JP2023157203A - 超音波診断装置、プローブの許容範囲設定方法及びプログラム - Google Patents

超音波診断装置、プローブの許容範囲設定方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】対象物の撮像におけるユーザの超音波プローブ操作を支援すること。【解決手段】実施形態に係る超音波診断装置は、プローブと音場取得部と位置取得部と画像生成部と範囲設定部とを備える。プローブは、被検体に対して所定の撮像条件で超音波を送受信する。音場取得部は、当該撮像条件に基づいて音場の範囲を取得する。位置取得部は、当該プローブに関する3次元位置情報を取得する。画像生成部は、当該プローブが受信する反射波に基づいて対象物を含む超音波画像を生成する。範囲設定部は、定点撮像の開始時における当該プローブに関する3次元位置情報と、当該超音波画像に含まれる当該対象物のサイズと、当該音場の範囲とに基づいて定点撮像中の当該プローブに関する許容範囲を設定する。【選択図】図1

Description

本明細書および図面に開示の実施形態は、超音波診断装置、プローブの許容範囲設定方法及びプログラムに関する。
超音波診断装置は、超音波プローブを用いて被検体の体表から体内へ超音波を送信し、被検体内部で反射した超音波を受信することで、被検体内部を撮像した超音波画像を生成する。超音波診断装置は、リアルタイムに超音波画像を生成できるため、例えば、腫瘍、病変部、微小血管等の対象物における血流を一定の時間、経時的に観察する場合に利用される。
経時的に被検体内部を観察する場合、ユーザは、対象物を一定の時間、撮像して得られた複数時相の超音波画像を用いて、当該領域の経時的な輝度変化を分析する。撮像時、ユーザが超音波プローブを操作することから、複数時相の超音波画像それぞれにおいて、対象物を同一位置で捉えることは難しい。そこで、観察開始時の超音波画像上で対象物にROI(Region Of Interest)を設定することで、観察中の超音波画像上でもROIに含まれる対象物を追跡する技術がある。当該技術により、超音波画像上で上下方向及び左右方向へ移動する対象物への自動追跡が可能である。
特開2006-141451号公報
本明細書および図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、対象物の撮像におけるユーザの超音波プローブ操作を支援することである。ただし、本明細書および図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成に対応する各課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係る超音波診断装置は、プローブと音場取得部と位置取得部と画像生成部と範囲設定部とを備える。プローブは、被検体に対して所定の撮像条件で超音波を送受信する。音場取得部は、当該撮像条件に基づいて音場の範囲を取得する。位置取得部は、当該プローブに関する3次元位置情報を取得する。画像生成部は、当該プローブが受信する反射波に基づいて対象物を含む超音波画像を生成する。範囲設定部は、定点撮像の開始時における当該プローブに関する3次元位置情報と、当該超音波画像に含まれる当該対象物のサイズと、当該音場の範囲とに基づいて定点撮像中の当該プローブに関する許容範囲を設定する。
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図。 図2は、煽り角の一例を示す模式図。 図3は、音場の範囲の一例を示す模式図。 図4は、計測画像上に設けられた計測点の一例を示す模式図。 図5は、計測画像上の検出領域の一例を示す模式図。 図6は、第1の実施形態に係る許容範囲の一例を示す模式図。 図7は、第1の実施形態に係る許容範囲の一例を示す模式図。 図8は、第1の実施形態に係る通知画像の一例を示す模式図。 図9は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の処理回路にて実行される処理の一例を示すフローチャート。 図10は、計測画像上の対象物の長軸及び短軸の一例を示す模式図。 図11は、第2の実施形態に係る許容範囲の一例を示す模式図。 図12は、第2の実施形態に係る許容範囲の一例を示す模式図。 図13は、第2の実施形態に係る通知画像の一例を示す模式図。 図14は、第2の実施形態に係る超音波診断装置の処理回路にて実行される処理の一例を示すフローチャート。 図15は、第3の実施形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図。 図16は、更新閾値THの一例を示す模式図。 図17は、第3の実施形態に係る拡大後の許容範囲の一例を示す模式図。 図18は、第3の実施形態に係る超音波診断装置の処理回路にて実行される処理の一例を示すフローチャート。
以下、図面を参照しながら各実施形態に係る超音波診断装置、医用画像処理方法及びプログラムについて説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態について説明する。本実施形態では、腫瘍、病変部、微小血管等の対象物tを一定の時間、超音波プローブ10の位置を変えずに撮像する定点撮像において、超音波プローブ10の3次元位置情報と、対象物tのサイズと、後述する定点撮像時の音場の範囲とに基づいて後述する許容範囲を設定する。なお、定点撮像が行われる一定の時間は、数秒でも、数十秒以上でも構わない。本実施形態では、定点撮像中、ユーザが超音波プローブ10と被検体Pとが接する面に対して超音波プローブ10を垂直に保持することから、後述する超音波プローブ10の煽り角の変化が微小である例を想定する。そのため、本実施形態では、超音波プローブ10の煽り角は、定点撮像において、定点撮像開始時の煽り角から変化しないことを前提とし、許容範囲は超音波プローブ10の後述する煽り角を除く角度と3次元座標とに関して設定される。
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の構成の一例を示すブロック図である。超音波診断装置1は、超音波プローブ10と、位置情報取得装置20と、装置本体30とを有する。
超音波プローブ10は、例えば、複数の圧電振動子、複数の圧電振動子とケースとの間に設けられる整合層及び複数の圧電振動子から放射方向に対して後方への超音波の伝搬を防止するバッキング材等を有する。複数の圧電振動子は、後述する送受信回路31が出力する駆動信号に応じた超音波を発生させる。これにより、超音波プローブ10から被検体Pへ超音波が送信される。
超音波プローブ10から被検体Pに送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射される。そして、反射された超音波は、反射波(エコー)として超音波プローブ10で受信される。反射波は、超音波プローブ10で反射波信号に変換される。反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、超音波プローブ10から被検体Pに送信された超音波パルスが移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合、反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。超音波プローブ10は、反射波信号を装置本体30に出力する。
超音波プローブ10は、装置本体30と着脱自在に接続される。超音波プローブ10は、コンベックス型でもセクタ型でもよく、様々なタイプの超音波プローブを超音波プローブ10として用いることができる。超音波プローブ10は、例えば、1Dアレイプローブ、1.5Dアレイプローブ、及び2Dアレイプローブ等である。
ユーザが超音波プローブ10で被検体P内の2次元領域の走査(2次元走査)を行なう場合、ユーザは、例えば、アジマス方向に複数の圧電振動子が一列で配置された1Dアレイプローブを超音波プローブ10として装置本体30に接続する。1Dアレイプローブは、リニア型超音波プローブ、コンベックス型超音波プローブ及びセクタ型超音波プローブ等である。
また、ユーザが超音波プローブ10で被検体P内の3次元領域の走査(3次元走査)を行なう場合、ユーザは、例えば、1.5Dアレイプローブ、2Dアレイプローブを超音波プローブ10として装置本体30に接続する。
1.5Dアレイプローブ及び2Dアレイプローブは、アジマス方向とエレベーション方向とにおいてマトリックス状に配置された複数の圧電振動子により3次元走査が可能であるとともに、超音波を集束して送信することで2次元走査が可能である。なお、1.5Dアレイプローブでは、アジマス方向に並ぶ複数の圧電振動子の列がエレベーション方向において3列配置される。
超音波プローブ10には、オフセット処理及び超音波画像をフリーズさせる操作(フリーズ操作)等の際に押下されるボタンが配置されてもよい。なお、超音波プローブ10は、プローブの一例である。
ここで、図2を用いて超音波プローブ10の煽り角について説明する。図2は、煽り角を説明するための模式図である。図2の長方形は超音波プローブ10を示し、一点鎖線は超音波プローブ10の長軸を示す。図2の水平方向の破線は被検体Pの体表面を示す。図2の垂直方向の破線は、被検体Pの体表面と超音波プローブ10の長軸との交点を通る被検体Pの対象に垂直な直線を示す。図2の両矢印は、煽り角を示す。このように、煽り角は、アジマス方向の正方向から見たときの、被検体Pの体表面に垂直な直線と超音波プローブ10の長軸とが成す角度として表される。なお、煽り角は、正の方向(反時計回り)と負の方向(時計回り)とに変化する値をとる。なお、超音波プローブ10の煽り角を除く角度と、超音波プローブ10の3次元座標とをあわせて、超音波プローブ10の位置と呼ぶ。煽り角を除く角度は、エレベーション方向の軸を中心とした超音波プローブ10の回転角度及びビーム方向の軸を中心とした超音波プローブ10の回転角度である。
再び図1に戻って、超音波診断装置1の残りの構成について説明する。
位置情報取得装置20は、超音波プローブ10の3次元位置情報(3次元座標と角度)を取得する。位置情報取得装置20は、例えば、トランスミッタ21と、磁気センサ22と、制御装置23とから構成されるシステムである。トランスミッタ21は、例えば、任意の位置に配置され、トランスミッタ21を中心として外側に向かって3次元の磁場を形成する。磁気センサ22は、例えば、超音波プローブ10に取り付けられ、トランスミッタ21によって形成された3次元の磁場の強度と傾きとを検出して、当該磁場の情報を制御装置23に出力する。制御装置23は、例えば、磁気センサ22が検出した磁場の情報に基づいて、トランスミッタ21を原点とする空間における超音波プローブ10の3次元位置情報を算出する。
装置本体30は、送受信回路31と、Bモード処理回路32と、ドプラ処理回路33と、入力インターフェース34と、ディスプレイ35と、出力インターフェース36と、メモリ37と、処理回路40とを有する。
送受信回路31は、パルス発生器、送信遅延回路、パルサ等を有し、超音波プローブ10に駆動信号を出力する。パルス発生器は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延回路は、超音波プローブ10から発生される超音波をビーム状に集束し、かつ送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルス発生器が発生する各レートパルスに対し与える。また、パルサは、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ10に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、送信遅延回路は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面から送信される超音波の送信方向を任意に調整する。
なお、送受信回路31は、後述する処理回路40の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
また、送受信回路31は、プリアンプ、A/D(Analog/Digital)変換器、受信遅延回路、加算器等を有し、超音波プローブ10が受信した反射波信号に対して各種処理を行って反射波データを生成する。プリアンプは、反射波信号をチャネル毎に増幅する。A/D変換器は、増幅された反射波信号をA/D変換する。受信遅延回路は、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、受信遅延回路によって処理された反射波信号の加算処理を行なって反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
Bモード処理回路32は、送受信回路31から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。生成されたBモードデータは、2次元的な超音波走査線(ラスタ)上のBモードRAWデータとして不図示のRAWデータメモリに記憶される。
また、Bモード処理回路32は、例えば、造影エコー法であるコントラストハーモニックイメージング(Contrast Harmonic Imaging:CHI)を実行することができる。Bモード処理回路32は、被検体Pに注入された造影剤を反射源とする反射波データ(高調波成分または分周波成分)と、被検体P内の組織を反射源とする反射波データ(基本波成分)とを分離することができる。これにより、Bモード処理回路32は、反射波データから高調波成分または分周波成分を抽出して、造影画像データを生成するためのBモードデータを生成することができる。造影画像データを生成するためのBモードデータは、造影剤を反射源とする反射波の信号強度を輝度で表したデータとなる。また、処理回路40は、被検体Pの反射波データから基本波成分を抽出して、組織画像データを生成するためのBモードデータを生成することができる。
なお、CHIを行う際、Bモード処理回路32は、上述した方法とは異なる方法により、ハーモニック成分(高調波成分)を抽出することができる。ハーモニックイメージングでは、振幅変調(AM:Amplitude Modulation)法や位相変調(PM:Phase Modulation)法、AM法及びPM法を組み合わせたAMPM法と呼ばれる映像法が行なわれる。AM法、PM法およびAMPM法では、同一の走査線に対して振幅や位相が異なる超音波送信を複数回行う。これにより、送受信回路31は、各走査線で複数の反射波データを生成し、生成した反射波データを出力する。Bモード処理回路32は、各走査線の複数の反射波データを、変調法に応じた加減算処理することで、ハーモニック成分を抽出する。そして、Bモード処理回路32は、ハーモニック成分の反射波データに対して包絡線検波処理などを行って、Bモードデータを生成する。
ドプラ処理回路33は、送受信回路31から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。例えば、移動体は、血管内を流動する血液や、リンパ管内を流動するリンパ液等の流体である。
なお、Bモード処理回路32及びドプラ処理回路33は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である。すなわち、Bモード処理回路32は、2次元の反射波データから2次元のBモードデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成する。また、ドプラ処理回路33は、2次元の反射波データから2次元のドプラデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成する。3次元のBモードデータは、3次元走査範囲の各走査線上で設定された複数の点(サンプル点)それぞれに位置する反射源の反射強度に応じた輝度値が割り当てられたデータとなる。また、3次元のドプラデータは、3次元走査範囲の各走査線上で設定された複数の点(サンプル点)それぞれに、血流情報(速度、分散、パワー)の値に応じた輝度値が割り当てられたデータとなる。
また、Bモード処理回路32及びドプラ処理回路33は、複数の2次元の反射波データを合成して3次元の反射波データを生成し、生成した反射波データから3次元のデータを生成することもできる。例えば、Bモード処理回路32は、複数の2次元の反射波データを合成して3次元の反射波データを生成し、生成した3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成する。また、ドプラ処理回路33は、複数の2次元の反射波データを合成して3次元の反射波データを生成し、生成した3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成する。
Bモードデータ及びドプラデータは、後述するスキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、Bモードデータ及びドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。
入力インターフェース34は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路40に出力する。例えば、入力インターフェース34は、マウス、キーボード、パネルスイッチ、スライダースイッチ、トラックボール、ロータリーエンコーダ、操作パネル及びタッチパネルである。入力インターフェース34は、例えば、装置本体30とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される操作指示に対応する電気信号を受け取り、当該電気信号を処理回路40へ出力する回路も入力インターフェースの例に含まれる。入力インターフェース34は、装置本体30と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。入力インターフェース34は、入力部の一例である。
ディスプレイ35は、各種の情報を表示する。ディスプレイ35は、例えば、処理回路40によって生成された超音波画像データに基づく超音波画像、およびユーザからの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。ディスプレイ35は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の任意のディスプレイである。ディスプレイ35は、入力インターフェース34を兼ねたタッチパネル式のディスプレイでもよい。ディスプレイ35は、表示部の一例である。
出力インターフェース36は、例えば、処理回路40からの電気信号に応じた信号を出力する装置である。出力インターフェース36は、例えば、処理回路40によって生成された信号に応じた音を出力するスピーカ及び光を出力するライト等である。出力インターフェース36は、出力部の一例である。
メモリ37は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、および光ディスク等により実現される。メモリ37は、例えば、処理回路40が生成した表示用の画像データを記憶する。また、メモリ37は、Bモード処理回路32やドプラ処理回路33が生成した生データを記憶することも可能である。また、メモリ37は、超音波の送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、メモリ37は、後述する位置方法取得装置50から取得される各種情報を記憶する。また、メモリ37は、撮像条件と後述する音場の範囲とが対応付けられたデータベースを記憶する。また、メモリ37は、後述する範囲設定機能47が使用する一定の割合を記憶する。これらのデータは、メモリ37ではなく(或いはメモリ37に加えて)、装置本体30が通信可能な外部メモリに記憶されてもよい。外部メモリは、例えば、外部メモリを管理するクラウドサーバが読み書きの要求を受け付けることで、クラウドサーバによって制御されるものである。また、メモリ37は、記憶部の一例である。
データベースには、撮像条件と、当該撮像条件に応じて被検体P内で形成される音場の範囲とが対応付けられたレコードが複数登録されている。
データベースに記憶されている撮像条件の情報は、例えば、超音波プローブ10の種類、フォーカス位置、送信周波数である。超音波プローブ10の種類は、例えば、超音波プローブ10をして使用されている超音波プローブを特定する情報である。フォーカス位置は、例えば、被検体Pと超音波プローブ10とが接する面から被検体P内に送信される超音波の焦点までの距離(焦点距離)である。送信周波数は、例えば、被検体Pに送信する超音波の周波数と、当該周波数の帯域幅とである。超音波プローブ10が1.5Dアレイプローブか2Dアレイプローブのいずれかの場合、撮像条件にSlice Thicknessが更に含まれる。Slice Thicknessは、例えば、超音波プローブ10が1.5Dアレイプローブの場合、エレベーション方向について中央の1列のみ圧電振動子を駆動させる場合と、3列の圧電振動子を駆動させる場合とを切り替えさせる。Slice Thicknessは、例えば、超音波プローブ10が2Dアレイプローブの場合、エレベーション方向について駆動させる圧電振動子の領域が設定される。
音場の範囲は、撮像条件に応じて被検体Pに送信される超音波により、被検体P内で形成される音場の3次元の座標データである。図3は、被検体P内に形成される音場の範囲の一例である。図3に示すように、音場の範囲は平面ではなく、ビーム方向、アジマス方向及びエレベーション方向の各方向に幅を持つ立体形状である。ビーム方向は、アジマス方向及びエレベーション方向に対して垂直な方向である。データベースは、超音波プローブ10と被検体Pとが接する面におけるアジマス方向の音場の長さ(スキャン幅)及びエレベーション方向の音場の長さ(スライス厚)と、超音波プローブ10と被検体Pとが接する面に平行で焦点を通る面におけるアジマス方向の音場の長さ(焦点スキャン幅)及びエレベーション方向の音場の長さ(焦点スライス厚)との値を更に記憶していてもよい。また、音場の範囲は、例えば、シミュレーションにより算出された3次元の座標データ、ファントムを用いて計測された3次元の座標データ等の事前に用意された3次元の座標データである。
処理回路40は、超音波診断装置1全体の動作を制御する。処理回路40の制御機能41、画像生成機能42、位置取得機能43、計測機能44、条件取得機能45、音場取得機能46、範囲設定機能47、判定機能48、通知機能49、表示制御機能50、終了受付機能51はコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ37に記録されている。処理回路40は、プログラムをメモリ37から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路40は、図1の処理回路40内に示された各機能を有することとなる。処理回路40は、例えば、プロセッサにより実現される。また、処理回路40は、処理部の一例である。
なお、図1においては単一のプロセッサにて処理回路40は、処理回路40の制御機能41、画像生成機能42、位置取得機能43、計測機能44、条件取得機能45、音場取得機能46、範囲設定機能47、判定機能48、通知機能49、表示制御機能50、終了受付機能51にて行われる処理機能が実現されている。しかし、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路40を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより処理回路40の各機能を実現するものとしても構わない。また、図1においては単一のメモリ37が処理回路40の各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、複数のメモリ37を分散して配置して、処理回路40は個別のメモリ37から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは特定用途向けの集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラムブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが、例えば、CPUである場合、プロセッサはメモリ37に保存されたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。一方、プロセッサがASICである場合、メモリ37にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。
制御機能41は、入力インターフェース34を介してユーザから受け付けた入力操作、メモリ37から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信回路31、Bモード処理回路32及びドプラ処理回路33の処理を制御する。制御機能41は、例えば、メモリ37に記憶された撮像条件、またはユーザから受け付けた撮像条件に応じて、超音波走査を実行するように送受信回路31を制御する。また、制御機能41は、例えば、メモリ37に記憶された撮像条件、またはユーザから受け付けた撮像条件に応じて生データを生成するようにBモード処理回路32及びドプラ処理回路33を制御する。なお、制御機能41は、例えば、メモリ37に撮像中の撮像条件を記憶させることができる。制御機能41は、制御部の一例である。
画像生成機能42は、Bモード処理回路32及びドプラ処理回路33が生成した生データから超音波画像データを生成する。画像生成機能42は、例えば、Bモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像データを生成する。Bモード画像データは、超音波走査された領域内の組織形状が描出されたデータ、超音波走査された領域内の造影剤が強調されて描出されたデータ等となる。また、画像生成機能42は、例えば、ドプラデータから移動体情報を表すドプラ画像データを生成する。ドプラ画像データは、速度画像データ、分散画像データ、パワー画像データ、又は、これらを組み合わせた画像データである。ドプラ画像データは、超音波走査された領域内を流動する流体に関する流体情報を示すデータとなる。画像生成機能42は、画像生成部の一例である。
画像生成機能42は、例えば、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像データを生成する。具体的には、画像生成機能42は、超音波プローブ10による超音波の走査形態に応じて座標変換を行なうことで、表示用の超音波画像データを生成する。また、画像生成機能42は、スキャンコンバート以外の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行なう。また、画像生成機能42は、超音波画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク、プローブマーク、後述する通知機能49が生成する通知画像等を合成する。すなわち、Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、画像生成機能42が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用の超音波画像データである。
更に、画像生成機能42は、Bモード処理回路32が生成した3次元のBモードデータに対して座標変換を行なうことで、3次元のBモード画像データを生成する。また、画像生成機能42は、ドプラ処理回路33が生成した3次元のドプラデータに対して座標変換を行なうことで、3次元のドプラ画像データを生成する。すなわち、3次元のBモードデータ及び3次元のドプラデータは、スキャンコンバート処理前のボリュームデータであり、3次元のBモード画像データ及び3次元のドプラ画像データは、スキャンコンバート後のボリュームデータである。
更に、画像生成機能42は、ボリュームデータをディスプレイ35に表示させるために、ボリュームデータから各種の超音波画像データを生成するレンダリング処理を行なうことができる。超音波画像データは、超音波画像の一例である。また、画像生成機能42は、超音波画像データをメモリ37に記憶させる。また、画像生成機能42は、後述する位置取得機能43が取得した超音波プローブ10の3次元位置情報から、超音波画像データの3次元座標と角度とを求めて、当該超音波画像データに対応付けてメモリ37に記憶させる。
位置取得機能43は、位置取得装置20から超音波プローブ10の3次元位置情報を取得する。位置取得機能43は、例えば、位置取得装置20から超音波プローブ10の3次元位置情報をリアルタイムに取得する度に、メモリ37に当該3次元位置情報を記憶させる。更に、位置取得機能43は、定点撮像開始時点の超音波プローブ10の3次元位置情報を他の3次元位置情報と区別して特定できるように、メモリ37に記憶させる。位置取得機能43は、例えば、入力インターフェース34を介してユーザから定点撮像開始を指示する信号を受け付けた時点の超音波プローブ10の3次元位置情報を、他の3次元位置情報と区別してメモリ37に記憶させる。また、位置取得機能43は、位置取得部の一例である。
計測機能44は、対象物tを含む超音波画像データから対象物tのサイズを計測する。対象物tのサイズは、例えば、定点撮像開始時の超音波プローブ10を基準としたビーム方向、アジマス方向及びエレベーション方向のそれぞれについての対象物tの長さである。計測機能44は、例えば、メモリ37から計測画像を読み出して、当該計測画像を取得した時点の超音波プローブ10を基準にしたエレベーション方向、ビーム方向及びアジマス方向それぞれについて対象物tの長さを計測して、メモリ37に記憶させる。その後、計測機能44は、定点撮像開始時の超音波プローブ10を基準としたビーム方向、アジマス方向及びエレベーション方向のそれぞれについて対象物tの長さを取得する。計測機能44は、計測部の一例である。
ここで計測画像について説明する。ユーザが、定点撮像開始前に、対象物tの位置及び形状を把握するために、被検体P内の対象物tに対して少なくとも2方向の断面を撮像するように超音波プローブ10を走査する。ユーザは、1方向について超音波プローブ10を走査する中で、対象物tが最も大きくイメージングされる超音波画像を計測画像とするために、当該超音波画像が撮像された時点で、フリーズ操作を実行する。計測機能44は、当該計測画像について後述する対象物tの座標データを取得する処理を行う。その後、ユーザは、もう一方の方向についても、超音波プローブ10を走査させる中で、対象物tが最も大きくイメージングされる超音波画像を計測画像とするために、当該超音波画像が撮像された時点で、フリーズ操作を実行する。計測機能44は、当該計測画像についても後述する対象物tの座標データを取得する処理を行う。以上のような各方向について超音波プローブ10を走査した撮像において、対象物tが最も大きくイメージングされた超音波画像が計測画像である。なお、計測機能44は、例えば、入力インターフェース34を介してユーザから計測画像の取得の終了を指示する信号を受けるまで、複数の断面方向における計測画像を撮像させる。また、当該撮像では、直交する2方向に超音波プローブ10が走査され、直交する2断面の計測画像が撮像されることが好ましい。
計測機能44は、対象物tのサイズを計測するために、計測画像上の対象物tの座標データを取得する。計測機能44が計測画像上の対象物tの座標データを取得する方法について、ユーザの指示に基づく方法と、自動で取得する方法とを説明する。
ここでは、ユーザの指示に基づいて計測機能44により計測画像上の対象物tの座標データを取得する方法について説明する。計測機能44は、例えば、GUIやインターフェース34を介して、ユーザから受け付けた信号に基づいて計測画像上の対象物tに計測点を設けて、当該計測点の座標データをメモリ37に記憶させる。また、計測機能44は、例えば、GUIやインターフェース34を介して、ユーザから受け付けた信号に基づいて計測画像上の対象物tを囲うように領域を設けて、当該領域の座標データをメモリ37に記憶させてもよい。当該領域は、長方形、円及び楕円等の単純な図形でもよいし、ユーザにより設けられる任意の形状でもよい。
図4は、ユーザの指示に基づいて計測画像上に設けられた計測点の一例を示す模式図である。図4に示す計測画像1は、サジタル面に平行な断面を撮像した超音波画像であり、計測画像2は、アキシャル面に平行な断面を撮像した超音波画像である。図4におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれ計測画像1を撮像した時の超音波プローブ10を基準にしたエレベーション方向、ビーム方向、アジマス方向である。図3の白丸は、ユーザが設けた計測点を示す。図4の計測点A及び計測点A’は、ユーザが対象物tのZ軸方向の長さが最大と判断した対象物t上の1組の点の一例である。計測点B及び計測点B’は、ユーザが対象物tのY軸方向の長さが最大と判断した対象物t上の1組の点の一例である。また、計測点C及び計測点C’は、ユーザが対象物tのX軸方向の長さが最大と判断した対象物t上の1組の点の一例である。
ここでは、計測機能44により自動で計測画像上の対象物tの座標データを取得する方法について説明する。計測機能44は、画像処理やAI(Artificial Intelligence)により計測画像上で対象物tの領域を検出して、検出された領域の座標データをメモリ37に記憶させる。計測機能44は、例えば、計測画像に学習済みモデルを適用することによって計測画像に含まれる対象物tを検出する。具体的には、計測機能44は、計測画像の中で尤度が閾値以上となる領域を対象物tの領域として検出する。なお、学習済みモデルは、例えば、予め用意された、対象物tを含む超音波画像に基づき機械学習された機械学習モデルである。機械学習は、超音波画像を任意の領域に分割して、分割した領域毎、或いは分割した領域を組み合わせた領域毎に行われてもよい。本実施形態に係る機械学習モデルは、典型的には、生物の脳の神経回路を模した多層のネットワークモデルである深層ニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)であるとする。DNNは、複数の調整可能な関数およびパラメータの組合せにより定義されるパラメータ付きの合成関数を含む。
図5は、画像処理により計測画像上に設けられた検出領域対象物tの一例を示す模式図である。図5に示す計測画像3は、サジタル面に平行な断面を撮像した超音波画像である。図5の二重線の楕円は、計測機能44の画像処理により検出された対象物tの領域である検出領域の一例を示す。
計測機能44は、任意の断面で対象物tの長さを取得するために、更に、対象物tの3Dモデルを生成する。計測機能44は、例えば、複数の計測画像それぞれで、対象物tに設けられた計測点の座標データを上述した方法でメモリ37に記憶させる。計測機能44は、当該複数の計測画像それぞれの計測点の座標データと、各計測画像の3次元位置情報とをメモリ37から読み出して、3次元仮想空間に計測点を配置して対象物tの3Dモデルを生成する。当該3Dモデルは、計測点を線分で結んだ平面を輪郭とした立体形状の3Dモデルでも、計測点を曲線で結んだ曲面を輪郭とした立体形状の3Dモデルであってもよい。また、当該3Dモデルは、例えば、各計測点を含む空間を楕円体に近似した3Dモデルであってもよい。なお、計測機能44は、計測点の座標データに代えて対象物tを囲うような領域の座標データを用いて、3次元仮想空間に座標データを配置して対象物tの3Dモデルを生成してもよい。
計測機能44は、定点撮像開始時点の超音波プローブ10の3次元位置情報と、対象物tの3Dモデルとをメモリ37から読み出して、3次元仮想空間に当該撮像開始時の超音波プローブ10と対象物tの3Dモデルとを配置する。その後、計測機能44は、当該3次元仮想空間内で定点撮像開始時の超音波プローブ10を基準としたビーム方向、アジマス方向及びエレベーション方向の対象物tの3Dモデルの長さを取得して、対象物tのサイズとしてメモリ37に記憶させる。このように、計測機能44が、対象物tの3Dモデルを生成することで、定点撮像開始時の超音波プローブ10の位置が、計測画像を撮像したときの位置と一致しない場合でも、対象物tのサイズを取得できる。
条件取得機能45は、撮像時における撮像条件を取得する。条件取得機能45は、例えば、メモリ37から撮像時に使用される撮像条件を読み出す。条件取得機能45は、条件取得部の一例である。
音場取得機能46は、撮像条件に対応付けられた音場の範囲を取得する。音場取得機能46は、条件取得機能45が取得した撮像条件をメモリ37から読み出し、当該撮像条件に対応する音場の範囲をデータベースから取得する。音場取得機能46は、音場取得部の一例である。
範囲設定機能47は、音場の範囲と、対象物tのサイズと、定点撮像開始時点の超音波プローブ10の3次元位置情報とから、定点撮像が可能な超音波プローブ10の位置に関する許容範囲を設定する。対象物tのサイズは、例えば、少なくとも1方向における対象物tの長さに関する情報である。本実施形態において、範囲設定機能47は、例えば、超音波プローブ10の位置に関する許容範囲を、ビーム方向に垂直な平面上の3次元座標データで当該許容範囲を設定する。範囲設定機能47は、範囲設定部の一例である。
範囲設定機能47が許容範囲を設定する方法について、音場の範囲よりも対象物tのサイズの方が小さい場合と、音場の範囲よりも対象物tのサイズの方が大きい場合とに分けて説明する。
範囲設定機能47は、例えば、エレベーション方向において、音場の範囲よりも対象物tのサイズの方が小さい場合、エレベーション方向に音場の範囲を平行移動しても対象物tが含まれる移動範囲を許容範囲とする。つまり、許容範囲の上限及び下限は、エレベーション方向において音場の範囲と対象物tとが接するときの超音波プローブ10の位置となる。
図6は、エレベーション方向において、音場の範囲よりも対象物tのサイズの方が小さい場合の許容範囲の一例を示す。図6の実線の曲線は被検体Pの体表を示し、実線の楕円は被検体P内部に存在する対象物tを示す。図6において、破線の直線は許容範囲の上限及び下限での超音波プローブ10の長軸を示し、被検体Pの外部の実線の長方形は許容範囲の上限及び下限での超音波プローブ10を示す。図6の被検体P内部の破線の長方形は許容範囲の上限における音場の範囲を示し、被検体Pの内部の二点鎖線の長方形は許容範囲の下限での音場の範囲を示す。図6の例では、エレベーション方向について許容範囲は、図6の両矢印が示す範囲である。なお、図6の例では、説明の都合上、許容範囲の上限と下限とで超音波プローブ10及び音場の範囲の位置がビーム方向にずれているが、実際にはビーム方向におけるずれがなくても構わない。
範囲設定機能47は、エレベーション方向において、音場の範囲よりも対象物tのサイズの方が大きい場合、定点撮像開始時点の音場の範囲に含まれる対象物tの領域が、エレベーション方向に音場の範囲を平行移動しても一定の割合以上含まれる移動範囲を許容範囲とする。当該一定の割合は、例えば、20%、30%、40%及び50%等のメモリ37に記憶された値である。つまり、許容範囲の上限及び下限では、定点撮像開始時点の音場の範囲に含まれる対象物tの領域を音場の範囲に一定割合含むときの超音波プローブ10の位置となる。
図7は、エレベーション方向において、音場の範囲よりも対象物tのサイズの方が大きい場合の許容範囲の一例を示す。図7の実線の曲線は被検体Pの体表を示し、実線の楕円は対象物tを示す。図7の実線の楕円内の斜線の領域は、定点撮像開始時点の音場の範囲に含まれた対象物tの領域を示す。図7において破線の直線は許容範囲の上限及び下限での超音波プローブ10の長軸を示し、被検体Pの外部の実線の長方形は許容範囲の上限及び下限での超音波プローブ10を示す。図7の被検体P内部の破線の長方形は許容範囲の上限における音場の形状範囲を示し、被検体P内部の二点鎖線の長方形は許容範囲の下限における音場の形状範囲を示す。図7の例では、エレベーション方向について許容範囲は、図7の両矢印が示す範囲である。なお、図7の例では、説明の都合上、許容範囲の上限と下限とで超音波プローブ10及び音場の範囲の位置がビーム方向にずれているが、実際にはビーム方向におけるずれがなくても構わない。
範囲設定機能47は、更にエレベーション方向の許容範囲の設定方法と同様の方法でアジマス方向においても許容範囲を設定してもよい。範囲設定機能47は、更にエレベーション方向の許容範囲とアジマス方向の許容範囲とをビーム方向に垂直な平面上で統合した範囲を許容範囲として設定してもよい。
判定機能48は、ユーザにアラートを通知するか判定する。判定機能48は、例えば、メモリ37から許容範囲及び現在の超音波プローブ10の位置を読み出す。判定機能48は、超音波プローブ10の位置が許容範囲の内部にある場合、アラートの通知は不要と判定する。一方、判定機能48は、超音波プローブ10の位置が許容範囲の外部にある場合、アラートの通知は必要と判定する。判定機能48は、判定部の一例である。
通知機能49は、許容範囲と現在の超音波プローブ10の位置とを関連付けてユーザに通知する。通知機能49は、例えば、メモリ37から許容範囲と現在の超音波プローブ10の位置とを読み出して、ビーム方向に垂直な平面に、許容範囲と現在の超音波プローブ10の位置を示すプローブマークとを重畳した通知画像を生成して、ディスプレイ35に表示させる。通知機能49は通知部の一例である。
図8は、通知機能49が生成する通知画像の一例である。図8におけるエレベーション方向、アジマス方向及びビーム方向は、定点撮像開始時の超音波プローブ10の位置を基準に設定される。当該通知画像は、ビーム方向の負の方向から被検体Pの体表を見たときの、超音波プローブ10とエレベーション方向における許容範囲と対象物tとの位置関係を示す模式図である。図8の通知画像において、実線の直線はエレベーション方向における対象物tの端(端1、端1’)を示し、端1と端1’との間の破線の両矢印は、対象物tのエレベーション方向の長さを示す。破線の直線はエレベーション方向における許容範囲の上限及び下限を示す。実線のプローブマークは現在の超音波プローブ10の位置を示し、破線のプローブマークは定点撮像開始時の超音波プローブ10の位置を示す。なお、通知機能49は、図8にある、対象物tの端(端1、端1’)と定点撮像開始時の超音波プローブ10のプローブマークとを選択的に非表示にしてもよく、対象物tの端(端1、端1’)と定点撮像開始時の超音波プローブ10のプローブマークとを選択的に非表示にした通知画像を生成してもよい。
通知機能49は、更に、判定機能48が現在の超音波プローブ10の位置が許容範囲外にあると判定した時、通知画像の表示形態を変更させてアラートを通知させるアラート信号を生成する。通知機能49は、例えば、ディスプレイ35に表示される通知画像上の現在の超音波プローブ10のプローブマーク及び許容範囲の少なくともいずれかの表示色を変更させるアラート信号を生成する。また、通知機能49は、更に、ディスプレイ35に警告ウィンドウを表示させるアラート信号を生成してもよい。当該警告ウィンドウは、通知画像上に表示されても、超音波画像上に表示されても構わない。
通知機能49は、更に、判定機能48が現在の超音波プローブ10の位置が許容範囲外にあると判定した時、ユーザにアラートを通知するアラート信号を生成して、出力インターフェース36にアラートを通知させる。通知機能49は、例えば、出力インターフェース36のスピーカに警告音を発生させるアラート信号を生成する。通知機能49は、例えば、出力インターフェース36のライトを特定の色及びパターンで発光させるアラート信号を生成する。通知機能49は、ここまでに説明したアラートの通知方法を組み合わせた通知を行うアラート信号を生成しても構わない。
表示制御機能50は、メモリ37に記憶される情報と、ユーザからの各種操作を受け付けるためのGUI等の情報とをディスプレイ35に表示させる。表示制御機能50は、入力インターフェース34を介して受け付けた情報に基づいて、メモリ37に情報を出力する。また、表示制御機能50は表示制御部の一例である。
終了受付機能51は、後述する現在の超音波プローブ10の位置が許容範囲内にあるかの判定の継続要否をユーザから受け付ける。終了受付機能51は、入力インターフェース34を介してユーザから終了指示を受け付けると、現在の超音波プローブ10の位置が許容範囲内にあるかの判定を終了する。終了受付機能51は、ユーザから終了指示がない場合、現在の超音波プローブ10の位置が許容範囲内にあるかの判定を継続させる。終了受付機能51は、終了受付部の一例である。
ここで、処理回路40にて実行される第1の実施形態の処理の一例について説明する。図9は、図1の処理回路40にて実行される第1の実施形態の処理の一例を示すフローチャートである。図9で説明するフローチャートにおける処理の順序は、結果に本質的な影響を与えない範囲で変えてもよいし、結果に本質的な影響を与えない範囲で並行して処理を行ってもよい。
(ステップS101)
処理回路40は、画像生成機能42により、超音波画像の生成を開始する。処理回路40は、位置取得機能43により、超音波プローブ10の3次元位置情報の取得を開始する。画像生成機能42は、超音波画像に当該超音波画像の3次元位置情報を対応付けてメモリ37に記憶させる。
(ステップS102)
ユーザが超音波プローブ10を走査させることで、処理回路40は、画像生成機能42により、対象物tを含む超音波画像を生成する。処理回路40は、制御機能41により、入力インターフェース34を介して、計測画像を指定する信号をユーザから受け付ける。当該信号は、例えば、ユーザが超音波プローブ10を走査する中で、対象物tが最も大きくイメージングされたと判断したタイミングを特定するためのフリーズ操作のための信号である。
処理回路40は、計測機能44により、計測画像上で対象物tの領域を設定し、当該領域の座標データをメモリ37に記憶させる。なお、計測機能44は、対象物tの領域に代えて計測点を設定して、当該計測点の座標データをメモリ37に記憶させてもよい。
(ステップS103)
処理回路40は、計測機能44により、ステップS102における計測画像を取得する撮像を終了するか否かをユーザから受け付ける。計測機能44は、ユーザから計測画像の取得を不要とする指示を受け付けると、S103に進む。終了受付機能51は、ユーザから終了指示がない場合、ステップS102の処理に戻る。
(ステップS104)
処理回路40は、制御機能41により、入力インターフェース34を介して、定点撮像開始を指示する信号をユーザから受け付ける。位置取得機能43は、定点撮像開始時の超音波プローブ10の3次元位置情報を他の3次元位置情報と区別してメモリ37に記憶させる。
(ステップS105)
処理回路40は、条件取得機能45により、撮像条件を取得して、メモリ37に記憶させる。音場取得機能46は、メモリ37から読み出した撮像条件に対応付けられた音場の範囲を、データベースから取得する。なお、ステップS104から処理終了まで、撮像条件は変更されない。
(ステップS106)
処理回路40は、計測機能44により、メモリ37から読み出した複数の計測画像それぞれの計測点の座標データと、各計測画像を撮像した時点の3次元位置情報とから、3次元仮想空間上に対象物tの3Dモデルを生成する。計測機能44は、更に、定点撮像開始時点の超音波プローブ10の3次元位置情報をメモリ37から読み出して、定点撮像開始時点の超音波プローブ10を基準としたビーム方向、アジマス方向及びエレベーション方向の対象物tの3Dモデルの長さを取得して、対象物tのサイズとしてメモリ37に記憶させる。
(ステップS107)
処理回路40は、範囲設定機能47により、メモリ37から対象物tのサイズと、音場の範囲とを読み出す。範囲設定機能47は、ビーム方向、アジマス方向及びエレベーション方向の内、少なくとも1方向について、対象物tのサイズと音場の範囲との比較を行い、当該比較の結果に基づいて、超音波プローブ10の位置の許容範囲を設定する。
(ステップS108)
処理回路40は、通知機能49により、許容範囲に現在の超音波プローブ10の位置を示すプローブマークを重畳した通知画像を生成し、ディスプレイ35に出力する。
(ステップS109)
処理回路40は、判定機能48により、アラートの通知の要否を判定する。判定機能48は、現在の超音波プローブ10の位置が許容範囲の外部であれば、アラートの通知が必要と判定して、ステップS110に進む。判定機能48は、現在の超音波プローブ10の位置が許容範囲の内部であれば、アラートの通知は不要と判定して、ステップS111に進む。
(ステップS110)
処理回路40は、通知機能49により、ユーザに、現在の超音波プローブ10の位置が許容範囲を超えたことを通知する。通知機能49は、出力インターフェース36を介して、ユーザにアラートを伝える。また、通知機能49は、ステップS108で生成した通知画像の表示形態を変更することでユーザにアラートを伝える。通知機能49は、更に、出力インターフェース36を介して、ユーザにアラートを伝えてもよい。
(ステップS111)
処理回路40は、終了受付機能51により、ステップS108からステップS110の処理の要否をユーザから受け付ける。終了受付機能51は、ユーザから終了指示を受け付けると、処理を終了する。終了受付機能51は、ユーザから終了指示がない場合、ステップS108の処理に戻る。
以上、第1の実施形態について説明した。第1の実施形態に係る超音波診断装置1では、定点撮像中、超音波プローブ10の位置と許容範囲とを関連付けてユーザに通知する。これにより、ユーザは、定点撮像中、当該許容範囲と現在の超音波プローブ10との位置関係を把握することができ、定点撮像中の超音波プローブ10の位置を安定させることができる。
上述した第1の実施形態では、対象物tの3Dモデルを生成して、対象物tのサイズを取得した。しかし、対象物tの3Dモデルを生成せずに対象物tのサイズを取得してもよい。この場合の処理の一例について説明する。例えば、第1の実施形態同様にステップS101を実行する。ステップS102で計測機能44は、計測画像を撮像した時の超音波プローブ10の位置をメモリ21に記憶させる。その後、第1の実施形態同様にステップS103を実行する。ステップS104で、通知機能49は、計測画像を撮像した時の超音波プローブ10の位置を示すプローブマークと、現在の超音波プローブ10の位置を示すプローブマークとをディスプレイ35に表示させる。ユーザは、ディスプレイ35に表示されるプローブマークを参照することで、現在の超音波プローブ10の位置を、計測画像を撮像した時の超音波プローブ10の位置に一致させることができる。その後、第1の実施形態同様にS105を実行する。ステップS106では、計測機能44は、ステップS102で計測画像を撮像した時とステップS104での定点撮像開始時とで、超音波プローブ10の位置が一致する場合、計測画像上に設定された計測点の座標データから対象物tのサイズを取得する。この場合、対象物tのサイズは、例えば、エレベーション方向、ビーム方向、アジマス方向の各方向に設けられた計測点間の距離である。ステップS106が終了すると、第1の実施形態同様にステップS107以降が実行される。なお、計測機能44は、ステップS102で計測画像を撮像した時とステップS104での定点撮像開始時とで、超音波プローブ10の位置が一致しない場合、ステップS106以降は、第1の実施形態同様に実行される。以上のように、ステップS104の定点撮像開始時の超音波プローブ10の位置に応じて、対象物tのサイズの取得方法を変えてもよい。
以上のように、計測機能44が対象物tの3Dモデルを生成しない場合でも、対象物tのサイズを取得できる。これにより、第1の実施形態での処理よりも処理の負荷を軽減することができる。
また、第1の実施形態において、複数の計測画像を用いて対象物tのサイズを取得したが、1つの計測画像から対象物tのサイズを取得してもよい。この場合、例えば、計測機能44により、1つの計測画像から、当該計測画像に対する奥行き方向の対象物tの長さを推定する。計測機能44は、例えば、1つの計測画像上で対象物tの長軸と短軸とを取得して、当該短軸を当該計測画像に対する奥行き方向の対象物tの長さとしてもよい。また、計測機能44は、例えば、1つの計測画像上で対象物tの面積を算出して、当該面積に応じて、計測画像に対する奥行き方向の対象物tの長さを推定してもよい。この場合、計測機能44は、対象物tの面積と、当該計測画像に対する奥行き方向における対象物tの長さとが対応付けられたルックアップテーブルを参照して、当該計測画像に対する奥行き方向における対象物tの長さを取得してもよい。また、計測機能44は、対象物tの面積を入力すると、計測画像に対する奥行き方向の対象物tの長さを出力する関数を用いて、当該計測画像に対する奥行き方向における対象物tの長さを取得してもよい。なお、ルックアップテーブルと関数とは、事前に用意されたもので、メモリ21に記憶されている。
図10は、計測画像上の対象物tの長軸及び短軸の一例を示す模式図である。図10に示す計測画像4は、サジタル面に平行な断面を撮像した超音波画像である。図10の二重線の楕円は、画像処理により検出された対象物tの領域を示す。図10の実線の直線は、楕円で示す対象物tの領域の長軸と短軸とを示す。図10の例では、計測機能44は、計測画像4上における対象物tの短軸の長さを、計測画像4の奥行き方向についての対象物tの長さとしてもよい。以上のように、計測機能44により、計測画像が1つの場合でも許容範囲を設定することをユーザが選択してもよい。
なお、対象物tのサイズを取得する方法は上述した方法に限られない。例えば、ユーザが任意の方向に超音波プローブ10を走査した範囲のボリュームデータを用いて対象物tのサイズを取得してもよい。この場合、ステップS102の代わりに、画像生成機能42は、ユーザが超音波プローブ10を走査する間に、次々に超音波画像を生成して、各超音波画像に3次元座標と角度とを対応付けてメモリ21に記憶させる。また、画像生成機能42は、ユーザが超音波プローブ10を走査した領域におけるボリュームデータを生成する。その後、計測機能44は、画像処理やAIにより、各超音波画像上で対象物tの領域を検出して、検出された領域の座標データをメモリ37に記憶させる。計測機能44は、当該座標データと、各超音波画像の3次元座標及び角度と、ボリュームデータから、対象物tの領域をボリュームデータ上の3次元座標で設定する。更に、ステップS106で、計測機能44は、対象物tの3Dモデルに代えてボリュームデータ上に設定された対象物tの3次元座標を用いて、対象物tのサイズを取得する。以上のように、計測画像44は、ボリュームデータを用いて対象物tのサイズを取得することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態で説明した定点撮像における許容範囲の設定時に、超音波プローブ10の位置に代えて超音波プローブ10の煽り角を用いる例を説明する。なお、本実施形態では、定点撮像中、超音波プローブ10の位置の変化が微小である例を想定する。そのため、本実施形態では、超音波プローブ10の煽り角について許容範囲を設定する例について説明する。
なお、第2の実施形態の説明では、主に、第1の実施形態と異なる点について説明する。また、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
本実施形態に係る処理回路37の制御機能41、画像生成機能42、位置取得機能43、計測機能44、条件取得機能45、音場取得機能46、範囲設定機能47、判定機能48、通知機能49、表示制御機能50、終了受付機能51はコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ37に記録されている。制御機能41、画像生成機能42、位置取得機能43、計測機能44、条件取得機能45、音場取得機能46、表示制御機能50、終了受付機能51は、本実施形態においても第1の実施形態と同じ機能を有するため、説明を省略する。ここから、本実施形態での範囲設定機能47、判定機能48、通知機能49が第1の実施形態での範囲設定機能47、判定機能48、通知機能49と異なる点を説明する。
範囲設定機能47は、音場の範囲と、対象物tのサイズと、対象物tの位置と、定点撮像開始時点の超音波プローブ10の3次元位置情報とから、定点撮像が可能な超音波プローブ10の煽り角に関する許容範囲を設定する。対象物tの位置は、例えば、定点撮像を開始した時点の超音波プローブ10を基準としたビーム方向、アジマス方向及びエレベーション方向についての3次元の座標データである。対象物tの位置は、例えば、計測機能44により、計測画像に含まれる対象物tの当該計測画像上の座標データと、当該計測画像の3次元座標及び角度とから算出される。範囲設定機能47は、範囲設定部の一例である。
範囲設定機能47が許容範囲を設定する方法について、音場の範囲よりも対象物tのサイズの方が小さい場合と、音場の範囲よりも対象物tのサイズの方が大きい場合とに分けて説明する。
範囲設定機能47は、例えば、エレベーション方向において、音場の範囲よりも対象物tのサイズの方が小さい場合、アジマス方向の軸に関して音場の範囲を回転しても対象物tが含まれる超音波プローブ10の煽り角の範囲を許容範囲とする。つまり、許容範囲の上限及び下限は、音場の範囲と対象物tとが接するときの超音波プローブ10の煽り角となる。
図11は、エレベーション方向において、音場の範囲よりも対象物tのサイズの方が小さい場合の許容範囲の一例を示す。図11において、破線の直線は許容範囲の上限及び下限での超音波プローブ10の長軸を示す。図11の被検体P内部の破線の長方形は許容範囲の上限における音場の範囲を示し、被検体Pの内部の二点鎖線の長方形は許容範囲の下限での音場の範囲を示す。図11の例では、煽り角について許容範囲は、図11の両矢印が示す範囲である。
範囲設定機能47は、エレベーション方向において、音場の範囲よりも対象物tサイズの方が大きい場合、定点撮像開始時点の音場の範囲に含まれる対象物tの領域が、アジマス方向の軸に関して音場の範囲を回転させても一定の割合以上含まれる煽り角の範囲を許容範囲とする。当該一定の割合は、例えば、20%、30%、40%及び50%等のメモリ37に記憶された値である。つまり、許容範囲の上限及び下限では、音場の範囲に含まれる、定点撮像開始時点の音場の範囲に含まれた対象物tの領域が一定割合となった超音波プローブ10の煽り角となる。
図12は、エレベーション方向において、音場の範囲よりも対象物tのサイズの方が大きい場合の許容範囲の一例を示す。図12の実線の曲線は被検体Pの体表を示し、実線の楕円体は対象物tを示す。図12において、破線の直線は許容範囲の上限及び下限での超音波プローブ10の長軸を示す。図12の被検体P内部の破線の長方形は許容範囲の上限における音場の範囲を示し、被検体Pの内部の二点鎖線の長方形は許容範囲の下限での音場の範囲を示す。図12の例では、煽り角について許容範囲は、図12の両矢印が示す範囲である。
判定機能48は、ユーザにアラートを通知するか判定する。判定機能48は、例えば、メモリ37から許容範囲及び現在の超音波プローブ10の煽り角を読み出す。判定機能48は、超音波プローブ10の煽り角が許容範囲の内部にある場合、アラートの通知は不要と判定する。一方、判定機能48は、超音波プローブ10の煽り角が許容範囲の外部にある場合、アラートの通知は必要と判定する。判定機能48は、判定部の一例である。
通知機能49は、許容範囲と現在の超音波プローブ10の煽り角とを関連付けてユーザに通知する。通知機能49は、例えば、メモリ37から許容範囲と現在の超音波プローブ10の煽り角とを読み出して、アジマス方向に垂直な平面に、許容範囲と現在の超音波プローブ10の煽り角とを重畳した通知画像を生成して、ディスプレイ35に表示させる。通知機能49は通知部の一例である。
図13は、通知機能49が生成する通知画像の一例である。図13の通知画像において、実線の曲線は被検体Pの体表を示し、破線の直線は許容範囲の上限及び下限における超音波プローブ10の長軸の位置を示す。図13の黒塗りの長方形は、現在の超音波プローブ10の煽り角を示すプローブマークの一例を示す。
通知機能49は、更に、判定機能48が現在の超音波プローブ10の3次元位置情報が許容範囲外にあると判定した時、通知画像の表示形態を変更させてアラートを通知させる。通知機能49は、例えば、ディスプレイ35に表示される通知画像上の現在の超音波プローブ10のプローブマーク及び許容範囲の少なくともいずれかの表示色を変更する。また、通知機能49は、更に、ディスプレイ35に警告ウィンドウを表示させてもよい。当該警告ウィンドウは、通知画像上に表示されても、超音波画像上に表示されても構わない。
通知機能49は、更に、判定機能48が現在の超音波プローブ10の煽り角が許容範囲外にあると判定した時、ユーザにアラートを通知させる。通知機能49は、例えば、出力インターフェース36のスピーカに警告音を発生させることでアラートを通知する。通知機能49は、例えば、出力インターフェース36のライトを特定の色及びパターンで発光させることでアラートを通知する。通知機能49は、ここまでに説明したアラートの通知方法を組み合わせた通知を行っても構わない。
ここで、処理回路40にて実行される第2の実施形態の処理の一例について説明する。図14は、図1の処理回路40にて実行される第2の実施形態の処理の一例を示すフローチャートである。図14で説明するフローチャートにおける処理の順序は、結果に本質的な影響を与えない範囲で変えてもよいし、結果に本質的な影響を与えない範囲で並行して処理を行ってもよい。
ステップS201からステップS206は、ステップS101からステップS106と共通する処理であるため、説明を省略する
(ステップS207)
処理回路40は、範囲設定機能47により、メモリ37から対象物tのサイズと、対象物tの位置と、音場の範囲とを読み出す。範囲設定機能47は、ビーム方向、アジマス方向及びエレベーション方向について、対象物tのサイズと音場の範囲との比較を行い、当該比較の結果に基づいて、超音波プローブ10の煽り角の許容範囲を設定する。
なお、処理回路40が、計測機能44により、ビーム方向における超音波プローブ10と対象物tとの距離(対象物tの深さ距離)を算出できるため、範囲設定機能47は、当該対象物tの深さ距離に応じて、許容範囲を縮小してもよい。超音波プローブ10から離れた位置では、超音波プローブ10の位置及び角度の変化に伴う、音場の範囲の位置の変化が大きくなる。つまり、対象物tの深さ距離が大きくなるほど、対象物tを撮像し続けることが難しくなる。そのため、範囲設定機能47は、例えば、対象物tの深さ距離が大きくなるほど、許容範囲を縮小してもよい。これにより、定点撮像中のプローブ操作の難易度も反映された許容範囲を設定することができる。
(ステップS208)
処理回路40は、通知機能49により、許容範囲に現在の超音波プローブ10の煽り角を示すプローブマーカを重畳した通知画像を生成し、ディスプレイ35に出力する。
(ステップS209)
処理回路40は、判定機能48により、アラートの通知の要否を判定する。判定機能48は、現在の超音波プローブ10の煽り角が許容範囲の外部であれば、アラートの通知が必要と判定して、ステップS210に進む。判定機能48は、現在の超音波プローブ10の煽り角が許容範囲の内部であれば、アラートの通知は不要と判定して、ステップS211に進む。
(ステップS210)
処理回路40は、通知機能49により、ユーザに、現在の超音波プローブ10の煽り角が許容範囲を超えたことを通知する。通知機能49は、出力インターフェース36を介して、ユーザに警告を伝える。また、通知機能49は、ステップS208で生成した通知画像の表示形態を変更することでユーザにアラートを伝えてもよい。
(ステップS211)
処理回路40は、終了受付機能51により、ステップS208からS210の処理の要否をユーザから受け付ける。終了受付機能51は、ユーザから終了指示を受け付けると、処理を終了する。終了受付機能51は、ユーザから終了指示がない場合、ステップS208の処理に戻す。
以上、第2の実施形態について説明した。第2の実施形態に係る超音波診断装置1では、定点撮像中、超音波プローブ10の角度と許容範囲とを関連付けてユーザに通知する。これにより、ユーザは、定点撮像中、当該許容範囲と現在の超音波プローブ10との煽り角を把握することで、超音波プローブ10の煽り角を安定させることできる。
上述した第2の実施形態においても、対象物tの3Dモデルを生成せずに対象物tのサイズを取得してもよい。この場合、ステップS204で、通知機能49は、計測画像を撮像した時の超音波プローブ10の煽り角を示すプローブマークと、現在の超音波プローブ10の煽り角を示すプローブマークとをディスプレイ35に表示させる。ユーザは、ディスプレイ35に表示されるプローブマークを参照することで、現在の超音波プローブ10の煽り角を、計測画像を撮像した時の超音波プローブ10の煽り角に一致させることができる。その後、第1の実施形態同様にS205を実行する。ステップS206では、計測機能44は、ステップS202で計測画像を撮像した時とステップS204での定点撮像開始時とで、超音波プローブ10の煽り角が一致する場合、計測画像上に設定された計測点の座標データから対象物tのサイズを取得する。この場合、対象物tのサイズは、例えば、エレベーション方向、ビーム方向、アジマス方向の各方向に設けられた計測点間の距離である。ステップS206が終了すると、第2の実施形態同様にステップS207以降が実行される。なお、計測機能44は、ステップS202で計測画像を撮像した時とステップS204での定点撮像開始時とで、超音波プローブ10の煽り角が一致しない場合、ステップS206以降は、第1の実施形態同様に実行される。
第1の実施形態では、超音波診断装置1により、超音波プローブ10の位置と許容範囲とを関連付けてユーザに通知する。第2の実施形態では、超音波診断装置1により、超音波プローブ10の煽り角と許容範囲とを関連付けてユーザに通知する。このように、超音波プローブ10の位置と超音波プローブ10煽り角とを選択的に処理することで、処理回路40における処理負担を軽減することができる。
第1の実施形態における範囲設定機能47と、第2の実施形態における範囲設定機能47の機能を組み合わせることで、超音波プローブ10の位置と超音波プローブ10の煽り角とに関する許容範囲を設定することができる。処理回路40は、範囲設定機能47により、メモリ37から対象物tのサイズと、音場の範囲とを読み出して、ビーム方向、アジマス方向及びエレベーション方向について、対象物tのサイズと音場の範囲との比較を行う。範囲設定機能47は、当該比較の結果に基づいて、超音波プローブ10の位置と超音波プローブ10の煽り角とを組み合わせた許容範囲を設定する。
判定機能48についても、第1の実施形態における機能と第2の実施形態における機能とを組み合わせることで、超音波プローブ10の位置と超音波プローブ10の煽り角と当該許容範囲とからユーザにアラートを通知するか判定することができる。処理回路40は、判定機能48により、例えば、メモリ37から許容範囲と、現在の超音波プローブ10の位置と、超音波プローブ10の煽り角と、許容範囲とを読み出し、超音波プローブ10の位置及び煽り角の内、少なくともいずれかが許容範囲の外部であれば、アラートの通知が必要と判定する。
通知機能49についても、第1の実施形態における機能と第2の実施形態における機能とを組み合わせることで、超音波プローブ10の位置及び超音波プローブ10の煽り角と当該許容範囲とを関連付けてユーザに通知することができる。処理回路40は、通知機能49により、例えば、メモリ37から許容範囲と、現在の超音波プローブ10の位置と、超音波プローブ10の煽り角と、許容範囲とを読み出し、現在の超音波プローブ10の位置及び煽り角を示すプローブマークと許容範囲とをユーザに通知する通知画像を生成して、ディスプレイ35に表示させる。当該プローブマークは、例えば、3次元仮想空間で超音波プローブ10の外形を模したオブジェクトであり、当該オブジェクトが超音波プローブ10の位置及び煽り角を再現することで、現在の超音波プローブ10の位置及び煽り角を示す。
以上の処理により、超音波プローブ10の位置及び超音波プローブ10の煽り角を許容範囲に関連付けてユーザに通知することができる。これにより、ユーザは、定点撮像中、当該許容範囲と現在の超音波プローブ10の位置と超音波プローブ10の角度を同時に把握することで、超音波プローブ10の位置及び煽り角を安定させることできる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について説明する。定点撮像中の撮像条件によっては、許容範囲が小さいためにユーザにとって定点撮像におけるプローブ操作が難しくなる場合がある。そこで、本実施形態では、定点撮像を開始する前に許容範囲を拡大するために撮像条件を更新する処理を行う例について説明する。撮像条件の変更に伴い音場の範囲も変化するため、音場の範囲が大きくなるように撮像条件を変更することは許容範囲を拡大することになる。なお、許容範囲及び超音波プローブ10の位置と煽り角とのいずれかを関連付けてユーザ通知する処理は、第1の実施形態と共通する処理であっても、第2の実施形態と共通する処理であってもよい。本実施形態では、許容範囲と超音波プローブ10の位置とをユーザに通知する処理は、第1の実施形態と共通するものとして説明する。
なお、第3の実施形態の説明では、主に、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる点について説明する。また、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
図15は、本実施形態に係る超音波診断装置1の構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態に係るメモリ37は、第1の実施形態に係るメモリ37が記憶する内容に加えて、更新位置取得時間と更新閾値THを記憶する。更新位置取得時間は、位置取得機能43が後述する更新処理用に3次元位置情報を取得する時間である。更新閾値THは、後述する更新受付機能52が、後述する更新処理で、許容範囲が更新閾値THより小さい場合、後述する更新受付機能52により許容範囲を拡大するために更新処理が必要と判定するために用いられる閾値である。
図16は、更新閾値THの一例を示す模式図である。図16の実線の曲線は、被検体Pの体表を示し、実線の楕円は対象物tを示す。図16において、破線の直線は許容範囲の上限及び下限での超音波プローブ10の長軸を示し、被検体Pの外部の実線の長方形は許容範囲の上限及び下限での超音波プローブ10を示す。被検体Pの内部の破線の長方形は許容範囲の上限での音場の範囲を示し、被検体Pの内部の二点鎖線の長方形は許容範囲の下限での音場の範囲を示す。図16の黒塗りの両矢印はエレベーション方向の許容範囲を示し、白抜きの両矢印はエレベーション方向における更新閾値THを示す。図16のように、許容範囲が更新閾値THよりも小さい場合、後述する更新受付機能52は許容範囲を拡大するために更新処理が必要と判定する。
本実施形態に係る処理回路40は、第1の実施形態に係る処理回路40の構成に加えて、更新受付機能52、提案生成機能53を備える点が、図1に示す第1の実施形態に係る処理回路40と異なる。
本実施形態における処理回路40の制御機能41、画像生成機能42、位置取得機能43、計測機能44、条件取得機能45、音場取得機能46、範囲設定機能47、判定機能48、通知機能49、表示制御機能50、終了受付機能51、更新受付機能52及び提案生成機能53はコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ37に記録されている。制御機能41、画像生成機能42、計測機能44、条件取得機能45、音場取得機能46、範囲設定機能47、判定機能48、通知機能49、表示制御機能50及び終了受付機能51は、本実施形態においても第1の実施形態と同じ機能を有するため、説明を省略する。ここでは、更新受付機能52、提案生成機能53と、本実施形態での位置取得機能43が第1の実施形態での位置取得機能43と異なる点を説明する。
位置取得機能43は、位置取得装置20から超音波プローブ10の3次元位置情報を取得する。更に、位置情報取得機能43は、例えば、入力インターフェース34を介してユーザから、許容範囲を更新する処理(更新処理)を必要とする信号を受け付けた時点から更新位置取得時間内に取得された3次元位置情報に、更新処理用に取得された3次元位置情報であることを特定できるようにメモリ37に記憶させる。また、位置取得機能43は、位置取得部の一例である。
更新受付機能52は、後述する更新処理の要否をユーザから受け付ける。更新受付機能52は、例えば、入力インターフェース34を介してユーザから更新処理を必要とする信号を受け付けると、後述する許容範囲を更新する処理を開始させる。更新受付機能52は、例えば、ユーザから更新処理を不要とする信号を受け付けると、更新処理を実行させずに次の処理を開始させる。更新受付機能52は、更新受付部の一例である。
なお、更新受付機能52は、更新処理の要否をユーザから受け付ける代わりに、範囲設定機能47が設定した許容範囲と更新閾値THとの比較に基づいて、更新処理の要否を判定してもよい。更新閾値THは、例えば、許容範囲のアジマス方向及びエレベーション方向の長さとの比較に用いる閾値である。更新受付機能52は、例えば、許容範囲のアジマス方向及びエレベーション方向の長さと更新閾値THとをメモリ37から読み出して、許容範囲のアジマス方向及びエレベーション方向の長さが更新閾値THよりも大きい場合は、許容範囲の拡大は不要と判断して、更新処理を実行しない。一方、更新受付機能52は、例えば、許容範囲のアジマス方向及びエレベーション方向の長さと更新閾値THとをメモリ37から読み出して、許容範囲のアジマス方向の長さとエレベーション方向の長さとの少なくとも一方が更新閾値TH以下の場合は、許容範囲の拡大は必要と判断して、更新処理を実行する。
更新受付機能52は、更に、後述する提案生成機能53が提案する撮像条件への更新の可否をユーザから受け付ける。更新受付機能52は、例えば、入力インターフェース34を介してユーザが許容範囲及び撮像条件の更新を承認した信号を受け付けると、撮像条件を更新させる。更新受付機能52は、更新受付部の一例である。
提案生成機能53は、許容範囲を拡大する撮像条件を提案する。提案生成機能53は、例えば、メモリ37から更新処理用に取得された3次元位置情報と許容範囲とを読み出して、更新処理用に取得された3次元位置情報が許容範囲の外部にある場合、許容範囲を拡大する撮像条件をデータベースから読み出す。許容範囲を拡大する方法は、例えば、超音波プローブ10が1Dプローブの場合、送信周波数を下げること、対象物tの深さ距離よりも焦点距離を大きくすること等があげられる。また、許容範囲を拡大する方法は、例えば、超音波プローブ10が1.5Dプローブ及び2Dプローブの場合、1Dプローブでの方法に加えて、Slice Thicknessにより駆動する圧電素子の領域を広げることである。提案生成機能53は、提案生成部の一例である。
提案生成機能53は、更に、許容範囲を拡大する撮像条件と、当該撮像条件で画像生成機能42が生成した超音波画像とをディスプレイ35に出力してもよい。
図17は、提案生成機能53が提案した撮像条件により拡大した許容範囲の一例を示す模式図である。図17の破線は更新前の許容範囲の上限及び下限を示し、実線は更新後の許容範囲の上限及び下限を示す。図17の実線のプロ―ブマークは、更新位置取得時間において取得された超音波プローブ10の3次元位置情報の一例を示す。時刻t0の超音波プローブ10のプローブマークは、更新処理用の3次元位置情報の取得を開始した時点の超音波プローブ10の3次元位置情報を示す。時刻t1の超音波プローブ10のプローブマークは、更新処理用に取得された3次元位置情報の内、エレベーション方向の正の向きについて最も許容範囲を超えた時点の超音波プローブ10の3次元位置情報を示す。時刻t2の超音波プローブ10のプローブマークは、更新処理用に取得された3次元位置情報の内、エレベーション方向の負の向きについて最も許容範囲を超えた時点の超音波プローブ10の3次元位置情報を示す。図17の例で、提案生成機能53により、更新後の許容範囲が更新位置取得時間において取得された超音波プローブ10の3次元位置情報を全て含むように、つまり時刻t1及び時刻t2の超音波プローブ10の3次元位置情報が更新後の許容範囲に含まれるように撮像条件を提案することが好ましい。
ここで、処理回路40にて実行される第3の実施形態の処理の一例について説明する。図18は、図15の処理回路40にて実行される第3の実施形態の処理の一例を示すフローチャートである。図18で説明するフローチャートにおける処理の順序は、結果に本質的な影響を与えない範囲で変えてもよいし、結果に本質的な影響を与えない範囲で並行して処理を行ってもよい。
ステップS301からステップS307は、ステップS101からステップS107と共通する処理であるため、説明を省略する。更に、ステップS314からステップS317は、ステップS108からステップS111と共通する処理であるため、説明を省略する。
(ステップS308)
処理回路40は、更新受付機能52により、ステップS309からS313までの、音場の範囲が大きくなるように撮像条件を変更することで許容範囲を拡大する処理である許容範囲及び撮像条件の更新処理の要否をユーザから受け付ける。更新受付機能52は、ユーザから更新処理を必要とする指示を受け付けると、ステップS309に進む。更新受付機能52は、ユーザから更新処理を不要とする指示を受け付けると、ステップS314に進む。
(ステップS309)
処理回路40は、位置取得機能43により、ユーザが許容範囲及び撮像条件の更新処理を必要とする信号を受け付けた時点から更新位置取得時間の間に取得された超音波プローブ10の3次元位置情報に、更新処理用に取得された3次元位置情報であることを特定できるようにメモリ37に記憶させる。
(ステップS310)
処理回路40は、提案生成機能53により、ステップS309で更新処理用に取得された3次元位置情報と許容範囲とをメモリ37から読み出す。提案生成機能53は、更新処理用に取得された3次元位置情報が一定回数以上、許容範囲の外部にある場合、許容範囲を拡大させる撮像条件をデータベースから読み出す。提案生成機能53は、許容範囲を拡大させる撮像条件と、拡大後の許容範囲とをディスプレイ35に出力する。
なお、更新処理用に取得された3次元位置情報が一定回数未満、許容範囲の外部にある場合も、提案生成機能53は、許容範囲を拡大させる撮像条件をデータベースから読み出してもよい。この場合、許容範囲を拡大させる撮像条件は、ステップS310における撮像条件に近いことが好ましい。そのため、当該許容範囲を拡大させる撮像条件は、例えば、許容範囲が一定の割合以上拡大する、かつステップS310における撮像条件に近い撮像条件である。または、当該許容範囲を拡大させる撮像条件は、例えば、許容範囲が一定の割合以上拡大する撮像条件の中で、最も許容範囲が小さい撮像条件である。
(ステップS311)
処理回路40は、更新受付機能52により、提案生成機能53が提案する許容範囲と撮像条件への更新の可否をユーザから受け付ける。更新受付機能52は、ユーザが許容範囲及び撮像条件の更新を承認した信号を受け付けると、ステップS312に進む。更新受付機能52は、ユーザが許容範囲と撮像条件への更新を拒否した信号を受け付けると、ステップS313に進む。
(ステップS312)
処理回路40は、制御機能41により、ステップS310にて提案生成機能53がユーザに提案した撮像条件をメモリ37から読み出して、当該撮像条件に応じた超音波走査を実行するように送受信回路31を制御する。
(ステップS313)
処理回路40は、位置取得機能43により、超音波プローブ10の3次元位置情報を取得して、当該3次元位置情報を定点撮像開始時点の超音波プローブ10の3次元位置情報としてメモリ37に上書きする。条件取得機能45は、メモリ37から撮像条件を取得する。その後、音場取得機能46は、当該撮像条件に対応付けられた音場の範囲を、データベースから取得する。なお、ステップS314から処理終了まで、撮像条件は変更されない。
ステップS309にて、超音波プローブ10の3次元位置情報を更新位置取得時間の間、取得する。これにより、ステップS304で取得した定点撮像開始時の超音波プローブ10の3次元位置情報と、ステップS309終了時点の超音波プローブ10の3次元位置情報との間に差異が生じる。そのため、ステップS313で、再度対象物tのサイズの計測と、許容範囲の設定を行う必要がある。
計測機能44は、対象物tの3Dモデルと、定点撮像開始時点の超音波プローブ10の3次元位置情報をメモリ37から読み出して、超音波プローブ10を基準としたビーム方向、アジマス方向及びエレベーション方向の3Dモデルの長さを計測して、対象物tのサイズとしてメモリ37に記憶させる。
範囲設定機能47は、メモリ37から対象物tのサイズと、音場の範囲とを読み出す。範囲設定機能47は、ビーム方向、アジマス方向及びエレベーション方向の内、少なくとも1方向について、対象物tのサイズと音場の範囲との比較を行い、当該比較の結果に基づいて、許容範囲を再設定する。
なお、計測機能44により、対象物tの深さ距離を算出できるため、ステップS313においてもステップS107で説明したように、範囲設定機能47は、例えば、対象物tの深さ距離が大きくなるほど、許容範囲を縮小してもよい。これにより、定点撮像中のプローブ操作の難易度も反映された許容範囲を設定することができる。
上述したように、ステップS314からステップS315の処理は、ステップS108からステップS111に相当するため、説明を省略する。
以上、第3の実施形態について説明した。第3の実施形態に係る超音波診断装置1では、定点撮像を開始する前に、定点撮像を開始する前に許容範囲を拡大する機会が得られる。これにより、ユーザはより広い許容範囲での定点撮像を実行でき、定点撮像中の超音波プローブ10の操作の難度を下げることができる。
上述した第3の実施形態のステップS311において、ユーザが許容範囲と撮像条件への更新を拒否した信号を受け付けた場合、提案生成機能53は、更にステップS310で提案された撮像条件と異なる撮像条件を提案してもよい。この場合、提案生成機能53は、ユーザの入力操作に応じて、更新後の許容範囲が拡大することを優先するユーザの要求を受け付けると、更に許容範囲が拡大する撮像条件を提示する。また、提案生成機能53は、ユーザの入力操作に応じて、ステップS310での撮像条件に近いことを優先するユーザの要求を受け付けると、ステップS310における撮像条件に近い撮像条件を提示する。これにより、ユーザの要求に近い撮像条件に更新できる。
また、第3の実施形態のステップS310において、提案生成機能53は、複数の撮像条件を提案してもよい。複数の撮像条件は、例えば、許容範囲が拡大する撮像条件の内、ステップS310での撮像条件への類似度、許容範囲の拡大率等に応じて選択される。この場合、提案生成機能53は、ユーザの入力操作に応じて、当該複数の撮像条件から変更後の撮像条件を選択する。これにより、ユーザは効率的に撮像条件を更新できる。
第3の実施形態に係る超音波診断装置1においても、図12におけるステップS207とステップS208との間に、ステップS308からステップS313までの処理を組み込んで実行することで、第2の実施形態に係る超音波診断装置1のように、超音波プローブ10の座標に代えて超音波プローブ10の煽り角を用いる際も、定点撮像を開始する前に許容範囲を拡大する機会が得られる。これより、ユーザは、定点撮像中の超音波プローブ10の操作の難度を下げることができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、対象物の撮像におけるユーザの超音波プローブ操作を支援することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 超音波診断装置
10 超音波プローブ
41 制御機能
42 画像生成機能
43 位置取得機能
44 計測機能
45 条件取得機能
46 音場取得機能
47 範囲設定機能
48 判定機能
49 通知機能
50 表示制御機能
51 終了受付機能
52 更新受付機能
53 提案生成機能
t 対象物

Claims (12)

  1. 被検体に対して所定の撮像条件で超音波を送受信するプローブと、
    前記撮像条件に基づいて音場の範囲を取得する音場取得部と、
    前記プローブに関する3次元位置情報を取得する位置取得部と、
    前記プローブが受信する反射波に基づいて対象物を含む超音波画像を生成する画像生成部と、
    定点撮像の開始時における前記プローブに関する3次元位置情報と、前記超音波画像に含まれる前記対象物のサイズと、前記音場の範囲とに基づいて定点撮像中の前記プローブに関する許容範囲を設定する範囲設定部と、
    を備える超音波診断装置。
  2. 前記範囲設定部は、前記プローブの位置に関する許容範囲を設定する、
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記範囲設定部は、前記定点撮像の開始時における前記プローブに関する3次元位置情報と、前記超音波画像に含まれる前記対象物のサイズと、前記音場の範囲と、前記対象物の位置とに基づいて、前記プローブの煽り角に関する許容範囲を設定する、
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  4. 前記許容範囲設定後の前記プローブの3次元位置情報と前記許容範囲とを通知する通知部を更に備える、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  5. 前記通知部は、前記許容範囲設定後の前記プローブの3次元位置情報を前記許容範囲に重畳した通知画像により通知する、
    請求項4に記載の超音波診断装置。
  6. 前記通知部は、前記許容範囲設定後の前記プローブの3次元位置情報が前記許容範囲の外部にある場合、アラート信号を更に生成する、
    請求項4に記載の超音波診断装置。
  7. 前記アラート信号は、前記通知画像の表示形態を変更させる信号である、
    請求項6に記載の超音波診断装置。
  8. 前記アラート信号は、警告ウィンドウを表示させる信号である、
    請求項6に記載の超音波診断装置。
  9. 前記定点撮像の開始前に、前記許容範囲を拡大させる撮像条件に関する提案を生成する提案生成部を更に備える、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
  10. 前記提案生成部は、撮像条件と音場の範囲とが対応付けられたデータベースに基づいて、前記音場の範囲が拡大する撮像条件に関する提案を生成する、
    請求項9に記載の超音波診断装置。
  11. 被検体に対して所定の撮像条件で超音波を送受信し、
    前記撮像条件に基づいて音場の範囲を取得し、
    プローブに関する3次元位置情報を取得し、
    前記プローブが受信する反射波に基づいて対象物を含む超音波画像を生成し、
    定点撮像の開始時における前記プローブに関する3次元位置情報と、前記超音波画像に含まれる前記対象物のサイズと、前記音場の範囲とに基づいて定点撮像中の前記プローブに関する許容範囲を設定する、
    プローブの許容範囲設定方法。
  12. コンピュータに
    被検体に対して所定の撮像条件で超音波を送受信するステップと、
    前記撮像条件に基づいて音場の範囲を取得するステップと、
    プローブに関する3次元位置情報を取得するステップと、
    前記プローブが受信する反射波に基づいて対象物を含む超音波画像を生成するステップと、
    定点撮像の開始時における前記プローブに関する3次元位置情報と、前記超音波画像に含まれる前記対象物のサイズと、前記音場の範囲とに基づいて定点撮影中の前記プローブに関する許容範囲を設定するステップと
    を実行させるプログラム。
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