JP2023143450A - 生活パターン判定システム - Google Patents

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良太 荒井
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Abstract

【課題】生活パターンの状態の変化度合いを容易に取得可能な生活パターン判定システムを提供する。【解決手段】対象者P1が利用する住宅1に設けられた設備の使用状況を検出可能することで、前記対象者P1の行動を検出可能な電力センサ110と、検出された対象者P1の行動に関する実行動データと、予め学習した対象者P1の行動に関する学習行動データと、を比較するサーバ120と、実行動データに対応する対象者P1の行動に、正常を示す1又は2以上の段階的なランクを含む正常ランク(活動時間正常ランク、睡眠時間正常ランク、行動回数正常ランク)、及び、異常を示す1又は2以上の段階的なランクを含む異常ランク(活動時間異常ランク、睡眠時間異常ランク、行動回数異常ランク)を設定するサーバ120と、を具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、対象者の生活パターンの状態を判定可能な生活パターン判定システムの技術に関する。
従来、対象者の生活パターンの状態を判定可能な生活パターン判定システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、被験者の生体データ(脳血流データ、心拍データ、脈波データ、呼吸データ、体動データ等)を検出可能な生体データ検出センサと、被験者の生体データと認知症の症状に関するデータを比較して認知症の発症リスクを判定する認知症リスク判定装置と、を備える認知症リスク判定システム(生活パターン判定システム)が記載されている。
特許文献1に記載の生体データ検出センサは、一定期間だけ被験者に貸し出され、被験者は自身の操作により生体データ検出センサを用いて生体データを検出する。具体的には、被験者は、生体データ検出センサからの近赤外線光を前額部(おでこ)等に照射して、その反射波によって生体データを検出する。こうして得られた生体データに基づいて、認知症の発症リスクが判定され、ひいては生活パターンの状態が推測される。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、生活パターンの状態の変化度合いが分かり難いという問題があった。
特開2021-45208号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、生活パターンの状態の変化度合いを容易に取得可能な生活パターン判定システムを提供することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、対象者が利用する建物に設けられた設備の使用状況を検出可能することで、前記対象者の行動を検出可能な行動検出部と、前記行動検出部により検出された前記対象者の行動に関する実行動データと、予め学習した前記対象者の行動に関する学習行動データと、を比較する比較部と、前記比較部の比較結果に基づいて前記実行動データに対応する前記対象者の行動に、正常を示す1又は2以上の段階的なランクを含む正常ランク、及び、異常を示す1又は2以上の段階的なランクを含む異常ランクを設定するランク設定部と、を具備するものである。
請求項2においては、前記ランク設定部は、前記比較部の比較結果として、前記対象者が所定の行動を行った時間帯と学習した時間帯との差の大きさに基づいてランク分けするものである。
請求項3においては、前記ランク設定部は、前記比較部の比較結果として、前記対象者が睡眠した時間帯と学習した時間帯との差の大きさに基づいてランク分けするものである。
請求項4においては、前記ランク設定部は、前記比較部の比較結果として、所定の期間において前記対象者が所定の行動を行った回数と学習した回数との差の大きさに基づいてランク分けするものである。
請求項5においては、通知対象者に対して所定情報の通知を行うことが可能な通知部をさらに具備し、前記ランク設定部は、前記異常ランクが設定された場合において、前記差の大きさに所定閾値以上の大きさの差が含まれる場合、前記所定情報として、前記学習行動データを前記通知対象者に通知するものである。
請求項6においては、通知対象者に対して所定情報の通知を行うことが可能な通知部をさらに具備し、前記ランク設定部は、前記正常ランク及び前記異常ランクの設定を所定の期間ごとに行い、前記所定情報として、前記所定の期間ごとに設定した前記正常ランク及び/又は前記異常ランクの変動傾向を前記通知対象者に通知するものである。
請求項7においては、前記ランク設定部は、前記所定情報に対するアドバイスを前記通知対象者に通知するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明においては、生活パターンの状態の変化度合いを容易に取得可能である。
本発明の一実施形態に係る生活パターン判定システムの構成を示した模式図。 生活パターン判定システムによる一連の処理の概要を示した図。 学習結果及び日毎処理における検出結果の一例を示した図。 日毎処理の内容を示したフローチャート。 活動時間帯判定の内容を示したフローチャート。 就寝~起床時間帯判定の内容を示したフローチャート。 週毎処理(行動回数判定)の内容を示したフローチャート。 (a)週間結果通知の内容を示したフローチャート。(b)月間結果通知の内容を示したフローチャート。 長期判定結果通知の内容を示したフローチャート。
以下では、図1を用いて、本発明の一実施形態に係る生活パターン判定システム100の構成について説明する。
生活パターン判定システム100は、対象者P1の生活パターンの状態(異常の有無及び正常異常の程度)を判定するものである。本実施形態では一例として、住宅1に居住する高齢者を対象者P1として、当該高齢者の生活パターンの状態(ひいては当該対象者P1の認知機能の状態)を判定する場合を想定している。生活パターン判定システム100は、主として電力センサ110、サーバ120及び端末130を具備する。
電力センサ110は、対象者P1が使用する各種設備(特に、日常生活において使用する設備)の消費電力を検出するものである。電力センサ110は、対象者P1が居住する建物(住宅1)の分電盤2に設けられる。電力センサ110は、分電盤2の分岐回路毎の電力を検出することができる。これによって電力センサ110は、各分岐回路に接続された設備の使用状況(使用されているか否か)を検出することができる。設備の使用状況を検出することで、間接的に、対象者P1の行動(どの設備を使用しているか)を検出することができる。
本実施形態では、電力センサ110による消費電力の検出の対象となる設備の一例として、調理機器(IH、電子レンジ等)、冷蔵庫、テレビ、ドライヤー、掃除機、洗濯機、エアコン、暖房器具、照明等を想定している。例えば調理機器の使用が検出された場合、間接的に、対象者P1が調理機器を使用したこと(ひいては、食事をしたこと)が検出される。またテレビの使用が検出された場合、間接的に、対象者P1がテレビを見たことが検出される。
なお、各種設備の使用状況を検出する方法は、電力センサ110によって分岐回路毎の電力を検出する方法に限るものではなく、種々の方法を用いることが可能である。例えば、分電盤2の主幹回路の電力(主幹電力)を検出し、その電力の波形を分析することで、使用されている機器を識別して把握することも可能である。また、分電盤2の電力を検出するのではなく、各種設備自身の稼働状況(各種設備の電源のオン・オフ、各種設備が接続されたコンセントの電力等)を直接検出することも可能である。また、住宅1に各種設備の使用状況を把握(管理)するシステム(例えば、HEMS:Home Energy Management System 等)が設けられている場合は、そのシステムが把握している情報を利用することも可能である。
サーバ120は、電力センサ110の検出結果に基づいて各種処理を行うものである。サーバ120は、例えばクラウド上に設けられた仮想サーバ(クラウドサーバ)により構成される。サーバ120は、電力センサ110からの情報を取得することで、各種設備の使用状況を把握することができる。サーバ120は、各種設備の使用状況に基づいて、対象者P1の認知機能の状態を判定することができる。またサーバ120は、後述する端末130との間で、各種情報を送受信することができる。またサーバ120は、後述する専門家P3が有する所定の通信機器140との間で、各種情報を送受信することができる。
サーバ120は、複数のデータベースを有する。本実施形態においては、サーバ120は、活動時間帯判定履歴データベース121、睡眠時間帯判定履歴データベース122及び行動回数判定履歴データベース123を有する。活動時間帯判定履歴データベース121は、後述する日毎処理のうち、活動時間帯判定に関する情報(データ)を登録(蓄積)可能に構成される。睡眠時間帯判定履歴データベース122は、後述する日毎処理のうち、就寝~起床時間帯(睡眠時間帯)判定に関する情報(データ)を登録(蓄積)可能に構成される。行動回数判定履歴データベース123は、後述する週毎処理(行動回数判定)に関する情報(データ)を登録(蓄積)可能に構成される。
端末130は、各種情報を表示することが可能なものである。端末130は、対象者P1の認知機能の状態を把握すべき者(例えば、対象者P1の家族、親戚等)によって所持される。本実施形態では、対象者P1の家族P2が端末130を所持しているものとする。端末130は、例えば対象者P1の家族P2が携帯可能な機器(例えば、スマートフォンやタブレット端末等)によって構成される。端末130は、サーバ120からの情報を適宜の方法(液晶画面への表示、音声等)で対象者P1の家族P2に報知することができる。
以上の如く構成された生活パターン判定システム100を用いることで、対象者P1の認知症の予兆や発症を発見することができる。
例えば、認知症の症状としては、「記憶障害」、「見当識障害」、「実行機能障害」、「昼夜逆転」等が考えられる。
「記憶障害」は、新しいことが覚えられない、以前覚えていたはずの記憶が欠損する等の症状が発生する障害である。対象者P1に「記憶障害」が発症すると、食事をしたことを忘れて再度食事をとるようになる、掃除したことを忘れて再度掃除をするようになる、等の行動の変化(異常)が生じることが想定される。
「見当識障害」は、「いつ、どこ、だれ」など、自分の置かれた状況が把握できなくなる障害である。対象者P1に「見当識障害」が発症すると、夏なのに暖房をつけるようになる、家の中の場所がわからなくなりトイレや風呂場に行けなくなる、外出したら帰れなくなる、等の行動の変化(異常)が生じることが想定される。
「実行機能障害」は、段取りや計画を立てて順序よく物事を行うことができなくなる障害である。対象者P1に「実行機能障害」が発症すると、食事の準備ができなくなる、電化製品の使い方が分からなくなる、等の行動の変化(異常)が生じることが想定される。
「昼夜逆転」は、睡眠・覚醒のリズムが崩れて昼と夜が逆転する障害である。対象者P1に「昼夜逆転」が発症すると、本来睡眠をとっているはずの時間帯(夜中)に活動する等の行動の変化(異常)が生じることが想定される。
そこで本実施形態の生活パターン判定システム100は、上述のような対象者P1の行動の変化を検出し、この行動の変化に基づいて当該対象者P1の認知機能の状態(異常の有無及び正常異常の程度)を判定する。そして、必要に応じて対象者P1の家族P2に、対象者P1の認知機能の状態を報知する。これによって対象者P1の家族P2は、対象者P1の認知症の予兆や発症を把握することができ、早期に適切な対応(治療等)をとることができる。
以下では、この生活パターン判定システム100による一連の処理の概要について説明する。
図2に示すように、サーバ120は、住宅1に設けられた各種設備を、使用頻度に応じて分類して記憶している。具体的にはサーバ120は、各種設備を、毎日使用する設備(分類(1))と、毎日ではないが週に1回以上使用する設備(分類(2))に分類して記憶している。例えば図2に示した例では、調理機器(IH、電子レンジ)、冷蔵庫、テレビ、ドライヤー等は毎日使用されるため、分類(1)に分類されている。また掃除機、洗濯機等は毎日使用されるわけではないが週に1回以上使用されるため、分類(2)に分類されている。
さらにサーバ120は、特定の季節に限定して使用される設備についても、分類(1)又は分類(2)に分類して記憶している。例えば図2に示した例では、エアコンや暖房器具は、必要な季節(夏や冬)に毎日使用されるため、分類(1)に分類されている。図2では分類(2)には特に例を挙げていないが、例えば梅雨の時期にのみ洗濯乾燥機を使用する場合、この洗濯乾燥機は分類(2)に分類することができる。
なお、サーバ120は、予め電力センサ110の検出結果を学習し、この学習結果に基づいて各種設備を分類することができる。すなわち、所定の期間における各種設備が使用される頻度を判定し、この頻度に基づいて分類(1)又は(2)に分類することができる。また、学習した結果を用いるのではなく、生活パターン判定システム100の製造・販売者や利用者等によって任意に分類を決定することも可能である。
サーバ120は、分類された設備ごとに適宜の処理を行うことで、対象者P1の認知機能の状態を判定し、必要に応じて対象者P1の家族P2に認知機能の状態に関する報知を行う。
具体的には、サーバ120は、分類(1)に分類された設備について、一日毎(毎日)の使用状況(ひいては、対象者P1の行動)を検出し、この検出結果に基づいて対象者P1の認知機能の状態を判定する処理を行う。より詳細には、サーバ120は、対象者P1の認知機能の異常の有無及び正常異常の程度を判定し、判定結果に基づいて対象者P1の認知機能の状態をランク分けする処理を行う。以下、この処理を「日毎処理」と称する。サーバ120は、日毎処理において、判定対象となった行動、付与されたランク、判定の理由を互いに紐付けて所定のデータベース(活動時間帯判定履歴データベース121又は睡眠時間帯判定履歴データベース122)に記憶する。
またサーバ120は、一週間の間に上記日毎処理によって異常が検知された回数を、行動毎に算出する。そして、所定回数以上異常が検知された行動について、端末130を用いてアラート(警告)を発報する。以下、この処理を「週間結果通知」と称する。週間結果通知によって、端末130を所持している対象者P1の家族P2は、対象者P1の所定の行動に異常が発生していること、ひいては、認知機能が低下しているおそれがあることを把握することができる。
一方、サーバ120は、分類(2)に分類された設備について、一週間毎(毎週)の使用状況(ひいては、対象者P1の行動)を検出し、この検出結果に基づいて対象者P1の認知機能の状態を判定する処理を行う。より詳細には、サーバ120は、対象者P1の認知機能の異常の有無及び正常異常の程度を判定し、判定結果に基づいて対象者P1の認知機能の状態をランク分けする処理を行う。以下、この処理を「週毎処理」と称する。サーバ120は、週毎処理において、判定対象となった行動、付与されたランク、判定の理由を互いに紐付けて行動回数判定履歴データベース123に記憶する。
またサーバ120は、一か月の間に上記週毎処理によって異常が検知された回数を、行動毎に算出する。そして、所定回数以上異常が検知された行動について、端末130を用いてアラートを発報する。以下、この処理を「月間結果通知」と称する。これによって、端末130を所持している対象者P1の家族P2は、対象者P1の行動に異常が発生していること、ひいては、認知機能が低下しているおそれがあることを把握することができる。
さらにサーバ120は、分類(1)に分類された設備に関する処理(日毎処理)において活動時間帯判定履歴データベース121又は睡眠時間帯判定履歴データベース122に記憶されたデータ、及び、分類(2)に分類された設備に関する処理(週毎処理)において行動回数判定履歴データベース123に記憶されたデータ(長期保存データ)を利用し、対象者P1の認知機能の状態の変化度合いを判定し、さらに診断する処理を行う。以下、この処理を「長期判定処理」と称する。
またサーバ120は、長期判定処理の結果を端末130を用いて通知する。以下、この処理を「長期結果通知」と称する。こうして長期結果通知によって、端末130を所持している対象者P1の家族P2は、対象者P1の所定の行動の状態の長期的な変化度合い(例えば、悪化具合や回復具合)や、診断情報を把握することができる。なお本実施形態においては、長期判定処理及び長期結果通知を包含する処理として、図9に示す長期判定結果通知が行われる。
以下では、上述の生活パターン判定システム100の処理内容(日毎処理、週毎処理、週間結果通知、月間結果通知及び長期判定結果通知)について、具体的に説明する。
各種処理の前提として、サーバ120は、予め(上記日毎処理等の処理を行うよりも前に)、住宅1の各種設備の使用状況を所定の期間(例えば、2週間~1か月程度)に亘って検出することで、対象者P1の行動の傾向を学習し、その情報(学習行動データ)を記憶している。具体的には、サーバ120は、電力センサ110の検出結果に基づいて、対象者P1が一日の生活の中で行う行動とその時間帯を検出し、時間帯ごとに対象者P1が行う行動を把握している。図3の表の「学習結果」には、その一例を示している。
例えば、サーバ120は、調理機器(IH、電子レンジ)が使用されたことを検出した場合、その時間帯を学習する。これを所定の期間繰り返し行い、対象者P1が普段どの時間帯に調理機器を使用するか、対象者P1の行動を把握する。またサーバ120は、住宅1の照明が消されたこと等から間接的に対象者P1が就寝したことを検出し、対象者P1の睡眠時間を学習する。
なお、エアコンや暖房器具は必要な季節(夏や冬)にしか使われないなど、対象者P1の行動は季節に応じて変化する。そこでサーバ120は、季節ごとに対象者P1の行動の傾向を学習し、以下で説明する日毎処理等を行う場合には、その時点での季節に応じた学習結果を使用する。
また、サーバ120は、上記日毎処理等の処理の対象となる期間では、住宅1の各種設備の使用状況(ひいては、対象者P1の行動)を常時検出して、その情報(実行動データ)を記憶している。より具体的には、サーバ120は、対象者P1が実際にどの時間帯にどのような行動を行ったのかを記憶している。図3の表の「検出結果」には、その一例を示している。
まず、図4から図6を用いて日毎処理について説明する。
サーバ120は、毎日所定の時間に、日毎処理を行う。なお、サーバ120は、対象者P1が夜間にきちんと眠っているかどうかを判定する必要があるため、対象者P1が睡眠していると思われる時間帯の最中に日毎処理を行うのは好ましくない。そこで本実施形態に係るサーバ120は、対象者P1が確実に起床していると思われる時間帯(例えば、午前10時等)に日毎処理を実行するものとする。
ステップS101において、サーバ120は、記憶している対象者P1の行動の中から、直近の24時間(例えば午前10時に日毎処理を行う場合、前日の午前9時から当日の午前9時まで)の行動を抽出する。この24時間が、日毎処理による判定の対象となる期間となる。以下、この期間を「日毎処理対象期間」と称する。サーバ120は、ステップS101の処理を行った後、ステップS102に移行する。
ステップS102において、サーバ120は、ステップS101で抽出された各行動の時間を確認し、最後に対象者P1が行動を行ったことが検出されてから所定の時間(X1時間)が経過しているか否かを判定する。対象者P1が最後に行動を行ってからX1時間以上経過している場合とは、言い換えると、対象者P1の行動がX1時間以上検出されていないということである。すなわちこの場合、対象者P1が倒れているなど、何らかの非常事態が生じている可能性がある。なお、所定の時間(X1時間)の値は任意に設定することができるが、特に、対象者P1に非常事態が生じていることが推認できる程度の時間(例えば、12時間、24時間など)が設定されることが望ましい。
サーバ120は、対象者P1が最後に行動を行ってからX1時間以上経過していると判定した場合、ステップS103に移行する。一方、サーバ120は、対象者P1が最後に行動を行ってからX1時間以上経過していないと判定した場合、ステップS104に移行する。
ステップS103において、サーバ120は、端末130を用いて所定のアラートを発報する。このアラートを確認した家族P2は、対象者P1に非常事態が生じていることを認識することができ、対象者P1の住宅1に向かうなどの対応をとることができる。
なお、このようなステップS101~ステップS103の処理は、対象者P1に非常事態が生じていることを確認することができる処理であるため、一日に一度だけ(午前10時に)実行するのではなく、常時実行するようにしてもよい。これによって、より迅速に対象者P1の非常事態に対応することができる。サーバ120は、ステップS103の処理を行った後、ステップS104に移行する。
ステップS104において、サーバ120は、対象者P1の活動時間帯(起床して活動している時間帯)における行動に基づいて、対象者P1の行動の状態(活動時間の異常の有無及び正常異常の程度)を判定する。以下、この処理を「活動時間帯判定」と称する。以下では図5を用いて、活動時間帯判定について説明する。
なお活動時間帯判定においては上述の如くランク分けが行われる。活動時間帯判定において使用されるランクとしては、活動時間に異常が無い(正常である)と判断された場合に付与される複数のランク(活動時間正常ランク)と、活動時間に異常が有ると判断された場合に付与される複数のランク(活動時間異常ランク)と、が含まれる。
活動時間正常ランクは、活動時間の正常の程度(異常と判断される状態との差の大きさ)に応じて、3つのランクに分けられる。具体的には、活動時間正常ランクには、差が最も大きい場合に付与される活動時間ランク1と、その次に差が大きい場合に付与される活動時間ランク2と、その次に差が大きい(差が最も小さい)場合に付与される活動時間ランク3と、が含まれる。すなわち、活動時間正常ランクとしては、活動時間の正常の程度が高いランクが活動時間ランク1であり、以下、活動時間ランク2、活動時間ランク3の順番で正常の程度の低いランクが設けられる。
活動時間異常ランクは、活動時間の異常の程度(正常と判断される状態との差の大きさ)等に応じて、3つのランクに分けられる。具体的には、活動時間異常ランクには、差が最も大きい場合に付与される活動時間ランク5と、その次に差が大きい(差が最も小さい)場合に付与される活動時間ランク4と、そもそも活動時間が無い場合に付与される活動時間ランク6と、が含まれる。すなわち、活動時間異常ランクとしては、活動時間の異常の程度が高いランクが活動時間ランク6であり、以下、活動時間ランク5、活動時間ランク4の順番に異常の程度の低いランクが設けられる。なお以下の説明では、活動時間ランク6がランクが最も大きく、活動時間ランク5、4、3、2、1の順番にランクが小さいと称する場合がある。
サーバ120は、図5のステップS201からステップS204までの処理を、分類(1)に分類された対象者P1の行動毎に繰り返す。また、一日に複数回行われる行動(例えば、調理機器(IH、電子レンジ)を使用する、テレビを観る、など)に対しては、その回数分だけ処理を行う。以下、ステップS201からステップS204までの各処理について説明する。
ステップS201において、サーバ120は、日毎処理対象期間において、判定の対象となる行動が検出されているか否かを判定する。具体的には、サーバ120は、対象者P1が行う行動として学習されているもの(例えば、図3に示す調理機器(IH、電子レンジ)の使用等)が、日毎処理対象期間において検出されているか否かを判定する。
サーバ120は、判定の対象となる行動が検出されている場合、ステップS203に移行する。一方、サーバ120は、判定の対象となる行動が検出されていない場合、ステップS202に移行する。
ステップS202において、サーバ120は、対象者P1の行動の状態が活動時間異常ランク6であると判定する。すなわち、対象者P1が毎日行うはずの行動が、一日(日毎処理対象期間)の間に一度も行われていない場合、対象者P1に記憶障害、見当識障害、実行機能障害等の、何らかの認知症の症状が発症していることが推認される。そこで、サーバ120は、このような場合、活動時間の異常の程度が最も高いランクである活動時間ランク6を付与する。
ステップS203において、サーバ120は、学習結果に対して、検出された対象者P1の行動の時間帯(活動時間帯)のズレ(乖離Ya(時間))を所定の閾値と比較し、比較結果に応じてランク分けを行う。本実施形態においては、前記閾値として、X1a、X2a、X3a、X4aという4種類の時間が予め設けられる。これら4種類の時間(閾値)は、X1a<X2a<X3a<X4aという関係を有する。また閾値X3aは、対象者P1の活動時間の異常の有無を判定するための閾値でもある。すなわち、YaがX3a以下である場合、活動時間が正常と判断され、YaがX3aを越える場合、活動時間が異常と判断される。
こうして、ステップS204において、サーバ120は、Ya≦X1aである場合、検出された対象者P1の行動の状態が活動時間ランク1であると判定する。同様にサーバ120は、X1a<Ya≦X2aである場合、活動時間ランク2であると判定する。またサーバ120は、X2a<Ya≦X3aである場合、活動時間ランク3であると判定する。またサーバ120は、X3a<Ya≦X4aである場合、活動時間ランク4であると判定する。またサーバ120は、X4a<Yaである場合、活動時間ランク5であると判定する。
このように、サーバ120から付与されたランクにより、検出された対象者P1の活動時間の正常異常を判断可能であると共に、正常又は異常の程度の大小が判断可能となる。
こうして、サーバ120は、分類(1)に分類された対象者P1の行動毎に図5のステップS201からステップS204までの処理が行われると、その処理結果を活動時間帯判定履歴データベース121に保存する。
具体的には、付与されたランクが活動時間異常ランク(活動時間ランク4から6)の何れかである場合、対象者P1に実行機能障害、見当識障害、昼夜逆転等の、何らかの認知症の症状が発症していることが推認される。サーバ120は、この判定対象となった行動、活動時間異常ランク、判定の理由を互いに紐付けて記憶する。例えばサーバ120は、「テレビ」、「活動時間ランク4」、「活動時間帯のズレが、X3aより大きく、かつ、X4a以下」という情報を互いに紐付けて記憶する。
また、付与されたランクが活動時間正常ランク(活動時間ランク1から3)の何れかである場合、対象者P1の行動の状態が正常であることが推認される。サーバ120は、この判定対象となった行動、活動時間正常ランク、判定の理由を互いに紐付けて記憶する。例えばサーバ120は、「調理機器(IH、電子レンジ)」、「活動時間ランク2」、「活動時間帯のズレが、X1aより大きく、かつ、X2a以下」という情報を互いに紐付けて記憶する。
こうして、付与されたランクが、活動時間異常ランク(活動時間ランク4から6)だけでなく、活動時間正常ランク(活動時間ランク1から3)も活動時間帯判定履歴データベース121に保存するため、将来において過去の判定状態や状態の程度を効果的に活用することができ、例えば後述する専門家P3の診断に活用することもできる。
なお、時間帯のズレの算出方法は特に限定するものではなく、両者(学習された行動と、検出された行動)の時間帯が変化しているか否かを判定可能なものであればよい。例えば、両者が重複していない時間を合計して算出する方法や、両者の行動の開始時間同士のズレと終了時間同士のズレを合計して算出する方法等が考えられる。また、所定の閾値の値は任意に設定することができる。
サーバ120は、ステップS201からステップS204までの処理を、対象者P1の行動毎、かつその回数分だけ繰り返し行う。これによってサーバ120は、対象者P1の行動毎、かつ回毎に、活動時間の異常の有無及び正常異常の程度を判定することができる。その後サーバ120は、図4のステップS105に移行する。
図4のステップS105において、サーバ120は、対象者P1が就寝してから起床するまでの時間帯における行動に基づいて、対象者P1の行動の状態(就寝~起床時間(睡眠時間)の異常の有無及び正常異常の程度)を判定する。以下、この処理を「就寝~起床時間帯(睡眠時間帯)判定」と称する。以下では図6を用いて、就寝~起床時間帯判定について説明する。
なお就寝~起床時間帯判定においては上述の如くランク分けが行われる。就寝~起床時間帯判定において使用されるランクとしては、睡眠時間に異常が無い(正常である)と判断された場合に付与される複数のランク(睡眠時間正常ランク)と、睡眠時間に異常が有ると判断された場合に付与される複数のランク(睡眠時間異常ランク)と、が含まれる。
睡眠時間正常ランクは、睡眠時間の正常の程度(異常と判断される状態との差の大きさ)に応じて、2つのランクに分けられる。具体的には、睡眠時間正常ランクには、差が最も大きい場合に付与される睡眠時間ランク1と、その次に差が大きい(差が最も小さい)場合に付与される睡眠時間ランク2と、が含まれる。すなわち、睡眠時間正常ランクとしては、睡眠時間の正常の程度が高いランクが睡眠時間ランク1であり、次に睡眠時間ランク2の順番で正常の程度の低いランクが設けられる。
睡眠時間異常ランクは、睡眠時間の異常の程度(正常と判断される状態との差の大きさ)に応じて、3つのランクに分けられる。具体的には、睡眠時間異常ランクには、差が最も大きい場合に付与される睡眠時間ランク5と、その次に差が大きい場合に付与される睡眠時間ランク4と、その次に差が大きい(差が最も小さい)場合に付与される睡眠時間ランク3と、が含まれる。すなわち、睡眠時間異常ランクとしては、睡眠時間の異常の程度が高いランクが睡眠時間ランク5であり、以下、睡眠時間ランク4、睡眠時間ランク3の順番に異常の程度の低いランクが設けられる。なお以下の説明では、睡眠時間ランク5がランクが最も大きく、睡眠時間ランク4、3、2、1の順番にランク小さいと称する場合がある。
図6のステップS301において、サーバ120は、記憶している対象者P1の行動から、対象者P1が就寝して起床するまでの時間帯を判定する。サーバ120は、ステップS301の処理を行った後、ステップS302に移行する。
ステップS302において、サーバ120は、学習結果に対して、検出された対象者P1の睡眠時間帯のズレ(乖離Yb(時間))を所定の閾値と比較し、比較結果に応じてランク分けを行う。本実施形態においては、前記閾値として、X1b、X2b、X3b、X4bという4種類の時間が予め設けられる。これら4種類の時間(閾値)は、X1b<X2b<X3b<X4bという関係を有する。また閾値X2bは、対象者P1の睡眠時間の異常の有無を判定するための閾値でもある。すなわち、YbがX2b以下である場合、睡眠時間が正常と判断され、YbがX2bを越える場合、睡眠間が異常と判断される。
こうして、ステップS303において、サーバ120は、Yb≦X1bである場合、検出された対象者P1の行動の状態が睡眠時間ランク1であると判定する。同様にサーバ120は、X1b<Yb≦X2bである場合、睡眠時間ランク2であると判定する。またサーバ120は、X2b<Yb≦X3bである場合、睡眠時間ランク3であると判定する。またサーバ120は、X3b<Yb≦X4bである場合、睡眠時間ランク4であると判定する。またサーバ120は、X4b<Ybである場合、睡眠時間ランク5であると判定する。
このように、サーバ120から付与されたランクにより、検出された対象者P1の睡眠時間の正常異常を判断可能であると共に、正常又は異常の程度の大小が判断可能となる。サーバ120は、ステップS303の処理を行った後、ステップS304に移行する。
なお、時間帯のズレの算出方法は特に限定するものではなく、両者(学習された行動と、検出された行動)の時間帯が変化しているか否かを判定可能なものであればよい。例えば、両者が重複していない時間を合計して算出する方法や、両者の行動の開始時間同士のズレと終了時間同士のズレを合計して算出する方法等が考えられる。また、所定の閾値の値は任意に設定することができる。
ステップS304において、サーバ120は、ステップS301からステップS303までの処理結果を睡眠時間帯判定履歴データベース122に保存する。
具体的には、付与されたランクが睡眠時間異常ランク(睡眠時間ランク3から5)の何れかである場合、対象者P1に実行機能障害、見当識障害、昼夜逆転等の、何らかの認知症の症状が発症していることが推認される。サーバ120は、この判定対象となった行動(睡眠)、睡眠時間異常ランク、判定の理由を互いに紐付けて記憶する。例えばサーバ120は、「睡眠」、「睡眠時間ランク5」、「睡眠時間のズレが、X4より大きい」という情報を互いに紐付けて記憶する。
また付与されたランクが睡眠時間正常ランク(睡眠時間ランク1及び2)の何れかである場合、対象者P1の行動の状態が正常であることが推認される。サーバ120は、この判定対象となった行動(睡眠)、睡眠時間正常ランク、判定の理由を互いに紐付けて記憶する。例えばサーバ120は、「睡眠」、「睡眠時間ランク2」、「睡眠時間のズレが、X1bより大きく、かつ、X2b以下」という情報を互いに紐付けて記憶する。サーバ120は、ステップS304の処理を行った後、ステップS305に移行する。
こうして、付与されたランクが、睡眠時間異常ランク(睡眠時間ランク4から6)だけでなく、睡眠時間正常ランク(睡眠時間ランク1及び2)も睡眠時間帯判定履歴データベース122に保存するため、将来において過去の判定状態や状態の程度を効果的に活用することができ、例えば後述する専門家P3の診断に活用することもできる。
ステップS305において、サーバ120は、対象者P1が就寝して起床するまでの時間帯(睡眠時間帯、ステップS301参照)において、対象者P1の行動(睡眠以外の行動)を検出したか否かを判定する。
具体的には、睡眠時間帯にトイレに行く場合、それに関連して何らかの行動を行うことが想定される。例えば対象者P1は、トイレに行く場合には、トイレの照明を点灯させるだけでなく、トイレに行く際の視界を確保するために寝室や廊下等の照明を点灯させるものと想定される。サーバ120は、このようなトイレに行くのに関連する行動(必要な行動)以外に、何らかの行動があったか否かを判定する。なお、トイレに関連する行動の種別は、サーバ120が学習したり、生活パターン判定システム100の製造・販売者や利用者等によって決定することが可能である。
サーバ120は、トイレ及びそれに関連する行動以外の行動がなかったと判定した場合、就寝~起床時間帯判定(ひいては、日毎処理(図4参照))を終了する。一方、サーバ120は、睡眠以外の行動があったと判定した場合、ステップS306に移行する。
ステップS306において、サーバ120は、ステップS305で判定した対象者P1の行動(睡眠以外の行動)に応じて、ステップS304で睡眠時間帯判定履歴データベース122に保存したランクの加減を行う。
すなわち、睡眠時間帯にトイレに関連する行動以外の行動があった場合には、対象者P1に実行機能障害、見当識障害、昼夜逆転等の、何らかの認知症の症状が発症していることが推認される。このような場合において、例えばステップS304で保存したランクが睡眠時間正常ランクであった場合には、サーバ120は、睡眠時間異常ランクに下げることができる。またサーバ120は、この判定対象となった行動(睡眠、及び、トイレに関連する行動以外の行動)、新たに付与されたランク、判定の理由を互いに紐付けて睡眠時間帯判定履歴データベース122に記憶する。
また、睡眠時間帯にトイレに関連する行動があった場合には、対象者P1の行動の状態が正常であることが推認される。このような場合において、例えばステップS304で保存したランクが睡眠時間異常ランクであった場合には、サーバ120は、睡眠時間正常ランクに上げることができる。またサーバ120は、この判定対象となった行動(トイレに関連する行動)、新たに付与されたランク、判定の理由を互いに紐付けて睡眠時間帯判定履歴データベース122に記憶する。
なお、ステップS306におけるランクの加減(補正)は、上述の如き態様に限定されず、種々の態様を採用することができる。例えば、ステップS306におけるランクの加減は、ステップS304で保存したランク(正常か異常か)にかかわらず、所定の段階数(例えば1段階)上げる又は下げるものであってもよい。また、ランクを下げるのみで、上げることは行わなくてもよい。また、ステップS305及びステップS306の処理は省略することもできる(必ずしも実行しなくてもよい)。
サーバ120は、ステップS306の処理を行った後、就寝~起床時間帯判定(ひいては、日毎処理(図4参照))を終了する。
次に、図7を用いて週毎処理(行動回数判定)について説明する。
サーバ120は、一週間に一度、所定の日時に週毎処理を行う。例えば、サーバ120は、一週間に一度、日毎処理と同じ時間帯(例えば、午前10時等)に週毎処理を行う。サーバ120は、週毎処理において、判定の対象となる行動に関する対象者P1の一週間内の回数(行動回数)に基づいて、対象者P1の行動の状態(行動回数の異常の有無及び正常異常の程度)を判定する。
なお行動回数判定においては上述の如くランク分けが行われる。行動回数判定において使用されるランクとしては、行動回数に異常が無い(正常である)と判断された場合に付与される複数のランク(行動回数正常ランク)と、行動回数に異常が有ると判断された場合に付与される複数のランク(行動回数異常ランク)と、が含まれる。
行動回数正常ランクは、行動回数の正常の程度(異常と判断される状態との差の大きさ)に応じて、3つのランクに分けられる。具体的には、行動回数正常ランクには、差が最も大きい場合に付与される行動回数ランク1と、その次に差が大きい場合に付与される行動回数ランク2と、その次に差が大きい(差が最も小さい)場合に付与される行動回数ランク3と、が含まれる。すなわち、行動回数正常ランクとしては、行動回数の正常の程度が高いランクが行動回数ランク1であり、以下、行動回数ランク2、行動回数ランク3の順番に正常の程度の低いランクが設けられる。
行動回数異常ランクは、行動回数の異常の程度(正常と判断される状態との差の大きさ)に応じて、3つのランクに分けられる。具体的には、行動回数異常ランクには、差が最も大きい場合に付与される行動回数ランク5と、その次に差が大きい(差が最も小さい)場合に付与される行動回数ランク4と、そもそも行動回数が無い場合に付与される行動回数ランク6と、が含まれる。すなわち、行動回数異常ランクとしては、行動回数の異常の程度が高いランクが行動回数ランク6であり、以下、行動回数ランク5、行動回数ランク4の順番に異常の程度の低いランクが設けられる。なお以下の説明では、行動回数ランク6がランクが最も大きく、行動回数ランク5、4、3、2、1の順番にランク小さいと称する場合がある。
サーバ120は、図7のステップS401からステップS404までの処理を、分類(2)に分類された対象者P1の行動毎に繰り返す。以下、ステップS401からステップS404までの各処理について説明する。
ステップS401において、サーバ120は、週毎処理対象期間において、判定の対象となる行動が検出されているか否かを判定する。具体的には、サーバ120は、対象者P1が行う行動として学習されているもの(例えば、図2に示す掃除機、洗濯機の使用等)が、週毎処理対象期間において検出されているか否かを判定する。
サーバ120は、判定の対象となる行動が検出されている場合、ステップS403に移行する。一方、サーバ120は、判定の対象となる行動が検出されていない場合、ステップS402に移行する。
ステップS402において、サーバ120は、対象者P1の行動の状態が行動回数異常ランク6であると判定する。すなわち、対象者P1が週1回以上行うはずの行動が、一週間(週毎処理対象期間)の間に一度も行われていない場合、対象者P1に記憶障害、見当識障害、実行機能障害等の、何らかの認知症の症状が発症していることが推認される。そこで、サーバ120は、このような場合、行動回数の異常の程度が最も高いランクである行動回数ランク6を付与する。
ステップS403において、サーバ120は、学習結果に対して、検出された対象者P1の行動回数のズレ(乖離Yc(回数))を所定の閾値と比較し、比較結果に応じてランク分けを行う。本実施形態においては、前記閾値として、X1c、X2c、X3c、X4cという4種類の回数が設けられる。これら4種類の回数(閾値)は、X1c<X2c<X3c<X4cという関係を有する。また、閾値X3cは、対象者P1の行動回数の異常の有無を判定するための閾値でもある。すなわち、YcがX3c以下である場合、行動回数が正常と判断され、YaがX3aを越える場合、行動回数が異常と判断される。
こうして、ステップS404において、サーバ120は、Yc≦X1cである場合、検出された対象者P1の行動の状態が行動回数ランク1であると判定する。同様にサーバ120は、X1c<Yc≦X2cである場合、行動回数ランク2であると判定する。またサーバ120は、X2c<Yc≦X3cである場合、行動回数ランク3であると判定する。またサーバ120は、X3c<Yc≦X4cである場合、行動回数ランク4であると判定する。またサーバ120は、X4c<Ycである場合、行動回数ランク5であると判定する。
このように、サーバ120から付与されたランクにより、検出された対象者P1の行動回数の正常異常を判断可能であると共に、正常又は異常の程度の大小が判断可能となる。
こうして、サーバ120は、分類(2)に分類された対象者P1の行動毎に図7のステップS401からステップS404までの処理が行われると、その処理結果を行動回数判定履歴データベース123に保存する。
具体的には、付与されたランクが行動回数異常ランク(行動回数ランク4から6)の何れかである場合、対象者P1に実行機能障害、見当識障害、昼夜逆転等の、何らかの認知症の症状が発症していることが推認される。サーバ120は、この判定対象となった行動、行動回数異常ランク、判定の理由を互いに紐付けて記憶する。例えばサーバ120は、「掃除機」、「行動回数ランク4」、「行動回数のズレが、X3cより大きく、かつ、X4c以下」という情報を互いに紐付けて記憶する。
また、付与されたランクが行動回数正常ランク(行動回数ランク1から3)の何れかである場合、対象者P1の行動の状態が正常であることが推認される。サーバ120は、この判定対象となった行動、行動回数正常ランク、判定の理由を互いに紐付けて記憶する。例えばサーバ120は、「洗濯機」、「行動回数ランク2」、「行動回数のズレが、X1cよりも大きく、かつ、X2c以下」という情報を互いに紐付けて記憶する。
こうして、付与されたランクが、行動回数異常ランク(行動回数ランク4から6)だけでなく、行動回数正常ランク(行動回数ランク1から3)も行動回数判定履歴データベース123に保存するため、将来において過去の判定状態や状態の程度を効果的に活用することができ、例えば後述する専門家P3の診断に活用することもできる。
なお、所定の閾値の値は任意に設定することができる。例えば、学習結果を用いて行動回数の確率分布を推定し、推定された確率分布を用いて適宜設定することができる。すなわち、比較的高い確率である所定の範囲に含まれる行動回数を正常な行動回数と規定し、当該規定した行動回数に対して、当該規定した行動回数から段階的にズレた回数を任意に抽出して複数の閾値として用いることができる。
サーバ120は、ステップS401からステップS404までの処理を、対象者P1の行動毎、かつその回数分だけ繰り返し行う。これによってサーバ120は、対象者P1の行動毎、かつ回毎に、行動回数の異常の有無及び正常異常の程度を判定することができる。その後サーバ120は、週毎処理(行動回数判定)を終了する。
次に、図8(a)を用いて、週間結果通知について説明する。
サーバ120は、一週間に一度、所定の日時に週間結果通知を行う。例えば、サーバ120は、一週間に一度、日毎処理と同じ時間帯(例えば、午前10時等)に週間結果通知を行う。
ステップS501において、サーバ120は、活動時間帯判定履歴データベース121及び睡眠時間帯判定履歴データベース122を参照し、一週間の間に、日毎処理の対象となった行動の中で、所定のランク(ランクY1以上)が所定の回数(Y2回)以上検出された行動があるか否かを判定する。なお、所定のランク(ランクY1)及び所定の回数(Y2回)は、それぞれ任意の値を設定することができる。ただし、本実施形態では異常の判定が繰り返されていることを判断するため、ランクY1としては、少なくとも異常ランク(活動時間異常ランク又は睡眠時間異常ランク)の値に設定することが望ましく、Y2回としては、2以上の値に設定することが望ましい。
こうして、サーバ120は、所定のランク(ランクY1以上)が所定の回数(Y2回)以上検出された行動があると判定した場合、ステップS502に移行する。一方、サーバ120は、所定のランク(ランクY1以上)が所定の回数(Y2回)以上検出された行動がないと判定した場合、週間結果通知を終了する。
ステップS502において、サーバ120は、端末130を用いてアラート(認知機能の異常警告)を発報する。具体的には、判定の対象となった行動、及びその判定の理由を、端末130を用いて家族P2に報知する。報知の方法としては、例えば端末130の液晶画面に表示する方法や、端末130から音声を発することで報知する方法等がある。
このようにサーバ120は、所定のランク(ランクY1以上)が所定の回数(Y2回)以上検出された行動については、認知機能の異常が発生している可能性が高いと考えられるため、家族P2に報知する。これによって家族P2は、適切な対応(治療等)をとることができる。また言い換えると、サーバ120は、所定のランク(ランクY1以上)と判定されたのが所定の回数(Y2回)未満である行動については、家族P2に報知することがない。これによって、対象者P1の認知機能とは無関係に、たまたま対象者P1の行動が普段と違っていた場合に所定のランク(ランクY1以上)が付与された行動(異常の誤検出)について、家族P2に報知を行うのを防止することができる。
サーバ120は、ステップS502の処理を行った後、週間結果通知を終了する。
次に、図8(b)を用いて、月間結果通知について説明する。
サーバ120は、一か月に一度、所定の日時に月間結果通知を行う。例えば、サーバ120は、一か月に一度、週間結果通知と同じ時間帯(例えば、午前10時等)に月間結果通知を行う。
ステップS601において、サーバ120は、行動回数判定履歴データベース123を参照し、一か月の間に、週毎処理の対象となった行動の中で、所定のランク(ランクY3以上)が所定の回数(Y4回)以上検出された行動があるか否かを判定する。なお、所定のランク(ランクY3)及び所定の回数(Y4回)は、それぞれ任意の値を設定することができる。ただし、本実施形態では異常の判定が繰り返されていることを判断するため、ランクY3としては、少なくとも異常ランク(行動回数異常ランク)の値に設定することが望ましく、Y4回としては、2以上の値に設定することが望ましい。
こうして、サーバ120は、所定のランク(ランクY3以上)が所定の回数(Y4回)以上検出された行動があると判定した場合、ステップS602に移行する。一方、サーバ120は、所定のランク(ランクY3以上)が所定の回数(Y4回)以上検出された行動がないと判定した場合、月間結果通知を終了する。
ステップS602において、サーバ120は、端末130を用いてアラート(認知機能の異常警告)を発報する。具体的には、判定の対象となった行動、及びその判定の理由を、端末130を用いて家族P2に報知する。このようにサーバ120は、所定のランク(ランクY3以上)と判定されたのが所定の回数(Y3回)未満である行動については、家族P2に報知することがない。
サーバ120は、ステップS602の処理を行った後、月間結果通知を終了する。
次に、図9を用いて、長期判定結果通知について説明する。
サーバ120は、長期間に一度、所定の日時に長期判定結果通知を行う。例えば、サーバ120は、半年に一度、月間結果通知と同じ時間帯(例えば、午前10時等)に長期判定結果通知を行う。なお、長期間とは、半年に限定するものではないが、対象者P1の行動の認知機能の状態の変化度合いを判定し易くする観点から、複数月に亘るような期間であることが望ましい。
ステップS701において、サーバ120は、活動時間帯判定履歴データベース121、睡眠時間帯判定履歴データベース122及び行動回数判定履歴データベース123を参照し、半年間の間に、日毎処理及び週毎処理の対象となった行動の中で、所定のランク(ランクZ1以上)が所定の回数(Z2回)以上検出された行動があるか否かを判定する。なお、所定のランク(ランクZ1)及び所定の回数(Z2回)は、それぞれ任意の値を設定することができる。ただし、本実施形態では異常の判定が繰り返されていることを判断するため、ランクZ1としては、少なくとも異常ランク(活動時間異常ランク、睡眠時間異常ランク又は行動回数異常ランク)の値に設定することが望ましく、Z2回としては、2以上の値に設定することが望ましい。
こうして、サーバ120は、所定のランク(ランクZ1以上)が所定の回数(Z2回)以上検出された行動があると判定した場合、ステップS702に移行する。一方、サーバ120は、所定のランク(ランクZ1以上)が所定の回数(Z2回)以上検出された行動がないと判定した場合、長期判定結果通知を終了する。
ステップS702において、サーバ120は、学習結果(学習データ)の精査判定を行う。具体的には、サーバ120は、所定の統計データに対して、自身が保持している学習結果が一定以上乖離しているか否かを判定する。すなわち、上述の如き日毎処理及び週毎処理においてランク分けに用いられた学習結果に不備がある場合、付与されたランクが適切でない(付与されたランクが、対象者P1の現状の行動の状態を適切に示していない)可能性がある。そこで、本実施形態においては、所定のランク(ランクZ1以上)が所定の回数(Z2回)以上検出された行動があると判定された場合、学習結果に不備がある可能性(学習結果の適切・不適切)について判定する。
具体的には、サーバ120は、例えば外部の公共機関等から公表される比較可能な統計データや、生活パターン判定システム100が導入された他の住宅から集められた統計データ等の、任意の統計データを取得する。そして、サーバ120は、取得した統計データと学習結果とを比較し、学習結果が一定以上乖離している(所定の閾値との差が大きいか)否かを判定する。サーバ120は、学習結果が一定以上乖離していると判定した場合(すなわち、学習結果が不適切であると推測される場合)、ステップS704に移行する。一方、サーバ120は、学習結果が一定以上乖離していないと判定した場合(すなわち、学習結果が適切であると推測される場合)、ステップS703に移行する。
なお、学習結果が不適切である場合とは、例えば対象者P1が住宅1に入居した(生活を開始した)タイミングと、判定の対象となる設備が設置されたタイミングとが異なっていた場合や、判定の対象となる設備が故障している場合等が想定される。また、サーバ120は、所定の統計データを外部から取得するのではなく、予め記憶していてもよい。
ステップS703において、サーバ120は、ステップS701にて検出された行動に関してランクが悪化傾向にあるかの判定(悪化傾向判定)を行う。具体的には、サーバ120は、長期判定結果通知対象期間において、ステップS701にて検出された行動に関するランクの変動傾向を分析する。例えばサーバ120は、対象となる行動のランクを時系列データとした移動平均を用いる等、任意の手法でランクの変動傾向を分析することができる。こうして、サーバ120は、分析した変動傾向を所定の閾値と比較することにより、ステップS701にて検出された行動に関してランクが悪化傾向であるか又は改善傾向がない(現状維持である)かの判定を行う。
サーバ120は、ステップS701にて検出された行動に関してランクが悪化傾向であるか又は改善傾向がないと判定した場合、ステップS704に移行する。一方、サーバ120は、ステップS701にて検出された行動に関してランクが改善傾向である(悪化傾向ではなく、かつ、現状維持ではない)と判定した場合、長期判定結果通知を終了する。
ステップS704において、サーバ120は、所定のデータを、専門家P3及び家族P2に送信する。具体的には、ステップS702から移行したステップS704においては、サーバ120は、所定のデータとして、ステップS702での学習結果の精査の判定に関する種々のデータ(例えば該当期間、学習結果、対象となる行動(設備)等の、判定に用いたデータや、判定結果に関するデータ等)を専門家P3及び家族P2に送信する。また、ステップS703から移行したステップS704においては、サーバ120は、所定のデータとして、ステップS703での悪化傾向判定に関する種々のデータ(例えば悪化傾向判定に用いたデータや、判定結果に関するデータ等)を専門家P3及び家族P2に送信する。
ここで、専門家P3とは、所定の判定結果(ステップS702における学習データの精査判定の判定結果、及び、ステップS703における悪化傾向判定の判定結果)について、診断を打診すると共に、診断結果に対してアドバイスを依頼する者である。例えば、専門家P3には、認知症について見識を有する医療関係者や、医療系団体の職員、生活パターンの状態の学習について見識を有する者、生活パターン判定システム100の管理者等の種々の者が含まれる。また、専門家P3には、個人だけでなく団体や法人が含まれる。
こうして、専門家P3及び家族P2は、サーバ120から送信されたデータにより、例えば学習結果が不備の可能性についての情報を取得することができる。また、専門家P3及び家族P2は、サーバ120から送信されたデータにより、対象者P1の行動の状態が悪化傾向にある(又は改善傾向がない)ことについての情報を取得することができる。サーバ120は、ステップS704の処理を行った後、ステップS705に移行する。
ステップS705において、サーバ120は、専門家P3から診断結果及びアドバイスを取得すると共に、端末130を用いて家族P2に通知する。
具体的には、ステップS702・S704から移行したステップS705において、サーバ120は、例えば異常ランクが継続した場合に、学習結果が不備の可能性についての診断結果を取得する。また、サーバ120は、取得した診断結果において、学習結果が不備の可能性があると診断された場合、当該専門家P3から対処方法についてのアドバイスを取得する。こうして、サーバ120が、取得した診断結果及びアドバイスを家族P2に通知することにより、家族P2は、学習結果が不備である可能性について今後の対応を検討することができる。
また、ステップS703・S704から移行したステップS705において、サーバ120は、例えば異常ランクが継続した場合に、ランクが悪化傾向であるか又は改善傾向がない(以下「悪化傾向等である」と称する場合がある)ことについての診断結果を取得する。また、サーバ120は、取得した診断結果において、ランクが悪化傾向等であると診断された場合、当該専門家P3から対処方法についてのアドバイスを取得する。こうして、サーバ120が、取得した診断結果及びアドバイスを家族P2に通知することにより、家族P2は、ランクが悪化傾向等であることについて今後の対応を検討することができる。
生活パターン判定システム100は、以上のような処理(日毎処理、週毎処理、週間結果通知、月間結果通知及び長期判定結果通知)を行うことで、対象者P1の日常生活の行動に基づいて、認知機能の状態(異常の有無及び正常異常の程度)を検出することができる。これによって、対象者P1に特別な検査等を受けさせることなく、簡便に認知機能の状態を検出することができ、家族P2に報知することができる。
また、長期判定結果通知においては、長期判定(ステップS701)を行い、半年間の間に所定のランク(ランクZ1以上)が所定の回数(Z2回)以上検出された行動があるか否かを判定するため、比較的長期間における対象者P1の行動の状態を把握することができる。
また、学習結果の精査判定(ステップS702)を行い、学習結果に不備がある可能性(学習結果の適切・不適切)について判定するため、付与されたランクが対象者P1の現状の行動の状態を適切に示していない場合に、これを是正することができる。
また、悪化傾向判定(ステップS703)を行い、対象者P1の行動に関してランクが悪化傾向等であるかを判定するため、比較的長期間における対象者P1の行動の状態(変動度合い)を把握することができる。
以上の如く、本実施形態に係る生活パターン判定システム100は、
対象者P1が利用する住宅1(建物)に設けられた設備の使用状況を検出可能することで、前記対象者P1の行動を検出可能な電力センサ110(行動検出部)と、
前記電力センサ110(行動検出部)により検出された前記対象者P1の行動に関する実行動データと、予め学習した前記対象者P1の行動に関する学習行動データ(学習結果)と、を比較するサーバ120(比較部)と、
前記サーバ120(比較部)の比較結果に基づいて前記実行動データに対応する前記対象者P1の行動に、正常を示す1又は2以上の段階的なランクを含む正常ランク(活動時間正常ランク、睡眠時間正常ランク、行動回数正常ランク)、及び、異常を示す1又は2以上の段階的なランクを含む異常ランク(活動時間異常ランク、睡眠時間異常ランク、行動回数異常ランク)を設定するサーバ120(ランク設定部)と、
を具備するものである。
このような構成により、生活パターンの状態の変化度合いを容易に取得することができる。すなわち、対象者P1の行動の状態をランク分けするため、一見して容易に対象者P1の生活パターンの変化度合いを把握することができる。さらに、異常と判定される場合だけでなく正常と判定される場合もランク分けされるため、より容易に対象者P1の生活パターンの変化度合いを把握することができる。
また、正常ランク(活動時間正常ランク、睡眠時間正常ランク、行動回数正常ランク)及び異常ランク(活動時間異常ランク、睡眠時間異常ランク、行動回数異常ランク)は段階的なランクを含むため、例えば正常(又は異常)と判定した場合に、異常(又は正常)に近いかどうか、すなわち軽度か重症かを推定することができる。正常ランク及び異常ランクは、対象者P1の自立度や要介護度の推定や判断材料として活用することができる。
また、本実施形態に係る生活パターン判定システム100において、
前記サーバ120(ランク設定部)は、
前記サーバ120(比較部)の比較結果として、前記対象者P1が所定の行動を行った時間帯と学習した時間帯との差の大きさに基づいてランク分けするものである。
このような構成により、活動時間に関する生活パターンの状態の変化度合いを容易に取得することができる。
また、本実施形態に係る生活パターン判定システム100において、
前記サーバ120(ランク設定部)は、
前記サーバ120(比較部)の比較結果として、前記対象者P1が睡眠した時間帯と学習した時間帯との差の大きさに基づいてランク分けするものである。
このような構成により、睡眠時間に関する生活パターンの状態の変化度合いを容易に取得することができる。
また、本実施形態に係る生活パターン判定システム100において、
前記サーバ120(ランク設定部)は、
前記サーバ120(比較部)の比較結果として、所定の期間において前記対象者P1が所定の行動を行った回数と学習した回数との差の大きさに基づいてランク分けするものである。
このような構成により、行動回数に関する生活パターンの状態の変化度合いを容易に取得することができる。
また、本実施形態に係る生活パターン判定システム100においては、
家族P2(通知対象者)に対して所定情報の通知を行うことが可能な端末130(通知部)をさらに具備し、
前記サーバ120(ランク設定部)は、
前記異常ランクが設定された場合において、前記差の大きさに所定閾値以上の大きさの差が含まれる場合、前記所定情報として、前記学習行動データ(学習結果)を前記家族P2(通知対象者)に通知するものである。
このような構成により、学習結果に不備がある可能性について家族P2に通知することができる。こうして、付与されたランクが、対象者P1の現状の行動の状態を適切に示していない場合(ランクが誤っている場合)でも、家族P2は、誤ったランクをそのまま信頼するのを抑制することができる。
また、本実施形態に係る生活パターン判定システム100においては、
家族P2(通知対象者)に対して所定情報の通知を行うことが可能な端末130(通知部)をさらに具備し、
前記サーバ120(ランク設定部)は、
前記正常ランク及び前記異常ランクの設定を所定の期間ごとに行い、
前記所定情報として、前記所定の期間ごとに設定した前記正常ランク及び/又は前記異常ランクの変動傾向を前記家族P2(通知対象者)に通知するものである。
このような構成により、長期間に亘る生活パターンの変動傾向を家族P2に通知することができる。
また、本実施形態に係る生活パターン判定システム100において、
前記サーバ120(ランク設定部)は、
前記所定情報に対するアドバイスを前記家族P2(通知対象者)に通知するものである。
このような構成により、例えば長期間に亘る生活パターンの変動傾向や、学習結果に不備がある可能性についてアドバイスを家族P2に通知し、今後の対応を検討し易くすることができる。
なお、本実施形態に係る住宅1は、本発明に係る建物の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る電力センサ110は、本発明に係る行動検出部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るサーバ120は、本発明に係る比較部、ランク設定部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る端末130は、本発明に係る通知部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る家族P2は、本発明に係る通知対象者の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る検出された対象者P1の行動の時間帯(活動時間帯)、検出された対象者P1の睡眠時間帯、検出された対象者P1の行動回数は、本発明に係る実行動データの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る学習結果(学習データ)は、本発明に係る学習行動データの実施の一形態である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想の範囲内で適宜の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、対象者P1の所定の場合(例えば異常ランクが付与された場合)、端末130にその旨を通知する例を示したが、さらに、家族P2等がその情報を確認し、問題ない(異常ではない)と判断した場合には、端末130等を用いてその旨をサーバ120に伝達する構成とすることも可能である。このように、家族P2等が異常の有無を確認してサーバ120へとフィードバックすることで、サーバ120は対象者P1の行動をより正確に学習することができる。これによって、生活パターンの状態の異常の検出をより精度よく行うことができる。
また本実施形態では、対象者P1の行動が繰り返して異常等と判定された場合に家族P2にその旨を通知する例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば対象者P1の行動が一度でも異常等と判定された場合には、すぐに家族P2に報知することも可能である。
また本実施形態で例示した各処理(日毎処理、週毎処理、週間結果通知、月間結果通知及び長期判定結果通知)の対象となる期間は、任意に変更することも可能である。
また、学習結果の精査判定(ステップS702)、ステップS704、ステップS705という一連の処理は、長期判定結果通知だけでなく、別の処理でも行うことができる。具体的には、前記一連の処理は、日毎処理、週毎処理、週間結果通知及び月間結果通知の各処理で行うこともできる。また同様に、悪化傾向判定(ステップS703)、ステップS704、ステップS705という一連の処理は、日毎処理、週毎処理、週間結果通知及び月間結果通知の各処理で行うこともできる。
また、本実施形態では、ステップS702での学習結果の精査の判定に関する種々のデータ、及び、ステップS703での悪化傾向判定に関する種々のデータの何れか一方を専門家P3及び家族P2に送信するものとしたが、両方のデータを送信してもよい。
また、悪化傾向判定(ステップS703)において、ステップS701にて検出された行動に関してランクが悪化傾向であるか又は改善傾向がない(現状維持である)かの判定を行うものとしたが、改善傾向であるかの判定を行ってもよい。
また、本実施形態に係る生活パターン判定システム100は、高齢者を対象者P1とした例を示したが、本発明は高齢者に限るものではなく、様々な人を対象者P1とすることができる。
また本実施形態では、高齢者の生活パターンの状態を検出し、ひいては当該対象者P1の認知機能の状態を検出するものとしたが、これに限定するものではない。例えば、対象者P1が認知症患者である場合には、認知機能の変化や異常行動の変化等を追跡することもできる。
また、生活パターン判定システム100を、単身赴任や学生の一人暮らしなど、家族と離れて過ごす人の住宅に導入した場合には、離れた家族の生活パターンの状態を検出することができる。こうして、生活パターンの状態を検出することにより、安否確認や、生活リズムの変化、体調の変化、活動量の変化等を検出することができ、判定アルゴリズムもこれらの判定に応用することができる。
また、生活パターン判定システム100を睡眠障害の患者の住宅に導入した場合には、正常ランク及び異常ランクによって、睡眠質を判断することも可能である。
また、生活パターンを推測できるため、生活パターン判定システム100を将来の電力消費予測に活用することができる。すなわち、生活パターン判定システム100を、デマンド契約等、消費電力量が電力料金に影響を及ぼす場合や、太陽光発電の有効利用に活用することもできる。
また本実施形態では、電力センサ110(行動検出部)は住宅1に設けられるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、対象者P1が利用する種々の建物に設けることも可能である。すなわち、住宅1に限らず、その他種々の建物、施設等において、生活パターンの状態を検出することが可能である。また行動検出部は、電力センサに限定されず、人の行動を検出することができる種々のセンサを採用することができる。具体的には、行動検出部としては、人感センサや、撮像した画像から人の行動を認識可能な認識手段等を採用することができる。
また本実施形態では、サーバ120(クラウド上に設けられた仮装サーバ等)が各種処理を行う例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、各種処理を実行する主体は任意に変更することが可能である。例えば、住宅1に設けられたホームサーバ、パソコン、携帯型端末等により実行することも可能である。
100 生活パターン判定システム
110 電力センサ
120 サーバ
130 端末

Claims (7)

  1. 対象者が利用する建物に設けられた設備の使用状況を検出可能することで、前記対象者の行動を検出可能な行動検出部と、
    前記行動検出部により検出された前記対象者の行動に関する実行動データと、予め学習した前記対象者の行動に関する学習行動データと、を比較する比較部と、
    前記比較部の比較結果に基づいて前記実行動データに対応する前記対象者の行動に、正常を示す1又は2以上の段階的なランクを含む正常ランク、及び、異常を示す1又は2以上の段階的なランクを含む異常ランクを設定するランク設定部と、
    を具備する、
    生活パターン判定システム。
  2. 前記ランク設定部は、
    前記比較部の比較結果として、前記対象者が所定の行動を行った時間帯と学習した時間帯との差の大きさに基づいてランク分けする、
    請求項1に記載の生活パターン判定システム。
  3. 前記ランク設定部は、
    前記比較部の比較結果として、前記対象者が睡眠した時間帯と学習した時間帯との差の大きさに基づいてランク分けする、
    請求項1又は請求項2に記載の生活パターン判定システム。
  4. 前記ランク設定部は、
    前記比較部の比較結果として、所定の期間において前記対象者が所定の行動を行った回数と学習した回数との差の大きさに基づいてランク分けする、
    請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の生活パターン判定システム。
  5. 通知対象者に対して所定情報の通知を行うことが可能な通知部をさらに具備し、
    前記ランク設定部は、
    前記異常ランクが設定された場合において、前記差の大きさに所定閾値以上の大きさの差が含まれる場合、前記所定情報として、前記学習行動データを前記通知対象者に通知する、
    請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の生活パターン判定システム。
  6. 通知対象者に対して所定情報の通知を行うことが可能な通知部をさらに具備し、
    前記ランク設定部は、
    前記正常ランク及び前記異常ランクの設定を所定の期間ごとに行い、
    前記所定情報として、前記所定の期間ごとに設定した前記正常ランク及び/又は前記異常ランクの変動傾向を前記通知対象者に通知する、
    請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の生活パターン判定システム。
  7. 前記ランク設定部は、
    前記所定情報に対するアドバイスを前記通知対象者に通知する、
    請求項5又は請求項6に記載の生活パターン判定システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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