JP2023150975A - ガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接部の疲労強度を向上させることができ、これにより、部材を薄肉化して軽量化することができるガスシールドアーク溶接方法を提供する。【解決手段】シールドガスを流しながら、溶接材料及び鋼材の一部を溶融させることにより前記鋼材を溶接するガスシールドアーク溶接方法であって、鋼材は、1180MPa以上の引張強度を有する。また、溶接材料は、溶接材料全質量に対して、Cr:6.00質量%以上15.50質量%以下、を含有し、Ni:9.00質量%未満、である。【選択図】なし

Description

本発明は、ガスシールドアーク溶接方法に関する。
近年、環境性能の要求水準の高まりから、自動車等の燃費向上に関する技術開発が積極的に進められている。自動車等の燃費を向上する方法としては、内燃機関の効率化、ハイブリッド化及び電動化が挙げられる。電動化は、電池搭載により車体の重量がますます増加する傾向にあるため、軽量化技術の開発も同時に進められている。例えば、従来の鋼板よりも高強度化した薄鋼板を使用することにより、板厚を低減することで、車両を軽量化する試みが積極的に進められている。
しかし、高強度化した薄鋼板を使用した場合であっても、溶接部の疲労強度は平滑母材と比較して上昇しない。このため、例えば自動車等の足回り部品には比較的板厚の厚い鋼板を用いており、高強度化、軽量化が進んでおらず、溶接部の疲労性能の向上が望まれている。
例えば、特許文献1には、高張力鋼板、特に引張強さが780MPa以上の鋼板を溶接するにあたり、溶接部の耐疲労性及び耐食性(塗装性)に優れ、かつ、溶接を低コストで行うことができるガスシールドアーク溶接方法が提案されている。上記特許文献1に記載のガスシールドアーク溶接方法は、C、Si、Mn、Cr、S及びNiの含有量が制御された消耗式電極と、CO及びOの少なくとも1種、並びにArの含有量が制御されたシールドガスを使用するものである。
また、特許文献2には、高張力鋼板の溶接において、点溶接または線溶接を問わず、容易に溶接金属の水素脆化を抑制し、割れの発生を防止できるアーク溶接方法が開示されている。上記特許文献2に記載のアーク溶接方法は、ワイヤ中のCr及びNiの合計量が制御されているとともに、溶接ワイヤ中のC、Si、Mn、Ni、Cr、及びMoの含有量と、鋼板中のC、Si、Mn、Ni、Cr、及びMoの含有量との関係が制御されたものである。
特開2017-225986号公報 特開2018-187640号公報
しかしながら、上記特許文献1又は特許文献2の溶接方法を使用しても、高強度鋼板の溶接部における疲労強度が十分に高いとは言えない。したがって、疲労性能が重視される部材を高強度化し、これにより低板厚化して、部材を軽量化することができる溶接方法についての要求がより一層高くなっている。
本発明は、上述した状況に鑑みてなされたものであり、溶接部の疲労強度を向上させることができ、これにより、部材を薄肉化して軽量化することができるガスシールドアーク溶接方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の上記目的は、ガスシールドアーク溶接方法に係る下記[1]の構成により達成される。
[1] シールドガスを流しながら、溶接材料及び鋼材の一部を溶融させることにより前記鋼材を溶接するガスシールドアーク溶接方法であって、
前記鋼材は、1180MPa以上の引張強度を有し、
前記溶接材料は、溶接材料全質量に対して、
Cr:6.00質量%以上15.50質量%以下、を含有し、
Ni:9.00質量%未満、であることを特徴とする、ガスシールドアーク溶接方法。
また、ガスシールドアーク溶接方法に係る本発明の好ましい実施形態は、以下の[2]~[4]に関する。
[2] 前記溶接材料は、さらに、
Mn及びMoの少なくとも1種を含有することを特徴とする、[1]に記載のガスシールドアーク溶接方法。
[3] 前記溶接材料は、溶接材料全質量に対して、
Mn:0.69質量%以上1.70質量%以下、
を含有することを特徴とする、[2]に記載のガスシールドアーク溶接方法。
[4] 前記溶接材料は、溶接材料全質量に対して、
Mo:0.30質量%以上1.05質量%以下、
を含有することを特徴とする、[2]又は[3]に記載のガスシールドアーク溶接方法。
本発明によれば、溶接部の疲労強度を向上させることができ、これにより、部材を薄肉化して軽量化することができるガスシールドアーク溶接方法を提供することができる。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、溶接材料中のCr含有量を適切に制御することにより、溶接部の機械的特性と残留応力のバランスを最適に調整することができ、溶接部の疲労強度を向上させることができることを見出した。
本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変更して実施することができる。まず、本実施形態に係るガスシールドアーク溶接方法について、説明する。
[ガスシールドアーク溶接方法]
本実施形態に係るガスシールドアーク溶接方法は、シールドガスを流しながら、溶接材料及び鋼材の一部を溶融させることにより鋼材を溶接する方法である。本実施形態に係るガスシールドアーク溶接方法においては、鋼材の引張強度及び溶接材料に含有される成分を限定している。以下、鋼材及び溶接材料について、さらに詳細に説明する。
[鋼材:引張強度が1180MPa以上である鋼材]
上述のとおり、近時、自動車等の足回り部品において、高強度化、軽量化が要求されている。そこで、母材を高張力鋼とするとともに、優れた疲労強度を有する溶接部を得ることができれば、母材を薄肉化することができ、その結果、足回り部品を軽量化することができる。本実施形態に係るガスシールドアーク溶接方法は、溶接部の疲労強度を向上させることができる溶接方法である。したがって、溶接対象とする母材を、引張強度が1180MPa以上の超高張力鋼からなる鋼材とすることにより、軽量化のために薄肉化した場合であっても、所望の強度を確保することができる。
なお、鋼材の強度の上限については特に限定されない。現在一般に実用化されている薄鋼板の強度は2000MPa程度が最大であり、この程度までの鋼板であれば、本実施形態に係る溶接方法を使用して、溶接部の疲労強度の改善を図ることができる。
鋼板の引張強度は、JISZ2241に規定された方法により求めることができる。
本実施形態において、鋼材の板厚は特に限定されるものではないが、本発明は、部材の軽量化のために板厚を薄くしても、高い強度が得られることを目的としており、例えば、1.0mm以上2.5mm以下の板厚とした場合であっても、所望の強度及び軽量化を実現することができる。
[溶接材料]
本実施形態に係るガスシールドアーク溶接方法において使用される溶接材料としては、上記各成分の含有量が所定の範囲に制御されていれば、一般的な溶接材料を使用することができる。具体的に、上記溶接材料を、ガスシールドアーク溶接の消耗式電極として使用することができる。また、上記溶接材料を、ガスタングステンアーク溶接の非溶極式のフィラーとして使用することもできる。
<Cr:6.00質量%以上15.50質量%以下>
Crは、溶接金属の強度を高め、またMs点(マルテンサイト変態点)を低下させて引張残留応力を低減し、溶接部の機械的特性と残留応力のバランスを調整するのに有効な元素であるため、適切に調整する必要がある。
したがって、本発明が対象とする引張強度が1180MPa以上の鋼板において、溶接材料中のCr含有量は、溶接材料全質量に対して6.00質量%以上とし、6.50質量%以上であることが好ましく、7.00質量%以上であることがより好ましく、7.50質量%以上であることがさらに好ましい。さらに、溶接材料中のCr含有量は、8.00質量%以上であることがより好ましく、8.50質量%以上であることが特に好ましい。
一方、溶接材料中のCr含有量は、溶接材料全質量に対して15.50質量%以下とし、15.00質量%以下であることが好ましく、14.50質量%以下であることがより好ましく、14.00質量%以下であることがさらに好ましい。さらに、溶接材料中のCr含有量は、13.50質量%以下であることが好ましく、13.00質量%以下であることがより好ましく、12.50質量%以下であることがさらに好ましい。さらにまた、溶接材料中のCr含有量は、12.00質量%以下であることが好ましく、11.50質量%以下であることがより好ましく、11.00質量%以下であることがさらに好ましい。さらにまた、溶接材料中のCr含有量は、10.50質量%以下であることが好ましく、10.00質量%以下であることがより好ましく、9.50質量%以下であることがさらに好ましく、9.00質量%以下であることが特に好ましい。
<Ni:9.00質量%未満>
Niも、溶接金属の硬さに影響を与える成分である。溶接金属中のNi含有量が多すぎると、所望の疲労強度を得ることができない。Ni含有量の過剰添加によって疲労強度が低下するメカニズムについては明確ではないが、溶接金属中のNi含有量が多すぎると、Ms点が低くなりすぎて、オーステナイト組織のまま残り、溶接部の引張残留応力が低減しにくく、溶接金属の強度が低くなりやすいためと推測される。
したがって、溶接材料中のNi含有量は、溶接材料全質量に対して9.00質量%未満とし、8.50質量%以下であることが好ましく、8.00質量%以下であることがより好ましく、7.50質量%以下であることがさらに好ましい。さらに、溶接材料中のNi含有量は、7.00質量%以下であることが好ましく、6.50質量%以下であることがより好ましく、6.00質量%以下であることがさらに好ましい。さらにまた、溶接材料中のNi含有量は、5.50質量%以下であることが好ましく、5.00質量%以下であることがより好ましく、4.50質量%以下であることがさらに好ましい。さらにまた、溶接材料中のNi含有量は、4.00質量%以下であることが好ましく、3.50質量%以下であることがより好ましく、3.00質量%以下であることがさらに好ましい。さらにまた、溶接材料中のNi含有量は、2.50質量%以下であることが好ましく、2.00質量%以下であることがより好ましく、1.50質量%以下であることがさらに好ましい。さらにまた、溶接材料中のNi含有量は、1.00質量%以下であることが好ましく、0.60質量%以下であることがより好ましく、0.50質量%以下であることがさらに好ましい。
一方、Niは、溶接金属の靱性を向上させる効果を有する成分である。本実施形態において、溶接材料中のNi含有量の下限は特に限定せず、0質量%であってもよい。ただし、溶接金属の靱性を向上させ、疲労強度をより一層向上させることを目的として溶接材料中にNiを含有させる場合に、溶接材料中のNi含有量は、溶接材料全質量に対して0.05質量%以上であることが好ましく、0.30質量%以上であることがより好ましい。
<Mn及びMoの少なくとも1種>
本実施形態に係る溶接方法において、溶接材料中にMn及びMoの少なくとも1種が含有されていることが好ましい。各成分の好ましい含有量について、以下に示す。
(Mn:0.69質量%以上1.70質量%以下)
Mnは、溶接金属の焼入性を確保して強度を高めるのに有効な元素であるが、酸化し易い成分であり、ビード表面に剥離し難いスラグを発生させる元素でもある。したがって、スラグの発生を防止し、塗装性を向上させる観点から、溶接材料中のMn含有量は、溶接材料全質量に対して1.70質量%以下とすることが好ましく、1.65質量%以下とすることがより好ましい。
一方、溶接金属の強度向上の観点から、溶接材料中のMn含有量は、溶接材料全質量に対して、0.69質量%以上とすることが好ましく、0.80質量%以上とすることがより好ましく、1.00質量%以上とすることがさらに好ましい。さらに、溶接材料中のMn含有量は、溶接材料全質量に対して、1.20質量%以上とすることが好ましく、1.40質量%以上とすることがより好ましく、1.45質量%以上とすることがさらに好ましい。
(Mo:0.30質量%以上1.05質量%以下)
Moは、焼入性を高めることで高強度化に有用な元素であるが、非常に高価な元素でもある。また、過剰に含有させると溶接金属の終端部に割れが生じるおそれがある。したがって、コスト低減及び終端部の割れ防止の観点から、溶接材料中のMo含有量は、溶接材料全質量に対して1.05質量%以下とすることが好ましく、1.00質量%以下とすることがより好ましく、0.95質量%以下とすることがさらに好ましい。
一方、溶接金属の強度向上の観点から、溶接材料中のMo含有量は、溶接材料全質量に対して0.30質量%以上とすることが好ましく、0.50質量%以上とすることがより好ましく、0.80質量%以上とすることがさらに好ましい。
<C:0.01質量%以上0.20質量%以下>
Cは、溶接金属の強度を高めるのに有効な元素であるが、高温割れに対して有害な元素でもある。したがって、高温割れを防止する観点から、溶接材料中のC含有量は、溶接材料全質量に対して0.20質量%以下とすることが好ましく、0.15質量%以下とすることがより好ましく、0.12質量%以下とすることがさらに好ましい。
一方、溶接金属の強度向上の観点から、溶接材料中のC含有量は、溶接材料全質量に対して、0.01質量%以上とすることが好ましく、0.03質量%以上とすることがより好ましく、0.05質量%以上とすることがさらに好ましい。
<Si:0.05質量%以上1.00質量%以下>
Siは、溶接金属の表面張力を低下させ、ビード形状を改善する元素であるが、酸化し易い成分であり、ビード表面に剥離し難いスラグを発生させる元素でもある。したがって、スラグの発生を防止し、塗装性を向上させる観点から、溶接材料中のSi含有量は、溶接材料全質量に対して1.00質量%以下とすることが好ましく、0.80質量%以下とすることがより好ましく、0.60質量%以下とすることがさらに好ましい。
一方、ビード形状改善の観点から、溶接材料中のSi含有量は、溶接材料全質量に対して0.05質量%以上とすることが好ましく、0.10質量%以上とすることがより好ましく、0.15質量%以上とすることがさらに好ましい。
<V:0.50質量%以下>
Vは、焼入性を高めることで高強度化に有用な元素であるが、過剰に含有させると炭化物が析出することで溶接金属が硬化し、靱性が劣化して割れを生じるおそれがある。したがって、割れの発生防止の観点から、溶接材料中のV含有量は、溶接材料全質量に対して0.50質量%以下とすることが好ましく、0質量%であってもよい。
<Nb:0.10質量%以下>
Nbは、焼入性を高めることで高強度化に有用な元素であるが、過剰に含有させると炭化物が析出することで溶接金属が硬化し、靱性が劣化して割れを生じるおそれがある。したがって、割れの発生防止の観点から、溶接材料中のNb含有量は、溶接材料全質量に対して0.10質量%以下とすることが好ましく、0質量%であってもよい。
<残部>
本実施形態に係る溶接材料の残部は、Fe及び不可避的不純物である。不可避的不純物としては、例えば、O、N、P、S、Al、Ti、Zr、Co、Li、Sn、Sb、Bi、B及びAs等が挙げられる。上記不可避的不純物は、溶接材料全質量に対して、それぞれ0.01質量%以下であることが好ましい。また、上記不可避的不純物の合計は、溶接材料全質量に対して、0.10質量%以下であることが好ましく、0.08質量%以下であることがより好ましい。
次に、本実施形態に係るガスシールドアーク溶接方法において使用されるシールドガスについて説明する。
<シールドガス>
本実施形態に係るガスシールドアーク溶接方法において、シールドガスの組成は特に限定されないが、シールドガス中のAr含有量を高くして、CO含有量を低減すると、CO中の酸素が原因となるスラグの形成を防止することができ、塗装が確実に形成されるため、錆の発生を防止することができる。したがって、シールドガスとしてAr-CO混合ガスを使用する場合に、Ar含有量は70体積%以上であることが好ましく、80体積%以上であることがより好ましく、90体積%以上であることがさらに好ましい。なお、シールドガスとして100体積%Arガスを使用することも好ましい。
また、本実施形態に係る溶接方法において、溶接姿勢は特に限定されない。さらに、溶接の種類も特に限定されず、重ねすみ肉溶接、T形すみ肉溶接等のすみ肉溶接や、突合せ溶接等の開先溶接等を行うことができる。なかでも、本実施形態の溶接方法による効果がより所望される、すみ肉溶接、特に、重ねすみ肉溶接を行うことが好ましい。さらにまた、使用する溶接材料の直径についても、特に限定されず、例えば、AWS又はJIS等の溶接材料規格に規定された直径の溶接材料を使用することができる。
以下、発明例及び比較例を挙げて、本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[溶接ワイヤの製造]
表1に示す種々の成分を有し、直径が1.2mmであるガスシールドアーク溶接用ワイヤ(溶接材料)を製作した。下記表1において、「-」は、検出限界以下であったことを表す。
[ガスシールドアーク溶接]
2枚の鋼板を互いにずらした位置に重ねて配置し、上記ワイヤを使用して、隅肉部に対してガスシールドアーク溶接を実施した。鋼板の種類及び溶接条件を以下に示す。
(鋼板の種類)
鋼板A:引張強度が1180MPa級、板厚が1.4mmである鋼板
鋼板B:引張強度が1470MPa級、板厚が1.5mmである鋼板
(溶接条件)
溶接電流:110~120A
溶接電圧:23~25V
溶接速度:90cm/分
シールドガス:90体積%Ar-10体積%CO
[疲労試験]
得られた溶接継手から、下板側溶接ビード止端部が試験片の中央となるように機械加工を実施して試験片を作製し、株式会社東京衡機製PBF30型試験機を使用し、以下に示す試験条件で平面曲げ疲れ試験を実施した。
(試験条件)
応力比R:-1
周波数:25Hz
停止条件:トルクが50%低下したとき
最大繰り返し数:2×10
Figure 2023150975000001
次に、上記2種類の鋼板に対して種々の組成を有するワイヤを用いて溶接した試験片について、応力振幅を400MPaとして固定した場合のサイクル数(疲労寿命)を比較した。なお、疲労寿命は、鋼材Aを使用した試験片同士、鋼材Bを使用した試験片同士で比較し、強度が1180MPaである鋼板Aを使用した試験片のうち、W1のワイヤを使用した比較例No.a1の疲労寿命を1.00として、比較例No.a1のサイクル数に対する、その他のワイヤを使用した実施例No.A1~A6のサイクル数の比で表した。同様に、強度が1470MPaである鋼板Bを使用した試験片のうち、W1のワイヤを使用した比較例No.b1の疲労寿命を1.00として、比較例No.b1のサイクル数に対する、その他のワイヤを使用した実施例No.B1及びB2のサイクル数の比で表した。評価結果を下記表2に示す。
Figure 2023150975000002
上記表2に示すように、1180MPaの引張強度を有する鋼板を使用した場合に、溶接材料中のCr及びNi含有量が本発明の範囲内である実施例No.A1~A6は、Cr含有量が本発明の範囲から外れている比較例No.a1と比較して、優れた疲労寿命を得ることができた。また、1470MPaの引張強度を有する鋼板を使用した場合に、溶接材料中のCr及びNi含有量が本発明の範囲内である実施例No.B1及びB2は、Cr含有量が本発明の範囲から外れている比較例No.b1と比較して、優れた疲労寿命を得ることができた。これらのことから、本発明に係るガスシールドアーク溶接方法は、1180MPa以上の引張強度を有する鋼材の溶接方法として、極めて有効であることが示された。

Claims (4)

  1. シールドガスを流しながら、溶接材料及び鋼材の一部を溶融させることにより前記鋼材を溶接するガスシールドアーク溶接方法であって、
    前記鋼材は、1180MPa以上の引張強度を有し、
    前記溶接材料は、溶接材料全質量に対して、
    Cr:6.00質量%以上15.50質量%以下、を含有し、
    Ni:9.00質量%未満、であることを特徴とする、ガスシールドアーク溶接方法。
  2. 前記溶接材料は、さらに、
    Mn及びMoの少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項1に記載のガスシールドアーク溶接方法。
  3. 前記溶接材料は、溶接材料全質量に対して、
    Mn:0.69質量%以上1.70質量%以下、
    を含有することを特徴とする、請求項2に記載のガスシールドアーク溶接方法。
  4. 前記溶接材料は、溶接材料全質量に対して、
    Mo:0.30質量%以上1.05質量%以下、
    を含有することを特徴とする、請求項2又は3に記載のガスシールドアーク溶接方法。
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