JP2023150001A - 画像投影装置 - Google Patents

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JP2023150001A JP2022058860A JP2022058860A JP2023150001A JP 2023150001 A JP2023150001 A JP 2023150001A JP 2022058860 A JP2022058860 A JP 2022058860A JP 2022058860 A JP2022058860 A JP 2022058860A JP 2023150001 A JP2023150001 A JP 2023150001A
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一臣 村上
Kazuomi Murakami
由莉 濱田
Yuri Hamada
隆延 豊嶋
Takanobu Toyoshima
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Abstract

【課題】共通の画像照射部と自由曲面ミラーを用いて省スペース化を図りながらも、複数の虚像の結像位置を異ならせることが可能な画像投影装置を提供する。【解決手段】虚像を表示するための表示部(6)に対して投影画像を照射する画像投影装置(10)であって、第1画像光(L1)および第2画像光(L2)を照射する画像照射部(1)と、表示部(6)を介して第1画像光(L1)および第2画像光(L2)を視点方向に照射する照射光学部を備え、照射光学部は第1画像光(L1)と第2画像光(L2)の間で虚像の結像位置に差を生じさせる結像位置調整部(4)を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、画像投影装置に関し、特に虚像を表示するための表示部に対して投影画像を照射する画像投影装置に関する。
従来から、車両内に各種情報を表示する装置として、アイコンを点灯表示する計器盤が用いられている。また、表示する情報量の増加とともに、計器盤に画像表示装置を埋め込むことや、計器盤全体を画像表示装置で構成することも提案されている。
しかし、計器盤は車両のフロントガラス(ウィンドシールド)より下方に位置しているため、計器盤に表示された情報を運転者が視認するには、運転中に視線を下方に移動させる必要があるため好ましくない。そこで、フロントガラスに画像を投影して、運転者が車両の前方を視認したときに情報を読み取れるようにするヘッドアップディスプレイ(以下HUD:Head Up Display)も提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。
特開2019-119248号公報 特開2019-119262号公報
また、より多くの情報を提示するために、運転支援HUD装置を用いて複数の画像をウィンドシールドに投影することも提案されている。しかし、複数の画像を異なる距離に虚像として投影して結像するためには、画像照射部と自由曲面ミラーの組み合わせを複数備える必要があり、インストルメントパネル内に収容するためには設計の自由度が低いという問題があった。そこで、投影する二つの画像を一つの画像照射部の表示範囲内において表示し、共通の自由曲面ミラーで反射することで、部品点数の削減と省スペース化を図ることも提案されている。
しかし、共通の画像照射部から照射された2つの画像光は、共通の自由曲面ミラーで反射されて同じ焦点位置に結像されるため、搭乗者の視点からの虚像の結像距離が同程度になる。このような同じ結像距離への虚像の投影では、車両外の背景とウィンドシールドを介して虚像と重ねあわされる虚像の奥行き感に違和感が生じてしまう。
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、共通の画像照射部と自由曲面ミラーを用いて省スペース化を図りながらも、複数の虚像の結像位置を異ならせることが可能な画像投影装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の画像投影装置は、虚像を表示するための表示部に対して投影画像を照射する画像投影装置であって、第1画像光および第2画像光を照射する画像照射部と、前記表示部を介して前記第1画像光および前記第2画像光を視点方向に照射する照射光学部を備え、前記照射光学部は、前記第1画像光と前記第2画像光の間で虚像の結像位置に差を生じさせる結像位置調整部を備えることを特徴とする。
このような本発明の画像投影装置では、結像位置調整部によって第1画像光と第2画像光の結像位置に差を生じさせるため、共通の画像照射部と自由曲面ミラーを用いて省スペース化を図りながらも、複数の虚像の結像位置を異ならせることが可能となる。
また、本発明の一態様では、前記結像位置調整部は反射プリズムである。
また、本発明の一態様では、前記反射プリズムは、第1入射部と、第2入射部と、反射部と、第1出射部と、第2出射部とを備え、前記第1画像光は前記第1入射部から入射し、前記反射部で反射され、前記第1出射部から出射され、前記第2画像光は前記第2入射部から入射し、前記第2出射部から出射される。
また、本発明の一態様では、前記画像照射部は、前記第1画像光を照射する第1領域と、前記第2画像光を照射する第2領域を備え、前記反射プリズムは、前記第1入射部が前記第1領域に対向して配置され、前記第2入射部が前記第2領域に対向して配置されている。
また、本発明の一態様では、前記結像位置調整部は光学的パワーを有するレンズである。
また、本発明の一態様では、前記画像照射部は、前記第1画像光を照射する第1領域と、前記第2画像光を照射する第2領域を備え、前記レンズは、前記第1領域に対向して配置されている。
また、本発明の一態様では、前記虚像の結像位置は、前記第1画像光のほうが前記第2画像光よりも視点位置から遠い。
本発明では、共通の画像照射部と自由曲面ミラーを用いて省スペース化を図りながらも、複数の虚像の結像位置を異ならせることが可能な画像投影装置を提供することができる。
第1実施形態に係る画像投影装置10の構成と結像される虚像の位置を示す模式図である。 第1実施形態に係る画像投影装置10における、画像照射部1から照射される画像の表示領域を示す模式図である。 第1実施形態における反射プリズム4の構造を示す模式図である。 第2実施形態における反射プリズム4の変形例を示す模式図である。 第3実施形態に係る画像投影装置20の構成を示す模式図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付すものとし、適宜重複した説明は省略する。図1は、本実施形態に係る画像投影装置10の構成と結像される虚像の位置を示す模式図である。
図1に示すように画像投影装置10は、画像照射部1と、自由曲面ミラー2,3と、反射プリズム4と、外光遮断部5とを備えている。ここで、自由曲面ミラー2、自由曲面ミラー3および反射プリズム4の組み合わせが本発明における照射光学部を構成している。画像投影装置10から投影された光はウィンドシールド6(表示部)を介して運転者の視点位置に照射され、ウィンドシールド6から所定の距離に虚像7,8が結像される。
また、画像投影装置10は、各部と情報通信可能に接続されて、各部を制御する制御部を備えている(図示省略)。制御部の構成は限定されないが、一例として情報処理を行うためのCPU(Central Processing Unit)や、メモリ装置、記録媒体、情報通信装置等を備えるものが挙げられる。制御部は、予め定められたプログラムに従って各部の動作を制御し、画像を含んだ情報(画像情報)を画像照射部1に送出する。
画像照射部1は、制御部からの画像情報に基づいて、画像を含んだ光照射する部分である。画像照射部1の具体的構成は限定されず、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置、レーザ光源と光変調素子の組み合わせ等の従来公知のものを用いることができる。図1に示した例では、液晶表示装置の背面側から発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)により光を照射するものを用いている。後述するように、画像照射部1は、近方画像と遠方画像をそれぞれ表示する近方表示領域1bと遠方表示領域1cを含んで構成されている。遠方表示領域1cに表示された遠方画像は第1画像光L1として照射され、近方表示領域1bに表示された近方画像は第2画像光L2として照射される。
自由曲面ミラー2は、反射プリズム4を介して第1画像光L1および第2画像光L2が入射し、第1画像光L1および第2画像光L2を自由曲面ミラー3方向に反射する光学部材である。自由曲面ミラー2の反射面は、ウィンドシールド6を介して第1画像光L1および第2画像光L2を虚像7,8として投影するために、運転者の視点方向に光径が拡大するように設計されている。ここで、視点方向に光径が拡大するとは、反射後に光径が一貫して拡大する場合だけでなく、光径が縮小して中間地点において結像した後に拡大する場合も含む。
図1では、自由曲面ミラー2で反射された第1画像光L1および第2画像光L2は、中間結像位置Fで結像された後に自由曲面ミラー3に到達する例を示している。ここで、中間結像位置Fは第1画像光L1および第2画像光L2の光路上であれば限定されないが、自由曲面ミラー2と自由曲面ミラー3の間に設定することで、外光遮断部5を配置する空間を確保することが容易になるため好ましい。
自由曲面ミラー3は、自由曲面ミラー2で反射された第1画像光L1および第2画像光L2が入射し、ウィンドシールド6方向に第1画像光L1および第2画像光L2を反射する光学部材である。自由曲面ミラー3の反射面は、ウィンドシールド6を介して第1画像光L1および第2画像光L2を虚像7,8として投影するために、運転者の視点方向に光径が拡大するように設計されている。ここで、視点方向に光径が拡大するとは、反射後に光径が一貫して拡大する場合だけでなく、光径が縮小して中間地点において結像した後に拡大する場合も含む。
反射プリズム4は、画像照射部1から照射される第1画像光L1を内部で反射した後に出射し、第2画像光L2をそのまま透過させる光学部材である。反射プリズム4の詳細な構造については後述するが、反射プリズム4の内部で第1画像光L1が反射されることにより、第1画像光L1と第2画像光L2との間で光路差が生じるため、反射プリズム4は本発明における結像位置調整部に相当している。また、反射プリズム4と画像照射部1の何れかに、互いの相対的な位置決めを行って保持する位置決め部や保持部を設けることが好ましい。
図1に示した例では、反射プリズム4を画像照射部1の近方表示領域1bおよび遠方表示領域1cに重ねて配置している。ここで、反射プリズム4を画像照射部1に重ねて配置するとは、平面視において反射プリズム4を配置した領域が画像照射部1の画像表示領域と重複することを意味している。また、反射プリズム4と画像照射部1が接触している場合も非接触の場合も重ねて配置に含まれるものとする。また、反射プリズム4と画像照射部1の間に光を透過する光学部材や、両者の間隔を維持するための保持部材を介在させている場合も、重ねて配置に含まれる。
外光遮断部5は、遮光性の材料で構成された部材であり、その一部に開口部が設けられ、第1画像光L1および第2画像光L2の光路上に開口部が位置するように配置されている。したがって、第1画像光L1および第2画像光L2は、外光遮断部5に遮られずに開口部を通過して投影される。また、ウィンドシールド6の上方から車両内部に入射してくる太陽光などの外光は、自由曲面ミラー3で反射されて自由曲面ミラー2方向に進行してきたとしても、外光遮断部5によってその大部分が遮断される。これにより、外光遮断部5で外光を効果的に遮って、画像照射部1まで到達する外光を低減させ、画像照射部1の温度上昇による劣化を抑制することができる。
また、図1に示したように、外光遮断部5を中間結像位置Fに配置する場合には、第1画像光L1と第2画像光L2が通過する領域が最も小さくなる。したがって、外光遮断部5に形成される開口部の面積を可能な限り小さくすることが可能となり、外光をさらに効率よく遮ることができる。
ウィンドシールド6は、車両の運転席前方に設けられて可視光を透過する部分である。ウィンドシールド6は、車両の内側面では自由曲面ミラー3から入射した第1画像光L1および第2画像光L2を視点方向に対して反射し、車両の外部からの光を視点方向に対して透過するため、本発明における表示部に相当している。ここでは表示部としてウィンドシールド6を用いた例を示したが、ウィンドシールド6とは別に表示部としてコンバイナーを用意し、自由曲面ミラー3からの光を視点方向に反射するとしてもよい。また、車両の前方に位置するものに限定されず、搭乗者の視点に対して画像を投影するものであれば側方や後方に配置するとしてもよい。
虚像7,8は、ウィンドシールド6で反射された第1画像光L1および第2画像光L2が運転者等の視点(アイボックス)に到達した際に、空間中に結像されたように表示される画像である。虚像7,8が結像される位置は、画像照射部1から照射された光の光路長と、自由曲面ミラー2、自由曲面ミラー3、およびウィンドシールド6で反射された後に視点方向に進行する際の拡がり角度とによって決まる。図1に示した例では、反射プリズム4によって第1画像光L1と第2画像光L2の光路長に差が生じているため、搭乗者の視点位置からの虚像7と虚像8の結像位置も異なるものとなる。
図1に示した例では、照射光学部として自由曲面ミラー2、自由曲面ミラー3および反射プリズム4の組み合わせを示したが、照射光学部の構成はこれに限定されない。一例としては、自由曲面ミラー2,3の他に反射鏡を用いるとしてもよく、紫外光や赤外光をカットする波長フィルタを用いるとしてもよい。
図2は、本実施形態に係る画像投影装置10における、画像照射部1から照射される画像の表示領域を示す模式図である。全表示領域1aは、画像照射部1の画像を表示する領域全体である。全表示領域1aの一部は近方表示領域1bであり、他の一部は遠方表示領域1cである。遠方表示領域1cは第1画像が表示され、本発明における第1領域に相当している。近方表示領域1bは第2画像が表示され、本発明における第2領域に相当している。近方表示領域1bに表示される第2画像としては、速度と音量インジケータ、進行方向ガイド等が挙げられる。また、遠方表示領域1cに表示される第1画像としては、注意喚起の画像や緊急情報等の運転に関する補助的な情報が挙げられる。
図3は、本実施形態における反射プリズム4の構造を示す模式図である。図3に示すように反射プリズム4は、透光性の樹脂により形成されており、断面が平行四辺形の柱状に形成されている。反射プリズム4を構成する材料は限定されず、可視光を良好に透過するとともに屈折率が高いガラスや樹脂などの材料を用いることができる。
反射プリズム4の一方の面は画像照射部1に対向して配置される面であり、画像照射部1から照射された第1画像光L1と第2画像光L2が入射する光入射面とされている。図3に示すように、光入射面のうち遠方表示領域1cと対向する領域が第1入射部4aであり、近方表示領域1bと対向する領域が第2入射部4bである。光入射面と対向する面は光出射面であり、第1画像光L1と第2画像光L2が外部に出射する領域がそれぞれ第1出射部4cと第2出射部4dとなる。また、第1入射部4aと第2出射部4dに挟まれた面が第1反射部4eであり、第2入射部4bと第1出射部4cに挟まれた面が第2反射部4fである。第1反射部4eおよび第2反射部4fは、第1画像光L1を全反射する反射面とされており、本発明における反射部に相当している。ここで、第1反射部4eおよび第2反射部4fは、第1画像光L1を全反射せずともよく、全反射してもよい。反射プリズム4を構成する材料の屈折率と空気の屈折率との差により第1画像光L1を全反射するとしてもよく、表面に反射膜を形成することで第1画像光L1を全反射するとしてもよい。また、第1反射部4eおよび第2反射部4fに反射率を向上させる反射膜を形成してもよく、反射シートを貼り付けるとしてもよい。
図3に示すように、第1入射部4aから反射プリズム4に入射した第1画像光L1は、第1反射部4eおよび第2反射部4fで反射されて、第1出射部4cから自由曲面ミラー2方向に照射される。それに対して、第2入射部4bから反射プリズム4内に入射した第2画像光L2は、反射プリズム4の内部を透過して第2出射部4dから自由曲面ミラー2方向に照射される。このとき第1反射部4eおよび第2反射部4fが第1入射部4aおよび第2出射部4dに対して45度傾斜している場合には、光入射面と光入射面の間隔をDとし、幅をWとすると、反射プリズム4内部での第1画像光L1の光路長がD+Wとなるのに対して、第2画像光L2の光路長はDとなる。したがって、反射プリズム4を介した第1画像光L1と第2画像光L2の照射では、第1画像光L1のほうがWだけ光路長が長い画像投影となる。
図1および図2に示した画像投影装置10では、遠方表示領域1cおよび近方表示領域1bに重なる位置に、結像位置調整部である反射プリズム4を配置し、遠方表示領域1cからの第1画像光L1と近方表示領域1bからの第2画像光L2の経路を分岐させ、光路差を生じさせている。反射プリズム4の第1出射部4cおよび第2出射部4dから出射した第1画像光L1および第2画像光L2は、自由曲面ミラー2、自由曲面ミラー3およびウィンドシールド6を介して運転者の視点に到達する。第1画像光L1および第2画像光L2は、照射光学部に含まれる自由曲面ミラー2,3によって光径が拡大して視点に到達するため、運転者は第1画像光L1および第2画像光L2による虚像7,8が所定距離に結像されているように視認する。ここで、虚像7,8の結像位置は、第1画像のほうが第2画像よりも視点位置から遠いものとなっている。
本実施形態では、反射プリズム4を結像位置調整部として用い、反射プリズム4を画像照射部1の全表示領域1aに対向させて配置し、第1画像光L1と第2画像光L2の光路に差を生じさせている。これにより、共通の画像照射部1と自由曲面ミラー2,3を用いて画像投影装置10の省スペース化を図りながらも、複数の虚像7,8の結像位置を異ならせることが可能となる。
また反射プリズム4では、第1入射部4a、第1反射部4e、第2反射部4f、第1出射部4c、第2入射部4bおよび第2出射部4dの相対的な位置関係が予め外形により定まっている。これにより、1つの反射プリズム4を画像照射部1に対して位置合わせするだけで、複数回の反射による光路差を生じさせるとともに、第1画像光L1と第2画像光L2の光軸合わせも行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図4を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。図4は、本実施形態における反射プリズム4の変形例を示す模式図である。本実施形態では、結像位置調整部である反射プリズム4に光学的要素を付加した点が第1実施形態と異なっている。
図4(a)に示す例では、反射プリズム4の第2反射部4fを凹面鏡としている。第2反射部4fの凹面形状は限定されないが、放物面や楕円面、自由曲面などが挙げられる。第2反射部4fが凹面鏡とされていることにより、第1入射部4aから入射し第1反射部4eで反射された第1画像光L1は、第2反射部4fで反射される際に光学的パワーを受ける。これにより、第1画像光L1と第2画像光L2の間では、光路差Wに加えて第2反射部4fによる光学的パワーで焦点距離の変化が生じ、第1画像光L1と第2画像光L2の結像位置を調整することができる。
図4(b)に示す例では、反射プリズム4の第1入射部4aをレンズ形状としている。第1入射部4aの面形状は限定されない。第1入射部4aがレンズ形状とされていることにより、第1入射部4aから入射した第1画像光L1は光学的パワーを受けて反射プリズム4内に入射し、第1反射部4eおよび第2反射部4fで反射されて、第1出射部4cから照射される。これにより、第1画像光L1と第2画像光L2の間では、光路差Wに加えて第1入射部4aによる光学的パワーで焦点距離の変化が生じ、第1画像光L1と第2画像光L2の結像位置を調整することができる。
図4(c)に示す例では、反射プリズム4の第2出射部4dを第1出射部4cに対して傾斜させた複合プリズムとしている。第2出射部4dの形状および傾斜角度は限定されない。第2出射部4dが傾斜されていることにより、第2入射部4bから入射した第2画像光L2は、第2出射部4dから照射される際に屈折される。これにより、第1画像光L1と第2画像光L2の間に光路差Wを生じさせるとともに、第1画像光L1と第2画像光L2の進行方向に角度差を生じさせて、分離することができる。
反射プリズム4に付加される光学的要素は図4(a)~図4(c)に示したものに限定されず、複数の光学的要素を付加するとしてもよい。一例としては、第1反射部4eと第2反射部4fに加えて他の反射部により多段階に第1画像光L1を反射させて光路差をさらに生じさせるとしてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図5を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。図5は、本実施形態に係る画像投影装置20の構成を示す模式図である。本実施形態では、結像位置調整部として光学的パワーを有するレンズを用いる点が第1実施形態と異なっている。
図5に示すように画像投影装置20は、画像照射部1と、自由曲面ミラー2,3と、レンズ9と、外光遮断部5とを備えている。ここで、自由曲面ミラー2、自由曲面ミラー3およびレンズ9の組み合わせが本発明における照射光学部を構成している。画像投影装置20から投影された光はウィンドシールド6(表示部)を介して運転者の視点位置に照射され、ウィンドシールド6から所定の距離に虚像7,8が結像される。
レンズ9は、画像照射部1の遠方表示領域1cまたは近方表示領域1bの一方に対向して配置された、光学的パワーを持つ光学的要素である。レンズ9の形状は限定されないが、光学的パワーを大きくするために光の入射側が凹面で出射側が凸面のレンズを用いることが好ましい。レンズ9を構成する材料は限定されず、可視光を良好に透過するとともに屈折率が高いガラスや樹脂などの材料を用いることができる。
図5に示した例では、レンズ9を画像照射部1の遠方表示領域1cに重ねて配置している。ここで、レンズ9を画像照射部1に重ねて配置するとは、平面視においてレンズ9を配置した領域が画像照射部1の画像表示領域と重複することを意味している。また、レンズ9と画像照射部1が接触している場合も非接触の場合も重ねて配置に含まれるものとする。また、レンズ9と画像照射部1の間に光を透過する光学部材や、両者の間隔を維持するための保持部材を介在させている場合も、重ねて配置に含まれる。
図5に示した画像投影装置20では、遠方表示領域1cに重なる位置に、結像位置調整部であるレンズ9を配置し、遠方表示領域1cからの第1画像光L1の焦点距離を近方表示領域1bからの第2画像光L2の焦点距離と異ならせている。レンズ9で屈折された第1画像光L1と、レンズ9を介さない第2画像光L2は、それぞれ自由曲面ミラー2、自由曲面ミラー3およびウィンドシールド6を介して運転者の視点に到達する。第1画像光L1および第2画像光L2は、照射光学部に含まれる自由曲面ミラー2,3によって光径が拡大して視点に到達するため、運転者は第1画像光L1および第2画像光L2による虚像7,8が所定距離に結像されているように視認する。このとき、第1画像光L1にはレンズ9による光学的パワーが加わるため、レンズ9、第1自由曲面ミラー2,3の合成焦点距離は、第2画像光L2に対する合成焦点距離と異なるものとなる。これにより、第1画像光L1と第2画像光L2の結像位置には差が生じる。
本実施形態では、レンズ9を結像位置調整部として用い、レンズ9を画像照射部1の遠方表示領域1cまたは近方表示領域1bの一方に対向して配置し、第1画像光L1と第2画像光L2の結像位置に差を生じさせている。これにより、共通の画像照射部1と自由曲面ミラー2,3を用いて画像投影装置20の省スペース化を図りながらも、複数の虚像7,8の結像位置を異ならせることが可能となる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
10,20…画像投影装置
1…画像照射部
1a…全表示領域
1b…近方表示領域
1c…遠方表示領域
2,3…自由曲面ミラー
4…反射プリズム
4a…第1入射部
4b…第2入射部
4c…第1出射部
4d…第2出射部
4e…第1反射部
4f…第2反射部
5…外光遮断部
6…ウィンドシールド
7,8…虚像
9…レンズ

Claims (7)

  1. 虚像を表示するための表示部に対して投影画像を照射する画像投影装置であって、
    第1画像光および第2画像光を照射する画像照射部と、
    前記表示部を介して前記第1画像光および前記第2画像光を視点方向に照射する照射光学部を備え、
    前記照射光学部は、前記第1画像光と前記第2画像光の間で虚像の結像位置に差を生じさせる結像位置調整部を備えることを特徴とする画像投影装置。
  2. 請求項1に記載の画像投影装置であって、
    前記結像位置調整部は反射プリズムであることを特徴とする画像投影装置。
  3. 請求項2に記載の画像投影装置であって、
    前記反射プリズムは、第1入射部と、第2入射部と、反射部と、第1出射部と、第2出射部とを備え、
    前記第1画像光は前記第1入射部から入射し、前記反射部で反射され、前記第1出射部から出射され、
    前記第2画像光は前記第2入射部から入射し、前記第2出射部から出射されることを特徴とする画像投影装置。
  4. 請求項3に記載の画像投影装置であって、
    前記画像照射部は、前記第1画像光を照射する第1領域と、前記第2画像光を照射する第2領域を備え、
    前記反射プリズムは、前記第1入射部が前記第1領域に対向して配置され、前記第2入射部が前記第2領域に対向して配置されていることを特徴とする画像投影装置。
  5. 請求項1に記載の画像投影装置であって、
    前記結像位置調整部は光学的パワーを有するレンズであることを特徴とする画像投影装置。
  6. 請求項5に記載の画像投影装置であって、
    前記画像照射部は、前記第1画像光を照射する第1領域と、前記第2画像光を照射する第2領域を備え、
    前記レンズは、前記第1領域に対向して配置されていることを特徴とする画像投影装置。
  7. 請求項1から6の何れか一つに記載の画像投影装置であって、
    前記虚像の結像位置は、前記第1画像光のほうが前記第2画像光よりも視点位置から遠いことを特徴とする画像投影装置。
JP2022058860A 2022-03-16 2022-03-31 画像投影装置 Pending JP2023150001A (ja)

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