JP2023159104A - 精製コラゲナーゼを使用した子宮類線維腫の治療方法および製品 - Google Patents

精製コラゲナーゼを使用した子宮類線維腫の治療方法および製品 Download PDF

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    • C12Y304/24003Microbial collagenase (3.4.24.3)

Abstract

【課題】子宮類線維腫を治療するための製剤を提供する。【解決手段】子宮類線維腫の縮小を引き起こし、前記子宮類線維腫の剛性を少なくとも20%低減させるのに十分な量の、クロストリジウム・ヒストリチクムから得られるコラゲナーゼを含む、患者の子宮類線維腫を治療するための注射可能または挿入可能な製剤であって、子宮類線維腫に注射または挿入される前記量が、子宮類線維腫組織の1cm3当たり約0.06mg~約1mgのコラゲナーゼである、製剤とする。【選択図】図17

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2013年3月15日に出願された、米国特許仮出願第61/790,07
0号の優先権を主張するものであり、この文献は、引用することにより本明細書の一部を
なすものとする。
[発明の分野]
本発明は、子宮類線維腫組織等の望ましくない組織を、低減させ、縮小させ、そのよう
な組織の粘弾特性を変化させ、そのような組織を柔化させ、または除去するための医学的
治療用の方法および製品に関する。
子宮類線維腫腫瘍(「子宮類線維腫」または「平滑筋腫」とも呼ばれる)は、女性の2
0~50%に生じ、驚くほど高い蓄積発症率を示す、子宮壁の非癌性平滑筋腫瘍である。
現在の研究では、50齢までに、70~80%の女性が子宮類線維腫を発症し、一般的に
他の人種集団よりも早期に類線維腫を発症するアフリカ系アメリカ人の女性で発症率がよ
り高い。子宮類線維腫を有する人々のかなりの人数は、消耗性骨盤痛、重度で長期の出血
(これは、貧血および鉄欠乏症に結び付く場合がある)、腸および膀胱機能不全、および
不妊症を患っている。また、子宮類線維腫は、腰部痛、頻尿および尿意切迫、性交中の疼
痛(性交疼痛症)、および受精能に対する悪影響などの症状を引き起こす。子宮類線維腫
は、子宮出血および疼痛の高い罹患率を伴い、それと共に、医療費は、米国だけでも年間
21億ドル~344億ドルであると推定される。したがって、子宮類線維腫は、生殖可能
年齢の女性の健康および厚生、ならびに経済に対して著しい影響を及ぼしている。閉経後
、類線維腫は、一般的には縮小し、問題となる症状を引き起こすことは非常に希である。
この疾患の病因は依然として判明しておらず、したがって、子宮類線維腫を予防する方
法は存在しない。幾つかの治療が利用可能であるが、類線維腫を永久に除去することがで
きる治療は、子宮摘出のみである。米国で各年実施される子宮摘出の大半は、子宮類線維
腫によるものである。子宮摘出は、受精能の最終的な喪失に至ることは明白であるが、文
献ではほとんど言及されていない。また、この侵襲性外科手術は、経済的にも、社会的に
も、および別の点でも、支払う代償は大きい。この侵襲性外科手術には、回復時間が長期
にわたること、場合によっては重度の術後合併症の可能性あること、および身体的に不快
であることが伴う。したがって、この解決策は、理想とはほど遠いものである。
筋腫核出術(類線維腫組織を外科的に除去し、残りの子宮を温存する)等の他の外科的
方法が一般的に使用されるが、類線維腫が大きすぎるかまたは数が多すぎて、十分な正常
組織を温存することができない場合には、好適ではない場合がある。更に、類線維腫は、
再発することが多い。加えて、筋腫核出術外科手術の約四分の三は、腹部切開を伴う開腹
外科手術である。したがって、この方法にも、同様に、合併症、不快感、長い回復期間、
および受精能の喪失可能性が伴う。腹腔鏡下手術で子宮類線維腫を焼却または凍結させる
筋変性および極低温筋変性(cryomyolysis)が、類線維腫を経時的に縮小および死滅させ
るために使用される。しかしながら、腫瘍全体を治療するためには、類線維腫の複数の穿
孔が必要であり、この治療は、術後に癒着を引き起こす場合がある。また、MRI誘導下
集束超音波(MRI guided focused ultrasound)が、子宮類線維腫の治療に使用されるが
、この術式は、非常に高価であり、類線維腫を恒久的に除去するとは限らない。子宮動脈
塞栓形成法では、その最中にカテーテルを大腿動脈に挿入して子宮類線維腫動脈へと誘導
し、小型粒子を類線維腫動脈に注入して、血液供給を遮断し、類線維腫組織を死滅させる
。この術式は、従来の外科手術ほど侵襲性ではないが、術後の疼痛が頻繁に問題となる。
加えて、この療法は、子宮摘出と同様に、将来の妊娠を希望しない女性の標準的治療であ
ると考えられる。あるいは、MRgFUSは、腹壁から強力超音波法を使用して、特定の
類線維腫に凝固壊死を引き起こす、非侵襲性の類線維腫特異的療法を提供する。動的リア
ルタイム磁気共鳴画像法により、誘導および熱モニタが提供される。また、子宮を保存し
つつ子宮類線維腫を破壊するための外科手術には、大きな欠点があり、類線維腫腫瘍の再
増殖のため、完全には成功しないことが多い。
外科以外の医薬品に基づく医学的療法が利用可能である。類線維腫は、類線維腫腫瘍自
体ではなく、症状の治療を目的とする薬物療法により治療されることが多い。初期段階で
は、医師は「静観」手法を取り、状態が、通常の生活を送る患者の能力に影響を及ぼすま
で、治療または対症療法を行わない。ほとんどの類線維腫は、症状を引き起こさない限り
、治療されない。しかしながら、子宮摘出をしない場合でさえ、類線維腫、特に漿膜下類
線維腫は、不妊に結び付く場合がある。
類線維腫腫瘍を縮小させること、またはサイズの増大を防止することを目的とする薬物
療法は、期待外れであり、著しい副作用を示すことが多い。薬物が研究されており、子宮
類線維腫の縮小に有効であることもあるが、こうした外科以外の療法の多くには、全身性
の副作用が伴い、したがって臨床使用には承認されていない。例えば、選択的プロゲステ
ロン受容体修飾因子(SPRM)は、子宮内膜に影響を及ぼすため、FDAによる認可を
受けていない。1つの薬物:酢酸ロイプロリドのみが、子宮類線維腫を縮小させるための
使用が承認されている。この薬物は、卵巣機能を抑制して(したがって、著しい閉経副作
用を引き起こす)、手術前に類線維腫を縮小させる短期治療として使用される。近年、選
択的エストロゲン受容体修飾因子(SERM)等の他の薬物療法が示唆されているが、臨
床試験の結果は期待外れである。
子宮類線維腫に対する現在の治療選択肢は、不十分である。したがって、当技術分野に
は、開腹術式ではなく、患者の子宮を保存する、子宮類線維腫治療の代替療法の持続的な
必要性が存在する。特に、子宮類線維腫の治療には、各年数十億ドルの医療費がかかって
いるが、この状態が、依然として重要な問題であり続けているので、症状を低減または除
去し、高度に侵襲性の術式を用いず、受精能を保存する救済を提供する治療法の必要性が
存在する。
以下の手短な概要は、本発明の特徴および態様を全て含むことを意図したものではなく
、本発明が、この概要で考察されている特徴および態様を全て含まなければならないこと
を示唆するものでもない。
本発明の実施形態は、開腹外科手術を必要とせず、患者の子宮を保存する、子宮類線維
腫を治療するための製剤、組成物、および方法の利点を提供するためのものである。本発
明の別の利点は、作用剤の子宮類線維腫組織内保持の向上を示し、それにより送達効率を
向上させつつ、同時に非特異的損傷および全身性効果等の有害効果を最小限に抑える、注
射可能または挿入可能な製剤が提供されることである。これら製剤、組成物、および方法
には、1つまたは複数の子宮類線維腫治療剤、好ましくは、少なくとも精製コラゲナーゼ
を、製剤に暴露した類線維腫を縮小または除去するのに有効な量で含有する、注射可能、
移植可能または挿入可能な製剤が含まれる。
本発明の先述のおよび他の目的、特徴、および利点は、添付の図面に示されるように、
本発明の好適な実施形態の以下のより具体的な説明から明白になるだろう。図面では、類
似の参照特徴は、異なる図面全体にわたって同じ部分を参照する。図面は、一定の縮尺で
示されているとは限らず、その代わりに、本発明の原理を示す際には強調がなされている
本出願ファイルは、カラーで示されている少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を
含む本出願のあらゆる特許公報または特許出願公報のコピーは、請求および必要な料金の
支払いに応じて、当局により提供されるだろう。
子宮類線維腫(1A)および対応する子宮筋層(1B)のコラーゲン原線維を示す電子顕微鏡写真(×31000)である。 子宮組織立方体の写真である。 注射中の子宮組織立方体(図3A)およびインキュベーション中の注射した子宮組織立方体(図3B)の写真である。 切除された子宮の写真であり、子宮類線維腫(図4A)および注射中の子宮類線維腫(図4B)を示す図である。 48時間インキュベーションした後の、媒体(対照)またはコラゲナーゼを注射した類線維腫組織立方体を示す1対の写真である。 一連の4枚の顕微鏡写真である。図6Aおよび6Bは、対照組織を示す。図6Cおよび6Dは、コラゲナーゼで分解された組織を示す。 BD 3D OPLA(登録商標)スキャフォールドの走査型電子顕微鏡写真である。 OPLAスキャフォールドに播種し、9日間培養した類線維腫細胞のH&E染色を示す顕微鏡写真である(Zeiss Axio Imager(登録商法)広視野蛍光顕微鏡法)。 静的播種の8日後の類線維腫細胞の初代培養を示す明視野像(9A)および蛍光画像オーバーレイ(9B)である(Zeiss Lumar(登録商標)立体画像、f-アクチン用のフルオレセイン-ファロイジンで染色)。 OPLAスキャフォールドで培養し、in situで固定した初代類線維腫細胞を示す顕微鏡写真である。画像10Aおよび10Bは、同じ視野で10マイクロメートル毎に得た。 類線維腫におけるコラーゲンのタイプのパーセントを示す棒グラフである。 類線維腫試料中のコラーゲン含有量のSDS-PAGE分析を示す図である(Nydea Aviles氏およびSergey Leikin氏、NIH)。図12Aは、非還元条件下での総コラーゲンを示す。図12Bは、還元条件下での総コラーゲンを示す。図12Cは、選択的塩析によりV型コラーゲンを枯渇させた試料を示す。図12Dは、選択的塩析により、V型コラーゲンを濃縮した試料を示す(Feng L,Leikin S et al.XXIInd Meeting of the Federation of European Connective Tissue Societies(FECTS)、July3-7,2010での発表)。 TGF-βが、線維症に関与する可能性のある様式を示す図である。線維症は、組織修復変更の形態と考えられる場合がある。子宮筋層細胞での細胞傷害は、修復の活性化に結び付く。類線維腫では、創傷治癒は増殖期で停止し、コラーゲンが蓄積する。(Leppert et al.A new hypothesis about the origin of uterine fibroids based on gene expression profiling with microarrays.Am J Obstet Gyn 2006;95:415-20.) 子宮類線維腫に伴う構造変化を示す図である。平滑筋から類線維腫細胞への細胞形状の変化は、筋線維芽細胞様細胞であると考えられ、メカノトランスダクションが、類線維腫形成に役割を果たすことを示唆する。図14Aは、ファロイジンで染色した類線維腫細胞を、倍率40×で示す図である。図14Bは、対応する子宮筋層試料に由来する切片のファロイジン染色を、倍率40×で示す図である。図14Cは、類線維腫標本を示し、倍率は21,000×であり、図14Dは、対応する子宮筋層標本を倍率21,000×で示す。子宮筋層(D)と比較して、類線維腫(C)では、角状の細胞形状、細胞質の減少、および切れ込みの入った核に留意されたい。 TGF-βが線維症の重要なメディエーターである様式を示す図である、HinzおよびGabbiani(Current Opinions in Biotechnology 2003、14:38-46)の図3に変更を加えた模式図である。TGF-βは、線維芽細胞の筋線維芽細胞への分化を刺激し、コラーゲンの転写を促進し、細胞外マトリックス(ECM)蓄積を刺激する。また、模式図は、類線維腫発達における、メカノトランスダクションの役割およびECMの役割を示す。ECM蓄積は、細胞に圧縮を加える。細胞は、ECM増加をもたらし、これは、コラーゲン合成および沈着の増加のメカノトランスダクションに結び付く。類線維腫細胞のアポトーシスは起こらず、細胞は、更により多くのコラーゲンを産生する。 デコリン、TGF-β、TGF-β、およびインターロイキン-4の逆転写PCR反応に由来する産物の一連の代表的なゲルを示す図である。平滑筋腫(類線維腫)試料および子宮筋層試料の対は、表示されている通りである。平滑筋腫-子宮筋層対は、各反応では全RNAの10倍希釈に調整されている。陰性対照は、プライマーを含有するが、RNAテンプレートを含有しない反応だった。GAPDHは、試料中のRNAの増幅および類似量を評価するための内部対照として増幅させた。ゲルの左端には、レーンマーカ-が示されている。(Catherino et al.(2004)Genes,Chromosomes&Cancer 40:204-217.) 精製クロストリジウムコラゲナーゼで処置したヒト類線維腫組織の複素せん断弾性率(剛性)を示す図である。
コラーゲンは、哺乳類生物の主な構造成分であり、皮膚および動物身体の他の部分の総
タンパク質含有量の大部分を占める。熱傷、外科手術、感染、および事故等の種々の皮膚
外傷は、コラーゲンが豊富で、プロテオグリカン含有量の増加を示す線維組織の異常蓄積
を特徴とすることが多い。損傷または破壊された正常組織を置き換えることに加えて、新
しい組織の過度で外観を損なう沈着が、治癒プロセス中に形成される場合がある。幾つか
の疾患および状態には、過剰なコラーゲン沈着、およびコラーゲン豊富な線維組織の異常
蓄積が伴う。そのような疾患および症状は、本明細書では、総体として「コラーゲン媒介
性疾患」と呼ぶ。
子宮類線維腫は、過剰コラーゲン沈着、およびコラーゲン豊富な線維組織の異常蓄積を
伴うコラーゲン媒介性疾患であることが、今や判明している。個々の類線維腫の経時的な
成長速度には相当な変動があること、ならびにECMタンパク質をコードするまたはEC
M合成および分泌に関する遺伝子が、子宮筋層と比べて類線維腫中での遺伝子発現の変化
の大部分を説明することが、マイクロアレイ研究により判明しているので、ECM(細胞
外マトリックス)の調節異常が、この状態の寄与因子である可能性がある。
形質転換増殖因子(TGF)は、類線維腫発達に役割を果たす。類線維腫は、変性コラ
ーゲンの沈着により増殖する。類線維腫では、他の分子の発現も同様に変更される。例え
ば、デルマトポンチン発現が減少し、フィブロネクチンおよびグリコサミノグリカン(G
AG)が増加し、アルファ11インテグリン、コラーゲン結合インテグリンが発現される
。加えて、類線維腫は、アポトーシスに耐性である。
最近の研究では、細胞外マトリックス(ECM)の蓄積により、ならびに細胞増殖によ
り、類線維腫が形成されることが示されている。類線維腫組織中のコラーゲン原線維の乱
れに留意して、図1を参照されたい。子宮類線維腫中のコラーゲン原線維の外観および空
間配向性は、子宮筋層のコラーゲン原線維と比較して、より短く、無作為にアラインし、
広範囲に分散していた。原線維は、アラインしておらず、並行ではなかったが、隣接した
子宮筋層では、原線維は、十分に詰まっており、配向性が互いに並行であり、これは、コ
ラーゲン含有組織に特徴的な知見であった。また、筋線維芽細胞型の細胞(長方形の外観
、切れ込みの入った核)が、子宮類線維腫で見出されている。類線維腫細胞核の切れ込み
外観は、張力線維による細胞収縮により、核膜が折れ曲がり、鞘状化(envagination)さ
れていることを表す。
したがって、本発明は、コラーゲンを消化する特異的能力を有する酵素であるコラゲナ
ーゼを利用して、子宮類線維腫を治療する。コラーゲンの分解は、コラーゲン溶解を引き
起こすだけではなく、メカノトランスダクションに結び付く細胞収縮も低減する。それに
より、コラーゲン分泌の増加および子宮類線維腫の拡大のサイクルが破壊される。要約す
ると、子宮類線維腫は、変性コラーゲンを豊富に含有しており、線維症および剛性と一致
する。硬直した細胞外マトリックス(ECM)は、個々の細胞に対して力を及ぼす。メカ
ノトランスダクションは、細胞シグナル伝達を変更し、アポトーシスを防止する。したが
って、コラーゲン蓄積は継続する(図15を参照)。子宮類線維腫は、それぞれの速度で
増殖し、腫瘍の機械的トランスダクションが増殖速度の変動の原因であることが示唆され
る。
本明細書には、全身性副作用および他の組織への危害を回避するために精製コラゲナー
ゼ組成物を局所送達することにより、子宮類線維腫の症状を低減し、子宮類線維腫を縮小
させ、子宮の類線維腫組織の剛性および機械的ストレスを低減し、かつ/または子宮類線
維腫を除去する治療を行うための発明の実施形態が記載されている。一般的に、好ましい
方法の幾つかでは、超音波または他の視覚化法の下で、注射器および針を使用して、治療
する子宮類線維腫組織に精製コラゲナーゼを直接的に誘導注射する。コラゲナーゼ産物は
、好ましくは、ナノ担体または他の保護担体もしくは徐放性担体等の送達用媒体中にある
類線維腫の中心は、より線維性であり、末梢よりも小さな毛細血管床を含むため、およ
び類線維腫腫瘍を取り囲む血管被膜が高密度であるため、全身療法では、治療的組織内レ
ベルの薬物が類線維腫中心にもたらされない可能性が高いが、全身性効果が起こる高い可
能性が残る。したがって、子宮類線維腫では、薬物療法は成功していない。画像誘導下で
治療剤を局所注射することにより、薬物を組織に正確に配置し、全身性効果の可能性を大
幅に低減させることができる。
子宮類線維腫は、それらの位置に基づいて、漿膜下、壁内、粘膜下、有茎性粘膜下、発
生した位置での類線維腫、および広間膜の類線維腫を含む、幾つかのタイプに分類される
。これらのありとあらゆる子宮類線維腫が、本発明を使用した治療に企図される。
子宮筋層過形成は、子宮類線維腫症状と類似している場合がある状態であり、これら腫
瘍の前駆病変である場合がある。子宮筋層過形成は、過剰細胞性の不規則領域を有し、核
/細胞比の増大を示す構造的変化形態であり、腫れて硬く肥大した子宮をもたらす。この
状態は、子宮摘出に結び付くことが多い。より深いMMHは、より低い細胞充実度を有し
、コラーゲンの増加を示す傾向がある。したがって、この状態も、本発明の方法および組
成物を使用して治療することができる。
コラゲナーゼの注射による子宮類線維腫の局所治療は、外来または来診時に超音波誘導
下で実施することができ、後遺症の可能性は最小限である。本方法を使用して、小型から
中型サイズの類線維腫または現在全く治療されていない無症候性類線維腫を治療すること
ができ、それにより、臨床医は、潜在的に衰弱性の症状を予防すること、出産年齢の女性
の受精能を保存すること、および大型の類線維腫を予防し、この疾患で子宮摘出する必要
性をなくすことが可能になる。したがって、本発明の方法は、子宮類線維腫疾患のあらゆ
る段階またはタイプの治療に有用であることが企図されている。
本発明に従って使用するためのコラゲナーゼは、哺乳動物(例えば、ヒト、ブタ)、甲
殻類(例えば、カニ、エビ)、真菌性、および細菌性(例えば、クロストリジウム(Cl
ostridium)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、シュードモ
ナス(Pseudomonas)、ビブリオ(Vibrio)、またはアクロモバクター
・イオファグス(Achromobacter iophagus)の発酵による)を含
む、任意の便利な供給源から得ることができる。コラゲナーゼは、天然供給源から単離し
てもよく、または遺伝子操作したもの/組換え体であってもよい。粗コラゲナーゼの1つ
の一般的な供給源は、細菌性発酵プロセス、特にクロストリジウム・ヒストリチクム(C
lostridium histolyticum)の発酵に由来する。C.ヒストリチ
クムから得られる粗コラゲナーゼは、クロマトグラフィー法を含む、タンパク質精製の技
術分野で公知の幾つかの技法のいずれかを使用して精製することができる。また、本発明
に有用なコラゲナーゼ組成物は、任意の市販のまたは単離したコラゲナーゼ活性を使用し
て、またはそのような活性を混合することにより、調製することができる。例えば、精製
コラゲナーゼは、Biospecifics Technologies、リンブルック
、ニューヨーク州により提供され得る。
本発明で使用される好ましいコラゲナーゼは、C.ヒストリチクムに由来し、つまりI
型およびII型コラゲナーゼである。コラゲナーゼの産生にC.ヒストリチクムを使用す
ることの実際上の利点は、C.ヒストリチクムは、単純液体培地で多量に培養することが
でき、常に多量のタンパク質分解酵素を産生し、それを培養培地に分泌することである。
C.ヒストリチクム発酵の培地には、ウシ産物が使用されるが、それらには、伝染性海綿
状脳症を引き起こす因子(TSE;例えば、牛海綿状脳症または「狂牛病」に関連するプ
リオン)による夾雑のリスクがある。したがって、そのようなウシ産物を回避することが
好ましい。無動物産物系が好ましい。クロストリジウム・ヒストリチクムのH4菌株は、
もともとは1956年に開発されたものであるが、培養用細胞の供給源としての役目を果
たすことができる。この菌株、およびABCクロストリジウム・ヒストリチクムマスター
細胞バンク(ATCC 21000として寄託)と名付けられているH4菌株由来の菌株
は、動物産物を使用して開発されたが、本発明での使用に好適である。
米国特許第7,811,560号には、コラゲナーゼを産生する方法が開示されている
。この文献に記載の方法では、大豆由来の発酵培地を使用して、高度に精製されたコラゲ
ナーゼIおよびIIが別々に生成された。また、この特許には、ブタ由来産物を含有する
培養培地を使用して、高度に精製されたコラゲナーゼを産生する方法が開示されている。
これらの方法はいずれも、本発明での使用に好適である。米国特許出願公開第2010/
0086971号には、大豆由来ペプトンを含む植物由来ペプトン、または植物由来ペプ
トンおよび魚ゼラチンに基づく多数の発酵レシピが開示されている。この刊行物に記載さ
れている方法は、クロストリジウムの増殖およびコラゲナーゼ活性をもたらすのに好適で
ある。また、これらの方法は、本発明での使用に好適であり、本発明での使用が企図され
ているが、コラゲナーゼ酵素活性を生成する技術分野で公知の任意の方法を使用すること
ができる。
好ましい培養方法では、ペプトンは、大豆、ソラマメ、エンドウ、ジャガイモ、および
それらの混合物からなる群から選択される植物供給源に由来する。ペプトンは、エンドウ
に由来するOxoid VG100植物ペプトンNo.1(VG100)、エンドウに由
来するOxoid VG200植物ペプトンホスファートブロス(VG200)、無動物
性のMerck TSB CASO-Bouillion(TSB)、Invitrog
en大豆ペプトンNo.110パパイン消化物(SP6)、Flukaソラマメペプトン
(BP)、ジャガイモ由来のOrganotechnie植物ペプトンE1(E1P)、
BBL Phytone(商標)ペプトン、およびBD Difco Phytone(
商標)からなる群から選択することができる。
本発明の好ましい実施形態では、本発明の栄養組成物中には、単一タイプのペプトンが
存在し、ペプトンは、BP、E1P、大豆ペプトンE110、VG100、およびVG2
00からなる群から選択され、組成物中のペプトン濃度は、約5重量/容積%である。本
発明の更に別の非常に好ましい実施形態では、本発明の栄養組成物中には、単一タイプの
ペプトンが存在し、ペプトンは、BPL phytoneペプトンまたはDifco S
elect Phytone(商標) UFであり、組成物中のペプトン濃度は、約10
~13重量/容積%である。
コラゲナーゼを単離する好ましい方法では、クロストリパイン等の望ましくない夾雑プ
ロテアーゼは回避される。システインプロテアーゼであるクロストリパインは、コラゲナ
ーゼ分解および不安定性の主な原因であると考えられており、クロストリジウム培養中に
存在する。そのようなプロテアーゼが、粗コラゲナーゼ混合物中に存在する場合、プロテ
アーゼを中和するために特別な注意をはらわなければならず、それらには、ロイペプチン
等のプロテアーゼ阻害剤を使用すること、および特別設計のコールドルームで冷却溶液を
用いて全ての精製ステップを行い、プロテアーゼ活性を低減することが含まれる。したが
って、好ましい分離方法では、クロストリパインを回避するために、以下の2つの手法の
1つを使用する。精製法のできるだけ早い時点でクロストリパインを除去すること、また
は発酵段階でのクロストリパイン産生を低減すること。
好ましいコラゲナーゼ組成物は、動物性物質由来成分を含まない培養培地中でC.ヒス
トリチクムを発酵させることにより産生され、クロストリパインが実質的に含まれておら
ず、したがって高度に安定性である。「実質的に含まない」は、コラゲナーゼが、総コラ
ゲナーゼ1mg当たり10U未満の、より好ましくは5U/mg未満の、最も好ましくは
約1U/mg以下のクロストリパインを含有し、かつ/または基準標準物と比較して、ク
ロストリパインおよび/または分解コラゲナーゼを示す可視バンドが、SDS-PAGE
ゲルに出現しないことを示す。
コラゲナーゼを精製するための好ましい方法は、C.ヒストリチクム培養に、本明細書
に記載の「低グルコース」培地を使用することを含み、この培地は、約5g/L未満の、
より好ましくは約1g/L未満の、更により好ましくは約0.5g/L未満のグルコース
を含有するか、またはグルコースを含有しない。増殖培地中の高塩濃度は、培養で産生さ
れるクロストリパインの量を減少させることができ、したがって、C.ヒストリチクム培
養用の好ましい培地は、約5g/L(または0.5w/v%)を超える総塩量、より好ま
しくは約7.5g/L(または7.5%)を超える総塩量、より好ましくは約9g/L以
上(または9%)以上を含む。微生物発酵培地で使用するに好適であることが知られてい
る任意の塩を本発明で使用することができることが企図される。好ましい実施形態では、
塩化物塩、リン酸塩、または硫酸塩を使用することができる。より好ましい実施形態では
、塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、第
三リン酸ナトリウム、リン酸一カリウム、二リン酸カリウム、リン酸三カリウム、塩化カ
ルシウム、硫酸マグネシウム、またはそれらの種々の組み合わせであってもよい。ある実
施形態では、二リン酸カリウムは、約0.1~0.3%であってもよく、リン酸カリウム
は、約0.75%~0.175%であってもよく、リン酸ナトリウムは、約0.2~0.
5%であってもよく、および/または塩化ナトリウムは、約0.15~0.35%であっ
てもよい。好ましくは、培地は、硫酸マグネシウム、ならびにリボフラビン、ナイアシン
、パントテン酸カルシウム、ピメリン酸、ピリドキシン、およびチアミンを含むビタミン
を更に含む。
別の好ましい実施形態では、栄養成分は、0.5~5%の、より好ましくは約1~4%
の、最も好ましくは約1.5~2.5%の酵母エキスを含有していてもよい。酵母エキス
は、Cole Parmer(バーノンヒル、イリノイ州)およびFisher Sci
entific(ピッツバーグ、ペンシルベニア州)を含む様々な供給業者から入手可能
である。
本発明の更に好ましい実施形態では、培地のpHは、pH7~pH8である。約pH7
.2~約pH7.7のpHが更により好ましく、最も好ましくは約pH7.4である。
本発明での使用に企図されるコラゲナーゼは、必要な条件下で活性である任意のコラゲ
ナーゼであり得る。しかしながら、好ましい組成物は、所望のまたは更に最大の相乗効果
をもたらすように修飾または最適化された、ある質量比のコラゲナーゼIおよびコラゲナ
ーゼIIを含有する。好ましくは、コラゲナーゼIおよびコラゲナーゼIIは、培養で産
生された粗コラゲナーゼ混合物から別々に精製され、コラゲナーゼIおよびコラゲナーゼ
IIは、最適化された一定の質量比で再度合わせられる。好ましい実施形態は、約0.5
対1.5、より好ましくは0.6対1.3、更により好ましくは0.8対1.2、最も好
ましくは1対1のコラゲナーゼI対コラゲナーゼII質量比を含有するが、任意の組み合
わせのまたは任意の単一のコラゲナーゼ活性を使用することができる。
本発明での使用に企図されるコラゲナーゼを産生する好ましい方法は、非哺乳動物また
は非動物培地中でC.ヒストリチクムを発酵させることを含み、培養液上清は、実質的に
クロストリパインを含まない。このようにして産生されたコラゲナーゼを、単離し、精製
し、および合わせて、クロストリパインを実質的に含まない、最適化された一定の質量比
のコラゲナーゼIおよびコラゲナーゼIIの混合物を含む、本発明で使用される組成物が
提供される。C.ヒストリチクムの発酵から得られる粗コラゲナーゼは、色素リガンド親
和性クロマトグラフィー、ヘパリン親和性クロマトグラフィー、硫安沈澱、ヒドロキシル
アパタイトクロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグ
ラフィー、および/または金属キレートクロマトグラフィーを含む、当業者に公知の様々
な方法により精製することができる。加えて、コラゲナーゼの精製法は、例えば、米国特
許第7,811,560号に記載のもの等が公知である。
コラゲナーゼIおよびコラゲナーゼIIは両方とも、メタロプロテアーゼであり、強固
に結合された亜鉛および緩やかに結合されたカルシウムをそれらのために必要とする。両
コラゲナーゼは、全タイプのコラーゲンに対して幅広い特異性を有する。コラゲナーゼI
およびコラゲナーゼIIは、生理学的条件下でコラーゲンの三重らせん領域を加水分解す
ることにより、コラーゲンを消化する。各コラゲナーゼは、異なる特異性を示し(例えば
、各々は、異なる好ましい切断標的アミノ配列を有する)、一緒になると、コラーゲンに
対する相乗効果的活性を示す。コラゲナーゼIIは、II型およびI型コラゲナーゼにつ
いて文献に報告されるように、あらゆる種類の合成ペプチド基質に対してコラゲナーゼI
よりも、より高い活性を示す。
好ましいコラゲナーゼは、コラゲナーゼABC IおよびコラゲナーゼABC IIと
呼ばれる、2つの微生物コラゲナーゼで構成される。用語「コラゲナーゼI」、「ABC
I」、および「コラゲナーゼABC I」は、同じものを意味し、同義的に使用するこ
とができる。同様に、用語「コラゲナーゼII」、「ABC II」、および「コラゲナ
ーゼABC II」は、同じ酵素を指し、同義的に使用することができる。これらコラゲ
ナーゼは、細菌細胞により分泌される。好ましくは、これらコラゲナーゼは、クロマトグ
ラフィー法により、クロストリジウム・ヒストリチクム培養液上清から単離および精製さ
れる。両コラゲナーゼは、特殊なプロテアーゼであり、同じEC番号(E.C3.4.2
4.3)を共有する。しかしながら、コラゲナーゼ、または他の供給源に由来するコラゲ
ナーゼの組み合わせが、本発明での使用に企図されている。コラゲナーゼABC Iは、
115kDaの分子量を有する、およそ1000個のアミノ酸で構成される単一ポリペプ
チド鎖を有する。また、コラゲナーゼABC IIは、110kDaの分子量を有する、
およそ1000個のアミノ酸で構成される単一ポリペプチド鎖を有する。
コラゲナーゼは、Gly-Pro-X間のペプチド結合を加水分解することにより作用
し、ここでXは、プロリンまたはヒドロキシプロリンであることが多い。コラゲナーゼI
は、三重らせんドメインの末端の部位で作用するが、コラゲナーゼIIは内部で切断する
。加水分解は、結合が全て切断されるまで、経時的に継続する。
好ましくは、コラゲナーゼ産物は、少なくとも95%純粋のコラゲナーゼであり、いか
なる狭雑プロテアーゼも実質的に含まれていない。より好ましくは、コラゲナーゼ産物は
、下記の1つまたは複数により決定して、97%純粋であり、最も好ましくは98%以上
純粋である。ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAG
E);高性能液体クロマトグラフィー(HPLC);逆相HPLC;または酵素アッセイ
。好ましいコラゲナーゼ産物は、クロストリパインを本質的に含んでおらず、精製は、好
ましくは、ロイペプチンの非存在下で実施される。本発明での使用に好ましいコラゲナー
ゼ産物は、下記の表1から選択される少なくとも1つの仕様を有する。
Figure 2023159104000002
本明細書での使用に記載されているコラゲナーゼ産物は、子宮類線維腫を含むコラーゲ
ン媒介性疾患の治療に有用である。本発明の組成物により治療することができる他のコラ
ーゲン媒介性疾患の例には、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。デュピュ
イトラン病;ペーロニー病;凍結肩(癒着性関節嚢炎)、ケロイド;テニス肘(外側上顆
炎);瘢痕腱;緑内障;椎間板ヘルニア;硝子体切除術の補助物(adjunct to vitrectom
y);過形成性瘢痕;炎症性ざ瘡から生じるもの等の圧迫瘢痕;手術後の癒着;尋常性ざ
瘡;脂肪腫、ならびにしわ、セルライト形成、および新生物線維症等の外観を損なう状態
特定のコラーゲン媒介性疾患の治療に使用することに加えて、本発明の組成物は、組織
を個々の細胞および細胞集団に解離させるためにも有用であり、幅広く多様な検査、診断
、および治療応用にも有用である。これら応用は、小径合成血管グラフト播種用の微小血
管内皮細胞、遺伝子治療用の肝細胞、薬物毒性スクリーニングおよび体外肝臓補助デバイ
ス、軟骨再生用の軟骨細胞、およびインスリン依存性糖尿病治療用のランゲルハンス島を
含む、種々の用途用の多数のタイプの細胞を単離することを含む。酵素治療は、断片細胞
外マトリックスタンパク質、および細胞間接触を維持するタンパク質に有効である。一般
的に、本発明の組成物は、細胞の除去または細胞外マトリックスの修飾が所望であるあら
ゆる応用に有用である。
本発明によるコラゲナーゼ組成物は、治療上有効量の記載されているコラゲナーゼ組成
物、または治療上有効量の記載されている医薬コラゲナーゼ製剤を、その必要性のある患
者に投与するためのものである。化合物、組成物、または製剤の「治療上有効量」は、任
意の医学的治療に適用可能な合理的ベネフィット/リスク比で、治療対象に治療効果を付
与する化合物の量である。治療効果には、これらに限定されないが、以下のものが含まれ
る:1つまたは複数の子宮類線維腫の縮小またはサイズの低減(類線維腫の除去を含む)
、子宮類線維腫またはその周辺の液化、部分的液化、または剛性の低減(柔軟性の増加)
、または圧力の低減、粘弾性特性の変化、または疼痛および出血等の症状の低減。
治療効果は、客観的であってもよく(つまり、ある試験またはマーカーにより測定可能
)、または主観的であってもよく(つまり、対象が、効果の指標を示すか、または効果を
感じる)、臨床医または患者により決定されてもよい。また、有効用量は、投与経路、な
らびに他の作用剤と併用の可能性に応じて、様々であろう。しかしながら、本発明の組成
物の合計1日用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医により決定されることになるこ
とが理解されるだろう。任意の特定の患者の特定の治療上有効用量レベルは、治療されて
いる障害、および障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成
物;患者の年齢、体重、全体的健康、および食事;使用される特定の化合物の投与時間、
投与経路、および排泄速度;治療期間;使用される特定の化合物と組み合わせてまたは同
時に使用される薬物;および医学分野において周知の類似要因を含む様々な要因に依存す
るだろう。
用語「患者」または「必要とする患者」は、子宮、および子宮類線維腫またはその症状
を有するあらゆる哺乳動物を包含する。そのような「患者」または「必要とする患者」に
は、ウマおよびブタ等の家畜、イヌおよびネコなどの伴侶動物、ならびにマウス、ラット
、およびウサギ等の実験動物を含む、ヒトまたは任意の哺乳動物が含まれる。好ましい患
者は、妊娠可能年齢のヒト女性である。
本発明の医薬組成物は、好ましくは、治療する子宮類線維腫組織内にまたは子宮類線維
腫組織上に、直接的に注射、挿入、または移植することにより、つまり、治療する組織へ
の局所投与により投与される。企図される他の投与方法には、これらに限定されないが、
以下のものが含まれる。患部組織への経膣点滴注入または塗布、外科手術中(腹腔鏡術ま
たは子宮鏡術等)の患部組織への点滴注入または塗布、つまり、液体製剤、流体製剤、ま
たはゲル製剤のスプレーまたは塗布による類線維腫組織への局所性投与。
本発明の製剤は、様々な装置を使用して、様々な径路により、様々な形態で、子宮組織
に注入/挿入される。幾つかの実施形態では、製剤は、単純な針(例えば、10ゲージ以
下の針)および試料プッシャー(例えば、マンドレルまたは改良型閉塞具)で構成される
装置を使用して、注入/挿入される。例えば、1つの実施形態によると、製剤(例えば、
桿状または他の形状の固体または半固体製剤、ビーズ、懸濁液、ゲル、またはポリマー等
)は、針、注射器、または針に接続された他のチャンバーに配置される。組織中の所望の
深さおよび位置に針を配置したら、プッシャーを使用して、針から組織へと試料を押し入
れる。幾つかの実施形態では、試料プッシャーには、保持クリップが設けられているか、
または、送達の時間まで試料を保全するための中空端部が設けられている。
更に別の実施形態では、本発明による製剤は、当技術分野で公知であるように、針等の
物理的送達チャネルを用いずにジェット式注射により注射/挿入される。典型的には、加
圧システム(例えば、機械システム、またはヘリウム、窒素、二酸化炭素等のガス)を使
用して、製剤が所望の深さまで組織に浸透することができるように、十分に速い速度に製
剤を加速させる。ジェット式注入デバイスは、例えば、事前充填または非事前充填の薬物
カートリッジである薬物カートリッジと共に、使い捨てまたは再使用可能であってもよい
。ジェット式注入器の例には、Bioject、ニュージャージー州、米国のBioje
ctor(登録商標)、およびPowderJect、英国のPowderJect(登
録商標)システムが含まれる。他の実施形態では、類線維腫の切片をくり抜き、それによ
り、剤形を挿入するために空間をその後に残すデバイス(例えば、生検デバイスまたは組
織細切器またはレーザー照射)が使用される。
コラゲナーゼを患者に送達するための製剤は、一般的に、注射可能または移植可能な製
剤、または任意の流体、液体、固形物、半固形物、ゲル、または本明細書に記載のように
、治療される組織にコラゲナーゼを投与するのに好適な他の組成物を含むことが企図され
る。本発明にいる製剤は、医薬品技術において公知の任意の方法により製剤化することが
できる。したがって、当技術分野で公知であり、コラゲナーゼ活性と適合する任意の注射
可能または移植可能な製剤を使用することができる。活性コラゲナーゼ作用剤のデポ放出
または持続性放出をもたらす製剤が企図される。特に、注射可能な持続性組成物または徐
放性組成物が好ましいが、任意の移植可能な製剤を使用することができる。そのような組
成物は、活性作用剤が投与された組織に存在するデポ効果を生み出すかまたは形成し、あ
る期間にわたって活性作用剤を放出して、組織を継続的に治療する。また、活性作用剤が
投与時に直ちに活性を放出する即時放出注射可能製剤も、本発明での使用に企図される。
これら製剤は、当技術分野で公知であり、当業者であれば、本発明での使用に好適なよう
に構成することができる。
幾つかの実施形態では、本発明の注射可能または挿入可能な製剤は、固形物、半固形物
、または高粘性流体である。これは、組織中の用量保持を向上させ、それにより治療剤の
送達効率が向上し、および/または意図しない非特異的組織損傷等の有害効果が最小限に
抑えられる。「高粘性」および他のそのような用語は、本明細書では、例えば、37℃に
設定され、0.5rpmの速度設定が使用されるCPE-40円錐スピンドルを備えたB
rookfield動粘度計HBDV-II+CP型を含む、幾つかの標準的技法のいず
れかで測定して、1000cpsを超える粘性を有する流体を記述するために使用される
。「低粘性」流体は、この値未満の粘性を有する。
幾つかの実施形態では、本発明による製剤は、流体状態で患者に注射され、その際に、
より容易に保持される形態に、例えば、固体形態に(注射された液体が固体に変換される
こと、注射された半固体が固体に変換されること、および液体がゲルに変換されることを
含む)、半固体形態に(注射された液体が半固体に変換されること、注射された半固体が
、降伏応力および/または粘性が増大した半固体に変換されること、および液体がゲルに
変換されることを含む)、または高粘性流体(低粘性流体が高粘性流体に変換されること
、および高粘性流体がより高粘性の流体に変換されることを含む)に、in vivoで
変換する(または変換される)。
子宮類線維腫に注射するための好ましい製剤には、担体またはナノ担体が使用される。
適切な担体には、活性コラゲナーゼを組織に維持し、コラゲナーゼを不活化する可能性の
ある組織または組織成分の作用から活性抗体を保護し、治療のために酵素を安定して組織
に放出するための、固体または半固体ペレット、ビーズ、またはゲル形成ポリマー、およ
び高粘性液体等が含まれる。活性化合物を保護および適所に含有することができる任意の
注射可能な剤形を使用することができる。哺乳動物では、C.ヒストリチクムコラゲナー
ゼは、血清により血流中で迅速に阻害される。したがって、全身性投与、またはコラゲナ
ーゼが不活化され得る条件下でのもしくは経口での投与は、消化酵素によりコラゲナーゼ
が分解される場合があるため、問題である。
ナノ担体は、薬物治療剤(例えば、タンパク質など)を送達および分解から保護するた
めのものである。また、ナノ担体製剤は、この方法が、注射した類線維腫から薬物が拡散
および分布して遠ざかるのを妨げ、放出を長期化し、不活化を遅延させ、したがって、反
復注射の頻度を低減するため、好ましい。当技術分野で公知の任意のそのようなナノ担体
を、本発明で使用することできる。これらナノ担体の幾つかは、熱応答性送達系とも呼ば
れる。
Atrigel(登録商標)は、生体適合性の水混和性有機溶媒(例えば、N-メチル
-2-ピロリドン、NMP)に溶解されている不水溶性生分解性ポリマー(例えば、ポリ
乳酸-co-グリコール酸(poly(lactic-co-glycolic acid)、PLGA)を含む。使
用時に、コラゲナーゼを添加して、溶液または懸濁液を形成する。PLGAの分子量およ
びラクチド-グリコリドのモル比(L:G比)は両方とも、薬物送達を左右する。50:
50~85:15のL:G比、および34~50%のポリマー濃度を使用した臨床研究で
は、デポ製剤が3か月間を超えて維持されたことが実証されている。
ReGel(登録商標)は、PLGA-PEG-PLGAまたはPEG-PLGA-P
EGが反復されている、PLGAおよびポリエチレングリコール(PEG、1000Da
または1450Da)から形成された4000Daのトリブロックコポリマーである。R
eGel(登録商標)は、水性媒体中で23重量%のコポリマー溶液として製剤化されて
いる。薬物を溶液に添加し、温度を37℃に上昇させると、系全体がゲル化する。ReG
el(登録商標)の、乳酸、グリコール酸、およびPEGの最終産物への分解は、コポリ
マーのモル組成に応じて、1~6週間にわたって生じる。ブタ成長ホルモンおよびグルカ
ゴン様ペプチド-1(GLP-1)のような化学的に異なる薬物を、1つ毎に組み込み、
ReGel(登録商標)から放出させることができる。
LiquoGel(商標)は、機械的に独立した薬物送達経路:捕捉および共有結合に
より作用することができる。この担体を使用して、2つ以上の薬物を腫瘍部位に送達する
ことができる。LiquoGel(商標)は、熱ゲル化性N-イソプロピルアクリルアミ
ド;ポリ(乳酸)および2-ヒドロキシエチルメタクリラートの生分解性マクロマー;親
水性アクリル酸(分解産物の溶解性を維持するため);および薬物に共有結合で結合され
る多官能性超分枝ポリグリセロールの四量体コポリマーである。LiquoGel(商標
)は、水性媒体中で16.9重量%のコポリマー溶液として製剤化されている。この溶液
は、生理学的条件下でゲル化し、1~6日以内に分解して薬物内容物を放出する。
上記の担体はいずれも、本発明でのナノ担体として使用することができる。しかしなが
ら、好ましいナノ担体は、多くの望ましい特徴を有する超分枝ポリグリセロール(HPG
)を含有する。HPGは、分枝ユニットの不完全生成により成長し、便利な1段階反応で
生産される。それらを生産する際に分子量の多分散性が大きいという以前の問題は、克服
されている。その結果生じるポリマーは、多数の修飾可能な表面官能基、ならびに薬物が
相互作用するための内部空洞を含有する。他のポリマー手法は、合成ステップの数、およ
び結果的にはコストを著しく増加させずに、これら特性を容易に提供することはできない
。HPGポリマーは、グリセロールに基づくものであり、ポリエチレングリコールと構造
が類似しているため、生体適合性である。
更なる成分を、このポリマーに、したがって修飾HPGポリマーおよびHPGのコポリ
マーに随意に付加することができることが企図される。これら更なる成分またはモノマー
には、例えば、架橋部分、生分解性部分、および熱応答性部分が含まれ得る。例えば、熱
に応答するヒドロゲルは、必要な流体容積を、体温未満に維持された注射器から注射する
ことが可能であり、暖まると、機械的特性が増加し、それにより注射部位に物質が拘束さ
れるため、注射療法には魅力的である。ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド(ポリ-
NIPAAm)は、およそ32℃の下限臨界溶解温度(LCST)を有する、熱に応答す
るポリマーである。したがって、HPGとNIPAAmとのコポリマーは、本発明で使用
するために企図されており、好ましい。このナノ担体は、可変性のメッシュサイズを有し
、小型薬物分子、大型タンパク質、または成分の混合物を捕捉するようにカスタマイズす
ることができ、体温でゲル化して、ナノ担体が生分解すると共に遅延放出を可能にする。
本発明の好ましい実施形態では、製剤は、体温未満の温度では液体として存在し、体温
ではゲルとして存在する。液体からゲルへの遷移が生じる温度は、LCSTと呼ばれるこ
と場合があり、特定の温度ではなくて、狭い温度範囲であってもよい。LCSTを有する
物質は、LCST物質と呼ばれる。本発明の実施での典型的なLCSTは、例えば、10
~37℃の範囲である。その結果、LCST未満で注射された製剤は、体内でLCST以
上の温度に温められ、それにより液体からゲルへの遷移を起こす。
本発明で使用するための好適なLCST物質には、ポリオキシエチレン-ポリオキシプ
ロピレン(PEO-PPO)ブロックコポリマーが含まれる。2つの許容される化合物は
、プルロニック酸F127およびF108であり、それらは、それぞれ12,600およ
び14,600の分子量を有するPEO-PPOブロックコポリマーである。これら化合
物の各々は、BASF(マウントオリーブ、ニュージャージー州)から入手可能である。
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の20~28%濃度のプルロニック酸F108は、好
適なLCST物質の例である。有益な1つの調製物は、PBS中の22.5%プルロニッ
ク酸F108である。PBS中の22%プルロニック酸F108の調製物は、37℃のL
CSTを有する。PBS中の20~35%濃度のプルロニック酸F127は、好適なLC
ST物質の別の例である。PBS中の20%プルロニック酸F127の調製物は、37℃
のLCSTを有する。典型的な分子量は、5,000~25,000であり、上記で特定
した2つの特定の化合物の場合は、12,600および14,600である。また、より
一般的には、他のPEO-PPOブロックコポリマーを含む、生分解性であり、体温では
ゲルとして存在し、体温未満では液体として存在する物質を、本発明により使用すること
ができる。LCST物質に関する更なる情報は、米国特許第6,565,530(B2)
号および第6,544,227(B2)号に見出すことができる。
本発明のコラゲナーゼ化合物の医薬製剤は、1つまたは複数の薬学的に許容される媒体
または賦形剤と共に製剤化されたコラゲナーゼ組成物を含む。本明細書で使用される場合
、用語「薬学的に許容される担体または賦形剤」は、無毒性、不活性、固体、半固体、ま
たは液体の、任意のタイプの充填材、希釈剤、カプセル化材料、媒体、溶媒、または製剤
助剤を意味し、個々の剤形でまたはバルクで使用可能することができる。活性化合物のデ
ポ製剤を生成するための他の剤形も、本発明での使用に企図される。本発明での使用に好
適なコラゲナーゼの剤形には、これらに限定されないが、以下のものが含まれる:注射前
に再構成するための、複数用量または単一用量の凍結乾燥または他の乾燥粉末、注射の準
備ができている個々の用量単位(好ましくは1つまたは複数の保存剤も含む)、凍結単位
剤形、または当技術分野で公知の任意の様式の調製物。また、製剤は、キットの形態で提
供されていてもよく、キットは、固体形態のコラゲナーゼ、再構成および注射用の液体ま
たは溶媒、ならびに注射器および針、特に子宮類線維腫に投与するための専用注射器およ
び/または針等の、投与に必要な任意の装置を含んでいてもよい。好ましくは、製剤は無
菌である。製品は、細菌保持フィルターでろ過することによる等、当技術分野で公知の任
意の方法により滅菌されていてもよく、または無菌条件下で生産される。他の方法には、
製剤またはその成分を、熱、放射、またはエチレンオキシドガスに暴露させることが含ま
れる。
薬学的に許容される担体としての役目を果たすことができる物質の幾つかの例は、当技
術分野で公知であるような注射用溶媒である。例には、これらに限定されないが、以下の
ものが含まれる:滅菌水、緩衝液、生理食塩水またはリンゲル液等の生理食塩溶液、発熱
性物質除去水、エチルアルコール、および無毒性油等、または本発明で使用するための本
明細書に記載の注射もしくは他の投与形態と適合性のある任意の溶媒。
加えて、当技術分野で公知の任意の固体賦形剤は、例えば、媒体または充填材として、
本発明と共に医薬品に使用することできる。ラクトース、グルコース、およびスクロース
などの糖;コーンスターチおよびジャガイモデンプン等のデンプン;セルロース、ならび
に微結晶性セルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、
および酢酸セルロース等の、その誘導体;トラガント末;麦芽;ゼラチン;ゴム;タルク
;プロピレングリコール等のグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル等の
エステル;ならびに寒天等を使用することができる。水酸化マグネシウムおよび水酸化ア
ルミニウム、クエン酸、およびリン酸塩または炭酸塩等の酸化合物またはアルカリ化合物
を含む、活性化合物および使用法と適合性のある緩衝剤が、使用に企図される。また、潤
滑剤、乳化剤、湿潤剤、懸濁化剤、結合剤、崩壊剤、保存剤または抗菌剤、酸化防止剤、
徐放性賦形剤、およびコーティング剤等の無毒性適合性賦形剤(例えば、ラウリル硫酸ナ
トリウムおよびステアリン酸マグネシウム)、ならびに着色剤、香料、粘性増強剤、およ
び生体接着剤等を、製剤専門家の判断に従って使用することができる。
例えば、1つまたは複数の生分解性結合剤が、典型的には、固体特徴を有する剤形に関
する本発明の製剤に含まれていてもよい。使用される場合、広範な生分解性結合剤の濃度
は、他の考慮すべきことの中でも、例えば、その結果生じる剤形の所望の物理的特徴に基
づき、および選択されている子宮類線維腫治療剤の特徴(例えば、希釈度、放出遅延等、
つまり、所望の/許容される)に基づき、様々な量で使用することができる。生分解性結
合剤の濃度範囲は、典型的には、生分解性結合剤の約1~80重量%、より典型的には、
約5~50重量%である。「生分解性」物質は、子宮組織等の組織に配置されると、溶解
、分解、再吸収、および/または他の分解プロセスを起こすものである。そのような物質
が含まれている場合、本発明による製剤は、子宮組織等の組織に7日間存在した後で、典
型的には少なくとも10%の重量低下を起こし、より典型的には組織に4日間存在した後
で50~100%の重量低下を起こすだろう。本発明との関連で使用するのに好適な生分
解性結合剤には、これらに限定されないが、グリセリン等の生分解性有機化合物、および
生分解性ポリマー、または薬剤学の技術分野で公知の任意の公知な崩壊剤化合物が含まれ
る。
用いられる場合、粘性調節剤は、典型的には、例えば、製剤に高度な粘性を付与するこ
とにより、所望の粘性を有する製剤を提供するのに有効な量で、例えば、約5,000~
200,000cps、より典型的には約10,000~100,000cps、更によ
り典型的には約20,000~40,000cpsの粘性を提供するのに有効な量で存在
する。これら範囲内の粘性を有する製剤を提供することにより、製剤は、従来の注射装置
(例えば注射器)を使用して、子宮組織等の組織に注射することができる。しかしながら
、製剤は、粘性が高いため、注射部位の組織内での保持が向上されている。使用される粘
性調節剤の濃度は、幅広く様々であってもよい。一般的に、粘性調節剤の総濃度は、約1
~20重量%である。多くの実施形態では、粘性調節剤は、天然由来または合成由来であ
ってもよい、典型的には生体内崩壊性であるポリマーである。また、ポリマーは、典型的
には水溶性および/または親水性である。しかしながら、幾つかの実施形態では、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒が液体成分として使用されている場合、粘性調
節剤は、比較的疎水性であってもよい。ポリマー粘性調節剤には、ホモポリマー、コポリ
マー、およびポリマーブレンドが含まれる。
本発明を実施するための粘性調節剤の例には、これらに限定されないが、以下のものが
含まれる:セルロースポリマーおよびコポリマー、例えば、セルロースエーテル、例えば
、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロ
ピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチル
ヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MH
PC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)および例えばナトリウム塩を含むその種
々の塩、ヒドロキシエチルカルボキシメチルセルロース(HECMC)およびその種々の
塩、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース(CMHEC)およびその種々の塩、
他のポリサッカライドおよびポリサッカライド誘導体、例えば、デンプン、ヒドロキシエ
チルデンプン(HES)、デキストラン、デキストラン誘導体、キトサン、およびアルギ
ン酸、およびその種々の塩、カラゲナン、キサンタンゴム、グアーゴム、アラビアゴム、
カラヤゴム、ガッディゴム、コンニャク、およびトラガカントゴムを含む種々のゴム、グ
リコサミノグリカン、およびプロテオグリカン、例えば、ヒアルロン酸、およびその塩、
ヘパリン、ヘパリン硫酸、デルマタン硫酸、タンパク質、例えば、ゼラチン、コラーゲン
、アルブミン、およびフィブリン、他のポリマー、例えば、カルボキシビニルポリマー、
およびそれらの塩(例えば、カルボマー)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアク
リル酸およびその塩、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸/アクリルアミドコポリマー
、ポリアルキレンオキシド、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、
およびポリ(エチレンオキシド-プロピレンオキシド)(例えば、プルロニック酸)、ポ
リオキシエチレン(ポリエチレングリコール)、ポリエチレンアミン、およびポリピリジ
ン、ポリメタホスファート(クロール塩)、ポリビニルアルコール、上記に特に示されて
いるもの以外の更なる塩およびコポリマー、ならびに先述のもののブレンド(同じモノマ
ーを含有するが、異なる分子量を有するポリマーの混合物を含む)等。また、これらの種
の多くは、結合剤として有用である。
本発明の他の実施形態では、製剤または担体は、使用前またはin vivoのいずれ
かで架橋される。架橋は、例えば、製剤保持を向上させるように作用する点で(例えば、
より硬質の/粘性の物質を提供することにより、および/またはポリマーを特定の環境に
より不溶性にすることにより)、有利である。製剤がin vivoで架橋される場合、
架橋剤は、一般的に、本発明により製剤を注射または挿入する前またはした後のいずれか
で組織に注射される。製剤および架橋剤の性質に応じて、製剤は、例えば、固体に、半固
体に、または高粘性流体に変換されてもよい。
本発明で使用するのに好適な架橋剤には、イオン性および共有結合性架橋剤を含む、任
意の無毒性架橋剤が含まれる。例えば、幾つかの実施形態では、本発明の製剤内には、例
えば多価金属イオンとイオン的に架橋されるポリマーが含まれる。好適な架橋イオンには
、カルシウム陽イオン、マグネシウム陽イオン、バリウム陽イオン、ストロンチウム陽イ
オン、ホウ素陽イオン、ベリリウム陽イオン、アルミニウム陽イオン、鉄陽イオン、銅陽
イオン、コバルト陽イオン、鉛陽イオン、および銀陽イオンからなる群から選択される多
価陽イオンが含まれる。多価陰イオンには、リン酸陰イオン、クエン酸陰イオン、ホウ酸
陰イオン、コハク酸陰イオン、マレイン酸陰イオン、アジピン酸陰イオン、およびシュウ
酸陰イオンが含まれる。より幅広くは、架橋陰イオンは、一般的に、多塩基性の有機酸ま
たは無機酸に由来する。イオン性架橋は、例えば、イオン的に架橋可能なポリマーを、溶
解されているイオンを含有する水溶液と接触させることにより、当技術分野で公知の方法
で実施することができる。
幾つかの実施形態では、例えば、ポリマー構造体中の官能基と反応性である多官能性架
橋剤を使用して、共有結合で架橋可能であるポリマーが含まれている。多官能性架橋剤は
、ポリマー中の官能基と反応する少なくとも2つの官能基を有する任意の化合物であって
もよい。本明細書中に記載の種々のポリマーは、共有結合的およびイオン的の両方で架橋
されていてもよい。
イオン性および/または共有結合性架橋に好適なポリマーは、例えば、下記の非限定的
リストから選択される。ポリアクリラート;ポリ(アクリル酸);ポリ(メタクリル酸)
;ポリアクリルアミド;ポリ(N-アルキルアクリルアミド);ポリアルキレンオキシド
;ポリ(エチレンオキシド);ポリ(プロピレンオキシド);ポリ(ビニルアルコール)
;ポリ(ビニル芳香族);ポリ(ビニルピロリドン);ポリ(エチレンイミン);ポリ(
エチレンアミン);ポリアクリロニトリル;ポリ(ビニルスルホン酸);ポリアミド;ポ
リ(L-リジン);親水性ポリウレタン;無水マレイン酸ポリマー;タンパク質;コラー
ゲン;セルロースポリマー;メチルセルロース;カルボキシメチルセルロース;デキスト
ラン;カルボキシメチルデキストラン;修飾デキストラン;アルギン酸塩;アルギン酸;
ペクチニン酸;ヒアルロン酸;キチン;プルラン;ゼラチン;ジェラン;キサンタン;カ
ルボキシメチルデンプン;ヒドロキシエチルデンプン;コンドロイチン硫酸;グアー;デ
ンプン;ならびにそれらの塩、コポリマー、混合物、および誘導体。
1つの好ましい実施形態では、コラゲナーゼは、ラクトース、スクロース、または任意
の好適な糖で製剤化した凍結乾燥注射可能組成物として製剤化される。1つの好ましいコ
ラゲナーゼ組成物は、スクロース、約8.0のpHレベルのTrisで製剤化された凍結
乾燥注射可能組成物である。最も好ましくは、1.0mgの本発明の薬物物質は、約8.
0のpHの60mMスクロース、10mM Tris(例えば、製剤緩衝液中、約20.
5mg/mLスクロースおよび1.21mg/mL Tris)で製剤化される。
本発明で使用するための好ましいコラゲナーゼ組成物は、少なくとも1000SRC単
位/mg、より好ましくは少なくとも約1500SRC単位/mg等の、少なくとも約7
00SRC単位/mgの比活性を有するコラゲナーゼIおよびコラゲナーゼIIの混合物
を含む。1SRC単位は、ラット尾部コラーゲンを、25℃、pH7.4で1分間当たり
1ナノモルのロイシンと等価なニンヒドリン反応物質に可溶化させるだろう。コラゲナー
ゼは、同様にABC単位で記載されている。コラゲナーゼのこの効力アッセイは、pH7
.2および37℃で、20~24時間の未変性コラーゲン(ウシ腱に由来する)の消化に
基づく。切断したペプチド結合の数は、ニンヒドリンとの反応により測定した。トリプシ
ン消化対照により放出されたアミノ基を差し引く。コラーゲンの1正味ABC単位は、1
分間当たり1.09ナノモルのロイシンと等価なニンヒドリン反応物質を可溶化させるだ
ろう。1SRC単位は、およそ6.3ABC単位または18.5GPA単位と等しい。1
つの実施形態では、注射用コラゲナーゼは、1ミリグラム当たりおよそ2800SRC単
位を含有するだろう。
子宮類線維腫組織への直接注射により投与するために企図される用量は、治療される組
織のサイズ、および治療する医師の判断に応じて様々であろう。しかしながら、用量は、
一般的に、治療される組織の1cm当たり約0.06mgコラゲナーゼ~約1mgコラ
ゲナーゼ、または治療される組織の1cm当たり約0.1mgコラゲナーゼ~約0.8
mgコラゲナーゼ、または治療される組織の1cmあたり約0.2mgコラゲナーゼ~
約0.6mgのコラゲナーゼである。
また、更なる活性作用剤または薬剤を含有する製剤が企図される。随伴性投与、同時投
与、または個別投与用の製剤に含むことができる随意の更なる作用剤には、例えば、子宮
類線維腫またはそれらの症状を縮小、治療、または除去するための、または現在の治療方
法の実施を支援するための、当技術分野で公知の任意の医薬品が含まれる。例えば、以下
のもの等の1つまたは複数の類線維腫治療剤を、同じまたは別々の投与で、コラゲナーゼ
と同時投与してもよい:アロマターゼ阻害剤(例えば、レトロゾール、アナストロゾール
、およびエキセメスタン(exemestande))、プロゲステロン受容体アゴニストおよび修
飾因子(例えば、プロゲステロン、プロゲスチン、ミフェプリストン、レボノルゲストレ
ル(levonoergestrel)、ノルゲストレル、アソプリスニル、ウリプリスタル、および酢
酸ウリプリスタル、テラプリストン(telepristone))、選択的エストロゲン受容体修飾
因子(SERM)(例えば、ベンゾピラン、ベンゾチオフェン、クロマン、インドール、
ナフタレン、トリ-フェニルエチレン化合物、アルゾキシフェン、EM-652、CP3
36,156、ラロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、およびタモキシフェン
)、ゴナドトロピン放出ホルモン類似体(GnRHa)(例えば、6位がD-アミノ酸に
変更されている、および/またはカルボキシル末端Gly10-アミドがエチルアミドに
置換されているGnRHアゴニストペプチドまたは類似体、例えば、トリプトレリン、ま
たはセトロレリクス、ガニレリクス、デガレリクス、およびオザレリクス等のGnRHア
ンタゴニスト)、増殖因子修飾因子(例えば、TGFb中和抗体)、酢酸ロイプロリド、
非ステロイド系抗炎症薬、mTOR径路の阻害剤、WNTシグナル径路の阻害剤、ビタミ
ンD、ビタミンD代謝産物、ビタミンD修飾因子、および/または更なる抗線維症化合物
(例えば、ピルフェニドンおよびハロフジノン)。
また、化学的アブレーション剤が、本発明の製剤に含まれていてもよい。そのような化
合物は、有効な量だと、暴露時に組織壊死または縮小を引き起こす。任意の公知のアブレ
ーション剤を、コラゲナーゼの不活化は回避されるが状態に適切な濃度で、本技術に従っ
て使用することができる。使用される量は、当業者により容易に決定される。典型的な濃
度範囲は、アブレーション剤の約1~95重量%、より典型的には、約5~80重量%で
ある。本発明で使用するのに好適なアブレーション剤には、これらに限定されないが、以
下のものが含まれる。浸透圧ストレス発生剤(例えば、塩化ナトリウムまたは塩化カリウ
ム等の塩)、有機化合物(例えば、エタノール)、塩基性作用剤(例えば、水酸化ナトリ
ウムおよび水酸化カリウム)、酸性作用剤(例えば、酢酸およびギ酸)、酵素(例えば、
ヒアルロニダーゼ、プロナーゼ、およびパパイン)、フリーラジカル発生剤(例えば、過
酸化水素および過酸化カリウム)、酸化剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素
、および過酸化カリウム)、組織固定剤(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド
、またはグルタルアルデヒド)、および/または血液凝固剤(例えば、ゲングピン(geng
pin))。これら作用剤は、コラゲナーゼの酵素活性に悪影響を及ぼさない限り、同じ製
剤にコラゲナーゼと共に混合してもよく、または、同じ時点でまたは異なる時点で、別々
に投与してもよい。
本発明による方法は、類線維腫により引き起こされる症状を制御する任意の公知の治療
と共に使用してもよい。例えば、NSAIDまたは他の鎮痛剤を使用して、月経痛を低減
することができ、経口避妊薬を処方して、子宮出血を低減することができ、鉄分補給剤を
与えて、貧血を治療することができる。子宮の状態が器具の排除をもたらさない場合、レ
ボノルゲストレル子宮内避妊器具を使用して、出血および他の症状を低減することができ
る。
本発明の製剤が導入されつつある領域および導入された領域を非侵襲的に画像化する能
力は、本発明を実施するための、有用な診断ツールである。したがって、子宮類線維腫治
療剤、および上記で考察した種々の随意成分のいずれかに加えて、本発明の子宮類線維腫
製剤は、随意に、臨床医を誘導して、治療する類線維腫または組織へのコラゲナーゼ化合
物の投与を支援して、投与が正確に配置されたことを決定するための1つまたは複数の画
像造影剤を更に含む。非非侵入性の画像化技法には、磁気共鳴画像法(MRI)、超音波
画像法、X線透視法、および核医学等が含まれる。そのような技法での使用に好適であり
、当技術分野で公知の任意の造影剤を、本発明の組成物および製剤の一部として使用する
ことができる。
任意のリアルタイム画像化技法を使用して、本発明での注射または挿入を誘導すること
ができる。例えば、X線に基づく透視法は、患者内の動きのリアルタイム患者モニタリン
グを可能にする画像診断技法である。透視法で可視化するために、製剤には、典型的には
、周囲組織よりも高いX線吸収性が付与されている。本発明の種々の実施形態では、これ
は、造影剤の使用により達成される。X線透視法に関連して使用される造影剤の例には、
金属、金属塩および酸化物(特に、ビスマス塩および酸化物)、およびヨード化合物が含
まれる。そのような造影剤のより具体的な例には、タングステン、白金、タンタル、イリ
ジウム、金、または他の高密度金属、硫酸バリウム、次炭酸ビスマス、三酸化ビスマス、
オキシ塩化ビスマス、メトリザマイド、イオパミドール、イオタラム酸ナトリウム、ヨー
ドミドナトリウム(iodomide sodium)、およびメグルミンが含まれる。
超音波画像法および磁気共鳴画像法は、身体の部分の二次元または三次元画像を提供す
ることができる。超音波およびMRIは、患者および医師を有害放射線に暴露させず、観
察区域の詳細な画像を提供できるため、特に有利である。これら詳細な画像は、医師にと
って有用な診断補助であり、本発明の製剤の量および位置をより精密に制御するために使
用することができる。
本発明に関連して使用するための好適な超音波画像造影剤には、最大寸法(例えば、球
形粒子が使用される場合は、直径)が、約0.01~50ミクロンの、より典型的には約
0.5~20ミクロンの範囲である中実微粒子が含まれる。無機粒子および有機粒子の両
方を使用することができる。例には、炭酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、
ポリ(乳酸)、およびポリ(グリコール酸)のミクロ粒子/ミクロスフェアが含まれる。
画像法の技術分野で公知であるように、マイクロバブルを、超音波画像造影剤として使用
することもできる。本発明に関連して使用するための超音波画像造影剤は、好ましくは生
体適合性であり、製剤中で安定している。中実粒子が使用される場合、超音波画像造影剤
の濃度は、典型的には、製剤の約0.01~10重量%、より典型的には約0.05重量
%~2重量%の範囲である。
造影MRIの場合、好適な造影剤は、大きな磁気モーメントを有し、電子緩和時間が比
較的長い。これらの基準に基づいて、Gd(III)、Mn(II)、およびFe(II
I)等の造影剤を使用することができる。ガドリニウム(III)は、これら3つの中で
最も大きな磁気モーメントを有しており、したがって、MRIでの造影に広く使用されて
いる常磁性種である。Gd-DTPA(リガンドのジエチレントリアミン五酢酸でキレー
トされているガドリニウムイオン)等の常磁性イオンのキレート化合物も好適である。更
に詳しい情報は、例えば、「Implantable or insertable m
edical devices visible under magnetic re
sonance imaging」という名称の、米国特許出願第2003-01008
30号に見出すことができる。
本明細書に記載のコラゲナーゼ製剤は、好ましくは、中空針またはカニューレ等の中空
送達チャネルを使用して、1つまたは複数の個々の子宮類線維腫腫瘍に注射される。例え
ば、投与は、従来のまたは特別設計の注射器、カニューレ、およびカテーテル等と共に針
を使用して実施することができる。手動の、機械的な、水力の、空気圧の、または他の圧
力付加手段の供給源(例えば、従来の注射器プランジャー、ポンプ、エアゾル等)を使用
して、製剤を類線維腫に注射することができる。あるいは、製剤は、腹腔鏡下手術中に、
および子宮鏡処置中に、例えば、トロカールにより手術中に投与することができる。
注射経路には、例えば、経腹腔経路、経頸管経路、経膣経路が含まれる。製剤が流体属
性を有する場合、注射容積は、例えば、類線維腫のサイズ、ならびに治療剤のタイプおよ
び濃度等に応じて様々であり、典型的には、1注射当たり1.0から10.0mlまで変
動することになる。同様に、固体属性を有する製剤(例えば、ペレットまたは粉末)が使
用される場合、注射/挿入する製剤の量は、例えば、類線維腫のサイズ、使用される治療
剤のタイプおよび濃度等にも依存することになる。コラゲナーゼ組成物の複数のペレット
または用量を、単一注射部位に投与することができる。製剤の物理的属性に関わらず、複
数の注射/挿入部位を、単一類線維腫内に確立することができ、注射回数は、類線維腫の
サイズおよび形状、ならびに使用される治療剤のタイプおよび/または濃度に依存する場
合がある。複数の類線維腫または単一の類線維腫を治療することができる。
種々の実施形態では、注射/挿入デバイスは、画像誘導下で類線維腫部位に誘導される
。画像誘導には、例えば、直接視覚誘導(例えば、経腹腔的術式での腹腔鏡誘導、経膣的
術式での子宮鏡誘導)および間接視覚誘導(例えば、超音波誘導、透視法誘導、および/
またはMRI誘導)が含まれ得る。
具体的な例として、注射/挿入デバイスの視覚誘導は、腹部に位置決めされているスコ
ープを腹腔鏡的に使用して(例えば、トロカールから挿入することにより)実施される。
このように、デバイス(例えば、送達針またはカニューレ)を腹部に経皮的に挿入して、
腹腔鏡視野下で子宮類線維腫に誘導することができる。類線維腫に到達したら、好ましく
は、透視法、MRI法、または超音波法(例えば、経膣超音波法、経腹腔超音波法、腹腔
内超音波法等)を使用して、類線維腫内の所望の位置へと送達針の先端を誘導し、その地
点で類線維腫に製剤を注射または挿入する。また、製剤と周囲組織との間に十分なコント
ラストがある限り、類線維腫内の製剤の位置も可視化されるだろう。
本発明の組成物およびプロセスは、以下の例を参照すると、より良好に理解されること
になるが、それらは例示として意図されているに過ぎず、本発明の範囲を限定するもので
はない。開示されている実施形態の種々の変更および改変は、当業者であれば自明であろ
う。限定ではないが、本発明のプロセス、製剤、および/または方法に関するものを含む
、そのような変更および改変は、本発明の趣旨および添付の特許請求の範囲の趣旨から逸
脱せずになすことができる。
基本的コラゲナーゼ産生
動物性物質を含まないクロストリジウム細胞バンクを調製するために、クロストリジウ
ム・ヒストリチクム細胞を、植物性ペプトンおよび随意に酵母エキスを含有する培地に懸
濁する。例えば、これを達成するための1つの基本方法は、以下の通りである。
Figure 2023159104000003
動物性物質を含まない細胞バンクを確立したら、当技術分野で公知の便利な培地、好ま
しくは非動物由来培地で、細胞を増殖または発酵させることができる。培地は、随意に酵
母エキスを含有していてもよい。そのような培地の例示的で非限定的な例は、下記の表3
に記載されているM#1、M#2、M#3、およびM#4である。加えて、発酵プロセス
のステップの例示的で非限定的な一般的な例については、表4を参照されたい。
Figure 2023159104000004
Figure 2023159104000005
「第2の培養」を調製した後、コラゲナーゼIおよびコラゲナーゼIIは、各酵素を別
々に少なくとも95%の純度で生産することが可能な任意の方法を使用して、単離および
精製することができる。この方法は、例えば、硫安沈澱、透析、ヒドロキシアパタイト(
HA)クロマトグラフィー、ゲルろ過、およびイオン交換のステップの1つまたは複数を
、好ましくはこの順で組み合わせてもよい。ゲルろ過は、好ましくはG75ゲルろ過であ
る。イオン交換は、好ましくは陰イオン交換:Q-セファロースクロマトグラフィーであ
る。加えて、公知の細菌培養の大多数と比較して、より少ないグルコースおよびより多く
の塩を含有する培地でクロストリジウムを培養することが好ましく、その場合は、ロイペ
プチン等のプロテアーゼ阻害剤は必要ではない。
動物性物質を含まないクロストリジウム細胞バンクの調製
開始細胞培養は、クロストリジウム・ヒストリチクム ATCC 21000、菌株0
04だった。これは、元々はウシ由来物質で生成されたものである。まず、動物性物質を
含まない培地(M#1、表3)で、細胞を増殖させた。手短に言えば、レシピは、51.
5gのphytone、8.5gの酵母エキス、1000mLの水を含む。pHをNaO
Hで7.30に調整し、培地を121℃で20分間滅菌した。その後、1ミリリットルの
出発物質を、300mLのM#1に播種し、37℃で24時間インキュベートした(第1
の培養)。3ミリリットルの第1の培養を、1000mLのM#1に移し、16時間イン
キュベートした(第2の培養)。その後、第2の培養を無菌的に遠心分離した。ペレット
を、5mLの20%グリセロールを有する5mLのM#1に再懸濁した。分割量の細胞懸
濁液を徐々に凍結させ、-80℃で保存した。
発酵プロセス
クロストリジウム・ヒストリチクム ATCC 21000、菌株004を、M#1ま
たはM#2を有する開始培養に播種し、37℃で16時間インキュベートした。その後、
10ミリリットルの開始培養(M#1またはM#2)および10mLのMg/ビタミン溶
液(8g MgSO、1.2g硫酸第一鉄、0.05gリボフラビン、0.1gナイア
シン、0.1gパントテン酸カルシウム、0.1gピメリン酸、0.1gピリドキシン、
および0.1gチアミンを1100mL水に溶解し、その後0.22μmろ過で滅菌する
ことにより別々に調製した)を、各々1リットルのM#3またはM#4(またはそれらの
変法)に移し、22時間インキュベートした。クロストリジウム・ヒストリチクムは良好
に増殖し、OD600は、>2.5に達した。
コラゲナーゼIおよびコラゲナーゼIIの分離および精製の基本手順
Figure 2023159104000006
子宮類線維腫組織のex vivo処置
類線維腫組織および子宮筋層の試料は、子宮摘出後に同意のうえで女性から得、外科病
理学者による評価により特定した。組織試料を実験室に搬送し、1cm立方体に切断し
た。図2を参照されたい。これら立方体に、培地または血清に溶解した精製コラゲナーゼ
(100μL中に0.06または0.2mg)を注射し、その後、37℃で、24、48
、72、または96時間インキュベートした。図3を参照されたい。類線維腫組織は、非
常に可変性であるため、各処置は、3人の異なる患者に由来する組織で、1処置当たり2
つの組織試料を用いて実施した。対照類線維腫および子宮筋層立方体に、媒体を注射また
は偽薬を注射した。インキュベーションの終了時に、組織試料の写真を撮り、肉眼的外観
を記録した。液化および軟化の度合いを観察し、4地点の主観的な尺度を使用して記録し
た。
生体力学的評価用に試料を凍結した(圧縮分析)。組織学的検査およびマッソン三色染
色およびピクロシリウスレッド染色用に、試料をホルマリンで固定した。それらを、コラ
ーゲンの有無について光学顕微鏡で分析し、コンピュータ形態計測を使用して評価し、分
解の程度を決定した。ピクロシリウスレッド染色の場合、偏光光学顕微鏡法を実施して、
コラーゲン線維の配向性を決定した。試料をグルタルアルデヒドで固定し、電子顕微鏡用
に四酸化オスミウムで後固定して、コラーゲン原線維の配向性、および原線維分解の証拠
を決定した。0.58mg/注射(250ulの2.3mg/ml)の用量で更なる注射
を実施した。
これらのex vivo研究は、子宮摘出後の類線維腫標本の軟化および部分的液化、
ならびにコラーゲン含有量の減少に、精製コラゲナーゼが効力を有することを示している
。処置した類線維腫標本は、全体的により柔軟であり、部分的に液化した中心部を有して
いた。これら組織のマッソン三色染色およびピクロシリウスレッド染色は、媒体を注射し
た類線維腫組織と比較して、コラーゲン含有量の劇的な主観的減少を示した。
ex vivoでの子宮類線維腫全体の処置
提供組織は、法律上有効な同意を示すことができ、子宮摘出による類線維腫の最終的治
療を受けることを計画していた18歳以上の4人の女性成人患者から得た。子宮摘出標本
を取り出した後、子宮は、外科病理医による標準的手順により肉眼的に観察した。1.5
cmの周囲隣接子宮筋層と共に、1~4cm(被膜を含む)の完全な類線維腫(粘膜下(
子宮内膜と当接)、壁内(子宮筋層内)類線維腫、および漿膜下(子宮漿膜と当接)類線
維腫、またはもし存在すれば有茎性類線維腫(茎により子宮に付着))、および入手可能
な場合は、子宮内膜の0.5cm切片を、標本から切り離し、生理食塩水に配置した。
組織を直ちに実験室に運び、洗浄し、精製クロストリジウム・ヒストリチクムコラゲナ
ーゼ(PCHC)(0.1mg/100μl/cm)を注射した。随意に、より高い濃
度のコラゲナーゼを使用して、注射の容積を減少させた。精製コラゲナーゼを、0.9%
塩化ナトリウム中0.3mg/mLの塩化カルシウム二水和物で希釈し、随意に、マーカ
ーとしての1%メチレンブルーと混合して、類線維腫および子宮内での注射物質の分布域
を視覚的に評価した。類線維腫には、PCHCまたは媒体を、得られた標本の中心に注射
した。図4Aおよび4Bを参照されたい。注射したコラゲナーゼの量は、類線維腫(1~
4cm)のサイズに依存した。一般的に、約818μLの物質を、約2.5cmの直径を
有する類線維腫に注射した。治療容積全体を中心に注射することが、注射に対する組織抵
抗性または他の要因により実施可能でなかった場合、類線維腫内の複数位置に注射した。
その後、類線維腫組織を、37℃で24時間、DMEM/F12培地中でインキュベート
した。子宮筋層が付着している少なくとも1つの類線維腫は、対照としての役目を果たし
た。この標本には、非無作為化プラセボ注射として、コラゲナーゼを含まない媒体中の1
%メチレンブルーを、類線維腫の中心に注射した。
注射前後に、子宮片、および類線維腫片、および子宮筋層片のカラー写真を撮影した。
類線維腫直径は、メートル法の定規で測定した。
インキュベーションの終了時に、試料のサイズ、稠度、および硬さを肉眼的に再評価し
、カラー写真を撮影し、ならびに、手を使った類線維腫の膨脹性および切片化時のあらゆ
る液化部分をビデオ録画で随意に記録した。液化および軟化の度合いを観察し、4地点の
主観的な尺度を使用して記録した。
コラゲナーゼが被膜を透過して、付近の子宮筋層に影響を及ぼすか否かを決定した。注
射した類線維腫および隣接する子宮筋層の組織、ならびに類線維腫および依然として付着
していた隣接する子宮筋層および/または子宮内膜を含む切片、ならびに子宮筋層のみを
含む試料を得た。組織学的検査、およびマッソン三色染色、およびピクロシリウスレッド
染色、およびヘマトキシリン-エオシン染色用に、試料をホルマリンで固定した。試料を
、コラーゲンの有無について光学顕微鏡で分析し、コンピュータ形態計測を使用して、分
解の程度を評価した。ピクロシリウスレッド染色では、偏光光学顕微鏡法を使用し、コラ
ーゲン線維の配向性を決定した。
各患者の例示的な処置計画
類線維腫1:818μLの1mg/mLコラゲナーゼを注射する。
類線維腫2:818μLの1mg/mLコラゲナーゼを注射する。
類線維腫3:818μLの対照媒体を注射する。
類線維腫被膜から類線維腫の中心に、子宮筋層から類線維腫の中心に、または子宮内膜
から類線維腫の中心に注射を行って、in vivo注射経路を模倣した。ここで、類線
維腫は、図5に示されているのと同じように液化された(以下を参照)。
精製クロストリジウムコラゲナーゼを注射した後のヒト子宮類線維腫の生体力学的評価
クロストリジウム・ヒストリチクムから単離された2つのコラゲナーゼ(ABC Iお
よびABC II)を、1:1の質量比で混合した。コラゲナーゼは両方ともメタロプロ
テアーゼであり、広範な加水分解反応性を有し、I型およびIII型コラーゲンを分解す
る。対照およびコラゲナーゼ処置標本の子宮類線維腫組織の生体力学的特性を、レオメト
リーで分析した。
子宮類線維腫は、子宮筋層での約80%と比較して、約70%のI型コラーゲンを、子
宮筋層での約20%と比較して、約28%のIII型コラーゲンを、および子宮筋層での
約2%と比較して、約5%のV型コラーゲンを含有することが示された。I/III型は
、子宮筋層と比較して、類線維腫の中心および縁部ではより少ない。(Feng et
al,
類線維腫組織を、手術後(子宮摘出術または筋腫核出術)に、4人の異なる患者から得
、切断して立方体(1cm;n=43)にした。組織立方体には、100μLの精製コ
ラゲナーゼ(0、0.25、0.5、1.0、2.0mg/mL;1用量当たりn=4~
14)を中央に注射し、37℃で24、48、または96時間インキュベートした。イン
キュベーション期間の終了時に、立方体を半分に切断し、液体窒素で瞬間凍結した。中心
の軟化および液化の程度は異なることが認められた。AR-G2レオメータを使用して、
試料剛性を動的に測定し(10rad/秒での複素せん断弾性率(Pa))、物質の粘性
挙動および弾性挙動を両方とも考慮に入れた。各組織立方体からの少なくとも2つの標本
(5mm直径打ち抜き)を測定した。データは、二元配置ANOVAおよびダネット多重
比較検定で分析した。
全体的に、対照類線維腫立方体の剛性(6585±707Pa;n=13)は、処置立
方体(2003±275Pa;n=30;p<0.0001)よりも大きかった。より詳
しくは、類線維腫組織の剛性は、時間および用量依存的な様式で低減した。48時間では
、0.25mg/mLでの処置は、剛性を低減しなかったが(5032±1796Pa)
、0.5mg/mLでの処置は、剛性を低減させた(2014±1331Pa;p≦0.
05)。96時間では、0.25および0.5用量は両方とも効果的だった(1720±
377および1072±160Pa;p≦0.01)。1.0および2.0mg/mL処
置は、24時間で剛性を低減したが、有意ではなかった(2177±37および2480
±984Pa;n=4)。しかしながら、1.0および2.0mg/mLの用量は、48
時間(3588±637;p≦0.05および1254±445Pa;p≦0.01;n
=6)、および96時間(921±305および1350±571Pa;p≦0.000
1;n=10)で効果的だった。
ねじれレオメータ(torsional rheometer)を使用して、広範囲にわたって(非常に硬
い~液化)組織剛性を定量化した。本発明者らのデータは、規定用量の精製クロストリジ
ウムコラゲナーゼでの類線維腫組織の処置が、組織の剛性(モジュラス)を著しく減少さ
せたことを示す。図5を参照されたい。そこには、48時間インキュベーションした後の
類線維腫組織でのコラーゲン分解が示されている。左側の写真は、媒体(対照)を注射し
た組織であり、右側の写真は、コラゲナーゼを注射した組織である。図6には、対照組織
(図6Aおよび6B)およびコラゲナーゼ処置組織(図6Cおよび6D)の顕微鏡写真が
示されている。図AおよびC(左)のマッソン(Mason)染色は、コラーゲンが減少して
いることを示す。偏光下で明白に視覚化されたピクロシリウス(Picrosirus)レッド染色
(図6D)は、底部右側でコラーゲン線維が分解されていることを明らかに示している。
ヌードマウスモデルでのヒト子宮類線維腫の処置
ヒト子宮類線維腫細胞の三次元器官型培養が雌ヌードマウスの皮膚下に移植されている
異種移植片マウスモデルを使用して、類線維腫に類似した生物学的特徴を有する線維性皮
膚障害であるケロイドの研究が成功している。このモデルを使用して、HPGナノ担体製
剤のPCHC注射の、類線維腫組織に対するin vivoでの効果を実証する。
ポリ乳酸スポンジ、他の合成ポリ乳酸スキャフォールド、または任意の好適な市販のス
キャフォールドを、ヒト子宮類線維腫細胞に播種して、ヌードマウスに移植できる子宮類
線維腫細胞の器官型三次元培養を生成する。これら三次元器官型培養(3D類線維腫)は
、ヒト類線維腫を表し、細胞外マトリックスを産生および含有する。
OPLAスポンジ(開細胞ポリ乳酸、BD Biosciences;図7)は、D,
D-L,Lポリ乳酸から合成される合成ポリマースキャフォールドである。この物質は、
高密度細胞懸濁液の培養に効果的なファセット構造を有する。細胞を、動的条件下で3D
スポンジ様スキャフォールドに播種すると、スポンジの全体にわたって均一な細胞集団が
もたらされ、1スポンジ当たりの細胞数は、静的播種よりも多くなるだろう。滅菌後、O
PLAの分子量は100~135kDである。それらは、5mm×3mm(0.04cm
)の近似サイズを有し、平均孔径は、100~200μmである。
細胞およびスキャフォールドを、せん断力、ならびに細胞および/またはスキャフォー
ルドの重力による沈殿を最小限に抑えつつ、一定の細胞浮遊を可能にする、流体(培養培
地)を満たした回転チャンバーで構成されるバイオリアクターの細胞培養チャンバーに配
置する(Synthecon Inc.)。回転式バイオリアクターチャンバーの内部に
ある細胞は、実際上無重量状態で懸濁される。
子宮摘出で得た標本に由来する初代ヒト類線維腫細胞を、OPLAスポンジに静的にま
たは動的に播種し、30日間増殖させて、細胞外マトリックスの産生および構築を可能に
する。細胞は、スキャフォールド全体にわたって増殖し、ホルマリン固定し、パラフィン
埋包し、観察用に薄切片化し、随意に複数のマーカーを染色することができる。図8を参
照されたい。図では、スポンジ様スキャフォールドの輪郭に沿って細胞格子が形成されて
いることが示されている。
図9には、静的に播種した後の類線維腫細胞の初代培養が示されている。細胞をスキャ
フォールドに固定し、in situで観察する。細胞を含有するスキャフォールドを固
定し、蛍光ファロイジンでf-アクチンを脱染色(図9A)または染色した(図9B)。
細胞は、スキャフォールドの全体にわたって均一に分布していた。画像化したスキャフォ
ールドは、厚さが>1mmであり、したがって、全ての細胞に焦点があっているとは限ら
ず、細胞が表面だけでなく、スキャフォールドの内部深くでも増殖していることを示す。
図10では、細胞集団が、スポンジ様スキャフォールドの全体にわたっていることが、共
焦点顕微鏡を使用して示されている(図10Aおよび10B)。
高品質RNAを、OPLAスポンジにある類線維腫細胞の3D培養から抽出し、それを
使用して、2つの目的遺伝子の発現を検証する。バーシカンおよびTGFβ3は、類線維
腫の組織および細胞で高度に発現されることが知られている。表6の結果は、類線維腫細
胞株およびこの3D培養系の類線維腫細胞の初代培養は両方とも、これら2つの遺伝子を
大量に発現することを示している。
Figure 2023159104000007
本明細書で引用されている特許文献および科学文献は、当業者が入手可能な知識を確立
する。
本発明は、その好ましい実施形態を参照して具体的に提示および説明されているが、当
業者であれば、添付の特許請求の範囲により包含される本発明の範囲から逸脱せずに、形
態および詳細にそれらに種々の変更をなすことができることを理解するだろう。

Claims (38)

  1. 子宮類線維腫を治療するための方法であって、子宮類線維腫の縮小を引き起こすのに有
    効な量の子宮類線維腫治療剤を含む注射可能または挿入可能な製剤を準備する工程と、前
    記製剤を前記子宮類線維腫に注射または挿入する工程とを含み、前記子宮類線維腫治療剤
    が、コラゲナーゼである方法。
  2. 前記コラゲナーゼが、哺乳動物供給源、甲殻類供給源、真菌供給源、または細菌供給源
    から得られる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記コラゲナーゼが、細菌供給源から得られる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記コラゲナーゼが、クロストリジウムから得られる、請求項3に記載の方法。
  5. 前記クロストリジウムが、クロストリジウム・ヒストリチクムである、請求項4に記載
    の方法。
  6. 前記コラゲナーゼが、コラゲナーゼIおよびコラゲナーゼIIの混合物である、請求項
    5に記載の方法。
  7. 前記コラゲナーゼIおよびコラゲナーゼIIが、約0.5~約1.5の質量比で存在す
    る、請求項6に記載の方法。
  8. 治療される組織の1cm当たり約0.06mg~約1mgのコラゲナーゼが投与され
    る、請求項1に記載の方法。
  9. 治療される組織の1cm当たり約0.1mg~約0.8mgのコラゲナーゼが投与さ
    れる、請求項8に記載の方法。
  10. 治療される組織の1cm当たり約0.2mg~約0.6mgのコラゲナーゼが投与さ
    れる、請求項8に記載の方法。
  11. 前記製剤が、前記類線維腫に経腹腔的に注射または挿入される、請求項1に記載の方法
  12. 前記製剤が、前記類線維腫に経腟的に注射または挿入される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記製剤が、前記類線維腫に画像誘導下で注射または挿入される、請求項1に記載の方
    法。
  14. 前記画像が、直接視覚画像および間接視覚画像の少なくとも1つである、請求項13に
    記載の方法。
  15. 前記直接画像がスコープ画像である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記間接視覚画像が、MRI画像である、請求項14に記載の方法。
  17. 前記製剤が、MRI造影剤を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記間接視覚画像が、超音波画像である、請求項16に記載の方法。
  19. 前記製剤が、超音波造影剤を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記間接視覚画像が、透視画像である、請求項14に記載の方法。
  21. 前記製剤が、X線造影剤を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記製剤が、化学的アブレーション剤、非ステロイド系抗炎症薬、経口避妊薬、GnR
    Hアゴニスト、抗プロゲストゲン、または選択的プロゲステロン受容体修飾因子を更に含
    む、請求項1に記載の方法。
  23. 前記製剤が、化学的アブレーション剤を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記化学的アブレーション剤が、塩である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記化学的アブレーション剤が、酵素、酸、塩基、および酸化剤から選択される、請求
    項23に記載の方法。
  26. 前記製剤が、複数の異なる子宮類線維腫治療剤を含む、請求項1に記載の方法。
  27. 前記製剤が、1mm~20mmの最大寸法を有する剤形である、請求項1に記載の方法
  28. 前記製剤が、中空チャネルから前記類線維腫に送達される、請求項1に記載の方法。
  29. 前記製剤が、カプセル封入されている、請求項1に記載の方法。
  30. 前記製剤が粉末である、請求項1に記載の方法。
  31. 前記粉末が、ジェット式注射により前記類線維腫に導入される、請求項30に記載の方
    法。
  32. 粘性調節剤が、10,000cps~50,000cpsの範囲の粘性を提供するのに
    有効な量で存在する、請求項1に記載の方法。
  33. 前記製剤が、in vivoでイオン的に架橋される、請求項1に記載の方法。
  34. 前記製剤が、アルギネートポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
  35. 前記製剤が、前記患者の体温以下である下限臨界溶解温度(LCST)を有し、前記製
    剤が、前記下限臨界溶解温度(LCST)未満の温度で注射される、請求項1に記載の方
    法。
  36. 前記製剤がゼラチンを含む、請求項1に記載の方法。
  37. 子宮類線維腫を治療するためのシステムであって、(a)子宮類線維腫の縮小を引き起
    こすのに有効な量の子宮類線維腫治療剤を含む注射可能または挿入可能な製剤、および(
    b)前記製剤を前記類線維腫に注射または挿入するための装置を含み、前記子宮類線維腫
    治療剤が、コラゲナーゼであるシステム。
  38. コラゲナーゼ、ならびに非ステロイド系抗炎症薬、経口避妊薬、GnRHアゴニスト、
    抗プロゲストゲン、および選択的プロゲステロン受容体修飾因子の1つまたは複数を、子
    宮類線維腫の縮小を引き起こすのに有効な量で含む類線維腫注射可能なまたは挿入可能な
    製剤。
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