JP2023149469A - 環境制御システム、環境制御方法、及びプログラム - Google Patents

環境制御システム、環境制御方法、及びプログラム Download PDF

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Tatsuya Okuno
悠大 芝田
Yudai Shibata
真代 棚田
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Nobuhiko Washio
剛 坂井
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Abstract

【課題】複数のユーザが共用可能な共用作業領域の利用効率を向上しやすくすること。【解決手段】環境制御システム100は、照明制御部11と、音響制御部12と、を備える。照明制御部11は、複数のユーザが共用可能な共用作業領域A1に設けられた照明負荷1を制御する。音響制御部12は、共用作業領域A1に設けられた音響装置2を制御する。共用作業領域A1は、それぞれ1人のユーザが使用可能な複数の使用領域を含んでいる。照明制御部11は、複数の使用領域のうちの少なくとも1つにおいて、所定の領域と他の領域との照度が互いに異なるように照明負荷1を制御する。音響制御部12は、上記少なくとも1つの使用領域において特定音が再生されるように、音響装置2を制御する。【選択図】図2

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年9月27日複合施設 TENNOZ Rim 2F The ParkRex TENNOZ the DOCK内にて環境設営を行い発表 令和3年9月28日複合施設 TENNOZ Rim 2F The ParkRex TENNOZ the DOCK内の共用掲示板への掲載にて発表 令和3年10月19日複合施設 TENNOZ Rim 2F The ParkRex TENNOZ the DOCKのFacebookアカウント保有者である三菱地所レジデンスより、Facebookへの発信にて発表
本発明は、環境制御システム、環境制御方法、及びプログラムに関する。
特許文献1には、音響照明装置が開示されている。この音響照明装置は、照明部と、音響出力部と、設定部と、制御部と、を備えている。設定部は、周囲に存在する認識されたユーザに応じて、照明部の照明および音響出力部の音響出力の少なくともいずれかのパラメータを設定する。制御部は、設定部により設定されたパラメータに従って、照明部の照明及び音響出力部の音響出力の少なくともいずれかを制御する。
特開2014-093204号公報
本発明は、複数のユーザが共用可能な共用作業領域の利用効率を向上しやすい環境制御システム、環境制御方法、及びプログラムを提供する。
本発明の一態様に係る環境制御システムは、照明制御部と、音響制御部と、を備える。前記照明制御部は、複数のユーザが共用可能な共用作業領域に設けられた照明負荷を制御する。前記音響制御部は、前記共用作業領域に設けられた音響装置を制御する。前記共用作業領域は、それぞれ1人のユーザが使用可能な複数の使用領域を含んでいる。前記照明制御部は、前記複数の使用領域のうちの少なくとも1つの使用領域において、所定の領域と他の領域との照度が互いに異なるように前記照明負荷を制御する。前記音響制御部は、前記少なくとも1つの使用領域において特定音が再生されるように、前記音響装置を制御する。
本発明の一態様に係る環境制御方法は、照明制御ステップと、音響制御ステップと、を含む。前記照明制御ステップでは、複数のユーザが共用可能な共用作業領域に設けられた照明負荷を制御する。前記音響制御ステップでは、前記共用作業領域に設けられた音響装置を制御する。前記共用作業領域は、それぞれ1人のユーザが使用可能な複数の使用領域を含んでいる。前記照明制御ステップでは、前記複数の使用領域のうちの少なくとも1つの使用領域において、所定の領域と他の領域との照度が互いに異なるように前記照明負荷を制御する。前記音響制御ステップでは、前記少なくとも1つの使用領域において特定音が再生されるように、前記音響装置を制御する。
本発明の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、前記環境制御方法を実行させる。
本発明の環境制御システム、環境制御方法、及びプログラムは、複数のユーザが共用可能な共用作業領域の利用効率を向上しやすい、という利点がある。
図1は、実施の形態に係る環境制御システムが使用される共用作業領域の概要を示す平面図である。 図2は、実施の形態に係る環境制御システムの機能構成を示すブロック図である。 図3は、共用作業領域の利用態様の一例を示す平面図である。 図4は、共用作業領域の利用態様の他の一例を示す平面図である。 図5は、被験者に対して実施したアンケートの回答の一例を示す図である。 図6は、実施の形態に係る環境制御システムの第1動作例を示すフローチャートである。 図7は、実施の形態に係る環境制御システムの第2動作例を示すフローチャートである。 図8は、共用作業領域の他の一例の概要を示す平面図である。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
(実施の形態)
[共用作業領域]
まず、実施の形態に係る環境制御システム100(図2参照)が使用される共用作業領域A1について説明する。図1は、実施の形態に係る環境制御システム100が使用される共用作業領域A1の概要を示す平面図である。
実施の形態に係る環境制御システム100は、例えばオフィス等のユーザが作業を行う環境で使用され、このような環境を制御するためのシステムである。実施の形態では、環境制御システム100は、例えば自身の行いたい作業に応じて自由に作業場所を選択し得るABW(Activity Based Working)型のオフィスに使用される、と仮定する。ここで、「ABW」とは、仕事内容に合わせて働く場所又はデスク等をユーザ(従業員等)が選択する働き方をいう。ABW型のオフィスにおいては、ユーザは、集中力を要する作業を行う場合には比較的静音性の高い場所を選択し、打ち合わせを行う場合にはソファ等のリラックス可能な場所を選択することが可能である。
なお、環境制御システム100は、ABW型のオフィスに限らず、フリーアドレス型のオフィスで使用されてもよいし、ユーザが行いたい作業に応じて自由に作業場所を選択し得る環境であれば、他の環境で使用されてもよい。例えば、環境制御システム100は、小学校、中学校、高校、又は大学等の教育施設で使用されてもよいし、公民館、又は図書館等の公共施設で使用されてもよいし、店舗又は商業施設で使用されてもよい。
以下では、オフィスに設けられた1つの共用作業領域A1に焦点を当てて説明するが、オフィス内に設けられる共用作業領域A1は、1つのみならず、複数であってもよい。また、オフィスは、共用作業領域A1以外の作業領域を含んでいてもよい。この作業領域は、ユーザが自由に作業場所を選択し得る領域に限らず、例えばユーザの作業場所が固定された領域であってもよい。
共用作業領域A1は、複数人のユーザU1(図3参照)が共用可能な領域である。図1に示す例では、共用作業領域A1は、複数人(ここでは、4人)のユーザU1が共用可能な什器(ここでは、デスク3)の上面に相当する。共用作業領域A1は、それぞれ1人のユーザU1が使用可能な複数の使用領域A10を含んでいる。図1に示す例では、デスク3には、それぞれユーザU1が着座可能な4つの座席が設けられている。そして、ユーザU1が座席に着座している状態で、ユーザU1の正面にあるデスク3の上面の一部の領域が使用領域A10に相当する。図1に示す例では、共用作業領域A1は、デスク3の上面が一対の対角線により分割された4つの使用領域A11~A14を含んでいる。
なお、デスク3の上面に実際に一対の対角線が描かれているわけではない。つまり、4つの使用領域A11~A14は、一対の対角線により明確に分かれているわけではない。もちろん、4つの使用領域A11~A14は、実際に描かれた一対の対角線により明確に分かれていてもよい。また、使用領域A10は、1人のユーザU1が作業を行うことが可能な領域であればよく、各使用領域A10の形状は図1に示す形状に限定されるわけではない。
さらに言えば、共用作業領域A1は、ユーザU1が執務作業を行うための1以上の什器(ここでは、デスク3)からなる領域である。つまり、実施の形態では、共用作業領域A1は、例えばデスクトップ型又はラップトップ型のパーソナルコンピュータ等の情報端末を用いた事務作業、又は遠隔会議等を行うための領域である。なお、ここでいう執務作業は、例えば台所等で行う調理作業を含まない。
そして、複数の使用領域A10は、いずれかの使用領域A10にユーザU1が存在する場合に、当該ユーザU1の視界に少なくとも他の1以上の使用領域A10が入り込むような位置関係にある。具体的には、複数の使用領域A10は、いずれかの使用領域A10にある座席にユーザU1が着座した場合に、当該ユーザU1が正面を向いて作業を行っている際に、当該ユーザU1の視界に他の使用領域A10が入り込むような位置関係にある。
図3は、共用作業領域A1の利用態様の一例を示す平面図である。図3に示す例では、2人のユーザU1が共用作業領域A1を利用しており、一方のユーザU1が使用領域A13を、他方のユーザU1が使用領域A13と隣り合う使用領域A14を使用している。この場合、一方のユーザU1の視界には使用領域A14が入り込み、他方のユーザU1の視界には使用領域A13が入り込む。
図4は、共用作業領域A1の利用態様の他の一例を示す平面図である。図4に示す例では、2人のユーザU1が共用作業領域A1を利用しており、一方のユーザU1が使用領域A11を、他方のユーザU1が使用領域A11の正面にある使用領域A13を使用している。この場合、一方のユーザU1の視界には使用領域A13が入り込み、他方のユーザU1の視界には使用領域A11が入り込む。
共用作業領域A1の存在する空間には、照明負荷1が設置されている。実施の形態では、照明負荷1は、当該空間の天井に設置されている。もちろん、照明負荷1は、当該空間の天井のみならず、壁、床、又はデスク等の什器に設置されていてもよい。照明負荷1は、対応する使用領域A10を照明光で照らすことにより、使用領域A10に照明環境を提供する。照明環境のパラメータは、一例として、照明光の照度、色温度(光色)、又は配光分布等を含み得る。
つまり、共用作業領域A1の存在する空間においては、照明負荷1は、共用作業領域A1に含まれる使用領域A10の数だけ設置されている。図1に示す例では、共用作業領域A1は、4つの使用領域A11~A14を含んでいる。したがって、図1に示す例では、共用作業領域A1の存在する空間には、4つの照明負荷1A~1Dが設置されている。そして、照明負荷1Aは使用領域A11を、照明負荷1Bは使用領域A12を、照明負荷1Cは使用領域A13を、照明負荷1Dは使用領域A14をそれぞれ照明光で照らす。
照明負荷1は、タスクライトとしてのスポットライトであって、LED(Light Emitting Diode)等の固体発光素子を有する光源を備えている。この光源は、集光形の配光特性を有している。なお、この光源は、スポットライトに限らず、例えばスタンドライト、ダウンライト、又はユニバーサルダウンライト等であってもよい。また、この光源に用いられる固体発光素子は、LEDに限らず、有機EL(Electro-Luminescence)素子等であってもよい。さらに、この光源は、固体発光素子に限らず、蛍光ランプ等であってもよい。
ここで、照明負荷1の光の照射領域について説明する。照明負荷1は、使用領域A10であるデスク3の上面における所定の領域B1に光を照射するように設置されている。図1に示す例では、照明負荷1Aは使用領域A11における所定の領域B11に、照明負荷1Bは使用領域A12における所定の領域B12に、照明負荷1Cは使用領域A13における所定の領域B13に、照明負荷1Dは使用領域A14における所定の領域B14に光を照射するように設置されている。
ところで、実施の形態では、隣り合う2つの使用領域A10において、一方の使用領域A10に光を照射する照明負荷1は、厳密に一方の使用領域A10の照明環境のみに影響を与えていなくてもよく、他方の使用領域A10に影響を与えることが許容されている。つまり、任意の使用領域A10においては、当該使用領域A10に対応する照明負荷1により提供される照明環境が主たる照明環境となっていればよく、当該使用領域A10とは異なる使用領域A10に対応する照明負荷1からの影響があっても、当該使用領域A10の照明環境に殆ど影響を与えなければよい。なぜならば、このとき当該使用領域A10を利用するユーザU1に対して、当該使用領域A10とは異なる使用領域A10に対応する照明負荷1が及ぼす影響は限定的であると考えられるからである。
なお、実施の形態では、共用作業領域A1の存在する空間には、対象とする共用作業領域A1を均一に照らすアンビエント照明としてのベースライトであって、LED等の固体発光素子を有する光源が照明負荷1として更に設置されている。この光源は、拡散形の配光特性を有している。なお、この光源に用いられる固体発光素子は、LEDに限らず、有機EL素子等であってもよい。また、この光源は、固体発光素子に限らず、蛍光ランプ等であってもよい。
また、共用作業領域A1の存在する空間には、音響装置2が設置されている。実施の形態では、音響装置2は、当該空間の天井に設置されている。もちろん、音響装置2は、当該空間の天井のみならず、壁、床、又はデスク等の什器に設置されていてもよい。音響装置2は、対応する共用作業領域A1に音を出力することにより、当該共用作業領域A1に音響環境を提供する。音響環境のパラメータは、一例として、再生されるコンテンツ、又は音量等を含み得る。音響装置は、一例として、無指向性のスピーカであって、音響制御部12(後述する)に制御されることにより、音響制御部12から送信されるコンテンツを再生する。なお、音響装置2は、例えばパラメトリック・スピーカ、超音波を用いたスピーカ、又は筐体をホーン構造にしたスピーカ等の指向性を有するスピーカであってもよい。指向性を有するスピーカを用いた場合、一部の音が他の空間へ漏れ出る割合を小さくしやすい、という効果が期待できる。
ところで、実施の形態では、共用作業領域A1の存在する空間には、1つの音響装置2が設置されているが、共用作業領域A1に含まれる複数の使用領域A10の数だけ音響装置2が設置されていてもよい。この場合、各音響装置2は、対応する使用領域A10に対して音を出力するように、指向性を有するスピーカであるのが好ましい。
また、この場合、隣り合う2つの使用領域A10において、一方の使用領域A10に設置された音響装置2から出力される音は、一方の使用領域A10のみに出力されなくてもよく、一部の音が他方の使用領域A10へと漏れ出ることが許容されている。つまり、任意の使用領域A10においては、当該使用領域A10に対応する音響装置2から出力される音が主たる音となっていればよく、当該使用領域A10とは異なる空間からの音の一部が漏れてきても、当該使用領域A10の音響に殆ど影響を与えなければよい。
[環境制御システム]
次に、実施の形態に係る環境制御システム100の構成について図2を用いて説明する。環境制御システム100は、図2に示すように、照明制御部11と、音響制御部12と、記憶部13と、取得部14と、入力受付部15と、を備えている。なお、環境制御システム100は、少なくとも照明制御部11及び音響制御部12を備えていればよく、記憶部13、取得部14、及び入力受付部15は備えていなくてもよい。また、環境制御システム100は、オフィスに設置されていてもよいし、オフィスから離れた場所に設置されていてもよい。
照明制御部11は、共用作業領域A1の存在する空間に設置された各照明負荷1と通信可能であって、各照明負荷1に照明制御信号を送信することにより、各照明負荷1を制御する。つまり、照明制御部11は、共用作業領域A1に設けられた照明負荷1を制御する。実施の形態では、照明制御部11は、各照明負荷1の調光及び調色の両方を制御する。照明制御部11と各照明負荷1との通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよいし、通信規格も特に限定されない。
音響制御部12は、共用作業領域A1の存在する空間に設置された音響装置2と通信可能であって、音響装置2に音響制御信号(再生させたいコンテンツを含む)を送信することにより、音響装置2にコンテンツを再生させるように制御する。つまり、音響制御部12は、共用作業領域A1に設けられた音響装置2を制御する。音響制御部12と音響装置2との間の通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよいし、通信規格は特に限定されない。
また、コンテンツは、音響制御部12に保存されていてもよいし、音響装置2に保存されていてもよいし、記憶部13に保存されていてもよい。コンテンツは、例えば、WAV形式、mp3形式などの電子データ媒体で保存されるが、これに限定されるものではなく、例えばコンパクトディスク(CD)など、公知のいかなる保存方法で保存されてもよい。
ここで、各使用領域A10の照明環境及び音響環境を制御することにより、例えば使用領域A10ごとに環境を異ならせることが可能であり、いわゆるゾーニング効果が期待できる。
ここで、ゾーニング効果とは、例えば、空間の認知上の区切れ感を意味し、外観上複数の空間が互いに異なる空間であるとユーザU1が認知しやすい効果を含み得る。また、ゾーニング効果は、ユーザU1による認知をもって、ゾーニングの意図通りにユーザU1の行動又は動線の変化を促しやすくする効果を含み得る。例えば、任意の空間について、ユーザU1が集中力を要する作業を行いやすい空間となることを意図してゾーニングをした、と仮定する。この場合、当該空間を見たユーザU1が、集中力を要する作業を行うことを主目的として当該空間を使用すれば、ゾーニング効果が発揮されたと言える。
また、ゾーニング効果は、ユーザU1が実際にゾーニングされた空間を利用した場合に、ユーザU1の主観的な効果・実感、又は生理・心理・生体的作用がゾーニングの主旨に応じた傾向を示す効果を含み得る。例えば、任意の空間について、集中力を要する作業を行いやすい空間となることを意図してゾーニングを行い、当該空間をユーザU1が利用した、と仮定する。この場合、ユーザU1が当該空間を利用することで集中できたという実感を得たり、心理・生体作用としてユーザU1が集中をしていたことを示唆する指標・データが得られたりすれば、ゾーニング効果が発揮されたと言える。
上述のように共用作業領域A1に設けられた照明負荷1及び音響装置2の制御を行うことで、什器又は家具を用いることなく各使用領域A10をゾーニングすることが可能である。このため、使用領域A10の意匠性を高めやすく、かつ、照明負荷1及び音響装置2の制御により瞬時にオフィスのレイアウトを変化させるようなゾーニングが可能となる。一例として、使用領域A10における照明負荷1の発する光の色温度(光色)の制御パラメータの変更は、例えば数秒で完了する。この場合、結果としてオフィスのレイアウトを数秒で変更することが可能である。ここで、什器又は家具を人力で移動させることでオフィスのレイアウトを変更する場合であれば、60分、数時間、又は一日、場合によっては数日を要する。この点から、上記の照明負荷1の制御によるゾーニングは、極めて顕著な効果を奏し得る。
上記制御によるゾーニングにより、従来の什器又は家具の配置を変更することによるオフィスのレイアウトの変更と比較して、時間ごと、日ごと、又は月ごと等の短周期でオフィスのレイアウトを変化させることが可能である。
実施の形態では、照明制御部11は、複数の使用領域A10のうちの少なくとも1つの使用領域A10において、所定の領域B1と他の領域との照度が互いに異なるように照明負荷1を制御する。例えば、照明制御部11は、使用領域A11においては、使用領域A11における所定の領域B11と、その他の領域との照度が互いに異なるように、照明負荷1Aを制御する。
特に、照明制御部11は、複数の使用領域A10のうちの少なくとも1つの使用領域A10において、所定の領域B1の照度が他の領域の照度よりも高くなるように照明負荷1を制御する。実施の形態では、所定の領域B1は、各使用領域A10の中央部に相当する。したがって、各使用領域A10においては、中央部の照度が、中央部の周辺の照度よりも大きい照明環境となる。
また、実施の形態では、音響制御部12は、上記少なくとも1つの使用領域A10において特定音が再生されるように、音響装置2を制御する。例えば、音響制御部12は、共用作業領域A1において音響装置2から特定音を再生させることで、各使用領域A10において特定音が再生される。
ここで、特定音は、共用作業領域A1の外部からの音をマスキングする音である。特定音は、例えば流水音若しくは鳥の鳴き声等の自然環境音、又はマスキングノイズ等である。マスキングノイズは、例えばホワイトノイズ又はカラードノイズであって、ユーザの副交感神経を高めやすい音である。カラードノイズには、例えばピンクノイズ、ブラウニアンノイズ、又はブルーノイズ等が含まれ得る。特定音を再生することで、例えば共用作業領域A1の外部にいる人の会話音等を特定音でマスキングすることができ、各使用領域A10においてユーザU1が作業に集中しやすくなる、という効果が期待できる。
そして、実施の形態では、上記少なくとも1つの使用領域A10においては、照明負荷1による照明環境と、音響装置2による音響環境との両方が提供される。このため、上記少なくとも1つの使用領域A10においては、照明光により期待できるゾーニング効果と、音により期待できるゾーニング効果とを、単純に足し合わせた以上の効果を発現しやすくなり、予期せぬ好適な相乗効果を有しやすくなることが期待できる。
実施の形態では、上述のように、上記少なくとも1つの使用領域A10においては、所定の領域B1と他の領域との照度が互いに異なる照明環境と、特定音が再生される音響環境と、が提供される。これにより、上記少なくとも1つの使用領域A10においては、照明負荷1による照明環境、及び音響装置2による音響環境のいずれか一方のみが提供される場合と比較して、ユーザU1が他の使用領域A10にいるユーザU1を気になりにくくなり、かつ、外部からの音も気になりにくくなることで、作業に集中しやすくなるというゾーニング効果が期待できる。
記憶部13は、照明制御部11及び音響制御部12が制御を行うために必要な情報(コンピュータプログラム等)が記憶される記憶装置である。記憶部13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよく、特に限定されることなく公知の電子情報記憶の手段を用いることができる。
取得部14は、複数の使用領域A10の各々におけるユーザU1の存否に関するユーザ情報を取得する。取得部14は、例えば各使用領域A10に設置された赤外線センサ等の人感センサからの検知結果を取得することにより、ユーザ情報を取得することが可能である。また、取得部14は、例えばオフィスに採用された、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等を用いた屋内位置情報検知システムからの検知結果を取得することにより、ユーザ情報を取得することが可能である。また、取得部14は、例えばオフィスに設置されたカメラからオフィスを撮像した画像を取得し、この画像に対して適宜の画像解析処理を実行することで、ユーザ情報を取得することが可能である。その他、取得部14は、例えば各使用領域A10に設置されたタグリーダから、ユーザU1が所持する無線ICタグの読み取り結果を取得することにより、ユーザ情報を取得することが可能である。
そして、実施の形態では、照明制御部11は、取得部14が取得したユーザ情報に基づいて、各使用領域A10に対応する各照明負荷1を制御する。すなわち、照明制御部11は、複数の使用領域A10の各々におけるユーザU1の存否に基づいて、複数の使用領域A10の各々における所定の領域B1の照度を調整する。
例えば、照明制御部11は、ユーザU1が存在する使用領域A10においては、当該使用領域A10における所定の領域B1の照度が他の領域の照度よりも高くなるように対応する照明負荷1を制御する。以下、照明制御部11による当該制御のモードを「第1モード」という。また、例えば、照明制御部11は、ユーザU1が存在しない使用領域A10においては、当該使用領域A10における所定の領域B1の照度が比較的低くなるように対応する照明負荷1を制御する。この照明負荷1の制御には、照明負荷1を消灯する制御も含み得る。以下、照明制御部11による当該制御のモードを「第2モード」という。つまり、照明制御部11は、ユーザU1が存在する使用領域A10においては第1モードで照明負荷1を制御し、ユーザU1が存在しない使用領域A10においては第2モードで照明負荷1を制御する。
入力受付部15は、照明制御部11による照明負荷1の制御を切り替えるための切替入力を受け付ける。入力受付部15は、例えばユーザU1が使用可能な環境制御システム100に専用のコントローラとの間で通信することにより、コントローラで受け付けた切替入力に応じた信号を受信することで、切替入力を受け付ける。コントローラは、例えばオフィスに設置されている。なお、コントローラは、例えばスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等のユーザU1が所持する情報端末により実現されてもよい。
そして、実施の形態では、照明制御部11は、切替入力に応じて、共用作業領域A1の利用態様を変更するように照明負荷1を制御する。すなわち、照明制御部11は、切替入力に応じて、複数の使用領域A10のうちの少なくとも1つの使用領域A10において所定の領域B1と他の領域との照度が互いに異なるように照明負荷1を制御するモードと、共用作業領域A1を均一に照らすように照明負荷1を制御するモードと、を切り替える。前者のモードは、上述の「第1モード」に相当する。また、後者のモードを以下、「第3モード」という。
例えば、照明制御部11は、第1モードへの切り替えを指示する切替入力を入力受付部15が受け付けた場合、上記少なくとも1つの使用領域A10において、所定の領域B1の照度が他の領域の照度よりも高くなるように照明負荷1を制御する。また、例えば、照明制御部11は、第3モードへの切り替えを指示する切替入力を入力受付部15が受け付けた場合、共用作業領域A1を均一に照らすように照明負荷1を制御する。この場合、照明制御部11は、照明負荷1のうち拡散形の配光特性を有する光源から共用作業領域A1へ光を照射させることで、共用作業領域A1を均一に照らす。
照明制御部11、音響制御部12、記憶部13、取得部14、及び入力受付部15は、いずれも同一の基板に実装されるか、又は同一の筐体に納められていてもよい。上記基板又は筐体は、オフィスの天井、壁、床、又はデスク等の什器・家具に備え付けられていてもよい。この場合、環境制御システム100が小型化される、という効果が期待できる。
[検証]
ここで、本願の発明者は、環境制御システム100による照明負荷1及び音響装置2の制御による効果を検証すべく、以下に示す評価実験を行った。すなわち、実験対象の共用作業領域A1を複数の被験者に利用してもらい、利用後に各被験者に対してアンケートを実施した。具体的には、評価実験においては、共用作業領域A1を「ゾーニングA」の環境とした場合と、共用作業領域A1を「ゾーニングB」の環境とした場合と、共用作業領域A1を「ゾーニングC」とした場合との3つの場合の各々について、各被験者に共用作業領域A1を利用してもらった。そして、各被験者に対して、上記3つ環境の各々についてアンケートを実施した。
ここで、「ゾーニングA」の環境では、各使用領域A10を隔てる遮蔽物が存在しておらず、各使用領域A10の所定の領域B1にスポットライトからの光を照射するという照明環境が提供されておらず、かつ、共用作業領域A1に向けてマスキング用の特定音を再生するという音響環境が提供されていない。また、「ゾーニングB」の環境では、各使用領域A10を隔てる遮蔽物が存在しており、上記の照明環境及び音響環境が提供されている。また、「ゾーニングC」の環境では、各使用領域A10を隔てる遮蔽物が存在しておらず、上記の照明環境及び音響環境が提供されている。
なお、評価実験で用いた遮蔽物は、共用作業領域A1を構成するデスク3の上面に設置され、いずれかの使用領域A10に対応する座席に着座したユーザU1の視界に、他の使用領域A10に対応する座席に着座したユーザU1が入り込む程度の高さを有している。つまり、この遮蔽物は、例えばパーティションのようにユーザU1を他のユーザU1から完全に遮蔽する物ではない。
図5は、被験者に対して実施したアンケートの回答の一例を示す図である。図5において、「ゾーニング」及び「(隣の人)」が記入された欄は、共用作業領域A1を利用した際に、同じく共用作業領域A1を利用した他人(隣の人)を気にせずに作業できたかという質問を表している。また、図5において、「ゾーニング」及び「(周囲の音)」が記入された欄は、共用作業領域A1を利用した際に、周囲の音を気にせずに作業できたかという質問を表している。また、図5において、「ゾーニング」及び「(もう一度利用したい)」が記入された欄は、共用作業領域A1をもう一度利用したいかという質問を表している。
また、図5において、「遮蔽物の有無によらず」及び「(隣の人)」が記入された欄は、共用作業領域A1を利用している他人(隣の人)が気にならないという効果は、遮蔽物の有無によらず、上記の照明環境及び音響環境のみで奏し得るかという質問を表している。また、図5において、「遮蔽物の有無によらず」及び「(周囲の音)」が記入された欄は、周囲の音が気にならないという効果は、遮蔽物の有無によらず、上記の照明環境及び音響環境のみで奏し得るかという質問を表している。また、図5における右欄は、対応する質問の回答を棒グラフ及び数字により5段階で表している。回答においては、棒グラフが長ければ長い程、数字が大きければ大きい程、肯定的な回答であることを表している。
図5に示すように、「ゾーニングA」の環境、つまり共用作業領域A1に上記の照明環境及び音響環境が提供されていない場合、被験者からは、他人(隣の人)が気になりがちであり、かつ、周囲の音が気になりがちである、というやや否定的な回答を得ている。一方、「ゾーニングB」及び「ゾーニングC」の環境、つまり共用作業領域A1に上記の照明環境及び音響環境が提供されている場合、被験者からは、他人(隣の人)が気にならず、かつ、周囲の音が気にならない、という肯定的な回答を得ている。また、「ゾーニングA」の環境では、被験者からはもう一度利用する気があまりない、というやや否定的な回答を得ている一方、「ゾーニングB」及び「ゾーニングC」の環境では、被験者からはもう一度利用する気がある、という肯定的な回答を得ている。
また、被験者からは、遮蔽物の有無によらず、他人(隣の人)が気にならないという効果、及び周囲の音が気にならないという効果の両方を、上記の照明環境及び音響環境のみで奏し得る、という肯定的な回答を得ている。
上記評価実験の結果により、本願の発明者は、照明制御部11が複数の使用領域A10のうちの少なくとも1つの使用領域A10において、所定の領域B1と他の領域との照度が互いに異なるように照明負荷1を制御し、かつ、音響制御部12が上記少なくとも1つの使用領域A10において特定音が再生されるように音響装置2を制御することで、以下に示す効果が期待できる、という知見を得た。すなわち、照明制御部11及び音響制御部12がそれぞれ上記のように照明負荷1及び音響装置2を制御することで、共用作業領域A1を利用するユーザU1が、同じ共用作業領域A1を利用する他のユーザU1を気にすることなく、かつ、周囲の音を気にすることなく作業を行いやすい、という効果が期待できる。また、本願の発明者は、共用作業領域A1における遮蔽物の有無によらず、上記の効果が期待できる、という知見を得た。
[動作]
以下、実施の形態に係る環境制御システム100の動作の一例について説明する。なお、以下に説明する第1動作例及び第2動作例は、環境制御システム100の動作の一例にすぎず、環境制御システム100の動作は、第1動作例及び第2動作例に限定されない。
図6は、実施の形態に係る環境制御システム100の第1動作例を示すフローチャートである。以下では、照明制御部11及び音響制御部12は、制御入力を受け付けることにより処理S11を開始することとして説明する。つまり、照明制御部11及び音響制御部12は、制御入力を受け付ける以前においては、共用作業領域A1における照明負荷1及び音響装置2を制御していない。制御入力は、例えば任意の日において就業時刻に達すること、又はユーザが環境制御システム100の動作を開始する操作に相当する。
まず、照明制御部11及び音響制御部12は、制御入力を受け付けると、受け付けた制御入力に従って制御を開始し、共用作業領域A1の照明負荷1及び音響装置2を制御する。そして、照明制御部11は、照明負荷1を第2モードで制御する(S11)。これにより、共用作業領域A1の各使用領域A10においては、所定の領域B1が比較的低くなる。
取得部14がいずれかの使用領域A10においてユーザU1が存在するというユーザ情報を取得するまで(S12:No)、照明制御部11は、第2モードでの制御を維持する。一方、取得部14がいずれかの使用領域A10においてユーザU1が存在するというユーザ情報を取得すると(S12:Yes)、照明制御部11は、当該使用領域A10に対応する照明負荷1を第1モードで制御する(S13)。これにより、ユーザU1が存在する使用領域A10においては、ユーザU1が離席するまでの間、所定の領域B1の照度が他の領域の照度よりも高くなる。したがって、ユーザU1は、他の使用領域A10にいるユーザU1を気になりにくくなり、かつ、外部からの音も気になりにくくなることで、作業に集中しやすくなる。
図7は、実施の形態に係る環境制御システム100の第2動作例を示すフローチャートである。第2動作例においても、第1動作例と同様に、照明制御部11及び音響制御部12は、制御入力を受け付けることにより処理S21を開始することとして説明する。
まず、照明制御部11及び音響制御部12は、制御入力を受け付けると、受け付けた制御入力に従って制御を開始し、共用作業領域A1の照明負荷1及び音響装置2を制御する。そして、照明制御部11は、共用作業領域A1の各使用領域A10において、照明負荷1を第1モードで制御する(S21)。これにより、各使用領域A10においては、所定の領域B1の照度が他の領域の照度よりも高くなる。したがって、使用領域A10を利用するユーザU1は、他の使用領域A10にいるユーザU1を気になりにくくなり、かつ、外部からの音も気になりにくくなることで、作業に集中しやすくなる。
入力受付部15が切替入力を受け付けるまで(S22:No)、照明制御部11は、第1モードでの制御を維持する。一方、入力受付部15が切替入力を受け付けると(S22:Yes)、照明制御部11は、共用作業領域A1において照明負荷1を第3モードで制御する(S23)。これにより、共用作業領域A1が均一に照らされるため、共用作業領域A1にて複数のユーザU1が例えば会議等の共同作業を行いやすくなる。
[利点]
以下、実施の形態に係る環境制御システム100の利点について説明する。まず、本願の発明者の着眼点について説明する。近年では、ユーザのワークスタイルが多様化しつつあり、例えばABW型のオフィス等が台頭している。「ABW」とは、既に述べたように、仕事内容に合わせて働く場所又はデスク等をユーザが選択する働き方である。具体的には、「ABW」は、一人で集中して作業をするソロワーク、又は複数人でアイディアを出し合うグループワーク等、ユーザの活動内容に応じて、それらに適した空間又は環境を複数個所用意することで、ユーザの生産性又はウェルネスを向上させることを狙うワークスタイルである。
そして、近年では、更に感染症の世界的な流行等により、インターネットを介したテレワーク及び遠隔会議が急速に台頭し、オフィスにおいても遠隔会議が乱立的に実施されるようになっている。ここで、例えば、壁又は仕切り等が無いオープンな共用デスク(共用作業領域A1)において、1人のユーザU1が遠隔会議を開始した場合、他のユーザU1はこの共用デスクを利用しにくくなる。その結果、複数のユーザU1に利用されることを想定している共用デスクを1人のユーザU1により占有されることになり、オフィスのオーナーにとっては共用デスクの利用効率、ひいてはオフィスの利用効率が低下してしまう、という課題があった。そこで、本願の発明者は、複数のユーザU1が共用可能な共用作業領域A1の利用効率を向上するためのシステムを検討した。
実施の形態に係る環境制御システム100では、照明制御部11は、複数の使用領域A10のうちの少なくとも1つの使用領域A10において、所定の領域B1と他の領域との照度が互いに異なるように照明負荷1を制御する。また、音響制御部12は、上記少なくとも1つの使用領域A10において特定音が再生されるように、音響装置2を制御する。このため、上記少なくとも1つの使用領域A10においては、照明負荷1による照明環境、及び音響装置2による音響環境のいずれか一方のみが提供される場合と比較して、ユーザU1が他の使用領域A10にいるユーザU1を気になりにくくなり、かつ、外部からの音も気になりにくくなることで、作業に集中しやすくなるというゾーニング効果が期待できる。
つまり、上記少なくとも1つの使用領域A10においては、他のユーザU1が気になりにくく、かつ、外部からの音も気になりにくいという心理障壁の低い環境が提供される。このため、仮に共用作業領域A1にて既にユーザU1が遠隔会議を行う等して作業を行っている場合でも、他のユーザU1が共用作業領域A1を利用しやすくなる。したがって、実施の形態に係る環境制御システム100では、複数のユーザU1が共用可能な共用作業領域A1を1人のユーザU1が占有しにくくなり、共用作業領域A1の利用効率を向上しやすい、という利点がある。
(変形例)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。以下、実施の形態の変形例について列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせてもよい。
実施の形態では、共用作業領域A1は、1つの什器(デスク3)で構成されているが、これに限られない。例えば、共用作業領域A1は、互いに近接する複数の什器で構成されていてもよい。図8は、共用作業領域A1の他の一例の概要を示す平面図である。図8に示す例では、共用作業領域A1は、4つのデスク31~34を互いに近接するように配置して構成されている。そして、共用作業領域A1は、4つの使用領域A11~A14を含んでいる。図8に示す例では、デスク31の上面が使用領域A11、デスク32の上面が使用領域A12、デスク33の上面が使用領域A13、デスク34の上面が使用領域A14となる。
実施の形態では、環境制御システム100は、取得部14及び入力受付部15を備えているが、これに限られない。例えば、ユーザU1の存否に応じて照明負荷1の制御を変更する必要が無い場合、環境制御システム100は、取得部14を備えていなくてもよい。また、例えば、切替入力に応じて照明負荷1の制御を変更する必要が無い場合、環境制御システム100は、入力受付部15を備えていなくてもよい。
実施の形態では、照明負荷1と音響装置2とは別体に構成されているが、これに限られない。例えば、照明負荷1に音響装置2が内蔵されることにより、照明負荷1と音響装置2とが一体に構成されていてもよい。
実施の形態では、照明負荷1は環境制御システム100の構成要素に含まれていないが、照明負荷1が環境制御システム100の構成要素に含まれていてもよい。同様に、実施の形態では、音響装置2は環境制御システム100の構成要素に含まれていないが、音響装置2が環境制御システム100の構成要素に含まれていてもよい。
実施の形態では、環境制御システム100は、1つの共用作業領域A1を対象としているが、これに限られない。例えば、環境制御システム100は、複数の共用作業領域A1を対象とし、共用作業領域A1ごとに照明負荷1及び音響装置2を制御してもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、環境制御システム100は、単一の装置によって実現されたが、複数の装置として実現されてもよい。環境制御システム100が複数の装置によって実現される場合、環境制御システム100が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。例えば、上記実施の形態では、環境制御システム100は、サーバ装置に備えられていてもよいし、閉空間に設置された情報端末に備えられてもよい。つまり、本発明は、クラウドコンピューティングによって実現されてもよいし、エッジコンピューティングによって実現されてもよい。
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
例えば、本発明は、環境制御システム100等のコンピュータが実行する環境制御方法として実現されてもよいし、このような環境制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
(まとめ)
以上述べたように、環境制御システム100は、照明制御部11と、音響制御部12と、を備える。照明制御部11は、複数のユーザU1が共用可能な共用作業領域A1に設けられた照明負荷1を制御する。音響制御部12は、共用作業領域A1に設けられた音響装置2を制御する。共用作業領域A1は、それぞれ1人のユーザU1が使用可能な複数の使用領域A10を含んでいる。照明制御部11は、複数の使用領域A10のうちの少なくとも1つの使用領域A10において、所定の領域B1と他の領域との照度が互いに異なるように照明負荷1を制御する。音響制御部12は、上記少なくとも1つの使用領域A10において特定音が再生されるように、音響装置2を制御する。
このような環境制御システム100によれば、複数のユーザU1が共用可能な共用作業領域A1の利用効率を向上しやすい、という利点がある。
また、例えば、環境制御システム100では、特定音は、共用作業領域A1の外部からの音をマスキングする音である。
このような環境制御システム100によれば、例えば共用作業領域A1の外部にいる人の会話音等を特定音によるマスキングすることができ、使用領域A10においてユーザU1が作業に集中しやすくなる、という利点がある。
また、例えば、環境制御システム100では、照明制御部11は、複数の使用領域A10のうちの少なくとも1つの使用領域A10において、所定の領域B1の照度が他の領域の照度よりも高くなるように照明負荷1を制御する。
このような環境制御システム100によれば、使用領域A10においてユーザU1が作業に集中しやすくなる、という利点がある。
また、例えば、環境制御システム100では、共用作業領域A1は、ユーザU1が執務作業を行うための1以上の什器3からなる領域である。
このような環境制御システム100によれば、使用領域A10においてユーザU1が執務作業に集中しやすくなる、という利点がある。
また、例えば、環境制御システム100では、複数の使用領域A10は、いずれかの使用領域A10にユーザU1が存在する場合に、当該ユーザU1の視界に少なくとも他の1以上の使用領域A10が入り込むような位置関係にある。
このような環境制御システム100によれば、他のユーザU1が視界に入り込むような開放的な空間であっても、他のユーザU1を気にすることなく使用領域A10においてユーザが執務作業を行いやすい、という利点がある。
また、例えば、環境制御システム100は、複数の使用領域A10の各々におけるユーザU1の存否に関するユーザ情報を取得する取得部14を更に備える。照明制御部11は、複数の使用領域A10の各々におけるユーザU1の存否に基づいて、複数の使用領域A10の各々における所定の領域B1の照度を調整する。
このような環境制御システム100によれば、例えばユーザU1が不在である使用領域A10においては所定の領域B1の照度を比較的小さくする等して、照明負荷1の照度を調整することにより、省エネルギー化を図りやすい、という利点がある。
また、例えば、環境制御システム100は、照明制御部11による照明負荷1の制御を切り替えるための切替入力を受け付ける入力受付部15を更に備える。照明制御部11は、切替入力に応じて、複数の使用領域A10のうちの少なくとも1つの使用領域A10において所定の領域B1と他の領域との照度が互いに異なるように照明負荷1を制御するモードと、共用作業領域A1を均一に照らすように照明負荷1を制御するモードと、を切り替える。
このような環境制御システム100によれば、共用作業領域A1を複数の使用領域A10として利用する場合と、共用作業領域A1を1つの使用領域として利用する場合と、を切り替えることができるので、ユーザU1の利便性の向上を図りやすい、という利点がある。
また、例えば、環境制御方法は、照明制御ステップ(S13、S21)と、音響制御ステップ(S13、S21)と、を含む。照明制御ステップでは、複数のユーザU1が共用可能な共用作業領域A1に設けられた照明負荷1を制御する。音響制御ステップでは、共用作業領域A1に設けられた音響装置2を制御する。共用作業領域A1は、それぞれ1人のユーザU1が使用可能な複数の使用領域A10を含んでいる。照明制御ステップでは、複数の使用領域A10のうちの少なくとも1つの使用領域A10において、所定の領域B1と他の領域との照度が互いに異なるように照明負荷1を制御する。音響制御ステップでは、上記少なくとも1つの使用領域A10において特定音が再生されるように、音響装置2を制御する。
このような環境制御方法によれば、複数のユーザU1が共用可能な共用作業領域A1の利用効率を向上しやすい、という利点がある。
また、例えば、プログラムは、1以上のプロセッサに、上記の環境制御方法を実行させる。
このようなプログラムによれば、複数のユーザU1が共用可能な共用作業領域A1の利用効率を向上しやすい、という利点がある。
1、1A、1B、1C、1D 照明負荷
2 音響装置
3、31、32、33、34 デスク(什器)
11 照明制御部
12 音響制御部
14 取得部
15 入力受付部
100 環境制御システム
A1 共用作業領域
A10、A11、A12、A13、A14 使用領域
B1、B11、B12、B13、B14 所定の領域
U1 ユーザ

Claims (9)

  1. 複数のユーザが共用可能な共用作業領域に設けられた照明負荷を制御する照明制御部と、
    前記共用作業領域に設けられた音響装置を制御する音響制御部と、を備え、
    前記共用作業領域は、それぞれ1人のユーザが使用可能な複数の使用領域を含んでおり、
    前記照明制御部は、前記複数の使用領域のうちの少なくとも1つの使用領域において、所定の領域と他の領域との照度が互いに異なるように前記照明負荷を制御し、
    前記音響制御部は、前記少なくとも1つの使用領域において特定音が再生されるように、前記音響装置を制御する、
    環境制御システム。
  2. 前記特定音は、前記共用作業領域の外部からの音をマスキングする音である、
    請求項1に記載の環境制御システム。
  3. 前記照明制御部は、前記複数の使用領域のうちの少なくとも1つの使用領域において、前記所定の領域の照度が前記他の領域の照度よりも高くなるように前記照明負荷を制御する、
    請求項1又は2に記載の環境制御システム。
  4. 前記共用作業領域は、前記ユーザが執務作業を行うための1以上の什器からなる領域である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の環境制御システム。
  5. 前記複数の使用領域は、いずれかの使用領域に前記ユーザが存在する場合に、当該ユーザの視界に少なくとも他の1以上の使用領域が入り込むような位置関係にある、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の環境制御システム。
  6. 前記複数の使用領域の各々における前記ユーザの存否に関するユーザ情報を取得する取得部を更に備え、
    前記照明制御部は、前記複数の使用領域の各々における前記ユーザの存否に基づいて、前記複数の使用領域の各々における前記所定の領域の照度を調整する、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の環境制御システム。
  7. 前記照明制御部による前記照明負荷の制御を切り替えるための切替入力を受け付ける入力受付部を更に備え、
    前記照明制御部は、前記切替入力に応じて、前記複数の使用領域のうちの少なくとも1つの使用領域において所定の領域と他の領域との照度が互いに異なるように前記照明負荷を制御するモードと、前記共用作業領域を均一に照らすように前記照明負荷を制御するモードと、を切り替える、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の環境制御システム。
  8. 複数のユーザが共用可能な共用作業領域に設けられた照明負荷を制御する照明制御ステップと、
    前記共用作業領域に設けられた音響装置を制御する音響制御ステップと、を含み、
    前記共用作業領域は、それぞれ1人のユーザが使用可能な複数の使用領域を含んでおり、
    前記照明制御ステップでは、前記複数の使用領域のうちの少なくとも1つの使用領域において、所定の領域と他の領域との照度が互いに異なるように前記照明負荷を制御し、
    前記音響制御ステップでは、前記少なくとも1つの使用領域において特定音が再生されるように、前記音響装置を制御する、
    環境制御方法。
  9. 1以上のプロセッサに、
    請求項8に記載の環境制御方法を実行させる、
    プログラム。
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