JP2023155668A - 除去具及び除去システム - Google Patents
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Abstract
【課題】操作性の高い除去具を提供すること。【解決手段】内視鏡用処置具の管路内に付着した付着物を除去する除去具は、一端が開口する有底筒状体と、有底筒状体の中空部内において中空部の底部から中空部の開口部側に延びて形成され、管路内に挿入可能な細長部と、を備える。有底筒状体の中空部は、底部側から開口部に向けて拡開する。【選択図】図3
Description
本発明は、除去具及び除去システムに関する。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:Endoscopic Submucosal Dissection)において、高周波電流を通電して粘膜等を切除する高周波ナイフを備えた内視鏡用処置具が使用される。
この種の内視鏡用処置具では、例えば高周波ナイフによる焼灼で熱凝固したヘモグロビンや蛋白質等が内視鏡用処置具の管路内に付着することがある。この付着物により管路が詰まる虞がある。そこで、作業者は、例えば除去具を用いて付着物を管路内から除去する(例えば特許文献1参照)。
作業者は、手作業で、精密で小型な内視鏡用処置具の管路内に除去具をセットし、管路内に付着した付着物を除去する。そのため、除去具には高い操作性が求められる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、操作性の高い除去具及び除去システムを提供することである。
本発明の一実施形態に係る除去具は、内視鏡用処置具の管路内に付着した付着物を除去するものであり、一端が開口する有底筒状体と、有底筒状体の中空部内において中空部の底部から中空部の開口部側に延びて形成され、管路内に挿入可能な細長部と、を備える。有底筒状体の中空部は、底部側から開口部に向けて拡開する。
本発明の一実施形態に係る除去具は、有底筒状体の軸線周りの方向において、有底筒状体の側面を複数に分割する複数のスリットが形成されたものとしてもよい。このような構成では、内視鏡用処置具が中空部に挿入されて押し当てられることにより、有底筒状体のうち、スリット間に位置する部分が弾性変形して、中空部が底部側から開口部に向けて拡開する。
本発明の一実施形態に係る除去具は、有底筒状体を保持する外装部を更に含む構成としても負い。この場合、有底筒状体は、例えば外装部よりも柔軟性が高い。
本発明の一実施形態において、有底筒状体の中空部は、底部側から開口部に向けて連続的又は段階的に拡開するテーパ部を含む構成としてもよい。
本発明の一実施形態において、有底筒状体は、例えば、円筒状に形成され、有底筒状体の軸線方向において端部よりも中央部で外径が狭まる、くびれ部を含む。
本発明の一実施形態において、有底筒状体は、例えば、少なくとも一部の可視波長域の光を透過する材料で形成される。
本発明の一実施形態において、細長部の側面にエッジ部が形成されてもよい。
本発明の一実施形態において、細長部の先端部は、例えば、先細り形状となっている。
本発明の一実施形態において、有底筒状体の中空部は、有底筒状体の軸線方向と直交する直交断面が円形であり、細長部は、中空部内において、円形の中心を通り且つ軸線方向に沿って延びて配置されてもよい。
本発明の一実施形態において、有底筒状体の中空部は、有底筒状体の軸線方向と直交する直交断面が円形であり、細長部は、中空部内において、円形の中心からずれた位置を通り且つ軸線方向に沿って延びて配置されてもよい。
本発明の一実施形態に係る除去システムは、上記の何れかに記載の除去具と、除去具に挿入される内視鏡用処置具と、を備える。除去システムにおいて、除去具に挿入すべき量を示す印が内視鏡用処置具に付される。
本発明の一実施形態に係る除去具は、内視鏡用処置具の管路内に付着した付着物を除去するものであり、一端が開口する有底筒状体と、有底筒状体の中空部内において中空部の底部から中空部の開口部側に延びて形成され、管路内に挿入可能な細長部と、を備える。有底筒状体の中空部は、有底筒状体の軸線方向と直交する直交断面が円形であり、細長部は、中空部内において、円形の中心からずれた位置を通り且つ軸線方向に沿って延びて配置される。
本発明の一実施形態によれば、操作性の高い除去具及び除去システムが提供される。
以下、本発明の実施形態に係る除去具及び除去システムについて図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る除去具は、内視鏡用処置具の管路内に付着した付着物を除去する。除去システムは、除去具と内視鏡用処置具とを含む。除去具による付着物の除去作業は、例えば、術者(医師)や他の医療従事者(フィジシャン・アシスタント、看護師等)が行う。除去具による付着物の除去作業を行う者を作業者と総称する。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1に係る除去具1の斜視図である。図2は、除去具1を図1の矢印A方向から見た矢視図である。図3は、除去具1の断面図である。図4は、除去具1に挿入される内視鏡用処置具2の全体図である。図5は、内視鏡用処置具2の先端部2Aの内部構造を示す図である。図6は、内視鏡用処置具2を除去具1に挿入した状態を示す図である。図7は、内視鏡用処置具2の管路2B内に付着した付着物B(焼灼で熱凝固したヘモグロビンや蛋白質等)が除去される様子を示す図である。
図1は、本発明の実施例1に係る除去具1の斜視図である。図2は、除去具1を図1の矢印A方向から見た矢視図である。図3は、除去具1の断面図である。図4は、除去具1に挿入される内視鏡用処置具2の全体図である。図5は、内視鏡用処置具2の先端部2Aの内部構造を示す図である。図6は、内視鏡用処置具2を除去具1に挿入した状態を示す図である。図7は、内視鏡用処置具2の管路2B内に付着した付着物B(焼灼で熱凝固したヘモグロビンや蛋白質等)が除去される様子を示す図である。
除去具1は、筐体10、棒状部20及びベース30を備える。筐体10は、一端が開口する有底筒状体であり、中空部12が形成される。内視鏡用処置具2の先端部2Aは、作業者により、中空部12の開口部12Aから中空部12内に挿入される。
筐体10は、例えば、樹脂成形品であり、例えば、ABS(acrylonitrile butadiene styrene copolymer)、ポリカーボネートで形成される。作業者が中空部12内に設けられた棒状部20や中空部12内に挿入された内視鏡用処置具2の先端部2Aを目視できるように、筐体10は、少なくとも一部の可視波長域の光を透過する材料で形成されてもよく、例えば透明体又は半透明体である。以下、「少なくとも一部の可視波長域の光を透過する材料」を「透明材料」と記す。
筐体10は、円筒状に形成される。筐体10の中心軸上の線である軸線に符号AXを付す。以下の説明において、筐体10の軸線AX方向をZ方向とし、Z方向と直交しかつ互いに直交する二方向をX方向、Y方向とする。互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向は左手系をなす。
筐体10は、長手方向中央がくびれた円筒状の外観を有する。具体的には、筐体10は、軸線AX方向において端部よりも中央部で外径が狭まる、くびれ部14を含む外形状となっている。筐体10がくびれ部14を含む外形状となっていることにより、作業者が筐体10(言い換えると除去具1)を把持しやすくなっている。
筐体10の中空部12は、軸線AX方向と直交する直交断面(具体的には、XY断面)が円形となる形状を有する。XY断面が円形となる中空部12内に、棒状部20が配置される。
棒状部20は、内視鏡用処置具2の管路2B内に挿入される細長部の一例である。棒状部20は、中空部12内において、中空部12の底部12Bから開口部12A側に延びて形成される。
具体的には、棒状部20は、細長い円筒状の金属製部品であり、例えばSUS304で形成される。棒状部20は、根元部分がベース30に埋設される。棒状部20及びベース30は、筐体10の基端部10Aに形成された貫通孔部10Bに挿入されて、接着剤等で固着される。
棒状部20は、貫通孔部10Bを貫通し、中空部12内において、軸線AXと同軸に(言い換えると、中空部12の円形断面の中心を通り且つ軸線AX方向に沿って)延びて配置される。棒状部20のうち、中空部12内で軸線AXと同軸に延びる部分は、内視鏡用処置具2の管路2Bの全長よりも長い。
棒状部20の外径は、内視鏡用処置具2の管路2Bの内径よりも小さい。そのため、作業者は、棒状部20を管路2B内に挿入することができる。
ここで、内視鏡用処置具2について説明する。
内視鏡用処置具2は、例えば、ESDで用いられる処置具であり、その先端部2Aに高周波ナイフ2Cを備える。操作部2Dに対する操作に応じて、先端部2Aの先端面2Aaに対する高周波ナイフ2Cの突出量が変わる。手技を行う術者は、手技内容(マーキング、局注、切開、剥離、止血等)に応じて操作部2Dを操作し、高周波ナイフ2Cを適切な量だけ先端面2Aaから突出させる。
高周波ナイフ2Cには、貫通路である管路2Bが形成される。管路2Bは、管状である先端部2Aと同軸に配置される。管路2Bは、その後段の流路2Eと連通する。流路2Eの基端には、例えば送水ポンプ又は吸引ポンプが接続される。
送水ポンプが流路2Eの基端に接続される場合、例えば液体(洗浄液、薬液等)が送水ポンプによって流路2E内に供給される。流路2E内に供給された液体は、流路2E及び管路2Bを介して高周波ナイフ2Cの先端から外部に噴射される。これにより、例えば粘膜下層に薬液を注入したり、体腔内に付着した付着物(血液や粘液)を除去したりすることができる。
吸引ポンプが流路2Eの基端に接続される場合、例えば体腔内に付着した付着物が管路2B内に吸引される。管路2B内に吸引された付着物は、流路2Eを介して、吸引ポンプが備える容器等に入れられる。
このような役割をもつ管路2B内には、高周波ナイフ2Cによる焼灼で熱凝固したヘモグロビンや蛋白質等が付着することがある。例えば、送水ポンプ又は吸引ポンプを用いて管路2B内に液体又は気体を圧送することにより、ある程度の付着物を管路2B内から除去することができる。しかし、このような圧送だけでは、管路2B内で完全に凝固してしまった付着物を除去することは難しい。また、管路2Bの内径は、極めて細く、例えば0.2mm~0.4mm程度である。そのため、管路2Bは付着物で詰まりやすい。管路2Bが詰まってしまうと、液体又は気体を管路2B内に圧送すること自体が難しくなるため、付着物の除去が更に困難になる。
そこで、作業者は、除去具1を用いて管路2B内の付着物を除去する。除去具1を用いた付着物の除去作業について具体的に説明する。
作業者は、術者による手技中や手技後に、除去具1を用いて管路2B内の付着物を除去する。例えば手技中の場合、作業者は、内視鏡用処置具2を内視鏡から抜去し、内視鏡用処置具2の先端部2Aを、筐体10に形成された中空部12の開口部12Aから中空部12内に挿入する。
筐体10には、軸線AX周りの方向(ここでは、円筒状に形成された筐体10の周方向)において、筐体10の側面10Cを複数に分割するスリット16が形成される。スリット16は、筐体10の先端部10Eから基端部10Aに向かって側面10Cの途中位置まで、軸線AX方向に延びて形成される。
例示的には、筐体10の側面10Cに、4つのスリット16が筐体10の周方向に90度間隔で形成される。これにより、側面10Cは、スリット16が形成される部分において、筐体10の周方向に4つに分割される。
中空部12は、テーパ部12Cと非テーパ部12Dとを含む。テーパ部12Cは、開口部12Aから中空部12の途中位置Cまで、軸線AX方向に延びて形成される。非テーパ部12Dは、テーパ部12Cの基端である途中位置Cから底部12Bまで、軸線AX方向に延びて形成される。
テーパ部12Cは、底部12B側から開口部12Aに向けて拡開する。すなわち、テーパ部12Cは、軸線AX方向と直交するXY断面が底部12B側から開口部12Aに向けて大きくなるように形成される。
実施例1では、テーパ部12Cは、XY断面が底部12B側から開口部12Aに向けて連続的に大きくなる。別の実施例では、テーパ部12Cは、XY断面が底部12B側から開口部12Aに向けて段階的に大きくなってもよい。
上述したように、中空部12は、XY断面が円形となる形状を有する。そのため、「拡開」は「拡径」と読み替えてもよい。すなわち、テーパ部12Cは、底部12B側から開口部12Aに向けて、内径が連続的又は段階的に大きくなるように形成される。
テーパ部12Cは、最も広いXY断面(言い換えると内径)が、内視鏡用処置具2の先端部2AのXY断面(言い換えると、外径)よりも大きい。そのため、作業者は、先端部2Aを中空部12(より正確には、テーパ部12C)内に容易に挿入することができる。
テーパ部12Cは、内径が、非テーパ部12Dに近付くほど細くなっていき、例えば途中位置Cの手前辺り(途中位置CよりもZ方向負側の位置)で、内視鏡用処置具2の先端部2Aの外径よりも小さくなる。また、テーパ部12Cは、基端である途中位置Cで内径が最小となる。そして、非テーパ部12Dの内径は、全体に亘り、途中位置Cでの内径と同じである。すなわち、非テーパ部12Dは、その全長に亘り、内径が、内視鏡用処置具2の先端部2Aの外径よりも小さい。
そのため、作業者が内視鏡用処置具2の先端部2Aをテーパ部12C内に挿入すると、途中位置Cの手前辺りで、内視鏡用処置具2の先端部2Aの全周縁部がテーパ部12Cの内周面に押し当る。この状態で、作業者が先端部2Aを底部12B側へ更に挿入すると、Z方向負側ほど中空部12の内径が押し広がるように、側面10Cのうち、スリット16間に位置する4つの部分10Dが弾性変形する。これにより、中空部12全体が底部12B側から開口部12Aに向けて拡径した形状となる。
すなわち、テーパ部12Cが底部12B側から開口部12Aに向けてより拡径するとともに、内径が一定であった非テーパ部12Dが底部12B側から開口部12Aに向けて拡径する。
なお、中空部12内に挿入される内視鏡用処置具2の先端部2Aの外径に応じて、部分10Dの弾性変形による拡径の度合いが変わる。図6及び図7の例では、先端部2Aの外径は、非テーパ部12Dの内径よりも極僅かだけ大きい。そのため、部分10Dの弾性変形による拡径の度合いは極僅かである。従って、図6及び図7では、便宜上、非テーパ部12Dの内径を一定で示す。
このように、部分10Dが弾性変形するため、作業者は、途中位置Cを超えた先まで(すなわち、非テーパ部12Dまで)先端部2Aを挿入することができる。非テーパ部12Dまで挿入された先端部2Aは、全周方向から加わる外力(具体的には、弾性変形した部分10Dからの反力)により、軸線AXと同軸となる位置で、Z方向に摺動可能に保持される(例えば図6参照)。
図6に示されるように、軸線AXと同軸となる位置で保持された先端部2Aの管路2Bは、同じく軸線AXと同軸に延びる棒状部20と同じ直線上に位置することとなる。そのため、作業者は、棒状部20を管路2B内に容易に挿入することができる。すなわち、このように構成された除去具1は操作性が高い。
筐体10が透明材料で形成されるため、作業者は、棒状部20と管路2Bとの位置関係を目視で把握することができる。この点からも、作業者は、棒状部20を管路2B内に容易に挿入することができる。
作業者が棒状部20を管路2B内に挿入しやすいように、棒状部20の先端部20Aは、先細り形状となっている。図6に示されるように、先端部20Aは、R面取りされた形状となっている。別の実施例では、先端部20Aは、C面取りされた形状や先細りのテーパ形状となっていてもよい。
内視鏡用処置具2の外周面に、印2Fが付される。印2Fは、除去具1に挿入すべき、先端部2Aの挿入量を示す。図7に示されるように、作業者は、印2Fが開口部12Aに達する位置まで、先端部2Aを中空部12内に挿入する。これにより、棒状部20が管路2Bを貫通する。
棒状部20が管路2Bを貫通することにより、管路2B内に付着した付着物が破砕されて、流路2Eに押し出される。破砕後に管路2B内や流路2E内に残存する残存物は、送水ポンプ又は吸引ポンプを用いて液体又は気体を圧送することにより、管路2Bから外部へ排出することができる。
このように、実施例1によれば、中空部12内に挿入された内視鏡用処置具2の先端部2Aが棒状部20と同軸に保持される。そのため、作業者は、棒状部20を管路2B内に容易に挿入することができる。
実施例1によれば、側面10C(より詳細には、部分10D)の弾性変形により、中空部12の内径が先端部2Aの外径に合わせて変わる。そのため、作業者は、先端部2Aの外径が異なる複数種類の内視鏡用処置具2に対して除去具1を使用することができる。
[実施例2]
図8は、本発明の実施例2に係る除去具201の斜視図である。図9は、除去具201の内部構造を示す斜視図である。図10は、除去具201の内部構造を示す分解斜視図である。図11は、除去具201の内部構造を示す断面図である。図12A及び図12Bは、内視鏡用処置具2を除去具201に挿入した状態を示す図である。
図8は、本発明の実施例2に係る除去具201の斜視図である。図9は、除去具201の内部構造を示す斜視図である。図10は、除去具201の内部構造を示す分解斜視図である。図11は、除去具201の内部構造を示す断面図である。図12A及び図12Bは、内視鏡用処置具2を除去具201に挿入した状態を示す図である。
除去具201は、棒状部20、ベース30及び筐体210を備える。筐体210は、外装部210A及び内筒部210Bを備える。
外装部210Aは、例えば樹脂成形品であり、実施例1の筐体10と同様に、一端が開口する有底筒状体であり、長手方向中央がくびれた円筒状の外観(すなわち、くびれ部214を含む外形状)を有する。
外装部210Aは、一対の半割部210Aa、210Abで構成される。半割部210Aa、210Abは、上記の如き長手方向中央がくびれた円筒形状を、軸線AX方向を含む面で縦割りした形状を有する。半割部210Aaと半割部210Abとを縦割り面で結合することにより、円筒状の外装部210Aが形成される。なお、図9及び図10においては、半割部210Abの図示を省略する。
外装部210Aに形成された中空部212は、ガイド部212aと収容部212bとを含む。ガイド部212aは、中空部212の開口部212Aから中空部212の途中位置Dまで、軸線AX方向に延びて形成される。収容部212bは、ガイド部212aの基端である途中位置Dから底部212Bまで、軸線AX方向に延びて形成される。
ガイド部212aの内径は、その全長に亘り、内視鏡用処置具2の先端部2Aの外径よりも大きい。また、ガイド部212aは、開口部212Aに向けて拡径した形状を含む。そのため、作業者は、先端部2Aを開口部212Aからガイド部212a内に容易に挿入することができる(例えば図12A参照)。
収容部212bに、内筒部210Bが収容される。内筒部210Bは、例えば基端部210Baと管状部210Bbとを含む樹脂成形品である。基端部210Baは、接着剤等で収容部212bに固着される。これにより、内筒部210Bは、収容部212b内において、外装部210Aと同軸に(すなわち、軸線AXを中心とする位置で)配置される。
管状部210Bbは、一端が開口する有底筒状体であり、円筒状に形成される。管状部210Bbには、軸線AX周りの方向(ここでは、円筒状に形成された管状部210Bbの周方向)において、管状部210Bbの側面210Bcを複数に分割するスリット216が形成される。スリット216は、管状部210Bbの先端部210Bdから基端部210Beに向かって側面210Bcの途中位置まで、軸線AX方向に延びて形成される。
例示的には、管状部210Bbの側面210Bcに、4つのスリット216が管状部210Bbの周方向に90度間隔で形成される。これにより、側面210Bcは、スリット216が形成される部分において、管状部210Bbの周方向に4つに分割される。
管状部210Bbは、その全長に亘り、内径が、内視鏡用処置具2の先端部2Aの外径よりも小さい。また、管状部210Bbの側面210Bcと収容部212bの内周面との間には、全周に亘り、クリアランス(符号E)がある。
そのため、作業者が内視鏡用処置具2の先端部2Aを管状部210Bb内に挿入すると、先端部2Aの全周縁部が管状部210Bbの内周面に押し当る。この状態で、作業者が先端部2Aを基端部210Baへ更に挿入すると、Z方向負側ほど管状部210Bbの内径が押し広がるように、側面210Bcのうち、スリット216間に位置する4つの部分210Bfが弾性変形する。これにより、管状部210Bb全体が基端部210Ba側から開口部212Aに向けて拡径した形状となる。
なお、十分な大きさのクリアランスEが確保されているため、弾性変形した部分210Bfが収容部212bに衝突することはない。
このように、部分210Bfが弾性変形するため、作業者は、内視鏡用処置具2の先端部2Aを管状部210Bb内に挿入することができる。管状部210Bb内に挿入された先端部2Aは、全周方向から加わる外力(具体的には、弾性変形した部分210Bfからの反力)により、軸線AXと同軸となる位置で、Z方向に摺動可能に保持される(例えば図12B参照)。
軸線AXと同軸となる位置で保持された先端部2Aの管路2Bは、同じく軸線AXと同軸に延びる棒状部20と同じ直線上に位置することとなる。そのため、作業者は、棒状部20を管路2B内に容易に挿入し、管路2B内に付着した付着物を破砕して、内視鏡用処置具2の流路2Eに押し出すことができる。すなわち、このように構成された除去具201も操作性が高い。
このように、実施例2においても、中空部212内に挿入された内視鏡用処置具2の先端部2Aが棒状部20と同軸に保持される。そのため、作業者は、棒状部20を管路2B内に容易に挿入することができる。
実施例2においても、側面210Bc(より詳細には、部分210Bf)の弾性変形により、中空部212の内径が先端部2Aの外径に合わせて変わる。そのため、作業者は、先端部2Aの外径が異なる複数種類の内視鏡用処置具2に対して除去具201を使用することができる。
実施例2においても、作業者が棒状部20を管路2B内に挿入しやすいように、棒状部20の先端部20Aが先細り形状となっている。
実施例2において、外装部210A及び内筒部210Bを透明材料で形成することにより、作業者は、棒状部20と管路2Bとの位置関係を目視で把握することができる。この点からも、作業者は、棒状部20を管路2B内に容易に挿入することができる。
有底筒状体の一例である内筒部210Bは、外装部210Aよりも柔軟性が高い。そのため、作業者は、先端部2Aを軽い負荷で内筒部210B内に挿入することができる。また、作業者が把持する外装部210A自体が弾性変形しないため、作業者は、除去具201を扱いやすい。
外装部210Aと内筒部210Bは、例えば同一材料で形成される。内筒部210Bは、外装部210Aよりも薄肉に形成されるため、外装部210Aよりも柔軟性が高い。
外装部210Aと内筒部210Bは、異なる材料で形成されてもよい。一例として、内筒部210Bは、外装部210Aより弾性率が低い材料で形成される。
[実施例3]
図13は、本発明の実施例3に係る除去具301の斜視図である。図14は、除去具301の内部構造を示す断面図である。図15A及び図15Bは、内視鏡用処置具2を除去具301に挿入した状態を示す図である。
図13は、本発明の実施例3に係る除去具301の斜視図である。図14は、除去具301の内部構造を示す断面図である。図15A及び図15Bは、内視鏡用処置具2を除去具301に挿入した状態を示す図である。
除去具301は、棒状部20、ベース30及び筐体310を備える。筐体310は、例えば樹脂成形品であり、実施例1の筐体10と同様に、一端が開口する有底筒状体であり、長手方向中央がくびれた円筒状の外観(すなわち、くびれ部314を含む外形状)を有する。
筐体310は、実施例1の筐体10と異なり、スリットが形成されていない。その代わりとして、筐体310の中空部312に、テーパ部312Cが形成される。
実施例3では、中空部312の底部312Bから開口部312Aに至る全体がテーパ部312Cとなっている。テーパ部312Cは、底部312B側から開口部312Aに向けて拡径する円錐台形状となっている。すなわち、テーパ部312Cは、最もZ方向負側の位置において最も大きい内径を有し、最もZ方向正側の位置において最も小さい内径を有する。
このように、テーパ部312Cは、底部312B側から開口部312Aに向けて内径が連続的に大きくなる。一方で、底部312B側から開口部312Aに向けてテーパ部312Cの内径が段階的に大きくなる構成も本発明の範疇である。
以下、テーパ部312Cの最大内径に符号D1を付し、テーパ部312Cの最小内径に符号D2を付す。
図15Aの例では、外径D3を有する先端部2Aがテーパ部312Cに挿入される。外径D3は、テーパ部312Cの内径D1よりも小さく、テーパ部312Cの内径D2よりも大きい。
外径D3が内径D1よりも小さいため、作業者は、内視鏡用処置具2の先端部2Aをテーパ部312Cに挿入することができる。作業者は、先端部2Aを更に挿入することにより、棒状部20を管路2B内に挿入することができる。
テーパ部312Cは、途中位置D3’において内径が外径D3と同じになる。そのため、途中位置D3’において、内視鏡用処置具2の先端部2Aの全周縁部がテーパ部312Cの内周面に押し当る。先端部2Aが途中位置D3’まで挿入されると、棒状部20が管路2Bを貫通する。これにより、管路2B内に付着した付着物が破砕されて、内視鏡用処置具2の流路2Eに押し出される。
内視鏡用処置具2の先端部2Aがテーパ部312Cの内周面に押し当って止まると、作業者は、棒状部20が管路2Bを貫通したこと(言い換えると、付着物が破砕されて内視鏡用処置具2の流路2Eに押し出されたこと)を把握できる。また、作業者は、先端部2Aをテーパ部312Cの最深部まで挿入することなく(ここでは、先端部2Aを途中位置D3’まで挿入するだけで)、管路2B内の付着物を除去することができる。このように、実施例3に係る除去具301も操作性が高い。
図15Bの例では、外径D4を有する先端部2Aがテーパ部312Cに挿入される。外径D4は、テーパ部312Cの内径D2よりも小さい。そのため、作業者は、先端部2Aを、テーパ部312Cの最深部である底部312Bまで挿入することができる。
先端部2Aが底部312Bまで挿入されると、棒状部20が管路2Bを貫通する。これにより、管路2B内に付着した付着物が破砕して、内視鏡用処置具2の流路2Eに押し出される。
内視鏡用処置具2の先端部2Aがテーパ部312Cの底部312Bに押し当って止まると、作業者は、棒状部20が管路2Bを貫通したこと(言い換えると、付着物が破砕されて内視鏡用処置具2の流路2Eに押し出されたこと)を把握できる。
実施例3では、先端部2Aの外径が内径D1より小さい複数種類の内視鏡用処置具2に対して除去具301を使用することができる。
また、内径D2より大きく内径D1より小さい外径の先端部2Aをテーパ部312Cに挿入した場合、テーパ部312C内の途中位置で、先端部2Aの全周縁部がテーパ部312Cの内周面に押し当る。この場合、作業者が先端部2AをZ方向負側に動かさない限り、先端部2Aは、テーパ部312C内で動くことができない。作業者は、先端部2Aをテーパ部312C内で動かせなくなったことを知覚することにより、棒状部20が管路2Bを貫通したことを、よりはっきりと把握することができる。
筐体310は透明材料で形成される。そのため、作業者は、棒状部20と管路2Bとの位置関係を目視で把握することができる。この点からも、作業者は、棒状部20を管路2B内に容易に挿入することができる。
実施例3においても、作業者が棒状部20を管路2B内に挿入しやすいように、棒状部20の先端部20Aが先細り形状となっている。
[実施例4]
図16は、本発明の実施例4に係る除去具401の内部構造を示す断面図である。図17は、図16のF-F線断面図である。図18は、内視鏡用処置具2を除去具401に挿入した状態を示す図である。図19A~図19Dは、内視鏡用処置具2を除去具401に挿入した状態の断面図である。
図16は、本発明の実施例4に係る除去具401の内部構造を示す断面図である。図17は、図16のF-F線断面図である。図18は、内視鏡用処置具2を除去具401に挿入した状態を示す図である。図19A~図19Dは、内視鏡用処置具2を除去具401に挿入した状態の断面図である。
除去具401は、筐体410、棒状部420及びベース430を備える。筐体410は、例えば樹脂成形品であり、実施例1の筐体10と同様に、一端が開口する有底筒状体であり、長手方向中央がくびれた円筒状の外観(すなわち、くびれ部414を含む外形状)を有する。筐体410は、スリット16が形成されない点を除き、実施例1の筐体10と同じである。
ベース430は、円筒形状を有する。棒状部420は、根元部分がベース430の中心からずれた位置(偏心位置)に埋設される。棒状部420及びベース430は、筐体410の基端部410Aに形成された貫通孔部410Bに挿入されて、接着剤等で固着される。これにより、棒状部420は、貫通孔部410Bを貫通し、筐体410の中空部412内において、軸線AXから偏心した位置(言い換えると、中空部412の円形断面の中心からずれた位置を通り且つ軸線AX方向に沿って)延びて配置される。
実施例4において、内視鏡用処置具2の先端部2Aの外径と中空部412の非テーパ部412Dの内径はほぼ同じである。そのため、先端部2Aは、非テーパ部412Dへ挿入されると、非テーパ部412Dの中心軸である軸線AXと同軸に位置することとなる。
一方で、棒状部420は、軸線AXから偏心して位置する。また、棒状部420の外径は、管路2Bの内径よりも小さい。先端部2Aを非テーパ部412Dへ挿入すると、図19Aに示されるように、棒状部420は、軸線AXから偏心した位置で、管路2Bの内周面に当たった状態で管路2B内を貫通する。
そのため、作業者が先端部2Aに対して除去具401を軸線AXを中心として回転させると、図19A~図19Dに示されるように、管路2B内において、棒状部420は、管路2Bの内周面を擦るように、軸線AXから偏心した位置で動く。これにより、管路2B内に付着した付着物が棒状部420によって掻き取られて破砕する。そのため、付着物を管路2B内から確実に除去することができる。
棒状部420は、側面にエッジ部が形成されてもよい。
図20Aは、変形例1に係る棒状部420のXY断面を示す。図20Aの例では、棒状部420は、XY断面が六角形となるように形成され、側面に計6つのエッジ部を含む形状となっている。
図20Bは、変形例2に係る棒状部420のXY断面を示す。図20Bの例では、棒状部420は、XY断面が三角形となるように形成され、側面に計3つのエッジ部を含む形状となっている。
図20A及び図20Bの例では、作業者が先端部2Aに対して除去具401を軸線AXを中心として回転させると、棒状部420のエッジ部が管路2B内を擦る。管路2Bの内周面に線接触するエッジ部で管路2B内を強く擦ることができるため、付着物を管路2B内からより確実に除去することができる。
実施例4においても、作業者が棒状部420を管路2B内に挿入しやすいように、棒状部420の先端部420Aが先細り形状となっている。
筐体410は透明材料で形成される。そのため、作業者は、棒状部420と管路2Bとの位置関係を目視で把握することができる。そのため、作業者は、棒状部420を管路2B内に容易に挿入することができる。
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本発明の実施形態に含まれる。
実施形態等を適宜組み合わせた内容の一例として、実施例2~4において、実施例1と同様に、内視鏡用処置具2の外周面に印2Fを付した構成が挙げられる。
実施形態等を適宜組み合わせた内容の一例として、実施例1~3において、実施例4の変形例1及び2と同様に、棒状部20の側面にエッジ部を形成した構成が挙げられる。
1 :除去具
2 :内視鏡用処置具
2A :先端部
2B :管路
10 :筐体
12 :中空部
16 :スリット
20 :棒状部
30 :ベース
2 :内視鏡用処置具
2A :先端部
2B :管路
10 :筐体
12 :中空部
16 :スリット
20 :棒状部
30 :ベース
Claims (17)
- 内視鏡用処置具の管路内に付着した付着物を除去する除去具であって、
一端が開口する有底筒状体と、
前記有底筒状体の中空部内において前記中空部の底部から前記中空部の開口部側に延びて形成され、前記管路内に挿入可能な細長部と、を備え、
前記中空部は、前記底部側から前記開口部に向けて拡開する、
除去具。 - 前記有底筒状体の軸線周りの方向において、前記有底筒状体の側面を複数に分割する複数のスリットが形成され、
前記内視鏡用処置具が前記中空部に挿入されて押し当てられることにより、前記有底筒状体のうち、前記スリット間に位置する部分が弾性変形して、前記中空部が前記底部側から前記開口部に向けて拡開する、
請求項1に記載の除去具。 - 前記有底筒状体を保持する外装部を更に含み、
前記有底筒状体は、前記外装部よりも柔軟性が高い、
請求項2に記載の除去具。 - 前記中空部は、前記底部側から前記開口部に向けて連続的又は段階的に拡開するテーパ部を含む、
請求項1に記載の除去具。 - 前記有底筒状体は、
円筒状に形成され、
前記有底筒状体の軸線方向において端部よりも中央部で外径が狭まる、くびれ部を含む、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の除去具。 - 前記有底筒状体は、少なくとも一部の可視波長域の光を透過する材料で形成される、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の除去具。 - 前記細長部の側面にエッジ部が形成される、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の除去具。 - 前記細長部の先端部は、先細り形状となっている、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の除去具。 - 前記中空部は、前記有底筒状体の軸線方向と直交する直交断面が円形であり、
前記細長部は、前記中空部内において、前記円形の中心を通り且つ前記軸線方向に沿って延びて配置される、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の除去具。 - 前記中空部は、前記有底筒状体の軸線方向と直交する直交断面が円形であり、
前記細長部は、前記中空部内において、前記円形の中心からずれた位置を通り且つ前記軸線方向に沿って延びて配置される、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の除去具。 - 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の除去具と、
前記除去具に挿入される内視鏡用処置具と、を備え、
前記除去具に挿入すべき量を示す印が前記内視鏡用処置具に付される、
除去システム。 - 内視鏡用処置具の管路内に付着した付着物を除去する除去具であって、
一端が開口する有底筒状体と、
前記有底筒状体の中空部内において前記中空部の底部から前記中空部の開口部側に延びて形成され、前記管路内に挿入可能な細長部と、を備え、
前記中空部は、前記有底筒状体の軸線方向と直交する直交断面が円形であり、
前記細長部は、前記中空部内において、前記円形の中心からずれた位置を通り且つ前記軸線方向に沿って延びて配置される、
除去具。 - 前記有底筒状体は、
円筒状に形成され、
前記有底筒状体の軸線方向において端部よりも中央部で外径が狭まる、くびれ部を含む、
請求項12に記載の除去具。 - 前記有底筒状体は、少なくとも一部の可視波長域の光を透過する材料で形成される、
請求項12又は請求項13に記載の除去具。 - 前記細長部の側面にエッジ部が形成される、
請求項12又は請求項13に記載の除去具。 - 前記細長部の先端部は、先細り形状となっている、
請求項12又は請求項13に記載の除去具。 - 請求項12又は請求項13に記載の除去具と、
前記除去具に挿入される内視鏡用処置具と、を備え、
前記除去具に挿入すべき量を示す印が前記内視鏡用処置具に付される、
除去システム。
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JP2022065128A JP2023155668A (ja) | 2022-04-11 | 2022-04-11 | 除去具及び除去システム |
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