JP2023150952A - 作業機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】掘り過ぎを防止しつつ、作業効率を向上可能な作業機械を提供する。【解決手段】作業機械は、作業装置と、車体の位置を検出する車体位置検出装置と、作業装置の姿勢を検出する姿勢検出装置と、掘削目標面と作業装置との位置関係を表示する表示装置と、表示装置の表示を制御する制御装置と、を備える。制御装置は、車体位置検出装置及び姿勢検出装置の検出結果に基づいて、掘削目標面と作業装置との位置関係及び作業装置の予測軌道を演算し、掘削目標面と作業装置との位置関係及び作業装置の予測軌道を表示装置の同一の画面に表示させる。【選択図】図2

Description

本発明は、作業機械に関する。
油圧ショベル等の作業機械の操作をガイドするマシンガイダンス装置を備えた作業機械が知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、作業機械による粗掘削作業中に、バケットの爪先が掘削目標面まで削り込まないように、オペレータに対して通報を行うマシンガイダンス装置が開示されている。
このマシンガイダンス装置は、掘削目標線と地表線との間に掘削目安線を設定する。掘削目安線は、粗掘削を行う際の掘削深さの基準として設定される。掘削目安線は、掘削目標面から所定距離だけオフセットされた位置に設定される。マシンガイダンス装置は、ガイダンス用の表示画面に掘削目安線を表示し、バケットの爪先が掘削目安線を越えた場合に、例えば、表示画面上の掘削目安線の色を変える。これにより、オペレータの注意が喚起され、掘削目標面より深い部分まで掘削されてしまうことが防止される。また、特許文献1には、一日の作業量を示す複数の作業量目安線を表示画面に表示させる例についても開示されている。複数の作業量目安線が設定される場合には、段階的に報知が行われる。
特開2019-183638号公報
特許文献1に記載の技術では、段階的に報知を行うことにより掘り過ぎを防止することはできるが、複数の作業量目安線を表示画面に表示させる構成では、オペレータは、どのような操作でどの程度まで作業装置を動作させると作業装置が掘削目標線に到達するのかを直感的に把握することが難しく、作業効率の低下を招くおそれがある。
本発明は、掘り過ぎを防止しつつ、作業効率を向上可能な作業機械を提供することを目的とする。
本発明の一態様による作業機械は、作業装置と、車体の位置を検出する車体位置検出装置と、前記作業装置の姿勢を検出する姿勢検出装置と、掘削目標面と前記作業装置との位置関係を表示する表示装置と、前記表示装置の表示を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記車体位置検出装置及び前記姿勢検出装置の検出結果に基づいて、前記掘削目標面と前記作業装置との位置関係及び前記作業装置の予測軌道を演算し、前記掘削目標面と前記作業装置との位置関係及び前記作業装置の予測軌道を前記表示装置の同一の画面に表示させる。
本発明によれば、掘り過ぎを防止しつつ、作業効率を向上可能な作業機械を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る作業機械の一例として示す油圧ショベルの側面図である。 図2は、制御装置の機能ブロック図である。 図3を参照して軌道生成コントローラにより実行される予測軌道表示制御の処理の流れの一例について示すフローチャートである。 図4は、表示装置の表示画面に表示される画像の一例について示す図である。
図面を参照して、本発明の実施形態に係る作業機械について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る作業機械の一例として示す油圧ショベル1の側面図である。油圧ショベル1は、走行体2と、走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に設けられる旋回体4と、旋回体4の前部に取り付けられる多関節型の作業装置5と、を備えている。走行体2及び旋回体4は、油圧ショベル1の車体(本体)8を構成する。旋回体4の前部にはオペレータが搭乗する運転室6が設けられる。旋回体4の後部には、油圧ショベル1が傾倒しないように油圧ショベル1のバランスを保つカウンタウェイト7が設けられている。
作業装置5は、複数の駆動部材により構成されている。本実施形態において、作業装置5は、駆動部材として、ブーム51、アーム52及びバケット53を有している。ブーム51は、基端が旋回体4の旋回フレーム41に回動可能に取り付けられ、車体8に対して上下方向へ回動する。アーム52は、ブーム51の先端に回動可能に取り付けられ、車体8に対して上下方向へ回動する。バケット53は、アーム52の先端に回動可能に取り付けられ、車体8に対して上下方向へ回動するアタッチメントである。
作業装置5は、駆動部材を駆動させる油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)として、ブームシリンダ51a、アームシリンダ52a及びバケットシリンダ53aを有している。ブームシリンダ51aは、一端が旋回体4に連結され、他端がブーム51に連結される。ブームシリンダ51aは、伸縮することによりブーム51を回動させる。アームシリンダ52aは、一端がブーム51に連結され、他端がアーム52に連結される。アームシリンダ52aは、伸縮することによってアーム52を回動させる。バケットシリンダ53aは、一端がアーム52に連結され、他端がリンク部材を介してバケット53に連結される。バケットシリンダ53aは、伸縮することによってバケット53を回動させる。
運転室6は、オペレータが着座する運転シート(図示せず)と、この運転シートの近傍に設けられ、オペレータにより操作される操作装置70と、を備える。操作装置70は、運転シートに着座するオペレータの左側に設けられる左操作レバーと、運転シートに着座するオペレータの右側に設けられる右操作レバーとを有する。
左操作レバー及び右操作レバーの操作方向に応じて、各油圧アクチュエータが動作する。以下、その一例について説明する。左操作レバーは、旋回装置3に搭載された旋回用油圧モータ(図示せず)と、アームシリンダ52aを操作する操作部材である。右操作レバーは、ブームシリンダ51aとバケットシリンダ53aを操作する操作部材である。
左操作レバーが前方向に操作されると旋回用油圧モータが第1方向に回転し、旋回体4が右方向に旋回する。この操作は、右旋回操作と呼ばれる。左操作レバーが後方向に操作されると旋回用油圧モータが第2方向に回転し、旋回体4が左方向に旋回する。この操作は、左旋回操作と呼ばれる。左操作レバーが左方向に操作されるとアームシリンダ52aが収縮し、アーム52が車体8から遠ざかるように動作する。この操作は、アームダンプ操作と呼ばれる。左操作レバーが右方向に操作されるとアームシリンダ52aが伸長し、アーム52が車体8に近づくように動作する。この操作は、アームクラウド操作と呼ばれる。
右操作レバーが前方向に操作されるとブームシリンダ51aが収縮し、ブーム51が下方向に回動する。この操作は、ブーム下げ操作と呼ばれる。右操作レバーが後方向に操作されるとブームシリンダ51aが伸長し、ブーム51が上方向に回動する。この操作は、ブーム上げ操作と呼ばれる。右操作レバーが左方向に操作されるとバケットシリンダ53aが伸長し、バケット53が車体8に近づくように動作する。この操作は、バケットクラウド操作と呼ばれる。右操作レバーが右方向に操作されるとバケットシリンダ53aが収縮し、バケット53が車体8から遠ざかるように動作する。この操作は、バケットダンプ操作と呼ばれる。
なお、操作レバーの操作方向と油圧アクチュエータの動作方向との対応関係は、上述した例に限定されない。また、操作レバーの操作方向と油圧アクチュエータの動作方向との対応関係は、オペレータにより変更可能であってもよい。
旋回体4は、油圧ショベル1に設けられるセンサ等の装置からの信号に基づいて、表示装置60等の装置を制御する制御装置100を備えている。図2は、制御装置100の機能ブロック図である。
表示装置60は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。表示装置60は、運転室6内に設けられる。制御装置100の表示コントローラ130からの表示制御信号に応じた画像を表示画面61に表示する。表示コントローラ130は、表示装置60の筐体の内部に設けられていてもよいし、表示装置60の筐体の外部に設けられていてもよい。なお、表示装置60は、入力装置としてのタッチセンサが表示画面に設けられたタッチパネルモニタであってもよい。また、油圧ショベル1は、タッチセンサに代えて、あるいはタッチセンサとともに、複数のボタン、レバー等の操作部を入力装置として備えていてもよい。
図2に示すように、制御装置100には、姿勢検出装置50及び車体位置検出装置40が接続されている。姿勢検出装置50は、作業装置5の姿勢情報として各駆動部材の回動角度(傾斜角度)を検出し、検出結果を表す信号を制御装置100に出力する。姿勢検出装置50は、姿勢センサとして、ブーム角度センサ51b、アーム角度センサ52b及びバケット角度センサ53bを有する。これらの角度センサ51b,52b,53bは、例えば、駆動部材(51,52,53)の回動角度に応じた電圧信号を出力するポテンショメータである。なお、ポテンショメータに代えて、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)を設け、各駆動部材(51,52,53)の回動角度を演算してもよい。
ブーム角度センサ51bは、ブーム51と旋回体4の連結部に設けられる。ブーム角度センサ51bは、旋回体4に対するブーム51の回動角度(ブーム角とも記す)αを検出する。アーム角度センサ52bは、アーム52とブーム51の連結部に設けられる。アーム角度センサ52bは、ブーム51に対するアーム52の回動角度(アーム角とも記す)βを検出する。バケット角度センサ53bは、バケット53とアーム52の連結部に設けられる。バケット角度センサ53bは、アーム52に対するバケット53の回動角度(バケット角とも記す)γを検出する。
車体位置検出装置40は、旋回体4に取り付けられ、旋回体4(車体8)の位置情報及び方位情報を検出する。車体位置検出装置40は、複数のGNSS(Global Navigation Satellite System:全地球衛星測位システム)用のアンテナ(以下、GNSSアンテナと記す)41a,41bと、GNSSアンテナ41a,41bで受信された複数の測位衛星からの衛星信号(GNSS電波)に基づいて、3次元空間の実座標で表される旋回体4の位置、及び基準方位からの角度である方位角を演算する測位演算装置42と、を有する。旋回体4の位置は、例えば、地理座標系(グローバル座標系)における旋回体4の位置座標で表される。
GNSSアンテナ41aとGNSSアンテナ41bは、例えば、作業装置5の回動面と同一の鉛直面内に配置されており、互いに前後方向に離隔して配置されている。GNSSアンテナ41aと測位演算装置42は、車体8の位置を演算する位置演算装置として機能する。一対のGNSSアンテナ41a,41bと測位演算装置42は、車体8の方位を演算する方位演算装置として機能する。なお、GNSSアンテナは3つ以上設けてもよい。つまり、位置演算装置として機能するGNSSアンテナと、方位演算装置として機能するGNSSアンテナとが個別に設けられていてもよい。
制御装置100は、軌道生成コントローラ110と、マシンガイダンスコントローラ120と、表示コントローラ130とを有する。各コントローラ110,120,130は相互に接続され、情報(データ)の授受を行う。各コントローラ110,120,130は、それぞれCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の処理装置、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の不揮発性メモリ、所謂RAM(Random Access Memory)と呼ばれる揮発性メモリ、入出力インタフェース、及び、その他の周辺回路を備えたコンピュータで構成される。各コントローラ110,120,130は、1つのコンピュータで構成してもよいし、複数のコンピュータで構成してもよい。
不揮発性メモリには、各種演算が実行可能なプログラムが格納されている。すなわち、不揮発性メモリは、本実施形態の機能を実現するプログラムを読み取り可能な記憶媒体(記憶装置)である。処理装置は、不揮発性メモリに記憶されたプログラムを揮発性メモリに展開して演算実行する装置であって、プログラムに従って入出力インタフェース、不揮発性メモリ及び揮発性メモリから取り入れたデータに対して所定の演算処理を行う。
入出力インタフェースの入力部は、各種装置から入力された信号を処理装置で演算可能なデータに変換する。また、入出力インタフェースの出力部は、処理装置での演算結果に応じた出力用の信号を生成し、その信号を各種装置に出力する。
制御装置100は、車体位置検出装置40及び姿勢検出装置50の検出結果に基づいて、掘削目標面と作業装置5との位置関係及び作業装置5の予測軌道を演算し、掘削目標面と作業装置との位置関係及び作業装置5の予測軌道を表示装置60の同一の画面に表示させる。以下、制御装置100を構成する各コントローラ110,120,130の各機能について詳しく説明する。
マシンガイダンスコントローラ120は、オペレータに対して、油圧ショベル1の操作をガイドするマシンガイダンスを行うための処理を実行する。マシンガイダンスコントローラ120は、基本情報記憶部121、姿勢演算部122、目標面記憶部123、及び距離演算部124としての機能を有する。基本情報記憶部121及び目標面記憶部123の機能は、マシンガイダンスコントローラ120の不揮発性メモリによって発揮される。姿勢演算部122及び距離演算部124の機能は、マシンガイダンスコントローラ120の処理装置が不揮発性メモリに記憶されているプログラムを実行することにより、発揮される。
基本情報記憶部121には、予め油圧ショベル1の基本情報が記憶されている。油圧ショベル1の基本情報には、油圧ショベル1の各部の寸法が含まれる。例えば、基本情報記憶部121には、基本情報として、GNSSアンテナ41a,41bの位置情報(車体基準座標系での位置座標)が記憶されている。また、基本情報記憶部121には、基本情報として、車体8の長さ、幅及び高さ、並びに、ブーム51の長さLa、アーム52の長さLb及びバケット53の長さLcが記憶されている。
ブーム51の長さLaは、ブーム51と旋回フレーム41とを連結するブームピンの回動中心から、ブーム51とアーム52とを連結するアームピンの回動中心までの長さである。アーム52の長さLbは、アームピンの回動中心からアーム52とバケット53とを連結するバケットピンの回動中心までの長さである。バケット53の長さLcは、バケットピンの回動中心からバケット53の先端部までの長さである。
姿勢演算部122は、基本情報記憶部121から基本情報を取得し、取得した基本情報と、車体位置検出装置40及び姿勢検出装置50から入力される信号に基づき、現在の旋回体4(車体8)の位置及び方位並びに作業装置5の姿勢を演算する。
目標面記憶部123には、掘削目標面90(図4参照)の三次元位置情報(設計データ)が予め記憶されている。掘削目標面90とは、掘削形成する(造形する)目標地形のことをいう。掘削目標面90の三次元位置情報とは、掘削目標面90をポリゴンで表した地形データに位置データを付した情報をいう。この三次元位置情報は予め作成されて目標面記憶部123に記憶される。
距離演算部124は、姿勢演算部122により演算された現在の旋回体4の位置及び方位並びに作業装置5の姿勢に基づき、作業装置5の先端部(例えばバケット53の爪先)の位置を演算する。距離演算部124は、目標面記憶部123から取得した掘削目標面90の三次元情報と、現在の旋回体4の位置及び方位並びに作業装置5の姿勢に基づき、作業装置5の動作平面内での掘削目標面(掘削目標線)90を特定する。距離演算部124は、演算したバケット53の先端部の位置と掘削目標面90との間の距離(以下、目標面距離とも記す)を演算する。目標面距離は、例えば、バケット53の先端部から掘削目標面90との間の鉛直軸方向(重力方向)の距離である。なお、目標面距離は、バケット53の先端部から掘削目標面90に下した垂線におけるバケット53と掘削目標面90との間の距離としてもよい。
距離演算部124は、演算結果を表示コントローラ130に出力する。表示コントローラ130は、距離演算部124の演算結果に基づいて、掘削目標面90と作業装置5との位置関係を表す画像(図4参照)を表示装置60の表示画面61に表示させる。表示コントローラ130の機能については後述する。
軌道生成コントローラ110は、基本情報記憶部111、軌道演算部112、軌道生成部113、及び掘り過ぎ判定部114としての機能を有する。基本情報記憶部111の機能は、軌道生成コントローラ110の不揮発性メモリによって発揮される。軌道演算部112、軌道生成部113及び掘り過ぎ判定部114の機能は、軌道生成コントローラ110の処理装置が不揮発性メモリに記憶されるプログラムを実行することにより、発揮される。
基本情報記憶部111には、予め油圧ショベル1の基本情報が記憶されている。基本情報記憶部111に記憶されている基本情報は、上述した基本情報記憶部121に記憶されている基本情報と同じである。
軌道演算部112は、基本情報記憶部111から基本情報を取得し、取得した基本情報と、車体位置検出装置40及び姿勢検出装置50から入力される信号に基づき、現在の作業装置5のバケット53の先端部の位置を演算する。なお、バケット53の先端部の位置の演算方法は、姿勢演算部122による演算方法と同じであるため、詳細な説明は省略する。
軌道演算部112は、姿勢検出装置50から入力される信号に基づき、作業装置5が動作している状態(動作状態)であるか、あるいは、作業装置5が動作していない状態(静止状態)であるかを判定する。
軌道演算部112は、ブーム角度センサ51bにより検出されたブーム角α、アーム角度センサ52bにより検出されたアーム角β、及びバケット角度センサ53bにより検出されたバケット角γのうちのいずれかに時間変化がある場合には、作業装置5は動作状態であると判定する。軌道演算部112は、ブーム角度センサ51bにより検出されたブーム角α、アーム角度センサ52bにより検出されたアーム角β、及びバケット角度センサ53bにより検出されたバケット角γの全てにおいて時間変化がない場合には、作業装置5は静止状態(停止状態)であると判定する。
なお、角度センサ51b,52b,53bにより検出された角度の時間変化に代えて、操作装置70の操作量の時間変化に基づいて、作業装置5が動作状態であるか静止状態であるかを判定してもよい。
軌道演算部112は、作業装置5が動作状態であると判定された場合には、姿勢検出装置50の検出結果に基づいて、複数の駆動部材(51,52,53)の角速度(ωα,ωβ,ωγ)を演算する。軌道演算部112は、演算された複数の駆動部材(51,52,53)の角速度(ωα,ωβ,ωγ)と、ブーム51、アーム52及びバケット53の長さLa,Lb,Lcに基づいて、所定時間経過後の作業装置5の先端部(バケット53の先端部)の予測位置を演算する。軌道演算部112は、複数の予測位置を演算する。
軌道演算部112は、作業装置5が静止状態であると判定された場合には、姿勢検出装置50の検出結果に所定時間経過後の姿勢変化(角度変化)の予測値を加算することにより、バケット53の先端部の予測位置を演算する。軌道演算部112は、複数の予測位置を演算する。
ブーム角α[°]に加える予測値(ブーム角度変化予測値)Δα[°]、アーム角β[°]に加える予測値(アーム角度変化予測値)Δβ[°]、及びバケット角γ[°]に加える予測値(バケット角度変化予測値)Δγ[°]は、それぞれ異なる値とすることができる。
複数の駆動部材(51,52,53)それぞれの姿勢変化の予測値は、作業装置5が掘削方向に動作する場合を想定して予め定められる。各予測値は、基本情報記憶部111に記憶されている。ブーム角度変化予測値Δαは、所定時間経過後にブーム上げ方向にブーム51が動作した場合のブーム角αの変化量の予測値である。アーム角度変化予測値Δβは、所定時間経過後にアームクラウド方向にアーム52が動作した場合のアーム角βの変化量の予測値である。バケット角度変化予測値Δγは、所定時間経過後にバケットクラウド方向にバケット53が動作した場合のバケット角γの変化量の予測値である。
予測値Δα,Δβ,Δγが、駆動部材(51,52,53)の回動角度α,β,γに加算されると、所定時間経過後の駆動部材(51,52,53)の回動角度α´,β´,γ´が得られる。
例えば、軌道演算部112は、以下の式(1)~(3)を用いて、所定時間t(n)経過後の駆動部材の回動角度α´(n),β´(n),γ´(n)を演算する。
α´(n)=α+Δα×n ・・・(1)
β´(n)=β+Δβ×n ・・・(2)
γ´(n)=γ+Δγ×n ・・・(3)
ここで、nは、所定時間t(n)を定める整数である。所定時間t(n)は、基準時間Δt×nにより演算される。
以下、アーム52の予測角度の演算方法についての具体例を説明する。現在のアーム角βにアーム角度変化予測値(Δβ×1)を加算することにより、第1の所定時間t(1)=1×Δtだけ経過した後の第1の予測角度β´(1)が演算される。同様に、現在のアーム角βにアーム角度変化予測値(Δβ×2)を加算することにより、第2の所定時間t(2)=2×Δtだけ経過した後の第2の予測角度β´(2)が演算される。このようにして、複数の予測角度β´(n)が演算される。
軌道演算部112は、予測角度α´(1),β´(1),γ´(1)と、ブーム51、アーム52及びバケット53の長さLa,Lb,Lcに基づいて、第1の所定時間t(1)だけ経過した後のバケット53の先端部の第1の予測位置P(1)を演算する。同様に、軌道演算部112は、予測角度α´(2),β´(2),γ´(2)と、ブーム51、アーム52及びバケット53の長さLa,Lb,Lcに基づいて、第2の所定時間t(2)だけ経過した後のバケット53の先端部の第2の予測位置P(2)を演算する。このようにして、所定時間t(n)経過後の予測位置P(n)が複数演算される。
軌道生成部113は、軌道演算部112により演算されたバケット53の先端部の複数の予測位置に基づいて、バケット53の先端部の予測軌道91(図4参照)を生成する。予測軌道91は、例えば、3次元空間における関数で表される。軌道生成部113は、生成した予測軌道91の情報を表示コントローラ130に出力する。
掘り過ぎ判定部114は、軌道生成部113によって生成された予測軌道91が、目標面記憶部123に記憶されている掘削目標面90よりも下側の領域(油圧ショベル1から見て奥側の領域)と重複するか否かを判定する。また、掘り過ぎ判定部114は、予測軌道91と掘削目標面90よりも下側の領域(油圧ショベル1から見て手前側の領域)との重複部91b(図4参照)を特定する。掘り過ぎ判定部114は、判定結果を表示コントローラ130に出力する。なお、掘り過ぎ判定部114は、予測軌道91と掘削目標面90よりも下側の領域とが重複すると判定された場合には、特定した重複部91bの情報を表示コントローラ130に出力する。
表示コントローラ130は、強調部131及び描画部132としての機能を有し、表示装置60の表示を制御する。強調部131及び描画部132の機能は、表示コントローラ130の処理装置が不揮発性メモリに記憶されているプログラムを実行することにより、発揮される。
表示コントローラ130は、マシンガイダンスコントローラ120及び軌道生成コントローラ110から入力された信号に基づいて、表示装置60の表示画面61に画像を表示させる。
描画部132は、マシンガイダンスコントローラ120から取得した掘削目標面90と作業装置5との位置関係を表す画像と、軌道生成コントローラ110から取得したバケット53の先端部の予測軌道91と、を表示装置60の同一の画面に表示させる(図4参照)。
強調部131は、掘り過ぎ判定部114によって、予測軌道91が掘削目標面90よりも下側の領域と重複すると判定された場合には、重複部91bを強調表示させる指令(強調表示指令)を描画部132に送信する。
描画部132は、強調部131から強調表示指令を受信すると、予測軌道91のうち、重複部91bを強調表示部として特定する。描画部132は、予測軌道91のうち、強調表示部(重複部91b)とそれ以外の部分(非重複部91a)とを異なる表示態様で表示画面61に表示させる(図4参照)。
図3を参照して軌道生成コントローラ110により実行される予測軌道表示制御の処理の流れの一例について説明する。図3のフローチャートに示す処理は、イグニッションスイッチ(不図示)がオンされることにより開始され、所定の演算周期で繰り返し実行される。
図3に示すように、ステップS101において、軌道生成コントローラ110は、車体位置検出装置40から旋回体4の位置情報(位置及び方位)を取得し、処理をステップS106に進める。ステップS106において、軌道生成コントローラ110は、姿勢検出装置50から作業装置5の姿勢情報(駆動部材の回動角度)を取得し、処理をステップS111に進める。
ステップS111において、軌道生成コントローラ110は、ステップS101で取得した旋回体4の位置情報と、ステップS106で取得した作業装置5の姿勢情報と、基本情報記憶部111に記憶されている基本情報とに基づいて、バケット53の先端部の位置を演算し、処理をステップS116に進める。
ステップS116において、軌道生成コントローラ110は、作業装置5が動作状態であるか静止状態であるかを判定する。ステップS116において、作業装置5が静止状態であると判定されると、処理がステップS121に進む。ステップS116において、作業装置5が動作状態であると判定されると、処理がステップS131に進む。
ステップS121において、軌道生成コントローラ110は、角度変化予測値Δα,Δβ,Δγを用いて、所定時間t(n)経過後のバケット53の先端部の複数の予測位置P(n)を演算し、処理をステップS136に進める。nは、1,2,3・・・m(mは整数)である。
ステップS131において、軌道生成コントローラ110は、本演算周期のステップS106で取得した姿勢情報(回動角度)である今回値と、本演算周期よりも前(例えば、1周期前)のステップS106で取得した姿勢情報(回動角度)である前回値と、前回値を取得した時刻から今回値を取得した時刻までの時間とに基づいて、駆動部材の実角速度ωα,ωβ,ωγを演算し、処理をステップS134に進める。
ステップS134において、軌道生成コントローラ110は、ステップS131で演算された実角速度ωα,ωβ,ωγに基づいて、所定時間t(n)経過後のバケット53の先端部の複数の予測位置P(n)を演算し、処理をステップS136に進める。nは、1,2,3・・・m(mは整数)である。
ステップS136において、軌道生成コントローラ110は、ステップS121またはステップS134で演算された複数の予測位置P(n)に基づいて、予測軌道91を演算する。予測軌道91は、例えば、複数の予測位置P(n)を近似する近似曲線の式によって表される。
ステップS141において、軌道生成コントローラ110は、マシンガイダンスコントローラ120から掘削目標面90の情報を取得し、処理をステップS146に進める。
ステップS146において、軌道生成コントローラ110は、予測軌道91が掘削目標面90よりも下側の領域に重複しているか否かを判定する。ステップS146において、予測軌道91が掘削目標面90よりも下側の領域に重複していないと判定されると、処理がステップS149に進む。ステップS146において、予測軌道91が掘削目標面90よりも下側の領域に重複していると判定されると、処理がステップS151に進む。
ステップS149において、軌道生成コントローラ110は、予測軌道91の情報を表示コントローラ130に出力し、図3のフローチャートに示す処理を終了する。
ステップS151において、軌道生成コントローラ110は、予測軌道91と掘削目標面90よりも下側の領域との重複部91bを特定し、処理をステップS156に進める。ステップS156において、軌道生成コントローラ110は、予測軌道91及び重複部91bの情報を表示コントローラ130に出力し、図3のフローチャートに示す処理を終了する。
図4を参照して、表示装置60の表示画面61に表示される画像の一例について説明する。図4では、掘削目標面90の下側の領域と予測軌道91の一部とが重複している例について示している。なお、図4では、現在の地山の表面である地表99を参考に二点鎖線で図示しているが、実際には表示画面61に表示されない。
マシンガイダンスコントローラ120から掘削目標面90の情報が表示コントローラ130に入力されると、表示コントローラ130は、表示画面61に掘削目標面90を表す二重線を表示する。マシンガイダンスコントローラ120から掘削目標面90に対する油圧ショベル1の位置情報及び姿勢情報が入力されると、表示コントローラ130は、表示画面61に、掘削目標面90と作業装置5の位置関係を示す画像として、油圧ショベル1を表す画像と掘削目標面90の画像を表示する。表示コントローラ130は、入力される位置情報及び姿勢情報が変化すると、油圧ショベル1の画像を変化させる。
マシンガイダンスコントローラ120から目標面距離の情報が表示コントローラ130に入力されると、表示コントローラ130は、掘削目標面90と作業装置5の位置関係を示す画像として目標面距離を表す画像92を表示画面61に表示する。表示コントローラ130は、入力される目標面距離の情報が変化すると、目標面距離を表す画像92の数値を変化させる。
軌道生成コントローラ110から予測軌道91の情報が表示コントローラ130に入力されると、表示コントローラ130は、表示画面61に予測軌道91を表す線を表示する。軌道生成コントローラ110から重複部91bの情報が表示コントローラ130に入力されると、表示コントローラ130は、予測軌道91における重複部91bを非重複部91aとは異なる表示態様で表示画面61に表示する。本実施形態では、重複部91bが実線で表示され、非重複部91aが破線で表示されている。
なお、図示しないが、予測軌道91の情報が表示コントローラ130に入力され、重複部91bの情報が表示コントローラ130に入力されていない場合には、予測軌道91の全体が非重複部91aとなる。このため、表示コントローラ130は、予測軌道91の全体を表す破線を表示画面61に表示する。
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)油圧ショベル(作業機械)1は、車体8と、車体8に取り付けられる作業装置5とを備える。作業装置5は、複数の油圧アクチュエータ(51a,52a,53a)と、複数の油圧アクチュエータ(51a,52a,53a)によって駆動される複数の駆動部材(51,52,53)とを有する。また、油圧ショベル1は、車体8の位置を検出する車体位置検出装置40と、作業装置5の姿勢を検出する姿勢検出装置50と、掘削目標面90と作業装置5との位置関係を表示する表示装置60と、表示装置60の表示を制御する制御装置100とを備える。制御装置100は、車体位置検出装置40及び姿勢検出装置50の検出結果に基づいて、掘削目標面90と作業装置5との位置関係及び作業装置5の予測軌道91を演算し、掘削目標面90と作業装置5との位置関係及び作業装置5の予測軌道を表示装置60の同一の画面に表示させる。
この構成によれば、オペレータは、表示装置60に表示される掘削目標面90及び予測軌道91を確認しつつ掘削作業を行うことができる。これにより、掘削目標面90より深い部分に作業装置5が侵入することが防止される。また、オペレータは、どのような操作でどの程度まで作業装置5を動作させると作業装置5が掘削目標面90に到達するのかを直感的に把握することができる。これにより、オペレータは、地山の粗掘削作業の効率を向上させることができる。つまり、本実施形態によれば、掘り過ぎを防止しつつ、作業効率を向上可能な油圧ショベル1を提供することができる。
(2)制御装置100は、作業装置5が動作状態であるか静止状態であるかに応じて、作業装置5の予測軌道91の演算方法を変える。本実施形態において、制御装置100は、作業装置5が動作状態である場合には、姿勢検出装置50の検出結果に基づいて、複数の駆動部材(51,52,53)の角速度を演算する。制御装置100は、演算された複数の駆動部材(51,52,53)の角速度に基づいて、作業装置5の先端部の予測軌道91を演算する。一方、制御装置100は、作業装置5が静止状態である場合には、姿勢検出装置50の検出結果に予め定めた複数の駆動部材(51,52,53)それぞれの姿勢変化の予測値を加算することにより、作業装置5の先端部の予測軌道91を演算する。
この構成によれば、作業装置5が静止状態である場合には、掘削作業が開始された場合の予測軌道91を表示装置60に表示させることができる。このため、オペレータは、掘削作業を開始する前に、操作装置70の操作方法の計画を立てることができる。また、作業装置5が静止状態から動作状態に状態遷移すると、現在の動作状態に応じた予測軌道91が表示装置60に表示される。このため、オペレータは、より精度の高い掘削作業を行うことができる。このように、本実施形態によれば、作業装置5の状態に応じた予測軌道91を表示装置60に表示させることができる。
(3)制御装置100は、掘削目標面90よりも下側の領域内の予測軌道(重複部91b)と、掘削目標面90よりも上側の領域内の作業装置5の予測軌道(非重複部91a)と、を異なる表示態様で表示装置60に表示させる(図4参照)。この構成によれば、オペレータは、全体の予測軌道91のうち、掘削目標面90よりも下側の領域内の予測軌道(重複部91b)の長さを容易に把握することができる。その結果、掘り過ぎをより適切に防止することができ、作業効率をより向上することができる。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
<変形例1>
予測軌道91における重複部91bと非重複部91aの表示態様は、上記実施形態で説明した例に限定されない。また、重複部91bと非重複部91aの表示態様は、上記実施形態で説明した態様、及び、以下の変形例で示す複数の態様の中からいくつかを組み合わせてもよい。
<変形例1-1>
表示コントローラ130は、非重複部91aと重複部91bを異なる色で表示させてもよい。この場合、両者の色は互いに識別しやすい色にすることが望ましい。また、重複部91bは、特にその周辺の表示物と比べても識別しやすい色にすることが望ましい。
<変形例1-2>
表示コントローラ130は、重複部91bを実線で表示させ、非重複部91aを二点鎖線あるいは点線で表示させてもよい。
<変形例1-3>
表示コントローラ130は、重複部91bの線の太さを非重複部91aの線の太さよりも太くしてもよい。
<変形例1-4>
表示コントローラ130は、重複部91bを点滅させ、非重複部91aを点滅させないようにしてもよい。この場合、重複部91bと非重複部91aの線種が同じ場合であっても、重複部91bを非重複部91aよりも強調して表示することができる。
<変形例2>
上記実施形態では、作業装置5が静止状態である場合に、ブーム51、アーム52及びバケット53のそれぞれが動作した場合を想定した予測値を用いて、バケット53の先端部の予測位置を演算する例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
<変形例2-1>
軌道生成コントローラ110は、作業装置5が静止状態である場合には、複数の駆動部材(51,52,53)のうちの一つの駆動部材(例えばアーム52)が動かされることを想定した作業装置5の先端部の予測軌道を演算してもよい。この場合、軌道生成コントローラ110は、予測値を用いることなく予測軌道91の生成を行うことができる。本変形例によれば、予測軌道91の生成処理を簡素化することができ、制御装置100の処理の負荷を軽減することができる。その結果、制御装置100のコストの低減を図ることができる。
さらに、軌道生成コントローラ110は、ブーム51のみが動かされることを想定したバケット53の先端部の予測軌道(第1予測軌道)、アーム52のみが動かされることを想定したバケット53の先端部の予測軌道(第2予測軌道)、及び、バケット53のみが動かされることを想定したバケット53の先端部の予測軌道(第3予測軌道)のそれぞれを生成してもよい。さらに、表示コントローラ130は、第1~第3予測軌道のそれぞれを表示装置60の同一の画面に同時に表示してもよい。これにより、オペレータは、駆動部材(51,52,53)それぞれを単独操作した場合の予測軌道91を確認することができる。
<変形例3>
駆動部材(51,52,53)の角速度と、駆動部材(51,52,53)を駆動する油圧シリンダ(51a,52a,53a)の伸縮速度には、一定の関係がある。このため、上記駆動部材(51,52,53)の角速度は、油圧シリンダ(51a,52a,53a)の伸縮速度に置き換えることができる。
また、上記実施形態では、姿勢検出装置50が複数の角度センサ(51b,52b,53b)を備えている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。姿勢検出装置50は、複数の角度センサ(51b,52b,53b)に代えて、複数の油圧シリンダ(51a,52a,53a)のストローク長を測定する複数のストロークセンサを姿勢センサとして備えていてもよい。この場合、制御装置100は、複数のストロークセンサの検出結果に基づき、複数の駆動部材(51,52,53)の回動角度(傾斜角度)を演算する。
<変形例4>
軌道生成コントローラ110は、作業装置5による掘削作業が開始されるときの複数の駆動部材(51,52,53)それぞれの姿勢変化を表すパラメータ(姿勢の時間変化率)を演算し、その演算結果に基づき複数の駆動部材(51,52,53)それぞれの姿勢変化の予測値を演算し、演算した予測値を基本情報記憶部111に記憶してもよい。つまり、基本情報記憶部111に記憶されている予測値が、掘削作業が開始される際に更新される。
作業装置5の姿勢変化を表すパラメータ(姿勢の時間変化率)には、駆動部材(51,52,53)の角速度、あるいは油圧シリンダ(51a,52a,53a)の伸縮速度を用いることができる。予測値の演算に用いられるパラメータ(代表値)は、複数回の掘削作業開始時の駆動部材(51,52,53)のパラメータの平均値を用いることが好ましい。1回の掘削作業開始時の駆動部材(51,52,53)のパラメータは、掘削作業が開始された時点から所定時間が経過するまでの姿勢変化量(シリンダ変位、角度変位)に基づいて演算される。
制御装置100による掘削作業開始時の判定方法は、例えば、以下のとおりである。バケット53が掘削目標面90よりも上側に位置している状態からバケット53が掘削目標面90に近づくように作業装置5が動作した場合に、制御装置100は作業装置5による掘削作業が開始されたと判定する。なお、作業装置5が動作したか否かの判定は、姿勢検出装置50の検出結果に基づいて行ってもよいし、操作装置70の操作量に基づいて行ってもよい。
このように、本変形例では、制御装置100が、作業装置5による掘削作業が開始されるときの複数の駆動部材(51,52,53)それぞれの姿勢変化を演算して、複数の駆動部材(51,52,53)それぞれの姿勢変化の予測値として記憶する。したがって、本変形例によれば、オペレータの志向にあった予測軌道91を表示装置60に表示させることができる。
なお、予測値の演算に用いられるパラメータ(代表値)は、複数回の掘削作業開始時のパラメータの平均値に限定されない。予測値の演算に用いられるパラメータ(代表値)は、複数回の掘削作業開始時のパラメータの最大値または最小値としてもよい。
制御装置100は、パラメータの平均値、最大値及び最小値のそれぞれを演算し、パラメータの平均値、最大値及び最小値のそれぞれに基づいて生成される予測軌道(3本の予測軌道)を表示装置60の同一の画面に同時に表示してもよい。これにより、オペレータは、操作装置70の操作の計画をより適切に立てることができる。
<変形例5>
制御装置100は、作業装置5の各関節の可動領域の範囲を考慮して、バケット53の先端部の予測軌道91を生成してもよい。つまり、制御装置100は、姿勢検出装置50の検出結果に基づいて作業装置5の先端部の位置を演算し、作業装置5の先端部の位置を始点として複数の駆動部材(51,52,53)の可動領域の範囲内で、バケット53の先端部の予測軌道91を演算する。これにより、予測軌道91の表示領域が制限されるので、オペレータは必要な情報のみを確認することができる。
<変形例6>
制御装置100は、姿勢検出装置50の検出結果に基づき、作業装置5の先端部が掘削目標面90から離れる方向に動作しているのか、近づく方向に動作しているのかを判定してもよい。本変形例において、制御装置100は、作業装置5の先端部が掘削目標面90から離れる方向に動作していると判定された場合には、表示装置60に作業装置5の予測軌道91を表示しない。一方、制御装置100は、作業装置5の先端部が掘削目標面90に近づく方向に動作していると判定された場合には、表示装置60に作業装置5の予測軌道91を表示させる。
この構成によれば、作業装置5の先端部が掘削目標面90に近づく方向に動作している場合に限って表示装置60に予測軌道91が表示される。このため、より適切に、オペレータに注意喚起を促すことができる。
<変形例7>
予測軌道91の生成方法は、上記実施形態で説明した方法に限定されない。種々の方法で予測軌道91を生成することができる。上記実施形態では、軌道演算部112が、各駆動部材(51,52,53)の角速度に基づいて、バケット53の先端部の予測位置を演算する例について説明した。しかしながら、軌道演算部112は、各駆動部材(51,52,53)の角速度だけでなく、角加速度も加味して、バケット53の先端部の予測位置を演算してもよい。さらに、軌道生成コントローラ110は、以下に示す方法で予測軌道91を生成してもよい。
軌道演算部112は、作業装置5が動作状態であると判定された場合には、バケット53の先端部の位置を一定時間(演算周期)毎に演算し、その演算結果に基づいてバケット53の先端部の実際の速度及び加速度を演算する。つまり、軌道演算部112は、一定時間(演算周期)毎にバケット53の先端部の位置をサンプリングし、サンプリングしたバケット53の先端部の複数の位置からバケット53の先端部の速度及び加速度の実際値を演算する。
また、軌道演算部112は、作業装置5が静止状態であると判定された場合には、姿勢検出装置50の検出結果に所定時間経過後の姿勢変化(角度変化)の予測値を加算することにより、所定時間経過後の駆動部材(51,52,53)の予測角度を演算する。さらに、軌道演算部112は、演算した駆動部材(51,52,53)の予測角度に基づいて、バケット53の先端部の速度及び加速度の仮定値を演算する。
軌道生成部113は、作業装置5が動作状態であると判定された場合には、軌道演算部112により演算されたバケット53の先端部の速度及び加速度の実際値に基づいて、バケット53の先端部の予測軌道91を生成する。軌道生成部113は、作業装置5が静止状態であると判定された場合には、軌道演算部112により演算されたバケット53の先端部の速度及び加速度の仮定値に基づいて、バケット53の先端部の予測軌道91を生成する。本変形例によれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、作業装置5が動作状態である場合におけるバケット53の先端部の速度及び加速度の演算方法は、上記した例に限定されない。軌道生成コントローラ110は、各駆動部材(51,52,53)の角速度及び角加速度を角速度センサ及び角加速度センサにより検出し、各駆動部材(51,52,53)の角速度及び角加速度からヤコビ行列を用いてバケット53の先端部の速度及び加速度を演算してもよいし、運動学の方程式を用いてバケット53の先端部の速度及び加速度を演算してもよい。
また、軌道生成コントローラ110は、操作装置70のレバー操作量と各油圧シリンダ(51a,52a,53a)の動作速度の関係を表すデータテーブルに基づいて、レバー操作量に応じた各油圧シリンダ(51a,52a,53a)の動作速度を演算してもよい。この場合、軌道生成コントローラ110は、演算した動作速度の時間変化率を加速度として演算する。また、軌道生成コントローラ110は、演算した各油圧シリンダ(51a,52a,53a)の動作速度及び加速度に基づいて、各駆動部材(51,52,53)の角速度及び角加速度を演算する。さらに、軌道生成コントローラ110は、各駆動部材(51,52,53)の角速度及び角加速度に基づいてバケット53の先端部の速度及び加速度を演算する。
また、軌道生成コントローラ110は、各駆動部材(51,52,53)の角速度及び角加速度のうち、角速度のみを用いてバケット53の先端部の速度及び加速度を演算してもよい。
<変形例8>
各コントローラ110,120,130の機能の一部または全部を他のコントローラが備えていてもよい。例えば、軌道生成コントローラ110の基本情報記憶部111とマシンガイダンスコントローラ120の基本情報記憶部121の機能は、単一の不揮発性メモリで実現してもよい。また、単一のコントローラが、各コントローラ110,120,130の全ての機能を備えていてもよい。4つ以上のコントローラで各コントローラ110,120,130の機能を実現する構成としてもよい。
<変形例9>
上記実施形態では、マシンガイダンスが、GNSSアンテナ41a,41bを備えた車体位置検出装置40により取得した油圧ショベル1の位置情報、及び掘削目標面90を三次元位置情報で扱う3Dマシンガイダンスである例について説明した。しかしながら、マシンガイダンスは、作業装置5の動作平面に機能を限定した2Dマシンガイダンスとしてもよい。
<変形例10>
上記実施形態では、掘削目標面90の三次元位置情報が予め目標面記憶部123に記憶されている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。掘削目標面90の三次元位置情報は、通信装置(不図示)を通じて外部サーバから取得してもよいし、記憶媒体から取得してもよい。また、オペレータが入力装置を操作することにより、掘削目標面90を表す座標データが目標面記憶部123に記憶されるようにしてもよい。
<変形例11>
情報化施工では、マシンガイダンスの情報(目標面距離)にしたがって掘削目標面90の上方にバケット53の先端部が保持されるように作業装置5を半自動的に制御するマシンコントロールが知られている。このマシンコントロール機能を有する作業機械に本提案のシステムを組み合わせてもよい。その場合、掘り過ぎ防止の観点ではマシンコントロールの役割が大きいが、マシンコントロールの半自動制御が行われる前の粗掘削の段階で予測軌道91をオペレータに提示することで、粗掘削の効率化を支援できる。
<変形例12>
上記実施形態では、作業装置5の予測軌道91がバケット53の先端部の予測軌道である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1…油圧ショベル(作業機械)、2…走行体、3…旋回装置、4…旋回体、5…作業装置、6…運転室、8…車体、40…車体位置検出装置、41…旋回フレーム、41a,41b…GNSSアンテナ、42…測位演算装置、50…姿勢検出装置、51…ブーム(駆動部材)、51a…ブームシリンダ(油圧シリンダ、油圧アクチュエータ)、51b…ブーム角度センサ(角度センサ、姿勢センサ)、52…アーム(駆動部材)、52a…アームシリンダ(油圧シリンダ、油圧アクチュエータ)、52b…アーム角度センサ(角度センサ、姿勢センサ)、53…バケット(駆動部材)、53a…バケットシリンダ(油圧シリンダ、油圧アクチュエータ)、53b…バケット角度センサ(角度センサ、姿勢センサ)、60…表示装置、61…表示画面、70…操作装置、90…掘削目標面、91…予測軌道、91a…非重複部、91b…重複部、100…制御装置、110…軌道生成コントローラ、111…基本情報記憶部、112…軌道演算部、113…軌道生成部、114…掘り過ぎ判定部、120…マシンガイダンスコントローラ、121…基本情報記憶部、122…姿勢演算部、123…目標面記憶部、124…距離演算部、130…表示コントローラ、131…強調部、132…描画部

Claims (9)

  1. 作業装置と、
    車体の位置を検出する車体位置検出装置と、
    前記作業装置の姿勢を検出する姿勢検出装置と、
    掘削目標面と前記作業装置との位置関係を表示する表示装置と、
    前記表示装置の表示を制御する制御装置と、を備える作業機械において、
    前記制御装置は、
    前記車体位置検出装置及び前記姿勢検出装置の検出結果に基づいて、前記掘削目標面と前記作業装置との位置関係及び前記作業装置の予測軌道を演算し、
    前記掘削目標面と前記作業装置との位置関係及び前記作業装置の予測軌道を前記表示装置の同一の画面に表示させる
    ことを特徴とする作業機械。
  2. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記制御装置は、前記作業装置が動作状態であるか静止状態であるかに応じて、前記作業装置の予測軌道の演算方法を変える
    ことを特徴とする作業機械。
  3. 請求項2に記載の作業機械において、
    前記作業装置は複数の駆動部材により構成されており、
    前記作業装置の予測軌道は前記作業装置の先端部の予測軌道であり、
    前記制御装置は、
    前記作業装置が動作状態である場合には、前記姿勢検出装置の検出結果に基づいて、前記複数の駆動部材の角速度を演算し、
    演算された前記複数の駆動部材の角速度に基づいて、前記作業装置の先端部の予測軌道を演算する
    ことを特徴とする作業機械。
  4. 請求項2に記載の作業機械において、
    前記作業装置は複数の駆動部材により構成されており、
    前記作業装置の予測軌道は前記作業装置の先端部の予測軌道であり、
    前記制御装置は、
    前記作業装置が静止状態である場合には、前記姿勢検出装置の検出結果に予め定めた前記複数の駆動部材それぞれの姿勢変化の予測値を加算することにより、前記作業装置の先端部の予測軌道を演算する
    ことを特徴とする作業機械。
  5. 請求項2に記載の作業機械において、
    前記作業装置は複数の駆動部材により構成されており、
    前記作業装置の予測軌道は前記作業装置の先端部の予測軌道であり、
    前記制御装置は、前記作業装置が静止状態である場合には、前記複数の駆動部材のうちの一つの駆動部材が動かされることを想定した前記作業装置の先端部の予測軌道を演算する
    ことを特徴とする作業機械。
  6. 請求項4に記載の作業機械において、
    前記制御装置は、前記作業装置による掘削作業が開始されるときの前記複数の駆動部材それぞれの姿勢変化を演算して、前記複数の駆動部材それぞれの姿勢変化の予測値として記憶する
    ことを特徴とする作業機械。
  7. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記制御装置は、前記掘削目標面よりも下側の領域内の前記予測軌道と、前記掘削目標面よりも上側の領域内の前記作業装置の予測軌道と、を異なる表示態様で前記表示装置に表示させる
    ことを特徴とする作業機械。
  8. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記作業装置は複数の駆動部材により構成されており、
    前記作業装置の予測軌道は前記作業装置の先端部の予測軌道であり、
    前記制御装置は、
    前記姿勢検出装置の検出結果に基づいて前記作業装置の先端部の位置を演算し、
    前記作業装置の先端部の位置を始点として前記複数の駆動部材の可動領域の範囲内で前記作業装置の先端部の予測軌道を演算する
    ことを特徴とする作業機械。
  9. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記制御装置は、
    前記姿勢検出装置の検出結果に基づき、前記作業装置の先端部が前記掘削目標面から離れる方向に動作しているのか、近づく方向に動作しているのかを判定し、
    前記作業装置の先端部が前記掘削目標面から離れる方向に動作していると判定された場合には、前記表示装置に前記作業装置の予測軌道を表示せず、
    前記作業装置の先端部が前記掘削目標面に近づく方向に動作していると判定された場合には、前記表示装置に前記作業装置の予測軌道を表示させる
    ことを特徴とする作業機械。
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