JP2023025326A - レーザーマーキング装置、収容器、及び収容体 - Google Patents

レーザーマーキング装置、収容器、及び収容体 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のレーザー光を同一光学系にて走査し集光させる光学系において、光学部品の損傷を防ぎつつ、光量低下を抑制できるレーザーマーキング装置の提供。【解決手段】同一の走査手段とレンズを用いて、複数のレーザーが物体表面を走査して加工するレーザーマーキング装置であって、前記走査手段は第一の方向に走査させる第一の走査手段と、前記第一の方向に略直交する方向に走査させる第二の走査手段と、を有し、前記第一の走査手段が前記複数のレーザーの光路が収束する光路中に位置するレーザーマーキング装置である。【選択図】図1A

Description

本発明は、レーザーマーキング装置、収容器、及び収容体に関する。
従来より、ポリエチレンテレフタレート(PET)ボトル等の収容器として、名称、成分、賞味期限、バーコード等の像を表示するラベルが貼付けされたものが知られている。一方、最近、世界的にプラスチックごみによる汚染をなくしていく動きが活発化しており、収容器の循環型リサイクルへの要求が高まっている。ここで、収容器の循環型リサイクルとは、分別回収された使用済みの収容器をリサイクル業者が収容器の原料となるフレークに変え、再度収容器を製造することをいう。
このような循環型リサイクルを円滑に進めるには、収容器又はラベル等の材質毎に分別回収を徹底することが好ましいが、分別回収のために収容器からラベルを剥がす作業は手間がかかり、分別回収を徹底させるための制約の1つになっている。
これに対して、透明樹脂等の透明な対象物をレーザー光で加工する方法として、例えば、COレーザー等による赤外波長10.6μmによる加工、又は紫外波長355nmによる加工が知られている。
赤外波長を用いた加工では、ビームスポット径を十分に絞ることができないため、紫外波長を用いてビームスポット径を絞ることにより、解像度の高い描画を実現している。ただし、加工しきい値を超えたパルスエネルギー(レーザーの平均出力を繰り返し周波数から定まる)が必要となるため、高パルスエネルギーを得るためには低周波数となり、1パルスで1dot加工できたとしても、生産性はレーザーの繰り返し周波数に大きく依存してしまう。一方、高周波数とすると、低パルスエネルギーとなるため、1パルスで1dot加工できなくなるので複数パルスが必要になる。その結果、1dotを形成するための周波数は低くなってしまい、生産性を高めることが困難になるという問題がある。
上記問題点を解決するため、複数のレーザーを同一の光学系にて走査し、集光させることによって、加工エリアを搭載したレーザー数で分割することにより、加工速度を上げつつ、低コスト化、小型化したレーザー加工装置として、例えば、複数ビームを、同一の2次元走査手段、及びfθレンズを用いて、それぞれ異なる入射角度でfθレンズに入射させるレーザー印字装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、複数のレーザー光を同一光学系にて走査し集光させる光学系において、光学部品の損傷を防ぎつつ、光量低下を抑制できるレーザーマーキング装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のレーザーマーキング装置は、同一の走査手段とレンズを用いて、複数のレーザーが物体表面を走査して加工するレーザーマーキング装置であって、前記走査手段が第一の方向に走査させる第一の走査手段と、前記第一の方向に略直交する方向に走査させる第二の走査手段と、を有し、前記第一の走査手段が前記複数のレーザーの光路が収束する光路中に位置する。
本発明によると、複数のレーザー光を同一光学系にて走査し集光させる光学系において、光学部品の損傷を防ぎつつ、光量低下を抑制できるレーザーマーキング装置を提供することができる。
図1Aは、第1の実施形態のレーザーマーキング装置の一例を示す概略図である。 図1Bは、第1の実施形態のレーザーマーキング装置の他の一例を示す概略図である。 図2は、複数レーザーによる光線の構成を説明するための図である。 図3Aは、走査レンズに入射するビーム径と像面上ビームスポット径との関係を示すグラフである。 図3Bは、走査レンズに入射するビーム径とビームウエスト径に対するビーム径偏差との関係を示すグラフである。 図3Cは、入射ビーム径と像面上ビーム径との関係を示すグラフである。 図4は、走査手段における有効半径とビームスポット径の位置関係を説明するための図である。 図5Aは、走査手段におけるエネルギー分布を説明するための図であり、レーザーの強度分布をガウス分布で近似できるものと仮定した場合である。 図5Bは、走査手段におけるエネルギー分布を説明するための図であり、実際には、走査手段の中心からのシフト量が含まれる場合である。 ビーム半径と走査手段上のビームスポットの位置ずれ量に対する有効半径の関係を説明するための図である。 図7は、2つのビームを積算した際のエネルギー分布状態を説明するための図である。 図8Aは、2つのレーザーの出力タイミングと積算エネルギーの関係を説明するための図であり、2つのレーザーによる出力タイミングが揃っている場合である。 図8Bは、2つのレーザーの出力タイミングと積算エネルギーの関係を説明するための図であり、2つのレーザーによる出力タイミングがずれている場合である。 図9は、2つのレーザーの交差角度と走査手段の最大振り角の関係を説明するための図である。 図10Aは、2つのレーザーを分割する方向を説明するための図であり、収容器の移動制御方向に対して水平方向に描画領域を分割した場合である。 図10Bは、2つのレーザーを分割する方向を説明するための図であり、収容器の移動制御方向に対して垂直方向に描画領域を分割した場合である。 図11Aは、第1の実施形態の変形例に係るレーザーマーキング装置の一例を示す概略図である。 図11Bは、図11AのA方向から見た光線方向を示す図である。 図11Cは、図11AのGM1上のスポットを示す図である。 図11Dは、図11AのGM2上のスポットを示す図である。 図12Aは、第2の実施形態に係るレーザーマーキング装置の一例を示す概略図である。 図12Bは、第2の実施形態に係るレーザーマーキング装置の他の一例を示す概略図である。 図12Cは、第2の実施形態において3つのレーザーを分割する方向を説明するための図であり、収容器の移動制御方向に対して水平方向に描画領域を分割した場合である。 図12Dは、第2の実施形態において3つのレーザーを分割する方向を説明するための図であり、収容器の移動制御方向に対して垂直方向に描画領域を分割した場合である。 図13Aは、第3の実施形態に係るレーザーマーキング装置の一例を示す概略図である。 図13Bは、第3の実施形態に係るレーザーマーキング装置の他の一例を示す概略図である。 図13Cは、第3の実施形態において4つのレーザーを分割する方向を説明するための図であり、収容器の移動制御方向に対して水平方向に描画領域を分割した場合である。 図13Dは、第3の実施形態において4つのレーザーを分割する方向を説明するための図であり、収容器の移動制御方向に対して垂直方向に描画領域を分割した場合である。 図14Aは、第3の実施形態の変形例に係るレーザーマーキング装置の一例を示す概略図である。 図14Bは、第3の実施形態の変形において4つのレーザーを分割する方向を説明するための図である。 図15Aは、パターンとしての微細構造におけるドット部の走査型電子顕微鏡写真であり、上面方向から視た斜視図である。 図15Bは、パターンとしての微細構造におけるドット部の走査型電子顕微鏡写真であり、図15AのD-D矢視断面方向から視た斜視図である。 図16は、収容器におけるパターンの具体的な実施形態を示す概略図である。
(レーザーマーキング装置)
本発明のレーザーマーキング装置は、同一の走査手段とレンズを用いて、複数のレーザーが物体表面を走査して加工するレーザーマーキング装置であって、前記走査手段が第一の方向に走査させる第一の走査手段と、前記第一の方向に略直交する方向に走査させる第二の走査手段と、を有し、前記第一の走査手段が前記複数のレーザーの光路が収束する光路中に位置する。
従来技術である特許文献1(特開平11-156567号公報)では、複数のレーザー光が光学素子上で重なることによって、光学部品が損傷するという問題がある。また、光学部品上でビームが重ならないように光線レイアウトを設定した場合、光学部品の有効範囲からビームスポットが外れることによる光量低下で加工できなくなるという問題がある。また、上記特開平11-156567号公報の図1では、走査手段の手前側で複数のビームの光路が交差し、走査手段に近づくにつれて光路の間隔がより拡大する構成となっており、複数の光路の交差位置から離れるに従って、走査手段の大型化に伴って装置全体が大型化してしまうという問題がある。
本発明においては、上記従来技術と異なり、複数のレーザーと複数の走査手段の光学素子に対して、走査手段の光路間でレーザーを交差させ、光学素子上にて複数のビームをずらすことにより、光学素子への損傷を抑制することができると共に、光学素子からの位置ずれ量を最小化することにより光学部品の有効範囲からビームスポットが外れてしまうことによる光量低下を抑制することができる。
本発明の一態様において、複数のレーザーによる光路の交差位置が、第一の走査手段と第二の走査手段の間にある。このため、レーザーマーキング装置は、2つの走査手段上でのビームスポット位置ずれ量を最小化できるため、光線ケラレによる光量低下を抑制できる。この態様によると、レーザーマーキング装置において、複数のレーザーを同一の走査手段を用いて印字する場合、複数領域を同時に描画することができるため、生産性向上及び省スペース化を実現できる。
本発明の一態様において、複数のレーザーによる光路の交差角度半角θ[deg]は、次式、0.5deg<θ<29.5deg、を充たすことが好ましい。この態様によると、走査レンズに入射するビームスポットが重ならなくなるため、走査レンズの損傷を抑制できる。
本発明の一態様において、次式、1.22(b+x)<r、を充たすことが好ましい。
ただし、前記式中、rは走査手段における光学素子の有効範囲、bはレーザースポット半径、xは走査手段における光学素子の中央からのレーザースポットのシフト量をそれぞれ表す。
この態様によると、走査手段の光学素子(例えば、ガルバノミラー、ポリゴンミラー)上での光量低下を抑制できる。なお、上記式中の係数1.22は効率95%以上を達成する場合であり、効率99%以上を達成する場合には係数は1.52となる。
本発明の一態様において、走査手段のいずれかと同一方向に、物体が移動制御される。この態様によると、走査手段のいずれかと同一方向に物体を移動制御することによって、走査手段の振り角を低減することができ、生産性の向上が図れる。
本発明の一態様において、複数のレーザーが時間的に出力制御できる構成であり、それぞれのレーザーの出力タイミングをずらすように制御することにより、光学部品の損傷を抑制することができる。
本発明の一態様において、次式、θ<θscan、を充たすことが好ましい。
ただし、前記式中、θは複数のレーザーによる光路の交差角度半角、θscanは走査手段による最大振り角半角をそれぞれ表す。
本発明の一態様において、走査手段のいずれかと同一方向に移動制御された物体に印字する構成であり、移動制御された方向に対して略垂直方向に分割する方向に、複数のレーザーの光路が交わっている。この態様によると、印字する物体の移動制御方向に対して略垂直方向に描画範囲を分割する(主分割)ことによって、主走査方向の走査時間を短縮でき、生産性の向上が図れる。
ここで、本発明のレーザーマーキング装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状などは本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状などにすることができる。
<レーザーマーキング装置の第1の実施形態>
図1A及び図1Bは、第1の実施形態に係るレーザーマーキング装置100の一例を示す概略図である。図1A及び図1Bのレーザーマーキング装置100は、レーザー光源部から走査光学系部20と、容器搬送部21とを備えている。
レーザー光源部から走査光学系部20は、レーザー光源1a,1bと、ビームエキスパンダー2a,2bと、ミラー3a,3bと、レンズ5と、同期検知部8a,8bとを備えている。ここで、ミラー3a,3bとしては、例えば、ポリゴンスキャナ等の回転多面鏡などが挙げられる。
レーザー光源1a,1bはレーザー光を射出するパルスレーザーである。レーザー光源1a,1bは、被加工物である収容器6の容器本体の表面又は内部の少なくともいずれかの性状を変化させるために好適な出力(光強度)のレーザー光を射出する。
レーザー光源1a,1bは、レーザー光の射出のオン又はオフの制御、射出周波数の制御、及び光強度制御等が可能になっている。レーザー光源1a,1bの一例として、波長が355nmで、レーザー光のパルス幅が10ピコ秒、平均出力30W~50Wのレーザー光源を用いることができる。収容器6における容器本体の性状を変化させる領域でのレーザー光の直径は1μm以上で200μm以下であることが好ましい。
図1A及び図1Bの第1の実施形態に係るレーザーマーキング装置においては、レーザー光源が2つである場合を示したが、3つ以上のレーザー光源で構成されてもよい。複数のレーザー光源を用いる場合、レーザー光源毎にオン又はオフの制御、射出周波数の制御及び光強度制御等を独立に行えるようにしてもよい。特に、複数のビームスポットが重なることで、光学部品の損傷のリスクが高まることから、射出周波数の制御及び光強度制御は独立に行えるようにして、出力タイミングをそれぞれのレーザーでずらすことが好ましい。
レーザー光源1a,1bから射出された平行光のレーザー光は、ビームエキスパンダー2a,2bにより直径が拡大され、ミラー3aに入射する。
ミラー3a,3bは、モータ等の駆動部により反射角度を変化させる機能を備えている。ミラー3a,3bによる反射角度を変化させることで、入射するレーザー光をY方向に走査する。ミラー3a,3bとしては、例えば、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーなどを用いることができる。
第1の実施形態のレーザーマーキング装置は、ミラー3a,3bがレーザー光をY方向に一次元走査する例を示すが、これに限定されるものではない。ミラー3a,3bは、直交する2方向に反射角度を変化させる走査ミラーを用いてレーザー光をXY方向に二次元走査してもよい。
ただし、円筒状の収容器6の表面にレーザー光を照射する場合は、XY方向に二次元走査すると、X方向への走査に応じて収容器6の表面上でのビームスポット径が変化するため、このような場合は一次元走査のほうが好ましい。
ミラー3a,3bにより走査されるレーザー光は、加工レーザービーム11として収容器6の容器本体の表面又は内部の少なくとも一方に照射される。
レンズ5は、ミラー3により走査される加工レーザービーム11a,11bの走査速度を一定にするとともに、収容器6の容器本体の表面又は内部の少なくとも一方の所定位置に、加工レーザービーム11a,11bを収束させるレンズである。このレンズ5としては、走査速度を一定に保つfθレンズ、アークサインレンズなどを用いることができる。
収容器6の容器本体の性状を変化させる領域で、加工レーザービーム11a,11bのビームスポット径が最小になるようにレンズ5と収容器6が配置されることが好ましい。なお、レンズ5は複数のレンズの組み合わせにより構成されてもよい。
同期検知部8a,8bは、加工レーザービーム11a,11bの走査角度とレーザー出力とを同期させるために用いられる同期検知信号を出力する。同期検知部8a,8bは、受光した光強度に応じた電気信号を出力するフォトダイオードを備えており、このフォトダイオードによる電気信号を同期検知信号としてレーザー光線1a,1bの制御部に出力する。
容器搬送部21は、矢印A方向に搬送される収容器6と、光源から見て走査位置より手前側に容器検知用光源9と、光源から見て走査位置より奥側に容器検知用センサ10とを備えている。なお、図1A及び図1Bの第1の実施形態では、透過型センサの一例を図示しているが、反射型のセンサを用いてもよい。センサ位置と走査位置間の距離は、あらかじめ既知のパラメータとなるため、搬送速度とセンサ位置-走査位置間の距離から、書き出しタイミングを決定できる。
図1A及び図1Bの第1の実施形態に係るレーザーマーキング装置100において、複数のレーザーを同一の走査手段を用いて印字する場合、複数領域を同時に描画することができるために、生産性向上及び省スペース化を実現できる。
しかしながら、光学部品に複数のレーザーが入射することによって、光学部品が損傷してしまうおそれがある。このため、図2及び図3A~図3Cに示すように、光学部品上で複数のレーザースポット位置をずらす必要がある。ただし、レーザースポットの位置ずれ量を広げすぎると、光学部品の有効範囲から外れてしまい、光量が低下してしまう。特に、走査手段の光学的有効範囲は大きさに制約があるため、レーザースポットの位置をずらして損傷を防ぎつつ、走査手段の光学的有効範囲から外れない範囲にレーザースポット位置のシフト量を抑える必要がある。
同じ出力ワット数のレーザーを用いた場合、光学部品に入射するビーム径が小さくなるほどエネルギー密度が高くなり、光学部品を損傷させてしまうリスクが高まる(ビーム径が1/2になると、エネルギー密度は4倍となる)。レーザーの入射直径1.5mm(50W、100kHz、10ps)の場合、エネルギー密度は約28mJ/cmとなる。
これに対して、高出力レーザーに対応した光学部品の損傷しきい値は、0.110mJ/cm~10mJ/cmのオーダーであるものが多い。このため、レーザー耐力の観点から、光学部品への入射ビーム径を1.5mm以下にしてしまうと、光学部品の損傷しきい値に対して2倍以上のエネルギー密度となり、光学部品が損傷するリスクが高まることから、光学部品への入射ビーム径は1.5mmを超えることが要求される。
ガウシアンビームのデフォーカス特性は、走査レンズに入射するビーム径に依存し、入射ビーム径が大きくなるほど深度余裕(デフォーカスに対するビーム径の偏差)が小さくなる。例えば、被加工物がペットボトルである場合、ペットボトルの形状誤差、及び搬送位置の誤差により、デフォーカス方向に±2mm程度の描画位置がばらつくことが想定される。例えば、波長355nmにおけるビームウエスト位置x=0としたときの、ビーム径wを図3Aに示す。
これに対して、デフォーカスに伴うビーム径の偏差を図3Bに示す。デフォーカスによるビーム径の変化は描画品質に直結するため、要求される画素密度に対して、1/5以下とすることが好ましく、1/10以下とすることがより好ましい。
ペットボトルの印刷物に要求される画素密度は、一般的に200dpi~600dpi程度であるため、1ドットあたりのサイズは42μm~127μmとなり、ビーム径偏差は8μm以上25μm以下とすることが好ましく、4μm以上13μm以下とすることがより好ましい。この場合、図3Bに示すように、像面上のビーム径は少なくともΦ30μm以上にすることが要求される。
更に、像面上のビーム径30μm以上を実現するためには、走査レンズの焦点距離と、走査レンズに入射するビーム径との組み合わせは、図3Cのようになる。走査レンズの焦点距離は装置サイズに寄与するため、f1000mm以下が好ましい。このため、f1000mm以下、かつ像面上ビーム径w0’=30μm以上とするためには、走査レンズに入射するビーム径は最大w0=17.5mm以下とする必要がある。
一般的にミラーに比べてレンズの方が光の吸収率が高いために、レーザーによる損傷リスクはレンズの方が高くなる。このため、走査手段上で複数のビームを重ねないことが要求される。一般に走査手段のサイズ制約から、走査手段において複数のレーザーの光路を近づけることで、走査手段から光線が外れることによる光線ケラレを抑制する。このため、走査手段から最も近い走査レンズ第1面は、複数のレーザーの光路が最も近づくため、複数のレーザーによるビームスポットが重なることによる、損傷リスクが最も高くなる。
ここで、第1の実施形態のレーザーマーキング装置で想定される焦点距離範囲について説明する。
第1の実施形態のレーザーマーキング装置では、被加工物としてペットボトルを想定しており、レーザーマーキング装置は食料品メーカーの工場に設置することを想定している。工場内ではスペースの制約上、レーザーマーキング装置の小型化の要求が高い。特に、第1の実施形態のレーザーマーキング装置では、高出力レーザーを想定しているため、レーザー単体だけでも1,000mm~2,000mmの長さがあるために、レーザーマーキング装置全体を小型化するためには、光学系を小型化することが要求される。光学的に走査レンズの焦点距離が長くなるほど、ワーキングディスタンスは長くなり、レーザーマーキング装置の大型化につながるため、焦点距離を短くする必要がある。ただし、焦点距離を短くすると、像面上の走査スピードが低下するため、生産性が低減してしまうという問題がある。そこで、レーザーマーキング装置の制約、生産性の観点から、走査レンズの焦点距離は100mm~1,000mmの範囲であることが好ましい。
上記焦点距離の場合、走査レンズの走査手段から走査レンズの第1面までの長さLは、走査レンズで要求される光学性能及び外形サイズの制約から、L=15mm~85mmである。走査レンズ上での複数のレーザーを重ねないためには、次式を満たす必要がある。
Figure 2023025326000002
したがって、上記記載したビーム半径:b1,b2=0.75~8.5mm(ビーム径:1.5~17.5mm)、L=15~85mmから、複数のレーザーによる光路の交差角度半角θ[deg]は、次式、0.5deg<θ<29.5deg、を充たすことが、走査レンズに入射するビームスポットが重ならなくなるため、走査レンズの損傷を抑制できる点から好ましい。
図5Aに示すように、レーザーの強度分布をガウス分布で近似できるものと仮定した場合、投入される全エネルギーは、下記式で表される。
Figure 2023025326000003
走査手段における光学素子の有効範囲rの間に投入されるエネルギーをW’とすると、下記式で表される。
Figure 2023025326000004
投入されるエネルギーに対する、走査手段における光学素子の有効範囲rの間に投入されるエネルギー比は、下記式で表される。
Figure 2023025326000005
W’/W=0.95(効率95%以上)とした場合、レーザースポット半径bに対する有効半径rは、r>1.22である。
実際には、走査手段の中心からのシフト量が含まれる(図5B)。このため、走査手段における光学素子の有効範囲rに対して、効率95%以上を用いるためには、次式、r>1.22(b+x)を充たすことが、走査手段の光学素子上での光量低下を抑制できる点から好ましい。なお、xは走査手段における光学素子の中央からのレーザースポットのシフト量である。
また、像面上の光量低減を抑制するためには、W’/W=0.99(効率99%以上)であることが好ましい。この場合は、レーザースポット半径bに対する走査手段における光学素子の有効範囲rは、r>1.52である。
実際には、走査手段中心からのシフト量が含まれる(図5B)。このため、走査手段における光学素子の有効範囲rに対して、効率99%以上を用いるためには、次式、r>1.52(b+x)を充たすことが好ましい。なお、xは走査手段における光学素子の中央からのレーザースポットのシフト量である。
第1の実施形態のレーザーマーキング装置において、像面上の光量低下によって、被加工物の必要エネルギー密度を下回った場合、加工できなくなってしまう。このため、走査手段における効率は95%以上が好ましく、効率は99%以上がより好ましい。
ここで、図6は、ビーム半径と走査手段上のビームスポットの位置ずれ量に対する有効半径の関係を説明するための図である。この図6によると、効率95%を達成するためには、効率95%(y=1.22x)の直線より、大きい有効半径rを設定する必要があることがわかる。また前述したように、効率は高いほど生産性向上に有利であるため、効率99%(y=1.52x)の直線以上の範囲で、大きい有効半径rを設定することが好ましい。なお、図6中ハッチング部分Aが、次式、1.22(b+x)<r、を充たす範囲である。
図7は、2つのビームを積算した際のエネルギー分布状態を説明するための図である。
この図7によると、φ/x≒3.5あたりからビームが2つに割れるため、φ/xを3.5以下にしてもエネルギー密度低減効果はなくなる。なお、2ビームを用いてもφ/xを3.5以下にした場合、1ビームあたりの強度分布の最大値と同等になる。
図8A及び図8Bは、2つのレーザーの出力タイミングと積算エネルギーの関係を説明するための図である。
図8Aに示すように、2つのレーザーによる出力タイミングが揃っている場合、光学部品に与えられる最大エネルギーはE1+E2となり、光学部品に損傷を与えてしまう可能性がある。一方、図8Bに示すように、2つのレーザーによる出力タイミングがずれている場合、光学部品に与えられる最大エネルギーはE1又はE2の最大値となり、光学部品に損傷を与えるリスクを低減することができる。ここでは、説明を簡易化するため2つのレーザーである場合を示したが、3つ以上の複数レーザーを使用した場合でも同様である。
図9は、2つのレーザーの交差角度と走査手段の最大振り角の関係を説明するための図である。図9に示すように、複数のレーザーによる描画範囲の隙間をなくすために、次式、θ<θSCAN(又はθ<θSCAN)を充たすことが好ましい。
ただし、式中、θ(又はθ)は複数のレーザーによる光路の交差角度半角、θSCANは走査査手段による最大振り角半角である。
図10A及び図10Bは、収容器における描画領域の構成を説明するための図である。
図1Aの第1の実施形態に係るレーザーマーキング装置100は、被加工物である収容器6の移動制御方向Aに対して、水平方向に描画領域を分割した場合を示しており、描画領域の2分割構成(赤色と青色)は図10Aに対応している。
図1Bの第1の実施形態に係るレーザーマーキング装置100は、被加工物である収容器6の移動制御方向Aに対して、垂直方向に描画領域を分割した場合を示しており、描画領域の2分割構成(赤色と青色)は図10Bに対応している。
なお、図1A~図1Bと図10A~図10Bでは、説明を簡易化するために、ビームが2つある場合を示したが、ビームは3つ以上あってもよい。ビームを分割するほど1つのビームあたりの描画面積は低減するため、生産性の向上が図れる。
<レーザーマーキング装置の第1の実施形態の変形例>
図11Aは、第1の実施形態の変形例にかかるレーザーマーキング装置101の一例を示す概略図である。なお、第1の実施形態の変形例において、既に説明した第1の実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図11Bは、図11AのA方向から見た光線方向を示す図である。図11Cは、図11Aのガルバノミラー(GM)1上のスポットを示す図である。図11Dは、図11Aのガルバノミラー(GM)2上のスポットを示す図である。
図1A及び図1Bの第1の実施形態では簡易化のため、二次元平面で光路が交差している例を示しているが、図11Aに示す第1の実施形態の変形例では、立体的に見ると交差していない構成であるが、「光路の交差」の定義には、図11Aの場合も含む。ただし、図11Aの場合、2つの光路間の距離が離れている構成となるため、走査手段以降の走査レンズの入射瞳径が、2つの光路間の距離とビームスポット径より小さい場合、結像レンズで光線ケラレが発生して、像面上の光量が低減してしまう。このため、2つの光路が交差しており、交差している位置に、走査レンズの入射瞳を有する構成が好ましい。
<レーザーマーキング装置の第2の実施形態>
図12A及び図12Bは、3つのレーザー光源1a~1cからの3つのビームを有する第2の実施形態に係るレーザーマーキング装置102を示す概略図である。なお、第2の実施形態において、既に説明した第1の実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図12Aでは被加工物である収容器6の移動制御方向Aに対して、水平方向に描画領域を分割した場合を示しており、描画領域の3分割構成(赤色と緑色と青色)は図12Cに対応している。
一方、図12Bでは被加工物である収容器6の移動制御方向Aに対して、垂直方向に描画領域を分割した場合を示しており、描画領域の3分割構成(赤色と緑色と青色)は図12Dに対応している。
この第2の実施形態によると、第1の実施形態に比べて、1つのビームあたりの描画面積は低減するため、生産性の向上が図れる。
<レーザーマーキング装置の第3の実施形態>
図13A及び図13Bは、4つのレーザー光源1a~1dからの4つのビームを有する第3の実施形態に係るレーザーマーキング装置103を示す概略図である。なお、第3の実施形態において、既に説明した第1の実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この第3の実施形態は、4つのレーザー光源を使用し、同じ方向に4分割したものである。
図13Aでは被加工物である収容器6の移動制御方向Aに対して、水平方向に描画領域を分割した場合を示しており、描画領域の4分割構成(緑色と赤色と青色と橙色)は図13Cに対応している。
一方、図13Bでは被加工物である収容器6の移動制御方向Aに対して、垂直方向に描画領域を分割した場合を示しており、描画領域の4分割構成(緑色と赤色と青色と橙色)は図13Dに対応している。
この第3の実施形態によると、第1の実施形態に比べて、1つのビームあたりの描画面積は低減するため、生産性の向上が図れる。
<レーザーマーキング装置の第3の実施形態の変形例>
図14Aは、図13A及び図13Bの第3の実施形態の変形例に係るレーザーマーキング装置104を示す概略図である。なお、第3の実施形態の変形例において、既に説明した第1の実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この第3の実施形態の変形例は、4つのレーザー光源を使用し、主走査方向と副走査方向に2×2で分割したものである。
図14Aでは被加工物である収容器6の移動制御方向Aに対して、水平方向と垂直方向にそれぞれ2つずつ分割した場合を示しており、画像領域の分割構成は図14Bに対応している。
この第3の実施形態の変形例によると、第1の実施形態に比べて、1つのビームあたりの描画面積は低減するため、生産性の向上が図れる。
(収容器)
本発明の収容器は、本発明のレーザーマーキング装置を用いて製造された収容器であって、容器本体と、容器本体に視認可能領域とを有し、視認可能領域により像が容器本体に形成されており、視認可能領域がパターンの集合体により形成されている。
<容器本体>
容器本体としては、その材質、形状、大きさ、構造、色などについて特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
容器本体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂、ガラスなどが挙げられる。これらの中でも、透明な樹脂又は透明なガラスがより好ましく、透明な樹脂が特に好ましい。
容器本体の樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリブチレンアジペート又はテレフタレート(PBAT)、ポリエチレンテレフタレートサクシネート、ポリエチレン(PE)、ポリプロビレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、エポキシ、バイオポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ乳酸ブレンド(PBAT)、スターチブレンドポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレートサクシネート、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシプチレート/ヒドロキシヘキサノエート(PHBH)、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、バイオPET30、バイオポリアミド(PA)610,410,510、バイオPA1012,10T、バイオPA11T,MXD10、バイオポリカーポネート、バイオポリウレタン、バイオPE、バイオPET100、バイオPA11、バイオPA1010などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境負荷の点から、ポリビニルアルコール、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリエチレンテレフタレートサクシネート等の生分解樹脂が好ましい。
容器本体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボトル状、円柱状、四角柱状、箱状、錐体状などが挙げられる。これらの中でも、ボトル状が好ましい。
ボトル状の容器本体は、口部と、口部に連結された肩部と、肩部に連結された胴部と、胴部に連結された底部とを備えている。
容器本体の大きさとしては、特に制限はなく、容器の用途に応じて適宜選定することができる。
容器本体の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層構造であっても複数層構造であっても構わない。
容器本体の色としては、例えば、無色透明、有色透明、有色不透明などが挙げられる。
<視認可能領域>
視認可能領域により像が視認可能に容器本体に形成される。
像とは、例えば、文字、記号、図形、画像、コード等を含み、具体的には、名称、成分、識別番号、製造業者名、製造日時、賞味期限、バーコード、QRコード(登録商標)、リサイクルマーク、又はロゴマークなどの情報を意味する。
像を書き込むレーザーの波長は、紫外から近赤外光(波長:300nm~2,500nm)の波長が好ましい。
視認可能領域はパターンの集合体により形成される。ここで、集合体とは、複数の要素が集まったものを意味する。
パターンの集合体は、容器本体が溶融して形成された凹部もしくは凹部及び凹部と連続した凸部を含む構造であることが好ましい。
(収容体)
本発明の収容体は、本発明の収容器と、該収容器に収容されている被収容物と、を有し、密閉手段を有することが好ましい。
本発明の収容体によると、像の内容と被収容物の内容とを紐付けて認識することができる。
<被収容物>
被収容物としては、例えば、液体、気体、粒状固形物などが挙げられる。液体としては、水、お茶、コーヒー、紅茶、清涼飲料水などが挙げられる。被収容物が液体飲料である場合には、透明、白色、黒色、茶色、又は黄色等の色を有していることが多い。
<密閉手段>
密閉手段は、被収容物を収容器内に密閉する手段であり、「容器のキャップ」と称することもある
密閉手段は、その材質、形状、大きさ、構造、色などについて特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
密閉手段の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂、ガラス、金属、セラミックスなどが挙げられる。これらの中でも、成形性の点から樹脂が好ましい。
密閉手段の樹脂としては、上記容器の本体の樹脂を同様なものを用いることができる。
密閉手段の色としては、例えば、有色不透明、有色透明などが挙げられる。
密閉手段の形状及び大きさとしては、容器本体の開口部を封じる(閉封する)ことができる形状及び大きさであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、本発明の収容器及び収容体におけるパターンの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図15A及び図15Bは、パターンとしての微細構造におけるドット部110の走査型電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)写真であり、図15Aは上面方向から視た斜視図、図15Bは図15AのD-D矢視断面方向から視た斜視図である。図15Aでは、複数のドット部110のうちの2つの全体が観察され、またY軸正方向側に2つのドット部110の一部が僅かに観察され、Y軸負方向側に2つのドット部110の一部が僅かに観察されている。また、ドット幅は約100μm程度で形成されている。
図15Aに示すように、ドット部110は、凹部111と、凸部112とを含んで構成されている。凹部111は、第1の傾斜面1111(斜線ハッチング部分)と、底部1112(黒塗り潰し部分)とを含み、椀状の形状に形成されている。凹部幅Dcは凹部111の幅を表し、深さdpは、非パターン領域12の表面に対する底部1112の高さ(Z軸方向の長さ)を表している。
また、凸部112は、頂部1121(縦線ハッチング部分)と、第2の傾斜面1122(梨地ハッチング部分)とを含み、円環面状に形成されている。なお、円環面とは円周を回転して得られる回転面をいう。円環幅Drは、凸部112の円環面部分の半径方向の幅を表し、高さhは、非パターン領域の表面に対する頂部1121の高さ(Z軸方向の長さ)を表している。
ドット幅Wは、ドット部110全体の幅を表している。第1の傾斜面1111と第2の傾斜面1122は連続した面である。連続した面は、同じ材質で段差がなく繋がった面を意味する。
また、図15A及び図15Bに示すように、凹部111及び凸部112のそれぞれを構成する面には、微小な凹凸部113が形成され、表面が荒れている。この凹凸部113は、所定の形状より小さい凹部及び凸部からなる凹凸部の一例である。凹凸部113はドット部110のドット幅Wより小さい幅の凹部と凸部からなり、典型的には1μm乃至10μm程度の幅の凹部と凸部からなる。
また、図15Aに示すように、各ドット部110間の領域にも、ドット部110を加工した際の加工片が飛散しており、これらによっても面が荒れている。パターン領域13では、凹凸部113や加工片による表面の荒れにより、非パターン領域と比較して表面粗さが大きくなる。
ドット部110は、例えば、容器本体7に対してレーザー光を照射し、容器本体7の表面を変性させることで形成できる。1つのドット部110は、レーザー光を容器本体7上の1点に集光させることで形成される。また、このレーザー光を2次元走査することで、複数のドット部110が形成される。或いは、アレイ化した複数のレーザー光源のそれぞれから射出された複数のレーザーによっても形成できる。さらに各ドット部110の位置に対応した複数の光透過開口を有するマスク部材に、拡大したレーザー光を照射し、マスク部材の各光透過開口を透過した複数の透過レーザー光群のそれぞれにより、複数のドット部110を1回の露光で並行して形成することもできる。
図16の(a)~(d)は、パターンの別の具体的な実施形態を示す。
図16の(a)は、収容器の容器本体7を蒸散させて形成した凹部形状を示し、図16の(b)は、収容器の容器本体7を溶融させて形成した凹部形状を示している。図16の(b)の場合、図16の(a)に対して凹部の周縁部が盛り上がった形状になる。
また、図16の(c)は、収容器の容器本体7の表面の結晶化状態の変化を示し、図16の(d)は、収容器の容器本体7の表面下の発泡状態の変化を示している。
収容器の容器本体の表面の形状を変化させたり、容器本体の表面の結晶化状態、又は容器本体表面下の発泡状態等の性質を変化させたりすることにより、容器本体の表面にドット部の集合体により構成されるパターンを形成できる。
容器本体の表面を蒸散させて凹部形状を形成する方法として、例えば、波長が355nm~1064nm、パルス幅が10fsから500nm以下のパルスレーザーを照射する。これにより、レーザービームが照射された部分の容器本体の表面が蒸散し、表面に微小な凹部が形成される。
また、波長が355nm~1064nmのCW(Continuous Wave)レーザーを照射することによって、容器本体の表面を溶融させて凹部を形成することも可能である。更に、容器本体の表面が溶融した後も、レーザーを照射し続けると、容器本体の表面又は表面下が発泡し、白濁化させることができる。
結晶化状態を変化させるためには、例えば、容器本体をポリエチレンテレフタレート(PET)とし、波長が355nm~1064nmのCWレーザーを照射して、容器本体の温度を一気に上げ、その後、パワーを弱くしていく等により徐冷することにより、容器本体のPETを結晶化状態にすることができ、白濁化させることができる。なお、温度を上げた後、レーザービームを消灯する等により急冷すると、PETは非晶質状態になり、透明になる。
また、収容器の容器本体の性状の変化は、図16の(a)から(d)に示したものに限定されるものではない。樹脂材料で構成された容器本体の黄変や酸化反応、表面改質等により容器本体の性状を変化させてもよい。
また、照射されたレーザー光を吸収して光エネルギーを熱エネルギーに変換する吸収剤(変換材)を事前に容器本体に塗布し、吸収剤により変換された熱エネルギーにより、容器本体に凹部又は凸部を形成する加熱制御を行うこともできる。
以上のパターンは、レーザー照射によって変性痕となってごく小さなドットが形成されるが、このドットの間隔を変えて密度を変えたり、あるいは、知覚できるサイズ未満でドット形状を変化させたりしている。パターンは微小な略円形状で例を示したが、これに限らない。楕円でもよいし、小判型でもよいし、線状でも構わない。パターンそのものの形状は肉眼では認識しづらいものであればいずれの形状でも構わない。微小幅の細線の集合体であっても構わない。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 同一の走査手段とレンズを用いて、複数のレーザーが物体表面を走査して加工するレーザーマーキング装置であって、
前記走査手段が第一の方向に走査させる第一の走査手段と、前記第一の方向に略直交する方向に走査させる第二の走査手段と、
を有し、
前記第一の走査手段が前記複数のレーザーの光路が収束する光路中に位置することを特徴としたレーザーマーキング装置である。
<2> 前記複数のレーザーによる光路の交差位置が、前記第一の走査手段と前記第二の走査手段との間にある、前記<1>に記載のレーザーマーキング装置である。
<3> 前記複数のレーザーによる光路の交差角度半角θ[deg]が、次式、0.5deg<θ<29.5deg、を充たす、前記<1>から<2>のいずれかに記載のレーザーマーキング装置である。
<4> 次式、1.22(b+x)<r、を充たす、前記<1>から<3>のいずれかに記載のレーザーマーキング装置である。
ただし、前記式中、rは走査手段における光学素子の有効範囲、bはレーザースポット半径、xは走査手段における光学素子の中央からのレーザースポットのシフト量をそれぞれ表す。
<5> 前記走査手段のいずれかと同一方向に物体が移動制御される、前記<1>から<4>のいずれかに記載のレーザーマーキング装置である。
<6> 前記複数のレーザーが時間的に出力制御できる構成であり、それぞれのレーザーの出力タイミングをずらすように制御する、前記<1>から<5>のいずれかに記載のレーザーマーキング装置である。
<7> 次式、θ<θscan、を充たす、前記<1>から<6>のいずれかに記載のレーザーマーキング装置である。
ただし、前記式中、θは複数のレーザーによる光路の交差角度半角、θscanは走査手段による最大振り角半角をそれぞれ表す。
<8> 前記走査手段のいずれかと同一方向に移動制御された物体に印字する構成であり、
前記移動制御された方向に対して略垂直方向に分割する方向に、前記複数のレーザーの光路が交わっている、前記<1>から<7>のいずれかに記載のレーザーマーキング装置である。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のレーザーマーキング装置により製造された収容器であって、
容器本体と、前記容器本体に視認可能領域とを有し、
前記視認可能領域により像が前記容器本体に形成されており、
前記視認可能領域がパターンの集合体により形成されていることを特徴とする収容器である。
<10> 前記<9>に記載の収容器と、
前記収容器に収容されている被収容物と、を有することを特徴とする収容体である。
前記<1>から<8>のいずれかに記載のレーザーマーキング装置、前記<9>に記載の収容器、及び前記<10>に記載の収容体によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
1a レーザー光源
1b レーザー光源
1c レーザー光源
1d レーザー光源
2a ビームエキスパンダー
2b ビームエキスパンダー
2c ビームエキスパンダー
2d ビームエキスパンダー
3a ミラー
3b ミラー
5 レンズ
6 収容器
7 容器本体
8a 同期検知部
8b 同期検知部
9 容器検知用光源
10 容器検知センサ
11a 加工レーザービーム
11b 加工レーザービーム
11c 加工レーザービーム
11d 加工レーザービーム
13 パターン領域
20 レーザー光源部から走査光学系部
21 容器搬送部
100 レーザーマーキング装置
101 レーザーマーキング装置
102 レーザーマーキング装置
103 レーザーマーキング装置
104 レーザーマーキング装置
特開平11-156567号公報

Claims (10)

  1. 同一の走査手段とレンズを用いて、複数のレーザーが物体表面を走査して加工するレーザーマーキング装置であって、
    前記走査手段が第一の方向に走査させる第一の走査手段と、
    前記第一の方向に略直交する方向に走査させる第二の走査手段と、
    を有し、
    前記第一の走査手段が前記複数のレーザーの光路が収束する光路中に位置することを特徴としたレーザーマーキング装置。
  2. 前記複数のレーザーによる光路の交差位置が、前記第一の走査手段と前記第二の走査手段との間にある、請求項1に記載のレーザーマーキング装置。
  3. 前記複数のレーザーによる光路の交差角度半角θ[deg]が、次式、0.5deg<θ<29.5deg、を充たす、請求項1から2のいずれかに記載のレーザーマーキング装置。
  4. 次式、1.22(b+x)<r、を充たす、請求項1から3のいずれかに記載のレーザーマーキング装置。
    ただし、前記式中、rは走査手段における光学素子の有効範囲、bはレーザースポット半径、xは走査手段における光学素子の中央からのレーザースポットのシフト量をそれぞれ表す。
  5. 前記走査手段のいずれかと同一方向に物体が移動制御される、請求項1から4のいずれかに記載のレーザーマーキング装置。
  6. 前記複数のレーザーが時間的に出力制御できる構成であり、それぞれのレーザーの出力タイミングをずらすように制御する、請求項1から5のいずれかに記載のレーザーマーキング装置。
  7. 次式、θ<θscan、を充たす、請求項1から6のいずれかに記載のレーザーマーキング装置。
    ただし、前記式中、θは複数のレーザーによる光路の交差角度半角、θscanは走査手段による最大振り角半角をそれぞれ表す。
  8. 前記走査手段のいずれかと同一方向に移動制御された物体に印字する構成であり、
    前記移動制御された方向に対して略垂直方向に分割する方向に、前記複数のレーザーの光路が交わっている、請求項1から7のいずれかに記載のレーザーマーキング装置。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のレーザーマーキング装置により製造された収容器であって、
    容器本体と、前記容器本体に視認可能領域とを有し、
    前記視認可能領域により像が前記容器本体に形成されており、
    前記視認可能領域がパターンの集合体により形成されていることを特徴とする収容器。
  10. 請求項9に記載の収容器と、
    前記収容器に収容されている被収容物と、を有することを特徴とする収容体。

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