで、ロング普図当たり遊技中に第2入球口640へと遊技球が入球する毎に、新たな第2特別図柄変動を実行させ易くすることができるため、1回のロング普図当たり遊技を契機に第2特別図柄抽選を複数回実行させ易くすることができる。このように構成することで、通常状態(普通図柄の低確率状態)の遊技を行っている遊技者に対して、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定することで第2特別図柄抽選が実行されることを目指す第1遊技と、普通図柄抽選の抽選結果に基づいてロング普図当たり遊技を実行することで第2特別図柄抽選が実行されることを目指す第2遊技と、を並行して実行させることができるため、単調な遊技が継続し遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。加えて、この場合、1回のロング普図当たり遊技によって実行可能となる第2特別図柄抽選の実行回数が、時短状態中に実行可能となる第2特別図柄抽選の実行回数よりも多くなるように構成しても良い。つまり、第2特別図柄抽選が実行され易くなる時短状態が設定されてから、時短状態の時短終了条件が成立するまでの期間において実行可能な第2特別図柄抽選の実行回数(本第33制御例では3回)よりも、普通図柄の低確率状態(通常状態)中に実行された普通図柄抽選で当り当選し、ロング普図当たり遊技が実行された場合の方が、多くの第2特別図柄抽選を実行させることが可能となるように構成しても良い。
このように構成することで、第2特別図柄抽選を実行させ易くする状態への移行契機として、成立し難い移行契機が成立した場合の方が、成立し易い移行契機が成立した場合よりも多くの第2特別図柄抽選を実行させ易くすることが可能となるため、成立し難い移行契機を成立させた遊技者に対して、付加価値を付与することができる。第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~299)、タイマ割込処理(図1880参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図1895参照)の残余時間内で繰り返し更新される。このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。図1860に戻り説明を続ける。ROM202は、図1861に図示した各種カウンタに対応して規定される各種データテーブル等を有している。ここで、図1862(a)を参照して、本第33制御例のパチンコ機10における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図1862(a)は、本第33制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。図1862(a)に示した通り、本第33制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202は、第1当たり乱数テーブル202ai、大当たり種別選択テーブル202bi、第2当たり乱数テーブル202ci、変動パターン選択テーブル202di、時短付与テーブル202ei、小当たり種別選択テーブル202fi、開放シナリオテーブル202gi、変動パターンシナリオテーブル202hiを少なくとも有している。なお、第1当たり乱数テーブル202ai、大当たり種別選択テーブル202bi、第2当たり乱数テーブル202ci、小当たり種別選択テーブル202fiについては、図1861に図示した各種カウンタを説明する際に上述したため、その説明を省略する。
図1866(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202diには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用変動パターンテーブル202di1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用変動パターンテーブル202di2、時短最終変動パターンテーブル202di4、が規定されている。通常用変動パターンテーブル202di1は、遊技状態として通常状態が設定されている状態で実行される特別図柄抽選の変動パターンを決定する際に参照されるデータテーブルである。ここで、図1866(b)を参照して、通常用変動パターンテーブル202di1に規定されている内容について説明をする。図1866(b)は、通常用変動パターンテーブル202di1に規定されている内容を模式的に示した図である。図1866(b)に示した通り、通常用変動パターンテーブル202di1には、実行される特別図柄抽選に用いられる特別図柄種別と、実行される特別図柄抽選の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に対応させて異なる変動パターン(変動時間)が規定されている。つまり、特別図柄種別と、抽選結果とに応じて異なる変動時間の変動パターンを決定可能に構成している。具体的には、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が7秒の「外れ」が、「140~149」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「ガセ外れ」が、「150~179」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「180~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が規定されている。
また、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「30~189」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が、「190~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が140秒の「スペシャルリーチ」が規定されている。さらに、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が90秒の「長小当たり」が規定されている。つまり、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選では、抽選結果が外れである場合の方が、抽選結果が外れ以外(大当たり、又は小当たり)である場合よりも、短い変動時間の変動パターンが決定され易くなるように構成しており、より長い変動時間の変動パターンが決定された場合の方が、特別図柄抽選の結果が大当たり、又は小当たりである可能性が高くなるように構成している。このように構成することで、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して、抽選結果が外れである特別図柄変動が長時間継続してしまい、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の実行回数が極端に少なくなってしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の実行回数が少なくなる場合、即ち、長時間の特別図柄変動が実行される場合には、当たり(大当たり、小当たり)当選していることへの期待感を高めることができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、通常状態における第1特別図柄変動として決定可能な変動パターンのうち、所定時間(80秒)よりも長い変動時間(90秒、140秒)となる変動パターンを、特別図柄抽選の結果が外れ以外である場合に決定可能に構成しているため、過剰に長い変動時間の変動パターンで特別図柄変動が実行されている場合には、特別図柄変動が停止表示されるよりも前に、遊技者に対して特別図柄抽選の結果を把握させることが可能となる。よって、過剰に長い変動時間で特別図柄変動が実行された場合であっても、遊技者の遊技意欲を高めることができる。また、特別図柄抽選の結果が外れである場合の少なくとも一部と、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合の少なくとも一部において、同一の変動時間(40秒、80秒)が設定される変動パターンを決定可能に構成している。このように構成することで、実行されている特別図柄変動の変動時間を特別図柄変動が停止表示されるよりも前に把握したとしても、実行されている特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果を遊技者に予測させ難くすることができる。ここで、通常用変動パターンテーブル202di1を参照して変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを示すための変動パターンコマンドを設定し、主制御装置110のメイン処理(図1895参照)にて実行される外部出力処理(図1895のS1801I参照)によって、音声ランプ制御装置113に向けて出力される。そして、音声ランプ制御装置113が変動パターンコマンドを受信すると、受信した変動パターンコマンドに含まれる情報(抽選結果、変動時間等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出の演出態様を決定する処理が実行される。一方、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「外れ」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」、「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「当たり」が規定されている。
本第33制御例では、通常状態が設定されている状態では、第2入球口640へと遊技球が入球し難く(不可能)なるように遊技盤13に各種機構を配設しており、通常状態中に右打ち遊技を実行し、普図当たり遊技を実行したとしても、第2特別図柄抽選が実行され難く構成している。また、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を最大で4個獲得可能に構成している。よって、通常状態において第2特別図柄抽選が実行される遊技状況としては、第2特別図柄抽選を容易に実行することが可能な時短状態中に特図2保留を獲得し、獲得した特図2保留を保持した状態で時短状態から通常状態へと移行し、通常状態が設定された後に、保持している特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が実行される遊技状況となる。つまり、第2特別図柄抽選を容易に実行させることが可能な時短状態が終了し、その時短状態を契機に実行される最後の第2特別図柄抽選として通常状態にて第2特別図柄抽選が実行されることになる。よって、本第33制御例では、通常状態にて実行される第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動の変動時間として、抽選結果に関わらず一定の長さ(20秒)の変動時間が設定される変動パターンが決定されるように構成している。そして、本変動時間を用いて時短最終変動から跨がって実行されるファイナルチャレンジ演出(図1857~図1859参照)を実行するように構成している。このように、特定の特別図柄種別(第2特別図柄)の特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が、特定の遊技状態(通常状態)で実行された場合に、抽選結果に関わらず同一の長さの変動時間が設定される変動パターンを決定するように構成することで、その特別図柄変動中に実行される特定演出の演出期間を特別図柄抽選の結果に関わらず統一することができる。
次に、図1867(a)を参照して、時短用変動パターンテーブル202di2の内容について説明をする。図1867(a)は、時短用変動パターンテーブル202di2に規定されている内容を模式的に示した図である。この時短用変動パターンテーブル202di2は、時短状態中に実行される特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンを決定する際に主として参照されるデータテーブルであって、時短状態中に参照される他のデータテーブル(時短最終変動パターンテーブル202di3)よりも頻繁に参照されるデータテーブルである。具体的には、この時短用変動パターンテーブル202di2は、時短状態が設定されてからの実行回数が1~4回目の第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動の変動パターンを決定する場合、又は、時短状態が設定されてからの実行回数が1~9回目(大当たりA当選後は1~253回目)の第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動の変動パターンを決定する場合において参照される。本第33制御例では、時短状態が設定されると、普通図柄抽選で当り当選した場合に第2入球口640へと遊技球を入球させ易い動作態様で普図当たり遊技(ロング普図当たり遊技)が実行されるように構成している。よって、時短状態が設定されている間は、右打ち遊技を行うことで第2特別図柄抽選が実行されることを目指す遊技が行われる。
ここで、例えば、通常状態において実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選し、大当たり遊技が実行された後に時短状態が設定された場合には、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得している状態で時短状態が設定されることになり、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得するまでの間に、第1特別図柄抽選が実行される場合があった。本第33制御例におけるパチンコ機10は、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させるために、時短状態中に実行される第2特別図柄変動にて設定される変動時間が短くなるように構成しているが、時短状態で第2特別図柄抽選が実行されるよりも前に第1特別図柄抽選が実行された場合には、実行された第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動が停止表示されるまで、第2特別図柄抽選を実行することができず、結果として時短状態が設定されている期間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行回数が少なくなってしまうという問題があった。加えて、本第33制御例におけるパチンコ機10は、特図2保留を最大で4個記憶可能に構成しており、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の変動時間として短時間(1秒)の変動時間が設定されるように構成している。つまり、時短状態中は、特図2保留を用いた第2特別図柄抽選が頻繁に実行されるため、右打ち遊技によって発射された遊技球の流下状況によっては、特図2保留を獲得していない状態が発生し得る。このような状態において特図1保留を獲得している場合には第1特別図柄抽選が実行されてしまうため、新たに特図2保留を獲得したとしてもその時点が第1特別図柄変動中である場合には、新たに獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄変動を即座に実行することが出来ず、結果として時短状態が設定されている単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行回数が少なくなってしまうという問題があった。
これに対して、本第33制御例では、時短状態中に実行される第1特別図柄変動の変動時間として、短い変動時間を決定可能に構成し、特図2保留を獲得しておらず、特図1保留のみを獲得している状態で時短状態が設定された場合に、特図1保留を短時間で消化するように構成している。このように構成することで特図1保留を獲得したままの状態で特図2保留を獲得し、特図1保留に基づいて実行される第1特別図柄変動によって、第2特別図柄抽選が実行される効率が低下してしまうことを抑制することができる。具体的には、図1867(a)に示した通り、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が2秒の「短大当たり」が規定され、抽選結果が「小当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が90秒の「長小当たり」が規定されている。一方、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が1秒の「短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が1秒の「超短大当たり」が規定され、抽選結果が「小当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が1秒の「超短小当たり」が規定されている。
以上、説明をした通り、時短用変動パターンテーブル202di2を参照して変動パターンが決定される1~4回目の第1特別図柄変動、即ち、特図1保留として獲得可能な上限数(4個)に該当する変動回数であって、通常状態中に獲得した特図1保留に基づいて時短状態中に実行され得る回数の第1特別図柄変動に対しては、抽選結果が外れである場合には、変動時間が0.5秒の変動パターンが設定される。このように構成することで、特図1保留を獲得している状態で、時短状態が設定されたとしても、特図2保留を獲得するまで(時短状態中に実行された普通図柄抽選で当り当選したことに基づく普図当たり遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させるまで)の間に、獲得済みの特図1保留を全て消化させ易くすることができる。また、時短状態中に実行される第1特別図柄抽選の抽選結果が外れ当選以外の場合(大当たり、小当たり)には、遊技者が抽選結果を把握可能な程度の変動時間が設定され、時短状態中に実行された第1特別図柄抽選にて当たり当選したことを遊技者に報知するための専用演出が実行される。このように構成することで、時短状態が設定されたにも関わらず、第2特別図柄抽選が実行されるよりも前に当たり遊技が実行された経緯を遊技者に分かり易く理解させることができる。なお、時短状態中に第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、通常状態中に第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合と、同一の変動パターン(90秒)が決定されるように構成している。そして、小当たり当選に対応した特別図柄変動中は、遊技状態に関わらず同一の変動演出が実行されるように構成している。
次に、図1867(b)を参照して、時短最終変動パターンテーブル202di3の内容について説明をする。図1867(b)は、時短最終変動パターンテーブル202di3に規定されている内容を模式的に示した図である。この時短最終変動パターンテーブル202di4は、時短終了条件が成立する第2特別図柄変動、即ち、時短状態が設定されてから10回目(大当たりA当選後は254回目)の第2特別図柄変動が実行される場合に、設定される変動パターンを決定する場合に参照されるデータテーブルであって、特別図柄種別として第2特別図柄に対する変動パターンのみが規定されている。
具体的には、時短最終変動パターンテーブル202di3には、特別図柄種別として第2特別図柄に対応する変動パターンのみが規定されており、抽選結果が「外れ」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒の「外れ」が規定され、抽選結果が「小当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~99」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が1秒の「超短小当たり」が規定され、「100~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「小当たり」が規定されている。そして、抽選結果が「大当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「大当たり」が規定されている。つまり、時短最終変動となる第2特別図柄変動の変動期間中にはファイナルチャレンジ演出の開始態様を表示した後、時短状態が終了するまでの間に特図2保留の獲得を促すための演出が実行されるように構成している。よって、時短状態が設定されてから1回目~9回目の第2特別図柄変動よりも10回目(最終)の第2特別図柄変動の方が、特図2保留球の獲得を促す演出の演出期間を確保するために長い変動時間が設定されるように構成している。このように構成することで、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させ易くすることができる。また、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で当り当選する場合であっても、1回目~9回目の第2特別図柄抽選で当り当選する場合と、3回目の第2特別図柄抽選で当り当選する場合とで、時間効率(時短状態の単位時間当たりに実行される第2特別図柄抽選回数)を大きく異ならせることができるため、遊技者に対して、時短状態中に第2特別図柄抽選で当り当選するか否かだけで無く、時短状態中における何回目の第2特別図柄抽選で当り当選するかについても興味を持たせることができる。
図1862(a)に戻り、説明を続ける。時短付与テーブル202eiは、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定する際に参照されるデータテーブルであって、実行されている大当たり遊技に対応する大当たり種別(大当たり当選時に設定された大当たり種別)に応じた遊技状態(時短終了条件)が規定されている。ここで、図1864(b)を参照して、時短付与テーブル202eiの内容について説明をする。図1864(b)は、時短付与テーブル202eiに規定されている内容を模式的に示した図である。図1864(b)に示した通り、時短付与テーブル202eiには、各大当たり種別に対応させて時短終了条件の成立有無を判定する際に参照される各カウンタの値を規定している。具体的には、大当たり種別「大当たりA」に対しては、時短カウンタ203hの値に「270」が、小当たりカウンタ203sの値に「1」が、特図2カウンタ203tの値に「254」が規定されており、「大当たりB」に対しては、時短カウンタ203hの値に「10」が、小当たりカウンタ203sの値に「1」が、特図2カウンタ203tの値に「1」が規定されており、「大当たりC」,「大当たりD」に対しては、時短カウンタ203hの値に「20」が、小当たりカウンタ203sの値に「1」が、特図2カウンタ203tの値に「10」が規定されている。
詳細な説明は後述するが、時短付与テーブル202eiに情報が規定されている、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tは、何れも時短状態中に値が更新されるものであって、カウンタの値が所定条件を満たす値まで更新された場合に、時短終了条件が成立したと判別され、時短状態を終了させるための処理が実行されるように構成している。時短カウンタ203hiは、時短状態中に実行された特別図柄変動の回数を計測するカウンタであって、時短状態中に第1特別図柄変動、或いは、第2特別図柄変動が実行されたことに基づいてカウンタ値が更新(減算)される。つまり、時短カウンタ203hiは、時短状態中に実行された第1特別図柄変動回数と、第2特別図柄変動回数と、を合算された合算特別図柄回数に基づく時短終了条件の成立状況を判別するために用いられるカウンタである。小当たりカウンタ203siは、時短状態中に実行される小当たり遊技の実行回数を計測するためのカウンタであって、時短状態中に実行された特別図柄抽選の結果が小当たり当選となった場合にカウンタ値が更新(減算)される。つまり、小当たりカウンタ203siは、時短状態中に実行される小当たり遊技回数に基づく時短終了条件の成立状況を判別するために用いられるカウンタである。特図2カウンタ203tiは、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の回数を計測するカウンタであって、時短状態中に第2特別図柄変動が実行されたことに基づいてカウンタ値が更新(減算)される。つまり、特図2カウンタ203tiは、時短状態中に実行された第2特別図柄変動回数に基づく時短終了条件の成立状況を判別するために用いられるカウンタである。
図1864(b)に示した通り、大当たり種別の「大当たりA」が設定された場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定する際に、時短カウンタ203hiの値に「270」が、小当たりカウンタ203siの値に「1」が、特図2カウンタ203tiの値に「254」が設定される。よって、大当たり種別の「大当たりA」に基づいて設定された時短状態は、合算特別変動回数が「270回」、小当たり当選回数が「1回」、第2特別図柄変動回数が「254回」の何れかの条件を満たした場合に、時短終了条件が成立する時短状態となる。本第33制御例では、上述した各カウンタの値が1以上である場合に、時短状態中であると判別するように構成している。つまり、時短カウンタ203hi,小当たりカウンタ203ei,特図2カウンタ203tiのいずれかの値が0になった場合には、時短状態が終了したこととなる。なお、本第33制御例では、第2特別図柄抽選でのみ選択される大当たり種別(大当たりC,大当たりD)に対応する時短終了条件を同一としているが、これに限るものではなく、大当たり種別に応じて異なる内容の時短終了条件を設定しても良い。この場合、例えば、時短状態中に実行される第2特別図柄変動回数に基づく時短終了条件の内容を規定する特図2カウンタ203tの値を大当たり種別に応じて異ならせると良く、1の大当たり種別が設定された場合の方が、他の大当たり種別が設定された場合よりも時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動回数を増加させることができるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり遊技終了後に遊技者により有利な時短状態が設定されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、特図2カウンタ203ti以外の値を異ならせるように構成しても良く、例えば、特定の大当たり種別が設定された場合には、時短カウンタ203hiの値として、「10」よりも少ない「4」を設定するように構成しても良い。この場合、特図1保留を獲得しており、且つ、特図2保留を獲得していない状態で時短状態が設定されることで、時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動の回数が減少することになる(特図2カウンタ203tiの値が所定条件を満たすことで時短終了条件が成立するよりも前に、時短カウンタ203hiの値が所定条件を満たすことで時短終了条件成立する可能性が高くなる)ため、遊技者に対して、時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動回数を遊技者に把握させ難くすることができる。
図1864(b)に示した通り、本第33制御例では、時短状態が設定される何れの大当たり種別に対しても、3種類の時短終了条件が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり種別に応じて、設定される時短終了条件の種類を異ならせるように構成しても良く、例えば、他の大当たり種別よりも時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動の回数を極端に増加させることで遊技者に有利な時短状態を提供可能な特殊大当たり種別が設定された場合には、特図2カウンタ203tiに対して数値を設定すること無く、時短カウンタ203hiの値に「1000」を設定するように構成しても良い。また、小当たりカウンタ203siに対して数値が設定されない大当たり種別を設けることによって、時短状態中において小当たり当選後に実行される小当たり遊技中にV入賞させなくても時短状態が継続するように構成しても良い。さらに、本第33制御例では、時短終了条件が成立する要素として、特別図柄変動の実行回数(第2特別図柄変動の実行回数)と、小当たり当選回数と、の要素を用いているが、これに限ること無く、別の要素を用いて時短終了条件が成立するように構成しても良い。例えば、時短状態中に獲得し易くなる第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)の獲得数を計測するためのカウンタ(特図2保留獲得数カウンタ)を設け、特図2保留獲得数カウンタの値が所定条件(例えば、「4」)を満たした場合に、時短終了条件が成立するように構成しても良いし、特定回数目の第2特別図柄変動期間中に特図2保留数が上限となったことを契機として時短終了条件を成立させるように構成しても良い。また、時短状態が設定されてからの経過時間を計測する時間計測手段を設け、その時間計測手段によって計測された経過時間が所定条件を満たした場合に、時短終了条件が成立するように構成しても良いし、特別図柄抽選が実行される毎に、時短終了条件を成立させるか否かを決定する終了抽選を実行し、その終了抽選に当選した場合に時短終了条件を成立させるように構成しても良い。
このように、様々な時短終了条件を成立させることが可能となるように構成することで、時短状態が継続する期間を遊技者に把握させ難くすることができるため、時短状態中の遊技を行っている遊技者に対して、特図2保留を獲得していない状態(少ない特図2保留を獲得している状態)で時短状態が終了してしまうことを防ぐために、常に、特図2保留が上限数となるように意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。また、本第33制御例では、第2特別図柄変動が実行される毎に、時短カウンタ203hiの値、特図2カウンタ203tiの値を一定数(「1」)減算するように構成しているが、例えば、第2特別図柄抽選の結果が特定の外れ結果である場合には、時短カウンタ203hiの値、特図2カウンタ203tiの値を減算しないように構成しても良い。つまり、実行される特別図柄抽選の結果が同一であったとしても、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて、時短終了条件の成立有無を判別するために参照される各種カウンタの値の更新内容を異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中に実行される特別図柄抽選の結果を把握したとしても時短状態が終了するタイミングを遊技者に予測させ難くすることができる。また、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、時短カウンタ203hiの値を減算するように構成してもよい。具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、時短カウンタ203hiの値を減算させるように構成しても良い。
加えて、本第33制御例では、時短カウンタ203hiの値を1ずつ減算するように構成しているが、成立した終了条件の種別に応じて、時短カウンタ203hiの値を複数まとめて(例えば、2)減算するように構成しても良いし、現状の時短カウンタ203hiの値に関わらず、時短カウンタ203hiの値が「0」になるように減算するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、時短状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。さらに、時短状態が設定される条件の成立内容(大当たり種別)に応じて、時短状態を終了させる条件を異ならせても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。開放シナリオテーブル202giは、主制御装置110によって動作制御される各種機構(第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、電動役物640a)に対する動作態様が規定されているデータテーブルであって、上述した各種機構を動作させるための動作条件が成立した場合に、実行する動作制御に対応する開放シナリオを設定する際に参照される。
図1860に戻り、説明を続ける。RAM203は、図1861に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図1895参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図1894参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図1893参照)が即座に実行される。
また、本第33制御例におけるRAM203は、図1862(b)に示すように、第1特別図柄保留球格納エリア203ai、第2特別図柄保留球格納エリア203bi、普通図柄保留球格納エリア203ci、第1特別図柄保留球数カウンタ203di、第2特別図柄保留球数カウンタ203ei、普通図柄保留球数カウンタ203fi、遊技状態格納エリア203gi、時短カウンタ203hi、大当たり開始フラグ203ji、大当たり中フラグ203ki、小当たり種別格納エリア203mi、小当たり開始フラグ203ni、小当たり中フラグ203oi、V通過大当たり種別格納エリア203pi、Vフラグ203qi、V通過フラグ203ri、小当たりカウンタ203si、特図2カウンタ203ti、その他メモリエリア203ziを有している。なお、第1特別図柄保留球格納エリア203ai、第2特別図柄保留球格納エリア203bi、普通図柄保留球格納エリア203ci、第1特別図柄保留球数カウンタ203di、第2特別図柄保留球数カウンタ203ei、普通図柄保留球数カウンタ203fi、遊技状態格納エリア203gi、時短カウンタ203hi、大当たり開始フラグ203ji、大当たり中フラグ203ki、は上述した第1制御例における第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、遊技状態格納エリア203g、時短カウンタ203h、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203kと同一であるため、その詳細な説明を省略する。
小当たり種別格納エリア203miは、当選した小当たりに設定される小当たり種別を一時的に格納するための記憶領域であって、小当たりに当選したと判別した場合に(図1883のS409I:Yes)、取得した小当たり種別が一時的に格納される。そして、小当たり遊技を開始させるために実行される小当たり開始設定処理(図1884のS223I参照)において、格納した小当たり種別が読み出され、読み出した小当たり種別に対応した開放シナリオが設定される(図1884のS501I参照)。また、読み出した小当たり種別に対応する大当たり種別がV通過大当たり種別格納エリア203piに格納される(図1884のS502I参照)。小当たり開始フラグ203niは、小当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。特別図柄抽選の抽選結果が小当たり当選である特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図1884のS504I参照)。小当たり開始フラグ203niがオンであることが判別されて、小当たり遊技の開始タイミングであると判別されるとオフに設定される(図1897のS2003I参照)。この小当たり開始フラグ203niは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり中フラグ203oiは、小当たり遊技中であることを示すフラグである。特別図柄抽選の抽選結果が小当たり当選である特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図1884のS504I参照)。一方、小当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている小当たりのラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定される(図1897のS2018I参照)。この小当たり中フラグ203oiは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。V通過大当たり種別格納エリア203piは、小当たり遊技が実行されている場合に、第2可変入賞装置(V入賞装置)650に入賞した遊技球が特定領域(Vスイッチ650e3)により検知された場合に設定される大当たり種別を判別するためのデータが記憶される記憶エリアである。V通過大当たり種別格納エリア203piは、特別図柄抽選の抽選結果が小当たり当選である特別図柄の変動が停止する場合に、判定されている小当たり種別に対応した大当たり種別に対応するデータ値が記憶される(図1884のS502I参照)。第2可変入賞装置(V入賞装置)650内の特別排出流路650e2を球が流下し、特定領域(Vスイッチ650e3)により遊技球が検知されると、V通過大当たり種別格納エリア203piに記憶されているデータ値に対応する大当たり種別に対応するVフラグ203qiがオンに設定されるように構成されている。小当たり遊技の終了時に、V通過大当たり種別格納エリア203piに記憶されているデータ値がクリアされるように構成されている。このV通過大当たり種別格納エリア203piは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
Vフラグ203qiは、小当たり遊技中に第2可変入賞装置(V入賞装置)650内の特別排出流路650e2を遊技球が流下し、特定領域(Vスイッチ650e3)により遊技球が検知された場合に、実行している小当たり遊技の種別に対応した大当たり種別に対応したフラグがオンに設定されるものである。小当たり遊技の終了時に、このVフラグ203qiがオンであるかを判別し(図1897のS2013I参照)、Vフラグ203qiがオンであると判別した場合に(図1897のS2013I:Yes)、オンに設定されているフラグより実行される大当たり種別が判別されて対応する大当たり遊技の開始が設定される(図1897のS2015I参照)。このVフラグ203qiは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。V通過フラグ203riは、小当たり遊技中において、Vフラグ203qiがオンに設定されている状態を判別するために用いられるフラグであって、Vフラグ203qiがオンに設定されている場合にオンに設定される。第33制御例では、小当たり遊技中において第2可変入賞装置(V入賞装置650)に入賞した遊技球の殆どが特別排出流路650e2を流下するように構成されており、特別排出流路650e2に最初に入賞した遊技球に対応したV通過処理(図1880のS109I参照)においてオンに設定される(図1892のS1407I参照)。
そして、V通過処理(図1880のS109I参照)では、V通過フラグ203riがオンに設定しているか判別し(図1892のS1401I)、オンに設定していると判別した場合は(図1892のS1401I:Yes)、V通過処理(図1892I参照)のうちS1402I~S1409Iの処理をスキップするように構成している。これにより、1回の小当たり遊技中にと規定領域(Vスイッチ650e3)が複数の遊技球を検知した場合であっても、最初に検知した遊技球に対応したV通過処理のみが実行されることになる。よって、小当たり遊技中に実行される処理を簡素化することが出来ると共に、音声ランプ制御装置113へV通過コマンドを複数回送信してしまい、音声ランプ制御装置113側でのV通過管理は煩雑になることを抑制することができる。小当たりカウンタ203siは、時短状態中に実行される特別図柄抽選で小当たり当選した回数を計測するためのカウンタであって、小当たり当選回数に基づいて成立する時短終了条件の成立有無を判別する際に参照される。この小当たりカウンタ203siには、大当たり制御処理(図1895のS1804I)において、エンディング期間の終了タイミング(大当たり遊技の終了タイミング)であると判別された場合に(図1896のS1913I:Yes)、時短付与テーブル202eiに規定されている値が設定される(図1896のS1915I)。
そして、特別図柄変動処理(図1881参照)の時短更新処理(図1881のS224I参照)にて実行される小当たり時短更新処理(図1885のS615I参照)にて、小当たり当選したと判別した場合に(図1886のS701I:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりカウンタ203siの値が0であると判別されると(図1886のS703I:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図1886のS704I)。なお、第33制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、小当たりカウンタ203siの値が0に設定(リセット)される(図1885のS606I)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりカウンタ203siの値を参照した時短終了条件以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりカウンタ203siの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりカウンタ203siの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。特図2カウンタ203tiは、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の実行回数を計測するためのカウンタであって、第2特別図柄変動回数に基づいて成立する時短終了条件の成立有無を判別する際に参照される。この特図2カウンタ203tiには、大当たり制御処理(図1896のS1804I)において、エンディング期間の終了タイミング(大当たり遊技の終了タイミング)であると判別された場合に(図1896のS1913I:Yes)、時短付与テーブル202eiに規定されている値が設定される(図1896のS1915I)。
そして、特別図柄変動処理(図1881参照)の時短更新処理(図1881のS224I参照)にて、今回実行された特別図柄変動の種別が第2特別図柄変動であると判別した場合に(図1885のS608I:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の特図2カウンタ203tiの値が0であると判別されると(図1885のS611I:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図1885のS612I)。なお、第33制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、特図2カウンタ203tiの値が0に設定(リセット)される(図1885のS606I)。このように、複数の時短終了条件のうち、特図2カウンタ203tiの値を参照した時短終了条件以外の時短終了条件が成立した場合であっても、特図2カウンタ203tiの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず特図2カウンタ203tiの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。その他メモリエリア203ziは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。図1860に戻って説明を続ける。払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22、選択ボタン600、などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、パチンコ機10に設けられる演出用の駆動役物を動作させるための各種駆動モータが含まれる。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。
また、音声ランプ制御装置113に接続されている枠ボタン22は、演出ボタン22aを有しており、音声ランプ制御装置113は、演出ボタン22aからの入力を監視し、遊技者によって演出ボタン22aが操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。なお、遊技者によって演出ボタン22aが操作された場合に、演出用の役物(図1854参照)を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、演出ボタン22aへの操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、演出ボタン22aへの操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置113に接続されている選択ボタン600は、図1836に示した通り、中ボタン600a、上ボタン600b、右ボタン600c、下ボタン600d、左ボタン600eを有しており、音声ランプ制御装置113は、選択ボタン600に含まれる各ボタンからの入力を監視し、入力された内容に応じて、遊技環境を変更するための処理を実行すると共に、遊技環境を変更するための表示内容や、変更後の遊技環境を示すための表示内容を表示制御装置114へ指示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。ここで、本第33制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。音声ランプ制御装置113のROM222には、図1868(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222aiと、キャラ矛盾演出設定テーブル222biと、チャンスゾーン演出設定テーブル222ciと、タイマー演出設定テーブル222diと、タイマー内容設定テーブル222eiと、再セット用報知態様設定テーブル222fiと、楽曲演出設定テーブル222giと、図柄変更演出設定テーブル222hiと、ファイナルチャレンジ用報知態様設定テーブル222iiと、図柄態様決定テーブル222jiと、演出用キャラ決定テーブル222liと、秒数決定演出シナリオテーブル222miと、が少なくとも記憶されている。図1870を参照して、変動パターン選択テーブル222aiについて説明する。図1870は、この変動パターン選択テーブル222aiの規定内容を模式的に示したブロック図である。図1870に示す通り、変動パターン選択テーブル222aiには、通常用変動パターン選択テーブル222ai1と、時短用変動パターン選択テーブル222ai2と、ファイナルチャレンジ用変動パターン選択テーブル222ai3が少なくとも規定されている。通常用変動パターン選択テーブル222ai1は、通常状態が設定されている場合に用いられる変動パターン選択テーブルであり、時短用変動パターン選択テーブル222ai2は、時短状態が設定されている場合に用いられる変動パターン選択テーブルであり、ファイナルチャレンジ用変動パターン選択テーブル222ai3は、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中に用いられる変動パターン選択テーブルである。各変動パターン選択テーブルは、第1演出カウンタ223fiのカウンタ値に各変動パターンの種別(外れ、ガセ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した第1演出カウンタ223fiのカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。ここで、図1871を参照して、通常用変動パターン選択テーブル222ai1について説明する。図1871は、この通常用変動パターン選択テーブル222ai1の規定内容を模式的に示した図である。図1871に示す通り、当別図柄抽選の結果、変動パターン種別、第1演出カウンタ223fiのカウンタ値に対応して表示用変動パターンが規定されている。各表示用変動パターンには、上述した同一図柄停止演出と、装飾用可動役物Ym1を可動させる役物演出と、第3図柄表示装置81の液晶画面の前面側に設けられている導光板を発光させる導光板発光演出の有無が予め規定されており、特図変動中にこれらの演出が実行されるか否かによって、実行中の特図変動の特別図柄抽選の結果を遊技者が予測し易く構成している。具体的には、特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「外れ」であり、第1演出カウンタ値が「0~99」の範囲内では、表示用変動パターンとして「外れA」が設定される。この「外れA」は同一図柄停止演出、役物演出、導光板発光演出の何れの演出も実行されない表示用変動パターン種別である。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「ガセ外れ」であり、第1演出カウンタ値が「0~99」の範囲内では、表示用変動パターンとして「ガセ外れA」が設定される。この「ガセ外れA」は同一図柄停止演出、役物演出、導光板発光演出の何れの演出も実行されない表示用変動パターン種別である。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「0~39」の範囲内では、表示用変動パターンとして「外れノーマルリーチA」が設定される。この「外れノーマルリーチA」は同一図柄停止演出、役物演出は実行されないが、導光板発光演出は実行される表示用変動パターン種別である。また、特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「40~99」の範囲内では、表示用変動パターンとして「外れノーマルリーチB」が設定される。この「外れノーマルリーチB」は同一図柄停止演出、役物演出、導光板発光演出の何れの演出も実行されない表示用変動パターン種別である。このように、特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「ノーマルリーチ」である場合には、40/100(40%)で導光板演出が実行される表示用変動パターン(外れノーマルリーチA)が設定され、60/100(60%)で何れの演出も実行されない表示用変動パターン(外れノーマルリーチB)が設定されるため、特別図柄抽選の結果が外れで、変動パターンが「ノーマルリーチ」である場合には、何れの演出も実行されない表示用変動パターンが設定され易い。一方、特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「0~39」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりノーマルリーチA」が設定される。この「当たりノーマルリーチA」は、同一図柄停止演出、役物演出は実行されないが、導光板発光演出は実行される表示用変動パターン種別である。また、特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「40~89」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりノーマルリーチB」が設定される。この「当たりノーマルリーチB」は、同一図柄停止演出と、導光板発光演出は実行されないが、役物演出が実行される表示用変動パターンである。また、特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「90~99」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりノーマルリーチC」が設定される。この「当たりノーマルリーチC」は、同一図柄停止演出、役物演出、導光板発光演出の何れの演出も実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、変動パターンが「ノーマルリーチ」である場合には、40/100(40%)で導光板発光演出が実行される当たりノーマルリーチAが設定され、50/100(50%)で役物演出が実行される当たりノーマルリーチBが設定され、、10/100(10%)で何れの演出も実行されない当たりノーマルリーチCが設定される。つまり、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、変動パターンが「ノーマルリーチ」である場合には、何れの演出も実行されない表示用変動パターン(当たりノーマルリーチC)が設定され難く、導光板演出または役物演出の何れかが実行される表示用変動パターン(当たりノーマルリーチA、当たりノーマルリーチB)が設定され易い。これにより、特図変動において、何れの演出も実行されない場合には、特別図柄抽選の結果が外れである可能性が高く、導光板演出や役物演出が実行された場合には特別図柄抽選の結果が大当たり当選である可能性が高いと遊技者は予測することができる。
特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「0~29」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチA」が設定される。この「外れスーパーリーチA」は、同一図柄停止演出が実行され、役物演出と導光板発光演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「30~49」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチB」が設定される。この「外れスーパーリーチB」は、役物演出が実行され、同一図柄停止演出と導光板発光演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「50~69」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチC」が設定される。この「外れスーパーリーチC」は、導光板発光演出が実行され、同一図柄停止演出と役物演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「70~79」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチD」が設定される。この「外れスーパーリーチD」は、同一図柄停止演出と導光板発光演出が実行され、役物演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「80~89」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチE」が設定される。この「外れスーパーリーチE」は、同一図柄停止演出と役物演出が実行され、導光板発光演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「90~99」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチF」が設定される。この「外れスーパーリーチF」は、役物演出及び導光板発光演出は実行されるが、同一図柄停止演出が実行されない表示用変動パターンである。このように、特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」である場合には、30/100(30%)で同一図柄停止演出のみが実行される表示用変動パターン(外れスーパーリーチA)が設定され、20/100(20%)で役物演出のみが実行される表示用変動パターン(外れスーパーリーチB)が設定され、20/100(20%)で導光板発光演出のみが実行される表示用変動パターン(外れスーパーリーチC)が設定され、10/100(10%)で同一図柄停止演出と導光板発光演出が実行される表示用変動パターン(外れスーパーリーチD)が設定され、10/100(10%)で同一図柄停止演出と役物演出が実行される表示用変動パターン(外れスーパーリーチE)が設定され、10/100(10%)で役物演出と導光板発光演出が実行される表示用変動パターン(外れスーパーリーチF)が設定される。一方、特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「0~9」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチA」が設定される。この「当たりスーパーリーチA」は、同一図柄停止演出が実行され、役物演出と導光板発光演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「10~19」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチB」が設定される。この「当たりスーパーリーチB」は、役物演出が実行され、同一図柄停止演出と導光板発光演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「20~29」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチC」が設定される。この「当たりスーパーリーチC」は、導光板発光演出が実行され、同一図柄停止演出と役物演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「30~49」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチD」が設定される。この「当たりスーパーリーチD」は、同一図柄停止演出と導光板発光演出が実行され、役物演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「50~69」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチE」が設定される。この「当たりスーパーリーチE」は、同一図柄停止演出と役物演出が実行され、導光板発光演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「70~89」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチF」が設定される。この「当たりスーパーリーチF」は、役物演出及び導光板発光演出は実行されるが、同一図柄停止演出が実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「90~99」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチG」が設定される。この「当たりスーパーリーチG」は、同一図柄停止演出、役物演出及び導光板発光演出の全ての演出が実行される表示用変動パターンである。このように、特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」である場合には、10/100(10%)で同一図柄停止演出のみが実行される表示用変動パターン(当たりスーパーリーチA)が設定され、10/100(10%)で役物演出のみが実行される表示用変動パターン(当たりスーパーリーチB)が設定され、10/100(10%)で導光板発光演出のみが実行される表示用変動パターン(当たりスーパーリーチC)が設定され、20/100(20%)で同一図柄停止演出と導光板発光演出が実行される表示用変動パターン(当たりスーパーリーチD)が設定され、20/100(20%)で同一図柄停止演出と役物演出が実行される表示用変動パターン(当たりスーパーリーチE)が設定され、20/100(20%)で役物演出と導光板発光演出が実行される表示用変動パターン(当たりスーパーリーチF)が設定され、10/100(10%)で同一図柄停止演出、役物演出及び導光板演出の全ての演出が実行される表示用変動パターン(当たりスーパーリーチG)が設定される。つまり、特図変動において同一図柄停止演出、役物演出、導光板発光演出のうち、何れか1つの演出が実行された場合よりも、複数の演出が実行された場合の方が特別図柄抽選の結果が大当たり当選である可能性が高くなる。また、同一図柄停止演出、役物演出及び導光板演出の全ての演出が実行される表示用変動パターンは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合にのみ設定される表示用変動パターンであるため、より多くの演出が実行されることを遊技者に期待させることで、変動演出に注目させ、演出効果を高めることが可能となる。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スペシャルリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「0~99」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスペシャルリーチA」が設定される。この「当たりスペシャルリーチA」は、同一図柄停止演出、役物演出及び導光板演出の全ての演出が実行される表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が小当たりであり、変動パターンが長小当たりであり、第1演出カウンタ値が「0~99」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「長小当たりA」が設定される。この「長小当たりA」は、同一図柄停止演出、役物演出及び導光板発光演出の何れの演出も実行されない表示用変動パターンである。
次に、図1872(a)を参照して、キャラ矛盾演出設定テーブル222biについて説明する。図1872(a)は、このキャラ矛盾演出設定テーブル222biの規定内容を模式的に示した図である。キャラ矛盾演出設定テーブル222biは、第1特別図柄の特図変動が実行される場合に、上述したキャラ矛盾演出を実行するか否かを決定するために用いられるデータテーブルである。図1872(a)に示す通り、キャラ矛盾演出設定テーブル222biは、第2演出カウンタ223giのカウンタ値に対して、キャラ矛盾演出ありの演出態様と、キャラ矛盾演出なしの演出態様が規定されている。第2演出カウンタ値が「0~299、700~799」の範囲内では「キャラ矛盾演出あり」の演出態様が決定され、第2演出カウンタ値が「300~699、800~999」の範囲内では、「キャラ矛盾演出なし」の演出態様が決定される。
次に、図1872(b)を参照して、チャンスゾーン演出設定テーブル222ciについて説明する。図1872(b)は、このチャンスゾーン演出設定テーブル222ciの規定内容を模式的に示した図である。チャンスゾーン演出設定テーブル222ciは、特別図柄抽選の結果と、第2演出カウンタ値に対応して、チャンスゾーン演出の有無及び特殊1図柄D1aの停止位置(左図柄列Z1、または右図柄列Z3)が規定されている。具体的には、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、第2演出カウンタ値が「200~349、400~499」の範囲内であれば、「チャンスゾーン演出あり」で特殊1図柄D1aの停止表示位置「左図柄列Z1」の演出態様が決定され、第2演出カウンタ値が「500~799」の範囲内であれば、「チャンスゾーン演出あり」で特殊1図柄D1aの停止表示位置「右図柄列Z3」の演出態様が決定され、第2演出カウンタ値が「0~199、350~399、800~999」の範囲内であれば、「チャンスゾーン演出なし」の演出態様が決定される。つまり、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、550/1000(55%)でチャンスゾーン演出ありの演出態様が決定され、450/1000(45%)でチャンスゾーン演出なしの演出態様が決定される。また、250/1000(25%)で特殊1図柄D1aの停止表示位置として左図柄列Z1が決定され、300/1000(30%)で特殊1図柄D1aの停止表示位置として右図柄列Z3が決定される。従って、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、チャンスゾーン演出なしの演出態様よりも、チャンスゾーン演出ありの演出態様が決定され易く、また、特殊1図柄D1aの停止表示位置として左図柄列Z1よりも右図柄列Z3が決定され易い。一方、特別図柄抽選の結果が外れである場合には、第2演出カウンタ値が「200~299」の範囲内であれば、「チャンスゾーン演出あり」で特殊1図柄D1aの停止表示位置「左図柄列Z1」の演出態様が決定され、第2演出カウンタ値が「500~599」の範囲内であれば、「チャンスゾーン演出あり」で特殊1図柄D1aの停止表示位置「右図柄列Z3」の演出態様が決定され、第2演出カウンタ値が「0~199、300~499、600~999」の範囲内であれば、「チャンスゾーン演出なし」の演出態様が決定される。つまり、特別図柄抽選の結果が外れである場合には、200/1000(20%)で「チャンスゾーン演出あり」の演出態様が決定され、800/1000(80%)で「チャンスゾーン演出なし」の演出態様が決定される。従って、特別図柄抽選の結果が外れである場合よりも、大当たりである場合の方がチャンスゾーン演出ありの演出態様が決定され易いため、1図柄D1が左図柄列Z1に停止表示される特図変動においてチャンスゾーン演出が実行された場合には、大当たり当選である可能性が高いことを遊技者は予測することができる。
次に、図1872(c)を参照して、タイマー演出設定テーブル222diについて説明する。図1872(c)は、このタイマー演出設定テーブル222diの規定内容を示した図である。タイマー演出設定テーブル222diは、特別図柄抽選の結果と、第2演出カウンタ値に対応してタイマー演出の有無が規定されている。具体的には、特別図柄抽選の結果が大当たりであり、第2演出カウンタ値が「150~249、300~449、700~899」の範囲内であれば「タイマー演出あり」の演出態様が決定され、第2演出カウンタ値が「0~149、250~299、500~699、900~999」の範囲内であれば「タイマー演出なし」の演出態様が決定される。特別図柄抽選の結果が外れであり、第2演出カウンタ値が「200~249、350~399、850~899」の範囲内であれば「タイマー演出あり」の演出態様が決定され、第2演出カウンタ値が「0~199、250~349、400~849、900~999」であれば「タイマー演出なし」の演出態様が決定される。このように、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、450/1000(45%)で「タイマー演出あり」の演出態様が決定され、550/1000(55%)で「タイマー演出なし」の演出態様が決定される。また、特別図柄抽選の結果が外れである場合には、150/1000(15%)で「タイマー演出あり」の演出態様が決定され、850/1000(85%)で「タイマー演出なし」の演出態様が決定される。つまり、特別図柄抽選の結果が外れである場合よりも、大当たりである場合の方が「タイマー演出あり」の演出態様が決定され易い。
次に、図1873(a)を参照して、タイマー内容設定テーブル222eiについて説明する。図1873(a)は、このタイマー内容設定テーブル222eiの規定内容を模式的に示した図である。タイマー内容設定テーブル222eiは、表示用変動パターン毎にタイマー演出種別が規定されており、それぞれのタイマー演出種別には、第1表示位置Hi1~第5表示位置Hi5の各表示位置に表示する数字(表示秒数)と、演出実行カウンタ223abiに設定されるタイマー設定値と、タイマー発動時の報知態様が予め規定されている。具体的には、表示用変動パターンが「当たりノーマルリーチA」である場合には、タイマー演出種別として「タイマー演出A」が決定される。この「タイマー演出A」は、第1表示位置Hi1に「5(秒)」、第2表示位置Hi2に「1(秒)」、第3表示位置Hi3に「2(秒)」、第4表示位置Hi4に「3(秒)」、第5表示位置Hi5に「5(秒)」の表示秒数がそれぞれ表示され、演出実行カウンタ223abiにタイマー設定値として「16000(ms)」が設定され、演出実行カウンタ値が「0」となった場合に発動時報知態様として「導光板発光」という報知態様が第3図柄表示装置81の主表示領域DmのタイマーTm1に表示される。なお、「導光板発光」は、導光板発光演出が実行されることを報知するための報知態様である。表示用変動パターンが「当たりノーマルリーチB」である場合には、タイマー演出種別として「タイマー演出B」が決定される。この「タイマー演出B」は、第1表示位置Hi1に「5(秒)」、第2表示位置Hi2に「3(秒)」、第3表示位置Hi3に「7(秒)」、第4表示位置Hi4に「5(秒)」、第5表示位置Hi5に「10(秒)」の表示秒数がそれぞれ表示され、演出実行カウンタ223abiにタイマー設定値として「30000(ms)」が設定され、演出実行カウンタ値が「0」となった場合に発動時報知態様として「役物演出」という報知態様が第3図柄表示装置81の主表示領域DmのタイマーTm1に表示される。表示用変動パターンが「当たりノーマルリーチC」である場合には、タイマー演出種別として「タイマー演出C」が決定される。この「タイマー演出C」は、第1表示位置Hi1に「5(秒)」、第2表示位置Hi2に「1(秒)」、第3表示位置Hi3に「2(秒)」、第4表示位置Hi4に「3(秒)」、第5表示位置Hi5に「5(秒)」の表示秒数がそれぞれ表示され、演出実行カウンタ223abiにタイマー設定値として「16000(ms)」が設定され、演出実行カウンタ値が「0」となった場合に発動時報知態様として「チャンス」という報知態様が第3図柄表示装置81の主表示領域DmのタイマーTm1に表示される。この「チャンス」という報知態様は、今回の特図変動においてリーチ演出が実行されることを報知するための報知態様である。表示用変動パターンが「当たりスーパーリーチA」である場合には、タイマー演出種別として「タイマー演出D」が決定される。この「タイマー演出D」は、第1表示位置Hi1に「2(秒)」、第2表示位置Hi2に「7(秒)」、第3表示位置Hi3に「8(秒)」、第4表示位置Hi4に「3(秒)」、第5表示位置Hi5に「10(秒)」の表示秒数がそれぞれ表示され、演出実行カウンタ223abiにタイマー設定値として「30000(ms)」が設定され、演出実行カウンタ値が「0」となった場合に発動時報知態様として「同一図柄停止」という報知態様が第3図柄表示装置81の主表示領域DmのタイマーTm1に表示される。この「同一図柄停止」という報知態様は、今回の特図変動において同一図柄停止演出が実行されることを報知するための報知態様である。
表示用変動パターンが「当たりスーパーリーチB」である場合には、タイマー演出種別として「タイマー演出E」が決定される。この「タイマー演出E」は、第1表示位置Hi1に「3(秒)」、第2表示位置Hi2に「5(秒)」、第3表示位置Hi3に「7(秒)」、第4表示位置Hi4に「5(秒)」、第5表示位置Hi5に「20(秒)」の表示秒数がそれぞれ表示され、演出実行カウンタ223abiにタイマー設定値として「40000(ms)」が設定され、演出実行カウンタ値が「0」となった場合に発動時報知態様として「役物演出」という報知態様が第3図柄表示装置81の主表示領域DmのタイマーTm1に表示される。表示用変動パターンが「当たりスーパーリーチC」である場合には、タイマー演出種別として「タイマー演出F」が決定される。この「タイマー演出F」は、第1表示位置Hi1に「5(秒)」、第2表示位置Hi2に「1(秒)」、第3表示位置Hi3に「2(秒)」、第4表示位置Hi4に「3(秒)」、第5表示位置Hi5に「5(秒)」の表示秒数がそれぞれ表示され、演出実行カウンタ223abiにタイマー設定値として「16000(ms)」が設定され、演出実行カウンタ値が「0」となった場合に発動時報知態様として「導光板発光」という報知態様が第3図柄表示装置81の主表示領域DmのタイマーTm1に表示される。表示用変動パターンが「当たりスーパーリーチD」、「当たりスーパーリーチE」、「当たりスーパーリーチF」である場合には、タイマー演出種別として「タイマー演出G」が決定される。この「タイマー演出G」は、第1表示位置Hi1に「5(秒)」、第2表示位置Hi2に「1(秒)」、第3表示位置Hi3に「2(秒)」、第4表示位置Hi4に「3(秒)」、第5表示位置Hi5に「5(秒)」の表示秒数がそれぞれ表示され、演出実行カウンタ223abiにタイマー設定値として「16000(ms)」が設定され、演出実行カウンタ値が「0」となった場合に発動時報知態様として「再セット」という報知態様が第3図柄表示装置81の主表示領域DmのタイマーTm1に表示される。表示用変動パターンが「当たりスーパーリーチG」である場合には、タイマー演出種別として「タイマー演出H」が決定される。この「タイマー演出H」は、第1表示位置Hi1に「5(秒)」、第2表示位置Hi2に「1(秒)」、第3表示位置Hi3に「2(秒)」、第4表示位置Hi4に「5(秒)」、第5表示位置Hi5に「×」の表示秒数がそれぞれ表示され、演出実行カウンタ223abiにタイマー設定値として「50000(ms)」が設定され、演出実行カウンタ値が「0」となった場合に発動時報知態様として「祝」という報知態様が第3図柄表示装置81の主表示領域DmのタイマーTm1に表示される。この「祝」という報知態様は、今回の特図変動が大当たり当選であることを報知するための報知態様である。表示用変動パターンが「当たりスペシャルリーチA」である場合には、タイマー演出種別として「タイマー演出I」が決定される。この「タイマー演出I」は、第1表示位置Hi1に「2(秒)」、第2表示位置Hi2に「7(秒)」、第3表示位置Hi3に「8(秒)」、第4表示位置Hi4に「3(秒)」、第5表示位置Hi5に「10(秒)」の表示秒数がそれぞれ表示され、演出実行カウンタ223abiにタイマー設定値として「30000(ms)」が設定され、演出実行カウンタ値が「0」となった場合に発動時報知態様として「再セット」という報知態様が第3図柄表示装置81の主表示領域DmのタイマーTm1に表示される。表示用変動パターンが「長小当たりA」である場合には、タイマー演出種別として「タイマー演出J」が決定される。この「タイマー演出J」は、第1表示位置Hi1に「5(秒)」、第2表示位置Hi2に「1(秒)」、第3表示位置Hi3に「2(秒)」、第4表示位置Hi4に「3(秒)」、第5表示位置Hi5に「5(秒)」の表示秒数がそれぞれ表示され、演出実行カウンタ223abiにタイマー設定値として「16000(ms)」が設定され、演出実行カウンタ値が「0」となった場合に発動時報知態様として「チャンス」という報知態様が第3図柄表示装置81の主表示領域DmのタイマーTm1に表示される。表示用変動パターンが「外れノーマルリーチA」である場合には、タイマー演出種別として「タイマー演出A」が決定され、表示用変動パターンが「外れノーマルリーチB」である場合には、タイマー演出態様として「タイマー演出C」が決定され、表示用変動パターンが「外れスーパーリーチA」である場合には、タイマー演出態様として「タイマー演出D」が決定され、表示用変動パターンが「外れスーパーリーチB」である場合には、タイマー演出態様として「タイマー演出D」が決定され、表示用変動パターンが「外れスーパーリーチC」である場合には、タイマー演出態様として「タイマー演出E」が決定され、表示用変動パターンが「外れスーパーリーチD」、「外れスーパーリーチE」、「外れスーパーリーチF」である場合には、タイマー演出態様として「タイマー演出G」が決定される。このように、各タイマー演出種別によって、各表示位置Hi1~Hi5に表示される表示秒数が異なり、各表示位置Hi1~Hi5に表示される表示秒数のパターンから変動パターンを予測することが可能となるため、遊技者に秒数決定演出に対する興味を持たせることができる。
次に、図1873(b)を参照して、再セット用報知態様設定テーブル222fiについて説明する。図1873(b)は、この再セット用報知態様設定テーブル22fiの規定内容を模式的に示した図である。図1873(b)に示す通り、再セット用報知態様設定テーブル222fiには、タイマー演出種別に対して、再セットされるタイマー設定値と、再セット後の報知態様が規定されている。具体的には、タイマー演出種別が「タイマー演出G」である場合には、タイマー設定値として「12000(ms)」、報知態様として「激アツ」という態様が、それぞれ規定されている。また、タイマー演出種別が「タイマー演出I」である場合には、タイマー設定値として「20000(ms)」、報知態様として「祝」という態様が、それぞれ規定されている。
次に、図1874(a)を参照して、楽曲演出設定テーブル222giについて説明する。図1874(a)は、この楽曲演出設定テーブル222giの規定内容を模式的に示した図である。楽曲演出設定テーブル222giは、特別図柄抽選の結果と、変動パターン種別と、第2演出カウンタ値に対応して楽曲演出シナリオが規定されている。具体的には、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第2演出カウンタ値が「0~299」の範囲内である場合には、楽曲演出シナリオAが決定される。ここで、図1877(a)を参照して、楽曲演出シナリオAについて説明する。図1877(a)は、楽曲演出シナリオAのシナリオテーブルを模式的に示した図である。図1877(a)に示す通り、楽曲演出シナリオAでは、シナリオカウンタ223riのカウンタ値に対して、音AデータOs1及び音BデータOs2の再生開始、再生停止及び音量変更に関する実施内容が規定されている。音声ランプ制御装置113では、演出更新処理(図1915のS3112I参照)の一処理である楽曲演出更新処理(S3607I)において、この楽曲演出シナリオに基づきシナリオカウンタ値に対応する処理を実行する。具体的には、シナリオカウンタ値が「20000」である場合(即ち、特図変動が開始されてから20秒が経過し、ノーマルリーチ演出が開始された場合)、音声出力装置226に音AデータOs1と音BデータOs2の再生を開始させるための音声コマンドを設定する。また、音AデータOs1の音量を「大」に設定し、音BデータOs2の音量をミュートに設定する音声コマンドを設定する。なお、音量「大」とは、音声出力装置226のスピーカー部308から音データに対応する音が出力されている状態(即ち、遊技者に音が聞こえている状態)であり、音量「ミュート」とは、音声出力装置226のスピーカー部308から音データに対応する音が出力されていない状態(即ち、遊技者に音が聞こえていない状態)である。詳細については後述するが、本第33制御例では、音声出力装置226のMPU301から主(副)音声合成部に音声データが出力され、主(副)音声合成部で合成された合成音声データを主(副)アンプ部に出力し、主(副)アンプ部により増幅され、スピーカー部308から合成音声データに対応する音が出力される構成である(図1938参照)。そして、主アンプ部307aと副アンプ部307bの増幅量(音量)をそれぞれ設定することで、スピーカー部308から出力される音の音量を調整する。つまり、音AデータOs1の合成音声データは主アンプ部307aに出力され、主アンプ部307aによって増幅されてスピーカー308から音が出力されるが、音BデータOs2の合成音声データは副アンプ部307bに出力されるものの、副アンプ部307bによって増幅されないため、音BデータOs2に対応する音はスピーカー部308から出力されない状態となる。そして、シナリオカウンタ値が「25000」である場合(即ち、特図変動開始から25秒が経過した場合)、音BデータOs2の音量を「大」に設定するための音声コマンドを設定する。これにより、スピーカー部308から音BデータOs2が出力され、遊技者に聞こえる音の音色を可変させることができる。その後、シナリオカウンタ値が「40000」となった場合(即ち、特図変動開始から40秒が経過し、「ノーマルリーチ」の特図変動が終了する場合)、音AデータOs1及び音BデータOs2の再生を停止させるための音声コマンドを設定し、楽曲演出を終了させる。つまり、楽曲演出シナリオAでは、ノーマルリーチ演出開始から5秒が経過した時点で遊技者に聞こえる音色が可変することとなる。
図1873に戻り、説明を続ける。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第2演出カウンタ値が「300~599」の範囲内である場合には、楽曲演出シナリオBが決定される。ここで、図1877(b)を参照して、楽曲演出シナリオBについて説明する。図1877(b)は、この楽曲演出シナリオBのシナリオテーブルを模式的に示した図である。楽曲演出シナリオBでは、シナリオカウンタ値が「20000」である場合(即ち、特図変動が開始されてから20秒が経過し、ノーマルリーチ演出が開始された場合)に、音AデータOs1と音BデータOs2の再生を開始させるための音声コマンドと、音AデータOs1と音BデータOs2の音量を「大」に設定するための音声コマンドを設定する。その後、シナリオカウンタ値が「40000」となった場合(即ち、特図変動開始から40秒が経過し、「ノーマルリーチ」の特図変動が終了する場合)、音AデータOs1及び音BデータOs2の再生を停止させるための音声コマンドを設定し、楽曲演出を終了させる。つまり、楽曲演出シナリオBでは、ノーマルリーチが開始された時点で通常のリーチ演出中楽曲の音色(音AデータOs1のみがスピーカー部308から出力された状態の音色)とは異なる音色(音AデータOs1と音BデータOs2がスピーカー部308から出力された状態の音色)が出力されることとなる。
図1874に戻り、説明を続ける。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第2演出カウンタ値が「600~799」である場合には、楽曲演出シナリオCが決定される。ここで、図1877(c)を参照して、楽曲演出シナリオCについて説明する。図1877(c)は、この楽曲演出シナリオCのシナリオテーブルを模式的に示した図である。楽曲演出シナリオCでは、楽曲演出シナリオAと同様に、シナリオカウンタ値が「20000」である場合に、(即ち、特図変動が開始されてから20秒が経過し、ノーマルリーチ演出が開始された場合)、音声出力装置226に音AデータOs1と音BデータOs2の再生を開始させるための音声コマンドを設定し、音AデータOs1の音量を「大」に設定し、音BデータOs2の音量をミュートに設定する音声コマンドを設定する。楽曲演出シナリオCでは、シナリオカウンタ値が「30000」(即ち、特図変動開始から30秒が経過した場合)に、音BデータOs2の音量を「大」に設定するための音声コマンドを設定する。つまり、楽曲演出シナリオCでは、ノーマルリーチ演出の開始から10秒が経過した時点で遊技者に聞こえる音色が可変することとなる。
図1874に戻り、説明を続ける。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第2演出カウンタ値が「800~999」の範囲内であれば、楽曲演出シナリオDが決定される。ここで、図1877(d)を参照して、楽曲演出シナリオDについて説明する。図1877(d)は、この楽曲演出シナリオDのシナリオテーブルを模式的に示した図である。楽曲演出シナリオDでは、楽曲演出シナリオAと同様にシナリオカウンタ値が「20000」である場合に、(即ち、特図変動が開始されてから20秒が経過し、ノーマルリーチ演出が開始された場合)、音声出力装置226に音AデータOs1と音BデータOs2の再生を開始させるための音声コマンドを設定し、音AデータOs1の音量を「大」に設定し、音BデータOs2の音量をミュートに設定する音声コマンドを設定する。そして、音BデータOs2の音量を「ミュート」としたまま、シナリオカウンタ値が「40000」となった場合(即ち、特図変動開始から40秒が経過し、「ノーマルリーチ」の特図変動が終了する場合)、音AデータOs1及び音BデータOs2の再生を停止させるための音声コマンドを設定し、楽曲演出を終了させる。つまり、楽曲演出シナリオDでは、ノーマルリーチ演出中にリーチ演出中楽曲の音色が可変しないこととなる。このように、リーチ演出中楽曲の音色を可変させるタイミングが異なるシナリオを複数設けることで、音AデータOs1と音BデータOs2の2つの音データによって複数パターンの楽曲演出を実行することが可能となる。これにより、楽曲演出に用いる音データの容量を抑えつつ、遊技者にバリエーション豊富な楽曲演出を提供することができる。
図1874に戻り、説明を続ける。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第2演出カウンタ値が「0~299」である場合には、楽曲演出シナリオEが決定される。この楽曲演出シナリオEは、スーパーリーチの開始から10秒経過した時点でスーパーリーチ演出中楽曲の音色を可変させる楽曲演出シナリオである。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第2演出カウンタ値が「300~599」である場合には、楽曲演出シナリオFが決定される。この楽曲演出シナリオFは、スーパーリーチの開始から20秒経過した時点でスーパーリーチ演出中楽曲の音色を可変させる楽曲演出シナリオである。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第2演出カウンタ値が「600~799」である場合には、楽曲演出シナリオGが決定される。この楽曲演出シナリオGは、スーパーリーチの開始から30秒経過した時点でスーパーリーチ演出中楽曲の音色を可変させる楽曲演出シナリオである。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第2演出カウンタ値が「800~999」である場合には、楽曲演出シナリオHが決定される。この楽曲演出シナリオHは、スーパーリーチ演出中にスーパーリーチ演出中楽曲の音色を可変させない楽曲演出シナリオである。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、変動パターンが「スペシャルリーチ」であり、第2演出カウンタ値が「0~999」である場合には、楽曲演出シナリオIが決定される。この楽曲演出シナリオIは、スペシャルリーチ演出中にスペシャルリーチ演出中楽曲の音色を可変させない楽曲シナリオである。なお、スペシャルリーチの変動パターンは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合のみ設定される変動パターンであるため、スペシャルリーチ演出が開始された時点で遊技者は大当たり当選であると予測しており、楽曲演出の演出効果が低いため、スペシャルリーチ演出中には音色を可変させない構成としている。
特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第2演出カウンタ値が「0~999」の範囲内である場合には、楽曲演出シナリオDが決定される。また、特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第2演出カウンタ値が「0~999」の範囲内である場合には、楽曲演出シナリオHが決定される。上述したように、楽曲演出シナリオD、楽曲演出シナリオHはリーチ演出中にリーチ演出中楽曲の音色を可変させない楽曲演出シナリオである。つまり、特別図柄抽選の結果が外れである場合には、リーチ演出中にリーチ演出中楽曲の音色が可変しないこととなる。したがって、遊技中によそ見をして液晶画面を注視していない遊技者(例えば、スマートフォンを操作している遊技者)に対しても、リーチ演出中にリーチ演出中楽曲の音色が可変した場合には、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることが確定するため、抽選結果を確認しようと液晶画面に注目させることが可能となり、リーチ演出の演出効果を向上させることができる。
次に、図1874(b)を参照して、図柄変更演出設定テーブル222hiについて説明する。図1874(b)は、この図柄変更演出設定テーブル222hiの規定内容を示した図である。図1874(b)に示す通り、図柄変更演出設定テーブル222hiは、特別図柄抽選の結果と、大当たり種別と、第2演出カウンタ値に基づいてリーチ図柄変更演出の有無が決定される。具体的には、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、大当たり種別が「大当たりA」である場合には、第2演出カウンタ値が「0~999」の範囲内で「図柄変更演出あり」が決定される。つまり、大当たり種別が「大当たりA」である場合には、1000/1000(100%)でリーチ図柄変更演出が実行される。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、大当たり種別が「大当たりB」である場合には、第2演出カウンタ値が「0~499」の範囲内であれば「リーチ図柄変更演出あり」が決定され、第2演出カウンタ値が「500~999」の範囲内であれば「リーチ図柄変更演出なし」が決定される。つまり、大当たり種別が「大当たりB」である場合には、500/1000(50%)でリーチ図柄変更演出が実行されることとなる。特別図柄抽選の結果が小当たり当選である場合には、第2演出カウンタ値が「0~999」の範囲内で「リーチ図柄変更演出なし」が決定される。つまり、小当たり当選の場合には、1000/1000(100%)でリーチ図柄変更演出が実行されない。特別図柄抽選の結果が外れである場合には、第2演出カウンタ値が「0~299」の範囲内で「リーチ図柄変更演出あり」が決定され、第2演出カウンタ値が「300~999」の範囲内で「リーチ図柄変更演出なし」が決定される。つまり、外れである場合には、300/1000(30%)でリーチ図柄変更演出が実行される。上述したように、リーチ図柄変更演出には、リーチ態様で表示されている左図柄列Z1と右図柄列Z3の第3図柄の図柄態様を7図柄D7に可変させるリーチ図柄変更成功演出と、リーチ図柄変更前兆演出は実行されるが左図柄列Z1と右図柄列Z3の第3図柄の図柄態様を可変させないリーチ図柄変更失敗演出と、があり、後述する図柄変更演出実行処理(図1920のS3611I参照)において、今回の大当たり種別が大当たりAであると判別した場合(S4102I:Yes)にリーチ図柄変更成功演出が実行される構成としている。一方、今回の大当たり種別が大当たりAではないと判別した場合(S4102I:No)には、リーチ図柄変更失敗演出が実行されることとなるが、リーチ図柄変更失敗演出が実行されたとしても、リーチ図柄変更演出は大当たり当選である場合の方が、外れである場合よりも実行され易く構成しているため、大当たりBに当選しているかもしれないと遊技者を期待させることで遊技意欲が低下することを抑制することができる。
次に、図1874(c)を参照して、ファイナルチャレンジ用報知態様設定テーブル222iiについて説明する。図1874(c)は、このファイナルチャレンジ用報知態様設定テーブル222iiの規定内容を模式的に示した図である。上述したように、ファイナルチャレンジ演出では、保留図柄がボタン保留図柄態様で表示され、遊技者が演出ボタン22aを操作した場合に、ボタン保留図柄態様をV態様か×態様のいずれかの態様に可変させる。図1874(c)に示す通り、ファイナルチャレンジ用報知態様設定テーブル222iiは、特別図柄抽選の結果と、第2演出カウンタ値に対応して保留図柄態様が規定されている。具体的には、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合には、第2演出カウンタ値が「0~899」の範囲内で保留図柄態様として「V態様」が決定され、第2演出カウンタ値が「900~999」の範囲内で保留図柄態様として「×態様」が決定される。つまり、大当たり当選である場合には、900/1000(90%)で「V態様」が決定される。特別図柄抽選の結果が小当たり当選である場合には、第2演出カウンタ値が「0~599」の範囲内で保留図柄態様として「V態様」が決定され、第2演出カウンタ値が「600~999」の範囲内で保留図柄態様として「×態様」が決定される。つまり、小当たり当選である場合には、600/1000(60%)で「V態様」が決定される。特別図柄抽選の結果が外れである場合には、第2演出カウンタ値が「0~999」の範囲内で保留図柄態様として「×態様」が決定される。つまり、外れである場合には、「V態様」が決定されない。したがって、ボタン保留図柄態様の可変後の保留図柄態様として「V態様」が決定された場合には、大当たり当選または小当たり当選であると遊技者は予測することができる。
次に、図1876を参照して、演出用キャラ決定テーブル222kiについて説明する。図1876は、この演出用キャラ決定テーブル222kiの規定内容を模式的に示した図である。演出用キャラ決定テーブル222kiは、特図変動において左図柄列Z1に第3図柄を停止表示させる前に主表示領域Dmに表示する演出用キャラを決定するためのテーブルである。図1876に示す通り、演出用キャラ決定テーブル222kiは、図柄カウンタ223miのカウンタ値に対応して演出用キャラが規定されている。具体的には、図柄カウンタ値が「1」であれば、演出用キャラとして「タコ」のキャラクタc1(図1838参照)が決定される。このタコのキャラクタc1は、1図柄D1を構成するキャラクタであり、左図柄列Z1に1図柄D1が停止表示されることを示唆する場合に、キャラクタc1が主表示領域Dmに表示される。図柄カウンタ値が「2」であれば、演出用キャラとして「フグ」のキャラクタc2(図1838参照)が決定される。このフグのキャラクタc2は、2図柄D2を構成するキャラクタであり、左図柄列Z1に2図柄D2が停止表示されることを示唆する場合に、キャラクタc2が主表示領域Dmに表示される。図柄カウンタ値が「3」であれば、演出用キャラとして「カメ」のキャラクタc3(図1838参照)が決定される。このカメのキャラクタc3は、3図柄D3を構成するキャラクタであり、左図柄列Z1に3図柄D3が停止表示されることを示唆する場合に、キャラクタc3が主表示領域Dmに表示される。図柄カウンタ値が「4」であれば、演出用キャラとして「サメ」のキャラクタc4(図1838参照)が決定される。このサメのキャラクタc4は、4図柄D4を構成するキャラクタであり、左図柄列Z1に4図柄D4が停止表示されることを示唆する場合に、キャラクタc4が主表示領域Dmに表示される。図柄カウンタ値が「5」であれば、演出用キャラとして「エビ」のキャラクタc5(図1838参照)が決定される。このエビのキャラクタc5は、5図柄D5を構成するキャラクタであり、左図柄列Z1に5図柄D5が停止表示されることを示唆する場合に、キャラクタc5が主表示領域Dmに表示される。図柄カウンタ値が「6」であれば、演出用キャラとして「アンコウ」のキャラクタc6(図1838参照)が決定される。このアンコウのキャラクタc6は、6図柄D6を構成するキャラクタであり、左図柄列Z1に6図柄D6が停止表示されることを示唆する場合に、キャラクタc6が主表示領域Dmに表示される。図柄カウンタ値が「7」であれば、演出用キャラとして「熱帯魚」のキャラクタc8(図1838参照)が決定される。この熱帯魚のキャラクタc8は、8図柄D8を構成するキャラクタであり、左図柄列Z1に8図柄D8が停止表示されることを示唆する場合に、キャラクタc8が主表示領域Dmに表示される。なお、上述したように図柄カウンタ値が「7」である場合には、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、大当たり種別が大当たりAであれば、左図柄列Z1に7図柄D7が停止表示される(図1875参照)。この場合においても、左図柄列Z1に7図柄D7が停止表示される前に、主表示領域Dmにキャラクタc8を表示することで、8図柄D8が停止表示されると予測していた遊技者に対して意外性のある演出を提供することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図1878を参照して、秒数決定演出シナリオテーブル222miについて説明する。図1878は、この秒数決定演出シナリオテーブル222miを模式的に示した図である。図1878に示す通り、秒数決定演出シナリオテーブル222miは、シナリオカウンタ223riのカウンタ値に対応して実行する演出内容が規定されている。上述したように、秒数決定演出では、主表示領域Dmの各表示位置Hi1~Hiに表示される風船を順番に(段階的に)破裂させ、タイマーTm1にタイマー秒数として加算される数字をそれぞれ表示させる。具体的には、シナリオカウンタ値が「2000」である場合(即ち、特図変動開始から2秒が経過した場合)に、第1表示位置Hi1に表示されている風船Fs1を破裂させ、表示秒数を表示する演出を実行する。シナリオカウンタ値が「3000」である場合(即ち、特図変動開始から3秒が経過した場合)に、第2表示位置Hi2に表示されている風船Fs2を破裂させ、表示秒数を表示する演出を実行する。シナリオカウンタ値が「4000」である場合(即ち、特図変動開始から4秒が経過した場合)に、第3表示位置Hi3に表示されている風船Fs3を破裂させ、表示秒数を表示する演出を実行する。シナリオカウンタ値が「5000」である場合(即ち、特図変動開始から5秒が経過した場合)に、第4表示位置Hi4に表示されている風船Fs4を破裂させ、表示秒数を表示する演出を実行する。シナリオカウンタ値が「6000」である場合(即ち、特図変動開始から6秒が経過した場合)に、第5表示位置Hi5に表示されている風船Fs5を破裂させ、表示秒数を表示する演出を実行する。シナリオカウンタ値が「7000」である場合(即ち、特図変動開始から7秒が経過した場合)に、各表示位置Hi1~Hi5に表示されている表示秒数をタイマーTm1へと集めて、タイマー値を設定する演出を開始し、シナリオカウンタ値が「10000」である場合(即ち、特図変動開始から10秒が経過した場合)に、秒数決定演出を終了させる。このように、秒数決定演出では、段階的に各表示位置Hi1~Hi5に表示秒数が表示され、表示された表示秒数が最終的にタイマーTm1のタイマー設定値として加算されるため、設定されるタイマー秒数を遊技者に段階的に予測させる楽しみを提供することで、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図1869(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図1869(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223ai、特別図柄1保留球数カウンタ223bi、特別図柄2保留球数カウンタ223ci、変動開始フラグ223di、停止種別選択フラグ223ei、第1演出カウンタ223fi、第2演出カウンタ223gi、従遊技状態格納エリア223hi、時短情報更新エリア223ii、SW有効時間カウンタ223ji、遊技環境格納エリア223ki、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223li、図柄カウンタ223mi、図柄情報格納エリア223ni、タイマー演出実行フラグ223oi、楽曲演出実行フラグ223pi、ボタン押下フラグ223qi、シナリオカウンタ223ri、図柄変更演出実行フラグ223si、押下回数カウンタ223ti、演出情報格納エリア223ui、再セットフラグ223vi、保留図柄情報格納エリア223wi、V態様表示フラグ223xi、左停止フラグ223yi、秒数決定演出実行フラグ223aai、その他メモリエリア223ziが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aiは、1つの実行エリアと、第1特別図柄に対応する4つのエリア(特図1用第1エリア~特図1用第4エリア)と、第2特別図柄に対応する1つのエリア(特図2用第1エリア)を有しており、これらの各エリアには、主制御装置110から出力された入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aiに格納される情報(入賞情報)により、特別図柄抽選が実行される前に入賞情報に基づく抽選結果等が音声ランプ制御装置113によって事前判別(先読み)される。この入賞情報格納エリア223aiには、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図1901のS3113I参照)において、入賞情報コマンドを受信したと判別された場合に(図1901のS3209:Yes)、主制御装置110から送信された入賞情報コマンド(入賞コマンド)に基づいた入賞情報に含まれる特別図柄種別に対応する第1エリアから順に格納されていく。なお、主制御装置110から送信される入賞情報コマンド(入賞コマンド)は、主制御装置110の先読み処理(図1888のS807I参照)が実行された場合に設定され、主制御装置110のメイン処理(図1895参照)にて実行される外部出力処理(図1895のS1801I)によって音声ランプ制御装置113へと送信される。この入賞情報格納エリア223aiの各エリアに格納された各入賞情報は、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図1905のS3114I参照)が実行される毎に、1つずつシフト(第2エリアに格納されていた入賞情報を第1エリアに移行)される。これにより、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が何時実行されるのかを、音声ランプ制御装置113側で確実に把握することができる。
また、入賞情報コマンドによって送信された入賞情報(特別図柄の先読み情報)を実行エリア(現在実行中の特別図柄変動に対応するエリア)までシフトさせることを可能に構成しているため、例えば、入賞情報コマンドを受信したことに基づいて、次に実行される特別図柄変動の開始タイミングから当該入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が終了するまでのタイミングまでの期間を用いた演出(所謂、先読み連続演出)を実行する際に、当該入賞情報コマンドに対応する入賞情報を上述した先読み連続演出が終了するまでの間、保持することができる。なお、第33制御例では第1特別図柄に関する入賞情報(第1入球口64に球が入球した場合に取得し得る情報)を4つまで保留記憶可能に構成しているため、入賞情報格納エリア223aiが実行エリア以外に、第1エリア~第4エリアを有するように構成しているが、例えば、第2入球口640に球が入球した場合に取得し得る入賞情報(第2特別図柄に関わる入賞情報)も4つまで保留記憶可能に構成した場合には、入賞情報格納エリア223aiに、実行エリア以外に、第1特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)と、第2特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)を設けるように構成すれば良い。特別図柄1保留球数カウンタ223biは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203diと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる特別図柄変動の実行権利の保留記憶数を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する特図1保留の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223biにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球(始動入賞)によって第1特別図柄抽選の実行権利の保留記憶数(特図1保留数)が加算された場合、又は、主制御装置110において第1特別図柄抽選が実行されて特図1保留数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を、音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を受信すると、その保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)から、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223biに格納する(図1901のS3208I参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223biの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203diと同期させながら、その値を更新することができる。特別図柄1保留球数カウンタ223biの値は、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄(特図1保留球数を示すための表示態様)を決定する際に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される特図1保留数を特別図柄1保留球数カウンタ223biに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223biの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される特図1保留数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223biの値分の保留図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223biは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203diと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。なお、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに含まれる情報としては、実際の保留球数、即ち、第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値を示す情報でも良いし、第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報でも良い。なお、保留球数コマンドとして第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報を送信する場合には、音声ランプ制御装置113に受信した保留球数コマンドに含まれる情報に基づいて現在の保留球数を演算管理する演算手段を設ければ良い。特別図柄2保留球数カウンタ223ciは、上述した特別図柄1保留球カウンタ223biに対して、カウントする対象を保留球数コマンドに含まれる第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)に変更した点で相違しているものであり、それ以外は同一であるため、詳細な説明は省略する。本第33制御例では、特図2保留の上限数を1個としているため、特別図柄2保留球数カウンタ223cが計測する値の上限数も1となる。
この特別図柄2保留球数カウンタ223ciによって計測された値は、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄(特図2保留球数を示すための表示態様)を決定する際に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される特図2保留数を特別図柄2保留球数カウンタ223ciに格納すると共に、格納後の特別図柄2保留球数カウンタ223ciの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される特図2保留数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄2保留球数カウンタ223ciの値分の保留図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄2保留球数カウンタ223ciは、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ203eiと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄の数も、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ203eiの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223diは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定され(図1901のS3202I参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフに設定される(図1905のS4302参照)。変動開始フラグ223ciがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図1899参照)のコマンド出力処理(図1899のS3102I)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。停止種別選択フラグ223eiは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図1901のS3205I参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図1905のS4307I参照)。停止種別選択フラグ223diがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別設定処理(図1923のS4309I参照)において表示用停止種別が設定される。第1演出カウンタ223fi及び第2演出カウンタ223giは、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用されるカウンタであって、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図1899参照)が実行される毎に更新される。第33制御例では、第1演出カウンタ223fiは0~99の範囲で繰り返し更新されるループカウンタであり、第2演出カウンタ223giは0~999の範囲で繰り返し更新されるループカウンタである。なお、本第33制御例では、第1演出カウンタ223fiと第2演出カウンタ223giの2つのカウンタを有する構成としたが、これに限るものではなく、3つ以上の複数のカウンタを有する構成としても良い。この場合、各演出カウンタの値が同期すること無く更新するように構成すると良い。
具体的には、例えば、メイン処理(図1899参照)が実行される毎に更新される値が異なるカウンタを複数設け、各カウンタの更新後の値が同期しないように構成する。さらに、各カウンタの値を演算することで別の値を算出し、その算出した値を用いて各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用する値として用いても良い。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される複数演出の演出態様を同一タイミング(1回のメイン処理内)で決定する場合において、同一タイミングで決定される複数演出の演出態様が同期してしまい、多様な組合せで演出を実行することができないという不具合が発生することを抑制できる。従遊技状態格納エリア223hiは、主制御装置110から遊技状態に関する状態コマンドを受信した場合に、その状態コマンドに対応する遊技状態を格納するための領域である。この従遊技状態格納エリア223hiに格納された情報(遊技状態)を参照することで、音声ランプ制御装置113側で現在の遊技状態を識別可能に構成している。なお、第33制御例では、音声ランプ制御装置113のRAM223は、パチンコ機10の電源が遮断された場合にデータが消去されるため、停電等の発生による電源遮断時には従遊技状態格納エリア223hiに格納されている現在の遊技状態を示す情報も消去されることとなる。しかしながら、第33制御例ではパチンコ機10への電源投入後に実行される主制御装置110の立ち上げ処理(図1894参照)にて状態コマンドが設定されるため(図1894のS1712I参照)、電源復旧後、直ちに従遊技状態格納エリア223hiに電源遮断前に設定されていた遊技状態を示す情報が格納されることになる。よって、パチンコ機10に電源が投入されている状態では音声ランプ制御装置113側で常に遊技状態を識別することができる。また、主制御装置110において遊技状態を可変設定する場合にも、可変設定された後の遊技状態を示す状態コマンドが設定される(図1896のS1917I等参照)。
時短情報更新エリア223hiは、時短状態を終了させるための複数の時短終了条件と、各時短終了条件に対する進捗状況(時短終了条件の対象となる遊技要素(例えば、特別図柄変動や小当たり、大当たりの当選)が実行された回数)とを格納するためのデータ領域である。この時短情報更新エリア223hiに格納される情報(時短終了条件、及び、進捗状況)に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示態様が選択される。この時短情報更新エリア223hiは、主制御装置110から設定される時短状態の内容に関する情報を含む時短設定情報コマンド、即ち、主制御装置110の大当たり制御処理(図1896のS1804I)にてエンディング期間の終了タイミングと判別し(図1896のS1913I:Yes)、時短終了条件を設定した場合に(図1896のS1916I)設定される時短設定情報コマンドを受信した場合に、今回の時短状態を終了させるための時短終了条件が設定される(図1903のS3410I参照)。そして、主制御装置110の時短更新処理(図1885のS224I参照)において、時短情報を更新させるための更新情報(特別図柄変動が実行されたことを示すための変動情報や、小当たりに当選したことを示すための小当たり情報)を示すための残時短回数コマンドが設定され、その残時短回数コマンドを受信したと判別した場合に、受信した残時短回数コマンドに含まれる更新情報に対応させて時短情報更新エリア223hiに含まれる各種情報が更新される。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側で、現在の遊技状態が時短状態であるか否かだけで無く、時短状態が設定されている場合において、残時短終了条件が成立するまでの残状況を、時短終了条件毎に把握することが可能となる。
この時短情報更新エリア223hi内のデータ領域について具体的に説明をすると、時短情報更新エリア223hiには、時短状態の終了条件になり得る各項目(例えば、第1特別図柄の変動回数、第2特別図柄の変動回数、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを合算した合算変動回数、小当たり当選回数(V入賞装置600の動作を開始した回数)に対応した情報を一時的に格納できるように形成されており、各項目に対して、時短設定情報(時短状態の終了条件が成立する回数)と、時短状態が継続して設定されている期間中における各項目の更新情報(実際に実行された回数を示す情報)と、がそれぞれ格納されるように構成されている。本第33制御例では、この時短情報更新エリア223hiに格納されている更新情報のうち、第2特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件に関する更新情報に基づいて時短状態中の主たる演出態様を決定するように構成している。本第33制御例では、時短状態中に、特別図柄抽選が所定回数実行された場合、或いは、実行された特別図柄抽選の結果が当たり当選となった場合に、時短状態が終了するように構成している。ここで、当たり当選に基づいて時短状態が終了した場合には、当たり遊技を実行することで遊技者に特典が付与されると共に、大当たり遊技終了後に再度時短状態が設定され易くなるように構成している。一方で、特別図柄抽選が所定回数実行されたことに基づいて時短状態が終了した場合には、遊技者に特典を付与すること無く通常状態が設定されるように構成している。
よって、時短状態中の遊技を行っている遊技者は、当たり当選に基づいて成立する時短終了条件では無く、特別図柄抽選が実行された回数に基づいて成立する時短終了条件が成立するまでの残期間に関する情報の提供を所望する。さらに、本第33制御例では、特別図柄抽選が実行された回数に基づいて成立する時短終了条件として、第1特別図柄変動回数と第2特別図柄変動回数とを合算した合算回数に基づいて成立する合算変動時短終了条件と、第2特別図柄変動回数のみに基づいて成立する特図2変動時短終了条件と、を有している。そして、時短状態中において適正な遊技(右打ち遊技)を実行した場合には、合算変動時短終了条件よりも、特図2変動時短終了条件が成立し易くなるように構成している。つまり、時短状態中に実行される特別図柄抽選で当り当選しなかった場合には、特図2変動時短終了条件が最も成立し易くなるように構成している。よって、時短状態が設定されている間は、特図2変動時短終了条件に関する更新情報(主制御装置110にて更新される特図2カウンタ203tiの値に関する情報)に基づいて、当たり当選すること無く時短状態が終了するまでの残期間を示すための演出を実行すると良く、このように構成することで遊技者に対して、時短状態が終了するまでの正確な残期間(時短状態中に実行可能な第2特別図柄変動の残回数)を分かり易く報知することができる。例えば、時短状態中において適正な遊技(右打ち遊技)を実行した場合に、最も成立し易い時短終了条件(特図2変動時短終了条件)が成立するまでの残期間を遊技者に把握させるための演出を実行するように構成しても良いし、時短状態中に実行される遊技内容によって、他の時短終了条件の方が成立し易い状況が発生した場合には、時短状態が終了するまでの残期間を示すための演出に用いられる時短終了条件の種別を切り替えるように構成しても良い。或いは、複数の時短終了条件のそれぞれに対して、各時短終了条件が成立するまでの残期間を報知可能な演出を実行するように構成しても良い。
SW有効時間カウンタ223jiは、遊技者が演出ボタン22aを操作した場合に、その操作が有効となるSW有効時間を計測するためのカウンタである。第3図柄表示装置81において演出ボタン22aを用いる演出(例えば、ファイナルチャレンジ演出)が実行される場合に、SW有効時間カウンタ223jiにSW有効時間に対応するカウンタ値が設定される。SW有効時間カウンタ223jiのカウンタ値は、音声ランプ制御装置113のメイン処理において1ms毎に実行される枠ボタン入力監視・演出実行処理(図1900のS3107I参照)にて減算され、カウンタ値が0の状態となると遊技者の演出ボタン22aへの操作が無効となる。
遊技環境格納エリア223kiは、設定されている遊技環境(音量・光量)に関する情報を格納するためのエリアであり、音量光量調整画面において遊技者によって決定された音量・光量に対応する情報が記憶される。
ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liは、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中であることを示すためのフラグであり、時短状態(普通図柄の高確率状態)において時短最終変動(時短終了条件が成立する特図変動)が開始される場合にオンに設定され(図1907のS4503I参照)、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中に大当たりまたは小当たりに当選した場合、または、特図2保留球数が0の状態で外れ当選の第2特別図柄の変動表示が終了する場合にオフに設定される(図1904のS3506I参照)。
図柄カウンタ223miは、第3図柄表示装置81の表示画面における左図柄列Z1に停止表示する第3図柄の図柄態様を決定するために用いられるカウンタである。図柄カウンタ223miは、「1~7」の範囲で繰り返し更新されるループカウンタであり、特別図柄変動が実行される場合に1加算される。本第33制御例では、この図柄カウンタ223miのカウンタ値に応じて第3図柄の図柄態様が決定される。具体的には、図1875に示す図柄態様確定テーブル222giから図柄態様を決定する。ここで、図1875を参照して、図柄態様決定テーブル222giの内容について説明する。図1875は、図柄態様決定テーブル222giの規定内容を模式的に示した図である。図1875に示した通り、図柄カウンタ222giのカウンタ値と、特別図柄の抽選結果と、大当たり種別に応じて第3図柄の図柄態様と、図柄キャラがそれぞれ規定されている。具体的には、図柄カウンタ222giのカウンタ値が「1」である場合には、特別図柄の抽選結果に関わらず図柄態様として1図柄D1が、図柄キャラとして「タコ」が決定される。図柄カウンタ222giのカウンタ値が「2」である場合には、特別図柄の抽選結果に関わらず図柄態様として2図柄D2が、図柄キャラとして「フグ」が決定される。図柄カウンタ222giのカウンタ値が「3」である場合には、特別図柄の抽選結果に関わらず図柄態様として3図柄D3が、図柄キャラとして「カメ」が決定される。図柄カウンタ222giのカウンタ値が「4」である場合には、特別図柄の抽選結果に関わらず図柄態様として4図柄D4が、図柄キャラとして「サメ」が決定される。図柄カウンタ222giのカウンタ値が「5」である場合には、特別図柄の抽選結果に関わらず図柄態様として5図柄D5が、図柄キャラとして「エビ」が決定される。図柄カウンタ222giのカウンタ値が「6」である場合には、特別図柄の抽選結果に関わらず図柄態様として6図柄D6が、図柄キャラとして「アンコウ」が決定される。図柄カウンタ222giのカウンタ値が「7」である場合には、特別図柄の抽選結果が大当たり当選であり、大当たり種別が「大当たりA」である場合には図柄態様として7図柄D7が、図柄キャラとして「ジュゴン」が決定される。一方、図柄カウンタ222giのカウンタ値が「7」である場合であっても、大当たり種別が「大当たりA」ではない場合には図柄態様として8図柄D8が、図柄キャラとして「熱帯魚」が決定される。上述したように、図柄カウンタ223miは、特図変動が実行される場合に1加算されるため、例えば、左図柄列Z1に1図柄D1が停止表示された特図変動の終了後、7回目の特図変動において再び左図柄列Z1には1図柄D1が停止表示されることとなる。このため、特図変動が7回実行される毎に、遊技者に対してチャンスゾーン演出(左図柄列Z1に1図柄D1が停止表示される場合にのみ実行される演出)が実行されるかもしれないと期待させることができる。また、左図柄列Z1に6図柄D6が停止表示された特図変動の終了後、次に実行される特図変動において左図柄列Z1に7図柄D7が停止表示されると大当たりAに当選したことが確定するため、遊技者に第3図柄の図柄態様に対して興味を持たせることが可能となる。
図1869に戻り、説明を続ける。図柄情報格納エリア223niは、第3図柄表示装置81の表示画面における各図柄列Z1~Z3に停止表示させる第3図柄の図柄態様に関する情報を格納するためのエリアである。図柄情報格納エリア223niは、停止表示させる第3図柄の図柄態様に関する情報を左図柄列Z1、中図柄列Z2、右図柄列Z3で個別に格納可能な格納エリアを有している。そして、各図柄列Z1~Z3に対応する各格納エリアに格納されている情報は、特図変動において新たに第3図柄の図柄態様が決定されるまでは消去されない(特図変動において新たに第3図柄の図柄態様が決定される場合に上書きされる)ため、前回の特図変動において各図柄列Z1~Z3に停止表示された第3図柄の図柄態様を参照することが可能である。これにより、同一図柄停止演出を実行する際には、図柄カウンタ223miのカウンタ値によらずに第3図柄の図柄態様を決定することができる。
タイマー演出実行フラグ223oiは、上述したタイマー秒数決定演出(図1852、図1853参照)が終了し、タイマーTm1のカウントダウン演出が実行されていることを示すためのフラグである。このタイマー演出実行フラグ223oiがオンに設定されている場合には、音声ランプ制御装置113のメイン処理における演出更新処理(図1915のS3112I参照)においてタイマー演出更新処理(図1915のS3605I)が実行される。
楽曲演出実行フラグ223piは、上述した楽曲演出(図1849参照)の楽曲演出シナリオが演出情報格納エリア223uiに格納されていることを示すためのフラグである。なお、本第33制御例では、1の特図変動において、変動演出として複数の演出が重複して実行される場合がある。例えば、1の特図変動においてタイマー演出と楽曲演出が実行される場合がある。そして、タイマー演出(タイマー秒数決定演出と、カウントダウン演出)では、各表示位置Hi1~Hi5に表示するタイマー秒数や、最終的にタイマーTm1に設定するタイマー秒数、タイマー秒数が0秒となった場合に表示される報知態様といった演出情報があり、楽曲演出では決定された楽曲演出シナリオといった演出情報があるため、演出情報格納エリア223uiは演出毎の演出情報を格納可能に構成している。楽曲演出実行フラグ223piは、音声ランプ制御装置113における楽曲演出設定処理(図1913のS4606I参照)において、楽曲演出のシナリオが決定された後にオンに設定され(図1913のS5003I)、楽曲演出更新処理(図1918のS3607I参照)において、楽曲演出シナリオにおける楽曲再生終了タイミングであると判別した場合にオフに設定される(図1918のS3908I)。
ボタン押下フラグ223qiは、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中に演出ボタン22aが押下されたことを示すためのフラグである。このボタン押下フラグ223qiは、枠ボタン入力監視・演出処理(図1900のS3107I参照)において、SW有効期間中に演出ボタン22aへの操作があり、かつ、ファイナルチャレンジ演出の実行中であると判別した場合にオンに設定され、ファイナルチャレンジ実行中処理(図1921のS3613I参照)においてオフに設定される。なお、枠ボタン入力監視・演出実行処理(図1900のS3107I参照)とファイナルチャレンジ実行中処理は、音声ランプ制御装置113のメイン処理において1ms毎に実行される演出更新処理(図1915のS3601I参照)の一処理であるため、遊技者が演出ボタン22aを短期間で連打した場合であっても、ボタン押下フラグ223qiは毎回オンに設定されることとなる。これにより、ファイナルチャレンジ実行中処理では、遊技者が演出ボタン22aを操作する度にボタン保留図柄態様を異なる態様(×態様またはV態様)へと可変させることが可能である。
シナリオカウンタ223riは、1の特図変動において予め規定されたタイミングで変動演出を実行するために用いられるカウンタである。シナリオカウンタ223riのカウンタ値は、特図変動が実行される場合にリセット(カウンタ値が0に設定)され、演出更新処理(図1915のS3112I参照)において1加算される(S3601I)。なお、本第33制御例では、1の特図変動において複数の演出を実行可能であるが、各演出を実行する処理(例えば、秒数決定演出更新処理や、楽曲演出更新処理)では、このシナリオカウンタ223riのカウンタ値に基づいて演出シナリオに規定された処理を実行する。
図柄変更演出実行フラグ223siは、図柄変更演出(図1845参照)の実行が決定されたことを示すためのフラグであり、リーチ図柄変更演出設定処理(図1914のS4607I参照)において、図柄変更演出の実行が決定された場合にオンに設定され(S5105I)、図柄変更演出実行処理(図1920のS3611I参照)において、リーチタイミングであると判別した場合に(S4101I:Yes)、オフに設定される(S4105I)。押下回数カウンタ223tiは、演出ボタン22aが押下された回数を計測するためのカウンタである。上述したように、本第33制御例のファイナルチャレンジ演出では、全てのボタン保留図柄態様が異なる態様(×態様、またはV態様)へと可変した後に、遊技者が演出ボタン22aの押下を継続すると、その押下した回数に応じて異なる演出が実行される構成である。このため、遊技者が演出ボタン22aを押下した場合には、ファイナルチャレンジ演出実行中処理(図1921のS3613I参照)の一処理である開示後演出実行処理(図1922のS4213I参照)において、押下回数カウンタ223tiのカウンタ値に1加算され、そのカウンタ値によって実行する演出内容を異ならせる構成としている。なお、押下回数カウンタ223tiのカウンタ値は、図柄確定コマンド処理(図1904のS3214I参照)においてファイナルチャレンジ演出の実行期間中に大当たり(又は小当たり)に当選した場合、または、特図2保留球が存在しない状態で特図変動が終了する場合にオフに設定される。
再セットフラグ223viは、タイマー演出における報知態様として「再セット」が報知され、演出実行カウンタ223abiにタイマー秒数が再設定されたことを示すためのフラグである。再セットフラグ223viがオンに設定されている場合には、演出実行カウンタ223abiのカウンタ値が0となった場合に、再セット用報知態様設定テーブル222fiから報知態様が新たに決定される。保留図柄情報格納エリア223wiは、各保留球に対応する保留図柄の態様に関する情報を格納するためのエリアである。入賞情報格納エリア223aiと同様に、1つの実行エリアと、第1特別図柄に対応する4つのエリア(特図1用第1エリア~特図1用第4エリア)と、第2特別図柄に対応する1つのエリア(特図2用第1エリア~特図2用第4エリア)を有しており、入賞情報コマンド処理(図1902のS3210I参照)において決定された保留図柄態様に対応する保留図柄情報が格納される。保留図柄情報格納エリア223wiに格納されている各保留図柄情報のうち、実行エリアに格納されている保留図柄情報は、主制御装置110から図柄確定コマンドを受信した場合に実行される図柄確定コマンド処理(図1904のS3214I参照)において消去され、その他の各エリアに格納されている保留図柄情報は、変動演出設定処理(図1906のS4304I参照)においてそれぞれ1つ若い番号にシフトする。本第33制御例では、この保留図柄情報格納エリア223wiに格納されている保留図柄情報によって、ファイナルチャレンジ演出実行中処理(図1921のS3613I参照)においてボタン保留図柄態様か否かを判別可能である。
V態様表示フラグ223xiは、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中にV態様の保留図柄が表示されていることを示すためのフラグである。上述したように、本第33制御例のファイナルチャレンジ演出では、保留球内に大当たり当選の保留球が存在し、かつ、全ての保留図柄が×態様で表示されている場合に、遊技者が所定回数(4回)の演出ボタン22aの操作を行うことで特殊復活演出(図1859(b)参照)が実行される構成である。このため、全てのボタン保留図柄が異なる態様へと可変した状態で保留球内に大当たり当選する保留球がある場合であっても、V態様の保留図柄が表示されている場合(V態様表示フラグ223xiがオンに設定されている場合)には、遊技者が演出ボタン22aを4回押下しても特殊復活演出は実行されない。このように、全ての保留図柄が×態様で表示された場合にのみ特殊復活演出を実行可能にすることで、全て×態様で表示された場合に遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。このV態様表示フラグ223xiは、ファイナルチャレンジ実行中処理(図1921のS3613I参照)において、保留図柄態様としてV態様が決定された場合にオンに設定され(S4211I)、図柄確定コマンド処理(図1904のS3214I参照)においてオフに設定される。
左停止フラグ223yiは、チャンスゾーン演出において左図柄列Z1に特殊1図柄D1aを停止表示させることが設定されていることを示すためのフラグである。上述したように、チャンスゾーン演出が実行される場合には左図柄列Z1に特殊1図柄D1aが停止表示される場合と、右図柄列Z3に特殊1図柄D1aが停止表示される場合と、があり、本第33制御例では、左停止フラグ223yiがオンに設定されているか否かによって、特殊1図柄D1aとチャンスゾーンアイコンAk1(図1848(b)参照)の表示タイミングを異ならせている。左停止フラグ223yiは、チャンスゾーン演出設定処理(図1911の4604I参照)において、チャンスゾーン演出の態様として左図柄列Z1に特殊1図柄D1aが停止表示される態様が決定された場合にオンに設定され(S4806I)、チャンスゾーン演出実行処理(図1919のS3609I参照)において、左図柄列Z1に第3図柄が停止表示されるタイミングであると判別された場合にオフに設定される。
秒数決定演出実行フラグ223aaiは、タイマー秒数決定演出の実行期間中であることを示すためのフラグである。この秒数決定演出実行フラグ223aaiがオンに設定されている場合には、音声ランプ制御装置113のメイン処理の一処理である演出更新処理(図1915のS3112I参照)において秒数決定演出更新処理(S3603I)が実行される。秒数決定演出実行フラグ223aaiは、タイマー演出設定処理(図1912のS4605I参照)においてタイマー演出ありの演出態様が決定された場合にオンに設定され(S4905I)、秒数決定演出更新処理(図1916のS3603I参照)においてタイマー秒数決定演出の演出シナリオの終了タイミングであると判別された場合に(S3701I:Yes)、オフに設定される。
演出実行カウンタ223abiは、タイマー演出の一演出であるカウントダウン演出が開始されてから報知態様が報知されるまでの時間を計測するためのカウンタである。タイマー秒数決定演出が終了する場合にタイマー演出態様に対応するカウンタ値が設定され、1ms毎に実行される演出更新処理の一処理であるタイマー演出更新処理(図1917のS3605I参照)において更新される。その他メモリエリア223ziは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
次に、図1879を参照して、本第33制御例におけるパチンコ機10の表示制御装置114の電気的構成について説明をする。図1879は、表示制御装置114の電気的構成を模式的に示したブロック図である。図1879に示した通り、本第33制御例におけるパチンコ機10の表示制御装置114は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に同一であるため、その詳細な説明を省略する。
<第33制御例における主制御装置により実行される制御処理について>
次に、図1880から図1897のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。本第33制御例では、上述した通り、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)と、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)と、を共に記憶している状態において、第2特別図柄抽選を優先的に実行するように構成している。また、第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選の何れにおいても、抽選結果として大当たり当選以外に、外れの一部において小当たり当選を判定可能に構成している。そして、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に、第2可変入賞装置650内に配設された特定領域(V領域)650e3に遊技球を通過(V入賞)させることにより、V入賞に基づく大当たり遊技(V大当たり遊技)の実行条件が成立し、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技を実行可能に構成している。また、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成し、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(図柄大当たり遊技)の一部、或いは、小当たり当選に基づいて実行されるV大当たり遊技の終了後に時短状態を設定可能に構成している。そして、時短状態が設定された場合には、通常状態が設定された場合よりも、第2特別図柄抽選を実行し易くなるように構成し、第2特別図柄抽選を、第1特別図柄抽選よりも、小当たり当選する確率が高くなるように規定することで、第1特別図柄抽選よりも、第2特別図柄抽選の方が、大当たり遊技(図柄大当たり遊技、V大当たり遊技)が実行され易くなるように構成している。
そして、設定された時短状態を終了させるための時短終了条件として、複数の時短終了条件を設定可能に構成し、時短状態中に無用に多くの第1特別図柄抽選が実行されることを抑制すると共に、時短状態中に規定された回数(例えば、10回)の第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。また、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利となる第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留球)を所定個数(4個)を上限に獲得可能に構成しており、時短状態が終了し、通常状態が設定された後も、時短状態中に獲得した特図2保留球に基づく第2特別図柄抽選を所定回数(4回)実行させることができるように構成している。このように構成された第33制御例におけるパチンコ機10では、初期状態である通常状態において、第1特別図柄抽選を実行させるための左打ち遊技によって、第1特別図柄抽選で大当たり当選し図柄大当たり遊技が実行されることを目指す遊技が行われ、図柄大当たり遊技の終了後に時短状態が設定された場合には、右打ち遊技によって第2特別図柄抽選を実行させ、小当たり当選に基づいてV大当たり遊技が実行されることを目指す遊技が行われる。また、時短状態の終了条件が成立し、通常状態(初期状態)が設定される場合であっても、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させるために、時短状態が終了する直前まで継続して右打ち遊技が行われる。図1880は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101I)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102I)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では65536)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では299)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5、の更新を実行する(S103I)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、65535,99,99,299,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4,C5の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104I)。その後、第1入球口64への球の入球(始動入賞)や第2入球口640への球の入球(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105I)。尚、特別図柄変動処理(S104I)、始動入賞処理(S105I)の詳細は、図1881~図1888を参照して後述する。
始動入賞処理(S105I)を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106I)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107I)。尚、普通図柄変動処理(S106I)、及び、スルーゲート通過処理(S107I)の詳細は、図1889および図1890を参照して後述する。スルーゲート通過処理(S107I)を実行した後は、V入口通過処理を実行し(S108I)、その後、V通過処理(S109I)を実行する。ここで、V入口通過処理(S108I)、V通過処理(S109I)の詳細については図1891及び図1892を参照して後述する。V通過処理(S109I)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S110I)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S111I)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理(S110I)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。次に、図1881を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104I)を説明する。図1881は、この特別図柄変動処理(S104I)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図1881のS104I参照)は、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定(当否判定)や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37に変動表示を可能に制御したり、設定されている遊技状態の移行管理制御を実行したり、第3図柄表示装置81にて第3図柄、第4図柄の変動表示演出を実行させるための各種コマンドを設定したり、判定結果(当否判定結果)を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図1881のS104I参照)について説明する。
この特別図柄変動処理(S104I)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であるかを判別する(S201I)。具体的には、大当たり中フラグ203kiがオンであるかを判別する。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であれば(S201I:Yes)、そのまま本処理を終了する。S201Iの処理において、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)ではないと判別した場合は(S201I:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202I)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202I:No)、即ち、新たな特別図柄抽選(変動)を実行可能な状態であれば、第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)と、第2特別図柄保留球数カウンタ203eiの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S203I)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203eiの値(N2)が0よりも大きいかを判別する(S204I)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eiの値(N2)が0でなければ(S204I:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eiの値(N2)を1減算し(S205I)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eiの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206I)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eiの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223ciに格納する。S206Iの処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203biに格納されたデータをシフトする(S207I)。S207Iの処理では、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる処理を行いS209Iの処理へ移行する。
一方、S204Iの処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eiの値(N2)が0である場合は(S204I:No)、S203Iの処理で取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値(N1)が0よりも大きいかを判別する(S211I)。S211Iの処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値(N1)が0であると判別した場合は(S211I:No)、新たに特別図柄抽選を実行させることが可能なデータを保有していない状態であるため、そのまま本処理を終了する。一方、S211Iの処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S211I:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値(N1)を1減算し(S212I)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値を示す保留球数コマンドを設定する(S213I)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223biに格納する。
S212Iの処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aiに格納されたデータを、S207Iの処理と同一の手法によりシフトして(S214I)、処理をS209Iの処理へと移行する。S207I、またはS214Iの処理後に実行されるS209Iの処理では、特別図柄判定処理を実行し(S209I)、次いで、特別図柄変動パターン選択処理を実行し(S210I)、その後、本処理を終了する。この特別図柄判定処理(S209I)および特別図柄変動パターン選択処理(S210I)の詳細については図1882及び図1883を参照して後述する。S202Iの処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202I:Yes)、次いで、変動時間が経過したか否かを判別する(S215I)。変動時間が経過していなければ(S215I:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S216I)、その後、本処理を終了する。S216Iの処理では、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間カウンタの値が更新され、更新後の変動時間カウンタの値に対応させて第1図柄表示装置81の表示が更新される。この変動時間カウンタには、特別図柄変動パターン選択処理(S210I)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値が、特別図柄変動の開始タイミングでセットされ、その後、S216Iの処理を実行する毎に更新(減算)される。
一方、S215Iの処理で変動時間が経過したと判別された場合は(S215I:Yes)、即ち、S216Iの処理で更新された変動時間カウンタの値が0である場合は、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S217I)。停止図柄の設定は、特別図柄変動パターン選択処理(S210I)によって予め行われる。この特別図柄変動パターン選択処理(S210I)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて、今回の特別図柄抽選の結果が大当たり、小当たり、外れの何れであるかが決定されると共に、抽選結果が大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たり種別として大当たりA~大当たりDのいずれかが決定される。また、抽選結果が小当たりである場合には、小当たり種別カウンタC5の値に応じて小当たり種別として小当たりA~小当たりCのいずれかが決定される。尚、本第33制御例では、特別図柄抽選の結果が、大当たりAが設定された大当たりである場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBが設定された大当たりである場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCが設定された大当たりである場合には、緑色のLEDを点灯させる。そして、大当たりDの大当たり種別に対しても、識別可能な点灯態様(表示態様)で各LEDを点灯表示するように構成している。また、小当たりAが設定された小当たりである場合には、第1図柄表示装置37において赤色のLEDと青色のLEDとを点灯させ、小当たりBが設定された小当たりである場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDと緑色のLEDとを点灯させ、小当たりCが設定された小当たりである場合には、第1図柄表示装置37において赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させ、外れである場合には赤色のLEDと青色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
つまり、第1図柄表示装置37は、特別図柄抽選の結果を示すための表示態様として、特別図柄抽選の結果(大当たり、小当たり、外れ)だけで無く、当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)した場合に設定される当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に応じて異なる表示態様を表示するように構成している。このように構成することで、第1図柄表示装置37に表示されている表示態様を把握することで、特別図柄抽選の結果を詳細に把握させることができる。なお、本第33制御例では、上述した通り、第1図柄表示装置37に表示される表示態様と、特別図柄抽選の結果と、を遊技者が対応付けることが困難となるように構成している。つまり、何れの抽選結果である場合にも表示されている表示態様(各LEDの点灯態様)を組み合わせて特別図柄抽選の結果を表示するように構成している。また、第1図柄表示装置37では、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が実行されている間は、各LEDを点滅表示させるだけであり、今回の特別図柄抽選の結果を示唆するための示唆態様が、特別図柄変動が停止表示されるまでの間に表示されないように構成している。また、特別図柄変動が停止表示されたタイミングにて特別図柄抽選の結果を示すための表示態様が表示(各LEDを点灯表示)するように構成しているため、抽選結果を示すための表示態様が表示される期間が短くなるように構成している。このように構成することで、第1図柄表示装置37の表示態様に基づいて特別図柄抽選の結果を遊技者が把握することは困難となるため、特別図柄変動と同期して実行される第3図柄変動に基づく変動演出が実行される第3図柄表示装置81の表示画面に遊技者を注視させ易くすることができる。なお、本第33制御例では、第1図柄表示装置37に表示される抽選結果を示すための表示態様として、複数の発光色を有するLEDの点灯状態の組合せを用いているが、これに限ること無く、同一色に点灯する複数のLEDを設け、点灯させるLEDの組合せによって実行された特別図柄抽選の結果、及び、当たり種別を表示可能に構成しても良い。
S217Iの処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(S218I)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであると判別した場合は(S218I:Yes)、大当たり開始フラグ203jiをオンに設定し(S219I)、時短カウンタ203hiの値をクリア(0に設定)し(S220I)、今回の特別図柄変動を停止表示したことを示すための特図確定コマンドを設定し(S221I)、本処理を終了する。一方、S218Iの処理において、特別図柄の大当たりでは無いと判別した場合は(S218I:No)、次に、今回の抽選結果が特別図柄の小当たりであるかを判別し(S222I)、小当たりであると判別した場合は(S222I:Yes)、小当たり開始設定処理を実行し(S223I)、その後、時短更新処理を実行し(S224I)、上述したS221Iの処理を実行し、本処理を終了する。また、S222Iの処理において、今回の抽選結果が小当たりでは無いと判別した場合は(S222I:No)、S223Iの処理をスキップして時短更新処理を実行し(S224I)、S221Iの処理へ移行する。なお、S223Iの処理において実行される小当たり開始設定処理(S223I)の詳細な内容については、図1884を参照して後述し、S224Iの処理において実行される時短更新処理(S224I)の詳細な内容については、図1885を参照して後述する。
S221Iの処理によって設定される特図確定コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理(図1895のS1801I参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図確定コマンドを受信すると、実行中の変動演出(第3図柄変動)を停止表示させるための処理を実行する。このように構成することで、例えば、変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、変動パターンコマンドに含まれる特別図柄変動の変動時間に対応させて変動演出を実行した後に、パチンコ機10への電力供給が遮断(停電等)され、音声ランプ制御装置113側で、特別図柄変動の残変動時間を管理できなくなった場合であっても、電源復旧後に出力される特図確定コマンドを受信することによって、実行中の第3図柄変動を確実に停止表示させることができる。次に、図1882を参照して、特別図柄判定処理(S209I)の処理内容について説明をする。図1882は、特別図柄判定処理(S209I)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄判定処理(S209I)では、特別図柄抽選における当たり判定(大当たり判定、小当たり判定)が実行される。
特別図柄判定処理(S209I)が実行されると、まず、特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(S301I)、第1当たり乱数テーブル202aiに基づいて抽選結果を取得し(S302I)、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(S303I:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S304I)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S305I)、本処理を終了する。一方、抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S303I:No)、次に、抽選結果が小当たりであるかを判別し(S306I)、抽選結果が小当たりであると判定した場合は(S306I:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S307I)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の小当たり図柄をセットし(S308I)、本処理を終了する。また、S306Iの処理において小当たりでは無いと判定した場合、即ち、今回の特別図柄抽選の結果が外れである場合は(S306I:No)、そのまま本処理を終了する。次に、図1883を参照して、特別図柄変動処理(図1881のS104I)の一処理である特別図柄変動パターン選択処理(S210I)について説明する。図1883はこの特別図柄変動パターン選択処理(S210I)を示すフローチャートである。特別図柄変動パターン選択処理(S210I)では、まず、特別図柄判定処理(図1882のS209I参照)において、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S401I)。
S401Iの処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S401I:Yes)、大当たり種別選択テーブル202biと、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(S402I)。次いで、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(S403I)、遊技状態格納エリア203giに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、時短状態)に対応した変動パターン選択テーブル202diを読み出す(S404I)。そして、S403Iの処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S404Iの処理で読み出した変動パターン選択テーブル202diとに基づいて変動パターンを選択し(S405I)、S405Iの処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S406I)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理(図1895のS1801I参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S407I)、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S408I)、本処理を終了する。S407Iの処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理(図1895)の外部出力処理(図1895のS1801I参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
一方、S401Iの処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S401I:No)、次に、特別図柄の抽選結果が小当たりであるかを判別し(S409I)、小当たり当選であると判別した場合は(S409I:Yes)、小当たり種別選択テーブル202fiと、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、小当たり種別を決定する(S410I)。そして、上述したS403Iの処理へ移行する。また、S409Iの処理において、特別図柄の抽選結果が小当たりでは無い(外れである)と判別した場合には(S409I:No)、S410Iの処理をスキップしてS403Iの処理へ移行する。次に、図1884を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開始設定処理(S223I)について説明する。図1884は、小当たり開始設定処理(S223I)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理(S223I)は、タイマ割込処理(図1880参照)の特別図柄変動処理(図1881のS104I参照)の中で実行される処理であり、小当たり種別(小当たりA,B,C)に基づいて、小当たり遊技の開始を設定し、当選した小当たりに応じて時短情報を更新するための処理(当選回数終了条件に対する更新処理)が実行される。ここで、本パチンコ機10は、小当たり遊技が開始されると第2可変入賞装置(V入賞装置)650を遊技球が入賞可能(容易)な開放状態に可変し、そのV入賞装置650に入賞した球が特定領域(V入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3)を通過することで、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行(設定)されるよう構成されている。即ち、小当たり遊技が実行される遊技状態は、V入賞装置650に球が入賞可能となる(賞球を得ることが出来る)有利状態、且つ、通常遊技状態に比べて大当たり遊技が実行される可能性が高くなる有利状態となるよう構成されている。
小当たり開始設定処理(S223I)が実行されると、まず、小当たり種別と対応した開放シナリオを設定する(S501I)。その後、V通過大当たり種別格納エリア203piに小当たり種別に応じた大当たり種別を設定する(S502I)。より具体的には、小当たり種別と小当たり種別選択テーブル202fiに基づいて、V通過大当たり種別(小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に設定(実行)される大当たり遊技)を判別する。上述したように、小当たり種別がAであれば、大当たりA(3ラウンド時短254回大当たり)であると判別し、小当たり種別がBであれば、大当たりC(10ラウンド時短10回大当たり)であると判別する。このように、2種当たりを獲得した場合に、大当たり種別を設定し、設定された大当たり種別に基づいて大当たり遊技を開始させる処理を実行することで、1種当たりに当選した場合と、2種当たりを獲得した場合とで、大当たり遊技に関する処理を共通化することができ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。なお、本第33制御例の構成に限ること無く、1種当たりに当選した場合のみ、或いは、2種当たりに当選した場合のみ、実行され得る大当たり遊技を設定可能に構成しても良いし、1種当たりと2種当たりとで異なる大当たり遊技処理を実行するように構成しても良い。図1884に戻り、説明を続ける。S502Iの処理を終えると、次いで、小当たり種別に基づいて、小当たりの開始を設定し(S503I)、小当たり開始フラグ203niと小当たり中フラグ203oiをオンに設定する(S504I)。その後、本処理を終了する。
次に、図1885を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される時短更新処理(S224I)について説明する。図1885は、時短更新処理(S224I)を示したフローチャートである。この時短更新処理(S224I)は、タイマ割込処理(図1880参照)の特別図柄変動処理(図1881のS104I参照)の中で実行される処理であり、時短回数を更新し、遊技状態を通常状態に設定するための処理である。時短更新処理(S224I)では、まず、時短カウンタ203hiの値が0よりも大きいか、即ち、現在が時短中であるかを判別する(S601I)。S601Iの処理において、時短カウンタ203hiの値が0よりも大きくない(0である)、即ち、時短中ではないと判別した場合は(S601I:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短カウンタ203hiの値が0よりも大きい、即ち、時短中であると判別した場合は(S601I:Yes)、時短カウンタ203hiの値を1減算し(S602I)、S603Iの処理へ移行する。S603Iの処理では、演算により変更された(1減算された)時短カウンタ203hiの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S603I)。ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理(図1895参照)の外部出力処理(S1801I)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。その後、時短カウンタ203hiの値が0であるかを判別する(S604I)。時短カウンタ203hiの値が0であると判別した場合は(S604I:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S605I)、小当たりカウンタ203siおよび特図2カウンタ203tiの値を0に設定する(S606I)。次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S607I)、本処理を終了する。
一方、S604Iの処理において、時短カウンタ203hiの値が0ではないと判別した場合は(S604I:No)、今回実行された特別図柄変動が特図2変動(第2特別図柄変動)であるかを判別し(S608I)、特図2変動であると判別した場合は(S608I:Yes)、特図2カウンタ203tiの値を1減算し(S609I)、減算後の特図2カウンタ203tiの値を示す残時短回数コマンドを設定し(S610I)、減算後の特図2カウンタ203tiの値が0であるかを判別する(S611I)。S611Iの処理において、特図2カウンタ203tiの値が0であると判別した場合は(S611I:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S612I)、時短カウンタ203hiおよび小当たりカウンタ203siの値を0に設定する(S613I)。次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S614I)、本処理を終了する。また、S608Iの処理において、今回実行された特別図柄変動が特図2変動(第2特別図柄変動)では無いと判別した場合(S608I:No)、或いは、S611Iの処理において、減算後の特図2カウンタ203tiの値が0では無いと判別した場合(S611I:No)は、小当たり時短更新処理を実行し(S615I)、本処理を終了する。次に、図1885を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり時短更新処理(S615I)について説明する。図1885は、小当たり時短更新処理(S615I)の内容を示したフローチャートである。この小当たり時短更新処理(S615I)は、タイマ割込処理(図1880参照)の特別図柄変動処理(図1881のS104I参照)の時短更新処理(図1885のS224I参照)の中で実行される処理であり、当選した小当たりに基づいて時短情報を更新し、時短終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと更新するための処理である。
小当たり時短更新処理(S615I)では、まず、小当たり当選したかを判別し(S701I)、小当たり当選していないと判別した場合は(S701I:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S701Iの処理において、小当たり当選していると判別した場合は(S701I:Yes)、小当たりカウンタ203siの値を1減算し(S702I)、小当たりカウンタ203siの値が0であるかを判別する(S703I)。S703Iの処理において、小当たりカウンタ203siの値が0であると判別した場合は(S703I:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S704I)、時短カウンタ203hi、および特図2カウンタ203tiの値を0に設定する(S705I)。次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S706I)、本処理を終了する。一方、S703Iの処理において、小当たりカウンタ203siの値が0では無いと判別した場合は(S703I:No)、小当たり当選回数に基づく時短終了条件が成立していない状態であるため、上述したS704I~S706Iの処理を実行すること無く本処理を終了する。なお、本第33制御例では、複数の時短終了条件のうち、何れかの終了条件が成立した場合に、複数の時短終了条件のそれぞれに対応する時短情報を更新するための各種カウンタの値を0(時短終了条件が成立したことを示す値)に設定するように構成するだけであるため、時短状態が終了した後に、前回の時短状態がどの時短終了条件が成立して終了したのかを判別することができないが、例えば、成立した時短終了条件を記憶可能な記憶手段を設け、過去に成立した時短終了条件の種別や成立回数を判別可能に構成しても良い。
このように構成することで、例えば、成立し易い時短終了条件を、設計値から算出した算出結果と、実際の成立回数とに基づいて決定し、その決定した内容に基づいて遊技者に成立し易い時短終了条件を示唆(報知)するように構成することができる。さらに、1の時短終了条件が成立した場合における他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況(例えば、時短カウンタ203hiの値が0になった時点における小当たりカウンタ203si、特図2カウンタ203tiの各値)を記憶可能に構成し、最も成立し難い時短終了条件、即ち、複数の時短終了条件のうち、1の時短終了条件が成立した時点において、最も大きな値の時短情報を有する時短終了条件を判別するように構成しても良い。以上、説明をしたとおり、第33制御例では、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件(変動回数終了条件)の成立の有無は、時短更新処理(図1885参照)により判別され、特別図柄の小当たり当選の当選回数に基づいて成立する時短終了条件(当選回数終了条件)の成立の有無は、小当たり時短更新処理(図1885参照)により判別されるように構成している。そして、何れの処理において、複数設定される時短終了条件うち、何れかの終了条件が成立した場合には、他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すための各種カウンタの値を全て時短終了条件が成立した状態を示すための値(0)に設定するように構成している。よって、何れの時短終了条件が成立した場合においても、時短状態を終了させるための処理内容を統一することができる。
なお、本第33制御例では、各時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すために、時短状態が設定されたタイミングで各種カウンタに、各時短終了条件を示す値を設定し、各時短終了条件に対応する時短情報を判別した場合に、各種カウンタの値を減算し、減算した値が0となった場合に、対応する時短終了条件が成立したと判別する構成を用いているが、それ以外にも、時短状態が設定された時点で各種カウンタの値を0にセットし、対応する時短情報を判別した場合に、カウンタの値を1加算し、加算後のカウンタの値が時短終了条件を示す値であると判別した場合に時短状態を終了するように構成しても良い。つまり、時短終了条件の成立の有無を判別する手段と、時短状態が設定されている状態において、各種時短終了条件に対応する時短情報(特別図柄の変動回数や小当たり当選回数等)を更新する更新手段と、を設ける構成であれば良い。次に、図1887を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図1880参照)の一処理である始動入賞処理(S105I)を説明する。図1887は、この始動入賞処理(S105I)を示すフローチャートである。始動入賞処理(S105I)は、第1入球口64、第2入球口640のいずれかに遊技球が入球(始動入賞)したかを判別して、始動入賞した場合には、保留上限個数(第1入球口64は最大4個、第2入球口640は最大1個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aiまたは第2特別図柄保留球格納エリア203biにそれぞれ格納する処理である。また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203aiまたは第2特別図柄保留球格納エリア203biにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aiまたは第2特別図柄保留球格納エリア203biのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理(所謂、先読み処理)が実行される。以下、始動入賞処理(図1887のS105I)について説明する。
始動入賞処理(S105I)では、まず、球が第1始動口である第1入球口64に入球(始動入賞)したか否かを判別する(S801I)。ここでは、第1入球口64内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。球が第1入球口64に入球した(始動入賞があった)と判別した場合は(S801I:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値(N1)を取得し(S802I)、その取得した値(N1)が4未満であるかを判別する(S803I)。つまり、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別した場合には(S803I:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値(N1)を1加算し(S804I)、音声ランプ制御装置113に対して第1入球口64の保留個数(第1特別図柄の抽選権利保留数)を通知するための保留球数コマンドを設定する(S805I)。そして、各種カウンタ値(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1)の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aiの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)し(S806I)、先読み処理を実行し(S807I)、S808Iの処理へ移行する。また、S801Iの処理で球が第1入球口64に入球していないと判別した場合(S801I:No)、或いは、S803Iの処理で、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値であると判別した場合(S803I:No)は、第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値(N1)を加算する処理をスキップして、S808Iの処理へ移行する。次に、S808I~S814Iまでの各処理については、S801I~S807Iまでの各処理で実行された第1始動口(第1入球口64)への球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2入球口640に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。
先読み処理(S807I,S814I)については、図1888を参照して後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aiまたは第2特別図柄保留球格納エリア203biに記憶された各カウンタ値から当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。なお、本第33制御例では、新たに記憶された各カウンタ値に基づいて当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、新たな始動入賞があった場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aiまたは第2特別図柄保留球格納エリア203biに記憶(格納)されている全ての保留記憶に対して当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しても良い。また、本第33制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aiまたは第2特別図柄保留球格納エリア203biに新たな情報(入賞情報)を格納する場合、即ち、特別図柄の抽選権利を新たに獲得した場合に、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別する構成としているが、これに限ること無く、例えば、球がスルーゲート67を通過した場合や、普通図柄の抽選結果に応じて、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別するように構成しても良い。
上述した通り、本第33制御例では、第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値(N1)または第2特別図柄保留球数カウンタ203eiの値(N2)を加算した場合に、加算された入賞に関する情報(入賞情報)に基づいた先読み処理(S813I)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、S803Iの処理で第1特別図柄保留球数カウンタ203diの値(N1)が上限数(4)であると判別した場合(S803I:No)、即ち、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に先読み処理(S813I)を実行することができるように構成しても良い。これにより、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態においても、先読み処理を実行させるために遊技者に継続して遊技を行わせることができる。また、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に付加価値を付与することができるため、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球が入球した際に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。次に、図1888を参照して、始動入賞処理(図1887のS105I)の一処理である先読み処理(S807I)について説明する。図1888は、この先読み処理(S807I)を示すフローチャートである。先読み処理(S807I)では、まず、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aiまたは第2特別図柄保留球格納エリア203biに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を読み出す(S901I)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(第1特別図柄保留球格納エリア203aiまたは第2特別図柄保留球格納エリア203biに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(S902I)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(S902I:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、大当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S903I)、その後、本処理を終了する。一方、S902Iの処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S902I:No)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、当否判別結果が小当たりであるかを判別し(S904I)、S904Iの当否判別結果に基づいて、外れ当選、及び、小当たり当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S905I,S906I)、その後、本処理を終了する。ここで、S903I,S905I或いはS906Iの処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S901Iの処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図1895参照)にて実行される外部出力処理(S1801I)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。なお、本制御例では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりであることを事前判別した場合のみ大当たりを示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。さらに、第1特別図柄保留球格納エリア203aiまたは第2特別図柄保留球格納エリア203biに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本第33制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aiまたは第2特別図柄保留球格納エリア203biに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留球格納エリア203aiまたは第2特別図柄保留球格納エリア203biに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。次に、図1889を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S106I)について説明する。図1889は、この普通図柄変動処理(S106I)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S106I)は、第2図柄(普通図柄)の変動表示や、電動役物640aの開放時間などを制御するための処理であり、普通図柄変動(抽選)に関連する様々な処理(普通図柄変動を実行する処理、実行する普通図柄変動の変動態様(変動時間)を設定する処理、実行中の普通図柄変動を更新する処理、普通図柄変動を停止させる処理、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に実行される普図当たり遊技の遊技内容を決定する処理)が実行される処理である。
この普通図柄変動処理(S106I)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるかを判別する(S1101I)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから(当たり図柄が停止表示してから)電動役物640aの開閉制御がなされている最中まで(当たり遊技が終了するまで)が含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合には(S1101I:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別した場合には(S1101I:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるかを判別する(S1102I)。普通図柄の変動表示中では無い、即ち、現在が新たな普通図柄変動(抽選)を実行可能な状態であると判別した場合は(S1102I:No)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fiの値(M)を取得し(S1103I)、その値が0よりも大きいかを判別する(S1104I)。S1104Iの処理で普通図柄保留球数カウンタ203fiの値(M)が0であると判別された場合には(S1104I:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fiの値が0よりも大きいと判別した場合は(S1104I:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fiの値(M)を1減算する(S1105I)。つまり、S1104Iの処理において新たな普通図柄変動を実行するための条件(普通図柄変動に用いるための入賞情報が保留記憶されていること)が成立していると判別された場合は、保留記憶されている入賞情報を用いて普通図柄変動を実行するため、普通図柄保留球数カウンタ203fiの値を1減算する。次に、普通図柄保留球格納エリア203ciに格納されたデータをシフトする(S1106I)。S1106Iの処理では、普通図柄保留球格納エリア203ciの普通図柄保留1~普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S1107I)。
次に、時短カウンタ203hiの値が0よりも大きいか、即ち、現在が普通図柄の高確率状態(時短中)であるか否かを判別し(S1108I)、時短カウンタ203hiの値が0よりも大きいと判別した場合は(S1108I:Yes)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202ciの当たり判定値に基づいて当否判定結果(抽選結果)を取得し(S1109I)、S1111Iの処理へ移行する。一方、時短カウンタ203hiの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S1108I:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202ciの当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得され(S1110I)、S1111Iの処理へ移行する。S1111Iの処理では、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりであるかを判別し(S1111I)、当たりであると判別した場合は(S1111I:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定し(S1112I)、S1114Iの処理へ移行する。一方、S1111Iの処理で、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S1111I:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(S1113I)、S1114Iの処理へ移行する。S1114Iの処理では、普通図柄の変動時間を3秒に設定し本処理を終了する。なお、本第33制御例では、上述した通り、設定される普通図柄の確率状態に応じて、普通図柄の変動時間を異ならせているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態に関わらず、常に変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技状態が切り替わるタイミングにおいて、具体的には、一般的に長い変動時間が設定され易い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、短い変動時間が設定され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が切り替わる大当たり遊技終了のタイミングにおいて、長い変動時間の普通図柄変動が実行されており、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない事態が発生することを抑制することができる。
なお、普通図柄の変動時間の設定方法については、本第33制御例の構成に限ること無く、遊技状態に応じて変動時間を異ならせたり、普図保留球数に応じて変動時間を異ならせたり、取得した所定値に応じて変動時間を異ならせたりしても良く、例えば、本制御例では、普通図柄変動の変動時間を、設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)と、普通図柄保留球数カウンタ203fiの値(普図保留数)と、に基づいて可変設定するように構成しても良い。さらに、設定された普通図柄の変動時間によって、第2入球口640への球の入球のし易さが異なるように構成しても良い。このように、設定される普通図柄の変動時間の長さに応じて、第2入球口640への球の入球具合を可変させるように構成することで、第2入球口640への球の入球のし易さを遊技状態に応じて容易に可変することができるため、様々な遊技性を創り出すことができる。一方、S1102Iの処理において、普通図柄(第2図柄)が変動表示中であると判別した場合には(S1102I:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したかを判別し(S1115I)、変動時間が経過していないと判別した場合は(S1115I:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1115Iの処理において変動時間が経過していると判別した場合は(S1115I:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S1116I)。S1116Iの処理では、今回の普通図柄の抽選が当たりである場合には、第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定する。一方、普通図柄の抽選が外れである場合には、第2図柄表示装置83には「×」図柄が停止表示(点灯表示)される。つまり、上述したS1112I、或いはS1113Iの処理で設定された表示態様を停止表示させるための設定が行われる。S1116Iの処理により、停止表示を設定すると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S1112Iの処理、或いはS1113Iの処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかを判別する(S1117I)。普通図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S1117I:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別した場合には(S1117I:Yes)、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203hiの値を参照して判別し(S1118I)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S1118I:Yes)、普図当たり遊技の遊技内容として、時短用普図当たりシナリオ動作、具体的には、電動役物640aの開放時間が1秒間×2回の遊技内容(開放動作)を設定し(S1120I)、S1121Iの処理へ移行する。一方、S1118Iの処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S1118I:No)、普図当たり遊技の遊技内容として、通常用普図当たりシナリオ動作、具体的には、電動役物640aの開放時間が5秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(S1119I)、S1121Iの処理へ移行する。S1121Iの処理では、S1119I、或いはS1120Iの処理において設定されたシナリオに基づいて電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S1121I)、本処理を終了する。次に、本第33制御例における電動役物640aの開閉制御態様(開放パターン)について説明をする。本制御例のパチンコ機10では、普通図柄の当否判定を行うタイミング(S1108I~S1111Iの処理を行うタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミング(S1115Iの処理で変動時間が経過したと判別したタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。
即ち、本第33制御例では、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)と、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)とが独立して実行されるように構成されており、さらに、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果に基づいて普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)が可変するように構成している。よって、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)が実行されている期間中に並行して実行される特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果によっては、普通図柄の当否判定を行うタイミングでは普通図柄の高確率状態が設定され、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでは普通図柄の低確率状態が設定される場合が発生する。このような状況において、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングにて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定してしまうと、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、電動役物640aがロング開放(普通図柄の高確率状態中が設定されている場合に実行される開放パターン)してしまうという問題があった。そこで、本制御例では、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)を判別し、その判別結果に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。これにより、設定されている遊技状態に応じた開放パターンで電動役物640aを開放させることができる。
なお、本第33制御例では、普通図柄の当否判定を行うタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されており、且つ普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでも普通図柄の高確率状態が設定されている場合にのみ、電動役物640aがロング開放するように構成しても良いし、普通図柄の当否判定を行うタイミングで設定されている遊技状態に基づいて、電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しても良い。また、詳細な説明は省略しているが、普通図柄変動処理(S106I参照)において決定された各種情報(普通図柄抽選の結果、普通図柄変動の変動時間、普図当たりシナリオ等)は、それぞれ各種情報の内容を示すコマンドが設定され、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。次に、図1890を参照してスルーゲート通過処理(S107I)の内容について説明をする。図1890は、スルーゲート通過処理(S107I)の内容を示したフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107I)は、タイマ割込処理の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し実行エリアに格納するための処理である。また、取得した普通当たり乱数カウンタC5の値を用いて、実際の当否判定が実行されるよりも前に(普通図柄変動処理にて当否判定(S1111I参照)が実行されるよりも前に)、抽選結果(当否判定結果)を事前に取得するための処理である。
スルーゲート通過処理(S107I)では、まず、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S1201I)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S1201I:Yes)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fiの値(M)を取得し(S1202I)、次いで、その取得した普通図柄保留球数カウンタ203fiの値(M)が4よりも大きくないか(普通図柄の保留球数が上限値に到達していないか)を判別する(S1203I)。S1203Iの処理で、普通図柄保留球数カウンタ203fiの値(M)が4よりも大きい(上限値の4である)と判別した場合は(S1203I:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fiの値(M)が4よりも大きくないと判別した場合は(S1203I:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fiの値(M)に1を加算し(S1204I)、加算後の普通図柄保留球数カウンタ203fiの値(M)を示すための普図保留球数コマンドを設定し(S1205I)、第2当たり乱数カウンタC4の値を普通図柄保留球格納エリア203ciに格納し(S1206I)、本処理を終了する。なお、詳細な説明は省略するが、本制御例では、特別図柄の保留球(特図保留)を獲得した場合と同様に、普通図柄の保留(普図保留)を獲得した場合に、その獲得した普図保留に含まれる第2当たり乱数カウンタC4を、第2当たり乱数テーブル202ciを参照して抽選結果を事前に取得可能に構成している(普図先読みを実行可能に構成している)。そして、普図先読みの結果を示す情報を含む普図用入賞情報コマンドを設定可能に構成している。ここで設定された普図用入賞情報コマンドは、上述した各制御例にて設定される特別図柄の事前判別結果を示す入賞情報コマンドと同一の処理によって音声ランプ制御装置113へと通知される。このように構成することで、保留記憶されている普通図柄の抽選権利に対応する普通図柄抽選の抽選結果を事前に判別し、その事前判別結果に基づいた演出を実行することが可能となる。
次に、図1891、及び図1892を参照して、V入口通過処理(S108I)、及び、V通過処理(S109I)の内容について説明をする。図1891は、タイマ割込処理(図1880参照)の中で実行されるV入口通過処理(S108I)を示すフローチャートである。V入口通過処理(S108I)では、まず球通過センサ(球検知スイッチ)650c1がオンであるか否かを判定する(S1301I)。S1301Iの処理において、球通過センサ650c1がオンでないと判別された場合は(S1301I:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1301Iの処理において、球通過センサ650c1がオンであると判別された場合(S1301I:Yes)、V入賞口650aの開放期間中であるか否かを判別する(S1302I)。S1302Iの処理において、V入賞口650aの開放期間中であると判別された場合(S1302I:Yes)、V入口通過コマンドを設定し(S1303I)、本処理を終了する。ここで設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1895参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、V入賞装置650への入球に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる。一方、V入賞口650aの開放期間中でないと判別された場合は(S1302I:No)、小当たり遊技でないにも関わらず、V入賞装置650へ球が入球した場合であるので、エラーコマンドを設定する(S1304I)。その後、流路ソレノイド209aをオンに設定し(S1305I)、本処理を終了する。
図1892は、V通過処理(S109I)を示すフローチャートである。このV通過処理(S109I)は、タイマ割込処理(図1880参照)の中で実行される処理である。V通過処理では、まず、V通過フラグ203riがオンであるか否かを判別する(S1401I)。S1401Iの処理において、V通過フラグ203riがオンであると判別された場合は(S1401I:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S1401Iの処理において、V通過フラグ203riがオンでないと判別された場合は(S1401I:No)、V通過ありか否かを判別する(S1402I)。即ち、遊技球がV入賞装置650のV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3を通過したか否かを判別する。S1402Iの処理において、V通過なしと判別された場合は(S1402I:No)、そのまま本処理を終了する。S1402Iの処理において、V通過ありと判別された場合は(S1402I:Yes)、V通過有効期間中であるか否かを判別する(S1403I)。V通過有効期間中であると判別された場合は(S1403I:Yes)、V通過大当たり種別格納エリア203piに格納されているV通過時大当たり種別値を取得し(S1404I)、取得したV通過大当たり種別を示すVフラグ203piをオンに設定する(S1405I)。そして、V通過コマンドを設定する(S1406I)。次いで、V通過フラグ203riをオンに設定し(S1407I)する。その後、時短カウンタ203hiを0に設定して(S1408I)、本処理を終了する。一方、S1403Iの処理において、V通過有効期間中でないと判別された場合は(S1403I:No)、エラーコマンドを設定し(S1409I)、本処理を終了する。V通過有効期間中でない場合に、遊技球がV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3を通過した場合は、不正にV入賞スイッチ650e3へ球が入賞された場合であると考えられる。この場合、S1409Iの処理においてエラーコマンドが設定されることにより、エラーの出力が実行され、不正行為を発見することができる。
次に、図1893及び図1894を参照して、NMI割込処理及び立ち上げ処理について説明をする。図1893及び図1894に示す通り、本第33制御例におけるNMI割込処理及び立ち上げ処理は、上述した第1制御例におけるNMI割込処理(図49参照)及び立ち上げ処理(図50参照)と同一であるため、その詳細な説明を省略する。次に、図1895を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図1895は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。メイン処理(図1895参照)においては、まず、タイマ割込処理の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1801I)。具体的には、タイマ割込処理におけるスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理や始動入賞処理で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(S1801I)により、主制御装置110の各種処理にて設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、第3図柄表示装置81にて表示される各種演出(変動演出、装飾演出等)を設定するための情報とする。また、大当たり制御処理で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。さらに、その他制御処理において設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1802I)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1803I)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、音声ランプ制御装置113にて大当たり演出を実行させるためのコマンドの設定や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放動作するための大当たり制御処理を実行する(S1804I)。大当たり制御処理(S1804I)の詳細な内容については、図1896を参照して後述するが、この大当たり制御処理(S1804I)では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65a(以下、入賞口等と称す)を開放し、入賞口等(特定入賞口65a)の最大開放時間が経過したか、又は入賞口等(特定入賞口65a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると入賞口等(特定入賞口65a)を閉鎖する。この入賞口等(特定入賞口65a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本制御例では、大当たり制御処理(S1804I)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。次いで、小当たり遊技に関する各種動作制御が実行される小当たり制御処理(S1805I)を実行し、S1806Iの処理へ移行する。次いで、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1806I)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図1889参照)のS1121Iの処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS1119Iの処理、S1120Iの処理、によって設定された期間が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1807I)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理(図1883のS210I参照)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本制御例では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動パターン選択処理のS407で設定された表示態様で、停止図柄を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。さらに、本制御例では、一方の特別図柄が大当たりを示す表示態様(大当たり図柄)で停止表示された場合に、他方の特別図柄を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示させるように構成しており、そのための停止表示も実行される。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1808I)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S1808I)では、普通図柄変動処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1809I)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1809I:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1810I)、既に所定時間が経過していれば(S1810I:Yes)、処理をS1801Iへ移行し、上述したS1801I以降の各処理を繰り返し実行する。一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1810I:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1811I,S1812I)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1811I)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999、999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1811Iの処理と同一の方法によって実行する(S1812I)。なお、このS1812Iの処理では、変動種別カウンタCS1の値と同様に普図変動種別カウンタCS2の値も更新される。ここで、S1801I~S1808Iの各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、普図変動種別カウンタCS2の値についてもランダムに更新することができる。よって、特別図柄や普通図柄の抽選に関する判定値を更新するための処理内容を把握され難くすることができ、当たりに対応する判定値が取得されるタイミングを狙った不正遊技が実行されることを抑制することができる。
また、S1809Iの処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1809I:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図1893のNMI割込処理が実行されたということなので、S1813I以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1813I)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1814I)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1815I)、RAM203のアクセスを禁止して(S1816I)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。なお、S1809Iの処理は、S1801I~S1808Iで行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1811IとS1812Iの処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1801Iの処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1801Iの処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図1894,S1701I)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1801Iの処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図1896を参照して、大当たり制御処理(S1804I)の内容について説明をする。図1896は、大当たり制御処理(S1804I)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理(S1804I)は、主制御装置110のメイン処理(図1895参照)において、実行される処理であって、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(図1896,S1804I)では、まず、特別図柄の大当たり開始タイミングであるかを判別する(S1901I)。具体的には、大当たり開始フラグ203jiの設定状況を解析することにより判別する。この大当たり開始フラグ203jiは、特別図柄変動処理(図1881参照)のS219Iの処理により今回の抽選結果が大当たりであると判別された場合(S218I:Yes)に、オンに設定される(S219I)。S1901Iの処理において、大当たりの開始タイミングであると判別した場合(大当たり開始フラグ203jiがオンであると判別した場合)は(S1901I:Yes)、オープニングコマンドを設定し(S1902I)、次いで、大当たり開始フラグ203jiをオフに設定して(S1903I)、大当たり中フラグ203kiをオンに設定して(S1904I)、本処理を終了する。一方、S1901Iの処理において、特別図柄の大当たりの開始タイミングではない(大当たり開始フラグ203jiがオフに設定されている)と判別した場合には(S1901I:No)、次に、現在が大当たり中であるかを判別する(S1905I)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれるものであり、上述した大当たり中フラグ203kiがオンに設定されている期間が該当する。S1905Iの処理において、特別図柄の大当たり中ではない(大当たり中フラグ203kiがオフである)と判別した場合(S1905I:No)は、そのまま本処理を終了する。一方、S1905Iの処理において、特別図柄の大当たり中である(大当たり中フラグ203kiがオンに設定されている)と判別した場合には(S1905I:Yes)、大当たり中における複数タイミングで実行される各種処理を実行するタイミングであるかを判別するための判別処理(S1906I~S1913I)が実行される。
S1905Iの処理において、現在が大当たり中であると判別した場合は(S1905I:Yes)、次に、現在が新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S1906I)。このS1906Iの処理では、今回の大当たり遊技に対応して設定される開放シナリオに基づいて現在のタイミングが新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する。S1906Iの処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1906I:Yes)、開放シナリオテーブル202giに基づき、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し(S1907I)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1908I)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1895参照)の外部出力処理(S1801I)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、ラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1906Iの処理において、新たなラウンドの開始タイミングでは無いと判別した場合は(S1906I:No)、次に、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したかを判別する(S1909I)。具体的には、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、可変入賞装置65又はV入賞装置650に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1909Iの処理において、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したと判別した場合は(S1909I:Yes)、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖して(S1910I)、本処理を終了する。一方、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立していないと判別した場合には(S1909I:No)、次に、現在がエンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S1911I)。エンディング演出の開始タイミングは、今回の大当たり遊技において予め設定される最終ラウンド遊技が終了して開閉扉650f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(第33制御例では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。S1911Iの処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S1911I:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1912I)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1895参照)の外部出力処理(S1801I)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。一方、S1911Iの処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S1911I:No)、S1913Iの処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S1913I)。S1913Iの処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S1913I:No)、本処理を終了する。
S1913Iの処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1913I:Yes)、次に、実行中の大当たり種別が大当たりA~大当たりDの何れであるかを判別する(S1914I)。このS1914Iの処理では設定される大当たり種別を一時的に格納する格納エリア(図示しない)に格納されている大当たり種別が読み出される。次に、読み出した大当たり種別に基づいて、時短付与テーブル202eiを用いて対応する時短終了条件を設定する(S1915I)。具体的には、大当たり種別が大当たりA(3R時短254回大当たり)の場合は、時短カウンタ203hiに270を、小当たりカウンタ203siに1を、特図2カウンタ203tiに254を、それぞれ設定する。また、大当たり種別が大当たりB(3R時短1回大当たり)の場合は、時短カウンタ203hiに10を、小当たりカウンタ203siに1を、特図2カウンタ223tiに1を、それぞれ設定する。また、大当たり種別が大当たりC(10R時短10回大当たり)及び大当たりD(3R時短10回大当たり)の場合は、時短カウンタ203hiに20を、小当たりカウンタ203siに1を、特図2カウンタ203tiに10を、それぞれ設定する。上述したS1915Iの処理を終えると、次に、S1915Iの処理にて設定した時短終了条件を示す各種カウンタの値に対応した情報を示すための時短設定情報コマンドを設定する(S1916I)。
ここで設定された時短設定情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1895参照)の外部出力処理(S1801I)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、時短設定情報コマンドを受信すると、時短情報更新エリア223iiに今回の時短状態の時短終了条件を示す時短情報を設定する。ここで設定された時短情報と、特別図柄の変動(抽選)に基づいて更新される時短状態の更新情報に基づいて、時短状態の残回数(残条件)を判別し、その残回数に基づいて様々な演出態様が第3図柄表示装置81にて表示される。S1916Iの処理を終えると、次に、大当たり後に設定される遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(S1917I)、大当たりの終了を設定し(S1918I)、大当たり中フラグ203kiをオフに設定し(S1919I)、本処理を終了する。以上、説明をした通り、第33制御例では、大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、時短状態の終了条件を異ならせて設定することができるように構成している。なお、第33制御例では、全ての大当たり種別で大当たり遊技終了後に時短状態が設定される構成としているが、それに限ること無く、例えば、特定の大当たり種別の大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定されない(時短カウンタ203hi、小当たりカウンタ203si、特図2カウンタ203tiの何れのカウンタにもカウンタ値が設定されない)構成としても良い。このように構成することで、時短状態が設定される有利大当たりと、時短状態が設定されない不利大当たりとを設けることが可能となり、大当たり当選した場合に不利大当たりに当選していないか遊技者に興味を持たせることで、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図1897を参照して、小当たり制御処理(S1805I)の処理内容について説明をする。図1897は小当たり制御処理(S1805I)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり制御処理(S1805I)は、メイン処理(図1895参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
小当たり制御処理(図1897,S1805I)では、まず、特別図柄の小当たりが開始されるかを判定する(S2001I)。具体的には、小当たり開始設定処理(図1884参照)のS504Iの処理により小当たり開始フラグ203niがオンに設定されていれば、特別図柄の小当たりが開始されると判定する。S2001Iの処理において、特別図柄の小当たりが開始される場合には(S2001I:Yes)、オープニングコマンドを設定する(S2002I)。そして、小当たり開始フラグ203niをオフに設定して(S2003I)、本処理を終了する。一方、S2001Iの処理において、特別図柄の小当たりが開始されない場合には(S2001I:No)、特別図柄の小当たり中であるかを判別する(S2004I)。特別図柄の小当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の小当たり(特別図柄の小当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の小当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S2004Iの判別は小当たり中フラグ203oiがオンに設定されているかを解析することで判別する。S2004Iの処理において、特別図柄の小当たり中では無いと判別した場合は(S2004I:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2004Iの処理において、特別図柄の小当たり中であると判別した場合には(S2004I:Yes)、S2005Iの処理を実行する。S2005Iの処理では、V入賞口開放タイミングであるか判別する(S2005I)。S2005Iの処理において、V入賞口開放タイミングであると判別した場合には(S2005I:Yes)、開放シナリオテーブル202giに基づき、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を開放し(S2006I)、V弁ソレノイドの動作パターンを設定する(S2007I)。
S2005Iの処理において、V入賞口650aの開放タイミングではないと判別した場合には(S2005I:No)、V入賞口650aの閉鎖条件が成立したか、即ち、V入賞口650aの閉鎖タイミングであるか判別する(S2008I)。V入賞口650aの閉鎖タイミングであると判別した場合には(S2008I:Yes)、V入賞口650aを閉鎖し(S2009I)、本処理を終了する。
一方、S2008Iの処理において、現在がV入賞口650aの閉鎖タイミングでは無いと判別した場合には(S2008I:No)、次に、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S2010I)。S2010Iの処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S2010I:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S2011I)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図1895参照)の外部出力処理(S1801I)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。一方、S2010Iの処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S2010I:No)、S2012Iの処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S2012I)。S2012Iの処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S2012I:No)、本処理を終了する。S2012Iの処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S2012I:Yes)、Vフラグ203qiがオンに設定されているかを判別し(S2013I)、オンに設定されていると判別した場合は(S2013I:Yes)、Vフラグ203qiの内容に対応する大当たり種別に基づく開放シナリオを設定し(S2014I)、大当たり開始フラグ203ji、大当たり中フラグ203kiをオンに設定し(S2015I)、Vフラグ203qiをオフに設定し(S2016I)、V通過フラグ203riをオフに設定し(S2017I)、小当たり中フラグ203oiをオフに設定し(S2018I)、本処理を終了する。
<第33制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図1898から図1923を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。まず、図1898を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図1898は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。図1898に示す通り、本第33制御例における立ち上げ処理は、上述した第1制御例における立ち上げ処理(図57参照)と同一の処理が実行されるため、その詳細な説明は省略する。次に、図1899を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図1899は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S3101Iの処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S3101I)、1ミリ秒以上経過していなければ(S3101I:No)、S3102I~S3112Iの処理を行わずにS3113Iの処理へ移行する。S3101Iの処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S3102I~S3112Iが表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S3113Iのコマンド判定処理やS3114Iの変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S3113Iの処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S3113Iの処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。S3101Iの処理で1ミリ秒以上経過していれば(S3101I:Yes)、まず、S3103I~S3114Iの処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信するコマンド出力処理を実行する(S3102I)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS3108Iの処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S3103I)、その後電源投入報知処理を実行する(S3104I)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS3105Iの処理へ移行する。
S3105Iの処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S3106I)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S3107I)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22(演出ボタン22a)や、選択ボタン600といった各種ボタンが押されたか否かの入力を監視し、各種ボタンの入力が確認された場合に対応した演出や遊技環境設定を行うよう設定する処理である。この処理では、各種ボタン(枠ボタン22、選択ボタン600)の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して各種ボタン(枠ボタン22、選択ボタン600)が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。この枠ボタン入力監視・演出処理(S3107I)の詳細については、図1900を参照して後述する。枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S3108I)、その後音編集・出力処理を実行する(S3109I)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S3109Iの処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S3110I)、次に、各種カウンタ更新処理を実行する(S3111I)。その後、演出更新処理を実行する(S3112I)。S3112Iの処理を実行後、S3113Iの処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS3108Iのランプ編集処理が実行される。なお、S3109Iの音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。S3112Iの処理後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理(S3113I)が実行され、S3114Iの処理へ移行する。このコマンド判定処理(S3113I)の詳細については、図1901を参照して後述する。S3114Iの処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図1905を参照して後述する。S3114Iの処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S3115I)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S3115Iの処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S3115I:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S3117I)、電源断処理を実行する(S3118I)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S3119I)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S3115Iの処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S3115I:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S3116I)、RAM223が破壊されていなければ(S3116I:No)、S3101Iの処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S3116I:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。次に、図1900を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S3107I)について説明する。図1900は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S3107I)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S3107I)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1899参照)の中で実行され、上述したように、遊技者による操作手段(枠ボタン22、選択ボタン600)の操作内容に対応する各種処理を実行する。枠ボタン入力監視・演出処理(S3107I)が実行されると、まず、演出用SW有効期間中であるかを判別する(S3151I)。具体的には、SW有効時間カウンタ223jiにカウンタ値が設定されているか(カウンタ値が0ではないか)を判別する。演出用SW有効期間中ではないと判別した場合には(S3151I:No)、S3158Iの処理へ移行する。一方、演出用SW有効期間中であると判別した場合には(S3151I:Yes)、SW有効時間カウンタ223jiのカウンタ値を1減算し(S3152I)、減算後のカウンタ値が0であるかを判別する(S3153I)。S3153Iの処理において、SW有効時間カウンタ223jiのカウンタ値が0であると判別した場合には(S3153I:Yes)、S3158Iの処理へ移行する。S3153IにおいてSW有効時間カウンタ223jiのカウンタ値が0ではないと判別した場合には(S3153I:No)、演出ボタン22aへの操作があったかを判別する(S3154I)。演出ボタン22aが操作されていないと判別した場合には(S3154I:No)、S3158Iの処理に移行する。一方、S3154Iの処理において演出ボタン22aへの操作があったと判別した場合には(S3154I:Yes)、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中であるかを判別する(S3155I)。具体的には、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liがオンである場合にファイナルチャレンジ演出の実行期間中であると判別する。ファイナルチャレンジ演出の実行期間中であると判別した場合には(S3155I:Yes)、ボタン押下フラグ223qiをオンに設定し(S3156I)、S3158Iの処理に移行する。なお、S3156Iの処理においてボタン押下フラグ223qiがオンに設定されると、今回の枠ボタン入力監視・演出処理(S3107I)終了後に実行される演出更新処理(図1915のS3112I)内のファイナルチャレンジ実行中処理(図1921のS3613I)において、ボタン保留図柄態様を×態様かV態様に可変させるための処理が実行される。S3155Iの処理において、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中ではないと判別した場合には(S3155I:No)、その他演出ボタン22aの押下に対応する演出態様を決定し(S3157I)、S3158Iの処理に移行する。S3158Iの処理では、音量・光量調整ボタン及び決定ボタンを兼ねる選択ボタン600への操作内容に対応する処理を実行する(S3158I)。
次に、図1901を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S3113I)について説明する。図1901は、このコマンド判定処理(S3113I)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S3113I)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1899参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。コマンド判定処理(S3113I)が実行されるとまず、変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S3201I)、受信したと判別した場合は(S3201I:Yes)、受信した変動パターンコマンドに対応する変動開始フラグ223diをオンに設定し(S3202I)、受信したコマンドから変動パターンコマンドを抽出する(S3203I)。そして、本処理を終了する。
S3201Iの処理において特図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S3201I:No)、次に、停止種別コマンドを受信したかを判別し(S3204I)、受信したと判別した場合は(S3204I:Yes)、受信した停止種別コマンドに対応する停止種別選択フラグ223eiをオンに設定し(S3205I)、受信したコマンドから停止種別を抽出する(S3206I)。そして、本処理を終了する。S3204Iの処理において停止種別コマンドを受信していないと判別した場合は(S3204I:No)、次に、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別する(S3207I)。ここで、保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S3207I:Yes)、受信した保留球数コマンドから保留球数を抽出し、対応する値を特別図柄1保留球数カウンタ223bi、特別図柄2保留球数カウンタ223ciに格納し(S3208I)、その後、本処理を終了する。また、S3207Iの処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S3207I:No)、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S3209I)。S3209Iの処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S3209I:Yes)、入賞情報コマンド処理を実行し(S3210I)、本処理を終了する。この入賞情報コマンド処理(S3210I)では、受信した入賞情報コマンドに基づいた入賞情報を入賞情報格納エリア223aiに格納する処理や保留図柄の態様を決定する処理を実行する。入賞情報コマンド処理(S3210I)の詳細な説明については図1902を参照して後述する。
S3209Iの処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S3209I:No)、次に、状態コマンドを受信したかを判別し(S3211I)、受信したと判別した場合は(S3211I:Yes)、状態コマンド処理を実行し(S3212I)、本処理を終了する。この状態コマンド処理(S3212I)は、現在の遊技状態を示す状態コマンドを受信し、その遊技状態に応じたモード演出態様を設定し、第3図柄表示装置81の表示面にて対応する演出態様(例えば、背面画像)を表示するための表示用コマンドが設定される。この状態コマンド処理(S3212I)の詳細については図1903を参照して後述する。S3211Iの処理において状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S3211I:No)、次に、図柄確定コマンドを受信したかを判別し(S3213I)、受信したと判別した場合には(S3213I:Yes)、図柄確定コマンド処理を実行する(S3214I)。この図柄確定コマンド処理(S3214I)は、特図変動が終了する場合に、表示制御装置114に変動演出を終了させるための表示用コマンドの設定や、各種フラグをオフに設定する処理である。なお、図柄確定コマンド処理(S3214I)の詳細な説明については、図1904を参照して後述する。図柄確定コマンド処理(S3214I)を実行した後は、本処理を終了する。S3213Iの処理において図柄確定コマンドを受信していないと判別した場合には(S3213I:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S3215I)、本処理を終了する。
次に、図1902を参照して、入賞情報コマンド処理(S3210I)について説明する。図1902は、この入賞情報コマンド処理(S3210I)を示したフローチャートである。入賞情報コマンド処理(S3210I)が実行されると、まず、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対応する図柄種別(特別図柄、普通図柄)を解析し、その解析結果に対応する記憶領域(音声ランプ制御装置113のRAM223内の入賞情報格納エリア223ai)に格納(記憶)する(S3301I)。次に、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liはオンであるかを判別し(S3302I)、オンであると判別した場合には(S3302I:Yes)、保留図柄をボタン保留図柄態様で表示するための表示用コマンドを設定し(S3303I)、保留図柄情報格納エリア223wi内の空きエリアのうち、最も若い番号のエリアにボタン保留図柄態様に対応する保留図柄情報を格納し(S3304I)、本処理を終了する。これにより、ファイナルチャレンジ演出が開始された後(時短最終変動中)に新たに獲得した特図2保留球に対応する保留図柄を、ボタン保留図柄態様で表示することが可能となる。一方、S3302Iの処理において、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liがオンではないと判別した場合には(S3302I:No)、設定されている遊技状態と特別図柄抽選の結果に対応する保留図柄態様を決定し、決定した保留図柄態様を表示するための表示用コマンドを設定し(S3305I)、決定した保留図柄態様に対応する保留図柄情報を、保留図柄情報格納エリア223wi内の空きエリアのうち、最も若い番号のエリアに格納し、本処理を終了する。
次に、図1903を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド処理(S3212I)について説明する。図1903は、この状態コマンド処理(S3212I)を示したフローチャートである。この状態コマンド処理(S3212I)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図1901参照)の中で実行されるものであって、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される表示モードを異ならせて設定するための処理を実行するものである。以下、状態コマンド処理(S3212I)の詳細を説明する。
状態コマンド処理(S3212I)が実行されると、まず、今回受信した状態コマンドに含まれる現在の遊技状態を示すための情報を従遊技状態格納エリア223hiに格納する(S3401I)。そして、遊技状態が通常状態へと移行したかを判別し(S3402I)、通常状態へと移行したと判別した場合は(S3402I:Yes)、右打ちフラグ223aciをオフに設定し(S3403I)、時短情報更新エリア223iiに記憶されている情報をクリアする(S3404I)。具体的には、時短終了条件の成立有無を判別するための要素に関する情報(小当たり回数、特別図柄変動回数、第2特別図柄変動回数)をクリアする。このように構成することで、通常状態が設定されたにも関わらず、時短情報更新エリア223iiに格納されている情報に基づく演出が実行されてしまい、遊技者に違和感のある演出が実行されてしまうことを抑制することができる。その後、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)があるかを判別し(S3405I)、特図2保留が無いと判別した場合、即ち、特図2保留を獲得していない状態で通常状態が設定されたと判別した場合には(S3405I:No)、時短状態が設定されてから大当たり当選を経ずに通常状態が設定されるまでの期間における遊技結果(累計の獲得賞球数や、大当たり当選回数)を示すための表示用コマンドを設定し(S3406I)、通常状態が設定されたことを示す表示用コマンドを設定し(S3407I)、左打ち遊技を案内するための表示用コマンドを設定し(S3408I)、本処理を終了する。一方、S3405Iの処理において、特図2保留があると判別した場合は(S3405I:Yes)、S3406I~S3408Iの処理をスキップし、本処理を終了する。本第33制御例では、設定されている遊技状態に関わらず、特図2保留で大当たり当選した場合の方が、特図1保留で大当たり当選した場合よりも、大当たり遊技終了後に時短回数の多い時短種別の時短状態が設定され易いので、特図2保留が存在する状態で通常状態が設定された場合には、時短最終変動からファイナルチャレンジ演出を継続して実行する構成としている。このように構成することで、遊技者に対して、設定されている遊技状態に関わらず、遊技者に有利な遊技期間であることを分かり易く報知することができる。S3402Iの処理において、遊技状態が通常状態へと移行していないと判別した場合は(S3402I)、次に、時短状態へと移行したかを判別し(S3409I)、時短状態へと移行したと判別した場合は(S3409I:Yes)、受信した状態コマンドに含まれる時短情報を時短情報更新エリア223iiに格納し(S3410I)、時短中(時短状態中)を示す表示用コマンドを設定し(S3411I)、右打ち遊技を案内する表示用コマンドを設定し(S3412I)、本処理を終了する。また、S3409Iの処理において、時短状態へと移行していないと判別した場合は(S3409I:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図1904を参照して、図柄確定コマンド処理(S3214I)の処理内容について説明をする。図1904は、図柄確定コマンド処理(S3214I)の処理内容を示したフローチャートである。この図柄確定コマンド処理(S3214I)では、特別図柄の特図変動が終了する場合に、音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられている各種カウンタをリセットしたり、各種フラグをオフに設定するための処理を実行する。図柄確定コマンド処理(S3214I)が実行されると、まず、表示制御装置114において第3図柄の変動表示を終了させるための表示用停止コマンドを設定し(S3501I)、保留図柄情報格納エリア223wi内の実行エリアに格納されている保留図柄情報をクリア(消去)し(S3502I)、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中であるかを判別する(S3503I)。具体的には、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liがオンであるかを判別し、オンではない(ファイナルチャレンジ演出の実行期間中ではない)と判別した場合には(S3503I:No)、本処理を終了する。一方、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中であると判別した場合には(S3503I:Yes)、次に、大当たり当選、または小当たり当選であるかを判別し(S3504I)、大当たり当選(または小当たり当選)であると判別した場合には(S3504I:Yes)、V態様表示フラグ223xiをオフに設定し(S3505I)、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liをオフに設定し(S3506I)、押下回数カウンタ223tiのカウンタ値をクリアし(S3507I)、本処理を終了する。一方、S3504Iの処理において、大当たり当選、小当たり当選の何れでもないと判別した場合(即ち、外れ当選である場合)には、次に、特図2保留があるかを判別する(S3507I)。特図2保留が無いと判別した場合には(S3507I:No)、時短状態が設定されてから大当たり当選を経ずに通常状態が設定されるまでの期間における遊技結果(累計の獲得賞球数や、大当たり当選回数)を示すための表示用コマンドを設定し(S3508I)、通常状態が設定されたことを示す表示用コマンドを設定し(S3509I)、左打ち遊技を案内するための表示用コマンドを設定し(S3510I)、S3506Iの処理へ移行する。一方、特図2保留があると判別した場合には(S3507I:Yes)、ファイナルチャレンジ演出が継続するため、S3509I~S3510Iの処理をスキップし、本処理を終了する。
次に、図1905を参照して変動表示設定処理(S3114I)の処理内容について説明をする。図1905は、変動表示設定処理(S3114I)の処理内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S3114I)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1899参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(S3114I)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223diがオンかを判別する(S4301I)。そして、変動開始フラグ223diがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4301I:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4306Iの処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223diがオンであると判別した場合(S4306I:Yes)、変動開始フラグ223diをオフに設定し(S4302I)、次いで、コマンド判定処理(図1901のS3113I参照)において変動パターンコマンドから抽出した変動パターンを取得し(S4303I)、取得した変動パターン種別に基づいて表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成するための演出態様設定処理を実行し(S4304I)、表示用変動パターンコマンドを設定し(S4305I)、S4306Iの処理へ移行する。演出態様設定処理(S4304I)の詳細については図1906を参照して後述する。S4306Iの処理では、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223eiがオンかを判別する(S4306I)。そして、停止種別選択フラグ223eiがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4306I:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、そのまま本処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223eiがオンであると判別した場合(S4306I:Yes)、オンに設定されている停止種別選択フラグ223eiをオフに設定し(S4307I)、次いで、コマンド判定処理(図1901のS3113I参照)において停止種別コマンドから抽出した停止種別を取得し(S4308I)、取得した停止種別に基づいて表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成するための停止種別設定処理を実行し(S4309I)、本処理を終了する。なお、停止種別設定処理(S4309I)の詳細については、図1923を参照して後述する。
次に、図1906を参照して変動演出設定処理(S4304I)について説明する。図1906は、この変動演出設定処理(S4304I)を示したフローチャートである。変動演出設定処理(S4304I)は、変動表示設定処理(S3114I)の中で実行され、今回の特図変動における特別図柄種別と、設定されている遊技状態に応じて変動演出の演出態様を設定するための処理である。変動演出設定処理(S4304I)が実行されると、まず、シナリオカウンタ223riのカウンタ値をクリアし(S4401I)、保留図柄情報格納エリア223wi内の各保留エリアに格納されている保留図柄情報をそれぞれ1つ若い番号の保留エリアにシフトさせる(S4402I)。その後、従遊技状態格納エリア223hiから現在設定されている遊技状態を読み出し(S4403I)、第2演出カウンタ223giのカウンタ値を取得する(S4404I)。次に、遊技状態が通常状態であるかを判別し(S4405I)、通常状態ではないと判別した場合(即ち、時短状態が設定されている場合)には(S4405I:No)、時短用演出設定処理を実行し(S4406I)、本処理を終了する。この時短用演出設定処理(S4406I)は、時短状態が設定されている場合における特図変動の変動演出の演出態様を設定するための処理である。なお、時短用演出設定処理(S4406I)の詳細については、図1907を参照して後述する。S4405Iの処理において、通常状態であると判別した場合には(S4405I:Yes)、次に、保留図柄変化演出設定処理を実行する(S4407I)。保留図柄変化演出設定処理(S4407I)は、副表示領域Dsに表示されている保留図柄の保留図柄態様を可変させる演出を設定するための処理である。なお、この保留図柄変化演出設定処理(S4407I)の詳細については、図1908を参照して後述する。保留図柄変化演出設定処理(S4407I)が終了すると、次に、今回の特図変動の特別図柄種別は第2特別図柄であるかを判別し(S4408I)、第2特別図柄ではないと判別した場合には(S4408I:No)、特図1演出態様設定処理を実行し(S4409I)、本処理を終了する。この特図1演出態様設定処理(S4409I)は、通常状態が設定されている場合において第1特別図柄の特図変動が実行される場合の変動演出の演出態様を設定するための処理である。なお、特図1演出設定処理(S4409I)の詳細については、図1909を参照して後述する。一方、S4408Iの処理において、今回の特図変動の特別図柄種別は第2特別図柄であると判別した場合には(S4408I:Yes)、該特図変動の特別図柄抽選の結果と、抽出した変動パターンとに基づいて、ファイナルチャレンジ用の演出態様(表示用変動パターン)を決定し(S4410I)、本処理を終了する。このように、本第33制御例では、設定されている遊技状態(通常状態、時短状態)と、今回の特図変動における特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)によって異なる演出を設定可能であるため、実行される演出によって遊技者は設定されている遊技状態と、どの特別図柄種別が変動中であるのかを容易に認識することができる。
次に、図1907を参照して、時短用演出設定処理(S4406I)について説明する。図1907は、時短用演出態様設定処理(S4406I)を示したフローチャートである。時短用演出態様設定処理(S4406I)が実行されると、まず、今回の特図変動の特別図柄種別は第2特別図柄であるかを判別し(S4501I)、第2特別図柄ではない(即ち、第1特別図柄である)と判別した場合には(S4501I:No)、該特図変動の特別図柄抽選の結果と、抽出した変動パターンとに基づいて、時短用変動パターン選択テーブル222ai2から変動演出の演出態様を決定する。一方、S4501Iの処理において今回の特図変動における特別図柄種別は第2特別図柄であると判別した場合には(S4501I:Yes)、次に、今回の特図変動が時短最終変動であるかを判別する(S4502I)。具体的には、時短情報更新エリア223iiに格納されてる時短情報のうち、特図2カウンタ203tiのカウンタ値に対応する情報が0であるかを判別し、0であると判別した場合に時短最終変動であると判別する。なお、時短カウンタ203hi及び小当たりカウンタ203siのカウンタ値に対応する情報のうち何れかが0であると判別した場合には、ファイナルチャレンジ演出を実行せず、S4508Iの処理において演出態様を決定する。S4502Iの処理において、時短最終変動ではないと判別した場合には(S4502I:No)、該特図変動の特別図柄抽選の結果と抽出した変動パターンとに基づいて、変動演出の演出態様を決定し(S4508I)、本処理を終了する。一方、S4502Iの処理において、時短最終変動であると判別した場合には(S4502I:Yes)、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liをオンに設定し(S4503I)、ファイナルチャレンジの開始を示す表示用コマンドを設定する(S4504I)。次に、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsの実行エリア及び保留エリアに表示されている保留図柄をボタン図柄保留態様に可変させるための表示用コマンドを設定し(S4505I)、保留図柄情報格納エリア223wi内の保留図柄情報が格納されている各エリアにボタン保留図柄態様に対応する保留図柄情報を格納する(S4506I)。これにより、時短最終変動が開始される前に表示されていた各保留図柄をボタン保留図柄態様に可変させることが可能となる。また、保留図柄情報格納エリア223wiに格納された保留図柄情報により、保留図柄がどの保留図柄情報で表示されているのかを判別することができる。そして、SW有効時間カウンタ223jiに11000を設定し(S4507I)、S4508Iの処理を実行した後、本処理を終了する。なお、本第33制御例では、時短最終変動においては、30秒が最長の変動時間であり(図1867(c)参照)、通常状態における特図2の変動時間は特別図柄抽選の結果に関わらず20秒であるため、ファイナルチャレンジ演出の最長の演出時間は110秒となる。従って、ファイナルチャレンジ演出が開始される場合にSW有効時間カウンタ223jiに110秒に対応するカウンタ値である11000を設定することにより、ファイナルチャレンジ演出が終了するまでの期間は演出ボタン22aの操作を有効とすることが可能である。
次に、図1908を参照して、保留図柄変化演出設定処理(S4407I)について説明する。図1908は、この保留図柄変化演出設定処理(S4407I)を示したフローチャートである。保留図柄変化演出設定処理(S4407I)は、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示される保留図柄の態様を可変させる演出を実行するための処理であり、本第33制御例では、主に、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中に×態様で表示されている保留図柄をV態様に可変させる演出を実行するための処理を行う。保留図柄変化演出設定処理(S4407I)が実行されると、まず、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liがオンであるか(即ち、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中であるか)を判別し(S5201I)、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liがオンではない(即ち、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中ではない)と判別した場合には(S5201I:No)、本処理を終了する。一方、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liがオンであると判別した場合には(S5201I:Yes)、次に、今回の特図変動における特別図柄抽選の結果が外れであるかを判別し(S5202I)、外れであると判別した場合には(S5202I:Yes)、本処理を終了する。S5202Iの処理において、外れではない(即ち、大当たりまたは小当たりである)と判別した場合には(S5202I:No)、今回の特図変動に対応する保留図柄はV態様であるかを判別し(S5203I)、V態様であると判別した場合には(S5203I:Yes)、本処理を終了する。一方、V態様ではないと判別した場合には(S5203I:No)、次に、ボタン保留図柄態様であるかを判別する(S5204I)。具体的には、保留図柄情報格納エリア223wi内の実行エリアに格納されている保留図柄情報を読み出し、ボタン保留図柄態様を示す保留図柄情報であるか判別する。ボタン保留図柄態様であると判別した場合には(S5204I:Yes)、本処理を終了する。これにより、保留図柄がボタン保留図柄態様で表示されている場合には、特別図柄抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選である場合であっても、演出ボタン22aが操作されない場合にはV態様へと可変しない。上述したように、保留図柄がV態様へと可変した場合には、当該特図変動において大当たり当選であることが確定するため、第3図柄が停止表示される前に遊技者は抽選結果を知ることが可能である。一方で、V態様へと可変しなかった場合には、外れである可能性が高くなるため、遊技者の中には、第3図柄が停止表示される前に抽選結果が分かってしまうことを避けたい遊技者もいる。このような遊技者に対しては、演出ボタン22aを操作しなければ保留図柄態様からは特別図柄抽選の結果が分からないようにすることができるため、遊技者の好みに合わせた演出を提供することが可能である。S5204Iの処理において、ボタン保留図柄態様ではないと判別した場合には(S5204I:No)、ファイナルチャレンジ用報知態様設定テーブル222iiから保留図柄態様を決定する(S5204I)。ここで、本第33制御例では、演出ボタン22aの操作後に実行される演出更新処理(S3112I)内のファイナルチャレンジ実行中処理(図1921のS3613I参照)において取得された第2演出カウンタ223giのカウンタ値に基づいて保留図柄をボタン保留図柄態様から×態様とV態様の何れの態様に可変させるかを決定する。そして、大当たりまたは小当たり当選である保留球の保留図柄として×態様が決定された場合には、該保留図柄が実行エリアにシフトしたタイミング(即ち、該保留球に対応する特図変動が実行される場合)で保留図柄態様の再抽選が実行される。このように構成することで、大当たり当選又は小当たり当選である保留球は、複数回の保留図柄態様の抽選が実行されるため、遊技者が演出ボタン22aを操作したタイミングではV態様で表示されなかったとしても、実行エリアにシフトした場合にV態様へと可変するかもしれないと遊技者を期待させることができるので、保留図柄が×態様で表示されている場合であっても、該保留図柄に対応する特図変動が実行されるまで保留図柄に対する遊技者の興味を維持させることが可能となる。なお、本第33制御例では、保留図柄が実行エリアにシフトしたタイミングで保留図柄態様の再抽選を実行する構成としたが、これに限るものではなく、実行エリア以外のエリア(第1保留エリア~第3保留エリア)にシフトするタイミングでも再抽選を実行する構成としても良い。S5205Iの処理が終了すると、次に、S5205Iの処理において決定された保留図柄態様はV態様であるかを判別し(S5206I)、V態様ではないと判別した場合には(S5206I:No)、本処理を終了する。一方、V態様であると判別した場合には(S5206I:Yes)、実行エリアの保留図柄をV態様へと可変させる表示用コマンドを設定し(S5207I)、保留図柄情報格納エリア223wi内の実行エリアにV態様に対応する保留図柄情報を格納し(S5208I)、V態様表示フラグ223xiをオンに設定し(S5209I)、本処理を終了する。
次に、図1909を参照して、特図1演出態様設定処理(S4409I)について説明する。図1909は、この特図1演出態様設定処理(S4409I)を示したフローチャートである。特図1演出態様設定処理(S4409I)は、通常状態が設定されている場合において第1特別図柄の特図変動(特図1変動)が実行される場合に、その特図1変動の演出態様(表示用変動パターンを含む変動演出の表示態様)えお設定するための処理である。特図1演出態様設定処理(S4409I)が実行されると、まず、図柄カウンタ223miのカウンタ値を1加算し(S4601I)、今回の特別図柄抽選の結果と変動パターンとに基づいて、通常用変動パターン選択テーブル222ai1から表示用変動パターンを決定する(S4602I)。このように、特図1変動が実行される毎に図柄カウンタ223miのカウンタ値が1ずつ昇順に更新されることで、特図変動毎に第3図柄の図柄態様を1ずつ昇順に可変させることが可能となる。そして、飾り図柄演出設定処理を実行する(S4603I)。ここで、図1910を参照して、飾り図柄演出設定処理(S4603I)について説明する。図1910は、この飾り図柄演出設定処理(S4603I)を示したフローチャートである。飾り図柄演出設定処理(S4603I)は、今回の特図変動における第3図柄の図柄態様を決定するための処理である。飾り図柄演出設定処理(S4603I)が実行されると、まず、今回の特図変動の表示用変動パターンは、同一図柄停止演出ありの表示用変動パターンであるかを判別する(S4701I)。具体的には、特図1演出態様設定処理(図1909のS4409I)のS4602Iの処理において決定された表示用変動パターンが同一図柄停止演出を含む表示用変動パターン種別(図1871参照)であるかを判別する。同一図柄停止演出ありの表示用変動パターンではないと判別した場合には(S4701I:No)、演出用キャラ決定テーブル222kiから図柄カウンタ223miのカウンタ値に対応するキャラ態様を決定し、決定したキャラ態様を表示するための表示用コマンドを設定する(S4702I)。ここで設定されたキャラ態様は、上述したキャラ出現演出(図1843(a)参照)において主表示領域Dmに表示される。次に、図柄態様決定テーブル222giから図柄カウンタ223miのカウンタ値に対応する図柄態様を左図柄列Z1に表示するための図柄態様(左図柄態様)として決定し(S4703I)、決定した左図柄態様に対応する図柄情報を図柄情報格納エリア223niに格納する(S4704I)。なお、上述したように、図柄情報格納エリア223ni内には、左図柄列Z1、中図柄列Z2、右図柄列Z3の図柄列毎に図柄情報を格納可能であり、S4704Iの処理では、左図柄列Z1に対応するエリアに図柄情報を格納する。なお、S4704Iの処理において図柄情報が格納されるまでは、前回の特図変動が実行された際に格納された図柄情報が格納され状態となっており、新たに図柄情報が格納されることで前回の図柄情報が上書きされる。次に、S4702Iの処理で決定したキャラ態様に対応するキャラ情報を演出情報格納エリア223uiに格納し(S4705I)、本処理を終了する。一方、S4701Iの処理において、今回の特図変動における表示用変動パターンは同一図柄停止演出ありの表示用変動パターンであると判別した場合には(S4701I:Yes)、次に、今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるかを判別し(S4706I)、大当たり当選であると判別した場合には(S4706I:Yes)、第2演出カウンタ223giのカウンタ値と、キャラ矛盾演出設定テーブル222biに基づいてキャラ矛盾演出(図1843及び図1844参照)の有無を決定する(S4707I)。そして、キャラ矛盾演出ありの演出態様が決定された場合には(S4708I:Yes)、演出用キャラ決定テーブル222kiから図柄カウンタ値223miに対応するキャラ態様を決定し、決定したキャラ態様を表示するための表示用コマンドを設定する(S4709I)。そして、図柄情報格納エリア223niに格納されている左図柄列Z1の図柄情報に対応する図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させる図柄態様として決定し(S4710I)、S4705Iの処理を実行する。このように、キャラ矛盾演出が実行される場合には、キャラ出現演出で表示されるキャラ態様を図柄カウンタ値に基づいて決定し、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様を図柄情報格納エリア223niに格納されている図柄情報(この場合は、前回の特図変動における左図柄列Z1に停止表示された第3図柄の図柄情報)により示される図柄態様と同一態様が決定される。これにより、キャラ出現演出で表示されたキャラ態様と、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄のキャラ態様を異ならせることができる。一方、S4706Iの処理において今回の特別図柄抽選の結果は大当たり当選ではないと判別した場合(S4706I:No)及び、S4708Iの処理においてキャラ矛盾演出なしの演出態様であると判別した場合には(S4708I:No)、演出情報格納エリア223uiに格納されているキャラ情報に対応するキャラ態様を表示するための表示用コマンドを設定し(S4711I)、S4710Iの処理を実行する。なお、この場合に演出情報格納エリア223uiに格納されているキャラ情報は、前回の特図変動が実行される際にS4705Iの処理で格納されたキャラ情報である。従って、前回の特図変動におけるキャラ出現演出で表示されたキャラ態様と同一態様のキャラ態様が設定される。
図1909に戻り説明を続ける。飾り図柄演出設定処理(S4603I)が終了すると、次に、チャンスゾーン演出設定処理を実行する(S4604I)。ここで、図1911を参照して、チャンスゾーン演出設定処理(S4604I)について説明する。図1911は、このチャンスゾーン演出設定処理(S4604I)を示したフローチャートである。チャンスゾーン演出設定処理(S4604I)は、左図柄列Z1に1図柄D1が停止表示される特図変動におけるチャンスゾーン演出の有無及びチャンスゾーン演出の演出態様を決定するための処理である。チャンスゾーン演出設定処理(S4604I)が実行されると、まず、今回の特図変動において左図柄列Z1に停止表示される第3図柄は1図柄D1であるかを判別する(S4801I)。具体的には、図柄情報格納エリア223ni内に格納されている左図柄列Z1の図柄情報が1図柄D1に対応する情報であるかを判別する。左図柄列Z1に停止表示される第3図柄が1図柄D1ではないと判別した場合には(S4801I:No)、本処理を終了する。一方、S4801Iの処理において、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄が1図柄D1であると判別した場合には(S4801I:Yes)、次に、今回の特図変動の変動パターンはスーパーリーチであるかを判別し(S4802I)、スーパーリーチではないと判別した場合には(S4802I:No)、本処理を終了する。S4802Iの処理において、スーパーリーチであると判別した場合には(S4802I:Yes)、チャンスゾーン演出設定テーブル222ciからチャンスゾーン演出の有無を含む演出態様を決定し(S4804I)、チャンスゾーン演出ありの演出態様が決定されたかを判別する(S4804I)。チャンスゾーン演出ありの演出態様ではないと判別した場合には(S4804I:No)、本処理を終了する。一方、チャンスゾーン演出ありの演出態様であると判別した場合には(S4804I:Yes)、次に、特殊1図柄D1aの停止表示位置は左図柄列Z1であるかを判別し(S4805I)、特殊1図柄D1aの停止表示位置は左図柄列Z1であると判別した場合には(S4805I:Yes)、左停止フラグ223yiをオンに設定し(S4806I)、チャンスゾーン演出実行フラグ223adiをオンに設定し(S4807I)、本処理を終了する。一方、S4805Iの処理において、特殊1図柄D1aの停止表示位置は左図柄列Z1ではない(即ち、右図柄列Z3である)と判別した場合(即ち、特殊1図柄D1aの停止表示位置は右図柄列Z3である場合)には(S4805I:No)、S4806Iをスキップし、S4807Iの処理を実行する。このように、本第33制御例では、左図柄列Z1に1図柄D1が停止表示される特図変動において、変動パターン種別が「スーパーリーチ」である場合にチャンスゾーン演出が実行される構成としている。なお、本第33制御例では、変動パターン種別が「スーパーリーチ」である場合にのみチャンスゾーン演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、変動パターン種別が「スペシャルリーチ」(特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合のみ設定される変動パターン種別)である場合にもチャンスゾーン演出を実行する構成としても良い。このように構成する場合、「スペシャルリーチ」の特図変動におけるチャンスゾーン演出では、左図柄列Z1と、右図柄列Z3の両方に特殊1図柄D1aを停止表示させる構成とし、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることが確定であることを示唆する「超チャンスゾーン」に突入する構成としても良い。このように構成することで、特殊1図柄D1aが停止表示されるかだけではなく、特殊1図柄D1aが停止表示される個数にも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、本第33制御例では、今回実行される特図変動における変動パターン種別が「スーパーリーチ」である場合に、チャンスゾーン演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、保留球内に「スーパーリーチ」の変動パターン種別が設定された保留球が存在する場合には、中図柄Z2に特殊1図柄D1aを停止表示させる構成としても良い。このように構成することで、左図柄列Z1と、右図柄列Z3に特殊1図柄D1aが停止表示されなかった場合であっても、中図柄列Z2に特殊1図柄D1aが停止表示されれば、保留球内での大当たり当選期待度が高くなるため、全ての図柄列Z1~Z3に第3図柄が停止表示されるまでは遊技者の第3図柄に対する興味を維持させることができる。
図1909に戻り説明を続ける。チャンスゾーン演出設定処理(S4604I)が終了すると、次に、タイマー演出設定処理を実行する(S4605I)。ここで、図1912を参照して、タイマー演出設定処理(S4605I)について説明する。図1912は、このタイマー演出設定処理(S4605I)を示したフローチャートである。タイマー演出設定処理(S4605I)は、特図変動におけるタイマー演出の有無及び演出態様を決定するための処理である。タイマー演出設定処理(S4605I)が実行されると、まず、今回の特図変動における変動パターンはリーチなしの変動パターン(即ち、外れまたはガセ外れ)であるかを判別し(S4901I)、リーチなしの変動パターンであると判別した場合には(S4901I:Yes)、本処理を終了する。一方、リーチなしの変動パターンではないと判別した場合(即ち、外れまたはガセ外れ以外の変動パターンである場合)には(S4901I:No)、タイマー演出設定テーブル222diに基づいてタイマー演出の有無を決定し(S4902I)、タイマー演出ありの演出態様であるかを判別する(S4903I)。タイマー演出なしと判別した場合には(S4903I:No)、本処理を終了する。一方、タイマー演出ありと判別した場合には(S4903I:Yes)、タイマー内容設定テーブル222eiに基づきタイマー演出態様を決定し、タイマー演出情報(各表示位置Hi1~Hi5に表示する表示秒数や、発動時報知態様を示すための演出情報)を演出情報格納エリア223uiに格納する(S4904I)。そして、秒数決定演出実行フラグ223aaiをオンに設定し(S4905I)、秒数決定演出シナリオを設定し(S4906I)、秒数決定演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S4907I)、本処理を終了する。
図1909に戻り説明を続ける。タイマー演出設定処理(S4605I)が終了すると、次に、楽曲演出設定処理を実行する(S4606I)。ここで、図1913を参照して、楽曲演出設定処理(S4606I)について説明する。図1913は、この楽曲演出設定処理(S4606I)を示したフローチャートである。楽曲演出設定処理(S4605I)は、上述したリーチ中に実行される楽曲演出の楽曲演出シナリオを設定するための処理である。楽曲演出設定処理(S4606I)が実行されると、まず、今回の特図変動の変動パターンはリーチなしの変動パターン(即ち、外れまたはガセ外れの変動パターン)であるかを判別する(S5001I)。リーチなしの変動パターンであると判別した場合には(S5001I:Yes)、本処理を終了する。一方、リーチなしの変動パターンではない(即ち、外れまたはガセ外れ以外の変動パターンである)と判別した場合には(S5001I:No)、楽曲演出設定テーブル222giに基づき楽曲演出のシナリオを設定し(S5002I)、楽曲演出実行フラグ223piをオンに設定し(S5003I)、本処理を終了する。このように、本第33制御例では、リーチ中に実行される楽曲演出のシナリオを複数のシナリオの中から決定する構成としている。なお、本第33制御例では、リーチ中にのみ楽曲演出が実行される構成としたが、これに限るものではなく、特図変動におけるリーチ前の演出期間においても楽曲演出を実行する構成としても良い。
図1909に戻り説明を続ける。楽曲演出設定処理(S4606I)が終了すると、次にリーチ図柄変更演出設定処理を実行する(S4607I)。ここで、図1914を参照して、リーチ図柄変更演出設定処理(S4607I)について説明する。図1914はリーチ図柄変更演出設定処理(S4607I)を示したフローチャートである。リーチ図柄変更演出設定処理(S4607I)は、左図柄列Z1と、右図柄列Z3にリーチ態様で停止表示された第3図柄が7図柄D7(大当たり当選した場合に、大当たりAであることが確定する図柄態様)以外の図柄態様である場合に、第3図柄の図柄態様を7図柄D7へと可変させ得る図柄変更演出を実行するか否か決定するための処理である。リーチ図柄変更演出設定処理(S4607I)が実行されると、まず、今回の特図変動における変動パターンは、リーチなしの変動パターン(外れまたはガセ外れの変動パターン)であるかを判別し(S5101I)、リーチなしの変動パターンであると判別した場合には(S5101I:Yes)、本処理を終了する。一方、S5101Iの処理において、リーチなしの変動パターンではないと判別した場合には(S5101I:No)、次に、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄は7図柄D7であるかを判別し(S5102I)、7図柄D7であると判別した場合には(S5102I:Yes)、本処理を終了する。S5102Iの処理において、7図柄D7ではないと判別した場合には(S5102I:No)、図柄変更演出設定テーブル222hiに基づいてリーチ図柄変更演出の有無を決定し(S5103I)、リーチ図柄変更演出ありの演出態様であるかを判別する(S5104I)。リーチ図柄変更演出なしと判別した場合には(S5104I:No)、本処理を終了する。一方、リーチ図柄変更演出ありと判別した場合には(S5104I:Yes)、図柄変更フラグ223siをオンに設定し(S5105I)、本処理を終了する。図1909に戻り説明を続ける。リーチ図柄変更演出設定処理(S4607I)が終了すると、本処理を終了する。
次に、図1915を参照して、演出更新処理(S3112I)について説明する。図1915は、この演出更新処理(S3112I)を示したフローチャートである。演出更新処理(S3112I)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理の一処理であり、実行中の各種演出態様を定期的(メイン処理の実行間隔毎)に更新するための処理である。演出更新処理(S3112I)が実行されると、まず、シナリオカウンタ223riのカウンタ値に1加算する(S3601I)。なお、特図変動が実行されていない期間に実行される演出更新処理(S3112I)においてもシナリオカウンタ値が更新されるが、上述したように、このシナリオカウンタ値は、特図変動が開始される場合にリセットされるため、特図変動の進捗状況に合わせて各種演出のシナリオに沿った演出を実行することができる。次に、秒数決定演出実行フラグ223aaiはオンであるかを判別し(S3602I)、秒数決定演出実行フラグ223aaiはオンである(即ち、秒数決定演出の実行期間中である)と判別した場合には(S3602I:Yes)、秒数決定演出更新処理を実行する(S3603I)。ここで、図1916を参照して、秒数決定演出更新処理(S3603I)について説明する。図1916は、この秒数決定演出更新処理(S3603I)を示したフローチャートである。秒数決定演出更新処理(S3603I)が実行されると、まず、シナリオカウンタ223riのカウンタ値は秒数決定演出シナリオテーブル222miにおけるEND情報に対応する値であるかを判別し(S3701I)、END情報に対応する値である(即ち、タイマー秒数決定演出の終了タイミングである)と判別した場合には(S3701I:Yes)、演出情報格納エリア223uiに格納されているタイマー演出情報に対応するタイマー設定値を演出実行カウンタ223abiに設定する(S3702I)。上述したように、演出情報格納エリア223abiに格納されているタイマー演出情報には、各表示位置Hi1~Hi5に表示するための表示秒数と、タイマーTm1(図1852参照)に設定されるタイマー設定値(タイマー秒数)と、タイマー秒数が0秒となった場合に表示される発動時報知態様を示す情報が含まれている。そして、タイマー設定値に対応するタイマー秒数を表示するための表示用コマンドを設定し(S3703I)、タイマー演出実行フラグ223oiをオンに設定し(S3704I)、秒数決定演出実行フラグ223aaiをオフに設定し(S3705I)、本処理を終了する。一方、S3701Iの処理において、END情報に対応する値ではない(即ち、タイマー秒数決定演出の終了タイミングではない)と判別した場合には(S3701I:No)、次に、風船破裂演出の実行タイミングであるかを判別する(S3706I)。風船破裂演出の実行タイミングではないと判別した場合には(S3706I:No)、本処理を終了する。S3706Iの処理において、風船破裂演出の実行タイミングであると判別した場合には(S3706I::Yes)、破裂させる風船の表示位置にタイマー演出態様で規定されている表示秒数を表示するための表示用コマンドを設定し(S3707I)、本処理を終了する。このように、タイマー秒数決定演出では、特図変動の進捗に合わせて各表示位置Hi1~Hi5に表示秒数が順番を表示し、タイマーTm1に設定されるタイマー秒数を段階的に遊技者に報知する構成としている。このように構成することで、タイマーTm1が表示されてからタイマー秒数が設定されるまでの期間で、設定されるタイマー秒数を予測する楽しみを遊技者に提供し、タイマー演出の演出効果を向上させることができる。
図1915に戻り説明を続ける。S3602Iの処理において、秒数決定演出実行フラグ223aaiがオンではないと判別した場合(S3602I:No)、または秒数決定演出更新処理(S3603I)が終了した場合に、タイマー演出実行フラグ223oiがオンであるかを判別し(S3604I)、オンである(即ち、タイマー演出におけるカウントダウン演出の実行期間中である)と判別した場合には(S3604I:Yes)、タイマー演出更新処理を実行する(S3605I)。ここで、図1917を参照して、タイマー演出更新処理(S3605I)について説明する。図1917は、このタイマー演出更新処理(S3605I)を示したフローチャートである。タイマー演出更新処理(S3605I)では、主に、タイマー演出のカウントダウン演出(図1853(b)に示すタイマーTm1にタイマー秒数が設定されてからタイマー秒数が0になるまでタイマー秒数を更新し、0になった場合に発動時報知態様を表示させる演出)におけるタイマー秒数の更新と、発動時報知態様を表示するための処理を実行する。タイマー演出更新処理(S3605I)が実行されると、まず、演出実行カウンタ223abiのカウンタ値を1減算し(S3801I)、演出実行カウンタ223abiのカウンタ値が0であるかを判別する(S3802I)。演出実行カウンタ223abiのカウンタ値が0ではないと判別した場合には(S3802I:No)、本処理を終了する。一方、演出実行カウンタ223abiのカウンタ値が0であると判別した場合には(S3802I:Yes)、再セットフラグ223viがオンであるかを判別し(S3803I)、再セットフラグ223viがオンではないと判別した場合には(S3803I:No)、演出情報格納エリア223uiに格納されているタイマー演出情報に基づきタイマー演出態様に対応する発動時報知態様を表示するための表示用コマンドを設定し(S3804I)、S3807Iの処理に移行する。S3803Iの処理において、再セットフラグ223viがオンであると判別した場合には(S3803I:Yes)、再セットフラグ223viをオフに設定し(S3805I)、再セット用報知態様設定テーブル222fiからタイマー演出態様に対応する発動時報知態様を決定し、決定した発動時報知態様を表示するための表示用コマンドを設定し(S3806I)、S3807Iの処理に移行する。S3807Iの処理では、今回の報知態様は「再セット」であるかを判別し(S3807I)、「再セット」であると判別した場合には(S3807I:Yes)、再セット用報知態様設定テーブル222fiからタイマー演出態様に対応するタイマー設定値を演出実行カウンタ223abiに設定し(S3808I)、設定したカウンタ値に対応するタイマー秒数を表示するための表示用コマンドを設定し(S3809I)、再セットフラグ223viをオンに設定し(S3810I)本処理を終了する。一方、S3807Iの処理において、報知態様は「再セット」ではないと判別した場合には(S3807I:No)、タイマー演出実行フラグ223oiをオフに設定し(S3811I)、演出情報格納エリア223uiに格納されているタイマー演出情報をクリアし(S3812I)、本処理を終了する。
図1915に戻り説明を続ける。S3604Iの処理において、タイマー演出実行フラグ223oiがオンではないと判別した場合(S3604I:No)、またはタイマー演出更新処理(S3605I)が終了した場合には、次に、楽曲演出実行フラグ223piがオンであるかを判別し(S3606I)、楽曲演出実行フラグ223piがオンであると判別した場合には(S3606I:Yes)、楽曲演出更新処理を実行する(S3607I)。ここで、図1918を参照して、楽曲演出更新処理(S3607I)について説明する。図1918は、この楽曲演出設定処理(S3607I)を示したフローチャートである。楽曲演出更新処理(S3607I)では、リーチ中に実行される楽曲演出の楽曲を再生・停止、及び音量調整を実行するための処理を行う。楽曲演出更新処理(S3607I)が実行されると、まず、楽曲再生開始タイミングであるかを判別する(S3901I)。具体的には、シナリオカウンタ223riのカウンタ値が楽曲演出シナリオに規定されている楽曲再生開始タイミングに対応する値であるかを判別する。楽曲再生開始タイミングであると判別した場合には(S3901I:Yes)、音AデータOs1及び音BデータOs2の再生を開始するための音声コマンドを設定し(S3902I)、音AデータOs1の音量を「大」にする音声コマンドを設定し(S3903I)、音BデータOs2の音量を「ミュート」にする音声コマンドを設定し(S3904I)、S3905Iの処理に移行する。S3901Iの処理において、楽曲再生開始タイミングではないと判別した場合には(S3901I:No)、S3902I~S3904Iの処理をスキップし、S3905Iの処理を実行する。S3905Iの処理では、音BデータOs2の音量変更タイミングであるかを判別し(S3905I)、音BデータOs2の音量変更タイミングであると判別した場合には(S3905I:Yes)、音BデータOs2の音量を「大」にするための音声コマンドを設定し(S3906I)、S3907Iの処理に移行する。S3905Iの処理において、音BデータOs2の音量変更タイミングではないと判別した場合には(S3905I:No)、S3907Iの処理を実行する。S3907Iの処理では、楽曲再生終了タイミングであるかを判別し(S3907I)、楽曲再生終了タイミングであると判別した場合には(S3907I:Yes)、楽曲演出実行フラグ223piをオフに設定し(S3908I)、楽曲再生を停止するための音声コマンドを設定し(S3909I)、本処理を終了する。S3907Iの処理において、楽曲再生終了タイミングではないと判別した場合には(S3907I:No)、本処理を終了する。なお、楽曲演出更新処理(S3607I)において設定された各音声コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図1899参照)のコマンド出力処理(S3102I)において音声出力装置226に送信される。音声出力装置226では、受信した音声コマンドに基づいて楽曲の再生・停止、及び音量調整を実行する。
図1915に戻り説明を続ける。S3606Iの処理において、楽曲演出実行フラグ223piがオンではないと判別した場合(S3606I:No)、または楽曲演出更新処理(S3607I)が終了した場合には、次に、チャンスゾーン演出実行フラグ223abiはオンであるかを判別し(S3608I)、チャンスゾーン演出実行フラグ223abiはオンであると判別した場合には(S3608I:Yes)、チャンスゾーン演出実行処理を実行する(S3609I)。ここで、図1919を参照して、チャンスゾーン演出実行処理(S3609I)について説明する。図1919は、このチャンスゾーン演出実行処理(S3609I)を示したフローチャートである。チャンスゾーン演出実行処理(S3609I)では、左図柄列Z1または右図柄列Z3に1図柄D1が停止表示されるタイミングで特殊1図柄D1aを表示するための処理を実行する。チャンスゾーン演出実行処理(S3609I)が実行されると、まず、左停止フラグ223yiがオンであるかを判別し(S4001I)、左停止フラグ223yiがオンであると判別した場合には(S4001I:Yes)、次に、左図柄列Z1に第3図柄を停止させるタイミングであるかを判別する(S4002I)。なお、各図柄列Z1~Z3に第3図柄を停止表示させるタイミングは各表示用変動パターンの変動パターンシナリオ(図示しない)に定められており、シナリオカウンタ223riのカウンタ値により判別する。S4002Iの処理において、左図柄列Z1に第3図柄を停止表示させるタイミングではないと判別した場合には(S4002I:No)、本処理を終了する。一方、S4002Iの処理において、左図柄列Z1に第3図柄を停止表示させるタイミングであると判別した場合には(S4002I:Yes)、左図柄列Z1に特殊1図柄D1aを表示するための表示用コマンドを設定し(S4003I)、左停止フラグ223yiをオフに設定し(S4004I)、チャンスゾーン演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S4007I)、チャンスゾーン演出実行フラグをオフに設定し(S4008I)、本処理を終了する。また、S4001Iの処理において、左停止フラグ223yiがオンではないと判別した場合には(S4001I:No)、次に、右図柄列Z3に第3図柄を停止表示させるタイミングであるかを判別し(S4005I)、右図柄列Z3に第3図柄を停止表示させるタイミングではないと判別した場合には(S4005I:No)、本処理を終了する。一方、S4005Iの処理において、右図柄列Z3に第3図柄を停止表示させるタイミングであると判別した場合には(S4005I:Yes)、右図柄列Z3に特殊1図柄D1aを表示するための表示用コマンドを設定し(S4006I)、S4007Iの処理に移行する。
図1915に戻り説明を続ける。S3608Iの処理において、チャンスゾーン演出実行フラグ223adiがオンではないと判別した場合(S3608I:No)、またはチャンスゾーン演出実行処理(S3609I)が終了した場合には、次に、図柄変更フラグ223siはオンであるかを判別し(S3610I)、図柄変更フラグ223siはオンであると判別した場合には(S3610I)、図柄変更演出実行処理を実行する(S3611I)。ここで、図1920を参照して、図柄変更演出実行処理(S3611I)について説明する。図1920は、この図柄変更演出実行処理(S3611I)を示したフローチャートである。図柄変更演出実行処理(S3611I)では、特図変動におけるリーチ演出の実行タイミングにおいて、リーチ図柄変更演出(図1845参照)を実行するための処理を行う。図柄変更演出実行処理(S3611I)が実行されると、まず、リーチタイミングであるかを判別する(S4101I)。リーチタイミングではないと判別した場合には(S4101I:)、本処理を終了する。S4101Iの処理において、リーチタイミングであると判別した場合には(S4101I:Yes)、次に、今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、且つ、大当たり種別は大当たりAであるかを判別し(S4102I)、大当たりAであると判別した場合には(S4102I)、図柄変更成功演出(図1845(b)参照)を実行するための表示用コマンドを設定し(S4103I)、変更後の図柄(7図柄D7)を表示するための表示用コマンドを設定し(S4104I)、図柄変更フラグ223siをオフに設定し(S4105I)、本処理を終了する。一方、S4102Iの処理において、大当たりAではないと判別した場合には(S4102I:No)、図柄変更失敗演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S4106I)、S4105Iの処理に移行する。
図1915に戻り説明を続ける。S3610Iの処理において、図柄変更フラグ223siはオンではないと判別した場合(S3610I:No)、または図柄変更演出実行処理(S3611I)が終了した場合には、次に、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liはオンであるかを判別し(S3612I)、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liはオンである(即ち、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中である)と判別した場合には(S3612I:Yes)、ファイナルチャレンジ実行中処理を実行する(S3613I)。ここで、図1921を参照して、ファイナルチャレンジ実行中処理(S3613I)について説明する。図1921は、このファイナルチャレンジ実行中処理(S3613I)を示したフローチャートである。ファイナルチャレンジ演出実行中処理(S3613I)では、主に、ファイナルチャレンジ演出中に演出ボタン22aが押下されたことに対応して、ボタン保留図柄態様を×態様またはV態様に可変させるための処理を実行する。ファイナルチャレンジ実行中処理(S3613I)が実行されると、まず、ボタン押下フラグ223qiはオンであるかを判別し(S4201I)、ボタン押下フラグ223qiはオンではない(即ち、演出ボタン22aが押下されていない)と判別した場合には(S4201I:No)、本処理を終了する。一方、ボタン押下フラグ223qiがオンである(即ち、演出ボタン22aが押下された)と判別した場合には(S4201I:Yes)、次に、第2演出カウンタ223giのカウンタ値を取得し(S4202I)、ボタン押下フラグ223qiをオフに設定する(S4203I)。次に、保留図柄情報格納エリア223wi内の実行エリアに格納されている保留図柄情報はボタン保留図柄態様を示すものであるかを判別し(S4204I)、ボタン保留図柄態様を示すものであると判別した場合には(S4204I:Yes)、第2演出カウンタとファイナルチャレンジ用報知態様設定テーブル222iiに基づき実行エリアの保留図柄の保留図柄態様を決定し(S4205I)、S4208Iの処理に移行する。S4204Iの処理において実行エリアの保留図柄はボタン保留図柄態様ではないと判別した場合には(S4204I:No)、次に、保留図柄情報格納エリア223wiに格納されている保留図柄情報の中にボタン保留図柄態様を示す保留図柄情報があるかを判別し(S4206I)、ボタン保留図柄態様を示す保留図柄情報があると判別した場合には(S4206I:Yes)、第2演出カウンタ223giのカウンタ値と、ファイナルチャレンジ用報知態様設定テーブル222iiに基づいて、副表示領域Dsの保留エリアのうち、最も若い番号の保留エリアに表示されている保留図柄の保留図柄態様を決定し(S4207I)、S4208Iの処理に移行する。S4208Iの処理では、保留図柄情報格納エリア223wi内の今回可変した保留図柄の表示位置に対応する保留エリアに、S4205IまたはS4207Iの処理において決定した保留図柄態様に対応する保留図柄情報を格納し(S4208I)、決定した保留図柄態様がV態様であるかを判別する(S4209I)。V態様であると判別した場合には(S4209I:Yes)、V態様表示フラグ223xiをオンに設定し(S4210I)、決定した保留図柄態様を表示するための表示用コマンドを設定し(S4211I)、本処理を終了する。一方、S4209Iの処理において、V態様ではないと判別した場合には(S4209I:No)、S4210Iの処理をスキップし、S4211Iの処理を実行する。また、S4206Iの処理において、保留内にボタン保留図柄態様の保留図柄が無いと判別した場合には(S4206I:No)、開示後演出実行処理を実行し(S4212I)、本処理を終了する。ここで、図1922を参照して、開示後演出実行処理(S4212I)について説明する。図1922は、この開示後演出実行処理(S4212I)を示したフローチャートである。開示後演出実行処理(S4212I)が実行されると、まず、押下回数カウンタ223tiのカウンタ値に1加算し(S4251I)、押下回数カウンタ223tiのカウンタ値が4であるかを判別する(S4252I)。押下回数カウンタ223tiのカウンタ値が4であると判別した場合には(S4252I:Yes)、大当たり当選または小当たり当選する保留球が存在するかを判別する(S4253I)。大当たり当選または小当たり当選する保留球が存在すると判別した場合には(S4253I:Yes)、V態様表示フラグ223xiはオンであるかを判別する(S4254I)。V態様表示フラグ223xiがオンではないと判別した場合には(S4254I:No)、特殊復活演出(図1859(b)参照)を実行するための表示用コマンドを設定し(S4255I)、本処理を終了する。なお、S4252Iの処理において、押下回数カウンタ223tiのカウンタ値が4ではないと判別した場合(S4252I:No)、またはS4253Iの処理において、大当たり当選または小当たり当選する保留球が存在しないと判別した場合(S4253I:No)、或いは、S4254Iの処理において、V態様表示フラグ223xiがオンであると判別した場合には(S4254I:Yes)、押下回数カウンタ値に対応する音声を出力するための音声コマンドを設定し(S4256I)、本処理を終了する。なお、本第33制御例では、ファイナルチャレンジ演出において全ての保留図柄がボタン保留図柄態様ではなくなった場合(即ち、表示されている保留図柄が×態様またはV態様で表示されている場合)に、演出ボタン22aが押下されたことに対応して、音声(キャラボイス)を出力する構成としたが、これに限るものではなく、第3図柄表示装置81の表示画面上に押下回数カウンタ値に基づく演出を実行する構成としても良い。例えば、演出ボタン22aが押下されると主表示領域Dmにランダムでキャラクタを表示し、押下回数カウンタ値が特定値(例えば、4)となった場合に、保留球内に大当たり(または小当たり)当選する保留球があれば特定のキャラクタを表示する構成としても良い。或いは、押下回数カウンタ値に対応して遊技機に設けられているLEDを異なる色で発光させる構成とし、押下回数カウンタ値が特定値となった場合に、保留球内に大当たり(または小当たり)当選する保留球があれば特定色(例えば、虹色)で発光させる構成としても良い。
図1915に戻り説明を続ける。S3612Iの処理において、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liがオンではないと判別した場合(S3612I:No)、またはファイナルチャレンジ実行中処理(S3613I)が終了した場合には、次に、その他の演出更新処理(例えば、各種カウンタの更新)を実行し本処理を終了する。次に、図1923を参照して、停止種別設定処理(S4309I)について説明する。図1923は、この停止種別設定処理(S4309I)を示したフローチャートである。停止種別設定処理(S4309I)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(図1905のS3114I)の一処理である。停止種別設定処理(S4309I)は、今回の特図変動における第3図柄の図柄態様を決定し、決定した図柄態様を表示制御装置114によって第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させるための表示用コマンドを設定する処理を行う。停止種別設定処理(S4309I)が実行されると、まず、今回の特図変動における特別図柄種別は第2特別図柄であるかを判別し(S5301I)、第2特別図柄であると判別した場合には(S5301I:Yes)、抽出した停止種別をそのまま設定し(S5302I)、表示用停止種別コマンドを設定し(S5303I)、本処理を終了する。一方、S5301Iの処理において、第2特別図柄ではないと判別した場合には(S5301I:No)、図柄情報格納エリア223niに格納されている図柄情報に対応する図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させる第3図柄の図柄態様として決定し(S5304I)、今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選であるかを判別する(S5305I)。今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選であると判別した場合には(S5305I:Yes)、図柄情報格納エリア223ni内の左図柄列Z1に停止表示させる図柄情報に対応する図柄態様を中図柄列Z2及び右図柄列Z3の図柄態様として決定し(S5306I)、表示用停止図柄コマンドを設定し(S5307I)、本処理を終了する(S5307I)。なお、S5307Iの処理では、S5304I~S5312Iの処理で決定された各図柄列Z1~Z3の第3図柄の図柄態様を表示させるための表示用コマンドを設定する。ここで設定された表示用停止図柄コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図1899参照)のコマンド出力処理(S3102I)において表示制御装置114に送信される。表示制御装置114では、受信した表示用停止図柄コマンドによって示される図柄態様の第3図柄を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させるための処理を実行する。S5305Iの処理において、今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選ではないと判別した場合には(S5305I:No)、次に今回の特図変動における変動パターンはリーチありの変動パターンであるかを判別する(S5308I)。リーチありの変動パターンではないと判別した場合には(S5308I:No)、図柄態様決定テーブル222giから図柄カウンタ223miのカウンタ値に4加算した値に対応する図柄態様を右図柄Z3に停止表示させる図柄態様に決定し(S5309I)、図柄態様決定テーブル222giから図柄カウンタ223miのカウンタ値に2加算した値に対応する図柄態様を中図柄Z2に停止表示させる図柄態様に決定し(S5310I)、S5307Iの処理に移行する。また、S5308Iの処理において、リーチありの変動パターンであると判別した場合には(S5308I:Yes)、図柄情報格納エリア223ni内の左図柄列Z1に停止表示させる図柄情報に対応する図柄態様を右図柄列Z3の図柄態様として決定し(S5311I)、図柄態様決定テーブル222giから図柄カウンタ223miのカウンタ値に1減算した値に対応する図柄態様を中図柄Z2に停止表示させる図柄態様に決定し(S5312I)、S5307Iの処理に移行する。なお、本第33制御例では、右図柄列Z3と、中図柄列Z2に停止表示される第3図柄の図柄態様を決定する際に、図柄カウンタ値に特定値(例えば、S5309Iの処理では4)を加算(または減算)する構成としているが、これに限るものではなく、例えば、停止種別と、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様に基づいて、中図柄列Z2及び右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様を規定したデータテーブルを設け、そのデータテーブルから図柄態様を決定する構成としても良い。
<第33制御例における表示制御装置の制御処理について>
次に、図1924から図1937を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。まず、図1924を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図1924は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。図1924に示した通り、本第33制御例におけるメイン処理のS6001I~S6006Iの各処理は、上述した第1制御例のメイン処理におけるS6001~S6006の各処理とそれぞれ同じ処理であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図1925を参照して、ブート処理(S6001I)について説明する。図1925は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001I)を示すフローチャートである。図1925に示した通り、本第33制御例におけるブート処理(S6001I)におけるS6101I~S6105Iの各処理は、上述した第1制御例におけるブート処理(S6001)におけるS6101~S6105の各処理とそれぞれ同じ処理であるため、その詳細な説明を省略する。次いで、図1926(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図1926(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201I)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。次いで、図1926(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図1926(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図1926(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301I)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301I:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302I)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303I)を実行する。コマンド判定処理(S6302I)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図1927~図1931を参照して後述する。
表示設定処理(S6303I)では、コマンド判定処理(S6302I)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図1932~図1934を参照して後述する。表示設定処理(S6303I)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304I)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303I)もしくは簡易表示設定処理(S6309I)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。次に、転送設定処理を実行する(S6305I)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図1935および図1936を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306I)。この描画処理では、タスク処理(S6304I)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305I)により設定された転送指示とから描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S6306I)。なお、描画処理の詳細については、図1937を参照して後述する。次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307I)。そして、V割込処理を終了する。S6307Iの処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。一方、S6301Iの処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301I:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308I)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309I)を実行して、S6304Iの処理へ移行する。次いで、図1927~図1931を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302I)の詳細について説明する。まず、図1927は、このコマンド判定処理(S6302I)を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理(S6302I)では、図1927に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401I)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401I:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401I:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303I)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402I)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403I)。そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6404I)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404I:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405I)、S6401Iの処理へ戻る。ここで、図1928(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405I)の詳細について説明する。図1928(a)は、変動パターンコマンド処理(S6405I)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S6405I)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。図1928(a)に示す通り、本第33制御例における変動パターンコマンド処理(S6405I)のS6501I~S6505Iの各処理は、上述した第1制御例における変動パターンコマンド処理(S6405)のS6501~S6505の各処理とそれぞれ同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。
ここで、図1927の説明に戻る。S6404Iの処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404I:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406I)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406I:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407I)、S6401Iの処理へ戻る。ここで、図1928(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407I)の詳細について説明する。図1928(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。図1928(b)に示す通り、本第33制御例における停止種別コマンド処理(S6407I)のS6601I~S6603Iの各処理は、上述した第1制御例における停止種別コマンド処理(S6407)のS6601~S6603の各処理と同じ処理であるため、その詳細な説明を省略する。
図1927に戻り、説明を続ける。S6406Iの処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406I:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止図柄コマンドがあるか否かを判別し(S6408I)、表示用停止図柄コマンドがあれば(S6408I:Yes)、停止図柄コマンド処理を実行して(S6409I)、S6401Iの処理へ戻る。ここで、図1929を参照して、停止図柄コマンド処理(S6409I)の詳細について説明する。図1929は、停止図柄コマンド処理(S6409I)を示すフローチャートである。停止図柄コマンド処理(S6409I)が実行されると、まず、表示用停止図柄コマンドに含まれる停止図柄情報(各図柄列Z1~Z3に停止表示させる第3図柄の図柄態様)に対応した停止図柄を設定する(S6701I)。そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6701Iの処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S6703I)、コマンド判定処理に戻る。このように、上述した停止種別コマンド処理(S6407I)では、音声ランプ制御装置113からの表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA~D、小当たりA~C、外れ、ガセ外れ、のいずれか)に基づいて表示制御装置114において最終的な停止図柄を設定するものであったが、この停止図柄コマンド処理(S6409I)では、音声ランプ制御装置113により指定された第3図柄の図柄態様を停止図柄として設定する。
図1927に戻り、説明を続ける。S6408Iの処理において、表示用停止図柄コマンドがないと判別されると(S6408I:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動停止コマンドがあるか否かを判別し(S6410I)、表示用変動停止コマンドがあれば(S6410I:Yes)、変動停止コマンド処理を実行して(S6411I)、S6401の処理へ戻る。ここで、図1930(a)を参照して、変動停止コマンド処理(S6411I)の詳細について説明する。図1930(a)は、変動停止コマンド処理を示すフローチャートである。図1930(a)に示す通り、本第33制御例における変動停止コマンド処理(S6411I)のS6801I~S6805Iの各処理は、上述した第1制御例における変動停止コマンド処理(S6415)のS6931~S6935の各処理とそれぞれ同じ処理であるため、その詳細な説明を省略する。図1927に戻り、説明を続ける。S6410Iの処理において、表示用変動停止コマンドがないと判別されると(S6410I:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用演出更新コマンドがあるか否かを判別し(S6412I)、表示用演出更新コマンドがあれば(S6412I:Yes)、演出更新コマンド処理を実行して(S6413I)、S6401の処理へ戻る。ここで、図1930(b)を参照して、演出更新コマンド処理(S6413I)の詳細について説明する。図1930(b)は、演出更新コマンド処理を示すフローチャートである。この演出更新コマンド処理(S6413I)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用演出更新コマンドに対応する処理を実行するものである。演出更新コマンド処理(S6413I)が実行されると、まず、表示用演出更新コマンドに含まれる演出情報(タイマー演出、リーチ図柄変更演出、、チャンスゾーン演出、ファイナルチャレンジ演出のそれぞれの演出態様を含む情報)に対応した演出データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファに設定し(S6901I)、転送データテーブルバッファをクリアし(S6902I)、設定した演出データテーブルを基に時間データを計時カウンタに設定し(S6903I)、ポインタを初期化し(S6904I)、コマンド判定処理に戻る。
図1927に戻り、説明を続ける。S6412Iの処理において、表示用演出更新コマンドがないと判別されると(S6412I:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6414I)、背面画像変更コマンドがあれば(S6414I:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6415I)、S6401Iの処理へ戻る。ここで、図1931(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6415I)の詳細について説明する。図1931(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。図1931(a)に示す通り、本第33制御例における背面画像変更コマンド処理(S6415I)のS7001I及びS7002Iの各処理は、上述した第1制御例における背面画像変更コマンド処理(図79(a)のS6419参照)のS7001及びS7002の各処理と同じ処理であるため、その詳細な説明を省略する。図1927の説明に戻る。S6414Iの処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6414I:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6416I)、エラーコマンドがあれば(S6416I:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6417I)、S6401Iの処理へ戻る。ここで、図1931(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6421I)の詳細について説明する。図1931(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。図1931(b)に示す通り、本第33制御例におけるエラーコマンド処理(6417I)のS7101I及びS7102Iの処理は、上述した第1制御例におけるエラーコマンド処理(S6421)のS7101及びS7102の処理と同じ処理であるため、その詳細な説明を省略する。
図1927の説明に戻る。S6416Iの処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6416I:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6418I)、S6401Iの処理へ戻る。各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401Iの処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401I:Yes)、再びS6402I~S642218Iの処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401I~S6418Iの処理が繰り返し実行され、S6401Iの処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図1926(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308I)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図1928(a)参照)および停止種別コマンド処理(図1928(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図1928(a)参照)では、S6501Iの処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502Iの処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。次いで、図1932~図1934を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303I)の詳細について説明する。図1932Iは、この表示設定処理を示すフローチャートである。この表示設定処理では、図1932に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7201I)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7201I:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7202I~S7204Iの処理をスキップし、S7205Iの処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7201I:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7202I)、S7203I~S7204Iの処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。S7203Iの処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7203I)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7203I:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7204I)。ここで、図1933を参照して、警告画像設定処理(S7204I)の詳細について説明する。図1933は、警告画像設定処理(S7204I)を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7301I)。タスク処理(S6304I)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。そして、警告画像設定処理では、S7301Iの処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7302I)、表示設定処理に戻る。ここで、図1932の説明に戻る。警告画像設定処理(S7204I)の後、又は、S7203Iの処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7203I:No)、次いで、S7205Iの処理へ移行する。
S7205Iでは、ポインタ更新処理を実行する(S7205I)。ここで、図1934を参照して、ポインタ更新処理(S7205I)の詳細について説明する。図1934は、ポインタ更新処理(S7205I)を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。このポインタ更新処理(S7205I)では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7401I)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。S7401Iの処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7402I)。その結果、End情報であれば(S7402I:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7403I)、デモ用表示データテーブルであれば(S7403I:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7404I)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7405I)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。一方、S7403Iの処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7403I:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7406I)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7402Iの処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7402I:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。ここで、図1932に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S7206I)。タスク処理(S6304I)では、先に展開された警告画像などと共に、S7206Iの処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7207I)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7208I)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7208I:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7208I:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7209I)。その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7209I:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7210I)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7211I)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7212I)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7213I)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7214I)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7215I)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。なお、S7215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304I)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7215Iによって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7209Iの処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7209I:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7216I)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7216I:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S7217I)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7218I)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7219I)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7220I)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7221I)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。S7216Iの処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7216I:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図1926(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309I)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。次いで、図1935及び図1936を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305I)の詳細について説明する。まず、図1935(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7501I)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7501I:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7502I)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図1935(b)を参照して後述する。一方、S7501Iの処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7501I:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7503I)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図1936を参照して後述する。
次いで、図1935(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305I)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7502I)について説明する。図1935(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7502I)を示すフローチャートである。この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7601I)、転送指示を送信していれば(S7601I:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7602I)。このS7602Iの処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7602Iの処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7602I:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7602I:Yes)、S7603Iの処理へ移行する。また、S7601Iの処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7601I:No)、S7603Iの処理へ移行する。S7603Iの処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7603I)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7603I:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7604I)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。S7603Iの処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7603I:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7605I)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図1926(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図1926(b)のS6308I参照)および簡易表示設定処理(図1926(b)のS6309I参照)ではなく、コマンド判定処理(図1927~図1931参照)および表示設定処理(図1932~図1934参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図1936参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図1935(a)のS7501I:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。次いで、図1936を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305I)の一処理である通常画像転送設定処理(S7503I)について説明する。図1936は、この通常画像転送設定処理(S7503I)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303I)のポインタ更新処理(S7205I)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7701I)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7702I)、転送データ情報であれば(S7702I:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7703I)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7704I)、S7705Iの処理へ移行する。また、S7702Iの処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7702I:No)、S7703I及びS7704Iの処理をスキップして、S7705Iの処理へ移行する。S7705Iの処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7705I)、転送指示を設定していれば(S7705I:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7706I)。
このS7706Iの処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7706Iの処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7706I:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7706I:Yes)、S7707Iの処理へ移行する。また、S7705Iの処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7705I:No)、S7707Iの処理へ移行する。S7707Iの処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7707I)、転送開始フラグがオンであれば(S7707I:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7708I)、S7703Iの処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7713Iの処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7707I:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S7709I)。そして、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S7709I:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S7709I:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S7710I)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7711I)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7712I)、S7713Iの処理へ移行する。S7713Iの処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7713I)。このS7713Iの処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。そして、S7713Iの処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7713I:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7713Iの処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7713I:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7714I)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。S7714Iの処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7715I)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、本制御例では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。次いで、図1937を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306I)の詳細について説明する。図1937は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304I)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305I)により設定された転送指示から、描画リスト(図39)を生成する(S7801I)。即ち、S7801Iの処理では、タスク処理(S6304I)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305I)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7802I)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。描画処理は、S7802Iの処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7803I)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図1926(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第33制御例における音声出力装置226の電気的構成について>
次に、図1938を参照して、本第33制御例のパチンコ機10における音声出力装置226の電気的構成について説明をする。図1938は、音声出力装置226の電気的構成を簡易的に示したブロック図である。図1938に示した通り、音声出力装置226は、音声ランプ制御装置113とデータの送受信が可能に接続されている。図1938に示した通り、音声出力装置226は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU301が搭載されている。MPU301には、当該MPU301により実行される各種の制御プログラムや固定値データ(ボイスデータ)を記憶したROM302と、そのROM302内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203とが内蔵されている。音声出力装置226のMPU301は、入出力ポート305、および音声合成部306と電気的に接続されている。音声ランプ制御装置113から音声出力装置226に対して、音声データを指定するコマンドを受信した場合には、そのコマンドが入出力ポート305を介してMPU301へ入力される。また、音声ランプ制御装置113によって指定された音声データは、ROM302から読み出されて、主音声合成部306a、または副音声合成部306bの、音声種別に対応するチャンネルに対して出力される。なお、本第33制御例では、リーチ演出中に実行される楽曲演出の音声データを出力する場合に副音声合成部306bを用いるが、その他の楽曲や効果音、キャラクタボイスの音声データの出力は主音声合成部306aを用いる構成としている。主音声合成部306a及び副音声合成部306bは、各チャンネルに入力された音声データを合成して、合成音声データとして主アンプ部307aまたは副アンプ部307bへと出力する公知の音声合成LSIで構成されている。なお、主音声合成部306aにおいて合成した音声データは主アンプ部307aへ出力し、副音声合成部306bにおいて合成した音声データは副アンプ部307bへ出力する。合成音声データは、各アンプ部307a、307bによって増幅され、スピーカー部308に入力される。これにより、スピーカー部308から、音声ランプ制御装置113によって指定された各種音声を出力することができる。このように、主音声合成部306aと副音声合成部306bの2つの音声合成部を設け、それぞれの音声合成部に対応するアンプ部を設けることにより、2つの合成音声データを並行して再生しつつ、各アンプ部において音量を調整(増幅量を調整)することが可能となる。これにより、並行して再生している2つの合成音声データのうち、一部の合成音声データの音量を調整する処理のみで、スピーカー部308から出力される音色を様々なタイミングで可変させることができる。なお、本第33制御例では、主音声合成部306a及び副音声合成部306bによって生成された合成音声データを、主アンプ部307a、副アンプ部307bだけでなく、公知のAC-DCコンバータで構成されたADC309に対しても入力する構成としている。このADC309は、アナログデータである合成音声データを、デジタルデータに変換してMPU301に対して出力可能に構成されている。
より具体的には、ADC309は、比較器309a1~309a15と、デコード部309bとを少なくとも有している。各比較器309a1~309a15は、それぞれ受信したアナログデータの振幅(電圧)が、各比較器309a1~309a15に対応する電圧よりも大きいか否かを判別することができる。なお、各比較器309a1~309a15に対応する電圧としては、7ボルトから-7ボルトまでの範囲で1ボルトずつ設定されている。各比較器309a1~309a15は、対応する電圧値よりも合成音声データの電圧値の方が大きい場合に、Lを出力し、合成音声データの方が小さければHを出力する構成となっている。デコード部309bは、各比較器309a1~309a15の出力の組み合わせから、今回の合成音声データの電圧値の範囲を特定して、4ビットのデジタル値に変換する。即ち、電圧が低い範囲の順に、「0000B」から「1111B」までのデジタル値に変換する。具体的には、例えば、合成音声データの電圧値が7ボルトよりも大きい場合には、デジタル値として「1111B」が出力される。また、例えば、合成音声データの電圧値が3ボルトより大きく、4ボルト以下である場合には、デジタル値として「1011B」が出力される。MPU301では、ADC309から出力された合成後の音声データを所定期間(例えば、0.1秒間)に渡ってサンプリングして、その平均値(平均の振幅)を音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としている。音声ランプ制御装置113は、受信した平均の振幅から、対応する振動強度(DUTY比)を特定する。そして、その特定した振動強度(DUTY比)で音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に接続されている駆動モータ770のうち、振動付与用モータ(図示せず)を駆動させるための動作コマンドをモータ制御用ICに対して設定する。これにより、スピーカー部308から出力される音声に合わせて、振動強度を可変させることができるので、臨場感のある演出を提供することができる。
なお、本第33制御例では、ADC309から出力されたデジタル値をMPU301に出力する構成としているが、直接入出力ポート305に対して出力することで、デジタル値をそのまま音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよい。そして、振動演出を伴う変動演出を実行する場合には、音声ランプ制御装置113側において、デジタル値を所定期間(例えば、0.1秒間)に渡ってサンプリングすることで平均の振幅を算出する構成としてもよい。そして、算出した平均の振幅に応じた振動強度(DUTY比)をモータ制御用ICに対して動作コマンドで通知する構成としてもよい。これにより、MPU301の処理負荷を軽減することができる。本第33制御例では、合成音声データを、振幅の絶対値の平均値に変換して、その平均値に基づいて振動強度(DUTY比)を特定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、サンプリングを行う所定期間(例えば、0.1秒間)における絶対値の最大値を、音声出力装置226から音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよいし、実効値(振幅の最大値を2の平方根で除算した値)を算出して音声出力装置226から音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置113から出力されるボイスコマンドに対応させて、振動付与用モータを駆動させるための動作コマンドの種別を可変設定するように構成しても良く、例えば、高い音域のボイスデータを指定するためのボイスコマンドが設定された場合には、短い振幅に応じた振動強度を動作コマンドとして設定し、低い音域のボイスデータを指定するためのボイスコマンドが設定された場合には、長い振幅に応じた振動強度を動作コマンドとして設定するように構成しても良い。このように構成することで、ボイスデータの種別を異ならせたことにより実行される音声出力に対して、より明確な差を設けることができる。
次に、図1939を参照して、本第33制御例における音声出力装置226のMPU301に設けられたROM302の構成について説明する。図1939(a)は、ROM302の構成を示したブロック図である。図1939(a)に示した通り、ROM302には、音声ファイル記憶エリア302aiが少なくとも設けられている。音声ファイル記憶エリア302aiには、パチンコ機10で実行される各種演出において楽曲や効果音等を出力するために用いる音声ファイル(音声データ)に加え、ファイナルチャレンジ演出中に出力されるボイスデータが記憶されている記憶領域である。各種演出の実行が音声ランプ制御装置113により通知された場合には、この音声ファイル記憶エリア302aiから演出に対応する音声ファイルが読み出され、音声合成部306の対応するチャンネルに出力される。また、ボイスデータの種別を示すための音声用ボイスコマンドが音声ランプ制御装置113により通知された場合には、この音声ファイル記憶エリア302aiから、ボイスコマンドに対応するボイスデータが読み出され、音声合成部306の対応するチャンネルに出力される。次に、図1939(b)を参照して、音出力装置132に設けられたRAM303の構成について説明する。図1939(b)は、RAM303の構成を示したブロック図である。図1939(b)に示した通り、RAM303は、コマンド記憶領域303aiが少なくとも設けられている。コマンド記憶領域303aiは、音声ランプ制御装置113から音声出力装置226へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声出力装置226のコマンド判定処理(図1940のS8002I参照)が実行されると、コマンド記憶領域303aiに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
<第33制御例における音声出力装置226の制御処理について>
次に、図1940から図1943を参照して、本第33制御例における音声出力装置226にて実行される制御処理の内容について説明をする。まず、図1940(a)を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理について説明する。図1940(a)は、このメイン処理の内容を示したフローチャートである。この音声出力装置226のメイン処理が実行されると、まず、コマンド判定処理(S8002I)の中で合成音声データを所定期間(0.1秒間)サンプリングすることで得られた平均の振幅に基づいて生成される合成音声コマンドを音声ランプ制御装置113に対して送信するためのコマンド出力処理を実行する(S8001I)。次に、音声ランプ制御装置113や、ADC309から受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を実行する(S8002I)。このコマンド判定処理(S8002I)の詳細については、図1941を参照して後述する。S8002Iの処理後、演出に応じた音声データ(音声ファイル)を再生する音声設定処理を実行する(S8003I)。具体的には、楽曲の再生(出力)タイミングであると判別した場合には、今回の楽曲に対応する音声ファイルを読み出し、読み出した音声ファイルを、対応するチャンネルに出力する。なお、音声ファイルを出力するチャンネルは、ファイル毎に予め定められており、例えば、変動演出に用いる楽曲の音声ファイルは、チャンネル1に対して出力することが予め設定されている。また、効果音の出力タイミングであれば、今回の効果音に対応する音声ファイルを読み出し、読み出した音声ファイルを対応するチャンネルに出力する。
S8003Iの処理が終わると、ワークRAM303に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S8004I)。S8004Iの処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S8004I:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S8006I)、電源断処理を実行する(S8007I)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S8008I)、その後、処理を無限ループする。一方、S8004Iの処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S8004I:No)、RAM303に記憶されるキーワードに基づき、RAM303が破壊されているか否かが判別され(S8005I)、RAM303が破壊されていなければ(S8005I:No)、S8001Iの処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM303が破壊されていれば(S8005I:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
次に、図1940(b)を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるコマンド割込処理について説明する。図1940(b)は、このコマンド割込処理の内容を示したフローチャートである。このコマンド割込処理(図1940(b)参照)は、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信する毎に実行する処理である。このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、RAM303に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S8101I)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。次に、図1941を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理(図1940(a)参照)内の一処理であるコマンド判定処理(S8002I)について説明する。図1941は、このコマンド判定処理(S8002I)の内容を示したフローチャートである。
コマンド判定処理(S8002I)では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S8201I)、未処理の新規コマンドがなければ(S8201I:No)、コマンド判定処理を終了してメイン処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S8201I:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを示す新規コマンドフラグをオンに設定し(S8202I)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S8203I)。そして、未処理のコマンドの中に、まず、音声用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S8204I)。この音声用変動パターンコマンドは、音声ランプ制御装置113の変動演出設定処理(図1906のS4304I参照)において表示用変動パターンが決定されたタイミング(図1906のS4408I、図1907のS4508I、図1908のS4603I)に、あわせて、その表示態様に対応して再生すべき音声の種別および出力タイミングを通知するために設定される。S8204Iの処理において、未処理のコマンドの中に音声用変動パターンコマンドがあると判別されると(S8204I:Yes)、通知された変動パターンコマンドの実行中に用いる楽曲、効果音を特定し(S8205I)、特定した楽曲、効果音の出力チャンネル、出力タイミングを設定して(S8206I)、S8101Iの処理へ戻る。S8204Iの処理において、音声用変動パターンコマンドがないと判別されると(S8204I:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、楽曲演出コマンドがあるか否かを判別する(S8207I)。この楽曲演出コマンドは、音声ランプ制御装置113の楽曲演出更新処理(図1918参照)の中で、リーチ中における楽曲再生開始タイミング、音量変更タイミング、または楽曲再生終了タイミングの何れかであると判別された場合に設定されるコマンドであり、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図1899参照)のコマンド出力処理(S3102I)によって音声出力装置226に対して出力される。S8207Iの処理において、未処理のコマンドの中に楽曲演出コマンドがあると判別した場合は(S8207I:Yes)、楽曲演出コマンド処理が実行される(S8208I)。ここで、図1942を参照して、楽曲演出コマンド処理(S8208I)について説明する。図1942は、この楽曲演出コマンド処理(S8208I)を示したフローチャートである。楽曲演出コマンド処理(S8208I)は、リーチ演出中に実行される楽曲演出において楽曲の再生及び終了、音BデータOs2の音量変更を実行するための処理である。楽曲演出コマンド処理(S8208I)が実行されると、まず、今回受信したコマンドは再生コマンドであるかを判別する(S8301I)。再生コマンドであると判別した場合には(S8301I:Yes)、主音声合成部306aにおいて音AデータOs1の再生(出力)開始を設定し(S8302I)、副音声合成部306bにおいて音BデータOs2の再生(出力)開始を設定する(S8303I)。そして、主アンプ部307aの音量を「大」に設定する(S8304I)。通常、副アンプ部307bの音量は「ミュート」に設定されており、音声ランプ制御装置113からのコマンドにより音量「大」に設定される。なお、この音量「大」に設定された状態とは、スピーカー部308から合成音声データが出力される状態(即ち、遊技者に合成音声データの音が聞こえる状態)であり、音量「ミュート」に設定された状態は、スピーカー部308から合成音声データが出力されない状態(即ち、遊技者に合成音声データの音が聞こえない状態)である。したがって、楽曲演出コマンドのうち再生コマンドを受信した場合には、音AデータOs1と音BデータOs2の各合成音声データは対応するアンプ部に出力されるものの、主アンプ部307aのみが音量「大」に設定されるため、スピーカー部308からは音AデータOs1の合成音声データに基づく音のみが出力される。S8304Iの処理が終了すると、S8305Iの処理に移行する。
一方、S8301Iの処理において、受信した楽曲演出コマンドが再生コマンドではないと判別した場合には(S8301I:No)、S8302I~S8304Iの処理をスキップし、S8305Iの処理に移行する。S8305Iの処理では、受信した楽曲演出コマンドが音BデータOs2の音量調整コマンドであるかを判別する(S8305I)。音BデータOs2の音量調整コマンドであると判別した場合には(S8305I:Yes)、次に、「ミュート」への調整を示すコマンドであるかを判別し(S8306I)、「ミュート」への調整を示すコマンドであると判別した場合には(S8306I:Yes)、副アンプ部307bの音量を「ミュート」に設定する(S8307I)。一方、S8306Iの処理において、「ミュート」への調整を示すコマンドではないと判別した場合には(S8306I:No)、副アンプ部307bの音量を「大」に設定し(S8308I)、S8309Iの処理に移行する。一方、S8305Iの処理において、音BデータOs2の音量調整コマンドではないと判別した場合には(S8305I:No)、次に、受信した楽曲演出コマンドが楽曲再生の停止を示すコマンド(停止コマンド)であるかを判別する(S8309I)。停止コマンドであると判別した場合には(S8309I:Yes)、各音声合成部306a、306bにおける音AデータOs1及び音BデータOs2の再生(出力)停止を設定し(S8310I)、本処理を終了する。S8309Iの処理において、停止コマンドではないと判別した場合には(S8309I:No)、本処理を終了する。
図1941に戻り、説明を続ける。S8207Iの処理において、楽曲演出コマンドが無いと判別した場合には(S8207I)、次に、ファイナルチャレンジ用コマンドがあるかを判別する(S8209I)。このファイナルチャレンジ用コマンドは、音声ランプ制御装置113の開示後演出実行処理(図1922のS4213I参照)において設定される音声コマンドである。ファイナルチャレンジ用コマンドがあると判別した場合には(S8209I:Yes)、ファイナルチャレンジコマンド処理を実行し(S8210I)、S8201Iの処理に戻る。ここで、図1943を参照して、ファイナルチャレンジコマンド処理(S8210I)について説明する。図1943は、このファイナルチャレンジコマンド処理(S8210I)を示したフローチャートである。ファイナルチャレンジコマンド処理(S8210I)が実行されると、まず、受信したファイナルチャレンジ用コマンドは特殊復活演出コマンドであるかを判別し(S8211I)、特殊復活演出コマンドであると判別した場合には(S8211I:Yes)、特殊復活演出用キャラボイスデータを設定する(S8212I)。具体的には、特殊復活演出用キャラボイスの音声データを読み出し、主音声合成部306aの対応するチャンネルに出力する。S8212Iの処理が終了すると、本処理を終了する。一方、S8211Iの処理において、受信したコマンドは特殊復活演出用コマンドではないと判別した場合には(S8211I:No)、コマンドの内容に対応した通常キャラボイスデータを設定し(S8213I)、本処理を終了する。図1941に戻り、説明を続ける。S8209Iの処理においてファイナルチャレンジ用コマンドがないと判別した場合には(S8209I:No)、その他のコマンド処理を実行し(S8211I)、S8201Iの処理に戻る。
以上、説明したように、本第33制御例では、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様を変動毎に規則的に可変させる構成とし、特定の変動パターン種別(例えば、スーパーリーチ)が設定された特図変動においては、前回の特図変動において左図柄列Z1に停止表示された第3図柄と同一態様の第3図柄を停止表示可能に構成している。これにより、左図柄列Z1に同一態様の第3図柄が連続して停止表示された場合には、今回の特図変動で大当たり当選している可能性が高いと予測できるため、遊技者に第3図柄の図柄態様に対して興味を持たせることが可能となる。また、前回の停止図柄と同一態様であるかを判別するためには、前回の特図変動において停止表示された第3図柄の態様を遊技者が確認しておく必要があるため、特別図柄抽選の結果に関わらず、第3図柄の図柄態様に注目させることで、遊技者を遊技に集中させることが可能となる。なお、本第33制御例では、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様を変動毎に1ずつ昇順に可変させる構成としたが、これに限るものではなく、変動毎に1ずつ降順に可変させる構成としても良い。
また、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄を変動毎に1ずつ昇順(または降順)に可変させる構成としても良いし、中図柄列Z2に停止表示される第3図柄を変動毎に1ずつ昇順(または降順)に可変させる構成としても良い。また、保留球内の特別図柄抽選の結果を、その保留球に基づく特図変動が開始されるよりも前に示唆する演出(所謂、先読み演出)として、左図柄列Z1に連続して同一態様の第3図柄を停止表示させる構成としても良い。例えば、保留球を3つ保有している状態で3つ目の保留球が大当たり当選である場合に、1つ目の保留球に基づく特図変動と、2つ目の保留球に基づく特図変動において、左図柄列Z1に同一態様の第3図柄を停止表示させ、3つ目の保留球に基づく特図変動においても左図柄列Z1に同一態様の第3図柄を停止表示させる構成としても良い。つまり、左図柄列Z1に連続して同一態様の第3図柄が停止表示される回数が多いほど大当たり当選期待度が高くなる。このように構成することで、左図柄列Z1に連続して同一態様の第3図柄が停止表示された場合に、その特図変動が大当たり当選でなかったとしても、次に実行される特図変動で再度左図柄列Z1に同一態様の第3図柄が停止表示されることを遊技者に期待させ、遊技意欲の低下を抑制することができる。なお、このように構成する場合、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様だけでなく、中図柄列Z2、右図柄列Z3にそれぞれ停止表示される第3図柄を前回の特図変動において停止表示された第3図柄と同一態様とする構成としても良い。具体的には、左図柄列Z1に停止表示された第3図柄のみが連続して同一態様である場合よりも、左図柄列Z1と右図柄列Z3に停止表示された第3図柄がそれぞれ連続して同一態様である場合の方が大当たり当選期待度が高く、さらに、全ての図柄列に停止表示された第3図柄がそれぞれ連続して同一態様である場合には、大当たり当選確定という構成としても良い。
なお、本第33制御例では、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄が特図変動毎に規則的に可変する構成とし、その他の図柄列の第3図柄は不規則に可変する構成としたが、これに限るものではない。例えば、左図柄列Z1の第3図柄のみ可変させ、その他の図柄列の第3図柄は可変させずに固定とする構成としても良い。具体的には、電源投入時、または大当たり遊技終了時に右図柄列Z3の第3図柄の図柄態様を抽選で決定し、中図柄列Z2の第3図柄には1図柄D1を決定し、特図変動が実行されても可変させない構成とする。例えば、右図柄列Z3の第3図柄の図柄態様として5図柄D5が決定された場合、中図柄列Z2には1図柄D1、右図柄列Z3には5図柄D5が停止表示された状態となる。そして、特図変動が開始されると、左図柄列Z1の第3図柄のみが変動表示され、その他の図柄列の第3図柄は停止表示されたままとする。左図柄列Z1の第3図柄は、特図変動毎に1ずつ可変する構成とした場合、例えば、電源投入後の1変動目では、左図柄列Z1に1図柄D1、中図柄列Z2に1図柄D1、右図柄列Z3に5図柄D5が停止表示された状態となる。ここで、中図柄列Z2の第3図柄は、左図柄列Z1の第3図柄の図柄態様が1周した場合(即ち、再び1図柄D1が停止表示された場合)に、1ずつ可変する。つまり、電源投入後、9回目の特図変動では、左図柄列Z1に1図柄D1、中図柄列Z2に2図柄D2、右図柄列Z3に5図柄D5が停止表示された状態となる。このように構成した場合、36回特図変動が実行されると、中図柄列Z2に5図柄D5が停止表示されることとなる。そして、40回目の特図変動で左図柄列Z1に5図柄D5が停止表示されるため、左図柄列Z1、中図柄列Z2、右図柄列Z3にそれぞれ5図柄D5が停止表示された状態となり、大当たり当選であることが報知される。つまり、電源投入時、又は大当たり遊技終了時に、特別図柄抽選が実行された回数(特別図柄抽選回数)が所定条件を満たした場合に付与される特典(天井特典)を付与する特別図柄抽選回数を抽選で決定し、決定した回数に達した場合に各図柄列に大当たり当選であることを示すための第3図柄の組み合わせが停止表示される構成としている。このように構成することで、次に大当たり当選するまでに何回特図変動を実行させるとよいかを遊技者に分かり易くすることができるため、遊技者の遊技意欲を向上させ、遊技機の稼働を向上させることが可能となる。なお、天井特典が付与される特別図柄抽選回数に達する前に大当たり当選した場合には、各図柄列に停止表示される第3図柄の組み合わせによって報知するのではなく、例えば、特定の図柄列に表示される第3図柄の態様を可変させたり(例えば、赤色で発光させる)、装飾用可動役物Ym1を可動させたりすることで大当たり当選であることを報知する構成とすると良い。
<第33制御例の第1変形例>
次に、図1944~図1985を参照して、第33制御例の第1変形例について説明する。上述した第33制御例では、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの左図柄列Z1(図1839参照)に停止表示させる第3図柄の図柄態様を規則的に可変(特図変動毎に1ずつ昇順に数字を可変)させる構成であった。これに対して、第33制御例の第1変形例では、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様を規則的に可変させる構成としている。また、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様を保留図柄の保留図柄態様によって示唆する構成としている。具体的には、保留図柄の保留図柄態様を、図1945に示すように、各第3図柄を構成するキャラクタによって構成し、副表示領域Dsの実行エリアの台座m0上に表示されている保留図柄のキャラクタと同一のキャラクタで構成された第3図柄が左図柄列Z1に停止表示される。そして、右図柄列Z3の第3図柄は規則的に可変するため、保留図柄の表示位置(副表示領域Dsの第1保留エリア~第4保留エリア)と、実行中の特図変動における右図柄列Z3の停止図柄の図柄態様から保留球内にリーチ演出が実行され得る保留球があるか否かを遊技者は予測することができる。例えば、実行中の特図変動において、右図柄列Z3に3図柄D3が停止表示された場合に、第3保留エリアにアンコウのキャラクタc6態様(左図柄列Z1に6図柄D6が停止表示されることを示唆する態様)の保留図柄が表示されていれば、3変動後に該キャラクタc6態様の保留図柄が副表示領域Dsの実行エリアにシフトするため、左図柄列Z1には6図柄D6が停止表示され、右図柄列Z3にも6図柄D6が停止表示されるため、リーチ演出が実行されると遊技者は予測できる。このように構成することで、遊技者に第3図柄の図柄態様だけでなく、保留図柄の保留図柄態様にも興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることが可能である。
また、本第33制御例の第1変形例では、設定されている演出モードによって、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様の可変パターンを異ならせている。具体的には、通常状態において海モードと山モードの2つの演出モードのうち1の演出モードを設定可能に構成しており、海モードが設定されている場合には、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄が1ずつ降順に可変(8図柄D8、7図柄D7、6図柄D6・・・の順に可変)し、山モードが設定されている場合には、右図柄列Z3に停止表示されている第3図柄が1ずつ昇順に可変(1図柄D1、2図柄D2、3図柄D3・・・の順に可変)する。このため、例えば、海モードが設定されている状態で、実行中の特図変動において右図柄列Z3に3図柄D3が停止表示された場合に、第1保留エリアに表示されている保留図柄がサメのキャラクタc4態様(左図柄列Z1に4図柄D4が停止表示されることを示唆する態様)の保留図柄が表示されている状況で、海モードから山モードに演出モードが切り替わった場合には、次変動で右図柄列Z3に4図柄D4が停止表示されることとなるため、リーチ演出が実行される。このような、演出モードが切り替わればリーチ態様となる状況となった場合に、遊技者に演出モードが切り替わることを期待させて演出に注目させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述した第33制御例におけるタイマー演出では、タイマー秒数決定演出において内部的に決定されたタイマー設定値がタイマーTm1に設定される構成であった。これに対して、本第33制御例の第1変形例では、タイマー秒数決定演出において、各表示位置Hi1~Hi5に演出ボタン22aの操作を促す態様の風船Fu1~Fu5をそれぞれ表示し、遊技者が演出ボタン22aを操作した回数によって、最終的にタイマーTm1に設定されるタイマー設定値を異ならせる構成としている。具体的には、図1955(a)に示すように、各表示位置Hi1~Hi5に演出ボタン22aの操作を促す態様の風船Fu1~Fu5が表示され、遊技者が演出ボタン22aを操作すると、第1表示位置Hi1から順に風船が破裂し、表示秒数が表示される。そして、遊技者が演出ボタン22aを5回押下し、第5表示位置Hi5に表示されている風船Fu5まで破裂させた場合には、図1955(b)に示すように、各表示位置Hi1~Hi5の表示秒数を合計した値に対応する16秒がタイマーTm1のタイマー設定値として設定される。一方、タイマー秒数決定演出において遊技者が演出ボタン22aを4回しか押下しなかった場合には、図1956(a)に示すように、第5表示位置Hi5に風船Fu5が残った状態となり、第1表示位置Hi1~第4表示位置Hi4に表示された表示秒数を合計した値に対応する11秒がタイマーTm1のタイマー設定値として設定される。なお、本第33制御例の第1変形例では、同一のタイマー演出種別であっても、演出ボタン22aが操作された回数によってタイマー設定値が0になった場合に表示される発動時報知態様が異なり、演出ボタン22aの操作回数が上限(本制御例では5回)に近いほど、信憑性の高い演出情報を報知する発動時報知態様が表示され易い構成としている。このように構成することで、積極的に遊技に参加する遊技者(演出ボタン22aの操作を行う遊技者)の方が、消極的な遊技者(演出ボタン22aを操作しない遊技者)よりもより信憑性の高い演出情報を得ることができるため、遊技者に積極的な遊技への参加を促すことが可能となる。
本第33制御例の第1変形例におけるパチンコ機10は、上述した第33制御例におけるパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点で相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
<第33制御例の第1変形例における演出内容について>
図1944~図1956を参照して、本第33制御例の第1変形例における特徴的な演出内容について説明する。まず、図1944(a)及び(b)を参照して、本第33制御例の第1変形例における第3図柄の態様について説明する。本第33制御例の第1変形例では、通常状態における演出用のモードとして、海モードと山モードの2種類のモードのうち、どちらかの演出モードが設定される。海モードでは、図1944(a)に示すように、海の生物をモチーフにしたキャラクタによって各第3図柄が構成される。具体的には、1図柄D1はタコのキャラクタc1と数字の「1」n1によって構成され、2図柄D2はフグのキャラクタc2と数字の「2」n2によって構成され、3図柄D3はカメのキャラクタc3と数字の「3」n3によって構成され、4図柄D4はサメのキャラクタc4と数字の「4」n4によって構成され、5図柄D5はエビのキャラクタc5と数字の「5」n5で構成され、6図柄D6はアンコウのキャラクタc6と数字の「6」n6で構成され、7図柄D7はジュゴンのキャラクタc7と数字の「7」n7で構成され、8図柄D8は熱帯魚のキャラクタc8と数字の「8」n8によって構成されている。また、山モードでは、図1944(b)に示すように、陸上の生物をモチーフにしたキャラクタによって各第3図柄が構成される。具体的には、1図柄D9はゾウのキャラクタc9と数字の「1」n1によって構成され、2図柄D10はライオンのキャラクタc10と数字の「2」n2によって構成され、3図柄D11はヘビのキャラクタc11と数字の「3」n3によって構成され、4図柄D12はヤギのキャラクタc12と数字の「4」n4によって構成され、5図柄D13はクジャクのキャラクタc13と数字の「5」n5で構成され、6図柄D14はクマのキャラクタc14と数字の「6」n6で構成され、7図柄D15はイノシシのキャラクタc15と数字の「7」n7で構成され、8図柄D16はサイのキャラクタc16と数字の「8」n8によって構成されている。このように、モードによって第3図柄を構成するキャラクタを異ならせることで、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、図1945を参照して、本第33制御例の第1変形例における保留図柄の態様(保留図柄態様)について説明する。図1945(a)は、海モードにおける保留図柄態様を示した図であり、図1945(b)は、山モードにおける保留図柄態様を示した図である。図1945(a)に示すように、海モードでは、タコのキャラクタc1で構成された保留1図柄hz1と、フグのキャラクタc2で構成された保留2図柄hz2と、カメのキャラクタc3で構成された保留3図柄hz3と、サメのキャラクタc4で構成された保留4図柄hz4と、エビのキャラクタc5で構成された保留5図柄hz5と、アンコウのキャラクタc6で構成された保留6図柄hz6と、ジュゴンのキャラクタc7で構成された保留7図柄hz7と、熱帯魚のキャラクタc8で構成された保留8図柄hz8の保留図柄態様から1の保留図柄が設定される。なお、海モードにおける各保留図柄を構成する各キャラクタc1~c8は、海モードにおける各第3図柄を構成するキャラクタc1~c8と同一の態様であり、特図変動においては、副表示領域Dsの実行エリアの台座m0上に表示された保留図柄を構成するキャラクタと同一のキャラクタによって構成された第3図柄が、主表示領域Dmの左図柄列Z1に停止表示される。つまり、保留図柄のキャラクタは、該保留図柄に対応する特図変動における左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様を示唆するものである。また、図1945(b)に示すように、山モードでは、ゾウのキャラクタc9で構成された保留9図柄hz9と、ライオンのキャラクタc10で構成された保留10図柄hz10と、ヘビのキャラクタc11で構成された保留11図柄hz11と、ヤギのキャラクタc12で構成された保留12図柄hz12と、クジャクのキャラクタc13で構成された保留13図柄hz13と、クマのキャラクタc14で構成された保留14図柄hz14と、イノシシのキャラクタc15で構成された保留15図柄hz15と、サイのキャラクタc16で構成された保留16図柄hz16の保留図柄態様から1の保留図柄が設定される。山モードでも、海モードと同様に、特図変動においては、副表示領域Dsの実行エリアに表示された保留図柄を構成するキャラクタと同一のキャラクタによって構成された第3図柄が、主表示領域Dmの左図柄列Z1に停止表示される。
次に、図1946及び図1947を参照して、海モードにおける右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の可変パターンについて説明する。図1946及び図1947は、海モードにおける変動毎の右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の可変パターンの一例を示した図であり、図1946(a)は、1回目の特図変動(1変動目)において、各図柄列Z1~Z3に外れを示す組み合わせで第3図柄が停止表示された状況を示した図である。図1946(a)に示す例では、左図柄列Z1に4図柄D4、中図柄列Z2に6図柄D6、右図柄列Z3に8図柄D8がそれぞれ停止表示されている。図1946(b)は、図1946(a)に示した状況から新たな特図変動(2変動目)が実行され、特図変動時間が経過し、各図柄列Z1~Z3に外れを示す組み合わせで第3図柄が停止表示された状況を示した図である。図1946(b)に示す例では、左図柄列Z1に8図柄D8、中図柄列Z2に3図柄D3、右図柄列Z3に7図柄D7がそれぞれ停止表示されている。図1947(a)は、図1946(b)に示した状況から新たな特図変動(3変動目)が実行され、特図変動時間が経過し、各図柄列Z1~Z3に外れを示す組み合わせで第3図柄が停止表示された状況を示した図である。図1947(a)に示す例では、左図柄列Z1に1図柄D1、中図柄列Z2に6図柄D6、右図柄列Z3に6図柄D6がそれぞれ停止表示されている。図1947(b)は、図1947(a)に示した状況から新たな特図変動(4変動目)が実行され、特図変動時間が経過し、各図柄列Z1~Z3に外れを示す組み合わせで第3図柄が停止表示された状況を示した図である。図1947(b)に示す例では、左図柄列Z1に6図柄D6、中図柄列Z2に4図柄D4、右図柄列Z3に5図柄D5がそれぞれ停止表示されている。図1946及び図1947に示したように、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄は、1変動目が8図柄D8、2変動目が7図柄D7、3変動目が6図柄D6、4変動目が5図柄D5と、変動毎に1ずつ降順で図柄態様が可変している。
次に、図1948及び図1949を参照して、山モードにおける右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の可変パターンついて説明する。図1948及び図1949は、山モードにおける変動毎の右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の可変パターンの一例を示した図であり、図1948(a)は、1回目の特図変動(1変動目)において、各図柄列Z1~Z3に外れを示す組み合わせで第3図柄が停止表示された状況を示した図である。図1948(a)に示す例では、左図柄列Z1に4図柄D4、中図柄列Z2に6図柄D6、右図柄列Z3に8図柄D8がそれぞれ停止表示されている。図1948(b)は、図1948(a)に示した状況から新たな特図変動(2変動目)が実行され、特図変動時間が経過し、各図柄列Z1~Z3に外れを示す組み合わせで第3図柄が停止表示された状況を示した図である。図1948(b)に示す例では、左図柄列Z1に8図柄D8、中図柄列Z2に3図柄D3、右図柄列Z3に1図柄D1がそれぞれ停止表示されている。図1949(a)は、図1948(b)に示した状況から新たな特図変動(3変動目)が実行され、特図変動時間が経過し、各図柄列Z1~Z3に外れを示す組み合わせで第3図柄が停止表示された状況を示した図である。図1949(a)に示す例では、左図柄列Z1に1図柄D1、中図柄列Z2に6図柄D6、右図柄列Z3に2図柄D2がそれぞれ停止表示されている。図1949(b)は、図1949(a)に示した状況から新たな特図変動(4変動目)が実行され、特図変動時間が経過し、各図柄列Z1~Z3に外れを示す組み合わせで第3図柄が停止表示された状況を示した図である。図1949(b)に示す例では、左図柄列Z1に6図柄D6、中図柄列Z2に4図柄D4、右図柄列Z3に3図柄D3がそれぞれ停止表示されている。図1948及び図1949に示したように、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄は、1変動目が8図柄D8、2変動目が1図柄D1、3変動目が2図柄D2、4変動目が3図柄D3と、変動毎に1ずつ昇順で図柄態様が可変している。このように、本第33制御例の第1変形例では、海モードにおいては、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様が変動毎に1ずつ降順で可変し、山モードでは、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様が変動毎に1ずつ昇順で可変する構成としている。このように、演出モードによって右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様の可変パターンを異ならせることで、遊技が単調になり遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。ここで、図1950及び図1951を参照して、モードが切り替わることによりリーチ演出が実行される場合の演出内容について説明する。
図1950(a)は、海モードにおける特図変動において、右図柄列Z3に6図柄D6が停止表示された状況を示す図である。図1950(a)に示すように、主表示領域Dmでは、左図柄列Z1に6図柄D6、中図柄列Z2に4図柄D4、右図柄列Z3に6図柄D6が停止表示されている。また、小表示領域HR2には、海モードが設定されていることを示すための態様である「海モード」と言う文字が表示されている。副表示領域Dsには、実行エリアの台座m0上に保留6図柄hz6が、第1保留エリアの台座m1上に保留7図柄hz7が、第2保留エリアの台座m2上に保留2図柄hz2が、第3保留エリアの台座m3上に保留3図柄hz3が、第4保留エリアの台座m4上に保留6図柄hz6が、それぞれ表示されている。上述したように、本第33制御例の第1変形例では、主表示領域Dmの左図柄列Z1に停止表示される第3図柄を、副表示領域Dsの実行エリアの台座m0に表示されている保留図柄に対応する表示態様で表示する構成としており、図1950(a)に示す例では、台座m0上に保留6図柄hz6が表示されているため、左図柄列Z1には、保留6図柄hz6を構成するキャラクタc6により構成される6図柄D6が停止表示されている。なお、実行エリアの台座m0に表示されている保留図柄のキャラクタと異なるキャラクタで構成された第3図柄を左図柄列Z1に停止表示させるパターンを設定可能に構成しても良い。このように構成する場合、今回の特図変動が大当たり当選である場合にのみ、異なるキャラクタで構成された第3図柄を表示する構成とすると良い。このように構成することで、実行エリアの保留図柄と左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様が同一であるか否かにも遊技者の興味を持たせることが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。なお、左図柄列Z1に第3図柄が停止表示される場合に、第3図柄を拡大して表示し、その後、実行エリアの保留図柄を拡大して表示する構成としても良い。このように構成することで、実行エリアの保留図柄を構成するキャラクタと、左図柄列Z1の第3図柄を構成するキャラクタが同一であるか否かを遊技者に分かり易くすることができる。なお、第1保留エリアの保留図柄が実行エリアにシフトする場合に、実行エリアの保留図柄を拡大して表示し、左図柄列Z1に第3図柄が停止表示される場合に第3図柄を拡大して表示する構成としても良い。なお、図1950(a)に示す例では、第1保留エリアの台座m1上には、保留7図柄hz7が表示されているが、海モードでは、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様が1ずつ降順で可変するため、次の特図変動では、左図柄列Z1には保留7図柄hz7に対応する第3図柄である7図柄D7が停止表示され、右図柄列Z3には5図柄D5が停止表示され、リーチ演出は実行されないと遊技者は予測することとなり、遊技者の次変動に対する興味は薄れてしまう。しかしながら、演出モードが山モードに変更されると、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様は1ずつ昇順で可変するため、次の特図変動において、左図柄列Z1には保留7図柄hz7に対応する第3図柄である7図柄D7が停止表示され、右図柄列Z3には7図柄D7が停止表示されることとなり、リーチ演出が実行される。
図1950(b)は、図1950(a)に示した状況から新たな特図変動(保留7図柄hz7に対応する特図変動)の開始時に、モード変更演出が実行された場合の演出の一例を示した図である。図1950(b)に示す例では、図1950(a)に示した状況から新たな特図変動が開始され、各図柄列Z1~Z3の第3図柄の変動表示が開始される。副表示領域Dsでは、各保留エリアの台座m1~m4上に表示されていた各保留図柄がそれぞれ1つ若い番号の保留エリアの台座上にシフトして表示される。主表示領域Dmの中央部には、モード変更演出が実行されることを報知する態様であるモードチェンジアイコンAk2が表示され、モードが変更されたことにより、副表示領域Dsの各保留エリアの台座m0~m3に表示されている保留図柄が山モードに対応する保留図柄態様にそれぞれ可変する。具体的には、実行エリアの台座m0上に表示されている保留7図柄hz7(海モードにおいて左図柄列Z1に7図柄D7が停止表示されることを示唆する保留図柄態様)は、山モードにおいて左図柄列Z1に7図柄D7が停止表示されることを示唆する保留図柄態様である保留15図柄hz15へと可変する。また、第1保留エリアm1上に表示されている保留2図柄hz2(海モードにおいて左図柄列Z1に2図柄D2が停止表示されることを示唆する保留図柄態様)は、山モードにおいて左図柄列Z1に2図柄D2が停止表示されることを示唆する保留図柄態様である保留10図柄hz10へと可変する。また、第2保留エリアm2上に表示されている保留3図柄hz3(海モードにおいて左図柄列Z1に3図柄D3が停止表示されることを示唆する保留図柄態様)は、山モードにおいて左図柄列Z1に3図柄D3が停止表示されることを示唆する保留図柄態様である保留11図柄hz11へと可変する。また、第3保留エリアm3上に表示されている保留6図柄hz6(海モードにおいて左図柄列Z1に6図柄D6が停止表示されることを示唆する保留図柄態様)は、山モードにおいて左図柄列Z1に6図柄D6が停止表示されることを示唆する保留図柄態様である保留14図柄hz14へと可変する。そして、小表示領域HR2に表示されている「海モード」という表示は、山モードが設定されていることを報知する態様である「山モード」という表示に可変する。そして、該特図変動の開始から所定の時間が経過すると、図1951に示すように、左図柄列Z1に7図柄D15が停止表示され、その後右図柄列Z3にも7図柄D15が停止表示されリーチ演出が実行される。このように、本第33制御例の第1変形例では、遊技者は、実行中の特図変動における右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様と、保留図柄の表示位置(第1保留エリア~第4保留エリア)と、演出モードからリーチ演出が実行される保留球があるか否かを予測することが可能であり、現在設定されている演出モードではリーチ演出が実行されないと予測した場合であっても、演出モードが変更されることでリーチ演出が実行されるかもしれないと遊技者に思わせることができる。これにより、演出モードが変更されるタイミングに対して遊技者に興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、演出モードが変更される場合には、右図柄列Z3にエフェクトを表示し、停止表示される図柄態様が変わることを強調する構成としても良い。これにより、演出モードが切り替わり、右図柄の可変する法則が切り替わったことを遊技者に分かり易くすることができる。
次に、図1952~図1954を参照して、オーバー入賞演出について説明する。オーバー入賞演出は、右図柄列Z3に7図柄D7(または7図柄D15)が停止表示される特図変動において、実行エリアの台座m0上に表示されている保留図柄の保留図柄態様が7図柄D7(または7図柄D15)に対応する保留図柄態様(保留7図柄hz7、または保留15図柄hz15)ではない場合(即ち、その特図変動においてリーチ態様とならない場合)に実行される演出である。具体的には、左図柄列Z1に第3図柄が停止表示された後、右図柄列Z3に第3図柄が停止表示されるまでの期間でオーバー入賞(特図1保留球(特図2保留球)を上限数まで獲得している状態で第1入球口64(第2入球口640)に遊技球が入球すること)すると左図柄列Z1に停止表示されている第3図柄の図柄態様と、実行エリアの台座m0上に表示されている保留図柄の保留図柄態様が可変し、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、かつ大当たり種別が大当たりAであれば左図柄列Z1に停止表示されている第3図柄が7図柄D7に、実行エリアの台座m0上に表示されている保留図柄が7図柄D7に対応する保留図柄態様に可変する。以下、このオーバー入賞演出の詳細な演出内容について説明する。図1952(a)は、オーバー入賞演出が実行される特図変動の1つ前の特図変動の停止画面を示した図である。左図柄列Z1には1図柄D1が、中図柄列Z2には3図柄D3が、右図柄列Z3には8図柄D8がそれぞれ停止表示されている。図1952(a)に示す例では、演出モードとして海モードが設定されているため、次の特図変動では、右図柄列Z3に7図柄D7が停止表示されることとなる。また、副表示領域Dsでは、実行エリアの台座m0上に保留1図柄hz1が、第1保留エリアの台座m1上に保留5図柄hz5が、第2保留エリアの台座m2上には保留3図柄hz3が、第3保有エリアの台座m3には保留2図柄hz2が、第4保留エリアの台座m4には保留1図柄hz1がそれぞれ表示されている。そして、次の特図変動が実行される場合には、第1保留エリアの台座m1上に表示されている保留5図柄hz5が実行エリアの台座m0上にシフトするため、次の特図変動において左図柄列Z1に停止表示される第3図柄は5図柄D5となる。この場合、モード変更演出が実行されたとしても、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄と、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様が一致することはない(即ち、リーチ態様とならない)ため、次の特図変動に対する遊技者の興味が薄れてしまう。そこで、図1952(b)に示すように、オーバー入賞演出が実行される。図1952(b)は、オーバー入賞演出が実行された場合の表示画面の一例を示した図である。図1952(b)に示す状況は、図1952(a)に示した状況から新たな特図変動が開始され、所定時間経過した後に、左図柄列Z1に5図柄D5が停止表示された状況を示している。図1952(b)に示す通り、主表示領域Dmでは、左図柄列Z1に5図柄D5が停止表示されており、中図柄列Z2と右図柄列Z3では第3図柄が変動表示されている。また、小表示領域HR1には、オーバー入賞演出の演出内容を案内する態様である「へそ(第1入球口64)に球を入れて左図柄を変えろ!「7」に変われば・・・」というコメントが表示されている。これにより、第1入球口64に遊技球を入球させることで、左図柄列Z1に停止表示されている第3図柄の図柄態様が可変し、7図柄D7に変わればリーチ演出が実行されることを遊技者に分かり易くすることができる。副表示領域Dsでは、第1入球口64に遊技球が入球したことに対応して第4保留エリアの台座m4上に新たに保留2図柄hz2が表示されている。この場合は、オーバー入賞ではないため左図柄列Z1に停止表示されている第3図柄の図柄態様と、実行エリアの台座m0上に表示されている保留図柄の保留図柄態様は可変しない。その後、新たに第1入球口64に遊技球が入球すると、図1953(a)に示す通り、左図柄列Z1に停止表示されている第3図柄が5図柄D5から6図柄D6へと可変し、合わせて実行エリアの台座m0上に表示されている保留5図柄hz5は保留6図柄hz6へと可変する。そして、主表示領域Dmの小表示領域HR1には、オーバー入賞演出が継続していることを示唆する態様である「まだまだ」というコメントが表示される。そして、特別図柄抽選の結果が大当たりA当選であれば、2回目のオーバー入賞で左図柄列Z1の第3図柄が6図柄D6から7図柄D7に可変し、7図柄D7でリーチ態様となることが確定する。なお、本第33制御例の第1変形例では、7図柄D7でリーチ態様となるのは、大当たりA当選である場合のみであるため、中図柄列Z2及び右図柄列Z3に第3図柄が停止表示されるよりも前に特別図柄抽選の結果が大当たりA当選であることを遊技者は知ることができる。一方、特別図柄抽選の結果が大当たりA当選ではない場合(大当たりB当選、外れ、または小当たり当選である場合)には、図1954に示すように、2回目のオーバー入賞で左図柄列Z1の第3図柄が6図柄D6から8図柄D8に可変し、リーチ態様とならないことが確定する。また、小表示領域HR1には、オーバー入賞演出が失敗であることを示す態様である「外れ」というコメントが表示される。このように、オーバー入賞演出では、オーバー入賞させることで特図変動時間が経過するよりも前に遊技者は特別図柄抽選の結果を知ることができるが、オーバー入賞演出が実行された時点で保留球を上限まで獲得していない場合には、オーバー入賞演出の実行期間中に保留球を上限まで獲得した上で、更にオーバー入賞させる必要がある。つまり、オーバー入賞演出が実行された時点で保留球を上限まで獲得している場合よりも、オーバー入賞演出の実行期間中に第1入球口64に遊技球を入球させる回数が増えるので、オーバー入賞演出の実行期間中にオーバー入賞できないということも起こり得る。従って、いつオーバー入賞演出が実行されてもいいように、遊技者に保留球を上限まで獲得した状態を維持させ易くなり、遊技機の稼働を向上させることができる。なお、本第33制御例の第1変形例では、オーバー入賞演出においてオーバー入賞した場合に左図柄列Z1の第3図柄の図柄態様を可変させる構成としたが、これに限るものではなく、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様を可変させる構成としても良い。例えば、右図柄列Z3において第3図柄が変動表示されている状態で、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様を示唆する示唆態様(例えば、第3図柄の縁だけが表示された態様)で表示し、オーバー入賞する毎に示唆態様が可変する構成としても良い。
次に、図1955及び図1956を参照して、本第33制御例の第1変形例におけるタイマー秒数決定演出について説明する。上述した第33制御例のタイマー秒数決定演出では、タイマー秒数決定演出が開始されてから時間が経過すると、各表示位置Hi1~Hi5に表示されている風船Fs1~Fs5が順番に破裂して表示秒数が表示され、全ての表示位置の風船が破裂して表示秒数が表示されると、全ての表示秒数を合算した値に対応するタイマー秒数がタイマーTm1に設定される構成であった。これに対して、本第33制御例の第1変形例では、遊技者の演出ボタン22aの操作によりタイマー秒数決定演出における最終的なタイマー秒数を決定する構成としている。具体的には、図1955(a)に示すように、タイマー秒数決定演出が実行されると、主表示領域Dmでは、各表示位置Hi1~Hi5に演出ボタン22aの操作を促す態様である風船Fu1~Fu5が表示され、演出ボタン22aのSW有効時間を示す態様であるSW有効時間ゲージga1が表示される。このSW有効時間ゲージga1は、残りSW有効時間を示すゲージga1aと、経過したSW有効時間を示すゲージga1bで構成されており、時間の経過に合わせてゲージga1aが減っていき、ゲージga1bが増えていく。そして、SW有効時間が終了すると、SW有効時間ゲージga1がゲージga1bのみの態様となる。これにより、遊技者に演出ボタン22aの操作有効期間を分かり易くすることができる。また、タイマー秒数が設定されていない状態のタイマーTm1と、銃を持ったうさぎのキャラクタ801が表示される。副表示領域Dsでは、保留図柄の表示に変わり、タイマー秒数決定演出の演出内容を案内する態様である「ボタンを押して風船を割るんだ」というコメントが表示される。これにより、演出ボタン22aを操作することで、各風船Fu1~Fu5が破裂することを遊技者に分かり易くすることができる。そして、遊技者が演出ボタン22aを1回押下すると、第1表示位置Hi1に表示されている風船Fu1が破裂し、第1表示位置Hi1に表示秒数が表示される。その後、遊技者が演出ボタン22aを押下する毎に第2表示位置Hi2、第3表示位置Hi3・・・と、順番に風船が破裂し表示秒数が表示される。
図1955(b)は、タイマー秒数決定演出の実行期間中に遊技者が演出ボタン22aを5回押下し、第5表示位置Hi5に表示されている風船Fu5が破裂した状態の表示画面の一例を示した図である。図1955(b)に示すように、第1表示位置Hi1には表示秒数として「5(秒)」、第2表示位置Hi2には「1(秒)」、第3表示位置Hi3には「2(秒)」、第4表示位置Hi4には「3」、第5表示位置には「5(秒)」がそれぞれ表示され、上述した第33制御例と同様に、タイマーTm1に各表示秒数を合算した値がタイマー秒数として設定される(図1856参照)。次に、図1956を参照して、タイマー秒数決定演出において遊技者が演出ボタン22aを5回押下しなかった場合の演出内容について説明する。図1956(a)は、タイマー秒数決定演出において、遊技者が演出ボタン22aを4回しか押下しなかった場合の表示画面の一例を示した図である。タイマー秒数決定演出における演出ボタン22aの押下回数が4回であった場合には、図1956(a)に示すように、第1表示位置Hi1~第4表示位置Hi4では、風船Fu1~Fu4が破裂して表示秒数が表示され、第5表示位置Hi5には風船Fu5が表示された状態となる。第5表示位置Hi5に表示されている風船Fu5は、SW有効時間内には演出ボタン22aの操作を促す態様(図1955(a)参照)で表示されるが、SW有効時間が終了すると、演出ボタン22aの操作が無効であることを示唆する態様である「PUSH」の文字が消えた態様に可変する。これにより、演出ボタン22aを押下しても風船Fu5は破裂しないことを遊技者に認識させることができる。そして、SW有効時間が終了すると、図1956(b)に示すように、第1表示位置Hi1~第4表示位置Hi4に表示された表示秒数を合算した値である「11秒」が最終的なタイマー秒数としてタイマーTm1に設定され、第5表示位置Hi5に表示されている風船Fu5は、主表示領域Dmの上端に向かって飛んでいき、上端に達すると非表示となる演出が実行される。このように、本第33制御例の第1変形例では、タイマー秒数決定演出における遊技者の演出ボタン22aの押下回数によって最終的なタイマー秒数が可変する。また、本第33制御例の第1変形例では、タイマー秒数決定演出の実行中に遊技者が演出ボタン22aを押下した回数に応じて、タイマー秒数が0となった場合に表示される報知態様の内容が異なる構成としている。ここで、図1964を参照して、タイマー内容設定テーブル222eiAについて説明する。図1964は、タイマー演出内容設定テーブル222eiAの規定内容を模式的に示した図である。図1964に示す通り、タイマー内容設定テーブル222eiAは、表示用変動パターン毎にタイマー演出種別がそれぞれ規定されている。そして各タイマー演出種別は、押下回数カウンタ値に対応して主表示領域Dmの各表示位置Hi1~Hi5に表示する表示秒数と、発動時報知態様が規定されている。
具体的には、表示用変動パターンが「当たりノーマルリーチA」である場合には、タイマー演出種別として「タイマー演出A」が設定される。このタイマー演出Aは、押下回数カウンタ値が「1」である場合には第1表示位置Hi1に表示秒数「5」が表示される。また、押下回数カウンタ値が「1」のままでSW有効時間が終了した場合には、タイマー設定値として5秒が設定され、発動時には「チャンス?」という報知態様が表示される。この「チャンス?」という報知態様は、リーチ演出が実行される可能性があることを示唆する態様である。押下回数カウンタ値が「2」である場合には第2表示位置Hi2に表示秒数「3」が表示される。また、押下回数カウンタ値が「2」のままでSW有効時間が終了した場合には、タイマー設定値として8秒が設定され、発動時には「チャンス」という報知態様が表示される。この「チャンス」という報知態様は、リーチ演出が実行されることを示唆する態様である。押下回数カウンタ値が「3」である場合には第3表示位置Hi3に表示秒数「4」が表示される。また、押下回数カウンタ値が「3」のままでSW有効時間が終了した場合には、タイマー設定値として12秒が設定され、発動時には「導光板発光」という報知態様が表示される。この「導光板発光」という報知態様は、導光板発光演出が実行されることを報知する態様である。押下回数カウンタ値が「4」である場合には第4表示位置Hi4に表示秒数「3」が表示される。また、押下回数カウンタ値が「4」のままでSW有効時間が終了した場合には、タイマー設定値として15秒が設定され、発動時には「熱」という報知態様が表示される。この「熱」という報知態様は、今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選である可能性が50%以上であることを示唆する態様である。押下回数カウンタ値が「5」である場合には第5表示位置Hi5に表示秒数「5」が表示される。また、押下回数カウンタ値が「5」でSW有効時間が終了した場合には、タイマー設定値として20秒が設定され、発動時には「激アツ」という報知態様が表示される。この「激アツ」という報知態様は、今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選である可能性が80%以上であることを示唆する態様である。このように、本第33制御例の第1変形例におけるタイマー演出では、遊技者が演出ボタン22aを押下した回数によって、最終的に設定されるタイマー設定値が可変し、更に発動時の報知態様も異なる構成としている。また、演出ボタン22aを押下した回数が多い方が少ない場合よりも、特別図柄抽選の結果を予測し易くなる報知態様が表示される構成としているため、遊技者に演出ボタン22aを押下しようと思わせることが可能となり、遊技に積極的に参加させ易くなる。なお、タイマー秒数決定演出において遊技者が演出ボタン22aを1度も押下しなかった場合には、タイマーTm1にタイマー秒数が設定されず、カウントダウン演出も実行されない。なお、本第33制御例の第1変形例では、表示用変動パターンに役物可動演出の実行が含まれている場合には、タイマー秒数決定演出において遊技者が演出ボタン22aを押下しなかったことにより発動時報知態様で「役物可動」が設定されなかったとしても役物可動演出自体は実行される構成であるが、これに限るものではない。例えば、タイマー秒数決定演出において遊技者が演出ボタン22aを押下した回数に基づいて特図変動における演出態様を決定する構成としても良い。なお、本第33制御例の第1変形例では、1の特図変動中にタイマー演出が実行される構成としたが、これに限るものではなく、複数の特図変動に跨がってタイマー演出を実行する構成としても良い。例えば、タイマー秒数決定演出を実行した特図変動ではタイマー秒数を設定せずにスタンバイ状態とし、次変動でタイマー秒数を設定し、カウントダウン演出を実行する構成としても良い。また、カウントダウン演出を複数の特図変動に跨がって実行する構成としても良い。このように構成することで、どの特図変動で発動時報知態様が表示されるのか遊技者に分かり難くなるため、タイマー演出の対象となる特図変動以外の特図変動においても発動時報知態様が表示されるのではないかと遊技者に思わせることで、特図変動に注目させることができる。或いは、発動時報知態様として「再セット」が表示された場合に、次回の特図変動で新たなタイマー秒数が設定される構成としても良い。
<第33制御例の第1変形例における電気的構成について>
次に、図1957~図1964を参照して、本第33制御例の第1変形例における電気的構成について説明する。まず、図1957を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。図1957に示すように、本第33制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222は、上述した第33制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に対して、タイマー内容設定テーブル222eiに代えてタイマー内容設定テーブル222eiAが規定されている点と、新たに保留図柄演出態様設定テーブル222aiAと、保留図柄態様決定テーブル222biAと、を追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。次に、図1959を参照して、保留図柄演出態様設定テーブル222aiAについて説明する。図1959は、この保留図柄演出態様設定テーブル222aiAの規定内容を模式的に示した図である。図1959に示すように、保留図柄演出態様設定テーブル222aiAは、特別図柄抽選の結果と、大当たり種別と、変動パターン種別と、第2演出カウンタ値に対応して保留図柄演出の演出態様が規定されている。
具体的には、特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターン種別が「外れ」である場合には、第2演出カウンタ値が「0~999」の範囲内であれば演出態様として「リーチなし」の演出態様が設定される。このリーチなしの演出態様が設定された場合には、今回の入賞情報に対応する保留図柄が副表示領域Dsの実行エリアに表示される場合に、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄を構成するキャラクタと、実行エリアに表示される保留図柄を構成するキャラクタとが一致しないように保留図柄態様を決定する。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターン種別が「ガセ外れ」である場合には、第2演出カウンタ値が「0~499」の範囲内であれば演出態様として「リーチなし」の演出態様が設定され、「500~899」の範囲内であれば演出態様として「モード変更あり(ガセ)」が設定され、「900~999」の範囲内であれば「オーバー入賞演出(ガセ)」が設定される。この「モード変更あり(ガセ)」の演出態様は、モード変更演出が実行されるものの、リーチ演出が実行されない演出態様であり、「オーバー入賞演出(ガセ)」の演出態様は、オーバー入賞演出が実行されるものの、リーチ演出が実行されない演出態様である。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターン種別が「ノーマルリーチ」である場合には、第2演出カウンタ値が「0~799」の範囲内であれば演出態様として「モード変更なし(リーチ)」の演出態様が設定され、「800~999」の範囲内であれば演出態様として「モード変更あり(リーチ)」が設定される。この「モード変更なし(リーチ)」は、モード変更演出を実行せずにリーチ演出が実行される演出態様であり、「モード変更あり(リーチ)」は、モード変更演出を実行してリーチ演出が実行される演出態様である。
特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターン種別が「スーパーリーチ」である場合には、第2演出カウンタ値が「0~799」の範囲内であれば演出態様として「モード変更なし(リーチ)」の演出態様が設定され、「800~999」の範囲内であれば演出態様として「モード変更あり(リーチ)」が設定される。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、大当たり種別が「大当たりA」であり、変動パターン種別が「ノーマルリーチ」である場合には、第2演出カウンタ値が「0~499」の範囲内であれば演出態様として「モード変更なし(リーチ)」の演出態様が設定され、「500~999」の範囲内であれば演出態様として「モード変更あり(リーチ)」が設定される。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、大当たり種別が「大当たりA」であり、変動パターン種別が「スーパーリーチ」である場合には、第2演出カウンタ値が「0~399」の範囲内であれば演出態様として「モード変更なし(リーチ)」の演出態様が設定され、「400~799」の範囲内であれば演出態様として「モード変更あり(リーチ)」が設定され、「800~999」の範囲内であれば演出態様として「オーバー入賞演出(リーチ)」が設定される。この「オーバー入賞演出(リーチ)」の演出態様は、オーバー入賞演出が実行され、リーチ演出が実行される演出態様であり、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、大当たり種別が「大当たりA」である場合のみ実行される演出である。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、大当たり種別が「大当たりA」であり、変動パターン種別が「スペシャルリーチ」である場合には、第2演出カウンタ値が「0~399」の範囲内であれば演出態様として「モード変更なし(リーチ)」の演出態様が設定され、「400~799」の範囲内であれば演出態様として「モード変更あり(リーチ)」が設定され、「800~999」の範囲内であれば演出態様として「オーバー入賞演出(リーチ)」が設定される。
特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、大当たり種別が「大当たりB」であり、変動パターン種別が「ノーマルリーチ」である場合には、第2演出カウンタ値が「0~499」の範囲内であれば演出態様として「モード変更なし(リーチ)」の演出態様が設定され、「500~999」の範囲内であれば演出態様として「モード変更あり(リーチ)」が設定される。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、大当たり種別が「大当たりB」であり、変動パターン種別が「スーパーリーチ」である場合には、第2演出カウンタ値が「0~499」の範囲内であれば演出態様として「モード変更なし(リーチ)」の演出態様が設定され、「500~999」の範囲内であれば演出態様として「モード変更あり(リーチ)」が設定される。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、大当たり種別が「大当たりB」であり、変動パターン種別が「スペシャルリーチ」である場合には、第2演出カウンタ値が「0~499」の範囲内であれば演出態様として「モード変更なし(リーチ)」の演出態様が設定され、「500~999」の範囲内であれば演出態様として「モード変更あり(リーチ)」が設定される。特別図柄抽選の結果が小当たり当選であり、変動パターン種別が「長小当たり」である場合には、第2演出カウンタ値が「0~999」の範囲内であれば演出態様として「リーチなし」が設定される。このように、本第33制御例の第1変形例では、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の方が、外れである場合よりもモード変更演出が実行され易く構成しているため、モード変更演出が実行されることで遊技者に大当たり当選するかもしれないという期待感を抱かせることが可能となる。
次に、図1960~図1963を参照して、保留図柄態様決定テーブル222biAについて説明する。図1960は、保留図柄態様決定テーブル222biAの規定内容を模式的に示したブロック図である。図1960に示す通り、保留図柄態様決定テーブル222biAには、通常用保留図柄態様決定テーブル222biA1と、モード変更あり保留図柄態様決定テーブル222biA2と、モード変更なし保留図柄態様決定テーブル222biA3と、が少なくとも規定されている。通常用保留図柄態様決定テーブル222biA1は、リーチなしの演出態様が設定された入賞情報に対応する保留図柄の保留図柄態様を決定する場合に参照されるテーブルである。また、モード変更あり保留図柄態様決定テーブル222biA2は、モード変更ありの演出態様が設定された入賞情報に対応する保留図柄の保留図柄態様を決定する場合に参照されるテーブルであり、モード変更なし保留図柄態様決定テーブル222biA3は、モード変更なしの演出態様が設定された入賞情報に対応する保留図柄の保留図柄態様を決定する場合に参照されるテーブルである。図1961は、通常用保留図柄態様決定テーブル222biA1の規定内容を模式的に示した図である。図1961に示す通り、図柄カウンタ値と、設定中の演出モードに対応して、保留図柄態様が規定されている。図1962は、モード変更あり保留図柄態様決定テーブル222biA2の規定内容を模式的に示した図である。図1962に示す通り、図柄カウンタ値と、保留図柄が表示される保留エリアと、モード変更実行カウンタ値と、設定中の演出モードに対応して保留図柄態様が規定されている。例えば、図柄カウンタ値が「1」であり、今回の保留図柄が表示される保留エリアが第3保留エリアである場合、モード変更実行カウンタ値が「1」であり、設定中の演出モードが「海」モードである場合には、今回の保留図柄が第2保留エリアにシフトした場合にモード変更演出が実行され、「山」モードに切り替わるため、該保留図柄が実行エリアにシフトした場合の図柄カウンタ値は「2」となり、右図柄列Z3には2図柄D2が停止表示される。したがって、保留図柄態様として、2図柄D2に対応する保留図柄態様である「フグ」のキャラクタc2が決定される。また、図柄カウンタ値が「1」であり、今回の保留図柄が表示される保留エリアが第3保留エリアである場合、モード変更実行カウンタ値が「2」であり、設定中の演出モードが「海」モードである場合には、今回の保留図柄が第1保留エリアにシフトした場合にモード変更演出が実行され、「山」モードに切り替わるため、該保留図柄が実行エリアにシフトした場合の図柄カウンタ値は「8」となり、右図柄列Z3には8図柄D8が停止表示される。したがって、保留図柄態様として、8図柄D8に対応する保留図柄態様である「熱帯魚」のキャラクタc8が決定される。
次に、図1963を参照して、モード変更なし保留図柄態様決定テーブル222biA3について説明する。図1963は、このモード変更なし保留図柄態様決定テーブル222biA3の規定内容を模式的に示した図である。図1968に示す通り、モード変更なし保留図柄態様決定テーブル222biA3は、図柄カウンタ値と、今回の保留図柄が表示される保留エリアと、設定中の演出モードに対応して保留図柄態様が規定されている。例えば、図柄カウンタ値が「1」であり、今回の保留図柄が表示される保留エリアが第3保留エリアであり、設定中の演出モードが「海」モードである場合には、今回の保留図柄が実行エリアにシフトする時点で図柄カウンタ値が「6」となり、右図柄列Z3には6図柄D6が停止表示されるため、保留図柄態様として「アンコウ」のキャラクタc6が設定される。
次に、図1958を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223に規定されている内容について説明をする。図1958に示すように、本第33制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223には、入賞情報格納エリア223aiと、特別図柄1保留球数カウンタ223biと、特別図柄2保留球数カウンタ223ciと、変動開始フラグ223diと、停止種別選択フラグ223eiと、第1演出カウンタ223fiと、第2演出カウンタ223giと、従遊技状態格納エリア223hiと、時短情報更新エリア223iiと、SW有効時間カウンタ223jiと、遊技環境格納エリア223kiと、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liと、図柄カウンタ223miと、図柄情報格納エリア223niと、タイマー演出実行フラグ223oiと、楽曲演出実行フラグ223piと、ボタン押下フラグ223qiと、シナリオカウンタ223riと、図柄変更演出実行フラグ223siと、押下回数カウンタ223tiと、演出情報格納エリア223uiと、再セットフラグ223viと、保留図柄情報格納エリア223wiと、V態様表示フラグ223xiと、左停止フラグ223yiと、オーバー入賞演出待機フラグ223aiAと、オーバー入賞演出実行カウンタ223biAと、モード情報格納エリア223ciAと、モード変更待機フラグ223diAと、入賞カウンタ223eiAと、入賞フラグ223fiAと、オーバー入賞演出実行フラグ223giAと、モード変更実行カウンタ223hiAと、その他メモリエリア223ziと、を少なくとも有している。なお、入賞情報格納エリア223aiと、特別図柄1保留球数カウンタ223biと、特別図柄2保留球数カウンタ223ciと、変動開始フラグ223diと、停止種別選択フラグ223eiと、第1演出カウンタ223fiと、第2演出カウンタ223giと、従遊技状態格納エリア223hiと、時短情報更新エリア223iiと、SW有効時間カウンタ223jiと、遊技環境格納エリア223kiと、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liと、図柄情報格納エリア223niと、タイマー演出実行フラグ223oiと、楽曲演出実行フラグ223piと、ボタン押下フラグ223qiと、シナリオカウンタ223riと、図柄変更演出実行フラグ223siと、押下回数カウンタ223tiと、演出情報格納エリア223uiと、再セットフラグ223viと、保留図柄情報格納エリア223wiと、V態様表示フラグ223xiと、左停止フラグ223yiは上述した第33制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223が有しているものと同一であるため、その詳細な説明を省略する。
オーバー入賞演出待機フラグ223aiAは、保留球(入賞情報)内にオーバー入賞演出が実行される保留球が存在することを示すためのフラグである。このオーバー入賞演出待機フラグ223aiAがオンに設定されている場合に、オーバー入賞演出実行処理(S4614I)においてオーバー入賞演出実行カウンタ223biAのカウンタ値が更新される。オーバー入賞演出待機フラグ223aiAは、保留図柄態様設定処理(図1969のS3307I)においてオーバー入賞演出ありの演出態様が設定された場合にオンに設定され、オーバー入賞演出実行処理(図1978のS4614I)においてオーバー入賞実行カウンタ値が0であると判別された場合にオフに設定される。オーバー入賞演出実行カウンタ223biAは、オーバー入賞演出が設定された入賞情報(保留球)に基づく特図変動が実行されるまでの期間を計測するためのカウンタである。保留図柄態様設定処理(図1969のS3307I)においてオーバー入賞演出が設定された場合に、対象となる入賞情報(保留球)が格納される入賞情報格納エリア223ai内の保留エリアの番号に対応する値がカウンタ値として設定される。例えば、対象となる入賞情報が入賞情報格納エリア223ai内の第2保留エリアに格納される場合にはカウンタ値として「2」が設定され、第3保留エリアに格納される場合にはカウンタ値として「3」が設定される。オーバー入賞演出実行カウンタ値は、特図変動毎に実行されるオーバー入賞演出実行処理(図1978のS4614I)において1減算され、カウンタ値が0になった場合にオーバー入賞演出が実行される。このように、オーバー入賞演出実行カウンタ223biAのカウンタ値によって、対象となる入賞情報に基づく特図変動が何変動後に実行されるのかを判別することができる。
モード情報格納エリア223ciAは、設定中の演出モードに関する情報が格納されるデータ領域である。このモード情報格納エリア223ciAに格納されているモード情報によって、設定されている演出モードが「海モード」か「山モード」かを判別する。モード変更待機フラグ223diAは、保留球内に演出モード変更演出が実行される保留球が存在することを示すためのフラグである。このモード変更待機フラグ223ciAがオンに設定されている場合に、モード変更演出実行処理(図1974のS4608I)においてモード変更実行カウンタ223hiAのカウンタ値が更新される。そして、モード変更演出実行処理においてモード変更実行カウンタ値が0であると判別された場合に、モード変更演出が実行される。
入賞カウンタ223eiAは、オーバー入賞演出の実行中にオーバー入賞した回数を計測するためのカウンタである。この入賞カウンタ223eiAには、オーバー入賞演出実行処理(図1978のS4614I)において、現在の図柄カウンタ値と、実行エリアの保留図柄態様に対応する図柄カウンタ値との差分に対応する値がカウンタ値として設定され、オーバー入賞演出実行中処理(図1982のS3618I)においてカウンタ値が更新される。入賞フラグ223fiAは、オーバー入賞したことを示すためのフラグであり、オーバー入賞演出の実行期間中に主制御装置110からオーバー入賞コマンドを受信した場合にオンに設定され、オーバー入賞演出実行中処理(図1982のS3618I)においてオフに設定される。
オーバー入賞演出実行フラグ223giAは、オーバー入賞演出の実行期間中であることを示すためのフラグである。このオーバー入賞演出実行フラグ223giAは、オーバー入賞演出実行処理(図1978のS4614I)においてオーバー入賞演出実行カウンタ223biAのカウンタ値が0であると判別された場合にオンに設定され、オーバー入賞演出実行中処理(図1982のS3618I)において入賞カウンタ223eiAのカウンタ値が0であると判別された場合にオフに設定される。モード変更実行カウンタ223hiAは、演出モードの変更が実行されるまでの期間を計測するためのカウンタである。詳細は後述するが、本第33制御例の第1変形例では、モード変更ありの演出態様が設定された入賞情報以外にリーチありの変動パターンが設定された入賞情報が存在する場合には、そのリーチありの変動パターンが設定された入賞情報に基づく特図変動が終了するまでは、モード変更演出を実行しない構成としている。そして、モード変更実行カウンタ223hiAには、そのリーチありの変動パターンが設定された入賞情報に基づく特図変動が実行されるまでの特図変動回数に対応する値がカウンタ値として設定され、特図変動毎に実行されるモード変更演出実行処理(図1974のS4608I)において更新される。
<第33制御例の第1変形例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図1965を参照して、本第33制御例の第1変形例における主制御装置110の制御処理について説明する。本第33制御例の第1変形例では、上述した第33制御例における始動入賞処理(S105I)の処理内容を一部変更している点で相違しており、その他の制御処理については同一である。同一の制御処理については、同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。図1965は、本第33制御例の第1変形例における始動入賞処理(S105I)を示したフローチャートである。上述した第33制御例における始動入賞処理(S105I)に対して、第1入球口64への入賞があった場合に、第1特別図柄保留球数カウンタ203diのカウンタ値(N1)が、4以下ではないと判別した場合(即ち、保留球数が上限値である場合)には(S803I)、オーバー入賞コマンドを設定する(S815I)点で相違しており、その他の処理内容は同一である。ここで設定されたオーバー入賞コマンドは、主制御装置110のメイン処理(図1895参照)の外部出力処理(S1801I)で音声ランプ制御装置113に送信され、音声ランプ制御装置113は、このオーバー入賞コマンドにより、オーバー入賞回数を把握し、オーバー入賞回数に応じてオーバー入賞演出における第3図柄の図柄態様と、保留図柄の保留図柄態様を可変させる。
<第33制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図1966~図1984を参照して、本第33制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明する。上述した第33制御例に対して、コマンド判定処理(S3113I)の処理内容を一部変更した点と、保留図柄変化演出設定処理(S4611I)の処理内容を一部変更した点と、特図1演出態様設定処理(S4409I)の処理内容を一部変更した点と、演出更新処理(S3112I)の処理内容を一部変更した点と、停止種別設定処理(S4309I)の処理内容を一部変更した点で相違しており、その他の処理内容については同一である。同一の処理内容については同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。まず、図1966を参照して、本第33制御例の第1変形例におけるコマンド判定処理(S3113I)について説明する。本第33制御例の第1変形例におけるコマンド判定処理(S3113I)は、上述した第33制御例におけるコマンド判定処理(図1901参照)に対して、入賞情報コマンド処理(S3210I)の処理内容を一部変更した点と、オーバー入賞コマンドを受信したと判別した場合に(S3217I:Yes)、オーバー入賞コマンド処理(S3218I)を実行する点で相違し、その他の処理内容については同一である。
次に、図1945を参照して、入賞情報コマンド処理(S3210I)について説明する。図1967は、この入賞情報コマンド処理(S3210I)を示したフローチャートである。上述した第33制御例における入賞情報コマンド処理(図1902参照)に対して、S3302Iの処理においてファイナルチャレンジ実行中フラグ223liがオンではないと判別した場合に(S3302I:No)、通常状態が設定されているかを判別し(S3305I)、通常状態であると判別した場合に(S3305I:Yes)、保留図柄態様設定処理(S3307I)を実行する点で相違している。この保留図柄態様設定処理(S3307I)は、通常状態における保留図柄の保留図柄態様を設定するための処理である。ここで、図1969を参照して、保留図柄態様設定処理(S3307I)について説明する。図1969は、この保留図柄態様設定処理(S3307I)を示したフローチャートである。保留図柄態様設定処理(S3307I)は、保留図柄を用いた演出の演出態様(保留図柄演出態様)を決定し、決定した保留図柄演出態様に応じて副表示領域Dsに表示させる保留図柄の保留図柄態様を決定するための処理である。保留図柄態様設定処理(S3307I)が実行されると、まず、第2演出カウンタ223giのカウンタ値を取得し(S3451I)、保留図柄演出態様設定テーブル222aiAと第2演出カウンタ値に基づいて保留図柄演出態様を決定する(S3452I)。次に、決定した保留図柄演出態様はリーチなしの演出態様であるかを判別し(S3453I)、リーチなしの演出態様であると判別した場合には(S3453I:Yes)、保留図柄態様決定テーブル222biAから図柄カウンタ223miのカウンタ値に5加算した値に対応する保留図柄態様を決定し(S3454I)、決定した保留図柄態様を所定の保留エリア(副表示領域Dsの保留図柄が表示されていない保留エリアのうち、最も若い番号の保留エリア)に表示するための表示用コマンドを設定し(S3455I)、本処理を終了する。一方、S3453Iの処理において、決定した演出態様がリーチなしの演出態様ではないと判別した場合には(S3453I:No)、次に、オーバー入賞演出ありの演出態様であるかを判別し(S3456I)、オーバー入賞演出ありの演出態様であると判別した場合には(S3456I:Yes)、オーバー入賞演出設定処理を実行する(S3457I)。このオーバー入賞演出設定処理(S3457I)の詳細な説明については、図1970を参照して後述する。オーバー入賞演出設定処理(S3457I)が終了すると、次に、オーバー入賞演出待機フラグ223aiAをオンに設定し(S3458I)、表示される保留エリアに対応する値をオーバー入賞演出実行カウンタ223biAに設定する(S3459I)。具体的には、今回の入賞情報に対応する保留図柄が、例えば、第2保留エリアの台座m2上に表示される場合には、現在実行中の特図変動から2変動後にオーバー入賞演出が実行されるため、オーバー入賞演出実行カウンタ223biAのカウンタ値として「2」が設定される。S3456Iの処理において、オーバー入賞演出ありの演出態様ではないと判別した場合には(S3456I:No)、次に、モード変更ありの演出態様であるかを判別し(S3469I)、モード変更ありの演出態様であると判別した場合には(S3469I:Yes)、モード変更演出設定処理を実行し(S3461I)、S3455Iの処理に移行する。なお、モード変更演出設定処理(S3461I)の詳細については、図1971を参照して後述する。S3460Iの処理において、モード変更演出ありの演出態様ではないと判別した場合には(S3460I:No)、モード変更なし保留図柄態様決定テーブル222biA3から対応する保留図柄態様を決定し(S3462I)、S3455Iの処理に移行する。
次に、図1968を参照して、オーバー入賞コマンド処理(S3218I)について説明する。図1968は、このオーバー入賞コマンド処理(S3218I)を示したフローチャートである。オーバー入賞コマンド処理(S3218I)が実行されると、まず、オーバー入賞演出実行フラグ223giAがオンであるかを判別し(S3351I)、オンであると判別した場合には(S3351I:Yes)、入賞フラグ223fiAをオンに設定し(S3352I)、本処理を終了する。一方、S3351Iの処理において、オーバー入賞演出実行フラグ223giAがオンではないと判別した場合には(S3351I:No)、本処理を終了する。
次に、図1970を参照して、オーバー入賞演出設定処理(S3457I)について説明する。図1970は、このオーバー入賞演出設定処理(S3457I)を示したフローチャートである。オーバー入賞演出設定処理(S3457I)が実行されると、まず、今回の入賞情報に対応する保留図柄の表示エリアは副表示領域Dsの第1保留エリアであるかを判別する(S3551I)。第1保留エリアであると判別した場合には(S3551I:Yes)、次に、設定されている演出モードは海モードであるかを判別し(S3552I)、海モードであると判別した場合には(S3552I:Yes)、通常用保留図柄態様決定テーブル222biA1から図柄カウンタ223miのカウンタ値を3減算した値に対応する保留図柄態様を決定し(S3553I)、S3554Iの処理に移行する。ここで、本第33制御例の第1変形例では、図柄カウンタ223miのカウンタ値によって、特図変動における右図柄列Z3に停止表示させる第3図柄の図柄態様を決定する構成であり、海モードが設定されている場合には、図柄カウンタ値は第1特別図柄の特図変動が実行される場合に1減算される。例えば、今回の入賞情報に対応する保留図柄の表示エリアが第1保留エリアである場合には、該保留図柄に対応する特図変動が実行される時点で図柄カウンタ値は、入賞情報コマンドを受信した時点から1減算された値となる。この場合、今回の入賞情報に対応する保留図柄の保留図柄態様を、入賞情報コマンドを受信した時点の図柄カウンタ値を3減算した値に対応する保留図柄態様とすることで、該保留図柄に対応する特図変動が実行される場合に、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の数字と、該保留図柄に対応する第3図柄の数字を2つズレた状態とすることができる。S3552Iの処理において、設定されている演出モードは海モードではないと判別した場合には(S3553I:No)、設定されている演出モードは山モードであるかを判別し(S3554I)、山モードであると判別した場合には(S3554I:Yes)、通常用保留図柄態様決定テーブル222biA1から図柄カウンタ223miのカウンタ値を3加算した値に対応する保留図柄態様を決定し(S3555I)、本処理を終了する。S3551Iの処理において、今回の入賞情報に対応する保留図柄の表示エリアは第1保留エリアではないと判別した場合には(S3551I:No)、次に、今回の入賞情報に対応する保留図柄の表示エリアは副表示領域Dsの第2保留エリアであるかを判別する(S3556I)。第2保留エリアであると判別した場合には(S3556I:Yes)、次に、設定されている演出モードは海モードであるかを判別し(S3557I)、海モードであると判別した場合には(S3557I:Yes)、通常用保留図柄態様決定テーブル222biA1から図柄カウンタ223miのカウンタ値を4減算した値に対応する保留図柄態様を決定し(S3558I)、S3559Iの処理に移行する。なお、海モードにおいて、今回の入賞情報に対応する保留図柄の表示エリアが第2保留エリアである場合には、該保留図柄に対応する特図変動が実行される時点で図柄カウンタ値は、入賞情報コマンドを受信した時点から2減算された値となる。この場合、今回の入賞情報に対応する保留図柄の保留図柄態様を、入賞情報コマンドを受信した時点の図柄カウンタ値を4減算した値に対応する保留図柄態様とすることで、該保留図柄に対応する特図変動が実行される場合に、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の数字と、該保留図柄に対応する第3図柄の数字を2つズレた状態とすることができる。S3557Iの処理において、設定されている演出モードは海モードではないと判別した場合には(S3557I:No)、設定されている演出モードは山モードであるかを判別し(S3559I)、山モードであると判別した場合には(S3559I:Yes)、通常用保留図柄態様決定テーブル222biA1から図柄カウンタ223miのカウンタ値を4加算した値に対応する保留図柄態様を決定し(S3560I)、本処理を終了する。S3556Iの処理において、今回の入賞情報に対応する保留図柄の表示エリアは第2保留エリアではないと判別した場合には(S3556I:No)、次に、今回の入賞情報に対応する保留図柄の表示エリアは副表示領域Dsの第3保留エリアであるかを判別する(S3561I)。第3保留エリアであると判別した場合には(S3561I:Yes)、次に、設定されている演出モードは海モードであるかを判別し(S3562I)、海モードであると判別した場合には(S3562I:Yes)、通常用保留図柄態様決定テーブル222biA1から図柄カウンタ223miのカウンタ値を5減算した値に対応する保留図柄態様を決定し(S3563I)、S3564Iの処理に移行する。なお、海モードにおいて、今回の入賞情報に対応する保留図柄の表示エリアが第3保留エリアである場合には、該保留図柄に対応する特図変動が実行される時点で図柄カウンタ値は、入賞情報コマンドを受信した時点から3減算された値となる。この場合、今回の入賞情報に対応する保留図柄の保留図柄態様を、入賞情報コマンドを受信した時点の図柄カウンタ値を5減算した値に対応する保留図柄態様とすることで、該保留図柄に対応する特図変動が実行される場合に、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の数字と、該保留図柄に対応する第3図柄の数字を2つズレた状態とすることができる。S3562Iの処理において、設定されている演出モードは海モードではないと判別した場合には(S3562I:No)、設定されている演出モードは山モードであるかを判別し(S3564I)、山モードであると判別した場合には(S3564I:Yes)、通常用保留図柄態様決定テーブル222biA1から図柄カウンタ223miのカウンタ値を5加算した値に対応する保留図柄態様を決定し(S3565I)、本処理を終了する。S3561Iの処理において、今回の入賞情報に対応する保留図柄の表示エリアは第3保留エリアではないと判別した場合には(S3561I:No)、第4保留エリアである場合であるため、設定されている演出モードは海モードであるかを判別し(S3566I)、海モードであると判別した場合には(S3566I:Yes)、通常用保留図柄態様決定テーブル222biA1から図柄カウンタ223miのカウンタ値を6減算した値に対応する保留図柄態様を決定し(S35567)、S3568Iの処理に移行する。なお、海モードにおいて、今回の入賞情報に対応する保留図柄の表示エリアが第4保留エリアである場合には、該保留図柄に対応する特図変動が実行される時点で図柄カウンタ値は、入賞情報コマンドを受信した時点から4減算された値となる。この場合、今回の入賞情報に対応する保留図柄の保留図柄態様を、入賞情報コマンドを受信した時点の図柄カウンタ値を6減算した値に対応する保留図柄態様とすることで、該保留図柄に対応する特図変動が実行される場合に、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の数字と、該保留図柄に対応する第3図柄の数字を2つズレた状態とすることができる。S3566Iの処理において、設定されている演出モードは海モードではないと判別した場合には(S3566I:No)、設定されている演出モードは山モードであるかを判別し(S3568I)、山モードであると判別した場合には(S3568I:Yes)、通常用保留図柄態様決定テーブル222biA1から図柄カウンタ223miのカウンタ値を6加算した値に対応する保留図柄態様を決定し(S3569I)、本処理を終了する。
次に、図1971を参照して、モード変更演出設定処理(S3461I)について説明する。図1971は、このモード変更演出設定処理(S3461I)を示したフローチャートである。モード変更演出設定処理(S3461I)が実行されると、まず、入賞情報格納エリア223aiに格納されている入賞情報の中に、リーチありの変動パターン(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチの何れか)を含む入賞情報があるかを判別し(S3651I)、リーチありの入賞情報がないと判別した場合には(S3651I:No)、次に、設定されている演出モードは海モードであるかを判別する(S3652I)。設定されている演出モードは海モードであると判別した場合には(S3652I:Yes)、モード情報格納エリア223ciAに山モードに対応するモード情報を設定し(S3653I)、設定した演出モードを第3図柄表示装置81の表示画面に表示するための表示用コマンドを設定し(S3655I)、通常用保留図柄態様決定テーブル222biA1から保留図柄態様を決定し(S3656I)、本処理を終了する。一方、S3652Iの処理において、設定されている演出モードは海モードではないと判別した場合には(S3652I:No)、モード情報格納エリア223ciAに海モードに対応するモード情報を設定し(S3654I)、S3655Iの処理に移行する。S3651Iの処理において、入賞情報格納エリア223aiに格納されている入賞情報の中に、リーチありの変動パターンを含む入賞情報があると判別した場合には(S3651I:Yes)、該入賞情報は、入賞情報格納エリア223ai内の第3保留エリアに格納されているかを判別し(S3657I)、第3保留エリアに格納されていると判別した場合には(S3657I:Yes)、モード変更実行カウンタ223hiAにカウンタ値「3」を設定し(S3658I)、モード変更待機フラグ223diAをオンに設定し(S3659I)、モード変更あり保留図柄態様決定テーブル222biA2から対応する保留図柄態様を決定し(S3660I)、本処理を終了する。ここで、上述したように、本第33制御例の第1変形例では、海モードでは右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様が特図変動毎に1ずつ降順に可変し、山モードでは1ずつ昇順に可変する構成である。このため、リーチありの変動パターンを含む入賞情報が他に存在する状態でモード変更演出を実行すると、該入賞情報に対応する特図変動が実行される場合に、副表示領域Dsの実行エリアの台座m0上に表示される保留図柄の保留図柄態様と、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様が対応しない状態(即ち、リーチ態様とならない)となる。例えば、海モードにおいて右図柄列Z3に5図柄D5が停止表示された場合に、副表示領域Dsの第3保留エリアの台座m3上に保留2図柄hz2(左図柄列Z1に2図柄D2が停止表示されることを示唆する態様)が表示されている場合、3回目の特図変動においてリーチ演出が実行されると遊技者は予測できるが、2回目の特図変動においてモード変更演出が実行され山モードに変更されると、保留2図柄hz2に対応する特図変動において右図柄列Z3には4図柄D4が停止表示されリーチ演出が実行されないこととなり、遊技者の遊技意欲を低下させてしまう虞がある。このため、モード変更演出ありの演出態様が決定された保留球(入賞情報)よりも前にリーチありの変動パターンを含む入賞情報がある場合には、そのリーチありの変動パターンを含む入賞情報に対応する特図変動が実行されるまでモード変更演出の実行を待機させる構成としている。図1971に戻り、説明を続ける。S3657Iの処理において、リーチありの変動パターンを含む入賞情報が格納されているのは入賞情報格納エリア223ai内の第3保留エリアではないと判別した場合には(S3657I:No)、次に、該入賞情報が格納されているのは入賞情報格納エリア223ai内の第2保留エリアであるかを判別する(S3661I)。第2保留エリアで有ると判別した場合には(S3661I:Yes)、モード変更実行カウンタ223hiAにカウンタ値として「2」を設定し(S3662I)、S3659Iの処理に移行する。S3611Iの処理において、リーチありの変動パターンを含む入賞情報が格納されているのは入賞情報格納エリア223ai内の第2保留エリアではないと判別した場合には(S3662I:No)、該入賞情報は入賞情報格納エリア223ai内の第1保留エリアに格納されているため、モード変更実行カウンタ223hiAにカウンタ値として「1」を設定し(S3663I)、S3659Iの処理に移行する。
次に、図1972を参照して、本第33制御例の第1変形例における保留図柄変化演出設定処理(S4411I)について説明する。図1972は、この保留図柄変化演出設定処理(S4411I)を示したフローチャートである。本第33制御例の第1変形例における保留図柄変化演出設定処理(S4411I)では、リーチありの変動パターンが設定されている特図変動において、副表示領域Dsの実行エリアの台座m0上に表示されている保留図柄の保留図柄態様と、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様とが一致しない場合に、保留図柄の保留図柄態様を、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様に対応する保留図柄態様に可変させるための処理を実行する。例えば、モード変更演出の実行が待機されている状態で新たな入賞があった場合に、その入賞に基づく入賞情報がリーチありの変動パターンを含むものである場合、その入賞情報に対応する特図変動が実行される前にモード変更演出が実行されることで、該入賞情報に対応する特図変動が実行される場合に、副表示領域Dsの実行エリアの台座m0上に表示される保留図柄の保留図柄態様と、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様が対応しない状態(即ち、リーチ態様とならない)となることがある。そこで、リーチありの変動パターンが設定されている特図変動において、副表示領域Dsの実行エリアの台座m0上に表示されている保留図柄の保留図柄態様と、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様とが一致しない場合に、保留図柄の保留図柄態様を、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様に対応する保留図柄態様に可変させることにより、遊技者に違和感のない演出を提供することができる。本第33制御例の第1変形例における保留図柄変化演出設定処理(S4411I)は、上述した第33制御例における保留図柄変化演出設定処理(S4407I)に対して、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中ではない場合に実行される保留図柄変化演出を設定するための処理を追加している点で相違し、その他の処理内容は同一である。具体的には、S5201Iの処理において、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liがオンではないと判別した場合には(S5201I:No)、次に、今回の特図変動はリーチありの変動パターンであるかを判別し(S5210I)、リーチありの変動パターンではないと判別した場合には(S5210I:No)、本処理を終了する。一方、リーチありの変動パターンであると判別した場合には(S5210I:Yes)、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様と、副表示領域Dsの実行エリアの台座m0上に表示される保留図柄の保留図柄態様のキャラクタは一致するかを判別する(S5211I)。具体的には、保留図柄情報格納エリア223wi内の実行エリアに格納されている保留図柄情報が示す保留図柄態様が、図柄カウンタ値と一致するかを判別する。右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様と、副表示領域Dsの実行エリアの台座m0上に表示される保留図柄の保留図柄態様のキャラクタが一致すると判別した場合には(S5211I:Yes)、本処理を終了する。一方、一致しないと判別した場合には(S5211I:No)、オーバー入賞演出ありの演出態様であるかを判別する(S5212I)。具体的には、オーバー入賞演出実行カウンタ223biAのカウンタ値が「1」である場合に今回の特図変動においてオーバー入賞演出が実行されると判別する。なお、保留図柄変化演出設定処理(S4411I)の後に実行されるオーバー入賞演出実行処理(図1978のS4614I)においてオーバー入賞演出実行カウンタ値は更新され、オーバー入賞カウンタ値が0となる特図変動においてオーバー入賞演出が実行される。オーバー入賞演出ありの演出態様であると判別した場合には(S5212I:Yes)、本処理を終了する。一方、オーバー入賞演出ありの演出態様ではないと判別した場合には(S5212I:No)、通常用保留図柄態様決定テーブル222biAから図柄カウンタ値に対応する保留図柄態様を決定し(S5213I)、決定した保留図柄態様に対応する保留図柄情報を保留図柄情報格納エリア223wi内の実行エリアに格納し(S5214I)、副表示領域Dsの実行エリアの台座m0上に表示されている保留図柄の保留図柄態様を、決定した保留図柄態様に可変させる表示用コマンドを設定し(S5215I)、本処理を終了する。
次に、図1973を参照して、本第33制御例の第1変形例における特図1演出態様設定処理(S4409I)について説明する。図1973は、この特図1演出態様設定処理(S4409I)を示したフローチャートである。本第33制御例の第1変形例における特図1演出態様設定処理(S4409I)は、上述した第33制御例における特図1演出態様設定処理(S4409I)に対して、モード変更演出実行処理(S4608I)と、オーバー入賞演出実行処理(S4614I)を新たに追加した点と、設定されている演出モードによって図柄カウンタ223miの更新方法を異ならせている点で相違し、その他の処理内容は同一である。特図1演出態様設定処理(S4409I)が実行されると、まず、今回の特別図柄抽選の結果と変動パターンに基づいて通常用変動パターン選択テーブル222ai1から表示用変動パターンを決定し(S4602I)、モード変更演出実行処理を実行する(S4608I)。ここで、図1974を参照して、モード変更演出実行処理(S4608I)について説明する。図1974は、このモード変更演出実行処理(S4608I)を示したフローチャートである。モード変更演出実行処理(S4608I)が実行されると、まず、モード変更待機フラグ223diAはオンであるかを判別し(S5301I)、モード変更待機フラグ223diAがオンではないと判別した場合には(S5301I:No)、本処理を終了する。一方、モード変更待機フラグ223diAがオンであると判別した場合には(S5301I:Yes)、モード変更実行カウンタ223hiAのカウンタ値は0であるかを判別し(S5302I)、モード変更実行カウンタ223hiAのカウンタ値が0であると判別した場合には(S5302I:Yes)、モード変更待機フラグ223diAをオフに設定し(S5303I)、設定されている演出モードは海モードであるかを判別する(S5304I)。海モードであると判別した場合には(S5304I:Yes)、モード情報格納エリア223ciAに山モードを示すモード情報を設定し(S5305I)、設定した演出モードを表示するための表示用コマンドを設定し(S5307I)、本処理を終了する。S5304Iの処理において設定されている演出モードは海モードではないと判別した場合には(S5304I:No)、モード情報格納エリア223ciAに海モードを示すモード情報を設定し(S5306I)、S5307Iの処理に移行する。また、S5302Iの処理においてモード変更実行カウンタ223hiAのカウンタ値が0ではないと判別した場合には(S5302I:No)、モード変更実行カウンタ値を1減算し(S5308I)、本処理を終了する。
図1973に戻り説明を続ける。モード変更演出実行処理(S4608I)が終了すると、次に、設定されている演出モードは海モードであるかを判別し(S4609I)、海モードであると判別した場合には(S4609I:Yes)、図柄カウンタ223miのカウンタ値を1減算し(S4610I)、S4604Iの処理に移行する。一方、海モードではないと判別した場合(即ち、山モードが設定されている場合)には(S4609I:No)、図柄カウンタ値を1加算し(S4601I)、S4604Iの処理に移行する。S4604Iの処理では、飾り図柄演出設定処理を実行する(S4611I)。ここで、図1975を参照して、本第33制御例の第1変形例における飾り図柄演出設定処理(S4611I)について説明する。図1975は、この飾り図柄演出設定処理(S4611I)を示したフローチャートである。本第33制御例の第1変形例における飾り図柄演出設定処理(S4611I)は、上述した第33制御例における飾り図柄演出設定処理(図1909参照)に対して、S4703Iの処理に代えてS4712Iの処理を、S4710Iの処理に代えてS4713Iの処理をそれぞれ実行する点で相違し、その他の処理内容については同一である。なお、S4712Iの処理では、図柄カウンタ値に対応する図柄態様を右図柄(右図柄列Z3に停止表示させる第3図柄)として決定し、S4713Iの処理では、図柄情報格納エリア223niに格納されている図柄情報に対応する図柄態様を右図柄として決定する。
図1973に戻り説明を続ける。飾り図柄演出設定処理(S4611I)が終了すると、次に、チャンスゾーン演出設定処理を実行し(S4604I)、タイマー演出設定処理を実行する(S4612I)。なお、チャンスゾーン演出設定処理(S4604I)は、上述した第33制御例におけるチャンスゾーン演出設定処理(S4604I)と同一の処理であるため、詳細な説明は省略する。ここで、図1976を参照して、本第33制御例の第1変形例におけるタイマー演出設定処理(S4612I)について説明する。図1976は、このタイマー演出設定処理(S4612I)を示したフローチャートである。本第33制御例の第1変形例におけるタイマー演出設定処理(S4612I)は、上述した第33制御例におけるタイマー演出設定処理(図1911参照)に対して、S4906Iの処理に代えてS4908Iの処理を実行する点で相違しており、その他の処理については同一である。なお、S4908Iの処理では、SW有効時間カウンタ223jiにカウンタ値として5000を設定する(S4908I)。これにより、タイマー秒数決定演出において演出ボタン22aの操作が有効となる。図1973に戻り説明を続ける。タイマー演出設定処理(S4612I)が終了すると、次に、楽曲演出設定処理を実行し(S4606I)、リーチ図柄変更演出設定処理を実行する(S4613I)。なお、楽曲演出設定処理(S4606I)は、上述した第33制御例における楽曲演出設定処理(図1912参照)と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。ここで、図1977を参照して、本第33制御例の第1変形例におけるリーチ図柄変更演出設定処理(S4613I)について説明する。図1977は、このリーチ得柄変更演出設定処理(S4613I)を示したフローチャートである。本第33制御例の第1変形例におけるリーチ図柄変更演出設定処理(S4613I)は、上述した第33制御例におけるリーチ図柄変更演出設定処理(図1913参照)に対して、S5102Iの処理に代えてS5106Iの処理を実行する点で相違し、その他の処理については同一である。具体的には、S5102Iの処理では、左図柄(左図柄列Z1に停止表示される第3図柄)が7図柄D7であるかを判別したが、S5106Iの処理では、右図柄(右図柄列Z3に停止表示される第3図柄)が7図柄D7であるかを判別する(S5106I)。
図1973に戻り説明を続ける。リーチ図柄変更演出設定処理(S4613I)が終了すると、次に、オーバー入賞演出実行処理を実行し(S4614I)、本処理を終了する。ここで、図1978を参照して、オーバー入賞演出実行処理(S4614I)について説明する。図1978は、このオーバー入賞演出実行処理(S4614I)を示したフローチャートである。オーバー入賞演出実行処理(S4614I)が実行されると、まず、オーバー入賞演出待機フラグ223aiAがオンであるかを判別し(S5301I)、オーバー入賞演出待機フラグ223aiAがオンではないと判別した場合には(S5301I:No)、本処理を終了する。一方、オーバー入賞演出待機フラグ223aiAがオンであると判別した場合には(S5301I:Yes)、オーバー入賞演出実行カウンタ223hiAのカウンタ値を1減算し(S5302I)、減算後のオーバー入賞演出実行カウンタ223hiAのカウンタ値が0であるかを判別する(S5303I)。オーバー入賞演出実行カウンタ223hiAのカウンタ値が0ではないと判別した場合には(S5303I:No)、本処理を終了する。一方、オーバー入賞演出実行カウンタ223hiAのカウンタ値が0であると判別した場合には(S5303I:Yes)、オーバー入賞演出待機フラグ223aiAをオフに設定し(S5304I)、オーバー入賞演出実行フラグ223giAをオンに設定し(S5305I)、オーバー入賞演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S5306I)、現在の図柄カウンタ値と、副表示領域Dsの実行エリアに表示されている保留図柄態様に対応する図柄カウンタ値との差分に対応する値を入賞カウンタ223eiAに設定し(S5307I)、本処理を終了する。
次に、図1979を参照して、本第33制御例の第1変形例における演出更新処理(S3112I)について説明する。図1979は、この演出更新処理(S3112I)を示したフローチャートである。本第33制御例の第1変形例における演出更新処理(S3112I)は、上述した第33制御例における演出更新処理(S3112I)に対して、秒数決定演出更新処理(S3603I)とタイマー演出更新処理(S3616I)に代えて秒数決定演出更新処理(S3615I)及びタイマー演出更新処理(S3616I)を実行する点と、オーバー入賞演出実行中処理(S3618I)を新たに追加した時点で相違しており、その他の構成については同一である。図1979に示すとおり、S3610Iの処理において、図柄変更フラグ223siがオンではないと判別した場合には(S3610I:No)、オーバー入賞演出実行フラグ223giAがオンであるかを判別し(S3617I)、オンであると判別した場合には(S3617I:Yes)、オーバー入賞演出実行中処理を実行する(S3618I)。このオーバー入賞演出実行中処理(S3618I)は、オーバー入賞演出の実行中にオーバー入賞があれば、主表示領域Dmの左図柄列Z1に停止表示されている第3図柄の図柄態様を可変させるための処理を実行する処理である。なお、オーバー入賞演出実行中処理(S3618I)の詳細については、図1982を参照して後述する。オーバー入賞演出実行中処理(S3618I)が終了すると、その他演出更新処理(S3614I)を実行し、本処理を終了する。
次に、図1980を参照して、本第33制御例の第1変形例における秒数決定演出更新処理(S3615I)について説明する。図1980は、この秒数決定演出更新処理(S3615I)を示したフローチャートである。上述した第33制御例における秒数決定演出更新処理(図1916参照)に対して、演出ボタン22aが操作されたことに対応して秒数決定演出における各表示位置Hi1~Hi5の表示内容を可変させるための処理を実行する点で相違している。秒数決定演出更新処理(S3615I)が実行されると、まず、SW有効時間カウンタ223jiのカウンタ値を1減算し(S3708I)、SW有効時間カウンタ値が0であるかを判別する(S3709I)。SW有効時間カウンタ値が0であると判別した場合には(S3709I:Yes)、S3711I~S3715Iの処理をスキップし、S3716Iの処理に移行する。一方、S3709Iの処理において、SW有効時間カウンタ値が0ではないと判別した場合には(S3709I:No)、ボタン押下フラグ223qiがオンであるかを判別し(S3710I)、ボタン押下フラグ223qiがオンではないと判別した場合(即ち、演出ボタン22aが操作されていない場合)には(S3710I:No)、本処理を終了する。ボタン押下フラグ223qiがオンであると判別した場合には(S3710I:Yes)、ボタン押下フラグ223qiをオフに設定し(S3711I)、押下回数カウンタ223tiのカウンタ値に1加算する。そして、押下回数カウンタ値に対応する風船破裂演出を実行するための表示用コマンドを設定する(S3713I)。具体的には、押下回数カウンタ値が「1」であれば第1表示位置Hi1に表示されている風船を破裂させ、設定されているタイマー演出種別に対応する表示秒数を表示させる。押下回数カウンタ値が「2」であれば第2表示位置Hi2に表示されている風船を破裂させ、設定されているタイマー演出種別に対応する表示秒数を表示させる。押下回数カウンタ値が「3」であれば第3表示位置Hi3に表示されている風船を破裂させ、設定されているタイマー演出種別に対応する表示秒数を表示させる。押下回数カウンタ値が「4」であれば第4表示位置Hi4に表示されている風船を破裂させ、設定されているタイマー演出種別に対応する表示秒数を表示させる。押下回数カウンタ値が「5」であれば第5表示位置Hi5に表示されている風船を破裂させ、設定されているタイマー演出種別に対応する表示秒数を表示させる。S3713Iの処理が終了すると、次に、押下回数カウンタ値は「5」であるかを判別し(S3714I)、押下回数カウンタ値が「5」ではないと判別した場合には(S3714I:No)、本処理を終了する。一方、押下回数カウンタ値が「5」であると判別した場合には(S3714I:Yes)、SW有効時間カウンタ223jiの値を0に設定し(S3715I)、S3716Iの処理に移行する。S3716Iの処理では、秒数決定演出実行フラグ223aaiをオフに設定し(S3716I)、タイマー演出実行フラグ223oiをオンに設定し(S3717I)、SW有効期間表示(図1960のSW有効時間ゲージga1)を非表示とするための表示用コマンドを設定し(S3718I)、押下回数カウンタ値に対応するタイマー設定値を演出実行カウンタ223abiに設定し(S3719I)、設定した演出実行カウンタ値に対応するタイマー秒数を表示するための表示用コマンドを設定し(S3720I)、本処理を終了する。このように、秒数決定演出更新処理(S3615i)は、特別図柄変動中のボタン操作により変動演出の演出態様を可変させることが可能な第1演出であるタイマー秒数決定演出を実行可能な制御である。
次に、図1981を参照して、本第33制御例の第1変形例におけるタイマー演出更新処理(S3616I)について説明する。図1981は、このタイマー演出更新処理(S3616I)を示したフローチャートである。上述した第33制御例におけるタイマー演出更新処理(図1917参照)に対して、タイマー演出終了時(報知態様を報知した場合)に、押下回数カウンタ値を0に設定する処理(S3814I)を実行する点で相違しており、その他の処理については同一である。
次に、図1982を参照して、オーバー入賞演出実行中処理(S3618I)について説明する。図1982は、このオーバー入賞演出実行中処理(S3618I)を示したフローチャートである。オーバー入賞演出実行中処理(S3618I)が実行されると、まず、入賞フラグ223fiAはオンであるかを判別し(S4151I)、入賞フラグ223fiAがオンではないと判別した場合(即ち、オーバー入賞していない場合)には(S4151I:No)、本処理を終了する。一方、入賞フラグ223fiAがオンであると判別した場合には(S4151I:Yes)、入賞カウンタ223eiAのカウンタ値を1減算し(S4152I)、入賞カウンタ値が0であるかを判別する(S4153I)。入賞カウンタ値が0であると判別した場合には(S4153I:Yes)、オーバー入賞演出実行フラグ223giAをオフに設定し(S4154I)、今回の特別図柄抽選の結果は大当たり当選であるかを判別する(S4155I)。今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選であると判別した場合には(S4155I:Yes)、左停止図柄(主表示領域Dmの左図柄列Z1に停止表示される第3図柄)の図柄態様を、図柄カウンタ値に対応する図柄態様に可変させるための表示用コマンドを設定し(S4156I)、副表示領域Dsの実行エリアに表示されている保留図柄の態様を、可変後の左停止図柄の図柄態様と対応する保留図柄態様に可変させるための表示用コマンドを設定し(S4159I)、入賞フラグ223fiAをオフに設定し(S4160I)、本処理を終了する。一方、S4155Iの処理において、今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選ではないと判別した場合には(S4155I:No)、左停止図柄の図柄態様を、図柄カウンタ値に1加算した値に対応する図柄態様に可変させるための表示用コマンドを設定し(S4157I)、S4159Iの処理に移行する。また、S4153Iの処理において、入賞カウンタ値が0ではないと判別した場合には(S4153I:No)、左停止図柄の図柄態様を、現在の左停止図柄の数字に1加算した値に対応する図柄態様に可変させるための表示用コマンドを設定し(S4158I)、S4159Iの処理に移行する。
次に、図1983を参照して、本第33制御例の第1変形例における枠ボタン入力監視・演出処理(S3107I)について説明する。図1983は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S3107I)を示したフローチャートである。上述した第33制御例における枠ボタン入力監視・演出処理(図1900)に対して、SW有効期間中に演出ボタン22aへの操作ありと判別した場合であって(S3154I)、タイマー演出の実行期間中であると判別した場合にも(S3159I:Yes)、ボタン押下フラグ223qiをオンに設定する(S3160I)点で相違し、その他の処理については同一である。次に、図1984を参照して、本第33制御例の第1変形例における停止種別設定処理(S4309I)について説明する。図1984は、この停止種別設定処理(S4309I)を示したフローチャートである。停止種別設定処理(S4309I)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(図1905のS3114I)の一処理である。停止種別設定処理(S4309I)が実行されると、まず、今回の特図変動における特別図柄種別は第2特別図柄であるかを判別し(S5301I)、第2特別図柄であると判別した場合には(S5301I:Yes)、抽出した停止種別をそのまま設定し(S5302I)、表示用停止種別コマンドを設定し(S5303I)、本処理を終了する。一方、S5301Iの処理において、第2特別図柄ではないと判別した場合には(S5301I:No)、図柄情報格納エリア223niに格納されている図柄情報に対応する図柄態様を右図柄列Z3に停止表示させる第3図柄の図柄態様として決定し(S5313I)、副表示領域Dsに表示されている保留図柄の保留図柄態様に対応する第3図柄の図柄態様を左図柄(左図柄列Z1に停止表示される第3図柄)の図柄態様として決定する(S5314I)。具体的には、保留図柄情報格納エリア223wi内の実行エリアに格納されている保留図柄情報を読み出し、その保留図柄情報から保留図柄態様を示す情報を取得し、その保留図柄態様に対応する第3図柄の図柄態様を左図柄として決定する。S5314Iの処理が終了すると、次に、今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選であるかを判別する(S5305I)。今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選であると判別した場合には(S5305I:Yes)、図柄情報格納エリア223ni内の左図柄列Z1に停止表示させる図柄情報に対応する図柄態様を中図柄列Z2の図柄態様として決定し(S5315I)、表示用停止図柄コマンドを設定し(S5307I)、本処理を終了する(S5307I)。S5305Iの処理において、今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選ではないと判別した場合には(S5305I:No)、次に今回の特図変動における変動パターンはリーチありの変動パターンであるかを判別する(S5308I)。リーチありの変動パターンではないと判別した場合には(S5308I:No)、図柄態様決定テーブル222giから図柄カウンタ223miのカウンタ値に2加算した値に対応する図柄態様を中図柄Z2に停止表示させる図柄態様に決定し(S5310I)、S5307Iの処理に移行する。また、S5308Iの処理において、リーチありの変動パターンであると判別した場合には(S5308I:Yes)、図柄態様決定テーブル222giから図柄カウンタ223miのカウンタ値に1減算した値に対応する図柄態様を中図柄Z2に停止表示させる図柄態様に決定し(S5312I)、S5307Iの処理に移行する。
以上、説明したように、本第33制御例の第1変形例では、特図変動毎に右図柄列Z3に停止表示される第3図柄の図柄態様を規則的に可変させる構成とし、設定されている演出モードによって可変パターンを異ならせる構成としている。また、実行エリアに表示されている保留図柄の保留図柄態様によって、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様を示唆する構成としている。このように構成することで、実行中の特図変動において右図柄列Z3に停止表示された第3図柄の図柄態様と、設定中の演出モードと、各保留図柄の保留図柄態様という3つの要素から保留球内にリーチ演出が実行される保留球が存在するかを遊技者に予測させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
<第33制御例の第2変形例>
次に、図1985から図2009を参照して、第33制御例の第2変形例について説明する。上述した第33制御例では、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様を規則的に可変させる(例えば、第3図柄の数字を変動毎に1ずつ昇順で可変させる)構成であった。これに対して、本第33制御例の第2変形例では、副表示領域Dsに表示される保留図柄の保留図柄態様を規則的に決定する構成としている。具体的には、図1985に示すように、異なるキャラクタにより構成された保留図柄hz1~hz8を、入賞毎に1ずつ昇順で表示する。そして、リーチありの変動パターン種別が設定された保留球である場合には、前回の入賞時に表示された保留図柄の保留図柄態様と同一態様で保留図柄を表示可能に構成している。また、同一態様の保留図柄が連続して表示される回数が多い方が(例えば、3回連続した場合)、少ない場合(例えば、2回連続した場合)よりも大当たり当選である可能性が高いことを示唆する構成としている。このように構成することで、保留図柄が1つしか表示されていない場合よりも、複数表示されている場合の方が遊技者は特別図柄抽選の結果を予測し易くなるため、保留図柄をより多く表示させようと、特図変動の実行中であっても遊技者に遊技球の発射を促すことが可能となる。本第33制御例の第2変形例は、上述した第33制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPUにより実行される制御処理を一部変更している点で相違し、その他の構成については同一であるため、同一の構成については同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
<第33制御例の第2変形例における演出内容について>
図1985及び図1991を参照して、本第33制御例の第2変形例における特徴的な演出について説明する。まず、図1985を参照して、保留図柄の表示順序について説明する。図1985は、保留図柄の表示順序を模式的に示した図である。本第33制御例の第2変形例における保留図柄には、図1985に示す通り、保留1図柄hz1~保留8図柄hz8の8つの保留図柄態様があり、それぞれキャラクタc1~c8で構成されている。そして、基本的には、入賞毎に保留1図柄hz1から1ずつ昇順で保留図柄態様として決定される。例えば、パチンコ機10の電源投入後、1回目の入賞があった場合には、保留図柄の保留図柄態様として保留1図柄hz1が決定され、副表示領域Dsの実行エリアに表示される。そして、2回目の入賞があった場合には、保留図柄の保留図柄態様として保留2図柄hz2が決定される。8回目の入賞があった場合には、保留図柄の保留図柄態様として保留8図柄hz8が決定され、9回目の入賞があった場合には、保留図柄の保留図柄態様として保留1図柄hz1が表示され、以後ループする。次に、図1986及び図1987を参照して、同一態様の保留図柄が連続して表示される演出について説明する。詳細な処理内容については後述するが、本第33制御例の第2変形例では、第1入球口64に遊技球が入賞し、その入賞に対応する保留球の変動パターン種別としてリーチありの変動パターン種別(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチのいずれか)が設定された場合に、該保留球に対応する保留図柄の保留図柄態様として前回の入賞時に表示された保留図柄と同一態様の保留図柄態様を決定する構成としている。図1986(a)は、同一態様の保留図柄が2連続で表示される演出(コンボ演出)が実行された場合の表示画面の一例を示した図である。図1986(a)に示すように、副表示領域Dsの実行エリアの台座m0上には保留8図柄hz8が表示され、第1保留エリアの台座m1上には保留1図柄hz1が表示され、第2保留エリアの台座m2上には保留2図柄hz2が表示され、第3保留エリアの台座m3上には保留3図柄hz3が表示されている。本第33制御例の第2変形例では、リーチなしの変動パターン種別が設定されている入賞情報に対応する保留図柄の保留図柄態様は、図1986(a)に示すように、保留1図柄hz1、保留2図柄hz2・・・と規則的に並ぶように決定される。そして、新たに第1入球口64に遊技球が入賞したことに対応して、第4保留エリアの台座m4上には新たな保留図柄として保留3図柄hz3が表示されている。この保留エリアの台座m4上に表示されている保留3図柄hz3は、第3保留エリアの台座m3上に表示されている保留図柄と同一態様の保留図柄であり、保留3図柄hz3が2連続で並んでいる状態となる。また、主表示領域Dmには、コンボ演出が実行されたことを報知するための態様である「2COMBO」という吹き出しFk1が表示される。詳細は後述するが、本第33制御例の第2変形例では、リーチありの変動パターン種別が設定されている場合に保留図柄態様として、前回の入賞情報に対応する保留図柄と同一態様の保留図柄を決定可能に構成している。つまり、同一態様の保留図柄が連続して表示された場合には、リーチ演出が実行されると遊技者は予測することができる。なお、本第33制御例の第2変形例では、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様は、副表示領域Dsの実行エリアに表示される保留図柄のキャラクタに対応する図柄態様が決定される構成である。図1986(a)に示す例では、副表示領域Dsの実行エリアの台座m0上に保留8図柄hz8が表示されているため、左図柄列Z1には保留8図柄hz8と同一のキャラクタで構成された8図柄D8が停止表示される。
次に、図1986(b)を参照して、同一態様の保留図柄が3連続で表示される3コンボ演出について説明する。図1986(b)は、3コンボ演出が実行された場合の表示画面の一例を示した図である。この3コンボ演出は、コンボ演出が実行されている状態で新たに第1入球口64へ遊技球が入賞した場合に実行され得る演出である。詳細は後述するが、本第33制御例の第2変形例では、リーチありの変動パターン種別が設定された入賞情報の保留図柄態様を決定する場合に、コンボ演出の演出態様として、コンボ演出なし、コンボ演出あり、3コンボ演出ありの演出態様のうち、いずれか1つの演出態様が決定される。3コンボ演出は、リーチありの変動パターン種別が設定された入賞情報の特別図柄抽選の結果が、外れである場合よりも大当たり当選である場合の方が決定され易い演出態様である。図1986(b)に示す例は、図1986(a)に示す特図変動が終了し、第1保留エリアの台座m1上に表示されていた保留1図柄hz1に対応する特図変動が実行されている状況を示している。新たな特図変動が開始されたことに対応して、各保留エリアの台座上に表示されていた保留図柄は、それぞれ1つ若い番号の保留エリアにシフトしている。そして、空き状態となった第4保留エリアの台座m4上には、第1入球口64に新たに遊技球が入賞したことに対応して、保留3図柄hz3が表示されている。図1986(b)に示す例では、第3保留エリアの台座m3上に表示されている保留3図柄hz3に対応する入賞情報に対して3コンボ演出ありの演出態様が設定されているため、第4保留エリアの台座m4上に表示されている保留図柄も第2保留エリアの台座m2上に表示されている保留図柄と同一態様となっている。なお、第3保留エリアの台座m3上に表示されている保留図柄に対応する入賞情報にコンボ演出あり(3コンボ演出なし)の演出態様が設定されている場合には、第4保留エリアの台座m4上には、保留4図柄hz4が表示される。第4保留エリアの台座m4上に3連続目の同一態様の保留図柄が表示されると、図1987(a)に示すように、第4保留エリアの台座m4上に表示されていた保留3図柄hz3が第3保留エリアの台座m3上に表示されている保留3図柄hz3に向かって飛んでいって重なり、図1987(b)に示すように、赤保留図柄hz9に可変する演出が実行される。なお、この赤保留図柄hz9は、特別図柄抽選の結果が外れ当選である場合よりも大当たり当選である場合の方が設定され易い保留図柄態様であり、3コンボ演出が実行された場合に最終的に表示される保留図柄態様の1つである。3コンボ演出において、最終的に表示される保留図柄態様には、緑保留図柄と、赤保留図柄、虹保留図柄の3種類から1つの態様が決定される。緑保留図柄は、大当たり当選である場合よりも、外れ当選である場合の方が決定され易く、虹保留図柄は大当たり当選である場合のみ決定される保留図柄態様である。このように、3コンボ演出において最終的に3コンボ演出の対象保留図柄(3コンボ演出が設定された入賞情報に対応する保留図柄)の図柄態様を可変させることで、注目すべき保留図柄を遊技者に分かり易くすることができる。なお、3コンボ演出ありの演出態様が設定されている場合であっても、3コンボ演出ありの演出態様が設定された後に、新たな入賞がなければ3コンボ演出は実行されない。したがって、コンボ演出が実行された場合に、新たな入賞によって3コンボ演出が実行されるか否かで遊技者は保留球内の特別図柄抽選の結果を予測し易くなるため、3コンボ演出を見たい遊技者に第1入球口64に向けて遊技球を発射する遊技を積極的に行わせることができる。なお、図1987(a)に示す例では、第4保留エリアの台座m4上に表示されていた保留3図柄hz3が第3保留エリアに向けて移動表示された後、第4保留エリアの台座m4上には保留3図柄hz3の次に表示される保留図柄態様である保留4図柄hz4が代わりに表示される。
次に、図1988~図1991を参照して、入賞可変演出について説明する。この入賞可変演出は、主表示領域Dmにおいて、各図柄列Z1~Z3に第3図柄が外れを示す組み合わせで停止表示された後に、第1入球口64に遊技球が入球すると停止表示されている第3図柄の図柄態様が可変し、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であれば、最終的には当たりを示す第3図柄の組み合わせに可変する演出である。図1988(a)は、入賞可変演出の導入演出が実行された場合の表示画面の一例を示した図である。図1988(a)に示すように、左図柄列Z1には6図柄D6が、中図柄列Z2には6図柄D6が、右図柄列Z3には2図柄D2がそれぞれ仮停止されている。なお、小表示領域Dm1bでは、第1特別図柄が変動中であることを示す第4図柄の態様が表示されており、第3図柄が仮停止している状態でも特図変動は継続していることを示している。入賞可変演出が実行されると、主表示領域Dmの表示領域HRでは、入賞可変演出の演出内容を報知する態様である「へそ(第1入球口64)入賞で右図柄を代えろ」というコメントが表示される。これにより、第1入球口64に遊技球を入球させると、右図柄列Z3に表示されている第3図柄の図柄態様が可変することを遊技者に分かり易く報知することができる。なお、図1988(a)に示すとおり、左図柄列Z1と中図柄列Z2に停止表示されている第3図柄の図柄態様は同一であるため、右図柄列Z3に停止表示されている第3図柄の図柄態様が可変して、他の図柄列に停止表示されている第3図柄の図柄態様と同一態様になれば、大当たり当選であることを示す第3図柄の組み合わせとなることがわかる。入賞可変演出の導入演出が終了すると、図1988(b)に示すように、表示領域HR1には、入賞可変演出の残り時間を示す態様である「あと10秒」という残時間が表示され、第1入球口64への入賞に対応して、第1保留エリアの台座m1上には保留7図柄hz7が表示され、右図柄列Z3の第3図柄が2図柄D2から3図柄D3に可変する。このように、入賞可変演出では、第1入球口64に遊技球が入球する毎に第3図柄が1つずつ昇順で可変する。図1989(a)は、図1988(a)に示した状況において、変動中の特別図柄の特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合に、入賞可変演出において第1入球口64に4個遊技球が入賞した場合の表示画面の一例を示した図である。特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合には、第1入球口64に4個目の遊技球が入賞すると右図柄列Z3に停止表示されている第3図柄が、他の図柄列Z1、Z2と同一態様に可変し、大当たり当選を示す組み合わせとなる。一方、変動中の特別図柄の特別図柄抽選の結果が外れである場合には、図1989(b)に示すように、第1入球口64への4個目の遊技球が入賞した場合に右図柄列Z3に停止表示されている第3図柄が6図柄D6ではなく、7図柄D7に可変する。なお、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、入賞可変演出の演出時間中に第1入球口64に所定数の遊技球が入賞しなかった場合(図1990(a)に示す例)には、図1990(b)に示すように、ブラックアウト演出を実行し、図1991に示す復活演出を実行する。このように、入賞可変演出が実行されることで、特別図柄抽選の結果をいち早く知りたい遊技者に、特図変動中であっても第1入球口64に向けて遊技球を発射する遊技を積極的に行わせることが可能となり、遊技機の稼働を向上させることができる。なお、本第33制御例では、右図柄列Z3に停止表示されている第3図柄の図柄態様を可変させる構成としたが、これに限るものではなく、左図柄列Z1、または中図柄列Z2に停止表示されている第3図柄の図柄態様を可変させる構成としても良い。また、1つの図柄列に停止表示されている第3図柄だけでなく、複数の第3図柄を可変させる構成としても良い。
<第33制御例の第2変形例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、図1992~図1998を参照して、第33制御例の第2変形例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について説明する。まず、図1992を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。図1992に示すように、本第33制御例の第2変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222には、変動パターン選択テーブル222aiBと、チャンスゾーン演出設定テーブル222ciと、タイマー演出設定テーブル222diと、タイマー内容設定テーブル222eiと、再セット用報知態様設定テーブル222fiと、楽曲演出設定テーブル222giと、図柄変更演出設定テーブル222hiと、ファイナルチャレンジ用報知態様設定テーブル222iiと、入賞可変演出シナリオ222biBと、保留コンボ演出設定テーブル222ciBと、保留図柄態様決定テーブル222diBと、図柄態様決定テーブル222eiBと、が少なくとも規定されている。なお、チャンスゾーン演出設定テーブル222ciと、タイマー演出設定テーブル222diと、タイマー内容設定テーブル222eiと、再セット用報知態様設定テーブル222fiと、楽曲演出設定テーブル222giと、図柄変更演出設定テーブル222hiと、ファイナルチャレンジ用報知態様設定テーブル222iiは、上述した第33制御例において説明したものと同一であるため、詳細な説明を省略する。変動パターン選択テーブル222aiBには、通常用変動パターン選択テーブル222aiB1と、時短用変動パターン選択テーブル222ai2と、ファイナルチャレンジ用変動パターン選択テーブル222ai3が少なくとも規定されている。通常用変動パターン選択テーブル222aiB1は、通常状態が設定されている場合に用いられる変動パターン選択テーブルであり、時短用変動パターン選択テーブル222ai2は、時短状態が設定されている場合に用いられる変動パターン選択テーブルであり、ファイナルチャレンジ用変動パターン選択テーブル222ai3は、ファイナルチャレンジ演出の実行期間中に用いられる変動パターン選択テーブルである。各変動パターン選択テーブルは、第1演出カウンタ223fiのカウンタ値に各変動パターンの種別(外れ、ガセ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した第1演出カウンタ223fiのカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。ここで、図1994を参照して、変動パターン選択テーブル222aiBに規定されている通常用変動パターン選択テーブル222aiB1について説明する。図1994は、この通常用変動パターン選択テーブル222aiB1の規定内容を模式的に示した図である。図1994に示す通り、当別図柄抽選の結果、変動パターン種別、第1演出カウンタ223fiのカウンタ値に対応して表示用変動パターンが規定されている。各表示用変動パターンには、上述した入賞可変演出と、装飾用可動役物Ym1を可動させる役物演出と、第3図柄表示装置81の液晶画面の前面側に設けられている導光板を発光させる導光板発光演出の有無が予め規定されており、特図変動中にこれらの演出が実行されるか否かによって、実行中の特図変動の特別図柄抽選の結果を遊技者が予測し易く構成している。具体的には、特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「外れ」であり、第1演出カウンタ値が「0~99」の範囲内では、表示用変動パターンとして「外れA」が設定される。この「外れA」は入賞可変演出、役物演出、導光板発光演出の何れの演出も実行されない表示用変動パターン種別である。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「ガセ外れ」であり、第1演出カウンタ値が「0~99」の範囲内では、表示用変動パターンとして「ガセ外れA」が設定される。この「ガセ外れA」は入賞可変演出、役物演出、導光板発光演出の何れの演出も実行されない表示用変動パターン種別である。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「0~39」の範囲内では、表示用変動パターンとして「外れノーマルリーチA」が設定される。この「外れノーマルリーチA」は入賞可変演出、役物演出は実行されないが、導光板発光演出は実行される表示用変動パターン種別である。また、特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「40~99」の範囲内では、表示用変動パターンとして「外れノーマルリーチB」が設定される。この「外れノーマルリーチB」は入賞可変演出、役物演出、導光板発光演出の何れの演出も実行されない表示用変動パターン種別である。このように、特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「ノーマルリーチ」である場合には、40/100(40%)で導光板演出が実行される表示用変動パターン(外れノーマルリーチA)が設定され、60/100(60%)で何れの演出も実行されない表示用変動パターン(外れノーマルリーチB)が設定されるため、特別図柄抽選の結果が外れで、変動パターンが「ノーマルリーチ」である場合には、何れの演出も実行されない表示用変動パターンが設定され易い。一方、特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「0~39」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりノーマルリーチA」が設定される。この「当たりノーマルリーチA」は、入賞可変演出、役物演出は実行されないが、導光板発光演出は実行される表示用変動パターン種別である。また、特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「40~89」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりノーマルリーチB」が設定される。この「当たりノーマルリーチB」は、入賞可変演出と、導光板発光演出は実行されないが、役物演出が実行される表示用変動パターンである。また、特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「ノーマルリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「90~99」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりノーマルリーチC」が設定される。この「当たりノーマルリーチC」は、入賞可変演出、役物演出、導光板発光演出の何れの演出も実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、変動パターンが「ノーマルリーチ」である場合には、40/100(40%)で導光板発光演出が実行される当たりノーマルリーチAが設定され、50/100(50%)で役物演出が実行される当たりノーマルリーチBが設定され、、10/100(10%)で何れの演出も実行されない当たりノーマルリーチCが設定される。つまり、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、変動パターンが「ノーマルリーチ」である場合には、何れの演出も実行されない表示用変動パターン(当たりノーマルリーチC)が設定され難く、導光板演出または役物演出の何れかが実行される表示用変動パターン(当たりノーマルリーチA、当たりノーマルリーチB)が設定され易い。これにより、特図変動において、何れの演出も実行されない場合には、特別図柄抽選の結果が外れである可能性が高く、導光板演出や役物演出が実行された場合には特別図柄抽選の結果が大当たり当選である可能性が高いと遊技者は予測することができる。
特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「0~29」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチA」が設定される。この「外れスーパーリーチA」は、入賞可変演出が実行され、役物演出と導光板発光演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「30~49」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチB」が設定される。この「外れスーパーリーチB」は、役物演出が実行され、入賞可変演出と導光板発光演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「50~69」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチC」が設定される。この「外れスーパーリーチC」は、導光板発光演出が実行され、入賞可変演出と役物演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「70~79」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチD」が設定される。この「外れスーパーリーチD」は、入賞可変演出と導光板発光演出が実行され、役物演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「80~89」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチE」が設定される。この「外れスーパーリーチE」は、入賞可変演出と役物演出が実行され、導光板発光演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「90~99」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「外れスーパーリーチF」が設定される。この「外れスーパーリーチF」は、役物演出及び導光板発光演出は実行されるが、入賞可変演出が実行されない表示用変動パターンである。このように、特別図柄抽選の結果が外れであり、変動パターンが「スーパーリーチ」である場合には、30/100(30%)で入賞可変演出のみが実行される表示用変動パターン(外れスーパーリーチA)が設定され、20/100(20%)で役物演出のみが実行される表示用変動パターン(外れスーパーリーチB)が設定され、20/100(20%)で導光板発光演出のみが実行される表示用変動パターン(外れスーパーリーチC)が設定され、10/100(10%)で入賞可変演出と導光板発光演出が実行される表示用変動パターン(外れスーパーリーチD)が設定され、10/100(10%)で入賞可変演出と役物演出が実行される表示用変動パターン(外れスーパーリーチE)が設定され、10/100(10%)で役物演出と導光板発光演出が実行される表示用変動パターン(外れスーパーリーチF)が設定される。一方、特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「0~9」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチA」が設定される。この「当たりスーパーリーチA」は、入賞可変演出が実行され、役物演出と導光板発光演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「10~19」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチB」が設定される。この「当たりスーパーリーチB」は、役物演出が実行され、入賞可変演出と導光板発光演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「20~29」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチC」が設定される。この「当たりスーパーリーチC」は、導光板発光演出が実行され、入賞可変演出と役物演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「30~49」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチD」が設定される。この「当たりスーパーリーチD」は、入賞可変演出と導光板発光演出が実行され、役物演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「50~69」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチE」が設定される。この「当たりスーパーリーチE」は、入賞可変演出と役物演出が実行され、導光板発光演出は実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「70~89」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチF」が設定される。この「当たりスーパーリーチF」は、役物演出及び導光板発光演出は実行されるが、入賞可変演出が実行されない表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「90~99」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスーパーリーチG」が設定される。この「当たりスーパーリーチG」は、入賞可変演出、役物演出及び導光板発光演出の全ての演出が実行される表示用変動パターンである。このように、特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スーパーリーチ」である場合には、10/100(10%)で入賞可変演出のみが実行される表示用変動パターン(当たりスーパーリーチA)が設定され、10/100(10%)で役物演出のみが実行される表示用変動パターン(当たりスーパーリーチB)が設定され、10/100(10%)で導光板発光演出のみが実行される表示用変動パターン(当たりスーパーリーチC)が設定され、20/100(20%)で入賞可変演出と導光板発光演出が実行される表示用変動パターン(当たりスーパーリーチD)が設定され、20/100(20%)で入賞可変演出と役物演出が実行される表示用変動パターン(当たりスーパーリーチE)が設定され、20/100(20%)で役物演出と導光板発光演出が実行される表示用変動パターン(当たりスーパーリーチF)が設定され、10/100(10%)で入賞可変演出、役物演出及び導光板演出の全ての演出が実行される表示用変動パターン(当たりスーパーリーチG)が設定される。つまり、特図変動において入賞可変演出、役物演出、導光板発光演出のうち、何れか1つの演出が実行された場合よりも、複数の演出が実行された場合の方が特別図柄抽選の結果が大当たり当選である可能性が高くなる。また、入賞可変演出、役物演出及び導光板演出の全ての演出が実行される表示用変動パターンは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合にのみ設定される表示用変動パターンであるため、より多くの演出が実行されることを遊技者に期待させることで、変動演出に注目させ、演出効果を高めることが可能となる。特別図柄抽選の結果が大当たりであり、変動パターンが「スペシャルリーチ」であり、第1演出カウンタ値が「0~99」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「当たりスペシャルリーチA」が設定される。この「当たりスペシャルリーチA」は、入賞可変演出、役物演出及び導光板演出の全ての演出が実行される表示用変動パターンである。特別図柄抽選の結果が小当たりであり、変動パターンが長小当たりであり、第1演出カウンタ値が「0~99」の範囲内である場合には、表示用変動パターンとして「長小当たりA」が設定される。この「長小当たりA」は、入賞可変演出、役物演出及び導光板発光演出の何れの演出も実行されない表示用変動パターンである。
次に、図1995を参照して、入賞可変演出シナリオ222biBについて説明する。図1996は、入賞可変演出シナリオ222biBのシナリオテーブルを模式的に示した図である。図1995に示すように、入賞可変演出シナリオ222biBは、シナリオカウンタ223riのカウンタ値に対応して第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示する演出内容が規定されている。具体的には、シナリオカウンタ値が「15000」である場合(即ち、特図変動開始から15秒が経過した場合)に、左図柄列Z1に第3図柄を停止させ、シナリオカウンタ値が「20000」である場合(即ち、特図変動開始から20秒が経過した場合)には、右図柄列Z3に第3図柄を停止表示させ、シナリオカウンタ値が「25000」である場合(即ち、特図変動開始から25秒が経過した場合)には、中図柄列Z2に第3図柄を停止表示させ、シナリオカウンタ値が「25001」である場合には仮停止タイミングとなり、シナリオカウンタ値が「35000」である場合(即ち、特図変動開始から35秒が経過した場合)には、最終報知タイミングとなる。この仮停止タイミングとは、入賞可変演出の導入演出を開始するタイミングを示すものであり、最終報知タイミングとは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合において、第1入球口64に所定数の遊技球が入球しなかった場合に、図1990(b)および図1991に示す復活演出を実行するための処理を実行するタイミングであることを示すものである。
次に、図1996を参照して、保留コンボ演出設定テーブル222ciBについて説明する。図1996は、この保留コンボ演出設定テーブル222ciBの規定内容を模式的に示した図である。保留コンボ演出設定テーブル222ciBは、音声ランプ制御装置113において、入賞情報コマンドを受信した場合に、その入賞情報コマンドから抽出した入賞情報に対応する保留図柄の演出態様として、保留コンボ演出を実行するか否かを決定するために参照されるテーブルである。図1996に示す通り、保留コンボ演出設定テーブル222ciBは、特別図柄抽選の結果と、第2演出カウンタ値に対応して、演出態様が規定されている。具体的には、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、第2演出カウンタ値が「0~299」の範囲内である場合には、演出態様として「保留コンボなし」が決定される。なお、「保留コンボなし」の演出態様が決定された場合には、保留図柄態様として、保留図柄カウンタ223eiBのカウンタ値に対応する保留図柄態様が決定される。保留図柄カウンタ223eiBとは、保留図柄の保留図柄態様を決定するためのカウンタであり、カウンタ値は「1」~「8」の範囲内で入賞情報コマンドを受信する毎にカウンタ値が1ずつ更新され、カウンタ値が「8」になると次回は「1」に更新され、以後ループするループカウンタである。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、第2演出カウンタ値が「300~699」の範囲内である場合には、演出態様として「保留コンボあり(3コンボなし)」の演出態様が決定される。この「保留コンボあり(3コンボなし)」の演出態様が決定された場合は、保留図柄態様として前回表示された保留図柄の保留図柄態様と同一態様が決定される。なお、次回の入賞情報コマンド受信時には、その入賞情報コマンドから抽出した入賞情報に対応する保留図柄の保留図柄態様は、保留図柄カウンタ値に基づいて決定され、3コンボ演出は実行されない。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であり、第2演出カウンタ値が「700~999」の範囲内である場合には、演出態様として「保留コンボあり(3コンボあり)」の演出態様が決定される。この「保留コンボあり(3コンボあり)」の演出態様が決定された場合には、保留図柄態様として、前回表示された保留図柄の保留図柄態様と同一態様が決定される。また、次回の入賞情報コマンド受信時には、その入賞情報コマンドから抽出した入賞情報に対応する保留図柄の保留図柄態様も、前回表示された保留図柄の保留図柄態様と同一態様が決定され、3コンボ演出が実行される。つまり、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合には、300/1000(30%)で保留コンボなしの演出態様が決定され、700/1000(70%)で保留コンボありの演出態様が決定される。また、300/1000(30%)で3コンボ演出が実行される。
特別図柄抽選の結果が外れである場合には、第2演出カウンタ値が「0~699」の範囲内であれば、「保留コンボなし」の演出態様が決定され、第2演出カウンタ値が「700~899」の範囲内であれば「保留コンボあり(3コンボなし)」の演出態様が決定され、第2演出カウンタ値が「900~999」の範囲内であれば演出態様として「保留コンボあり(3コンボあり)」の演出態様が決定される。つまり、特別図柄抽選の結果が外れである場合には、700/1000(70%)で保留コンボ演出なしの演出態様が決定され、300/1000(30%)で保留コンボありの演出態様が決定される。また、100/1000(10%)で3コンボ演出ありの演出態様が決定される。したがって、保留コンボ演出及び3コンボ演出は、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の方が外れである場合よりも決定され易く構成している。このため、保留コンボ演出が実行されることで、遊技者に特別図柄抽選の結果が大当たり当選である可能性が高いと思わせることが可能となり、さらに保留球を獲得すれば3コンボ演出が実行されるかもしれないと思わせることで、保留球を獲得しようと積極的に遊技球を発射させることができる。なお、本第33制御例の第2変形例では、特別図柄抽選の結果が外れである場合にも、3コンボ演出が決定されるように構成したが、これに限るものではなく、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合のみ3コンボ演出が実行される構成としても良い。
次に、図1997を参照して、保留図柄態様決定テーブル222diBについて説明する。図1997(a)は、保留図柄態様決定テーブル222diBの規定内容を模式的に示したブロック図である。図1997(a)に示すように、保留図柄態様決定テーブル222diBには、通常用保留図柄態様決定テーブル222diB1と、3コンボ中保留図柄態様決定テーブル222diB2が規定されている。通常用保留図柄態様決定テーブル222diBは、3コンボ演出の演出態様が設定されていない期間における第1特別図柄の保留球の保留図柄態様を決定するためのテーブルであり、3コンボ中保留図柄態様決定テーブルは、3コンボ演出ありの演出態様が設定されている期間における第1特別図柄の保留球の保留図柄態様を決定するためのテーブルである。図1997(a)は、通常用保留図柄態様決定テーブル222diB1の規定内容を模式的に示した図である。図1997(b)に示すように、通常用保留図柄態様決定テーブル222diB1は、保留図柄カウンタ223diBのカウンタ値に対応して、保留図柄態様がそれぞれ規定されている。具体的には、保留図柄カウンタ値が「1」である場合には、保留図柄態様として「タコ」のキャラクタc1が決定され、保留図柄カウンタ値が「2」である場合には、保留図柄態様として「フグ」のキャラクタc2が決定され、保留図柄カウンタ値が「3」である場合には、保留図柄態様として「カメ」のキャラクタc3が決定され、保留図柄カウンタ値が「4」である場合には、保留図柄態様として「サメ」のキャラクタc4が決定され、保留図柄カウンタ値が「5」である場合には、保留図柄態様として「エビ」のキャラクタc5が決定され、保留図柄カウンタ値が「6」である場合には、保留図柄態様として「アンコウ」のキャラクタc6が決定され、保留図柄カウンタ値が「7」である場合には、保留図柄態様として「ジュゴン」のキャラクタc7が決定され、保留図柄カウンタ値が「8」である場合には、保留図柄態様として「熱帯魚」のキャラクタc8が決定される。なお、上述したように、保留図柄カウンタ値は、入賞情報コマンドを受信する毎に1ずつカウンタ値が更新されるため、副表示領域Dsに表示される保留図柄の保留図柄態様は、規則的に決定されることとなる。
次に、図1997(c)を参照して、3コンボ中保留図柄態様決定テーブル222diB2について説明する。図1997(c)は、3コンボ中保留図柄態様決定テーブル222diB2の規定内容を模式的に示した図である。3コンボ中保留図柄態様決定テーブル222diB2では、特別図柄抽選の結果と第2演出カウンタ値に対応して、3コンボ演出において最終的に表示される保留図柄態様が規定されている。具体的には、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合には、第2演出カウンタ値が「0~199」の範囲内であれば保留図柄態様として「緑保留」が決定され、第2演出カウンタ値が「200~799」の範囲内であれば「赤保留」が決定され、第2演出カウンタ値が「800~999」の範囲内であれば「虹保留」が決定される。つまり、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合には、200/1000(20%)で「緑保留」が決定され、600/1000(60%)で「赤保留」が決定され、200/1000(20%)で「虹保留」が決定される。一方、特別図柄抽選の結果が外れである場合には、第2演出カウンタ値が「0~699」の範囲内であれば「緑保留」が決定され、第2演出カウンタ値が「700~999」であれば「赤保留」が決定される。つまり、特別図柄抽選の結果が外れである場合には、700/1000(70%)で「緑保留」が決定され、300/1000(30%)で「赤保留」が決定される。したがって、緑保留は特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合よりも、外れである場合に決定され易く、赤保留は特別図柄抽選の結果が外れである場合よりも大当たり当選である場合の方が決定され易い。また、虹保留は特別図柄抽選の結果が大当たり当選の場合のみ決定される保留図柄態様である。このように構成することで、3コンボ演出が実行された場合に、最終的にどの保留図柄態様が表示されるのか遊技者に興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図1998を参照して、図柄態様決定テーブル222eiBついて説明する。図1998は、この図柄態様決定テーブル222eiBの規定内容を模式的に示した図である。図1998に示すように、図柄態様決定テーブル222eiBは、保留図柄カウンタ値に対応して各第3図柄態様が規定されている。具体的には、保留図柄カウンタ値が「1」である場合には、第3図柄態様として1図柄D1が決定され、保留図柄カウンタ値が「2」である場合には、第3図柄態様として2図柄D2が決定され、保留図柄カウンタ値が「3」である場合には、第3図柄態様として3図柄D3が決定され、保留図柄カウンタ値が「4」である場合には、第3図柄態様として4図柄D4が決定され、保留図柄カウンタ値が「5」である場合には、第3図柄態様として5図柄D5が決定され、保留図柄カウンタ値が「6」である場合には、第3図柄態様として6図柄D6が決定され、保留図柄カウンタ値が「7」である場合には、第3図柄態様として7図柄D7が決定され、保留図柄カウンタ値が「8」である場合には、第3図柄態様として8図柄D8が決定される。なお、保留図柄カウンタ値は、保留図柄情報格納エリア223wiに格納され、保留図柄情報格納エリア内の実行エリアにシフトした場合に、格納されている保留図柄カウンタ値に基づいて第3図柄態様が決定されるため、副表示領域Dsに表示されている保留図柄のキャラクタと、その保留図柄に対応する特図変動における左図柄列Z1に停止表示される第3図柄を構成するキャラクタが一致することとなる。
次に、図1993を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223に規定されている内容について説明をする。図1993に示すように、本第33制御例の第2変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223には、入賞情報格納エリア223aiと、特別図柄1保留球数カウンタ223biと、特別図柄2保留球数カウンタ223ciと、変動開始フラグ223diと、停止種別選択フラグ223eiと、第1演出カウンタ223fiと、第2演出カウンタ223giと、従遊技状態格納エリア223hiと、時短情報更新エリア223iiと、SW有効時間カウンタ223jiと、遊技環境格納エリア223kiと、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liと、図柄情報格納エリア223niと、タイマー演出実行フラグ223oiと、楽曲演出実行フラグ223piと、ボタン押下フラグ223qiと、シナリオカウンタ223riと、図柄変更演出実行フラグ223siと、押下回数カウンタ223tiと、演出情報格納エリア223uiと、再セットフラグ223viと、保留図柄情報格納エリア223wiと、V態様表示フラグ223xiと、左停止フラグ223yiと、入賞フラグ223aiBと、入賞カウンタ223biBと、3コンボ実行フラグ223ciBと、保留コンボカウンタ223diBと、保留図柄カウンタ223eiBと、入賞可変演出実行フラグ223fiBと、仮停止中フラグ223giBと、を少なくとも有している。なお、入賞情報格納エリア223aiと、特別図柄1保留球数カウンタ223biと、特別図柄2保留球数カウンタ223ciと、変動開始フラグ223diと、停止種別選択フラグ223eiと、第1演出カウンタ223fiと、第2演出カウンタ223giと、従遊技状態格納エリア223hiと、時短情報更新エリア223iiと、SW有効時間カウンタ223jiと、遊技環境格納エリア223kiと、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liと、図柄情報格納エリア223niと、タイマー演出実行フラグ223oiと、楽曲演出実行フラグ223piと、ボタン押下フラグ223qiと、シナリオカウンタ223riと、図柄変更演出実行フラグ223siと、押下回数カウンタ223tiと、演出情報格納エリア223uiと、再セットフラグ223viと、保留図柄情報格納エリア223wiと、V態様表示フラグ223xiと、左停止フラグ223yiは上述した第33制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223が有しているものと同一であるため、その詳細な説明を省略する。入賞フラグ223aiBは、入賞可変演出の実行期間中に入賞情報コマンドまたはオーバー入賞コマンドを受信したことを示すためのフラグである。後述する入賞情報コマンド処理(図2000参照)において、仮停止中フラグ223giBがオンであると判別した場合に(S3308I:No)、オンに設定される。また、オーバー入賞コマンド処理(図2001参照)において、仮停止中フラグ223giBがオンであると判別した場合に(S3353I:No)、オンに設定される。そして、入賞可変演出更新処理(図2008参照)において、オフに設定される。
入賞カウンタ223biBは、入賞可変演出において、入賞情報コマンドまたはオーバー入賞コマンドを受信した場合に、主表示領域Dmの右図柄列Z3に停止表示されている第3図柄(右図柄)の図柄態様を可変させる場合に、右図柄の可変後の図柄態様を決定するためのカウンタである。3コンボ実行フラグ223ciBは、3コンボ演出の実行が決定されていることを示すためのフラグであり、保留図柄態様設定処理(図2002参照)の保留コンボ演出実行処理(図2004のS3469I)において、3コンボ演出ありの演出態様が決定されたと判別した場合に(S3551I:Yes)、オンに設定され、3コンボ演出実行処理(図2003のS3466I参照)が実行される場合にオフに設定される。保留コンボカウンタ223diBは、コンボ演出の対象となる入賞情報に対応する特図変動が実行されるまでの期間を計測するためのカウンタであり、コンボ演出ありの演出態様が決定された場合に、対象となる入賞情報に対応する保留図柄の表示位置(副表示領域Dsの第1保留エリア~第4保留エリアのいずれか)に対応するカウンタ値が設定される。具体的には、例えば、第2保留エリアに表示される場合には、カウンタ値として「2」が設定され、第3保留エリアに表示される場合にはカウンタ値として「3」が設定される。そして、特図1演出態様設定処理(図2005参照)において、カウンタ値が1減算され、カウンタ値が0であると判別した場合には3コンボ実行フラグ223ciBがオフに設定される。この特図1演出態様設定処理は、第1特別図柄の特図変動が実行される場合に、実行される処理であるため、コンボカウンタ値が0になる前に新たな入賞がなければ3コンボ演出は実行されないこととなる。
保留図柄カウンタ223eiBは、保留図柄の保留図柄態様を決定するためのフラグであり、入賞情報を受信する毎にカウンタ値が1加算される。入賞可変演出実行フラグ223fiBは、特図変動において入賞可変演出を実行することが決定されたことを示すためのフラグであり、入賞可変演出設定処理(図2006参照)においてオンに設定され、入賞可変演出更新処理(図2008参照)において、入賞可変演出が終了する場合にオフに設定される。仮停止中フラグ223giBは、特図変動中において第3図柄が仮停止していることを示すためのフラグである。この仮停止フラグ223giBがオンに設定されている場合には、入賞情報コマンド及びオーバー入賞コマンドを受信した場合に、入賞フラグ223aiBがオンに設定される。
<第33制御例の第2変形例の音声ランプ制御装置113における制御処理について>
次に、図1999~図2009を参照して、本第33制御例の第2変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明する。なお、上述した第33制御例と同一の処理内容については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。まず、図1999を参照して、本第33制御例の第2変形例におけるコマンド判定処理(S3113I)について説明する。図1999は、このコマンド判定処理(S3113I)を示したフローチャートである。本第33制御例の第2変形例におけるコマンド判定処理(S3113I)は、上述した第33制御例のコマンド判定処理(図1904参照)に対して、オーバー入賞コマンドを受信したと判別した場合に(S3217I:Yes)、オーバー入賞コマンド処理(S3220I)を実行する点で相違しており、その他の処理内容については同一である。次に、図2000を参照して、本第33制御例の第2変形例におけるコマンド判定処理(S3113I)の一処理である入賞情報コマンド処理(S3210I)について説明する。図2000は、この入賞情報コマンド処理(S3210I)を示したフローチャートである。図2000に示すとおり、上述した第33制御例における入情報コマンド処理(図1905参照)に対して、S3302Iの処理において、ファイナルチャレンジ実行中フラグ223liがオンであると判別した場合には(S3302I:No)、次に、通常状態が設定されているかを判別し(S3305I)、通常状態が設定されていると判別した場合には(S3305I:Yes)、保留図柄態様設定処理(S3307I)を実行する点と、仮停止中フラグ223giBがオンであると判別した場合に(S3308I:Yes)、入賞フラグ223aiBをオンに設定する処理(S3309I)を実行する点で相違している。なお、保留図柄態様設定処理(S3307I)の詳細については、図2002を参照して後述する。次に、図2001を参照して、オーバー入賞コマンド処理(S3218I)について説明する。図2001は、このオーバー入賞コマンド処理(S3218I)を示したフローチャートである。オーバー入賞コマンド処理(S3218I)が実行されると、仮停止中フラグ223giBがオンであるかを判別し(S3353I)、オンであると判別した場合(即ち、入賞可変演出において第3図柄の仮停止中である場合)には(S3353I:Yes)、入賞フラグ223aiBをオンに設定し(S3352I)、本処理を終了する。一方、仮停止中フラグ223giBがオンではないと判別した場合には(S3353I:No)、S3352Iの処理をスキップし、本処理を終了する。
次に、図2002を参照して、保留図柄態様設定処理(S3307I)について説明する。図2002は、この保留図柄態様設定処理(S3307I)を示したフローチャートである。保留図柄態様設定処理(S3307I)が実行されると、まず、第2演出カウンタ223giのカウンタ値を取得し(S3451I)、保留図柄カウンタ223eiBのカウンタ値に1加算する(S463I)。次に、入賞可変演出実行フラグ223fiBがオンであるかを判別し(S3464I)、オンであると判別した場合には(S3464I:Yes)、S3470Iの処理に移行する。一方、入賞可変演出実行フラグ223fiBがオンではないと判別した場合には(S3464I:No)、次に、3コンボ実行フラグ223ciBはオンであるかを判別し(S3465I)、3コンボ実行フラグ223ciBがオンであると判別した場合には、3コンボ演出実行処理を実行し(S3466I)、S3471Iの処理に移行する。なお、3コンボ演出実行処理(S3466I)の詳細については、図2003を参照して後述する。S3465Iの処理において、3コンボ実行フラグ223ciBはオンではないと判別した場合には(S3465I:No)、次に、今回受信した入賞情報に含まれる変動パターン種別は、リーチありの変動パターン種別であるかを判別し(S3453I)、リーチありの変動パターン種別ではないと判別した場合には(S3453I:No)、S3470Iの処理に移行する。一方、S3453Iの処理において、リーチありの変動パターン種別であると判別した場合には(S3453I:Yes)、保留コンボ演出設定テーブル222ciBから保留コンボ演出の有無を決定し(S3467I)、保留コンボありの演出態様が決定されたかを判別する(S3468I)。保留コンボありの演出態様ではないと判別した場合には(S3468I:No)、S3470Iの処理に移行する。一方、保留コンボ演出ありの演出態様であると判別した場合には(S3468I:Yes)、保留コンボ演出実行処理を実行し(S3469I)、S3471Iの処理に移行する。なお、保留コンボ演出実行処理(S3469I)の詳細については図2009を参照して後述する。S3470Iの処理では、通常用保留図柄態様決定テーブル222diB1から保留図柄カウンタ値に対応する保留図柄態様を決定し(S3470I)、決定した保留図柄態様を保留図柄情報格納エリア223wi内の空きエリアのうち最も若い番号のエリアに格納し(S3471I)、決定した保留図柄態様を表示するための表示用コマンドを設定し(S3455I)、本処理を終了する。
次に、図2003を参照して、3コンボ演出実行処理(S3466I)について説明する。図2003は、この3コンボ演出実行処理(S3466I)を示したフローチャートである。3コンボ演出実行処理(S3466I)が実行されると、まず、保留図柄情報格納エリア223wi内の今回の入賞情報に対応する保留図柄情報が格納される保留エリアの1つ前の保留エリア(前回の入賞情報が格納されている保留エリア)に格納されている保留図柄態様を示す情報を読み出し、その情報により示される保留図柄態様と同一態様の保留図柄態様を決定し(S3651I)、3コンボ実行フラグ223ciBをオフに設定する(S3652I)。そして、入賞情報格納エリア223ai内の今回の入賞情報が格納されるエリアの1つ前のエリア(前回の入賞情報が格納されているエリア)に格納されている入賞情報(前回の入賞情報)を読み出し(S3653I)、読み出した入賞情報と、第2演出カウンタ値に基づいて、3コンボ中保留図柄態様決定テーブル222diB2から最終的に表示される保留図柄態様を決定し(S3654I)、保留図柄情報格納エリア223wi内の今回の入賞情報に対応する保留図柄情報が格納される保留エリアの1つ前の保留エリアに、S3654Iの処理で決定した保留図柄態様に対応する保留図柄情報を格納し(S3655I)、今回の入賞情報に対応する保留図柄が表示される保留エリアの1つ前の保留エリアに表示されている保留図柄の保留図柄態様を、S3654Iの処理で決定した保留図柄態様に可変させるための表示用コマンドを設定し(S3656I)、コンボカウンタ値をクリアし(S3657I)、本処理を終了する。
次に、図2004を参照して、保留コンボ演出実行処理(S3469I)について説明する。図2004は、この保留コンボ演出実行処理(S3469I)を示したフローチャートである。保留コンボ演出実行処理(S3469I)が実行されると、まず、3コンボありの演出態様であるかを判別し(S3551I)、3コンボありの演出態様であると判別した場合には(S3551I:Yes)、3コンボ実行フラグ223ciBをオンに設定し(S3552I)、S3553Iの処理に移行する。一方、S3551Iにおいて3コンボありの演出態様ではないと判別した場合には(S3551I:No)、S3552Iの処理をスキップし、S3553Iの処理に移行する。S3553Iの処理では、保留図柄情報格納エリア223wi内の今回の入賞情報に対応する保留図柄情報が格納される保留エリアの1つ前の保留エリアに格納されている保留図柄情報により示される保留図柄態様と同一態様の保留図柄態様を決定し(S3553I)、今回の保留図柄の表示位置に対応するカウンタ値を保留コンボカウンタ223diBに設定し(S3554I)、本処理を終了する。
次に、図2005を参照して、本第33制御例の第2変形例における特図1演出態様設定処理(S4409I)について説明する。図2005は、この東頭1演出態様設定処理(S4409I)を示したフローチャートである。特図1演出態様設定処理(S4409I)が実行されると、まず、保留図柄情報格納エリア223wi内の実行エリアに格納されている保留図柄情報から保留図柄カウンタ値を取得し(S4615I)、保留コンボカウンタ値が0より大きいかを判別する(S4616I)。保留コンボカウンタ値が0より大きくないと判別した場合(即ち、0である場合)には(S4616I:No)、S4620Iの処理に移行する。一方、保留コンボカウンタ値が0より大きいと判別した場合には(S4616I:Yes)、保留コンボカウンタ値を1減算し(S4617I)、保留コンボカウンタ値が0であるかを判別する(S4618I)。保留コンボカウンタ値が0であると判別した場合には(S4618I:Yes)、3コンボ実行フラグ223ciBをオフに設定する(S4619I)。保留コンボカウンタ値が0ではないと判別した場合には(S4618I:No)、S4620Iの処理に移行する。S4620Iの処理では、図柄態様決定テーブル222eiBから読み出した保留図柄カウンタ値に対応する図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させる第3図柄(左図柄)として決定し(S4620I)、決定した図柄態様に対応する図柄情報を図柄情報格納エリア223niに格納する(S4621I)。そして、今回の特別図柄抽選の結果と変動パターン種別とに基づいて、通常用変動パターン選択テーブル222aiB1から表示用変動パターンを決定し(S4602I)、入賞可変演出ありの表示用変動パターンであるかを判別する(S4622I)。入賞可変演出ありの表示用変動パターンであると判別した場合には(S4622I)、特別図柄1保留球数カウンタ223biのカウンタ値を取得し、カウンタ値が3より小さいかを判別する(S4623I)。3より小さいと判別した場合には(S4623I:Yes)、入賞可変演出設定処理を実行する(S4624I)。なお、この入賞可変演出設定処理(S4624I)の詳細については図2006を参照して後述する。一方、S4623Iの処理において、特別図柄1保留球数カウンタ値が3より大きいと判別した場合には(S4623I:No)、S4604Iの処理に移行する。なお、S4604I~S4607Iの処理は、上述した第33制御例における処理と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図2006を参照して、入賞可変演出設定処理(S4624I)について説明する。図2006は、この入賞可変演出設定処理(S4624I)を示したフローチャートである。入賞可変演出設定処理(S4624I)が実行されると、まず、特別図柄1保留球数カウンタ値が0であるかを判別する(S4651I)。0であると判別した場合には(S4651I:Yes)、保留図柄カウンタ値を4減算した値に対応する図柄態様を右図柄列Z3に停止表示させる第3図柄(右図柄)の図柄態様として決定し(S4652I)、入賞カウンタ223biBに「4」を設定する(S4653I)。そして、図柄態様決定テーブル223eiBから保留図柄カウンタ値に対応する図柄態様を中図柄列Z2に停止表示させる第3図柄(中図柄)として決定し(S4659I)、決定した各図柄態様に対応する各図柄情報を図柄情報格納エリア223ni内の対応する各エリアに格納し(S4660I)、入賞可変演出シナリオを設定し(S4661I)、入賞可変演出実行フラグ223fiBをオンに設定し(S4662I)、本処理を終了する。一方、S4651Iの処理において、特別図柄1保留球数カウンタ値が0ではないと判別した場合には(S4651I:No)、次に特別図柄1保留球数カウンタ値が「1」であるかを判別する(S4654I)。1であると判別した場合には(S4654I:Yes)、保留図柄カウンタ値を3減算した値に対応する図柄態様を右図柄列Z3に停止表示させる第3図柄(右図柄)の図柄態様として決定し(S4655I)、入賞カウンタ223biBに「3」を設定し(S4656I)、S4659Iの処理に移行する。また、S4654Iの処理において、特別図柄1保留球数カウンタ値が1ではないと判別した場合には(S4654I:No)、保留図柄カウンタ値を2減算した値に対応する図柄態様を右図柄列Z3に停止表示させる第3図柄(右図柄)の図柄態様として決定し(S4657I)、入賞カウンタ223biBに「2」を設定し(S4658I)、S4659Iの処理に移行する。
次に、図2007を参照して、本第33制御例の第2変形例における演出更新処理(3112I)について説明する。図2007は、この演出更新処理(S3112I)を示したフローチャートである。本第33制御例の第2変形例における演出更新処理(S3112I)は、上述した第33制御例における演出更新処理(図1918参照)に対して、入賞可変演出実行フラグ223fiBがオンであると判別した場合に(S3619I:Yes)、入賞可変演出更新処理(S3620I)を実行する点で相違し、その他の処理については同一である。ここで、図2008を参照して、入賞可変演出更新処理(S3620I)について説明する。図2008は、この入賞可変演出更新処理(S3620I)を示したフローチャートである。入賞可変演出更新処理(S3620I)では、入賞可変演出の実行期間中にシナリオカウンタ値に対応する演出を実行するための処理を行う。入賞可変演出更新処理(S3620I)が実行されると、まず、仮停止中フラグ223giBはオンであるかを判別し(S3751I)、仮停止中フラグ223giBがオンではないと判別した場合には(S3751I:No)、シナリオカウンタ値が入賞可変演出シナリオ222biBにおける仮停止タイミングを示す値であるかを判別し(S3752I)、仮停止タイミングであると判別した場合には(S3752I:Yes)、仮停止中フラグ222biBをオンに設定し(S3753I)、S3754Iの処理に移行する。一方、S3752Iの処理において、仮停止タイミングではないと判別した場合には(S3752I:No)、S3753Iの処理をスキップし、S3754Iの処理を実行する。S3754Iの処理では、シナリオカウンタ値が入賞可変演出シナリオ222biBにおける図柄停止タイミングであるかを判別し(S3754I)、図柄停止タイミングであると判別した場合には(S3754I:Yes)、図柄情報格納エリア223niに格納されている各図柄情報(左図柄、中図柄、右図柄の図柄態様を示す図柄情報)に対応する図柄態様を表示するための表示用コマンドを設定し(S3755I)、本処理を終了する。一方、S3754Iの処理において、図柄停止タイミングではないと判別した場合には(S3754I:No)、S3755Iの処理をスキップし、本処理を終了する。また、S3752Iの処理において、仮停止中フラグ223giBがオンであると判別した場合には(S3751I:Yes)、次に、シナリオカウンタ値が入賞可変演出シナリオ222biBにおける最終報知タイミングを示す値であるかを判別し(S3756I)、最終報知タイミングであると判別した場合には(S3756I:Yes)、次に、特別図柄抽選の結果は大当たり当選であるかを判別する(S3757I)。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であると判別した場合には(S3757I:Yes)、復活演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S3758I)、入賞カウンタ値をクリアし(S3759I)、S3768Iの処理に移行する。S3757Iの処理において、大当たり当選ではないと判別した場合には(S3757I:No)、S3758Iの処理をスキップし、S3759Iの処理に移行する。また、S3756Iの処理において最終報知タイミングではないと判別した場合には(S3756I:No)、次に、入賞フラグ223aiBはオンであるかを判別し(S3760I)、入賞フラグ223aiBがオンであると判別した場合には(S3760I:Yes)、入賞フラグ223aiBをオフに設定し(S3761I)、入賞カウンタ値を1減算する(S3762I)。そして、入賞カウンタ値が0であるか判別し(S3763I)、0であると判別した場合には(S3763I:Yes)、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるかを判別し(S3764I)、大当たり当選であると判別した場合には(S3764I:Yes)、右図柄を保留図柄カウンタ値に対応する図柄態様を決定し、決定した図柄態様に可変させる表示用コマンドを設定し(S3765I)、S3768Iの処理に移行する。一方、S3764Iの処理において、特別図柄抽選の結果が大当たり当選ではないと判別した場合には(S3764I:No)、右図柄の図柄態様として、保留図柄カウンタ値に1加算した値に対応する図柄態様を決定し、決定した図柄態様に可変させる表示用コマンドを設定し(S3767I)、S3768Iの処理に移行する。S3768Iの処理では、仮停止中フラグ223giBをオフに設定し(S3768I)、入賞可変演出実行フラグ223fiBをオフに設定し(S3769I)、本処理を終了する。また、S3763Iの処理において、入賞カウンタ値は0ではないと判別した場合には(S3763I:No)、右図柄の図柄態様として、保留図柄カウンタ値から入賞カウンタ値を減算した値に対応する図柄態様を決定し、決定した図柄態様に可変させるための表示用コマンドを設定し(S3766I)、本処理を終了する。
次に、図2009を参照して、本第33制御例の第2変形例における停止種別設定処理(S4309I)について説明する。図2009は、この停止種別設定処理(S4309I)を示したフローチャートである。停止種別設定処理(S4309I)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(図1905のS3114I)の一処理である。停止種別設定処理(S4309I)が実行されると、まず、今回の特図変動における特別図柄種別は第2特別図柄であるかを判別し(S5301I)、第2特別図柄であると判別した場合には(S5301I:Yes)、抽出した停止種別をそのまま設定し(S5302I)、表示用停止種別コマンドを設定し(S5303I)、本処理を終了する。一方、S5301Iの処理において、第2特別図柄ではないと判別した場合には(S5301I:No)、図柄情報格納エリア223niに格納されている図柄情報に対応する図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させる第3図柄の図柄態様として決定し(S5304I)、今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選であるかを判別する(S5305I)。今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選であると判別した場合には(S5305I:Yes)、図柄情報格納エリア223ni内の左図柄列Z1に停止表示させる図柄情報に対応する図柄態様を中図柄列Z2及び右図柄列Z3の図柄態様として決定し(S5306I)、表示用停止図柄コマンドを設定し(S5307I)、本処理を終了する(S5307I)。S5305Iの処理において、今回の特別図柄抽選の結果が大当たり当選または小当たり当選ではないと判別した場合には(S5305I:No)、次に今回の特図変動における変動パターンはリーチありの変動パターンであるかを判別する(S5308I)。リーチありの変動パターンではないと判別した場合には(S5308I:No)、図柄態様決定テーブル222eiBから保留図柄カウンタ223eiBのカウンタ値に4加算した値に対応する図柄態様を右図柄Z3に停止表示させる図柄態様に決定し(S5315I)、図柄態様決定テーブル222eiBから保留図柄カウンタ223eiBのカウンタ値に2加算した値に対応する図柄態様を中図柄Z2に停止表示させる図柄態様に決定し(S5316I)、S5307Iの処理に移行する。また、S5308Iの処理において、リーチありの変動パターンであると判別した場合には(S5308I:Yes)、図柄情報格納エリア223ni内の左図柄列Z1に停止表示させる図柄情報に対応する図柄態様を右図柄列Z3の図柄態様として決定し(S5317I)、図柄態様決定テーブル222eiBから保留図柄カウンタ223eiBのカウンタ値に1減算した値に対応する図柄態様を中図柄Z2に停止表示させる図柄態様に決定し(S5318I)、S5307Iの処理に移行する。
以上、説明したように、本第33制御例の第2変形例では、副表示領域Dsに表示される保留図柄の保留図柄態様を規則的に決定する構成とし、リーチありの変動パターン種別が設定された保留球である場合には、前回の入賞時に表示された保留図柄の保留図柄態様と同一態様で保留図柄を表示可能に構成している。また、同一態様の保留図柄が連続して表示される回数が多い方が(例えば、3回連続した場合)、少ない場合(例えば、2回連続した場合)よりも大当たり当選である可能性が高いことを示唆する構成としている。これにより、保留図柄が1つしか表示されていない場合よりも、複数表示されている場合の方が遊技者は特別図柄抽選の結果を、その特別図柄抽選の結果を示すための特図変動が実行されるよりも前に予測し易くなるため、保留図柄をより多く表示させようと、特図変動の実行中であっても遊技者に遊技球の発射を促すことが可能となる。なお、本第33制御例の第2変形例では、コンボ演出(同一態様の保留図柄が連続して表示される演出)が実行される場合、コンボ演出の対象となる対象保留図柄の保留図柄態様を、前回獲得した保留球に対応する保留図柄と同一態様で表示する構成としているが、これに限るものではなく、対象保留図柄が表示された後に獲得した保留球に対応する保留図柄を対象保留図柄と同一態様で表示する構成としても良い。このように構成することで、コンボ演出が実行された場合に連続して同一態様で表示されている保留図柄の内、どちらの保留図柄が対象保留図柄なのか遊技者には分からないため、対象保留図柄ではない保留図柄に対応する特図変動においても遊技者に対してリーチ演出が実行されることを期待させ、遊技に集中させることが可能となる。また、リーチありの変動パターン種別が設定された保留球に対してコンボ演出が設定されず、前回の保留図柄とは異なる態様の保留図柄態様で保留図柄が表示されている場合に、特定条件が成立することで既に表示されている保留図柄の保留図柄態様を可変させ、同一態様の保留図柄が連続して表示されるように構成しても良い。例えば、保留球を上限数まで獲得している状態で第1入球口64に遊技球が入賞した場合(所謂、オーバー入賞した場合)に、保留球内にリーチありの変動パターン種別が設定されている保留球が存在すれば、その保留球に対応する保留図柄をコンボ演出の対象保留図柄とし、対象保留図柄の1つ前に表示されている保留図柄と同一態様に可変可能に構成しても良い。このように構成することで、保留球を上限数まで獲得したにも関わらずコンボ演出が実行されなかった場合であっても、オーバー入賞することで保留図柄態様が可変するかもしれないと遊技者に思わせることで、遊技意欲の低下を抑制し、オーバー入賞させようと遊技球の発射を促すことができるため、遊技機の稼働を向上させることができる。なお、既に表示されている保留図柄の保留図柄態様を可変させる特定条件は、オーバー入賞に限るものではなく、保留図柄のシフトに合わせてコンボ演出を実行するか否かの再抽選を実行する構成としても良いし、新たな保留球を獲得した場合に、新たに獲得した保留球だけでなく、全ての保留球に対してコンボ演出を実行するか否かの再抽選を実行する構成としても良い。なお、本第33制御例の第2変形例では、リーチありの変動パターンが設定された保留球に対するコンボ演出が設定される場合に、3コンボ演出を実行するか否かも合わせて決定する構成としたが、これに限るものではなく、コンボ演出の対象となる保留球の後に保留球を獲得した場合に、3コンボ演出を実行するか否かの抽選を実行する構成としても良い。
<第33制御例の第3変形例>
次に、図2011~図2023を参照して、第33制御例の第3変形例について説明する。上述した第33制御例では、第3図柄の態様として、数字と、数字に対応するキャラクタによって構成していた。具体的には、図1838に示すように、1図柄D1は、数字の1n1と、タコのキャラクタc1によって構成され、2図柄D2は、数字の2n2と、フグのキャラクタc2によって構成される等、各数字に固有のキャラが予め設定されている構成であった。これに対して、本第33制御例の第3変形例では、第3図柄を構成する数字とキャラクタが紐付いておらず、第3図柄の図柄態様として、数字図柄態様と、キャラ図柄態様をそれぞれ分けて設定する構成としている。また、上述した第33制御例では、変動毎に第3図柄が規則的に可変する構成であった。これに対して、本第33制御例の第3変形例では、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄を構成する数字図柄態様と、キャラ図柄態様は、前回の特図変動における左図柄列Z1に停止表示された第3図柄の態様と同一態様とならない範囲で変動毎に不規則に可変し、特定の変動パターン種別(例えば、スーパーリーチ)が設定された特図変動が実行される場合に、左図柄列Z1に停止表示される数字図柄態様、又はキャラ図柄態様が、前回の特図変動において左図柄列Z1に停止表示された数字図柄態様、又はキャラ図柄態様と同一態様で停止表示される構成としている。上述した第33制御例では、第3図柄を構成するキャラ図柄態様と数字図柄態様が対応しており、変動毎に第3図柄が規則的に可変するため、例えば、遊技者が、前回の特図変動における第3図柄を確認していなくても、2変動前、3変動前の特図変動における第3図柄を確認していれば、前回の特図変動における第3図柄の態様を把握することが可能であった。これに対して本第33制御例の第3変形例では、第3図柄を構成する複数の要素(数字図柄態様、キャラ図柄態様)の内、一部の要素が前回の特図変動における第3図柄の態様と同一態様であるかを遊技者が判別するためには、毎変動、停止表示された第3図柄の態様を確認しておく必要がある。つまり、特別図柄抽選の結果に関わらず、毎変動、遊技者は停止表示される第3図柄を確認するために液晶画面を注視することとなるため、遊技に集中させることが可能となり、演出効果を向上させることができる。本第33制御例の第3変形例は、上述した第33制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPUにより実行される制御処理を一部変更している点で相違し、その他の構成については同一であるため、同一の構成については同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
<第33制御例の第3変形例における演出内容について>
図2011及び図2012を参照して、本第33制御例の第3変形例における特徴的な演出について説明する。図2011(a)及び(b)は、本第33制御例の第3変形例における通常の左図柄(左図柄列Z1に停止表示される第3図柄)の表示パターンを示した図である。図2011(a)は、変動パターン種別として「外れ」が設定されている特図変動(1変動目)の変動時間が経過し、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの各図柄列Z1~Z3に第3図柄が停止表示されている状況を示している。図2011(a)に示す通り、左図柄列Z1には、数字図柄態様として1n1と、キャラ図柄態様としてカメのキャラクタc3が停止表示されている。また、中図柄列Z2には、数字図柄態様として1n1と、キャラ図柄態様としてタコのキャラクタc1が停止表示されている。また、右図柄列Z3には、数字図柄態様として2n2と、キャラ図柄態様としてサメのキャラクタc4が停止表示されている。左図柄列Z1と、中図柄列Z2にはそれぞれ数字図柄態様として1n1が停止表示されているが、キャラ図柄態様が異なっている。このように、本第33制御例の第3変形例では、第3図柄を構成する数字図柄態様とキャラ図柄態様が紐付いておらず、それぞれの態様を別々に設定する構成としている。図2011(b)は、図2011(a)に示した状況から新たな特図変動(2変動目)が実行され、各図柄列Z1~Z3に第3図柄が停止表示された状況を示している。2変動目では、変動パターンとして「外れ」が設定されており、図2011(b)に示す通り、左図柄列Z1には数字図柄態様として4n4と、キャラ図柄態様としてサメのキャラクタc4が停止表示され、中図柄列Z2には、数字図柄態様として3n3と、キャラ図柄態様としてアンコウのキャラクタc6が停止表示されている。また、右図柄列Z3には、数字図柄態様として8n8と、キャラ図柄態様としてタコのキャラクタc1が停止表示されており、特別図柄抽選の結果が外れであることを示している。ここで、上述した第33制御例では、1変動目に左図柄として1図柄D1が停止表示された場合には、2変動目では左図柄として2図柄D2が停止表示されるといったように、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様が規則的に可変する構成であった。これに対して、第33制御例の第3変形例では、通常(特定の変動パターン(スーパーリーチ)が設定されていない場合)、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の図柄態様(数字図柄態様、キャラ図柄態様)は規則的に可変せず、前回の特図変動における左図柄の図柄態様と同一態様にならない範囲で不規則に決定される。なお、具体的な処理内容については後述する。
次に、図2012を参照して、2変動目がスーパーリーチの変動パターンが設定されている特図変動である場合の左図柄の表示パターンについて説明する。図2012(a)は、変動パターン種別として「外れ」が設定されている特図変動(1変動目)の変動時間が経過し、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの各図柄列Z1~Z3に第3図柄が停止表示されている状況を示している。図2012(a)に示す通り、左図柄列Z1には、数字図柄態様として1n1と、キャラ図柄態様としてカメのキャラクタc3が停止表示されている。また、中図柄列Z2には、数字図柄態様として1n1と、キャラ図柄態様としてタコのキャラクタc1が停止表示されている。また、右図柄列Z3には、数字図柄態様として2n2と、キャラ図柄態様としてサメのキャラクタc4が停止表示されている。図2012(b)は、図2012(a)に示した状況から新たな特図変動(2変動目)が実行され、各図柄列Z1~Z3に第3図柄が停止表示された状況を示している。2変動目では、変動パターンとして「スーパーリーチ」が設定されており、図2012(b)に示す通り、左図柄列Z1には数字図柄態様として4n4と、キャラ図柄態様としてカメのキャラクタc1が停止表示され、中図柄列Z2では第3図柄が変動表示されている。また、右図柄列Z3には、数字図柄態様として4n4と、キャラ図柄態様としてカメのキャラクタc1が停止表示されており、左図柄列Z1と右図柄列Z3に停止表示された第3図柄がリーチ態様となっている。また、表示領域HR1には、今回のリーチ演出が「スーパーリーチ」であることを報知する態様である「スーパーリーチ」という表示がされている。
ここで、図2012(a)で示した1変動目では、左図柄列Z1にキャラクタc3と数字の1n1が停止表示され、図2012(b)で示した2変動目では、左図柄列Z1にキャラクタc3と数字の4n4が停止表示されており、左図柄列Z1に停止表示されたキャラ図柄態様が連続して同一態様となっている。このように、本第33制御例の第3変形例では、特定の変動パターン(スーパーリーチ)が設定されている場合には、左図柄列Z1に停止表示されるキャラ図柄態様、または数字図柄態様の少なくともどちらかを前回の特図変動における左図柄列Z1の第3図柄と同一態様で停止表示させる構成としている。「スーパーリーチ」の変動パターンは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の方が、外れである場合よりも設定され易い変動パターンであるため、左図柄列Z1に、前回の左図柄列Z1の第3図柄と同一態様のキャラ図柄態様、または数字図柄態様が停止表示された場合には、遊技者の大当たり当選に対する期待感を向上させることができる。また、上述した第33制御例と異なり、第3図柄を構成するキャラ図柄態様と、数字図柄態様が紐付いていないため、変動毎に異なる組み合わせのキャラ図柄態様と数字図柄態様で構成された第3図柄が停止表示されることとなる。上述した第33制御例では、第3図柄を構成するキャラ図柄態様と数字図柄態様が対応しており、変動毎に第3図柄が規則的に可変するため、例えば、遊技者が、前回の特図変動における第3図柄を確認していなくても、2変動前、3変動前の特図変動における第3図柄を確認していれば、前回の特図変動における第3図柄の態様を把握することが可能であった。これに対して、第33制御例の第3変形例では、第3図柄を構成するキャラ図柄態様と数字図柄態様が紐付いておらず、更に、変動毎に第3図柄が不規則に可変するため、前回の特図変動における第3図柄の態様と同一態様であるかを遊技者が判別するためには、毎変動、停止表示された第3図柄を確認しておく必要がある。つまり、特別図柄抽選の結果に関わらず、毎変動、遊技者は停止表示される第3図柄を確認するために液晶画面を注視することとなるため、遊技に集中させることが可能となり、演出効果を向上させることができる。なお、本第33制御例の第3変形例では、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合のみ、今回の左図柄列Z1に停止表示された第3図柄の態様を、前回の特図変動における第3図柄の態様と完全一致(即ち、キャラ図柄態様と数字図柄態様がどちらも同一態様)させることが可能に構成している。これにより、前回の特図変動における第3図柄を確認していた遊技者は、今回の特図変動において特別図柄抽選の結果が報知されるよりも前に、左図柄列Z1に第3図柄が停止表示された時点で特別図柄抽選の結果が大当たり当選であると把握することが可能となり、優越感を与えることができる。
なお、本第33制御例では、左図柄列Z1に前回の特図変動における第3図柄の態様と完全に同一態様の第3図柄が停止表示された場合に、大当たり当選であることが確定する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、2変動以上続いて左図柄列Z1にキャラ図柄態様、または数字図柄態様のいずれかが同一態様で停止表示される構成とし、連続した回数が多い程大当たり当選期待度が高くなる構成としても良い。このように構成することで、前回の特図変動における第3図柄と同一態様の第3図柄が停止表示された特図変動において特別図柄抽選の結果が外れであった場合であっても、次変動でさらに同一態様の第3図柄が停止表示されれば、大当たり当選の可能性が高くなるため、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。なお、このように構成する場合、左図柄列Z1に同一態様の第3図柄が停止表示された場合に、連続した回数を示唆する態様(例えば、「2回目」等の表示)を表示する構成としても良いし、連続していることを示唆する態様(例えば、「続いてるよ」等のコメント表示)を表示する構成としても良い。このように構成することで、2変動以上の特図変動を跨いで同一態様の第3図柄が停止表示されることを遊技者に分かり易くすることが可能となる。これにより、例えば、4変動に跨がって同一態様の第3図柄が停止表示される演出が設定されている場合に、2変動目の特図変動で同一態様の第3図柄が停止表示されたにも関わらず、特別図柄抽選の結果が外れであったことから遊技意欲を無くした遊技者が4変動目の特図変動(特別図柄抽選の結果が大当たり当選である特図変動)が実行されるよりも前に遊技を止めてしまうといった不具合を抑制することができる。
<第33制御例の第3変形例における電気的構成について>
次に、図2013~図2017を参照して、本第33制御例の第3変形例における電気的構成について説明する。まず、図2013を参照して、本第33制御例の第3変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。音声ランプ制御装置113のROM222には、図2013に示すように、変動パターン選択テーブル222aiと、チャンスゾーン演出設定テーブル222ciと、タイマー演出設定テーブル222diと、タイマー内容設定テーブル222eiと、再セット用報知態様設定テーブル222fiと、楽曲演出設定テーブル222giと、図柄変更演出設定テーブル222hiと、ファイナルチャレンジ用報知態様設定テーブル222iiと、数字図柄態様決定テーブル222aiCと、キャラ図柄態様決定テーブル222biCと、同一図柄停止演出態様決定テーブル222ciCと、が少なくとも記憶されている。なお、上述した第33制御例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。数字図柄態様決定テーブル222aiCは、第3図柄の数字図柄態様を決定するために参照されるデータテーブルである。ここで、図2015を参照して、数字図柄態様決定テーブル222aiCについて説明する。図2015は、この数字図柄態様決定テーブル222aiCの規定内容を模式的に示した図である。図2015に示すように、数字図柄態様決定テーブル222aiCは、図柄カウンタ値と、特別図柄抽選の結果と、大当たり種別に対応して数字図柄態様が規定されている。具体的には、図柄カウンタ値が「1」である場合には、特別図柄抽選の結果に関わらず1図柄(数字の1n1)が決定され、図柄カウンタ値が「2」である場合には、特別図柄抽選の結果に関わらず2図柄(数字の2n2)が決定され、図柄カウンタ値が「3」である場合には、特別図柄抽選の結果に関わらず3図柄(数字の3n3)が決定され、図柄カウンタ値が「4」である場合には、特別図柄抽選の結果に関わらず4図柄(数字の4n4)が決定され、図柄カウンタ値が「5」である場合には、特別図柄抽選の結果に関わらず5図柄(数字の5n5)が決定され、図柄カウンタ値が「6」である場合には、特別図柄抽選の結果に関わらず6図柄(数字の6n6)が決定される。また、図柄カウンタ値が「7」である場合には、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であり、大当たり種別が「大当たりA」である場合には7図柄(数字の7n7)が決定され、大当たり種別が「大当たりB」である場合、または特別図柄抽選の結果が「小当たり」、「外れ」である場合には、8図柄(数字の8n8)が決定される。
図2013に戻り説明を続ける。キャラ図柄態様決定テーブル222biCは、第3図柄のキャラ図柄態様を決定するために参照されるテーブルである。ここで、図2016を参照して、キャラ図柄態様決定テーブル222biCについて説明する。図2016は、このキャラ図柄態様決定テーブル222biCの規定内容を模式的に示した図である。図2016に示すように、キャラ図柄態様決定テーブル222biCは、図柄カウンタ値と、特別図柄抽選の結果と、大当たり種別に対応してキャラ態様が規定されている。具体的には、図柄カウンタ値が「1」である場合には、特別図柄抽選の結果に関わらずキャラ態様として「タコc1」が決定され、図柄カウンタ値が「2」である場合には、特別図柄抽選の結果に関わらずキャラ態様として「フグc2」が決定され、図柄カウンタ値が「3」である場合には、特別図柄抽選の結果に関わらずキャラ態様として「カメc3」が決定され、図柄カウンタ値が「4」である場合には、特別図柄抽選の結果に関わらずキャラ態様として「サメc4」が決定され、図柄カウンタ値が「5」である場合には、特別図柄抽選の結果に関わらずキャラ態様として「エビc5」が決定され、図柄カウンタ値が「6」である場合には、特別図柄抽選の結果に関わらずキャラ態様として「アンコウc6」が決定される。また、図柄カウンタ値が「7」である場合には、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であり、大当たり種別が「大当たりA」である場合にはキャラ態様として「ジュゴンc7」が決定され、大当たり種別が「大当たりB」である場合、または特別図柄抽選の結果が「小当たり」、「外れ」である場合には、キャラ態様として「熱帯魚c8」が決定される。
図2013に戻り、説明を続ける。同一図柄停止演出態様決定テーブル222ciCは、同一図柄停止演出の演出態様を決定するために参照されるテーブルである。ここで、図2017を参照して、同一図柄停止演出態様決定テーブル222ciCについて説明する。図2017は、この同一図柄停止演出態様決定テーブル222ciCの規定内容を模式的に示した図である。この同一図柄停止演出態様決定テーブル222ciCは、特図変動における表示用変動パターンとして、同一図柄停止演出を含む表示用変動パターンが決定された場合に、その同一図柄停止演出の演出態様を決定するために参照されるデータテーブルである。図2017に示す通り、同一図柄停止演出態様決定テーブル222ciCは、特別図柄抽選の結果と、第2演出カウンタ223giのカウンタ値に対応して演出態様が規定されている。具体的には、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であり、第2演出カウンタ値が「0~499」の範囲内であれば、演出態様として「同一キャラ・同一数字」が決定される。この「同一キャラ・同一数字」の演出態様は、今回の特図変動における左図柄列Z1に、前回の特図変動における左図柄列Z1に停止表示された第3図柄のキャラ図柄態様と数字図柄態様のどちらとも同一態様である第3図柄を停止表示させる演出態様である。特別図柄抽選の結果が「大当たり」であり、第2演出カウンタ値が「500~749」の範囲内であれば、演出態様として「同一キャラ」が決定される。この「同一キャラ」の演出態様は、今回の特図変動における左図柄列Z1に、前回の特図変動における左図柄列Z1に停止表示された第3図柄のキャラ図柄態様と同一態様である第3図柄を停止表示させ、数字図柄態様は異なる態様で停止表示させる演出態様である。特別図柄抽選の結果が「大当たり」であり、第2演出カウンタ値が「750~999」の範囲内であれば、演出態様として「同一数字」が決定される。この「同一数字」の演出態様は、今回の特図変動における左図柄列Z1に、前回の特図変動における左図柄列Z1に停止表示された第3図柄の数字図柄態様と同一態様である第3図柄を停止表示させ、キャラ図柄態様は異なる態様で停止表示させる演出態様である。特別図柄抽選の結果が「外れ」または「小当たり」であり、第2演出カウンタ値が「0~499」の範囲内であれば、演出態様として「同一キャラ」が決定される。この「同一キャラ」の演出態様は、今回の特図変動における左図柄列Z1に、前回の特図変動における左図柄列Z1に停止表示された第3図柄のキャラ図柄態様と同一態様である第3図柄を停止表示させ、数字図柄態様は異なる態様で停止表示させる演出態様である。特別図柄抽選の結果が「外れ」または「小当たり」であり、第2演出カウンタ値が「500~999」の範囲内であれば、演出態様として「同一数字」が決定される。この「同一数字」の演出態様は、今回の特図変動における左図柄列Z1に、前回の特図変動における左図柄列Z1に停止表示された第3図柄の数字図柄態様と同一態様である第3図柄を停止表示させ、キャラ図柄態様は異なる態様で停止表示させる演出態様である。図2017に示すように、「同一キャラ・同一数字」の演出態様は、特別図柄抽選の結果が「大当たり」である場合にのみ決定される演出態様である。つまり、特図変動において、前回の特図変動における左図柄列Z1に停止表示された第3図柄の態様と、完全に一致する態様の第3図柄が左図柄列Z1に停止表示された場合には、大当たり当選確定であると遊技者は認識することができる。なお、本第33制御例の第3変形例では、特別図柄抽選の結果が「大当たり」である場合には、250/1000(25%)で「同一キャラ」の演出態様が決定され、250/1000(25%)で「同一数字」の演出態様が決定される。また、特別図柄抽選の結果が「外れ」または「小当たり」である場合には、500/1000(50%)で「同一キャラ」の演出態様が決定され、500/1000(50%)で「同一数字」の演出態様が決定される。つまり、特別図柄抽選の結果が「外れ」または「小当たり」である場合の方が、「大当たり」である場合よりも、「同一キャラ」のみ、または「同一数字」のみの演出態様が決定され易い構成となっている。なお、これに限ることなく、例えば、特別図柄抽選の結果が「大当たり」である場合には、400/1000(40%)で「同一キャラ」の演出態様が決定され、100/1000(10%)で「同一数字」の演出態様が決定される構成とし、特別図柄抽選の結果が「外れ」または「小当たり」である場合には、200/1000(20%)で「同一キャラ」の演出態様が決定され、800/1000(80%)で「同一数字」の演出態様が決定されるといったように、特別図柄抽選の結果が「大当たり当選」である場合の方が「外れ」または「小当たり」である場合よりも決定され易い演出態様を設ける構成としても良い。このように構成することで、同一図柄停止演出において「同一キャラ・同一数字」の演出態様で演出が実行されなかったとしても、キャラ図柄態様と数字図柄態様のうち、どちらが前回と同一態様なのかによって特別図柄抽選の結果を予測し易くなるため、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図2014を参照して、本第33制御例の第3変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221内のRAM223について説明する。本第33制御例の第3変形例における音声ランプ装置113のMPU221内のRAM223は、上述した第33制御例における音声ランプ装置113のMPU221内のRAM223に対して、新たにキャラカウンタ223aiCを設けている点で相違し、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。キャラカウンタ223aiCは、第3図柄のキャラ図柄態様を決定するためのカウンタであり、1~7の範囲のループカウンタである。キャラカウンタ223aiCは、音声ランプ制御装置113のメイン処理内の演出更新処理(図1915参照)のS3614Iの処理において、各種カウンタと共にカウンタ値が更新される。なお、上述した第33制御例では、図柄カウンタ223miのカウンタ値を特図変動が実行される場合に実行される特図1演出態様設定処理(図1909のS4409I参照)において更新する構成としていた。つまり、特図変動が実行されていない期間には図柄カウンタ値が更新されない構成であった。これに対して、本第33制御例の第3変形例では、音声ランプ制御装置113のメイン処理内の演出更新処理(図1915参照)のS3614Iの処理において、各種カウンタと共にカウンタ値が更新される構成としている。つまり、特図変動が実行されていない期間にも図柄カウンタ値が更新される構成である。上述した第33制御例では、例えば、前回の特図変動で図柄カウンタ値が「1」に更新された場合、次回の特図変動が実行されるタイミングに関わらず、次回の特図変動において更新される図柄カウンタ値は「2」となるため、第3図柄の図柄態様を特図変動毎に規則的に可変させる。一方、本第33制御例の第3変形例では、特図変動が実行されていない期間にも図柄カウンタ値が更新されるため、前回の特図変動で図柄カウンタ値が「1」に更新された場合、次回の特図変動が実行されるタイミングによって図柄カウンタ値が異なり、第3図柄の図柄態様が不規則に可変する。
<第33制御例の第3変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図2018~図2023を参照して、本第33制御例の第3変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明する。なお、上述した第33制御例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。まず、図2018を参照して、本第33制御例の第3変形例における特図1演出態様設定処理(S4409I)について説明する。図2018は、この特図1演出態様設定処理(S4409I)を示したフローチャートである。特図1演出態様設定処理(S4409I)が実行されると、まず、図柄カウンタ223miと、キャラカウンタ223aiCのカウンタ値をそれぞれ取得する(S4623I)。なお、上述した第33制御例では、特図変動が実行される毎に図柄カウンタ値が更新される構成であったが、本第33制御例の第3変形例では、演出更新処理(S3112I)のS3614Iの処理において、各種カウンタの更新に合わせて、図柄カウンタ値と、キャラカウンタ値も更新される。つまり、特図変動が実行されていない期間も演出更新処理(S3112I)が実行される毎にカウンタ値は更新される構成としている。このため、特図1演出態様設定処理(S4409I)において取得する図柄カウンタ値と、キャラカウンタ値は変動毎に不規則な値となるため、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄の態様は変動毎で不規則に可変する。S4623Iの処理が終了すると、次に、今回の特別図柄抽選の結果と、受信した入賞情報コマンドに含まれる変動パターン種別に基づいて、通常用変動パターン選択テーブル222aiAから表示用変動パターンを決定し(S4602I)、次に、飾り図柄演出設定処理(S4603I)を実行する(S4603I)。ここで、図2019を参照して、本第33制御例の第3変形例における飾り図柄演出設定処理(S4603I)について説明する。図2019は、この飾り図柄演出設定処理(S4603I)を示したフローチャートである。飾り図柄演出設定処理(S4603I)が実行されると、まず、今回の特図変動における表示用変動パターンは同一図柄停止演出ありの表示用変動パターンであるか判別する(S4701I)。同一図柄停止演出ありの表示用変動パターンではないと判別した場合には(S4701I:No)、通常図柄態様決定処理を実行する(S4715I)。通常図柄態様決定処理(S4715I)は、同一図柄停止演出なしの表示用変動パターンが設定された特図変動における左図柄列Z1に停止表示させる第3図柄の図柄態様を決定するための処理である。なお、通常図柄態様決定処理(S4715I)の詳細については、図2020を参照して後述する。通常図柄態様決定処理(S4715I)が終了すると、S4716Iの処理に移行する。S4716Iの処理では、S4715I、及びS4719I~S4723Iの処理において決定された数字図柄態様とキャラ図柄態様に対応する図柄情報をそれぞれ図柄情報格納エリア223niに格納する。一方、S4701Iの処理において、同一図柄停止演出ありの表示用変動パターンであると判別した場合には(S4701I:Yes)、同一図柄演出態様決定テーブル222ciC(図2017参照)に基づいて同一図柄停止演出の演出態様を決定し(S4717I)、決定した演出態様が「同一キャラ」(前回の特図変動における左図柄列Z1に停止表示された第3図柄のキャラ図柄態様と同一態様のキャラ図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させる演出態様)であるかを判別し(S4718I)、「同一キャラ」図柄停止ありの演出態様であると判別した場合には(S4718I:Yes)、図柄情報格納エリア223niに格納されているキャラ図柄情報に対応するキャラ図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させるキャラ図柄態様として決定する(S4719I)。一方、「同一キャラ」図柄停止ありの演出態様ではないと判別した場合には(S4718I:No)、キャラ図柄態様決定テーブル222biCからキャラカウンタ値に対応するキャラ図柄態様を決定する(S4720I)。S4719I、またはS4720Iの処理が終了すると、次に、S4721Iの処理を実行する。S4721Iの処理では、S4717Iの処理において決定した同一図柄停止演出の演出態様が「同一数字」(前回の特図変動における左図柄列Z1に停止表示された第3図柄の数字図柄態様と同一態様の数字図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させる演出態様)であるかを判別し(S4721I)、「同一数字」図柄停止ありの演出態様であると判別した場合には(S4721I:Yes)、図柄情報格納エリア223aiCに格納されている数字図柄情報に対応する数字図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させる数字図柄態様として決定する(S4722I)。一方、S4721Iの処理において、「同一数字」図柄停止ありの演出態様ではないと判別した場合には(S4721I:No)、数字図柄態様決定テーブル222aiCから図柄カウンタ値に対応する数字図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させる数字図柄態様として決定する(S4723I)。S4722I、またはS4723Iの処理が終了すると、S4716Iの処理に移行する。次に、図2020を参照して、通常図柄態様決定処理(S4715I)について説明する。図2020は、この通常図柄態様決定処理(S4715I)を示したフローチャートである。通常図柄態様決定処理(S4715I)では、同一図柄停止演出が実行されない場合の第3図柄の図柄態様を決定するための処理を実行する。通常図柄態様決定処理(S4715I)が実行されると、まず、数字図柄態様決定テーブル222aiCから図柄カウンタ値に対応する数字図柄態様を決定し(S4851I)、前回の特図変動における数字図柄態様と同一態様であるかを判別する(S4852I)。具体的には、図柄情報格納エリア223niに格納されている数字図柄情報を読み出し、S4851Iの処理において決定された数字図柄態様と同一態様であるかを判別する。前回の数字図柄態様と同一態様であると判別した場合には(S4852I:Yes)、図柄カウンタ値に1加算し、数字図柄態様決定テーブル222aiCから図柄カウンタ値に対応する対応する数字図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させる数字図柄態様として決定する(S4853I)。一方、S4852Iの処理において、前回の数字図柄態様と同一態様ではないと判別した場合には(S4852I:No)、S4851Iの処理において決定した数字図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させる数字図柄態様として決定する(S4854I)。S4853I、またはS4854Iの処理が終了すると、キャラ図柄態様決定テーブル222biCからキャラカウンタ値に対応するキャラ図柄態様を決定し(S4855I)、決定したキャラ図柄態様が前回のキャラ図柄態様と同一態様であるかを判別する(S4856I)。具体的には、図柄情報格納エリア222niに格納されているキャラ図柄情報を読み出し、S4855Iの処理において決定されたキャラ図柄態様と同一態様であるかを判別する。前回のキャラ図柄態様と同一態様であると判別した場合には(S4856I:Yes)、キャラカウンタ値に1加算し、キャラ図柄態様決定テーブル222biCからキャラカウンタ値に対応するキャラ図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させるキャラ図柄態様として決定する(S4857I)。一方、S4856Iの処理において、前回のキャラ図柄態様と同一態様ではないと判別した場合には(S4856I:No)、S4855Iの処理において決定したキャラ図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させるキャラ図柄態様として決定する(S48458I)。このように通常図柄態様決定処理(S4715I)が実行されることにより、前回の数字図柄態様、キャラ図柄態様と同一態様の図柄態様が決定されないようにすることができる。図2018に戻り、説明を続ける。飾り図柄演出設定処理(S4603I)が終了すると、次に、チャンスゾーン演出設定処理を実行する(S4604I)。なお、S4604I~S4607Iの処理は、上述した第33制御例における処理と同一の処理であるため、詳細な説明を省略する。
次に、図2021を参照して、本第33制御例の第3変形例における停止種別設定処理(S4309I)について説明する。図2021は、この停止種別設定処理(S4309I)を示したフローチャートである。停止種別設定処理(S4309I)が実行されると、まず、今回の特図変動が第2特別図柄であるかを判別する(S5301I)。第2特別図柄であると判別した場合には(S5301I:Yes)、停止種別コマンドから抽出した停止種別をそのまま設定し(S5302I)、表示用停止種別コマンドを設定し(S5303I)、本処理を終了する。一方、S5301Iの処理において、第2特別図柄ではない(即ち、第1特別図柄である)と判別した場合には(S5301I:No)、数字図柄態様決定処理を実行する(S5319I)。ここで、図2022を参照して、数字図柄態様決定処理(S5319I)について説明する。図2022は、この数字図柄態様決定処理(S5319I)を示したフローチャートである。数字図柄態様決定処理(S5319I)は、各図柄列Z1~Z3に停止表示させる第3図柄の数字図柄態様を決定するための処理である。数字図柄態様決定処理(S5319I)が実行されると、まず、図柄情報格納エリア223niに格納されている数字図柄情報を読み出し、その数字図柄情報に対応する数字図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させる数字図柄態様として決定する(S5401I)。次に、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりであるかを判別し(S5402I)、大当たりであると判別した場合には(S5402I:Yes)、図柄情報格納エリア223niに格納されている数字図柄情報に対応する数字図柄態様を中図柄列Z2及び右図柄列Z3に停止表示させる数字図柄態様として決定し(S5403I)、本処理を終了する。つまり、特別図柄抽選の結果が「大当たり」である場合には、各図柄列Z1~Z3に同一の数字図柄態様が停止表示される。一方、S5402Iの処理において、今回の特別図柄抽選の結果が「大当たり」ではないと判別した場合には(S5402I:No)、次に、今回の特図変動の変動パターンがリーチありの変動パターン(即ち、ノーマルリーチ、スーパーリーチの変動パターン)であるかを判別し(S5404I)、リーチありの変動パターンではないと判別した場合には(S5404I:No)、数字図柄態様決定テーブル222aiCから図柄カウンタ値に4加算した値に対応する数字図柄態様を右図柄列Z3に停止表示させる数字図柄態様として決定し(S5405I)、図柄カウンタ値に2加算した値に対応する数字図柄態様を中図柄列Z2に停止表示させる数字図柄態様として決定し(S5406I)、本処理を終了する。一方、S5404Iの処理において、今回の特図変動の変動パターンがリーチありの変動パターンであると判別した場合には(S5404I:Yes)、図柄情報格納エリア223niに格納されている数字図柄情報に対応する数字図柄態様を右図柄列Z3に停止表示させる数字図柄態様として決定し(S5407I)、数字図柄態様決定テーブル222aiCから図柄カウンタ値を1減算した値に対応する数字図柄態様を中図柄列Z2に停止表示させる数字図柄態様として決定し(S5408I)、本処理を終了する。
図2021に戻り説明を続ける。数字図柄態様決定処理(S5319I)が終了すると、次に、キャラ図柄態様決定処理を実行する(S5320I)。ここで、図2023を参照して、キャラ図柄態様決定処理(S5320I)について説明する。図2023は、このキャラ図柄態様決定処理(S5320I)を示したフローチャートである。キャラ図柄態様決定処理(S5320I)は、各図柄列Z1~Z3に停止表示させる第3図柄のキャラ図柄態様を決定するための処理である。キャラ図柄態様決定処理(S5320I)が実行されると、まず、図柄情報格納エリア223niに格納されているキャラ図柄情報を読み出し、そのキャラ図柄情報に対応するキャラ図柄態様を左図柄列Z1に停止表示させるキャラ図柄態様として決定する(S5501I)。次に、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりであるかを判別し(S5502I)、大当たりであると判別した場合には(S5502I:Yes)、図柄情報格納エリア223niに格納されているキャラ図柄情報に対応するキャラ図柄態様を中図柄列Z2及び右図柄列Z3に停止表示させるキャラ図柄態様として決定し(S5503I)、本処理を終了する。つまり、特別図柄抽選の結果が「大当たり」である場合には、各図柄列Z1~Z3に同一のキャラ図柄態様が停止表示される。一方、S5502Iの処理において、今回の特別図柄抽選の結果が「大当たり」ではないと判別した場合には(S5502I:No)、次に、今回の特図変動の変動パターンがリーチありの変動パターン(即ち、ノーマルリーチ、スーパーリーチの変動パターン)であるかを判別し(S5504I)、リーチありの変動パターンではないと判別した場合には(S5504I:No)、キャラ図柄態様決定テーブル222biCからキャラカウンタ値に4加算した値に対応するキャラ図柄態様を右図柄列Z3に停止表示させるキャラ図柄態様として決定し(S5505I)、キャラカウンタ値に2加算した値に対応するキャラ図柄態様を中図柄列Z2に停止表示させるキャラ図柄態様として決定し(S5506I)、本処理を終了する。一方、S5504Iの処理において、今回の特図変動の変動パターンがリーチありの変動パターンであると判別した場合には(S5504I:Yes)、図柄情報格納エリア223niに格納されているキャラ図柄情報に対応するキャラ図柄態様を右図柄列Z3に停止表示させるキャラ図柄態様として決定し(S5507I)、キャラ図柄態様決定テーブル222biCからキャラカウンタ値を1減算した値に対応するキャラ図柄態様を中図柄列Z2に停止表示させるキャラ図柄態様として決定し(S5508I)、本処理を終了する。
図2021に戻り、説明を続ける。キャラ図柄態様決定処理(S5320I)が終了すると、次に、表示用停止図柄コマンドを設定し(S5321I)、本処理を終了する。なお、S5321Iで設定する表示用停止図柄コマンドには、S5319I及びS5320Iの処理において決定された各図柄列Z1~Z3に停止表示される第3図柄の数字図柄態様とキャラ図柄態様を示す情報が少なくとも含まれており、ここで設定された表示用停止図柄コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図1899参照)のコマンド出力処理(S3102I)において表示制御装置114に送信される。表示制御装置114では、この表示用停止図柄コマンドに対応する各第3図柄を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの各図柄列Z1~Z3に表示するための処理を実行する。
以上、説明したように、本第33制御例の第3変形例では、第3図柄を構成する数字とキャラクタが紐付いておらず、第3図柄の図柄態様として、数字図柄態様と、キャラ図柄態様をそれぞれ分けて設定する構成としている。また、左図柄列Z1に停止表示される第3図柄を構成する数字図柄態様と、キャラ図柄態様は、前回の特図変動における左図柄列Z1に停止表示された第3図柄の態様と同一態様とならない範囲で変動毎に不規則に可変し、特定の変動パターン種別(例えば、スーパーリーチ)が設定された特図変動が実行される場合に、左図柄列Z1に停止表示される数字図柄態様、又はキャラ図柄態様が、前回の特図変動において左図柄列Z1に停止表示された数字図柄態様、又はキャラ図柄態様と同一態様で停止表示される構成としている。このように構成することで、特別図柄抽選の結果に関わらず、毎変動、遊技者は停止表示される第3図柄を確認するために液晶画面を注視することとなるため、遊技に集中させることが可能となり、演出効果を向上させることができる。なお、本第33制御例の第3変形例では、特定の変動パターン種別が設定された特図変動が実行される場合に左図柄列Z1に停止表示される第3図柄が、前回の特図変動における第3図柄と同一態様で表示される構成としたが、これに限るものではなく、右図柄列Z3、または中図柄列Z2に停止表示される第3図柄を前回の特図変動における同図柄列の第3図柄の態様と同一態様としても良い。また、今回の特図変動がスーパーリーチである場合に、前回の特図変動において各図柄列Z1~Z3に停止表示された第3図柄を構成する要素(数字図柄態様、キャラ図柄態様)のいずれかが、今回の特図変動においていずれかの図柄列に停止表示される構成としても良い。このように構成することで、更に遊技者を遊技に集中させることができる。また、このように構成する場合に、前回の特図変動において表示された第3図柄の態様と同一態様の図柄を複数表示可能に構成しても良く、同一態様の図柄が1つのみの場合よりも、同一態様の図柄が多い方が大当たり当選期待度が高いことを示唆する構成としても良い。
なお、本第33制御例の第3変形例では、左図柄列Z1、中図柄列Z2、右図柄列Z3の3つの図柄列に停止表示される第3図柄の組み合わせにより、特別図柄抽選の結果を報知する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、左図柄列Z1と中図柄列Z2に停止表示される第3図柄の組み合わせで特別図柄抽選の結果を報知する構成としても良い。この場合、例えば、次の特図変動において左図柄列Z1に停止表示される第3図柄を、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄によって報知する構成としても良い。つまり、右図柄列Z3の第3図柄として左図柄列Z1に停止表示された第3図柄と同一態様の第3図柄が停止表示された場合には、次の特図変動で左図柄列Z1に連続して同一態様の第3図柄が停止表示されることとなるため、今回の特図変動が外れであった場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。なお、このように構成する場合、右図柄列Z3に停止表示される第3図柄を特別図柄の変動時間が経過した後の図柄確定時間(特別図柄抽選の結果を確定表示する時間)に停止表示させる構成としても良い。つまり、特別図柄の変動時間中に左図柄列Z1、中図柄列Z3の順に第3図柄を停止表示させ、特別図柄の変動時間終了後に右図柄列Z3に第3図柄を停止表示させる。これにより、特別図柄抽選の結果として外れを示す態様が表示された場合に、右図柄列Z3に左図柄と同一態様の第3図柄が停止表示されることを遊技者に期待させることで、特別図柄抽選の結果が外れであったことよりも右図柄の態様に遊技者の気を向けることができるため、遊技意欲が低下することを抑制することができる。また、当選、特別図柄の変動時間内に右図柄列Z3に第3図柄を停止表示させても良い。
<第34制御例>
次に、図2024~図2093を参照して第34制御例におけるパチンコ機10について説明する。従来より、特別図柄の大当たりに当選し、その大当たり当選に基づく大当たり遊技が実行されている期間に、保留記憶されている特別図柄の抽選権利(以下、保留球と言う)の当否判定結果を事前判別(所謂、先読み)した結果、保留球の中に大当たり当選する保留球が有ると判別した場合の一部で、大当たり遊技中に大当たり当選する保留球が存在することを示唆する演出(所謂、保留連演出)を実行する遊技機が知られている。このような保留連演出が実行されることにより、大当たり遊技中に保留連演出が実行されることを遊技者に期待させ、大当たり遊技が単調となることを抑制するとともに、大当たり遊技が終了した後も、次回の大当たり当選が確定しているという安心感を遊技者に与えることで遊技意欲を向上させることができるものであった。しかしながら、従来の保留連演出は大当たり遊技が開始されるまでに獲得している保留球の先読み結果に基づいて実行されるものであり、大当たり遊技開始までに保留球を獲得できなかった場合には大当たり遊技中に保留連演出が実行されることはないため、大当たり遊技が単調となってしまうという問題があった。
これに対して、本第34制御例のパチンコ機10では、大当たり遊技中にも保留球を獲得可能に構成し、大当たり遊技中に獲得した保留球が大当たり当選する保留球である場合にも、実行中の大当たり遊技中に保留連演出を実行可能に構成している。このように構成することで、大当たり遊技開始前に保留球を獲得できなかった場合であっても、大当たり遊技中に新たな保留球を獲得することで保留連演出が実行され得るため、大当たり遊技中に保留連演出が実行されることを遊技者に期待させることが可能となる。
また、従来より、特別図柄の抽選結果を報知するための変動演出において、遊技者に演出用ボタンを操作させる演出(以下、ボタン演出)を実行する遊技機が知られている。このようなボタン演出を実行する遊技機では、ボタン演出が開始される前にボタン演出が開始されることを示唆する表示(以下、ボタン演出準備表示)をした後にボタン演出を実行するものがあり、この場合、ボタン演出が開始されるまではボタン操作が無効となり、ボタン演出が実行されている期間のみボタン操作が有効となるものが一般的である。具体的な制御内容としては、演出用ボタンのセンサ(以下、ボタンセンサという)のオン・オフによってボタン操作が実行されたか否かを判別するが、この際、ボタン操作の有効期間が開始された後にボタンセンサがオフからオンに遷移しないとボタン演出においてボタン操作が有効とならないのが一般的であり、例えば、ボタン演出準備表示中に遊技者がボタンを押下し、押下したままの状態(所謂、長押し状態)でボタン演出が開始されたとしても、ボタン演出内でボタン操作が実行されたとは判別されず、ボタン演出開始後に一度ボタンから手を離し、再度ボタン押下することでボタン操作が有効と判別されることとなる。このため、ボタン演出準備表示を見てボタン演出開始前にボタン操作を実行してしまった遊技者に対してボタン操作が有効とならないことにストレスを感じさせてしまう虞があった。
これに対して、本第34制御例のパチンコ機10では、ボタン演出が開始される前(即ち、ボタン操作の有効期間が開始される前)に遊技者がボタン操作を開始した場合であっても、ボタン演出開始後に遊技者が演出用ボタンから一度手を離さなくてもボタン操作を有効と判別可能に構成している。具体的には、500ms毎にボタンセンサの状況を記憶し、ボタン演出が開始される場合(ボタン操作有効期間となった場合)に保持しているボタンセンサの過去データと照らし合わせ、過去2回以上オン状態が連続している場合にはオンである(ボタン操作が有効である)と判別し、それ以外の場合にはオフである(ボタン操作が無効である)と判別する。このように構成することで、遊技者の演出用ボタンの操作タイミングのズレによりボタン演出中のボタン操作が上手く反映されず遊技者にストレスを感じさせる不具合を抑制することができる。本第34制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に対して、遊技盤13の構成を一部変更した点と、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点で相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
以下、本第34制御例のパチンコ機10について、添付図面を参照して説明する。図2024は、本第34制御例におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図2026および図2027はパチンコ機10の遊技盤13の右側領域の球流れを示した模式図であり、図2028はパチンコ機10の遊技盤13に設けられた非電動役物710の動作を示した模式図であり、図2029はパチンコ機10の遊技盤13に設けられた第2可変入賞装置650の内部構造を示した模式図であり、図2030はパチンコ機10に設けられた枠ボタン(演出ボタン)22と選択ボタン600の模式図である。
パチンコ機10は、図2024に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図2024参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。内枠12には、多数の釘や、左第1入球口64a、右第1入球口64b(以下、左第1入球口64a、右第1入球口64bの両方を示す場合には、第1入球口64と称す。)、第2入球口640、スルーゲート67、可変入賞装置(第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650)等を有する遊技盤13(図2025参照)が前面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面(遊技領域)を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図2045参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図2024参照)左側に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図2024参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図2024参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2025参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。一方、下皿ユニット15の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。なお、本第34制御例では、上記した構成としたが、それに限らず、主制御装置110や他の制御装置が球発射ユニット112aにより発射された球を検出する構成や、球発射ユニット112aのソレノイドが球を発射したことを検出するように構成してもよい。また、検出した球の数をカウントして、RAMクリア等の処理が実行されるまで記憶するように構成してもよい。そして、下皿ユニット15の上部に枠ボタン(演出ボタン)22と選択ボタン600が設けられている。枠ボタン(演出ボタン)22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作される。なお、枠ボタン22の内部には、図示しないボタンセンサが設けられており、枠ボタン22が押下されていない場合にはボタンセンサをオフに可変し、枠ボタン22が押下されている場合にはボタンセンサをオンに可変する。可変されたボタンセンサのオン・オフを示す信号は、音声ランプ制御装置113に送信され、後述する音声ランプ制御装置113のMPU223により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S3107J)において判別される。また、選択ボタン600は、パチンコ機10の遊技環境を決定するために遊技者に操作させるものであって、図2030(b)に示すように、中ボタン600a、上ボタン600b、右ボタン600c、下ボタン600d、左ボタン600eが設けられている。なお、選択ボタン600a~eには、それぞれに図示しない選択ボタンセンサが設けられており、選択ボタン600a~eの内対応するボタンが押下されるとオンとなる。本第34制御例におけるパチンコ機10では、パチンコ機10の遊技環境として、音声出力装置226(図2045参照)から出力される音声の音量レベルと、第3図柄表示装置81(図2045参照)に表示される表示画面を照らすバックライト(図示せず)や、パチンコ機10に付設された装飾用LEDの光量レベルと、を遊技者が調節可能に構成している。つまり、本第34制御例では、選択ボタン600に対して音量レベルや光量レベル等の段階を低い段階に低下させることが可能な操作および高い段階に増加させることが可能な操作を行うことができる構成となっている。さらに、第3図柄表示装置81にて実行される各種表示演出の演出パターンが異なる複数の演出モードから、1の演出モードを遊技者が選択可能に構成している。このように、遊技者が操作可能な枠ボタン22及び選択ボタン600をパチンコ機10に配設することで、パチンコ機10で実行される演出を任意に選択することが可能となり、遊技者の遊技に対する参加意欲を高めることができる。なお、本実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下操作可能な枠ボタン22と選択ボタン600を設けているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、遊技者が接触(或いは接近)したことを検知するセンサ式の操作手段や、遊技者が左右(或いは前後)方向に操作可能なレバー式の操作手段や、遊技者が回転操作可能なハンドル式の操作手段を設けてもよい、さらに、本実施形態では、操作手段の個数を2個としているが、それ以上に設けてもよいし、異なる操作方法の操作手段を複数設けてもよい。このように構成することで、遊技者がより多様な操作を実行することができ、操作手段に対する遊技者の操作に基づいて実行される演出の種類を増加させることができる。また、操作手段(枠ボタン(演出ボタン)22及び選択ボタン600)は、遊技者が遊技を実行しながら(右手で操作ハンドル51を操作しながら)でも操作可能な位置(下皿ユニット15の上部左側)に配設されているため、遊技者が遊技を実行している最中であっても、容易に枠ボタン22を操作することができる。下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。
図2025に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置(第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置(第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650)、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図2024参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2025を参照して、遊技盤13の構成について説明する。遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図2024参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(始動口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。また、遊技領域は、戻り球防止部材68を通過した球がアウト口66や入賞口(入球口)を通過するまでに流下する領域はすべて含まれる。本パチンコ機10では、可変表示装置ユニット80の左側(遊技盤13正面視で左側)を左遊技領域、右側を右遊技領域として形成し、左遊技領域を狙って球を発射する遊技(以下、左打ち遊技と称す)では、一般入球口63や左第1入球口64aに球を入球させる遊技が行われ、右遊技領域を狙って球を発射する遊技(以下、右打ち遊技と称す)では、発射された球が可変表示装置ユニット80の上方を通過し、右遊技領域に設けられる右第1入球口64b、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650等を狙う遊技が行われる。このように構成された本パチンコ機10では、遊技者に対して遊技状態に応じた遊技(左打ち遊技又は右打ち遊技)を行わせることで、遊技が単調になることを抑制している。また、詳細は後述するが、本パチンコ機10では設定される各種遊技状態(通常状態、時短状態、大当たり状態等)に応じて、遊技者に対して有利となる遊技(左打ち遊技又は右打ち遊技)が異なるように構成されている。これにより、遊技者に対して現在の遊技状態を把握しながら、遊技の内容を変更させることができ、より遊技が単調になることを抑制することができる。なお、左第1入球口64a、右第1入球口64b及び第2入球口640には、それぞれ図示しないセンサ領域が設けられており、このセンサ領域を遊技球が通過した場合に、各種乱数値が取得される。
図2025に戻り遊技盤13の説明を続ける。2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図2045参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2025の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2025の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。本パチンコ機10では、球が第1入球口64、または第2入球口640のいずれかへ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、または第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が大当たり種別に応じた回数(ラウンド数)繰り返される。その結果、その第1特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
また、本パチンコ機10では、特別図柄の抽選によって、大当たり以外(外れ)が判定された場合の一部にて特別遊技状態とは異なる特典が遊技者に付与される小当たりが判定されるように構成されている。特別図柄の抽選が小当たりに当選すると、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aが所定期間(例えば、合計で1.8秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される小当たり遊技が実行される。なお、詳細は後述するが、本パチンコ機10では、この小当たり遊技中に第2特定入賞口650aに入賞した球の一部が特定領域(V入賞スイッチ650e3(図2029参照))を通過した場合に、小当たり遊技終了後に上述した大当たり遊技が実行されるように構成されている。これにより、遊技者は、特別図柄の抽選で大当たりに当選することを狙う遊技と、特別図柄の抽選で小当たりに当選することで実行される小当たり遊技の遊技結果に基づいて大当たりが実行されることを狙う遊技との両方を実行することができる。よって、遊技者に多様な遊技を実行させることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、詳細は後述するが、本パチンコ機10には、特別図柄の大当たり種別として「大当たりA」~「大当たりD」の4種類が設けられている。なお、「大当たりA」は、球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される抽選(以下、第1特別図柄抽選)で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別であり、「大当たりB」は、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選(以下、第2特別図柄抽選)で大当たりとなった場合、または、第2特別図柄抽選で小当たりとなり、その小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に決定され得る大当たり種別であり、「大当たりC~D」の2種類は、第2特別図柄抽選で小当たりとなり、その小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に決定され得る大当たり種別である。このように設けられた複数の大当たり種別は、大当たり遊技が実行された場合に遊技者に付与される特典として、大当たり遊技中の特典(例えば、ラウンド数、開放時間、開放動作パターン)や、大当たり遊技後に付与される特典(例えば、遊技者が次の大当たりを獲得しやすい遊技状態を付与する特典)が異なるように設定されている。これにより、遊技者に対して様々な契機で実行される大当たり遊技において、より有利な特典が付与される大当たり遊技を獲得しようと遊技意欲を高めさせることができるとともに、多彩な遊技性を提供することができる。特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、7秒~90秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球すると、その入球回数は、入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64、または第2入球口640についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、詳細は後述するが、本第34制御例では、第2特別図柄抽選で大当たりとならなかった場合には、全て小当たりとなるように構成している。つまり、第2特別図柄抽選が実行された場合には、必ず大当たり、または、小当たりのいずれかに当選することとなる。
一方、スルーゲート(普通入球口)67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。なお、スルーゲート(普通入球口)67には、図示しないセンサ領域が設けられており、このセンサ領域を遊技球が通過したことに基づいて各種乱数値を取得する。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または3秒)だけ遊技球を所定方向に案内するための部材である第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉扉640a1が開放位置に可変されることで第2入球口640が開放される。なお、通常時は、電動役物640aの開閉扉640a1が閉鎖位置に配設されているため、第2入球口640が閉鎖されている。よって、普通図柄の当たりとなった場合は、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、第2特別図柄の抽選が行われ易くなる。なお、上述したように、本第34制御例では、第2特別図柄抽選が実行されると必ず大当たり、または、小当たりのいずれかに当選するため、普通図柄の当たり当選が実質的に特別図柄の大当たり当選、または小当たり当選であると言える。また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒または4秒)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球がスルーゲート(普通入球口)67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、スルーゲート(普通入球口)67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、詳細は後述するが、本第34制御例では、時短状態として「時短A~C」の3種類の時短種別があり、設定されている時短種別によって普通図柄の変動時間を異ならせる構成としている。本第34制御例では、いずれの時短種別も特別図柄の変動表示が1回実行されることにより時短状態の終了条件が成立する構成としているため、1回の特別図柄の変動表示中に普通図柄抽選を多く実行できる方が遊技者に有利となるため、普通図柄の変動時間として短い変動時間が選ばれ易い時短種別が遊技者に有利な時短種別となる。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」~「大当たりD」の4種類が設けられている。「大当たりA、C、D」になると、いずれもラウンド数が5ラウンドの特別遊技状態(5ラウンド大当たり)となり、「大当たりB」になるとラウンド数が10ラウンドの特別遊技状態(10ラウンド大当たり)となる。また、いずれの大当たり種別の大当たりとなった場合には、その大当たり終了後に、普通図柄の当たり当選時に通常状態よりも第2入球口640に球が入球し易くなるように電動役物640aが開放制御される遊技状態である時短状態が、特別図柄の変動が1回終了するまで付与される(時短回数1回)。上述したように、本実施形態で用いられるパチンコ機10は、遊技状態を通常状態よりも第2入球口640に球を入球させ易い時短状態へと移行する機能(所謂、時短機能)を有し、特別図柄の大当たり確率や、普通図柄の大当たり確率を変更する機能(所謂、確率変動機能)を有していないが、これに限られることなく、確率変動機能を有するパチンコ機を用いてもよい。なお、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数を異ならせている。これに対して、全ての大当たり種別でラウンド数を共通(例えば、全て8ラウンド)としても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えてもよい。また、「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第2入球口640に付随する電動役物640aを開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物640aを開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たりの種別によって、大当たり終了後に付与される特典が決定されるが、例えば、大当たり中に球が特定の領域(V入賞スイッチ650e3)を通過したことを条件に大当たり終了後に特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態を付与するようにしてもよい。また、本実施形態では、時短状態が、特別図柄の変動回数が予め定められた特定回数(1回)実行されるまで継続するように構成しているが、時短回数を予め複数回(例えば、10回)に設定し、特別図柄変動回数が時短回数に到達した場合、或いは、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果となった場合に、時短状態が終了するように構成してもよい。また、特別図柄の抽選とは異なる抽選(時短状態の継続有無を判定する抽選)を実行し、その抽選結果が時短状態を継続しない結果となった場合に時短状態を終了されるように構成してもよい。さらに、本実施形態では、大当たり遊技終了後には必ず時短状態が付与される構成としているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、時短状態が連続して付与される回数を計測する時短付与回数計測手段を設け、その時短付与回数計測手段による計測結果が所定回数(例えば、10)となった場合には、どの大当たり種別による大当たり遊技が実行されたとしても、その大当たり遊技終了後に時短状態が付与されないようにしてもよい。これにより、遊技者が有利となる遊技期間の上限を設定することができ、遊技者に対して過度な射幸性を提供することを抑制することができる。また、過度な射幸性を抑制する例として、連続して時短状態が付与される回数に上限を設定した例を示したが、それ以外にも、連続して時短状態が付与される期間(時短連荘期間)中に実行される特別図柄の変動回数に上限を設けるようにしてもよい。このように構成した場合であっても、時短連荘期間に上限を設定することができるため、過度な射幸性を抑制することができる。なお、この場合は、時短状態が付与される回数(即ち、時短連荘期間中の大当たり回数)に上限を設定するものではないため、限られた期間(上限が設定された時短連荘期間)中に、数多くの大当たりを獲得しようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
遊技領域の正面視右側上部(図2025の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64、または第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は入球口毎に最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、複数の入球口への入球数を合算した数が上限数(例えば、8回)となるまで保留されるように設定してもよい。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示等を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA~D)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入球することにより所定数(例えば、5個)の球が賞球として払い出される複数の一般入球口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示および第2図柄表示装置83の表示に応じた装飾的な第3図柄(装飾図柄)の表示を行うものである。例えば、第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。また、スルーゲート67を球が通過すると、それをトリガとして、第2図柄表示装置83において普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その普通図柄の変動表示に同期して、その普通図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。第3図柄表示装置81は、8インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示のうち、特別図柄に関する表示が第1図柄表示装置37で行われ、普通図柄に関する表示が第2図柄表示装置83で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示および第2図柄表示装置83の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。また、第3図柄表示装置81として複数の液晶ディスプレイを設けても良いし、第3図柄表示装置81が可動するように構成してもよい。ここで、第3図柄表示装置81の表示内容について、図2031を参照して説明する。
図2031は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図2031(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図2031(b)は、実際の表示画面を例示した図である。図2031(a)に示すように、第1表示領域Dmに第3図柄の一つである第1特別図柄、第2特別図柄、または普通図柄(遊技状態により異なる)を示す、左(左側表示領域Dm1)、中(中表示領域Dm2)及び右(右側表示領域Dm3)の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の第1表示領域Dm上にて第3図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、または普通図柄)が変動表示(動的表示)されるようになっている。なお、第1表示領域Dmで表示される第3図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、または普通図柄)は、「0」から「9」の数字を付しただ主図柄によりそれぞれ構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が特定の抽選結果(特別図柄の場合は大当たり、または小当たりの一部、普通図柄の場合は当たり)であった場合に、同一の第3図柄(主図柄)が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。具体的には、第1表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1~Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1~Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。また、第1表示領域Dmには、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
第1表示領域Dmの右上領域には、第2表示領域Dn(Dn1~Dn6)が形成されている。この第2表示領域Dnには、第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄を示す図柄列が表示される。具体的には、第2表示領域Dn1は、第1特別図柄を示す図柄列が表示される領域で、第2表示領域Dn2は、第2特別図柄を示す図柄列が表示される領域で、第2表示領域Dn3は、普通図柄を示す図柄列が表示される領域として形成されており、各図柄の変動表示に対応した変動表示が表示される。また、第2表示領域Dnには、第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄のそれぞれの保留記憶数も表示される。具体的には、第2表示領域Ds4は、第1特別図柄の保留記憶数が表示される領域で、第2表示領域Ds5は、第2特別図柄の保留記憶数が表示される領域で、第2表示領域Ds6は、普通図柄の保留記憶数が表示される領域である。つまり、本パチンコ機10では、第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄の変動表示に対応した表示、および、各図柄の保留記憶数に対応した表示が第3図柄表示装置81の第2表示領域Dnにて表示されるように構成されており、そのうち、一の図柄(遊技者に対して、報知すべき図柄)が主図柄として選択され、他の図柄が主図柄よりも目立たない従図柄として第2表示領域Dnに表示される。これにより、遊技者は、主図柄の表示内容を確認するだけで最適な遊技を実行することができる。なお、本実施形態では、従図柄の表示態様を主図柄よりも小さくすることで、主図柄よりも目立たない表示態様としているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、主図柄の表示態様よりも従図柄の表示態様の透過率を高くしたり、従図柄の表示領域を移動させたりすることで従図柄が主図柄よりも識別困難となるように構成してもよい。また、この第2表示領域Dnにて表示される各図柄の図柄列態様としては、主図柄として表示される図柄列をそのまま表示してもよいし、図2032(b)に示すような「○」、「×」の2種類の図柄列が並列して2列表示され、「○」図柄が2つ左右列に表示されると、第1特別図柄、第2特別図柄、または普通図柄が当たりであったことを遊技者に報知するように構成してもよい。さらに、主図柄として表示される図柄に対応する従図柄を第3図柄表示装置81に表示させないように構成してもよいし、従図柄の表示を第3図柄表示装置81以外に場所で表示してもよい。
本パチンコ機10の第3図柄表示装置81に表示される主図柄(第3図柄)は、「0」から「9」の数字からなる表示態様で構成されているが、他の主図柄と識別可能な表示態様であれば数字以外の表示態様を用いてもよく、例えばキャラクタを模した表示態様や、キャラクタと数字とを組み合わせた表示態様を用いてもよい。また、第1表示領域Dmの各図柄列Z1~Z3に表示される図柄として、主図柄以外の図柄(即ち、有効ラインL1に同一の図柄が揃って停止したとしても遊技者に特典が付与されない図柄)として副図柄を含めた図柄列を用いてもよい。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図2031参照)により行われる特別図柄や普通図柄の抽選結果が当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。第1表示領域Dmに表示される主図柄(第3図柄)は、有効ラインL1上に停止表示され、この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄、普通図柄の抽選結果が当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。なお、上述した停止表示状態においては、有効ラインL1上に停止表示された主図柄のみを表示させ、それ以外の主図柄(各図柄列に設定される主図柄であって、有効ラインL1以外の箇所で停止表示されている主図柄)は表示させない(目立たないように表示させる)ようにするとよい。これにより、遊技者に対してより明確に主図柄の停止表示結果を報知することができる。また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄あるいは普通図柄の外れに対応する組み合わせの主図柄(第3図柄)が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、新たな主図柄の変動が開始されるまで継続する。そして、主図柄(第3図柄)が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。なお、本実施形態では、主図柄に対応する図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点でデモ演出が開始されるように構成されているが、主図柄、従図柄に関わらず、全図柄が停止表示されてからの経過時間に基づいて、デモ演出が開始されるように構成してもよいし、主図柄のみ停止表示されている場合のデモ演出と、主図柄、従図柄ともに停止表示されている場合のデモ演出とで演出の表示態様を異ならせるように構成してもよい。この場合、例えば、主図柄のみ停止表示されている場合に実行されるデモ演出では、遊技の進行を促す報知を実行し、主図柄、従図柄ともに停止表示されている場合のデモ演出では、新たな遊技客による遊技を促すための報知を実行するようにするとよい。これにより、円滑に遊技を行わせることができる。
次に、第1表示領域Dmの下方に設けられる副表示領域Dsについて図2031(a)を参照して説明する。図2031(a)に示すように、第1表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsは、遊技状況や遊技説明といった遊技者の遊技を補助するための補助表示態様が各遊技状態や遊技結果に対応して表示される領域である。具体的には、第1特別図柄に対応した保留図柄の数を表示したり(図2031(b)参照)、第1表示領域Dmにて実行されている主図柄の変動演出の内容を補助したり(図2041(a)参照)、これから行うべき遊技の内容を案内したり(図2037(a)参照)、遊技者に有利となる特定期間(時短期間)の残期間を表示したり(図2038(a)参照)する。これにより、遊技者に対してわかりやすい遊技を提供することができる。
図2025に戻り遊技盤13の説明を続ける。可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る左第1入球口64aが配設されている。この左第1入球口64aへ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、左第1入球口64aは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。この左第1入球口64aは、可変表示装置ユニット80に対して正面視左側の経路へと球を打ち出した場合(所謂、左打ち遊技を行った場合)のほうが、右打ち遊技を行った場合よりも入球し易くなるように構成されている。左第1入球口64aの下方には、貯留装置750と特定一般入球口630とが配設されている。貯留装置750の詳細な説明については図2028を参照して後述するが、貯留装置750は、閉鎖状態と開放状態とに可変動作可能な貯留弁750aと、貯留弁750aが閉鎖状態の場合に、球を1個貯留可能な貯留領域を形成するための側壁とから構成されている。貯留弁750aは、特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合に球を貯留可能な閉鎖状態から、開放状態へと可変するように可変制御され、開放状態へと可変動作された場合に、貯留領域に貯留されていた球(或いは、貯留弁750aが開放状態に可変している間に貯留装置750に流入した球)が貯留装置750の下方に流下するように構成されている。なお、貯留装置750は、左打ち遊技を行った場合も、右打ち遊技を行った場合も球を貯留可能な箇所に配設されている。貯留装置750の下方には、貯留装置750を通過した球が入球可能となるように特定一般入球口630が配設されている。この特定一般入球口630は球が入球すると10個の球が賞球として払い出される入賞口であるとともに、非電動役物710を動作させる契機として用いられる。非電動役物710の詳細な説明については図2028を参照して後述するが、特定一般入球口630に入球した球の自重によって非電機構710aが作動し、遊技盤13の右側領域に設けられた非電動役物710が、右第1入球口64bに球が入球可能な位置へと可変するように構成されている。
一方、遊技盤13の右側領域には、右打ち遊技された球が流下する2つの流路と、右打ち遊技によって発射された球を上述した2つの経路に振り分けるための振分部材700と、非電動役物710と、右第1入球口65bと、スルーゲート67と、第2入球口640および電動役物640aと、第1可変入賞装置65と、第2可変入賞装置650とが配設されている。次に、図2025~図2027を参照して、本パチンコ機10の遊技盤13の右側領域の構成について説明をする。右打ち遊技によって発射された球は、振分部材700によって、第1流路701と第2流路702とに交互に振り分けられる。第1流路701へと振り分けられた球は、屈曲路701a(図2026参照)を通過し、スルーゲート67、第2入球口640を通過して右側領域下方へと流出する。また、第2流路702へと振り分けられた球は、その下流側に設けられた非電動役物710が閉鎖状態(図2028(a)参照)の場合には、第3流路703aを流下し、流入口704aに流入して第1流路701の裏面側(図2025の視点で奥側)に設けられた第5流路704bを流下し、流出口704cより遊技盤13上の右側領域下方へと流出する。一方、非電動役物710が開放状態(図2028(b)参照)の場合には、第4流路703bを流下して、右第1入球口64bに入球する。この右第1入球口64bに球が入球すると3個の球が賞球として払い出される。なお、非電動役物710の詳細な説明については図2028を参照して後述するが、本実施形態では、非電動役物710が開放状態において、右第1入球口64bに入球した球の自重によって非電動役物710が閉鎖状態へと可変されるように構成されている。そして振分部材700によって2つの流路(第1流路701、第2流路702)に振り分けられた球は右側領域下方で合流し、第2可変入賞装置650、第1可変入賞装置65上を流下し、貯留装置750に流入可能な流路を流下しながらアウト口66へと流入する。
ここで、振分部材700によって振り分けられた球の流れについて、図2026および図2027を参照して詳細に説明する。図2026は、右打ち遊技によって発射された球が第1流路701を流下する場合の球流れを示した模式図であり、図2027は、右打ち遊技によって発射された球が第2流路702を流下する場合の球流れを示した模式図である。図2026に示すように、振分部材700は、右打ち遊技によって発射された球を交互に第1流路701と第2流路702に振り分けるため、1分間に100個の球を発射した場合には、第1流路701に1.2秒間隔で50個、第2流路702に1.2秒間隔で50個流下するように振り分けられる。第1流路701は、球1個分の通路幅(約15mm)で形成される球通路で構成されており、その途中に設けられる屈曲路701aにより、球の流下速度を低下させており、第1流路701に流入した球が第1流路701から流出するまでの球通過時間が約2秒となるように構成されている。第1流路701の下流位置(屈曲路701aよりも下流側)には、スルーゲート67が配設されており、このスルーゲート67の下流側に第2入球口640が配設されている。この第2入球口640は、電動役物640aが閉状態の場合には球が第1流路701を通過可能となり、電動役物640aが開状態の場合には第1流路701を通過した球が第2入球口640に入球するように構成されている。
また、スルーゲート67を通過した球が0.2秒後に第2入球口640に到達するように構成されている。詳細は後述するが、スルーゲート67を球が通過したことを契機に実行される普通図柄の変動時間は最短で2秒であるため、スルーゲート67を通過した球が、その球がスルーゲート67を通過したことを契機に実行される普通図柄の抽選に基づいて実行される電動役物640aの開放動作によって第2入球口640に入球することが無いように構成されている。つまり、普通図柄の抽選に要する期間よりも、スルーゲート67を通過してから第2入球口640(電動役物640a)に到達するまでの期間が短くなるように構成している。これにより、球を1個発射させるだけで、普通図柄の抽選を実行し、且つ、第2入球口640に球を入球させる行為を物理的に不可能にすることができる。よって、適切ではない遊技が実行されることを抑制することができる。さらに、本実施形態では、右打ち遊技によって発射された球が振分部材700によって第1流路701(スルーゲート67、第2入球口640が配設される流路)と、第2流路702とに交互に振り分けられるため、普通図柄の抽選を実行させ(スルーゲート67に球を通過させ)、普通図柄の抽選で当たりに当選し、電動役物640aが開放し第2入球口640に球を入球させるために、少なくとも3個の球を発射させる必要があるため、より一層適切ではない遊技(例えば、単発打ち)が実行されることを抑制することができる。なお、本実施形態では振分部材700によって振り分けられる2つの流路のうち一方の流路にスルーゲート67と第2入球口640とを配設しているが、一方の流路にスルーゲート67を配設し、他方の流路に第2入球口640を配設するように構成してもよい。このように構成することで、例えば、悪意のある遊技者が振分部材700を破壊し、何れか一方の流路にのみ球が流下する状態を作り出した場合に、スルーゲート67へ球を通過させ、普通図柄が当たりに当選した場合に第2入球口640へ球が入球させる遊技を規制することができるようになり、不正な遊技が行われることを抑制することができる。
次に、図2027を参照して、球が第2流路702を流下する場合の説明をする。第2流路702は、上述した第1流路701と比べて球が流下する期間が短くなるように構成されている。具体的には、第2流路702に流入した球が流出口704cから流出されるまでに要する時間が約1.5秒となるように構成されている。このように構成することで、1分間に100個の球を右側領域に向けて発射した場合に、第1流路701に流入した球と、その球の次に発射され、第2流路702に流入した球とがほぼ同時(約0.1秒差)に遊技盤13の右下領域(第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650が配設される領域)を流下することとなる。よって、各可変入賞装置が開放される遊技状態(大当たり状態または小当たり状態)において、一度に複数の球を入賞させ易くすることができる。また、第2流路702の一部(第5流路704b)を、第1流路701の裏側(図2027の視点で奥側)に設け、正面視(図2027の視点で正面視)で複数の流路が重複するように構成している。このように、遊技盤13の奥行き方向を利用して複数の球流路を形成することで、球流路を形成するスペース(遊技盤13を球流路が占有する領域)を小さくすることができる。さらに、第2流路702の球出口(流出口704c)は、第1流路701の流出口(第2入球口640の下流側)よりも下方に位置し、且つ、遊技盤13の右下領域において第1流路701から流出した球よりも下流側に球が流出するように構成されている。これにより、流出口704cから勢いよく流出した球(第1流路701を流下した球よりも高速で流出した球)が、第1流路701から流出した球に直接衝突してしまい不規則な球流れが発生してしまう事態を抑制することができる。なお、本実施形態では、振分部材700によって右打ち遊技によって発射された球を交互に2つの流路に振り分ける構成を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、2つの流路に対して交互(1:1)ではなく、異なる割合で球を振り分けるように構成してもよいし、3つ以上の流路に対して球を振り分ける構成にしてもよい。また、本実施形態では、通過した球の自重によって次に通過する球の振り分け先が変化する振分部材700を用いているが、例えば、予め定められた規則に沿って電気的に駆動する振分部材を用いてもよい。
次に、図2028を参照して、本実施形態で用いられる貯留装置750と非電動役物710の動作の流れについて説明をする。図2028(a)は、貯留装置750と非電動役物710とが何れも閉状態(閉鎖状態)であることを示す模式図であり、図2028(b)は、貯留装置750と非電動役物710とが何れも開状態(開放状態)であることを示す模式図である。図2028(a)に示すように、非電動役物710が閉状態(閉鎖状態)の場合は、右第1入球口64bに球を入球させることが不可能(困難)な状態であるため、遊技状態が通常状態の場合に遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技を行い、右第1入球口64bに球を入球させられることを抑制することができる。この非電動役物710は、球が特定箇所を通過した場合に当接する作用部を有しており、その作用部が当接した球の自重によって作動し、その作動に基づいて開放されるように構成されている。具体的には、特定一般入球口630に入球した球が上述した作用部に当接し、その作用に連動して作用連結部710aが動作し、非電動役物710が開放される。これにより、右第1入球口64bに球が入球可能な状態となる。さらに、右第1入球口64bには、入球した球が当接可能な第2作用部が設けられており、この第2作用部に球が当接することにより、当接した球の自重によって第2作用部が作動して非電動役物710が閉鎖される。このように、非電動役物710は、電気的駆動源を用いること無く、球の自重によって作用する部材の作動に基づいて可変状態が切り替わるように構成されている。なお、非電動役物710の構成は上記した構成以外でもよく、球の自重に基づいて作動する構成として周知の構成を用いてもよい。
非電動役物710を作動させる(開放させる)ための契機となる特定一般入球口630への球の入球は、上述したように特定一般入球口630の上方に設けられた貯留装置750によって規制されており、貯留装置750が解除状態となった場合に球が特定一般入球口630に入球可能となる。そして、この貯留装置750は上述したように所定の解除条件(例えば、大当たり遊技の開始)が成立した場合に、所定の閉鎖条件(例えば、10秒経過)が成立するまでの間、解除状態となるように可変制御される。つまり、図2028(b)に示すように、大当たり遊技が開始され、第1可変入賞装置65が開放した場合に、貯留装置750が解除されるように構成している。そして、貯留装置750が解除状態となり、特定一般入球口630に球が入球したことに基づいて非電動役物710が開放される。なお、本第1実施形態では、左打ち遊技、右打ち遊技の何れの遊技によって発射された球も、貯留装置750を通過可能な位置に貯留装置750が配設されているため、右打ち遊技が行われる大当たり遊技中に、第1可変入賞装置65に入賞しなかった球(第1可変入賞装置が一時的に閉鎖状態となるラウンド間インターバル中に第1可変入賞装置65上を通過した球)を特定一般入球口630に入球させることができる。よって、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65への入球に基づく賞球の払い出しと、特定一般入球口630への入球に基づく賞球の払い出しとを両方獲得することを可能とすることができる。さらに、第1可変入賞装置65に入賞できなかった球が特定一般入球口630に入球可能となるように構成しているため、従来では無駄球となっていた大当たり遊技中に第1可変入賞装置65へ入賞しなかった球に遊技者に有利となる付加価値を付与することができる。
本第34制御例では、大当たり遊技が開始されてから(1回目の第1可変入賞装置65の開放動作が実行されてから)10秒間の間、貯留装置750を解除させるように貯留弁750aを可変動作されるように構成している。よって、大当たり遊技における1ラウンド目の終了条件(例えば、球を10個入賞させる)を10秒以内に成立させることで、1ラウンド目終了から2ラウンド目が開始されるまでのインターバル(ラウンド間インターバル)期間と、貯留装置750が解除されている期間とを合致させることができる。これにより、ラウンド間インターバル期間中に第1可変入賞装置65上を通過した球を特定一般入球口630に入球させることが可能となるため、大当たり遊技における1ラウンド目を早く(10秒以内に)終了させようと意欲的に遊技を行わせることができる。なお、大当たり遊技中に実行される貯留装置750の解除タイミングとして、上述した解除タイミング(大当たり遊技が開始されてから(1回目の第1可変入賞装置65の開放動作が実行されてから)10秒間)以外の解除タイミングを設定してもよく、所定間隔(例えば、10秒間隔)で所定期間(例えば、3秒間)貯留装置750を解除させるように設定してもよい。このように構成することで、大当たり遊技の各ラウンドの終了タイミング(ラウンド間インターバルが設定されるタイミング)と、貯留装置750が解除されるタイミングとが全て一致した場合には大当たり遊技中に多くの球を特定一般入球口630に入球させることができる。また、上述した構成を用いた場合は、大当たり遊技における各ラウンドの終了条件を成立されるタイミングを調整することにより(例えば、ラウンド終了条件である10個目の球を第1可変入賞装置に入賞させるタイミングを操作ハンドル51の操作によって調整することにより)、大当たり遊技中に特定一般入球口630に入球させる球の数を可変させることが可能となるため、遊技者に対して、大当たり遊技中の各ラウンド終了タイミングを所定タイミング(貯留装置750が解除状態となるタイミング)に合わせるという新たな遊技性を提供することができ、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。なお、第3図柄表示装置81に貯留装置750の解除タイミングを報知するための表示態様や、ラウンド間インターバルが実行されるタイミングを遊技者が予測可能な表示態様を表示できるように構成するとよい。これにより、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示される内容を把握しながら大当たり遊技中の遊技を実行することができる。
上述した第34制御例では、大当たり遊技が実行されることを契機に、非電動役物710が開状態(開放状態)となるため、大当たり遊技中に右打ち遊技を行うことで、右第1入球口64bに確実に球を入球させることができる。これにより、大当たり遊技終了後に移行する時短状態(通常状態の大当たりから移行する時短(初回時短))において、第1特別図柄の変動を確実に実行させることができる。さらに、本実施形態では、右第1入球口64bに球が1個入球したことを契機に、非電動役物710が閉状態(閉鎖状態)へと移行するように作動するため、大当たり遊技中に過剰に球が右第1入球口64bに入球することを抑制することができる。
次に、図2029を参照して、第2可変入賞装置650における裏カバー体650eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路650e1と特別排出流路650e2とに振り分けられる構成について説明する。図2029(a)は、第2可変入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1へと振り分けられる状態を示した模式図であり、図2029(b)は、第2可変入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2へと振り分けられる状態を示した模式図である。図2029(b)に示したように、切替部材650hが作動されていると、第2可変入賞装置650の検出口650a1を通過した遊技球は、特別排出流路650e2へと振り分けられる。本実施形態では、特別排出流路650e2に滞留部材650nが設けられる。この滞留部材650nにより、切替部材650hにより遊技球が特別排出流路650e2側に振り分けられる先の領域である振分先領域650h3に、遊技球を1球だけ滞留させることができる。これにより、振分先領域650h3に遊技球が1球滞留している場合は、第2可変入賞装置650の検出口650a1を通過した遊技球は、特別排出流路650e2へと振り分けられずに、通常排出流路650e1へと流下することとなる。滞留部材650nは遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成されている。この滞留部材650nは、滞留ソレノイド209b(図2045参照)の作動により、遊技盤13の前後方向に動作する。この滞留部材650nは、前方へと進出動作(閉鎖動作)することで、振分先領域650h3に遊技球を1球滞留させることができる。一方、後方へと退避動作(開放動作)することで、振分先領域650h3に滞留する遊技球が特別排出流路650e2へと流下する。
ここで、第2可変入賞装置650は、小当たり遊技中において開閉扉650f1が開放されることで、遊技球が入球可能となるものである。また、滞留部材650nは、小当たり遊技中(第2可変入賞装置650への入球が可能な場合)に閉鎖動作となり、開閉扉650f1が閉鎖してから(第2可変入賞装置650へ新たな入球が不可能となってから)から所定時間経過後に開放動作するものである。即ち、本制御例では、第2可変入賞装置650へ入球した遊技球は、切替部材650hが動作していたとしても、特別排出流路650e2へ流下する遊技球は1球に制限される。これにより、特別排出流路650e2へ流下する遊技球が過剰となることを抑制することができる。特別排出流路650e2へと流下した遊技球は、V入賞スイッチ650e3を通過することとなる。本第1実施形態ではV入賞スイッチ650e3への遊技球の通過に基づいて、大当たり遊技が付与されるように構成している。なお、本第1実施形態では、特別排出流路650e2へと流下する遊技球を1球に制限するように構成したが、これに限られず、振分先領域650h3に遊技球が2球以上滞留可能としたり、滞留部材が小当たり遊技中において所定回数(例えば、2回)動作させるようにしたりすることで、制限する遊技球の個数を適宜変更してもよい。
図2029(a)を参照して、通常排出流路650e1に遊技球が誘導される場合について説明する。図2029(a)は、流路ソレノイド209c(図2031参照)が非作動であり、特別排出流路650e2の入り口の開口面を切替部材650hの誘導片650h2が塞いでいる状態を示す図である。本第34制御例では、流路ソレノイド209cが非作動である場合においても、特別排出流路650e2に設けられた滞留部材650nが動作するように構成している。これにより、流路ソレノイド9209cの作動の有無に応じて処理を切り替える必要がないため、設計コストの低減やプログラム容量の削減を図ることができる。流路ソレノイド650kが非作動である場合は、第2可変入賞装置650の検出口650a1を通過した遊技球は全て通常排出流路650e1へと流下する。一方、特別排出流路650e2へと流下する遊技球はないため、本第1実施形態において新たに設けた滞留部材650nによる影響はない。
次に、図2032を参照して本第34制御例における遊技の流れを説明する。図2032は本第34制御例における遊技の流れを模式的に示した模式図である。本第34制御例では、大きく分けて遊技状態が通常状態の場合に、左第1入球口64aを狙い第1特別図柄(特1)の抽選を実行する左打ち遊技と、遊技状態が時短状態の場合に、第2入球口640を狙い第2特別図柄(特2)の抽選を実行させる、或いは、遊技状態が当たり(大当たり、小当たり)状態の場合に、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650を狙う右打ち遊技が行われるように構成されており、左打ち遊技中に実行される第1特別図柄の抽選で当たり(大当たり又は小当たり)に当選し、その当たり遊技終了後に通常状態よりも遊技者に有利となる時短状態が付与され、右打ち遊技へと移行する。この時短状態(時短遊技状態)は、所定条件が成立した場合(遊技状態が通常状態に移行し、且つ、第2特別図柄の保留球数が0となった場合)に終了し、通常状態である左打ち遊技へと移行する。つまり、本パチンコ機10では、左打ち遊技(通常状態)中は、遊技者に有利となる右打ち遊技(時短遊技状態)へと移行することを目指して遊技を行い、右打ち遊技が行われる時短遊技状態中は、時短遊技状態を継続させることを目指して遊技が行われる。このように、異なる遊技性を有する遊技機において、その異なる遊技性を遊技者が球を発射させる位置を異ならせる遊技(右打ち遊技、左打ち遊技)に対応させることで、遊技者に対してわかりやすい遊技を提供することができる。
図2032に示すように、左打ち遊技が行われる通常遊技状態では、左第1入球口64aを狙った遊技が実行される。左第1入球口64aへの球の入球に基づいて第1特別図柄の抽選を行い、その抽選結果が大当たりである場合には、必ず大当たり種別が大当たりAとなる(大当たり当選時の100%)。そして、その大当たりの終了後に第2入球口640への入賞が容易となる時短遊技状態(時短状態)が付与される。時短遊技状態(時短状態)に移行すると、遊技盤13の右側領域に配設されている第2入球口640を狙うべく球を遊技盤13の右側へ発射する右打ちを行う右打ち遊技が行われる。なお、本第34制御例では、第1特別図柄の大当たり種別を1種類としたが、これに限るものではなく、複数の大当たり種別を設ける構成としても良く、例えば、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態が付与されない大当たり種別を設ける構成としても良い。又、本第34制御例では、第1特別図柄抽選の結果を大当たりと外れのみで構成したが、これに限るものではなく、小当たりを設けても良い。また、第1特別図柄の抽選結果が小当たりである場合に、その小当たり種別によって大当たり(V入賞)となるルートを設ける構成としても良い。
次に、本パチンコ機10において、遊技者に有利となる右打ち遊技中の流れについて説明をする。本パチンコ機10では図2025~図2028を参照して説明をしたように、遊技盤13の右側領域に右第1入球口64bが配設されており、右打ち遊技が実行される大当たり遊技中に少なくとも1球は右第1入球口64bに球が入球するように構成されている。つまり、通常遊技状態(通常状態)において、大当たり遊技終了後に時短状態が付与される大当たりに当選した場合、その大当たり遊技終了後には、第1特別図柄(特図1)の保留記憶を少なくとも1つ有し、第2特別図柄(特図2)の保留記憶が無い状態で時短状態が開始される。図2032に示すように、本パチンコ機10では、第1特別図柄(特図1)の保留記憶と第2特別図柄(特図2)の保留記憶とが両方存在する場合には第2特別図柄(特図2)の保留記憶に基づく抽選(変動)が優先して実行されるように構成されている(所謂、特2優先変動)が、第2特別図柄(特図2)の保留記憶が無い状態では、第1特別図柄(特図1)の保留記憶に基づいた抽選(変動)が実行される。ここで、時短遊技状態では、時短種別によって第1特別図柄の変動時間が決定されるように構成しており、時短種別が「時短A」である場合には第1特別図柄の変動時間が60秒となり、「時短B」または「時短C」である場合には第1特別図柄の変動時間が120秒となる。なお、第2特別図柄の変動時間については、図2052(c)を参照して後述するが、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、短変動(0.5秒)または長変動(120秒)の何れかが決定される。
第1特別図柄の大当たりに当選した場合には、100%時短種別「時短A」の時短状態が付与されるため、時短状態が開始されてから60秒の間は、第1特別図柄(特図1)の変動が実行されている状態となる。また、時短状態中に何れかの特別図柄(特図1、特図2)の変動(抽選)が1回実行された場合に、その時短状態の終了条件が成立するように構成されている(時短回数1回)。この、時短状態に第1特別図柄(特図1)が変動している期間中は、第2特別図柄(特図2)の保留記憶を獲得するための遊技が実行される。ここで、第2特別図柄(特図2)の保留記憶を獲得することができれば、時短終了後に第1特別図柄の変動が停止し、通常状態に移行した後に、第2特別図柄の保留記憶に基づく抽選が実行される。詳細は後述するが、本パチンコ機10では第2特別図柄の抽選が、1/200の確率で大当たりに当選し、199/200の確率で小当たりに当選するように設定されており、さらに、第2特別図柄の抽選によって当選した小当たりは、特定領域(V入賞スイッチ630e3)に球を通過可能(通過させやすい)な小当たり遊技が実行され、V入賞した場合に実行される大当たりは全て、その大当たり遊技終了後に時短状態が付与される大当たりが設定されている。よって、時短遊技状態において、第2特別図柄の保留記憶を有している限り、時短遊技状態が継続される。一方、時短状態に第1特別図柄が変動している期間中に、第2特別図柄の保留記憶を獲得することができず、第2特別図柄の保留記憶が無い状態で時短状態が終了した場合は、そのまま通常遊技状態へと移行し、右打ち遊技が終了することになる。
また、時短状態中に、第2特別図柄の保留記憶を複数(例えば、2個)獲得した場合は、再度時短状態に突入した場合に、第2特別図柄の変動が開始されることになる。本第34制御例では、時短状態における第2特別図柄の変動時間(特2変動時間)は、図2052(c)に示すように、短変動(0.5秒)と長変動(120秒)の2種類があり、第2特別図柄抽選の結果が小当たりである場合の190/199で短変動が設定され、9/199で長変動が設定される。このように、第2特別図柄抽選において小当たり当選した場合のほとんどで短変動が設定される構成であり、時短状態における普通図柄の変動時間(24秒から40秒)よりも短くなるため、第2特別図柄の抽選(変動)が実行されている時短状態中に、新たに第2特別図柄の保留記憶を獲得し難い状態となる。これにより、遊技者に過度な賞球を提供してしまう事態を抑制することができる。一方、第2特別図柄の長変動が設定された場合には、新たに第2特別図柄の保留記憶を獲得することが可能となるため、第2特別図柄の変動時間として長変動が設定されることを遊技者に期待させることで遊技の興趣を向上させることができる。なお、本第34制御例では、普通図柄(普図)の当たり当選確率が100/300、即ち、1/3となるように構成しており、「時短A」が設定されている場合には、普図変動時間が30秒となる。上述したように、時短Aの時短状態においては第1特別図柄の変動時間が60秒となるため、時短状態が終了するまでの期間に最大2回普図抽選を実行することができる。この場合、時短状態中に第2特別図柄の保留球を獲得できる確率は約56%となる。また、「時短B」が設定されている場合には、普図変動時間が24秒となり、第1特別図柄の変動時間が120秒となるため、時短状態中に第2特別図柄の保留球を獲得できる確率は約88%となる。また、「時短C」が設定さえている場合には、普図変動時間が40秒となり、第1特別図柄の変動時間が120秒となるため、時短状態中に第2特別図柄の保留球を獲得できる確率は約70%となる。
次に、図2033を参照して、本第34制御例における遊技状態と電動役物640aの開放状態の関係について説明する。図2033は、遊技状態と電動役物640aの開放状態の関係を示すタイミングチャートである。図2033に示すように、(a)は設定されている遊技状態を示し、(b)は第1特別図柄(特図1)の変動状況を示し、(c)は第2特別図柄(特図2)の変動状況を示し、(d)は普通図柄(普図)の変動状況を示し、(e)は電動役物640aの可動状況を示している。上述したように、第2入球口640に遊技球を入球させるためには、普通図柄の当たりに当選し、電動役物640aを開放位置に可変させる(開放状態)必要がある。詳細は後述するが、本第34制御例では、通常状態が設定されている場合、普通図柄の当たりに当選した場合には、普通図柄の変動停止から3秒経過した後に0.2秒間電動役物640aが開放状態となる。したがって、通常状態が設定されている場合には普通図柄の当たりに当選しても電動役物640aが高速開閉されるため、第2入球口640に遊技球を入球させることができない。一方、時短状態が設定されている場合、普通図柄の当たり変動停止から3秒経過した後に4秒間電動役物640aが開放状態となる。したがって、時短状態が設定されている場合には、普通図柄の当たりに当選した場合に第2入球口640へと遊技球を入球させることができる。なお、通常状態が設定されている場合の普通図柄の変動時間は普通図柄の抽選結果にかかわらず2秒が設定される。また、時短状態が設定されている場合には、時短種別によって普通図柄の変動時間が異なるが、例えば、「時短A」が設定されている場合、30秒の変動時間が設定される。つまり、「時短A」が設定されている場合、第1特別図柄の変動時間は60秒であり、普通図柄の変動時間は30秒であるため、時短Aの時短状態が終了するまでの間に最大2回の普通図柄抽選が実行可能である。ここで、図2033に示すように、大当たり遊技が実行されている期間にも普通図柄抽選は並行して実行されており、大当たり遊技中は通常状態における普通図柄の変動時間(2秒)が設定される。そして、大当たり遊技終了間際に普通図柄の当たりに当選した場合、大当たり遊技中から第1特別図柄の変動に跨がって普通図柄の当たり遊技(電動役物640aの開放位置への可変)が実行される事象が起こり得る。この場合、普通図柄の当たり遊技が終了した後に新たな普通図柄抽選が実行されるため、時短状態において第1特別図柄の変動が開始されてから1回目の普通図柄の変動が開始されるまでにタイムラグが生じ、第1特別図柄の変動中に2回目の普通図柄変動が終了しないこととなる。このため、本第34制御例では、電動役物640aの動作パターンを、普通図柄の変動開始時点における遊技状態に基づいて決定する構成としている。つまり、時短状態において開始された普通図柄の当たり変動が、時短状態終了後も継続し、大当たり遊技中を含む通常状態において停止した場合であっても、電動役物640aの動作パターンは時短状態に対応する動作パターン(4秒間開放状態となる動作パターン)が設定される。これにより、大当たり遊技中にも第2入球口640へ遊技球が入球可能となり、大当たり遊技開始前に大当たり当選する保留球を獲得していない状態であっても、大当たり遊技中に獲得できるかもしれないと遊技者に期待感を抱かせ、遊技意欲を向上させることが可能となる。
<第34制御例における演出内容について>
次に、図2034~図2044を参照して、本第34制御例のパチンコ機10の第3図柄表示装置81において実行される特徴的な演出内容について説明する。まず、図2034~図2039を参照して、時短状態が設定されている場合の演出について説明する。図2034(a)は、時短Aの時短状態(時短A状態)が設定され、第1特別図柄と普通図柄が変動中である場合の第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した図である。時短状態が設定されているので、図2034(a)の正面視左上に形成される案内表示領域Dm1には、右打ち遊技を案内するための表示態様である「右打ち」の文字が表示される。また、第1表示領域Dmの左側には、主保留図柄として第2特別図柄の保留記憶数を表示するための主保留図柄表示領域Dm2が形成される。なお、図2034(a)に示す状態においては、第2特別図柄の保留記憶数が「0」である。また、表示画面の正面視右上には第1表示領域Dn1~第6表示領域Dn6の6つの表示領域が形成され、第1表示領域Dn1には第1特別図柄に対応した第3図柄が、第2表示領域Dn2には第2特別図柄に対応した第3図柄が、第3表示領域には普通図柄に対応した第3図柄が、それぞれ従図柄として表示され、図2034(a)に示す状況では、第1表示領域Dn1および第3表示領域Dn3では対応する図柄が変動中であることを示すために第3図柄(従図柄)が変動表示され、第2表示領域Dn2では対応する図柄が変動していないことを示すための第3図柄(従図柄)が停止表示されている。なお、第1表示領域Dn1~第3表示領域Dn3に表示される従図柄の表示態様については、対応する図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)が変動中であるか否に対応した表示態様であればよい。また、停止している図柄に対応した表示態様としては、変動していないこと(停止していること)を把握できればよく、図2034(a)の第2表示領域Dn2に示したように「-」を停止表示させる表示態様でもよいし、前回の変動表示の停止表示態様をそのまま停止表示させる表示態様でもよい。そして、第4表示領域Dn4では、第1特別図柄の保留記憶数(保留球数)が3個であることを示すための表示態様として数字の「3」が表示され、第5表示領域Dn5では、第2特別図柄の保留記憶数(保留球数)が0個(保留記憶を獲得していない状態)であることを示すための表示態様として数字の「0」が表示され、第6表示領域Dn6では、普通図柄の保留記憶数(保留球数)が4個であることを示すための表示態様として数字の「4」が表示されている。この第4表示領域Dn4~第6表示領域Dn6に表示される各図柄の保留記憶数(保留球数)を示すための表示態様としては、本実施形態のように、各図柄の保留記憶数を具体的に示す値を数字で示す表示態様を用いてもよいし、各図柄の保留記憶の有無のみを示す表示態様(例えば、保留記憶がある場合は「○」、保留記憶がない場合は「-」)を用いてもよい。この場合は、保留記憶があることを示す「○」の表示態様の色を変更させることで、保留記憶数を示唆するようにしてもよい。また、保留記憶数を抽象的に示唆する表示態様を用いてもよい。
さらに、主表示領域Dmの下方に形成される副表示領域Dsには、時短状態の残期間を示すための時間表示として「60秒」が第2副表示領域Ds2に表示され、第2副表示領域Ds2の左側の第1副表示領域Ds1にて、設定されている演出モードを示すための案内表示として「チャージチャレンジ」が表示される。なお、本実施形態では第2副表示領域Ds2に表示される残期間として、時短状態中の特図1の変動期間(60秒)の残期間を算出し、その算出した値を表示しているため、時短状態が終了するまでの正確な期間を第3図柄表示装置81にて表示することができ、その期間が経過するまでの間、遊技者に安心して遊技を行わせることが可能となるが、第2副表示領域Ds2に表示する残期間表示として異なる値を表示するようにしてもよく、例えば、時短状態中の特図1の変動期間(60秒)の残期間を上限とした値をランダムに設定し、その値が減算されるように表示してもよい。この場合、表示された値が0になるまでに、特図1の変動残期間を示す値とランダムに設定された値との差分を加算表示したり、表示される値を「???」の表示に変更させたりするとよい。このように構成することで、時短状態がいつまで続くのかを遊技者に把握させ難くすることができ、常にドキドキしながら遊技を行わせることができる。
また、主表示領域Dmの中央部には、第1小表示領域HR1が形成され、チャージチャレンジモードにおける遊技内容を示すための案内表示である「時間内に宝箱発見でV獲得のチャンス」という文字が表示される。ここで、チャージチャレンジモードでは、第1特別図柄の変動中に普通図柄の当たりに当選した場合に宝箱802(図2034(b)参照)が表示される構成としている。つまり、宝箱802が表示されることで普通図柄の当たりに当選したことを遊技者に分かり易く報知することができる。また、本第34制御例では、チャージチャレンジモードにおける背景画像により普通図柄の抽選結果を普図変動停止前に事前に示唆する構成としている。具体的には、チャージチャレンジモードの背景画像として、「夜背景」、「朝背景」、「夕方背景」の3種類の背景画像から1の背景画像を設定可能に構成しており、普図変動開始時に普通図柄の抽選結果に基づいて背景画像を決定する。なお、詳細については図2055(b)を参照して後述するが、「夜背景」は普通図柄抽選の結果が当たり当選である場合にのみ決定され、「夕方背景」は普通図柄抽選結果が外れである場合よりも当たりである場合の方が決定され易く、「朝背景」は仏図柄抽選の結果が当たりである場合よりも外れである場合の方が決定され易くなるように構成している。このように構成することで、チャージチャレンジモード中の背景画像から遊技者は普通図柄の抽選結果を予測することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、チャージチャレンジモード中は、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるキャラクタの種類によって設定されている時短種別を示唆する構成としている。上述したように、本第34制御例では、時短種別によって普通図柄の変動時間が異なる構成としており、設定されている時短種別によって時短状態が終了するまで(即ち、第1特別図柄の変動表示が1回終了するまで)に第2特別図柄の保留球を獲得できる確率が異なる。例えば、時短Bが設定されている場合には、第1特別図柄の変動時間が120秒であり、普通図柄の変動時間が24秒となるため、第1特別図柄の変動終了までに最大5回の普通図柄抽選を実行可能である。なお、時短Bが設定されている場合における第1特別図柄の変動終了までに第2特別図柄の保留球を獲得できる確率は約88%である。また、時短Cが設定されている場合には、第1特別図柄の変動時間が120秒であり、普通図柄の変動時間が40秒となるため、第1特別図柄の変動終了までに最大3回の普通図柄抽選を実行可能である。なお、時短Cが設定されている場合における第1特別図柄の変動終了までに第2特別図柄の保留球を獲得できる確率は約70%である。このように、設定されている時短種別によって時短状態が終了するまでに第2特別図柄の保留球を獲得できる確率が異なるため、時短状態においても比較的遊技者に有利な時短状態と、比較的遊技者に不利な時短状態とを創出することが可能となる。なお、詳細は図2055(a)を参照して後述するが、「時短A」が設定される場合には100%の割合でキャラクタとして「カメ」が決定され、「時短B」が設定される場合には「うさぎ」よりも「勇者」が決定され易く、「時短C」が設定される場合には「勇者」よりも「うさぎ」が決定され易く構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるキャラクタの種類から、設定されている時短種別を推測する楽しみを遊技者に提供することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
図2034(b)は、時短A状態において第1特別図柄の変動表示中に当たり普通図柄の変動表示が停止した場合の演出内容について説明する。図2034(b)は、、時短A状態において第1特別図柄の変動表示中に当たり普通図柄の変動表示が停止した場合の演出の一例を示した図である。第3表示領域Dn3には、普通図柄の当たりを示す表示態様である「〇〇」が停止表示され、主表示領域Dmの中央部では、カメ801が宝箱802を発見する様子が表示され、第1小表示領域HR1には「宝箱発見」の文字が表示される。なお、上述したように、普通図柄の当たりに当選したことに対応して第3図柄表示装置81の表示画面に宝箱802が表示される構成であるため、第1小表示領域HR1の「宝箱発見」の文字と、宝箱802の表示は普通図柄の当たりに当選したことを報知するための報知態様である。なお、本第34制御例では、宝箱802の表示によって普通図柄の当たり当選であることを報知する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、第3図柄の組み合わせによって報知する構成としても良い。また、普通図柄の当たりに当選したことに基づいて、電動役物640aが開放状態となり、第2入球口640へと遊技球が入球可能になるため、第3図柄表示装置81の表示画面の正面視右下には、第2入球口640に向けた遊技球の発射を促す案内態様が表示される。このように構成することで、遊技球の発射を一時的に止めている遊技者が電動役物640aの開放状態に気付かずに遊技球を発射せず、第2入球口640に遊技球を入球させる前に電動役物640aが閉鎖状態となってしまう不具合を抑制することができる。なお、第2入球口640に向けた遊技球の発射を促す案内態様はこれに限るものではなく、例えば、音声出力装置226から出力される音声によって案内しても良いし、第2入球口640の周囲にLED等の発光手段を配置し、その発光手段を発光・点滅させることにより第2入球口640に遊技者を注目させ、入球可能な状態であることを案内する構成としても良い。このように構成することで、第3図柄表示装置81に注目していない遊技者に対しても、第2入球口640へと遊技球が入球可能であることを知らせ易くすることができる。
次に、図2035(a)を参照して、時短A状態において第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の保留球を獲得した場合の演出内容について説明する。図2035(a)は、時短A状態において第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の保留球を獲得した場合の演出の一例を示した図である。図2034(b)に示した状況から、遊技者が第2入球口640に向けて遊技球を発射させ、第2入球口640に遊技球が入球したことに対応して、第3図柄表示装置81の表示画面の中央部に表示された宝箱802が開き、中からVアイコン803が出現する演出が表示される。このVアイコン803は保留球内に大当たり、または小当たり当選する保留球が存在することを報知するための報知態様であり、本第34制御例では、第2特別図柄抽選が実行された場合には必ず大当たり、または小当たりに当選することから、第2特別図柄の保留球を獲得した場合には、このVアイコン803が表示される。そして、主保留図柄表示領域Dm2にて、第2特別図柄の保留記憶数が「1」となったことを示す表示態様(図中では黒丸)が表示される。この状態では第5表示領域Dn5では第2特別図柄の保留記憶数が1個であることを示す表示態様として数字の「1」が表示される。また、第1小表示領域HR1には、第2特別図柄の保留球を獲得したことを報知する態様である「Vチャージ」の文字が表示される。
次に、図2035(b)を参照して、第2特別図柄の保留球が存在する状態で時短A状態において第1特別図柄の変動が仮停止した場合の演出内容について説明する。図2035(b)は、第2特別図柄の保留球が存在する状態で時短A状態において第1特別図柄の変動が仮停止した場合の演出の一例を示した図である。時短状態において第1特別図柄の変動時間が残り3秒になると第2特別図柄の保留球の有無によって異なる演出が実行される。具体的には、第2特別図柄の保留球が存在する場合には図2035(b)に示すように、第1特別図柄の変動終了後に第2特別図柄の変動表示が開始されることを示唆する表示態様である「まもなくチャージ放出タイム」と言う文字が第1小表示領域HR1に表示される。このチャージ放出タイムとは、本第34制御例における第2特別図柄の変動表示のことを示す。なお、上述したように、本第34制御例では、第2特別図柄の抽選結果は、大当たり当選、または小当たり当選の何れかであるため、第2特別図柄の変動終了後には大当たり遊技、または小当たり遊技の何れかが実行されることとなる。このため、第2特別図柄の変動表示が実行されることを示唆する態様が表示されることで、チャージチャレンジモード(時短状態)が終了しても引き続き大当たり遊技(または小当たり遊技)が控えていることを遊技者に分かり易くし、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。なお、第1特別図柄の変動時間が残り3秒となった時点で第2特別図柄の保留球を獲得していない場合には、今回の右打ち遊技期間(通常状態で大当たり当選し、第2特別図柄の保留球を獲得せずに通常状態へと戻るまでの期間)で当選した大当たり回数、獲得した賞球数を表示するリザルト画面が表示される。
次に、図2036(a)を参照して、第2特別図柄の保留球が存在する状態で第1特別図柄の変動時間が経過し、時短A状態が終了する場合の演出内容について説明する。図2036(a)は、第2特別図柄の保留球が存在する状態で第1特別図柄の変動時間が経過し、時短A状態が終了する場合の演出の一例を示した図である。第1特別図柄の変動時間が経過したことに対応して、第1表示領域Dn1には第1特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄が停止表示され、主表示領域Dmには、第1特別図柄の抽選結果を示すための特図1主図柄Dmaが停止表示される。なお、「564」という組み合わせは、特別図柄の抽選結果が外れであることを示す表示態様の1つであり、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には同一の数字が3つ揃った組み合わせで停止表示される。そして、第2特別図柄の変動表示が開始されることを報知する態様である「チャージ放出タイム突入」と言う文字が第1小表示領域HR1に表示される。その後、第2特別図柄の変動表示が開始されると、図2036(b)に示すように、特図1主図柄Dmaが特図2主図柄Dmbに切り替わり、変動表示を開始する。なお、特図1主図柄Dmaと特図2主図柄Dmbは、見た目上の相違点はなく、遊技者目線では切り替わったことが分からないように構成している。また、第1小表示領域HR1及び第1副表示領域Ds1には、第2特別図柄の変動表示期間中であることを示唆する態様である「チャージ放出タイム」と言う文字が表示される。また、第2特別図柄の変動表示が開始されたことに対応して、主保留図柄表示領域Dm2に表示されていた特図2保留球が1個消化されるため、図2036(b)に示す状況では、第2特別図柄の保留球数が0個であることを示す態様となる。また、第1表示領域Dn1では、前回の第1特別図柄の抽選結果を示す態様が停止表示されたままとなり、第2表示領域Dn2では第2特別図柄が変動表示中であることを示す態様で表示される。また、第5表示領域Dn5では、第2特別図柄の変動表示が開始されたことに対応して保留球数が1減算され、「1」から「0」に可変する。そして、第2特別図柄の変動時間が経過すると、図2037(a)に示すように、第2表示領域Dn2では第2特別図柄の抽選結果を示す態様である「555」という第3図柄の組み合わせが停止表示され、主表示領域Dmには特図2主図柄Dmbが第2特別図柄の抽選結果を示す態様で停止表示される。なお、「555」という第3図柄の組み合わせは、第2特別図柄が小当たり当選したことを示す第3図柄の組み合わせの1つであるため、副表示領域Dsには小当たり遊技が実行されることを案内する態様である「Vを狙え」という文字が表示され、主表示領域Dmの正面視右下には小当たり遊技中に開放される第2可変入賞装置650の箇所を遊技者に案内するための案内表示が表示される。そして、小当たり遊技中に遊技球が第2可変入賞装置650に入球し、特定領域(V入賞スイッチ650e3)を球が通過すると大当たり遊技が開始される。
次に、図2037(b)を参照して、大当たり遊技中に当たり普通図柄が停止表示された場合の演出内容について説明する。図2037(b)は、大当たり遊技中に当たり普通図柄が停止表示された場合の演出の一例を示した図である。本第34制御例では、特別図柄の変動表示が1回実行されたことに基づいて時短状態が終了する構成であるため、大当たり遊技が実行されている期間は通常状態となるが、上述したように、時短状態中に開始された普通図柄が大当たり遊技中に停止表示された場合には、電動役物640aの動作パターンとして時短状態における動作パターン(電動役物640aのロング開放パターン)が設定される。このため、大当たり遊技中に当たり普通図柄が停止表示され、電動役物640aのロング開放が設定された場合には、図2037(b)に示す「V追加チャンス演出」が実行される。この「V追加チャンス演出」では、大当たり遊技中に宝箱802が表示され、主表示領域Dmにおいて第2入球口640へ向けた遊技球の発射を促す案内態様が表示される。なお、第1小表示領域HR1には、「V追加チャンス演出」が実行されることを報知する態様である「V追加チャンス」の文字が表示される。なお、大当たり遊技中は、第3主表示領域Dm3が形成され、実行中の大当たり遊技のラウンド数が表示される。図2037(b)に示す状況では、大当たり遊技の2ラウンド目が実行中であることを示している。また、副表示領域Dsには、大当たり遊技中であることを示すための態様が表示される。この「V追加チャンス演出」の実行中に遊技球が第2入球口640に入球すると(即ち、第2特別図柄の保留球を獲得すると)、図2038(a)に示す「Vチャージ演出」が実行される。この「Vチャージ演出」では、宝箱802からVアイコン803が出現する演出が実行され、第2特別図柄の保留球を獲得したことを遊技者に報知する。また、第2特別図柄の保留球を獲得したことに対応して、主保留図柄表示領域Dm2が第2特別図柄の保留球を1個獲得した状態であることを示す態様に可変し、第5表示領域Dn5では第2特別図柄の保留球数が1加算され、「0個」から「1個」になったことを示す態様に可変する。なお、本第34制御例では、第2特別図柄の保留球を獲得した場合に、Vアイコン803を表示する構成としたが、これに限るものではなく、第2特別図柄の保留球を獲得したことが遊技者に分かる態様であれば良い。また、本第34制御例では、第2特別図柄の保留球を獲得した場合にのみVアイコンを表示する構成としたが、これに限るものではなく、第1特別図柄の保留球内に大当たり当選する保留球がある場合にもVアイコン803を表示する構成としても良い。なお、このように構成する場合、時短状態が終了するまでの間に実行される第1特別図柄抽選の先読み結果に基づいてVアイコン803を表示するか否かを決定しても良く、本第34制御例の場合、時短回数1回である(1回の特別図柄の変動終了で時短状態が終了する)ため、第1特別図柄の第1保留エリアにある保留球の先読み結果が大当たり当選である場合にVアイコン803を表示すると良い。また、第1特別図柄の保留球内に大当たり当選する保留球が存在し、その保留球に基づく第1特別図柄の変動表示が実行される前に時短状態が終了する場合(例えば、大当たり当選する保留球が第3保留エリアに存在し、第1保留エリアの保留球に基づく第1特別図柄の変動表示により時短状態が終了する場合)には、大当たり当選する保留球に基づく第1特別図柄の変動表示が実行されるまでの間、内部的には時短状態が終了した後も第3図柄表示装置81の表示画面上は時短状態が継続しているように見せる構成としても良い。このように構成することで、Vアイコン803が表示されたにも関わらず時短状態が終了し、遊技者に不信感を与える不具合が生じることを抑制することができる。
次に、図2038(b)を参照して、通常リザルト画面について説明する。図2038(b)は、時短C状態における通常リザルト画面の一例を示した図である。図2038(b)に示す状況は、第2特別図柄の保留球が存在せず、外れ普通図柄が変動表示中に第1特別図柄の変動表示が終了した状況である。図2038(b)に示すように、主保留図柄表示領域Dm2には第2特別図柄の保留球が0個であることを示す態様が表示され、第1表示領域Dn1には第1特別図柄が外れであることを示す態様である「123」の組み合わせで第3図柄が停止表示される。また、第3表示領域では、普通図柄が変動表示中であることを示す態様が表示される。図2038(b)では、時短C状態において第1特別図柄の変動表示が終了したことにより時短終了条件が成立し、且つ、第2特別図柄の保留球が存在しないことから時短状態が終了することを報知する「チャージチャレンジ終了」と言う文字が第1小表示領域HR1に表示され、主表示領域Dmの中央部では、うさぎのキャラクタ804が手を振る演出が実行される。また、今回の右打ち遊技期間中の累計大当たり回数と、累計獲得賞球数が表示される。このように構成することで、時短状態が終了することを遊技者に分かり易く報知することができる。一方、時短C状態において第2特別図柄の保留球が存在せず、当たり普通図柄が変動表示中に第1特別図柄の変動表示が終了した場合には、図2039(a)に示す復活リザルト画面が表示される。この復活リザルト画面では、通常リザルト画面と異なり、うさぎのキャラクタ804が「チャージチャンス準備中」と書かれたプラカード804aを持った演出が実行される。このプラカード804aは、現在変動表示中の普通図柄の抽選結果が当たり当選であり、電動役物640aがロング開放されることを示唆する態様である。上述したように、本第34制御例では、普通図柄の変動表示が開始された時点において設定されている遊技状態に基づき電動役物640aの動作パターンが決定される構成である。つまり、図2039(a)に示す状況では、普通図柄の変動表示が時短状態中に開始されているため、時短状態が終了した後の通常状態において普通図柄が停止表示され、その普通図柄の抽選結果が当たり当選である場合には時短状態における動作パターン(ロング開放パターン)で電動役物640aが可動する。このように復活リザルト画面を表示することにより、時短状態が終了した後に第2入球口640へと遊技球が入球可能な状態となる前に遊技者が遊技を止めてしまう不具合を抑制することができる。また、第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の保留球を獲得できなかった場合であっても、復活リザルト画面が表示されることを遊技者に期待させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
図2039(b)を参照して、チャージスタンバイモードについて説明する。図2039(b)は、チャージスタンバイモードの表示画面の一例を示した図である。チャージスタンバイモードは、時短状態中に当たり普通図柄の変動表示が開始され、その普通図柄の変動停止前に時短状態が終了し、通常状態が設定された場合に移行する演出モードである。図2039(b)に示す状況は、当たり普通図柄の変動表示中に時短状態終了後1回転目の第1特別図柄の変動表示が実行されている状況である。この場合、内部的には通常状態が設定されているが、当たり普通図柄が停止表示されることで第2特別図柄の保留球を獲得し得るため、第3図柄表示装置81の表示画面上は右打ち遊技が継続しているかのように見せることで、遊技者に対して遊技球の発射方向を短時間で変更することによりストレスを与えてしまう不具合を抑制することができる。また、第1小表示領域HR1にはまもなく第2入球口640に遊技球が入球可能になる(即ち、電動役物640aがロング開放される)ことを示唆する態様である「宝箱まであと少し」と言う文字が表示され、主表示領域Dmの中央部には走るうさぎのキャラクタ804が表示される。そして、当たり普通図柄の変動時間が経過し、電動役物640aがロング開放されると主表示領域Dmの中央部には宝箱802が表示され、第2入球口640に向けた遊技球の発射を促す案内態様が表示される。このように構成することで、遊技者は主表示領域Dmを注視しているだけで遊技球を発射するタイミングを把握できるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。なお、普通図柄の残り変動時間に対応して第1小表示領域HR1に表示される文字を可変させても良い。例えば、普通図柄の変動時間が残り10秒の場合には「宝箱まであと少し」と表示し、普通図柄の変動時間が残り3秒となったら「まもなく宝箱に到着」と文字を可変させても良い。このように構成することで、遊技者が第1小表示領域HR1の態様から普通図柄の残り変動時間を予測し易くなり、更に余裕を持って遊技球の発射に備えることができる。
次に、図2040~図2044を参照して、本第34制御例における枠ボタン22の操作を要する演出(ボタン連打演出)について説明する。まず図2040及び図2042を参照して、ボタン連打演出における自動押下対象演出について説明する。自動押下対象演出は、操作有効期間に遊技者により演出ボタン22の長押し操作が実行される場合に、内部的に連打操作が実行されている場合と同様の処理が実行される演出である。一方、自動押下非対象演出は、操作有効期間に遊技者により演出ボタン22の長押し操作が実行される場合に、内部的に単発操作が実行された場合と同様の処理が実行される演出である。なお、本第34制御例では、特別図柄のリーチ前に実行される演出(リーチ前演出)として実行されるボタン連打演出は自動押下対象演出とし、特別図柄のリーチ後に実行される演出(リーチ中演出)として実行されるボタン連打演出は自動押下非対象演出としている。ここで、本第34制御例では、リーチ前演出としてボタン演出が実行される場合は、ボタン演出が成功することでリーチ演出に発展することが事前に報知されるものとし、リーチ中演出としてボタン演出が実行される場合は、ボタン演出が成功することで特別図柄の変動時間が経過するよりも前に大当たり当選であることが報知される構成としている。つまり、リーチ前演出としてのボタン連打演出は賑やかしとしての意味合いが強いため、ボタン連打操作を面倒に感じる遊技者はボタン連打演出に積極的に参加しない可能性がある。そこで、リーチ前演出としてのボタン連打演出を自動押下対象演出とすることで、遊技者がボタン連打操作をしなくとも、演出ボタン22を長押しするだけで内部的に連打操作と同様の処理が実行されるため、連打操作を面倒に感じる遊技者もボタン連打演出に参加させ易くなる。一方、リーチ中演出としてのボタン連打演出では、ボタン連打演出が成功することでいち早く特別図柄の当否判定結果を知ることができるので、ボタン連打操作を面倒に感じる遊技者も特別図柄の当否判定結果をいち早く知りたい場合にはボタン連打操作をせざるを得ず、リーチ前演出に比べてリーチ中演出としてのボタン連打演出は遊技者にボタン連打操作を行わせ易いため、自動押下非対象演出としている。このように構成することで、リーチ前演出としてのボタン連打演出よりもリーチ中演出としてのボタン連打演出に遊技者を集中させやすくなり、メリハリのある遊技を提供することができる。
図2040に戻り、説明を続ける。図2040(a)は、自動押下対象演出の準備画面中に遊技者がボタン押下を開始した場合の表示画面の一例を示した図である。本第34制御例では、ボタン連打演出が実行される前に、ボタン連打演出が実行されることを事前に報知するボタン連打演出の準備画面が表示される。具体的には、図2040(a)に示すように、主表示領域Dmの中央部に演出ボタン22を模したボタン態様Pb1と、そのボタン態様Pb1の上部に「READY」の文字が表示される。また、第1小表示領域HR1には、ボタン連打演出の演出内容を説明するための説明態様である「ボタン連打でゲージを貯めろ!」の文字が表示される。更に、主表示領域Dmの正面視左側は、インジケータGg1が表示される。これにより、まもなくボタン連打演出が実行されることを遊技者に容易に認識させることができる。なお、このボタン連打演出の準備画面が表示されている期間はボタン操作有効期間ではないため、演出ボタン22を押下してもその操作は有効と判別されず、インジケータGg1の態様は可変しない。なお、自動押下対象演出であるボタン連打演出の準備画面が表示されている期間に演出ボタン22の押下を開始し、押下したままの状態でボタン連打演出が開始された場合には、図2040(b)に示すように、長押し操作をするだけで連打操作をしなくても内部的には連打操作と同様の処理が実行され、インジケータGg1の態様が可変する。ここで、図2042を参照して、ボタン演出(自動押下対象演出)とボタン操作の関係について説明する。図2042は、ボタン演出(自動押下対象演出)とボタン操作の関係を模式的に示したタイミングチャートである。図2042に示す「演出内容」は、第3図柄表示装置81に表示される演出内容を示しており、「ゲージの状況」は、第3図柄表示装置81に表示されるインジケータGg1のゲージのレベルを示しており、「操作有効期間」は演出ボタン22の操作が有効と判別されるか否かを示しており、「ボタンセンサ」は、演出ボタン22のボタンセンサのオン・オフの状況を示している。なお、「ボタンセンサ」の「F」はボタンセンサが「OFF」であることを示しており、「N」はボタンセンサが「ON」であることを示している。図2042に示す通り、「演出内容」としてボタン準備画面(ボタン連打演出の準備画面)が表示されている期間は、演出ボタン22の操作が無効である。このため、ボタン準備画面中にボタンセンサがONであると判別されても、ゲージの状況は「0」のまま可変しない。その後、ボタン連打演出が開始されると、ボタンセンサの状況に基づきインジケータGg1のゲージのレベルを可変させる。なお、図2042に示す例では、ボタン連打演出が実行される前からボタンセンサがONとなっており、ボタン連打演出の実行期間中もOFFになることなくONのままとなっている。つまり、図2042に示す例は、遊技者がボタン連打演出の開始前から演出ボタン22の長押し操作を開始し、ボタン連打演出の実行期間中も長押し操作をしたままである状況を示している。図2042に示す例では、自動押下対象演出であるボタン連打演出が実行されているため、このように遊技者が長押し操作を行っている場合にも、内部的には連打操作が実行されている場合と同様の処理が実行される。なお、自動押下非対象演出であるボタン演出が実行されている場合には、ボタン連打演出開始前に長押し操作を開始し、そのままボタン連打演出が開始されても、演出ボタン22の操作は有効と判別されず、インジケータGg1のゲージのレベルは可変しない。また、ボタン連打演出開始後に長押し操作を開始した場合には、内部的には1回の演出ボタン22の操作が実行された場合と同様の処理が実行される。
次に、図2041及び図2043を参照して、自動押下非対象演出について説明する。図2041(a)は、自動押下非対象演出の準備画面中に演出ボタン22の押下を開始した場合の表示画面の一例を示した図である。図2041(a)に示す例では、特別図柄のスーパーリーチ中の演出としてボタン連打演出が実行されており、図2041(a)に示すように、主表示領域Dmの中央部に演出ボタン22を模したボタン態様Pb1と、そのボタン態様Pb1の上部に「READY」の文字が表示される。また、第1小表示領域HR1には、ボタン連打演出の演出内容を説明するための説明態様である「ボタン連打でゲージを貯めろ!」の文字が表示される。更に、主表示領域Dmの正面視左側は、インジケータGg1が表示される。これにより、まもなくボタン連打演出が実行されることを遊技者に容易に認識させることができる。なお、図2041(a)において実行されているボタン連打演出は、自動押下非対象演出であるため、ボタン連打演出の準備画面が表示されている期間に演出ボタン22の長押し操作を開始した場合には、ボタン連打演出(自動押下非対象演出)が実行された場合に、図2041(b)に示すように、その操作が有効と判別されず、インジケータGg1のゲージのレベルが可変しない。ここで、図2043を参照して、ボタン演出(自動押下非対象演出)とボタン操作の関係について説明する。上述した図2042に示す例と同様に、ボタン連打演出の準備画面が表示されている期間に演出ボタン22の長押し操作を開始し、そのままの状態でボタン連打演出が開始されている。なお、図2043に示すように、上述した図2042に示す例とは異なり、ボタン連打演出が開始された時点で演出ボタン22のボタンセンサがONであると判別されているにもかかわらず、インジケータGg1のゲージのレベルは可変せず、ボタン連打演出が開始された後に一度演出ボタン22のボタンセンサをオフとした後に、再度演出ボタン22のボタンセンサをONにすることで、その操作が有効と判別され、インジケータGg1のゲージのレベルが可変する。このように、自動押下非対象演出では、演出ボタン22のボタンセンサがOFFからONに遷移することでその操作が有効と判別される。
次に、図2044を参照して、本第34制御例の音声ランプ制御装置113のRAMに設けられているセンサ状況記憶エリア223yjの概要について説明する。図2044は、このセンサ状況記憶エリア223yjを模式的に示した図である。図2044に示すように、センサ状況記憶エリア223yjには、過去600000s間(10分間)の枠ボタン(演出ボタン)22のボタンセンサの状況を示す情報(センサ情報)が0.5s毎に記憶されており、本第34制御例ではこのセンサ情報を基に演出ボタン22の操作が有効であるか否かを判別する。具体的な処理については後述するが、電源投入から0.5s毎に演出ボタン22のボタンセンサの状況を読み取り、オンである場合にはオンを示すセンサ情報(本第34制御例では、「N」)を、オフである場合にはオフを示すセンサ情報(本第34制御例では、「F」)をセンサ状況記憶エリア223yjの最も新しいセンサ情報を格納する領域(図2044に示す例では、「-0.5s」に対応する領域)に格納する。そして、新たなセンサ情報が格納されると、既に格納されていたセンサ情報はそれぞれ1つずつ古いセンサ情報を格納する領域へとシフトする。例えば、-0.5sに対応する領域に格納されていたセンサ情報は、-1sに対応する領域にシフトする。そして、-600000sに対応する領域に格納されていたセンサ情報は、新たなセンサ情報が格納された場合に消去される。なお、本第34制御例では、過去10分間のセンサ情報を記憶する構成としたが、これに限るものではなく、10分よりも短い期間のセンサ情報を記憶する構成としても良いし、10分よりも長い期間のセンサ情報を記憶する構成としても良い。また、本第34制御例では、0.5s毎にセンサ情報を記憶する構成としたが、これに限るものではなく、0.5sよりも短い間隔でセンサ情報を記憶する構成としても良いし、0.5よりも長い間隔でセンサ情報を記憶する構成としても良い。
なお、図示していないが、本第34制御例におけるセンサ状況記憶エリア223yjには、演出ボタン22のボタンセンサのセンサ情報を格納する領域の他に、選択ボタン600のボタンセンサのセンサ情報を格納する領域を有しており、選択ボタン600a~eの各ボタンセンサのセンサ情報を記憶可能である。
<第34制御例における電気的構成について>
次に、図2045を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図2045は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本第34制御例におけるパチンコ機10は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成の一部と、を異ならせている。さらに、主制御装置110の入出力ポート205に接続される各種スイッチ208に含まれる構成やソレノイド209に含まれる構成の内容を変更している点で相違している。上述した第1制御例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図2046参照)が設けられている。
ここで、図2046を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たり(および小当たり)の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別(大当たり図柄)の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止種別の選択に使用する停止種別カウンタC3と、小当たり種別(小当たり図柄)の選択に使用する小当たり種別カウンタC5と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図2056参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図2072参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1入球口64(左第1入球口64a、右第1入球口64b(以下、両方を示す場合には第1入球口64と称す))に対する入賞について各カウンタ値が格納される特別図柄1保留球格納エリア203ajと第2入球口640に対する入賞について各カウンタ値が格納される特別図柄2保留球格納エリア203bjとが設けられている。本実施形態では、第1入球口64、第2入球口640には、保留球が最大4個までそれぞれ設けられており、合計最大8個の保留球が記憶可能に構成されている。そのため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に、球が第1入球口64に入賞すると、各カウンタ値が特別図柄1保留球格納エリア203ajに格納され、第2入球口640に球が入賞すると、各カウンタ値が特別図柄2保留球格納エリア203bjに格納される。その後、特別図柄1保留球格納エリア203ajに格納された各カウンタ値が特別図柄1保留球格納エリア203aj内に設けられた実行エリアに移動されて、第1特別図柄を変動表示(動的表示)するための各種設定や制御処理が実行される。同様にして、特別図柄2保留球格納エリア203bjに格納された各カウンタ値が特別図柄2保留球格納エリア203bj内に設けられた実行エリアに移動されて、第2特別図柄を変動表示するための各種設定や制御処理が実行される。なお、本第34制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄の何れも保留個数(保留記憶数)の上限を4個に設定しているが、各図柄に対応する保留個数の上限数はこれに限られることなく、異なる値を設定してもよいし、一方の特別図柄のみ保留可能な構成にしてもよい。一方、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の特別図柄の抽選が不可能な期間に、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞した場合には、入賞した入球口(始動口)に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、入賞した入球口に対応する特別図柄1保留球格納エリア203ajまたは特別図柄2保留球格納エリア203bjに記憶される。また、入賞した入球口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、5個の賞球)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。なお、本第34制御例では、保留球数の上限値は、第1入球口64と第2入球口640とに対してそれぞれ4個としたが、これに限られず、4個より少なく(例えば3個)してもよいし、4個より多く(例えば、8個)してもよい。また、上限値を設けない構成としてもよい。
図2046を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~199)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~199の値を取り得るカウンタの場合は199)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~199の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~199の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図2056参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図2072参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203ajまたは特別図柄2保留球格納エリア203bjに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202ajに規定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202ajに規定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
ここで、第1当たり乱数テーブル202ajについて説明する。第1当たり乱数テーブル202ajは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、第1当たり乱数テーブル202ajは、第1特別図柄の抽選に用いられる特別図柄1乱数テーブル202aj1と、第2特別図柄の抽選に用いられる特別図柄2乱数テーブル202aj2とが設けられており、第1特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であるか判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。なお、本第34制御例では、第1特別図柄に小当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値を設けていないが、これに限るものではなく、第1特別図柄にも小当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値を設けても良い。一方、第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であるか判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「1~199」であるか判別されて、「1~199」であれば、小当たりであると判別される。ここで、特別図柄1保留球格納エリア203ajの実行エリア、または特別図柄2保留球格納エリア203bjの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0~199の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。上述した通り、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は1個あり、その乱数値である「0」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202ajに格納されている。このように乱数値の総数が200ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/200」となる。また、第2特別図柄の小当たりとなる確率は「199/200」となる。したがって、第2特別図柄の抽選が実行された場合には、大当たりまたは小当たりの何れかには必ず当選することとなる。
また、本第34制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、この第1当たり種別カウンタC2の値と第1当たり種別選択テーブル202bj(図2049(a)参照)とに基づいて、大当たり種別が選択されることとなる。具体的には図2049(a)を参照して後述する。停止種別選択カウンタC3は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本第34制御例では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄としてリーチが掛かっている図柄とは異なる図柄が停止する「リーチ外れ」(例えば90~99の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば0~89の範囲)との2つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合は、その値がRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203ajに格納される。また、球が第2入球口640に入球した場合は、その値がRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bjに格納される。なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本第34制御例ではこのテーブルを、通常状態用と、時短状態用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるか、時短状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、設定されている変動パターン選択テーブルより1の変動パターンが決定される。この変動パターンには、変動時間(動的表示期間)が設定されており、変動種別カウンタCS1は、変動時間を決定するカウンタでもある。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図2072参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル202dj(図2051、および図2052参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。変動パターンテーブル202djには、変動パターンを選択するためのデータテーブルが複数規定されている(図2051、および図2052参照)。この変動パターンテーブル202djには、第1特別図柄と、第2特別図柄とにそれぞれ対応した複数の変動パターンテーブルが設定されており、それぞれに対して、遊技状態や当否判定結果別に対応した変動パターンテーブルが設定されている。各変動パターンテーブルの詳細については、図2051、および図2052を参照して後述する。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本第34制御例ではタイマ割込処理(図2056参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普図実行エリアに格納される。そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202cj(図2048(c)参照)に規定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cjに規定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。例えば、この第2当たり乱数テーブル202cjにおいて、普通図柄の当たりとなる乱数値は12個あり、その範囲は「0~99」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が300個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が100個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「100/300(1/3)」となる。また、本第34制御例では、遊技状態として通常状態と、時短状態とを設定可能に構成されており、遊技状態に応じて、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を異ならせており、通常状態よりも時短状態のほうが、第2入球口640へ球が入球し易くなるように構成されている。これにより、遊技状態が通常状態の場合においては、第1入球口64(左第1入球口64a)を狙わせる遊技(左打ち遊技)を行わせ、遊技状態が時短状態の場合においては、第2入球口640を狙わせる遊技(右打ち遊技)を行わせることができる。通常状態において、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が2秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0~99」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが「0.1秒間×2回」だけ開放(ショート開放)される。一方、時短状態において、球がスルーゲート(普通入球口)67を通過すると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が24~40秒間実行され、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0~100」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが「4秒間×1回」だけ開放(ロング開放)される。尚、本第34制御例では、普通図柄の変動時間や、普通電動役物開放時間や開放回数については、遊技性を損なわない範囲で適宜変更してもよい。なお、詳細な説明は後述するが、本第34制御例では、第1当たり乱数カウンタC4の値が取得されるタイミング(普通図柄の抽選が実行されるタイミング)が時短状態である場合にのみ電動役物640aがロング開放するように構成しているが、それ以外の構成にしてもよく、例えば、第1当たり乱数カウンタC4の値が取得されるタイミング(普通図柄の抽選が実行されるタイミング)が通常状態であっても、第2図柄表示装置83における変動表示が終了したタイミング(電動役物640aの動作が設定されたタイミング)が時短状態であった場合には、電動役物640aがロング開放されるように構成してもよい。第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~299)、タイマ割込処理(図2056参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(49参照)の残余時間内で繰り返し更新される。このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図2045に戻り、説明を続ける。RAM203は、図2046に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図2072参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図2071参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図2070参照)が即座に実行される。
次に、図2047~図2053を参照して、本第34制御例における主制御装置110のMPU201の内容について説明する。図2047(a)は、本第34制御例における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、第1当たり乱数テーブル202ajと、第1当たり種別選択テーブル202bjと、第2当たり乱数テーブル202cjと、変動パターンテーブル202djと、小当たり種別選択テーブル202ejと、普図変動パターンテーブル202fjとが少なくとも設けられている。次に、図2048(a)~(c)を参照して、第1当たり乱数テーブル202ajについて説明をする。図2048(a)に示す通り、第1当たり乱数テーブル202ajには、第1特別図柄の抽選に用いられる特別図柄1乱数テーブル202aj1と、第2特別図柄の抽選に用いられる特別図柄2乱数テーブル202aj2とが規定されている。具体的には、特別図柄1乱数テーブル202aj1は、図2048(b)に示す通り、第1入球口64(左第1入球口64a、右第1入球口64b)への入球に基づく、第1特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第1特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。その他、「1~199」の値であると判別された場合は、外れであると判別される。なお、本第34制御例では、第1特別図柄には小当たりがないため、特別図柄1乱数テーブル202aj1には小当たり判定値が規定されていないが、これに限るものではなく、特別図柄1乱数テーブル202aj1に小当たり判定値を規定しても良い。一方、特別図柄2乱数テーブル202aj2は、図2048(c)に示す通り、第2入球口640への入球に基づく、第2特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第2特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「1~199」であるか判別されて、「1~199」であれば小当たりであると判別されるため、外れと判定される判定値がなく、第2特別図柄抽選が実行されると大当たり、または小当たりの何れかに必ず当選する。
第2当たり乱数テーブル202cj(図2048(d)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。図2048(d)に示した通り、遊技機の状態に関わらず、第2当たり乱数カウンタバッファに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が0~99の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが所定時間だけ開放される。ここで、本第34制御例における電動役物640aは、上述した通り、図示しないソレノイド(その他ソレノイド209zの一つ)の作動により、遊技盤13の前後方向に動作する。この電動役物640aは、前方へと進出動作(開放動作)することで、球を第2入球口640へ入球するように誘導する働きをする。一方、後方へと退避動作(閉鎖動作)することで、球を第2入球口640へ誘導しない(入球しない)働きをする。詳細は後述するが、本第34制御例における電動役物640aは、時短状態中の場合は4秒間の開放期間が設定される開放動作(ロング開放)が実行され、時短状態中ではない場合(通常状態中)は0.1秒間の開放期間(第1開放期間)の経過後、0.1秒間の閉鎖期間を経て、再度0.1秒間の開放期間(第2開放期間)が設定される開放動作(ショート開放)が実行される。これにより、時短状態中でない(通常状態中である)にも関わらず、第2入球口640へ球を入球させようとする遊技を抑制することができる。また、本第34制御例における電動役物640aは、第2入球口640に球が1個入球した場合に開放動作の終了条件が成立し、開放動作を終了するように設計されている。これにより、1回の電動役物640aの開放動作によって複数個の球が第2入球口640に入球することを抑制することができる。さらに、本第34制御例では、図2025~図2027を参照して説明をしたように、第2入球口640に入球可能な流路を流下する球を規制する構成を有しているため、複数個の球が一度に第2入球口640に入球する事態を抑制することができるため、1回の電動役物640aの開放動作によって複数個の球が第2入球口640に入球することをより抑制可能することができる。
次に、図2049(a)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bjの詳細について説明する。図2049(a)~(c)は、第1当たり種別選択テーブル202bjの内容を模式的に示した模式図である。第1当たり種別選択テーブル202bjは、第1特別図柄の大当たりに当選した場合、或いは、第1特別図柄の小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞スイッチ650e3(図2028参照))を通過した場合における大当たり種別を選択するための特別図柄1大当たり選択テーブル202bj1と、第2特別図柄の大当たりに当選した場合、或いは、第2特別図柄の小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞スイッチ650e3(図2028参照))を通過した場合における大当たり種別を選択するための特別図柄2大当たり選択テーブル202bj2と、を有している(図2049(a)参照)。図2050(b)に示すように、第1特別図柄の大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値に関わらず(値が「0~99」の場合において)大当たりA(5R時短A大当たり)が選択される。この大当たりAは、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短Aの時短状態が設定される大当たり種別である。一方、図2049(c)に示すように、第2特別図柄の大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値に関わらず(値が「0~99」の場合において)大当たりB(10R時短B大当たり)が選択される。この大当たりBは、大当たり遊技のラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短Bの時短状態が設定される大当たり種別である。また、第2特別図柄の小当たり時には、後述する小当たり種別に対応して大当たり種別が選択される。具体的には、小当たり種別が小当たりAの場合は大当たりB(10R時短B大当たり)が選択され、小当たりBの場合は大当たりC(5R時短B大当たり)が選択され、小当たりCの場合は大当たりD(5R時短C大当たり)が選択される。この大当たりCは、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短Bの時短状態が設定される大当たり種別であり、大当たりDは大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短Cの時短種別が設定される大当たり種別である。なお、本第34制御例では、大当たり遊技終了後に「時短回数1回」の時短状態が付与されるように構成しているが、大当たり遊技終了後に付与される時短回数はこれに限られるものではなく、2回以上の回数を設定してもよいし、選択された大当たり種別に基づいて異なる回数の時短状態が選択されるようにしてもよい。また、選択された大当たり種別と大当たりに当選した(球が特定領域を通過した)時点において設定されている遊技状態に基づいて異なる回数の時短状態が選択されるようにしてもよい。このように構成することで、大当たり遊技の内容(大当たり遊技のラウンド数等)に加え、大当たり遊技終了後に付与される特典内容(時短状態の回数)を異ならせることができ、大当たり遊技中の遊技者に対して、大当たり遊技終了後にどのような特典(時短状態)が付与されるのかを期待させながら意欲的に遊技を行わせることができる。また、本第34制御例では、予め設定された時短回数分、特別図柄の変動が実行されることで、時短状態が終了する時短終了条件を設定しているが、本実施形態とは異なる時短終了条件を設定してもよく、例えば、第1特別図柄の変動回数と、第2特別図柄の変動回数とをそれぞれ計測し、各特別図柄の変動に対して異なる終了条件を設定してもよい。具体的には、時短終了条件として、第1特別図柄の変動回数が4回、或いは、第2特別図柄の変動回数が1回となったことを時短終了条件としたり、第1特別図柄と第2特別図柄との合計変動回数が4回、或いは、第2特別図柄の変動回数が1回となったことを時短終了条件として設定したりしてもよい。それ以外にも、特別図柄の変動が実行される度に、時短状態を終了させるか否かの抽選を実行し、その抽選結果に基づいて時短状態を終了させてもよいし、特別図柄が所定の図柄で停止表示された場合に時短状態を終了させてもよい。このように構成することで、時短状態が終了するタイミングを複雑に設定することが可能となり、時短遊技中の遊技者に対して、時短状態が長く継続するように期待させながら遊技を行わせることができる。なお、この場合、時短が終了しない期間の少なくとも一部を遊技者に報知可能に構成するとよい。これにより、時短が終了しない期間の一部を遊技者に把握させることができ、その期間中は安心して遊技者に遊技を行わせることができるという効果がある。
次に、図2050を参照して、小当たり種別選択テーブル202ejの内容について説明する。図2050(a)及び(b)は、小当たり種別選択テーブル202ejの内容を模式的に示した模式図である。小当たり種別選択テーブル202ejは、第2特別図柄の小当たりに当選した場合の小当たり種別を選択するための特別図柄2小当たり選択テーブル202ej1を有している(図2050(a)参照)。図2050(b)に示すように、第2特別図柄の小当たり当選時には、小当たり種別カウンタC5の値が、「0~49」の場合は小当たりA(V通過可能)が選択され、「50~74」の場合は小当たりB(V通過可能)が選択され、「75~99」の場合は小当たりC(V通過可能)が選択される。本第34制御例では、小当たり種別に応じて、第2可変入賞装置650のV入口ソレノイド209a、流路ソレノイド209cの動作が設定される。具体的には、小当たりA~Cによる小当たり遊技では、第2可変入賞装置650の流路ソレノイド209cが動作しており、特別排出流路650e2へと球が入球可能となっている。なお、本第34制御例では、全ての小当たり種別を小当たり遊技においてV通過可能な小当たり(特定領域(V入賞スイッチ650e3)に球を通過させ、大当たり遊技が付与可能な小当たり)としているが、これに限るものではなく、小当たり遊技中にV通過できない小当たり種別(大当たりが付与されない小当たり)を設けても良い。本第34制御例では、小当たりの種別に応じて、その後付与される大当たりの種別が定められており、小当たりAの後に付与される大当たりは大当たりB(10R時短B大当たり)となり、小当たりBの後に付与される大当たりは大当たりC(5R時短B大当たり)となり、小当たりCの後に付与される大当たりは大当たりD(5R時短C大当たり)となるように構成されている。なお、本第34制御例では、小当たりの種別に応じて、その後付与される大当たりの種別が定められているが、それ以外の仕様として、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合であっても、大当たり選択テーブルによって大当たりの種別を決定(大当たりの権利のみ獲得)しておき、その後の小当たり遊技においてV入賞スイッチ650e3を球が通過することで先ほど権利を獲得した大当たりを実行するようにしてもよい。このようにすることで、V入賞スイッチ650e3を通過させる小当たりを遊技者が選択可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞スイッチ650e3)を通過したことに基づいて、所定の抽選を実行し、その抽選結果に基づいて、大当たり種別を決定するように構成してもよい。これにより、特定領域を球が通過するタイミングによって実行される大当たり遊技の内容を異ならせることができるため、遊技者が小当たり遊技を意欲的に行うことになり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図2051および図2052を参照して変動パターンテーブル202djの内容について説明する。変動パターンテーブル202djは、変動パターンの表示態様(変動時間)を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターンテーブル202djには、特別図柄の種類や抽選結果や遊技状態に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、図2051(a)に示すように、特図1大当たり用変動パターンテーブル202dj1と、特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202dj2と、特図1時短A用変動パターンテーブル202dj3と、特図1時短B・C用変動パターンテーブル202dj4と、特図2通常用変動パターンテーブル202dj5と、特図2時短用変動パターンテーブル202dj6とが少なくとも規定されている。まず、図2051(b)を参照して、特図1大当たり用変動パターンテーブル202djについて説明をする。この特図1大当たり用変動パターンテーブル202dj1は、通常状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)のうち、大当たりに当選した場合における変動パターン(変動時間)を選択するためのテーブルであって、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。具体的に、停止種別として大当たりが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0~50」の範囲にノーマルリーチ(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51~179」の範囲にスーパーリーチ(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180~198」の範囲にスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。次に、図2051(c)を参照して、特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202dj2の内容について説明する。この特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202dj2は、通常状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)のうち、特図1の抽選結果が外れとなった場合における変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。具体的には、停止種別として完全外れが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0~98」の範囲に短外れ(7秒)の変動パターンが対応付けられ、「99~198」の範囲に長外れ(10秒)の変動パターンが対応付けられている。また、第1特別図柄の抽選で外れとなり、停止種別として外れリーチが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0~149」の範囲にノーマルリーチ各種(30秒)が対応付けられ、「150~197」の範囲にスーパーリーチ各種(60秒)が対応付けられ、「198」にスペシャルリーチ各種(90秒)が対応付けられている。以上、説明をしたように、本第34制御例では、第1特別図柄の抽選結果に基づいて、各停止種別に対応して様々な変動パターンが選択されるように構成されており、特に、変動時間が長い(例えば、90秒)変動パターンが第1特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に選ばれやすくなるように設定されている。よって、遊技者は長期間継続して変動表示される場合に、大当たりに当選しているのでは?と期待しながら遊技を行うことになる。よって、設定される変動パターンの期間長によって、遊技結果を予測させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次いで、図2052(a)を参照して、特図1時短A用変動パターンテーブル202dj3の内容について説明する、この特図1時短A用変動パターンテーブル202dj3は、時短Aの時短状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。具体的には、停止種別として外れが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、外れ(60秒)の変動パターンが対応付けられ、停止種別として大当たりが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、大当たり(60秒)の変動パターンが対応付けられている。したがって、時短Aの時短状態が設定されている場合に第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、必ず変動時間が60秒となる。次いで、図2052(b)を参照して、特図1時短B・C用変動パターンテーブル202dj4の内容について説明する、この特図1時短B・C用変動パターンテーブル202dj4は、時短Bまたは時短Cの時短状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。具体的には、停止種別として外れが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、長外れ(120秒)の変動パターンが対応付けられ、停止種別として大当たりが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、長大当たり(120秒)の変動パターンが対応付けられている。したがって、時短B・Cの時短状態が設定されている場合に第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、必ず変動時間が120秒となる。
図2052(c)は、特図2通常用変動パターンテーブル202dj5の内容を示した図である。この特図2通常用変動パターンテーブル202dj5には、通常状態における第2特別図柄(特図2)の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値が規定されている。具体的には、決定された停止種別が大当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、短大当たり(0.5秒)が設定され、決定された停止種別が小当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、短小当たり(0.5秒)が対応付けられる。図2052(d)は、特図2時短用変動パターンテーブル202dj6の内容を示した図である。この特図2時短用変動パターンテーブル202dj6には、時短状態における第2特別図柄(特図2)の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値が規定されている。具体的には、決定された停止種別が大当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、長大当たり(120秒)が設定され、決定された停止種別が小当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値として「0~189」の範囲に短小当たり(0.5秒)が対応付けられ、変動種別カウンタCS1の値として「190~198」の範囲に長小当たり(120秒)が対応付けられる。
次に、図2053を参照して、普図時短用変動パターンテーブル202fjの内容について説明する。図2053は、普図時短用変動パターンテーブル202fjの内容を示した図である。この普図時短用変動パターンテーブル202fjは、時短状態における普通図柄(普図)の変動パターン(変動時間)を決定するためのデータテーブルであり、普通図柄の変動表示が開始される時点において設定されている時短種別によって普図変動パターン(変動時間)が決定される。図2053に示すように、遊技状態が時短Aの時短状態である場合には普図抽選の結果にかかわらず30秒の変動時間が決定され、時短Bの時短状態が設定されている場合には普図抽選の結果にかかわらず24秒の変動時間が決定され、時短Cの時短状態が設定されている場合には普図抽選の結果にかかわらず40秒の変動時間が決定される。なお、本第34制御例では、時短種別毎に普図抽選の結果にかかわらず同一の変動時間が決定される構成としたが、これに限るものではなく、普図抽選の結果によって異なる変動時間を決定可能に構成しても良い。例えば、時短Aの時短状態において普図抽選の結果が当たり当選である場合よりも外れ当選である場合の方が短い変動時間が決定される構成としても良い。或いは、普図変動種別カウンタを設け、普図変動種別カウンタの値によって複数の普図変動パターンの中から1の普図変動パターンを決定する構成としても良い。このように構成することで、同一の時短種別の時短状態であっても、決定される普図変動時間によって時短状態が終了するまでに実行可能な普図抽選回数を異ならせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に図2047(b)を参照して、本第34制御例における主制御装置110のMPU201におけるRAM203の内容について説明する。図2047(b)は、主制御装置110のMPU201におけるRAM203の内容を模式的に示した模式図である。図2047(b)に示した通り、RAM203は、特別図柄1保留球格納エリア203aj、特別図柄2保留球格納エリア203bj、普通図柄保留球格納エリア203cj、特別図柄1保留球数カウンタ203dj、特別図柄2保留球数カウンタ203ej、普通図柄保留球数カウンタ203fj、時短中カウンタ203gj、大当たり開始フラグ203hj、大当たり中フラグ203ij、小当たり開始フラグ203jj、小当たり中フラグ203kj、V通過時大当たり種別格納エリア203mj、Vフラグ203nj、貯留解除フラグ203pj、解除カウンタ203qj、時短中当たりフラグ203rj、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。特別図柄1保留球格納エリア203ajは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び小当たり種別カウンタC5の各値がそれぞれ格納される。より具体的には、球が第1入球口64へ入球(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1~C3、及びC5の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203ajの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203ajにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄2保留球格納エリア203bjは、特別図柄1保留球格納エリア203ajと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリアとを有している。この特別図柄2保留球格納エリア203bには、第2入球口640への始動入賞に基づいて取得される各カウンタ値が記憶される。カウンタ値の格納方法等については、特別図柄1保留球格納エリア203ajと同様であるため、その詳細な説明については省略する。普通図柄保留球格納エリア203cjは、特別図柄1保留球格納エリア203ajや、特別図柄2保留球格納エリア203bjと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。より具体的には、球がスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203ajや、特別図柄2保留球格納エリア203bjと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cjの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203ajや、特別図柄2保留球格納エリア203bjの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
第1入球口64の入球センサ領域を通過した遊技球数を計測するカウンタである特別図柄1保留球数カウンタ203djは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203djは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図2062のS704J参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203djは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図2057のS210J参照)。この特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図2057のS211J参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bj、および特別図柄2保留球数カウンタ223cjによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。第2入球口640の入球センサ領域を通過した遊技球数を計測するカウンタである特別図柄2保留球数カウンタ203ejは、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄2保留球数カウンタ203ejは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図2062のS710J参照)。一方、特別図柄2保留球数カウンタ203ejは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図2057のS205J参照)。この特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値も、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値と同様に、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へと通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203fjは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fjは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図2066のS1104J参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fjは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図2064のS905J参照)。球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fjの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cjに記憶される(図2066のS1105J)。一方、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fjの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203cjには新たに何も記憶されない(図2066のS1103J:No)。
時短中カウンタ203gjは、普通図柄の時短状態(時短状態)において、残りの時短期間(特別図柄の変動回数)をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203gjは、大当たり遊技終了時に、1が設定される(図2073のS1816J参照)。即ち、本第34制御例では、大当たり遊技後に時短状態が付与される場合には、1回の時短状態が付与される。大当たり開始フラグ203hjは、大当たりの開始タイミングであるか否かを判別するために用いるフラグである。この大当たり開始フラグ203hjは、特別図柄変動処理(図2057参照)において抽選結果が大当たりである場合にオンに設定され(図2057のS219J参照)、大当たり制御処理(図2073参照)において大当たりの開始タイミングであるかを判別するために参照され(図2073のS1801J参照)、その大当たり制御処理において大当たり開始タイミングであると判別された場合にオフに設定されるものである(図2073のS1802J参照)。これにより、大当たり開始タイミングに応じた処理を実行することができる。上述した各制御例においても、図示は省略したが、同様にして大当たり開始タイミングを判別している。大当たり中フラグ203ijは、大当たり中であるか否か、即ち、大当たり遊技が実行されているか否かを判別するために用いるフラグである。この大当たり中フラグ203ijは、上述した大当たり開始フラグ203hjと同様に、特別図柄変動処理(図2057参照)において抽選結果が大当たりである場合にオンに設定される(図2057のS219J参照)。そして、大当たり制御処理(図2073参照)において、大当たり中であるか否かを判別するために参照され(図2073のS1805J参照)、その大当たり制御処理において、大当たり終了のタイミングであると判別された場合に、オフに設定される(図2073のS1813J参照)。
小当たり開始フラグ203jjは、小当たりの開始タイミングであるか否かを判別するために用いられるフラグである。この小当たり開始フラグ203jjは、特別図柄変動処理(図2057参照)において抽選結果が小当たりであると判別された場合に実行される小当たり開始設定処理(図2061参照)においてオンに設定される(図2061のS604J参照)。そして、小当たり制御処理(図2074参照)において小当たりの開始タイミングであるか否かを判別するために参照され(図2074のS1901J参照)、その小当たり制御処理において小当たりの開始タイミングであると判別された場合にオフに設定される(図2074のS1902J参照)。小当たり中フラグ203kjは、小当たり中であるか否か、即ち、小当たり遊技が実行されているか否かを判別するために用いるフラグである。この小当たり中フラグ203kjは、上述した小当たり開始フラグ203jjと同様に、小当たり開始設定処理(図2061参照)においてオンに設定される(図2061のS604J参照)。そして、小当たり制御処理(図2074参照)において小当たり中であるか否かを判別するために参照され(図2074のS1906J)、その小当たり制御処理において小当たりの終了タイミングであると判別された場合にオフに設定される(図2074のS1911J)。
V通過時大当たり種別格納エリア203mjは、小当たりに当選した際に、当選した小当たりの小当たり種別に対応する大当たり種別を格納するためのエリアであり、小当たり遊技状態中に球が特定領域を通過したことに基づいて実行される大当たりの種別が格納されている。このV通過時大当たり種別格納エリア203mjは小当たり開始設定処理(図2061参照)において、当選した小当たり種別に対応した大当たり種別が設定され(図2061のS608J参照)、V通過処理(図2069参照)において、設定された大当たり種別が読み出され(図2069のS1401J参照)、対応するVフラグがオンに設定される(図2069のS1402J参照)。Vフラグ203njは、第2可変入賞装置650のV入賞スイッチ650e3を球が通過したことを記憶するためのフラグであり、小当たり遊技終了時にこのVフラグ203njの値に基づいて大当たり種別を設定するものである。このVフラグ203njは、V通過処理(図2069参照)においてV通過時大当たり種別の値に基づいて設定され(図2069のS1402J)、小当たり終了処理において参照され(図2075のS2003J,S2004J)、その後にオフに設定される(図2075のS2006J)。
貯留解除フラグ203pjは、パチンコ機10に設けられた貯留装置750の貯留弁750aを解除(開放)させる期間を示すために用いられるフラグであって、オンに設定される場合に貯留装置750の貯留状態が解除され、オフに設定される場合に貯留装置750が貯留状態となる。この貯留解除フラグ203pjは、大当たり制御処理(図2073参照)において大当たりの開始タイミングであると判別された場合に(図2073のS1801J:YES)、オンに設定され(図2073のS1804J)、貯留装置制御処理(図2077参照)において参照され(図2077のS2202J参照)、解除カウンタ203qjの値が上限値(25000)に到達した場合に(図2077のS2205J参照)、オフに設定される(図2077のS2208J)。つまり、本第34制御例では、大当たり遊技が開始されたタイミングで貯留装置750が解除状態となり(貯留弁750aが開放動作し)、所定期間(10秒間)経過した場合に、貯留状態となる(貯留弁750aが閉鎖動作する)ように構成されている。これにより、大当たりに当選した場合に遊技者に付与される特典を増やすことができる。なお、貯留装置750の状態(貯留状態、解除状態)を可変させる構成として、本第34制御例以外の構成を用いてもよく、例えば、貯留装置750を解除状態へと移行させる大当たりと、貯留装置750を解除状態へと移行させない大当たりとを、選択された大当たり種別によって設定可能にしてもよいし、複数の入賞口(例えば、第1特定入賞口65、第2特定入賞口650)を予め定められた順序で開放動作される大当たり遊技が実行される場合には、特定の入賞口が開放されるタイミングで貯留装置750を解除状態へと移行されるようにしてよい。さらに、貯留装置750を解除状態から貯留状態へと移行される構成(解除状態の終了条件)についても、本第34制御例では解除状態に移行してから10秒経過した場合に解除状態を終了する構成とし、貯留装置750に球が貯留されていなくても、貯留装置750を球が通過可能としているが、貯留装置が解除状態となる期間を短くし(例えば0.5秒)、貯留装置750に貯留されている球のみが貯留装置750を通過可能となるようにしてもよい。これにより、貯留装置750の解除条件(大当たり)が成立するまでに、貯留装置750に球を貯留させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。解除カウンタ203qjは、貯留装置750の貯留弁750aを解除(開放)させる期間を計測するためのカウンタである。この解除カウンタ203qjは、貯留装置用制御処理(図2077参照)において、貯留解除フラグ203pjがオンに設定されたと判別した場合に(図2077のS2202J参照)、「1」に設定され(図2077のS2204J参照)、以降、貯留装置用制御処理が実行される度に、値を1加算する(図2077のS2206J参照)。そして、カウンタの値が「25000」に到達したかが判別され(図2077の2205J参照)、その判別結果に基づいて、貯留弁750aの可変動作が制御され、貯留弁750aが閉鎖状態に可変制御されると、解除カウンタ203Paの値が「0」に設定される(図2077のS2209J参照)。
時短中当たりフラグ203rjは、抽選結果が当たりである普通図柄の抽選(普図抽選)がどの遊技状態で実行されたかを示すためのフラグであり、時短状態中に抽選が実行された場合に、オンに設定される。この時短中当たりフラグ203rjは、普図抽選の当たりに基づいて実行される電動役物640aの開放パターンを設定する際に参照される。その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
図2031に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第1特定入賞口65aを閉鎖または開放するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられたRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図2070参照)が即座に実行される。払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置227(装飾用ランプ227a、透過用ランプ227b、その他ランプ227c等)における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、選択ボタン600などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22または選択ボタン600からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22または選択ボタン600が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について図2054、図2055を参照して説明する。図2054(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。図2054(a)に示した通り、ROM222は、変動パターン選択テーブル222ajと、時短中キャラ設定テーブル222bjと、時短中背景設定テーブル222cjとを少なくとも有している。変動パターン選択テーブル222ajは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数の種類のうち1の変動態様が決定される。
時短中キャラ設定テーブル222bjは、チャージチャレンジモード(時短状態)中に第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるキャラクタの種類を決定するために用いられるデータテーブルである。なお、時短状態中に第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるキャラクタは、設定されている時短種別を示唆するための態様である。ここで、時短中キャラ設定テーブル222bjの内容について図2055(a)を参照して説明する。図2055(a)は、時短中キャラ設定テーブル222bjの内容を模式的に示した模式図である。図2055(a)に示す通り、時短中キャラ設定テーブル222bjには、設定されている時短種別と、演出カウンタ223fjのカウンタ値に対応して各キャラクタが規定されている。具体的には、時短種別が「時短A」である場合、演出カウンタ223fjの値にかかわらず「カメ」のキャラクタが決定される。なお、上述したように、「時短A」は、第1特別図柄の大当たりに当選した場合のみ設定される時短種別であり、第1特別図柄の変動時間として60秒が設定され、普通図柄の変動時間として30秒が設定されるため、「カメ」のキャラクタは、「時短A」~「時短C」の中で時短状態中に実行され得る普通図柄の抽選回数が最も少ない状態であることを示唆する態様である。また、時短種別が「時短B」であり、演出カウンタ223fjの値が「0~69」の範囲内である場合には「勇者」のキャラクタが決定され、演出カウンタ223fjの値が「70~99」の範囲内である場合には「うさぎ」のキャラクタが決定される。また、時短種別が「時短C」であり、演出カウンタ223fjの値が「0~29」の範囲内である場合には「勇者」のキャラクタが決定され、演出カウンタ223fjの値が「30~99」の範囲内である場合には「うさぎ」のキャラクタが決定される。つまり、「時短B」が設定されている場合には、「うさぎ」のキャラクタよりも「勇者」のキャラクタが決定され易く、「時短C」が設定されている場合には、「勇者」のキャラクタよりも「うさぎ」のキャラクタが決定され易く構成している。上述したように、、時短Bと時短Cは第1特別図柄の変動時間として120秒が設定される点で共通しているため、チャージチャレンジモード開始時に表示される残時間態様からはどちらの時短種別の時短状態が設定されているのかを遊技者は判別できないが、「勇者」と「うさぎ」のどちらのキャラクタが表示されるかによって、どの時短種別が設定されているのかを遊技者に推測させる楽しみを提供可能に構成している。なお、本第34制御例では、「時短B」と「時短C」で共通のキャラクタが決定される構成としたが、これに限るものではなく、例えば、「時短B」が設定されている場合にのみ決定されるキャラクタの種類を設けても良い。「時短B」は全ての時短種別の中で最も遊技者に有利な時短種別であるため、時短B専用のキャラクタが表示されることで最も有利な時短種別の時短状態であることを遊技者に分かり易くすることができ、遊技意欲を向上させることができる。
次に、図2054(a)に戻り、説明を続ける。時短中背景設定テーブル222cjは、チャージチャレンジモード(時短状態)中の背景画像を決定するためのデータテーブルである。なお、チャージチャレンジモード中の背景画像は、変動表示される普通図柄の抽選結果を示唆するための態様である。ここで、図2055(b)を参照して、時短中背景設定テーブル222cjの内容について説明する。図2055(b)は、時短中背景設定テーブル222cjの内容を模式的に示した模式図である。図2055(b)に示す通り、時短中背景設定テーブル222cjには、普通図柄の抽選結果(当否)と、演出カウンタ223fjのカウンタ値に対応して各背景画像が規定されている。具体的には、普通図柄の抽選結果が「当たり」であり、演出カウンタ223fjの値が「0~19」の範囲内であれば「夜」背景が、演出カウンタ223fjの値が「20~59」の範囲内であれば「夕方」背景が、演出カウンタ223fjの値が「60~99」の範囲内であれば「朝」背景が決定される。一方、普通図柄の抽選結果が「外れ」であり、演出カウンタ223fjの値が「0~19」の範囲内であれば「夕方」背景が、演出カウンタ223fjの値が「20~99」の範囲内であれば「朝」背景が決定される。つまり、背景画像として「夜」背景が表示された場合には普通図柄の当たり当選確定であり、「夕方」背景が表示された場合には普通図柄の当たり当選の可能性が高いと遊技者は予測することが可能となる。
次に、図2054(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図2054(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、特図用入賞情報格納エリア223ajと、特別図柄1保留球数カウンタ223bjと、特別図柄2保留球数カウンタ223cjと、特図用変動開始フラグ223djと、停止種別選択フラグ223ejと、演出カウンタ223fjと、時短中フラグ223gjと、時短残期間格納エリア223hjと、変動時間カウンタ223ijと、従状態格納エリア223kjと、特2保留フラグ223kjと、普図用入賞情報格納エリア223mjと、普図用変動開始フラグ223njと、従大当たり中フラグ223pjと、従小当たり中フラグ223qjと、従時短中当たりフラグ223rjと、超チャージチャレンジモード中フラグ223sjと、小当たり中V獲得フラグ223tjと、演出モード記憶エリア223ujと、従時短カウンタ223vjと、操作有効期間カウンタ223wjと、ゲージカウンタ223xjと、センサ状況記憶エリア223yjと、センサ状況記憶カウンタ223aajと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
特図用入賞情報格納エリア223ajは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア~第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)の入賞情報がそれぞれ格納される。この特図用入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等を変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別することができる。特別図柄1保留球数カウンタ223bj、および特別図柄2保留球数カウンタ223cjは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。特別図柄1保留球数カウンタ223bjが、第1特別図柄(特別図柄1)の抽選に基づく変動演出の保留球数に対応し、特別図柄2保留球数カウンタ223cjが、第2特別図柄(特別図柄2)の抽選に基づく変動演出の保留球数に対応する。上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dj、および特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bj、特別図柄2保留球数カウンタ223cjにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。具体的には、主制御装置110では、第1入球口64(左第1入球口64a、右第1入球口64b)、第2入球口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203djの値、または特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dj、または特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bj、特別図柄2保留球数カウンタ223cjに格納する(図2083のS3509J参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bj、特別図柄2保留球数カウンタ223cjの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dj、および特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値と同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bj、特別図柄2保留球数カウンタ223cjの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223bj、特別図柄2保留球数カウンタ223cjに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bj、特別図柄2保留球数カウンタ223cjの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bj、特別図柄2保留球数カウンタ223cjの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bj、特別図柄2保留球数カウンタ223cjは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dj、特別図柄2保留球数カウンタ203ejと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dj、特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。なお、本第34制御例では、普通図柄についても上述した特別図柄と同様に変動表示(図柄抽選の権利)を保留可能(上限4個)に構成されており、主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203fjの値が増減した場合に設定されるコマンドを受信した場合に、受信したコマンドの内容に対応させて値を増減させるカウンタとして普通図柄保留球数カウンタ(図示せず)を有しているが、音声ランプ制御装置113内で実行される処理、および、表示制御装置114内で実行される処理については、上述した特別図柄1保留球数カウンタ223bjに対して対象となるコマンドが異なるだけであるため、その詳細な説明を省略する。この普通図柄保留球数カウンタの値は、例えば、第3図柄表示装置81にて普通図柄の保留球数を表示する場合に用いられる。なお、普通図柄保留球数カウンタの値を第3図柄表示装置81にて表示させる場合の詳細な内容については、上述した特別図柄の保留球数を第3図柄表示装置81に表示させる場合と同様であるため、その説明については省略する。
また、本第34制御例では、表示制御装置114において、表示用の各保留球数コマンドを受信した場合に、所定の領域(第4表示領域Dn4~第6表示領域Dn6(図2034(a)参照))に受信したコマンドに対応する保留球数を示すための表示がなされるとともに、受信した表示用演出状態コマンドに基づいて、主保留図柄表示領域に表示させる保留球数コマンドを選択し、主保留図柄として保留球数を示すための表示がなされる。このように構成することで、主制御装置110にて設定される保留球数の増減に同期させた表示を第3図柄表示装置81に表示できるとともに、現在の演出状態において遊技者に報知すべき図柄の保留球数を遊技者にわかりやすく報知することができる。なお、本第34制御例では、表示制御装置114にて、各図柄(特図1、特図2、普図)の保留球数を全て所定の領域(第4表示領域Dn4~第6表示領域Dn6(図2034(a)参照))に表示させ、その一部を主保留図柄としても表示可能に構成しているが、保留図柄の表示方法としては、これに限られること無く、例えば、各図柄(特図1、特図2、普図)に対応する保留球数コマンドを受信した場合に、受信した表示用演出状態コマンドに基づいて、主保留図柄表示領域に表示させる保留図柄(主保留図柄)と、第4表示領域Dn4~第6表示領域Dn6に表示させる保留図柄(従保留図柄)とを判別し、その判別結果に基づいて第3図柄表示装置81に各図柄(特図1、特図2、普図)に対応する保留図柄を表示させるようにしてもよい。
特図用変動開始フラグ223djは、主制御装置110から送信される(特図用)変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図2086のS3704J参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図2090のS4202J参照)。特図用変動開始フラグ223djがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、特図表示用変動パターンコマンドが設定される(図2090のS4205J参照)。ここで設定された特図表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図2078参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この特図表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この特図表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。なお、本第34制御例では、特図表示用変動パターンコマンドとして、第1特別図柄の変動に対応する特図1表示用変動パターンコマンドと、第2特別図柄の変動に対応する特図2表示用変動パターンコマンドとが設定可能に構成されている。表示制御装置114では、受信した特図表示用変動パターンコマンドの種別(特図1表示用変動パターンコマンド、特図2表示用変動パターンコマンド)に対応した変動パターンを第3図柄表示装置81に表示するように構成している。また、本第34制御例では、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、所定の領域(第1表示領域Dn1~第3表示領域Dn3(図2034(a)参照))に受信した表示用変動パターンコマンドに対応する図柄列(変動パターン)を示すための表示がなされるとともに、受信した表示用演出状態コマンドに基づいて、主表示領域Dmに表示させる図柄(主図柄)を各図柄(特図1、特図2、普図)から選択し、選択された図柄を主図柄として表示するように構成している。このように構成することで、主制御装置110にて設定される各図柄の変動パターンに同期させた表示を第3図柄表示装置81に表示できるとともに、現在の演出状態において遊技者に報知すべき図柄の変動を遊技者にわかりやすく報知することができる。なお、本第34制御例では、表示制御装置114にて、各図柄(特図1、特図2、普図)の変動表示(図柄列)を全て所定の領域(第1表示領域Dn1~第3表示領域Dn3(図2034(a)参照))に表示させ、その一部を主図柄として第1表示領域に表示可能に構成しているが、各図柄(特図1、特図2、普図)の表示方法としては、これに限られること無く、例えば、各図柄(特図1、特図2、普図)に対応する表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、受信している表示用演出状態コマンドに基づいて、第1表示領域Dmに表示させる図柄(主図柄)と、従図柄表示領域に表示させる図柄(従図柄)とを判別し、その判別結果に基づいて第3図柄表示装置81に各図柄(特図1、特図2、普図)に対応する変動表示(図柄列)を表示させるようにしてもよい。
停止種別選択フラグ223ejは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図2083のS3506J参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図2090のS4207J参照)。停止種別選択フラグ223ejがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される(図2090のS4209J参照)。
演出カウンタ223fjは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この演出カウンタ223fjは、0から99の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、メイン処理(図2078参照)が実行される毎に、値が1ずつ加算されて更新される。なお、この演出カウンタ223fjは、図示しない複数のカウンタを有しており、1回のループ処理内において複数のカウンタ値を参照して演出のパターンを決定する場合には、各々異なるカウンタの値が用いられる。これにより、1つの演出パターンを設定する際に、同一のカウンタ値が複数箇所で用いられることが無くなるため、設定される演出パターンの偏りを抑制することができる。なお、同一のカウンタから取得した値に対して異なる処理を施した上で算出された各値を用いて演出パターンを設定するように構成してもよい。具体的には、演出パターンのうち、一の選択では取得した値の一の位を参照し、他の選択では取得した値の十の位を参照し、さらに他の選択では取得した値の一の位を3倍にした値と十の位を5倍にした値とを乗じ、得られた値の一の位を参照するようにしてもよい。このように構成することで、演出パターンを設定する際に用いられるカウンタの数を減らしながらも、設定される演出パターンの偏りを抑制することができる。
時短中フラグ223gjは、現在が時短中であることを示すためのフラグである。この時短中フラグ223gjがオンであれば、パチンコ機10の遊技状態が時短状態であることを示し、オフであれば、パチンコ機10の遊技状態が時短状態ではないことを示す。この時短中フラグ223gjは、状態コマンド処理(図2084のS3502J参照)において、大当たり終了後に時短状態に移行すると判別した場合にオンに設定され(図2084のS3616J)、状態コマンド処理(図2084のS3502J参照)において、遊技状態が通常状態に変更され(図2084のS3602J:Yes)、特図2保留がないと判別された場合に(図2084のS3605J:No)、オフに設定される(図2084のS3607J)。
時短残期間格納エリア223hjは、時短状態中に実行される第1特別図柄または第2特別図柄の変動時間を格納するためのエリアである。ここで、本第34制御例におけるパチンコ機10は、時短状態中に特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が1回変動した場合に、時短状態が終了するように構成されている。つまり、時短状態中に設定される特別図柄の変動時間がそのまま時短状態中の残期間となる。
変動時間カウンタ223ijは、時短状態中の特図1変動時間または特図2変動時間を計測するためのカウンタであって、計測されたカウンタの値に基づいて、時短状態の残期間が算出される。この変動時間カウンタ223ijは、特図変動表示設定処理(図2091のS4204J参照)においてカウンタ値が設定され(図2091のS4309J、図2092のS4407J参照)、以降、カウンタ更新処理(図2082のS3311J参照)が実行される毎に、カウンタの値が「1」減算される(図2082のS3402J参照)。そして、変動時間カウンタ223ijの値に基づいて、時短残期間(時短状態の残期間)が算出される(図2082のS3403J)。
従状態格納エリア223jjは、主制御装置110から出力される各種状態コマンドを受信した場合にその状態を一時的に格納するための格納エリアであって、コマンド判定処理(図2083のS3112J参照)において、状態コマンドを受信した場合に(図2083のS3501J:Yes)、受信した状態コマンドに基づいた状態情報が格納される(図2084のS3604J、3614J)。この状態格納エリア223jjに格納された状態情報に基づいて表示用状態コマンドが設定され、第3図柄表示装置81に表示される各種画像(背景画像やデモ画像)が主制御装置110にて設定された各種状態に対応した画像が表示される。
特2変動フラグ223kjは、第2特別図柄(特図2)の変動が開始されたことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、第2特別図柄(特図2)の変動が開始されたことを示すものである。この特2変動フラグ223kjは、変動パターン関連処理(図2085のS3702J参照)において、受信した変動パターンコマンドは特図2用変動パターンコマンドの場合にオンに設定される(図2085のS3703)。そして、特図2変動表示設定処理(図2092のS4311J参照)においてオフに設定される。
普図入賞情報格納エリア223mjは、普通図柄の入賞情報コマンドを受信した場合に、その入賞情報コマンドに含まれる入賞情報が格納されるエリアである。なお詳細な構成については、上述した特図用入賞情報格納エリア223ajと同一であるため、その説明を省略する。普図用変動開始フラグ223njは、普通図柄の変動が実行されたことを示すフラグであって、オンに設定されることで、普通図柄が変動していることを示す。この普図用変動開始フラグ223njは、変動パターン関連処理(図2085のS3504J参照)において、受信した変動パターンコマンドが特図用変動パターンコマンドではない(普図用変動パターンコマンドである)と判別した場合にオンに設定され(図2085のS3504J参照)、普図変動表示設定処理(図2093のS4211J参照)において、オンに設定されていると判別された場合に(図2093のS4502J:Yes)、オフに設定される(図2093のS4503J参照)。
従大当たり中フラグ223pjは、大当たり遊技の実行期間中であることを示すためのフラグであり、当たり関連処理(図2087のS3513J参照)において大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合(図2087のS3901J:Yes)にオンに設定され(図2087のS3902J)、大当たり終了コマンドを受信した場合(図2087のS3906J:Yes)にオフに設定される。本第34制御例では、普通図柄の当たりに当選した場合に、この従大当たり中フラグ223pjの設定状況に応じて実行する演出を決定する構成としている(図2089参照)。
従小当たり中フラグ223qjは、小当たり遊技の実行期間中であることを示すためのフラグであり、当たり関連処理(図2087のS3513J参照)において小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合(図2087のS3909J:Yes)にオンに設定され(図2087のS3911J)、小当たり終了コマンドを受信した場合(図2087のS3912J:Yes)にオフに設定される。本第34制御例では、普通図柄の当たり変動が停止した場合に、この小当たり中フラグ223qjの設定状況に応じて第2入球口640に向けた遊技球の発射を促す案内態様を表示するか否かを決定する構成としている。ここで、本第34制御例では、普通図柄に当選した場合に遊技者に対して第2入球口640に向けた遊技球の発射を促す案内態様を表示するが、小当たり遊技中には第2特定入賞口650に向けた遊技球の発射を促す案内態様が表示される。つまり、小当たり遊技中に普通図柄の当たり変動が停止表示した場合には、第2入球口640に向けた遊技球の発射を促す案内態様と、第2特定入賞口650に向けた遊技球の発射を促す案内態様とが、同時に表示されることとなり、遊技者を混乱させてしまう不具合が生じる虞がある。このため、本第34制御例では、小当たり遊技中に普通図柄の当たり変動が停止表示された場合には第2特定入賞口650に向けた遊技球の発射を促す案内態様を優先して表示する構成とし、第2入球口640に向けた遊技球の発射を促す案内態様は表示しない構成としている。これは、小当たり遊技中に第2特定入賞口650に遊技球を入球させ、特定領域(V領域)を通過させなければ大当たり遊技が実行されず、遊技者に著しい不利益を与えてしまうため優先的に遊技者に案内する必要性の高い情報であるからである。また、第2特定入賞口650に向けて遊技球を発射すれば、第2入球口650よりも上部に配置されている第2入球口640にも遊技球が流下するため、第2入球口640に向けた遊技球の発射を促す案内態様よりも第2特定入賞口650に向けた遊技球の発射を促す案内態様を優先して表示する構成としている。
従時短中当たりフラグ223rjは、時短状態が設定されている期間に普通図柄の当たり変動が開始されたことを示すためのフラグであり、普図変動表示設定処理(図2093のS4211J参照)において、普図変動開始タイミングが時短中であると判別した場合(図2093のS4505J:Yes)であって、普通図柄の抽選結果が当たりである場合(図2093のS4506J:Yes)にオンに設定される(図2093のS4507J)。この従時短中当たりフラグ223rjは、当たり普通図柄が停止表示された場合に参照され、オンに設定されている場合(即ち、時短状態が設定されている期間に普通図柄の変動表示が開始された場合)に、電動役物640aがロング開放されることを報知する演出態様を表示する。
超チャージチャレンジモード中フラグ223sjは、第2特別図柄のロング変動(変動時間が120秒の変動)が実行されている期間であることを示すためのフラグであり、特図2変動表示設定処理(図2092のS4311J参照)において変動パターンコマンドから抽出した変動パターンが短小当たりではないと判別した場合(図2092のS4402J:No)にオンに設定され、受信した特図2停止コマンドを受信した場合にオフに設定される。
小当たり中V獲得フラグ223tjは、小当たり遊技中に第2特別図柄の保留球(特図2保留球)を獲得したことを示すためのフラグであり、入賞情報関連処理(図2086のS3511J参照)において、受信した入賞情報コマンドが特図2保留に対応するものであると判別した場合であって(図2086のS3803J:Yes)、従小当たり中フラグ223qjがオンであると判別した場合(図2086のS3804J:Yes)にオンに設定される。また、当たり関連処理(図2087のS3513J参照)において、小当たり終了コマンドを受信した場合(図2087のS3912J)にオフに設定される。本第34制御例では、小当たり遊技中にも当たり普通図柄の停止表示に基づいて電動役物640aがロング開放されるため、第2特別図柄の保留球を獲得可能である。しかしながら、小当たり遊技中は、限られた時間内で第2特定入賞口650に遊技球を入賞させ、特定領域(V領域)に遊技球を通過させなければ大当たり遊技が実行されないため、第2特定入賞口650へ向けた遊技球の発射を促す案内態様の表示中に第2特別図柄の保留球を獲得したことを報知する演出態様(Vチャージ演出)を同時に表示すると、遊技者が第2特定入賞口650へ向けた遊技球の発射を促す案内態様を見逃してしまい、遊技球の発射タイミングを逸する不具合が生じる虞がある。そこで、本第34制御例では、小当たり遊技中に第2特別図柄の保留球を獲得した場合には、小当たり遊技終了後にVチャージ演出を実行する構成としている。これにより、第2特定入賞口650へ向けた遊技球の発射を促す案内態様と、Vチャージ演出が同時に表示されないため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。演出モード記憶エリア223ujは、設定される演出モードを示すモード情報を記憶するための領域である。
従時短カウンタ223vjは、時短状態が設定されている場合に音声ランプ制御装置113において残時短回数を把握するためのカウンタであり、時短状態が設定されたことを示す状態コマンドを受信した場合に、時短回数に対応するカウンタ値が設定され、時短状態において特別図柄の変動表示が実行されることに対応してカウンタ値が更新される。操作有効期間カウンタ223wjは、枠ボタン(演出ボタン)22の操作が有効と判別される期間を示すためのカウンタであり、ボタン演出が実行される場合にカウンタ値が設定され、枠ボタン入力監視・演出処理(S3107J)が実行される毎にカウンタ値が更新される。ゲージカウンタ223xjは、ボタン連打演出におけるインジケータGg1の態様を可変させるために用いられるカウンタであり、ボタン連打演出において演出ボタン22の操作が有効と判別された場合にカウンタ値が更新され、カウンタ値が更新されると、そのカウンタ値に対応してインジケータGg1のゲージのレベルを可変させる。センサ状況記憶エリア223yjは、演出ボタン22のボタンセンサの状況及び選択ボタン600のボタンセンサの状況を0.5s毎に過去10分間分記憶するための領域である。センサ状況記憶カウンタ223aajは、0.5s毎に演出ボタン22のセンサ情報を記憶するための用いられるカウンタであり、枠ボタン入力監視・演出処理(s3107J)が実行される毎に1ずつカウンタ値が加算され、カウンタ値が特定値(本第34制御例では、500)となった場合にセンサ情報を記憶する。また、カウンタ値が特定数となった場合には、カウンタ値がクリアされる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域であり、例えば、コマンド記憶領域が設けられる。このコマンド記憶領域は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図2085参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
<第34制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図2056から図2077のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。図2056は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタC5をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本第34制御例ではそれぞれ、199,99,99,299,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C5の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。次に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104J)。その後、左第1入球口64a、右第1入球口64b(以下、左第1入球口64a、右第1入球口64bの両方を示す場合には、第1入球口64と称す。)または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105J)。尚、特別図柄変動処理及び始動入賞処理の詳細は、図2057~図2063を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106J)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107J)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図2064~図2067を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、第2可変入賞装置650への入球に伴うV入口通過処理を実行する(S108J)。その後、第2可変入賞装置650のV入賞スイッチ650e3への入賞に伴うV通過処理を実行する(S109J)。尚、V入口通過処理及びV通過処理の詳細は、図2068及び図2069を参照して後述する。次いで、発射制御処理を実行し(S110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S111)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図2057を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104J)について説明する。図2057は、この特別図柄変動処理(S104J)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104J)は、タイマ割込処理(図2056参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201J)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201J:Yes)、そのまま本処理を終了する。特別図柄の大当たり中でなければ(S201J:No)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202J)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中でなければ(S202J:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203J)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204J)。特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値(N2)が0でなければ(S204J:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値(N2)を1減算し(S205J)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S206J)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図2072参照)の外部出力処理(S1701J)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dj、特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bj、特別図柄2保留球数カウンタ223cjにそれぞれ格納する。
S206Jの処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bjに格納されたデータをシフトする(S207J)。S207Jの処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bjの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213J)。なお、特別図柄変動開始処理については、図2058~図2060を参照して後述する。一方、S204Jの処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値(N2)が0であると判別された場合には(S204J:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)の値を取得する(S208J)。特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)が0より大きいか判別する(S209J)。特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)が0であると判別された場合には(S209J:No)、この処理を終了する。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)が0でなければ(S209J:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)を減算し(S210J)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S211J)。S211Jの処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203ajに格納されたデータをシフトする(S212J)。その後、S213Jの処理が実行される。
S202Jの処理において、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であれば(S202J:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214J)。第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214J:No)、本処理を終了する。一方、S214Jの処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214J:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215J)。停止図柄の設定は、図2058~図2060を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213J)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203ajまたは特別図柄2保留球格納エリア203bjの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりとなるか、小当たりとなるか、外れとなるかが決定されると共に、特別図柄の大当たりまたは小当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2または小当たり種別カウンタC5の値に応じて大当たりA~Dのいずれか、または、小当たりA~Cのいずれかが決定される。なお、本第34制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて青色のLEDを点灯させる。また、小当たりである場合には、赤色のLEDを点灯させ、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S215Jの処理が終了した後は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216J)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216J:Yes)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口の開放シナリオを設定し(S217J)、その後、大当たりの開始を設定する(S218J)。次いで、大当たり開始フラグ203hjと大当たり中フラグ203ijとをオンに設定し(S219J)、時短中カウンタ203gjを0に設定して(S220J)、S221Jの処理へ移行する。S221Jの処理では、停止コマンドを設定し(S221J)、本処理を終了する。一方、S216Jの処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S216J:No)、今回の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S222J)。S222Jの処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S222J:Yes)、小当たり開始設定処理を実行する(S223J)。次いで、S221Jの処理を実行し、本処理を終了する。一方、S222Jの処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判別された場合は(S222J:No)、時短中カウンタ203gjの値が1以上であるか判別する(S224J)。時短中カウンタ203gjの値が0であると判別された場合には(S224J:No)、S221Jの処理を実行し、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203gjが1以上であると判別された場合には(S224J:Yes)、時短中カウンタ203gjの値を1減算し(S224J)、S221Jの処理を実行する。その後、本処理を終了する。
次に、図2058を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213J)について説明する。図2058は、特別図柄変動開始処理(S213J)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213J)は、タイマ割込処理(図2056参照)の特別図柄変動処理(図2057参照)の中で実行される処理であり、特別図柄1保留球格納エリア203ajと特別図柄2保留球格納エリア203bjとの共通の実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、「特別図柄の小当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。特別図柄変動開始処理では、まず、時短中であるか否かを判定する(S301J)。時短中ではない場合(S301J:No)、通常変動開始処理(S302J)を実行し、本処理を終了する。一方、時短中である場合(S301J:Yes)、時短変動開始処理(S303J)を実行し、本処理を終了する。
次いで、上述した特別図柄変動開始処理(S213J)の中で実行される、通常変動開始処理(S302J)及び時短変動開始処理(S303J)について説明する。まず、図2059を参照して通常変動開始処理(S302J)について説明する。図2059は、特別図柄変動開始処理(図2058のS213J参照)の中で実行される通常変動開始処理(S302J)を示すフローチャートである。通常変動開始処理では、まず、対応する特別図柄保留球格納エリア(特別図柄1保留球格納エリア203ajまたは特別図柄2保留球格納エリア203bj)における実行エリアのデータを取得する(S401J)。その後、取得した特別図柄の種別に対応した特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、抽選結果を取得する(S402J)。具体的には、第1入球口64への入球に基づく第1特別図柄の抽選であれば、特別図柄1乱数テーブル202aj1(図2048(b)参照)を参照して大当たりの判別を行い、第2入球口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選であれば、特別図柄2乱数テーブル202aj2(図2048(c)参照)を参照して大当たりまたは小当たりの判別を行う。次いで、抽選結果が大当たりであるか否かを判定する(S403J)。抽選結果が大当たりである場合(S403J:Yes)、S401Jの処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、特別図柄と大当たり種別とに対応した通常大当たり時の表示態様を設定する(S404J)。より具体的には、S401Jの処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、特別図柄1大当たり選択テーブル202bj1または特別図柄2大当たり選択テーブル202bj2に格納されている乱数値とを比較し、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA~D)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する(図2049(b)または(c)参照)。このS404Jの処理では、判定された大当たり種別(大当たりA~D)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA~D)が停止種別として設定される。
その後、変動種別カウンタCS1の値に基づいて通常大当たり変動パターンを決定し(S405J)、S406Jの処理へ移行する。S405Jの処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、特図1大当たり用変動パターンテーブル202dj1または特図2通常用変動パターンテーブル202dj5とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図2051(a)または図2052(c))。S406Jの処理では、S405Jの処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S406J)。次いで、S404Jの処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S407J)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図2072参照)のS1701Jの処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S407Jの処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
一方、抽選結果が大当たりではない場合(S403J:No)、抽選結果が小当たり当選であるかを判別する(S408J)。小当たり当選であると判別した場合には(S408J:Yes)、特別図柄と小当たり種別とに対応した通常小当たり時の表示態様を設定し(S409J)、変動種別カウンタCS1の値に基づいて通常小当たり変動パターンを決定する(S410J)。S410Jの処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において小当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。具体的には、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、特図2通常用変動パターンテーブル202dj5とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図2052(b))。次いで、S406及びS407の処理を実行し、特別図柄変動処理へ戻る。S408の処理において、抽選結果が小当たり当選ではないと判別した場合には(S408J:No)、特別図柄に対応した通常外れ時の表示態様を設定する(S411J)。その後、変動種別カウンタCS1の値に基づいて通常外れ時の変動パターンを決定する(S412J)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S405Jの処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、特図1用外れ用変動パターンテーブル202dj2とを比較して、図柄変動の変動時間を決定する(図2052(c)または図2053(b))。次いで、S406及びS407の処理を実行し、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図2060を参照して、時短変動開始処理(S303J)について説明する。図2060は、特別図柄変動開始処理(S213J、図2058参照)の中で実行される時短変動開始処理(S303J)を示すフローチャートである。この時短変動開始処理(S303J)では、上述した通常変動開始処理(S302J)に対し、時短用の表示態様と変動パターンとを設定(決定)する点で相違し、その他の点は同一であるため、その詳細な説明を省略する。S505J、S510J、S512Jの処理において、第1特別図柄の時短用の変動パターンを決定する場合は、上述したように、設定されている時短種別に応じて特図1時短A用変動パターンテーブル202dj3または特図1時短B・C用変動パターンテーブル202dj4に基づいて決定する(図2052(a)または(b)参照)。一方、第2特別図柄の時短用の変動パターンを決定する場合は、特図2時短用変動パターンテーブル202dj6に基づいて決定する(図2052(d)参照)。
次に、図2061を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開始設定処理(S223J)について説明する。図2061は、小当たり開始設定処理(S223J)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理(S223J)は、タイマ割込処理(図2056参照)の特別図柄変動処理(図2057参照)の中で実行される処理であり、小当たり種別(小当たりA~C)に基づいて、小当たり遊技における、V入口ソレノイド209a、滞留ソレノイド209b及び流路ソレノイド209cの動作を設定するための処理である。小当たり開始設定処理(S223J)では、まず、上述した通常変動開始処理のS409Jの処理または時短変動開始処理のS509Jの処理で選択された小当たり種別に対応する開放シナリオを設定する(S601J)。なお、開放シナリオとは、具体的には、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1及び滞留部材650nの開放パターンの設定を示す。つまり、小当たり遊技演出中において、開閉扉650f1及び滞留部材650nが所定期間開放されるようにV入口ソレノイド209a及び滞留ソレノイド209bの動作を設定することを示す。S601Jの処理が終了すると、各小当たり種別に対応したV通過時大当たり種別をV通過時大当たり種別格納エリア203mjに設定する(S602J)。より具体的には、S601Jの処理で取得した小当たり種別と特別図柄2大当たり選択テーブル202bj2に基づいて、V通過時大当たり種別(大当たりB~D)を判定する。上述したように、小当たり種別がAであれば、大当たりB(10ラウンド時短B大当たり)であると判定し、小当たり種別がBであれば、大当たりC(5ラウンド時短B大当たり)であると判定し、小当たり種別がCであれば、大当たりD(5ラウンド時短C大当たり)であると判定する(図2049(c)参照)。次いで、小当たり種別に基づいて、小当たりの開始を設定し(S603J)、小当たり開始フラグ203jjと小当たり中フラグ203kjをオンに設定する(S604J)。その後、本処理を終了する。なお、本第34制御例では、全ての小当たり種別で流路ソレノイド209cの動作シナリオを設定する構成としたが、これに限るものではなく、流路ソレノイド209cの動作シナリオを設定しない小当たり種別を設けても良い。つまり、流路ソレノイド209cがオンとなる小当たり種別のみにおいて、第2可変入賞装置650へ入球した球が特別排出流路650e2へ流下可能となる構成としても良い。このように構成することで、大当たりが付与される小当たり種別と、大当たりが付与されない小当たり種別とを設けることが可能となり、遊技の興趣を教条させることができる。
次に、始動入賞情報処理(S105J)を説明する。まず、図2062のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105J)を説明する。図2062は、この始動入賞処理(S105J)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105J)は、タイマ割込処理(図2056参照)の中で実行され、第1入球口64または第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタを取得し、その値の保留処理を実行するための処理である。始動入賞処理(図2062,S105J)が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S701J)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S701J:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S702J)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703J)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S701J:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)が4未満でなければ(S703J:No)、S707Jの処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S701J:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)が4未満であれば(S703J:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)を1加算する(S704J)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203djの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S705J)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図2072参照)の外部出力処理(S1701J)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203djの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bjに格納する。
S705Jの処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、小当たり種別カウンタC5の各値を、RAM203の特別図柄1保留球格納エリア203ajの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S706J)。尚、S706Jの処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。次いで、S707J~S712Jまでの処理では、S701J~S706Jまでの処理に対して、同様の処理が第2入球口640の入賞に対しても実行される。第2入球口640の入賞に対して、第2特別図柄に対する保留処理が実行される点で異なるのみで、その他の処理については同一であるので、その詳細な説明は省略する。そして、S707Jの処理において球が第2入球口640へ入賞していないと判定された場合(S707J:No)と、S712Jの処理の後、先読み処理を実行する(S713J)。その後、この処理を終了する。
次に、図2063を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(図2062のS105J参照)内の1処理である先読み処理(S713J)について説明する。図2063は、この先読み処理(S713J)を示すフローチャートである。この先読み処理(図2063,S713J)では、まず、第1入球口64または第2入球口640に新たな入賞があるかどうかが判定される(S801J)。判定の結果、第1入球口64または第2入球口640に新たな入賞がない場合(S801J:No)、そのまま本処理を終了する。一方、第1入球口64または第2入球口640に新たな入賞があった場合(S801J:Yes)、次いで、その入賞が第1特別図柄の入賞であるか否かを判別する(S802J)。S802Jの処理において、入賞が第1特別図柄の入賞であると判別された場合は(S802J:Yes)、特別図柄1乱数テーブル202aj1、特別図柄1大当たり選択テーブル202bj1に基づいて、抽選結果、大当たり種別を取得し(S803J)、S804Jの処理へ移行する。S804Jの処理では、S803J(又はS805J)で取得した、大当たり判定結果、大当たり種別、小当たり判定結果、及び、小当たり種別を含む入賞情報コマンドを設定し(S804J)、本処理を終了する。一方、S802Jの処理において、入賞が第2特別図柄の入賞であると判別された場合は(S802J:No)、特別図柄2乱数テーブル202aj2、特別図柄2大当たり選択テーブル202bj2及び特別図柄2小当たり選択テーブル202ej1に基づいて、抽選結果、大当たり種別、及び、小当たり種別を取得し(S805J)、S804Jの処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図2064を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106J)について説明する。図2064は、この普通図柄変動処理(S106J)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106J)は、タイマ割込処理(図2056参照)の中で実行され、第2図柄表示装置において行う第2図柄の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。この普通図柄変動処理(図2064,S106J)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S901J)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S901J:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S901J:No)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S902J)、第2図柄表示装置の表示態様が変動中でなければ(S902J:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fjの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S903J)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fjの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S904J)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S904J:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fjの値(M)が0でなければ(S904J:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fjの値(M)を1減算する(S905J)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cjに格納されたデータをシフトする(S906J)。S906Jの処理では、普通図柄保留球格納エリア203cjの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cjの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S907J)。次に、第2当たり乱数テーブル202cjに基づいて抽選結果を取得する(S908J)。本第34制御例では、普通図柄の抽選における、高確率状態と低確率状態との区別がなく、普通図柄の当たりとなる確率は常に一定となっている。具体的には、S907Jの処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cjに格納されている乱数値とを比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「0~99」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「100~299」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図2048(d)参照)。その後、S908Jの処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S909J)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S909J:Yes)、当たり時の表示態様を設定し(S910J)、S912Jの処理へ移行する。このS910Jの処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。S909Jの処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S909J:No)、外れ時の表示態様を設定する(S911J)。このS911Jの処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S912Jの処理へ移行する。
S910J又はS911Jの処理が終了すると、S912Jの処理において、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S912J)。パチンコ機10が普通図柄の時短状態である場合は(S912J:Yes)、普通図柄の当たりであるかを判定し(S913J)、当たりであると判定した場合には(S913J:Yes)、時短中当たりフラグ203rjをオンに設定する(S914J)。一方、外れであると判定した場合には(S913J:No)、S915の処理を実行する。S915Jの処理では、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を普図時短用変動パターンテーブル202fjに基づいて設定する(S915J)。具体的には、普通図柄の当否判定結果と、設定されている時短種別とに基づいて普図変動パターン(変動時間)を決定する。そして、表示用普図変動パターンコマンドを設定し(S917J)、本処理を終了する。一方、パチンコ機10が普通図柄の時短状態でない場合は(S912J:No)、第2図柄表示装置における変動表示の変動時間を2秒間に設定して(S916J)、表示用普図変動パターンコマンドを設定し(S917J)、本処理を終了する。
一方、S902Jの処理において、第2図柄表示装置の表示態様が変動中であれば(S902J:Yes)、第2図柄表示装置において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S918J)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置において変動表示が開始される前に、S915Jの処理またはS916Jの処理によって予め設定された時間である。S918Jの処理において、変動時間が経過していなければ(S918J:No)、本処理を終了する。一方、S918Jの処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S918J:Yes)、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S919J)。S919Jの処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S910Jの処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S911Jの処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S919Jの処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図2072参照)の第2図柄表示更新処理(S1708J参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、S910Jの処理またはS911Jの処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。次いで、普図停止コマンドを設定する(S920J)。ここで設定された普図停止コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図2072参照)の外部出力処理(S1701J)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、この普図停止コマンドを受信した場合に、普通図柄の当たり当選を報知するための演出(Vチャージチャンス演出)を実行するための処理を行う。次に、第2図柄表示装置において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理(図2064,S106J)によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S921J)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S921J:Yes)、電動役物制御処理を実行し(S922J)、本処理を終了する。
次に、図2065を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される電動役物制御処理(S922J)について説明する。この電動役物制御処理(S922J)は、タイマ割込処理(図2056参照)の普通図柄変動処理(図2064参照)の中で実行される処理であり、図2065は、電動役物制御処理(S922J)を示したフローチャートである。電動役物制御処理では、まず、時短中当たりフラグ203rjがオンであるか否かを判定する(S1001J)。時短中当たりフラグ203rjがオンである場合は(S1001J:Yes)、時短中当たりフラグ203rjをオフに設定し(S1002J)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作を、閉鎖(2秒)、開放(4秒間)に設定し(S1003J)、本処理を終了する。一方、S1001Jにおいて、時短中当たりフラグ203rjがオンでない(即ち、オフである)場合(S1001J:No)は、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作を、開放(0.1秒間)、閉鎖(0.1秒間)、開放(0.1秒間)に設定し(S1004J)、本処理を終了する。このように、普通図柄の時短状態では、普通図柄の通常状態と比較して、第2入球口640の開放動作が「開放(0.1秒間)、閉鎖(0.1秒間)、開放(0.1秒間)→閉鎖(2秒間)、開放(4秒間)」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。また、電動役物制御処理(S922J)によって、電動役物640aの開放動作が設定されると、次にメイン処理(図2072参照)の電動役物開閉処理(S1706J参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始される。
次に、図2066のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107J)を説明する。図2070は、このスルーゲート通過処理(S107J)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107J)は、タイマ割込処理(図2056参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(図2066,S107J)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S1101J)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S1101J:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fjの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1102J)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fjの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S1103J)。球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し(S1101J:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fjの値(M)が4未満であれば(S1103J:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fjの値(M)を1加算する(S1104J)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cjの空き保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S1105J)。尚、S1105Jの処理では、普通図柄保留球数カウンタ203fjの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。S1105Jの処理が終了すると、普図先読み処理を実行する(S1106J)。
ここで、図2067を参照して、普図先読み処理について説明する(S1106J)。図2067は、この普図先読み処理(S1106J)の内容を示したフローチャートである。普図先読み処理(図2067、S1106J)では、まず、普通図柄保留球格納エリア203cjに新たに格納した第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいた事前判別を実行する(S1201J)。具体的には、S1105Jの処理で新たに格納した第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cjに格納されている乱数値とを比較する。次に、事前判別の結果に基づいて、当たり事前判定結果を取得する(S1202J)。その後、普図入賞情報コマンドを設定し(S1203J)、本処理を終了し、スルーゲート通過処理へ戻る。
図2066に戻って説明を続ける。普図先読み処理(S1106J)が終了すると、次いで、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S1107J)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S1107J:Yes)、そのまま本処理を終了する。特別図柄の大当たり中でなければ(S1107J:No)、今現在が、小当たり中であるか否かを判定する(S1108J)。判定の結果、小当たり中であれば(S1108J:Yes)、そのまま本処理を終了する。小当たり中でなければ(S1108J:No)、第2特別図柄の変動中であるか否かを判定する(S1109J)。判定の結果、第2特別図柄の変動中であれば(S1109J:Yes)、そのまま本処理を終了する。第2特別図柄の変動中でなければ(S1109J:No)、時短中であるか否かを判定する(S1109J)。判定の結果、時短中であれば(S1110J:Yes)、そのまま本処理を終了する。時短中でなければ(S1110J:No)、エラーコマンドを設定し(S1111J)、本処理を終了する。一方、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していないか(S1101J:No)、或いは、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fjの値(M)が4未満でなければ(S1103J:No)、普図先読み処理(S1106J)をスキップし、S1107J~S1111Jの処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図2068を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入口通過処理(S108J)について説明する。図2068は、タイマ割込処理(図2056参照)の中で実行されるV入口通過処理(S108J)を示すフローチャートである。V入口通過処理(S108J)では、まず小当たり中であるか否かを判定する(S1301J)。S1301Jの処理において、小当たり中であると判別された場合(S1301J:Yes)、V入口通過コマンドを設定し(S1302J)、本処理を終了する。小当たり中ではない場合は(S1302J:No)、小当たり遊技でないにも関わらず、第2可変入賞装置650へ球が入球した場合であるので、エラーコマンドを設定し(S1303J)、本処理を終了する。S1302Jの処理において設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図2072参照)の外部出力処理(S1701J)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、第2可変入賞装置650への入球に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる。
次に、図2069を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過処理(S109J)について説明する。図2069は、V通過処理(S109J)を示すフローチャートである。このV通過処理(S109J)は、タイマ割込処理(図2056参照)の中で実行される処理である。V通過処理では、まずV通過時大当たり種別格納エリア203mjに格納されているV通過時大当たり種別値を取得し(S1401J)、取得したV通過時大当たり種別を示すVフラグ203njをオンに設定する(S1402J)。そして、V通過コマンドを設定し(S1403J)、本処理を終了する。
図2074は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1501J)、NMI割込処理を終了する。なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図2071を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図2071は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601J)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1602J)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1603J)。その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122がオンされているか否かを判別し(S1604J)、オンされていれば(S1604J:Yes)、処理をS1612Jへ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1604J:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1605J)、記憶されていなければ(S1605J:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1612Jへ移行する。RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1605J:Yes)、RAM判定値を算出し(S1606J)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1607J:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1612Jへ移行する。なお、図2072のS1716Jの処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1612Jの処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1612J)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1613J,S1614J)を実行する。上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1613J,S1614J)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1613J,S1614J)を実行する。RAMの初期化処理(S1613J,S1614J)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1613J)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1614J)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1610Jの処理へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1604J:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1605J:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1607J:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1608J)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1609J)、S1610Jの処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S1610Jの処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S1611J)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図2072を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図2072は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1701J~S1709Jの各処理が実行され、その残余時間でS1712J,S1713Jのカウンタ更新処理が実行される構成となっている。メイン処理(図2072参照)においては、まず、タイマ割込処理(図2056参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1701J)。具体的には、タイマ割込処理(図2056参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図2057参照)や始動入賞処理(図2062参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図2073参照)で設定された大当たり開始コマンド、ラウンド数コマンド、大当たり終了コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1702J)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本第34制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1703J)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1704J)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に第1特定入賞口65aを開放し、第1特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は第1特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると第1特定入賞口65aを閉鎖する。この第1特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本第34制御例では、大当たり制御処理(S1704J)をメイン処理(図2072参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図2056参照)において実行しても良い。次に、特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1を開放又は閉鎖するための小当たり制御処理を実行する(S1705J)。小当たり制御処理では、開放シナリオに基づいて開閉扉650f1を開放し、開閉扉650f1の最大開放時間が経過したか、又は開閉扉650f1に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると開閉扉650f1を閉鎖する。尚、本第34制御例では、小当たり制御処理(S1705J)をメイン処理(図2072参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図2056参照)において実行しても良い。
S1705Jの処理が終了すると、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1706J)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図2064参照)の中で実行される電動役物制御処理(図2065,S920J)によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、電動役物制御処理(図2065,S920J)におけるS1003Jの処理またはS1004Jの処理で設定された開放動作が終了するまで継続される。次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1707J)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図2058参照)中で実行される通常変動開始処理(図2059,S302J)または時短変動開始処理(図2060,S303J)のS405J,S410J,S412Jの処理またはS505J,S510J,S512Jの処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本第34制御例では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。また、第1図柄表示更新処理では、通常変動開始処理(図2059参照)または時短変動開始処理(図2060参照)のS405J,S410J,S412Jの処理またはS505J,S510J,S512Jの処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、通常変動開始処理(図2059参照)または時短変動開始処理(図2060参照)のS404J,S409J,S411Jの処理またはS504J,S509J,S511Jの処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1708J)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図2064参照)のS915Jの処理またはS916Jの処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図2064参照)のS918Jの処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図2064参照)のS910Jの処理またはS911Jの処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。次に、貯留装置750に付随する貯留弁750aの開放および閉鎖を設定するための貯留装置制御処理を実行する(S1709J)。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1710J)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1710J:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1711J)、既に所定時間が経過していれば(S1711J:Yes)、処理をS1701Jへ移行し、上述したS1701J以降の各処理を繰り返し実行する。一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1711J:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1712J,S1713J)。まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1712J)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1702Jの処理と同一の方法によって実行する(S1713J)。
ここで、S1701J~S1709Jの各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。また、S1710Jの処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1710J:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図2070のNMI割込処理が実行されたということなので、S1714J以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1714J)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1715J)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1716J)、RAM203のアクセスを禁止して(S1717J)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。なお、S1710Jの処理は、S1701J~S1709Jで行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1712JとS1713Jの処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1701Jの処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1701Jの処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1601J)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1701Jの処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図2073のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1704J)を説明する。図2073は、この大当たり制御処理(S1704J)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1704J)は、メイン割込処理(図2072参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1801J)。具体的には、特別図柄変動処理(図2057参照)のS219Jの処理により大当たり開始フラグ203hjがオンに設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1801Jの処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1801J:Yes)、大当たり開始フラグ203hjをオフに設定し(S1802J)、大当たり開始コマンド(オープニングコマンド)を設定する(S1803J)。ここで設定された大当たり開始コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図2072参照)の外部出力処理(S1701J)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり開始コマンドを受信すると、表示用大当たり開始コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用大当たり開始コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりを開始する演出が表示される。S1803Jの処理が終了すると、貯留解除フラグ203pjをオンに設定して(S1804J)、本処理を終了する。
一方、S1801Jの処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1801J:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1805J)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。具体的には、大当たり中フラグ203ijがオンであるか否かにより判別する。S1805Jの処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1805J:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1805Jの処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1805J:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1806J)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1806J:Yes)、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを開放し(S1807J)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1808J)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図2072参照)の外部出力処理(S1701J)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、ラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。一方、S1806Jの処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1806J:No)、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1809J)。具体的には、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、第1可変入賞装置65に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。S1809Jの処理において、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1809J:Yes)、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを閉鎖して、本処理を終了する。一方、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1809J:No)、大当たり終了のタイミングであるか否かを判定する(S1811J)。具体的には、大当たり種別毎に規定されているラウンドの最終ラウンドが終了した場合に、大当たり終了のタイミングであると判定する。例えば、大当たりA(5ラウンド時短A大当たり)の大当たり遊技が実行されている場合には、5ラウンド目が終了した場合に、大当たり終了タイミングであると判定する。S1811Jの処理において、大当たり終了のタイミングである場合には(S1811J:Yes)、大当たり終了コマンドを設定し(S1812J)、大当たり中フラグ203ijをオフに設定する(S1813J)。次いで、実行されていた特別遊技の大当たり種別に対応する時短種別を設定し(S1814J)、設定した時短種別に対応する状態コマンドを設定する(S1815J)。そして、時短中カウンタ203gjの値に「1」を設定し(S1816J)、本処理を終了する。ここで設定された大当たり終了コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図2072参照)の外部出力処理(S1701J)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり終了コマンドを受信すると、表示用大当たり終了コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用大当たり終了コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たり終了の演出が開始される。
次いで、図2074を参照して、小当たり制御処理(S1705J)について説明する。図2074は、メイン処理(図2072参照)の中で実行される小当たり制御処理(S1705J)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理(S1705J)は、メイン処理(図2072参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1を開放又は閉鎖するための処理である。小当たり制御処理では、まず、特別図柄の小当たりが開始されるかを判定する(S1901J)。具体的には、小当たり開始設定処理(図2061参照)のS604Jの処理により小当たり開始フラグ203jjがオンに設定されていれば、特別図柄の小当たりが開始されると判定する。S1901Jの処理において、特別図柄の小当たりが開始される場合には(S1901J:Yes)、小当たり開始フラグ203jjをオフに設定し(S1902J)、小当たり開始コマンド設定する(S1903J)。ここで設定された小当たり開始コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図2072参照)の外部出力処理(S1701J)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、小当たり開始コマンドを受信すると、表示用小当たり開始コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用小当たり開始コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において小当たりを開始する演出が表示される。S1903Jの処理を終えると、開放シナリオに基づいてV入口ソレノイド209aと流路ソレノイド209cをオンに設定し(S1904J)、滞留部材650nの作動を開始して(S1905J)、本処理を終了する。このS1904Jの処理において参照する開放シナリオは、上述した小当たり開始設定処理(図2061参照)において設定されるものである。また、S1905Jの処理において滞留部材650nの作動が開始(滞留ソレノイド209bがオン)されることで、振分先領域650h3に球が1球滞留させることが可能となる。
一方、S1901Jの処理において、特別図柄の小当たりが開始されるタイミングでない場合には(S1901J:No)、特別図柄の小当たり中であるかを判定する(S1906J)。特別図柄の小当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の小当たり(特別図柄の小当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の小当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。具体的には、小当たり中フラグ203kjがオンであるか否かにより判別する。S1906Jの処理において、特別図柄の小当たり中でなければ(S1906J:No)、そのまま本処理を終了する。S1906Jの処理において、特別図柄の小当たり中であると判別された場合は(S1906J:Yes)、次いで、V入口の閉鎖条件が成立したか否かを判別する(S1907J)。具体的には、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1を開放した後に所定時間(例えば、6.5秒)が経過した場合、または、第2可変入賞装置650に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。尚、第2特定入賞口650aに所定個数(例えば10個)の球が入球したことを閉鎖条件としてもよい。
S1907Jの処理において、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1の閉鎖条件が成立した場合には(S1907J:Yes)、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1を閉鎖するためにV入口ソレノイド209aをオフに設定し(S1908J)、滞留部材650nの作動を終了させるために滞留ソレノイド209bをオフに設定し(S1909J)、本処理を終了する。一方、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1の閉鎖条件が成立していない場合には(S1907J:No)、小当たり終了のタイミングであるか否かを判定する(S1910J)。具体的には、上述したV入口の閉鎖条件が成立してから所定時間経過後(本制御例では3秒)に、小当たり終了のタイミングであると判別する。これにより、滞留部材650nの作動が終了してから小当たり終了処理(流路ソレノイド209cのオフ)を実行することができるので、振分先領域650h3に滞留されている球をV入賞スイッチ650e3へ確実に入球させることができる。S1910Jの処理において、小当たり終了のタイミングである場合には(S1910J:Yes)、小当たり中フラグ203kjをオフに設定し(S1911J)、小当たり終了処理を実行し(S1912J)、各ソレノイドの開放シナリオをクリアして(S1913J)、本処理を終了する。一方、S1910Jの処理において、小当たり終了のタイミングでない場合には(S1910J:No)、そのまま本処理を終了する。
ここで、図2075を参照して、小当たり終了処理(S1912J)の詳細について説明する。図2075は小当たり終了処理(S1912J)を示すフローチャートである。この小当たり終了処理(S1912J)は、小当たり制御処理において小当たり終了のタイミングであると判別された場合に実行される処理である。小当たり終了処理(S1912J)では、まず、流路ソレノイド209cをオフに設定し(S2001J)、Vフラグ203njがオンであるか否かを判別する(S2002J)。S2002Jの処理において、Vフラグ203njがオンであると判別された場合は(S2002J:Yes)、小当たり遊技中に球が第2可変入賞装置650のV入賞スイッチ650e3を通過した場合であるので、V入賞スイッチ650e3の通過に基づく大当たり遊技の実行を開始するための処理を行う。具体的には、Vフラグ203njに対応する大当たり種別に基づいて第1特定入賞口65aの開放シナリオを設定し(S2003J)、Vフラグ203njに対応する大当たり種別に基づいて大当たりの開始を設定する(S2004J)。次いで、大当たり開始フラグ203hjと大当たり中フラグ203ijとをオンに設定し(S2005J)、Vフラグ203njをオフに設定する(S2006J)。そして、時短中カウンタ230gjを0に設定し(S2007J)、V通過時大当たり種別格納エリア203mjに格納されているV通過時大当たり種別値の値をクリアし(S2008J)、本処理を終了する。一方、S2002Jの処理において、Vフラグ203njがオンでないと判別された場合は(S2002J:No)、小当たり球に球がV入賞スイッチ650e3を通過しなかった場合であるので、大当たりを付与せず終了するために、小当たり終了コマンドを設定する(S2009J)。その後、S2008Jの処理を実行し、本処理を終了する。ここで設定された小当たり終了コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図2072参照)の外部出力処理(S1701J)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり終了コマンドを受信すると、RAM223の特図用入賞情報格納エリア223ajに格納されている入賞情報に基づいて、小当たり終了の演出の表示態様を決定する。そして、決定した小当たり終了の表示態様に応じた表示用小当たり終了コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用小当たり終了コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において小当たり終了の演出が開始される。
次いで、図2076を参照して、電動役物開閉処理(S1706J)について説明する。図2076は、メイン処理(図2072参照)の中で実行される電動役物開閉処理(S1706J)を示すフローチャートである。この電動役物開閉処理(S1706J)は、メイン処理(図2072参照)の中で実行され、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行うための処理である。電動役物開閉処理では、まず、電動役物640aの開放動作が設定されているか否かを判別する(S2101J)。尚、電動役物640aの開放動作は、普通図柄変動処理(図2064参照)の中で実行される電動役物制御処理(図2065,S921J)によって設定される。S2101Jの処理において、電動役物640aの開放動作が設定されていない場合は(S2101J:No)、本処理を終了する。一方、S2101Jの処理において、電動役物640aの開放動作が設定されている場合は(S2101J:Yes)、次に、電動役物640aの開放タイミングであるかを判別する(S2102J)。S2102Jの処理にて電動役物640aの開放タイミングであると判別された場合は(S2102J:Yes)、電動役物640aの開放を設定し(S2103J)、本処理を終了する。一方、S2102Jの処理にて電動役物640aの開放タイミングではないと判別された場合は(S2102J:No)、次に、電動役物640aの閉鎖タイミングであるかを判別する(S2104J)。電動役物640aの閉鎖タイミングであると判別された場合は(S2104J:Yes)、電動役物640aの閉鎖を設定し(S2106J)、次いで、開放動作の設定をクリアし(S2107J)、本処理を終了する。一方、S2104Jの処理にて電動役物640aの閉鎖タイミングではないと判別された場合は(S2104J:No)、次に、第2入球口640へ球が入球したかを判別する(S2105J)。第2入球口640へ球が入球してないと判別された場合は(S2105J:No)、本処理を終了する。一方、第2入球口640へ球が入球したと判別された場合(S2105J:Yes)、S2106J及びS2107Jの処理を実行し、本処理を終了する。
次いで、図2077を参照して、貯留装置制御処理(S1709J)について説明する。図2077は、メイン処理(図2072参照)の中で実行される貯留装置制御処理(S1709J)を示すフローチャートである。この貯留装置制御処理(S1709J)は、メイン処理(図2072参照)の中で実行され、貯留装置750に付随する貯留弁750aの開放および閉鎖を設定するための処理である。貯留装置制御処理では、まず、解除カウンタ203qjの値が1より大きいか否かを判別する(S2201J)。解除カウンタ203qjの値が1より大きくない(即ち、0又は1である)と判別した場合は(S2201J:No)、次に、貯留解除フラグ203pjがオンであるか否かを判別し(S2202J)、オンであると判別した場合は(S2202J:Yes)、貯留解除(即ち、貯留弁750aの開放)を設定する(S2203J)。そして、解除カウンタ203qjの値を1にセットし、S2205Jの処理へ移行する。一方、S2201Jの処理において、解除カウンタ203qj値が1より大きいと判別した場合は(S2201J:Yes)、S2201J~S2204Jの処理をスキップし、S2205Jの処理へ移行する。S2205Jの処理では、解除カウンタ203qjの値が25000であるか否かを判別する(S2205J)。解除カウンタ203qjの値が25000でないと判別した場合は(S2205J:No)、解除カウンタ203qjの値を1加算し(S2206J)、本処理を終了する。一方、S2205Jの処理において、解除カウンタ203qjの値が25000であると判別した場合は(S2205J:Yes)、貯留閉鎖(即ち、貯留弁750aの閉鎖)を設定し(S2207J)、貯留解除フラグ203pjをオフに設定する(S2208J)。次いで、解除カウンタ203qjの値を0に設定し、本処理を終了する。
<第34制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図2078から図2093を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。まず、図2078を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図2078は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS3101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S3101)、1m秒以上経過していなければ(S3101:No)、S3102~S3111Jの処理を行わずにS3112Jの処理へ移行する。S3101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S3102~S3111Jが主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S3112Jのコマンド判定処理、S3113Jの変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S3112Jの処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S3113Jの処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。S3101の処理で1m秒以上経過していれば(S3101:Yes)、まず、S3103~S3111Jの処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S3102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS3108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S3103)、その後電源投入報知処理を実行する(S3104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS3105の処理へ移行する。
S3105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S3106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223bjの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S3107J)。この枠ボタン入力監視・演出処理は、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22の操作に対応する表示用コマンドを設定する。枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S3108)、その後音編集・出力処理を実行する(S3109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。S3109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S3110)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS3108のランプ編集処理が実行される。なお、S3109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
カウンタ更新処理(S3111J)の後に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S3112J)。このコマンド判定処理の詳細については、図2083~図2089を参照して後述する。次に、S3113Jの処理へ移行する。S3113Jの処理では、変動表示設定処理が実行される(S3113J)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図2090~図2093を参照して後述する。そして、変動表示設定処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S3114J)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S3114Jの処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S3114J:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S3116J)、電源断処理を実行する(S3117J)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S3118J)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。一方、S3114Jの処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S3114J:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S3115J)、RAM223が破壊されていなければ(S3115J:No)、S3101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S3115J:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図2079を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S3107J)について説明する。図2079は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S3107J)を示したフローチャートである。枠ボタン入力監視・演出処理(S3107J)が実行されると、まず、演出ボタン22のボタンセンサの状態を取得する(S3201J)。次いで、センサ状況記憶カウンタ223aajのカウンタ値に1加算し(S3202J)、カウンタ値が500であるかを判別する(S3203J)。500であると判別した場合には(S3203J:Yes)、S3201Jの処理で取得したセンサ状態を示すセンサ情報をセンサ状況記憶エリア223yjに格納し(S3204J)、センサ状況記憶カウンタ223aajのカウンタ値をクリアし(S3205J)、S3206Jの処理に移行する。一方、S3203Jの処理においてセンサ状況記憶カウンタ223aajのカウンタ値が500ではないと判別した場合には(S3203J:No)、S3206Jの処理に移行する。S3206Jの処理では、ボタン演出の開始タイミングであるかを判別し(S3206J)、ボタン演出の開始タイミングであると判別した場合には(S3206J:Yes)、操作有効期間カウンタ223wjのカウンタ値として5000を設定し(S3207J)、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値として8を設定する(S3208J)。一方、ボタン演出開始タイミングではないと判別した場合には(S3206J:No)、次に、操作有効期間中であるかを判別し(S3209J)、操作有効期間中であると判別した場合には(S3209J:Yes)、操作判別処理を実行する(S3210J)。この操作判別処理(S3210J)は、操作有効期間における演出ボタン22の操作が有効であるか否かを判別するための処理である。なお、操作判別処理(S3210J)の詳細については、図2080を参照して後述する。S3209Jの処理において、操作有効期間中ではないと判別した場合には(S3209J:No)、その他のボタン操作に関する処理を実行し(S3210J)、本処理を終了する。なお、S3210Jの処理では、例えば、選択ボタン600のボタンセンサの状況を取得し、選択ボタン600の操作があったと判別した場合には、その操作内容に対応して音量・光量を調整するための処理を実行する。また、操作有効期間外に演出ボタン22が操作された場合には、第3図柄表示装置81に表示される背景画像を変更する処理を実行する。
なお、ボタン演出の開始タイミングであると判別した場合において、演出ボタン22のボタンセンサの状況を見てオンであると判別した場合に、今回のボタン演出が自動押下対象演出である場合には、自動押下対象演出専用のボタン制御処理を実行する構成としても良い。自動押下対象演出専用のボタン制御処理としては、例えば、ボタン演出中に演出ボタン22の操作が継続されなくても演出ボタン22が押下された場合と同様の処理を実行する制御(自動押下制御)や、自動押下制御が実行中であることを報知する報知態様(例えば、「自動押下機能ON」等の表示)を表示する制御がある。
次に、図2080を参照して、操作判別処理(S3210J)について説明する。図2080は、この操作判別処理(S3210J)を示したフローチャートである。操作判別処理(S3210J)が実行されると、まず、操作有効期間カウンタ223wjのカウンタ値を1減算し(S3301J)、カウンタ値が0であるかを判別する(S3302J)。操作有効期間カウンタ223wjのカウンタ値が0ではないと判別した場合には(S3302J:No)、センサ状況記憶エリア223yjからセンサ情報を取得する(S3303J)。そして、現在ボタンセンサはオンであるか(上述した枠ボタン入力監視・演出処理(S3107J)のS3201Jの処理において取得した演出ボタン22のボタンセンサの状態がオンであるか)を判別し(S3304J)、オンではないと判別した場合には(S3304J:No)、本処理を終了する。一方、S3304Jの処理において、現在ボタンセンサがオンであると判別した場合には(S3304J:Yes)、実行中のボタン演出が自動押下対象演出であるか否かを判別し(S3305J)、自動押下対象演出ではないと判別した場合には(S3305J:No)、今回のボタンセンサの状況がオフからオンに遷移したものであるかを判別する(S3307J)。具体的には、センサ状況記憶エリア223yjに記憶されているセンサ情報のうち、-0.5sに対応する記憶領域に格納されているセンサ情報(即ち、0.5秒前のボタンセンサの状態を示す情報)がオフを示す情報であるかを判別し、オフであれば今回のボタンセンサのオン状態はオフからオンへの遷移であると判別する。一方、-0.5sに対応する記憶領域に格納されているセンサ情報がオンを示す情報である場合には、オフからオンへの遷移ではないと判別する。つまり、今回のボタンセンサの状況がオフからオンに遷移したものである状態とは、演出ボタン22を押下していない状態から演出ボタン22を押下した場合を指す。
S3307Jの処理において、オフからオンへの遷移であると判別した場合には(S3307J:Yes)、有効操作処理を実行する(S3308J)。この有効操作処理(S3308J)は、演出ボタン22の操作が有効であると判別された場合に実行される処理であり、演出ボタン22の操作に基づいてボタン演出における演出態様を可変させるための処理を実行する。なお、この有効操作処理(S3308J)の詳細については、図2081を参照して後述する。S3307Jの処理において演出ボタン22のボタンセンサがオフからオンへの遷移ではないと判別した場合には(S3307J:No)、今回の演出ボタン22の操作は有効と判別されないため、本処理を終了する。S3305Jの処理において、実行中のボタン演出が自動押下対象演出であると判別した場合には(S3305J:Yes)、過去2回以上ボタンセンサのオンが連続しているかを判別する(S3306J)。具体的には、センサ状況記憶エリア223yjに記憶されているセンサ情報のうち、-0.5sに対応する記憶領域に格納されているセンサ情報と、-1sに対応する記憶領域に格納されているセンサ情報がオンを示す情報である場合には、過去2回以上ボタンセンサのオンが連続していると判別し、いずれかのセンサ情報がオフを示す情報である場合、またはいずれもがオフを示す情報である場合には、過去2回以上ボタンセンサのオンが連続していないと判別する。つまり、過去2回以上ボタンセンサのオンが連続している状態とは、演出ボタン22が1秒以上長押し操作されている場合を指す。S3306Jの処理において、過去2回以上オンが連続していると判別した場合には(S3306J:Yes)、有効操作処理(S3308J)を実行する。一方、過去2回以上オンが連続してないと判別した場合には(S3306J:No)、S3307Jの処理に移行する。このように、本第34制御例では、実行されるボタン演出が自動押下対象演出である場合には、演出ボタン22の長押し操作が実行された場合に、演出ボタン22を押下していない状態から演出ボタン22を押下した場合と同様の処理が実行され、自動押下非対象演出である場合には、長押し操作をしても演出ボタン22を押下していない状態から演出ボタン22を押下した場合と同様の処理は実行されない。このため、自動押下非対象演出では、操作有効期間が設定された後に演出ボタン22の長押し操作が実行された場合には、押下を開始した時点でのボタンセンサのオンは、オフからオンへの遷移であるため、その操作は有効と判別されるが、そのまま演出ボタン22の押下を継続してもボタンセンサのオフからオンへの遷移ではないため、操作が有効と判別されない。一方、操作有効期間が設定される前に演出ボタン22の長押し操作を開始した場合には、押下を開始した時点でのボタンセンサのオンは操作有効期間中ではないため有効とならず、演出ボタン22の押下を継続した状態で操作有効期間が設定されてもボタンセンサのオフからオンへの遷移ではないため、その操作は有効と判別されない。これに対して、自動押下対象演出では、操作有効期間が設定される前に演出ボタン22の長押し操作が開始された場合であっても、操作有効期間が開始された時点でボタンセンサが過去2回以上オンが連続していると判別した場合には、その操作が有効と判別される。
S3302Jの処理において、操作有効期間カウンタ223wjのカウンタ値が0であると判別した場合には(S3302J:Yes)、実行されているボタン演出の演出シナリオは成功シナリオ(インジケータGg1のゲージレベルがMAXまで到達するシナリオ)であるかを判別する(S3309J)。なお、本第34制御例では、特別図柄の表示用変動パターンを決定するための変動パターン選択テーブル222ajに、ボタン演出ありの表示用変動パターン種別と、ボタン演出なしの表示用変動パターン種別と、が規定されており、ボタン演出ありの表示用変動パターン種別は、更に、ボタン演出が成功する表示用変動パターンと、ボタン演出が失敗する表示用変動パターンと、に区分される。つまり、ボタン演出の成功シナリオであるか否かは、設定されている表示用変動パターン種別によって判別される。S3309Jの処理において、実行中のボタン演出が成功シナリオであると判別した場合には(S3309J:Yes)、インジケータGg1のゲージレベルをMAXの態様で表示するための表示用コマンドを設定し(S3310J)、ボタン演出成功を示すための表示用コマンドを設定する(S3311J)。一方、S3309Jの処理において、実行中のボタン演出が成功シナリオではないと判別した場合には(S3309J:No)、ボタン演出失敗を示すための表示用コマンドを設定し(S3312J)、本処理を終了する。このように構成することで、実行中のボタン演出が成功シナリオであるにもかかわらず、遊技者がボタン演出において演出ボタン22を操作しなかった場合であっても、ボタン演出終了時にインジケータGg1のゲージレベルをMAXの態様に可変させることができる。なお、本第34制御例では、成功シナリオのボタン演出においてボタン演出中に遊技者が演出ボタン22を操作しなかった場合には、ボタン演出終了時に自動的にインジケータGg1のゲージレベルがMAXの態様に可変する構成としたが、これに限るものではなく、遊技者が演出ボタン22を操作しなかった場合には、インジケータGg1のゲージレベルを可変させないままボタン演出を終了させる構成としても良い。このように構成することで、演出ボタン22を操作しなければボタン演出が成功であるのか否かが分からないままボタン演出が終了してしまうため、遊技者に演出ボタン22を操作しようと思わせることができる。
次に、図2081を参照して、有効操作処理(S3308J)について説明する。図2081は、この有効操作処理(S3308J)を示したフローチャートである。この有効操作処理(S3308J)は、演出ボタン22の操作が有効と判別された場合に実行される処理であり、ボタン演出におけるインジケータGg1のゲージレベルを可変させるための処理が実行される。有効操作処理(S3308J)が実行されると、まず、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値が1であるかを判別し(S3351J)、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値が1であると判別した場合には(S3351J:Yes)、実行中のボタン演出は成功シナリオであるかを判別し(S3352J)、成功シナリオではないと判別した場合には(S3352J:No)、本処理を終了する。一方、成功シナリオであると判別した場合には(S3352J:Yes)、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値を1減算し(S3353J)、ボタン演出成功を示すための表示用コマンドを設定し(S3354J)、操作有効期間カウンタ223wjのカウンタ値をクリアする(S3355J)。S3351Jの処理において、ゲージカウンタ値が1ではないと判別した場合には(S3351J:No)、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値を1減算し(S3356J)、ゲージカウンタ値に対応するインジケータGg1のゲージレベルを表示するための表示用コマンドを設定する(S3357J)。なお、本第34制御例では、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値が1ではない場合には、演出ボタン22の操作が有効と判別されると、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値を必ず更新する構成としたが、これに限るものではなく、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値を更新させるか否かを抽選によって決定する構成としても良い。例えば、演出ボタン22の操作が有効と判別された場合に、1/3の確率でゲージカウンタ223xjのカウンタ値を減算させる抽選を実行し、当選した場合にゲージカウンタ223xjのカウンタ値を1減算する。このように構成することで、演出ボタン22の操作が有効と判別された場合にインジケータGg1のゲージレベルが可変する場合(抽選に当選した場合)と、可変しない場合(抽選に当選しなかった場合)とを創出でき、遊技の興趣を向上させることができる。なお、このように構成する場合、成功シナリオと失敗シナリオとで、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値を減算させる抽選の当選確率を異ならせる構成としても良い。具体的には、成功シナリオの場合には1/2の確率で当選し、失敗シナリオの場合には1/4の確率で当選する構成としても良い。このように構成することで、成功シナリオでは失敗シナリオよりもゲージカウンタGg1のカウンタ値が減算され易くなるため、インジケータGg1のゲージレベルの可変状況からボタン演出が成功するか否かを遊技者が予測し易くなり、更に遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図2082を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるカウンタ更新処理(S3111J)について説明する。図2082は、このカウンタ更新処理(S3111J)を示したフローチャートである。このカウンタ更新処理(S3111J)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図2078参照)の中で実行され、音声ランプ制御装置113内のMPU221に設けられた各種カウンタの値を更新するための処理である。カウンタ更新処理では、まず、変動時間カウンタ223ijの値が0であるかを判別し(S3401J)、0であると判別した場合(S3401J:Yes)には、その他の各種カウンタを更新し(S3405J)、本処理を終了する。一方、変動時間カウンタ223ijの値が0ではないと判別した場合には(S3401J:No)、変動時間カウンタ223ijの値を1減算し(S3402J)、更新後の変動時間カウンタ223ijの値に基づいて時短残期間を算出し時短残期間格納エリア223hjに格納する(S3403J)。次いで、表示用時短残期間コマンドを設定し(S304J)、S3405Jの処理を実行する。
次に、図2083を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S3112J)について説明する。図2083は、このコマンド判定処理(S3112J)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S3112J)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図2078参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。コマンド判定処理(図2083、S3112J)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域(図示せず)から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、状態コマンドを受信したか否かを判別する(S3501J)。状態コマンドは遊技状態が通常状態であるか、時短状態であるかを通知するためのコマンドであって、主制御装置110において遊技状態が変更された(設定された)場合に出力される。S3501Jの処理において、状態コマンドを受信したと判別した場合には(S3501J:Yes)、状態コマンド処理を実行する(S3502J)。ここで、図2084を参照して、状態コマンド処理(S3502J)の詳細について説明する。図2084は、この状態コマンド処理(S3502J)を示したフローチャートである。状態コマンド処理(S3502J)では、主制御装置110から出力された状態コマンドに対応する遊技状態に基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面において表示される演出モードを決定するための処理を実行する。状態コマンド処理(S3502J)が実行されると、まず、遊技状態に変更があるか否かを判別し(S3601J)、遊技状態に変更がないと判別した場合には(S3601J:No)、本処理を終了する。一方、遊技状態に変更ありと判別した場合には(S3601J:Yes)、次いで、通常状態への変更であるかを判別する(S3602J)。通常状態への変更であると判別した場合には(S3602J:Yes)、大当たり当選または小当たり当選に基づく変更であるかを判別し(S3603J)、大当たり当選または小当たり当選に基づく変更であると判別した場合には(S3603J:Yes)、本処理を終了する。S3603Jの処理において、大当たり当選または小当たり当選に基づく変更ではないと判別した場合には(S3603J:No)、受信した状態コマンドに含まれる状態情報を従状態格納エリア223jjに格納し(S3604J)、次に、第2特別図柄の保留球(特図2保留球)が存在するか否かを判別する(S3605J)。具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ223cjの値が0ではない場合に特図2保留球が存在すると判別する。特図2保留球が存在すると判別した場合には(S3605J:Yes)、チャージ放出タイムを示す表示用コマンドを設定し(S3606J)、S3612Jの処理を実行する。上述したように、本第34制御例では、通常状態(大当たり遊技(小当たり遊技)中を除く)では左打ち遊技、時短状態では右打ち遊技が適切な遊技方法となるように構成しており、遊技状態が変更された場合には、遊技者に適切な遊技方法を案内するための表示態様(図2034,案内表示領域Dm1参照)が表示される。したがって、通常状態が設定された場合には、案内表示領域Dm1には左打ち遊技を案内する表示態様(例えば、「左打ち」の文字)が表示されるが、時短状態で獲得した特図2保留球に基づく特図2変動が通常状態で実行される場合、第2特別図柄(特図2)の抽選が実行されると、大当たりまたは小当たりの何れかに当選するため、大当たり遊技を経て再度時短状態が設定されることとなる。つまり、短期間で時短状態から通常状態、通常状態から時短状態へと遊技状態が変更されることとなり、その都度遊技方法を案内する表示態様が変更されると遊技者を混乱させてしまう。このため、本第34制御例では、遊技状態として通常状態が設定される場合であっても特図2保留球が存在する場合には、通常モードを示す表示態様を表示しないことで時短状態が継続しているかのように遊技者に見せるように構成している。これにより、時短状態が終了して通常状態が設定された後、短期間で再度時短状態が設定される場合には、遊技方法を案内する表示態様が連続して変更されないので、遊技者を混乱させてしまう不具合を抑制することができる。
一方、特図2保留球が存在しないと判別した場合には(S3605J:No)、時短中フラグ223gjをオフに設定し(S3607J)、次いで、普通図柄の変動中であるかを判別する(S3608J)。普通図柄の変動中ではない(即ち、停止中である)と判別した場合には(S3608J:No)、通常モードを示す表示用コマンドを設定し(S3611J)、S3612Jの処理を実行する。S3608Jの処理において、普通図柄の変動中であると判別した場合には(S3608J:Yes)、変動中の普通図柄の抽選結果が当たりであるかを判別する(S3609J)。具体的には、従時短中当たりフラグ223rjがオンであるか否かを判別し、オンであると判別した場合に当たりであると判別する。S3609Jの処理において、変動中の普通図柄の抽選結果が当たりであると判別した場合には(S3609J:Yes)、チャージスタンバイモードを示す表示用コマンドを設定し(S3609J)、S3612Jの処理を実行する。上述したように、本第34制御例では、時短中に開始された当たり普通図柄の変動表示が通常状態設定後に停止表示された場合、電動役物640aの動作パターンとして時短状態における動作パターン(ロング開放パターン)が設定されるため、特図2保留球を獲得可能となる。しかしながら、通常状態が設定されたことに対応して左打ち遊技を案内するための表示態様を表示した後に当たり普通図柄が停止表示されたことに基づいて電動役物640aがロング開放された場合、右打ちをしないと第2入球口640に遊技球を入球させることができないため、遊技者に対して急いで左打ち遊技から右打ち遊技に遊技方法を変えさせることとなり、左打ち遊技から右打ち遊技に変える前に電動役物640aが閉鎖状態になってしまう不具合が生じる虞がある。このため、本第34制御例では、遊技状態が通常状態に変更された場合であっても当たり普通図柄が変動表示中である場合には、チャージスタンバイモードを示す表示態様を表示し、右打ち遊技を案内する構成としている。
一方、変動中の普通図柄の抽選結果が当たりではない(即ち、外れである)と判別した場合には(S3609J:No)、通常モードを示す表示用コマンドを設定する(S3611J)。S3612Jの処理では、設定されたモード情報を演出モード記憶エリア223ujに格納する(S3612J)。S3602Jの処理において、通常状態への変更ではないと判別した場合には(S3602J:No)、次いで、、時短状態への変更であるかを判別する(S3613J)。時短状態への変更ではないと判別した場合には(S3613J:No)、本処理を終了する。一方、時短状態への変更であると判別した場合には(S3613J:Yes)、受信した状態コマンドに含まれる時短情報を従状態格納エリア223jjに格納する(S3614J)。なお、状態コマンドに含まれる時短情報には、時短回数、時短種別を示す情報が含まれており、これにより、音声ランプ制御装置113においても、設定されている時短種別を判別することができる。S3614Jの処理が終了すると、次いで、従時短カウンタ223vjに時短回数に対応する値を設定し(S3615J)、チャージチャレンジモードを示す表示用コマンドを設定し(S3616J)、時短中フラグ223gjをオンに設定し(S3617J)、S3612Jの処理を実行する。
図2083に戻り、説明を続ける。S3501Jの処理において状態コマンドを受信していないと判別した場合には(S3501J:No)、次に、変動パターン関連コマンドを受信したか否かを判別する(S3503J)。なお、変動パターン関連コマンドは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドまたは、普通図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドであって、主制御装置110から、選択された変動パターン(変動時間)が第1特別図柄および第2特別図柄、あるいは、普通図柄の夫々に対応して出力される。変動パターン関連コマンドを受信したと判別した場合には(S3503J:Yes)、変動パターン関連処理を実行する(S3504J)。この変動パターン関連処理は、主制御装置110から出力された(受信した)変動パターン関連コマンドに基づいて変動パターンを抽出し、表示制御装置114に対して演出表示を実行させるために用いられる。ここで、図2085を参照して、変動パターン関連処理(S3504J)の詳細について説明する。図2085は、この変動パターン関連処理(S3504J)を示したフローチャートである。この変動パターン関連処理(S3504J)は、今回受信した変動パターンコマンドがどの図柄に対応する変動パターンであるかを判別し、判別結果に基づいて、受信した図柄に対応する処理を実行する処理である。この変動パターン関連処理(S3504J)では、今回受信した変動パターン関連コマンドが特別図柄(特図)用の変動パターンコマンドであるかを判別する(S3701J)。S3701Jの処理において、特図用変動パターンコマンドであると判別した場合は(S3701J:Yes)、次に、S3702Jに移行する。S3702Jの処理において、特図2用変動パターンコマンドであると判別した場合は(S3702J:Yes)、特2変動フラグ223kjをオンに設定し(S3703J)、特図用変動開始フラグ223djをオンに設定し、受信したコマンドから変動パターンを抽出し(S3705J)、本処理を終了する。一方、S3701Jの処理において、今回受信した変動パターン関連コマンドが、特図用変動パターンコマンドではないと判別した場合(S3701J:No)は、普図用変動開始フラグ223njをオンに設定し(S3706J)、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S3707J)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに、特別図柄または普通図柄の変動パターン種別であることを特別図柄または普通図柄の種別毎(対応する第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)に識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図2090参照)において、表示制御装置114に対して特別図柄または普通図柄の変動表示演出の開始と、その特別図柄または普通図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(特別図柄または普通図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。
図2083に戻り、説明を続ける。S3503Jの処理において、変動パターン関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S3503J:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S3505J)。停止種別コマンド(特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンド、普図停止種別コマンドのいずれか)を受信したと判別した場合は(S3505J:Yes)、受信したコマンドの種別に対応する停止種別選択フラグ223ejをオンに設定する(S3506J)。具体的には、特図1停止種別コマンドを受信した場合に、第1特別図柄に対応する停止種別選択フラグ223ejをオンに設定し、特図2停止種別コマンドを受信した場合に、第2特別図柄に対応する停止種別選択フラグ223ejをオンに設定し、普図停止種別コマンドを受信した場合に、普通図柄に対応する停止種別選択フラグ223ejをオンに設定する。S3506Jの処理を終えると、次に、受信した停止種別コマンドから停止種別(完全外れ(外れ)、リーチ外れ、小当たり、大当たり(当たり)のいずれか)を抽出して(S3507J)、本処理を終了する。S3507Jの処理において抽出された停止種別は、音声ランプ制御装置113にMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。そして、後述の変動表示設定処理(図2090参照)が実行される場合に参照され、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
S3505Jの処理において、停止種別コマンドを受信していないと判別した場合には(S3505J:No)、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したかを判別する(S3508J)。保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S3508J:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dj、特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値(即ち、第1特別図柄、または第2特別図柄の変動表示の保留球数)が抽出されて、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた対応するカウンタ値を更新する(S3509J)。より具体的には、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値を抽出した場合は、RAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bjに抽出したカウンタ値を格納し、特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値を抽出した場合は、特別図柄2保留球数カウンタ223cjに抽出したカウンタ値を格納する。なお、S3509Jの処理では。普通図柄の保留球数を示す普通図柄保留球数コマンドを受信した場合に、図示しない普通図柄保留球数カウンタの値(即ち、普通図柄の変動表示の保留球数)が抽出されて、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた対応するカウンタ値も更新する。
S3508Jの処理を終えると、入賞情報関連コマンドを受信したか判別する(S3510J)。S3510Jの処理において、入賞情報関連コマンドを受信したと判別した場合は(S3510J:Yes)、入賞情報関連処理を実行する(S3511J)。この入賞情報関連処理(S3511J)では、第3図柄表示装置81にて実行される各種演出を設定するために参照される各種フラグの設定や各種カウンタの設定が行われる。これにより、保留中の特別図柄の抽選結果に基づいて、その保留中の特別図柄の変動が開始されるよりも前(即ち、対象の特別図柄の変動よりも前に実行されている特別図柄の変動表示中)に、入賞情報コマンドを送信した特別図柄の抽選結果を示す演出を実行することが可能となり、1つの特別図柄の抽選結果を複数の特別図柄の変動表示期間を用いて遊技者に示唆報知することができ、演出効果を高めることができる。ここで、入賞情報関連処理(S3511J)について、図2086を参照して説明をする。図2086は入賞情報関連処理(S3511J)の内容を示したフローチャートである。この入賞情報関連処理(S3511J)が実行されると、まず、今回受信した入賞情報関連コマンドが、特図(特別図柄)に関する入賞情報コマンドであるかを判別する(S3801J)。特図に関する入賞情報コマンドであると判別した場合は(S3801J:Yes)、受信した入賞情報コマンドを特図用入賞情報格納エリア223ajに格納し(S3802J)、今回受信した入賞情報コマンドが特図2保留に関する入賞情報コマンドであるかを判別する(S3803J)。特図2保留に関する入賞情報コマンドではないと判別した場合には(S3803J:No)、本処理を終了する。一方、特図2保留に関する入賞情報コマンドであると判別した場合には(S3803J:Yes)、次いで、従小当たり中フラグ223qjがオンであるかを判別する(S3804J)。従小当たり中フラグ223qjがオンではないと判別した場合(即ち、小当たり遊技中ではないと判別した場合)には(S3805J:No)、Vチャージ演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S3805J)、本処理を終了する。S3804Jの処理において、従小当たり中フラグ223qjがオンであると判別した場合(即ち、小当たり遊技中であると判別した場合)には、小当たり中V獲得フラグ223tjをオンに設定し(S3806J)、本処理を終了する。なお、小当たり中V獲得フラグ223tjがオンに設定された場合には、実行中の小当たり遊技が終了するタイミングでVチャージ演出が実行される。このように、本第34制御例では、特図2保留球を獲得した場合にはVチャージ演出を実行する一方で、小当たり遊技中に特図2保留球を獲得した場合にはVチャージ演出の実行タイミングを遅らせることで、小当たり遊技を案内する表示態様とVチャージ演出が同時に実行されないため、遊技者を小当たり遊技に集中させることができる。
S3801Jの処理において、今回受信した入賞情報関連コマンドが、特図(特別図柄)に関する入賞情報コマンドではないと判別した場合(即ち、普通図柄に関する入賞情報コマンドである)には(S3801J:No)、受信した入賞情報を普図用入賞情報格納エリア223mjに格納し(S3807J)、本処理を終了する。
図2083に戻り、説明を続ける。S3510Jの処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合には(S3510J:No)、次に、当たり関連コマンドを受信したか判別する(S3512J)。当たり関連コマンドを受信した場合は(S3512J:Yes)、当たり関連処理(S3513J)を実行する。ここで、図2087を参照して、当たり関連処理(S3513J)について説明する。図2087は、当たり関連処理(S3513J)を示すフローチャートである。この当たり関連処理(S3513J)は、コマンド判定処理(図2083参照)において当たり関連のコマンドを受信したと判別された場合に実行される処理である。当たり関連処理では、まず大当たり開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3901J)。大当たり開始コマンドを受信したと判別された場合(S3901J:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S3902J)、従大当たり中フラグ223pjをオンに設定し(S3903J)、本処理を終了する。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図2078参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆(報知)する演出を第3図柄表示装置81に表示する。一方、大当たり開始コマンドを受信していないと判別された場合は(S3901J:No)、次いで、ラウンド数コマンドを受信したか否かを判別する(S3904J)。S3904Jの処理において、ラウンド数コマンドを受信したと判別された場合(S3904J:Yes)、対応するラウンド数を表示するための表示用コマンドを設定し(S3905J)、本処理を終了する。
S3904Jの処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別された場合は(S3904J:No)、大当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(S3906J)。S3906Jの処理において、大当たり終了コマンドを受信したと判別された場合(S3906J:Yes)、表示用大当たり終了コマンドを設定し(S3907J)、従大当たり中フラグ223pjをオフに設定し(S3908J)、本処理を終了する。S3906Jの処理において、大当たり終了コマンドを受信していないと判別された場合は(S3906J:No)、小当たり開始コマンドを受信したか否かを判定する(S3909J)。S3909Jの処理において、小当たり開始コマンドを受信したと判別された場合は(S3909J:Yes)、表示用小当たり開始コマンドを設定し(S3910J)、従小当たり中フラグ223qjをオンに設定し(S3911J)、本処理を終了する。S3909Jの処理において、小当たり開始コマンドを受信していないと判別された場合は(S3909J:No)、小当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する(S3912J)。S3912Jの処理において、小当たり終了コマンドを受信したと判別された場合は(S3912J:Yes)、小当たり遊技の終了を示唆する演出を実行するため、表示用小当たり終了コマンドを設定し(S3913J)、従小当たり中フラグ223qjをオフに設定する(S3914J)。次いで、小当たり中V獲得フラグ223tjはオンであるかを判別し(S3915J)、小当たり中V獲得フラグ223tjがオンではないと判別した場合には(S3915J:No)、本処理を終了する。一方、小当たり中V獲得フラグ223tjがオンであると判別した場合には(S3915J:Yes)、小当たり中V獲得フラグ223tjをオフに設定し(S3916J)、Vチャージ演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S3917J)、本処理を終了する。S3912Jの処理において、小当たり終了コマンドを受信していないと判別された場合は(S3912J:No)、V通過コマンドを受信したか否かを判別する(S3918J)。S3918Jの処理において、V通過コマンドを受信したと判別された場合は(S3918J:Yes)、第2可変入賞装置650のV入賞スイッチ650e3への入球に基づく処理を実行し、表示用V通過コマンドを設定し(S3919J)、本処理を終了する。S3918Jの処理において、V通過コマンドを受信していないと判別された場合は(S3918J:No)、本処理を終了する。
図2083に戻り、説明を続ける。S3512Jの処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S3512J:No)、次に、停止関連コマンドを受信したかを判別する(S3514J)。S3514Jの処理において停止関連コマンドを受信したと判別した場合は(S3514J:Yes)、停止関連処理を実行し(S3515J)、本処理を終了する。停止関連処理(S3515J)は、主制御装置110から特別図柄または普通図柄の停止コマンドを受信した場合に、受信した停止コマンドに対応する演出を実行するための処理である。ここで、図2088及び図2089を参照して、停止関連処理(S3515J)の詳細について説明する。図2088は、この停止関連処理(S3515J)を示したフローチャートである。停止関連処理(S3515J)が実行されると、まず、受信した停止コマンドが特図停止コマンドであるかを判別する(S4001J)。特図停止コマンドであると判別した場合には(S4001J:Yes)、次に、特図1の停止コマンドであるかを判別し(S4002J)、特図1の停止コマンドであると判別した場合には(S4002J:Yes)、次に、時短状態が設定されているか判別する(S4003J)。具体的には、従時短中フラグ223gjがオンであるかを判別する。時短状態ではないと判別した場合には(S4003J:No)、S4008Jの処理を実行する。一方、時短状態であると判別した場合には、次に、今回停止した特図1の抽選結果は大当たり当選であるかを判別し(S4004J)、大当たり当選ではないと判別した場合には(S4004J:No)、S4008Jの処理を実行する。S4004Jの処理において、大当たり当選であると判別した場合には(S4004J:Yes)、次に、当たり普通図柄の変動中であるかを判別する(S4005J)。具体的には、従時短中当たりフラグ223rjがオンであるかを判別する。当たり普通図柄の変動中ではないと判別した場合には(S4005J:No)、通常リザルト画面(図2038(b)参照)を表示するための表示用コマンドを設定し(S4006J)、S4008Jの処理に移行する。一方、当たり普通図柄の変動中であると判別した場合には(S4005J:Yes)、復活リザルト画面(図2039(a)参照)を表示するための表示用コマンドを設定し(S4007J)、S4008Jの処理に移行する。上述したように、本第34制御例では、何れの大当たり種別の大当たり遊技が実行された場合であっても、大当たり遊技終了後には時短回数が1回の時短状態となる。したがって、時短中に第1特別図柄の変動が停止した場合に、時短状態が終了することを報知する表示態様(通常リザルト画面または復活リザルト画面)を表示する構成としている。なお、時短回数を1回以上設定可能な構成とする場合には、音声ランプ制御装置113のMPU221に残時短回数をカウントするカウンタを設け、特図停止コマンドを受信する毎にカウンタを更新し、特定のカウンタ値(例えば、0)となった場合に時短状態が終了することを報知する表示態様を表示する構成とすると良い。S4008Jの処理では、第3図柄の停止表示を設定する(S4008J)。次いで、表示用停止コマンドを設定し(S4009J)、本処理を終了する。
S4002Jの処理において、受信した特図停止コマンドが特図1の停止コマンドではないと判別した場合(即ち、特図2の停止コマンドである場合)には(S4002J:No)、演出モードが超チャージチャレンジモードであるかを判別する(S4010J)。具体的には、超チャージチャレンジモード中フラグ223sjがオンであるかを判別する。超チャージチャレンジモード中であると判別した場合には(S4010J:Yes)、超チャージチャレンジモードの終了を示す表示用コマンドを設定し(S4011J)、超チャージチャレンジモード中フラグ223sjをオフに設定し(S4012J)、S4008Jの処理に移行する。一方、超チャージチャレンジモード中ではないと判別した場合には(S4010J:No)、そのままS4008Jの処理に移行する。なお、上述したように、超チャージチャレンジモードとは第2特別図柄のロング変動(変動時間120秒の変動)中であることを示す演出モードである。
S4001Jの処理において、今回受信した停止関連コマンドが特図停止コマンドではないと判別した場合には(S4001J:No)、普図停止処理を実行し(S4013J)、本処理を終了する。ここで、図2089を参照して、普図停止処理(S4013J)の詳細について説明する。図2089は、この普図停止処理(S4013J)を示すフローチャートである。普図停止処理(S4013J)が実行されると、まず、従時短中当たりフラグ223rjがオンであるかを判別し(S4101J)、オンではないと判別した場合は(S4101J:No)、本処理を終了する。一方、従時短中当たりフラグ223rjがオンであると判別した場合は(S4101J:Yes)、従時短中当たりフラグ223rjをオフに設定し(S4102J)、従大当たり中フラグ223pjがオンであるかを判別する(S4103J)。従大当たり中フラグ223pjがオンであると判別した場合(即ち、大当たり遊技中である場合)には(S4103J:Yes)、V追加チャンス演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S4104J)、本処理を終了する。一方、従大当たり中フラグ223pjがオンではないと判別した場合には(S4103J:No)、次いで、チャージスタンバイモード中であるかを判別する(S4105J)。具体的には、演出モード記憶エリア223ujに格納されている演出モード情報を読み出し、チャージスタンバイモードを示すモード情報であるかを判別する。チャージスタンバイモード中であると判別した場合には(S4105J:Yes)、チャージスタンバイモードを終了するための表示用コマンドを設定し(S4106J)、Vチャージチャンス演出(図2034(b)参照)を実行するための表示用コマンドを設定し(S4107J)、本処理を終了する。S4105Jの処理において、チャージスタンバイモード中ではないと判別した場合には(S4105J:No)、従小当たり中フラグ223qjがオンであるかを判別する(S4108J)。従小当たり中フラグ223qjがオンであると判別した場合(即ち、小当たり遊技中である場合)には(S4108J:Yes)、本処理を終了する。一方、従小当たり中フラグ223qjがオンではないと判別した場合には(S4108J:No)、S4107Jの処理を実行する。これにより、小当たり遊技中に第2特定入賞口650に向けた遊技球の発射を促す案内態様(図2037(a)参照)と、Vチャージチャンス演出(第2入球口640に向けた遊技球の発射を促す案内態様)とが同時に表示されることを抑制することができる。なお、第2入球口640と第2特定入賞口650は、ともに遊技盤の右側領域(第3図柄表示装置81の正面視右側の遊技領域)に配置されており、第2入球口640は第2特定入賞口650よりも上部に位置しているため、第2特定入賞口650に向けて遊技球が発射されると第2入球口640にも入球可能である。
図2083に戻り、説明を続ける。S3514Jの処理において停止関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S3514J:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S3516J)、本処理を終了する。
次に、図2090を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S3113J)について説明する。図2090は、この変動表示設定処理(S3113J)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S3113J)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図2078参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図2090参照)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために実行する処理である。変動表示設定処理(S3113J)では、まず、RAM223に設けられた特図用変動開始フラグ223djがオンに設定されているか判別する(S4201J)。そして、特図用変動開始フラグ223djがオフであると判別した場合には(S4201J:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4206Jの処理へ移行する。一方、特図用変動開始フラグ223djがオンであると判別した場合には(S4201J:Yes)、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいて、今回の特別図柄の変動表示の詳細な態様を決定するためのS4202J~S4205Jの各処理を実行する。より具体的には、まず、特図用変動開始フラグ223djをオフに設定し(S4202J)、次いで、抽出した変動パターンを取得し(S4203J)、特図変動表示設定処理を実行する(S4204J)。ここで、図2091を参照して、特図変動表示設定処理(S4204J)の詳細について説明する。図2091は、この特図変動表示設定処理(S4204J)を示したフローチャートである。特図変動表示設定処理では、まず、演出カウンタ223fjの値を取得し(S4301J)、今回の特図変動が特図1変動であるかを判別する(S4302J)。特図1変動であると判別した場合には(S4302J:Yes)、次に、設定されている遊技状態が時短状態であるかを判別する(S4303J)。時短状態ではないと判別した場合には(S4303J:No)、抽出した変動パターンに対応する表示用変動パターンを変動パターン選択テーブル222ajに基づいて設定し(S4310J)、本処理を終了する。なお、変動パターン選択テーブル222ajには、ボタン演出ありの演出態様、自動押下対象演出ありの演出態様、自動押下非対象演出ありの演出態様を少なくとも含む表示用変動パターンが規定されており、S4310Jの処理において抽出した変動パターンに対応する表示用変動パターンが設定される。一方、S4303Jの処理において、時短状態であると判別した場合には(S4303J:Yes)、今回の特図1の抽選結果が大当たり当選であるかを判別し(S4304J)、大当たり当選ではないと判別した場合には(S4304J:No)、次に、普図用入賞情報格納エリア223mjに格納されている普図入賞情報のうち、第1保留エリアに格納されている普図入賞情報(普図保留球)を読み出し、抽選結果が当たり当選であるかを判別する(S4305J)。第1保留エリアの普図保留球が当たり当選ではないと判別した場合には(S4305J:No)、時短中キャラ設定テーブル222bjに基づいて時短中のキャラクタを決定し(S4306J)、設定したキャラクタを表示するための表示用コマンドを設定し(S4308J)、抽出した変動パターンに対応する変動時間を変動時間カウンタ223ijに設定し(S4309J)、S4310Jの処理に移行する。S4304Jの処理において特図1の抽選結果が大当たり当選であると判別した場合(S4304J:Yes)、または、S4305Jの処理において第1保留エリアの普図保留球が当たり当選であると判別した場合には(S4305J:Yes)、時短中のキャラクタとして特殊キャラを決定し(S4307J)、S4308Jの処理に移行する。なお、本第34制御例では、第1保留エリアの普図保留球が当たり当選である場合には、時短中に特図2保留球を獲得可能となり次回大当たり当選の可能性が高いことから、時短中のキャラクタとして特殊キャラを表示することで、次回大当たり当選の可能性が高いことを示唆する構成としている。
S4302Jの処理において、今回の特図変動が特図1変動ではないと判別した場合(即ち、特図2変動である場合)には(S4302J:No)、特図2変動表示設定処理を実行する(S4311J)。ここで、図2092を参照して、特図2変動表示設定処理(S4311J)の詳細について説明する。図2092は、この特図2変動表示設定処理(S4311J)を示したフローチャートである。特図2変動表示設定処理(S4311J)では、まず、設定されている遊技状態は時短状態であるかを判別し(S4401J)、時短状態ではないと判別した場合には、S4408Jの処理に移行する。一方、時短状態であると判別した場合には(S4401J:Yes)、抽出した変動パターンは短小当たりであるかを判別し(S4402J)、短小当たりであると判別した場合には(S4402J:Yes)、S4408Jの処理に移行する。S4402Jの処理において、短小当たりではないと判別した場合には(S4402J:No)、超チャージチャレンジモードモードを示す表示用コマンドを設定し(S4403J)、超チャージチャレンジモード中フラグ223sjをオンに設定する(S4404J)。次いで、時短中キャラ設定テーブル222bjに基づいて時短中のキャラクタを設定し(S4405J)、設定したキャラクタを表示するための表示用コマンドを設定する(S4406J)。そして、抽出した変動パターンに対応する変動時間を変動時間カウンタ223ijに設定し(S4407J)、S4408Jの処理に移行する。S4408Jの処理では、抽出した変動パターンに対応する表示用変動パターンを変動パターン選択テーブル222ajに基づいて設定し(S4408J)、特図2変動フラグ223kjをオフに設定し(S4409J)、本処理を終了する。
図2090に戻り、説明を続ける。特図変動表示設定処理(S4204J)が終了すると、特図表示用変動パターンコマンドを設定し(S4205J)、S4206Jの処理に移行する。S4206Jの処理では、RAM223の停止種別選択フラグ223ejのうち特図の停止種別を示すフラグがオンに設定されているかを判別する(S4206J)。そして、停止種別選択フラグ223ejのうち特図の停止種別を示すフラグがオフであると判別した場合には(S4206J:No)、S4211Jの処理へ移行する。一方、S4206Jの処理において、停止種別選択フラグ223ejのうち特図の停止種別を示すフラグがオンであると判別した場合には(S4206J:Yes)、(特図用)停止種別選択フラグ223ejをオフに設定し(S4207J)、次いで、コマンド判定処理(図2083参照)のS3507Jの処理において抽出された停止種別を取得し(S4208J)、取得した停止種別をそのまま設定する(S4209J)。そして、表示制御装置114に対して停止種別を通知するための表示用停止種別コマンドを設定する(S4210J)。その後、普図変動表示設定処理(S4211J)を実行し、本処理を終了する。
次に、図2093を参照して、普図変動表示設定処理(S4211J)の詳細について説明する。図2093は、この普図変動表示設定処理(S4211J)を示したフローチャートである。この普図変動表示設定処理(S4211J)は、主制御装置110から普図変動に関する変動パターンコマンドを受信した場合に第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために実行する処理である。普図変動表示設定処理(S4211J)が実行されると、まず、演出カウンタ223fjの値を取得し(S4501J)、普図用変動開始フラグ223njがオンに設定されているかを判別する(S4502J)。そして、普図用変動開始フラグ223njがオフであると判別した場合には(S4502J:No)、主制御装置110より普図に関する変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、本処理を終了する。一方、普図用変動開始フラグ223njがオンであると判別した場合には(S4502J:Yes)、普図用変動開始フラグ223njをオフに設定し(S4503J)、抽出した普図変動パターンを取得し(S4504J)、変動開始タイミングは時短中であるかを判別する(S4505J)。変動開始タイミングが時短中ではないと判別した場合には(S4505J:No)、本処理を終了する。一方、変動開始タイミングが時短中であると判別した場合には(S4505J:Yes)、普図抽選結果が当たり当選あるかを判別し(S4506J)、当たり当選であると判別した場合には(S4506J:Yes)、従時短中当たりフラグ223rjをオンに設定し(S4507J)、時短中背景設定テーブル222cjに基づいて時短中背景を設定し(S4508J)、設定した時短中背景を表示するための表示用コマンドを設定し(S4509J)、本処理を終了する。S4506Jの処理において、抽選結果が当たり当選ではないと判別した場合には(S4506J:No)、S4508Jの処理を実行する。
以上、説明したように、本第34制御例では、当たり普通図柄停止時に設定される電動役物640aの動作パターンを、当たり普通図柄の変動表示が開始された時点において設定されている遊技状態に応じて決定することで、時短状態において変動表示を開始した当たり普通図柄が大当たり遊技中に停止表示された場合には、電動役物640aをロング開放することが可能となり、大当たり遊技中に特図2保留球を獲得した場合に、その特図2保留球の当否判定結果を示唆する演出を実行可能な構成について説明した。なお、大当たり遊技中に特図2保留球を獲得可能な構成はこれに限るものではなく、例えば、大当たり遊技中も時短状態を継続する大当たり種別と、大当たり遊技開始時に時短状態を終了させる大当たり種別を設ける構成としても良い。
また、ボタン演出として、演出ボタン22の長押し操作が行われた場合に、演出ボタン22の連打操作が実行された場合と同様の処理を行う自動押下対象演出と、演出ボタン22の長押し操作が行われた場合に、演出ボタン22の連打操作が実行された場合と同様の処理を行わない自動押下非対象演出の2種類のボタン演出を設ける構成とした。なお、本第34制御例では、特別図柄のリーチ前演出として実行されるボタン演出を自動押下対象演出、特別図柄のリーチ中演出として実行されるボタン演出を自動押下非対象演出として構成したが、これに限るものではない。例えば、リーチ前演出として実行されるボタン演出を自動押下非対象演出としても良いし、リーチ中演出として実行されるボタン演出を自動押下非対象演出としても良い。
また、複数段階の設定値(例えば、設定1~設定6)から1の設定値を設定可能な遊技機(所謂、設定付きパチンコ機)において、同一態様のボタン演出であっても、設定されている設定値によって自動押下対象演出となる場合と、自動押下非対象演出となる場合と、を設ける構成としても良い。具体的には、1の特別図柄変動においてリーチ前演出として複数のボタン演出(ボタン演出A~F)の内、1のボタン演出を実行可能な構成とした場合に、設定値として「設定6」が設定されている場合にはボタン演出A~Fは全て自動押下対象演出となり、設定値として「設定5」が設定されている場合には、ボタン演出A~Eは自動押下対象演出、ボタン演出Fは自動押下非対象演出となり、設定値として「設定4」が設定されている場合には、ボタン演出A~Dは自動押下対象演出、ボタン演出E,Fは自動押下非対象演出となり、設定値として「設定3」が設定されている場合には、ボタン演出A~Cは自動押下対象演出、ボタン演出D~Fは自動押下非対象演出となり、設定値として「設定2」が設定されている場合には、ボタン演出A,Bは自動押下対象演出、ボタン演出C~Fは自動押下非対象演出となり、設定値として「設定1」が設定されている場合には、ボタン演出Aは自動押下対象演出、ボタン演出B~Fは自動押下非対象演出となるように構成する。このように構成することで、例えば、ボタン演出としてボタン演出Fが実行された場合に、遊技者が演出ボタン22を長押し操作することで、インジケータGg1のゲージレベルが可変すれば設定値が設定6であると推測でき、インジケータGg1のゲージレベルが可変しなければ設定値が設定6ではないと推測することができる。なお、どのボタン演出を自動押下対象演出するか決定するために、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222にボタン演出用のテーブルを複数設け、特図変動表示設定処理(S4204J)において表示用変動パターンを設定する場合に、設定されている設定値に対応するボタン演出用のテーブルに基づいてボタン演出の実行有無、ボタン演出の種類及び自動押下対象演出か否かを決定する構成とすると良い。
<第34制御例の第1変形例について>
次に、図2094から図2126を参照して、第34制御例の第1変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第34制御例では、時短状態が設定されている場合に特別図柄の変動表示が特定回数実行されることで時短状態を終了させる構成であった。具体的には、時短状態が設定された後に、特別図柄の変動表示が1回実行されると時短状態を終了させる構成であった。上述した第34制御例では、時短状態において普通図柄の当たりに当選することで第2特別図柄の保留球を獲得可能となり、第2特別図柄は大当たりまたは小当たりの何れかに必ず当選するため、普通図柄の当たり当選が実質特別図柄の大当たり(小当たり)当選となる。なお、時短状態は特別図柄の変動表示が1回実行されると終了するため、時短状態で普通図柄の抽選を受けることができる回数は、特別図柄の変動時間と、普通図柄の変動時間によって異なる構成であった。このため、例えば、特別図柄の変動時間を一定とし、普通図柄の変動時間を可変させることができる構成とした場合には、普通図柄の変動時間として短い変動時間(例えば、2秒)が設定されるとより多くの普通図柄抽選を受けることができ、長い変動時間(例えば、10秒)が設定されると時短状態における普通図柄抽選の回数が少なくなり、遊技の興趣を向上させることができる一方で、例えば、時短状態が設定され特別図柄の変動表示が開始された後に、遊技者が遊技球を発射させず、スルーゲート67に遊技球を通過させなかった場合には、普通図柄抽選が1度も実行されないまま時短状態が終了してしまうという不具合が生じる虞があった。これに対して本第1変形例では、時短状態が設定されている場合に普通図柄の変動表示が特定回数実行されることで時短状態を終了させる構成としている。これにより、時短状態における普通図柄抽選の回数は確約されたものとなり、普通図柄抽選を一度も受けることなく時短状態が終了するという不具合を抑制することができる。この第34制御例の第1変形例におけるパチンコ機10が、上述した第34制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第34制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第34制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第34制御例の第1変形例における遊技盤の構成について>
まず、図2094から図2096を参照して、本第34制御例の第1変形例のパチンコ機10が有する遊技盤13の構成について説明をする。まず、図2094を参照して、本第34制御例の第1変形例のパチンコ機10が有する遊技盤13の構成について詳細な説明を行う。図2094は、本第34制御例の第1変形例における遊技盤13の構成を示す正面図である。図2094に示した通り、本第34制御例のパチンコ機10が有する遊技盤13は、上述した第34制御例のパチンコ機10が有する遊技盤13(図2参照)に対して、貯留装置750を排除した点と、遊技盤13の右側領域の構成を大きく変更した点とで相違している。なお、同一の構成については同一の符号を付して、その説明を省略する。
本第34制御例の第1変形例では、上述した第34制御例と同様に、遊技球が入球したことに基づいて第1特別図柄抽選の実行権利を取得可能な第1入球口64と、第2特別図柄抽選の実行権利を取得可能な第2入球口640とが遊技盤13に配設されている。そして、第2入球口640には電動役物640aが付随しており、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される普図当たり遊技にて遊技球を所定方向に案内する部材である電動役物640aの可動板640a1が開放制御された場合に遊技球が第2入球口640へと入球可能となるように構成している。ここで、図2094を参照して、遊技盤13の右側領域の構成について詳細に説明をする。図2094に示した通り、遊技盤13の右側領域には遊技球が流下可能な流下経路rkが形成されており、操作ハンドル51(図1参照)に対する操作量に基づいて発射制御装置112(図2094参照)によって遊技盤13の右側領域に向けて発射された遊技球(右打ち遊技によって発射された遊技球)が遊技盤13の右側領域に形成された流下経路rkを流下するように構成している。この流下経路rkには様々な構成要素が付設されており、流下経路rkの上流側から順に、第2可変入賞装置650、スルーゲート67、電動役物640a、第1可変入賞装置65、一般入球口630bが設けられている。また、作動中(普図当たり遊技中)の電動役物640aによって誘導された遊技球が入球可能な位置に第2入球口640が設けられ、上述した流下経路rkの途中で分岐した遊技球が入球可能な位置に一般入球口630aが設けられている。
第2可変入賞装置650は、小当たり遊技中に開放制御される可変入球手段であって、遊技球が入賞した場合には15個の賞球が払い出されるように構成している。ここで、図2095及び図2096を参照して、第2可変入賞装置650の詳細な構成について説明をする。図2095(a)は、閉鎖状態の第2可変入賞装置650を模式的に示した平面図であって、図2095(b)は、開放状態の第2可変入賞装置650を模式的に示した平面図である。まず、図2095(a)を参照して、第2可変入賞装置650が閉鎖状態である場合における遊技球の球流れについて説明をする。第2可変入賞装置650の閉鎖状態では、開閉扉650fが第2特定入賞口650aの開口部を覆う位置(閉鎖位置)まで突出するように構成されており、流下経路rkを流下し釘Q2上を通過した遊技球が第2特定入賞口650aに入賞し得ないように構成している。そして、閉鎖位置に位置した開閉扉650fの上面には遊技球が流下可能な流下経路が形成される。ここで、図2094に示した通り、本第34制御例の第1変形例では、開閉扉650fの左端(図2094の視点で正面視左端)から右端(図2094の視点で正面視右端)に向けて下り傾斜が形成されるように第2可変入賞装置650が遊技盤13に配設されているため、開閉扉650fの上面に到達した遊技球は、図2095(a)に示した通り、左端側から右端側へと流下する。さらに、開閉扉650fの上面には、遊技球を蛇行して流下させるための規制部材(650fa~650fe)が複数設けられている。具体的には、開閉扉650fの上流側(左端側)から下流側(右端側)に向けて順に第1規制部材650fa、第2規制部材650fb、第3規制部材650fc、第4規制部材650fd、第5規制部材650feが設けられており、第1規制部材650fa、第3規制部材650fc、第5規制部材650feが遊技球の流下方向(進行方向)に対して右側に設けられ、第2規制部材650fb、第4規制部材650fdが遊技球の流下方向(進行方向)に対して左側に設けられている。このように構成された開閉扉650fの上面を遊技球が流下する場合には、地点Aに到達した遊技球が第1規制部材650faの曲面部、第2規制部材650fbの曲面部、第3規制部材650fcの曲面部と順に衝突しながら流下し、地点Bに到達する。その後、第4規制部材650fdの曲面部、第5規制部材650feの曲面部に衝突しながら地点Cに到達し、開閉扉650fの上面に形成される流下経路の下流端から一般入球口630bの開口部を臨む位置へと排出されるように構成している。
このように、開閉扉650fの上面に複数の規制部材を設けることで、開閉扉650fの上面を蛇行状経路(図では矢印で表示)で遊技球を流下させることが出来ると共に、流下している遊技球を各規制部材へと衝突させることによって遊技球の流下速度を低下させることが可能となる。よって、開閉扉650fの上面に規制部材を設けない場合と比べて、遊技球が開閉扉650fの上面に滞在する期間を長くすることができる。よって、一定間隔(1分間に100個)で発射され流下経路rkを流下する遊技球が開閉扉650fに複数個位置している状況を比較的容易に創出することができるため、大当たり遊技によって第2可変入賞装置650が開放制御され開閉扉650fが開放状態となった場合に、一度に複数個の遊技球を第2特定入賞口650aに入賞させることができ、遊技者に爽快感を与え易くすることができる。
次に、図2095(b)を参照して、第2可変入賞装置650が開放状態である場合における遊技球の球流れについて説明をする。第2可変入賞装置650の開放状態では、開閉扉650fが遊技盤13の内部に埋設する位置まで退避し、第2特定入賞口650aの開口部へと遊技球が入賞可能な状態となる。そして、第2特定入賞口650aへと入賞した遊技球が第2可変入賞装置650の第1誘導路650t1を上流側(図2095視点で左側)から下流側(図2095視点で右側)へと流下するように構成している。そして、第1誘導路650t1上を流下した遊技球が第1誘導路650t1の下流端から排出されて特定領域650vを通過するように構成している。特定領域(Vゲート)650vは、遊技球が1個通過可能な幅(約15mm)に形成された領域であって、図示しないV検知手段(近接スイッチ等)によって特定領域(Vゲート)650vを通過した遊技球を検知可能に構成している。そしてV検知手段が遊技球を検知した場合にはV検知信号が主制御装置110へと出力される。主制御装置110ではV検知信号が入力された場合においてV検知信号が入力されたタイミングが適正範囲内(小当たり遊技中)であるかを判別し、適正範囲内であると判別した場合に大当たり遊技の実行権利を設定(Vフラグ203feをオンに設定)するように構成している。また、主制御装置110側では検知信号が入力されることで第2可変入賞装置650へと遊技球が入賞したことを判別し、対応する賞球数の払い出しを実行する処理と、小当たり遊技の終了条件(10個入賞)が成立したかを判別する処理とが実行されるように構成している。次に、図2096を参照して、第2可変入賞装置650の内部構成について詳細な説明をする。図2096は、第2可変入賞装置650の内部構成を模式的に示した図である。図2096に示した通り、第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球が第1誘導路650t1を流下し、特定領域650Vを有する流路に流下するように構成している。そして、特定領域650vを通過した遊技球は、パチンコ機10の外部へと排出されるように構成している。
スルーゲート67は、普通図柄抽選の実行権利を取得可能な通過領域であって、右打ち遊技によって発射された遊技球が100%通過するように遊技盤13の右側領域の上方に設けられている。普通図柄変動が実行されていない状態で遊技球がスルーゲート67を通過した場合には普通図柄抽選が実行される。また、普通図柄変動が実行されている状態で遊技球がスルーゲート67を通過した場合には普通図柄抽選の実行権利が最大で4個記憶(保留記憶)される。そして、普通図柄が外れを示す表示態様で停止表示された後、又は、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される普図当たり遊技が終了した後、即ち、新たな普通図柄抽選を実行するための実行条件が成立した場合に保留記憶されている普通図柄抽選の実行権利を用いた普通図柄抽選が実行されるように構成している。このように構成することで、普通図柄抽選の実行条件が成立した状態において即座に普通図柄抽選を実行させることができる。スルーゲート67の下方には普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される普図当たり遊技中に作動制御される電動役物640aが配設されている。この電動役物640aは、普図当たり遊技が実行されることで可動板640a1が作動位置へと位置した場合には遊技盤13の右側領域に形成された流下経路rkを遮るように突出し、図2094の視点において左上側から右下側へと下り傾斜となる誘導路が形成されるように構成している。この誘導路が上流端から下流端へと遊技球が流下するのに要する時間が約0.5秒となる長さで形成されており、下流端から流下した遊技球が第2入球口640へと入球するように構成している。一方で、普図当たり遊技が実行されていない状態では、電動役物640aの可動板640a1が遊技盤13に埋設された非作動位置に位置するように構成しており(図2094では点線で表示)、右側領域の流下経路rkを流下する遊技球が非作動位置に位置している電動役物640aを通過して第1可変入賞装置65に向けて流下することになる。つまり、電動役物640aは、第2入球口640へと遊技球を入球させるための誘導手段となる。このように構成することで、時短状態が設定されている間に普通図柄の当たりに当選した場合には、右打ち遊技によって発射された遊技球が第2入球口640へと入球し易くなり、通常状態が設定されている間は右打ち遊技によって発射された遊技球が第2入球口640へと入球しないようにすることができる。よって、通常状態が設定されている状況において右打ち遊技を行ったとしても第2特別図柄抽選を実行させることができないため、通常状態では左打ち遊技を行うことで第1入球口64へと遊技球を入球させる遊技が遊技者に有利な遊技となる。
非作動中の電動役物640aを通過した遊技球は誘導壁600h1に衝突し、その衝突位置が左傾斜位置(図2094の視点で左側の位置)となった遊技球は誘導壁600h1を転動しながら流下経路rkを第1可変入賞装置65に向かって流下する。一方、衝突位置が誘導壁600h1の右傾斜位置(図2094の視点で右側の位置)となった遊技球は誘導壁600h1を転動しながら一般入球口630aへと誘導される。この一般入球口630aは遊技球が入球することで10個の賞球が払い出される入球手段である。電動役物640aが非作動中に流下経路rkへと進入し、非作動中の電動役物640aを通過した遊技球の殆ど(約95%)は誘導壁600h1の左側位置に衝突するように構成されており、作動中の電動役物640aによって形成される誘導路を流下している途中で電動役物640aの作動が終了した場合、即ち、電動役物640aが作動位置に位置することで形成される誘導路上を第2入球口640に向かって流下している途中で電動役物640aから落下し誘導壁600h1へと衝突した(誘導壁600h1の右側位置へと衝突した)遊技球が主に一般入球口630aへと入球する遊技球となるように構成している。第1可変入賞装置65は、上述した第34制御例と同様に特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技にて開放制御される可変入球手段であって、遊技球が1個入球した場合に15個の遊技球が賞球として払い出されるように構成している。本第34制御例の第1変形例では、当選した大当たりの種別(大当たり種別)に応じて大当たり遊技にて実行される第1可変入賞装置65の開放制御内容を異ならせており、最も開放制御期間が短い大当たり遊技では5ラウンド分の開放制御が実行され、最も開放制御期間が長い大当たり遊技では10ラウンド分の開放制御が実行されるように構成している。なお、本第34制御例の第1変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に加え、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいても第1可変入賞装置65が開放制御される大当たり遊技を実行可能に構成している。この場合は、第2可変入賞装置650が開放制御される小当たり遊技が終了した後に第1可変入賞装置65が開放制御される大当たり遊技が実行されるため、複数の可変入球手段(第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650)を連続して開放制御させることが可能な遊技を遊技者に提供することができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
なお、本第34制御例の第1変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技を図柄大当たり遊技と称し、小当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過したことに基づいて実行される大当たり遊技をV大当たり遊技と称して説明をする。また、図柄大当たり遊技におけるラウンド数とは、第1可変入賞装置65に対して実行される1回目の開放制御を1ラウンド目のラウンド遊技とし、V大当たり遊技におけるラウンド数とは、小当たり遊技として第2可変入賞装置650に対して実行される開放制御を1ラウンド目のラウンド遊技とし、小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技として第1可変入賞装置65に対して実行される1回目の開放制御を2ラウンド目のラウンド遊技として説明をする。つまり、V大当たり遊技におけるラウンド数は第1可変入賞装置65に対して実行される開放制御の回数では無く、小当たり遊技の開放制御も含めた回数となる。換言すれば、所定ラウンド数(例えば、10ラウンド)のV大当たり遊技が実行された場合において、1ラウンド目の開放制御中(小当たり遊技中)に2ラウンド目以降の大当たり遊技を実行させるための実行条件を成立させることが可能に構成し、実行条件が成立した場合のみ2ラウンド目以降の大当たり遊技を実行させるように構成しているとも言える。第1可変入賞装置65が開放制御されていない状況、即ち、第1可変入賞装置65の開閉扉65fが閉状態に位置している場合は、開閉扉65fの上面部が流下経路rkの底面部となり、流下経路rkを流下している遊技球が開閉扉65fの上面部を転動しながら流下経路rkの下流側に向けて流下することになる。閉状態の第1可変入賞装置65を通過した遊技球は、一般入球口630bへと入賞する。一般入球口630bに遊技球が入賞した場合には、遊技球が1個入球した場合に1個の遊技球が賞球として払い出されるように構成している。このように構成することで、時短状態が設定されている場合に、第2入球口640へと遊技球が入賞しない状況(普通図柄の外れ当選の場合)が続いても、右側領域に発射された遊技球は一般入球口630bに入球するため、遊技者は獲得した賞球を減らすことなく右打ち遊技を行うことができる。また、一般入球口630に遊技球が入賞した場合の賞球は、遊技球1個に対して1個賞球であるため、通常状態において遊技者が右打ち遊技を行っても遊技者の獲得賞球数は増加しない。
次に、図2097を参照して本第34制御例の第1変形例における遊技の流れを説明する。図2097は本第34制御例の第1変形例における遊技の流れを模式的に示した模式図である。本第34制御例の第1変形例では、大きく分けて遊技状態が通常状態の場合に、左第1入球口64aを狙い第1特別図柄(特1)の抽選を実行する左打ち遊技と、遊技状態が時短状態の場合に、スルーゲート72を狙い普通図柄(普図)の抽選を実行させる、或いは、遊技状態が当たり(大当たり、小当たり)状態の場合に、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650を狙う右打ち遊技が行われるように構成されており、左打ち遊技中に実行される第1特別図柄の抽選で当たり(大当たり又は小当たり)に当選し、その当たり遊技終了後に通常状態よりも遊技者に有利となる時短状態が付与され、右打ち遊技へと移行する。この時短状態(時短遊技状態)は、所定条件が成立した場合(時短状態における普通図柄の変動回数が特定回数(105回)に達した場合)に終了し、通常状態である左打ち遊技へと移行する。つまり、本パチンコ機10では、左打ち遊技(通常状態)中は、遊技者に有利となる右打ち遊技(時短遊技状態)へと移行することを目指して遊技を行い、右打ち遊技が行われる時短遊技状態中は、時短遊技状態を継続させることを目指して遊技が行われる。このように、異なる遊技性を有する遊技機において、その異なる遊技性を遊技者が球を発射させる位置を異ならせる遊技(右打ち遊技、左打ち遊技)に対応させることで、遊技者に対してわかりやすい遊技を提供することができる。
図2097に示すように、左打ち遊技が行われる通常遊技状態では、左第1入球口64aを狙った遊技が実行される。左第1入球口64aへの球の入球に基づいて第1特別図柄の抽選を行い、その抽選結果が大当たりである場合には、50%の割合で大当たり種別が大当たりAa(5R時短有大当たり)となり、残りの50%で大当たりBa(5R時短無大当たり)となる。詳細は後述するが、本第1変形例における大当たりAaと大当たりBaは、大当たり遊技中のラウンド数は共に5ラウンドであるが、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が異なっており、大当たりAaでは時短状態が、大当たりBaでは通常状態が設定される。したがって、大当たりAaの方が大当たりBaよりも遊技者に有利な大当たり種別であると言える。時短遊技状態(時短状態)に移行すると、遊技盤13の右側領域に配設されているスルーゲート72を狙うべく球を遊技盤13の右側へ発射する右打ちを行う右打ち遊技が行われる。なお、本第34制御例の第1変形例では、第1特別図柄の大当たり種別を2種類としたが、これに限るものではなく、ラウンド数の異なる大当たり種別を設ける構成としても良い。又、本第34制御例の第1変形例では、第1特別図柄抽選の結果を大当たりと外れのみで構成したが、これに限るものではなく、小当たりを設けても良い。また、第1特別図柄の抽選結果が小当たりである場合に、その小当たり種別によって大当たり(V入賞)となるルートを設ける構成としても良い。
次に、本パチンコ機10において、遊技者に有利となる右打ち遊技中の流れについて説明をする。本第1変形例のパチンコ機10では、普通図柄の当たり当選確率を1/75に設定し、時短状態中に普通図柄の変動表示が105回実行されると、時短状態が終了する構成としている。また、上述した第34制御例と同様に、第2特別図柄の抽選が実行された場合には、大当たりまたは小当たりの何れかには必ず当選する構成である。つまり、本第1変形例の時短状態中は、普通図柄の変動表示が105回実行されるまでに普通図柄の当たりに当選し、第2特別図柄抽選を実行させることを目指す遊技性となる。なお、普通図柄の抽選が105回実行されるまでに当たり当選する確率は約75%である。時短状態中に普通図柄の当たりに当選し、第2特別図柄の変動表示が実行される場合、第2特別図柄の変動時間として変動時間が0.2秒の短変動と、変動時間が60秒の長変動と、変動時間が120秒の超長変動の3つの変動時間のうち、何れかの変動時間が設定される。本第1変形例では、第2特別図柄の変動表示が実行される場合の約75%で短変動が設定され、約20%で長変動が設定され、約5%で超長変動が設定される。第2特別図柄の変動時間として60秒または120秒が設定された場合には、「超チャージチャレンジ」に移行する。この超チャージチャレンジ中も時短状態は継続しており普通図柄の変動表示が実行されるため、超チャージチャレンジ中に特図2保留球の獲得を目指すことができる。なお、第2特別図柄の変動表示が終了し、大当たり遊技(または小当たり遊技)が開始されると時短状態が終了するため、第2特別図柄の変動時間として短変動が設定された場合には、第2特別図柄の変動中に特図2保留球の獲得は難しい状態と言える。なお、第2特別図柄の大当たりに当選した場合は必ず大当たり遊技終了後に時短状態が設定され、第2特別図柄の小当たりに当選した場合には、小当たり遊技中に特定領域650v(V領域)に遊技球を通過させることで、V大当たり遊技終了後に時短状態が設定される。一方、小当たり遊技中にV領域に遊技球を通過させなかった場合にはV大当たり遊技が実行されず、小当たり遊技終了後に通常状態が設定される。なお、図2094に示した通り、本第1変形例では遊技盤の右側領域に第1特別図柄の抽選を実行するための第1入球口65が配置されていないため、右打ち遊技を実行している限りは新たに第1特別図柄抽選が実行されることはない。しかしながら、通常状態において第1特別図柄の大当たりに当選した場合に特図1保留球を既に獲得している場合や、時短状態中に遊技者が誤って左打ち遊技をしてしまい第1入球口64に遊技球を入球させてしまった場合には、時短状態においても第1特別図柄抽選が実行され得る。この場合に、第1特別図柄の大当たりに当選した場合には、通常状態と同様に50%の割合で大当たり遊技終了後に時短状態が設定され、残りの50%で大当たり遊技終了後に通常状態が設定される。なお、本第1変形例では、第2特別図柄の大当たり遊技終了後に必ず時短状態が設定される構成としたが、これに限るものではなく、一部の大当たり種別では大当たり遊技終了後に通常状態が設定される構成としても良い。或いは、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の終了条件を異ならせる構成としても良い。例えば、時短状態の終了条件として時短回数(普通図柄の変動回数)105回が設定される大当たり種別と、105回よりも少ない時短回数(例えば、50回)が設定される大当たり種別と、を設ける構成としても良いし、105回よりも多い回数の時短回数(例えば、10000回)が設定される大当たり種別を設ける構成としても良い。
<第34制御例の第1変形例における演出内容について>
次に、図2098~図2101を参照して、本第34制御例の第1変形例のパチンコ機10の第3図柄表示装置81において実行される特徴的な演出内容について説明する。図2098(a)は、時短状態が設定され、普通図柄が変動中である場合の第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した図である。時短状態が設定されているので、図2098(a)の正面視左上に形成される案内表示領域Dm1には、右打ち遊技を案内するための表示態様である「右打ち」の文字が表示される。また、第1表示領域Dmの左側には、主保留図柄として第2特別図柄の保留記憶数を表示するための主保留図柄表示領域Dm2が形成される。なお、図2098(a)に示す状態においては、第2特別図柄の保留記憶数が「0」である。また、表示画面の正面視右上には第1表示領域Dn1~第6表示領域Dn6の6つの表示領域が形成され、第1表示領域Dn1には第1特別図柄に対応した第3図柄が、第2表示領域Dn2には第2特別図柄に対応した第3図柄が、第3表示領域には普通図柄に対応した第3図柄が、それぞれ従図柄として表示され、図2098(a)に示す状況では、第3表示領域Dn3では対応する図柄が変動中であることを示すために第3図柄(従図柄)が変動表示され、第1表示領域Dn1および第2表示領域Dn2では対応する図柄が変動していないことを示すための第3図柄(従図柄)が停止表示されている。なお、第1表示領域Dn1~第3表示領域Dn3に表示される従図柄の表示態様については、対応する図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)が変動中であるか否に対応した表示態様であればよい。また、停止している図柄に対応した表示態様としては、変動していないこと(停止していること)を把握できればよく、図2098(a)の第1表示領域Dn1に示したように「-」を停止表示させる表示態様でもよいし、前回の変動表示の停止表示態様をそのまま停止表示させる表示態様でもよい。そして、第4表示領域Dn4では、第1特別図柄の保留記憶数(保留球数)が0個(保留記憶を獲得していない状態)であることを示すための表示態様として数字の「0」が表示され、第5表示領域Dn5では、第2特別図柄の保留記憶数(保留球数)が0個(保留記憶を獲得していない状態)であることを示すための表示態様として数字の「0」が表示され、第6表示領域Dn6では、普通図柄の保留記憶数(保留球数)が4個であることを示すための表示態様として数字の「4」が表示されている。この第4表示領域Dn4~第6表示領域Dn6に表示される各図柄の保留記憶数(保留球数)を示すための表示態様としては、本第1変形例のように、各図柄の保留記憶数を具体的に示す値を数字で示す表示態様を用いてもよいし、各図柄の保留記憶の有無のみを示す表示態様(例えば、保留記憶がある場合は「○」、保留記憶がない場合は「-」)を用いてもよい。この場合は、保留記憶があることを示す「○」の表示態様の色を変更させることで、保留記憶数を示唆するようにしてもよい。また、保留記憶数を抽象的に示唆する表示態様を用いてもよい。
さらに、主表示領域Dmの下方に形成される副表示領域Dsには、時短状態の残回数を示すための残回数表示として「残り99回」が第2副表示領域Ds2に表示され、第2副表示領域Ds2の左側の第1副表示領域Ds1にて、設定されている演出モードを示すための案内表示として「チャージチャレンジ」が表示される。また、主表示領域Dmの中央部には、第1小表示領域HR1が形成され、チャージチャレンジモードにおける遊技内容を示すための案内表示である「図柄がそろえばVチャージのチャンス!」という文字が表示され、第1小表示領域HR1の下方には普通図柄の抽選結果を報知するための普図主図柄Dmcが変動表示されている。ここで、本第1変形例では、時短状態において第2特別図柄が変動表示されていない期間は、普通図柄の変動表示を主図柄として主表示領域Dmに表示する構成としている。このように構成することで、普通図柄が変動表示されていることを遊技者に分かり易くすることができる。なお、第2特別図柄の変動表示中は、主表示領域Dmに表示される主図柄として普図主図柄Dmcに代えて特図2主図柄Dmbを表示する。また、時短状態において第1特別図柄が変動表示される場合には、第1特別図柄の抽選結果が外れであれば主表示領域Dmには普図主図柄Dmcを表示し、第1特別図柄の抽選結果が大当たり当選であれば主表示領域Dmには特図1主図柄Dmaを表示する。
図2098(b)を参照して、時短状態において当たり普通図柄が停止表示された場合の演出内容について説明する。図2098(b)は、時短状態において当たり普通図柄が停止表示された場合の演出の一例を示した図である。図2098(a)に示した状況から、普通図柄の変動時間が経過し、その普通図柄の抽選結果が当たり当選である場合には、第3表示領域Dn3には普通図柄の当たり当選であることを示す態様の「〇〇」が停止表示され、主表示領域Dmでは普図主図柄Dmcが普通図柄の当たり当選であることを示す態様(「555」の組み合わせ)で停止表示される。また、普通図柄の当たり当選となったことに対応して電動役物640aがロング開放され、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となるため、主表示領域Dmの正面視右下領域に第2入球口640に向けた遊技球の発射を促すための案内態様が表示される。
次に、図2099~図2100を参照して、超チャージチャレンジモード中の演出内容について説明する。図2099(a)は、時短状態において第2特別図柄の長変動(変動時間が60秒の特図2変動)が実行されている場合の演出内容の一例を示した図である。図2099(a)では、第2表示領域Dn2において第2特別図柄が変動表示中であることを示す態様が表示され、第3表示領域Dn3において普通図柄が変動表示中であることを示す態様が表示されている。ここで、図2098(b)に示した状況から、第2入球口640に遊技球が入球すると、第2特別図柄の変動表示が開始されるが、上述したように、第2特別図柄の変動表示が開始される場合において、第2特別図柄の変動パターンとして、変動時間が60秒の長変動、または変動時間が120秒の超長変動が設定されると、「超チャージチャレンジ」モードに移行する。詳細は後述するが、この超チャージチャレンジモード中は、普通図柄の当否判定結果にかかわらず普図変動時間として2秒が設定され、時短回数が更新されない構成としている。なお、本第34制御例の第1変形例では、特別図柄の大当たり遊技が開始される場合にも時短状態が終了する構成としているため、超チャージチャレンジモード中は、第2特別図柄の変動表示が終了するまでの期間で時短状態が継続することとなる。このため、超チャージチャレンジモード中は第2副表示領域Ds2の表示態様が第2特別図柄の残変動時間を示す態様に切り替え、時短状態が終了するまでの残期間を遊技者に報知する構成としている。また、第2特別図柄の変動表示が開始されたことに対応して、主表示領域Dmの中央部に表示される主図柄は、普図主図柄Dmcから特図2主図柄Dmbに切り替わる。なお、普通図柄の当たり当選した場合には、図2099(b)に示すように主表示領域Dmにおいて宝箱802を発見する演出が表示され、第2入球口640に向けた遊技球の発射を促す案内態様が表示される。
次に、図2100~図2101を参照して、時短状態において第2特別図柄の変動表示が停止表示された場合の演出内容について説明する。まず、図2100(a)を参照して、時短状態において外れ普通図柄が変動表示中に第2特別図柄が停止表示された場合の演出について説明する。図2100(a)は、時短状態において外れ普通図柄が変動表示中に第2特別図柄が停止表示された場合の演出の一例を示した図である。図2100(a)に示す状況では、第2表示領域Dn2に第2特別図柄が小当たり当選であることを示す態様の1つである「777」の組み合わせの第3図柄が停止表示され、第3表示領域Dn3に普通図柄が変動表示中であることを示す態様が表示されている。また、主表示領域Dmには第2特別図柄が小当たり当選であることを示す態様の1つである「777」の組み合わせの特図2主図柄Dmbが停止表示され、第2特別図柄の停止表示により時短状態が終了したため、時短状態が終了したことを示す態様である「超チャージチャレンジ終了」の文字が第1小表示領域HR1に表示され、主表示領域Dmにはピースをするうさぎのキャラクタ804が表示される。また、第2特別図柄の小当たり当選に基づいて小当たり遊技が実行されるため、主表示領域Dmの正面視右下領域には第2可変入賞装置650の特定領域(V領域)650vに向けた遊技球の発射を促す案内態様が表示され、第1副表示領域Ds1には「Vを狙え」の文字が表示される。次に、図2100(b)を参照して、時短状態において当たり普通図柄が変動表示中に第2特別図柄が停止表示された場合の演出について説明する。図2100(b)は、時短状態において当たり普通図柄が変動表示中に第2特別図柄が停止表示された場合の演出の一例を示した図である。ここで、第2特別図柄が停止表示された時点で当たり普通図柄が変動表示中である場合には、小当たり遊技中、または大当たり遊技中にその当たり普通図柄が停止表示されることとなる。本第34制御例の第1変形例では、上述した第34制御例と同様に、普通図柄の変動表示が開始された時点において設定されている遊技状態に対応した電動役物640aの動作パターンが設定される構成である。したがって、時短状態における第2特別図柄の変動表示中に変動を開始した当たり普通図柄が時短状態終了後に停止表示された場合には、時短状態に対応する電動役物640aの動作パターン(ロング開放パターン)が設定されるため、小当たり遊技中または大当たり遊技中に電動役物640aが開放状態となり特図2保留球を獲得可能となる。このため、本第34制御例の第1変形例では、時短状態において当たり普通図柄が変動表示中に第2特別図柄が停止表示された場合には、超チャージチャレンジモード終了後もうさぎのキャラクタ804が引き続き宝箱802を探す演出を実行することで、当たり普通図柄が変動中であることを示唆する構成としている。なお、第2特別図柄の停止表示時に当たり普通図柄が変動表示中である場合には、大当たり遊技中にその当たり普通図柄が停止表示されたことに対応して、図2101に示す宝箱802発見演出を実行する。このように構成することで、第2特別図柄の変動終了時に変動表示されている普通図柄の当否判定結果をうさぎのキャラクタ804の態様から遊技者が予測可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本第34制御例の第1変形例では、第2特別図柄の停止表示時に変動表示されている普通図柄の当否判定結果が当たりである場合にのみうさぎのキャラクタ804が引き続き宝箱802を探す演出が実行される構成としたが、これに限るものではなく、外れの場合の一部でもうさぎのキャラクタ804が引き続き宝箱802を探す演出を実行する構成としても良い。このように構成することで、第2特別図柄の停止表示時に変動表示されている普通図柄の当否判定結果が外れ当選である場合でも、大当たり遊技中、または小当たり遊技中に特図2保留球を獲得できるのではないかという期待感を持たせることが可能となり、遊技意欲の低下を抑制することができる。なお、このように構成する場合、その外れ普通図柄が停止表示されたことに対応してうさぎのキャラクタ804が走るのを止める演出を実行し、宝箱802を発見できなかったことを報知する構成とすると良い。
<第34制御例における電気的構成について>
次に、図2102~図2110を参照して、第34制御例の第1変形例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、図2102を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。本第34制御例の第1変形例におけるカウンタは、上述した第34制御例の主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタに加え、第2変動種別カウンタCS2が新たに設けられている点で相違している。この第2変動種別カウンタCS2は、この第2変動種別カウンタCS2は、タイマ割込処理(図2056参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。第2変動種別カウンタCS2は、所定の範囲(例えば、0~198)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~198の値を取り得るカウンタの場合は198)に達した後0に戻る構成となっている。本第34制御例の第1変形例では、この第2変動種別カウンタCS2のカウンタ値に基づいて普通図柄の変動パターンを決定する。
次に、図2103~図2110を参照して、本第34制御例の第1変形例における主制御装置110のMPU201の内容について説明する。図2103(a)は、本第34制御例の第1変形例における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。上述した第34制御例に対して、本第1変形例におけるROM202には、第1当たり種別選択テーブル202bjに代えて第1当たり種別選択テーブル202bjAを、第2当たり乱数テーブル202cjに代えて第2当たり乱数テーブル202cjAを、変動パターンテーブル202djに代えて変動パターンテーブル202djAを、小当たり種別選択テーブル202ejに代えて小当たり種別選択テーブル202ejAを、普図変動パターンテーブル202fjに代えて普図変動パターンテーブル202fjAを新たに設けている点で相違しており、その他の構成については同一であるため、同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
次に、図2104(a)~(c)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bjAの詳細について説明する。図2094(a)~(c)は、第1当たり種別選択テーブル202bjAの内容を模式的に示した模式図である。第1当たり種別選択テーブル202bjAは、第1特別図柄の大当たりに当選した場合における大当たり種別を選択するための特別図柄1大当たり選択テーブル202bjA1と、第2特別図柄の大当たりに当選した場合、或いは、第2特別図柄の小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞スイッチ650e3(図2096参照))を通過した場合における大当たり種別を選択するための特別図柄2大当たり選択テーブル202bjA2と、を有している。図2104(b)に示すように、第1特別図柄の大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲内の場合には「大当たりAa(5R時短有大当たり)」が選択される。この大当たりAaは、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別である。第1特別図柄の大当たり時に第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲内の場合には「大当たりBa(5R時短無大当たり)」が選択される。この大当たりBaは、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり種別である。一方、図2104(c)に示すように、第2特別図柄の大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値に関わらず(値が「0~99」の場合において)大当たりCa(10R時短有大当たり)が選択される。この大当たりCaは、大当たり遊技のラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別である。また、第2特別図柄の小当たり時には、後述する小当たり種別に対応して大当たり種別が選択される。具体的には、小当たり種別が小当たりAaの場合は大当たりCa(10R時短有大当たり)が選択され、小当たりBaの場合は大当たりDa(5R時短有大当たり)が選択される。この大当たりDaは、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別である。なお、本第34制御例の第1変形例では、大当たり遊技終了後に「時短回数105回」の時短状態が付与されるように構成しているが、大当たり遊技終了後に付与される時短回数はこれに限られるものではなく、105回以上の回数を設定してもよいし、105回以下の回数を設定しても良く、選択された大当たり種別に基づいて異なる回数の時短状態が選択されるようにしてもよい。また、選択された大当たり種別と大当たりに当選した(球が特定領域を通過した)時点において設定されている遊技状態に基づいて異なる回数の時短状態が選択されるようにしてもよい。このように構成することで、大当たり遊技の内容(大当たり遊技のラウンド数等)に加え、大当たり遊技終了後に付与される特典内容(時短状態の回数)を異ならせることができ、大当たり遊技中の遊技者に対して、大当たり遊技終了後にどのような特典(時短状態)が付与されるのかを期待させながら意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図2104(d)を参照して、第2当たり乱数テーブル202cjAについて説明する。この第2当たり乱数テーブル202cjAは、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。図2104(d)に示した通り、遊技機の状態に関わらず、第2当たり乱数カウンタバッファに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が0~3の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。したがって、普通図柄の当たりに当選する確率は遊技状態にかかわらず4/300(1/75)となる。
次に、図2105(a)及び(b)を参照して、小当たり種別選択テーブル202ejAの内容について説明する。図2105(a)は、小当たり種別選択テーブル202ejAの内容を模式的に示した模式図である。小当たり種別選択テーブル202ejAは、第2特別図柄の小当たりに当選した場合の小当たり種別を選択するための特別図柄2小当たり選択テーブル202ejA1を有している。図2105(b)に示すように、第2特別図柄の小当たり当選時には、小当たり種別カウンタC5の値が、「0~49」の場合は小当たりAa(V通過可能)が選択され、「50~99」の場合は小当たりBa(V通過可能)が選択される。本第34制御例の第1変形例では、小当たり種別に応じて、第2可変入賞装置650のV入口ソレノイド209a、流路ソレノイド209cの動作が設定される。具体的には、小当たりA~Cによる小当たり遊技では、第2可変入賞装置650の流路ソレノイド209cが動作しており、特別排出流路650e2へと球が入球可能となっている。なお、本第34制御例では、全ての小当たり種別を小当たり遊技においてV通過可能な小当たり(特定領域(V入賞スイッチ650e3)に球を通過させ、大当たり遊技が付与可能な小当たり)としているが、これに限るものではなく、小当たり遊技中にV通過できない小当たり種別(大当たりが付与されない小当たり)を設けても良い。本第34制御例の第1変形例では、小当たりの種別に応じて、その後付与される大当たりの種別が定められており、小当たりAaの後に付与される大当たりは大当たりCa(10R時短有大当たり)となり、小当たりBaの後に付与される大当たりは大当たりDa(5R時短有大当たり)となるように構成されている。
次に、図2106および図2107を参照して変動パターンテーブル202djAの内容について説明する。変動パターンテーブル202djAは、変動パターンの表示態様(変動時間)を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターンテーブル202djAには、特別図柄の種類や抽選結果や遊技状態に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、図2106(a)に示すように、特図1大当たり用変動パターンテーブル202djA1と、特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202djA2と、特図1時短用変動パターンテーブル202djA3と、特図2通常用変動パターンテーブル202djA4と、特図2時短用変動パターンテーブル202djA5とが少なくとも規定されている。まず、図2106(b)を参照して、特図1大当たり用変動パターンテーブル202djA1について説明をする。この特図1大当たり用変動パターンテーブル202djA1は、通常状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)のうち、大当たりに当選した場合における変動パターン(変動時間)を選択するためのテーブルであって、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。具体的に、停止種別として大当たりが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0~50」の範囲にノーマルリーチ(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51~179」の範囲にスーパーリーチ(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180~198」の範囲にスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。次に、図2105(c)を参照して、特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202djA2の内容について説明する。この特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202djA2は、通常状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)のうち、特図1の抽選結果が外れとなった場合における変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。具体的には、停止種別として完全外れが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0~98」の範囲に短外れ(7秒)の変動パターンが対応付けられ、「99~198」の範囲に長外れ(10秒)の変動パターンが対応付けられている。また、第1特別図柄の抽選で外れとなり、停止種別として外れリーチが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0~149」の範囲にノーマルリーチ各種(30秒)が対応付けられ、「150~197」の範囲にスーパーリーチ各種(60秒)が対応付けられ、「198」にスペシャルリーチ各種(90秒)が対応付けられている。以上、説明をしたように、本第34制御例では、第1特別図柄の抽選結果に基づいて、各停止種別に対応して様々な変動パターンが選択されるように構成されており、特に、変動時間が長い(例えば、90秒)変動パターンが第1特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に選ばれやすくなるように設定されている。よって、遊技者は長期間継続して変動表示される場合に、大当たりに当選しているのでは?と期待しながら遊技を行うことになる。よって、設定される変動パターンの期間長によって、遊技結果を予測させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次いで、図2107(a)を参照して、特図1時短用変動パターンテーブル202djA3の内容について説明する、この特図1時短用変動パターンテーブル202djA3は、時短状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。具体的には、停止種別として外れが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、外れ(0.5秒)の変動パターンが対応付けられ、停止種別として大当たりが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、大当たり(120秒)の変動パターンが対応付けられている。詳細については後述するが、本第34制御例の第1変形例では、時短状態において特別図柄の変動表示中は普通図柄の変動表示が実行されても残時短回数を更新しない構成としている。ここで、時短状態における超チャージチャレンジモード(第2特別図柄の長変動(または超長変動)が設定された場合の演出モード)中に普通図柄の変動表示によって残時短回数を更新する構成とした場合、例えば、残時短回数が1回しか残っていない状態で超チャージチャレンジモードに突入すると、超チャージチャレンジモード中に時短状態が終了してしまい、超チャージチャレンジモード中に普通図柄の当たりに当選しても通常状態の電動役物640aの動作パターン(ショート開放パターン)が設定されることとなる。つまり、超チャージチャレンジモードに突入した時点における残時短回数によって、超チャージチャレンジモードの恩恵を受けることができない事象が生じるため、遊技者の遊技意欲の低下に繋がる虞がある。このため、本第1変形例では、時短状態において特別図柄の変動表示中は普通図柄の変動表示が実行されても残時短回数を更新しない構成としている。なお、上述したように、本第1変形例におけるパチンコ機10の遊技盤の構成上、適正に右打ち遊技をしている場合には、時短状態において遊技球が第1入球口64に新たに入賞することはないが、通常状態における第1特別図柄の大当たり当選までに既に特図1保留球を獲得していた場合には時短状態において第1特別図柄の変動表示が実行されることとなる。このため、時短状態における第1特別図柄の外れ変動の変動時間を0.5秒に設定することで、時短状態が設定される前に特図1保留球を獲得していても、時短状態において普通図柄の1回の変動表示が終了する前に第1特別図柄の外れ変動が終了し易くなり、大当たり遊技中に特図1保留球を貯めることで過度に遊技者が有利になってしまうことを抑制することができる。なお、時短状態において第1特別図柄の大当たりに当選した場合には120秒の長変動となり、第2特別図柄の長変動が設定された場合と同様に「超チャージチャレンジモード」に移行する。
図2107(b)は、特図2通常用変動パターンテーブル202djA4の内容を示した図である。この特図2通常用変動パターンテーブル202djA4には、通常状態における第2特別図柄(特図2)の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値が規定されている。具体的には、決定された停止種別が大当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、短大当たり(0.5秒)が設定され、決定された停止種別が小当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、短小当たり(0.5秒)が対応付けられる。図2107(c)は、特図2時短用変動パターンテーブル202djA5の内容を示した図である。この特図2時短用変動パターンテーブル202djA5には、時短状態における第2特別図柄(特図2)の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値が規定されている。具体的には、決定された停止種別が大当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、長大当たり(120秒)が設定され、決定された停止種別が小当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値として「0~189」の範囲に短小当たり(0.5秒)が対応付けられ、変動種別カウンタCS1の値として「190~198」の範囲に長小当たり(120秒)が対応付けられる。
次に、図2108を参照して、普図変動パターンテーブル202fjAの内容について説明する。図2108(a)は、普図変動パターンテーブル202fjAの内容を示した図である。この普図変動パターンテーブル202fjAは、普通図柄(普図)の変動パターン(変動時間)を決定するためのデータテーブルであり、普通図柄の変動表示が開始される時点において設定されている遊技状態と、第2変動種別カウンタCS2のカウンタ値によって普図変動パターン(変動時間)が決定される。図2108(a)に示すように、普図変動パターンテーブル202fjAは、通常用普図変動パターンテーブル202fjA1と、時短用(特図停止中)普図変動パターンテーブル202fjA2と、時短用(特図変動中)普図変動パターンテーブル202fjA3によって構成されている。通常用普図変動パターンテーブル202fjA1は、遊技状態として通常状態が設定されている場合における普通図柄の変動パターンを決定するためのデータテーブルであり、時短用(特図停止中)普図変動パターンテーブル202fjA2は、遊技状態として時短状態が設定されており、特別図柄の変動表示が実行されていない場合における普通図柄の変動パターンを決定するためのデータテーブルであり、時短用(特図変動中)普図変動パターンテーブル202fjA3は、遊技状態として時短状態が設定されており、特別図柄の変動表示が実行されている場合における普通図柄の変動パターンを決定するためのデータテーブルである。まず、図2108(b)を参照して、通常用普図変動パターンテーブル202fjA1について説明する。図2108(b)は、この通常用普図変動パターンテーブル202fjA1の規定内容を示した図である。図2108(b)に示す通り、遊技状態として通常状態が設定されている場合に普通図柄の当否判定結果が当たりである場合には、第2変動種別カウンタCS2の値にかかわらず「短当たり(2秒)」が設定され、当否判定結果が外れである場合には第2変動種別カウンタCS2の値にかかわらず「短外れ(2秒)」が設定される。次に、図2108(c)を参照して、時短用(特図停止中)普図変動パターンテーブル202fjA2について説明する。図2108(c)は、この時短用(特図停止中)普図変動パターンテーブル202fjA2の規定内容を示した図である。図A―15(c)に示す通り、遊技状態として時短状態が設定され、特別図柄が変動表示されていない場合において、普通図柄の当否判定結果が当たりである場合には、第2変動種別カウンタCS2のカウンタ値が「0~149」の範囲内では「中当たり(15秒)」を、「150~198」の範囲内では「長当たり(30秒)」を、それぞれ設定する。一方、普通図柄の当否判定結果が外れである場合には、第2変動種別カウンタCS2のカウンタ値が「0~149」の範囲内では「短外れ(2秒)」を、「150~179」の範囲内では「中外れ(15秒)」を、「180~198」の範囲内では「長外れ(30秒)」を、それぞれ設定する。次に、図2108(d)を参照して、時短用(特図変動中)普図変動パターンテーブル202fjA3について説明する。図2108(d)は、この時短用(特図変動中)普図変動パターンテーブル202fjA3の規定内容を示した図である。図A―15(d)に示す通り、遊技状態として時短状態が設定され、特別図柄が変動表示されている場合において、普通図柄の当否判定結果が当たりである場合には、第2変動種別カウンタCS2のカウンタ値にかかわらず「短当たり(2秒)」を設定し、普通図柄の当否判定結果が外れである場合には、第2変動種別カウンタCS2のカウンタ値にかかわらず「短外れ(2秒)」を設定する。このように、本第1変形例では、時短状態において特別図柄の変動表示が実行されていない期間に実行される普通図柄の変動表示では15秒以上の変動時間を設定可能にすることで普図変動中に多様な演出を実行可能である。一方、時短状態において特別図柄の変動表示が実行されている期間(即ち、超チャージチャレンジモード中)に実行される普通図柄の変動表示は短変動となるため、第2特別図柄の変動表示中に普通図柄抽選を多く実行可能である。
次に、本第34制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について図2109、図2110を参照して説明する。図2109(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。図2054(a)に示した通り、ROM222は、変動パターン選択テーブル222ajAと、普図変動パターン選択テーブル222bjAと、演出状態選択テーブル222cjAとを少なくとも有している。変動パターン選択テーブル222ajAは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数の種類のうち1の変動態様が決定される。
普図変動パターン選択テーブル222bjAは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された普図変動パターンコマンドに基づいて、その普図変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(当たり、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、時短状態における普通図柄の変動表示においてさらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数の種類のうち1の変動態様が決定される。
演出状態選択テーブル222cjAは、設定されている遊技状態と、各図柄(特図1、特図2、普図)の変動状態に対応する演出状態を決定するためのデータテーブルである。本第1変形例では、決定された演出状態によって、どの図柄の変動状況、保留球獲得状況を主図柄、主保留図柄として第3図柄表示装置81に表示させるかを異ならせる構成としている。ここで、図2110(a)を参照して、演出状態選択テーブル222cjAの内容について説明する。図2110(a)は、演出状態選択テーブル222cjAの内容を模式的に示した模式図である。図2110(a)に示す通り、演出状態選択テーブル222cjAには、時短中フラグ223gjと、普図有効フラグ223ajAと、特図2変動フラグ223kjの設定状況に応じて演出状態が規定されている。具体的には、時短中フラグ223gjがオフである場合(即ち、通常状態が設定されている場合)には、普図有効フラグ223ajAと、特図2変動フラグ223kjの設定状況にかかわらず演出状態1が設定される。演出状態1とは、図2110(b)に示すように、第1特別図柄が主図柄となり、特図1保留球を主保留図柄として表示する演出状態である。図2110(a)に戻り、説明を続ける。時短中フラグ223gjがオンであり、普図有効フラグ223ajAがオフである場合には、特図2変動フラグ223kjがオフである場合に演出状態2が設定され、特図2変動フラグ223kjがオンである場合に演出状態3が設定される。図2110(b)に示すように、演出状態2とは、第1特別図柄が主図柄となり、特図2保留球を主保留図柄として表示する演出状態であり、詳細は後述するが、この演出状態2は、時短状態において第1特別図柄の大当たり当選変動が実行される場合に設定される演出状態である。また、演出状態3とは、第2特別図柄が主図柄となり、特図2保留球を主保留図柄として表示する演出状態であり、この演出状態3は、時短状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合に設定される演出状態である。図2110(a)に戻り、説明を続ける。時短中フラグ223gjがオンであり、普図有効フラグ223ajAがオンである場合には、演出状態4が設定される。図2110(b)に示すように、演出状態4とは、普通図柄が主図柄となり、特図2保留球を主保留図柄として表示する演出状態であり、この演出状態4は、時短状態において特別図柄の変動表示が実行されていない場合に設定される演出状態である。このように、特別図柄と普通図柄が同時に変動表示される構成で、且つ、遊技状態によってメインとなる図柄が可変する構成において、決定された演出状態によってどの図柄に基づいて主図柄と主保留図柄を表示するかを決定することで、遊技社に分かりやすい遊技を提供することができる。
図2109に戻り、説明を続ける。図2109(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、特図用入賞情報格納エリア223ajと、特別図柄1保留球数カウンタ223bjと、特別図柄2保留球数カウンタ223cjと、特図用変動開始フラグ223djと、停止種別選択フラグ223ejと、演出カウンタ223fjと、時短中フラグ223gjと、時短残期間格納エリア223hjと、変動時間カウンタ223ijと、従状態格納エリア223kjと、特2保留フラグ223kjと、普図用入賞情報格納エリア223mjと、普図用変動開始フラグ223njと、従大当たり中フラグ223pjと、従小当たり中フラグ223qjと、従時短中当たりフラグ223rjと、超チャージチャレンジモード中フラグ223sjと、小当たり中V獲得フラグ223tjと、演出モード記憶エリア223ujと、従時短カウンタ223vjと、普図有効フラグ223ajAと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。なお、上述した第34制御例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
普図有効フラグ223ajAは、第3図柄表示装置81に表示される主図柄として普通図柄の変動表示に対応する主図柄を表示させるか否かを判別するためのフラグである。普図有効フラグ223ajAは、演出モード設定処理(S3621J)において特図2保留球が存在せず、且つ、大当たり当選する特図1保留球が存在しない場合にオンに設定され、遊技状態が通常状態に変更された場合、または時短状態において大当たり当選または小当たり当選する特別図柄の変動表示が実行される場合にオフに設定される。
<第34制御例の第1変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図2111から図2117のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。なお、上述した第34制御例と同一の処理内容については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。まず、図2111を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104J)について説明する。図2111は、この特別図柄変動処理(S104J)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104J)は、タイマ割込処理(図2056参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201J)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201J:Yes)、そのまま本処理を終了する。特別図柄の大当たり中でなければ(S201J:No)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202J)、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中でなければ(S202J:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203J)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204J)。特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値(N2)が0でなければ(S204J:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値(N2)を1減算し(S205J)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S206J)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図2072参照)の外部出力処理(S1701J)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dj、特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bj、特別図柄2保留球数カウンタ223cjにそれぞれ格納する。
S206Jの処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bjに格納されたデータをシフトする(S207J)。S207Jの処理では、特別図柄2保留球格納エリア203bjの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213J)。なお、特別図柄変動開始処理については、図2058~図2060を参照して後述する。一方、S204Jの処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203ejの値(N2)が0であると判別された場合には(S204J:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)の値を取得する(S208J)。特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)が0より大きいか判別する(S209J)。特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)が0であると判別された場合には(S209J:No)、この処理を終了する。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)が0でなければ(S209J:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)を減算し(S210J)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203djの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S211J)。S211Jの処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203ajに格納されたデータをシフトする(S212J)。その後、S213Jの処理が実行される。
S202Jの処理において、第1図柄表示装置37A,37Bの表示態様が変動中であれば(S202J:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214J)。第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214J:No)、本処理を終了する。一方、S214Jの処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214J:Yes)、第1図柄表示装置37A,37Bの停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215J)。停止図柄の設定は、図2058~図2060を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213J)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203ajまたは特別図柄2保留球格納エリア203bjの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりとなるか、小当たりとなるか、外れとなるかが決定されると共に、特別図柄の大当たりまたは小当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2または小当たり種別カウンタC5の値に応じて大当たりA~Dのいずれか、または、小当たりA~Cのいずれかが決定される。なお、本第34制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて青色のLEDを点灯させる。また、小当たりである場合には、赤色のLEDを点灯させ、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S215Jの処理が終了した後は、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216J)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216J:Yes)、大当たり種別に基づいて、特定入賞口の開放シナリオを設定し(S217J)、その後、大当たりの開始を設定する(S218J)。次いで、大当たり開始フラグ203hjと大当たり中フラグ203ijとをオンに設定し(S219J)、時短中カウンタ203gjを0に設定して(S220J)、S221Jの処理へ移行する。S221Jの処理では、停止コマンドを設定し(S221J)、本処理を終了する。一方、S216Jの処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S216J:No)、今回の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S222J)。S222Jの処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S222J:Yes)、小当たり開始設定処理を実行する(S223J)。次いで、S221Jの処理を実行し、本処理を終了する。一方、S222Jの処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判別された場合は(S222J:No)、S221Jの処理を実行する。その後、本処理を終了する。なお、上述した第34制御例では、時短状態において特別図柄の変動時間が経過した場合であって、大当たりまたは小当たりのいずれにも当選しなかった場合には、時短中カウンタ203gjのカウンタ値を更新する構成であった。一方、本第1変形例では、普通図柄の変動回数によって時短状態が終了する構成であるため、普通図柄の変動時間が経過した場合に時短中カウンタ203gjのカウンタ値を更新する処理を実行する。
次に、図2112を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106J)について説明する。図2112は、この普通図柄変動処理(S106J)を示すフローチャートである。本第1変形例における普通図柄変動処理(S106J)は、上述した第34制御例における普通図柄変動処理(S106J)に対して、普図変動開始処理(S922J)を新たに実行する点と、変動時間が経過した場合に時短中カウンタ203gjのカウンタ値が0であると判別した場合に通常状態を設定する処理を実行する点で相違している。なお、同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図2112に示すように、S908の処理が終了した後、普図変動開始処理を実行する(S922J)。ここで、図2113を参照して、普図変動開始処理(S922J)について説明する。図2113は、この普図変動開始処理(S922J)を示したフローチャートである。普図変動開始処理(S922J)では、普通図柄の当否判定結果と、設定されている遊技状態と、第2変動種別カウンタCS2のカウンタ値とに基づいて、普通図柄の変動パターンを決定するための処理を実行する。具体的には、普図変動開始処理(S922J)が実行されると、まず、普通図柄の当たりであるかを判別し(S951J)、当たりであると判別した場合には(S951J:Yes)、第2図柄表示装置83に表示する当たり時の表示態様を設定する(S952J)。一方、当たりでないと判別した場合には(S951J:No)、第2図柄表示装置83に表示する外れ時の表示態様を設定する(S953J)。S952J、またはS953Jの処理が終了すると、次いで、時短中であるかを判別し(S954J)、時短中であると判別した場合には(S954J:Yes)、普通図柄の当たりであるかを判別し(S955J)、普通図柄の当たりであると判別した場合には(S955J:Yes)、時短中当たりフラグ203rjをオンに設定し(S957J)、S958Jの処理を実行する。この時短中当たりフラグ203rjがオンに設定されることで、今回の普通図柄変動が停止表示された場合に、電動役物640aの動作パターンとして時短状態における動作パターン(ロング開放パターン)が設定される。S955Jの処理において、普通図柄の当たりではないと判別した場合には(S955J:No)、S957Jの処理をスキップし、S958Jの処理を実行する。S958Jの処理では、特別図柄の変動表示中であるかを判別し(S958J)、特別図柄の変動表示中であると判別した場合には(S958J:Yes)、時短用(特図変動中)普図変動パターンテーブル202fjA3に基づいて普図変動パターンを決定し(S959J)、決定された普図変動パターンを示すための表示用普図変動パターンコマンドを設定し(S962J)、本処理を終了する。一方、S958Jの処理において、特別図柄の変動表示中ではないと判別した場合には(S958J:No)、時短中カウンタ203gjのカウンタ値を1減算し(S960J)、時短用(特図停止中)普図変動パターンテーブル202fjA2に基づいて普図変動パターンを決定し(S961J)、S962Jの処理を実行する。S954Jの処理において、時短中ではないと判別した場合には(S954J:No)、通常用普図変動パターンテーブル202fjA1に基づいて普図変動パターンを決定し(S956J)、S962Jの処理を実行する。
図2112に戻り、説明を続ける。S917Jの処理において、普図の変動時間が経過したと判別した場合には(S917J:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定し(S918J)、普図停止コマンドを設定する(S919J)。そして、時短中カウンタ203gjのカウンタ値が0であるかを判別し(S923J)、カウンタ値が0であると判別した場合には(S923J:Yes)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S924J)、S920Jの処理に移行する。一方、S923Jの処理において、時短中カウンタ203gjのカウンタ値が0ではないと判別した場合には(S923J:No)、S924Jの処理をスキップし、S920Jの処理を実行する。このように、本第34制御例の第1変形例では、設定されている遊技状態と、第2変動種別カウンタCS2のカウンタ値に基づいて普通図柄の変動パターンが設定されるため、上述した第34制御例よりも普通図柄の変動パターンを多様にすることができる。このように構成することで、時短状態においては、普通図柄の変動パターンから普通図柄の当否判定結果を予測する楽しみを遊技者に提供することができる。また、時短状態において特別図柄が変動している場合には、普通図柄が変動表示されても時短中カウンタ203gjのカウンタ値が更新されないため、超チャージチャレンジモード(第2特別図柄のロング変動)中に時短終了条件が成立してしまう不具合を抑制することができる。
次に、図2114のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107J)を説明する。図2114は、このスルーゲート通過処理(S107J)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107J)は、タイマ割込処理(図2056参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。本第34制御例の第1変形例におけるスルーゲート通過処理(S107J)は、上述した第34制御例におけるスルーゲート通過処理(S107J)に対して、遊技球がスルーゲートを通過し、普通図柄の保留球を取得する場合に、第2当たり乱数カウンタC4に加えて第2変動種別カウンタCS2の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203cjに格納する処理(S1112J)を実行する点で相違し、その他の処理については同一である。ここで取得された第2変動種別カウンタCS2の値に基づき普通図柄開始処理(S922J)において普通図柄の変動パターンが決定される。
次に、図2115を参照して、普図先読み処理について説明する(S1106J)。図2115は、この普図先読み処理(S1106J)の内容を示したフローチャートである。本第34制御例の第1変形例における普図先読み処理(S1106J)は、上述した第34制御例における普図先読み処理(S1106J)に対して、第2当たり乱数カウンタC4の値に基づく事前判別に加えて第2変動種別カウンタCS2の値に基づく事前判別を実行し(S1204J)、その事前判別の結果に基づいて当たり事前判定結果と、普図変動種別を取得する(S1205J)点で相違する。そして、取得した当たり事前判定結果と、普図変動種別を示す情報を含む普図入賞コマンドを設定し(S1203J)、本処理を終了する。
次に、図2116のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1704J)を説明する。図2116は、この大当たり制御処理(S1704J)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1704J)は、メイン割込処理(図2072参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1801J)。具体的には、特別図柄変動処理(図2111参照)のS219Jの処理により大当たり開始フラグ203hjがオンに設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1801Jの処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1801J:Yes)、大当たり開始フラグ203hjをオフに設定し(S1802J)、大当たり開始コマンド(オープニングコマンド)を設定する(S1803J)。ここで設定された大当たり開始コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図2072参照)の外部出力処理(S1701J)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、大当たり開始コマンドを受信すると、表示用大当たり開始コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用大当たり開始コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりを開始する演出が表示される。S1803Jの処理が終了すると、本処理を終了する。
一方、S1801Jの処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(S1801J:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1805J)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。具体的には、大当たり中フラグ203ijがオンであるか否かにより判別する。S1805Jの処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1805J:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1805Jの処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1805J:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1806J)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1806J:Yes)、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを開放し(S1807J)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1808J)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図2072参照)の外部出力処理(S1701J)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、ラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。一方、S1806Jの処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1806J:No)、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1809J)。具体的には、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、第1可変入賞装置65に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。S1809Jの処理において、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立した場合には(S1809J:Yes)、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを閉鎖して、本処理を終了する。一方、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1809J:No)、大当たり終了のタイミングであるか否かを判定する(S1811J)。具体的には、大当たり種別毎に規定されているラウンドの最終ラウンドが終了した場合に、大当たり終了のタイミングであると判定する。例えば、大当たりAa(5ラウンド時短有大当たり)の大当たり遊技が実行されている場合には、5ラウンド目が終了した場合に、大当たり終了タイミングであると判定する。S1811Jの処理において、大当たり終了のタイミングである場合には(S1811J:Yes)、大当たり終了コマンドを設定し(S1812J)、大当たり中フラグ203ijをオフに設定する(S1813J)。次いで、時短付与処理を実行し(S1817J)、本処理を終了する。この時短付与処理(S1817J)は、実行中の大当たり遊技の大当たり種別に応じて時短状態を付与するための処理である。
次に、図2117を参照して、時短付与処理(S1817J)について説明する。図2117は、この時短付与処理(S1817J)を示したフローチャートである。時短付与処理(S1817J)が実行されると、まず、今回の大当たり種別が時短有りの大当たり種別であるかを判別し(S1751J)、時短有りの大当たり種別であると判別した場合には(S1751J:Yes)、時短状態を示す状態コマンドを設定し(S1752J)、時短中カウンタ203gjにカウンタ値として105を設定し(S1753J)、本処理を終了する。一方、S1751Jの処理において時短有りの大当たり種別ではないと判別した場合には(S1751J:No)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S1754J)、本処理を終了する。
<第34制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図2118から図2126を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。まず、図2118を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図2118は、このメイン処理を示したフローチャートである。本第34制御例の第1変形例におけるメイン処理は、上述した第34制御例におけるメイン処理に対して、演出状態設定処理(S3119J)を新たに追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。なお、演出状態設定処理(S3119J)の詳細については、図2126を参照して後述する。
次に、図2119を参照して、状態コマンド処理(S3502J)について説明する。図2119は、この状態コマンド処理(S3502J)を示したフローチャートである。状態コマンド処理(S3502J)は、コマンド判定処理(S3112J)において状態コマンドを受信したと判別した場合に実行される処理であり、主制御装置110において遊技状態が変更されたことに対応して第3図柄表示装置81において表示される演出モードを決定し設定するための処理を実行する。状態コマンド処理(S3502J)が実行されると、まず、遊技状態に変更があるかを判別し(S3601J)、遊技状態に変更がないと判別した場合には(S3601J:No)、本処理を終了する。一方、遊技状態に変更があると判別した場合には(S3601J:Yes)、通常状態への変更かを判別し(S3602J)、通常状態への変更であると判別した場合には(S3602J:Yes)、今回の遊技状態の変更が大当たり当選または小当たり当選に基づく変更であるかを判別する(S3603J)。大当たり当選または小当たり当選に基づく変更であると判別した場合には(S3603J:Yes)、今回の大当たり種別が大当たりBa(5R時短無大当たり)であるかを判別し(S3618J)、大当たりBaではないと判別した場合には(S3618J:No)、本処理を終了する。一方、大当たりBaであると判別した場合には(S3618J:Yes)、またはS3603Jの処理において大当たり当選または小当たり当選に基づく変更ではないと判別した場合には(S3603J:No)、受信した状態コマンドに含まれる状態情報を従状態格納エリア223jjに格納し(S3604J)、通常モードを示す表示用コマンドを設定する(S3610J)。次いで、時短中フラグ223gjをオフに設定し(S3611J)、設定されたモード情報を音声ランプ制御装置のMPU内の演出モード記憶エリア223ujに格納する(S3612J)。次に、普図有効フラグ223ajAがオンであるかを判別し(S3619J)、普図有効フラグ223ajAがオンではないと判別した場合には(S3619J:No)、本処理を終了する。一方、普図有効フラグ223ajAがオンであると判別した場合には(S3619J:Yes)、普図有効フラグ223ajAをオフに設定し(S3620J)、本処理を終了する。S3602Jの処理において、今回の遊技状態の変更が通常状態への変更ではないと判別した場合には(S3602J:No)、時短状態への変更であるかを判別し(S3613J)、時短状態への変更ではないと判別した場合には(S3613J:No)、本処理を終了する。一方、時短状態への変更であると判別した場合には(S3613J:Yes)、受信した状態コマンドに含まれる時短情報を従状態格納エリア223jjに格納し(S3614J)、従時短カウンタ223cjAに時短回数に対応する値を設定し(S3615J)、時短中フラグ223gjをオンに設定する(S3617J)。次いで、演出モード設定処理を実行し(S3621J)、本処理を終了する。この演出モード設定処理(S3621J)は、時短状態における演出モードを決定し、設定するための処理である。
次に、図2120を参照して、演出モード設定処理(S3620J)について説明する。図2120は、この演出モード設定処理(S3620J)を示したフローチャートである。本第1変形例における演出モードとは、第3図柄表示装置81に表示される演出背景のことである。演出モード設定処理(S3621J)が実行されると、まず、特図2保留球があるかを判別する(S3651J)。具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ223cjのカウンタ値が1以上であるかを判別し、1以上である場合には特図2保留球ありと判別する。特図2保留球ありと判別した場合には(S3651J:Yes)、次に、特図用入賞情報格納エリア223ajの第1保留エリアに格納されている特図2保留球の入賞情報から変動種別を読み取り、短小当たりであるかを判別する(S3652J)。短小当たりであると判別した場合には(S3652J:Yes)、V放出タイムを示す表示用コマンドを設定し(S3653J)、設定されたモード情報を演出モード記憶エリア223ujに格納して(S3655J)、本処理を終了する。一方、S3652Jの処理において短小当たりではないと判別した場合には(S3652J:No)、超チャージチャレンジモードを示す表示用コマンドを設定し(S3654J)、S3655Jの処理を実行する。S3651Jの処理において、特図2保留球が無いと判別した場合には(S3651J:No)、次に特図1保留球があるかを判別する(S3656J)。具体的には、特別図柄1保留球数カウンタ223bjのカウンタ値が1以上であるかを判別し、1以上である場合には特図1保留球ありと判別する。特図1保留球がないと判別した場合には(S3656J:No)、普図有効フラグ223ajAをオンに設定し(S3657J)、チャージチャレンジモードを示す表示用コマンドを設定し(S3658J)、S3655Jの処理を実行する。一方、S3656Jの処理において特図1保留球ありと判別した場合には(S3656J:Yes)、特図用入賞情報格納エリア223ajに格納されている特図1入賞情報の中に大当たり当選する保留球があるかを判別し(S3659J)、大当たり当選する保留球がないと判別した場合には(S3659J:No)、S3657Jの処理を実行する。一方、S3659Jの処理において大当たり当選する保留球があると判別した場合には(S3659J:Yes)、超チャージチャレンジスタンバイモードを示す表示コマンドを設定し(S3660J)、S3655Jの処理を実行する。なお、S3653J、S3654J、S3658J、S3660Jにおいて設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図2118参照)、コマンド出力処理(S3102J)において表示制御装置114に送信され、表示制御装置114では、受信した表示用コマンドに対応する演出背景を表示するための処理を実行する。
次に、図2121を参照して、停止関連処理(S3515J)について説明する。図2121は、本第34制御例の第1変形例における停止関連処理(S3515J)を示したフローチャートである。停止関連処理(S3515J)は、コマンド判定処理(S3112j)において、停止関連のコマンドを受信した場合に実行される処理である。停止関連処理(S3515J)が実行されると、まず、受信したコマンドが特図停止コマンドであるかを判別し(S4001J)、特図停止コマンドであると判別した場合には(S4001J:Yes)、モード情報記憶エリアに記憶されているモード情報が超チャージチャレンジモードを示すモード情報であるかを判別し(S4010J)、超チャージチャレンジモードを示すモード情報であると判別した場合には(S4010J:Yes)、超チャージチャレンジモードの終了を示す表示用コマンドを設定し(S4011J)、超チャージチャレンジモード中フラグ223sjをオフに設定する(S4012J)。次いで、変動表示中の主図柄の停止表示を設定し(S4008J)、表示用停止コマンドを設定し(S4009J)、本処理を終了する。一方、S4010Jの処理において超チャージチャレンジモード中ではないと判別した場合には(S4010J:No)、受信した特図停止コマンドは特図2の停止コマンドであるかを判別し(S4014J)、特図2の停止コマンドであると判別した場合には(S4014J:Yes)、V放出タイム終了を示す表示用コマンドを設定し(S4015J)、S4008Jの処理を実行する。S4014Jの処理において受信した停止コマンドが特図2の停止コマンドではないと判別した場合には(S4014J:No)、次に普図有効フラグ223ajAがオンであるかを判別し(S4016J)、オンであると判別した場合には(S4016J:Yes)、S4009Jの処理を実行する。一方、オンではないと判別した場合には(S4016J:No)、S4008Jの処理を実行する。S4001Jの処理において、受信した停止コマンドは特図停止コマンドではないと判別した場合には(S4001J:No)、普図停止処理を実行し(S4013J)、本処理を終了する。
次に、図2122を参照して、普図停止処理(S4013J)について説明する。図2122は、本第34制御例の第1変形例における普図停止処理(S4013J)を示したフローチャートである。普図停止処理(S4013J)が実行されると、まず、従時短中当たりフラグ223rjはオンであるかを判別し(S4101J)、従時短中当たりフラグ223rjがオンではないと判別した場合には(S4101J:No)、S4109Jの処理に移行する。一方、従時短中当たりフラグ223rjがオンであると判別した場合には(S4101J:Yes)、従時短中当たりフラグ223rjをオフに設定し(S4102J)、従大当たり中フラグ223pjはオンであるかを判別する(S4103J)。従大当たり中フラグ223pjがオンであると判別した場合には(S4102J:Yes)、V追加チャンス演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S4104J)、S4109Jの処理に移行する。S4103Jの処理において、従大当たり中フラグ223pjがオンではないと判別した場合には(S4103J:No)、従小当たり中フラグ223qjがオンであるかを判別し(S4108J)、従小当たり中フラグ223qjがオンではないと判別した場合には(S4108J:No)、Vチャージチャンス演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S4107J)、S4109Jの処理に移行する。一方、S4108Jの処理において、従小当たり中フラグ223qjがオンであると判別した場合には(S4108J:Yes)、S4109Jの処理に移行する。S4109Jの処理では、普図有効フラグ223ajAがオンであるかを判別し(S4109J)、普図有効フラグ223ajAがオンであると判別した場合には(S4109J:Yes)、主図柄の停止表示を設定し(S4110J)、表示用普図停止コマンドを設定し(S4111J)、本処理を終了する。S4109Jの処理において普図有効フラグ223ajAがオンではないと判別した場合には(S4109J:No)、S4110Jの処理をスキップし、S4111Jの処理を実行する。
次に、図2123を参照して、特図変動表示設定処理(S4204J)について説明する。図2123は、本第34制御例の第1変形例における特図変動表示設定処理(S4204J)を示したフローチャートである。特図変動表示設定処理(S4204J)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図2118)において実行される変動表示設定処理(S3113J)内の一処理である。特図変動表示設定処理(S4204J)が実行されると、まず、演出カウンタ223fjのカウンタ値を取得し(S4301J)、今回の変動は特図1の変動表示であるかを判別する(S4302J)。特図1の変動表示であると判別した場合には(S4302J:Yes)、設定されている遊技状態が時短状態であるかを判別し(S4303J)、時短状態ではないと判別した場合には(S4303J:No)、S4310Jの処理に移行する。一方、時短状態であると判別した場合には(S4303J:Yes)、今回の特図1変動の当否判定結果は大当たり当選であるかを判別し(S4304J)、大当たり当選ではないと判別した場合には(S4304J:No)、本処理を終了する。一方、大当たり当選であると判別した場合には(S4304J:Yes)、普図有効フラグ223ajAがオンであるかを判別し(S4312J)、普図有効フラグ223ajAがオフであると判別した場合には(S4312J:Yes)、S4315Jの処理に移行する。S4312Jの処理において、普図有効フラグ223ajAがオンであると判別した場合には(S4312J:Yes)、普図有効フラグ223ajAをオフに設定し(S4313J)、ブラックアウト演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S4314J)、超チャージチャレンジモードを示す表示用コマンドを設定する(S4315J)。なお、上述したように、普図有効フラグ223ajAは、遊技状態が時短状態に変更された場合に実行される演出モード設定処理(S3621J)において、特図2保留球が存在せず、且つ、大当たり当選する特図1保留球が存在しない場合にオンに設定されるため、時短状態において特図1変動が実行される場合に普図有効フラグ223ajAがオンに設定され、且つ、今回の特図1変動が大当たり当選である場合というのは、時短状態が設定されている場合に遊技者が左打ち遊技を実行し、第1入球口64に入賞した場合であるので、その場合には、普通図柄の変動表示に対応する主図柄が第3図柄表示装置81に表示されているため、ブラックアウト演出を実行して主図柄を特図1変動に対応する主図柄に切り替えることで、遊技者に違和感を与え難く構成している。S4315Jの処理が終了すると、設定されたモード情報を演出モード記憶エリア223ujに格納し(S4316J)、抽出した変動パターンに対応する変動時間に対応するカウンタ値を変動時間カウンタ223ijに設定し(S4309J)、抽出した変動パターンに対応する表示用変動パターンを変動パターン選択テーブル222ajAに基づいて決定して設定し(S4310J)、本処理を終了する。なお、S4310Jの処理では、決定した表示用変動パターンを表示するための表示用変動パターンコマンドも設定する。S4302Jの処理において、今回変動表示されるのが特図1ではないと判別した場合には(S4302J:No)、特図2変動表示設定処理を実行し(S4311J)、本処理を終了する。
次に、図2124を参照して特図2変動表示設定処理(S4311J)について説明する。図2124は、本第34制御例の第1変形例における特図2変動表示設定処理(S4311J)を示したフローチャートである。特図2変動表示設定処理(S4311J)が実行されると、まず、設定されている遊技状態が時短状態であるかを判別し(S4401J)、時短状態ではないと判別した場合には(S4401J:No)、S4409Jの処理に移行する。一方、時短状態であると判別した場合には(S4401J:Yes)、抽出した変動パターン種別は短小当たりであるかを判別し(S4402J)、短小当たりであると判別した場合には(S4402J:Yes)、S4409Jの処理に移行する。S4402Jの処理において、抽出した変動パターン種別が短小当たりではないと判別した場合には(S4402J:No)、超チャージチャレンジモード中フラグ223sjがオンであるかを判別し(S4408J)、超チャージチャレンジモード中フラグ223sjがオンであると判別した場合には(S4408J:Yes)、S4409Jの処理に移行する。一方、超チャージチャレンジモード中フラグ223sjがオンではないと判別した場合には、超チャージチャレンジモードを示す表示用コマンドを設定し(S4403J)、超チャージチャレンジモード中フラグ223sjをオンに設定し(S4404J)、S4409Jの処理に移行する。S4409Jの処理では、普図有効フラグ223ajAがオンであるかを判別し(S4409J)、普図有効フラグ223ajAがオンであると判別した場合には(S4409J:Yes)、普図有効フラグ223ajAをオフに設定し(S4410J)、抽出した変動パターンに対応する表示用変動パターンを変動パターン選択テーブル222ajAに基づいて決定し設定する(S4407J)。なお、S4407Jの処理では、決定した表示用変動パターンを表示するための表示用変動パターンコマンドも設定する。S4409Jの処理において普図有効フラグ223ajAがオンでは無いと判別した場合には(S4409J:No)、S4410Jの処理をスキップし、S4407Jの処理に移行する。
次に、図2125を参照して、普図変動表示設定処理(S4211J)について説明する。図2125は、本第34制御例の第1変形例における普図変動表示設定処理(S4211J)を示したフローチャートである。この普図変動表示設定処理(S4211J)は、主制御装置110から普図変動に関する変動パターンコマンドを受信した場合に第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために実行する処理である。普図変動表示設定処理(S4211J)が実行されると、まず、演出カウンタ223fjの値を取得し(S4501J)、普図用変動開始フラグ223njがオンに設定されているかを判別する(S4502J)。そして、普図用変動開始フラグ223njがオフであると判別した場合には(S4502J:No)、主制御装置110より普図に関する変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、本処理を終了する。一方、普図用変動開始フラグ223njがオンであると判別した場合には(S4502J:Yes)、普図用変動開始フラグ223njをオフに設定し(S4503J)、抽出した普図変動パターンを取得し(S4504J)、変動開始タイミングは時短中であるかを判別する(S4505J)。変動開始タイミングが時短中ではないと判別した場合には(S4505J:No)、本処理を終了する。一方、変動開始タイミングが時短中であると判別した場合には(S4505J:Yes)、普図抽選結果が当たり当選であるかを判別し(S4506J)、当たり当選ではないと判別した場合には(S4506J:No)、S4510Jの処理に移行する。一方、当たり当選であると判別した場合には(S4506J:Yes)、従時短中当たりフラグ223rjをオンに設定する(S4507J)。次いで、普図有効フラグ223ajAがオンであるかを判別し(S4510J)、オンではないと判別した場合には(S4510J:No)、本処理を終了する。一方、普図有効フラグ223ajAがオンであると判別した場合には(S4510J:Yes)、従時短カウンタ223vjのカウンタ値を1減算し(S4511J)、従時短カウンタ223vjのカウンタ値に対応する残時短回数を表示するための表示用コマンドを設定し(S4512J)、抽出した普図変動パターンに対応する表示用普図変動パターンを普図変動パターンテーブル222bjAから選択して決定し(S4513J)、本処理を終了する。なお、S4513Jの処理では、決定した表示用普図変動パターンを表示するための表示用コマンドも設定する。
次に、図2126を参照して、演出状態設定処理(S3119J)について説明する。図2126は、この演出状態設定処理(S3119J)を示したフローチャートである。演出状態設定処理(S3119J)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図2118参照)において実行される処理であり、遊技状態と、特別図柄及び普通図柄の変動状況から適切な演出状態を設定するための処理である。演出状態設定処理(S3119J)が実行されると、まず、演出状態選択テーブル222cjAに基づいて演出状態を設定し(S4601J)、選択された演出状態を示すための表示用演出状態コマンドを設定し(S4602J)、本処理を終了する。
<第34制御例の第2変形例について>
次に、図2127~図2145を参照して、第34制御例の第2変形例について説明する。上述した第34制御例及び第34制御例の第1変形例では、時短状態において特別図柄の大当たりまたは小当たりに当選した場合に一度時短状態を終了し、大当たり遊技終了時に再度時短状態を設定する構成であった。つまり、大当たり遊技中は、遊技状態として通常状態が設定された状態であり、大当たり遊技中に開始された普通図柄の変動表示において普通図柄の当たりに当選しても電動役物640aの動作パターンとして通常状態に対応する動作パターン(ショート開放パターン)が設定される構成であるため、大当たり遊技中に第2入球口640に遊技球を入球させ難い構成であった。これに対して、本第34制御例の第2変形例では、詳細は後述するが、小当たり当選した場合に特定の小当たり種別である場合には、小当たり遊技~V大当たり遊技中も時短状態を継続する構成としている。つまり、小当たり種別として、時短状態を終了させる小当たり種別と、時短状態を終了させない小当たり種別とを設け、V大当たり遊技中に特図2保留球を獲得し易い状況と、V大当たり遊技中に特図2保留球を獲得し難い状況とを創出可能に構成している。このように構成することで、大当たり遊技の有利度合いとして、ラウンド数、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の違いに加えて、大当たり遊技中の遊技状態という要素も追加されるため、遊技の興趣を向上させることができる。また、単調になりがちな大当たり遊技において、普通図柄の当たりに当選できるか否かに興味を持たせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、本第34制御例の第2変形例のパチンコ機10は、上述した第34制御例の第1変形例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110におけるROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点で相違している。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第34制御例の第1変形例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第34制御例の第1変形例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第34制御例の第2変形例における演出内容について>
図2127~図2129を参照して、本第34制御例の第2変形例における特徴的な演出内容について説明する。図2127(a)は、大当たり遊技中(時短状態)において当たり普図が停止表示された場合の演出の一例を示した図である。本第34制御例の第2変形例では、大当たり遊技中も時短状態が継続するチャージボーナスと、時短状態が継続しないノーマルボーナスとがあり、図2127(a)は、チャージボーナス中の大当たりラウンド中の表示画面を示している。図2127(a)に示す通り、副表示領域Dsには、チャージボーナス中であることを報知するための「チャージボーナス中」の文字が表示される。また、チャージボーナス中に普通図柄が当たり当選を示す態様で停止表示されると、主表示領域Dmの中央部には、普通図柄の当たりに当選したことを示す態様である宝箱802と、第1小表示領域HR1に「宝箱発見!」の文字が表示される。また、主表示領域Dmの正面視右下部には、第2入球口640に向けた遊技球の発射を促す案内態様が表示される。これにより、大当たり遊技中であっても、第2入球口640に遊技球が入賞可能な状態であることを遊技者に分かり易く報知することができる。なお、図2127(a)に示した状況から、第2入球口640に遊技球が入賞すると、宝箱802からVアイコン803が出現する演出が実行される。一方、電動役物640aが閉鎖状態となるまでに第2入球口640への入賞がなければ、宝箱802が開いて空であったことを示す演出が実行される。
図2127(b)は、大当たり遊技中(通常状態)において当たり普図が停止表示された場合の演出内容について説明する。図2127(b)は、大当たり遊技中(通常状態)において当たり普図が停止表示された場合の演出の一例を示した図である。図2127(b)に示す通り、副表示領域Dsにはノーマルボーナス中であることを報知するための「ノーマルボーナス中」の文字が表示される。なお、本第2変形例では、時短状態が継続している大当たり遊技中であるか否かを報知する構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技中に時短状態が継続しているのか否かを遊技者に分かり難くする構成としても良い。このように構成することで、大当たり遊技中に内部的には通常状態であっても、遊技者に時短状態が継続していることを期待させ普通図柄抽選を実行させるために意欲的に遊技球を発射させる遊技を行わせることができる。チャージボーナス中とは異なり、ノーマルボーナス中に当たり普図が停止表示された場合には、通常状態における電動役物640aの動作パターン(ショート開放パターン)が設定されるため、第2入球口640に遊技球を入賞させることができない。したがって、図2127(a)に示した例のように、宝箱802が表示されず、通常の大当たり遊技ラウンド中(例えば、獲得賞球数の表示等)の演出が実行される。
次に、図2128を参照して、大当たり遊技中(時短状態)に当たり普図停止した場合の各図柄と電動役物640aの関係について説明する。図2128は、大当たり遊技中(時短状態)に当たり普図停止した場合の各図柄と電動役物640aの関係を模式的に示したタイミングチャートである。(a)は設定されている遊技状態を示し、(b)は特図2の変動状況を示し、(c)は普図の変動状況を示し、(d)は電動役物640aの開閉状況を示している。図2128に示すように、時短状態において当たり普図が停止表示されると、普図停止から2秒経過後に電動役物640aが開放状態となる。なお、電動役物640aの開放時間は4秒間であるが、第2入球口640に遊技球が入賞すると、開放時間経過前に閉鎖状態となる。図2128に示す状況では、電動役物640aが開放された1秒後に第2入球口640に遊技球が入賞しているため、第2入球口640への入賞に対応して電動役物640aが閉鎖状態となっている。第2入球口640への入賞に基づいて特図2変動表示が実行され、停止表示されると、特図2の当否判定結果に対応する小当たり遊技が実行される。図2128に示す状況では、特図2が小当たりAbに当選したため、小当たりAbの小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技中に遊技球がV領域650vを通過したことに基づいてV大当たり遊技が実行される。なお、詳細は後述するが、小当たりAbは時短状態を継続する小当たり種別である。したがって、小当たり遊技中及びV大当たり遊技中も時短状態が継続する。小当たりAbの小当たり遊技終了後のV大当たり遊技中において当たり普図変動が開始され、停止表示された場合にはその当たり普図停止から2秒経過後に電動役物640aが4秒間開放状態となる。これにより、大当たり遊技中も第2入球口640へと遊技球を入賞させることが可能となり、特図2保留球を獲得することができる。
次に、図2129を参照して、大当たり遊技中(通常状態)に当たり普図停止した場合の各図柄と電動役物640aの関係について説明する。図2129は、大当たり遊技中(通常状態)に当たり普図停止した場合の各図柄と電動役物640aの関係を模式的に示したタイミングチャートである。図2129に示した状況では、図2128に示した状況とは異なり、特図2が小当たりBbに当選したため、小当たりBbの小当たり遊技が実行される。なお、小当たりBbは時短状態を終了させる小当たり種別であるため、小当たり遊技が開始されるタイミングで時短状態が終了し、通常状態が設定される。これにより、小当たり遊技中及びV大当たり遊技中は通常状態となる。したがって、V大当たり遊技中に当たり普図変動が開始され停止表示された場合であっても、電動役物640aはロング開放しないので、第2入球口640へと遊技球を入賞させることができない。
<第34制御例の第2変形例における電気的構成について>
次に、図2130~図2135を参照して、本第34制御例の第2変形例の主制御装置110のMPU201内容について説明する。図2130(a)は、本第34制御例の第2変形例における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、第1当たり乱数テーブル202ajと、第1当たり種別選択テーブル202bjBと、第2当たり乱数テーブル202cjBと、変動パターンテーブル202djBと、小当たり種別選択テーブル202ejBと、普図変動パターンテーブル202fjBとが少なくとも設けられている。次に、図2131(a)~(c)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bjBの詳細について説明する。図2131(a)~(c)は、第1当たり種別選択テーブル202bjBの内容を模式的に示した模式図である。第1当たり種別選択テーブル202bjBは、第1特別図柄の大当たりに当選した場合、或いは、第1特別図柄の小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球が特定領域(V領域650v(図2096参照))を通過した場合における大当たり種別を選択するための特別図柄1大当たり選択テーブル202bjB1と、第2特別図柄の大当たりに当選した場合、或いは、第2特別図柄の小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球が特定領域(V領域650v(図2096参照))を通過した場合における大当たり種別を選択するための特別図柄2大当たり選択テーブル202bjB2と、を有している(図2131(a)参照)。図2131(b)に示すように、第1特別図柄の大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲内であれば大当たりAb(5R時短有大当たり)が選択され、「50~99」の範囲内であれば大当たりBbが選択される。この大当たりAbは、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別であり、大当たりBbは大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり種別である。一方、図2131(c)に示すように、第2特別図柄の大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値に関わらず(値が「0~99」の場合において)大当たりCb(10R時短有大当たり)が選択される。この大当たりCbは、大当たり遊技のラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別である。また、第2特別図柄の小当たり時には、後述する小当たり種別に対応して大当たり種別が選択される。具体的には、小当たり種別が小当たりAbの場合は大当たりCb(10R時短有大当たり)が選択され、小当たりBbの場合は大当たりDb(5R時短有大当たり)が選択され、小当たりCbの場合は大当たりEb(5R時短有大当たり)が選択され、小当たりDbの場合は大当たりFb(5R時短有大当たり)が選択される。この大当たりDbは、大当たり遊技のラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別であり、大当たりEbは大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別であり、大当たりFbは大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別である。なお、詳細は後述するが、本第34制御例の第2変形例では、小当たり遊技が開始されるタイミングで、小当たり種別によって時短状態を継続するか否かを決定する構成であり、小当たり種別が小当たりAbまたは小当たりCbである場合には、時短状態を継続する構成としている(図2138参照)ため、小当たり遊技を経由して実行される大当たりCb及び大当たりEbの大当たり遊技中は時短状態が継続している状態となる。なお、本第34制御例の第2変形例では、小当たり当選し、その小当たり種別が特定の小当たり種別である場合に時短状態を継続させる構成としているが、これに限るものではなく、大当たり当選した場合の大当たり種別が特定の大当たり種別である場合に時短状態を継続させる構成としても良い。
次に、図2131(d)を参照して、第2当たり乱数テーブル202cjBの詳細について説明する。図2131(d)は、第2当たり乱数テーブル202cjBの内容を模式的に示した模式図である。第2当たり乱数テーブル202cjB(図2131(d)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。図2131(d)に示した通り、遊技機の状態に関わらず、第2当たり乱数カウンタバッファに格納された第2当たり乱数カウンタC4の値が0~3の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。したがって、本第34制御例の第2変形例では、4/300(1/75)の確率で普通図柄の当たりに当選する。なお、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが所定時間だけ開放される。ここで、本第34制御例における電動役物640aは、上述した通り、図示しないソレノイド(その他ソレノイド209zの一つ)の作動により、遊技盤13の前後方向に動作する。この電動役物640aは、前方へと進出動作(開放動作)することで、球を第2入球口640へ入球するように誘導する働きをする。一方、後方へと退避動作(閉鎖動作)することで、球を第2入球口640へ誘導しない(入球しない)働きをする。
次に、図2132を参照して、小当たり種別選択テーブル202ejBの内容について説明する。図2132(a)及び(b)は、小当たり種別選択テーブル202ejBの内容を模式的に示した模式図である。小当たり種別選択テーブル202ejBは、第2特別図柄の小当たりに当選した場合の小当たり種別を選択するための特別図柄2小当たり選択テーブル202ejB1を有している(図2132(a)参照)。図2132(b)に示すように、第2特別図柄の小当たり当選時には、小当たり種別カウンタC5の値が、「0~9」の場合は小当たりAb(V通過可能)が選択され、「10~49」の場合は小当たりBb(V通過可能)が選択され、「50~69」の場合は小当たりCb(V通過可能)が選択され、「60~99」の場合は小当たりDb(V通過可能)が選択される。なお、本第34制御例の第2変形例では、全ての小当たり種別を小当たり遊技においてV通過可能な小当たり(特定領域(V領域650v)に球を通過させ、大当たり遊技が付与可能な小当たり)としているが、これに限るものではなく、小当たり遊技中にV通過できない小当たり種別(大当たりが付与されない小当たり)を設けても良い。なお、本第34制御例の第2変形例では、小当たりの種別に応じて、その後付与される大当たりの種別が定められているが、それ以外の仕様として、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合であっても、第1当たり種別選択テーブル202bjBによって大当たりの種別を決定(大当たりの権利のみ獲得)しておき、その後の小当たり遊技においてV領域650vを球が通過することで先ほど権利を獲得した大当たりを実行するようにしてもよい。このようにすることで、例えば、大当たり種別として大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり種別を設け、小当たり開始時には時短状態を終了させない構成とした場合、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり種別が決定された場合に、小当たり遊技中にV領域650vを通過させるか否かを遊技者が選択可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、小当たり遊技中に球が特定領域(V領域650v)を通過したことに基づいて、所定の抽選を実行し、その抽選結果に基づいて、大当たり種別を決定するように構成してもよい。これにより、特定領域を球が通過するタイミングによって実行される大当たり遊技の内容を異ならせることができるため、遊技者が小当たり遊技を意欲的に行うことになり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図2133および図2134を参照して変動パターンテーブル202djBの内容について説明する。変動パターンテーブル202djBは、変動パターンの表示態様(変動時間)を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターンテーブル202djBには、特別図柄の種類や抽選結果や遊技状態に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、図2133(a)に示すように、特図1大当たり用変動パターンテーブル202djB1と、特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202djB2と、特図1時短用変動パターンテーブル202djB3と、特図2通常用変動パターンテーブル202djB4と、特図2時短用変動パターンテーブル202djB5とが少なくとも規定されている。まず、図2133(b)を参照して、特図1大当たり用変動パターンテーブル202djB1について説明をする。この特図1大当たり用変動パターンテーブル202djB1は、通常状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)のうち、大当たりに当選した場合における変動パターン(変動時間)を選択するためのテーブルであって、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。具体的に、停止種別として大当たりが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0~50」の範囲にノーマルリーチ(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51~179」の範囲にスーパーリーチ(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180~198」の範囲にスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。次に、図2133(c)を参照して、特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202djB2の内容について説明する。この特図1外れ用(通常)変動パターンテーブル202djB2は、通常状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)のうち、特図1の抽選結果が外れとなった場合における変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。具体的には、停止種別として完全外れが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0~98」の範囲に短外れ(7秒)の変動パターンが対応付けられ、「99~198」の範囲に長外れ(10秒)の変動パターンが対応付けられている。また、第1特別図柄の抽選で外れとなり、停止種別として外れリーチが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0~149」の範囲にノーマルリーチ各種(30秒)が対応付けられ、「150~197」の範囲にスーパーリーチ各種(60秒)が対応付けられ、「198」にスペシャルリーチ各種(90秒)が対応付けられている。以上、説明をしたように、本第34制御例の第2変形例では、第1特別図柄の抽選結果に基づいて、各停止種別に対応して様々な変動パターンが選択されるように構成されており、特に、変動時間が長い(例えば、90秒)変動パターンが第1特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に選ばれやすくなるように設定されている。よって、遊技者は長期間継続して変動表示される場合に、大当たりに当選しているのでは?と期待しながら遊技を行うことになる。よって、設定される変動パターンの期間長によって、遊技結果を予測させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次いで、図2134(a)を参照して、特図1時短用変動パターンテーブル202djB3の内容について説明する、この特図1時短用変動パターンテーブル202djB3は、時短状態中における第1特別図柄(特図1)の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。具体的には、停止種別として外れが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、外れ(2秒)の変動パターンが対応付けられ、停止種別として大当たりが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、大当たり(120秒)の変動パターンが対応付けられている。図2134(b)は、特図2通常用変動パターンテーブル202djB4の内容を示した図である。この特図2通常用変動パターンテーブル202djB4には、通常状態における第2特別図柄(特図2)の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値が規定されている。具体的には、決定された停止種別が大当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、短大当たり(0.5秒)が設定され、決定された停止種別が小当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、短小当たり(0.5秒)が対応付けられる。図2134(c)は、特図2時短用変動パターンテーブル202djB5の内容を示した図である。この特図2時短用変動パターンテーブル202djB5には、時短状態における第2特別図柄(特図2)の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値が規定されている。具体的には、決定された停止種別が大当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、長大当たり(120秒)が設定され、決定された停止種別が小当たりの場合は、変動種別カウンタCS1の値として「0~149」の範囲に短小当たり(0.5秒)が対応付けられ、変動種別カウンタCS1の値として「150~189」の範囲に中小当たり(60秒)が対応付けられ、変動種別カウンタCS1の値として「190~198」の範囲に長小当たり(120秒)が対応付けられる。
次に、図2135を参照して、普図変動パターンテーブル202fjBの内容について説明する。図2135は、普図変動パターンテーブル202fjBの内容を示した図である。この普図変動パターンテーブル202fjBは、普通図柄(普図)の変動パターン(変動時間)を決定するためのデータテーブルである。図2135(a)に示す通り、普図変動パターンテーブル2022年4月20日fjBは、通常用普図変動パターンテーブル202fjB1と、時短用(特図停止中)普図変動パターンテーブル202fjB2と、時短用(特図変動中)普図変動パターンテーブル202fjB3と、時短用(大当たり遊技中)普図変動パターンテーブル202fjB4と、が規定されている。図2135(b)は、通常用普図変動パターンテーブル202fjB1の規定内容を模式的に示した模式図である。通常用普図変動パターンテーブル202fjB1は、通常状態が設定されている場合における普通図柄の変動パターンを決定するためのデータテーブルであり、普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値(第2変動種別カウンタ値CS2のカウンタ値)が規定されている。具体的には、普通図柄の当否判定結果が当たり当選である場合には、第2変動種別カウンタCS2のカウンタ値にかかわらず「短当たり(2秒)」が決定され、外れである場合には、第2変動種別カウンタCS2のカウンタ値にかかわらず「短外れ(2秒)」が決定される。次に、図2135(c)を参照して、時短用(特図停止中)普図変動パターンテーブル202fjB2の内容について説明する。図2135(c)は、この時短用(特図停止中)普図変動パターンテーブル202fjB2の規定内容を模式的に示した模式図である。時短用(特図停止中)普図変動パターンテーブル202fjB2は、時短状態が設定されており、且つ、特別図柄の変動表示が実行されていない場合に普通図柄の変動表示が実行される場合の普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定するためのデータテーブルであり、普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値(第2変動種別カウンタ値CS2)が規定されている。具体的には、普通図柄の当否判定結果が当たり当選であり、第2変動種別カウンタCS2のカウンタ値が「0~149」の範囲内である場合には普通図柄の変動パターン(変動時間)として「中当たり(15秒)」が決定され、「150~198」の範囲内である場合には「長小当たり(30秒)」が決定される。一方、普通図柄の当否判定結果が外れである場合には、第2変動種別カウンタCS2のカウンタ値が「0~149」の範囲内であれば「短外れ(2秒)」が決定され、「150~169」の範囲内であれば「中外れ(15秒)」が決定され、「170~198」の範囲内であれば「長外れ(30秒)」が決定される。なお、上述した第34制御例の第1変形例と同様に、本第2変形例では、遊技状態として時短状態が設定されている場合には基本的に普通図柄の変動表示に対応した変動演出が第3図柄表示装置81の表示画面において実行されることとなる。そして、上述したように、普通図柄の当否判定結果が当たり当選である場合には、外れである場合よりも長い変動時間が決定され易いので、時短状態においては普通図柄の変動時間の長さによって遊技者は当否判定結果を予測することができる。次に、図2135(d)を参照して、時短用(特図変動中)普図変動パターンテーブル202fjB3の内容について説明する。図2135(d)は、この時短用(特図変動中)普図変動パターンテーブル202fjB3の規定内容を模式的に示した模式図である。時短用(特図変動中)普図変動パターンテーブル202fjB3は、時短状態が設定されており、且つ、特別図柄の変動表示が実行されている場合に普通図柄の変動表示が実行される場合の普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定するためのデータテーブルであり、普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数値(第2変動種別カウンタ値CS2)が規定されている。具体的には、普通図柄の当否判定結果が当たり当選である場合には、第2変動種別カウンタCS2のカウンタ値にかかわらず「短当たり(2秒)」が決定され、普通図柄の当否判定結果が外れである場合には、第2編同種別カウンタCS2のカウンタ値にかかわらず「短外れ(2秒)」が決定される。
次に、図2135(e)を参照して、時短用(大当たり遊技中)普図変動パターンテーブル202fjB4の内容について説明する。図2135(e)は、この時短用(大当たり遊技中)普図変動パターンテーブル202fjB4の規定内容を模式的に示した模式図である。時短用(大当たり遊技中)普図変動パターンテーブル202fjB4は、大当たり遊技中に時短状態が継続している場合において普通図柄の変動表示が実行される場合の普図変動パターン(変動時間)を決定するためのデータテーブルである。図2135(e)に示す通り、普通図柄の当否判定結果が当たり当選である場合には、第2変動種別カウンタCS2の値にかかわらず「短当たり(2秒)」が決定され、普通図柄の当否判定結果が外れである場合には「短外れ(2秒)」が決定される。
<第34制御例の第2変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図2136から図21275のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。なお、上述した第34制御例及び第1変形例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。まず、図2136を参照して、特別図柄変動処理(S104J)について説明する。図2136は、本第34制御例の第2変形例における特別図柄変動処理(S104J)を示したフローチャートである。特別図柄変動処理(S104J)は、主制御装置110のタイマ割込処理(図2056参照)において実行される処理である。本第34制御例の第2変形例における特別図柄変動処理(S104J)は、上述した第34制御例の第1変形例における特別図柄変動処理(図2111参照)に対して、S220Jの処理を実行しない点で相違しており、その他の処理については同一である。なお、S220Jの処理を実行しないことで、今回の抽選結果が大当たり当選である場合に時短中カウンタ203gjのカウンタ値が0に設定されないため、大当たり当選しても時短状態が終了しない。
次に、図2137を参照して、小当たり開始設定処理(S223J)について説明する。図2137は、本第34制御例の第2変形例における小当たり開始設定処理(S223J)を示したフローチャートである。小当たり開始設定処理(S223J)は、タイマ割込処理(図2056参照)の特別図柄変動処理(図2111参照)の中で実行される処理であり、小当たり種別(小当たりAb~Db)に基づいて、小当たり遊技における、V入口ソレノイド209a、の動作を設定するための処理である。小当たり開始設定処理(S223J)では、まず、上述した通常変動開始処理のS409Jの処理または時短変動開始処理のS509Jの処理で選択された小当たり種別に対応する開放シナリオを設定する(S601J)。なお、開放シナリオとは、具体的には、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1の設定を示す。つまり、小当たり遊技演出中において、開閉扉650f1が所定期間開放されるようにV入口ソレノイド209aの動作を設定することを示す。S601Jの処理が終了すると、各小当たり種別に対応したV通過時大当たり種別をV通過時大当たり種別格納エリア203mjに設定する(S602J)。より具体的には、S601Jの処理で取得した小当たり種別と特別図柄2大当たり選択テーブル202bjB2に基づいて、V通過時大当たり種別(大当たりCb~Fb)を判定する。上述したように、小当たり種別がAbであれば、大当たりCb(10ラウンド時短有大当たり)であると判定し、小当たり種別がBbであれば、大当たりDb(10ラウンド時短有大当たり)であると判定し、小当たり種別がCbであれば、大当たりEb(5ラウンド時短有大当たり)であると判定し、小当たり種別がDbであれば、大当たりFb(5ラウンド時短有大当たり)で有ると判定する(図2131(c)参照)。次いで、小当たり種別に基づいて、小当たりの開始を設定し(S603J)、小当たり開始フラグ203jjと小当たり中フラグ203kjをオンに設定する(S604J)。その後、小当たり用時短更新処理を実行し(S606J)、本処理を終了する。
次に、図2138を参照して、小当たり用時短更新処理(S606J)について説明する。図2138は、この小当たり用時短更新処理(S606J)を示したフローチャートである。小当たり用時短更新処理(S606J)では、小当たり種別によって時短状態を終了させるか否かを決定するための処理を実行する。具体的には、今回の小当たり種別が小当たりAbまたは小当たりCbであるかを判別し(S651J)、小当たりAbまたは小当たりCbであると判別した場合には(S651J:Yes)、そのまま本処理を終了する。つまり、小当たりAbまたは小当たりCbである場合には、小当たり遊技中及びV大当たり遊技中も時短状態が継続することとなる。一方、S651Jの処理において、今回の小当たり種別がAbまたは小当たりCbではないと判別した場合には(S651J:No)、時短中カウンタ203gjのカウンタ値として0を設定し(S652J)、遊技状態格納エリアに通常状態を示す情報を設定し(S653J)、本処理を終了する。つまり、小当たりBbまたは小当たりDbである場合には、時短状態が終了し、小当たり遊技中及びV大当たり遊技中は通常状態が設定されることとなる。
次に、図2139を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106J)について説明する。図2139は、本第34制御例の第2変形例における普通図柄変動処理(S106J)を示すフローチャートである。図2139に示すように、S901J~S908Jの処理については、上述した第34制御例におけるS601J~S608Jの処理と同一である。S908の処理が終了した後、普図変動開始処理を実行する(S923J)。ここで、図2140を参照して、普図変動開始処理(S923J)について説明する。図2140は、この普図変動開始処理(S923J)を示したフローチャートである。普図変動開始処理(S923J)では、普通図柄の当否判定結果と、設定されている遊技状態と、第2変動種別カウンタCS2のカウンタ値とに基づいて、普通図柄の変動パターンを決定するための処理を実行する。具体的には、普図変動開始処理(S923J)が実行されると、まず、普通図柄の当たりであるかを判別し(S951J)、当たりであると判別した場合には(S951J:Yes)、第2図柄表示装置83に表示する当たり時の表示態様を設定する(S952J)。一方、当たりでないと判別した場合には(S951J:No)、第2図柄表示装置83に表示する外れ時の表示態様を設定する(S953J)。S952J、またはS953Jの処理が終了すると、次いで、時短中であるかを判別し(S954J)、時短中であると判別した場合には(S954J:Yes)、普通図柄の当たりであるかを判別し(S955J)、普通図柄の当たりであると判別した場合には(S955J:Yes)、時短中当たりフラグ203rjをオンに設定し(S957J)、S958Jの処理を実行する。この時短中当たりフラグ203rjがオンに設定されることで、今回の普通図柄変動が停止表示された場合に、電動役物640aの動作パターンとして時短状態における動作パターン(ロング開放パターン)が設定される。S955Jの処理において、普通図柄の当たりではないと判別した場合には(S955J:No)、S957Jの処理をスキップし、S958Jの処理を実行する。S958Jの処理では、特別図柄の変動表示中であるかを判別し(S958J)、特別図柄の変動表示中であると判別した場合には(S958J:Yes)、時短用(特図変動中)普図変動パターンテーブル202fjB3に基づいて普図変動パターンを決定し(S959J)、決定された普図変動パターンを示すための表示用普図変動パターンコマンドを設定し(S962J)、本処理を終了する。一方、S958Jの処理において、特別図柄の変動表示中ではないと判別した場合には(S958J:No)、次いで、大当たり遊技中であるかを判別し(S963J)、大当たり遊技中ではないと判別した場合には(S963J:No)、時短中カウンタ203gjのカウンタ値を1減算し(S960J)、時短用(特図停止中)普図変動パターンテーブル202fjB2に基づいて普図変動パターンを決定し(S961J)、S962Jの処理を実行する。S963Jの処理において、大当たり遊技中であると判別した場合には(S961J:Yes)、時短用(大当たり遊技中)普図変動パターンテーブル202fjB4に基づいて普図変動パターンを決定し(S964J)、S962Jの処理を実行する。また、S954Jの処理において、時短中ではないと判別した場合には(S954J:No)、通常用普図変動パターンテーブル202fjB1に基づいて普図変動パターンを決定し(S956J)、S962Jの処理を実行する。このように、本第34制御例の第2変形例では、上述した第34制御例の第1変形例に対して、時短状態において特別図柄の変動表示が実行されている場合と、大当たり遊技が実行されている場合には普通図柄の変動表示が実行されても時短中カウンタ203gjのカウンタ値を減算(更新)しない構成としている。このように構成することで、超チャージチャレンジモード中(第2特別図柄のロング変動中)、及び、チャージボーナス中(時短状態が継続している大当たり遊技中)に時短状態が終了してしまうことを抑制することができる。
図2139に戻り、説明を続ける。S918Jの処理において、普図の変動時間が経過したと判別した場合には(S918J:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定し(S919J)、普図停止コマンドを設定する(S920J)。そして、今回の第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たり当選であるかを判別し(S921J)、当たり当選であると判別した場合には(S921J:Yes)、電動役物制御処理を実行し(S922J)、本処理を終了する。一方、今回の普通図柄の抽選結果が当たり当選ではない(外れである)と判別した場合には(S921J:No)、設定されている遊技状態が時短状態であるかを判別し(S926J)、時短状態ではないと判別した場合には(S926J:No)、本処理を終了する。一方、時短状態であると判別した場合には(S926J:Yes)、時短中カウンタ203gjのカウンタ値が0であるかを判別し(S924J)、0であると判別した場合には(S924J:Yes)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S925J)、本処理を終了する。一方、0ではないと判別した場合には(S924J:No)、本処理を終了する。
次に、図2141のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1704J)を説明する。図2141は、第34制御例の第2変形例における大当たり制御処理(S1704J)を示すフローチャートである。上述した第34制御例の第1変形例における大当たり制御処理(S1704J)に対して、S1803Jの処理が終了した後に時短更新処理(S1818J)を実行する点で相違しており、その他の処理については同一である。ここで、図2142を参照して、時短更新処理(S1818J)の内容について説明する。図2142は、この時短更新処理(S1818J)を示すフローチャートである。時短更新処理(S1818J)では、今回の大当たり種別によって時短状態を継続させるか否かを決定するための処理を実行する(S1818J)。時短更新処理(S1818J)が実行されると、まず、設定されている遊技状態は時短状態であるかを判別し(S2301J)、時短状態ではないと判別した場合には(S2301J:No)、本処理を終了する。一方、時短状態であると判別した場合には(S2301J:Yes)、今回の大当たり種別が大当たりCbまたは大当たりEbであるかを判別し(S2302J)、大当たりCbまたは大当たりEbであると判別した場合には、本処理を終了する。S2302Jの処理において、今回の大当たり種別が大当たりCbまたは大当たりEbではないと判別した場合には(S2302J:No)、時短中カウンタ203gjのカウンタ値を0に設定し(S2303J)、遊技状態格納エリアに通常状態を設定し(S2304J)、本処理を終了する。つまり、大当たり種別が大当たりCbまたは大当たりEbである場合には大当たり遊技中も時短状態が継続し、大当たりCbまたは大当たりEbではない場合には大当たり遊技開始により時短状態が終了する。
次に、図2143を参照して、小当たり終了処理(S1912J)について説明する。図2143は、本第34制御例の第2変形例における小当たり終了処理(S1912J)を示したフローチャートである。本第34制御例の第2変形例における小当たり終了処理(S1912J)は、上述した第34制御例における小当たり終了処理(図2075参照)に対して、S2007Jの処理を実行しない点で相違し、その他の処理については同一である。
<第34制御例の第2変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図2144及び図2145を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。まず、図2144を参照して、当たり関連処理(S3513J)について説明する。図2144は、第34制御例の第2変形例における当たり関連処理(S3513J)を示したフローチャートである。当たり関連処理(S3513J)は、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図2083参照)において当たり関連のコマンドを受信した場合に実行される処理である。上述した第34制御例における当たり関連処理(S3513J)に対して、大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合に(S3901J:Yes)、大当たり開始処理(S3920J)を実行する点で相違し、その他の処理については同一である。ここで、図2145を参照して、大当たり開始処理(S3920J)について説明する。図2145は、この大当たり開始処理(S3920J)を示したフローチャートである。大当たり開始処理(S3920J)が実行されると、まず、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S3951J)、従大当たり中フラグ223pjをオンに設定する(S3952J)。次いで、今回の大当たり種別が大当たりCbまたは大当たりEbであるかを判別し(S3953J)、大当たりCbまたは大当たりEbであると判別した場合には(S3953J:Yes)、チャージボーナスを示す表示用コマンドを設定し(S3954J)、本処理を終了する。一方、S3953Jの処理において大当たりCbまたは大当たりEbであると判別した場合には(S3953J:No)、ノーマルボーナスを示す表示用コマンドを設定し(S3955J)、本処理を終了する。
<第34制御例の第3変形例について>
図2146~図2153を参照して、第34制御例の第3変形例のパチンコ機10について説明する。上述した第34制御例の第2変形例では、小当たり遊技開始時に時短状態を終了させ、小当たり遊技中及びV大当たり遊技中は通常状態とする場合と、小当たり遊技中に時短状態を終了させず、小当たり遊技中またはV大当たり遊技中も時短状態を継続させる場合とを設ける構成について説明した。これに対して、本第3変形例では、大当たり遊技中も時短状態を継続させ、同一ラウンド数の大当たり遊技であっても、大当たり種別によって大当たり遊技期間を異ならせ、大当たり遊技中に実行される普通図柄の変動表示回数を可変させる構成としている。具体的には、大当たり種別によってラウンド間における第1特定入賞口65aの閉鎖時間を異ならせることで、通常の大当たり遊技と、通常よりも大当たり遊技期間が長い大当たり遊技とを設ける構成としている。これにより、大当たり遊技中に特図2保留球を獲得し易い大当たり遊技と、大当たり遊技中に特図2保留球を獲得し難い大当たり遊技とを実行可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。本第34制御例の第3変形例におけるパチンコ機10は、上述した第34制御例の第2変形例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110におけるROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点で相違している。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第34制御例の第2変形例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第34制御例の第2変形例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第34制御例における第3変形例における第1特定入賞口65aの開放パターンについて>
図2146を参照して、本第34制御例の第3変形例における第1特定入賞口65aの開放パターンについて説明する。図2146は、本第34制御例の第3変形例における第1特定入賞口65aの開放パターンの一例を模式的に示したタイミングチャートである。図2146に示す通り、大当たりAcと大当たりFcはいずれもラウンド数が5ラウンドの大当たり種別であるが、大当たり遊技期間が相違している。具体的には、大当たりAcは、第1特定入賞口65aの開放パターンが開放パターンAである大当たり種別であり、大当たりFcは、第1特定入賞口65aの開放パターンが開放パターンBである大当たり種別である。開放パターンAは、各ラウンドにおける第1特定入賞口65aの開放時間が5秒であり、ラウンド間における第1特定入賞口65aの閉鎖時間が1秒である。したがって、大当たりAcでは、5秒間の開放状態が5回、1秒間の閉鎖状態が4回であるため、大当たり遊技開始から最終ラウンド(5R)終了までの大当たり遊技期間は29秒となる。なお、1回のラウンド中に第1特定入賞口65aに遊技球が10球入賞した場合には、5秒経過する前に第1特定入賞口65aが閉鎖状態となるが、次のラウンドの開始タイミングは可変しない構成としている。これにより、大当たり遊技中にラウンド開始から早期に遊技球を発射して所定の遊技球を入賞させた遊技者と、ラウンド終了間際に遊技球を発射した遊技者とで、大当たり遊技期間が可変してしまう不具合を抑制することができる。一方、開放パターンBは、各ラウンドにおける第1特定入賞口65aaの開放時間が5秒であり、ラウンド間における第1特定入賞口65aの閉鎖時間が7秒である。したがって、大当たりFcでは、5秒間の開放状態が5回、7秒間の閉鎖状態が4回であるため、大当たり遊技開始から最終ラウンド(5R)終了までの大当たり遊技期間は53秒となる。なお、本第34制御例の第3変形例では、大当たり遊技中の普通図柄の変動時間が2秒であるため、大当たりAcでは大当たり遊技中に最大14回の普通図柄抽選を実行することが可能であり、大当たりFcでは大当たり遊技中に最大26回の普通図柄抽選を実行することが可能である。つまり、大当たりFcでは大当たりAcよりも2倍近く普通図柄抽選を多く実行できるため、大当たりFcは大当たりAcに比べて大当たり遊技中に特図2保留球を獲得し易い大当たり種別と言える。
<第34制御例の第3変形例における電気的構成について>
次に、図2147~図2151を参照して、本第34制御例の第3変形例の主制御装置110のMPU201内容について説明する。図2147(a)は、本第34制御例の第3変形例における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、第1当たり乱数テーブル202ajと、第1当たり種別選択テーブル202bjCと、第2当たり乱数テーブル202cjBと、変動パターンテーブル202djBと、小当たり種別選択テーブル202ejCと、普図変動パターンテーブル202fjBと、動作シナリオテーブル203gjCとが少なくとも設けられている。次に、図2150を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bjCの内容について説明する。図2131(a)~(c)は、第1当たり種別選択テーブル202bjCの内容を模式的に示した模式図である。第1当たり種別選択テーブル202bjCは、第1特別図柄の大当たりに当選した場合、或いは、第1特別図柄の小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球が特定領域(V領域650v(図2096参照))を通過した場合における大当たり種別を選択するための特別図柄1大当たり選択テーブル202bjC1と、第2特別図柄の大当たりに当選した場合、或いは、第2特別図柄の小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球が特定領域(V領域650v(図2096参照))を通過した場合における大当たり種別を選択するための特別図柄2大当たり選択テーブル202bjC2と、を有している(図2148(a)参照)。図2148(b)に示すように、第1特別図柄の大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲内であれば大当たりAc(5R時短有大当たり)が選択され、「50~99」の範囲内であれば大当たりBcが選択される。この大当たりAcは、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別であり、大当たりBcは大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり種別である。また、大当たりAc及び大当たりBcは、いずれも第1特定入賞口65aの開放パターンとして開放パターンAが設定される。一方、図2148(c)に示すように、第2特別図柄の大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値に関わらず(値が「0~99」の場合において)大当たりCc(10R時短有大当たり)が選択される。この大当たりCcは、大当たり遊技のラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別である。また、第2特別図柄の小当たり時には、後述する小当たり種別に対応して大当たり種別が選択される。具体的には、小当たり種別が小当たりAcの場合は大当たりCc(10R時短有大当たり)が選択され、小当たりBcの場合は大当たりDc(10R時短有大当たり)が選択され、小当たりCcの場合は大当たりEc(5R時短有大当たり)が選択され、小当たりDcの場合は大当たりFc(5R時短有大当たり)が選択される。この大当たりDcは、大当たり遊技のラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別であり、大当たりEcは大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別であり、大当たりFcは大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別である。また、大当たりCcでは、第1特定入賞口65aの開放パターンとして開放パターンCが設定され、大当たりDcでは第1特定入賞口65aの開放パターンとして開放パターンDが設定され、大当たりEcでは第1特定入賞口65aの開放パターンとして開放パターンAが設定され、大当たりFcでは第1特定入賞口65aの開放パターンとして開放パターンBが設定される。ここで、図2150を参照して、各開放パターンについて説明する。図2150に示す通り、開放パターンAは、1回のラウンドにおける開放時間が5秒であり、開放回数が5回であり、ラウンド間の閉鎖時間(インターバル時間)が1秒の開放パターンである。開放パターンBは、1回のラウンドにおける開放時間が5秒であり、開放回数が5回であり、ラウンド間の閉鎖時間(インターバル時間)が7秒の開放パターンである。つまり、開放パターンAよりも開放パターンBが設定された場合の方が大当たり遊技期間中に特図2保留球を獲得し易い状態となる。開放パターンCは、1回のラウンドにおける開放時間が5秒であり、開放回数が10回であり、ラウンド間の閉鎖時間(インターバル時間)が1秒の開放パターンである。開放パターンDは、1回のラウンドにおける開放時間が5秒であり、開放回数が10回であり、ラウンド間の閉鎖時間(インターバル時間)が7秒の開放パターンである。つまり、開放パターンCよりも開放パターンDが設定された場合の方が大当たり遊技期間中に特図2保留球を獲得し易い状態となる。なお、本第34制御例の第3変形例では、各大当たり種別毎に第1特定入賞口65aの開放パターンが規定される構成としたが、これに限るものではなく、抽選によって開放パターンを決定する構成としても良い。
次に、図2149を参照して、小当たり種別選択テーブル202ejCの内容について説明する。図2149(a)及び(b)は、小当たり種別選択テーブル202ejCの内容を模式的に示した模式図である。小当たり種別選択テーブル202ejCは、第2特別図柄の小当たりに当選した場合の小当たり種別を選択するための特別図柄2小当たり選択テーブル202ejC1を有している(図2149(a)参照)。図2149(b)に示すように、第2特別図柄の小当たり当選時には、小当たり種別カウンタC5の値が、「0~9」の場合は小当たりAc(V通過可能)が選択され、「10~49」の場合は小当たりBc(V通過可能)が選択され、「50~89」の場合は小当たりCc(V通過可能)が選択され、「90~99」の場合は小当たりDc(V通過可能)が選択される。
次に、図2151を参照して、動作シナリオテーブル202gjCの内容について説明する。図2151は、この動作シナリオテーブル202gjCの規定内容を模式的に示した模式図である。各開放パターンにはそれぞれ動作シナリオテーブルが設けられており、その動作シナリオに基づいて第1特定入賞口65aの動作制御が実行される。各動作シナリオテーブルには、シナリオカウンタ203ajCのカウンタ値に対して動作内容が規定されている。ここで、開放パターンA動作シナリオの一例を説明する。開放パターンA動作シナリオには、シナリオカウンタ値「0」に対して「閉鎖」が設定され、シナリオカウンタ値「250」に対して「開放」が設定されている。なお、シナリオカウンタ203ajCのカウンタ値は、主制御装置110のメイン処理において4ms毎に実行される大当たり制御処理(S1704J)においてカウンタ値が更新されるため、シナリオカウンタ値「250」は、大当たり遊技開始から1秒経過した場合のシナリオカウンタ値である。つまり、大当たり遊技開始から1秒経過すると第1特定入賞口65aが開放状態となる。そして、シナリオカウンタ値が「1500」になると第1特定入賞口65aが閉鎖状態となり、シナリオカウンタ値「1750」になると第1特定入賞口65aが開放状態となる。シナリオカウンタ値「1500」は第1特定入賞口65aが開放状態となってから5秒経過した時点でのカウンタ値となる。したがって、1回のラウンドにおいて第1特定入賞口65aは5秒間開放状態となる。なお、本第34制御例の第3変形例では、1回のラウンド中に第1特定入賞口65aには10球まで遊技球が入賞可能であり、第1特定入賞口65aに遊技球が10球入賞したと判別した場合には、シナリオカウンタ値が「閉鎖」を示すカウンタ値となる前に第1特定入賞口65aを閉鎖状態とする。この場合であっても、次回、第1特定入賞口65aが開放状態となるのは、動作シナリオに規定されたシナリオカウンタ値となった場合である。このため、規定数の遊技球が入賞したことにより閉鎖状態となった場合と、開放時間が経過したことにより閉鎖状態となった場合とで、大当たり遊技期間は可変しない。その後、シナリオカウンタ値が「1750」になると第1特定入賞口65aが開放状態となり、シナリオカウンタ値が「3000」になると第1特定入賞口65aが閉鎖状態となる。このように、開放パターンA動作シナリオには、第1特定入賞口65aの開放パターンとして5秒間の開放状態と、1秒間の閉鎖状態を5ラウンド分繰り返し実行する動作シナリオが規定されている。そして、最終ラウンド(5ラウンド目)の開放時間が経過し、第1特定入賞口65aを閉鎖状態とする動作シナリオが実行された後、次回のシナリオカウンタ203ajCの更新によってEND情報が示される。開放パターンB動作シナリオも、上述した開放パターンA動作シナリオと同様に、シナリオカウンタ203ajCのカウンタ値に対して動作内容が規定されている。開放パターンB動作シナリオでは、シナリオカウンタ値が「1500」になり、第1特定入賞口65が閉鎖状態となるまでは開放パターンA動作シナリオと同じシナリオであるが、次に第1特定入賞口65aが開放状態となるのはシナリオカウンタ値が「3250」となった場合である。シナリオカウンタ値が「3250」になるのは、第1特定入賞口65aが閉鎖状態となってから7秒経過後である。このように、開放パターンB動作シナリオには、第1特定入賞口65aの開放パターンとして5秒間の開放状態と、7秒間の閉鎖状態を5ラウンド分繰り返し実行する動作シナリオが規定されている。これにより、大当たり遊技のラウンド数は同じであっても、開放パターンAよりも開放パターンBの方が大当たり遊技期間が長くなり、大当たり遊技中に実行可能な普通図柄抽選回数を増やすことができる。なお、図示しないが、開放パターンC動作シナリオには、第1特定入賞口65aの開放パターンとして5秒間の開放状態と、1秒間の閉鎖状態を10ラウンド分繰り返し実行する動作シナリオが規定されており、開放パターンD動作シナリオには、第1特定入賞口65aの開放パターンとして5秒間の開放状態と、7秒間の閉鎖状態を10ラウンド分繰り返し実行する動作シナリオが規定されている。
<第34制御例の第3変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図2152及び図2153を参照して、第34制御例の第3変形例における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。なお、上述した第34制御例及び各変形例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。まず、図2152を参照して、大当たり制御処理(S1704J)について説明する。図2152は、本第34制御例の第3変形例における大当たり制御処理(S1704J)を示したフローチャートである。この大当たり制御処理(S1704J)は、主制御装置110のメイン処理(図2072参照)において実行される。大当たり制御処理(S1704J)が実行されると、まず、大当たり遊技開始タイミングであるかを判別し(S1801J)、大当たり開始タイミングであると判別した場合には(S1801J:Yes)、大当たり開始フラグ203hjをオフに設定し(S1802J)、大当たり開始コマンドを設定し(S1803J)、時短更新処理(S1818J)を実行する。次いで、大当たり種別に対応する動作シナリオを設定し(S1821J)、本処理を終了する。S1801Jの処理において、大当たり開始タイミングではないと判別した場合には(S1801J:No)、次に、大当たり遊技中であるかを判別する(S1805J)。大当たり遊技中ではないと判別した場合には(S1805J:No)、本処理を終了する。一方、大当たり遊技中であると判別した場合には(S1805J:Yes)、シナリオカウンタ203ajCのカウンタ値に1加算し(S1819J)、次に、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する(S1806J)。なお、本第34制御例の第3変形例では、シナリオカウンタ203ajCのカウンタ値と、設定されている動作シナリオによって新たなラウンドの開始タイミングであるか否かの判別を行う。新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1806J:Yes)、第1特定入賞口65aの開放動作を設定し(S1807J)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(S1808J)、本処理を終了する。S1806Jの処理において新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合には(S1806J:No)、次に、第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したかを判別する(S1809J)。具体的には、シナリオカウンタ値が設定されている動作シナリオにおける閉鎖状態を示す値となった場合、或いは、第1特定入賞口65aに所定数の入賞があった場合に閉鎖条件が成立したと判別する。第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したと判別した場合には(S1809J:Yes)、第1特定入賞口65aの閉鎖動作を設定し(S1810J)、本処理を終了する。S1809Jの処理において、第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していないと判別した場合には(S1809J:No)、次に、大当たり終了のタイミングであるかを判別する(S1811J)。なお、大当たり終了のタイミングであるか否かは、シナリオカウンタ値が動作シナリオにおける「END情報」を示す値であるかによって判別し、「END情報」を示すカウンタ値である場合には大当たり終了タイミングであると判別する。大当たり終了タイミングではないと判別した場合には(S1811J:No)、本処理を終了する。一方、大当たり終了タイミングであると判別した場合には(S1811J:Yes)、大当たり終了コマンドを設定し(S1812J)、大当たり中フラグ203ijをオフに設定し(S1813J)、シナリオカウンタ203ajCのカウンタ値をクリアする(S1820J)。そして、時短付与処理を実行し(S1817J)、本処理を終了する。
次に、図2153を参照して、時短付与処理(S1817J)について説明する。図2153は、本第34制御例の第3変形例における時短付与処理(S1817J)を示したフローチャートである。本第34制御例の第3変形例における時短付与処理(S1817J)が実行されると、まず、今回の大当たり種別が時短有りの大当たり種別であるかを判別し(S1751J)、時短有りの大当たり種別であると判別した場合には(S1751J:Yes)、時短中カウンタ203gjにカウンタ値として105を設定し(S1753J)、本処理を終了する。一方、S1751Jの処理において、時短有りの大当たり種別ではないと判別した場合には(S1751J:No)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S1754J)、本処理を終了する。
<第34制御例の第4変形例について>
図2154~図2157を参照して、本第34制御例の第4変形例について説明する。上述した第34制御例及び各変形例では、時短状態において普通図柄の当たりに当選した場合にのみ、電動役物640aが開放状態となり特図2保留球を獲得可能な構成であった。これに対して、本第3変形例では、時短状態において普通図柄の当たりに当選した場合に加えて、特図2保留球の先読み結果(入賞情報を事前判別した結果)が特定結果であった場合に電動役物640aを開放状態とする構成としている。具体的には、特図2保留球を獲得した場合に、その特図2保留球の入賞情報を先読み(事前判別)し、特定の大当たり種別(本第3変形例では大当たりEd)に当選すると判別した場合に電動役物640aを開放状態(開放位置)に可変させる。つまり、特図2保留球を追加で獲得することができるため、実質2回分の大当たり遊技が実行可能となる。このように構成することで、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本第34制御例の第3変形例におけるパチンコ機10は、上述した第34制御例に対して、主制御装置110におけるROM202構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点で相違している。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第34制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第34制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第34制御例の第4変形例における演出内容について>
図2154を参照して、本第34制御例の第4変形例における特徴的な演出内容について説明する。図2154(a)は、時短状態において特図2保留球を獲得した場合に実行される演出の一例である。上述した第34制御例と同様に、時短状態において当たり普通図柄が停止表示されると、主表示領域Dmには普通図柄の当たりに当選したことを示唆する態様である宝箱802が表示され、第2入球口640に向けた遊技球の発射を促す案内態様が表示される。そして、第2入球口640に遊技球が入賞すると、図2154(a)に示す、Vチャージ演出が実行され、特図2保留球を獲得したことが報知される。そして、獲得した特図2保留球の入賞情報を事前判別し(先読みし)、その先読み結果が大当たりEd当選であると判別されると、図2154(b)に示す、V追加チャージチャンス演出が実行される。このV追加チャージチャンス演出では、新たな宝箱802が表示され、第1小表示領域HR1には「V追加チャージチャンス!」の文字が表示される。また、第2入球口640に向けた遊技球の発射を促す案内態様が表示されることで、電動役物640aが開放状態(開放位置)に可変し、特図2保留球を獲得可能な状態であることを遊技者に報知する。なお、本第34制御例の第4変形例では、普通図柄の当たり当選により電動役物640aが開放状態となる場合と、特図2保留球の先読み結果が大当たりEdであることにより電動役物640aが開放状態となる場合とで同一態様の宝箱802を表示する構成としたが、これに限るものではなく、普通図柄の当たり当選により電動役物640aが開放状態となる場合と、特図2保留球の先読み結果が大当たりEdであることにより電動役物640aが開放状態となる場合とで宝箱802の態様を異ならせても良いし、特図2保留球の先読み結果が大当たりEdであることにより電動役物640aが開放状態となる場合には宝箱802ではなく他の表示態様によって報知(示唆)する構成としても良い。なお、本第34制御例の第4変形例では、特図2保留球を獲得したタイミングで入賞情報を先読みし、先読み結果が大当たりEdである場合に電動役物640aを開放状態とさせる構成としたが、これに限るものではなく、大当たりEdに当選する特図2保留球に基づく第2特別図柄の変動表示が開始される場合に電動役物640aを開放状態とさせる構成としても良いし、大当たりEdに当選する第2特別図柄が停止表示された場合に電動役物640aを開放状態とさせる構成としても良い。
<第34制御例の第4変形例における電気的構成について>
次に、図2155を参照して、本第34制御例の第4変形例における電気的構成について説明する。なお、上述した第34制御例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。まず、図2155(a)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bjDについて説明する。図2155(a)は、この第1当たり種別選択テーブル202bjDの規定内容を模式的に示したブロック図である。第1当たり種別選択テーブル202bjDは、上述した第34制御例における第1当たり種別選択テーブル202bjに代えて主制御装置110のMPU201に設けられたデータテーブルである。図2155(a)に示すように、第1当たり種別選択テーブル202bjDには、第1特別図柄の大当たりに当選した場合、或いは、第1特別図柄の小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞スイッチ650e3(図2028参照))を通過した場合における大当たり種別を選択するための特別図柄1大当たり選択テーブル202bjD1と、第2特別図柄の大当たりに当選した場合、或いは、第2特別図柄の小当たりに当選し、その小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞スイッチ650e3(図2028参照))を通過した場合における大当たり種別を選択するための特別図柄2大当たり選択テーブル202bjD2と、を有している。図2155(b)に示すように、第1特別図柄の大当たり時には第1当たり種別カウンタC2の値にかかわらず大当たりAdが決定される。この大当たりAdは、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短Aの時短状態が設定される大当たり種別である。一方、図2155(c)に示すように、第2特別図柄の大当たり時には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲内であれば大当たりBdが、「50~99」の範囲内であれば大当たりEdが決定される。この大当たりBd及び大当たりEdは、大当たり遊技のラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短Bの時短状態が設定される大当たり種別である。また、第2特別図柄の小当たり時には、後述する小当たり種別に対応して大当たり種別が選択される。具体的には、小当たり種別が小当たりAの場合は大当たりBd(10R時短B大当たり)が選択され、小当たりBの場合は大当たりCd(5R時短B大当たり)が選択され、小当たりCの場合は大当たりDd(5R時短C大当たり)が選択される。この大当たりCdは、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短Bの時短状態が設定される大当たり種別であり、大当たりDdは大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短Cの時短状態が設定される大当たり種別である。
<第34制御例の第4変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図2156を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。なお、上述した第34制御例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図2156は、本第34制御例の第4変形例における先読み処理(S713J)を示したフローチャートである。この先読み処理(S713J)は、主制御装置110の始動入賞処理(図2062、S105J)において実行される処理である。S801J~S805Jの処理については、上述した第34制御例におけるS801J~S805Jの処理と同一の処理である。S804Jの処理が終了すると、次に、今回取得した入賞情報に大当たりEdに対応する情報が含まれているかを判別し(S805J)、含まれていないと判別した場合には(S805J:No)、本処理を終了する。一方、大当たりEdに対応する情報が含まれていると判別した場合には、電動役物640aの開放動作設定し(S806J)、本処理を終了する。
<第34制御例の第4変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図2157を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。なお、上述した第34制御例と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図2157は、入賞情報関連処理(S3511J)を示したフローチャートである。この入賞情報関連処理(S3511J)は、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図2083、S3112J)において、入賞情報関連コマンドを受信した場合に実行される処理である。図2157に示すように、S3801J~S3806Jの処理については、上述した第34制御例におけるS3801J~S3806Jの処理と同一の処理である。S3805Jの処理において、受信した入賞情報コマンドから取得した特図2保留球の大当たり種別が大当たりEdであるかを判別し(S3807J)、大当たりEdであると判別した場合には(S3807J:Yes)、V追加チャージチャンス演出を実行するための表示用コマンドを設定し(S3808J)、本処理を終了する。一方、S3807Jの処理において、大当たりEdではないと判別した場合には(S3807J:No)、そのまま本処理を終了する。
<第34制御例の第5変形例について>
図2158~図2181を参照して、第34制御例の第5変形例について説明する。上述した第34制御例及び各変形例では、特図2保留球を最大4つまで保留記憶することができる構成であるが、特図2保留球が上限まで保留記憶されている状態で普通図柄の当たりに当選した場合、第2入球口64に遊技球を入賞させても新たな特図2保留球は保留記憶されず、せっかく普通図柄の当たりに当選したにもかかわらず、特図2保留球が上限まで保留記憶されていない場合に第2入球口64に入賞した場合との恩恵が著しく低いものとなってしまい、遊技者の遊技意欲を低下させてしまう虞がある。これに対して、本第34制御例の第5変形例では、特図2保留球が上限まで保留記憶されている状態で新たに第2入球口64への入賞があった場合に、電動役物640aを連続して複数回開放状態とし、第2入球口640に遊技球を複数回入賞可能にすることで、遊技者に対して第2入球口640入賞に基づく賞球を複数回付与する恩恵を与える構成としている。このように構成することで、特図2保留球が上限まで保留記憶されていない場合に第2入球口64に入賞した場合との恩恵の差を小さくすることが可能となり、遊技者の遊技意欲の低下を軽減することができる。
また、上述した第34制御例では、ボタン演出が実行される場合に、実行されるボタン演出の操作内容(単発押し、連打、長押し等)はボタン演出の種類によって予め決まっていた。これに対して、本第34制御例の第5変形例では、ボタン演出が実行される場合に、過去の操作パターンに基づいて操作内容を決定する構成としている。具体的には、過去10分間のボタンセンサのオンオフ状況を記憶可能な構成であり、ボタン演出が実行される前のボタン演出準備画面が表示されている場合に、遊技者がボタン操作をしていれば、その操作内容に応じてボタン演出の操作内容を切り替える構成としている。例えば、ボタン演出準備画面において遊技者が演出ボタン22を連打操作していればボタン演出の操作内容を連打操作に切り替え、長押し操作をしていればボタン演出の操作内容を長押し操作に切り替える。このように構成することで、ボタン演出における操作内容を遊技者の好みに合わせた操作内容にすることができる。なお、本第34制御例の第5変形例のパチンコ機10は、上述した第34制御例の第3変形例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110におけるROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点で相違している。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第34制御例の第3変形例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第34制御例の第3変形例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第34制御例の第5変形例における演出内容について>
図2158~図2162を参照して、本第34制御例の第5変形例におけるパチンコ機10の特徴的な演出内容について説明する。図2158(a)は、大当たり遊技開始時に特図2保留球が上限(本第34制御例の第5変形例では4個)まで保留記憶されている場合の第3図柄表示装置81の表示画面の一例を示した図である。図2158(a)に示すように、第2表示領域Dn2には第2特別図柄の大当たりに当選したことを示す態様である「555」の組み合わせで第3図柄が停止表示されており、第5表示領域Dn5には、特図2保留球が4個保留記憶されていることを示す「4」の文字が表示されている。また、第3表示領域Dn3には、普通図柄が変動表示中であることを示す態様が表示され、第6表示領域Dn6には、普図保留球が4個保留記憶されていることを示す「4」の文字が表示されている。また、第3主表示領域Dm3には、大当たり遊技の1ラウンド目であることを示す「ROUND1」の文字が表示され、副表示領域Dsには、大当たり遊技中であることを示す「大当たり遊技中」の文字が表示されている。また、特図2保留球が上限まで保留記憶されていることに対応して、第1小表示領域HR1には「今電チュー入賞すれば賞球UPタイム突入!?」の文字が表示される。なお、電チューとは第2入球口640のことを指し、賞球UPタイムとは、電動役物640aが複数回連続して開放状態となることを示唆するものである。つまり、この大当たり遊技中に第2入球口640に遊技球が入賞すれば、電動役物640a牙複数回連続して開放状態となる動作パターンが設定され、第1特定入賞口65aに入賞したことに対する賞球に加え、第2入球口640に入賞したことに対する賞球を獲得可能な期間となることを示唆している。また、第2小表示領域HR2には、今回の大当たり遊技で獲得予定の賞球数を報知する態様である「1500」と、今回の大当たり遊技で獲得済みの賞球数を報知する態様である「0」が表示される。なお、大当たり遊技中に賞球を獲得すると、「0」の表示が獲得した賞球数に対応する数字に可変して表示される。
図2158(b)は、図2158(a)に示した状況から第2入球口640に新たに遊技球が入賞した場合の演出の一例を示した図である。特図2保留球が上限まで保留記憶されている状態で第2入球口640に新たに遊技球が入賞すると賞球UPタイムに突入し、図2158(b)に示すように、第1小表示領域HR1には賞球UPタイムに突入したことを報知する態様である「賞球UPタイム突入!」の文字が表示される。ここで、本第34制御例の第3変形例における賞球UPタイムについて説明する。賞球UPタイムは、通常の大当たり遊技に比べて獲得可能な賞球数が増加する特殊な期間である。具体的には、大当たり遊技中に特図2保留球が上限まで保留記憶されている状態で新たに第2入球口640に入賞(所謂、オーバー入賞)すると、電動役物640aの連続開放パターンが設定される。上述したように、第34制御例の通常の電動役物640aの開放パターンでは、電動役物640aが1回だけ開放状態となる。この開放状態は4秒間経過するか、第2入球口640に遊技球が1球入賞した場合に閉鎖状態となり、次回普通図柄の当たりに当選するまで閉鎖状態が継続する。一方、この電動役物640aの連続開放パターンは、電動役物640aが開放状態から閉鎖状態となった後、所定回数開放状態と閉鎖状態の可変を繰り返し実行する。より具体的には、オーバー入賞した後に新たなラウンドが開始されると電動役物640aが開放状態となる。そして、開放から4秒経過した場合、或いは第2入球口640に遊技球が1球入賞した場合に閉鎖状態となり、次回のラウンドが開始されると、再度電動役物640aが開放状態となる。その後、大当たり遊技最終ラウンド終了までこれを繰り返し実行する。なお、詳細は後述するが、本第34制御例の第5変形例では、第2入球口640にオーバー入賞したラウンド数に応じて、電動役物640aの連続開放回数が異なる構成としている。具体的には、10ラウンド大当たりの1ラウンド目にオーバー入賞した場合、2ラウンド目から電動役物640aが開放状態となり、最終ラウンド(10R目)までで合計9回電動役物640aが開放状態となる。一方、10ラウンド大当たりの9ラウンド目にオーバー入賞した場合には、最終ラウンドでのみ電動役物640aが開放状態となるため、合計1回電動役物640aが開放状態となる。なお、第2入球口640に遊技球が入賞した場合、1球につき15個の賞球が付与される。このため、例えば、10ラウンド大当たりの1ラウンド目が開始される前のオープニング期間でオーバー入賞した場合には、電動役物640aが合計10回開放状態となるため、最大150個の賞球が付与されることとなる。
図2159(a)は、賞球UPタイム中の表示画面の一例を示した図である。図2159(a)に示すように、賞球UPタイム中に電動役物640aが開放状態となると、第2入球口640へ向けた遊技球の発射を促す案内態様が表示され、第2入球口640に遊技球が入賞すると、図2159(b)に示すように、第2入球口640への入賞に対する獲得賞球数を報知する態様である「+15」の文字表示Fk1が表示され、第2小表示領域HR2に表示されている獲得賞球数に加算される。なお、第2小表示領域HR2に表示されている「1500」の文字は、大当たり遊技中に第1特定入賞口65に遊技球が入賞することで得られる最大賞球数を示す態様であるため、第2入球口640に入賞したことに基づき得られる賞球数は含まれていない。したがって、賞球UPタイムに突入した大当たり遊技が終了する際に表示される獲得賞球数の表示は、「1500」を超える数字となるため、遊技者に優越感を与えることができる。
次に、図2160~図2162を参照して、本第34制御例の第5変形例におけるボタン演出について説明する。まず、図2160を参照して、ボタン演出準備画面が表示されている期間にボタン押下がない場合のボタン演出について説明する。図2160(a)は、ボタン演出準備画面が表示されている期間にボタン押下がない場合の表示画面の一例を示した図である。図2160(a)に示すように、ボタン演出準備画面は、これからボタン演出が実行されることを事前に報知するための演出であり、演出ボタン22を模したボタン態様Pb1と、ボタン態様Pb1の上部に「READY」の文字が表示されることで、操作有効期間ではないことを遊技者に報知している。また、主表示領域Dmの正面視左側にはインジケーターGg1が表示され、第1小表示領域HR1にはボタン演出の内容を報知するための態様である「ボタン操作でMAXを目指せ!」の文字が表示される。これにより、ボタン演出では演出ボタン22を操作し、インジケーターGg1をMAXにすれば演出成功であることを遊技者に分かり易くすることができる。また、図2160(a)に示した例では、ボタン演出準備画面が表示されている期間に遊技者が演出ボタン22を操作していない状況を示している。そして、操作有効期間になると、図2160(b)に示すように、ボタン態様Pb1の上部の「READY」の文字が「GO」に可変する。これにより、操作有効期間であることを遊技者に分かり易くすることができる。また、ボタン演出準備画面が表示されている期間に演出ボタン22が操作されなかった場合には、ボタン演出として1回の演出ボタン22の操作によりインジケーターGg1を可変させる一撃演出が実行される。一方、図2161(a)に示すように、ボタン演出準備画面が表示されている期間に既に遊技者が演出ボタン22を連打操作している場合には、図2161(b)に示すように、ボタン演出として複数回の演出ボタン22の操作によりインジケーターGg1を可変させる連打演出が実行される。また、図2162(a)に示すように、ボタン演出準備画面が表示されている期間に既に遊技者が演出ボタン22を長押し操作している場合には、図2162(b)に示すように、ボタン演出として演出ボタン22の長押し操作によりインジケーターGg1を可変させる長押し演出が実行される。このように、本第34制御例の第5変形例では、ボタン演出が開始されるまでの遊技者のボタン操作状況に基づいてボタン演出の操作内容を可変させることで、遊技者の好みに合わせた操作内容でボタン演出を実行可能となり、快適な遊技を提供することができる。
<第34制御例の第5変形例における電気的構成について>
次に、図2163及び図2165を参照して、本第34制御例の第5変形例の主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容について説明する。図2163(a)は、本第34制御例の第5変形例における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。図2163(a)に示す通り、上述した第34制御例の第3変形例における主制御装置110のMPU201におけるROM202に対して、電動役物動作パターンテーブル202gjEと、継続開放抽選テーブル202hjEを新たに追加して点で相違し、その他の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。ここで、図2164を参照して、電動役物動作パターンテーブル202gjEについて説明する。図2164は、この電動役物動作パターンテーブル202gjEの規定内容を模式的に示した模式図である。図2164に示すように、電動役物動作パターンテーブル202gjEには、ラウンド数カウンタ203bjEのカウンタ値に対応する動作パターンが規定されている。具体的には、ラウンド数カウンタ値が「0」である場合(即ち、大当たり遊技の最終ラウンドにオーバー入賞した場合)には、動作パターンAが規定されている。この動作パターンAは電動役物640aが一度も開放されない動作パターンである。なお、ラウンド数カウンタ203bjEは、大当たり制御処理(S1704J)において、大当たり遊技が開始される場合に今回の大当たり種別に対応するカウンタ値が設定され、新たなラウンドが開始される場合にカウンタ値が1減算される。また、ラウンド数カウンタ値が「1」である場合には、動作パターンBが設定される。なお、動作パターンBは電動役物640aが1回開放される動作パターンである。なお、ラウンド数カウンタ203bjEのカウンタ値は「0~10」の範囲で更新され、それぞれのカウンタ値に対して動作パターンが規定されている。
次に、図2165を参照して、継続開放抽選テーブル202hjEについて説明する。図2165は、この継続開放抽選テーブル202hjEの規定内容を模式的に示した図である。本第34制御例の第5変形例では、大当たり遊技中に特図2保留球が上限まで貯まっている状態で第2入球口640に新たに遊技球が入賞すると、電動役物640aを所定回数連続して開放動作させる継続開放を実行するか否かの抽選(以下、継続開放抽選)を行い、この抽選に当選すると、電動役物640aの動作パターンとして継続開放動作パターンが設定される。この継続開放抽選テーブル202hjEは、継続開放抽選に用いられるテーブルである。図2165に示す通り、継続開放抽選テーブル202hjEには、継続開放抽選カウンタ203cjEのカウンタ値に対応付けて継続開放動作の有無が規定されている。具体的には、継続開放抽選カウンタ202cjEのカウンタ値が「0~49」の範囲であれば継続開放有りとなり、カウンタ値が「50~99」の範囲内であれば継続開放無しとなる。なお、本第34制御例では、継続開放抽選に当選した場合の大当たり遊技のラウンド数に対応する継続開放動作パターンが設定される構成としているが、これに限るものではなく、継続開放抽選テーブル202hjEに継続開放の有無に加えて継続開放の回数、或いは継続開放時間を、継続開放抽選カウンタ202hjEのカウンタ値に対応付けて規定する構成としても良い。例えば、継続開放抽選カウンタ202hjEのカウンタ値が「0~24」の範囲内には「継続開放10回」が規定され、カウンタ値が「25~49」の範囲内には「継続開放5回」が規定され、カウンタ値が「50~99」の範囲内には「継続開放無し」が規定されている構成としても良い。
次に、図2163(b)を参照して、主制御装置110のMPU201におけるRAM203の内容について説明する。図2163(b)は、本第34制御例の第5変形例における主制御装置110のMPU201におけるRAM203の内容を模式的に示した模式図である。図2163(b)に示すように、上述した第34制御例の第3変形例に対して、オーバー入賞フラグ203ajEと、ラウンド数カウンタ203bjEと、を新たに追加した点で相違し、その他の構成については同一である。オーバー入賞フラグ203ajEは、大当たり遊技中に第2入球口640に遊技球がオーバー入賞したことを示すためのフラグである。オーバー入賞フラグ203ajEは、第2入球口640に遊技球が入賞した場合に特図2保留球数が上限まで保留記憶されていることに基づいて実行されるオーバー入賞処理(S714J)においてオンに設定される。また、大当たり制御処理(S1704J)において実行されるオーバー入賞終了処理(S1822J)においてオフに設定される。
ラウンド数カウンタ203bjEは、大当たり遊技の残りラウンド数を示すためのフラグである。ラウンド数カウンタ203bjEのカウンタ値は、大当たり制御処理(S1704J)において大当たり開始タイミングであると判別された場合に今回の大当たり種別のラウンド数に対応する値が設定される。そして、新たなラウンドが開始されるタイミングでカウンタ値が更新される。本第34制御例の第5変形例では、このラウンド数カウンタ203bjEのカウンタ値に基づいて第2入球口640にオーバー入賞した場合の電動役物640aの動作パターンが設定される。
次に、図2166(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223の内容について説明する。図2166(b)は、本第34制御例の第5変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223の内容を模式的に示した模式図である。図2166(b)に示す通り、上述した第34制御例の第3変形例に対して、従オーバー入賞フラグ223ajEを新たに追加した点で相違しており、その他の構成については同一である。従オーバー入賞フラグ223ajEは、音声ランプ制御装置113において賞球UPタイム中の演出を実行するために参照されるフラグである。
<第34制御例の第5変形例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図2167~図2171を参照して、本第34制御例の第5変形例における主制御装置110のMPU201において実行される各種制御処理について説明する。なお、上述した第34制御例の第3変形例と同一の処理については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。まず、図2167を参照して、始動入賞処理(S105J)について説明する。図2167は、本第34制御例の第5変形例における始動入賞処理(S105J)を示したフローチャートである。始動入賞処理(S105J)は、主制御装置110のタイマ割込処理において実行される処理である。本第5変形例における始動入賞処理(S105J)は、上述した第3変形例における始動入賞処理(S105J)に対して、第2入球口640に遊技球が入球した場合に特図2保留球数が上限まで保留記憶されていると判別した場合に(S709J:No)、オーバー入賞処理(S714J)を実行する点で相違しており、その他の処理については同一である。ここで、図2168を参照して、オーバー入賞処理(S714J)について説明する。図2168は、このオーバー入賞処理(S714J)を示したフローチャートである。オーバー入賞処理(S714J)が実行されると、まず、大当たり遊技中であるかを判別し(S851J)、大当たり遊技中ではないと判別した場合には(S851J:No)、本処理を終了する。一方、大当たり遊技中であると判別した場合には(S851J:Yes)、次いで、オーバー入賞フラグ203ajEがオンであるかを判別し(S852J)、オンではないと判別した場合には(S852J:No)、継続開放抽選カウンタ203cjEのカウンタ値を取得し(S853J)、継続開放抽選テーブル202hjEに基づき、継続開放の有無を決定する(S854J)。そして、継続開放ありであるかを判別し(S855J)、継続開放ありと判別した場合には(S855J:Yes)、オーバー入賞フラグ203ajEをオンに設定し(S856J)、ラウンド数カウンタ203bjEのカウンタ値を取得し(S857J)、取得したラウンド数カウンタ203bjEのカウンタ値に対応する電動役物640aの動作パターンを電動役物動作パターンテーブル202gjEに基づいて決定し設定する(S858J)。そして、オーバー入賞コマンドを設定し(S859J)、本処理を終了する。一方、S852Jの処理においてオーバー入賞フラグajEがオンであると判別した場合(S852J:Yes)、または、S855Jの処理において継続開放なしと判別した場合には(S855J:No)、S859Jの処理を実行する。なお、本第34制御例の第5変形例では、第2入球口640にオーバー入賞した場合に継続開放抽選を実行し、継続開放抽選に当選した場合に、電動役物640aを継続開放させる動作パターンを設定する構成としたが、これに限るものではなく、第2入球口640にオーバー入賞した場合には継続開放抽選を実行することなく継続開放動作を設定する構成としても良い。或いは、第2入球口640にオーバー入賞した場合に、特図2保留球の入賞情報を先読みし、特図2保留球の中に特定の大当たり種別(または小当たり種別)に当選する保留球が存在する場合に継続開放動作を設定する構成としても良い。また、本第34制御例の第5変形例では、ラウンド数カウンタ値に基づいて継続開放動作の動作パターンを決定し設定する構成としたが、これに限るものではなく、実行中の大当たり遊技の大当たり種別によって開放回数の異なる動作パターンを設定する構成としても良い。具体的には、5R大当たりの場合には5回開放される継続開放動作を設定し、10R大当たりの場合には10回開放される継続開放動作を設定する構成としても良い。なお、本第34制御例の第5変形例では、継続開放動作を設定するための条件を、第2入球口640へのオーバー入賞により実行される継続開放抽選の当選としたが、これに限るものではなく、例えば、電動役物640aが開放されてから特定タイミング(例えば、2秒経過時点)で第2入球口640に遊技球が入賞した場合に、継続開放動作を設定する構成としても良い。このように構成することで、遊技者にタイミングを図って第2入球口640に遊技球を入賞させる新たなゲーム性の遊技を提供することができる。
次に、図2169を参照して、大当たり制御処理(S1704J)について説明する。図2169は、本第34制御例の第5変形例における大当たり制御処理(S1704J)を示したフローチャートである。この大当たり制御処理(S1704J)は、主制御装置110のメイン処理(図2072参照)において実行される。大当たり制御処理(S1704J)が実行されると、まず、大当たり遊技開始タイミングであるかを判別し(S1801J)、大当たり開始タイミングであると判別した場合には(S1801J:Yes)、大当たり開始フラグ203hjをオフに設定し(S1802J)、大当たり開始コマンドを設定し(S1803J)、時短更新処理(S1818J)を実行する。次いで、大当たり種別に対応するラウンド数をラウンド数カウンタ203bjEに設定し(S1824J)、本処理を終了する。具体的には、実行される大当たり遊技が5R大当たりである場合には、ラウンド数カウンタ203bjEにカウンタ値として「5」を設定し、10R大当たりである場合には、ラウンド数カウンタ203bjEにカウンタ値として「10」を設定する。S1801Jの処理において、大当たり開始タイミングではないと判別した場合には(S1801J:No)、次に、大当たり遊技中であるかを判別する(S1805J)。大当たり遊技中ではないと判別した場合には(S1805J:No)、本処理を終了する。一方、大当たり遊技中であると判別した場合には(S1805J:Yes)、シナリオカウンタ203ajCのカウンタ値に1加算し(S1819J)、次に、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する(S1806J)。新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S1806J:Yes)、第1特定入賞口65aの開放動作を設定し(S1807J)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(S1808J)、ラウンド数カウンタ203bjEのカウンタ値を1減算し(S1822J)、本処理を終了する。S1806Jの処理において新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合には(S1806J:No)、次に、第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したかを判別する(S1809J)。第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したと判別した場合には(S1809J:Yes)、第1特定入賞口65aの閉鎖動作を設定し(S1810J)、本処理を終了する。S1809Jの処理において、第1特定入賞口65aの閉鎖条件が成立していないと判別した場合には(S1809J:No)、次に、大当たり終了のタイミングであるかを判別する(S1811J)。大当たり終了タイミングではないと判別した場合には(S1811J:No)、本処理を終了する。一方、大当たり終了タイミングであると判別した場合には(S1811J:Yes)、大当たり終了コマンドを設定し(S1812J)、大当たり中フラグ203ijをオフに設定し(S1813J)、シナリオカウンタ203ajCのカウンタ値をクリアする(S1820J)。そして、時短付与処理を実行し(S1817J)、オーバー入賞終了処理(S1823J)を実行した後、本処理を終了する。
次に、図2170を参照して、オーバー入賞終了処理(S1823J)について説明する。図2170は、このオーバー入賞終了処理(S1823J)を示したフローチャートである。オーバー入賞終了処理(S1823J)が実行されると、まず、オーバー入賞フラグ203ajEがオンであるかを判別し(S1851J)、オーバー入賞フラグajEがオンではないと判別した場合には(S1851J:No)、本処理を終了する。オーバー入賞フラグ203ajEがオンであると判別した場合には(S1851J:Yes)、オーバー入賞フラグ203ajEをオフに設定し(S1852J)、次いで、電動役物640aが開放状態であるかを判別する(S1853J)。電動役物640aが開放状態ではないと判別した場合には(S1853J:No)、本処理を終了する。一方、電動役物640aが開放状態であると判別した場合には(S1853J:Yes)、電動役物640aを閉鎖状態とするための動作パターンを設定し(S1854J)、本処理を終了する。このように構成することで、不具合によりラウンド数カウンタ値と対応しない継続開放動作パターンが設定されてしまった場合に、大当たり遊技終了後も電動役物640aの継続開放が継続してしまうことを抑制することができる。
次に、図2171を参照して、電動役物開閉制御(S1706J)について説明する。図2171は、この電動役物開閉制御(S1706J)を示したフローチャートである。電動役物開閉制御(S1706J)が実行されると、まず、電動役物640aの開閉動作が設定されているかを判別し(S2101J)、開閉動作が設定されていない場合には(S2101J:No)、本処理を終了する。一方、開閉動作が設定されていると判別した場合には(S2101J:Yes)、次に、開放タイミングであるかを判別し(S2102J)、開放タイミングであると判別した場合には(S2102J:Yes)、電動役物640aの開放動作を設定し(S2103J)、本処理を終了する。S2102Jの処理において、開放タイミングではないと判別した場合には(S2102J:No)、次に、閉鎖タイミングであるかを判別し(S2104J)、閉鎖タイミングであると判別した場合には(S2104J:Yes)、電動役物640aの閉鎖動作を設定し(S2106J)、オーバー入賞フラグ203ajEがオンであるかを判別する(S2108J)。オーバー入賞フラグ203ajEがオンであると判別した場合には(S2108J:Yes)、本処理を終了する。オーバー入賞フラグ203ajEがオンではないと判別した場合には(S2108J:No)、電動役物640aの開放動作の設定をクリアし(S2107J)、本処理を終了する。なお、大当たり遊技中に継続開放動作パターンが設定された場合に、第1特定入賞口65の開放タイミングに合わせて電動役物640aを開放させるための処理として、シナリオカウンタ203ajCを用いた処理を実行すると良い。具体的には、電動役物640aの継続開放動作パターンを動作シナリオ(図C6参照)によって制御する構成とし、シナリオカウンタ203ajCのカウンタ値によって電動役物640aの開放タイミングであるか否かを判別する。このように構成する場合、第1特定入賞口65を開放状態とさせるシナリオカウンタ値と、電動役物640aを開放状態とさせるシナリオカウンタ値を同一の値とすることで、大当たり遊技のどのタイミングで継続開放抽選に当選しても次のラウンド開始時に電動役物640aを開放状態とすることができる。なお、本第34制御例の第5変形例では、第1特定入賞口65の開放タイミングと電動役物640aの開放タイミングを合わせる構成としたが、これに限るものではなく、第1特定入賞口65の閉鎖タイミングに合わせて電動役物640aを開放させる構成としても良い。このように構成することで、大当たり遊技中の第1特定入賞口65が閉鎖している期間で右打ち遊技を継続しても電動役物640aが開放され第2入球口640に遊技球が入賞するため、遊技球が無駄球(何れの入賞口にも入賞せず排出される球)となり難くなる。
<第34制御例の第5変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図2172~図2181を参照して、本第34制御例の第5変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明する。まず、図2172を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理(S3107J)について説明する。図2172は、本第34制御例の第5変形例における枠ボタン入力監視・演出処理(S3107J)を示したフローチャートである。枠ボタン入力監視・演出処理(S3107J)が実行されると、まず、演出ボタン22のボタンセンサの状態を取得し(S3201J)、センサ状況記憶カウンタ223vjのカウンタ値に1加算する(S3202J)。次に、センサ状況記憶カウンタ223vjのカウンタ値が500であるかを判別し(S3202J)、500であると判別した場合には(S3203J:Yes)、取得したセンサ状態を示す情報をセンサ状況記憶エリア223ujに格納し(S3204J)、センサ状況記憶カウンタ223vjのカウンタ値をクリアし(S3205J)、S3206Jの処理に移行する。一方、S3203Jの処理においてセンサ状況記憶カウンタ223vjのカウンタ値が500ではないと判別した場合には(S3203J:No)、S3206Jの処理に移行する。S3206Jの処理では、ボタン演出開始タイミングであるかを判別し(S3206J)、開始タイミングであると判別した場合には(S3206J:Yes)、ボタン演出開始処理を実行する(S3212J)。ここで、図2173を参照して、ボタン演出開始処理(S3212J)について説明する。図2173は、このボタン演出開始処理(S3212J)を示したフローチャートである。ボタン演出開始処理(S3212J)が実行されると、まず、センサ状況記憶エリア223ujからセンサ状況を取得し(S3451J)、現在ボタンセンサがオンであるかを判別する(S3452J)。ボタンセンサがオンではないと判別した場合には(S3452J:No)、操作有効期間カウンタ223wjにカウンタ値として5000を設定し(S3457J)、本処理を終了する。一方、S3452Jの処理においてボタンセンサがオンであると判別した場合には(S3452J:Yes)、次いで、過去4回以上オンが連続しているかを判別し(S3453J)、過去4回以上オンが連続していると判別した場合には(S3453J:Yes)、ボタン長押し操作を促す演出態様を表示するための表示用コマンドを設定し(S3461J)、長押し演出フラグ223bjEをオンに設定し(S3462J)、S3460Jの処理に移行する。一方、S3453Jの処理において、過去4回以上オンが連続していないと判別した場合には(S3453J:No)、過去2回以上オンからオフへの遷移があるかを判別し(S3454J)、過去2回以上オンからオフへの遷移があると判別した場合には(S3454J:Yes)、ボタン連打操作を促す演出態様を表示するための表示用コマンドを設定し(S3458J)、連打演出フラグ223cjEをオンに設定し(S3459J)、ゲージカウンタxjのカウンタ値として8を設定し(S3460J)、S3457Jの処理に移行する。S3454Jの処理において、過去2回以上オンからオフへの遷移がないと判別した場合には(S3454J:No)、ボタン一撃操作を促す演出態様を表示するための表示用コマンドを設定し(S3455J)、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値として1を設定し(S3456J)、S3457Jの処理に移行する。
図2172に戻り、説明を続ける。S3206Jの処理においてボタン演出の開始タイミングではないと判別した場合(S3206J:No)、またはS3212Jの処理が終了した場合には、操作有効期間中であるかを判別し(S3208J)、操作有効期間中であると判別した場合には(S3208J:Yes)、操作判別処理を実行する(S3210J)。ここで、図2174を参照して、操作判別処理(S3210J)について説明する。図2174は、この操作判別処理(S3210J)を示したフローチャートである。操作判別処理(S3210J)が実行されると、操作有効期間カウンタ223wjのカウンタ値を1減算し(S3301J)、操作有効期間カウンタ223wjのカウンタ値が0であるかを判別する(S3302J)。カウンタ値が0ではないと判別した場合には(S3302J:No)、ボタンセンサがオンであるかを判別し(S3304J)、オンではないと判別した場合には(S3304J:No)、本処理を終了する。一方、ボタンセンサがオンであると判別した場合には(S3304J:Yes)、センサ状況記憶エリア223ujからセンサ状況を取得し(S3303J)、連打演出フラグ223cjEがオンであるかを判別し(S3313J)、連打演出フラグ223cjEがオンであると判別した場合には(S3313J:Yes)、連打演出処理を実行する(S3316J)。
ここで、図2176を参照して、連打演出処理(S3316J)について説明する。図2176は、この連打演出処理(S3316J)を示したフローチャートである。連打演出処理が実行されると、ボタンセンサの状況がオフからオンへの遷移であるかを判別し(S3751J)、オフからオンへの遷移ではないと判別した場合には(S3751J:No)、本処理を終了する。一方、オフからオンへの遷移であると判別した場合には(S3751J:Yes)、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値が1であるかを判別する(S3752J)。ゲージカウンタ223xjのカウンタ値が1であると判別した場合には(S3752J:Yes)、今回のボタン演出が成功シナリオであるかを判別し(S3753J)、成功シナリオではないと判別した場合には(S3753J:No)、本処理を終了する。成功シナリオであると判別した場合には(S3753J:Yes)、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値を1減算し(S3754J)、インジケータMAXの態様を示す表示用コマンドを設定し(S3755J)、ボタン演出成功を示す表示用コマンドを設定し(S3756J)、本処理を終了する。S3752Jの処理において、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値が1ではないと判別した場合には(S3752J:No)、ゲージカウンタ値を1減算し(S3757J)、所定の操作が有効と判別されたことを示す態様としてゲージカウンタ値に対応するインジケータの態様を示すための表示用コマンドを設定し(S3758J)、本処理を終了する。
図2174に戻り、説明を続ける。S3313Jの処理において、連打演出フラグ223cjEがオンではないと判別した場合には(S3313J:No)、長押し演出フラグ223bjEがオンであるかを判別し(S3314J)、オンであると判別した場合には(S3314J:Yes)、長押し演出処理を実行する(S3317J)。ここで、図2177を参照して、長押し演出処理(S3317J)について説明する。図2177は、この長押し演出処理(S3317J)を示したフローチャートである。長押し演出処理が実行されると、ボタンセンサが過去2回以上オンが連続しているかを判別し(S3851J)、過去2回以上オンが連続していないと判別した場合には(S3851J:No)、本処理を終了する。一方、過去2回以上オンが連続していると判別した場合には(S3851J:Yes)、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値が1であるかを判別する(S3852J)。ゲージカウンタ223xjのカウンタ値が1であると判別した場合には(S3852J:Yes)、今回のボタン演出が成功シナリオであるかを判別し(S3853J)、成功シナリオではないと判別した場合には(S3853J:No)、本処理を終了する。成功シナリオであると判別した場合には(S3853J:Yes)、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値を1減算し(S3854J)、インジケータMAXの態様を示す表示用コマンドを設定し(S3855J)、ボタン演出成功を示す表示用コマンドを設定し(S3856J)、本処理を終了する。S3852Jの処理において、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値が1ではないと判別した場合には(S3852J:No)、ゲージカウンタ値を1減算し(S3857J)、ゲージカウンタ値に対応するインジケータの態様を示すための表示用コマンドを設定し(S3858J)、本処理を終了する。
図2174に戻り、説明を続ける。S3314Jの処理において、長押し演出フラグ223bjEがオンではないと判別した場合には(S3314J:No)、一撃演出処理を実行する(S3315J)。ここで、図2175を参照して、一撃演出処理(S3315J)について説明する。図2175は、この一撃演出処理(S3315J)を示したフローチャートである。一撃演出処理が実行されると、今回のボタン演出が成功シナリオであるかを判別し(S3551J)、成功シナリオではないと判別した場合には(S3551J:No)、ボタン演出失敗を示す表示用コマンドを設定し(S3557J)、ゲージカウンタ値をクリアし(S3558J)、操作有効期間カウンタ値をクリアし(S3555J)、本処理を終了する。一方、成功シナリオであると判別した場合には(S3551J:Yes)、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値を1減算し(S3552J)、インジケータMAXの態様を示す表示用コマンドを設定し(S3553J)、ボタン演出成功を示す表示用コマンドを設定し(S3554J)、S3555Jの処理を実行し、本処理を終了する。
図2174に戻り、説明を続ける。S3302Jの処理において、操作有効期間カウンタ値が0であると判別した場合には(S3302J:Yes)、ボタン演出終了処理を実行する(S3318J)。ここで、図2178を参照して、ボタン演出終了処理(S3318J)について説明する。図2178は、ボタン演出終了処理(S3318J)を示したフローチャートである。ボタン演出終了処理(S3318J)が実行されると、まず、連打演出フラグ223cjEがオンであるかを判別し(S4051J)、オンであると判別した場合には(S4051J:Yes)、連打演出フラグ223cjEをオフに設定する(S4052J)。一方、連打演出フラグ223cjEがオンではないと判別した場合には(S4051J:No)、次いで、長押し演出フラグ223bjEがオンであるかを判別し(S4053J)、長押し演出フラグ223bjEがオンであると判別した場合には(S4053J:Yes)、長押し演出フラグ223bjEをオフに設定する(S4054J)。次いで、今回のボタン演出は成功シナリオであるかを判別し(S4055J)、成功シナリオであると判別した場合には(S4055J:Yes)、インジケータMAXの態様を示す表示用コマンドを設定し(S4056J)、ボタン演出成功を示す表示用コマンドを設定し(S4057J)、操作有効期間カウンタ値をクリアし(S4058J)、ゲージカウンタ値をクリアし(S4059J)、本処理を終了する。一方、S4055Jの処理において、ボタン演出成功シナリオではないと判別した場合には(S4055J:No)、ボタン演出失敗を示す表示用コマンドを設定し(S4060J)、S4058Jの処理に移行する。
次に、図2179を参照して、コマンド判定処理(S3112J)について説明する。図2179は、本第34制御例の第5変形例におけるコマンド判定処理(S3112J)を示したフローチャートである。図2179に示すとおり、本第5変形例におけるコマンド判定処理は、上述した第3変形例におけるコマンド判定処理に対して、オーバー入賞コマンドを受信した場合に(S3517J:Yes)、オーバー入賞関連処理(S3518J)を実行する点で相違し、その他の処理については同一である。
次に、図2180を参照して、当たり関連処理(S3513J)について説明する。図2180は、この当たり関連処理(S3513J)を示したフローチャートである。図2180に示したとおり、本第5変形例における当たり関連処理(S3513J)は、上述した第3変形例における当たり関連処理に対して、ラウンド数コマンドを受信した場合に(S3904J:Yes)、従オーバー入賞フラグ223ajEがオンであるかを判別し(S3921J)、オンであると判別した場合には(S3921J:Yes)、電動役物開放中の表示を表示するための表示用コマンドを設定する(S3922J)点と、大当たり終了コマンドを受信したと判別した場合に(S3906J:Yes)、従オーバー入賞フラグajEがオンであるかを判別し(S3923J)、オンであると判別した場合に(S3923JYes)、従オーバー入賞フラグ223ajEをオフに設定する(S3924J)点で相違し、その他の処理については同一である。
次に、図2181を参照して、オーバー入賞関連処理(S3508J)について説明する。図2181は、このオーバー入賞関連処理(S3508J)を示したフローチャートである。オーバー入賞関連処理(S3508J)が実行されると、まず、従オーバー入賞フラグ223ajEはオンであるかを判別し(S4701J)、オンではないと判別した場合には(S4701J:No)、従オーバー入賞フラグ223ajEをオンに設定し(S4702J)、本処理を終了する。一方、S4701Jの処理において、従オーバー入賞フラグ223ajEがオンであると判別した場合には(S4701J:Yes)、賞球数を示す表示用コマンドを設定し(S4703J)、電動役物開放中の表示を非表示とするための表示用コマンドを設定し(S4704J)、本処理を終了する。
以上、説明したように、本第34制御例の第5変形例では、大当たり遊技中に特図2保留球が上限まで保留記憶されている場合に、新たに第2入球口640に遊技球が入賞(オーバー入賞)したことに基づいて継続開放抽選を実行し、継続開放抽選に当選した場合に、電動役物640aを所定回数継続開放させること(継続開放動作)で、大当たり遊技中に獲得可能な賞球を増加させる構成について説明した。なお、本第34制御例の第5変形例における継続開放では、第2入球口640に遊技球が1球入賞すると電動役物640aが閉鎖状態となり、次の開放動作が実行される構成としたが、これに限るものではなく、継続開放動作が実行されている場合は、第2入球口640に遊技球が8球入賞した場合に電動役物640aを閉鎖状態とする構成としても良い。なお、このように構成する場合、継続開放動作における電動役物640aの1回の開放時間を複数の開放時間から設定可能に構成すると良い。具体的には、継続開放動作における電動役物640aの1回の開放時間として、例えば、3秒、5秒、10秒の内から1の開放時間を設定可能に構成する。なお、一般的なパチンコ機では1分間(60秒間)に100球の遊技球を発射可能であることから、10球の遊技球を発射するのに6秒を要するため、3秒の開放時間が設定された場合には、第2入球口640に遊技球が8球入賞する前に電動役物640aが閉鎖状態となる。一方、10秒の開放時間が設定された場合には、電動役物640aの開放時間が経過する前に第2入球口640に遊技球を8球入賞させることができる。つまり、大当たり遊技中に電動役物640aの継続開放動作が設定された場合に、第2入球口640への入賞によって獲得可能な賞球数を異ならせることができる。このように構成することで、大当たり遊技において獲得可能な賞球数を多様に可変させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。なお、継続開放動作における電動役物640aの1回の開放時間は、実行中の大当たり種別によって決定する構成としても良いし、継続開放抽選によって継続開放の有無に合わせて開放時間も決定する構成としても良い。大当たり種別によって開放時間を決定する構成としては、例えば、実行中の大当たり遊技の大当たり種別が大当たりAであれば3秒の開放時間、大当たりBであれば5秒の開放時間、大当たりCであれば10秒の開放時間が設定される。
なお、本第34制御例の第5変形例では、継続開放抽選に当選した時点で実行中の大当たり遊技ラウンド数に応じて異なる開放動作パターンを設定する構成としたが、これに限るものではなく、ラウンド数にかかわらず同一の開放動作パターンを設定し、電動役物640aの開放回数が規定回数に達した場合にその開放動作を終了させる構成としても良い。具体的には、継続開放動作の開放動作パターンとして、3秒間の開放状態と、2秒間の閉鎖状態を10回繰り返し実行する動作パターンを設定する構成とする。そして、主制御装置110のMPU201のRAM203に電動役物640aの開放回数を計測するためのカウンタ(開放回数カウンタ)を設ける。この開放回数カウンタは1回の大当たり遊技中における電動役物640aの開放回数を計測するカウンタであり、大当たり遊技中に電動役物640aが開放状態となる毎にカウンタ値が更新(減算)される。そして、継続開放動作が設定される場合に、この開放回数カウンタのカウンタ値として、ラウンド数に対応する数値を設定する。そして、開放回数カウンタのカウンタ値が「0」になった時点で、設定された継続開放動作を完走していなくても設定されている開放動作パターンをクリアし、以降の開放動作を実行しないようにする。このように構成することで、継続開放動作の開放動作パターンとして複数の開放動作パターンデータを有することなく、開放回数カウンタに所定のカウンタ値を設定するだけで、電動役物640aの開放回数を多様にすることができるため、主制御装置110のMPU201のデータ容量を軽減することができる。
<第34制御例の第5変形例の別例1について>
以下、第34制御例の第5変形例の別例1について説明する。上述した第34制御例の第5変形例では、大当たり遊技中に特図2保留球が上限まで保留記憶されている場合であっても、その大当たり遊技中に普通図柄の当たりに当選しなければ電動役物640aは開放状態とならないため、オーバー入賞が発生し難い構成であった。これに対して、第34制御例の第5変形例の別例1では、特図2保留球が上限まで保留記憶されている場合には、大当たり遊技中に1回は電動役物640aが開放状態となる構成としている。具体的には、大当たり制御処理(S1704J)において、大当たり遊技が開始される場合に、特図2保留球数が上限値であるかを判別し、上限値である場合には電動役物640aのロング開放動作を設定する。このように構成することで、大当たり遊技開始までに特図2保留球を上限まで獲得した遊技者に対して継続開放抽選を受けるチャンスを創出できるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当たり遊技開始までに特図2保留球を上限まで獲得した遊技者に対して継続開放抽選を受けるチャンスを創出するための構成は、これに限るものではなく、例えば、大当たり遊技開始時に特図2保留球数が上限値であると判別した場合には、普通図柄抽選を特殊な第2当たり乱数テーブルで実行するためのフラグをオンに設定し、その大当たり遊技中に実行される普通図柄抽選は上気した特殊な第2当たり乱数テーブルを用いる構成としても良い。この特殊な第2当たり乱数テーブルで普通図柄抽選が実行される場合には、1/1で普通図柄の当たりに当選するように構成することで、大当たり遊技中に普通図柄抽選が実行されたことに基づいて必ず電動役物640aをロング開放させることができる。
<第34制御例の第5変形例の別例2について>
以下、第34制御例の第5変形例の別例2について説明する。本第34制御例の第5変形例における継続開放では、第2入球口640に遊技球が1球入賞すると電動役物640aが閉鎖状態となり、次の開放動作が実行される構成としたが、本第34制御例の第5変形例の別例2では、大当たり遊技中に電動役物640aがロング開放される場合には、第2入球口640に遊技球が8球入賞した場合に電動役物640aを閉鎖状態とする構成としている。また、上述した第34制御例の第5変形例の別例1と同様に、大当たり遊技が開始される場合に特図2保留球が上限まで保留記憶されている場合には、大当たり遊技開始時に電動役物640aのロング開放が設定される構成としている。また、本第34制御例の第5変形例の別例2では、主制御装置110のMPU201に第2入球口640に入賞した遊技球数を最大8まで計測可能なカウンタ(入賞個数カウンタ)を設けている。この入賞個数カウンタは、電動役物640aの1回の開放動作において第2入球口640に遊技球が入賞する毎にカウンタ値が1加算され、閉鎖状態となる場合にカウンタ値がクリアされる。本第34制御例の第5変形例の別例2では、大当たり遊技中に電動役物640aがロング開放した場合に、継続開放抽選に代えて入賞個数カウンタのカウンタ値が規定数(5)以上となった場合(即ち、第2入球口640に規定数(5球)以上の遊技球が入賞した場合)に継続開放動作を設定する。このように構成することで、大当たり遊技中に第2入球口640に遊技球を入球させようと遊技者に遊技球の発射を積極的に行わせることが可能となり、遊技機の稼働を向上させることができる。
なお、継続開放動作が設定されている場合に、1回の開放動作中に遊技球が所定数入賞する毎に継続開放動作を強制終了させる抽選を実行する構成としても良い。具体的には、継続開放動作が設定されている状態で、1回の開放動作中に入賞個数カウンタのカウンタ値が「5」であると判別された場合には継続開放終了抽選を実行する。この継続開放終了抽選では、取得した継続開放抽選カウンタ値と、継続開放終了抽選テーブルに基づいて電動役物640aの閉鎖動作の設定有無を抽選する。この継続開放終了抽選において電動役物640aの閉鎖動作の設定有りに当選すると、実行中の開放動作を強制的に終了させ電動役物640aを閉鎖状態とし、設定されている継続開放動作をクリアする。このように構成することで、遊技者に対して継続開放動作がいつ終了するのかというドキドキ感を楽しませることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当たり遊技中に電動役物640aがロング開放されている場合に、第2入球口640に遊技球が入賞しなかった場合には、実行中の大当たり遊技を強制終了させる構成としても良い。具体的には、大当たり遊技中に電動役物640aがロング開放され、そのロング開放の開放時間が終了する場合に入賞個数カウンタのカウンタ値が「0」であれば、実行中の大当たり遊技を強制終了させ、通常状態を設定する。このように構成することで、遊技者に遊技球の発射を継続させることが可能となり、遊技機の稼働を向上させることができる。
なお、上述した第34制御例の第5変形例と、別例1及び別例2の構成は、その全部または一部を組み合わせても良い。
<第34制御例の第6変形例について>
図2182~図2193を参照して、第34制御例の第6変形例について説明する。上述した第34制御例では、実行されるボタン演出が自動押下対象演出であった場合に、遊技者が演出ボタン22を長押しすることで、内部的にボタンセンサがオフからオンに遷移した場合と同様の処理を行い、演出ボタン22を連打しなくても連打と同様の処理が実行される構成であった。これに対して、本第34制御例の第6変形例では、ボタン連打演出が実行された場合に、遊技者が選択ボタン600と演出ボタン22を同時に操作することで自動連打機能がオンとなる構成としている。このように構成することで、例えば、音量・光量を調整するために選択ボタン600を遊技者が操作しているタイミングで特別図柄の変動演出としてボタン連打演出が実行された場合に、一度演出ボタン22を操作するだけで音量・光量の調整を継続しながらボタン連打演出を楽しむことができるため、快適な遊技を提供することができる。また、ボタン演出中に特定の操作を実行することで、ボタン演出が設定されない期間を設けることができる構成としている。具体的には、ボタン演出の開始から終了まで演出ボタン22の長押し操作を継続し、ボタン演出終了後にその長押し操作を止めることで、次回演出ボタン22を操作するまでの期間でボタン演出を設定しない構成としている。このように構成することで、遊技者の好みに合わせてボタン演出の有無を設定することができるので、遊技者の好みに合わせた演出を提供することができる。なお、本第34制御例の第6変形例のパチンコ機10は、上述した第34制御例におけるパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113におけるROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点で相違している。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第34制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第34制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第34制御例の第6変形例における演出内容について>
図2182を参照して、本第34制御例の第6変形例におけるパチンコ機10の特徴的な演出内容について説明する。図2182(a)は、連打演出開始時に演出ボタン22のみ操作された場合の表示画面の一例を示した図である。図2182(a)に示す状況では、主表示領域Dmの中央部に第1小表示領域HR1に「連打!」の文字が表示され、演出ボタン22を模したボタン態様Pb1が表示されており、主表示領域Dmの正面視左側にはインジケータGg1が表示されることで、演出ボタン22を連打操作し、インジケータGg1のゲージをMAXの態様にすれば演出成功であることを遊技者に分かり易く報知している。また、図2182(a)では、遊技者が演出ボタン22を1回操作したことに対応して、インジケータGg1のゲージが1メモリ分点灯している。これにより、演出ボタン22の操作が有効と判別されたことを遊技者は認識することができる。なお、遊技者が演出ボタン22を押下した状態を継続(長押し)しても、内部的にはボタンセンサがオフからオンに遷移していないため、演出ボタン22の操作が有効と判別されない。したがって、遊技者は演出ボタン22の押下を一旦止め、再度演出ボタン22を押下する必要がある。ここで、図2183を参照して、ボタン演出開始時に演出ボタン22のみ操作された場合の、各ボタンセンサの状況と、オート連打機能の設定状態の関係について説明する。図2183は、ボタン演出開始時に演出ボタン22のみ操作された場合の、各ボタンセンサの状況と、オート連打機能の設定状態の関係を示したタイミングチャートである。図2183に示す「演出内容」は、第3図柄表示装置81に表示される演出内容を示しており、「ゲージの状況」はボタン連打演出におけるインジケータGg1のゲージレベルの状況を示しており、「操作有効期間」は演出ボタン22の操作が有効と判別される期間であるかを示しており、「演出ボタンセンサ」は演出ボタン22のボタンセンサのオン・オフ状況を示しており、「選択ボタンセンサ」は選択ボタン600のボタンセンサのオン・オフの状況を示しており、オート連打フラグ223ajFの状態を示している。図2183に示すように、ボタン演出が実行されると、演出ボタン22の操作有効期間が設定される。図2183に示す例では、操作有効期間となった時点で演出ボタンセンサが「オン」を示し、選択ボタンセンサが「オフ」を示している。この場合、オート連打フラグ223ajEはオフのままとなるため、オート連打機能はオンにならない。オート連打機能がオンにならない場合には、演出ボタン22の長押し操作を継続しても演出ボタン22の操作は有効と判別されず(ボタンセンサがオンでもゲージレベルは可変しない)、一度演出ボタン22の長押し操作を止め、再度演出ボタン22の操作を実行することで演出ボタン22の操作が有効と判別される(ゲージレベルが可変する)。なお、図2183に示す通り、ボタン演出開始時点で演出ボタン22のボタンセンサがオンである場合には、センサ状況記憶エリア223yjに記憶されているセンサ情報が過去2回以上連続してオンであれば、その演出ボタン22の操作は有効と判別し、単発のボタン操作が実行された場合と同様にインジケータGg1のゲージレベルを可変させる。
次に、図2182(b)を参照して、連打演出開始時に演出ボタン22と選択ボタン600が同時に操作された場合について説明する。図2182(b)に示すように、連打演出開始時に演出ボタン22と選択ボタン600が同時に操作された場合には、複数の操作手段の操作が有効と判別されたことを示す態様としてインジケータGg1の下部に「オート連打ON」の文字が表示される。これにより、自動連打機能が有効となったことを遊技者は認識することができる。なお、この自動連打機能の詳細は後述するが、遊技者が演出ボタン22の長押しすることで内部的には演出ボタンが連打された場合と同様の処理を行う機能である。このため、図2182(a)に示した状況とは異なり、遊技者が演出ボタン22の押下を一旦止め、再度演出ボタン22を押下しなくても内部的にはボタンセンサがオフからオンに遷移したと見なされ、演出ボタン22の操作が有効と判別される。これにより、長押ししている期間に対応してインジケータGg1のゲージが増加する。ここで、図2184を参照して、ボタン演出開始時に演出ボタン22と選択ボタン600が操作された場合の、各ボタンセンサの状況と、オート連打機能の設定状態の関係について説明する。図2182(b)に示すように、ボタン演出が実行され、操作有効期間となった時点で演出ボタンセンサと選択ボタンセンサが共にオンである場合には、オート連打フラグ223ajEがオンに設定され、オート連打機能がオンとなる。オート連打機能がオンである場合には、演出ボタン22が長押し操作された場合に内部的には連打操作があった場合と同様の処理が実行されるため、ゲージレベルが可変する。そして、ボタン演出が終了するとオート連打フラグ223ajEはオフとなり、オート連打機能がオフとなる。なお、本第34制御例の第6変形例では、オート連打フラグ223ajEがオンとなったボタン演出中に遊技者が選択ボタン600の操作を止めてもオート連打フラグ223ajEはオフにならず、オート連打フラグ223ajEがオンとなったボタン演出中に遊技者が演出ボタン22の操作を止めてもオート連打フラグ223ajEはオフにならない構成としている。なお、これに限るものではなく、ボタン演出中に演出ボタン22の操作を止めた場合にはオート連打フラグ223ajEをオフに設定しオート連打機能をオフにさせる構成としても良い。なお、本第34制御例の第6変形例では、オート連打機能がオンになっても、演出ボタン22が操作されていなければゲージレベルを可変させない構成としたが、これに限るものではなく、オート連打機能がオンである場合には遊技者が演出ボタン22を操作しなくてもボタン操作があった場合と同様の処理を実行する構成としても良い。
次に、図2185を参照して、ボタン演出禁止期間が設定された場合の演出内容について説明する。図2185は、ボタン演出禁止期間が設定された場合の表示画面の一例を示した図である。本第34制御例の第6変形例では、ボタン演出開始時からボタン演出終了までの間、遊技者が演出ボタン22の長押し操作を継続し、ボタン演出終了後に演出ボタン22の長押し操作を止めた場合にはボタン演出禁止期間が設定される。このボタン演出禁止期間は、遊技者が次に演出ボタン22を操作するまで継続し、その間はボタン演出が設定されない。ボタン演出禁止期間が設定されると、図2185に示すように、第4小表示領域HR4が形成され、「ボタン演出カットモード設定中。演出ボタンを操作すると通常モードに切り替わるよ」の文字が表示される。これにより、ボタン演出禁止期間が設定されており、演出ボタン22を操作することでボタン演出禁止期間を解除することができることを遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、図2186を参照して、ボタン演出中に演出ボタン22の長押し操作を止めた場合の各種フラグの状態について説明する。図2186は、ボタン演出中に演出ボタン22の長押し操作を止めた場合の各種フラグの状態を模式的に示したタイミングチャートである。図2186に示すように、「演出内容」は第3図柄表示装置81に表示される演出内容を示し、「操作有効期間」は演出ボタン22の操作が有効と判別される期間であるかを示し、「演出ボタンセンサ」は演出ボタン22のボタンセンサの状態を示し、「単発フラグ」は単発フラグ223bjFの状態を示し、「操作継続中フラグ」は操作継続中フラグ223cjFの状態を示し、「ボタン演出禁止フラグ」はボタン演出禁止フラグ223djFの状態を示している。なお、単発フラグ223bjFは、ボタン演出開始時に演出ボタン22のボタンセンサがオンとなっていることを示すためのフラグである。単発フラグ223bjFは、ボタン演出が開始された時点で演出ボタン22のボタンセンサがオンであると判別された場合にオンに設定され、ボタン演出中に演出ボタン22のボタンセンサがオフであると判別された場合、またはボタン演出が終了する場合にオフに設定される。また、操作継続中フラグ223cjFは、ボタン演出開始からボタン演出終了までの期間、演出ボタン22の長押し操作が継続して実行されていることを示すためのフラグである。操作継続中フラグ223cjFは、ボタン演出終了時に単発フラグ223bjFがオンである場合にオンに設定され、演出ボタン22のボタンセンサがオフとなった場合にオフに設定される。また、ボタン演出禁止フラグ223djFは、ボタン演出禁止期間であることを示すためのフラグである。ボタン演出禁止フラグ223djFは、演出ボタン22の操作有効期間外に操作継続中フラグ223cjFがオフに設定された場合にオンに設定され、演出ボタン22のボタンセンサがオンになった場合にオフに設定される。図2186に示す例では、ボタン演出が実行される前から演出ボタンセンサがオンの状態となり、ボタン演出開始時点でもオンのままとなっている。この場合、ボタン演出開始時点で演出ボタン22のボタンセンサがオンであるため、単発フラグ223bjFはオンに設定される。その後、ボタン演出実行中に演出ボタン22のボタンセンサがオフと判別されると、単発フラグ223bjFもオフに設定される。なお、ボタン演出実行中に単発フラグ223bjFがオフとなった場合には、操作継続中フラグ223cjFはオンに設定されない。
次に、図2187を参照して、ボタン演出中に演出ボタン22を押下したままボタン演出終了後にボタン押下を止めた場合の各種フラグの関係について説明する。図2187は、ボタン演出中に演出ボタン22を押下したままボタン演出終了後にボタン押下を止めた場合の各種フラグの関係を模式的に示したタイミングチャートである。上述した図2186の例と同様に、ボタン演出開始時点で演出ボタン22のボタンセンサがオンであるため、単発フラグ223bjFはオンに設定される。そして、図2187に示す例では、演出ボタン22の長押し操作を継続したままボタン演出が終了している。この場合、ボタン演出終了時点で単発フラグ223bjFがオンであるため、操作継続中フラグ223cjFがオンに設定され、単発フラグ223bjFはオフに設定される。その後、ボタン演出終了後に遊技者が演出ボタン22の長押し操作を止め、演出ボタン22のボタンセンサがオフに設定されると、ボタン演出禁止フラグ22djFがオンに設定され、操作継続中フラグ223cjFはオフに設定される。そして、ボタン演出禁止フラグ223djFがオンの状態で、演出ボタン22のボタンセンサがオンであると判別された場合にボタン演出禁止フラグ223djFはオフに設定される。このように、本第34制御例の第6変形例では、遊技者がボタン演出中に長押し操作を止めたにはボタン演出禁止期間を設定せず、ボタン演出終了後に長押し操作を止めた場合にはボタン演出禁止期間を設定する構成としている。これにより、遊技者は長押し操作を止めるタイミングによってボタン演出禁止期間を任意に設定することができるため、遊技者の好みに合わせた演出を提供し易くなる。
<第34制御例の第6変形例における電気的構成について>
次に、図2188を参照して、本第34制御例の第6変形例の音声ランプ制御装置113のMPU221内容について説明する。図2188(b)は、本第34制御例の第6変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223の内容を模式的に示した模式図である。図2188(b)に示す通り、上述した第34制御例における音声ランプ制御制御装置113のMPU221におけるRAM223に対して、オート連打フラグ223ajFと、単発フラグ223bjFと、操作継続フラグ223cjFと、ボタン演出禁止フラグ223djFと、を新たに追加した点で相違し、その他の構成については同一である。オート連打フラグ223ajFは、自動連打機能が有効であることを示すためのフラグであり、ボタン演出開始処理(S3112J)において演出ボタン22のボタンセンサがオンであり、且つ、選択ボタン600のボタンセンサがオンであると判別された場合にオンに設定され(S3465J)、有効操作処理(S3308J)またはボタン演出終了処理(S3318J)においてオフに設定される。
単発フラグ223bjFは、操作有効期間中に演出ボタン22が操作されたことを示すためのフラグである。この単発フラグ223bjFは、遊技者によって操作有効期間中に演出ボタン22が操作された場合にオンに設定され、遊技者が操作有効期間中に演出ボタン22の操作を止めた場合、または、操作有効期間が終了する場合にオフに設定される。操作継続フラグ223cjFは、遊技者が操作有効期間中に演出ボタン22の操作を開始し、操作有効期間終了時点でも演出ボタン22の操作を継続して実行していることを示すためのフラグである。
ボタン演出禁止フラグ223djFは、特別図柄の変動表示が実行される場合に参照されるフラグであり、ボタン演出禁止フラグ223djFがオンに設定されている期間は、特別図柄の変動表示においてボタン演出が設定されない。このボタン演出禁止フラグ223djFは、遊技者によって操作有効期間中に演出ボタン22の操作が開始され、操作有効期間終了後にその操作が終了した場合にオンに設定される。
<第34制御例の第6変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図2189~図2196を参照して、本第34制御例の第6変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明する。まず、図2189を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理(S3107J)について説明する。図2189は、本第34制御例の第6変形例における枠ボタン入力監視・演出処理(S3107J)を示したフローチャートである。枠ボタン入力監視・演出処理(S3107J)が実行されると、まず、演出ボタン22のボタンセンサの状態を取得し(S3201J)、センサ状況記憶カウンタ223aajのカウンタ値に1加算する(S3202J)。次に、センサ状況記憶カウンタ223aajのカウンタ値が500であるかを判別し(S3202J)、500であると判別した場合には(S3203J:Yes)、取得したセンサ状態を示す情報をセンサ状況記憶エリア223yjに格納し(S3204J)、センサ状況記憶カウンタ223aajのカウンタ値をクリアし(S3205J)、S3206Jの処理に移行する。一方、S3203Jの処理においてセンサ状況記憶カウンタ223aajのカウンタ値が500ではないと判別した場合には(S3203J:No)、S3206Jの処理に移行する。S3206Jの処理では、ボタン演出開始タイミングであるかを判別し(S3206J)、開始タイミングであると判別した場合には(S3206J:Yes)、ボタン演出開始処理を実行する(S3212J)。ここで、図2190を参照して、ボタン演出開始処理(S3212J)について説明する。図2190は、このボタン演出開始処理(S3212J)を示したフローチャートである。ボタン演出開始処理(S3212J)が実行されると、まず、センサ状況記憶エリア223yjからセンサ状況を取得し(S3451J)、現在ボタンセンサがオンであるかを判別する(S3452J)。ボタンセンサがオンではないと判別した場合には(S3452J:No)、操作有効期間カウンタ223wjにカウンタ値として5000を設定し(S3457J)、ゲージカウンタ223xjに8を設定し(S3461J)、本処理を終了する。一方、S3452Jの処理においてボタンセンサがオンであると判別した場合には(S3452J:Yes)、単発フラグ223bjFをオンに設定し(S3464J)、次いで、選択ボタン600のボタンセンサがオンであるかを判別し(S3465J)、選択ボタン600のボタンセンサがオンではないと判別した場合には(S3465J:No)、S3458Jの処理に移行する。一方、選択ボタン600のボタンセンサがオンであると判別した場合には(S3465J:Yes)、オート連打フラグ223ajFをオンに設定し(S3466J)、オート連打オン表示を実行するための表示用コマンドを設定し(S3467J)、S3458Jの処理に移行する。このように、本第34制御例の第6変形例では、ボタン演出が開始される場合に演出ボタン22と選択ボタン600が同時に操作されることで、自動連打(オート連打)機能がオンとなり、そのボタン演出中は演出ボタン22を連打操作しなくても長押し操作するだけで連打操作があった場合と同様の処理が実行される。
なお、ボタン演出開始処理(S3212J)の別例について説明する。まず、センサ状況記憶エリア223yjからセンサ状況を取得し(S3451J)、操作有効期間カウンタ223wjにカウンタ値として「5000」を設定し(S3458J)、ゲージカウンタ223xjにカウンタ値として「8」を設定する(S3461J)。次いで、演出ボタン22のボタンセンサがオンであるかを判別し(S3452J)、オンでなければ(S3452J:No)、本処理を終了する。一方、演出ボタン22のボタンセンサがオンであると判別した場合には(S3452J:Yes)、単発フラグ223bjFをオンに設定し(S3464J)、次に、選択ボタン600のボタンセンサがオンであるかを判別する(S3465J)。選択ボタン600のボタンセンサがオンであると判別した場合には(S3465J:Yes)、オート連打フラグ223ajFをオンに設定し(S3466J)、オート連打オン表示を実行するための表示用コマンドを設定し(S3467J)、本処理を終了する。一方、選択ボタン600のボタンセンサがオンではないと判別した場合には(S3465J:No)、次に、センサ状況記憶エリア223yjに記憶されているセンサ情報から過去2回以上オンが連続しているか(即ち、長押し操作されているか)を判別し(S3468J)、過去2回以上オンが連続している場合には(S3468J:Yes)、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値を1減算し(S3469J)、インジケータGg1のゲージレベルをゲージカウンタ223xjのカウンタ値に対応する態様に可変させるための表示用コマンドを設定し(S3470J)、本処理を終了する。S3462Jの処理において、過去2回以上オンが連続していないと判別した場合には(S3468J:No)、本処理を終了する。このように構成することで、遊技者がボタン演出開始前から演出ボタン22の長押し操作を行ったままボタン演出が開始された場合に、一度だけその長押し操作に基づいてインジケータGg1のゲージレベルを可変させるための処理を実行することができる。なお、インジケータGg1のゲージレベルが1度可変された後もその長押し操作を継続した場合、オート連打フラグ223ajFがオンに設定されなければ、その長押し操作によってインジケータGg1のゲージレベルを可変させる処理は実行されない。なお、ボタン演出開始時に演出ボタン22のみが長押し操作されたことに基づいて、インジケータGg1のゲージレベルを可変させる場合には、第3図柄表示装置81に「特殊押下中」の文字を表示するための表示用コマンドを設定する構成としても良い。このように構成することで、その長押し操作によりインジケータGg1のゲージレベルが可変するのは初回のみで、以降は長押し操作を継続してもインジケータGg1のゲージレベルが可変しないことを遊技者に認識させることができる。
なお、オート連打フラグ223ajFをオンに設定した場合に、センサ状況記憶エリア223yjに格納されているセンサ情報をクリア(初期化)する構成としても良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113のMPU221の処理負荷を軽減することができる。なお、このように構成する場合、センサ状況記憶エリア223yjに格納されているセンサ情報のクリアが完了するまでに所定の初期化期間を要するが、この初期化処理が完了する前にオート連打機能がオンに設定されたことを報知する態様を表示しても良い。また、初期化処理が完了した場合にオート連打機能がオンに設定されたことを報知する態様を非表示としても良い。なお、本第34制御例の第6変形例では、ボタン演出が開始時点において演出ボタン22のボタンセンサがオンである場合に、センサ状況記憶エリア223yjに記憶されている過去のセンサ情報に基づいて演出ボタン22の操作が有効であるか否かを判別する構成としたが、これに限るものではなく、ボタン演出開始から所定期間(例えば、1秒)経過後のセンサ情報に基づいて演出ボタン22の操作を有効とするか否かを判別しても良い。具体的には、ボタン演出開始時に演出ボタン22のボタンセンサがオンである場合には、ボタン演出開始時点ではその操作を有効とせず、ボタン演出開始から1秒経過後もボタンセンサがオンの状態であればその操作を有効とし、インジケータGg1のゲージレベルを可変させるための処理を実行する。一方、ボタン演出開始から1秒経過前にボタンセンサがオフになれば、その操作を無効とし、インジケータGg1のゲージレベルを可変させるための処理を実行しない。このように構成することで、例えば、ボタン演出において特定のタイミングで演出ボタン22を操作することで、遊技者に有利な遊技情報(例えば、設定付き遊技機における設定値や今回の特図変動の当否判定結果等)が報知される遊技機において、遊技者が演出ボタン22に意図せず手を置いた状態でそのボタン演出が開始されてしまった場合に、演出ボタン22の操作をキャンセルするか否かを遊技者が任意に選択できる。
図2189に戻り、説明を続ける。S3206Jの処理において、ボタン演出開始タイミングではないと判別した場合(S3206J:No)、または、ボタン演出開始処理(S3212J)が終了した場合には、次に、操作有効期間中であるかを判別する(S3208J)。具体的には、操作有効期間カウンタ223wjのカウンタ値が0以上である場合に操作有効期間で有ると判別する。操作有効期間中であると判別した場合には(S3208J:Yes)、操作判別処理(S3210J)を実行する。ここで、図2191を参照して、操作判別処理(S3210J)について説明する。図2191は、この操作判別処理(S3210J)を示すフローチャートである。操作判別処理(S3210J)が実行されると、操作有効期間カウンタ223wjのカウンタ値を1減算し(S3301J)、操作有効期間カウンタ223wjのカウンタ値が0であるかを判別する(S3302J)。カウンタ値が0ではないと判別した場合には(S3302J:No)、ボタンセンサがオンであるかを判別し(S3304J)、オンではないと判別した場合には(S3304J:No)、単発フラグ223bjFがオンであるかを判別する(S3319J)。単発フラグ223bjFがオンではないと判別した場合には(S3319J:No)、本処理を終了する。一方、単発フラグ223bjFがオンであると判別した場合には(S3319J:Yes)、単発フラグ223bjFをオフに設定し(S3320J)、本処理を終了する。S3304Jの処理において、ボタンセンサがオンであると判別した場合には(S3304J:Yes)、センサ状況記憶エリア223ujからセンサ状況を取得し(S3303J)、オート連打フラグ223ajFがオンであるかを判別し(S3305J)、オート連打フラグ223ajFがオンであると判別した場合には(S3305J:Yes)、演出ボタン22のボタンセンサのセンサ状況が過去2回以上オンが連続しているかを判別し(S3306J)、過去2回以上オンが連続していると判別した場合には(S3306J:Yes)、有効操作処理を実行する(S3308J)。一方、オート連打フラグ223ajFがオンではないと判別した場合(S3305J:No)、または、S3306Jの処理において過去2回以上オンが連続していないと判別した場合には(S3306J:No)、今回の演出ボタン22のボタンセンサのオンは、オフからオンへの遷移であるかを判別し(S3307J)、オフからオンへの遷移であると判別した場合には(S3307J:Yes)、有効操作処理(S3308J)を実行する。S3307Jの処理において、オフからオンへの遷移ではないと判別した場合には(S3307J:No)、本処理を終了する。S3302Jの処理において、操作有効期間カウンタ223wjのカウンタ値が0であると判別した場合には(S3302J:Yes)、ボタン演出終了処理を実行し(S3318J)、本処理を終了する。
次に、図2192を参照して、有効操作処理(S3308J)について説明する。図2192は、この有効操作処理(S3308J)を示すフローチャートである。有効操作処理(S3308J)が実行されると、まず、単発フラグ223bjFがオンであるかを判別し(S3359J)、オンであると判別した場合には(S3359J:Yes)、S3351Jの処理に移行する。一方、単発フラグ223bjFがオフであると判別した場合には(S3359J:No)、単発フラグ223bjFをオンに設定し(S3360J)、S3351Jの処理に移行する。S3351Jの処理では、ゲージカウンタ223xjのカウンタ値が1であるかを判別し(S3351J)、カウンタ値が1であると判別した場合には(S3351J:Yes)、今回のボタン演出は成功シナリオであるかを判別し(S3352J)、成功シナリオではないと判別した場合には(S3352J:No)、本処理を終了する。一方、成功シナリオであると判別した場合には(S3352J:Yes)、ゲージカウンタ値を1減算し(S3353J)、インジケータMAXの態様を示す表示用コマンドを設定する(S3354J)。次いで、ボタン演出成功を示す表示用コマンドを設定し(S3355J)、オート連打フラグ223ajFがオンであるかを判別する(S3361J)。オ-ト連打フラグ223ajFがオンであると判別した場合には(S3361J:Yes)、オート連打フラグ223ajFをオフに設定し(S3362J)、オート連打オン表示を非表示とするための表示用コマンドを設定する(S3363J)。そして、操作有効期間カウンタ値をクリアし(S3356J)、本処理を終了する。一方、S3351Jの処理において、ゲージカウンタ値が1ではないと判別した場合には(S3351J:No)、ゲージカウンタ値を1減算し(S3357J)、ゲージカウンタ値に対応するインジケータ態様を示すための表示用コマンドを設定し(S3358J)、本処理を終了する。
次に、図2193を参照して、ボタン演出終了処理(S3318J)について説明する。図2193は、ボタン演出終了処理(S3318J)を示したフローチャートである。ボタン演出終了処理(S3318J)が実行されると、まず、オート連打フラグ223ajFはオンであるかを判別し(S4061J)、オンであると判別した場合には(S4061J:Yes)、オート連打フラグ223ajFをオフに設定する(S4062J)。次いで、今回のボタン演出が成功シナリオであるかを判別し(S4055J)、成功シナリオであると判別した場合には(S4055J:Yes)、インジケータ値MAXの態様を示すための表示用コマンドを設定し(S4056J)、ボタン演出成功を示す表示用コマンドを設定し(S4057J)、S4058Jの処理に移行する。一方、S4055Jの処理において、成功シナリオではないと判別した場合には(S4055J:No)、ボタン演出失敗を示す表示用コマンドを設定し(S4060J)、S4058Jの処理に移行する。S4058Jの処理では、操作有効期間カウンタ値をクリアし(S4058J)、ゲージカウンタ値をクリアする(S4059J)。次いで、単発フラグ223bjFはオンであるかを判別し(S4061J)、単発フラグ223bjFがオンであると判別した場合には(S4061J:Yes)、操作継続中フラグをオンに設定し(S4062J)、単発フラグ223bjFをオフに設定する(S4063J)。一方、S4061Jの処理においても単発フラグ223bjFがオンではないと判別した場合には(S4061J:No)、本処理を終了する。なお、本第34制御例の第6変形例では、ボタン演出開始時にオート連打フラグ223ajFがオンに設定されると、遊技者がボタン演出中に演出ボタン22の操作を止めても、ボタン演出終了まではオート連打フラグ223ajFがオンに設定されたままとなるように構成したが、これに限るものではなく、ボタン演出開始時にオート連打フラグ223ajFがオンに設定された場合であっても、遊技者がボタン演出中に演出ボタン22の操作を止めた場合には、オート連打フラグ223ajFをオフに設定する構成としても良い。このように構成することで、遊技者の任意のタイミングでオート連打機能をオフに設定することができる。なお、ボタン演出の実行途中でオート連打フラグ223ajFをオフに設定した場合、オート連打機能がオンであることを報知する報知態様(図2182(b)参照)を非表示とする処理を実行する。
図2189に戻り、説明を続ける。S3208Jの処理において、操作有効期間中ではないと判別した場合には(S3208J:No)、操作有効期間外処理を実行する(S3213J)。ここで、図2194を参照して、操作有効期間外処理処理(S3213J)について説明する。図2194は、この操作有効期間外処理(S3213J)を示したフローチャートである。操作有効期間外処理が実行されると、まず、演出ボタン22のボタンセンサはオンであるかを判別し(S4701J)、ボタンセンサがオンであると判別した場合には(S4701J:Yes)、次いで、ボタン演出禁止フラグ223djFがオンであるかを判別する(S4702J)。ボタン演出禁止フラグ223djFがオンであると判別した場合には(S4702J:Yes)、ボタン演出禁止フラグ223djFをオフに設定する(S4703J)。なお、ボタン演出禁止フラグ223djFをオフに設定した場合に、ボタン演出禁止期間が解除されたことを報知するための演出を実行しても良い。例えば、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに「ボタン演出カットモードが解除されました」の文字を表示しても良い。または、特別図柄の変動表示中に実行される演出の1つとして用いられる装飾用可動役物(例えば、特別図柄の変動演出として、遊技者から視認できない収納位置から、第3図柄表示装置81の表示画面の前面側に可動することで、特別図柄の当否判定結果を示唆するための可動役物)を通常の動作パターンとは異なる特定の可動パターンで可動させることでボタン演出禁止期間が解除されたことを報知しても良い。このように構成することで、遊技者にボタン演出禁止期間が正常に解除されたことを分かり易く認識させることができる。
一方、ボタン演出禁止フラグ223djFがオンではないと判別した場合には(S4702J:No)、そのまま本処理を終了する。S4701Jの処理において、演出ボタン22のボタンセンサがオンではないと判別した場合には(S4701J:No)、次いで、操作継続フラグ223cjFはオンであるかを判別し(S4704J)、オンであると判別した場合には(S4704J:Yes)、操作継続フラグ223cjFをオフに設定し(S4705J)、ボタン演出禁止フラグ223djFをオンに設定する(S4706J)。このように、本第34制御例の第6変形例では、操作有効期間中に演出ボタン22の操作が開始され、その操作が操作有効期間終了後に終了した場合、次回演出ボタン22が操作されるまでの期間はボタン演出を設定しない構成としている。これにより、特別図柄の変動表示中にボタン演出を実行させるか否かを遊技者に設定させることが可能となり、遊技者の好みに合わせた演出を提供することが可能となる。なお、ボタン演出禁止フラグ223djFがオンに設定されている期間は、選択ボタン600への電力供給を遮断することで選択ボタン600の操作を無効とする構成としても良い。このように構成することで、電力使用量を軽減することができる。
また、ボタン演出禁止フラグ223djFがオンに設定された場合に、ボタン演出禁止フラグ223djFがオンに設定された時点におけるセンサ状況記憶エリア223yjに記憶されているセンサ情報を、音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられたセンサ状況記憶エリア223yjとは異なるセンサ情報を記憶するための領域(復帰エリア)に格納し、ボタン演出禁止期間が解除された後にボタン演出が実行される場合には、その復帰エリアに格納されているセンサ情報に基づいてボタン演出の演出態様を設定する構成としても良い。例えば、復帰エリアに記憶されているセンサ情報から演出ボタン22のボタンセンサが連続してオンの状態が所定回数以上であると判別した場合には長押し演出態様のボタン演出を設定し、オフからオンに遷移している回数が所定回数以上であると判別した場合には連打演出態様のボタン演出を設定する。ボタン演出禁止期間が設定されている期間にもセンサ状況記憶エリア223yjのセンサ情報は更新されるため、センサ状況記憶エリア223yjにはボタンセンサがオフであることを示すセンサ情報が多くなるが、ボタン演出禁止期間が設定される前のセンサ情報が復帰エリアに記憶されることで、ボタン演出禁止期間が解除された後に実行されるボタン演出において遊技者の好みに合わせたボタン演出を提供し易くなる。なお、復帰エリアに記憶されているセンサ情報は、ボタン演出禁止期間が解除されてから10分経過した場合、またはボタン演出禁止期間が設定されてから30分経過した場合にクリされる構成としても良い。
次に、図2195を参照して、特図変動表示設定処理(S4204J)について説明する。図2195は、この特図変動表示設定処理(S4204J)を示すフローチャートである。上述した第34制御例における特図変動表示設定処理(S4204J)に対して、演出態様設定処理(S4317J)を新たに追加した点で相違し、その他の構成については同一である。ここで、図2196を参照して、演出態様設定処理(S4317J)について説明する。図2196は、この演出態様設定処理(S4327J)を示すフローチャートである。演出態様設定処理(S4317J)が実行されると、まず、ボタン演出禁止フラグ223djFがオンであるかを判別し(S4801J)、オンではないと判別した場合には(S4801J:No)、抽出した変動パターンに対応する表示用変動パターンを図示しない通常の変動パターン選択テーブルに基づいて決定し設定する(S4802J)。なお、この通常の変動パターン選択テーブルには、特別図柄の変動表示中に第3図柄表示措置81において実行される各種演出態様を含む表示用変動パターンが演出カウンタ223fjのカウンタ値に対応付けて規定されている。また、ここで決定される演出態様にはボタン演出も含まれており、表示用変動パターン種別によって、ボタン演出成功シナリオか失敗シナリオかが予め規定されている。S4801Jの処理において、ボタン演出禁止フラグ223djFがオンであると判別した場合には(S4801J:Yes)、抽出した変動パターンに対応する表示用変動パターンを図示しないボタン演出無し変動パターン選択テーブルに基づいて決定し設定する(S4803J)。このボタン演出無し変動パターン選択テーブルは、通常の変動パターン選択テーブルに対して、ボタン演出を含む演出態様が規定されていない。したがって、ボタン演出禁止フラグ223djFがオンである場合には、ボタン演出を含む演出態様の表示用変動パターンが設定されなくなる。
以上、説明したように、本第34制御例の第6変形例では、ボタン演出が開始される場合に遊技者によって演出ボタン22と選択ボタン600が押下されることでオート連打機能(オート連打フラグ223ajF)をオンに設定し、演出ボタン22のみが押下された場合にはオート連打機能をオンに設定しない構成について説明した。なお、オート連打機能(オート連打フラグ223ajF)をオンに設定するための条件は上記したものに限らず、例えば、演出ボタン22と選択ボタン600の押下を所定期間(例えば、5秒間)継続した場合に、オート連打機能(オート連打フラグ223ajF)をオンに設定する構成としても良い。
なお、本第34制御例の第6変形例では、オート連打機能がオンに設定されている場合に、演出ボタン22を長押し操作することで連打操作が実行された場合と同様の処理を実行する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、オート連打機能がオンに設定されている場合には、遊技者が演出ボタン22を押下しなくても演出ボタン22のボタンセンサがオンであると判別される構成としても良い。このように構成することで、ボタン演出における演出ボタン22の操作を億劫に感じる遊技者に対して演出ボタン22の操作を継続しなくてもボタン連打演出を楽しませることができる。
また、本第34制御例の第6変形例では、ボタン演出の実行期間中に長押し操作を継続し、ボタン演出終了後にその長押し操作を止めた場合にボタン演出禁止期間を設定する構成としたが、操作有効期間外に演出ボタン22が連打操作された場合にはボタン演出を設定する構成としても良い。このように構成することで、ボタン演出を楽しみたい遊技者に対して任意のタイミングでボタン演出を設定可能となるため、更に遊技者の好みに合わせた演出を提供し易くなる。
なお、本第34制御例の第6変形例の構成と、上述した第34制御例の構成を組み合わせても良い。具体的には、実行されるボタン演出が自動押下対象演出である場合には、ボタン演出開始時に演出ボタン22と選択ボタン600が押下されることでオート連打機能をオンに設定可能とし、自動押下非対象演出である場合には、ボタン演出開始時に演出ボタン22と選択ボタン600が押下してもオート連打機能をオンに設定しない構成としても良い。
なお、上述した第34制御例及び各変形例の構成は、全部又は一部を組み合わせても良い。
<その他記載>
従来より、特定の遊技期間(例えば、大当たり遊技期間)において、楽曲を再生すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面に再生されている楽曲に対応する歌詞を表示することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させるものがある。
しかしながら、上述した従来型のパチンコ機10では、再生されている楽曲と、表示されている歌詞がズレてしまうという問題があった。具体的には、大当たり遊技が実行され、楽曲の再生タイミングが到来した場合には、音声ランプ制御装置113は、音声出力装置226に対して対応する楽曲の音声データを再生(出力)するためのコマンドを出力し、表示制御装置114に対しては、大当たり遊技の進行状況に合わせて、第3図柄表示装置81の表示面に表示させる表示内容を示すコマンドを出力するように構成しているため、楽曲の再生と、歌詞の表示とは、開始タイミングを合わせることは可能であるが、それ以降において楽曲の再生状況と、歌詞の表示状況とを同期させることができず、楽曲再生処理、或いは、歌詞の表示処理にて処理が停滞した場合等に再生されている楽曲と、表示されている歌詞がズレてしまうという問題があった。
また、再生されている楽曲と、表示されている歌詞がズレてしまうことを懸念して、最初から歌詞を表示しない構成を有しているパチンコ機10もあるが、再生されている楽曲の歌詞が表示されないことで、楽曲の意味を遊技者が把握できず演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、従来型のパチンコ機10と同様に、楽曲の再生タイミングに合わせて歌詞表示を行い、再生されている楽曲と、表示されている歌詞がズレ得る事象が発生した場合にのみ歌詞を非表示にするように構成している。そして、歌詞を非表示する事態が発生した場合には、再生されている楽曲に関する情報(歌詞とは異なる情報)を歌詞の代わりに表示するように構成すると良い。
このように構成することで、再生されている楽曲と、表示されている歌詞とがズレてしまい演出効果が低下してしまうことを抑制することができると共に、歌詞が非表示となったとしても演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
<記載技術まとめ>
<まとめ甲>
遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン22)と、その操作手段に対する操作が有効に判別される操作有効期間を設定可能な操作有効期間設定手段(バトル演出における第2パート演出にて特別図柄抽選の結果に応じて操作有効期間を決定する処理)と、その操作有効期間設定手段により設定された前記操作有効期間中に、前記操作手段に対して所定の前記操作が実行されたことを判別可能な操作判別手段(長押し操作を判定する処理)と、その操作判別手段により前記所定の操作が実行されたと判別されたことに基づいて、演出態様(HP値)を、第1態様から、その第1態様とは異なる第2態様を含む複数の態様へと段階的に可変させることが可能な演出可変手段(HP値の減少に応じてHPゲージ890の表示態様を可変させる処理)と、前記演出態様が前記第2態様へと可変された場合に特定演出を実行可能な特定演出実行手段(残HP値が0となった場合に処理演出を実行する処理)と、を有した遊技機において、前記演出態様を可変させることが可能な第1期間(非減少期間が設定されていない期間)と、その第1期間よりも前記演出態様を可変させることが困難な第2期間(非減少期間)とを、前記演出態様を可変させることが可能な状態(残HP値が最終HP値では無い状態)で実行される前記所定の操作(長押し操作)に基づいて決定可能な期間決定手段(非減少期間の突入抽選)を有することを特徴とする遊技機甲1。
<まとめ乙>
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作が有効に判別される操作有効期間を設定可能な操作有効期間設定手段と、その操作有効期間設定手段により設定された前記操作有効期間中に前記操作手段に対して所定期間継続して操作が実行される継続操作が実行されていることを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段により前記継続操作が実行されていると判別されている間、演出態様を、第1態様から、その第1態様とは異なる第2態様を含む複数の態様へと段階的に可変させることが可能な演出可変手段と、前記演出態様が前記第2態様へと可変された場合に特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、を有した遊技機において、前記継続操作を第1期間継続して実行する場合の方が、前記第1期間よりも短い第2期間で前記継続操作を終了する場合よりも、前記演出態様を前記第2態様へと可変させ易い第1演出制御(非減少期間が設定されていない場合における長押し操作に基づくHP値を減少させる制御)と、前記継続操作を第1期間継続して実行する場合よりも、前記第1期間よりも短い第2期間で前記継続操作を終了する場合の方が、前記演出態様を前記第2態様へと可変させ易い第2演出制御(非減少期間が設定されている状態において、長押し操作を中断することで非減少期間を解除する制御)と、を実行可能な演出制御手段を有することを特徴とする遊技機乙1。
<まとめ丙>
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力される信号を判別する信号判別手段と、その信号判別手段による判別結果が所定の実行条件を満たした場合に、演出態様を、第1態様から、その第1態様とは異なる第2態様を含む複数の態様へと段階的に可変させることが可能な演出可変手段と、その演出可変手段によって前記演出態様を可変させることが可能となる最終態様を前記複数の態様の中から決定可能な最終態様決定手段(最終HP値を決定する処理)と、を有した遊技機において、前記演出可変手段は、前記所定の実行条件として、第1実行条件が成立した場合(押下操作と判別された場合)と、その第1実行条件とは異なる第2実行条件が成立した場合(長押し操作と判別された場合)とで、異なる可変態様で前記演出態様を前記最終態様へと可変させるものであることを特徴とする遊技機丙1。
<まとめ丁>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記識別情報が動的表示される期間に演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出の演出態様として、前記動的表示されている前記識別情報に対応する前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも選択され易い第1演出態様を少なくとも含む複数の演出態様の中から1の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、前記演出実行手段により実行される前記演出に関する情報に基づいて演出値を更新可能な更新手段と、を有し、前記演出態様決定手段は、前記判別手段による前記判別結果に基づいて前記演出態様を決定する第1決定(チャンス予告演出を実行するか否かを決定する抽選に当選したことに基づいてチャンス予告演出の演出態様を決定)と、前記更新手段によって更新される前記演出値が実行条件を満たした場合に前記判別手段による前記判別結果に関わらず前記第1演出態様を前記演出態様として決定する第2決定(演出実行カウンタ223aahの値に基づいて強制的にチャンス予告演出の演出態様を決定)と、を実行可能であることを特徴とする遊技機丁1。
<まとめ戊>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記識別情報が動的表示される期間に演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出の演出態様として、前記動的表示されている前記識別情報に対応する前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも選択され易い第1演出態様を少なくとも含む複数の演出態様の中から1の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、前記特定の判別結果以外の前記判別結果を示すための識別情報が動的表示される期間に実行される前記演出の演出態様として前記第1演出態様が決定されたことを示す決定情報を所定期間記憶可能な記憶手段と、を有し、前記演出態様決定手段は、前記判別手段による前記判別結果に基づいて前記演出態様を決定する第1決定と、前記特定の判別結果を示すための識別情報が動的表示されている期間に実行される前記演出の演出態様として、前記記憶手段に前記決定情報が記憶されている場合に、前記第1演出態様を決定する第2決定(チャンス態様情報格納エリア223aagに格納されている外れ演出に用いられた演出態様を当たり演出に用いる処理)と、を実行可能であることを特徴とする遊技機戊1。
<まとめ己>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段により前記操作手段への操作が有効に判別される有効期間を設定する有効期間設定手段と、その有効期間設定手段により設定された前記有効期間の少なくとも一部期間を遊技者に報知可能な有効期間報知手段と、その有効期間報知手段により前記有効期間が報知されている状態で前記操作判別手段により前記操作手段の操作が判別されたことに基づいて、前記判別手段による前記判別の結果を示すための操作演出を実行可能な操作演出実行手段と、を有した遊技機において、前記有効期間設定手段は、前記有効期間として、第1有効期間と、その第1有効期間よりも長い第2有効期間を設定可能であり、前記判別手段による前記判別の結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも、前記第2有効期間を設定し易いものであることを特徴とする遊技機己1。
<まとめ庚>
取得条件の成立に基づいて取得情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された取得情報を、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記取得情報に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記取得手段が前記取得情報を取得し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも取得し難い第2遊技状態と、設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により実行される複数回の前記判別の結果に関する情報に基づいて演出態様が決定される期間演出を実行可能な期間演出実行手段(残確変回数が20回以降に実行される各モード演出を実行する手段)を有し、前記遊技機は、前記期間演出の前記演出態様を決定する際に参照される前記情報に含まれる前記判別の範囲を異ならせる(先読み結果を対象にするか否かを決定、遊技者によって範囲を選択)ことが可能であることを特徴とする遊技機庚1。
<技術思想まとめ1>
次に、上述した各制御例に記載された各技術思想について簡単に説明をする。まず、上述した各制御例の一部では、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させるための契機として、特別図柄抽選の大当たり当選以外の契機を設けており、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選とは異なる抽選結果(外れ)の一部において、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機が成立するように構成している。
つまり、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった遊技者に対しても、大当たり遊技とは異なる特典を付与可能に構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、大当たり遊技が実行される抽選結果と、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される抽選結果とを遊技者に別々に提供することができるため、遊技者に対して有利となる抽選結果の種別の多様化を図りやすくすることができる。
さらに、上述した各制御例の一部では、設定されている遊技状態に応じて、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機の成立のし易さを異ならせており、具体的には、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合は、特別図柄抽選が実行された場合に大当たり当選の有無に加え、時短当選(普通図柄の高確率状態を設定させるための契機の成立の有無)の有無を判定可能に構成し、通常状態以外の遊技状態が設定されている場合は、特別図柄抽選が実行された場合に大当たり当選の有無のみを判定可能に構成している。
このように構成することで、通常状態が設定されている状態では、普通図柄の高確率状態が設定され得る契機として、特別図柄抽選における大当たり当選、或いは、時短当選が成立可能となり、通常状態以外の遊技状態では、普通図柄の高確率状態が設定され得る契機として、特別図柄抽選における大当たり当選が成立可能となる。即ち、時短当選の有無が判定可能となる通常状態のほうが、通常状態以外の遊技状態よりも、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機が成立し易くなるように構成している。よって、各図柄(特別図柄、普通図柄)が低確率状態に設定されており、各図柄抽選において最も当たり当選し難い遊技状態(遊技者に不利となる遊技状態)である通常状態のほうが、他の遊技状態よりも普通図柄の高確率状態を設定させ易くすることができ、通常状態中の遊技を実行している遊技者の遊技意欲を高めることができる。
加えて、上述した第2制御例では、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(確変状態、時短状態)のほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態、第2確変状態)よりも第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成しており、且つ、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を、所定数(4個)を上限に記憶可能(保留記憶可能)に構成している。そして、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが時短当選し易くなるように構成している。
つまり、普通図柄の高確率状態が設定されている何れかの遊技状態(確変状態、時短状態)から通常状態へと遊技状態が移行した場合(遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行した場合)において、移行後の通常状態中に、移行前の普通図柄の高確率状態にて保留記憶された第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)に基づく第2特別図柄抽選が実行された場合に時短当選し易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行した場合にも所定期間の間、遊技者に有利な遊技状態へと復帰し易い特別図柄抽選を遊技者に実行させることができるため、遊技者に不利となる遊技状態である通常状態が設定された場合に遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。また、通常状態中により多くの第2特別図柄抽選を実行させるために、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を上限数(4個)獲得した状態で普通図柄の高確率状態を終了させようと、普通図柄の高確率状態が終了する最後の瞬間まで特図2保留を獲得するための遊技を意欲的に行わせることができる。
上述した各制御例の一部では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に加え、特別図柄抽選で時短当選した場合にも普通図柄の高確率状態を設定可能に構成しており、大当たり当選に基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短)と、時短当選に基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短)とで、普通図柄の高確率状態を終了させるための終了条件の成立のし易さを異ならせている。
具体的には、第1時短の終了条件として設定される時短回数よりも第2時短の終了条件として設定される時短回数のほうが多くなり易くなるように構成している。このように、普通図柄の高確率状態が設定された場合において、その設定契機(普通図柄の高確率状態を設定するための成立契機)に応じて有利度合いを異ならせた普通図柄の高確率状態を設定可能とすることにより、普通図柄の高確率状態が設定されるか否かだけで無く、どのような契機で普通図柄の高確率状態が設定されるのかという遊技の過程についても遊技者に興味を持たせることができるため、遊技者に継続して遊技を行わせ易くすることができる。
なお、上述した各制御例の一部では、普通図柄の高確率状態において遊技者に付与される特典の有利度合いを異ならせるために、時短終了条件の成立のし易さ(時短回数)を異ならせているが、これに限ること無く、例えば、第1時短が設定された場合と、第2時短が設定された場合とで、第2特別図柄抽選の保留記憶の獲得のし易さ(電動役物640aの開放パターン)を異ならせたり、普通図柄の高確率状態中に特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典の有利度合い(例えば、大当たり遊技中に付与される賞球数や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別)を異ならせたりするように構成しても良い。
次に、上述した第2制御例の第1変形例は、通常状態が設定されている場合に実行される第1特別図柄抽選でも時短当選し得るように構成している点で上述した第2制御例と相違している。
上述した第2制御例では、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている状態で第2特別図柄抽選を実行する遊技を行わせ、普通図柄の高確率状態中に第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得可能に構成していた。そして、普通図柄の高確率状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を普通図柄の低確率状態が設定されている通常状態において実行した場合に、大当たり抽選に加え、時短抽選も実行されるように構成することで、遊技者に有利となる普通図柄の高確率状態中の遊技(有利遊技)を体験した遊技者に対して、有利遊技が終了した後に、通常時よりも高確率で有利遊技へと復帰し易い遊技(引き戻し遊技)を実行させることができるものであった。
しかしながら、上述した第2制御例では、通常状態において実行される特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)にて大当たり当選し、普通図柄の高確率状態が設定された遊技(有利遊技)を実行しない限り、時短抽選の恩恵を受けることが出来ないため、時短抽選の恩恵を受けること無く遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
これに対して、上述した第2制御例の第1変形例では、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選においても時短当選し得るように構成しているため、遊技者に対して時短抽選の恩恵を受け易くすることができる。
さらに、上述した第2制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)よりも、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(時短状態)のほうが、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)が長くなり易くなるように構成していた。つまり、特別図柄抽選で時短当選した場合に、次の大当たり当選まで普図高確期間を継続させ易くするという特典を遊技者に付与可能に構成していた。
これに対して、上述した第2制御例の第1変形例では、第1特別図柄抽選で時短当選した場合には、短期間(例えば、時短回数1回)の時短状態を設定可能に構成し、その短期間の時短状態が設定される期間(普図高確期間)において、第2特別図柄抽選の実行権利を獲得させる遊技を実行可能に構成している。つまり、本第1変形例では、上述した第2制御例における引き戻し遊技を、大当たり当選すること無く実行させ得るように構成している。このように構成することで、通常状態において実行される第1特別図柄抽選にて大当たり当選すること無く、通常状態中に第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。
さらに、上述した第2制御例の第1変形例では、時短状態中に実行される第1特別図柄抽選の変動パターンとして、複数の変動時間を選択可能に構成している。本第1変形例では、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選にて時短当選すると、所定の変動時間の変動を経て時短当選を示すための表示態様(時短図柄)で第1特別図柄が停止表示された後に時短状態(時短回数1回)が設定され、次に実行される特別図柄変動が停止表示されるまでの間、時短状態が継続するように構成している。
つまり、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間に対応して時短状態が継続する期間の長さが決定することになる。よって、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間が長ければ長い程、時短状態中に多くの特図2保留を獲得し易くなるため遊技者に有利な時短状態とすることができる。
次に、上述した第2制御例の第2変形例では、上述した第2制御例に対して更なる興趣向上を目指すために、普通図柄の高確率状態が設定されている状態において実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典の内容を、普通図柄の高確率状態が設定された契機(第1時短又は第2時短)に応じて異ならせるように構成している。つまり、第1時短中に大当たり当選した場合と、第2時短中に大当たり当選した場合とで、同一の大当たり種別が設定された場合に付与される特典の内容を異ならせている。このように構成することで、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定された場合において、どの契機で時短状態が設定されたのかについても遊技者に興味を持たせることができるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
さらに、上述した第2制御例の第2変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技として、ラウンド数が少なく、且つ、1回のラウンド遊技の遊技時間が短い大当たり遊技(2R大当たり)を実行可能に構成し、その2R大当たり遊技が実行された後に、時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて時短状態が設定される場合、即ち、第1時短が設定される場合と、大当たり遊技が実行されること無く時短状態が設定される場合、即ち、第2時短が設定される場合とで、実行される遊技の内容の相違を遊技者に気付かれ難くすることができる。
加えて、上述した第2制御例の第2変形例では、第1時短が設定される過程において実行される変動演出と、第2時短が設定される過程において実行される変動演出と、を同様の演出態様で実行可能に構成している。具体的には、第1時短が設定される大当たり当選(2R大当たり当選)したことを示すための特別図柄変動が開始されてから、その特別図柄変動が停止表示され、その後、2R大当たり遊技が終了するまでの第1期間と、第2時短が設定される時短当選したことを示すための特別図柄変動の変動時間である第2期間と、が略同期間となるように設定し、その期間を用いて共通の演出態様で演出を実行するように構成している。
このように構成することで、第1時短が設定される場合と、第2時短が設定される場合とで、特別図柄変動が開始されてから、時短状態が設定されるまでの期間において共通の演出態様の演出を実行させることができるため、何れの契機で時短状態が設定されたのかを遊技者により分かり難くすることができる。
なお、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合における特別図柄抽選において大当たり当選の有無に加え、時短当選(普通図柄の高確率状態を設定させるための契機の成立の有無)の有無を判定可能な技術思想について上述したが、これに限るものではなく、通常状態以外の遊技状態(確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、時短状態(普通図柄の高確率状態))が設定されている状態においても特別図柄抽選で時短当選し得るように構成してもよい。例えば、時短状態が設定されており、時短終了条件として設定される特別図柄変動の実行回数(時短回数)が残り10回である場合に時短当選し、時短種別として時短回数50回の時短状態が設定された場合には、時短回数の残り回数が50回に増加する。つまり、時短状態が設定されている状態において新たに時短当選した場合には、残時短回数(時短状態が継続する期間)が更新される構成である。このように、時短当選により残時短回数(時短状態が継続する期間)が更新されるため、遊技者に時短状態がいつまで継続するのかを把握させ難くすることが可能となる。
なお、時短回数を更新させる場合において、現状の残時短回数よりも時短回数が多くなるように更新(有利更新)される場合と、少なくなるように更新(不利更新)される場合とが発生するように構成してもよい。具体的には、設定される時短回数を異ならせた時短種別を複数規定する。例えば、時短種別として時短Aが設定された場合には、特別図柄変動の実行回数が10000回に到達した場合に時短終了条件が成立(時短回数10000回)し、時短Bが設定された場合には、特別図柄変動の実行回数が100回に到達した場合に時短終了条件が成立(時短回数100回)し、時短Cが設定された場合には、特別図柄変動の実行回数が1回に到達した場合に時短終了条件が成立(時短回数1回)するように構成する。例えば、時短Aが設定され残時短回数が9000回となった場合に時短当選し、時短Bが設定されると、残時短回数が100回に減少するため遊技者にとっては不利更新となる。一方、時短Aの残時短回数が50回となった場合に時短当選し時短Bが設定されると、残時短回数が100回に増加するため遊技者にとっては有利更新となる。また、時短Bが設定されている場合に時短当選し、時短Aが設定されると残時短回数が10000回に増加するので有利更新となり、時短Cが設定されると残時短回数が1回に減少するため不利更新となる。つまり、時短抽選において時短当選するタイミングと、時短当選した場合に設定される時短回数(時短期間)とによって、時短当選が遊技者に有利な特典となる場合と、不利な特典となる場合が発生するように構成する。このように構成することで、時短当選を期待する遊技性と、時短当選を期待しない遊技性と、を備える斬新な遊技性を提供することができる。
なお、大当たり当選すること無く、連続して時短当選すればするほど遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成してもよい。具体的には、時短回数10000回が設定される時短A、時短回数100回が設定される時短B、時短回数300回が設定される時短Dを規定する。この場合、時短A、時短D、時短Bの順に遊技者に有利な時短種別であると言える。通常状態において時短当選した場合または大当たり当選を経由して時短状態が設定される場合には100%時短B設定され、時短Bが設定されている場合に時短当選した場合の時短A、時短B、時短Dの設定割合を「2:3:5」で構成し、時短Dの時短状態中に時短当選した場合の時短A、時短B、時短Dの設定割合を「5:1:4」で構成し、時短Aの時短状態中に時短当選した場合の時短A、時短B、時短Dの設定割合を「8:1:1」となるように構成する。つまり、大当たり当選を経由して時短状態が設定される場合よりも、大当たり当選する前に時短当選した場合の方が有利な時短種別が設定され易く、連続して時短当選すればするほど段階的に有利な時短種別の時短状態へと移行し易い構成である。このように構成することで、大当たり当選することなく連続して時短当選した遊技者に有利な特典を付与し易くなるため、長期間大当たり当選していない遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
なお、大当たり当選することなく、連続して時短当選した場合には段階的に有利な時短種別が設定される技術思想について上述したが、これに限るものではなく、遊技者に最も有利な時短種別である時短Aが設定されている場合には、時短A以外の時短種別が設定されている場合よりも、遊技者に不利な時短種別(例えば、上述した時短C)へと移行し易くなるように構成してもよい。つまり、有利度合いを異ならせた複数段階の時短種別を有し、時短当選に基づいて段階的に有利度合いの高い時短種別が設定されていき、最高段階の時短種別に到達した場合には、最低段階の時短種別へと転落し易くなるように構成する。このように構成することで、遊技者に有利な時短種別が過剰に長時間継続してしまうことを抑制することができる。
なお、時短状態が設定されている状態で時短抽選を実行可能に構成したパチンコ機10、即ち、時短状態が設定されている状態で新たな時短状態の設定条件が成立した場合(時短当選した場合)における処理内容として、既に設定されている時短状態の残時短回数に関わらず、新たな時短状態を設定する処理を実行する構成について上述したが、これに限るものではなく、既に設定されている時短状態の残時短回数(残時短期間)と、新たに設定条件が成立した時短状態の時短回数(時短期間)とを判別し、その判別結果に基づいて、新たな時短状態を設定するか否かを決定する処理を実行するように構成しても良い。具体的には、既に設定されている時短状態の残時短回数が10回である場合に、時短回数50回が設定される時短種別の設定条件が成立した場合には、残時短回数よりも新たに設定条件が成立した時短種別の時短回数の方が多いので、新たな時短状態を設定する。一方で、既に設定されている時短状態の残時短回数が80回である場合に、時短回数50回が設定される時短種別の設定条件が成立した場合には、残時短回数よりも新たに設定条件が成立した時短種別の時短回数の方が少ないので、新たな時短状態を設定せずに残時短回数の更新を実行しない。つまり、時短状態中の時短当選により遊技者が有利となる場合には新たな時短状態を設定し、遊技者が不利となる場合には新たな時短状態を設定しない構成である。このように構成することで、時短当選によって遊技者が不利となる状況が生起して遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
なお、既に設定されている時短状態の残時短回数と、新たに設定条件が成立した時短状態の時短回数との差分を算出し、その差分に対応する情報(時短回数)を、既に設定されている時短状態の残時短回数に加算(減算)する処理を実行するように構成しても良い。具体的には、時短状態中に新たに時短当選した場合に、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される期間(時短回数)を計測するためのカウンタ(時短中カウンタ)に既に設定されているカウンタ値と、新たに設定条件が成立した時短状態の時短回数との差分を算出し、その差分に対応するカウンタ値を時短中カウンタに加算(減算)する。この場合、時短中カウンタのカウンタ値が加算されたか減算されたかによって、第3図柄表示装置81において表示されている残時短回数を更新する演出として、残時短回数を増加させることを報知する演出であるチャンス演出と、残時短回数を減少させることを報知する演出であるピンチ演出と、を実行するとよい。このように構成することで、時短状態において遊技者に提供される演出のバリエーションを増やすことができる。
また、既に設定されている時短状態が終了するまで、新たに設定条件が成立した時短状態が設定されることを待機させる処理を実行可能に構成しても良い。この場合、既に設定されている時短状態が終了するまでの間に、時短状態の設定条件が複数成立した場合には、設定条件が成立した全ての時短状態を順に設定するように構成しても良いし、待機中の時短状態のうち、特定の時短種別の時短状態のみ所定数を上限に記憶可能に構成し、記憶されている時短状態のみを順に設定するように構成しても良い。このように構成することで、既に設定されている時短状態の残時短回数が多く残っている場合に新たに時短当選しても、その残時短回数分の特別図柄変動を実行した後に新たな時短状態が設定されるので、時短当選したタイミングにかかわらず遊技者に付与された特典(時短状態)を最大限楽しませることができる。
なお、通常状態以外の遊技状態においても特別図柄抽選において時短当選可能な技術思想、時短状態が継続する残期間を更新させる場合において、現状の残期間よりも時短状態が継続する期間が長くなるように更新(有利更新)される場合と、短くなるように更新(不利更新)される場合とを発生させる技術思想、および有利度合いを異ならせた複数段階の時短種別を有し、時短当選に基づいて徐々に有利度合いの高い時短種別が設定されていき、最高段階の時短種別に到達した場合には、最低段階の時短種別へと転落し易くなる技術思想を、上述した各制御例に適用して勿論良く、また、時短状態の設定条件として、低確率状態において大当たりに当選することなく所定の天井抽選回数に到達したことに基づいて、時短状態を付与する等の所定の特典(天井特典)を付与する技術思想を適用しても良い。
次に、上述した第3制御例では、1回の特別図柄抽選で大当たり当選と、時短当選と、を重複して判定可能に構成している。また、上述した第3制御例では、大当たり当選の判定が実行される前に時短当選の判定を実行するように構成し、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選にて大当たり当選の判定が実行されるよりも前に時短状態を設定し、時短状態が設定されている状態で当該特別図柄抽選における大当たり当選の判定を実行し、当該特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄変動が実行されるタイミングにて時短状態を終了させることが可能に構成している。
具体的には、通常状態における第1特別図柄抽選で時短当選した場合において、上述した通り、当該特別図柄抽選にて大当たり判定が実行されるタイミングを含む短期間の間、時短状態となるように構成している。つまり、上述した第2制御例では、次の大当たり当選に向けて遊技者に有利な遊技(特別図柄抽選を実行させ易い遊技)を、大当たり遊技を介すること無く所定期間(最大で10000回)実行させるために特別図柄抽選にて時短当選可能な機能(時短期間設定機能)を設けていたのに対して、上述した第3制御例では、上述した時短期間設定機能に加え、通常状態において、特別図柄抽選を実行させ易くすること無く、特別図柄抽選による大当たり判定が実行されるタイミングが時短状態となるように構成することで通常状態にて実行される遊技(左打ち遊技)の最中に時短状態における特別図柄抽選の大当たり判定を実行可能にする機能(特殊抽選機能)を設けている。
このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄抽選で時短当選したことを把握され難くしながら時短状態における特別図柄抽選の大当たり判定を実行することができるため、特別図柄抽選の結果として意外性のある抽選結果を報知することが可能となる。
また、上述した第3制御例では、第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に付与される特典を、通常状態にて大当たり当選した場合と、時短状態にて大当たり当選した場合とで、異ならせており、通常状態よりも時短状態で大当たり当選した場合のほうが、遊技者に有利な特典(例えば、ラウンド数の多い大当たり遊技)が付与されるように構成している。つまり、通常状態において実行される第1特別図柄抽選において、時短当選と大当たり当選とに重複当選した場合のほうが、大当たりのみ当選した場合よりも有利な特典が付与されることになる。
加えて、上述した第3制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様として、時短当選の有無を示唆可能な示唆態様(報知態様)と、大当たり当選の有無を示唆可能な示唆態様(報知態様)と、を設定可能に構成している。
つまり、実行される変動演出の演出態様を把握することで実行中の特別図柄抽選に対して実行された大当たり判定の結果と、時短当選判定の結果と、を遊技者に予測させることが可能に構成している。さらに、変動演出として、時短当選の有無を報知するタイミングと、大当たり当選の有無を報知するタイミングを異ならせるように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選に対して異なる複数の特典を付与するための判定を実行可能なパチンコ機10において、少なくとも1の判定結果を把握(予測)した状態で、他の判定結果を示唆するための示唆態様を把握させることができる。
また、上述した第3制御例では、時短当選の有無を示唆可能な示唆態様を含む演出(時短演出)の演出結果が、時短非当選を示唆する示唆態様を含む演出結果であった場合のほうが、時短演出が実行されない場合よりも大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。このように、付与判定を異ならせた複数の特典を1回の特別図柄抽選にて付与可能な構成を用いたパチンコ機10において、1の特典に対する付与判定の結果を示唆可能な判定結果示唆演出が実行された場合に、その判定結果示唆演出の演出結果が1の特典が付与されないことを示唆する演出結果であることで、判定結果示唆演出が実行されなかった場合に比べて他の特典が付与される期待度が高くなるように構成することで、判定結果示唆演出が実行された時点で、判定結果示唆演出が実行されなかった場合に比べて、何れかの特典が付与され易い状態であることを遊技者に報知することができる。
上述した第3制御例のように、1回の特別図柄抽選が実行されることに基づいて、複数の特典を重複して付与可能な構成を、上述した各制御例に適用しても勿論良く、例えば、1回の特別図柄抽選が実行されたことに基づいて、大当たり抽選と時短抽選とに重複して当選可能に構成する技術思想を適用しても良いし、上述した第2制御例から第3制御例に対して、所謂天井特典に関する技術思想(低確率状態において大当たりに当選することなく所定の天井抽選回数に到達したことに基づいて、時短状態を付与する等の所定の特典を付与する技術思想)を適用しても良い。
例えば、第3制御例に対して、天井特典に関する技術思想を付加した場合には、1回の特別図柄抽選が実行されることにより最大で3つの異なる特典(大当たり当選、時短当選、天井特典)を遊技者に付与することが可能となり、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果により興味を持たせることができる。また、この場合、付与され得る3つの特典を全て提供可能に構成しても良いし、少なくとも1の特典が破棄されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して過剰に有利な特典を提供してしまう事態が発生することを抑制することができる。
<技術思想まとめ2>
次に、上述した各制御例に記載された各技術思想について簡単に説明をする。まず、時短中に獲得した特図2保留を用いた特図2抽選の実行回数が所定回数を超えると、特図2抽選により有利特典が付与される確率が高くなる技術思想について、上述した第2制御例のパチンコ機10によれば、第2入球口640に遊技球が入球した場合には、第2特別図柄抽選の実行権利を取得する手段を有し(情報を取得することが可能な取得手段)と、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を上限数(4個)まで保留記憶可能な手段を有する(取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段)。そして、保留記憶されている第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)に基づいて、第2特別図柄抽選が実行される(記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段)。そして、第2特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選(第1判別結果)であることに基づいて大当たり遊技(特定遊技)が実行される。そして、大当たり遊技が終了した後には、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなる普通図柄の高確率状態(特定設定)が、普通図柄の高確率状態を終了させるための終了条件(時短終了条件)が成立するまでの間継続する。また、第2特別図柄抽選では、大当たり当選の判定とは別に時短当選判定を実行可能に構成しており、時短当選判定において時短当選したと判別された場合は(第2判別結果であると判別された場合は)、大当たり遊技を実行すること無く、普通図柄の高確率状態(特定設定)を設定可能である。さらに、上述した第2制御例では、複数の遊技状態を設定可能に構成しているが、その中で、通常状態(特定期間)が設定されている状態においてのみ、時短当選判定を実行可能である。
このように構成することで、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態が設定される場合は、特別図柄変動の停止タイミングでは無く、大当たり遊技の終了タイミングにて普通図柄の高確率状態が設定され、第2特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態が設定される場合は、特別図柄変動の停止タイミングにて普通図柄の高確率状態が設定される。よって、普通図柄の高確率状態を設定されるタイミングを時短状態の設定契機に応じて異ならせることができる。
また、時短当選判定を実行可能な期間(通常状態が設定されている期間)と、実行不可能な期間(通常状態が設定されていない期間)と、を設けることができるため、特別図柄抽選が実行される期間についても遊技者に興味を持たせることができる。なお、上述した第2制御例では、通常状態でのみ時短当選判定を実行するように構成しているが、時短当選判定を実行可能な期間と、実行しない期間と、を設ければ良く、例えば、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態、第2確変状態)において時短当選判定を実行可能とし、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(時短状態、確変状態)において時短当選判定を実行しないように構成しても良い。
さらに、時短当否判定の実行の有無を設定されている遊技状態に応じて切り替えるのでは無く、時短当否判定において時短当選する確率を遊技状態に応じて異ならせても良く、例えば、通常状態が設定されている場合における時短当否判定では1/6の確率で時短当選し、それ以外の遊技状態においては、1/200の確率で時短当選するように構成しても良い。このように構成することで、時短当選し易い遊技状態と、時短当選し難い遊技状態と、を設定することができるため、上述した技術思想と同様に効果、即ち、特別図柄抽選が実行される期間についても遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、上述した第2制御例では、遊技球が入球することにより、第1特別図柄抽選の実行契機となり得る第1入球口64(遊技球が入球可能な第1入球手段)と、第2特別図柄抽選の実行契機となり得る第2入球口640(その第1入球手段とは異なる第2入球手段)と、を設けており、時短当選判定は、第2特別図柄抽選でのみ実行可能に構成している。
つまり、第1特別図柄抽選では、何れの遊技状態が設定されていても時短当選判定が実行されず、第2特別図柄抽選では特定期間(通常状態)において時短当選判定を実行可能としている。このように構成することで、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とで、ひいては、第1入球口64への遊技球の入球と、第2入球口640への遊技球の入球とで、後に遊技者へと付与される価値の量を大きく異ならせることができる。
なお、上述した第2制御例では、第1特別図柄抽選では時短当選判定を実行せずに、第2特別図柄抽選では特定期間(通常状態)において時短当選判定を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1特定期間(通常状態)においては第2特別図柄抽選のみ時短当選判定を実行し、第1特定期間とは異なる第2特定期間(第2確変状態)においては、第1特別図柄抽選のみが時短当選判定を実行可能に構成してもよい。このように構成することで、設定されている期間によって、第1入球口64への遊技球の入球が、第2入球口640への遊技球の入球より遊技者に有利な価値を付与し易い状況と、第1入球口64への遊技球の入球よりも、第2入球口640への遊技球の入球が遊技者に有利な価値を付与し易い状況と、を創出することが可能となる。よって、遊技者に対してより有利な価値が付与され易い遊技を実行しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、この場合、図170に示した変形例のように、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、第1入球口64への遊技球の入球度合いと、第2入球口640への遊技球の入球度合いとが同様となるようにパチンコ機10の遊技盤13を構成すると良い。このように構成することで、遊技者の判断によって、何れの入球口へと遊技球を入球させるかを選択することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、各制御例に記載した通り、大当たり当選に基づいて設定される時短状態(第1時短)よりも、時短当選判定により時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)のほうが、遊技者に有利な時短状態、即ち、時短終了条件が成立し難い時短状態が設定され易くなるように構成している。つまり、時短状態の設定契機に応じて、設定された時短状態の有利度合いを異ならせるように構成している。これにより、時短状態(特定設定)が設定される期間(時短終了条件)を判別された判別結果(設定契機)により可変させることが可能となるので、遊技を多様にすることができ興趣をより向上できるという効果がある。
この場合、時短状態が設定される前の遊技状態に応じて、第1時短よりも第2時短のほうが遊技者に有利な時短状態となる場合と、第2時短よりも第1時短のほうが遊技者に有利な時短状態となる場合と、を設けると良い。このように構成することで、どの状況で時短状態が設定されたかについても遊技者に興味を持たせることができる。
より具体的には、例えば、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)が所定数を超えた場合のほうが、超えていない場合よりも、有利な時短状態となり易くなるように構成しても良い。
次に、上述した第3制御例では、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選と、時短当選とに重複して当選可能に構成している(図156参照)。これにより、大当たり当選(第1判別結果)と時短当選(第2判別結果)とを重複して判別することが可能に構成されているので、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選、時短当選、大当たりと時短との両方に当選と、様々な抽選結果を期待することができる。さらに、第3制御例では、時短当選と大当たり当選とが重複した場合に、重複して当選しなかった場合よりも遊技者に有利な大当たり遊技が実行されるように構成している(図147(b)参照)。よって、重複して判別されることで遊技者に有利となる種別の特定遊技が実行され易いので、遊技者に多様な判別結果に対応した特典を付与することで遊技を多様にすることができるという効果がある。
なお、重複当選した場合のほうが、重複当選していない場合よりも、遊技者に有利な特典を付与する構成として、上述した第3制御例の構成以外を用いても良く、例えば、大当たり遊技が終了した後に設定される遊技状態が、重複当選した場合のほうが、重複当選していない場合よりも、有利な遊技状態(例えば、確変状態、時短状態等)を設定可能に構成しても良い。
また、上述した第3制御例では、時短当選の判定(第2判別結果であるか否かの判別)を実行した後に、大当たり判定(第1判別結果であるか否かの判別)を実行するように構成しており、1の特別図柄抽選において、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選における大当たり判定を時短状態で実行することができるように構成している。このように構成することで、重複当選した場合に実行される特典遊技の有利度合いと、重複当選しなかった場合に実行される特典遊技の有利度合いと、を異ならせることができる。
次に、上述した第2制御例の第2変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短)と、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短)と、で普通図柄の高確率状態が設定されている状態で大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典の種別(大当たり遊技終了後に付与される時短回数)を異ならせている(図132(b)参照)。よって、設定種別(第1時短、第2時短)に応じて特典遊技の種別における選択割合(大当たり遊技の内容と、付与される時短回数)が可変されるので、同じ普通図柄の高確率状態(第2遊技状態)であっても遊技者へと付与される特典を異なるものとすることができ、遊技状態を多数設定しなくとも遊技を多様にして遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、上述した第2制御例の第2変形例では、設定種別(第1時短と第2時短)に応じて、付与される時短回数に差を設けているが、これに限ること無く、実行される大当たり遊技の内容(例えば、ラウンド遊技数)を異ならせるように構成しても良い。
さらに、上述した第2制御例の第2変形例では、第1時短よりも第2時短が設定された場合、即ち、大当たり遊技が実行されること無く普通図柄の高確率状態が設定された場合のほうが、終了条件が成立し難い普通図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成している。つまり、大当たり遊技中に賞球を獲得すること無く、普通図柄の高確率状態が設定された場合、即ち、第1時短よりも普通図柄の高確率状態が設定されるまでに付与される特典が少ない第2時短のほうが、普通図柄の高確率状態を長くすることができるため、遊技者に対して公平に特典を付与することができるという効果がある。
さらに、上述した第2制御例の第2変形例では、上述した第2制御例や第2制御例の第1変形例と同様に、通常状態でのみ時短当選判定(第2判別結果の判別)を実行可能に構成している。換言すれば、通常状態以外では、時短当選判定が実行されることを規制している。よって、遊技状態に応じて時短当選判定が実行されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
加えて、上述した第2制御例の第2変形例では、第1時短が設定されたか第2時短が設定されたかを、遊技者に判別させ難くするように、特別図柄抽選の結果を示すための演出態様を設定可能に構成している(図130、及び図131参照)。つまり、第1時短が設定される場合には、特別図柄変動時間と、その後の大当たり遊技期間とを合算した第1期間に対して特定演出(図130(a)参照)を実行し、第2時短が設定される場合には、特別図柄変動時間(確定時間含む)である第2期間に対して特定演出(図130(b)参照)を実行するように構成している。
より具体的には、上述した第1期間と第2期間とが略同一期間となるように、各特別図柄抽選結果に対応させて変動時間や、大当たり遊技期間を予め規定しておき、特定演出の演出期間が同一となるように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される演出として、演出期間、及び、演出態様が同一の特定演出が実行された後に、普通図柄の高確率状態を示す演出が実行されることになる。よって、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出を注視している遊技者に対して、何れの設定契機で普通図柄の高確率状態が設定されたのかを判別させ難くすることができる。
なお、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合に実行される特別図柄抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)と、普通図柄の高確率状態を設定するための時短当選の判定(時短抽選)とを行う技術思想について上述したが、これに限るものではなく、通常状態以外の遊技状態(確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、時短状態(普通図柄の高確率状態))が設定されている場合の特別図柄抽選においても時短抽選を実行可能に構成してもよい。
また、このように構成する場合、時短当選した際に設定されている遊技状態に応じて設定される時短状態の時短種別を異ならせるとよい。具体的には、遊技者の有利度合いを異ならせた時短種別を複数規定する。例えば、時短種別として時短Aが設定された場合には、特別図柄抽選の実行回数が10000回に到達した場合に時短終了条件が成立(時短回数10000回)し、時短Bが設定された場合には、特別図柄抽選の実行回数が100回に到達した場合に時短終了条件が成立(時短回数100回)し、時短Cが設定された場合には、特別図柄抽選の実行回数が1回に到達した場合に時短終了条件が成立(時短回数1回)するように構成する。この場合、時短A、時短B、時短Cの順に遊技者に有利な時短種別となる。そして、時短当選した場合の遊技状態が通常状態である場合には時短A、時短B、時短Cの設定割合が「3:6:1」となるように規定し、時短状態である場合には「6:3:1」となるように規定し、確変状態である場合には「1:2:7」となるように規定する。つまり、時短状態が設定されている場合に時短当選すると、時短状態以外の遊技状態で時短当選した場合よりも最も有利な時短Aが設定され易く、確変状態が設定されている場合に時短当選すると、確変状態以外の遊技状態で時短当選した場合よりも最も不利な時短Cが設定され易く構成する。このように構成することで、時短状態中に時短当選した場合には、時短回数の多い時短種別が設定され易くなるため、大当たり遊技が実行され易くなり、確変状態が設定されなくても遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。一方、確変状態中に時短当選した場合には、時短回数の少ない時短種別が設定され易くなるため、遊技者が過剰に有利になることを抑制することができるとともに、時短当選する前に大当たり当選しないと確変状態よりも不利な遊技状態に移行するという新たな遊技性を提供することができる。なお、特定の遊技状態で時短当選した場合のみ設定される時短種別を規定しても良い。例えば、時短Aは通常状態および時短状態でしか設定されず、時短Cは確変状態でしか設定されないように構成する。このように構成することで、設定されている遊技状態によって、時短当選を期待する遊技性と、時短当選を期待しない遊技性の異なる遊技性を提供することができる。
なお、何れの遊技状態が設定されている場合であっても時短当選確率(時短抽選において時短当選する確率)を同一に規定しても良いし、設定されている遊技状態に応じて時短当選確率を異ならせても良い。例えば、通常状態が設定されている場合には第1当たり乱数カウンタC1の値が「51~200」であれば時短当選し、確変状態では「51~53」、時短状態では「51~500」で時短当選するように構成する。つまり、時短状態が設定されている場合は、時短状態以外の遊技状態が設定されている場合よりも時短当選し易く、確変状態が設定されている場合は、確変状態以外の遊技状態が設定されている場合よりも時短当選し難い構成である。このように構成することで、確変状態では遊技者が過剰に有利になってしまうことを抑制し、時短状態では時短終了条件が成立する前に新たな時短状態が設定され易くなるため、通常状態に移行する前に大当たり当選し易くなり、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。なお、それ以外に例えば、前回の大当たり遊技が実行されてからの特別図柄抽選回数に応じて時短当選確率を異ならせても良い。この場合、前回の大当たり遊技が実行されてからの特別図柄抽選回数が所定回数(例えば、200回)を超えた場合に、時短当選確率が高くなるように構成すると良い。このように構成することで、特別図柄抽選で長時間大当たり当選していない遊技者に対して、大当たり遊技とは異なる時短当選という特典を付与し易くすることができる。なお、本技術思想は、他の制御例にも適用可能であることは言うまでも無い。
以上、説明をした各実施形態、或いは各制御例に用いたパチンコ機10の構成として、以下の構成を用いても良い。
<普通図柄の高確率状態に関する構成について>
上述した各実施形態では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部において、その大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態を設定可能に構成していたが、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機として、特別図柄抽選の大当たり当選以外の設定契機を設けても良く、例えば、大当たり当選することなく特別図柄変動の実行回数が所定回数(例えば、特別図柄の低確率状態にて実行される特別図柄抽選で大当たり当選する確率の分母の値の2倍)に到達した場合に、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立するように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり当選しない特別図柄抽選(変動)が繰り返し実行される状況、即ち、遊技者の遊技意欲が低下し易い状況が発生した場合に、遊技者に有利な特典(普通図柄の高確率状態)を付与することができるため、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
また、上述した設定契機を成立させるための要素である特別図柄変動の実行回数を、遊技状況に応じて可変可能に構成しても良く、例えば、設定されている遊技状態に応じて普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機を成立させる特別図柄変動の実行回数を異ならせるように構成しても良い。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合と、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合、即ち、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態の種別に応じて設定契機を成立させる特別図柄変動の実行回数を異ならせるように構成すると良い。このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定される期待度を、設定されている遊技状態に応じて異ならせることができる。
なお、この場合、特別図柄の高確率状態が設定されている第2確変状態のほうが、特別図柄の低確率状態が設定されている通常状態よりも、特別図柄抽選で大当たり当選し易いため(特別図柄抽選の大当たり確率が高いため)、第2確変状態が設定されている場合のほうが、通常状態が設定されている場合よりも、少ない特別図柄変動の実行回数で普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立するように構成すると良い。このように構成することで、何れの遊技状態が設定されている状態であっても、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機の成立のし易さを同程度にすることが可能となる。
一方、第2確変状態が設定されている場合よりも、通常状態が設定されている場合のほうが、少ない特別図柄変動の実行回数で普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立するように構成しても良い。つまり、特別図柄の確率状態においても遊技者に不利な低確率状態が設定されている通常状態(遊技者に最も不利な遊技状態)において、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立し易くすることができるため、遊技者に過剰に不利な遊技を実行され難くすることができる。また、特別図柄変動の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する設定契機に基づいて普通図柄の高確率状態が設定され易くなるため、大当たり当選すること無く普通図柄の高確率状態が設定されるという意外性のある遊技を遊技者に提供し易くすることができる。
さらに、設定されている遊技状態に応じて普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機を異ならせるように構成した場合において、設定されている遊技状態の一部において、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立し得ない(し難い)遊技状態を設けても良く、例えば、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)として複数の種別(例えば、通常AA、通常AB)を設定可能に構成し、通常AAの遊技状態が設定されている場合よりも、通常ABの遊技状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立し易くなるように構成しても良い。
このように構成することで、通常状態が設定されている遊技機で遊技を行っている遊技者に対して、どのタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されるか?或いは、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立し得る遊技状態であるか?を、予測させながら遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、この場合、現在設定されている遊技状態(種別毎の遊技状態)が、普通図柄の高確率状態の設定契機が成立し易い遊技状態であるか否かを遊技者に予測させることが可能な演出を実行可能に構成すると良い。
さらに、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態のほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態よりも、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典(大当たり遊技内容や、大当たり遊技終了に設定される遊技状態)が遊技者に有利となり易い遊技仕様を有する遊技機においては、普通図柄の高確率状態が設定される設定契機が成立するまでの残期間(残特別図柄変動回数)を示す情報と、特別図柄抽選の抽選結果を示すための情報(又は、特別図柄抽選の抽選結果を事前に判別した事前判別結果(先読み結果)を示すための情報)と、に基づいて演出態様を異ならせた演出を実行可能に構成すると良い。
例えば、特別図柄抽選で大当たりに当選している場合のほうが、当選していない場合よりも実行され易い演出(例えば、リーチ演出)の演出態様を決定する際に、普通図柄の高確率状態が設定される設定契機が成立するまでの残期間(残特別図柄変動回数)を参照し、残特別図柄変動回数が少ない場合、即ち、普通図柄の高確率状態が間もなく設定される第1状況と、残特別図柄変動回数が多く場合、即ち、普通図柄の高確率状態が暫く設定されることが無い第2状況と、で異なる演出態様が決定されるように構成し、第1状況のほうが、第2状況よりも、遊技者に有利な状況であることを報知可能な演出態様でリーチ演出が実行され易くなるようにリーチ演出の演出態様を決定すると良い。
このように構成することで、大当たり当選を示唆するためのリーチ演出が実行されるタイミングと、普通図柄の高確率状態が設定されるタイミングと、によって異なる演出態様のリーチ演出を実行することが可能となるため、様々な演出態様でリーチ演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。加えて、実行されるリーチ演出の演出態様に基づいて、リーチ演出が実行されたタイミングの有利度合い(普通図柄の高確率状態が設定される直前であるか否か)を遊技者に把握させることが可能となるため、実行中のリーチ演出の演出結果が外れ(特別図柄抽選の結果が外れであることを示す演出結果)となることを遊技者に期待させるという斬新な演出を提供することができる。
また、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、大当たり当選すること無く特別図柄抽選が100回実行された場合に、普通図柄の高確率状態が設定されるように構成している場合であって、普通図柄の低確率状態中に大当たり当選した場合よりも、普通図柄の高確率状態中に大当たり当選した場合のほうが、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成した遊技機において、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出として、別図柄抽選で大当たりに当選している場合のほうが、当選していない場合よりも実行され易い特定演出(例えば、リーチ演出)を実行可能に構成し、且つ、特定演出の演出態様として、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が設定される大当たりに当選していることを示唆する第1演出態様と、単に大当たり当選を示唆する第2演出態様と、を決定可能とし、普通図柄の高確率状態が設定されるまでの特別図柄変動の残回数に関わらず、第1演出態様の特定演出が実行される頻度を固定し、第2演出態様の特定演出が実行される頻度を、普通図柄の高確率状態が設定されるまでの特別図柄変動の残回数が少なくなるほど低くするように構成しても良い。
このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定される特別図柄変動回数に近付くほど、特定演出が実行された場合における第1演出態様の選択割合を高くすることができるため、普通図柄の高確率状態が設定される特別図柄変動回数に近い状態(例えば、前回の大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数が90回~99回の間)において特定演出が実行された場合であっても、遊技者を落胆させること無く、特定演出の演出結果に興味を持たせることができる。
また、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機を成立させる特別図柄変動の実行回数を決定するための回数抽選手段を設け、その回数抽選手段の抽選結果に基づいて設定契機を成立させる特別図柄変動の実行回数を決定しても良い。この場合、例えば、回数抽選手段により決定され得る実行回数の範囲として、最も設定契機が成立し易い実行回数として、特別図柄変動の実行回数が「0」を決定可能に構成すると良い。
このように構成することで、普通図柄の低確率状態が設定される大当たり種別が設定された場合であっても、実質、普通図柄の高確率状態が設定された場合と同一の遊技状態を設定することが可能となる。
つまり、同一の遊技状態が設定されている状態で、同一の大当たり種別(普通図柄の低確率状態が設定される大当たり種別)が設定された場合においても、回数抽選手段の抽選結果に基づいて、大当たり遊技終了後(1回目の特別図柄変動が実行されるまで)に設定される遊技状態(普通図柄の確率状態)を異ならせることができる。
よって、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予測させ難くすることができると共に、意外性のある遊技を遊技者に提供することができる。
また、上述した回数抽選手段が実行されるタイミングは適宜設定すれば良く、例えば、大当たり遊技が終了するタイミングでも良いし、特別図柄変動が所定回数(50回)実行される毎に回数抽選手段を実行可能に構成しても良い。この場合、回数抽選手段の抽選結果として決定された特別図柄変動の実行回数を既に経過している場合には、回数抽選手段による抽選が実行された直後に普通図柄の高確率状態が設定されるように構成すれば良い。
このように、特別図柄変動が所定回数(50回)実行される毎に回数抽選手段を実行可能に構成することにより、大当たり当選すること無く特別図柄変動が複数回実行している期間内で、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機の内容(設定契機が成立する特別図柄変動回数)を異ならせることが可能となる。よって、どのタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されるかを遊技者に予測させ難くすることができる。なお、この場合、大当たり遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの間における回数抽選手段による回数抽選の実行回数に基づいて、抽選によって決定される特別図柄変動の実行回数の範囲を異ならせると良く、具体的には、回数抽選の実行回数が増加するほど、普通図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり間で実行された特別図柄変動回数が増加するほど、普通図柄の高確率状態を設定し易くすることができるため、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうこうと抑制することができる。
加えて、上述した回数抽選手段では、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立する特別図柄変動回数を決定するための抽選が実行されるものであったが、これに限ること無く、例えば、回数抽選手段が実行されてから、普通図柄の高確率状態が設定されるまでに要する特別図柄変動回数を決定するように回数抽選手段の内容を構成しても良い。
さらに、特別図柄変動が所定回数(50回)実行される毎に回数抽選手段を実行する構成、即ち、特別図柄変動の実行に基づいて所定の抽選条件が成立した場合に回数抽選手段を実行可能に構成した遊技機において、上述した回数抽選手段に代えて、普図高確抽選手段を設け、この普図高確抽選手段に当選した場合に、普通図柄の高確率状態を設定するように構成しても良い。
なお、普通図柄の高確率状態の設定契機としてさらに別の設定契機を設けても良く、例えば、特別図柄抽選の結果が大当たり当選以外の特定の抽選結果(例えば、小当たり当選)となった回数を計測する計測手段を設け、その計測手段の計測結果が所定の計測結果である場合に、普通図柄の高確率状態を設定する設定契機が成立するように構成しても良いし、前回の大当たり遊技が終了してからの遊技結果(出玉の増減)が所定範囲を超えた場合(例えば、出玉の減少度合いが著しく激しい場合)に普通図柄の高確率状態を設定する設定契機が成立するように構成しても良い。
さらに、普通図柄の高確率状態を設定する設定契機の成立度合い(成立のし易さ)を、過去の遊技結果に応じて異ならせても良く、例えば、過去の当選した大当たりが、遊技者に不利な大当たりに偏っている場合、即ち、遊技者に不利となる遊技が所定期間継続している場合において、普通図柄の高確率状態を設定する設定契機が成立し易くなるように構成しても良いし、遊技者に有利となる遊技が所定期間継続している場合において、普通図柄の高確率状態を設定する設定契機が成立し難くなるように構成しても良い。このように構成することで、長時間遊技を行っている遊技者に対して、過剰に不利な遊技、或いは、過剰に有利な遊技が継続して実行されてしまうことを抑制することができる。
上述した各実施形態においては、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態において時短終了条件が成立した場合に、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定するように構成している。そして、時短終了条件として、特別図柄変動回数が所定回数(例えば、100回)実行された(される)場合に成立する時短終了条件が設定されるように構成している。
なお、時短終了条件の内容はこれに限ること無く、例えば、特別図柄の種別に応じて異なる時短終了条件を設定しても良く、具体的には、第1特別図柄の変動回数が第1回数実行された場合や、第2特別図柄の変動回数が第2回数実行された場合や、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数との合算回数が第3回数実行された場合等で時短終了条件が成立するように構成しても良い。
また、特別図柄変動の実行回数に基づいて成立する時短終了条件を設定する場合には、その時短終了条件が成立する特別図柄変動回数として、様々な回数を設定可能に構成しても良く、上述した各実施形態に示した通り、特別図柄変動回数が100回に到達した場合以外に、特別図柄変動回数が100回よりも多い回数(例えば、200回)実行された場合に時短終了条件が成立するように構成しても良いし、100回よりも少ない回数(例えば、50回)実行された場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。さらに、時短状態を設定させるために成立した設定契機(大当たり種別や特別図柄変動回数等)に応じて、時短終了条件の内容を異ならせても良く、1の設定契機が成立した場合よりも、他の設定契機が成立した場合のほうが、時短終了条件が成立し易くなるように、時短終了条件が成立する特別図柄変動回数を少なくするように構成すると良い。このように構成することで、時短状態が設定された場合において、どのタイミングで時短状態が終了するのかを遊技者に分かり難くすることができると共に、どの設定契機が成立したことに基づいて時短状態が設定されたのかについて遊技者に興味を持たせることができる。
加えて、時短終了条件を成立させる要素として特別図柄変動の実行回数以外の要素を用いても良く、例えば、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(小当たり)となった回数が所定回数に到達した場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。
また、時短終了条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させるタイミングとしては、対応する特別図柄変動(抽選)の開始タイミングでも良いし、対応する特別図柄変動の停止タイミングでも良いし、対応する特別図柄変動の次の特別図柄抽選が実行されるまでの特定タイミングでも良い。さらに、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)の開始タイミングや、終了タイミングで時短状態を終了させても良いし、普通図柄変動の開始タイミングや停止タイミング、普図当たり遊技の開始タイミングや終了タイミングで時短状態を終了させても良い。
この場合、何れの時短終了条件が成立した場合であっても、同一のタイミングで時短状態を終了させるように構成しても良いし、成立した時短終了条件の種別に応じて異なるタイミングで時短状態を終了させるように構成しても良く、例えば、特別図柄変動の実行回数に基づいて時短終了条件が成立した場合には、特別図柄変動に関わる所定タイミングで時短状態を終了させ、特別図柄抽選の結果に基づいて時短終了条件が成立した場合(小当たり当選等)には、その抽選結果に基づいて実行される当たり遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)に関わる所定タイミングで時短状態を終了させるように構成すると良い。このように構成することで、成立した時短終了条件の種別に応じて、時短状態を終了させるタイミングを異ならせることができるため、時短状態がいつまで継続するのかをより分かり難くすることができる。
上述した各実施形態では、遊技状態として、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合において、大当たり当選すること無く、出玉を増加させることが可能な遊技性(頻繁に発生する小当たり遊技によって出玉を増加させることが可能な遊技性)で遊技が実行されるように構成しているが、大当たり当選すること無く、出玉を増加させることが可能な遊技性として、異なる遊技性を用いることにより、他の遊技状態が設定されている状態であっても、出玉を増加させることが可能となるように構成しても良い。
例えば、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に球が入球し易くなる入球口(例えば、右第1入球口64b2)に球が入球した場合に払い出される賞球数として多くの賞球数を設定することにより、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に、大当たり当選すること無く、出玉を増加させることが可能となるように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄の大当たり当選を目指す遊技と、普通図柄の当たり当選を目指す遊技と、を遊技者に重複して実行させることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上することができる。
さらに、普通図柄の高確率状態が設定される第1遊技状態(時短状態)と、第2遊技状態(確変状態)とで、単位時間当たりにおける出玉数を異ならせるために普通図柄変動時間の長さを異ならせたり、普図当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技の遊技期間のうち、実際に球を右第1入球口64b2へと入球させることが可能な期間の長さを異ならせたりすることができるように構成しても良く、第1遊技状態のほうが、第2遊技状態よりも、単位時間当たりにおいて多くの出玉を獲得可能に構成しても良い。
なお、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で、大当たり当選すること無く出玉を増加させることが可能な性能を有した遊技機に対して、普通図柄の高確率状態を設定させるための設定契機として上述した設定契機(特別図柄変動回数に基づいて成立する設定契機)を設けると良い。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態において大当たり当選すること無く長時間の間、特別図柄変動(抽選)を実行している遊技者に対して、普通図柄の高確率状態を設定し、出玉を増加させる遊技(救済遊技)を実行させることが可能となる。よって、遊技者に対して過剰に不利な遊技結果となる遊技が実行されることを抑制することができる。
上述した通り、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)において大当たり当選すること無く実行される遊技によって出玉を増加させることが可能な構成としては、例えば、時短状態中に継続して発射される球数に対して、払い出される賞球数が同等或いは、若干(発射された球数の1倍~1.2倍程度の範囲)多くなるように構成すれば良い。このように構成することで、時短状態中の遊技が長くなり易い遊技仕様(例えば、特別図柄の大当たり確率が低い遊技仕様や、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動パターンとして比較的長い変動時間が設定される遊技仕様)の遊技機であっても、長時間継続する時短状態中の遊技に対して遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
以上、普通図柄の高確率状態に関する構成について説明をしたが、同様の内容を特別図柄の高確率状態に関する構成として適用しても良い。この場合、上述した内容の普通図柄に対応する要素を、特別図柄へと変更した内容の構成を適用すれば良い。このように構成することで、特別図柄の確率状態(低確率状態、高確率状態)に対しても、どのタイミングで設定されるかを遊技者に分かり難くすることができ、遊技の興趣を向上させることが出来る。さらに、普通図柄、特別図柄の何れに対しても、上述した内容の構成を用いても良い。
<普通図柄の低確率状態に関する構成について>
上述した各制御例では、第1始動入球口(例えば、第1入球口64)と、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技が実行された場合に、遊技球が入球し易くなる第2始動入球口(例えば、第2入球口640)と、を設け、第1始動入球口へと遊技球が入球したことに基づいて実行される特別図柄抽選(例えば、第1特別図柄抽選)よりも、第2始動入球口へと遊技球が入球したことに基づいて実行される特別図柄抽選(例えば、第2特別図柄抽選)の方が遊技者に有利となる特別図柄抽選が実行されるように構成していた。
そして、普通図柄の確率状態として、低確率状態と高確率状態とを設定可能に構成し、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも普通図柄の高確率状態が設定されている場合の方が、第2特別図柄抽選を実行し易くなるように構成していた。また、上述した第2制御例以降に記載の各制御例においては、特別図柄抽選において大当たり当選したことに基づいて成立する第1設定条件が成立した場合に普通図柄の高確率状態を設定する構成と、特別図柄抽選において時短図柄当選したことに基づいて成立する第2設定条件が成立した場合に普通図柄の高確率状態を設定する構成と、抽選結果が大当たりでは無い特別図柄抽選が連続して実行された回数(ハマり回数)が所定回数に到達した場合に成立する第3設定条件が成立した場合に普通図柄の高確率状態を設定する構成と、を少なくとも1つを用いて、普通図柄の高確率状態を設定可能な遊技機について記載しているが、普通図柄の高確率状態を設定すること無く、普通図柄の確率状態を低確率状態のまま、第2特別図柄抽選を実行させ易くする制御を実行可能に構成しても良い。
具体的には、上述した第12制御例に記載したように、普通図柄の低確率状態において、電サポ状態を付与可能に構成すると良い。また、上述した各制御例において用いられている普通図柄の低確率状態から普通図柄の高確率状態へと移行するための処理を、普通図柄の低確率状態から普通図柄の低確率状態において電サポ状態が付与されている状態へと移行するための処理に置き換えた制御を実行するように構成しても良い。
<特別図柄の高確率状態に関する構成について>
上述した各実施形態では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される割合として、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別と、で同一の割合が予め規定されている構成を用いているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定可能な大当たり種別が設定されている状態(特別図柄の高確率状態を設定するための権利を獲得している状態)において、大当たり遊技中に球を特定領域へと通過させることにより、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定するように構成し、第1特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技と、第2特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技とで、大当たり遊技中に特定領域へと球を通過させることが可能な有利大当たり遊技と、大当たり遊技中に特定領域へと球を通過させ難い不利大当たり遊技と、の実行割合を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される割合として、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別と、で同一の割合を予め規定している場合であっても、実際に特別図柄の高確率状態が設定される割合を、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、で異ならせることが可能となる。
なお、それ以外の構成を用いても良く、例えば、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別とで、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される割合を異ならせて予め規定するように構成しても良い。この場合、さらに、大当たり当選した時点における遊技状態(当選時遊技状態)におうじて、同一の特別図柄種別に対して、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される割合を異ならせるように予め規定するように構成しても良い。
また、所定の設定抽選を実行可能に構成し、その設定抽選の結果に基づいて、各特別図柄の大当たり種別に対して大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるか否かを決定する情報を付与するように構成しても良い。つまり、予め定められている大当たり種別に対して、当該大当たり種別が設定された場合において設定される遊技状態の種別を、遊技状況に応じて異ならせるように構成しても良い。この場合、遊技状況としては、例えば、所定期間内における大当たり当選状況や、大当たり遊技間に実行された特別図柄変動回数や、遊技者が獲得している出玉量等があり、遊技状況の判別結果が、遊技者に不利な判別結果である場合のほうが、遊技者に有利な判別結果である場合よりも、特別図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して過剰に不利な遊技結果となる遊技が実行されることを抑制することができる。
また、同様に、特別図柄の高確率状態が設定されている状態において大当たり当選した場合に、その大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合に対しても、上述した内容を適用して構成しても良い。
上述した各実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されている状態における特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合として、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別と、で同一の割合が予め規定されている構成を用いているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定可能な大当たり種別が設定されている状態(特別図柄の高確率状態を設定するための権利を獲得している状態)において、大当たり遊技中に球が特定領域を通過しなかったことにより、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態を設定するように構成し、第1特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技と、第2特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技とで、大当たり遊技中に特定領域へと球を通過させることが可能な有利大当たり遊技と、大当たり遊技中に特定領域へと球を通過させ難い不利大当たり遊技と、の実行割合を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合として、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別と、で同一の割合を予め規定している場合であっても、実際に特別図柄の低確率状態が設定される割合を、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、で異ならせることが可能となる。
なお、それ以外の構成を用いても良く、例えば、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別とで、特別図柄の高確率状態中に当選した大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合を異ならせて予め規定するように構成しても良い。この場合、さらに、大当たり当選した時点における遊技状態(当選時遊技状態)に応じて、同一の特別図柄種別に対して、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合を異ならせるように予め規定するように構成しても良い。
また、所定の設定抽選を実行可能に構成し、その設定抽選の結果に基づいて、各特別図柄の大当たり種別に対して大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定されるか否かを決定する情報を付与するように構成しても良い。つまり、予め定められている大当たり種別に対して、当該大当たり種別が設定された場合において設定される遊技状態の種別を、遊技状況に応じて異ならせるように構成しても良い。この場合、遊技状況としては、例えば、所定期間内における大当たり当選状況や、大当たり遊技間に実行された特別図柄変動回数や、遊技者が獲得している出玉量等があり、遊技状況の判別結果が、遊技者に有利な判別結果である場合のほうが、遊技者に不利な判別結果である場合よりも、特別図柄の低確率状態が設定され易くなるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して過剰に有利な遊技結果となる遊技が実行されることを抑制することができる。
さらに、上述した各実施形態では、特別図柄の高確率状態を終了させるための終了条件として、特別図柄抽選の大当たり当選に基づく終了条件を設定可能に構成しており、特別図柄の高確率状態が設定された場合において、次の大当たりに当選するまで特別図柄の高確率状態が継続するように構成していたが、これ以外の終了条件を設けても良く、上述した各実施形態における普通図柄の高確率状態を終了させるための時短終了条件として用いた構成を、特別図柄の高確率状態を終了させるための終了条件として用いても良い。
具体的には、特別図柄の高確率状態が設定されてからの特別図柄変動回数が特定回数(例えば、150回)に到達した場合に終了条件が成立するように構成しても良い。これにより、大当たり当選する確率が高い特別図柄の高確率状態を、大当たり当選することなく終了させることが可能となるため、特別図柄の高確率状態が設定されている遊技状態を遊技している遊技者に対して、終了条件が成立するよりも前に大当たり当選させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、上述した終了条件と、時短終了条件と、を両方有するように遊技機を構成しても良く、この場合、終了条件として設定される特別図柄変動の実行回数と、時短終了条件として設定される特別図柄変動の実行回数と、が異なる実行回数となるように構成すると良い。このように構成することで、各終了条件が成立する毎に遊技状態を切り替えることが可能となるため、遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができる。
さらに、終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、終了条件が成立するタイミングを遊技者に分かり難くさせることができる。
また、終了条件として設定される特別図柄変動回数を異ならせることが可能に構成した遊技機に対して、特別図柄変動回数に関わる終了条件を設定可能に構成する場合には、終了条件として設定可能な特別図柄変動回数のうち、第1変動回数を、時短終了条件が成立する特別図柄変動回数よりも少ない変動回数とし、第1変動回数とは異なる第2変動回数を、時短終了条件が成立する特別図柄変動回数よりも多い変動回数とするように構成すると良い。このように構成することで、設定される終了条件に応じて、終了条件と時短終了条件とのうち、先に成立する条件を異ならせることができる。
よって、例えば、第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状況において、次に設定される遊技状態が第2確変状態)(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)となるか、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)となるかを、設定されている終了条件の内容に応じて異ならせることができるため、遊技者に対して、設定されている終了条件の内容に興味を持たせながら、次に設定される遊技状態を予測させる遊技を実行させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、このように、終了条件や時短終了条件として異なる内容を設定可能に構成した遊技機においては、現在設定されている各条件の内容を示すための情報を、遊技者に報知可能な報知演出を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、各条件が成立し得るタイミングや、設定されている各条件の内容を、遊技者に予測させるための情報を遊技者に付与することができるため、実行される報知演出に対して興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
以上、特別図柄の高確率状態を終了させるための終了条件として、特別図柄変動の実行回数に基づいて成立する終了条件について説明をしたが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるための抽選(転落抽選)を、特別図柄の大当たり抽選(特別図柄抽選)とは別に実行可能に構成し、その転落抽選に当選した場合に終了条件が成立するように構成しても良い。この場合においても、転落抽選の当選確率や、特別図柄抽選が1回実行される期間における転落抽選の実行回数を異ならせることが可能に構成することで特別図柄の高確率状態中における終了条件の成立のし易さを異ならせるように構成しても良い。これにより、特別図柄の高確率状態が設定されてから終了条件が成立するタイミングを遊技者に分かり難くさせることができる。
<高確率状態を連続して設定可能な期間に上限を設ける機能(リミット機能)について>
特別図柄の確率状態として高確率状態と低確率状態を、普通図柄の確率状態として高確率状態と低確率状態を、それぞれ設定可能であって、設定される確率状態に応じて異なる有利度合いの遊技状態を設定可能な遊技機において、遊技者に有利となる確率状態(例えば、高確率状態)が連続して設定される回数に上限を設定し、上限に到達した場合に遊技者に有利となる確率状態(例えば、高確率状態)を、その確率状態よりも不利な確率状態(例えば、低確率状態)を強制的に設定する機能(リミット機能)を設けることで、遊技者に有利な遊技状態が過剰に設定されてしまい、遊技者に対して過剰に有利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
このようなリミット機能を有する遊技機において、成立するリミット設定条件に応じて、リミット機能の発動条件を異ならせるように構成しても良く、具体的には、大当たり当選した場合に設定される大当たり種別に基づいて、リミット機能が発動し易い第1発動条件と、その第1発動条件よりも発動し難い第2発動条件と、のうち、何れかの発動条件を選択し、設定するように構成しても良い。
具体的には、特別図柄の高確率状態が連続して設定される回数に上限を設定し、上限に到達した場合に特別図柄の低確率状態を強制的に設定する確変リミット機能を有する遊技機において、大当たり種別に応じて確変リミット機能が発動するまでの上限値を異ならせて設定可能に構成し、第1大当たり種別が設定された場合には上限が「5回」、第1大当たり種別とは異なる第2大当たり種別が設定された場合には上限が「3回」となるように発動条件を設定可能に構成すると良い。
このように構成することで、発動条件として設定された値に応じて、遊技者に有利な遊技状態で遊技を継続して実行可能な有利遊技期間の長さを、設定される大当たり種別に基づいて異ならせることができる。
なお、上述した例では、特別図柄の高確率状態に対するリミット機能(確変リミット機能)について説明をしたが、これに限ること無く、普通図柄の高確率状態に対するリミット機能(時短リミット機能)に対して上述した内容を適用しても良いし、各リミットに対して、上述下内容を複合させて適用しても良い。さらに、図柄種別の確率状態として、低確率状態のほうが高確率状態よりも遊技者に有利な遊技状態となり得る遊技仕様の遊技機に対しては、低確率状態が連続して設定される回数に対して上限を設定し、上限に到達した場合に高確率状態を強制的に設定するリミット機能を設けても良い。
加えて、上述した例では、遊技者に過剰に有利な遊技の実行を抑制することを目的として上述したリミット機能を用いているが、リミット機能を他の目的のために用いても良く、例えば、遊技者に不利な遊技状態(低確率状態)が連続して設定される回数に上限を設け、上限に到達した場合に、遊技者に有利な遊技状態(高確率状態)を強制的に設定するリミット機能を設けても良い。このように構成することで、遊技者に過剰に不利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
<特定領域を球が通過したことに基づいて当たり遊技を実行可能な構成について>
上述した各実施形態では、特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に、大当たり遊技を実行可能に構成していた。遊技者に有利な大当たり遊技の実行契機として別の実行契機を設けても良く、例えば、球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと球が入球したことに基づいて動作条件が成立した場合に、第1状態と、その第1状態とは異なる第2状態とに可変可能な可変パターンで開放動作される可変手段と、その可変手段が第1状態へと可変された場合に、第2状態へと可変された場合よりも球が入球し易い第2入球手段と、その第2入球手段へと入球した球が通過可能な特定領域と、その特定領域へと球が通過したことに基づいて大当たり遊技を実行可能な大当たり遊技実行手段と、を有する構成、即ち、球が特定領域を通過したことに基づいて大当たり遊技の実行契機が成立するように構成した遊技機(所謂、2種仕様)としても良い。このように構成することで、第2入球手段へと入球した球の挙動によって、大当たり遊技が実行されるか否かが決定されるため、遊技者に対して球の挙動を楽しませることができる。
なお、このような2種仕様の遊技機において、上述した入球手段へと球が入球したことに基づいて動作条件が成立するように構成しても良いし、入球手段へと球が入球したことに基づいて動作抽選を実行し、その動作抽選に当選した場合に動作条件が成立するように構成しても良く、前者の場合は、入球手段へと球が入球したことにより必ず動作条件を成立させることができるため、遊技者に対して球の挙動に興味を持たせ易くすることができる。一方、後者の場合は、入球手段へと球が入球したとしても動作抽選で当選しない限り動作条件が成立しないため、入球手段への球の入球頻度を高めることができる。
さらに、上述した2種仕様の遊技機において、第2入球手段へと入球した球の流路として、特定領域を通過可能な第1流路と、その第1流路よりも特定領域を通過困難な第2流路とを少なくとも含む複数の流路を設け、さらに、第2入球手段へと入球した球を複数の流路の何れかへと振分可能な振分手段を設け、その振分手段の振分状況に応じて第2入球手段に入球した球が特定領域を通過する割合を可変させるように構成しても良い。
このように構成することで、振分手段の振分状況によって、大当たり遊技の実行契機の成立度合いを異ならせることができるため、第2入球手段へと入球した球がどのタイミングで振分手段へと到達するのかに興味を持たせることができる。
上述した通り、振分手段の振分状況によって、大当たり遊技の実行契機の成立度合いを異ならせることが可能な構成を有する遊技機においては、振分手段の振分動作内容として、パチンコ機10に電源が投入されてから常時一定の動作が実行されるように構成しても良いし、入球手段への球の入球、動作条件の成立、或いは、第2入球手段への球の入球の何れかに基づいて、常時一定の動作が実行されるように構成しても良い。
さらに、振分手段の振分動作内容を成立条件に応じて異ならせても良く、例えば、動作抽選に当選した場合における当選種別に応じて、特定領域を球が通過し易い第1振分動作内容と、第1振分動作内容よりも特定領域を球が通過し難い第2振分動作内容とを少なくとも含む複数の振分動作内容のうち何れかの振分動作内容を決定し、振分手段を動作させるように構成しても良い。
また、特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、特定領域を球が通過した場合と、の何れにおいても大当たり遊技の実行契機が成立可能に構成された遊技機(所謂、1種2種混合仕様)において、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技中に、球が特定領域を通過することにより、実行中の大当たり遊技の実行期間を延長可能、換言すれば、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技中に、球が特定領域を通過することにより、実行中の大当たり遊技が途中で終了すること無く継続可能となるように構成しても良い。即ち、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技中に、球が特定領域を通過しなかった場合には、実行中の大当たり遊技が延長されない(強制的に終了される)ように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果と、特定領域に向けて流下する球の挙動との両方に対して遊技者に興味を持たせることができる。
<球の落下方向に変化を与えるための構成について>
パチンコ機10に構成される遊技盤13に形成される遊技領域を流下する球の流下方向(落下方向)に変化を与えるための構成として、上述した各実施形態にて用いた釘部材、即ち、重力方向に逆らうことの無い範囲で球の流下方向に変化を与えることが可能な部材とは別に、重力方向とは異なる方向(例えば、上昇方向)に向けて球を移動させるための手段を設けても良く、例えば、電気的駆動源を用いたり、他の球の移動エネルギーを用いたりすることで、重力方向とは異なる方向(例えば、上昇方向)に向けて球を移動させる(例えば、上昇させる)ための移動手段を設けても良い。
このように構成することで、遊技領域を流下する球の移動方向を、重力方向とは異なる方向も含めた様々な方向にすることができるため、球の挙動を注視する遊技者に対して意外性のある球の移動を提供することができる。また、遊技領域の最下流付近に到達した球、即ち、遊技者に特典が付与される入球口へと入球しなかった球を、遊技領域の上流側へと移動(上昇)させることが可能となるため、1の球の挙動に対して最後まで遊技者に期待を持たせることができる。
さらに、例えば、球が通過可能なゲート部材を遊技領域に設け、そのゲート部材を球が通過した場合に所定の特典を付与可能に構成した遊技機において、そのゲート部材を通過した球が到達し得る領域に移動手段を設け、移動手段によってゲート部材よりも上方に球が排出されるように構成すると良い。このように構成することで、1の球によって複数の特典を遊技者に付与可能という斬新な遊技性を提供することが可能となる。
また、上述した移動手段を、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)中に球が入球し易くなる領域(例えば、当たり遊技中に開放される入賞装置の内部領域)に設けても良い。このように構成することで、入賞装置の内部において球を上昇させることが可能となるため、例えば、大当たり遊技の特定ラウンド中に球を特定領域へと通過させることで遊技者に有利な特典を付与可能に構成された遊技機において、特定ラウンドよりも前のラウンドで入賞装置へと入賞した球を、移動手段によって上昇させることで、所定期間の間、滞留させ、滞留されている球が排出されるタイミングに応じて、特定ラウンド中に特定領域を通過可能に構成することが可能となる。
このように、球を所定期間の間、特定の領域範囲内で滞留させるために移動手段を用いても良い。このように構成することで、特定の領域範囲内から球が排出されるタイミングを遊技者に予測させ難くすることができる。
<入球口への球の入球に作用して、別の入球口を開放させる構成について>
遊技球が入球可能な第1作動口と、その第1作動口へと遊技球が入球したことに作用して、第1作動口へと遊技球が入球し易くなる第1状態に作動する第1作動部材と、を設け、第1作動部材が、第1作動口へと所定数(例えば、2個)の遊技球が入球したことに作用して、第1状態よりも第1作動口へと遊技球が入球し難くなる第2状態へと作動するように構成する。
そして、第1作動口へと入球した遊技球が特定領域に入球したことに作用して、第1作動口とは異なる第2作動口へと遊技球が入球可能な第3状態へと作動する第2作動部材を設ける。この第2作動部材は、第2作動口へと所定数(例えば、1個)の遊技球が入球した場合に第3状態よりも第2作動口へと遊技球が入球し難い第4状態へと作動するように構成する。
このように構成することにより、第1作動口へと遊技球が入球したことに基づいて、第2作動部材が第3状態へと作動することにより第2作動口へと遊技球を入球させることが可能となり、その状態で第2作動口へと遊技球を1個入球させることにより第2作動部材が第4状態へと作動する。そして、第1作動部材が第1状態である第1作動口へと再度遊技球を入球させることにより、第2作動部材を再度第3状態へと再度作動させ、第2作動口へと遊技球を入球させることが可能となる。
より具体的には、第1作動部材が第2状態である状態で第1作動口へと遊技球を入球させた場合に、最大で4個の球を作動口(第1作動口、第2作動口)へと入球させることが可能になる。さらに、第2作動口へと入球した遊技球が、第2特定領域へと入球したことに基づいて第1当否抽選(第1普通図柄の抽選)を実行し、第1当否抽選の結果が当たり当選(当たり確率約1/2)である場合に、第1可変入球手段への遊技球の入球を規制可能な第1普通電動役物を第1閉鎖条件(例えば、5.8秒経過、或いは、4個入賞)が成立するまで開放動作(第1可変入球手段への遊技球の入球を許容可能な状態へと可変)させる。そして、第1可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な第3特定領域へと入球したことに基づいて、第2当否抽選(第2普通図柄抽選)を実行し、第2当否抽選の結果が当たり当選(当たり確率約1/1)である場合に、第2可変入球手段への遊技球の入球を規制可能な第2普通電動役物を第2閉鎖条件(例えば、5.8秒経過、或いは、4個入賞)が成立するまで開放動作(第2可変入球手段への遊技球の入球を許容可能な状態へと可変)させる。そして、第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な第4特定領域へと入球したことに基づいて、第3当否抽選(第3普通図柄抽選)を実行し、第3当否抽選の結果が当たり当選(当たり確率約1/1)である場合に、第3可変入球手段への遊技球の入球を規制可能な第3普通電動役物を第3閉鎖条件(例えば、5.8秒経過、或いは10個入賞)が成立するまで開放動作(第3可変入球手段への遊技球の入球を許容可能な状態へと可変)させるように構成すると良い。
この場合、第1作動口へと遊技球を入球(入賞)させたことに基づいて各作動口へと入賞させることが可能となる遊技球の最大入賞数を、第1作動口への最大入賞数「2」に、第1作動口への最大入賞数(2)に対して、第1作動口へと遊技球を入賞させる毎に、入賞可能となる第2作動口への最大入賞数(1)を乗じた値「2」を加算させた「4」と算出しても良いし、第1作動口へと遊技球を入球(入賞)させたことに基づいて実行される当たり遊技(複数の普通電動役物を用いた当たり遊技)が実行されるまでの期間において各作動口へと入賞させることが可能となる遊技球の数を最大入賞数、即ち、当たり遊技を1回実行させるまでに要する入賞数(第1作動口への入球数「1」に、第2作動口への入球数「1」を加算した「2」)として算出するように構成しても良いし、第1作動口への最大入賞数に、第1作動口への最大入賞数に対して、第1作動口へと遊技球を入賞させる毎に、入賞可能となる第2作動口への最大入賞数を除した値を加算させたものを最大入賞数としても良い。
そして、最大入賞数が予め定められた制限数に到達した場合に当たり遊技を終了させるように構成し、切替条件が成立したことに基づいて、制限数に到達したか否かを判別する際に算出される最大入賞数の値を、上述した様々な算出式により算出された値(最大入賞数)の中から切り替えて参照するように構成しても良い。そして、切り替えられた値が制限数に到達していない場合は、切り替えた後の最大入賞数が制限数に到達するまで当たり遊技を延長可能に構成しても良い。
つまり、算出後の値を異ならせることが可能な様々な算出式を用いて、第1作動口へと遊技球が入賞した場合において一連の遊技の流れで複数の作動口へと入賞させることが可能な遊技球数が制限数となるように各作動口への最大入賞数を規定しておき、条件に応じて、最大入賞数を特定するための算出式を異ならせて特定し、特定した算出式に対応して規定された各作動口への最大入賞数に基づいて当たり遊技を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、特定された算出式によって、当たり遊技の内容(各作動口、各可変入球手段への合計入賞数)を異ならせることができる。
また、上述した最大入賞数の値を条件に応じて異ならせるように構成しても良く、例えば、第1条件が成立した場合には、第1作動口への最大入賞数を「2」から「3」へと変更し、第1条件とは異なる第2条件が成立した場合には、第1作動口への最大入賞数を「2」から「1」へと変更するように構成しても良い。このように構成することで、成立する条件に応じて、第1作動口へと遊技球が入球したことを契機に実行される当たり遊技(各作動口、可変入球手段へと遊技球を入球させる遊技)の内容を異ならせることができるため、遊技者に有利な有利成立条件(当たり遊技中に付与される賞球数の合計が多くなる設定がされる成立条件)が成立すること、及び有利成立条件が成立している状態で当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
<複数段階の設定値を設定可能な遊技機について>
大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、複数段階の設定値が設けられているパチンコ機において、設定された設定値を変更することにより、特別図柄抽選によって当たり当選(大当たり当選、小当たり当選等)する確率を異ならせる構成以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄抽選で当たり当選する確率として第1確率が設定される第1遊技状態(特別図柄の低確率状態)と、その第1確率よりも当たり当選する確率が高い第2確率が設定される第2遊技状態(特別図柄の高確率状態)と、を設定可能な遊技機であって、第2遊技状態が継続する期間として特定期間、例えば、特別図柄抽選の実行回数が所定回数となるまで継続する期間や、所定の終了抽選(所謂、転落抽選)に当選するまでの期間が設定される場合において、設定された設定値に応じて特定期間の長さを異ならせるように構成しても良く、例えば、遊技者に有利な設定値が設定された場合のほうが、遊技者に不利な設定値が設定された場合よりも、第2遊技状態が継続する特定期間が長くなり易くなるように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄抽選の当たり確率を設定値に応じて変更する構成を用いなくても、第2遊技状態が継続する長さを異ならせることで、設定された設定値に応じて特別図柄抽選による当たり当選頻度を異ならせることができる。
上述した例では、複数段階の設定値が設けられているパチンコ機において、遊技状況に関わらず遊技者に有利な設定値と、遊技者に不利な設定値と、を設定可能に構成した例を示しているが、これに限ること無く、パチンコ機10において設定される各種遊技状況(例えば、特別図柄の確率状態と普通図柄の確率状態との組合せにより設定される複数種類の遊技状態のうち、特定の遊技状態が設定されている遊技状況、大当たり遊技が実行されている遊技状況、小当たり遊技が実行されている遊技状況)のうち、少なくとも1の遊技状況において、遊技者に有利となる設定値と、遊技者に不利となる設定値と、を設定可能に構成しても良いし、特定の設定値が設定されている場合のほうが、特定の設定値以外の所定の設定値が設定されている場合よりも、特定の遊技状況において遊技者に有利となり、特定の設定値が設定されている場合よりも、特定の設定値以外の所定の設定値が設定されている場合のほうが、特定の遊技状況以外の所定の遊技状況において遊技者に有利となるように各設定値に対応して設定される遊技の内容を規定しても良い。
このように構成することで、設定されている設定値に対して、絶対的な有利不利が排除され、実行される遊技状況に応じて各設定値の相対的な有利度合いを切り替えることが可能となるため、どのような設定値が設定されている場合であっても、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、設定されている設定値を把握した遊技者に対して、設定されている設定値が他の設定値よりも相対的に有利となる遊技状況における遊技を期待させながら遊技を行わせることができる。つまり、設定されている設定値に応じて遊技者が所望する遊技状況として異なる遊技状況を設定することが可能となる。よって、遊技者が早期に飽きることの無い遊技を提供することができる。
なお、上述した例では、設定された設定値に応じて遊技者の有利度合いを異ならせることを目的とした構成について説明をしたが、それ以外の目的で複数段階の設定値を設けるように構成しても良く、例えば、遊技者への有利度合いを変えること無く、その有利度合いに対応した特典が遊技者に付与されるまでの遊技過程が設定値に応じて異なるように構成しても良く、例えば、設定されている設定値に応じて特別図柄の大当たり確率を異ならせたパチンコ機10において、所定期間内に大当たり当選する確率(期待度)が設定値によって異ならない(大きく相違しない)ように、設定値に応じて所定期間の長さを異ならせても良く、例えば、設定値「1」が設定された場合には、特別図柄抽選が10回実行されるまでの特定期間の間、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が1/10となる遊技(特定期間中に大当たり当選する確率が、約65%)を実行可能にし、設定値「6」が設定された場合には、特別図柄抽選が9回実行されるまでの特定期間の間、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が1/9となる遊技(特定期間中に大当たり当選する確率が、約65%)を実行可能に構成すると良い。
このように構成することで、各設定値に応じて特別図柄抽選の大当たり確率を変更した場合であっても、遊技者への有利度合いを大きく変えること無く、遊技内容のみを異ならせることが可能となる。よって、遊技者に対して多様な遊技を実行させることができる。
また、上述した複数段階の設定値をパチンコ機への電源投入に基づく処理(初期設定処理)の一環として設定(変更)可能に構成すると良い。このように構成することで、パチンコ機に電源が投入されている状況において設定値が変更されることを抑制することができるため、例えば、遊技中の遊技者が不正に設定値を操作するという不正遊技が行われ難くすることができる。
なお、設定値を設定(変更)可能なタイミングとして、それ以外のタイミングを用いても良く、例えば、パチンコ機の遊技結果として、出玉(パチンコ機から払い出された球数からパチンコ機での遊技に用いた球数を差し引いた値)が上限数以上払い出されたことに基づいて現在設定されている設定値から異なる設定値(遊技者に不利となる設定値)へと変更させたり、出玉(パチンコ機から払い出された球数からパチンコ機での遊技に用いた球数を差し引いた値)が下限数よりも払い出されなかったことに基づいて現在設定されている設定値から異なる設定値(遊技者に有利となる設定値)へと変更させたりするように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して過剰に有利な遊技や、過剰に不利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
上記各実施形態では、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223b2の値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞は最大4回まで、スルーゲート67の通過は最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数はこれに限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。また、特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の動的表示の表示態様と、普通図柄の抽選結果を示すための装飾図柄の動的表示の表示態様と、を遊技者が識別困難となるように、例えば、表示制御装置114が有する共通の画像データを用いて各表示態様を設定するように構成しても良い。
上述した各実施形態では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各実施形態では、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域(遊技領域)を異ならせるように構成しているが、これに限られること無く、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合と、その時短状態よりも遊技者に不利となる遊技状態(通常状態)の場合とで、遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しても良い。また、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。
上述した各実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、枠ボタン22を音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続させており、枠ボタン22を、パチンコ機10にて実行される演出の演出態様を、遊技者の操作に基づいて可変させるための演出用操作手段として用いているが、枠ボタン22に対する遊技者の操作に基づいてパチンコ機10で実行される各種演出の演出態様を可変させることができれば良く、例えば、枠ボタン22を表示制御装置114に対して電気的に接続させても良いし、操作手段(枠ボタン22)からの出力信号を入力可能にし、表示制御装置114、音声ランプ制御装置113、音声出力装置226、ランプ表示装置227へと出力可能な演出設定信号を生成可能な制御装置を設けても良い。このように構成することで、演出用操作手段を複数設けた場合であっても、複数の演出用操作手段から出力される出力信号(操作信号)を集中管理することができるため、演出用操作手段への遊技者の操作に対する演出態様を円滑に設定することができる。
大当たり種別の振り分け(割合)や、大当たり終了後の時短回数や確変回数(ST回数)、大当たり確率や小当たり確率、普通図柄の当たり確率、各入賞口への入賞に対する賞球数や、確変リミット回数等の遊技の仕様に関する数値(確率)は、上記各実施形態の数値に限定されるものではなく、各実施形態の趣旨を変更しない範囲で任意に変更することができる。有利な大当たり種別の割合を高くしたり、時短回数やST回数を多くしたり、大当たり確率や小当たり確率を高くしたり、賞球数を多くしたり、確変リミット回数を多くすることで、遊技者の有利度合いをより高めることができる。また、逆に、有利な大当たり種別の割合を低くしたり、時短回数やST回数を少なくしたり、大当たり確率や小当たり確率を低くしたり、賞球数を少なくしたり、確変リミット回数を少なくすることで、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
さらに、複数段階の設定を設定可能なパチンコ機10においては、設定されている設定値に基づいて、主制御装置110にて変動パターンを選択する際に参照される変動パターン選択テーブル202bの種別を異ならせたり、音声ランプ制御装置113にて第3図柄の変動パターン(変動演出)を選択する際に参照される変動パターン選択テーブル222aの種別を異ならせたり、変動演出として実行される詳細な演出態様を選択する際に参照される各種選択テーブルの種別を異ならせたりするように構成すると良い。このように構成することで、実行される変動演出の内容に応じて、パチンコ機10に設定されている設定値を予測することが可能となるため、遊技者が興味を持つ変動演出を実行することができる。
また、操作演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルを、パチンコ機10に設定されている設定値に基づいて異ならせる場合には、操作演出の演出態様として、設定されている設定値を示唆するための「設定示唆」の演出態様を、各設定値に対して用いられる各データテーブルで選択割合が同一となるように規定しておき、「設定示唆」の演出態様で実行される操作演出の演出内容を、各設定値に応じて異ならせるように構成し、その他の演出態様の選択割合を設定値に応じて可変させるように構成すると良い。このように構成することで、設定値を直接示唆する「設定示唆」の操作演出が実行された場合には、その演出内容を、それ以外の操作演出が実行された場合には、各演出態様の選択割合を、複合的に把握することにより、パチンコ機10に設定されている設定値を予測することが可能となるため、実行される様々な操作演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、上述した通り、操作演出における各演出態様の選択割合は、設定されている遊技状態に応じても異ならせるように構成しているため、例えば、遊技者に不利となる設定「1」から遊技者に有利となる設定「6」までの6段階で設定値を設定可能なパチンコ機10において、設定「1」~「3」が設定されており、且つ、遊技者に有利な第1遊技状態(確変状態)が設定されている場合に選択される操作演出の選択割合と、設定「4」~「6」が設定されており、且つ、第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態(時短状態)が設定されている場合に選択される操作演出の選択割合とを同一にすることで、遊技者に不利となる設定値が設定されているパチンコ機10を遊技している遊技者に対しても、遊技者に有利となる設定値が設定されているのではと思わせることができる。
このように、パチンコ機10に設定されている設定値と、その他の遊技状況(大当たりの抽選結果、設定されている遊技状態、選択された変動パターン(変動時間))とに基づいて演出態様の選択割合を可変させるように構成することで、パチンコ機10に設定されている設定値を遊技者に容易に判別されてしまうことを抑制することができる。
また、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態について、その全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種概念を示す。
<経路構成手段を通る球が被通過手段の目隠しになるポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、を備え、前記経路構成手段は、所定方向視における、前記被通過手段の上流側で前記経路構成手段を流下する第1の遊技球の手前側で、その第1の遊技球の少なくとも一部と重なる位置に配置可能な変位可能手段を備えることを特徴とする遊技機AA1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備え、球検出孔431付近が化粧板302によって認識し難く構成される遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、化粧板302により常に球検出孔431を認識し難く構成されているので、球検出孔431への入球を確認して遊技球の発射の継続または停止を行うという遊技態様に対応できず、遊技者が不満に感じる可能性があった。即ち、遊技球の発射操作と関連する部分において改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AA1によれば、経路構成手段において第1の遊技球の視認性を低下させる手段が所定の変位可能手段であるので、第1の遊技球が見え易い状態を構成可能とされる。従って、第1の遊技球が見え易い状態においては、第1の遊技球の流下を確認して、遊技球の発射操作の継続または停止の判断を行い易くなることから、遊技球の発射操作と関連する部分において改善することができる。
なお、所定の変位可能手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、別の遊技球でも良いし、遊技球の流下経路とガラスユニットとの間で変位可能に構成される装飾用部材でも良い。
なお、被通過手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、特定領域を構成する開口でも良いし、図柄の抽選に関わる入球口(例えば、始動口)でも良いし、賞球の払い出しに関わる賞球口でも良いし、遊技球が通過可能なその他の手段でも良い。
遊技機AA1において、前記変位可能手段は、前記第1遊技球の上流側を流下する第2の遊技球であることを特徴とする遊技機AA2。
遊技機AA2によれば、遊技機AA1の奏する効果に加え、被通過手段へ向けて案内される遊技球を利用して第1の遊技球の視認性を変化させることができるので、変位可能手段として他の装飾部材を用意する場合に比較して、材料コストや設計コストを低減することができる。
遊技機AA2において、前記経路構成手段は、第1の遊技球の正面側に第2の遊技球を配置可能な前後幅長さで形成される前後方向経路を備えることを特徴とする遊技機AA3。
遊技機AA3によれば、遊技機AA2の奏する効果に加え、第1の遊技球の正面側に、第2の遊技球を配置可能に前後方向経路が構成されるので、正面視において、第2の遊技球で第1の遊技球の少なくとも一部を隠すことができる。
遊技機AA3において、前記前後方向経路は、前記第1の遊技球と前記第2の遊技球とが、発射装置に設定された発射間隔で前記経路構成手段を流下した場合に、前記第2の遊技球が前記第1の遊技球の少なくとも一部を隠すよう構成されることを特徴とする遊技機AA4。
遊技機AA4によれば、遊技機AA3の奏する効果に加え、発射間隔のままで経路構成手段を複数の遊技球が流下した場合に、第1の遊技球を第2の遊技球で認識し難くする効果を奏することができる。これにより、認識し難い状況を平常時から生じさせることができる。
遊技機AA3又はAA4において、前記前後方向経路は、正面側構成部が、背面側構成部よりも遊技領域の中央側に配置されることを特徴とする遊技機AA5。
遊技機AA5によれば、遊技機AA3又はAA4の奏する効果に加え、被通過手段を見る遊技者の視線に沿う傾きを有する経路として前後方向経路を構成することができるので、第1の遊技球が第2の遊技球に隠される状態を生じ易くすることができる。即ち、目隠しの効果を向上させることができる。
遊技機AA5において、前記正面側構成部は、被通過手段を見る遊技者の視線上に配置されることを特徴とする遊技機AA6。
遊技機AA6によれば、遊技機AA5の奏する効果に加え、前後方向経路に配置される第1の遊技球と第2の遊技球との間隔の長短に関わらず、同様の目隠し効果を生じさせることができる。
即ち、通常であれば、第1の遊技球と第2の遊技球とが近接しているほど、目隠し効果を向上させることができると考えられるが、視線上に第1の遊技球および第2の遊技球が配置されている場合には、間隔の長短が及ぼす影響を無くすことができる。
遊技機AA2からAA6のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、第1の遊技球の正面側に第2の遊技球を配置可能な前後幅長さで形成される前後方向経路と、その前後方向経路の上流側で遊技球が左右方向に流下可能な左右幅で形成される左右方向経路と、を備えることを特徴とする遊技機AA7。
遊技機AA7によれば、遊技機AA2からAA6のいずれかの奏する効果に加え、左右方向経路を流下する遊技球によっても遊技者の視線を遮ることができるので、遊技者が、被通過手段に対して左右に位置ずれしない視線で被通過手段を視認する場合に限らず、左右に位置ずれして、覗き見るような視線に対しても、目隠し効果を生じさせることができる。即ち、遊技者の視線の方向に寄らず、被通過手段への入球態様を認識し難くすることができる(全方位で目隠し効果を生じさせることができる)。
この作用は、前後方向に延びる流路の左右片側を壁部で封じることにより顕著に生じる。即ち、左右片側が壁部で封じられている構成では、左右片側においては壁部が目隠しとなるので、被通過手段への視界が通らない状態を構成し易くできる。
遊技機AA1からAA7のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、遊技球が前記被通過手段を第1の態様で通過する第1の流下経路と、遊技球が第2の態様で通過する第2の流下経路と、を備え、前記第1の遊技球が、前記経路構成手段のいずれの流下経路を流下するかに関わらず、前記所定の変位可能手段に少なくとも一部を覆われて視認され得るよう構成されることを特徴とする遊技機AA8。
遊技機AA8によれば、遊技機AA1からAA7のいずれかの奏する効果に加え、被通過手段の通過の有無に関わらず、経路構成手段を流下する遊技球の流下態様を認識し難くし得るので、経路構成手段を流下する遊技球に対する注目力を向上させることができる。
なお、第1の態様や、第2の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、球の流下方向が違う態様でも良いし、球が通過する検出センサが異なる態様でも良い。
遊技機AA1からAA8のいずれかにおいて、前記被通過手段の上流側において遊技球の流下方向を分ける分岐手段を備え、前記分岐手段は、受け入れた遊技球の流下方向を切り替える切替手段を備え、前記経路構成手段は、分岐手段で流下経路が分けられる遊技球であって前記切替手段に到達した遊技球が、所定区間は同じ経路を流下するよう構成されることを特徴とする遊技機AA9。
遊技機AA9によれば、遊技機AA1からAA8のいずれかの奏する効果に加え、切替手段に到達した遊技球が所定区間は同じ経路を流下するので、切替手段に到達した遊技球が即座にその後の流下経路に対応した流下態様となる場合に比較して、遊技球の流下の把握を困難とすることができる。これにより、遊技球に対する遊技者の注目力を向上することができる。
遊技機AA9において、前記経路構成手段は、流下する遊技球側に突設される突設部を備え、その突設部は、前記分岐手段における遊技球の分岐に作用することを特徴とする遊技機AA10。
遊技機AA10によれば、遊技機AA9の奏する効果に加え、突設部で遊技球の分岐に作用することができるので、例えば、弁体の移動により分岐を生じさせる場合に比較して、構造の耐久性を向上させることができる。
遊技機AA10において、前記突設部は、所定方向に延びる第1突設部と、その第1突設部とは異なる方向に延びる第2突設部と、を備え、前記第1突設部の突設量と前記第2突設部の突設量とが異なるように構成されることを特徴とする遊技機AA11。
遊技機AA11によれば、遊技機AA10の奏する効果に加え、遊技球の流下態様に応じて、第1突設部が遊技球に与える影響と、第2突設部が遊技球に与える影響とを異ならせることができる。これにより、固定の第1突設部および第2突設部を利用しながら、遊技球の流下態様に応じた所定のルールで遊技球を分岐させる作用を生じさせることができる。
<経路構成手段を通る球が被通過手段への導入をアピールするポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、を備え、前記経路構成手段は、前記被通過手段よりも上流側を構成する所定部を備え、その所定部は、前記被通過手段よりも目立つ側に配置され、前記被通過手段へ遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機AB1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備え、球検出孔431付近が化粧板302によって認識し難く構成され、大入賞部品300の状態の違いによって、化粧板302から外れた位置を遊技球が流下したり、化粧板302の後方に隠されるようにして遊技球が流下したりする遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、化粧板302から外れて流下する視認性の良い遊技球は、むしろ球検出孔431を逸れて流下するよう構成され、化粧板302の後方に隠されるように流下する遊技球の一部が球検出孔431に案内されるので、遊技球の見え易さの良し悪しと、遊技者が得られる利益の多少とが対応しておらず、遊技球に注目したことが無駄になり易いので遊技者が不満に感じる可能性があった。即ち、注目を集めた後の遊技球の流下態様を、注目する意義があるものにするという点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AB1によれば、目立つ側に配置される所定部を流下した遊技球が、被通過手段へ案内可能に構成されていることから、遊技球に対する注目力の向上度合いと、遊技球が被通過手段を通過することとを対応づけることができる。従って、所定部を流下した遊技球が被通過手段を通過する可能性を向上させることができるので、注目を集めた後の遊技球に注目する意義があるという点で改善することができる。
また、このように構成することで、所定部を流下する遊技球で遊技者の視線を誘導し易くすることができ、被通過手段に遊技球が向かうことを遊技者が見逃す可能性を低くすることができる。
なお、被通過手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、特定領域を構成する開口でも良いし、図柄の抽選に関わる入球口(例えば、始動口)でも良いし、賞球の払い出しに関わる賞球口でも良いし、遊技球が通過可能なその他の手段でも良い。
なお、目立つ側の態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技者の目を引き易い表示装置側でも良いし、入賞口側や始動口側でも良いし、遊技者にとって視認し易い前方側(手前側)でも良いし、特定の入球口への入球確率が際立って高くなる箇所として視線が集まり易い部分としてのステージ(主に、センターフレームにより形成される枠の下縁部において遊技球を一時滞留させる箇所)側や、大当たり獲得に直結するV入賞口側や、操作対象としての球貸し装置側や、演出操作ボタン側や、入球口から逸れた遊技球が流下する範囲(遊技者が、悔しくてついつい目で追ってしまう範囲)側や、発光手段での明暗での切替として明るい側や、その他の側でも良い。また、目立ちがたい側を敢えて形成し、相対的に目立たせるようにしても良い。
遊技機AB1において、前記経路構成手段は、その経路構成手段へ入球した遊技球を、入球時よりも目立たなくする第2所定部を備え、前記所定部は、前記第2所定部よりも目立つ側に配置されることを特徴とする遊技機AB2。
遊技機AB2によれば、遊技機AB1の奏する効果に加え、経路構成手段に入球した遊技球が所定部を流下する前に、第2所定部において注目力を下げることで、所定部を流下する際の遊技球の注目力を際立たせることができる。
遊技機AB1又はAB2において、前記所定部は、遊技球の流下速度が異なる区間を備えることを特徴とする遊技機AB3。
遊技機AB3によれば、遊技機AB1又はAB2の奏する効果に加え、遊技球の流下速度に差が無い場合に比較して、遊技者の視線を集める効果を向上することができる。
遊技機AB3において、前記所定部を流下する遊技球の第1流下速度よりも、前記第2所定部を流下する遊技球の第2流下速度の方が高速となるよう構成されることを特徴とする遊技機AB4。
遊技機AB4によれば、遊技機AB3の奏する効果に加え、経路構成手段に入球した遊技球が所定部に到達するまでの期間を短縮することができる。
遊技機AB1からAB4のいずれかにおいて、前記所定部は、所定方向視における遊技球の変位速度が異なる区間を備えることを特徴とする遊技機AB5。
遊技機AB5によれば、遊技機AB1からAB4のいずれかの奏する効果に加え、実際の遊技球の流下速度の大小に関わらず、所定方向視における見かけ上の遊技球の変位速度が異なる区間を構成することができるので、任意の所定箇所において所定方向視における遊技球の変位速度を小さくすることにより、遊技者の視線を所定箇所に容易に集め、その他の部分から目を逸らさせることができる。
なお、見かけ上の遊技球の変位速度を異ならせる態様は何ら限定されるものではない。例えば、正面視において前後方向と直交する平面に配置される直線上を変位する場合と、前後方向成分を有する直線上を変位する場合とでの異なりでも良いし、直線上を変位する場合と、曲線状または蛇行状に変位する場合とでの異なりでも良いし、その他の異なりでも良い。
遊技機AB1からAB5のいずれかにおいて、前記経路構成手段へ遊技球を導入可能に構成される導入手段を備え、前記所定部は、所定方向視において前記導入手段の外方に配置されることを特徴とする遊技機AB6。
遊技機AB6によれば、遊技機AB1からAB5のいずれかの奏する効果に加え、導入手段の視認性を確保することができる。従って、導入手段の視認性の確保と、被通過手段を通過する可能性の高い遊技球の注目力の向上とを両立させることができる。
遊技機AB1からAB6のいずれかにおいて、前記経路構成手段の正面側における遊技球が、前記被通過手段へ向けた視線または前記所定部を避けるよう流下するように構成する回避手段を備えることを特徴とする遊技機AB7。
遊技機AB7によれば、遊技機AB1からAB6のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の正面側において遊技球が流下可能に構成され、遊技球の流下経路が被通過手段へ向けた視線を避けるようにするための回避手段を備えているので、遊技領域の大きさの確保と、被通過手段へ向けた遊技球の視認性の確保と、を両立させることができる。
なお、回避手段の影響を受けた遊技球の流下態様は、何ら限定されるものではない。例えば、被通過手段の正面位置を避けて流下するものでも良いし、被通過手段と遊技者の目の位置とを結ぶ直線を避けて流下するものでも良いし、被通過手段へ向かう遊技球を遊技者が確認できる最後の位置を基準として、その位置の正面位置を避けて流下するものでも良いし、上述の最後の位置と遊技者の目の位置とを結ぶ直線を避けて流下するものでも良いし、その他でも良い。
遊技機AB7において、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、その受入状態変化手段は、前記受入状態から前記非受入状態への状態変化において、前記受入状態において受入状態変化手段に到達していた遊技球を経路構成手段側へ案内可能に構成されることを特徴とする遊技機AB8。
遊技機AB8によれば、遊技機AB7の奏する効果に加え、受入状態変化手段に到達してから橋渡しされるように流下した遊技球が、被通過手段へ向けた視線を遮ることを防止することができる。
遊技機AB7又はAB8において、正面視で前記被通過手段の上方に配設され、遊技領域を区画する区画手段を備え、その区画手段は、遊技球が左右外側を流下可能に構成されることを特徴とする遊技機AB9。
遊技機AB9によれば、遊技機AB7又はAB8の奏する効果に加え、区画手段によって、被通過手段の正面位置を遊技球が流下する事態を避けることができるので、被通過手段へ向けた視界を確保し易くすることができる。
なお、区画手段の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の流下面を構成する板状部でも良いし、遊技球が入球可能な入球口構成手段でも良い。また、区画手段は、形状(外観)固定の手段でも良いし、形状(外観)可変の手段でも良い。
遊技機AB9において、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、前記区画手段の前記受入状態変化手段側の部分が、遊技球を前記受入状態変化手段側へ案内し易く構成されることを特徴とする遊技機AB10。
遊技機AB10によれば、遊技機AB9の奏する効果に加え、受入状態変化手段へ受け入れられる途中の遊技球を、区画手段によって受入状態変化手段へ押し込む態様で受け入れさせるよう構成することができる。これにより、受け入れられる途中の状態で横滑りした遊技球が、受入状態変化手段から逸れて被通過手段の正面側を落下する事態の発生を避け易くすることができる。
例えば、受入状態変化手段として、左右方向軸で傾倒変位する開閉板を備える特別入賞装置が想定され、区画手段として特別入賞装置の特別入賞口の上方に配置される第1入賞口が想定される。開閉板の閉鎖間際に特別入賞口に到達した遊技球は、しばしば、開閉板の回動先端と、開閉板に蓋をされる開口の縁部との間に挟まれ、縁部の形成方向(開閉板の回動軸方向)に横滑りする。
横滑りした後の遊技球は、開閉板の回動先端の形成範囲のいずれの位置にも到達し得るので、開閉板の少なくとも一部が被通過手段の上方に配置される場合には、横滑りした後の遊技球が正面側に落下した後で被通過手段の正面位置を通過する可能性があり、横滑りした後の遊技球を正面側に落下させるべきでは無い。
横滑りした後の遊技球の正面側への落下を回避できない場合には、被通過手段の正面視上位置を避けて開閉板を配置する必要が生じるので、開閉板の設計自由度が低下することになる。
これに対し、遊技機AB10によれば、横滑りした後の遊技球が開閉板の正面側へ落下することを回避し易くすることができ、開閉板の設計自由度を向上することができる。
遊技機AB7からAB10のいずれかにおいて、前記経路構成手段を流下する遊技球と、前記経路構成手段の正面側を流下する遊技球とが、類似の流下態様で流下するよう構成されることを特徴とする遊技機AB11。
遊技機AB11によれば、遊技機AB7からAB10のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段を流下し被通過手段を通過する可能性のある遊技球と、経路構成手段の正面側を流下し被通過手段を通過しない遊技球と、を区別し難くすることで、経路構成手段を流下する遊技球の個数を判別し難くすることができる。
換言すれば、経路構成手段に遊技球が入り易い場合と、入りにくい場合とを、経路構成手段付近を流下する遊技球から判別することを困難とすることができる。
遊技機AB1からAB11のいずれかにおいて、前記所定部を流下する球の後側から光を照射する発光手段を備えることを特徴とする遊技機AB12。
遊技機AB12によれば、遊技機AB1からAB11のいずれかの奏する効果に加え、所定部を流下する球の前側が光で反射し、球が見え難くなることを回避し易くすることができる。
<V通口への経路長さを省スペースで確保するポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、遊技球が前記被通過手段に流下可能な第1状態とその第1状態とは異なる第2状態とで切り替え可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記経路構成手段は、遊技球の上下方向の変位を遅らせる遅延手段を備え、その遅延手段により遊技球を前記被通過手段へ向けて流下可能に構成されることを特徴とする遊技機AC1。
パチンコ機等の遊技機において、第2大入賞口12に入球した遊技球の流下経路に左右に移動可能に構成される振分部75が配設され、振分部75の配置によって遊技球の流下方向を変化可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2014-155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、特定領域73への誤入賞や振分部75による球かみを防止するための振分部75の短期間動作が不可欠とされており、遊技者によっては振分部75の挙動を不信と感じ、安心して遊技を継続できない場合があった。
この解決のための手段の一例として、第2大入賞口12から振分部75までの流路長さを長くすることが想定される。例えば、振分部75の配置を、第2大入賞口12の真下から、遊技領域の左右中央部付近(第1大入賞口10付近)の位置に変えることで、第2大入賞口12から振分部75までの流路長さを長く確保することができる。これにより、特定領域73への誤入賞の可能性を低くすることができると考えられる。
一方、この手段を実行すると、第2大入賞口12から第1大入賞口10までの広範囲に亘って遊技球の流下経路の視認性を確保する必要が生じ、この範囲において遊技領域の設計自由度が制限される。即ち、特定領域73への誤入賞を回避するために、遊技領域の設計自由度が広範囲で制限されるという問題点があった。
換言すれば、遊技領域の設計自由度を高く維持しつつ、遊技球の誤入球を回避するという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AC1によれば、経路構成手段が所定の遅延手段を備えることから、正面視における経路構成手段の上下長さを短くし省スペースに抑えた場合でも、経路構成手段に入球した遊技球が被通過手段を通過するまでに経過する時間を長く確保することができる。
そのため、被通過手段への遊技球の入球の可否を切り替えるために状態切替手段を作動させる必要が生じるタイミングを経路構成手段への遊技球の入球から所定時間後にすることができるので、経路構成手段への入球の可否を切り替える開閉装置を短期間動作させることなく、誤入賞を回避することができる。そのため、開閉手段が慌ただしく動作しているという印象を遊技者に与えることを回避することができる。これにより、遊技領域の設計自由度を高く維持しつつ、遊技球の誤入球を回避することができる。
なお、遅延手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、流下経路に減速用の凸部を構成する態様でも良いし、前後方向成分を有する流下経路で遊技球を流下させる所定の流下経路を備える態様でも良い。
遊技機AC1において、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、正面側へ向かう流下経路の方が、背面側へ向かう流下経路に比較して、流下する遊技球の加速度が大きくなるよう構成されることを特徴とする遊技機AC2。
遊技機AC2によれば、遊技機AC1の奏する効果に加え、所定の流下経路を流下する遊技球を遊技者に視認させる期間を長く確保することができる。
なお、遊技球の加速度の違いを生じる原因については、何ら限定されるものではない。例えば、所定の流下経路の水平面に対する傾斜の大小でも良いし、所定の流下経路の遊技球側の面形状の設計でも良い。
遊技機AC1又はAC2において、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、正面側へ向かう流下経路の方が、前後位置を維持して流下する流下経路に比較して、流下する遊技球の加速度が大きくなるよう構成されることを特徴とする遊技機AC3。
遊技機AC3によれば、遊技機AC1又はAC2の奏する効果に加え、手前側を流れる遊技球を遊技者に視認させる期間を長く確保することができる。これにより、所定の流下経路を流下する遊技球に対する遊技者の注目力を向上させ易くすることができる。
なお、遊技球の加速度の違いを生じる原因については、何ら限定されるものではない。例えば、所定の流下経路の水平面に対する傾斜の大小でも良いし、所定の流下経路の遊技球側の面形状の設計でも良い。
遊技機AC1からAC3のいずれかにおいて、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、所定方向視で前記被通過手段の手前に配置される手前位置を遊技球が通るように構成されることを特徴とする遊技機AC4。
遊技機AC4によれば、遊技機AC1からAC3のいずれかの奏する効果に加え、手前位置に遊技球が配置された場合に、被通過手段付近の視認性を低下させることができる。これにより、被通過手段付近の範囲に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AC4において、前記手前位置を複数個構成可能とされることを特徴とする遊技機AC5。
遊技機AC5によれば、複数の手前位置に遊技球が配置されることにより、手前側の遊技球によって奥側の遊技球の少なくとも一部を隠すことができる。被通過手段は奥側の遊技球よりも背面側に配置されているので、被通過手段へ向けた視界を複数の遊技球で遮ることができ、被通過手段の視認性を低下させることができる。
この場合、所定の流下経路への遊技球の入球間隔が短い場合、手前位置のいずれかに常に遊技球が配置される状態を構成可能となるので、被通過手段を視認不能な状態を構成可能となる。
遊技機AC1からAC5のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、上面視で渦を巻く態様で視認されるように形成されることを特徴とする遊技機AC6。
遊技機AC6によれば、遊技機AC1からAC5のいずれかの奏する効果に加え、同じ長さの経路構成手段を配設するために要する上下幅を短くすることができる。
また、折り返し経路が形成される場合に比較して、経路壁の厚みを薄くする必要が無いので、流路の強度を向上することができるし、180度で折り返される折り返し経路に比較して、球の詰まり等が生じる可能性を低くできる。
遊技機AC1からAC6のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、前後方向に延びる前後流路部を備えることを特徴とする遊技機AC7。
遊技機AC7によれば、遊技機AC1からAC6のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の左右幅を抑えられるので、左右対称で一対の経路構成手段を抑えられた左右幅で構成することができる。
遊技機AC1からAC7のいずれかにおいて、前記被通過手段は、前記経路構成手段の球受入部を基準として、斜め下後方に配置されることを特徴とする遊技機AC8。
遊技機AC8によれば、遊技機AC1からAC7のいずれかの奏する効果に加え、正面側から視認する遊技者の視界に被通過手段と経路構成手段の球受入部とを収め易くすることができる。
遊技機AC1からAC8のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、遊技球を受け入れ可能に構成される第1受入手段と、その第1受入手段とは異なる手段であって遊技球を受け入れ可能に構成される第2受入手段と、を備え、前記第1受入手段および前記第2受入手段の遊技球の受入態様により、遊技者が得られる利益が変化するように構成されることを特徴とする遊技機AC9。
遊技機AC9によれば、遊技機AC1からAC8のいずれかの奏する効果に加え、第1受入手段および第2受入手段が遊技球を常時受入可能に構成されており、更に、第1受入手段および第2受入手段の遊技球の受入態様により遊技者が得られる利益が変化するので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
なお、遊技球の受入態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、第1受入手段に限定して遊技球が受け入れられる態様でも良いし、第2受入手段に限定して遊技球が受け入れられる態様でも良いし、第1受入手段に所定個数受け入れられ第2受入手段に所定個数受け入れられる態様でも良い。また、各受入手段に対する入球の頻度が異なる態様でも良いし、入球位置が異なる態様でも良い。
遊技機AC9において、遊技者が得られる利益の変化は、前記第1受入手段または前記第2受入手段の片方に限定して遊技球が受け入れられるか、前記第1受入手段および前記第2受入手段の両方に遊技球が受け入れられるかにより生じることを特徴とする遊技機AC10。
遊技機AC10によれば、遊技機AC9の奏する効果に加え、遊技者が得られる利益の大小の設定の仕方により、遊技者が、遊技球を所定の発射態様で打ち出し易いようにすることができる。
なお、遊技者が得られる利益としては、何ら限定されるものではない。例えば、流下する遊技球の認識し易さでも良いし、流下する遊技球により得られる遊技に関連する利益(賞球の払い出し、大当たりの獲得、大当たり終了後の遊技状態が確変状態となること、遊技状態が通常状態になること(転落すること)等)でも良い。
遊技機AC9又はAC10において、前記経路構成手段は、第1受入手段および第2受入手段から前記被通過手段までが左右対称で構成されることを特徴とする遊技機AC11。
遊技機AC11によれば、遊技機AC9又はAC10の奏する効果に加え、左右どちらを主にして遊技球を発射しても、遊技者が不利益を被る可能性を低くすることができる。
遊技機AC9からAC11のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、前記受入態様は、前記受入状態変化手段の形状または状態変化の態様により変化することを特徴とする遊技機AC12。
遊技機AC12によれば、遊技機AC9からAC11のいずれかの奏する効果に加え、受入状態変化手段の形状または状態変化の態様により受入態様が変化するので、遊技球の発射に関する遊技者の技術の熟練度が遊技者の得られる利益に与える影響を低くすることができる。
遊技機AC12において、前記受入状態変化手段の状態変化の態様が、複数種類で構成されることを特徴とする遊技機AC13。
遊技機AC13によれば、遊技機AC12の奏する効果に加え、一定の発射態様で遊技球が発射されている場合であっても、第1受入手段および第2受入手段への遊技球の受入態様を変化させることができる。これにより、受入状態変化手段の状態変化の態様から、遊技者が得られる利益を調整することができる。
<球の流下方向と平行に移動する開閉部材についてのポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、前記経路構成手段へ遊技球を導入可能な導入状態と前記経路構成手段へ遊技球を導入不能な非導入状態とで状態変化可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記状態切替手段は、前記状態変化において生じる変位の方向が、遊技球の流下方向に沿うように構成されることを特徴とする遊技機XAA1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備える遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球の流下方向と大入賞部品300の開閉板の開閉方向とが略直角方向であり、開閉が遊技球の転動に関与することなく開閉動作が完了することから、開閉板(状態切替手段)の役割について改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XAA1によれば、状態切替手段の変位の方向が、遊技球の流下方向に沿うように構成されるので、遊技球が状態切替手段に近接または当接している状態で状態切替手段の変位を生じさせることで、遊技球の転動態様を変化させるように影響させることができる。これにより、状態切替手段の役割を改善することができる。
例えば、遊技球が左方へ流下している際に、その遊技球が上に乗った状態で状態切替手段を右方にスライド移動させることで、遊技球に対して転動回転の順方向に回転させる負荷を与えることになるので、遊技球を加速させることができる。
また、逆に、遊技球が左方へ流下している際に、その遊技球が上に乗った状態で状態切替手段を左方にスライド移動させることで、遊技球に対して転動回転の逆方向に回転させる負荷を与えることになるので、遊技球の回転を遅らせることができる。
また、転動する遊技球の下端部をかすめるように状態切替手段がスライド移動すると、遊技球の転動方向のみではなく、転動方向に直交する方向の成分も有する負荷を遊技球に与えることができるので、遊技球の流下態様の変化を複雑かつ不規則に生じさせることができる。
これらの遊技球の流下態様に与える影響により、状態切替手段の開閉動作時に状態切替手段に乗っていた球の流下態様を様々に変化させることができるので、遊技球を視認する遊技者を飽きさせることなく、遊技に集中させることができる。
また、状態切替手段の開閉動作と遊技球との配置関係は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の側面と擦れる配置関係でも良いし、遊技球に流下方向で対抗して遊技球と衝突するような配置関係でも良い。
遊技球と衝突する態様で変位する状態切替手段において、閉鎖動作の方向は何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の流下方向と対抗する方向で閉鎖動作し、遊技球を跳ね返せるように構成しても良いし、遊技球の流下方向の順方向で閉鎖動作し、それ以降の遊技球の導入を抵抗少なく規制可能に構成しても良い。
遊技機XAA1において、前記状態切替手段の状態変化は、前記状態切替手段と遊技球とが当接しながら実行可能に構成されることを特徴とする遊技機XAA2。
遊技機XAA2によれば、遊技機XAA1の奏する効果に加え、状態切替手段の状態変化によって、遊技球に回転を生じさせることができる。
遊技機XAA1又はXAA2において、前記状態切替手段は、前記変位の方向と交差する方向に負荷の方向を変化させる変化手段を備えることを特徴とする遊技機XAA3。
遊技機XAA3によれば、遊技機XAA1又はXAA2の奏する効果に加え、状態切替手段の変位中に遊技球から与えられる負荷を逃がすことができ、状態切替手段に与えられる負荷を低減することができる。
<開放時は第1方向へ、閉鎖時は第2方向へ球を流す開閉部材についてのポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、前記被通過手段へ遊技球を導入可能な導入状態と前記被通過手段へ遊技球を導入不能な非導入状態とで状態変化可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記状態切替手段は、前記導入状態で遊技球を第1方向に案内可能とされ、前記非導入状態で遊技球を第2方向に案内可能に構成されることを特徴とする遊技機XAB1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備える遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、下側可動体371は前側に張り出す状態では遊技球を右方に案内するものの、後側に退避する状態では、遊技球とは当接せず自由落下となり、案内はしない。換言すれば、遊技球の流下に下側可動体371が影響しない。そのため、後側に退避している状態では、下側可動体371以外で遊技球の流下を案内する部分(枠部等)を用意することが必要であり、遊技球の流下を案内するための構成(部材)の個数を削減するという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XAB1によれば、状態切替手段が導入状態と、非導入状態とで、遊技球を異なる方向に案内するよう構成されるので、遊技球の流下経路を案内するための専用部材を不要とできるので、必要な構成(部材)の個数を削減することができる。これにより、限られたスペースで遊技球の流下方向の多様化を図ることができる。
なお、第1方向と第2方向との関係は何ら限定されるものではない。例えば、方向間の角度が鋭角でも良いし、直角でも良いし、鈍角でも良い。例えば、直角の場合において、前後方向に沿って流下する遊技球に対し、第1方向が下方、第2方向が左右方向に設定するようにしても良い。この場合、正面視において、状態切替手段に案内される前は遊技球の変位が僅かしか認められないようにしながら、状態切替手段による案内が開始された後の方向の差(違い)の最大化を図ることができる。
状態切替手段による案内の作用を生じさせる案内部の配置は何ら限定されるものではない。例えば、状態切替手段が備える可動部材に案内部が配設されても良いし、案内部は状態切替手段の周辺の非可動部に配設されており可動部材の動作によって遊技球が案内部に近接または当接し易い状態に切り替えられるように構成しても良い。
案内部が可動部材に配設される場合には、導入状態と非導入状態との状態切替が完了した後における案内に留まらず、状態を切り替える動作中において遊技球に与える影響も考慮した設計とすることが好ましい。
例えば、遊技球の流下方向に対抗する方向で変位する可動部材を状態切替手段が備える場合、流下方向と直交する平面形状の壁部を設けるよりは、流下方向と傾斜する面(平面、曲面等)形状の壁部を設ける方が、可動部材が遊技球に衝突した際に生じる負荷が、遊技球を逆流させる方向に大きくなる事態を回避し易くすることができる。これにより、遊技球の逆流を回避し易くすることができる。
遊技機XAB1において、前記状態切替手段の状態変化は第3方向への変位により生じるものであり、前記第3方向は、前記第1方向および第2方向と直交することを特徴とする遊技機XAB2。
遊技機XAB2によれば、遊技機XAB1の奏する効果に加え、案内されている遊技球から与えられる負荷により状態切替手段の動作不良が生じる可能性を低くすることができる。
遊技機XAB1又はXAB2において、前記経路構成手段は、左右一対の経路を備え、前記状態切替手段は、前記左右一対の経路からそれぞれ遊技球を受け入れ可能な一対の案内部を備え、それら一対の案内部において、前記第1方向および第2方向が、それぞれ左右対称に構成されることを特徴とする遊技機XAB3。
遊技機XAB3によれば、遊技機XAB1又はXAB2の奏する効果に加え、遊技球の流下する経路を複雑化することができる。また、一対の案内部において、第1方向および第2方向が、それぞれ左右対称に構成されるので、一対の案内部が遊技球から受ける負荷により状態切替手段が受ける変位を、左右で対称とすることができる。
これにより、例えば、左右一対の経路に遊技球を略同等の個数で入球させる場合等、遊技球から案内部が受ける負荷によって、状態切替手段の配置を均一化し易くすることができる。
遊技機XAB3において、前記状態切替手段は、前記第3方向と交差する方向で張り出すように形成される張出部を備えることを特徴とする遊技機XAB4。
遊技機XAB4によれば、遊技機XAB3の奏する効果に加え、張出部により他の部材との接触面積を低減することができ、状態切替手段の変位抵抗を低減することができる。
遊技機XAB3又はXAB4において、前記状態切替手段の導入状態または非導入状態において当接可能に構成される当接手段を備え、その当接手段との当接により、前記状態切替手段の左右方向の変位を修正可能に構成されることを特徴とする遊技機XAB5。
遊技機XAB5によれば、遊技機XAB3又はXAB4の奏する効果に加え、遊技球からの負荷を左右いずれの方向からも受け得るので、変位態様が無秩序になり易い状態切替手段の変位を、当接手段の作用により秩序的に戻すことができる。
<分離、反転、合体、回転が一連動作>
視認される面が変化するように変位可能に構成される変位手段を備え、前記変位手段は、第1変位部材と、第2変位部材と、を備え、所定態様の変位において、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが相対変位するように構成されることを特徴とする遊技機AD1。
パチンコ機等の遊技機において、ベースアーム220の先端部に配設される回動ベース214が複数回回転可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016-116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回動ベース214が回転変位するものの、遊技者側に見えている面は同一なので、変位手段への注目力を維持し難いという問題点があった。
これに対し、遊技機AD1によれば、変位手段の視認される面を、変位に伴い変化可能に構成されるので、変位手段への注目力を維持することができる。
また、第1変位部材と第2変位部材とが相対変位することで、変位手段の外観を変化させることができるので、変位手段に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AD1において、前記所定態様の変位は、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが集合配置される集合部を基準として近接離反する第1の変位と、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが前記集合部を基準として回転動作する第2の変位と、を少なくとも含むことを特徴とする遊技機AD2。
遊技機AD2によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、第1変位部材と第2変位部材との相対動作を動的に生じさせ易くすることができる。即ち、集合部を基準とした変位として、第1の変位だけでは、集合部からの距離が最短または最長となる終端部において第1変位部材と第2変位部材との変位が低減され易く、第1変位部材と第2変位部材とが止まって見えてしまい、演出効果が低くなる可能性があるところ、第2の変位を混ぜることで、終端部においても回転方向の変位を生じさせることができるので、演出効果を向上させることができる。
遊技機AD1又はAD2において、前記所定態様の変位は、前記変位手段の視認される面が反転する第3の変位を少なくとも含むことを特徴とする遊技機AD3。
遊技機AD3によれば、遊技機AD1又はAD2の奏する効果に加え、第3の変位により視認される面を反転させることで、第3の変位の前後で遊技者に視認させる装飾を顕著に異ならせることができる。
遊技機AD1からAD3のいずれかにおいて、前記第1変位部材および前記第2変位部材は、吸着または接着により固定可能に構成され、その固定に係る負荷は、前記第1変位部材および前記第2変位部材の変位を制限する向きで作用することを特徴とする遊技機AD4。
遊技機AD4によれば、遊技機AD1からAD3のいずれかの奏する効果に加え、固定に係る負荷が第1変位部材および第2変位部材の変位を制限する向きで作用するので、固定に係る負荷を加味して、第1変位部材および第2変位部材の変位を設計することができる。
例えば、ギアに寄る駆動力伝達の場合に、形状の変形を加味しない場合には機械的に変位が生じる場合に、固定に係る負荷を加味すれば、その負荷による部材の弾性変化が顕在化することで、部材の変位タイミングの遅れを生じさせることができる。
また、固定の程度が第1変位部材および第2変位部材の視認される面に対応して異なるよう構成しても良い。
この場合、固定による作用が視認される面に対応して異なるので、遊技者が視認される側面における固定の程度に強弱を設けることができる。
これにより、例えば、同じ変位手段の、反転された面について、一方の面は固く合体して一体的に視認させ易く、他方の面は緩く合体して相対変位し易い状態で視認させ易くすることができる。
また、例えば、第1変位部材および第2変位部材の吸着の程度が固定位置ごとに異なるよう構成することで、第1変位部材および第2変位部材の固定の程度が異なる状態を構成することができる。
なお、吸着可能にする態様は何ら限定されるものではない。例えば、粘着テープで接着する態様でも良いし、磁石と金属部との吸着力を利用するものでも良い。また、磁石に吸着する金属部として、例えば、固定用のビス、ネジ等を利用するように第1反転部材や第2反転部材を設計しても良い。
遊技機AD1からAD4のいずれかにおいて、前記変位手段は、正逆方向に変位可能に構成され、所定状態において、正方向へは、第1変位態様で変位し、逆方向へは、前記第1変位態様とは異なる第2変位態様で変位し、前記第2変位態様は、所定態様での変位後、前記第1変位態様で変位するよう構成されることを特徴とする遊技機AD5。
遊技機AD5によれば、遊技機AD1からAD4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位態様が、正逆方向で異なるように構成され、第2変位態様は第1変位態様の前に所定態様が追加された変位態様として構成されるので、変位手段を退避させる際に変位手段に必要とされる変位量を低減することができる。これにより、退避時における変位手段への注目力を低減することができるので、相対的に、演出位置で変位する変位手段の注目力を向上させることができる。
従来機では、回転の態様が正逆方向で同様なので、演出位置(液晶表示領域の正面側位置)へ張り出して演出した後で、退避位置(液晶表示領域の外方位置)へ退避するまでに逆方向に再び複数回回転する必要があった。この場合、演出位置から退避する部材に視線が集まり易くなることが問題視される可能性があった。
なお、変位態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、回転変位でも良いし、直動変位でも良い。また、変位は平面上におけるものでも良いし、複数平面にまたがるものでも良いし、3次元的なものでも良い。
遊技機AD5において、前記変位手段は、動作抵抗が所定量よりも大きくなると負荷伝達を解除するように構成される解除手段を備えることを特徴とする遊技機AD6。
遊技機AD6によれば、遊技機AD5の奏する効果に加え、変位手段の変位態様の変化を、変位手段の内部の構成の動作抵抗の大小により生じさせることができる。
遊技機AD1からAD6のいずれかにおいて、前記変位手段へ向けて光を照射する発光手段を備え、前記変位手段は前記第1変位部材および前記第2変位部材を備え、前記第1変位部材および前記第2変位部材は、視認される面が一側か、他側かで、発光手段からの光の視認態様を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機AD7。
遊技機AD7によれば、遊技機AD1からAD6のいずれかの奏する効果に加え、発光手段からの光に関して変位手段の見え方を、第1変位部材および第2変位部材の視認される面に対応して変化させることができる。
例えば、第1変位部材および第2変位部材が個別に発光しているように視認される場合と、第1変位部材および第2変位部材が一体的に発光しているように視認される場合とで変化させることができる。
遊技機AD1からAD7のいずれかにおいて、前記変位手段の配置を検出する検出手段を備え、前記検出手段は、前記変位手段の変位が許容可能な状態か否かを検出可能に構成されることを特徴とする遊技機AD8。
遊技機AD8によれば、遊技機AD1からAD7のいずれかにおいて、前記変位手段の変位を許容可能な状態を検出手段により検出可能なので、変位手段が変位中に周囲の構造部と衝突することを回避することができる。
また、検出手段により変位手段の変位可能な区間を検出しつつ、変位手段の変位を実行することができるので、ある程度、演出位置から退避位置へ向けて変位した後で拡大縮小を含む変位態様で変位するように制御することで、演出位置から退避位置に変位する際に変位開始時から拡大縮小を含む変位態様で変位する場合に比較して、変位手段に対する注目力の上昇を押さえることができる。
遊技機AD1からAD7のいずれかにおいて、前記変位手段の状態を検出する検出手段を備え、その検出手段は、前記変位手段の変位について2種類以上の数値を検出可能に構成されることを特徴とする遊技機AD9。
遊技機AD9によれば、遊技機AD1からAD7の奏する効果に加え、検出手段の配設個数を削減することができる。なお、変位手段の変位についての数値の種類としては、種々の態様が例示される。例えば、異なる可動部材のそれぞれの配置や姿勢についての数値でも良いし、所定タイミングで動作態様が変化する場合にその動作態様の変化に関与する数値でも良い。
また、検出手段の配置は何ら限定されるものではない。例えば、変位手段の変位基端側に検出手段を配置することで、その変位手段の変位先端側に連結される第2変位手段の配置や姿勢を検出する構造を構成し易い。
遊技機AD1からAD9のいずれかにおいて、前記変位手段は前記第1変位部材および前記第2変位部材を備え、その第1変位部材および前記第2変位部材は遊技者側に向ける面が一側の面となる姿勢と、他側の面となる姿勢とで反転動作可能に構成され、前記第1変位部材および前記第2変位部材が一側の面を遊技者側に向ける場合には、第1変位部材および第2変位部材を区別可能とされる一方、前記第1変位部材および前記第2変位部材が他側の面を遊技者側に向ける場合には、第1変位部材および第2変位部材を区別不能に構成されることを特徴とする遊技機AD10。
遊技機AD10によれば、遊技機AD1からAD9のいずれかの奏する効果に加え、一側が遊技者側に向けられている場合の第1変位部材および第2変位部材の状態に関わらず、反転動作が生じることに対する遊技者の期待感を高く維持することができる。
<複数の被視認面を備える変位手段の配置により視認容易面を変えるポイント>
視認可能に構成される第1視認可能面および第2視認可能面を備える変位手段を備え、その変位手段は、配置に応じて、前記第1視認可能面が視認し易い第1状態と、前記第2視認可能面が視認し易い第2状態と、を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機AE1。
パチンコ機等の遊技機において、反転可能に構成される反転動作部71を備え、視認される面を変化させることで遊技者に視認される外観を変化可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016-153095号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、反転動作部71の反転は、位置が固定された状態で行われるので、視認される面の変化により遊技者の視線を変化させることはできない。即ち、遊技者の視線を効率よく変化させるという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AE1によれば、変位手段が、配置に応じて、第1視認可能面が視認し易い状態と、第2視認可能面が視認し易い状態とが切り替えられるので、第1視認可能面または第2視認可能面を見たいと考える遊技者の視線を、変位手段の配置変化の経路に沿う態様で変化させることができる。
遊技機AE1において、前記変位手段を視認可能に開放される開放部を備え、前記変位手段は、前記開放部側が視認され易いように構成されることを特徴とする遊技機AE2。
遊技機AE2によれば、遊技機AE1の奏する効果に加え、開放部を通して奥側を視認する遊技者が、変位手段の第1視認可能面または第2視認可能面を容易に視認できる。
遊技機AE2において、前記変位手段は、開放部の中央側に配置される場合よりも、開放部の縁側に配置される場合の方が、配置が背面側に寄ることを特徴とする遊技機AE3。
遊技機AE3によれば、遊技機AE2の奏する効果に加え、変位手段が開放部の中央側に配置される場合に変位手段を手前側で大きく視認可能としながら、変位手段が開放部の縁側に配置される場合に変位手段を見る際の視線の動きを少なくすることができる。これにより、変位手段の視認性と、変位手段を目で追う遊技者の疲労抑制と、の両立を図ることができる。
遊技機AE1からAE3のいずれかにおいて、前記変位手段は、複数組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を備え、一の組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面が視認可能な状態において、他の組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を視認し難く構成することを特徴とする遊技機AE4。
遊技機AE4によれば、遊技機AE1からAE3のいずれかの奏する効果に加え、第1視認可能面および第2視認可能面に、組ごとに異なる文字や図形を施しておくことで、変位手段を視認する遊技者に対して、異なる文字や図形を視認させることができ、且つ、視認させることを目的としない組の第1視認可能面および第2視認可能面に関しては視認し難く構成することで、変位手段の外観がみっともなくなることを回避することができる。
例えば、第1の組には、抽選結果が大当たりである期待感が低いことを示す文字や図形が第1視認可能面および第2視認可能面に表示され、第2の組には、抽選結果が大当たりである期待感が高いことを示す文字や図形が第1視認可能面および第2視認可能面に表示される場合に、変位手段の配置に関わらず、変位手段を通して、大当たりの期待感の高低を確認することができる。この場合において、変位手段が表示装置の表示領域の正面側から退避した後においても、変位手段による大当たりの期待感についての表示を維持できるので、液晶表示装置から目線を外した遊技者に対しても、大当たりの期待感についての表示を視認させることを継続することができる。
なお、視認し難く構成する態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技者側とは異なる側の面(後側面、左右外側面、等)に配置するようにしても良いし、遮蔽手段で遮蔽することで視認性を落とすように構成しても良い。
遊技機AE4において、視認される前記第1視認可能面および前記第2視認可能面の組を切り替える動作は、動作中において、前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を認識され難いよう構成されることを特徴とする遊技機AE5。
遊技機AE5によれば、遊技機AE4において、視認される第1視認可能面および第2視認可能面の組を切り替える動作中(確定前)に、遊技者側に表示される第1視認可能面および第2視認可能面の組を予測されることを回避し易くすることができる。これにより、変位手段に対する注目力を向上させることができる。
なお、上述の切り替える動作中において第1視認可能面および第2視認可能面を認識され難いよう構成される態様については、何ら限定されるものではない。例えば、変位手段を高速で回転動作させ認識され難くしても良いし、第1視認可能面(第2視認可能面)の一部と、その他の部分とを結合分離可能に構成し、それら一部とその他の部分とを分離した状態で動作させることで認識され難くしても良いし、発光手段による明暗の設定により相対的に暗くする部分を作り認識され難くしても良い。
なお、この場合において、分離した状態の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、上述の切り替える動作中において、第1視認可能面(第2視認可能面)の一部と、その他の部分との一方のみが視認され、他方は視認されないように背面側を向いて動作するよう構成しても良いし、それら一部とその他の部分とが同時に視認可能であるが配置がずれて視認される状態で動作するよう構成しても良い。
遊技機AE5において、前記変位手段を視認可能に開放される開放部を備え、前記切り替える動作は、前記変位手段が前記開放部の中央側に配置されている状態で実行されることを特徴とする遊技機AE6。
遊技機AE6によれば、遊技機AE5の奏する効果に加え、切り替える動作を遊技者に視認させ易くすることができ、切り替える動作に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AE5又はAE6において、前記切り替える動作中において、前記第1視認可能面の一部とその他の部分との、一方は正面側を向き、他方は正面側とは異なる側を向くことを特徴とする遊技機AE7。
遊技機AE7によれば、遊技機AE5又はAE6の奏する効果に加え、動作中において第1視認可能面の一部を視認可能とし、全体は視認不可能とすることで、動作中において第1視認可能面を認識され難くすることができる。
遊技機AE1からAE7のいずれかにおいて、前記第2視認可能面への視線の少なくとも一部を遮蔽可能に構成される第2変位手段を備え、前記変位手段は、前記第2変位手段と共に前記第1視認可能面を視認させるための第3状態に切替可能に構成されることを特徴とする遊技機AE8。
遊技機AE8によれば、遊技機AE1からAE7のいずれかの奏する効果に加え、第2変位手段により第2視認可能面の少なくとも一部を視認し難く構成することにより、変位手段の演出位置の設計自由度を向上させることができる。
遊技機AE1からAE8のいずれかにおいて、前記変位手段は、変位に伴って、所定方向視で視認される面を第1視認可能面と第2視認可能面との間で変化させるように構成されることを特徴とする遊技機AE9。
遊技機AE9によれば、遊技機AE1からAE8のいずれかの奏する効果に加え、所定方向視で視認される面が第1視認可能面と第2視認可能面との間で変化するので、遊技者の視線の変化量に依存せずに、視認し易い面を任意に変更することができる。
遊技機AE9において、前記第1状態と前記第2状態とで前記変位手段の姿勢が変化することを特徴とする遊技機AE10。
遊技機AE10によれば、遊技機AE9の奏する効果に加え、第1状態における変位手段の外観と第2状態における変位手段の外観との違いを、変位手段の姿勢を違えることにより大きくすることができる。
遊技機AE9又はAE10において、前記変位手段に近接配置可能に構成される補助手段を備え、前記第1状態では、前記変位手段は前記補助手段に近接配置され、前記第2状態では、前記変位手段は前記補助手段から離れて配置されることを特徴とする遊技機AE11。
遊技機AE11によれば、遊技機AE9又はAE10の奏する効果に加え、補助手段を変位手段に近接配置させ、一体的に視認させる状態と、補助手段と変位手段とを分けて視認させる状態とを構成することができ、変位手段が遊技者に与える印象を複数構成することができる。
なお、補助手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、配置が固定された手段でも良いし、可動の手段でも良い。
遊技機AE11において、前記補助手段は、前記変位手段と一体的に視認させる状態と、前記変位手段とは分離して視認させる状態と、を切替可能に構成されることを特徴とする遊技機AE12。
遊技機AE12によれば、遊技機AE11の奏する効果に加え、変位手段と補助手段とを一体的に視認させるか分離して視認させるかを切り替えることができるので、部材個数に対する視認可能態様のバリエーションを増やすことができる。
<変位手段の変位量と配設手段の変位量との同時点での比が区間で異なるポイント>
変位可能に構成される変位手段と、その変位手段に第1の部分が配設される配設手段と、前記配設手段の第2の部分を支持する支持手段と、を備え、その支持手段は、前記変位手段の変位中における前記第1の部分を基準とした前記第2の部分の配置を制御可能に構成されることを特徴とする遊技機AF1。
パチンコ機等の遊技機において、傾倒変位可能なベースアーム220と、そのベースアーム220の傾倒先端側に回動可能に取り付けられた回動役物211と、その回動役物211を回動させるための駆動力を発生させる駆動モータ222と、を備え、ベースアーム220の変位と独立して回動役物211を回動可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016-116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回動役物211がベースアーム220の先端においてぐらつき易く、ベースアーム220の傾倒変位中に回動役物211を回動させると機構に不具合が生じる可能性がある結果、回動役物211の回動変位はベースアーム220の停止中に行うと想定されることから、変位の自由度が低くなっていた。
即ち、変位可能な部分の変位の設計自由度を高くするという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AF1によれば、配設手段が変位手段と支持手段とに少なくとも2点で支持され、その2つの支持点が変位手段の変位中に相対変位するように構成されており、支持手段により、第1の部分を基準とする第2の部分の配置を制御可能としているので、配設手段を安定的に支持しながら、変位手段の変位中に配設手段を変位させることができる。これにより、配設手段(変位可能な部分)の変位の設計自由度を高めることができる。
なお、支持手段の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、固定のベース手段に形成される案内溝に変位を制限される態様で支持されても良いし、変位可能な第2の変位手段に連結されて支持されても良い。また、支持手段による制御は、電子制御に限定されるものではなく、第2の部分の変位を壁部で規制(案内)する等の機械的な制御も含まれる。
遊技機AF1において、前記変位手段は、第1の区間および第2の区間を、変位可能に構成され、前記支持手段は、前記変位手段が前記第1区間を変位する場合に前記第2の部分を支持する第1範囲と、前記変位手段が前記第2区間を変位する場合に前記第2の部分を支持する第2範囲と、を備え、前記第1範囲において前記第2の部分が変位する方向と、前記第2範囲において前記第2の部分が変位する方向とが異なるよう構成されることを特徴とする遊技機AF2。
遊技機AF2によれば、遊技機AF1の奏する効果に加え、変位手段の変位速度を一定とする場合であっても、配設手段の変位速度を異ならせることができ、支持手段は、第2の部分の変位方向の変化を許容するように構成されるので、第2の部分の変位方向が不規則に変化するとしても配設手段の変位を滑らかにすることができる。
遊技機AF1又はAF2において、前記支持手段は、前記第2の部分の変位を制限する制限部を備えることを特徴とする遊技機AF3。
遊技機AF3によれば、遊技機AF1又はAF2の奏する効果に加え、第1範囲と第2範囲との境界位置(制限部)において第2の部分の変位を制限することができるので、第2の部分を変位の大きい側から小さい側へ向けて変位させる場合に、第1範囲と第2範囲との境界位置(制限部)で第2の部分を停止し易くすることができる。
なお、第2の部分の第1の部分を基準とした変位に要する負荷の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第2の部分が引かれる態様でも良いし、第2の部分が押進される態様でも良い。
なお、制限部の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第2の部分の変位抵抗の増減を設定する態様でも良いし、第2の部分の変位方向を切り替える態様でも良い。
遊技機AF2又はAF3において、前記第1の区間は、前記第2の区間よりも前記変位手段の変位範囲の終端側に配置され、前記第2の区間における前記変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量は、前記第1の区間における前記変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量に比較して小さくなるように構成されることを特徴とする遊技機AF4。
遊技機AF4によれば、遊技機AF2又はAF3の奏する効果に加え、変位手段の変位途中位置において、変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量が小さくなる区間を構成することができるので、変位手段の変位終端位置の他に、変位手段と配設手段とを一体的に視認し易い位置を設けることができ、結果として、変位手段と配設手段とを一体的に視認し易い位置を増やすことができる。
遊技機AF1からAF4のいずれかにおいて、前記第1の部分の変位速度を基準とした前記第2の部分の変位速度(の比)を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機AF5。
遊技機AF5によれば、遊技機AF1からAF4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位速度が一定の場合であっても、支持手段側における配設手段の第2の部分の変位速度を変化させることができるので、駆動手段の簡易な駆動制御(等速駆動)で、配設手段の変位速度を可変とするような動作演出を構成することができる。
遊技機AF1からAF5のいずれかにおいて、前記支持手段は、前記第2の部分の変位終端における変位速度を低減するよう構成されることを特徴とする遊技機AF6。
遊技機AF6によれば、遊技機AF1からAF5の奏する効果に加え、第2の部分の跳ね戻りを防止することができ、変位終端において配設手段を早期に停止させ易くすることができる。
なお、第2の部分の跳ね戻りを防止する手法については何ら限定されるものではない。例えば、変位終端における第2の部分の変位速度(例えば、第1の部分が所定の単位長さ変位する場合の第2の部分の変位量)を低減するように構成する手法でも良いし、第1の部分が停止した状態における第2の部分の変位方向に壁を立てる等の形状的工夫により第2の部分の変位を規制するような手法でも良い。
また、第2の部分の変位量を低減する手法に限らず、第2の部分の変位抵抗を増加させるようにしても良い。例えば、第2の部分の変位終端において磁力等により負荷を与え、第2の部分の変位抵抗を向上するようにしても良いし、コイルスプリング等の付勢力で変位抵抗を向上するようにしても良い。
遊技機AF6において、前記支持手段は、前記第1の部分の変位に伴う前記第2の部分の変位の変位軌跡と、前記第1の部分が変位終端で停止した場合の前記第2の部分の変位の変位軌跡とが、交差するよう構成されることを特徴とする遊技機AF7。
遊技機AF7によれば、遊技機AF6の奏する効果に加え、第1の部分の変位に伴う第2の部分の変位を案内する機能を有する支持手段により、第1の部分が停止した場合における第2の部分の戻り変位(バウンド)を低減することができる。
遊技機AF1からAF7のいずれかにおいて、前記配設手段に変位可能に支持される被支持手段を備え、その被支持手段は、前記変位手段を基準とした前記配設手段の相対的変位量に応じた変位量で変位するように構成されることを特徴とする遊技機AF8。
遊技機AF8によれば、遊技機AF1からAF7のいずれかの奏する効果に加え、配設手段と共同で変位する被支持手段により、複雑な演出を実行することができる。
なお、被支持手段の変位の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、配設手段が変位する所定平面上を配設手段と並走するように変位する態様でも良いし、配設手段が変位する所定平面とは離れた位置において配設手段の変位態様(例えば、所定平面上のスライド変位態様)とは異なる変位態様(例えば、所定の軸を中心とした回転変位態様)でも良い。
なお、配設手段の変位量に係る配設手段の変位の態様については、何ら限定されるものではない。例えば、姿勢変化でも良いし、姿勢を維持したままでの変位でも良い。
遊技機AF8において、前記第1の部分が所定方向に変位する間に、前記第2の部分は、前記第1の部分の変位軌跡と交差する方向に往復変位可能な区間を備えることを特徴とする遊技機AF9。
遊技機AF9によれば、遊技機AF8の奏する効果に加え、第1の部分が変位している間に、第1の部分に対する第2の部分の相対変位量が戻り変化する(例えば、増加後に減少する)態様とすることができるので、第2の部分の配置は維持しながら、被支持手段の変位量は大きくするという変位態様を実現することができる。
遊技機AF8又はAF9において、前記配設手段を基準とした前記被支持手段の(相対)回転の変位速度は、前記変位手段の変位速度と同等となるよう構成されることを特徴とする遊技機AF10。
遊技機AF10によれば、遊技機AF8又はAF9の奏する効果に加え、被支持手段の変位態様を、配設手段を挟んで変位手段と同等することができる。これにより、あたかも、被支持手段が独自の駆動手段で変位しているように遊技者に錯覚させることができる。
遊技機AF1からAF10のいずれかにおいて、前記配設手段は、自らの変位に伴い遊技者側に向ける面を第1面と第2面とで切り替えるように姿勢変化する姿勢変化手段を備え、その姿勢変化手段は、前記第2の部分が変位終端に配置された状態において、前記第1面または前記第2面が遊技者側に向けられる姿勢となるように構成されることを特徴とする遊技機AF11。
遊技機AF11によれば、遊技機AF1からAF10のいずれかの奏する効果に加え、姿勢変化手段の第1面または第2面が遊技者側に向けられることで、第2の部分が変位終端に到達したことを遊技者が把握できるので、変位手段による演出動作の終期を分かり易く構成することができる。
遊技機AF1からAF11のいずれかにおいて、前記第2の部分を通して前記配設手段に電気配線が挿通されるよう構成され、前記電気配線が内部に配置されると共に前記第2の部分に固定される配置手段を備え、前記配置手段は、前記電気配線を挿通可能な開口部を備え、その開口部は、周囲に形成される周囲部分との前記電気配線の接触を避けるよう変位可能に構成されることを特徴とする遊技機AF12。
遊技機AF12によれば、遊技機AF1からAF11のいずれかの奏する効果に加え、電気配線が周囲部分と接触することを避けることができる。
配置手段は、第2の部分が複数部材で構成される場合にそれら複数部材を合体させるための手段として構成しても良いし、第2の部分に別部材が配設される場合に、その別部材の第2の部分からの脱落を防止するための手段として構成しても良い。
<特徴BA群>
第1情報取得条件の成立に基づいて第1情報を取得可能な第1情報取得手段と、その第1情報取得手段により取得された前記第1情報に基づいて、第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果を示すための第1識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な第1動的表示手段と、その第1動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示態様を決定することが可能な第1動的表示態様決定手段と、第2情報取得条件の成立に基づいて第2情報を取得可能な第2情報取得手段と、その第2情報取得手段により取得された前記第2情報が記憶される第2情報記憶手段と、前記第2情報取得手段により取得された前記第2情報に基づいて、第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段による第2判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により動的表示される前記第2識別情報の第2動的表示態様を決定することが可能な第2動的表示態様決定手段と、特定の前記第1判別結果を示すための第1識別情報または特定の前記第2判別結果を示すための第2識別情報が前記表示手段に停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第2識別情報の動的表示期間中に演出態様を実行可能な演出態様実行手段と、その演出態様実行手段により実行される演出態様を選択可能な演出態様選択手段と、を有し、前記演出態様選択手段は、前記第2情報記憶手段に記憶されている少なくとも前記第2情報の数に基づいて前記演出態様を選択するものであることを特徴とする遊技機BA1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BA1によれば、第2識別情報の動的表示期間中に実行される演出態様が記憶されている第2情報の数によって可変されるので、その後に実行されることが可能となっている第2識別情報の動的表示の回数に対応させた演出の実行が可能となり、特定の第2判定結果を示すための第2識別情報が表示されない場合にも、その後の遊技に対して継続して興味を持たせることで遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機BA1において、前記第2識別情報の動的表示は、前記第1識別情報の動的表示よりも優先して実行されるものであり、前記演出態様実行手段は、特定の前記第2動的表示態様が実行されている場合に前記演出態様を実行するものであることを特徴とする遊技機BA2。
遊技機BA2によれば、特定の第2動的表示態様が実行されることで、第2情報が記憶されることに意欲を抱かせることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機BA1またはBA2において、前記演出態様は、前記第2情報が記憶されている数に対応して前記実行されている前記第2動的表示態様の期間が終了した後に連続して実行される次の前記第2識別情報の動的表示に跨がった期間で設定されているものであることを特徴とする遊技機BA3。
遊技機BA3によれば、遊技機BA1またはBA2の奏する効果に加え、演出態様は複数回連続して実行される第2識別情報の動的表示期間に跨がって実行可能に構成されているので、複数回の第2動的表示態様を1の動的表示のように見せて興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BA1からBA3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球可能な第1状態と前記第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変部材と、前記可変部材を特定条件の成立に基づいて前記第2状態から第1状態へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段と、前記特定条件の成立前に、前記特定条件の成立を事前に判別可能な事前判別手段と、を有した遊技機において、前記演出態様選択手段は、少なくとも前記事前判別手段の結果に基づいて特定の演出態様を選択することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BA4。
遊技機BA4によれば、遊技機BA1からBA3の奏する効果に加え、第2情報が取得され易くなる契機となる特定条件の成立を事前に判別した結果に基づいて特定の演出態様が選択されるので、第2情報の取得に対して期待を持たせることができるという効果がある。
<特徴BB群>
第1情報取得条件の成立に基づいて第1情報を取得可能な第1情報取得手段と、その第1情報取得手段により取得された前記第1情報に基づいて、第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果を示すための第1識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な第1動的表示手段と、その第1動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示態様を決定することが可能な第1動的表示態様決定手段と、第2情報取得条件の成立に基づいて第2情報を取得可能な第2情報取得手段と、その第2情報取得手段により取得された前記第2情報が記憶される第2情報記憶手段と、前記第2情報取得手段により取得された前記第2情報に基づいて、第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段による第2判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により動的表示される前記第2識別情報の第2動的表示態様を決定することが可能な第2動的表示態様決定手段と、特定の前記第1判別結果を示すための第1識別情報または特定の前記第2判別結果を示すための第2識別情報が前記表示手段に停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1識別情報の動的表示期間中に演出態様を実行可能な演出態様実行手段と、その演出態様実行手段により実行される演出態様を選択可能な演出態様選択手段と、を有し、前記演出態様選択手段は、前記第2情報記憶手段に記憶されている少なくとも前記第2情報の数に基づいて前記演出態様を選択するものであることを特徴とする遊技機BB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BB1によれば、第1識別情報が動的表示の開始時に決定された第1動的表示態様で動的表示されている期間に実行される演出態様が第2情報の記憶されている数に基づいて決定されるので、第1判別の結果だけでなく、第2判別が実行されることが可能であることに関する情報も演出態様から判別することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機BB1において、前記演出態様選択手段は、少なくとも前記第2情報の数と動的表示されている前記第1識別情報の動的表示態様とに基づいて前記演出態様を選択するものであることを特徴とする遊技機BB2。
遊技機BB2によれば、遊技機BB1の奏する効果に加え、実行されている第1動的表示態様とその実行中における第2情報が記憶されている数により演出態様が選択されるので、多様な演出態様を実行できるという効果がある。
遊技機BB1またはBB2において、前記第2識別情報の動的表示は、前記第1識別情報の動的表示よりも優先して実行されるように構成され、前記演出態様は、その後に実行される前記第2識別情報の動的表示態様に関連する演出が実行されるものであることを特徴とする遊技機BB3。
遊技機BB3によれば、遊技機BB1またはBB2の奏する効果に加え、第2情報が記憶されている場合には、実行されている第1識別情報が終了した後には、第2識別情報の動的表示が開始されることになり、その第2動的表示態様と関連する演出態様を第2識別情報の動的表示の開始前に実行することができるので、優先して実行される第2識別情報の動的表示が開始されることを早期に遊技者に認識させることができるという効果がある。
遊技機BB1からBB3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球可能な第1状態と前記第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変部材と、前記可変部材を特定条件の成立に基づいて前記第2状態から第1状態へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段と、前記特定条件の成立前に、前記特定条件の成立を事前に判別可能な事前判別手段と、を有した遊技機において、前記演出態様選択手段は、少なくとも前記事前判別手段の結果に基づいて特定の演出態様を選択することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BB4。
遊技機BB4によれば、遊技機BB1からBB3の奏する効果に加え、第2情報が取得され易くなる契機となる特定条件の成立を事前に判別した結果に基づいて特定の演出態様が選択されるので、第2情報の取得に対して期待を持たせることができるという効果がある。
<特徴BC群>
第1の判別条件の成立に基づいて第1判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な第1特典遊技を実行する第1特典遊技実行手段と、前記第2判別手段の判別結果が予め定められた第2の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な第1特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、前記第1判別が実行されたことに基づいて、当該第1判別の判別結果を示すための第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2判別が実行されたことに基づいて、当該第2判別の判別結果を示すための演出として前記第1演出とは異なる第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備え、前記第2演出実行手段は、少なくとも予め定められた特定条件が成立している場合に、前記第1演出の演出期間において実行され易い特定の演出態様を少なくとも含む演出態様の前記第2演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機BC1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BC1によれば、第2判別の判別結果を示すための演出として第1演出を実行可能とすることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BC1において、前記第2演出実行手段は、前記第1演出の演出態様として、前記第1判別の結果を示す表示態様を少なくとも含む演出態様の前記第2演出を実行可能なものであることを特徴とする遊技機BC2。
遊技機BC2によれば、遊技機BC1の奏する効果に加え、第1判別の判別結果を示す表示態様を用いた第2演出を実行することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BC2において、前記第2演出実行手段は、第2判別の判別結果を示す1の演出内で前記第2判別の判別結果を示すための第2演出態様と、前記演出態様とを実行するものであることを特徴とする遊技機BC3。
遊技機BC3によれば、遊技機BC2の奏する効果に加え、より意外性のある演出を実行することができるという効果がある。
<特徴BD群>
第1判別を実行可能な第1判別手段と、所定の動的表示態様で複数の第1識別図柄を表示手段に動的表示させた後に、前記第1判別手段による第1判別結果を示すための組み合わせで停止表示させることが可能な第1動的表示手段と、第2判別を実行可能な第2判別手段と、所定の動的表示態様で複数の第2識別図柄を表示手段に動的表示させた後に、前記第2判別手段による第2判別結果を示すための組み合わせで停止表示させることが可能な第2動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記第1判別結果を示すための特定の組み合わせで前記第1識別図柄が停止表示された場合または前記表示手段に特定の前記第2判別結果を示すための特定の組み合わせで前記第2識別図柄が停止表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特典付与手段は、前記特定の組み合わせのうち、第1特定組み合わせに対応する識別図柄の組み合わせで停止表示された場合に前記特典として第1特典を付与可能であり、前記第1特定組み合わせとは異なる第2特定組み合わせに対応する識別図柄の組み合わせで停止表示された場合に前記第1特典よりも遊技者に有利な第2特典を付与可能に構成され、前記遊技機は、前記特典付与手段により付与される前記特典の種別を決定可能な決定手段を有し、前記第1動的表示手段は、特定期間が設定されている場合には、1の第1識別図柄を動的表示させた状態で残りの識別図柄を前記第1特定組み合わせと前記第2特定組み合わせのうちいずれかの組み合わせとなることが可能な組み合わせで停止表示させる複数リーチ表示態様を表示させた後に、前記第1識別図柄を前記特定の組み合わせで表示させるものであることを特徴とする遊技機BD1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を複数の図柄の組み合わせで報知する場合に、表示された図柄の種類によりその後に付与される特典が異なるように構成することで、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者が望む特典よりも低い特典が付与されない組み合わせを構成する一部の図柄が停止表示されることで、結果が報知されるよりも前に遊技に対する興趣が低下してしまう問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BD1によれば、特定期間に識別図柄が特定の組み合わせで表示される場合に複数リーチ表示態様を経て特定の組み合わせが表示されるので、第1特典に対応した組み合わせと第2特典に対応した組み合わせの双方が表示される期待を長く持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機BD1において、前記決定手段は、前記特定期間において前記特定の第1判別結果である場合に前記第1特典を決定するものであることを特徴とする遊技機BD2。
遊技機BD2によれば、遊技機BD1の奏する効果に加え、決定手段により第1特典が決定される特定期間であっても、複数リーチ表示態様を経て特定の組み合わせが表示されるので、特定期間に第1判別が実行された場合にも第2特典が付与されることへの期待感を持ちやすくすることができるという効果がある。
遊技機BD2において、前記決定手段は、前記特定期間において前記特定の第2判別結果である場合に前記第2特典を決定するものであり、前記第2動的表示手段は、特定期間が設定されている場合には、1の第2識別図柄を動的表示させた状態で残りの識別図柄を2以上の異なる前記第2特定組み合わせのうちいずれかの組み合わせとなることが可能な組み合わせで停止表示させる特別複数リーチ表示態様を表示させた後に、前記第2識別図柄を前記特定の組み合わせで表示させるものであることを特徴とする遊技機BD3。
遊技機BD3によれば、遊技機BD2の奏する効果に加え、特定期間では、遊技者に有利な第2特典が特定の第2判定結果である場合に必ず付与されることを早期に認識させることができるという効果がある。
<特徴BE群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別を複数の種別から決定可能な特典遊技種別決定手段と、特定の前記特典遊技が実行される場合に、遊技球が通過可能となる特定領域と、その特定領域を遊技球が通過した場合に前記特典遊技の実行後に設定される遊技状態として通常遊技状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、前記特典遊技が終了する場合に、該特典遊技の実行後に設定される前記遊技状態を示唆可能な示唆態様を実行する示唆態様実行手段と、を有した遊技機において、前記示唆態様は、第1示唆態様と第2示唆態様とが組み合わされて構成されており、前記通常遊技状態を示唆するための第2示唆態様と前記有利遊技状態を示唆するための第2示唆態様とは同一の期間で構成された示唆態様で構成されているものであることを特徴とする遊技機BE1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりとなり、その当たり種別によって異なる当たり遊技を実行して、特定の種別の当たり遊技中には、遊技球が入球可能な状態と困難な状態とに可変される可変入球領域が入球可能な状態に可変され、遊技球が入球することで当たり遊技後の遊技状態を遊技者に有利な遊技状態とすることで遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、特定の種別の当たり遊技が実行されても、可変入球領域に遊技球が入球しない場合が発生することで、その場合の報知制御における制御負荷が増大してしまう問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、制御負荷を軽減できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BE1によれば、第2示唆態様を同一の期間としたことで、示唆態様を表示させる期間が可変することを抑制しながら特定領域への入球状態によって示唆する態様を設定することで特典遊技の終了時における示唆態様の報知制御を容易にして制御負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機BE1において、前記特典遊技が実行される場合に、実行される特典遊技の種別に対応して前記示唆態様実行手段により実行される前記示唆態様を設定する示唆態様設定手段と、前記特定の特典遊技中に前記特定領域に遊技球が入球しなかった場合に設定されている前記示唆態様のうち、前記第2示唆態様を前記特定の特典遊技以外に対応した第2示唆態様に切替えることが可能な切替手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BE2。
遊技機BE2によれば、遊技機BE1の奏する効果に加え、特典遊技の終了時における制御負荷が集中することを抑制するように開始時に示唆態様を設定する構成であっても、示唆態様を表示するための期間を変動させることなく通常遊技状態に対応した示唆態様に切替えて示唆することができるので、制御負荷を抑制して正しい示唆を実行することができるという効果がある。
<特徴BF群>(大当たり種別に応じて異なる長さのED期間を設ける)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別を複数の種別から決定可能な特典遊技種別決定手段と、前記特典遊技の実行中に予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記特典遊技の終了を示すための期間として、実行中の前記特典遊技の種別に応じた長さの期間を設定する期間設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機BF1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BF1によれば、特典遊技の種別に応じて異なる期間を設定することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BF1において、前記期間設定手段により設定された前記期間を用いて特定演出を実行可能な特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機BF2。
遊技機BF2によれば、遊技機BF1の奏する効果に加え、特典遊技の種別に応じて設定される異なる期間にて特定演出を実行することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BF1またはBF2において、前記特典遊技の実行中に可変条件が成立した場合に、前記期間設定手段により設定された前記期間の長さを異なる長さに切替可能な期間切替手段を備えることを特徴とする遊技機BF3。
遊技機BF3によれば、遊技機BF1またはBF2の奏する効果に加え、特典遊技の実行中に可変条件が成立した場合にも期間の長さを異ならせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴BG群>(ED期間をV入賞の有無で可変させる)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行中に遊技球が通過可能となる特定領域と、前記特典遊技の実行中に前記特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利となる有利遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、前記特典遊技の実行中に予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記特典遊技の終了を示すための特定期間を設定する特定期間設定手段と、を備え、前記特定期間設定手段は、前記特典遊技の実行中に前記特定領域を遊技球が通過した場合と通過しなかった場合とで、異なる長さの前記特定期間を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機BG1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BG1によれば、特典遊技の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合と通過しなかった場合とで、異なる長さの特定期間を設定可能にしているため、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機BG1において、前記特定期間中に特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機BG2。
遊技機BG2によれば、遊技機BG1の奏する効果に加え、特定期間内に特定演出を実行することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BG2において、前記特定演出は、前記特典遊技中における前記特定領域への遊技球の通過状況を報知するための報知態様を少なくとも含むものであることを特徴とする遊技機BG3。
遊技機BG3によれば、特定演出に報知態様が含まれるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することが出来るという効果がある。
<特徴BH群>
判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて操作に対応した設定を実行することが可能な設定実行手段と、前記識別情報の動的表示期間において特定条件が成立している場合に前記操作手段が操作されたことに基づく前記設定の実行を規制する規制手段と、を有することを特徴とする遊技機BH1。
従来より、特別図柄抽選が実行された場合に、所定期間の特別図柄変動期間を介して抽選結果を報知(停止表示)するように構成し、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)を用いて様々な演出(変動演出)を実行することで遊技者が遊技に早期に飽きないよう工夫を凝らしているものが多々ある。その中で、複数の演出モードを予め容易しておき、各演出モードに対して特別図柄変動期間中に実行される変動演出の態様を異ならせるように構成しているものがある。
このように構成された遊技機では、演出モードが切り替わることにより、異なる変動演出を遊技者に提供することができるため、同一の変動演出ばかり提供されることにより遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、遊技者が操作可能な操作手段を操作することで、任意に演出モードを切替可能とする遊技機もある(例えば、特許文献1:特開2012-249877号公報)。このような遊技機では、複数の演出モードのうち、最も興味のある演出モードを遊技者自身が選択することができるため、興味の低い変動演出が実行されてしまい遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、演出モードを切り替えるために遊技者自身が操作手段を操作する必要があることから遊技の興趣を向上させることができる。
しかしながら、上述したように、遊技者が操作手段を操作することで、任意のタイミングで演出モードを切替可能とした場合には、例えば、特別図柄抽選の結果が停止表示される直前や、特別図柄変動期間として短時間の変動期間が設定される場合において、演出モードが切り替わることにより、特別図柄抽選の結果を遊技者が把握し難くなってしまうため、操作手段を操作しようとする意欲が低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲を向上できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BH1によれば、識別情報の動的表示期間において特定条件が成立している場合に操作手段が操作されたことに基づく設定の実行を規制することができるため、操作手段が操作されたことにより不具合が発生することを抑制することができる。
遊技機BH1において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、前記特定条件は、前記短遊技状態が設定されていることが少なくとも成立条件の1つとして設定されているものであることを特徴とする遊技機BH2。
遊技機BH2によれば、遊技機BH1の奏する効果に加え、短遊技状態中において、操作手段が操作されたことに基づく設定の実行を規制することができるため、設定実行手段が実行されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BH1またはBH2において、前記設定実行手段により実行された設定に基づいて、第1演出モードと、その第1演出モードとは異なる第2演出モードと、を少なくとも設定可能な演出モード設定手段を有することを特徴とする遊技機BH3。
遊技機BH3によれば、遊技機BH1またはBH2の奏する効果に加え、操作手段が操作されたことに基づいて異なる演出モードを設定することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BH1からBH3のいずれかにおいて、特定設定を実行可能な特定設定手段を有し、前記規制手段は、前記特定条件が設定されている場合に前記操作手段の操作に基づいて前記設定実行手段による前記設定の実行をさせずに前記特定設定手段による特定設定を実行可能に構成されているものであることを特徴とするBH4。
遊技機BH4によれば、遊技機BH1からBH3のいずれかの奏する効果に加え、特定条件が成立している期間に操作手段を操作することで設定の実行が規制される場合にも、特定設定が実行されるので操作手段を操作した遊技者に対して操作手段を操作したことによる作動を提供することで、操作手段の操作を意味のある行為にすることができるという効果がある。
遊技機BH4において、前記特定設定に基づいて、前記識別情報が停止表示されるよりも前に停止表示される前記識別情報の情報を示唆可能な示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機BH5。
遊技機BH5によれば、遊技機BH4の奏する効果に加え、特定条件が成立している場合には、停止表示される識別情報の情報が示唆演出により停止表示前に識別可能となり、特定条件が成立している場合に操作することで多様な演出を実行して遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴BI群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、遊技状態として第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利となり、前記第2遊技状態とは異なる第3遊技状態と、を少なくとも設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技実行手段に実行される前記特典遊技の終了後に、前記第2遊技状態を設定可能であり、前記第2遊技状態が設定されている状態において第1設定条件が成立した場合に前記第3遊技状態を設定可能であり、前記第3遊技状態が設定されている状態において前記第1設定条件とは異なる第2設定条件が成立した場合に前記第1遊技状態を設定可能であり、前記遊技状態設定手段により、前記第2遊技状態が設定された場合に、前記第2設定条件が成立するまでの期間に基づいて有利期間を決定する有利期間決定手段と、その有利期間決定手段により決定された前記有利期間を報知可能な報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BI1。
従来より、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(例えば、時短状態)が設定された場合に、その有利遊技状態が継続する期間(特別図柄変動回数)を遊技者に報知するものがある。具体的には、有利遊技状態が継続する期間を示す残期間表示態様として「100回」を表示し、特別図柄抽選が実行される毎に、残期間表示態様の値を1減算表示するものがある。これにより、現在設定されている有利遊技状態中にあと何回の特別図柄抽選を実行することができるのかを遊技者に容易に把握させることができるものであった。
また、近年の遊技機では、遊技者にとって有利となる有利遊技状態として複数の状態種別を設定可能なものがあり、有利遊技状態として、第1有利遊技状態(例えば、時短状態)と、その第1有利遊技状態よりもさらに有利な第2有利遊技状態(例えば、確変状態)と、を設定可能なものがある。
このように構成された遊技機では、例えば、第1有利遊技状態(例えば、時短状態)が設定されている場合に第1有利遊技状態が継続する期間(残期間)を遊技者に報知することは可能であるが、第1有利遊技状態が終了した後に、どの遊技状態が設定されるのかを報知することができないという問題があった。つまり、遊技者は第1有利遊技状態が終了した場合に、第1有利遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態が設定されるのか、それとも第1有利遊技状態よりも遊技者に不利となる遊技状態が設定されるのかを把握することができず、第1有利遊技状態中において何を目指して遊技を行えば良いのか分かり難く遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲を向上させることで遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BI1によれば、第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態が設定された場合に、報知手段により、再度第1遊技状態が設定されるまでの期間に基づいて決定された有利期間が報知されるため、第1遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態を複数有する遊技機であっても、第1遊技状態よりも有利な遊技状態が設定される期間を把握することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BI1において、前記報知手段により前記有利期間であることが報知されている状態において、前記遊技状態設定手段により設定されている前記遊技状態を示唆するための示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機BI2。
遊技機BI2によれば、第1遊技状態が設定されるまでの有利期間を遊技者に報知しながらも、現在設定されている遊技状態を示唆することができるため、実行される示唆演出の内容に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BI2において、前記示唆演出実行手段は、前記報知手段により前記有利期間であることが報知されている状態において、前記遊技状態設定手段により設定されていた前記遊技状態を示唆するための過去示唆演出も実行可能であることを特徴とする遊技機BI3。
遊技機BI3によれば、示唆演出実行手段により、過去に設定されていた遊技状態を遊技者に示唆することができる。よって、過去示唆演出の内容に基づいて現在の遊技状態を予測したり、有利期間中における過去の遊技内容を解析したりすることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BI2またはBI3において、前記報知手段は、前記有利期間の残期間を示すための残期間表示態様を表示手段に表示可能であり、前記示唆演出実行手段は、前記残期間表示態様を可変させることで、現在設定されている遊技状態、或いは、過去に設定されていた遊技状態を示唆可能であることを特徴とする遊技機BI4。
遊技機BI4によれば、有利期間の残期間を示すための残期間表示態様を可変させることにより、遊技状態に関する示唆演出が実行されるため、有利期間の残期間を注視する遊技者に対して示唆演出を分かり易く実行することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機BI1からBI4の何れかにおいて、前記報知手段により前記有利期間であることが報知されている状態において、前記第1設定条件が成立し得るタイミングを示唆可能な第2示唆演出手段を有することを特徴とする遊技機BI5。
遊技機BI5によれば、有利期間中において遊技状態が切り替わるタイミングを遊技者に予測させることができるため、有利期間中における遊技に遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BI1からBI5の何れかにおいて、前記第2遊技状態と、前記第3遊技状態のうち、遊技者に有利となる遊技状態を遊技者に報知可能な有利報知手段を有するものであることを特徴とする遊技機BI6。
遊技機BI6によれば、有利期間中に設定される複数の遊技状態の優劣を遊技者が把握することができるため、現在設定されている遊技状態が何れの遊技状態であるかの予測により興味を持たせることができる。
<特徴BJ群>
判別結果を示唆可能な示唆情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記示唆情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための特定表示態様が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記示唆情報は、複数の図柄で構成された図柄列で構成された第1図柄列と、その第1図柄列とは異なる複数の図柄で構成された図柄列で構成された第2図柄列とが少なくとも設定されており、前記動的表示手段は、第1図柄列を第1方向に動的表示させている期間に、前記第2図柄列を前記第1方向とは異なる第2方向に動的表示させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BJ1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1~9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、図柄列を形成する各図柄の順序を可変させることなく、図柄列単位で第3図柄を変動表示させるだけであるため、例えば、各図柄列の変動表示の速度を可変させたり、各図柄列の変動方向を可変させたり、各図柄列が表示される大きさを可変させたりする程度のバリエーションしか無く、図柄列の変動表示を用いた変動演出の演出効果をより高めることでさらなる遊技の興趣向上が求められているという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BJ1によれば、第1図柄列と第2図柄列とが互いに異なる方向に動的表示されるので第1図柄列と第2図柄列とを区別し易くなり判別結果を示唆情報より判別し易くできるという効果がある。
遊技機BJ1において、前記示唆情報が動的表示されることが可能な動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段を有し、前記第1図柄列は、前記動的表示期間の開始に基づいて前記第1方向に動的表示されるように構成され、前記第2図柄列は、特定条件の成立に基づいて前記第2方向へと前記第1図柄列で動的表示された図柄と前記第2図柄列を構成する図柄の一部が少なくとも重なる位置で前記第2方向へと動的表示されるものであることを特徴とする遊技機BJ2。
遊技機BJ2によれば、遊技機BJ1の奏する効果に加え、第1図柄列と第2図柄列とが重なる位置で動的表示されるので、表示領域を有効に利用した演出を実行することができるという効果がある。
遊技機BJ2において、前記示唆情報が動的表示されることが可能な動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段を有し、前記第1図柄列と第2図柄列とは、前記動的表示期間の開始に基づいて前記第1方向と前記第2方向とにそれぞれ動的表示されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機BJ3。
遊技機BJ3によれば、遊技機BJ2の奏する効果に加え、第1図柄列と第2図柄列とは、動的表示期間の開始に基づいてそれぞれ第1方向と第2方向とにそれぞれ動的表示されるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機BJ1からBJ3の何れかにおいて、前記示唆情報を表示制御可能な表示制御手段を有し、前記表示制御手段は、前記第1図柄列の表示態様により前記判別結果を表示するように前記第1図柄列を表示制御可能であることを特徴とする遊技機BJ4。
遊技機BJ4によれば、遊技機BJ3の奏する効果に加え、第1図柄列の表示態様を用いて判別結果が表示されるため、第1図柄列の動的表示の表示態様を判別結果に基づいて表示制御すれば良く、第2図柄列の動的表示の表示態様を自由に設定することが可能となる。よって、示唆情報の動的表示における演出効果を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BJ4において、前記第1図柄列を動的表示可能な第1表示画層と、前記第2図柄列を動的表示可能な第2表示画層と、を有し、前記遊技機は、前記第1表示画層における第1表示領域と、前記第2表示画層における第2表示領域との少なくとも一部が重複するように構成されるものであり、前記第1表示領域と、前記第2表示領域とが重複する箇所では、前記第1図柄列が前記第2図柄列よりも優先して遊技者に視認可能となるように表示可能であることを特徴とする遊技機BJ5。
遊技機BJ5によれば、遊技機BJ4の奏する効果に加え、第1図柄列と第2図柄列とが重複する場合には、第1図柄列のほうが遊技者に視認可能となるように表示される。よって、表示領域を有効に利用した演出を実行しながらも、判別結果を示すための表示態様を遊技者に分かり易く表示することができるという効果がある。
遊技機BJ4またはBJ5において、前記表示制御手段は、前記第1図柄列を構成する前記複数の図柄と、前記第2図柄列を構成する前記複数の図柄と、が所定の順序で配置された合算図柄列で構成されているように前記第1図柄列と前記第2図柄列とを表示制御可能であることを特徴とする遊技機BJ6。
遊技機BJ6によれば、遊技機BJ4またはBJ5の奏する効果に加え、第1図柄列と第2図柄列とを合算図柄列として動的表示させることができるため、遊技者に対して、合算図柄列が構成されていると思わせることができる。その中で、第1図柄列と第2図柄列とを逆方向に動的表示させることができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機BJ6において、前記表示制御手段は、前記判別結果が前記特定の判別結果である場合よりも、前記特定の判別結果以外である場合のほうが、前記合算図柄列として前記第1図柄列と前記第2図柄列とを動的表示させ易くなるように表示制御可能であることを特徴とする遊技機BJ7。
遊技機BJ7によれば、遊技機BJ6の奏する効果に加え、判別結果が特定の判別結果である場合のほうが、合算図柄列として第1図柄列と第2図柄列とを動的表示され難くすることができる。よって、第1図柄列の動的表示と第2図柄列の動的表示とが異なる態様となった場合に、特定の判別結果への期待感を高めさせることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴BK群>
遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された場合に、遊技球が入球困難な第1状態からその第1状態よりも入球し易い第2状態へと可変可能な可変入球手段と、を有した遊技機において、前記可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な第1特定領域と、その第1特定領域を遊技球が通過したことを検出可能な第1検出手段と、前記第1特定領域を通過した遊技球が通過可能な第2特定領域と、その第2特定領域を遊技球が通過したことを検出可能な第2検出手段と、前記第1特定領域を通過した遊技球を前記第2特定領域へと誘導可能な誘導路と、前記第2特定領域に遊技球が通過可能な許容状態と通過困難な規制状態とに可変可能な可変手段とを有し、前記可変手段は、前記第1検出手段により所定数の遊技球が検出されたことに基づいて前記規制状態から前記許容状態へと可変条件が成立するまで可変されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機BK1。
従来より、大当たり遊技中に開放動作されるアタッカ内に特定領域を設け、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、その大当たり遊技終了後に確変状態を設定する遊技機(所謂、V確機)があった(例えば、特許文献1:特開2015-119807号公報)。このような遊技機では、大当たり遊技が開始されてからの経過期間に基づいて特定領域を遊技球が通過し易い第1状態を所定期間設定することにより、確変状態が設定される割合を予め規定可能に構成していた。
しかしながら、従来型の遊技機では、大当たり遊技が実行されてからの経過期間に基づいて第1状態が設定されてしまうため、例えば、大当たり遊技中に遊技機のトラブルによって遊技球をアタッカに入賞させることができない事態が発生したまま、第1状態が設定される所定期間が経過してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲を向上させることで遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BK1によれば、可変入球手段に入球した遊技球の計測結果に基づいて、可変手段が許容状態へと可変されるので、可変入球手段に入球した数によって第2特定領域へと遊技球を通過させることが可能となり、遊技者に可変入球手段に入球させた数に対して興味を持たせて遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機BK1において、前記可変手段は、前記第1特定領域を前記所定数目となる遊技球が前記許容状態に可変された状態の前記可変手段へと到達可能となる期間で前記許容状態へと可変されるものであることを特徴とする遊技機BK2。
遊技機BK2によれば、遊技機BK1の奏する効果に加え、第1特定領域を通過した所定数目の遊技球を第2特定領域へと入球させることが可能となり、第2特定領域を通過する遊技球を制御して、第2特定領域への入球数を制限することができるという効果がある。
遊技機BK1またはBK2において、前記第1特定領域を前記所定数目の遊技球が通過した後に、前記第2検出手段に遊技球が検出されるまでの期間を判別することが可能な期間判別手段と、前記期間判別手段の判別結果に基づいて異常処理を実行可能な異常処理手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BK3。
遊技機BK3によれば、遊技機BK1またはBK2の奏する効果に加え、第1特定領域を所定数の遊技球を通過したにもかかわらず、誘導路上で滞留している場合等の不具合を早期に発見することができるという効果がある。
遊技機BK1からBK3の何れかにおいて、前記終了条件は、前記所定数目の遊技球が前記第2検出手段に検出された後に、次の遊技球が前記可変手段に到達する期間よりも短い期間が経過した場合に成立するように設定されているものであることを特徴とする遊技機BK4。
遊技機BK4によれば、遊技機BK1からBK3の何れかの奏する効果に加え、確実に所定数目の遊技球を第2特定領域に入球させることができるという効果がある。
遊技機BK1からBK4の何れかにおいて、前記第2検出手段に遊技球が検出されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段を有するものであることを特徴とする遊技機BK5。
遊技機BK5によれば、遊技機BK1からBK4の何れかの奏する効果に加え、特典遊技が実行された場合にも、第2特定領域へ遊技球を入球させることに対する意欲を持たせることができ、特典遊技が退屈になる不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴BL群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別図柄が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別図柄を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記識別図柄が動的表示された後、特定の前記判別結果を示すための前記識別図柄が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、その特典付与手段により付与される特典種別を決定することが可能な特典種別決定手段と、を有した遊技機において、前記識別図柄が動的表示される期間を少なくとも含む動的表示期間を決定可能な動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間では第1の結果を示すための前記識別図柄として第1識別図柄が表示され、第2期間では前記第1の結果とは異なる第2の結果を示すためのものであって、前記第1識別図柄とは異なる第2識別図柄が少なくとも表示されるように設定可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BL1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1~9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、第3図柄変動が開始されてから停止表示されるまでの変動期間中に特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が変動するだけであるため、第3図柄の変動表示開始から変動表示終了までの期間中に、遊技者が遊技に飽きてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、第3図柄変動の期間中における遊技意欲の低下を抑制することにより、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BL1によれば、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間で動的表示される第1識別図柄と、第2期間で動的表示される第2識別図柄とで異なる結果を示すことが可能となるため、動的表示手段により動的表示される識別図柄に対して、遊技者に継続して興味を持たせることができる。よって、動的表示期間中における遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BL1において、前記動的表示手段は、前記第1期間の終了時に前記第1識別図柄を停止表示可能であり、前記第2期間は、少なくとも前記第1期間が経過した後の期間であることを特徴とする遊技機BL2。
遊技機BL2によれば、遊技機BL1の奏する効果に加え、第1期間が終了し、第2期間が始まることを遊技者に分かり易く報知することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機BL2において、前記動的表示手段は、前記第1の結果として、前記判別手段の判別結果が、前記特定の判別結果であることを示すための前記第1識別図柄を表示可能であることを特徴とする遊技機BL3。
遊技機BL3によれば、遊技機BL2の奏する効果に加え、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間が経過するよりも前に、判別手段の判別結果を遊技者に報知することができるため、いち早く判別手段の判別結果を把握しようとする遊技者に対して、動的表示手段により実行される識別図柄の動的表示を注視させることができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BL3において、前記動的表示手段は、前記第2の結果として、前記特典種別決定手段により決定された前記特典種別を示すための前記第2識別図柄を表示可能であることを特徴とする遊技機BL4。
遊技機BL4によれば、遊技機BL3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2期間の終了後に前記特典種別を示すための識別図柄を表示することができる。つまり、判別手段の判別結果を表示した後に、特典種別決定手段により決定された特典種別を表示することができる。よって、判別手段の判別結果が特定の判別結果であることを遊技者に報知した後に、特典種別決定手段により決定された特典種別を遊技者に報知することができるため、少なくとも特典遊技が実行されるという安心感を持たせた状態で第2期間の動的表示を実行することができるという効果がある。
遊技機BL4において、前記特典種別決定手段は、少なくとも、第1特典種別と、その第1特典種別よりも遊技者に有利となる第2特典種別とを含む複数の特典種別のうち、何れかの特典種別を決定するものであり、前記第2識別図柄は、少なくとも前記特典種別決定手段により決定された前記特典種別を示すための情報が含まれている表示態様で表示されるものであることを特徴とする遊技機BL5。
遊技機BL5によれば、遊技機BL4の奏する効果に加え、第2識別図柄の表示態様が前記特典種別決定手段によって決定された特典種別を示しているため、第2識別図柄が動的表示されている期間中においても、決定された特典手段を遊技者に予測させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機BL5において、前記動的表示手段により動的表示される複数の前記識別図柄が所定の順序で表示される図柄列を設定可能な図柄列設定手段を有し、前記動的表示手段は、前記図柄列設定手段により設定された前記図柄列に基づいて前記識別図柄を動的表示可能であり、前記図柄列設定手段は、第1期間中に設定される第1図柄列の少なくとも一部を形成する前記第1識別図柄を、前記第2識別図柄へと切り替えた第2図柄列を設定可能であることを特徴とする遊技機BL6。
遊技機BL6によれば、遊技機BL5の奏する効果に加え、第1図柄列の少なくとも一部を形成する第1識別図柄を第2識別図柄へと切り替えた第2図柄列が設定されるため、第1図柄列が有する識別図柄の数と、第2図柄列が有する識別図柄の数と、同一にすることができる。よって、動的表示手段により実行される識別図柄の動的表示態様を、設定される図柄列の種別に応じて可変させる必要が無いため、識別図柄を動的表示させるための処理負荷を軽減させることができるという効果がある。
遊技機BL6において、前記図柄列設定手段は、前記判別手段の同一の判別結果を示すための第1識別図柄を重複させた前記第1図柄列を形成可能であり、前記第2図柄列を設定する場合、前記重複している前記第1識別図柄の何れかを前記第2識別図柄へと切替可能であることを特徴とする遊技機BL7。
遊技機BL7によれば、第1図柄列に重複して含まれる第1識別図柄を第2識別図柄へと切り替えるため、第2期間中においても、第1期間中に実行された動的表示にて表示されていた各第1識別図柄を確認することが可能となる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
<特徴BM群>
判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作の種別として、第1操作と、その第1操作とは異なる第2操作と、を少なくとも判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段の判別結果に基づいた設定を実行することが可能な設定実行手段と、前記操作判別手段により前記第1操作と判別された場合に、前記設定実行手段により第1設定が実行されることを規制する規制手段と、を有し、前記設定実行手段は、前記規制手段による前記規制中において、前記操作判別手段により前記第2操作が判別された場合に、前記第1設定を実行可能であることを特徴とする遊技機BM1。
従来より、特別図柄抽選が実行された場合に、所定期間の特別図柄変動期間を介して抽選結果を報知(停止表示)するように構成し、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)を用いて様々な演出(変動演出)を実行することで遊技者が遊技に早期に飽きないよう工夫を凝らしているものが多々ある。その中で、複数の演出モードを予め容易しておき、各演出モードに対して特別図柄変動期間中に実行される変動演出の態様を異ならせるように構成しているものがある(例えば、特許文献1:特開2012-249877号公報)。
このように構成された遊技機では、演出モードが切り替わることにより、異なる変動演出を遊技者に提供することができるため、同一の変動演出ばかり提供されることにより遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、遊技者が操作可能な操作手段を操作することで、任意に演出モードを切替可能とする遊技機もある。このような遊技機では、複数の演出モードのうち、最も興味のある演出モードを遊技者自身が選択することができるため、興味の低い変動演出が実行されてしまい遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、演出モードを切り替えるために遊技者自身が操作手段を操作する必要があることから遊技の興趣を向上させることができる。
しかしながら、上述したように、遊技者が操作手段を操作することで、任意のタイミングで演出モードを切替可能とした場合には、例えば、特別図柄抽選の結果が停止表示される直前や、特別図柄変動期間として短時間の変動期間が設定される場合において、演出モードが切り替わることにより、特別図柄抽選の結果を遊技者が把握し難くなってしまうため、操作手段を操作しようとする意欲が低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲を向上できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BM1によれば、第1操作に基づく第1設定が規制されている状態であっても、第2操作を実行することで第1設定を実行することができる。よって、様々な操作を実行しようと意欲的に遊技者に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機BM1において、前記設定実行手段は、前記規制手段による前記規制中において、前記操作判別手段により前記第1操作が判別された場合に、前記第1設定とは異なる第2設定を実行可能であることを特徴とする遊技機BM2。
遊技機BM2によれば、遊技機BM1の奏する効果に加え、規制中に第1操作を実行した場合に、第2設定が実行されるため、第1操作を実行したにも関わらず設定実行手段が何も実行しない事態を抑制することができる。よって、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機BM1またはBM2において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記規制手段は、前記短遊技状態が設定されている状態であって、前記操作判別手段により前記第1操作と判別された場合に、前記設定実行手段により第1設定が実行されることを規制し得るものであることを特徴とする遊技機BM3。
遊技機BM3によれば、遊技機BM1またはBM2の奏する効果に加え、短遊技状態中において、操作手段が操作されたことに基づく設定の実行を規制することができるため、設定実行手段が実行されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BM3において、前記設定実行手段により実行された設定に基づいて、第1演出モードと、その第1演出モードとは異なる第2演出モードと、を少なくとも設定可能な演出モード設定手段を有することを特徴とする遊技機BM4。
遊技機BM4によれば、遊技機BM3の奏する効果に加え、操作手段が操作されたことに基づいて異なる演出モードを設定することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BM1からBM4の何れかにおいて、前記操作手段は、前記第1操作を実行するための第1操作部と、前記第2操作を実行するための前記第1操作部とは異なる第2操作部と、を有するものであることを特徴とする遊技機BM5。
遊技機BM5によれば、遊技機BM1からBM4のいずれかの奏する効果に加え、第1操作を実行する場合と、第2操作を実行する場合とで、異なる操作部に対して操作を実行することになるため、遊技者が第1操作と第2操作とを間違えて実行してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BM5において、前記第2操作部は、前記第1操作部よりも遊技中の遊技者が操作し難い箇所に設けられていることを特徴とする遊技機BM6。
遊技機BM6によれば、遊技機BM5の奏する効果に加え、各操作部の操作のし易さを異ならせることにより、第1操作部を用いる第1操作を通常の操作とし、第2操作部を用いる第2操作を非常用の操作とすることが可能となる。よって、遊技者が何れの操作を実行するか悩んでしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴BN群>
判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて操作に対応した第1設定を実行することが可能な第1設定実行手段と、前記操作手段が操作されたことに基づく前記第1設定の実行を規制する規制手段と、その規制手段により前記第1設定の実行が規制されている状態で、前記操作手段を操作した場合に前記第1設定とは異なる第2設定を実行する第2設定実行手段と、を有することを特徴とする遊技機BN1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1~9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、第3図柄変動が開始されてから停止表示されるまでの変動期間中に特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が変動するだけであるため、第3図柄の変動表示開始から変動表示終了までの期間中に、遊技者が遊技に飽きてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、第3図柄変動の期間中における遊技意欲の低下を抑制することにより、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BN1によれば、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間で動的表示される第1識別図柄と、第2期間で動的表示される第2識別図柄とで異なる結果を示すことが可能となるため、動的表示手段により動的表示される識別図柄に対して、遊技者に継続して興味を持たせることができる。よって、動的表示期間中における遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BN1によれば、第1設定が規制されている状態で操作手段が操作された場合に、第2設定が実行されるため、操作手段を操作したにも関わらず何も実行されない事態を抑制することができる。よって、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機BN1において、前記規制手段は、前記識別情報の動的表示期間において特定条件が成立している場合に前記第1設定の実行を規制可能であることを特徴とする遊技機BN2。
遊技機BN2によれば、遊技機BN1の奏する効果に加え、識別情報の動的表示が実行されている間に規制手段により第1設定の実行が規制されるため、第1設定が実行されたことにより、識別情報の動的表示結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができるという効果がある。
遊技機BN2において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記規制手段は、前記短遊技状態が設定されている状態であって、前記操作判別手段により前記第1操作と判別された場合に、前記設定実行手段により第1設定が実行されることを規制し得るものであることを特徴とする遊技機BN3。
遊技機BN3によれば、遊技機BN1またはBN2の奏する効果に加え、短遊技状態中において、操作手段が操作されたことに基づく設定の実行を規制することができるため、設定実行手段が実行されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BN3において、前記設定実行手段により実行された前記第1設定に基づいて、第1演出モードと、その第1演出モードとは異なる第2演出モードと、を少なくとも設定可能な演出モード設定手段を有することを特徴とする遊技機BN4。
遊技機BN4によれば、遊技機BN3の奏する効果に加え、操作手段が操作されたことに基づいて異なる演出モードを設定することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BN1からBN4の何れかにおいて、前記操作手段は、第1操作を実行するための第1操作部と、前記第1操作とは異なる第2操作を実行するための前記第1操作部とは異なる第2操作部と、を有するものであることを特徴とする遊技機BM5。
遊技機BN5によれば、遊技機BN1からBN4の何れかの奏する効果に加え、第1操作を実行する場合と、第2操作を実行する場合とで、異なる操作部に対して操作を実行することになるため、遊技者が第1操作と第2操作とを間違えて実行してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BN5において、前記第2操作部は、前記第1操作部よりも遊技中の遊技者が操作し難い箇所に設けられていることを特徴とする遊技機BN6。
遊技機BN6によれば、遊技機BN5の奏する効果に加え、各操作部の操作のし易さを異ならせることにより、第1操作部を用いる第1操作を通常の操作とし、第2操作部を用いる第2操作を非常用の操作とすることが可能となる。よって、遊技者が何れの操作を実行するか悩んでしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴BO群>
判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて、演出モードとして第1演出モードと、その第1演出モードとは異なる第2演出モードと、を少なくとも設定可能な演出モード設定手段と、その演出モード設定手段による前記演出モードの設定を実行可能な第1期間と、その第1期間よりも前記演出モードの設定を実行し難い第2期間と、を設定可能な期間設定手段と、を有し、前記遊技機は、前記演出モードの設定が、前記第2期間中に実行されたほうが、前記第1期間中に実行されるよりも遊技者に有利な情報を提供可能であることを特徴とする遊技機BO1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1~9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、第3図柄変動が開始されてから停止表示されるまでの変動期間中に特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が変動するだけであるため、第3図柄の変動表示開始から変動表示終了までの期間中に、遊技者が遊技に飽きてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、第3図柄変動の期間中における遊技意欲の低下を抑制することにより、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BO1によれば、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間で動的表示される第1識別図柄と、第2期間で動的表示される第2識別図柄とで異なる結果を示すことが可能となるため、動的表示手段により動的表示される識別図柄に対して、遊技者に継続して興味を持たせることができる。よって、動的表示期間中における遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BO1によれば、演出モードが設定され難い第2期間において演出モードの設定がされた場合に、遊技者に有利な情報を提供することができるため、第2期間中において演出モードが設定されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。よって、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BO1において、前記演出モード設定手段は、前記第2期間中に前記演出モードの設定を実行する場合に、前記第1演出モード、及び前記第2演出モードとは異なる第3演出モードを設定可能であることを特徴とする遊技機BO2。
遊技機BO2によれば、遊技機BO1の奏する効果に加え、第3演出モードが設定されることで、第2期間中に演出モードが設定されたことを遊技者に報知することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができるという効果がある。
遊技機BO1からBO3の何れかにおいて、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記期間設定手段は、前記短遊技状態が設定されている場合に前記第2期間を設定可能であることを特徴とする遊技機BO4。
遊技機BO4によれば、遊技機BO1からBO3の何れかの奏する効果に加え、短遊技状態中において、演出モードが設定され難くすることができるため、演出モードが設定されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BO1からBO4の何れかにおいて、前記期間設定手段により前記第2期間が設定されることを、前記第2期間が設定されるよりも前に遊技者に報知可能な報知手段を有することを特徴とする遊技機BO5。
遊技機BO5によれば、遊技機BO1からBO4の何れかの奏する効果に加え、遊技者に対して第2期間が設定されることを事前に把握させることができるため、所望の演出モードを設定した状態で第2期間を設定させることができる。よって、遊技者が所望しない演出モードにて第2期間が設定されてしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴BP群>
情報取得条件の成立に基づいて情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が記憶される情報記憶手段と、その情報記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記判別手段による判別結果が特定の判別結果であることを示すための識別情報が前記表示手段に停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を、その情報に基づく前記判別手段による判別が実行されるよりも前に事前判別可能な事前判別手段と、切替条件が成立した場合に、第1演出モードから、その第1演出モードとは異なる第2演出モードへと演出モードを切替可能な切替手段と、を有し、前記切替条件は、前記事前判別手段の事前判別結果が第1事前判別結果である場合よりも、前記第1事前判別結果とは異なる第2事前判別結果である場合のほうが、成立し易いものであることを特徴とする遊技機BP1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1~9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、第3図柄変動が開始されてから停止表示されるまでの変動期間中に特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が変動するだけであるため、第3図柄の変動表示開始から変動表示終了までの期間中に、遊技者が遊技に飽きてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、第3図柄変動の期間中における遊技意欲の低下を抑制することにより、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BP1によれば、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間で動的表示される第1識別図柄と、第2期間で動的表示される第2識別図柄とで異なる結果を示すことが可能となるため、動的表示手段により動的表示される識別図柄に対して、遊技者に継続して興味を持たせることができる。よって、動的表示期間中における遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BP1によれば、事前判別手段による事前判別結果に応じて切替条件の成立のし易さを異ならせることができるため、演出モードが切り替わった場合における事前判別手段の事前判別結果を遊技者に予測させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BP1において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作を判別可能な操作判別手段と、を有し、前記切替条件は、前記操作判別手段により前記操作が判別された場合に成立し得るものであることを特徴とする遊技機BP2。
遊技機BP2によれば、遊技機BP1の奏する効果に加え、遊技者が操作手段を操作した場合にも切替条件が成立させることができるため、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BP2において、前記切替手段は、前記事前判別手段の判別結果が前記第2事前判別結果である場合に、前記第1演出モードから前記第2演出モードとは異なる第3演出モードへと切替可能であることを特徴とする遊技機BP3。
遊技機BP3によれば、遊技機BP2の奏する効果に加え、第3演出モードが設定されることで、事前判別手段による事前判別の結果が第2事前判別結果であることを遊技者に報知することが可能となる。よって、遊技者に分かり易い演出を提供することができるという効果がある。
遊技機BP1からBP3の何れかにおいて、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記切替条件は、前記短遊技状態が設定されている場合のほうが、前記短遊技状態が設定されていない場合よりも成立し難いものであることを特徴とする遊技機BP4。
遊技機BP4によれば、遊技機BP1からBP3の何れかの奏する効果に加え、短遊技状態中において、演出モードを切替難くすることができるため、演出モードが設定されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BP1からBP4の何れかにおいて、前記遊技状態設定手段により前記短遊技状態が設定されることを、前記短遊技状態が設定されるよりも前に遊技者に報知可能な報知手段を有することを特徴とする遊技機BP5。
遊技機BP5によれば、遊技機BP1からBP4の何れかの奏する効果に加え、遊技者に対して短遊技状態が設定されることを事前に把握させることができるため、短遊技状態が設定されるよりも前に切替条件を成立させようと操作手段を意欲的に操作させることができる。これにより、所望の演出モードを設定した状態で短遊技状態を設定させ易くすることができるため、遊技者が所望しない演出モードにて短遊技状態が設定されてしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<5066シリーズ>
<特徴CA群>
情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特定遊技を実行することが可能な特定遊技実行手段と、前記特定遊技が実行された後に特定設定を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であると判別された場合に前記特定遊技を実行せずに前記設定手段により前記特定設定を設定させることが可能な設定制御手段を有し、前記判別手段は、特定期間が設定されている場合に前記第2判別結果を判別することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CA1。
遊技機CA1によれば、特定期間が設定されている場合に第2判別結果と判別されることが可能にされているので、特定期間が設定されると第2判別結果と判別されることで特定設定が設定されることで、特定設定が通常時と異なるタイミングで設定されることとなり、特定遊技が実行されることだけでなく、特定期間が設定される期間にも期待度を高めることで遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CA1において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、を有し、前記取得手段は、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記情報として第1情報を取得可能であり、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記情報として第2情報を取得可能であり、前記判別手段は、前記第2情報に基づいて前記第2判別結果を判別可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CA2。
遊技機CA2によれば、遊技機CA1の奏する効果に加え、前記第2入球手段に入球させることで第2判別結果が判別可能に構成されているので、第1入球手段と第2入球手段とで遊技球の入球に対する価値を可変させることができ、特定期間が設定されている場合に第2情報が記憶されているように遊技を行わせるようにでき、遊技を多様にすることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機CA1またはCA2において、前記第2判別結果が判別されたことに基づいて設定される前記特定設定は、特定遊技の実行後に設定される特定設定よりも長い期間設定されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CA3。
遊技機CA3によれば、遊技機CA1またはCA2の奏する効果に加え、特定設定が設定される期間を判別された判別結果により可変させることが可能となるので、遊技を多様にすることができ興趣をより向上できるという効果がある。
<特徴CB群>
情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特定遊技を実行することが可能な特定遊技実行手段と、前記特定遊技が実行された後に特定条件が成立していることに基づいて特定設定を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であると判別された場合に前記特定遊技を実行せずに前記設定手段により前記特定設定を設定させることが可能な設定制御手段を有し、前記判別手段は、前記第1判別結果と前記第2判別結果とを重複して判別することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CB1によれば、第1判別結果と第2判別結果とを重複して判別することが可能に構成されているので、特定条件が成立しなかった場合にも特定設定が設定されることが可能にでき、特定設定がされるタイミングを多様にすることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機CB1において、前記判別手段により前記第1判別結果と前記第2判別結果とが重複して判別されたことに基づいて前記特定遊技として重複して判別されなかった場合よりも遊技者に有利となる特定遊技の種別が実行され易くされているものであることを特徴とする遊技機CB2。
遊技機CB2によれば、遊技機CB1の奏する効果に加え、重複して判別されることで遊技者に有利となる種別の特定遊技が実行され易いので、遊技者に多様な判別結果に対応した特典を付与することで遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機CB1またはCB2において、前記設定制御手段は、前記判別手段により前記第2判別結果と判別された後に前記第1判別結果であるかを判別する期間で前記特定設定を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CB3。
遊技機CB3によれば、遊技機CB1またはCB2の奏する効果に加え、前記第2判別結果と判別されると、その後に実行される第1判別結果であるかの判別がされる期間に特定設定がされるので、特定設定がされた状態で第1判別結果であるかを判別することができ、多様な状態で判別を行わせることができるという効果がある。
<特徴CC群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態よりも前記判別手段による前記判別が実行され易い第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態を設定するための設定種別として、前記特典遊技実行手段の終了後に前記第2遊技状態を設定可能な第1設定と、前記判別手段により実行される前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記特典遊技を実行すること無く、前記第2遊技状態を設定可能な第2設定と、を少なくとも実行可能であり、前記遊技機は、前記設定種別に応じて、前記第2遊技状態中に実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果であることに基づいて実行される前記特典遊技の種別の選択割合を異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機CC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら有利状態が設定された場合には、遊技当否抽選が実行され易くなるという効果はあるが、有利状態中において、遊技の当否抽選の結果が当たりとなった場合には、常に同一の特典が付与されることから遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CC1によれば、設定種別に応じて特典遊技の種別における選択割合が可変されるので、同じ第2遊技状態であっても異なるものとすることができ、遊技状態を多数設定しなくとも遊技を多様にして遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CC1において、前記第2遊技状態は、終了条件が成立するまで継続して設定されるものであり、前記第2設定が設定されている場合に前記特典遊技が実行された場合には、その特典遊技が実行された後に、前記終了条件が成立するまでの期間を長くなるようにすることが可能な設定がされ易いものであることを特徴とする遊技機CC2。
遊技機CC2によれば、遊技機CC1の奏する効果に加え、前記第2設定がされることで、第2遊技状態が設定される期間を長くすることが可能となるので、第2遊技状態において特典遊技が実行された場合に終了条件が設定されるまでの期間について興味をより持たせることができるという効果がある。
遊技機CC1またはCC2において、前記判別手段は、遊技状態によって前記第2判別結果を判別することが規制されるものであることを特徴とする遊技機CC3。
遊技機CC3によれば、遊技機CC1またはCC2の奏する効果に加え、遊技状態によって第2判別結果が判別されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
<特徴CD群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される判別結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技の終了後に、第1遊技状態よりも前記判別手段による前記判別が実行され易い設定がされる第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定されている状態で所定の終了条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であり、前記遊技機は、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に設定されることが可能な設定情報を判別可能な設定情報判別手段を有し、前記設定情報判別手段により前記第1設定情報よりも後に設定される第2設定情報が判別された場合に、前記特典遊技の終了後に前記終了条件が成立し難い前記第2遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機CD1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CD1によれば、第2遊技状態が設定されている期間が長くなるほど特典遊技が実行された場合に終了条件が成立し難くされているので、遊技者に特典遊技が実行されることを期待する期間と、特典遊技が実行されることを期待させない期間とを切り替えて設定することができ、遊技を多様にして遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機CD1において、前記特定の第1判別結果とは異なる特定の第2判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づいて前記設定情報を設定することが可能な設定情報設定手段を有し、前記設定情報設定手段は、設定されている設定情報の種別に対応した設定情報を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CD2。
遊技機CD2によれば、遊技機CD1の奏する効果に加え、設定情報の履歴に応じて設定される設定情報を規則的に可変させることができるので第2遊技状態の設定されている期間を容易に判別させることができるという効果がある。
遊技機CD1またはCD2において、前記判別手段は、遊技状態によって前記第2判別結果を判別することが規制されるものであることを特徴とする遊技機CD3。
遊技機CD3によれば、遊技機CD1またはCD2の奏する効果に加え、遊技状態によって第2判別結果が判別されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
<特徴CE群>
第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段により実行される前記第1判別の結果が、第1判別結果であることに基づいて第1特典を付与可能であり、前記第1判別の結果が、前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能な第1特典付与手段と、を有した遊技機において、前記第1判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段により実行される前記第2判別の結果が、第3判別結果であることに基づいて前記第1特典を付与可能であり、前記第2判別の結果が前記第3判別結果とは異なる第4判別結果であることに基づいて、前記第1特典及び前記第2特典とは異なる第3特典を付与可能な第2特典付与手段と、を有し、前記遊技機は、前記第1判別手段により実行される前記第1判別に基づいて前記第3特典が付与されることが無く、且つ、前記第2判別手段により実行される前記第2判別に基づいて前記第2特典が付与されることが無いように構成されていることを特徴とする遊技機CE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典が付与されるものであって、特典を付与するか否かの抽選として、第1抽選と第2抽選とを実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、第1抽選が実行された場合も、第2抽選が実行された場合も、当選した場合に付与される特典が同一であることから、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CE1によれば、第1判別が実行された場合と、第2判別が実行された場合とで、異なる特典を付与可能に構成しているため、遊技者に対して、異なる判別を実行させようと意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調となることを抑制できるという効果がある。
<特徴CF群>
第1条件が成立したことを判別するための第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段により前記第1条件が成立したと判別されたことに基づいて第1有利状態を設定可能な第1状態設定手段と、第1条件とは異なる第2条件が成立したことを判別するための第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段により前記第2条件が成立したと判別されたことに基づいて第2有利状態を設定可能な第2状態設定手段と、を有した遊技機において、前記第1判別手段により前記第1条件が成立したと判別されてから前記第1状態設定手段により前記第1有利状態が設定されるまでの間に、前記第2判別手段により前記第2条件が成立したと判別されたことに基づいて、前記第1有利状態、及び前記第2有利状態よりも遊技者に有利となる第3有利状態を設定可能な第3状態設定手段を有することを特徴とする遊技機CF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典が付与されるものであって、特典を付与するか否かの抽選として、第1抽選と第2抽選とを実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、第1抽選が実行された場合も、第2抽選が実行された場合も、抽選結果が特典が付与される抽選結果となった場合に、それぞれに対応する特典が付与されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CF1によれば、第1条件が成立したことに基づいて第1有利状態が設定され、第2条件が成立したことに基づいて第2有利状態が設定される。そして、第1条件が成立してから第1有利状態が設定されるまでの間に、第2条件が成立した場合には、第1有利状態、及び第2有利状態よりも遊技者に有利となる第3有利状態が設定される。よって、第1条件が成立するタイミングと、第2条件が成立するタイミングとに対して遊技者に興味を持たせることができるため、遊技が単調となることを抑制することができるという効果がある。
<特徴CG群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記第2遊技状態を設定可能であり、前記第2遊技状態が設定されている状態において終了条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であり、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果及び前記第2判別結果とは異なる第3判別結果であることに基づいて、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機CG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、常に同一内容の当否抽選が実行されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CG1によれば、第2遊技状態が設定されている間は、第3遊技状態が設定され難くすることができるため、第1遊技状態が設定されている期間にて第3遊技状態が設定される遊技を目指すことになる。よって、遊技状況に応じて有利度合いの異なる遊技を実行することが可能となるため、遊技が単調とすることを抑制できるという効果がある。
遊技機CG1において、前記判別手段は、前記判別の結果が前記第2判別結果となる確率よりも前記第3判別結果となる確率のほうが低くなるように前記判別を実行可能であることを特徴とする遊技機CG2。
遊技機CG2によれば、遊技機CG1の奏する効果に加え、第3判別結果となるよりも第2判別結果となり易いため、遊技者に対して、判別手段の判別結果が第2判別結果となり、第3遊技状態が設定され難い第2遊技状態へと遊技状態が移行してしまうことを避けながら、第3遊技状態が設定されることを目指した遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CG1またはCG2において、前記終了条件として、前記第2遊技状態が設定されている状態において実行される前記判別手段による前記判別の回数が所定回数に到達したことに基づいて成立可能な第1終了条件を少なくとも設定可能な終了条件設定手段を有することを特徴とする遊技機CG3。
遊技機CG3によれば、遊技機CG1またはCG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態中に実行された判別の回数が所定回数に到達した場合に第2遊技状態を終了させることができるため、少なくとも特定周期で第1遊技状態における判別手段の判別を実行することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CG3において、前記終了条件設定手段は、前記判別手段による前記判別の結果が特定判別結果であることに基づいて成立可能な第2終了条件を設定可能であることを特徴とする遊技機CG4。
遊技機CG4によれば、遊技機CG3の奏する効果に加え、第2終了条件が成立することにより、特定周期よりも短い間隔で第2遊技状態を終了させることができるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機CG1からCG4の何れかにおいて、前記判別手段は、前記第1遊技状態中に実行される前記判別の結果が前記第3判別結果となる確率よりも前記第2遊技状態中に実行される前記判別の結果が前記第3判別結果となる確率のほうが低くなるように前記判別を実行可能であることを特徴とする遊技機CG5。
遊技機CG5によれば、遊技機CG1からCG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態よりも第1遊技状態のほうが、第3遊技状態が設定されやすいため、第2遊技状態が設定されていない状況で判別が実行されることを期待しながら遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴CH群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態を設定するための設定種別として、前記特典遊技実行手段の終了後に前記第2遊技状態を設定可能な第1設定と、前記判別手段により実行される前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記特典遊技を実行すること無く、前記第2遊技状態を設定可能な第2設定と、を少なくとも設定可能な種別設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記種別設定手段により設定された前記設定種別に応じて、前記第1遊技状態よりも有利となる有利第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも不利となる不利第2遊技状態と、を設定可能であることを特徴とする遊技機CH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行された後に有利状態が設定されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CH1によれば、第1遊技状態よりも有利な遊技状態と、第1遊技状態よりも不利な遊技状態と、を設定可能とすることができるため、遊技が単調となることを抑制することができるという効果がある。
<5068の技術思想>
<特徴DA群>
情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特定遊技を実行することが可能な特定遊技実行手段と、前記特定遊技が実行された後に特定設定を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であると判別された場合に前記特定遊技を実行せずに前記設定手段により前記特定設定を設定させることが可能な設定制御手段を有し、前記判別手段は、特定期間が設定されている場合に前記第2判別結果を判別することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DA1。
遊技機DA1によれば、特定期間が設定されている場合に第2判別結果と判別されることが可能にされているので、特定期間が設定されると第2判別結果と判別されることで特定設定が設定されることで、特定設定が通常時と異なるタイミングで設定されることとなり、特定遊技が実行されることだけでなく、特定期間が設定される期間にも期待度を高めることで遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DA1において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、を有し、前記取得手段は、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記情報として第1情報を取得可能であり、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記情報として第2情報を取得可能であり、前記判別手段は、前記第2情報に基づいて前記第2判別結果を判別可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DA2。
遊技機DA2によれば、遊技機DA1の奏する効果に加え、前記第2入球手段に入球させることで第2判別結果が判別可能に構成されているので、第1入球手段と第2入球手段とで遊技球の入球に対する価値を可変させることができ、特定期間が設定されている場合に第2情報が記憶されているように遊技を行わせるようにでき、遊技を多様にすることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DA1またはDA2において、前記第2判別結果が判別されたことに基づいて設定される前記特定設定は、特定遊技の実行後に設定される特定設定よりも長い期間設定されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DA3。
遊技機DA3によれば、遊技機DA1またはDA2の奏する効果に加え、特定設定が設定される期間を判別された判別結果により可変させることが可能となるので、遊技を多様にすることができ興趣をより向上できるという効果がある。
<特徴DB群>
情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特定遊技を実行することが可能な特定遊技実行手段と、前記特定遊技が実行された後に特定条件が成立していることに基づいて特定設定を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であると判別された場合に前記特定遊技を実行せずに前記設定手段により前記特定設定を設定させることが可能な設定制御手段を有し、前記判別手段は、前記第1判別結果と前記第2判別結果とを重複して判別することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DB1によれば、第1判別結果と第2判別結果とを重複して判別することが可能に構成されているので、特定条件が成立しなかった場合にも特定設定が設定されることが可能にでき、特定設定がされるタイミングを多様にすることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DB1において、前記判別手段により前記第1判別結果と前記第2判別結果とが重複して判別されたことに基づいて前記特定遊技として重複して判別されなかった場合よりも遊技者に有利となる特定遊技の種別が実行され易くされているものであることを特徴とする遊技機DB2。
遊技機DB2によれば、遊技機DB1の奏する効果に加え、重複して判別されることで遊技者に有利となる種別の特定遊技が実行され易いので、遊技者に多様な判別結果に対応した特典を付与することで遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機DB1またはDB2において、前記設定制御手段は、前記判別手段により前記第2判別結果と判別された後に前記第1判別結果であるかを判別する期間で前記特定設定を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DB4。
遊技機DB4によれば、遊技機DB1またはDB2の奏する効果に加え、前記第2判別結果と判別されると、その後に実行される第1判別結果であるかの判別がされる期間に特定設定がされるので、特定設定がされた状態で第1判別結果であるかを判別することができ、多様な状態で判別を行わせることができるという効果がある。
<特徴DC群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態よりも前記判別手段による前記判別が実行され易い第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態を設定するための設定種別として、前記特典遊技実行手段の終了後に前記第2遊技状態を設定可能な第1設定と、前記判別手段により実行される前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記特典遊技を実行すること無く、前記第2遊技状態を設定可能な第2設定と、を少なくとも実行可能であり、前記遊技機は、前記設定種別に応じて、前記第2遊技状態中に実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果であることに基づいて実行される前記特典遊技の種別の選択割合を異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機DC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら有利状態が設定された場合には、遊技当否抽選が実行され易くなるという効果はあるが、有利状態中において、遊技の当否抽選の結果が当たりとなった場合には、常に同一の特典が付与されることから遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DC1によれば、設定種別に応じて特典遊技の種別における選択割合が可変されるので、同じ第2遊技状態であっても異なるものとすることができ、遊技状態を多数設定しなくとも遊技を多様にして遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機DC1において、前記第2遊技状態は、終了条件が成立するまで継続して設定されるものであり、前記第2設定が設定されている場合に前記特典遊技が実行された場合には、その特典遊技が実行された後に、前記終了条件が成立するまでの期間を長くなるようにすることが可能な設定がされ易いものであることを特徴とする遊技機DC2。
遊技機DC2によれば、遊技機DC1の奏する効果に加え、前記第2設定がされることで、第2遊技状態が設定される期間を長くすることが可能となるので、第2遊技状態において特典遊技が実行された場合に終了条件が設定されるまでの期間について興味をより持たせることができるという効果がある。
遊技機DC1またはDC2において、前記判別手段は、遊技状態によって前記第2判別結果を判別することが規制されるものであることを特徴とする遊技機DC3。
遊技機DC3によれば、遊技機DC1またはDC2の奏する効果に加え、遊技状態によって第2判別結果が判別されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
<特徴DD群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される判別結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技の終了後に、第1遊技状態よりも前記判別手段による前記判別が実行され易い設定がされる第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定されている状態で所定の終了条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であり、前記遊技機は、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に設定されることが可能な設定情報を判別可能な設定情報判別手段を有し、前記設定情報判別手段により前記第1設定情報よりも後に設定される第2設定情報が判別された場合に、前記特典遊技の終了後に前記終了条件が成立し難い前記第2遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DD1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DD1によれば、第2遊技状態が設定されている期間が長くなるほど特典遊技が実行された場合に終了条件が成立し難くされているので、遊技者に特典遊技が実行されることを期待する期間と、特典遊技が実行されることを期待させない期間とを切り替えて設定することができ、遊技を多様にして遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機DD1において、前記特定の第1判別結果とは異なる特定の第2判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づいて前記設定情報を設定することが可能な設定情報設定手段を有し、前記設定情報設定手段は、設定されている設定情報の種別に対応した設定情報を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DD2。
遊技機DD2によれば、遊技機DD1の奏する効果に加え、設定情報の履歴に応じて設定される設定情報を規則的に可変させることができるので第2遊技状態の設定されている期間を容易に判別させることができるという効果がある。
遊技機DD1またはDD2において、前記判別手段は、遊技状態によって前記第2判別結果を判別することが規制されるものであることを特徴とする遊技機DD3。
遊技機DD3によれば、遊技機DD1またはDD2の奏する効果に加え、遊技状態によって第2判別結果が判別されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
<特徴DE群>
第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段により実行される前記第1判別の結果が、第1判別結果であることに基づいて第1特典を付与可能であり、前記第1判別の結果が、第2判別結果であることに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能な第1特典付与手段と、を有した遊技機において、前記第1判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段により実行される前記第2判別の結果が、特定の第2判別結果であることに基づいて前記第1特典を付与可能であり、前記第2判別の結果が前記第3判別結果とは異なる第4判別結果であることに基づいて、前記第1特典及び前記第2特典とは異なる第3特典を付与可能な第2特典付与手段と、を有し、前記遊技機は、前記第1判別手段により実行される前記第1判別に基づいて前記第3特典が付与されることが無く、且つ、前記第2判別手段により実行される前記第2判別に基づいて前記第2特典が付与されることが無いように構成されていることを特徴とする遊技機DE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典が付与されるものであって、特典を付与するか否かの抽選として、第1抽選と第2抽選とを実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、第1抽選が実行された場合も、第2抽選が実行された場合も、当選した場合に付与される特典が同一であることから、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DE1によれば、第1判別が実行された場合と、第2判別が実行された場合とで、異なる特典を付与可能に構成しているため、遊技者に対して、異なる判別を実行させようと意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調となることを抑制できるという効果がある。
<特徴DF群>
第1条件が成立したことを判別するための第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果を示すための第1識別情報が表示される表示手段と、前記第1識別情報を動的表示させた後に前記第1判別結果を示す態様で停止表示させることが可能な第1動的表示手段と、第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段による第2判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段に動的表示させた後に前記第2判別結果を示すための態様で停止表示させることが可能な第2動的表示手段と、を有した遊技機において、遊技者に有利となることが可能な有利遊技状態が設定される前記第1識別情報の動的表示が開始された場合に特定遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特定遊技状態が設定されている場合には、前記第2判別手段により遊技者に有利となる前記第2判別結果が判別され易く構成されているものであることを特徴とする遊技機DF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典が付与されるものであって、特典を付与するか否かの抽選として、第1抽選と第2抽選とを実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、第1抽選が実行された場合も、第2抽選が実行された場合も、特典が付与される抽選結果となった場合に、それぞれに対応する特典が付与されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DF1によれば、第1条件が成立したことに基づいて第1有利状態が設定され、第2条件が成立したことに基づいて第2有利状態が設定される。そして、第1条件が成立してから第1有利状態が設定されるまでの間に、第2条件が成立した場合には、第1有利状態、及び第2有利状態よりも遊技者に有利となる第3有利状態が設定される。よって、第1条件が成立するタイミングと、第2条件が成立するタイミングとに対して遊技者に興味を持たせることができるため、遊技が単調となることを抑制することができるという効果がある。
遊技機DF1において、前記有利遊技状態が設定される前記第1識別情報の動的表示では、前記特定遊技状態で実行される前記第2識別情報の動的表示が複数回実行可能な期間より長い期間の動的表示が選択され易い動的表示態様群より動的表示態様が選択されるように制御され、前記特定遊技状態が設定されている場合には、前記第2識別情報の動的表示として通常の遊技状態よりも短い動的表示期間で構成された動的表示態様が選択され易い動的表示態様群より動的表示態様が選択されるものであることを特徴とすることを特徴とする遊技機DF2。
遊技機DF2によれば、遊技機DF1の奏する効果に加え、第1識別情報の動的表示期間として長い動的表示期間が選択されることで特定遊技状態を長く設定でき、その特定遊技状態では、第2識別情報の動的表示期間が短く設定されることで第2識別情報の動的表示を多回数実行することで、遊技者に第2識別情報の動的表示をより多く実行させるように意欲を持たせやすくして、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DF1またはDF2において、前記特定遊技状態が設定されている場合に、特定の前記第2判別結果であることに基づいて前記有利遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態を設定可能にされているものであることを特徴とする遊技機DF3。
遊技機DF3によれば、遊技機DF1またはDF2の奏する効果に加え、第2識別情報が特定の第2判別結果となると有利遊技状態よりも有利な遊技状態が特定遊技状態において設定されることとなるので、特定遊技状態の残り期間によって遊技者に与える特典を可変させることができ、遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機DF1からDF3のいずれかにおいて、前記第2識別情報の動的表示が停止表示され、特定条件が成立していることにより動的表示されている前記第1識別情報の動的表示を前記有利遊技状態が設定されないように強制的に停止表示させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DF4。
遊技機DF4によれば、遊技機DF1からDF3のいずれかにおいて、第2識別情報の動的表示によって設定されるはずの有利遊技状態を強制的に破棄させることができるので、遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機DF1からDF4のいずれかにおいて、前記特定遊技状態が設定されている場合に前記第2識別情報の動的表示が終了することで特典遊技が実行される場合には、動的表示されている前記第1識別情報の動的表示期間を中断し、前記特典遊技の実行が終了した後に再開して動的表示を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DF5。
遊技機DF5によれば、遊技機DF1からDF4のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技がされている期間には、第1識別情報の動的表示が中断された後に、特典遊技の終了後に再開されるので、特典遊技が実行されることで、有利遊技状態への期待を低減させて、特典遊技の価値を低下させる不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機DF1からDF5のいずれかにおいて、前記有利遊技状態は、前記第1識別情報の動的表示後に実行される特典遊技が実行される前記第1識別情報の動的表示がされた場合に設定される第1設定条件と、前記特典遊技の実行されない前記第1識別情報の動的表示がされた場合に設定される第2設定条件と、に基づいて少なくとも設定可能にされているものであることを特徴とする遊技機DF6。
遊技機DF6によれば、遊技機DF1からDF5のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技が実行されなくとも有利遊技状態が設定されるように構成することで、有利遊技状態が設定されるタイミングを予測困難とすることができ、遊技に新鮮味を持たせることができるという効果がある。
<特徴DG群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記第2遊技状態を設定可能であり、前記第2遊技状態が設定されている状態において終了条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であり、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果及び前記第2判別結果とは異なる第3判別結果であることに基づいて、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、常に同一内容の当否抽選が実行されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DG1によれば、第2遊技状態が設定されている間は、第3遊技状態が設定され難くすることができるため、第1遊技状態が設定されている期間にて第3遊技状態が設定される遊技を目指すことになる。よって、遊技状況に応じて有利度合いの異なる遊技を実行することが可能となるため、遊技が単調とすることを抑制できるという効果がある。
遊技機DG1において、前記判別手段は、前記判別の結果が前記第2判別結果となる確率よりも前記第3判別結果となる確率のほうが低くなるように前記判別を実行可能であることを特徴とする遊技機DG2。
遊技機DG2によれば、遊技機DG1の奏する効果に加え、第3判別結果となるよりも第2判別結果となり易いため、遊技者に対して、判別手段の判別結果が第2判別結果となり、第3遊技状態が設定され難い第2遊技状態へと遊技状態が移行してしまうことを避けながら、第3遊技状態が設定されることを目指した遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機DG1またはDG2において、前記終了条件として、前記第2遊技状態が設定されている状態において実行される前記判別手段による前記判別の回数が所定回数に到達したことに基づいて成立可能な第1終了条件を少なくとも設定可能な終了条件設定手段を有することを特徴とする遊技機DG3。
遊技機DG3によれば、遊技機DG1またはDG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態中に実行された判別の回数が所定回数に到達した場合に第2遊技状態を終了させることができるため、少なくとも特定周期で第1遊技状態における判別手段の判別を実行することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機DG3において、前記終了条件設定手段は、前記判別手段による前記判別の結果が特定判別結果であることに基づいて成立可能な第2終了条件を設定可能であることを特徴とする遊技機DG4。
遊技機DG4によれば、遊技機DG3の奏する効果に加え、第2終了条件が成立することにより、特定周期よりも短い間隔で第2遊技状態を終了させることができるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機DG1からDG4の何れかにおいて、前記判別手段は、前記第1遊技状態中に実行される前記判別の結果が前記第3判別結果となる確率よりも前記第2遊技状態中に実行される前記判別の結果が前記第3判別結果となる確率のほうが低くなるように前記判別を実行可能であることを特徴とする遊技機DG5。
遊技機DG5によれば、遊技機DG1からDG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態よりも第1遊技状態のほうが、第3遊技状態が設定されやすいため、第2遊技状態が設定されていない状況で判別が実行されることを期待しながら遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴DH群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、特定の前記判別結果であることを示すための識別情報が表示された場合に特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、第2遊技状態の設定が終了される終了条件が成立することで遊技者に有利な遊技状態が設定される第1状態と、前記終了条件が成立しない方が終了する場合よりも遊技な遊技状態が設定される第2状態と、を設定可能な状態設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機DH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行された後に有利状態が設定されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DH1によれば、第2遊技状態が設定された場合に、第1状態と第2状態との設定により終了条件が成立することへの期待度を可変させることができるので、第2遊技状態が終了したことによる興趣を可変させて、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DH1において、前記第1状態が設定される場合に前記終了条件が成立することで前記第1遊技状態が設定され、その第1遊技状態が設定されている状態から前記第2遊技状態が設定されることに基づいて前記第2状態が設定されるものであることを特徴とする遊技機DH2。
遊技機DH2によれば、遊技機DH1の奏する効果に加え、第1状態が設定された後に、第1遊技状態を経て、第2状態が設定される第2遊技状態が設定されるので、遊技状態の設定される順序によって有利な遊技状態が設定されることとなり、徐々に期待度を高めながら遊技を継続させ易くできるという効果がある。
遊技機DH1またはDH2において、前記第2遊技状態は、前記特典遊技が実行される前記識別情報の動的表示がされた場合に設定されることが可能な第1条件と、前記特典遊技が実行されない前記識別情報の動的表示がされた場合に設定されることが可能な第2条件と、に基づいて設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DH3。
遊技機DH3によれば、遊技機DH1またはDH2の奏する効果に加え、第2遊技状態が設定されるタイミングを多様にすることができ、新鮮味のある遊技を提供できるという効果がある。
<特徴DI群>
第1判別を実行可能な第1判別手段と、前記第1判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段と、を有した遊技機において、前記第1判別手段と前記第2判別手段とが第1順序で判別された場合に設定されることが可能な第1設定と、前記第1順序とは異なる第2順序で判別された場合に設定されることが可能な第2設定と、を設定可能な設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機DI1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、複数の契機によりそれぞれ当たり等の判別を所定の順序で実行し、判別結果に基づいた報知を遊技者にし、当たり等の特定の報知がされた場合に遊技者に有利な特典が付与される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、当たり等の判別が実行される順序が異なった場合であっても、個々の判別結果に基づく遊技が実行されるだけで有り、順序を異ならせたことにより遊技性の異なる遊技が実行されることが無いため、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DI1によれば、第1判別と第2判別との実行順序に応じて異なる設定がされるため、判別が実行される順序に興味を持たせることが可能となり遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DI1において、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記第1判別が実行されたことに基づいて前記第2遊技状態を設定可能であり、次に第1判別が実行されることに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DI2。
遊技機DI2によれば、遊技機DI1の奏する効果に加え、第1遊技状態を周期的に設定することが可能となり、遊技状態を一定周期で可変させて遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DI2において、前記遊技状態設定手段は、前記第2判別が実行されたことに基づいて前記第2遊技状態を設定可能であり、次に前記第2判別が実行されることに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DI3。
第1判別と第2判別とが交互に実行されることで第1遊技状態を継続して設定することが可能となり、判別の順序に興味を持たせて遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DI1からDI3のいずれかにおいて、前記第1設定では、特定の前記第1判別結果または特定の前記第2判別結果に基づいて第1特典遊技が実行され、前記第2設定では、特定の前記第1判別結果または特定の前記第2判別結果に基づいて第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技が実行されるものであることを特徴とする遊技機DI4。
遊技機DI4によれば、遊技機DI1からDI3のいずれかの奏する効果に加え、第2設定がされることで遊技者に有利とすることができ、判別の順序で遊技の興趣を可変させることができるという効果がある。
遊技機DI2からDI4の何れかにおいて、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態を設定する契機となった前記第1判別の次に、前記第2判別が実行された場合には、複数回の前記第1判別が少なくとも実行されることで成立可能な設定条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DI5。
<特徴DJ群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも遊技者に有利となる第3遊技状態と、を含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の終了後に前記第2遊技状態を設定可能であり、前記第1遊技状態が設定されている状態で実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記第3遊技状態を設定可能であり、前記判別手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態で実行される前記判別の方が、前記第2遊技状態が設定されている状態で実行される前記判別よりも、前記第2判別結果を判別し易いものであり、前記遊技機は、前記第2遊技状態が設定されている状態で前記判別が実行されるよりも、前記第1遊技状態が設定されている状態で前記判別が実行される場合の方が、前記第3遊技状態が設定され易くなるように構成していることを特徴とする遊技機DJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、複数の遊技状態を設定し、その遊技状態を当たり等の条件が成立することで切り替えることで、遊技者に多様な遊技状態が切り替えられるように構成して、遊技の意欲を高めた構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
さらに、複数の遊技状態として遊技者への有利度合いの異なる遊技状態を設定可能に構成し、有利度合いの低い遊技状態から徐々に有利度合いの高い遊技状態へと遊技状態を切り替えることにより、遊技者に対して現在よりも更に有利な遊技状態へと切り替わることを目指させることで高い遊技意欲を維持させるものがある。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、定期的に遊技状態が切り替わる場合には遊技者が遊技に早期に飽きること無く、高い遊技意欲を継続させることができるものであったが、遊技状態が切り替わること無く、有利度合いの低い遊技状態が長時間継続した場合には、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DJ1によれば、第2遊技状態よりも、第2遊技状態よりも遊技者に不利となる第1遊技状態のほうが、第2遊技状態よりも遊技者に有利となる第3遊技状態が設定され易い判別が実行される。よって、第1遊技状態が設定されている遊技者に対して、特典遊技が実行された後に第2遊技状態が設定されることを目指す遊技と、第3遊技状態が設定されることを目指す遊技と、を並行して実行させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことの無い遊技機を提供することができるという効果がある。
また、第2遊技状態へと遊技状態が切り替わること無く、第1遊技状態が長時間継続することにより、第3遊技状態へと遊技状態が切り替わる可能性を高めることができるため、遊技者に不利な第1遊技状態が継続した場合においても遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機DJ1において、前記判別手段は、第1判別条件の成立に基づいて第1判別を実行可能であり、前記第1判別条件とは異なる第2判別条件の成立に基づいて第2判別を実行可能であり、前記第1遊技状態および前記第2遊技状態では、前記第2判別条件の成立が規制され、前記第3遊技状態では、前記第2判別条件の成立が許容される設定が実行可能にされているものであることを特徴とする遊技機DJ2。
遊技機DJ2によれば、遊技機DJ1の奏する効果に加え、遊技状態によって判別条件の成立し易さが種別毎に変更されるので遊技方法を可変させることができ、遊技に新鮮味を与えることができるという効果がある。
遊技機DJ1またはDJ2において、遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態が設定されている場合に、前記第2判別により特定の判別結果と判別された場合に、前記第2遊技状態を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DJ3。
遊技機DJ3によれば、遊技機DJ1またはDJ2の奏する効果に加え、第3遊技状態の後も有利な遊技状態である第2遊技状態へ移行させることができ、遊技者に有利な状態をより長い期間継続させることができるという効果がある。
<特徴DK群>
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を、所定数を上限に記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報を、前記判別手段により前記判別されるよりも前に判別可能な事前判別手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記入球手段へと遊技球を入球させ易くすることが可能な第2遊技状態と、を前記情報に基づいて成立可能な条件に基づいて設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記第2遊技状態が設定されている場合に前記事前判別手段による事前判別結果に基づいて第1条件が成立していることにより前記第1遊技状態では実行されない特定演出を実行可能に構成された特定演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機DK1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技球が始動口等に入球することにより乱数値等の情報が取得されて、その乱数値等に基づいて抽選が実行されることで遊技者に有利な特典を付与するか否かを決定する構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
さらに、取得した情報を、所定個数を上限に記憶することが可能に構成されると共に、遊技状態として、始動口等へと遊技球を入球させることが困難な第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技球を入球させ易い第2遊技状態と、を設定可能にする構成が提案されていた。
このような従来型の遊技機では、より多くの情報を記憶している状態で第2遊技状態を終了させることが遊技者に最も有利な遊技となり易いため、第2遊技状態中において始動口等へと多くの遊技球を入球させるための遊技が遊技者によって行われていた。
しかしながら、既に獲得している情報に基づく抽選の内容によっては、現在設定されている第2遊技状態が終了した後にも、再度、第2遊技状態が設定させる権利を獲得している場合があり、遊技者に対して無用に始動口等へと多くの遊技球を入球させるための遊技を実行させてしまう虞があった。また、第2遊技状態が終了する間際の遊技が単調となり、遊技の興趣が低下するという問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DK1によれば、第2遊技状態中における事前判別の結果に基づいて特定演出が実行されることで第1条件が成立していることを早期に識別することが可能となり、第2遊技状態が設定されていることへの価値を高めて遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DK1において、前記入球手段として、第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、が配置されており、前記判別手段は、前記第1入球手段に入球したことに基づいて第1判別を実行し、前記第2入球手段に入球したことに基づいて前記第1判別よりも有利となる第2判別を実行可能であり、前記第2遊技状態は、前記可変手段を前記第1状態から前記第2状態へと可変させ易くするものであることを特徴とする遊技機DK2。
遊技機DK2によれば、遊技機DK1の奏する効果に加え、第2遊技状態では、第2入球手段に入球させる頻度を高くすることができ遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DK1またはDK2において、前記第2遊技状態の終了条件として第1終了条件と、その第1終了条件よりも遊技者に有利な第2終了条件とが設定可能に構成されており、前記第1条件は、前記事前判別により前記第2終了条件が成立可能と判別されたことに基づいて成立可能にされているものであることを特徴とする遊技機DK3。
遊技機DK3によれば、遊技機DK1またはDK2の奏する効果に加え、第1条件が成立することで、情報をより多く記憶させて有利な第2判別をより多く実行させることが可能となるので、特定演出が実行されることで、第2判別がより多く実行されることを早期に判別でき、遊技に対する期待を事前に高めることができるという効果がある。
<5072の技術思想>
<特徴EA群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、第1遊技状態が設定されている場合に特定条件の成立に基づいて第1設定を設定可能であり、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態が設定されている場合に前記特定条件の成立に基づいて前記第1設定とは異なる第2設定を設定可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EA1によれば、第1遊技状態と第2遊技状態とで特定条件が成立した場合における設定種別が異なるので、遊技の設定を多様に可変させることができ、第1遊技状態で特定条件が成立するか、第2遊技状態で特定条件が成立するかについて興味を持たせることで遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機EA1において、前記特定条件は、前記識別情報が動的表示された回数に対応した条件が成立することで成立可能に設定されており、前記回数は、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へと移行した場合にもカウントされている値が維持されるものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機EA2。
遊技機EA2によれば、遊技機EA1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態が可変した場合にも回数のカウント値が維持されるので、多様に遊技状態を可変させながら、特定条件が成立するまでの回数へ到達させることができるという効果がある。
遊技機EA1またはEA2において、前記第1設定は、遊技者に有利となる有利状態を第1期間において設定することが可能であり、前記第2設定は、前記第1期間よりも長い第2期間で前記有利状態を設定することが可能であることを特徴とする遊技機EA3。
遊技機EA3によれば、遊技機EA1またはEA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2設定がされることで、有利状態が長期間設定されることが可能となるので、特定条件の成立により有利度合いを可変させることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EA1からEA3のいずれかにおいて、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果である場合に、前記第2遊技状態を前記識別情報の動的表示が開始される前に設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EA4。
遊技機EA4によれば、遊技機EA1からEA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判別結果となることで、第2遊技状態へと移行されるので、遊技状態を多様に可変させることができるという効果がある。
遊技機EA1からEA4のいずれかにおいて、前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が予め定められた所定回数実行されたことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EA5。
遊技機EA5によれば、遊技機EA1からEA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立するまでの回数がカウントされるまでに、第1遊技状態と第2遊技状態とをそれぞれ移行させることができ、特定条件が成立するまでの回数が経過するまでの期間を多様にすることができるという効果がある。
遊技機EA1からEA5の何れかにおいて、前記特定条件が成立するよりも前に、前記第2遊技状態が設定されていることを示唆可能な示唆演出実行手段を有することを特徴とする遊技機EA6。
遊技機EA6によれば、遊技機EA1からEA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者に第2遊技状態が設定されていることを把握することが可能となるため、特定条件が成立する時点において設定される遊技状態を予測する楽しみを提供することができるという効果がある。
遊技機EA3からEA6の何れかにおいて、少なくとも、前記判別手段による前記判別結果が前記特定の判別結果であることに基づいて、前記第2期間の前記有利状態を設定可能な有利状態設定手段を有することを特徴とする遊技機EA7。
遊技機EA7によれば、遊技機EA3からEA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて第2期間の有利状態を設定することが可能となるため、特定条件が成立するよりも前に遊技者に第2期間の有利状態を提供することができる。よって、遊技者に対しては、特定条件として様々な条件が設定されていると思わせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機EA7において、前記判別手段による前記判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果であることに基づいて前記第2期間の前記有利状態を設定可能であることを特徴とする遊技機EA8。
遊技機EA8によれば、遊技機EA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典が付与される判別結果では無い場合でも、第2期間の有利状態を設定することができるので、あたかも識別情報が動的表示された回数に対応して第2期間の有利状態が設定されたと遊技者に思わせ易くすることができる。よって、遊技者に対しては、特定条件として様々な条件が設定されていると思わせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機EA1からEA8の何れかにおいて、前記特定条件が成立しない期間が特定期間継続した場合に、前記第2設定よりも遊技者に有利となる第3設定を実行可能な第3設定実行手段を有することを特徴とする遊技機EA9。
遊技機EA9によれば、遊技機EA1からEA8の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立しない期間が長期間継続した場合に、遊技者に有利となる第3設定を実行することができるため、遊技者の損害を抑制することができるという効果がある。
<特徴EB群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典を付与することが可能な第1特典付与手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果である場合に、第1設定を実行可能な第1設定手段と、前記第1設定が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が予め定められた回数実行されたことに基づいて前記第1設定を解除することが可能な解除手段と、前記第1設定が実行されている場合に、特定条件が成立することで前記第1設定とは異なる第2設定を実行可能な第2設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EB1によれば、第2設定が実行されるまでの識別情報の動的表示回数をランダムにすることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機EB1において、前記第1設定が実行されている場合に、前記第1特典が付与された後に前記第1設定を設定しないものであることを特徴とする遊技機EB2。
遊技機EB2によれば、遊技機EB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典が付与されることで第1設定が解除されるので、特典が長期間付与されない場合に、第2設定を実行させることが可能となり、一定期間以上で特典が付与されないことを遊技者に有利に感じさせることができるという効果がある。
遊技機EB1またはEB2において、前記第2設定が実行されることで、前記第1設定が設定されている場合よりも遊技者に有利な状態とすることが可能な手段を有するものであることを特徴とする遊技機EB3。
遊技機EB3によれば、遊技機EB1またはEB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2設定が実行されることで、遊技者に有利な状態とできることで、長期間特典が付与されない状態が発生しても、遊技者の損害を抑制することができるという効果がある。
遊技機EB1からEB3の何れかにおいて、前記特定条件が成立しない期間が特定期間継続した場合に、前記第2設定よりも遊技者に有利となる第3設定を実行可能な第3設定実行手段を有することを特徴とする遊技機EB4。
遊技機EB4によれば、遊技機EB1からEB3の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立しない期間が長期間継続した場合に、遊技者に有利となる第3設定を実行することができるため、遊技者の損害を抑制することができるという効果がある。
<特徴EC群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典を付与することが可能な第1特典付与手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果である場合に、第1設定を実行可能な第1設定手段と、前記第1設定が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が予め定められた回数実行されたことに基づいて前記第1設定を解除することが可能な解除手段と、その解除手段により前記第1設定が解除された場合に、第1条件の成立に基づいて第2設定を実行することが可能な第2設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EC1によれば、第2設定が実行されるまでの識別情報の動的表示回数をランダムにすることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機EC1において、前記第2設定手段は、前記識別情報の動的表示が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて前記第2設定を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EC2。
遊技機EC2によれば、遊技機EC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、より第2設定が実行されるまでの動的表示回数をランダムにすることができるという効果がある。
遊技機EC1またはEC2において、前記第2設定手段は、前記判別手段による判別結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果である場合に、前記第2設定を実行可能であることを特徴とする遊技機EC3。
遊技機EC3によれば、遊技機EC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の条件によって第2設定が実行されるため、第2設定が実行された契機を遊技者に把握させ難くすることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴ED群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果である場合に、第1設定を実行可能な第1設定手段と、前記第1設定が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が予め定められた回数実行されたことに基づいて前記第1設定を解除することが可能な解除手段と、前記識別情報の動的表示が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて第2設定を実行可能な第2設定手段と、を有し、前記遊技機は、前記第1設定が実行されている場合に前記識別情報の動的表示が開始された場合には、前記特定回数をカウントするためのカウント値が更新されないものであることを特徴とする遊技機ED1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機ED1によれば、第2設定が実行されるまでの識別情報の動的表示回数をランダムにすることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機ED1において、前記第2設定は、前記第1設定よりも遊技者に有利となる設定で構成されているものであることを特徴とする遊技機ED2。
遊技機ED2によれば、遊技機ED1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1設定が設定されていない状態で特定回数の動的表示が実行されることで第2設定が設定されることで、遊技者に有利な設定が付与されるまでの期間をランダムとすることができ、遊技者に意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機ED1またはED2において、前記特典が遊技者に付与された場合に、前記特定回数をカウントするカウント値が初期値に更新されるものであることを特徴とする遊技機ED3。
遊技機ED3によれば、遊技機ED1またはED2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典が付与されることで、特定回数をカウントするカウント値が初期値に更新されることで、遊技が遊技者に有利となり過ぎてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機ED1からED3のいずれかにおいて、前記判別手段により前記第1判別結果と判別されたことを示すための動的表示が実行された場合に前記特定回数となった場合には、前記第1設定は設定されず、前記第2設定が設定されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機ED4。
遊技機ED4によれば、遊技機ED1からED3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1設定よりも有利となる第2設定が優先して設定されることで、遊技者により有利な遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機ED1からED4のいずれかにおいて、前記識別情報の動的表示回数を計測するための第1計測手段と、前記カウント値を計測するための第2計測手段と、を有し、前記第1計測手段による第1計測結果と、前記第2計測手段による第2計測結果と、に基づいた演出を実行可能な演出実行手段を有することを特徴とする遊技機ED5。
遊技機ED5によれば、遊技機ED1からED4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段により実行される演出に基づいて、第2計測手段による計測値が特定回数に到達するまでの残回数を予測させ易くすることができるため、遊技者に対して第2設定が実行されるまでの残期間を予測させ易くすることができるという効果がある。
<特徴EE群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、前記遊技機は、前記第1遊技状態で設定された情報が記憶された状態で前記第2遊技状態へ移行し、前記情報が記憶された状態で前記第2遊技状態が解除されることで遊技者に有利な期間が付与され易くする手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EE1によれば、遊技状態が移行しても情報が記憶された状態で維持されることで遊技者に有利な期間が付与され易くされるので、情報が維持されているかに対して興味を持たせることができ、遊技状態の可変に対する興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EE1において、前記情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、を有し、前記識別情報として第1識別情報が動的表示されている期間には、前記記憶手段に記憶された情報が維持されるものであることを特徴とする遊技機EE2。
遊技機EE2によれば、遊技機EE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1識別情報の動的表示を継続させることで情報の記憶が維持されるので、第1識別情報の動的表示を期待させて遊技をさせることができ、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機EE1またはEE2において、第1情報を取得可能な第1情報取得手段と、その第1情報取得手段により取得された前記第1情報が記憶される第1記憶手段と、を有し、前記第1識別情報は、第1情報に基づいて前記判別手段により前記判別が実行された場合に動的表示が実行されるものであることを特徴とする遊技機EE3。
遊技機EE3によれば、遊技機EE1またはEE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、情報の記憶が維持されるように第1情報が取得されることを期待させることができるので、第2遊技状態が解除されるまで第1情報の取得に対する期待を高めることができ、第1情報が取得される価値を期間によって可変させることができるという効果がある。
<特徴EF群>
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を決定可能な決定手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EF1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EF1において、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EF2。
遊技機EF2によれば、遊技機EF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EF1またはEF2において、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EF3。
遊技機EF3によれば、遊技機EF1またはEF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<特徴EFa群>
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を決定可能な決定手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EFa1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EFa1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EFa1において、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合に、前記特定演出の前記実行タイミングとなるまでの待機期間において、前記特定演出の実行が待機していることを示すための報知態様を表示可能であることを特徴とする遊技機EFa2。
遊技機EFa2によれば、遊技機EFa1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、報知態様が表示されることによって特定演出の実行が待機されていることを遊技者が容易に認識可能となるため、特定演出の実行が決定されているにも関わらず、特定演出が実行されることを遊技者が気付かずに特定演出が実行される前に遊技を止めてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機EFa2において、特定条件が成立した場合には、前記報知態様が表示されている状態における前記特定の判別結果と判別される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間に前記特定演出を実行させないことが可能であることを特徴とする遊技機EFa3。
遊技機EFa3によれば、遊技機EFa2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出の実行が待機していることを示す報知態様が表示されている期間に特定演出が実行されない場合であっても、特定の判別結果であることを示す識別情報が表示される場合があるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機EFa1からEFa3のいずれかにおいて、前記記憶手段に前記特定の判別結果と判別される前記情報が複数記憶されている状態で前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合に、先に実行される前記特定の判別結果と判別される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示と、後に実行される前記特定の判別結果と判別される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示と、の何れの前記動的表示期間において前記設定手段により前記特定演出の前記実行タイミングが設定され易いかを、遊技者が予め選択可能な選択手段を有するものであることを特徴とする遊技機EFa4。
遊技機EFa4によれば、遊技機EFa1からEFa3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、先に実行される特定の判別結果と判別される情報に対応した識別図柄の動的表示期間で特定演出が実行され易い設定を予め選択している遊技者には、特定演出が実行された時点で記憶手段に残っている情報の中に特定の判別結果と判別される情報があるか否かを予測する楽しみを提供することが可能となり、後に実行される特定の判別結果と判別される情報に対応した識別図柄の動的表示期間で特定演出が実行され易い設定を予め選択している遊技者には、識別情報の動的表示期間において特定演出が実行されなかったにも関わらず特定の判別結果であることを示すための識別情報が表示されるという意外性のある遊技を提供することが可能となるため、遊技者の好みに合わせた遊技を提供することができる。
<特徴EG群>
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を前記記憶手段に記憶されている前記情報の個数情報に基づいて決定可能な決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EG1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EG1において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機EG2。
遊技機EG2によれば、遊技機EG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出の実行タイミングがランダムに設定することができるので、遊技者に特定演出が実行されるタイミングによって、特典が付与される期待度を可変させることができるという効果がある。
遊技機EG1またはEG2において、前記決定手段は、所定期間に記憶された前記情報の個数に対応した前記個数情報に基づいて前記特定演出の実行を決定する確率を可変可能に設定されているものであることを特徴とする遊技機EG3。
遊技機EG3によれば、遊技機EG1またはEG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定期間に記憶された情報の個数によって決定確率が可変されるので、特定演出が実行されるタイミングを記憶された情報の個数に対応させて制御して、より興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EG1からEG3のいずれかにおいて、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EG4。
遊技機EG4によれば、遊技機EG1からEG3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EG1からEG4のいずれかにおいて、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EG5。
遊技機EG5によれば、遊技機EG1からEG4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<特徴EGa群>
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を決定可能な決定手段と、その決定手段により前記特定演出の実行が決定された後、特定条件が成立するまでに前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EGa1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EGa1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EGa1において、前記決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記特定の判別結果と判別される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示が実行されるまでに、新たに前記記憶手段に記憶させることが可能な前記情報の数が多い程、前記特定演出の実行を決定し易いものであることを特徴とする遊技機EGa2。
遊技機EGa2によれば、遊技機EGa1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている特定の判別結果と判別される情報に対応した識別情報の動的表示が実行されるまでに、新たに記憶手段に記憶させることが可能な情報の数が多い程、決定手段により特定演出の実行が決定され易いため、特定演出が実行された時点で記憶手段に記憶されている情報の内、その特定演出の実行が決定された時点で事前判別手段による事前の判別を受けていない情報の数が多くなり易く、特定演出が実行された後に記憶手段に残っている情報の判別結果を遊技者が予測し難くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機EGa1またはEGa2において、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が所定数である場合には、前記記憶手段に記憶されている前記情報の内、前記特定の判別結果と判別される前記情報の数が1の場合よりも、前記特定の判別結果と判別される前記情報の数が複数ある場合の方が、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定され易いものであることを特徴とする遊技機EGa3。
遊技機EGa3によれば、遊技機EGa1またはEGa2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に特定の判別結果と判別される情報が複数存在する場合に、決定手段により特定演出の実行が決定され易いため、特定演出の実行が決定された場合に、複数の特典が付与されることを遊技者に期待させることによって、遊技意欲を向上させることができる。
<特徴EH群>
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を決定可能な決定手段と、その決定手段により前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能な実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EH1によれば、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となる情報が記憶されていることが早期に遊技者が認識させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。また、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EH1において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応する前記識別情報の動的表示が実行される場合に、決定されている前記特定演出の実行を決定することが可能な実行決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機EH2。
遊技機EH2によれば、遊技機EH1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行決定手段により特定演出を実行する識別情報の動的表示に対して、それぞれ動的表示の開始時に決定可否の判断がされるので、新たに記憶された情報の内容によって、実行タイミングを設定することができるという効果がある。
遊技機EH1またはEH2のいずれかにおいて、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EH3。
遊技機EH3によれば、遊技機EH1からEH2のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EH1からEH3のいずれかにおいて、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EH4。
遊技機EH4によれば、遊技機EH1からEH3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<特徴EI群>
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報の動的表示態様を決定可能な動的表示態様決定手段と、その動的表示態様決定手段により決定された動的表示態様の種別に基づいて前記記憶手段に記憶されている情報が前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていることを示すための特定演出の実行を決定することが可能な決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EI1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EI1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EI1において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機EI2。
遊技機EI2によれば、遊技機EI1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出の実行タイミングがランダムに設定することができるので、遊技者に特定演出が実行されるタイミングによって、特典が付与される期待度を可変させることができるという効果がある。
遊技機EI1またはEI2において、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EI3。
遊技機EI3によれば、遊技機EI1またはEI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EI2またはEI3において、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EI4。
遊技機EI4によれば、遊技機EI2またはEI3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<特徴EJ群>
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特典付与手段により付与される特典を複数の特典種別より決定することが可能な特典種別決定手段と、前記記憶されている前記情報に基づいて前記特典付与手段により付与される特典の種別を事前に判定したことに対応する判定情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている情報が前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていることを示すための特定演出の実行を決定することが可能な決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EJ1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EJ1において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機EJ2。
遊技機EJ2によれば、遊技機EJ1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出の実行タイミングがランダムに設定することができるので、遊技者に特定演出が実行されるタイミングによって、特典が付与される期待度を可変させることができるという効果がある。
遊技機EJ1またはEJ2において、前記特典は、特典遊技を前記特典の種別に対応した回数実行されるものであり、前記決定手段は、前記判定情報として所定回数以上の前記特典遊技が実行されることが決定されている場合に前記特定演出の実行を決定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EJ3。
遊技機EJ3によれば、遊技機EJ1またはEJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行が所定回数以上決定されている場合に特定演出の実行が決定されているので、遊技者は、所定回数未満の特典遊技が実行されて特典遊技が終了した場合には、その後に特定の判別結果となることを容易に認識でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EJ1からEJ3のいずれかにおいて、前記所定回数は、複数回の特典が付与された場合に実行される特典遊技の回数よりも多く設定されているものであることを特徴とする遊技機EJ4。
遊技機EJ4によれば、遊技機EJ1からEJ3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出が実行されることで特典が付与される回数に対して期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機EJ1からEJ4のいずれかにおいて、前記特定演出が実行された場合に、前記特典遊技の実行中に実行されている前記特定演出の態様を残りの特典遊技が実行される回数を示唆する態様に可変させることが可能な手段を有するものであることを特徴とする遊技機EJ5。
遊技機EJ5によれば、遊技機EJ1からEJ4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が実行されることで、残りの特典遊技の実行回数を特定態様で示唆することができ、遊技者により多い残り回数を期待させながら、遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EJ1からEJ5のいずれかにおいて、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EJ6。
遊技機EJ6によれば、遊技機EJ1からEJ5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EJ2からEJ5のいずれかにおいて、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EJ7。
遊技機EJ7によれば、遊技機EJ2からEJ6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<5071系の特徴群>
<特徴FA群>
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1状態と、その第1状態よりも前記判別条件が成立し易くなる第2状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態を設定可能な第1設定手段と、予め定められた特定条件が成立した後で前記判別手段の判別結果が予め定められた特定回数に渡って前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記第1状態よりも前記判別条件が成立し易くなる状態であって前記第2状態とは有利度合いが異なる第3状態を設定する第2設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機FA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球することで遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものが存在する。さらに、係る遊技機の中には、当たり遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行されるものも存在する(例えば、特開2012-217766号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、時短遊技が設定された条件によらず、時短遊技の有利度合いが共通であるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して遊技機FA1によれば、特典遊技が実行されない期間が続くと第3状態に可変されて判別条件が成立し易くなるので、特典遊技が実行されない期間が長く続いたとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FA1において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別手段の判別に用いられる判別情報を取得可能な判別情報取得手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、所定の可変条件の成立に基づいて、前記可変手段を第1可変制御と、その第1可変制御よりも前記入球手段へと遊技球が入球し易くなる第2可変制御と、を少なくとも含む複数の可変制御を実行可能な可変制御手段と、を備え、前記第2状態は、前記第1状態よりも前記第2可変制御で前記可変手段が制御され易い状態で構成されていることを特徴とする遊技機FA2。
遊技機FA2によれば、遊技機FA1の奏する効果に加え、第1状態よりも第2状態の方が入球手段へと遊技球が入球し易くなるので、所定の設定条件が成立した場合に、第2状態が設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機FA2において、前記第3状態は、前記第1状態よりも前記第2可変制御で前記可変手段が制御され易い状態であって、前記第2状態よりも前記所定の可変条件が成立し難い状態で構成されていることを特徴とする遊技機FA3。
遊技機FA3によれば、遊技機FA2の奏する効果に加え、第2状態を第3状態よりも判別手段の判別が実行され易い状態として構成することができるという効果がある。
遊技機FA2又はFA3において、遊技球が入球可能に構成され、前記入球手段とは異なる位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別情報を取得可能な第2判別情報取得手段と、を備え、前記判別手段は、前記判別情報取得手段により取得された前記判別情報を用いた判別よりも、前記第2判別情報取得手段により取得された前記判別情報を用いた判別の方が遊技者に有利となり易く構成されているものであり、前記第3状態は、前記第2状態よりも、前記第2判別情報取得手段により取得された前記判別情報を用いた判別が実行され易くなる状態で構成されていることを特徴とする遊技機FA4。
遊技機FA4によれば、遊技機FA2又はFA3の奏する効果に加え、第3状態では第2判別情報取得手段により取得された判別情報を用いた有利度合いの高い判別が実行され易くなるので、第2状態よりも第3状態へと移行することをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機FA4において、前記入球手段と前記第2入球手段とに遊技球が到達し得る第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも遊技球を発射可能に構成された発射手段と、その発射手段により前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第1方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第3入球手段と、を備え、前記判別情報取得手段は、前記入球手段に遊技球が入球した場合と前記第3入球手段に遊技球が入球した場合とで前記判別情報を取得可能に構成されているものであり、前記第1状態は、前記第1方向へと遊技球を発射するよりも、前記第2方向へと遊技球を発射した方が前記判別手段による判別の実行頻度が高くなり易く構成されているものであり、前記第2状態と前記第3状態とは、前記第2方向へと遊技球を発射するよりも、前記第1方向へと遊技球を発射した方が前記判別手段による判別の実行頻度が高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機FA5。
遊技機FA5によれば、遊技機FA4の奏する効果に加え、第1状態と、第2状態および第3状態とで、遊技球の発射方向を異ならせることができるので、遊技にメリハリをつけることができるという効果がある。
遊技機FA1からFA5のいずれかにおいて、遊技機の設定を初期化する初期化手段を備え、前記特定条件は、少なくとも前記初期化手段により遊技機の設定が初期化された場合に成立するものであることを特徴とする遊技機FA6。
遊技機FA6によれば、遊技機FA1からFA5のいずれかが奏する効果に加え、特典遊技が一度も実行されていなくても有利な第3状態が設定される斬新な挙動を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FA6において、前記特定条件は、前記初期化手段により遊技機の設定が初期化されたことに基づいて成立する第1特定条件と、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて成立する第2特定条件と、で少なくとも構成されていることを特徴とする遊技機FA7。
遊技機FA7によれば、遊技機FA6の奏する効果に加え、初期化後、または特典遊技の実行後における判別回数に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機FA7において、前記特定条件は、前記第1特定条件と、前記第2特定条件と、前記第3状態が設定されたことに基づいて成立する第3特定条件と、で少なくとも構成されていることを特徴とする遊技機FA8。
遊技機FA8によれば、遊技機FA7の奏する効果に加え、第3状態が設定された後も、特定回数の判別で連続して第2の判別結果となれば再度第3状態が設定されるので、第3状態が一旦終了したとしても、再度第3状態が設定されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴FB群>
取得条件の成立に基づいて判別情報を取得する判別情報取得手段と、判別条件の成立に基づいて、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いた判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、前記判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、その判別情報記憶手段に記憶された前記判別情報を用いて、当該判別情報が前記判別手段の判別に用いられるよりも前に前記判別手段の判別結果を特定する事前特定手段と、その事前特定手段により前記判別手段の判別結果が特定されたことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、予め定められた第1条件が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第2条件の成立後に前記判別手段の判別に用いられる前記判別情報が前記第1遊技状態において取得されたことに基づいて、前記特定演出実行手段により所定の演出態様の前記特定演出が実行されることを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機FB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、当たり遊技が付与される可能性を示す演出を、図柄の変動表示が開始されるよりも前(例えば、始動入賞を検出した際)から示唆可能な示唆演出を実行することにより、遊技者の興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、示唆演出を無条件に実行する構成とした場合、不具合が発生してしまう虞がある。よって、演出態様を好適に設定することが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機FB1によれば、第2条件が成立して第2遊技状態が設定されることに対してより注目して遊技を行わせることができるので、演出態様を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機FB1において、前記第2条件は、前記第1遊技状態において予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった場合に少なくとも成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機FB2。
遊技機FB2によれば、遊技機FB1の奏する効果に加え、第1遊技状態において第1の判別結果とならなくても、有利度合いが異なる第2遊技状態が設定されるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FB1又はFB2において、前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、第1演出態様と、その第1演出態様よりも前記事前特定手段によって前記第1の判別結果となった場合に決定され易い第2演出態様と、を少なくとも含む複数のうち1の演出態様を決定する演出態様決定手段を備え、前記抑制手段は、少なくとも前記第2演出態様の実行を抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機FB3。
遊技機FB3によれば、遊技機FB1又はFB2の奏する効果に加え、特定演出の演出態様に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FB3において、前記演出態様決定手段は、前記第1演出態様と、前記第2演出態様と、前記第1演出態様よりも前記第2条件が成立する場合に決定され易い第3演出態様と、を少なくとも含む複数のうち1の演出態様を決定可能に構成されているものであり、前記抑制手段は、少なくとも前記第2演出態様と前記第3演出態様との実行を抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機FB4。
遊技機FB4によれば、遊技機FB3の奏する効果に加え、特定演出の演出態様によって、第1の判別結果となる可能性、および第2条件が成立する可能性の両方を示唆することができるので、演出態様をより好適に設定することができるという効果がある。
遊技機FB1からFB4のいずれかにおいて、前記第2遊技状態において予め定められた第3条件が成立したことに基づいて前記第2遊技状態を終了させる終了手段を備え、前記第1遊技状態において取得された前記判別情報であって前記第1の判別結果に対応する前記判別情報は、前記第2遊技状態の間に前記判別手段の判別に用いられた方が、前記第2遊技状態が前記終了手段によって終了された後で前記判別手段の判別に用いられた場合よりも有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機FB5。
遊技機FB5によれば、遊技機FB1からFB4のいずれかの奏する効果に加え、第2条件が成立する前に取得され、第2遊技状態へと移行した後で用いられる判別情報が第1の判別結果となる可能性が高いのか否かを特定演出の演出態様から把握困難にすることができるので、第1の判別結果になる可能性が高い場合にのみ第2遊技状態の間に抽選に用いられるように判別情報の使用順序を調節する変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができるという効果がある。
遊技機FB5において、前記終了手段により前記第2遊技状態が終了されたことに基づいて前記第1遊技状態に設定されるように構成されていることを特徴とする遊技機FB6。
遊技機FB6によれば、遊技機FB5の奏する効果に加え、第2遊技状態が終了するよりも前に第1の判別結果となることを強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FB5又はFB6において、前記第1遊技状態において取得された前記判別情報であって前記第1の判別結果とは異なる外れ判別結果に対応する前記判別情報は、前記第2遊技状態の間に前記判別手段の判別に用いられるよりも、前記第2遊技状態が前記終了手段によって終了された後で前記判別手段の判別に用いられた方が有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機FB7。
遊技機FB7によれば、遊技機FB5又はFB6の奏する効果に加え、第2条件が成立する前に取得され、第2遊技状態へと移行した後で用いられる判別情報が第1の判別結果となる可能性が高いのか否かを特定演出の演出態様から把握困難にすることができるので、第1の判別結果になる可能性が低い場合に、第2遊技状態が終了してから抽選に用いられるように判別情報の使用順序を調節する変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができるという効果がある。
遊技機FB5からFB7のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、を備え、前記判別情報取得手段は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記判別情報として第1判別情報を取得し、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記判別情報として第2判別情報を取得することが可能に構成されているものであり、前記判別手段は、前記第1判別情報を用いた判別よりも、前記第2判別情報を用いた判別の方が遊技者の有利度合いが高くなり易く構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記可変手段が前記第1位置に可変され易い遊技状態で構成されていることを特徴とする遊技機FB8。
遊技機FB8によれば、遊技機FB5からFB7のいずれかが奏する効果に加え、第2遊技状態の有利度合いをより高くすることができるので、第2遊技状態が設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴FC群>
所定装置へ向けて所定の信号を出力可能な複数の信号出力端子で構成される信号出力部と、予め定められた第1の出力条件が成立したことに基づいて、前記複数の信号出力端子のうち予め定められた特定の信号出力端子から予め定められた第1の出力態様の信号が出力されるように制御する第1信号制御手段と、前記第1の出力条件とは異なる第2の出力条件が成立したことに基づいて、前記特定の信号出力端子から予め定められた第2の出力態様の信号が出力されるように制御する第2信号制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機FC1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技の状況に応じて、所定装置(例えば、ホールコンピュータ等)へと遊技に関する情報を出力するものがある。かかる遊技機では、出力した遊技に関する情報に基づいて、遊技機において行われている遊技の状況を所定装置に対して把握させることができる(例えば、特許文献1:特許3848105号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、所定装置へと出力する情報が増大すると、信号を出力するための信号出力端子の数が増大してしまう可能性がある。よって、信号を好適に所定装置へと出力することが困難になってしまう虞がある。
これに対して遊技機FC1によれば、第1の出力条件が成立した場合と第2の出力条件が成立した場合とで、同一の信号出力端子から信号の出力態様を異ならせて所定装置へと信号を出力することができるので、信号出力端子の端子数を削減することができるという効果がある。
遊技機FC1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて、予め定められた第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記第1条件は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に成立するものであり、前記第2条件は、前記第2の設定条件が成立した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機FC2。
遊技機FC2によれば、遊技機FC1の奏する効果に加え、特典遊技が実行されることを示す信号、および有利な第2遊技状態が設定されることを示す信号を、共通の信号出力端子から出力することができるので、信号出力端子の端子数を削減することができるという効果がある。
遊技機FC2において、前記第2の設定条件は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったこととは少なくとも異なる条件で構成されていることを特徴とする遊技機FC3。
遊技機FC3によれば、遊技機FC2の奏する効果に加え、特定の判別結果とならなくても有利度合いが高い遊技状態に設定されるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FC3において、前記第2の設定条件は、予め定められた特定条件が成立した後で実行される予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合に成立するように構成されていることを特徴とする遊技機FC4。
遊技機FC4によれば、遊技機FC3の奏する効果に加え、外れ判別結果が連続することを期待させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FC3又はFC4において、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記第1遊技状態よりも有利な第3遊技状態を設定可能な第3遊技状態設定手段と、前記第2遊技状態と前記第3遊技状態とのどちらかが設定されてからその設定された前記第2遊技状態または前記第3遊技状態が終了されるまでの間、前記特定の信号出力端子とは異なる第1の信号出力端子から第3の出力態様の信号が出力されるように制御する第3信号出力制御手段と、遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて遊技状態を判別する遊技状態判別手段と、その遊技状態判別手段により前記第2遊技状態と判別されたことに基づいて、前記特定の信号出力端子から第4の出力態様の信号が出力されるように制御する第4信号出力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機FC5。
遊技機FC5によれば、遊技機FC3又はFC4の奏する効果に加え、遊技機に電源が投入された時点の遊技状態が第2遊技状態であるか第3遊技状態であるかを、第4の出力態様の信号の有無によって所定装置に対して容易に判別させることができるという効果がある。
遊技機FC4において、遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、前記特定条件が成立した後で前記外れ判別結果が連続した回数を特定する連続回数特定手段と、その連続回数特定手段によって特定された連続回数に応じた出力態様の信号が所定の信号出力端子から出力されるように制御する第5信号出力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機FC6。
遊技機FC6によれば、遊技機FC4の奏する効果に加え、遊技機に電源が投入された時点の外れ判別結果の連続回数を所定装置に対して把握させることができるという効果がある。
遊技機FC6において、遊技機の電源が遮断されたことに基づいて、前記特定条件が成立した後で前記外れ判別結果が連続した回数を特定する遮断時連続回数特定手段と、その遮断時連続回数特定手段によって特定された連続回数に応じた出力態様の信号が前記所定の信号出力端子から出力されるように制御する第6信号出力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機FC7。
遊技機FC7によれば、遊技機FC6の奏する効果に加え、電源が遮断された時点の外れ判別結果の連続回数と、電源が投入された際の連続回数とを所定装置に対して把握させることができるので、仮に、電源が遮断された際の連続回数と次に電源が投入された際の連続回数とに齟齬がある場合に、所定装置において遊技機に対する不正行為の可能性を判断することができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができるという効果がある。
<特徴FD群>
所定装置へ向けて所定の信号を出力可能な信号出力部を備えた遊技機において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、少なくとも特定の遊技状態において前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった回数を計数する計数手段と、前記遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、前記信号出力部から前記計数手段の計数する回数に応じた信号を出力させる信号制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機FD1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技の状況に応じて、所定装置(例えば、ホールコンピュータ等)へと遊技に関する情報を出力するものがある。かかる遊技機では、出力した遊技に関する情報に基づいて、遊技機において行われている遊技の状況を所定装置に対して把握させることができる(例えば、特許文献1:特許3848105号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、所定装置へと出力可能な情報に限りがあるため、信号を好適に所定装置へと出力することが困難になってしまう可能性がある。
これに対して遊技機FD1によれば、遊技機に対して電源が投入された場合に所定装置に対して計数手段の計数値を把握させることができるという効果がある。
遊技機FD1において、前記特定の遊技状態が設定された後において前記判別手段の判別結果が予め定められた特定回数に渡って連続して前記第2の判別結果となったことに基づいて、前記特定の遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態を設定可能な有利遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機FD2。
遊技機FD2によれば、遊技機FD1の奏する効果に加え、第2の判別結果が連続することを期待する斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FD1又はFD2において、前記信号制御手段は、前記遊技機の電源が遮断されたことに基づいて、前記信号出力部から前記計数手段の計数する回数に応じた信号を出力させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機FD3。
遊技機FD3によれば、遊技機FD1又はFD2の奏する効果に加え、電源が遮断された際の計数手段の計数値を所定装置に対して把握させることができるという効果がある。
遊技機FD3において、前記所定装置は、前記遊技機の電源が遮断された際に前記信号出力部から出力された前記計数手段の計数する回数に応じた情報を、少なくとも前記遊技機に対して次に電源が投入されて前記計数手段の計数する回数に応じた情報を受信するまで記憶可能な記憶手段を備えることを特徴とする遊技機FD4。
遊技機FD4によれば、遊技機FD3の奏する効果に加え、遊技機に対して電源が遮断されている間に計数手段の計数する回数が書き替えられる等の不正行為が行われた場合に、次回の電源投入時に当該不正行為を所定装置側で容易に把握することができるという効果がある。
<特徴FE群>
受信した信号の種別に応じた視認態様が設定される特定装置に対して信号を出力する信号出力手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、少なくとも前記判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記特定装置が特定の視認態様に設定され得る特定種別の信号が前記特定装置に対して出力されるように制御する信号制御手段と、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記特定装置が前記特定の視認態様となっていることを遊技者が確認し易くなる演出態様で構成されている第1演出を実行する第1演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機FE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、遊技機において実行される興趣演出として、より斬新な演出態様が求められている。即ち、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることが求められている。
これに対して遊技機FE1によれば、特定装置と遊技機とが連動して特典遊技が実行されることを報知しているかのように遊技者に思わせることができる斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機FE1において、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となってから少なくとも前記第1演出が実行されるまでの間、前記特定の判別結果となったことを遊技者に認識困難とさせる第2演出を実行する第2演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機FE2。
遊技機FE2によれば、遊技機FE1の奏する効果に加え、第1演出および特定の視認態様によって突然特定の判別結果が報知されたかのような印象を遊技者に対して抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FE2において、前記特定装置の視認態様を視認可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記特定装置の視認態様が視認困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、その可変手段を可変制御する可変制御手段と、を備え、前記可変手段は、少なくとも前記第2演出が実行されている間、前記第2位置に可変され、前記第1演出が実行されたことに基づいて前記第1位置に可変されるように構成されていることを特徴とする遊技機FE3。
遊技機FE3によれば、遊技機FE2の奏する効果に加え、第2演出の実行中は、特定装置が特定の視認態様に設定されているか否かを視認することを物理的に困難とすることができるので、第1演出が実行される前から特定装置を視認していたとしても、特定の判部結果となることを第2演出の実行中に遊技者が察知することを困難とすることができるという効果がある。
遊技機FE1からFE3のいずれかにおいて、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて遊技者に不利な第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記信号制御手段は、前記第2条件が成立したことに基づいて、前記特定装置が前記特定の視認態様とは異なる第1視認態様に設定され得る第1種別の信号が前記特定装置に対して出力されるように制御可能に構成されているものであり、前記第1演出実行手段は、前記第2条件が成立する場合に、前記第1演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機FE4。
遊技機FE4によれば、遊技機FE1からFE3のいずれかが奏する効果に加え、特典遊技が実行されることだけでなく、第2遊技状態が設定されることについても特定装置と遊技機とが連動しているかのような演出によって報知することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FE4において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別手段の判別に用いる判別情報を取得可能な判別情報取得手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、所定の可変条件の成立に基づいて、前記可変手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変させる可変制御手段と、を備え、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記所定の可変条件が成立し易い遊技状態で構成されているものであり、前記第1演出実行手段は、前記第2条件が成立してから前記可変手段が前記可変制御手段により前記第1位置へと可変されるまでの期間が予め定められた特定期間以上になると前記第2条件が成立するよりも前に判別された場合に、前記第2遊技状態に設定された後で最初に前記可変手段が前記第1位置に可変したことに基づいて前記第1演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機FE5。
遊技機FE5によれば、遊技機FE4の奏する効果に加え、実際に入球手段へと遊技球を入球させることが可能となってから第2遊技状態を報知することができるので、遊技者が遊技球を無駄に発射してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FE1からFE5のいずれかにおいて、前記特定の視認態様は、前記特典遊技の実行中であること遊技者に報知可能な視認態様で構成されていることを特徴とする遊技機FE6。
遊技機FE6によれば、遊技機FE1からFE5のいずれかが奏する効果に加え、特定装置によって特典遊技の実行中であることを明確に報知することができるという効果がある。
遊技機FE1からFE6のいずれかにおいて、前記信号制御手段は、前記判別手段の判別が実行されたことに基づいて第2種別の信号が前記特定装置に出力されるように制御可能に構成されているものであり、前記特定装置は、前記信号出力手段から出力された前記第2種別の信号の回数に応じて、前記判別手段による判別の実行回数を遊技者に示唆可能な視認態様を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FE7。
遊技機FE7によれば、遊技機FE1からFE6のいずれかが奏する効果に加え、特定装置の視認態様によって実行された判別の回数を確認することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機FE7において、前記特定装置は、前記信号出力手段から出力された前記特定種別の信号の回数に応じて、前記特典遊技が実行された回数を遊技者に示唆可能な視認態様を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FE8。
遊技機FE8によれば、遊技機FE7の奏する効果に加え、特定装置の視認態様によって実行された特典遊技の回数を確認することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴FF群>
識別情報を表示可能な表示手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報の動的表示における動的表示態様を決定することが可能な動的表示態様決定手段と、その動的表示態様決定手段により決定され得る複数の異なる前記動的表示態様が規定された規定情報が複数記憶された規定情報記憶手段と、その規定情報記憶手段から前記動的表示態様を決定するための1の規定情報を選択することが可能な規定情報選択手段と、操作者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作内容の操作が行われた状態で前記遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、前記遊技機の設定を予め定められた初期設定に初期化することが可能な初期化手段と、前記初期化手段により前記初期化が行われる場合に、前記規定情報を選択するための情報が変更されることを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機FF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶ディスプレイ等の表示手段に複数の図柄を動的表示させることによって、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を報知するものがある。かかる遊技機では、動的表示された複数の図柄が予め定められた特定の組み合わせで停止表示された場合に、遊技者にとって有利ないわゆる当たり状態へと移行する(例えば、特許文献1:特開2003-230714号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、好適に動的表示態様を決定することが困難となってしまう可能性があった。
これに対して遊技機FF1によれば、初期化されたとしても規定情報を選択するための情報が変更されないように抑制されるので、初期化後においても規定情報を好適に選択することができるという効果がある。
遊技機FF1において、前記特典の付与が終了した後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて、遊技者に有利な特定遊技状態を設定するための情報を設定可能な設定手段を備えることを特徴とする遊技機FF2。
遊技機FF2によれば、遊技機FF1の奏する効果に加え、判別手段の判別で特定の判別結果にならなくても、特定回数の判別が実行されることにより有利な特定遊技状態が設定されるので、特定の判別結果とならない期間が長く継続したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下し難くすることができるという効果がある。
遊技機FF2において、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が実行された回数をカウントするカウント手段と、前記初期化手段により前記初期化が行われる場合に、前記カウント手段がカウントするカウント値が初期化されることを抑制する第2抑制手段を備え、前記設定手段は、前記カウント手段のカウント値が前記特定回数に対応するカウント値になったことに基づいて、前記特定遊技状態を設定するための情報を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FF3。
遊技機FF3によれば、遊技機FF2の奏する効果に加え、遊技機が初期化されてもカウント手段のカウント値が維持されるので、遊技機が初期化されたとしても特定遊技状態に設定されるまでの判別手段の判別回数が電源遮断時から増加することを抑制することができる。よって、遊技者に、初期化された遊技機で遊技を行うことを敬遠されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FF3において、前記規定情報選択手段は、前記カウント手段のカウント値に少なくとも基づいて前記規定情報を選択可能に構成されていることを特徴とする遊技機FF4。
遊技機FF4によれば、遊技機FF3の奏する効果に加え、特定遊技状態を設定するか否かを判別するために判別手段の判別回数を読み出す場合にも、規定情報を選択するために判別手段の判別回数を読み出す場合にも、共通してカウント手段のカウント値を用いることができ、両者がずれてしまう可能性を排除することができるので、規定情報を好適に選択することができるという効果がある。
遊技機FF2からFF4のいずれかにおいて、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて、前記特定遊技状態を設定するための情報を設定可能な第2設定手段を備えることを特徴とする遊技機FF5。
遊技機FF5によれば、一旦特定遊技状態が設定された後も、特典が付与されなければ判別回数が特定回数に到達することで再度特定遊技状態が設定されるので、特典が付与されなくても定期的に有利度合いが高くなる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機FF5において、前記特定遊技状態が設定されたことに基づいて前記カウント手段のカウント値を初期化可能な第2初期化手段を備えることを特徴とする遊技機FF6。
遊技機FF6によれば、遊技機FF5の奏する効果に加え、特定遊技状態が設定されたことを契機としてカウント値を初期化することができるので、特定遊技状態が未設定の状況であっても、一旦特定遊技状態が設定された後の状況であっても、特定回数に対応するカウント値になったか否かによって特定遊技状態を設定するか否かを判別することができ、設定手段と第2設定手段とで制御を共通化することができるという効果がある。
遊技機FF2からFF6のいずれかにおいて、前記特典付与手段による前記特典の付与が終了したことに基づいて前記カウント手段のカウント値を初期化する第3初期化手段を備えることを特徴とする遊技機FF7。
遊技機FF7によれば、遊技機FF2からFF6のいずれかが奏する効果に加え、特典の付与が終了する毎にカウント手段のカウント値が初期化されるので、特典が付与されたタイミングによらず、特典の付与が終了してから判別手段の判別回数が特定回数になることで特定遊技状態を設定することができるという効果がある。
<特徴FG群>
遊技に関する所定の制御を行う制御手段を備えた遊技機において、所定の設定条件の成立に基づいて、予め定められた特定制御が前記制御手段によって行われるように設定する特定制御設定手段と、前記所定の設定条件の成立時点において予め定められた特定条件が成立している場合に、前記特定制御設定手段の設定を抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機FG1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技に関する制御を行う制御手段を搭載しているものがある。かかる遊技機では、当たり状態に移行する際等、遊技の状況が変化する場合に、設定値の設定等の所定の制御が制御手段によって実行されるように設定される(例えば、特許文献1:特開2001-276365号公報)。
しかしながら、かかる遊技機では、制御手段に対して好適な制御を行わせることが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機FG1によれば、特定条件の成立下において特定制御が行われることを回避することができるので、より好適に制御を行わせることができるという効果がある。
遊技機FG1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別が実行されたことに基づいて、前記表示手段において前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を決定するための情報である動的表示期間情報と、前記判別手段の判別が前記特定の判別結果とは異なる判別結果となった回数である判別回数と、の対応関係が少なくとも規定された規定情報を複数記憶した規定情報記憶手段と、前記判別条件が成立したことに基づいて、前記規定情報記憶手段似記憶されている複数の前記規定情報のうち1の前記規定情報に応じて前記判別回数に対応する前記動的表示期間情報を特定する動的表示期間情報特定手段と、その動的表示期間情報特定手段により特定された前記動的表示期間情報に応じて前記動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、を備え、前記制御設定手段は、前記所定の設定条件の成立に基づいて、前記規定情報記憶手段に記憶されている複数の前記規定情報のうち、前記動的表示期間情報特定手段による前記動的表示期間情報の特定に用いるための1の前記規定情報を特定する制御を前記特定制御として前記制御手段によって行われるように設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機FG2。
遊技機FG2によれば、好適に動的表示期間を決定することができるという効果がある。
遊技機FG2において、前記所定の設定条件は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは少なくとも異なる第1の判別結果となった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機FG3。
遊技機FG3によれば、遊技機FG2の奏する効果に加え、第1の判別結果となった場合に規定情報を特定することができるので、第1の判別結果の前後で決定される動的表示期間の傾向を異ならせることができるという効果がある。
遊技機FG3において、操作者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作内容の操作が行われた状態で前記遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、前記遊技機の設定を予め定められた初期設定に初期化することが可能な初期化手段と、を備え、前記判別手段は、判別結果が前記特定の判別結果と前記第1の判別結果とのどちらかになるように構成されていることを特徴とする遊技機FG4。
遊技機FG4によれば、遊技機FG3の奏する効果に加え、遊技機の初期化後に判別手段の判別が実行され、特定の判別結果にならなければ、規定情報を特定することができるので、ほぼ、遊技機の初期化後に判別手段の判別が1回実行されることで規定情報を特定することができる。よって、規定情報が特定されていない状態が長く続いてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FG4において、前記特定条件は、前記初期化手段により前記遊技機の設定が前記初期設定に初期化された後で最初に前記第1の判別結果となった場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機FG5。
遊技機FG5によれば、遊技機FG4の奏する効果に加え、第1の判別結果となる毎に、繰り返し規定情報が特定されることを抑制できるという効果がある。
遊技機FG4又はFG5において、前記制御手段は、前記特定制御として、前記初期化手段により前記遊技機の設定が前記初期設定に初期化され、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて1の前記規定情報を特定する第1特定制御と、前記特典遊技の実行が終了したことに基づいて1の前記規定情報を特定する第2特定制御と、を少なくとも行うことが可能に構成されていることを特徴とする遊技機FG6。
遊技機FG5によれば、遊技機FG4又はFG5の奏する効果に加え、特典遊技の実行が終了した場合にも規定情報を特定することができるので、特典遊技の終了を契機として、決定される動的表示期間の傾向を異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FG4からFG6のいずれかにおいて、前記初期化手段により前記遊技機の設定が前記初期設定に初期化された後における前記判別回数が予め定められた特定回数となったことに基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態を設定する有利遊技状態設定手段を備え、前記特定制御は、少なくとも前記特定回数に到達するまでの間のそれぞれの前記判別回数と、前記動的表示期間情報と、の対応関係を規定した前記規定情報を特定する制御で構成されていることを特徴とする遊技機FG7。
遊技機FG7によれば、遊技機FG4からFG6のいずれかが奏する効果に加え、遊技機が初期化され、判別手段の判別結果が第1の判別結果となったことに基づいて特定された規定情報を、有利遊技状態が設定されるまでの間、使用し続けることができるので、有利遊技状態が設定されるまでに規定情報を切り替える制御を行う必要がなく、遊技機の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機FG4からFG7のいずれかにおいて、前記初期化手段により前記遊技機が初期化され、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて特定演出を実行する演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機FG8。
遊技機FG8によれば、遊技機FG4からFG7の奏する効果に加え、特定演出が実行された場合に、特定条件が成立したことを遊技者に理解させることができるという効果がある。
遊技機FG8において、前記演出実行手段は、前記遊技機に対して電源が投入され、前記初期化手段によって前記遊技機の設定が前記初期設定に初期化されなかった場合に、前記特定演出の実行を抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機FG9。
遊技機FG9によれば、遊技機FG8の奏する効果に加え、特定演出が実行されるか否かによって遊技機が初期化されたか否かを遊技者に理解させることができるので、遊技機に対して電源が投入された場合に、少なくとも特定条件が成立するまで遊技を行って初期化の有無を判別したいと遊技者に思わせることができる。よって、特に、遊技機を設置しているホールの開店直後における遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機FG2からFG9のいずれかにおいて、前記動的表示期間情報は、前記動的表示期間として決定され得る複数の異なる期間が少なくとも規定されている情報で構成されていることを特徴とする遊技機FG10。
遊技機FG10によれば、遊技機FG2からFG9のいずれかが奏する効果に加え、動的表示期間を多様化させることで判別手段の判別結果が示されるまでの期間にバリエーションを持たせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴FH群>
識別情報を表示可能な表示手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に予め定められた特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて、遊技者に有利な特定遊技状態を設定するための情報を設定可能な設定手段と、前記識別情報の動的表示における動的表示態様を決定することが可能な動的表示態様決定手段と、その動的表示態様決定手段により決定され得る複数の異なる前記動的表示態様が規定された規定情報が複数記憶された規定情報記憶手段と、前記規定情報記憶手段から1の規定情報を選択させるための情報である選択情報として、複数の異なる選択情報のうち1の選択情報を特定する選択情報特定手段と、その選択情報特定手段によって特定された前記選択情報に応じて、規定情報記憶手段から前記動的表示態様を決定するための1の規定情報を選択することが可能な規定情報選択手段と、を備え、前記選択情報特定手段は、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて、1の前記選択情報を特定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FH1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶ディスプレイ等の表示手段に複数の図柄を動的表示させることによって、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を報知するものがある。かかる遊技機では、動的表示された複数の図柄が予め定められた特定の組み合わせで停止表示された場合に、遊技者にとって有利ないわゆる当たり状態へと移行する(例えば、特許文献1:特開2003-230714号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、好適に動的表示態様を決定することが困難となってしまう可能性があった。
これに対して遊技機FH1によれば、選択情報を好適に特定することができるという効果がある。
遊技機FH1において、前記選択情報特定手段は、前記特典が付与されたことに基づいて前記選択情報として第1選択情報を特定し、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて前記第1選択情報とは異なる第2選択情報を特定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機FH2。
遊技機FH2によれば、遊技機FH1の奏する効果に加え、特典の付与が修了された場合と特定遊技状態が設定される場合とで異なる選択情報を特定することができるので、決定される規定情報の傾向を多様化することができるという効果がある。
遊技機FH1又はFH2において、前記設定手段は、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて、前記特定遊技状態を設定するための情報を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FH3。
遊技機FH3によれば、遊技機FH1又はFH2の奏する効果に加え、特定遊技状態が1回設定された後も、特典が付与されなければ再度特定遊技状態が設定されるので、特典が付与されなくても定期的に特定遊技状態が設定される斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機FH3において、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて特定される前記選択情報は、前記判別手段の判別回数が前記特定回数よりも少ない第1回数未満の範囲で前記規定情報選択手段に対して第1規定情報を選択させ、前記第1回数となったことに基づいて前記第2規定情報を選択させることが可能な情報で構成されていることを特徴とする遊技機FH4。
遊技機FH4によれば、特定遊技状態に設定された後で第1回数の判別が実行された場合に、決定される動的表示態様の傾向を異ならせることができるので、動的表示態様の傾向の変化によって特定回数が近づいてきたと遊技者に感じさせることができるという効果がある。
遊技機FH4において、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて特定される前記選択情報は、前記判別手段の判別回数が前記特定回数よりも少なく、前記第1回数よりも多い第2回数となったことに基づいて前記規定情報選択手段に対して前記第2規定情報を選択させ、前記判別手段の判別回数が前記第1回数よりも多く、前記第2回数未満の範囲で前記第1規定情報を選択させることが可能な情報で構成されていることを特徴とする遊技機FH5。
遊技機FH5によれば、遊技機FH4の奏する効果に加え、特定遊技状態の設定後に実行された判別手段の判別回数が第1回数となった場合、および第2回数となった場合に、その他の回数の場合とは決定される動的表示態様の傾向を異ならせることができるので、動的表示態様の傾向が可変する毎に、段階的に、特定回数が近づいていると遊技者に感じさせることができるという効果がある。
遊技機FH3からFH5のいずれかにおいて、前記特典の付与が終了された後で最初に設定された前記特定遊技状態と、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて設定された前記特定遊技状態とで、有利度合いを可変させることが可能な有利度合い可変手段を備えることを特徴とする遊技機FH6。
遊技機FH6によれば、同じ特定遊技状態でも設定されるタイミングによって有利度合いを異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機FH6において、前記有利度合い可変手段は、前記特典の付与が終了された後で最初に設定された前記特定遊技状態よりも、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて設定された前記特定遊技状態の方が有利度合いが高くなるように有利度合いを可変可能に構成されていることを特徴とする遊技機FH7。
遊技機FH7によれば、遊技機FH6の奏する効果に加え、より長い期間特典が付与されていない状態で設定された特定遊技状態の方が有利度合いを高くすることができるので、特典が付与されないことを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
<特徴FI群>
予め定められた第1の実行条件の成立に基づいて第1制御を実行し、前記第1制御の実行中に予め定められた第2の実行条件が成立したことに基づいて前記第1制御とは異なる第2制御を実行する制御手段と、少なくとも前記第1制御の実行中に予め定められた第3の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1制御とも前記第2制御とも異なる第3制御が前記制御手段によって実行されるように設定する第3制御設定手段と、前記第3制御の実行中に予め定められた終了条件が成立したことに基づいて第3制御を終了させる終了手段と、その終了手段により前記第3制御が終了された時点で予め定められた特定条件が成立している場合に前記第2制御が前記制御手段によって実行されるように設定し、前記特定条件が成立していない場合に前記第1制御が前記制御手段によって実行されるように設定する終了後制御設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機FI1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技に関する制御を行う制御手段を搭載しているものがある。かかる遊技機では、当たり状態に移行する際等、遊技の状況が変化する場合に、設定値の設定等の所定の制御が制御手段によって実行されるように設定される(例えば、特許文献1:特開2001-276365号公報)。
しかしながら、かかる遊技機では、制御手段に対して好適な制御を行わせることが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機FI1によれば、第3制御の終了時点における特定条件の成立有無に応じて、第3制御の終了後に第1制御を実行させるか第2制御を実行させるかを切り替えることができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
遊技機FI1において、前記終了後制御設定手段は、前記第1制御の実行中に前記第3の実行条件が成立しなかったと仮定した場合に前記終了条件の成立時点で前記第2制御の実行中であれば、前記第2制御が前記制御手段によって実行されるように設定し、前記終了条件の成立時点で前記第1制御の実行中であれば、前記第1制御が前記制御手段によって実行されるように設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機FI2。
遊技機FI2によれば、遊技機FI1の奏する効果に加え、第3制御が終了される場合に、第3制御が実行されなかったと仮定した場合の制御内容を設定することができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
遊技機FI1又はFI2において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第2の実行条件は、前記第1の実行条件が成立した後で前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった回数が予め定められた特定回数となった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機FI3。
遊技機FI3によれば、遊技機FI1又はFI2の奏する効果に加え、第2の判別結果となった回数が特定回数となることで異なる制御に切り替えることができるので、有利な特典遊技が実行されない状況下において延々と第1制御が実行され続けてしまうことを抑制することができる。よって、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FI3において、前記終了後設定手段は、前記終了条件の成立時点で、前回の前記第1の実行条件の成立後に前記第2の判別結果となった回数が前記特定回数以上である場合に前記第2制御が前記制御手段によって実行されるように設定し、前記第2の判別結果となった回数が特定回数未満である場合に前記第1制御が実行されるように設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FI4。
遊技機FI4によれば、遊技機FI3の奏する効果に加え、第2の判別結果の回数に応じて第3制御の終了後における制御内容を切り替えることができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
遊技機FI3又はFI4において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段において動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、前記動的表示期間を決定するための情報が規定された所定の規定情報として、第1規定情報と、その第1規定情報とは異なる第2規定情報と、を少なくとも含む複数の規定情報を記憶した規定情報記憶手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1制御として、前記第1規定情報を用いて前記動的表示期間を決定するように前記動的表示期間決定手段を制御し、前記第2制御として、前記第2規定情報を用いて前記動的表示期間を決定するように前記動的表示期間決定手段を制御することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機FI5。
遊技機FI5によれば、第1制御が実行されるか、第2制御が実行されるかによって決定される動的表示期間の傾向を異ならせることができるので、判別手段の判別結果が示されるまでの期間の傾向も異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機FI3からFI5のいずれかにおいて、予め定められた特定の設定条件の成立に基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定された後において前記判別手段の判別結果が前記特定回数よりも多い予め定められた第1回数に渡って連続して前記第2の判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記第1の実行条件は、前記特定の設定条件が成立した場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機FI6。
遊技機FI6によれば、遊技機FI3からFI5のいずれかが奏する効果に加え、第1遊技状態の間に第1制御から第2制御に切り替えることができるので、第2遊技状態が設定されるまでの間の遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FI6において、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる判別結果であって前記第2の判別結果の一部である第3の判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段を備え、前記第3の実行条件は、前記判別手段の判別結果が前記第3の判別結果となった場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機FI7。
遊技機FI7によれば、遊技機FI6の奏する効果に加え、第1遊技状態から第3遊技状態に切り替わった場合に制御も切り替えることができるので、遊技状態に応じた制御を実行することができるという効果がある。
遊技機FI7において、前記第1遊技状態設定手段は、前記第3の判別結果となった後で実行された前記判別手段の判別結果が予め定められた第2回数に渡って連続して前記第2の判別結果となったことに基づいて、遊技状態を前記第1遊技状態に設定可能に構成されているものであり、前記終了条件は、前記第3の判別結果となった後で実行された前記判別手段の判別結果が予め定められた第2回数に渡って連続して前記第2の判別結果となった場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機FI8。
遊技機FI8によれば、第3遊技状態が終了して第1遊技状態に戻る際に、第2の判別結果の回数に応じて第1制御を実行させるか第2制御を実行させるかを切り替えることができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
<特徴FJ群>
予め定められた特定の設定条件の成立に基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、少なくとも前記第1遊技状態において成立し得る所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第2遊技状態の間に前記第2遊技状態の設定条件が再度成立する場合に、前記再度成立する設定条件を加味した有利度合いを遊技者に示唆する特定演出を、少なくとも前記第2遊技状態が設定されるよりも前に実行可能な特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機FJ1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが異なる複数の遊技状態が設けられているものの知られており、有利度合いが高い遊技状態へと移行する際に、表示演出等によって有利度合いを報知するものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、単に直近で設定される有利状態の有利度合いのみを判別して有利度合いを報知する構成としているため、実際の有利度合いと報知される有利度合いとにずれが生じてしまう可能性がある。
これに対して遊技機FJ1によれば、第2遊技状態が設定されること、および第2遊技状態の間に再度第2遊技状態を設定するための設定条件が成立することが予め分かっている場合に、第2遊技状態が設定されるよりも前に、第2遊技状態が重複して設定されることを加味した有利度合いを遊技者に示唆する斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機FJ1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2遊技状態が設定された後で実行された前記判別手段の判別結果が予め定められた特定回数に渡って前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記第2遊技状態を終了させる終了手段と、を備え、前記特定演出は、前記第2遊技状態が前記終了手段により終了されるまでの前記判別手段の判別回数を示唆することが可能な演出で構成されていることを特徴とする遊技機FJ2。
遊技機FJ2によれば、遊技機FJ1の奏する効果に加え、特定演出によって第2遊技状態が終了するまでの判別回数を示唆することができるので、特定演出に注目させることができるという効果がある。
遊技機FJ2において、前記所定の設定条件の成立に基づいて、前記第2遊技状態が前記終了手段により終了されるまでの前記判別手段の判別回数として、第1回数と、その第1回数よりも多い第2回数と、を少なくとも含む複数のうち1の回数を決定する終了回数決定手段を備えることを特徴とする遊技機FJ3。
遊技機FJ3によれば、終了回数決定手段により決定され得る回数が複数設けられているので、特定演出により示唆される回数により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機FJ2又はFJ3において、前記所定の設定条件は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる判別結果であって前記第2の判別結果に含まれる判別結果である第3の判別結果となった場合に成立する第1設定条件と、その第1設定条件とは異なる第2設定条件と、で少なくとも構成されていることを特徴とする遊技機FJ4。
遊技機FJ4によれば、遊技機FJ2又はFJ3の奏する効果に加え、有利な遊技状態が設定される条件として複数の条件が設けられているため、第2遊技状態へと移行することを期待できる場面をより多くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FJ4において、前記第2設定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後で実行された前記判別手段の判別結果が予め定められた第3回数に渡って前記第2の判別結果となった場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機FJ5。
遊技機FJ5によれば、遊技機FJ4の奏する効果に加え、有利度合いが低い第1遊技状態において第1の判別結果にならなくても、判別手段の判別が第3回数に渡って第2の判別結果となることで有利度合いが高い第2遊技状態が設定されるので、第1遊技状態において第1の判別結果とならない期間が長く継続したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FJ5において、前記特定演出実行手段は、前記特定演出の演出態様として、前記第1設定条件が成立し、当該第1設定条件の成立に基づいて設定される前記第2遊技状態において前記特定回数の前記判別手段の判別が実行されるまでに前記判別手段の判別回数が前記第3回数に到達する場合に、前記第1設定条件が成立してから前記判別手段の判別結果が前記第3回数に到達したことに基づいて設定される前記第2遊技状態が終了するまでの間に実行可能な判別回数に応じた演出態様を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FJ6。
遊技機FJ6によれば、遊技機FJ5の奏する効果に加え、特定演出の演出態様として、実際に第2遊技状態が終了されるまでの判別回数に応じた演出態様を設定することができるので、特定演出に対してより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機FJ6において、前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、設定される前記第2遊技状態において前記第1の判別結果とならない場合に少なくとも第4回数の判別を実行可能であることを示す第1演出態様と、前記第4回数よりも多い第5回数の判別を実行可能であることを示す第2演出態様と、を少なくとも含む複数のうち1の演出態様を決定する演出態様決定手段を備え、前記演出態様決定手段は、設定される前記第2遊技状態において前記第1の判別結果とならない場合に実行可能な判別の回数が第1回数以上であり、且つ、第2回数未満である場合に、前記第1演出態様を決定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FJ7。
遊技機FJ7によれば、遊技機FJ6の奏する効果に加え、第2遊技状態が終了するまでの判別回数が第1回数以上、且つ、第2回数未満である場合に、一律で第1演出態様を決定することができるので、遊技機の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機FJ7において、演出態様を表示可能な表示手段と、前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて、当該設定された前記第2遊技状態が終了されるまでに実行可能な判別回数を示す情報として、当該第2遊技状態が設定されるよりも前に実行された前記特定演出の演出態様に応じた判別回数を示す情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記第2遊技状態において前記判別手段の判別が行われる毎に、前記表示手段に表示される前記判別回数を示す情報を、判別回数が1少ない情報に更新する更新手段と、を備えることを特徴とする遊技機FJ8。
遊技機FJ8によれば、遊技機FJ7の奏する効果に加え、第2遊技状態が終了するまでの判別回数が表示手段に表示されるので、第2遊技状態がいつまで継続するのかを遊技者にとって分かり易く構成することができるという効果がある。
<特徴FK群>
予め定められた特定の更新条件が成立したことに基づいて、特定のカウンタのカウンタ値を所定範囲内の1の値に更新することが可能な更新手段と、その更新手段により前記特定のカウンタのカウンタ値が予め定められた第1のカウンタ値に更新されたことに基づいて、予め定められた特定の制御を実行する特定制御実行手段と、前記更新手段により前記特定のカウンタのカウンタ値が前記第1のカウンタ値に更新されたことに基づいて、前記特定のカウンタのカウンタ値を前記所定範囲内の値であって前記第1のカウンタ値とは異なる値である第2のカウンタ値に設定するカウンタ値設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機FK1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技に関する制御を行う制御手段を搭載しているものがある。かかる遊技機では、当たり状態に移行する際等、遊技の状況が変化する場合に、設定値の設定等の所定の制御が制御手段によって実行されるように設定される(例えば、特許文献1:特開2001-276365号公報)。
しかしながら、より好適な制御が求められている。
これに対して遊技機FK1によれば、特定のカウンタ値が第1のカウンタ値に更新された場合に、第2のカウンタ値に更新することができるので、カウンタ値を好適に更新することができる。よって、特定の制御をより好適に実行することができるという効果がある。
遊技機FK1において、前記第1のカウンタ値は、前記第2のカウンタ値よりも大きい値で構成されているものであり、前記更新手段は、前記特定のカウンタのカウンタ値を更新前よりも大きいカウンタ値に更新可能に構成されていることを特徴とする遊技機FK2。
遊技機FK2によれば、遊技機FK1の奏する効果に加え、第2のカウンタ値に更新された後でカウンタ値の更新が繰り返されることで再度第1のカウンタ値に更新され得るので、特定制御が再度実行されることを遊技者に期待させることができるという効果がある。
遊技機FK1又はFK2において、識別情報を表示可能な表示手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に予め定められた特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて、遊技者に有利な特定遊技状態を設定するための情報を設定可能な設定手段と、前記識別情報の動的表示における動的表示態様を決定することが可能な動的表示態様決定手段と、その動的表示態様決定手段により決定され得る複数の異なる前記動的表示態様が規定された規定情報が複数記憶された規定情報記憶手段と、その規定情報記憶手段から前記動的表示態様を決定するための1の規定情報を選択することが可能な規定情報選択手段と、を備え、前記更新条件は、前記判別条件の成立に基づいて成立するように構成されており、前記特定制御実行手段は、前記特定制御として、前記規定情報選択手段に対して前記規定情報記憶手段から1の規定情報を選択させるための情報である選択情報として予め規定されている複数の選択情報のうち、予め定められた特定の選択情報を特定する制御を実行可能に構成されているものであり、前記規定情報選択手段は、前記特定のカウンタのカウンタ値と、特定されている前記選択情報と、に応じて1の規定情報を選択可能に構成されていることを特徴とする遊技機FK3。
遊技機FK3によれば、選択情報を好適に特定することができるという効果がある。
遊技機FK3において、前記特典が付与されたことに基づいて前記選択情報として前記特定の選択情報とは異なる第1選択情報を特定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機FK4。
遊技機FK4によれば、遊技機FK3の奏する効果に加え、特典が付与された場合にも選択情報を特定することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機FK3又はFK4において、前記設定手段は、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて、前記特定遊技状態を設定するための情報を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FK5。
遊技機FK5によれば、遊技機FK3又はFK4の奏する効果に加え、特定遊技状態が1回設定された後も、特典が付与されなければ再度特定遊技状態が設定されるので、特典が付与されなくても定期的に特定遊技状態が設定される斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
<特徴FL群>
予め定められた第1の実行条件の成立に基づいて第1制御を実行し、前記第1制御の実行中に予め定められた第2の実行条件が成立したことに基づいて前記第1制御とは異なる第2制御を実行する制御手段と、少なくとも前記第1制御の実行中に予め定められた第3の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1制御とも前記第2制御とも異なる第3制御が前記制御手段によって実行されるように設定する第3制御設定手段と、前記第3制御の実行中に予め定められた終了条件が成立したことに基づいて第3制御を終了させる終了手段と、その終了手段により前記第3制御が終了されたことに基づいて、前記第1の制御とも前記第2の制御とも異なる第4制御が前記制御手段によって実行されるように設定する終了後制御設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機FL1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技に関する制御を行う制御手段を搭載しているものがある。かかる遊技機では、当たり状態に移行する際等、遊技の状況が変化する場合に、設定値の設定等の所定の制御が制御手段によって実行されるように設定される(例えば、特許文献1:特開2001-276365号公報)。
しかしながら、かかる遊技機では、制御手段に対して好適な制御を行わせることが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機FL1によれば、第3制御が終了した場合に、第4制御を実行することができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
遊技機FL1において、前記第1の実行条件は、少なくとも前記第4制御の実行中に成立し得る条件で構成されていることを特徴とする遊技機FL2。
第4制御の実行中に第1の実行条件が成立することにより第1の制御が再び実行されるので、第4制御の実行中に第1の実行条件が成立することを期待させることができるという効果がある。
遊技機FL1又はFL2において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第2の実行条件は、前記第1の実行条件が成立した後で前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった回数が予め定められた特定回数となった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機FL3。
遊技機FL3によれば、遊技機FL1又はFL2の奏する効果に加え、第2の判別結果となった回数が特定回数となることで異なる制御に切り替えることができるので、有利な特典遊技が実行されない状況下において延々と第1制御が実行され続けてしまうことを抑制することができる。よって、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FL3において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段において動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、前記動的表示期間を決定するための情報が規定された所定の規定情報として、第1規定情報と、その第1規定情報とは異なる第2規定情報と、を少なくとも含む複数の規定情報を記憶した規定情報記憶手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1制御として、前記第1規定情報を用いて前記動的表示期間を決定するように前記動的表示期間決定手段を制御し、前記第2制御として、前記第2規定情報を用いて前記動的表示期間を決定するように前記動的表示期間決定手段を制御することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機FL4。
遊技機FL4において、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる判別結果であって前記第2の判別結果に含まれる第3の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特定遊技状態を設定する特定遊技状態設定手段を備え、前記第3の実行条件は、前記判別手段の判別結果が前記第3の判別結果となったことに基づいて成立する条件で構成されているものであり、前記第3制御は、前記動的表示期間決定手段に対して前記第1規定情報とも前記第2規定情報とも異なる第3規定情報を用いて前記動的表示期間を決定させるための制御で構成されていることを特徴とする遊技機FL5。
遊技機FL5によれば、特定遊技状態が設定された場合に決定される動的表示期間の傾向を異ならせることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
<5073(ベース)系の特徴群>
<特徴βA群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記表示手段に複数の演出態様を表示することが可能な演出態様表示手段と、前記表示手段に表示された演出態様を可変させることが可能な可変表示手段と、前記演出態様が表示されている位置に報知態様を配置することが可能な報知手段と、前記複数の演出態様が表示されている場合に、前記報知態様が配置させることで可変可能な前記演出態様を示唆することが可能な示唆制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機βA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βA1によれば、可変される演出態様を報知態様が配置されることで遊技者が認識し易くすることができるので、可変される演出態様を見落とす不具合を抑制でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機βA1において、前記判別手段により判別されることが可能な情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、を有し、前記演出態様表示手段は、前記記憶手段に前記情報が記憶された場合に、前記演出態様を表示させることが可能であることを特徴とする遊技機βA2。
遊技機βA2によれば、遊技機βA1の奏する効果に加え、記憶手段に記憶されている情報の個数を演出態様が表示されている個数で判別することができ、判別され得る回数を予測することができるという効果がある。
遊技機βA2において、前記記憶手段に記憶された前記情報が前記判別手段により判別されるよりも前に判別を実行することが可能な事前判別手段を有し、前記可変表示手段は、前記事前判別手段の判別結果に基づいて可変させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機βA3。
遊技機βA3によれば、遊技機βA1またはβA2の奏する効果に加え、演出態様が事前判別手段による判別結果に基づいて可変されるので、演出態様が可変されることで判別結果を予測することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴βB群>
所定の報知態様を報知可能な報知手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段の操作に基づいて設定を可変させるための情報を設定することが可能な設定手段と、可変された前記設定に対応した演出態様を実行することが可能な演出実行手段と、前記操作手段が操作された場合に、前記設定される情報に対応した識別態様を表示手段に表示させることが可能な識別態様表示手段と、通常期間よりも前記識別態様が視認困難となる特定期間を設定可能な設定手段と、前記識別態様が表示されない期間には、第1態様が実行され、特定期間に前記操作手段が操作された場合には、前記識別態様を示唆するための前記第1態様とは異なる第2態様が実行される態様実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機βB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行され、遊技機に設けられた遊技者が操作可能な操作手段を操作することで遊技の態様を可変させることが可能である遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、操作手段を操作した場合に、遊技の態様が可変されたかを判別することが困難な場合があり、遊技の興趣が低下するという問題点があった。上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βB1によれば、識別態様が視認困難な特定期間である場合には、識別態様を示唆するための第2態様が実行されるので、通常時は異なる第1態様が実行される態様実行手段を利用して、識別態様を遊技者に示唆することが可能となり遊技者に分かり易く遊技をさせることで、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機βB1において、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記識別情報が動的表示されていない期間に前記操作手段が操作されたことで可変された設定に基づいて、その後に実行される前記識別情報の動的表示期間中に可変して前記演出を実行することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機βB2。
遊技機βB2によれば、遊技機βB1の奏する効果に加え、動的表示されていない期間に操作された内容についてもその後に実行される動的表示期間中に反映されるので、識別情報の動的表示と合わせて演出を楽しむことができるという効果がある。
遊技機βB1またはβB2において、前記態様実行手段は、前記特定期間である場合に前記識別態様が表示されていた位置に移動されて実行されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機βB3。
遊技機βB3によれば、遊技機βB1またはβB2の奏する効果に加え、態様実行手段が識別態様の表示されていた位置に移動されて実行されるので、識別態様の代わりに第2態様が実行されていることを分かり易くでき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴βC群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記識別情報が動的表示される期間に演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出が実行されている期間に特定条件が成立することに基づいて前記識別情報の態様を可変させることが可能な可変手段と、前記識別情報の動的表示期間が経過するまでの期間に、前記特定条件の成立回数を可変して決定することが可能な決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機βC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出として複数の図柄を動的表示させた後に、抽選結果を報知する組み合わせで図柄を停止表示させる遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、図柄の動的表示態様が単調となり易く、図柄が停止表示されるよりも前に報知される組み合わせを予測できてしまうことで遊技の興趣が低下するという問題点があった。上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βC1によれば、特定条件が成立する毎に識別情報が可変することで、特定の判別結果を示す態様へと可変されることを特定条件が成立する毎に期待させることができるので、決定手段により決定された回数に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機βC1において、前記識別情報の動的表示は、前記識別情報を特定の前記判別結果を示す態様で表示されることが可能な態様で少なくとも一部の識別情報を仮停止させる仮停止態様を実行可能に構成され、前記特定条件は、前記仮停止態様が実行されている期間に成立可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機βC2。
遊技機βC2によれば、遊技機βC1の奏する効果に加え、仮停止されている期間に特定条件が成立して、識別情報の態様が可変されることで、可変したことを識別し易くすることができるという効果がある。
遊技機βC1またはβC2において、前記識別情報は、複数の図柄を組み合わせて表示させることで、前記特定の判別結果を示す態様を構成可能にされ、前記可変手段は、前記図柄の組み合わせを可変させるものであることを特徴とする遊技機βC3。
遊技機βC3によれば、遊技機βC1またはβC2の奏する効果に加え、特定条件が成立する毎に図柄の組み合わせを可変させることができ、特定の判別結果への期待を高めることができるという効果がある。
<特徴βD群>
演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により特定の演出が実行された場合に、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されることに基づいて遊技の設定を可変させることが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記演出が実行されている期間に、前記操作手段が操作されたことに基づいて、前記演出の実行期間中に可変された遊技の設定に基づく演出を実行することが可能な遊技機βD1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出として、抽選により演出内容が決定され当否判定の期待度等を抽選結果が報知される前に予告演出として実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、実行される演出態様の内容が決定される頻度等が一定となり易く遊技の興趣が低下する問題点があった。上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βD1によれば、演出の実行中に操作手段を操作することで遊技の設定が可変され、演出の実行期間中に可変された設定に基づいた演出を実行することができるので、遊技者の要望に合わせた設定に対応した状態で早期に遊技をさせて、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機βD1において、前記演出が実行される場合に、複数の設定に対応した演出態様を設定することが可能な演出設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機βD2。
遊技機βD2によれば、遊技機βD1の奏する効果に加え、演出が実行される場合に、複数の設定に対応した演出態様が設定されることで、容易に演出の実行中に演出態様を可変させることができるという効果がある。
遊技機βD1またはβD2において、前記特定の演出が実行される演出が実行されている期間に前記操作手段が操作されて前記設定が可変されることに基づいて特殊演出を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機βD3。
遊技機βD3によれば、遊技機βD1またはβD2の奏する効果に加え、設定を可変させることで、特定の演出が実行されることを早期に識別可能となり、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴βE群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は、複数の図柄で構成されており、前記図柄が停止表示される場合に、停止される図柄種別に対応した演出態様を実行可能な演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機βE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出として、複数の図柄が動的表示された後に抽選結果を示す図柄の組み合わせで停止表示される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、単純に図柄の動的表示と停止が繰り返されることで遊技が単調となる遊技の興趣が低下するという問題点があった。上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βE1によれば、停止図柄の種別に対応した演出態様が実行されるので、停止した図柄種別を分かり易くして遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機βE1において、前記識別情報は、前記複数の図柄のそれぞれに識別態様を付加させて構成されており、前記識別態様は、前記図柄の種別に対応せずに決定されて付加されるものであることを特徴とする遊技機βE2。
遊技機βE2によれば、遊技機βE1の奏する効果に加え、識別態様が図柄に種別に対応せずに付加されるので、識別情報のバリエーションを多様にすることができるという効果がある。
遊技機βE1またはβE2において、前記特定の判別結果を示すための態様は、特定の組み合わせで前記識別態様が表示されることで構成されているものであることを特徴とする遊技機βE3。
遊技機βE3によれば、遊技機βE1またはβE2の奏する効果に加え、図柄の種別に関わらず識別態様の組み合わせで特定の判別結果が報知されるので、図柄を識別態様に柔軟に組み合わせて報知することができるという効果がある。
<特徴βF群>
情報を取得することが可能な取得手段と、判別条件の成立に基づいて、前記情報に基づく判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を動的表示可能な表示手段と、前記取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報の個数を示すための識別図柄を前記表示手段に表示させることが可能な識別図柄表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶された前記情報の個数が変化した場合に、前記識別図柄の表示位置を新たな前記情報の個数に対応する表示位置に変更する表示位置変更手段と、その表示位置変更手段により前記識別図柄の表示位置が変更される場合の前記識別図柄の動作態様を設定可能な動作態様設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機βF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
前記遊技機βF1によれば、動作態様設定手段により識別図柄の表示位置が変更される場合の動作態様を設定可能であるため、識別図柄の動作態様を用いた演出を実行可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
前記遊技機βF1において、前記動作態様設定手段は、前記識別図柄に対応する前記識別情報が前記特定の判別結果を示すための前記識別情報である場合に、特定動作態様を設定可能であることを特徴とする遊技機βF2。
前記遊技機βF2によれば、識別図柄が表示位置を変更する場合に特定動作態様で動作することで、遊技者はその識別図柄に対応する識別情報が特定の判別結果を示すための識別情報であることを認識できるため、識別図柄の動作態様にも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴βG群>
情報を取得することが可能な取得手段と、判別条件の成立に基づいて、前記情報に基づく判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を動的表示可能な表示手段と、その表示手段に複数の演出態様を表示することが可能な演出態様表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記表示手段を視認困難な状態とすることが可能な遮断手段と、その遮断手段により視認困難な状態とする範囲を設定可能な範囲設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機βG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、複数の演出が同時に実行される場合に、遊技者がどの演出に注目すれば良いのか分からず、演出効果が低下する虞があった。上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βG1によれば、範囲設定手段により範囲が設定され、その範囲が遮断手段により遮断されることで遊技者が視認困難な状態となるため、視認可能な範囲で実行される演出態様に遊技者を注目させることができるという効果がある。
遊技機βG1において、前記取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、を有し、前記演出態様表示手段は、前記記憶手段に前記情報が記憶された場合に、前記演出態様を表示させることが可能であることを特徴とする遊技機βG2。
遊技機βG2によれば、遊技機βG1の奏する効果に加え、記憶手段に記憶されている情報の個数を演出態様が表示されている個数で判別することができ、判別され得る回数を予測することができるという効果がある。
遊技機βG2において、前記記憶手段は、前記情報を、特定数を上限に記憶可能であることを特徴とする遊技機βG3。
遊技機βG3によれば、遊技機βG2の奏する効果に加え、判別手段による判別に用いられる情報の記憶数に上限を設けることができるため、過剰に多くの判別が実行されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴βH群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための複数の図柄列で構成された識別図柄を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別図柄を動的表示した後に、前記判別結果を示すための表示態様で前記識別図柄を停止表示する表示制御手段と、前記判別手段により特定の判別結果を示すための停止表示態様で前記識別図柄が停止表示された場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定の判別結果であることを示すための停止表示態様は、前記複数の図柄列が特定の図柄の組み合わせで停止表示されるものであり、前記表示制御手段は、前記複数の図柄列のうち、少なくとも2以上の図柄列を前記特定の判別結果を示すための組み合わせの一部となる図柄の組み合わせで停止または仮停止表示させるリーチ表示態様で表示させることが可能に構成されており、前記リーチ表示態様が表示されている状態で動的表示されている前記図柄列に停止表示される前記識別図柄の表示態様を示唆するための示唆演出を実行可能であり、前記遊技機は、前記示唆演出によって示唆された前記識別図柄の表示態様に基づいて、前記リーチ表示態様を示す前記識別図柄の表示態様を可変可能であることを特徴とする遊技機βH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βH1によれば、リーチ表示態様が表示されている状態にて実行される示唆演出によって、動的表示中の識別図柄の停止表示態様を示唆しながら、リーチ表示態様を示す識別図柄を可変させることも可能となる。よって、示唆演出の内容に応じて、リーチ表示態様を示す識別図柄が可変すること無く、動的表示中の識別図柄が停止表示されることを期待させる遊技と、リーチ表示態様を示す識別図柄が可変することを期待させる遊技と、を実行させることが可能となる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機βH1において、前記示唆演出は、識別図柄の表示態様に対応する情報を有する装飾図柄を複数表示させた後に、前記複数表示された前記装飾図柄の中から、演出結果を示すための所定数の前記装飾図柄を表示させるものであることを特徴とする遊技機βH2。
遊技機βH2によれば、示唆演出の演出結果を示すための装飾図柄を含む複数の装飾図柄を表示させることによって、示唆演出の演出結果を予測させる楽しみを提供することができる。また、表示される複数の装飾図柄が有する情報を把握することにより、今回の示唆演出によってリーチ表示態様を示す識別図柄が可変すること無く、動的表示中の識別図柄が停止表示されることを期待させる遊技と、リーチ表示態様を示す識別図柄が可変することを期待させる遊技と、を実行させることが可能となる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機βH2において、前記示唆演出は、前記複数の装飾図柄を順に表示させるものであり、前記リーチ表示態様で表示されている前記識別図柄に対応する情報以外の情報を有する前記装飾図柄を最初に表示させるものであることを特徴とする遊技機βH3。
遊技機βH3によれば、リーチ表示態様が表示されている状態で最初に表示される装飾図柄を、リーチ表示態様で表示されている識別図柄に対応する情報以外の情報を有している装飾図柄とすることができるため、特定の判別結果を示すための識別図柄が停止表示されたと遊技者が誤認してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴βI群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための表示画像を作成可能な表示画像作成手段と、その表示画像作成手段により作成された前記表示画像を所定の表示領域に表示可能な表示手段と、前記表示画像作成手段により作成された前記表示画像を可変制御可能な画像制御手段と、を有した遊技機において、前記表示画像作成手段は、複数の画層を重ね合わせて前記表示画像を作成可能であり、前記画像制御手段は、前記画層単位で前記表示画像を可変制御可能であることを特徴とする遊技機βI1。
従来より、液晶表示装置等の表示装置を用いて、判別手段の判別結果を示すための変動演出を実行するものがあり、多彩な変動演出を実行させることで演出効果を高めるために、液晶表示装置等の表示画面に様々な表示画像を表示させる遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、変動演出の種類を増加させるほど、表示画像を作成するための表示データの量が大きくなり、製造コストを圧迫してしまうという問題が発生するため、表示画像を作成するための表示データ量の増加を抑えながらも、多様な変動演出を実行させることで、演出効果を高め、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機の提供が求められていた。上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βI1によれば、表示画像作成手段により作成された表示画像を形成する複数の画層単位で、表示画像を可変制御させることができるため、同一の表示画像を用いて様々な表示態様を表示領域に表示させることができる。よって、表示画像を作成するための表示データ量の増加を抑えながらも、多様な変動演出を実行させることができるという効果がある。
遊技機βI1において、前記画像作成手段は、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報の表示画像を、前記複数の画層のうち特定の第1画層に作成可能であり、前記画像制御手段によって前記第1画層が可変制御される場合に、前記識別情報を視認困難とさせる補正制御を実行可能な補正手段を有することを特徴とする遊技機βI2。
遊技機βI2によれば、遊技機βI1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、画像制御手段によって、識別情報の表示画像が可変制御される場合には、補正手段により可変制御された識別情報の表示画像を遊技者に視認させ難くすることができるため、表示手段に表示されている識別情報を遊技者が誤認してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機βI2において、前記複数の画像として、少なくとも、前記第1画層よりも前面側に第2画層を有し、前記画像制御手段は、前記第1画層と、前記画層とに同一内容の特定可変制御を実行するものであり、前記補正手段は、前記特定可変制御が実行された場合に、前記第2画層に表示される表示画像によって前記第1画層に表示される前記識別情報の表示画像を視認困難とさせるものであることを特徴とする遊技機βI3。
遊技機βI3によれば、遊技機βI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変制御された識別情報を示すための表示画像を視認困難とさせるために、識別情報の表示画像が作成される第1画層と、同一内容の特定可変制御が実行される第2画層に表示される表示画像を用いているため、どの様な可変制御が実行されたとしても、識別情報の表示画像の表示位置とズレること無く、第2画層の表示画像を表示させ易くすることができるという効果がある。
<特徴βJ群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記表示手段に複数の演出態様を表示することが可能な演出態様表示手段と、前記表示手段に表示された演出態様を可変させることが可能な可変表示手段と、前記複数の演出態様が表示されている位置に対応した表示態様を決定可能な表示態様決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機βJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βJ1によれば、可変される演出態様を報知態様が配置されることで遊技者が認識し易くすることができるので、可変される演出態様を見落とす不具合を抑制でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機βJ1において、前記可変表示手段は、前記表示態様決定手段により決定された前記表示態様に応じて、前記演出態様の可変度合いを異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機βJ2。
遊技機βJ2によれば、遊技機βJ1の奏する効果に加え、決定された表示態様に応じて演出態様の可変度合いを異ならせることができるため、表示される表示態様に興味を持たせ易くすることができるという効果がある。
遊技機βJ2において、前記演出態様が表示されている位置に報知態様を配置することが可能な報知手段と、前記複数の演出態様が表示されている場合に、前記報知態様が配置させることで可変可能な前記演出態様を示唆することが可能な示唆制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機βJ3。
遊技機βJ3によれば、遊技機βJ2の奏する効果に加え、可変される演出態様を報知態様が配置されることで遊技者が認識し易くすることができるので、可変される演出態様を見落とす不具合を抑制でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴βK群>
所定の報知態様を報知可能な報知手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段の操作に基づいて設定を可変させるための情報を設定することが可能な設定手段と、可変された前記設定に対応した演出態様を実行することが可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、前記設定手段により前記情報が設定されたことに基づいて、特典を付与可能な特典付与手段を有することを特徴とする遊技機βK1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行され、遊技機に設けられた遊技者が操作可能な操作手段を操作することで遊技の態様を可変させることが可能である遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、操作手段を操作した場合に、遊技の態様が可変されたかを判別することが困難な場合があり、遊技の興趣が低下するという問題点があった。上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βK1によれば、情報を設定することに基づいて特典が付与されるため、特典の付与を求めて遊技者に操作手段を操作させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機βK1において、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が特定の判別結果である場合に特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記判別手段の結果が前記特定の判別結果があることを前記特典遊技が実行されるよりも前に報知するものであることを特徴とする遊技機βK2。
遊技機βK2によれば、遊技機βK1の奏する効果に加え、特典遊技が実行されることを特典付与手段により遊技者にいち早く報知することができるため、特典の付与を求めて遊技者に操作手段を操作させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機βK2において、前記特典付与手段は、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報が動的表示されている間に、前記設定手段により前記情報が設定された場合に前記特典を付与可能であることを特徴とする遊技機βK3。
遊技機βK3によれば、遊技機βK2の奏する効果に加え、識別情報の動的表示期間中においても、特典の付与を求めて遊技者に操作手段を操作させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<5073(追加)系の特徴群>
<特徴GA群>
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作が有効に判別される操作有効期間を設定可能な操作有効期間設定手段と、その操作有効期間設定手段により設定された前記操作有効期間中に前記操作が実行されたことに基づいて、演出態様を、第1態様から、その第1態様とは異なる第2態様へと段階的に可変させることが可能な演出可変手段と、前記演出態様が前記第2態様へと可変された場合に特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、を有した遊技機において、前記操作有効期間として、第1状態と、その第1状態よりも前記演出態様を可変させることが困難な第2状態とを、設定可能な状態設定手段を有し、前記状態設定手段は、前記第1状態が設定されている状態で前記操作手段が操作されたことに基づいて前記第2状態を設定可能であることを特徴とする遊技機GA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)への操作内容に基づいた操作演出を実行可能なものがある。そして、操作演出の演出態様として、敵キャラの体力値を減少させる演出態様(以下、ゲージ減少演出)を設け、遊技者に有利な特典を付与可能な場合に、ゲージ減少演出の演出結果として、敵キャラの体力値が0となる演出が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。
しかしながら、従来型のゲージ減少演出では、特典を付与可能な状態であるか否かに応じて最終的に減少させることが可能な体力値が決定されるため、遊技者は操作手段への操作に基づいて体力値の減少度合いのみに注視することとなり、ゲージ減少演出中に体力値の減少が途中で停止してしまうと、今回の演出結果が遊技者に不利な演出結果であることを演出結果が表示されるよりも前に容易に予測されてしまい、演出効果を高めることができないという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、ゲージ減少演出において減少させることが可能な体力値に到達するよりも前の段階で強制的に体力値の減少が停止される期間を設定することにより、ゲージ減少演出中に体力値の減少が所定期間停止した場合であっても、更なる体力値の減少を遊技者に期待させることで遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GA1によれば、第1状態中に実行される操作手段への操作に基づいて第2状態を設定することができるため、所定の操作を実行したにも関わらず演出態様が可変し難くなった場合に、第2態様へと演出態様が可変しないのか、それとも、第2状態が設定されただけなのかを遊技者に予測させ難くすることができる。よって、操作有効期間が経過するまでの間、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機GA1において、前記第2状態が設定されている状態で解除条件が成立した場合に、前記第1状態を設定可能な状態切替手段を有することを特徴とする遊技機GA2。
遊技機GA2によれば、遊技機GA1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出態様を可変させることが困難な第2状態が設定された場合であっても、解除条件を成立させることによって、演出態様を可変させることが可能な第1状態が設定されることで演出態様を可変させ易くすることができる。よって、第2状態が設定された場合であっても、演出態様を第2状態へと可変させる遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GA2において、前記第2状態中に実行される前記所定の操作に基づいて前記解除条件が成立し得ることを特徴とする遊技機GA3。
遊技機GA3によれば、第2状態中に所定の操作を実行することによって、解除条件が成立し得るため、第2状態が設定された遊技者に対して、操作手段への所定の操作を継続して実行させることが可能となり、遊技者の操作手段への操作意欲を高めることができるという効果がある。
<特徴GB群>
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の前記操作が継続して実行されていることを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段により前記所定の操作が特定期間継続して実行していると判別されたことに基づいて、演出態様を、第1態様から、その第1態様とは異なる第2態様へと可変させることが可能な演出可変手段と、前記演出態様が前記第2態様へと可変された場合に特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、を有した遊技機において、前記所定の操作が前記特定期間よりも短い第2期間継続した状態で所定条件が成立した場合に、前記演出態様を前記第2態様へと可変させることが可能な演出制御を実行可能な演出制御手段を有することを特徴とする遊技機GB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)への操作内容に基づいた操作演出を実行可能なものがある。そして、操作演出の演出態様として、敵キャラの体力値を減少させる演出態様(以下、ゲージ減少演出)を設け、遊技者に有利な特典を付与可能な場合に、ゲージ減少演出の演出結果として、敵キャラの体力値が0となる演出が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。
また、操作手段を繰り返し押下操作(連打操作)する代わりに、操作手段を継続押下操作(長押し)することで、連打操作した場合と同様にゲージ減少演出を進行させることが可能な機能を有する遊技機も提案されている。
しかしながら、長押し操作に基づいて実行されるゲージ減少演出では、長押し操作を継続すればするほど、演出が進行(ゲージが減少)するように構成されるものが一般的であり、遊技者の操作手段への操作方法が単調となってしまい、遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GB1によれば、所定の操作を継続する期間が特定期間となる前に、演出態様を第2態様へと可変させることが可能となるため、継続して所定の操作を実行している遊技者に対して、どのタイミングで特定演出が実行されるかを把握させ難くすることができる。よって、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GB1において、前記演出制御手段により前記演出制御が実行されていることを報知可能な報知手段を有することを特徴とする遊技機GB2。
遊技機GB2によれば、遊技機GB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、報知手段によって演出制御が実行されていることを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して、所定条件が成立し得る状態であることを分かり易く把握させることができるという効果がある。
遊技機GB1またはGB2において、前記所定の操作を第1期間継続して実行する場合よりも、前記第1期間よりも短い第2期間で前記所定の操作を終了した場合に、前記所定条件が成立し得ることを特徴とする遊技機GB3。
遊技機GB3によれば、遊技機GB1またはGB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、継続して実行している所定の操作を終了した場合に所定条件が成立するため、遊技者に対して、所定の操作を継続するか否かを選択させるという斬新な遊技性を提供することが出来る。よって、遊技者の操作手段に対する操作意欲を向上させることが出来るという効果がある。
遊技機GB3において、前記操作手段に対する操作が有効に判別される操作有効期間を設定可能な操作有効期間設定手段を有し、前記演出制御手段は、前記操作有効期間中における第1期間にて前記演出制御を実行可能であり、前記第1期間が経過したことに基づいて前記演出態様を可変させることが可能な第2演出可変手段を有することを特徴とする遊技機GB4。
遊技機GB4によれば、遊技機GB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出制御が実行される第1期間が経過した場合にも、第2演出可変手段によって演出態様を可変させることが可能となる。よって、演出制御が実行されている状態において、所定の操作を継続した場合であっても、後に演出態様を可変させることができるため、遊技者に対して、継続している所定の操作を終了するか否かを選択させるという斬新な遊技性を提供することができるという効果がある。
遊技機GB4において、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、前記演出制御が実行される前記第1期間として、通常期間と、その通常期間よりも長い特殊期間と、を含む複数の期間の中から1の期間を決定可能な期間決定手段と、を有し、前記特定演出実行手段は、前記判別手段による前記判別の結果が前記特定の判別結果である場合に、前記特定演出を実行可能であり、前記期間決定手段は、前記判別手段による前記判別の結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果以外の判別結果である場合よりも、前記特殊期間を決定し易いことを特徴とする遊技機GB5。
遊技機GB5によれば、遊技機GB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出制御が実行される期間として特殊期間が設定された場合に、判別手段の判別結果が特定の判別結果である可能性を高くすることができるため、演出制御が実行された場合において、演出制御が継続する期間の長さを把握するか否かに応じて、所定の操作を終了させるタイミングを遊技者に選択させることができる。即ち、演出制御が実行される期間の長さを把握したい遊技者には、少なくとも、通常期間が経過するまで所定の操作を継続し、今回の演出制御として特殊期間が設定されていることを把握した後に、所定の操作を継続するか否かを選択する遊技を行わせ、演出制御が実行される期間の長さを把握する必要が無い遊技者には、演出制御が実行された直後から、所定の操作を継続するか否かを選択する遊技を行わせることができる。
よって、継続している所定の操作を終了させるタイミングを遊技者に選択させるという斬新な遊技性を遊技者に提供することができるという効果がある。
<特徴GC群>
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力される信号を判別する信号判別手段と、その信号判別手段による前記判別の結果が所定の実行条件を満たした場合に、演出態様を、第1態様から、その第1態様とは異なる最終態様へと段階的に可変させることが可能な演出可変手段と、前記最終態様として、第2態様を含む複数の態様の中から1の態様を決定可能な最終態様決定手段と、前記演出態様が前記第2態様へと可変された場合に特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、を有した遊技機において、前記演出可変手段は、前記所定の実行条件として、第1実行条件が成立した場合と、その第1実行条件とは異なる第2実行条件が成立した場合とで、異なる可変パターンで前記演出態様を前記最終態様へと可変可能であることを特徴とする遊技機GC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)への操作内容に基づいた操作演出を実行可能なものがある。そして、操作演出の演出態様として、敵キャラの体力値を減少させる演出態様(以下、ゲージ減少演出)を設け、遊技者に有利な特典を付与可能な場合に、ゲージ減少演出の演出結果として、敵キャラの体力値が0となる演出が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。
また、操作手段を繰り返し押下操作(連打操作)する代わりに、操作手段を継続押下操作(長押し)することで、連打操作した場合と同様にゲージ減少演出を進行させることが可能な機能を有する遊技機も提案されている。
しかしながら、従来型の遊技機では、操作手段に対して、長押し操作を実行した場合に、連打操作が実行されている場合と同一の演出態様でゲージ減少演出が実行されるものが一般的であった。つまり、操作手段に対して、連打操作を実行することが困難な遊技者に対する遊技サポートの意味合いで長押し操作をした場合にも連打操作を実行した場合と同一の演出態様でゲージ減少演出を実行可能とするという技術思想を有するものが一般的であって。
このような従来型の遊技機では、遊技者に対して、長押し操作という単純な操作を実行するだけで、連打操作を実行した場合と同一の演出態様でゲージ減少演出を実行することが可能となるため、遊技者にゲージ減少演出を楽しませ易くすることができるものであったが、連打操作を実行した場合と、長押し操作を実行した場合とで、実行されるゲージ減少演出の演出態様が類似するため、遊技者に対して、操作手段への操作方法を選択させる楽しみを提供することができず、操作演出に対して遊技者が早期に飽きてしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GC1によれば、成立する実行条件の種別に応じて異なる可変パターンで演出態様を最終態様へと可変させることが可能となる。つまり、操作手段に対して異なる操作を実行した場合に、異なる演出を実行させることが可能となる。よって、遊技者に対して、操作手段への操作を選択させる楽しみを提供することができるため、遊技者が操作手段への操作に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GC1において、前記第1実行条件が成立したことに基づいて、前記演出可変手段により可変される前記演出態様の前記可変態様を決定可能な可変態様決定手段と、前記第2実行条件が成立している継続期間を判別可能な期間判別手段と、を有し、前記演出可変手段は、前記可変態様決定手段により決定された前記可変態様へと前記演出態様を可変させる第1可変と、前記期間判別手段により判別された前記継続期間に応じて前記演出態様を可変させる第2可変と、を実行可能であることを特徴とする遊技機GC2。
遊技機GC2によれば、遊技機GC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1実行条件が成立する場合には、第1実行条件が成立したことに基づいて決定された可変態様へと演出態様が可変し、第2実行条件が成立する場合には、第2実行条件が成立している継続期間の長さに応じて演出態様が可変する。つまり、成立する実行条件の種別に応じて、演出態様の可変契機を異ならせている。よって、操作手段への操作方法に応じて異なる可変態様で演出態様を可変させることが可能となると共に、演出態様を可変させるタイミングも異ならせることができる。これにより、成立する実行条件の種別に応じて、演出態様の可変態様を大きく異ならせることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機GC1またはGC2において、前記信号判別手段による前記判別が有効となる1の操作有効期間内に、前記第1実行条件と、前記第2実行条件と、の何れも成立させることが可能であることを特徴とする遊技機GC3。
遊技機GC3によれば、遊技機GC1またはGC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の操作有効期間中の第1実行条件と、第2実行条件と、の何れも成立させることが可能である。つまり、1の操作有効期間中に、操作手段への操作方法を切り替えることで成立する実行条件の種別を異ならせることができる。よって、遊技者に対して、操作手段を操作している最中に、操作方法を別の操作方法へと切り替えるという斬新な遊技性を提供することができるという効果がある。
<特徴GD群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記識別情報が動的表示される期間に演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出の演出態様として、前記動的表示されている前記識別情報に対応する前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも選択され易い第1演出態様を少なくとも含む複数の演出態様の中から1の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、前記演出実行手段により実行される前記演出に関する情報に基づいて演出値を更新可能な更新手段と、を有し、前記演出態様決定手段は、前記判別手段による前記判別結果に基づいて前記演出態様を決定する第1決定と、前記更新手段によって更新される前記演出値が実行条件を満たした場合に前記判別手段による前記判別結果に関わらず前記演出態様として前記第1演出態様を決定する第2決定と、を実行可能であることを特徴とする遊技機GD1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示されるものであって、図柄が停止表示されるよりも前に、抽選結果を示唆するための示唆態様を遊技者に報知する報知演出を実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
さらに、示唆態様の種別として、抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が高い第1種別と、その第1種別よりも抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が低い第2種別と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定可能に構成し、抽選によって報知される示唆態様の種別を決定可能に構成することで、実行される報知演出に多様性を持たせ、演出効果の向上を図っていた。
しかしながら、従来型の遊技機では、示唆態様の種別が抽選によって決定されるため、長期間の間、報知演出が実行されなかったり、特定種別の示唆態様が決定されなかったりする事態が発生することで、予め用意されている多種の演出を遊技者に提供するまでに、遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
特に、抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が高い第1種別は、抽選結果が遊技者に有利では無い抽選結果(例えば、外れ)である場合においては、第2種別よりも決定され難くいため、第1種別が決定された示唆態様を含む報知演出が実行されるまでに遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GD1によれば、演出実行手段により実行される演出に関する情報に基づいて更新される演出値が実行条件を満たした場合に、判別手段の判別結果に関わらず、第1演出態様の演出を実行することができるため、第1演出態様の演出が実行されるよりも前に遊技者が遊技に飽きてしまう事態が発生することを抑制することができるという効果がある。
遊技機GD1において、前記更新手段は、前記演出実行手段により実行される前記演出の前記演出態様の種別に応じて更新される前記演出値を異ならせることを特徴とする遊技機GD2。
遊技機GD2によれば、遊技機GD1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行される演出の演出態様に応じて、更新手段により更新される演出値を異ならせることができるため、演出値が実行条件を満たすまでに実行される判別手段による判別回数を異ならせることが可能となる。よって、第1演出態様の演出が実行された場合に、第1決定に基づいて第1演出態様の演出が実行されたのか、第2決定に基づいて第1演出態様の演出が実行されたのかを遊技者に把握させ難くすることができるため、第2決定に基づいて第1演出態様の演出が実行された場合であっても、対応する判別手段の判別結果が特定の判別結果であることを期待させ易くすることができるという効果がある。
遊技機GD2において、前記演出態様決定手段は、前記演出の演出態様として、前記動的表示されている前記識別情報に対応する前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも選択され難い第2演出態様と、前記第1演出態様、及び前記第2演出態様とは異なる第3演出態様と、を決定可能であり、前記更新手段は、前記第2演出態様が決定された前記演出が実行された場合の方が、前記第3演出態様が決定された前記演出が実行された場合よりも、前記演出値を、前記実行条件が成立し易くなるように更新可能であることを特徴とする遊技機GD3。
遊技機GD3によれば、遊技機GD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典が付与される可能性が低い演出が実行された場合には、特典が付与される可能性が低い演出が実行されない場合よりも、第2決定に基づく第1演出態様の演出を実行させ易くすることができる。よって、特典が付与される可能性が低い演出のみが実行され続けてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GD3において、前記更新手段は、前記第2演出態様、及び、3演出態様が決定された前記演出が実行された場合の方が、前記第1演出態様が決定された前記演出が実行された場合よりも、前記演出値を、前記実行条件が成立し易くなるように更新可能であることを特徴とする遊技機GD4。
遊技機GD4によれば、遊技機GD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典が付与される可能性が低い演出が実行された方が、特典が付与される可能性が高い演出が実行された場合よりも、短期間で第2決定に基づいて第1演出態様の演出を実行させ易くすることができる。よって、第1演出態様の演出が頻繁に実行されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴GE群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記識別情報が動的表示される期間に演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出の演出態様として、前記動的表示されている前記識別情報に対応する前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも選択され易い第1演出態様を少なくとも含む複数の演出態様の中から1の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、前記特定の判別結果以外の前記判別結果を示すための識別情報が動的表示される期間に実行される前記演出の演出態様として前記第1演出態様が決定されたことを示す決定情報を所定期間記憶可能な記憶手段と、を有し、前記演出態様決定手段は、前記判別手段による前記判別結果に基づいて前記演出態様を決定する第1決定と、前記記憶手段に記憶されている前記決定情報に基づいて前記第1演出態様を決定する第2決定と、を実行可能であることを特徴とする遊技機GE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示されるものであって、図柄が停止表示されるよりも前に、抽選結果を示唆するための示唆態様を遊技者に報知する報知演出を実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
さらに、示唆態様の種別として、抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が高い第1種別と、その第1種別よりも抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が低い第2種別と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定可能に構成し、抽選によって報知される示唆態様の種別を決定可能に構成することで、実行される報知演出に多様性を持たせ、演出効果の向上を図っていた。
しかしながら、従来型の遊技機では、示唆態様の種別が抽選によって決定されるため、例えば、抽選結果が遊技者に不利となる抽選結果(例えば、外れ)である場合に、第1種別が複数回決定されてしまい、第1種別の示唆態様を含む報知演出が見た目上、抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が低い示唆態様となってしまう虞があった。
ここで、従来より、抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が高い演出の演出態様は、抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が低い演出の演出態様よりも、遊技者に注視させるために派手な演出態様が規定されているものが一般的である。よって、示唆態様の種別が抽選によって決定される構成では、派手な演出態様で実行される演出が、抽選結果が外れである場合に連続して実行されてしまい、演出効果が著しく低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、演出効果を高めることで遊技者の遊技に対する興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GE1によれば、特定の判別結果以外の判別結果を示すための識別情報が動的表示される期間に実行される演出の演出態様として、特定の判別結果である場合の方が、特定の判別結果以外である場合よりも決定され易い第1演出態様が決定された場合に、その情報を記憶しておき、次に、特定の判別結果を示すための識別情報が動的表示される期間に実行される演出の演出態様を決定する場合に、記憶手段に記憶された情報に基づいて第1演出態様が決定されるように構成しているため、第1演出態様の演出が、特定の判別結果以外の判別結果を示すための識別情報が動的表示される期間に実行される演出として連続して実行されてしまうことを抑制することができる。
よって、判別手段の判別結果を示すために実行される演出の演出態様を、予め定めている規則に従って実行させ易くすることができ、演出効果が著しく低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GE1において、前記演出態様決定手段は、前記特定の判別結果以外の判別結果を示すための識別情報が動的表示されている期間に実行される前記演出の演出態様として、前記記憶手段に前記決定情報が記憶されている場合に、前記第1演出態様以外を決定する第3決定を実行可能であることを特徴とする遊技機GE2。
遊技機GE2によれば、遊技機GE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に決定情報が記憶されている間は、特定の判別結果以外の判別結果を示すための識別情報が動的表示されている期間に実行される演出の演出態様として、第1演出態様が決定され難くすることができる。つまり、第1演出態様が、特定の判別結果以外の判別結果を示すための識別情報が動的表示されている期間に実行される演出の演出態様として連続して決定され難くすることができる。よって、判別手段の判別結果を示すために実行される演出の演出態様を、予め定めている規則に従って実行させ易くすることができると共に、連続して第1演出態様の演出が実行された場合に、特定の判別結果である可能性をより高めることができるため、遊技者に対して、実行される演出の演出態様に注視させ易くすることができるという効果がある。
遊技機GE1またはGE2において、前記判別手段による前記判別が所定回数実行された場合に、前記記憶手段に記憶されている前記決定情報を消去可能な消去手段を有することを特徴とする遊技機GE3。
遊技機GE3によれば、遊技機GE1またはGE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている決定情報が、判別手段により実行される判別の回数に基づいて消去されるため、第2決定が実行される期間に制限を設けることができる。よって、第1決定に基づいて演出態様を決定させ易くすることができ、多種の演出を遊技者に提供することで演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴GF群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段により前記操作手段への操作が有効に判別される有効期間を設定する有効期間設定手段と、その有効期間設定手段により設定された前記有効期間の少なくとも一部期間を遊技者に報知可能な有効期間報知手段と、その有効期間報知手段により前記有効期間が報知されている状態で前記操作判別手段により前記操作手段の操作が判別されたことに基づいて、前記判別手段による前記判別の結果を示すための操作演出を実行可能な操作演出実行手段と、を有した遊技機において、前記有効期間設定手段は、前記有効期間として、第1有効期間と、その第1有効期間よりも長い第2有効期間を設定可能であり、前記判別手段による前記判別の結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも、前記第2有効期間を設定し易いものであることを特徴とする遊技機GF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)への操作を有効に判別可能な有効期間を一定期間設定し、その有効期間中に実行された操作手段への操作内容に基づいた操作演出を実行可能な遊技機がある。そして、有効期間が設定された場合には、有効期間が設定されたこと、及び、設定された有効期間の長さを遊技者に報知するための表示態様(有効期間ゲージ)を表示することで、遊技者に対して有効期間中に操作手段を操作させ易くする構成が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。
しかしながら、従来型の遊技機では、操作演出を実行可能な期間として設定される有効期間の長さが常に一定であることから、表示される有効期間の長さが常に一定となるため、有効期間が表示された場合における遊技者への操作手段に対する操作意欲に高低を設けることが困難であった。
よって、操作演出の演出結果として、遊技者に不利となる演出結果が設定されたため、意欲的に操作手段を操作したにも関わらず、遊技者に有利となる演出結果が表示されなかったり、遊技者に有利となる演出結果が設定されているにも関わらず、操作手段への操作が疎かになり、遊技者に有利となる演出結果が表示されなかったりする事態が発生してしまい、遊技者が操作演出に飽きてしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、遊技者が操作演出に飽きることを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GF1によれば、判別手段による判別の結果が特定の判別結果である場合の方が、操作手段への操作が有効に判別される有効期間の長さとして、第2有効期間が設定され易くなり、設定された有効期間の少なくとも一部期間が遊技者に報知される。このように構成することで、遊技者に対して、設定された有効期間の長さを異ならせて報知可能となるため、報知された有効期間の長さに応じて、遊技者に対して、操作手段に対する操作意欲に高低を設けることが可能となる。
よって、有効期間が設定される毎に、対応する判別手段による判別の結果に関わらず、同一の操作意欲で操作手段を操作させる従来型の遊技機に比べて、操作手段を操作する前段階において操作手段への操作意欲を異ならせることができるため、遊技者に不利となる演出結果が設定されたため、意欲的に操作手段を操作したにも関わらず、遊技者に有利となる演出結果が表示されなかったり、遊技者に有利となる演出結果が設定されているにも関わらず、操作手段への操作が疎かになり、遊技者に有利となる演出結果が表示されなかったりする事態が発生してしまうことを抑制することができ、遊技者が操作演出に対して飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GF1において、前記有効期間として、前記第1有効期間と前記第2有効期間とを少なくとも含む複数の有効期間の中から1の有効期間を決定可能な有効期間決定手段を有し、前記有効期間設定手段は、前記有効期間決定手段により決定された前記有効期間を設定可能であり、前記有効期間決定手段により決定された前記有効期間の長さを示すための情報を、前記有効期間設定手段により前記決定された有効期間が設定されるまでに報知可能な有効期間事前報知手段を有することを特徴とする遊技機GF2。
遊技機GF2によれば、遊技機GF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有効期間が設定されるよりも前に、事前報知手段により設定される有効期間の長さを示すための情報を報知することができる。よって、今回設定される有効期間の長さを遊技者に予測させた状態で有効期間を設定することができるため、事前報知手段による報知内容に対応した操作意欲で有効期間の序盤から操作手段を操作させることが可能となるため、遊技者の操作意欲に応じた操作演出を実行させ易くすることができるという効果がある。
遊技機GF1またはGF2において、前記有効期間報知手段は、前記有効期間設定手段により設定された前記有効期間を段階的に報知する第1報知と、前記有効期間設定手段により設定された前記有効期間を一度に報知する第2報知と、を実行可能であることを特徴とする遊技機GF3。
遊技機GF3によれば、遊技機GF1またはGF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有効期間報知手段により報知された有効期間の長さを、途中で増加させる第2報知を実行することができるため、遊技者に対して、今回設定されている有効期間の長さを、把握させ難くすることができる。よって、実際に設定されている有効期間が長いことを遊技者に期待させながら有効期間中に意欲的に操作手段を操作させ易くすることができるという効果がある。
<特徴GG群>
所定数を上限に判別情報を記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記判別情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記記憶手段に記憶されている前記判別情報を、その判別情報に基づく前記判別が実行されるよりも前に事前判別することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段による前記事前判別の結果に基づいて事前演出を実行可能な事前演出実行手段と、その事前演出実行手段により実行される前記事前演出の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、を有した遊技機において、前記演出態様決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記判別情報のうち、第1の範囲に含まれる複数の前記判別情報に対する前記事前判別の結果に基づいて第1演出態様を、前記第1の範囲よりも後の第2の範囲に含まれる複数の前記判別情報に対する前記事前判別の結果に基づいて第2演出態様を、それぞれ決定可能であり、前記遊技機は、所定条件が成立した場合に、前記第2の範囲に含まれる前記複数の判別情報の少なくとも一部を、前記前記第1の範囲に含ませることが可能であることを特徴とする遊技機GG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて抽選情報を取得し、取得した抽選情報に基づいて遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に所定条件が成立している場合には、遊技状態として、遊技者に有利となる有利遊技状態を所定期間設定可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、取得した抽選情報を、所定個数を上限に記憶可能な記憶手段を設け、記憶手段に記憶されている抽選情報を、抽選が実行されるよりも前に事前判別し、これから実行される抽選の結果を事前に示唆可能な事前示唆演出を実行可能な構成も提案されていた。
さらに、複数の抽選情報に対する事前判別の結果を、1の事前示唆演出を用いて事前に示唆可能とする構成も提案されていた。
上述した従来型の遊技機では、複数の抽選情報に対する事前判別の結果を、1の事前示唆演出を用いて示唆可能であるため、例えば、複数の抽選情報に対する事前判別の結果が、何れも外れであった場合において、1の事前示唆演出の演出結果として、外れを示す演出結果を遊技者に報知すれば良く、抽選が実行される毎に、抽選結果が外れであることを報知する場合に比べて、抽選結果が外れであることを報知する演出の実行回数を減らすことができる。よって、実行される演出の演出結果として抽選結果が外れであることを示す演出結果が連続して表示されることで遊技者の遊技意欲が低下してしまう事態が発生することを抑制できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、事前示唆演出に含まれる複数の抽選情報の範囲が一定であるため、長時間遊技をしている遊技者には、事前示唆演出の演出結果が、外れを示す演出結果である場合に、何回分の抽選結果が纏めて表示されているかを容易に把握されてしまうという問題があった。
また、事前示唆演出として、当たりを示す演出結果の事前示唆演出が実行される割合と、外れを示す演出結果の事前示唆演出が実行される割合と、が常に一定になるため、事前示唆演出の演出効果を高めることが困難であるという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、演出効果を高めることで遊技者の遊技に対する興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GG1によれば、所定条件が成立した場合に、第1演出態様を決定する際に用いられる判別情報として、通常であれば第2演出態様を決定する際に用いられる第2の範囲に含まれる判別情報も用いることができるため、第1演出態様の演出態様を決定する際に用いられた判別情報の数を遊技者に分かり難くすることができる。よって、後に実行される遊技の内容が遊技者に容易に把握されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、第1演出態様を決定する際に用いられる判別情報の数が増加した場合には、第1演出態様として特定の判別結果となり得る事前判別結果を示すための演出態様が決定され易くなり、第2演出態様として特定の判別結果となり得る事前判別結果を示すための演出態様が決定され難くすることができる。よって、連続して実行される複数回の事前演出に対して、異なる演出態様を決定させ易くすることができるため、様々な演出を遊技者に提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機GG1において、前記判別情報を取得し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも取得し難い第2遊技状態と、設定可能な遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されている状態において、前記判別手段により実行される前記判別の回数が終了条件を満たした場合に前記第1遊技状態を終了させることが可能な終了手段と、を有し、前記事前演出実行手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態で前記終了条件を満たすまでの前記判別の残回数が特定回数となった場合に、前記第1演出態様の前記事前演出を実行可能であることを特徴とする遊技機GG2。
遊技機GG2によれば、遊技機GG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態中に実行される判別のうち、事前示唆演出によって判別結果が遊技者に示唆されていない判別の残回数を遊技者に把握させ難くすることができるため、後に実行される遊技の内容が遊技者に容易に把握されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、事前示唆演出の演出態様として、特定の判別結果以外の判別結果に対応する演出結果を示す演出態様が決定された場合であっても、事前示唆演出によって判別結果が遊技者に示唆されていない判別の残回数を遊技者に把握させ難くすることで、第1遊技状態中により多くの判別が実行されることを期待させながら遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機GG2において、前記事前演出実行手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態で実行される複数回の前記判別に対応する前記事前判別結果を用いて前記第2演出態様の前記事前演出を実行可能であることを特徴とする遊技機GG3。
遊技機GG3によれば、遊技機GG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出態様の事前演出の後に実行される第2演出態様の事前演出も、第1遊技状態が設定されている状態で実行される判別に対応する事前判別結果に基づいて実行される。つまり、第1遊技状態が設定されている状態で終了条件を満たすまでの判別の残回数が特定回数となった場合に、連続して第1演出態様の事前演出と、第2演出態様の事前演出とが実行される。よって、遊技者に対して、第1遊技状態が設定されている状態で実行可能な判別の残回数を分かり難くすることができるという効果がある。
遊技機GG1からGG3の何れかにおいて、前記判別情報として、前記第1の範囲に含まれる前記判別情報の次に前記判別が実行される特定判別情報に対応する前記事前判別の結果が前記特定の判別結果を示すための判別結果である場合に前記所定条件が成立し得ることを特徴とする遊技機GG4。
遊技機GG4によれば、遊技機GG1からGG3の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の範囲に含まれる判別情報の次に判別が実行される特定判別情報に対応する事前判別の結果が特定の判別結果を示すための判別結果である場合に、特定判別情報に対応する事前判別の結果を用いて第1演出態様を決定することができるため、第1演出態様の事前演出が実行される演出期間が無用に長くなってしまうことを抑制することができ、遊技者に違和感を与えることの無い演出を実行することができるという効果がある。
また、第2の範囲に含まれる判別情報のうち、最初に判別が実行される判別情報が特定の判別結果となることを第2演出態様の事前演出を用いて報知する場合に比べて、事前演出が実行されてから演出結果を報知するまでの演出期間を長く確保することができるため、遊技者に分かり易い事前演出を実行し易くすることができるという効果がある。
遊技機GG1からGG4のいずれかにおいて、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により前記表示手段に動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定可能な動的表示期間決定手段と、を有し、前記動的表示期間決定手段は、前記特定判別情報に基づく前記判別の結果を示すための前記識別情報の動的表示期間として、第1動的表示期間と、その第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間と、を少なくとも決定可能であり、前記遊技機は、前記特定判別情報に基づく前記判別の結果を示すための前記識別情報の動的表示期間として前記第1動的表示期間が決定される場合に、前記所定条件が成立し得ることを特徴とする遊技機GG5。
遊技機GG5によれば、遊技機GG1からGG4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定判別情報に基づく判別の結果を示すための識別情報の動的表示期間として短い動的表示期間が決定される場合に、特定判別情報に対応する事前判別の結果を用いて第1演出態様を決定することができるため、第1演出態様の事前演出が実行される演出期間が無用に長くなってしまうことを抑制することができ、遊技者に違和感を与えることの無い演出を実行することができるという効果がある。
<特徴GH群>
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、異なる特典を付与可能な複数の特典種別の中から1の特典種別を決定可能な特典種別決定手段と、前記特典遊技が実行されることを報知するための特典演出を実行可能な特典演出実行手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、前記特典演出実行手段により実行される前記特典演出の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、を有し、前記演出態様決定手段は、特定の前記特典種別が決定された前記特典遊技が実行される場合と、前記特定の特典種別とは異なる前記特典種別が決定された前記特典遊技が実行され、且つ、前記事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合とで、同一の特定演出態様を決定可能であることを特徴とする遊技機GH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて抽選情報を取得し、取得した抽選情報に基づいて遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技として、有利度合いの異なる特典遊技の何れかが実行される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
加えて、特典遊技中に付与される特典の内容を、特典遊技が実行されてから遊技者に報知することで、特典遊技が実行されるよりも前に特典の内容を報知する場合に比べて、より有利な特典が付与されることに対する期待感を継続して抱かせることができるようする構成が提案されていた。
また、取得した抽選情報を、所定個数を上限に記憶可能な記憶手段を設け、記憶手段に記憶されている抽選情報を、抽選が実行されるよりも前に事前判別し、例えば、特典遊技中において、記憶されている抽選情報の中に当たり当選する抽選結果となる抽選情報が含まれていることを遊技者に報知可能な構成も提案されていた。
上述した従来型の遊技機では、特典遊技が実行されている間に、実行中の特典遊技によって付与される特典の内容や、新たに別の特典遊技が実行される可能性を遊技者に報知する演出を実行することができるため、特典遊技中の遊技者を実行される演出に注視させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら従来型の遊技機では、実行中の特典遊技によって付与される特典の内容と、新たに別の特典遊技が実行されることが、別の演出によって報知されるため、遊技者に対して後に実行される遊技の内容を容易に把握させてしまうことから、特典遊技中に実行される演出の内容によっては、演出の内容を把握した遊技者の遊技に対する遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、遊技者の遊技に対する興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GH1によれば、特定の特典種別が決定された特典遊技が実行される場合と、特定の特典種別とは異なる特典種別が決定された特典遊技が実行され、且つ、事前判別手段により特定の判別結果と判別される情報が記憶されていると判別された場合とで、特典演出の演出態様として、同一の特定演出態様を決定することができるため、特典演出の演出内容を把握した遊技者に対して、後に実行される遊技内容を予測する楽しみを提供することができるため、特典演出の内容を把握した遊技者の遊技に対する遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GH1において、前記特典演出実行手段は、複数回の前記特典遊技が実行される期間の少なくとも一部を前記演出期間として前記特典演出を実行可能であることを特徴とする遊技機GH2。
遊技機GH2によれば、複数回の特典遊技を跨ぐように前記特典演出を実行することができるため、特定の特典種別が決定された特典遊技が実行される場合と、特定の特典種別とは異なる特典種別が決定された特典遊技が実行され、且つ、事前判別手段により特定の判別結果と判別される情報が記憶されていると判別された場合とで、同一の演出態様で特典演出を実行した場合であっても遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GH1またはGH2において、前記特典遊技が終了した後に、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技機は、前記特定の特典種別が決定された前記特典遊技の方が、前記特定の特典種別以外の特典種別が決定された前記特典遊技よりも、前記特典遊技の終了後に前記第2遊技状態が設定され易く構成され、前記特典演出実行手段は、前記特定の特典種別とは異なる前記特典種別が決定された前記特典遊技が実行され、且つ、前記事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて実行される前記特典遊技が終了した後に、前記第2遊技状態が設定された場合に前記特定演出態様の前記特典演出を実行可能であることを特徴とする遊技機GH3。
遊技機GH3によれば、遊技機GH1またはGH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の特典遊技に対応させて特定の演出態様の特典演出が実行される場合には、対応する特典遊技が終了した後に第2遊技状態が設定されるため、特定の演出態様の特典演出が実行された場合に、第2遊技状態が設定される期待度を高めることができるという効果がある。
<特徴GI群>(複合演出に用いられる各演出要素を個々に報知する順序を、成立条件に応じて切り替える)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、前記判別手段による前記判別の結果を示すための演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、複数の演出情報を順に報知可能な演出情報報知手段を有し、前記演出実行手段は、前記演出として、前記演出情報報知手段により報知された前記演出情報に対応する演出態様を含む複合演出を実行可能であり、前記遊技機は、前記演出情報報知手段により報知される前記演出情報の順序を異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機GI1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものであって、抽選結果を示すための演出を実行することにより遊技者に対して抽選結果を予測させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2015-208557号公報)。
さらに、演出に用いられる演出態様を示す演出情報の少なくとも一部を、その演出が実行されるよりも前に遊技者に報知することで、これから実行される演出の内容を遊技者に予め予測させる楽しみを提供可能にする構成が提案されていた。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、特定の順序で演出情報が報知されるため、例えば、先に報知される演出情報(第1演出情報)の方が、後に報知される演出情報(第2演出情報)よりも抽選結果を遊技者が予測し易い演出情報である場合には、遊技者に対して早期に抽選結果を予測されてしまい、後に報知される演出情報の内容に対して遊技者が興味を持たなくなるという問題があった。
また、第1演出情報よりも第2演出情報の方が、抽選結果を遊技者が予測し易い演出情報となるように構成することで、特定の順序で演出情報を報知した場合であっても、第2演出情報が報知されるまで、抽選結果を遊技者に予測させ難くすることが可能となるが、この場合、第1演出情報の報知に対して遊技者が興味を持たなくなり、演出情報を順に報知することの演出効果を高めることが出来ないという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、演出効果を高めることで遊技者の遊技に対する興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GI1によれば、複合演出に含まれる演出態様に対応する複数の演出情報の報知順序を異ならせることができるため、複合演出の演出内容を遊技者に予測させる楽しみを継続させ易くすることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機GI1において、前記複合演出の種別として、第1種別と、その第1種別とは異なる第2種別と、を含む複数の種別の中から1の種別を決定可能な演出種別決定手段と、その演出種別決定手段により決定された前記種別を報知可能な種別報知手段と、を有し、前記種別報知手段は、前記演出情報が報知されるよりも前に決定された前記種別を報知可能であり、前記遊技機は、前記演出種別決定手段により決定された前記複合演出の種別に応じて前記演出情報報知手段により報知される前記演出情報の順序を異ならせることが可能であり、演出情報報知手段により先に報知される第1演出情報よりも、その第1演出情報よりも後に報知される第2演出情報の方が、判別手段の判別結果を予測し易い演出情報が決定され易いように構成していることを特徴とする遊技機GI2。
遊技機GI2によれば、遊技機GI1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、決定された複合演出の種別に応じて演出情報の報知順序を異ならせることができ、判別手段の判別結果を予測し易い演出情報が第2演出情報に決定されるため、演出情報報知手段により複数の演出情報が報知される期間において、判別手段の判別結果が特定の判別結果であることを期待しながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機GI2において、前記演出種別決定手段は、前記第1種別及び前記第2種別とは異なる第3種別を決定可能であり、前記種別報知手段は、前記複合演出の種別として前記第3種別が決定された場合には、前記演出情報が報知された後に決定された前記種別を報知可能であり、前記遊技機は、前記判別手段の判別結果が特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果以外の判別結果である場合よりも前記複合演出の種別として前記第3種別が決定され易くなるように構成していることを特徴とする遊技機GI3。
遊技機GI3によれば、遊技機GI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、決定された複合演出の種別に応じて、複合演出の種別を報知するタイミングを異ならせることができるため、複合演出が実行されるまでの期間において遊技者に対して様々な演出を提供し易くすることができるという効果がある。
<特徴GJ群>(複数回のバトルが実行されるバトル演出において、最終より前に実行される攻撃パターンによって、最終バトルにて特定攻撃パターンが実行された場合の演出結果を限定可能)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、前記判別手段による前記判別の結果を示すための演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、前記演出実行手段は、前記演出として、第1特定演出と、第2特定演出と、少なくとも連続して実行可能であり、前記第1特定演出の演出態様として、第1特定演出態様を含む複数の演出態様の中から1の演出態様を決定可能な演出態様決定手段を有し、前記遊技機は、前記第2特定演出の演出結果によって前記判別の結果を報知可能であり、前記第1特定演出態様の前記第1特定演出が実行された場合の方が、前記第1特定演出態様以外の演出態様で前記第1特定演出が実行された場合よりも、前記第2特定演出の演出態様として、第2特定演出態様が決定された場合における演出結果を遊技者に予測させ易くすることが可能であることを特徴とする遊技機GJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものであって、抽選結果を示すための演出を実行することにより遊技者に対して抽選結果を予測させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2015-208557号公報)。
さらに、同一態様の演出を複数回実行し、最後に実行される演出の結果によって、抽選結果を遊技者に報知することで、抽選結果を報知するまでに実行される演出の多様化を図り演出効果の向上を図った構成が提案されている。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、演出を複数回実行することにより、演出の多様化を図ることは可能であったが、最後に実行される演出の結果によって抽選結果が報知されることから、複数回の演出のうち、最後以外に実行される演出の内容に遊技者が興味を持たず、演出効果が低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、演出効果を高めることで遊技者の遊技に対する興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GJ1によれば、第1特定演出の演出態様によって、第2特定演出態様で第2特定演出が実行された場合における第2特定演出の演出結果の予測のさせ易さを異ならせることができるため、第1特定演出の演出内容に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。また、第1特定演出態様で第1特定演出が実行されたことを把握した遊技者に対して、特定第2演出態様で第2特定演出が実行されることを期待させながら実行される演出の内容を注視させることができるという効果がある。
遊技機GJ1において、前記演出態様決定手段は、前記判別手段による前記判別の結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果以外の判別結果である場合よりも、前記第1特定演出態様を決定し易いことを特徴とする遊技機GJ2。
遊技機GJ2において、前記演出実行手段により実行される前記演出の結果として、遊技者に有利となる第1演出結果と、遊技者に不利となる第2演出結果と、前記第2演出結果より遊技者に有利となる前記第3演出結果と、の何れかを決定可能な演出結果決定手段を有し、前記遊技機は、前記第2特定演出の演出結果として前記第2演出結果以外の演出結果が決定された場合に、前記第1特定演出態様が決定された前記第1特定演出が実行された後に実行される前記第2特定演出の演出態様として前記第2特定演出態様を決定可能であることを特徴とする遊技機GJ3。
遊技機GJ3によれば、遊技機GJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段の判別結果を示すために実行される演出の演出結果として、遊技者に不利となる第2演出結果以外の演出結果が決定された場合に、第1特定演出態様の第1特定演出と、第2特定演出態様の第2特定演出と、を連続して実行することができるため、第1特定演出態様で第1特定演出が実行されたことを把握した遊技者に対して、特定第2演出態様で第2特定演出が実行されることを期待させながら実行される演出の内容を注視させることができるという効果がある。
<5075系の特徴群>
<特徴HA群>(特定の遊技状態において共通の終了条件を設定しつつ継続率を可変させる)
予め定められた特定の実行条件の成立に基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を設定可能な第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が第1の割合となる第1制御がされる遊技と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が前記第1の割合よりも高い第2の割合となる第2制御がされる遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技を設定可能な設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機HA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが高い特定の遊技状態(例えば、時短遊技状態)の終了条件を複数設ける構成とし、特定の遊技状態が設定された契機に応じて異なる終了条件を設定することにより、同じ特定の遊技状態でも設定契機に応じて有利度合いを異ならせているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、設定契機毎の終了条件をROM等の記憶装置に対して予め規定しておく必要があるため、終了条件が増えるほど遊技機の記憶容量が増大してしまうという問題点がある。
これに対して遊技機HA1によれば、予め定められた特定の実行条件の成立に基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を設定可能な第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が第1の割合となる第1制御がされる遊技と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が前記第1の割合よりも高い第2の割合となる第2制御がされる遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技を設定可能な設定手段と、を備える。
これにより、同じ第1遊技状態であっても、第1制御が実行されるか第2制御が実行されるかによって特典遊技が実行される可能性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HA1において、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記特定条件が成立し易くなる制御で構成されていることを特徴とする遊技機HA2。
遊技機HA2によれば、遊技機HA1の奏する効果に加え、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記特定条件が成立し易くなる制御で構成されているので、第1制御であるか、第2制御であるかによって特定条件の成立し易さを可変させることができる。よって、特定条件が成立するよりも前に特定の実行条件が成立する可能性を異ならせることができるという効果がある。
遊技機HA1又はHA2において、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて成立する条件で構成されているものであり、前記特定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が予め定められた特定回数となったことに基づいて成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機HA3。
遊技機HA3によれば、遊技機HA1又はHA2の奏する効果に加え、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて成立する条件で構成されているものであり、前記特定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が予め定められた特定回数となったことに基づいて成立する条件で構成されている。
これにより、第1の判別の実行回数が特定回数未満の範囲においては第1遊技状態が維持されるので、第1遊技状態において特定回数の第1の判別の実行を保証することができるという効果がある。
遊技機HA3において、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定回数の前記第1の判別が実行されるまでの間に実行される前記第2の判別の実行回数が少ない回数となり易い制御で構成されていることを特徴とする遊技機HA4。
遊技機HA4によれば、遊技機HA3の奏する効果に加え、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定回数の前記第1の判別が実行されるまでの間に実行される前記第2の判別の実行回数が少ない回数となり易い制御で構成されているので、第2遊技状態が設定されるまでに実行される第2の判別の実行回数を異ならせることで、実質的に特定の実行条件の成立割合を異ならせることができるという効果がある。
遊技機HA3又はHA4において、特定条件は、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が前記特定回数となったことに基づいて成立する第1特定条件と、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が前記特定回数よりも多い第1回数となったことに基づいて成立する第2特定条件と、で少なくとも構成されており、前記第1制御と前記第2制御とは、前記第2特定条件が成立するよりも前に前記第1特定条件が成立し易くなるように構成されており、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1特定条件が成立するまでに要する期間が短くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機HA5。
遊技機HA5によれば、遊技機HA3又はHA4の奏する効果に加え、特定条件は、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が前記特定回数となったことに基づいて成立する第1特定条件と、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が前記特定回数よりも多い第1回数となったことに基づいて成立する第2特定条件と、で少なくとも構成されており、前記第1制御と前記第2制御とは、前記第2特定条件が成立するよりも前に前記第1特定条件が成立し易くなるように構成されており、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1特定条件が成立するまでに要する期間が短くなり易く構成されている。
これにより、第1特定条件が成立するまでに要する期間の長さを異ならせることで第2の判別の実行回数を異ならせて特定の実行条件が成立する割合を異ならせるという斬新な制御を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HA5において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1の判別の判別結果を示す第1の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2の判別の判別結果を示す第2の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、その動的表示期間設定手段により設定される前記動的表示期間として、第1動的表示期間と、その第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間と、を少なくとも含む複数のうち1の期間を選択する期間選択手段と、を備え、前記第1制御は、前記期間選択手段により前記第1動的表示期間が選択される割合が前記第2制御よりも高くなる制御で構成されていることを特徴とする遊技機HA6。
遊技機HA6によれば、遊技機HA5の奏する効果に加え、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1の判別の判別結果を示す第1の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2の判別の判別結果を示す第2の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、その動的表示期間設定手段により設定される前記動的表示期間として、第1動的表示期間と、その第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間と、を少なくとも含む複数のうち1の期間を選択する期間選択手段と、を備え、前記第1制御は、前記期間選択手段により前記第1動的表示期間が選択される割合が前記第2制御よりも高くなる制御で構成されている。
これにより、第1制御と第2制御とで、期間選択手段により選択される動的表示期間の傾向を異ならせることで実質的に第1特定条件が成立するまでに要する期間の長さを異ならせることができるという効果がある。
遊技機HA6において、前記第1動的表示手段は、前記第2動的表示手段による前記第2の識別情報の動的表示が行われている間に前記第1の識別情報の動的表示を開始可能に構成されていることを特徴とする遊技機HA7。
遊技機HA7によれば、遊技機HA6の奏する効果に加え、前記第1動的表示手段は、前記第2動的表示手段による前記第2の識別情報の動的表示が行われている間に前記第1の識別情報の動的表示を開始可能に構成されているので、第1の識別情報の動的表示を、第2の識別情報の動的表示の状況によらず開始させることができる。よって、第1の判別を頼効率良く実行することができるという効果がある。
遊技機HA7において、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示が行われている間に前記第2の識別情報の動的表示を開始可能に構成されていることを特徴とする遊技機HA8。
遊技機HA8によれば、遊技機HA7の奏する効果に加え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示が行われている間に前記第2の識別情報の動的表示を開始可能に構成されているので、第2の識別情報の動的表示を、第1の識別情報の動的表示の状況によらず開始させることができる。よって、第2の判別を頼効率良く実行することができるという効果がある。
遊技機HA3からHA8のいずれかにおいて、前記第2の判別は、前記第1の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されていることを特徴とする遊技機HA9。
遊技機HA9によれば、遊技機HA3からHA8のいずれかが奏する効果に加え、前記第2の判別は、前記第1の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されているので、第1の判別よりも第2の判別が実行されることを強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴HB群>(1の時短状態の間に大当たりに当選する可能性を示す演出を実行し、遊技の状況に応じて演出態様が示す可能性を更新する)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、前記第2の設定条件が成立するよりも前に前記特定の判別結果となる可能性が低い予め定められた第1の状況である場合に第1演出態様を決定し、前記第1の状況よりも前記第2の設定条件が成立する前に前記特定の判別結果となる可能性が高い第2の状況である場合に第2演出態様を決定することが可能な演出態様決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機HB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、所定期間内(例えば、保留球を全て消化しきるまでの間)に当たり遊技が実行される期待度を示す興趣演出を実行可能に構成されたものも存在し、実行中の変動表示だけでなく、複数回の変動表示に渡って当たり遊技が実行される期待感を持続的に抱かせ続けることが可能に構成されたものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、比較的少ない回数分の変動表示を対象としてしか、当たり遊技が実行される期待度を示す演出を実行することができないため、興趣を向上させることが困難であった。
これに対して遊技機HB1によれば、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、前記第2の設定条件が成立するよりも前に前記特定の判別結果となる可能性が低い予め定められた第1の状況である場合に第1演出態様を決定し、前記第1の状況よりも前記第2の設定条件が成立する前に前記特定の判別結果となる可能性が高い第2の状況である場合に第2演出態様を決定することが可能な演出態様決定手段と、を備える。
これにより、特定演出の演出態様によって第1遊技状態の間に特定の判別結果となる可能性を遊技者に示すことができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HB1において、前記特定演出実行手段は、前記第1演出態様の前記特定演出の実行中に前記第2の状況となったことに基づいて、前記第2の演出態様の前記特定演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機HB2。
遊技機HB2によれば、遊技機HB1の奏する効果に加え、前記特定演出実行手段は、前記第1演出態様の前記特定演出の実行中に前記第2の状況となったことに基づいて、前記第2の演出態様の前記特定演出を実行可能に構成されているので、第1遊技状態において状況が変化した場合に、変化した状況に応じて特定演出の演出態様を切り替えることができる。よって、特定演出によって遊技者に対して正確な状況を示すことができるという効果がある。
遊技機HB1又はHB2において、前記特典遊技の実行中に予め定められた第1演出を実行する第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により実行される前記第1演出の演出態様として、実行中の前記特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第1の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第1演出態様に対応する第3演出態様を決定し、前記第2の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第2演出態様に対応する第4演出態様を決定することが可能に構成されている演出態様決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機HB3。
遊技機HB3によれば、遊技機HB1又はHB2の奏する効果に加え、前記特典遊技の実行中に予め定められた第1演出を実行する第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により実行される前記第1演出の演出態様として、実行中の前記特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第1の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第1演出態様に対応する第3演出態様を決定し、前記第2の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第2演出態様に対応する第4演出態様を決定することが可能に構成されている演出態様決定手段と、を備える。
これにより、特典遊技の実行中に、第1演出によって特典遊技の終了後の第1遊技状態において特定の判別結果となる可能性を遊技者に対して示すことができるので、特典遊技の実行中における遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HB1からHB3のいずれかにおいて、前記第2の状況は、前記第1の状況よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定の判別結果とならずに前記第2の設定条件が成立するまでの間に実行される前記判別手段の判別の回数が多くなり易い状況で構成されていることを特徴とする遊技機HB4。
遊技機HB4によれば、遊技機HB1からHB3のいずれかが奏する効果に加え、前記第2の状況は、前記第1の状況よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定の判別結果とならずに前記第2の設定条件が成立するまでの間に実行される前記判別手段の判別の回数が多くなり易い状況で構成されているので、特定の判別結果となる機会をより多く獲得できる。よって、第2演出態様の特定演出が実行されることを強く期待させることができるという効果がある。
遊技機HB4において、前記判別手段は、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成され、前記第2の設定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が、前記第1の状況と前記第2の状況とで共通の予め定められた特定回数となったことに基づいて成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機HB5。
遊技機HB5によれば、遊技機HB4の奏する効果に加え、前記判別手段は、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成され、前記第2の設定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が、前記第1の状況と前記第2の状況とで共通の予め定められた特定回数となったことに基づいて成立する条件で構成されている。
これにより、第1の状況でも、第2の状況でも、第1の判別の実行回数が特定回数になることで第2の設定条件が成立して第2遊技状態が設定されるにもかかわらず、第1の状況と第2の状況とで特定の判別結果となる可能性を異ならせることができる斬新な制御を実現できるという効果がある。
遊技機HB5において、前記第2の設定条件は、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が、前記特定回数となったことに基づいて成立する第1設定条件と、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が前記特定回数よりも多い回数であって前記第1の状況と前記第2の状況とで共通の回数である予め定められた第2回数となったことに基づいて成立する第2設定条件と、で少なくとも構成されていることを特徴とする遊技機HB6。
遊技機HB6によれば、遊技機HB5の奏する効果に加え、前記第2の設定条件は、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が、前記特定回数となったことに基づいて成立する第1設定条件と、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が前記特定回数よりも多い回数であって前記第1の状況と前記第2の状況とで共通の回数である予め定められた第2回数となったことに基づいて成立する第2設定条件と、で少なくとも構成されているので、第2の設定条件として第1の状況と第2の状況とによらない共通の設定条件を設定しているにもかかわらず、状況によって特定の判別結果となる可能性を異ならせることができる斬新な制御を実現できるという効果がある。
遊技機HB5又はHB6において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示す第1の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示す第2の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、その動的表示期間設定手段により設定される前記動的表示期間として、第1動的表示期間と、その第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間と、を少なくとも含む複数のうち1の期間を選択する期間選択手段と、を備え、前記第1の状況は、前記期間選択手段により前記第1動的表示期間が選択される割合が前記第2の状況よりも高くなることを特徴とする遊技機HB7。
遊技機HB7によれば、遊技機HB5又はHB6の奏する効果に加え、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示す第1の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示す第2の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、その動的表示期間設定手段により設定される前記動的表示期間として、第1動的表示期間と、その第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間と、を少なくとも含む複数のうち1の期間を選択する期間選択手段と、を備え、前記第1の状況は、前記期間選択手段により前記第1動的表示期間が選択される割合が前記第2の状況よりも高くなる。
これにより、第1の状況と第2の状況とで、期間選択手段により選択される動的表示期間の傾向を異ならせることで実質的に第1設定条件が成立するまでに要する期間の長さを異ならせ、第1設定条件が成立するまでに実行可能な第2判別手段の判別の実行回数を異ならせることができるという効果がある。
遊技機HB7において、前記第1動的表示手段は、前記第2動的表示手段による前記第2の識別情報の動的表示が行われている間に前記第1の識別情報の動的表示を開始可能に構成されていることを特徴とする遊技機HB8。
遊技機HB8によれば、遊技機HB7の奏する効果に加え、前記第1動的表示手段は、前記第2動的表示手段による前記第2の識別情報の動的表示が行われている間に前記第1の識別情報の動的表示を開始可能に構成されているので、第1の識別情報の動的表示を、第2の識別情報の動的表示の状況によらず開始させることができる。よって、第1の判別を頼効率良く実行することができるという効果がある。
遊技機HB8において、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示が行われている間に前記第2の識別情報の動的表示を開始可能に構成されていることを特徴とする遊技機HB9。
遊技機HB9によれば、遊技機HB8の奏する効果に加え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示が行われている間に前記第2の識別情報の動的表示を開始可能に構成されているので、第2の識別情報の動的表示を、第1の識別情報の動的表示の状況によらず開始させることができる。よって、第2の判別を頼効率良く実行することができるという効果がある。
遊技機HB5からHB9のいずれかにおいて、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されていることを特徴とする遊技機HB10。
遊技機HB10によれば、遊技機HB5からHB9のいずれかが奏する効果に加え、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されているので、第1判別手段の判別よりも第2判別手段の判別が実行されることを強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴HC群>(有利状態終了後に有利側の保留が貯まり得る遊技方法を遊技者に促す演出を実行する)
遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも発射可能に構成された発射手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易く構成された第1状態を設定する第1状態設定手段と、前記第1状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1方向よりも前記第2方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易く構成された第2状態を設定する第2状態設定手段と、前記第1状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1方向へと遊技球を発射することを遊技者に対して示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2状態において所定期間、前記第1演出によって示唆される遊技と同一の遊技を遊技者に示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機HC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、遊技者にとって有利な遊技方法(遊技球の発射方向)を遊技状態毎に異ならせることにより、遊技状態に応じて遊技方法を変更する楽しみを遊技者に与えることが可能に構成しているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、各遊技状態における遊技の状況によらずに、遊技状態に対応する遊技方法が報知するのが一般的であるため、状況によっては有利度合いが低下してしまう可能性があるという問題点がある。
これに対して遊技機HC1によれば、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも発射可能に構成された発射手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易く構成された第1状態を設定する第1状態設定手段と、前記第1状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1方向よりも前記第2方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易く構成された第2状態を設定する第2状態設定手段と、前記第1状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1方向へと遊技球を発射することを遊技者に対して示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2状態において所定期間、前記第1演出によって示唆される遊技と同一の遊技を遊技者に示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備える。
これにより、第2方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易い第2状態において、第1方向へと遊技球を発射する遊技方法を遊技者に示唆する斬新な演出態様を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HC1において、前記第2状態は、予め定められた特定条件が成立している間、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易くなるように構成されており、前記第2演出実行手段は、少なくとも前記特定条件が成立している間、前記第2演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機HC2。
遊技機HC2によれば、遊技機HC1の奏する効果に加え、前記第2状態は、予め定められた特定条件が成立している間、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易くなるように構成されており、前記第2演出実行手段は、少なくとも前記特定条件が成立している間、前記第2演出を実行可能に構成されている。
これにより、基本的に第2方向へと遊技球を発射した方が有利となる第2状態において、特定条件が成立して第1方向へと遊技球を発射した方が有利となる状況となった場合に、第2演出により第1方向へと遊技球を発射することを遊技者に対して示唆することができるので、遊技者が損をしてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機HC2において、前記特定条件は、前記第2の設定条件が成立したことに基づいて成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機HC3。
遊技機HC3によれば、遊技機HC2の奏する効果に加え、前記特定条件は、前記第2の設定条件が成立したことに基づいて成立する条件で構成されているので、第1状態が開始されてから第2状態に移行し、且つ、特定条件が不成立の状態となるまで、第1方向へと遊技球を発射する遊技方法を第1演出および第2演出によって示唆し続けることができる。よって、第1状態が終了された後も、特定条件が不成立の状態となるまで第1状態であるかのように遊技者に思わせることができるので、第1状態が実際よりも長く継続しているかのように思わせることができるという効果がある。
遊技機HC1からHC3のいずれかにおいて、前記第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第2方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行可能な第1判別手段と、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第1方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1の判別と前記第2の判別とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1状態は、前記第2状態よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成され、前記第2状態は、前記所定期間において、前記所定期間以外の期間よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成されていることを特徴とする遊技機HC4。
遊技機HC4によれば、遊技機HC1からHC3のいずれかが奏する効果に加え、前記第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第2方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行可能な第1判別手段と、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第1方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1の判別と前記第2の判別とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1状態は、前記第2状態よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成され、前記第2状態は、前記所定期間において、前記所定期間以外の期間よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成されている。
これにより、有利度合いが低い第2状態においても所定期間の間は、第1状態と同様に、第1判別手段の判別が実行され易くなるという斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機HC4において、前記第1状態は、前記第1方向へと遊技球を発射し続けた場合に当該発射された遊技球が第1の割合で前記第1入球手段へと入球するように構成され、前記第2状態は、前記第1方向へと遊技球を発射し続けた場合に当該発射された遊技球が前記第1の割合以上の割合で前記第1入球手段へと入球するように構成され、前記所定期間は、前記第1判別手段の判別が実行されてから当該判別の判別結果が示されるまでの期間が、前記所定期間以外の期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする遊技機HC5。
遊技機HC5によれば、遊技機HC4の奏する効果に加え、前記第1状態は、前記第1方向へと遊技球を発射し続けた場合に当該発射された遊技球が第1の割合で前記第1入球手段へと入球するように構成され、前記第2状態は、前記第1方向へと遊技球を発射し続けた場合に当該発射された遊技球が前記第1の割合以上の割合で前記第1入球手段へと入球するように構成され、前記所定期間は、前記第1判別手段の判別が実行されてから当該判別の判別結果が示されるまでの期間が、前記所定期間以外の期間よりも短くなるように構成されている。
これにより、第2状態でも第1入球手段へと遊技球が第1の割合以上の割合で入球するので、第2演出の実行中に第1方向へと遊技球を発射した遊技者に損をさせてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機HC4又はHC5において、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1の判別に用いるための判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、特定の情報数を上限として、前記第1の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記所定期間は、前記特定の情報数の判別情報が前記判別情報記憶手段に記憶された状態で1の前記判別情報が前記第1の判別に用いられてから前記特定の情報数における最後の前記判別情報を用いた前記第1の判別の判別結果が示されるまでの期間で少なくとも構成されていることを特徴とする遊技機HC6。
遊技機HC6によれば、遊技機HC4又はHC5の奏する効果に加え、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1の判別に用いるための判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、特定の情報数を上限として、前記第1の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記所定期間は、前記特定の情報数の判別情報が前記判別情報記憶手段に記憶された状態で1の前記判別情報が前記第1の判別に用いられてから前記特定の情報数における最後の前記判別情報を用いた前記第1の判別の判別結果が示されるまでの期間で少なくとも構成されている。
これにより、所定期間が設定された場合に、特定の情報数分の第1の判別の実行が保証されるので、所定期間が設定された場合に遊技者を喜ばせることができるという効果がある。
遊技機HC6において、前記所定期間は、前記第2の設定条件が成立したことに基づいて設定される期間で構成されていることを特徴とする遊技機HC7。
遊技機HC7によれば、遊技機HC6の奏する効果に加え、前記所定期間は、前記第2の設定条件が成立したことに基づいて設定される期間で構成されているので、有利度合いが低い第2状態に設定された直後に少なくとも特定の情報数分の第1の判別の実行を保証することができるという効果がある。
遊技機HC4からHC7のいずれかにおいて、前記第1の判別は、前記第2の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されていることを特徴とする遊技機HC8。
遊技機HC8によれば、遊技機HC4からHC7のいずれかが奏する効果に加え、前記第1の判別は、前記第2の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されているので、所定期間における有利度合いを高めることができる。よって、所定期間が設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴HD群>(1の時短状態において、所定条件下で時短回数の減算タイミングを可変させる)
カウンタ値を記憶可能なカウンタ手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記カウンタ手段に対して予め定められた第1のカウンタ値を設定するカウンタ値設定手段と、予め定められた第1条件が成立してから前記第1条件とは異なる第2条件が成立するまでの間に、前記カウンタ手段のカウンタ値を更新する更新手段と、その更新手段により前記カウンタ手段のカウンタ値が予め定められた第2のカウンタ値に更新されたことに基づいて、予め定められた特定の制御を実行する特定制御実行手段と、を備え、前記更新手段は、前記第1条件が成立してから前記第2条件が成立するまでの間における第1タイミングで前記カウンタ値を更新する第1更新制御と、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記カウンタ値を更新する第2更新制御と、のどちらかで前記カウンタ値を更新可能に構成されていることを特徴とする遊技機HD1。
パチンコ機等の遊技機には、所定契機で所定のカウンタ(例えば、時短回数をカウントするカウンタ)に対して所定の初期値を設定し、カウンタ値が特定値となるまで更新処理を行うものが存在する(例えば、特許文献1:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、より好適なカウンタ値の更新方法が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、複数の特別図柄(例えば、第1特別図柄および第2特別図柄)を設けると共に、各特別図柄の抽選結果を示す変動表示を、互いに独立して実行可能に構成されているものも存在する。係る仕様の遊技機においては、異なる特別図柄の当たり遊技が重複して実行されることを避けるべく、例えば、1の当たり遊技を示す変動表示が終了した時点で、他の特別図柄の変動表示を強制的に当たりとは異なる図柄で停止表示させる制御等が採用される。
しかしながら、係る遊技機において、強制的に当たりとは異なる図柄で停止表示される変動表示でも、所定のカウンタのカウンタ値が更新されてしまうため、実質的に抽選回数を1回損してしまうという事象が発生してしまう問題点がある。
これに対して遊技機HD1によれば、カウンタ値を記憶可能なカウンタ手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記カウンタ手段に対して予め定められた第1のカウンタ値を設定するカウンタ値設定手段と、予め定められた第1条件が成立してから前記第1条件とは異なる第2条件が成立するまでの間に、前記カウンタ手段のカウンタ値を更新する更新手段と、その更新手段により前記カウンタ手段のカウンタ値が予め定められた第2のカウンタ値に更新されたことに基づいて、予め定められた特定の制御を実行する特定制御実行手段と、を備え、前記更新手段は、前記第1条件が成立してから前記第2条件が成立するまでの間における第1タイミングで前記カウンタ値を更新する第1更新制御と、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記カウンタ値を更新する第2更新制御と、のどちらかで前記カウンタ値を更新可能に構成されている。
これにより、カウンタ値を更新するタイミングとして異なる複数のタイミングを設定することができるので、カウンタ値をより好適に更新することができるという効果がある。
遊技機HD1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記カウンタ値設定手段は、前記遊技状態設定手段によって前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて前記カウンタ手段に対して前記第1のカウンタ値を設定可能に構成されているものであり、前記第1条件は、前記判別条件が成立した場合に成立するものであり、前記第2条件は、前記識別情報の動的表示が終了した場合に成立するものであり、前記特定の制御は、遊技状態を前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に可変させる制御で構成されていることを特徴とする遊技機HD2。
遊技機HD2によれば、遊技機HD1の奏する効果に加え、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記カウンタ値設定手段は、前記遊技状態設定手段によって前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて前記カウンタ手段に対して前記第1のカウンタ値を設定可能に構成されているものであり、前記第1条件は、前記判別条件が成立した場合に成立するものであり、前記第2条件は、前記識別情報の動的表示が終了した場合に成立するものであり、前記特定の制御は、遊技状態を前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に可変させる制御で構成されている。
これにより、判別条件が成立してから当該判別の判別結果を示すための識別情報の動的表示が終了するまでの間において、カウンタ手段の更新タイミングを可変させることができるので、第2遊技状態が設定されてから第1遊技状態に可変されるまでの間にカウンタ手段を好適に更新することができるという効果がある。
遊技機HD2において、前記第1タイミングは、前記第1条件の成立時に成立するものであり、前記第2タイミングは、前記第2条件の成立時に成立するものであることを特徴とする遊技機HD3。
遊技機HD3によれば、遊技機HD2の奏する効果に加え、前記第1タイミングは、前記第1条件の成立時に成立するものであり、前記第2タイミングは、前記第2条件の成立時に成立するものである。
これにより、カウンタ手段の更新タイミングを、状況に応じて判別条件が成立したタイミングと識別情報の動的表示が終了したタイミングとのどちらかに設定することができるので、カウンタ手段をより好適に更新することができるという効果がある。
遊技機HD2又はHD3において、前記更新手段は、前記第1遊技状態に可変させるまでの前記カウンタ手段の残りの更新回数が1回である状況下において前記第1タイミングで前記カウンタ手段を更新可能に構成され、前記カウンタ手段の残りの更新回数が2回以上である状況下において前記第2タイミングで前記カウンタ手段を更新可能に構成されていることを特徴とする遊技機HD4。
遊技機HD4によれば、遊技機HD2又はHD3の奏する効果に加え、前記更新手段は、前記第1遊技状態に可変させるまでの前記カウンタ手段の残りの更新回数が1回である状況下において前記第1タイミングで前記カウンタ手段を更新可能に構成され、前記カウンタ手段の残りの更新回数が2回以上である状況下において前記第2タイミングで前記カウンタ手段を更新可能に構成されている。
これにより、第1遊技状態に可変させる前の最後の更新を第1タイミングで行い、それ以外の更新を第2タイミングで行うことができるので、カウンタ手段をより好適に更新することができるという効果がある。
遊技機HD2からHD4のいずれかにおいて、判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成され、前記動的表示手段は、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、で少なくとも構成され、前記第1動的表示手段は、前記第2動的表示手段により前記第2識別情報の動的表示が行われている間に前記第1識別情報の動的表示を開始可能に構成され、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報の動的表示が行われている間に前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されていることを特徴とする遊技機HD5。
遊技機HD5によれば、遊技機HD2からHD4のいずれかが奏する効果に加え、判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成され、前記動的表示手段は、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、で少なくとも構成され、前記第1動的表示手段は、前記第2動的表示手段により前記第2識別情報の動的表示が行われている間に前記第1識別情報の動的表示を開始可能に構成され、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報の動的表示が行われている間に前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されている。
これにより、第1識別情報の動的表示と第2識別情報の動的表示とを並列して実行することができるので、判別手段の判別をより効率良く実行することができるという効果がある。
遊技機HD5において、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて実行された前記第2識別情報の動的表示の終了時に前記第1識別情報が動的表示されている場合に、前記第1識別情報の動的表示の状況によらず、前記第1識別情報を前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果を示すための外れ識別情報で停止表示させる停止表示手段を備えることを特徴とする遊技機HD6。
遊技機HD6によれば、遊技機HD5の奏する効果に加え、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて実行された前記第2識別情報の動的表示の終了時に前記第1識別情報が動的表示されている場合に、前記第1識別情報の動的表示の状況によらず、前記第1識別情報を前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果を示すための外れ識別情報で停止表示させる停止表示手段を備えるので、第1判別手段の判別と第2判別手段の判別とで重複して特定の判別結果になったとしても、特典遊技が重複して実行されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機HD6において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が前記入球手段へと入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とも前記外れ判別結果とも異なる第1判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から所定期間、前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記停止表示手段は、前記第2判別手段の判別結果が前記第1判別結果となったことに基づいて実行された前記第2識別情報の動的表示の終了時に前記第1識別情報が動的表示されている場合に、前記第1識別情報の動的表示の状況によらず、前記第1識別情報を前記外れ判別結果を示すための外れ識別情報で停止表示させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機HD7。
遊技機HD7によれば、遊技機HD6の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が前記入球手段へと入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とも前記外れ判別結果とも異なる第1判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から所定期間、前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記停止表示手段は、前記第2判別手段の判別結果が前記第1判別結果となったことに基づいて実行された前記第2識別情報の動的表示の終了時に前記第1識別情報が動的表示されている場合に、前記第1識別情報の動的表示の状況によらず、前記第1識別情報を前記外れ判別結果を示すための外れ識別情報で停止表示させることが可能に構成されている。
これにより、特定の判別結果と第1判別結果とが重複した場合に、特典遊技と可変遊技とが重複して実行されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機HD6又はHD7において、前記更新手段は、前記停止表示手段によって前記外れ識別情報で停止表示された前記第1識別情報の動的表示において前記カウンタ手段が更新されることを抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機HD8。
遊技機HD8によれば、遊技機HD6又はHD7の奏する効果に加え、前記更新手段は、前記停止表示手段によって前記外れ識別情報で停止表示された前記第1識別情報の動的表示において前記カウンタ手段が更新されることを抑制可能に構成されているので、外れ識別情報で停止表示される遊技者にとって無駄な判別を契機としてカウンタ手段が更新されてしまうことを抑制できる。よって、遊技者にとって過剰に不利となってしまうことを抑制できるという効果がある。
<特徴HE群>(小当たりに当選した後で当たりに当選するよりも、当たりに当選した後で小当たりに当選した方が有利度合いが高くなり易い)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、特定の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記特定の遊技状態は、前記第1の判別結果となった後で前記第2の判別結果となった場合に成立し得る第1の状況が成立した方が、前記第1の状況とは異なる第2の状況が成立した場合よりも、有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機HE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たりが実行されるものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、当たりとして、当たり遊技終了後の遊技状態が当選した当たりの種別に対応する遊技状態に設定される大当たり遊技と、当たり遊技終了後の遊技状態が当たり当選時の遊技状態のまま維持される小当たり遊技と、が設けられているものも存在する。しかしながら、小当たり遊技が実行されたとしても、実行されたタイミングによらず、遊技状態が変更されないため、小当たり遊技が実行されることにより興趣を向上させることが比較的困難であった。
これに対して遊技機HE1によれば、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、特定の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記特定の遊技状態は、前記第1の判別結果となった後で前記第2の判別結果となった場合に成立し得る第1の状況が成立した方が、前記第1の状況とは異なる第2の状況が成立した場合よりも、有利度合いが高くなり易く構成されている。
これにより、第1の判別結果となった後で第2の判別結果となることを強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HE1において、前記第2の状況は、前記第2の判別結果となった後で前記第1の判別結果となった場合に成立し得る状況で構成されていることを特徴とする遊技機HE2。
遊技機HE2によれば、遊技機HE1が奏する効果に加え、前記第2の状況は、前記第2の判別結果となった後で前記第1の判別結果となった場合に成立し得る状況で構成されているので、特定の遊技状態において、第1の判別結果となるよりも前に第2の判別結果となるか、後で第2の判別結果となるかによって有利度合いが可変する斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機HE1又はHE2において、前記判別手段は、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記特定の遊技状態は、前記第1判別手段の判別で前記第1の判別結果となった後で前記第2の判別で前記第2の判別結果となった方が、前記第1判別手段の判別で前記第1の判別結果となった後で前記第2の判別で前記第2の判別結果とならなかった場合よりも、有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機HE3。
遊技機HE3によれば、遊技機HE1又はHE2の奏する効果に加え、前記判別手段は、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記特定の遊技状態は、前記第1判別手段の判別で前記第1の判別結果となった後で前記第2の判別で前記第2の判別結果となった方が、前記第1判別手段の判別で前記第1の判別結果となった後で前記第2の判別で前記第2の判別結果とならなかった場合よりも、有利度合いが高くなり易く構成されている。
これにより、特定の遊技状態において第1判別手段の判別で第1の判別結果となった場合に、第2判別手段の判別で第2の判別結果となることを期待させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HE3において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、を備え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段によって前記第1識別情報の動的表示が行われている間に、前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されているものであり、前記特定の遊技状態は、前記第1の判別結果に対応する前記第1識別情報の動的表示の実行中に前記第2の判別結果に対応する前記第2識別情報の動的表示が開始された方が、前記第2の判別結果に対応する前記第2識別情報の動的表示が開始されなかった場合よりも、有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機HE4。
遊技機HE4によれば、遊技機HE3の奏する効果に加え、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、を備え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段によって前記第1識別情報の動的表示が行われている間に、前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されているものであり、前記特定の遊技状態は、前記第1の判別結果に対応する前記第1識別情報の動的表示の実行中に前記第2の判別結果に対応する前記第2識別情報の動的表示が開始された方が、前記第2の判別結果に対応する前記第2識別情報の動的表示が開始されなかった場合よりも、有利度合いが高くなり易く構成されている。
これにより、第1識別情報の動的表示の実行中に第2識別情報の動的表示によって第2の判別結果に対応する識別情報が表示されることを期待させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機HE4において、前記第1識別情報の動的表示が行われている間に、前記第2の判別結果を示す前記第2識別情報が前記表示手段に対して停止表示されたことに基づいて、前記第1の判別結果とも前記第2の判別結果とも異なる外れ判別結果を示す第1識別情報が前記表示手段に対して停止表示されるように制御する停止制御手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記特定の遊技状態と、その特定の遊技状態よりも有利度合いが低い第1遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されており、前記第1判別手段の判別は、前記第2判別手段の判別よりも、前記第1の判別結果となった場合に、前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態の設定割合が高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機HE5。
遊技機HE5によれば、遊技機HE4の奏する効果に加え、前記第1識別情報の動的表示が行われている間に、前記第2の判別結果を示す前記第2識別情報が前記表示手段に対して停止表示されたことに基づいて、前記第1の判別結果とも前記第2の判別結果とも異なる外れ判別結果を示す第1識別情報が前記表示手段に対して停止表示されるように制御する停止制御手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記特定の遊技状態と、その特定の遊技状態よりも有利度合いが低い第1遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されており、前記第1判別手段の判別は、前記第2判別手段の判別よりも、前記第1の判別結果となった場合に、前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態の設定割合が高くなるように構成されている。
これにより、第1判別手段の判別で第1の判別結果となり、有利度合いが低い第1遊技状態が設定される可能性が高い状況となったとしても、第1の判別結果を示す第1識別情報が停止表示されるよりも前に第2の判別結果を示す第2識別情報が停止表示されることで、第1判別手段の判別結果が第1の判別結果ではなく外れ判別結果に書き替えられるので、有利な特定の遊技状態が終了されて有利度合いが低い第1遊技状態へと移行することを抑制することができる。よって、第1遊技状態において第1判別手段の判別結果が第1の判別結果となった場合に第2の判別結果を示す第2識別情報が先に停止表示されることを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機HE3からHE5のいずれかにおいて、前記第1の判別結果に対応する前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間の間に前記第2の判別が実行された場合に、前記第1の判別結果となることが抑制されることを特徴とする遊技機HE6。
遊技機HE6によれば、遊技機HE3からHE5のいずれかが奏する効果に加え、前記第1の判別結果に対応する前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間の間に前記第2の判別が実行された場合に、前記第1の判別結果となることが抑制されるので、第1判別手段の判別で第1の判別結果となった後で、第2判別手段の判別で第1の判別結果となって重複して特典遊技が実行されてしまう不具合を抑制することができるという効果がある。
遊技機HE4からHE6のいずれかにおいて、前記第1動的表示手段による前記第1識別情報の動的表示における動的表示時間を設定する第1動的表示時間設定手段と、前記第2動的表示手段による前記第2識別情報の動的表示における動的表示時間を設定する第2動的表示時間設定手段と、を備え、前記第1動的表示時間設定手段は、前記特定の遊技状態において、前記第1の判別結果に対応する動的表示時間として、前記第2識別情報の動的表示を複数回実行可能な長さの動的表示期間を選択するように構成されていることを特徴とする遊技機HE7。
遊技機HE7によれば、遊技機HE4からHE6のいずれかが奏する効果に加え、前記第1動的表示手段による前記第1識別情報の動的表示における動的表示時間を設定する第1動的表示時間設定手段と、前記第2動的表示手段による前記第2識別情報の動的表示における動的表示時間を設定する第2動的表示時間設定手段と、を備え、前記第1動的表示時間設定手段は、前記特定の遊技状態において、前記第1の判別結果に対応する動的表示時間として、前記第2識別情報の動的表示を複数回実行可能な長さの動的表示期間を選択するように構成されている。
これにより、第1識別情報の動的表示の実行中に第2識別情報の動的表示によって第2の判別結果に対応する識別情報が停止表示される機会を複数回与えることができるという効果がある。
遊技機HE1からHE7のいずれかにおいて、前記特定の遊技状態は、次に前記特典遊技が実行されるまで継続可能に構成されていることを特徴とする遊技機HE8。
遊技機HE8によれば、遊技機HE1からHE7のいずれかが奏する効果に加え、前記特定の遊技状態は、次に前記特典遊技が実行されるまで継続可能に構成されているので、特定の遊技状態になることで、実質的に次の特典遊技も確定する。よって、特定の遊技状態が設定されることを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機HE1からHE8のいずれかにおいて、前記可変遊技は、前記第2の判別結果となった時点の遊技状態が、前記可変遊技の終了後も維持されるように構成されていることを特徴とする遊技機HE9。
遊技機HE9によれば、遊技機HE1からHE8のいずれかが奏する効果に加え、前記可変遊技は、前記第2の判別結果となった時点の遊技状態が、前記可変遊技の終了後も維持されるように構成されているので、特定の遊技状態において第2の判別結果になったとしても、他の遊技状態に移行してしまうことを抑制できるという効果がある。
<特徴HF群>(一方の特図の変動回数に応じて他方の特図が回り易い状態と回り難い状態とが切り替わる)
予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第1の判別の判別結果を示すための第1識別情報と、前記第2の判別の判別結果を示すための第2識別情報と、を少なくとも表示可能な表示手段と、前記第1の判別が実行されたことに基づいて、前記表示手段において前記第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2の判別が実行されたことに基づいて、前記表示手段において前記第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、予め定められた特定の設定条件が成立したことに基づいて、予め定められた特定の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特定の遊技状態において予め定められた特定条件が成立している状況下において、前記第1識別情報の動的表示の頻度よりも前記第2識別情報の動的表示の頻度の方が高くなり易い第1制御を実行し、前記特定の遊技状態において前記特定条件が成立していない状況下において、前記第1制御よりも前記第1識別情報の動的表示の頻度が高くなり易い第2制御を実行することが可能な制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機HF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、始動入賞口を複数設けると共に、入賞を検出した始動入賞口の種別に応じて異なる特別図柄の抽選を実行するものも存在する。係る遊技機においては、遊技状態毎に入賞し易い始動入賞口の種別を異ならせることで遊技状態毎の有利度合いを異ならせ、興趣向上を図っていた。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、遊技状態毎に抽選が実行され易い特別図柄の種別が固定化されるため、同一の遊技状態が長く続いてしまうと、遊技が単調となってしまうという問題点がある。
これに対して遊技機HF1によれば、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第1の判別の判別結果を示すための第1識別情報と、前記第2の判別の判別結果を示すための第2識別情報と、を少なくとも表示可能な表示手段と、前記第1の判別が実行されたことに基づいて、前記表示手段において前記第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2の判別が実行されたことに基づいて、前記表示手段において前記第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、予め定められた特定の設定条件が成立したことに基づいて、予め定められた特定の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特定の遊技状態において予め定められた特定条件が成立している状況下において、前記第1識別情報の動的表示の頻度よりも前記第2識別情報の動的表示の頻度の方が高くなり易い第1制御を実行し、前記特定の遊技状態において前記特定条件が成立していない状況下において、前記第1制御よりも前記第1識別情報の動的表示の頻度が高くなり易い第2制御を実行することが可能な制御手段と、を備える。
これにより、特定条件の成立有無に応じて第1識別情報の動的表示の頻度を異ならせることができるので、特定の遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HF1において、前記制御手段は、前記特定の遊技状態が設定されてから予め定められた特定回数の前記第1識別情報の動的表示が実行されるまで前記第1制御を実行し、前記特定回数の前記第1識別情報の動的表示が実行された後で前記第2制御を実行することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機HF2。
遊技機HF2によれば、遊技機HF1の奏する効果に加え、前記制御手段は、前記特定の遊技状態が設定されてから予め定められた特定回数の前記第1識別情報の動的表示が実行されるまで前記第1制御を実行し、前記特定回数の前記第1識別情報の動的表示が実行された後で前記第2制御を実行することが可能に構成されているので、特定の遊技状態が設定された後における第1識別情報の動的表示の回数に応じて第1制御と第2制御とが切り替わる。よって、特定の遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機HF2において、前記特定の設定条件は、第1の設定条件と、その第1の設定条件とは異なる第2の設定条件と、で少なくとも構成されているものであり、前記特定回数は、前記第1の設定条件の成立に基づいて前記特定の遊技状態が設定された場合に予め定められた第1特定回数に設定され、前記第2の設定条件の成立に基づいて前記特定の遊技状態が設定された場合に前記第1特定回数よりも多い第2特定回数に設定されるように構成されていることを特徴とする遊技機HF3。
遊技機HF3によれば、遊技機HF2の奏する効果に加え、前記特定の設定条件は、第1の設定条件と、その第1の設定条件とは異なる第2の設定条件と、で少なくとも構成されているものであり、前記特定回数は、前記第1の設定条件の成立に基づいて前記特定の遊技状態が設定された場合に予め定められた第1特定回数に設定され、前記第2の設定条件の成立に基づいて前記特定の遊技状態が設定された場合に前記第1特定回数よりも多い第2特定回数に設定されるように構成されている。
これにより、特定の遊技状態の設定契機によって第1制御が実行される回数が可変するので、特定の遊技状態の設定契機に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機HF3において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技とは異なる第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段を備え、前記第1の設定条件は、前記第1特典遊技の実行が終了したことに基づいて成立するものであり、前記第2の設定条件は、前記第2特典遊技の実行が終了したことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機HF4。
遊技機HF4によれば、遊技機HF3の奏する効果に加え、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技とは異なる第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段を備え、前記第1の設定条件は、前記第1特典遊技の実行が終了したことに基づいて成立するものであり、前記第2の設定条件は、前記第2特典遊技の実行が終了したことに基づいて成立するものである。
これにより、特典遊技の種別によって設定される特定の遊技状態における有利度合いを異ならせることができるので、特典遊技の種別に対してより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機HF1からHF4のいずれかにおいて、前記第1動的表示手段による前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段を備え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報の動的表示が行われている間に前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されており、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記動的表示期間設定手段によって長い動的表示期間が設定され易くなる制御で構成されていることを特徴とする遊技機HF5。
遊技機HF5によれば、遊技機HF1からHF4のいずれかが奏する効果に加え、前記第1動的表示手段による前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段を備え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報の動的表示が行われている間に前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されており、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記動的表示期間設定手段によって長い動的表示期間が設定され易くなる制御で構成されている。
これにより、第1制御が実行されている間は、第1識別情報の動的表示における動的表示期間として長い動的表示期間が選択され易くなることにより第2識別情報の動的表示の頻度を高くすることができるという効果がある。
遊技機HF5において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難になる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが前記特定の判別結果とは異なる第1の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記第1識別情報の動的表示が行われている間に前記第1の判別結果を示す前記第2識別情報が停止表示された場合に、前記第1識別情報の動的表示の状況によらず、前記第1識別情報を前記特定の判別結果とも前記第1の判別結果とも異なる外れ判別結果を示す前記第1識別情報で停止表示させる停止表示手段と、を備えることを特徴とする遊技機HF6。
遊技機HF6によれば、遊技機HF5の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難になる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが前記特定の判別結果とは異なる第1の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記第1識別情報の動的表示が行われている間に前記第1の判別結果を示す前記第2識別情報が停止表示された場合に、前記第1識別情報の動的表示の状況によらず、前記第1識別情報を前記特定の判別結果とも前記第1の判別結果とも異なる外れ判別結果を示す前記第1識別情報で停止表示させる停止表示手段と、を備える。
これにより、第1の判別結果を示す第2識別情報が停止表示されると、第1識別情報の動的表示が外れ判別結果で終了されてしまうため、特に、第1制御が実行されている状況において、第1識別情報の動的表示の頻度が高くなってしまう可能性がある。よって、第1制御が実行されている間において、第2の判別の判別結果が第1の判別結果とならないことを強く期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機HF6において、前記第1の制御が実行されている間に実行された前記第2の判別で前記第1の判別結果となった場合に、当該第1の判別結果を示すための前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間の間に第1演出を実行する第1演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機HF7。
遊技機HF7によれば、遊技機HF6の奏する効果に加え、前記第1の制御が実行されている間に実行された前記第2の判別で前記第1の判別結果となった場合に、当該第1の判別結果を示すための前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間の間に第1演出を実行する第1演出実行手段を備えるので、第1演出が実行された場合に第1の判別結果となったことを遊技者に対して理解させることができる。よって、可変手段に注目しなくても第1の判別結果となったか否かを遊技者が判別することが可能となる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機HF7において、前記第1の制御が実行されている間に実行された前記第2の判別で前記外れ判別結果となった場合に、当該外れ判別結果を示すための前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間の間に、前記第1演出と区別し難い特定の演出態様を含む第2演出を実行可能な第2演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機HF8。
遊技機HF8によれば、遊技機HF7の奏する効果に加え、前記第1の制御が実行されている間に実行された前記第2の判別で前記外れ判別結果となった場合に、当該外れ判別結果を示すための前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間の間に、前記第1演出と区別し難い特定の演出態様を含む第2演出を実行可能な第2演出実行手段を備えるので、特定の演出態様が実行された場合に、第2演出が実行されていることを強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴HG群>(電サポの状態は共通だが、有利な特図2抽選の実行頻度が互いに異なる遊技状態を設ける)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行可能な第1判別手段と、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行可能な第2判別手段と、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に変位可能な変位手段と、所定の変位条件の成立に基づいて、前記変位手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと変位させる変位制御手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1状態と、その第1状態とは前記第2入球手段に対する遊技球の入球し易さが異なる第2状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態を設定する状態設定手段と、を備え、前記第1状態に設定される遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記第1判別手段の判別の実行頻度が高くなり易い第2遊技状態と、が少なくとも設けられていることを特徴とする遊技機HG1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、始動入賞口を複数設けると共に、入賞を検出した始動入賞口の種別に応じて異なる特別図柄の抽選を実行するものも存在する。係る遊技機においては、特定の始動入賞口へと遊技球が入球困難となる非時短状態と、特定の始動入賞口へと遊技球が入球容易となる時短状態と、を切り替えることにより、入賞し易い始動入賞口の種別を異ならせ、興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、非時短状態であるか、時短状態であるかによって抽選が実行され易い特別図柄の種別が固定化されるため、同一の状態が長く続いてしまうと、遊技が単調となってしまうという問題点がある。
これに対して遊技機HG1によれば、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行可能な第1判別手段と、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行可能な第2判別手段と、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に変位可能な変位手段と、所定の変位条件の成立に基づいて、前記変位手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと変位させる変位制御手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1状態と、その第1状態とは前記第2入球手段に対する遊技球の入球し易さが異なる第2状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態を設定する状態設定手段と、を備え、前記第1状態に設定される遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記第1判別手段の判別の実行頻度が高くなり易い第2遊技状態と、が少なくとも設けられている。
これにより、第2入球手段に対する遊技球の入球し易さが共通となる第1遊技状態と第2遊技状態とで、第1判別手段の判別の実行頻度が可変する斬新な制御を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HG1において、前記第2の判別は、前記第1の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されていることを特徴とする遊技機HG2。
遊技機HG2によれば、遊技機HG1の奏する効果に加え、前記第2の判別は、前記第1の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されているので、第1遊技状態よりも第2遊技状態の方が、有利度合いが低い第1の判別の実行頻度を低くすることができるという効果がある。
遊技機HG1又はHG2において、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記特定の判別結果となる確率が高い遊技状態で構成されていることを特徴とする遊技機HG3。
遊技機HG3によれば、遊技機HG1又はHG2の奏する効果に加え、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記特定の判別結果となる確率が高い遊技状態で構成されているので、第1遊技状態では、有利度合いが低い第1判別手段の判別の実行頻度が比較的高くなる反面、特定の判別結果となる確率が高くなる遊技性となり、第2遊技状態では、有利度合いが低い第1判別手段の判別の実行頻度が比較的低くなる反面、特定の判別結果となる確率が低くなる遊技性となる。よって、同じ第1状態に設定される遊技状態でも、遊技性を真逆にすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機HG1からHG3のいずれかにおいて、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1動的表示手段による前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、を備え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示されている間に前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されており、前記動的表示期間設定手段は、前記第1遊技状態よりも、前記第2遊技状態の方が、長い動的表示期間を設定し易く構成されていることを特徴とする遊技機HG4。
遊技機HG4によれば、遊技機HG1からHG3のいずれかが奏する効果に加え、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1動的表示手段による前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、を備え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示されている間に前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されており、前記動的表示期間設定手段は、前記第1遊技状態よりも、前記第2遊技状態の方が、長い動的表示期間を設定し易く構成されている。
これにより、第1識別情報の動的表示における動的表示期間を遊技状態毎に異ならせることにより、第1識別情報の動的表示が実行されている間に実行可能な第2識別情報の動的表示の回数を異ならせ、第1の判別の実行頻度を異ならせることができるという効果がある。
遊技機HG1からHG4のいずれかにおいて、前記第1遊技状態が設定された後で前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が予め定められた第1回数となったことに基づいて、前記第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機HG5。
遊技機HG5によれば、遊技機HG1からHG4のいずれかが奏する効果に加え、前記第1遊技状態が設定された後で前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が予め定められた第1回数となったことに基づいて、前記第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段を備えるので、第1判別手段の判別の実行頻度が高い第1遊技状態と、第1判別手段の判別の実行頻度が低い第2遊技状態とが連続して設定される。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HG5において、前記第2遊技状態が設定された後で前記前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が予め定められた第2回数となったことに基づいて、前記第2状態に設定される第3遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機HG6。
遊技機HG6によれば、遊技機HG5の奏する効果に加え、前記第2遊技状態が設定された後で前記前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が予め定められた第2回数となったことに基づいて、前記第2状態に設定される第3遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段を備えるので、第1遊技状態と第2遊技状態と第3遊技状態とが連続して設定される。よって、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機HG1からHG6のいずれかにおいて、前記第2状態は、前記第1状態よりも前記第2入球手段に対して遊技球が入球し難くなる状態で構成されていることを特徴とする遊技機HG7。
遊技機HG7によれば、遊技機HG1からHG6のいずれかが奏する効果に加え、前記第2状態は、前記第1状態よりも前記第2入球手段に対して遊技球が入球し難くなる状態で構成されているので、第2入球手段に対して遊技球が比較的入球し易い第1状態が設定される第1遊技状態と第2遊技状態とで、第1判別手段の判別の実行頻度を異ならせることができる。よって、比較的有利な遊技状態における遊技性を異ならせることができるという効果がある。
<特徴HH群>(特定の遊技状態において継続率を可変させる)
予め定められた特定の実行条件の成立に基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を設定可能な第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が第1の割合となる第1制御がされる遊技と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が前記第1の割合とは異なる第2の割合となる第2制御がされる遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技を設定可能な設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機HH1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが高い特定の遊技状態(例えば、時短遊技状態)の終了条件を複数設ける構成とし、特定の遊技状態が設定された契機に応じて異なる終了条件を設定することにより、同じ特定の遊技状態でも設定契機に応じて有利度合いを異ならせているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、設定契機毎の終了条件をROM等の記憶装置に対して予め規定しておく必要があるため、終了条件が増えるほど遊技機の記憶容量が増大してしまうという問題点がある。
これに対して遊技機HH1によれば、予め定められた特定の実行条件の成立に基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を設定可能な第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が第1の割合となる第1制御がされる遊技と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が前記第1の割合とは異なる第2の割合となる第2制御がされる遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技を設定可能な設定手段と、を備える。
これにより、同じ第1遊技状態であっても、第1制御が実行されるか第2制御が実行されるかによって特典遊技が実行される可能性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HH1において、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記特定条件が成立し易くなる制御で構成されていることを特徴とする遊技機HH2。
遊技機HH2によれば、遊技機HH1の奏する効果に加え、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記特定条件が成立し易くなる制御で構成されているので、特定条件が成立するよりも前に特定の実行条件が成立する可能性を異ならせることができるという効果がある。
遊技機HH1又はHH2において、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて成立する条件で構成されているものであり、前記特定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が予め定められた特定回数となったことに基づいて成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機HH3。
遊技機HH3によれば、遊技機HH1又はHH2の奏する効果に加え、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて成立する条件で構成されているものであり、前記特定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が予め定められた特定回数となったことに基づいて成立する条件で構成されている。
これにより、第1の判別の実行回数が特定回数未満の範囲においては第1遊技状態が維持されるので、第1遊技状態において特定回数の第1の判別の実行を保証することができるという効果がある。
遊技機HH3において、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定回数の前記第1の判別が実行されるまでの間に実行される前記第2の判別の実行回数が少ない回数となり易い制御で構成されていることを特徴とする遊技機HH4。
遊技機HH4によれば、遊技機HH3の奏する効果に加え、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定回数の前記第1の判別が実行されるまでの間に実行される前記第2の判別の実行回数が少ない回数となり易い制御で構成されているので、第2遊技状態が設定されるまでに実行される第2の判別の実行回数を異ならせることで、実質的に特定の実行条件の成立割合を異ならせることができるという効果がある。
遊技機HH3又はHH4において、特定条件は、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が前記特定回数となったことに基づいて成立する第1特定条件と、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が前記特定回数よりも多い第1回数となったことに基づいて成立する第2特定条件と、で少なくとも構成されており、前記第1制御と前記第2制御とは、前記第2特定条件が成立するよりも前に前記第1特定条件が成立し易くなるように構成されており、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1特定条件が成立するまでに要する期間が短くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機HH5。
遊技機HH5によれば、遊技機HH3又はHH4の奏する効果に加え、特定条件は、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が前記特定回数となったことに基づいて成立する第1特定条件と、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が前記特定回数よりも多い第1回数となったことに基づいて成立する第2特定条件と、で少なくとも構成されており、前記第1制御と前記第2制御とは、前記第2特定条件が成立するよりも前に前記第1特定条件が成立し易くなるように構成されており、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1特定条件が成立するまでに要する期間が短くなり易く構成されている。
これにより、第1特定条件が成立するまでに要する期間の長さを異ならせることで第2の判別の実行回数を異ならせて特定の実行条件が成立する割合を異ならせるという斬新な制御を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴HI群>(1の遊技状態が終了するまでの間に大当たりに当選する可能性を示す演出を実行する)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、予め定められた第1の状況である場合に第1演出態様を決定し、前記第1の状況よりも前記特定の判別結果となる可能性が高い第2の状況である場合に第2演出態様を決定することが可能な演出態様決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機HI1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、所定期間内(例えば、保留球を全て消化しきるまでの間)に当たり遊技が実行される期待度を示す興趣演出を実行可能に構成されたものも存在し、実行中の変動表示だけでなく、複数回の変動表示に渡って当たり遊技が実行される期待感を持続的に抱かせ続けることが可能に構成されたものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、比較的少ない回数分の変動表示を対象としてしか、当たり遊技が実行される期待度を示す演出を実行することができないため、興趣を向上させることが困難であった。
これに対して遊技機HI1によれば、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、予め定められた第1の状況である場合に第1演出態様を決定し、前記第1の状況よりも前記特定の判別結果となる可能性が高い第2の状況である場合に第2演出態様を決定することが可能な演出態様決定手段と、を備える。
これにより、特定演出の演出態様によって第1遊技状態の間に特定の判別結果となる可能性を遊技者に示すことができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HI1において、前記第1の状況は、前記第2の状況よりも、前記第2の設定条件が成立するまでに前記特定の判別結果となる可能性が低い状況であることを特徴とする遊技機HI2。
遊技機HI2によれば、遊技機HI1の奏する効果に加え、前記第1の状況は、前記第2の状況よりも、前記第2の設定条件が成立するまでに前記特定の判別結果となる可能性が低い状況であるので、第2の設定条件が成立するよりも前に特定の判別結果となる可能性を特定演出の演出態様によって示唆することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機HI1又はHI2において、前記特定演出実行手段は、前記第1演出態様の前記特定演出の実行中に前記第2の状況となったことに基づいて、前記第2の演出態様の前記特定演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機HI3。
遊技機HI3によれば、遊技機HI1又はHI2の奏する効果に加え、前記特定演出実行手段は、前記第1演出態様の前記特定演出の実行中に前記第2の状況となったことに基づいて、前記第2の演出態様の前記特定演出を実行可能に構成されているので、第1遊技状態において状況が変化した場合に、変化した状況に応じて特定演出の演出態様を切り替えることができる。よって、特定演出によって遊技者に対して正確な状況を示すことができるという効果がある。
遊技機HI1からHI3のいずれかにおいて、前記特典遊技の実行中に予め定められた第1演出を実行する第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により実行される前記第1演出の演出態様として、実行中の前記特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第1の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第1演出態様に対応する第3演出態様を決定し、前記第2の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第2演出態様に対応する第4演出態様を決定することが可能に構成されている演出態様決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機HI4。
遊技機HI4によれば、遊技機HI1からHI3のいずれかが奏する効果に加え、前記特典遊技の実行中に予め定められた第1演出を実行する第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により実行される前記第1演出の演出態様として、実行中の前記特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第1の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第1演出態様に対応する第3演出態様を決定し、前記第2の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第2演出態様に対応する第4演出態様を決定することが可能に構成されている演出態様決定手段と、を備える。
これにより、特典遊技の実行中に、第1演出によって特典遊技の終了後の第1遊技状態において特定の判別結果となる可能性を遊技者に対して示すことができるので、特典遊技の実行中における遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HI1からHI4のいずれかにおいて、前記第2の状況は、前記第1の状況よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定の判別結果とならずに前記第2の設定条件が成立するまでの間に実行される前記判別手段の判別の回数が多くなり易い状況で構成されていることを特徴とする遊技機HI5。
遊技機HI5によれば、遊技機HI1からHI4のいずれかが奏する効果に加え、前記第2の状況は、前記第1の状況よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定の判別結果とならずに前記第2の設定条件が成立するまでの間に実行される前記判別手段の判別の回数が多くなり易い状況で構成されているので、第2の状況では、第1の状況よりも判別手段の判別回数が多くなるため、特定の判別結果となる機会をより多く獲得できる。よって、第2演出態様の特定演出が実行されることを強く期待させることができるという効果がある。
<特徴HJ群>(有利状態終了後に有利側の保留が貯まり得る遊技方法を遊技者に促す演出を実行する)
遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも発射可能に構成された発射手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易く構成された第1状態を設定する第1状態設定手段と、前記第1の設定条件とは異なる第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1方向へと遊技球を発射した場合の有利度合いが前記第1状態よりも低くなり易く構成された第2状態を設定する第2状態設定手段と、前記第1状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1方向へと遊技球を発射することを遊技者に対して示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2状態において所定期間、前記第1演出によって示唆される遊技と同一の遊技を遊技者に示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機HJ1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、遊技者にとって有利な遊技方法(遊技球の発射方向)を遊技状態毎に異ならせることにより、遊技状態に応じて遊技方法を変更する楽しみを遊技者に与えることが可能に構成しているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、各遊技状態における遊技の状況によらずに、遊技状態に対応する遊技方法が報知するのが一般的であるため、状況によっては有利度合いが低下してしまう可能性があるという問題点がある。
これに対して遊技機HJ1によれば、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも発射可能に構成された発射手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易く構成された第1状態を設定する第1状態設定手段と、前記第1の設定条件とは異なる第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1方向へと遊技球を発射した場合の有利度合いが前記第1状態よりも低くなり易く構成された第2状態を設定する第2状態設定手段と、前記第1状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1方向へと遊技球を発射することを遊技者に対して示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2状態において所定期間、前記第1演出によって示唆される遊技と同一の遊技を遊技者に示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備える。
これにより、第1方向へと遊技球を発射しても第1状態ほど有利度合いが高くならない第2状態において、第1方向へと遊技球を発射する遊技方法を遊技者に示唆する斬新な演出態様を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HJ1において、前記第2の設定条件は、前記第1状態において成立し得る条件であることを特徴とする遊技機HJ2。
遊技機HJ2によれば、遊技機HJ1の奏する効果に加え、前記第2の設定条件は、前記第1状態において成立し得る条件であるので、第1状態において第2条件が成立して第2状態が設定された後も、第1演出によって示唆される遊技と同一の遊技を示唆することができる。よって、第1状態が継続しているかのように思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HJ1又はHJ2において、前記第2状態は、予め定められた特定条件が成立している間、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易くなるように構成されており、前記第2演出実行手段は、少なくとも前記特定条件が成立している間、前記第2演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機HJ3。
遊技機HJ3によれば、遊技機HJ1又はHJ2の奏する効果に加え、前記第2状態は、予め定められた特定条件が成立している間、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易くなるように構成されており、前記第2演出実行手段は、少なくとも前記特定条件が成立している間、前記第2演出を実行可能に構成されている。
これにより、基本的に第2方向へと遊技球を発射した方が有利となる第2状態において、特定条件が成立して第1方向へと遊技球を発射した方が有利となる状況となった場合に、第2演出により第1方向へと遊技球を発射することを遊技者に対して示唆することができるので、遊技者が損をしてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機HJ3において、前記特定条件は、前記第2の設定条件が成立したことに基づいて成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機HJ4。
遊技機HJ4によれば、遊技機HJ3の奏する効果に加え、前記特定条件は、前記第2の設定条件が成立したことに基づいて成立する条件で構成されているので、第1状態が開始されてから第2状態に移行し、且つ、特定条件が不成立の状態となるまで、第1方向へと遊技球を発射する遊技方法を第1演出および第2演出によって示唆し続けることができる。よって、第1状態が終了された後も、特定条件が不成立の状態となるまで第1状態であるかのように遊技者に思わせることができるので、第1状態が実際よりも長く継続しているかのように思わせることができるという効果がある。
遊技機HJ1からHJ4のいずれかにおいて、前記第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第2方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行可能な第1判別手段と、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第1方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1の判別と前記第2の判別とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1状態は、前記第2状態よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成され、前記第2状態は、前記所定期間において、前記所定期間以外の期間よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成されていることを特徴とする遊技機HJ5。
遊技機HJ5によれば、遊技機HJ1からHJ4のいずれかが奏する効果に加え、前記第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第2方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行可能な第1判別手段と、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第1方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1の判別と前記第2の判別とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1状態は、前記第2状態よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成され、前記第2状態は、前記所定期間において、前記所定期間以外の期間よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成されている。
これにより、有利度合いが低い第2状態においても所定期間の間は、第1状態と同様に、第1判別手段の判別が実行され易くなるという斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
<5076シリーズ>
<特徴IA群>
演出態様を可変させる可変演出を実行可能な可変演出実行手段と、を有した遊技機において、前記可変演出にて前記演出態様を可変させることが可能な回数を決定可能な決定手段を有し、前記遊技機は、前記演出態様を特定の態様で可変させるための追加演出を実行可能な追加演出実行手段を有することを特徴とする遊技機IA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)への操作内容に基づいて演出態様を可変させる操作演出を複数回実行することで、演出態様を段階的に可変させる期間演出を実行可能なものがある。そして、期間演出の演出結果として、演出態様が特定段階まで可変された場合に、遊技者に有利な特典が付与される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。しかしながら、従来型の遊技機では、期間演出の演出結果のみが予め決定されており、各操作演出の演出結果が予め決定されていないため、期間演出中に実行される複数回の操作演出の全てを用いること無く、期間演出の演出結果に対応する段階まで演出態様が可変されてしまい、期間演出の演出結果が低下してしまう問題があった。また、各操作演出の演出結果を予め決定しておき、各操作演出中における操作手段への操作内容に関わらず、各操作演出が終了した時点で、予め決定された演出結果に対応する段階まで演出態様を可変させるように構成された遊技機も提案されている。しかしながら、このような遊技機では、操作演出中における操作手段への操作内容に関わらず、操作演出の演出結果として予め決定された演出結果が表示されてしまうため、遊技者が操作手段を操作しようとする意欲が低下してしまうという問題があった。さらに、各操作演出に対して、予め決定された演出結果が必ず表示されてしまうため、バリエーション豊富な演出態様で期間演出を実行するためには、各操作演出の演出結果を異ならせた期間演出の演出データを予め用意する必要があり、期間演出を実行するための演出データ量が増加してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、期間演出にて実行される各操作演出における操作手段への操作内容に応じて異なる演出結果で各操作演出が実行されるように構成することで、操作演出中における操作手段への操作意欲を高め、遊技者の遊技に対する興趣を向上させる遊技機を提供することを目的とする。また、予め決定されている期間演出の演出態様の種類よりもバリエーション豊かな期間演出を実行可能に構成することで、期間演出の演出効果を高めることで、遊技者の遊技に対する興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IA1によれば、可変演出が決定された回数実行された後にも、演出態様を特定の態様で可変させるための追加演出が実行されるので、設定された回数を超えて演出を可変させることで遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機IA1において、情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための態様で前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与することが可能な特典付与手段と、前記判別手段により判別が実行されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段により前記特定の判別結果と判別される場合に、前記前記演出態様が予め定められた報知態様に可変されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機IA2。
遊技機IA2によれば、遊技機IA1の奏する効果に加え、演出態様が報知態様に可変されることで、事前に特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、演出態様の可変に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機IA1またはIA2において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記演出態様は、前記操作手段が操作されたことに基づいて可変されることが可能にされているものであることを特徴とする遊技機IA3。
遊技機IA3によれば、遊技機IA1またはIA2の奏する効果に加え、遊技者が操作するタイミングによって可変させることができるので、遊技者の操作によって、報知される内容が可変するように思わせることができるという効果がある。
遊技機IA1からIA3のいずれかにおいて、前記演出態様の可変は、複数段階に分けて実行されるものであり、前記追加演出実行手段は、前記回数における演出の可変が終了した後に、前記決定された回数と、前記複数段階の可変タイミングにおける情報とに基づいた前記追加演出を実行するものであることを特徴とする遊技機IA4。
遊技機IA4によれば、遊技機IA1からIA3のいずれかにおいて、回数と可変される複数段階の可変タイミングにおける情報とに基づいて追加演出が実行されるので、演出態様の可変に対応させた追加演出を実行することができるという効果がある。
<特徴IB群>
演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記演出の種別を決定可能な演出種別決定手段と、移行条件が成立したことに基づいて前記演出の種別を異なる種別へと移行させることが可能な前記演出種別移行手段と、第1状態と、その第1状態よりも前記移行条件が成立し難い第2状態と、を設定可能な状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技機は、前記第2状態が設定されている状態では、遊技者に有利な特典を付与可能な付与条件が成立した場合に前記移行条件を成立させることが可能であることを特徴とする遊技機IB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、複数の演出ステージが切り替わるように構成され、大当たり抽選の結果を示すための変動演出の演出態様を、設定されている演出ステージに対応させて決定することで、変動演出が単調となることを抑制することが可能な遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。また、大当たり抽選が所定回数実行されることによって演出ステージの移行条件が成立した場合に演出ステージが自動的に切り替わるように構成し、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制する遊技機も提案されている。しかしながら、演出ステージが自動的に切り替わる従来型の遊技機では、遊技者の意思に関わらず演出ステージが切り替わってしまうため、遊技者の趣味に合った演出ステージから、遊技者の趣味に合わない演出ステージへと切り替わった場合に、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうという問題があった。また、遊技者が任意に演出ステージを設定可能に構成した場合には、全ての演出ステージを体験すること無く、特定の演出ステージのみで遊技を行ってしまう遊技者が発生してしまい、遊技機が予め有している演出内容を遊技者に十分に提供することができない事態が発生してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、演出ステージを固定した場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下しないように他の演出ステージへと切り替え可能に構成することで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制しながら、多様な演出を遊技者に提供することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることを目的とする。
遊技機IB1によれば、状態設定手段によって、移行条件の成立のし易さを異ならせることができ、移行条件が成立し難い第2状態が設定されている状態で移行条件が成立した場合には特典が付与されるため、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機IB1において、情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を、所定個数を上限に記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、前記移行条件を設定するための移行条件設定手段と、を有し、前記移行条件設定手段は、少なくとも、前記判別手段により実行された前記判別の回数が特定回数となった場合に成立する第1移行条件を設定可能であり、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて、前記第1移行条件が成立するよりも前に、前記第1移行条件が成立し得ることを示すための移行示唆演出を実行可能な以降演出実行手段を有することを特徴とする遊技機IB2。
遊技機IB2によれば、遊技機IB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1移行条件が成立するよりも前に、移行示唆演出を実行することができるため、遊技者に対して、移行条件が成立するタイミングを予測させ易くすることができるという効果がある。
遊技機IB1またはIB2において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記状態設定手段は、前記操作手段への操作に基づいて、前記第2状態を設定可能であることを特徴とする遊技機IB3。
遊技機IB3によれば、遊技機IB1またはIB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が任意のタイミングで第2状態を設定することができるため、第2状態を設定した状態で移行条件が成立するか否かを確認可能な遊技を遊技者に選択して実行させ易くすることができるという効果がある。
遊技機IB3において、前記移行示唆演出が実行されている状態において、前記第2状態が設定された場合には、前記第1移行条件が成立する前記判別手段の前記判別の結果が、前記特定の判別結果である場合には前記第1移行条件を成立させ、前記特定の判別結果では無い場合には前記第1移行条件を成立させないことを特徴とする遊技機IB4。
遊技機IB4によれば、遊技機IB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、移行示唆演出が実行されている状態で第2状態が設定された場合は、対象となる判別手段の判別結果が特定の判別結果である場合にのみ、第1移行条件を成立させ、演出の種別を異ならせることができる。即ち、第2状態が設定された場合であっても、移行示唆演出をそのまま実行可能であるため、実行される演出を制御するための処理負荷を軽減させることができるという効果がある。
<特徴IC群>
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、所定の遊技情報を示すための特定演出の実行可能な特定演出実行手段と、を有し、前記特定演出は、特定条件が成立している場合に、前記特定条件が成立していない場合よりも実行され易くされているものであることを特徴とする遊技機IC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否抽選が実行され、その抽選結果が当たり当選であることに基づいて当たり遊技が実行されるものがある。そして、遊技の当否抽選を実行するための実行権利を所定個数を上限に保留記憶可能に構成し、当たり遊技中に保留記憶されている実行権利の中に、当たり当選し得る実行権利が含まれている場合において、当たり遊技中に実行される当たり遊技演出を用いて、次回の当たり当選を遊技者に事前に報知する連続当たり演出が実行可能な遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
このような従来型の遊技機では、当たり遊技中において、当たり当選し得る実行権利が保留記憶されている場合に、高確率で連続当たり演出を実行してしまうと、当たり遊技中に連続当たり演出が実行されなかった時点で、保留記憶されている実行権利の中に当たり当選し得る実行権利が含まれていない可能性が高くなる。上記した例のように、演出の実行されやすさが常に同じであることにより遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機の提供することを目的とする。
遊技機IC1によれば、特定条件が成立することで特定演出が実行され易くなるので、遊技者に遊技情報が報知される頻度を可変させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機IC1において、前記判別手段による前記判別が実行されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて事前判別を実行可能な事前判別手段を有し、前記特定演出実行手段は、前記事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に前記特定演出を実行可能であり、前記特定条件は、前記特定演出が実行されたことで成立するものであることを特徴とする遊技機IC2。
遊技機IC2によれば、遊技機IC1の奏する効果に加え、特定演出が実行されることで、特定条件が成立するので、1度特定演出が実行されることで、その後に特定演出が連続して実行され易くでき、特定演出の連続演出を遊技者に楽しませることができるという効果がある。
遊技機IC1またはIC2において、前記特定演出の実行契機となった前記情報を用いた前記判別の結果に基づいて前記特典遊技が実行されている期間を設定可能であることを特徴とする遊技機IC3。
遊技機IC3によれば、遊技機IC1またはIC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出によって、実行されることが事前に報知された特典遊技の実行期間中を設定可能であるため、一度特定演出が実行された場合には、連続して特定演出を実行させ易くすることができる。よって、特定演出を連続して実行させようと意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機IC1からIC3のいずれかにおいて、前記特典遊技が実行されている期間を用いて実行中の前記特典遊技の内容を示すための特典演出を実行可能な特典演出実行手段と、その特典演出実行手段により実行される前記特典演出の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、を有し、前記演出態様決定手段は、前記特定演出が連続して実行される場合に、前回実行された前記特典遊技の内容を引き継いだ演出態様を決定可能であることを特徴とする遊技機IC4。
遊技機IC4によれば、遊技機IC1からIC3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出が連続して実行された場合には、特典演出の内容を、複数の特典遊技を跨いで決定することができるため、遊技者に対して、特定演出を連続して実行させようとより意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機IC4において、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2特典遊技と、のうち、何れかの前記特典遊技を実行可能であり、前記特典演出実行手段により実行される前記特典演出の内容が、前記第2特典遊技よりも遊技者に有利となる前記特典遊技の内容よりも遊技者に有利となる内容となった場合に、特殊演出を実行可能な特殊演出実行手段を有することを特徴とする遊技機IC5。
遊技機IC5によれば、遊技機IC4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出が連続して実行されたことにより、複数の特典遊技の内容を累積した特典演出の内容が、1回の第2特典遊技の内容よりも遊技者に有利となった場合に特殊演出が実行されるため、特殊演出を実行させようと、意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴ID群>
遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、遊技球は前記特定領域へ入球させることが可能な領域へと遊技球を発射させるための案内報知を実行可能な報知実行手段と、を有した遊技機において、前記遊技機は、前記案内報知が実行された後に、次に実行される演出が開始されるまでの期間を異ならせることが可能にされていることを特徴とする遊技機ID1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機ID1によれば、案内報知が実行されてから、次の演出が開始されるまでの期間を異ならせることができるため、案内報知を最適な期間で実行させることが可能となり遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機ID1において、前記次の演出は、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、入球したことを示すための演出であり、前記案内報知が実行されてから第1期間が経過するまでは、前記特定領域に遊技球が入球した場合にも前記次の演出の実行が規制されるものであることを特徴とする遊技機ID2。
遊技機ID2によれば、遊技機ID1の奏する効果に加え、案内報知が実行された直後に遊技球が特定領域へと入球した場合であっても、第1期間は案内報知が終了することが無いため、案内報知の内容を遊技者が把握できないまま案内報知が終了してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機ID2において、前記案内報知が実行されてから前記第1期間が経過した場合は、前記特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、前記案内報知が終了することを特徴とする遊技機ID3。
遊技機ID3によれば、遊技機ID2の奏する効果に加え、第1期間が経過した場合には、特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて案内報知が終了するため、遊技者に対して、無用に長い期間、案内報知が実行されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機ID2またはID3において、前記特定領域へと遊技球が入球してから前記第1期間が経過するまでの残余期間を用いて、特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有することを特徴とする遊技機ID4。
遊技機ID4によれば、遊技機ID2またはID3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出を実行させようと、特定領域へと遊技球を入球させる遊技を遊技者に意欲的に行わせることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴IE群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示期間として、異なる動的表示期間が予め規定されている動的表示期間群が予め複数記憶されている動的表示期間群記憶手段と、その動的表示期間群記憶手段に記憶されている前記動的表示期間群の中から1の前記動的表示期間群を決定可能な動的表示期間群決定手段と、その動的表示期間群決定手段により決定された前記動的表示期間群を用いて、前記識別情報の動的表示期間を決定可能な動的表示期間決定手段と、を有した遊技機において、前記動的表示期間群決定手段は、前記判別手段により実行された前記判別に関する情報に基づいて移行条件が成立した場合に、現在決定されている前記動的表示期間群とは異なる前記動的表示期間群を決定可能であり、前記動的表示期間群には移行先の前記動的表示期間群を示す情報が予め規定されていることを特徴とする遊技機IE1。
従来より、設定されている遊技状態と、特別図柄抽選の結果とに基づいて、異なる変動パターン(変動時間)を決定することで、単位時間当たりに実行させることが可能となる特別図柄抽選の回数を、遊技状態に応じて異ならせるように構成し、遊技者に対して、単位時間当たりに実行させることが可能な特別図柄抽選の回数が多くなる遊技状態が設定されることを目指して意欲的に遊技を行わせる遊技機が提案されており、大当たり遊技が終了してから実行される特別図柄変動の回数に基づいて、異なる変動パターン(変動時間)が決定されるように構成することで、同一の遊技状態で長時間の遊技を実行している遊技者に対して、飽きの来ない遊技を実行可能に構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。具体的には、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定された場合において、特別図柄変動が100回実行される毎に、変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブルを切り替えることで、異なる変動パターン(変動時間)を設定可能に構成するものがある。このように構成された従来型の遊技機によれば、同一の遊技状態が長時間継続する場合であっても、特別図柄変動の実行回数に応じて全く異なる変動パターンを設定することができるため、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるものであったが、特別図柄変動の実行回数に応じて変動パターンテーブルを切り替えるための規定内容(変動パターン選択シナリオ)として、莫大な特別図柄変動回数に対応したデータを規定する必要があり、遊技機の処理負荷を増大させてしまう虞があった。また、特別図柄変動の実行回数と、参照される変動パターンテーブルと、を完全に対応付けてしまうと、どのタイミングでどの変動パターンが選択され易くなるのかが遊技者に予測され易くなってしまうため、特別図柄変動の実行回数と、参照される変動パターンテーブルと、の組合せを多様化し、どのタイミングでどの変動パターンが選択され易くなるのかを遊技者に予測させ難くすることが望まれるが、このような構成を用いた場合には、変動パターン選択シナリオの規定内容がより多様化してしまい、遊技機の処理負荷をより増大させてしまうという虞があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技機の処理負荷を増大させること無く、特別図柄変動の実行回数に基づいて異なる変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定可能にすることで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機の提供することを目的とする。
遊技機IE1によれば、動的表示期間群決定により1の動的表示期間群が決定されている状態で実行された判別に基づいて移行条件が成立した場合に、予め規定されている動的表示期間群へと移行させることができるため、遊技機の処理負荷が増大してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機IE1において、前記動的表示期間群記憶手段に記憶されている前記動的表示期間群のうち、少なくとも2以上の前記動的表示期間群に対して、前記移行先の動的表示期間群として同一の動的表示期間群を示す情報が予め規定されていることを特徴とする遊技機IE2。
遊技機IE2によれば、遊技機IE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、異なる動的表示期間群が決定されている状態であっても、移行条件が成立した場合に、同一の動的表示期間群へと移行させることができるため、様々な組合せで動的表示期間群を切り替えることが可能となる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機IE1またはIE2において、前記動的表示期間群記憶手段に記憶されている前記動的表示期間群のうち、少なくとも1の前記動的表示期間群が、複数の前記移行条件を有することを特徴とする遊技機IE3。
遊技機IE3によれば、遊技機IE1またはIE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示期間群に対して、複数の移行条件を設けることにより、様々な条件で動的表示期間群を切り替えることが可能となるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機IE3において、成立する前記移行条件に応じて、異なる動的表示期間群へと移行させることが可能であることを特徴とする遊技機IE4。
遊技機IE4によれば、成立した移行条件によって、異なる動的表示期間群へと移行するため、遊技者に対して、どの移行条件が成立したかについて興味を持たせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴IF群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定可能な動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により決定された前記動的表示期間を記憶可能な記憶手段と、前記表示手段に特定の前記判別の結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に遊技者に特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による前記判別の結果に基づいて、主動的表示期間を決定可能な主動的表示期間を決定可能な主動的表示期間決定手段と、前記判別手段による前記判別の結果に基づいて、前記主動的表示期間とは異なる副動的表示期間を決定可能な副動的表示期間決定手段と、を有し、前記動的表示期間決定手段は、前記主動的表示期間と、前記副動的表示期間と、を合算した合算動的表示期間を前記動的表示期間として決定可能であり、前記遊技機は、前記合算動的表示期間が第1期間よりも短い場合には、前記合算動的表示期間を示すための情報を前記記憶手段へと記憶させ、前記第1期間以上である場合には、前記合算動的表示期間を示すための前記情報に特殊処理を実行した処理後情報を前記記憶手段へと記憶させることを特徴とする遊技機IF1。
従来より、設定されている遊技状態と、特別図柄抽選の結果とに基づいて、異なる変動パターン(変動時間)を決定することで、単位時間当たりに実行させることが可能となる特別図柄抽選の回数を、遊技状態に応じて異ならせるように構成し、遊技者に対して、単位時間当たりに実行させることが可能な特別図柄抽選の回数が多くなる遊技状態が設定されることを目指して意欲的に遊技を行わせる遊技機が提案されており、大当たり遊技が終了してから実行される特別図柄変動の回数に基づいて、異なる変動パターン(変動時間)が決定されるように構成することで、同一の遊技状態で長時間の遊技を実行している遊技者に対して、飽きの来ない遊技を実行可能に構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。このような従来型の遊技機において、様々な変動パターン(変動時間)を決定可能とするために、変動時間に関する情報を複数決定可能にし、決定された複数の情報に含まれる変動時間を合算することで変動パターンを決定するように構成された遊技機がある。このような遊技機では、複数の変動時間を組み合わせることにより、様々な変動パターンを決定することができ、遊技者に対して飽きの来ない遊技を実行させることが可能となるが、例えば、組み合わされる複数の変動時間として、長い変動時間がそれぞれ決定された場合に、合算後の変動パターンとして長時間の変動パターンが決定されてしまうことから、変動時間を記憶するためのデータ領域として、最長となる変動パターンに対応する変動時間に関する情報を格納できるようにデータ領域を大きく確保する必要があり、遊技機のデータ領域を圧迫してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技機のデータ領域が圧迫されてしまうことを抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IF1によれば、合算後の動的表示期間の長さが第1期間以上となった場合に、動的表示期間の長さを示すための情報に対して特殊処理を実行させた処理後情報を記憶手段へと記憶させることができるため、動的表示期間として第1期間以上の長さが決定された場合であっても、記憶手段へと記憶させる情報を簡素化することが可能となる。よって、遊技機のデータ領域を圧迫してしまうという問題が発生してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機IF1において、前記合算動的表示期間が前記第1期間を超えたことを示すための超過情報を記憶可能な第2記憶手段を有し、前記動的表示手段は、前記合算動的表示期間が前記第1期間を超えた場合に、前記記憶手段に記憶されている前記処理情報と、前記第2記憶手段に記憶されている前記超過情報と、に基づいて、前記識別情報を動的表示可能であることを特徴とする遊技機IF2。
遊技機IF2によれば、遊技機IF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、合算動的表示期間が第1期間を超えたことを示すための超過情報と、処理情報とに基づいて識別情報を動的表示させることができるため、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間に対応させて確実に識別情報を動的表示させることができるという効果がある。
遊技機IF1またはIF2において、前記特殊処理は、前記合算動的表示期間から前記第1期間を減算した減算値を算出するものであることを特徴とする遊技機IF3。
遊技機IF3によれば、遊技機IF1またはIF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、合算動的表示期間から第1期間を減算した減算値が記憶手段に記憶されるため、第1期間よりも長い期間を示すための情報が記憶手段に記憶されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機IF3において、前記遊技機は、前記合算動的表示期間として算出され得る期間の上限が、前記第1期間の2倍を超えることが無いように構成されていることを特徴とする遊技機IF4。
遊技機IF4によれば、遊技機IF3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、合算動的表示期間が、第1期間を2倍した期間よりも短くなるため、第2記憶手段に合算動的表示期間が第1期間を超過したことを示す超過情報のみを記憶させるだけで、合算動的表示期間を的確に再現することができるという効果がある。
遊技機IF1からIF4の何れかにおいて、前記主動的表示期間決定手段により決定される前記主動的表示期間は、何れも前記第1期間よりも短い期間であることを特徴とする遊技機IF5。
遊技機IF5によれば、遊技機IF1からIF4の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主動的表示期間のみで、第1期間よりも長い動的表示期間が設定されることが無いため、特殊処理が実行される頻度を抑制することができるという効果がある。
<特徴IG群>
所定数を上限に判別情報を記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記判別情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記記憶手段に記憶されている前記判別情報の数に対応させた第1図柄を、所定の動的態様で表示手段に表示可能な判別情報表示手段と、演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記演出の種別を決定可能な演出種別決定手段と、移行条件が成立したことに基づいて、前記演出実行手段により実行される前記演出の種別を異なる種別へと移行させることが可能な前記演出種別移行手段と、を有した遊技機において、前記判別情報数報知手段は、前記第1図柄が特定の前記動的態様で表示されている状態で前記移行条件が成立した場合に、前記特定の動的表示態様とは異なる特殊動的態様で前記第1図柄を表示可能であることを特徴とする遊技機IG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて抽選情報を取得し、取得した抽選情報を、所定数を上限に記憶可能に構成し、記憶された抽選情報に基づいて遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成が提案されていた。また、記憶されている抽選情報の個数を遊技者に報知するための保留図柄を表示可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。上述した従来型の遊技機では、記憶されている抽選情報の個数を遊技者に報知するための保留図柄の表示態様が単調であり、演出効果を高めることが出来ないという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、保留図柄を用いて演出効果をより高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IG1によれば、移行条件の成立タイミングと、第1図柄の動的態様の表示タイミングに応じて、移行条件が成立した後の第1図柄の動的態様を異ならせることができるため、第1図柄の動的態様を用いた演出の演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機IG1において、前記記憶手段に記憶されている前記判別情報を、その判別情報が前記判別手段による前記判別に用いられるよりも前に事前判別可能な事前判別手段と、前記事前判別手段による前記事前判別の結果に基づいて前記第1図柄の動的態様を決定可能な動的態様決定手段と、を有し、前記動的態様決定手段は、前記事前判別手段により前記特定の判別結果となる前記判別情報が記憶されていると判別された場合の方が、前記事前判別手段により前記特定の判別結果となる前記判別情報が記憶されていないと判別された場合よりも、決定し易い第1動的態様を決定可能であり、前記遊技機は、前記第1動的態様で前記第1図柄が表示されている状態で前記移行条件が成立した場合に、前記特殊動的態様で前記第1図柄を表示可能であることを特徴とする遊技機IG2。
遊技機IG2によれば、遊技機IG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特殊動的態様で第1図柄が表示された場合に、特典遊技が実行される可能性を高くすることができるため、特殊動的態様で第1図柄が表示されることを期待させながら遊技を行わせることができる。よって、移行条件が成立するタイミングに対して、より遊技者に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機IG2において、前記第1動的態様は、少なくとも、前記第1図柄を、1の表示態様で動的表示される第1期間と、その第1期間よりも後の期間であって、前記1の表示態様とは異なる他の表示態様へと可変させる第2期間と、を含む動的表示期間にて前記第1図柄を動的表示させるものであって、前記判別情報数報知手段は、前記第1期間にて前記移行条件が成立した場合と、前記第2期間にて前記移行条件が成立した場合と、で異なる動的態様で前記第1図柄を動的表示可能であることを特徴とする遊技機IG3。
遊技機IG3によれば、遊技機IG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1動的態様で第1図柄が動的表示されている期間の経過状況に応じて、移行条件が成立した後の動的態様を異ならせることができるため、移行条件が成立するタイミングに対して、より遊技者に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機IG3において、前記第2期間は、前記第1期間よりも短く設定され、前記動的態様決定手段は、前記第1期間にて前記移行条件が成立した場合よりも、前記第2期間にて前記移行条件が成立した場合の方が、前記第1図柄の動的態様として、前記事前判別手段により前記特定の判別結果となる前記判別情報が記憶されていると判別された場合の方が、前記事前判別手段により前記特定の判別結果となる前記判別情報が記憶されていないと判別された場合よりも、決定し易い特殊第1動的態様を決定し易いことを特徴とする遊技機IG4。
遊技機IG4によれば、遊技機IG3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、短い期間である第2期間中に移行条件が成立した場合に、特殊第1動的態様が決定され易いため、移行条件が成立するタイミングに対して、より遊技者に興味を持たせることができるという効果がある。
<特徴IH群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための複数の図柄列で構成された識別図柄を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別図柄を動的表示した後に、前記判別結果を示すための表示態様で前記識別図柄を停止表示する表示制御手段と、前記判別手段により特定の判別結果を示すための停止表示態様で前記識別図柄が停止表示された場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記識別図柄は、第1図柄と、その第1図柄とは異なる第2図柄とを複合させて形成され、前記表示制御手段は、前記第1図柄に対する第1表示制御と、前記第2図柄に対する第1表示制御と異ならせて実行可能であることを特徴とする遊技機IH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、従来型の遊技機では、表示される図柄の態様が単調となってしまい、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、様々な態様で図柄を表示可能にすることで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IH1によれば、第1図柄と第2図柄とを複合させて形成された識別図柄を用いて判別手段の判別結果を表示可能となり、且つ、表示制御手段によって、第1図柄と第2図柄とに対して別々の表示制御を実行することができるため、表示手段に表示される識別図柄を多彩な表示態様で表示することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機IH1において、前記表示制御手段は、前記第1表示制御によって前記第1図柄が動的表示されるタイミングよりも遅らせて前記第2表示制御によって前記第2図柄を動的表示させることが可能であることを特徴とする遊技機IH2。
遊技機IH2によれば、遊技機IH1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別図柄を形成する第1図柄と、第2図柄とのうち、第2図柄が動的表示されるタイミングを遅らせることができるため、識別図柄が動的表示される際の表示態様を遊技者に注視させることができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機IH1またはIH2において、前記表示制御手段は、前記第1表示制御として、通常第1表示制御と、特定第1表示制御と、を実行可能であり、前記第2表示制御として、通常第2表示制御と、特定第2表示制御と、を実行可能であり、前記遊技機は、少なくとも、前記通常第1表示制御が実行される場合において、前記第2表示制御として、前記通常第2表示制御が実行される通常表示と、前記特定第2表示制御が実行される特定表示と、を実行可能であることを特徴とする遊技機IH3。
遊技機IH3によれば、遊技機IH1またはIH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1図柄に対して通常第1表示制御を実行する場合に、第2図柄に対して通常第2表示制御を実行する通常表示と、特定第2表示制御を実行する特定表示と、を実行可能であるため、第1図柄の動的表示と、第2図柄の動的表示と、を組み合わせることで、バリエーションの富んだ識別図柄の動的表示を実行することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機IH1からIH3の何れかにおいて、前記表示制御手段は、特定条件が成立した場合に、前記第2図柄を用いること無く、前記第1図柄のみで前記判別手段の判別結果を報知可能であることを特徴とする遊技機IH4。
遊技機IH4によれば、遊技機IH1からIH3の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立した場合に、第1図柄のみで判別手段の判別結果を報知することができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができるという効果がある。
<特徴II群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果に基づく識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別結果が特定の前記判別結果である場合に、遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報が表示される期間に前記識別情報が表示されることが可能な領域に視認可能な状態で識別図柄を配置させる動的表示手段と、前記識別図柄の動的表示パターンを決定することが可能な動的表示パターン決定手段と、を有し、前記動的表示パターン決定手段は、前記識別情報が表示される期間に前記識別図柄を動的表示させるタイミングにより、前記識別情報と配置される前記識別図柄との位置関係が特定の位置関係となることを規制可能な動的表示パターンを決定させることが可能であることを特徴とする遊技機II1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、従来型の遊技機では、表示される図柄の態様が単調となってしまい、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、様々な態様で図柄を表示可能にすることで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機II1によれば、識別図柄の動的表示開始タイミングにより判別されて、そのタイミングに合わせた動的表示パターンが決定されることで特定の位置関係となることが規制されることで設計上不都合のある位置関係となることを抑制することができ、識別図柄の動的表示タイミングを柔軟に決定することが可能となるので、より遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機II1において、前記動的表示パターン決定手段は、複数の前記識別図柄を動的表示させるための動的表示パターンを決定することが可能にされているものであることを特徴とする遊技機II2。
遊技機II2によれば、遊技機II1の奏する効果に加え、動的表示パターンによって、複数の識別図柄を動的表示させることが可能となるので、識別図柄を動的表示させるための制御負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機II1またはII2において、前記識別情報が表示される期間のうち、前記識別図柄を動的表示開始させるタイミングを決定可能な許容期間が予め設定されているものであることを特徴とする遊技機II3。
遊技機II3によれば、遊技機II1またはII2の奏する効果に加え、識別情報が表示される期間のうち、識別図柄を動的表示させるタイミングを限定することで、識別情報が表示される期間が終了した後にも識別図柄が所定の位置に配置されない不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴IJ群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は、複数の識別図柄を組み合わせて構成されており、特定条件の成立に基づいて、前記識別図柄とは異なる特殊図柄を所定の位置に配置させるための設定をすることが可能な特殊図柄設定手段と、第1の期間では、前記複数の識別図柄を特定の組み合わせで停止表示させることで前記判別結果に基づく第1演出を実行し、前記第1の期間とは異なる第2の期間では、前記特殊図柄を少なくとも含む特定の組み合わせ態様で前記特殊図柄を配置させることで前記判別結果に基づく第2演出を実行することが可能な演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機IJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、従来型の遊技機では、表示される図柄の態様が単調となってしまい、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、様々な態様で図柄を表示可能にすることで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IJ1によれば、識別図柄のみで判別結果に基づく演出を実行する期間と、特殊図柄を含む組み合わせで判別結果に基づく演出を実行する期間とを切り替えて設定することができるので、第1演出と第2演出とで遊技者が判別結果に対する期待を可変させることができ、遊技が単調となる不具合を抑制し、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機IJ1において、第1条件が成立している場合に、前記特殊図柄を含む組み合わせが形成される有効ラインと、第2条件が成立している場合に、前記特殊図柄を含む組み合わせが形成される有効ラインとが異なるようにされるものであることを特徴とする遊技機IJ2。
遊技機IJ2によれば、遊技機IJ1の奏する効果に加え、有効ラインが成立している条件により可変されるので、遊技者が識別する有効ラインを予測して遊技を行うことができ、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機IJ1またはIJ2において、前記特殊図柄が配置される期間において、前記特殊図柄と組み合わせされない前記識別図柄を通常の状態よりも視認困難な状態に可変させることが可能な可変手段を有するものであることを特徴とする遊技機IJ3。
遊技機IJ3によれば、遊技機IJ1またはIJ2の奏する効果に加え、特殊図柄と組み合わせされない識別図柄が視認困難な状態に可変されるので、遊技者が特殊図柄の組み合わせを容易に判別できるという効果がある。
<特徴IK群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させる動的表示手段と、を有した遊技機において、前記識別情報が動的表示されることが可能な期間に前記表示手段の前面側で駆動することが可能な第1駆動手段と、その第1駆動手段の所定位置を識別することが識別手段と、前記第1駆動手段を所定の駆動パターンで駆動させることが可能な駆動パターン手段と、を有し、前記駆動パターン手段は、前記駆動パターンで駆動させた場合に所定タイミングで前記所定位置が識別されないことに基づいて、実行する駆動パターンのうち、一部の実行がされないようにされていることを特徴とする遊技機IK1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、従来型の遊技機では、表示される図柄の態様が単調となってしまい、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、様々な態様で図柄を表示可能にすることで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IK1によれば、第1駆動手段を駆動パターンで駆動させる際に、所定位置を識別することができない場合には、駆動パターンのうち、一部を駆動させないことにより、第1駆動手段が他の構造物等と接触して破損してしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機IK1において、前記第1駆動手段は、回動可能な回動手段を有しており、前記識別手段は、前記回動手段の原点位置を前記所定位置として識別可能にされているものであることを特徴とする遊技機IK2。
遊技機IK2によれば、回動手段の原点位置を識別できない場合に、駆動パターンに一部が実行されないことで、回動手段が正規の位置で回動停止できずに、第1駆動手段を使用した演出が遊技者に正しく伝わらない不具合を抑制できるという効果を有する。
遊技機IK2において、前記回動手段の前面側には前記原点位置が正規の位置となる文字情報が付されていることを特徴とする遊技機IK3。
遊技機IK3によれば、遊技機IK2の奏する効果に加え、文字情報が付されていることで、原点位置に配置された場合に、遊技者に文字情報を容易に識別させることができるという効果がある。
<特徴IL群>
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて演出態様を可変させる可変演出を実行可能な可変演出実行手段と、を有した遊技機において、1の前記操作に基づいて前記可変演出により可変された前記演出態様は、異なる2以上の遊技者に有利となる特典が付与されることを報知可能にされているものであることを特徴とする遊技機IL1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)への操作内容に基づいて演出態様を可変させる操作演出を複数回実行することで、演出態様を段階的に可変させる期間演出を実行可能なものがある。そして、期間演出の演出結果として、演出態様が特定段階まで可変された場合に、遊技者に有利な特典が付与される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。しかしながら、従来型の遊技機では、期間演出の演出結果のみが予め決定されており、各操作演出の演出結果が予め決定されていないため、期間演出中に実行される複数回の操作演出の全てを用いること無く、期間演出の演出結果に対応する段階まで演出態様が可変されてしまい、期間演出の演出結果が低下してしまう問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、演出中における操作手段への操作意欲を高め、遊技者の遊技に対する興趣を向上させる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IL1によれば、1の操作に基づいて2以上の遊技者に有利となる特典が報知可能にされているので、操作手段を操作することによる特典を増大させることが可能となり遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機IL1において、情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための態様で前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与することが可能な特典付与手段と、前記判別手段により判別が実行されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段により前記特定の判別結果と判別される場合に、前記前記演出態様が予め定められた報知態様に可変されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機IL2。
遊技機IL2によれば、遊技機IL1の奏する効果に加え、演出態様が報知態様に可変されることで、事前に特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、演出態様の可変に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機IL1またはIL2のいずれかにおいて、前記演出態様の可変は、複数段階に分けて実行されるものであり、前記回数における演出の可変が終了した後に、前記複数段階の可変タイミングにおける情報に基づいた追加演出が追加可能に構成されていることを特徴とする遊技機IL3。
遊技機IL3によれば、遊技機IL1からIL3のいずれかにおいて、複数段階の可変タイミングにおける情報に基づいて追加演出が実行されるので、演出態様の可変に対応させた演出を実行することができるという効果がある。
<特徴IM群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別の結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に遊技者に特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、遊技の制御に必要な第1情報値を決定可能な第1情報値決定手段と、遊技の制御に必要な第2情報値を決定可能な第2情報値決定手段と、前記第1情報値と前記第2情報値とに基づいて特定条件が成立する場合に特殊処理を実行することが可能な特殊処理実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機IM1。
従来より、設定されている遊技状態と、特別図柄抽選の結果とに基づいて、異なる変動パターン(変動時間)を決定することで、単位時間当たりに実行させることが可能となる特別図柄抽選の回数を、遊技状態に応じて異ならせるように構成し、遊技者に対して、単位時間当たりに実行させることが可能な特別図柄抽選の回数が多くなる遊技状態が設定されることを目指して意欲的に遊技を行わせる遊技機が提案されており、大当たり遊技が終了してから実行される特別図柄変動の回数に基づいて、異なる変動パターン(変動時間)が決定されるように構成することで、同一の遊技状態で長時間の遊技を実行している遊技者に対して、飽きの来ない遊技を実行可能に構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。このような従来型の遊技機において、様々な変動パターン(変動時間)を決定可能とするために、変動時間に関する情報を複数決定可能にし、決定された複数の情報に含まれる変動時間を合算することで変動パターンを決定するように構成された遊技機がある。このような遊技機では、複数の変動時間を組み合わせることにより、様々な変動パターンを決定することができ、遊技者に対して飽きの来ない遊技を実行させることが可能となるが、例えば、組み合わされる複数の変動時間として、長い変動時間がそれぞれ決定された場合に、合算後の変動パターンとして長時間の変動パターンが決定されてしまうことから、変動時間を記憶するためのデータ領域として、最長となる変動パターンに対応する変動時間に関する情報を格納できるようにデータ領域を大きく確保する必要があり、遊技機のデータ領域を圧迫してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、柔軟に決定される情報値に基づく制御を実行した場合にも制御負荷を軽減することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IM1によれば、第1情報値と第2情報値とに基づいて特定条件が成立する場合に特殊処理が実行されることで、特殊処理が実行される頻度を軽減することができ、制御負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機IM1において、前記特定条件は、前記第1情報値と前記第2情報値とを加算した場合に、特定値以上となる場合に成立するものであることを特徴とする遊技機IM2。
遊技機IM2によれば、遊技機IM1の奏する効果に加え、第1情報値と第2情報値とを加算した値が特定値以上となる場合に、特殊処理が実行されるので、データ量が多いものに対して特殊処理を実行させることができるという効果がある。
遊技機IM2において、前記特殊処理は、加算した値が特定値以上であることを示す情報を付与し、前記加算した値より特定値を減算した値を示す情報を設定するための処理であることを特徴とする遊技機IM3。
遊技機IM3によれば、遊技機IM2の奏する効果に加え、特殊処理によって特定値以上であることを示す情報が付与されるので、容易に減算した値に特定値を加算することで、少ないデータ量で加算値を判別することができるという効果がある。
<特徴IN群>
所定数を上限に情報を記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数に対応させた識別図柄を、所定の態様で表示手段に表示可能な情報表示手段と、を有した遊技機において、前記情報表示手段は、前記識別図柄のうち、少なくとも一つの態様を所定の抽選情報に基づいて可変させて表示させることが可能であり、前記可変させて表示させた前記識別図柄の態様が可変させる前の状態で表示させる設定がされた場合に、再度、所定の抽選情報に基づいて可変されていた前記識別図柄を可変させて表示させることが可能にされていることを特徴とする遊技機IN1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて抽選情報を取得し、取得した抽選情報を、所定数を上限に記憶可能に構成し、記憶された抽選情報に基づいて遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成が提案されていた。また、記憶されている抽選情報の個数を遊技者に報知するための保留図柄を表示可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。上述した従来型の遊技機では、記憶されている抽選情報の個数を遊技者に報知するための保留図柄の表示態様が単調であり、演出効果を高めることが出来ないという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、演出効果が低下することを抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IN1によれば、識別図柄が例えば、電源断等のアクシデント等により初期の態様で表示された場合にも、再度、可変して表示されることが可能に設定されているので、演出効果が低下することを抑制できるという効果がある。
遊技機IN1において、前記情報表示手段は、前記識別図柄が可変されて表示されている状態で、電源が断した後に、電源が再度供給された場合に、前記可変されていた前記識別図柄を初期状態の前記識別図柄で表示させた後に、可変条件の成立に基づいて前記識別図柄を可変させて表示させることが可能にされているものであることを特徴とする遊技機IN2。
遊技機IN2によれば、遊技機IN1の奏する効果に加え、電源が復旧した後に、識別図柄を再度可変させることができるので、遊技者が可変していた識別図柄に対して興味を継続して持たせることができるという効果がある。
遊技機IN1またはIN2において、前記識別図柄は、特定の周期で動的表示されて表示されるものであり、前記可変されて表示された識別図柄は、可変される前の識別図柄とは異なる動的表示態様で表示されるものであることを特徴とする遊技機IN3。
遊技機IN3によれば、遊技機IN1またはIN2の奏する効果に加え、遊技者に可変された識別図柄であることを動的表示態様から識別し易くでき、遊技者が見逃す不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴IO群>
遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、遊技球は前記特定領域へ入球させることが可能な領域へと遊技球を発射させるための案内報知を実行可能な報知実行手段と、を有した遊技機において、前記遊技機は、前記案内報知が実行された後に成立した実行条件により実行される演出が開始されるまでの期間を遅延させることが可能にされていることを特徴とする遊技機IO1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IO1によれば、案内報知が実行されてから開始が成立した演出が開始されるまでの期間を遅延せることができるため、案内報知を最適な期間で実行させることが可能となり遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<5077系の特徴群>
<特徴JA群>(不利な第1遊技状態において特定の抽選結果となった場合に、当たりを介さずに実質的な大当たり確率が第1遊技状態よりも高い第2遊技状態を設定する)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、第1の設定条件の成立に基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記特典遊技を介さずに前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機JA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、当たり遊技の終了後に、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態を設定することで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、当たり遊技の実行が終了した後に設定される遊技状態として、有利度合いが異なる複数の遊技状態を設ける構成とすることで、当たり遊技の終了後の遊技状態として、より有利度合いが高い遊技状態が設定されることを期待させる遊技性を実現しているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利度合いが比較的低い遊技状態に設定された場合、当たり遊技が実行されない限り、より有利度合いが高い遊技状態へと移行する可能性が無いため、当たり遊技が実行されることのみを期待する遊技性となってしまい、遊技が単調になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機JA1によれば、第1遊技状態では、特典遊技を介さずに有利度合いが高い第2遊技状態が設定されるので、遊技者に対して特定の判別結果に加え、第2の設定条件が成立することにも期待させることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機JA1において、前記第2の設定条件は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果となった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機JA2。
遊技機JA2によれば、遊技機JA1の奏する効果に加え、判別手段の判別が実行された場合に、遊技者に対して特定の判別結果となることに加え、第1の判別結果となることにも期待させることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JA1又はJA2において、前記第2遊技状態において、当該第2遊技状態の遊技方法を遊技者に対して示唆可能な特定表示を表示させることが可能な表示制御手段を備え、前記第1遊技状態は、前記特典遊技が実行される割合が、前記判別手段の判別1回あたり第1の割合となる遊技状態であり、前記第2遊技状態は、少なくとも前記特定表示により示唆される遊技方法で遊技を行った場合に、前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記特典遊技が実行され得る遊技状態であることを特徴とする遊技機JA3。
遊技機JA3によれば、遊技機JA1又はJA2の奏する効果に加え、特典遊技を介さずに、特典遊技が比較的実行され難い遊技状態から実行され易い遊技状態に移行するという極めて斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JA3において、前記判別手段は、前記判別条件として予め定められた第1の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記判別条件として前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されており、前記第1判別手段の判別が実行されると、前記第1の割合で前記特典遊技が実行され、前記第2判別手段の判別が実行されると、実質的に前記第1の割合よりも高い割合で前記特典遊技が実行されることを特徴とする遊技機JA4。
遊技機JA4によれば、遊技機JA3の奏する効果に加え、第1判別手段の判別が実行されるか、第2判別手段の判別が実行されるかによって特典遊技が実行される割合が異なるので、第2判別手段の判別が実行されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機JA4において、前記第1遊技状態は、前記第2の判別条件が成立困難な遊技状態であり、前記第2遊技状態は、前記特定表示により示唆される遊技方法で遊技を行った場合に、成立する前記判別条件のうち特定割合が前記第2の判別条件となることで、前記第2の割合で前記特典遊技が実行される遊技状態であることを特徴とする遊技機JA5。
遊技機JA5によれば、遊技機JA4の奏する効果に加え、遊技状態によって第2の判別条件が成立する割合を可変させて遊技状態毎に特典遊技が実行される割合を異ならせることができるという効果がある。
遊技機JA5において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1判別手段の判別に用いる第1判別情報を取得可能な第1情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第2判別手段の判別に用いる第2判別情報を取得可能な第2情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて特定の判別を実行する特定判別手段と、その特定判別手段の判別結果が所定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、前記第1位置へと可変される期間が前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1期間に設定される第1可変遊技と、前記第2入球手段へと遊技球が入球困難となる第2期間に設定される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段と、を備え、前記第1遊技状態は、前記第2可変遊技が決定され得ない遊技状態であり、前記第2遊技状態は、所定割合で前記第2可変遊技が決定される遊技状態であることを特徴とする遊技機JA6。
遊技機JA6によれば、遊技機JA5の奏する効果に加え、第1遊技状態であるか、第2遊技状態であるかによって第2入球手段へと遊技球を入球させることができるか否かが可変するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機JA6において、前記第1入球手段は、前記通過手段を通過した遊技球が入球可能な位置に設けられていることを特徴とする遊技機JA7。
遊技機JA7によれば、特定判別手段の判別と第1判別手段の判別とを毎回略同時に実行させることができるという効果がある。
遊技機JA7において、前記第2の割合は、前記第1判別手段の判別で特定の判別結果となる割合と、前記特定判別手段の判別で所定の判別結果となり、前記種別決定手段により前記第1可変遊技が決定され、当該第1可変遊技の実行中に前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて実行される前記第2判別手段の判別で前記特典遊技が実行される割合と、の合算であることを特徴とする遊技機JA8。
遊技機JA8によれば、遊技機JA7の奏する効果に加え、第2遊技状態では、第1遊技状態と同様に第1入球手段を狙って遊技球を発射することで、第1判別手段の判別で特典遊技が実行されることを期待できる上に、第1可変遊技が実行されて第2入球手段へと遊技球が入球し、第2判別手段の判別で特典遊技が実行されることも期待できる特殊な柚木状態を形成するので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴JB群>(第1契機で設定された時短状態では第1タイミングで時短回数が更新され、第2契機で設定された時短状態では第2タイミングで更新される)
予め定められた第1の設定条件と、その第1の設定条件とは異なる第2の設定条件とのうちいずれかの設定条件が成立したことに基づいて、遊技者に有利な第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた更新条件が成立したことに基づいて、特定のカウンタ値を所定の更新規則に従って更新する更新手段と、その更新手段により前記特定のカウンタ値が予め定められた特定値に更新されたことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記第1の設定条件の成立を契機として設定された前記第1遊技状態では、前記更新条件として第1の更新条件が成立したことに少なくとも基づいて前記更新手段により前記特定のカウンタ値が更新され得る構成であり、前記第2の設定条件の成立を契機として設定された前記第1遊技状態では、前記更新条件として前記第1の更新条件とは異なる第2の更新条件が成立したことに少なくとも基づいて前記更新手段により前記特定のカウンタ値が更新され得る構成であることを特徴とする遊技機JB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、所定契機で所定のカウンタ(例えば、時短回数をカウントするカウンタ)に対して所定の初期値を設定し、カウンタ値が特定値となるまで更新処理を行うものが存在する(例えば、特許文献1:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、より好適なカウンタ値の更新方法が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、当たり遊技の実行を設定する際の遊技状態に応じて、当たり遊技終了後の遊技状態の有利度合いを異ならせることが可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、係る遊技機においては、同一の遊技状態で同一の当たり遊技の実行が設定された場合に、当たり遊技終了後の遊技状態として必ず同一の遊技状態が設定されてしまうため、例えば、遊技者に有利な遊技状態として、終了条件を異ならせることで同一の遊技状態でありながら当たり遊技の実行可能性が異なる複数の状態を設ける構成とした場合に、当たり遊技の実行可能性以外の有利度合いに差をつけることが困難になってしまうという問題点がある。
これに対して遊技機JB1によれば、第1遊技状態が設定された契機に応じて特定のカウンタ値の更新タイミングを異ならせることができるので、特定のカウンタ値をより好適に更新することができるという効果がある。
遊技機JB1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段と、を備え、前記第1遊技状態において前記第1特典遊技のが実行が設定された場合と、前記第2遊技状態において前記第1特典遊技の実行が設定された場合とで、有利度合いを異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機JB2。
遊技機JB2によれば、遊技機JB1の奏する効果に加え、第1特典遊技の実行が設定されるタイミングが第1遊技状態であるか第2遊技状態であるかによって有利度合いが可変するので、第1特典遊技が実行されるタイミングに注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機JB2において、前記第1の設定条件の成立を契機として設定された前記第1遊技状態では、前記第2の設定条件の成立を契機として設定された前記第1遊技状態よりも、前記第1遊技状態において前記第1特典遊技の実行を設定させることが困難であることを特徴とする遊技機JB3。
遊技機JB3によれば、遊技機JB2の奏する効果に加え、第1の設定条件の成立を契機として設定された第1遊技状態であるか、第2の設定条件の成立を契機として設定された第1遊技状態であるかによって第1遊技状態の間における第1特典遊技の実行され易さを異ならせることができるので、設定条件に応じて第1遊技状態の有利度合いを異ならせることができるという効果がある。
遊技機JB2又はJB3において、前記第1の更新条件は、前記判別条件が成立してから新たな判別条件が成立し得る状態となるまでの間における予め定められた第1タイミングで成立し得る条件であり、前記第2の更新条件は、前記判別条件が成立してから新たな判別条件が成立し得る状態となるまでの間において前記第1タイミングよりも後のタイミングである第2タイミングで成立し得る条件であり、前記特典遊技は、前記第1タイミングよりも後のタイミングであり、前記第2タイミングよりも前のタイミングである第3タイミングで実行が設定され得る構成であることを特徴とする遊技機JB4。
遊技機JB4によれば、遊技機JB2又はJB3の奏する効果に加え、第1遊技状態において特典遊技の実行が設定される場合に、第2タイミングで特定のカウンタ値が更新される第1遊技状態であれば、特定のカウンタ値が更新される前に特典遊技の実行を設定することができるため第1遊技状態の間に特典遊技の実行を設定し易くなる一方で、第1タイミングで特定のカウンタ値が更新される第1遊技状態であれば、特定のカウンタ値が更新された後で特典遊技の実行が設定されるため、第1遊技状態の間に特典遊技の実行を比較的設定し難くなるという効果がある。
遊技機JB4において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも前記入球手段へと遊技球が入球困難な第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記可変遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記特典遊技の実行を設定する特典遊技実行設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機JB5。
遊技機JB5によれば、遊技機JB4の奏する効果に加え、可変遊技の実行中に入球手段へと遊技球が入球した場合に特典遊技の実行が設定されるので、入球手段へと遊技球が入球するか否かに注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機JB5において、前記第1タイミングは、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となってから前記可変手段が前記第1位置へと可変されるまでの間のタイミングであり、前記第2タイミングは、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて実行された前記可変遊技において前記入球手段へと遊技球が入球したタイミングよりも少なくとも後のタイミングあることを特徴とする遊技機JB6。
遊技機JB6によれば、遊技機JB5の奏する効果に加え、第1遊技状態において第1の判別結果となって可変遊技が実行される場合に、第2タイミングで特定のカウンタ値が更新される第1遊技状態であれば、特定のカウンタ値が更新される前に特典遊技の実行を設定することができるため第1遊技状態の間に特典遊技の実行を設定し易くなる一方で、第1タイミングで特定のカウンタ値が更新される第1遊技状態であれば、特定のカウンタ値が更新された後で特典遊技の実行が設定されるため、第1遊技状態の間に特典遊技の実行を比較的設定し難くなるという効果がある。
遊技機JB1からJB6のいずれかにおいて、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも有利度合いが高い遊技状態であることを特徴とする遊技機JB7。
遊技機JB7によれば、遊技機JB1からJB6のいずれかが奏する効果に加え、第1遊技状態の方が第2遊技状態よりも有利度合いが高い遊技状態であるので、特定のカウンタ値が特定値に更新されないことを遊技者に願わせることができるという効果がある。
<特徴JC群>(有利な第1遊技状態において第1条件と、その第1条件とは異なる第2条件と、を少なくとも含む複数の条件の全てが成立したことに基づいて、不利な第2遊技状態を設定する)
所定の設定条件の成立に基づいて遊技者に有利な第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定された後で、予め定められた第1条件と、その第1条件とは異なる第2条件と、を少なくとも含む複数の条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機JC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、当たり遊技の終了後に、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態を設定することで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが高い遊技状態が設定されている状況下で予め定められた複数の終了条件のうち1の条件が成立することで有利な遊技状態が終了されて不利な遊技状態へと移行するものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、他の条件の成立状況とは無関係に、複数の終了条件のうち1の終了条件が成立した時点で有利な遊技状態が終了されてしまうため、他の終了条件が成立するまでに比較的余裕がある状況であるにもかかわらず、1の終了条件が成立しただけで有利な遊技状態が終了されてしまい、遊技者に対して理不尽感を抱かせてしまう可能性がある。
これに対して遊技機JC1によれば、複数の条件が成立するまで有利度合いの高い第1遊技状態が継続するので、複数の条件の成立状況に注目する斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機JC1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1条件は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった場合に成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JC2。
遊技機JC2によれば、遊技機JC1の奏する効果に加え、第1遊技状態において、第1の判別結果となること、および第2の判別結果とならないことを期待させることができるので、判別手段の判別結果により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機JC2において、前記第2条件は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とも前記第2の判別結果とも異なる第3の判別結果となった場合に成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JC3。
遊技機JC3によれば、遊技機JC2の奏する効果に加え、先に第1条件が成立した後は、第3の判別結果とならないことをより強く期待させることができる一方で、先に第2条件が成立した場合は、第2の判別結果とならないことをより強く期待させることができるので、条件の成立順に応じて異なる判別結果を避けたいと思わせることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JC3において、前記第1条件は、前記第1遊技状態が設定された後で予め定められた第1回数、前記第2の判別結果になった場合に成立する条件であり、前記第2条件は、前記第1遊技状態が設定された後で予め定められた第2回数、前記第2の判別結果になった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機JC4。
遊技機JC4によれば、遊技機JC3の奏する効果に加え、第2判別結果になった回数、および第3判別結果となった回数の両方に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JC1からJC4のいずれかにおいて、前記第1遊技状態が設定された後で、前記複数の条件が成立する順序によらず、前記複数の条件のうち少なくとも1の条件が未成立の状態である間は前記第1遊技状態を維持可能であることを特徴とする遊技機JC5。
遊技機JC5によれば、遊技機JC1からJC4のいずれかが奏する効果に加え、少なくとも1の条件が未成立の間は、条件の成立順によらず有利な第1遊技状態が維持されるので、全ての条件が成立しないことを強く期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機JC4において、前記第1遊技状態が設定された後で前記第1条件が成立し、且つ、前記第2条件が未成立の状況において、前記第2の判別結果の回数が前記第1回数よりも多い第3回数になったことに基づいて、前記第3の判別結果の回数が前記第2回数とは異なる第4回数になった場合に第2条件が成立するように変更する変更手段を備えることを特徴とする遊技機JC6。
遊技機JC6によれば、遊技機JC4の奏する効果に加え、第1条件の成立後も第2の判別結果となり続けて第2の判別結果の回数が第3回数に到達した場合に、第2条件を成立させるための第3の判別結果の回数を異ならせることができるので、第1条件の成立後においては、第2の判別結果の回数が第3回数に到達するか否かにより注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JC6において、前記第4回数は、前記第2回数よりも多い回数であることを特徴とする遊技機JC7。
遊技機JC7によれば、遊技機JC6の奏する効果に加え、第2の判別結果の回数が第3回数に到達することで、第2条件を成立させるために要する第3の判別結果の規定回数が増加し、第1遊技状態が長く継続し易くなるので、第1条件が成立するまでは、第2の判別結果とならないことを期待させる遊技性とし、第1条件の成立後は、第2の判別結果となることを期待させる遊技性とすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JC1からJC7のいずれかにおいて、前記第2遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において前記複数の条件のいずれとも異なる予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記複数の条件の成立状況によらず、前記第2遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機JC8。
遊技機JC8によれば、遊技機JC1からJC7の何れかが奏する効果に加え、第1遊技状態において特定条件が成立すると、複数の条件の成立状況によらずに強制的に第2遊技状態が設定されるので、第1遊技状態が極端に長く継続しすぎてしまい、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機JC8において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記特定条件は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とならずに予め定められた特定回数実行されたことに基づいて成立する条件であることを特徴とする遊技機JC9。
遊技機JC9によれば、第1遊技状態を特定回数以内の判別回数で終了させることができるので、遊技者にとって過剰に有利となり過ぎてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴JD群>(時短状態を終了させ得る第1条件が成立する可能性を示唆する演出と、第2条件が成立する可能性を示唆する演出と、をそれぞれ独立して実行可能)
所定の設定条件の成立に基づいて遊技者に有利な第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態を終了させ得る第1条件が成立したか判別する第1条件判別手段と、前記第1遊技状態を終了させ得る条件であって前記第1条件とは異なる条件である第2条件が成立したか判別する第2条件判別手段と、前記第1条件が成立する可能性を示唆可能な第1演出と、前記第2条件が成立する可能性を示唆可能な第2演出と、を少なくとも実行可能な演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機JD1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、より好適な演出態様を実現することが求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが異なる複数の遊技状態のそれぞれに対応する演出態様の演出を実行可能に構成されていると共に、有利度合いが高い遊技状態の少なくとも一部において、当該遊技状態の終了条件が成立する可能性(遊技回数)を示す報知を行うことが可能に構成されたものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、複数の終了条件が設けられていたとしても、最も成立し易い1の終了条件の成立可能性のみを報知するのが通常であるため、他の終了条件の成立可能性を遊技者が把握困難となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機JD1によれば、第1演出と第2演出とを確認することで、第1遊技状態が終了される可能性を遊技者に対してより正確に把握させることができるので、好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機JD1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段を備え、前記第1条件は、前記判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて成立し得る条件であり、前記第2条件は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JD2。
遊技機JD2によれば、遊技機JD1の奏する効果に加え、第1遊技状態において、判別手段の判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機JD2において、前記第1条件は、1の前記第1遊技状態において予め定められた第1回数、前記第1の判別結果となったことに基づいて成立する条件であり、前記第2条件は、1の前記第1遊技状態において予め定められた第2回数、前記第2の判別結果となったことに基づいて成立する条件であることを特徴とする遊技機JD3。
遊技機JD3によれば、遊技機JD2の奏する効果に加え、第1遊技状態において、第1の判別結果の回数と第2の判別結果の回数とにそれぞれ注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JD3において、前記第1演出は、1の前記第1遊技状態において前記第1の判別結果となった回数に応じて演出態様が可変し得る演出であり、前記第2演出は、1の前記第1遊技状態において前記第2の判別結果となった回数に応じて演出態様が可変し得る演出であることを特徴とする遊技機JD4。
遊技機JD4によれば、第1演出および第2演出を確認することで、第1の判別結果となった回数および第2の判別結果となった回数を推測することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機JD3又はJD4において、前記第1遊技状態として、前記第1回数と前記第2回数とのうち少なくとも一方が互いに異なる回数に設定される複数が設けられており、前記第1遊技状態が設定されるよりも前に、当該第1遊技状態において設定される前記第1回数と前記第2回数とのうち少なくとも一方を遊技者に示唆可能な示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機JD5。
遊技機JD5によれば、第1遊技状態にバリエーションを設けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JD3からJD5のいずれかにおいて、前記判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段を備え、前記第1の判別結果と前記第2の判別結果とは、いずれも前記特定の判別結果とは少なくとも異なる判別結果であることを特徴とする遊技機JD6。
遊技機JD6によれば、遊技機JD3からJD5のいずれかが奏する効果に加え、第1の判別結果も第2の判別結果も特定の判別結果とは異なる条件であるので、第1遊技状態において特定の判別結果となることを強く期待させることができるという効果がある。
遊技機JD1からJD6のいずれかにおいて、前記第1遊技状態は、前記第1条件と前記第2条件との一方が成立したとしても、他方が成立していない間は継続され得る遊技状態で構成されていることを特徴とする遊技機JD7。
遊技機JD7によれば、遊技機JD1からJD6のいずれかが奏する効果に加え、第1条件と第2条件との両方が成立するまで第1遊技状態が継続され得る斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴JE群>(第1遊技状態が設定された場合と、その第1遊技状態とは時短回数が異なる第2遊技状態が設定された場合とで、特図2の抽選回数を共通化する)
取得条件の成立に基づいて判別情報を取得する判別情報取得手段と、判別条件の成立に基づいて、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1の形成条件の成立に基づいて第1状態を形成する第1状態形成手段と、前記第1の形成条件とは異なる第2の形成条件の成立に基づいて第1状態とは異なる第2状態を形成する第2状態形成手段と、前記第1状態が形成された後で予め定められた第1条件が成立したことに基づいて、前記取得条件が成立し難い特定状態を形成する第1特定状態形成手段と、前記第2状態が形成された後で前記第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、前記特定状態を形成する第2特定状態形成手段と、を備え、前記第1状態が設定されてから、前記特定状態が形成されるよりも前に取得された全ての前記判別情報を用いた判別が終了するまでの間の前記判別手段の判別回数が、前記第2状態が設定されてから、前記特定状態が形成されるよりも前に取得された全ての前記判別情報を用いた判別が終了するまでの間の前記判別手段の判別回数に一致し得る構成であることを特徴とする遊技機JE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、当たり遊技の終了後に、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態を設定することで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、始動入賞口として、有利度合いが比較的低い抽選が実行される第1始動口と、有利度合いが比較的高い抽選が実行される第2始動口と、を設け、第2始動口への入賞に基づいて実行される第2特別図柄の抽選が実行され難い不利な遊技状態と、第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態と、を形成可能に構成されているものも存在する。係る従来型の遊技機においては、有利な遊技状態に移行して殻実行された第2特別図柄の抽選回数が規定回数に到達することにより、有利な遊技状態が終了されて不利な遊技状態に設定されるものが通常である。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利度合いが高い複数の状態において、終了条件が成立して不利な遊技状態に設定されるまでの第2特別図柄の抽選機会を共通化することが困難となる虞がある。
これに対して遊技機JE1によれば、異なる状態にもかかわらず同じ回数の判別を実行可能となるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機JE1において、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段を備え、前記第1状態は、前記第1遊技状態が設定されたことに基づいて形成され得る状態であり、前記第2状態は、前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて形成され得る状態であることを特徴とする遊技機JE2。
遊技機JE2によれば、遊技機JE1の奏する効果に加え、異なる遊技状態が設定されているにもかかわらず、第1状態と第2状態とで判別手段の判別回数を共通化することができるという効果がある。
遊技機JE2において、前記第1遊技状態において第1回数の前記判別手段の判別が実行されたことに基づいて、前記第1遊技状態とも前記第2遊技状態とも異なる第3遊技状態を設定可能な第3遊技状態設定手段を備え、前記第2遊技状態は、前記第1回数よりも多い第2回数の前記判別手段の判別を実行可能な遊技状態であり、前記第3遊技状態は、前記第2回数よりも少ない第3回数の前記判別手段の判別を実行可能な遊技状態であることを特徴とする遊技機JE3。
遊技機JE3によれば、第2状態が形成されると、第2遊技状態において第1回数の判別を実行した後で第3遊技状態において第3回数の判別を実行させることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機JE3において、前記第1条件は、前記第3遊技状態において前記第3回数の前記判別手段の判別が実行された場合に成立し得る条件であり、前記第2条件は、前記第2遊技状態において前記第2回数の前記判別手段の判別が実行された場合に成立し得る条件であり、前記第2回数は、前記第1回数と前記第3回数との和に一致することを特徴とする遊技機JE4。
遊技機JE4によれば、第1状態と第2状態とで、判別手段の判別回数を確実に一致させることができるという効果がある。
遊技機JE3又はJE4において、前記判別情報取得手段は、第1の取得条件の成立に基づいて第1の判別情報を取得し、前記第1の取得条件とは異なる第2の取得条件の成立に基づいて第2の判別情報を取得することが可能であり、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて前記第1の判別情報を用いて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて前記第2の判別情報を用いて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されており、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも有利度合いが高く構成され、前記第3遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において前記第1回数の前記第2判別手段の判別が実行されたことに基づいて、前記第3遊技状態を設定可能であり、前記第2遊技状態は、前記第2回数の前記第2判別手段の判別を実行可能な遊技状態であり、前記第3遊技状態は、前記第3回数の前記第2判別手段の判別を実行可能な遊技状態であることを特徴とする遊技機JE5。
遊技機JE5によれば、有利度合いが高い第2判別手段の判別回数を、第1状態と第2状態とで共通化することができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JE5において、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、当該判別情報を用いた前記判別手段の判別が実行されるまで記憶可能な判別情報記憶手段を備え、前記特定状態は、前記判別情報記憶手段に前記第2の判別情報が記憶されていない前記第1遊技状態であることを特徴とする遊技機JE6。
遊技機JE6によれば、第2の判別情報を記憶させた状態で第1遊技状態が設定されれば第2の判別を実行可能な第3遊技状態が設定され得る一方で、第2の判別情報が記憶されていなければ不利な特定状態を形成するため、第1遊技状態が設定された時点における第2の判別情報の記憶数に注目させることができるという効果がある。
遊技機JE6において、前記第1の形成条件が成立する場合に、前記第1遊技状態が設定されるよりも少なくとも前に、前記第2の判別情報が前記判別情報記憶手段に対して記憶され易くなる遊技方法を報知する報知演出を実行可能な演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機JE7。
遊技機JE7によれば、遊技機JE6の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定されるよりも前に報知演出を実行して判別情報記憶手段に第2の判別情報を記憶させることができるので、第1遊技状態において第2判別手段の判別を確実に実行可能にすることができる。よって、確実に、第1状態と第2状態とで第2判別手段の判別回数を一致させることができるという効果がある。
<特徴JF群>(1種2種の時短リミット機でリミット到達後に引き戻し)
第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて前記第1の判別よりも有利度合いが高い第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、第1の設定条件の成立に基づいて、前記第2の判別条件が成立し易い第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記第2遊技状態が設定されてから特定条件が成立するまでの間、前記第2の判別が実行され易い特定状態を形成可能であることを特徴とする遊技機JF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、当たり遊技の終了後に、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態を設定することで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、当たり遊技の実行が終了した後に設定される遊技状態として、有利度合いが高い特定の遊技状態が規定回数に渡って連続して設定された後で、更に、特定の遊技状態に対応する当たり遊技が実行されたとしても、強制的に有利度合いが低い遊技状態を設定する制御を採用しているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利度合いが低い遊技状態に設定された場合、当たりとなる期待度が大きく低下してしまい、遊技者の遊技に対するモチベーションを大幅に低下させてしまうという問題点がある。
これに対して遊技機JF1によれば、有利度合いが低い第2遊技状態が設定されたにもかかわらず有利度合いが高い第2の判別が実行され易い状態を形成することができるので、第2遊技状態が設定されたことに対する失望感を軽減させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機JF1において、所定の取得条件の成立に基づいて前記第2判別手段の判別に用いるための判別情報を取得する取得手段と、その取得手段によって取得された前記判別情報を、予め定められた特定の情報数を上限として、前記第2判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記特定状態は、少なくとも前記特定の情報数よりも多い情報数の前記判別情報を用いた前記第2の判別を実行可能な状態であることを特徴とする遊技機JF2。
遊技機JF2によれば、遊技機JF1の奏する効果に加え、特定状態が形成されることで、比較的多い回数の第2の判別が実行されるため、特定状態が形成された場合に遊技者を喜ばせることができるという効果がある。
遊技機JF1又はJF2において、前記特典遊技の終了後の遊技状態として、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を決定する遊技状態決定手段を備え、前記第1遊技状態は、予め定められた第1条件が成立していない状態で前記特定の判別結果となった場合に、前記遊技状態決定手段により前記第2遊技状態よりも前記第1遊技状態が決定され易くなり、前記第1条件が成立している状態で前記特定の判別結果となった場合に、前記第1条件が成立していない状態よりも、前記遊技状態決定手段により前記第2遊技状態が決定され易くなる遊技状態であることを特徴とする遊技機JF3。
遊技機JF3によれば、遊技機JF1又はJF2の奏する効果に加え、第1遊技状態において第1条件が成立していない間に特定の判別結果となることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JF3において、前記第1条件は、予め定められた特定回数の前記特典遊技に渡って連続して、前記遊技状態決定手段によって前記第1遊技状態が決定されたことに基づいて成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JF4。
遊技機JF4によれば、遊技機JF3の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定されると、特定回数の特典遊技に渡って連続して、有利な第1遊技状態に設定され易い極めて有利な状況を形成するので、第1遊技状態が設定された場合に遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機JF1からJF4のいずれかにおいて、前記第2遊技状態において予め定められた第2条件が成立したことに基づいて、前記第2の判別条件が成立し易い第3遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段を備え、前記第2の設定条件の成立に基づいて設定された前記第2遊技状態では、前記第2の設定条件とは異なる設定条件の成立に基づいて設定された前記第2遊技状態よりも前記第2条件が成立し易くなる構成であることを特徴とする遊技機JF5。
遊技機JF5によれば、遊技機JF1からJF4のいずれかが奏する効果に加え、第2の設定条件の成立に基づいて設定された第2遊技状態の有利度合いを、他の契機で設定された第2遊技状態よりも高くすることができる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機JF5において、前記第2条件は、前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別で前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果となったことに基づいて成立する条件であることを特徴とする遊技機JF6。
遊技機JF6によれば、遊技機JF5の奏する効果に加え、第2遊技状態において第2判別手段の判別が実行された場合に、判別結果により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機JF6において、前記第1判別手段の判別は、前記第1判別結果となり得ない判別であることを特徴とする遊技機JF7。
遊技機JF7によれば、遊技機JF6の奏する効果に加え、第1判別手段の判別が実行されても第1判別結果とならないため、第2遊技状態において第2判別手段の判別が実行されることをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機JF6又はJF7において、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別結果とならなかった場合に前記特典遊技の実行が実質的に確定する構成であることを特徴とする遊技機JF8。
遊技機JF8によれば、遊技機JF6又はJF7の奏する効果に加え、第2判別手段の判別が第2遊技状態において実行されると、特典遊技が実行されるか、第3遊技状態が実行されるかのどちらかであるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JF8において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第2判別手段の判別結果が予め定められた第2判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変する可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記可変遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、を備え、前記第1判別手段の判別は、前記第2判別結果となり得ない判別であり、前記第2判別手段の判別は、前記特定の判別結果と前記第1判別結果と前記第2判別結果とのいずれかになる判別であることを特徴とする遊技機JF9。
遊技機JF9によれば、遊技機JF8の奏する効果に加え、第2遊技状態において第2判別手段の判別が実行されると、特定の判別結果となって特典遊技が実行されるか、第1判別結果となって第3遊技状態が設定されるか、第2判別結果となって可変遊技が実行されるので、第1の判別結果にも第2の判別結果にもなり得ない第1判別手段の判別に比較して、極めて有利度合いを高くすることができる。よって、第2判別手段の判別が実行された場合に、遊技者に対して大きな期待感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴JG群>(遊技状態が変更されてから変更前の遊技状態で獲得した保留球が消化されるまでの期間で所定演出を実行)
所定の設定条件が成立したことに基づいて遊技者に有利な第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されたことに基づいて第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、その第1演出の実行中に予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態であることを遊技者が認識可能な演出態様で構成された第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機JG1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、より好適な演出態様を実現することが求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが異なる複数の遊技状態を設け、遊技状態毎に対応する演出態様の演出を実行可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、1の遊技状態が終了されて設定されたと同時に設定された遊技状態に対応する演出を実行し、当該設定された遊技状態に対応する遊技方法の遊技を遊技者が即座に開始してしまうと、演出を好適に設定することが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機JG1によれば、第2演出を確認することで、第1遊技状態が設定されたことを遊技者に対して認識させることができるので、演出を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機JG1において、所定の取得条件の成立に基づいて判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、前記判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1遊技状態に設定された時点で前記判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別が終了した後で成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JG2。
遊技機JG2によれば、遊技機JG1の奏する効果に加え、判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別が終了してから第2演出を実行することができるので、判別情報記憶手段に判別情報が記憶されている間に第1遊技状態に対応する遊技を開始してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機JG2において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段において動的表示させる動的表示手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1遊技状態に設定された時点で前記判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別に基づく前記識別情報の動的表示が終了した後で成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JG3。
遊技機JG3によれば、遊技機JG2の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定されるよりも前に取得された判別情報に基づく識別情報の動的表示の実行中に遊技者が第1遊技状態に対応する遊技を開始してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機JG2又はJG3において、前記第1遊技状態が設定された後で実行された前記判別手段の判別の回数が予め定められた特定回数となった場合に成立する第1の終了条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態を終了させて前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第1終了手段と、前記第1遊技状態において前記第1の終了条件とは異なる第2の終了条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態を終了させて前記第2遊技状態を設定する第2終了手段と、を備え、前記第1遊技状態は、当該第1遊技状態に設定された直後に前記第1遊技状態に対応する遊技方法で遊技を行った場合と、前記第1遊技状態に設定された時点で前記判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別が終了した後で前記第1遊技状態に対応する遊技方法で遊技を行った場合とで、いずれも前記第1の終了条件が成立するよりも前に前記第2の終了条件が成立し易くなることを特徴とする遊技機JG4。
遊技機JG4によれば、遊技機JG2又はJG3の奏する効果に加え、第1演出の間、遊技者が遊技を行わずに第1演出を確認し続け、第2演出の開始に基づいて第1遊技状態に対応する遊技方法の遊技を行ったとしても、遊技者が損をすることを抑制することができるという効果がある。
遊技機JG1からJG4のいずれかにおいて、前記第1演出は、前記第1遊技状態が設定されていないと遊技者に思わせ得る演出態様で構成されていることを特徴とする遊技機JG5。
遊技機JG5によれば、遊技機JG1からJG4のいずれかが奏する効果に加え、第2演出が実行されるまで、第1遊技状態が設定されていないと遊技者に思わせることができるので、特定の実行条件が成立するよりも前に遊技者が第1遊技状態に対応する遊技を開始してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴JH群>(所定の遊技状態を終了させ得る特定条件が成立する可能性を示唆する演出)
所定の設定条件の成立に基づいて遊技者に有利な第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態を終了させ得る第1条件が成立したか判別する条件判別手段と、前記第1条件が成立する可能性を示唆可能な第1演出を少なくとも実行可能な演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機JH1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、より好適な演出態様を実現することが求められていた。
これに対して遊技機JH1によれば、第1演出を確認することで、第1遊技状態が終了される可能性を遊技者に把握させることができるので、好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機JH1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段を備え、前記第1条件は、前記判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JH2。
遊技機JH2によれば、遊技機JH1の奏する効果に加え、第1遊技状態において、判別手段の判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機JH2において、前記第1条件は、1の前記第1遊技状態において予め定められた第1回数、前記第1の判別結果となったことに基づいて成立する条件であることを特徴とする遊技機JH3。
遊技機JH3によれば、遊技機JH2の奏する効果に加え、第1遊技状態において、第1の判別結果の回数に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JH3において、前記第1遊技状態を終了させ得る条件であって前記第1条件とは異なる第2条件が成立したか判別可能な第2条件判別手段と、前記第2条件が成立する可能性を示唆可能な第2演出を実行可能な第2演出実行手段と、を備え、前記第2条件は、1の前記第1遊技状態において前記判別手段の判別結果が予め定められた第2回数、前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて成立する条件であることを特徴とする遊技機JH4。
遊技機JH4によれば、遊技機JH3の奏する効果に加え、第1遊技状態において、第1の判別結果の回数と第2の判別結果の回数との両方に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JH4において、前記第1演出は、1の前記第1遊技状態において前記第1の判別結果となった回数に応じて演出態様が可変し得る演出であり、前記第2演出は、1の前記第1遊技状態において前記第2の判別結果となった回数に応じて演出態様が可変し得る演出であることを特徴とする遊技機JH5。
遊技機JH5によれば、第1演出および第2演出を確認することで、第1の判別結果となった回数および第2の判別結果となった回数を推測することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴JI群>(遊技状態が変更された後の所定期間で所定演出を実行)
所定の設定条件が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されたことに基づいて第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、その第1演出の実行中に予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1演出とは異なる演出態様の第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機JI1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、より好適な演出態様を実現することが求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが異なる複数の遊技状態を設け、遊技状態毎に対応する演出態様の演出を実行可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、1の遊技状態が終了されて設定されたと同時に設定された遊技状態に対応する演出を実行し、当該設定された遊技状態に対応する遊技方法の遊技を遊技者が即座に開始してしまうと、演出を好適に設定することが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機JI1によれば、演出を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機JI1において、前記第2演出は、前記第1遊技状態であることを遊技者が認識可能な演出態様で構成されていることを特徴とする遊技機JI2。
遊技機JI2によれば、遊技機JI1の奏する効果に加え、第2演出を確認することで、第1遊技状態が設定されたことを遊技者に対して認識させることができるという効果がある。
遊技機JI1又はJI2において、所定の取得条件の成立に基づいて判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、前記判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1遊技状態に設定された時点で前記判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別が終了した後で成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JI3。
遊技機JI3によれば、遊技機JI1又はJI2の奏する効果に加え、判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別が終了してから第2演出を実行することができるので、判別情報記憶手段に判別情報が記憶されている間に第1遊技状態に対応する遊技を開始してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機JI3において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段において動的表示させる動的表示手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1遊技状態に設定された時点で前記判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別に基づく前記識別情報の動的表示が終了した後で成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JI4。
遊技機JI4によれば、遊技機JI3の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定されるよりも前に取得された判別情報に基づく識別情報の動的表示の実行中に遊技者が第1遊技状態に対応する遊技を開始してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機JI3又はJI4において、前記第1遊技状態が設定された後で実行された前記判別手段の判別の回数が予め定められた特定回数となった場合に成立する第1の終了条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態を終了させて前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第1終了手段と、前記第1遊技状態において前記第1の終了条件とは異なる第2の終了条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態を終了させて前記第2遊技状態を設定する第2終了手段と、を備え、前記第1遊技状態は、当該第1遊技状態に設定された直後に前記第1遊技状態に対応する遊技方法で遊技を行った場合と、前記第1遊技状態に設定された時点で前記判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別が終了した後で前記第1遊技状態に対応する遊技方法で遊技を行った場合とで、いずれも前記第1の終了条件が成立するよりも前に前記第2の終了条件が成立し易くなることを特徴とする遊技機JI5。
遊技機JI5によれば、遊技機JI3又はJI4の奏する効果に加え、第1演出の間、遊技者が遊技を行わずに第1演出を確認し続け、第2演出の開始に基づいて第1遊技状態に対応する遊技方法の遊技を行ったとしても、遊技者が損をすることを抑制することができるという効果がある。
<5078系の特徴群>
<特徴KA群>(大当たり間に、通常状態よりも大当たり遊技が実行され易い遊技状態を特図抽選の実行回数又は抽選結果に基づいて複数回設定可能)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態よりも前記判別手段による前記判別が実行され易い第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技が終了した後に実行される前記判別手段による前記判別の回数が所定回数に到達した場合に成立可能な第1条件と、前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて成立可能な第2条件と、のうち何れかが成立したことに基づいて前記第2遊技状態を設定可能であり、前記遊技機は、1の前記特典遊技が実行されてから次の前記特典遊技が実行されるまでの遊技期間中に、前記遊技状態設定手段によって前記第2遊技状態を複数回設定させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機KA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、従来型の遊技機では、特典遊技が実行された場合のみ有利状態が設定されるため、当たり当選しない遊技が継続する遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
さらに、従来型の遊技機として、特典遊技の終了後に設定される有利状態が、次の特典遊技が実行されるまで継続する遊技機がある。このような遊技機では、有利状態が設定されることにより遊技者に付与される特典の有利度合いが高くなるため、遊技者に対して過剰に有利な特典が付与されてしまうことを抑制するため、有利状態そのものが設定され難い仕様となり、有利状態が設定されることを期待しながら長時間遊技を行っている遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。
また、特典遊技の終了後に設定される有利状態を、実行された抽選回数に応じて終了させる遊技機もある。このような遊技機では、有利状態中に所定回数の抽選を実行したことによって有利状態が終了してしまうと、次の特典遊技が実行されるまでの間、有利状態よりも不利な状態で遊技を実行しなければならず、有利状態が終了した遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
遊技機KA1によれば、第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態を、特典遊技間にて複数回設定可能であるため、第1遊技状態中の遊技を実行している遊技者に対して、特典遊技を目指した遊技を長時間継続し易くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
また、判別手段による判別結果に関わらず、判別手段により実行される判別の回数に基づいても第2遊技状態を設定することができるため、第2遊技状態が設定されることが無く、且つ、特典遊技も実行されない遊技が長時間継続してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機KA1において、前記遊技機は、前記遊技期間中に実行される前記判別によって、前記第2条件の方が、前記第1条件よりも成立し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機KA2。
遊技機KA2によれば、遊技機KA1の奏する効果に加え、所定回数の判別が実行されるよりも前に、判別結果に基づいて第2遊技状態を設定し易くすることができるため、遊技期間中に実行される判別の結果に対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機KA1またはKA2において、前記遊技期間中において前記第2条件を成立させることが可能となる回数の上限が、前記第1条件を成立させることが可能となる回数の上限よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする遊技機KA3。
遊技機KA3によれば、遊技機KA1またはKA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技期間中に第2条件が成立し得る上限回数の方が、第1条件が成立し得る上限回数よりも大きいため、遊技期間中において、第2条件の成立に基づく第2遊技状態を複数回設定させ易くすることができる。よって、遊技期間中に実行される判別の結果に対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機KA3において、前記遊技期間中に成立した前記第1条件の成立回数が上限に到達したことを報知可能な報知手段を有することを特徴とする遊技機KA4。
遊技機KA4によれば、遊技機KA3の奏する効果に加え、第1条件を成立させることができない遊技期間を遊技者に報知することができるため、第2遊技状態を設定させ易い遊技期間と、させ難い遊技期間と、を遊技者に把握させ易くすることができるという効果がある。
<特徴KB群>(遊技状態を示唆する背景モードの種別と、表示される演出図柄との組合せで特図抽選結果の有利度合いを示唆)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、その特典付与手段により付与される前記特典の種別として、第1特典種別と、その第1特典種別とは異なる第2特典種別とを含む複数の特典種別の中から1の前記特典種別を決定可能な特典種別決定手段と、その特典種別決定手段により決定された前記特典種別を示唆するための第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により実行される前記第1演出の演出態様を設定可能な第1演出態様設定手段と、を有した遊技機において、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定された前記遊技状態を示唆するための第2演出を実行可能な第2演出実行手段と、その第2演出実行手段により実行される前記第2演出の態様種別として、複数の態様種別の中から1の前記態様種別を設定可能な第2演出態様設定手段と、を有し、前記第1演出態様設定手段は、特定第1演出態様と、その特定第1演出態様よりも前記第1特典種別が決定された場合に設定され難い特定第2演出態様と、を含む複数の演出態様から1の演出態様を設定可能であり、前記遊技機は、前記第2演出態様設定手段により設定された前記第2演出の態様種別に基づいて、前記第1演出態様設定手段により前記特定第1演出態様が設定される割合を異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機KB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、複数の演出ステージが切り替わるように構成され、当たり抽選の結果を示すための変動演出の演出態様を、設定されている演出ステージに対応させて決定することで、変動演出が単調となることを抑制することが可能な遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。
また、複数の遊技状態を設定可能に構成し、設定されている遊技状態を遊技者に分かり難くするために、異なる遊技状態であっても設定可能な演出ステージを複数設け、設定されている遊技状態に応じて各演出ステージの選択割合を異ならせることで、切り替わった演出ステージの種別に基づいて現在の遊技状態を遊技者に予測させることが可能な遊技機も提案されている。
このような従来型の遊技機では、通常、設定されている遊技状態に応じて当たり当選時に付与される特典の内容を異ならせていることが一般的であり、当たり当選時における遊技状態を遊技者はいち早く察知したいものであるが、何れの演出ステージが設定されている場合であっても、当たり抽選の結果を示すための表示態様として共通の表示態様が設定されることから実際に特典が付与されるまで当たり当選時における遊技状態を遊技者が把握できないといった問題があった。
遊技機KB1によれば、第1演出の演出態様と、遊技状態を示唆可能な第2演出の演出態様と、を組み合わせることで特典付与手段により付与される特典の種別を遊技者に予測させることが可能となるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機KB1において、前記第2演出態様設定手段は、前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定された場合の方が、前記第2遊技状態が設定された場合よりも設定され易い第1態様種別と、前記第1遊技状態が設定された場合よりも、前記第2遊技状態が設定された場合の方が設定され易い第2態様種別と、を少なくとも設定可能であることを特徴とする遊技機KB2。
遊技機KB2によれば、遊技機KB1の奏する効果に加え、第2演出の演出態様として設定される態様種別に基づいて、設定されている遊技状態を予測させることが可能となるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機KB1または遊技機KB2において、前記遊技状態設定手段により、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へと前記遊技状態が切り替わる第1設定が実行される場合の方が、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へと前記遊技状態が切り替わる第2設定が実行される場合よりも、前記第2演出実行手段により前記第2演出を実行させ易く構成されていることを特徴とする遊技機KB3。
遊技機KB3によれば、遊技機KB1またはKB2の奏する効果に加え、遊技状態の移行パターンに応じて第2演出の実行のし易さを異ならせることができるため、第2演出が実行されるだけでも、新たに設定される遊技状態を遊技者に予測させることが可能となり、現在の遊技状態を予測させる楽しみを提供することができるという効果がある。
遊技機KB1からKB3のいずれかにおいて、前記第1演出態様設定手段は、前記第2演出態様設定手段により設定される前記第2演出の態様種別に関わらず、共通の前記複数の演出態様から1の前記演出態様を設定可能であることを特徴とする遊技機KB4。
遊技機KB4によれば、遊技機KB1からKB3の何れかの奏する効果に加え、第2演出の態様種別に関わらず、第1演出の演出態様を共通化することができるため、第1演出を実行するための演出データの総量を削減することができるという効果がある。
<特徴KC群>(同一抽選結果を示すための演出図柄の表示態様を、当選時の遊技状況に応じて決定する)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、前記判別の結果が前記特定の判別結果であることを示すための第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態の終了条件を決定可能な終了条件決定手段と、前記第2遊技状態中に前記終了条件が成立するまでの残期間情報を判別可能な情報判別手段と、前記第2遊技状態中に実行された前記判別の結果が前記特定の判別結果である場合に、前記情報判別手段により判別された前記残期間情報に基づいて前記第1演出の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、を有することを特徴とする遊技機KC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が特定当たりであった場合には、抽選結果が当たりであることを示すための演出を実行した後に、遊技者に有利となる特典遊技を実行し、その特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、特典遊技の終了後に設定される有利状態の継続期間として、第1期間と、その第1期間よりも長い第2期間とを設定可能に構成し、第1期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、第2期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、を実行することで、遊技者に抽選結果を分かり易く把握させることができるようにする構成も提案されている。
しかしながら、従来型の遊技機では、例えば、有利状態の残期間として第1期間よりも長い期間を残している状態で第1期間の有利状態が設定される当たりに当選した場合には、今回の当たり当選が遊技者に不利となり、有利状態の残期間として第1期間よりも短い期間を残している状態で第1期間の有利状態が設定される当たりに当選した場合には、今回の当たり当選が遊技者に有利となる。つまり、同一の当たり(第1期間の有利状態が設定される当たり)に当選した場合であっても、既に設定されている有利状態の残期間によって、当たり当選によって遊技者に付与される特典の有利度合いが異なってしまうものであるにも関わらず、同一の当たり当選に対しては同一態様の演出が実行されてしまうため、今回の当たり当選が遊技者に有利な当たり当選であるか否かを実行される演出に基づいて把握し難いという問題があった。
遊技機KC1によれば、第2遊技状態中に実行された判別手段の判別結果が、第2遊技状態を設定可能な特定の判別結果である場合に、その特定の判別結果を示すための第1演出の演出態様を、既に設定されている第2遊技状態の終了条件が成立するまでの情報に基づいて決定することができるため、第1演出の演出態様を異ならせることができる。よって、新たな第2遊技状態が設定されることが遊技者に有利であるか否かを第1演出の演出態様によって遊技者に把握させ易くすることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機KC1において、前記演出態様設定手段は、前記残期間情報に基づいて、既に設定されている前記第2遊技状態の終了条件が成立するまでの残期間の方が、前記遊技状態設定手段により新たに設定される前記第2遊技状態の終了条件が成立するまでの期間よりも長いことを示す第1演出態様と、既に設定されている前記第2遊技状態の終了条件が成立するまでの残期間よりも、前記遊技状態設定手段により新たに設定される前記第2遊技状態の終了条件が成立するまでの期間の方が長いことを示す第2演出態様と、を少なくとも決定可能であることを特徴とする遊技機KC2。
遊技機KC2によれば、遊技機KC1の奏する効果に加え、実行される第1演出の演出態様が第1演出態様であるか、第2演出態様であるかによって、遊技者に有利な判別が実行されたか否かを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機KC2において、前記終了条件決定手段は、第1終了条件と、その第1終了条件よりも成立し難い第2終了条件と、を含む複数の終了条件のうち、少なくとも1の終了条件を決定可能であることを特徴とする遊技機KC3。
遊技機KC3によれば、遊技機KC2の奏する効果に加え、異なる終了条件が決定された第2遊技状態を設定可能であるため、既に設定されている第2遊技状態の残期間情報が示す期間の長さと、新たに設定される第2遊技状態の終了条件が成立するまでの残期間情報が示す期間の長さと、に長短を設け易くすることができるため、第1演出に対する遊技者の興味をより強くすることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機KC3において、前記終了条件決定手段は、少なくとも、第2遊技状態中に実行された前記判別の回数に基づいて成立する前記終了条件を決定可能であり、前記第1終了条件は、前記第2遊技状態中に第1回数の前記判別が実行されたことに基づいて成立し、前記第2終了条件は、前記第1回数よりも少ない第2回数の前記判別が実行されたことに基づいて成立可能であることを特徴とする遊技機KC4。
遊技機KC4によれば、遊技機KC3の奏する効果に加え、第1終了条件と第2終了条件とが第2遊技状態中に実行される判別手段による判別の回数に基づいて成立するため、第1終了条件と第2終了条件との成立のし易さが逆転すること無く、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
<特徴KD群>(時短当選時の時短報知演出の実行有無を、設定される時短回数と先読み結果とに基づいて決定する)
所定数を上限に判別情報を記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記判別情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記判別を実行し易い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態を終了させるための終了条件として、第1終了条件と、その第1終了条件よりも成立し易い第2終了条件と、を含む複数の終了条件の中から少なくとも1の終了条件を決定可能な終了条件決定手段と、前記第2遊技状態に対して決定された前記終了条件の種別を示唆可能な第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による前記判別が実行されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている前記判別情報を事前判別可能な事前判別手段を有し、前記第1演出実行手段は、前記第1終了条件が決定された場合、或いは、前記第2終了条件が決定された場合であって、且つ、前記事前判別手段による前記事前判別の結果が実行条件を満たしている場合に前記第1演出を実行可能であることを特徴とする遊技機KD1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、所定期間の有利状態を設定可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、継続期間の長さを異ならせて有利状態を設定可能に構成された遊技機もあり、この場合、有利状態が設定されたことを報知するための報知演出を用いて継続期間の長さを示す情報を遊技者に報知可能な構成が提案されている。
このような従来型の遊技機では、有利状態の継続期間が長い方が遊技者に有利となるため、報知演出によって長い継続期間を示す情報が報知されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができ、報知演出の演出効果を高めることができるものであったが、短い継続期間を示す情報が報知された場合に遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、有利状態の継続期間を示すための情報を報知するための報知演出が実行された場合において、報知される継続期間の長さに関わらず遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KD1によれば、成立し難い第1終了条件が決定された第2遊技状態を設定した場合と、成立し易い第2終了条件が決定された第2遊技状態を設定した場合であって、且つ、事前判別手段による判別結果が実行条件を満たしている場合に、第1演出を実行可能に構成しているため、第1演出が第1終了条件を示唆している場合も、第2終了条件を示唆している場合も、遊技者の遊技意欲が低下すること無く、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機KD1において、前記終了条件決定手段は、少なくとも、第2遊技状態中に実行された前記判別の回数に基づいて成立する前記終了条件を決定可能であり、前記第1終了条件は、前記第2遊技状態中に第1回数の前記判別が実行されたことに基づいて成立し、前記第2終了条件は、前記第1回数よりも少ない第2回数の前記判別が実行されたことに基づいて成立可能であることを特徴とする遊技機KD2。
遊技機KD2によれば、遊技機KD1の奏する効果に加え、第1終了条件と第2終了条件とが第2遊技状態中に実行される判別手段による判別の回数に基づいて成立するため、第1終了条件と第2終了条件との成立のし易さが逆転すること無く、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機KD1またはKD2において、前記実行条件は、前記事前判別の結果が前記特定の判別結果に対応する結果である場合に成立可能であることを特徴とする遊技機KD3。
遊技機KD3によれば、遊技機KD1またはKD2の奏する効果に加え、第2終了条件が決定される第2遊技状態が設定された時点における事前判別の結果が、特典遊技が実行されることを示す事前判別の結果である場合に第1演出を実行することができるため、遊技者に対して、成立し難い第1終了条件では無く成立し易い第2終了条件が決定されたことを示す第1演出が実行された場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機KD3において、前記実行条件は、前記第2遊技状態が設定された後に実行される1回目の前記判別に対応する前記事前判別の結果が前記特定の判別結果に対応する結果である場合に成立可能であることを特徴とする遊技機KD4。
遊技機KD4によれば、遊技機KD3の奏する効果に加え、第2終了条件が決定される第2遊技状態が設定された後の1回目の判別に対応する事前判別の結果が、特典遊技が実行されることを示す事前判別の結果である場合に第1演出を実行することができるため、遊技者に対して、成立し難い第1終了条件では無く成立し易い第2終了条件が決定されたことを示す第1演出が実行された場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴KE群>(同一抽選結果を示すための演出図柄の表示態様を、当選時の遊技状況に応じて決定するの派生)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、前記判別の結果が前記特定の判別結果であることを示すための第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態の終了条件を決定可能な終了条件決定手段と、前記第2遊技状態中に前記終了条件が成立させるための情報を特定可能な情報特定手段と、前記情報特定手段により特定された前記情報に基づいて前記第1演出の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、を有することを特徴とする遊技機KE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が特定当たりであった場合には、抽選結果が当たりであることを示すための演出を実行した後に、遊技者に有利となる特典遊技を実行し、その特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、特典遊技の終了後に設定される有利状態の継続期間として、第1期間と、その第1期間よりも長い第2期間とを設定可能に構成し、第1期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、第2期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、を実行することで、遊技者に抽選結果を分かり易く把握させることができるようにする構成も提案されている。
しかしながら、従来型の遊技機では、例えば、有利状態の残期間として第1期間よりも長い期間を残している状態で第1期間の有利状態が設定される当たりに当選した場合には、今回の当たり当選が遊技者に不利となり、有利状態の残期間として第1期間よりも短い期間を残している状態で第1期間の有利状態が設定される当たりに当選した場合には、今回の当たり当選が遊技者に有利となる。つまり、同一の当たり(第1期間の有利状態が設定される当たり)に当選した場合であっても、既に設定されている有利状態の残期間によって、当たり当選によって遊技者に付与される特典の有利度合いが異なってしまうものであるにも関わらず、同一の当たり当選に対しては同一態様の演出が実行されてしまうため、今回の当たり当選が遊技者に有利な当たり当選であるか否かを実行される演出に基づいて把握し難いという問題があった。
遊技機KE1によれば、特定の判別結果を示すための第1演出の演出態様を、既に設定されている第2遊技状態の終了条件が成立するまでの情報に基づいて決定することができるため、第1演出の演出態様を異ならせることができる。よって、新たな第2遊技状態が設定されることが遊技者に有利であるか否かを第1演出の演出態様によって遊技者に把握させ易くすることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機KE1において、前記演出態様設定手段は、前記情報に基づいて、既に設定されている前記第2遊技状態の終了条件の方が、前記遊技状態設定手段により新たに設定される前記第2遊技状態の終了条件が成立よりも成立し難いことを示す第1演出態様と、既に設定されている前記第2遊技状態の終了条件よりも、前記遊技状態設定手段により新たに設定される前記第2遊技状態の終了条件の方が成立し難いことを示す第2演出態様と、を少なくとも決定可能であることを特徴とする遊技機KE2。
遊技機KE2によれば、遊技機KE1の奏する効果に加え、実行される第1演出の演出態様が第1演出態様であるか、第2演出態様であるかによって、遊技者に有利な判別が実行されたか否かを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機KE2において、前記終了条件決定手段は、第1終了条件と、その第1終了条件よりも成立し難い第2終了条件と、を含む複数の終了条件のうち、少なくとも1の終了条件を決定可能であることを特徴とする遊技機KE3。
遊技機KE3によれば、遊技機KE2の奏する効果に加え、異なる終了条件が決定された第2遊技状態を設定可能であるため、既に設定されている第2遊技状態と、新たに設定される第2遊技状態と、に成立のし易さを設け易くすることができるため、第1演出に対する遊技者の興味をより強くすることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴KF群>(時短当選時の時短報知演出の実行有無を、設定される時短回数と先読み結果とに基づいて決定するの派生)
所定数を上限に判別情報を記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記判別情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記判別を実行し易い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態を終了させるための終了条件を決定可能な終了条件決定手段と、前記第2遊技状態に対して決定された前記終了条件を示すための第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による前記判別が実行されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている前記判別情報を事前判別可能な事前判別手段を有し、前記第1演出実行手段は、前記事前判別手段による前記事前判別の結果が実行条件を満たしている場合に前記第1演出を実行可能であることを特徴とする遊技機KF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、所定期間の有利状態を設定可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、継続期間の長さを異ならせて有利状態を設定可能に構成された遊技機もあり、この場合、有利状態が設定されたことを報知するための報知演出を用いて継続期間の長さを示す情報を遊技者に報知可能な構成が提案されている。
このような従来型の遊技機では、有利状態の継続期間が長い方が遊技者に有利となるため、報知演出によって長い継続期間を示す情報が報知されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができ、報知演出の演出効果を高めることができるものであったが、短い継続期間を示す情報が報知された場合に遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、有利状態の継続期間を示すための情報を報知するための報知演出が実行された場合において、報知される継続期間の長さに関わらず遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KF1によれば、事前判別手段による判別結果が実行条件を満たしている場合に、第1演出を実行可能に構成しているため、遊技者の遊技意欲が低下すること無く、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機KF1において、前記終了条件決定手段は、少なくとも、第2遊技状態中に実行された前記判別の回数に基づいて成立する前記終了条件を決定可能であることを特徴とする遊技機KF2。
遊技機KF2によれば、遊技機KF1の奏する効果に加え、終了条件が第2遊技状態中に実行される判別手段による判別の回数に基づいて成立するため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機KF1またはKF2において、前記実行条件は、前記事前判別の結果が前記特定の判別結果に対応する結果である場合に成立可能であることを特徴とする遊技機KF3。
遊技機KF3によれば、遊技機KF1またはKF2の奏する効果に加え、事前判別の結果が、特典遊技が実行されることを示す事前判別の結果である場合に第1演出を実行することができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴KG群>
第1判別と第2判別とを実行することが可能な判別手段と、その判別手段による前記第1判別に対応した第1判別結果を示すための第1識別情報と、前記第2判別に対応した第2識別情報と、が表示されることが可能な表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報または前記第2識別情報を動的表示させた後に前記第1判別結果または前記第2判別結果を示すための態様で前記識別情報を表示させることが可能な動的表示手段と、特定の前記第1判別結果または特定の前記第2判別結果を示すための態様で前記第1識別情報または前記第2識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、前記特定の第2判別結果に基づいて前記特典として特定の特典が付与されることにより前記判別手段による前記第1判別または前記第2判別が実行され易い第1設定がされる第1状態を設定することが可能な状態設定手段と、を有した遊技機において、前記第1状態が設定されている状態で前記特定の特典が付与される場合に、前記特定の特典が付与された後の状態として終了条件が成立するまで前記第1状態を設定させることが可能な設定制御手段と、前記第2識別情報に対応して前記特定の特典が付与されることによって前記終了条件が成立する前記第2識別情報の動的表示がされている期間に実行させた前記第1判別による前記第1判別結果に対応して前記第2識別情報の動的表示が終了するまでに前記終了条件の成立がされないようにする設定を実行させることが可能な解除設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機KG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が特定当たりであった場合には、抽選結果が当たりであることを示すための演出を実行した後に、遊技者に有利となる特典遊技を実行し、その特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、特典遊技の終了後に設定される有利状態の継続期間として、第1期間と、その第1期間よりも長い第2期間とを設定可能に構成し、第1期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、第2期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、を実行することで、遊技者に抽選結果を分かり易く把握させることができるようにする構成も提案されている。
しかしながら、遊技が単調となり易く遊技の興趣が低下するという不具合があった。
上記例示した問題点等を解決し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KG1によれば、第2識別情報に対応して特典が付与されることで第1状態が継続して設定されない終了条件が成立することを、第2識別情報の動的表示期間中に第1判別を実行させることで、その第1判別結果により終了条件の成立を回避させることができるので、遊技者の遊技方法により第1状態の設定期間を延長させることが可能となり、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機KG1において、前記終了条件は、前記特定の特典が連続して所定回数付与されたことにより成立するものであることを特徴とする遊技機KG2。
遊技機KG2によれば、遊技機KG1の奏する効果に加え、第1状態が連続して設定される回数を制限させることができ、射幸性が著しく過剰となることを抑制できるという効果がある。
遊技機KG1またはKG2において、前記終了条件が成立する前記特定の特典が付与されることとなる前記第2識別情報の動的表示期間として長い動的表示期間が決定され易く設定されているものであることを特徴とする遊技機KG3。
遊技機KG3によれば、遊技機KG1またはKG2の奏する効果に加え、終了条件が成立するまでの期間を長くすることができるので、遊技者に終了条件の成立を回避させる機会をより多く与えることができるという効果がある。
遊技機KG1からKG3のいずれかにおいて、前記終了条件が成立する前記特定の特典が付与されることとなる前記第2識別情報の動的表示が実行される期間に特定演出が実行されるものであることを特徴とする遊技機KG4。
遊技機KG4によれば、遊技機KG1からKG3のいずれかの奏する効果に加え、特定演出が実行されることで、終了条件の成立が決定されていることを容易に判別でき、第1判別を実行させる遊技に切り替えるタイミングを容易に遊技者が認識できるという効果がある。
<特徴KH群>(KG群の派生)
第1判別と第2判別とを実行することが可能な判別手段と、その判別手段による前記第1判別に対応した第1判別結果を示すための第1識別情報と、前記第2判別に対応した第2識別情報と、が表示されることが可能な表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報または前記第2識別情報を動的表示させた後に前記第1判別結果または前記第2判別結果を示すための態様で前記識別情報を表示させることが可能な動的表示手段と、特定の前記第1判別結果または特定の前記第2判別結果を示すための態様で前記第1識別情報または前記第2識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、前記特定の第2判別結果に基づいて前記特典として特定の特典が付与されることにより前記判別手段による前記第1判別または前記第2判別が実行され易い第1設定がされる第1状態を設定することが可能な状態設定手段と、を有した遊技機において、前記第1状態が設定されている状態で前記特定の特典が付与される場合に、前記特定の特典が付与された後の状態として終了条件が成立するまで前記第1状態を設定させることが可能な設定制御手段と、前記第2識別情報に対応して前記特定の特典が付与されることによって前記終了条件が成立する前記第2識別情報の動的表示がされている期間に前記終了条件を解除可能な解除設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機KH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が特定当たりであった場合には、抽選結果が当たりであることを示すための演出を実行した後に、遊技者に有利となる特典遊技を実行し、その特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、特典遊技の終了後に設定される有利状態の継続期間として、第1期間と、その第1期間よりも長い第2期間とを設定可能に構成し、第1期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、第2期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、を実行することで、遊技者に抽選結果を分かり易く把握させることができるようにする構成も提案されている。
しかしながら、遊技が単調となり易く遊技の興趣が低下するという不具合があった。
上記例示した問題点等を解決し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KH1によれば、第2識別情報に対応して特典が付与されることで第1状態が継続して設定されない終了条件が成立することを、解除設定手段により回避させることができるので、遊技者の遊技方法により第1状態の設定期間を延長させることが可能となり、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機KH1において、前記終了条件は、前記特定の特典が連続して所定回数付与されたことにより成立するものであることを特徴とする遊技機KH2。
遊技機KH2によれば、遊技機KH1の奏する効果に加え、第1状態が連続して設定される回数を制限させることができ、射幸性が著しく過剰となることを抑制できるという効果がある。
遊技機KH1またはKH2において、前記終了条件が成立する前記特定の特典が付与されることとなる前記第2識別情報の動的表示期間として長い動的表示期間が決定され易く設定されているものであることを特徴とする遊技機KH3。
遊技機KH3によれば、遊技機KH1またはKH2の奏する効果に加え、終了条件が成立するまでの期間を長くすることができるので、遊技者に終了条件の成立を回避させる機会をより多く与えることができるという効果がある。
<特徴KI群>
判別を実行可能な判別手段と、前記判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させた後に前記判別結果を示すための態様で前記識別情報を表示させることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、特定条件の成立を判別することが可能な特定条件判別手段と、その特定条件判別手段により前記特定条件の成立が判別されたことに基づいて特定情報が記憶される記憶手段と、前記第1期間に前記特定情報が記憶されていることに基づいて第1演出を実行可能であり、前記第1期間とは異なる第2期間に前記特定情報が記憶されていることに基づいて前記第1演出とは異なる第2演出を実行可能な演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機KI1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KI1によれば、第1期間と第2期間とで特定情報が記憶されていることで実行される演出が可変されるので、設定されている状態に合わせた演出を実行させることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機KI1において、遊技球が入球可能な入球手段を有し、前記特定条件判別手段は、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特定条件の成立を判別するものであり、前記記憶手段は、前記特定条件の成立が判別されたことに基づいてカウント情報が前記特定情報として記憶されるものであり、前記カウント情報は、前記識別情報が動的表示された回数に対応して更新されるものであり、前記遊技機は、前記カウント情報が所定の情報である場合に遊技者に有利となる設定を実行可能にされていることを特徴とする遊技機KI2。
遊技機KI2によれば、遊技機KI1の奏する効果に加え、特定条件の成立によりカウント情報が記憶され、そのカウント情報が所定の情報である期間には遊技者に有利な設定がされるので、判別手段に特定の判別結果と判別される以外にも、入球手段に遊技球を入球させて特定条件を成立させる意欲を増大させることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機KI1またはKI2において、前記第2期間では、前記第1期間であるよりも前記判別手段による判別が遊技者に有利となる判別が実行され易く設定されるものであり、前記第2演出は、前記第1演出よりも前記特定情報が記憶されていることが識別し難くされる演出であることを特徴とする遊技機KI3。
遊技機KI3によれば、遊技機KI1またはKI2の奏する効果に加え、第2期間では、特定情報が記憶されていることが識別し難くされるので、遊技者に有利な判別が実行され易い判別手段の判別に集中させることができ、遊技の状態に合わせた演出をより実行できるという効果がある。
<特徴KJ群>
判別を実行可能な判別手段と、前記判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させた後に前記判別結果を示すための態様で前記識別情報を表示させることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報が動的表示されることが可能な動的表示期間中に演出を実行可能な演出実行手段と、特定条件の成立を判別することが可能な特定条件判別手段と、その特定条件判別手段により前記特定条件の成立が判別されたことに基づいて特定情報が記憶される記憶手段と、を有し、前記演出実行手段は、第1期間である場合には前記第1期間が経過した後に設定される第2期間である場合よりも前記特定情報が記憶されていることを示すための報知情報を識別し難く実行する第1演出を実行可能にされ、前記第2期間へ移行することで前記特定情報が記憶されたことで設定された情報を示すための第2演出を実行可能にされていることを特徴とする遊技機KJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KJ1によれば、第1期間である場合には特定情報が記憶されていることが識別し難くされ、その後の第2期間となると特定情報が記憶されていたことを第2演出により識別できるように構成したので、特定情報が記憶されたことを時間差で識別させることができ、判別手段による判別結果に対応する識別情報の動的表示に第1期間では集中させ、その後の第2期間では特定情報が記憶されたかを遊技者に意識させることができるので分かり易い遊技を提供することで、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機KJ1において、前記第1期間は、前記第2期間よりも遊技者に有利な期間に設定されているものであることを特徴とする遊技機KJ2。
遊技機KJ2によれば、遊技機KJ1の奏する効果に加え、有利な第1期間である場合には、遊技者に判別結果に対応した第1演出に集中させることで第1期間をより有利な期間であるように思わせることができるという効果がある。
遊技機KJ1またはKJ2において、前記判別手段による判別結果が特定の判別結果であることに基づいて前記第1期間を設定することが可能にされているものであることを特徴とする遊技機KJ3。
遊技機KJ3によれば、遊技機KJ1またはKJ2の奏する効果に加え、特定の判別結果と判別されることで第1期間が設定されるので、遊技者に判別手段による判別で、有利な期間を設定することができ、遊技者に第1期間が設定されることを期待させて識別情報の動的表示に集中させることができるという効果がある。
遊技機KJ1からKJ3のいずれかにおいて、前記特定情報は、特定条件が成立した場合に判別されたカウント情報であり、前記第1期間から前記第2期間に移行した場合に、前記カウント情報に対応した報知態様が前記2演出として実行されるものであることを特徴とする遊技機KJ4。
遊技機KJ4によれば、遊技機KJ1からKJ3のいずれかにおいて、カウント情報が第1期間では識別し難くされるので、第1期間をカウント情報に妨げられずに楽しませることができるという効果がある。
<特徴KK群>
判別を実行可能な判別手段と、前記判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させた後に前記判別結果を示すための態様で前記識別情報を表示させることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、特定条件の成立を判別することが可能な特定条件判別手段と、その特定条件判別手段により前記特定条件の成立が判別されたことに基づいて特定情報が記憶される記憶手段と、有し、前記遊技機は、第1期間とその第1期間とは異なる第2期間とで、前記特定条件が成立したことに基づいて実行される演出の実行条件が可変されるものであることを特徴とする遊技機KK1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KK1によれば、第1期間と第2期間とで、特定条件が成立したことに基づいて実行される演出の実行条件が可変されるので、期間によって特定条件が成立したことを認識できる演出の実行タイミングを可変させることができ、遊技の状態に合わせて演出を実行させることで遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機KK1において、遊技球が入球可能な入球手段を有し、前記特定条件判別手段は、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特定条件の成立について判別を実行し、前記特定条件の成立に基づいてカウント情報が前記特定情報として記憶されるものであることを特徴とする遊技機KK2。
遊技機KK2によれば、入球手段に入球させることで特定条件を成立させることができるので、入球手段への入球意欲を高めて遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機KK2において、前記カウント情報を前記識別情報の動的表示回数に対応して更新させることが可能な更新手段と、前記カウント情報が所定の値であることに基づいて遊技者に有利となる設定をすることが可能な設定手段と、を有することを特徴とする遊技機KK3。
遊技機KK3によれば、遊技機KK2の奏する効果に加え、カウント情報が記憶されることで所定の動的表示回数まで遊技者に有利となる設定がされるので、特定条件の成立に対する価値を高めることができるという効果がある。
<特徴KL群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果に基づいて第1状態と、その第1状態とは異なる第2状態とを含む複数の状態より1の状態を設定可能な状態設定手段と、前記判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させた後に前記判別結果を示すための態様で前記識別情報を表示させることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、特定条件の成立を判別することが可能な特定条件判別手段と、その特定条件判別手段により前記特定条件の成立が判別されたことに基づいて特定情報が記憶される記憶手段と、記憶された前記特定情報の種別に対応する演出を前記状態設定手段により設定されている状態に対応させて実行することが可能な演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機KL1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
上記例示した問題点等を解決し、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KL1によれば、記憶された特定情報の種別と設定されている状態とによって演出実行手段により対応する演出が実行可能であるので、遊技に状態に合わせた演出を実行可能であり、より遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機KL1において、遊技球が入球可能な入球手段を有し、前記特定条件判別手段は、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特定条件の成立を判別するものであり、前記記憶手段は、前記特定条件の成立が判別されたことに基づいてカウント情報が前記特定情報として記憶されるものであり、前記カウント情報は、前記識別情報が動的表示された回数に対応して更新されるものであり、前記遊技機は、前記カウント情報が所定の情報である場合に遊技者に有利となる設定を実行可能にされていることを特徴とする遊技機KL2。
遊技機KL2によれば、遊技機KL1の奏する効果に加え、特定条件の成立によりカウント情報が記憶され、そのカウント情報が所定の情報である期間には遊技者に有利な設定がされるので、判別手段に特定の判別結果と判別される以外にも、入球手段に遊技球を入球させて特定条件を成立させる意欲を増大させることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機KL2において、前記演出実行手段は、前記カウント情報として特定のカウント情報が記憶されたことに基づいて前記カウント情報が記憶されたことを識別可能な第1演出を実行可能であり、前記特定のカウント情報と異なるカウント情報が記憶されたことに基づいて前記カウント情報が記憶されたことを前記第1演出よりも識別し難い第2演出を実行することが可能にされていることを特徴とする遊技機KL3。
遊技機KL3によれば、遊技機KL2の奏する効果に加え、記憶されるカウント情報の種別よってカウント情報が記憶されたことを遊技者が識別できる度合いを可変させることができるので、遊技者にカウント情報が記憶されたことに注意を向ける割合を可変させて、遊技に合わせて分かり易く遊技をさせることができるという効果がある。
<回転中に外形が変化する変位手段>
所定の回転軸を中心に傾倒可能に構成される変位手段を有する演出手段を備え、前記演出手段は、前記変位手段の傾倒中に、少なくとも前記回転軸から離れる方向に延びるような外形の変化を視認させることが可能に構成されることを特徴とする遊技機甲A1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段が勢いよく傾倒するように演出したとしても、傾倒時に変位手段の外形が変化することはないので、迫力に欠け、演出効果の面で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲A1によれば、演出手段が、変位手段の傾倒中に外形を変化可能に構成されることから、変位手段が勢いよく傾倒している最中に外形を変化させるという迫力ある演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
遊技機甲A1において、前記変位手段の傾倒中に、傾倒中の前記変位手段の前記外形を維持させる第1状態から傾倒中の前記変位手段の前記外形を変化させる第2状態へ移行可能に構成されることを特徴とする遊技機甲A2。
遊技機甲A2によれば、遊技機甲A1の奏する効果に加え、変位手段の傾倒動作が進むほど、外形が維持される第1状態から外形が変化する第2状態へ移行されるので、傾倒し始めにおいて必要となる力を抑えることができ、傾倒動作をスムーズに開始し易くすることができる。
遊技機甲A2において、前記変位手段は、傾倒を開始する側の変位終端位置において前記第1状態となるように構成されることを特徴とする遊技機甲A3。
遊技機甲A3によれば、遊技機甲A2の奏する効果に加え、傾倒開始時に外形を変化させるための力を不要とできるので、傾倒開始時に必要となる力を傾倒に必要な力のみにできることから、必要とされる力を低減することができる。
遊技機甲A2又は甲A3おいて、前記第1状態から前記第2状態へ移行する方向で前記変位手段が傾倒する過程で、前記変位手段の傾倒角度に対する前記外形の変化の度合いが増大する区間を備えることを特徴とする遊技機甲A4。
遊技機甲A4によれば、遊技機甲A2又は甲A3の奏する効果に加え、第2状態における変位手段の傾倒中における外形の変化が、第1状態で配置されていた側から離れる程に(傾倒する程に)大きくなるので、変位手段の傾倒の度合いと、変位手段の外形の変化の度合いとを対応付けることができる。
遊技機甲A1から甲A4のいずれかにおいて、前記変位手段は、前記所定の回転軸を中心に傾倒可能に支持される軸側手段と、その軸側手段に対して相対変位可能に構成される構成手段と、を備え、第1姿勢から傾倒することで第2姿勢となるよう構成され、前記第1姿勢よりも前記第2姿勢の方が、前記構成手段と前記所定の回転軸との距離が長くなるよう構成されることを特徴とする遊技機甲A5。
遊技機甲A5によれば、遊技機甲A1から甲A4のいずれかの奏する効果に加え、傾倒の方向に対応して、構成手段と所定の回転軸との距離の変化の方向が一方向に定められることで、傾倒の角度が大きくなるほど効果の度合いを大きくさせることができる。
即ち、変位手段が傾倒するほど、構成手段が所定の回転軸から離れていくことになるので、変位手段の重心位置を傾倒先端側に移動させることができ、傾倒の勢いを変位手段の自重により補助することができるので、勢いよい傾倒動作を実現できることから、演出効果を高めることができる。
更に、変位手段が傾倒の逆方向(起き上がり方向)に変位するほど、構成手段が所定の回転軸に近づいていくことになるので、変位手段の重心位置を回転軸側に移動させることができ、起き上がり動作に必要となる力を減少させることができる。
遊技機甲A5において、前記第1姿勢を終端姿勢とする所定角度の傾倒に対する前記構成手段と前記所定の回転軸との距離の変化の度合いよりも、前記第2姿勢を終端姿勢とする前記所定角度の傾倒に対する前記構成手段と前記所定の回転軸との距離の変化の度合いを大きくさせる度合い変化手段を備えることを特徴とする遊技機甲A6。
遊技機甲A6によれば、遊技機甲A5の奏する効果に加え、第2姿勢付近において、小さな傾倒角度であっても構成手段の所定の回転軸との距離を大きく変化させることができることから、所定の回転軸に対する変位手段の配置を大きくは変えずに、変位手段の外形を大きく変化させるという演出を行うことができる。
更に、第2姿勢から第1姿勢へ起き上がる変位(傾倒とは逆方向の変位)を変位手段に生じさせる場合に、変位の開始後において構成手段と所定の回転軸との距離を大きく変化させる(短くする)ことができるので、変位手段の重心を早期に所定の回転軸側に寄せることができ、起き上がる変位に必要となる力を低減することができる。
遊技機甲A5又は甲A6において、前記構成手段は、前記所定の回動軸を中心とする円の径方向に変位可能な第1構成手段と、前記径方向と直交する方向に変位可能な第2構成手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲A7。
遊技機甲A7によれば、遊技機甲A5又は甲A6の奏する効果に加え、第1姿勢と第2姿勢とで、変位手段の外形を更に異ならせることができる。
遊技機甲A7において、前記変位手段の傾倒中において、前記第1構成手段の変位開始から遅れて、前記第2構成手段の変位が開始されることを特徴とする遊技機甲A8。
遊技機甲A8によれば、遊技機甲A7の奏する効果に加え、第1構成手段の変位と第2構成手段の変位とが同時に開始される場合に比較して、必要とされる力を低減させることができる。
遊技機甲A7又は甲A8において、前記第2構成手段は、前記軸側手段に配設されることを特徴とする遊技機甲A9。
遊技機甲A9によれば、遊技機甲A7又は甲A8の奏する効果に加え、所定の回転軸側が膨らんだ外観形状で、変位手段を視認させることができる。
遊技機甲A7又は甲A8において、前記第2構成手段は、前記構成手段に配設されることを特徴とする遊技機甲A10。
遊技機甲A10によれば、遊技機甲A7又は甲A8の奏する効果に加え、構成手段側の広い外観形状で、変位手段を視認させることができる。
<回転軸から離れた位置で駆動力伝達>
所定の回転軸を中心に傾倒可能に構成される変位手段と、その変位手段を変位させる駆動手段と、を備え、前記所定の回転軸よりも前記変位手段の傾倒先端側に配置される配置部を介して前記駆動手段の駆動力が前記変位手段に伝達されるよう構成されることを特徴とする遊技機甲B1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1軸線の側における変位手段の構造が大型化し易く、第1軸線を配置空間の隅に寄せて変位手段を配置することが困難となるという問題点があった。即ち、変位手段の配置に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲B1によれば、駆動手段の駆動力が、変位手段の傾倒先端側に配置される配置部を介して伝達されることから、第1軸線の側における変位手段の構造を簡素化することができ、第1軸線を配置空間の隅に寄せて変位手段を配置することが容易となる。これにより、変位手段の配置を改善することができる。
遊技機甲B1において、前記変位手段の傾倒中において、前記駆動手段による駆動力の方向を所定方向に維持しながら、前記配置部の変位方向を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機甲B2。
遊技機甲B2によれば、遊技機甲B1の奏する効果に加え、駆動手段の駆動力の方向を維持している状態で、配置部の変位方向を変化可能に構成されるので、駆動手段の動作が単調であっても、配置部の変位を複雑にすることができる。
遊技機甲B1又は甲B2において、前記変位手段が傾倒側の変位終端位置に近づくほど、前記配置部に与えられる駆動力の方向が、前記所定の回転軸と前記配置部とを通る直線方向に近づくことを特徴とする遊技機甲B3。
遊技機甲B3によれば、遊技機甲B1又は甲B2の奏する効果に加え、傾倒中に配置部に与えられる駆動力の方向を変化させることにより、変位手段が傾倒側の変位終端位置に近づく場合に、傾倒方向に生じる荷重が過大となることを避けることができる。
これにより、変位手段の傾倒が高速で生じる場合であっても、変位手段が傾倒側の変位終端位置に到達する際の衝撃を和らげ易くすることができるので、変位手段の耐久性を向上することができる。また、衝撃吸収用の緩衝材を不要とできる。
遊技機甲B1から甲B3のいずれかにおいて、前記駆動手段の駆動力の方向は、前記変位手段に対して所定の直線方向の負荷を生じるよう構成されることを特徴とする遊技機甲B4。
遊技機甲B4によれば、遊技機甲B1から甲B3のいずれかの奏する効果に加え、駆動力を安定させ易くすることができる。また、駆動力のうち、変位手段の傾倒方向へ向く成分と変位手段の傾倒方向に対して直交する方向へ向く成分との比は、変位手段の位置(姿勢)に対応して定まるので、変位手段の傾倒方向への負荷の大小を、変位手段の位置(姿勢)に対応させることができる。
遊技機甲B4において、前記所定の直線方向と、前記配置部に当接される前記変位手段の当接部の移動方向のうちの前記所定の回転軸を中心とする回転方向成分との間の角度が大きくなるほど、前記配置部と、前記所定の回転軸との間の距離が長くなるよう構成されることを特徴とする遊技機甲B5。
遊技機甲B5によれば、遊技機甲B4の奏する効果に加え、駆動力の方向と傾倒する変位手段の変位方向との間の角度が大きいという、傾倒方向の負荷を伝達し難い状況であっても、駆動力が伝達される配置部と所定の回転軸との間の距離を長くすることにより、変位手段の傾倒のための駆動力が不足することを回避し易くすることができる。
即ち、変位手段の傾倒範囲において、傾倒に必要となる駆動力が局所的に増減することを抑制することにより、必要となる駆動力の変化幅を小さく抑え、駆動手段の選定を容易とすることができる。
遊技機甲B4又は甲B5において、前記変位手段は、表示装置の前方位置と、表示装置の外方位置とで変位可能とされ、前記前方位置における前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度は、前記外方位置における前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度よりも大きいことを特徴とする遊技機甲B6。
遊技機甲B6によれば、遊技機甲B4又は甲B5の奏する効果に加え、前方位置における回転方向の勢いを低減させることができるので、回転動作の停止を狙いの位置でさせ易い。そのため、回転途中では高速で回転動作させる一方、前方位置では回転をスムーズに止めるという動作を、容易に行うことができる。
遊技機甲B6において、前記外方位置から前記前方位置へ向かう程、前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度が大きくなることを特徴とする遊技機甲B7。
遊技機甲B7によれば、遊技機甲B6の奏する効果に加え、回転動作を段階的に減速させることができる。
遊技機甲B1から甲B7のいずれかにおいて、前記変位手段に接続させる電気配線は、前記所定の回転軸側から接続されることを特徴とする遊技機甲B8。
遊技機甲B8によれば、遊技機甲B1から甲B7のいずれかの奏する効果に加え、駆動手段の配置を傾倒先端側にずらしたことにより空いたスペースを、電気配線の配置スペースとして有効利用することができる。
遊技機甲B1から甲B8のいずれかにおいて、前記配置部は、第2の所定の直線方向で移動されることで前記所定の回転軸との距離が変化可能に構成され、前記配置部を通る前記第2の所定の直線方向は、前記所定の回転軸を通らないように構成されることを特徴とする遊技機甲B9。
遊技機甲B9によれば、遊技機甲B1から甲B8のいずれかの奏する効果に加え、配置部を第2の所定の直線方向で移動させるための力を、変位手段を所定の回転軸を中心に回転動作させるためにも利用することができる。
遊技機甲B1から甲B9のいずれかにおいて、前記駆動手段の駆動力を伝達可能な無端ベルトを備えることを特徴とする遊技機甲B10。
遊技機甲B10によれば、遊技機甲B1から甲B9のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位幅を大きく確保し易くすることができる。
<抵抗感を範囲ごとに変化させる>
変位可能な変位手段と、その変位手段を変位させる駆動手段と、を備える遊技機において、変位中の前記変位手段が受ける力の態様を、前記変位手段の位置に対応して変化させる態様変化手段を備えることを特徴とする遊技機甲C1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、変位中の変位手段が受ける力について何ら考慮されておらず、変位途中において駆動手段に与えられる負荷が急激に変化する等する可能性があり、改良の余地があるという問題点があった。即ち、変位手段の変位について改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲C1によれば、態様変化手段により、変位中の変位手段が受ける力の態様を、変位手段の位置に対応して変化させることができることから、変位途中において変位手段に与えられる力を適切に調整することができ、駆動手段に与えられる負荷が急激に変化することを防止できる。これにより、変位手段の変位を改良することができる。
遊技機甲C1において、前記変位手段は、第1範囲と、その第1範囲と異なる第2範囲とを変位可能であって、前記態様変化手段により前記変位手段が受ける力は、前記第1範囲に配置される場合よりも、前記変位手段が前記第2範囲に配置される場合の方が大きくなることを特徴とする遊技機甲C2。
遊技機甲C2によれば、遊技機甲C1の奏する効果に加え、変位手段が受ける力の態様を範囲ごとに変化させることができる。
遊技機甲C2において、前記第1範囲または前記第2範囲は、前記変位手段の少なくとも一方の変位終端を含む範囲とされることを特徴とする遊技機甲C3。
遊技機甲C3によれば、遊技機甲C2の奏する効果に加え、変位終端において変位手段が受ける力が変化することを防止することができる。
遊技機甲C3において、前記第1範囲は、前記変位手段の前記変位終端を含むことを特徴とする遊技機甲C4。
遊技機甲C4によれば、遊技機甲C3の奏する効果に加え、変位手段の変位終端からの変位に要する駆動力を低減させることができる。
遊技機甲C4において、前記態様変化手段は、前記変位手段に対して相対変位可能な相対変位手段を備え、前記第2範囲において相対変位する前記相対変位手段の個数が、前記第1範囲において相対変位する前記相対変位手段の個数よりも多くされることを特徴とする遊技機甲C5。
遊技機甲C5によれば、遊技機甲C4の奏する効果に加え、相対変位する相対変位手段の個数を変化させることで演出効果を高めながら、態様変化手段から生じる力の増減を生じさせることができる。
遊技機甲C5において、前記相対変位手段は、第1の態様で相対変位する第1相対変位手段と、第2の態様で相対変位する第2相対変位手段と、を備え、前記変位手段が一方の変位終端から変位開始する場合に、前記第1相対変位手段の相対変位から生じることを特徴とする遊技機甲C6。
遊技機甲C6によれば、遊技機甲C5の奏する効果に加え、複数態様で相対変位する相対変位手段が同時に相対変位を開始するのではなく、相対変位のタイミングがずらされることにより、変位手段の変位を安定させることができる。
遊技機甲C6において、前記変位手段が他方の変位終端から変位開始する場合に、前記第2相対変位手段の相対変位から生じることを特徴とする遊技機甲C7。
遊技機甲C7によれば、遊技機甲C6の奏する効果に加え、変位手段が変位を開始する終端ごとに、先に相対変位する相対変位手段を異ならせることで、演出効果の向上を図ることができる。
遊技機甲C3において、前記第1範囲は、前記変位手段の少なくとも一方の変位終端を含むことを特徴とする遊技機甲C8。
遊技機甲C8によれば、遊技機甲C3の奏する効果に加え、少なくとも一方の変位終端において、変位手段を減速させ易くすることができる。
遊技機甲C8において、前記変位手段が受ける前記力は、所定の抵抗力であることを特徴とする遊技機甲C9。
遊技機甲C9によれば、遊技機甲C8の奏する効果に加え、変位手段が受ける所定の抵抗力を変位終端で大きくし、変位途中で小さくするように構成することで、変位手段の変位の迅速化を図ることができる。
遊技機甲C8又は甲C9において、前記第1範囲は、前記変位手段の両方の変位終端を含むことを特徴とする遊技機甲C10。
遊技機甲C10によれば、遊技機甲C8又は甲C9の奏する効果に加え、両変位終端において変位手段を減速させ易くすることができるので、両変位方向において変位手段の変位の迅速化を図ることができる。
遊技機甲C10において、前記変位手段は一対で構成され、その一対の前記変位手段から前記駆動手段側に伝達される荷重は、前記両方の変位終端において同じとされることを特徴とする遊技機甲C11。
遊技機甲C11によれば、遊技機甲C10の奏する効果に加え、両方の変位終端からの変位開始に要する駆動力を同じにすることができる。
<基板に位置合わせされる導光板に平行に光を照射>
板状部材から構成される第1手段と、その第1手段の所定面側に配設される第1発光手段と、その第1発光手段の光を受光可能な板状の第1受光手段と、を備え、前記第1受光手段は、前記所定面と対向配置される側面が前記第1手段の前記所定面と当接されることを特徴とする遊技機甲D1。
パチンコ機等の遊技機において、発光手段が配設される板状部材と、その板状部材の発光手段に対向配置され、発光手段の光が入射されるよう構成される板状部を有する受光手段と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-198675号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、受光手段を位置合わせするための他の部材が必要であり、構造が複雑化するという問題点があった。即ち、受光手段の配置に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲D1によれば、第1手段と第1受光手段との当接により第1受光手段の第1手段に対する位置合わせを行うことができるので、第1受光手段を位置合わせするための構造を簡素化することができる。即ち、受光手段の配置に関して改善することができる。
遊技機甲D1において、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が前記反対面と当接されることを特徴とする遊技機甲D2。
遊技機甲D2によれば、遊技機甲D1の奏する効果に加え、第2受光手段についても第1手段との当接により第1手段に対する位置合わせを行うことができるので、第1受光手段および第2受光手段を位置合わせするための構造を簡素化することができる。即ち、受光手段の配置に関して更に改善することができる。
遊技機甲D2において、前記第1受光手段および前記第2受光手段は、前記第1手段に、所定の押圧手段からの押圧により固定可能とされることを特徴とする遊技機甲D3。
遊技機甲D3によれば、遊技機甲D2の奏する効果に加え、押圧手段からの押圧により3部材を固定可能とされるので、複数部材を固定するための固定箇所を減らすことができ、製造工数を削減できる。
遊技機甲D1から甲D3のいずれかにおいて、前記第1手段および前記第1受光手段を支持可能に構成される支持手段を備え、その支持手段は、前記第1手段に嵌合可能な第1突設部と、前記第1受光手段に嵌合可能な第2突設部と、を備えることを特徴とする遊技機甲D4。
遊技機甲D4によれば、遊技機甲D1から甲D3のいずれかの奏する効果に加え、支持手段によって第1手段および第1受光手段を支持することで、第1手段の板面と平行な方向における第1手段と第1受光手段との位置ずれを防ぐことができる。
なお、第2受光手段が配設される場合において、第2突設部が第2受光手段にも嵌合可能に構成するようにしても良い。この場合、第1手段の板面と平行な方向における第1受光手段と第2受光手段との位置ずれを防ぐことができる。
遊技機甲D3又は甲D4において、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が前記反対面と当接され、前記第1手段は、前記第2突設部の外方に配置され、前記第1受光手段および前記第2受光手段は、前記第2突設部において所定の押圧手段により押圧され固定可能とされることを特徴とする遊技機甲D5。
遊技機甲D5によれば、遊技機甲D3又は甲D4の奏する効果に加え、手段からの押圧力が第1手段の端部にかけられるようにすることができる。これにより、押圧力が過大になった場合でも、第1手段の端部が破損することで留めることができ、発光手段が配設される中央部側が破損することを避け易くすることができる。
遊技機甲D5において、前記第1受光手段または前記第2受光手段は、第1手段と当接する当接部の形状が対応するように構成されることを特徴とする遊技機甲D6。
遊技機甲D6によれば、遊技機甲D5の奏する効果に加え、所定の押圧手段からの押圧により第1受光手段を介して第1手段に力がかけられる部分と、第2受光手段を介して第1手段に力がかけられる部分とを対応させることができるので、第1手段にかけられる力の方向を面直方向にしやすく、表裏にかけられる力のバランスを良くすることができる。これにより、第1手段の面と傾斜する方向に力がかけられることによる第1手段の割れを防止することができる。
遊技機甲D3から甲D6のいずれかにおいて、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が、前記反対面と当接され、前記第1発光手段は、前記第2発光手段に対応する位置に配置され、前記第2発光手段の照射方向に対して平行な方向に光を照射するよう構成されることを特徴とする遊技機甲D7。
遊技機甲D7によれば、遊技機甲D3から甲D6のいずれかの奏する効果に加え、第1発光手段から第1受光手段に光が照射される位置と、第2発光手段から第2受光手段に光が照射される位置とを、対応させることができる。これにより、異なる発光部により照らされる位置を合わせることができるので、第1受光手段および第2受光手段の平面と直交する方向視における発光演出を良好とすることができる。
遊技機甲D7において、前記第1発光手段は、複数の発光部を備え、それら複数の発光部からの光の光軸方向が互いに平行とされることを特徴とする遊技機甲D8。
遊技機甲D8によれば、遊技機甲D7の奏する効果に加え、第1発光手段の光により第1手段を広範囲で均一に光らせることができる。
遊技機甲D1から甲D8のいずれかにおいて、前記第1手段および前記第1発光手段を支持可能に構成される支持手段、を備え、前記第1受光手段は、前記第1手段が配設される側の反対側の被支持面が前記支持手段の支持面に支持されるよう構成され、前記被支持面または前記支持面は、複数の突起部を備え、その複数の突起部は、所定の発光手段からの光を受けて演出可能に構成されることを特徴とする遊技機甲D9。
遊技機甲D9によれば、遊技機甲D1から甲D8のいずれかの奏する効果に加え、複数の突起部を、光を受けて演出する演出面と、押圧力を分割可能な構造面とで利用することができる。
遊技機甲D9において、前記所定の発光手段は、前記第1発光手段に対する前記第1受光手段の反対側に配置されることを特徴とする遊技機甲D10。
遊技機甲D10によれば、遊技機甲D9の奏する効果に加え、所定の発光手段からの光と第1発光手段からの光とが干渉することを避けることができる。
遊技機甲D1から甲D10のいずれかにおいて、前記第1手段は、複数枚の板状部材を備えることを特徴とする遊技機甲D11。
遊技機甲D11によれば、遊技機甲D1から甲D10のいずれかの奏する効果に加え、第1受光手段へ光を照射する第1発光手段の配設箇所を増やすことができるので、第1受光手段の大きさの設計自由度を向上させることができる。
遊技機甲D1から甲D11のいずれかにおいて、前記第1受光手段の受光側端部は、前記第1発光手段の照射方向側の前記第1手段の端部よりも前記発光手段側に配置されることを特徴とする遊技機甲D12。
遊技機甲D12によれば、遊技機甲D1から甲D11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段を遮蔽部材として利用することで、第1受光手段に受光される前の光が漏れることを防止することができる。
<光を通す方向を制限する制限手段>
前面側に遊技球が流下可能な領域を構成する流下手段と、その流下手段よりも正面側に設けられ、背面側に位置する前記領域を遊技球が流下する場合がある正面側手段と、を備え、前記正面側手段は、第1方向の方向視と、その第1方向の方向視よりも前記領域を流下する遊技球を視認し易い第2方向の方向視とで視認可能に構成されることを特徴とする遊技機甲E1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技球の流下経路の正面側に装飾用の文字や図形等が描かれた透明板が配設される遊技機がある(例えば、特開2017-23543号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、装飾用の文字や図形越しに流下経路を流れる遊技球を視認することになるが、どちらか一方を見易くすると(例えば、装飾用の文字や図形を濃くすると)、他方の視認性が悪くなる(例えば、遊技球が見え難くなる)といった事態が生じ得ることになり、遊技中における遊技球の視認性について改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲E1によれば、正面側手段は、見る方向によって、流下手段を流下する遊技球を視認し易い状態と、視認し難い状態とを構成できる。即ち、第1方向視においては正面側手段の正面側を視認させる一方で、第2方向視において正面側手段越しに遊技球を視認させるようにすることで、正面側手段を採用したまま、遊技中における遊技球の視認性を改善することができる。
遊技機甲E1において、前記正面側手段は、光透過性の樹脂材料から形成され、前記領域へ向かう前記第1方向の光を遮り、前記第2方向の光が前記領域へ向かうことを許容する方向選択手段を備えることを特徴とする遊技機甲E2。
遊技機甲E2によれば、遊技機甲E1の奏する効果に加え、方向選択手段により、光が透過可能な方向を制限することにより、方向の違いによる視認性の程度の違いをより明確にすることができる。
遊技機甲E2において、前記流下手段よりも正面側に配置され、遊技球が流下する領域の前側面を構成する前側面構成手段を備え、前記方向選択手段は、前記正面側手段と前記前側面構成手段との間の領域に配置され所定の厚みを有するよう構成されることを特徴とする遊技機甲E3。
遊技機甲E3によれば、遊技機甲E2の奏する効果に加え、方向視の違いによる視認性の変化を、正面側手段と前側面構成手段との間という厚みの薄い領域に配置される方向選択手段により実現できるので、方向選択手段自体による光の減衰の影響を受け難くすることができ、第1方向の方向視と、第2方向の方向視との見え方の違いを顕著にすることができる。
遊技機甲E1から甲E3のいずれかにおいて、前記方向選択手段により視認される方向で遊技球の視認性が変化する第1の流路と、視認される方向で遊技球の視認性が変化しない第2の流路とが隣り合って設けられることを特徴とする遊技機甲E4。
遊技機甲E4によれば、遊技機甲E1から甲E3のいずれかの奏する効果に加え、所定範囲を視認する遊技者の視線の方向の違いにより、第2の流路に注目させ易い状態と、第1の流路および第2の流路の両方に同程度に注目させ易い状態とを生じさせることができる。
遊技機甲E4において、前記第1の流路を流下する遊技球を検出可能な検出手段を備えることを特徴とする遊技機甲E5。
遊技機甲E5によれば、遊技機甲E4の奏する効果に加え、方向選択手段により遊技球が第1の流路を流下したことを視認できない事態が生じても、検出手段により遊技球の流下が検出された場合に遊技者側に報知を行うように制御することが可能となるので、第1の流路を遊技球が流下したか否かを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機甲E4又は甲E5において、前記第1の流路に流入した遊技球は、前記第1の流路を介して遊技領域から排出されることを特徴とする遊技機甲E6。
遊技機甲E6によれば、遊技機甲E4又は甲E5の奏する効果に加え、遊技領域から排出される予定の第1の流路を流下する遊技球に比較して、流下した後も遊技領域を流下し得る第2の流路を流下する遊技球に対して、より注目させることができる。
遊技機甲E1から甲E6のいずれかにおいて、前記正面側手段は、前記領域へ向かう前記第1方向の光を遮り、前記第2方向の光が前記領域へ向かうことを許容する方向選択手段を備え、その方向選択手段は、その表面側を覆うように光透過性の樹脂部材が配置され、その樹脂部材の表面に装飾図形が形成されることを特徴とする遊技機甲E7。
遊技機甲E7によれば、遊技機甲E1から甲E6のいずれかの奏する効果に加え、第1方向から領域側へ視線を送る遊技者に対して、樹脂部材の表面の装飾図形を視認させることができるので、正面側手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機甲E7において、前記方向選択手段は、積層配置される複数の板状部を有する板状手段から形成されることを特徴とする遊技機甲E8。
遊技機甲E8によれば、遊技機甲E7の奏する効果に加え、前後方向の隙間寸法が大きい場合に、その隙間を方向選択手段により埋め易くすることができる。
遊技機甲E1から甲E8のいずれかにおいて、光照射手段を備え、その光照射手段の光により前記正面側手段の視認性が変化されることを特徴とする遊技機甲E9。
遊技機甲E9によれば、遊技機甲E1から甲E8のいずれかの奏する効果に加え、光照射手段の光を点灯させる場合と、消灯させる場合とで、正面側手段の視認性に変化を生じさせることができるので、領域を流下する遊技球の視認性の切り替えを、演出に対応させて実行させることができる。
遊技機甲E9において、前記光照射手段の光により前記正面側手段の視認性が変化される範囲を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機甲E10。
遊技機甲E10によれば、遊技機甲E9の奏する効果に加え、光照射手段の照射態様を切り替えることにより、正面側手段の範囲ごとの視認性を変化させることができる。これにより、遊技球が流下する領域を視認性良く視認できる方向を、光照射手段により切り替えることができる。
遊技機甲E1から甲E10のいずれかにおいて、前記正面側手段は、変位可能に構成されることを特徴とする遊技機甲E11。
遊技機甲E11によれば、遊技機甲E1から甲E10のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が目線を動かさなくても、正面側手段が変位することにより遊技者の目線と正面側手段との間の角度が変化する場合を生じさせることができ、領域の視認性を変化させることができる。
<基板ボックスW100~W3100,W700~W9100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備え、前記係合部材が取り外されて、前記配設部材が取り外される遊技機において、前記係合部材が取り外されると、前記配設部材が取り外されたのと同等の状況が形成可能とされることを特徴とする遊技機甲WA1-0。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
ここで、取り外した配設部材が再び配設される場合がある。この場合には、配設部材の状態を確認できることが好ましいが、上述した遊技機では、配設部材の状態を確認可能とする上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の状態を確認可能とすることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WA1-0によれば、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、係合部材が取り外されると、前記配設部材が取り外されたのと同等の状況が形成可能とされる。これにより、その状況に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
遊技機甲WA1-0において、前記係合部材は、本体部と、前記第1部材に係合される係合部と、前記本体部および前記係合部を連結する連結部と、を備え、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記連結部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機甲WA1-1。
遊技機甲WA1-1によれば、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、連結部に対応する位置に形成されるので、連結部が切断される際に、凹部(空間)を利用して(連結部を切断するための工具の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を破損させやすくできる。即ち、切断部が切断された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
なお、配設部材に痕跡が無い場合には、その配設部材が新品である可能性が高いと判断できる。配設部材に痕跡が有る場合には、第1部材および第2部材から係合部材が取り外される際に配設部材に痕跡が形成され、第1部材および第2部材から取り外されて、同一または別の第1部材および第2部材に再度配設(再利用)された配設部材である、又は、第1部材および第2部材または収納物に対して不正な操作を行うために、第1部材および第2部材から係合部材のみが取り外され、その係合部材の取り外しの際に痕跡が形成された配設部座合である可能性が高いと判断できる。
遊技機甲WA1-1において、前記第1部材と前記第2部材とは、ねじの締結により連結され、前記ねじの頭部は、前記凹部に位置することを特徴とする遊技機甲WA1-2。
遊技機甲WA1-2によれば、遊技機甲WA1-1の奏する効果に加え、第1部材と前記第2部材とは、ねじの締結により連結され、ねじの頭部は、凹部に位置するので、連結部が切断される際に形成される配設部材の痕跡を、ねじの頭部に対応する位置に形成することができる。よって、配設部材によりねじの頭部が隠れている場合でも、配設部材の痕跡に基づいて、ねじの位置を把握できる。その結果、ねじの締結を解除する作業の作業性を向上できる。
遊技機甲WA1-1又は甲WA1-2において、前記係合部材は、前記本体部と前記配設部材との間の対向間隔よりも前記連結部と前記配設部材との間の対向間隔が小さくされることを特徴とする遊技機甲WA1-3。
遊技機甲WA1-3によれば、遊技機甲WA1-1又は甲WA1-2の奏する効果に加え、係合部材は、本体部と配設部材との間の対向間隔よりも連結部と配設部材との間の対向間隔が小さくされるので、連結部を切断するための工具の先端を配設部材に近づけることができ、連結部が切断される際に、配設部材を破損させやすくできる。
遊技機甲WA1-1から甲WA1-3のいずれかにおいて、前記連結部は、少なくとも一方の側面が傾斜して形成されることを特徴とする遊技機甲WA1-4。
遊技機甲WA1-4によれば、遊技機甲WA1-1から甲WA1-3のいずれかの奏する効果に加え、連結片は、少なくとも一方の側面が傾斜して形成されるので、連結片が切断される際に、側面の傾斜に沿って工具を移動させることができる。よって、工具の先端を配設部材に当接させ、配設部材を破損させやすくできる。
例えば、一対の刃の間に連結片を挟み込んで(一対の刃を両側面に当接させて)、連結片を切断する工具を使用する場合には、連結片が切断される際に、側面の傾斜に沿って工具を回転させ、その回転に伴って、工具の先端を配設部材に当接させやすくできる。
遊技機甲WA1-1から甲WA1-4のいずれかにおいて、前記連結部は、第1部分と、その第1部分よりも両側面の間の距離が小さくされる第2部分とを備え、前記第1部分と前記配設部材との間の対向間隔よりも前記第2部分と前記配設部材との間の対向間隔が小さくされることを特徴とする遊技機甲WA1-5。
遊技機甲WA1-5によれば、遊技機甲WA1-1から甲WA1-4のいずれかの奏する効果に加え、第2部分は、第1の部分よりも両側面間の距離が小さくされるので、第2部分の切断により、連結部の切断を容易とできる。
この場合、第1部分と配設部材との間の対向間隔よりも第2部分と配設部材との間の対向間隔が小さくされるので、第2部分を切断するための工具の先端を配設部材に近づけることができ、第2部分が切断される際に、配設部材を破損させやすくできる。
また、このように、第1部分と配設部材との間の対向間隔よりも第2部分と配設部材との間の対向間隔が小さくされる(即ち、第2部分を配設部材側へ延長できる)ことで、その分、第1部分と第2部分との横断面の面積の差を抑制できる。よって、係合部材を樹脂材料から形成する場合には、その成形性を確保できる。
<基板ボックスW4100~W6100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、前記第1部材に係合される係合部と、前記本体部および前記係合部を連結する連結部と、を備え、前記係合部材の係合部は、前記配設部材へ向けて突設される突部を備えることを特徴とする遊技機甲WA2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
ここで、取り外した配設部材が再び配設される場合がある。この場合には、配設部材の状態を確認できることが好ましいが、上述した遊技機では、配設部材の状態を確認可能とする上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の状態を確認可能とすることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WA2-1によれば、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、係合部材は、配設部材へ向けて突設される突部を備えるので、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材との係合を解除しようとすると、突部により配設部材を破損させることができる。即ち、係合が解除されたか否かに関わらず、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
なお、配設部材に痕跡が無い場合には、その配設部材が新品である可能性が高いと判断できる。配設部材に痕跡が有る場合には、第1部材および第2部材から係合部材が取り外される際に配設部材に痕跡が形成され、第1部材および第2部材から取り外されて、同一または別の第1部材および第2部材に再度配設(再利用)された配設部材である、又は、第1部材および第2部材または収納物に対して不正な操作を行うために、第1部材および第2部材から係合部材のみが取り外され、その係合部材の取り外しの際に痕跡が形成された配設部座合である可能性が高いと判断できる。
遊技機甲WA2-1において、前記突部は、前記係合部の外縁側に位置されることを特徴とする遊技機甲WA2-2。
遊技機甲WA2-2によれば、遊技機甲WA2-1の奏する効果に加え、突部は、係合部の外縁側に位置されるので、第1部材に係合部材が係合された状態であっても、配設部材の痕跡を視認しやすくできる。即ち、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)の確認を行いやすくできる。
遊技機甲WA2-1又は甲WA2-2において、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記突部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機甲WA2-3。
遊技機甲WA2-3によれば、遊技機甲WA2-1又は甲WA2-2の奏する効果に加え、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、突部に対応する位置に形成されるので、連結部を切断せずに、係合部の操作(弾性変形)により第1部材との係合が解除される際には、凹部(空間)を利用して(突部の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を突部により破損させやすくできる。即ち、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成しやすくできる。
遊技機甲WA2-3において、前記係合部材は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、前記第1部材から取り外し可能とされ、前記凹部は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、前記係合部材が前記所定方向へ前記所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲に少なくとも形成されていることを特徴とする遊技機甲WA2-4。
遊技機甲WA2-4によれば、遊技機甲WA2-3の奏する効果に加え、係合部材は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、第1部材から取り外し可能とされ、凹部は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、係合部材が所定方向へ所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲に少なくとも形成されているので、配設部材の破損範囲を確保できる。
即ち、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材と係合部材との係合が解除される際には、突部の先端が凹部に受け入れられた状態で、係合部材が所定方向へ変位されるので、その係合部材が所定方向へ所定距離を変位される間、凹部に受け入れられた突部の先端により配設部材を破損し続けることができる。よって、配設部材の破損範囲を確保できる。
遊技機甲WA2-3において、前記係合部材は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、前記第1部材から取り外し可能とされ、前記凹部は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、前記係合部材が前記所定方向へ前記所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲のうちの前半部分のみに形成されていることを特徴とする遊技機甲WA2-5。
遊技機甲WA2-5によれば、遊技機甲WA2-3の奏する効果に加え、係合部材は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、第1部材から取り外し可能とされ、凹部は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、係合部材が所定方向へ所定距離を変位される際の突部に対応する範囲のうちの前半部分のみに形成されているので、配設部材の破損範囲の確保と、係合部材が第1部材から不正に取り外されることの抑制とを図ることができる。
即ち、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材と係合部材との係合が解除される際には、突部の先端が凹部に受け入れられた状態で、係合部材が所定方向へ変位されるので、その係合部材が所定方向へ所定距離の前半部分を変位される間、凹部に受け入れられた突部の先端により配設部材を破損し続けることができる。よって、配設部材の破損範囲を確保できる。
一方で、係合部材が所定方向へ所定距離の前半部分を変位された後は、凹部に受け入れられた突部の先端を凹部の終端に係合させることができる。これにより、係合部材の所定方向への変位を規制することができるので、係合部材が第1部材から不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWa100~Wc100,Wi100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部が分離された前記本体部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機甲WB1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WB1-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、係合部が分離された本体部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の本体部は、比較的大きく、把持がしやすいので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機甲WB1-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記本体部は、前記配設部材の所定領域に対応する位置に配設される変更手段を備え、前記連結部が切断された状態では、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接する位置まで前記本体部が前記第1部材および前記第2部材に対して変位可能とされることを特徴とする遊技機甲WB1-2。
遊技機甲WB1-2によれば、遊技機甲WB1-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、本体部は、配設部材の所定領域に対応する位置に配設される変更手段を備え、連結部が切断された状態では、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接する位置まで本体部が第1部材および第2部材に対して変位可能とされるので、連結部を切断した後であって、第1部材および第2部材から本体部を取り外す前に、本体部を変位させて、配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる(配設部材の配設状態を変更する)ことができる。即ち、連結部を切断し、本体部を第1部材および第2部材から取り外す作業と、取り外した本体部(変更手段)を使用して配設部材の配設状態を変更する作業とを別々に行う必要がなく、これらの作業を一連の作業として効率的に行うことができるので、配設部材の配設状態の変更を容易に行うことができる。
また、変更手段が配設部材の所定領域に対応する位置に配設されるので、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け(取り外し)作業時、或いは、連結部材の切断により係合部が分離された本体部の廃棄処理時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、変更手段が本体部に形成される分、本体部の剛性を高めることができる。
遊技機甲WB1-2において、前記本体部の前記変更手段は、前記配設部材の前記所定領域に対して少なくとも一部が傾斜して形成されていることを特徴とする遊技機甲WB1-3。
遊技機甲WB1-3によれば、遊技機甲WB1-2の奏する効果に加え、本体部の変更手段は、配設部材の所定領域に対して少なくとも一部が傾斜して形成されているので、本体部を変位させて、配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させた際に、配設部材の配設状態を変更しやすくできる。
遊技機甲WB1-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記本体部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記係合部に対向する位置に配設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機甲WB1-4。
遊技機甲WB1-4によれば、遊技機甲WB1-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
本体部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され係合部に対向する位置に配設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、係合部に対向する位置に配設され、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、変更手段が本体部に形成される分、本体部の剛性を高めることができる。
遊技機甲WB1-4において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方は、被当接部を備え、前記本体部は、前記被当接部に当接可能に形成される当接部を備え、前記被当接部に前記当接部が当接されると、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接されることを特徴とする遊技機甲WB1-5。
遊技機甲WB1-5によれば、遊技機甲WB1-4の奏する効果に加え、被当接部に当接部が当接されると、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接されるので、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる)際に、配設部材の所定領域の位置を探す手間を抑制できる。
遊技機甲WB1-5において、前記被当接部は、その被当接部に当接された前記当接部が前記被当接部に沿って変位可能に形成され、前記被当接部に沿って前記当接部が変位されると、前記配設部材の所定領域に沿って前記変更手段が変位されることを特徴とする遊技機甲WB1-6。
遊技機甲WB1-6によれば、遊技機甲WB1-5の奏する効果に加え、被当接部に沿って当接部が変位されると、配設部材の所定領域に沿って変更手段が変位されるので、被当接部をガイドとして利用して、配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域を変更手段で切断する)作業を容易とできる。
<基板ボックスWe100~Wg100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記本体部から分離された前記係合部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機甲WB2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WB2-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、本体部から分離された係合部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の係合部は、比較的小さく、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できるので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機甲WB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記本体部に対向する位置に配設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機甲WB2-2。
遊技機甲WB2-2によれば、遊技機甲WB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され本体部に対向する位置に配設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、本体部に対向する位置に配設され、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
遊技機甲WB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記配設部材へ向けて突設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機甲WB2-3。
遊技機甲WB2-3によれば、遊技機甲WB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され配設部材へ向けて突設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、配設部材へ向けて突設され(即ち、配設部材に対向する位置に配設され)、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、係合手段は、係合部から配設部材へ向けて突設されるので、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材との係合を解除しようとすると、係合手段により配設部材を破損させることができる。即ち、係合が解除されたか否かに関わらず、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
遊技機甲WB2-2又は甲WB2-3において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方は、被当接部を備え、前記係合部は、前記被当接部に当接可能に形成される当接部を備え、前記被当接部に前記当接部が当接されると、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接されることを特徴とする遊技機甲WB2-4。
遊技機甲WB2-4によれば、遊技機甲WB2-2又は甲WB2-3の奏する効果に加え、被当接部に当接部が当接されると、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接されるので、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる)際に、配設部材の所定領域の位置を探す手間を抑制できる。
遊技機甲WB2-4において、前記被当接部は、その被当接部に当接された前記当接部が前記被当接部に沿って変位可能に形成され、前記被当接部に沿って前記当接部が変位されると、前記配設部材の所定領域に沿って前記変更手段が変位されることを特徴とする遊技機甲WB2-5。
遊技機甲WB2-5によれば、遊技機甲WB2-4の奏する効果に加え、被当接部に沿って当接部が変位されると、配設部材の所定領域に沿って変更手段が変位されるので、被当接部をガイドとして利用して、配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域を変更手段で切断する)作業を容易とできる。
遊技機甲WB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成される変更手段を備え、前記変更手段は、切断された前記連結部により形成されることを特徴とする遊技機甲WB2-6。
遊技機甲WB2-6によれば、遊技機甲WB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成される変更手段を備え、変更手段は、切断された連結部により形成されるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、係合部材の係合部は、比較的小さく、連結部は係合部よりも更に小さいので、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できると共に、配設部材の配設状態を変更することに適した形状(例えば、鋭利な形状)を形成しやすい。よって、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすくできる。
また、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされる(即ち、切断された連結部が変更手段となる)ので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
遊技機甲WB2-6において、前記連結部は、前記係合部の一辺の一側の端部を前記本体部に連結する一側連結部と、前記係合部の前記一辺の前記一側と反対側の他側の端部を前記本体部に連結する他側連結部とを備えることを特徴とする遊技機甲WB2-7。
遊技機甲WB2-7によれば、連結部は、係合部の一辺の一側の端部を本体部に連結する一側連結部と、係合部の一辺の一側と反対側の他側の端部を本体部に連結する他側連結部とを備えるので、配設部材の所定領域における一側には一側連結部を使用して係合部を一側へ変位させると共に、配設部材の所定領域における他側には他側連結部を使用して係合部を他側へ変位させることで、所定領域の配設状態を変更できる。即ち、係合部を持ち替えて係合部の向きを反転させなくても、周囲の部材(第1部材または第2部材)との干渉を抑制しつつ、所定領域の一側の端部および他側の端部まで、その配設状態を変更(切断)できる。よって、配設部材の所定領域における配設状態を効率的に変更できる。
遊技機甲WB2-6又は甲WB2-7において、前記連結部は、前記本体部に連結される側と前記係合部に連結される側との間に断面積が小さくされる部位を備えることを特徴とする遊技機甲WB2-8。
遊技機甲WB2-8によれば、遊技機甲WB2-6又は甲WB2-7の奏する効果に加え、連結部は、本体部に連結される側と係合部に連結される側との間に断面積が小さくされる所定部位を備えるので、所定部位の切断により、連結部の切断を容易とできる。また、配設部材の配設状態を変更することに適した形状(例えば、鋭利な形状)を、切断された連結部(所定部位)に形成しやすくできる。
<基板ボックスWd100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記本体部とその本体部から分離された前記係合部とが連結可能に形成され、前記本体部に連結された前記係合部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機甲WB3-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WB3-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、本体部とその本体部から分離された係合部とが連結可能に形成され、本体部に連結された係合部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の本体部は、比較的大きく、把持がしやすい一方、係合部材の係合部は、比較的小さく、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できるので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機甲WB3-1において、前記係合部は、前記第1部材に係合される部位が前記本体部に連結されることを特徴とする遊技機甲WB3-2。
遊技機甲WB3-2によれば、遊技機甲WB3-1の奏する効果に加え、係合部は、第1部材に係合される部位が本体部に連結されるので、本体部と連結するための部位を係合部に別途設ける必要がない。即ち、第1部材に係合される部位を、本体部に連結される部位としても兼用できる。よって、係合部の形状を簡素化できる。
遊技機甲WB3-1又は甲WB3-2において、前記係合部材は、前記第1部材と係合する姿勢を規定可能に前記本体部に形成される規定部を備え、前記本体部は、前記規定部が前記係合部に連結されることを特徴とする遊技機甲WB3-2。
遊技機甲WB3-3によれば、遊技機甲WB3-1又は甲WB3-2の奏する効果に加え、係合部材は、第1部材と係合する姿勢を規定可能に本体部に形成される規定部を備え、本体部は、規定部が係合部に連結されるので、係合部と連結するための部位を本体部に別途設ける必要がない。即ち、係合部材の姿勢を規定する部位(規定部)を、係合部に連結される部位としても兼用できる。よって、係合部の形状を簡素化できる。
<基板ボックスWj100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部が前記第1部材に係合された状態で、所定方向へ変位可能に形成され、前記第1部材または前記第2部材は、前記所定方向へ変位された前記係合部材に対し、前記第1部材との係合が解除される方向への前記係合部の変位を抑制可能に形成される抑制手段を備えることを特徴とする遊技機甲WC1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WC1-1によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、係合部材は、係合部が第1部材に係合された状態で、所定方向へ変位可能に形成され、第1部材または第2部材は、所定方向へ変位された係合部材に対し、第1部材との係合が解除される方向への係合部の変位を抑制可能に形成される抑制手段を備えるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機甲WC1-1において、前記第1部材または前記第2部材は、前記抑制手段による前記係合部の変位の抑制が可能な位置から前記係合部材が前記所定方向と反対方向へ変位することを規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機甲WC1-2。
遊技機甲WC1-2によれば、遊技機甲WC1-1の奏する効果に加え、第1部材または第2部材は、抑制手段による係合部の変位の抑制が可能な位置から係合部材が所定方向と反対方向へ変位することを規制する規制手段を備えるので、係合部と第1部材との係合が不正に解除されることを抑制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機甲WC1-2において、前記規制手段は、前記所定方向へ変位された前記係合部材の前記係合部と係合可能に形成され、前記係合部と係合することで、前記係合部材が前記所定方向と反対方向へ変位することを規制可能とされることを特徴とする遊技機甲WC1-3。
遊技機甲WC1-3によれば、遊技機甲WC1-2の奏する効果に加え、規制手段は、所定方向へ変位された係合部材の係合部と係合可能に形成され、係合部と係合することで、係合部材が所定方向と反対方向へ変位することを規制可能とされるので、係合部材を所定方向へ変位させるだけで、係合部材の変位が規制手段により規制された状態を形成でき、係合部材の組み付け作業の作業性を向上できる。
遊技機甲WC1-3において、前記第1部材または前記第2部材は、前記規制手段を遮蔽する遮蔽手段を備えることを特徴とする遊技機甲WC1-4。
遊技機甲WC1-4によれば、遊技機甲WC1-3の奏する効果に加え、1部材または第2部材は、規制手段を遮蔽する遮蔽手段を備えるので、係合部と規制手段との係合が不正に解除されることを抑制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWk100,Wl100,Wr100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方と前記係合部材とは、複数箇所で係合され、それら複数箇所の係合の相互作用により係合が解除され難く形成されることを特徴とする遊技機甲WC2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WC2-1によれば、第1部材または第2部材の少なくとも一方と係合部材とは、複数箇所で係合され、それら複数箇所の係合の相互作用により係合が解除され難く形成されるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機甲WC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される第1係合部および第2係合部と、を備え、前記第1係合部および前記第2係合部は、前記係合部材の変位に伴って、前記第1係合部材が前記第1部材に係合された後に、前記第2係合部が前記第1部材に係合可能に形成され、前記第1部材は、前記第1部材との係合が解除される方向への前記第1係合部の変位を規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機甲WC2-2。
遊技機甲WC2-2によれば、本体部から第1係合部および第2係合部を分離(切断)することで、第1係合部および第2係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ第1係合部および第2係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と第1係合部および第2係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機甲WC2-2によれば、遊技機甲WC2-1の奏する効果に加え、第1係合部および第2係合部は、係合部材の変位に伴って、第1係合部材が第1部材に係合された後に、第2係合部が前記第1部材に係合可能に形成され、第1部材は、前記第1部材との係合が解除される方向への前記第1係合部の変位を規制する規制手段を備えるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
即ち、第1部材との係合が解除される方向への第1係合部の変位は、規制手段により規制でき、規制手段による第1係合部の変位の規制を解除する方向への係合部材の変位は、第1部材と第2係合部との係合により規制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機甲WC2-2において、前記第1係合部が前記第1部材に係合される際の前記係合部材の変位の方向と、前記第2係合部が前記第1部材に係合される際の前記係合部材の変位の方向とは、略同一の方向であることを特徴とする遊技機甲WC2-3。
遊技機甲WC2-3によれば、遊技機甲WC2-2の奏する効果に加え、第1係合部が第1部材に係合される際の係合部材の変位の方向と、第2係合部が第1部材に係合される際の係合部材の変位の方向とは、略同一の方向であるので、例えば、第1の方向へ係合部材を変位させて、第1係合部を係合させた後、第2の方向へ係合部材を変位させて、第2係合部を係合させる2段階の操作を行う必要がなく、第1部材および第2部材へ係合部材を取り付ける際の一方向への操作のみで第1係合部と第2係合部との係合を行うことができる。よって、係合部材の取り付け操作を簡素化して、作業効率を高めることができる。
また、2段階の操作が必要となる構成では、第2の方向への操作を作業者が失念すると、第2係合部が係合されず、第1部材および第2位部材から係合部材が不正に取り外される虞があるところ、第1部材および第2部材へ係合部材を取り付ける際の一方向への操作のみで第1係合部と第2係合部との係合を行うことができることで、必要な操作を作業者が失念することを抑制でき、第2係合部を確実に係合させることができる。
遊技機甲WC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される第1係合部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第2部材に係合される第2係合部と、を備え、前記第1係合部と前記第1部材との係合が解除される前記第1係合部の変位の方向と、前記第2係合部と前記第2部材との係合が解除される前記第2係合部の変位の方向とが反対の方向とされることを特徴とする遊技機甲WC2-4。
遊技機甲WC2-4によれば、本体部から第1係合部および第2係合部を分離(切断)することで、第1係合部および第2係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材および第2部材との係合が解除される方向へ第1係合部および第2係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材および第2部材と第1係合部および第2係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機甲WC2-4によれば、遊技機甲WC2-1の奏する効果に加え、第1係合部と第1部材との係合が解除される第1係合部の変位の方向と、第2係合部と第2部材との係合が解除される第2係合部の変位の方向とが反対の方向とされるので、第1係合部または第2係合部の一方を係合が解除される方向へ変位させると、その一方の変位に伴う係合部材の変位によって、第1係合部または第2係合部の他方を係合が維持される方へ変位させることができる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機甲WC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部は、前記係合部の第1部分および第2部分の2箇所が前記第1部材に係合され、前記第1部分または前記第2部分の一方と前記第1部材との係合が解除される方向へ前記係合部が変位されると、前記第1部分または前記第2部分の他方と前記第1部材との係合が維持される方向へ前記係合部が変位されることを特徴とする遊技機甲WC2-5。
遊技機甲WC2-5によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部分および第2部分と第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部(第1部分および第2部分)との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機甲WC2-5によれば、遊技機甲WC2-1の奏する効果に加え、第1部分または第2部分の一方と第1部材との係合が解除される方向へ係合部が変位されると、第1部分または第2部分の他方と第1部材との係合が維持される方向へ係合部が変位されるので、第1部材と係合部との係合を解除し難くできる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWo100~Wq100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、を備えた遊技機において、取付部材を備え、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記取付部材は、前記係合部に取り付け可能に形成され、前記第1部材と前記係合部との係合が解除される方向への前記係合部の変位が前記取付部材により抑制可能に形成されることを特徴とする遊技機甲WD1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WD1-1によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、取付部材は、係合部に取り付け可能に形成され、第1部材と係合部との係合が解除される方向への係合部の変位が取付部材により抑制可能に形成されるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
一方で、係合部に取付部材が取り付けられていても、本体部から係合部を分離(切断)することは可能であるので、正規の作業においては、係合部の分離(切断)により、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を容易に取り外すことができる。
遊技機甲WD1-1において、前記係合部は、前記第1部材との係合が解除される方向へ変位されると、前記係合部の第1面側が前記第1部材へ近接され、前記取付部材は、前記係合部に取り付けられると、前記取付部材の一部が前記係合部の前記第1面と前記第1部材との間に配置されることを特徴とする遊技機甲WD1-2。
遊技機甲WD1-2によれば、遊技機甲WD1-1の奏する効果に加え、係合部は、第1部材との係合が解除される方向へ変位されると、係合部の第1面側が第1部材へ近接され、取付部材は、係合部に取り付けられると、取付部材の一部が係合部の第1面と第1部材との間に配置されるので、第1部材との係合が解除される方向へ係合部が変位可能な距離を、取付部材の一部が配置される分、短くすることができる。その結果、第1部材と係合部との係合を解除され難くできるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機甲WD1-2において、前記取付部材は、第1部材に係合された前記係合部に取り付け可能に形成されることを特徴とする遊技機甲WD1-3。
遊技機甲WD1-3によれば、遊技機甲WD1-2の奏する効果に加え、取付部材は、第1部材に係合された係合部に取り付け可能に形成されるので、第1部材に係合部を係合させる際に、係合部の変位が取付部材の一部によって阻害されない。よって、第1部材への係合部の係合(即ち、第1部材および第2部材への係合部材の装着)をスムーズに行うことができる。また、第1部材と係合部との係合代を大きくできるので、第1部材と係合部との係合が解除されることを抑制しやすくできる。
遊技機甲WD1-2又は甲WD1-3において、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材を備え、前記係合部の取り付けられた前記取付部材の一部は、前記第1面から突設される突部として形成され、前記突部は、前記第1部材に配設される前記配設部材に向けて突設されることを特徴とする遊技機甲WD1-4。
遊技機甲WD1-4によれば、遊技機甲WD1-2又は甲WD1-3の奏する効果に加え、第1部材および第2部材に配設される配設部材を備え、係合部の取り付けられた取付部材の一部は、第1面から突設される突部として形成され、突部は、第1部材に配設される配設部材に向けて突設されるので、本体部から係合部を分離(切断)せずに、第1部材と係合部との係合を解除しようとすると(即ち、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位させようとすると)、突部により配設部材を破損させることができる。即ち、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
遊技機甲WD1-4において、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記突部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機甲WD1-5。
遊技機甲WD1-5によれば、遊技機甲WD1-4の奏する効果に加え、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、突部に対応する位置に形成されるので、本体部から係合部を分離(切断)せずに、第1部材と係合部との係合を解除しようとすると(即ち、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位させようとすると)、凹部(空間)を利用して(突部の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を突部により破損させやすくできる。即ち、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成しやすくできる。
<無駄球を減らすための構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて所定パターンで動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記検出手段を通過した遊技球を前記動作手段まで所定経路で案内する案内手段を備えることを特徴とする遊技機甲YA1。
パチンコ機等の遊技機において、検出領域で遊技球の通過を検出してから規定の時間経過後に開閉動作する可動役物を備える遊技機がある(例えば、特開2017-000562号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、検出領域を通過した遊技球の流下経路は複数通りの流下態様で流下するので、遊技球の流下態様次第で、検出領域を通過した遊技球が可動役物に拾われる場合と、可動役物から零れる場合とがランダムに生じることになることから、可動役物から零れる遊技球が多い場合には、遊技者は遊技機店が遊技者に不利になる調整を行っているのではないかと誤解し易く、平等な環境で遊技することができていないと不満に思う可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲YA1によれば、検出手段を通過してからの遊技球の流下はランダムではなく、案内手段により遊技球が動作手段まで案内されるので、検出手段を通過した遊技球が動作手段に拾われるか、動作手段から零れるかの違いが、動作制御(入賞時に予め行われた抽選の当否に基づく制御)によるものであると遊技者に理解させることができる。即ち、案内手段の構成により規定される流下時間に基づいて、動作手段の動作制御のパターンが設定されているのであり、遊技機店の調整によるものではないと理解することができるので、平等な環境で遊技していると感じさせることができる。
なお、遊技領域は、流下した遊技球により遊技者に与えられる利益が確定するまでの遊技球の流下領域を意味し、例えば、遊技盤の正面側の領域に限られるものではない。例えば、遊技球の通過を検出することで第1図柄の抽選がされる検出装置の上流側に形成される流路であって、遊技盤の内部や遊技盤の背面側に配設される流路も遊技領域に含まれる。
遊技機甲YA1において、前記案内手段は、前記遊技領域の背面側を通るように配設されることを特徴とする遊技機甲YA2。
遊技機甲YA2によれば、遊技機甲YA1の奏する効果に加え、案内手段で案内される遊技球を、遊技領域で流下する遊技球により隠すことができるので、案内手段から動作手段までの領域における注目力を向上することができる。
遊技機甲YA2において、前記案内手段に案内される遊技球は、所定範囲において遊技領域を構成する遊技盤の正面側に向けて流下することを特徴とする遊技機甲YA3。
遊技機甲YA3によれば、遊技機甲YA2の奏する効果に加え、案内手段に案内される遊技球が遊技盤の正面側に流下することから、遊技者に遊技球が近づいてくるように視認させることができる。そのため、通常の下方に流下するだけの遊技球との比較において、案内手段に案内される遊技球を目立たせることができる。
遊技機甲YA1からYA3のいずれかにおいて、前記案内手段は、遊技球が前記検出手段から前記動作手段まで流下するのに要する時間を管理可能に構成されることを特徴とする遊技機甲YA4。
遊技機甲YA4によれば、遊技機甲YA1からYA3のいずれかの奏する効果に加え、遊技球を動作手段で拾うパターンの動作制御と、零すパターンの動作制御とを、容易に設定することができる。
遊技機甲YA1からYA4のいずれかにおいて、前記動作手段は、閉鎖状態または開放状態において遊技球を転動させる態様で流下を案内するよう構成され、遊技球の流下方向の幅寸法が、遊技球の直径の2倍以下に設定される第1動作部を備え、その第1動作部に前記案内手段に案内された遊技球が誘導されることを特徴とする遊技機甲YA5。
遊技機甲YA5によれば、遊技機甲YA1からYA4のいずれかの奏する効果に加え、第1動作部によって、遊技球が動作手段に案内される時間を短縮することができると共に、動作手段で遊技球を1球ずつ案内することができる。動作手段の幅を短くすることができる。
遊技機甲YA5において、前記動作手段は、第1動作部よりも長い第2動作部を備え、遊技球が前記第1動作部を転動するのに要する期間よりも、遊技球が前記第2動作部を転動するのに要する期間の方が長く構成されることを特徴とする遊技機甲YA6。
遊技機甲YA6によれば、遊技機甲YA5の奏する効果に加え、同様に動作手段に到達した遊技球の案内態様として、動作手段が同様の動作パターンで動作している場合に、遊技球が第1動作部に到達するか、第2動作部に到達するかによって、遊技球が下流側にどのように流下するかを変えることができる。
遊技機甲YA6において、前記第1動作部に案内される遊技球と、前記第2動作部に案内される遊技球とは、異なる流下領域に案内されることを特徴とする遊技機甲YA7。
遊技機甲YA7によれば、遊技機甲YA6の奏する効果に加え、一の動作手段を利用して、球の案内方向を複数方向構成することができるので、動作手段による遊技球の案内時の見映えを複数通りで実現することができる。
遊技機甲YA7において、前記検出手段を通過した遊技球は、前記第1動作部に案内され得るよう構成され、前記検出手段を通過せずに流下した遊技球は、前記第2動作部に案内され得ることを特徴とする遊技機甲YA8。
遊技機甲YA8によれば、遊技機甲YA7の奏する効果に加え、検出手段を通過した遊技球が、その他の遊技球に弾かれて案内不良が生じる不具合を防止することができる。
遊技機甲YA6からYA8のいずれかにおいて、前記第1動作部に案内される遊技球と、前記第2動作部に案内される遊技球とは、動作手段上での衝突が抑制されることを特徴とする遊技機甲YA9。
遊技機甲YA9によれば、遊技機甲YA6からYA8のいずれかの奏する効果に加え、動作手段上を転動する遊技球が衝突して、流下態様の不均一が生じることを回避し易くすることができる。
なお、第1動作部上に配置される遊技球と、第2動作部上に配置される遊技球との間に壁が配置されることで隔離されても良いし、壁は無いとしても衝突しないような流下態様に管理されても良い。
遊技機甲YA9において、前記第1動作部に案内される遊技球は、前記第2動作部に案内される遊技球の流下方向とは逆側へ流下することを特徴とする遊技機甲YA10。
遊技機甲YA10によれば、遊技機甲YA9の奏する効果に加え、第1動作部に案内される遊技球と、第2動作部に案内される遊技球とが、同方向に流下する場合と異なり、遊技球の流下速度に関わらず遊技球の衝突を回避することができる。
なお、遊技球の流下方向は、左右逆方向でも良いし、前後逆方向でも良い。また、所定軌跡(例えば、円形状軌跡)に沿う逆方向でも良い。
遊技機甲YA1からYA10のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定経路として複数経路を備えることを特徴とする遊技機甲YA11。
遊技機甲YA11によれば、遊技機甲YA1からYA10のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動作パターンの種類は少なくしながら、遊技球の流下パターンを増やすことができる。
<8チャンスの経路にセンサが配置され不利側から有利側に球を引き抜く構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、遊技球の流下経路を構成する構成手段と、その構成手段の下流側に配設され遊技球が第1入球口に案内される第1経路と、前記構成手段の下流側に配設され遊技球が第2入球口に案内される第2経路と、を備える遊技機において、前記第1経路を流下する遊技球を前記第2経路側へ移動させる移動手段を備えることを特徴とする遊技機甲YB1。
パチンコ機等の遊技機において、入球口に遊技球が通る順番で、遊技球がどの経路に向かうかが周期的に変化する遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、入球口への入球の有利不利は遊技球が入球する周期でのみ変化することになり、全般的に有利な状態や、全般的に不利な状態を形成することが困難であるという問題点があった。換言すれば、遊技者の有利度合いの変化幅が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲YB1によれば、移動手段によって、構成手段に構成される経路を流下した遊技球が第1入球口に入球するか、第2入球口に入球するかを無秩序に生じさせることができるので、遊技球が入球する入球口が周期的に変化する場合に比較して、遊技者の有利度合いの変化幅を拡大することができる。
遊技機甲YB1において、前記構成手段に構成される経路は、分岐経路であることを特徴とする遊技機甲YB2。
遊技機甲YB2によれば、遊技機甲YB1の奏する効果に加え、移動手段の作用により遊技球の流下態様に変化が生じるだけでなく、経路の分岐によっても遊技球の流下態様に変化を生じさせることができるので、構成手段に入球した遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲YB1又はYB2において、前記経路を流下する遊技球の通過を検出可能に構成される検出手段を備え、前記移動手段は、前記経路内における遊技球の流下に影響を与える態様で動作可能に構成される動作手段を備え、その動作手段は、第1状態の場合に遊技球が第1入球口へ向けて送球され、第2状態の場合に遊技球が第2入球口へ向けて送球されるよう構成され、前記検出手段で遊技球の通過が検出されることに基づいて動作制御可能に構成されることを特徴とする遊技機甲YB3。
遊技機甲YB3によれば、遊技機甲YB1又はYB2の奏する効果に加え、動作手段の動作パターン次第で、構成手段に入球した遊技球が第1入球口に入球するか、第2入球口に入球するかが切り替えられるので、遊技球が入球する入球口の周期性を低くし易くすることができる。これにより、遊技球が入球する入球口が周期的に変化する場合に比較して、遊技者の有利度合いの変化幅を拡大することができる。
遊技機甲YB3において、前記動作手段は、前記構成手段の外側を流下する遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機甲YB4。
遊技機甲YB4によれば、遊技機甲YB3の奏する効果に加え、構成手段に構成される流路を流下する遊技球を案内する手段と、構成手段に構成される流路外で流下する遊技球を案内する手段と、を動作手段で兼用することができる。
遊技機甲YB3又はYB4において、前記構成手段の前記経路外に配設される第2検出手段を備え、前記検出手段を通過した遊技球の前記動作手段への案内態様と、前記第2検出手段を通過した遊技球の前記動作手段への案内態様と、が異なることを特徴とする遊技機甲YB5。
遊技機甲YB5によれば、遊技機甲YB3又はYB4の奏する効果に加え、動作手段への案内態様を複数種類で構成することができる。
なお、案内態様の違いについては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技球の経路の違いであっても良いし、遊技球の流下速度の違いであっても良い。
遊技機甲YB3からYB5のいずれかにおいて、前記動作手段は、前記第1状態と前記第2状態との切り替えにより、遊技球の流下方向を上下方向と左右方向とで変化させることを特徴とする遊技機甲YB6。
遊技機甲YB6によれば、遊技機甲YB3からYB5のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下方向の変化を遊技者が把握し易いようにすることができる。
遊技機甲YB3からYB6のいずれかにおいて、前記検出手段は、遊技球の通過に基づいて所定の図柄が所定期間変動するように制御され、前記所定期間は、遊技球が前記経路に入球してから前記検出手段を通過するまでに要する期間よりも短く設定されることを特徴とする遊技機甲YB7。
遊技機甲YB7によれば、遊技機甲YB3からYB6のいずれかの奏する効果に加え、構成手段の経路の入口から検出手段までの間に配置される遊技球が1個以下の状態を維持することにより、検出手段を遊技球が通過する時点において図柄が変動中であるという事態を回避することができる。従って、検出手段を遊技球が通過した直後に所定の図柄の変動を開始させることができる。
従って、遊技球が検出手段を通過するタイミングと、遊技球が検出手段を通過したことに基づく動作手段の動作制御を開始するタイミングと、を合わせることができる。
遊技機甲YB7において、前記動作手段は、前記検出手段で検出された遊技球を案内しない第1制御態様と、前記検出手段で検出された遊技球を案内する第2制御態様とで、制御態様が切替可能とされることを特徴とする遊技機甲YB8。
遊技機甲YB8によれば、遊技機甲YB7の奏する効果に加え、動作手段の動作が実行されたとしても、制御態様の違いにより、動作手段に遊技球が案内される場合と、案内されない場合とを構成できるので、動作手段の動作に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
遊技機甲YB8において、前記制御態様の切替は、前記検出手段での検出の度に実行可能に構成され、切替可能な前記制御態様の種類は、大当たり遊技の度に変化可能に構成されることを特徴とする遊技機甲YB9。
遊技機甲YB3からYB9のいずれかにおいて、遊技球が前記第1入球口に入球することで遊技者が得られる利益と、遊技球が前記第2入球口に入球することで遊技者が得られる利益とが異なることを特徴とする遊技機甲YB10。
遊技機甲YB10によれば、遊技機甲YB3からYB9のいずれかの奏する効果に加え、動作手段に対する注目力を向上させることができる。
<動作手段に複数位置で流下する構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段は、遊技球が流下可能な第1流下位置と、その第1流下位置とは異なる第2流下位置と、を備え、前記第1流下位置を流下する遊技球の流下態様と前記第2流下位置を流下する遊技球の流下態様とが異なるように構成されることを特徴とする遊技機甲YC1。
パチンコ機等の遊技機において、検出手段に遊技球が検出されることに基づいて可動役物が開放し、その可動役物により遊技球が入賞口へ案内される遊技機がある(例えば、特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球が可動役物に案内される態様は単調であり、可動役物の注目力を向上するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲YC1によれば、動作手段が遊技球を流下させる複数の流下位置を備えており、遊技球がどの流下位置を流下するかで流下態様が異なるように構成されるので、遊技球が可動役物に案内される態様にバリエーションを設けることができ、可動役物の注目力を向上させることができる。
遊技機甲YC1において、前記流下態様は、遊技球の流下速度、流下方向または流下間隔であることを特徴とする遊技機甲YC2。
遊技機甲YC2によれば、遊技機甲YC1の奏する効果に加え、動作手段に沿って流下する遊技球の流れをばらつかせることができ、その遊技球への注目力を向上させることができる。
遊技機甲YC1又はYC2において、前記第1流下位置は、前記検出手段を通過した遊技球が流下可能な位置として設定されることを特徴とする遊技機甲YC3。
遊技機甲YC3によれば、遊技機甲YC1又はYC2の奏する効果に加え、第1流下位置に遊技球が到達していることを確認することで、遊技球が検出手段を通過したことを把握できるので、検出手段を視認する必要をなくすことができる。
また、検出手段を通過した遊技球と、検出手段を通過しなかった遊技球とが、動作手段の別位置で流下するようにすることで、動作手段に同時に乗せることができる遊技球の個数を、全球が検出手段を通過するように狙う発射態様か、一部の遊技球は検出手段を逸らすことを狙う発射態様かで、変化させることができる。
遊技機甲YC3において、前記検出手段を通過した遊技球の流下経路は、分岐しない経路として構成されることを特徴とする遊技機甲YC4。
遊技機甲YC4によれば、遊技機甲YC3の奏する効果に加え、第1流下位置に遊技球が到達したことを確認することで、その遊技球が検出手段を通過したことを把握することができる。
遊技機甲YC1からYC4のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下した遊技球の流下経路と、前記第2流下位置を流下した遊技球の流下経路とは、前記動作手段の下流側における所定の合流位置において合流することを特徴とする遊技機甲YC5。
遊技機甲YC5によれば、遊技機甲YC1からYC4のいずれかの奏する効果に加え、動作手段により流下された遊技球により遊技球が得られる利益を、その流下位置によらず同じとすることができる。
遊技機甲YC5において、前記合流位置は、前記動作手段から離れた位置に配置されることを特徴とする遊技機甲YC6。
遊技機甲YC6によれば、遊技機甲YC5の奏する効果に加え、合流時に遊技球で生じる負荷が動作手段の動作に与える影響を小さくすることができる。これにより、動作手段の動作を円滑に実行することができる。
遊技機甲YC5において、前記合流位置は、前記動作手段に近接配置されることを特徴とする遊技機甲YC7。
遊技機甲YC7によれば、遊技機甲YC5の奏する効果に加え、動作手段に沿って流下する遊技球の通過を検出する検出装置を、より上流側に配置することができるので、利益を早期に生じさせることができる。従って、動作手段に沿って遊技球が流下してから利益発生までの待ち時間を短縮することができる。
遊技機甲YC5からYC7のいずれかにおいて、前記合流位置で遊技球が下方に落下するよう構成されることを特徴とする遊技機甲YC8。
遊技機甲YC8によれば、遊技機甲YC5からYC7のいずれかの奏する効果に加え、合流した後の球が逆流したり、球詰まりが生じたりする事態の発生を回避することができる。
遊技機甲YC1からYC8のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下する遊技球と、前記第2流下位置を流下する遊技球との、流下方向が同じように構成されることを特徴とする遊技機甲YC9。
遊技機甲YC9によれば、遊技機甲YC1からYC8のいずれかの奏する効果に加え、動作手段に到達した遊技球に注目する側を統一することができるので、遊技者が注目すべき箇所を容易に把握させることができる。
遊技機甲YC1からYC8のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下する遊技球と、前記第2流下位置を流下する遊技球との、流下方向が異なるように構成されることを特徴とする遊技機甲YC10。
遊技機甲YC10によれば、遊技機甲YC1からYC8のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下する方向を視認することで、遊技球が第1流下位置を流下したか、遊技球が第2流下位置を流下したかを、判断することができるので、動作手段に近接配置される遊技球が前後に重なり見難い構成においても、動作手段よりも下流側において遊技球の流下方向を把握することができる。
遊技機甲YC1からYC10のいずれかにおいて、遊技球が入球することで遊技者に第1の利益を付与可能に構成される第1入球口と、遊技球が入球することで遊技者に第1の利益よりも大きな第2の利益を付与可能に構成される第2入球口と、を備え、前記第1流下位置は、前記第1入球口に入球した遊技球の流下経路に配置され、前記動作手段は、前記第1流下位置を流下する遊技球を前記第2入球口側に案内可能に構成されることを特徴とする遊技機甲YC11。
遊技機甲YC11によれば、遊技機甲YC1からYC10のいずれかの奏する効果に加え、動作手段によって、第1入球口に入球した遊技球により利益が付与される前に、その遊技球を第2入球口側に引き抜くことができる。
これにより、例えば、左右対称盤面の遊技機(特別図柄の抽選のための入賞口や、特別遊技において開閉する入賞口が、左右中央位置に縦並びに配置され、それらの入賞口に左打ちでも右打ちでも入球させることができる盤面構成の遊技機)であっても、動作手段の動作によって、第1入球口への入球により利益が生じる頻度を落とすことができる。
そのため、第1入球口への入球頻度を落とすために、第1入球口へ遊技球が案内されない右打ち経路を構成する必要性を下げることができ、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
<分岐手段で分岐する第1流路と第2流路との有利不利を変化可能>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、所定の入球領域の下流側に第1流路および第2流路を構成する構成手段と、を備え、遊技球が前記第1流路を流下する場合に遊技者が得られる第1の利益と、遊技球が前記第2流路を流下する場合に遊技者が得られる第2の利益と、の大小関係を変化可能に構成される変化手段を備えることを特徴とする遊技機甲YD1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の入球領域を流下した遊技球が左側に流下した場合と、右側に流下した場合とで、遊技者が得られると期待される利益に違いがある遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球が流下した場合に有利な方向が固定されているため、分岐位置における遊技球の流下方向さえ確認できればその後で得られる利益が予想できてしまい、実際に利益が確定する確定領域に遊技球が到達する前に遊技者の集中力のピークが来てしまうので、分岐位置から確定領域までの経路に対する注目力が低下することになり、遊技領域を演出領域として利用するという観点から改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲YD1によれば、変化手段によって、第1の利益と第2の利益との大小関係が切替可能とされることから、遊技者の集中力のピークを、遊技球が第1流路または第2流路に入球する時点ではなく、実際に利益が確定する確定領域に遊技球が入球する時点に持ってくることができるので、分岐領域から確定領域までの経路に対する注目力を高く維持することができる。これにより、遊技境域を演出領域として有効利用することができる。
なお、利益が確定する時点としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技球が検出口(検出領域、特定領域等)を通過する時点としても良いし、遊技球が検出口を通過したことで確定した利益が遊技者側に報知される時点(遊技者が利益を認識できる時)としても良い。
遊技機甲YD1において、前記第1の利益または前記第2の利益の内、大側の利益が遊技者に付与される場合に、遊技球を正面側に流下させる流下領域を備えることを特徴とする遊技機甲YD2。
遊技機甲YD2によれば、遊技機甲YD1の奏する効果に加え、遊技球が通常の流下態様(下方に流下する流下態様)と異なる際に大側の利益が遊技者に付与されることから、遊技球を視認させることで、大側の利益が付与されたことを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機甲YD1又はYD2において、前記第1流路および前記第2流路は合流可能に構成され、その合流位置への進入位置に上下方向の位置差があることを特徴とする遊技機甲YD3。
遊技機甲YD3によれば、遊技機甲YD1又はYD2の奏する効果に加え、第1流路および第2流路から、遊技球が合流位置に同時に進入した場合であっても、衝突時の負荷が上下方向(第1流路および第2流路と交差する方向)で生じるので、遊技球が逆流することを回避し易くすることができる。
遊技機甲YD3において、前記進入位置は、遊技球の通過頻度が高い側が下側配置されることを特徴とする遊技機甲YD4。
遊技機甲YD4によれば、遊技機甲YD3の奏する効果に加え、高頻度で所定の進入位置を通過する遊技球が、他の進入位置に誤って入球することを避け易くすることができる。
遊技機甲YD1からYD4のいずれかにおいて、前記第1流路および前記第2流路は、遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて所定パターンで動作制御される動作手段と、を備え、前記第1流路における前記検出手段と前記動作手段との間隔と、前記第2流路における前記検出手段と前記動作手段との間隔と、が異なるように構成されることを特徴とする遊技機甲YD5。
遊技機甲YD5によれば、遊技機甲YD1からYD4のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動作制御は同一としながら、第1流路を遊技球が流下する場合と、第2流路を遊技球が流下する場合とで、動作手段が遊技球に作用するか否かを異ならせることができる。
<3状態で切替>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作する動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段の動作態様に対応して、遊技球が第1入球口に入球し易い第1状態と、遊技球が第2入球口に入球し易い第2状態と、遊技球が第1入球口および第2入球口に入球し易い第3状態と、で状態を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機甲YE1。
パチンコ機等の遊技機において、第1始動口および第2始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1始動口および第2始動口(第1の第2始動口)に入球し易い状態と、第2始動口(第2の第2始動口)のみに入球し易い状態と、で状態を切り替えることはできるが、第1始動口のみに入球し易い状態に切り替えることはできず、遊技球の入球態様の自由度が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲YE1によれば、動作手段の動作態様に対応して、第1入球口および第2入球口に入球し易い第3状態と、第2入球口に入球し易い第2状態だけでなく、第1入球口に入球し易い第1状態にも状態を切り替えることができるので、遊技球の入球態様の自由度を向上させることができる。
遊技機甲YE1において、前記第3状態では、流下した遊技球が第1入球口に入球する場合と、第2入球口に入球する場合とが、交互に生じることを特徴とする遊技機甲YE2。
遊技機甲YE2によれば、遊技機甲YE1の奏する効果に加え、第3状態における第1入球口への入球個数と第2入球口への入球個数とを均一化することができる。
遊技機甲YE1又はYE2において、流下した遊技球が、前記第1入球口または前記第2入球口に入球可能に形成される所定流路を備えることを特徴とする遊技機甲YE3。
遊技機甲YE3によれば、遊技機甲YE1又はYE2の奏する効果に加え、所定流路を遊技球が流下している時点では、その遊技球は第1入球口に入球する可能性も、第2入球口に入球する可能性も残されているので、所定流路を流下している遊技球に対する注目力を向上することができる。
<サポートで特1特2の両方が貯まる>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段は、前記動作手段が配置される位置まで流下した遊技球の流下経路を、前記第1入球口側へ向かう第1経路と、前記第2入球口側へ向かう第2経路と、その他の経路と、に分岐可能に構成されることを特徴とする遊技機甲YF1。
パチンコ機等の遊技機において、第1始動口および第2始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、可動片の開状態において第2始動口(第2の第2始動口)に入球し易い状態を形成することができるが、第1始動口へ入球し易い状態を形成することはできず、可動片による遊技球の案内態様に改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲YF1によれば、動作手段から下流側の流下経路として、第1経路と第2経路とが形成されることで、第1入球口へ遊技球を案内することも第2入球口へ遊技球を案内することもできるので、動作手段による遊技球の案内態様を改良することができる。
遊技機甲YF1において、前記第1入球口に遊技球が入球した場合に遊技者に付与可能な利益よりも、前記第2入球口に遊技球が入球した場合に遊技者に付与可能な利益が大きく設定され、前記第1入球口は前記動作手段の中央側の下方に配置され、前記第2入球口は前記動作手段の端側の下方に配置されることを特徴とする遊技機甲YF2。
遊技機甲YF2によれば、遊技機甲YF1の奏する効果に加え、動作手段の端側まで遊技球が流れきれば第2入球口に入球可能となるので、途中位置で落下する(タイミングよく動作手段が動作する)ことで第1入球口に入球する事態に比較して、第2入球口に遊技球が入球する事態を発生し易くすることができる。
遊技機甲YF1又はYF2において、動作手段の端部からの遊技球の零れを防止するための零れ防止手段を備えることを特徴とする遊技機甲YF3。
遊技機甲YF3によれば、遊技機甲YF1又はYF2の奏する効果に加え、零れ防止手段によって動作手段から遊技球が勢い余って零れる事態を回避することができるので、動作手段に遊技球が到達した場合の遊技者の安心感を高めることができる。
また、零れ防止手段で遊技球が高反発で跳ね返るようにすることで、動作手段の上面における遊技球の転動速度を高め、動作手段の上面を遊技球が短時間で通過し易くすることができる。
<振分け左右で構成違い>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する複数の検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作する動作手段と、その動作手段に案内された遊技球が入球可能に構成される被案内入球口と、を備える遊技機において、前記複数の検出手段は、前記動作手段の上流側に配設される第1検出手段と、その第1検出手段とは異なる位置に配設される第2検出手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲YG1。
パチンコ機等の遊技機において、普図始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2016-54970号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、普図始動口に案内される経路と、開閉部材側に案内される経路とが、別経路とされ、それぞれの経路を遊技球が交互に流下するため、普図始動口の真上に配置される釘に遊技球が衝突して普図始動口から逸れる事態が生じると、次に普図始動口に遊技球が案内されるまでに期間が開いてしまうことから、開閉部材が閉じている時に開閉部材側に遊技球が流下するという、期待感の薄い状態になり易い。この場合、遊技が間延びしてしまい、遊技者の興趣を低下させる可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲YG1によれば、動作手段の上流側に配設される第1検出手段と、動作手段の上流側とは異なる位置に配設される第2検出手段と、を備えるので、遊技球が検出手段に検出される状況を頻繁に生じさせることができる。これにより、動作手段の動作頻度を向上させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機甲YG1において、前記第1検出手段と前記動作手段との間に所定の流路が形成されることを特徴とする遊技機甲YG2。
遊技機甲YG2によれば、遊技機甲YG1の奏する効果に加え、第1検出手段から動作手段への遊技球の流れを整流化することができる。
遊技機甲YG1又はYG2において、前記動作手段は、前記第2検出手段を通過する遊技球の流下経路側へ延びるように形成されることを特徴とする遊技機甲YG3。
遊技機甲YG3によれば、遊技機甲YG1又はYG2の奏する効果に加え、第2検出手段側の注目力が第1検出手段側の注目力との比較において低くなり過ぎることを回避することができる。
<遊技球を案内する手段が長い>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を案内する案内手段と、その案内手段の下流側に配設され遊技球の通過を検出する第1検出手段と、前記案内手段の下流側に配設され遊技球の通過を検出した場合に、前記第1検出手段に遊技球の通過が検出されることに基づいて遊技者に与え得る利益とは異なる利益を遊技者に与え得る第2検出手段と、を備え、前記案内手段は、前記入球領域から流下した遊技球を受けるための所定部と、その所定部よりも下流側に配置され前記所定部の変位に対応して変位する下流側部と、を備え、少なくとも前記下流側部の配置に応じて、遊技球を前記第1検出手段に案内し易い第1状態と、遊技球を前記第2検出手段に案内し易い第2状態と、で状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機甲BA1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の検出領域(第2始動入賞口27)において遊技球の通過が検出された場合において、一定確率で開放されて奥側に配設される賞球口への遊技球の案内が可能となる可動役物(第2可変入賞装置31)が配設され、その可動役物の開放動作を頻繁に生じさせて賞球口への入球が頻繁に生じることにより多量の賞球の払い出しを遊技者が獲得できる遊技状態が、通常状態よりも有利な遊技状態として設定される遊技機がある(例えば、特開2017-169630号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、別の検出領域(可変始動入賞口28a)に可動部材(開閉部材28b)が配設されていることを理由に、所定の検出領域を開閉する可動部材が配設されておらず、常に遊技球を所定の検出領域に通過可能に構成されている。通常状態では遊技領域の左側に遊技球を流下させる遊技方法が推奨されているが、遊技初心者などは特に、誤って遊技領域の右側に遊技球を流下させるように発射してしまう場合がある。
所定の検出領域において遊技球の通過が検出された場合、可動役物の開放動作の抽選(小当たりの抽選)の他に、特別図柄の抽選(大当たりの抽選)も行われ、特別図柄の抽選による大当たりが発生すると、大当たり終了後の遊技状態としてペナルティが課され、通常状態よりも不利な遊技を強いられることとなる。遊技初心者からすれば、理由もわからずペナルティを課されたと疑念を抱きかねず、遊技機に対する興味関心が薄れ、新規の遊技者を獲得し損なる状況を生み出しかねない。即ち、遊技初心者に優しくなく、平等性に欠けるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BA1によれば、案内手段が第1状態で維持されることで、第1検出手段へ遊技球が案内され易い状態を構成することができ、この状態において第2検出手段(所定の検出領域)への遊技球の案内を抑制することができる。これにより、案内手段を利用することで、第2検出手段に遊技球を通過させることを防ぐことができ、遊技の平等性を高めることができる。
なお、案内手段は、所定部と下流側部とが一体的に形成されるよう構成されても良いし、所定部と下流側部とが別体で形成されるよう構成されても良い。
遊技機甲BA1において、前記下流側部は、前記第1状態において前記第2検出手段への遊技球の案内を防止可能とされ、前記第2状態において前記第1検出手段への遊技球の案内を防止可能とされるよう構成されることを特徴とする遊技機甲BA2。
遊技機甲BA2によれば、遊技機甲BA1の奏する効果に加え、下流側部により、案内手段を介して流下する遊技球が通過する検出手段を切り替えることができる。
遊技機甲BA1又はBA2において、前記案内手段は、前記所定部が受けた遊技球を前記下流側部へ向けて流下させる中間部を備えることを特徴とする遊技機甲BA3。
遊技機甲BA3によれば、遊技機甲BA1又はBA2の奏する効果に加え、中間部により、案内手段を介して流下する遊技球が第1検出手段に案内されるのか、第2検出手段に案内されるのかが、不明確な状態を引き延ばすことができる。
なお、中間部は、下流側部の変位に対応して変位可能に構成しても良いし、下流側部の変位に関わらず変位しないように構成しても良い。
遊技機甲BA3において、前記中間部は、前記第1状態でも前記第2状態でも遊技球の流下方向が変化しないよう構成され、下流側において前記第1検出手段または前記第2検出手段への案内が行われることを特徴とする遊技機甲BA4。
遊技機甲BA4によれば、遊技機甲BA3の奏する効果に加え、入球領域に入球した後の遊技球が中間部を案内されている時に案内手段が第1状態と第2状態とで切り替わったとしても、中間部における遊技球の流下方向に影響を与えないので、中間部を案内されている遊技球の流下態様の変化から案内手段の状態変化を把握されるという事態の発生を避けることができる。
遊技機甲BA1からBBA4のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記第1状態において、前記所定部が前記入球領域から前記案内手段への入球を制限する位置に配置され、前記第2状態において、前記所定部が前記入球領域から前記案内手段への入球を許容する位置に配置されることを特徴とする遊技機甲BA5。
遊技機甲BA5によれば、遊技機甲BA1からBBA4のいずれかの奏する効果に加え、案内手段の状態の切り替えによって、案内手段への新たな遊技球の入球の可否を切り替えることができる。
また、所定部における遊技球の通過と、下流側部における遊技球の通過と、のそれぞれに注目させることができる。即ち、遊技者の視線を複数位置で集めることができ、案内手段の注目箇所を増加させることができる。
遊技機甲BA5において、前記所定部の配置の切り替えと、前記下流側部の配置の切り替えとは、同時に実行されることを特徴とする遊技機甲BA6。
遊技機甲BA6によれば、遊技機甲BA5の奏する効果に加え、異なる位置で同時に切替が実行されることから、遊技者に、所定部における切り替えか、下流側部における切り替えか、いずれかを選択して視認させるという遊技性を付与することができる。
遊技機甲BA5において、前記所定部の配置の切り替えと、前記下流側部の配置の切り替えとは、タイミングがずれて実行されることを特徴とする遊技機甲BA7。
遊技機甲BA7によれば、遊技機甲BA5の奏する効果に加え、別タイミングで異なる位置における切り替えが実行されることから、遊技者に、所定部における切り替えと、下流側部における切り替えと、が視線をずらすことで視認することができるという遊技性を付与することができる。加えて、遊技者の視線の動きを誘導することができる。
遊技機甲BA1からBBA7のいずれかにおいて、前記所定部は、前後方向にスライド変位することを特徴とする遊技機甲BA8。
遊技機甲BA8によれば、遊技機甲BA1からBBA7のいずれかの奏する効果に加え、正面視における所定部の動きが目立つことを避けることができる。所定部は、案内手段への入球の可否を切り替える部分であり、第1検出手段に案内されるか、第2検出手段に案内されるかが決定される箇所ではないので、目立つことを避けることで、相対的に下流側部の動作を目立たせることができる。
遊技機甲BA1からBBA8のいずれかにおいて、前記下流側部は、回転動作する態様で変位することを特徴とする遊技機甲BA9。
遊技機甲BA9によれば、遊技機甲BA1からBBA8のいずれかの奏する効果に加え、第1検出手段に案内されるか、第2検出手段に案内されるかが決定される箇所としての下流側部の動きを目立たせることができる。
遊技機甲BA1からBBA9のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定部と前記下流側部との間の正面視における距離よりも、前記所定部から前記下流側部へ流下する遊技球の流下距離が長くなるように構成されることを特徴とする遊技機甲BA10。
遊技機甲BA10によれば、遊技機甲BA1からBBA9のいずれかの奏する効果に加え、所定部から流れた遊技球が下流側部に到達する前に、遊技者が所定部から下流側部に視線を移動させ易くすることができる。
遊技機甲BA1からBBA10のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定部を介さない遊技球が前記下流側部へ到達することを防止するための防止手段を備えることを特徴とする遊技機甲BA11。
遊技機甲BA11によれば、遊技機甲BA1からBBA10のいずれかの奏する効果に加え、防止手段により、下流側部へ到達する遊技球の流下経路を制限することができるので、遊技球が意図しない経路で下流側部に到達し、誤った検出手段に入球する事態の発生を避けることができる。
遊技機甲BA1からBBA11のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記入球領域からの複数の遊技球を前記所定部が受ける第1期間よりも、その第1期間に前記所定部が受けた前記複数の遊技球が前記下流側部を通過する第2期間を短縮可能に構成されることを特徴とする遊技機甲BA12。
遊技機甲BA12によれば、遊技機甲BA1からBBA11のいずれかの奏する効果に加え、案内手段により、所定部が遊技球を受けるタイミングのずれよりも、下流側部における遊技球の通過タイミングのずれを小さくすることができるので、下流側部での遊技球の流下方向の切替の精度を保ちながら、所定部において遊技球を受けるタイミングのずれの許容幅を拡大することができ、快適な遊技を提供し易くすることができる。
遊技機甲BA12において、前記所定部は、変位する際に、遊技球を加速させる方向の負荷を遊技球に負荷する形状から構成されることを特徴とする遊技機甲BA13。
遊技機甲BA13によれば、遊技機甲BA12の奏する効果に加え、所定部の変位が生じる際に遊技球を加速させる方向の負荷が生じることになるので、所定部が変位する前に所定部を通過した遊技球へ向けて、所定部が変位する際に所定部上に配置された遊技球を加速させることで、遊技球同士の間隔が縮まる状況を生じさせることができる。
<流下経路を引き延ばす>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を下流側領域へ流下させる流下手段と、前記下流側領域を流下する遊技球の通過を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記流下手段は、遊技球を流下させる第1可動部と、その第1可動部よりも下流側に配置され遊技球を流下させる第2可動部と、前記第1可動部および前記第2可動部の間に配置され遊技球を流下させる所定部と、を備えることを特徴とする遊技機甲BB1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技球が入球可能な検出センサと、その検出センサに遊技球を案内する可動部材と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-181572号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、検出センサへ向けた遊技球の流下経路が可動部材の長さに限定されるので、遊技球の流下が単調となり易いので遊技者を飽きさせ易い可能性があることから、遊技球の流下態様について改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BB1によれば、検出手段の上流側に配置される流下手段が、所定部を挟む複数の可動部を備えることから、可動部の長さや形状にバリエーションを持たせ易くでき、遊技球の流下態様について改良することができる。
遊技機甲BB1において、前記第1可動部は、少なくとも下流側端部において前記所定部と上下方向で重なる重なり部を備えることを特徴とする遊技機甲BB2。
遊技機甲BB2によれば、遊技機甲BB1の奏する効果に加え、重なり部を介して所定部へ遊技球を流すことができるので、第1可動部と所定部との間で遊技球が脱落することを防止し易くすることができる。
遊技機甲BB1又はBB2において、前記第1可動部は、少なくとも下流側端部において、遊技球の流下する向きを前記所定部側へ向けさせるための傾斜部を備えることを特徴とする遊技機甲BB3。
遊技機甲BB3によれば、遊技機甲BB1又はBB2の奏する効果に加え、傾斜部によって遊技球の流下向きを所定部側へ寄せることができるので、遊技球の流下が乱れた場合であっても、第1可動部と所定部との間で遊技球が脱落することを防止し易くすることができる。
<下流側において遊技球を密集させる>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を下流側領域へ流下させる流下手段と、前記下流側領域を流下する遊技球の通過を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記流下手段は、前記入球領域に所定間隔で入球した複数の遊技球が、前記下流側領域を流下する間隔を、前記所定間隔よりも短くするための所定手段を備えることを特徴とする遊技機甲BBZ1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の入球領域から遊技球が流下した場合において、その遊技球から与えられる負荷により第1検出手段または前記第2検出手段への遊技球の案内が可能となる2種類の開放状態を構成可能な複数の可動役物が配設され、その可動役物は、それぞれ賞球口に所定個数の遊技球が入球した場合に機械的な負荷の伝達により開放状態から閉鎖するよう構成される遊技機がある(例えば、特開2016-202338号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、通常時は第1検出手段にも第2検出手段にも遊技球を案内しない状態で維持されているので、遊技球を第1検出手段に案内する第1状態と、遊技球を第2検出手段に案内する第2状態と、合計で3つの状態に切り替えられるが、いずれの状態においても、入球領域に入球した後の遊技球の流下経路は一本道とされており、入球領域に入球するタイミング(間隔)と、その入球に伴う賞球の払い出しのタイミング(間隔)とがほぼ同じとされるので、遊技者に与えられる利益が発生するタイミングが遊技球の発射間隔(一定間隔)に制限されてしまい、遊技に緩急をつけることが難しく、遊技者の興趣を高めることが難しいという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BBZ1によれば、流下手段の所定手段により、遊技球が入球領域に入球する間隔よりも、遊技球が下流側領域を流下する間隔が短くなる場合を生じさせることができるので、遊技球の発射間隔よりも短い間隔で遊技球が下流側領域を流下する場合を生じさせることができる。これにより、遊技球が入球領域に入球したことで遊技者に与えられる利益の発生タイミングが一定間隔となることを避け易くすることができ、遊技に緩急をつけることで、遊技者の興趣を高めることができる。
遊技機甲BBZ1において、前記所定手段は、前記入球領域側における遊技球の流下速度を、前記下流側領域側における遊技球の流下速度よりも大きくさせるように構成されることを特徴とする遊技機甲BBZ2。
遊技機甲BBZ2によれば、遊技機甲BBZ1の奏する効果に加え、所定手段により、下流側領域側を流下する遊技球が、入球領域側における遊技球に追いつかれるような状態を構成することができる。
遊技機甲BBZ1又はBBZ2において、前記流下手段は、一方向または他方向に変位可能に構成され、前記一方向における変位または前記他方向における変位によって、前記入球領域に入球した遊技球に対して前記下流側領域へ向けた所定の負荷を与え得るよう構成されることを特徴とする遊技機甲BBZ3。
遊技機甲BBZ3によれば、遊技機甲BBZ1又はBBZ2の奏する効果に加え、流下手段が往復変位可能に構成されており、遊技手段は、流下手段が一方向に変位する場合に流下手段を流下するか、流下手段が他方向に変位する場合に流下手段を流下するかによって、流下態様を変化させることができる。
遊技機甲BBZ3において、前記流下手段を流下する遊技球は、遊技球の流下方向に分岐が生じない非分岐位置と、遊技球の流下方向に分岐が生じ得る分岐位置と、のいずれかに配置されることを特徴とする遊技機甲BBZ4。
遊技機甲BBZ4によれば、遊技機甲BBZ3の奏する効果に加え、遊技球が流下手段を流下している間中において、遊技球が分岐位置に配置されている場合に比較して、遊技球を注視する遊技者の疲労を軽減させることができる。
遊技機甲BBZ4において、前記分岐位置は、前記非分岐位置よりも視認性が高くなる側に配置されることを特徴とする遊技機甲BBZ5。
遊技機甲BBZ5によれば、遊技機甲BBZ4の奏する効果に加え、遊技球を注視する遊技者の疲労を軽減させることができる。
なお、視認性が高くなる側としては、種々の態様が例示される。例えば、遊技者に近い側(前側)であっても良いし、遊技領域を流下する遊技球に隠され難い位置側であっても良いし、LED等の発光演出が生じた場合に眩しくならない側であっても良い。
遊技機甲BBZ4又はBBZ5において、前記分岐位置は、前記入球領域側の第1位置と、その第1位置よりも下流側の第2位置と、に配置され、前記第1位置と前記第2位置との間に前記非分岐位置が配置されることを特徴とする遊技機甲BBZ6。
遊技機甲BBZ6によれば、遊技機甲BBZ4又はBBZ5の奏する効果に加え、遊技球が流下手段上を流下する場合において、分岐位置に2回、間隔をあけて配置されることから、1個の遊技球が流下手段に案内される場合に遊技者の注目力を2回のタイミングで向上させることができる。これにより、遊技球への注目力を効率よく向上させることができる。
遊技機甲BBZ1からBBZ6のいずれかにおいて、前記流下手段は、前記入球領域側の水平面に対する傾斜角度が、前記下流側領域側の水平面に対する傾斜角度よりも大きくされることを特徴とする遊技機甲BBZ7。
遊技機甲BBZ7によれば、遊技機甲BBZ1からBBZ6のいずれかの奏する効果に加え、流下手段を流下する遊技球が、入球領域側でより加速され、下流側領域側における遊技球との間隔と短くすることができる。
遊技機甲BBZ1からBBZ7のいずれかにおいて、前記入球領域は、前記下流側領域よりも大きいことを特徴とする遊技機甲BBZ8。
遊技機甲BBZ8によれば、遊技機甲BBZ1からBBZ7のいずれかの奏する効果に加え、入球領域に同時に複数の遊技球が入球し易くすることができ、それらの遊技球が下流側領域で密集する(連なる)状態が生じ易くなるようにすることができる。
遊技機甲BBZ8において、前記入球領域は複数箇所に分割配置可能に構成されることを特徴とする遊技機甲BBZ9。
遊技機甲BBZ9によれば、遊技機甲BBZ8の奏する効果に加え、遊技球の流下手段への入球箇所が複数用意されているので、流下手段への遊技球の入球頻度を高めることができる。
遊技機甲BBZ9において、遊技球が入球する前記入球領域の違いに対応して、前記流下手段に流下される遊技球の流下経路が異なることを特徴とする遊技機甲BBZ10。
遊技機甲BBZ10によれば、遊技機甲BBZ9の奏する効果に加え、遊技球が流下手段を通過するまでの期間や、流下手段上の遊技球の配置等が、遊技球がいずれの入球領域に入球するかに対応して変化し得ることから、流下手段に入球した遊技球が、いずれの入球領域から入球したかについての遊技者の興味関心を高めることができ、入球領域への注目力を向上することができる。
遊技機甲BBZ1からBBZ10のいずれかにおいて、前記流下手段を流下する遊技球が、前記下流側領域へ向けた流下経路から外れないようにするための流下経路制限手段を備えることを特徴とする遊技機甲BBZ11。
遊技機甲BBZ11によれば、遊技機甲BBZ1からBBZ10のいずれかの奏する効果に加え、流下経路制限手段により、入球領域に入球した遊技球が確実に下流側領域に到達するように構成することができる。
<入球領域から離れた位置で遊技球を受ける技術思想>
遊技球を入球領域へ案内可能とする第1状態と、前記入球領域への遊技球の入球を制限する第2状態とで状態を切り替え可能とされる切替手段と、その切替手段へ向けて遊技球が流下可能な流下領域と、を備え、前記流下領域は、前記切替手段の前記入球領域から離れた側に配置されることを特徴とする遊技機甲BC1。
パチンコ機等の遊技機において、賞球口へ遊技球を案内可能とする状態と賞球口への遊技球の入球を制限する状態とで切り替えられる可動役物への、遊技球の着地位置が、賞球口付近の下流側位置と、その下流側位置よりも上流側の上流側位置とで複数あり、下流側位置に着地するか上流側位置に着地するかに関わらず、遊技球が賞球口を通過可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2017-029531号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、上流側位置に着地した遊技球が賞球口に近接するタイミングで下流側位置に別の遊技球が着地して、複数の遊技球がかたまって賞球口を通過しようとする場合に、球詰まりが生じたり、遊技球の流下抵抗が大きくなったりする可能性があるという問題点があった。換言すれば、遊技球の流下態様を向上するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BC1によれば、入球領域から離れた側において遊技球が切替手段に流下されるよう構成されているので(切替手段への遊技球の着地位置が制限されているので)、切替手段を流下する間に遊技球を整列させることができ、入球領域を通過しようとする場合に、球詰まりが生じたり、遊技球の流下抵抗が大きくなったりすることを回避することができるので、遊技球の流下態様を向上するという観点で改良を図ることができる。
遊技機甲BC1において、前記流下領域の外方における前記切替手段への流下を防止する防止手段を備えることを特徴とする遊技機甲BC2。
遊技機甲BC2によれば、遊技機甲BC1の奏する効果に加え、防止手段によって、遊技球が流下領域の外方を通って切替手段へ到達することを防止することができる。
遊技機甲BC2において、前記切替手段は、遊技領域を構成する遊技盤前面よりも後側に少なくとも一部が配設されることを特徴とする遊技機甲BC3。
遊技機甲BC3によれば、遊技機甲BC2の奏する効果に加え、遊技球が切替手段に着地する位置を少なくとも遊技領域側(遊技盤前面)に登場させ、その他の少なくとも一部を遊技盤前面よりも後側に配設することで、切替手段上の遊技球の流下長さを遊技盤前面よりも後側に確保しながら、切替手段が遊技領域を侵食する長さを狭めることができる。これにより、他の構成を配置する領域を広く確保し、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
遊技機甲BC1からBC3のいずれかにおいて、前記切替手段は、遊技球が転動可能な第1部と、その第1部よりも下流側に配置される第2部とを備え、前記流下領域から前記切替手段に着地する遊技球は、前記第1部に着地し易く構成されることを特徴とする遊技機甲BC4。
遊技機甲BC4によれば、遊技機甲BC1からBC3のいずれかの奏する効果に加え、切替手段上を長距離で転動させることで遊技球の跳ねを抑え流下を落ち着かせることができると共に、入球領域までの流下長さを確保でき、遊技球への注目力を向上させることができる。
遊技機甲BC4において、前記切替手段は、前記第1部と前記第2部との間に、前記第1状態および前記第2状態において遊技球を橋渡し可能な案内経路を備えることを特徴とする遊技機甲BC5。
遊技機甲BC5によれば、遊技機甲BC4の奏する効果に加え、切替手段の第1部に着地した後の遊技球について、切替手段の状態に関係なく遊技球の転動を維持させる箇所としての案内経路が配設されることから、切替手段の状態切替と、遊技球の流下態様の変化とが一対一で対応する場合に比較して、遊技球の流下のバリエーションを増加させることができる。
遊技機甲BC5において、前記案内経路における遊技球の流下長さが複数種類構成されることを特徴とする遊技機甲BC6。
遊技機甲BC6によれば、遊技機甲BC5の奏する効果に加え、遊技球の流下のバリエーションを増加させることができる。
なお、案内経路における遊技球の流下長さが変化する要因としては、種々の態様が例示される。例えば、切替手段への入球位置の違いで変化するよう構成されても良いし、切替手段への入球のタイミングと切替手段の状態が切り替えられるタイミングとの相対的な関係により変化するよう構成されても良い。
遊技機甲BC5又はBC6において、前記切替手段は、前記案内経路よりも上流側における所定範囲に亘って、遊技球を案内経路側に接近するように移動させる接近手段を備えることを特徴とする遊技機甲BC7。
遊技機甲BC7によれば、遊技機甲BC5又はBC6の奏する効果に加え、接近手段により、案内経路に遊技球が乗るタイミングよりも事前に案内経路側に遊技球を寄せることができるので、案内経路への橋渡し部分における遊技球の滞留を回避することができる。
遊技機甲BC7において、前記接近手段は、前記切替手段の第1部または前記案内経路における遊技球の流下方向と直交する方向に遊技球を移動させる傾斜面であることを特徴とする遊技機甲BC8。
遊技機甲BC8によれば、遊技機甲BC7の奏する効果に加え、切替手段の第1部または案内部における遊技球の流下方向と、傾斜面の傾斜方向とが直交することから、傾斜面により遊技球に与えられる負荷が、切替手段の第1部または案内部における遊技球の流下速度を加速も減速もさせず、影響を最小限に抑えることができる。
遊技機甲BC4からBC8のいずれかにおいて、前記第2部は、同時の複数個の遊技球の受入を制限するよう構成されることを特徴とする遊技機甲BC9。
遊技機甲BC9によれば、遊技機甲BC4からBC8のいずれかの奏する効果に加え、第2部に想定以上の遊技球が入球する事態を回避し易くすることができる。
遊技機甲BC1からBC9のいずれかにおいて、前記切替手段は、前記流下領域側の端部側の所定区間に遊技球が着地してから、その遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に状態が切り替えられた場合に、その遊技球が前記案内経路側に入球することを制限する入球制限手段を備えることを特徴とする遊技機甲BC10。
遊技機甲BC10によれば、遊技機甲BC1からBC9のいずれかにおいて、切替手段が微小時間での状態切替を実行した場合に、遊技球が案内経路側に誤って入球することを回避し易くすることができる。
遊技機甲BC1からBC10のいずれかにおいて、前記切替手段は、下流側部において遊技球の流下速度を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機甲BC11。
遊技機甲BC11によれば、遊技機甲BC1からBC10のいずれかの奏する効果に加え、切替手段の下流側において遊技球の流下態様を落ち着かせる(整流させる)ことができる。
<複数個目の入球が、先の入球に影響されて検出手段を通過し易い>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通った遊技球が流下可能な第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記下流側領域に遊技球が配置されていない状態で前記流下領域から前記下流側領域に遊技球が流下する第1の場合よりも、前記下流側領域に遊技球が配置されている状態で前記流下領域から前記下流側領域に遊技球が流下する第2の場合の方が、遊技球が前記第2流下領域を流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機甲BD1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉手段の奥に入球口と特定入球口とが配置され、その特定入球口は、スライド動作する板部材に塞がれる状態と、板部材が退避して遊技球の入球を許容する状態とで切り替えられるよう構成され、板部材が入球を許容する状態の場合には、開閉手段に受け入れられたほとんどの遊技球が特定入球口に入球するよう構成され、特定入球口への入球により後の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態に設定される遊技機がある(例えば、特開2015-150122号公報の段落0030~0032を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、開閉手段に遊技球が1個受け入れられた時点で特定入球口へ入球するものと考えられるので、遊技者が安心できてしまい、2個目以降の開閉手段への入球に注目させることが困難であるという問題点があった。換言すれば、開閉手段に受け入れられる遊技球への注目力を持続させることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BD1によれば、下流側領域に受け入れられた遊技球の内、複数個目に受け入れられた遊技球の方が、1個目に受け入れられた遊技球よりも、第2流下領域に受け入れられる可能性が高くなるよう構成されるので、下流側領域に流下した遊技球に対する注目力を持続させることができる。
遊技機甲BD1において、前記下流側領域に1球目で入球した遊技球よりも、2球目以降で入球した遊技球の方が、第2流下領域に入球し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機甲BD2。
遊技機甲BD2によれば、遊技機甲BD1の奏する効果に加え、流下領域に流下した遊技球に対する遊技者の注目力を長い間維持することができる。
遊技機甲BD1又はBD2において、前記下流側領域に遊技球が複数個同時に配置されている場合に、前記第2流下領域を遊技球が流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機甲BD3。
遊技機甲BD3によれば、遊技機甲BD1又はBD2の奏する効果に加え、流下領域に流下した遊技球に対する遊技者の注目力を、遊技球が下流側領域に配置されている間において維持することができる。また、遊技球の発射態様を遊技者に意識させることができる。
遊技機甲BD1からBD3のいずれかにおいて、前記下流側領域に複数の遊技球が停留することで、第2流下領域に遊技球が受け入れられ易くなるように構成されることを特徴とする遊技機甲BD4。
遊技機甲BD4によれば、遊技機甲BD1からBD3のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域における遊技球の配置態様に注目させることができる。
遊技機甲BD1からBD4のいずれかにおいて、流下領域からの遊技球の流下経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段を備え、前記下流側領域は、前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態へ切り替えられた直後において、前記第2流下領域側に遊技球が案内され難いように構成されることを特徴とする遊技機甲BD5。
遊技機甲BD5によれば、遊技機甲BD1からBD4のいずれかの奏する効果に加え、開閉手段が第1状態に切り替えられた後における下流側領域に対する遊技者の注目力の維持期間を長くすることができる。
遊技機甲BD5において、前記開閉手段が前記第1状態に切り替えられた時点から、前記下流側領域に所定期間に入球した遊技球よりも、前記所定期間経過後に入球した遊技球の方が、第2流下領域を流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機甲BD6。
遊技機甲BD6によれば、遊技機甲BD5の奏する効果に加え、下流側領域に対する注目力を開閉手段が第1状態に切り替えられた時点から長く持続させることができる。
遊技機甲BD6において、前記開閉手段が前記第1状態に切り替えられた時点から前記所定期間が経過した後においては、前記流下領域を流下した遊技球が前記第2流下領域を流下するまでの期間の変化を抑制可能とされることを特徴とする遊技機甲BD7。
遊技機甲BD7によれば、遊技機甲BD6の奏する効果に加え、開閉手段が第1状態に切り替えられ所定期間が経過した後における遊技球の流下態様(流下期間)を一定とすることで、下流側領域における注目力を下げ、遊技者をリラックスさせることができる。
遊技機甲BD5からBD7のいずれかにおいて、前記流下領域に、前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替えられてから数えて1個目で入球した遊技球を、前記第2流下領域側へ案内しないように構成される案内球選択手段を備えることを特徴とする遊技機甲BD8。
遊技機甲BD8によれば、遊技機甲BD5からBD7のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域に遊技球を受け入れさせるために、開閉手段の第1状態において複数個の遊技球を入球させる必要が生じるので、開閉手段および開閉手段を通過する遊技球の個数に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲BD1からBD8のいずれかにおいて、前記第2流下領域に受け入れられる遊技球の個数と、前記第2流下領域に受け入れられない遊技球の個数とを同等とするよう構成されることを特徴とする遊技機甲BD9。
遊技機甲BD9によれば、遊技機甲BD1からBD8のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域に全球入球する場合のように、過度に多くの遊技球が受け入れられる場合が生じることで、遊技者に過度な期待を持たせることを回避することができる。
遊技機甲BD1からBD9のいずれかにおいて、前記下流側領域が受入可能な遊技球の最大個数が設定され、その最大個数を超えた遊技球が前記第2流下領域に受け入れられるよう構成されることを特徴とする遊技機甲BD10。
遊技機甲BD10によれば、遊技機甲BD1からBD9のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域および第2流下領域に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲BD1からBD10のいずれかにおいて、通過した遊技球が前記第1流下領域側に流入し易い位置に、流下領域を配置可能とされることを特徴とする遊技機甲BD11。
遊技機甲BD11によれば、遊技機甲BD1からBD10のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域に配置された遊技球が第1流下領域側に流入し易い状態が構成され易い。
遊技機甲BD1からBD11のいずれかにおいて、前記下流側領域に配置された遊技球を前記下流側領域で留めるための滞留手段を備えることを特徴とする遊技機甲BD12。
遊技機甲BD12によれば、遊技機甲BD1からBD11のいずれかの奏する効果に加え、第1流下領域に配置された遊技球が第2流下領域側へ流れることを滞留手段により制限することができる。
遊技機甲BD1からBD12のいずれかにおいて、前記第2流下領域は、前記第1流下領域よりも上側に配置されることを特徴とする遊技機甲BD13。
遊技機甲BD13によれば、遊技機甲BD1からBD12のいずれかの奏する効果に加え、第1流下領域に配置された遊技球が第2流下領域側へ流れることを、配置の高低差で防止することができる。
<遊技球との当接、非当接の切り替え>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域を通過する遊技球の経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段と、前記流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通過した遊技球が流下可能に構成される第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球に当接可能な当接状態と、非当接となる非当接状態とで切り替え可能な当接可能手段と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記当接可能手段に遊技球が当接している状態で前記開閉手段を前記第1状態から前記第2状態に切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機甲BE1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉部材により開閉される入球口に入球した遊技球の流下経路において複数の可動部材が配設され、可動部材からの負荷を受けて遊技球の流下経路が変化し得る遊技機がある(例えば、特開2017-000562号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、可動部材は流下した遊技球と必ず当接し得るよう構成されているので、入球口に入球した遊技球の流下態様が変わり映えせず、遊技者を飽きさせる可能性が高く、遊技者の興趣を向上させる観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BE1によれば、当接可能手段が、下流側領域を通った遊技球に当接可能な当接状態と、非当接となる非当接状態とで切り替え可能とされるので、遊技球が当接可能手段に当接する場合と、当接可能手段に当接しない場合とで、遊技球の流下態様を大きく異ならせることができる。これにより、遊技球の流下態様のバリエーションを多くすることができ、遊技者の興趣を向上させる観点で改良することができる。
遊技機甲BE1において、前記当接可能手段に当接している遊技球を介して負荷を受けた遊技球が、前記第2流下領域を流下し得るよう構成されることを特徴とする遊技機甲BE2。
遊技機甲BE2によれば、遊技機甲BE1の奏する効果に加え、下流側領域における遊技球の流下態様に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲BE1又はBE2において、前記当接可能手段に遊技球が当接している状態で前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替えられた場合において、前記流下領域から前記下流側領域に流下した遊技球が前記第2流下領域を流下し得るよう構成されることを特徴とする遊技機甲BE3。
遊技機甲BE3によれば、遊技機甲BE1又はBE2の奏する効果に加え、開閉手段が開放されるタイミングで当接可能手段に遊技球が当接している場合に、開閉手段が開放された後で開閉手段を通過した遊技球が第2流下領域を流下し易くなることから、当接可能手段に対する注目力を向上させることができる。
<遊技球の通過を止められる状態を経て第2遊技領域に遊技球が受け入れられる>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域を通過する遊技球の経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段と、前記流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通過した遊技球が流下可能に構成される第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記下流側領域の所定部における遊技球の通過が防止される状態から、前記第2流下領域に遊技球が流下可能な状態へ移行されることを特徴とする遊技機甲BEZ1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉手段の奥に入球口と特定入球口とが配置され、その特定入球口は、スライド動作する板部材に塞がれる状態と、板部材が退避して遊技球の入球を許容する状態とで切り替えられるよう構成され、板部材が入球を許容する状態の場合には、開閉手段に受け入れられたほとんどの遊技球が特定入球口に入球するよう構成され、特定入球口への入球により遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態に設定される遊技機がある(例えば、特開2015-150122号公報の段落0030~0032を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、入球口と特定入球口との位置が、左右の違いがあるだけでほとんど変わらないので、遊技球が特定入球口に入球したかどうかを開閉手段越しには一目で把握させ難い。特定入球口へ遊技球が入球したことに起因して液晶装置に報知がされる場合には、液晶装置での表示の方が分かり易いので、遊技者の注目力が液晶装置に集中してしまうという問題点があった。換言すれば、開閉手段に受け入れられた遊技球への注目力を持続させることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BEZ1によれば、下流側領域の所定部において遊技球の通過が防止される状態を経て、第2流下領域に遊技球が流下するように構成されるので、第2流下領域への入球準備状態として下流側領域で停止している遊技球に遊技者の視線を集めることができ、開閉手段に受け入れられた遊技球への注目力を持続させることができる。
遊技機甲BEZ1において、前記所定部は、前記第1流下領域に位置することを特徴とする遊技機甲BEZ2。
遊技機甲BEZ2によれば、遊技機甲BEZ1の奏する効果に加え、所定の利益の付与には影響しない領域としての第1流下領域への入球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲BEZ1又はBEZ2において、前記所定部は、所定の遊技球によって、遊技球の通過が防止されることを特徴とする遊技機甲BEZ3。
遊技機甲BEZ3によれば、遊技機甲BEZ1又はBEZ2の奏する効果に加え、遊技球が第2流下領域から逸れて流下した場合であっても、所定部を塞ぐかもしれないという期待感から、その遊技球に対する注目力を高い状態で維持することができる。
遊技機甲BEZ1又はBEZ2において、前記所定部は、遊技球とは異なる所定部材によって、遊技球の通過が防止され、前記所定部材の正面視における大きさは、遊技球の大きさよりも小さく設定されることを特徴とする遊技機甲BEZ4。
遊技機甲BEZ4によれば、遊技機甲BEZ1又はBEZ2の奏する効果に加え、遊技球の通過を防止する所定部材が、遊技球よりも目立たないようにすることができるので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲BEZ1からBEZ4のいずれかにおいて、前記第1流下領域が遊技球で満たされた状態を経て、後追いで到達する遊技球が前記第2流下領域へ受け入れられるよう構成されることを特徴とする遊技機甲BEZ5。
遊技機甲BEZ5によれば、遊技機甲BEZ1からBEZ4のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の目線を第1流下領域に留める状態から、第2流下領域へ移行させることができるので、当初から第2流下領域に注目される場合に比較して、第2流下領域が視認される期間を長くすることができる。
更に、第2流下領域への入球時には、第1流下領域が遊技球で満たされることから、第2流下領域へ入球した遊技球を見失ったとしても、一目で第2流下領域へ入球可能な状態であると把握することができる。
遊技機甲BEZ5において、前記第1流下領域に遊技球を留める滞留状態と、前記第1流下領域から遊技球を排出する排出状態と、で切替可能とされる状態切替手段を備え、前記開閉手段の状態の切り替えに対応して、前記状態切替手段の状態が切り替えられることを特徴とする遊技機甲BEZ6。
遊技機甲BEZ6によれば、遊技機甲BEZ5の奏する効果に加え、開閉手段と状態切替手段との状態の切り替えを関連付けることができるので、いずれか一方を視認することで、他方の状態を予測し易くすることができる。
遊技機甲BEZ5又はBEZ6において、前記第1流下領域に受け入れ可能な遊技球の上限個数が設定されていることを特徴とする遊技機甲BEZ7。
遊技機甲BEZ7によれば、遊技機甲BEZ5又はBEZ6の奏する効果に加え、第1流下領域に配置されている遊技球の個数を確認することで、あと何球の遊技球を流下領域に通過させれば第2流下領域に遊技球が受け入れられるかの予測を立て易くすることができる。
遊技機甲BEZ1からBEZ7のいずれかにおいて、変位可能に構成される変位手段を備え、その変位手段は、受け入れた遊技球を前記下流側領域に排出可能な排出可能状態と、受け入れた遊技球を前記下流側領域に排出不能な排出不能状態とで状態を切り替えるように変位することを特徴とする遊技機甲BEZ8。
遊技機甲BEZ8によれば、遊技機甲BEZ1からBEZ7のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域への遊技球の受入の前提として遊技者の注目力の高い下流側領域へ遊技球が排出されるか否かが、変位手段の状態により変化するように構成されることから、下流側領域および変位手段に対する注目力を向上させることができる。
即ち、流下領域を通過した遊技球が下流側領域に確実に流下する場合には、遊技球が流下領域を通過する個数を把握すれば第2流下領域に遊技球が流下するタイミングを経験から予測することができるので、下流側領域にまでは視線をやらずに遊技をしても不利益は大きくない可能性があった。
これに対し、変位手段の状態次第で下流側領域への遊技球の流下の有無が切り替えられる状況下では、流下領域を通過する遊技球の個数と、下流側領域に流下する遊技球の個数にずれが生じることから、下流側領域にも視線を向ける必要がある。これにより、下流側領域に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲BEZ8において、前記変位手段は、受け入れた遊技球の流下速度を、流下領域を流下する遊技球の流下速度に比較して減速可能に構成されることを特徴とする遊技機甲BEZ9。
遊技機甲BEZ9によれば、遊技機甲BEZ8の奏する効果に加え、変位手段に受け入れられた遊技球の流下速度を落とすことができるので、変位手段に受け入れられた遊技球を遊技者が見失う事態の発生を回避し易くすることができる。
遊技機甲BEZ8又はBEZ9において、前記変位手段は、遊技球を所定数まで受け入れ可能な球受部を備え、前記変位手段の変位により前記球受部に受け入れられた遊技球が変位することを特徴とする遊技機甲BEZ10。
遊技機甲BEZ10によれば、遊技機甲BEZ8又はBEZ9の奏する効果に加え、変位手段の変位に伴い変位する遊技球の個数を、球受部に対して所定数までに制限することができるので、変位手段の変位速度を所定の範囲に設定することで、所定期間において変位手段から下流側領域に排出され得る遊技球の個数を所定の範囲に抑えることができる。
<エンディングにおいて終了時点を知らせる報知手段>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の継続期間の終わりを遊技者が把握可能に報知する報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲BG1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了したら特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技の終了時点が分かり難く、特図変動遊技が可能な状態に切り替わった直後に特別図柄の抽選を開始させたいという遊技者にとって、不満の元となっていた。
例えば、一般的な遊技進行として、特別図柄1の抽選で大当たりとなった後で、大当たり遊技終了後に特別図柄1よりも有利な特別図柄2の抽選を獲得容易な状態に移行する振分けが存在する遊技機があるが、このような遊技機では、大当たり遊技終了直後は特別図柄2の抽選が未獲得な状態で始まるので、特別図柄1の抽選が保留されていると、大当たり遊技終了後に特別図柄1の抽選が実行されてしまい、万が一その抽選で大当たりを獲得すると、遊技者に不利益が生じる可能性があった。
この事態を回避するため、大当たり終了後の特別図柄1の抽選による大当たりを獲得するよりも前に、大当たり終了後になるべく間隔を空けずに特別図柄2の抽選を獲得することが好ましいので、特別図柄2の抽選を獲得できる状態になるや否や遊技球の発射を開始することが望まれる。
一方で、特別図柄2の抽選を獲得するために入球口は電動役物により開閉される場合が一般的であるが、その電動役物は大当たり遊技中には閉鎖状態で維持されており、大当たり遊技終了後に開放可能な状態となる。そのため、電動役物が開放される前に遊技球を発射しても、その多くは無駄球となり易い。
このような事情から、大当たり遊技中に電動役物側へ遊技球を発射しても電動役物が閉鎖状態を維持しており特別図柄2の抽選を獲得できないので遊技球の発射は避けたいが、それにも増して特別図柄1の抽選による大当たりを獲得するよりも前に特別図柄2の抽選を獲得するために大当たり遊技が終了するや否や開放された電動役物の下流側にある入球口に遊技球を打ち込みたいと遊技者は思うと考えられる。
これに対し、従来の遊技機では、いつ大当たり遊技が終了するのかが分かり難く、遊技球を発射させるタイミングを図りがたいという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BG1によれば、所定の演出の終了時点を遊技者が把握可能に報知する報知手段を備えるようにしたので、その報知手段の報知を目安として遊技球を発射させるタイミングを図り易くすることができる。
遊技機甲BG1において、前記所定の演出は、第1演出またはその第1演出とは報知の内容が異なる第2演出の少なくとも一方が実行され、報知の組み合わせによって前記継続期間が変化可能とされ、前記報知手段は、前記所定の演出の前記継続期間の違いを遊技者に伝達可能に構成され、所定の演出の終了時点を示す終了手段と、現時点から前記終了時点までに経過する時間を示す時間報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲BG2。
遊技機甲BG2によれば、遊技機甲BG1の奏する効果に加え、所定の演出の継続期間が複数種類用意されている場合においても、現在行われている所定の演出の継続期間と、その終了時点とを把握することができる。
遊技機甲BG2において、前記時間報知手段は、現時点から前記所定の演出の終了時点までに経過する時間と、所定の時間差を設けた疑似時間を示す疑似時間報知手段を備えることを特徴とする遊技機甲BG3。
遊技機甲BG3によれば、遊技機甲BG2の奏する効果に加え、疑似時間報知手段により、所定の演出の終了時点よりも前の好ましいタイミングを遊技者に報知することができる。これにより、例えば、遊技球が発射されてから所定の入球口に到達するまでに経過し得る時間を所定の演出の実行中に消化することができ、所定の演出の終了直後に所定の入球口に遊技球を流入させるという遊技を実現させ易くすることができる。
遊技機甲BG1からBG3のいずれかにおいて、前記所定の演出は、少なくとも所定の特典遊技の終了直前に実行可能とされるものであり、前記特典遊技の種別に対応して、実行の態様が変化されることを特徴とする遊技機甲BG4。
遊技機甲BG4によれば、遊技機甲BG1からBG3のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技の種別と、所定の演出とを対応付けることができる。
遊技機甲BG1からBG4のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記所定の演出期間の終了時の所定期間前の時点を報知することを特徴とする遊技機甲BG5。
遊技機甲BG5によれば、遊技機甲BG1からBG4のいずれかの奏する効果に加え、報知手段により所定演出期間の終了時を前もって把握させることができる。
なお、所定の演出期間のタイミングは、何ら限定されるものではなく種々の態様が例示される。例えば、所定の特定遊技中でも良いし、図柄変動中でも良いし、図柄変動待機中でも良い。
遊技機甲BG1からBG5のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時に、表示手段の表示領域に遊技者を冷静にさせるための所定の静止画または動画が表示されることを特徴とする遊技機甲BG6。
遊技機甲BG6によれば、遊技機甲BG1からBG5のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の遊技に対するのめり込みを効果的に抑制することができる。
遊技機甲BG1からBG6のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時の後において、表示手段の表示が切り替えられることを特徴とする遊技機甲BG7。
遊技機甲BG7によれば、遊技機甲BG1からBG6のいずれかの奏する効果に加え、表示が切り替えられることにより所定の演出の終了時を過ぎたことを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機甲BG7において、前記所定の演出の終了時の後において、前記所定の演出から継続して特定の演出を実行可能とされることを特徴とする遊技機甲BG8。
遊技機甲BG8によれば、遊技機甲BG7の奏する効果に加え、所定の演出の終了時の後において新規で演出を実行する場合に比較して、所定の演出の実行中から特定の演出を実行することができるので、演出時間を長く確保することができる。
遊技機甲BG1からBG8のいずれかにおいて、前記所定の演出は、表示手段の表示領域の少なくとも一部において視認可能に実行されることを特徴とする遊技機甲BG9。
遊技機甲BG9によれば、遊技機甲BG1からBG8のいずれかの奏する効果に加え、表示手段の表示領域を視認すれば所定の演出を確認することができるので、表示手段の表示領域外(例えば、遊技領域の外方等)で所定の演出が実行される場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機甲BG8又はBG9において、表示手段の表示領域における表示の、所定のタイミングにおける態様が異なる場合を構成可能とされることを特徴とする遊技機甲BG10。
遊技機甲BG10によれば、遊技機甲BG8又はBG9の奏する効果に加え、所定のタイミングにおける態様に対する注目力を向上させることができる。
なお、所定のタイミングにおける異なる態様については、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定のタイミングで動作開始する場合と、所定のタイミングで停止維持される場合とで異なる場合や、所定のタイミングで操作可能となる場合と、所定のタイミングで操作不能とされる場合とで異なる場合等が例示される。
遊技機甲BG8又はBG9において、前記所定の演出の終了時よりも前において、終了時であるように錯覚させる錯覚演出を実行させることを特徴とする遊技機甲BG11。
遊技機甲BG11によれば、遊技機甲BG8又はBG9の奏する効果に加え、錯覚演出ごとに遊技者の集中力を高めることができる。
遊技機甲BG8からBG11のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時から、所定の条件が満たされるまで表示手段の表示領域において遊技球の発射により所定の利益を獲得可能であることを示唆する示唆表示がされることを特徴とする遊技機甲BG12。
遊技機甲BG12によれば、遊技機甲BG8からBG11のいずれかの奏する効果に加え、表示領域を視認する遊技者に対して、示唆表示により遊技球の発射に適したタイミングを知らせることができるので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、所定の条件の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定期間が経過することでも良いし、所定の入球口を所定個数の遊技球が通過したことや、その通過を検出したことでも良い。
遊技機甲BG12において、前記示唆表示は、所定の入球口またはその所定の入球口を開閉する電動役物の開閉の抽選を実行する開閉抽選入球口を狙うことを示唆する表示であることを特徴とする遊技機甲BG13。
遊技機甲BG13によれば、遊技機甲BG12の奏する効果に加え、示唆表示により、発射した遊技球の狙いが明確にされるので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機甲BG12又はBG13において、前記所定の演出において、所定の発射可能タイミングまで継続される表示が構成され、前記所定の発射タイミングを過ぎても発射がされない場合または所定の検出口で遊技球が検出されない場合、そのいずれかがされるまで所定の報知が継続されることを特徴とする遊技機甲BG14。
遊技機甲BG14によれば、遊技機甲BG12又はBG13の奏する効果に加え、所定の報知が継続されていることを確認すれば、所定の発射タイミングを過ぎてから、遊技球の発射がされていないか、所定の検出口で遊技球が検出されていないかのいずれかであることを、遊技者に把握させることができる。
遊技機甲BG12からBG14のいずれかにおいて、前記所定の演出中に所定個数の入球または前記所定個数以上の入球を検出した場合に、所定の報知をすることを特徴とする遊技機甲BG15。
遊技機甲BG15によれば、遊技機甲BG12からBG14のいずれかの奏する効果に加え、所定の報知により、所定の演出中に所定個数以上に入球が生じていることを遊技者に知らせることができるので、それをヒントに遊技者は遊技球の発射強度の調整等を行うことができ、遊技負担を軽減させることができる。
なお、所定の報知の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定の四字熟語が表示されるものでも良いし、遊技球の発射を躊躇させるための表示がされるものでも良いし、所定の発光手段を発光させるものでも良いし、所定の音声を出力するものでも良い。
遊技機甲BG1からBG15のいずれかにおいて、前記所定の演出は、遊技者により行われる音量の設定に関わらず所定の音量で実行されるか、又は、遊技者により行われる発光強度の設定に関わらず所定の発光強度や所定の発光色で実行されることを特徴とする遊技機甲BG16。
遊技機甲BG16によれば、遊技機甲BG1からBG15のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の設定により、音や光に遊技者が気づかない事態が発生することを防止することができる。
<エンディングにおいて音量光量の変更期間を設定する>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の実行中に、遊技に関わる所定の設定を変更可能な変更可能状態を構成可能な変更手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲BH1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了して特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技におけるラウンド遊技の終了から特図変動遊技が可能な状態へ移行するまでの間に遊技者が手持無沙汰となるため、ハンドルを握ったままとなり易いが、この場合に誤って遊技球を発射してしまう事態が生じ易いという問題点があった。即ち、遊技球を有効に利用するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BH1によれば、所定の演出中に、変更可能状態を構成可能とされているので、所定の演出中における暇な時間を、所定の設定を変更させる時間に当てることができる。これにより、遊技者の手をハンドルから離させ易くすることができるので、遊技球の誤発射を防止し易くすることができる。即ち、遊技球を有効に利用するという観点で改良することができる。
遊技機甲BH1において、前記所定の演出の継続期間の終わりを遊技者が把握可能に報知する報知手段を備え、前記変更可能状態において、前記報知手段による演出が継続されることを特徴とする遊技機甲BH2。
遊技機甲BH2によれば、遊技機甲BH1の奏する効果に加え、所定の設定を変更させた後で、ハンドルを再び握ることが好ましいタイミングを遊技者に知らせることができる。これにより、適切なタイミングで遊技球を発射しないことによる不利益を遊技者が受けることを避け易くすることができる。
遊技機甲BH1又はBH2において、前記変更可能状態において、変更可能な前記所定の設定が切り替え可能な状態を構成可能であることを特徴とする遊技機甲BH3。
遊技機甲BH3によれば、遊技機甲BH1又はBH2の奏する効果に加え、変更可能な所定の設定が複数あることで、遊技者が暇となる時間が長い場合であっても、遊技者が手持無沙汰となることを避け易くすることができる。
遊技機甲BH3において、前記変更可能状態において、変更可能な前記所定の設定または変更中の前記所定の設定が表示手段により表示されることを特徴とする遊技機甲BH4。
遊技機甲BH4によれば、遊技機甲BH3の奏する効果に加え、遊技に関わる所定の設定の内の、変更される対象を表示により明確とすることができる。これにより、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機甲BH1からBH4のいずれかにおいて、前記変更可能状態において実行された所定の操作により、表示手段における所定の表示の視認可能領域が変化することを特徴とする遊技機甲BH5。
遊技機甲BH5によれば、遊技機甲BH1からBH4のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が行った所定の操作により、表示手段における所定の表示の視認可能領域を変化させることで、遊技者が興味を持つと考えられる表示を遊技者の視線の先に配置させることができる。これにより、遊技者に視線を動かす煩わしさを感じさせることなく、遊技に集中させることができる。
遊技機甲BH5において、前記変更可能状態において実行された所定の操作により、表示手段の表示領域の一部が視認不能とされる状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機甲BH6。
遊技機甲BH6によれば、遊技機甲BH5の奏する効果に加え、所定の操作により表示手段の表示領域の一部が視認不能となることから、視認不能となる可能性がある表示を視認できる状態で維持したいと考える遊技者に対して、所定の操作を行うか否かを考えさせることができる。これにより、遊技者がむやみに所定の操作を行う事態を回避し易くすることができる。
遊技機甲BH1からBH6のいずれかにおいて、前記変更可能状態で前記所定の設定を変更した場合に、その変更が所定条件で戻される、又は前記変更が所定条件で無効化されるよう構成されることを特徴とする遊技機甲BH7。
遊技機甲BH7によれば、遊技機甲BH1からBH6のいずれかの奏する効果に加え、所定条件の成立により所定の設定が戻される、又は無効化されるので、違和感から、所定条件が成立したことを遊技者に把握させることができる。
なお、所定条件としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、大当たり遊技が開始されることでも良いし、大当たり遊技が所定回数継続されることでも良いし、所定期間に所定個数以上の遊技球を所定の検出手段で検出することでも良いし、所定のタイミングで所定の操作手段を操作することでも良い。
遊技機甲BH7において、前記所定条件は、前記所定の設定の変更を実行するために操作した所定の操作手段の操作により達成されることを特徴とする遊技機甲BH8。
遊技機甲BH8によれば、遊技機甲BH7の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作をすることで所定の設定の変更を戻す、又は無効化することができるので、所定の設定の変更を戻す、又は無効化することを意図的に行うことを容易にすることができる。
遊技機甲BH7において、前記所定条件は、前記所定の設定の変更を実行したタイミングによらず、所定のタイミングで達成されることを特徴とする遊技機甲BH9。
遊技機甲BH9によれば、遊技機甲BH7の奏する効果に加え、所定条件が所定のタイミングで達成されるので、所定条件がいつまでたっても達成されないという事態を回避することができる。
なお、所定のタイミングは、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、特図変動が所定回数実行された場合でも良いし、所定の内容の報知がされた場合でも良いし、正午など所定の時刻とされても良い。
遊技機甲BH7において、前記所定条件は、所定の状態が所定時間経過することにより達成されることを特徴とする遊技機甲BH10。
遊技機甲BH10によれば、遊技機甲BH7の奏する効果に加え、所定の設定の変更が戻ること、又は無効化されることにより、所定の状態が所定時間経過したことを遊技者に把握させることができる。
なお、所定の状態については何ら限定されるものではない。例えば、大当たり遊技が連荘した場合において獲得した大当たりの大当たり種別が同じ(又は所定のラウンド数以上や以下)で繰り返されることでも良いし、操作手段の操作がされないことでも良いし、特図変動が実行されないことでも良い。
遊技機甲BH1からBH10のいずれかにおいて、前記所定の設定に予め所定の目標量を設定可能とされ、前記変更可能状態において、前記所定の設定と前記目標量との差分を把握可能とする差分報知手段を備えることを特徴とする遊技機甲BH11。
遊技機甲BH11によれば、遊技機甲BH1からBH10のいずれかの奏する効果に加え、所定の設定の変更が戻された、又は無効となった場合であっても、遊技を行う遊技者が同じであれば、差分報知手段により目標量との差分を把握しながら所定の設定を変更することで、所定の設定を戻される前、又は無効とされる前の状態に容易に戻すことができる。
これにより、遊技を行う遊技者が交代した場合に、所定の設定が前の遊技者の設定のままで維持されることで後の遊技者に与える遊技負担を考慮して所定の設定の変更が戻される、又は無効化されるよう遊技機が制御されている場合においても、所定の設定を前の状態に容易に戻すことができることから、遊技を行う遊技者が交代していないにも関わらず意図せず所定の設定が戻された、又は無効化されたとしても、所定の設定を前の状態に容易に戻すことができるので、遊技者に与える遊技負担を軽減することができる。
<同一の表示を状況によって表示態様変更>
遊技に関する所定の表示演出を実行可能な演出実行手段を備え、前記所定の表示演出の実行中に前記所定の表示演出の表示位置または表示される大きさの変更が可能に構成されることを特徴とする遊技機甲BI1。
パチンコ機等の遊技機において、表示装置の正面側に配置される可動役物と、表示装置の表示とを組み合わせて一体的な形状を視認させることができる遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、可動役物の配置位置、大きさ及び形状に合わせて、表示の配置位置、大きさ及び形状を決める必要があるので、表示装置の表示領域を有効に活用する観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BI1によれば、所定の表示演出の実行中に、所定の表示演出の表示位置または表示される大きさの変更が可能に構成されるので、可動役物の形状の影響を受けることなく、表示装置の表示領域を有効に活用する観点で改良することができる。
遊技機甲BI1において、前記所定の表示演出は、表示領域の中央側に表示される場合よりも、表示領域の端側に表示される場合の方が、識別性が低下するよう構成されることを特徴とする遊技機甲BI2。
遊技機甲BI2によれば、遊技機甲BI1の奏する効果に加え、表示領域のどの位置に表示されるかによって、所定の表示演出に対する注目力の調整を行うことができる。
なお、識別性を低下させる態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、半透明で表示するようにしても良いし、表示の大きさを小さくするようにしても良い。
遊技機甲BI1又はBI2において、前記変更は、所定の操作手段が操作されることにより実行されることを特徴とする遊技機甲BI3。
遊技機甲BI3によれば、遊技機甲BI1又はBI2の奏する効果に加え、所定の表示演出の表示態様の変更を実行するか否かを、遊技者に選択させることができる。これにより、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
<ボタン操作絡み>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の実行中に所定の操作手段が操作されることにより、前記所定の演出を第1の状態から第2の状態に切り替え可能に構成される演出切替手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲BIZ1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了して特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技におけるラウンド遊技の終了から特図変動遊技が可能な状態へ移行するまでの間に遊技者が手持無沙汰となるため、ハンドルを握ったままとなり易いが、この場合に誤って遊技球を発射してしまう事態が生じ易いという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BIZ1によれば、所定の演出中に、所定の操作手段を操作することで実行される演出を切り替え可能とされるので、所定の演出中における暇な時間を、所定の操作手段を操作する時間に当てることができる。操作手段を操作することにより演出が切替可能とされるので、遊技者の操作手段の操作意欲を効果的に高めることができる。これにより、遊技者の手をハンドルから離させ易くすることができるので、遊技球の誤発射を防止し易くすることができる。
遊技機甲BIZ1において、前記所定の操作手段を操作可能であることを報知可能な操作報知手段を備え、前記操作報知手段の報知に従い前記所定の操作手段を操作することで、前記所定の演出の態様が切り替えられることを特徴とする遊技機甲BIZ2。
遊技機甲BIZ2によれば、遊技機甲BIZ1の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が操作報知手段により補助されることから、不慣れな遊技者であっても迷うことなく所定の操作手段を操作することができる。
遊技機甲BIZ2において、前記操作報知手段からの報知は、前記所定の演出の継続期間の一部の時間において実行されることを特徴とする遊技機甲BIZ3。
遊技機甲BIZ3によれば、遊技機甲BIZ2の奏する効果に加え、操作報知手段からの報知が所定の演出の継続時間の一部の時間で実行されるので、その他の時間においては所定の演出を視認させる余裕を持たせることができる。
なお、操作報知手段からの報知のタイミングは何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定の演出の途中から操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良いし、所定の演出の途中まで操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良いし、所定の演出の実行中に亘り操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良い。また、所定の演出の実行中に亘り操作報知手段からの報知が実行される場合において、その報知の実行中に亘って操作が有効となっても良いし、操作が無効となる時間を含むようにしても良い。
遊技機甲BIZ1からBIZ3のいずれかにおいて、前記所定の演出の後半の所定期間において、前記所定の操作手段の操作により演出が切り替えられないよう構成されることを特徴とする遊技機甲BIZ4。
遊技機甲BIZ4によれば、遊技機甲BIZ1からBIZ3のいずれかの奏する効果に加え、所定の演出の後半の所定期間における所定の操作手段の操作を無効とすることで、後半の所定期間における所定の演出に注目させることができる。
遊技機甲BIZ4において、前記所定の演出の後半の前記所定期間において、表示手段の表示領域における前記操作報知手段の表示を非表示とすることを特徴とする遊技機甲BIZ5。
遊技機甲BIZ5によれば、遊技機甲BIZ4の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が無効となる期間に入ったことを、表示手段の表示領域を視認することで把握することができる。
遊技機甲BIZ1からBIZ5のいずれかにおいて、前記所定の操作手段の操作により切り替えられる演出が複数種類用意されている場合において、前記所定の操作手段の操作により実行される演出を予測させるための付属報知手段を備えることを特徴とする遊技機甲BIZ6。
遊技機甲BIZ6によれば、遊技機甲BIZ1からBIZ5のいずれかの奏する効果に加え、付属報知手段により所定の操作手段の操作により実行される演出が予測できるので、所定の操作手段を操作したにも関わらず予想外の演出に切り替えられたという残念感や徒労感を低減することができ、遊技者は好みの演出に切り替えられる時にのみ所定の操作手段を操作すれば良いので、繰り返し所定の操作手段を操作する煩わしさを解消することができる。
遊技機甲BIZ1からBIZ6のいずれかにおいて、前記所定の操作手段の操作は、前記所定の演出の途中から可能となることを特徴とする遊技機甲BIZ7。
遊技機甲BIZ7によれば、遊技機甲BIZ1からBIZ6のいずれかの奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が可能となるまでの間は、所定の演出に注目させることができる。
遊技機甲BIZ6又はBIZ7において、前記付属報知手段は、特定の操作タイミングを示唆するための表示を備えており、前記特定の操作タイミングは、前記所定の演出の終了時点までに所定の調整期間を確保可能なタイミングとして設定されることを特徴とする遊技機甲BIZ8。
遊技機甲BIZ8によれば、遊技機甲BIZ6又はBIZ7の奏する効果に加え、調整期間の長さ次第で特定の操作タイミングが変化し得るので、特定の操作タイミングから、所定の操作手段を操作した後の演出の展開を予想させることができる。
遊技機甲BIZ1からBIZ8のいずれかにおいて、前記所定の操作手段を操作したことで切り替えられた演出の態様は、所定の条件で、切り替えられる前の態様に戻されることを特徴とする遊技機甲BIZ9。
遊技機甲BIZ9によれば、遊技機甲BIZ1からBIZ8のいずれかの奏する効果に加え、所定の条件で演出の態様が切り替えられる前の状態に戻されるので、再び所定の操作手段を操作させることができる。これにより、所定の操作手段の操作回数を多くすることができ、遊技者が遊技に参加している雰囲気を高めることができる。
遊技機甲BIZ2から遊技機甲BIZ9のいずれかにおいて、前記操作報知手段からの報知は、同時に操作される前記所定の操作手段の個数が異なる複数種類の態様が設けられていることを特徴とする遊技機甲BIZ10。
遊技機甲BIZ10によれば、遊技機甲BIZ2からBIZ9のいずれかの奏する効果に加え、同時に操作される所定の操作手段の個数が1個の場合と、2個以上となる場合とが設けられることになるので、敢えて2個の所定の操作手段を操作させるようにすることで、遊技球を発射する必要のないタイミングでの暇を紛らわせて遊技に熱中させることができる。この場合、遊技者の手を球発射用のハンドルから離させることができるので、遊技球の誤発射を抑制でき、発射した遊技球が無駄になることによる不要な不利益の発生を回避することができる。
遊技機甲BIZ2からBIZ10のいずれかにおいて、前記操作報知手段からの報知は、所定の入球口に入球した場合に得られる所定の利益が上限となった場合に実行される報知を含むことを特徴とする遊技機甲BIZ11。
遊技機甲BIZ11によれば、遊技機甲BIZ2からBIZ10のいずれかの奏する効果に加え、操作報知手段からの報知を視認させることで、所定の入球口に入球した場合に得られる所定の利益が上限となったことを遊技者に把握させることができる。
<振分部材C170~C3170を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記第1の球が第1の通路へ案内され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、前記変位部材は、前記球の重量が作用されていない状態では、前記所定位置に配置されることを特徴とする遊技機甲CA1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017-148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、到達した遊技球の状態に関わらず、到達した順番に第1の通路と第2の通路へ交互に振り分けるのみであるので、かかる振り分け動作を遊技者に着目させることができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲CA1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、第1の球が第1の通路へ案内され、変位部材が第1の球の重量で変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、変位部材は、球の重量が作用されていない状態では、所定位置に配置されるので、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第1の球の重量で所定位置から変位されている変位部材により第2の球を第2の通路へ案内することができる一方、第1の球に第2の球が所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第2の球が到達する前に変位部材が所定位置へ配置されることで、第2の球も第1の通路へ案内することができる。このように、球の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔)に応じて案内する通路を変化させられるので、球の状態を遊技者に着目させて、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1の球の後続となる第2の球とは、第1の球に対して所定量よりも小さい間隔を隔てて後行する球を意味する。よって、第2の球は第1の球に当接した状態で転動や流下するものであっても良い。
遊技機甲CA1において、前記変位部材の前記所定位置への変位は、前記変位部材の重量により行われることを特徴とする遊技機甲CA2。
遊技機甲CA2によれば、遊技機甲CA1の奏する効果に加え、変位部材の前記所定位置への変位は、変位部材の重量により行われるので、付勢ばねを利用する場合と比較して、構造を簡素化できる。また、付勢ばねを利用する場合と比較して、変位部材への変位を低速とできるので、第2の球を第2の通路へ案内する前に変位部材が所定位置へ配置されることを抑制できる。更に、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を付与できる。
遊技機甲CA2において、前記変位部材は、前記球を前記第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され前記本体部を前記所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、前記錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされることを特徴とする遊技機甲CA3。
遊技機甲CA3によれば、遊技機甲CA2の奏する効果に加え、球を第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され本体部を所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされるので、錘部の位置(状態)に基づいて、球が案内される方向を遊技者に認識させることができる。また、本体部を変位させるための錘としての役割と球の案内方向を認識させる部位としての役割とを錘部に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
遊技機甲CA1からCA3において、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備えることを特徴とする遊技機甲CA4。
遊技機甲CA4によれば、遊技機甲CA1からCA3のいずれかにおいて、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面を備えるので、第1の球が第1面を転動している間、その球の重量を変位部材に作用させることができる。よって、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態(即ち、第2の球を第2の通路へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
遊技機甲CA4において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機甲CA5。
遊技機甲CA5によれば、遊技機甲CA4の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機甲CA4又はCA5において、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機甲CA6。
遊技機甲CA6によれば、遊技機甲CA4又はCA5の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機甲CA4からCA6のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面は、前記軸から離間する方向へ延設されることを特徴とする遊技機甲CA7。
遊技機甲CA7によれば、遊技機甲CA4からCA6のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面は、軸から離間する方向へ延設されるので、第1の球が第1の通路へ向けて転動するに従って、その第1の球の重量を変位部材に効果的に作用させることができる。よって、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機甲CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機甲CA8。
遊技機甲CA8によれば、遊技機甲CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機甲CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸に対して同じ側に配置されることを特徴とする遊技機甲CA9。
遊技機甲CA9によれば、遊技機甲CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸に対して同じ側に配置されるので、第1の球が第1面から排出されたとしても、第2の球の重量を利用して、変位部材の姿勢を、第2の球を第2の通路へ案内するための姿勢とすることができる。その結果、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機甲CA4からCA9のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させることを特徴とする遊技機甲CA10。
遊技機甲CA10によれば、遊技機甲CA4からCA9のいずれかの奏する効果に加え、第1面へ向けて第1の球が転動する上流面を備え、第1面は、上流面から転動された第1の球の転動方向を反転させるので、その反転に要する時間の分、第1の球が第1面に滞留する時間を確保できる。よって、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。更に、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機甲CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記軸は、前記上流面を前記球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されることを特徴とする遊技機甲CA11。
遊技機甲CA11によれば、遊技機甲CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、軸は、上流面を球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されるので、ベース部材に変位部材が配設されたユニットの小型化を図ることができる。特に、上流面を球が転動する方向を遊技機の幅方向に沿わせてベース部材を配設することで、遊技機の幅方向を有効活用して、変位部材を配設するスペースを確保しやすくできる。
遊技機甲CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材を備え、そのベース部材に前記変位部材がスライド変位可能に配設されることを特徴とする遊技機甲CA12。
遊技機甲CA12によれば、遊技機甲CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に変位部材がスライド変位可能に配設されるので、例えば、変位部材が回転可能にベース部材に軸支される場合と比較して、変位部材を小型化でき、その分、ベース部材における他の部材の配設スペースを確保できる。
遊技機甲CA1からCA12のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態で前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態では、前記上流面の下流端よりも前記第2面の上流端が鉛直方向下方に位置することを特徴とする遊技機甲CA13。
ここで、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位されると、その変位された際の衝撃で変位部材が跳ね上がることがあり、この変位部材の跳ね上がりにより、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方に位置すると、第2の球を上流面から第2面へ転動させることができなくなる虞がある。特に、跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突すると、その衝撃で変位部材が更に跳ね上げられ(第2の球で変位部材が押し上げられ)、第1の球が転動するべき通路(第1面)へ第2の球が流入する虞がある。
これに対し、遊技機甲CA13によれば、遊技機甲CA1からCA12のいずれかの奏する効果に加え、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態では、上流面の下流端よりも第2面の上流端が鉛直方向下方に位置するので、その分、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返った場合に、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方へ位置することを抑制できる。よって、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機甲CA13において、前記第2面の上流端は、前記上流面へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機甲CA14。
遊技機甲CA14によれば、遊技機甲CA13の奏する効果に加え、第2面の上流端は、上流面へ向けて下降傾斜されるので、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返り(跳ね上がり)、その跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突した際に、第2の球から変位部材へ作用する力を、変位部材を押し下げる方向の力として作用させることができる。その結果、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機甲CA1からCA14のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させ、前記変位部材が第1の球の重量で前記所定位置から変位される際には、前記第1面の反転する位置にある前記第1の球の前記上流面側の変位軌跡よりも前記変位部材の前記上流面側の変位軌跡が前記上流面から離間された位置とされることを特徴とする遊技機甲CA15。
遊技機甲CA15によれば、遊技機甲CA1からCA14のいずれかの奏する効果に加え、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される際には、第1面の反転する位置にある第1の球の上流面側の変位軌跡よりも変位部材の上流面側の変位軌跡が上流面から離間された位置とされるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのけることができる。
遊技機甲CA15において、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記所定位置から所定以上の変位がされるまでは、前記第1面の転動方向を反転させる位置に前記第1の球を留めることを特徴とする遊技機甲CA16。
遊技機甲CA16によれば、遊技機甲CA15の奏する効果に加え、変位部材は、第1の球の重量で所定位置から所定以上の変位がされるまでは、第1面の転動方向を反転させる位置に第1の球を留めるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことをより確実に抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのける動作をより確実に実行できる。
遊技機甲CA1からCA16のいずれかにおいて、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、前記流出部が前記通過経路において前記変位部材よりも上流側に位置することを特徴とする遊技機甲CA17。
遊技機甲CA17によれば、遊技機甲CA1からCA16のいずれかの奏する効果に加え、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、流出部が通過経路において変位部材よりも上流側に位置するので、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせ、これら第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連なった状態で変位部材に到達させやすくできる。即ち、流入部から流入される際の第1の球と第2の球との間隔が所定量よりも大きな間隔であっても、往復面を往復変位されることで、これら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせる(間隔を所定量以下とする)ことができる。
遊技機甲CA17において、前記往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されることを特徴とする遊技機甲CA18。
遊技機甲CA18によれば、遊技機甲CA17の奏する効果に加え、往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されるので、流入部から往復面へ流入され往復面を往復変位される第1の球と第2の球とがすれ違うことを抑制できる。よって、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機甲CA18において、前記往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、前記流出部は、前記往復面の最下方に配置されることを特徴とする遊技機甲CA19。
遊技機甲CA19によれば、遊技機甲CA18の奏する効果に加え、往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、流出部は、往復面の最下方に配置されるので、往復面を往復変位される慣性が弱まった状態で第1の球と第2の球とを流出部から流出させることができる。即ち、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせた状態を維持して流出させやすくできる。
遊技機甲CA19において、前記往復面は、上面視直線状に形成されることを特徴とする遊技機甲CA20。
遊技機甲CA20によれば、遊技機甲CA19の奏する効果に加え、往復面は、上面視直線状に形成されるので、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機甲CA1からCA20のいずれかにおいて、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えることを特徴とする遊技機甲CA21。
遊技機甲CA21によれば、遊技機甲CA1からCA20のいずれかの奏する効果に加え、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えるので、かかる吸着部材により球の通過経路を形成して、遊技の興趣を向上できる。即ち、吸着部材の下降傾斜した下面に球を吸着させると、球を自重により摺動させ吸着部材の下面に沿って変位させることができる。この場合、球の状態(球に作用される慣性力と吸着力との関係)によって、吸着部材の下面から球が落下する可能性(即ち、通過経路(吸着部材の下面)の終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態とできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲CA21において、前記吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えることを特徴とする遊技機甲CA22。
遊技機甲CA22によれば、遊技機甲CA21の奏する効果に加え、吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えるので、球が摺動する面を下面形成部材の下面により形成する構造とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化を容易として、球の通過経路を簡素な構造で確実に形成できる。
遊技機甲CA21又はCA22において、前記吸着部材は、前記第2の通路の少なくとも一部を形成することを特徴とする遊技機甲CA23。
遊技機甲CA23によれば、遊技機甲CA21又はCA22の奏する効果に加え、吸着部材は、第2の通路の少なくとも一部を形成するので、遊技の興趣を向上できる。即ち、第2の球が変位部材により案内されて第2の通路へ到達できるのは、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なった状態で変位部材に到達した場合のみであり、その可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て到達した第2の球を、落下する可能性(吸着部材の下面の終端まで到達できない可能性)がある不安定を状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲CA23において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面と、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面とを備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機甲CA24。
遊技機甲CA24によれば、遊技機甲CA23の奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面と、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面とを備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される(第1面の位置が下方へ変位される)ことで、第2面の位置を上方へ変位させることができる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機甲CA24において、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機甲CA25。
遊技機甲CA25によれば、遊技機甲CA24の奏する効果に加え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機甲CA24又はCA25において、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機甲CA26。
遊技機甲CA26によれば、遊技機甲CA24又はCA25の奏する効果に加え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2の面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
<皿部材C120,C2120,C4120を一例とする発明の概念について>
球の通路を備えた遊技機において、前記通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えることを特徴とする遊技機甲CB1。
ここで、球を往復動可能とする通路部材(ステージ)を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。しかしながら、上述した遊技機では、遊技の興趣が十分ではないという問題点があった。
これに対し、遊技機甲CB1によれば、通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲CB1において、前記第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、前記第1の球および前記第2の球の案内先となる通路が変化されることを特徴とする遊技機甲CB2。
遊技機甲CB2によれば、遊技機甲CB1の奏する効果に加え、第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、第1の球および第2の球の案内先となる通路が変化されるので、球が所定の通路へ案内されること(即ち、第1の球と第2の球との間隔が所定の間隔となること)を遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1の通路における往復動によって第1の球と第2の球の間隔とが決定されるところ、それら第1の球および第2の球が、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路へ第1の通路から流下されるので、第1の球と第2の球との間隔を遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲CB2において、前記第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、前記間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、前記第1の通路は、第1の球と第2の球とが前記往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されることを特徴とする遊技機甲CB3。
遊技機甲CB3によれば、遊技機甲CB2の奏する効果に加え、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、第1の通路は、第1の球と第2の球とが往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されるので、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔を所定量以下とし易くできる。その結果、有利な通路へ案内されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲CB1からCB3のいずれかにおいて、中央が開口された遊技盤を備え、前記第2の通路は、前記遊技盤の開口に配置されることを特徴とする遊技機甲CB4。
遊技機甲CB4によれば、遊技機甲CB1からCB3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、中央が開口された遊技盤を備え、第2の通路は、遊技盤の開口に配置されるので、前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、第2の通路の全長を確保し易くできる。
<磁性部C2400,c5400,c6400(通路部CRt2004)を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第1の球とは異なる通路へ案内されることを特徴とする遊技機甲CC1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017-148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、球は重量方向下方へ流下するのみであるので、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲CC1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第1の球とは異なる通路へ案内されるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲CC1において、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されることを特徴とする遊技機甲CC2。
遊技機甲CC2によれば、遊技機甲CC1の奏する効果に加え、変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されるので、かかる通路の途中で球が落下される態様を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲CC2において、前記磁性部は、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置することを特徴とする遊技機甲CC3。
遊技機甲CC3によれば、遊技機甲CC2の奏する効果に加え、磁性部は、変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置するので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位されていない場合には、上方へ持ち上げられるべき部分を第2の球が通過したとしても、その第2の球を磁性部に吸着させない態様を確実に形成できる。
遊技機甲CC2又はCC3において、前記変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、前記第1の球の重量が作用される部分と、前記上方へ持ち上げられる部分とが位置することを特徴とする遊技機甲CC4。
遊技機甲CC4によれば、遊技機甲CC2又はCC3の奏する効果に加え、変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、第1の球の重量が作用される部分と、上方へ持ち上げられる部分とが位置するので、上方へ持ち上げられる部分を第2の球が通過する際に、第1の球の重量を利用して、第2の球が通過する部分を上方へ持ち上げられた状態に維持しやすくできる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に変位され、前記通路への球の入球されやすさを変化させることを特徴とする遊技機甲DA1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲DA1によれば、変位部材は、通路に球が入球された場合に変位され、通路への球の入球されやすさを変化させるので、よって、第1の球が通路へ入球され、更に、第2の球が通路へ入球されることを期待する場合、或いは逆に、第1の球が通路へ入球された状態では、第2の球が通路へ入球されないことを期待する場合に、通路へ第2の球が入球されるか否かを着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DA1において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に、前記通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されることを特徴とする遊技機甲DA2。
遊技機甲DA2によれば、遊技機甲DA1の奏する効果に加え、変位部材は、通路に球が入球された場合に、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるので、通路へ入球された球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)を通路へ入球されやすくできる。即ち、通路へ1の球が入球されれば、後行する球が連続して通路へ入球されやすい状態を形成でき、後行する球が通路へ入球されれば、その後行する球の通路への入球に起因して、次の後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できる。よって、通路への球の入球により、通路への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DA1において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に、前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機甲DA3。
遊技機甲DA3によれば、遊技機甲DA1の奏する効果に加え、変位部材は、通路に球が入球された場合に、通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、第1の球が通路へ入球された状態では、第2の球が通路へ入球されないことを期待する場合に、第2の球が通路へ入球され難くできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DA1からDA3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機甲DA4。
遊技機甲DA4によれば、遊技機甲DA1からDA3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
遊技機甲DA2又はDA3において、前記通路に入球された球が転動可能とされ前記転動される球の重さで変位される転動部材と、その転動部材の変位を前記変位部材へ伝達する伝達手段とを備え、前記変位部材は、前記転動する球の重さで前記転動部材が変位され、その転動部材の変位が前記伝達手段により伝達されることで、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機甲DA5。
遊技機甲DA5によれば、遊技機甲DA2又はDA3の奏する効果に加え、通路に入球された球が転動可能とされ、転動される球の重さで変位される転動部材と、その転動部材の変位を変位部材へ伝達する伝達手段とを備え、変位部材は、転動する球の重さで転動部材が変位され、その転動部材の変位が前記伝達手段により伝達されることで、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、球が転動部材を転動している間、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材を変位させておくことができる。即ち、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機甲DA5において、前記転動部材を複数備えることを特徴とする遊技機甲DA6。
遊技機甲DA6によれば、遊技機甲DA5の奏する効果に加え、転動部材を複数備えるので、その分、球が転動する区間(転動可能距離)を確保して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が変位されている期間を長くできる。即ち、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機甲DA5又はDA6において、前記通路へ入球された球は、前記転動部材をその転動部材の下降傾斜によって転動され、前記転動部材は、回転可能に軸支され、球が転動されている状態における前記転動部材の下降傾斜が、球が非転動の状態における前記転動部材の下降傾斜よりも小さくされることを特徴とする遊技機甲DA7。
遊技機甲DA7によれば、遊技機甲DA5又はDA6の奏する効果に加え、通路へ入球された球は、転動部材をその転動部材の下降傾斜によって転動され、転動部材は、回転可能に軸支され、球が転動されている状態における転動部材の下降傾斜が、球が非転動の状態における転動部材の下降傾斜よりも小さくされるので、転動部材を転動する球に勢いが付与されることを抑制できる。よって、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機甲DA5からDA7のいずれかにおいて、前記転動部材は、前記球の重量で変位される前の状態に自重により復帰されることを特徴とする遊技機甲DA8。
遊技機甲DA8によれば、遊技機甲DA5からDA7のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、球の重量で変位される前の状態に自重により復帰されるので、転動部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
遊技機甲DA5からDA8のいずれかにおいて、前記転動部材を転動する球に作用する作用手段を備えることを特徴とする遊技機甲DA9。
遊技機甲DA9によれば、遊技機甲DA5からDA8のいずれかの奏する効果に加え、転動部材を転動する球に作用する作用手段を備えるので、球の転動に影響を与えることができる。即ち、作用手段の作用により球の転動に抵抗を付与し、その転動の速度を低くすることができる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機甲DA9において、前記作用手段は、前記通路の内側面から突設され鉛直方向に沿って延設される突部として形成され、前記転動面を転動する球の転動方向に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設されることを特徴とする遊技機甲DA10。
遊技機甲DA10によれば、遊技機甲DA9の奏する効果に加え、作用手段は、通路の内側面から突設され鉛直方向に沿って延設される突部として形成され、転動面を転動する球の転動方向に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設されるので、球が転動面を転動する際には、突部(作用手段)が当接されることで、球の転動に抵抗を付与して、その転動速度を低くすることができる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
一方で、突部(作用手段)は、鉛直方向に沿って延設されるので、鉛直方向へ移動する球には抵抗が付与され難くできる。よって、転動部材の転動面から球が上方へ跳ね上がった場合には、その球を下方(転動面)へ速やかに落下させることができる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、転動部材が上方へ変位した場合でも、かかる転動部材が球の重量により変位された状態に速やかに復帰させることができる。その結果、通路へ球が入球されやすくなる側へ球の重量によって変位されていた変位部材が、転動面からの球の跳ね上がりによって、初期位置(通路へ球が入球する前の位置)へ復帰される不具合の発生を抑制できる。
遊技機甲DA10において、前記転動部材は、球が転動する転動面が球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成されることを特徴とする遊技機甲DA11。
遊技機甲DA11によれば、遊技機甲DA10の奏する効果に加え、転動部材は、球が転動する転動面が球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成されるので、転動面を転動する球が上方(鉛直方向)へ跳ね上がることを抑制できる。よって、通路へ球が入球されやすくなる側へ球の重量によって変位されていた変位部材が、転動面からの球の跳ね上がりによって、初期位置(通路へ球が入球する前の位置)へ復帰される不具合の発生を抑制できる。
なお、転動面は、平坦面である必要はなく、起伏を有する面(断面形状が円弧を滑らかに連ねて形成される面)であっても良い。即ち、転動面は、少なくとも球の直径の1/10以上の高さの段差を有していなければ良い。
遊技機甲DA10又はDA11において、前記突部は、前記通路の内側面であって前記転動面を挟んだ両側に形成され、一方の内側面の突部と他方の内側面の突部とが前記転動部材の転動面に沿って千鳥状に配置されることを特徴とする遊技機甲DA12。
遊技機甲DA12によれば、遊技機甲DA10又はDA11の奏する効果に加え、突部は、通路の内側面であって転動面を挟んだ両側に形成され、一方の内側面の突部と他方の内側面の突部とが転動部材の転動面に沿って千鳥状に配置されるので、球が転動面を転動する際に、球を突部に当接させやすくできる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機甲DA5からDA12のいずれかにおいて、前記転動部材は、回転可能に軸支され、前記通路へ入球された球は、前記軸支された部位へ向けて前記転動部材を転動することを特徴とする遊技機甲DA13。
遊技機甲DA13によれば、遊技機甲DA5からDA12のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、回転可能に軸支され、通路へ入球された球は、軸支された部位へ向けて転動部材を転動するので、球が転動部材を転動する際には、その初期段階において転動部材の変位を最大とできる。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側への変位部材の変位を、球が通路へ入球し転動部材に達した際に速やかに行わせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合(例えば、両球が連なって流下される場合)に、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、球の転動が進行するに従って、転動部材の変位量を徐々に小さくできる。即ち、球の転動が進行するに従って、通路へ球が入球されやすくなる側にあった変位部材を初期位置(通路へ球が入球され難くされる側)へ向けて徐々に変位させることができる。これにより、通路へ球が入球する期待を変化させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、通路へ入球された球が転動部材に落下される場合には、落下された球を、転動部材の変位量が大きい位置(軸支された部位から離れた位置)で受け止めることができる。よって、落下された球の運動エネルギーを、転動部材の変位により吸収(消費)して、球が上方へ跳ね上がることを抑制できる。その結果、球の重量を転動部材に安定して作用させ、変位部材の状態を安定させる(例えば、通路へ球が入球され難くされる側または通路へ球が入球され易くなる側へ変位部材が一時的に変位されることを抑制)できる。
遊技機甲DA13において、前記通路へ入球された球は、前記転動部材に落下されることを特徴とする遊技機甲DA14。
遊技機甲DA14によれば、遊技機甲DA13の奏する効果に加え、通路へ入球された球は、転動部材に落下されるので、落下された球の運動エネルギーを利用して、転動部材を速やかに変位させることができる。その結果、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位部材の変位を速やかに行わせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合(例えば、両球が連なって流下される場合)でも、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、通路部材へ入球した球を、転動部材とは別の部材(固定された非変位の部材)に落下させる場合には、別の部材の破損を招きやすくなるところ、本発明によれば、落下された球の運動エネルギーを、転動部材の変位により吸収(消費)して、破損を抑制できる。よって、球の落下を許容できる分、通路の設計の自由度を高めることができる。
遊技機甲DA13において、前記転動部材を転動する球は、少なくとも前記転動部材の前記軸支された部位まで転動されることを特徴とする遊技機甲DA14。
遊技機甲DA14によれば、遊技機甲DA13の奏する効果に加え、転動部材を転動する球は、少なくとも転動部材の軸支された部位(回転軸)まで転動されるので、転動部材の軸支された部位(回転軸)に到達する前に球が排球される場合と比較して、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が作用されなくなる影響)を抑制して、転動部材が回転方向にばたつくことを抑制できる。よって、変位部材の状態を安定させる(例えば、通路へ球が入球されやすくされる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が一時的に変位されることを抑制)できる。
遊技機甲DA5からDA12のいずれかにおいて、前記転動部材は、回転可能に軸支され、前記通路へ入球された球は、前記軸支された部位から離間される方向へ向けて前記転動部材を転動することを特徴とする遊技機甲DA16。
遊技機甲DA16によれば、遊技機甲DA5からDA12のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、回転可能に軸支され、通路へ入球された球は、軸支された部位から離間される方向へ向けて転動部材を転動するこので、球が転動部材を転動する際には、その後期段階(所定量を越えて転動した段階)において転動部材の変位を最大とできる。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が変位するタイミングを遅らせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的大きい場合に、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、球の転動が進行するに従って、転動部材の変位量を徐々に大きくできる。即ち、球の転動が進行するに従って、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ向けて変位部材を徐々に変位させることができる。これにより、通路へ球が入球する期待を変化させ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲DA5からDA16のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記転動部材が球の重量により変位されていない状態では、前記通路へ球が入球がされやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側への変位が規制されることを特徴とする遊技機甲DA17。
遊技機甲DA17によれば、遊技機甲DA5からDA16の奏する効果に加え、変位部材は、転動部材が球の重量により変位されていない状態では、通路へ球が入球がされやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位が規制されるので、変位部材を、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ強制的に変位させる不正を抑制できる。
遊技機甲DA17において、前記転動部材が球の重量により変位されていない状態では、前記伝達手段の変位が前記転動部材に規制されることで、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側への前記変位部材の変位が規制されることを特徴とする遊技機甲DA18。
遊技機甲DA18によれば、遊技機甲DA17の奏する効果に加え、転動部材が球の重量により変位されていない状態では、伝達手段の変位が転動部材に規制されることで、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位部材の変位が規制されるので、変位部材の強制的変位を規制するための部品を別途設ける必要がなく、伝達手段を流用することができる。即ち、変位部材を強制的に変位させる不正を抑制するための構造を簡素化できる。
遊技機甲DA5からDA18のいずれかにおいて、前記転動部材と前記伝達手段との間には、所定の隙間が形成され、球の重量で変位された前記転動部材は、前記隙間を埋めた後に前記伝達手段に当接されることを特徴とする遊技機甲DA19。
遊技機甲DA19によれば、遊技機甲DA5からDA18のいずれかの奏する効果に加え、転動部材と伝達手段との間には、所定の隙間が形成され、球の重量で変位された転動部材は、隙間を埋めた後に伝達手段に当接されるので、転動部材の変位が比較的小さい場合には、伝達手段を介して、転動部材の変位を変位部材へ伝達することができない。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材を変位させるためには、隙間を越える変位を転動部材に形成する必要があり、よって、遊技機を叩いて転動部材を変位させることや、針金等の異物で転動部材を変位させようとする不正を成功し難くできる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材の変位速度が変化可能に形成されることを特徴とする遊技機甲DB1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲DB1によれば、変位部材の変位速度が変化可能に形成されるので、通路への球の入球のされやすさの変化速度を変化させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DB1において、前記変位部材は、前記通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、前記通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも速くされることを特徴とする遊技機甲DB2。
遊技機甲DB2によれば、遊技機甲DB1の奏する効果に加え、変位部材は、通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも速くされるので、通路へ球が入りやすくされた状態を素早く形成して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、テンポの良い演出を行うことができる。また、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度が相対的に遅くされることで、通路へ球が入りやすくされた状態の期間を確保して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、通路への入球が間に合うか否かを着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DB1において、前記変位部材は、前記通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、前記通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも遅くされることを特徴とする遊技機甲DB3。
遊技機甲DB3によれば、遊技機甲DB1の奏する効果に加え、変位部材は、通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも遅くされるので、通路への球の入りやすさを徐々に増加させ、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、その期待を徐々に高まらせることができる。また、通路へ球が入球され難くされた状態を素早く形成して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、テンポの良い演出を行うことができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DB1からDB3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機甲DB4。
遊技機甲DB4によれば、遊技機甲DB1からDB3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材を複数備え、前記複数の変位部材のうちの一の前記変位部材は、他の前記変位部材と変位態様が異なることを特徴とする遊技機甲DC1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲DC1によれば、変位部材を複数備え、複数の変位部材のうちの一の変位部材は、通路他の変位部材と変位態様が異なるので、それら複数の変位部材の変位態様の組み合わせにより、通路への球の入球のされやすさの変化を大きくできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、変位態様としては、変位を開始する時期(タイミング)、変位方向、変位速度、これらの組み合わせが例示される。
遊技機甲DC1において、前記一の変位部材の変位の開始は、前記他の変位部材の変位が開始され、所定時間の経過後とされることを特徴とする遊技機甲DC2。
遊技機甲DC2によれば、遊技機甲DC1の奏する効果に加え、一の変位部材の変位の開始は、他の変位部材の変位が開始され、所定時間の経過後とされるので、通路への球の入球のされやすさが変化される位置を異ならせると共にそのタイミングを異ならせることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DC1又はDC2において、前記通路へ球を流下させる上流通路を備え、前記変位部材の変位方向は、前記上流通路における球の転動方向と略平行とされることを特徴とする遊技機甲DC3。
遊技機甲DC3によれば、遊技機甲DC1又はDC2の奏する効果に加え、通路へ球を流下させる上流通路を備え、変位部材の変位方向は、上流通路における球の転動方向と略平行とされるので、上流通路を転動する球の転動方向や転動位置と変位部材の変位方向や変位位置とを、通路への球の入球のしやすさに関係づけることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲DC1からDC3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機甲DC4。
遊技機甲DC4によれば、遊技機甲DC1からDC3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記通路に入球された球が転動可能に形成される転動部材を備え、前記変位部材は、前記転動部材を転動する球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位され、前記転動部材は、球の転動経路の途中で球が落下可能に形成されることを特徴とする遊技機甲DD1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲DD1によれば、通路に入球された球が転動可能に形成される転動部材を備え、変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位され、転動部材は、球の転動経路の途中で球が落下可能に形成されるので、球が転動経路を転動する距離に応じて、球の重量を利用できる期間を変化させることができる。即ち、転動部材を転動する球の状態に応じて、通路への球の入球のされやすさを変化させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DD1において、前記変位部材は、前記転動部材を転動する球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されることを特徴とする遊技機甲DA2。
遊技機甲DD2によれば、遊技機甲DD1の奏する効果に加え、変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるので、通路へ入球された球が転動部材を転動する間、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)を通路へ入球されやすくできる。
即ち、通路へ1の球が入球され、その球が転動部材を転動している間は、後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成でき、後行する球が通路へ入球され転動部材を転動すれば、次の後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できる。よって、通路への球の入球により、通路への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。一方で、通路へ入球された球が転動部材の転動経路の途中で落下されると、球の重量を利用できなくなり、後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できなくなる。これにより、球の転動状態(転動経路の終端に達することができるか否か)を遊技者に注目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DD1において、前記転動部材を所定数以上の球が転動する場合に、前記転動する球を前記転動部材から落下させやすくする落下手段を備えることを特徴とする遊技機甲DD3。
遊技機甲DD3によれば、遊技機甲DD1の奏する効果に加え、転動部材を所定数以上の球が転動する場合に、転動する球を転動部材から落下させやすくする落下手段を備えるので、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下されるか否かを遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、遊技機甲DD3における変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるものであっても良く、通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるものであっても良い。前者の場合には、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下される可能性が高くなるので、かかる別の球が通路へ流下されるか否かを行方を遊技者に着目させやすくできる。後者の場合には、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下される可能性を低くできるので、遊技者に安心感を付与できる。
遊技機甲DD2又はDD3において、前記転動部材の転動経路の途中で落下した球が通過する落下通路を備え、前記落下通路を通過した球には、前記通路を通過した球よりも有利な遊技条件が付与されることを特徴とする遊技機甲DD4。
遊技機甲DD4によれば、遊技機甲DD2又はDD3の奏する効果に加え、転動部材の転動経路の途中で落下した球が通過する落下通路を備え、落下通路を通過した球には、通路を通過した球よりも有利な遊技条件が付与されるので、転動部材の転動経路の途中で球が落下するか否かをより強く遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:下降傾斜されたトゲトゲステージが往復駆動、ステージを下降傾斜に沿って流下する際にトゲトゲで流下先にランダム性を持たせる。トゲトゲによる球の保持を往復駆動で抑制>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機甲EA1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲EA1によれば、通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えるので、変位手段により通路部材が変位されることで、通路部材を移動する球の移動方向の変化を多様化できる。これにより、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EA1において、前記通路部材に配設され前記球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記付与手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機甲EA2。
遊技機甲EA2によれば、遊技機甲EA1の奏する効果に加え、通路部材に配設され球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、付与手段は、通路部材の転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、通路部材(転動部)を転動する際の球の移動方向の変化を多様化して、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。
また、球の移動方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできる。即ち、転動部を転動する球は比較的移動速度が低く、転動部の移動に比較的時間を要するところ、突部または凹部から受ける作用により球の移動に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の移動方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EA2において、前記変位手段は、前記通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に前記通路部材を変位させることを特徴とする遊技機甲EA3。
遊技機甲EA3によれば、遊技機甲EA2の奏する効果に加え、変位手段は、通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に通路部材を変位させるので、球の転動方向と平行な変位成分を突部に形成することができる。その結果、球の移動方向に変化を付与しやすくできる。また、球の移動方向の変化を多様とできる。
遊技機甲EA2又はEA3において、前記突部は、前記突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されることを特徴とする遊技機甲EA4。
遊技機甲EA4によれば、遊技機甲EA2又はEA3の奏する効果に加え、突部は、突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されるので、球が通路部材(転動部)に留まることを抑制できる。よって、球が通路部材(転動部)に留まることを抑制するために、通路部材(転動部)を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制できる。その結果、変位手段を簡素化できる。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:ステージを通過したら所定の価値付与>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材の球の通過のしやすさを変化させる変化手段を備え、前記通路部材を通過した球に対して所定の価値を付与可能に形成されることを特徴とする遊技機甲EB1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球が通過できるか否か(ステージを渡り切って終端に到達できるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲EB1によれば、通路部材の球の通過のしやすさを変化させる変化手段を備え、通路部材を通過した球に対して所定の価値を付与可能に形成されるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EB1において、前記変化手段は、前記通路部材の少なくとも一部を変位させる変位手段を備えることを特徴とする遊技機甲EB2。
遊技機甲EB2によれば、遊技機甲EB1の奏する効果に加え、変化手段は、通路部材の少なくとも一部を変位させる変位手段を備えるので、球が通路部材を移動する際に、変位手段により通路部材が変位されることで、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過する(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得る)ことを阻害する又は補助する手段として、変位手段(通路部材の変位)を機能させることができるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EB2において、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記変化手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機甲EB3。
遊技機甲EB3によれば、遊技機甲EB2の奏する効果に加え、通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、変化手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、転動部を転動する球の転動方向(移動方向)にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過する(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得る)ことを阻害する又は補助する手段として突部や凹部を機能させることができるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EB1からEB3のいずれかにおいて、前記通路部材は、第1通路部材と、その第1通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、前記所定の価値は、前記第2通路部材を通過した球に対して付与可能に形成され、前記変化手段は、前記第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、前記第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とを異ならせることが可能に形成されることを特徴とする遊技機甲EB4。
遊技機甲EB4によれば、遊技機甲EB1からEB3のいずれかの奏する効果に加え、通路部材は、第1通路部材と、その第1通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、所定の価値は、第2通路部材を通過した球に対して付与可能に形成され、変化手段は、第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とを異ならせることが可能に形成されるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なる態様として、遊技者に付与することができる。その結果、かかる遊技性を多様化して、遊技の興趣を向上できる。
なお、球の通過のしやすさを変化させる手段としては、例えば、通路部材の形状や姿勢(傾斜)、通路部材の変位態様(変位の種類(回転、直線変位、曲線変位、これらの組み合わせ)、変位方向、変位速度、往復動作の態様(周期、振幅)など)、通路部材の球が移動する面(転動面)の態様(突部や凹部の有無、突部や凹部の態様(大きさ、形状、配置など))が例示される。即ち、第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とが異なるとは、上述した手段の少なくとも一部または全部が、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なることを意味する。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:球を滞留させる滞留手段>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、入球された球に対して所定の価値を付与可能に形成される入球手段と、前記通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、前記通路部材および前記第2通路部材は、球の移動経路の途中で球が落下可能に形成され、前記第2通路部材を通過した球は、前記通路部材を通過した球よりも前記入球手段へ入球されやすくされることを特徴とする遊技機甲EC1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、ステージの所定位置から流下された球は、入賞口(入球口)へ直接入球されるため、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲EC1によれば、入球された球に対して所定の価値を付与可能に形成される入球手段と、通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備えるので、通路部材を通過した球が第2通路部材を移動することで、その分、入球手段に球が入球されるまでに要する時間を嵩ませることができる。即ち、入球手段への入球を期待できる期間を長くして、遊技者の期待感を盛り上げることができる。特に、第2通路部材を通過した球は、通路部材を通過した球よりも入球手段へ入球されやすくされるので、入球手段へ球が今から入球されるという高揚感を遊技者に持たせて、球の行方を追わせることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EC1において、前記第2通路部材は、球が転動可能に形成される転動部と、その転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機甲EC2。
遊技機甲EC2によれば、遊技機甲EC1の奏する効果に加え、第2通路部材は、球が転動可能に形成される転動部と、その転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、第2通路部材(転動部)を転動する際の球の移動方向を変化させ、球が第2通路部材を通過できるか否か(第2通路部材を渡り切って、入球手段に入球される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
また、球の移動を遊技者に視認させやすくできる。即ち、転動部を転動する球は比較的移動速度が低く、転動部の移動に比較的時間を要するところ、突部や凹部から受ける作用により球の移動に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の行方を遊技者に追わせやすくできると共に、入球手段への入球を期待できる期間を長くして、遊技者の期待感を盛り上げることができる。
遊技機甲EC1又はEC2において、前記通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機甲EC3。
遊技機甲EC3によれば、遊技機甲EC1又はEC2の奏する効果に加え、通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えるので、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過して第2通路部材に到達することを阻害する又は補助する手段として、変位手段(通路部材の変位)を機能させることができる。よって、球が通路部材を通過できるか否か(球が第2通路部材に到達できるか否か、ひいては、入球手段に入球できるか否か)を楽しむ遊技性を形成することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EC3において、前記第2通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される第2変位手段を備えることを特徴とする遊技機甲EC4。
遊技機甲EC4によれば、遊技機甲EC3の奏する効果に加え、第2通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される第2変位手段を備えるので、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過して第2通路部材に到達すること、及び、球が第2通路部材と通過して入球手段に入球すること、を阻害する又は補助する手段として、第2変位手段(第2通路部材の変位)を機能させることができる。よって、通路部材を通過した球が第2通路部材へ到達できるか否か、及び、その到達した球が第2通路部材を通過できるか否か(球が入球手段に入球できるか否か)を楽しむ遊技性を形成することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EC4において、前記変位手段による前記通路部材の変位態様と、前記第2変位手段による前記第2通路部材の変位態様とが異なる態様であることを特徴とする遊技機甲EC5。
遊技機甲EC5によれば、遊技機甲EC4の奏する効果に加え、変位手段による通路部材の変位態様と、第2変位手段による第2通路部材の変位態様とが異なる態様であるので、球の変位態様を多様化できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、変位手段による通路部材の変位態様と、第2変位手段による第2通路部材の変位態様とが異なる態様であるとは、例えば、変位の種類(回転、直線変位、曲線変位、これらの組み合わせ)、変位方向、変位速度、往復動作の態様(周期、振幅)などの少なくとも一部または全部が、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なることを意味する。
<下側フレームF86b~F5086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成される第1手段と、前記第1手段が受け取った球の重量により変位される第2手段と、を備え、前記第2手段は、前記被流入部の大きさを変更する方向へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FA1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲FA1によれば、所定の球が被流入部へ向かう場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、第2手段が被流入部の大きさを変更する方向へ変位されるので、所定の球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くできる。よって、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FA1において、前記被流入部の大きさを変更する方向へ前記第2手段が変位された状態を維持する維持手段を備えることを特徴とする遊技機甲FA2。
遊技機甲FA2によれば、遊技機甲FA1の奏する効果に加え、第1手段に球の重量が作用しなくなっても、所定の球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くした状態を維持できる。よって、球の流入を期待できる期間または期待し難い期間を確保でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FA2において、前記維持手段による維持を解除する解除手段を備え、前記維持手段は、前記第1手段が受け取った球の重量により前記第2手段が前記被流入部の大きさを大きくする方向へ変位された状態を維持し、前記解除手段による解除は、前記被流入部に少なくとも1の球が流入された場合に行われることを特徴とする遊技機甲FA3。
遊技機甲FA3によれば、遊技機甲FA2の奏する効果に加え、少なくとも1の球が被流入部に流入されるまでの間、被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位された状態が維持されるので、被流入部への球の流入を確実化できる。よって、遊技者に安心感を付与できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FA3において、前記維持手段により維持された状態では、球を受け取ることで変位された位置に前記第1手段が維持されることを特徴とする遊技機甲FA4。
遊技機甲FA4によれば、遊技機甲FA3の奏する効果に加え、維持手段による維持がされた状態(被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位された状態)であることを、第1手段の変位位置からも遊技者に理解させやすくできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FA1から遊技機甲FA4のいずれかにおいて、前記第1手段から球が流下することを遅延させる遅延手段を備えることを特徴とする遊技機甲FA5。
遊技機甲FA5によれば、遊技機甲FA1から遊技機甲FA4の奏する効果に加え、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機甲FA5において、前記遅延手段は、前記第1手段に形成される開口と、その開口の周囲に沿って球が転動可能とされ前記第1手段に形成される第1転動部とを備え、前記第1転動部を転動し前記開口へ流入されることで、球が前記第1手段から流下されることを特徴とする遊技機甲FA6。
遊技機甲FA6によれば、遊技機甲FA5の奏する効果に加え、開口の周囲に沿って第1転動部を転動することで、球の速度を低下させられるので、その分、第1手段からの球の流下を遅延させられる。即ち、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機甲FA6において、前記第1転動部は、前記開口の周囲に沿って連続して形成され、前記遅延手段は、前記第1転動部における前記開口から偏心した位置へ向けて球が転動可能とされ前記第1手段に形成される第2転動部を備えることを特徴とする遊技機甲FA7。
遊技機甲FA7によれば、遊技機甲FA6の奏する効果に加え、第1転動部が、開口の周囲に沿って連続して形成されるので、第1転動部において球を周回させることができる。また、第2転動部が、第1転動部における開口から偏心した位置へ向けて球が転動可能とされるので、第1転動部における球の周回を形成しやすくできる。その結果、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機甲FA7において、前記第1転動部を球が転動する状態では、前記第1転動部の鉛直方向における高さが前記開口の周囲に沿って略同一に設定されることを特徴とする遊技機甲FA8。
遊技機甲FA8によれば、遊技機甲FA7の奏する効果に加え、高低差が形成されることを抑制して、第1転動部において球を周回させやすくできる。
遊技機甲FA5から遊技機甲FA8のいずれかにおいて、前記遅延手段は、球が転動可能とされ前記第1手段に形成される転動部と、その転動部に球を保持する保持手段と、を備え、前記保持手段に保持された球は、前記第1手段が球の重量により所定量だけ変位されることで、前記保持手段を乗り越えて転動可能とされることを特徴とする遊技機甲FA9。
遊技機甲FA9によれば、遊技機甲FA5から遊技機甲FA8のいずれかの奏する効果に加え、球の転動を一時的に停止させることができる。よって、第1手段が球の重量により所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間を長くできる。その分、被流入部が大きくされている期間を長くできる。また、第1手段の姿勢変化を利用して保持手段の保持が解除される(球が転動を再開する)ので、解除する手段を設けることを不要とできる。
遊技機甲FA9において、前記遅延手段は、前記第1手段が球の重量により所定量だけ変位された場合に、前記保持手段により保持された球に作用する作用手段を備えることを特徴とする遊技機甲FA10。
遊技機甲FA10によれば、遊技機甲FA9の奏する効果に加え、作用手段の作用により、保持手段による球の保持の解除を確実化できる(球が保持手段を乗り越えやすくすることができる)。
遊技機甲FA9又は遊技機甲FA10において、前記第1手段へ球が流下可能に形成される流下部を備え、球の重量により前記第1手段が変位される方向は、少なくとも前記転動部が前記流下部から離間される方向であることを特徴とする遊技機甲FA11。
遊技機甲FA11によれば、遊技機甲FA9又は遊技機甲FA10の奏する効果に加え、流下部から流下した後行の球の衝突により、保持手段による保持が解除されることを抑制できる。
遊技機甲FA1から遊技機甲FA11のいずれかにおいて、前記第1手段の変位を前記第2手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機甲FA12。
遊技機甲FA12によれば、遊技機甲FA1から遊技機甲FA11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第2手段を変位させられる。よって、第2手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機甲FA12において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第2手段の重量により、前記第1手段および前記第2手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FA13。
遊技機甲FA13によれば、遊技機甲FA12の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を復帰させるための手段を不要として、製品コストを抑制できる。
<下側フレームF6086b~F11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部と、その被流入部へ向けて球が移動可能に形成される経路と、を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成される第1手段と、前記第1手段が受け取った球の重量により変位され前記経路を移動する球に作用可能に形成される第2手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲FB1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲FB1によれば、所定の球が経路を移動する場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、経路を移動する所定の球に第2手段が作用可能とされる。よって、経路を移動する所定の球の被流入部への流入の可能性が第2手段の作用により変化させることができる。その結果、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FB1において、前記第1手段球が受け取った球の重量により変位された位置から変位される前の位置へ向かう前記第2手段の変位方向には、前記経路を前記第2手段へ向けて移動する球の移動方向成分が含まれることを特徴とする遊技機甲FB2。
遊技機甲FB2によれば、遊技機甲FB1の奏する効果に加え、経路を第2手段へ向けて移動する球が第2手段へ当接した際に、その球の移動方向へ第2手段も変位(初期位置へ向けて後退)して、衝撃を吸収できる。よって、第2手段の破損を抑制できる。
遊技機甲FB2において、前記第1手段が受け取った球の重量により変位された前記第2変位手段は、前記経路を移動する球に対して、前記被流入部へ流入され易くなるように作用することを特徴とする遊技機甲FB3。
遊技機甲FB3によれば、遊技機甲FB2の奏する効果に加え、被流入部へ球を流入させ易くできるので、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FB2又はFB3において、前記経路は、傾斜して形成される傾斜部を備え、前記第2手段は、前記傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に変位可能とされることを特徴とする遊技機甲FB4。
遊技機甲FB4によれば、遊技機甲FB2又はFB3の奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球は徐々に速度を低下させるので、球の移動と、その球への第2手段の作用とを遊技者に視認させやすくできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FB4において、前記傾斜部は、傾斜して形成される第1傾斜部と、その第1傾斜部と反対方向へ傾斜して形成される第2傾斜部とを備え、前記第1傾斜部および前記第2傾斜部を球が往復移動可能に形成され、前記第2手段は、前記第1傾斜部または前記第2傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に変位可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FB5。
遊技機甲FB5によれば、遊技機甲FB4の奏する効果に加え、傾斜部(第1傾斜部および第2傾斜部)における球の往復移動により、第2手段からの作用を受けることが可能な位置に球を複数回到達させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FB4又は遊技機甲FB5において、前記第2手段が前記傾斜部を上昇する球に作用可能とされる位置は、前記傾斜部を上昇する球が到達可能な最大到達位置よりも下方となる位置であることを特徴とする遊技機甲FB6。
ここで、最大到達位置では、球の速度が低く(又は速度が0となり)、球の勢いが弱いため、傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に第2手段が変位され、第2手段に球が当接したとしても、被流入部へ流入されやすくなる方向へ球を案内できない虞がある。これに対し、遊技機甲FB6によれば、遊技機甲FB4又は遊技機甲FB5の奏する効果に加え、最大到達位置よりも下方となる位置において、傾斜部を上昇する球に第2手段が作用可能とされることで、球の速度が確保されている状態で、球を第2手段に当接させることができる。よって、球の勢いを利用して、被流入部へ流入されやすくなる方向へ案内しやすくできる。
また、第1傾斜部および第2傾斜部を球が往復移動する構成においては、第2手段からの作用を受けることが可能な位置に球を複数回到達させやすくできる。
遊技機甲FB6において、前記第2手段は、前記傾斜部を上昇する球に作用可能とされる位置に変位された状態では、前記傾斜部を下降する球に作用可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FB7。
遊技機甲FB7によれば、遊技機甲FB6の奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球が通過した後に、第2手段が球に作用可能な位置に変位された場合であっても、傾斜部の頂部に達して下降する球に作用を与える可能性を形成できる。
遊技機甲FB4から遊技機甲FB7のいずれかにおいて、前記第2手段は、円弧状の湾曲に沿って球を案内可能に形成される案内部を備え、前記傾斜部を上昇する球は、前記案内部に沿って移動されることで、前記被流入部へ流入されやすくなる方向へ案内されることを特徴とする遊技機甲FB8。
遊技機甲FB8によれば、遊技機甲FB4から遊技機甲FB7のいずれかの奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球を、湾曲に沿って徐々に案内(移動方向を転換)することができる。即ち、被流入部へ流入されやすくなる方向へ確実に案内できる。
遊技機甲FB8において、前記第2手段は、前記傾斜部から突出可能に形成され、前記第2手段が前記傾斜部から非突出とされた状態では、前記第2手段が前記傾斜部の一部とされることを特徴とする遊技機甲FB9。
ここで、傾斜部の側方から傾斜部の幅方向(傾斜部を球が上昇する方向と直交する方向)に沿って第2手段(案内部)を突出させる構成では、第2手段(案内部)を収納するためのスペースとして傾斜部の幅と同等のスペースを傾斜部の側方に確保する必要があり、大型化する。これに対し、遊技機甲FB9によれば、遊技機甲FB8の奏する効果に加え、第2手段(案内部)の収容に必要なスペースを傾斜部の側方に確保する必要がなく、また、傾斜部の厚み方向のデッドスペースを有効に活用できるので、その分、小型化できる。
また、傾斜部の側方から傾斜部の幅方向(傾斜部を球が上昇する方向と直交する方向)に沿って第2手段(案内部)を突出させる構成では、第2手段(案内部)に必要な変位量が大きい分、第2手段を変位させるのに要する時間が嵩む。これに対し、遊技機甲FB8によれば、遊技機甲FB7の奏する効果に加え、第2手段(案内部)に必要な変位量が抑制できる分、第2手段を変位させるのに要する時間を短縮できるので、傾斜部を上昇する球に作用する位置に第2手段を速やかに配置できる。
遊技機甲FB1から遊技機甲FB9のいずれかにおいて、前記経路を移動する球に作用可能な位置に前記第2手段が変位された状態を維持する維持手段を備えることを特徴とする遊技機甲FB10。
遊技機甲FB10によれば、遊技機甲FB1から遊技機甲FB9のいずれかの奏する効果に加え、第1手段に球の重量が作用しなくなっても、所定の球を被流入部へ流入させやすくした状態を維持できる。よって、球の流入を期待しやすくでき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FB10において、前記維持手段による維持を解除する解除手段を備え、その解除手段による解除は、前記被流入部に少なくとも1の球が流入された場合に行われることを特徴とする遊技機甲FB11。
遊技機甲FB11によれば、遊技機甲FB10の奏する効果に加え、被流入部への球の流入を確実化できる。即ち、被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位されれば、少なくとも1の球が流入されるまでの間、安心感を付与できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FB1から遊技機甲FB11のいずれかにおいて、前記第1手段の変位を前記第2手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機甲FB12。
遊技機甲FB12によれば、遊技機甲FB1から遊技機甲FB11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第2手段を変位させられる。よって、第2手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機甲FB12において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第2手段の重量により、前記第1手段が前記所定位置へ変位可能に形成され、前記第2手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FB13。
遊技機甲FB13によれば、遊技機甲FB12の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を復帰させるための手段を不要として、コストを抑制できる。
<下側フレームF86b~F11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成され前記受け取った球の重量により前記被流入部への球の流入のし易さを変化させるための第1手段と、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態で前記受け取った球とは別の球の影響を前記第1手段が受けることを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲FC1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲FC1によれば、所定の球が被流入部へ向かう場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、被流入部への所定の球の流入のし易さを変化させることができる。よって、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。この場合、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制手段で抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FC1において、前記第1手段へ向けて球が移動可能に形成される経路を備え、前記抑制手段は、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態において、前記経路を移動する球が前記第1手段へ向けて移動し難くする第1規制手段を備えることを特徴とする遊技機甲FC2。
遊技機甲FC2によれば、遊技機甲FC1の奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第1規制手段により、経路を移動する球が第1手段へ向けて移動し難くすることができるので、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FC2において、球を受け取り可能に形成され前記受け取った球の重量により前記被流入部への球の流入のし易さを変化させるための第2手段を備え、前記経路は、前記第1手段および前記第2手段へ向けて球が移動可能に形成され、前記第1規制手段は、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態において、前記経路を移動する球が前記第1手段よりも前記第2手段へ移動し易くすることを特徴とする遊技機甲FC3。
遊技機甲FC3によれば、遊技機甲FC2の奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第1規制手段により、経路を移動する球を第2手段へ向けて移動し易くできるので、被流入部への所定の球の流入のし易さの変化を継続させ易くできる。即ち、第1手段に球の重量が作用されている状態では、その状態が中断される(例えば、経路を移動する球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制しつつ、経路を移動する球を第2手段に受け取らせ、その受け取った球の重量が第2手段に作用された状態を形成することで、第2手段によっても、被流入部への所定の球の流入のし易さが変化された状態を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FC3において、前記第1手段または前記第2手段が受け取った球の重量により変位される第3手段を備え、前記第3手段は、前記被流入部の大きさを変更する方向へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FC4。
遊技機甲FC4によれば、遊技機甲FC2又はFC3の奏する効果に加え、第3手段の変位により球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くできる。よって、第1手段および第2手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FC1から遊技機甲FC4のいずれかにおいて、前記抑制手段は、前記受け取った球の重量が作用された状態において、前記第1手段の少なくとも側面に前記別の球が当接し難くする第2規制手段を備えることを特徴とする遊技機甲FC5。
遊技機甲FC5によれば、遊技機甲FC1から遊技機甲FC3のいずれかの奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第2規制手段により、第1手段の少なくとも側面に球が当接し難くすることができるので、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段の側面に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1手段に重量を作用させていた球に別の球が当接する場合には、重量を作用させていた球が第1手段から脱落しても、その球に代わって、別の球が第1手段に重量を作用させることができる場合がある。また、第1手段の上面(重量を作用させる球が保持または転動される部位)に別の球が当接する場合には、重量を作用させていた球に加え、別の球も第1手段に重量を作用させることができる場合がある。よって、別の球が少なくとも第1手段の側面へ当接し難くできれば有効となる。
遊技機甲FC2において、前記第1手段の変位を前記第1規制手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機甲FC6。
遊技機甲FC6によれば、遊技機甲FC2の奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第1規制手段を変位させられる。よって、第1規制手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機甲FC6において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第1規制手段の重量により、前記第1手段および前記第1規制手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FC7。
遊技機甲FC7によれば、遊技機甲FC6の奏する効果に加え、第1手段および第1規制手段を復帰させるための手段を不要として、製品コストを抑制できる。
遊技機甲FC5において、前記第1手段へ球が流下可能に形成される流下部を備え、球の重量により前記第1手段が変位される方向は、少なくとも前記第1手段が前記流下部から離間される方向であることを特徴とする遊技機甲FC8。
遊技機甲FC8によれば、遊技機甲FC5の奏する効果に加え、流下部から流下した後行の球が第1手段の側面に当接することを抑制できる。
<下側フレームF11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、前記被流入部へ球が移動可能に形成される経路と、前記被流入部への球の流入のし易さを変化させる変化手段と、を備え、第1位置から前記経路へ流入し前記経路を移動する球が、第2位置から前記経路へ流入し前記経路を移動する球よりも前記被流入部へ流入し易くされることを特徴とする遊技機甲FD1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲FD1によれば、被流入部への球の流入のし易さを変化手段により変化させることができるので、経路を移動する球に対する変化手段の影響を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1位置から経路へ流入し経路を移動する球が、第2位置から経路へ流入し経路を移動する球よりも被流入部へ流入し易くされるので、球が経路へ流入する位置(第1位置または第2位置)を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1位置からの球が入り易くする構成としては、例えば、当接部F6154が例示される。
遊技機甲FD1において、前記第1位置から前記経路へ流入する球を検出可能に形成される検出手段を備え、少なくとも前記検出手段により球が検出されることを条件に、前記被流入部へ球が流入し易くなるように前記変化手段による変化が行われることを特徴とする遊技機甲FD2。
遊技機甲FD2によれば、遊技機甲FD1が奏する効果に加え、遊技者に期待感を持たせて、遊技の興趣を高めることができる。即ち、第1位置から経路へ流入し経路を移動する球は、第2位置から経路へ流入し経路を移動する球よりも被流入部へ流入し易くされるところ、更に、被流入部へ球が流入し易くなるように変化手段による変化が行われるので、被流入部への流入の期待を遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、変化手段による変化(被流入部へ球が流入し易くなる動作)が行われる条件としては、検出手段により球が検出されることに加え、所定時間の経過、抽選の当選、或いは、これらの組み合わせを条件としても良い。また、変化手段による変化が行われる期間としては、所定時間で区切っても良く、動作の回数で区切っても良い。
遊技機甲FD2において、前記第1位置および前記第2位置が形成される形成手段を備え、前記形成手段は、前記第1位置と前記第2位置との間を球が移動可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FD3。
遊技機甲FD3によれば、遊技機甲FD2の奏する効果に加え、第1位置と第2位置との間を球が移動可能に形成されるので、第1位置または第2位置のどちらから経路へ球が流下するか、形成手段における球の移動を遊技者に注視させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FD2又はFD3において、前記経路は、前記第1位置から流下した球が移動可能に形成される第1経路と、前記第2位置から流下した球が移動可能に形成される第2経路とを備え、前記第1経路と前記第2経路との間を球が移動可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FD4。
遊技機甲FD4によれば、遊技機甲FD2又は遊技機甲FD3の奏する効果に加え、第1経路と第2経路との間を球が移動可能に形成されるので、第1位置(第2位置)から流入した球が第1経路(第2経路)のみを移動可能に形成される場合と比較して、一定のスペース内に形成できる球の移動可能な経路の種類をより多く確保できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FD4において、前記第1経路または前記第2経路から突設され球が当接可能に形成される1又は複数の当接手段を備えることを特徴とする遊技機甲FD5。
遊技機甲FD5によれば、遊技機甲FD4の奏する効果に加え、第1経路または第2経路を移動する球が当接手段に当接されることで、球の移動方向に変化を付与して、第1経路と第2経路との間での球の移動を形成し易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
<複数の手段を異なる契機で動作させる構造>
第1位置と第2位置とを変位可能な変位手段と、その変位手段を変位させ得る第1手段と、前記変位手段の変位を防止できる第1状態と前記変位手段の変位を防止できない第2状態とで状態変化可能な第2手段と、前記第1手段の動作に基づいて前記第2手段の状態を前記第1状態と前記第2状態とで変化可能に構成される変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲KA1。
パチンコ機等の遊技機において、変位手段を所定位置から変位させる演出を行う演出役物において、変位手段を所定位置に保持する保持手段と、変位手段を所定位置に変位させるための駆動力を伝達する伝達手段と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-231434号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、保持手段と伝達手段とで、駆動装置が別であることから、例えば、伝達手段の駆動装置が故障している時に、保持手段の駆動装置が動かされ変位手段が所定位置から移動(落下)された場合に、変位手段を所定位置に復帰させることができなくなるので、変位手段の演出効果を低下させる可能性があるという問題点があった。即ち、上述した従来の遊技機では、変位手段の演出効果の面で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KA1によれば、変化手段により、第2手段の状態の変化が第1手段の動作に基づくので、第1手段が動作し得ない状態において、第2手段が第1状態から第2状態に変化されることを防止することができる。これにより、変位手段が所定位置に復帰できないにも関わらず第2手段が第1状態から第2状態に変化されてしまい変位手段が所定位置から変位させられる事態が生じることを防止することができるので、変位手段の演出効果の向上を図ることができる。
遊技機甲KA1において、前記第1位置は前記第2位置よりも上側に位置し、前記第2手段は、前記変位手段が所定位置よりも前記第1位置側に配置されている状態で前記所定位置よりも前記第2位置側に進入することで前記第1状態に変化されることを特徴とする遊技機甲KA2。
遊技機甲KA2によれば、遊技機甲KA1の奏する効果に加え、第2手段が第1状態にされる際に変位手段と第2手段との間に隙間を生じさせることで、摩擦力が生じることを回避でき、動作不良を防止することができる。
更に、変位手段と第2手段とは第1手段により連動することから、動作タイミングがずれることを避け易いことに加え、第2手段を別の駆動機構で動作させる場合には必要となる変位手段が所定位置よりも第1位置側に位置したことを検出する検出センサを不要とすることができる。
遊技機甲KA1又はKA2において、前記第2手段は、所定の回転軸を中心に回転動作可能に構成され、前記第1状態において、前記変位手段からの荷重を前記回転軸へ向けさせる形状から構成されることを特徴とする遊技機甲KA3。
遊技機甲KA3によれば、遊技機甲KA1又はKA2の奏する効果に加え、変位手段からの荷重で第2手段の状態が変化される事態を回避し易くすることができる。
遊技機甲KA1からKA3のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記第2手段の状態が前記第1状態から前記第2状態へ変化する場合に、前記変位手段と前記第2手段との間に隙間を空ける第1連動状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機甲KA4。
遊技機甲KA4によれば、遊技機甲KA1からKA3のいずれかの奏する効果に加え、第2手段を第1状態から第2状態へ変化させる場合における変位手段と第2手段との間の動作抵抗を小さくすることができる。
遊技機甲KA1からKA4のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記第2手段の状態が前記第1状態から前記第2状態へ変化する場合に、前記第2手段を前記変位手段に擦らせる第2連動状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機甲KA5。
遊技機甲KA5によれば、遊技機甲KA1からKA4のいずれかの奏する効果に加え、第2手段の位置を基準にして変位手段の位置を特定することができるので、変位手段の変位開始位置を安定させることができる。
遊技機甲KA4又は遊技機甲KA5において、前記第1連動状態と前記第2連動状態とでは、前記第1手段の動作方向が反転されることを特徴とする遊技機甲KA6。
遊技機甲KA6によれば、遊技機甲KA4又は遊技機甲KA5の奏する効果に加え、第1手段の停止状態から、第1連動状態での連動が生じるのか、第2連動状態での連動が生じるのかを遊技者に分からせ難くすることができる。
遊技機甲KA1からKA6のいずれかにおいて、前記変位手段が前記第1位置に配置されている状態において前記第2手段が前記第1状態から前記第2状態へ変化された場合に、変位手段は、前記第1手段に支持されない状態での非支持変位を実行可能に構成されることを特徴とする遊技機甲KA7。
遊技機甲KA7によれば、遊技機甲KA1からKA6のいずれかの奏する効果に加え、変化手段に支持されていないことから第2手段との連動ではない動作態様で変位手段を動作させることができる。
遊技機甲KA7において、前記変位手段に前記非支持変位をさせる場合に、前記変位手段と前記第1手段との間を仕切るように配設される接触防止部を備えることを特徴とする遊技機甲KA8。
遊技機甲KA8によれば、遊技機甲KA7の奏する効果に加え、非支持変位において第1手段と変位手段とが誤って接触し、破損することを避けることができる。
遊技機甲KA1からKA8のいずれかにおいて、前記第2手段を前記第1状態から前記第2状態に変化させる場合に、前記変化手段が重力方向に下降変位されることを特徴とする遊技機甲KA9。
遊技機甲KA9によれば、遊技機甲KA1からKA8のいずれかの奏する効果に加え、第2手段が第1状態から第2状態へ変化する際に、変化手段の変位に要する力を重力で補助させることができる。
遊技機甲KA1からKA9のいずれかにおいて、前記変位手段の変位量を、前記第1手段の変位量に対して第1の比で変化させる第1変位量変化手段と、前記第2手段の変位量を、前記第1手段の変位量に対して第2の比で変化させる第2変位量変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲KA10。
遊技機甲KA10によれば、遊技機甲KA1からKA9のいずれかにおいて、第1手段の変位に伴う変位手段の変位量と第2手段の変位量とを異ならせることができるので、連動の設計自由度を向上させることができる。
<付勢力での移動の停止位置が複数あるように構成>
移動可能な第1移動手段と、その第1移動手段の移動に連動して第1位置から第2位置へ移動可能な第2移動手段と、その第2移動手段を前記第1位置から前記第2位置へ向けて付勢する付勢手段と、を備える遊技機において、前記第2移動手段が前記第1位置と前記第2位置との間の所定位置に配置された場合の前記第1移動手段の移動を防止可能な防止手段を備えることを特徴とする遊技機甲KB1。
パチンコ機等の遊技機において、付勢力により液晶表示装置の前側に張り出す移動手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-240386号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、移動手段の配置は、液晶表示装置の前側か、液晶表示装置の前側とは異なる位置かの2位置に限定されており、取り得る状態のバリエーションが少ないことから遊技者が飽きてしまう可能性があり、移動手段を利用した演出効果に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KB1によれば、防止手段が第1移動手段の移動を防止することにより、第2移動手段を第1位置と第2位置との間の所定位置で止めることができるので、第2移動手段の停止位置として、第1位置または第2位置の2種類だけでなく、所定位置も使うことができる。これにより、第2移動手段の取り得る状態のバリエーションを増やすことができ、第2移動手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KB1において、駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記第1移動手段に伝達可能な伝達手段と、を備え、前記伝達手段は、前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態を維持しながら所定範囲で動作可能に構成されることを特徴とする遊技機甲KB2。
遊技機甲KB2によれば、遊技機甲KB1の奏する効果に加え、所定範囲においては伝達手段の配置が定まっていなくても第2移動手段を所定位置に維持することができるので、駆動手段の制御を簡素化することができる。
遊技機甲KB2において、前記伝達手段は、駆動手段の駆動方向に因らず、前記所定範囲における動作が生じた場合に前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態を維持させるように構成されることを特徴とする遊技機甲KB3。
遊技機甲KB3によれば、遊技機甲KB2の奏する効果に加え、付勢手段の付勢力に沿う方向の動作か、付勢力に抗する方向の動作かによらず、第2移動手段を所定位置に維持し易くすることができる。これにより、第2移動手段を高速移動させた後に所定位置で急速停止させる動作態様を、動作方向に因らず、簡素な制御で実現可能とすることができる。
遊技機甲KB2又はKB3において、前記伝達手段は、前記第1移動手段側に配設される第1伝達手段と、前記駆動手段側に配設される第2伝達手段と、を備え、前記第2伝達手段は、前記第1伝達手段の凹設部に進入した状態において第1伝達手段の動作を停止させる動作停止手段を備え、前記遊技機は、前記動作停止手段の配置を検出する検出手段を備えることを特徴とする遊技機甲KB4。
遊技機甲KB4によれば、遊技機甲KB2又はKB3の奏する効果に加え、動作停止手段に複数の機能を兼用させることができ、動作停止手段の形状を簡素化させることができる。
遊技機甲KB4において、前記第2移動手段が所定位置に配置されるか否かで、前記検出手段の出力が切り替えられるよう構成されることを特徴とする遊技機甲KB5。
遊技機甲KB5によれば、遊技機甲KB4の奏する効果に加え、検出手段の出力から第2移動手段が所定位置に配置されているか否かを判定することができる。
遊技機甲KB1からKB5のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記第1位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが直交することを特徴とする遊技機甲KB6。
遊技機甲KB6によれば、遊技機甲KB1からKB5のいずれかの奏する効果に加え、第2移動手段が第1位置に配置された状態における、第2移動手段からの力による第1移動手段の移動を防止することができる。これにより、第2移動手段を第1位置で停止させることができる。
遊技機甲KB1からKB6のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記第2位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが直交することを特徴とする遊技機甲KB7。
遊技機甲KB7によれば、遊技機甲KB1からKB6のいずれかの奏する効果に加え、第2移動手段が第2位置に配置された状態における、第2移動手段からの力による第1移動手段の移動を防止することができる。これにより、第2移動手段を第2位置で停止させることができる。
遊技機甲KB1からKB7のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが平行となることを特徴とする遊技機甲KB8。
遊技機甲KB8によれば、遊技機甲KB1からKB7のいずれかの奏する効果に加え、所定位置に配置された第2移動手段への力の伝達効率を向上させることができる。
<スライド移動する部材のスライド開始時までの助走範囲を構成>
所定軸を中心に回転移動可能に支持される第1手段と、その第1手段の回転移動と連動して第1位置から第2位置へ移動可能な第2手段と、を備え、前記第2手段を前記第1位置から前記第2位置へ移動開始させる場合に、予め移動を開始されている前記第1手段の移動方向が、前記第2手段の移動方向に沿う方向になるよう構成されることを特徴とする遊技機甲KC1。
パチンコ機等の遊技機において、回転移動する第1手段と移動する第2手段とを備え、第1手段の周方向の力を第2手段に伝達させることで、第2手段を移動させる遊技機がある(例えば、特開2007-098027号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第2手段としての扉部材に力を伝達させる第1手段としてのピニオンは、第2手段の配置に関係なく荷重を与えるものであり、扉部材および自身の慣性に打ち勝って回転するために必要な駆動力が大きいことから、駆動装置が励磁されてからピニオンの回転が開始されるまでの時間差が長くなり易いという問題点があった。即ち、第2手段の動作に改善の余地があるという問題点があった。
そのため、遊技機の演出に合わせたタイミングで駆動装置が励磁されても、ピニオン及び扉部材の動作タイミングが遅れることになるので、演出に合致しないタイミングでピニオン及び扉部材が動作することになり、演出効果が低下する可能性がある。即ち、上述した従来の遊技機では、第2手段の演出効果に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KC1によれば、第2手段を第1位置から第2位置へ移動させる際に、第1手段の移動方向が第2手段の移動方向に沿うので、第1手段の回転の勢いを利用して第2手段の慣性に容易に打ち勝つことができ、第2手段の移動タイミングの時間遅れを短くすることができるので、第2手段の動作を改善することができ、第2手段の演出効果を改善することができる。
遊技機甲KC1において、前記第1手段の移動方向が前記第2手段の移動方向に沿う場合に、前記第1手段の回転先端が前記所定軸よりも下側に位置するよう構成されることを特徴とする遊技機甲KC2。
遊技機甲KC2によれば、遊技機甲KC1の奏する効果に加え、第1手段の移動方向が第2手段の移動方向に沿う姿勢で第1手段を安定させ易くすることができる。
遊技機甲KC1又はKC2において、前記第1手段に所定方向で当接し得る当接手段を備え、前記第1手段が前記当接手段と当接し停止されることに基づいて、前記第2手段が前記第2位置に維持可能とされることを特徴とする遊技機甲KC3。
遊技機甲KC3によれば、遊技機甲KC1又はKC2の奏する効果に加え、第1手段が当接手段と当接し停止されることに基づいて、第2手段が第2位置に配置されることから、第2手段を係止する必要を無くすことができるので、第2手段を第2位置で停止させるために第2手段に大きな荷重がかけられるという事態を避けることができ、第2手段の破損を防止することができる。
遊技機甲KC3において、前記当接手段は、前記第1手段に回転方向から当接する面であって、前記第2手段の移動方向に対して傾斜する傾斜面として構成されることを特徴とする遊技機甲KC4。
遊技機甲KC4によれば、遊技機甲KC3の奏する効果に加え、傾斜面に第1手段が当接している状態で、第1手段に第2手段の移動方向の荷重が加えられた場合に、その荷重を、所定軸へ向かう方向と、第1手段の回転方向とに分散させることができる。これにより、所定軸が受ける荷重を低減することができる。
遊技機甲KC1からKC4のいずれかにおいて、前記第1手段が所定方向に回転動作され前記第2手段が前記第1位置から前記第2位置まで移動された後に継続される前記第1手段の回転動作により、前記第2手段が移動されないように構成されることを特徴とする遊技機甲KC5。
遊技機甲KC5によれば、遊技機甲KC1からKC4のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の過回転による第2手段の配置のずれを回避し易くすることができる。
遊技機甲KC1からKC5のいずれかにおいて、前記第2手段を前記第2位置から前記第1位置へ移動開始させる場合に、予め移動を開始されている前記第1手段の移動方向が、前記第2手段の移動方向に沿う方向になるよう構成されることを特徴とする遊技機甲KC6。
遊技機甲KC6によれば、遊技機甲KC1からKC5のいずれかの奏する効果に加え、第1移動手段の移動方向に因らず第2手段の移動タイミングの時間遅れを短くすることができるので、第2手段の演出効果を改善することができる。
遊技機甲KC1からKC6のいずれかにおいて、前記第1手段の回転量に比例して前記第2手段の移動方向で移動可能とされる第3手段を備えることを特徴とする遊技機甲KC7。
遊技機甲KC7によれば、遊技機甲KC1からKC6のいずれかの奏する効果に加え、第2手段の移動を開始させる前に予め第1手段を回転させている状態において、第3手段を移動させることができるので、遊技機の演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KC3からKC7のいずれかにおいて、前記第1手段の回転量には、前記第3手段の移動が生じない程度の限界値が設定されており、前記第2手段が前記第2位置に到達してから前記第1手段が前記当接手段に当接するまでの回転量は、前記限界値以下となるように構成されることを特徴とする遊技機甲KC8。
遊技機甲KC8によれば、遊技機甲KC3からKC7のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の過回転により第3手段が位置ずれすることを回避することができる。
遊技機甲KC7又はKC8において、前記第2手段を移動させない範囲における前記第1手段の往復動作を可能に構成されることを特徴とする遊技機甲KC9。
遊技機甲KC9によれば、遊技機甲KC7又はKC8の奏する効果に加え、第2手段の移動が生じる場合に比較して、第3手段を抵抗少なく移動させることができる。
遊技機甲KC9において、前記第1手段への駆動力伝達が、第1手段の所定量の移動を待たずに停止されるよう制御されることを特徴とする遊技機甲KC10。
遊技機甲KC10によれば、遊技機甲KC9の奏する効果に加え、駆動力による勢いで移動した第1手段が、第2手段の慣性抵抗(静止摩擦)により停止されることになるので、第1手段の所定量の移動中において駆動力伝達を生じさせ続ける場合に比較して、第2手段の誤動作を回避し易くすることができる。
<球に対する光の見え方を演出に利用するように発光手段を配置する>
遊技球が入球可能な入球領域と、遊技球を前記入球領域へ向かわせる状態を形成可能な形成手段と、所定の照射範囲に光を照射可能な光照射手段と、を備え、前記入球領域へ向かう第1流下態様または前記入球領域へ向かわない第2流下態様で遊技球を流下させ得るよう構成され、遊技球が前記第1流下態様で流下している場合における前記所定の照射範囲における視認態様と、遊技球が前記第2流下態様で流下している場合における前記所定の照射範囲における視認態様とを異ならせるよう構成されることを特徴とする遊技機甲KD1。
パチンコ機等の遊技機において、入球領域に遊技球を案内可能な状態と案内不能な状態とを切り替える可動体よりも上流側の下側領域に光照射手段を配置し、発光演出を行う遊技機がある(例えば、特開2016-120220号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、光照射手段の上側に形成される坂の上を遊技球が流下するものであり、光照射手段からの光が照射される領域には遊技球が入り込まないよう構成されているので、遊技球が流下した場合に光の見え方が変化することは無く光照射手段の付近では遊技球が明るく見えるのだが、可動体と光照射手段との間に若干の距離があるために可動体側に光が届きにくく、可動体付近が暗く視認されてしまい、通常の注目力で行う遊技では入球領域に遊技球が入っているのかどうかが判別し難い。
そのため、遊技者に可動体付近を覗き込む遊技を強いることになり、遊技者の遊技負担を大きくさせ、興趣の向上を図れなくなる可能性があった。即ち、上述した従来の遊技機では、遊技者の興趣の向上の観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KD1によれば、遊技球が入球領域へ向かう第1流下態様で流下しているか、遊技球が入球領域へ向かわない第2流下態様で流下しているかによって、光照射手段からの光の見え方を異ならせることができるので、光照射手段からの光を視認することにより、遊技球が入球領域へ向かっているか否かを遊技者に把握させることができる。これにより、遊技者の遊技負担を低減させることができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
遊技機甲KD1において、前記光照射手段は、前記第1流下態様で流下する遊技球に光が遮蔽されない位置に配置されることを特徴とする遊技機甲KD2。
遊技機甲KD2によれば、遊技機甲KD1の奏する効果に加え、遊技球が入球領域に入球を継続している場合においても、光照射手段からの光による演出効果を維持することができる。
遊技機甲KD1又はKD2において、前記光照射手段は、前記形成手段を光で照らす位置に配置されることを特徴とする遊技機甲KD3。
遊技機甲KD3によれば、遊技機甲KD1又はKD2の奏する効果に加え、形成手段の視認性が低下することを回避し易くすることができる。
遊技機甲KD3において、前記形成手段よりも正面側に配置され遊技球の流下経路を覆う覆設手段を備え、前記覆設手段の正面側に描かれる形状は、前記形成手段の形状に沿う形状とされることを特徴とする遊技機甲KD4。
遊技機甲KD4によれば、遊技機甲KD1からKD3のいずれかの奏する効果に加え、形成手段の視認性が向上されることに伴って、覆設手段の視認性を向上させることができる。即ち、形成手段を介して視認される光により覆設手段の正面側に描かれる形状を明るく照らすことができ、演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KD4において、前記覆設手段に描かれる前記形状は、後方を視認し易い第1視認部と、その視認容易部よりも視認性が劣る第2視認部とから形成され、前記第1視認部は、少なくとも前記第1流下態様における遊技球の流下経路の前方に形成され、前記形成手段を介して進行する光は、前記第1視認部を通過することを特徴とする遊技機甲KD5。
遊技機甲KD5によれば、遊技機甲KD4の奏する効果に加え、第1流下態様で流下する遊技球に対する注目力を向上させることができると共に、第1視認部を明るくすることで後方の視認性を向上させることができる。
遊技機甲KD1からKD5のいずれかにおいて、形成手段を支持する支持手段を備え、その支持手段は、形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射可能に形成される反射部を備えることを特徴とする遊技機甲KD6。
遊技機甲KD6によれば、遊技機甲KD1からKD5のいずれかの奏する効果に加え、形成手段の色味が反射部を介しても視認されるように構成することができる。
遊技機甲KD6において、前記反射部は、前記形成手段が遊技球を前記入球領域へ向かわせる状態では形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射可能とされ、前記形成手段が遊技球を前記入球領域へ向かわせない状態では形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射不可能とされることを特徴とする遊技機甲KD7。
遊技機甲KD7によれば、遊技機甲KD6の奏する効果に加え、反射部の視認態様と、形成手段の状態とが対応づけられる。これにより、形成手段の状態の変化が分かり難い場合であっても、反射部を視認することで形成手段の状態を把握することができるので、遊技者の遊技負担を軽減させることができる。
遊技機甲KD6又はKD7において、前記反射部は、遊技球の流下経路よりも上側に形成されることを特徴とする遊技機甲KD8。
遊技機甲KD8によれば、遊技機甲KD6又はKD7の奏する効果に加え、流下経路を流下する遊技機により反射部が隠される事態を回避し易くすることができる。
遊技機甲KD3からKD8のいずれかにおいて、前記覆設手段は、前記形成手段を背景として視認可能な位置に前記形成手段よりも小さな形状部を備えることを特徴とする遊技機甲KD9。
遊技機甲KD9によれば、遊技機甲KD3からKD8のいずれかの奏する効果に加え、形成手段を背景とした形状部の視認態様と、形成手段を背景としない形状部の視認態様とを異ならせることで、固定の覆設手段の見え方を変化させることができる。
遊技機甲KD9において、前記形状部が、前記形成手段の上流側位置に配置されることを特徴とする遊技機甲KD10。
遊技機甲KD10によれば、遊技機甲KD9の奏する効果に加え、形状部により注目させる箇所を形成手段の上流側位置とすることで、形状部付近で遊技者に視認された遊技球が入球領域に入球するまでの時間を長く確保することができる。これにより、遊技者に入球領域への入球を確認させる時間的余裕を与えることができる。
<化粧板の背後の変位手段の見え方が配置によって異なる>
遊技球が入球可能な入球領域と、遊技球を前記入球領域へ向かわせる第1位置と遊技球を前記入球領域へ向かわせない第2位置とに変位可能な変位手段と、光透過性材料から形成され、所定方向視で前記変位手段の少なくとも一部と重なるよう配置される透過手段と、を備え、前記透過手段には所定の装飾が施され、前記変位手段が前記第1位置に配置されるか前記第2位置に配置されるかによって、前記所定方向視における前記変位手段と前記透過手段との重なる領域が変化し得ることを特徴とする遊技機甲KE1。
パチンコ機等の遊技機において、入球領域の正面側に覆設される化粧部材が可動とされ、その化粧部材を動かすことで入球領域付近の見え方を変化させる遊技機がある(例えば、特開2015-107293号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、化粧部材を動作させるための駆動手段や伝達機構が別途必要となることから、入球領域付近の領域が駆動手段や伝達機構により圧迫され易く、入球領域付近の設計自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KE1によれば、透過手段を通して変位手段が視認される構造において、変位手段の配置が変化することで透過手段と変位手段とが重なる領域が変化することから、透過手段を動作させなくても透過手段の所定の装飾を異なる態様で視認させることができる。これにより、駆動手段や伝達機構が配設されるスペースを空けることができ、入球領域付近の設計自由度を向上させることができる。
遊技機甲KE1において、前記変位手段が前記第1位置に配置された状態で、前記変位手段が前記所定の装飾の背景とされることで、前記変位手段が前記第2位置に配置された状態に比較して前記所定の装飾を判別し易いように構成されることを特徴とする遊技機甲KE2。
遊技機甲KE2によれば、遊技機甲KE1の奏する効果に加え、変位手段が第1位置に配置された状態で所定の装飾を判別し易くなるので、所定の装飾に注目することで、変位手段の状態を把握し易くすることができる。更に、判別し易い状態において変位手段が遊技球を入球領域に向かわせることで、更に入球領域付近への注目力を上昇させることができる。
遊技機甲KE1又はKE2において、前記所定の装飾は、前記入球領域と関連する形状とされることを特徴とする遊技機甲KE3。
遊技機甲KE3によれば、遊技機甲KE1又はKE2の奏する効果に加え、所定の装飾への注目を、入球領域への注目へと誘導させ易くすることができる。
遊技機甲KE1からKE3のいずれかにおいて、前記入球領域は、前記所定方向視とは異なる方向視であって、前記所定の装飾と前記変位手段とが重ならない方向視において視認可能な位置に配置されることを特徴とする遊技機甲KE4。
遊技機甲KE4によれば、遊技機甲KE1からKE3のいずれかの奏する効果に加え、所定の装飾における視認態様の変化を煩わしく感じる遊技者に対して、遊技負担を低減させることができる。
遊技機甲KE1において、前記変位手段が前記第1位置に配置された状態で、前記変位手段が前記所定の装飾の後方から退避されることで、前記変位手段が前記第2位置に配置された状態に比較して前記所定の装飾を判別し易いように構成されることを特徴とする遊技機甲KE5。
遊技機甲KE5によれば、遊技機甲KE1の奏する効果に加え、変位手段が第1位置に配置された状態で所定の装飾を判別し易くなるので、所定の装飾に注目することで、変位手段の状態を把握し易くすることができる。更に、判別し易い状態において変位手段が遊技球を入球領域に向かわせることで、更に入球領域付近への注目力を上昇させることができる。
遊技機甲KE1からKE5のいずれかにおいて、前記入球領域を複数備え、前記所定の装飾が、各入球領域に対応して複数設けられることを特徴とする遊技機甲KE6。
遊技機甲KE6によれば、遊技機甲KE1からKE5のいずれかの奏する効果に加え、所定の装飾を視認することで、複数の入球領域のどこに遊技球が案内されるのかを把握し易くすることができる。
遊技機甲KE6において、複数の前記所定の装飾は、異なる大きさで形成されることを特徴とする遊技機甲KE7。
遊技機甲KE7によれば、遊技機甲KE6の奏する効果に加え、所定の装飾による遊技球の入球先の判別をしやすくすることができる。また、複数の入球領域の利益差に応じて、所定の装飾の大小関係が設定されることで、遊技者に直感的に得られる利益を把握させることができる。
遊技機甲KE6又はKE7において、複数の前記所定の装飾は、一方の内部に他方が配置される態様で設けられることを特徴とする遊技機甲KE8。
遊技機甲KE8によれば、遊技機甲KE6又はKE7の奏する効果に加え、複数の所定の装飾に注目させる場合に、遊技者が目線を変えることを不要することができる。これにより、遊技者の遊技負担を軽減することができる。
遊技機甲KE1からKE8のいずれかにおいて、前記透過手段は、前記変位手段の位置を合わせる位置合わせ部を備えることを特徴とする遊技機甲KE9。
遊技機甲KE9によれば、遊技機甲KE1からKE8のいずれかの奏する効果に加え、位置合わせ部により、変位手段が第1状態とされた場合における変位手段と所定の装飾との位置ずれを抑制することができる。
遊技機甲KE9において、前記位置合わせ部は、前記所定の装飾とは異なる位置に配設されることを特徴とする遊技機甲KE10。
遊技機甲KE10によれば、遊技機甲KE9の奏する効果に加え、所定の装飾の視認性を確保することができる。
<複数の層を組み合わせて一連の装飾となる構造>
第1の層に第1手段が配置可能とされ、所定方向視において前記第1の層と重なる第2の層に第2手段が配置可能とされる遊技機において、前記第2手段と、前記第1手段とは、独立して変位可能であり、前記所定方向視において所定領域に配置される前記第1手段および前記第2手段が、一連の視認態様で視認され得ることを特徴とする遊技機甲KF1。
パチンコ機等の遊技機において、はさみの刃を模した形状から形成される第1手段および第2手段を備え、第1手段および第2手段により一連の視認態様で視認される遊技機がある(例えば、特開2011-110255号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1手段および第2手段が互いに連動しているため、動作速度が遅くなり、第1手段および第2手段が液晶表示装置の外方に配置された状態から、第1手段および第2手段が液晶表示装置の前方に配置されて一連の視認態様で視認させる状態に変化するまでに時間が長くかかることになり、演出の自由度が低くなる可能性があるという問題点があった。即ち、第1手段および第2手段の演出効果に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KF1によれば、第1手段が、第2手段に対して独立して変位可能に構成されているので、第1手段の動作速度が第2手段の重さにより制限されることを避けることができ、第1手段および第2手段の動作の迅速化を図ることができ、第1手段および第2手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KF1において、前記第1手段が視認態様の異なる可動状態と非可動状態とを切替可能に構成され、非可動状態において前記一連の視認態様で視認されることを特徴とする遊技機甲KF2。
遊技機甲KF2によれば、遊技機甲KF1の奏する効果に加え、第1手段で動的に演出する状態と、第1手段を非可動として一連の形状に注目させる状態とを切り替えることができる。
遊技機甲KF1又はKF2において、前記第1手段は、動作手段と被動作手段とを備え、動作手段の変位が、被動作手段の状態に対応して生じるよう構成されることを特徴とする遊技機甲KF3。
遊技機甲KF3によれば、遊技機甲KF1又はKF2のいずれかの奏する効果に加え、動作手段と被動作手段とが独立動作する場合のように互いに衝突することを防止することができる。
遊技機甲KF1からKF3のいずれかにおいて、前記第1手段が非可動状態とされる場合において前記第2手段が可動とされることを特徴とする遊技機甲KF4。
遊技機甲KF4によれば、遊技機甲KF1からKF3のいずれかの奏する効果に加え、第2手段についても第1手段に独立して変位可能とされることから、動作演出のバリエーションを増加させることができる。
遊技機甲KF1からKF4のいずれかにおいて、前記第1手段と前記第2手段とが一連の視認態様で視認されない状態から、前記第1手段と前記第2手段とが移動することで互いに近づいた近接状態において一連の視認態様で視認されることを特徴とする遊技機甲KF5。
遊技機甲KF5によれば、遊技機甲KF1からKF4のいずれかの奏する効果に加え、一連の視認態様で視認される範囲を狭めることができるので、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機甲KF1からKF5のいずれかにおいて、前記第1手段または前記第2手段は、前記所定領域で動作が停止され、前記所定領域以外の領域では動作が継続され得ることを特徴とする遊技機甲KF6。
遊技機甲KF6によれば、遊技機甲KF1からKF5のいずれかの奏する効果に加え、所定領域において一連の視認態様で視認される場合以外における第1手段または第2手段の視認態様を継続動作により変化させることができるので、一連の視認態様で視認される態様への注目力を向上させることができる。
遊技機甲KF1からKF6のいずれかにおいて、前記第1手段で囲われる領域に前記第2手段が配置され、前記第2手段の発光態様に対応して、前記第1手段の発光態様が変化されることを特徴とする遊技機甲KF7。
遊技機甲KF7によれば、遊技機甲KF1からKF6のいずれかの奏する効果に加え、発光態様を対応させることにより第1手段および第2手段による演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KF1からKF7のいずれかにおいて、前記所定方向視において前記第1手段または前記第2手段と重なり得る位置に表示領域を有する表示装置を備え、前記表示領域からの光が、前記第1手段または前記第2手段に対応する領域で照らされることを特徴とする遊技機甲KF8。
遊技機甲KF8によれば、遊技機甲KF1からKF7のいずれかの奏する効果に加え、表示装置の表示領域からの光により第1手段または第2手段を明るく照らすことができ、演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KF8において、前記表示領域からの光の態様が、前記第1手段または前記第2手段の変位中と、前記第1手段または前記第2手段の非変位中とで変化可能とされることを特徴とする遊技機甲KF9。
遊技機甲KF9によれば、遊技機甲KF8の奏する効果に加え、第1手段または第2手段の見せ方を、変位中と非変位中とで異ならせることができるので、一連の視認態様で視認させる状態と、それ以外の状態とで、第1手段または第2手段の見せ方にバリエーションを設けることができる。
遊技機甲KF8又はKF9において、前記表示領域で、前記第1手段または前記第2手段の視認態様に対応した表示がされることを特徴とする遊技機甲KF10。
遊技機甲KF10によれば、遊技機甲KF8又はKF9の奏する効果に加え、第1手段または第2手段が透過性材料で構成されている場合に、表示領域における表示と第1手段または第2手段自体の装飾とが組み合わされた視認態様で視認させることができる。
また、第1手段または第2手段に動作不良が生じた場合であっても、表示領域における表示を第1手段または第2手段に代替させることができ、演出効果の低下を最小限に留めることができる。
遊技機甲KF8からKF10のいずれかにおいて、前記表示装置による表示と、前記第1手段または前記第2手段とが連動されることを特徴とする遊技機甲KF11。
遊技機甲KF11によれば、第1手段または第2手段が配置されていない層における表示装置の表示領域全体を利用して、第1手段または第2手段に連動される対象を遊技者に視認させることができる。これにより、遊技者に注目させる領域を広げられる。
遊技機甲KF8からKF11のいずれかにおいて、前記表示装置による表示を視認させる第1視認範囲と、前記第1視認範囲とは異なる態様で視認させる第2視認範囲と、を備え、前記第2視認範囲は、前記第1視認範囲よりも前側の層に形成されることを特徴とする遊技機甲KF12。
遊技機甲KF12によれば、遊技機甲KF8からKF11のいずれかの奏する効果に加え、第1視認範囲と、第2視認範囲とを、前後配置の関係する視認態様で視認させることができるので、立体感または積層感のある演出を実現できる。
遊技機甲KF12において、前記第1視認範囲と、前記第2視認範囲との隙間を狭める隙間防止手段を備えることを特徴とする遊技機甲KF13。
遊技機甲KF13によれば、遊技機甲KF12の奏する効果に加え、第1視認範囲における視認態様と、第2視認範囲における視認態様とを一連の視認態様で視認させ易くすることができる。
遊技機甲KF8からKF13のいずれかにおいて、前記第1手段または前記第2手段の変位に伴って変位される発光手段を備えることを特徴とする遊技機甲KF14。
遊技機甲KF14によれば、遊技機甲KF8からKF13のいずれかの奏する効果に加え、第1手段または第2手段の変位に対する、光演出の時間遅れを回避し易くすることができる。
遊技機甲KF8からKF14のいずれかにおいて、前記第1の層における視認態様は、電圧制御に基づく前記第2の層における状態に対応して変化し得ることを特徴とする遊技機甲KF15。
遊技機甲KF15によれば、遊技機甲KF8からKF14のいずれかの奏する効果に加え、第2の層における第2手段の状態に対応して第1手段の視認態様の変化を生じさせることができる。
遊技機甲KF15において、前記第2の層における状態に対応して、所定の光を遮断する遮断範囲と、所定の光を遮断しない非遮断範囲と、を構成可能とされることを特徴とする遊技機甲KF16。
遊技機甲KF16によれば、遊技機甲KF15の奏する効果に加え、第2の層における状態によって背面からの光の透過態様を変化させることにより、第2の層および第1の層とを重ねた視認態様を変化させることができる。
<ベース板の裏側に基板を配置>
正面側に遊技領域が形成される遊技盤と、その遊技盤に光を照射する光照射手段と、を備え、前記光照射手段は、前記遊技盤の厚さ方向に対して交差する方向で光が前記遊技盤に進入し得る位置に配置されることを特徴とする遊技機甲KG1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤の背面側に発光基板が配設され、発光基板に配設されるLED等の発光手段から正面側へ向けて光が照射されることで、遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材を明るく照らすように構成される遊技機がある(例えば、特開2006-333887号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、限られた発光手段で遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材の広い範囲を明るく照らすために、発光基板を遊技盤からある程度離して配設する必要があるため、そのためのスペースを遊技盤の背面側に確保する必要がある一方で、発光基板と遊技盤との間に演出用の可動役物を配設してしまうと、遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材に可動役物の影が映ることで暗くなってしまうため、この観点からは発光手段を遊技盤側に寄せて可動役物の配設スペースを作りたいという、相反する課題があった。即ち、光照射手段の配置に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KG1によれば、光照射手段からの光は遊技盤の厚さ方向に対して交差する方向で遊技盤に進入し得る位置に配置されることから、遊技盤の厚さ幅の内側で光の照射範囲を拡げられ、光により照らす面積を増大させることができることから遊技盤を明るく視認させることができると共に、光照射手段を遊技盤の後方に離して配置する必要がないので、遊技盤の背面側に可動役物の配設スペースを十分確保することができる。即ち、光照射手段の配置を改善することができる。
遊技機甲KG1において、前記光照射手段は、前記遊技盤の後方に配設されることを特徴とする遊技機甲KG2。
遊技機甲KG2によれば、遊技機甲KG1の奏する効果に加え、光照射手段を遊技盤で隠すように配設することができ、見栄えを良くすることができる。
遊技機甲KG1又はKG2において、前記遊技盤は前記遊技領域が形成される範囲外において背面側に凹設される凹設部を備え、その凹設部により形成される空間に前記光照射手段が配置されることを特徴とする遊技機甲KG3。
遊技機甲KG3によれば、遊技機甲KG1又はKG2の奏する効果に加え、光照射手段を遊技盤の厚み寸法内に収めることができるので、遊技盤の背面側のスペースを確保し易くすることができる。
遊技機甲KG1からKG3のいずれかにおいて、前記遊技盤は、背面側面に前記光照射手段からの光を正面側へ向けさせるための変化部を備えることを特徴とする遊技機甲KG4。
遊技機甲KG4によれば、遊技機甲KG1からKG3のいずれかの奏する効果に加え、変化部の配置により正面視における光の見え方を容易に設計することができる。
遊技機甲KG4において、前記遊技盤は、前記変化部にシボ加工が形成されることを特徴とする遊技機甲KG5。
遊技機甲KG5によれば、遊技機甲KG4の奏する効果に加え、変化部で光を拡散させることができ、変化部を明るく視認させるためのLED等の光照射部の個数を削減させることができる。
遊技機甲KG4又はKG5において、前記変化部は、前記光照射手段から所定の光軸で発射される光が到達し得る複数位置に形成されることを特徴とする遊技機甲KG6。
遊技機甲KG6によれば、遊技機甲KG4又はKG5の奏する効果に加え、所定の光軸で発射される光により変化部が明るく視認される範囲を広げることができる。
遊技機甲KG4からKG6のいずれかにおいて、前記変化部は、前記遊技盤の内側の開口部の縁部に周状に形成されることを特徴とする遊技機甲KG7。
遊技機甲KG7によれば、遊技機甲KG4からKG6のいずれかの奏する効果に加え、遊技盤の内側の開口部の縁部を略円環状に照らすことができる。これにより、開口部内側に配置される表示装置への視線誘導をし易くすることができる。
遊技機甲KG7において、前記変化部は、前記開口部の縁部前端よりも縁部後端の方が開口が大きくなるように構成されることを特徴とする遊技機甲KG8。
遊技機甲KG8によれば、遊技機甲KG7の奏する効果に加え、開口部の縁部前端を基準として遊技盤にセンターフレームを配設することができ、変化部を介する光によりセンターフレームを明るく照らすことができる。
遊技機甲KG1からKG8のいずれかにおいて、前記光照射手段から前記遊技盤に進入した光の進行方向が正面側へ向けられるまでの間、その光は前記遊技盤の厚み寸法内を進行することを特徴とする遊技機甲KG9。
遊技機甲KG9によれば、遊技機甲KG1からKG8のいずれかの奏する効果に加え、正面側へ向けられる前の光が遊技領域内を進行する場合と異なり、遊技領域を流下する球に光が遮られることを回避することができる。
遊技機甲KG9において、前記光照射手段から前記遊技盤に進入した光は、前記遊技領域に配設される入球領域に入球した遊技球の通過経路を通過可能に構成されることを特徴とする遊技機甲KG10。
遊技機甲KG10によれば、遊技機甲KG9の奏する効果に加え、光照射手段から進入した光が遮蔽された場合と、遊技球が入球領域に入球したこととを対応付けることができるので、光照射手段から照射される光に対する注目力を向上させることができる。
<視認部の視認態様が変化し得る回転動作手段>
視認態様が変化し得る所定の視認部を有する動作手段を備え、前記所定の視認部が回転移動し得ることを特徴とする遊技機甲KKH1。
パチンコ機等の遊技機において、演出効果を高める動きを生じ得る動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2007-98027号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、図柄の変動に対応して連動される動作手段が、遊技機中央部に固定された表示装置の手前側で開閉される動作をするに過ぎず、この場合、表示装置への注目力は向上されるが、動作手段を目で追わせるように注目させることは難しい。即ち、動作手段の演出効果について改善の余地があった。
これに対し、遊技機甲KKH1によれば、所定の視認部が回転移動し得ることから、動作手段の回転動作が所定の一点を中心に継続される場合に、所定の視認部の視認態様の変化を確認するために、動作手段への注目力を向上させることができる。その場合に、回転中心からある程度の範囲を視界に収めておけば済むので、所定の視認部の視認態様の変化を確認しようとする遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機甲KKH1において、前記動作手段は、回転移動することに伴って前記所定の視認部を通した視認態様が変化されることを特徴とする遊技機甲KKH2。
遊技機甲KKH2によれば、遊技機甲KKH1の奏する効果に加え、所定の視認部の視認態様の変化に注目させるタイミングを動作手段の回転移動中に限定させることができるので、所定の視認部の視認態様の変化がいつ生じるか分からない場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機甲KKH1又はKKH2において、前記所定の視認部の視認態様は、前記動作手段の回転軸を挟んで位置する第1位置および第2位置で少なくとも変わり得ることを特徴とする遊技機甲KKH3。
遊技機甲KKH3によれば、遊技機甲KKH1又はKKH2の奏する効果に加え、所定の視認部の視認態様が変化する箇所が1箇所である場合に比較して、所定の視認部の視認態様の変化の確認の難易度を上げることができるので、遊技者の動作手段に対する注目力をより向上させることができる。
遊技機甲KKH3において、前記第1位置での前記所定の視認部の視認態様の変化が生じた場合と、前記第2位置での前記所定の視認部の視認態様の変化が生じた場合とで、遊技者が得られる利益が変化し得ることを特徴とする遊技機甲KKH4。
遊技機甲KKH4によれば、遊技機甲KKH3の奏する効果に加え、所定の視認部の視認態様の変化に対する遊技者の興味関心を向上させることができ、動作手段に対する注目力を増大させることができる。
遊技機甲KKH1からKKH4のいずれかにおいて、前記所定の視認部の視認態様が、第1の視認態様で変化する場合と、第2の視認態様で変化する場合とがあることを特徴とする遊技機甲KKH5。
遊技機甲KKH5によれば、遊技機甲KKH1からKKH4のいずれかの奏する効果に加え、所定の視認態様が、どのように変化するかに対する遊技者の興味を向上させることができ、遊技者の動作手段に対する注目力を向上させることができる。
<球流下と回転動作手段とを関連させる演出>
遊技機甲KKH1からKKH5のいずれかにおいて、遊技者に視認され得るよう構成され、遊技球の流下に対応して動かされ得る動作手段を備える遊技機甲KH1。
パチンコ機等の遊技機において、演出効果を高める動きを生じ得る動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2007-98027号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、図柄の変動に対応して動作手段の演出動作が実行されることに留まり、その動作態様から実際の遊技球の流下についての情報を得ることは難しかった。そのため、遊技者の目線が動作手段に注目している場合には遊技球の流下態様を把握することはできず、遊技球の流下の感じを見ながら遊技球の発射強度の調整をリアルタイムで行うことが困難であった。
この場合、液晶表示装置でのロングリーチを視認しながら遊技球の発射を継続することが困難であり、特別図柄の保留を満タンまで溜めた状態で遊技を行いたい遊技者の遊技負担を増加させる可能性が高く、興趣が低下する可能性がある。このように、上述した従来の遊技機では、動作手段に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KH1によれば、遊技機甲KKH1からKKH5のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動きを遊技者が視認することにより、遊技球の流下について遊技者に把握させることができる。これにより、動作手段を改善することができる。
遊技機甲KH1において、遊技球の流下に基づく所定条件が成立した場合に前記動作手段が動かされることを特徴とする遊技機甲KH2。
遊技機甲KH2によれば、遊技機甲KH1の奏する効果に加え、遊技領域に遊技球が流下してさえいれば動作手段に動きが生じる場合に比較して、動作手段の動きから、遊技者が遊技球の流下態様を予測し易くすることができる。
遊技機甲KH1又はKH2において、前記動作手段が動き得る状態で支持され、一側端部を支点とする変位が可能に構成される支持手段と、その支持手段の変位を許容する許容状態と、前記支持手段の変位を規制する規制状態とを構成可能な規制手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲KH3。
遊技機甲KH3によれば、遊技機甲KH1又はKH2の奏する効果に加え、支持手段の配置に対応して、動作手段の配置にバリエーションを持たせることができるので、流下態様の状態の把握を容易にすることができる。
遊技機甲KH2又はKH3において、遊技領域を流下する遊技球が所定部位を通過した場合に前記前記所定条件が成立し得ることを特徴とする遊技機甲KH4。
遊技機甲KH4によれば、遊技機甲KH2又はKH3の遊技機の奏する効果に加え、動作手段の動きを視認することで、遊技球が所定部位を通過したことを遊技者に把握させることができる。
なお、所定部位としては、種々の態様が例示される。例えば、遊技球の流下が検出されることで所定の賞球の払い出しが実行される賞球口であっても良いし、賞球の払い出しは生じないが何らかの抽選が実行される開口でも良いし、賞球の払い出しも何らかの抽選も実行されず単に遊技球の流下を検出する検出センサであっても良いし、遊技球からのエネルギーの伝達により動作される動作部材の被衝突部であっても良い。
遊技機甲KH4において、前記動作手段の上側の第1所定部位を遊技球が右方に通過する場合には、前記動作手段が動かされない一方、前記第1所定部位よりも左側を遊技球が流下する場合には、前記動作手段が動かされ得ることを特徴とする遊技機甲KH5。
遊技機甲KH5によれば、遊技機甲KH4の奏する効果に加え、動作手段を視認することで、動作手段を基準にして、遊技球が左右どちら側を流下しているのかを遊技者に把握させることができる。これにより、例えば、右打ち遊技を実行しているつもりの遊技者に対して、遊技球が左側に流下していることに気付かせ易くすることができる。
遊技機甲KH4において、前記動作手段の上側の第2所定部位を遊技球が右方に通過する場合には、前記動作手段が右方側に動かされる一方、前記第2所定部位よりも左側を遊技球が流下する場合には、前記動作手段が左方側に動かされ得ることを特徴とする遊技機甲KH6。
遊技機甲KH6によれば、遊技機甲KH4の奏する効果に加え、動作手段の動きの方向と、遊技球の流下する方向とが対応しているので、動作手段を視認した遊技者に対して、遊技球の流下について直感的に理解させ易くすることができる。
遊技機甲KH6において、前記第2所定部位よりも上側に位置する第3所定部位を遊技球が右方に通過する場合には、前記動作手段が動かされないことを特徴とする遊技機甲KH7。
遊技機甲KH7によれば、遊技機甲KH6の奏する効果に加え、動作手段との離間幅と、動作手段の動きの有無とが対応しているので、動作手段が動いていないことを視認した遊技者に対して、遊技球が動作手段と離れた位置を流下していることを把握させ易くすることができる。
遊技機甲KH4から遊技機甲KH7のいずれかにおいて、前記所定部位を遊技球が通過したことに基づいて前記動作手段が動いている状態において、前記所定部位を遊技球が通過した場合に、前記動作手段の動く速度が変化されることを特徴とする遊技機甲KH8。
遊技機甲KH8によれば、遊技機甲KH4からKH7のいずれかの奏する効果に加え、頻度や流下方向にランダム性を有する遊技球の流下を動作手段の動きに反映させることで、ランダム性の高い演出を動作手段で実行させることができる。更に、動作手段の動く速度の変化を視認した遊技者に対して、所定部位を再び遊技球が通過したことを把握させることができるので、遊技球の流下のパターン(流下態様のばらつきの程度)を遊技者が把握し易くすることができる。
遊技機甲KH3からKH8のいずれかにおいて、前記支持手段は、前記規制手段が前記許容状態か前記規制状態かに関わらず、前記動作手段が動き得る状態で支持することを特徴とする遊技機甲KH9。
遊技機甲KH9によれば、遊技機甲KH3からKH8のいずれかの奏する効果に加え、支持手段が変位される状態か、支持手段の変位が規制される状態かのいずれかでのみ動作手段が動き得る場合に比較して、動作手段による見映えの向上の効果を生じさせることができる状態を増やすことができる。
遊技機甲KH3からKH9のいずれかにおいて、前記規制手段の前記許容状態から前記規制状態への変化は、前記支持手段の変位に連動して生じることを特徴とする遊技機甲KH10。
遊技機甲KH10によれば、遊技機甲KH3からKH9のいずれかの奏する効果に加え、規制手段の状態の変化が支持手段の変位に連動して生じることから、規制手段と支持手段とがそれぞれ独立の基準で動作し得る場合に比較して、誤動作(例えば、動作タイミングが合わずに、干渉し合う等)の発生を回避し易くすることができる。
遊技機甲KH3からKH9のいずれかにおいて、前記規制手段が前記許容状態とされる場合に、前記支持手段が前記規制手段の前記規制状態において配置される上下位置に、前記支持手段を維持可能に構成されることを特徴とする遊技機甲KH11。
遊技機甲KH11によれば、遊技機甲KH3からKH9のいずれかの奏する効果に加え、規制手段の許容状態からの支持手段の変位と、規制手段の規制状態からの支持手段の変位とを、同じ上下位置から開始させることができるので、遊技者に注目させる高さ位置を統一することができ、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機甲KH3からKH11のいずれかにおいて、前記動作手段は、前記支持手段の変位に基づいて変位することを特徴とする遊技機甲KH12。
遊技機甲KH12によれば、遊技機甲KH3からKH11のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下に対応する動きの他に、支持手段の変位に基づく変位による動きをも生じさせることができるので、動作手段の視認態様のバリエーションを増加させることができる。
遊技機甲KH3からKH12のいずれかにおいて、前記支持手段の前記一側端部を支点とする変位は、前記動作手段が、前記支持手段の中心位置よりも前記一側端部側に配置された状態で生じることを特徴とする遊技機甲KH13。
遊技機甲KH13によれば、遊技機甲KH3からKH12のいずれかの奏する効果に加え、支持手段の変位時における変位が小さい側に動作手段が配置されることから、支持手段が急に停止される等の衝撃が生じた場合に動作手段が受ける衝撃(荷重)を小さくすることができる。
<遊技球の流下範囲の正面側に装飾を形成するポイント>
遊技球が流下する所定の流下領域の正面側に配設され所定の厚みを有する光透過部を備え、前記光透過部は、第1の光の透過率で構成される第1透過率部と、その第1透過率部よりも高い透過率で光を透過する第2透過率部と、を備え、正面視で前記第1透過率部と重なる遊技球の一部は、前記第2透過率部と重なるように構成されることを特徴とする遊技機甲KI1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に模様が形成される遊技機がある(例えば、特開2011-83381号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、流下する遊技球により模様が隠されることで演出効果の妨げとなる可能性があるところ、単純に遊技領域の前側に模様を形成するだけでは、今度は逆に模様により遊技球が隠されてしまい遊技球を見失う事態を生じさせる可能性があることから、遊技球を見失わせることなく演出効果を向上させる観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KI1によれば、遊技球が第1透過率部と重なる場合に、第2透過率部とも重なるように構成されているので、第1透過率部に遊技球が完全に覆われる状況を避けることにより遊技者が遊技球を見失う事態が生じることを避け易くしながら、光透過部の背面側を遊技球が流下する場合と流下しない場合とで視認態様を変化させることにより演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KI1において、前記第1透過率部は、所定の記号の少なくとも一部を構成することを特徴とする遊技機甲KI2。
遊技機甲KI2によれば、遊技機甲KI1の奏する効果に加え、流下領域における遊技球の流下の有無に関わらず、所定の記号による何らかの意味合いを遊技者に認識させることができるので、演出性の向上を図ることができる。
遊技機甲KI2において、前記第1透過率部は、前記所定の記号の輪郭の少なくとも一部を構成することを特徴とする遊技機甲KI3。
遊技機甲KI3によれば、遊技機甲KI2の奏する効果に加え、所定の記号の識別を容易とさせることができる。
遊技機甲KI1からKI3のいずれかにおいて、前記第1透過率部の、遊技球の流下方向の寸法または遊技球の流下方向に対して交差する方向の寸法の少なくとも一方は、遊技球の直径よりも短くされることを特徴とする遊技機甲KI4。
遊技機甲KI4によれば、遊技機甲KI1からKI3のいずれかの奏する効果に加え、第1透過率部の設計自由度を向上させることができ、構成される模様の種類を増加させることによる演出効果の向上を図ることができる。
遊技機甲KI4において、前記第1透過率部が前記所定の記号の輪郭の少なくとも一部を構成する場合に、前記輪郭の幅が遊技球の半径未満とされることを特徴とする遊技機甲KI5。
遊技機甲KI5によれば、遊技機甲KI4の奏する効果に加え、所定の記号の輪郭が複数近接して隣り合うような場合においても、遊技球が輪郭により完全に隠される事態を避けることができる。
即ち、複数の輪郭が隙間なく並べられる場合には、複数の輪郭の外側において遊技球を視認させることができる一方で、複数の輪郭の間に隙間が生じる場合には、その隙間を通して遊技球を視認させることができる。
遊技機甲KI1からKI5のいずれかにおいて、前記所定の流下領域における遊技球の流下方向は、水平方向成分を有することを特徴とする遊技機甲KI6。
遊技機甲KI6によれば、遊技機甲KI1からKI5のいずれかの奏する効果に加え、自由落下する遊技球に比較して、所定の流下領域における遊技球の流下速度を遅くすることができるので、光透過部を介して遊技球を視認させる期間を長くすることができる。これにより、第1透過率部および第2透過率部により構成される模様の見え方が変化する状態を長く保ち易くすることができる。
遊技機甲KI1からKI6のいずれかにおいて、前記所定の流下領域は、第1流下領域と、その第1流下領域とは異なる方向に遊技球を流下させる第2流下領域と、を備えることを特徴とする遊技機甲KI7。
遊技機甲KI7によれば、遊技機甲KI1からKI6のいずれかの奏する効果に加え、遊技球が第1流下領域を流下している場合において光透過部と重なる遊技球が変位する方向と、遊技球が第2流下領域を流下している場合において光透過部と重なる遊技球が変位する方向とが異なることから、光透過部に視認される模様に対する遊技球による影響の変位方向を複数種類生じさせることができるので(模様が動的に変化する状態における光透過部の視認態様を複数種類構成することができるので)、光透過部による演出効果の向上を図ることができる。
遊技機甲KI1からKI7のいずれかにおいて、前記第1透過率部により構成される輪郭の内側に、前記第1透過率部よりも低い透過率で構成される構成部を備えることを特徴とする遊技機甲KI8。
遊技機甲KI8によれば、遊技機甲KI1からKI7のいずれかの奏する効果に加え、構成部を配置することにより、第1透過率部を通して視認される光の視認性を相対的に向上させることができ、構成部の識別性を向上させることができる。
遊技機甲KI1からKI8のいずれかにおいて、前記光透過部の前方に向けて光を照射する光照射装置を備え、前記光透過部を透過した前記光照射装置から照射される光により視認される模様を変更可能に構成されることを特徴とする遊技機甲KI9。
遊技機甲KI9によれば、遊技機甲KI1からKI8のいずれかの奏する効果に加え、光透過部を透過した光照射装置から照射される光により視認される模様が変更可能に構成されることにより、光透過部による演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KI9において、遊技球が前記光照射装置から照射される光により前記第2透過率部に影を映しながら流下する場合があることを特徴とする遊技機甲KI10。
遊技機甲KI10によれば、遊技機甲KI9の奏する効果に加え、光照射装置から光が照射されることにより第2透過率部に映される遊技球の影を濃くすることができ、遊技者が遊技球を見失う事態を避け易くすることができる。
遊技機甲KI1からKI10のいずれかにおいて、正面視で前記所定の流下領域と重ならない所定範囲に配設される補助部を備え、その補助部により形成される模様は、前記第1透過率部により形成される模様と一連の視認態様で視認され得ることを特徴とする遊技機甲KI11。
遊技機甲KI11によれば、遊技機甲KI1からKI10のいずれかの奏する効果に加え、第1透過率部と一連の視認態様で視認さ得る補助部により演出効果を向上させることができると共に、遊技球の流下によらず補助部の視認性を高く維持することができる。
<変位手段に光を照射する照射手段を備えるポイント>
所定の領域を開閉可能な開閉部材と、その開閉部材の所定面側の領域を照らし得る光を照射可能な照射手段と、前記所定面側を変位可能な変位手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲KJ1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉部材を備える遊技機がある(例えば、特開2007-98027号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、閉じた状態における開閉部材に対して背面側の表示装置から光が照射されることで開閉部材の視認態様が変化し得るところ、開閉部材の正面側を変位する他の部材があるわけではなく、開閉部材の視認態様のバリエーションが少ないことから、開閉部材の視認態様に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KJ1によれば、照射手段から光が照射される所定の開閉部材の所定面側において変位可能な変位手段を備えるので、変位手段が開閉部材と重なって視認される状態と、変位手段が開閉部材と重ならずに視認される状態とを構成できることから、開閉部材の視認態様のバリエーションを増加させることができ、開閉部材の視認態様を改善することができる。
遊技機甲KJ1において、前記変位手段は、所定の直線に沿う方向で変位可能に構成されることを特徴とする遊技機甲KJ2。
遊技機甲KJ2によれば、遊技機甲KJ1の奏する効果に加え、変位手段の変位を予測し易くすることで、変位手段を視認する遊技者の遊技負担を軽減することができる。
遊技機甲KJ1又はKJ2において、前記変位手段と前記開閉部材とが連動され得ることを特徴とする遊技機甲KJ3。
遊技機甲KJ3によれば、遊技機甲KJ1又はKJ2の奏する効果に加え、開閉部材の変位と変位手段の変位とを、独立したものではなく、互いに関連し合うものとして遊技者に視認させることができることから、開閉部材の視認態様の改善を図ることができる。
遊技機甲KJ1からKJ3のいずれかにおいて、前記開閉部材が開閉移動されることに基づいて、前記照射手段から照射される光の視認態様が変化されることを特徴とする遊技機甲KJ4。
遊技機甲KJ4によれば、遊技機甲KJ1からKJ3のいずれかの奏する効果に加え、開閉部材の開閉移動と、照射手段から照射される光の視認態様の変化とを関連づけることにより、遊技者が開閉部材の開閉移動に気付き易い状態を構成することができる。
遊技機甲KJ1からKJ4のいずれかにおいて、前記変位手段の変位の方向が変化されることに基づいて、前記照射手段から照射される光の視認態様が変化されることを特徴とする遊技機甲KJ5。
遊技機甲KJ5によれば、遊技機甲KJ1からKJ4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位の方向の変化と、照射手段から照射される光の視認態様の変化とを関連づけることにより、遊技者が変位手段の変位の方向の変化に気付き易い状態を構成することができる。
遊技機甲KJ1からKJ5のいずれかにおいて、前記開閉部材を閉鎖状態から開放状態に変化させる方向の荷重に対する抵抗を生じさせる抵抗発生手段を備えることを特徴とする遊技機甲KJ6。
遊技機甲KJ6によれば、遊技機甲KJ1からKJ5のいずれかの奏する効果に加え、開閉部材に予期せぬ荷重がかけられたとしても開閉部材を閉鎖状態で維持し易くすることができるので、開閉部材の視認態様が予期せず変化されることを回避し易くすることができる。
遊技機甲KJ1からKJ6のいずれかにおいて、前記変位手段が所定位置を所定方向に通過可能な第1状態と、前記変位手段が前記所定位置を前記所定方向に通過不能な第2状態と、を構成し得る切替手段を備えることを特徴とする遊技機甲KJ7。
遊技機甲KJ7によれば、遊技機甲KJ1からKJ6のいずれかの奏する効果に加え、切替手段の状態を視認することで、変位手段の変位を予想させることができる。これにより、切替手段に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲KJ7において、前記切替手段の状態変化は、前記所定方向に通過する前記変位手段が到達する前に生じるよう構成されることを特徴とする遊技機甲KJ8。
遊技機甲KJ8によれば、遊技機甲KJ7の奏する効果に加え、変位手段が所定位置に到達する前から切替手段の状態変化を把握させることができるので、切替手段の注目力を長期間に亘り向上させることができる。
遊技機甲KJ1からKJ8のいずれかにおいて、前記変位手段の変位の方向を、第1の方向から、その第1の方向に対して交差する第2の方向に変化させる方向変化手段を備えることを特徴とする遊技機甲KJ9。
遊技機甲KJ9によれば、遊技機甲KJ1からKJ8のいずれかの奏する効果に加え、方向変化手段により変位手段の変位の方向をずらし得るので、変位手段の変位の方向が一定とされる場合に比較して、変位手段の視認態様のバリエーションを増やすことができる。
遊技機甲KJ9において、前記方向変化手段は変位手段を挟むようにして両側に配設されることを特徴とする遊技機甲KJ10。
遊技機甲KJ10によれば、遊技機甲KJ9の奏する効果に加え、方向変化手段が変位手段に両側から作用することにより、方向変化手段による変位手段の変位の方向の変化を複数態様で生じさせることができる。
遊技機甲KJ10において、前記両側に配置される前記方向変化手段は、変位手段に対して交互に作用することを特徴とする遊技機甲KJ11。
遊技機甲KJ11によれば、遊技機甲KJ10の奏する効果に加え、方向変化手段が変位手段に作用するタイミングがずらされることにより、方向変化手段による変位手段の変位の方向の変化が高頻度で生じるようにすることができる。
遊技機甲A1から甲A10、甲B1から甲B10、甲C1から甲C11、甲D1から甲D12、甲E1から甲E11、甲WA1-0から甲WA1-5、甲WA2-1から甲WA2-5、甲WB1-1から甲WB1-6、甲WB2-1から甲WB2-8、甲WB3-1から甲WB3-3、甲WC1-1から甲WC1-4、甲WC2-1から甲WC2-5及び甲WD1-1から甲WD1-5、遊技機甲YA1から甲YA11、甲YB1から甲YB10、甲YC1から甲YC11、甲YD1から甲YD5、甲YE1から甲YE3、甲YF1から甲YF3及び甲YG1から甲YG3、遊技機甲BA1から甲BA13、甲BB1から甲BB3、甲BBZ1から甲BBZ11、甲BC1から甲BC11、甲BD1から甲BD13、甲BE1から甲BE3、甲BEZ1から甲BEZ10、甲BG1から甲BG16、甲BH1から甲BH11、甲BI1から甲BI3及び甲BIZ1から甲BIZ11、遊技機甲CA1から甲CA26、甲CB1から甲CB4、甲CC1から甲CC4、甲DA1から甲DA19、甲DB1から甲DB4、甲DC1から甲DC4、甲DD1から甲DD4、甲EA1から甲EA4、甲EB1から甲EB4及び甲EC1から甲EC5、遊技機甲FA1から甲FA13、甲FB1から甲FB12、甲FC1から甲FC8又は甲FD1から甲FD5、遊技機甲KA1から甲KA10、甲KB1か甲らKB8、甲KC1から甲KC10、甲KD1から甲KD10、甲KE1から甲KE10、甲KF1から甲KF16、甲KG1から甲KG10、甲KKH1から甲KKH5、甲KH1から甲KH13、甲KI1から甲KI11及び甲KJ1から甲KJ11のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機甲Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機甲A1から甲A10、甲B1から甲B10、甲C1から甲C11、甲D1から甲D12、甲E1から甲E11、甲WA1-0から甲WA1-5、甲WA2-1から甲WA2-5、甲WB1-1から甲WB1-6、甲WB2-1から甲WB2-8、甲WB3-1から甲WB3-3、甲WC1-1から甲WC1-4、甲WC2-1から甲WC2-5及び甲WD1-1から甲WD1-5、遊技機甲YA1から甲YA11、甲YB1から甲YB10、甲YC1から甲YC11、甲YD1から甲YD5、甲YE1から甲YE3、甲YF1から甲YF3及び甲YG1から甲YG3、遊技機甲BA1から甲BA13、甲BB1から甲BB3、甲BBZ1から甲BBZ11、甲BC1から甲BC11、甲BD1から甲BD13、甲BE1から甲BE3、甲BEZ1から甲BEZ10、甲BG1から甲BG16、甲BH1から甲BH11、甲BI1から甲BI3及び甲BIZ1から甲BIZ11、遊技機甲CA1から甲CA26、甲CB1から甲CB4、甲CC1から甲CC4、甲DA1から甲DA19、甲DB1から甲DB4、甲DC1から甲DC4、甲DD1から甲DD4、甲EA1から甲EA4、甲EB1から甲EB4及び甲EC1から甲EC5、遊技機甲FA1から甲FA13、甲FB1から甲FB12、甲FC1から甲FC8又は甲FD1から甲FD5、遊技機甲KA1から甲KA10、甲KB1か甲らKB8、甲KC1から甲KC10、甲KD1から甲KD10、甲KE1から甲KE10、甲KF1から甲KF16、甲KG1から甲KG10、甲KKH1から甲KKH5、甲KH1から甲KH13、甲KI1から甲KI11及び甲KJ1から甲KJ11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機甲Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機甲A1から甲A10、甲B1から甲B10、甲C1から甲C11、甲D1から甲D12、甲E1から甲E11、甲WA1-0から甲WA1-5、甲WA2-1から甲WA2-5、甲WB1-1から甲WB1-6、甲WB2-1から甲WB2-8、甲WB3-1から甲WB3-3、甲WC1-1から甲WC1-4、甲WC2-1から甲WC2-5及び甲WD1-1から甲WD1-5、遊技機甲YA1から甲YA11、甲YB1から甲YB10、甲YC1から甲YC11、甲YD1から甲YD5、甲YE1から甲YE3、甲YF1から甲YF3及び甲YG1から甲YG3、遊技機甲BA1から甲BA13、甲BB1から甲BB3、甲BBZ1から甲BBZ11、甲BC1から甲BC11、甲BD1から甲BD13、甲BE1から甲BE3、甲BEZ1から甲BEZ10、甲BG1から甲BG16、甲BH1から甲BH11、甲BI1から甲BI3及び甲BIZ1から甲BIZ11、遊技機甲CA1から甲CA26、甲CB1から甲CB4、甲CC1から甲CC4、甲DA1から甲DA19、甲DB1から甲DB4、甲DC1から甲DC4、甲DD1から甲DD4、甲EA1から甲EA4、甲EB1から甲EB4及び甲EC1から甲EC5、遊技機甲FA1から甲FA13、甲FB1から甲FB12、甲FC1から甲FC8又は甲FD1から甲FD5、遊技機甲KA1から甲KA10、甲KB1か甲らKB8、甲KC1から甲KC10、甲KD1から甲KD10、甲KE1から甲KE10、甲KF1から甲KF16、甲KG1から甲KG10、甲KKH1から甲KKH5、甲KH1から甲KH13、甲KI1から甲KI11及び甲KJ1から甲KJ11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機甲Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<5079系の特徴群>
<特徴LA群>
所定の設定条件が成立したことに基づいて、予め定められた第1の有利度合いに設定された特定の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特定の遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、当該特定の遊技状態の有利度合いを、前記第1の有利度合いとは異なる第2の有利度合いに設定する設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機LA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、当たり遊技の終了後に、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態を設定することで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利な遊技状態として、次に当たりとなるまで継続する特定遊技状態を設けることにより、特定の遊技状態へと移行した時点で当たり当選まで確定させ、遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、特定の遊技状態へと移行した場合に確定するのはあくまでも当たりのみであり、当たり後の遊技状態として有利な遊技状態が設定されるか否かについては不定であるため、特定の遊技状態において当たりとなった場合に、当たりとなったタイミングによらず、有利度合いが比較的低い遊技状態に設定される可能性が常にあるため、遊技者に対して安心感を抱かせることが難しいという問題点があった。
これに対して遊技機LA1によれば、特定条件の成立前後で特定の遊技状態の有利度合いを可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機LA1において、前記第2の有利度合いに設定されている前記特定の遊技状態は、前記第1の有利度合いに設定されている前記特定の遊技状態よりも、少なくとも所定の特典が付与され易くなる構成であることを特徴とする遊技機。
遊技機LA2によれば、遊技機LA1の奏する効果に加え、特定条件が成立すると所定の特典が付与され易くなるので、特定条件が成立することを強く期待して特定の遊技状態における遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機LA1又はLA2において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を備え、前記特定条件は、前記特典遊技の実行とは少なくとも異なる条件であることを特徴とする遊技機LA3。
遊技機LA3によれば、遊技機LA1又はLA2の奏する効果に加え、特典遊技を介さずに特定の遊技状態の有利度合いを可変させることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機LA3において、前記特定条件は、前記特定の遊技状態が設定された後で、予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合に成立することを特徴とする遊技機LA4。
遊技機LA4によれば、遊技機LA3の奏する効果に加え、特定の遊技状態が設定された場合に、外れ判別結果が連続することを強く期待させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機LA3又はLA4において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記特定の遊技状態と、前記特定の遊技状態よりも有利度合いが低い第1遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能であり、前記第2の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態は、前記第1の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態よりも、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となって前記特典遊技が実行された場合に、前記遊技状態設定手段によって前記特定の遊技状態が設定され易い構成であることを特徴とする遊技機LA5。
遊技機LA5によれば、遊技機LA3又はLA4の奏する効果に加え、特定条件が成立して第2の有利度合いに設定されることにより、特典遊技が実行された場合に有利度合いが高い特定の遊技状態が設定される可能性が高くなるため、特定条件が成立した後で特定の判別結果となることを強く期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機LA5において、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示において動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、前記動的表示期間において予め定められた停止条件が成立したことに基づいて、実行中の前記識別情報の動的表示に対応する前記判別手段の判別結果によらず、前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果を示すための前記識別情報を強制停止させる強制停止手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示されたことに基づいて前記特典遊技を実行可能に構成され、前記第2の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態は、前記第1の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態よりも、前記第1遊技状態が設定される前記特典遊技に対応する前記識別情報の動的表示期間において前記停止条件が成立し易くなる構成であることを特徴とする遊技機LA6。
遊技機LA6によれば、遊技機LA5の奏する効果に加え、第2の有利度合いに設定された特定の遊技状態では、有利度合いが低い第1遊技状態が設定される前記特典遊技に対応する識別情報の動的表示の実行中に停止条件が成立し易くなることで、特定の判別結果を示すための識別情報の動的表示を外れ判別結果を示すための識別情報の動的表示に変更することができ、第1遊技状態が設定される可能性を低くすることができるので、相対的に、第1の有利度合いに設定された特定の遊技状態よりも、有利度合いが高い特定の遊技状態が設定される特典遊技の実行割合を高くすることができる。よって、特定条件が成立することをより強く期待させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機LA6において、前記動的表示期間決定手段は、前記第2の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態の方が、前記第1の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態よりも、前記第1遊技状態が設定される前記特典遊技に対応する前記特定の判別結果を示すための前記識別情報の動的表示における動的表示期間として長い動的表示期間を決定する割合が高く構成されていることを特徴とする遊技機LA7。
遊技機LA7によれば、遊技機LA6の奏する効果に加え、第2の有利度合いに設定された特定の遊技状態において、第1遊技状態が設定される特典遊技に対応する特定の判別結果を示すための識別情報の動的表示における動的表示期間を長くしておくことにより、動的表示期間が終了する前に停止条件が成立する可能性を高くすることができるので、第1遊技状態を設定され難く構成することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機LA1からLA7のいずれかにおいて、前記第2の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態において予め定められた第2特定条件が成立したことに基づいて、当該特定の遊技状態の有利度合いを前記第1の有利度合いに設定する第2設定手段を備えることを特徴とする遊技機LA8。
遊技機LA8によれば、遊技機LA1からLA7のいずれかが奏する効果に加え、第2の有利度合いに設定された特定の遊技状態において第2特定条件が成立した場合に再度第1の有利度合いに戻すことができるので、特定の遊技状態における遊技性をより多様化することができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機LA1からLA8のいずれかにおいて、前記第2の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態において予め定められた第3特定条件が成立したことに基づいて、当該特定の遊技状態の有利度合いを、前記第1の有利度合いとも第2の有利度合いとも異なる第3の有利度合いに設定する第3設定手段を備えることを特徴とする遊技機LA9。
遊技機LA9によれば、遊技機LA1からLA8のいずれかが奏する効果に加え、特定の遊技状態における有利度合いを3段階に可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴LB群>
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1状態と、その第1状態よりも前記判別手段による1の判別が実行されてから新たな判別が実行可能となるまでの期間が長くなり易い第2状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態を設定する状態設定手段と、を備え、前記第1状態よりも、前記第2状態の方が、有利度合いが高くなり易い構成であることを特徴とする遊技機LB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、当たり遊技の終了後に、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態を設定することで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、抽選が実行される毎に、抽選結果を示すための図柄の変動表示を実行するものも広く一般的に知られている。また、係る従来型の遊技機では、遊技状態毎に変動表示の変動時間を異ならせることで、遊技にメリハリをつける制御を採用しているものも知られている。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利度合いが低い遊技状態ほど長い変動時間が設定されるため、変動時間が長くなることで遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまうという問題点がある。
これに対して遊技機LB1では、1の判別が実行されてから新たな判別が実行可能となるまでの期間が長い第2状態の方が、期間が短い第1状態よりも有利度合いが高くなり易くなる斬新な制御を採用しているので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
遊技機LB1において、前記第2状態は、前記判別手段の判別結果が少なくとも第1の判別結果となった場合に、前記第1状態よりも前記新たな判別が実行可能となるまでの期間が長くなり易くなる状態であることを特徴とする遊技機LB2。
遊技機LB2によれば、遊技機LB1の奏する効果に加え、第1の判別結果となった場合に、第1状態よりも第2状態の方が新たな判別が実行可能となるまでの期間が長くなり易くなるので、第2状態において、第1の判別結果とならないことを期待させることができるという効果がある。
遊技機LB2において、前記第1状態は、前記第1の判別結果となる前と、前記第1の判別結果となった後で新たな判別が実行可能となった時点とで、異なる遊技状態となり易い状態であり、前記第2状態は、前記第1の判別結果となる前と、前記第1の判別結果となった後で新たな判別が実行可能となった時点とで、遊技状態が同一となり易い状態であることを特徴とする遊技機LB3。
遊技機LB3によれば、遊技機B2が奏する効果に加え、第2状態では、第1の判別結果になっても遊技状態が維持され易くなる一方で、第1状態では、第1の判別結果となることで遊技状態が変更され易くなるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機LB2又はLB3において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも有利度合いが低い第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技の種別を決定する種別決定手段と、前記第2特典遊技の終了後の遊技状態として、少なくとも前記第2状態よりも有利度合いが低い特定遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第1の判別結果は、前記特定の判別結果のうち、前記種別決定手段によって前記第2特典遊技が決定される判別結果であることを特徴とする遊技機LB4。
遊技機LB4によれば、遊技機LB2又はLB3の奏する効果に加え、有利度合いが低い第2特典遊技に対応する判別結果となった場合に、第2状態の方が新たな判別が実行可能となるまでの期間が長くなり易くなるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機LB4において、少なくとも前記第1の判別結果となってから前記第2特典遊技が実行されるまでの間に成立し得る予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第2特典遊技の実行を抑制可能な構成であることを特徴とする遊技機LB5。
遊技機LB5によれば、遊技機LB4の奏する効果に加え、第2状態の方が、第1の判別結果となった場合に、新たな判別が実行可能となるまでの期間が長くなり易いので、有利度合いが低い第2特典遊技が実行されるよりも前に特定条件を成立して第2特典遊技の実行が抑制される可能性を高くすることができる。よって、第1状態よりも第2状態の方が、第2特典遊技が実行され難くなる分、相対的に有利度合いが高い第1特典遊技が実行され易くなるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機LB5において、前記第1状態は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となった場合に、前記第2特典遊技が実行されるまでの期間として予め定められた第1期間が設定される状態であり、前記第2状態は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となった場合に、前記第2特典遊技が実行されるまでの期間として前記第1期間よりも長い第2期間が設定される状態であり、前記特定条件は、前記判別手段の判別が実行された後の経過期間が前記第1期間よりも長く、前記第2期間よりも短い特定期間となった時点で成立し易い条件で構成されていることを特徴とする遊技機LB6。
遊技機LB6によれば、遊技機LB5の奏する効果に加え、第1状態で第1の判別結果となった場合は特定条件が成立するよりも前に第2特典遊技が実行される一方で、第2状態で第1の判別結果となった場合は第2特典遊技が実行されるよりも前に特定条件が成立して第2特典遊技の実行が抑制されるため、第2状態では、実質的に、第2特典遊技が実行され得ない極めて有利な状態を形成することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機LB6において、前記判別手段は、第1の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されており、前記第1判別手段の判別が実行されてから前記第1判別手段の判別結果が示されるまでの間に前記第2判別手段の判別結果が示されたことに基づいて、前記第1判別手段の判別結果によらず、前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果が前記第1判別手段の判別結果として示される構成であり、前記第2判別手段の判別が実行されてから前記第2判別手段の判別結果が示されるまでの期間は、前記特定期間に設定される構成であることを特徴とする遊技機LB7。
遊技機LB7によれば、遊技機LB6の奏する効果に加え、第2状態においては、第1判別手段の判別で第1の判別結果になったとしても、第2判別手段の判別が実行されていれば、特定期間の経過時に、第1判別手段の判別結果として第1の判別結果でなく外れ判別結果が示されるので、有利度合いが低い第2特典遊技を実行させずに有利な第2状態を継続させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機LB7において、第1の取得条件が成立したことに基づいて、前記第1判別手段の判別に用いる第1判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、前記第1の取得条件とは異なる第2の取得条件が成立したことに基づいて、前記第2判別手段の判別に用いる第2判別情報を取得する第2判別情報取得手段と、を備え、少なくとも前記第2状態は、前記第1取得条件と前記第2取得条件との両方を成立させることが可能な状態であることを特徴とする遊技機LB8。
遊技機LB8によれば、遊技機LB7の奏する効果に加え、第2状態において第1の判別結果となった場合に、第2の判別条件が成立せずに第2特典遊技が実行されてしまうことを抑制することができるので、第2状態においてより確実に、有利度合いが低い第2特典遊技の実行を抑制することができるという効果がある。
遊技機LB4からLB8のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段は、前記第1特典遊技の終了後の遊技状態として前記特定遊技状態よりも有利度合いが高い第1遊技状態を設定可能であり、前記第1遊技状態は、予め定められた第1条件が成立している間、前記第1状態に設定され、前記第1条件とは異なる第2条件が成立している間、前記第2状態に設定される遊技状態であることを特徴とする遊技機LB9。
遊技機LB9によれば、遊技機LB4からLB8のいずれかが奏する効果に加え、第1状態も第2状態も有利度合いが高い第1遊技状態を構成する状態であるものの、第2状態に設定されている方が、有利度合いが高くなるという斬新な遊戯し絵を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機LB9において、前記第1遊技状態は、前記特典遊技が実行されるまで継続可能な遊技状態であることを特徴とする遊技機LB10。
遊技機LB10によれば、遊技機LB9の奏する効果に加え、有利度合いが高い第1遊技状態が次の特典遊技の実行まで継続するので、第1遊技状態が設定された場合に、遊技者に対して大きな安心感を抱かせることができるという効果がある。
<特徴LC群>
所定の設定条件の成立に基づいて特定の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、予め定められた第1の実行条件が成立したことに基づいて、前記特定の遊技状態における演出として第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、予め定められた第2の実行条件が成立したことに基づいて、前記特定の遊技状態における演出として、前記第1演出によって示唆される有利度合いよりも高い有利度合いを遊技者に示唆可能な第2演出を実行可能な第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機LC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、より好適な演出態様を実現することが求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが異なる複数の遊技状態が設けられていると共に、それぞれの遊技状態に対応する有利度合いを遊技者に対して示唆可能な演出を実行可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、同一の遊技状態が継続する限り、有利度合いが変更されないことにより演出態様を変更することもできないため、同一の遊技状態が長く継続するほど、演出態様が単調になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機LC1では、特定の遊技状態において第1演出が実行された場合と、第2演出が実行された場合とで、異なる有利度合いを遊技者に対して示唆することができるので、同一の遊技状態であるにもかかわらず、あたかも異なる遊技状態であるかのように遊技者に対して認識させることができ、演出態様が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、より好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機LC1において、1の前記特定の遊技状態において、前記第1演出と前記第2演出とのうち一方を実行した後で、他方を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機LC2。
遊技機LC2によれば、遊技機LC1の奏する効果に加え、1の特定の遊技状態が継続している間に遊技者に対して異なる有利度合いを示唆することができるので、特定の遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機LC2において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記特定の遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能であり、前記特定の遊技状態において前記第1演出と前記第2演出とのうち一方を実行した後で、前記特典遊技の実行を介さずに他方を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機LC3。
遊技機LC3によれば、遊技機LC2の奏する効果に加え、特典遊技が実行されていないにもかかわらず、有利度合いが変化したかのような演出を実行することができるので、特定の遊技状態が継続している間における遊技が単調となってしまうことをより確実に抑制することができるという効果がある。
遊技機LC3において、前記第2の実行条件は、前記特定の遊技状態が設定された後で、予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機LC4。
遊技機LC4によれば、遊技機LC3の奏する効果に加え、特定の遊技状態において特定回数の判別を実行することにより、高い有利度合いを示唆する第2演出が実行されるので、特定の遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機LC4において、前記特定の遊技状態が設定されたことに基づいて第1状態を設定し、前記特定の遊技状態が設定された後で前記特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合に、前記特定の遊技状態を維持したまま前記第1状態よりも有利度合いが高くなる第2状態を設定することが可能な状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機LC5。
遊技機LC5によれば、遊技機LC4の奏する効果に加え、特定の遊技状態において特定回数の判別に渡って特定の判別結果にならないことを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機LC5において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記特定の遊技状態が設定される第1特典遊技と、その第1特典遊技とは異なる種別の前記特典遊技であって、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記特定の遊技状態が設定される第2特典遊技を、を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技の種別を決定する種別決定手段を備え、前記第1特典遊技の実行が終了した後の前記特定の遊技状態は、前記特定回数として予め定められた第1回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記外れ判別結果となった場合に前記状態設定手段によって前記第2状態が設定される構成であり、前記第2特典遊技の実行が終了した後の前記特定の遊技状態は、前記特定回数として前記第1回数よりも多い第2回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記外れ判別結果となった場合に前記状態設定手段によって前記第2状態が設定される構成であることを特徴とする遊技機LC6。
遊技機LC6によれば、遊技機LC5の奏する効果に加え、第2状態が設定されるタイミングを特典遊技の種別に応じて異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機LC6において、前記特典遊技の実行中における演出態様として、少なくとも前記第1特典遊技と前記第2特典遊技とを遊技者が区別困難となる演出態様を設定する演出態様設定手段を備えることを特徴とする遊技機LC7。
遊技機LC7によれば、遊技機LC6の奏する効果に加え、第1特典遊技であるか第2特典遊技であるかを区別し難くすることができるので、第2特典遊技が終了した後においても、外れ判別結果の連続回数が第1回数に近づくにつれて第2状態を期待させることができるという効果がある。
遊技機LC6又はLC7において、前記特定の遊技状態が設定された後で前記第1回数の判別が実行されたことに基づいて、前記第2状態に設定される可能性を示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備え、前記示唆演出は、前記第1特典遊技の実行が終了した後の前記特定の遊技状態において、前記第2状態に設定されないことを示唆する第1演出態様に設定され、前記第1特典遊技の実行が終了した後の前記特定の遊技状態において、前記第1回数目の判別結果に応じて、前記第1演出態様と、前記第2状態に設定されることを示唆する第2演出態様と、のどちらかに設定される構成であることを特徴とする遊技機LC8。
遊技機LC8によれば、遊技機LC6又はLC7の奏する効果に加え、特定の遊技状態に設定されてから第1回数目の判別が実行された場合に、示唆演出を実行することができるので、第2状態に設定されるか否かを遊技者に対して分かり易く報知することができるという効果がある。
<特徴LD群>
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも有利度合いが高い第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、遊技の制御に用いる特定のカウンタのカウンタ値に所定の初期値を設定する初期値設定制御を実行可能な第1制御手段と、前記特定のカウンタのカウンタ値を所定の更新規則に従って更新する更新制御を実行可能な第2制御手段と、を備え、前記第1遊技状態において、前記遊技状態設定手段によって前記第2遊技状態が設定され得る特定特典遊技の実行条件が成立した場合に、前記第1制御手段によって前記初期値設定制御が実行され得る構成であり、前記第2遊技状態において前記特定特典遊技の実行条件が成立した場合に、前記第1制御手段によって初期値設定制御が実行される第1の状況と、前記第2制御手段によって前記更新制御が実行される第2の状況と、のどちらかが成立し得る構成であることを特徴とする遊技機LD1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、所定契機で所定のカウンタ(例えば、時短回数をカウントするカウンタ)に対して所定の初期値を設定し、カウンタ値が特定値となるまで更新処理を行うものが存在する(例えば、特許文献1:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、より好適なカウンタ値の更新方法が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、カウンタ値が特定値となることで遊技者にとって不利となる遊技機が知られている。より具体的には、遊技者に有利な第1遊技状態と当たりとが繰り返される毎に、所定のカウンタの更新処理が実行され、カウンタ値が特定値となった場合に、当たり遊技の終了後の遊技状態を強制的に有利度合いが比較的低い第2遊技状態に設定する遊技機が知られているが、係る従来型の遊技機においては、特定値に更新されるまでの更新回数が固定であり、有利な第1遊技状態の連続回数の上限も固定化されるため、特定値に更新される(即ち、遊技者にとって不利となる)タイミングを比較的容易に遊技者が把握可能であり、遊技に対する興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して遊技機LD1によれば、有利な第2遊技状態において特定特典遊技が実行された場合に、必ずしも所定の更新規則に従った更新制御が実行されるわけではなく、初期値にリセットされる場合を設けることができるため、特定のカウンタのカウンタ値を遊技者に予測し難くすることができる。よって、カウンタ値をより好適に更新することができるという効果がある。
遊技機LD1において、前記特定のカウンタのカウンタ値が予め定められた特定値に更新され、所定の判別タイミングになったことに基づいて予め定められた特定制御を実行する第3制御手段を備えることを特徴とする遊技機LD2。
遊技機LD2によれば、遊技機LD1の奏する効果に加え、所定の判別タイミングとなった場合に、特定制御が実行されるのか否かを遊技者に対して予測し難く構成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機LD2において、前記特定制御は、前記第1遊技状態を設定する制御であることを特徴とする遊技機LD3。
遊技機LD3によれば、遊技機LD2の奏する効果に加え、所定の判別タイミングとなった場合に有利度合いが低い第1遊技状態に設定されるか否かを分かり難くすることができるので、第1遊技状態に設定される可能性が高い更新回数だったとしても、有利な第2遊技状態が設定されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機LD1からLD3のいずれかにおいて、前記特定特典遊技として、第1特定特典遊技と、第2特定特典遊技と、が少なくとも設けられており、前記第1制御手段は、前記第2遊技状態において前記第1特定特典遊技の実行条件が成立した場合に、前記初期値設定制御を実行し、前記第2制御手段は、前記第2遊技状態において前記第2特典遊技の実行条件が成立した場合に、前記更新制御を実行することを特徴とする遊技機LD4。
遊技機LD4によれば、遊技機LD1からLD3のいずれかが奏する効果に加え、同じように第2遊技状態が設定され得る特定特典遊技でも、第1特定特典遊技であるか、第2特定特典遊技であるかによって特定のカウンタのカウンタ値が異なる値に更新され得るので、特定のカウンタのカウンタ値を遊技者に対して予測し難く構成することができるという効果がある。
遊技機LD4において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段を備え、前記特典遊技の実行条件は、前記判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となった場合に成立する条件であり、前記特典遊技実行手段は、前記特定の判別結果となることで前記特典遊技の実行条件が成立した後で予め定められた特定の設定条件が成立した場合に前記特典遊技の実行を設定可能であり、前記第1制御手段は、前記特典遊技の実行が設定された時点の遊技状態が前記第1遊技状態である場合に前記初期値設定制御を実行可能であり、前記第2制御手段は、前記特典遊技の実行が設定された時点の遊技状態が前記第2遊技状態である場合に前記更新制御を実行可能であり、前記第2遊技状態において前記第1特定特典遊技の実行条件が成立した場合に、前記特定の設定条件が成立するよりも前に前記第1遊技状態に変更可能であることを特徴とする遊技機LD5。
遊技機LD5によれば、遊技機LD4の奏する効果に加え、第2遊技状態において第1特定特典遊技の実行条件が成立した場合には、特典遊技の実行を設定するよりも前に第1遊技状態に変更しておくことで、確実に、第1制御手段による初期値設定制御を実行させることができるという効果がある。
遊技機LD5において、前記第2遊技状態において前記第2特定特典遊技の実行条件が成立した場合に、少なくとも前記特定の設定条件が成立するまで前記第2遊技状態を維持可能であることを特徴とする遊技機LD6。
遊技機LD6によれば、遊技機LD5の奏する効果に加え、第2遊技状態において第2特定特典遊技の実行条件が成立した場合には、特典遊技の実行を設定するまで第2遊技状態を維持することで、確実に、第2制御手段による更新制御を実行させることができるという効果がある。
遊技機LD4からLD6のいずれかにおいて、前記第2遊技状態において前記第1特定特典遊技の実行条件が成立して前記初期値設定制御が実行された場合に、所定タイミングで、前記初期値設定制御が実行されたことを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機LD7。
遊技機LD7によれば、遊技機LD4からLD6のいずれかが奏する効果に加え、示唆演出により初期値設定制御が実行されたことを遊技者に対して示唆することができるので、所定タイミングで実行される演出に遊技者を注目させることができるという効果がある。
<特徴LE群>
所定の設定条件の成立に基づいて、予め定められた特定期間に渡って遊技者に有利な特定制御が設定される特定状態を設定する特定状態設定手段と、前記特定制御が前記特定期間を超えて継続することが決定された場合に、前記決定されたタイミングとは少なくとも異なる所定タイミングで、前記特定制御が前記特定期間を超えて継続することを遊技者に対して示唆可能な特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機LE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、より好適な演出態様を実現することが求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが異なる複数の遊技状態が設けられていると共に、特定の遊技状態において当たり遊技の実行が設定されたという状況の連続回数に上限値を設定されているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、見た目上、特定の遊技状態において当たり遊技の実行が設定されたという状況が上限値を超えて継続したかのような動作となる場合があり、演出態様を好適に設定することが困難となってしまう場合がある。
これに対して遊技機LE1では、所定タイミングで特定演出を実行することができるので、好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機LE1において、前記特定状態が設定されたことに基づいて、前記特定期間が終了するまでに渡る第1演出を実行可能な第1演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機LE2。
遊技機LE2によれば、遊技機LE1の奏する効果に加え、特定状態が設定されてから特定期間が経過するまでの間、共通の演出を実行することができるので、演出態様を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機LE2において、前記特定演出実行手段は、前記特定制御が前記特定期間を超えて継続することが決定された場合に、前記特定期間の終了条件が成立してから前記特定期間が実際に終了されるまでの間の期間において前記特定演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機LE3。
遊技機LE3によれば、遊技機LE2の奏する効果に加え、特定制御が特定期間を超えて継続することが決定されていたとしても、特定期間の終了条件が成立するまで特定演出による示唆が行われないので、特定期間の終盤まで、特定制御が特定期間を超えることに対する期待感を遊技者に対して持続的に抱かせ続けることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機LE1からLE3のいずれかにおいて、前記特定期間を超えて前記特定制御が継続した後において、前記特定制御が終了されるか否かを示唆可能な第1演出を所定契機で実行する第1演出実行手段を備え、前記特定制御は、第1条件と、その第1条件とは異なる第2条件と、の両方が成立したことに基づいて終了される構成であり、前記第1演出実行手段は、前記所定契機として、前記第1条件が成立したことに基づいて前記第1演出を実行可能であることを特徴とする遊技機LE4。
遊技機LE4によれば、遊技機LE1からLE3のいずれかが奏する効果に加え、第1条件が成立する毎に、第1演出によって特定制御が継続するか否かを遊技者に対して示唆することができるので、遊技者に対して定期的にドキドキ感を抱かせることができ、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機LE4において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1条件は、前記特定制御が設定されている間に前記特典遊技が実行された場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機LE5。
遊技機LE5によれば、遊技機LE4の奏する効果に加え、特定期間を超えて特定制御が永続した後は、特典遊技が実行される毎に第1演出によって特定制御が継続するか否かを示唆することができるので、特典遊技の実行中における遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機LE5において、前記特定状態設定手段は、前記特定状態として、予め定められた特定回数の前記特典遊技が実行されるまで、前記特典遊技の終了後の遊技状態として遊技者に有利な特定遊技状態が設定される状態を設定可能であることを特徴とする遊技機LE6。
遊技機LE6によれば、遊技機LE5が奏する効果に加え、特定状態が設定されると、特定回数の特典遊技の実行が終了するまで、有利な特定遊技状態と特典遊技とが繰り返され易くなるので、特定状態が設定された場合に、遊技者に対して大きな満足感や喜びを抱かせることができるという効果がある。
遊技機LE6において、前記特定状態が設定されたことに基づいて、前記特典遊技の実行回数に応じたカウンタ値が設定される特定のカウンタに対して特定回数に対応する特定の初期値を設定する初期値設定手段と、前記特定状態が設定された後で前記特典遊技が実行されたことに基づいて、前記特定のカウンタのカウンタ値を更新する更新手段と、を備えることを特徴とする遊技機LE7。
遊技機LE7によれば、遊技機LE6の奏する効果に加え、特定のカウンタを用いて特定状態の継続期間を正確に判別することができるという効果がある。
遊技機LE7において、前記特定状態において予め定められた初期化条件が成立したことに基づいて、前記特定のカウンタに対して前記特定の初期値を設定する第2初期値設定手段を備えることを特徴とする遊技機LE8。
遊技機LE8によれば、遊技機LE7の奏する効果に加え、特定の初期値が設定された場合、そこから更に特定回数分の特典遊技が実行されるまで特典遊技と特定遊技状態とが繰り返される有利な状況となるため、特定状態において、遊技者に対して初期化条件が成立することを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴LF群>
第1の実行条件の成立に基づいて第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、第2の実行条件の成立に基づいて前記第1演出とは異なる第2演出を実行可能な第2演出実行手段と、を備え、前記第1演出と前記第2演出とが重複して実行された場合に、前記第1演出の演出期間が先に経過するよりも、前記第2演出の演出期間が先に経過した方が、遊技者に有利となり易い構成であることを特徴とする遊技機LF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、より好適な演出態様を実現することが求められていた。
これに対して遊技機LF1では、第1演出と第2演出とが重複して実行された場合に、第1演出の演出期間が先に終了するか、第2演出の演出期間が先に終了するかによって、遊技者の有利度合いが変わる斬新な演出動作を実現することができるので、好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機LF1において、予め定められた特定条件が成立したことを契機として、前記第1の実行条件と前記第2の実行条件との両方が成立し得る構成であることを特徴とする遊技機LF2。
遊技機LF2によれば、遊技機LF1の奏する効果に加え、特定条件が成立した場合に、第1演出と第2演出とが共に実行されるので、特定条件が成立する毎に、どちらの演出期間が早く経過するのかに注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機LF1又はLF2において、前記第1演出と前記第2演出とが重複して実行された場合に、一方の演出の演出期間が経過したことに基づいて他方の演出が終了される構成であることを特徴とする遊技機LF3。
遊技機LF3によれば、遊技機LF1又はLF2の奏する効果に加え、一方の演出期間が経過して遊技者に有利となり易いか否かが判明した後において、他方の演出が長く継続してしまい、遊技者に退屈感を抱かせてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機LF3において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段によって実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも有利度合いが高い第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段と、を備え、前記第1演出は、前記第1特典遊技が実行されることを示唆する演出であることを特徴とする遊技機LF4。
遊技機LF4によれば、遊技機LF1からLF3のいずれかが奏する効果に加え、第1演出によって有利度合いが低い第1特典遊技が実行されることが示唆されるため、第1演出により第1特典遊技の実行が示唆されるよりも前に第2演出の演出期間が先に経過して第1演出が終了されることを期待させることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機LF4において、前記第1特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第2特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記第1遊技状態よりも有利度合いが高い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記特定条件は、前記第2遊技状態において少なくとも成立する条件であり、前記第2演出は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる判別結果となったことを示唆する演出であることを特徴とする遊技機LF5。
遊技機LF5によれば、遊技機LF4の奏する効果に加え、第1演出で第1特典遊技の実行が示唆されるよりも、第2演出で特典遊技が実行されないことが示唆される演出が実行されることを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
<5080系の特徴群>
<特徴MA群:時短ストック>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合に第1特定設定を設定可能な第1設定手段と、前記判別手段により判別結果に基づいて、前記特定遊技を実行せずに第2特定設定を設定可能な第2設定手段と、前記第1特定設定が設定されている期間に、前記第2設定手段により前記第2特定設定を設定させることが可能な情報を記憶させることが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている情報に基づいて、設定条件の成立に基づいて、記憶されている前記情報に対応した特典を付与する特典付与手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機MA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。
また、有利状態中に有利状態を設定させる契機(特典遊技の実行)が成立した場合には、設定中の有利状態がクリアされ、特典遊技の終了後に、特典遊技に対応した期間の有利状態が設定されるだけであることから、有利状態が継続する期間の長さが固定されてしまい遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、有利状態が継続する期間の長さを不定にすることで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機MA1によれば、第1特定設定が設定されている状態で、第2特定設定を設定するための情報が記憶され、設定条件の成立に基づいて第2特定設定を設定可能とすることで、第2特定設定の設定を設定条件が成立するまで遅延させることができ、第1特定設定が設定されている期間をより長くすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機MA1において、前記第1特定設定は、終了条件が成立したことに基づいて解除されるものであり、前記設定条件は、設定されている前記第1特定設定の終了条件が成立した以降に成立可能にされているものであることを特徴とする遊技機MA2。
遊技機MA2によれば、遊技機MA1の奏する効果に加え、第1特定設定が設定されている状態で、設定条件が成立してしまい、設定されていた第1特定設定の終了条件が成立する前に、記憶された情報が消化されてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機MA1またはMA2において、前記第1特定設定が設定された場合に、前記終了条件が成立するまでの期間に対応した情報を示唆することが可能な示唆手段を有し、前記記憶手段に記憶された前記情報に対応して前記示唆手段により示唆された情報を可変させることが可能な可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機MA3。
遊技機MA3によれば、遊技機MA1またはMA2の奏する効果に加え、終了条件が成立するまでの期間に対応した情報が記憶手段に記憶された情報により可変されるので、示唆手段により示唆される情報により、記憶手段に記憶された情報に対しても認識させることが可能となり、第1特定設定が設定されている期間に情報が記憶されることへの期待を持たせて遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴MB群:ストックまとめて報知>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合に第1特定設定を終了条件が成立するまで設定可能な第1設定手段と、前記判別手段により判別結果に基づいて、前記特定遊技を実行せずに第2特定設定を設定可能な第2設定手段と、前記第1特定設定が設定されている期間に、情報が記憶されることが可能な記憶手段と、前記記憶手段に情報が複数回記憶されている場合に、記憶されている複数回記憶された情報に対応した示唆態様を実行することが可能な示唆手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機MB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。
また、有利状態中に有利状態を設定させる契機(特典遊技の実行)が成立した場合には、設定中の有利状態がクリアされ、特典遊技の終了後に、特典遊技に対応した期間の有利状態が設定されるだけであることから、有利状態が継続する期間の長さが固定されてしまい遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、有利状態が継続する期間の長さを不定にすることで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機MB1によれば、第1特定設定が設定されている状態で複数回、第2特定設定に対応した情報が記憶手段に記憶され、複数回記憶された情報に対応した示唆態様が実行されるので、第1特定設定が設定されている期間にも、情報が記憶されることを期待させ、情報が記憶された回数を示唆態様により容易に識別できるので、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機MB1において、前記記憶手段に記憶される情報は、前記第2特定設定が設定された場合に終了条件が成立するまでの期間に対応して設定されるものであり、前記示唆態様は、前記記憶手段に複数回記憶された前記情報の前記期間に対応した態様で設定されることが可能にされていることを特徴とする遊技機MB2。
遊技機MB2によれば、遊技機MB1の奏する効果に加え、複数回、複数回の第2特定設定が設定されることが可能にされている状態となった場合に、示唆態様により、最終の第2特定設定が設定されるまでの期間を示唆態様により識別できるので、遊技をわかり易く実行させることができるという効果がある。
遊技機MB1またはMB2において、前記情報は、終了条件が成立するまでの期間に対応しており、設定されていない第2特定設定に対応した情報が前記記憶手段に記憶されている場合には、次に記憶される第2特定設定の終了条件が成立するまでの期間が加算された情報が記憶手段に記憶されるものであることを特徴とする遊技機MB3。
遊技機MB3によれば、遊技機MB1またはMB2の奏する効果に加え、第2特定設定における終了条件が成立するまでの期間が、複数回の第2特定設定が設定される期間に跨がって加算された情報が記憶されるので、1の特定設定に対応した終了条件が成立するまでの期間よりもより長くすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴MC群:時短ストックの切替>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合に通常遊技状態から第1遊技状態へと移行させることが可能な第1遊技状態移行手段と、前記判別手段による判別結果に基づいて前記特定遊技を実行せずに前記通常遊技状態とは異なる第2遊技状態へと移行させることが可能な第2遊技状態移行手段と、前記第1遊技状態が設定されている期間に前記判別手段による判別結果に基づいて前記第2遊技状態へと移行させずに、前記第2遊技状態へと移行させるための情報が記憶される記憶手段と、設定条件の成立に基づいて前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応させて前記第2遊技状態へと移行させることが可能な特定移行手段と、を有し、前記遊技機は、前記第2遊技状態が設定されている期間に前記特殊判別結果と判別されたことに基づいて前記情報が記憶されないものであることを特徴とする遊技機MC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。
また、有利状態中に有利状態を設定させる契機(特典遊技の実行)が成立した場合には、設定中の有利状態がクリアされ、特典遊技の終了後に、特典遊技に対応した期間の有利状態が設定されるだけであることから、有利状態が継続する期間の長さが固定されてしまい遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、有利状態が継続する期間の長さを不定にすることで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機MC1によれば、第1遊技状態が設定されている場合には、判別結果に基づいて、情報が記憶され、設定条件が成立するまで、第2遊技状態の設定が保留され、第2遊技状態が設定されている場合には、特殊判別結果となっても第2遊技状態へと移行させるための情報が記憶されないことで、設定されている遊技状態によって、情報が記憶されることへの価値を可変させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機MC1において、前記設定条件は、前記第1遊技状態を終了させる終了条件が成立した後に成立するようにされていることを特徴とする遊技機MC2。
遊技機MC2によれば、遊技機MC1の奏する効果に加え、第1遊技状態を終了条件が成立するまで継続させた後に、第2遊技状態へと移行させることができ、第1遊技状態の期間が短くなってしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機MC1またはMC2において、前記記憶手段に前記情報が記憶されている状態で、次に前記情報が記憶される場合には、先に記憶されている情報が保持された状態で、次に記憶される情報が記憶されるものであることを特徴とする遊技機MC3。
遊技機MC3によれば、遊技機MC1またはMC2の奏する効果に加え、複数の情報がそれぞれ記憶されることが可能であるので、第1遊技状態中に特殊判別結果が判別された回数分、情報が記憶されることが可能であり、第1遊技状態中に特殊判別結果と判別される期待を高めることができるという効果がある。
<特徴MD群:ストック報知制御>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合に第1特定設定を設定可能な第1設定手段と、前記判別手段による判別結果に基づいて成立可能な特定条件の成立に基づいて、前記特定遊技を実行せずに第2特定設定を設定可能な第2設定手段と、前記第1特定設定が設定された場合に、前記特定設定が解除されるまでの期間に対応した示唆情報を示唆することが可能な示唆手段と、前記第1特定設定が設定されている期間に前記特定条件が成立したことに基づいて、前記第2特定設定が解除されるまでの期間を更新条件の成立に基づいて更新することが可能な更新手段と、を有し、前記示唆手段は、前記更新手段により期間が更新された場合に、前記更新手段により更新された期間に対応して前記示唆情報を示唆する第1状態と、前記更新手段により更新される前の期間に対応して示唆情報を示唆する第2状態とが設定可能にされていることを特徴とする遊技機MD1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。
また、有利状態中に有利状態を設定させる契機(特典遊技の実行)が成立した場合には、設定中の有利状態がクリアされ、特典遊技の終了後に、特典遊技に対応した期間の有利状態が設定されるだけであることから、有利状態が継続する期間の長さが固定されてしまい遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、有利状態が継続する期間の長さを不定にすることで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機MD1によれば、第1特定設定が設定されている状態で特定条件が成立することで期間が更新されても、更新される前の期間に対応して示唆がされることで、第2特定設定が新たに設定されたという複雑な情報ではなく、あたかも設定されていた第1特定設定が継続して実行されているかのように思わせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機MD1において、更新手段は、前記第1特定設定が設定されている場合に、特定条件の成立に基づいて設定される前記第2特定設定が解除されるまでの期間が先に設定されている前記第1特定設定が解除されるまでの期間よりも長い場合に、期間を次に設定される前記第2特定設定に対応した期間に更新するものであることを特徴とする遊技機MD2。
遊技機MD2によれば、遊技機MD1の奏する効果に加え、第2特定設定が解除されるまでの期間が長くなる場合に期間が更新されることで、遊技者にとって特定条件が成立することで遊技者が不利となる不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機MD1またはMD2において、前記特定条件が成立した場合に、設定されている前記第1特定設定が解除されるまでの期間よりも短い期間で解除される第2特定設定が設定されるものであれば、前記特定条件が成立したことが無効とされるものであることを特徴とする遊技機MD3。
遊技機MD3によれば、遊技機MD1またはMD2の奏する効果に加え、特定条件が成立する、遊技者が不利益となることを抑制できるという効果がある。
<特徴ME群:確変中の時短図柄>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、第1設定がされる第1遊技状態と、第1設定とは異なる第2設定がされる第2遊技状態とを含む複数の遊技状態より1の遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、前記判別手段により判別結果が前記特定の判別結果とは異なる特殊判別結果である場合に、前記特定遊技を実行せずに特定設定を設定可能な特定設定手段と、前記第1遊技状態が設定されている期間に前記特殊判別結果と判別されたことに基づいて前記特定設定を設定するための情報が記憶される記憶手段と、設定条件の成立に基づいて前記記憶手段に記憶されている情報に対応して前記特定設定を設定させることが可能な後設定手段と、前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記特定設定が設定されることを規制させることが可能な規制手段と、を有し、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態が設定されている期間に前記特殊判別結果が判別されていない状態で移行条件が成立したことに基づいて設定されることが可能にされ、前記第1遊技状態が設定されている状態で前記特定設定が設定された場合には、前記移行条件とは異なる特定条件が成立した後に、前記第2遊技状態へと移行されることが可能にされていることを特徴とする遊技機ME1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態を含む複数の遊技状態のうち何れかが設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、特典遊技の終了後に設定される遊技状態は、所定の終了条件が成立した場合に必ず異なる遊技状態へと移行するように構成されていたため、複数の遊技状態を設定可能に構成された遊技機であっても、その遊技状態の移行内容が単調となってしまい、遊技者が遊技機飽きてしまう虞があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、特定の遊技状態が設定されている場合において、特定の終了条件が成立した場合であっても、異なる遊技状態へと移行可能に構成することで、遊技状態の移行内容をバリエーションに富んだものとし、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機ME1によれば、移行条件が成立するまでに特定設定が設定されると、移行条件が変更されるので、遊技者が期待する条件を変更させて遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機ME1において、前記移行条件は、前記判別手段により所定の判別結果と判別されたことに基づいて成立することが可能にされていることを特徴とする遊技機ME2。
遊技機ME2によれば、遊技機ME1の奏する効果に加え、特殊判別結果と判別されるよりも前に所定の判別結果となることで、第2遊技状態へ移行させることができるので、所定の判別結果となることへの期待感を高めることができるという効果がある。
遊技機ME1またはME2において、前記特定条件は、所定回数の判別が実行されたことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機ME3。
遊技機ME3によれば、遊技機ME1の奏する効果に加え、所定回数の判別が実行されるまで特定条件が成立しないので、一定期間以上、第2遊技状態が設定されることを規制することができ、第2遊技状態が設定される期間を短くすることができるという効果がある。
<特徴MF群:変動パターンテーブル切替>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により実行される前記識別情報の動的表示態様が決定された動的表示態様決定手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合に第1特定設定を設定可能な第1設定手段と、前記判別手段により判別結果が前記特定の判別結果とは異なる特殊判別結果である場合に、前記特定遊技を実行せずに第2特定設定を設定可能な第2設定手段と、前記第1特定設定が設定される場合に設定される第1情報が前記識別情報の動的表示が終了する毎に更新され、所定の第1情報に更新されたことに基づいて、前記第1特定設定を解除することが可能な第1解除手段と、前記第2特定設定が設定される場合に設定される第2情報が前記識別情報の動的表示が終了する毎に更新され、所定の第2情報に更新されたことに基づいて、前記第2特定設定を解除することが可能な第2解除手段と、を有し、前記動的表示態様決定手段は、前記第2情報が設定されている場合に、前記所定の第2情報となるまでの期間に対応した期間情報に基づいて動的表示態様を決定することが可能にされていることを特徴とする遊技機MF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が所定期間設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、上述した従来型の遊技機では、遊技の当否抽選の抽選結果を示唆可能な変動演出を所定期間実行することで、遊技の当否抽選が実行されてから、その抽選結果が報知されるまでの間、当たり当選を期待しながら変動演出に注視することで演出効果を高めるものが一般的である。
さらに、所定期間の遊技が実行され、有利状態の終了条件が成立する場合には、変動演出を用いて遊技の当否抽選の結果に加え、有利状態が終了することを示唆する演出も実行するために、他の変動演出が実行される期間よりも長めの期間を設定するように構成される遊技機もある。この場合、特典遊技が終了してから実行された抽選の回数に基づいて有利状態が終了し得るタイミングを特定し、有利状態が終了し得るタイミングに対応する変動演出の実行期間として、他のタイミングに対応する変動演出の実行期間よりも長い期間が設定されるように予め変動パターンが決定されるように構成されているものが一般的である。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、特典遊技が終了してからの抽選回数に基づいて変動パターンが規定されているため、有利状態が終了するタイミングが不定の場合には、有利状態が終了し得るタイミングに合わせて長い変動期間の変動パターンを決定することができず、有利状態が終了することを遊技者に確実に報知すること無く有利状態が終了してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまう虞があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、有利状態が終了するタイミングが不定の場合であっても、有利状態が終了し得るタイミングに合わせて長い変動時間の変動パターンを決定可能に構成することで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機MF1によれば、第2情報が設定されている場合に、所定の第2情報となるまでの期間情報に基づいて動的表示態様が決定されることで、第2特定設定が継続して設定される期間に対応した演出を識別情報の動的表示で実行させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機MF1において、複数の動的表示態様が設定されることが可能な動的表示態様群が複数記憶された記憶手段を有し、前記動的表示態様決定手段は、前記期間情報に対応した動的表示態様群より動的表示態様を決定することが可能にされていることを特徴とする遊技機MF2。
遊技機MF2によれば、遊技機MF1の奏する効果に加え、期間情報に対応して動的表示態様群が切替られるので、容易に期間情報によって動的表示態様を切替えて決定することが可能にできるという効果がある。
遊技機MF1またはMF2において、第1特定設定が設定されている状態で前記特殊判別結果と判別された場合には、前記第1特定設定が解除された後に、前記第2特定設定が前記期間情報に対応する期間で設定されるものであることを特徴とする遊技機MF3。
<特徴MG群:時短ストック制御>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合に第1特定設定を設定可能な第1設定手段と、前記判別手段により判別結果が前記特定の判別結果とは異なる特殊判別結果である場合に、前記特定遊技を実行せずに第2特定設定を設定可能な第2設定手段と、前記第1特定設定が設定されている期間に、前記特殊判別結果が判別されることに基づいて、前記第2設定手段により前記特定設定を設定させることが可能な情報を記憶されることが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている情報に基づいて、設定条件の成立に基づいて、記憶されている前記情報に対応した前記特定設定を設定することが可能な第3設定手段と、前記第2特定設定が設定されている場合に、前記特殊判別結果が判別されることに基づいて新たに判別された前記特殊判別結果に対応した第2特定設定が設定されるものであることを特徴とする遊技機MG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。
また、有利状態中に有利状態を設定させる契機(特典遊技の実行)が成立した場合には、設定中の有利状態がクリアされ、特典遊技の終了後に、特典遊技に対応した期間の有利状態が設定されるだけであることから、有利状態が継続する期間の長さが固定されてしまい遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、有利状態が継続する期間の長さを不定にすることで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機MG1によれば、第1特定設定が設定されている場合には、特殊判別結果となることで第2特定設定が設定されることが保留されて記憶される一方で、第2特定設定が設定されている場合には、特殊判別結果となったタイミングで新たに第2特定設定がされるので、状態によって、第2特定設定が設定されるタイミングを異ならせることで、第1特定設定中に特殊判別結果となる回数に興味を持たせて遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機MG1において、前記設定条件は、前記第1特定設定が解除される解除条件が成立したことに基づいて成立することが可能にされるものであることを特徴とする遊技機MG2。
遊技機MG2によれば、遊技機MG1の奏する効果に加え、第1特定設定を解除条件まで設定させた後に第2特定設定を設定させることができるので、第1特定設定が設定される期間をより長くすることができるという効果がある。
遊技機MG2において、前記解除条件は、前記判別手段により所定の判別結果と判別されたことに基づいて成立可能にされていることを特徴とする遊技機MG3。
遊技機MG3によれば、遊技機MG1またはMG2の奏する効果に加え、所定の判別結果と判別された後に、記憶手段に記憶されている情報に対応した第2特定設定が設定されるので、所定の判別結果が第2特定設定の設定契機とすることができ、所定の判別結果となることを期待させることができるという効果がある。
<特徴MH群:複数の時短当選制御>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合に特定設定を設定可能な第1設定手段と、前記判別手段により判別結果が前記特定の判別結果とは異なる特殊判別結果である場合に、前記特定遊技を実行せずに前記特定設定を設定可能な第2設定手段と、前記特定設定が設定されている期間に、前記特殊判別結果が判別されることに基づいて、前記第2設定手段により前記特定設定を設定させることが可能な情報を記憶させることが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている情報に基づいて、設定条件の成立に基づいて、記憶されている前記情報に対応した前記特定設定を設定することが可能な第3設定手段と、を有し、前記設定条件が成立するまでに複数の前記情報が前記記憶手段に記憶される場合には、前記複数の情報のうち、特定条件に対応した情報に基づく第2特定設定が設定されるものであることを特徴とする遊技機MH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。
また、有利状態中に有利状態を設定させる契機(特典遊技の実行)が成立した場合には、設定中の有利状態がクリアされ、特典遊技の終了後に、特典遊技に対応した期間の有利状態が設定されるだけであることから、有利状態が継続する期間の長さが固定されてしまい遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、有利状態が継続する期間の長さを不定にしながらも、過剰に継続してしまうことを抑制することで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機MH1によれば、第1特定設定が設定されている期間に複数の情報が記憶手段に記憶された場合には、特定条件に対応した情報に対応して特定設定が設定されるので、特定設定が過剰に設定される不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機MH1において、前記設定条件は、前記第1特定設定を解除する解除条件が成立した場合に設定可能にされていることを特徴とする遊技機MH2。
遊技機MH2によれば、遊技機MH1の奏する効果に加え、第1特定設定を解除条件まで設定させた後に第2特定設定を設定させることができるので、第1特定設定が設定される期間をより長くすることができるという効果がある。
遊技機MH1またはMH2において、前記第2特定設定が設定される場合に設定される第2情報が前記識別情報の動的表示が終了する毎に更新され、所定の第2情報に更新されたことに基づいて、前記第2特定設定を解除することが可能な第2解除手段を有し、設定される第2情報は、異なる情報が設定可能にされていることを特徴とする遊技機MH3。
遊技機MH3によれば、遊技機MH1またはMH2の奏する効果に加え、第2特定設定が設定される期間をランダムにでき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴MI群>
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1制御と、その第1制御よりも前記入球手段へと遊技球が入球し易くなる第2制御と、を少なくとも含む複数のうち1の制御を設定する制御設定手段と、前記第2制御が設定されている状態で予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第2制御から前記第1制御に切り替えることが可能な切替手段と、を備え、特定の遊技状態において、第1の状況と、その第1の状況よりも前記特定条件が成立した場合の有利度合いが高くなる第2の状況と、が成立し得る構成であることを特徴とする遊技機MI1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態を所定期間設定可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、所定期間の有利状態が設定されている状態で新たな当たりに当選した場合において、有利状態中であればどのタイミングで当たり当選した場合であっても付与される特典が同一であるため、当たり当選したタイミングについて遊技者に興味を持たせることができない単調な遊技となり、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう虞があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、同一の有利状態が設定されている状態において、当たり当選した場合の有利度合いを異ならせることが可能な状況を創出することで、当たり当選するタイミングについても遊技者に興味を持たせ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機MI1によれば、第1の状況の特定の遊技状態であるか、第2の状況の特定の遊技状態であるかに応じて、第2制御から第1制御に切り替えられた場合の有利度合いが可変するので、特定の遊技状態において、第2の状況であるか否かに注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機MI1において、少なくとも前記第2の状況の前記特定の遊技状態において前記特定条件が成立したことに基づいて、前記特定の遊技状態よりも有利度合いが高い第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機MI2。
遊技機MI2によれば、遊技機MI1の奏する効果に加え、第2の状況の特定の遊技状態において特定条件が成立すると、有利度合いが高い第1遊技状態に設定されるので、第2の状況となっている間に特定条件が成立することを強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機MI遊技機MI1又はMI2において、少なくとも前記第1の状況の前記特定の遊技状態において前記特定条件が成立したことに基づいて、前記特定の遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機MI3。
遊技機MI3によれば、遊技機MI1又はMI2の奏する効果に加え、第1の状況の特定の遊技状態において特定条件が成立すると、有利度合いが低い第2遊技状態に設定されるので、第1の状況となっている間に特定条件が成立しないことを強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機MI1からMI3のいずれかにおいて、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第2の状況は、前記第1の状況において前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて成立し得る状況であることを特徴とする遊技機MI4。
遊技機MI4によれば、遊技機MI1からMI3のいずれかが奏する効果に加え、第1の状況において特定条件が成立する前に第2の判別結果となることを期待させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機MI4において、前記制御設定手段は、前記第1制御が設定されている状態で前記判別手段の判別結果が前記第2の判別結果となったことに基づいて、前記第2制御を設定可能であることを特徴とする遊技機MI5。
遊技機MI5によれば、遊技機MI4の奏する効果に加え、第1制御が設定されている状態において第2の判別結果となることを期待させることができるという効果がある。
遊技機MI5において、前記第2制御が設定されている状態で前記判別手段の判別結果が前記第2の判別結果となった場合に、前記第2制御が重複して設定されることを回避する回避手段と、前記第2制御が設定されている状態で前記判別手段の判別結果が前記第2の判別結果となった場合に、前記第2の判別結果となったことを示す特定情報を前記特定条件が成立するまで記憶可能な記憶手段と、を備え、前記第1の状況は、前記記憶手段に前記特定情報が記憶されていない状況であり、前記第2の状況は、前記記憶手段に前記特定情報が記憶されている状況であることを特徴とする遊技機MI6。
遊技機MI6によれば、遊技機MI5の奏する効果に加え、特定情報が記憶手段に対して記憶されることを1つの目標として特定の遊技状態における遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機MI6において、前記制御設定手段は、前記記憶手段に対して前記特定情報が記憶されている状態で前記特定条件が成立したことに基づいて、前記第2制御を設定可能であることを特徴とする遊技機MI7。
遊技機MI7によれば、遊技機MI6の奏する効果に加え、記憶手段に対して特定情報が記憶されていれば、特定の遊技状態において特定条件が成立して第1制御に切り替えられたとしても、即座に第2制御が設定されるため、特定条件の成立後も第2制御を維持することができるという効果がある。
遊技機MI7において、前記記憶手段に対して前記特定情報が記憶されている状態で前記特定条件が成立したことに基づいて前記第2制御が設定された後の状態は、前記特定条件の成立前よりも、前記特定条件が成立し難くなる構成であることを特徴とする遊技機MI8。
遊技機MI8によれば、遊技機MI7の奏する効果に加え、特定条件の成立に基づいて第2制御が設定された場合、特定条件が成立し難い状態を形成するため、第2制御が長く継続し易い有利な状態を形成することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴MJ群>
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、第1の設定条件の成立に基づいて、第1制御と、その第1制御よりも前記判別手段の判別が実行され易くなる第2制御と、を少なくとも含む複数のうち1の制御を設定する第1制御設定手段と、第2の設定条件の成立に基づいて、前記第1状態設定手段により設定される制御と並列して実行可能な第3制御と、その第3制御よりも前記判別手段の判別が実行され易くなる制御であって前記第1状態設定手段により設定される制御と並列して実行可能な第4制御と、を少なくとも含む複数のうち1の制御を設定する第2制御設定手段と、少なくとも前記第1制御設定手段により前記第2制御が設定され、前記第2制御設定手段により前記第4制御が設定される第1遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第2制御を前記第1制御に切り替える切替手段と、を備えることを特徴とする遊技機MJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態を所定期間設定可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、有利状態が所定期間継続し、終了条件が成立した場合には、有利状態から通常状態へと移行してしまうため、状態の移行内容が単調となり遊技者が遊技に飽きてしまう虞があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、有利状態が設定されている状態において、当たり当選した場合の有利度合いを異ならせることが可能な状況を創出することで、当たり当選するタイミングについても遊技者に興味を持たせ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機MJ1によれば、第2制御と第4制御との両方が設定されている第1遊技状態において特定条件が成立した場合に、第4制御を維持したまま第2制御のみを第1制御に切り替えることができる斬新な制御を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機MJ1において、前記第1遊技状態において前記切替手段により前記第1制御に切り替えられた場合に、前記第1遊技状態よりも有利度合いが高い状態を形成する構成であることを特徴とする遊技機MJ2。
遊技機MJ2によれば、遊技機MJ1の奏する効果に加え、判別手段の判別が実行され難くなる制御に切り替えられたにもかかわらず有利度合いが高くなるという斬新な制御を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機MJ1又はMJ2において、前記第1遊技状態において前記特定条件とは異なる第2特定条件が成立したことに基づいて、前記第4制御を前記第3制御に切り替える第2切替手段を備えることを特徴とする遊技機MJ3。
遊技機MJ3によれば、遊技機MJ1又はMJ2の奏する効果に加え、第1遊技状態において特定条件が成立すると第4制御を維持したまま第1制御に切り替わる一方で、第2特定条件が成立すると、第2制御を維持したまま第3制御に切り替わるという、極めて特殊、且つ、斬新な制御を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機MJ1からMJ3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、その第1判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定の可変パターンで可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、第1の可変パターンで前記可変手段が可変される第1可変遊技と、前記第1の可変パターンよりも遊技球が前記入球手段へと入球し易くなる第2の可変パターンで前記可変手段が可変される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段と、を備え、前記第2制御は、前記第1制御よりも前記第1の判別結果となる確率が高くなる制御と、前記第1制御よりも前記種別決定手段により前記第2可変遊技が決定され易くなる制御と、のうちどちらかであることを特徴とする遊技機MJ4。
遊技機MJ4によれば、遊技機MJ1からMJ3のいずれかが奏する効果に加え、第2制御では、第1制御よりも、可変遊技が実行される確率が高くなるか、または入球手段へと入球し易い種別の可変遊技が実行され易くなるので、第2制御が設定された場合に遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機MJ4において、前記第2制御は、前記第1制御よりも前記第1の判別結果となる確率が高くなる制御であり、前記第4制御は、前記第3制御よりも前記種別決定手段により前記第2可変遊技が決定され易くなる制御であることを特徴とする遊技機MJ5。
遊技機MJ5によれば、遊技機MJ4の奏する効果に加え、切替手段により第1制御に切り替えられると、第2可変遊技が決定され易くなる制御が維持されたまま、第1の判別結果となる確率が低下するという極めて特殊、且つ、斬新な制御を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機MJ5において、少なくとも前記第1遊技状態において前記特定条件とは異なる第3特定条件が成立したことに基づいて、前記第2制御を前記第1制御に切り替え、前記第4制御を前記第3制御に切り替える第3切替手段と、前記第1制御と前記第4制御とに設定される第2遊技状態において前記特定条件とも前記第3特定条件とも異なる第4特定条件が成立したことに基づいて、前記第4制御を前記第3制御に切り替える第4切替手段と、を備え、前記第3特定条件は、前記第4特定条件よりも成立し易い条件であることを特徴とする遊技機MJ6。
遊技機MJ6によれば、遊技機MJ5の奏する効果に加え、第1遊技状態よりも第2遊技状態の方が、第1制御と第3制御とに設定される不利な状態へと移行する可能性が低くなるため、第1遊技状態において特定条件が成立することを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機MJ6において、前記第1遊技状態において第3特定条件が成立した時点で所定の設定条件が成立している場合に、前記第3切替手段による切り替え後に前記第2遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機MJ7。
遊技機MJ7によれば、遊技機MJ6の奏する効果に加え、第1遊技状態において所定の設定条件が成立した後で第3特定条件が成立することを強く期待させることができるという効果がある。
遊技機MJ7において、前記第2制御設定手段は、前記第3制御に設定される状態において前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1の判別結果となったことに基づいて、前記第4制御を設定可能であり、前記所定の設定条件は、前記第1遊技状態において前記第3特定条件が成立するよりも前に前記第1の判別結果となった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機MJ8。
遊技機MJ8によれば、遊技機MJ7の奏する効果に加え、第1遊技状態において第3特定条件が成立するよりも前に判別手段の判別結果が第1の判別結果となることを遊技者に期待させるという、極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴MK群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定の判別結果となることを示唆可能な第1演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記第1演出の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、前記特定遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合に第1特定設定を設定可能な第1設定手段と、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記特定遊技を実行せずに第2特定設定を設定可能な第2設定手段と、前記第1特定設定が設定されている期間に、前記第2設定手段により前記第2特定設定を設定させることが可能な情報を記憶させることが可能な記憶手段と、を有し、前記第2設定手段は、前記第1特定設定が終了した後に前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記第2特定設定を設定可能であり、前記演出態様決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて前記第1演出の演出態様を決定可能であることを特徴とする遊技機MK1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、遊技の抽選結果を示唆可能な変動演出を実行可能に構成し、実行される変動演出の内容に基づいて当たり当選したか否かを遊技者に予測させる楽しみを提供する構成が知られている。しかしながら、従来型の遊技機では、変動演出の内容によって抽選結果を遊技者に予測させることは可能であるが、当たり当選の有無以外の情報に基づいて変動演出の演出態様を可変させていないため、当たり当選の有無以外の要素によって遊技内容を可変させることが可能に構成された遊技機では、変動演出の内容に遊技者が興味を持たなくなってしまう虞があった。
また、従来型の遊技機では、当たり当選した場合に付与される特典の内容として、有利度合いの異なる特典を設定可能に構成することで、当たり当選だけで無く付与される特典の内容に対しても遊技者に興味を持たせる構成が提案されていた。しかしながら、付与される特典の内容や、当たり当選時における有利状態の設定有無に関わらず、抽選結果が当たりであることを示唆可能な変動演出として同一の演出が実行されるため、場合によっては当たり当選したことによって遊技者に不利な遊技を実行させてしまうにも関わらず、当たり当選を祝福する変動演出が実行されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、当たり当選した場合に付与される特典の内容と、遊技状況とに基づいて変動演出の演出内容を決定可能に構成することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機MK1によれば、特定の判別結果となることを示すための第1演出の演出態様を、記憶手段に記憶されている情報に基づいて決定することができるため、同一の特定遊技が実行される場合であっても、異なる演出態様の第1演出を実行することが可能となる。よって、第1演出の演出態様を把握することで、特定遊技の内容だけで無く記憶手段に記憶されている情報も把握することが可能となるため、遊技者が興味を持つ演出を実行することができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機MK1において、前記特定遊技実行手段により前記特定遊技が実行される場合に、前記記憶手段に記憶されている前記情報を消去可能な消去手段を有することを特徴とする遊技機MK2。
遊技機MK2によれば、遊技機MK1の奏する効果に加え、特定遊技が実行される場合に記憶手段に記憶されている情報が消去されることから、第1特定設定が設定されている状態にて実行される第1演出の演出態様を把握することで、特定遊技の内容と、消去されてしまう情報の内容と、を遊技者に予測させることが可能となる。よって、実行される第1演出の演出態様に基づいて特定遊技が実行されることを期待させたり、特定遊技が実行されないことを期待させたりすることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機MK2において、前記演出態様決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記情報が第1状態である場合に前記第1演出として遊技者に有利であることを示すための第1演出態様と、前記1状態とは異なる第2状態である場合に遊技者に不利であることを示すための第2演出態様と、を決定可能であることを特徴とする遊技機MK3。
遊技機MK3によれば、遊技機MK2の奏する効果に加え、第1演出態様で第1演出が実行された場合には、特定遊技が実行されることを遊技者に期待させながら第1演出を実行し、第2演出態様で第1演出が実行された場合には、特定遊技が実行されないことを遊技者に期待させながら第1演出を実行することができる。よって、遊技者に分かり易い演出を実行することができるという効果がある。
<特徴ML群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定の判別結果となることを示唆可能な第1演出と、前記特定の判別結果とは異なる第2判別結果となることを示唆可能な第2演出とを実行可能な演出実行手段と、前記特定遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合に第1特定設定を設定可能な第1設定手段と、前記判別手段による判別結果が前記第2判別結果となったことに基づいて、前記特定遊技を実行せずに第2特定設定を設定可能な第2設定手段と、前記第1特定設定が設定されている期間に、前記第2設定手段により前記第2特定設定を設定させることが可能な情報を記憶させることが可能な記憶手段と、を有し、前記第2設定手段は、前記第1特定設定が終了した後に前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記第2特定設定を設定可能であり、前記演出実行手段は、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記第1演出を実行させた後に前記第2演出を実行させる第1特定演出と、前記第2演出を実行させた後に前記第1演出を実行させる第2特定演出と、を実行可能であることを特徴とする遊技機ML1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
このような従来型の遊技機では、当たり当選した場合において、特典遊技の終了後に有利状態を設定する第1特典、又は、特典遊技の終了後に有利状態が設定されない第2特典を付与可能に構成することで、当たり当選だけで無く付与される特典の内容に対しても遊技者に興味を持たせる構成が提案されていた。
さらに、遊技の抽選結果を示唆可能な変動演出を実行可能に構成し、実行される変動演出によって当たり当選の有無、及び、付与される特典の内容を遊技者に予測させる楽しみを提供する構成が知られている。しかしながら、従来型の遊技機では、当たり当選した場合のみ特典遊技の終了後に有利状態を設定可能に構成していることから、変動演出によって、当たり当選の有無、及び、付与される特典の内容を遊技者に予測可能に構成したとしても、当たり当選していないことが報知された場合には、実行される変動演出の内容に関わらず、特典が付与されないことが確定してしまうため、演出効果が低下してしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、実行される変動演出の演出効果を高めることにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機ML1によれば、判別手段の判別結果に基づいて、第1演出と第2演出の実行順序を切り替えた特定演出を実行することができるため、先に実行される側の演出結果によって後に実行され得る演出の結果が事前に把握されてしまうことを抑制することができる。よって、実行される演出に対して遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができ、実行される変動演出の演出効果を高めることにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機ML1において、前記遊技機は、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記第2判別結果である場合よりも前記第2特定演出を実行させ易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機ML2。
遊技機ML2によれば、遊技機ML1の奏する効果に加え、実行される演出の後半にて判別手段による判別結果を報知し易くすることができるため、実行される演出に対して遊技者に継続して興味を持たせることができる。よって、実行される変動演出の演出効果を高めることにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機ML1又はML2において、前記遊技機は、前記第1特定設定が設定されている期間と、前記第2特定設定が設定されている期間とで、同一の有利状態を付与可能に構成しており、前記演出実行手段は、前記特定の判別結果として、前記特定遊技の終了後に前記第1特定設定が設定される判別結果となった場合には、前記第1演出と前記第2演出との演出期間の少なくとも一部が重複する第3特定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機ML3。
遊技機ML3によれば、遊技機ML1又はML2の奏する効果に加え、第3特定演出が実行された場合には、何れの特典も付与されることを分かり易く報知することができるため、演出効果を高めることが出来るという効果がある。
<特徴MM群>
判別情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記判別情報が記憶される情報記憶手段と、その情報記憶手段に記憶されている前記判別情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により判別が実行されるよりも前に前記情報記憶手段に記憶されている前記判別情報に基づいて判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段による事前判別結果に基づいた事前演出を実行することが可能な事前演出実行手段と、前記特定遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合に第1特定設定を設定可能な第1設定手段と、前記判別手段による判別結果に基づいて、前記特定遊技を実行せずに第2特定設定を設定可能な第2設定手段と、前記第1特定設定が設定されている期間に、前記第2設定手段により前記第2特定設定を設定させることが可能な情報を記憶させることが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている情報に基づいて、設定条件の成立に基づいて、記憶されている前記情報に対応した特典を付与する特典付与手段と、記憶手段に記憶されている前記情報に対応した示唆演出を実行することが可能な示唆演出実行手段と、を有し、前記示唆演出実行手段は、前記事前演出実行手段により実行されている前記事前演出が所定の条件を満たす場合に、特定の示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機MM1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて抽選情報を取得し、取得した抽選情報が所定数を上限に記憶される構成を有し、抽選条件が成立した場合に、記憶された抽選情報を用いて当否が抽選され、その抽選結果が停止表示され、停止表示された抽選結果が当たり当選である場合に特典遊技が実行される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
さらに、当否抽選に用いられるよりも前に記憶されている抽選情報を事前判別し、事前判別結果を示唆可能な示唆演出を実行することにより、当たり当選の期待度を示す演出の実行期間をより長くすることで演出効果を高める構成が提案されていた。しかしながら、従来型の遊技機では、示唆演出により当たり当選の期待度のみが遊技者に報知されるため、例えば、抽選情報に基づく抽選の結果として当たり当選以外の抽選結果によって遊技者に有利な特典を付与可能に構成された遊技機においては、示唆演出の演出内容に対する遊技者の興味が低下してしまう虞があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、実行される演出の演出効果を高めることにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機MM1によれば、事前演出と示唆演出とを対応させて特定の示唆演出を実行させることができるので、特定の示唆演出と事前演出とを関連して報知することができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機MM1において、前記第2設定手段は、前記第1特定設定が解除されたことに基づいて前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて前記第2特定設定を設定することが可能にされているものであることを特徴とする遊技機MM2。
遊技機MM2によれば、遊技機MM1の奏する効果に加え、第1特定設定に引き続き第2特定設定が設定されるので、第1特定設定が継続して長く設定されているかのように思わせ易くできるという効果がある。
遊技機MM1またはMM2において、前記示唆演出実行手段は、前記第1特定設定が解除される場合に示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機MM3。
遊技機MM3によれば、遊技機MM1またはMM2の奏する効果に加え、第1特定設定が解除される場合に記憶手段に記憶されている情報に対応する示唆演出が実行されるので、示唆演出により設定される第2特定設定の情報を報知でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴MN群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合に第1特定設定を設定可能な第1設定手段と、前記第1特定設定が設定されている場合に、前記判別手段により前記特定の判別結果とは異なる特殊判別結果と第1回数判別されたことに基づいて前記第1特定設定を解除させることが可能な第1解除手段と、特定条件の成立に基づいて、前記第1回数を増加させる演出を実行させることが可能な演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機MN1。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがあった。さらに、特典遊技の終了後に遊技者に有利となる有利状態を設定可能に構成されているものがある(例えば、特開2015-13075号公報)。また、このような遊技機においては、予め定められた特定の終了条件が成立した場合に有利状態が終了するように構成しているため、有利状態が終了するタイミングを遊技者に容易に把握されてしまい、有利状態の終了が近づくにつれ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。上記した遊技機において、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することで、遊技の興趣を向上させた遊技を提供することを目的とする。
遊技機MN1によれば、特定条件が成立することで、第1回数が増加される演出がされるので、特定条件が成立することで、第1特定設定が設定される期間を長くさせる期待を持たせることができ、特定の判別結果だけでなく、特定条件が成立するか否かにも興味を持たせて遊技を行わせて遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機MN1において、前記特定条件は、前記判別手段により第2特定設定が設定されるための第2判別結果と判別されたことに基づいて成立可能にされていることを特徴とする遊技機MN2。
遊技機MN2によれば、遊技機MN1の奏する効果に加え、第2判別結果と判別手段により判別されることで特定条件が成立することが可能にされるので、特定の判別結果以外にも、遊技の状態が可変されるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機MN1またはMN2において、前記判別手段により前記第2判別結果と判別されることに基づいて前記第2特定設定を設定させるための情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて第2特定設定を設定することが可能な第2設定手段と、前記特殊判別結果と第2回数判別されたことに基づいて前記第2特定設定を解除させる第2解除手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機MN3。
遊技機MN3によれば、遊技機MN1またはMN2の奏する効果に加え、第2特定設定が設定された場合に、特殊判別結果が第2回数判別されたことで第2特定設定が解除されることで、第1特定設定が再度設定されたかのように思わせることができ、第1特定設定が長く設定されているかのように思わせることができるという効果がある。
遊技機MN1からMN3のいずれかにおいて、前記演出実行手段は、前記記憶手段に記憶された情報に対応した前記第2回数に基づいて前記第1回数が増加したことを示すための演出を実行するものであることを特徴とする遊技機MN4。
遊技機MN4によれば、遊技機MN1からMN3のいずれかの奏する効果に加え、記憶手段に記憶された情報に対応した第2回数に基づいて演出が実行されるので、特殊判別結果となる回数を第2回数と対応させて識別させることができるという効果がある。
遊技機MN1からMN4のいずれかにおいて、前記第2設定手段は、前記第1特定設定が解除されたことに基づいて前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて前記第2特定設定を設定可能にされていることを特徴とする遊技機MN5。
遊技機MN5によれば、遊技機MN1からMN4のいずれかの奏する効果に加え、第1特定設定に引き続き第2特定設定がされるので、第1特定設定が継続して設定されているかのように見せやすくできるという効果がある。
<5080系の特徴群その2>
<特徴NA群>外れろ演出
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための複数の図柄を動的表示させた後に、前記判別結果を示すための組み合わせで前記図柄を停止表示させることが可能な動的表示手段と、を有した遊技機において、前記複数の図柄のうち、1の図柄を動的表示させ、その1の図柄が停止表示されることで特定の組み合わせで図柄を表示させることが可能な有利状態とさせることが可能な有利動的表示手段と、その有利状態である場合に、前記特定の組み合わせ以外となるように前記1の図柄以外が停止表示されるように示唆することが可能な第1示唆実行手段と、前記有利状態である場合に、前記特定の組み合わせとなるように前記1の図柄が停止表示されるように示唆することが可能な第2示唆実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機NA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、さらに、当たり種別が有利種別である場合には特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定され、有利種別とは異なる当たり種別である場合には特典遊技の終了後に有利状態よりも不利な遊技状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。さらに、遊技の当否抽選の結果を示唆可能な変動演出を実行することで遊技者に対して当たり当選への期待感を持たせながら長時間遊技を行わせる構成が提案されていた。
しかしながら、従来型の遊技機では、設定されている遊技状態や当たり種別に関わらず、当たり当選している場合には当たり当選の期待度が高いことを示唆する変動演出が実行されてしまうため、例えば、有利状態が設定されている状態で有利状態が終了してしまう当たりに当選した場合であっても、遊技者を祝福してしまう変動演出が実行されていまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NA1によれば、有利状態が設定されている場合に示唆態様が切り替えられることで、特定の組み合わせとなることへの期待度を可変させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NA1において、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記第2遊技状態が設定されている状態において、前記第1示唆実行手段により示唆が実行されることが可能にされていることを特徴とする遊技機NA2。
遊技機NA2によれば、遊技機NA1の奏する効果に加え、第2遊技状態である場合に、第1示唆態様による示唆が実行可能にされることで、遊技者に第1示唆態様により、遊技状態を識別させることが可能にでき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機NA1またはNA2において、前記第1示唆実行手段は、前記特定の組み合わせで図柄が表示された場合に、遊技者に不利となる特定の設定がされる場合に、示唆を実行することが可能なものであることを特徴とする遊技機NA3。
遊技機NA3によれば、遊技機NA1またはNA2の奏する効果に加え、遊技者に不利となる特定の設定がされることを回避されるように第1示唆実行手段によりされる示唆態様により期待することができ、特定の組み合わせとなった後の状態も合わせて遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴NA群変形例>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための複数の図柄を動的表示させた後に、前記判別結果を示すための組み合わせで前記図柄を停止表示させることが可能な動的表示手段と、を有した遊技機において、前記複数の図柄のうち、1の図柄を動的表示させ、その1の図柄が停止表示されることで特定の組み合わせで図柄を表示させることが可能な有利状態とさせることが可能な有利動的表示手段と、前記有利状態である場合に前記特定の組み合わせで表示されることで遊技者に有利であることを示唆する第1示唆態様を実行する第1状態と、前記特定の組み合わせと異なる組み合わせで表示されることで遊技者に有利となる第2示唆態様を実行する第2状態と、を設定することが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機NAQ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、さらに、当たり種別が有利種別である場合には特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定され、有利種別とは異なる当たり種別である場合には特典遊技の終了後に有利状態よりも不利な遊技状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。さらに、遊技の当否抽選の結果を示唆可能な変動演出を実行することで遊技者に対して当たり当選への期待感を持たせながら長時間遊技を行わせる構成が提案されていた。
しかしながら、当否抽選が当り当選であることを示す演出結果が表示されることを遊技者に期待させるためだけの変動演出が実行されることになるため、遊技が単調となる問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NAQ1によれば、第1条件が成立している場合に、有利状態が設定されている場合に示唆態様が切り替えられることで、特定の組み合わせとなることへの期待度を反転させることで、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴NB群>
演出態様が表示されることが可能な表示手段と、その表示手段に特定の演出態様が実行された場合に遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記表示手段に表示される表示態様を第1表示態様から複数の表示態様に可変させることが可能な表示可変手段と、第1条件の成立に基づいて前記第1表示態様に表示態様を可変させることが可能な第1表示態様可変手段と、前記複数の表示態様のうち、特定の表示態様に可変された場合に、前記第1条件の成立に基づいて前記第1表示態様へ可変させることを規制することが可能な規制手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機NB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、さらに、当たり種別が有利種別である場合には特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定され、有利種別とは異なる当たり種別である場合には特典遊技の終了後に有利状態よりも不利な遊技状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。さらに、遊技の当否抽選の結果を示唆可能な変動演出を実行することで遊技者に対して当たり当選への期待感を持たせながら長時間遊技を行わせる構成が提案されていた。
しかしながら、同一の演出態様の変動演出が連続して実行されてしまうことで演出効果が低下してしまうという問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NB1によれば、第1表示態様から複数の表示態様に可変させ、第1条件が成立すると、第1表示態様に戻って表示される構成である一方で、特定の表示態様が表示されると、第1条件が成立したとしても、第1表示態様に戻って表示がされないので、所定の表示態様から切り替わって表示される表示態様の順序をランダムにすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NB1において、前記第1表示態様および複数の表示態様は、前記表示手段で実行される演出態様の背面側で表示されるものであることを特徴とする遊技機NB2。
遊技機NB2によれば、遊技機NB1の奏する効果に加え、演出態様の背面側で表示されることで、演出態様を妨げることを抑制でき、分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機NB1またはNB2において、前記第1条件は、前記複数の表示態様のうち、1の表示態様である所定の表示態様が表示されている状態で成立可能にされているものであることを特徴とする遊技機NB3。
遊技機NB3によれば、遊技機NB1またはNB2の奏する効果に加え、所定の表示態様が表示されることで第1表示態様の戻ることができ、周期性のある表示をすることができ、遊技を分かり易くできるという効果がある。
遊技機NB1またはNB2において、判別を実行可能な判別手段を有し、前記演出態様は、前記判別手段による判別結果を示すための識別情報を動的表示した後に、前記判別結果を示すための態様で表示させることが可能に構成されており、前記第1条件は、前記識別情報が前記判別結果を示すための態様で表示されたことに基づいて成立可能にされていることを特徴とする遊技機NB4。
遊技機NB4によれば、遊技機NB1またはNB2の奏する効果に加え、1の判別結果を遊技者に報知する毎に、第1表示態様へと移行させることができ、遊技者に周期的に判別結果を報知することができるという効果がある。
<特徴NB変形例>
第1演出態様を実行可能な第1演出態様実行手段と、前記第1演出態様とは異なる第2演出態様を実行可能な第2演出態様実行手段と、を有した遊技機において、第1条件の成立に基づいて前記第1演出態様と前記第2演出態様とを同期させた演出として実行させることが可能な同期演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機NBQ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、さらに、当たり種別が有利種別である場合には特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定され、有利種別とは異なる当たり種別である場合には特典遊技の終了後に有利状態よりも不利な遊技状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。さらに、遊技の当否抽選の結果を示唆可能な変動演出を実行することで遊技者に対して当たり当選への期待感を持たせながら長時間遊技を行わせる構成が提案されていた。
しかしながら、同一の演出態様の変動演出が連続して実行されてしまうことで演出効果が低下してしまうという問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NBQ1によれば、第1条件の成立に基づいて第1演出態様と第2演出態様とが同期させて実行されるので、第1条件の成立を第1演出態様と第2演出態様とを組み合わせた態様より識別することが可能となり、第1演出態様と第2演出態様とを組み合わせた態様に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機NBQ1において、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有し、前記第1演出態様は、前記識別情報が動的表示される期間に前記判別結果に基づいた演出が実行されるものであり、前記第2演出態様は、前記第1演出態様とは独立して決定された演出態様を前記識別情報が動的表示される期間に実行可能にされていることを特徴とする遊技機NBQ2。
遊技機NBQ2によれば、遊技機NBQ1の奏する効果に加え、第2演出態様は、第1演出態様とは独立して決定された演出態様を識別情報が動的表示されている期間に実行可能にされているので、判別結果に基づいた第1演出態様と、組み合わせて独立して決定された第2演出態様とで、識別情報が動的表示される期間に実行される演出を多様にすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機NBQ1またはNBQ2において、前記第1演出態様は、前記識別情報に対応した図柄を所定方向に動的表示させる演出が含まれているものであり、前記第1条件の成立に基づいて、前記図柄を動的表示させる方向を可変させることで前記第2演出態様と同期させる演出とさせることが可能にされているものであることを特徴とする遊技機NBQ3。
遊技機NBQ3によれば、遊技機NBQ1またはNBQ2の奏する効果に加え、第1演出態様における図柄の動的表示方向を第2演出態様に同期させるように可変させることで第1条件の成立を報知することが可能となり、図柄の動的表示方向が可変されることを期待して遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴NC群>
第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果を示すための第1識別情報が動的表示されることが可能な表示手段と、その表示手段に特定の前記第1判別結果を示すための態様で第1識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1設定を設定可能な第1設定手段と、第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段による第2判別結果が特定の第2判別結果であることに基づいて第2設定を設定することが可能な第2設定手段と、を有した遊技機において、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを設定することが可能な遊技状態設定手段と、前記第2遊技状態が設定された場合に、前記特定の第2判別結果と判別される確率を高く設定することが可能な確率設定手段と、前記第1遊技状態が設定されている場合に、前記特定の第2判別結果が判別されたことに基づいて次に前記識別情報が停止表示されるタイミングに基づいて特定演出を実行することが可能な特定演出実行手段と、を有し、前記特定演出実行手段は、前記第2遊技状態が設定される場合に、前記識別情報の停止表示されるタイミングに基づいて前記特定演出を実行することが可能にされていることを特徴とする遊技機NC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果を報知するまでの期間に演出を実行することができる遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、演出が抽選結果を報知するためのものに偏りがちで遊技が単調となる問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NC1によれば、識別情報が停止表示されるタイミングで特定演出がされることで、特定の第2判別結果に基づくものか、第2遊技状態が設定されたものかを予測させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機NC1において、前記遊技状態設定手段は、前記識別情報の動的表示期間が終了した場合に、特定条件が成立していることに基づいて前記第2遊技状態を設定することが可能にされ、前記特定演出実行手段は、特定条件が成立している場合に前記識別情報の停止表示されるタイミングに基づいて前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機NC2。
遊技機NC2によれば、遊技機NC1の奏する効果に加え、第2遊技状態が設定されるタイミングに合わせて特定演出を実行させることができ、特定演出が実行されたことで、第2遊技状態が設定されたことを期待させることができ、遊技を継続して実行させることができるという効果がある。
<特徴ND群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、複数の演出から1の演出を決定することが可能な演出決定手段と、その演出決定手段により決定されることが可能な演出に対応した情報を示唆することが可能な示唆手段と、を有したことを特徴とする遊技機ND1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果を報知するための演出として複数の演出が用意され、所定の選択条件によって選択された演出が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、遊技が単調となる問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機ND1によれば、演出決定手段により決定される演出の種別を示唆手段により示唆される内容により識別することができ、どの演出が決定されるかの予測をさせ易くできるという効果がある。
遊技機ND1において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、その操作手段が操作されることに基づいて前記演出に対応した情報を可変させることが可能な可変手段と、を有し、遊技者に有利となる特典が付与され易い場合に、前記可変手段により特定の情報に可変され易くされているものであることを特徴とする遊技機ND2。
遊技機ND2によれば、遊技機ND1の奏する効果に加え、操作手段を操作することで、示唆されている演出に対応した情報を可変させることができ、特定の情報に可変されることで、特典が付与されることを期待できるので、操作手段を操作させて演出に対応した情報を可変させて遊技をする意欲を増大させることができるという効果がある。
遊技機ND1またはND2において、前記示唆手段により示唆される示唆態様は、設定情報に基づいて前記複数の演出より所定数の演出に対応した情報を示唆するもので構成されることを特徴とする遊技機ND3。
遊技機ND3によれば、遊技機ND1またはND2の奏する効果に加え、設定情報に基づいて複数の演出より所定数の演出に対応した情報が示唆されるので、遊技者に示唆される演出により興趣を可変させることができるという効果がある。
遊技機ND2またはND3において、前記可変手段は、前記操作手段が操作された回数に基づいて前記演出に対応した情報を複数回、可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機ND4。
遊技機ND4によれば、遊技機ND2またはND2の奏する効果に加え、操作手段が操作された回数によって、複数回情報を可変させることができるので、操作手段を複数回遊技者に操作させることができ、操作手段を操作した遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機ND1からND4において、前記判別手段により特定の判別結果が判別されることに基づいて前記演出決定手段により決定される演出の種類を増加させること可能にされていることを特徴とする遊技機ND5。
遊技機ND5によれば、遊技機ND1からND4のいずれかの奏する効果に加え、特定の判別結果と判別されることに基づいて決定される演出の種類を増加させることができることで、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴ND群変形例>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により実行される演出態様を決定することが可能な演出態様決定手段と、更新条件の成立に基づいて、複数の演出態様のうち、前記演出態様決定手段により決定することが可能な演出態様を選択することが可能な選択手段と、特定条件の成立に基づいて、前記演出態様決定手段により決定することが可能な演出態様として、特定の組み合わせの演出態様を選択可能に設定することが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機NDQ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果を報知するための演出として複数の演出が用意され、所定の選択条件によって選択された演出が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、遊技が単調となる問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NDQ1によれば、特定条件の成立により、特定の組み合わせの演出態様を選択可能にさせることができるので、更新条件が成立されて選択される演出態様が可変する構成に加えて、意外性のある演出を実行させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴NE群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な表示手段と、その表示手段に特定の判別結果を示すための態様で識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、特定条件が成立することに基づいて演出を実行することが可能な演出実行手段と、前記特定条件が成立可能な期間であることを示唆可能な示唆態様を前記表示手段に表示させることが可能な示唆手段と、を有し、前記演出実行手段は、表示された前記示唆態様に対応した演出を実行することが可能にされていることを特徴とする遊技機NE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果を報知するための演出として複数の演出が用意され、所定の選択条件によって選択された演出が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、複数種類の演出を実行可能とすることで遊技者に対してバリエーションに富んだ演出を提供することができる一方で、後に実行される演出の内容を遊技者に予測させ難くなることから、遊技者に実行される演出の内容を予測させながら継続して遊技を楽しませ難くなり遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NE1によれば、特定条件が成立する前に表示される示唆態様に対応した演出を実行可能にされているので、遊技者に特定条件が成立する前から実行される演出の内容について期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NE1において、前記示唆態様は、複数の示唆態様より1の示唆態様が決定されるものであり、特定の示唆態様が実行されている場合に、前記特定条件が成立したことに基づいて前記特定の示唆態様が第1態様に可変されることで遊技者に有利となる演出が実行され易くされていることを特徴とする遊技機NE2。
遊技機NE2によれば、遊技機NE1の奏する効果に加え、特定の示唆態様が実行されることで特定条件が成立した後にも第1態様に可変されるかについて興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NE1またはNE2において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記特定条件は、前記示唆態様が表示されている期間に前記操作手段が操作されることに基づいて成立することが可能にされているものであり、第2示唆態様が表示されている期間に、前記操作手段が操作された場合に、前記第2示唆態様が継続して表示されることにより、前記操作手段を操作して前記特定条件が成立する機会が付与されるものであることを特徴とする遊技機NE3。
遊技機NE3によれば、遊技機NE1またはNE2の奏する効果に加え、第2示唆態様が表示されていることで操作手段が操作されて、特定条件が成立した後にも第2示唆態様が継続して表示されることで、短期間に特定条件を連続して成立させることが可能となり、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴NF群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための態様で識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報が動的表示されることが可能な期間に演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により実行される第1演出態様とその第1演出態様とは異なる第2演出態様とを決定することが可能な演出態様決定手段と、を有し、前記第1演出態様と前記第2演出態様とを組み合わせた条件が第1条件を満たす場合に、遊技者に有利となる報知態様が実行され易いものであることを特徴とする遊技機NF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果を報知するための演出として複数の演出が用意され、所定の選択条件によって選択された演出が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、複数の演出を実行する場合であっても、重複して実行される演出の種別によって期待度を異ならせることができず、遊技が単調となる問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NF1によれば、第1演出態様と第2演出態様とをくみあわせた条件を識別することで実行される報知態様への期待度を可変させて遊技を行わせることができるので、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NF1において、前記識別情報は、複数の図柄で構成されており、図柄を組み合わせた態様により前記判別結果を示すことが可能にされ、前記第1演出態様は、前記識別情報が動的表示されることが可能となる期間から一定期間、動的表示させずに前記図柄を停止表示させた停止表示態様を継続させる演出であることを特徴とする遊技機NF2。
遊技機NF2によれば、遊技機NF1の奏する効果に加え、第1演出態様は、識別情報が動的表示可能な期間が開始されても図柄を停止表示態様で継続させる演出であるので、遊技者は、動的表示期間の開始から第1演出態様が実行されることを期待させることができるという効果がある。
遊技機NF2において、前記第2演出態様は、前記停止表示態様で表示される前記図柄の組み合わせ態様であることを特徴とする遊技機NF3。
遊技機NF3によれば、遊技機NF2の奏する効果に加え、第2演出態様が停止表示態様で表示される図柄の組み合わせ態様であることから、1の判別結果を示す態様で図柄が停止表示され、その図柄組み合わせにより第1条件の成立を期待させ、第1演出態様の実行への期待度を可変させることができるという効果がある。
遊技機NF3において、前記第1条件は、前記第1演出態様が実行される期間と、前記第2演出態様における図柄の組み合わせとが成立条件として設定されているものであることを特徴とする遊技機NF4。
遊技機NF4によれば、遊技機NF3の奏する効果に加え、1の判別結果を示す組み合わせで図柄が表示された場合に、その図柄の組み合わせが第1条件の成立条件に該当するものであれば、次の識別情報の動的表示の開始時に第1演出態様が実行される期間に対して興味を集中させることができ、段階的に期待を持たせて興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴NG群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された情報が記憶されたことに対応して識別図柄を表示させることが可能な識別図柄表示手段と、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための態様で識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別図柄が表示されたことに基づいて演出態様を実行することが可能な演出態様実行手段と、その演出態様実行手段により実行された演出態様が特定演出態様に可変されたタイミングに対応した報知態様を実行させることが可能な報知実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機NG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、始動口に遊技球が入球した際に、抽選結果の報知をするための演出が実行されており、新たな抽選結果をすぐに報知できない場合に、抽選が実行される権利が保留され、保留されていることを示す図柄が表示される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、保留されていることを示す図柄が表示されるのみであり、遊技が単調となる問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NG1によれば、識別図柄が表示されたことに基づいて実行された演出態様が特定演出態様に可変するタイミングに興味を持たせることができ、判別手段の判別結果以外にも興味を持たせることで、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機NG1において、前記判別手段による判別が実行されるよりも前に、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行することが可能な事前判別手段と、前記演出態様実行手段は、前記事前判別手段による判別結果に基づいて前記演出態様の実行をするものであることを特徴とする遊技機NG2。
遊技機NG2によれば、遊技機NG1の奏する効果に加え、事前判別手段による判別結果に基づいて演出態様の実行がされるので、演出態様が実行されることで事前判別手段による判別結果に対して興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機NG1またはNG2において、前記演出態様は、その演出態様が実行された際に判別された前記情報に対応する前記識別情報の動的表示が開始されるまでの期間表示されることが可能にされていることを特徴とする遊技機NG3。
遊技機NG3によれば、遊技機NG1またはNG2の奏する効果に加え、対応する識別情報が動的表示されるまでの期間で演出態様が表示されるので、演出態様が表示されていことで、その後に実行されている識別情報の動的表示の報知される判別結果について期待を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴NH群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報が動的表示される期間に複数の絵柄を表示させることが可能な絵柄表示手段と、その絵柄表示手段により表示された複数の絵柄のうち、1の絵柄を決定することが可能な絵柄決定手段と、前記絵柄決定手段により決定された前記絵柄に対応した演出を実行することが可能な演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機NH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果が報知されるまでの期間で演出を実行させる遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらに多様な演出が実行されることで遊技の興趣を向上させる遊技機が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NH1によれば、複数の絵柄のうち、決定された絵柄に対応した演出が実行されることで、どの絵柄が決定されるかに興味を持たせることで遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NH1において、前記複数の絵柄が表示される場合に、1の絵柄に対して複数の図柄のうち、1の図柄を表示させることが可能な図柄表示手段と、前記図柄が表示された場合に、表示された図柄とその図柄表示された前記絵柄とに対応した情報を決定することが可能な情報決定手段と、を有し、前記演出実行手段は、情報決定手段により決定された情報に対応した演出を実行可能にされていることを特徴とする遊技機NH2。
遊技機NH2によれば、遊技機NH1の奏する効果に加え、図柄と絵柄との組み合わせに対応した情報に基づいた演出が実行されるので、遊技者に絵柄と図柄との組み合わせについて興味を持たせて実行される演出態様を事前に予測させることができるという効果がある。
遊技機NH2において、前記絵柄とは異なる第2絵柄を表示させることが可能な第2絵柄表示手段と、その第2絵柄表示手段により表示された複数の第2絵柄のうち、1の第2絵柄を決定することが可能な第2絵柄決定手段と、前記第2絵柄決定手段により決定された前記第2絵柄と、前記絵柄決定手段により決定された前記絵柄とに対応した複合演出を実行することが可能な複合演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機NH3。
遊技機NH3によれば、遊技機NH2の奏する効果に加え、絵柄と第2絵柄との組合せに対応した複合演出を実行することができるため、さらにバリエーションに富んだ演出を実行させることができるという効果がある。
<特徴予備>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、第1示唆態様と、その第1示唆態様とは異なる第2示唆態様とを示唆することが可能な示唆手段を有し、前記遊技機は、前記示唆手段により前記第1示唆態様が実行されている場合には、前記特定の判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に、前記特典として第1特典が付与され易くされ、前記示唆手段により前記第2示唆態様が実行されている場合には、前記特定の判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に、前記第1特典と、前記第1特典とは異なる第2特典とが付与され易くされていることを特徴とする遊技機NK1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果が報知されるまでの期間で演出を実行させる遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらに多様な演出が実行されることで遊技の興趣を向上させる遊技機が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NK1によれば、第1示唆態様が示唆されている状態と第2示唆態様が示唆されている状態とで付与される特典の種別を遊技者が予測し易くすることで、特定の判別結果への期待を示唆される示唆態様で可変させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機NK1において、前記判別手段により判別されることが可能な情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に前記情報が記憶された場合に、その記憶された前記情報を前記判別手段により判別が実行されるよりも前に判別を実行することが可能な事前判別手段と、を有し、前記第2示唆態様は、前記事前判別手段により前記判別手段により前記特定の判別結果と判別される情報であると判別された場合に示唆されることが可能にされていることを特徴とする遊技機NK2。
遊技機NK2によれば、遊技機NK1の奏する効果に加え、特定の判別結果と判別される情報が記憶されていることを第2示唆態様で識別することができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機NK2において、前記第2示唆態様が示唆されるタイミングにより前記特定の判別結果を示す態様が表示された場合に前記第2特典が付与される確率が異なるように設定されているものであることを特徴とする遊技機NK3。
遊技機NK3によれば、遊技機NK1またはNK2の奏する効果に加え、第2示唆態様が示唆されるタイミングにより第2特典が付与される確率が異なるので、第2示唆態様が実行されるタイミングについても興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣をより向上させることができる。
遊技機NK1からNK3のいずれかにおいて、前記示唆手段は、前記識別情報が動的表示されてから前記判別結果を示すための態様で表示されるまでの期間で、前記第1示唆態様から前記第2示唆態様へと可変して示唆させることが可能にされていることを特徴とする遊技機NK4。
遊技機NK4によれば、遊技機NK1からNK3のいずれかの奏する効果に加え、識別情報が動的表示されている期間に示唆される態様が可変するので、識別情報が判別結果を示すための態様で表示されるタイミングで示唆されている内容にも興味を持たせることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴NI群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、複数の演出から1の演出を決定することが可能な演出決定手段と、その演出決定手段により決定されることが可能な演出に対応した情報を示唆することが可能な示唆手段と、を有したことを特徴とする遊技機NI1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果が報知されるまでの期間で演出を実行させる遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらに多様な演出が実行されることで遊技の興趣を向上させる遊技機が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NI1によれば、演出決定手段により決定される演出の種別を示唆手段により示唆される内容により識別することができ、どの演出が決定されるかの予測をさせ易くできるという効果がある。
遊技機NI1において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、その操作手段が操作されることに基づいて前記演出に対応した情報を可変させることが可能な可変手段と、を有し、遊技者に有利となる特典が付与され易い場合に、前記可変手段により特定の情報に可変され易くされているものであることを特徴とする遊技機NI2。
遊技機NI2によれば、遊技機NI1の奏する効果に加え、操作手段を操作することで、示唆されている演出に対応した情報を可変させることができ、特定の情報に可変されることで、特典が付与されることを期待できるので、操作手段を操作させて演出に対応した情報を可変させて遊技をする意欲を増大させることができるという効果がある。
遊技機NI1またはNI2において、前記示唆手段により示唆される示唆態様は、設定情報に基づいて前記複数の演出より所定数の演出に対応した情報を示唆するもので構成されることを特徴とする遊技機NI3。
遊技機NI3によれば、遊技機NI1またはNI2の奏する効果に加え、設定情報に基づいて複数の演出より所定数の演出に対応した情報が示唆されるので、遊技者に示唆される演出により興趣を可変させることができるという効果がある。
<特徴NJ群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための態様で識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による判別が実行されるよりも前に、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により判別された事前判別結果に基づいた演出態様を実行することが可能な演出態様実行手段と、移行条件の成立に基づいて第1遊技状態よりも前記特定の判別結果と判別される確率が高く設定される第2遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、前記移行条件の成立に基づいて前記演出態様を実行させることが可能な特定設定を実行可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機NJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、抽選に必要な情報が取得され、その取得された情報に基づいて遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果が報知されるための演出が実行されており、すぐに新たな抽選が開始できない場合には、取得された情報が記憶される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、報知が実行されている抽選結果が外れであることが遊技者が予測できてしまうと、その抽選結果が報知されるまでの期間遊技者が退屈して,遊技の興趣が低下してしまうという問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NJ1によれば、移行条件の成立により演出態様が実行されるように特定設定が設定されることで、特定の判別結果と判別される確率が可変することに対応した演出態様を実行することができ、遊技者に正確な事前判別の結果を報知することで、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機NJ1において、前記情報記憶手段に記憶された前記情報毎に対応した識別図柄を表示させることが可能な識別図柄表示手段を有し、前記演出態様実行手段は、前記識別図柄表示されるタイミングに基づいて前記識別図柄を可変させる演出を前記演出態様として実行することが可能にされ、前記特定設定は、表示されている前記識別図柄が新たに表示されたものとする設定を実行させるものであることを特徴とする遊技機NJ2。
遊技機NJ2によれば、遊技機NJ1の奏する効果に加え、移行条件の成立に基づいて表示されていた識別図柄が新たに表示されたものとする設定がされることで、演出態様実行手段により識別図柄を可変させ易くでき遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NJ2において、前記移行条件が成立する前に特定遊技が実行されるものであり、前記特定遊技が開始されることに基づいて可変されていた前記識別図柄は、通常の識別図柄に可変されて表示されるものであることを特徴とする遊技機NJ3。
遊技機NJ3によれば、遊技機NJ2の奏する効果に加え、特定遊技中は、識別図柄が通常の識別図柄で表示されることで、第2遊技状態で事前判別されて可変されていた識別図柄が第1遊技状態に移行しても継続して表示されて、実際の判別と異なる事前判別結果が誤って報知される不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴NL群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な表示手段と、その表示手段の特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有する遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その前記操作手段を操作されることに基づいて第1演出とその第1演出とは異なる第2演出とを実行可能な演出実行手段と、前記判別手段による判別結果に基づいて前記第1演出の態様と前記第2演出の態様とを決定することが可能な演出決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機NL1。
遊技機NL1によれば、第1演出と第2演出との態様が判別手段による判別結果に基づいて決定されるので、操作手段を操作して、第1演出と第2演出との組み合わせから早期に判別結果を予測することが可能となり、操作手段を操作した遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機NL1において、前記第1演出と前記第2演出とが実行された後に、前記操作手段が操作されたことに基づいて新たに前記演出決定手段により決定された態様で前記第1演出の態様と前記第2演出の態様とを可変させることが可能な可変手段を有することを特徴とする遊技機NL2。
遊技機NL2によれば、遊技機NL1の奏する効果に加え、操作手段を操作することで実行されている第1演出の態様と第2演出の態様とを可変させることができるので、操作手段を連続して操作することへの意欲を持たせることができるという効果がある。
遊技機NL2において、前記第1演出の演出態様として、少なくとも第1演出態様と、第2演出態様とを含む複数の演出態様の中から1の演出態様を決定可能な第1演出態様決定手段と、前記第2演出の演出態様として、少なくとも第3演出態様と、第4演出態様とを含む複数の演出態様の中から1の演出態様を決定可能な第2演出態様決定手段と、を有し、前記第1演出態様と、前記第3演出態様とが決定された場合と、前記第1演出態様と、前記第4演出態様とが決定された場合とで、前記特典付与手段により前記特典が付与される期待度を異ならせて報知可能であることを特徴とする遊技機NL3。
遊技機NL3によれば、遊技機NL2の奏する効果に加え、第1演出の演出態様と、第2演出の演出態様とを組み合わせることによって、特典付与の期待度を異ならせた演出を実行することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴NO群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための複数の図柄を動的表示させた後に、前記判別結果を示すための組み合わせで前記図柄を停止表示させることが可能な動的表示手段と、を有した遊技機において、前記複数の図柄のうち、1の図柄を動的表示させ、その1の図柄が停止表示されることで特定の組み合わせで図柄を表示させる可能な有利状態とさせることが可能な有利動的表示手段と、前記有利状態である場合に前記特定の組み合わせで表示されることで遊技者に有利であることを示唆する第1示唆態様を実行する第1状態と、前記特定の組み合わせと異なる組み合わせで表示されることで遊技者に有利であることを示唆する第2示唆態様を実行する第2状態と、を設定することが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機NO1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、さらに、当たり種別が有利種別である場合には特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定され、有利種別とは異なる当たり種別である場合には特典遊技の終了後に有利状態よりも不利な遊技状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。さらに、遊技の当否抽選の結果を示唆可能な変動演出を実行することで遊技者に対して当たり当選への期待感を持たせながら長時間遊技を行わせる構成が提案されていた。
しかしながら、従来型の遊技機では、設定されている遊技状態や当たり種別に関わらず、当たり当選している場合には当たり当選の期待度が高いことを示唆する変動演出が実行されてしまうため、例えば、有利状態が設定されている状態で有利状態が終了してしまう当たりに当選した場合であっても、遊技者を祝福してしまう変動演出が実行されていまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NO1によれば、有利状態が設定されている場合に示唆態様が切り替えられることで、特定の組み合わせとなることへの期待度を反転させることで、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NO1において、前記1の図柄を停止表示させた後に、停止表示された図柄の組み合わせと異なる組み合わせとなるように異なる図柄を表示させることが可能な可変手段を有することを特徴とする遊技機NO2。
遊技機NO2によれば、遊技機NO1の奏する効果に加え、1の図柄を停止表示させて所定の図柄の組み合わせが表示された後に、可変手段により異なる組み合わせとなるように図柄が可変されることが可能にされているので、一度、特定の組み合わせと異なる組み合わせで表示された後にも、組み合わせが可変することを期待させて、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NO1またはNO2において、前記特定の組み合わせとなった後に設定情報を設定することが可能な設定手段と、前記設定情報に対応して第1状態または第2状態を設定することが可能な状態設定手段と、を有することを特徴とする遊技機NO3。
遊技機NO3によれば、遊技機NO1またはNO2の奏する効果に加え、特定の組み合わせとなることで第1状態と第2状態とを切り替えて設定することが可能であるので、特定の組み合わせとなった場合に設定される設定情報に興味を持たせて、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴NP群>
演出態様が表示されることが可能な表示手段と、その表示手段に特定の演出態様が実行された後に遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、第1演出パターンで第1演出態様を実行させることが可能な第1演出態様実行手段と、前記第1演出パターンとは異なる第2演出パターンで第2演出態様を実行させることが可能な第2演出態様実行手段と、特定条件の成立に基づいて前記第2演出態様が実行される演出パターンを可変させることが可能な演出パターン可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、さらに、当たり種別が有利種別である場合には特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定され、有利種別とは異なる当たり種別である場合には特典遊技の終了後に有利状態よりも不利な遊技状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。さらに、遊技の当否抽選の結果を示唆可能な変動演出を実行することで遊技者に対して当たり当選への期待感を持たせながら長時間遊技を行わせる構成が提案されていた。
しかしながら、同一の演出態様の変動演出が連続して実行されてしまうことで演出効果が低下してしまうという問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NP1によれば、特定条件が成立することで第2演出態様が実行される演出パターンが可変されるので、同様の演出パターンが繰り返されて遊技者が飽きてしまう不具合を抑制でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機NP1において、前記第2演出態様は、前記表示手段で実行される演出態様の背面側で実行される背景演出で構成されているものであることを特徴とする遊技機NP2。
遊技機NP2によれば、遊技機NP1の奏する効果に加え、演出態様の背面側で表示されることで、演出態様を妨げることを抑制でき、分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機NP1またはNP2において、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果に基づいて特典を付与することが可能な特典付与手段と、前記判別手段による判別結果を前記判別手段により判別が実行されるよりも前に判別した事前判別情報に基づいて前記第1演出態様と前記第2演出態様との演出パターンを特定の演出パターンに設定することが可能な演出パターン設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機NP3。
遊技機NP3によれば、遊技機NP1またはNP2の奏する効果に加え、第1演出態様と第2演出態様との演出パターンの組み合わせにより事前の判別結果を識別でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴NQ群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、第1示唆態様と、その第1示唆態様とは異なる第2示唆態様とを示唆することが可能な示唆手段を有し、前記遊技機は、前記示唆手段により前記第1示唆態様が実行されている場合には、前記特定の判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に、前記特典として第1特典が付与され易くされ、前記示唆手段により前記第2示唆態様が実行されている場合には、前記特定の判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に、前記第1特典と、前記第1特典とは異なる第2特典とが付与され易くされていることを特徴とする遊技機NQ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果が報知されるまでの期間で演出を実行させる遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらに多様な演出が実行されることで遊技の興趣を向上させる遊技機が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NQ1によれば、第1示唆態様が示唆されている状態と第2示唆態様が示唆されている状態とで付与される特典の種別を遊技者が予測し易くすることで、特定の判別結果への期待を示唆される示唆態様で可変させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機NQ1において、前記判別手段により判別されることが可能な情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に前記情報が記憶された場合に、その記憶された前記情報を前記判別手段により判別が実行されるよりも前に判別を実行することが可能な事前判別手段と、を有し、前記第2示唆態様は、前記事前判別手段により前記判別手段により前記特定の判別結果と判別される情報であると判別された場合に示唆されることが可能にされていることを特徴とする遊技機NQ2。
遊技機NQ2によれば、遊技機NQ1の奏する効果に加え、特定の判別結果と判別される情報が記憶されていることを第2示唆態様で識別することができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機NQ2において、前記第2示唆態様が示唆されるタイミングにより前記特定の判別結果を示す態様が表示された場合に前記第2特典が付与される確率が異なるように設定されているものであることを特徴とする遊技機NQ3。
遊技機NQ3によれば、遊技機NQ1またはNQ2の奏する効果に加え、第2示唆態様が示唆されるタイミングにより第2特典が付与される確率が異なるので、第2示唆態様が実行されるタイミングについても興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣をより向上させることができる。
遊技機NQ1からNQ3のいずれかにおいて、前記示唆手段は、前記識別情報が動的表示されてから前記判別結果を示すための態様で表示されるまでの期間で、前記第1示唆態様から前記第2示唆態様へと可変して示唆させることが可能にされていることを特徴とする遊技機NQ4。
遊技機NQ4によれば、遊技機NQ1からNQ3のいずれかの奏する効果に加え、識別情報が動的表示されている期間に示唆される態様が可変するので、識別情報が判別結果を示すための態様で表示されるタイミングで示唆されている内容にも興味を持たせることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴NR群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、複数の演出から1の演出を決定することが可能な演出決定手段と、前記演出決定手段により演出が決定された場合に決定された演出に対応する情報が記憶される記憶手段と、を有し、前記遊技機は、前記演出決定手段により前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応する演出が決定された場合に、決定された演出の態様を異ならせた演出を実行させることが可能にされていることを特徴とする遊技機NR1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果が報知されるまでの期間で演出を実行させる遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらに多様な演出が実行されることで遊技の興趣を向上させる遊技機が求められていた。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NR1によれば、同じ演出が複数回決定された場合に、異なる演出態様に可変させて実行されるので、遊技者が同じ演出態様を複数回実行されることで遊技に飽きてしまうという不具合を抑制して遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NR1において、前記演出決定手段により決定されることが可能な演出の種別は、特定条件の成立に基づいて増加されることが可能にされていることを特徴とする遊技機NR2。
遊技機NR2によれば、遊技機NR1の奏する効果に加え、特定条件が成立することで演出決定手段により決定されることが可能な演出の数が増えていくので、遊技者に同じ演出が実行される頻度を低減することができるという効果がある。
遊技機NR1またはNR2において、演出決定手段により決定されることが可能な演出の種別を示唆することが示唆手段を有することを特徴とする遊技機NR3。
遊技機NR3によれば、遊技機NR1またはNR2の奏する効果に加え、演出決定手段により決定されることが可能な演出の種別を容易に把握できるので、再度決定された場合にどの演出が決定されたのかを分かり易くできるという効果がある。
<特徴NS群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための態様で識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により実行される第1演出態様とその第1演出態様とは異なる第2演出態様とを決定することが可能な演出態様決定手段と、を有し、前記第1演出態様と前記第2演出態様とを組み合わせた条件が第1条件を満たす場合に、遊技者に有利となる報知態様が実行され易いものであることを特徴とする遊技機NS1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果を報知するための演出として複数の演出が用意され、所定の選択条件によって選択された演出が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、複数の演出を実行する場合であっても、重複して実行される演出の種別によって期待度を異ならせることができず、遊技が単調となる問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NS1によれば、第1演出態様と第2演出態様とをくみあわせた条件を識別することで実行される報知態様への期待度を可変させて遊技を行わせることができるので、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NS1において、前記識別情報は、複数の図柄で構成されており、図柄を組み合わせた態様により前記判別結果を示すことが可能にされ、前記第1演出態様は、前記識別情報が動的表示されることが可能となる期間から一定期間、動的表示させずに前記図柄を停止表示させた停止表示態様を継続させる演出であることを特徴とする遊技機NS2。
遊技機NS2によれば、遊技機NS1の奏する効果に加え、第1演出態様は、識別情報が動的表示可能な期間が開始されても図柄を停止表示態様で継続させる演出であるので、遊技者は、動的表示期間の開始から第1演出態様が実行されることを期待させることができるという効果がある。
遊技機NS2において、前記第2演出態様は、前記停止表示態様で表示される前記図柄の組み合わせ態様であることを特徴とする遊技機NS3。
遊技機NS3によれば、遊技機NS2の奏する効果に加え、第2演出態様が停止表示態様で表示される図柄の組み合わせ態様であることから、1の判別結果を示す態様で図柄が停止表示され、その図柄組み合わせにより第1条件の成立を期待させ、第1演出態様の実行への期待度を可変させることができるという効果がある。
遊技機NS3において、前記第1条件は、前記第1演出態様が実行される期間と、前記第2演出態様における図柄の組み合わせとが成立条件として設定されているものであることを特徴とする遊技機NS4。
遊技機NS4によれば、遊技機NS3の奏する効果に加え、1の判別結果を示す組み合わせで図柄が表示された場合に、その図柄の組み合わせが第1条件の成立条件に該当するものであれば、次の識別情報の動的表示の開始時に第1演出態様が実行される期間に対して興味を集中させることができ、段階的に期待を持たせて興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴NT群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための複数の図柄を動的表示させた後に、前記判別結果を示すための組み合わせで前記図柄を停止表示させることが可能な動的表示手段と、を有した遊技機において、前記判別結果に基づいて前記複数の図柄のうち、少なくとも1の図柄の態様を可変させることが可能な図柄可変手段と、その図柄可変手段に図柄の態様が可変されている場合に遊技者に有利となる第1演出と、その第1演出とは異なる第2演出を設定情報に基づいて実行することが可能な演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機NT1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、さらに、当たり種別が有利種別である場合には特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定され、有利種別とは異なる当たり種別である場合には特典遊技の終了後に有利状態よりも不利な遊技状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。さらに、遊技の当否抽選の結果を示唆可能な変動演出を実行することで遊技者に対して当たり当選への期待感を持たせながら長時間遊技を行わせる構成が提案されていた。
しかしながら、従来型の遊技機では、設定されている遊技状態や当たり種別に関わらず、当たり当選している場合には当たり当選の期待度が高いことを示唆する変動演出が実行されてしまうため、例えば、有利状態が設定されている状態で有利状態が終了してしまう当たりに当選した場合であっても、遊技者を祝福してしまう変動演出が実行されていまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NT1によれば、図柄の態様が可変された場合に、設定されている設定情報によって有利な第1演出態様と、第2演出態様とが切り替わって実行されるので、判別結果と設定されている設定情報とを合わせて識別させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NT1において、前記特定の判別結果を示すための組み合わせで図柄が表示された後に、前記設定情報を可変して設定させることが可能な設定手段を有することを特徴とする遊技機NT2。
遊技機NT2によれば、遊技機NT1の奏する効果に加え、特定の判別結果と示すための図柄の組み合わせとなることで、設定情報が新たに設定されるので、特定の組み合わせとなるだけでなく、設定される設定情報に対しても興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機NT1またはNT2において、前記設定手段は、前記設定情報として第1設定情報と、その第1設定情報よりも遊技者に不利となる第2設定情報を設定するものであり、演出実行手段は、前記第1設定情報が設定されている場合に、前記第2設定情報が設定されることが決定されている場合に前記第2演出を実行するものであることを特徴とする遊技機NT3。
遊技機NT3によれば、遊技機NT1の奏する効果に加え、遊技者に特定の判別結果となることで不利となる場合に有利な演出が実行されることを抑制して、遊技に対する意欲が低下することを抑制できるという効果がある。
<特徴NU群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、複数の演出から演出を決定することが可能な演出決定手段と、その演出決定手段により決定することが可能な演出に対応した示唆情報を表示させることが可能な示唆情報表示手段と、複数の前記示唆情報が表示される場合に、表示される前記複数の示唆情報の表示位置を可変させることが可能な可変手段と、を有することを特徴とする遊技機NU1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果を報知するための演出として複数の演出が用意され、所定の選択条件によって選択された演出が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、遊技が単調となる問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NU1によれば、複数の示唆情報が表示される場合にもその表示位置が可変されることで、遊技者により多くの示唆情報を視認させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機NU1において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、その操作手段が操作されることに基づいて前記示唆情報を可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機NU2。
遊技機NU2によれば、遊技機NU1の奏する効果に加え、操作手段を操作することで、示唆されている演出に対応した示唆情報を可変させることができ、操作手段を操作させて演出に対応した情報を可変させて遊技をする意欲を増大させることができるという効果がある。
遊技機NU1またはNU2において、前記可変手段は、新たに前記演出決定手段により決定可能な演出が増加することにより前記示唆情報が追加される場合に、前記表示位置を可変させることが可能にされており、遊技者に有利な特典が付与されることが決定されている場合に、特定の前記示唆情報を表示させる位置に表示させることが可能にされていることを特徴とする遊技機NU3。
遊技機NU3によれば、遊技機NU1またはNU2の奏する効果に加え、示唆情報の表示される位置により、特典が付与されることを事前に認識させることが可能となり、遊技者に示唆情報が表示される位置に対しても興味を持たせることができるという効果がある。
<特徴NV群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、所定のパターンで実行されることが可能な演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により実行される演出が複数記憶された記憶手段と、その記憶手段に記憶されている複数の前記演出に対応して選択情報を表示させることが可能な選択情報表示手段と、その選択情報表示手段により表示された前記選択情報に対応した報知態様を報知させることが可能な報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機NV1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果を報知するための演出として複数の演出が用意され、所定の選択条件によって選択された演出が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、遊技が単調となる問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NV1によれば、選択情報に対応して報知態様が報知されるので、複数の選択情報が表示される場合にも、表示されている選択情報の種別を識別し易くでき、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NV1において、前記報知態様は、前記選択情報に対応する演出における一部の演出態様で構成されていることを特徴とする遊技機NV2。
遊技機NV2によれば、遊技機NV1の奏する効果に加え、報知態様により選択情報に対応して実行される演出の内容を判別することができ、実行される演出を早期に把握することができるという効果がある。
遊技機NV1またはNV2において、表示される前記選択情報が所定の条件を満たす場合に対応する報知態様が報知されるものであることを特徴とする遊技機NV3。
遊技機NV3によれば、遊技機NV1またはNV2の奏する効果に加え、所定の条件を満たしている選択情報の報知態様が報知されるように構成されているので、選択情報に対応する報知態様を識別し易くできるという効果がある。
<特徴NW群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に対応した識別図柄を表示させることが可能な識別図柄表示手段と、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための態様で識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特典付与手段により前記特典が付与された後に、表示される前記識別図柄のうち、少なくとも1の識別図柄を動的表示させることが可能にされていることを特徴とする遊技機NW1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、抽選に必要な情報が取得され、その取得された情報に基づいて遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果が報知されるための演出が実行されており、すぐに新たな抽選が開始できない場合には、取得された情報が記憶される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、報知が実行されている抽選結果が外れであることが遊技者が予測できてしまうと、その抽選結果が報知されるまでの期間遊技者が退屈して,遊技の興趣が低下してしまうという問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NW1によれば、特典が付与された後に、表示される識別図柄のうち、少なくとも1の識別図柄を動的表示させることで、遊技者に特典が付与された後に記憶されている情報について興味を持たせることで、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NW1において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段に判別されるよりも前に判別を実行可能な事前判別手段と、前記特典が付与された後に、前記識別図柄が動的表示された後に、前記事前判別手段による判別結果に基づいた態様で前記識別図柄が表示されることが可能であることを特徴とする遊技機NW2。
遊技機NW2によれば、遊技機NW1の奏する効果に加え、事前判別手段による判別結果に基づいた態様で表示されることが可能な識別図柄を動的表示されることで識別でき、事前判別手段による判別結果を見逃すことを抑制できるという効果がある。
遊技機NW2において、新たに前記識別図柄が表示される場合に、前記事前判別手段による判別結果に基づいた態様で前記識別図柄を表示させることが可能にされ、前記特典が付与される場合に、前記事前判別手段による判別結果に基づいた態様で表示されている前記識別図柄の態様を前記事前判別手段による判別結果が判別困難となるように可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機NW3。
遊技機NW3によれば、遊技機NW2の奏する効果に加え、特典が付与されることを表示されている識別図柄に注意を奪われて気づかない不具合を抑制することができるという効果がある。
<特徴NX群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示されることが可能な表示手段と、その表示手段に特定の判別結果を示すための態様で識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて演出を実行することが可能な演出実行手段と、前記操作手段が操作可能な期間であることを示唆可能な示唆手段と、その示唆手段により示唆される示唆態様に対して前記操作手段が操作された場合に実行されることが可能となる演出に対応した情報を報知することが可能な報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機NX1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成において、抽選結果を報知するための演出として複数の演出が用意され、所定の選択条件によって選択された演出が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、複数種類の演出を実行可能とすることで遊技者に対してバリエーションに富んだ演出を提供することができる一方で、後に実行される演出の内容を遊技者に予測させ難くなることから、遊技者に実行される演出の内容を予測させながら継続して遊技を楽しませ難くなり遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。
上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機NX1によれば、前記情報は、特定の表示態様で構成され、その特定の表示態様を可変させることで実行されることが可能な演出態様を報知することが可能にされていることを特徴とする遊技機NX2。
遊技機NX2によれば、遊技機NX1の奏する効果に加え、特定の表示態様の態様によって、操作手段を操作した場合に実行される演出を識別できるので、遊技者が操作手段を操作する意欲を増大させることができるという効果がある。
遊技機NX1またはNX2において、前記示唆手段により示唆される示唆態様と、前記報知手段により報知される情報とを組み合わせて実行されることが可能な演出を識別可能にされていることを特徴とする遊技機NX3。
遊技機NX3によれば、遊技機NX1またはNX2の奏する効果に加え、示唆態様と報知される情報とを組み合わせることで、報知できる演出の数を増やすことができるという効果がある。
前記示唆態様は、複数の示唆態様より1の示唆態様が決定されるものであり、特定の示唆態様が実行されている場合に、前記特定条件が成立したことに基づいて前記特定の示唆態様が第1態様に可変されることで遊技者に有利となる演出が実行され易くされていることを特徴とする遊技機NX2。
遊技機NX2によれば、遊技機NX1の奏する効果に加え、特定の示唆態様が実行されることで特定条件が成立した後にも第1態様に可変されるかについて興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機NX1またはNX2において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記特定条件は、前記示唆態様が表示されている期間に前記操作手段が操作されることに基づいて成立することが可能にされているものであり、第2示唆態様が表示されている期間に、前記操作手段が操作された場合に、前記第2示唆態様が継続して表示されることにより、前記操作手段を操作して前記特定条件が成立する機会が付与されるものであることを特徴とする遊技機NX3。
遊技機NX3によれば、遊技機NX1またはNX2の奏する効果に加え、第2示唆態様が表示されていることで操作手段が操作されて、特定条件が成立した後にも第2示唆態様が継続して表示されることで、短期間に特定条件を連続して成立させることが可能となり、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<5082系特徴群>
<特徴OA群>(時短状態が長く継続し易い遊技方法と、長く継続し難い遊技方法と、がある)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、所定の設定条件の成立に基づいて、第1制御と、その第1制御よりも前記判別手段の判別が実行され易くなる第2制御と、を少なくとも含む複数のうち1の制御を設定する制御設定手段と、前記第2制御が設定される状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第2制御から前記第1制御に切替可能な切替手段と、を備え、前記第2制御が設定されている場合に、第1の遊技方法で遊技を行った方が、前記第1の遊技方法とは異なる第2の遊技方法で遊技を行うよりも、前記特定条件が成立するまでの期間が長くなり易くなる構成であることを特徴とする遊技機OA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、遊技状態に応じて有利度合いが高くなる遊技方法(例えば、遊技球の発射方向)を異ならせることで、遊技にメリハリをつけ、興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、遊技状態毎に遊技方法が固定化されてしまい、遊技者が遊技方法を選択する余地がなく、遊技者の興趣を向上させ難くなってしまうという問題点がある。
これに対して遊技機OA1によれば、第2制御が設定されている場合に、第1の遊技方法で遊技を行うか、第2の遊技方法で遊技を行うかによって第1制御に切り替えられるまでの期間の長さを異ならせることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機OA1において、前記第2制御が設定される第1遊技状態では、前記第1の遊技方法で遊技を行うよりも、前記第2の遊技方法で遊技を行った方が、有利度合いが高くなり易い構成であることを特徴とする遊技機OA2。
遊技機OA2によれば、遊技機OA1の奏する効果に加え、第2制御が設定されている状況下においては、第1の遊技方法で遊技を行うことで有利な第2制御が継続する期間を長くできるものの、仮に、第1遊技状態が設定されていた場合には、第2の遊技方法で有利を行った方が有利度合いが高くなるため、第2制御に設定されている場合に、第1遊技状態であるか否かを判断して第1の遊技方法で遊技を行うか第2の遊技方法で遊技を行うかを異ならせる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機OA2において、第1の設定条件の成立に基づいて、前記第1遊技状態と、前記第2制御が少なくとも設定される遊技状態であって前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記第2遊技状態は、前記第2の遊技方法で遊技を行うよりも前記第1の遊技方法で遊技を行った方が有利度合いが高くなり易い構成であることを特徴とする遊技機OA3。
遊技機OA3によれば、遊技機OA2の奏する効果に加え、第1遊技状態に設定されている場合は、第2制御が短い期間で終了され易い遊技方法で遊技を行った方が有利度合いが高くなる一方で、第2遊技状態に設定されている場合は、第2制御が長く継続し易い遊技方法で遊技を行った方が有利度合いが高くなるので、第2制御が設定された場合に、第1遊技状態であるか第2遊技状態であるかを判断して、対応する遊技方法を選択させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機OA1からOA3のいずれかにおいて、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、を少なくとも含む複数のうちいずれかの方向へと発射可能な発射手段を備え、前記入球手段は、前記第1方向へと発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第2方向へと発射された遊技球が入球困難な位置に設けられており、前記第1の遊技方法は、前記第1方向へと遊技球を発射する遊技方法であり、前記第2の遊技方法は、前記第2方向へと遊技球を発射する遊技方法であることを特徴とする遊技機OA4。
遊技機OA4によれば、遊技球の発射方向を調節することで、第2制御が設定される状態において特定条件が成立するまでの期間の長さも調節することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機OA4において、前記発射手段によって前記第1方向へと発射された遊技球が入球困難となる位置であって前記第2方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられ、遊技球が入球可能な第1状態と、遊技球が入球困難な第2状態と、に可変可能な可変入球手段と、少なくとも前記可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定個数の遊技球を払い出すことが可能な払出手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技として、前記可変入球手段を所定期間、前記第2状態から前記第1状態へと可変させることが可能であり、前記遊技機は、前記第2制御が設定されている場合に、前記第1方向へと遊技球を発射するよりも、前記第2方向へと遊技球を発射した方が、所定期間の間に前記払出手段によって払い出される賞球の個数が多くなり易くなる構成であることを特徴とする遊技機OA5。
遊技機OA5によれば、遊技機OA4の奏する効果に加え、第2制御が設定されている場合に第2方向へと遊技球を発射すると、特定条件が成立するまでの期間が短くなるが、所定期間の間に払い出される賞球の個数が多くなるというメリットがあるため、第2方向へと遊技球を発射するという選択を遊技者に対してより行わせ易くすることができるという効果がある。
遊技機OA5において、前記第2制御が設定されている間に前記特定の判別結果となった場合に、前記特典遊技の終了後の遊技状態を、前記特定の判別結果となった時点の遊技状態と同一とさせる手段を備え、前記第2制御が設定されている場合に、前記第1方向へと遊技球を発射するよりも、前記第2方向へと遊技球を発射した方が、前記特典遊技が実行され易くなる構成であることを特徴とする遊技機OA6。
遊技機OA6によれば、遊技機OA5の奏する効果に加え、第2制御が設定されている状況下で第2方向へと遊技球を発射することで、第2制御を維持したまま、特典遊技を高頻度で実行させることができるので、第2制御が設定されている状況下において第2方向へと遊技球を発射するという選択を遊技者に対してより行わせ易くすることができるという効果がある。
遊技機OA5又はOA6において、前記第2制御が設定されている状態は、前記第2方向へと遊技球を発射し続けた場合に前記第1状態に設定される期間は、前記第1方向へと発射された遊技球が前記入球手段へと入球可能となる期間よりも短くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機OA7。
遊技機OA7によれば、遊技機OA5又はOA6が奏する効果に加え、第2制御が設定されている状態では、第1方向へと遊技球を発射して入球手段へと入球する機会の方が、第2方向へと遊技球を発射して可変入球手段へと入球する機会よりも多くなり易いため、第2制御が設定されている状況下において第1方向へと遊技球を発射するという選択を遊技者に対してより行わせ易くすることができるという効果がある。
遊技機OA1からOA7のいずれかにおいて、前記特定条件は、前記第2の遊技方法で遊技を行うよりも前記第1の遊技方法で遊技を行った方が成立し易い第1特定条件と、前記第1の遊技方法で遊技を行うよりも前記第2の遊技方法で遊技を行った方が成立し易い第2特定条件と、で少なくとも構成されていることを特徴とする遊技機OA8。
遊技機OA8によれば、遊技機OA1からOA7のいずれかが奏する効果に加え、第2制御が設定された後で第1の遊技方法で遊技を行い続けると第1特定条件が成立して第1制御に切り替えられる一方で、第2の遊技方法で遊技を行い続けた場合は第2特定条件が成立して第1制御に切り替えられるので、第1の遊技方法で遊技を行ったとしても第2の遊技方法で遊技を行ったとしても第1制御に切り替えることができる。よって、第2制御が延々と継続してしまい、ホールに対して不測の不利益を被らせてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機OA1からOA8のいずれかにおいて、前記第2制御が設定されている場合に、前記第2の遊技方法で遊技を行い続けるよりも、前記第1の遊技方法で遊技を行い続けた方が、前記特定条件が成立するまでに実行され得る判別の回数が多くなり易い構成であることを特徴とする遊技機OA9。
遊技機OA9によれば、遊技機OA1からOA8のいずれかが奏する効果に加え、第2制御が設定されている場合は、第1の遊技方法で遊技を行った方が第1制御に切り替えられるまでに実行可能な判別の回数が多くなるので、第2制御の間に第1の遊技方法で遊技を行うことで特定の判別結果となる可能性を高くする遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機OA3において、前記第1遊技状態において特定の演出態様を少なくとも含む第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2遊技状態において前記特定の演出態様を少なくとも含む第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機OA10。
遊技機OA10によれば、遊技機OA3の奏する効果に加え、第1遊技状態と第2遊技状態とで、共に特定の演出態様が実行される演出が実行されるため、第1遊技状態であるか否かを遊技者に対して把握し難くすることができる。よって、第1遊技状態であるか第2遊技状態であるかを遊技者に予測させて、遊技方法を遊技者に選択させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機OA10において、前記第1遊技状態で前記第1制御に切り替えられた場合に、前記第1遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態を形成し、前記第2遊技状態で前記第1制御に切り替えられた場合に、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な第4遊技状態を形成することを特徴とする遊技機OA11。
遊技機OA11によれば、遊技機OA10の奏する効果に加え、第1遊技状態であるか、第2遊技状態であるかによって、特定条件が成立した場合に形成する遊技状態を異ならせることができるという効果がある。
遊技機OA11において、前記第3遊技状態は、前記第2の遊技方法で遊技を行うよりも前記第1の遊技方法で遊技を行った方が有利度合いが高くなり易い遊技状態であり、前記第4遊技状態は、前記第1の遊技方法で遊技を行うよりも前記第2の遊技方法で遊技を行った方が有利度合いが高くなり易い遊技状態であることを特徴とする遊技機OA12。
遊技機OA12によれば、遊技機OA11の奏する効果に加え、第3遊技状態が設定されるか、第4遊技状態が設定されるかで、遊技方法を異ならせる遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機OA12において、前記特典遊技は、前記第1の遊技方法で遊技を行うよりも、前記第2の遊技方法で遊技を行った方が実行され易い構成であり、前記第3遊技状態は、前記第4遊技状態よりも、前記第2の遊技方法で遊技を行った場合に前記特典遊技の実行間隔が長くなり易くなる遊技状態であることを特徴とする遊技機OA13。
遊技機OA13によれば、遊技機OA12の奏する効果に加え、第3遊技状態では、特典遊技の実行間隔が長くなり易くなるので、第4遊技状態の有利度合いをより高めることができるという効果がある。
<特徴OB群>(大当たりの終了後、特定条件が成立するまで大当たり終了後の遊技状態に対応する発射方向を秘匿する演出)
遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難となる第2状態と、に可変可能な可変入球手段と、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備えた遊技機において、所定の前記可変遊技の実行が終了したことに基づいて、当該可変遊技の実行が終了した後の遊技状態によらない特定の演出態様を少なくとも含む第1演出を実行する第1演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機OB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、興趣演出として、遊技者に有利な当たり遊技の実行中等に、当たり遊技が終了した後における有利度合いを遊技者に示唆する演出を実行するものも存在する。この従来型の遊技機では、有利度合いが高い遊技状態が示唆されることを期待して当たり遊技中の遊技を行わせることができるので、当たり遊技が単に賞球を獲得するための作業のようになってしまうことを抑制できる。
しかしながら、当たり遊技の実行が終了した後における遊技状態を常に示唆する構成としてしまうと、当たり遊技の実行中に有利度合いが低い遊技状態が示唆されてしまうと、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうという問題点がある。
これに対して遊技機OB1によれば、第1演出が実行されている間、可変遊技の実行が終了した後の遊技状態を遊技者に対して分かり難くすることができるので、可変遊技の実行が終了した後の遊技状態を予測させる楽しみを遊技者に対して与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機OB1において、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、を少なくとも含む複数のうちいずれかの方向へと発射可能な発射手段と、前記第1方向へと発射された遊技球が到達可能な位置であって前記第2方向へと発射された遊技球が到達困難な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別手段の判別に用いるための判別情報を取得可能な第1取得手段と、前記第2方向へと発射された遊技球が到達可能な位置であって前記第1方向へと発射された遊技球が到達困難な位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別情報を取得可能な第2取得手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易い第1遊技状態と、前記第1方向よりも前記第2方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易い第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機OB2。
遊技機OB2によれば、遊技機OB1の奏する効果に加え、第1演出が実行されている間、設定されている遊技状態を予測して遊技球を発射する流路を遊技者に選択させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機OB2において、所定条件の成立に基づいて、第1制御と、その第1制御よりも前記第1入球手段へと遊技球が入球し易くなる第2制御と、を少なくとも含む複数のうち1の制御を設定可能な制御設定手段を備え、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とは、共に前記第2制御に設定される遊技状態であることを特徴とする遊技機OB3。
遊技機OB3によれば、遊技機OB2からOB5のいずれかが奏する効果に加え、第1遊技状態も第2遊技状態も第2制御に設定されることから、第1入球手段への入球し易さが共通となるため、第1演出が実行されている間に遊技者が遊技状態を予測することをより困難とすることができるという効果がある。
遊技機OB2又はOB3において、前記第1演出の実行中に予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、有利度合いが高くなる発射方向を遊技者に対して示唆可能な特定演出態様を少なくとも含んで構成される第2演出を実行する第2演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機OB4。
遊技機OB4によれば、遊技機OB2又はOB3の奏する効果に加え、特定条件が成立した場合に有利度合いが高くなる発射方向が第2演出によって示唆されるので、遊技者に対して特定条件が成立することを期待させることができるという効果がある。
遊技機OB4において、前記特定条件は、前記第1演出の実行中に前記第1方向へと遊技球を発射した場合も、前記第2方向へと遊技球を発射した場合も成立し得る条件であることを特徴とする遊技機OB5。
遊技機OB5によれば、遊技機OB4の奏する効果に加え、特定条件は遊技球の発射方向によらず成立し得る条件なので、遊技者に対して有利となる発射方向をより純粋に選択させることができるという効果がある。
遊技機OB2からOB5のいずれかにおいて、所定の払出条件の成立に基づいて所定数の賞球を払い出す払出手段を備え、少なくとも前記可変遊技が終了してから前記特定条件が成立するまでの間よりも、前記特定条件が成立した後の所定期間の方が、前記第1方向へと遊技球を発射し続けた場合に前記払出手段によって払い出される賞球の個数と、前記第2方向へと遊技球を発射し続けた場合に前記払出手段によって払い出される賞球の個数との差が大きくなり易い構成であることを特徴とする遊技機OB6。
遊技機OB6によれば、少なくとも特定条件が成立するまでは、第1方向へと遊技球を発射しても第2方向へと遊技球を発射しても払い出される賞球数の面での有利度合いに大差無いため、第1方向と第2方向とのいずれの発射方向をも選択し易く構成することができ、可変遊技の終了後における発射方向を遊技者に対してより気軽に選択させることができるという効果がある。
遊技機OB3において、前記第2制御が設定されている状態において、前記第1流路を遊技球が流下するよりも前記第2流路を遊技球が流下した方が成立し易い所定の切替条件が成立したことに基づいて、前記第1制御に切り替える制御切替手段を備え、前記第1遊技状態は、前記第1制御に切り替えられた場合に遊技者に不利な第3遊技状態を形成し、前記第2遊技状態は、前記第1制御に切り替えられた場合に遊技者に有利な第4遊技状態を形成することを特徴とする遊技機OB7。
遊技機OB7によれば、遊技機OB3の奏する効果に加え、第1遊技状態であるか、第2遊技状態であるかを予測して、第2流路へと遊技球を発射して切替条件を成立させるか、第1流路へと遊技球を発射してなるべく長く第2制御に維持するかを選択させる遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機OB7において、前記第1演出の実行中に予め定められた切替条件が成立したことに基づいて、設定されている遊技状態に対応する演出に切り替える演出切替手段を備え、前記切替条件は、前記第1制御に切り替えられた場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機OB8。
遊技機OB8によれば、遊技機OB7の奏する効果に加え、第1制御に切り替えられることで設定されている遊技状態に応じた演出に切り替えられるので、第3遊技状態が設定されているのか第4遊技状態が設定されているのかを遊技者に対して容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機OB1からOB8のいずれかにおいて、前記第1演出の実行中に所定の実行条件が成立したことに基づいて、設定されている遊技状態を遊技者に示唆可能な示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機OB9。
遊技機OB9によれば、遊技機OB1からOB8のいずれかが奏する効果に加え、第1演出の実行中に示唆演出によって遊技状態を推測することができるので、示唆演出が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴OC群>(電サポ有り状態でも小当たりアタッカーへと球が到達可能な小当たりRUSH機)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別情報を取得可能な取得手段と、その取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行可能な判別手段と、遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段によって特定方向へと発射された遊技球が少なくとも入球可能な位置に設けられ、遊技球が入球可能な第1状態と、遊技球が入球困難な第2状態と、に可変可能に構成された可変入球手段と、前記判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態へと所定期間可変する可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備えた遊技機において、前記入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1制御と、その第1制御よりも前記入球手段へと遊技球が入球し易くなる第2制御と、を少なくとも含む複数のうち1の制御を設定する制御設定手段と、予め定められた特定条件の成立に基づいて、前記第1制御が設定される第1遊技状態と、前記第2制御が設定される第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、少なくとも前記第2遊技状態において前記第1の判別結果となって前記可変遊技が実行された場合に、当該可変遊技の実行中に前記特定方向へと発射された遊技球が前記可変入球手段へと到達可能な構成であることを特徴とする遊技機OC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが高い遊技状態として、遊技状態に対応する遊技方法を行い続けることにより、特定の入賞口への入賞に基づく賞球が払い出され易くなる特定遊技(例えば、小当たり遊技)が頻繁に実行されることにより、大当たりに当選しなくても持ち球が増加し続ける極めて有利な特定の遊技状態を設けているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、特定の遊技状態以外の遊技状態において特定遊技が行われたとしても賞球が払い出されることがないように、特定の遊技状態以外の遊技状態において特定の入賞口へと遊技球が入球し難くさせるための制御をおこなうものが一般的であるため、特定の入賞口への入賞を強引に避けているような見た目となってしまい、遊技機の動作に不信感を抱かせてしまう虞があった。
これに対して遊技機OC1によれば、有利な第2制御が実行されている第2遊技状態において実行された可変遊技においても可変入球手段へと遊技球を入球させることができ、第2遊技状態の有利度合いをより向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機OC1において、前記第1の判別結果となった時点の遊技状態と、当該第1の判別結果に基づく前記可変遊技の実行が終了した後の遊技状態と、を同一とさせる手段を備え、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、前記特定方向へと遊技球を発射し続けた場合に前記可変遊技が実行され易い構成であることを特徴とする遊技機OC2。
遊技機OC2によれば、可変遊技の前後で遊技状態を維持することができるので、特に、有利な第2遊技状態において可変遊技となった場合に、可変入球手段へと遊技球を入球させる機会を得ることができる上に、有利な遊技状態も維持されることとなり、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機OC2において、前記遊技状態設定手段は、前記特定条件の成立に基づいて、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第2遊技状態よりも前記可変遊技が実行され易い遊技状態である第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機OC3。
遊技機OC3によれば、遊技機OC2の奏する効果に加え、第3遊技状態が設定されると、第2遊技状態よりも可変遊技が実行され易くなるため、第3遊技状態が設定された場合に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機OC2又はOC3において、前記第2遊技状態において前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記第2遊技状態とは少なくとも異なる所定の遊技状態を設定可能な第2遊技状態設定手段を備え、前記第2遊技状態は、前記第2の判別結果となるまで継続し得る構成であることを特徴とする遊技機OC4。
遊技機OC3によれば、遊技機OC2又はOC3の奏する効果に加え、第1の判別結果となっても第2遊技状態が維持される一方で、第2の判別結果となることで所定の遊技状態に変更されてしまうので、第2の判別結果とならずにより多くの回数、第1の判別結果となることを強く期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機OC4において、少なくとも前記可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、所定数の賞球を払い出す払出手段を備え、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも、前記特定方向へと遊技球を発射し続けた場合に前記払出手段によって払い出される賞球数が多くなり易くなる構成であることを特徴とする遊技機OC5。
遊技機OC5によれば、遊技機OC4の奏する効果に加え、第2遊技状態では、第1遊技状態よりも有利な制御が実行される上に、可変遊技の実行中に可変入球手段へと遊技球を到達させて賞球を獲得することができるため、第2遊技状態が設定された場合に遊技者に対してより大きな喜びや満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機OC5において、前記第2遊技状態となってから前記判別手段の判別結果が前記第2の判別結果となるまでの間、前記特定方向へと遊技球を発射し続けた場合に、発射される遊技球の数よりも前記払出手段によって払い出される賞球の数の方が多くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機OC6。
遊技機OC6によれば、遊技機OC5の奏する効果に加え、第2遊技状態において特定方向へと遊技球を発射し続けることで、発射した遊技球の個数以上の賞球を獲得可能となる極めて有利な状態を形成するので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機OC1からOC6のいずれかにおいて、前記特定方向へと発射された遊技球が入球困難な位置であって前記特定方向とは異なる第2方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている第2入球手段を備え、前記取得手段は、前記入球手段へと遊技球が入球した場合と前記第2入球手段へと遊技球が入球した場合とに、前記判別情報を取得可能な構成であり、前記第2遊技状態は、前記特定方向へと遊技球を発射し続けるよりも、前記第2方向へと遊技球を発射し続けた方が、前記第2遊技状態が長い期間継続し易い構成であることを特徴とする遊技機OC7。
遊技機OC7によれば、遊技機OC1からOC6のいずれかが奏する効果に加え、前記第2遊技状態では、特定方向へと遊技球を発射し続けることで可変遊技の実行中に可変入球手段へと遊技球を入球させることができる一方で、第2方向へと遊技球を発射し続けることで第2遊技状態をより長く継続させることができるので、特定方向へと遊技球を発射するか、第2方向へと遊技球を発射するかを遊技者に対して選択させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機OC3において、前記第3遊技状態は、前記第1制御が設定される遊技状態であることを特徴とする遊技機OC8。
遊技機OC8によれば、遊技機OC3の奏する効果に加え、第3遊技状態では、入球手段へと入球し難いが可変遊技が実行され易い遊技性となり、第2遊技状態では、入球手段へと入球し易くなるが可変遊技が実行され難い遊技性となるため、多様な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機OC3又はOC8において、少なくとも前記可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、所定数の賞球を払い出す払出手段を備え、前記第3遊技状態は、少なくとも前記特定方向へと遊技球を発射し続けた場合に、前記発射手段によって発射される遊技球の個数よりも、前記払出手段によって払い出される遊技球の個数の方が多くなり易い遊技状態であることを特徴とする遊技機OC9。
遊技機OC9によれば、遊技機OC3又はOC8が奏する効果に加え、第3遊技状態では、特定方向へと遊技球を発射し続けるだけで発射する遊技球以上の個数の遊技球を払い出させることができるので、第3遊技状態が設定された場合に、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機OC3又はOC8又はOC9において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別が実行されたことに基づいて、当該判別の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示時間を決定する動的表示時間決定手段と、を備え、前記第3遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、少なくとも前記第1の判別結果となった場合に前記動的表示時間決定手段により短い動的表示時間が決定され易い構成であることを特徴とする遊技機OC10。
遊技機OC10によれば、遊技機OC3又はOC8又はOC9のいずれかが奏する効果に加え、第3遊技状態では、第2遊技状態よりも可変遊技の実行頻度が高くなるため、可変入球手段へと遊技球が入球する頻度も高くすることができるという効果がある。
遊技機OC3又はOC8からOC10のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段は、所定の前記第2遊技状態において前記第1の判別結果となったこととは少なくとも異なる予め定められた第1条件が成立したことに基づいて、前記可変遊技を介さずに前記第3遊技状態を設定可能な構成であることを特徴とする遊技機OC11。
遊技機OC11によれば、遊技機OC3又はOC8からOC10のいずれかが奏する効果に加え、第2遊技状態において第1条件が成立することにより、可変遊技の実行頻度が高くなるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴OD群>(同一の時短状態で当たりとは異なる抽選結果となった場合に、特図2保留の貯め易さが可変する)
所定の取得条件の成立に基づいて判別情報を取得する取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、予め定められた特定の数を上限として記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記取得手段によって前記判別情報が取得され易くなる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記第2遊技状態において第1条件が成立したことに基づいて、第1制御と、その第1制御よりも前記取得手段によって前記判別情報が取得され易くなる第2制御と、を少なくとも含む複数のうち1の制御を実行する制御実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機OD1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、遊技者に有利な第1遊技状態から有利度合いが低い第2遊技状態へと移行する移行条件として、第1遊技状態が設定された契機(当たり種別、当たり当選時の遊技状態等)に応じて異なる移行条件を設定可能に構成されているものも存在し、興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、第1遊技状態が設定された契機毎に移行条件が固定化されてしまうため、移行条件が成立する前から、移行条件の種別を遊技者が比較的容易に察知可能となってしまい、興趣を向上させ難くなってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機OD1によれば、第1制御が実行されるか、第2制御が実行されるかに応じて、記憶手段に記憶される判別情報の数が異なるため、制御実行手段によって実行される制御に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機OD1において、前記第2制御は、前記第1制御よりも、前記第1条件が成立してから予め定められた第2条件が成立するまでの間の期間において、前記取得手段によって前記判別情報が取得され易くなる制御であることを特徴とする遊技機OD2。
遊技機OD2によれば、遊技機OD1の奏する効果に加え、第2制御が実行されると、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの間、取得手段によって判別情報が取得され易い状態が継続されるので、第1制御と第2制御との有利度合いの差をより大きくすることができるという効果がある。
遊技機OD1又はOD2において、前記第2条件が成立した場合に、前記取得手段によって前記判別情報が取得され難くなる特定の状態を形成可能な構成であることを特徴とする遊技機OD3。
遊技機OD3によれば、遊技機OD1又はOD2の奏する効果に加え、第2条件が成立した後は判別情報が取得され難くなるので、第1条件が成立した場合に第2制御が実行されることをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機OD1からOD3のいずれかにおいて、前記第1制御は、前記第1条件が成立した後の所定期間に含まれる第1タイミングで前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に切り替える制御であり、前記第2制御は、前記所定期間に含まれるタイミングであって前記第1タイミングよりも遅いタイミングである第2タイミングで前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に切り替える制御であることを特徴とする遊技機OD4。
遊技機OD4によれば、遊技機OD1からOD3のいずれかが奏する効果に加え、第1制御よりも第2制御の方が、第1条件が成立した後においてより長く判別情報が取得され易い第2遊技状態が継続されるので、第2制御が実行されることを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機OD1からOD4のいずれかにおいて、前記第1条件は、前記第2遊技状態において前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった後で少なくとも成立可能な条件であることを特徴とする遊技機OD5。
遊技機OD5によれば、遊技機OD1からOD4のいずれかが奏する効果に加え、外れ判別結果を契機として判別情報の取得され易さを可変させることができる斬新な遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機OD5において、前記第2遊技状態が設定されてから予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記外れ判別結果となったことに基づいて前記第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段を備え、前記第1条件は、第2遊技状態が設定された後の前記特定回数目の前記判別手段の判別が前記外れ判別結果となった後で少なくとも成立可能な条件であることを特徴とする遊技機OD6。
遊技機OD6によれば、遊技機OD5の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定される直前における判別情報の取得され易さを、第1制御が実行されるか第2制御が実行されるかによって異ならせることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機OD5又はOD6において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段で動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、を備え、前記第1条件は、前記外れ判別結果に対応する前記識別情報の動的表示が開始された後で成立し得る条件であることを特徴とする遊技機OD7。
遊技機OD7によれば、遊技機OD5又はOD6の奏する効果に加え、外れ判別結果に対応する識別情報の動的表示の実行中に、判別情報の取得され易さが可変される斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機OD7において、前記外れ判別結果に対応する動的表示期間の長さは、前記外れ判別結果に対応する識別情報の動的表示の実行中に前記第1条件が成立して前記第2制御が実行された場合に、前記外れ判別結果に対応する識別情報の動的表示が終了されるよりも前に前記第2制御を終了させることが可能な長さで構成されていることを特徴とする遊技機OD8。
遊技機OD8によれば、遊技機OD7が奏する効果に加え、外れ判別結果に対応する識別情報の動的表示の途中で第2制御が開始され、識別情報の動的表示が終了するよりも前に第2制御が終了されるので、判別情報が取得され易い期間を限ることができ、第2制御となったか第1制御となったかに対してより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機OD4において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別が実行されたことに基づいて、当該判別の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、を備え、前記所定期間は、前記判別手段の判別が実行されてから当該判別の判別結果を示すための前記識別情報の動的表示が終了されるまでの期間であり、前記第1制御は、所定の前記識別情報の動的表示の開始時に前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に切り替える制御であることを特徴とする遊技機OD9。
遊技機OD9によれば、遊技機OD4の奏する効果に加え、第1制御が実行されると、識別情報の動的表示の開始と共に第1遊技状態に切り替えられるため、第2制御が実行されることをより強く遊技者に期待させることができるという効果がある。
遊技機OD1からOD9のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態と、遊技球が入球困難な第2状態と、に可変可能な可変入球手段と、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1の判別結果となったことに基づいて、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態に可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とも前記第1の判別結果とも異なる外れ判別結果となったことに基づいて、前記特典遊技も前記可変遊技も介さずに新たな前記判別手段の判別を実行可能とさせる手段と、を備え、前記第1条件は、前記第2遊技状態において前記判別手段の判別結果が前記外れ判別結果となった場合に少なくとも成立し得る条件であることを特徴とする遊技機OD10。
遊技機OD10によれば、遊技機OD1からOD9のいずれかが奏する効果に加え、第2の判別結果となった場合に、第2制御が実行されることを期待させることができるという効果がある。
遊技機OD10において、前記可変入球手段へと入球した遊技球が入球可能な位置に設けられている特定領域と、少なくとも前記可変遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、前記特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、を備え、前記所定条件は、前記第2遊技状態において前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果と前記外れ判別結果とのどちらかとなった場合に成立し得る条件であることを特徴とする遊技機OD11。
遊技機OD11によれば、遊技機OD10の奏する効果に加え、第1の判別結果となった場合は、特定領域へと遊技球を入球させることで特典遊技が実行される可能性があるが、外れ判別結果となった場合は、特典遊技が実行される可能性が無いため、第1制御が実行されたと遊技者が認識した場合に、第1の判別結果となったことに基づく第1制御であることをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機OD11において、第1の判別結果となって前記第1制御が実行される割合は、前記第2の判別結果となって前記第1制御が実行される割合よりも高くなる構成であることを特徴とする遊技機OD12。
遊技機OD12によれば、遊技機OD11の奏する効果に加え、第1制御が実行された場合には、第1の判別結果となって可変遊技が実行される期待度が高くなるため、第1制御が実行されたと遊技者が認識した場合であっても、遊技者を落胆させ難くすることができるという効果がある。
遊技機OD1からOD12において、前記取得手段は、第1の取得条件と、その第1の取得条件とは異なる第2の取得条件と、のどちらかが成立したことに基づいて前記判別情報を取得可能であり、前記第1の取得条件が成立したことに基づいて取得された前記判別情報よりも、前記第2の取得条件が成立したことに基づいて取得された前記判別情報の方が、前記判別手段によって有利度合いが高い判別が実行される構成であり、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記第2の取得条件が成立し易くなる遊技状態であり、前記第2制御は、前記第1条件が成立した後の所定期間において前記2の取得条件が成立し易くなる制御であることを特徴とする遊技機OD13。
遊技機OD13によれば、遊技機OD1からOD12のいずれかが奏する高価に加え、第2制御の方が、第1制御よりも、第2の取得条件が成立し易くなるため、有利度合いが高い判別が実行され易くなる。よって、第2制御が実行されることをより強く期待させることができるという効果がある。
<特徴OE群>(1変動内で貯めることが可能な保留球数を示唆する演出)
所定の取得条件の成立に基づいて判別情報を取得可能な取得手段と、その取得手段によって取得された前記判別情報を、特定の数を上限として記憶可能な判別情報記憶手段と、所定の判別条件の成立に基づいて、前記判別情報記憶手段に記憶されている前記判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、前記判別手段の判別が実行されたことに基づいて、当該実行された判別の判別結果を示すための第1演出を実行する第1演出実行手段と、所定の第1演出の実行中に、前記判別情報記憶手段に対して記憶させることが可能な前記判別情報の数を少なくとも遊技者が把握可能な特定演出態様を含んで構成される第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機OE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、所定の始動口へと遊技球が入球したことに基づいて当たりか否かの抽選に用いるための抽選情報を取得可能に構成されていると共に、取得した抽選情報を、所定数を上限として抽選に用いられるまで記憶可能なものも存在する。この従来型の遊技機においては、更に、特定の遊技状態において、取得できる抽選情報の数が、当該特定の遊技状態が設定される契機(当たり種別、当たり当選時の遊技状態等)に応じて可変されるものも存在し、特定の遊技状態で取得できる抽選情報の数を演出によって遊技者に把握可能に構成することで興趣向上を図っていた。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、特定の遊技状態が設定される契機毎に、演出態様が固定化されてしまうため、遊技者の興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して遊技機OE1によれば、所定の第1演出の実行中において、特定演出態様を確認することで、判別情報記憶手段に対して追加で判別情報を記憶させるべきであるか否かを遊技者に対して判別させることができるので、より好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機OE1において、前記特定演出態様として第1演出態様が設定されている場合に、前記所定の第1演出の実行中に前記判別情報記憶手段に対して特定数の前記判別情報を記憶させることが可能であることを遊技者が把握可能となり、前記特定演出態様として前記第1演出態様とは異なる第2演出態様が設定されている場合に、前記所定の第1演出の実行中に前記判別情報記憶手段に対して前記判別情報を記憶させることが困難であることを遊技者が把握可能となることを特徴とする遊技機OE2。
遊技機OE2によれば、遊技機OE1の奏する効果に加え、第1演出態様が設定されるか、第2演出態様が設定されるかに応じて、判別情報記憶手段に記憶させることができる判別情報の個数が可変するので、特定演出態様の種別により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機OE2において、前記特典遊技の種別として、特定特典遊技を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段を備え、前記特定特典遊技の実行が終了した後の所定期間において、前記特定演出態様として前記第1演出態様が設定される第1の状況と、前記第2演出態様が設定される第2の状況と、が成立し得る構成であることを特徴とする遊技機OE3。
遊技機OE3によれば、遊技機OE2の奏する効果に加え、特定特典遊技の実行が終了した後の所定期間において、第1演出態様が設定される場合も第2演出態様が設定される場合もあるので、特定特典遊技の実行が終了した後において、特定演出態様の種別により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機OE1からOE3のいずれかにおいて、前記第2演出実行手段は、少なくとも前記所定の第1演出よりも前に実行される第2の第1演出と前記所定の第1演出とに渡って前記第2演出を実行可能であることを特徴とする遊技機OE4。
遊技機OE4によれば、遊技機OE1からOE3のいずれかが奏する効果に加え、所定の第1演出が実行されるよりも前から、所定の第1演出が実行された場合に判別情報記憶手段に記憶させることができる判別情報の数を遊技者に対して把握させることができる斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機OE1からOE4のいずれかにおいて、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として遊技者に有利な第1遊技状態を設定可能な第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において前記特典遊技が実行されずに予め定められた特定回数の前記判別手段の判別が実行されたことに基づいて、前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記所定の第1演出は、前記第1遊技状態において前記特定回数目に実行される前記第1演出であることを特徴とする遊技機OE5。
遊技機OE5によれば、遊技機OE1からOE4のいずれかが奏する効果に加え、有利度合いが低い第1遊技状態が設定される前により多くの判別を実行させたいと考える遊技者に対して、特定演出態様によって示唆される判別情報の数により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機OE5において、前記取得手段は、第1の取得条件と、その第1の取得条件とは異なる第2の取得条件と、のどちらかが成立したことに基づいて前記判別情報を取得可能であり、前記第1の取得条件が成立したことに基づいて取得された前記判別情報よりも、前記第2の取得条件が成立したことに基づいて取得された前記判別情報の方が、前記判別手段によって有利度合いが高い判別が実行される構成であり、前記特定演出態様は、前記特定回数目に実行される前記第1演出の実行中に前記第2の取得条件が成立し得る回数を少なくとも遊技者が把握可能な演出態様であることを特徴とする遊技機OE6。
遊技機OE6によれば、遊技機OE5の奏する効果に加え、有利度合いが高い第2の取得条件が成立する回数を特定演出態様によって示唆することができるので、遊技者に対して第2演出態様により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機OE6において、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも前記第2の取得条件が成立し易い遊技状態であることを特徴とする遊技機OE7。
遊技機OE7によれば、遊技機OE6の奏する効果に加え、第1遊技状態は、第2遊技状態よりも、有利度合いが高い判別が実行され易くなるので、第1遊技状態が設定された場合に、遊技者に対して大きな喜びを抱かせることができるという効果がある。
遊技機OE1からOE7のいずれかにおいて、前記第2演出は、前記判別情報記憶手段に対して既に記憶されている前記判別情報が前記判別に用いられた場合に前記特典遊技が実行される期待度を示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成されていることを特徴とする遊技機OE8。
遊技機OE8によれば、遊技機OE1からOE7のいずれかが奏する効果に加え、第2演出によって、追加で記憶させることができる判別情報の個数だけでなく、特典遊技が実行される期待度についても遊技者に対して示唆することができるので、より好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機OE1からOE8のいずれかにおいて、前記特定演出態様として第1演出態様が設定されている場合に、前記所定の第1演出の実行中に前記判別情報記憶手段に対して特定数の前記判別情報を記憶させることが可能であることを遊技者が把握可能となり、前記特定演出態様として前記第1演出態様とは異なる第2演出態様が設定されている場合に、前記所定の第1演出の実行中に前記判別情報記憶手段に対して前記判別情報を記憶させることが困難であることを遊技者が把握可能となり、前記第2演出態様を伴う前記第2演出は、前記第1演出態様を伴う前記第2演出よりも、前記特典遊技が実行される期待度が高いことが示唆され易い構成であることを特徴とする遊技機OE9。
遊技機OE9によれば、遊技機OE1からOE8のいずれかが奏する効果に加え、第2演出態様を伴う第2演出が実行された場合に、遊技者を落胆させてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<5085系特徴群>
<特徴PA群>(可動手段を複数回可動させる第1制御が完了した後に第2制御を実行可能であって、終了条件が成立している状態で可動手段が第1位置に位置した場合には第1制御を途中で止めて第2制御を実行可能+終了条件が成立した後に実行条件が成立した場合に特定演出を実行可能)
第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを少なくとも含む可動範囲で可動可能な可動手段と、その可動手段を前記第1位置に位置させる制御を複数回実行する第1制御を実行可能な第1制御手段と、その第1制御手段による前記第1制御が終了した後に前記第1制御とは異なる第2制御を実行可能な第2制御手段と、を有した遊技機において、前記可動手段に対して第1制御が実行されている場合には成立可能であり、前記第2制御が実行されている場合では成立し得ない特定条件が成立したことを判別可能な判別手段を有し、前記遊技機は、所定条件が成立している状態で前記特定条件が成立した場合には、前記第1制御の実行中であっても前記第1制御を終了させて前記第2制御を実行させることが可能であり、前記所定条件が成立した後において実行条件が成立した場合に特定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機PA1。
従来より、第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを少なくとも含む可動範囲で可動手段を可動させる可動制御として、可動手段を一連の動作内容で可動させるための動作シナリオを設定可能に構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2012-130802号公報)。
具体的には、可動手段への可動制御が実行されてからの経過時間に対応させてステッピングモータの回転方向、回転速度を異ならせた動作シナリオを設定することにより、ステッピングモータの回転状況に対応させて可動手段を様々な方向や速度で可動させることができるように構成している。このように、可動手段を様々な動作内容で可動させる可動制御を実行する場合において、一連の動作内容に対応した動作シナリオを設定可能に構成することで、可動手段に対する可動制御の処理負荷を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段を一連の動作内容で可動させるための動作シナリオが設定された場合には、設定された動作シナリオが完了するまで、設定された動作シナリオに応じた可動制御が実行されてしまうため、例えば、可動手段に対して新たな可動制御を実行するための実行条件が成立した場合であっても、実行中の可動制御が終了するまで新たな可動制御を実行することが出来ないという問題があった。
そこで、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、設定された動作シナリオに対応する可動制御が最後まで実行されるよりも前に新たな制御を実行可能に構成することにより、実行条件が成立した各種制御を遅滞なく実行させることで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機の提供することを目的とする。
遊技機PA1によれば、第1制御が実行されている期間中に終了条件を成立させた場合の方が、終了条件を成立させない場合よりも第2制御を早く実行させることができるため、いち早く第2制御を実行させようとする遊技者に対して終了条件が成立することを期待させながら第1制御を楽しませることができるという効果がある。加えて、終了条件が成立してから特定条件が成立するまでの間に実行条件を成立させることで特定演出が実行されるため、終了条件が成立してから実際に第1制御が終了するまでの期間に対して遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機PA1において、前記所定条件は、前記第1位置に位置している前記可動手段が可動してから前記第1位置へと位置する回数が規定回数となるまでの特定期間中において第1条件が特定回数成立した場合に成立し得るものであることを特徴とする遊技機PA2。
遊技機PA2によれば、遊技機PA1の奏する効果に対して、特定期間中における第1条件の成立回数が特定回数となった場合に終了条件を成立させることができるため、第1制御が終了するよりも前に終了条件が成立したか否かを把握しようとする遊技者に対して、特定期間内における第1条件の成立回数を把握しようと興味を持たせ易くすることができるという効果がある。
遊技機PA2において、前記第1条件が成立したことを報知可能な報知手段を有することを特徴とする遊技機PA3。
遊技機PA3によれば、遊技機PA2の奏する効果に加え、第1条件が成立したことが報知手段により報知されるため、第1制御が終了するよりも前に終了条件が成立したか否かを把握しようとする遊技者に対して、第1条件の成立回数を分かり易く把握させることができる。よって、終了条件の成立有無を遊技者に予測させ易くすることができるという効果がある。
つまり、遊技機PA3によれば、終了条件が成立するために必要となる3つの要素、具体的には、特定期間の範囲、終了条件を成立させるために必要となる第1条件の成立回数、実際に成立した第1条件の成立回数のうち、1の要素に関する情報を遊技者に把握させ易くすることで終了条件の成立有無を予測させ易くするものであるが、遊技者に報知する要素の数は1つに限ること無く、2つ以上としても良い。また、実際に成立した第1条件の成立回数を報知するのでは無く、他の要素に関する情報を報知するように構成しても良い。
遊技機PA3において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記遊技機は、前記操作手段へと所定の操作を実行したことに基づいて、前記第1条件を成立させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機PA4。
遊技機PA4によれば、遊技機PA3の奏する効果に加え、遊技者が操作手段を操作することに基づいて第1条件を成立させることが可能となるため、終了条件を成立させようとする遊技者に対して、操作手段を意欲的に操作させることができる。よって、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。
また、終了条件を成立させるか否かが遊技者による操作手段への操作内容によって決定されるため、終了条件を成立させないことを遊技者が任意に選択することができるという効果がある。
遊技機PA4において、前記実行条件は、前記所定条件が成立してから前記特定条件が成立するまでの間に前記第1条件が成立した場合に成立し得るものであることを特徴とする遊技機PA5。
遊技機PA5によれば、遊技機PA4の奏する効果に加え、終了条件を成立させるために行った操作手段への操作を継続することで実行条件を成立させることができるため、終了条件を成立させようと意欲的に操作手段を操作した遊技者に対して、実行条件を成立させ易くすることができるという効果がある。
遊技機PA1からPA5の何れかにおいて、前記第2制御を実行することで、前記可動手段を前記第1制御とは異なる可動範囲で可動させることが可能であることを特徴とする遊技機PA6。
遊技機PA6によれば、遊技機PA1からPA5の何れかの奏する効果に加え、第2制御によって第1制御とは異なる可動範囲で可動手段を可動させることができるため、様々な可変態様で可動手段を可動させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機PA1からPA6の何れかにおいて、前記特定演出は、少なくとも前記第1制御が実行されている期間を含む第1期間を演出期間として実行可能であることを特徴とする遊技機PA7。
遊技機PA7によれば、遊技機PA1からPA6の何れかの奏する効果に加え、第1制御の実行期間中に特定演出を実行することができるため、終了条件が成立してから第2制御が実行されるまでの間に遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機PA1からPA7の何れかにおいて、前記可動手段が前記第1位置に位置している状態で前記第1制御が終了するように前記動作シナリオが規定されていることを特徴とする遊技機PA8。
遊技機PA8によれば、遊技機PA1からPA7の何れかの奏する効果に加え、終了条件が成立した場合も、第1制御が終了した場合も、可動手段が第1位置に位置している状態で第2制御を実行することができるため、終了条件の成立有無に関わらず、同一内容の第2制御を実行させることができる。よって、終了条件の成立有無に応じて第2制御の内容を変える必要が無くなるため第2制御の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴PB群>(可動手段を可動させる第1制御が完了した後に第2制御を実行可能であって、終了条件が成立している状態で可動手段が第1位置に位置した場合には第1制御を途中で止めて第2制御を実行可能+操作手段への操作に基づいて終了条件が成立)
第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを少なくとも含む可動範囲で可動可能な可動手段と、その可動手段を前記第1位置に位置させる制御を複数回実行する第1制御を実行可能な第1制御手段と、その第1制御手段による前記第1制御が終了した後に前記第1制御とは異なる第2制御を実行可能な第2制御手段と、を有した遊技機において、前記可動手段に対して第1制御が実行されている場合には成立可能であり、前記第2制御が実行されている場合では成立し得ない特定条件が成立したことを判別可能な判別手段を有し、前記遊技機は、所定条件が成立している状態で前記特定条件が成立した場合には、前記第1制御の実行中であっても前記第1制御を終了させて前記第2制御を実行させることが可能であり、前記所定条件は、前記第1制御を規定回数実行させる特定期間中において、前記操作手段へと所定の操作を実行したことに基づいて成立し得る第1条件が特定回数成立した場合に成立し得ることを特徴とする遊技機PB1。
従来より、第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを少なくとも含む可動範囲で可動手段を可動させる可動制御として、可動手段を一連の動作内容で可動させるための動作シナリオを設定可能に構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2012-130802号公報)。
具体的には、可動手段への可動制御が実行されてからの経過時間に対応させてステッピングモータの回転方向、回転速度を異ならせた動作シナリオを設定することにより、ステッピングモータの回転状況に対応させて可動手段を様々な方向や速度で可動させることができるように構成している。このように、可動手段を様々な動作内容で可動させる可動制御を実行する場合において、一連の動作内容に対応した動作シナリオを設定可能に構成することで、可動手段に対する可動制御の処理負荷を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段を一連の動作内容で可動させるための動作シナリオが設定された場合には、設定された動作シナリオが完了するまで、設定された動作シナリオに応じた可動制御が実行されてしまうため、例えば、可動手段に対して新たな可動制御を実行するための実行条件が成立した場合であっても、実行中の可動制御が終了するまで新たな可動制御を実行することが出来ないという問題があった。
そこで、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、設定された動作シナリオに対応する可動制御が最後まで実行されるよりも前に新たな制御を実行可能に構成することにより、実行条件が成立した各種制御を遅滞なく実行させることで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機の提供することを目的とする。
遊技機PB1によれば、第1制御が実行されている期間中に終了条件を成立させた場合の方が、終了条件を成立させない場合よりも第2制御を早く実行させることができるため、いち早く第2制御を実行させようとする遊技者に対して終了条件が成立することを期待させながら第1制御を楽しませることができるという効果がある。加えて、遊技者が操作手段を操作したことに基づいて成立し得る第1条件が特定期間内にて所定回数成立した場合に、終了条件が成立するように構成しているため、終了条件を成立させようとする遊技者に対して、操作手段を意欲的に操作させることができる。よって、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。
また、終了条件を成立させるか否かが遊技者による操作手段への操作内容によって決定されるため、終了条件を成立させないことを遊技者が任意に選択することができるという効果がある。
遊技機PB1において、前記第1条件が成立したことを報知可能な報知手段を有することを特徴とする遊技機PB2。
遊技機PB2によれば、遊技機PB1の奏する効果に加え、第1条件が成立したことが報知手段により報知されるため、第1制御が終了するよりも前に終了条件が成立したか否かを把握しようとする遊技者に対して、第1条件の成立回数を分かり易く把握させることができる。よって、終了条件の成立有無を遊技者に予測させ易くすることができるという効果がある。
つまり、遊技機PB2によれば、終了条件が成立するために必要となる3つの要素、具体的には、特定期間の範囲、終了条件を成立させるために必要となる第1条件の成立回数、実際に成立した第1条件の成立回数のうち、1の要素に関する情報を遊技者に把握させ易くすることで終了条件の成立有無を予測させ易くするものであるが、遊技者に報知する要素の数は1つに限ること無く、2つ以上としても良い。また、実際に成立した第1条件の成立回数を報知するのでは無く、他の要素に関する情報を報知するように構成しても良い。
遊技機PB2において、前記所定条件を成立させるために必要となる前記第1条件の成立回数に関連する第1情報を表示手段に表示可能であることを特徴とする遊技機PB3。
遊技機PB3によれば、遊技機PB1の奏する効果に加え、第1情報を表示することで終了条件を成立させるために必要となる第1条件の残成立回数を遊技者に予測させ易くすることができるという効果がある。
ここで、第1情報としては、終了条件を成立させるために必要となる第1条件の成立回数を数値で示す情報以外に、例えば、第1条件が成立する毎に付与される特定情報を合算した値を示す情報を用いても良い。この場合、第1条件が成立する毎に付与される特定情報が常に一定である場合には、表示手段に表示されている第1情報が示す値と、第1条件が成立する毎に付与される特定情報の値と、を比較することで、終了条件を成立させるために必要となる第1条件の成立回数を遊技者に予測させることができる。
なお、第1情報としては、上述したように値を用いた情報以外にも、例えば、第1条件が成立した場合に段階的に可変させることが可能な表示態様を表示可能な構成において、その表示態様が特定表示態様へと可変された場合に終了条件が成立したことを報知する演出を実行可能な場合であれば、その特定表示態様を示す情報を第1情報として用いても良い。この場合は、第1条件が成立する毎に表示態様が可変していく過程を視覚的に認識させることで終了条件が成立するまでの期間を楽しませることができる。
遊技機PB3において、前記特定期間中に成立した前記第1条件の累積回数に関連する第2情報を前記表示手段に表示可能であることを特徴とする遊技機PB4。
遊技機PB4によれば、遊技機PB3の奏する効果に加え、表示手段に表示された第1情報と第2情報とを比較することで、終了条件が成立するまでに必要となる第1条件の成立回数の残回数を遊技者により詳細に把握させ易くすることができるという効果がある。
遊技機PB4において、所定期間内に複数回の第1制御が実行された場合に、前記所定期間中に成立した前記第1条件の累積回数に関連する第3情報を前記表示手段に表示可能であることを特徴とする遊技機PB5。
遊技機PB5によれば、遊技機PB4の奏する効果に加え、所定期間中に成立した第1条件の累積回数に関連する第3情報を複数回の第1制御を跨いで累積表示可能に構成しているため、第1条件がどの程度成立し得るものであるかを遊技者に把握させることができる。
遊技機PB1からPB5の何れかにおいて、前記第1制御は、前記可動手段が前記第1位置に位置している状態から次に前記第1位置へと位置させるまでの可動期間として、第1可動期間と、その第1可動期間よりも長い第2可動期間と、を少なくとも含む可動期間で前記可動手段を可動制御可能であることを特徴とする遊技機PB6。
遊技機PB6によれば、遊技機PB1からPB5の何れかの奏する効果に加え、特定期間の長さを異ならせることができるため、特定期間中における終了条件の成立のし易さを異ならせることができる。よって、終了条件を成立させようと意欲的に操作手段を操作している遊技者に対して、操作手段への操作内容と終了条件の成立度合いとの関係性が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴PC群>(可動手段を可動させる第1制御が完了した後に第2制御を実行可能であって、終了条件が成立している状態で可動手段が第1位置に位置した場合には第1制御を途中で止めて第2制御を実行可能+終了条件を成立させるための第1条件の成立に関する情報を表示)
第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを少なくとも含む可動範囲で可動可能な可動手段と、その可動手段が前記第1位置に複数回位置するように所定期間の第1制御を実行可能な第1制御手段と、その第1制御手段による前記第1制御が終了した後に前記第1制御とは異なる第2制御を実行可能な第2制御手段と、を有した遊技機において、前記可動手段に対して第1制御が実行されている場合には成立可能であり、前記第2制御が実行されている場合では成立し得ない特定条件が成立したことを判別可能な判別手段を有し、前記遊技機は、所定条件が成立している状態で前記特定条件が成立した場合には、前記第1制御の実行中であっても前記第1制御を終了させて前記第2制御を実行させることが可能であり、前記所定条件は、前記第1位置に位置している前記可動手段が可動してから前記第1位置へと位置する回数が規定回数となるまでの特定期間中において第1条件が特定回数成立した場合に成立し得るものであり、前記第1条件の成立に基づいて表示手段に第1表示態様を表示可能であることを特徴とする遊技機PC1。
従来より、第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを少なくとも含む可動範囲で可動手段を可動させる可動制御として、可動手段を一連の動作内容で可動させるための動作シナリオを設定可能に構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2012-130802号公報)。
具体的には、可動手段への可動制御が実行されてからの経過時間に対応させてステッピングモータの回転方向、回転速度を異ならせた動作シナリオを設定することにより、ステッピングモータの回転状況に対応させて可動手段を様々な方向や速度で可動させることができるように構成している。
このように、可動手段を様々な動作内容で可動させる可動制御を実行する場合において、一連の動作内容に対応した動作シナリオを設定可能に構成することで、可動手段に対する可動制御の処理負荷を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段を一連の動作内容で可動させるための動作シナリオが設定された場合には、設定された動作シナリオが完了するまで、設定された動作シナリオに応じた可動制御が実行されてしまうため、例えば、可動手段に対して新たな可動制御を実行するための実行条件が成立した場合であっても、実行中の可動制御が終了するまで新たな可動制御を実行することが出来ないという問題があった。
そこで、上記例示した問題点等を解決し、設定された動作シナリオに対応する可動制御が最後まで実行されるよりも前に新たな制御を実行可能に構成することにより、実行条件が成立した各種制御を遅滞なく実行させることで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機の提供することを目的とする。
遊技機PC1によれば、第1制御が実行されている期間中に終了条件を成立させた場合の方が、終了条件を成立させない場合よりも第2制御を早く実行させることができるため、いち早く第2制御を実行させようとする遊技者に対して終了条件が成立することを期待させながら第1制御を楽しませることができるという効果がある。加えて、第1条件の成立に基づいて表示態様を可変表示することができるため、表示態様の可変状況を把握することで終了条件が成立するか否かを予測しながら遊技者に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機PC1において、前記特定回数に対応する第2表示態様を前記表示手段に表示可能であることを特徴とする遊技機PC2。
遊技機PC2によれば、終了条件を成立させるための第2表示態様が表示手段に表示されるため、終了条件を成立させるために必要となる第1条件の成立回数を遊技者に分かり易く把握させることができるという効果を奏する。
遊技機PC1またはPC2において、前記第1表示態様を、前記第1条件が成立する毎に可変表示可能な表示制御手段を有することを特徴とする遊技機PC3。
遊技機PC3によれば、第1条件が成立する毎に第1表示態様が可変表示されるため、第1条件の成立回数を、第1表示態様を把握することで予測し易くすることができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果を奏する。
遊技機PC1からPC3の何れかにおいて、前記第2制御を実行することで、前記可動手段を前記第1制御とは異なる可動範囲で可動させることが可能であることを特徴とする遊技機PC4。
遊技機PC4によれば、遊技機PC1からPC3の何れかの奏する効果に加え、第2制御によって第1制御とは異なる可動範囲で可動手段を可動させることができるため、様々な可変態様で可動手段を可動させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴PD群>(第1制御が終了するまでに成立した条件に応じて異なる第2制御を実行可能+第1終了条件が成立した場合の方が第2終了条件が成立した場合よりも実行され易い第2制御がある)
第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを少なくとも含む可動範囲で可動可能な可動手段と、その可動手段を可動させるための第1制御を所定条件が成立するまで実行可能な第1制御手段と、前記第1制御が終了した後に前記第1制御とは異なる第2制御を実行可能な第2制御手段と、を有した遊技機において、記第1制御の実行中に第1条件が成立した場合の前記第2制御中における態様と、前記第1制御の実行中に前記第1条件が成立せず前記第1条件とは異なる第2条件が成立した場合の態様とが異なるように構成されていることを特徴とする遊技機PD1。
従来より、第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを少なくとも含む可動範囲で可動手段を可動させる可動制御として、可動手段を一連の動作内容で可動させるための動作シナリオを設定可能に構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2012-130802号公報)。
具体的には、可動手段への可動制御が実行されてからの経過時間に対応させてステッピングモータの回転方向、回転速度を異ならせた動作シナリオを設定することにより、ステッピングモータの回転状況に対応させて可動手段を様々な方向や速度で可動させることができるように構成している。
このように、可動手段を様々な動作内容で可動させる可動制御を実行する場合において、一連の動作内容に対応した動作シナリオを設定可能に構成することで、可動手段に対する可動制御の処理負荷を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、予め定められた動作内容でしか可動手段を動作させることができないため、バリエーションに富んだ可動制御を実行することができないため、可動手段の動作が単調になってしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、可動手段への可動制御が終了するまでに成立した条件に応じて次に実行される制御の内容を異ならせることで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機の提供することを目的とする。
遊技機PD1によれば、第1制御が終了するまでに成立している条件に応じて第2制御の内容を異ならせることができるため、可動手段を可動させるための第1制御が終了した後に第2制御を実行可能に構成した場合において、制御パターンが単調になってしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果を奏する。
遊技機PD1において、前記遊技機は、前記所定条件として、第1所定条件とその第1所定条件とは異なる第2所定条件とを少なくとも成立させることが可能に構成され、前記第1条件は前記第1所定条件が成立した場合に成立可能であり、前記第2条件は前記第2所定条件が成立した場合に成立可能であることを特徴とする遊技機PD2。
遊技機PD2によれば、遊技機PD1の奏する効果に加え、成立した終了条件の種別に応じて第2制御の内容を異ならせることができるため、成立した終了条件についても遊技者に興味を持たせることができるという効果を奏する。
遊技機PD1またはPD2において、前記第2制御を実行することで、前記可動手段を前記第1制御とは異なる可動範囲で可動させることが可能であることを特徴とする遊技機PD3。
遊技機PD3によれば、遊技機PD1またはPD2の奏する効果に加え、第2制御によって第1制御とは異なる可動範囲で可動手段を可動させることができるため、様々な可変態様で可動手段を可動させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機PD1からPD3の何れかにおいて、前記特定第2制御が実行された場合の方が、前記特定第2制御が実行されなかった場合よりも遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段を有することを特徴とする遊技機PD4。
遊技機PD4によれば、遊技機PD1からPD3の何れかの奏する効果に加え、特定第2制御が実行された場合の方が、実行されなかった場合よりも遊技者に有利な特典が付与されるため、特定第2制御が実行されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機PD2からPD4の何れかにおいて、前記遊技機は、成立した前記終了条件の種別に関わらず、前記可動手段が前記第1位置に位置している状態で前記第1制御を終了させるように構成し、前記可動手段が前記第1位置に位置している状態で前記第2制御を実行可能に構成していることを特徴とする遊技機PD5。
遊技機PD5によれば、遊技機PD1からPD4の何れかの奏する効果に加え、成立した終了条件に関わらず、可動手段が第1位置に位置している状態で第1制御を終了させることができるため、第2制御を実行し易くすることができるという効果がある。
遊技機PD5において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記操作手段に対して所定の操作を実行した場合は前記第2所定条件よりも前記第1所定条件の方が成立し易く、前記所定の操作を実行しなかった場合は前記第1所定条件よりも前記第2所定条件の方が成立し易くなるように構成していることを特徴とする遊技機PD6。
遊技機PD6によれば、遊技機PD5の奏する効果に加え、操作手段への操作に応じて異なる種別の終了条件を成立させることができるため、遊技者に様々な終了条件で第1制御を終了させる遊技を選択させることができ、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるという効果を奏する。
<特徴PE群>(第1制御が終了した後に第2制御を実行可能+複数の終了条件の何れを成立させるかを遊技者が選択可能)
第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを少なくとも含む可動範囲で可動可能な可動手段と、その可動手段を可動させるための第1制御を所定条件が成立するまで実行可能な第1制御手段と、前記第1制御が終了した後に前記第1制御とは異なる第2制御を実行可能な第2制御手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、を有した遊技機において、前記遊技機は、前記所定条件として、第1所定条件とその第1所定条件とは異なる第2所定条件とを少なくとも含む複数の所定条件のうち何れかの所定条件を前記操作手段への操作に基づいて成立させることが可能であり、前記第2制御手段は、成立した前記所定条件の種別に応じた前記第2制御を実行可能であることを特徴とする遊技機PE1。
従来より、第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを少なくとも含む可動範囲で可動手段を可動させる可動制御として、可動手段を一連の動作内容で可動させるための動作シナリオを設定可能に構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2012-130802号公報)。
具体的には、可動手段への可動制御が実行されてからの経過時間に対応させてステッピングモータの回転方向、回転速度を異ならせた動作シナリオを設定することにより、ステッピングモータの回転状況に対応させて可動手段を様々な方向や速度で可動させることができるように構成している。
このように、可動手段を様々な動作内容で可動させる可動制御を実行する場合において、一連の動作内容に対応した動作シナリオを設定可能に構成することで、可動手段に対する可動制御の処理負荷を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、予め定められた動作内容でしか可動手段を動作させることができないため、バリエーションに富んだ可動制御を実行することができないため、可動手段の動作が単調になってしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、可動手段への可動制御が終了するまでに成立した条件に応じて次に実行される制御の内容を異ならせることで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機の提供することを目的とする。
遊技機PE1によれば、操作手段への操作に基づいて異なる終了条件を成立させることができるため、遊技者に様々な終了条件で第1制御を終了させる遊技を選択させることができ、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるという効果を奏する。
遊技機PE1において、前記操作手段に対して所定の操作を実行した場合は前記第2所定条件よりも前記第1所定条件の方が成立し易く、前記所定の操作を実行しなかった場合は前記第1所定条件よりも前記第2所定条件の方が成立し易くなるように構成していることを特徴とする遊技機PE2。
遊技機PE2によれば、遊技機PE1の奏する効果に加え、操作手段への操作に基づいて異なる終了条件を成立させることができるため、遊技者に様々な終了条件で第1制御を終了させる遊技を選択させることができ、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるという効果を奏する。
遊技機PE2において、前記第1所定条件は、前記第2所定条件よりも先に成立し得るものであり、前記第1所定条件が成立した場合の方が、前記第2所定条件が成立した場合よりも遊技者に有利な特典を付与可能であることを特徴とする遊技機PE3。
遊技機PE3によれば、第1終了条件を成立させた場合の方が、遊技者に有利な特典が付与され易くなるため、第1終了条件を成立させようと遊技者により意欲的に操作手段を操作させることができるという効果を奏する。
遊技機PE3において、前記第1所定条件が成立した場合の方が前記第2所定条件を成立させた場合よりも、前記第1制御を早く終了させることが可能であることを特徴とする遊技機PE4。
遊技機PE4によれば、第1終了条件を成立させた場合の方が、第2終了条件を成立させた場合よりも第1制御を早く終了させることができるため、第2制御をいち早く実行させることが可能となるという効果を奏する。
遊技機PE1からPE4の何れかにおいて、前記第2制御を実行することで、前記可動手段を前記第1制御とは異なる可動範囲で可動させることが可能であることを特徴とする遊技機PE5。
遊技機PE5によれば、遊技機PE1からPE4の奏する効果に加え、第2制御によって第1制御とは異なる可動範囲で可動手段を可動させることができるため、様々な可変態様で可動手段を可動させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴PF群>(所定制御の実行条件が成立した場合に、出力中の音声が所定条件を満たすまで所定制御の実行を抑制する)
所定の実行条件が成立したことに基づいて、予め定められた第1制御を実行する第1制御実行手段と、操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作が行われた場合に少なくとも成立し得る第1条件が前記第1制御の実行中に成立したことに基づいて、前記第1制御とは少なくとも異なる第2制御を実行する第2制御実行手段と、を備え、前記第2制御実行手段は、前記第1制御の実行中に前記第1条件が成立した場合に、当該第1条件が成立した後で予め定められた第2条件が成立するまで前記第1制御を継続して実行させることが可能な構成であることを特徴とする遊技機PF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。また、係る従来型の遊技機の中には、興趣演出として、楽曲等の音声を出力させることによる音声演出や、役物等の可動部材の可動動作による可動演出等が表示演出に加えて実行されるものも知られている。しかしながら、表示演出、音声演出、および可動演出が複合した場合に、演出を好適に設定することが困難になってしまうという問題点がある。
これに対して遊技機PF1によれば、第1制御の実行中において第1条件が成立したとしても、第2条件を満たすまで第1制御を継続させることができるので、第2制御を第2条件が成立して実行することができ、第1制御と第2制御とが連動しているかのような印象を遊技者に抱かせることができる。よって、より好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機PF1において、前記所定の実行条件は、前記操作手段に対して第1の操作内容の操作が行われた場合に成立し得る条件であることを特徴とする遊技機PF2。
遊技機PF2によれば、遊技機PF1の奏する効果に加え、操作手段を操作することで所定の実行条件を成立させて第1制御を実行させることも、第1制御の実行中に第1条件を成立させて第2制御を実行させることもできるので、遊技者の利便性を頼向上させることができるという効果がある。
遊技機PF1又はPF2において、所定の再生データを再生可能な再生手段と、その再生手段によって再生された前記再生データに対応する音声を出力可能な音声出力手段と、を備え、前記第1制御実行手段は、前記第1制御として、前記再生手段に対して予め定められた特定の音声に対応する特定再生データを再生させるための制御を実行可能であることを特徴とする遊技機PF3。
遊技機PF3によれば、遊技機PF1又はPF2の奏する効果に加え、特定の音声を出力させるための制御を実行することができるので、より好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機PF3において、前記第2条件は、前記特定再生データにおける所定範囲が再生された場合に成立し得る条件であり、前記所定範囲が再生された場合に前記音声出力手段によって特定の音声が出力される構成であることを特徴とする遊技機PF4。
遊技機PF4によれば、第2制御の実行タイミングを所定範囲が再生されている状況下に限ることができるので、第2制御が実行されるタイミングにおいて出力される音声を特定の音声に固定化することができ、より好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機PF4において、前記第1制御の実行中に、前記所定範囲が複数回再生され得る構成であることを特徴とする遊技機PF5。
遊技機PF5によれば、遊技機PF4の奏する効果に加え、第1制御の実行中に特定再生データの所定範囲が複数回再生されるので、所定範囲の再生が終了した後で第1条件が成立した場合に、次の所定範囲の再生が行われることで第2制御を実行させることができ、第2制御の実行自体がキャンセルされてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機PF4又はPF5において、前記所定範囲は、前記音声出力手段によって新たな音階の音声が出力される再生範囲であることを特徴とする遊技機PF6。
遊技機PF6によれば、遊技機PF5の奏する効果に加え、新たな音階の音声の出力タイミングに合わせて第2制御が実行されるので、音声と第2制御とが同期しているかのような興趣性の高い演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機PF1からPF6のいずれかにおいて、前記第1制御の実行中に所定の示唆画像を表示させることが可能な示唆画像表示手段を備え、前記所定の示唆画像は、前記特定演出の実行中に前記第1条件が成立しない場合よりも、前記第1条件が成立した場合の方が、有利度合いが高いことを示唆する表示態様に設定され易く構成されていることを特徴とする遊技機PF7。
遊技機PF7によれば、遊技機PF1からPF6のいずれかが奏する効果に加え、第1制御の実行中において、第1条件が成立することを期待しながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機PF1からPF7のいずれかにおいて、前記第1制御の実行中に予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1条件を成立させるか否かを判別する成立判別手段を備え、前記成立判別手段は、前記第1制御の実行期間に含まれる第1期間の間に前記特定条件が成立した場合に予め定められた第1確率で前記第1条件を成立させ、前記第1期間とは異なる第2期間の間に前記特定条件が成立した場合に前記第1確率よりも低い第2確率で前記第1条件を成立させることが可能な構成であることを特徴とする遊技機PF8。
遊技機PF8によれば、遊技機PF1からPF7が奏する効果に加え、第2期間よりも第1期間において特定条件が成立することをより強く期待させることができるという効果がある。
<特徴PG群>(所定条件を満たした状態で役物が演出位置に到達したとしても、変位部材の変位動作を実行する場合と、実行しない場合とがある)
所定範囲を変位可能な変位手段と、所定の実行条件が成立したことに基づいて、前記変位手段の変位動作を伴う第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第1演出の実行中に予め定められた特定条件が成立した後で、前記変位手段が前記所定範囲に含まれる所定の演出位置に到達したことに基づいて、前記変位手段に対して所定の変位動作を実行させるための特定制御を実行可能な制御手段と、を備え、前記特定条件が成立した後において、予め定められた第1の状況の成立下で前記変位手段が前記所定の演出位置に到達した場合に前記特定制御が実行され、前記第1の状況とは異なる第2の状況下で前記変位手段が前記所定の演出位置に到達した場合に前記特定制御が抑制される構成であることを特徴とする遊技機PG1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、モータ等で動作する可変部材を構成に含むものがある。かかる遊技機の中には、可変部材に対して複数の異なる動作を設定可能に構成することによって、多種多様な演出動作を実行することができるものがある(例えば、特許文献1:特開2008-012194号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、可変部材に対して好適に動作を設定することが困難となる虞があった。また、係る従来型の遊技機の中には、興趣演出として、可変部材が第1の可変動作を既に行っている状況下において、当該可変部材に対して、第1の可変動作とは異なる第2の可変動作を設定するための設定条件が成立し得る構成のものも存在し、第1の可変動作が継続するのか、第2の可変動作に切り替わるかに注目させることで興趣向上を図っているものも存在する。しかしながら、係る従来型の遊技機では、第1の可変動作から第2の可変動作に切り替わる際に、可変動作が不自然になってしまう可能性があるという問題点がある。
これに対して遊技機PG1によれば、所定の演出位置に到達したとしても、特定制御が実行される場合と抑制される場合とを設けることができるので、演出態様をより多様化させることができるという効果がある。
遊技機PG1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、識別情報を表示可能な表示手段と、を備え、前記第1演出は、前記判別手段の判別結果を示すための演出であり、前記第1の状況と、前記第2の状況とは、いずれも前記特定の判別結果を示すための前記第1演出の実行中において成立し得る構成であることを特徴とする遊技機PG2。
遊技機PG2によれば、遊技機PG1の奏する効果に加え、特定の判別結果を示すための第1演出の実行中に第1の状況と、第2の状況と、のいずれもが成立し得るので、より好適な変位動作を実現することができるという効果がある。
遊技機PG1又はPG2において、前記第1の状況は、前記変位手段が前記所定の演出位置に到達した際の前記変位手段の動作が予め定められた第1条件を満たした動作である場合に成立する状況であり、前記第2の状況は、前記変位手段が前記所定の演出位置に到達した際の前記変位手段の動作前記第1条件とは異なる第2条件を満たした動作である場合に成立する状況であることを特徴とする遊技機PG3。
遊技機PG3によれば、遊技機PG1又はPG2の奏する効果に加え、変位手段が所定の演出位置に到達する際の動作内容によって、特定制御を実行するか否かを可変させることができるので、より好適な変位動作を実現することができるという効果がある。
遊技機PG3において、前記演出位置に到達した際の前記変位手段の変位方向を判別可能な変位方向判別手段を備え、前記第1の状況は、前記変位手段が第1の変位方向の変位動作を行っている間に前記所定の演出位置に到達したと判別された場合に成立する状況であり、前記第2の状況は、前記変位手段が前記第1の変位方向とは異なる第2の変位方向の変位動作を行っている間に前記所定の演出位置に到達したと判別された場合に成立する状況であることを特徴とする遊技機PG4。
遊技機PG4によれば、変位手段が所定の演出位置に到達した場合の変位方向に応じて、特定制御を実行するか抑制するかを異ならせることができるので、変位部材の動作態様をより好適に設定することができるという効果がある。
遊技機PG1からPG4のいずれかにおいて、前記第1演出の実行中に前記特定条件が成立しなかった場合に、前記第1の状況が成立しているか否かによらず、少なくとも前記特定制御の実行が抑制される構成であることを特徴とする遊技機PG5。
遊技機PG5によれば、遊技機PG1からPG4のいずれかが奏する効果に加え、特定条件が成立しなかった場合は特定制御が実行されないので、特定制御が実行されて所定の変位動作が行われることを希望する遊技者に対して、特定条件が成立することを期待させることができるという効果がある。
遊技機PG1からPG5のいずれかにおいて、前記所定の演出位置に到達した際の状況が前記第2の状況となって前記特定制御が抑制された場合に、前記特定条件が新たに成立しなくても、その後に前記第1の状況が成立したことに基づいて前記特定制御を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機PG6。
遊技機PG6によれば、遊技機PG1からPG5のいずれかが奏する効果に加え、一旦特定制御が抑制されたとしても、その後に第1の状況が成立することで特定制御を実行することができるので、より好適な変位動作を実現することができるという効果がある。
遊技機PG4において、前記所定の変位動作は、前記変位手段が前記所定の演出位置から前記第1の変位方向へと変位する変位動作を少なくとも含んで構成されていることを特徴とする遊技機PG7。
遊技機PG7によれば、遊技機PG4の奏する効果に加え、第1の変位方向の変位動作を行って所定の演出位置に到達した場合に、特定制御を実行してそのまま第1の変位方向へと変位させる一方で、第2の変位方向の変位動作を行って所定の演出位置に到達した場合は、特定制御を抑制することができるので、第2の変位方向に変位していた変位部材が所定の演出位置に到達した際に唐突に第1の変位方向への変位を行ってしまい、変位動作が不自然な見た目となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機PG1からPG7のいずれかにおいて、操作可能な操作手段を備え、前記特定条件は、前記操作手段に対する所定の操作内容の操作が行われた場合に成立し得る条件であることを特徴とする遊技機PG8。
遊技機PG8によれば、遊技機PG1からPG7の奏する効果に加え、所定の操作内容の操作を行うか否かによって、遊技者に対して特定の制御を行わせるか否かを選択させることができるという効果がある。
遊技機PG8において、前記第1演出は、前記変位手段が前記所定の演出位置に複数回到達し得る演出で構成されており、前記特定条件は、前記変位手段が前記第1の状況で前記所定の演出位置に到達してから、次に前記第1の状況で前記所定の演出位置に到達するまでの間に前記操作手段に対して前記所定の操作内容の操作が行われた場合に成立し得る条件であることを特徴とする遊技機PG10。
遊技機PG10によれば、遊技機PG8の効果に加え、変位手段の変位位置を加味して操作手段を操作させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴PH群>(変位部材の変位条件が成立してから変位タイミングとなるまでの間に特定条件が成立した場合に、変位部材の変位動作を抑制する)
所定範囲を変位可能な変位手段と、第1条件の成立に基づいて、前記変位手段が特定の変位パターンで変位する特定変位動作の実行を決定する決定手段と、その実行決定手段によって前記特定変位動作の実行が決定された後で第2条件が成立したことに基づいて、前記特定変位動作を実行する実行手段と、前記第1条件が成立してから前記第2条件が成立するまでの間に少なくとも成立し得る特定条件が成立したことに基づいて、前記特定変位動作の実行を抑制可能な抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機PH1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、モータ等で動作する可変部材を構成に含むものがある。かかる遊技機の中には、可変部材に対して複数の異なる動作を設定可能に構成することによって、多種多様な演出動作を実行することができるものがある(例えば、特許文献1:特開2008-012194号公報)。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、可変部材に対して好適に動作を設定することが困難となる虞があった。また、係る従来型の遊技機の中には、興趣演出として、可変部材が第1の可変動作を既に行っている状況下において、当該可変部材に対して、第1の可変動作とは異なる第2の可変動作を設定するための設定条件が成立し得る構成のものも存在し、第1の可変動作が継続するのか、第2の可変動作に切り替わるかに注目させることで興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、第2の可変動作を設定するための設定条件が一旦成立してしまうと、第1の可変動作を継続させることができないため、演出の自由度が狭まってしまい、遊技者の興趣を向上させ難いという問題点がある。
これに対して遊技機PH1によれば、第1条件が成立したとしてもその後に特定条件が成立してしまうと特定変位動作の実行が抑制されてしまうため、第1条件の成立後に特定条件が成立しないことを期待させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機PH1において、変位可能な変位手段を備え、前記特定条件は、前記変位手段が予め定められた所定の変位を行った場合に少なくとも成立し得る条件であることを特徴とする遊技機PH2。
遊技機PH2によれば、遊技機PH1の奏する効果に加え、変位手段に所定の変位を行わせるか否かによって、特定変位動作を行わせるか、抑制させるかを遊技者に対して選択させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機PH2において、前記第1条件は、特定期間の間に前記操作手段に対して前記特定の操作内容の操作が行われた場合に成立し得る条件であり、前記特定条件は、前記第1条件が成立した後の前記特定期間において前記操作手段に対して前記特定の操作内容の操作が行われた場合に成立し得る条件であることを特徴とする遊技機PH3。
遊技機PH3によれば、遊技機PH2の奏する効果に加え、特定期間において特定の操作内容の操作を行うことで第1条件が成立し得ると共に、第1条件の成立後は特定条件が成立し得るため、第1条件を成立させつつ特定条件が成立しないように操作手段に対する操作回数を調節する遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機PH1からPH3のいずれかにおいて、前記第1条件は、前記特定条件が成立した後も成立し得る条件であることを特徴とする遊技機PH4。
遊技機PH4によれば、遊技機PH1からPH3のいずれかが奏する効果に加え、一旦特定条件が成立してしまっても、再度第1条件が成立することで特定変位動作が実行されるので、特定条件が成立した後において、第1条件が成立することを期待させる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機PH1からPH4のいずれかにおいて、前記第1条件は、予め定められた第3条件が成立する毎に、所定確率で成立し得る条件であることを特徴とする遊技機PH5。
遊技機PH5によれば、遊技機PH1からPH4のいずれかが奏する効果に加え、第3条件が成立する毎に第1条件が成立することを期待させることができるという効果がある。
遊技機PH1からPH3のいずれかにおいて、前記第1条件は、少なくとも前記特定条件が成立してから前記第2条件が成立するまでの間は成立し得ない構成であることを特徴とする遊技機PH6。
遊技機PH6によれば、遊技機PH1からPH3のいずれかが奏する効果に加え、一旦特定条件が成立すると、特定変位動作を実行させることができなくなるため、第1条件を成立させつつ特定条件は成立しないように集中して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機PH3において、前記第1条件として、前記操作手段に対して前記特定の操作内容の操作が第1回数行われた場合に成立する第1種別と、前記特定の操作内容の操作が前記第1回数よりも多い第2回数行われた場合に成立する第2種別と、を少なくとも含む複数のうちいずれかの種別が設定される構成であることを特徴とする遊技機PH7。
遊技機PH7によれば、遊技機PH3の奏する効果に加え、第1条件にバリエーションを持たせることができ、演出態様を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機PH7において、前記第1種別の前記第1条件が設定されているか前記第2種別の前記第1条件が設定されているかを秘匿する秘匿手段を備えることを特徴とする遊技機PH8。
遊技機PH8によれば、遊技機PH7の奏する効果に加え、第1条件が第1種別であるか第2種別であるかを予測させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴PI群>(可動手段を複数回可動させる第1制御が完了した後に第2制御を実行可能であって、終了条件が成立していると判別する位置が原点位置)
第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを少なくとも含む可動範囲で可動可能な可動手段と、その可動手段を前記第1位置から前記第2位置へと移動させる制御を複数回実行する第1制御を実行可能な第1制御手段と、その第1制御手段による前記第1制御が終了した後に前記第1制御とは異なる第2制御を実行可能な第2制御手段と、を有した遊技機において、前記可動手段が前記第1位置に位置している状態で特定条件が成立したことを判別可能な判別手段を有し、前記遊技機は、前記特定条件が成立した場合には、前記第1制御の実行中であっても前記第1制御を終了させて前記第2制御を実行させることが可能であることを特徴とする遊技機PI1。
従来より、第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを少なくとも含む可動範囲で可動手段を可動させる可動制御として、可動手段を一連の動作内容で可動させるための動作シナリオを設定可能に構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2012-130802号公報)。
具体的には、可動手段への可動制御が実行されてからの経過時間に対応させてステッピングモータの回転方向、回転速度を異ならせた動作シナリオを設定することにより、ステッピングモータの回転状況に対応させて可動手段を様々な方向や速度で可動させることができるように構成している。
このように、可動手段を様々な動作内容で可動させる可動制御を実行する場合において、一連の動作内容に対応した動作シナリオを設定可能に構成することで、可動手段に対する可動制御の処理負荷を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段を一連の動作内容で可動させるための動作シナリオが設定された場合には、設定された動作シナリオが完了するまで、設定された動作シナリオに応じた可動制御が実行されてしまうため、例えば、可動手段に対して新たな可動制御を実行するための実行条件が成立した場合であっても、実行中の可動制御が終了するまで新たな可動制御を実行することが出来ないという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、設定された動作シナリオに対応する可動制御が最後まで実行されるよりも前に新たな制御を実行可能に構成することにより、実行条件が成立した各種制御を遅滞なく実行させることで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機の提供することを目的とする。
遊技機PI1によれば、可動手段の可動開始位置である第1位置にて特定条件の成立を判別可能に構成しているため、特定条件を成立させた場合であっても可動開始位置にて第1制御を終了させることができる。よって、第1制御を終了させるために第1位置とは異なる位置を設定する必要が無くなり、可動手段の可動制御に係る処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機PI1において、前記可動手段は、第1制御手段による前記第1制御が終了した時点で前記第1位置に位置することを特徴とする遊技機PI2。
遊技機PI2によれば、遊技機PI1の奏する効果に加え、第1制御を途中で終了させた場合も、最後まで実行した場合も、可動手段を第1位置に位置した状態で第1制御を終了させることができるため、可動手段を第1位置に位置させた状態で確実に第2制御を実行することができる。よって、第2制御の制御内容を簡素化することができるという効果がある。
遊技機PI2において、前記可動手段は前記第1位置から前記第2位置へと向かう第1方向と、前記第2位置から前記第1位置へと向かう第2方向と、の何れかの方向へと可動可能であり、前記第1位置に位置している前記可動手段が前記第2方向へと可動することを規制するための規制部材を有することを特徴とする遊技機PI3。
遊技機PI3によれば、遊技機PI2の奏する効果に加え、可動手段が第1位置から第2方向へと移動してしまうことを規制部材によって規制することができるため、第1制御手段によって実行される第1制御に不具合が生じた場合であっても、可動手段を第1位置に位置させ易くすることができるという効果がある。
遊技機PI3において、前記第1位置に位置している前記可動手段と前記規制部材との距離である第1距離が、前記第1位置と前記第2位置との距離である第2距離よりも短くなるように構成されていることを特徴とする遊技機PI4。
遊技機PI4によれば、遊技機PI3の奏する効果に加え、第2距離を第1距離よりも長くすることができるため、第1制御によって可動される可動手段の可動範囲を広くし易くすることができるという効果がある。
遊技機PI2からPI4の何れかにおいて、前記可動手段は、前記第1位置から前記第1方向に向けて前記第2位置よりも離間した第3位置へと可動可能であり、前記第2制御が実行されることで、前記第1位置から前記第3位置へと前記可動手段を可動させることが可能であることを特徴とする遊技機PI5。
遊技機PI5によれば、遊技機PI2からPI4の何れかの奏する効果に加え、第2制御として第1制御よりも可動範囲の広い可動を実行することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機PI2からPI5の何れかにおいて、前記第1位置に位置している前記可動手段を外部から視認可能に構成されていることを特徴とする遊技機PI6。
遊技機PI6によれば、遊技機PI2からPI5の何れかの奏する効果に加え、第1位置に位置している可動手段を視認することができるため、可動手段に対する第1制御に異常が生じていないかを目視確認し易くすることができるという効果がある。
遊技機PI6において、前記第1位置に位置している前記可動手段と、前記規制部材との少なくとも一部が当接するように構成し、前記可動手段の有する所定の面と、その面と連続する位置に形成される前記規制部材の所定の面とを跨がるように特定の表示態様が形成されていることを特徴とする遊技機PI7。
遊技機PI7によれば、遊技機PI6の奏する効果に加え、可動手段が第1位置に位置している状況を、特定の表示態様を目視することで容易に把握することができるため、可動手段に対する第1制御に異常が生じていないかを目視確認し易くすることができるという効果がある。
<5083系特徴群>
<特徴QA群>(記憶手段に記憶されている賞球情報に対応する情報を表示可能であって、大当たり遊技期間を含む特定期間のうち、第1期間中は更新された賞球情報に基づいた第1態様が表示手段に表示される+第1期間が経過した後の第2期間では、賞球情報を受信した回数に応じた第2表示態様が表示手段に表示される)
遊技球が入球可能な複数の入球手段と、遊技に関する制御を実行可能な第1制御手段と、その第1制御手段から出力された所定信号に基づいた制御を実行可能な第2制御手段と、を有した遊技機において、前記第1制御手段は、前記複数の入球手段の何れかに遊技球が入球したことに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、その特典付与手段により付与された前記特典の少なくとも一部に関する情報が含まれる情報信号を、前記第2制御手段へと出力可能な出力手段と、を有し、前記第2制御手段は、前記出力手段によって出力された前記情報信号を受信可能な受信手段と、その受信手段が受信した前記情報信号に含まれる前記情報を記憶可能な記憶手段と、前記受信手段が新たに受信した前記情報信号に含まれる前記情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている前記情報を更新可能な更新手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて所定の表示態様を表示手段に表示させることが可能な表示制御手段と、を有し、前記表示制御手段は、遊技者に有利となる遊技期間を含む特定期間のうち第1期間では前記更新手段により更新された更新情報に基づいた第1表示態様を前記表示手段に表示可能であり、前記第1期間よりも後に設定される第2期間では、前記更新情報に基づいた表示態様として、前記第1期間中に表示された前記第1表示態様とは異なる第2表示態様を前記表示手段に表示可能であることを特徴とする遊技機QA1。
従来より、大当たり遊技中に賞球数を獲得する毎に、獲得した賞球数を液晶表示画面に加算表示するように構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2017-35242号公報)。具体的には、大当たり遊技として、大入賞装置を開放させる制御が実行され、大入賞装置へと遊技球が入球したことで払い出された賞球数を示す払出コマンドを受信したことに基づいて、獲得済みの賞球数を加算表示するように構成している。このように、大当たり遊技中に獲得した賞球数を随時加算表示するように構成することで、獲得した賞球数を遊技者に把握させ易くすることができるものであった。
しかしながら、近年の遊技機では、大入賞装置以外の別入賞口へと遊技球を入賞させることで、大入賞装置への入賞に基づく賞球の払い出しと、別入賞口への入賞に基づく賞球の払い出しと、を大当たり遊技中に実行することで、大当たり遊技中に遊技者が獲得可能な賞球数を多くするように構成されたものがある。このような従来型の遊技機において、大当たり遊技中に獲得した賞球数に対応する払出コマンドを受信したことに基づいて獲得済みの賞球数を加算表示してしまうと、大入賞装置へと入賞させたことに基づいて獲得した賞球数を遊技者に把握させ難くなるという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、大当たり遊技中において、複数の入賞口への入賞に基づいて賞球が払い出される場合であっても、大当たり遊技にて開放制御される入賞口への入賞に基づいて払い出された賞球数を遊技者に分かり易く報知すると共に、最終的に大当たり遊技中に獲得した別入賞口への入賞に基づく賞球数も含めた合算賞球数を遊技者に報知することで、遊技者に分かり易い遊技を提供することを目的とする。
遊技機QA1によれば、第1期間中は付与された特典に関する更新情報に対応した第1表示態様が表示され、第2期間中は第1表示態様とは異なる第2表示態様が表示されるため、第1表示態様が表示されたことに気付かなかった遊技者に対して第2表示態様を表示させることで更新情報の内容を分かり易く把握させることができる。
遊技機QA1において、前記表示制御手段は、前記第2表示態様として、前記記憶手段に前記情報が記憶された数に対応した個別の特定態様を表示させることが可能であることを特徴とする遊技機QA2。
遊技機QA2によれば、遊技機QA1の奏する効果に加え、特典の付与回数に対応した個数の特定態様が第2表示態様として表示されるため、表示手段に表示されている特定態様の個数を把握するだけで特典が付与された回数を遊技者により分かり易く把握させることができる。
遊技機QA2において、前記表示制御手段は、前記第2表示態様として、複数個の前記特定態様を、前記記憶手段に記憶された順序を識別可能な態様で前記表示手段へと表示させることが可能であることを特徴とする遊技機QA3。
遊技機QA3によれば、遊技機QA2の奏する効果に加え、表示手段に表示されている複数個の特定態様を把握することで、特典が付与された順序も把握することが可能となる。よって、特典の付与内容をより分かり易く遊技者に把握させることができる。
遊技機QA2またはQA3において、前記複数の入球手段として、第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、を少なくとも有し、前記特典付与手段は、前記特典として、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1賞球を付与可能な第1特典と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1賞球とは異なる価値の第2賞球を付与可能な第2特典とを付与可能であり、前記表示制御手段は、前記第1特典に関する情報に基づく表示態様と、前記第2特典に関する情報に基づく表示態様と、を異ならせて表示可能であることを特徴とする遊技機QA4。
遊技機QA4によれば、遊技機QA2またはQA3の奏する効果に加え、価値の異なる賞球が特典として付与された場合に、それぞれの特典に対応する表示態様を表示することができるため、付与された特典の内容をより分かり易く把握させることができる。
遊技機QA1からQA4の何れかにおいて、消去条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶されている前記情報の少なくとも一部を消去可能な消去手段を有することを特徴とする遊技機QA5。
遊技機QA5によれば、遊技機QA1からQA4の何れかの奏する効果に加え、消去条件が成立した場合に、消去手段により記憶手段に記憶されている情報の少なくとも一部が消去されるため、表示制御手段により表示手段に表示される表示態様の種類が増加してしまうことを抑制することができる。
遊技機QA5において、前記記憶手段は、特定個数を上限に前記情報を記憶可能であることを特徴とする遊技機QA6。
遊技機QA6によれば、遊技機QA6の奏する効果に加え、記憶手段に記憶させることが可能な情報の個数に制限を設けることができるため、表示制御手段により表示手段に表示される表示態様の種類が増加してしまうことを抑制することができる。
遊技機QA6において、前記消去条件は、前記記憶手段に記憶されている前記情報が前記特定個数となった状態で所定期間が経過した場合に成立し得ることを特徴とする遊技機QA7。
遊技機QA7によれば、記憶手段に記憶されている情報の個数が上限に到達した場合であっても、時間経過によって消去条件を成立させることができる。よって、新たな情報が記憶されない状況が長時間継続してしまうことを抑制することができる。
<特徴QB群>(記憶手段に記憶されている賞球情報に対応する情報を表示可能であって、大当たり遊技期間を含む特定期間のうち、第1期間中は更新された賞球情報に基づいた第1態様が表示手段に表示される+特定期間が経過した後に、記憶手段に記憶されている情報に応じた特定演出を実行)
遊技球が入球可能な複数の入球手段と、遊技に関する制御を実行可能な第1制御手段と、その第1制御手段から出力された所定信号に基づいた制御を実行可能な第2制御手段と、を有した遊技機において、前記第1制御手段は、前記複数の入球手段の何れかに遊技球が入球したことに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、その特典付与手段により付与された前記特典の少なくとも一部に関する情報が含まれる情報信号を、前記第2制御手段へと出力可能な出力手段と、を有し、前記第2制御手段は、前記出力手段によって出力された前記情報信号を受信可能な受信手段と、その受信手段が受信した前記情報信号に含まれる前記情報を記憶可能な記憶手段と、前記受信手段が新たに受信した前記情報信号に含まれる前記情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている前記情報を更新可能な更新手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて所定の表示態様を表示手段に表示させることが可能な表示制御手段と、を有し、前記表示制御手段は、遊技者に有利となる遊技期間を含む特定期間のうち第1期間では前記更新手段により更新された更新情報に基づいた第1表示態様を前記表示手段に表示可能であり、前記遊技機は、前記特定期間が経過した後に、前記記憶手段に記憶されている前記情報に応じた特定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機QB1。
従来より、大当たり遊技中に賞球数を獲得する毎に、獲得した賞球数を液晶表示画面に加算表示するように構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2017-35242号公報)。具体的には、大当たり遊技として、大入賞装置を開放させる制御が実行され、大入賞装置へと遊技球が入球したことで払い出された賞球数を示す払出コマンドを受信したことに基づいて、獲得済みの賞球数を加算表示するように構成している。このように、大当たり遊技中に獲得した賞球数を随時加算表示するように構成することで、獲得した賞球数を遊技者に把握させ易くすることができるものであった。
しかしながら、近年の遊技機では、大入賞装置以外の別入賞口へと遊技球を入賞させることで、大入賞装置への入賞に基づく賞球の払い出しと、別入賞口への入賞に基づく賞球の払い出しと、を大当たり遊技中に実行することで、大当たり遊技中に遊技者が獲得可能な賞球数を多くするように構成されたものがある。このような従来型の遊技機において、大当たり遊技中に獲得した賞球数に対応する払出コマンドを受信したことに基づいて獲得済みの賞球数を加算表示してしまうと、大入賞装置へと入賞させたことに基づいて獲得した賞球数を遊技者に把握させ難くなるという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、大当たり遊技中において、複数の入賞口への入賞に基づいて賞球が払い出される場合であっても、大当たり遊技にて開放制御される入賞口への入賞に基づいて払い出された賞球数を遊技者に分かり易く報知すると共に、最終的に大当たり遊技中に獲得した別入賞口への入賞に基づく賞球数も含めた合算賞球数を遊技者に報知することで、遊技者に分かり易い遊技を提供することを目的とする。
遊技機QB1によれば、特定期間中は更新情報に基づいた第1表示態様が表示され、特定期間経過後には、記憶手段に記憶されている情報に応じた特定演出が実行されるので、特典が付与されたことに基づいた演出を長時間実行し易くすることができ、演出効果を高めることができる。
遊技機QB1において、前記特定期間のうち前記第1期間よりも後に設定される第2期間では、前記更新情報に基づいた表示態様として、前記第1期間中に表示された前記第1表示態様とは異なる第2表示態様を前記表示手段に表示可能であることを特徴とする遊技機QB2。
遊技機QB2によれば、遊技機QB1の奏する効果に加え、第1期間中は付与された特典に関する更新情報に対応した第1表示態様が表示され、第2期間中は第1表示態様とは異なる第2表示態様が表示されるため、第1表示態様が表示されたことに気付かなかった遊技者に対して第2表示態様を表示させることで更新情報の内容を分かり易く把握させることができる。
遊技機QB1またはQB2において、前記特定期間が経過した後に前記記憶手段に記憶されている前記情報の数に応じて、前記特定演出の演出期間として異なる長さの演出期間を決定可能な演出期間決定手段を有することを特徴とする遊技機QB3。
遊技機QB3によれば、特定期間が経過した時点にて記憶されている情報の数に応じて特定演出の演出期間の長さを異ならせることができるため、特定演出をより長く実行させようとする遊技者に対して、記憶手段に記憶されている情報の数についてより興味を持たせることができる。
遊技機QB3において、前記演出期間決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が特定数よりも多い場合の方が、前記特定数よりも少ない場合よりも、前記第1期間よりも長い第2期間の前記演出期間を決定し易く構成されていることを特徴とする遊技機QB4。
遊技機QB4によれば、遊技機QB3の奏する効果に加え、記憶手段に情報を多く記憶させている場合の方が、少ない場合よりも特定演出の演出期間として第2期間が決定され易くなるため、特定演出をより長く実行させようとする遊技者に対して、入球手段へと多くの遊技球を入球させようと意欲的に遊技を行わせ易くすることができる。
遊技機QB1からQB4の何れかにおいて、前記複数の入球手段として、第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、を少なくとも有し、前記特典付与手段は、前記特典として、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1賞球を付与可能な第1特典と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1賞球とは異なる価値の第2賞球を付与可能な第2特典とを付与可能であり、前記遊技機は、前記特定期間が経過した後に前記記憶手段に記憶されている前記第1特典に関する情報に応じた前記特定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機QB5。
遊技機QB5によれば、遊技機QB1からQB4の何れかの奏する効果に加え、記憶手段に記憶されている複数種類の情報のうち、第1特典に関する情報の個数に応じた特定演出が実行されるため、記憶手段に記憶されている全情報の個数では無く、記憶されている情報の種類に対しても遊技者に興味を持たせることができる。
遊技機QB1からQB5の何れかにおいて、前記特定演出の演出結果が特定の演出結果となった場合に前記特典とは異なる第2特典を付与可能な第2特典付与手段を有し、前記遊技機は、前記特定期間が経過した後に前記記憶手段に記憶されている前記情報の数に応じて、前記第2特典付与手段により前記第2特典が付与される期待度を異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機QB6。
遊技機QB6によれば、遊技機QB1からQB5の何れかの奏する効果に加え、特定期間が終了した時点で記憶手段に記憶されている特典情報の数に応じて、第2特典が付与される期待度を異ならせることができるため、第2特典が付与されることを期待している遊技者に対して、記憶手段に記憶されている特典情報についてより興味を持たせることができる。
遊技機QB6において、前記特定期間が経過した後に前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が特定数よりも少ない場合よりも、前記特定数よりも多い場合の方が、前記第2特典が付与される期待度が高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機QB7。
遊技機QB7によれば、遊技機QB6の奏する効果に加え、特定期間経過後に記憶手段に記憶されている情報の個数が多いほど、第2特典が付与される期待度を高めることができるため、より多くの情報が記憶手段に記憶されることを目指して遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
<特徴QC群>(記憶手段に記憶されている賞球情報に対応する情報を表示可能であって、大当たり遊技期間を含む特定期間のうち、第1期間中は更新された賞球情報に基づいた第1態様が表示手段に表示される+入球手段へと遊技球が入球した場合に情報が更新される期間と、更新されない期間とがある)
遊技球が入球可能な複数の入球手段と、遊技に関する制御を実行可能な第1制御手段と、その第1制御手段から出力された所定信号に基づいた制御を実行可能な第2制御手段と、を有した遊技機において、前記第1制御手段は、前記複数の入球手段の何れかに遊技球が入球したことに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、その特典付与手段により付与された前記特典の少なくとも一部に関する情報が含まれる情報信号を、前記第2制御手段へと出力可能な出力手段と、を有し、前記第2制御手段は、前記出力手段によって出力された前記情報信号を受信可能な受信手段と、その受信手段が受信した前記情報信号に含まれる前記情報を記憶可能な記憶手段と、前記受信手段が新たに受信した前記情報信号に含まれる前記情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている前記情報を更新可能な更新手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて所定の表示態様を表示手段に表示させることが可能な表示制御手段と、を有し、前記表示制御手段は、遊技者に有利となる遊技期間を含む特定期間のうち第1期間では前記更新手段により更新された更新情報に基づいた第1表示態様を前記表示手段に表示可能であり、前記遊技機は、第1条件が成立した場合に前記更新手段による前記情報の更新が行われない制限状態を設定可能であることを特徴とする遊技機QC1。
従来より、大当たり遊技中に賞球数を獲得する毎に、獲得した賞球数を液晶表示画面に加算表示するように構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2017-35242号公報)。具体的には、大当たり遊技として、大入賞装置を開放させる制御が実行され、大入賞装置へと遊技球が入球したことで払い出された賞球数を示す払出コマンドを受信したことに基づいて、獲得済みの賞球数を加算表示するように構成している。このように、大当たり遊技中に獲得した賞球数を随時加算表示するように構成することで、獲得した賞球数を遊技者に把握させ易くすることができるものであった。
しかしながら、大入賞装置へと遊技球が入球した場合に毎回同一数の賞球数が払い出されることから、液晶表示画面に表示される加算表示の表示態様が単調となり遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、大当たり遊技中において加算表示される表示態様にバリエーションを持たせることで、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることを提供することを目的とする。
遊技機QC1によれば、第1条件が成立したことに基づいて更新手段による情報の更新が行われない制限状態を設定することができるため、入球手段へと遊技球が入球した場合に表示手段に表示される表示態様にバリエーションを持たせることができ、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
遊技機QC1において、前記特定期間のうち前記第1期間よりも後に設定される第2期間では、前記更新情報に基づいた表示態様として、前記第1期間中に表示された前記第1表示態様とは異なる第2表示態様を前記表示手段に表示可能であることを特徴とする遊技機QC2。
遊技機QC2によれば、遊技機QC1の奏する効果に加え、第1期間中は付与された特典に関する更新情報に対応した第1表示態様が表示され、第2期間中は第1表示態様とは異なる第2表示態様が表示されるため、第1表示態様が表示されたことに気付かなかった遊技者に対して第2表示態様を表示させることで更新情報の内容を分かり易く把握させることができる。
遊技機QC1またはQC2において、前記第1条件は、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が所定数となった場合に成立することを特徴とする遊技機QC3。
遊技機QC3によれば、記憶手段に記憶されている情報の数が所定数となった場合に第1条件が成立し制限状態が設定されるため、過剰に情報が更新されてしまうことを抑制することができる。
遊技機QC3において、前記記憶手段に記憶されている前記情報の少なくとも一部を消去可能な消去手段を有することを特徴とする遊技機QC4。
遊技機QC4によれば、遊技機QC3の奏する効果に加え、記憶手段に記憶された情報の一部を消去手段により消去することができるため、制限状態を解除することが可能となる。よって、更新手段による情報の更新を再開させることができるため、入球手段へと遊技球が入球した場合に表示手段に表示される表示態様にバリエーションを持たせることができ、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
遊技機QC1からQC4の何れかにおいて、前記制限状態が設定されている間は、前記特典付与手段により付与される前記特典の少なくとも一部が付与されないことを特徴とする遊技機QC5。
遊技機QC5によれば、遊技機QC1からQC4の何れかの奏する効果に加え、制限状態が設定されている間は、更新手段による情報の更新だけでなく、特典付与手段による特典の付与も一部制限することができるため、遊技者に過剰に特典を付与されてしまう事態が発生することを抑制することができる。
遊技機QC2からQC5の何れかにおいて、前記複数の入球手段として、第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、を少なくとも有し、前記特典付与手段は、前記特典として、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1賞球を付与可能な第1特典と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1賞球とは異なる価値の第2賞球を付与可能な第2特典とを付与可能であり、前記第1条件は、前記特定期間が経過した後に前記記憶手段に記憶されている前記第1特典に関する情報の数、又は、前記第2特典に関する情報の数の何れかが所定数に到達した場合に成立し得ることを特徴とする遊技機QC6。
遊技機QC3からQC6の何れかにおいて、前記消去手段は、前記記憶手段に2以上の前記情報が記憶されている状態で1の前記情報を消去可能であり、前記記憶手段に記憶されている前記2以上の情報を消去可能な第2消去手段を有することを特徴とする遊技機QC7。
遊技機QC7によれば、遊技機QC3からQC6の何れかの奏する効果に加え、消去手段によって消去される情報の個数と、第2消去手段によって消去される情報の個数と、を異ならせることができるため、記憶手段に記憶されている情報の個数がどの程度消去されるかを予測させ難くすることができる。
<特徴QD群>(記憶手段に記憶されている賞球情報に対応する情報を表示可能であって、大当たり遊技期間を含む特定期間のうち、第1期間中は更新された賞球情報に基づいた第1態様が表示手段に表示される+記憶手段が上限に到達する前と後とで付与される特典の内容を異ならせる)
遊技球が入球可能な複数の入球手段と、遊技に関する制御を実行可能な第1制御手段と、その第1制御手段から出力された所定信号に基づいた制御を実行可能な第2制御手段と、を有した遊技機において、前記第1制御手段は、前記複数の入球手段の何れかに遊技球が入球したことに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、その特典付与手段により付与された前記特典の少なくとも一部に関する情報が含まれる情報信号を、前記第2制御手段へと出力可能な出力手段と、を有し、前記第2制御手段は、前記出力手段によって出力された前記情報信号を受信可能な受信手段と、その受信手段が受信した前記情報信号に含まれる前記情報を記憶可能な記憶手段と、前記受信手段が新たに受信した前記情報信号に含まれる前記情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている前記情報を更新可能な更新手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて所定の表示態様を表示手段に表示させることが可能な表示制御手段と、を有し、前記表示制御手段は、遊技者に有利となる遊技期間を含む特定期間のうち第1期間では前記更新手段により更新された更新情報に基づいた第1表示態様を前記表示手段に表示可能であり、前記遊技機は、特定条件が成立している第1状態と、前記特定条件が成立していない第2状態とで、前記特典付与手段により付与される前記所定の特典の内容を異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機QD1。
従来より、大当たり遊技中に賞球数を獲得する毎に、獲得した賞球数を液晶表示画面に加算表示するように構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2017-35242号公報)。具体的には、大当たり遊技として、大入賞装置を開放させる制御が実行され、大入賞装置へと遊技球が入球したことで払い出された賞球数を示す払出コマンドを受信したことに基づいて、獲得済みの賞球数を加算表示するように構成している。このように、大当たり遊技中に獲得した賞球数を随時加算表示するように構成することで、獲得した賞球数を遊技者に把握させ易くすることができるものであった。
しかしながら、大入賞装置へと遊技球が入球した場合に毎回同一数の賞球数が払い出されることから遊技が単調となり遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、特定の入球手段へと遊技球を入球させた場合に付与される特典の内容を異ならせることで、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることを提供することを目的とする。
遊技機QD1によれば、特定条件の成立有無に応じて、特典付与手段により付与される特典の内容を異ならせることができるため、付与される特典を遊技者に予測させ難くすることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
遊技機QD1において、前記特定期間のうち前記第1期間よりも後に設定される第2期間では、前記更新情報に基づいた表示態様として、前記第1期間中に表示された前記第1表示態様とは異なる第2表示態様を前記表示手段に表示可能であることを特徴とする遊技機QD2。
遊技機QD2によれば、遊技機QD1の奏する効果に加え、第1期間中は付与された特典に関する更新情報に対応した第1表示態様が表示され、第2期間中は第1表示態様とは異なる第2表示態様が表示されるため、第1表示態様が表示されたことに気付かなかった遊技者に対して第2表示態様を表示させることで更新情報の内容を分かり易く把握させることができる。
遊技機QD1またはQD2において、前記特典付与手段は、前記第1状態にて付与する前記特典として、前記第2状態にて付与する前記特典よりも遊技者に有利な特典を付与可能であることを特徴とする遊技機QD3。
遊技機QD3によれば、遊技機QD1またはQD2の奏する効果に加え、第1状態の方が第2状態よりも遊技者に有利な特典を付与することができるため、特定条件を成立させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
遊技機QD3において、前記特定条件は、前記記憶手段に記憶されている前記情報に応じて成立し得ることを特徴とする遊技機QD4。
遊技機QD4によれば、遊技機QD3の奏する効果に加え、記憶手段に記憶されている情報に応じて特定条件を成立させることが可能となるため、記憶手段に記憶されている情報に対して遊技者に興味を持たせ易くすることができる。
遊技機QD4において、前記記憶手段は、前記情報を複数記憶可能に構成され、前記特定条件は、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が所定数である場合に成立し得ることを特徴とする遊技機QD5。
遊技機QD5によれば、遊技機QD4の奏する効果に加え、記憶手段に記憶されている情報の数が所定数となることで特定条件を成立させることができるため、遊技者に対して、記憶手段に記憶させる情報数に興味を持たせ易くすることができる。
遊技機QD4またはQD5において、前記記憶手段に記憶されている前記情報の少なくとも一部を消去可能な消去手段を有することを特徴とする遊技機QD6。
遊技機QD6によれば、遊技機QD4またはQD5の奏する効果に加え、消去手段によって記憶手段に記憶されている情報の少なくとも一部を消去することができるため、特定条件の成立のし易さを異ならせることができる。よって、特定条件が成立しない期間が長時間継続してしまうことを抑制することができ、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
遊技機QD1からQD6の何れかにおいて、前記特典付与手段は、前記特典として、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定数の賞球を付与可能であり、前記遊技機は、前記第2状態にて前記特典として付与される賞球数よりも、多くの賞球数を前記第1状態における前記特典として付与させることが可能であることを特徴とする遊技機QD7。
遊技機QD7によれば、遊技機QD1からQD6の何れかの奏する効果に加え、特定条件が成立している第1状態の方が、特定条件が成立していない第2状態よりも多くの賞球を獲得し易くすることができるため、特定条件を成立させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
<特徴QE群>(記憶手段に記憶されている賞球情報に対応する情報を表示可能であって、大当たり遊技期間を含む特定期間のうち、第1期間中に賞球を獲得した場合には、獲得した賞球に対応する特定表示態様を第1期間中に表示し、第2期間中に賞球を獲得した場合には、少なくとも第2期間経過した後に特定表示態様を表示する)
遊技球が入球可能な複数の入球手段と、遊技に関する制御を実行可能な第1制御手段と、その第1制御手段から出力された所定信号に基づいた制御を実行可能な第2制御手段と、を有した遊技機において、前記第1制御手段は、前記複数の入球手段の何れかに遊技球が入球したことに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、その特典付与手段により付与された前記特典の少なくとも一部に関する情報が含まれる情報信号を、前記第2制御手段へと出力可能な出力手段と、を有し、前記第2制御手段は、前記出力手段によって出力された前記情報信号を受信可能な受信手段と、その受信手段が受信した前記情報信号に含まれる前記情報を記憶可能な記憶手段と、前記受信手段が新たに受信した前記情報信号に含まれる前記情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている前記情報を更新可能な更新手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて所定の表示態様を表示手段に表示させることが可能な表示制御手段と、を有し、前記表示制御手段は、遊技者に有利となる遊技期間を含む特定期間のうち、第1期間中に前記情報が前記記憶手段に記憶された場合には、前記第1期間中に前記特定表示態様を表示可能であり、前記特定期間のうち前記第1期間とは異なる第2期間中に前記情報が記憶された場合には、少なくとも前記第2期間が終了した後に前記特定表示態様を表示可能であることを特徴とする遊技機QE1。
従来より、大当たり遊技中に賞球数を獲得する毎に、獲得した賞球数を液晶表示画面に加算表示するように構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2017-35242号公報)。具体的には、大当たり遊技として、大入賞装置を開放させる制御が実行され、大入賞装置へと遊技球が入球したことで払い出された賞球数を示す払出コマンドを受信したことに基づいて、獲得済みの賞球数を加算表示するように構成している。このように、大当たり遊技中に獲得した賞球数を随時加算表示するように構成することで、獲得した賞球数を遊技者に把握させ易くすることができるものであった。
しかしながら、常に大入賞装置へと遊技球が入球した場合に随時賞球数が加算表示されるため、加算表示される表示態様が単調となり遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、特定の入球手段へと遊技球を入球させた期間に応じて表示態様が加算表示されるタイミングを異ならせることで、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることを提供することを目的とする。
従来より、特別図柄抽選の結果に基づいて、大当たり遊技と、その大当たり遊技よりも価値の低い小当たり遊技と、を実行可能に構成し、小当たり遊技が頻繁に実行される有利遊技状態を設定可能に構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2018-110662号公報)。そして、有利遊技状態が設定されている状態において、小当たり遊技が実行される毎に小当たり遊技にて獲得した賞球数を遊技者に報知可能な小当たり遊技演出を実行するように構成しているものがある。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、特別図柄抽選の結果に応じて小当たり遊技の実行有無が決定されることから、有利遊技状態が設定されているにも関わらず、特別図柄抽選で小当たり当選せず、小当たり遊技演出の実行間隔が空いてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
加えて、有利遊技状態が設定される期間に制限を設けた場合には、小当たり遊技演出の実行間隔が空いてしまうことで、有利遊技状態中に実行される小当たり遊技の回数が減少してしまうことを遊技者に容易に把握させてしまうことから、遊技者の遊技意欲が更に低下してしまうという問題があった。また、小当たり遊技中に獲得した賞球数が随時液晶表示画面に表示されることから、液晶表示画面を見るだけで小当たり遊技の実行有無を遊技者が容易に把握できてしまうため、遊技者の遊技意欲がより低下し易くなるという問題があった。
上記例示した問題点等を解決し、有利遊技状態中に実行された小当たり遊技にて獲得した賞球数を表示するタイミングを異ならせることにより、小当たり遊技の実行タイミングを遊技者に把握させ難くすることで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機QE1によれば、情報が記憶された期間に応じて、特定表示態様が表示されるタイミングを異ならせることができるため、どのタイミングで情報が記憶されたのかを遊技者に把握させ難くすることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
遊技機QE1において、前記特定期間のうち前記第1期間よりも後に設定される第2期間では、前記更新情報に基づいた表示態様として、前記第1期間中に表示された前記第1表示態様とは異なる第2表示態様を前記表示手段に表示可能であることを特徴とする遊技機QE2。
遊技機QE2によれば、遊技機QE1の奏する効果に加え、第1期間中は付与された特典に関する更新情報に対応した第1表示態様が表示され、第2期間中は第1表示態様とは異なる第2表示態様が表示されるため、第1表示態様が表示されたことに気付かなかった遊技者に対して第2表示態様を表示させることで更新情報の内容を分かり易く把握させることができる。
遊技機QE2において、前記特定期間は、前記第2期間が経過した後に前記第1期間が設定される期間を少なくとも含むことを特徴とする遊技機QE3。
遊技機QE3によれば、遊技機QE2の奏する効果に加え、第2期間が経過した後に第1期間を設定することで、第2期間中に情報が記憶された場合と、第1期間中に情報が記憶された場合の、何れにおいても第1期間中に特定表示態様を表示することができるため、第1期間中に特定表示態様を表示させ易くすることができる。よって、演出効果を高めることができる。
遊技機QE3において、前記表示制御手段は、前記第1期間中に前記記憶手段に前記情報が記憶された場合には、前記情報が記憶される毎に前記特定表示態様を表示可能であり、前記第2期間中に前記記憶手段に前記情報が複数個記憶された場合には、前記第2期間が経過した後に前記記憶手段に記憶された前記情報の個数に対応した個数の前記特定表示態様を含む表示態様を表示可能であることを特徴とする遊技機QE4。
遊技機QE4によれば、遊技機QE3の奏する効果に加え、第2期間中に記憶手段へと複数個の情報を記憶させた場合には、第1期間中には実行されることの無い表示態様を表示することができるため、演出効果を高めることができる。
遊技機QE4において、前記特典付与手段は、前記特典として、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて賞球を付与可能であり、前記表示制御手段は、前記第1期間中に前記記憶手段に前記情報が記憶された場合には、前記記憶された前記情報に応じた前記賞球数に対応する態様で前記特定表示態様を表示可能であり、前記第2期間中に前記記憶手段に前記情報が複数個記憶された場合には、前記第2期間が経過した後に前記加算手段によって加算された前記加算情報に対応する態様で前記特定表示態様を表示可能であることを特徴とする遊技機QE5。
遊技機QE5によれば、遊技機QE4の奏する効果に加え、第2期間中に複数個の情報を記憶させた場合には、記憶された複数の情報に対応する賞球数を加算した態様で特定表示態様を表示することができるため、第2期間中に付与された賞球数の合計を遊技者に分かり易く把握させることができる。
遊技機QE1からQE5の何れかにおいて、前記遊技者に有利となる遊技期間中に有利演出を実行可能な有利演出実行手段を有し、前記有利演出実行手段は、前記第2期間の一部を少なくとも含む演出期間にて前記有利演出を実行可能であることを特徴とする遊技機QE6。
遊技機QE6によれば、遊技機QE1からQE5の奏する効果に加え、特定表示態様が表示されない第2期間中に有利演出を実行することができるため、遊技者に有利演出を注視させ易くすることができる。よって演出効果を高めることができる。
遊技機QE6において、前記有利演出実行手段は、前記有利演出として前記表示手段に前記有利演出に対応する有利表示態様を表示させることが可能であることを特徴とする遊技機QE7。
遊技機QE7によれば、遊技機QE6の奏する効果に加え、表示手段に特定表示態様が表示されない第2期間中に、表示手段に有利表示態様を表示させる有利演出を実行することができるため、有利表示態様が表示される表示領域を大きく確保し易くすることができる。よって、有利演出の演出効果を高めることができる。
<5086系特徴群>
<特徴SA群>(有利な遊技状態に移行した後で特定回数の特図抽選が実行されるまで不利な遊技状態へと移行しない)
第1の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件が成立したことに基づいて前記判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果と前記第2判別手段の判別結果とのいずれかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な第1遊技を実行する第1遊技実行手段と、を有した遊技機において、所定の実行条件が成立したことに基づいて、遊技者が所定の特典を獲得し得る第2遊技を実行する第2遊技実行手段と、所定条件が成立したことに基づいて、前記第1の判別条件よりも前記第2の判別条件の方が成立し易い状態であって前記所定の特典を獲得し得る状態である第1状態を設定可能な第1設定手段と、少なくとも前記第1状態の所定の遊技回において前記第1の判別条件が成立し得る所定の遊技方法で遊技を行って前記第1状態における前記判別の回数が予め定められた特定回数以下の状況下で前記第1遊技が実行された場合に、当該第1遊技の実行が終了した後の状態を前記第1状態に設定可能な第2設定手段と、少なくとも前記第1設定手段、または前記第2設定手段によって設定された前記第1状態において前記第1遊技が実行されずに前記特定回数の前記判別が実行されたことに基づいて、前記第1状態よりも有利度合いが低い第2状態を設定する第2状態設定手段と、を備え、前記第2状態は、前記第1遊技が実行された場合に当該第1遊技の実行が終了した後の状態として前記第1状態とは異なる状態が設定され得る状態であることを特徴とする遊技機SA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利な遊技状態として、遊技に用いる遊技球の数を上回る数の賞球が払い出され易くなる極めて有利な状態を形成可能に構成されている特定の遊技状態を設けているものも知られている。この従来型の遊技機では、特定の遊技状態が長く継続するほどに持ち球が増えていくため、抽選で当たりとならないことを期待させる遊技性を実現することができ、遊技者の遊技に対する興趣向上を図っていた。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、特定の遊技状態において比較的短時間(少ない抽選回数)で当たりに当選してしまうと、特定の遊技状態を十分に楽しむことができないまま特定の遊技状態よりも不利な遊技状態に設定されてしまう可能性があるため、特定の遊技状態において短時間で当たりに当選した場合に、遊技者の遊技に対するモチベーションを著しく低下させてしまうという問題点があった。
これに対して遊技機SA1によれば、特定の判別結果にならない場合は特定回数の判別が終了するまで有利度合いが低い第2状態に設定されることが無い上に、特定回数以内の判別で特定の判別結果となった場合は、第1状態が再度設定されるので、第1状態に設定された後、少なくとも特定回数の判別を保証することができる。よって、第1状態を長く楽しみたいと希望する遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SA1において、前記第1遊技実行手段によって実行される前記第1遊技の種別として、少なくとも前記第1状態において前記特定の判別結果となった場合に前記第1遊技の実行が終了した後の状態として前記第1状態が設定される特定第1遊技を少なくとも含む複数のうち1の前記第1遊技の種別を決定可能な種別決定手段と、前記第1状態に設定された後における前記判別手段の判別の回数が特定回数以下の状況下で前記特定の判別結果となり、前記種別決定手段によって前記特定第1遊技が決定された場合に、当該特定第1遊技を実行させるための第1制御を実行し、前記種別決定手段によって前記特定第1遊技とは異なる種別が決定された場合に、前記第1制御とは少なくとも異なる第2制御を実行する制御手段を備えることを特徴とする遊技機SA2。
遊技機SA2によれば、遊技機SA1又の奏する効果に加え、第1遊技が実行されたとしても再度第1状態が設定される特定第1遊技が決定された場合に、当該特定第1遊技を確実に実行させることができるので、遊技者の有利度合いをより向上させることができるという効果がある。
遊技機SA2において、前記第2状態設定手段は、前記第1状態において前記特定の判別結果となり、前記種別決定手段によって前記特定第1遊技が決定された場合に、当該第1遊技が決定される前の前記第1状態において実行された前記判別の回数と前記第1遊技が実行された後の前記第1状態において実行された前記判別の回数との合計が前記特定回数になったとしても前記第2状態を設定せず、前記第1遊技が実行された後の前記第1状態において実行された前記判別の回数が前記特定回数となったことに基づいて前記第2状態を設定することが可能な構成であることを特徴とする遊技機SA3。
遊技機SA3によれば、遊技機SA2の奏する効果に加え、第1状態において特定の判別結果となって特定第1遊技が決定されると、当該特定第1遊技の終了から更に特定回数の判別が実行されるまで、第2状態へと移行しなくなるため、第1状態において特定第1遊技が実行された場合に、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機SA1からSA3のいずれかにおいて、前記第1状態において前記所定の遊技回において前記第1の判別条件が成立したことに基づいて特定の報知を実行する報知手段を備えることを特徴とする遊技機SA4。
遊技機SA4によれば、遊技機SA1からSA3のいずれかが奏する効果に加え、所定の遊技回において所定の遊技方法で遊技を行った場合に特定の報知が実行されるので、遊技者に対して所定の遊技回において所定の遊技方法で遊技を行わせ易くすることができるという効果がある。
遊技機SA1からSA4のいずれかにおいて、前記第1状態は、前記第2状態よりも、前記所定の特典を獲得し易い状態であることを特徴とする遊技機SA5。
遊技機SA5によれば、遊技機SA1からSA4のいずれかが奏する効果に加え、第1状態では、第2状態よりも第1遊技が実行された場合に設定される状態が有利となる上に、所定の特典を獲得し易くなるので、第2状態に対する第1状態の優位性をより高めることができるという効果がある。
遊技機SA2又はSA3において、前記第2制御は、前記特定第1遊技とは異なる種別の前記第1遊技の実行を回避させるための制御であることを特徴とする遊技機SA6。
遊技機SA6によれば、遊技機SA2又はSA4の奏する効果に加え、第1状態において、特定回数以下の判別回数で特定の判別結果となって種別決定手段によって特定第1遊技以外の第1遊技が決定された場合に、第1遊技の実行を回避することができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機SA6において、遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段によって第1方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、を備え、前記遊技機は、前記第1状態に設定された後における前判別の回数が特定回数以下の状況下で前記特定の判別結果となって前記種別決定手段によって前記特定第1遊技とは異なる種別が決定された場合に、前記特定の判別結果となってから所定期間が経過するまでの間に前記第1入球手段へと遊技球が入球することで、前記第1遊技の実行が回避され得る構成であることを特徴とする遊技機SA8。
遊技機SA8によれば、遊技機SA7の奏する効果に加え、第1状態において特定の判別結果になって特定第1遊技以外の種別が決定されたとしても、第1入球手段へと遊技球を入球させることで第1遊技の実行を回避させて第1状態を継続させることができるので、第1状態を継続させるか第1遊技を実行させるかを遊技球の発射方向によって遊技者自身に選択させることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機SA1において、前記第3状態設定手段は、前記第1状態が設定された後で実行された前記判別の回数が前記特定回数以下の状況下で前記特定の判別結果となって前記第1遊技が実行された場合に、前記第1遊技の種別にかかわらず前記第1遊技の実行が終了した後の状態を前記第1状態に設定可能な構成であることを特徴とする遊技機SA9。
遊技機SA9によれば、遊技機SA1の奏する効果に加え、特定回数以下の判別回数で特定の判別結果となった場合に、第1遊技の実行が終了した後の状態が第1状態に固定化されるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴SB群>(大当たり遊技が実行され難くなる遊技方法で遊技を行った方が有利な遊技状態が終了されるまでの期間が長くなり易くなる遊技性)
遊技球を発射可能な発射手段と、前記発射手段によって第1方向へと遊技球が発射された場合に成立し得る条件であって前記第1方向とは異なる第2方向へと遊技球が発射された場合に成立困難な条件である第1の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行可能な第1判別手段と、前記発射手段によって前記第2方向へと遊技球が発射された場合に成立し得る条件であって前記第1方向へと遊技球が発射された場合に成立困難な条件である第2の判別条件が成立したことに基づいて前記判別を実行可能な第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果と前記第2判別手段の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段によって実行される前記特典遊技として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも有利度合いが高い第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技を決定する決定手段と、を有した遊技機において、第1条件が成立したことに基づいて、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が前記判別が実行され易くなる第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において前記特典遊技が実行されずに予め定められた特定回数の前記判別が実行されたことに基づいて、前記第1方向よりも前記第2方向へと遊技球を発射した方が前記判別が実行され易くなる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、所定の払出条件が成立したことに基づいて所定数の賞球を払い出す払出手段と、を備え、前記遊技機は、前記第1遊技状態が開始された後において、前記第1方向へと遊技球を発射する第1の遊技方法で遊技を行い続けるよりも、前記第1遊技状態が開始された後における所定の遊技回で前記第1の遊技方法から前記第1の遊技方法とは異なる第2の遊技方法に切り替えた方が、前記第1遊技状態が開始されてから次に前記特典遊技が実行されるまでの期間が長くなり易くなり、前記第1遊技状態が開始された後において、前記第1の遊技方法で遊技を行い続けるよりも、前記第1遊技状態が開始された後における所定の遊技回で前記第1の遊技方法から前記第2の遊技方法に切り替えた方が、前記所定の払出条件を成立させずに排出される遊技球の数が多くなり易くなり、前記第1遊技状態において前記第1判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に、前記第1特典遊技が実行され得る構成であることを特徴とする遊技機SB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、遊技状態の種別に応じて有利度合いが高くなる遊技方法を異ならせているものも存在し、遊技状態に応じて遊技方法を異ならせることにより遊技にメリハリをつけているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、遊技状態毎に有利度合いが高い遊技方法が固定化されており、遊技者が遊技方法を選択する余地がないため、同一の遊技状態が長く継続してしまうと、遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機SB1によれば、第1遊技状態において第1の遊技方法で遊技を行い続けた場合、特典遊技が実行されるまでの期間が短くなり易い上に払出条件を成立させることができずに排出されてしまう無駄球を少なく抑えることもできる一方で、有利度合いが低い第1特典遊技が実行される可能性がある遊技性となるのに対し、所定の遊技回で第2の遊技方法に切り替えた場合は、無駄球が多くなり易くなる一方で第2遊技状態へと移行する可能性を高くすることができる遊技性となるため、遊技者に対して好みの遊技性を選択させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SB1において、少なくとも前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に、前記第2特典遊技が実行され得る構成であることを特徴とする遊技機SB2。
遊技機SB2によれば、遊技機SB1の奏する効果に加え、第1遊技状態において第1判別手段の判別で特定の判別結果となるよりも、第2遊技状態に移行した後において第2判別手段の判別で特定の判別結果となった方がメリットがあると遊技者に思わせることができるので、特典遊技が実行され難い第2の遊技方法に切り替える遊技方法をより選択させ易くすることができるという効果がある。
遊技機SB1又はSB2において、前記第1遊技状態に設定された後における前記判別の回数が所定回数以下の状況下で前記特典遊技が実行された方が、前記特典遊技が実行されずに前記特定回数の前記判別が実行されて前記第2遊技状態が設定された場合よりも、有利度合いが高くなり易い構成であることを特徴とする遊技機SB3。
遊技機SB3によれば、遊技機SB1又はSB2の奏する効果に加え、第1遊技状態において所定回数以下の判別回数の範囲では、特典遊技が実行されることを期待させる遊技性となる一方で、所定回数を超えた後においては、特定回数にわたって特典遊技が実行されないことを期待させる遊技性となるので、第1遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機SB3において、前記第1遊技状態に設定された後における前記判別の回数が前記所定回数以下の状況下で前記特典遊技が実行された方が、前記判別の回数が前記所定回数を超えてから前記特典遊技が実行されるよりも、有利度合いが高くなり易い構成であることを特徴とする遊技機SB4。
遊技機SB4によれば、遊技機SB3の奏する効果に加え、判別の回数が所定回数を超えた後においては、特典遊技が実行されないことをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機SB1からSB4のいずれかにおいて、前記第1遊技状態が開始された後において実行された前記判別の回数に応じた情報を少なくとも含む特定表示態様を前記第1遊技状態において表示可能な表示制御手段を備えることを特徴とする遊技機SB5。
遊技機SB5によれば、遊技機SB1からSB4のいずれかが奏する効果に加え、特定表示態様により示される判別回数を加味して、第1の遊技方法で遊技を行い続けるか第2の遊技方法に切り替えるかを判断させることができるという効果がある。
遊技機SB1からSB5のいずれかにおいて、前記第1遊技状態に設定された後における前記判別の回数が前記特定回数以下で、且つ、所定回数よりも多い状況下で前記特定の判別結果となった場合に、当該特定の判別結果に基づく前記特典遊技の実行を回避することで、少なくとも前記特定回数の前記判別が実行されるまで前記第1遊技状態を維持可能な構成であることを特徴とする遊技機SB6。
遊技機SB6によれば、遊技機SB1からSB5のいずれかが奏する効果に加え、第1遊技状態において、特定回数以下、且つ、所定回数よりも多い判別回数で特定の判別結果となっても特典遊技の実行を回避することができ、第2遊技状態へと意図的に移行させることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機SB6において、前記発射手段によって第2方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている第1入球手段と、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、を備え、前記遊技機は、前記第1遊技状態に設定された後における前判別の回数が特定回数以下で、且つ、前記所定回数よりも多い状況下で前記特定の判別結果となった場合に、当該特定の判別結果を示すための前記識別情報の動的表示が開始されてから所定期間が経過するまでの間に前記第1入球手段へと遊技球が入球することで、前記特典遊技の実行が回避され得る構成であることを特徴とする遊技機SB7。
遊技機SB7によれば、遊技機SB6の奏する効果に加え、第1遊技状態において特定の判別結果になったとしても、第1入球手段へと遊技球を入球させることで特典遊技の実行を回避させて第1遊技状態を継続させることができるので、第1遊技状態を継続させるか特典遊技を実行させるかを遊技球の発射方向によって遊技者自身に選択させることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機SB7において、前記発射手段によって前記第2方向へと発射された遊技球が入球困難な位置であって前記第1方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている第2入球手段を備え、前記第1の判別条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得る条件であり、前記第2の判別条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し得る条件であり、前記遊技機は、前記第1判別手段の判別が実行されてから当該判別に基づく前記識別情報が停止表示されるまでの間に、前記第2判別手段の判別結果を示すための前記識別情報として前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果を示すための前記識別情報が示された場合に、前記第2判別手段の判別結果を示すための前記識別情報として前記特定の判別結果とも前記第1判別結果とも異なる第2判別結果を示すための前記識別情報が停止表示される構成であることを特徴とする遊技機SB8。
遊技機SB8によれば、遊技機SB7の奏する効果に加え、第1判別手段の判別結果が示されるよりも前に第2判別手段の判別結果として第1判別結果に対応する識別情報が停止表示された場合に第1判別手段の判別結果が第2判別結果に固定化されるため、特定の判別結果となっていても特典遊技が実行されずに第1遊技状態を継続させることができるという効果がある。
遊技機SB8において、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1判別手段の判別に用いるための判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定数を上限として前記第1判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記遊技機は、前記判別情報記憶手段に対して前記所定数の前記判別情報が記憶されていない場合に、前記第1動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間よりも前記第2動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間の方が長くなり易くなり、前記判別情報記憶手段に対して前記所定数の前記判別情報が記憶されている場合に、前記第1動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間の方が前記第2動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間よりも長くなり易くなる構成であることを特徴とする遊技機SB9。
遊技機SB9によれば、遊技機SB8の奏する効果に加え、第1遊技状態において特典遊技の実行を回避したいと考える遊技者に対して、判別情報記憶手段に対して所定数の判別情報を記憶させる遊技方法を行わせることができるという効果がある。
<特徴SC群>(大当たり遊技が実行され難くなる遊技方法を遊技者に促す演出)
遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段によって第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられた第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記発射手段によって前記第1方向に発射された遊技球が入球困難な位置であって前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられた第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果と前記第2判別手段の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、所定の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1判別手段の判別よりも前記第2判別手段の判別を実行させ易くするための特定制御が少なくとも実行される特定の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1方向へと遊技球を発射することを遊技者に対して促す演出態様を少なくとも含む特定演出を、前記特定制御が実行されている状況下で実行する特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機SC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、遊技状態に対応する遊技方法を演出によって遊技者に対して促すことにより、遊技者に対して遊技方法を理解し易く構成しているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機において演出によって促される遊技方法は、常に、遊技状態に対応する遊技方法であるため、演出を多様化することが困難となってしまうという問題点がある。
これに対して遊技機SC1によれば、特定の遊技状態において特定条件が成立した場合に、第2判別手段の判別が実行され易い遊技状態であるにもかかわらず第1方向へと遊技球を発射して第1判別手段の判別の実行契機である第1入球手段へと遊技球を入球させることを促す斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SC1において、前記特定の遊技状態において前記特定演出の実行中に前記第1方向へと遊技球を発射した方が、前記第2方向へと遊技を発射するよりも有利度合いが高くなり易い構成であることを特徴とする遊技機SC2。
遊技機SC2によれば、遊技機SC1の奏する効果に加え、特定演出の実行中に第1方向へと遊技球を発射した場合に、特定制御が実行されているにもかかわらず第2方向へと遊技球を発射するよりも有利度合いが高くなるという極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SC1又はSC2において、前記特定の遊技状態は、前記第1方向へと遊技球を発射するよりも前記第2方向へと遊技球を発射した方が前記特定の遊技状態が設定されてから前記特典遊技が実行されるまでの期間が短くなり易くなる構成であることを特徴とする遊技機SC3。
遊技機SC3によれば、遊技機SC1又はSC2が奏する効果に加え、特定の遊技状態では、第2方向へと遊技球を発射した方が特典遊技が実行されるまでの期間が短くなり易くなるにもかかわらず特定演出によって第1方向へと遊技球を発射することを促す斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機SC1からSC3のいずれかにおいて、前記特定演出は、当該特定演出の演出結果として所定の特典遊技に当選したことが示される第1の演出結果と、その第1の演出態様とは異なる演出結果であって遊技者の有利度合いが高いことを示す第2の演出結果と、を少なくとも含む複数のうち1の演出結果が示される構成であることを特徴とする遊技機SC4。
遊技機SC4によれば、遊技機SC1からSC3のいずれかが奏する効果に加え、所定の特典遊技に当選したことが示されるよりも、所定の特典遊技に当選したことが示されない方が有利度合いが高くなる斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SC1からSC4のいずれかにおいて、前記特定条件は、前記特定の遊技状態において前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて成立する条件であることを特徴とする遊技機SC5。
遊技機SC5によれば、遊技機SC1からSC4のいずれかが奏する効果に加え、特定の判別結果となった場合に、特定演出によって第1方向へと遊技球を発射することを促す斬新な演出動作を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SC5において、前記第2判別手段の判別が実行されたことに基づいて、当該第2判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段を備え、前記特定演出実行手段は、前記特定の判別結果を示すための前記識別情報の動的表示が行われている間の演出として前記特定演出を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機SC6。
遊技機SC6によれば、遊技機SC5の奏する効果に加え、第2判別手段の判別で特定の判別結果となった場合に、当該特定の判別結果を示すための演出として特定演出を実行して第1方向へと遊技球を発射することを促す斬新な演出動作を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SC3において、前記第2の演出結果は、前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことが示される演出結果であり、前記遊技機は、前記特定演出の実行中に前記第1方向へと遊技球を発射した方が、前記第1方向へと遊技球を発射しない場合よりも前記第2の判別結果が示され易くなる構成であることを特徴とする遊技機SC7。
遊技機SC7によれば、遊技機SC3の奏する効果に加え、特定演出の実行中に第1方向へと遊技球を発射するか否かに応じて演出結果を異ならせることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴SD群>(所定の遊技状態において、保留球数が上限まで貯まった状態で発射停止するよりも、始動口に入球し得る方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなる)
遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段によって遊技球が特定方向へと発射された場合に成立し得る第1条件が成立したことに基づいて、所定の判別に用いるための判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、その第1判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する第1判別手段と、前記第1判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定数を上限として、前記第1判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、を有した遊技機において、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、前記判別情報を取得可能な第2判別情報取得手段と、前記第2判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する第2判別手段と、所定の設定条件が成立したことに基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態を設定する有利遊技状態設定手段と、前記有利遊技状態において、少なくとも前記第2判別手段の判別が実行されることを抑制する特定制御を実行する制御手段と、を備え、前記有利遊技状態は、前記判別情報記憶手段に対して前記所定数の前記判別情報が記憶されている状況下であっても、遊技球の発射を停止するよりも前記特定方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易い構成であることを特徴とする遊技機SD1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、遊技状態の種別に応じて有利度合いが高くなる遊技方法を異ならせているものも存在し、遊技状態に応じて遊技方法を異ならせることにより遊技にメリハリをつけているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、始動入賞口への入賞に基づく始動記憶を保留可能な記憶数に上限を設けているのが通常であるため、遊技状態に応じた始動入賞口に対する始動記憶が上限数まで記憶されている場合に、遊技球を発射することで無駄球が発生してしまい、遊技球を発射しない方が有利になる可能性が高くなってしまっていた。このため、遊技状態に応じた遊技方法を行い続ける遊技者が損をしてしまう可能性があり、遊技者の遊技に対するモチベーションを高く維持することが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機SD1によれば、有利遊技状態においては、判別情報記憶手段に対して上限数である所定数の判別情報が記憶されていたとしても、第1判別情報取得手段によって判別情報が取得され得る第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなるので、判別情報記憶手段に記憶されている判別情報の数を気にせずに特定方向へと遊技球を発射すれば良く、遊技者の遊技に対するモチベーションを高く維持することができるという効果がある。
遊技機SD1において、前記第2条件は、前記有利遊技状態とは少なくとも異なる所定の状態において、前記発射手段によって前記特定方向へと遊技球が発射され続けている状況下で少なくとも成立し得る条件であることを特徴とする遊技機SD2。
遊技機SD2によれば、遊技機SD1の奏する効果に加え、発射手段によって特定方向へと遊技球を発射することで第1条件も第2条件も成立させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機SD1又はSD2において、前記有利遊技状態において設定され得る期間として、第1期間と、少なくとも前記判別情報記憶手段に対して前記所定数の前記判別情報が記憶されている状況下において前記第1期間よりも前記特定方向へと遊技球を発射した場合の有利度合いが低くなり易い第2期間と、を少なくとも含む複数の期間を設定可能な期間設定手段を備えることを特徴とする遊技機SD3。
遊技機SD3によれば、遊技機SD1又はSD2の奏する効果に加え、第1期間であるか第2期間であるかによって遊技球を特定方向へと発射するか否かを切り替えさせることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SD3において、前記特定方向へと発射された遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて対応する数の賞球を払い出す払出手段と、を備え、前記遊技機は、前記第1期間において前記特定方向へと遊技球を発射し続けた場合に、発射された遊技球の数を上回る数の賞球が前記払出手段によって払い出され易くなる構成であることを特徴とする遊技機SD4。
遊技機SD4によれば、遊技機SD3の奏する効果に加え、第1期間が設定された場合に、特定方向へと遊技球を発射し続けることで発射した遊技球の数を上回る賞球が払い出される極めて有利な状態を形成するので、第1期間が設定されることを遊技者に対して強く期待させることができるという効果がある。
遊技機SD4において、前記第1期間において、前記特定方向へと遊技球を発射することで獲得可能な賞球の数に応じた情報を遊技者に示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される特定演出を実行可能な特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機SD5。
遊技機SD5によれば、遊技機SD4の奏する効果に加え、有利遊技状態において第1期間が設定された場合に、当該第1期間において特定方向へと遊技球を発射した場合に獲得可能な賞球の数を特定演出によって示唆することができるので、特定演出に注目して遊技を行わせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SD1からSD5のいずれかにおいて、前記有利遊技状態において所定の設定条件が成立したことに基づいて、前記有利遊技状態よりも有利度合いが低い第1遊技状態を設定可能な第1遊技状態設定手段を備え、前記特定制御は、少なくとも前記第1遊技状態よりも前記第2判別手段の判別結果が示され難くなる制御であることを特徴とする遊技機SD6。
遊技機SD6によれば、遊技機SD1からSD5のいずれかが奏する効果に加え、特定制御が実行されている場合に、有利度合いが低い第1遊技状態よりも更に第2判別手段の判別結果が出難くなるため、有利遊技状態において特定制御が実行されている間は、特定方向へと遊技球を発射して第1判別手段の判別を実行させることができるという効果がある。
遊技機SD3からSD5のいずれかにおいて、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別が実行されたことに基づいて、当該判別の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示させる動的表示手段を備え、前記期間設定手段は、前記識別情報の動的表示における動的表示期間として、前記第1期間と前記第2期間とを少なくとも含む複数のうち前記第1判別手段の判別結果に応じた1の期間を設定可能な構成であり、前記第1期間は、前記第2期間よりも長い期間であることを特徴とする遊技機SD6。
遊技機SD6によれば、第1期間が設定されている間に第1判別情報記憶手段に対して特定数以上の判別情報を記憶させることにより、特定方向へと遊技球を発射することで有利度合いが高くなる状態を形成することができるので、第1期間が設定された場合に、特定方向へと遊技球を積極的に発射させることができるという効果がある。
遊技機SD1からSD6のいずれかにおいて、前記有利遊技状態において前記判別情報記憶手段に対して前記所定数の前記判別情報が記憶されている状況下において、前記特定制御が実行されている場合よりも前記第2判別手段の判別が実行され易くなる第2特定制御を実行する第2制御手段を備えることを特徴とする遊技機SD7。
遊技機SD7によれば、遊技機SD1からSD6のいずれかが奏する効果に加え、判別情報記憶手段に対して所定数の判別情報が記憶されることで第2判別手段の判別が実行され易くなる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機SD7において、遊技球が入球可能な第1状態と遊技球が入球困難な第2状態とに変位可能に構成され、前記特定方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている変位入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定数の賞球を払い出す払出手段と、前記第2判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記変位入球手段が所定期間、前記第2状態から前記第1状態へと変位する変位遊技を実行する変位遊技実行手段と、を備え、前記遊技機は、前記特定の判別結果となった時点の遊技状態が、前記変位遊技の実行が終了した後も維持される構成であることを特徴とする遊技機SD8。
遊技機SD8によれば、遊技機SD7の奏する効果に加え、有利遊技状態において判別情報記憶手段に所定数の判別情報が記憶された場合に、第2判別手段の判別が実行され易くなり、有利遊技状態を維持したまま賞球を払い出させることが可能な変位遊技が実行される可能性があるため、第2判別手段の判別結果が特定の判別結果になるか否かに注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴SE群>(特定の遊技状態において特定条件が成立したことに基づいて、特定の遊技状態を維持したまま、特定条件の成立前よりも賞球が獲得し易くなる状態を所定期間形成する)
遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段によって特定方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に変位可能な変位手段と、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定数の賞球を払い出すことが可能な払出手段と、を有した遊技機において、所定の設定条件が成立したことに基づいて、所定の状態を設定する状態設定手段と、遊技に関する特定データを定期的に更新可能な更新手段と、少なくとも前記所定の状態において、前記特定データを少なくとも用いて判別を実行する判別手段と、その判別手段により所定の判別がされた場合に、前記変位手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと変位させる手段と、を備え、前記所定の状態は、前記特定方向へと遊技球を発射し続けたとしても前記変位手段が少なくとも特定の長さの期間前記第2位置から前記第1位置へと変位されない第1の状況と、前記特定方向へと遊技球を発射し続けた場合に前記特定の長さの期間において前記変位手段が複数回前記第2位置から前記第1位置へと変位され得る第2の状況と、が成立し得る構成であることを特徴とする遊技機SE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが高い遊技状態から、当たり遊技を介さずに、他の有利な遊技状態へと移行し得る構成とすることで興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、遊技状態が変更される条件が成立しない限り有利度合いが変化することがないため、同一の遊技状態が長く継続してしまうと、たとえ有利な遊技状態であっても遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機SE1によれば、所定の状態において、特定方向へと遊技球を発射しても特定の長さの期間に渡って変位手段が第1位置に変位されない第1の状況と、特定方向へと遊技球を発射することで特定の長さの期間の間に変位手段が複数回第1位置に変位され、入球手段へと遊技球を入球させることが可能となる有利な第2の状況と、が成立し得るので、所定の状態において第1の状況と第2の状況とのいずれが設定されているかによって特定方向へと遊技球を発射するか否かを異ならせることができる。よって、所定の状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SE1において、前記第1の状況は、前記所定の状態が開始された時点で成立する状況であることを特徴とする遊技機SE2。
遊技機SE2によれば、遊技機SE1の奏する効果に加え、所定の状態が第1の状況から開始されるので、第2の状況に変更されることを強く期待させることができるという効果がある。
遊技機SE1又はSE2において、前記第1の状況と、前記第2の状況とは、少なくとも前記特定方向へと遊技球を発射し続けた場合に、前記判別手段による判別の実行頻度が互いに異なる状況であることを特徴とする遊技機SE3。
遊技機SE3によれば、遊技機SE1又はSE2の奏する効果に加え、判別手段による判別の実行頻度を異ならせることにより、第1の状況と第2の状況とを切り替える斬新な制御を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SE1からSE3のいずれかにおいて、前記第1の状況は、前記特定方向へと遊技球を発射し続けた場合に、前記払出手段によって払い出される遊技球の数よりも発射される遊技球の数の方が多くなり易い状況であり、前記第2の状況は、前記特定方向へと遊技球を発射し続けた場合に、前記払出手段によって払い出される遊技球の数の方が発射される遊技球の数よりも多くなり易い状態であることを特徴とする遊技機SE4。
遊技機SE4によれば、遊技機SE1からSE3のいずれかが奏する効果に加え、同一の所定の状態であるにもかかわらず、第1の状況であるか第2の状況であるかに応じて、入球手段に向けて遊技球を発射した場合の有利度合いを大きく異ならせることができる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機SE1からSE4のいずれかにおいて、前記特定方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている特定入球手段と、その特定入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、前記第1入球手段へと遊技球が入球困難となる第4位置と、に変位可能な特定変位手段と、前記特定方向へと発射された遊技球が通過可能な位置に設けられている通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する特定判別手段と、その特定判別手段により特定の判別がされたことに基づいて、前記特定変位手段を所定期間、前記第4位置から前記第3位置へと変位させる変位遊技を実行する変位遊技実行手段と、所定条件の成立に基づいて、第1制御が実行される第1制御状態と、前記第1制御よりも前記特定方向へと発射された遊技球が前記特定入球手段へと入球し難くなる第2制御が実行される第2制御状態と、を少なくとも含む複数のうち1の制御状態を設定する制御状態設定手段と、を備え、前記所定の状態は、前記第2制御状態に設定される遊技状態であることを特徴とする遊技機SE5。
遊技機SE5によれば、遊技機SE1からSE4のいずれかが奏する効果に加え、所定の状態では、特定入球手段へと遊技球が入球し難い第2制御実行されるにもかかわらず、特定条件が成立することで前記変位手段が前記第1位置へと複数回変位され得る有利な状態を形成するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SE5において、前記入球手段は、前記特定入球手段へと入球しなかった遊技球が入球可能な位置に設けられていることを特徴とする遊技機SE6。
遊技機SE6によれば、遊技機SE5の奏する効果に加え、第2制御が実行されている方が入球手段へと遊技球が入球し易くなる斬新な制御を実現することができるという効果がある。
遊技機SE6において、前記第2制御状態は、前記特定方向へと発射された遊技球が前記特定入球手段にも前記入球手段にも到達可能な状態であり、前記第1制御状態は、前記第2制御状態よりも、前記特定方向へと発射された遊技球が前記入球手段へと到達し難くなる状態であることを特徴とする遊技機SE7。
遊技機SE7によれば、遊技機SE6の奏する効果に加え、第1制御状態が設定されていると、特定入球手段へは遊技球が入球し易くなるものの、払出手段によって賞球が払い出され難くなる一方で、第2制御状態では、変位手段が第1位置に変位した場合に容易に入球手段へと遊技球を入球させることができ、払出手段によって賞球が払い出され易くなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SE1からSE7のいずれかにおいて、所定の取得条件の成立に基づいて、前記特定データを取得可能な取得手段と、その取得手段によって取得された前記特定データを前記判別手段の判別において参照されるまで記憶可能な記憶手段と、を備え、前記第2の状況は、前記記憶手段に対して予め定められた特定数以上の前記特定データが記憶されている状況であり、前記第1の状況は、前記記憶手段に対して記憶されている前記特定データの数が前記特定数未満の状況であることを特徴とする遊技機SE8。
遊技機SE8によれば、遊技機SE1からSE8のいずれかが奏する効果に加え、記憶手段に対して特定数以上の特定データを記憶させることで第2の状況を形成することができるので、記憶手段に記憶されている特定データの数に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴SF群>(所定の遊技状態において特定の抽選結果となったことを契機として、保留球が貯まり易い遊技方法を遊技者に対して促す演出を実行する)
遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段によって第1方向へと遊技球が発射された場合に成立し得る条件であって前記第1方向とは異なる第2方向へと遊技球が発射された場合に成立困難な条件である特定の取得条件が成立したことに基づいて判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、前記第1方向へと発射された遊技球が入球困難な位置であって前記第2方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられている入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に変位可能な変位手段と、前記判別手段の判別結果が第1の判別結果となったことに基づいて、前記変位手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと変位する変位遊技を実行する変位遊技実行手段と、を有した遊技機において、特定条件が成立したことに基づいて、前記第2方向へと遊技球を発射するよりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易い特定の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、少なくとも前記特定の遊技状態が設定されてから所定条件が成立するまでの間の演出として第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、前記第1演出の実行中に前記所定条件が成立したことに基づいて、前記第1演出に含まれない演出態様であって前記第1演出の実行中よりも前記第1方向へと遊技球を発射するべきであることを遊技者が把握し易くなる演出態様である特定演出態様を少なくとも含んで構成される第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備え、前記所定条件は、前記第1演出の実行中に行われた所定の判別の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて成立する条件であることを特徴とする遊技機SF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、遊技状態に対応する遊技方法を演出によって遊技者に対して促すことにより、遊技者に対して遊技方法を理解し易く構成しているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機において演出によって促される遊技方法は、常に、遊技状態に対応する遊技方法であるため、演出を多様化することが困難となってしまうという問題点がある。
これに対して遊技機SF1によれば、特定の遊技状態において第2の判別結果となった場合に第2演出を実行することで第1方向へと遊技球を発射させることができるので、より好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機SF1において、前記取得手段によって取得された前記判別情報を、特定の数を上限として記憶可能な判別情報記憶手段を備え、前記第2演出は、前記判別情報記憶手段に記憶されている前記判別情報の数に応じて態様が変化し得る所定の演出態様を伴う演出であることを特徴とする遊技機SF2。
遊技機SF2によれば、遊技機SF1の奏する効果に加え、第2演出の実行中に第1方向へと遊技球を発射して判別情報記憶手段に記憶されている判別情報の数が変化することにより第2演出の演出態様も変化するので、演出態様を多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SF1又はSF2において、前記遊技機は、前記判別手段の判別で前記第2の判別結果となってから前記判別手段による新たな判別が実行可能となるまでの間、前記変位手段が前記第2位置に維持される構成であることを特徴とする遊技機SF3。
遊技機SF3によれば、遊技機SF1又はSF2の奏する効果に加え、変位手段が第1位置へと変位され得ない第2の判別結果となったことに基づいて、第2演出によって発射方向を遊技者に報知するという斬新な演出動作を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SF1からSF3のいずれかにおいて、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示させる動的表示手段と、前記識別情報の動的表示における動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、を備え、前記第2の判別結果は、前記動的表示期間決定手段によって予め定められた特定期間以上の動的表示期間が決定される判別結果であることを特徴とする遊技機SF4。
遊技機SF4によれば、遊技機SF1からSF3のいずれかが奏する効果に加え、動的表示期間が特定期間以上となる場合に特定演出を実行することができるので、動的表示期間の間により多くの特定の取得条件を成立させることができるという効果がある。
遊技機SF4において、前記第2演出実行手段は、前記第1演出の実行中に実行された所定の前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となり、前記動的表示期間決定手段によって前記特定期間以上の長さの動的表示期間が決定された場合にも前記第2演出を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機SF5。
遊技機SF5によれば、遊技機SF4の奏する効果に加え、第2演出が実行された場合に、変位遊技が実行される可能性もあるため、遊技者に対して変位遊技が実行されることにも期待しつつ第1方向へと遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機SF2において、前記遊技機は、前記特定の遊技状態において前記判別情報記憶手段に記憶されている前記判別情報の数が所定数以上である場合に遊技者に有利な第1状態を形成し、前記判別情報記憶手段に記憶されている前記判別情報の数が前記所定数未満である場合に前記第1状態よりも有利度合いが低い第2状態を形成する構成であり、前記第2演出は、前記第2状態の間に実行される演出であることを特徴とする遊技機SF6。
遊技機SF6によれば、遊技機SF2の奏する効果に加え、特定の遊技状態において、判別情報記憶手段に記憶されている判別情報の数に応じて有利度合いを異ならせることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機SF1からSF6のいずれかにおいて、前記第1演出は、前記第1方向へと遊技球を発射することが少なくとも促されない演出態様の演出であることを特徴とする遊技機SF7。
遊技機SF7によれば、遊技機SF1からSF6のいずれかが奏する効果に加え、第1演出の実行中に第2の判別結果となるまでは、第1方向へと遊技球を発射することが促されない一方で、第2の判別結果となることにより第1方向へと遊技球を発射するべきであることを把握可能な第2演出が実行されるので、特定の遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
<5087系特徴群>
<特徴RA群>
電気的に作動される第1作動手段によって駆動されることが可能であり、電気的に作動する前記第1作動手段とは異なる第2作動手段が作動することで移動することが可能な移動体が当接することが可能な駆動体を有した遊技機において、前記第1作動手段を特定作動状態で作動させることで前記駆動体を第1位置からその第1位置とは異なる第2位置に駆動させた状態で維持させるための特定作動制御を第1期間で実行可能な作動制御手段を有し、前記作動制御手段は、前記特定作動制御を実行した後に前記特定作動状態を解除させ、所定の期間が経過した後に、予め定められた第2期間で前記特定作動制御を実行することで前記駆動体を前記第1位置から前記第2位置に駆動させた状態で維持させることが可能であり、前記遊技機は、予め定められた第1解除条件の成立に基づいて、前記第1期間が経過するよりも前に前記第1作動手段の前記特定作動状態を解除させることが可能にされており、前記特定作動状態が解除されている場合には、前記特定作動状態で前記第1作動手段が作動されている場合よりも前記移動体が前記駆動体に当接し易くすることが可能にされていることを特徴とする遊技機RA1。
従来より、演出位置を含む所定の可動範囲で可動可能な役物等の可動部材を有し、可動部材を演出位置に維持するための制御として、可動部材を可動させることが可能な作動手段を用いて可動部材を演出位置に維持する制御を実行する遊技機がある(先行技術文献:2012-239631)。
具体的には、可動部材を演出位置に維持させる期間において、可動部材を可動させるためのステッピングモータに対して励磁をかけ続けることによって、演出位置に維持させることが可能に構成されている。このように、ステッピングモータに対して励磁をかけ続けた状態で可動部材を演出位置に維持させることで、ステッピングモータを非励磁とした場合よりも可動部材が演出位置から変位し難くさせることができるため、自重等によって可動部材が演出位置から変位してしまうことを抑制できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動部材を演出位置に維持する場合に、作動手段(ステッピングモータ)を作動させ続けることになるため、例えば、作動手段であるモータ等が発熱することによって故障してしまう不具合が起こり得るものであった。
上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、一時的に作動手段への作動を解除しながら可動部材を演出位置に維持させることで作動手段への負荷を軽減させることを目的とする。
遊技機RA1によれば、特定作動状態を解除させながらも駆動体を第2位置で維持することができるため、第1作動手段への負荷を軽減させることができるという効果がある。さらに、第1解除条件の成立に基づいて、第1期間が経過するよりも前に特定作動状態を解除させることができるため、第1解除条件が成立しているにも関わらず、第1作動手段の作動が継続してしまい不要な電力が消費されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、従来より、演出位置を含む所定の可動範囲で可動可能な装飾役物を複数設け、複数の装飾役物が可動される演出を実行することで演出効果を高めた遊技機がある。このように構成された従来型の遊技機では、一連の演出が実行されている間に複数の装飾役物が可動することとなるため、遊技者に対してインパクトのある演出を実行することができるものであった。しかしながら、複数の装飾役物のそれぞれに対応するステッピングモータに対して電力を供給する必要があることから、遊技機全体で用いられる消費電力量が一時的に上昇してしまうという問題があった。
これに対して、遊技機RA1では、駆動体(一方の装飾役物)を駆動させるための第1作動手段の特定作動状態が解除されている場合に、移動体(他方の装飾役物)を移動させ易くするように構成しているため、複数の装飾役物を用いた演出を実行する場合において、消費電力量が一時的に上昇してしまうという不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機RA1において、第2解除条件の成立に基づいて、前記第2期間が経過するよりも前に前記第1作動手段の前記特定作動状態を解除させることが可能にされていることを特徴とする遊技機RA2。
遊技機RA2によれば、遊技機RA1の奏する効果に加え、特定作動状態を解除させ、所定の期間が経過した後に、予め定められた第2期間が経過するよりも前に特定作動状態を解除することができるので、駆動体を第2位置から可動させることが可能となるタイミングを多様化させることができるという効果がある。
遊技機RA1またはRA2において、前記移動体は、前記駆動体に当接した場合に前記駆動体の位置が可変するよりも小さい負荷となるように前記駆動体に当接するように構成されていることを特徴とする遊技機RA3。
遊技機RA3によれば、遊技機RA1またはRA2の奏する効果に加え、特定作動状態が解除されている状態で前記駆動体に移動体が当接した場合に、駆動体の位置が可変することで不具合が生じることを抑制できるという効果がある。
遊技機RA1からRA3のいずれかにおいて、前記作動制御手段は、前記特定作動状態を解除させ、前記所定の期間が経過した後に前記第2期間で前記特定作動状態を設定する制御を終了条件が成立するまで所定回数繰り返し実行することが可能にされていることを特徴とする遊技機RA4。
遊技機RA4によれば、遊技機RA1からRA3のいずれかの奏する効果に加え、特定作動状態を解除させ、所定期間が経過した後に第2期間で特定作動状態を実行する制御を終了条件が成立するまで実行することができるので駆動体を第2位置で維持するための電力消費を抑制しながら駆動体の駆動制御を行うことができるという効果がある。
<特徴RB群>
電気的に作動される第1作動手段によって駆動されることが可能であり、電気的に作動する前記第1作動手段とは異なる第2作動手段が作動することで移動することが可能な移動体が当接することが可能な駆動体を有した遊技機において、前記第1作動手段を特定作動状態で作動させることで前記駆動体を第1位置からその第1位置とは異なる第2位置に駆動させた状態で維持させるための特定作動制御を第1期間で実行可能な作動制御手段を有し、前記作動制御手段は、前記特定作動制御を実行した後に前記特定作動状態を解除させ、所定の期間が経過した後に、予め定められた第2期間で前記特定作動制御を実行することで前記駆動体を前記第1位置から前記第2位置に駆動させた状態で維持させることが可能であり、前記遊技機は、予め定められた第1解除条件の成立に基づいて、前記第1期間が経過するよりも前に前記第1作動手段の前記特定作動状態を解除させることが可能にされており、前記移動体は、前記駆動体が前記第1位置から前記第2位置へと駆動される状態において前記駆動体の所定部に当接することが可能となり易くされていることを特徴とする遊技機RB1。
従来より、演出位置を含む所定の可動範囲で可動可能な役物等の可動部材を有し、可動部材を演出位置に維持するための制御として、可動部材を可動させることが可能な作動手段を用いて可動部材を演出位置に維持する制御を実行する遊技機がある(先行技術文献:2012-239631)。
具体的には、可動部材を演出位置に維持させる期間において、可動部材を可動させるためのステッピングモータに対して励磁をかけ続けることによって、演出位置に維持させることが可能に構成されている。このように、ステッピングモータに対して励磁をかけ続けた状態で可動部材を演出位置に維持させることで、ステッピングモータを非励磁とした場合よりも可動部材が演出位置から変位し難くさせることができるため、自重等によって可動部材が演出位置から変位してしまうことを抑制できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動部材を演出位置に維持する場合に、作動手段(ステッピングモータ)を作動させ続けることになるため、例えば、作動手段であるモータ等が発熱することによって故障してしまう不具合が起こり得るものであった。
上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、一時的に作動手段への作動を解除しながら可動部材を演出位置に維持させることで作動手段への負荷を軽減させることを目的とする。
遊技機RB1によれば、特定作動状態を解除させながらも駆動体を第2位置で維持することができるため、第1作動手段への負荷を軽減させることができるという効果がある。さらに、第1解除条件の成立に基づいて、第1期間が経過するよりも前に特定作動状態を解除させることができるため、第1解除条件が成立しているにも関わらず、第1作動手段の作動が継続してしまい不要な電力が消費されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、従来より、演出位置を含む所定の可動範囲で可動可能な装飾役物を複数設け、複数の装飾役物が可動される演出を実行することで演出効果を高めた遊技機がある。このように構成された従来型の遊技機では、一連の演出が実行されている間に複数の装飾役物が可動することとなるため、遊技者に対してインパクトのある演出を実行することができるものであった。ここで、複数の装飾役物を用いた演出の演出効果をより高めることが所望されていた。
遊技機RB1では、第1位置から第2位置へと駆動している駆動体(一方の装飾役物)と移動体(他方の装飾役物)とを当接させることができるため、駆動体と移動体とを組み合わせた演出のバリエーションを増加させることで演出効果を高めることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機RB1において、第2解除条件の成立に基づいて、前記第2期間が経過するよりも前に前記第1作動手段の前記特定作動状態を解除させることが可能にされていることを特徴とする遊技機RB2。
遊技機RB2によれば、遊技機RB1の奏する効果に加え、特定作動状態を解除させ、所定の期間が経過した後に、予め定められた第2期間が経過するよりも前に特定作動状態を解除することができるので、駆動体を第2位置から可動させることが可能となるタイミングを多様化させることができるという効果がある。
遊技機RB1またはRB2において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記第2作動手段は、遊技者の操作に基づいて作動することが可能にされていることを特徴とする遊技機RB3。
遊技機RB3によれば、遊技機RB1またはRB2の奏する効果に加え、移動体を遊技者の操作タイミングに合わせて移動させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴RC群>
所定の制御データに基づいて作動されることが可能な第1作動装置と、その第1作動装置を前記所定の制御データに基づいて作動させることが可能な第1作動制御手段と、を有した遊技機において、前記所定の制御データには、前記第1作動装置が所定の状態で待機状態となる場合の制御データとして所定周期毎に前記第1作動装置を作動状態と非作動状態とを繰り返す待機データが含まれており、前記遊技機は、特定条件の成立に基づいて前記第1作動装置が待機状態となる場合の制御データとして前記第1作動装置が作動状態となる期間を可変させた特殊待機データを設定することが可能にされていることを特徴とする遊技機RC1。
従来より、演出位置を含む所定の可動範囲で可動可能な役物等の可動部材を有し、可動部材を演出位置に維持するための制御として、可動部材を可動させることが可能な作動手段を用いて可動部材を演出位置に維持する制御を実行する遊技機がある(先行技術文献:2012-239631)。
具体的には、可動部材を演出位置に維持させる期間において、可動部材を可動させるためのステッピングモータに対して励磁をかけ続けることによって、演出位置に維持させることが可能に構成されている。このように、ステッピングモータに対して励磁をかけ続けた状態で可動部材を演出位置に維持させることで、ステッピングモータを非励磁とした場合よりも可動部材が演出位置から変位し難くさせることができるため、自重等によって可動部材が演出位置から変位してしまうことを抑制できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動部材を演出位置に維持する場合に、作動手段(ステッピングモータ)を作動させ続けることになるため、例えば、作動手段であるモータ等が発熱することによって故障してしまう不具合が起こり得るものであった。
上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、一時的に作動手段への作動を解除しながら可動部材を演出位置に維持させることで作動手段への負荷を軽減させることを目的とする。
遊技機RC1によれば、第1作動装置が所定の状態で待機状態となる場合の制御データとして所定周期毎に第1作動装置を作動状態と非作動状態とを繰り返す制御を実行できるため、待機状態中の第1作動装置が作動状態となる期間を短くすることができ、第1作動装置への負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機RC1において、前記特定条件は、前記待機データに基づいて前記第1作動装置が作動されてから所定期間が経過した場合に成立し得るものであることを特徴とする遊技機RC2。
遊技機RC2によれば、遊技機RC1の奏する効果に加え、待機データに基づいて第1作動装置が作動されてから所定時間が経過した場合に特定条件が成立し得るため、所定時間が経過するまでの第1作動装置に係る制御を簡素化できるという効果がある。
遊技機RC1またはRC2において、前記待機データに基づいて前記第1作動装置が非作動状態となったことを遊技者から識別困難されていることを特徴とする遊技機RC3。
遊技機RC3によれば、遊技機RC1またはRC2の奏する効果に加え、待機データに基づいて第1作動装置が非作動となったことを遊技者から識別困難に構成されているため、遊技者に違和感を与えることなく第1作動装置を作動させるための電力を削減することができるという効果がある。
遊技機RC1からRC3のいずれかにおいて、終了条件が成立するまで前記特殊待機データに基づく前記第1作動装置の制御を継続させることが可能であることを特徴とする遊技機RC4。
遊技機RC4によれば、遊技機RC1からRC3の何れかが奏する効果に加え、特殊待機データに基づく第1作動装置の制御を終了条件が成立するまで継続させることができるため、特殊待機データに基づいて実行される第1作動装置の制御に係る制御処理を簡素化することができるという効果がある。
<特徴RD群>
所定の制御データに基づいて作動されることが可能な第1作動装置と、その第1作動装置を前記所定の制御データに基づいて作動させることが可能な第1作動制御手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されることに基づいて前記第1作動装置に対する負荷を可変させることが可能な負荷可変手段と、前記操作手段が操作された回数に対応して前記第1作動制御手段が前記第1作動装置を制御するための前記所定の制御データを可変させて設定することが可能な制御データ設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機RD1。
従来より、演出位置を含む所定の可動範囲で可動可能な役物等の可動部材を有し、可動部材を演出位置に維持するための制御として、可動部材を可動させることが可能な作動手段を用いて可動部材を演出位置に維持する制御を実行する遊技機がある(先行技術文献:2012-239631)。
具体的には、可動部材を演出位置に維持させる期間において、可動部材を可動させるためのステッピングモータに対して励磁をかけ続けることによって、演出位置に維持させることが可能に構成されている。このように、可動部材を可動させることが可能な作動装置を用いて可動部材を演出位置に維持することで、自重等によって可動部材が演出位置から変位してしまうことを抑制できるものであった。しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動部材を演出位置に維持する場合に、作動装置に対する負荷を可変させることなく作動させ続けることになる。よって、作動装置が破損し易いという問題があった。
上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、作動装置に対する負荷を可変させることで好適な遊技を遊技者に行わせることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機RD1によれば、操作手段が操作されることに基づいて第1作動装置に対する負荷を可変させることができるため、第1作動装置が破損してしまうことを抑制し好適な遊技を遊技者に行わせることができるという効果がある。
さらに、操作手段が操作された回数に対応して第1作動装置の作動内容を異ならせることができるので、演出効果を高めると共に、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機RD1において、前記所定の制御データを可変させて設定されたことを遊技者が識別可能に構成されていることを特徴とする遊技機RD2。
遊技機RD2によれば、遊技機RD1の奏する効果に加え、所定の制御データを可変させて設定されたことを遊技者が識別できるので、遊技者に分かりやすい演出を提供できるという効果がある。
遊技機RD1またはRD2において、前記制御データ設定手段は、予め定められた規制条件が成立した状態で前記操作手段が操作された場合には前記所定の制御データを可変させて設定しないことを特徴とする遊技機RD3。
遊技機RD3によれば、遊技機RD1またはRD2の奏する効果に加え、規制条件が成立した状態で操作手段が操作された場合には制御データを可変させて設定しないので、操作手段がいたずらに操作されたことによって処理負荷が増加する不具合を抑制することができる。
<特徴RE群>
電気的に作動される第1作動手段によって駆動されることが可能であり、電気的に作動する前記第1作動手段とは異なる第2作動手段が作動することで移動することが可能な移動体が当接することが可能な駆動体を有した遊技機において、前記第1作動手段を特定作動状態で作動させることで前記駆動体を第1位置からその第1位置とは異なる第2位置に駆動させた状態で維持させるための特定作動制御を第1期間で実行可能な作動制御手段を有し、前記作動制御手段は、前記特定作動制御を実行した後に前記特定作動状態を解除させ、所定の期間が経過した後に、予め定められた第2期間で前記特定作動制御を実行することで前記駆動体を前記第1位置から前記第2位置に駆動させた状態で維持させることが可能であり、前記駆動体は、前記移動体が前記駆動体の所定部に当接している状態で前記第2位置側から第1位置側へと駆動することが可能にされていることを特徴とする遊技機RE1。
従来より、演出位置を含む所定の可動範囲で可動可能な役物等の可動部材を有し、可動部材を演出位置に維持するための制御として、可動部材を可動させることが可能な作動手段を用いて可動部材を演出位置に維持する制御を実行する遊技機がある(先行技術文献:2012-239631)。
具体的には、可動部材を演出位置に維持させる期間において、可動部材を可動させるためのステッピングモータに対して励磁をかけ続けることによって、演出位置に維持させることが可能に構成されている。このように、ステッピングモータに対して励磁をかけ続けた状態で可動部材を演出位置に維持させることで、ステッピングモータを非励磁とした場合よりも可動部材が演出位置から変位し難くさせることができるため、自重等によって可動部材が演出位置から変位してしまうことを抑制できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動部材を演出位置に維持する場合に、作動手段(ステッピングモータ)を作動させ続けることになるため、例えば、作動手段であるモータ等が発熱することによって故障してしまう不具合が起こり得るものであった。
上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、一時的に作動手段への作動を解除しながら可動部材を演出位置に維持させることで作動手段への負荷を軽減させることを目的とする。
遊技機RE1によれば、特定作動状態を解除させながらも駆動体を第2位置で維持することができるため、第1作動手段への負荷を軽減させることができるという効果がある。さらに、第1解除条件の成立に基づいて、第1期間が経過するよりも前に特定作動状態を解除させることができるため、第1解除条件が成立しているにも関わらず、第1作動手段の作動が継続してしまい不要な電力が消費されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、従来より、演出位置を含む所定の可動範囲で可動可能な装飾役物を複数設け、複数の装飾役物が可動される演出を実行することで演出効果を高めた遊技機がある。このように構成された従来型の遊技機では、一連の演出が実行されている間に複数の装飾役物が可動することとなるため、遊技者に対してインパクトのある演出を実行することができるものであった。ここで、複数の装飾役物を用いた演出の演出効果をより高めることが所望されていた。
遊技機RE1では、駆動体(一方の装飾役物)の所定部に移動体(他方の装飾役物)を当接させた状態で、駆動体を第2位置側から第1位置側へと駆動させることができるため、演出効果を高めることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機RE1において、記第1期間を通常状態よりも長く設定させる特別状態を設定可能であり、前記移動体は、特別状態である場合に前記通常状態よりも前記第2位置に駆動された前記駆動体に当接し易くされるものであることを特徴とする遊技機RE2。
遊技機RE2によれば、遊技機RE1の奏する効果に加え、駆動体が特定作動状態で作動されている期間に移動体と当接し易くでき、移動体からの負荷により駆動体の位置が可変することによる不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機RE1またはRE2において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記第2作動手段は、遊技者の操作に基づいて作動することが可能にされていることを特徴とする遊技機RE3。
遊技機RE3によれば、遊技機RE1またはRE2の奏する効果に加え、移動体を遊技者の操作タイミングに合わせて移動させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴RF群>
電気的に作動される第1作動手段によって駆動されることが可能であり、電気的に作動する前記第1作動手段とは異なる第2作動手段が作動することで移動することが可能な移動体が当接することが可能な駆動体を有した遊技機において、前記第1作動手段を特定作動状態で作動させることで前記駆動体を第1位置からその第1位置とは異なる第2位置に駆動させた状態で維持させるための特定作動制御を第1期間で実行可能な作動制御手段を有し、前記作動制御手段は、前記特定作動制御を実行した後に前記特定作動状態を解除させ、所定の期間が経過した後に、予め定められた第2期間で前記特定作動制御を実行することで前記駆動体を前記第1位置から前記第2位置に駆動させた状態で維持させることが可能であり、前記遊技機は、前記第2位置に前記駆動体を駆動させた状態で維持される期間を第1状態よりも長く設定させる第2状態を設定可能であることを特徴とする遊技機RF1。
従来より、演出位置を含む所定の可動範囲で可動可能な役物等の可動部材を有し、可動部材を演出位置に維持するための制御として、可動部材を可動させることが可能な作動手段を用いて可動部材を演出位置に維持する制御を実行する遊技機がある(先行技術文献:2012-239631)。
具体的には、可動部材を演出位置に維持させる期間において、可動部材を可動させるためのステッピングモータに対して励磁をかけ続けることによって、演出位置に維持させることが可能に構成されている。このように、ステッピングモータに対して励磁をかけ続けた状態で可動部材を演出位置に維持させることで、ステッピングモータを非励磁とした場合よりも可動部材が演出位置から変位し難くさせることができるため、自重等によって可動部材が演出位置から変位してしまうことを抑制できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動部材を演出位置に維持する場合に、作動手段(ステッピングモータ)を作動させ続けることになるため、例えば、作動手段であるモータ等が発熱することによって故障してしまう不具合が起こり得るものであった。
上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、一時的に作動手段への作動を解除しながら可動部材を演出位置に維持させることで作動手段への負荷を軽減させることを目的とする。
遊技機RF1によれば、特定作動状態を解除させながらも駆動体を第2位置で維持することができるため、第1作動手段への負荷を軽減させることができるという効果がある。さらに、第1解除条件の成立に基づいて、第1期間が経過するよりも前に特定作動状態を解除させることができるため、第1解除条件が成立しているにも関わらず、第1作動手段の作動が継続してしまい不要な電力が消費されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
さらに、駆動体を第2位置に駆動させた状態で維持させる期間の長さを設定されている状態に応じて異ならせることができるため、駆動体が第2位置に位置する期間の長さを容易に可変させることができ、作動制御手段の処理負荷を軽減させることができるという効果がある。
遊技機RF1において、記第1期間を通常状態よりも長く設定させる特別状態を設定可能であり、前記移動体は、特別状態である場合に前記通常状態よりも前記第2位置に駆動された前記駆動体に当接し易くされるものであることを特徴とする遊技機RF2。
遊技機RF2によれば、遊技機RF1の奏する効果に加え、駆動体が特定作動状態で作動されている期間に移動体と当接し易くでき、移動体からの負荷により駆動体の位置が可変することによる不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機RF1またはRF2において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記第2作動手段は、遊技者の操作に基づいて作動することが可能にされていることを特徴とする遊技機RF3。
遊技機RF3によれば、遊技機RF1またはRF2の奏する効果に加え、移動体を遊技者の操作タイミングに合わせて移動させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<5090系特徴群>
<特徴TA群>
電気的に駆動される第1駆動手段と、その第1駆動手段が駆動されることで第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とに可動可能な可動手段と、その可動手段に当接することが可能な移動体を移動させることが可能な電気的に駆動される第2駆動手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、を有した遊技機において、前記操作手段の操作に基づいて前記第2駆動手段を駆動させることが可能な駆動制御手段、を有し、前記可動手段と前記移動体とは、遊技者に視認可能にされており、前記第1位置と前記第2位置との間を含む特定領域を前記移動体が通過している状態において、前記特定領域以外を前記移動体が通過している場合と比べて前記可動手段が前記第1位置から前記第2位置側へと可動される場合に前記可動手段の一端部と前記移動体とが当接し易くされていることを特徴とする遊技機TA1。
従来より、駆動手段を駆動させることで可動可能な可動手段を有し、可動している可動手段と当接可能な当接部材に対して可動手段を当接させることで、可動している可動手段を所定の停止位置で停止させる遊技機がある(先行技術文献:2014-132937)。
具体的には、電気的に駆動される駆動手段を用いて可動手段を可動させることが可能な構成において、自重により可動している可動手段を所定の停止位置に設けられた当接部材に対して当接させることで可動手段の移動範囲を制限し、可動手段を所定位置に停止させることが可能に構成されている。
このように、自重により可動している可動手段を当接部材に当接させることで可動手段を所定位置に停止可能に構成することで、可動手段を所定の停止位置に停止させる制御を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段が可動される場合には可動手段と当接部材とが必ず当接するようにされているため、可動手段の動作が単調となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、可動手段と移動体との当接し易さを可変可能に構成することで、可動手段の動作が単調となることを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機TA1によれば、遊技者が操作手段を操作することに基づいて移動体が特定領域に移動した場合に、第1位置から第2位置側へ可動された可動手段の一端部と移動体とが当接し易くされているので、遊技者の操作によって移動体を特定領域で可動手段の一端部と当てることで可動手段の可動を制限することで可動手段の可動を制限する演出を遊技者の操作によって実行できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TA1において、前記可動手段の一端部に前記移動体が当接することで前記可動手段の移動範囲が規制され得ることを特徴とする遊技機TA2。
遊技機TA2によれば、遊技機TA1の奏する効果に加え、可動手段の一端部に移動体が当接することで移動範囲を規制され得るものであるため、可動手段の移動パターンを増加させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TA1またはTA2において、前記可動手段の一端部と前記移動体とが当接する場合に、前記移動体が前記可動手段に当接することで前記移動体が第1方向とその第1方向とは異なる第2方向とに可動可能にされていることを特徴とする遊技機TA3。
遊技機TA3によれば、遊技機TA1またはTA2の奏する効果に加え、可動手段と移動体とが当接することで移動体が第1方向へ可動する場合と、第2方向に可動する場合と、があるため、移動体が可動体に当接した後も移動体がどの方向へ可動するかに興味を持たせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TA1からTA3のいずれかにおいて、前記可動手段と前記移動体とが当接することで前記可動手段が前記第1位置と前記第2位置との間の途中位置に停止可能にされていることを特徴とする遊技機TA4。
遊技機TA4によれば、遊技機TA1からTA3のいずれかの奏する効果に加え、可動手段と移動体とが当接することで可動手段が途中位置に停止可能にされているので、可動手段の動作態様を多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TA4において、前記可動手段が前記第1位置から前記第2位置側に可動する場合において、前記可動手段と前記移動体とが当接した場合の方が前記可動手段と前記移動体とが当接しなかった場合よりも遊技者に有利となる演出態様が実行され易くされていることを特徴とする遊技機TA5。
遊技機TA5によれば、遊技機TA4の奏する効果に加え、可動手段と移動体とが当接した場合に、遊技者に有利となる演出態様が実行され易くされているので、遊技者の可動手段と移動体との動作態様に対する関心をより向上させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TA1からTA5のいずれかにおいて、前記可動手段が可動されることを示すための示唆態様を示唆可能な示唆手段、を有し、前記示唆態様に基づいて前記操作手段を操作することで前記可動手段と前記移動体とが当接し易くされることを特徴とする遊技機TA6。
遊技機TA6によれば、遊技機TA1からTA5のいずれかの奏する効果に加え、示唆態様が示唆されることで、可動体と移動体とを当接し易くできるので、遊技者に示唆態様が示唆されることを期待させることができる。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機TA1からTA6のいずれかにおいて、前記第2駆動手段は、前記操作手段が操作されることに基づいて所定の周期で駆動されることが可能にされていることを特徴とする遊技機TA7。
遊技機TA7によれば、遊技機TA1からTA6いずれかの奏する効果に加え、操作手段が操作されることで第2駆動手段が所定の周期で駆動されることが可能にされているので、移動体を周期的に移動させることができ、可動体と当接し易くできるという効果がある。
遊技機TA1からTA7のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第1駆動手段により前記可動手段が可動されることが可能な可動速度と、前記第2駆動手段により前記移動体が移動されることが可能な移動速度とが異なるように構成されていることを特徴とする遊技機TA8。
遊技機TA8によれば、遊技機TA1からTA7のいずれかの奏する効果に加え、可動手段と移動体の速度が異なるように構成されているので、移動体と可動体を当接させる際の困難性を高めることができ、遊技者が操作手段を操作するタイミングの興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TA1からTA8のいずれかにおいて、前記可動手段が前記第1位置から前記移動体と当接するまでに可動する可動量よりも、前記移動体が前記第2駆動手段により移動が開始される位置から前記可動手段と当接する位置までに移動する移動量の方が大きくなるように構成されていることを特徴とする遊技機TA9。
遊技機TA9によれば、遊技機TA1からTA8のいずれかの奏する効果に加え、移動体と可動体が当接する際のおける移動体の移動量と可動体の可動量とが異なるようにされていることで、移動体と可動体とを当接させる困難性を高めることができるという効果がある。
遊技機TA1からTA9のいずれかにおいて、前記可動手段は、前記第2位置に可動された後に所定の可動条件の成立に基づいて前記第1位置へと可動されることが可能にされていることを特徴とする遊技機TA10。
遊技機TA10によれば、遊技機TA1からTA9のいずれかの奏する効果に加え、可動手段は、第2位置へ可動された後に第1位置へと可動条件が成立することで可動されることが可能にされているので、遊技者に可動手段を利用した演出が再度実行されることを期待させることができるという効果がある。
遊技機TA1からTA10のいずれかにおいて、前記可動手段は、表示手段の表示領域の前面側と重なる位置に配置されることが可能な装飾部を有し、装飾部の可動に対応して前記表示手段の表示態様を可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機TA11。
遊技機TA11によれば、遊技機TA1からTA10のいずれかの奏する効果に加え、装飾部と表示態様とを組み合わせた演出をすることが可能となり、遊技者により可動手段を可動させた演出をわかり易くできるという効果がある。
遊技機TA1からTA11のいずれかにおいて、前記可動手段と移動体が当接した場合に、前記第1駆動手段からの駆動力が継続して加わることで、前記可動手段が前記第2位置へと可動することが可能にされていることを特徴とする遊技機TA12。
遊技機TA12によれば、遊技機TA1からTA11のいずれかの奏する効果に加え、可動手段と移動体が当接した後にも、可動手段が可動されることが可能にされて、可動手段と移動体との当接状態が維持される期間をランダムにでき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機TA1からTA12のいずれかにおいて、前記移動体が所定の移動軌跡で移動可能となるように前記移動体を誘導することが可能な誘導路を有することを特徴とする遊技機TA13。
遊技機TA13によれば、遊技機TA1からTA12のいずれかの奏する効果に加え、移動体が所定の移動軌跡で誘導路により移動することで可動手段と移動体を当接し易くでき、遊技者が可動手段に当接させる意欲を向上させることができるという効果がある。
<特徴TB群>
電気的に駆動される第1駆動手段と、その第1駆動手段が駆動されることで第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とに可動可能な可動手段と、その可動手段に当接することが可能な移動体を移動させることが可能な電気的に駆動される第2駆動手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、を有した遊技機において、前記操作手段の操作に基づいて前記第2駆動手段を駆動させることが可能な駆動制御手段、を有し、前記可動手段と前記移動体とは、遊技者に視認可能にされており、前記第1駆動手段が駆動されることで可動が開始された前記可動手段と前記移動体とが第1当接位置とその第1当接位置とは異なる第2当接位置とで当接することが可能にされており、前記遊技機は、前記可動手段と前記移動体とが前記第1当接位置で当接する場合と、前記可動手段と前記移動体とが前記第2当接位置で当接する場合とで前記可動手段が前記第1位置から前記第2位置へと可動する期間が異なるようにされていることを特徴とする遊技機TB1。
従来より、駆動手段を駆動させることで可動可能な可動手段を有し、可動している可動手段と当接可能な当接部材に対して可動手段を当接させることで、可動している可動手段を所定の停止位置で停止させる遊技機がある(先行技術文献:2014-132937)。
具体的には、電気的に駆動される駆動手段を用いて可動手段を可動させることが可能な構成において、自重により可動している可動手段を所定の停止位置に設けられた当接部材に対して当接させることで可動手段の移動範囲を制限し、可動手段を所定位置に停止させることが可能に構成されている。
このように、自重により可動している可動手段を当接部材に当接させることで可動手段を所定位置に停止可能に構成することで、可動手段を所定の停止位置に停止させる制御を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段が可動される場合には可動手段と当接部材とが必ず当接するようにされているため、可動手段の動作が単調となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、可動手段と移動体との当接し易さを可変可能に構成することで、可動手段の動作が単調となることを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機TB1によれば、遊技者が操作手段を操作することで第2駆動手段を駆動され、第2駆動手段が駆動されたことで可動手段と移動体とが当接した場合に、可動手段と移動体とが当接した当接位置によって可動手段が第1位置から第2位置へと可動する期間が異なるため、遊技者の操作によって可動手段が可動する期間を可変させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TB1において、前記可動手段が可動されることを示すための示唆態様を示唆可能な示唆手段、を有し、前記示唆態様に基づいて前記操作手段を操作することで前記可動手段と前記移動体とが当接し易くされることを特徴とする遊技機TB2。
遊技機TB2によれば、遊技機TB1の奏する効果に加え、示唆態様が示唆されることで、可動体と移動体とを当接し易くできるので、遊技者に示唆態様が示唆されることを期待させることができる。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機TB1またはTB2において、前記第2駆動手段は、前記操作手段が操作されることに基づいて所定の周期で駆動されることが可能にされていることを特徴とする遊技機TB3。
遊技機TB3によれば、遊技機TB1またはTB2の奏する効果に加え、操作手段が操作されることで第2駆動手段が所定の周期で駆動されることが可能にされているので、移動体を周期的に移動させることができ、可動体と当接し易くできるという効果がある。
遊技機TB1からTB3のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第1駆動手段により前記可動手段が可動されることが可能な可動速度と、前記第2駆動手段により前記移動体が移動されることが可能な移動速度とが異なるように構成されていることを特徴とする遊技機TB4。
遊技機TB4によれば、遊技機TB1からTB3のいずれかの奏する効果に加え、可動手段と移動体の速度が異なるように構成されているので、移動体と可動体を当接させる際の困難性を高めることができ、遊技者が操作手段を操作するタイミングの興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TB1からTB4のいずれかにおいて、前記可動手段が前記第1位置から前記移動体と当接するまでに可動する可動量よりも、前記移動体が前記第2駆動手段により移動が開始される位置から前記可動手段と当接する位置までに移動する移動量の方が大きくなるように構成されていることを特徴とする遊技機TB5。
遊技機TB5によれば、遊技機TB1からTB4のいずれかの奏する効果に加え、移動体と可動体が当接する際のおける移動体の移動量と可動体の可動量とが異なるようにされていることで、移動体と可動体とを当接させる困難性を高めることができるという効果がある。
遊技機TB1からTB5いずれかにおいて、前記可動手段は、前記第2位置に可動された後に所定の可動条件の成立に基づいて前記第1位置へと可動されることが可能にされていることを特徴とする遊技機TB6。
遊技機TB6によれば、遊技機TB1からTB5のいずれかの奏する効果に加え、可動手段は、第2位置へ可動された後に第1位置へと可動条件が成立することで可動されることが可能にされているので、遊技者に可動手段を利用した演出が再度実行されることを期待させることができるという効果がある。
遊技機TB1からTB6のいずれかにおいて、前記可動手段は、表示手段の表示領域の前面側と重なる位置に配置されることが可能な装飾部を有し、装飾部の可動に対応して前記表示手段の表示態様を可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機TB7。
遊技機TB7によれば、遊技機TB1からTB6のいずれかの奏する効果に加え、装飾部と表示態様とを組み合わせた演出をすることが可能となり、遊技者により可動手段を可動させた演出をわかり易くできるという効果がある。
遊技機TB1からTB7のいずれかにおいて、前記可動手段と移動体が当接した場合に、前記第1駆動手段からの駆動力が継続して加わることで、前記可動手段が前記第2位置へと可動することが可能にされていることを特徴とする遊技機TB8。
遊技機TB8によれば、遊技機TB1からTB7の奏する効果に加え、可動手段と移動体が当接した後にも、可動手段が可動されることが可能にされて、可動手段と移動体との当接状態が維持される期間をランダムにでき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機TB1からTB8のいずれかにおいて、前記移動体が所定の移動軌跡で移動可能となるように前記移動体を誘導することが可能な誘導路を有することを特徴とする遊技機TB9。
遊技機TB9によれば、遊技機TB1からTB8のいずれかの奏する効果に加え、移動体が所定の移動軌跡で誘導路により移動することで可動手段と移動体を当接し易くでき、遊技者が可動手段に当接させる意欲を向上させることができるという効果がある。
<特徴TC群>
電気的に駆動される第1駆動手段と、その第1駆動手段が駆動されることで第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とに可動可能な可動手段と、その可動手段に当接することが可能な移動体を移動させることが可能な電気的に駆動される第2駆動手段と、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示す表示態様を表示可能な表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による判別結果が特定の判別結果であることを示す表示態様が前記表示手段に表示された場合に、前記可動手段が可動されることに関連した特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、前記操作手段の操作に基づいて前記第2駆動手段を駆動させることが可能な駆動制御手段と、を有し、前記可動手段と前記移動体とは、遊技者に視認可能にされており、特定領域に前記移動体が位置している状態において、前記可動手段が前記第1位置から前記第2位置側へと可動される場合に前記可動手段の一端部と前記移動体とが当接し易くされていることを特徴とする遊技機TC1。
従来より、駆動手段を駆動させることで可動可能な可動手段を有し、可動している可動手段と当接可能な当接部材に対して可動手段を当接させることで、可動している可動手段を所定の停止位置で停止させる遊技機がある(先行技術文献:2014-132937)。
具体的には、電気的に駆動される駆動手段を用いて可動手段を可動させることが可能な構成において、自重により可動している可動手段を所定の停止位置に設けられた当接部材に対して当接させることで可動手段の移動範囲を制限し、可動手段を所定位置に停止させることが可能に構成されている。
このように、自重により可動している可動手段を当接部材に当接させることで可動手段を所定位置に停止可能に構成することで、可動手段を所定の停止位置に停止させる制御を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段が可動される場合には可動手段と当接部材とが必ず当接するようにされているため、可動手段の動作が単調となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、可動手段と移動体との当接し易さを可変可能に構成することで、可動手段の動作が単調となることを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機TC1によれば、特定の判別結果であることを示す表示態様が表示された場合に、可動手段が可動される演出を含む特定演出が実行されるので、可動手段が可動されるよりも前に、遊技者を可動手段に注目させ易くなり、遊技者にとって分り易い演出を提供することができる。よって、遊技者の遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TC1において、前記可動手段の一端部と前記移動体とが当接することで前記可動手段の移動範囲が規制され得ることを特徴とする遊技機TC2。
遊技機TC2によれば、遊技機TC1の奏する効果に加え、可動手段の一端部に移動体が当接することで移動範囲を規制され得るものであるため、可動手段の移動パターンを増加させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TC1またはTC2において、前記可動手段と前記移動体とが当接することで前記可動手段が前記第1位置と前記第2位置との間の途中位置に停止可能にされていることを特徴とする遊技機TC3。
遊技機TC3によれば、遊技機TC1またはTC2の奏する効果に加え、可動手段と移動体とが当接することで可動手段が途中位置に停止可能にされているので、可動手段の動作態様を多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TC1からTC3のいずれかにおいて、前記可動手段の一端部と前記移動体とが当接する場合に、前記移動体が前記可動手段に当接することで前記移動体が第1方向とその第1方向とは異なる第2方向とに可動可能にされていることを特徴とする遊技機TC4。
遊技機TC4によれば、遊技機TC1からTC3のいずれかの奏する効果に加え、可動手段と移動体とが当接することで移動体が第1方向へ可動する場合と、第2方向に可動する場合と、があるため、移動体が可動体に当接した後も移動体がどの方向へ可動するかに興味を持たせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TC1からTC4のいずれかにおいて、前記第2駆動手段は、前記操作手段が操作されることに基づいて所定の周期で駆動されることが可能にされていることを特徴とする遊技機TC5。
遊技機TC5によれば、遊技機TC1からTC4のいずれかの奏する効果に加え、操作手段が操作されることで第2駆動手段が所定の周期で駆動されることが可能にされているので、移動体を周期的に移動させることができ、可動体と当接し易くできるという効果がある。
遊技機TC1からTC5のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第1駆動手段により前記可動手段が可動されることが可能な可動速度と、前記第2駆動手段により前記移動体が移動されることが可能な移動速度とが異なるように構成されていることを特徴とする遊技機TC6。
遊技機TC6によれば、遊技機TC1からTC5のいずれかの奏する効果に加え、可動手段と移動体の速度が異なるように構成されているので、移動体と可動体を当接させる際の困難性を高めることができ、遊技者が操作手段を操作するタイミングの興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TC1からTC6のいずれかにおいて、前記可動手段が前記第1位置から前記移動体と当接するまでに可動する可動量よりも、前記移動体が前記第2駆動手段により移動が開始される位置から前記可動手段と当接する位置までに移動する移動量の方が大きくなるように構成されていることを特徴とする遊技機TC7。
遊技機TC7によれば、遊技機TC1からTC6のいずれかの奏する効果に加え、移動体と可動体が当接する際のおける移動体の移動量と可動体の可動量とが異なるようにされていることで、移動体と可動体とを当接させる困難性を高めることができるという効果がある。
遊技機TC1からTC7のいずれかにおいて、前記可動手段は、前記第2位置に可動された後に所定の可動条件の成立に基づいて前記第1位置へと可動されることが可能にされていることを特徴とする遊技機TC8。
遊技機TC8によれば、遊技機TC1からTC7のいずれかの奏する効果に加え、可動手段は、第2位置へ可動された後に第1位置へと可動条件が成立することで可動されることが可能にされているので、遊技者に可動手段を利用した演出が再度実行されることを期待させることができるという効果がある。
遊技機TC1からTC8のいずれかにおいて、前記可動手段は、前記表示手段の表示領域の前面側と重なる位置に配置されることが可能な装飾部を有し、装飾部の可動に対応して前記表示手段の表示態様を可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機TC9。
遊技機TC9によれば、遊技機TC1からTC8のいずれかの奏する効果に加え、装飾部と表示態様とを組み合わせた演出をすることが可能となり、遊技者により可動手段を可動させた演出をわかり易くできるという効果がある。
遊技機TC1からTC9のいずれかにおいて、前記可動手段と移動体が当接した場合に、前記第1駆動手段からの駆動力が継続して加わることで、前記可動手段が前記第2位置へと可動することが可能にされていることを特徴とする遊技機TC10。
遊技機TC10によれば、遊技機TC1からTC9の奏する効果に加え、可動手段と移動体が当接した後にも、可動手段が可動されることが可能にされて、可動手段と移動体との当接状態が維持される期間をランダムにでき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機TC1からTC10のいずれかにおいて、前記移動体が所定の移動軌跡で移動可能となるように前記移動体を誘導することが可能な誘導路を有することを特徴とする遊技機TC11。
遊技機TC11によれば、遊技機TC1からTC10のいずれかの奏する効果に加え、移動体が所定の移動軌跡で誘導路により移動することで可動手段と移動体を当接し易くでき、遊技者が可動手段に当接させる意欲を向上させることができるという効果がある。
<特徴TD群>
電気的に駆動される第1駆動手段と、その第1駆動手段が駆動されることで第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とに可動可能な可動手段と、その可動手段に当接することが可能な移動体を移動させることが可能な電気的に駆動される第2駆動手段と、を有した遊技機において、前記第2駆動手段を所定の動作で1回駆動させる状態と前記第2駆動手段を所定の周期で駆動させる状態とを選択されることが可能にされており、前記第2駆動手段が前記所定の周期で駆動された場合に、前記第1位置から前記第2位置側へ可動された前記可動手段と前記移動体とが当接し易くされていることを特徴とする遊技機TD1。
従来より、駆動手段を駆動させることで可動可能な可動手段を有し、可動している可動手段と当接可能な当接部材に対して可動手段を当接させることで、可動している可動手段を所定の停止位置で停止させる遊技機がある(先行技術文献:2014-132937)。
具体的には、電気的に駆動される駆動手段を用いて可動手段を可動させることが可能な構成において、自重により可動している可動手段を所定の停止位置に設けられた当接部材に対して当接させることで可動手段の移動範囲を制限し、可動手段を所定位置に停止させることが可能に構成されている。
このように、自重により可動している可動手段を当接部材に当接させることで可動手段を所定位置に停止可能に構成することで、可動手段を所定の停止位置に停止させる制御を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段が可動される場合には可動手段と当接部材とが必ず当接するようにされているため、可動手段の動作が単調となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、可動手段と移動体との当接し易さを可変可能に構成することで、可動手段の動作が単調となることを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機TD1によれば、第2駆動手段が所定の周期で駆動された場合に、可動手段と移動体とが当接し易くされているので、第2駆動手段により移動される移動体の動作態様から可動手段と移動体とが当接するか否かを遊技者に予測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TD1において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記操作手段が操作されることにより成立する第1終了条件の成立に基づいて、前記第1終了条件とは異なる第2終了条件の成立よりも前に前記第2駆動手段を前記所定の周期で駆動させる制御を終了させることが可能にされていることを特徴とする遊技機TD2。
遊技機TD2によれば、遊技機TD1の奏する効果に加え、操作手段が操作されることにより成立する第1終了条件の成立に基づいて、第2終了条件の成立よりも前に第2駆動手段を所定の周期で駆動させる制御を終了させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TD1またはTD2において、前記可動手段と前記移動体との当接位置を視認可能にされていることを特徴とする遊技機TD3。
遊技機TD3によれば、遊技機TD1またはTD2の奏する効果に加え、可動手段と移動体との当接位置を遊技者が視認可能にされているので、遊技者に対して分り易い演出を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TD1からTD3のいずれかにおいて、前記可動手段と前記移動体とが当接することで前記可動手段が前記第1位置と前記第2位置との間の途中位置に停止可能にされていることを特徴とする遊技機TD4。
遊技機TD4によれば、遊技機TD1からD3のいずれかの奏する効果に加え、可動手段と移動体とが当接することで可動手段が途中位置に停止可能にされているので、可動手段の動作態様を多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TD1からTD4のいずれかにおいて、前記可動手段の一端部と前記移動体とが当接する場合に、前記移動体が前記可動手段に当接することで前記移動体が第1方向とその第1方向とは異なる第2方向とに可動可能にされていることを特徴とする遊技機TD5。
遊技機TD5によれば、遊技機TD1からTD4のいずれかの奏する効果に加え、可動手段と移動体とが当接することで移動体が第1方向へ可動する場合と、第2方向に可動する場合と、があるため、移動体が可動体に当接した後も移動体がどの方向へ可動するかに興味を持たせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TD1からTD5のいずれかにおいて、前記可動手段が前記第1位置から前記第2位置側に可動する場合において、前記可動手段と前記移動体とが当接した場合の方が前記可動手段と前記移動体とが当接しなかった場合よりも遊技者に有利となる演出態様が実行され易くされていることを特徴とする遊技機TD6。
遊技機TD6によれば、遊技機TD1からTD5のいずれかの奏する効果に加え、可動手段と移動体とが当接した場合に、遊技者に有利となる演出態様が実行され易くされているので、遊技者の可動手段と移動体との動作態様に対する関心をより向上させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TD1からTD6のいずれかにおいて、前記可動手段が可動されることを示すための示唆態様を示唆可能な示唆手段、を有し、前記示唆態様に基づいて前記操作手段を操作することで前記可動手段と前記移動体とが当接し易くされることを特徴とする遊技機TD7。
遊技機TD7によれば、遊技機TD1からTD6のいずれかの奏する効果に加え、示唆態様が示唆されることで、可動体と移動体とを当接し易くできるので、遊技者に示唆態様が示唆されることを期待させることができる。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機TD1からTD7のいずれかにおいて、前記第2駆動手段は、前記操作手段が操作されることに基づいて所定の周期で駆動されることが可能にされていることを特徴とする遊技機TD8。
遊技機TD8によれば、遊技機TD1からTD7いずれかの奏する効果に加え、操作手段が操作されることで第2駆動手段が所定の周期で駆動されることが可能にされているので、移動体を周期的に移動させることができ、可動体と当接し易くできるという効果がある。
遊技機TD1からTD8のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第1駆動手段により前記可動手段が可動されることが可能な可動速度と、前記第2駆動手段により前記移動体が移動されることが可能な移動速度とが異なるように構成されていることを特徴とする遊技機TD9。
遊技機TD9によれば、遊技機TD1からTD8のいずれかの奏する効果に加え、可動手段と移動体の速度が異なるように構成されているので、移動体と可動体を当接させる際の困難性を高めることができ、遊技者が操作手段を操作するタイミングの興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TD1からTD9のいずれかにおいて、前記可動手段が前記第1位置から前記移動体と当接するまでに可動する可動量よりも、前記移動体が前記第2駆動手段により移動が開始される位置から前記可動手段と当接する位置までに移動する移動量の方が大きくなるように構成されていることを特徴とする遊技機TD10。
遊技機TD10によれば、遊技機TD1からTD9のいずれかの奏する効果に加え、移動体と可動体が当接する際のおける移動体の移動量と可動体の可動量とが異なるようにされていることで、移動体と可動体とを当接させる困難性を高めることができるという効果がある。
遊技機TD1からTD10のいずれかにおいて、前記可動手段は、前記第2位置に可動された後に所定の可動条件の成立に基づいて前記第1位置へと可動されることが可能にされていることを特徴とする遊技機TD11。
遊技機TD11によれば、遊技機TD1からTD10のいずれかの奏する効果に加え、可動手段は、第2位置へ可動された後に第1位置へと可動条件が成立することで可動されることが可能にされているので、遊技者に可動手段を利用した演出が再度実行されることを期待させることができるという効果がある。
遊技機TD1からTD11のいずれかにおいて、前記可動手段は、表示手段の表示領域の前面側と重なる位置に配置されることが可能な装飾部を有し、装飾部の可動に対応して前記表示手段の表示態様を可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機TD12。
遊技機TD12によれば、遊技機TD1からTD11のいずれかの奏する効果に加え、装飾部と表示態様とを組み合わせた演出をすることが可能となり、遊技者により可動手段を可動させた演出をわかり易くできるという効果がある。
遊技機TD1からTD12のいずれかにおいて、前記可動手段と移動体が当接した場合に、前記第1駆動手段からの駆動力が継続して加わることで、前記可動手段が前記第2位置へと可動することが可能にされていることを特徴とする遊技機TD13。
遊技機TD13によれば、遊技機TD1からTD12の奏する効果に加え、可動手段と移動体が当接した後にも、可動手段が可動されることが可能にされて、可動手段と移動体との当接状態が維持される期間をランダムにでき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機TD1からTD13のいずれかにおいて、前記移動体が所定の移動軌跡で移動可能となるように前記移動体を誘導することが可能な誘導路を有することを特徴とする遊技機TD14。
遊技機TD14によれば、遊技機TD1からTD13の奏する効果に加え、移動体が所定の移動軌跡で誘導路により移動することで可動手段と移動体を当接し易くでき、遊技者が可動手段に当接させる意欲を向上させることができるという効果がある。
<特徴TE群>
電気的に駆動される第1駆動手段と、その第1駆動手段が駆動されることで第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とに可動可能な可動手段と、その可動手段に当接することが可能な移動体を移動させることが可能な電気的に駆動される第2駆動手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、を有した遊技機において、前記操作手段の操作に基づいて前記第2駆動手段を駆動させることが可能な駆動制御手段、を有し、前記遊技機は、前記可動手段が前記第1位置から前記第2位置へと可動される途中位置で前記移動体の第1特定位置に当接した場合と、前記可動手段が前記第1位置から前記第2位置へと可動される途中位置で前記移動体の前記第1特定位置とは異なる第2特定位置に当接した場合とで前記第1位置から前記可動手段が可動した可動量が異なるように構成されていることを特徴とする遊技機TE1。
従来より、駆動手段を駆動させることで可動可能な可動手段を有し、可動している可動手段と当接可能な当接部材に対して可動手段を当接させることで、可動している可動手段を所定の停止位置で停止させる遊技機がある(先行技術文献:2014-132937)。
具体的には、電気的に駆動される駆動手段を用いて可動手段を可動させることが可能な構成において、自重により可動している可動手段を所定の停止位置に設けられた当接部材に対して当接させることで可動手段の移動範囲を制限し、可動手段を所定位置に停止させることが可能に構成されている。
このように、自重により可動している可動手段を当接部材に当接させることで可動手段を所定位置に停止可能に構成することで、可動手段を所定の停止位置に停止させる制御を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段が可動される場合には可動手段と当接部材とが必ず当接するようにされているため、可動手段の動作が単調となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、可動手段と移動体との当接し易さを可変可能に構成することで、可動手段の動作が単調となることを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機TE1によれば、移動体の第1特定位置に可動手段が当接する場合と、移動体の第2特定位置に可動手段が当接する場合と、で可動手段が可動される可動量を異ならせることができるので、可動手段と移動体とが当接する場合の可動量が一定となることで可動手段の動作が単調となることを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TE1において、前記可動手段と前記移動体とが当接している当接状態が解除した場合に、前記可動手段が前記第2位置へと可動されることを特徴とする遊技機TE2。
遊技機TE2によれば、遊技機TE1の奏する効果に加え、可動手段と移動体とが当接している当接状態が解除した場合に、可動手段が第2位置へと可動されるので、途中位置から第2位置までの可動量を多様にすることができる。よって、遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機TE2において、前記可動手段が前記移動体の前記第1特定位置に当接する場合には、前記可動手段が前記移動体の前記第2特定位置に当接する場合よりも前記可動手段と前記移動体とが当接している当接期間が長くなり易いことを特徴とする遊技機TE3。
遊技機TE3によれば、遊技機TE2の奏する効果に加え、可動手段が移動体の第1特定位置に当接する場合に、当接期間が長くなり易いので、可動手段が途中位置に位置している期間の長さを多様化することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
遊技機TE1からTE3のいずれかにおいて、前記可動手段が可動されることを示すための示唆態様を示唆可能な示唆手段、を有し、前記示唆態様に基づいて前記操作手段を操作することで前記可動手段と前記移動体とが当接し易くされることを特徴とする遊技機TE4。
遊技機TE4によれば、遊技機TE1からTE3のいずれかの奏する効果に加え、示唆態様が示唆されることで、可動体と移動体とを当接し易くできるので、遊技者に示唆態様が示唆されることを期待させることができる。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機TE1からTE4のいずれかにおいて、前記第2駆動手段は、前記操作手段が操作されることに基づいて所定の周期で駆動されることが可能にされていることを特徴とする遊技機TE5。
遊技機TE5によれば、遊技機TE1からTE4いずれかの奏する効果に加え、操作手段が操作されることで第2駆動手段が所定の周期で駆動されることが可能にされているので、移動体を周期的に移動させることができ、可動体と当接し易くできるという効果がある。
遊技機TE1からTE5のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第1駆動手段により前記可動手段が可動されることが可能な可動速度と、前記第2駆動手段により前記移動体が移動されることが可能な移動速度とが異なるように構成されていることを特徴とする遊技機TE6。
遊技機TE6によれば、遊技機TE1からTE5のいずれかの奏する効果に加え、可動手段と移動体の速度が異なるように構成されているので、移動体と可動体を当接させる際の困難性を高めることができ、遊技者が操作手段を操作するタイミングの興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TE1からTE6のいずれかにおいて、前記可動手段が前記第1位置から前記移動体と当接するまでに可動する可動量よりも、前記移動体が前記第2駆動手段により移動が開始される位置から前記可動手段と当接する位置までに移動する移動量の方が大きくなるように構成されていることを特徴とする遊技機TE7。
遊技機TE7によれば、遊技機TE1からTE6のいずれかの奏する効果に加え、移動体と可動体が当接する際のおける移動体の移動量と可動体の可動量とが異なるようにされていることで、移動体と可動体とを当接させる困難性を高めることができるという効果がある。
遊技機TE1からTE7のいずれかにおいて、前記可動手段は、前記第2位置に可動された後に所定の可動条件の成立に基づいて前記第1位置へと可動されることが可能にされていることを特徴とする遊技機TE8。
遊技機TE8によれば、遊技機TE1からTE7のいずれかの奏する効果に加え、可動手段は、第2位置へ可動された後に第1位置へと可動条件が成立することで可動されることが可能にされているので、遊技者に可動手段を利用した演出が再度実行されることを期待させることができるという効果がある。
遊技機TE1からTE8のいずれかにおいて、前記可動手段は、表示手段の表示領域の前面側と重なる位置に配置されることが可能な装飾部を有し、装飾部の可動に対応して前記表示手段の表示態様を可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機TE9。
遊技機TE9によれば、遊技機TE1からTE8のいずれかの奏する効果に加え、装飾部と表示態様とを組み合わせた演出をすることが可能となり、遊技者により可動手段を可動させた演出をわかり易くできるという効果がある。
遊技機TE1からTE9のいずれかにおいて、前記移動体が所定の移動軌跡で移動可能となるように前記移動体を誘導することが可能な誘導路を有することを特徴とする遊技機TE10。
遊技機TE10によれば、遊技機TE1からTE9のいずれかの奏する効果に加え、移動体が所定の移動軌跡で誘導路により移動することで可動手段と移動体を当接し易くでき、遊技者が可動手段に当接させる意欲を向上させることができるという効果がある。
<特徴TF群>
電気的に駆動される第1駆動手段と、その第1駆動手段が駆動されることで第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とに可動可能な可動手段と、その可動手段に当接することが可能な移動体を移動させることが可能な電気的に駆動される第2駆動手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、を有した遊技機において、前記操作手段の操作に基づいて前記第2駆動手段を駆動させることが可能な駆動制御手段、を有し、前記可動手段には、前記移動体と当接することが可能な傾斜面が形成されており、前記遊技機は、前記移動体の所定位置と前記傾斜面とが当接する場合に、前記移動体が当接した前記傾斜面の位置によって、前記可動手段が前記第1位置から可動した可動量が可変されるように構成されていることを特徴とする遊技機TF1。
従来より、駆動手段を駆動させることで可動可能な可動手段を有し、可動している可動手段と当接可能な当接部材に対して可動手段を当接させることで、可動している可動手段を所定の停止位置で停止させる遊技機がある(先行技術文献:2014-132937)。
具体的には、電気的に駆動される駆動手段を用いて可動手段を可動させることが可能な構成において、自重により可動している可動手段を所定の停止位置に設けられた当接部材に対して当接させることで可動手段の移動範囲を制限し、可動手段を所定位置に停止させることが可能に構成されている。
このように、自重により可動している可動手段を当接部材に当接させることで可動手段を所定位置に停止可能に構成することで、可動手段を所定の停止位置に停止させる制御を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段が可動される場合には可動手段と当接部材とが必ず当接するようにされているため、可動手段の動作が単調となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、可動手段と移動体との当接し易さを可変可能に構成することで、可動手段の動作が単調となることを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機TF1によれば、移動体が当接した可動手段の傾斜面の位置によって、可動手段が第1位置から可動した可動量が可変されるので、可動手段と移動体とが当接した場合の可動量が一定となることで可動手段の動作が単調となることを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
遊技機TF1において、前記移動体が前記傾斜面に当接した状態で前記可動手段が可動することが可能にされていることを特徴とする遊技機TF2。
遊技機TF2によれば、遊技機TF1の奏する効果に加え、可動手段と移動体とが当接した状態で可動手段が可動することが可能にされているので、可動手段と移動体とを連動させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
遊技機TF2において、前記第2駆動手段の駆動力を可変させることが可能にされており、前記第2駆動手段の駆動力に応じて前記移動体と前記傾斜面とが当接し得る期間が可変することを特徴とする遊技機TF3。
遊技機TF3によれば、遊技機TF2の奏する効果に加え、第2駆動手段の駆動力に応じて移動体と傾斜面とが当接し得る期間が可変するので、可動手段と移動体とが当接している長さのバリエーションを増加させることができる。よって、遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機TF1からTF3のいずれかにおいて、前記可動手段が可動されることを示すための示唆態様を示唆可能な示唆手段、を有し、前記示唆態様に基づいて前記操作手段を操作することで前記可動手段と前記移動体とが当接し易くされることを特徴とする遊技機TF4。
遊技機TF4によれば、遊技機TF1からF3のいずれかの奏する効果に加え、示唆態様が示唆されることで、可動体と移動体とを当接し易くできるので、遊技者に示唆態様が示唆されることを期待させることができる。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機TF1からTF4のいずれかにおいて、前記第2駆動手段は、前記操作手段が操作されることに基づいて所定の周期で駆動されることが可能にされていることを特徴とする遊技機TF5。
遊技機TF5によれば、遊技機TF1からTF4いずれかの奏する効果に加え、操作手段が操作されることで第2駆動手段が所定の周期で駆動されることが可能にされているので、移動体を周期的に移動させることができ、可動体と当接し易くできるという効果がある。
遊技機TF1からF5のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第1駆動手段により前記可動手段が可動されることが可能な可動速度と、前記第2駆動手段により前記移動体が移動されることが可能な移動速度とが異なるように構成されていることを特徴とする遊技機TF6。
遊技機TF6によれば、遊技機TF1からTF5のいずれかの奏する効果に加え、可動手段と移動体の速度が異なるように構成されているので、移動体と可動体を当接させる際の困難性を高めることができ、遊技者が操作手段を操作するタイミングの興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機TF1からTF6のいずれかにおいて、前記可動手段が前記第1位置から前記移動体と当接するまでに可動する可動量よりも、前記移動体が前記第2駆動手段により移動が開始される位置から前記可動手段と当接する位置までに移動する移動量の方が大きくなるように構成されていることを特徴とする遊技機TF7。
遊技機TF7によれば、遊技機TF1からTF6のいずれかの奏する効果に加え、移動体と可動体が当接する際のおける移動体の移動量と可動体の可動量とが異なるようにされていることで、移動体と可動体とを当接させる困難性を高めることができるという効果がある。
遊技機TF1からTF7のいずれかにおいて、前記可動手段は、前記第2位置に可動された後に所定の可動条件の成立に基づいて前記第1位置へと可動されることが可能にされていることを特徴とする遊技機TF8。
遊技機TF8によれば、遊技機TF1からTF7のいずれかの奏する効果に加え、可動手段は、第2位置へ可動された後に第1位置へと可動条件が成立することで可動されることが可能にされているので、遊技者に可動手段を利用した演出が再度実行されることを期待させることができるという効果がある。
遊技機TF1からTF8のいずれかにおいて、前記可動手段は、表示手段の表示領域の前面側と重なる位置に配置されることが可能な装飾部を有し、装飾部の可動に対応して前記表示手段の表示態様を可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機TF9。
遊技機TF9によれば、遊技機TF1からTF8のいずれかの奏する効果に加え、装飾部と表示態様とを組み合わせた演出をすることが可能となり、遊技者により可動手段を可動させた演出をわかり易くできるという効果がある。
遊技機TF1からTF9のいずれかにおいて、前記移動体が所定の移動軌跡で移動可能となるように前記移動体を誘導することが可能な誘導路を有することを特徴とする遊技機TF10。
遊技機TF10によれば、遊技機TF1からTF9のいずれかの奏する効果に加え、移動体が所定の移動軌跡で誘導路により移動することで可動手段と移動体を当接し易くでき、遊技者が可動手段に当接させる意欲を向上させることができるという効果がある。
<特徴TG群>
電気的に駆動される第1駆動手段と、その第1駆動手段が駆動されることで第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とに可動可能な可動手段と、その可動手段に当接することが可能な移動体を移動させることが可能な電気的に駆動される第2駆動手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、を有した遊技機において、前記操作手段の操作に基づいて前記第2駆動手段を駆動させることが可能な駆動制御手段、を有し、特定領域に前記移動体が位置している状態において、前記可動手段が前記第1位置から前記第2位置側へと可動される場合に前記可動手段の一端部と前記移動体とが当接し易くされていることを特徴とする遊技機TG1。
従来より、駆動手段を駆動させることで可動可能な可動手段を有し、可動している可動手段と当接可能な当接部材に対して可動手段を当接させることで、可動している可動手段を所定の停止位置で停止させる遊技機がある(先行技術文献:2014-132937)。
具体的には、電気的に駆動される駆動手段を用いて可動手段を可動させることが可能な構成において、自重により可動している可動手段を所定の停止位置に設けられた当接部材に対して当接させることで可動手段の移動範囲を制限し、可動手段を所定位置に停止させることが可能に構成されている。
このように、自重により可動している可動手段を当接部材に当接させることで可動手段を所定位置に停止可能に構成することで、可動手段を所定の停止位置に停止させる制御を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段が可動される場合には可動手段と当接部材とが必ず当接するようにされているため、可動手段の動作が単調となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、可動手段と移動体との当接し易さを可変可能に構成することで、可動手段の動作が単調となることを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機TG1によれば、特定領域に移動体が移動した場合に、第1位置から第2位置側へ可動された可動手段の一端部と移動体とが当接し易くされているので、可動手段と移動体とが当接し易さを移動体が移動した領域によって可変させることで、可動手段の動作が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴TH群>
電気的に駆動される第1駆動手段と、その第1駆動手段が駆動されることで第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とに可動可能な可動手段と、その可動手段に当接することが可能な移動体を移動させることが可能な電気的に駆動される第2駆動手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、を有した遊技機において、前記操作手段の操作に基づいて前記第2駆動手段を駆動させることが可能な駆動制御手段、を有し、前記可動手段と前記移動体とは、遊技者に視認可能にされており、前記第1駆動手段が駆動されることで可動が開始された前記可動手段と前記移動体とが第1当接位置とその第1当接位置とは異なる第2当接位置とで当接することが可能にされており、前記可動手段と前記移動体とが前記第1当接位置で当接する場合と、前記可動手段と前記移動体とが前記第2当接位置で当接する場合と、で前記可動手段が前記第1位置と前記第2位置との間の途中位置に位置している期間が可変し得ることを特徴とする遊技機TH1。
従来より、駆動手段を駆動させることで可動可能な可動手段を有し、可動している可動手段と当接可能な当接部材に対して可動手段を当接させることで、可動している可動手段を所定の停止位置で停止させる遊技機がある(先行技術文献:2014-132937)。
具体的には、電気的に駆動される駆動手段を用いて可動手段を可動させることが可能な構成において、自重により可動している可動手段を所定の停止位置に設けられた当接部材に対して当接させることで可動手段の移動範囲を制限し、可動手段を所定位置に停止させることが可能に構成されている。
このように、自重により可動している可動手段を当接部材に当接させることで可動手段を所定位置に停止可能に構成することで、可動手段を所定の停止位置に停止させる制御を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段が可動される場合には可動手段と当接部材とが必ず当接するようにされているため、可動手段の動作が単調となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、可動手段と移動体との当接し易さを可変可能に構成することで、可動手段の動作が単調となることを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機TH1によれば、可動手段と移動体とが当接する当接位置に応じて、可動手段が第1位置と第2位置との間の途中位置に位置している期間が可変するので、可動手段と移動体とが当接する場合における可動手段の動作が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴TI群>
電気的に駆動される第1駆動手段と、その第1駆動手段が駆動されることで第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とに可動可能な可動手段と、その可動手段に当接することが可能な移動体を移動させることが可能な電気的に駆動される第2駆動手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、を有した遊技機において、前記操作手段の操作に基づいて前記第2駆動手段を駆動させることが可能な駆動制御手段、を有し、前記遊技機は、前記可動手段が前記第1位置から前記第2位置へと可動されている途中位置で前記移動体の第1特定位置に当接する場合には、前記第1位置から第1可動量が可動された第1途中位置に前記可動手段が可動された状態で前記移動体と当接可能であり、前記可動手段が前記第1位置から前記第2位置へと可動されている途中位置で前記移動体の前記第1特定位置とは異なる第2特定位置に当接する場合には、前記第1位置から前記第1可動量よりも大きい第2可動量が可動された第2途中位置に前記可動手段が可動された状態で前記移動体と当接可能に構成されていることを特徴とする遊技機TI1。
従来より、駆動手段を駆動させることで可動可能な可動手段を有し、可動している可動手段と当接可能な当接部材に対して可動手段を当接させることで、可動している可動手段を所定の停止位置で停止させる遊技機がある(先行技術文献:2014-132937)。
具体的には、電気的に駆動される駆動手段を用いて可動手段を可動させることが可能な構成において、自重により可動している可動手段を所定の停止位置に設けられた当接部材に対して当接させることで可動手段の移動範囲を制限し、可動手段を所定位置に停止させることが可能に構成されている。
このように、自重により可動している可動手段を当接部材に当接させることで可動手段を所定位置に停止可能に構成することで、可動手段を所定の停止位置に停止させる制御を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段が可動される場合には可動手段と当接部材とが必ず当接するようにされているため、可動手段の動作が単調となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、可動手段と移動体との当接し易さを可変可能に構成することで、可動手段の動作が単調となることを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機TI1によれば、移動体の第1特定位置に可動手段が当接する場合と、移動体の第2特定位置に可動手段が当接する場合と、で可動手段が可動される可動量を異ならせることができるので、可動手段と移動体とが当接する場合の可動量が一定となることで可動手段の動作が単調となることを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴TJ群>
電気的に駆動される第1駆動手段と、その第1駆動手段が駆動されることで第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とに可動可能な可動手段と、その可動手段に当接することが可能な移動体を所定の方向に移動させることが可能な電気的に駆動される第2駆動手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、を有した遊技機において、前記操作手段の操作に基づいて前記第2駆動手段を駆動させることが可能な駆動制御手段、を有し、前記可動手段と前記移動体とは、遊技者に視認可能にされており、前記第1位置と前記第2位置との間を含む特定領域を前記移動体が通過している状態において、前記特定領域以外を前記移動体が通過している場合と比べて前記可動手段が前記第1位置から前記第2位置側へと可動される場合に前記可動手段の所定部と前記移動体とが当接し易くされており、前記可動手段の所定部が接触した前記移動体の接触位置によって前記可動手段の可動が前記移動体により制限される期間が異なるものであることを特徴とする遊技機TJ1。
従来より、駆動手段を駆動させることで可動可能な可動手段を有し、可動している可動手段と当接可能な当接部材に対して可動手段を当接させることで、可動している可動手段を所定の停止位置で停止させる遊技機がある(先行技術文献:2014-132937)。
具体的には、電気的に駆動される駆動手段を用いて可動手段を可動させることが可能な構成において、自重により可動している可動手段を所定の停止位置に設けられた当接部材に対して当接させることで可動手段の移動範囲を制限し、可動手段を所定位置に停止させることが可能に構成されている。
このように、自重により可動している可動手段を当接部材に当接させることで可動手段を所定位置に停止可能に構成することで、可動手段を所定の停止位置に停止させる制御を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段が可動される場合には可動手段と当接部材とが必ず当接するようにされているため、可動手段の動作が単調となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、可動手段と移動体との当接し易さを可変可能に構成することで、可動手段の動作が単調となることを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機TJ1によれば、遊技者が操作手段を操作することに基づいて移動体が特定領域に移動した場合に、第1位置から第2位置側へ可動された可動手段の一端部と移動体とが当接し易くされているので、遊技者の操作によって移動体を特定領域で可動手段の一端部と当てることで可動手段の可動を制限することで可動手段の可動を制限する演出を遊技者の操作によって実行できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴TK群>
電気的に駆動される第1駆動手段と、その第1駆動手段が駆動されることで第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とに可動可能な可動手段と、その可動手段に当接することが可能な移動体を移動させることが可能な電気的に駆動される第2駆動手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、を有した遊技機において、前記操作手段の操作に基づいて前記第2駆動手段を駆動させることが可能な駆動制御手段、を有し、前記遊技機は、前記可動手段が前記第1位置から前記第2位置へと可動されている途中位置で前記移動体の第1特定位置に当接する場合には、前記第1位置から第1可動量が可動された第1途中位置で前記移動体と当接可能であり、前記可動手段が前記第1位置から前記第2位置へと可動されている途中位置で前記移動体の前記第1特定位置とは異なる第2特定位置に当接する場合には、前記第1位置から前記第1可動量よりも大きい第2可動量が可動された第2途中位置で前記移動体と当接可能に構成されており、前記移動体は、前記可動手段の可動が開始されるよりも前の期間で前記操作手段が操作された場合に前記第2駆動手段により移動されることが可能にされていることを特徴とする遊技機TK1。
従来より、駆動手段を駆動させることで可動可能な可動手段を有し、可動している可動手段と当接可能な当接部材に対して可動手段を当接させることで、可動している可動手段を所定の停止位置で停止させる遊技機がある(先行技術文献:2014-132937)。
具体的には、電気的に駆動される駆動手段を用いて可動手段を可動させることが可能な構成において、自重により可動している可動手段を所定の停止位置に設けられた当接部材に対して当接させることで可動手段の移動範囲を制限し、可動手段を所定位置に停止させることが可能に構成されている。
このように、自重により可動している可動手段を当接部材に当接させることで可動手段を所定位置に停止可能に構成することで、可動手段を所定の停止位置に停止させる制御を簡素化できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機によれば、可動手段が可動される場合には可動手段と当接部材とが必ず当接するようにされているため、可動手段の動作が単調となり、遊技者の遊技に対する興趣が低下してしまう虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解消するためになされたものであり、可動手段と移動体との当接し易さを可変可能に構成することで、可動手段の動作が単調となることを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機TK1によれば、移動体の第1特定位置に可動手段が当接する場合と、移動体の第2特定位置に可動手段が当接する場合と、で可動手段が可動される可動量を異ならせることができるので、可動手段と移動体とが当接する場合の可動量が一定となることで可動手段の動作が単調となることを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<5070系特徴群>
<特徴UA群>(特図の変動中に実行される特定演出が、変動終了後も所定期間継続するものであって、特定演出の実行期間中に新たな入賞があった場合であっても特定演出を継続して実行可能。)
遊技球が入球可能な入球手段(第1入球口64)と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて情報を取得することが可能な取得手段と、前記取得手段により取得された前記情報を、特定数を上限に記憶することが可能な記憶手段(特別図柄1保留球格納エリア203da)を有し、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示された前記識別情報が特定の前記判別結果を示すための特定表示態様で停止表示された場合に特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、前記識別情報に対応する前記判別結果を前記識別情報が停止表示されるよりも前に遊技者に識別させるために第1図柄(第3図柄)を第1方向に動的表示させる第1動的表示態様を含む変動演出を実行することが可能な変動演出実行手段(変動表示設定処理S2113D)と、を有した遊技機において、前記識別情報の動的表示期間中に前記第1図柄とは異なる第2図柄(疑似図柄)を表示させる特定演出(疑似変動演出)を実行可能な特定演出実行手段(液晶演出実行管理処理S2110D)を有し、前記遊技機は、前記特定演出実行手段により前記識別情報の動的表示期間中に表示された前記第2図柄を、該識別情報の動的表示が終了した後の所定期間を含む演出期間にて前記第1方向とは異なる第2方向へと移動表示させることが可能であり、前記演出期間中に新たな前記情報を取得した場合であっても、前記第2図柄の移動表示を継続して実行することが可能であることを特徴とする遊技機UA1。
従来より、始動口への遊技球の入賞に伴って抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技者が継続して遊技球を発射しているにも関わらず、発射した遊技球が遊技機の盤面上に設けられた釘等に弾かれて始動口へ入賞し難い状況が続いた場合、変動演出終了後にすぐに次の変動演出が開始されず遊技のテンポが悪くなることで、遊技者がストレスを感じて遊技意欲を低下させる虞があった。
これに対して、遊技機UA1によれば、識別情報の動的表示が終了した場合に、識別情報の動的表示終了後も所定期間第2図柄を移動表示させることで遊技者を第2図柄の移動表示に注目させ、遊技球を入球手段に入球させて情報を取得するための時間を稼ぐことが可能となり、変動演出が開始されずに遊技者が退屈に感じる時間を減少させることができるという効果がある。
また、第2図柄の移動表示中に新たな情報を取得した場合に、第2図柄の移動表示を継続して実行可能であるため、第2図柄の移動表示が演出期間の途中で終了し遊技者に違和感を与えることを抑制することができるという効果がある。
遊技機UA1において、前記変動演出実行手段により実行される前記変動演出の演出態様として、前記動的表示されている前記識別情報に対応する前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果ではない場合よりも決定され易い第1演出態様と、その第1演出態様よりも前記動的表示されている前記識別情報に対応する前記判別結果が前記特定の判別結果ではない場合に決定され易い第2演出態様と、を少なくとも含む複数の前記演出態様の中から前記演出態様を決定可能な演出態様決定手段(演出態様設定処理S2425D)を有し、前記遊技機は、前記第1演出態様の前記変動演出が実行されている場合よりも、前記第2演出態様の前記変動演出が実行されている場合の方が、前記特定演出を実行させ易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機UA2。
遊技機UA2によれば、遊技機UA1が奏する効果に加えて、次の効果を奏する。即ち、第1演出態様の変動演出が実行される場合には、その変動演出に対応する識別情報の動的表示終了後に特典遊技が実行される可能性が高いため特定演出の演出効果は低く、一方で、第2演出態様の変動演出が実行される場合には、その変動演出に対応する識別情報の動的表示終了後に記憶手段に情報が記憶されていなければ、新たな識別情報の動的表示が開始されない状況が生起し易いため、遊技者を第2図柄の移動表示に注目させ、情報を取得するための時間を稼ぐ必要がある。よって、特定演出をより好適に実行することができるという効果がある。
遊技機UA1またはUA2のいずれかにおいて、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が前記特定数である場合よりも、前記特定数よりも少ない所定数である場合の方が、前記特定演出を実行させ易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機UA3。
遊技機UA3によれば、遊技機UA1またはA2が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶された情報数が特定数である場合には、識別情報の動的表示終了後に新たな識別情報の動的表示が実行されるため特定演出の演出効果が低く、一方で、記憶手段に特定数まで情報が記憶されていない場合には、識別情報の動的表示終了後に新たな識別情報の動的表示が開始されない状況が生起し易いので、遊技者を第2図柄の移動表示に注目させ、情報を取得するための時間を稼ぐ必要がある。よって、特定演出をより好適に実行することができるという効果がある。
遊技機UA1からUA3のいずれかにおいて、遊技者の操作により遊技球を発射させることが可能な発射手段(球発射ユニット112a)を有し、前記遊技機は、前記発射手段が操作されている場合の方が、前記発射手段が操作されていない場合よりも、前記特定演出を実行させ易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機UA4。
遊技機UA4によれば、遊技機UA1からUA3が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により遊技球が発射されていない状況で特定演出が実行されても、特定演出の演出期間中に新たな情報を取得することができないため、特定演出の演出効果が低くなる。したがって、演出効果が低い場合には特定演出が実行され難くすることで、無闇に特定演出が実行され遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機UA1において、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)を有し、前記特定演出実行手段は、前記操作手段が操作されたことに対応して前記特定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機UA5。
遊技機UA5によれば、遊技機UA1が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段の操作により特定演出を実行するか否かを遊技者が選択可能であるため、遊技者の好みに合わせた演出を提供することが可能となるという効果がある。
遊技機UA2において、前記特定演出の実行条件が成立したことを判定することが可能な実行判定手段(仮停止設定処理S2257D)を有し、前記特定演出実行手段は、前記実行判定手段により前記実行条件が成立したと判定されたことに対応して前記特定演出を実行することが可能であり、前記遊技機は、前記第1演出態様で前記変動演出が実行されている場合に、前記特定演出の実行条件が成立しても前記特定演出の実行を規制することが可能であることを特徴とする遊技機UA6。
遊技機UA6によれば、遊技機UA2が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出態様の変動演出が実行されることで遊技者に特定の判別結果となることを期待させることが可能であり、特定演出が実行されて第1演出態様の変動演出の実行を妨げるという不具合が生起することを抑制することができるという効果がある。
遊技機UA6において、前記実行判定手段は、予め定められた規定期間における前記入球手段への遊技球の入球回数が規定数以下であることに対応して前記特定演出の実行条件が成立したと判定することを特徴とする遊技機UA7。
遊技機UA7によれば、遊技機UA6が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、規定期間における遊技球の入球回数が規定数以上である場合には、識別情報の動的表示終了後に新たな識別情報の動的表示が開始され易いので特定演出の演出効果が低く、規定数以下である場合には識別情報の動的表示終了後に新たな識別情報の動的表示が開始されない可能性が高いので特定演出の演出効果が高い。したがって、特定演出をより好適に実行させることができるという効果がある。
遊技機UA6またはUA7において、前記遊技機は、前記特定演出の実行が規制された場合に、前記第1演出態様の前記変動演出が終了した後に前記特定演出の演出結果に対応する特殊演出を実行可能であることを特徴とする遊技機UA8。
遊技機UA8によれば、遊技機UA6またはUA7が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出の実行が規制された場合であっても、本来特定演出の演出結果で遊技者に伝えるはずであった演出情報を、特定の変動演出が終了した後の期間で特殊演出を実行することにより報知可能であるため、特定演出を好適に実行しつつ遊技者に付与される演出情報が減少することを抑制することができるという効果がある。
遊技機UA6からUA8のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記特定演出の実行が規制された場合には、前記第1演出態様の実行期間中に前記特殊演出が実行されることを示唆する示唆態様を表示可能であることを特徴とする遊技機UA9。
遊技機UA9によれば、遊技機UA6からUA8が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、示唆態様が表示されることにより、前記特定演出の実行条件が成立したにもかかわらず、特定演出が実行されないことで遊技者に違和感を与える不具合を抑制することができるという効果がある。
遊技機UA1からUA9において、前記遊技機は、前記演出期間に新たな前記情報を取得し、その前記情報の前記判別結果が前記特定の判別結果である場合に、移動表示後の前記第2図柄の表示態様を可変させることが可能であることを特徴とする遊技機UA10。
遊技機UA10によれば、第2図柄が移動表示されている演出期間に新たに取得した情報の判別結果が特定の判別結果である場合には移動表示後の第2図柄の表示態様が可変するため、遊技者を第2図柄により注目させることが可能となり、特定演出の演出効果を向上させることができるという効果がある。
遊技機UA1からUA10のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記特定演出の実行条件が成立したことに対応して特典を付与することが可能であることを特徴とする遊技機UA11。
遊技機UA11によれば、遊技機UA1からUA10が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典が付与されることにより、特定演出が短期間で頻繁に実行される状況となった場合であっても、遊技者に対して特定演出が実行されることを嬉しく感じさせることが可能となり、特定演出の演出効果を高めることができるという効果がある。
前記遊技機UA1からUA11において、前記入球手段とは異なる第2入球手段(スルーゲート67)と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2情報を取得することが可能な第2取得手段(スルーゲート通過処理S112D)と、前記第2取得手段により取得された前記第2情報を、特定数を上限に記憶することが可能な第2記憶手段(普通図柄保留球格納エリア203db)を有し、その第2記憶手段に記憶されている前記第2情報に基づいて判別を実行することが可能な第2判別手段と、その第2判別手段による第2判別結果を示すための第2識別情報を動的表示させることが可能な第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により動的表示された前記第2識別情報が特定の前記第2判別結果を示すための第2特定表示態様で停止表示された場合に前記特典遊技とは異なる第2特典遊技を実行することが可能な第2特典遊技実行手段と、前記第2記憶手段に記憶されている前記第2情報に基づいて、前記第2判別手段による判別が実行されるよりも前に事前判別する事前判別手段(普図先読み処理S2261D)と、を有し、前記遊技機は、前記演出期間において、前記事前判別手段による前記事前判別の結果、前記特定の第2判別結果と判別される前記第2情報が記憶されていると判別した場合に、特殊報知演出を実行可能であることを特徴とする遊技機UA12。
遊技機UA12によれば、遊技機UA1からUA11が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段に入球させることで第2判別結果が判別可能に構成され、特定の第2判別結果である場合には第2特典遊技が実行されるため、入球手段と第2入球手段とで遊技球の入球に対する価値を可変させることができ、遊技を多様にすることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。また、事前判別手段により特定の第2判別結果と判別される第2情報が記憶されていると事前判別された場合には、第2図柄の演出期間中に特殊報知態様が表示されるため、遊技者に特殊報知態様が表示されることを期待させて第2図柄により注目させることが可能となるため、特定演出の演出効果を向上させることができるという効果がある。
遊技機UA1からUA12において、前記第2図柄の演出期間を設定することが可能な演出期間設定手段(疑似変動開始処理S2235D)と、その演出期間設定手段により設定された演出期間中に新たな前記識別情報の動的表示が実行される場合に、該識別情報の動的表示期間に応じて該演出期間を更新することが可能な更新手段(特殊演出追加設定処理S2426D)と、を有することを特徴とする遊技機UA13。
遊技機UA13によれば、遊技機UA1からUA12が奏する効果に加え、次の効果を奏する。設定された演出期間を新たに動的表示が開始された識別情報の動的表示期間に応じて更新可能であるため、1の第2図柄の演出期間中に過度に複数の識別情報の動的表示が実行されるという不具合を抑制することができるという効果がある。
遊技機UA1からUA13において、前記遊技機は、前記変動演出が実行されていない期間において予め定められた特定条件が成立した場合に、前記特定演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機UA14。
遊技機UA14によれば、遊技機UA1からUA13が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変動演出が実行されていない期間であっても特定演出が実行可能であるため、新たに遊技を開始した遊技者に対して変動演出が実行されるまでの期間を特定演出により繋ぐことが可能となり、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
<特徴UB群>(特図変動中に開始され、特図停止期間にも継続して実行可能な特定演出を、変動演出を実行した状態で変動演出を隠すように実行する。)
遊技球が入球可能な入球手段(第1入球口64)と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記識別情報の動的表示期間を設定することが可能な動的表示期間設定手段と、前記識別情報が動的表示される場合に、表示手段において該識別情報に対応する前記判別結果を該識別情報が停止表示されるよりも前に遊技者に識別させることが可能な変動演出を実行することが可能な変動演出実行手段(変動表示設定処理S2113D)と、前記動的表示手段により動的表示された前記識別情報が特定の判別結果を示すための特定表示態様で停止表示された場合に特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)と、を有した遊技機において、前記変動演出実行手段により前記変動演出が実行されている期間中に前記表示手段の該変動演出が実行されている表示部のうち少なくとも一部の特定表示部の前面側で実行され、その特定表示部を遊技者が視認困難な第1状態(装飾用可動役物Ym1、Ym2のスタンバイ状態)とする特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有し、その特定演出実行手段は、前記変動演出の実行期間中に前記特定表示部を前記第1状態とした場合に、該変動演出が終了した後の該変動演出が実行されていない所定期間を含む演出期間で該第1状態を継続することが可能であり、前記遊技機は、前記変動演出の実行期間中に前記特定表示部が前記第1状態である場合に前記操作手段が操作されたことに対応して、前記演出期間が経過するよりも前に前記特定表示部を遊技者が視認可能な第2状態(装飾用可動役物Ym1、Ym2の収納状態)とすることが可能であることを特徴とする遊技機UB1。
従来より、始動口への遊技球の入賞に伴って抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行され、遊技の興趣向上が図られている。そして、変動演出の実行中に、さらに始動口へ遊技球が入賞した場合には、抽選遊技を実行する権利が所定回数まで保留され、実行中の変動演出終了後に保留されている実行権利に基づいて抽選遊技が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。このようにすることで、変動演出の終了後にすぐに次の変動演出が開始されるため、変動演出と変動演出の間が間延びせず遊技者はテンポ良く遊技を行うことができる。
しかしながら、遊技者が継続して遊技球を発射しているにも関わらず、発射した遊技球が遊技機の盤面上に設けられた釘等に弾かれて始動口へ入賞し難い状況が続いた場合、変動演出中に保留球が保留されていない状態が発生し易くなり、変動演出終了後にすぐに次の変動演出が開始されず遊技のテンポが悪くなることで、遊技者がストレスを感じて遊技意欲を低下させる虞があった。
これに対して、遊技機UB1によれば、特定演出の演出期間中は特定表示部が遊技者から視認困難な第1状態となり、その第1状態が変動演出の終了後も所定期間継続するので、変動演出が終了したことを遊技者に気付かせ難くし、遊技者が特定演出に注目している間に遊技球を入球手段に入球させ新たな情報を取得する時間を稼ぐことが可能となり、変動演出が開始されずに遊技者が退屈に感じる時間を減少させることができるという効果がある。
また、特定演出の演出期間中であっても、変動演出を楽しみたい遊技者が操作手段を操作した場合には、特定表示部を視認可能な第2状態とする簡単な制御だけで変動演出を遊技者に視認させることが可能であり、特定演出と変動演出を途中で切り替えるための複雑な表示制御は不要であるため、遊技機の制御負荷を軽減しつつ、遊技者の好みに応じた演出を楽しませることができるという効果がある。
遊技機UB1において、前記遊技機は、前記特定演出実行手段により前記特定表示部が前記第1状態とされている場合に、示唆態様により実行中の前記変動演出の演出態様を示唆することが可能であることを特徴とする遊技機UB2。
遊技機UB2によれば、遊技機UB1の奏する効果に加え、特定表示部が第1状態である場合に、示唆態様により変動演出の演出態様を推測し、その演出態様から判別結果を予測させるという新たな楽しみを遊技者に提供することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機UB2において、前記遊技機は、前記第1状態から前記第2状態へと可変する場合に、前記第1状態における前記示唆態様に対応する報知態様を前記表示画面に表示することが可能であることを特徴とする遊技機UB3。
遊技機UB3によれば、遊技機UB2が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1状態において示唆態様を見逃した遊技者に対して、第2状態では示唆態様に対応する報知態様が表示されるので、実行中の変動演出の演出態様をより推測させ易くなり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機UB1からUB3のいずれかにおいて、前記取得手段により取得された前記情報を上限値である特定数まで記憶することが可能な記憶手段(特別図柄1保留球格納エリア203da)を有し、前記遊技機は前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が前記特定数である場合よりも、前記特定数よりも少ない所定数である場合の方が、前記特定演出を実行させ易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機UB4。
遊技機UB4によれば、遊技機UB1からUB3が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、取得した情報を記憶手段に記憶可能であるため、識別情報の動的表示終了後に記憶された情報に対応する新たな識別情報の動的表示を開始することで、テンポの良い遊技を提供することができる。また、記憶手段に情報が特定数まで記憶されていない場合には、識別情報の動的表示終了後に新たな識別情報の動的表示が開始されない状況となる可能性が高いため、特定演出を実行し易くすることで識別情報の動的表示終了後に新たな識別情報の動的表示が開始されなくても遊技者に気付かれ難くすることが可能となり、特定演出を好適に実行することができるという効果がある。
遊技機UB1からUB4のいずれかにおいて、前記変動演出実行手段により実行される前記変動演出の演出態様として、前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の一部に対応する第1演出態様と、前記判別結果が前記特定の判別結果とは異なる前記判別結果である場合の一部に対応する第2演出態様と、を少なくとも含む複数の前記演出態様の中から1の前記演出態様を決定可能な演出態様決定手段を有し、前記遊技機は、前記第1演出態様で前記変動演出が実行されている場合よりも、前記第2演出態様で前記変動演出が実行されている場合の方が、前記特定演出を実行させ易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機UB5。
遊技機UB5によれば、遊技機UB1からUB4が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出態様で変動演出が実行されている場合には、識別情報の動的表示終了後に特典遊技が実行されるため遊技者を退屈させないが、第2演出態様で変動演出が実行されている場合には、識別情報の動的表示終了後に新たな識別情報の動的表示が開始されなければ、遊技者が退屈してしまうため、特定演出が実行され易くなることで遊技者に識別情報の動的表示が終了したことを気付かれにくくし新たな情報を取得させる時間を稼ぐことが可能となり、特定演出を好適に実行することができるという効果がある。
前記遊技機UB1からUB5のいずれかにおいて、遊技者の操作により遊技球を発射させることが可能な発射手段(球発射ユニット112a)を有し、前記遊技機は、前記発射手段が操作されている場合の方が、前記発射手段が操作されていない場合よりも、前記特定演出を実行させ易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機UB6。
遊技機UB6によれば、遊技機UB1からUB5が奏する効果に加え、次の効果を奏する。発射手段により遊技球が発射されていない状況で特定演出が実行されても、特定演出の実行期間中に新たな情報を取得することができないため、特定演出の演出効果が低くなる。したがって、演出効果が低い場合に特定演出が実行され難くすることで、無闇に特定演出が実行され遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
前記遊技機UB1からUB6において、予め定められた規定期間における前記入球手段への遊技球の入球回数が規定数以下であることに対応して前記特定演出の実行条件が成立したと判定することが可能な判定手段(仮停止設定処理S2257D)を有し、前記特定演出実行手段は、前記判定手段により前記実行条件が成立したと判定されたことに対応して前記特定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機UB7。
遊技機UB7によれば、遊技機UB6が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、規定期間における遊技球の入球回数が規定数以上である場合には、識別情報の動的表示終了後に新たな識別情報の動的表示が開始され易いので特定演出の演出効果が低く、規定数以下である場合には識別情報の動的表示終了後に新たな識別情報の動的表示が開始されない可能性が高いので特定演出の演出効果が高い。したがって、特定演出をより好適に実行させることができるという効果がある。
遊技機UB1からUB3のいずれかにおいて、前記特定演出実行手段は、遊技者が前記操作手段を操作したことに対応して前記特定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機UB8。
遊技機UB8によれば、遊技機UB1からUB3が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、操作手段の操作により特定演出を実行するか否かを遊技者が選択可能であるため、遊技者の好みに合わせた演出を提供することが可能となるという効果がある。
遊技機UB1からUB8のいずれかにおいて、前記遊技機は、特定の前記判別結果であることを示すための前記識別情報の動的表示中に前記特定演出が実行された場合に、該識別情報の動的表示終了後に実行される前記特典遊技の実行期間の一部期間において前記第1状態を継続することが可能であることを特徴とする遊技機UB9。
遊技機UB9によれば、遊技機UB1からUB8が奏する効果に加え、次の効果を奏する。特定の判別結果を示すための識別情報の動的表示中に表示手段が第1状態となり、第1状態がその識別情報の動的表示終了後に実行される特典遊技の実行期間の一部期間で継続するため、識別情報の動的表示終了から特典遊技が開始されるまでの期間に識別情報が停止表示されていることを遊技者に感じさせず、テンポの良い遊技を提供することが可能となるという効果がある。
遊技機UB1からUB9のいずれかにおいて、前記第1状態を継続する状態継続期間を設定することが可能な状態継続期間設定手段(疑似変動開始処理S2245D)を有し、その状態継続期間設定手段は、動的表示中の前記識別情報に対応する前記判別結果が特定の前記判別結果である場合に、特定の前記判別結果ではない場合よりも長い状態継続期間を設定可能であることを特徴とする遊技機UB10。
遊技機UB10によれば、遊技機UB1からUB9が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1状態が長く継続した方が特定の判別結果である可能性が高いと遊技者に思わせることで、第1状態が長期間継続し変動演出が視認できないことに対して違和感を与え難くし、特定演出の演出効果を向上させることができるという効果がある。
遊技機UB10において、特定の前記判別結果ではない前記識別情報の動的表示中に前記状態継続期間設定手段により設定された前記状態継続期間を、該識別情報の動的表示終了後、新たに実行される前記識別情報に対応する前記変動演出の演出態様に応じて更新することが可能な更新手段(疑似変動実行中処理S2246D)を有することを特徴とする遊技機UB11。
遊技機UB11によれば、遊技機UB10が奏する効果に加え、次の効果を奏する。新たな変動演出が実行される前に設定された状態継続期間を、その変動演出の演出態様に応じて更新可能であるため、遊技者に違和感のない演出を提供することができるという効果がある。
遊技機UB1からUB11のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記特定演出実行手段により前記第1状態とされている場合に、前記変動演出が特定の演出態様で実行されたことに対応して前記演出期間が経過する前に前記第2状態とすることが可能であることを特徴とする遊技機UB12。
遊技機UB12によれば、遊技機UB1からUB11が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1状態とされている場合であっても、特定の演出態様で変動演出が実行される場合には第2状態となり、特定の演出態様の変動演出を遊技者が視認可能となるので、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
前記遊技機UB1からUB12において、前記遊技機は、前記変動演出が実行されていない期間において予め定められた特定条件が成立した場合に、前記特定演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機UB13。
遊技機UB13によれば、遊技機UB1からUB12が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変動演出が実行されていない期間において特定演出が実行され第1状態となることで、変動演出が実行されていないことを遊技者に分かり難くすることができるため、新たな情報を取得するための時間を稼ぐことが可能となるという効果がある。
前記遊技機UB1からUB13において、前記遊技機は、前記第1状態である場合に、前記操作手段において前記操作とは異なる第2操作が実行されている期間は前記第2状態へと可変させないことを特徴とする遊技機UB14。
遊技機UB14によれば、遊技機UB13が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態において遊技者が第2操作を実行している期間は第1状態から第2状態へと可変しないので、第1状態と第2状態のどちらの状態で遊技を行うかを遊技者が任意に選択できるので、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機UB1からUB14のいずれかにおいて、前記表示手段の前面側の第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とに駆動可能な駆動手段(装飾用可動役物Ym1、Ym2)を有し、前記特定演出は、前記駆動手段を前記第1位置に駆動させることで前記第1状態とすることを特徴とする遊技機UB15。
遊技機UB15によれば、遊技機UB1からUB14が奏する効果に加え、次の効果を奏する。駆動手段を第1位置に駆動させる特定演出により第1状態とすることにより、変動演出と並行して特定演出を実行する場合であっても複雑な表示制御を行う必要が無いので、処理負荷を軽減することができるという効果を奏する。
<特徴UC群>(特図変動中に開始され、特図変動終了後も所定期間継続して実行される特定演出において、次変動の演出態様に関する要素の少なくとも一部を遊技者が選択可能な演出を実行する)
遊技球が入球可能な入球手段(第1入球口64)と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記識別情報の動的表示期間を設定することが可能な動的表示期間設定手段と、前記識別情報が動的表示される場合に、該識別情報に対応する前記判別結果を前記識別情報が停止表示されるよりも前に遊技者に識別させることが可能な変動演出を実行することが可能な変動演出実行手段(変動表示設定処理S2113D)と、前記動的表示手段より動的表示された前記識別情報が特定の判別結果を示すための特定表示態様で表示された場合に、特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)と、を有した遊技機において、前記識別情報の動的表示中に表示手段において前記操作手段の操作により複数の態様情報(ミッション種別アイコン)のうち1の態様情報を遊技者に選択させるための第1特定演出(ミッション選択演出)を表示することが可能な特定演出表示手段(液晶演出実行管理処理S2126D)を有し、前記態様情報は、前記第1特定演出が終了した後に実行される演出に関する態様を示唆するものであり、前記第1特定演出は、選択された前記態様情報を遊技者が識別可能に構成されており、前記特定演出表示手段は、前記識別情報の動的表示中に表示した前記第1特定演出を、前記識別情報の動的表示が終了した後の所定期間を含む演出期間で継続して表示可能であり、前記遊技機は、前記識別情報の動的表示が終了した後の前記識別情報が停止表示されている期間で実行されている前記第1特定演出において1の前記態様情報が選択された後に新たな前記識別情報の動的表示が開始されない場合には、選択された前記態様情報を反映させた態様で第2特定演出(ミッション演出の外れ結果報知演出)を実行することが可能であり、その第2特定演出が実行されている期間に新たな前記識別情報の動的表示が開始された場合には、前記第1特定演出において選択された前記態様情報を反映させた態様で前記新たな前記識別情報の前記判別結果に対応する前記変動演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機UC1。
従来より、始動口への遊技球の入賞に伴って抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行され、遊技の興趣向上が図られている。そして、変動演出の実行中に、さらに始動口へ遊技球が入賞した場合には、抽選遊技を実行する権利が所定回数まで保留され、実行中の変動演出終了後に保留されている実行権利に基づいて抽選遊技が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。このようにすることで、変動演出の終了後にすぐに次の変動演出が開始されるため、変動演出と変動演出の間が間延びせず遊技者はテンポ良く遊技を行うことができる。
しかしながら、遊技者が継続して遊技球を発射しているにも関わらず、発射した遊技球が遊技機の盤面上に設けられた釘等に弾かれて始動口へ入賞し難い状況が続いた場合、変動演出中に保留球が保留されていない状態が発生し易くなり、変動演出終了後にすぐに次の変動演出が開始されず遊技のテンポが悪くなることで、遊技者がストレスを感じて遊技意欲を低下させる虞があった。
これに対して、遊技機UC1によれば、識別情報の動的表示が終了した後も所定期間継続して表示されている第1特定演出において遊技者が操作手段を操作して態様情報を選択している期間で入球手段に遊技球を入球させ新たな情報を取得させることが可能となり、遊技者が1の態様情報を選択するまでに新たな情報を取得できなかった場合でも、遊技者が選択した態様情報を反映させた態様の第2特定演出が識別情報の動的表示されていない期間で実行されるため、遊技者が選択した態様情報を反映させた演出が実行されるまでの期間を短くし、その態様情報を反映させた演出が実行される前に遊技者が遊技を止めてしまうことを抑制することができるという効果がある。また、第2特定演出の実行期間中に遊技球が入球手段に入球し新たな情報を取得できれば、遊技者が選択した態様情報を反映させた態様で新たな変動演出が実行されるため、第1特定演出の表示が終了してから新たな変動演出が開始されるまでに識別情報の動的表示が実行されていない期間を挟んでいる場合であっても一連の演出が実行されているような印象を遊技者に与えることが可能となり、識別情報の動的表示が実行されていない期間が含まれていたことを遊技者に気付かせ難くし、変動演出が開始されずに遊技者が退屈に感じる時間を減少させることができるという効果がある。
遊技機UC1において、前記遊技機は、前記新たな識別情報が動的表示されている期間に継続して表示されている前記第1特定演出において1の前記態様情報が選択された場合に、該第1特定演出の表示が終了した後の前記新たな識別情報の残りの動的表示期間で選択された前記態様情報を反映させた態様で該新たな識別情報の判別結果に対応する前記変動演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機UC2。
遊技機UC2によれば、遊技機UC1が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が態様情報を選択する前に新たな識別情報の動的表示が開始された場合であっても実行中の第1特定演出を継続して表示し、第1特定演出が終了した後の動的表示中の識別情報の残りの動的表示期間で実行される変動演出において遊技者が選択した態様情報が反映されるので、第1特定演出において遊技者が態様情報を選択する前に第1特定演出の表示を打ち切られてしまい遊技意欲を低下させてしまうことを抑制することができるとともに、識別情報の動的表示が終了してから新たな識別情報の動的表示が開始されるまでに識別情報が動的表示されていない期間を挟んでいる場合であっても一連の演出が実行されているという印象を遊技者に与えることにより、識別情報の動的表示が実行されていない期間が含まれていたことを遊技者に気付かせ難くし、変動演出が開始されずに遊技者が退屈に感じる時間を減少させることができるという効果がある。
遊技機UC1またはUC2において、遊技者の操作により遊技球を発射させることが可能な発射手段を有し、前記遊技機は、前記発射手段が操作されている場合の方が、前記発射手段が操作されていない場合よりも、前記第1特定演出を実行させ易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機UC3。
遊技機UC3によれば、遊技機UC1またはUC2が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段により遊技球が発射されていない状況で第1特定演出が表示されても、第1特定演出の演出期間中に新たな情報を取得することができないため、第1特定演出の演出効果が低くなる。したがって、演出効果が低い場合に第1特定演出が実行され難くすることで、無闇に第1特定演出が実行され遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
前記遊技機UC1からUC3のいずれかにおいて、前記変動演出実行手段により実行される前記変動演出の演出態様として、前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の一部に対応する第1演出態様と、前記判別結果が前記特定の判別結果とは異なる前記判別結果である場合の一部に対応する第2演出態様と、を少なくとも含む複数の前記演出態様の中から1の前記演出態様を決定可能な演出態様決定手段(演出態様設定処理S2431D)を有し、前記特定演出表示手段は、前記第1演出態様で前記変動演出が実行されている場合よりも、前記第2演出態様で前記変動演出が実行されている場合の方が、前記特定演出を表示させ易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機UC4。
遊技機UC4によれば、遊技機UC1からUC3が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出態様で変動演出が実行されている場合には、識別情報の動的表示終了後に特典遊技が実行されるため遊技者を退屈させないが、第2演出態様で変動演出が実行されている場合には、識別情報の動的表示終了後に新たな識別情報の動的表示が開始されなければ、遊技者が退屈してしまうため、特定演出が表示され易くなることで遊技者に識別情報の動的表示が終了したことを気付かれにくくし新たな情報を取得させる時間を稼ぐことが可能となり、特定演出を好適に実行することができるという効果がある。
遊技機UC1からUC4のいずれかにおいて、前記取得手段により取得された前記情報を上限値である特定数まで記憶することが可能な記憶手段(特別図柄1保留球格納エリア203da)を有し、前記特定演出実行手段は前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が前記特定数である場合よりも、前記特定数よりも少ない所定数である場合の方が、前記特定演出を実行させ易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機UC5。
遊技機UC5によれば、遊技機UC1からUC4が奏する効果に加え、次の効果を奏する。取得した情報を記憶手段に記憶可能であるため、識別情報の動的表示終了後に記憶された情報に対応する新たな識別情報の動的表示を開始することで、テンポの良い遊技を提供することができる。また、記憶手段に情報が特定数まで記憶されていない場合には、識別情報の動的表示終了後に新たな識別情報の動的表示が開始されない状況となる可能性が高いため、特定演出を実行し易くすることで識別情報の動的表示終了後に新たな識別情報の動的表示が開始されなくても遊技者に気付かれ難くすることが可能となり、特定演出を好適に実行することができるという効果がある。
前記遊技機UC1からUC5において、予め定められた規定期間における前記入球手段への遊技球の入球回数が規定数以下であることに対応して前記第1特定演出の実行条件が成立したと判定することが可能な判定手段(仮停止設定処理S2257D)を有し、前記特定演出実行手段は、前記判定手段により前記実行条件が成立したと判定されたことに対応して前記第1特定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機UC6。
遊技機UC6によれば、遊技機UC1からUC5が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、規定期間における遊技球の入球回数が規定数以上である場合には、識別情報の動的表示終了後に新たな識別情報の動的表示が開始され易いので第1特定演出の演出効果が低く、規定数以下である場合には識別情報の動的表示終了後に新たな識別情報の動的表示が開始されない可能性が高いので第1特定演出の演出効果が高い。したがって、第1特定演出をより好適に実行させることができるという効果がある。
遊技機UC1またはUC2において、前記特定演出表示手段は、前記識別情報の動的表示期間中における特定期間において前記操作手段が操作されたことに対応して前記第1特定演出を表示可能であることを特徴とする遊技機UC7。
遊技機UC7によれば、遊技機UC1またはUC2が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、後に実行される演出に関する態様を選択可能な第1特定演出を表示させるか否かを操作手段の操作によって遊技者が任意に選択することが可能であり、遊技者の好みの演出を提供し易くすることで遊技者が遊技に飽きにくくなるという効果がある。
前記遊技機UC1からUC7のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第2特定演出の演出期間中に新たな前記識別情報の動的表示が開始されなかった場合には、該第2特定演出の演出期間経過後に該第2特定演出が実行される前に停止表示された前記識別情報に対応する前記判別結果を識別させるための識別態様を前記表示手段に表示可能であることを特徴とする遊技機UC8。
遊技機UC8によれば、遊技機UC1からUC7が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報の動的表示期間が経過した後も第1特定演出が継続して表示され、第1特定演出終了後に実行される第2特定演出の演出期間が経過した後に識別態様が表示されるので、第2特定演出が終了するまでは、第1特定演出の演出期間中に遊技者に識別情報の動的表示が終了したことを遊技者に気付かせ難くすることができるという効果がある。
前記遊技機UC1からUC8のいずれかにおいて、前記遊技機は、特定の前記判別結果であることを示すための前記識別情報が動的表示されている期間で前記第1特定演出が表示された場合に、該識別情報が終了した後に実行される前記特典遊技の実行期間中に前記第1特定演出において選択された前記態様情報を反映させた態様の演出を実行可能であることを特徴とする遊技機UC9。
遊技機UC9によれば、遊技機UC1からUC8が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が選択した態様情報を反映させた態様の演出が特典遊技の実行期間中に実行されるので、単調になりがちな特典遊技中の演出を多様化させることが可能となる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
前記遊技機UC1からUC9において、前記遊技機は、特定の前記判別結果であることを示すための前記識別情報が動的表示されている期間で前記第1特定演出が表示された場合に、特殊態様情報を表示することが可能であることを特徴とする遊技機UC10。
遊技機UC10によれば、遊技機UC1からUC9が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特定演出において特殊態様情報が表示されることにより動的表示中の識別情報の判別結果が特定の判別結果であると遊技者が予測可能となるため、第1特定演出に更に興味を持たせ、演出効果を高めることが可能となるという効果がある。
前記遊技機UC1からUC10のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第1特定演出において選択された前記態様情報に対応する報知態様を、該第1特定演出終了後に表示可能であることを特徴とする遊技機UC11。
遊技機UC11によれば、遊技機UC1からUC10が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1特定演出終了後に報知態様が表示されるため、第1特定演出においてどの態様情報が選択されたかを遊技者に分かり易くすることができるという効果がある。
前記遊技機UC1からUC11のいずれかにおいて、前記第1特定演出において選択された前記態様情報に対応する情報を記憶することが可能な態様情報記憶手段(カーソル位置記憶手段223dhC)を有し、前記特定演出表示手段は、新たな前記第1特定演出において遊技者が前記操作手段を操作しなかった場合には、前記態様情報記憶手段に記憶されている情報に対応する前記態様情報を決定可能であることを特徴とする遊技機UC12。
遊技機UC12によれば、第1特定演出において遊技者が操作手段を操作できなかった場合であっても、遊技者が前回選択した態様情報を選択可能であるため、遊技者の好みの態様情報を反映した演出が実行され易くなるという効果がある。
前記遊技機UC1からUC12のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記変動演出が実行されていない期間において予め定められた特定条件が成立した場合に、前記第1特定演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機UC13。
遊技機UC13によれば、遊技機UC1からUC12が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変動演出が実行されていない期間において第1特定演出が実行されることで、遊技者を第1特定演出に注目させることができるため、新たな情報を取得するための時間を稼ぐことが可能となるという効果がある。
前記遊技機UC1からUC13において、前記遊技機は、前記第1特定演出が実行されている場合に、前記操作手段において前記操作が実行されている期間は前記第1特定演出を継続させることが可能であることを特徴とする遊技機UC14。
遊技機UC14によれば、遊技機UC1からUC13が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特定演出において操作手段が操作されている期間は第1特定演出が継続するため、遊技者が選択したい態様情報を選択する前に第1特定演出が終了してしまい、遊技意欲が低下する不具合を抑制することができるという効果がある。
<5088系特徴群>
<特徴VA群>(V入賞させるか否かで、保留内の有利度合いが可変する)
所定の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行する判別手段を有した遊技機において、遊技球が入球可能な第1状態(電動役物640VAの作動状態)と、遊技球が入球困難な第2状態(電動役物640VAの非作動状態)と、に変位可能な変位入球手段(電動役物640VAが付設された第2入球口640)と、前記判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果(小当たり当選)となったことに基づいて、前記変位入球手段が所定期間、前記第2状態から前記第1状態へと変位される変位遊技を実行する変位遊技状態実行手段(小当たり制御処理S1805VF)と、前記変位遊技の実行中に前記変位入球手段へと入球した遊技球が前記変位入球手段の内部の特定領域(特定領域650v)へと入球したことに基づいて遊技者に有利な特定状態を設定する特定状態設定手段(S2815VF:YVEs以降の処理)と、所定の取得条件が成立したことに基づいて、前記判別手段の判別に用いるための判別情報を取得可能な取得手段(始動入賞処理S105)と、その取得手段によって取得された前記判別情報を、予め定められた特定の数を上限として、前記判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な記憶手段(第2特別図柄保留球格納エリア203VB)と、を備え、前記記憶手段に対して予め定められた特定の前記判別情報が少なくとも記憶されている特定の状況下で実行されている前記変位遊技において前記特定領域へと遊技球を入球させた場合と、前記特定の状況下で実行されている前記変位遊技において前記特定領域へと遊技球を入球させなかった場合とで、前記特定の判別情報を用いた判別に基づいて前記特定領域へと遊技球を入球させることが可能な所定の前記変位遊技が実行されるか否かが可変する構成であることを特徴とする遊技機VA1。
従来より、特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと通過させることで、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技を実行するものがある。また、遊技状態として第1状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に不利となる第2状態とを少なくとも設定可能に構成されている遊技機では、小当たり当選した時点で設定されている遊技状態の種別に応じて、当該小当たり当選を介して実行される大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態の種別を異ならせることが可能な遊技機が知られている。このように構成された遊技機では、特別図柄抽選で小当たり当選した時点で、当該小当たり当選を介して実行される大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態が決定してしまうため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができないという問題があった。
これに対して、遊技機VA1では、小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと入球させた場合と、特定領域へと入球させなかった場合とで、後に特定領域へと遊技球を入球させることが可能な変位遊技が実行されるか否かを可変することができるため、変位遊技を行っている期間中であっても、後に実行される遊技の内容を切り替えることができ、遊技者に意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。さらに、後に実行される遊技の内容が、変位遊技中における特定領域への遊技球の入球有無、即ち、遊技者が任意に選択可能な事象によって後に実行される遊技の内容を変化させることができるため、遊技者に意欲的に遊技に参加させることができるという効果がある。
遊技機VA1において、少なくとも前記特定の状況下で実行されている前記変位遊技において、特定の遊技方法で遊技を行うことを遊技者に対して示唆可能な特定の演出態様を少なくとも含む特定演出を実行する特定演出実行手段を備え、前記遊技機は、前記特定の状況下で実行されている前記変位遊技において前記特定の遊技方法で遊技を行うことで少なくとも成立し得る特定条件が成立した後で前記特定の判別情報を用いた判別が実行された場合に前記所定の前記変位遊技が実行される構成であることを特徴とする遊技機VA2。
遊技機VA2によれば、遊技機VA1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変位遊技中に実行される特定演出に含まれる特定の演出態様に従って特定の遊技方法で遊技を行うことで、次に所定の変位遊技を実行させ易くすることができる。よって、所定の変位遊技を実行させ易くするための遊技を遊技者に選択させ易くすることができるという効果がある。
遊技機VA1又はVA2において、前記特定の状況下で実行されている前記変位遊技において前記特定領域へと遊技球を入球させた場合も、前記特定の状況下で実行されている前記変位遊技において前記特定領域へと遊技球を入球させなかった場合も、前記特定の前記判別情報を用いた判別の判別結果が前記特定の判別結果となる構成であることを特徴とする遊技機VA3。
遊技機VA3によれば、遊技機VA1またはVA2の奏する効果に加え、変位遊技中に特定領域へと遊技球を入球させた場合も、させなかった場合も、変位遊技を実行させることができるため、遊技者が選択可能な遊技のうち、遊技者に不利となる遊技を選択した場合であっても、過剰に遊技者が不利となることを抑制することができるという効果がある。
遊技機VA1からVA3のいずれかにおいて、前記特定の状況下で実行されている前記変位遊技において前記特定領域へと遊技球を入球させなかった場合に、前記特定の前記判別情報を用いた判別に基づいて前記所定の前記変位遊技が実行される構成であることを特徴とする遊技機VA4。
遊技機VA4によれば、遊技機VA1からVA3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変位遊技中に特定領域へと遊技球を入球させなかった場合に、後に所定の変位遊技が実行されるため、変位遊技中に特定領域へと遊技球を入球させるか否かを遊技者に選択させるという斬新な遊技性を提供することができるという効果がある。
<特徴VB群>(当たり遊技中に少なくとも成立し得る条件であって右打ちにより成立し得る特定条件の成立状況に応じて特定の表示態様を表示させる)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段(特別図柄判定処理S208VF)と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技状態(小当たり遊技状態)を設定する特典遊技状態設定手段(小当たり開始設定処理S222VF)と、を有した遊技機において、所定の設定条件が成立したことに基づいて、予め定められた第1制御(S2104VF)が実行される第1状態を設定する第1状態設定手段(大当たり終了処理S1910)と、遊技球を発射可能な発射手段(球発射ユニット112VA)と、その発射手段によって予め定められた第1方向(右側領域)へと発射された遊技球が通過可能な位置に設けられている通過手段(スルーゲート67)と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて成立し得る特定条件が予め定められた特定回数成立した場合に前記第1制御とは異なる第2制御が実行される第2状態を設定する第2状態設定手段(普図時短更新処理S851VF)と、少なくとも前記第1状態が設定されている前記特典遊技状態において第1の表示態様(図1511(VA)の表示領域VDm13の「残り2回」)を少なくとも含んで構成される第1演出(図1511(VA)に表示されている演出)を実行する第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により前記第1演出が実行されている状態において前記特定条件が成立する毎に前記第1の表示態様を更新する更新手段(S7212VF)と、前記特定条件が前記特定回数成立したことに基づいて前記第1演出を終了させ、前記第1方向へと遊技球を発射することを促す第2の表示態様(図1511(VB)に表示されているYVG,VGVA1)を少なくとも含む演出である前記第1演出とは異なる第2演出(図1511(VB)に表示されている演出)を実行する第2演出実行手段と、を備え、前記遊技機は、前記特典遊技状態中に前記第2状態に設定された後の所定期間において前記第1方向へと遊技球を発射した方が、前記第1方向とは異なる第2方向(左側領域)へと遊技球を発射するよりも有利となり易く構成され、少なくとも前記第2状態に設定されているが前記特典遊技状態には設定されていない所定の状態においては、前記第2方向へと遊技球を発射した方が、前記第1方向へと遊技球を発射するよりも有利となり易く構成されていることを特徴とする遊技機VB1。
従来より、1種2種の小当たりV仕様の遊技機において、時短状態中にV入賞可能な小当たりに当選した場合には、小当たり遊技の開始に合わせて「Vを狙え演出」を実行し、V入賞しない小当たりに当選した場合には、「Vを狙え演出」を実行しないように構成された遊技機がある。このように構成された遊技機では、小当たり遊技が開始された時点で今回の小当たり遊技がV入賞可能な小当たりであるか否かを遊技者に容易に把握されてしまうという問題があった。
これに対して、遊技機VB1では、開始された時点ではV入賞し難い第1状態である小当たり遊技中に、V入賞可能な第2状態を設定することができるため、小当たり遊技が開始された時点で今回の小当たり遊技がV入賞可能な小当たりであるか否かを遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
さらに、遊技機VB1では、小当たり遊技の開始に合わせて「Vを狙え演出」を実行するのでは無く、小当たり遊技中に第2状態を設定するための条件が成立したことに基づいて「Vを狙え演出」を実行するように構成しているため、第2状態が設定されていないにも関わらず「Vを狙え演出」が実行されてしまい、遊技者に分かり難い遊技が提供されてしまうことを抑制することができる。
加えて、遊技機VB1では、小当たり遊技中に第1演出が実行されるため、第1演出に含まれる第1の表示態様の更新状況を把握することで、第2状態が設定されるまでの残期間を遊技者に把握させることができる。よって、小当たり遊技中に第2状態が設定されることを目指して遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
遊技機VB1において、前記第1の表示態様は、前記特定条件が成立したことに基づいて変化され得る数値情報を少なくとも含む態様で構成されていることを特徴とする遊技機VB2。
遊技機VB2によれば、遊技機VB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立したことに基づいて変化され得る数値情報を含む態様で第1の表示態様が構成されるため、第1の表示態様を含む第1演出が実行されている期間にて特定条件が成立した回数を遊技者に把握させ易くすることができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機VB2において、前記遊技機は、前記第1状態が設定されている前記特典遊技状態において最初に表示される前記第1の表示態様が示す前記数値情報を異ならせることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VB3。
遊技機VB3によれば、遊技機VB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態が設定されている特典遊技状態において最初に表示される第1の表示態様が示す数値情報を異ならせることができるため、第1の表示態様が表示されてから第1状態を第2状態へと切り替えるために必要となる特定条件の成立回数を異ならせることができる。よって、最初に表示される第1の表示態様としてどの数値情報を示す態様が表示されるかについて遊技者に興味を持たせ易くすることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機VB2において、前記遊技機は、前記第1状態が設定されている前記特典遊技状態において最初に表示される前記第1の表示態様として、同一の前記数値情報を示す前記第1の表示態様を表示可能に構成されていることを特徴とする遊技機VB4。
遊技機VB4によれば、遊技機VB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態が設定されている特典遊技状態において最初に表示される第1の表示態様が示す数値情報として、同一の数値情報を示す第1の表示態様が表示されるため、最初に第1の表示態様が表示されてから第1状態を第2状態へと切り替えるために必要となる特定条件の成立回数を固定することができる。よって、第1の表示態様が表示されてから第2状態が設定されるまでの期間を遊技者に予測させ易くすることができるため、分かり易い遊技を遊技者に提供することができるという効果がある。また、第1状態が設定されている特典遊技状態が実行されてからどのタイミングで第1の表示態様が表示されるかに対して遊技者に興味を持たせることができるため、特典遊技状態中の遊技を行っている遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機VB2からVB4のいずれかにおいて、前記更新手段により更新された前記第1の表示態様が示す前記数値情報を記憶可能な記憶手段を有し、前記遊技機は、1の前記特典遊技状態が終了した時点で前記記憶手段に記憶されている前記数値情報を用いて、前記1の特典遊技状態が終了した後に設定される前記特典遊技状態における前記第1演出を実行可能であることを特徴とする遊技機VB5。
遊技機VB5によれば、遊技機VB2からVB4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている更新済みの数値情報を用いて、複数の特典遊技状態にて関連した第1演出を実行することができるため、長期間に渡って第2状態が設定されることを目指す遊技を行わせ易くすることができるという効果がある。
遊技機VB2からVB4のいずれかにおいて、前記更新手段により更新された前記第1の表示態様が示す前記数値情報を記憶可能な記憶手段を有し、前記遊技機は、前記第1の表示態様が表示されていない状況で前記特定条件が成立した場合でも前記記憶手段に記憶されている前記数値情報を更新可能であることを特徴とする遊技機VB6。
遊技機VB6によれば、遊技機VB2からVB4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の表示態様が表示されていない状況であっても特定条件が成立した場合には記憶手段に記憶されている数値情報を更新することができるため、記憶手段に記憶されている数値情報を遊技者に把握させ難くすることができる。よって、次に第1の表示態様が表示される時点において記憶手段に記憶されている数値情報を予測する楽しみを遊技者に提供することができるという効果がある。
遊技機VB1からVB6のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第1状態が設定されている前記特典遊技状態の方が、前記第2状態が設定されている前記特典遊技状態よりも前記通過手段に遊技球を通過させ易い構成であることを特徴とする遊技機VB7。
遊技機VB7によれば、遊技機VB1からVB6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態が設定されている特典遊技状態の方が、第2状態が設定されている特典遊技状態よりも通過手段に遊技球を通過させ易くすることができるため、第1状態にて特定回数の特定条件を成立させ易くすることができる。よって、いち早く第2状態を設定させようとする遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機VB1からVB6のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第2状態が設定されている前記特典遊技状態の方が、前記第1状態が設定されている前記特典遊技状態よりも前記通過手段に遊技球を通過させ易い構成であることを特徴とする遊技機VB8。
遊技機VB8によれば、遊技機VB1からVB6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2状態が設定されている特典遊技状態の方が、第1状態が設定されている特典遊技状態よりも通過手段に遊技球を通過させ易くすることができるため、第2状態中における通過手段への遊技球の通過のし易さを参考にしても、第1状態中における通過手段への遊技球の通過のし易さを把握させ難くすることができる。よって、第1状態にて特定条件を特定回数成立させようとしている遊技者に対して、特定条件が成立する頻度が容易に把握されてしまい遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機VB1からVB8のいずれかにおいて、前記第1状態が設定されている状況の方が、前記第2状態が設定されている状況よりも遊技球が入球し易くなる可変入球手段を備え、前記通過手段は、前記可変入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられていることを特徴とする遊技機VB9。
遊技機VB9によれば、遊技機VB1からVB8のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態が設定されている状況の方が、第2状態が設定されている状況よりも遊技球が入球し易くなる可変入球手段へと入球した遊技球が通過手段を通過可能に構成されているため、第1状態と第2状態とで遊技状態が通過手段を通過する可能性を物理的に乖離させることができる。よって、第1状態が設定されていない遊技者に対して、第1状態中における通過手段への遊技球の通過のし易さを事前に把握させ難くすることができるという効果がある。
遊技機VB1からVB9のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記特定条件以外の第2特定条件が成立したことに基づいても前記第1状態を終了させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VB10。
遊技機VB9によれば、遊技機VB1からVB8のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件以外の第2特定条件が成立したことに基づいても第1状態を終了させて第2状態を設定することができるため、第1状態にて特定条件が成立した回数が少ない状況であっても、第1状態が終了する可能性を残すことができる。よって、第1状態中の遊技を行っている遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機VB10において、前記特定条件は、前記第2方向へと遊技球を発射させるよりも、前記第1方向へと遊技球を発射させた方が成立し易い条件であり、前記第2特定条件は、前記第1方向へと遊技球を発射させるよりも、前記第2方向へと遊技球を発射させた方が成立し易い条件であることを特徴とする遊技機VB11。
遊技機VB11によれば、遊技機VB10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球を発射させる方向によって成立し易い条件を異ならせることができるため、第1状態が設定されている特典遊技状態中において、何れの条件を成立させるかを遊技者に任意に選択させることができ、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるという効果がある。
遊技機VB10またはVB11において、前記遊技機は、前記第2特定条件を成立させるための要素が更新されたとしても前記第1の表示態様が更新されないように構成されていることを特徴とする遊技機VB12。
遊技機VB12によれば、遊技機VB10またはVB11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2特定条件を成立させるための要素が更新された場合であっても、第1の表示態様が更新されないように構成されているため、第1演出中に表示される第1の表示態様は、第1状態を終了させることが可能となる複数種類の特定条件のうち一部条件の成立状況に基づいて更新されることになる。よって、第1演出に含まれる第1の表示態様の更新状況を把握しながら遊技を行っている遊技者に対して、意外性のあるタイミングで第1状態を終了させることができるという効果がある。加えて、上述した遊技機VB11の構成を有する遊技機によれば、表示されている第1の表示態様を把握することで特定条件を特定回数成立させるための第1方向への遊技球の発射を行うか、或いは、第2特定条件の成立を目指して第2方向への遊技球の発射を行うかを遊技者に選択させる楽しみを提供することができるという効果がある。
<特徴VC群>(電サポ中に実行された小当たり遊技の種別に応じて、小当たり遊技中に時短終了条件の成立に関する示唆演出の実行有無を決定)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段(特別図柄判定処理S208VF)と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技状態(小当たり遊技状態)を設定する特典遊技状態設定手段(小当たり開始設定処理S222VF)と、を有した遊技機において、所定の設定条件が成立したことに基づいて、予め定められた第1制御(S2104VF)が実行される第1状態を設定する第1状態設定手段(大当たり終了処理S1910)と、遊技球を発射可能な発射手段(球発射ユニット112VA)と、その発射手段によって予め定められた第1方向(右側領域)へと発射された遊技球が通過可能な位置に設けられている通過手段(スルーゲート67)と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて成立し得る特定条件が予め定められた特定回数成立した場合に前記第1制御とは異なる第2制御が実行される第2状態を設定する第2状態設定手段(普図時短更新処理S851VF)と、少なくとも前記第1状態が設定されている前記特典遊技状態において第1の表示態様(図1511(VA)の表示領域VDm13の「残り2回」)を少なくとも含んで構成される第1演出(図1511(VA)に表示されている演出)を実行する第1演出実行手段と、を備え、前記遊技機は、前記第1状態が設定されている前記特典遊技状態中に前記特定条件が成立した場合に前記第1の表示態様が更新表示される第1状況(S7402VF:YVEs)と、前記第1状態が設定されている前記特典遊技状態中に前記特定条件が成立した場合に前記第1の表示態様が更新表示されない第2状況(S7401VF:No)と、を構成することが可能であり、前記特典遊技状態中に前記第2状態に設定された後の所定期間において前記第1方向へと遊技球を発射した方が、前記第1方向とは異なる第2方向へと遊技球を発射するよりも有利となり易く構成され、少なくとも前記第2状態に設定されているが前記特典遊技状態には設定されていない所定の状態においては、前記第2方向へと遊技球を発射した方が、前記第1方向へと遊技球を発射するよりも有利となり易く構成されていることを特徴とする遊技機VC1。
従来より、1種2種の小当たりV仕様の遊技機において、時短状態中にV入賞可能な小当たりに当選した場合には、小当たり遊技の開始に合わせて「Vを狙え演出」を実行し、V入賞しない小当たりに当選した場合には、「Vを狙え演出」を実行しないように構成された遊技機がある。このように構成された遊技機では、小当たり遊技が開始された時点で今回の小当たり遊技がV入賞可能な小当たりであるか否かを遊技者に容易に把握されてしまうという問題があった。
これに対して、遊技機VC1では、開始された時点ではV入賞し難い第1状態である小当たり遊技中に、V入賞可能な第2状態を設定することができるため、小当たり遊技が開始された時点で今回の小当たり遊技がV入賞可能な小当たりであるか否かを遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
加えて、遊技機VC1では、小当たり遊技中に第1演出が実行されるため、第1演出に含まれる第1の表示態様の更新状況を把握することで、第2状態が設定されるまでの残期間を遊技者に把握させることができる。よって、小当たり遊技中に第2状態が設定されることを目指して遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
遊技機VC1において、前記特典遊技状態中に実行される特典遊技の種別として、第1種別と、その第1種別とは異なる第2種別と、を少なくとも含む複数の前記種別の中から1の前記種別を決定可能な決定手段を備え、前記遊技機は、前記決定手段によって前記第1種別が決定された場合の方が前記第2種別が決定された場合よりも前記第1状況となり易く、前記第2種別が決定された場合には、前記第1種別が決定された場合よりも前記第2状況となり易く構成されていることを特徴とする遊技機VC2。
遊技機VC2によれば、遊技機VC1の奏する効果に加え、実行された特典遊技の種別に応じて、第1演出の実行有無を決定可能に構成しているため、時短状態中に実行される全ての小当たり遊技に対して第1演出が実行されてしまうことを抑制することができる。よって、例えば、小当たり遊技の種別として、小当たり遊技期間が極端に短い小当たり遊技の種別が決定された場合、即ち、小当たり遊技中に第2状態が設定されることが無い場合には、第1演出を実行させないように構成することができる。これにより、第1演出が実行されることによって小当たり遊技中に第2状態が設定されることに対して遊技者を過度に期待させてしまうことを抑制することができる。
遊技機VC1またはVC2において、前記第1演出実行手段によって前記第1演出が実行されている状態において前記第1状況と、前記第2状況とを切り替えることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VC3。
遊技機VC3によれば、遊技機VC1またはVC2の奏する効果に加え、第1演出が実行されている最中において、特定条件が成立する毎に第1の表示態様が更新される状況と、更新されない状況とを切り替えることが可能となるため、特定条件が成立した回数を遊技者に予測させ難くすることができる。
遊技機VC1からVC3のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記更新手段によって更新された前記第1の表示態様に含まれる数値情報が第1条件を満たした場合には、前記第1条件を満たしていない場合とは異なる態様で前記第1の表示態様を表示可能に構成されていることを特徴とする遊技機VC4。
遊技機VC4によれば、遊技機VC1からVC3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の表示態様が第1条件を満たしている場合と、満たしていない場合とで、異なる態様で第1の表示態様を表示することができるため、第1の表示態様の態様を見るだけで、第2状態が設定されるまでの特定条件の残成立回数を予測させ易くすることができるという効果がある。
遊技機VC4において、前記遊技機は、前記数値情報が前記第1条件を満たした場合に、前記第1の表示態様とは異なる特殊表示態様を用いて、前記第1条件を満たしたことを所定期間報知可能に構成されていることを特徴とする遊技機VC5。
遊技機VC5によれば、遊技機VC4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、数値情報が第1条件を満たした場合には、第1の表示態様とは異なる特殊表示態様が所定期間報知されるため、第1条件を満たしたことを遊技者に分かり易く把握させることができるという効果がある。
遊技機VC5において、前記遊技機は、前記特殊表示態様による報知が行われている前記所定期間中も、前記更新手段によって前記第1の表示態様を更新可能に構成されていることを特徴とする遊技機VC6。
遊技機VC6によれば、遊技機VC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、更新手段によって第1の表示態様が更新されている間も、特殊表示態様を継続して表示させることができるため、頻繁に第1の表示態様が更新される状況であったとしても数値情報が第1条件を満たしたことを遊技者が見逃してしまうことを抑制し易くすることができるという効果がある。
遊技機VC5またはVC6において、前記遊技機は、前記特殊表示態様に対応する前記数値情報は、前記第1の表示態様に対応する前記数値情報よりも大きく表示されるように構成されていることを特徴とする遊技機VC7。
遊技機VC7によれば、遊技機VC5またはVC6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の表示態様に対応する数値情報よりも特殊表示態様に対応する数値情報の方が大きく表示されることで、遊技者に第1条件を満たしたことをより分かり易く把握させることができるという効果がある。
遊技機VC1からVC7のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記特典遊技状態が設定されている前記第1状態中の方が、前記特典遊技状態が設定されていない前記第1状態よりも前記特定条件を成立させ易く構成されていることを特徴とする遊技機VC8。
遊技機VC8によれば、遊技機VC1からVC7のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技状態が設定されていない状況では、特典遊技状態中における特定条件の成立度合いを遊技者に把握されることが無いため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機VC1からVC8のいずれかにおいて、前記更新手段により更新された前記第1の表示態様が示す前記数値情報を記憶可能な記憶手段を有し、前記遊技機は、前記第2状況において前記特定条件が成立した場合でも前記記憶手段に記憶されている前記数値情報を更新可能であることを特徴とする遊技機VC9。
遊技機VC9によれば、遊技機VC1からVC8のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の表示態様が表示されていない状況であっても特定条件が成立した場合には記憶手段に記憶されている数値情報を更新することができるため、記憶手段に記憶されている数値情報を遊技者に把握させ難くすることができる。よって、次に第1の表示態様が表示される時点において記憶手段に記憶されている数値情報を予測する楽しみを遊技者に提供することができるという効果がある。
<特徴VD群>(電サポ中に実行された小当たり遊技中に非電サポ状態となった場合、或いは、電サポ状態のまま普図ロング変動が実行された場合に、Vを狙え演出を実行する)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段(特別図柄判定処理S208VF)と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技状態(小当たり遊技状態)を設定する特典遊技状態設定手段(小当たり開始設定処理S222VF)と、を有した遊技機において、所定の設定条件が成立したことに基づいて、予め定められた第1制御(S2104VF)が実行される第1状態を設定する第1状態設定手段(大当たり終了処理S1910)と、遊技球を発射可能な発射手段(球発射ユニット112VA)と、その発射手段によって予め定められた第1方向(右側領域)へと発射された遊技球が通過可能な位置に設けられている通過手段(スルーゲート67)と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて成立し得る特定条件が予め定められた特定回数成立した場合に前記第1制御とは異なる第2制御が実行される第2状態を設定する第2状態設定手段(普図時短更新処理S851VF)と、少なくとも前記第1状態が設定されている前記特典遊技状態において第1の表示態様(図1511(VA)の表示領域VDm13の「残り2回」)を少なくとも含んで構成される第1演出(図1511(VA)に表示されている演出)を実行する第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により前記第1演出が実行されている状態において前記特定条件が成立する毎に前記第1の表示態様を更新する更新手段(S7212VF)と、を備え、前記遊技機は、前記特典遊技状態中に前記第2状態に設定された後の所定期間において前記第1方向へと遊技球を発射した方が、前記第1方向とは異なる第2方向へと遊技球を発射するよりも有利となり易く構成され、少なくとも前記第2状態に設定されているが前記特典遊技状態には設定されていない所定の状態においては、前記第2方向へと遊技球を発射した方が、前記第1方向へと遊技球を発射するよりも有利となり易く構成され、前記特定条件とは異なる第2特定条件(第2スルーゲート67VAへと遊技球が入球した場合に成立する条件)が成立した場合にも前記第1の表示態様を更新させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VD1。
従来より、遊技状態として第1状態と、その第1状態とは異なる第2状態とを設定可能に構成し、その第1状態が設定された場合に特別図柄抽選が所定回数実行されるまで第1状態を継続可能に構成された遊技機がある。また、上述した従来型の遊技機では、第1状態が継続する残期間を遊技者に報知するものがある。このように構成された遊技機では、特別図柄抽選が実行されない期間、例えば、当たり遊技期間の途中で第1状態が終了することが無いため、当たり遊技期間中の遊技が単調となるという問題があった。
これに対して、遊技機VD1では、特典遊技状態中の第1状態において、特定条件が特定回数成立した場合に第1状態から第2状態へと切り替えることが可能に構成している。このように構成することで、特典遊技状態中の遊技が単調になることを抑制することができるという効果がある。さらに、第1状態の残期間に対応して更新される第1の表示態様を、第1状態を終了させるための特定条件が成立しない場合(第2特定条件が成立した場合)にも更新させることができるため、第1状態が終了するタイミングを遊技者に予測させ難くすることができるという効果がある。
遊技機VD1において、前記特定条件は、前記第2方向へと遊技球を発射させるよりも、前記第1方向へと遊技球を発射させた方が成立し易い条件であり、前記第2特定条件は、前記第1方向へと遊技球を発射させるよりも、前記第2方向へと遊技球を発射させた方が成立し易い条件であることを特徴とする遊技機VD2。
遊技機VD2によれば、遊技機VD1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件を成立させるために第1方向へと遊技球を発射させる遊技を行った場合には、第2特定条件が成立し難くなるため、特典遊技状態中の第1状態において適正な遊技(第1方向へと遊技球を発射させる遊技)を続けている遊技者に対しては、第1の表示態様の表示内容に基づいて第1状態が終了するタイミングを予測させ易くすることができると共に、特典遊技状態中の第1状態において不適正な遊技(第2方向へと遊技球を発射させる遊技)を行っている遊技者に対しては、第1の表示態様の表示内容に基づいて第1状態が終了するタイミングを予測させ難くすることができるという効果がある。
遊技機VD1において、前記特定条件は、前記第2方向へと遊技球を発射させるよりも、前記第1方向へと遊技球を発射させた方が成立し易い条件であり、前記第2特定条件は、前記第2方向へと遊技球を発射させるよりも、前記第1方向へと遊技球を発射させた方が成立し易い条件であることを特徴とする遊技機VD3。
遊技機VD3によれば、遊技機VD1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件を成立させるために第1方向へと遊技球を発射させる遊技を行った場合に、特定条件も、第2特定条件も成立し易くなるため、特定条件のみを成立させようとする遊技を行わせ難くすることができ、第1の表示態様の表示内容に基づいて第1状態が終了するタイミングをより予測させ難くすることができるという効果がある。
遊技機VD1からVD3のいずれかにおいて、前記第2状態設定手段は、前記第2特定条件が第2特定回数成立した場合にも前記第2状態を設定可能であることを特徴とする遊技機VD4。
遊技機VD4によれば、遊技機VD1からVD3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2特定条件が成立したことに基づいても第2状態を設定することができるため、第1の表示態様の表示内容に基づいて第1状態が終了するタイミングをより予測させ難くすることができるという効果がある。
遊技機VD1からVD3のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第2特定条件の成立に基づいて前記第2状態が設定され得ないように構成されていることを特徴とする遊技機VD5。
遊技機VD5によれば、遊技機VD1からVD3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2特定条件の成立に基づいては第2状態が設定されることが無いため、第2特定条件の成立に基づいて第1の表示態様が更新された場合には、第1の表示態様の表示内容を把握した場合に第1状態が終了するタイミングが分かり難くなるだけとなる。よって、第1の表示態様の表示内容に基づいて第1状態が終了するタイミングをより予測させ難くすることができるという効果がある。
遊技機VD1からVD5のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第1方向へと発射させた1の遊技球によって、前記特定条件と前記第2特定条件との何れも成立させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VD6。
遊技機VD6によれば、遊技機VD1からVD5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向に向けて発射された1の遊技球によって特定条件と第2特定条件との何れも成立させることができるため、特定条件のみを成立させようとする遊技を行わせ難くすることができ、第1の表示態様の表示内容に基づいて第1状態が終了するタイミングをより予測させ難くすることができるという効果がある。
遊技機VD1からVD5のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第1方向へと発射させた1の遊技球によって、前記特定条件または前記第2特定条件の何れかのみ成立させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VD7。
遊技機VD7によれば、遊技機VD1からVD5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向に向けて発射された1の遊技球によって成立させることが可能な条件を1種類とすることができるため、第1の表示態様が過剰に更新されてしまうことを抑制することができるという効果がある。また、上述した遊技機VD4の構成を用いた場合には、第1状態を過剰に終了させ易くしてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機VD1からVD7のいずれかにおいて、前記第1の表示態様は、数値情報を少なくとも含む態様で構成されていることを特徴とする遊技機VD8。
遊技機VD8によれば、遊技機VD1からVD7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の表示態様が数値情報を少なくとも含む態様で構成されているため、第1の表示態様が更新される毎に、第1状態が終了するタイミングを数値で予測することができるという効果がある。
遊技機VD8において、前記遊技機は、前記特定条件が成立した場合と、前記第2特定条件が成立した場合とで、前記更新手段によって更新される前記数値情報を異ならせることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VD9。
遊技機VD9によれば、遊技機VD8の奏する効果に加え、特定条件が成立した場合と、第2特定条件が成立した場合とで、更新される数値情報を異ならせることができるため、第1の表示態様の更新内容を把握することで、特定条件が成立したのか第2特定条件が成立したのかを遊技者に把握させ易くすることができる。よって、第1の表示態様の更新結果だけでなく更新内容についても遊技者に興味を持たせることができるという効果がある。
<特徴VE群>(時短種別に対応して設定された時短状態に応じて、右打ち継続した場合におけるV入賞可能な小当たりに当選する可能性が変わる)
遊技球が入球可能な第1状態と、遊技球が入球困難な第2状態と、に変位可能な変位入球手段(第2可変入賞装置650)を有した遊技機において、遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段によって特定方向へと発射された遊技球が少なくとも入球可能な位置に設けられている入球手段(第2入球手段640)と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に変位可能な変位手段(電動役物640VA)と、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別(第2特別図柄抽選)を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記変位入球手段が所定期間、前記第2状態から前記第1状態へと変位される変位遊技(小当たり遊技)を実行する変位遊技実行手段と、前記変位遊技の実行中に前記変位入球手段へと入球した遊技球が前記変位入球手段の内部の特定領域(特定領域650v)へと入球したことに基づいて遊技者に有利な特定状態を設定する(Vフラグ203VFVEをオンに設定する)特定状態設定手段と、第1の実行条件と、その第1の実行条件とは異なる第2の実行条件と、を少なくとも含む複数のうち1の実行条件が成立したことに基づいて、前記入球手段へと遊技球が入球可能となるように前記変位手段が制御される第1制御(電サポ制御)を実行する第1制御実行手段と、記第1の実行条件が成立したことに基づく前記第1制御の実行中であるか前記第2の実行条件が成立したことに基づく前記第1制御の実行中であるかによらず成立する共通の終了条件(時短カウンタ203hの値が0となった場合に成立する条件)が成立したことに基づいて前記第1制御を終了させることが可能な第1制御終了手段と、を備え、前記遊技機は、前記第1の実行条件が成立した後に前記特定方向へと遊技球を発射し続けた場合よりも、前記第2の実行条件が成立した後に前記特定方向へと遊技球を発射し続けた場合の方が、前記変位遊技が実行されて当該変位遊技の実行中に前記特定領域へと遊技球が入球する可能性が高くなる構成であることを特徴とする遊技機VE1。
従来より、特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと通過させることで、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技を実行するものがある。また、遊技状態として小当たり当選させ易い第1状態と、その第1遊技状態よりも小当たり当選させ難い第2状態として、小当たり当選させ易い特別図柄抽選の実行回数を異ならせた遊技状態を設定可能に構成した遊技機がある。このように構成された遊技機では、設定された回数によって小当たり当選する確率を異ならせているだけであり、小当たり当選させ易い特別図柄抽選の実行回数が少ない第2状態が設定された時点で、今回の遊技状態が小当たり当選させ難い遊技状態であることを遊技者が容易に把握できてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうといった問題があった。
これに対して、遊技機VE1では、第1制御が開始された後における変位遊技中に特定領域へと遊技球が入球する可能性を、第1制御を実行させるために成立した実行条件の種別に応じて異ならせることができるため、第1制御が実行されたことを遊技者が把握したとしても遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機VE1において、前記遊技機は、成立した前記実行条件の種別に対応させて前記第1制御の内容を異ならせて決定することが可能であることを特徴とする遊技機VE2。
遊技機VE2によれば、遊技機VE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、成立した実行条件の種別に応じて第1制御の内容を異ならせることで第1制御が開始された後における変位遊技中に特定領域へと遊技球が入球する可能性を異ならせることができるため、第1制御の内容によって成立した実行条件の種別を遊技者に予測させることができるという効果がある。
遊技機VE1またはVE2において、前記遊技機は、前記第1の実行条件が成立したことに基づいて実行される前記第1制御は、前記第2の実行条件が成立したことに基づいて実行される前記第1制御よりも前記終了条件が成立し難くなるように構成されていることを特徴とする遊技機VE3。
遊技機VE3によれば、遊技機VE1またはVE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、成立した実行条件の種別に応じて、第1制御中における終了条件の成立のし易さを異ならせることができる。よって、第1制御中に終了条件が成立するのか、又は、終了条件が成立すること無く第1制御を終了させることができるのかを遊技者に予測され難くすることができるため、第1制御が実行されている期間中の遊技を行っている遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機VE1またはVE2において、前記遊技機は、前記第1の実行条件が成立したことに基づいて実行される前記第1制御は、前記第2の実行条件が成立したことに基づいて実行される前記第1制御よりも、前記終了条件が成立するよりも前に前記第1制御を終了させ易く構成されていることを特徴とする遊技機VE4。
遊技機VE4によれば、遊技機VE1またはVE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の実行条件が成立したことに基づいて実行される第1制御は、第2の実行条件が成立したことに基づいて実行される第2制御よりも、終了条件が成立するよりも前に第1制御を終了させ易くすることができる。よって、成立した実行条件の種別に応じて、第1制御が終了する契機を異ならせることができ、どのように第1制御が終了するのかを遊技者に予測され難くすることができるため、第1制御が実行されている期間中の遊技を行っている遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機VE1またはVE2において、前記遊技機は、前記第1制御を実行させるための前記実行条件として、前記第1の実行条件が成立した場合、或いは、前記第2の実行条件が成立した場合の何れにおいても、前記終了条件が成立するよりも前に前記第1制御を終了させ易く構成されていることを特徴とする遊技機VE5。
遊技機VE5によれば、遊技機VE1またはVE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の実行条件が成立した場合、或いは、第2の実行条件が成立した場合の何れにおいても、終了条件が成立するよりも前に第1制御を終了させ易くすることができるため、成立した実行条件の種別に応じて、第1制御が終了する契機を異ならせることができ、どのように第1制御が終了するのかを遊技者に予測され難くすることができるため、第1制御が実行されている期間中の遊技を行っている遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機VE1またはVE2において、前記遊技機は、前記第1制御を実行させるための前記実行条件として、前記第1の実行条件が成立した場合、或いは、前記第2の実行条件が成立した場合の何れにおいても、前記第1制御が終了するよりも前に前記終了条件を成立させ易く構成されていることを特徴とする遊技機VE6。
遊技機VE6によれば、遊技機VE1またはVE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の実行条件が成立した場合、或いは、第2の実行条件が成立した場合の何れにおいても、第1制御が終了するよりも前に終了条件を成立させ易くすることができるため、成立した実行条件の種別に応じて、第1制御が終了する契機を異ならせることができ、どのように第1制御が終了するのかを遊技者に予測され難くすることができるため、第1制御が実行されている期間中の遊技を行っている遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機VE1またはVE2において、前記遊技機は、前記第1制御を実行させるための前記実行条件として、前記第1の実行条件が成立した場合は、前記終了条件が成立するよりも前に前記第1制御を終了させ易く、前記第2の実行条件が成立した場合は、前記第1制御が終了するよりも前に前記終了条件を成立させ易く構成されていることを特徴とする遊技機VE7。
遊技機VE7によれば、遊技機VE1またはVE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、成立した実行条件の種別に応じて、第1制御を終了させるための契機を異ならせることができるため、どのように第1制御が終了するのかを遊技者に予測され難くすることができるため、第1制御が実行されている期間中の遊技を行っている遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機VE1からVE7のいずれかにおいて、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第2特定の判別結果となったことに基づいて、特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段を有し、前記遊技機は、前記特典遊技が終了したことに基づいて前記実行条件を成立させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VE8。
遊技機VE8によれば、遊技機VE1からVE7のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が終了したことに基づいて実行条件を成立させることができるため、特典遊技中の遊技と第1制御中の遊技とを一連の遊技として遊技者に提供することができる。よって、遊技者が興味を持つ様々な遊技を遊技者に連続して楽しませることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機VE1からVE8のいずれかにおいて、前記遊技機は、1の前記変位遊技が終了してから次の前記変位遊技が実行されるまでの期間において前記実行条件を1回のみ成立させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VE9。
遊技機VE9によれば、遊技機VE1からVE8のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変位遊技が終了してから次の変位遊技が実行されるまでの期間においては、第1制御が1回しか実行されないようにすることができるため、遊技者に対して過剰に第1制御が実行されてしまい遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。また、第1制御が複数回実行されるように次の変位遊技が実行されることを目指して意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機VE1からVE8のいずれかにおいて、前記遊技機は、1の前記変位遊技が終了してから次の前記変位遊技が実行されるまでの期間において前記実行条件を複数回成立させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VE10。
遊技機VE10によれば、遊技機VE1からVE9のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変位遊技が終了してから次の変位遊技が実行されるまでの期間において、第1制御を複数回実行させることができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機VE1からVE10のいずれかにおいて、前記終了条件は、前記第1制御の実行中に前記判別手段の判別の実行回数が特定回数となったことに基づいて成立する条件であることを特徴とする遊技機VE11。
遊技機VE11によれば、遊技機VE1からVE10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1制御の実行中に判別手段の判別の実行回数が特定回数となったことに基づいて終了条件が成立するため、第1制御中に過剰に判別手段の判別が実行されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機VE11において、前記第1の実行条件が成立したことに基づいて第1制御が実行されるよりも、前記第2の実行条件が成立したことに基づいて第1制御が実行された場合の方が、前記特定方向へと遊技球を発射し続けた場合に前記特定領域へと遊技球を入球させることが可能となる所定の前記変位遊技が実行される確率が高くなる構成であることを特徴とする遊技機VE12。
遊技機VE12によれば、遊技機VE11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の実行条件が成立したことに基づいて第1制御が実行される場合よりも、第2の実行条件が成立したことに基づいて第1制御が実行された場合の方が、特定領域へと遊技球を入球させることが可能となる所定の変位遊技が実行される確率が高くなるため、第1制御が実行されるか否かだけでなく、第1制御の実行契機についても遊技者に興味を持たせることができるという効果がある。
<特徴VF群>(当たり遊技中に少なくとも成立し得る条件であって右打ちにより成立し得る特定条件の成立状況に応じて特定の表示態様を表示させる)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段を有し、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典状態へと移行可能に構成された遊技機において、遊技球を少なくとも第1方向、又は前記第1方向とは異なる第2方向へと発射可能な発射手段と、前記第1方向へと発射された遊技球が通過可能な位置に設けられている通過手段と、第1状態が設定されている状況において前記通過手段を遊技球が通過したことに基づいて成立し得る特定条件が予め定められた特定回数成立した場合に前記第1状態とは異なる第2状態を設定可能な設定手段と、を備え、前記遊技機は、前記特典状態中における前記第1状態において第1の表示態様を少なくとも含んで構成される第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記特定条件が前記特定回数成立したことに基づいて前記第1演出とは異なる第2演出を実行する第2演出実行手段と、前記特定条件が成立する毎に前記第1の表示態様に含まれる数値情報を更新可能な更新手段と、を有し、前記特典遊技状態中に前記第2状態に設定された後の所定期間において前記第1方向へと遊技球を発射した方が、前記第1方向とは異なる第2方向へと遊技球を発射するよりも有利となり易く構成され、少なくとも前記第2状態に設定されているが前記特典遊技状態には設定されていない所定の状態においては、前記第2方向へと遊技球を発射した方が、前記第1方向へと遊技球を発射するよりも有利となり易く構成されていることを特徴とする遊技機VF1。
<特徴VG群>(電サポ状態の小当たり遊技中に、時短終了条件が成立するまでの期間(残普図変動回数)、又は、普図ロング変動が実行されるまでの残期間を報知する演出を実行。)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段(特別図柄判定処理S208VF)と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技状態(小当たり遊技状態)を設定する特典遊技状態設定手段(小当たり開始設定処理S222VF)と、を有した遊技機において、所定の設定条件が成立したことに基づいて、予め定められた第1制御(S2104VF)が実行される第1状態を設定する第1状態設定手段(大当たり終了処理S1910)と、遊技球を発射可能な発射手段(球発射ユニット112VA)と、その発射手段によって予め定められた第1方向(右側領域)へと発射された遊技球が通過可能な位置に設けられている通過手段(スルーゲート67)と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて成立し得る特定条件が予め定められた特定回数成立した場合に前記第1制御とは異なる第2制御が実行される第2状態を設定する第2状態設定手段(普図時短更新処理S851VF)と、少なくとも前記第1状態が設定されている前記特典遊技状態において第1の表示態様(図1511(VA)の表示領域VDm13の「残り2回」)を少なくとも含んで構成される第1演出(図1511(VA)に表示されている演出)を実行する第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により前記第1演出が実行されている状態において前記第1の表示態様を更新する更新手段(普図時短更新処理S851VF)と、前記第1演出が終了した後に、前記第1方向へと遊技球を発射することを促す第2の表示態様を少なくとも含む演出である前記第1演出とは異なる第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備え、前記遊技機は、前記特典遊技状態中に前記第2状態に設定された後の所定期間において前記第1方向へと遊技球を発射した方が、前記第1方向とは異なる第2方向へと遊技球を発射するよりも有利となり易く構成され、少なくとも前記第2状態に設定されているが前記特典遊技状態には設定されていない所定の状態においては、前記第2方向へと遊技球を発射した方が、前記第1方向へと遊技球を発射するよりも有利となり易く構成されていることを特徴とする遊技機VG1。
従来より、1種2種の小当たりV仕様の遊技機において、時短状態中にV入賞可能な小当たりに当選した場合には、小当たり遊技の開始に合わせて「Vを狙え演出」を実行し、V入賞しない小当たりに当選した場合には、「Vを狙え演出」を実行しないように構成された遊技機がある。このように構成された遊技機では、小当たり遊技が開始された時点で今回の小当たり遊技がV入賞可能な小当たりであるか否かを遊技者に容易に把握されてしまうという問題があった。
これに対して、遊技機VG1では、開始された時点ではV入賞し難い第1状態である小当たり遊技中に、V入賞可能な第2状態を設定することができるため、小当たり遊技が開始された時点で今回の小当たり遊技がV入賞可能な小当たりであるか否かを遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
さらに、遊技機VG1では、小当たり遊技の開始に合わせて「Vを狙え演出」を実行するのでは無く、小当たり遊技中に第2状態を設定するための条件が成立したことに基づいて「Vを狙え演出」を実行するように構成しているため、第2状態が設定されていないにも関わらず「Vを狙え演出」が実行されてしまい、遊技者に分かり難い遊技が提供されてしまうことを抑制することができる。
加えて、遊技機VG1では、小当たり遊技中に第1演出が実行されるため、第1演出に含まれる第1の表示態様の更新状況を把握することで、第2状態が設定されるまでの残期間を遊技者に把握させることができる。よって、小当たり遊技中に第2状態が設定されることを目指して遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
遊技機VG1において、前記遊技機は、前記第1状態が設定されている前記特典遊技状態において最初に表示される前記第1の表示態様として、同一の前記第1の表示態様を表示可能に構成されていることを特徴とする遊技機VG2。
遊技機VG2によれば、遊技機VG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態が設定されている特典遊技状態において最初に表示される第1の表示態様が示す数値情報として、同一の数値情報を示す第1の表示態様が表示されるため、最初に第1の表示態様が表示されてから第1状態を第2状態へと切り替えるために必要となる特定条件の成立回数を固定することができる。よって、第1の表示態様が表示されてから第2状態が設定されるまでの期間を遊技者に予測させ易くすることができるため、分かり易い遊技を遊技者に提供することができるという効果がある。また、第1状態が設定されている特典遊技状態が実行されてからどのタイミングで第1の表示態様が表示されるかに対して遊技者に興味を持たせることができるため、特典遊技状態中の遊技を行っている遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機VG1またはVG2において、前記更新手段は、時間経過に基づいて前記第1の表示態様を更新可能であることを特徴とする遊技機VG3。
遊技機VG3によれば、遊技機VG1またはVG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の表示態様が時間経過に基づいて更新されるため、第1状態が終了するまで待つという斬新な遊技性を遊技者に提供することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機VG1からVG3のいずれかにおいて、前記更新手段は、前記特定条件が成立する毎に前記第1の表示態様を更新可能であることを特徴とする遊技機VG4。
遊技機VG4によれば、遊技機VG1からVG3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立する毎に第1の表示態様を更新させることができるため、第1状態を終了させるために必要となる特定条件の残成立回数を更新後の第1の表示態様を把握することで遊技者に予測させ易くすることができ、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機VG1からVG4のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第1の表示態様が表示されてから所定期間が経過した場合に、前記更新手段により前記第1の表示態様を更新させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VG5。
遊技機VG5によれば、遊技機VG1からVG4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の表示態様が表示されてから所定期間が経過するまでは、更新手段によって第1の表示態様が更新されてしまうことを抑制することができる。このように構成することで、表示された直後の第1の表示態様を遊技者に把握させ易くすることができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機VG1からVG5のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第1状態が終了する第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記第1演出を終了させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VG6。
遊技機VG6によれば、遊技機VG1からVG5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態が終了する第1タイミングとは異なる第2タイミングで第1演出を終了させることができるため、第1演出の演出内容を注視している遊技者に意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機VG6において、前記遊技機は、前記第1タイミングよりも後の前記第2タイミングが経過するまで前記第1演出を継続させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VG7。
遊技機VG7によれば、遊技機VG6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態が終了する第1タイミングよりも後の第2タイミングが経過するまで第1演出を継続させることができるため、第2状態が設定されている状況となった場合であっても、第1状態中と同様に第1方向へと遊技球を発射させ易くすることができるという効果がある。
遊技機VG6において、前記遊技機は、前記第1タイミングよりも前の前記第2タイミングが経過するまで前記第1演出を継続させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VG8。
遊技機VG8によれば、遊技機VG6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態が終了するよりも前に第1演出を終了させることができるため、実際に第1状態が終了するよりも前に、第1状態が終了し、第2状態が設定されることを遊技者に把握させ易くすることができるという効果がある。
遊技機VG3において、遊技球が入球可能な第1入球手段を有し、前記遊技機は、特定時間が経過した場合、或いは、前記第1入球手段へと遊技球が入球した場合に、前記第1演出を終了させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機VG8。
遊技機VG8によれば、遊技機VG3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、時間経過する前に第1入球手段へと遊技球が入球した場合にも第1演出を終了させることが可能となるため、第1演出が実行されている遊技中において、遊技球を発射する遊技を行うか否かを遊技者に選択させる楽しみを提供することができるという効果がある。
遊技機VG8において、前記遊技機は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1演出が終了する場合には、前記特定時間が経過した場合には表示され得ない特定表示態様が表示されるように構成されていることを特徴とする遊技機VG9。
遊技機VG9によれば、遊技機VG8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段へと遊技球を入球させたことに基づいて第1演出を終了させた場合には、特定表示態様が表示されるため、第1演出が終了した契機を遊技者に分かり易く把握させることができるという効果がある。
遊技機VG9において、前記遊技機は、前記特典遊技状態が設定されている状況の方が、前記特典遊技状態が設定されていない状況よりも前記第1入球手段へと遊技球を入球させ易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機VG10。
遊技機VG10によれば、遊技機VG9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技状態が設定されていない状況では、特典遊技状態中に実行される第1演出を終了させるための契機となる第1入球手段への遊技球の入球度合いを遊技者に把握されることが無いため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<5092シリーズ>
<特徴WA群>(電源投入後の通常状態において設定変更操作を介さずに、少なくとも所定期間、現状よりも高い段階の設定値に変更する)
操作可能な操作手段を有した遊技機において、前記遊技機に対して電源が投入された際に前記操作手段に対して特定の操作が行われたことに基づいて、前記遊技機を初期化する初期化手段と、前記初期化手段によって前記遊技機が初期化された場合に成立し得る所定の設定条件が成立したことに基づいて、遊技に関する所定の結果の出力の設定に用いる複数段階の設定値のうち1の設定値に設定することが可能な設定手段と、前記初期化手段によって前記遊技機が初期化された場合に、前記遊技機の遊技状態を所定の遊技状態に設定する遊技状態設定手段と、前記複数段階の設定値として第1の設定値が設定されている前記所定の遊技状態において第1条件が成立したことに基づいて、前記第1の設定値よりも高い段階に対応する第2の設定値に変更する第1変更手段と、その第1変更手段によって前記第2の設定値に変更された後で第2条件が成立したことに基づいて、前記第2の設定値よりも低い段階に対応する設定値に変更する第2変更手段と、少なくとも前記所定の遊技状態において前記第1条件が成立したことに基づいて、所定の報知を実行可能な報知手段と、を備え、前記第1条件と前記第2条件とは、少なくとも前記遊技機の電源が遮断されずに前記所定の遊技状態が継続していたとしても成立し得る条件であり、前記遊技機は、前記初期化手段による前記遊技機の初期化を伴わずに前記遊技機に対して電源が投入された場合に、前記遊技機の電源が遮断される前の設定値とは異なる設定値が設定され得る構成であることを特徴とする遊技機WA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技機の状態として、有利度合い等が異なる複数の状態を設けているものも存在する(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機においては、遊技機の状態を好適に報知することが困難になる場合があるという問題点がある。
これに対して遊技機WA1によれば、所定の報知によって第1条件が成立して第2の設定値に変更されたということを遊技者に対して報知することができるので、遊技機の状態を好適に報知することができるという効果がある。
遊技機WA1において、特定の制御条件が成立したことに基づいて、設定されている前記設定値を用いて特定制御を実行する特定制御手段と、その特定制御手段による前記特定制御の結果として実行される演出であって所定の動的表示が少なくとも実行される特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出において予め定められた特定の判別結果が報知された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機WA2。
遊技機WA2によれば、遊技機WA1の奏する効果に加え、特定制御手段による設定値を加味した単一の特定制御によって特定演出の演出態様を決定することができるので、特定演出の演出態様を決定するための処理負荷を軽減させることができるという効果がある。
遊技機WA1において、所定の制御条件が成立したことに基づいて、設定されている前記設定値を用いずに所定の判別に対応する第1の制御を実行する第1制御手段と、設定されている前記設定値と前記第1の制御の結果とを少なくとも用いて前記所定の判別に対応する第2の制御を実行する第2制御手段と、前記第2の制御の結果として実行される演出であって所定の動的表示が少なくとも実行される特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出において予め定められた特定の判別結果が報知された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機WA3。
遊技機WA3によれば、遊技機WA1の奏する効果に加え、第1制御手段の制御と設定されている設定値とを加味した第2制御手段の制御によって特定演出の演出態様を決定することができるので、特定演出の演出態様を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機WA1からWA3のいずれかにおいて、前記所定の報知は、前記第1条件が成立するよりも前の前記所定の遊技状態では実行されない報知であることを特徴とする遊技機WA4。
遊技機WA4によれば、遊技機WA1からWA3のいずれかが奏する効果に加え、所定の報知が実行された場合に、第1条件が成立したと確信させることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA3のいずれかにおいて、前記所定の報知は、前記第1条件が成立するよりも前の前記所定の遊技状態において第3条件が成立したことに基づいて第1の割合で実行される報知であり、前記所定の遊技状態において前記第1条件が成立したことに基づいて前記第1の割合よりも高い第2の割合で実行される報知であり、前記遊技機は、前記第3条件が成立する前の前記所定の遊技状態における設定値が、前記第3条件が成立した後も維持される構成であることを特徴とする遊技機WA5。
遊技機WA5によれば、遊技機WA1からWA3のいずれかが奏する効果に加え、所定の報知の実行状況に応じて単に第3条件が成立したのか、第1条件が成立して設定値が上昇したのかを予測させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA5のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記遊技機の電源が遮断される際に第1特定条件が成立していれば、前記初期化手段による前記遊技機の初期化を伴わずに前記遊技機に対して電源が投入された場合に、前記遊技機の電源が遮断される前の設定値と同一の設定値が設定され、前記遊技機の電源が遮断される際に前記第1特定条件とは異なる第2特定条件が成立していれば、前記初期化手段による前記遊技機の初期化を伴わずに前記遊技機に対して電源が投入された場合に、前記遊技機の電源が遮断される前の設定値とは異なる設定値が設定される構成であることを特徴とする遊技機WA6。
遊技機WA6によれば、遊技機WA1からWA5のいずれかが奏する効果に加え、第1特定条件が成立しているか、第2特定条件が成立しているかによって、設定値が変更されるか否かが可変するので、特に、遊技機に対して電源が投入された後において遊技を行われていない可能性が高い遊技機で遊技を開始しようとする遊技者に対して、前回の電源の遮断時に第2特定条件が成立していたのか否かを予測して遊技機を選択する遊技性を実現することができる。
遊技機WA1からWA5のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記遊技機の電源が遮断される毎に、前記遊技機の電源が遮断される前の設定値とは異なる設定値が設定され得る構成であることを特徴とする遊技機WA7。
遊技機WA7によれば、遊技機WA1からWA5のいずれかが奏する効果に加え、遊技機の電源が遮断される毎に異なる設定値に設定される可能性があるため、特に、遊技機に対して電源が投入された後において遊技を行われていない可能性が高い遊技機で遊技を開始しようとする遊技者に対して、前回の電源の遮断時における設定値を予測して現在の設定値が有利な設定値に変更されている可能性があるか否かをも予測させる遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機WA1からWA7のいずれかにおいて、前記第1条件は、前記第2条件が成立した後においても再度成立し得る条件であることを特徴とする遊技機WA8。
遊技機WA8によれば、遊技機WA1からWA7のいずれかが奏する効果に加え、第2条件が成立して第1の設定値に戻った後においても、再度第1条件が成立して第2の設定値に変更される可能性があるため、第2条件が成立した場合に遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機WA1からWA7のいずれかにおいて、前記第1条件は、前記遊技機が初期化されるまでの間において1回のみ成立し得る条件であることを特徴とする遊技機WA9。
遊技機WA9によれば、遊技機WA1からWA7のいずれかが奏する効果に加え、第1条件が1回のみしか成立しないので、初期化後一度も第1条件が成立していない可能性が高い遊技機において遊技を行いたいと思わせることができる。よって、初期化後の可能性が高い遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA9のいずれかにおいて、前記第1変更手段は、前記第1条件の成立時点において設定されている設定値に応じて、前記第2の設定値として設定され得る設定値が異なり得る構成であることを特徴とする遊技機WA10。
遊技機WA10によれば、遊技機WA1からWA9のいずれかが奏する効果に加え、第1条件の成立前における設定値に応じて、第2の設定値として設定され得る設定値が異なるので、設定されている設定値をより正確に推測したいと遊技者に対して思わせることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA9のいずれかにおいて、前記第1変更手段は、前記第1条件の成立時点において設定されている設定値によらず、共通の設定値として前記第2の設定値に変更可能な構成であることを特徴とする遊技機WA11。
遊技機WA11によれば、遊技機WA1からWA9のいずれかが奏する効果に加え、第1条件の成立前における設定値によらず、共通して第2の設定値に変更することができるので、第1条件の成立時点で低い段階の設定値に設定されているほど、第1条件が成立した場合における利益を相対的に高めることができる。よって、第1条件が成立することをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA11のいずれかにおいて、前記第1条件は、前記所定の遊技状態においてのみ成立し得る条件であることを特徴とする遊技機WA12。
遊技機WA12によれば、遊技機WA1からWA11のいずれかが奏する効果に加え、一般的名遊技機において不利となる初期化後の所定の遊技状態においてのみ、第1条件が成立し得るので、不利な所定の遊技状態が少なくとも第1条件が成立するまで継続することを期待させる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA11のいずれかにおいて、前記第1条件は、前記所定の遊技状態よりも有利度合いが高い特定の遊技状態においても成立し得る条件であることを特徴とする遊技機WA13。
遊技機WA13によれば、遊技機WA1からWA11のいずれかが奏する効果に加え、所定の遊技状態以外の遊技状態においても第1条件が成立し得るので、第1条件が成立する頻度をより向上させることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA13のいずれかにおいて、前記遊技機は、所定の制御条件が成立したことに基づいて、設定されている前記設定値を用いずに所定の判別に対応する第1の制御を実行する第1制御手段と、設定されている前記設定値と前記第1の制御の結果とを少なくとも用いて前記所定の判別に対応する第2の制御を実行する第2制御手段と、前記第2の制御の結果として実行される演出であって所定の動的表示が少なくとも実行される特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出において予め定められた特定の判別結果が報知された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記特定演出実行手段は、前記第2の制御の結果に対応する前記特定演出が実行不可能となり得る所定の異常が発生した場合に、前記第1の制御の結果に対応する前記特定演出を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機WA14。
遊技機WA14によれば、遊技機WA1からWA13のいずれかが奏するこうかに加え、設定値を用いた第2の制御を実行することができない所定の異常が発生したとしても、第1の制御の結果のみを用いて特定演出を実行することができるので、特定演出を実行することができなくなる重篤な不具合の発生を抑制することができるという効果がある。
遊技機WA1からWA13のいずれかにおいて、前記遊技機は、所定の制御条件が成立したことに基づいて、設定されている前記設定値を用いずに所定の判別に対応する第1の制御を実行する第1制御手段と、設定されている前記設定値と前記第1の制御の結果とを少なくとも用いて前記所定の判別に対応する第2の制御を実行する第2制御手段と、前記第2の制御の結果として実行される演出であって所定の動的表示が少なくとも実行される特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出において予め定められた特定の判別結果が報知された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2の制御の結果に対応する前記特定演出が実行不可能となり得る所定の異常が発生した場合に、新たに設定値を特定する特定手段と、を有し、前記第2制御手段は、前記所定の以上が発生した場合に、前記特定手段によって特定された前記設定値を少なくとも用いて前記第2の制御を実行可能であることを特徴とする遊技機WA15。
遊技機WA15によれば、遊技機WA1からWA13のいずれかが奏する効果に加え、所定の異常が発生したとしても、設定値を新たに特定して第2の制御を実行することができるので、所定の異常の発生有無によらず、第2の制御を確実に実行することができるという効果がある。
遊技機WA1からWA15のいずれかにおいて、前記遊技機は、所定の実行条件が成立したことに基づいて、所定の動的表示が少なくとも実行される特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出において予め定められた特定の判別結果が報知された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記第2条件は、予め定められた第1回数の前記特定演出が実行されたことに基づいて成立し得る条件であることを特徴とする遊技機WA16。
遊技機WA16によれば、遊技機WA1からWA15のいずれかが奏する効果に加え、第1条件が成立した場合に、第1回数の特定演出が実行されるまでに特定の判別結果が報知されることを強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA15のいずれかにおいて、前記遊技機は、操作可能な特定操作手段を有し、前記第2条件は、少なくとも前記特定操作手段に対して特定の操作内容の操作を行った場合に成立し得る条件であることを特徴とする遊技機WA17。
遊技機WA17によれば、遊技機WA1からWA15のいずれかが奏する効果に加え、特定の操作内容の操作を行うことで設定値が低い設定値に変更される可能性があるため、特定の操作内容の操作をなるべく行わずに遊技を進行したいと思わせることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA17のいずれかにおいて、前記所定の遊技状態は、遊技者にとって有利度合いが最も低い遊技状態であることを特徴とする遊技機WA18。
遊技機WA18によれば、遊技機WA1からWA17のいずれかが奏する効果に加え、有利度合いが最も低い所定の遊技状態においてのみ、第2の設定値に設定され得るので、第1条件が成立するまで低い有利度合いの状態が継続することを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機WA1からWA17のいずれかにおいて、前記所定の遊技状態は、遊技者にとって有利度合いが最も高い遊技状態であることを特徴とする遊技機WA19。
遊技機WA19によれば、遊技機WA1からWA17のいずれかが奏する効果に加え、有利度合いが最も高い所定の遊技状態において、第1条件が成立することで更に有利度合いが高くなるので、所定の遊技状態における期待感をより向上させることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA19のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第1条件として、第1の第1条件と、その第1の第1条件とは少なくとも異なる第2の第1条件と、を少なくとも有しており、前記報知手段は、前記所定の報知として、前記第1の第1条件が成立した場合には実行されない特定の報知を、前記第2の第1条件が成立したことに基づいて実行可能な構成であることを特徴とする遊技機WA20。
遊技機WA20によれば、遊技機WA1からWA19のいずれかが奏する効果に加え、第2の第1条件が成立した場合には特定の報知が実行されるが、第1の第1条件が成立した場合には特定の報知が実行されないので、第2の第1条件が成立することをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA19のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記第1条件として、第1の第1条件と、その第1の第1条件とは少なくとも異なる第2の第1条件と、を少なくとも有しており、前記報知手段は、前記所定の報知として、複数の異なる種別のうち1の種別の前記所定の報知を実行可能な構成であり、前記所定の報知として、前記第1の第1条件が成立したか、前記第2の第1条件が成立したかによらず、前記複数の異なる種別の全てが実行され得る構成であることを特徴とする遊技機WA21。
遊技機WA21によれば、遊技機WA1からWA19のいずれかが奏する効果に加え、成立した第1条件の種別によらず、全ての所定の報知の種別が設定され得るので、成立した第1条件の種別によらず所定の報知に対して期待させることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA21のいずれかにおいて、前記遊技機は、所定の実行条件が成立したことに基づいて、所定の動的表示が少なくとも実行される特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出において予め定められた特定の判別結果が報知された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記第1条件は、予め定められた第2回数の前記特定演出が実行されたことに基づいて成立し得る条件であることを特徴とする遊技機WA22。
遊技機WA22によれば、遊技機WA1からWA21のいずれかが奏する効果に加え、所定の遊技状態において、第2回数の特定演出が実行されることを強く期待させることができるので、所定の遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機WA1からWA21のいずれかにおいて、前記遊技機は、操作可能な特定操作手段を有し、前記第1条件は、少なくとも前記特定操作手段に対して所定の操作内容の操作を行った場合に成立し得る条件であることを特徴とする遊技機WA23。
遊技機WA23によれば、遊技機WA1からWA21のいずれかが奏する効果に加え、特定の操作内容の操作を行うことで設定値が第2の設定値に変更される可能性があるため、遊技者に対して積極的に特定の操作内容の操作を行わせることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA23のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記初期化手段による前記遊技機の初期化を伴わずに前記遊技機に対して電源が投入された場合に、前記第2の設定値が設定され得る構成であることを特徴とする遊技機WA24。
遊技機WA24によれば、遊技機WA1からWA23のいずれかが奏する効果に加え、電源が投入された直後にも第1条件が成立した場合と同様に第2の設定値に設定される可能性があるため、電源が投入された後の状態である可能性が高い遊技機において遊技を行いたいと思わせることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA23のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記初期化手段による前記遊技機の初期化を伴わずに前記遊技機に対して電源が投入され、前記遊技機の電源が遮断される前の設定値とは異なる設定値が設定される場合に、前記第2の設定値よりも低い段階に対応する設定値が設定される構成であることを特徴とする遊技機WA25。
遊技機WA25によれば、遊技機WA1からWA23のいずれかが奏する効果に加え、電源が投入された直後に過剰に有利となり過ぎることを抑制できると共に、第1条件が成立した場合における遊技者の期待感をより高めることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA25のいずれかにおいて、前記遊技機は、所定の実行条件が成立したことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出において予め定められた特定の判別結果が報知された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記報知手段は、前記特定演出の実行中において前記所定の報知を実行可能であり、前記特定演出の演出結果によらない共通の態様で前記所定の報知を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機WA26。
遊技機WA26によれば、遊技機WA1からWA25のいずれかが奏する効果に加え、特定演出の演出結果とは無関係に所定の報知を実行することができるので、特定演出の種別によって所定の報知が実行されなくなってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機WA1からWA25のいずれかにおいて、前記遊技機は、所定の実行条件が成立したことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出において予め定められた特定の判別結果が報知された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有し、前記報知手段は、前記特定演出の実行中において前記所定の報知を実行可能であり、前記所定の報知は、前記特定の判別結果が報知される前記特定演出において実行が回避される構成であることを特徴とする遊技機WA27。
遊技機WA27によれば、遊技機WA1からWA25のいずれかが奏する効果に加え、所定の報知を確認したいと考える遊技者に対して、特定演出において特定の判別結果が報知されないことを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機WA1からWA27のいずれかにおいて、前記設定手段は、前記所定の設定条件が成立したことに基づいて、前記第2の設定値を設定可能な構成であることを特徴とする遊技機WA28。
遊技機WA28によれば、遊技機WA1からWA27のいずれかが奏する効果に加え、所定の設定条件が成立した場合に、最初から比較的高い段階である第2の設定値に設定される場合もあるため、遊技者に対して第2の設定値に設定されていることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機WA1からWA27のいずれかにおいて、前記設定手段は、前記所定の設定条件が成立したことに基づいて、前記第2の設定値よりも低い段階に対応する設定値を設定する構成であることを特徴とする遊技機WA29。
遊技機WA29によれば、遊技機WA1からWA27のいずれかが奏する効果に加え、第1条件が成立した場合に設定値が上昇する余地を残すことができるので、所定の設定条件が成立した場合に設定される設定値によらず、第1条件が成立することを期待させることができるという効果がある。
<特徴WB群>(ある状態では、所定条件が成立する毎に有利度合いに関する所定の計数値を更新し、別の状態では所定条件が成立しても所定の計数値を更新しない)
所定の表示態様を表示可能な表示手段を有した遊技機において、所定の設定条件が成立したことに基づいて、第1状態と、その第1状態とは異なる第2状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態を設定する状態設定手段と、所定条件が成立したことに基づいて、遊技に関する所定の計数値を更新することが可能な更新手段と、少なくとも前記第1状態において、前記所定の計数値の更新が第1所定数となった場合に少なくとも成立し得る第1条件が成立する毎に、前記所定の計数値が更新されたことを示す第1の報知を実行可能な第1報知手段と、少なくとも前記第1状態において、前記所定の計数値の更新が前記第1所定数よりも多い第2所定数となった場合に少なくとも成立し得る第2条件が成立する毎に、遊技者の有利度合いに関連する第2の報知を実行する第2報知手段と、を備え、前記更新手段は、前記第1状態において前記所定条件が成立した場合に前記所定の計数値を更新し、前記第2状態において前記所定条件が成立した場合に前記所定の計数値を更新しない構成であり、前記遊技機は、前記第2報知手段によって実行される前記第2の報知の種別として、第1報知種別と、その第1報知種別よりも高い有利度合いに対応する第2報知種別と、を少なくとも含む複数の種別を有していることを特徴とする遊技機WB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、興趣演出の一環として、有利度合いを報知する演出を実行可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、有利度合いの報知を好適に実行することが困難になってしまう場合があるという問題点がある。
これに対して遊技機WB1によれば、有利度合いを好適に報知することができるという効果がある。
遊技機WB1において、前回の第2の報知が実行された時点よりも遊技者の有利度合いが低下していたとしても、前記第2の報知において遊技者の有利度合いが低下したことが示されない構成であることを特徴とする遊技機WB2。
遊技機WB2によれば、遊技機WB1の奏する効果に加え、有利度合いが低下したとしても有利度合いが低下したことを示さない構成としているので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機WB2において、前記第2報知手段は、前回の第2の報知が実行された時点よりも遊技者の有利度合いが低下している状況下において前記第2の報知が実行される場合に、前記第1報知種別の前記第2の報知を実行可能であって前記第2報知種別の前記第2報知を実行しない構成であり、前記第1報知種別は、有利度合いが維持されたことを遊技者に対して示唆可能な報知であり、前記第1報知種別は、有利度合いが上昇したことを遊技者に対して示唆可能な報知であることを特徴とする遊技機WB3。
遊技機WB3によれば、遊技機WB2の奏する効果に加え、有利度合いが低下したとしても、有利度合いが維持されていることを示唆することができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機WB3において、前記遊技機は、前記第2報知手段によって実行される前記第2の報知の種別として、前記第1報知種別と、前記第2報知種別と、前記第1報知種別とも前記第2報知種別とも異なる第3報知種別と、を少なくとも含む複数の種別を有しており、前記第2報知手段は、前回の第2の報知が実行された時点よりも遊技者の有利度合いが低下している状況下において前記第2の報知が実行される場合に、前記第1報知種別の前記第2の報知と前記第3報知種別の前記第2の報知とを実行可能な構成であり、前記第3報知種別は、有利度合いが変更されたことを遊技者に対して示唆可能な報知であって有利度合いが低下したのか上昇したのかを特定することが困難な報知であることを特徴とする遊技機WB4。
遊技機WB4によれば、遊技機WB3の奏する効果に加え、有利度合いが低下した状況下で第3報知種別の第2の報知が実行されることで、有利度合いが変更されたことのみを報知することができ、有利度合いが低下したにもかかわらず有利度合いが上昇したのかもしれないと遊技者に対して期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機WB1からWB4のいずれかにおいて、特定回数の前記第2の報知が行われた後は、少なくとも前記第1状態が継続している間において前記第2条件が成立したとしても前記第2の報知が行われなくなる構成であることを特徴とする遊技機WB5。
遊技機WB5によれば、遊技機WB1からWB4のいずれかが奏する効果に加え、特定回数の第2の報知が行われるまでの間に限り、第2条件が成立する毎に第2の報知が実行されるので、第2の報知の回数が特定回数未満の範囲において、第2条件の成立有無に対して頼注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機WB1からWB5のいずれかにおいて、前記遊技機に対して電源が投入された際に所定条件が成立していた場合に、前記遊技機を初期化する初期化手段と、前記初期化手段によって前記遊技機が初期化された場合に成立し得る所定の設定条件が成立したことに基づいて、複数段階の設定値のうち1の設定値に設定することが可能な設定手段と、前記第1状態において前記第2条件が成立する毎に、前記設定値を予め定められた特定の順序で切り替えることが可能な設定値切替手段と、を備え、前記第2の報知は、設定されている前記設定値を示唆可能な報知であることを特徴とする遊技機WB6。
遊技機WB6によれば、遊技機WB1からWB5のいずれかが奏する効果に加え、設定されている設定値を第2の報知によって示唆することができるので、第2の報知の内容に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機WB6において、前記第2報知手段は、当該第2の報知の実行契機となった前記第2条件が成立する前の前記設定値と前記第2条件が成立した後の設定値との差分に応じた種別の前記第2の報知を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機WB7。
遊技機WB7によれば、遊技機WB6の奏する効果に加え、第2条件の成立前後における設定値の変化を第2の報知によって推測させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機WB7において、前記第1状態において第3条件が成立したことに基づいて、当該第3条件の成立時点で設定されている設定値を示唆する所定の示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機WB8。
遊技機WB8によれば、遊技機WB7の奏する効果に加え、所定の示唆演出の内容から設定値を推測させる遊技性を実現することができる上に、第2の報知の内容と合わせて、設定値がどのように推移しているのかをも推測させる遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴WC群>(遊技中に特定条件が成立する毎に、有利度合いを予め定められた順番で変更する)
所定の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、遊技に関する所定の設定値を、第1設定値と、その第1設定値よりも前記特典遊技が実行され易くなる第2設定値と、を少なくとも含む複数のうち1の設定値に設定可能な設定手段と、操作可能な操作手段と、前記操作手段に対して特定の操作が行われたことに基づいて、前記遊技機を初期化する初期化手段と、を備え、前記設定手段は、前記初期化手段によって前記遊技機が初期化された後において、予め定められた特定条件が成立する毎に、予め定められた順序で前記所定の設定値を設定可能な構成であることを特徴とする遊技機WC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技状態として、有利度合い等が異なる複数を設けているものも存在する(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、抽選結果が当たりとなる確率として、互いに異なる確率に対応する複数段階の設定値のうち1の設定値を設定可能なものも知られており、設定値に応じて有利度合いを異ならせることにより、より高い設定値が設定されていることに期待させる遊技性をも実現可能に構成することで、興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機においては、少なくとも遊技を継続している間において設定値が変更されることがないため、遊技機に設定されている設定値が低い段階の設定値であると遊技者に推測されてしまうと、当該遊技機での遊技を継続したいと思わせ難くなってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機WC1によれば、特定条件が成立する毎に、特典遊技の実行されやすさに対応する設定値を切り替えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機WC1において、前記設定手段によって前記所定の設定値を設定する順序を規定した規定情報を少なくとも記憶した規定情報記憶手段を備え、前記設定手段は、前記初期化手段によって前記遊技機が初期化された後において前記特定条件が成立する毎に、前記規定情報に規定された順序で前記所定の設定値を設定可能な構成であることを特徴とする遊技機WC2。
遊技機WC2によれば、遊技機WC1の奏する効果に加え、所定の設定値を設定する順序が規定情報に規定されているので、所定の設定値をより正確に設定することができるという効果がある。
遊技機WC2において、前記規定情報記憶手段は、前記規定情報として、第1規定情報と、その第1規定情報とは異なる第2規定情報と、を少なくとも含む複数の前記規定情報が記憶されており、前記遊技機は、前記初期化手段によって前記遊技機が初期化されたことに基づいて、前記複数の前記規定情報のうち1の前記規定情報を選択する選択手段を有し、前記設定手段は、前記初期化手段によって前記遊技機が初期化された後において前記特定条件が成立する毎に、前記選択手段によって選択された前記規定情報に規定された順序で前記所定の設定値を設定可能な構成であることを特徴とする遊技機WC3。
遊技機WC3によれば、遊技機WC2の奏する効果に加え、選択手段によって選択された規定情報に応じた順序で所定の設定値を設定していくことができるので、所定の設定値の推移を多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機WC3において、操作可能な第2操作手段を備え、前記選択手段は、前記第2操作手段に対する操作内容に応じて1の前記規定情報を選択可能な構成であることを特徴とする遊技機WC4。
遊技機WC4によれば、遊技機WC3の奏する効果に加え、遊技機の初期化時に第2操作手段を操作することで任意の規定情報を選択することができるので、ホールの経営方針等に応じた規定情報をホールの店員等が反映させることができる。よって、ホールにとって扱い易い遊技機を実現することができるという効果がある。
遊技機WC1からWC3のいずれかにおいて、前記特定条件が成立したことに基づいて、前記設定手段によって設定された前記所定の設定値を示唆可能な特定演出を実行する特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機WC4。
遊技機WC4によれば、遊技機WC1からWC3の奏する効果に加え、特定演出の内容によって設定された所定の設定値を推測する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機WC4において、前記特定演出は、前記特定条件が成立する前の前記所定の設定値と、前記特定条件が成立した後の前記所定の設定値との差分を示唆可能な演出であることを特徴とする遊技機WC5。
遊技機WC5によれば、遊技機WC4の奏する効果に加え、特定条件の成立前後における設定値の変化を第2の報知によって推測させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機WC1からWC5のいずれかにおいて、前記設定手段は、初期化手段によって前記遊技機が初期化された後において、前記特定条件の成立回数が特定回数となるまでの間において、前記特定条件が成立する毎に、予め定められた順序で前記所定の設定値を設定可能な構成であることを特徴とする遊技機WC6。
遊技機WC6によれば、遊技機WC1からWC5のいずれかが奏する効果に加え、設定手段によって所定の設定値が設定される回数が特定回数までに限定されているので、所定の設定値を設定する順序を規定したデータが膨大となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機WC6において、前記特定条件の成立回数が前記特定回数となって設定される前記所定の設定値は、前記特典遊技が最も実行され易くなる設定値であることを特徴とする遊技機WC7。
遊技機WC7によれば、遊技機WC6の奏する効果に加え、特定回数の特定条件が成立することで最も有利度合いが高くなるため、特定回数の特定条件が成立することを期待して遊技を継続させることができる。よって、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機WC1からWC7のいずれかにおいて、所定の設定条件が成立したことに基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも有利度合いが高い第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段を備え、前記特定条件は、前記第1遊技状態でのみ成立し得る条件であることを特徴とする遊技機WC8。
遊技機WC8によれば、有利度合い低い第1遊技状態において所定の設定値が設定される可能性があるため、第1遊技状態がより長く継続することを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機WC8において、前記第1の遊技状態は、少なくとも前記初期化手段によって前記遊技機が初期化された場合に設定される遊技状態であることを特徴とする遊技機WC9。
遊技機WC9によれば、遊技機WC8の奏する効果に加え、初期化後の遊技状態が長く継続することを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
<特徴WD群>(高い有利度合いに対応する設定よりも低い有利度合いに対応する設定の方が成立し易い所定条件が成立したことに基づいて、有利度合いが高くなる特定制御を実行する)
遊技者の有利度合いに関する特定要素の状態を、第1の有利度合いに対応する第1状態と、前記第1の有利度合いよりも高い第2の有利度合いに対応する第2状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態に設定することが可能な特定要素設定手段を有した遊技機において、遊技に関する特定値を定期的に更新可能な更新手段と、所定の識別条件が成立したことに基づいて、前記特定値を識別する識別手段と、その識別手段によって識別された前記特定値を少なくとも用いて判別を実行可能な判別手段と、少なくとも所定の遊技状態において、前記判別手段の判別で所定の判別結果と判別されたことに基づいて、当該所定の判別結果となる前の状態よりも遊技者に有利となり易いことを示す状態にするための特定制御を実行可能な制御手段と、を備え、前記遊技機は、前記特定要素が前記第2状態に設定されている場合よりも前記第1状態に設定されている場合の方が前記特定制御が実行され易くなる構成であり、前記所定の遊技状態において前記所定の判別結果となって前記特定制御が実行された場合に、当該特定制御が実行された後の遊技状態が前記所定の遊技状態に維持され得る構成であることを特徴とする遊技機WD1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
また、上述した従来型の遊技機の中には、当たり種別に応じて当たり状態が終了した後における遊技状態も異ならせることが可能に構成しているものも存在し、当たり状態が終了した後における興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、各遊技状態の有利度合いが固定化されているため、遊技が単調となってしまう虞があるという問題点があった。
これに対して遊技機WD1によれば、有利な第2遊技状態においては、特定要素が有利度合いの低い第1状態に設定されている方が特定制御が実行され易くなるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機WD1において、前記特定要素設定手段は、前記第1状態と、前記第2状態と、前記第2の有利度合いよりも高い第3の有利度合いに対応する第3状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態に設定することが可能な構成であり、前記遊技機は、前記特定要素が前記第3状態に設定されている場合に前記特定制御が実行されない構成であることを特徴とする遊技機WD2。
遊技機WD2によれば、遊技機WD1の奏する効果に加え、有利度合いが高い第3状態に設定されていると、特定制御が実行されなくなるので、特定制御が実行されることを期待する遊技者に対して、第3状態に設定されていないことを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機WD1又はWD2において、第1の設定条件が成立したことに基づいて、第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段を備え、前記所定の遊技状態は、少なくとも前記第1遊技状態よりも有利度合いが高い遊技状態であることを特徴とする遊技機WD3。
遊技機WD3によれば、遊技機WD1又はWD2の奏する効果に加え、有利度合いが低い状態に設定されているほど、有利度合いが高い所定の遊技状態となることをより強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機WD3において、前記所定の遊技状態において第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記所定の遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段を備え、前記特定制御は、当該特定制御が終了するまで前記第2の設定条件が成立し難くなる制御であることを特徴とする遊技機WD4。
遊技機WD4によれば、遊技機WD3の奏する効果に加え、特定制御が実行されると第2遊技状態に設定される可能性が低くなるため、特定制御が実行されることを強く期待させることができる。よって、所定の遊技状態における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機WD1からWD4のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記所定の遊技状態において、前記判別手段の判別で前記所定の判別結果と1回判別されるよりも、前記所定の判別結果が2回連続した場合の方が、前記特定制御を実行する可能性が高くなる構成であることを特徴とする遊技機WD5。
遊技機WD5によれば、遊技機WD1からWD4のいずれかが奏する効果に加え、所定の遊技状態において所定の判別結果が連続することを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機WD5において、前記制御手段は、前記所定の遊技状態において、前記判別手段の判別で前記所定の判別結果が連続した回数が多くなるほど、前記特定制御を実行する可能性が高くなる構成であることを特徴とする遊技機WD6。
遊技機WD6によれば、遊技機WD5の奏する効果に加え、特定制御の連続回数が多くなるほど特定制御が実行される可能性が高くなる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機WD1からWD6のいずれかにおいて、前記判別手段の判別で前記所定の判別結果とは異なる特定の判別結果と判別されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段を備え、前記第2状態は、前記第1状態よりも、前記特定の判別結果と判別される確率が高い状態であることを特徴とする遊技機WD7。
遊技機WD7によれば、遊技機WD1からWD6のいずれかが奏する効果に加え、第2状態は第1状態よりも特定の判別結果と判別される確率が高いので、第2状態に設定されていることをより強く期待させることができるという効果がある。
<特徴WE群>(特定演出の実行期間において、遊技機の正面とは少なくとも異なる所定方向へ向けて出力される所定の音声と、遊技機の正面から視認可能な演出態様と、を少なくとも設定する)
所定の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別で特定の判別結果と判別されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記遊技機の正面方向から視認可能な表示画面を少なくとも有する表示手段と、所定の音声を、前記遊技機の正面方向を視認している遊技者に対して直接的に到達し難くなる所定方向に向けて出力することが可能な音声出力手段と、所定の実行条件が成立したことに基づいて、前記表示手段の表示画面に表示される特定の表示態様と前記音声出力手段により出力される特定の音声の出力とによって前記判別手段の判別の有利度合いを示唆可能な特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備え、前記遊技機は、前記特定演出の種別として、前記判別手段の判別の有利度合いが第1の有利度合いに対応する第1特定演出と、前記第1の有利度合いよりも高い第2の有利度合いに対応する第2特定演出と、を少なくとも有しており、前記特定の音声の種別として、少なくとも前記第1特定演出において出力される第1特定音声と、少なくとも前記第2特定演出において出力される音声であって前記第1特定音声とは異なる音声である第2特定音声と、を少なくとも有することを特徴とする遊技機WE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカ等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化し、興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣向上が求められている。
これに対して遊技機WE1によれば、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機WE1において、前記第1特定演出と前記第2特定演出とは、前記特定の表示態様として共通の表示態様が表示される構成であることを特徴とする遊技機WE2。
遊技機WE2によれば、遊技機WE1の奏する効果に加え、特定演出が実行された場合に、音声態様を把握したいとより強く考えさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機WE1において、前記特定演出実行手段は、前記第1特定演出において第1の表示態様を表示させ、前記第2特定演出において前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様を表示させることが可能な構成であることを特徴とする遊技機WE3。
遊技機WE3によれば、遊技機WE1の奏する効果に加え、表示態様から特定演出の種別を予測させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機WE1からWE3のいずれかにおいて、所定の設定条件が成立したことに基づいて、前記判別手段の判別の有利度合いに対応する複数段階の設定値のうち1の設定値を設定可能な設定値設定手段を備え、前記特定演出実行手段は、設定されている前記設定値を示唆可能な演出であることを特徴とする遊技機WE4。
遊技機WE4によれば、遊技機WE1からWE3のいずれかが奏する効果に加え、特定演出によって設定値を示唆することができるので、特定演出に対してより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機WE1からWE4のいずれかにおいて、前記特定の表示態様は、第1の有利度合いを示唆可能な第1の表示態様と、前記第1の有利度合いとは異なる第2の有利度合いを示唆可能な第2の表示態様と、を少なくとも含む複数の表示態様を含んで構成され、前記特定の音声は、前記複数の表示態様のうち1の表示態様を特定し得る音声態様で構成されていることを特徴とする遊技機WE5。
遊技機WE5によれば、遊技機WE1からWE4のいずれかが奏する効果に加え、表示態様と音声態様との両方を把握することで正確な示唆内容を把握することができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴WF群>(所定要素を加味しない判別を実行した後で、所定要素を加味した判別を実行することで最終的な判別結果を決定する)
操作可能な操作手段を有した遊技機において、前記遊技機に対して電源が投入された際に前記操作手段に対して特定の操作が行われたことに基づいて、前記遊技機を初期化する初期化手段と、前記初期化手段によって前記遊技機が初期化された場合に成立し得る所定の設定条件が成立したことに基づいて、遊技に関する所定の結果の出力の設定に用いる複数段階の設定値のうち1の設定値に設定することが可能な設定手段と、所定の制御条件が成立したことに基づいて、設定されている前記設定値を用いずに所定の判別に対応する第1の制御を実行する第1制御手段と、設定されている前記設定値と前記第1の制御の結果とを少なくとも用いて前記所定の判別に対応する第2の制御を実行する第2制御手段と、前記第2の制御の結果として実行される演出であって所定の動的表示が少なくとも実行される特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記特定演出において予め定められた特定の判別結果が報知された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機WF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、演出を好適に実行することが困難になってしまう場合があるという問題点がある。
これに対して遊技機WF1によれば、演出を好適に実行することができるという効果がある。
遊技機WF1において、前記所定の制御条件が成立した際に特定条件が成立していた場合に、前記第2制御手段による前記第2の制御の実行を抑制する抑制手段を備えることを特徴とする遊技機WF2。
遊技機WF2によれば、遊技機WF1の奏する効果に加え、特定条件が成立しているか否かに応じて、第2の制御を実行するか否かを異ならせることができるので、特定演出を多様化させることができるという効果がある。
遊技機WF2において、前記特定演出実行手段は、前記抑制手段によって前記第2の制御の実行が抑制された場合に、前記第1の制御の結果のみに基づく前記特定演出を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機WF3。
遊技機WF3によれば、遊技機WF2の奏する効果に加え、特定条件が成立しているか否かに応じて、設定されている設定値が反映された特定演出を実行するか、設定されている設定値が反映されない特定演出を実行するかを異ならせることができるので、特定演出をより好適に実行することができるという効果がある。
遊技機WF1からWF3のいずれかにおいて、所定の変更条件が成立したことに基づいて、前記設定値を変更することが可能な変更手段を備えることを特徴とする遊技機WF4。
遊技機WF4によれば、遊技機WF1からWF3のいずれかが奏する効果に加え、所定の変更条件が成立する毎に設定値を異ならせることができるので、遊技に関する所定の結果の出力の設定を多様化させることができるという効果がある。
遊技機WF4において、前記所定の変更条件は、前記遊技機が初期化されなくても成立し得る条件であることを特徴とする遊技機WF5。
遊技機WF5によれば、遊技機WF4の奏する効果に加え、遊技機が初期化されなくても設定値が変更され得る斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴WG群>(所定要素を加味した判別が実行される場合と、所定要素を加味しない判別が実行される場合と、を状況に応じて切り替える)
操作可能な操作手段を有した遊技機において、前記遊技機に対して電源が投入された際に前記操作手段に対して特定の操作が行われたことに基づいて、前記遊技機を初期化する初期化手段と、前記初期化手段によって前記遊技機が初期化された場合に成立し得る所定の設定条件が成立したことに基づいて、遊技に関する所定の結果の出力の設定に用いる複数段階の設定値のうち1の設定値に設定することが可能な設定手段と、所定の制御条件が成立したことに基づいて、設定されている前記設定値を少なくとも用いた第1の制御を実行する第1制御手段と、前記第1の制御の結果として実行される演出であって所定の動的表示が少なくとも実行される第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第1演出において予め定められた特定の判別結果が報知された場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、少なくとも前期所定の制御条件が成立する際に成立した状態となり得る特定条件が成立したことに基づいて、設定されている前記設定値を用いない第2の制御を実行する第2制御手段と、前記第2の制御の結果として実行される演出であって前記第1演出とは少なくとも異なる演出である第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機WG1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特開2003-325886号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機において、演出を好適に実行することが困難になってしまう場合があるという問題点がある。
これに対して遊技機WG1によれば、演出を好適に実行することができるという効果がある。
遊技機WG1において、前記第2演出が実行されている間は前記第1演出が実行されない構成であることを特徴とする遊技機WG2。
遊技機WG2によれば、遊技機WG1の奏する効果に加え、演出をより好適に実行することができるという効果がある。
遊技機WG1又はWG2において、前記特典遊技実行手段は、前記第2演出の実行中に前記特定の判別結果が報知された場合に、前記特典遊技を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機WG3。
遊技機WG3によれば、遊技機WG1又はWG2の奏する効果に加え、第1演出で特定の判別結果が報知された場合も第2演出で特定の判別結果が報知された場合も特典遊技が実行されるので、第1演出が実行されるか第2演出が実行されるかによらず、特典遊技に対する期待感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機WG1からWG3のいずれかにおいて、所定の変更条件が成立したことに基づいて、前記設定値を変更することが可能な変更手段を備えることを特徴とする遊技機WG4。
遊技機WG4によれば、遊技機WG1からWG3のいずれかが奏する効果に加え、所定の変更条件が成立する毎に設定値を異ならせることができるので、遊技に関する所定の結果の出力の設定を多様化させることができるという効果がある。
遊技機WG4において、前記所定の変更条件は、前記遊技機が初期化されなくても成立し得る条件であることを特徴とする遊技機WG5。
遊技機WG5によれば、遊技機WG4の奏する効果に加え、遊技機が初期化されなくても設定値が変更され得る斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴WH群>(初期化を伴わずに電源が投入された場合に、設定値が変更され得る)
所定の設定条件が成立したことに基づいて、複数段階の設定値のうち1の設定値に設定することが可能な設定手段を有した遊技機において、前記設定値として第1の設定値が設定されている状況下において予め定められた第1の切替条件が成立したことに基づいて、前記設定値を前記第1の設定値とは異なる段階に対応する第2の設定値に切り替えることが可能な第1切替手段と、前記第2の設定値に切り替えられた後で第2の切替条件が成立したことに基づいて、前記設定値を前記第2の設定値とは少なくとも異なる設定値に切り替えることが可能な第2切替手段と、前記第1の切替条件が成立したことに基づいて、特定の報知演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、前記第1の切替条件と前記第2の切替条件とは、少なくとも前記遊技機が初期化された後で前記遊技機の電源が遮断されず、且つ、前記遊技機が初期化されたことに基づいて設定される所定の遊技状態から変更されていなくても成立し得る条件であり、前記遊技機は、前記遊技機が初期化されずに前記遊技機に対して電源が投入された場合に、前記遊技機の電源が遮断される前の設定値とは異なる設定値に切り替えられ得る構成であることを特徴とする遊技機WH1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技機の状態として、有利度合い等が異なる複数の状態を設けているものも存在する(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機においては、遊技機の状態を好適に報知することが困難になる場合があるという問題点がある。
これに対して遊技機WH1によれば、特定の報知演出によって第1の切替条件が成立して第2の設定値に変更されたということを遊技者に対して報知することができるので、遊技機の状態を好適に報知することができるという効果がある。
遊技機WH1において、前記特定の報知演出は、前記遊技機が初期化されてから最初に前記第1の切替条件が成立するよりも前の前記所定の遊技状態では実行されない報知であることを特徴とする遊技機WH2。
遊技機WH2によれば、遊技機WH1が奏する効果に加え、特定の報知演出が実行された場合に、第1の切替条件が成立したと確信させることができるという効果がある。
遊技機WH1において、前記特定の報知演出は、前記遊技機が初期化されてから最初に前記第1の切替条件が成立するよりも前の前記所定の遊技状態において特定条件が成立したことに基づいて所定確率で実行される演出であり、前記第1の切替条件が成立したことに基づいて前記所定確率よりも高い確率で実行される演出であり、前記遊技機は、前記特定条件が成立する前の前記所定の遊技状態における設定値が、前記特定条件が成立した後も維持される構成であることを特徴とする遊技機WH3。
遊技機WH3によれば、遊技機WH1の奏する効果に加え、特定の報知演出の実行状況に応じて単に特定条件が成立したのか、第1切替条件が成立して設定値が切り替わったのかを予測させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機WH1からWH3のいずれかにおいて、所定の判別条件が成立したことに基づいて、第1判定を実行する第1判定手段と、前記第1判定の判定結果を少なくとも用いて第2判定を実行する第2判定手段と、前記第2判定の判定結果に応じて実行される演出であって所定の動的表示が少なくとも実行される動的表示演出を実行する動的表示演出実行手段と、前記動的表示演出において特定の判別結果に対応する演出結果となった場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1判定手段は、前記第1判定として設定されている前記設定値によらない判定を実行可能な構成であり、前記第2判定手段は、前記第2判定として設定されている前記設定値に応じて判定結果が異なり得る判定を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機WH4。
遊技機WH4によれば、遊技機WH1からWH3のいずれかが奏する効果に加え、第1判定の判定結果と設定されている設定値とを加味した第2判定によって動的表示演出の演出態様を決定することができるので、動的表示演出の演出態様を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機WH1からWH3のいずれかにおいて、特定の判別条件が成立したことに基づいて、所定の判定を実行する所定判定手段と、その所定判定手段の判定結果に応じて実行される演出であって所定の動的表示が少なくとも実行される動的表示演出を実行する動的表示演出実行手段と、前記動的表示演出において特定の判別結果に対応する演出結果となった場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記所定判定手段は、前記設定値に応じて判別結果が異なり得る判定を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機WH5。
遊技機WH5によれば、遊技機WH1からWH3のいずれかが奏する効果に加え、所定判定手段による設定値を加味した単一の判定によって動的表示演出の演出態様を決定することができるので、動的表示演出の演出態様を決定するための処理負荷を軽減させることができるという効果がある。
遊技機WH1からWH5のいずれかにおいて、前記第2の設定値は、前記第1の設定値よりも高い段階に対応する設定値であることを特徴とする遊技機WH6。
遊技機WH6によれば、遊技機WH1からWH5のいずれかが奏する効果に加え、特定の報知演出が実行された場合に、高い段階に対応する設定値に切り替えられたということを遊技者に対して理解させることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができるという効果がある。
遊技機WH1からWH5のいずれかにおいて、前記第2の設定値は、前記第1の設定値よりも低い段階に対応する設定値であることを特徴とする遊技機WH7。
遊技機WH7によれば、遊技機WH1からWH5のいずれかが奏する効果に加え、特定の報知演出が実行された場合に、低い段階に対応する設定値に切り替えられたということを遊技者に対して理解させることができるので、遊技者が遊技にのめり込み過ぎてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴WI群>(設定値によらない抽選の抽選結果を用いて、設定値に応じた抽選を実行する)
遊技機を初期化する初期化手段を有した遊技機において、前記初期化手段によって前記遊技機が初期化された場合に成立し得る特定条件が成立したことに基づいて、互いに異なる複数の設定値のうち1の設定値に設定することが可能な設定手段と、前記初期化手段によって前記遊技機が初期化された場合に、前記遊技機の遊技状態を遊技者にとって不利な不利遊技状態に設定する不利遊技状態設定手段と、前記複数の設定値として第1の設定値が設定されている前記所定の遊技状態において予め定められた第1の変更条件が成立したことに基づいて、前記第1の設定値とは異なる数値に対応する第2の設定値に変更する第1変更手段と、その第1変更手段によって前記第2の設定値に変更された後で予め定められた第2の変更条件が成立したことに基づいて、前記第2の設定値とは異なる数値に対応する設定値に変更する第2変更手段と、少なくとも前記不利遊技状態において前記第1の変更条件が成立したことに基づいて、所定の報知を実行可能な報知手段と、所定の判別条件が成立したことに基づいて、設定されている前記設定値によらない第1の判別を実行する第1判別手段と、設定されている前記設定値と前記第1の判別の判別結果とを少なくとも用いて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第2の判別の判別結果に応じて実行される演出であって所定の動的表示が少なくとも実行される所定演出を実行する所定演出実行手段と、前記所定演出において所定の演出結果となった場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1の変更条件と前記第2の変更条件とは、少なくとも前記遊技機の電源が遮断されずに前記所定の遊技状態が継続していたとしても成立し得る条件であり、前記遊技機は、前記初期化手段による前記遊技機の初期化を伴わずに前記遊技機に対して電源が投入された場合に、前記遊技機の電源が遮断される前の設定値とは異なる設定値に変更され得る構成であることを特徴とする遊技機WI1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技機の状態として、有利度合い等が異なる複数の状態を設けているものも存在する(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機においては、遊技機の状態を好適に報知することが困難になる場合があるという問題点がある。
これに対して遊技機WI1によれば、所定の報知によって第1条件が成立して第2の設定値に変更されたということを遊技者に対して報知することができるので、遊技機の状態を好適に報知することができるという効果がある。
遊技機WI1において、前記特定の報知演出は、前記遊技機が初期化されてから最初に前記第1の切替条件が成立するよりも前の前記所定の遊技状態では実行されない報知であることを特徴とする遊技機WI2。
遊技機WI2によれば、遊技機WI1が奏する効果に加え、特定の報知演出が実行された場合に、第1の切替条件が成立したと確信させることができるという効果がある。
遊技機WI1において、前記特定の報知演出は、前記遊技機が初期化されてから最初に前記第1の切替条件が成立するよりも前の前記所定の遊技状態において特定条件が成立したことに基づいて所定確率で実行される演出であり、前記第1の切替条件が成立したことに基づいて前記所定確率よりも高い確率で実行される演出であり、前記遊技機は、前記特定条件が成立する前の前記所定の遊技状態における設定値が、前記特定条件が成立した後も維持される構成であることを特徴とする遊技機WI3。
遊技機WI3によれば、遊技機WI1の奏する効果に加え、特定の報知演出の実行状況に応じて単に特定条件が成立したのか、第1切替条件が成立して設定値が切り替わったのかを予測させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機WI1からWI3のいずれかにおいて、前記第2の設定値は、前記第1の設定値よりも高い数値に対応する設定値であることを特徴とする遊技機WI4。
遊技機WI4によれば、遊技機WI1からWI3のいずれかが奏する効果に加え、所定の報知が実行された場合に、高い数値に対応する設定値に切り替えられたということを遊技者に対して理解させることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができるという効果がある。
遊技機WI1からWI3のいずれかにおいて、前記第2の設定値は、前記第1の設定値よりも低い数値に対応する設定値であることを特徴とする遊技機WI5。
遊技機WI5によれば、遊技機WI1からWI3のいずれかが奏する効果に加え、所定の報知が実行された場合に、低い数値に対応する設定値に切り替えられたということを遊技者に対して理解させることができるので、遊技者が遊技にのめり込み過ぎてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<5095シリーズ>
<特徴XA群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別が実行された場合に、前記判別の結果を報知するための期間を決定することが可能な期間決定手段と、その期間決定手段により決定された期間が開始されたことに基づいて、所定の態様で識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な可変表示手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は、複数の図柄を組み合わせて構成されており、前記遊技機は、前記期間が開始される毎に前記複数の図柄列のうち、少なくとも1の図柄列の図柄を予め定められた順序で更新して停止表示させることが可能な図柄制御手段と、を有し、前記期間において前記複数の図柄を組み合わせた前記識別情報の態様により前記期間が終了した後の状態が遊技者に有利な状態であるかを識別可能とすることが可能にされていることを特徴とする遊技機XXA1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技が退屈となり飽きてしまうという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XA1によれば、複数の図柄列のうち、1の図柄列で予め定められた順序で期間が設定される毎に更新されて停止されるので、遊技者に有利な状態となることを事前に遊技者に識別し易くすることが可能となり、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機XA1において、前記図柄には、数値情報が付与されており、前記図柄制御手段は、前記期間が開始される毎に、予め定められた前記図柄に付与された数値情報の更新順序で前記図柄を更新させて停止表示させるものであることを特徴とする遊技機XA2。
遊技機XA2によれば、遊技機XA1の奏する効果に加え、図柄に付与された数値情報が予め定められた順序で更新されるので、遊技者に次にどの図柄が更新されて停止表示されるかをわかり易くすることができるという効果がある。
遊技機XA1またはXA2において、前記図柄制御手段は、特定条件が成立することで次に前記期間が開始された場合に前記予め定めた順序とは異なる前記図柄を停止表示させることが可能にされていることを特徴とする遊技機XA3。
遊技機XA3によれば、遊技機XA1またはXA2の奏する効果に加え、特定条件が成立することで図柄の停止順序を通常とは異なるようにすることができるので、図柄の停止により特定条件の成立を遊技者に認識させることができるので、図柄の停止種別に対してより興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機XA1からXA3において、前記複数の図柄が表示されない状態が設定可能にされていることを特徴とする遊技機XA4。
遊技機XA4によれば、遊技機XA1からXA3のいずれかの奏する効果に加え、複数の図柄が表示されない状態となることで、停止表示される図柄を識別する遊技性から遊技者を離脱させることができ、他の遊技性に移行させ易くできるという効果がある。
遊技機XA1からXA4のいずれかにおいて、前記図柄制御手段は、予め定められた図柄列に規則的な順序で配列された図柄を1つずつずらして更新させるものであることを特徴とする遊技機XA5。
遊技機XA5によれば、遊技機XA1からXA4のいずれかの奏する効果に加え、1つずつずらして更新されることで、配列された図柄を有効に利用することができるという効果がある。
遊技機XA1からXA5のいずれかにおいて、前記図柄制御手段は、特定期間が設定されている場合に、複数回の前記期間に跨がって前記図柄を予め定められた順序で更新させるものであることを特徴とする遊技機XA6。
遊技機XA6によれば、遊技機XA1からXA5の奏する効果に加え、特定期間が設定されている場合に、複数回の期間に跨がって図柄を予め定められた順序で更新させる演出が連続して実行されるように構成されていることで、常に図柄制御手段が更新することを抑制でき、遊技が単調となることを抑制できるという効果がある。
遊技機XA6において、前記特定期間が設定された期間を示す態様が報知可能にされていることを特徴とする遊技機XA7。
遊技機XA7によれば、遊技機XA6の奏する効果に加え、特定期間が設定された期間を容易に識別できるので、遊技をわかり易くできるという効果がある。
遊技機XA6またはXA7において、前記図柄列が所定の図柄まで更新された場合に特殊演出を実行することが可能にされていることを特徴とする遊技機XA8。
遊技機XA8によれば、遊技機XA6またはXA7の奏する効果に加え、図柄列が所定の図柄まで更新されることで特殊演出が実行されることで遊技者にどの程度図柄が更新されたかを識別させることができるという効果がある。
<特徴XB群>
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球したことに基づいて情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶されることが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている情報に対応して報知図柄を表示手段に表示させることが可能な報知図柄表示手段と、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別が実行された場合に、前記判別の結果を報知するための期間を決定することが可能な期間決定手段と、その期間決定手段により決定された期間において所定の態様で識別情報を表示手段に表示させることが可能な識別情報表示手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は、複数の図柄を組み合わせて構成されており、前記遊技機は、前記情報が新たに記憶手段に記憶され前記報知図柄が表示され、その表示された前記報知図柄が特定条件を満たした場合に表示されている前記識別情報の図柄の組み合わせを更新することが可能な図柄制御手段を有することを特徴とする遊技機XB1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技が退屈となり飽きてしまうという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XB1によれば、情報が記憶され報知図柄が表示されることで、表示されている識別情報の組み合わせが更新されるので、より入球手段に遊技球を入球させる意欲を遊技者に持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機XB1において、前記識別情報は、複数の図柄列で構成されており、前記図柄制御手段は、前記特定条件を満たした場合に前記複数の図柄列のうち、1の図柄列における図柄を予め定められた順序で更新することが可能にされていることを特徴とする遊技機XB2。
遊技機XB2によれば、遊技機XB1の奏する効果に加え、特定条件を満たした場合に、予め定めた順序に従って1の図柄列の図柄が規則的に更新されるので、遊技者に次に特定条件を満たした場合の図柄の組み合わせを早期に予測させて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機XB1またはXB2において、前記図柄には、数値情報が付与されており、前記図柄制御手段は、前記期間が開始される毎に、予め定められた前記図柄に付与された数値情報の更新順序で前記図柄を更新させて停止表示させるものであることを特徴とする遊技機XB3。
遊技機XB3によれば、遊技機XB1またはXB2の奏する効果に加え、図柄に付与された数値情報が予め定められた順序で更新されるので、遊技者に次にどの図柄が更新されて停止表示されるかをわかり易くすることができるという効果がある。
遊技機XB1からXB3において、前記図柄の組み合わせには、遊技者に不利となる組み合わせが設定されており、前記不利となる組み合わせが表示された場合にも遊技者に有利となる特典遊技を実行可能にされていることを特徴とする遊技機XB4。
遊技機XB4によれば、遊技機XB1からXB3のいずれかの奏する効果に加え、不利となる組み合わせが表示された場合にも遊技者に有利となる特典遊技が実行可能にされているので、不利となる組み合わせが表示されることで極端に遊技者を落胆させる不具合を抑制でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴XC群>
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球したことに基づいて情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶されることが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている情報に対応して報知図柄を表示手段に表示させることが可能な報知図柄表示手段と、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別が実行された場合に、前記判別の結果を報知するための期間を決定することが可能な期間決定手段と、その期間決定手段により決定された期間において所定の態様で演出を実行させることが可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、前記演出は、前記判別の結果を示唆することが可能な演出図柄を表示させることが可能にされており、前記遊技機は、表示されている前記報知図柄の態様を可変させることが可能にされており、前記報知図柄の態様が可変されている場合に表示されている前記報知図柄の態様に対応した前記演出図柄を選択して表示させることが可能にされていることを特徴とする遊技機XC1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技が退屈となり飽きてしまうという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XC1によれば、報知図柄の態様に対応して演出図柄が表示されるので、情報を記憶させる意欲を向上させて遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機XC1において、複数の報知図柄が表示された場合に、表示されている報知図柄の態様が所定の条件を満たした場合に、表示されている前記報知図柄の態様を可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機XC2。
遊技機XC2によれば、遊技機XC1の奏する効果に加え、表示されている報知図柄の態様により報知図柄が可変されることが可能になるので、表示されている報知図柄の態様に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機XC1またはXC2において、複数の前記報知図柄が表示されている場合には、所定位置に表示されている報知図柄の態様が可変されている場合に前記演出図柄の態様が可変されている前記報知図柄の態様に対応して選択されるものであることを特徴とする遊技機XC3。
遊技機XC3によれば、遊技機XC1またはXC2の奏する効果に加え、所定位置に表示されている報知図柄の態様に対応して演出図柄が選択されるので、遊技者にどの位置に表示されている報知図柄に対応した演出図柄が表示されるかをわかり易くできるという効果がある。
遊技機XC1からXC3のいずれかにおいて、態様が可変された前記報知図柄は、その報知図柄に対応する前記判別結果が報知されるまで態様が可変された状態で表示されることが可能にされていることを特徴とする遊技機XC4。
遊技機XC4によれば、遊技機XC1の奏する効果に加え、報知図柄と判別結果とを組み合わせて楽しむことができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴XD群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別が実行された場合に、前記判別の結果を報知するための報知期間を決定することが可能な報知期間決定手段と、その報知期間決定手段により決定された報知期間において所定の演出を実行することが可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、前記所定の演出として第1表示演出を複数の表示演出から1の表示演出を決定して表示させることが可能な第1表示演出手段と、その第1表示演出手段により報知された前記第1表示演出と組み合わせて前記所定の演出として第2表示演出を複数の表示演出から1の表示演出を決定して表示させることが可能な第2表示演出手段と、前記第1表示演出で特定の第1表示演出が決定されて表示された場合に、表示された前記特定の第1表示演出に対して特定の第2表示演出が決定される特定期間が設定されるものであることを特徴とする遊技機XD1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技が退屈となり飽きてしまうという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XD1によれば、特定の第1表示演出が決定された場合には、特定の第2表示演出が決定される特定期間が設定されるので、第1表示演出の種別に対して遊技者に興味を持たせることができ、特定の第2表示演出が実行される特定期間が設定されることを期待させることで、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機XD1において、前記第1表示演出は、第1図柄とその第1図柄に対応して表示される第1付与態様で構成されており、前記第1図柄と第1付与態様との組み合わせにより前記判別結果が特定の判別結果である期待度を示唆可能にされていることを特徴とする遊技機XD2。
遊技機XD2によれば、遊技機XD1の奏する効果に加え、第1表示演出の種類を多様にすることができ、多様な期待度を報知することができるという効果がある。
遊技機XD1またはXD2において、前記第1表示演出が表示されている状態で、前記第2表示演出が表示されることが可能にされていることを特徴とする遊技機XD3。
遊技機XD3によれば、遊技機XD1またはXD2の奏する効果に加え、第1表示演出と第2表示演出とを組み合わせた演出とすることができ、遊技の演出を多様にすることができるという効果がある。
遊技機XD1からXD3のいずれかにおいて、前記特定の第2表示演出が表示された場合に、特定の第2表示演出が表示される表示領域を拡大することが可能な領域拡大手段を有することを特徴とする遊技機XD4。
遊技機XD4によれば、遊技機XD1からXD3の奏する効果に加え、特定の第2表示演出が表示された場合に、表示領域が拡大されることで、特定の第2表示演出が表示されたことを識別し易くできるという効果がある。
遊技機XD1からXD4のいずれかにおいて、前記特定の第2表示演出が表示された場合に、表示されている前記特定の第1表示演出の表示領域を縮小して表示させることが可能な領域縮小手段を有することを特徴とする遊技機XD5。
遊技機XD5によれば、遊技機XD1からXD4の奏する効果に加え、特定の第1表示演出の領域が縮小されることで特定の第2表示演出に対して興味を増大させることができ、特定の第2表示演出が表示された効果を増大させることができるという効果がある。
<特徴XE群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶されることが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに対応した報知図柄を表示手段に表示させることが可能な報知図柄表示手段と、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別が実行された場合に、前記判別の結果を報知するための期間を決定することが可能な期間決定手段と、を有した遊技機において、前記期間において前記判別の結果を報知するための複数の演出図柄を組み合わせて表示させることが可能な演出図柄表示手段と、特定の前記演出図柄の組み合わせが報知された場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記記憶手段に情報が記憶された場合に、その記憶された情報に対応して表示される前記報知図柄の態様を決定する報知図柄態様決定手段と、を有し、前記演出図柄表示手段は、複数の報知図柄が表示されている場合に所定位置に表示されている報知図柄の態様に対応した前記演出図柄を表示させることが可能にされていることを特徴とする遊技機XE1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技が退屈となり飽きてしまうという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XE1によれば、所定位置に表示されている報知図柄の態様に対応した演出図柄が判別の結果が報知される期間に表示されることで、表示される演出図柄を事前に期待させることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機XE1において、前記報知図柄は、可変条件の成立に基づいて可変されることが可能にされており、前記所定位置に表示された報知図柄が可変されている場合には、可変された報知図柄の態様に対応した前記演出図柄が表示されることが可能にされていることを特徴とする遊技機XE2。
遊技機XE2によれば、遊技機XE1の奏する効果に加え、可変された報知図柄の態様が所定位置に表示されることで、可変された報知図柄に対応した演出図柄が表示されるので、どの態様で報知図柄が所定位置に表示されるかを期待させることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機XE1またはXE2において、前記報知図柄は、複数の図柄を組み合わせて構成されているものであることを特徴とする遊技機XE3。
遊技機XE3によれば、遊技機XE1またはXE2の奏する効果に加え、報知図柄が複数の図柄を組み合わせて構成されていることで、報知図柄の態様を多様に可変させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機XE1からXE3において、前記記憶手段は、予め定められた上限数の前記情報を記憶可能にされており、前記上限数まで情報が前記記憶手段に記憶されている場合に前記情報が取得される取得条件が成立したことに基づいて前記報知図柄の態様を可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機XE4。
遊技機XE4によれば、遊技機XE1からXE3の奏する効果に加え、情報が記憶されない場合にも遊技者に特典を付与することができ、取得条件を成立させる意欲が低下する不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機XE1からXE4において、前記報知図柄の態様が所定条件を満たす場合に、表示されている報知図柄の態様を可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機XE5。
遊技機XE5によれば、遊技機XE1からXE4の奏する効果に加え、表示されている報知図柄の態様によって所定条件を成立させることができるので、報知図柄の態様をより楽しませることができるという効果がある。
遊技機XE1からXE5において、複数の前記報知図柄の組み合わせが特定条件を満たした場合に遊技者に有利となる特典が付与されることが可能にされていることを特徴とする遊技機XE6。
遊技機XE6によれば、遊技機XE1からXE5の奏する効果に加え、複数の報知図柄の組み合わせによって、遊技者に特典が付与されることにより特典が付与される機会を増大させることができるという効果がある。
遊技機XE1からXE6において、特殊条件が成立した場合に表示されている報知図柄に対応する前記期間が開始された後に前記報知図柄の態様を可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機XE7。
遊技機XE7によれば、遊技機XE1からXE6の奏する効果に加え、特殊条件が成立することで、報知図柄の態様が可変されるタイミングを期間が開始された後にすることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴XF群>
演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により特定の演出が実行された場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記演出として所定の音声データに基づいて音声を出力させることが可能な音声出力手段と、複数の音声データを設定することが可能な音声データ設定手段と、を有し、前記音声出力手段は、前記音声データ設定手段により設定されている前記複数の音声データの内、出力させる音量を設定されている音声データに対して可変させて出力させることが可能にされていることを特徴とする遊技機XF1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示し、効果音等が出力されるパチンコ機が知られている。かかる演出では、効果音等を多様にするために多くの音声データを切り替えて設定する演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技機の制御負荷が多大になるという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、制御負荷を抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XF1によれば、複数の音声データを設定しておき、音量を可変させることができるので、出力したい音声を音量の調整により制御することができ、制御負荷を軽減できるという効果がある。
遊技機XF1において、複数の音声データを同時に再生処理させることが可能な再生手段を有し、音声出力手段は、成立している条件に対応した音量に設定することで複数の前記音声データのうち、1の音声データの音声を出力させることが可能にされていることを特徴とする遊技機XF2。
遊技機XF2によれば、遊技機XF1の奏する効果に加え、複数の音声データを同時に再生しておくことで、音量のみを可変させることで出力させる音声を切替易くすることができるという効果がある。
遊技機XF1またはXF2において、設定される前記複数の音声データには、第1音声データと、その第1音声データと調の異なる第2音声データとが含まれることを特徴とする遊技機XF3。
遊技機XF3によれば、遊技機XF1またはXF2の奏する効果に加え、調の異なる音声データを設定可能とすることで、音声の雰囲気を可変させることができ、多様な演出を実行することができるという効果がある。
遊技機XF3において、前記第1音声データと前記第2音声データとは、特定期間で設定可能にされており、前記第2音声データは、前記特定期間以外でも設定可能にされていることを特徴とする遊技機XF4。
遊技機XF4によれば、遊技機XF3の奏する効果に加え、第2音声データは、特定期間以外でも使用されることで、特定期間外であっても特定期間であるかのように思わせることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴XG群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶されることが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている情報に対応して報知図柄を表示手段に表示させることが可能な報知図柄表示手段と、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により特定の判別結果と判別されたことに基づいて遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、通常遊技状態と、その通常遊技状態よりも前記判別手段により遊技者に有利となる判別結果が判別され易い特別遊技状態とのうち、一方を設定することが可能な状態設定手段と、前記状態設定手段により前記特別状態が設定された場合に、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて前記判別手段により判別された場合における判別結果を前記判別手段により判別されるよりも前に判別した事前判別結果を示すための示唆態様を第1特定条件の成立に基づいて表示させることが可能な示唆態様表示手段と、前記特定の判別結果と前記判別手段により判別されることに対応した前記事前判別結果に対応しない前記示唆態様が表示された場合に、第2特定条件の成立に基づいて、第1特定演出を実行させることが可能な第1手段と、前記第2特定条件とは異なる第3特定条件の成立に基づいて第3特定演出を実行させることが可能な第2手段と、を有することを特徴とする遊技機XG1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技が退屈となり飽きてしまうという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XG1によれば、事前判別結果として有利な結果が報知されなかった場合にもその後に成立する条件により第1特定演出または第2特定演出が実行可能にされているので、どちらの演出が実行されるかを期待することができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機XG1において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されることに基づいて前記第1特定条件が成立可能にされていることを特徴とする遊技機XG2。
遊技機XG2によれば、遊技機XG1の奏する効果に加え、操作手段が操作されることで第1特定条件が成立することで示唆態様が報知されたくない遊技者には示唆態様が表示されないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機XG1またはXG2において、前記第2特定条件は、前記操作手段が操作された場合に成立可能であり、前記第3特定条件は、前記操作手段が操作されなかった場合に成立可能にされていることを特徴とする遊技機XG3。
遊技機XG3によれば、遊技機XG1またはXG2の奏する効果に加え、遊技者の選択により成立させる条件を切り替えることができ、遊技者の好みの演出を実行させることができるという効果がある。
遊技機XG1からXG3のいずれかにおいて、前記第2特定演出よりも前記第3特定演出の方が遊技者に有利となる演出が実行され易く設定されていることを特徴とする遊技機XG4。
遊技機XG4によれば、遊技機XG1からXG3のいずれかの奏する効果に加え、操作手段を操作しないことで遊技者に有利となる第3特定演出が実行され易いので、操作手段を操作するか否かの選択により遊技者に報知される演出を可変させることができ、遊技者の好みに合わせた遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機XG1からXG4において、前記示唆態様表示手段は、前記報知図柄に対応する前記判別結果が報知されるまでに前記第1特定条件が成立しなかった場合には示唆態様の表示をしないものであることを特徴とする遊技機XG5。
遊技機XG5によれば、遊技機XG1からXG4のいずれかの奏する効果に加え、第1特定条件が成立しないことで示唆態様が表示されないので、遊技者に示唆態様が表示されるかをより期待させることができるという効果がある。
遊技機XG1からXG5のいずれかにおいて、前記前記第3特定演出は、前記報知図柄が非表示に設定されるものであることを特徴とする遊技機XG6
遊技機XG6によれば、遊技機XG1からXG5のいずれかにおいて、第3特定演出が実行された場合に報知図柄が非表示にされることで、第3特定演出が実行される領域を拡大することができるという効果がある。
<特徴XH群>
情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された情報が記憶されることが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている情報に対応して報知図柄を表示手段に表示させることが可能な報知図柄表示手段と、前記記憶手段に記憶された情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、特定期間を設定することが可能な特定期間設定手段と、その特定期間設定手段により特定期間が設定されており、複数の情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、前記操作手段を操作することに基づいて前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段により判別された判別結果に対応した演出を実行することが可能な操作演出実行手段と、を有し、前記操作演出実行手段は、前記演出が実行されている期間に前記操作手段が操作されることに基づいて前記実行されている演出に対応した情報とは異なる前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて判別された判別結果に対応した演出を実行することが可能にされていることを特徴とする遊技機XH1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技が退屈となり飽きてしまうという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XH1によれば、特定期間における複数の情報が記憶されている状態で操作手段が操作されることで、実行されている演出に対応する情報とは異なる情報に基づいた情報の判別結果に対応した演出が実行されるので、遊技者が早期に記憶されている情報の判別結果を識別することができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機XH1において、前記特定期間が開始される前に情報を記憶手段に記憶させるための取得期間が設定されるものであることを特徴とする遊技機XH2。
遊技機XH2によれば、遊技機XH1の奏する効果に加え、特定期間に複数の情報が記憶されておらず、特定期間の効果が薄れてしまい遊技の興趣が低下する不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機XH1またはXH2において、前記記憶手段に情報が記憶されていない場合には前記特定期間は設定されないものであることを特徴とする遊技機XH3。
遊技機XH3によれば、遊技機XH1またはXH2の奏する効果に加え、記憶手段に情報が記憶されていない状態で特定期間が設定されないので、操作手段を操作しても演出が実行されない不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機XH1からXH3において、前記判別手段により前記特定の判別結果と判別されることに対応した前記判別結果に対応しない前記演出が表示された場合に、第1特定条件の成立に基づいて、第1特定演出が実行され、前記第2特定条件とは異なる第2特定条件の成立に基づいて第3特定演出が実行されることが可能にされていることを特徴とする遊技機XH4。
遊技機XH4によれば、遊技機XH1からXH3のいずれかの奏する効果に加え、判別結果として有利な結果が報知されなかった場合にもその後に成立する条件により第1特定演出または第2特定演出が実行可能にされているので、どちらの演出が実行されるかを期待することができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴XI群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に、遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有し、遊技者が操作可能な操作手段と、前記識別情報が動的表示されている期間に操作手段を操作することに基づいて設定されることが可能な設定情報が表示される設定演出を実行可能な設定演出実行手段と、表示された前記設定情報に対応した演出を前記識別情報の動的表示期間において実行することが可能な演出実行手段を有することを特徴とする遊技機XI1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技が退屈となり飽きてしまうという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XI1によれば、識別情報が動的表示されている期間に操作手段を操作する設定演出が実行されることで、その後の識別情報の動的表示期間に設定された設定情報に対応した演出に可変させて実行させることができるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機XI1において、前記設定演出において予め定められた期間において前記操作手段が操作されずに経過したことに基づいて予め設定されている設定情報が設定可能にされていることを特徴とする遊技機XI2。
遊技機XI2によれば、遊技機XI1の奏する効果に加え、操作手段を操作しない遊技者に対しても設定情報が設定可能にされているので、動的表示期間における演出を可変させるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機XI1またはXI2のいずれかにおいて、操作手段が操作されたことに基づいて設定される設定情報を示す示唆態様が表示されることが可能にされていることを特徴とする遊技機XI3。
遊技機XI3によれば、遊技機XI1またはXI2の奏する効果に加え、操作手段を操作することで設定される設定情報を分かり易く識別できるので、遊技を容易に行うことができるという効果がある。
遊技機XI1からXI3のいずれかにおいて、前記操作手段を操作した回数によって、異なる設定情報を設定可能にされていることを特徴とする遊技機XI4。
遊技機XI4によれば、遊技機XI1からXI3のいずれかの奏する効果に加え、操作手段を操作した回数によって設定される設定情報を可変させることができるので、遊技者が操作手段をより多く操作する意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機XI1からXI4のいずれかにおいて、前記操作手段を操作する毎に可変図柄を表示可能な可変図柄表示手段を有し、前記設定情報は、前記表示された可変図柄に対応した設定情報が設定可能にされていることを特徴とする遊技機XI5。
遊技機XI5によれば、遊技機XI1からXI4のいずれかの奏する効果に加え、操作手段が操作される毎に可変図柄を表示して、表示された可変図柄に対応した設定情報が設定可能にされていることで、操作手段を操作して可変図柄をいくつ表示させることができるかを楽しむことができるという効果がある。
<特徴XJ群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に、遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、前記識別情報が動的表示されている期間に前記操作手段が操作されたことに対応して可変態様を可変させる可変演出を実行可能な可変演出実行手段と、その可変演出において可変された前記可変態様に対応する設定情報を設定する設定手段と、前記識別情報が動的表示されている期間に前記設定手段により設定された前記設定情報に対応する演出を実行可能な演出実行手段を有することを特徴とする遊技機XJ1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技が退屈となり飽きてしまうという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XJ1によれば、識別情報が動的表示されている期間に操作手段を操作することで可変させた可変態様に対応する設定情報が設定され、その設定情報に対応した演出をその後の識別情報の動的表示期間に実行させることができるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機XJ1において、前記可変演出は、複数個の前記可変態様を表示し、前記操作手段を操作した回数に対応する個数の前記可変態様を可変可能であることを特徴とする遊技機XJ2。
遊技機XJ2によれば、遊技機XJ1の奏する効果に加え、可変演出では、操作手段を操作した回数によって可変する可変態様の個数が異なるため、多くの可変態様を可変させようと遊技者に積極的に操作手段を操作させることが可能となり、演出効果を向上させることができるという効果がある。
遊技機XJ1またはXJ2において、前記可変演出において予め定められた期間において前記操作手段が操作されずに経過したことに基づいて予め設定されている設定情報を設定可能にされていることを特徴とする遊技機XJ3。
遊技機XJ3によれば、遊技機XJ1またはXJ2の奏する効果に加え、操作手段を操作しない遊技者に対しても設定情報が設定可能にされているので、動的表示期間における演出を可変させるようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機XJ1からXJ3のいずれかにおいて、操作手段が操作されたことに基づいて設定される設定情報を示す示唆態様が表示されることが可能にされていることを特徴とする遊技機XJ4。
遊技機XJ4によれば、遊技機XJ1からXJ3のいずれかの奏する効果に加え、操作手段を操作することで設定される設定情報を分かり易く識別できるので、遊技を容易に行うことができるという効果がある。
<特徴XK群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に、遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有し、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段により選択することが可能な複数の選択情報を前記識別情報が動的表示されている期間に表示させることが可能な選択情報表示手段と、前記操作手段が操作されたことに基づいて選択された前記選択情報に基づいて対応付けされた表示領域の情報を更新することが可能な更新手段と、その更新手段により更新された情報に対応した前記判別結果を示すための演出態様を実行させることが可能な演出実行手段と、を有することを特徴とする遊技機XK1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技が退屈となり飽きてしまうという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XK1によれば、遊技者が操作手段を操作することで選択した選択情報により対応する表示領域の情報を更新し、その更新された情報に対応した演出態様が実行されるように構成されていることで、識別情報の表示だけでなく、遊技者が操作することで判別結果を示すための演出態様を多様に実行させることができるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機XK1において、前記更新手段は、前記表示手段の表示領域を複数の表示領域に区切って設定された複数の小表示領域のうち、前記選択された選択情報に基づいて対応付けされた前記小表示領域の情報を更新するものであることを特徴とする遊技機XK2。
遊技機XK2によれば、遊技機XK1の奏する効果に加え、選択された選択情報によって更新される小表示領域が可変されるので、遊技者はどの小表示領域が更新されるか楽しむことができ、操作手段を操作することで演出態様が実行されるまでの過程を段階をおって楽しむことができるという効果がある。
遊技機XK1またはXK2において、前記選択情報表示手段は、複数の選択情報より表示させる選択情報を複数決定することが可能にされていることを特徴とする遊技機XK3。
遊技機XK3によれば、遊技機XK1またはXK2の奏する効果に加え、表示される選択情報を多様にすることができるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴XL群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に、遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有し、複数の報知図柄を前記識別情報が動的表示されている期間に表示させることが可能な報知図柄表示手段と、その報知図柄表示手段により表示されている複数の報知図柄のうち、少なくとも1の報知図柄の態様を可変させることが可能な態様可変手段と、前記表示されている複数の報知図柄を選択して対応する情報を前記表示手段の表示領域に設定された専用表示領域に表示させることが可能な情報表示手段と、その情報表示手段に表示された情報に対応した演出態様を実行させることが可能な演出態様実行手段と、を有し、前記報知図柄表示手段は、複数回の前記識別情報が動的表示される期間に跨がって前記複数の報知図柄を表示させることが可能にされていることを特徴とする遊技機XL1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技が退屈となり飽きてしまうという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XL1によれば、報知図柄が可変された状態で複数回の動的表示に跨がって表示されることが可能にされているので、選択されて情報が専用表示領域に表示されなくとも報知図柄が可変された態様を楽しませて遊技を行わせることができるので、複数回の識別情報を動的表示させる期間をより楽しませて、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機XL1において、前記態様可変手段は、前記報知図柄が選択された場合に特定の前記情報が前記専用表示領域に表示される期待度を示す態様で前記報知図柄を可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機XL2。
遊技機XL2によれば、遊技機XL1の奏する効果に加え、報知図柄が可変されることでどのような情報が専用表示領域に表示されるかを事前に期待することができるので、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴XM群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別が実行された場合に、前記判別の結果を報知するための期間を決定することが可能な期間決定手段と、その期間決定手段により決定された期間において所定の態様で識別情報を表示手段に表示させることが可能な識別情報表示手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は、複数の図柄を組み合わせて構成されており、前記表示手段に停止表示されている前記複数の図柄のうち、1の図柄の態様を可変させて表示させることが可能な図柄態様可変手段と、その図柄態様可変手段により前記1の図柄の態様が可変された後に、その可変された図柄の態様に対応した演出を実行させることが可能な演出実行手段と、を有することを特徴とする遊技機XM1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技が退屈となり飽きてしまうという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XM1によれば、1の図柄が可変された後に、可変された図柄の態様に対応した演出が実行されることで、図柄が可変されたことをより遊技者がわかり易くでき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機XM1において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段に遊技球が入球したことに基づいて情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶されることが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている情報の数を示すための報知図柄を表示させることが可能な報知図柄表示手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記演出が実行される期間に前記報知図柄の態様を可変させることが可能にされていることを特徴とする遊技機XM2。
遊技機XM2によれば、遊技機XM1の奏する効果に加え、情報の数を示す報知図柄の態様が演出が実行される期間に可変されることが可能にされていることで、演出として報知図柄の態様が可変されることを遊技者に楽しませることができるという効果がある。
<特徴XN群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に、遊技者に特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は、複数の図柄を組み合わせて構成されており、前記遊技機は、所定の範囲でカウンタ値を更新することが可能な更新手段と、前記複数の図柄を前記カウンタ値に基づいて表示することが可能な第1制御と、前記複数の図柄のうち、特定の図柄列の図柄を、その特定の図柄列に前回表示された図柄と同一の態様で表示することが可能な第2制御と、を実行可能な図柄制御手段と、を有し、前記図柄制御手段は、前記特定の判別結果ではない場合よりも、前記特定の判別結果である場合に前記第2制御を実行し易く構成されていることを特徴とする遊技機XN1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技が退屈となり飽きてしまうという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XN1によれば、特定の図柄列に連続して同一の態様で図柄が停止表示された場合には、遊技者に特定の判別結果である期待感を持たせることが可能となるため、特定の図柄列に表示される図柄の態様に対して興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機XA1において、前記特定の図柄列に前記図柄が表示されるよりも前に前記第2制御が実行されることを示唆する示唆態様を表示可能であることを特徴とする遊技機XN2。
遊技機XN2によれば、遊技機XN1の奏する効果に加え、特定の図柄列に前回表示された図柄を遊技者が覚えていなかった場合であっても、示唆態様によって事前に第2制御が実行されることを遊技者に認識させることが可能となるため、演出効果を向上させることができるという効果がある。
遊技機XN1またはXN2において、前記図柄制御手段は、前記第2制御を複数回連続して実行可能であり、前記特定の判別結果ではない場合よりも、前記特定の判別結果である場合の方が、前記第2制御を連続して実行し易く構成されていることを特徴とする遊技機XN3。
遊技機XN3によれば、遊技機XN1またはXN2の奏する効果に加え、第2制御が実行されたにも関わらず特定の判別結果であることを示す識別情報が表示されなかった場合であっても、次回の識別情報の動的表示において再度第2制御が実行されるかもしれないという期待感を遊技者に持たせることにより、遊技者が落胆して遊技意欲が低下することを抑制することができるという効果がある。
遊技機XN3において、前記第2制御が実行された場合に、前記特定の図柄列に連続して同一の態様で前記図柄が表示された回数を報知する報知態様を表示可能であることを特徴とする遊技機XN4。
遊技機XN4によれば、遊技機XN3の奏する効果に加え、報知態様により第2制御が連続して実行された回数を遊技者に分かり易くすることができるという効果がある。
<特徴XO群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別が実行された場合に、前記判別の結果を報知するための期間を決定することが可能な期間決定手段と、その期間決定手段により決定された期間が開始されたことに基づいて、所定の態様で識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な可変表示手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は、複数の図柄を組み合わせて構成されており、前記遊技機は、前記期間が開始される毎に前記複数の図柄列のうち、1の図柄列以外の図柄列を固定して停止表示した状態で前記1の図柄列における図柄を更新させることが可能な第1図柄制御手段と、その第1図柄制御手段により前記1の図柄列の図柄が更新されることにより予め定められた特定の図柄の組み合わせに更新された場合に、前記1の図柄列とは異なる図柄列の図柄を更新させることが可能な手段と、を有することを特徴とする遊技機XO1。
従来より、抽選を行い、その抽選結果に応じた変動演出や大当たり演出を、液晶画面上に表示するパチンコ機が知られている。かかる演出では、遊技者に期待感を持たせるための演出や、遊技者の遊技への参加意欲を高めるための演出など、様々なパターンの演出が実行されるものが一般的である(先行技術文献:特開2010-207618号公報)。
しかしながら、遊技が退屈となり飽きてしまうという虞があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機XO1によれば、判別の結果を報知するための期間が開始される毎に、複数の図柄列のうち、1の図柄列以外は停止表示されたままで、1の図柄列が更新され、所定の組み合わせとなるまで、期間の開始毎に更新されることで、遊技者に特定の図柄の組み合わせとなるなって、他の図柄列も更新されることを期待させることができ、判別の結果を報知する期間を複数回に跨がって楽しませて、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機XO1において、前記複数の図柄列の組み合わせにより前記期間の終了後の遊技状態として遊技者に有利な遊技状態であるか識別可能にされていることを特徴とする遊技機XO2。
遊技機XO2によれば、遊技機XO1の奏する効果に加え、複数の図柄の組み合わせが有利な遊技状態となるように期待させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機XO1またはXO2において、遊技者に有利な遊技状態が設定されている状態で、前記図柄の組み合わせが所定の組み合わせとなることで遊技者に不利な遊技状態となることを識別可能にされていることを特徴とする遊技機XO3。
遊技機XO3によれば、遊技機XO1またはXO2の奏する効果に加え、複数の図柄の組み合わせにより、有利な遊技状態が終了することを識別できるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<共通群>
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。