JP2023161073A - 均一な水素結合相互作用、ホモおよびヘテロ塩基対バイアス、およびミスマッチ識別を備えた改変核酸塩基 - Google Patents

均一な水素結合相互作用、ホモおよびヘテロ塩基対バイアス、およびミスマッチ識別を備えた改変核酸塩基 Download PDF

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H Ly Danith
シバジ、エイ.タトケ
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Y Shaikh Ashif
ウェイ‐チェ、シェ
Wei-Che Hsieh
アリ、ナキ
Nakhi Ali
ジェイ.ディニチ、ペレラ
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Abstract

【課題】核酸塩基、前記核酸塩基を含んでなるポリマーモノマーならびに前記核酸塩基を含んでなるその核酸および類似体、それらの使用方法を提供する。【解決手段】本明細書には、γ-ペプチド核酸(γPNA)の場合にように、核酸骨格または核酸類似体骨格に組み込まれた際に、マッチまたはミスマッチの2つの核酸鎖にそれぞれ結合する二価核酸塩基が記載される。また、1以上の二価核酸塩基およびγPNA骨格などの核酸骨格または核酸類似体骨格を含んでなる遺伝子認識試薬も提供される。二価核酸塩基およびモノマーならびに二価核酸塩基を含有する遺伝子認識試薬の使用もまた提供される。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本願は、2018年6月8日に出願された米国仮特許出願第62/763,299号の利益を主張するものであり、その全内容は引用することにより本明細書の一部とされる。
本明細書には、核酸塩基、前記核酸塩基を含んでなるポリマーモノマーならびに前記核酸塩基を含んでなるその核酸および類似体が記載される。本明細書にはまた、核酸塩基、前記核酸塩基を含んでなるポリマーモノマーならびに前記核酸塩基を含んでなるその核酸および類似体の使用方法も記載される。
ほとんどの生物について、遺伝情報は、アデニン(A)がチミン(T)と対合し、シトシン(C)がグアニン(G)と対合するワトソン-クリック塩基対形成の形態で二本鎖DNAにコードされている。この遺伝情報のどのセットが転写および翻訳を介して解読されるかによって、発生プログラムおよび生理学的状態が決定される。この遺伝的生体高分子(DNAまたはRNA)のいずれかの部分に配列特異的に結合するようにテーラーデザインが可能で、それにより、遺伝情報の流れの制御ならびにゲノムの構造および機能の評価および操作を可能とする分子の開発は、生物学の基礎研究の分子ツールを含め、生命の分子的基礎を解明する努力の中で、生物学的および生物医学的研究にとって重要である。この努力はまた、遺伝病の治療および検出のための医学的適用および治療適用にとっても重要である。
オリゴヌクレオチドは、生物学の基礎研究のための分子ツール、ならびに例えば遺伝病の治療および検出における治療適用および診断適用のための分子試薬としてのそれらの使用において多用途である。一般に、オリゴヌクレオチド分子は、一本鎖DNAもしくはRNA、またはその誘導体の短い断片である(10~30ヌクレオチド長)。オリゴヌクレオチド分子は、核酸塩基アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、およびチミン(T)またはウリジン(U)に連結された糖ホスホジエステル骨格、または他の骨格を含み得る。オリゴヌクレオチド分子は、AがT(またはU)と、CがGと対合するワトソン-クリック塩基対形成を介してDNAまたはRNA標的に結合するように設計される。オリゴヌクレオチド分子は、例えば、核酸配列情報の問合せ、RNA構造の操作、および遺伝子発現の調節を含む広範囲の適用に使用されてきた。これらの適用の多くの成功は、厳格に配列特異的にDNAまたはRNA標的に結合するオリゴマーの能力によるものである。細胞内およびイン・ビボ(in vivo)遺伝子ターゲティングのさらなる要求としては、酵素の安定性および細胞の透過性が含まれる。
核酸骨格または核酸類似体骨格に付着した複数の核酸塩基部分を含んでなり、少なくとも1つの核酸塩基部分が:
Figure 2023161073000002
(式中、Xは、=O(=は二重結合を表す)、=S、=Se、またはCHであり;Xは、H、CH、CN、NC、N、C(O)OH、またはC(O)NHであり;Xは、OまたはSであり;Xは、H、C(O)CH、またはC(O)OCHであり;かつ、Yは、NまたはCHであり、(1)において、XおよびXがOである場合、XはHでもメチルでもない)
である、遺伝子認識試薬が提供される。
構造:
Figure 2023161073000003
(式中、Xは、=O、=S、=Se、またはCHであり; Xは、H、CH、CN、NC、N、C(O)OH、またはC(O)NHであり;Xは、OまたはSであり;Xは、H、C(O)CH、またはC(O)OCHであり;かつ、Yは、NまたはCHであり、(I)において、XおよびXがOである場合、XはHでもメチルでもない)
を有し、核酸塩基部分に連結した核酸骨格モノマーまたは核酸類似体骨格モノマーを含んでなる化合物も提供される。
図1は、(A)改変型核酸塩基と改変型核酸塩基(ホモ二重鎖)、(B)天然型と天然型、(C)改変型と天然型(ヘテロ二重鎖)の水素結合相互作用を示す。 図2は、RNA二次構造を選択的に標的とすることができる新たに設計されたオリゴヌクレオチド分子を提供する明確な利点を示す概略図である。(A)(a’/a)配列相補性にもかかわらず、改変型(u、c、a、およびg)核酸塩基を含有するPNAオリゴマー(キラルまたは非キラル)はヘアピン構造を採ることができず、その相補的ステム-ループRNA標的にハイブリダイズすることができる。(B)LNAまたはyPNAなどの強固に結合するオリゴヌクレオチド分子はステム-ループ構造に侵入することができるが、治療薬および診断薬におけるその適用は、非特異的結合のためにかなりのリスクをもたらす。(C)ほとんどのオリゴヌクレオチド分子が入るカテゴリーである中アビディティーオリゴヌクレオチドは、結合自由エネルギーがないために、または動的(ヘアピン)トラップの形成の結果としてステム-ループ構造を開くことができない。 図3は、本明細書に記載のオリゴヌクレオチド分子が、そうでなければ既存の核酸システムでは達成することが困難であるような選択的標的を可能とするRNAの(A)二次構造および(B)三次構造の例を概略的に示す。 図4は、例示的核酸塩基の構造を示す。 図5は、ホスホロチオエートDNA(PS DNA)、α,β拘束核酸(α,β-CNA)、2’-メトキシルRNA、2’-フルオロRNA、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)、ロックド核酸(LNA)、2’,4’拘束エチル核酸((S)-cEt)、2’,4’架橋核酸NC(N-H)(BNA-NC(N-H))、2’,4’架橋核酸NC(N-メチル)(BNA-NC(N-Me))、((S)-5’-C-メチルDNA(RNA))、および5’-E-ビニルホスホン酸核酸(E-VP)(前記RはH、OH、F、OMe、またはO(CHOMeである)を含む核酸類似体の例示的核酸類似体残基を示す。 図6は、選択された核酸塩基の例示的合成スキームを示す。 図7は、選択された細胞透過性γPNAモノマーの例示的合成スキームを示す。
発明の具体的説明
本願で明記された様々な範囲での数値の使用は、特に明示のない限り、記述された範囲内の最小値および最大値の両方の前に「約」という単語が付いているかのごとく近似値として記述される。このようにして、記述された範囲の上下のわずかな変動を使用しても、範囲内の値と実質的に同じ結果を達成することができる。また、特に断りのない限り、範囲の開示は、最小値と最大値の間の全ての値を含む連続範囲として意図されている。本明細書で使用する場合、「1つの(a)」および「1つの(an)」は1以上を指す。
本明細書で使用する場合、用語「を含んでなる(comprising)」はオープンエンドであり、「を含む(including)」、「を含有する(containing)」、または「を特徴とする(characterized by)」と同義であり得る。本明細書で使用する場合、1以上の記載の要素または工程「を含んでなる」実施形態はまた、限定されるものではないが、これらの記載の要素または工程「から本質的になる」および「からなる」実施形態も含む。
用語「ポリマー組成物」は、1以上のポリマーを含んでなる組成物である。クラスとして、「ポリマー」は、限定されるものではないが、ホモポリマー、ヘテロポリマー、コポリマー、ブロックポリマー、ブロックコポリマーを含み、天然および合成のどちらであってもよい。ホモポリマーは、1種類の構成ブロックまたはモノマーを含有するが、コポリマーは2種類以上のモノマーを含有する。「オリゴマー」は、少数のモノマー、例えば、3~100個のモノマー残基を含んでなるポリマーである。従って、用語「ポリマー」は、オリゴマーを含む。用語「核酸」および「核酸類似体」は、核酸および核酸ポリマーおよびオリゴマーを含む。
ポリマーに記載のモノマーが組み込まれている場合、ポリマーはそのモノマー「を含んでなる」または「から誘導される」。よって、ポリマーが含む組み込まれたモノマーは、少なくとも、ポリマー主鎖に特定の架橋基が組み込まれているかまたは重合過程で特定の基が除去されているという点で、ポリマーに組み込まれる前のモノマーと同じではない。ポリマー内に特定の種類の結合が存在する場合、ポリマーはその結合を含んでなると言われる。組み込まれたモノマーは「残基」である。核酸または核酸類似体の典型的なモノマーは、ポリマーに組み込まれている場合には、ヌクレオチドまたはヌクレオチド残基と呼ばれる。
「部分」は、化学化合物の一部であり、官能基などの基を含んでなる。従って、核酸塩基部分は、ポリマーモノマー、例えば、本明細書に記載の核酸もしくは核酸類似体モノマー、または本明細書に記載の核酸または核酸類似体などのポリマーといった別の化合物部分への付着によって修飾された核酸塩基である。
「アルキル」は、1~約20個の炭素原子を含む直鎖、分岐鎖、または環式炭化水素基、例えば、限定されるものではないが、C1-3、C1-6、C1-10基、例えば、限定されるものではないが、直鎖、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどの分岐鎖アルキル基を指す。アルキル基は、例えば、置換型または非置換型のC、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、またはC50基であり得る。直鎖アルキル基の限定されない例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルが挙げられる。分岐鎖アルキル基は、任意の数のアルキル基で置換されたいずれの直鎖アルキル基も含む。分岐鎖アルキル基の限定されない例としては、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、およびt-ブチルが挙げられる。環式アルキル基の限定されない例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル基が挙げられる。環式アルキル基はまた、縮合二環、架橋二環、およびスピロ二環ならびにより高次の縮合系、架橋系、およびスピロ系を含んでなる。環式アルキル基は、任意の数の直鎖、分岐鎖または環式アルキル基で置換することができる。
「置換アルキル」は、1箇所以上(例えば、1、2、3、4、5、または6箇所)で、本明細書に記載されるような置換で置換されたアルキルを指し、それらの置換基は、安定な化合物を生じるように任意の利用可能な原子で付着している。「場合により置換されていてもよいアルキル」は、アルキルまたは置換アルキルを指す。「ハロゲン」、「ハライド」、および「ハロ」は、-F、-CI、-Br、および/または-Iを指す。「アルキレン」および「置換アルキレン」は、それぞれ二価アルキルおよび二価置換アルキルを指し、限定されるものではないが、エチレン(-CH-CH-)が含まれる。「場合により置換されていてもよいアルキレン」は、アルキレンまたは置換アルキレンを指す。
「アルケンまたはアルケニル」は、2~約20個の炭素原子を含む直鎖、分岐鎖、または環式ヒドロカルビル基、例えば、限定されるものではないが、1以上(例えば、1、2、3、4、または5個)の炭素-炭素二重結合を有するC2-3、C2-6、C2-10基を指す。アルケニル基の1または複数のオレフィンは、例えば、E、Z、シス、トランス、末端、またはエキソ-メチレンであり得る。アルケニルまたはアルケニレン基は、例えば、置換型または非置換型のC、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、またはC50基であり得る。ハロアルケニル基は、任意の数のハロゲン原子で置換されたいずれのアルケニル基であってもよい。
「置換アルケン」は、1箇所以上(例えば、1、2、3、4、または5箇所)で、本明細書に記載されるような置換で置換されたアルケンを指し、それらの置換基は、安定な化合物を生じるように任意の利用可能な原子で付着している。「場合により置換されていてもよいアルケン」は、アルケンまたは置換アルケンを指す。同様に、「アルケニレン」は、二価アルケンを指す。アルケニレンの例としては、限定されるものではないが、エテニレン(-CH=CH-)ならびにその全ての立体異性形態および配座異性形態が挙げられる。「置換アルケニレン」は、二価置換アルケンを指す。「場合により置換されていてもよいアルケニレン」は、アルケニレンまたは置換アルケニレンを指す。
アルキンまたは「アルキニル」は、示された数の炭素原子および少なくとも1つの三重結合を有する直鎖、分岐鎖、または環式不飽和炭化水素を指す。アルキンまたはアルキニル基の三重結合は、内部にあっても末端にあってもよい。(C-C)アルキニル基の例としては、限定されるものではないが、アセチレン、プロピン、1-ブチン、2-ブチン、1-ペンチン、2-ペンチン、1-ヘキシン、2-ヘキシン、3-ヘキシン、1-ヘプチン、2-ヘプチン、3-ヘプチン、1-オクチン、2-オクチン、3-オクチンおよび4-オクチンが挙げられる。アルキニル基は非置換型であっても、または本明細書の以下に記載されているような1以上の置換基で場合により置換されていてもよい。アルキンまたはアルキニル基は、例えば、置換型または非置換型のC、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、またはC50基であり得る。ハロアルキニル基は、任意の数のハロゲン原子で置換されたいずれのアルケニル基であってもよい。
用語「アルキニレン」は、二価アルキンを指す。アルキニレンの例としては、限定されるものではないが、エチニレン、プロピニレンが挙げられる。「置換アルキニレン」は、二価置換アルキンを指す。
用語「アルコキシ」は、示された数の炭素原子を有する-O-アルキル基を指す。エーテルまたはエーテル基は、アルコキシ基を含んでなる。例えば、(C-C)アルコキシ基としては、-O-メチル(メトキシ)、-O-エチル(エトキシ)、-O-プロピル(プロポキシ)、-O-イソプロピル(イソプロポキシ)、-O-ブチル(ブトキシ)、-O-sec-ブチル(sec-ブトキシ)、-O-tert-ブチル(tert-ブトキシ)、-O-ペンチル(ペントキシ)、-O-イソペンチル(イソペントキシ)、-O-ネオペンチル(ネオペントキシ)、-O-ヘキシル(ヘキシルオキシ)、-O-イソヘキシル(イソヘキシルオキシ)、および-O-ネオヘキシル(ネオヘキシルオキシ)が含まれる。「ヒドロキシアルキル」は、アルキル基の水素原子の1以上が-OH基で置換されている(C-C10)アルキル基を指す。ヒドロキシアルキル基の例としては、限定されるものではないが、-CHOH、-CHCHOH、-CHCHCHOH、-CHCHCHCHOH、-CHCHCHCHCHOH、-CHCHCHCHCHCHOH、およびそれらの分岐型が挙げられる。用語「エーテル」または「酸素エーテル」は、アルキル基の炭素原子の1以上が-O-基で置換されている(C-C10)アルキル基を指す。用語エーテルには、-CH-(OCH-CHOP化合物が含まれ、前記Pは保護基、-H、または(C-C10)アルキルである。例示的エーテルとしては、ポリエチレングリコール、ジエチルエーテル、メチルヘキシルエーテルなどが含まれる。
用語「チオエーテル」は、アルキル基の炭素原子の1以上が-S-基で置換されている(C-C10)アルキル基を指す。用語チオエーテルには、-CH-(SCH-CH-SP化合物が含まれ、前記Pは保護基、-H、または(C-C10)アルキルである。例示的チオエーテルには、ジメチルチオエーテルまたはエチルメチルチオエーテルが含まれる。
保護基(例えば、本明細書の化合物の合成の際にアミンを保護するため)は、当技術分野で公知であり、限定されるものではないが、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンズヒドリルオキシカルボニル(Bhoc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、O-ニトロベラトリルオキシカルボニル(Nvoc)、ベンジル(Bn)、アリルオキシカルボニル(alloc)、トリチル(Trt)、ジメトキシトリチル(DMT)、l-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキサシクロヘキリデン)エチル(Dde)、ジアチアスクシノイル(Dts)、ベンゾチアゾール-2-スルホニル(Bts)およびモノメトキシトリチル(MMT)基が含まれる。
「アリール」は、単独または組合せで、フェニルまたはナフチルなどの芳香族単環式または二環式環系を指す。「アリール」にはまた、シクロアルキル環と場合により縮合していてもよい芳香環系も含まれる。「置換アリール」は、安定な化合物を生じるために任意の利用可能な原子で付着した1以上の置換基で独立に置換されたアリールであり、置換基は本明細書に記載される通りである。置換基は、例えば、ヒドロカルビル基、アルキル基、アルコキシ基、およびハロゲン原子であり得る。「場合により置換されていてもよいアリール」は、アリールまたは置換アリールを指す。アリールオキシ基は、例えば、酸素原子が任意のアリール基で置換されたもの、例えば、フェノキシであり得る。アリールアルコキシ基は、例えば、酸素原子がアラルキル基で置換されたもの、例えば、ベンジルオキシであり得る。
「アリーレン」は二価アリールを表し、「置換アリーレン」は二価置換アリールを指す。「場合により置換されていてもよいアリーレン」は、アリーレンまたは置換アリーレンを指す。
「ヘテロ原子」は、N、O、PおよびSを指す。NまたはS原子を含有する化合物は、場合により酸化されて対応するN-オキシド、スルホキシドまたはスルホン化合物となっていてもよい。「ヘテロ置換」は、1以上の炭素原子がN、O、PまたはSで置換されている、本明細書に記載のいずれの実施形態の有機化合物も指す。
「シクロアルキル」は、単環式、二環式、三環式、または多環式の、飽和、不飽和または芳香族のいずれかの3~14員環系を指す。シクロアルキル基は、いずれの原子を介して付着していてもよい。シクロアルキルはまた、シクロアルキルがアリールまたはヘテロアリール環と縮合している縮合環も企図する。シクロアルキルの代表例としては、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。シクロアルキル基は、非置換型であっても、または本明細書の以下に記載されているような1以上の置換基で場合により置換されていてもよい。「シクロアルキレン」は、二価シクロアルキルを指す。用語「場合により置換されていてもよいシクロアルキレン」は、安定な化合物を生じるために任意の利用可能な原子で付着した1、2または3個の置換基で置換されたシクロアルキレンを指す。
「カルボキシル」または「カルボン酸の」は、示された数の炭素原子を有し、かつ、末端に-C(O)OH基がある、従って、構造-R-C(O)OH(前記Rは直鎖、分岐鎖、または環式炭化水素を含む二価有機基である)を有する基を指す。これらの限定されない例としては、C1-8カルボン酸基、例えば、エタン酸基、プロパン酸基、2-メチルプロパン酸基、ブタン酸基、2,2-ジメチルプロパン酸基、ペンタン酸基などが挙げられる。
「(C-C)アリール-(C-C)アルキレン」は、C-Cアルキレン基
の1以上の水素原子が(C-C)アリール基で置換されている二価アルキレンを指す
。(C-C)アリール-(C-C)アルキレン基の例としては、限定されるものではないが、1-フェニルブチレン、フェニル-2-ブチレン、l-フェニル-2-メチルプロピレン、フェニルメチレン、フェニルプロピレン、およびナフチルエチレンが挙げられる。用語「(C-C)シクロアルキル-(C-C)アルキレン」は、C-Cアルキレン基の1以上の水素原子が(C-C)シクロアルキル基で置換されている二価アルキレンを指す。(C-C)シクロアルキル-(C-C)アルキレン基の例としては、限定されるものではないが、1-シクロプロピルブチレン、シクロプロピル-2-ブチレン、シクロペンチル-1-フェニル-2-メチルプロピレン、シクロブチルメチレンおよびシクロヘキシルプロピレンが挙げられる。
本明細書に記載されるような例えば核酸または核酸ポリマー鎖などのより大きな分子内の、核酸塩基部分、官能基、グアニジン含有基、またはPEG含有基などの部分は、その分子の残りの部分に「連結」されており、これは、それがその分子の残りの部分に直接、または不活性な架橋部分を介して共有結合的に付着されていることを意味する。「不活性な」とは、リンカーが、意図される使用のための核酸または核酸類似体の機能に実質的に影響を及ぼさないことを意味する。不活性リンカーの限定されない例としては、例えば、15、10、または6個未満の炭素原子、例えば、アルキレン部分、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、もしくはブチレン基、またはアリール基を有し、S(例えば、チオエーテル)、N(第三級アミン)、もしくはO(例えば、エーテル)原子などのヘテロ原子、および/または架橋結合、例えば、限定されるものではないが、エステル結合、アミド結合、カルバミン酸結合、または炭酸結合を場合により含有してもよい、直鎖、分岐鎖、および/または環式ヒドロカルビル部分または置換ヒドロカルビル部分が挙げられる。リンカーは、分子の2つの構成要素を物理的または空間的に分離するためのスペーサーとして働き得る。
本明細書では、例えば、37℃にて、例えば、生理食塩水(0.9重量%NaCl)、またはトリス緩衝生理食塩水もしくはPBSなどの別の等張溶液などの生理学的条件下で、核酸鎖に特異的に結合する、核酸およびそれらの類似体、総称して「遺伝子認識試薬」が提供される。遺伝子認識試薬は、それぞれが核酸骨格または核酸類似体骨格モノマー残基に付着し、例えばDNAまたはRNAの場合には、ヌクレオシドを形成するか、またはリン酸基を伴ってヌクレオチドを形成し、少なくとも2つの核酸または核酸モノマー残基、従って、少なくとも2つの核酸塩基部分を含んでなるより大きな遺伝子認識試薬の一部を形成する複数の核酸塩基部分を含んでなる。
一態様において、遺伝子認識試薬の全ての核酸塩基は、本明細書に記載されているような修飾核酸塩基である。別の実施形態では、本明細書に記載される遺伝子認識試薬は、本明細書に記載されているような少なくとも1つの修飾核酸塩基を含んでなり、他の核酸塩基は天然核酸塩基(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、またはウラシル)であるか、またはそれらの修飾塩基とは異なる。
よって、一態様において、修飾核酸塩基が提供される。それらの核酸塩基は、核酸または核酸類似体モノマー(例えば、ヌクレオチド)に組み込むことができ、次にそれらを所望の核酸塩基配列を有する、モノマーのオリゴマーまたはポリマーに組み込むことができる。修飾核酸塩基の構造は以下に示され:
Figure 2023161073000004
(式中、
は、=O(=は二重結合を表す)、=S、=Se、またはCHであり;
は、H、CH、CN、NC、N、C(O)OH、またはC(O)NHであり;
は、OまたはSであり;
は、H、C(O)CH、またはC(O)OCHであり;かつ
Yは、NまたはCHであり、
(1)において、XおよびXがOである場合、XはHでもメチルでもない)
を含む。天然のDNAまたはRNAのA、T、G、およびCと結合し得る核酸塩基の完全なセットを形成するこのような核酸塩基の限定されない例には以下:
Figure 2023161073000005
が含まれる。
このような核酸塩基のさらなる例は、以下の蛍光塩基:
Figure 2023161073000006
である。
以上の核酸塩基のいずれか、一部、または全てがヌクレオチドモノマーおよび遺伝子認識試薬に組み込み可能である。
一態様において、本明細書に記載の遺伝子認識試薬は、遺伝子認識試薬の標的配列を含んでなる核酸鋳型に自己集合し得る。例えば、第1の遺伝子認識試薬は、核酸鋳型の第1の部分にハイブリダイズすることができる。第2の自己集合遺伝子認識試薬は、核酸鋳型の第1の部分に隣接する第2の部分にハイブリダイズすることができる。第1の遺伝子認識試薬および第2の遺伝子認識試薬は、様々な官能性末端基を使用して共有結合的に連結または非共有結合的に相互連結して連続構造を形成することができる。遺伝子認識試薬は、核酸骨格または核酸類似体骨格の第1の末端にリンカーにより連結された第1の部分と核酸骨格または核酸類似体骨格の第2の末端にリンカーにより連結された第2の部分を含んでなり得る。この第2の部分は、第1の部分の同じであってもよい。この第2の部分は第1の部分と異なっていてもよい。一例では、引用することにより本明細書の一部とされる国際特許出願第PCT/US18/67096号には、TTC、TTCTTC、TCT、TCTTCT、CTT、CTTCTT、CCG、CCGCCG、CGC、CGCCGC、GCC、GCCGCC、CGG、CGGCGG、GCG、GCGGCG、GGC、GGCGGC、CTG、CTGCTG、TGC、TGCTGC、GCT、GCTGCT、CAG、CAGCAG、AGC、AGCAGC、GCA、GCAGCA、CAGG、CAGGCAGG、AGGC、AGGCAGGC、GGCA、GGCAGGCA、GCAG、GCAGGCAG、AGAAT、GAATA、AATAG、ATAGA、TAGAA、GGCCCC、GCCCCG、CCCCGG、CCCGGC、CCGGCC、およびCGGCCCなどの標的配列、例えば、拡張リピートに隣接して並んだ際に、パイ-スタックにより単位遺伝子認識試薬間で強力な非共有結合的結合を形成するアリール基を末端に含んでなる自己集合遺伝子認識試薬が開示されている。自己集合遺伝子認識試薬の別の例では、引用することにより全内容が本明細書の一部とされる国際特許出願公開第WO2014/169216号には、末端チオエステル基およびスルフヒドリル基のために還元環境で自己集合し、共有結合する遺伝子認識試薬が記載されている。共有結合は、標的配列、例えば、上記のような拡張リピートを含んでなる核酸に隣接して並んだ際に単位自己集合遺伝子認識試薬間に形成する。親和性結合相手、または反応性基などの他の末端基も、本明細書に記載の遺伝子認識試薬の末端に付着して、相補的核酸鋳型上にそれらを自己集合させることができる。
本明細書では、一実施形態において、核酸塩基と核酸骨格または核酸類似体骨格モノマーを含んでなる化合物が提供される。本開示に関して、「ヌクレオチド」は、少なくとも1つの核酸塩基および骨格要素(RNAまたはDNAなどの核酸の場合には、リボースまたはデオキシリボースである)を含んでなる化合物または遺伝子認識試薬の残基を指す。ヌクレオチドモノマーはまた、特定の条件下で重合を可能とする反応性基も含んでなる。天然DNAおよびRNAにおいて、それらの反応性基は、5’リン酸基および3’ヒドロキシル基である。核酸およびそれらの類似体の化学合成のために、当技術分野で公知のように、塩基および骨格モノマーはブロック型アミンなどの修飾基を含有してもよい。「ヌクレオチド残基」は、オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドに組み込まれる単一のヌクレオチドを指す。同様に、「核酸塩基残基」は、ヌクレオチドもしくは核酸またはそれらの類似体に組み込まれる核酸塩基を指す。「遺伝子認識試薬」は、一般に、協調的塩基対形成(例えば、ワトソン-クリック塩基対形成またはワトソン-クリック様塩基対形成)によって核酸上の相補的核酸配列にハイブリダイズすることができる核酸塩基の配列を含んでなる核酸または核酸類似体を指す(図1参照)。分子内塩基対形成は、本明細書に記載の修飾塩基間では起こらず、そこでは立体衝突が起こるか、または天然核酸では通常に塩基対を形成する塩基間の水素結合が十分でない(図1パネル(A)(「図1(A)」))。図1(B)に見て取れるように、通常の塩基対形成は非対称であり、核酸塩基AとT/Uの間では2つの水素結合が形成し、核酸塩基GとCの間では3つの水素結合が形成する。図1(C)は、結合が対称的で、本明細書に記載の修飾核酸塩基とそれらの天然塩基対形成相手の全ての組合せ間で2個の水素結合が形成するという点で、本明細書に記載の修飾核酸塩基を使用する実質的利益を表す。塩基対のほぼ等しい結合「ウエイト」分布がプローブ設計を大幅に簡単にするだけでなく、プローブの結合強度が長さと配列組成よりも長さに強く依存することで、天然核酸塩基で達成可能なものよりも塩基対のミスマッチに対して大きな配列識別性を付与する。
図2は、本明細書に記載の修飾核酸塩基の利益を表す。図2(A)は、(a’/a)配列相補性にもかかわらず、修飾(u、c、a、およびg)核酸塩基を含有するPNAオリゴマー(キラルまたは非キラル)はヘアピン構造を採ることはできないが、その相補的ステム-ループRNA標的にハイブリダイズできることを示す。図2(B)は、ロックド核酸(LNA)またはPNA(例えば、yPNA)などの強固に結合するオリゴヌクレオチド分子はステム-ループ構造に侵入することができるが、治療薬および診断薬におけるその適用は非特異的結合のためにかなりのリスクをもたらすことを示す。図2(C)は、ほとんどのオリゴヌクレオチド分子が入るカテゴリーである中アビディティーオリゴヌクレオチドは、結合自由エネルギーがないために、または動的(ヘアピン)トラップの形成の結果としてステム-ループ構造を開くことができないことを示す。
選択的に標的化可能なRNAの二次構造および三次構造の例を図3に示す。潜在的治療薬標的および診断薬標的は、コードおよび非コード両方のRNA、ならびにDNAを含んでなる。
本明細書において、複数の態様で、修飾核酸塩基が提供される。核酸塩基は、例えば水素結合によるワトソン-クリックまたはワトソン-クリック様塩基対形成によって、アデニン、グアニン、チミン、シトシン、およびウラシルのうち1以上と特異的に結合する認識部分である。「核酸塩基」としては、基本(天然)核酸塩基:アデニン、グアニン、チミン、シトシン、およびウラシル、ならびに修飾プリン塩基およびピリミジン塩基、例えば、限定されるものではないが、ヒポキサンチン、キサンテン、7-メチルグアニン、5,6,ジヒドロウラシル、5-メチルシトシン、および5-ヒドロキシメチルシトシンが含まれる。図4はまた、一価核酸塩基(例えば、核酸または核酸類似体の1本の鎖に結合するアデニン、シトシン、グアニン、チミンまたはウラシル)、および増強された強度で相補的核酸塩基と結合する「G-クランプ」などの「クランプ」核酸塩基を含む、核酸塩基の限定されない例を示す。さらなるプリン、プリン様、ピリミジンおよびピリミジン様核酸塩基も、例えば、米国特許第8,053,212号、同第8,389,703号、および同第8,653,254号に開示されているように当技術分野で公知である。二価核酸塩基は米国特許出願公開第2016/0083434A1号および国際特許出願公開第WO/2018/058091号にさらに詳細に記載され、これらは全て引用することにより本明細書の一部とされ、1つではなく2つの核酸塩基と結合し、従って、マッチまたはミスマッチ核酸で複雑な三量体構造を形成し得る。
一例では、骨格モノマーは、リボース一リン酸、二リン酸または三リン酸またはデオキシリボース一リン酸、二リン酸、または三リン酸、例えば、リボースまたはデオキシリボースの5’一リン酸、二リン酸、または三リン酸である。骨格モノマーとしては、RNAにおけるリボースなどの構造的「残基」成分と、モノマーを相互連結する際に修飾される活性基、例えば、RNAへと重合された際に修飾されてホスホジエステル結合を残す、リボヌクレオチドの5’三リン酸および3’ヒドロキシル基の両方を含む。同様にPNAに関して、N-(2-アミノエチル)グリシン骨格モノマーのC末端カルボキシルおよびN末端アミン活性基は、重合の際に縮合してペプチド(アミド)結合を残す。別の態様において、活性基は、当技術分野で広く知られているように、ホスホラミダイトオリゴマー合成に有用なホスホラミダイト基である。ヌクレオチドモノマーはまた、本明細書に記載されるように、4,4’-ジメトキシトリチル(DMT)などの当技術分野で知られているような1以上の保護基を場合により含んでなってもよい。合成遺伝子認識試薬を製造するさらなる方法もいくつか知られ、骨格構造および塩基付加工程の特定の化学によって異なる。ヌクレオチドモノマーの連結にどの活性基を使用するかおよび塩基内のどの基を保護するか、ならびにオリゴマーの製造において必要とされる工程の決定は、化学分野ならびに核酸および核酸類似体オリゴマー合成の特定の分野の当業者の能力の十分範囲内にある。
本明細書で使用する場合、用語「核酸」は、デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)を指す。核酸類似体としては、例えば、限定されるものではないが(例えば図5参照):ホスホロチオエートDNA(PS DNA)、α,β拘束核酸(α,β-CNA)、2’-メトキシルRNA、2’-フルオロRNA、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)、ロックド核酸(LNA)、2’,4’拘束エチル核酸((S)-cEt)、2’,4’架橋核酸NC(N-H)(BNA-NC(N-H))、2’,4’架橋核酸NC(N-メチル)(BNA-NC(N-Me))、((S)-5’-C-メチルDNA(RNA))、および5’-E-ビニルホスホン酸核酸(E-VP)(前記RはH、OH、F、OMe、またはO(CHOMeである)ならびに場合により、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチド残基を含むそれらの組合せが含まれる。「オリゴヌクレオチド」は、短い一本鎖の遺伝子認識試薬である。オリゴヌクレオチドは、鎖の長さ(すなわち、ヌクレオチドまたは核酸塩基の数)によって、「マー」の名称により呼称することができる。例えば、22ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドは、22マーと呼称される。
「ペプチド核酸」は、DNAもしくはRNA類似体、またはDNAもしくはRNAの糖ホスホジエステル骨格がN-(2-アミノエチル)グリシン単位で置換されている模倣物を指す。一実施形態では、ペプチド核酸は、以下の構造:
Figure 2023161073000007
(式中、nは1以上であり、R、R、R、R、R、およびRは独立に、H;CH、CHOH、CH(CH)OH、CHSH、CH(CH)CH、CHCH(CH)CH、CH(CH)CHCH、CHCHSCH、CHCH、CH-C、CH-COH、1H-インドール-3-イルメチル、CHC(O)OH、CHCHC(O)OH、CHC(O)NH、CHCHC(O)NH、1H-イミダゾール-4-イルメチル、CHCHCHCHNH、またはCHCHCHNHC(NH)NH;直鎖または分岐鎖(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アリール、(C-C)シクロアルキル、(C-C)アリール(C-C)アルキレン、(C-C)シクロアルキル(C-C)アルキレン、グアニジン含有基、CH-(OCH-CH-OH、CH-(OCH-CH-NH、CH-(OCH-CH-SH、CH-(OCH-CH-NHC(NH)NH、CH-(OCH-CH-モルホリン、CH-(OCH-CH-ピペラジン、
Figure 2023161073000008
であり、前記Xは、線状リンカーなどのリンカーであり、RおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、RおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、またはRおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、およびRのどの場合も独立に核酸塩基であり、nが2以上の場合には核酸塩基配列を形成する)
を有する。
リンカーは、ある部分を別の部分と共有結合的に接続する、化合物内の部分である。リンカーは、化合物全体の活性、例えば、本発明に関しては、遺伝子認識試薬がその意図される使用において機能する能力に実質的に悪影響を与えない。2つの部分の共有結合的連結を提供する他、リンカーは、例えば立体的な影響を避けるように間隔を最適とするために、それが結合されている部分の物理的分離などの有益な効果を有し得る。リンカーはまた、化合物のさらなる部分を連結するためにさらなる部位(例えば、保護基により保護されたアミン)を提供するため、または分子全体を堅固にするために、分子全体の疎水性/親水性を変更するなど、いくつかの付加的機能を提供することができる。リンカーは、任意の好適な結合部分(「結合」)により、例えば、化合物のさらなる部分への炭素-炭素結合、エステル結合、チオエステル結合、アミン結合、エーテル結合、アミド結合、炭酸結合、またはカルバミン酸結合により、化合物の残りの部分に付着される。リンカーは、炭素と水素のみを含み(例えば、1~10個のメチレン基)、場合によりN、O、および/またはSなどの1以上のヘテロ原子を含んでなるヒドロカルビルであり得る。本発明に関して、一実施形態では、1つの好適なリンカーは、PEG基-(O-CH-CH-を含んでなる二価部分であり、前記nは2~100の範囲、例えば2~10(PEG2-10)、または2~5(PEG2-5)の範囲、例えば、2(PEG)、3、4、5、6、7、8、9、または10である。PEGリンカーは、PEG基を接続部分に付着させる好適な結合に加えていずれかの末端に1以上のメチレン基を含んでなり得る。
別の実施形態では、PNAはガンマPNA(γPNA)であり、これは上記式(I)のγ炭素がキラル中心であるガンマ-修飾N-(2-アミノエチル)グリシンモノマーのオリゴマーまたはポリマーであり、一般に、ガンマ炭素に付着したRまたはRの一方がHであり、他方は水素でないか、またはRおよびRは異なり、これによりガンマ炭素はキラル中心となる。RおよびRが両方とも水素である(N-(2-アミノエチル)-グリシン骨格)か、または同じである場合には、ガンマ炭素に関するこのようなキラル性はない。アルファPNA(αPNA)は、上記式(I)のα炭素がキラル中心である、アルファ-修飾N-(2-アミノエチル)グリシンモノマーのオリゴマーまたはポリマーである。ベータPNA(βPNA)は、上記式(I)のβ炭素がキラル中心である、ベータ-修飾N-(2-アミノエチル)グリシンモノマーのオリゴマーまたはポリマーである。γPNAに関する以下の考察は、αPNAおよびβPNAにも同様に当てはまる。また、α、β、およびγ炭素のいずれの2つの組合せ(α,β、α,γ、またはβ,γ)もまたは3つ全て(α,β,γ)はキラル中心を形成し得る。
種々の実施形態において、例えばR、R、R、R、R、およびRの1以上における骨格は、1~50個のオキシエチレン残基でペグ化され、すなわち、nが1~50(含む)である[-O-CH-CH-]である。PEG基は、任意の好適な架橋基により、例えば、C1-6アルキル基、またはおよびアリール-アルキル基により骨格に連結され得る。
他の実施形態において、例えばR、R、R、R、R、およびRの1以上における骨格は、1以上のグアニジン含有基、例えば、グアニジン部分で終わるアルキルまたはアリール-アルキル部分を含んでなる。
他の実施形態において、細胞取り込みおよびエンドソーム脱出を促進するために、R、R、R、R、R、およびRの1以上は、S1A、S1B、S1C、S1D、S1E、S1F、S1G、S1H、S1I、S1J、S1K、またはS1Lである。
「アミノ酸側鎖」は、アミノ酸の側鎖である。アミノ酸は構造:
Figure 2023161073000009
(式中、「Side」はアミノ酸側鎖である)を有する。アミノ酸側鎖の限定されない例としては、CH(Ala)、CHOH(Ser)、CH(CH)OH(Thr)、CHSH(Cys)、CH(CH)CH(Val)、CHCH(CH)CH(Leu)、CH(CH)CHCH(Ile)、CHCHSCH(Met)、4-CH-COH(Tyr)、CH-C(Phe)、1H-インドール-3-イルメチル(Trp)、CHC(O)OH(Asp)、CHCHC(O)OH(Glu)、CHC(O)NH(Asn)、CHCHC(O)NH(Gln)、1H-イミダゾール-4-イルメチル(His)、CHCHCHCHNH(Lys)、またはCHCHCHNHC(NH)NH(グアニジン/グアニジウム基を含んでなるArg)が挙げられる。この実施形態ではその側鎖(SideがH)がないためグリシンは表されていない。
γPNAオリゴマーまたはポリマーに組み込まれているγPNAモノマーは、本明細書では「γPNAモノマー残基」と呼ばれ、各残基は同じまたは異なる核酸塩基、例えば、本明細書に記載の修飾核酸塩基を有し、従って、DNAまたはRNAの場合と同様に、このγPNAにおける塩基の順序がその「配列」となる。核酸または核酸類似体オリゴマーまたはポリマー、例えば、γPNAオリゴマーまたはポリマーの核酸塩基配列は、二本鎖DNAまたはRNAにおける相補的塩基のワトソン-クリック結合と本質的に同様に協調的結合によって核酸鎖のアデニン、グアニン、シトシン、チミンおよび/またはウラシル残基の相補配列に結合する。「ワトソン-クリック様」結合は、G、A、T、CまたはU以外の核酸塩基の水素結合、例えば、本明細書においてG、A、T、C、Uまたは他の核酸塩基で示される二価塩基の結合を指す。
特に断りのない限り、本明細書に記載の核酸および核酸類似体は、いずれの特定の塩基配列に関しても記載されない。本開示は、修飾核酸塩基、これらの修飾核酸塩基を含んでなる組成物、ならびにこれらの修飾核酸塩基およびそれらの核酸塩基を含有する化合物の使用方法を対象とし、本明細書に記載のいずれの特定の実施形態の有用性も、いずれの場合も一般に特定の配列に依存するが、一般的に適用可能である。γPNAオリゴマーの骨格に付着した核酸塩基配列は、ワトソン-クリックまたはワトソン-クリック様水素結合により、標的核酸または核酸類似体の相補的核酸塩基配列とハイブリダイズすることができる。当業者は、本明細書に記載の組成物および方法は配列に依存せず、二価核酸塩基を含んでなる新規な、一般化された組成物および関連の方法を記載することを理解するであろう。
遺伝子認識試薬は、小オリゴヌクレオチドとして作製することができ、例えば、引用することによりその全内容が本明細書の一部とされる米国特許出願公開第2016/0083433A1号に記載に記載されているように、イン・サイチュ(in situ)、イン・ビボ、エクス・ビボ(ex vivo)、またはイン・ビトロ(in vitro)で組み立てることができる。その方法により、トリマーなどのより長い配列に比べて高い細胞または組織透過性の小オリゴマーが細胞に移行可能であり、これらのオリゴマーは、ひと度、鋳型核酸にハイブリダイズすると、連続したより長い配列として組み立て可能である。これは、例えば、標的核酸へのハイブリダイズに使用するためのより長い配列を迅速に組み立てるために、イン・ビトロまたはエクス・ビボにおいて達成可能である。
一態様において、遺伝子認識試薬はアレイで提供される。アレイは、遺伝子検出アッセイなどのハイスループットアッセイの実施に特に有用である。本明細書で使用する場合、用語「アレイ」は、基質(支持体)上の2以上の独立した、識別可能なかつ/またはアドレス可能な位置に配置または付着された試薬、例えば、本明細書に記載の遺伝子認識試薬を指す。一態様において、アレイは、限定されるものではないが、特定された構成要素を含んでなる反応が行われる96ウェルディッシュなどの、2以上の独立した、識別可能な反応チャンバーを備えた装置である。一態様において、本明細書に記載されるような1以上の二価核酸塩基を含んでなる2以上の遺伝子認識試薬は、各個のプライマーまたはプローブが基質上の異なる、かつ(アドレス可能な)識別可能な位置に配置されるように空間的にアドレス可能な様式で基質上に固定されている。1以上の遺伝子認識試薬は基質に共有結合的に連結されるか、またはそうでなければ、アレイ上のアドレス可能な位置に結合もしくは配置される。基質としては、限定されるものではないが、マルチウェルプレート、シリコンチップおよびビーズが挙げられる。一態様において、アレイは、2セット以上のビーズを含んでなり、各ビーズは、例えば、限定されるものではないが、フローサイトメーターを用いてビーズが個々に識別可能となるように、量子ドットまたは蛍光タグなどの識別可能なマーカーを有する。一態様において、アレイは、特定の配列と結合するための記載の遺伝子認識試薬の入った2以上のウェルを含むマルチウェルプレートである。従って、プローブおよびプライマーなどの試薬は、アレイ上の特定の位置に結合させるか、またはそうでなければ表面もしくは内部に付着させるか、または特定の位置に配置する。試薬は、限定されるものではないが、溶液、乾燥品、凍結乾燥品、またはガラス固化品を含め、いずれの好適な形態であってもよい。アガロースビーズまたはシリコンチップなどの基質に共有結合的に連結させる場合、このような基質に遺伝子認識試薬などの化学部分を付着させるための様々な連結技術が知られている。
核酸、ペプチド核酸および他の核酸類似体の連結に使用するためのリンカーおよびスペーサーは、化学分野およびアレイ分野で広く知られており、そのため本明細書では記載しない。限定されない例として、γPNA遺伝子認識試薬は、例えば、Thermo Fisher Scientific(Pierce Protein Biology Products)、ロックフォード、イリノイ州、および様々な他の供給者から入手可能なカルボキシル官能性、シアノゲンブロミド官能性、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル官能性、カルボニルジイミダゾール官能性、またはアルデヒド官能性アガロースビーズと反応させることができる反応性アミンを含有する。本明細書に記載の遺伝子認識試薬は、リンカーを伴うまたは伴わないいずれの様式で基質に付着させてもよい。反応の実施に使用するための装置、およびアレイを読み取るための装置は広く知られ、利用可能であり、アレイデータを分析し、および/または患者サンプルから得られたデータから遺伝的リスク因子を特定するための情報科学的および/もしくは統計学的ソフトウエアまたは他のコンピューター実装プロセスは当技術分野で公知である。
本明細書に記載のある種の修飾核酸塩基は、それらの環構造のために蛍光を発する。これらの組成物は蛍光色素として使用可能であり、または内部蛍光は、例えば、標的配列を可視化できるようにイン・サイチュアッセイまたはゲルもしくはブロットにおいて、標的配列に結合することによってプローブとして使用可能である。
本発明の一態様によれば、核酸における標的配列の検出のための方法であって、本明細書に記載されるような遺伝子認識試薬組成物を、核酸を含んでなるサンプルと接触させること、およびその遺伝子認識試薬と核酸の結合を検出することを含んでなる方法が提供される。一態様において、遺伝子認識試薬は、基質、例えば、アレイに固定され、標識された(例えば、蛍光標識または放射性標識された)核酸サンプルが、固定された遺伝子認識試薬と接触され、その遺伝子認識試薬に特異的に結合した標識核酸の量が測定される。一変形形態において、遺伝子認識試薬またはその遺伝子認識試薬の標的配列を含んでなる核酸が基質に結合され、遺伝子認識試薬の標的配列を含んでなる標識核酸または標識遺伝子認識試薬がそれぞれ固定された遺伝子認識試薬または核酸に結合して複合体を形成する。一態様において、完全標的配列を含んでなる核酸が複合体を形成した核酸に遺伝子認識試薬をめぐる競合に有利となるように、その複合体の核酸は部分的標的配列を含んでなる。次に、この複合体は核酸サンプルに曝され、結合した標識の、複合体からの損失を、核酸サンプルにおける核酸マーカーの定量を補助する標準的な方法に従って検出および定量することができる。これらは核酸サンプルにおいて特定の核酸の存在を検出または定量するために使用可能な、存在し得る多数の分析アッセイのうちの単に2つに過ぎない。
本明細書に記載されるような核酸または遺伝子認識試薬などの組成物に関して「固定される」とは、任意の物理的構造または化学組成物の基質に付着されることを意味する。固定組成物は、最終用途に関して有用な任意の方法により固定される。組成物は、アミン基とリンカーもしくはスペーサーとの共有結合、またはファンデルワールス力および/または水素結合を含む非共有結合によるなど、共有結合的または非共有結合的方法によって固定される。「標識」は、その標識を含んでなる分子または組成物の検出または精製に有用な化学部分である。標識は、例えば、限定されるものではないが、14C、32P、35Sなどの放射性部分、フルオレセインイソチオシアネートもしくはシアニン色素などの蛍光色素、酵素、または他の化合物と結合するためのリガンド、例えば、ストレプトアビジンと結合するためのビオチン、または抗体と結合するためのエピトープであり得る。多数のこのような標識、およびそれらの使用方法は、免疫学および分子生物学分野の当業者に公知である。とは言え、本明細書に記載のある種の核酸塩基は蛍光性であるため、このような塩基を核酸もしくは核酸類似体のヌクレオチド残基に組み込むか、または二価核酸塩基と核酸、核酸類似体、結合試薬、リガンドまたは他の検出試薬を共有結合的に連結させると、サンプル、反応混合物、アレイなどにおいて試薬の検出および/または定量が可能となる。
本発明のさらに別の態様では、標的配列を含有する核酸の単離および精製の方法が提供される。限定されない一態様において、本明細書に記載されるような遺伝子認識試薬は、ビーズ(例えば、限定されるものではないが、アガロースビーズ、選別のために蛍光マーカーを含有するビーズ、または磁性ビーズ)、多孔質マトリックス、表面、チューブなどの基質に固定される。核酸サンプルをこの固定された遺伝子認識試薬と接触させ、標的配列を含有する核酸がこの遺伝子認識試薬に結合する。結合した核酸を次に洗浄して結合していない核酸を除去し、次いで、結合した核酸を溶出させ、分子生物学分野で広く知られているような任意の有用な方法によって沈澱させるか、またはそうでなければ濃縮する。
さらなる態様において、キットが提供される。キットは、自動核酸、核酸類似体、またはPNA合成のためのカートリッジを含む任意の形態の少なくとも1つの容器を含んでなり、例えば、核酸および/または核酸類似体を作製するための自動配列作製装置で使用するための個々の独立した、場合により、独立にアドレス可能なコンパートメントの形態で1以上の容器を含んでなってもよい。容器は、使い捨てであってもよく、または複数回使用に十分な内容物を含有していてもよい。キットはまたアレイを含んでなってもよい。キットは場合により、本明細書に記載のいずれの実施形態においても、遺伝子認識試薬の作製または使用に使用するための1以上の付加的試薬を含んでなってもよい。キットは、本明細書に記載のいずれかの形態の任意の二価核酸塩基、または本明細書に記載のいずれかの態様によるモノマーもしくは遺伝子認識試薬を含有する容器を含んでなる。異なる核酸塩基、モノマーまたは遺伝子認識試薬は一般に別の容器に封入され、これらはカートリッジ内の別のコンパートメントであってもよい。
複数の態様において、化合物および遺伝子認識試薬は治療目的で使用され、従って、これらの化合物および遺伝子認識試薬は、治療上有効な量の化合物または遺伝子認識試薬と治療的送達、例えば、限定されるものではないが、経口投与、局所投与、静脈内投与、筋肉内投与、または皮下投与のための賦形剤、例えば、ビヒクルまたは希釈剤を含む、ヒトおよび獣医学的使用のための組成物を含む、医薬品、医薬組成物、または投与形として処方される。組成物は、所望の投与様式に適当な固体または液体ビヒクル、希釈剤および添加剤を用いて従来の方法で処方することができる。経口的には、これらの化合物は錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤などの形態で投与することができる。これらの組成物は場合により、薬学、医薬、獣医学または生物学分野で広く知られているように、1以上の付加的な有効薬を含んでなる。本明細書に記載の化合物は、いずれの効果的な様式で投与してもよい。送達経路のさらなる例としては、限定されるものではないが、局所送達、例えば、経皮送達、吸入送達、浣腸、眼内送達、耳内送達および鼻腔送達;経腸送達、例えば、経口送達、胃の経管栄養チューブまたは嚥下による送達、および直腸送達;ならびに非経口送達、例えば、静脈内送達、動脈内送達、筋肉内送達、心臓内送達、皮下送達、骨内送達、皮内送達、くも膜下腔内送達、腹腔内送達、経皮送達、イオン導入送達、経粘膜送達、硬膜外送達および硝子体内送達が挙げられる。治療用/医薬組成物は、広く知られているように、許容される製薬手順に従って調製される。
本明細書に記載の化合物はいずれも化合物または遺伝子認識試薬が有効成分である医薬投与形または医薬品などの、使用に好適な組成物として調合またはそうでなければ製造され得る。一例によれば、本明細書記載の医薬品は、経口錠剤、カプセル剤、カプレット剤、液体充填またはゲル充填カプセル剤などである。組成物は薬学上許容される担体、または賦形剤を含んでなり得る。「賦形剤」は、投薬の有効成分の担体として使用される不活性物質である。「不活性」ではあるが、賦形剤は医薬品中の有効成分の送達、安定性またはバイオアベイラビリティの増大を促進および補助し得る。有用な賦形剤の限定されない例としては、製薬/調合分野において利用可能であるように、付着防止剤、結合剤、レオロジー調整剤、コーティング剤、崩壊剤、乳化剤、油、緩衝剤、塩、酸、塩基、増量剤、希釈剤、溶媒、香味剤、着色剤、流動促進剤、滑沢剤、保存剤、抗酸化剤、吸着剤、ビタミン、甘味剤などが挙げられる。
実施例-修飾核酸塩基および細胞透過性γPNAの合成
本明細書に記載の化合物および遺伝子認識試薬は、化学合成および有機合成分野において公知の方法に従って合成される。例示的合成スキームが図6および7に示される。
以下に符番した項目で、本発明の限定されない実施形態および態様を説明する。
第1項:核酸骨格または核酸類似体骨格に結合した複数の核酸塩基部分を含んでなり、少なくとも1つの核酸塩基部分が:
Figure 2023161073000010
(式中、
は、=O、=S、=Se、またはCHであり;
は、H、CH、CN、NC、N、C(O)OH、またはC(O)NHであり;
は、OまたはSであり;
は、H、C(O)CH、またはC(O)OCHであり;かつ
Yは、NまたはCHであり、
(1)において、XおよびXがOである場合、XはHでもメチルでもない)
である、遺伝子認識試薬。
第2項:少なくとも1つの核酸塩基部分が:
Figure 2023161073000011
である、第1項に記載の遺伝子認識試薬。
第3項:少なくとも1つの核酸塩基部分が:
Figure 2023161073000012
である、第1項に記載の遺伝子認識試薬。
第4項:少なくとも1つの核酸塩基部分が:
Figure 2023161073000013
である、第1項に記載の遺伝子認識試薬。
第5項:少なくとも1つの核酸塩基部分が:
Figure 2023161073000014
である、第1項に記載の遺伝子認識試薬。
第6項:少なくとも1つの核酸塩基部分が:
Figure 2023161073000015
である、第1項に記載の遺伝子認識試薬。
第7項:少なくとも1つの核酸塩基部分が:
Figure 2023161073000016
である、第1項に記載の遺伝子認識試薬。
第8項:少なくとも1つの核酸塩基部分が:
Figure 2023161073000017
である、第1項に記載の遺伝子認識試薬。
第9項:骨格が、DNA、RNA、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロチオエートDNA(PS DNA)、α,β拘束核酸(α,β-CNA)、2’-メトキシルRNA、2’-フルオロRNA、ロックド核酸(LNA)、2’,4’拘束エチル核酸((S)-cEt)、2’,4’架橋核酸NC(N-H)(BNA-NC(N-H))、2’,4’架橋核酸NC(N-メチル)(BNA-NC(N-Me))、2’-(R)-(S)-5’-C-メチルDNA、または2’-R-5’-E-ビニルホスホン酸核酸(E-VP)(前記Rは、H、OH、F、OMe、またはO(CHOMe骨格である)の1つから選択される、第1項~第8項のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬。
第10項:骨格がペプチド核酸(PNA)骨格である、第1項に記載の遺伝子認識試薬。
第11項:骨格が、骨格に連結した2~50(-O-CH-CH-)残基の1以上のPEG部分でペグ化されている、第10項に記載の遺伝子認識試薬。
第12項:骨格が、骨格に連結した1以上のグアニジン部分を含んでなる、第10項に記載の遺伝子認識試薬。
第13項:骨格がガンマペプチド核酸(γPNA)骨格である、第1項に記載の遺伝子認識試薬。
第14項:骨格が、残基
Figure 2023161073000018
(式中、nは1以上であり、R、R、R、R、R、およびRは独立にH;CH、CHOH、CH(CH)OH、CHSH、CH(CH)CH、CHCH(CH)CH、CH(CH)CHCH、CHCHSCH、CHCH、CH-C、CH-COH、1H-インドール-3-イルメチル、CHC(O)OH、CHCHC(O)OH、CHC(O)NH、CHCHC(O)NH、1H-イミダゾール-4-イルメチル、CHCHCHCHNH、またはCHCHCHNHC(NH)NH;直鎖または分岐鎖(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アリール、(C-C)シクロアルキル、(C-C)アリール(C-C)アルキレン、(C-C)シクロアルキル(C-C)アルキレン、グアニジン含有基、CH-(OCH-CH-OH、CH-(OCH-CH-NH、CH-(OCH-CH-SH、CH-(OCH-CH-NHC(NH)NH、CH-(OCH-CH-モルホリン、CH-(OCH-CH-ピペラジン、
Figure 2023161073000019
である(前記Xはリンカーであり、RおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、RおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、またはRおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、およびR7のどの場合も独立に核酸塩基である))
を含んでなるPNA骨格である、第1項に記載の遺伝子認識試薬。
第15項:R、R、R、R、R、およびRのうち少なくとも1つが、S1A、S1B、S1C、S1D、S1E、S1F、S1G、S1H、S1I、S1J、S1K、またはS1Lである、第14項に記載の遺伝子認識試薬。
第16項:α-炭素、β-炭素、またはγ-炭素がキラル中心である、第14項または第15項に記載の遺伝子認識試薬。
第17項:γ-炭素がキラル中心である、第16項に記載の遺伝子認識試薬。
第18項:R
Figure 2023161073000020
である、第17項に記載の遺伝子認識試薬。
第19項:R、R、R、R、およびRがHである、第16項に記載の遺伝子認識試薬。
第20項:核酸鋳型上での2以上の隣接する遺伝子認識試薬の自己集合のために、核酸骨格または核酸類似体骨格に連結した末端基を含んでなる、第1項~第19項のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬。
第21項:末端基が2~5環の縮合多環式芳香族部分である、第20項に記載の遺伝子認識試薬。
第22項:末端基がスルフヒドリル基またはチオエステル基である、第20項に記載の遺伝子認識試薬。
第23項:複数の核酸塩基部分が、TTC、TTCTTC、TCT、TCTTCT、CTT、CTTCTT、CCG、CCGCCG、CGC、CGCCGC、GCC、GCCGCC、CGG、CGGCGG、GCG、GCGGCG、GGC、GGCGGC、CTG、CTGCTG、TGC、TGCTGC、GCT、GCTGCT、CAG、CAGCAG、AGC、AGCAGC、GCA、GCAGCA、CAGG、CAGGCAGG、AGGC、AGGCAGGC、GGCA、GGCAGGCA、GCAG、GCAGGCAG、AGAAT、GAATA、AATAG、ATAGA、TAGAA、GGCCCC、GCCCCG、CCCCGG、CCCGGC、CCGGCC、およびCGGCCC、または前記のいずれかの連続リピートを含んでなる配列を形成する、第1項~第22項のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬。
第24項:複数の核酸塩基部分が核酸の標的配列と相補的な配列で構成されている、第1項~第23項のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬。
第25項:3~25の核酸塩基部分を有する、第1項~第24項のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬。
第26項:構造:
Figure 2023161073000021
(式中、
は、=O、=S、=Se、またはCHであり;
は、H、CH、CN、NC、N、C(O)OH、またはC(O)NHであり;
は、OまたはSであり;
は、H、C(O)CH、またはC(O)OCHであり;かつ
Yは、NまたはCHであり、
(I)において、XおよびXがOである場合、XはHでもメチルでもない)
を有する核酸塩基部分に連結した核酸骨格モノマーまたは核酸類似体骨格モノマーを含んでなる化合物。
第27項:少なくとも1つの核酸塩基部分が:
Figure 2023161073000022
である、第26項に記載の化合物。
第28:少なくとも1つの核酸塩基部分が:
Figure 2023161073000023
である、第26項に記載の化合物。
第29項:少なくとも1つの核酸塩基部分が:
Figure 2023161073000024
である、第26項に記載の化合物。
第30項:少なくとも1つの核酸塩基部分が:
Figure 2023161073000025
である、第26号に記載の化合物。
第31項:骨格モノマーが、DNA、RNA、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロチオエートDNA(PS DNA)、α,β拘束核酸(α,β-CNA)、2’-メトキシルRNA、2’-フルオロRNA、ロックド核酸(LNA)、2’,4’拘束エチル核酸((S)-cEt)、2’,4’架橋核酸NC(N-H)(BNA-NC(N-H))、2’,4’架橋核酸NC(N-メチル)(BNA-NC(N-Me))、2’-(R)-(S)-5’-C-メチルDNA、または2’-R-5’-E-ビニルホスホン酸核酸(E-VP)(前記Rは、H、OH、F、OMe、またはO(CHOMe骨格モノマーである)である、第26項~第30項のいずれか一項に記載の化合物。
第32項:骨格モノマーがペプチド核酸(PNA)骨格モノマーである、第26項~第31項のいずれか一項に記載の化合物。
第33項:骨格モノマーが、骨格モノマーに連結した2~50(-O-CH-CH-)残基の1以上のPEG部分でペグ化されている、第32項に記載の化合物。
第34項:骨格が、骨格に連結した1以上のグアニジン部分を含んでなる、第32項に記載の化合物。
第35項:骨格モノマーがガンマペプチド核酸(γPNA)骨格モノマーである、第26項に記載の化合物。
第36項:骨格モノマーが、構造:
Figure 2023161073000026
(式中、R、R、R、R、R、およびRは独立にH;CH、CHOH、CH(CH)OH、CHSH、CH(CH)CH、CHCH(CH)CH、CH(CH)CHCH、CHCHSCH、CHCH、CH-C、1H-インドール-3-イルメチル、CH-COH、CHC(O)OH、CHCHC(O)OH、CHC(O)NH、CHCHC(O)NH、1H-イミダゾール-4-イルメチル、CHCHCHCHNH、またはCHCHCHNHC(NH)NH;直鎖または分岐鎖(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アリール、(C-C)シクロアルキル、(C-C)アリール(C-C)アルキレン、(C-C)シクロアルキル(C-C)アルキレン、グアニジン含有基、CH-(OCH-CH-OH、CH-(OCH-CH-NH、CH-(OCH-CH-SH、CH-(OCH-CH-NHC(NH)NH、CH-(OCH-CH-モルホリン、CH-(OCH-CH-ピペラジン、
Figure 2023161073000027
であり、前記Xは、リンカーであり、RおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、RおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、またはRおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、およびR7のどの場合も独立に核酸塩基である)
を有するPNA骨格である、第26項に記載の化合物。
第37項:R、R、R、R、R、およびRのうち少なくとも1つが、S1A、S1B、S1C、S1D、S1E、S1F、S1G、S1H、S1I、S1J、S1K、またはS1Lである、第36項に記載の化合物。
第38項:α-炭素、β-炭素、またはγ-炭素がキラル中心である、第36項または第37項に記載の化合物。
第39項:γ-炭素がキラル中心である、第38項に記載の化合物。
第40項:R
Figure 2023161073000028
である、第39項に記載の化合物。
第41項:R、R、R、R、およびRがHである、第37項に記載の化合物。
第42項:容器に第36項~第41項のいずれか一項に記載の化合物を含んでなる、キット。
第43項:別々の容器にモノマー結合アデニン、グアニン、シトシンならびにウラシルおよびチミンの一方または両方を含んでなる、第42項に記載のキット。
第44項:容器に第1項~第25項のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬を含んでなるキット。
第45項:容器が自動装置で使用するためのカートリッジ内の1または複数のコンパートメントである、第42項~第44項のいずれか一項に記載のキット。
第46項:第1項~第19項のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬を含んでなるアレイ。
第47項:第1項~第25項のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬を、核酸を含んでなるサンプルと接触させること、および前記遺伝子認識試薬と核酸の結合を検出することを含んでなる、核酸における標的配列の検出方法。
第48項:標的配列を含有する核酸サンプルの単離および精製方法であって、核酸サンプルを第1項~第29項のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬と接触させること、前記遺伝子認識試薬から前記核酸サンプルを分離すること、遺伝子認識試薬に結合した核酸を残すこと、および前記遺伝子認識試薬に結合した核酸から前記遺伝子認識試薬を分離することを含んでなる、方法。
第49項:遺伝子認識試薬が基質に固定され、核酸と前記基質を接触させること、前記基質から結合していない核酸を除去するために前記基質を洗浄すること、しかし、前記基質に結合した核酸を結合したまま残すこと、および結合した核酸を前記基質から溶出させることを含んでなる、第48項に記載の方法。
第50項:第1項~第49項のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬または化合物および薬学上許容される賦形剤を含んでなる、組成物。
本発明を、特定の例示的な実施形態、分散可能な組成物、およびそれらの使用に関して説明してきた。しかしながら、当業者には、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態のいずれかの様々な置換、変更、または組合せを行い得ることが認識されるであろう。従って、本発明は、例示的な実施形態の説明によって限定されるのではなく、原出願の添付の特許請求の範囲によって限定される。

Claims (50)

  1. 核酸骨格または核酸類似体骨格に結合した複数の核酸塩基部分を含んでなり、少なくとも1つの核酸塩基部分が:
    Figure 2023161073000029
    (式中、
    は、=O、=S、=Se、またはCHであり;
    は、H、CH、CN、NC、N、C(O)OH、またはC(O)NHであり;
    は、OまたはSであり;
    は、H、C(O)CH、またはC(O)OCHであり;かつ
    Yは、NまたはCHであり、
    (1)において、XおよびXがOである場合、XはHでもメチルでもない)
    である、遺伝子認識試薬。
  2. 少なくとも1つの核酸塩基部分が:
    Figure 2023161073000030
    である、請求項1に記載の遺伝子認識試薬。
  3. 少なくとも1つの核酸塩基部分が:
    Figure 2023161073000031
    である、請求項1に記載の遺伝子認識試薬。
  4. 少なくとも1つの核酸塩基部分が:
    Figure 2023161073000032
    である、請求項1に記載の遺伝子認識試薬。
  5. 少なくとも1つの核酸塩基部分が:
    Figure 2023161073000033
    である、請求項1に記載の遺伝子認識試薬。
  6. 少なくとも1つの核酸塩基部分が:
    Figure 2023161073000034
    である、請求項1に記載の遺伝子認識試薬。
  7. 少なくとも1つの核酸塩基部分が:
    Figure 2023161073000035
    である、請求項1に記載の遺伝子認識試薬。
  8. 少なくとも1つの核酸塩基部分が:
    Figure 2023161073000036
    である、請求項1に記載の遺伝子認識試薬。
  9. 骨格がDNA、RNA、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロチオエートDNA(PS DNA)、α,β拘束核酸(α,β-CNA)、2’-メトキシルRNA、2’-フルオロRNA、ロックド核酸(LNA)、2’,4’拘束エチル核酸((S)-cEt)、2’,4’架橋核酸NC(N-H)(BNA-NC(N-H))、2’,4’架橋核酸NC(N-メチル)(BNA-NC(N-Me))、2’-(R)-(S)-5’-C-メチルDNA、または2’-R-5’-E-ビニルホスホン酸核酸(E-VP)(前記Rは、H、OH、F、OMe、またはO(CHOMe骨格である)の1つから選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬。
  10. 骨格がペプチド核酸(PNA)骨格である、請求項1に記載の遺伝子認識試薬。
  11. 骨格が、骨格に連結した2~50(-O-CH-CH-)残基の1以上のPEG部分でペグ化されている、請求項10に記載の遺伝子認識試薬。
  12. 骨格が、骨格に連結した1以上のグアニジン部分を含んでなる、請求項10に記載の遺伝子認識試薬。
  13. 骨格がγペプチド核酸(γPNA)骨格である、請求項1に記載の遺伝子認識試薬。
  14. 骨格が、
    残基
    Figure 2023161073000037
    (式中、nは1以上であり、R、R、R、R、R、およびRは独立にH;CH、CHOH、CH(CH)OH、CHSH、CH(CH)CH、CHCH(CH)CH、CH(CH)CHCH、CHCHSCH、CHCH、CH-C、CH-COH、1H-インドール-3-イルメチル、CHC(O)OH、CHCHC(O)OH、CHC(O)NH、CHCHC(O)NH、1H-イミダゾール-4-イルメチル、CHCHCHCHNH、またはCHCHCHNHC(NH)NH;直鎖または分岐鎖(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アリール、(C-C)シクロアルキル、(C-C)アリール(C-C)アルキレン、(C-C)シクロアルキル(C-C)アルキレン、グアニジン含有基、CH-(OCH-CH-OH、CH-(OCH-CH-NH、CH-(OCH-CH-SH、CH-(OCH-CH-NHC(NH)NH、CH-(OCH-CH-モルホリン、CH-(OCH-CH-ピペラジン、
    Figure 2023161073000038
    である(式中、Xはリンカーであり、RおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、RおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、またはRおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、およびR7のどの場合も独立に核酸塩基である))
    を含んでなる、PNA骨格である、請求項1に記載の遺伝子認識試薬。
  15. 、R、R、R、R、およびRのうち少なくとも1つが、S1A、S1B、S1C、S1D、S1E、S1F、S1G、S1H、S1I、S1J、S1K、またはS1Lである、請求項14に記載の遺伝子認識試薬。
  16. α-炭素、β-炭素、またはγ-炭素がキラル中心である、請求項14または15に記載の遺伝子認識試薬。
  17. γ-炭素がキラル中心である、請求項16に記載の遺伝子認識試薬。
  18. が:
    Figure 2023161073000039
    である、請求項17に記載の遺伝子認識試薬。
  19. 、R、R、R、およびRがHである、請求項16に記載の遺伝子認識試薬。
  20. 核酸鋳型上での2以上の隣接する遺伝子認識試薬の自己集合のために、核酸骨格または核酸類似体骨格に連結した末端基を含んでなる、請求項1~19のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬。
  21. 末端基が2~5環の縮合多環式芳香族部分である、請求項20に記載の遺伝子認識試薬。
  22. 末端基がスルフヒドリル基またはチオエステル基である、請求項20に記載の遺伝子認識試薬。
  23. 複数の核酸塩基部分が、TTC、TTCTTC、TCT、TCTTCT、CTT、CTTCTT、CCG、CCGCCG、CGC、CGCCGC、GCC、GCCGCC、CGG、CGGCGG、GCG、GCGGCG、GGC、GGCGGC、CTG、CTGCTG、TGC、TGCTGC、GCT、GCTGCT、CAG、CAGCAG、AGC、AGCAGC、GCA、GCAGCA、CAGG、CAGGCAGG、AGGC、AGGCAGGC、GGCA、GGCAGGCA、GCAG、GCAGGCAG、AGAAT、GAATA、AATAG、ATAGA、TAGAA、GGCCCC、GCCCCG、CCCCGG、CCCGGC、CCGGCC、およびCGGCCC、または前記のいずれかの連続リピートを含んでなる配列を形成する、請求項1~22のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬。
  24. 複数の核酸塩基部分が核酸の標的配列と相補的な配列で構成される、請求項1~23のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬。
  25. 3~25の核酸塩基部分を有する、請求項1~24のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬。
  26. 構造:
    Figure 2023161073000040
    (式中、
    は、=O、=S、=Se、またはCHであり;
    は、H、CH、CN、NC、N、C(O)OH、またはC(O)NHであり;
    は、OまたはSであり;
    は、H、C(O)CH、またはC(O)OCHであり;かつ
    Yは、NまたはCHであり、
    (I)において、XおよびXがOである場合、XはHでもメチルでもない)
    を有する核酸塩基部分に連結した核酸骨格モノマーまたは核酸類似体骨格モノマーを含んでなる、化合物。
  27. 少なくとも1つの核酸塩基部分が:
    Figure 2023161073000041
    である、請求項26に記載の化合物。
  28. 少なくとも1つの核酸塩基部分が:
    Figure 2023161073000042
    である、請求項26に記載の化合物。
  29. 少なくとも1つの核酸塩基部分が:
    Figure 2023161073000043
    である、請求項26に記載の化合物。
  30. 少なくとも1つの核酸塩基部分が:
    Figure 2023161073000044
    である、請求項26に記載の化合物。
  31. 骨格モノマーが、DNA、RNA、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロチオエートDNA(PS DNA)、α,β拘束核酸(α,β-CNA)、2’-メトキシルRNA、2’-フルオロRNA、ロックド核酸(LNA)、2’,4’拘束エチル核酸((S)-cEt)、2’,4’架橋核酸NC(N-H)(BNA-NC(N-H))、2’,4’架橋核酸NC(N-メチル)(BNA-NC(N-Me))、2’-(R)-(S)-5’-C-メチルDNA、または2’-R-5’-E-ビニルホスホン酸核酸(E-VP)(前記RはH、OH、F、OMe、またはO(CHOMe骨格モノマーである)である、請求項26~30のいずれか一項に記載の化合物。
  32. 骨格モノマーがペプチド核酸(PNA)骨格モノマーである、請求項26~31のいずれか一項に記載の化合物。
  33. 骨格モノマーが、骨格モノマーに連結した2~50(-O-CH-CH-)残基の1以上のPEG部分でペグ化されている、請求項32に記載の化合物。
  34. 骨格が、骨格に連結した1以上のグアニジン部分を含んでなる、請求項32に記載の化合物。
  35. 骨格モノマーがγペプチド核酸(γPNA)骨格モノマーである、請求項26に記載の化合物。
  36. 骨格モノマーが、構造
    Figure 2023161073000045
    (式中、R、R、R、R、R、およびRは独立にH;CH、CHOH、CH(CH)OH、CHSH、CH(CH)CH、CHCH(CH)CH、CH(CH)CHCH、CHCHSCH、CHCH、CH-C、1H-インドール-3-イルメチル、CH-COH、CHC(O)OH、CHCHC(O)OH、CHC(O)NH、CHCHC(O)NH、1H-イミダゾール-4-イルメチル、CHCHCHCHNH、またはCHCHCHNHC(NH)NH;直鎖または分岐鎖(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アリール、(C-C)シクロアルキル、(C-C)アリール(C-C)アルキレン、(C-C)シクロアルキル(C-C)アルキレン、グアニジン含有基、CH-(OCH-CH-OH、CH-(OCH-CH-NH、CH-(OCH-CH-SH、CH-(OCH-CH-NHC(NH)NH、CH-(OCH-CH-モルホリン、CH-(OCH-CH-ピペラジン、
    Figure 2023161073000046
    である(式中、Xは、リンカーであり、RおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、RおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、またはRおよびRは一緒になって1,3-プロピレン結合を形成し、およびR7のどの場合も独立に核酸塩基である))
    を有するPNA骨格である、請求項26に記載の化合物。
  37. 、R、R、R、R、およびRのうち少なくとも1つが、S1A、S1B、S1C、S1D、S1E、S1F、S1G、S1H、S1I、S1J、S1K、またはS1Lである、請求項36に記載の化合物。
  38. α-炭素、β-炭素、またはγ-炭素がキラル中心である、請求項36または37に記載の化合物。
  39. γ-炭素がキラル中心である、請求項38に記載の化合物。

  40. Figure 2023161073000047
    である、請求項39に記載の化合物。
  41. 、R、R、R、およびRがHである、請求項37に記載の化合物。
  42. 容器に請求項36~41のいずれか一項に記載の化合物を含んでなる、キット。
  43. 別々の容器にモノマー結合アデニン、グアニン、シトシンならびにウラシルおよびチミンの一方または両方を含んでなる、請求項42に記載のキット。
  44. 容器に請求項1~25のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬を含んでなる、キット。
  45. 容器が、自動装置で使用するためのカートリッジ内の1または複数のコンパートメントである、請求項42~44のいずれか一項に記載のキット。
  46. 請求項1~19のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬を含んでなる、アレイ。
  47. 請求項1~25のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬を、核酸を含んでなるサンプルと接触させること、および、前記遺伝子認識試薬と核酸の結合を検出することを含んでなる、核酸における標的配列の検出方法。
  48. 標的配列を含有する核酸サンプルの単離および精製方法であって、核酸サンプルを請求項1~29のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬と接触させること、前記遺伝子認識試薬から前記核酸サンプルを分離すること、遺伝子認識試薬に結合した核酸を残すこと、および前記遺伝子認識試薬に結合した核酸から前記遺伝子認識試薬を分離することを含んでなる、方法。
  49. 遺伝子認識試薬が基質に固定され、核酸を前記基質と接触させること、前記基質から結合していない核酸を除去するために前記基質を洗浄すること、しかし、前記基質に結合した核酸を結合したまま残すこと、および前記基質から結合した核酸を溶出させることを含んでなる、請求項48に記載の方法。
  50. 請求項1~49のいずれか一項に記載の遺伝子認識試薬または化合物および薬学上許容される賦形剤を含んでなる、組成物。
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