JP2023159966A - 配信システム、配信方法、およびプログラム - Google Patents

Abstract

【課題】大容量の画像ファイルを多くの端末に配信する場合であっても、高速化されたＷｅｂページの表示を実現する。【解決手段】クライアント端末の表示ソフトウェアに、表示ページに含まれる画像ファイルを送信する配信システムであって、前記表示ページに含まれる画像ファイルを元画像ファイルとする、画像フォーマットが異なるおよび／またはファイルサイズが小さい複数種類の画像ファイルを保存する記憶部と、前記表示ソフトウェアから受信したリクエストから、当該表示ソフトウェアが表示可能な前記画像フォーマットを取得するフォーマット取得部と、取得した前記画像フォーマットに対応する画像ファイルであって、デコードが最も早い画像ファイルを前記記憶部から選択する選択部と、を備え、選択した画像ファイルを前記クライアント端末に送信する配信システム。【選択図】図１

Description

本発明は、Ｗｅｂページ等のデータの配信システム、配信方法、およびプログラムに関する。

従来、クライアント端末のブラウザにＷｅｂページを表示する場合、Ｗｅｂページからリンクされる画像ファイルは、Ｗｅｂページに必要なデータが保存されているＷｅｂサーバからクライアント端末に配信され、当該クライアント端末にて展開されていた。しかしながら、従来技術では、大容量の画像ファイルがインターネットを介してＷｅｂサーバから端末に配信されるため、通信ネットワークへの負荷が発生し、クライアント端末においてＷｅｂページを表示するには多大な時間を要するという問題があった。また、Ｗｅｂサーバへの負荷も発生し、Ｗｅｂサーバがダウンしてしまうという問題もあった。

そこで、特許文献１では、Ｗｅｂサーバより受信したＷｅｂデータをＷｅｂブラウザ上に展開する際、前記Ｗｅｂデータに画像ファイルの展開命令データが存在するか否か検索し、展開命令データが検出された場合には、Ｗｅｂサーバからではなく、外部記録媒体に予め格納される画像ファイルの内から該当する画像ファイルを読み込むＷｅｂページ表示処理装置が提案されている。

また、特許文献２では、過去に表示したＷｅｂページの表示データを記憶し、表示指示があったＷｅｂページの表示データが記憶されている場合には、記憶している表示データを表示するとともに、表示指示があったＷｅｂページの最新版をＷｅｂサーバから取得し、表示データの最新版を生成した際に表示を切り替えるデータ表示装置が提案されている。

特開２００３―２２２１０号公報 特開２０１８―１６８５０８号公報

しかしながら、特許文献１，２に記載の技術では、予めＷｅｂページの画像ファイルを端末に記憶することで、高速化をしているが、この場合、端末に予めデータを送信する必要が生じ、事前に双方でやり取りするデータ通信を必要とする。多くの端末からのサーバアクセスに、少しでもデータ通信量を減らしたいという目的には、必ずしもこの技術は適切ではない。

そこで、本発明は、これらの課題に鑑み、大容量の画像ファイルを多くの端末に配信する場合であっても、高速化されたＷｅｂページの表示を実現する配信システム、配信方法、およびプログラムを提供することを目的とする。

本発明は、クライアント端末の表示ソフトウェアに、表示ページに含まれる画像ファイルを送信する配信システムであって、前記表示ページに含まれる画像ファイルを元画像ファイルとする、画像フォーマットが異なるおよび／またはファイルサイズが小さい複数種類の画像ファイルを保存する記憶部と、前記表示ソフトウェアから受信したリクエストから、当該表示ソフトウェアが表示可能な前記画像フォーマットを取得するフォーマット取得部と、取得した前記画像フォーマットに対応する画像ファイルであって、デコードが最も早い画像ファイルを前記記憶部から選択する選択部と、を備え、選択した画像ファイルを前記クライアント端末に送信する配信システムを提供する。

また、本発明は、前記元画像ファイルの画像フォーマットを変更して、または当該画像ファイルを圧縮して、画像フォーマットが異なるおよび／またはファイルサイズが小さい複数種類の画像ファイルを生成する生成部を備える配信システムを提供する。

また、本発明は、前記複数種類の画像ファイルは、画像フォーマットがＡＶＩＦおよび／またはＷｅｂＰである画像ファイルを少なくとも含む配信システムを提供する。

また、本発明は、前記画像ファイルは、静止画像ファイルまたは動画像ファイルである配信システムを提供する。

また、本発明は、前記ブラウザが表示可能な前記画像フォーマットは、前記リクエストのリクエストヘッダー内に含まれる配信システムを提供する。

また、本発明は、前記ブラウザが表示可能な前記画像フォーマットは、前記リクエストに含まれるＵＲＬに含まれる配信システムを提供する。

また、本発明は、前記記憶部が、前記表示ページを保存し、前記表示ソフトウェアからのリクエストに応じて、前記表示ページを前記記憶部から取得するページ取得部を備え、取得した前記表示ページを前記クライアント端末に送信する配信システムを提供する。

また、本発明は、クライアント端末の表示ソフトウェアに、表示ページに含まれる画像ファイルを送信する配信システムが実行する方法であって、前記表示ページに含まれる画像ファイルを元画像ファイルとする、画像フォーマットが異なるおよび／またはファイルサイズが小さいが異なる複数種類の画像ファイルを保存するステップと、前記表示ソフトウェアから受信したリクエストから、当該表示ソフトウェアが表示可能な前記画像フォーマットを取得するステップと、取得した前記画像フォーマットに対応する画像ファイルであって、デコードが最も早い画像ファイルを選択するステップと、選択した画像ファイルを前記クライアント端末に送信するステップと、を含む配信方法を提供する。

また、本発明は、クライアント端末の表示ソフトウェアに、表示ページに含まれる画像ファイルを送信する配信システムを、前記表示ページに含まれる画像ファイルを元画像ファイルとする、画像フォーマットが異なるおよび／またはファイルサイズが小さい複数種類の画像ファイルを保存する記憶部、前記表示ソフトウェアから受信したリクエストから、当該表示ソフトウェアが表示可能な前記画像フォーマットを取得する取得部、取得した前記画像フォーマットに対応する画像ファイルであって、デコードが最も早い画像ファイルを前記記憶部から選択する選択部、選択した画像ファイルを前記クライアント端末に送信する送信部、として機能させるプログラムを提供する。

本発明によれば、大容量の画像ファイルを多くの端末に配信する場合であっても、高速化されたＷｅｂページの表示を実現する。

本発明の実施形態に係る配信システムの概要を説明する図である。 本発明の実施形態に係る配信システムの機能構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る画像ファイル要求のリクエストヘッダーの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る配信システムが実行する画像ファイル生成処理フローを示す図である。 本発明の実施形態に係る配信システムが実行する画像ファイル配信処理フローを示す図である。

以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態（以下、実施形態）について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。

［基本概念／基本構成］
図１は、本発明の実施形態に係る配信システム１の概要を説明するための図である。配信システム１は、クライアント端末の表示ソフトウェアに表示された表示ページに含まれる画像ファイルのデコードを早くし、表示ページを表示する速度を早くするシステムである。

ここで、画像ファイルとは、画像フォーマット（画像形式）を有するファイルである。画像ファイルは、ラスター形式を有する画像データであってもよいし、ベクター形式を有する画像データであってもよい。画像フォーマットは、例えばｊｐｅｇ形式、ＢＭＰ形式、ＰＤＦ形式、ＧＩＦ形式、ＴＩＦＦ形式、ＰＮＧ形式、ＰＩＣＴ形式、ＷｅｂＰ形式、ＡＶＩＦ形式等である。

表示ソフトウェアは、コンテンツのページを表示するソフトウェアであって、例えばＷｅｂブラウザである。表示ページは、表示ソフトウェアに表示されたコンテンツのページであって、文章、画像、表、プログラムなどで構成され、例えばＷｅｂコンテンツのＷｅｂページである。

なお、本実施形態では、表示ソフトウェアはブラウザ、表示ページはＷｅｂコンテンツのＷｅｂページを例に説明するが、表示ソフトウェアおよび表示ページはこれらに限定されない。

配信システム１は、Ｗｅｂサーバ１０と、クライアント端末２０と、管理端末３０（図示せず）と、を含む。Ｗｅｂサーバ１０は、ネットワークを介して接続されるクライアント端末２０からのリクエストに応じて、保存しているＷｅｂページを構成する複数のファイルをクライアント端末２０に提供する装置であって、ＷＷＷサーバ、ＨＴＴＰサーバとも呼ばれる。Ｗｅｂサーバ１０が保存しているＷｅｂページを構成する複数のファイルは、Ｗｅｂサーバ１０にネットワークを介して接続される管理端末３０から送信されて保存・更新され、管理端末３０によって管理されている。

詳細には、Ｗｅｂサーバ１０は、Ｗｅｂページを構成するファイルとして、ＨＴＭＬファイル、ＣＳＳファイル、画像ファイル、Ｆｌａｓｈ、およびＪａｖａＳｃｒｉｐｔ等を、ドキュメントルートに保存している。本実施形態において、Ｗｅｂサーバ１０は、オンプレミスでもクラウドサーバであってもよいが、本実施形態ではクラウドサーバとする。Ｗｅｂサーバ１０は１台であるが、複数台であってもよく、また、Ｗｅｂページを構成するファイル毎にＷｅｂサーバが分かれていてもよい。

クライアント端末２０は、ブラウザ２１を備え、ブラウザ２１は、ユーザからの操作に応じてＷｅｂサーバ１０にＷｅｂページを構成するファイルをリクエストし、レスポンスを受信するとＷｅｂページを表示する。クライアント端末２０は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等で構成される。本実施形態においては１台しか表示しないが、複数台であってもよい。また、ブラウザは、Ｍｉｃｒｏｓｏｆｔ Ｅｄｇｅ(登録商標)、Ｇｏｏｇｌｅ Ｃｈｒｏｍｅ(登録商標)、Ｆｉｒｅｆｏｘ(登録商標)、Ｓａｆａｒｉ(登録商標)、Ｏｐｅｒａ(登録商標)等、任意のものであってよい。

Ｗｅｂサーバ１０は、クライアント端末２０からＷｅｂページが閲覧される前に、当該Ｗｅｂページに含まれる画像ファイルを元画像とする、画像フォーマットが異なるおよび／またはファイルサイズが小さい複数種類の画像ファイルを保存する（Ｓ０）。図１において、Ｗｅｂサーバ１０には、ｊｐｇ、ＷｅｂＰ、ＡＶＩＦの画像フォーマットが異なる３つの画像ファイルが保存されている。また、画像フォーマットが異なる３つの画像ファイルは、図に示すように同一ファイル名であって、かつ元画像のファイル名と同一である。

クライアント端末２０のブラウザ２１は、ユーザからＷｅｂページのＵＲＬ「ｈｔｔｐ：／／Ｅｘａｍｐｌｅ．ｃｏｍ／ｉｎｄｅｘ．ｈｔｍｌ」を受け付けると、Ｅｘａｍｐｌｅ．ｃｏｍのＷｅｂサーバ１０に「ＨＴＭＬファイル”ｉｎｄｅｘ．ｈｔｍｌ”を取得せよ」とのＨＴＴＰリクエストＡを送信する（Ｓ１）。本実施形態において、リクエストは、ＨＴＴＰリクエストであるが、ＨＴＴＰＳリクエストであってもよい。

Ｓ１のＨＴＴＰリクエストＡを受け付けたＷｅｂサーバ１０は、リクエストされたＨＴＭＬファイル”ｉｎｄｅｘ．ｈｔｍｌ”をドキュメントルートから取得し、取得した”ｉｎｄｅｘ．ｈｔｍｌ”をＨＴＴＰレスポンスＡとしてブラウザ２１に送信する（Ｓ２）。ブラウザ２１は、ＨＴＭＬファイル”ｉｎｄｅｘ．ｈｔｍｌ”を受信すると、その中身を上から順に展開して、Ｗｅｂページを徐々に表示する。

そして、ブラウザ２１は、「ｉｍｇ」タグを検出すると、「ｉｍｇ」タグのｓｒｃ属性に設定されている画像ファイルのＵＲＬに基づいて、「画像ファイル“／ｉｍｇ／ａ．ｊｐｇ”を取得せよ」とのＨＴＴＰリクエストＢをＷｅｂサーバ１０に送信する（Ｓ３）。Ｓ３のリクエストには、ブラウザ２１が表示可能な画像フォーマット（以下、表示可能画像フォーマットともいう）が含まれる。

Ｗｅｂサーバ１０は、リクエストされた画像“／ｉｍｇ／ａ．ｊｐｇ”と同一ファイル名の画像ファイルをドキュメントルートから抽出する。図１においては、ａ．ｊｐｇ、ａ．ＷｅｂＰ、ａ．ＡＶＩＦの３つが抽出される。

次に、Ｗｅｂサーバ１０は、抽出した３つの画像ファイルから、Ｓ３のリクエストに含まれる表示可能画像フォーマットの画像ファイルのうち、デコードが最も早くなる画像ファイルを選択する。ＨＴＴＰリクエストＢに含まれる、表示可能画像フォーマットが、ＷｅｂＰ、ＡＶＩＦの２つであった場合には、ａ．ＷｅｂＰ、ａ．ＡＶＩＦのデコードが早い方、すなわちファイルサイズの小さい方、ａ．ＡＶＩＦが選択される。

次に、Ｗｅｂサーバ１０は、選択した画像ファイルをＨＴＴＰレスポンスＢとして、クライアント端末２０に送信する（Ｓ４）。そして、クライアント端末２０のブラウザ２１は、受信した画像ファイルを表示する。上述した場合には、ａ．ＡＶＩＦが、ＨＴＴＰレスポンスＢとしてクライアント端末２０に送信され、クライアント端末２０のブラウザ２１は、受信したａ．ＡＶＩＦを表示する。

このような配信システムによれば、クライアント端末のブラウザから画像ファイルがリクエストされると、当該ブラウザが表示可能な画像フォーマットであって、最もデコードが早くなる画像ファイルを選択し、ブラウザにレスポンスする。それにより、画像ファイルを含むＷｅｂページが未表示および既表示に関わらず、Ｗｅｂページの表示を高速化することができる。

［配信システムの機能構成］
図２は、本発明の実施形態に係る配信システム１の機能構成を示す図である。配信システム１は、Ｗｅｂサーバ１０と、Ｗｅｂサーバ１０にネットワークを介して接続されたクライアント端末２０と、管理端末３０と、を備える。

[Ｗｅｂサーバの機能構成]
Ｗｅｂサーバ１０は、クライアント端末２０および管理端末３０とデータの送受信を行う送受信部１１と、生成部１２と、取得部１３と、選択部１４と、記憶部１５と、を備える。

記憶部１５は、Ｗｅｂページを構成する画像ファイルを保存する。なお、Ｗｅｂページを構成する他のファイル、ＨＴＭＬファイル、ＣＳＳファイル、Ｆｌａｓｈ、ＪａｖａＳｃｒｉｐｔ等は、別のＷｅｂサーバに保存されているとする。本実施形態において、Ｗｅｂサーバ１０はクラウドサーバであるため、記憶部１５は、クラウドストレージや分散型台帳で構成されるのが望ましい。

生成部１２は、Ｗｅｂページに含まれる画像ファイルを元画像とする、画像フォーマットおよび／またはファイルサイズの異なる複数種類の画像ファイルを生成する。詳細には、生成部１２は、管理端末３０から送受信部１１を介して画像ファイルを受信すると、受信した画像ファイルの圧縮、または受信した画像ファイルの画像フォーマットの変換、または受信した画像ファイルの画像フォーマットを変換後圧縮、の少なくとも１つを実行して、画像フォーマットが異なるおよび／またはファイルサイズが小さい複数種類の画像ファイルを生成する。

なお、生成部１２は、受信した画像ファイルの圧縮については、圧縮回数や圧縮方法が異なる画像ファイルを少なくとも２つ生成してもよい。生成部１２が生成した複数種類の画像ファイルは、同一ファイル名であり、かつ、元画像の画像ファイルと同一ファイル名である。生成部１２は、生成した複数種類の画像ファイルを、記憶部１５に保存する。このとき、元画像も併せて記憶部１５に保存してもよい。

生成部１２が生成する複数種類の画像ファイルは、元画像の画像ファイルよりファイルサイズが小さい。また、生成部１２が生成する複数種類のファイルには、元画像の画像ファイルよりファイルサイズが小さいが画質が劣化していない画像ファイル（非劣化画像フィアル）だけでなく、当該画像が劣化していない画像ファイルよりもファイルサイズが小さいが画質が劣化している画像ファイル（劣化画像ファイル）が含まれてもよい。すなわち、同一画像フォーマットの画像ファイルについて、非劣化画像ファイルと、劣化画像ファイルとの２種類が生成されてもよい。

元画像の画像ファイルよりファイルサイズが小さいが画質が劣化していない画像ファイルの画像フォーマットとして、ＡＶＩＦ形式、ＷｅｂＰ形式といった次世代画像形式が望ましい。ここで、ＡＶＩＦ形式とは、画像ファイルの次世代フォーマットの１つであって、同じ画像比で圧縮済みのＪＰＥＧ形式より５０％程度ファイルサイズが小さくなる。また、ＷｅｂＰ形式は、ＡＶＩＦ形式と同様に画像ファイルの次世代フォーマットの１つであって、同じ画像比で圧縮済みのＪＰＥＧ形式より３０％程度ファイルサイズが小さくなる。

取得部１３は、クライアント端末２０のブラウザ２１からの画像ファイルを要求するリクエストから、ブラウザ２１が表示可能な画像フォーマットを取得する。詳細には、取得部１３が表示可能画像フォーマットを取得する方法は２つあり、１つは、ブラウザ２１から画像ファイルを要求するＨＴＴＰリクエストのリクエストヘッダー内から取得する方法である。もう一つは、ブラウザ２１から画像ファイルを要求するＨＴＴＰリクエストに含まれる画像ファイルのＵＲＬから、取得部１３が表示可能画像フォーマットを取得する方法である。

図３を用いて、リクエストヘッダー内から表示可能画像フォーマットを、取得部１３が取得する方法について説明する。具体的には、取得部１３は、リクエストヘッダー内のＡｃｃｅｐｔ項目から表示可能画像フォーマットを取得する。

図３には、本発明の実施形態に係る画像ファイル要求のリクエストヘッダーの一例を示す。図に示すＡｃｃｅｐｔの後に続く、「imag/avif,image/webp,image/apng,image/svg+xml」が、ブラウザ２１が表示可能な画像フォーマットを示すので、取得部１３はこれを読み取り、表示可能画像フォーマットとして取得する。

リクエストヘッダーのＡｃｃｅｐｔ項目から表示可能画像フォーマットを取得する方法は、ＨＴＭＬリクエストの既存の機能を利用しているので、Ｗｅｂサーバ１０に取得部１３が実装されるだけでよい。

次に、ＨＴＴＰリクエストに含まれる画像ファイルのＵＲＬから、表示可能画像フォーマットを、取得部１３が取得する方法について説明する。具体的には、取得部１３は、ＵＲＬのクエリパラメータから、取得部１３が表示可能画像フォーマットを取得する。

例えば、取得部１３は、画像ファイル要求のＨＴＴＰリクエストに含まれるＵＲＬが「http://Example.com/img.jpg?formats=image/avif,image/web」の場合、クエリパラメータは「formats=image/avif,image/webp」である。このクエリパラメータがブラウザ２１が対応している画像フォーマットを示すので、取得部１３はこれを読み取り、表示可能画像フォーマットとして取得する。なお、ＵＲＬに、クエリパラメータとしてではなく、「formats=image/avif,image/webp」といったパス内に表示可能画像フォーマットが含まれていてもよい。

ＨＴＴＰリクエストに含まれる画像ファイルのＵＲＬにクエリパラメータを含める場合には、ブラウザ２１から表示可能画像フォーマットを取得するＪａｖａＳｃｒｉｐｔを、ＨＴＭＬファイルに組み込む必要がある。ＨＴＭＬファイルに組み込まれたＪａｖａＳｃｒｉｐｔが、ブラウザ２１から表示可能画像フォーマットを取得し、取得した表示可能画像フォーマットをクエリパラメータに変換する。

そして、ＪａｖａＳｃｒｉｐｔは、変換したクエリパラメータを画像ファイルのＵＲＬに付与したクエリパラメータを含むＵＲＬを生成し、生成したＵＲＬをＨＴＴＰファイルのｓｒｃ属性として書き込む。それにより、ブラウザ２１からＷｅｂサーバ１０に、生成したＵＲＬを含むＨＴＴＰリクエストが送信される。なお、ＪａｖａＳｃｒｉｐｔが、生成したＵＲＬをＨＴＴＰファイルのｓｒｃ属性として書き込む前にＨＴＴＰリクエストが送信されないように、ＨＴＭＬファイルにおいてｓｒｃ属性は、最初ｄａｔａ―ｓｒｃ属性としておく必要がある。

上述したように、ＵＲＬのクエリパラメータから表示可能画像フォーマットを取得する場合には、Ｗｅｂサーバ１０に取得部を実装するだけではなく、ＨＴＭＬファイルへのＪａｖａＳｃｒｉｐｔの組み込み、およびＨＴＭＬファイルのｓｒｃ属性記述の変更が必要である。

図２に戻って、選択部１４は、まず、クライアント端末２０のブラウザ２１からの画像ファイルを要求するリクエストから、画像ファイルのファイル名を取得する。そして、選択部１４は、取得したファイル名の画像ファイルであって、取得部１３で取得した表示可能画像フォーマット、かつ、デコードが最も早くなる画像ファイルを、記憶部１５から選択する。そして、選択部１４は、選択した画像ファイルを送受信部１１を介して、クライアント端末２０に送信する。

ここで、表示可能画像フォーマット、かつ、デコードが最も早くなる画像ファイルの記憶部１５からの選択について説明する。記憶部１５に画像フォーマットが異なる非劣化ファイルのみが記憶されている場合には、選択部１４は、表示可能画像フォーマット、かつ、最もファイルサイズが小さい画像ファイルを記憶部１５から選択する。画像ファイルは、ファイルサイズが小さい方が、デコードが早く、Ｗｅｂページが早く表示できるからである。

一方、記憶部１５に非劣化ファイルと併せて劣化ファイルが記憶されている場合には、選択部１４は、まず、表示可能画像フォーマット、かつ最もファイルサイズの小さい劣化ファイルを選択し、クライアント端末２０に送信する。そして、選択部１４は、表示可能画像フォーマット、かつ、選択した劣化ファイルと同一の画像フォーマットの非劣化画像ファイル、または、最もファイルサイズが小さい非劣化画像ファイルを記憶部１５から選択し、クライアント端末２０に送信する。

この場合、クライアント端末２０のブラウザ２１のＷｅｂページには、劣化画像ファイルがまず表示され、その後、非劣化画像ファイルを受信すると、表示している劣化画像ファイルを非劣化画像ファイルに差し替えることができる。このように、非劣化画像ファイルより早く表示できる劣化画像ファイルをまず表示することで、画像ファイルのデコードが早くなり、Ｗｅｂページの表示を高速化することができる。

上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、１つの機能ブロック（データベース及び機能処理部）を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて１つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置や端末に内蔵されたＣＰＵ（Central Processing Unit）が、ＲＯＭ（Read Only Memory）、フラッシュメモリ、ＳＳＤ(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置（記憶部）に格納されたコンピュータ・プログラム（例えば、基幹ソフトや上述の各種処理をＣＰＵに実行させるアプリ等）を読み出し、ＣＰＵにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース（ＤＢ;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア（例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置）を制御することによって実現される。

[処理フロー]
図４は、本発明の実施形態に係る配信システムが実行する画像ファイル生成処理フローを示す図である。画像ファイル生成処理は、本実施形態では、Ｗｅｂサーバ１０および管理端末３０が実行する。

まず、管理端末３０は、Ｗｅｂページに含まれる画像ファイルを送信する（Ｓ１１）。次に、Ｗｅｂサーバ１０は、管理端末３０から画像ファイルを受信する（Ｓ１２）。次に、Ｗｅｂサーバ１０は、Ｓ１２で受信した画像ファイルを元画像とする、画像フォーマットが異なるおよび／またはファイルサイズが小さい複数種類の画像ファイルを生成する（Ｓ１３）。そして、Ｗｅｂサーバ１０は、Ｓ１３で生成した複数種類の画像ファイルを記憶部１５に保存する（Ｓ１４）。

図５は、本発明の実施形態に係る配信システムが実行する画像ファイル配信処理を示す図である。画像ファイル配信処理は、本実施形態では、Ｗｅｂサーバ１０およびクライアント端末２０が実行する。

まず、クライアント端末２０は、ブラウザ２１に表示するＷｅｂページに含まれる画像ファイルのリクエストを送信する（Ｓ２１）。次に、Ｗｅｂサーバ１０は、クライアント端末２０から画像ファイルのリクエストを受信する（Ｓ２２）。次に、Ｗｅｂサーバ１０は、Ｓ２２で受信したリクエストから表示可能画像フォーマットを取得する（Ｓ２３）。

次に、Ｗｅｂサーバ１０は、Ｓ２２で受信したリクエストから取得したファイル名であって、Ｓ２３で取得した表示可能画像フォーマット、かつ、デコードが最も早くなる画像ファイルを、記憶部１５から選択する（Ｓ２４）。そして、Ｗｅｂサーバ１０は、Ｓ２４で選択した画像ファイルをクライアント端末２０に送信する（Ｓ２５）。クライアント端末２０は、Ｗｅｂサーバ１０から画像ファイルを受信する（Ｓ２６）。そして、クライアント端末２０のブラウザ２１は、Ｓ２６で受信した画像ファイルを表示する（Ｓ２７）。

このような配信システムによれば、クライアント端末のブラウザから画像ファイルがＷｅｂサーバにリクエストされると、Ｗｅｂサーバは、当該ブラウザが表示可能な画像フォーマットであって、デコードが最も早くなる画像ファイルを選択し、クライアント端末にレスポンスする。それにより、画像ファイルを含むＷｅｂページが未表示および既表示に関わらず、Ｗｅｂページの表示を高速化することができる。また、クライアント端末に、Ｗｅｂページの表示を高速化するために、画像ファイルを保存しておく必要がないので、端末のメモリ容量に関係なく、Ｗｅｂページの表示を高速化することができる。

また、配信システムによれば、管理端末から画像ファイルをＷｅｂサーバにアップロードすると、Ｗｅｂサーバが、画像ファイルを圧縮および／または画像ファイルの画像フォーマットを変換して、複数種類の画像ファイルを自動で生成する。それにより、Ｗｅｂページの管理者は、画像ファイルの圧縮および／または画像ファイルの画像フォーマットへの変換をする必要なく、従来通りにＷｅｂページの画像ファイルをＷｅｂサーバにアップロードするだけで、画像ファイルのデコードが早くなり、Ｗｅｂページの表示を高速化することができる。

[変形例１]
配信システムが配信する画像ファイルは、静止画像ファイルであってもよいし、動画像ファイルであってもよい。画像ファイルに変えて、動画ファイルの転送量を小さくし、Ｗｅｂページを表示する速度を早くするシステムであってもよい。この場合、記憶部には、管理端末から受信した動画ファイルを元動画とする、画像フォーマットが異なるおよび／またはファイルサイズが小さい複数種類の動画ファイルが保存される。

[変形例２]
配信システムのＷｅｂサーバの記憶部に、画像ファイルと併せて、少なくともＨＴＭＬファイルを保存してもよい。この場合、Ｗｅｂサーバは、ブラウザからのリクエストに応じて、ＨＴＭＬファイルを記憶部から取得するページ取得部を備え、取得したＨＴＭＬファイルをクライアント端末に送信する。

[変形例３]
配信システムは、表示ソフトウェアの表示ページ全てではなく、表示速度の高速化が望まれる特定の表示ページのみを対象とし、対象とした表示ページの画像ファイルについて、画像フォーマットおよび／またはファイルサイズが異なる複数種類の画像ファイルを記憶してもよい。例えば、ブラウザの場合に、特定の商品・サービス紹介に特化したページであるランディングページを対象とし、ランディングページの画像ファイルについて、画像フォーマットおよび／またはファイルサイズ が異なる複数種類の画像ファイルを記憶してもよい。それにより、表示速度の高速化が最も望まれるランディングページの表示を高速化することができる。

以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、配信システムについて説明したが、本発明において配信システムが実行する方法や、配信システムを各種手段として機能させるプログラムの発明と捉えることもできる。

１ 配信システム
１０ Ｗｅｂサーバ
１１ 送受信部
１２ 生成部
１３ 取得部
１４ 選択部
１５ 記憶部
２０ クライアント端末
３０ 管理端末

Claims (9)

1. クライアント端末の表示ソフトウェアに、表示ページに含まれる画像ファイルを送信する配信システムであって、
   前記表示ページに含まれる画像ファイルを元画像ファイルとする、画像フォーマットが異なるおよび／またはファイルサイズが小さい複数種類の画像ファイルを保存する記憶部と、
   前記表示ソフトウェアから受信したリクエストから、当該表示ソフトウェアが表示可能な前記画像フォーマットを取得するフォーマット取得部と、
   取得した前記画像フォーマットに対応する画像ファイルであって、デコードが最も早い画像ファイルを前記記憶部から選択する選択部と、
   を備え、
   選択した画像ファイルを前記クライアント端末に送信する配信システム。
2. 前記元画像ファイルの画像フォーマットを変更して、または当該画像ファイルを圧縮して、画像フォーマットが異なるおよび／またはファイルサイズが小さい複数種類の画像ファイルを生成する生成部を備える請求項１に記載の配信システム。
3. 前記複数種類の画像ファイルは、画像フォーマットがＡＶＩＦおよび／またはＷｅｂＰである画像ファイルを少なくとも含む請求項２に記載の配信システム。
4. 前記画像ファイルは、静止画像ファイルまたは動画像ファイルである請求項１に記載の配信システム。
5. 前記ブラウザが表示可能な前記画像フォーマットは、前記リクエストのリクエストヘッダー内に含まれる請求項１に記載の配信システム。
6. 前記ブラウザが表示可能な前記画像フォーマットは、前記リクエストに含まれるＵＲＬに含まれる請求項１に記載の配信システム。
7. 前記記憶部が、前記表示ページを保存し、
   前記表示ソフトウェアからのリクエストに応じて、前記表示ページを前記記憶部から取得するページ取得部を備え、
   取得した前記表示ページを前記クライアント端末に送信する請求項１に記載の配信システム。
8. クライアント端末の表示ソフトウェアに、表示ページに含まれる画像ファイルを送信する配信システムが実行する方法であって、
   前記表示ページに含まれる画像ファイルを元画像ファイルとする、画像フォーマットが異なるおよび／またはファイルサイズが小さい複数種類の画像ファイルを保存するステップと、
   前記表示ソフトウェアから受信したリクエストから、当該表示ソフトウェアが表示可能な前記画像フォーマットを取得するステップと、
   取得した前記画像フォーマットに対応する画像ファイルであって、デコードが最も早い画像ファイルを選択するステップと、
   選択した画像ファイルを前記クライアント端末に送信するステップと、
   を含む配信方法。
9. クライアント端末の表示ソフトウェアに、表示ページに含まれる画像ファイルを送信する配信システムを、
   前記表示ページに含まれる画像ファイルを元画像ファイルとする、画像フォーマットが異なるおよび／またはファイルサイズが小さい複数種類の画像ファイルを保存する記憶部、
   前記表示ソフトウェアから受信したリクエストから、当該表示ソフトウェアが表示可能な前記画像フォーマットを取得する取得部、
   取得した前記画像フォーマットに対応する画像ファイルであって、デコードが最も早い画像ファイルを前記記憶部から選択する選択部、
   選択した画像ファイルを前記クライアント端末に送信する送信部、
   として機能させるプログラム。