JP2023154681A - 鉄道保守支援システム、鉄道保守支援方法 - Google Patents

鉄道保守支援システム、鉄道保守支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2つ以上の設備や装置が関連し動作する鉄道に対し、それぞれの設備や機器の保守の関係性を考慮しつつ、より低コストとなる鉄道保守支援システム、鉄道保守支援方法を提供する。【解決手段】鉄道保守支援システムにおいて、処理部113に格納されたプロセッサは、鉄道設備のセンサ装置から取得するセンシングデータを変換した鉄道設備の保守の精度に関する情報である保守精度を説明変数とする鉄道設備の劣化の予測に用いる劣化予測モデル110を複数の鉄道設備毎に推定し、記憶部(主記憶装置(例えば、メモリ)と補助記憶装置(例えば、HDD))に格納する。劣化予測モデルの推定において、プロセッサは既に推定して記憶部に格納した第1の鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測を説明変数に含めた第2の鉄道設備の劣化予測モデルを推定する処理を行い、各鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測に基づいた保守による全体の保守コストを出力する。【選択図】図1

Description

本発明は鉄道保守支援システム、および、鉄道保守支援方法に関する。
人々がより豊かに生活できるよう、電力や鉄道等の社会インフラは、年々高度に整備されてきている。例えば鉄道においては、導入当初は動力を担当する機関車と客車の構成となっていたが、次第に動力も客車で確保できるべく小型動力装置が客車に使われ、乗客の快適性を向上すべく照明や空調装置等の機器が組み込まれるようになってきている。線路についても、列車の安全を確保する信号機が付けられたり、速度制限を行うATC(Automatic Train Control)の導入など、数多くの機器で構成されるようになってきている。一方で機器が増えると必然的にその機器の保守が必要となり、保守コストが増大していく。インフラ事業者はその保守コスト低減に向けて、従来の人手によるインフラの検査、修繕からIoT(Internet of Things)を活用した遠隔システムの導入、およびTBM(Time Based Maintenance)からセンサ情報を活用したCBM(Condition Based Maintenance)への移行が始まっている。そのCBMの実現手段として、以下の発明が挙げられる。
特開2017-16509号公報
特許文献1では、設備のセンサ情報を収集し、劣化状況と将来に渡る劣化推定予測を行い、かつ劣化予測状況と機器の異常イベント発生との関係を明らかにしたうえで、将来的な発生コストの見積もりを行う手段を提供している。特許文献1に代表される手段は特に単独で動く装置や機器に対して効果を発揮すると考える。
しかし特に鉄道においては、複数の装置や機器が関与して初めて正常動作するSystem of Sysmtemsとなっており、ある装置の異常さが、他の装置や機器に影響を及ぼすことがある。例えば線路保守については、軌道の変位(軌間・通り・高低・水準・平面性)に対する保守基準が設定されているが、軌道の変位が大きい線路を車両が走行すると故障発生の確率が上がることが予想される。ところがこうしたSystem of Systemsである鉄道であるにも関わらず、これまで保守は設備や装置間の関係性を考慮することなく、それぞれの設備や装置に対し保守基準を設けて管理を行っていた。例えば線路については前述の軌道に対する保守基準があり、車両についても車両の保守基準があり、架線についても同様に架線の保守基準を設けて管理をしている。この様な管理方式の場合、相手側の装置や機器の状態を考慮せずに保守管理を行うため、しばしば過剰な保守になってしまうことが予想される。近年特に日本の鉄道業界においては、人口減少による鉄道利用者数の減少が起こりつつあり、鉄道各社は保守コストをより抑えて企業の持続性を高めていく事が求められているが、従来のそれぞれの設備や機器に対する保守基準による保守方式では限界が出てくる事が予想される。
本発明の課題は、System of Systemsの一例である鉄道に対し、従来の設備や装置ごとの保守方式ではなく、それぞれの設備や機器の保守の関係性を考慮しつつ、より低コストとなる保守方式を導き出すことにある。
本発明の第1の態様によれば、下記の鉄道保守支援システムが提供される。すなわち、鉄道保守支援システムは、プロセッサと、記憶部と、を備える。プロセッサは、鉄道設備のセンサ装置から取得するセンシングデータを変換した鉄道設備の保守の精度に関する情報である保守精度を説明変数とする鉄道設備の劣化の予測に用いる劣化予測モデルを、複数の鉄道設備ごとに推定し、記憶部に格納する。プロセッサは、劣化予測モデルの推定において、既に推定して記憶部に格納した第1の鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測を説明変数に含めた第2の鉄道設備の劣化予測モデルを推定する処理を行う。プロセッサは、各鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測に基づいた保守による全体の保守コストを出力する。
本発明の第2の態様によれば、下記の鉄道保守支援システムが提供される。すなわち、鉄道保守支援システムは、プロセッサと、記憶部と、を備える。プロセッサは、鉄道設備の故障の予測に用いる故障予測モデルを複数の鉄道設備ごとに推定し、記憶部に格納する。プロセッサは、故障予測モデルの推定において、既に推定して記憶部に格納した第1の鉄道設備の故障予測モデルの故障予測を説明変数に含めた第2の鉄道設備の故障予測モデルを推定する処理を行う。プロセッサは、各鉄道設備の故障予測モデルの故障予測に基づいた保守による全体の保守コストを出力する。
本発明の第3の態様によれば、下記の鉄道保守支援方法が提供される。すなわち、鉄道保守支援方法は、プロセッサと、記憶部と、を有する鉄道保守支援システムを用いて行う方法である。プロセッサは、鉄道設備の保守の精度に関する情報である保守精度を入力し、前記保守精度を説明変数とする鉄道設備の劣化の予測に用いる劣化予測モデルを複数の鉄道設備ごとに推定し、記憶部に格納する。プロセッサは、各鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測に基づいた保守による全体の保守コストを出力する。前記の複数の鉄道設備ごとに劣化予測モデルを推定する際に、プロセッサは、既に推定して記憶部に格納した第1の鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測を説明変数に含めた第2の鉄道設備の劣化予測モデルを推定する処理を行う。
本発明によれば、System of Systemsの一例である鉄道に対し、それぞれの設備や機器の保守の関係性を考慮しつつ、より低コストとなる保守方式を導き出すことができる。なお、上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態の説明により明らかにされる。
第1実施形態に係り、鉄道保守意思決定支援システムの一例を示す構成図。 劣化予測モデル推定と保守コスト最小となるときの保守精度を決定する処理の一例を示すフローチャート。 時点ごとの保守精度の決定方法に関し、入力データの例を示す図。 時点ごとの保守精度の決定方法に関し、出力データの例を示す図。 鉄道設備の計測値を登録したデータ構造の例を示す図。 環境情報の一例を示す図。 輸送情報の一例を示す図。 保守コストの計算方法の一例を示すフローチャート。 保守コストを表現するデータ構造の例を示す図。 合計保守コストが最も低い時の出力例を示す図。 第2実施形態に係り、鉄道保守意思決定支援システムの一例を示す構成図。 故障予測モデル推定と保守コスト最小となるときの保守精度を決定する処理の一例を示すフローチャート。 各係数を求める際に用いる故障情報の具体例を示す図。 第3実施形態に係り、集計結果のデータ構造の一例を示す図。 保守コストの比較表示例を示す図。 第4実施形態に係り、鉄道保守意思決定支援システムの一例を示す構成図。 劣化と故障の両方を取り扱う保守の場合のモデル推定と保守コスト最小となるときの各設備の保守精度を決定する処理の一例を示すフローチャート。 複数の設備や機器から構成された構成例を示す図。 構成例に基づき、構成される各鉄道設備に対するモデル推定の一例を示すフローチャート。 鉄道保守の現場での保守実行までの一例を示すアクティビティ図。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。同一の符号を付した部分は同一物を表し、基本的な構成および動作は同様であるものとする。実施形態は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。
各種情報の例として、「テーブル」、「リスト」、「キュー」等の表現にて説明することがあるが、各種情報はこれら以外のデータ構造で表現されてもよい。例えば、「XXテーブル」、「XXリスト」、「XXキュー」等の各種情報は、「XX情報」としてもよい。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。
実施形態では、レールと車輪や、エアブレーキと電気ブレーキ等の様に、保守の関係性を有する設備や機器が対象とされ、複数の設備や機器間での保守の関係性に基づき、より適切な保守方法を提示する支援システムを説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態は、鉄道設備や機器から送られるセンサ情報をもとに、劣化予測を可能とするモデルを推定し、さらに設備等の間における保守の関係性を推定することで、全体として保守コストを最も低減できる各設備や機器の保守精度を提示する鉄道保守意思決定支援システムに関する。図1は、鉄道保守意思決定支援システムの一例を示す構成図である。
鉄道保守意思決定支援システム(鉄道保守支援システム)は、入力インタフェース、記憶デバイス(主記憶装置および補助記憶装置)、プロセッサ(例えば、CPU)、表示装置(例えば、液晶表示装置)、通信部及びこれらを相互に接続するバス等の情報処理資源を備えたコンピュータ装置で構成される。
入力インタフェースは、入力部101を構成する。保守管理者が処理の実行指示をすることで、劣化予測モデルの推定、全体で最小コストとなる保守精度の探索計算が行われる。記憶デバイス(記憶部)には主記憶装置(例えば、メモリ)と補助記憶装置(例えば、HDD)が用いられ、主記憶装置には各機能を実現するプログラム(劣化予測モデル推定部102、劣化予測部103、最適探索部104、結果作成部105)が格納される。また、補助記憶装置は、利用する各種情報(センシングデータ106、環境情報107、輸送情報108、劣化情報109)、および前記プログラムの処理結果である劣化予測モデル110、保守コスト予測111、保守精度112を格納する。なお、主記憶装置には、保守精度を決定するプログラムや保守コストを計算するプログラム等が格納されてもよい。補助記憶装置には、プロセッサにより実行されるプログラムが格納される。
プロセッサは処理部113に格納されており、前記プログラムの処理を実行する演算実行部として機能することで、各種機能を発揮することができる。表示装置は出力部114に該当しており、項目設定状況や、処理結果の確認をすることができる。
通信部115は、通信に用いるインタフェースを含んで構成される。処理部113は、通信部115を介して、鉄道保守意思決定支援システムの外部にある、管理対象の各鉄道設備や装置から送られてくるセンサ情報を授受し、補助記憶装置に格納する。バスは上記プロセッサ、入力インタフェース、記憶デバイス、表示装置、インタフェースを結んでおり、情報の受け渡しをすることで、機能の実現に寄与している。
通信部115にはネットワークを介して前記のセンサ情報が送られる。例えば、鉄道車両116に搭載されているセンサ装置117によってセンシングされた結果が、ネットワークを介し通信部115に送られる。同様に線路関連機器118においても観測するセンサ装置119にてセンシングされたセンシングデータが、通信部115に送られる。さらに電路関連機器120についてもセンサ装置121にてセンシングされて、通信部115にセンシングデータが送られる。なお、管理対象の設備や装置の個数については任意であり本図の個数には捉われない。最低限関連する2つ以上の設備もしくは装置があればよい。
次に、図2を参照しながら、鉄道保守意思決定支援システムにおける劣化予測モデル推定と、総保守コストの推定および保守コスト最小となる各設備の保守精度を決定する処理の一例について説明する。図2は、劣化予測モデル推定と、保守精度を決定する処理の一例を示すフローチャートである。ここでの説明では、保守管理対象として鉄道設備A、鉄道設備Bの2つがあり、鉄道設備Aの保守精度によって鉄道設備Bの劣化が影響するものとする。すなわち、鉄道設備Aと鉄道設備Bは、保守の関係性を有するとする。なお、本発明では、対象設備は2以上であればよいが、3以上の場合についての追加処理については後述する。
最初に、処理部113が、対象設備A(鉄道設備A)、対象設備B(鉄道設備B)の保守精度の決定を行う(201)。保守精度を決定する際に、処理部113は保守精度を計算するプログラムを実行する。この決定方法は期間ごとの決定方法、時点ごとの決定方法が存在するが、どちらも同じように処理することが可能である。ここでは時点ごとの決定方法の具体例を示し説明する。ここで、図3Aは時点ごとの保守精度の決定方法に関し、入力データの一例を示している。
図3Aにおいて、設備ID301は、どの設備に対するものかを示すIDであり、計測ID302はその設備に対する計測項目を示している。保守日時303は保守日時を示しており、検査もしくは修繕があった日時を示している。計測値304は計測ID301に対し計測した値を示している。検査基準305は計測の際の検査基準を示しており、本図の1行目にある160-170は、計測値が160から170に含まれていれば検査基準を満たしているという意味になる。次に図3Bは、保守精度の決定方法を示す図のうち、処理結果の一例を示している。なお、図3Aと同じものには同じ番号を与えているため、説明を省略する。要求精度中央値306は要求精度の中央の値を示しており、例えば検査基準305が160-170の場合には、要求精度中央値は(160+170)/2=165と決定される。要求保守精度307は、検査基準305を1(要求保守精度と同じ値となる場合は1となる)を基準とした乖離を示している。計算方法はいくつか考えられるが、例えば、要求保守精度=(要求精度中央値-(検査基準の上限値-検査基準の下限値)/2)/要求精度中央値として求めることができる。保守精度308は実際の保守精度を示している。計算方法は、例えば、保守精度=1-(要求精度中央値-計測値)/要求精度中央値である。こうして要求保守精度が例えば0.95であった場合、計測IDによる計測結果から求められる保守精度が1~0.95までは正常とみなす事を意味している。この保守精度を用い、図2の202以降の処理を行っていく。
図2の説明に戻る。次に、処理部113が鉄道設備Aの劣化予測モデルを推定する(202)。図1では劣化予測モデル推定部102に該当する処理である。劣化予測モデルの推定方法としては、例えば、線形モデルでの回帰推定方法や、機械学習を使った推定方法が挙げられる。本説明では線形モデルでの回帰推定を例にとり説明するが、劣化予測モデルの推定方法についてはこの限りではない。
線形モデルの回帰推定の際には、説明変数(x,x,・・・x)候補の設定および、目的変数yの設定が必要となる。目的変数yは予測する劣化を示す計測値である。説明変数候補については鉄道設備Aの他の計測値、その設備が存在する周辺の環境情報(気温、湿度、天気、降雨量、日射量、時刻など)が考えられるが、本発明の特徴の1つとしてその説明変数の中に設備Aの保守精度を含めていることにある。ここで、図4を用いて、鉄道設備の計測値を登録したデータ構造の例を説明する。また、図5を用いて、環境情報の一例を説明する。
図4において、設備ID401は設備のIDを示しており、計測ID402はその設備に対する計測項目のIDを示している。計測日時403は計測日時であり、計測値404は計測値を示している。
図5は環境情報の一例を示しており、日時501は日時を示しており、気温502はその日時における気温を示している。同様に湿度503は湿度を示しており、降雨量504は降雨量、日射量505は日射量を示している。もちろん鉄道で長い区間を走行している場合には、環境条件が変わりえる各区間に対しこの環境情報を用意しておいてもよい。これに加えて、本実施形態では、図3Bで示された保守精度を加えて回帰推定を行う。
これら説明変数候補と目的変数の組み合わせから、重回帰推定を実施する。重回帰推定の際には不要な説明変数を削除していくことになるが、その変数削除の際に保守精度の説明変数は削らないような処理を行う。これにより回帰推定の結果として劣化予測モデルが推定される。推定された回帰式は、下記の数式となる。
Figure 2023154681000002
ここで、yは設備Aの劣化予測、vは設備Aの保守精度、w,w,・・・wは説明変数候補の中から残った説明変数(k≦n)、tは経過時間であり、これが鉄道設備Aの劣化予測モデルとなる。なお、この説明変数w,w,・・・wの中は、輸送情報を加味した説明変数となっていても構わない。
図6を参照しながら、輸送情報を説明する。図6は輸送情報の例を示している。列車番号601は列車番号を示しており、どの列車かを特定するIDとなっている。日時602は日時を示している。走行路線603は走行路線を示しており、どの路線を列車が走行しているかを示している。走行位置604は走行位置を示しており、例えば始発駅からの累積距離で表している。速度605は速度を示しており、加速度606は加速度を示している。走行重量607は走行重量を示している。輸送情報を加味したときは、例えば鉄道設備Aへの劣化影響が列車通過時にのみ働くのであれば、ある説明変数wは下記に示す値をとるものとして処理をしても良い。
Figure 2023154681000003
ここで、図6に示すデータ構造を用いる場合では、一例として、該当する列車番号、日時、走行路線と走行位置に関して、データが存在していれば1、存在しなければ0となる。もしくは列車通過回数に起因するなら、下記のようにしても良い。
Figure 2023154681000004
ここで、numは経過時間tまでの通過回数である。同様に図6のデータ構造を用いる場合では、一例として、該当する列車番号、日時、走行路線と走行位置に関して、存在するデータの個数が通過回数となる。もしくは輸送情報のデータの値を使う場合も考えられる。例えばw(t)は該当する列車番号、日時、走行路線と走行位置に関する走行重量の値、としても良い。それによって走行重量の影響を劣化に加味することができる。なお、以降説明する式4、式6、式7等にある説明変数については、輸送情報を加味した説明変数であっても良いものとする。
次に、処理部113は劣化予測モデル推定部102を実行して、鉄道設備Aの劣化情報を加えつつ、鉄道設備Bの劣化予測モデルを推定する(203)。ここでも同様に線形モデルの回帰推定を例に説明するが、推定方法についてはこの限りではない。鉄道設備Bの劣化予測モデルも同様に推定していくが、最初の説明変数候補として、鉄道設備Aの劣化情報も加えて推測を行う。これにより推定された回帰式は、下記の数式となる。
Figure 2023154681000005
ここで、yは設備Bの劣化予測、y(t)は設備Aの経過時間tにおける劣化予測、vは設備Bの保守精度、w,w,・・・wは説明変数候補の中から残った説明変数(j≦n)、tは経過時間となり、これが鉄道設備Bの劣化予測モデルとなる。
次に推定された鉄道設備A、鉄道設備Bの劣化予測モデルを用い、鉄道設備A、鉄道設備Bの保守精度を変えた場合の保守コストの予測を行う。ループ204は鉄道設備Aの保守精度を変える際のループ始端を示しており、ループ205は鉄道設備Bの保守精度を変える際のループ始端を示している。またループ206はシミュレーション上での時間変化のループの始端を示している。本実施形態では、鉄道設備Aの保守精度を1,2・・・kと変え、鉄道設備Bの保守精度を1,2・・・jと変えて、設定した保守精度での保守コストを求める。
最初に、処理部113が鉄道設備Aの劣化予測を行う(207)。図1では劣化予測部103に該当する処理となる。鉄道設備Aの劣化予測を行う際には、数式1の劣化予測モデルを用い、時刻tにおける各説明変数の値を補助記憶装置のセンシングデータ、環境情報から取得し設定する。保守精度については、ループ204の始端で設定した保守精度を使い設定する。各説明変数の値が設定されたら式1を使い、yを予測する。この予測結果をy(t)とする。
次に、処理部113が鉄道設備Bの劣化予測を行う(208)。図1では劣化予測部103に該当する処理となる。鉄道設備Aの劣化予測の際と同様、式4の劣化予測モデルを用い、時刻tにおける各説明変数の値を補助記憶装置のセンシングデータ、環境情報から取得し、加えて207で取得したy(t)を使い設定する。保守精度については、ループ204の始端、およびループ205の始端で設定した保守精度を使い設定する。各説明変数の値が設定されたら式4を使い、yを予測する。この予測結果をy(t)とする。
次に、処理部113が鉄道設備Aの保守コストを予測する(209)。処理部113は保守コストを計算するプログラムを実行する。鉄道設備の保守コスト計算については、対象設備や保守方法で様々考えられるが、ここでは保守コストを検査コスト、検査にて異常が見つかった際の修繕コスト、輸送業務中に劣化から故障に至った際の復旧コストの3つとして説明する。
図7は保守コストの計算方法の一例を示している。最初に、処理部113が時刻(t-1)~時刻tまでに劣化から故障に至ったかの判定を行う(701)。判定方法としては、例えば、事前に設定したしきい値よりも対象鉄道設備の劣化量が越えているかで判定する方法が考えられる。故障が発生していない場合は、703に処理が進む。故障が発生した場合には、処理部113が復旧コストを加算する(702)。復旧コストの計算としては、対象設備の撤去料金、対象設備を撤去するまでの利用機会損失、等が挙げられ、事前に設定された値に基づき加算を行う。
次に、処理部113が時刻(t-1)~時刻tまでに検査期間が含まれているかを判定する(703)。検査期間は例えば1ヶ月毎の様にいつ鉄道設備の検査を行うかを示すものであり、前記時刻(t-1)~時刻tの間に検査期間があれば検査を行ったものとする。検査期間が含まれていない場合は708へ処理が進む。検査期間が含まれていた場合は、処理部113が検査コストを加算する(704)。検査コストも事前に設定された値であり、その値に従って加算を行う。
次に、処理部113が検査の際に異常が見つかったかの判定を行う(705)。異常が見つからなかった場合は、708へ処理が進む。異常が見つかった場合は、修繕を行ったものとみなし、劣化を劣化無しに変更する(706)。劣化予測モデルを使った劣化無しの扱いについては、例えば経過時間tをゼロにリセットする事で劣化無しの状態にすることができる。次に処理部113が修繕コストを加算する(707)。修繕コストも事前に設定された値であり、その値に従って加算を行う。最後に、復旧コスト、検査コスト、修繕コストを合算して保守コストとする(708)。
図2の説明に戻る。同様に処理部113が鉄道設備Bの保守コストを予測する(210)。処理部113は保守コストを計算するプログラムを実行する。具体的な処理方法は209と同様、例えば図7の保守コストの計算方法を使って求めることができる。
次に、処理部113が時間ループの終了判定を行い(211)、終了時刻まで保守コストを計算出来ていなければ、時刻を更新し206に処理が戻る。終了時刻まで達していれば212に処理が進む。こうして鉄道設備Aの保守精度k、鉄道設備Bの保守精度jの時の、鉄道設備Aおよび鉄道設備Bの保守コストが算出される(212)。算出方法は各時刻にて209、210で計算された鉄道設備Aの保守コスト、鉄道設備Bの保守コストを鉄道設備ごとに足し合わせれば良い。
次に、処理部113が鉄道設備Bの保守精度の変化ループの終了判定を行い(213)、終了する保守精度まで至っていなければ、保守精度を更新し205に処理が戻る。そうでなければ214に処理が進む。次に、鉄道設備Aの保守精度kの時の、鉄道設備Bの各保守精度(1,2・・・j)に対する鉄道設備Aの保守コスト、鉄道設備Bの保守コストが出力される(214)。次に、処理部113が鉄道設備Aの保守精度の変化ループの終了判定を行い(215)、終了する保守精度まで至っていなければ、保守精度を更新し204に処理が戻る。そうでなければ216に処理が進む。
こうして鉄道設備Aの各保守精度および鉄道設備Bの各保守精度に対する、鉄道設備Aの保守コストおよび鉄道設備Bの保守コストが出力される(216)。図8はこの保守コストを表現するデータ構造の例を示している。
鉄道設備Aの保守精度801は鉄道設備Aの保守精度を示しており、鉄道設備Bの保守精度802は鉄道設備Bの保守精度を示している。なお、基準となる保守精度(例えばループ始端で設定する保守精度)からの誤差でまとめて各保守精度が表されているが、他の手法により保守精度が表されてもよい。鉄道設備Aの検査コスト803は、該当する保守精度における鉄道設備Aの検査コストを示しており、鉄道設備Bの検査コスト804は、該当する保守精度における鉄道設備Bの検査コストを示している。鉄道設備Aの修繕コスト805は、該当する保守精度における鉄道設備Aの修繕コストを示しており、鉄道設備Bの修繕コスト806は、該当する保守精度における鉄道設備Bの修繕コストを示している。鉄道設備Aの復旧コスト807は、該当する保守精度における鉄道設備Aの復旧コストを示しており、鉄道設備Bの復旧コスト808は、該当する保守精度における鉄道設備Bの復旧コストを示している。合計保守コスト809は合計保守コストを示している。こうして鉄道設備の各保守精度に対し、合計保守コストがどの位になるのかを把握できる。なお、誤差の範囲に複数の保守精度が含まれる場合、これらの保守精度から代表的な保守精度の値が求められ、この保守精度に基づいて各コスト(803~808)の値が求められてもよい。
次に、合計保守コストが最も低い時の保守精度の探索を行う(217)。処理部113が探索を行い、図1では最適探索部104に該当する処理である。探索については保守コストのデータ構造が図8のような場合には、合計保守コスト809が最小となるレコードを抜き出し、その時の鉄道設備Aの保守精度801、鉄道設備Bの保守精度802の値を参照することで、所望の保守精度の組み合わせを特定することができる。
最後に合計保守コストが最も低い時の、鉄道設備A、鉄道設備Bの保守精度を処理部113が出力し(218)、処理が完了する。図1では結果作成部105に該当する処理である。図9は合計保守コストが最も低い時の出力例を示している。鉄道設備Aの保守精度出力部901は鉄道設備Aの保守精度の変化を示しており、本例では現状の保守精度が誤差10%以下であったときに保守精度が誤差3%以下~誤差17%以下まで変化させた時を示している。さらにその保守精度の変化が現状比何%変化なのかを分かりやすくスケールで表してもよい。鉄道設備Aの保守精度出力部901にて-200%から+200%まで記載している数値がスケールとなっている。なお、そのスケールの取り方も色々考えられるが、一例としては{現状の保守精度}/{変更案の保守精度}×100%で計算して出力する(なおマイナスは保守精度を悪化させる、プラスは保守精度を良好させることを意味している)。鉄道設備Bの保守精度出力部902は鉄道設備Bの保守精度の変化を示しており、鉄道設備Aの保守精度出力部901と同様に保守精度そのものの値と、現状比何%変化なのかのスケールで表している。
ポインタ903は現状の鉄道設備Aの保守精度を示している。またポインタ904は現状の鉄道設備Bの保守精度を示している。ポインタ905は変更後の保守コストを示し、この例では全体保守コストが最小となる鉄道設備Aの保守精度を示している。またポインタ906は変更後の保守コストを示し、この例では全体保守コストが最小となる鉄道設備Bの保守コストを示している。ポインタ(903~906)は、記号、文字、数字等を適宜に用いた態様とすることができる。
表中の各マスには、鉄道設備A、鉄道設備Bの各保守精度に対する、全体保守コストが示されており、最もコストの低いところは濃く、コストが高いところは白い背景色でヒートマップ状に表されている。このような保守コストの変化を提示させることで、保守管理者にとって分かりやすい表示ができ、かつ他の保守精度の組み合わせは、効果がありそうかどうかを判断させ、現状の保守管理方式の変化を促すことが可能になる。
保守精度変更表示907は全体保守コストが最小となる保守精度変更を具体的に示した表示例である。この表示例では、ポインタ903およびポインタ904で指定された現状の保守精度と、ポインタ905およびポインタ906で指定された全体コストが最小となる保守コストでの保守精度の情報が表示される。この表示例では、鉄道設備Aの保守精度出力部901、鉄道設備Bの保守精度出力部902の現状比何%変化のスケール、および保守コストの値をもとに、変更結果が出力される。
また保守精度変更表示907の表示例は、最小の保守コストとなる保守精度以外の場合も提示しても構わない。保守精度変更表示907は、全体の保守コスト変更、および、保守精度変更の結果を示す表示であれば良く、例えば、保守管理者が、適宜の保守コストを選択する選択部908を利用して最小の保守コストでない場所をクリックした時には、現状からクリックで指定された箇所への保守精度と保守コストの変化の情報が表示されてもよい。
また本発明は、これまで述べてきた劣化に関する保守だけでなく、故障に関する保守に対しても同様に適用可能である。劣化はある特定の鉄道設備に対する劣化の進みを予測するモデルとなっているが、故障は確率的に発生することが多いため、特定の鉄道設備の種類に対する故障確率分布関数を求めて予測を行う。以下の第2実施形態では、故障に対する保守の場合の構成や違いについて説明し、既に説明した内容と同様の内容については省略する。
<第2実施形態>
図10は故障に関する保守の場合の、鉄道保守意思決定支援システムのシステム構成の一例を表している。劣化との差分としては、故障予測モデル推定部1001、故障予測部1002、故障情報1003、故障予測モデル1004がある。それぞれの違いについては処理内容の一例を示す図11を使い説明する。
図11は故障に関する保守の場合の、鉄道保守意思決定支援システムにおける故障予測モデル推定と、総保守コストの推定および保守コスト最小となる各設備の保守精度を決定する処理の一例を示すフローチャートである。なお同じ処理の場合は図2と同じ番号を割り当てている。故障に関する保守の場合は、処理部113が鉄道設備Aの故障予測モデルの推定を行う(1101)。図10では故障予測モデル推定部1001に該当する処理である。故障の場合には、劣化予測のように順次変化するものではなく、突発的に発生することが多い。
図12は後で説明する式6の各係数を求める際に用いる故障情報1003の具体例を示している。設備種別ID1201は設備種別IDであり、例えば鉄道設備Aの機種を示している(鉄道設備Aと同じ設備のデータが複数あるものとしている)。計測期間1202は計測期間を表しており、故障数1203はその計測期間に発生した設備種別IDに対する故障件数を表している。この様に故障の場合は事象の発生を確率的に取り扱うために特定の鉄道設備に対してではなく、鉄道設備の種別に対する発生件数のデータでモデル予測を行う。
事象の発生を確率的に取り扱うモデルの1つとして信頼性工学におけるワイブル分布推定を用いることが多い。本実施形態でもワイブル分布をベースとした故障確率推定で説明する。一般にある設備の故障確率分布関数をワイブル分布と仮定すると、式5で与えられる。
Figure 2023154681000006
ここで、mはワイブル係数、ηは尺度である。鉄道設備の場合、列車の走行が無い時間帯では、地上設備の動作が少ないことが多く、また鉄道車両も走行しない時間帯(車庫に保管中、検査中等)が多いため、実際には単純な時刻tではなく、実際に動作している時間帯や環境要因等に影響することが多い。そのため鉄道設備Aの故障予測モデルについては、ワイブル分布を一部改良し式6で与えられるものとする。
Figure 2023154681000007
ここで、zは鉄道設備Aの故障予測モデル、mはワイブル係数、ηは尺度、sは補正時間、о,о,・・・оはsの説明変数である。説明変数о,о,・・・оについては、劣化予測の時と同様に、センシングデータ106、環境情報107の中から説明変数候補を抽出する。また、故障が発生し得る位置での通過の情報を用いることで、上記のように輸送情報が加味されてもよい。式gについても様々な与え方が考えられるが、例えば線形回帰式と仮定して一旦sを求め、次にワイブル分布推定で採用されている累積ハザード法や最尤法でzを導く各係数を求めていく。例えば故障情報1003の計測期間1202、故障数1203をもとに実測値のz^(t),t=t,t,・・・tを求めると同時に、式6に基づいて予測値のz(t),t=t,t,・・・tを求め、その差分から乖離度を求め、その乖離度を小さくする方向にsの式を直していくことで最終的に上記式6を決めることができる。
次に処理部113が鉄道設備Aの故障情報を加えて鉄道設備Bの故障予測モデルを推定する(1102)。図10では故障予測モデル推定部1001に該当する処理である。この時の鉄道設備Bの故障予測モデルについては、式7で与えられる。
Figure 2023154681000008
ここで、zは鉄道設備Bの故障予測モデル、z(t)は時刻tにおけるzの値、mはワイブル係数、ηは尺度、sは補正時間、о,о,・・・оはsの説明変数である。劣化予測モデルの際と同様に、説明変数に鉄道設備Aの種類の故障確率を含めて推定することが本発明の特徴の1つとなっている。故障予測モデルの推定については1001と同様にz、sを推定していく。
次に劣化と異なる点は、鉄道設備Aの故障予測(1103)である。故障予測は処理部113が行い、図10では故障予測部1002に該当する処理である。故障予測の場合は、故障確率分布関数として確率的な式6が与えられているため、この例では、一旦この時刻tにおける故障確率z(t)を求めた後、別途0~1の間の乱数を生成し、その乱数がz(t)を超えた場合に故障が発生したと予測する。同様に処理部113が故障予測部1002を実行して鉄道設備Bの故障予測も行う(1104)。この時も鉄道設備Aの故障予測と同様、この例では、式7に基づきこの時刻tにおける故障確率z(t)を求めた後、別途0~1の間の乱数を生成し、その乱数がz(t)を超えた場合に故障が発生したと予測する。以降は劣化予測と同様の処理を行う事で、故障に対する全体コスト最小となる保守コストを求めることができる。
次に第3実施形態について説明する。第3実施形態では、各鉄道設備の保守コストの時間変化を分かり易く提示する例について説明する。なお、既に説明したに内容と同様の内容については説明を省略する。
<第3実施形態>
図13は、図2の216における別の集計結果のデータ構造例を示した図である。基本的に図8を拡張したものであり、同じところは図8の番号を用いている。以下、変更点についてのみ説明する。経過期間1301は経過時間を示しており、図2の206で述べたシミュレーションでの時間変化tに該当している。累積合計保守コスト1302は累積合計保守コストを示しており、経過時間tまでの合計保守コスト709の累計を示している。このように、経過期間1301ごとにデータがまとめられている。
図14は図13の集計結果を利用した保守コストの比較表示例を示している。現状保守案1401は現状保守案のコスト変化を示したものである。一番左側のグラフは鉄道設備Aの保守コストの時間変化のグラフであり、グラフの横軸は経過時間を示しており、グラフの縦軸は保守コストを示している。以降の図14にあるグラフの横軸、縦軸は全て同じである。データに関して、図13の経過期間1301を横軸の数値とし、現状の保守精度に合致するレコードの中で符号(803、805、807)の合計値をさらに経過時間まで累積させたものを縦軸の数値としている。中央のグラフは鉄道設備Bの保守コストの時間変化のグラフである。データに関しては、同様に、図13の経過期間1301を横軸の数値、現状の保守精度に合致するレコードの中で符号(804、806、808)の合計値をさらに経過時間まで累積させたものを縦軸の数値としている。一番右側のグラフは鉄道設備Aと鉄道設備Bの保守コストの合計を示している。
保守変更案1402は保守変更案のコスト変化を示している。現状保守案1401と同様に一番左側のグラフは鉄道設備Aの保守コストの時間変化のグラフ、中央のグラフは鉄道設備Bの保守コストの時間変化のグラフ、一番右側のグラフは鉄道設備Aと鉄道設備Bの保守コストの合計を示している。図13の情報を用いたグラフの表示方法は現状保守案1401の場合と同様である。
変更効果1403は変更効果の比較グラフを示している。処理としては現状保守案1401で作成した全保守コスト合計と、保守変更案1402で作成した全保守コストとを重ね合わせて表示を行う。この様に保守精度変更による保守コストの変更効果を提示することで、保守管理者にとって意義のある変更となっているか(例えば大幅なコスト削減に繋がっているか)、確認することが可能となる。
また本発明は、劣化と故障の両方に対しても同様に適用可能である。劣化と故障の両方を扱うと、例えばある鉄道設備の劣化状況によって、別の鉄道設備の損傷確率が変化するという場合の対応も可能となる。以下の第4実施形態では、劣化と損傷の両方を取り扱う場合の構成や処理の違いについて説明し、既に説明した内容と同様の内容については説明を省略する。
<第4実施形態>
図15は劣化と故障の両方を取り扱う場合の、鉄道保守意思決定支援システムのシステム構成の一例を表している。図1または図10との差分としては、劣化予測モデル推定部1501、故障予測モデル推定部1502がある。それぞれの違いについては、処理内容の図16を使い説明する。
図16は劣化と故障の両方を取り扱う保守の場合の、鉄道保守意思決定支援システムにおける劣化予測もしくは故障予測モデル推定と、総保守コストの推定および保守コスト最小となる各設備の保守精度を決定する処理の一例を示すフローチャートである。なお同じ処理の場合は図2と同じ番号を割り当てている。
処理部113が鉄道設備Aの劣化予測、故障予測モデルを推定する(1601)。図15では劣化予測モデル推定部1501および故障予測モデル推定部1502に該当する処理となる。実際のモデル推定については、既に説明した202および1101と同様の処理をそれぞれ実施する。次に鉄道設備Aの劣化、故障情報を加えて、鉄道設備Bの劣化予測モデル、故障予測モデルの推定を処理部113が行う(1602)。図15では劣化予測モデル推定部1501および故障予測モデル推定部1502に該当する処理となる。この時劣化予測モデルについては、式8となる。
Figure 2023154681000009
ここで、yは設備Bの劣化予測の値、y(t)は設備Aの経過時間tにおける劣化予測の値、z(t)は設備Aの経過時間tにおける故障予測の値、vは設備Bの保守精度、w,w,・・・wは説明変数候補の中から残った説明変数(j≦n)、tは経過時間となり、説明変数に設備Aの劣化予測、故障予測値を含めた式となる。これが鉄道設備Bの劣化予測モデルとなる。
同様に故障予測モデルについては、式9となる。
Figure 2023154681000010
ここで、zは鉄道設備Bの故障予測モデル、z(t)は設備Aの経過時間tにおける故障予測の値、y(t)は設備Aの経過時間tにおける劣化予測の値、mはワイブル係数、ηは尺度、sは補正時間、о,о,・・・оはsの説明変数となり、説明変数に設備Aの劣化予測、故障予測値を含めた式となる。これが鉄道設備Bの劣化および故障予測モデルとなる。
次の変更点は、処理部113による鉄道設備Aの劣化予測、故障予測である(1603)。劣化予測は劣化が基準値を超えたかどうかの判定、故障予測は故障予測モデルの故障確率を超えた値がランダム試行で出たかの判定であるため、劣化予測モデルか故障予測モデルのどちらかで異常と判定になった場合は、異常があったと判定する。同様に鉄道設備Bの劣化予測、故障予測についても、どちらかが異常になった場合に異常と判定すればよい(1604)。以下、図2のフローと同様に処理を行うことで、劣化と故障の両方を取り扱う場合の、全体保守コストを低減するための保守精度が出力可能となる。
また本発明は、3つ以上の設備や機器から構成される対象にも適用することが可能である。以下、第5実施形態では、3つ以上の鉄道の設備や機器を扱う場合の処理を説明する。なお既に説明した内容と同様の内容については説明を省略する。
<第5実施形態>
図17は複数の設備や機器から構成された構成例を示している。このSystem of Sysmtemsの鉄道の例では、鉄道設備Aは鉄道設備Bと鉄道設備Cと接続していることを示しており、以下同様に鉄道設備Bは、鉄道設備Dと鉄道設備Eと接続しており、鉄道設備Dは鉄道設備Fと鉄道設備Gと接続している。また鉄道設備Eも鉄道設備Gと鉄道設備Hと接続していることを示している。このような接続関係により、各鉄道設備の保守の関係性が示される。この様な機器の場合には、構成情報を参照しながら、下流の設備からモデル推定を行うと良い。
図18は構成例に基づき、構成される各鉄道設備に対するモデル推定の一例を示すフローチャートである。最初に処理部113は設備の構成情報に含まれる設備群を抽出し、集合Mとする。またモデル化済の設備をNとする(1801)。ただしNは初期状態では空集合である。ここで、構成情報とは図17の鉄道設備の構成例をデータとして表現した情報である。すなわち、構成情報はSystem of Sysmtemsとしての各鉄道設備の接続関係を示し、当該構成情報には、ある鉄道設備の保守精度の変化によりどの鉄道設備の保守精度に影響が発生するのかを示す情報が含まれる。構成情報は例えばグラフ理論における接続行列の様に、各設備をi、鉄道設備の個数をnとすると、n×nの2次元行列となり、(i,j)の要素が鉄道設備iから鉄道設備jは繋がっているかを表す(例えばi→jで繋がれば1、逆方向で繋がれば-1、繋がっていなければ0で与える)。
次に処理部113が集合Mの中で配下に設備が無い設備群を抽出し、Pとする(1802)。具体的には前述の構成情報を参照し、全てのjに対する(i,j)について、1となるjが存在しないiがPの要素となる。次にPの各設備iについて、処理部113がモデル予測を行う(1803)。このモデル予測については、図1の劣化予測モデル推定部102もしくは、図10の故障予測モデル推定部1001が該当する(なお、これらの詳細処理については全て説明済であるため、省略する)。
次に処理部113はモデル予測済のPの各要素をモデル予測済集合のNに加え、MからPを取り除いて改めて集合Mとする(1804)。最後にMは空集合となったかを処理部113が判定し(1805)、空集合でなければ、1802に処理が戻る。空集合の場合には、処理終了とする。この様に鉄道設備の接続情報を利用し、下位の鉄道設備からモデル推定を行っていくことで、全ての鉄道設備に対するモデル推定をしていくことができる。
ここで、構成情報としては、下流に向かうに従って劣化や故障し易い設備とする情報とされ(すなわち、下位の鉄道設備ほど劣化や故障し易い設備され)、処理部113は該構成情報に基づく接続行列を用いて処理を行うことが好ましい。これにより、劣化や故障し易い設備の予測を説明変数として、他の設備の予測モデルを生成することができ、保守影響の関連性が大きい設備を基準とした結果を出力することができる。なお、構成情報は鉄道保守意思決定支援システムに適宜の手法により入力され、例えば保守管理者が入力することができる。
次に、第6実施形態について説明する。第6実施形態では、以上述べた鉄道保守意思決定支援システムを用い、鉄道保守の現場での利活用方法の一例についてレールと車輪を保守対象として説明する。
<第6実施形態>
図19は鉄道保守の現場でのアクティビティ図を示したものである。この例では、最初に鉄道設備A、鉄道設備Bからセンサ情報が送られ、鉄道保守意思決定支援システムにて格納される。(この例の鉄道保守意思決定支援システムは図1の鉄道保守意思決定支援システムと同一のものである)。例えば鉄道設備Aからは、レールに対するセンシング情報(高低、通り、水準、軌間、平面性など)が入力される。
鉄道設備Bからは、車輪の摩耗に関するセンシング情報(車輪径など)が入力される。次に鉄道保守意思決定支援システムは、上記センシング情報をもとに全体コストが最小となる保守精度を出力する。
その計算処理は図2のフローと同一のものであり、レールと車輪の場合は、処理部113は、最初にレールの劣化予測モデルと、車輪の劣化予測モデルを推定する。この時車輪の劣化予測モデルについて、レールの劣化状況を説明変数として含めて車輪の劣化予測モデルを推定する。次に処理部113はレールと車輪の劣化予測モデルを用いて、レールの保守精度と車輪の保守精度を変化させた時の合計保守コストを推定する。最後に処理部113は最も全体コストが下がる保守精度の組み合わせを出力する。
この計算結果(全体コストが最小となる各設備の保守精度)を保守管理者が参照し、改善保守コストの量、および保守精度変更案を確認することで、各設備の目標となる保守精度を変えるか判断を行う。例えばレールの歪みに関して現在の精度より1.2倍きつくする代わりに、車輪経の誤差は現状の水準より1.1倍まで許容しても良い時が全体保守の最小コストと表示され、保守管理者がその目標保守精度案に変えるかを判断する。目標保守精度変更となった場合は、保守管理者は保守計画者に目標保守精度を提示する。保守計画者は目標保守精度を守るような具体的な保守計画(検査計画、修繕計画、交換計画)の立案を行う。この保守計画を各保守担当者に提示し、各保守担当者は保守計画に従ってレールや、車輪の検査、修繕、交換等を行っていく。
この様に保守の現場に対し、鉄道設備の保守の関係性を明らかにしつつ、保守全体のコストを低減するために、各鉄道設備の望ましい保守精度を提示することで、より良い保守方式への変更が進み、保守コストの低減が図られる。ひいては鉄道事業者の収支が改善することになる。
すなわち、鉄道保守意思決定支援システム(鉄道保守支援システム)をSystem of Systemsである鉄道に適用し、全体の保守コストが低減できるそれぞれの設備や機器の保守精度を推定することで、全体の保守コストを低減させるために、それぞれの設備や装置に対する保守管理基準を変更することが容易となる。さらに保守管理者による保守管理基準の変更をもとに、保守計画者は保守管理基準の変更に基づいた保守計画立案が可能となり、保守担当者が変更した保守計画に基づいて保守を行うことで、全体として保守コストを最小化することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、鉄道保守意思決定支援システムは、保守管理者が直接扱うコンピュータとして配置されてもよいが、クラウド上に配置されてもよい。この場合、鉄道保守意思決定支援システムの入力部や出力部などの構成が適宜に省略され、通信部を用いて保守管理者によるデータの入力出力が行われてもよい。適切な処理を行うことができればよく、鉄道保守意思決定支援システムは、例えば、1台または複数台のコンピュータにより構成されてもよい。また、鉄道保守意思決定支援システムは、複数の装置が分散して処理を行うことで、鉄道保守意思決定支援システムの機能が実現される構成であってもよい。
113 処理部
102 劣化予測モデル推定部
105 結果作成部

Claims (15)

  1. プロセッサと、記憶部と、を備え、
    前記プロセッサは、
    鉄道設備のセンサ装置から取得するセンシングデータを変換した鉄道設備の保守の精度に関する情報である保守精度を説明変数とする鉄道設備の劣化の予測に用いる劣化予測モデルを、複数の鉄道設備ごとに推定し、前記記憶部に格納し、
    前記劣化予測モデルの推定において、
    既に推定して前記記憶部に格納した第1の鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測を説明変数に含めた第2の鉄道設備の劣化予測モデルを推定する処理を行い、
    各鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測に基づいた保守による全体の保守コストを出力する、
    ことを特徴とする鉄道保守支援システム。
  2. 請求項1に記載の鉄道保守支援システムであって、
    前記プロセッサは、
    前記記憶部に格納された各鉄道設備の劣化予測モデルを用いて保守精度を変えて劣化予測をすることで、前記の全体の保守コストを算出し、
    前記の全体の保守コストを最小化する際の各鉄道設備の保守精度を特定する、
    ことを特徴とする鉄道保守支援システム。
  3. プロセッサと、記憶部と、を備え、
    前記プロセッサは、
    鉄道設備の故障の予測に用いる故障予測モデルを複数の鉄道設備ごとに推定し、前記記憶部に格納し、
    前記故障予測モデルの推定において、
    既に推定して前記記憶部に格納した第1の鉄道設備の故障予測モデルの故障予測を説明変数に含めた第2の鉄道設備の故障予測モデルを推定する処理を行い、
    各鉄道設備の故障予測モデルの故障予測に基づいた保守による全体の保守コストを出力する、
    ことを特徴とする鉄道保守支援システム。
  4. 請求項3に記載の鉄道保守支援システムであって、
    前記プロセッサは、
    前記記憶部に格納された各鉄道設備の故障予測モデルを用いて、鉄道設備の保守の精度に関する情報である保守精度を変えて故障予測をすることで、前記の全体の保守コストを算出し、
    前記の全体の保守コストを最小化する際の各鉄道設備の保守精度を特定する、
    ことを特徴とする鉄道保守支援システム。
  5. 請求項2に記載の鉄道保守支援システムであって、
    表示装置を備え、
    前記プロセッサは、
    現状の保守精度と変更案の保守精度に関して、どの程度の保守精度変更となるかについてスケールを用いて示す表示と、
    前記変更案に対する全体の保守コスト変更および保守精度変更の結果を示す表示と、を前記表示装置に行う、
    ことを特徴とする鉄道保守支援システム。
  6. 請求項4に記載の鉄道保守支援システムであって、
    表示装置を備え、
    前記プロセッサは、
    現状の保守精度と変更案の保守精度に関して、どの程度の保守精度変更となるかについてスケールを用いて示す表示と、
    前記変更案に対する全体の保守コスト変更および保守精度変更の結果を示す表示と、を前記表示装置に行う、
    ことを特徴とする鉄道保守支援システム。
  7. 請求項2に記載の鉄道保守支援システムであって、
    表示装置を備え、
    前記プロセッサは、
    現状の保守案である現状保守案における、鉄道設備それぞれの保守コストの時間変化および全体の保守コストの時間変化を示す表示と、
    現状からの変更案である保守変更案における、鉄道設備それぞれの保守コストの時間変化および全体の保守コストの時間変化を示す表示と、
    前記現状保守案と前記保守変更案の全体の保守コストの時間変化を重ね合わせた比較表示と、を前記表示装置に行う、
    ことを特徴とする鉄道保守支援システム。
  8. 請求項4に記載の鉄道保守支援システムであって、
    表示装置を備え、
    前記プロセッサは、
    現状の保守案である現状保守案における、鉄道設備それぞれの保守コストの時間変化および全体の保守コストの時間変化を示す表示と、
    現状からの変更案である保守変更案における、鉄道設備それぞれの保守コストの時間変化および全体の保守コストの時間変化を示す表示と、
    前記現状保守案と前記保守変更案の全体の保守コストの時間変化を重ね合わせた比較表示と、を前記表示装置に行う、
    ことを特徴とする鉄道保守支援システム。
  9. 請求項1に記載の鉄道保守支援システムであって、
    前記プロセッサは、
    鉄道設備の故障の予測に用いる故障予測モデルを複数の鉄道設備ごとに推定し、前記記憶部に格納し、
    前記劣化予測モデルの推定において、
    既に推定して前記記憶部に格納した第1の鉄道設備の故障予測モデルの故障予測を説明変数に加えて第2の鉄道設備の劣化予測モデルを推定する処理を行い、
    前記故障予測モデルの推定において、
    既に推定して前記記憶部に格納した第1の鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測、および、既に推定して前記記憶部に格納した第1の鉄道設備の故障予測モデルの故障予測を説明変数に含めた第2の鉄道設備の故障予測モデルを推定する処理を行い、
    前記の全体の保守コストの出力に代えて、前記記憶部に格納された各鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測、および、前記記憶部に格納された各鉄道設備の故障予測モデルの故障予測に基づいた保守による全体の保守コストを出力する、
    ことを特徴とする鉄道保守支援システム。
  10. 請求項3に記載の鉄道保守支援システムであって、
    前記プロセッサは、
    鉄道設備のセンサ装置から取得するセンシングデータを変換した鉄道設備の保守の精度に関する情報である保守精度を説明変数とする鉄道設備の劣化の予測に用いる劣化予測モデルを、複数の鉄道設備ごとに推定し、前記記憶部に格納し、
    前記故障予測モデルの推定において、
    既に推定して前記記憶部に格納した第1の鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測を説明変数に加えて第2の鉄道設備の故障予測モデルを推定する処理を行い、
    前記劣化予測モデルの推定において、
    既に推定して前記記憶部に格納した第1の鉄道設備の故障予測モデルの故障予測、および、既に推定して前記記憶部に格納した第1の鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測を説明変数に含めた第2の鉄道設備の劣化予測モデルを推定する処理を行い、
    前記の全体の保守コストの出力に代えて、前記記憶部に格納された各鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測、および、前記記憶部に格納された各鉄道設備の故障予測モデルの故障予測に基づいた保守による全体の保守コストを出力する、
    ことを特徴とする鉄道保守支援システム。
  11. 請求項1に記載の鉄道保守支援システムであって、
    前記プロセッサは、
    前記劣化予測モデルの推定において、
    3つ以上の鉄道設備が保守精度変化に関係している場合、それぞれの鉄道設備の接続関係を示す構成情報において他の鉄道設備の保守精度に影響を与えない鉄道設備から順に劣化予測モデルを推定する、
    ことを特徴とする鉄道保守支援システム。
  12. 請求項3に記載の鉄道保守支援システムであって、
    前記プロセッサは、
    前記故障予測モデルの推定において、
    鉄道設備の保守の精度に関する情報である保守情報に関して3つ以上の鉄道設備が保守精度変化に関係している場合、それぞれの鉄道設備の接続関係を示す構成情報において他の鉄道設備の保守精度に影響を与えない鉄道設備から順に故障予測モデルを推定する、
    ことを特徴とする鉄道保守支援システム。
  13. 請求項1に記載の鉄道保守支援システムであって、
    前記プロセッサは、
    前記劣化予測モデルの推定において、
    鉄道の輸送情報を用いて鉄道設備に劣化の影響がある位置での鉄道の通過の情報を説明変数に含めることで、鉄道の輸送情報を加味した説明変数に基づく劣化予測モデルを推定する、
    ことを特徴とする鉄道保守支援システム。
  14. 請求項3に記載の鉄道保守支援システムであって、
    前記プロセッサは、
    前記故障予測モデルの推定において、
    鉄道の輸送情報を用いて鉄道設備に故障が発生し得る位置での鉄道の通過の情報を説明変数に含めることで、鉄道の輸送情報を加味した説明変数に基づく故障予測モデルを推定する、
    ことを特徴とする鉄道保守支援システム。
  15. プロセッサと、記憶部と、を有する鉄道保守支援システムを用いて行う鉄道保守支援方法であって、
    前記プロセッサは、
    鉄道設備の保守の精度に関する情報である保守精度を入力し、前記保守精度を説明変数とする鉄道設備の劣化の予測に用いる劣化予測モデルを複数の鉄道設備ごとに推定し、前記記憶部に格納し、
    各鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測に基づいた保守による全体の保守コストを出力し、
    前記の複数の鉄道設備ごとに劣化予測モデルを推定する際に、既に推定して前記記憶部に格納した第1の鉄道設備の劣化予測モデルの劣化予測を説明変数に含めた第2の鉄道設備の劣化予測モデルを推定する処理を行う、
    ことを特徴とする鉄道保守支援方法。
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