JP2023155886A - 樹脂容器の製造方法及び樹脂容器の製造装置 - Google Patents

樹脂容器の製造方法及び樹脂容器の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】視認性に優れた樹脂容器を製造することができる樹脂容器の製造方法の提供。【解決手段】ブロー成形法を用いた本体部とネック部を有する樹脂容器の製造方法であって、プリフォームのネック部及び本体部のネック部側のいずれかに第1のパターンを形成する第1のパターン形成工程と、前記第1のパターンに基づいて、前記プリフォームに第2のパターンを形成する第2のパターン形成工程と、前記第1のパターンに基づいて、ブロー成形後に前記樹脂容器に第3のパターンを形成する第3のパターン形成工程と、を含む樹脂容器の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂容器の製造方法及び樹脂容器の製造装置に関する。
従来からプリフォームにレーザーマーキングして樹脂容器を製造する技術が知られている。例えば、プリフォームの周方向の位置決めを行うことができるプリフォーム位置決め装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この提案では、フランジ部への外形上の不連続部を形成、若しくは印刷によるマーキングを元に、プリフォームの金型への周方向の位置を決めている。
しかしながら、従来のブロー成形法は、樹脂容器自体に切り欠き等を加工して位置情報を配置しているので、プリフォームの段階でレーザーマーキングしても視認性に優れた樹脂容器が製造できないという問題がある。
更に、切り欠き加工を追加するために金型を変更するには、変更に伴う経費及びコストがかかるし、飲料の場合には飲み口の衛生面及び安全面の評価が必要になる。また、プリフォームの段階でレーザーマーキングした樹脂容器をブロー成形する場合、生産性は高いが、ブロー成形後の樹脂容器にレーザーマーキングする場合に比べて画質が落ちるため、高精細な画像又は追加で情報を形成したい場合に、ブロー成形後の樹脂容器に画像を追加したい。このような時に、見やすい位置にレーザーマーキングを行う方法についても確立されていないという課題がある。
本発明は、視認性に優れた樹脂容器を製造することができる樹脂容器の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段としての本発明の樹脂容器の製造方法は、ブロー成形法を用いた本体部とネック部を有する樹脂容器の製造方法であって、プリフォームのネック部及び本体部のネック部側のいずれかに第1のパターンを形成する第1のパターン形成工程と、第1のパターンに基づいて、プリフォームに第2のパターンを形成する第2のパターン形成工程と、第1のパターンに基づいて、ブロー成形後に樹脂容器に第3のパターンを形成する第3のパターン形成工程と、を含む。
本発明によると、視認性に優れた樹脂容器を製造することができる樹脂容器の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂容器の製造方法の処理の流れを示すフローチャートである。 図2は、本発明の一実施形態に係る樹脂容器の製造装置の構成例を示す図である。 図3は、本発明の一実施形態に係るレーザー照射部の構成例を示す図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る制御部の機能構成例を示すブロック図である。 図5は、プリフォームにおける基材の性状変化例を示す図であり、(a)は蒸散による形状変化の図、(b)は溶融による形状変化の図、(c)は結晶化状態変化の図、(d)は発泡状態変化の図である。 図6は、第1のパターンと第2のパターンが形成されたプリフォームの一例を示す概略図である。 図7Aは、第1のパターンと第2のパターンが形成されたプリフォームの他の一例を示す概略図である。 図7Bは、第1のパターンと第2のパターンが形成されたプリフォームの他の一例を示す概略図である。 図8は、本体部におけるネック部の近くに形成された第1のパターンの一例を示す概略図である。 図9Aは、第1のパターンの形成例の一例を示す概略図である。 図9Bは、第1のパターンの形成例の他の一例を示す概略図である。 図9Cは、第1のパターンの形成例の他の一例を示す概略図である。 図10は、第2のパターンと第3のパターンが正しい位置に形成されている樹脂容器の一例を示す概略図である。 図11は、第2のパターンと第3のパターンが誤った位置に形成されている樹脂容器の一例を示す概略図である。 図12は、第2のパターンと第3のパターンが誤った位置に形成されている樹脂容器の他の一例を示す概略図である。 図13は、第2のパターンが正しい位置に形成されている樹脂容器のおもて側の面の一例を示す概略図である。 図14は、第3のパターンが正しい位置に形成されている樹脂容器のうら側の面の一例を示す概略図である。 図15は、第2のパターンと第3のパターンが誤った位置に形成されている樹脂容器の一例を示す概略図である。
(樹脂容器の製造方法及び樹脂容器の製造装置)
本発明の樹脂容器の製造方法は、第1の形態では、ブロー成形法を用いた本体部とネック部を有する樹脂容器の製造方法であって、プリフォームのネック部及び本体部のネック部側のいずれかに第1のパターンを形成する第1のパターン形成工程と、第1のパターンに基づいて、プリフォームに第2のパターンを形成する第2のパターン形成工程と、第1のパターンに基づいて、ブロー成形後に樹脂容器に第3のパターンを形成する第3のパターン形成工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の樹脂容器の製造装置は、第1の形態では、ブロー成形法を用いた本体部とネック部を有する樹脂容器の製造装置であって、プリフォームのネック部及び本体部のネック部側のいずれかに第1のパターンを形成する第1のパターン形成手段と、第1のパターンに基づいて、プリフォームに第2のパターンを形成する第2のパターン形成手段と、第1のパターンに基づいて、ブロー成形後に樹脂容器に第3のパターンを形成する第3のパターン形成手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の第1の形態に係る樹脂容器の製造方法は、本発明の第1の形態に係る樹脂容器の製造装置により好適に実施することができ、第1のパターン形成工程は第1のパターン形成手段により行うことができ、第2のパターン形成工程は第2のパターン形成手段により行うことができ、第3のパターン形成工程は第3のパターン形成手段により行うことができ、その他の工程はその他の手段により行うことができる。
本発明の第1の形態に係る樹脂容器の製造方法及び樹脂容器の製造装置においては、プリフォームのネック部及び本体部のネック部側のいずれかに第1のパターンを形成する第1のパターン形成工程と、第1のパターンに基づいて、プリフォームに第2のパターンを形成する第2のパターン形成工程と、第1のパターンに基づいて、ブロー成形後の樹脂容器に第3のパターンを形成する第3のパターン形成工程とを含むことにより、第1のパターンに基づいて、ブロー成形後の樹脂容器に第3のパターンを形成するので、視認性に優れた樹脂容器を製造できる。即ち、ブロー成形前にプリフォームに形成された第2のパターンは、ブロー成形されると、プリフォーム段階から縦横比率等が変化し、予想される拡大率通りの画像にならず視認性が低下することがある。本発明においては、第1のパターンに基づいて、ブロー成形後の樹脂容器に第3のパターンが形成されるので、縦横比率等が変化せず、第2のパターンに比べてより視認性が向上する。
また、本発明においては、第1のパターンと第2のパターンの相対的な位置が一定であるため、第1のパターンに基づいて第3のパターンを最適な位置に形成できる。
ここでいう「最適」とは、第3のパターンが第2のパターンと重ならず、第2のパターンと第3のパターンの位置関係が常に一定であることを意味する。
第1のパターンは単純パターン(例えば、縦線)であるため、簡易な投受光装置、例えば、LED又はPDを用いた簡易で安価な投受光装置によって、第1のパターンを認識できる。これより、第2のパターンが形成されている箇所の特定が容易である。
また、第1のパターンが無ければ、第2のパターンの位置を特定するのに、大規模な認識装置が必要となる。例えば、カメラやラインセンサー等で画像を取り込み、画像処理を行って第3のパターンを形成する箇所を設定することになり、認識装置自体が高価になる。
更に、第1のパターンがあることにより、第2のパターンの位置を認識する画像処理装置、例えばカメラ又はラインセンサー等で画像を取り込んで画像処理することにより、第2のパターンの位置を把握する画像処理装置を用いることなく、LED又はPDを用いた簡易で安価な投受光装置によって、第1のパターンを認識して第2のパターンの位置が把握できるので、装置全体のコスト低減が図れる。
<第1のパターン形成工程及び第1のパターン形成手段>
第1のパターン形成工程は、プリフォームのネック部及び本体部のネック部側のいずれかに第1のパターンを形成する工程であり、第1のパターン形成手段により行われる。
第1のパターン形成手段としては、プリフォームに第1のパターンを形成することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レーザーマーキング装置、インクジェットプリンタ、金型などが挙げられる。
-プリフォーム-
PETボトル等の樹脂容器として膨らませる前の段階の中間製品をプリフォームという。プリフォームはPETボトル等の樹脂容器に比べて1/5~1/10の体積である。
プリフォームの材質、形状、大きさ、構造、色などについて特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
プリフォームの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂などが挙げられる。
プリフォームの樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリブチレンアジペート/テレフタレート(PBAT)、ポリエチレンテレフタレートサクシネート、ポリエチレン(PE)、ポリプロビレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、エポキシ、バイオポリブチレンサクシネート(PBS)、スターチブレンドポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレートサクシネート、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシプチレート/ヒドロキシヘキサノエート(PHBH)、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、バイオPET30、バイオポリアミド(PA)610,410,510、バイオPA1012,10T、バイオPA11T,MXD10、バイオポリカーポネート、バイオポリウレタン、バイオPE、バイオPET100、バイオPA11、バイオPA1010などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境負荷の点から、ポリビニルアルコール、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリエチレンテレフタレートサクシネート等の生分解樹脂が好ましい。
プリフォームの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボトル状、円柱状、非円筒形状としての四角柱状及び多角柱状、楕円柱状などが挙げられる。これらの中でも、ボトル状が好ましい。
ボトル状のプリフォームは、ネック部と、ネック部に連結された本体部と、本体部に連結された底部とを備えている。
プリフォームの大きさとしては、特に制限はなく、樹脂容器の大きさに応じて適宜選択することができる。
プリフォームの構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層構造であっても複数層構造であっても構わない。
プリフォームの色としては、例えば、無色透明、有色透明、有色不透明などが挙げられる。これらの中でも、無色透明が好ましい。
プリフォームの成形方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、射出成形法などにより成形することができる。
ブロー成形としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プリフォームをブロー成形機にセットし、プリフォームを加熱する。次に、加熱したプリフォーム内に延伸ロッドを挿入し、挿入した延伸ロッドから圧縮空気が供給されるとともに、延伸ロッドが伸長する。これによって、プリフォームが縦方向及び横方向に延伸され、樹脂容器が成形される。
第1のパターンとしては、ブロー成形する際の金型に対するプリフォームの周方向の位置決めをすることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、線、文字、記号、突起、凸部、凹部、切込みなどが挙げられる。
<第2のパターン形成工程及び第2のパターン形成手段>
第2のパターン形成工程は、第1のパターンに基づいて、プリフォームに第2のパターンを形成する工程であり、第2のパターン形成手段により行われる。
第2のパターン形成手段としては、プリフォームに第2のパターンを形成することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レーザーマーキング装置、インクジェットプリンタ、金型などが挙げられる。また、プリフォームに第1のパターンが形成されていることにより、第2のパターンの位置を認識する画像処理装置が必要なく、LED又はPDを用いた簡易で安価な投受光装置で、第1のパターンを認識することにより、安価な装置で実現できる。
第2のパターンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、文字、記号、図形、画像、コード等を含み、具体的には、名称、成分、識別番号、製造業者名、製造日時、賞味期限、バーコード、QRコード(登録商標)、リサイクルマーク、又はロゴマークなどが挙げられる。
<第3のパターン形成工程及び第3のパターン形成手段>
第3のパターン形成工程は、第1のパターンに基づいて、ブロー成形後に樹脂容器に第3のパターンを形成する工程であり、第3のパターン形成手段により行われる。
第3のパターン形成手段としては、ブロー成形後に樹脂容器に第3のパターンを形成することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レーザーマーキング装置、インクジェットプリンタなどが挙げられる。また、ブロー成形後に内容物充填や検査等の工程を行った後、第1のパターンに基づいて、第3のパターンを形成してもよい。
第3のパターンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、文字、記号、図形、画像、コード等を含み、具体的には、名称、成分、識別番号、製造業者名、製造日時、賞味期限、バーコード、QRコード(登録商標)、リサイクルマーク、又はロゴマークなどが挙げられる。
<その他の工程及びその他の手段>
その他の工程としては、例えば、搬送工程、制御工程などが挙げられる。
その他の手段としては、例えば、搬送手段、制御手段などが挙げられる。
本発明の一態様において、第1のパターン、第2のパターン、及び第3のパターンの少なくとも1つはレーザーマーキングにより形成される。
第1のパターンは、樹脂容器の口部に金型等で切り欠きのような形状で形成してもよいが、新たに金型を作製したり、切削加工が必要となり、コストがかかってしまう。また飲料向け樹脂容器の場合は、口部は消費者が直接口にする部分であるため、安全性等の点から再評価が必要となり余計な工数がかかってしまう。一方、第1のパターンをレーザーマーキングにより形成すると金型を作製する必要がなく、飲料向け樹脂容器の場合でも、樹脂容器表面から数十μm程度の深さまでしか加工されないので口部の形状に変化を与えず、安全性等の点から再評価をし直すこともないので低コストで実現できる。
また、第3のパターンは、ブロー成形後の樹脂容器に、樹脂シートなどを用いて形成することもできるが、第3のパターンをレーザーマーキングで形成することによって樹脂シートなどを使用せずに済むため、樹脂の使用量を削減できる。
本発明の一態様において、第2のパターンと第3のパターンが重なって形成されず、かつ第2のパターンと第3のパターンの樹脂容器上での周方向の位置が同じである。
第2のパターンと第3のパターンが重なって形成されたり、第2のパターンと第3のパターンの樹脂容器上での周方向の位置が異なると、消費者に誤った情報を与えたり、視覚から与える商品品質のイメージを低下させてしまう。本発明においては第1のパターンと第2のパターンの位置関係の対応が取れているので、第1のパターンに基づき、第2のパターンと第3のパターンが重なって形成されず、かつ第2のパターンと第3のパターンの樹脂容器上での周方向の位置が同じになるように形成できる。
本発明の一態様において、第2のパターンは文字、画像、及び図形のいずれかであり、第3のパターンは文字、画像、及び図形のいずれかである。
第2のパターンは、樹脂容器の内容物に関するメーカ名、ロゴ、商品名、商品イメージなどであり、文字や画像、図形等で示される。また、内容物の説明、成分構成、使用又は飲食に伴う注意書き等の文字を示す。
また、第3のパターンについても第2のパターンと同様で、更に商品について必要な情報等を文字、画像、図形で示している。
本発明の一態様において、第1のパターンをプリフォームに形成する場所が、プリフォームにブローエアーを入れる開口部の近くである。この態様によると、プリフォームにブローエアーを入れる開口部の近くは、ブロー成形の際の膨張率が小さいので、外観検査機にて、予め検査対象外に設定しておけば、外観検査に支障が出ることはない。また、この態様により安価な装置で第1のパターンを認識可能である。
本発明の一態様において、第1のパターンをプリフォームに形成する場所が、プリフォームをブロー成形する際に変形しない非変形領域である。非変形領域とは、プリフォームをブロー成形する際に延伸されず、変形しない領域である。この態様によると、非変形領域はブロー成形後や内容物充填後の外観検査の対象外なので、第1のパターンが外観検査で異常として検出されることがない。また、この態様により第1のパターンを安価な装置で認識可能である。
本発明の樹脂容器の製造方法は、第2の形態では、ブロー成形法を用いた本体部とネック部を有する樹脂容器の製造方法であって、プリフォームに第2のパターンを形成する第2のパターン形成工程と、前記第2のパターンを形成した後に、前記プリフォームのネック部及び本体部のネック部側のいずれかに第1のパターンを形成する第1のパターン形成工程と、前記第1のパターンに基づいて、ブロー成形後に前記樹脂容器に第3のパターンを形成する第3のパターン形成工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の第2の形態に係る樹脂容器の製造方法及び樹脂容器の製造装置における第1のパターン形成工程及び第1のパターン形成手段、第2のパターン形成工程及び第2のパターン形成手段、第3のパターン形成工程及び第3のパターン形成手段、並びにその他の工程及びその他の手段は、本発明の第1の形態に係る樹脂容器の製造方法及び樹脂容器の製造装置における第1のパターン形成工程及び第1のパターン形成手段、第2のパターン形成工程及び第2のパターン形成手段、第3のパターン形成工程及び第3のパターン形成手段、並びにその他の工程及びその他の手段と同様であるため、これらの説明を省略する。
ここで、図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂容器の製造方法の処理の流れを示すフローチャートである。以下、本発明の樹脂容器の製造方法の処理の流れについて説明する。
ステップS1では、樹脂容器の製造装置の制御部は、プリフォームに第1のパターンを形成すると、処理をS2に移行する。
第1のパターンは、特に制限はなく、プリフォームの所定の位置に形成されるが、プリフォームの凹凸の少ない領域に形成されることが好ましい。ネックリング、ネジ山部、及びサポートリングは、認識装置の光学センサの種類によっては認識されにくい場合もあるからである。また、完成した樹脂容器に内容物を充填後、内容物より下部領域に第1のパターンが形成されていると、生産工程における異物検査が困難になる。したがって、内容物の充填される領域より上部、即ち、プリフォームのネック部に第1のパターンが形成されることが好ましい。
第1のパターンの大きさは、第1のパターンの形成時間を考慮して小さいほうが好ましい。第1のパターンの認識は、認識装置の光学センサの性能に依存する。したがって、第1のパターンは認識装置で認識可能な大きさであり、かつ小さいことが好ましい。具体的には、第1のパターンの大きさは、0.1mm以上200mm以下であることが好ましい。第1のパターンの大きさとは、第1のパターンが例えば縦線である場合には、縦線の長さ方向の最大長さを意味する。
第1のパターンの形状は、認識装置で読み取り可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、プリフォームの軸方向に第1のパターンの変化が少ないことが好ましい。プリフォームの軸方向に第1のパターンの形状の変化が大きいと、認識装置で読み取られる第1のパターンの位置が変動してしまい、ブロー成形後の第2のパターンの形成位置の変動も大きくなってしまうためである。
ステップS2では、樹脂容器の製造装置の制御部は、第1のパターンに基づいて第2のパターンを形成すると、処理をS3に移行する。
第2のパターンは、プリフォームのブロー成形後の表面積拡大率が高い領域に形成されることが好ましい。第2のパターンは、商品名、法定表示等の画像や文字で形成され、商品の訴求性を担保するため、表面積拡大率が高い領域の方が、プリフォーム形成時の加工面積が小さいので、プリフォームへの第2のパターンの形成時間を低減でき、生産性を向上させることができる。
第2のパターンの周方向の形成位置は、第1のパターンに対して第2のパターン領域の外周部、若しくは第2のパターンの中心部が所定の位置となるように形成されることが好ましい。
第2のパターンの大きさ及び形状は、商品名、法定表示等の画像や文字が、商品の訴求性や所定の規定を満たしていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、プリフォームへの加工の生産性の点から小さいほうが好ましい。具体的には、第2のパターンの大きさは、1mm以上200mm以下であることが好ましい。第2のパターンの大きさとは、第2のパターンが例えば画像又は文字である場合には、画像又は文字全体の幅方向の最大長さを意味する。
ステップS3では、プリフォームにブローエアーを入れると、処理をS4に移行する。
プリフォームの開口部からブローエアーが入れられ、ブロー成形が行われ、樹脂容器が製造される。
ステップS4では、樹脂容器の製造装置の制御部は、第1のパターンに基づいて第3のパターンを形成すると、本処理を終了する。
第1のパターンに基づいて第3のパターンの配置が決められるので、第2のパターンとある程度重なっても、その重なりの程度を調整できるので、第3のパターンの視認性が低下することがない。したがって、第1のパターンに基づいて第3のパターンを形成する位置は、商品価値の訴求性低下及び視認性が低下しない位置であれば特に限定されない。
ステップS2及びS4は、レーザーマーキングはレーザー照射装置を用いて行われる。ステップ3は、レーザー照射装置とは異なる装置を用いてもよいし、成形装置を用いてもよく、レーザー照射装置と成形装置を一体化した製造装置を用いてもよい。
図2に示すように、製造装置100は、レーザー照射部2と、回転機構3と、保持部31と、移動機構4と、集塵部5と、制御部6とを備えている。製造装置100は、円筒状のプリフォーム30を、保持部31を介してプリフォーム30の円筒軸10回りに回転可能に保持する。そして、レーザー照射部2からプリフォーム30にレーザー光を照射して、プリフォーム30を構成する基材の性状を変化させることで、プリフォーム30の表面に第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかを形成する。
レーザー照射部2は、レーザー光源から射出されるレーザー光を図2のY方向に走査し、正のZ方向に配置されているプリフォーム30に向けて、加工レーザービーム20を照射する。
回転機構3は、保持部31を介してプリフォーム30を保持している。保持部31は回転機構3が備える駆動部としてのモータ(図示を省略)のモータ軸に接続されるカップリング部材であり、一端をプリフォーム30の口部に挿し込んでプリフォーム30を保持する。モータ軸の回転により、保持部31を回転させることで、保持部31に保持されたプリフォーム30を円筒軸10回りに回転させる。
移動機構4は、テーブルを備える直動ステージであり、移動機構4のテーブル上には回転機構3が載置されている。移動機構4は、テーブルをY方向に進退させることで、回転機構3、保持部31及びプリフォーム30を一体にしてY方向に進退させる。
集塵部5は、プリフォーム30における加工レーザービーム20が照射される部分の近傍に配置されたエアー吸引装置である。加工レーザービーム20の照射により第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかを形成する際に生じるプルームや粉塵をエアーの吸引により収集することで、プルームや粉塵による製造装置100、プリフォーム30及び周辺の汚れを防止する。
制御部6は、レーザー光源21、走査部23、回転機構3、移動機構4及び集塵部5のそれぞれにケーブル等を介して電気的に接続されており、制御信号を出力することでそれぞれの動作を制御する。
製造装置100は、制御部6による制御下で、回転機構3によりプリフォーム30を回転させながら、Y方向に走査される加工レーザービーム20をレーザー照射部2によりプリフォーム30に照射する。そして、プリフォーム30における基材の表面及び内部の少なくとも一方に第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかを2次元的に形成する。
ここで、レーザー照射部2による加工レーザービーム20のY方向への走査領域は、範囲が制限される場合がある。そのため、走査領域より広い範囲に第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかを形成する場合には、製造装置100は移動機構4でプリフォーム30をY方向に移動させることで、プリフォーム30における加工レーザービーム20の照射位置をY方向にずらす。その後、再び回転機構3によりプリフォーム30を回転させながら、レーザー照射部2で加工レーザービーム20をY方向に走査することで、プリフォーム30における基材の表面及び内部の少なくとも一方に第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかを形成する。これにより、プリフォーム30のより広い領域に第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかを形成できる。
次に、レーザー照射部2の構成について説明する。図3は、レーザー照射部2の構成の一例を示す図である。図3に示すように、レーザー照射部2は、レーザー光源21と、ビームエキスパンダ22と、走査部23と、走査レンズ24と、同期検知部25とを備えている。
レーザー光源21はレーザー光を射出するパルスレーザーである。レーザー光源21は、レーザー光が照射されたプリフォーム30における基材の表面及び内部の少なくとも一方の性状を変化させるために好適な出力(光強度)のレーザー光を射出する。
レーザー光源21は、レーザー光の射出のオン又はオフの制御、射出周波数の制御、及び光強度制御等が可能になっている。レーザー光源21の一例として、波長が532nmで、レーザー光のパルス幅が16ピコ秒、平均出力4.9Wのレーザー光源を用いることができる。プリフォーム30における基材の性状を変化させる領域でのレーザー光の直径は1μm以上200μm以下であることが好ましい。
また、レーザー光源21は、1つのレーザー光源で構成されてもよいし、複数のレーザー光源で構成されてもよい。複数のレーザー光源を用いる場合、レーザー光源毎にオン又はオフの制御、射出周波数の制御及び光強度制御等を独立に行えるようにしてもよい。
レーザー光源21から射出された平行光のレーザー光は、ビームエキスパンダ22により直径が拡大され、走査部23に入射する。
走査部23は、モータ等の駆動部により反射角度を変化させる走査ミラーを備えている。走査ミラーによる反射角度を変化させることで、入射するレーザー光をY方向に走査する。この走査ミラーとしては、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、又はMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーなどを用いることができる。
なお、本実施形態では走査部23がレーザー光をY方向に1次元走査する例を示すが、これに限定されるものではない。走査部23は、直交する2方向に反射角度を変化させる走査ミラーを用いてレーザー光をXY方向に2次元走査してもよい。
但し、円筒状のプリフォーム30の表面にレーザー光を照射する場合は、XY方向に2次元走査すると、X方向への走査に応じてプリフォーム30の表面上でのビームスポット径が変化するため、このような場合は1次元走査のほうが好ましい。
走査部23により走査されるレーザー光は、加工レーザービーム20としてプリフォーム30における基材の表面及び内部の少なくとも一方に照射される。
走査レンズ24は、走査部23により走査される加工レーザービーム20の走査速度を一定にするとともに、プリフォーム30における基材の表面及び内部の少なくとも一方の所定位置に、加工レーザービーム20を収束させるfθレンズである。プリフォーム30における基材の性状を変化させる領域で、加工レーザービーム20のビームスポット径が最小になるように走査レンズ24とプリフォーム30が配置されることが好ましい。なお、走査レンズ24は複数のレンズの組み合わせにより構成されてもよい。
同期検知部25は、加工レーザービーム20の走査と回転機構3によるプリフォーム30の回転とを同期させるために用いられる同期検知信号を出力する。同期検知部25は、受光した光強度に応じた電気信号を出力するフォトダイオードを備え、フォトダイオードによる電気信号を同期検知信号として制御部6に出力する。
図3では、加工レーザービームを走査する例を示したが、加工レーザービームを例えば印字幅の範囲に多数設けて加工レーザービームアレイとし、プリフォーム30を回転させることで、プリフォーム上を多数のレーザービームで1方向に走査する構成とすることも可能である。
次に、図4は制御部6の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、制御部6は、パターンデータ入力部61と、パターンパラメータ指定部62と、格納部63と、加工データ生成部64と、レーザー照射制御部65と、レーザー走査制御部66と、回転制御部67と、移動制御部68と、集塵制御部69とを備えている。
パターンデータ入力部61は、プリフォーム30における基材の表面及び内部の少なくとも一方に形成する第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかのパターンデータをPC(Personal Computer)やスキャナ等の外部装置から入力する。第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかのパターンデータは、例えばバーコード、QRコード(登録商標)等のコードや文字、図形、写真等のパターンを示す情報と、第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかの種類を示す情報とを含む電子データである。
但し、第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかのパターンデータは、外部装置から入力されるものに限定はされない。製造装置100のユーザが制御部6のキーボードやポインティングデバイスを用いて生成した第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかデータを入力することもできる。
パターンデータ入力部61は、入力した第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかのパターンデータを加工データ生成部64及びパターンパラメータ指定部62のそれぞれに出力する。
パターンパラメータ指定部62は、第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかを形成するための加工パラメータを指定する。
第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかの加工パラメータは、第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかとしての線の種類や太さ、加工深さ、或いは線の集合体における隣接する線同士の間隔又は配置等を指定する情報である。或いは第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかとしての点の種類、大きさ、加工深さ、或いは点の集合体における隣接する点同士の間隔又は配置等を指定する情報である。
線の種類は直線や曲線等を示す情報である。点の種類は、円や楕円、矩形、菱形等の点の形状を示す情報である。第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかは周期性を有するように構成されてもよいし、非周期に構成されてもよい。但し、周期性を有するように構成すると、パラメータの指定をより簡略化できるため好適である。
文字、コード、図形又は写真等の第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかの種類に対応して、視認性を向上させるために適した第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかの加工パラメータは、予め実験やシミュレーションにより定められている。格納部63は、このような第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかの種類と加工パラメータとの対応関係を示すテーブルを格納する。
パターンパラメータ指定部62は、パターンデータ入力部61から入力した第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかの種類を示す情報に基づき、格納部63を参照して第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかの加工パラメータを取得して指定することができる。
但し、パターンパラメータ指定部62による指定方法は上述したものに限定されるものではない。パターンパラメータ指定部62は、制御部6のキーボードやポインティングデバイスを介してユーザの指示を受け付け、この指示に基づき格納部63を参照して第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかの加工パラメータを取得してもよい。
また、パターンパラメータ指定部62は、製造装置100のユーザが制御部6のキーボードやポインティングデバイスを用いて生成した第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかの加工パラメータを取得してもよい。
加工データ生成部64は、第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかのパターンデータと、第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかの加工パラメータとに基づいて、第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかを形成するための加工データを生成する。
加工データは、回転機構3がプリフォーム30を回転させるための回転条件データと、レーザー照射部2が加工レーザービーム20を走査するための走査条件データと、レーザー照射部2がプリフォーム30の回転に同期して加工レーザービーム20を照射するための照射条件データとを含む。また、移動機構4がプリフォーム30をY方向に移動させるための移動条件データと、集塵部5が集塵動作を行うための集塵条件データとを含む。
加工データ生成部64は、レーザー照射制御部65、レーザー走査制御部66、回転制御部67、移動制御部68及び集塵制御部69のそれぞれに対し、生成した加工データを出力する。
レーザー照射制御部65は、光強度制御部651と、パルス制御部652とを備え、照射条件データに基づき、レーザー光源21によるプリフォーム30への加工レーザービーム20の照射を制御する。またレーザー照射制御部65は、同期検知部25からの同期検知信号に基づき、回転機構3によるプリフォーム30の回転に同期して加工レーザービーム20をプリフォーム30への照射タイミングを制御する。なお、同期検知信号を用いた照射タイミング制御には、特開2008-073894号公報等の公知技術を適用できるため、ここでは詳細な説明を省略する。
レーザー光源21が複数のレーザー光源で構成される場合は、レーザー照射制御部65は複数のレーザー光源毎に独立して上記の制御を行う。
光強度制御部651は加工レーザービーム20の光強度を制御し、パルス制御部652は加工レーザービーム20のパルス幅及び照射タイミングを制御する。
レーザー走査制御部66は、走査条件データに基づき、走査部23による加工レーザービーム20の走査を制御する。具体的には走査ミラーの駆動のオン又はオフの制御、駆動周波数の制御等を行う。
回転制御部67は、回転条件データに基づき、回転機構3によるプリフォーム30の回転駆動のオン又はオフ、回転角度、回転方向及び回転速度等を制御する。なお、回転制御部67は、プリフォーム30を所定の回転方向に連続して回転させてもよいし、回転方向を切り替えながら±90度等の所定の角度範囲内でプリフォーム30を往復回動(搖動)させてもよい。
移動制御部68は、移動条件データに基づき、移動機構4によるプリフォーム30の移動駆動のオン又はオフ、移動方向、移動量及び移動速度等を制御する。
集塵制御部69は、集塵条件データに基づき、集塵部5による集塵のオン又はオフの制御、吸引するエアー流量又は流速等を制御する。なお、集塵部5を移動させるための機構部を設け、加工レーザービーム20が照射される位置の近傍に集塵部5が配置されるように、機構部による集塵部5の移動を制御してもよい。
次に、加工レーザービーム20の照射によるプリフォーム30を構成する基材の性状変化について説明する。図5は、加工レーザービーム20の照射によるプリフォームの基材の性状変化の一例を示す図である。
図5(a)は、プリフォームの表面の基材を蒸散させて形成した凹部形状を示し、図5(b)は、プリフォームの表面の基材を溶融させて形成した凹部形状を示している。図5(b)の場合、図5(a)に対して凹部の周縁部が盛り上がった形状になる。
また、図5(c)は、プリフォームの基材表面の結晶化状態の変化を示し、図5(d)は、プリフォームの基材内部の発泡状態の変化を示している。
このように、プリフォームの表面の形状を変化させたり、基材表面の結晶化状態、又は基材内部の発泡状態等の性質を変化させたりすることで、プリフォームの表面又は内部に第1のパターン及び第2のパターンの少なくともいずれかを形成できる。
プリフォームの表面の基材を蒸散させて凹部形状を形成する方法として、例えば、波長が355nm~1064nm、パルス幅が10fsから500nm以下のパルスレーザーを照射する。これによりレーザービームが照射された部分の基材が蒸散し、表面に微小な凹部が形成できる。
また、波長が355nm~1064nmのCW(Continuous Wave)レーザーを照射することで、基材を溶融させて凹部を形成することも可能である。また、基材が溶融した後も、レーザービームを照射し続けると、基材の内部及び表面が発泡し、白濁化させることができる。
結晶化状態を変化させるためには、例えば基材をPETとし、波長が355nm~1064nmのCWレーザーを照射して、基材の温度を一気に上げ、その後、パワーを弱くしていく等により徐冷していくことで、基材のPETを結晶化状態にすることができ、白濁化させることができる。なお、温度を上げた後、レーザービームを消灯する等により急冷すると、PETは非晶質状態になり、透明になる。
プリフォームの基材性状の変化は、図5に示したものに限定されるものではない。樹脂材料で構成された基材の黄変や酸化反応、表面改質等により基材の性状を変化させてもよい。
なお、ブロー成形後の樹脂容器に第3のパターンをレーザーマーキングで形成する場合には、図2~図5に示した方法と同様にして行うことができる。
ここで、本発明の樹脂容器の製造方法及び樹脂容器の製造装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状などは本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状などにすることができる。
<第1の実施形態>
図6は、第1のパターン11と第2のパターン12とが形成されたプリフォーム30を示す概略図である。
図6のプリフォーム30は、ネック部16と本体部15とを有する。
ネック部16は、平面部19、ネジ山部41(雄ネジ)、ネックリング14、及びサポートリング42を有する。
ネジ山部41は、平面部19に形成され、キャップに螺合締着されて密封されるようになっている。
ネックリング14及びサポートリング42は、平面部19から突出して形成される。
第1のパターン11が形成される場所は、ネック部16、若しくは本体部15の上部、即ち本体部のネック部側17が好ましく、ネックリング14から20mm以内であれば、ブロー成形された際の変形量が小さい点からより好ましく、ネックリング14から10mm以内であれば、第3のパターンを形成する際の位置情報の点から更に好ましい。
第1のパターン11を形成する第1のパターン形成手段と第2のパターン12を形成する第2のパターン形成手段とは同一の装置でもよく、別の装置でもよい。また、第1のパターン手段は、プリフォーム30が射出成形時に金型側に切り欠き等の形状が形成されるように加工された金型でもよいし、インクジェットプリンタ、レーザーマーキング装置などの印字装置であってもよい。
また、これらが別の工程、例えば、第1のパターン11が形成された後に、第2のパターン12が形成されてもよいし、第1のパターン形成工程の次に別の工程があり、その別の工程の次に第2のパターン12を形成してもよい。また逆に第2のパターン12を形成した後に第1のパターン11を形成してもよいし、第2のパターン12を形成した後に、別の工程があり、その別の工程の次に第1のパターン11を形成してもよい。
第1のパターン11を形成する工程と第2のパターン12を形成する工程が同一であればより好ましい。第1のパターン形成工程と第2のパターン形成工程とが同一であると、互いのパターンどうしの位置ずれが小さくなり、同一の装置であれば位置ずれがより小さくなる点から更に好ましい。
第1のパターン11は、図6ではサポートリング42とネックリング14の間の平面部19に形成されている。ネック部16は、ブロー成形の際に変形しないので、第1のパターン11の位置が変化しない。図7Aでは第1のパターン11は、ネック部16のネックリング14に形成されている。図7Bでは第1のパターン11は、ネック部16の平面部19に形成されている。図7A及び図7Bでは第2のパターン12は、本体部15に形成されている。
第1のパターン11を本体部15に形成する場合には、図8に示すようにネック部16の近くであればブロー成形後の変形量が小さいので、ネック部16の近くの本体部15に形成することが好ましい。即ち、プリフォーム30の段階では、第1のパターン11がネックリング14の下端から20mm以内が好ましく、ネックリング14の下端から10mm以内がより好ましい。
第1のパターン11の形状については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低コストで簡易な光学センサでも容易に読み取れ、位置情報を把握しやすい点から、図8に示すような、ネック部16に対して垂直な短い線分であることが好ましい。
図8では、第1のパターン11はプリフォーム30をブロー成形する際に変形しない非変形領域に形成されており、非変形領域はブロー成形後及び内容物充填後の外観検査の対象外なので第1のパターン11が異常として検出されないという利点がある。この非変形領域18には第1のパターン11を形成することが好ましい。例えば、図9Aは第1のパターン11がネックリング14に形成されている例である。図9Bは第1のパターン11がプリフォームにブローエアーを入れる開口部近傍の平面部19に形成されている例である。図9Cは第1のパターン11がサポートリング42に形成されている例である。
<第2の実施形態>
第1のパターン11に基づいて、プリフォーム30をブロー成形後に、樹脂容器40に第3のパターン13を形成する。
第2の実施形態においては、第2のパターン12と第3のパターン13が重なって形成されず、かつ第2のパターンと第3のパターンの樹脂容器上での周方向の位置が同じであることが好ましい。
図10は、第2のパターン12と第3のパターン13が正しい位置に形成されている樹脂容器40である。図11は、第2のパターン12に対して第3のパターン13が周方向の右側にずれた誤った位置に形成されている樹脂容器40である。図12は、第2のパターン12に対して第3のパターン13が周方向の左側にずれた誤った位置に形成されている樹脂容器40である。
図11及び図12のように、第2のパターン12と第3のパターン13が樹脂容器40の誤った位置に形成されると、消費者が視覚からうける商品のイメージを著しく低下させてしまう。
また、図13は、第2のパターン12が正しい位置に形成されている樹脂容器40のおもて側の面を示し、図14は、第3のパターン13が正しい位置に形成されている樹脂容器40のうら側の面を示す。図15は、第2のパターン12と第3のパターン13が一部重なった誤った位置に形成されている樹脂容器40である。図15に示すように、第2のパターン12と第3のパターン13が一部重なって形成されると、樹脂容器を購入した消費者に誤った情報を与えてしまったり、視覚から受ける商品品質のイメージを著しく低下させてしまう。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更しても差支えない。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> ブロー成形法を用いた本体部とネック部を有する樹脂容器の製造方法であって、
プリフォームのネック部及び本体部のネック部側のいずれかに第1のパターンを形成する第1のパターン形成工程と、
前記第1のパターンに基づいて、前記プリフォームに第2のパターンを形成する第2のパターン形成工程と、
前記第1のパターンに基づいて、ブロー成形後に前記樹脂容器に第3のパターンを形成する第3のパターン形成工程と、
を含むことを特徴とする樹脂容器の製造方法である。
<2> 前記第1のパターン、前記第2のパターン、及び前記第3のパターンの少なくとも1つがレーザーマーキングにより形成される、前記<1>に記載の樹脂容器の製造方法である。
<3> 前記第2のパターンと前記第3のパターンが重なって形成されず、かつ前記第2のパターンと前記第3のパターンの樹脂容器上での周方向の位置が同じである、前記<1>から<2>のいずれかに記載の樹脂容器の製造方法である。
<4> 前記第2のパターンが文字、画像、及び図形の少なくともいずれかであり、
前記第3のパターンが文字、画像、及び図形の少なくともいずれかである、前記<1>から<3>のいずれかに記載の樹脂容器の製造方法である。
<5> 前記第1のパターンを前記プリフォームに形成する場所が、前記プリフォームにブローエアーを入れる開口部の近くである、前記<1>から<4>のいずれかに記載の樹脂容器の製造方法である。
<6> 前記第1のパターンを前記プリフォームに形成する場所が、前記プリフォームをブロー成形する際に変形しない非変形領域である、前記<1>から<5>のいずれかに記載の樹脂容器の製造方法である。
<7> ブロー成形法を用いた本体部とネック部を有する樹脂容器の製造方法であって、
プリフォームに第2のパターンを形成する第2のパターン形成工程と、
前記第2のパターンを形成した後に、前記プリフォームのネック部及び本体部のネック部側のいずれかに第1のパターンを形成する第1のパターン形成工程と、
前記第1のパターンに基づいて、ブロー成形後に前記樹脂容器に第3のパターンを形成する第3のパターン形成工程と、
を含むことを特徴とする樹脂容器の製造方法である。
<8> ブロー成形法を用いた本体部とネック部を有する樹脂容器の製造装置であって、
プリフォームのネック部及び本体部のネック部側のいずれかに第1のパターンを形成する第1のパターン形成手段と、
前記第1のパターンに基づいて、前記プリフォームに第2のパターンを形成する第2のパターン形成手段と、
前記第1のパターンに基づいて、ブロー成形後に前記樹脂容器に第3のパターンを形成する第3のパターン形成手段と、
を有することを特徴とする樹脂容器の製造装置である。
<9> 前記第1のパターン、前記第2のパターン、及び前記第3のパターンの少なくとも1つがレーザーマーキングにより形成される、前記<8>に記載の樹脂容器の製造装置である。
<10> 前記第2のパターンと前記第3のパターンが重なって形成されず、かつ前記第2のパターンと前記第3のパターンの樹脂容器上での周方向の位置が同じである、前記<8>から<9>のいずれかに記載の樹脂容器の製造装置である。
<11> 前記第2のパターンが文字、画像、及び図形の少なくともいずれかであり、
前記第3のパターンが文字、画像、及び図形の少なくともいずれかである、前記<8>から<10>のいずれかに記載の樹脂容器の製造装置である。
<12> 前記第1のパターンを前記プリフォームに形成する場所が、前記プリフォームにブローエアーを入れる開口部の近くである、前記<8>から<11>のいずれかに記載の樹脂容器の製造装置である。
<13> 前記第1のパターンを前記プリフォームに形成する場所が、前記プリフォームをブロー成形する際に変形しない非変形領域である、前記<8>から<12>のいずれかに記載の樹脂容器の製造装置である。
<14> ブロー成形法を用いた本体部とネック部を有する樹脂容器の製造装置であって、
プリフォームに第2のパターンを形成する第2のパターン形成手段と、
前記第2のパターンを形成した後に、前記プリフォームのネック部及び本体部のネック部側のいずれかに第1のパターンを形成する第1のパターン形成手段と、
前記第1のパターンに基づいて、ブロー成形後に前記樹脂容器に第3のパターンを形成する第3のパターン形成手段と、
を有することを特徴とする樹脂容器の製造装置である。
前記<1>から<7>のいずれかに記載の樹脂容器の製造方法、及び前記<8>から<14>のいずれかに記載の樹脂容器の製造装置によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
11 第1のパターン
12 第2のパターン
13 第3のパターン
14 ネックリング
15 本体部
16 ネック部
17 本体部のネック部側
18 非変形領域
30 プリフォーム
40 樹脂容器
特開2001-310374号公報

Claims (8)

  1. ブロー成形法を用いた本体部とネック部を有する樹脂容器の製造方法であって、
    プリフォームのネック部及び本体部のネック部側のいずれかに第1のパターンを形成する第1のパターン形成工程と、
    前記第1のパターンに基づいて、前記プリフォームに第2のパターンを形成する第2のパターン形成工程と、
    前記第1のパターンに基づいて、ブロー成形後に前記樹脂容器に第3のパターンを形成する第3のパターン形成工程と、
    を含むことを特徴とする樹脂容器の製造方法。
  2. 前記第1のパターン、前記第2のパターン、及び前記第3のパターンの少なくとも1つがレーザーマーキングにより形成される、請求項1に記載の樹脂容器の製造方法。
  3. 前記第2のパターンと前記第3のパターンが重なって形成されず、かつ前記第2のパターンと前記第3のパターンの樹脂容器上での周方向の位置が同じである、請求項1から2のいずれかに記載の樹脂容器の製造方法。
  4. 前記第2のパターンが文字、画像、及び図形の少なくともいずれかであり、
    前記第3のパターンが文字、画像、及び図形の少なくともいずれかである、請求項1から2のいずれかに記載の樹脂容器の製造方法。
  5. 前記第1のパターンを前記プリフォームに形成する場所が、前記プリフォームにブローエアーを入れる開口部の近くである、請求項1から2のいずれかに記載の樹脂容器の製造方法。
  6. 前記第1のパターンを前記プリフォームに形成する場所が、前記プリフォームをブロー成形する際に変形しない非変形領域である、請求項1から2のいずれかに記載の樹脂容器の製造方法。
  7. ブロー成形法を用いた本体部とネック部を有する樹脂容器の製造方法であって、
    プリフォームに第2のパターンを形成する第2のパターン形成工程と、
    前記第2のパターンを形成した後に、前記プリフォームのネック部及び本体部のネック部側のいずれかに第1のパターンを形成する第1のパターン形成工程と、
    前記第1のパターンに基づいて、ブロー成形後に前記樹脂容器に第3のパターンを形成する第3のパターン形成工程と、
    を含むことを特徴とする樹脂容器の製造方法。
  8. ブロー成形法を用いた本体部とネック部を有する樹脂容器の製造装置であって、
    プリフォームのネック部及び本体部のネック部側のいずれかに第1のパターンを形成する第1のパターン形成手段と、
    前記第1のパターンに基づいて、前記プリフォームに第2のパターンを形成する第2のパターン形成手段と、
    前記第1のパターンに基づいて、ブロー成形後に前記樹脂容器に第3のパターンを形成する第3のパターン形成手段と、
    を有することを特徴とする樹脂容器の製造装置。

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