JP2023157088A - 主軸装置 - Google Patents

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Tetsuro Furuhata
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Abstract

Figure 2023157088000001
【課題】簡単に第2モータの回転により生じる回転力を主軸に伝達するか否かを切り替えることができる主軸装置を提供すること。
【解決手段】工具が取り付けられる取付部を有する主軸と、主軸の外周面に取り付けられたロータを有する第1モータと、第1モータとは異なる第2モータと、第2モータの回転速度を減速させる減速機と、減速機により減速された回転力を主軸に伝達するための伝達機構と、伝達機構の状態を、回転力を主軸に伝達する伝達状態と、回転力を主軸に伝達しない非伝達状態とのいずれかに切り替える切替装置と、第1モータと、第2モータと、切替装置とを制御する制御装置と、を備える主軸装置。
【選択図】図1

Description

本開示は、主軸装置に関する。
従来、主軸と一体に設けられた第1モータと、主軸と別体に設けられた第2モータと、第2モータの回転を減速させて主軸に伝達させる減速機とを備えた主軸装置がある(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の主軸装置によれば、第1モータを駆動させることにより主軸を高速で回転させ、第2モータを駆動させることにより主軸を低速で回転させることができる。
特開平3-10737号公報
減速機を介して第2モータから出力される回転力を主軸に伝達するか否かを切り替える方法に改善の余地がある。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、主軸装置が提供される。この主軸装置は、工具が取り付けられる取付部を有する主軸と、前記主軸の外周に配置されたロータを有する第1モータと、前記第1モータとは異なる第2モータと、前記第2モータの回転速度を減速させる減速機と、前記減速機により減速された回転力を前記主軸に伝達するための伝達機構と、前記伝達機構の状態を、前記回転力を前記主軸に伝達する伝達状態と、前記回転力を前記主軸に伝達しない非伝達状態とのいずれかに切り替える切替装置と、前記第1モータと、前記第2モータと、前記切替装置とを制御する制御装置と、を備える。この形態によれば、オペレータによる切り替え作業を要せず、制御装置が切替装置を制御することにより、第2モータの回転により生じる回転力を主軸に伝達するか否かを切り替えることができる。
(2)上記形態の主軸装置において、前記制御装置は、前記第1モータの回転を停止させ、前記第2モータを回転させ、前記切替装置を前記伝達状態に切り替える第1モードと、前記第1モータを回転させ、前記第2モータの回転を停止させ、前記切替装置を前記非伝達状態に切り替える第2モードと、を実行可能であってもよい。この形態によれば、主軸装置を、第1モードと第2モードとで動作させることができる。
(3)上記形態の主軸装置において、前記第1モードにおける前記主軸の回転数は、前記第2モードにおける前記主軸の前記回転数よりも小さく、前記第1モードにおける前記主軸のトルクは、前記第2モードにおける前記主軸の前記トルクよりも大きくてもよい。この形態によれば、第1モードでは、第2モードに対して高トルク、低回転数で主軸を回転させることができる。第2モードでは、第1モードに対して、低トルク、高回転数で主軸を回転させることができる。
(4)上記形態の主軸装置において、前記第1モードにおいて、軸受の穴を加工するための前記工具が前記取付部に取り付けられ、前記第2モードにおいて、前記軸受の周面を切削するための前記工具が前記取付部に取り付けられてもよい。この形態によれば、第1モードにおいて軸受の穴を加工し、第2モードにおいて軸受の周面を切削することができる。
(5)上記形態の主軸装置において、前記軸受は大型風力発電機用軸受であり、前記軸受の直径は1m以上であってもよい。この形態によれば、大型風力発電機用軸受を加工することができる。
(6)上記形態の主軸装置において、前記伝達機構は、前記回転力を前記主軸に伝達する伝達ギヤを有し、前記主軸は、前記伝達ギヤと噛み合い、前記主軸と一体に回転する主軸ギヤを有し、前記主軸ギヤは、前記取付部と、前記第1モータとの間に位置していてもよい。この形態によれば、第2モータ、減速機、および伝達機構を主軸と並行して配置することができる。よって、主軸の軸方向の長さをコンパクトにすることができる。
本開示は、種々の形態で実現することが可能であり、上記の主軸装置の他に、例えば主軸装置の制御方法、主軸装置の製造方法などの形態で実現することができる。
主軸装置の縦断面を示す模式図。 図1の領域RAの拡大図。 加工処理の手順を示すフローチャート。 軸受の斜視図。
A.実施形態:
A1.主軸装置の構成:
図1は、実施形態の主軸装置1の縦断面を示す模式図である。図2は、図1に示す領域RAの拡大図である。本実施形態の主軸装置1は、マシニングセンタなどの工作機械に備えられる主軸装置である。主軸装置1は、例えば風力発電装置に用いられる大型風車の軸受400(図4)を加工するために用いられる。主軸装置1を用いて、穴加工と研削加工とを行うことができる。
主軸装置1は、前方側において被加工物を加工する工具を把持する。ここで、工具は、具体的には、工具ホルダに加工工具が取り付けられて構成されている。図1には、主軸装置1が有する主軸10の第1中心軸AX1と、中間軸74の第2中心軸AX2と、第2モータ50の第3中心軸AX3とが示されている。また、第1中心軸AX1に沿った方向である軸方向について、工具を把持する側を前方側とし、工具を把持する側とは反対側を後方側とする。また、図1の紙面上側が鉛直上方向側であり、紙面下側が鉛直下方向側である。
主軸装置1は、主軸装置本体としての筒状の主軸ハウジング3と、主軸10と、第1軸受機構10Aと、第2軸受機構10Bと、第3軸受機構10Cと、第1モータ40と、第2モータ50と、減速機60と、伝達機構100と、ドローバー30と、取付部としてのコレットチャック20と、皿ばね33と、制御装置200と、切替装置としての油圧装置300とを備える。主軸ハウジング3は、主軸10や第1モータ40などの主軸装置1の主要な要素を内側に配置する。
主軸10は、第1主軸11と、第2主軸12と、カップリング部材46とを有する。第2主軸12は、カップリング部材46により、第1主軸11と固定されている。これにより、第1主軸11と、第2主軸12とは一体に回転する。第1主軸11は、主軸ハウジング3に、第1軸受機構10A、第2軸受機構10B、および第3軸受機構10Cを介して回転可能に支持されている。主軸10は、第1中心軸AX1を中心として回転する。主軸10は、前方側の端部である一端部10Fと、一端部10Fと対向する他端部10Rとを有する。主軸10は、軸方向に貫通するテーパ孔10Tと、主軸円筒部10Hとを有する。テーパ孔10Tは、一端部10Fに位置し、工具が着脱可能に装着される。主軸円筒部10Hは、テーパ孔10Tよりも他端側、すなわち他端部10R側に位置する。主軸円筒部10Hは、テーパ孔10Tと連通する。
第1軸受機構10Aと、第2軸受機構10Bと、第3軸受機構10Cとは、軸方向について、前方から後方に向かって、この順に配置されている。第1軸受機構10Aと、第2軸受機構10Bと、第3軸受機構10Cとは、軸方向と直交する第1主軸11の径方向について、主軸ハウジング3と主軸10との間に介在する。
第1モータ40は、ロータ41と、ステータ42とを備える。ロータ41は、主軸10、具体的には第2主軸12の外周に配置されており、第2主軸12と一体に回転可能に構成されている。制御装置200の制御によってステータ42に電力が供給されると、ロータ41が回転することによりロータ41と一体に主軸10が回転する。
コレットチャック20は、主軸円筒部10H内に配置されている。コレットチャック20は、ドローバー30に連動して、主軸10の軸方向に沿って進退移動することにより、工具を把持するクランプ状態と、工具の把持が解除されたアンクランプ状態とのいずれかの状態をとる。具体的には、コレットチャック20は、ドローバー30が図示しないシリンダ装置が有するピストン18によって前方側に押し出されて、ドローバー一端部30F側に移動した場合にはアンクランプ状態となる。一方で、コレットチャック20は、ドローバー30がシリンダ装置から離間して皿ばね33の付勢力によってドローバー他端部30R側に移動した場合にはクランプ状態となる。
伝達機構100は、伝達機構ハウジング101と、第2駆動軸62と、第2駆動軸ギヤ64と、中間軸ギヤ72と、中間軸74と、第1駆動軸軸受機構91と、第2駆動軸軸受機構92と、中間軸軸受機構94とを有する。第2モータ50の第2モータ軸52は、減速機60に接続されている。減速機60は、第2モータ軸52を介して入力される回転の回転速度を減速して、出力軸である第2駆動軸62に出力する。伝達機構100は、減速機60により減速された回転力を主軸10に伝達する。
第2駆動軸62は、第1駆動軸軸受機構91と、第2駆動軸軸受機構92とにより、伝達機構ハウジング101に回転可能に支持されている。第2駆動軸62の外周に同軸に第2駆動軸ギヤ64が固定されている。
中間軸74は、中間軸74の軸方向に摺動可能に伝達機構ハウジング101に支持されている。中間軸74の外周には中間軸軸受機構94が取り付けられている。そして、中間軸74と同軸の伝達ギヤとしての中間軸ギヤ72が、中間軸軸受機構94を介して、中間軸74に軸支されている。これにより、中間軸ギヤ72は、中間軸74と連動して、第2中心軸AX2方向に移動するとともに、中間軸74回りに回転することができる。
図2に示すように、中間軸ギヤ72は、第2駆動軸ギヤ64と噛み合っている。中間軸ギヤ72の歯幅は、第2駆動軸ギヤ64の歯幅よりも短い。中間軸ギヤ72が、実線で示す位置から二点鎖線で示す位置に移動した場合にも、中間軸ギヤ72は、第2駆動軸ギヤ64と噛み合った状態が維持される。
図1に示すように、主軸10は、さらに、主軸ギヤとしての従動ギヤ78を有する。従動ギヤ78は、主軸10の外周に取り付けられており、主軸10と一体に回転する。従動ギヤ78は、コレットチャック20と、第1モータ40との間、具体的には、第2軸受機構10Bと第3軸受機構10Cとの間に取り付けられている。これにより、後に詳述するように、主軸10の軸方向の長さをコンパクトにすることができる。従動ギヤ78は、中間軸ギヤ72と噛み合っている。
図2に示すように、従動ギヤ78の歯幅は、中間軸ギヤ72の歯幅と略同等である。そして、中間軸ギヤ72が、実線で示す位置から二点鎖線で示す位置に移動した場合には、中間軸ギヤ72と従動ギヤ78との噛み合いは解除される。つまり、中間軸ギヤ72が図2にて実線で示す位置である場合、中間軸ギヤ72と従動ギヤ78とが噛み合い、第2モータ50の回転力が主軸10に伝達される伝達状態となる。一方、中間軸ギヤ72が図2にて二点鎖線で示す位置である場合、中間軸ギヤ72と従動ギヤ78とが噛み合わず、第2モータ50の回転力が主軸10に伝達されない非伝達状態となる。
上記のように、伝達機構100が伝達状態である場合、第2モータ50の回転力は、従動ギヤ78を介して主軸10に与えられる。ここで、従動ギヤ78は、コレットチャック20と、第1モータ40との間に設けられている。これにより、伝達機構100と接続する第2モータ50および減速機60を主軸10と並行に配置することができる。よって、従動ギヤ78を第1モータ40と他端部10Rとの間に設ける構成よりも主軸10の軸方向の長さをコンパクトにすることができる。また、主軸10の他端部10R付近には、主軸円筒部10Hに向かってクーラントを供給するための図示しないクーラント装置などの装置が取り付けられている。よって、第2モータ50および減速機60を主軸10と並行に配置することにより、主軸10の他端部10R付近に配置された装置との干渉を避けることができる。
図1に示すように、油圧装置300は、油圧制御部301と、中間軸ピストン302と、図示しない油圧ポンプと、油圧バルブと、シリンダとを有する。中間軸ピストン302はシリンダ内に収納されている。油圧バルブは、シリンダと中間軸ピストン302とにより形成される第1室と第2室とのいずれに油を送るかを切り替える。油圧制御部301は、電子回路により実現されており、油圧ポンプと、油圧バルブとを制御する。中間軸ピストン302は、中間軸74と嵌め合わされている。シリンダ内の第1室に油が送られた場合、中間軸ピストン302は、前方に移動し、シリンダ内の第2室に油が送られた場合、中間軸ピストン302は、後方に移動する。油圧装置300は、中間軸74を前方に移動させることにより、中間軸ギヤ72と従動ギヤ78とを噛み合わせ、伝達機構100を伝達状態にする。また、油圧装置300は、中間軸74を後方に移動させることにより、中間軸ギヤ72と従動ギヤ78との噛み合いを解除させ、伝達機構100を非伝達状態にする。このように、油圧装置300は、伝達機構100の状態を、減速機60により減速された第2モータ50の回転力を主軸10に伝達する伝達状態と、主軸10に伝達しない非伝達状態とのいずれかに切り替える。
制御装置200は、CPUとメモリとを有するコンピュータとして構成されている。制御装置200は、メモリに記憶されたプログラムに従って、主軸装置1の動作を制御する。例えば、制御装置200は、油圧装置300と、第1モータ40と第2モータ50とを制御する。
A2.加工処理:
図3は、加工処理の手順を示すフローチャートである。図4は外輪の一部を破断して示す軸受400の斜視図である。
図4に示すように、ころ軸受である軸受400は、外輪410と、内輪420と、保持器430と、複数のころ440とを有している。外輪410と、内輪420と、保持器430とは、円環形状を有する。外輪410の直径は、内輪420の直径よりも大きい。そして、内輪420と外輪410との間に、複数のころ440を保持した保持器430が配置されている。保持器430は、円柱形状のころ440を保持するための径方向に貫通する複数の保持穴431が周方向に並んで形成されている。軸受400は、大型風車発電機用軸受であり、例えば大型風車発電機の主軸に外輪410の図示しない取付穴を介して取り付けられて用いられる。ここで、大型風車発電機とは、定格出力が1000kW以上程度の風車である。軸受400の直径ODは、1m以上5m以下程度である。
本実施形態では、軸受400の外輪410の取付穴を加工する場合を例示して説明する。なお、本実施形態に係る主軸装置1は、大型風車発電機用軸受を加工する場合以外にも用いることができる。
主軸装置1のオペレータは、穴加工と研削加工とのいずれを行うかを、図示しない制御装置200が備える入力装置を用いて、制御装置200に入力する。なお、穴加工を行う場合には、コレットチャック20には、穴を加工するための工具が取り付けられる。対して、研削加工を行う場合には、コレットチャック20には、切削するための工具が取り付けられる。
穴加工と研削加工とでは、主軸10に要求される仕様が異なる。具体的には、穴加工では、研削加工よりも高いトルクが要求される。そして、研削加工では、穴加工よりも高い回転数が要求される。本実施形態において、穴加工で要求される最大回転数は、70rpm程度であり、要求されるトルクは、1490Nm程度である。また、研削加工で要求される最大回転数は、4000rpm程度であり、要求されるトルクは、109Nm程度である。
このように、要求仕様が異なる2つの加工について、1つのモータを用いて行おうとする場合、モータの性能は、要求されるトルクの上限に合わせる必要が生じる。そして、上記の高いトルクを出力できるモータは、一般的に大型となる。ここで、本実施形態に係る主軸装置1は、上記したように、第2モータ50と、減速機60とを組み合させた構成を有する。これにより、高トルクを出力可能な大型モータよりも小型のモータで高トルクを要する穴加工を行うことができる。そして、高いトルクを要しない研削加工については、第1モータ40が用いられる。これにより、要求仕様が異なる2つの加工について、第1モータ40と第2モータ50とを使い分けることで、各々の要求仕様を満足するモータを選定することができ、1つのモータを用いる場合よりも低コストにすることができる。また、本実施形態に係る小型のモータである第1モータ40または第2モータ50を用いることにより、1つの大型のモータを用いた装置よりも、主軸装置1の消費電力を低減することができる。
さらに、本実施形態では、制御装置200の制御により、2つの加工の切り替えが行われる。これにより、オペレータによる、例えば中間軸74を摺動させる作業などの切り替え作業を省き、穴加工と研削加工との切り替えを行うことができる。
制御装置200は、ステップS10において、穴加工を入力されたか否かを判断する。具体的に、制御装置200は、穴加工が入力された場合、穴加工を入力されたと判断し、研削加工が入力された場合、穴加工を入力されていないと判断する。
穴加工を入力されたと判断すると(S10:YES)、制御装置200は、第1モードを実行する。具体的には、制御装置200は、ステップS20とステップS30とを行う。制御装置200は、ステップS20において、中間軸74の位置が、従動ギヤ78と中間軸ギヤ72とが噛み合う位置となる伝達状態となるように油圧装置300を制御する。また、制御装置200は、第1モータ40への給電を停止し、第2モータ50に給電する。ステップS30において、制御装置200は、入力された条件を用いて穴加工のための制御を行う。具体的には、制御装置200は、入力された目標回転数となるように、第2モータ50を回転させる。これにより、第2モータ50の回転数が減速され、高トルクの回転力が伝達機構100により主軸10に与えられる。制御装置200は、ステップS50の実行後、本処理ルーチンを終了する。なお、穴加工では、第2モータ50の回転力により主軸10が回転し、これに連動して、ロータ41が回転する。穴加工では、例えば図4に示す保持穴431が加工される。
一方、研削加工を入力されたと判断すると(S10:NO)、制御装置200は、第2モードを実行する。具体的には、制御装置200は、ステップS40とステップS50とを行う。制御装置200は、ステップS40において、中間軸74の位置が、従動ギヤ78と中間軸ギヤ72とが噛み合わない位置となる非伝達状態となるように油圧装置300を制御する。また、制御装置200は、第1モータ40に給電し、第2モータ50への給電を停止する。ステップS50において、制御装置200は、入力された条件を用いて研削加工のための制御を行う。具体的には、制御装置200は、入力された目標回転数となるように、第1モータ40を回転させる。これにより、第1モータ40の高回転数の回転力が主軸10に与えられる。制御装置200は、ステップS30の実行後、本処理ルーチンを終了する。切削加工では、例えば図4に示す外輪410の内周面が加工される。
上記実施形態によれば、主軸装置1は、第1モータ40と、第2モータ50と、油圧装置300とを制御する制御装置200を備える。これにより、オペレータによる切り替え作業を要せず、制御装置200が油圧装置300を制御することにより、第2モータ50の回転により生じる回転力を主軸10に伝達するか否かを切り替えることができる。
また、制御装置200は、加工処理において、穴加工であると判断した場合、第1モードを実行する。第1モードでは、制御装置200は、第1モータ40の回転を停止させ、第2モータ50を回転させ、伝達機構100の状態を伝達状態に切り替える。一方、制御装置200は、穴加工でないと判断した場合、第2モードを実行する。第2モードでは、制御装置200は、第1モータ40を回転させ、第2モータ50の回転を停止させ、伝達機構100の状態を非伝達状態に切り替える。よって、主軸装置1を、第1モードと第2モードとで動作させることができる。
また、第1モードにおける主軸10の回転数は、第2モードにおける主軸10の回転数よりも小さい。第1モードにおける主軸10のトルクは、第2モードにおける主軸10のトルクよりも大きい。よって、第1モードでは、第2モードに対して高トルク、低回転数で主軸10を回転させることができる。第2モードでは、第1モードに対して、低トルク、高回転数で主軸10を回転させることができる。
また、第1モードにおいて、軸受400の穴を加工するための工具がコレットチャック20に取り付けられ、第2モードにおいて、軸受400の周面を切削するための工具がコレットチャック20に取り付けられる。よって、第1モードにおいて軸受400の穴を加工し、第2モードにおいて軸受400の周面を切削することができる。また、軸受400は大型風力発電機用軸受であり、軸受400の直径ODは1m以上である。これにより、大型風力発電機用の軸受400を加工することができる。
また、従動ギヤ78は、コレットチャック20と、第1モータ40との間に位置している。よって、第2モータ50、および減速機60を主軸10と並行に配置することができる。よって、主軸10の軸方向の長さをコンパクトにすることができる。
B.他の実施形態:
(B1)上記実施形態では、油圧制御部301は、制御装置200と別体に設けられているが、油圧制御部301は、制御装置200のCPUがプログラムを実行することにより実現されてもよい。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…主軸装置、3…主軸ハウジング、10…主軸、10A…第1軸受機構、10B…第2軸受機構、10C…第3軸受機構、10F…一端部、10H…主軸円筒部、10R…他端部、10T…テーパ孔、11…第1主軸、12…第2主軸、18…ピストン、20…コレットチャック、30…ドローバー、33…皿ばね、40…第1モータ、41…ロータ、42…ステータ、44…第1駆動軸、46…カップリング部材、50…第2モータ、52…第2モータ軸、60…減速機、62…第2駆動軸、64…第2駆動軸ギヤ、72…中間軸ギヤ、74…中間軸、76…中間軸ピストン、78…従動ギヤ、91…第1駆動軸軸受機構、92…第2駆動軸軸受機構、94…中間軸軸受機構、100…伝達機構、101…伝達機構ハウジング、200…制御装置、300…油圧装置、301…油圧制御部、302…中間軸ピストン、400…軸受、410…外輪、420…内輪、430…保持器、431…保持穴、440…ころ、AX1…第1中心軸、AX2…第2中心軸、AX3…第3中心軸、OD…直径、RA…領域

Claims (6)

  1. 主軸装置であって、
    工具が取り付けられる取付部を有する主軸と、
    前記主軸の外周に配置されたロータを有する第1モータと、
    前記第1モータとは異なる第2モータと、
    前記第2モータの回転速度を減速させる減速機と、
    前記減速機により減速された回転力を前記主軸に伝達するための伝達機構と、
    前記伝達機構の状態を、前記回転力を前記主軸に伝達する伝達状態と、前記回転力を前記主軸に伝達しない非伝達状態とのいずれかに切り替える切替装置と、
    前記第1モータと、前記第2モータと、前記切替装置とを制御する制御装置と、を備える、主軸装置。
  2. 請求項1に記載の主軸装置であって、
    前記制御装置は、
    前記第1モータの回転を停止させ、前記第2モータを回転させ、前記切替装置を前記伝達状態に切り替える第1モードと、
    前記第1モータを回転させ、前記第2モータの回転を停止させ、前記切替装置を前記非伝達状態に切り替える第2モードと、を実行可能である、主軸装置。
  3. 請求項2に記載の主軸装置であって、
    前記第1モードにおける前記主軸の回転数は、前記第2モードにおける前記主軸の前記回転数よりも小さく、
    前記第1モードにおける前記主軸のトルクは、前記第2モードにおける前記主軸の前記トルクよりも大きい、主軸装置。
  4. 請求項3に記載の主軸装置であって、
    前記第1モードにおいて、軸受の穴を加工するための前記工具が前記取付部に取り付けられ、
    前記第2モードにおいて、前記軸受の周面を切削するための前記工具が前記取付部に取り付けられる、主軸装置。
  5. 請求項4に記載の主軸装置であって、
    前記軸受は大型風力発電機用軸受であり、前記軸受の直径は1m以上である、主軸装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の主軸装置であって、
    前記伝達機構は、前記回転力を前記主軸に伝達する伝達ギヤを有し、
    前記主軸は、前記伝達ギヤと噛み合い、前記主軸と一体に回転する主軸ギヤを有し、
    前記主軸ギヤは、前記取付部と、前記第1モータとの間に位置する、主軸装置。
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