以下、図面を参照して、本実施形態に係る遊技機について説明する。なお、本実施形態では、遊技機としてパチスロ機を例に挙げて説明する。
[1.パチスロ機の構造]
まず、図1及び図2を参照して、パチスロ機1の構造について説明する。なお、図1は、パチスロ機1の外部構造を示す図であり、図2は、パチスロ機1の内部構造を示す図である。また、説明の便宜上、以下の外部構造の説明において、内部構造の一部を説明する場合があり、内部構造の説明において、外部構造の一部を説明する場合がある。
[1-1.外部構造]
[1-1-1.筐体]
パチスロ機1は、矩形箱状の筐体2により構成されている。また、筐体2は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
キャビネットGは、中間支持板G1と、左右一対の側面壁G2と、背面壁G3と、上面壁G4と、底面壁G5とを有している。なお、図1及び図2においては、背面壁G3及び底面壁G5の図示を省略している。また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に所定の間隔を空けて、上下方向に貫通する2つの開口G4aが形成されている。そして、この2つの開口G4aそれぞれを塞ぐように木製の板部材G4bが上面壁G4に取付けられている。
なお、板部材G4bは、パチスロ機1を遊技店に設置する際に遊技島(不図示)に固定するために用いられるが、このような固定の方法が確保される限り、金属材や樹脂材で構成することもできるし、上面壁G4と一体に形成することもできる。また、キャビネットGについて一定の強度が確保される限り、各構成部材の一部又は全部を木材や樹脂材で構成することもできる。
また、キャビネットGは、その内部において、中間支持板G1を挟んで上側に、前方に開口する上側開口部G101が形成されており、中間支持板G1を挟んで下側に、前方に開口する下側開口部G102が形成されている。すなわち、キャビネットG内は、中間支持板G1を挟んで上部空間と下部空間とに仕切られており、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、後述のメイン表示装置210等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、後述のリールユニットRUや主制御基板71等が収容される。
なお、キャビネットGは、必ずしも中間支持板G1を含んで構成されていなくともよい。すなわち、キャビネットG内において各装置等が適切に収容される限り、上部空間と下部空間を仕切らない構成としてもよい。また、キャビネットGは、単に「箱体」や「本体」と称することもできるし、上ドア機構UD及び下ドア機構DDを支持、あるいは固定する枠体として機能するため、「本体枠」、「支持体」、「支持枠」、あるいは「固定枠」等と称することもできる。
[1-1-2.前面扉]
上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成され、キャビネットGにおける開口の上部空間及び下部空間を閉塞可能に設けられている。すなわち、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、パチスロ機1の前面側に設けられた前面扉(フロントドア)として機能している。
また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのそれぞれは、例えば、左側の側面壁G2に設けられたヒンジ等の開閉機構(不図示)によって、キャビネットGに対して開閉自在に取付けられている。なお、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのいずれか一方については上述の開閉機構によって開閉自在とし、他方については一方のドア機構が開放状態となったときにのみ着脱可能となるように構成することもできる。
上ドア機構UDは、その中央部に設けられた演出表示窓UD1と、演出表示窓UD1の上部に設けられた上部ランプ23とを有している。演出表示窓UD1は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、その背面側に設けられた後述のメイン表示装置210を構成するスクリーン装置Cに表示された演出画像を視認可能としている。なお、本実施形態では、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を、メイン演出表示部21として説明する場合がある。
下ドア機構DDは、その上部の略中央部に設けられたメイン表示窓4と、メイン表示窓4の背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたリールユニットRUとを有している。
リールユニットRUは、3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。各リール3L,3C,3Rは、例えば、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のリール帯から構成され、リール帯には、複数(例えば、20個)の図柄がリールの回転方向に沿って所定の間隔を空けて描かれている。また、各リール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。メイン表示窓4は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、各リール3L,3C,3Rの周面上の図柄について少なくとも一部(例えば、3個)を視認可能としている。また、各リール3L,3C,3Rの内部には、少なくともメイン表示窓4から図柄が視認される位置に光源(後述のランプ・LED類に含まれるリールランプ)が設けられ、少なくとも各リール3L,3C,3Rが回転中であるときにはこれらを内部から一定の輝度で照明することで、図柄の視認性を確保している。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の左側に設けられたサブ演出表示部22と、メイン表示窓4の右側に設けられた演出用ボタン10bとを有している。サブ演出表示部22は、後述のサブ表示装置220に表示された演出画像を表示する。なお、サブ演出表示部22をタッチパネルとして構成し、演出表示を行う機能のみならず、演出用ボタンの1つとして機能させることもできる。演出用ボタン10bは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の下方に形成された略水平面の台座部において、左側に設けられたMAXベットボタン6a,1ベットボタン6b,精算ボタン9と、略中央部に設けられた演出用ボタン10aと、右側に設けられたメダル投入口5とを有している。
MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bは、パチスロ機1の内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者の遊技操作(ベット操作。「投入操作」や「掛け操作」等と称することもできる)を受付ける操作部である。MAXベットボタン6aが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数(例えば、3枚)未満であり、クレジットされているメダルがその差分以上ある場合には、最大ベット数のメダルがベットされる。一方、クレジットされているメダルがその差分以上ない場合には、メダルはベットされない。また、1ベットボタン6bが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数未満であり、クレジットされているメダルが1枚以上ある場合には、1枚のメダルがベットされる。
精算ボタン9は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の遊技操作(精算操作)を受付ける操作部である。なお、クレジットされているメダルがない状態で精算ボタン9が操作された場合、投入され、あるいは払出されるメダルに関し、クレジット可能数(例えば、50枚)の範囲内において、当該メダルをクレジットするクレジットモード(Cモード)と、当該メダルをクレジットしないペイモード(Pモード)とのいずれかのモードを選択可能とするための遊技者の遊技操作(C/Pモード選択操作)を受付可能としてもよい。すなわち、精算ボタン9をいわゆるC/Pボタンとして機能させることもできる。演出用ボタン10aは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
メダル投入口5は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受入れる。受入れたメダルは、後述のセレクタ31によって検出されるとともに、適正なメダルであるか否かが判定される。受入れた1枚のメダルが適正なものでない場合、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。また、受入れた1枚のメダルが適正なものである場合、現在のベット数が最大ベット数未満である場合には、1枚のメダルがベットされる。現在のベット数が最大ベット数であり、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達していない場合には、1枚のメダルがクレジットされる。一方、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達している場合には、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4と上述の台座部との間に設けられた情報表示装置14を有している。情報表示装置14は、複数のランプ(LED)や7セグメントLEDを含んで構成され、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する。
また、下ドア機構DDは、上述の台座部の下方において、左側に設けられたスタートレバー7と、略中央部に設けられた3個のストップボタン8L,8C,8Rと、右側に設けられた施錠機構15とを有している。スタートレバー7は、所定の角度範囲で傾動自在に取付けられ、遊技を開始させるための遊技者の遊技操作(開始操作)を受付ける操作部である。各ストップボタン8L,8C,8Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の遊技操作(停止操作)を受付ける操作部である。
施錠機構15は、例えば、キーシリンダー錠から構成され、下ドア機構DDが閉鎖状態であるとき、遊技店側の管理者(例えば、遊技店の店員等。以下同じ)が鍵穴にドアキー(不図示)を挿入した状態で右に回すと解錠し、下ドア機構DDが開放状態となる。なお、施錠機構15には、ドア機構の開閉を管理する機能のみならず、リセットスイッチとしての機能をもたせてもよい。例えば、遊技店側の管理者が鍵穴にドアキーを挿入した状態で左に回した場合には、後述のリセットスイッチ53と同様のリセット操作を検出可能としてもよい。また、本実施形態では、下ドア機構DDが開放状態となったとき、これに連動して上ドア機構UDも開放状態となるように構成することもできるし、上ドア機構UDに対応する施錠機構を別途設けるようにし、それぞれ独立して開閉を管理可能とすることもできる。
また、下ドア機構DDは、その下部の中央部に設けられた腰部パネル13と、腰部パネル13の下方に設けられたメダル受皿12と、メダル受皿12の上方に設けられたメダル払出口11と、メダル払出口11の左右に設けられた透音孔24a,24bとを有している。
腰部パネル13は、例えば、機種の名称を表すロゴやモチーフを表すキャラクタ等の機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光源(後述のランプ・LED類に含まれる腰部ランプ)から構成される。メダル受皿12は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留する。メダル払出口11は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出する。なお、メダル払出口11から排出されるメダルは、後述のホッパー装置32から払出されたものと、後述のセレクタ31からキャンセルシュート(不図示)を通って返却されたものとがある。透音孔24a,24bは、それぞれの背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたスピーカ35a,35b(スピーカ35aは図2において符号省略)から出力される効果音やBGM等の音声をパチスロ機1の前面側に向かって透過する。
なお、本実施形態では、キャビネットG内が上部空間と下部空間とに仕切られていることに対応して上ドア機構UD及び下ドア機構DDを設けることとしているが、キャビネットGにおける開口を適切に開閉可能とする限り、単一のドア機構として構成することもできるし、3つ以上のドア機構として構成することもできる。また、前後方向に二重に構成されたドア機構(例えば、外扉と内扉等)として構成することもできる。また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、単に「扉」や「ドア」と称することもできるし、キャビネットGにおける開口を開閉可能とする部材として機能するため、「開閉部材」、「扉部材」、あるいは「ドア部材」等と称することもできる。
[1-1-3.変動表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4を備える。各リール3L,3C,3Rは、スタートレバー7が操作されると(遊技者によって開始操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることにより回転を開始する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が変動表示される。また、各リール3L,3C,3Rは、各ストップボタン8L,8C,8Rが操作されると(遊技者によって停止操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることによりそれぞれの回転を停止する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が停止表示される。
すなわち、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4は、複数の図柄を複数列に変動表示(及び停止表示)可能な変動表示部(手段)、あるいは複数の図柄を変動表示(及び停止表示)可能な複数の変動表示部(手段)を構成する。なお、変動表示部(手段)は、「図柄表示部(手段)」や「可変表示部(手段)」等と称することもできる。また、図柄は、「絵柄」や「柄」等と称することもできるし、遊技者が視認により識別可能な情報であればよいことから、その意味において「識別情報」等と称することもできる。
また、メイン表示窓4は、各リール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、それぞれについて連続して配置された3個の図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、メイン表示窓4は、各列において上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する(メイン表示窓4の枠内には、3行×3列の態様で図柄が表示される)。なお、メイン表示窓4は、「図柄表示領域」や「窓部」等と称されることがある。
また、メイン表示窓4には、有効ラインが定義される。有効ラインは、遊技者の停止操作に応じて全ての列の図柄が停止表示されたときに、規定された図柄の組合せが表示されたか否かを判定するためのラインである。その意味において、有効ラインは、「入賞ライン」や「判定ライン」等と称することもできる。また、有効ラインは、各列の各領域のいずれかを結ぶラインとして構成される。すなわち、メイン表示窓4が3行×3列の態様で図柄を表示するように構成される場合、最大27通りの有効ラインを定義することが可能である。もっとも、実際には、そのうちの一又は複数通りのラインを有効ラインとして定義し、他のラインは有効ラインではない無効ラインとして定義することができる。
なお、例えば、リール3Lの中段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの中段領域を結ぶラインは「センターライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの上段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「トップライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの下段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「ボトムライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「クロスアップライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「クロスダウンライン」等と称され、これらは各列の各領域を一直線で結ぶラインであることから、これらのうちの一又は複数通りのラインが有効ラインとして定義されることが多い。もっとも、上述のとおり、各列の各領域を折れ線で結ぶ、いわゆる変則ラインを有効ラインとして定義することもできる。
また、有効ラインが有効化されるためには、遊技者の開始操作に先立って、今回の遊技に必要な分の(遊技開始可能枚数分の)メダルがベットされている必要があるが、有効化される有効ライン数は、ベット数にかかわらず同じであってもよいし、ベット数に応じて変動してもよい。例えば、上述の「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」の3通りのラインが有効ラインとして定義されているとした場合、前者の場合には、ベット数が1~3のいずれであっても「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。一方、後者の場合には、ベット数が1であれば「センターライン」のみが有効化され、ベット数が2であれば「センターライン」及び「トップライン」が有効化され、ベット数が3(最大ベット数)であれば「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。
なお、本実施形態では、変動表示部が、3個のリール3L,3C,3Rと、各列において3個ずつの図柄を表示可能とするメイン表示窓4とを有することで、3行×3列の態様で図柄を表示するものとしていたが、変動表示部における図柄表示態様はこれに限られない。例えば、リール数を1個、2個、あるいは4個以上とし、また、例えば、各列における図柄の表示数を1個、2個、あるいは4個以上とすることで上述の態様とは異なる態様で図柄を表示することもできる。また、この場合、定義可能な有効ライン数も適宜増減する。
また、本実施形態では、変動表示部が、各リール3L,3C,3Rを回転させることによって図柄を変動表示するものとしていたが、変動表示部の構成はこれに限られない。例えば、後述のメイン表示装置210やサブ表示装置220と同様の画像表示装置を用いた構成としてもよいし、その他の表示装置(例えば、有機ELや7セグメントLED等)を用いた構成としてもよい。また、例えば、その他の物理的装置(例えば、ベルト等)を用いた構成としてもよい。また、変動表示部の配置や大きさ等は適宜変更可能である。
また、本実施形態では、変動表示部が、後述の主制御回路100によって制御される、遊技に直接関連するメイン側表示部として機能とするものとしていたが、これとともに、後述の副制御回路200によって制御される、遊技に直接関連しない演出に関連するサブ側表示部としての変動表示部を設けるようにしてもよい。なお、サブ側表示部は、例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220を用いた構成とすることができる。すなわち、遊技者の開始操作(あるいは、その他開始条件の成立)に応じて図柄を変動表示させ、遊技者の停止操作(あるいは、その他停止条件の成立)に応じて図柄を停止表示させる変動表示部として、メイン側表示部のみならず、サブ側表示部を設けるようにしてもよい。なお、この場合、遊技者が変動表示部について遊技に直接関連するものであるか否かを識別可能とするため、メイン側表示部の近傍には、「回胴」ないし「メインリール」といった文字が表示された識別表示を付しておき、当該変動表示部がメイン側表示部であることを識別可能とすればよい。なお、このような識別表示は、メイン表示装置210やサブ表示装置220において表示されるようにしてもよい。
[1-1-4.メダル投入口]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受け入れるメダル投入口5を備える。なお、メダル投入口5及び後述のセレクタ31は、MAXベットボタン6aや1ベットボタン6bと同様に、1回の遊技に必要なメダル数をベットする機能を有することから、このような投入動作は、例えば、ベット操作と換言することもできる。したがって、メダル投入口5は、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)であるともいえる。なお、メダル投入口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
なお、本実施形態では、遊技に使用し、あるいは遊技結果に応じて付与される遊技価値として、遊技媒体としてのメダルを用いることを一例として説明しているが、このように用いられる遊技価値はこれに限られない。例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を用いることもできる。また、遊技価値は、単に「価値」、あるいは「遊技用価値」等と称することもできる。
[1-1-5.操作部]
パチスロ機1は、遊技者が操作可能な操作部として、例えば、以下に示す各操作部を備える。なお、以下に示す各操作部はあくまで一例であって、これらとは異なる操作部を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない操作部については、これを備えない構成としてもよい。
[1-1-5-1.ベットボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、その内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者のベット操作を受付けるMAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを備える。また、このようなベット操作は、後述のベットスイッチ6Sによって検出される。したがって、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6b、並びにベットスイッチ6Sは、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)を構成する。なお、ベットボタンは、あくまで遊技者のベット操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを設けているが、1ベットボタン6bを設けることなくMAXベットボタン6aのみを設けるようにしてもよい。また、2枚のメダルがベットされる2ベットボタンを別途設けるようにしてもよい。
[1-1-5-2.スタートレバー]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を開始させるための遊技者の開始操作を受付けるスタートレバー7を備える。また、このような開始操作は、後述のスタートスイッチ7Sによって検出される。したがって、スタートレバー7及びスタートスイッチ7Sは、遊技者の開始操作を検出可能な開始操作検出部(手段)を構成する。なお、スタートレバーは、あくまで遊技者の開始操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-3.ストップボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の停止操作を受付ける各ストップボタン8L,8C,8Rを備える。また、このような停止操作は、後述のストップスイッチ8Sによって検出される。したがって、各ストップボタン8L,8C,8R及びストップスイッチ8Sは、遊技者の停止操作を検出可能な停止操作検出部(手段)を構成する。なお、ストップボタンは、あくまで遊技者の停止操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-4.精算ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の精算操作(返却操作)を受付ける精算ボタン9を備える。また、このような精算操作は、後述の精算スイッチ9Sによって検出される。したがって、精算ボタン9及び精算スイッチ9Sは、遊技者の精算操作を検出可能な精算操作検出部(手段)を構成する。なお、精算ボタンは、あくまで遊技者の精算操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-5.演出用ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者の演出操作を受付ける演出用ボタン10a,10bを備える。なお、このような演出操作は、それぞれの演出用ボタンに対応して設けられた検出スイッチ(不図示)によって検出される。したがって、演出用ボタン10a,10b及び当該検出スイッチは、遊技者の演出操作を検出可能な演出操作検出部(手段)を構成する。なお、演出用ボタンは、あくまで遊技者の演出操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、2個の演出用ボタン10a,10bを設けているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出用ボタンを設けるように構成することもできる。
なお、演出用ボタンの主な用途としては、特定の演出(例えば、後述の操作連動演出)実行時に演出態様を変化させること、後述のユーザーメニューにおいて選択・決定操作を行うこと等である。したがって、用途に応じた演出用ボタンを設けるように構成することもできる。例えば、前者の用途では演出用ボタン10a,10bが使用されるものとし、後者の用途では上述のタッチパネルを使用するように構成することもできる。なお、後者の用途で用いるために、別の演出用ボタンとして、選択・決定操作を受付可能なジョグダイヤルや十字キー等を設けるように構成することもできる。
[1-1-6.メダル払出口]
上述のとおり、パチスロ機1は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出するメダル払出口11を備える。なお、入賞が発生してメダルを払出す場合、メダル払出口11は、後述のホッパー装置32から払出されたメダルを遊技者に付与するものであることから、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、メダル払出口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-7.メダル受皿]
上述のとおり、パチスロ機1は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留するメダル受皿12を備える。すなわち、メダル受皿12は、付与された遊技価値を貯留可能な貯留部(手段)を構成する。なお、メダル受皿の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-8.腰部パネル]
上述のとおり、パチスロ機1は、例えば、機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための腰部ランプから構成される腰部パネル13を備える。なお、腰部パネル13は、基本的にはそのパチスロ機1がどういった機種であるかを遊技者にわかりやすく示すものであるが、例えば、腰部ランプの点灯態様により、あるいは、腰部パネル13そのものを画像表示装置等で構成することにより演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成することもできる。
[1-1-9.情報表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する情報表示装置14を備える。すなわち、情報表示装置14は、遊技に関する情報を表示可能な情報表示部(手段)を構成する。
情報表示装置14は、例えば、インサートランプと、スタートランプと、リプレイランプと、ベット数ランプと、クレジットランプと、払出数ランプと、指示モニタと、リミットランプ等を含んで構成される。
インサートランプは、点灯することでメダルの投入が可能であることを表示する。スタートランプは、点灯することでスタートレバー7の操作にともなって遊技の開始が可能であることを表示する。リプレイランプは、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを表示する。ベット数ランプは、点灯することでベットされたメダル数を表示する。クレジットランプは、その点灯態様によりクレジットされているメダル数を表示する。払出数ランプは、その点灯態様により遊技結果に応じて払出されたメダル数(払出数)を表示する。
また、指示モニタは、報知ランプ(停止操作表示部)と、区間ランプ(状態表示部)と、を含んで構成される。報知ランプは、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(例えば、AT状態)において、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で点灯することで、停止操作の情報を表示する。なお、「報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様」とは、例えば、押し順(本実施形態では、これを「打順」として説明する場合がある)「1st(第1停止操作をリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作をリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作をリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「3」を表示する等の態様のことである。なお、報知ランプは、クレジットランプや払出数ランプとは必ずしも別に設けられていなくともよい。例えば、クレジットランプ又は払出数ランプのいずれかを用いて、停止操作の情報を表示してもよい。
このように、本実施形態では、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下においては、後述の副制御回路200によって制御されるサブ側報知手段(例えば、メイン演出表示部21)のみならず、後述の主制御回路100によって制御されるメイン側報知手段としての指示モニタにおいても停止操作の情報が報知される。なお、メイン側報知手段における報知の態様と、サブ側報知手段における報知の態様とは、互いに異なる態様であってもよい。すなわち、メイン側報知手段では、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない。例えば、押し順「1st」を報知する場合、指示モニタにおいて数値「1」が表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もある。一方、サブ側報知手段では、停止操作の情報を直接的に報知すればよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合、メイン演出表示部21では、リール3Lに対して第1停止操作を行わせるための指示情報を直接的に報知すればよい。
また、区間ランプは、点灯することで現在の状態が後述の有利区間中であることを表示する。区間ランプは、例えば、後述の非有利区間から有利区間に移行するとき、当該有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯し、当該有利区間が終了して非有利区間に移行するとき、当該非有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで消灯する。なお、区間ランプの点灯タイミングはこれに限られない。例えば、非有利区間又は有利区間における後述の演出区間(通常有利区間)から最初に有利区間における後述の増加区間(AT状態)に移行するとき、当該増加区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯するものとしてもよい。すなわち、区間ランプは、演出区間であるか増加区間であるかを問わず有利区間中であることを報せるものであってもよいし、少なくとも最初の増加区間の開始からこれを含めた有利区間が終了するまでの期間を報せるものであってもよい。
また、リミットランプは、その点灯態様により後述のリミット処理が実行されたこと、あるいはその可能性を表示する。例えば、リミット処理が実行された場合に点灯することで遊技者に有利な状態(例えば、AT状態)がリミット処理の実行によって強制的に終了されたことを報せる。また、例えば、リミット処理の実行が近い場合に点滅することで当該有利な状態がリミット処理の実行によって強制的に終了される可能性が高いことを報せる。なお、これら以外にも点灯、点滅又は消灯の契機を設けることで、リミット処理に関するその他の情報を適宜報せることもできる。
[1-1-10.演出表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、演出画像を表示するメイン演出表示部21及びサブ演出表示部22を備える。メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22は、演出表示を行うことが可能な演出表示部(手段)を構成する。また、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。
メイン演出表示部21は、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を含んで構成される。また、メイン表示装置210は、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置された表示ユニットAと、画像表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより画像を出現させるスクリーン装置Cとを有するいわゆるプロジェクションマッピング装置として構成される。なお、本実施形態では、メイン表示装置210をこのように構成することで、高度で、かつ迫力のある演出表示を可能としているが、メイン表示装置210の構成はこれに限られない。すなわち、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能であればよく、液晶表示装置や有機EL等の画像表示装置や7セグメントLED等の表示装置として構成することもできるし、サブリール等の変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、例えば、いわゆる出目によって楽しませることを主体とする遊技性である等の場合には、メイン演出表示部21を設けないように構成することもできる(サブ演出表示部22も同様)。
サブ演出表示部22は、サブ表示装置220を含んで構成される。また、サブ表示装置220は、液晶表示装置として構成される。なお、サブ表示装置220もメイン表示装置210と同様に、他の画像表示装置や表示装置として構成することができるし、変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、メイン演出表示部21は、大画面で構成されていることから、押し順の報知や当り報知、あるいは連続演出等といった今回の遊技と密接に関連する演出を主として表示し、サブ演出表示部22は、小画面で構成されていることから、遊技履歴等といった今回の遊技とはそこまで密接に関連しない演出を主として表示するといったように、目的に応じて表示内容を分けて表示することが可能である。また、本実施形態では、メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22の2個の演出表示部を設けるように構成しているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出表示部を設けるように構成することもできる。
[1-1-11.ランプ]
上述のとおり、パチスロ機1は、一例として挙げた上部ランプ23のように、その発光態様(点灯、点滅、あるいは消灯のみならず、フルカラーLEDとして構成される場合にはその輝度や発光色を含む)によって演出を行うことが可能な一又は複数のランプ(発光手段)を備える。また、このような発光手段は、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
なお、後述のランプ・LED類に含まれるその他のランプとしては、例えば、上ドア機構UDの両側端面や下ドア機構DDの両側端面に設けられたサイドランプや各操作部内に設けられた操作部ランプ等を挙げることができる。なお、後者は、それぞれの操作部が操作可能であるか否かを遊技者に報せる機能を含むことから、このような機能を発揮させる場合には演出内容に応じて発光態様を変動させず、一義的な発光態様によって発光するように制御することができる。
[1-1-12.スピーカ]
上述のとおり、パチスロ機1は、効果音やBGM等の音声を出力するスピーカ35a,35bを備える。スピーカ35a,35bは、音声の出力によって演出を行うことが可能な音声出力手段を構成する。また、遊技者に対し聴覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
[1-1-13.その他演出装置]
なお、パチスロ機1では、上述の各種演出装置(演出実行手段)以外の演出装置を設けることもできる。例えば、いわゆる役物といった可動演出装置、振動により演出を行う振動演出装置、あるいは空気を噴射することで演出を行うエアー演出装置等の演出装置を設け、演出を実行することも可能である。すなわち、遊技者の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のいずれかに訴えかけることができる(遊技者に演出が実行されていることを認識可能とさせる)演出を実行可能な演出装置であれば、それらのうちいずれを用いることもできる。したがって、本実施形態において「演出を実行する」とは、特段の説明がない限り、上述の各種演出装置(演出実行手段)のうち、一又は複数の演出装置のいずれの演出装置を用いて演出を実行してもよいこと示している。
[1-2.内部構造]
[1-2-1.セレクタ]
セレクタ31(図2において符号省略)は、メダル投入口5から投入されたメダルの流下路であって、下ドア機構DDの背面側に設けられている。セレクタ31は、例えば、後述のメダルセンサ31Sと、振分装置とを有している。
メダルセンサ31Sは、メダル投入口5から投入されたメダルを検出するとともに、検出されたメダルが適切なメダルであるか否かを判定する。振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルであると判定された場合であって、メダルの受入れが可能な状態である場合、当該メダルが後述のホッパー装置32側に案内されるように駆動制御される。なお、この場合、ベット数あるいはクレジット数が1加算される。一方、振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルでないと判定された場合、及びメダルの受入れが可能な状態でない場合、当該メダルがキャンセルシュートを通ってメダル払出口11から返却されるように駆動制御される。メダルセンサ31Sによるメダルの検出に異常が発生した場合にはセレクタエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、セレクタ31は、投入された遊技媒体を検出可能な遊技媒体検出部(手段)を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正であるか否かを判定可能な判定手段を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正である場合には内部に貯留する一方、投入された遊技媒体が適正でない場合には外部に排出する振分手段を構成する。また、セレクタ31の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-2.ホッパー装置]
ホッパー装置32は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。ホッパー装置32は、例えば、メダル投入口5から投入され、セレクタ31によって案内されたメダルを貯留するバケット部と、バケット部の底部に設けられ、バケット部に貯留されたメダルを撹拌するとともに、1枚ずつ排出部に案内するディスク部と、ディスク部によって案内されたメダルを1枚ずつ排出する排出部と、排出部から排出されたメダルをカウントするカウントセンサとを有している。
バケット部は、一定数のメダルを貯留可能に構成される。一定数を超えたメダルは、上面側に設けられた案内通路を通って後述のメダル補助収納庫33に案内される。なお、バケット部に貯留されたメダルが空となった場合にはホッパーエンプティエラーが発生する。なお、この場合、メダルを補充した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
ディスク部は、中心から放射状にメダル形状のくり抜き部が複数形成され、駆動信号にしたがって中心軸が回転駆動されることで、くり抜き部に嵌ったメダルを1枚ずつ排出部に案内する。なお、ディスク部が回転することでバケット部に貯留されたメダルが撹拌される。また、ディスク部の回転に異常が発生した場合にはホッパージャムエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
カウントセンサは、排出部から排出されたメダルを検出するとともに、その枚数をカウントする。例えば、1枚のメダルを払出す場合、ディスク部が回転を開始し、続いてカウントセンサが1枚のメダルの払出をカウントしたことに応じてディスク部の回転が停止する。このようにして、適正枚数のメダルが払出されるようにしている。
すなわち、ホッパー装置32は、遊技媒体を払出可能な遊技媒体払出部(手段)を構成する。また、上述のとおり、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、ホッパー装置32の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-3.メダル補助収納庫]
メダル補助収納庫33は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。メダル補助収納庫33は、例えば、ホッパー装置32のバケット部から案内されたメダルを収納する収納部と、収納部の近傍に設けられ、収納部に収納されたメダルの容量を検出するメダル補助収納庫スイッチ33Sとを有している。
収納部は、一定数のメダルを収納可能に構成される。メダル補助収納庫スイッチ33Sにより、当該一定数以上のメダルが収納されたと判定された場合にはメダル補助収納庫エラーが発生する。なお、この場合、収納部に収納されたメダルを少なくとも一定数未満に減らした上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、メダル補助収納庫33は、余剰の遊技媒体を貯留可能な余剰遊技媒体貯留部(手段)を構成する。なお、メダル補助収納庫33の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-4.電源装置]
電源装置34は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。電源装置34は、例えば、電源基板34aと、電源スイッチ34bとを有しており、電源スイッチ34bがオンされることに応じてパチスロ機1に電力を供給する。なお、電源装置34は、家庭用電気製品等と同じく電源ケーブル(不図示)から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。すなわち、電源装置34は、必要な電力を遊技機に供給可能な電源部(手段)を構成する。なお、電源装置34の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
なお、本実施形態では、後述の設定用鍵型スイッチ52やリセットスイッチ53が主制御基板71(より詳細には後述の主制御基板ケース上)に設けられるように構成しているが、これらのスイッチを電源装置34に設けるように構成することもできる。
[1-2-5.基板]
パチスロ機1は、各種制御に必要な基板として、例えば、以下に示す各基板を備える。なお、以下に示す各基板はあくまで一例であって、これらとは異なる基板を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない基板については、これを備えない構成としてもよい。
[1-2-5-1.主制御基板]
主制御基板71は、キャビネットG内において、リールユニットRUの背面側に取付けられている。なお、主制御基板71は、遊技に関する制御を行う遊技制御基板であり、その状態が視認可能となるように透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製の主制御基板ケース(不図示)内に収容されている。主制御基板71の電気的構成については後述する。
なお、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、基本的に各種電子部品がDIP実装されて構成されるものとなっているが、各種電子部品の一部又は全部についてSMT実装(表面実装)されて構成されるものとしてもよい。また、この場合、テスターやオシロスコープを用いて動作確認を行うためのテストポイントを設けるようにしてもよい。また、各種電子部品の一部又は全部について6平方mmを超えない小さい電子部品を使用してもよい。また、主制御基板71の基板面を多層化して構成してもよい。
[1-2-5-2.副制御基板]
副制御基板72は、キャビネットG内において、中間支持板G1の裏面側に取付けられている。なお、副制御基板72は、演出に関する制御を行う演出制御基板であり、樹脂製の副制御基板ケース(不図示)内に収容されている。なお、副制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成することもできるし、不透明(あるいは略不透明)に構成された他の材料を用いたケースとして構成することもできる。副制御基板72の電気的構成については後述する。
[1-2-5-3.その他基板]
(主中継基板)
主中継基板73(図2において符号省略)は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、主中継基板73に接続された各種デバイス等と主制御基板71との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、主中継基板73は、制御効率や配線効率の便宜から主制御基板71とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ主中継基板73の機能を全て主制御基板71にもたせ、主中継基板73を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、主中継基板73をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、主中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(副中継基板)
副中継基板74は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、副中継基板74に接続された各種デバイス等と副制御基板72との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、副中継基板74は、制御効率や配線効率の便宜から副制御基板72とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ副中継基板74の機能を全て副制御基板72にもたせ、副中継基板74を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、副中継基板74をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、副中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(外部集中端子板)
外部集中端子板55は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下部空間の奥側)に取付けられており、例えば、メダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1~4及びセキュリティ信号等の信号をパチスロ機1の外部へ出力する。なお、外部信号1~4は、その出力開始条件及び出力終了条件を適宜設定可能であり、その遊技性に応じてパチスロ機1の内部状態(例えば、ボーナス状態やAT状態)の遷移を外部に報せることを可能としている。そして、外部集中端子板55は、通常、外部のデータ表示機やホールコンピュータに接続されることから、これらの機器においても、パチスロ機1におけるメダルの投入・払出状況やエラーの発生状況のみならず、そのような内部状態の遷移状況が認識可能となっている。
(試験機用インターフェースボード)
試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302は、ともにパチスロ機1の検定試験(試射試験)において、遊技に関する各種信号を試験機に出力する際に用いられる中継基板である(なお、販売用のリリース製品としてのパチスロ機1にはこれらの中継基板は搭載されていないので、販売用の主制御基板71には、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302に接続するために必要な各種電子部品もまた実装されていない)。例えば、遊技に係る主要な動作(例えば、内部抽籤、リール停止制御等)を制御するための試験信号は、試験機用第1インターフェースボード301を介して出力され、また、主制御基板71で決定された押し順ナビに係る試験信号等は、試験機用第2インターフェースボード302を介して出力される。
[2.パチスロ機の電気的構成]
続いて、図3を参照して、パチスロ機1の電気的構成について説明する。なお、図3は、パチスロ機1の電気的構成を示すブロック図である。
上述のとおり、パチスロ機1は、主制御基板71と、副制御基板72と、主中継基板73と、副中継基板74とを有している。主制御基板71と主中継基板73、主中継基板73と副中継基板74、及び副中継基板74と副制御基板72は、それぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板71と副制御基板72は、主中継基板73及び副中継基板74を介して、主制御基板71から副制御基板72に対して一方向のシリアル通信が可能となるように電気的に接続されている。
主制御基板71には、遊技に関する制御を行う遊技制御部としての主制御回路100が実装されている。主制御回路100は、例えば、メインCPU101、メインROM102、メインRAM103、クロックパルス発生回路(不図示)、乱数回路(不図示)等を含んで構成される。メインROM102には、メインCPU101により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM103には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。クロックパルス発生回路は、メインCPU101作動用のクロックパルス信号を生成する。乱数回路は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535又は0~255等)を発生させる。メインCPU101は、生成されたクロックパルス信号に基づいて各種制御プログラムを実行する。また、発生された乱数の中から必要に応じて一又は複数の値を乱数値として抽出する。このようにして、遊技動作全般に係る制御を行う。
副制御基板72には、演出に関する制御を行う演出制御部としての副制御回路200が実装されている。副制御回路200は、例えば、サブCPU201、サブRAM203等を含んで構成される。また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202が接続されている。ロムカートリッジ基板202には、サブCPU201により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、各種演出データ(例えば、メイン表示装置210に係る映像データや駆動データ、サブ表示装置220に係る映像データ、ランプ・LED群に係るランプデータ、スピーカ群に係るサウンドデータ等)等が記憶される。サブRAM203には、制御プログラムの実行により決定された演出内容や各種演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される各種制御指令(コマンド)に係るデータを格納する格納領域等が設けられる。なお、演出に係る演出用乱数値については、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~32767等)の中から、サブCPU201内で発生及び抽出が行われるようにしてもよいし、主制御回路100と同様に乱数回路を設けることでその発生及び抽出が行われるようにしてもよい。また、ロムカートリッジ基板202ではなく、副制御回路200内にサブROMが含まれるようにし、各種制御プログラム等はサブROMに記憶されるように構成してもよい。また、ロムカートリッジ基板202に各種演出データを記憶させ、副制御回路200内のサブROMに各種制御プログラム及び各種データテーブルを記憶させるように構成してもよい。また、副制御回路200には、GPU等の画像専用のマイクロプロセッサ(例えば、「VDP」とも称される)が含まれるようにし、これによってメイン表示装置210やサブ表示装置220で表示される映像を生成(編集)するように構成してもよい。
主制御基板71には、ステッピングモータ51L,51C,51R、設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、役比モニタ装置54、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34が電気的に接続されている。また、主制御基板71には、主中継基板73を介して、ドア開閉監視スイッチ56、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14が電気的に接続されている。なお、仮に試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302が搭載される場合には、例えば、主中継基板73を介して主制御基板71に電気的に接続される。
なお、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
各ステッピングモータ51L,51C,51Rは、それぞれ所定の減速比をもったギアを介して各リール3L,3C,3Rに接続され、その駆動により各リール3L,3C,3Rを回転及び停止させる。なお、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、各リール3L,3C,3Rが一定の角度で回転することから、メインCPU101は、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対してパルスを出力した回数をカウントし、このカウント結果に基づいて各リール3L,3C,3Rの図柄位置を管理する。また、各リール3L,3C,3Rには、このような管理を行うための初期位置を定めるリールインデックス(不図示)と、リールインデックスの位置を検出するためのインデックスセンサ(不図示)が設けられる。
設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ機1の設定値(例えば、6段階の設定1~設定6)を変更するとき(設定変更)、もしくは、パチスロ機1の設定を確認するとき(設定確認)に使用される。ここで、設定値は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示すものであり、通常は、設定値が低いほど(例えば、設定1に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に低くなり、設定値が高いほど(例えば、設定6に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に高くなる。設定用鍵型スイッチ52は、例えば、遊技店側の管理者が鍵穴に設定キー(不図示)を挿入して初期位置から左に回すとオン状態となり、左に回した状態から初期位置に戻すとオフ状態となる。なお、パチスロ機1の電源がオフ状態のとき、設定用鍵型スイッチ52をオン状態としてから電源をオン状態とすると設定変更が可能な状態となり、パチスロ機1の電源がオン状態のままで設定用鍵型スイッチ52をオン状態とすると設定確認が可能な状態となる。
リセットスイッチ53は、遊技店側の管理者によるリセット操作を検出可能としている。リセット操作は、各種のエラー状態を解除するための操作である。また、リセットスイッチ53は、設定変更が可能な状態において、遊技店側の管理者による設定値決定操作を検出可能としている。なお、設定変更が可能な状態においてリセットスイッチ53が操作されると、操作される度に設定値が順次1ずつ増加する(設定6まで到達すると次は設定1に戻る)。このようにして、設定値決定操作が行えるようになっている。また、このように決定された設定値は、その後スタートレバー7が1回操作されると確定する。すなわち、スタートスイッチ7Sは、遊技店側の管理者による設定値確定操作を検出可能としている。このように、設定変更を行う場合には、設定用鍵型スイッチ52をオン状態とし、リセットスイッチ53を操作して設定値を選択し、スタートレバー7を操作して選択した設定値を確定させた後、設定用鍵型スイッチ52をオフ状態とするといった設定変更操作が必要となっている。なお、これは、設定変更操作の一例であり、他の操作によって設定変更を行い得るように構成することもできる。また、設定変更や設定確認に際しては、例えば、上述のクレジットランプあるいは払出数ランプにおいて現在の設定値が表示されるものすればよい。
役比モニタ装置54は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、主制御基板ケースの内部に設けられる。役比モニタ装置54は、メインCPU101によって集計・算出された遊技に関する各種割合情報を順次表示する。これらの割合情報は、遊技店の管理者がパチスロ機1に不正改造がないかを確認する際等に使用される。なお、役比モニタ装置54は、主制御基板71上に実装されるようにしてもよいし、主制御基板71に接続された他の基板(例えば、割合表示基板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、主制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、役比モニタ装置54における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に上述の各種割合情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14を役比モニタ装置54と兼用して用いる構成としてもよい。また、電源投入直後又は電源投入から所定時間(例えば、10秒程度。主制御回路100及び副制御回路200の立ち上げに要する時間を考慮したバッファとなる時間)の経過後に、役比モニタ装置54の4桁の7セグメントLEDが正常に機能していることを確認可能とするため、例えば、「8.8.」といったようなテストパターン(全てのセグ及びデシマルのLEDが点灯するパターン)で所定期間点灯(ないし点滅)させる構成とすることが望ましい。
役比モニタ装置54では、例えば、上位2桁にはその割合情報の種類が表示され、下位2桁にはその割合情報を示す値(%)が表示される。ここで、役比モニタ装置54に表示される各種割合情報には、例えば、累計の特定区間割合情報、直近6000ゲーム間の連続役物割合情報及び役物割合情報、累計の連続役物割合情報及び役物割合情報等がある。
特定区間割合情報とは、対象の遊技数(例えば、「累計」であれば175000ゲーム。「直近6000ゲーム」であれば6000ゲーム。以下同じ)の遊技区間のうち、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)の遊技数(あるいは、単に有利区間中の遊技数であってもよい)の割合を示す情報である。また、連続役物割合情報とは、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)の作動中(第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む)に払出されたメダル数の割合を示す情報である。また、役物割合情報は、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)、第二種特別役物(CB)、及び普通役物(SB)の作動中に払出されたメダル数の割合を示す情報であり、ここでの第一種特別役物(RB)の作動中とは、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む概念であり、また、第二種特別役物(CB)の作動中とは、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)が作動している状態における第二種特別役物(CB)の作動中を含む概念である。
なお、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)を役物の作動中、あるいは役物連続作動装置の作動中としてとらえ、それぞれの割合情報において集計・算出の対象とすることもできる。すなわち、役比モニタ装置54は、必要な割合情報を適切に表示するものであればよく、表示可能な各種割合情報はこれらに限定されない。また、例えば、第一種特別役物(RB)が搭載されていない機種において連続役物割合情報を表示する場合、あるいは有利区間機能(AT機能)が搭載されていない機種において特定区間割合情報を表示する場合等、該当する数値情報(対応情報)が存在しない機種においては、当該項目の表示時に、4桁の7セグメントLEDのうちの数値情報(割合を示す%情報)を表示する下2桁の7セグメントLEDにおいて、例えば、「- -」といったように、中央の縦棒2本を点灯表示させる等の非対応情報用識別表示を行うことで、対応情報が存在しない機種である点を確認者が一目で認識可能とすることが望ましい。
ドア開閉監視スイッチ56は、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの背面側に設けられるように構成してもよいし、キャビネットG側に設けられるように構成してもよい。また、上ドア機構UDにも同様のドア開閉監視スイッチが設けられるように構成してもよい。ドア開閉監視スイッチ56は、下ドア機構DDが開放状態となったときにオン状態となり、閉鎖状態となったときにオフ状態となることで、下ドア機構DDの開閉を監視する。なお、ドア開閉監視スイッチ56がオン状態となるとドア開放エラーが発生する。この場合、下ドア機構DDを閉鎖状態とすると当該エラー状態が解除される。
副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220が電気的に接続されている。また、副制御基板72には、副中継基板74を介して、24hドア監視ユニット61、演出用ボタン10a,10b等の演出用ボタン群、上部ランプ23等のランプ・LED類、スピーカ35a,35b等のスピーカ群が電気的に接続されている。
なお、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220、演出用ボタン群、ランプ・LED類及びスピーカ群についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
24hドア監視ユニット61は、ドア開閉監視スイッチ56と同様に、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの開閉を監視するという機能を有する点においてはドア開閉監視スイッチ56と同じであるが、このような監視を副制御回路200側でも行い得るようにすることで、さらに下ドア機構DDの開閉履歴を一定期間保存することができるようにしている。なお、この開閉履歴は、後述のホールメニューから確認することができる。したがって、例えば、営業時間外であって、遊技店の管理者が退出した後に開放履歴があった場合や、営業時間内において長時間にわたって開放された開閉履歴があった場合には、これにより不正行為が行われた可能性が高いことを認識できるようになっている。
[3.パチスロ機の機能フロー]
続いて、図4を参照して、パチスロ機1の機能フローについて説明する。なお、図4は、パチスロ機1の機能フローを説明するための図である。
遊技者によりパチスロ機1にメダルが投入され(ベット操作が行われ)、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、予め定められた範囲(例えば、0~65535)の乱数から1つの乱数値(本実施形態では、これを「内部抽籤用乱数値」として説明する場合がある)が抽出される。
内部抽籤手段(後述の内部抽籤処理を行うメインCPU101)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、有効ライン上に表示されることが許可される図柄の組合せが事前に決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられる。なお、メダルの払い出しに係る役を「小役」と称し、再遊技(リプレイ)の作動に係る役を「リプレイ役」と称し、ボーナス(ボーナス状態)の作動に係る役を「ボーナス役」と称する。また、内部当籤し得る役(すなわち、成立が許可される図柄の組合せ)は、単に「役」と称されることがある。また、内部当籤役は、「当籤役」、「事前決定結果」、あるいは「導出許容条件」等と称されることがある。また、内部抽籤手段は、「役決定手段」、「当籤役決定手段」、「事前決定手段」、あるいは「導出許容条件決定手段」等と称されることがある。
また、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりリール(各リール3L,3C,3R)に対応するストップボタン(各ストップボタン8L,8C,8R)が操作される(停止操作が行われる)と、リール停止制御手段(後述のリール停止制御処理を行うメインCPU101)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミング(あるいはその押し順を含む)とに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。なお、開始操作を行うための操作手段は、スタートレバー7のようにレバー形状をしたものに限られず、遊技者が開始操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。また、停止操作を行うための操作手段は、各ストップボタン8L,8C,8Rのようにボタン形状をしたものに限られず、遊技者が停止操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。
パチスロ機1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転にともなって移動する図柄の数を「滑り駒数」という。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ライン上に極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ライン上に表示されないようにリールの回転を停止させる。なお、リールの回転が停止したときに表示された図柄は、「停止表示」、あるいは「表示結果」等と称されることがある。また、リールの回転が停止したときに図柄が表示されることは、「停止表示の導出」、あるいは「表示結果の導出」等と称されることがある。
また、リール停止制御手段は、リールが回転してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合には、遊技者が停止操作を行っていない場合でも、自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の停止操作を介さずにリールが停止することとなるため、いずれかの内部当籤役が決定されている場合であっても、いずれの入賞に係る図柄の組合せも有効ラインに沿って表示されていないようにリールの回転を停止させることが望ましい。
このようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述の入賞作動判定処理を行うメインCPU101)は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)であるか否かの判定を行う。すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立したか否かの判定を行う。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)である(すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立した)と判定されると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられ、あるいは、それを契機として各種の制御が行われる。パチスロ機1では、一例として、以上のような一連の流れで1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、入賞判定手段は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、単に予め定められた複数の図柄の組合せのうちのいずれかの図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよいし、内部抽籤手段によって決定された内部当籤役に係る図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよい。すなわち、前者では、内部当籤役と切り離して、入賞に係る図柄の組合せであるか否かを判定するものであってもよい。この場合、リール停止制御手段によって適切に停止制御が行われる限り、誤入賞の発生の防止は十分に担保され得ることから、誤入賞検知に係る制御負担を低減させることが可能となる。一方、後者では、入賞に係る図柄の組合せが、入賞が許可されていた図柄の組合せであるか否かも判定可能とすることで、リールの不具合等により誤入賞が発生した場合に、その誤入賞を検知することができるため、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
また、パチスロでは、前述した一連の遊技動作の流れの中で、表示装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220等)による映像の表示、各種ランプ(例えば、上部ランプ23等)による光の出力、スピーカ(例えば、スピーカ35a,35b等)による音の出力、或いは、これらの組合せを利用して様々な演出が行われる。すなわち、これらは演出を実行する演出実行手段である。なお、演出実行手段により実行される演出の内容は、主制御回路100側(メイン側)で決定される場合もあれば、副制御回路200側(サブ側)で決定される場合もある。すなわち、これらはそのいずれもが演出内容決定手段となり得る。
例えば、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、内部抽籤用乱数値とは別に、演出用乱数値が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応付けられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤によって(あるいは予め定められた決定条件にしたがって)決定する。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、例えば、内部当籤役に対応付けられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(狙うべき図柄の組合せや操作すべき押し順等と換言することもできる)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[4.パチスロ機の遊技性に関する基本仕様]
続いて、パチスロ機1の遊技性に関する基本仕様について説明する。
[4-1.図柄配置]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数の図柄が変動表示及び停止表示されることで遊技が行われる仕様となっている。したがって、主制御回路100は、各リール3L,3C,3Rにおいて、どの図柄がどの位置に配置されているかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、少なくとも各リール3L,3C,3Rそれぞれの各図柄位置にある図柄の種類を識別するためのデータが記憶されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄配置テーブル(図9参照)を用いている。
図柄配置テーブルには、各リール3L,3C,3Rそれぞれの回転方向における各図柄位置を示す図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)が規定されている。また、各図柄位置データに対して図柄の種類を特定するためのデータ(例えば、図柄コード)が対応付けられている。また、図柄配置テーブルでは、リールインデックスが検出されたときにメイン表示窓4の枠内における各リールの中段領域に位置する図柄の位置を「0」と規定している。なお、各列の図柄数、図柄の種類数、あるいは最大滑り駒数等は適宜変更して規定可能である。
[4-2.図柄組合せ]
上述のとおり、パチスロ機1では、表示された図柄の組合せが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、表示された図柄の組合せに応じて、各種特典を付与したり、現在の状態から相対的に有利な状態に移行させたり、現在の状態から相対的に不利な状態に移行させたりすることを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような図柄の組合せについて把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような図柄の組合せを特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄組合せテーブル(図11~図14参照)を用いている。
図柄組合せテーブルには、有効ライン上に表示され得る図柄の組合せのうちで予め定められた複数の図柄の組合せの種類を示すデータ(例えば、「表示役」あるいは「入賞作動フラグ」)が規定されている。なお、それぞれの図柄の組合せを構成する図柄は、例えば、上述の図柄コード等を用いて特定することができる。また、各図柄の組合せに対して特典等の種類を示すデータ(例えば、「払出等」)が対応付けられている。また、図柄組合せテーブルは、基本的に後述の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域(図17参照)と対応するデータ構成となっている。なお、図柄の組合せの種類数、あるいは特典の付与内容等は適宜変更して規定可能である。
[4-3.内部当籤役]
上述のとおり、パチスロ機1では、いずれの図柄の組合せが表示されることが許可されるか(事前に決定されるか)が遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、遊技者の停止操作に先立って(事前に)、内部当籤役(すなわち、表示され得る図柄の組合せの種類(あるいは、付与され得る特典の種類))を決定することを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような内部当籤役について把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような内部当籤役を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の内部抽籤テーブル(図10参照)を用いている。
内部抽籤テーブルには、予め定められた複数の内部当籤役の種類を示すデータ(例えば、「No.」あるいは「当籤番号」)と、各遊技状態において各内部当籤役が決定される抽籤値とが規定される。なお、抽籤値は、設定された設定値によっても変動する場合がある。また、各内部当籤役に対して表示が許可される(対応する)図柄の組合せの種類が対応付けられている。なお、パチスロ機1では、1つの内部当籤役に対して複数の図柄の組合せを対応付けることを可能としており、このような内部当籤役が決定された場合、いずれの図柄の組合せが表示されるかは停止制御によって決定されるものとなっている。
ここで、例えば、本実施形態の後述の内部抽籤処理(図26参照。より詳細には、S64の内部当籤役決定処理)では、まず、乱数回路によって予め定められた数値の範囲(例えば、0~65535)から抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次加算更新する。次いで、抽籤結果(抽籤値+乱数値)が65535を超えたか否か(抽籤結果がオーバーフローしたか否か)の判定を行う。そして、所定の内部当籤役において、当該判定の結果が65535を超えた場合、当該内部当籤役に当籤させる(当該内部当籤役を決定する)。もっとも、全ての内部当籤役について当該判定を行っても65535を超えるものがなかった場合、今回の遊技における内部当籤役は「はずれ」となる。なお、これはあくまで内部抽籤処理の一例であり、抽籤値(当籤確率)に応じて適切な抽籤が行われる限り、その抽籤処理の手法は種々の手法を採用することができる。例えば、抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次減算更新し、次いで、減算結果(抽籤結果)が0を下回ったか否か(抽籤結果がアンダーフローしたか否か)を判定して、内部当籤役を決定してもよい。
このように、内部抽籤テーブルにおいては、規定されている抽籤値の数値が大きい内部当籤役ほど決定される確率(当籤確率)が高くなる。なお、各内部当籤役の当籤確率は、「各当籤番号に規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:65536)」によって表すことができる。
[4-4.停止制御]
上述のとおり、パチスロ機1では、内部当籤役の決定によって表示されることが許可された図柄の組合せのうち、遊技者の停止操作によって最終的にいずれの図柄の組合せを表示させるかが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、決定された内部当籤役の種類のみならず、遊技者の停止操作タイミングや押し順(「停止操作態様」や「停止操作手順」とも称される)によって最終的に表示される図柄の組合せの種類を変動させる(決定する)制御(停止制御)を行うことを可能としている。したがって、主制御回路100は、各内部当籤役に対して、遊技者の停止操作態様に応じてどのような態様で停止制御を行うかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような停止制御の態様を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として停止テーブルや引込優先順位テーブル(不図示)等を用いている。
停止テーブルには、各リール3L,3C,3Rの各図柄位置データに対して、図柄の移動量を示すデータ(例えば、「滑り駒数」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の停止テーブルが選択されたとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置(停止操作が行われたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データ)が「0」であったとする。そして、所定の停止テーブルにおいて、図柄位置データ「0」に規定された滑り駒数が「4」であったとする。そうすると、主制御回路100は、4図柄分移動した図柄位置(図柄位置データ「4」の位置)でリール3Lを停止させる(停止予定位置が「4」となる)ように制御を行う。このように、停止テーブルには、停止させる位置を直接的に決定することを可能とするデータ(滑り駒数)が規定されている。なお、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような停止テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「テーブル制御」と称される。
引込優先順位テーブルには、表示されることが許可された図柄の組合せが複数ある場合に、いずれの図柄の組合せを優先的に表示させるか(引込むか)を示すデータ(例えば、「引込優先順位」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の引込優先順位テーブルが選択されたとする。ここで、所定の内部当籤役は、図柄組合せAと図柄組合せBの表示を許可するものとし、所定の引込優先順位テーブルは、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるように引込優先順位が規定されているものとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置が「0」であったとする。
そうすると、主制御回路100は、停止開始位置を含めた最大滑り駒数(例えば、「4」)の範囲内の各図柄位置について、図柄組合せAを構成する図柄と図柄組合せBを構成する図柄があるかどうかを検索する。双方の図柄がなければ、予め定められたルール(例えば、より近い位置で停止させる、より遠い位置で停止させる等)にしたがって停止させる位置を決定する。図柄組合せAを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。図柄組合せBを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。双方の図柄があれば、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるのであるから、図柄組合せBを構成する図柄に対応する位置で停止させることを決定する。なお、引込優先順位は、選択された引込優先順位テーブルにしたがって、対象となるリールの回転中に全図柄位置について格納されるようにしてもよいし、対象となるリールに対して停止操作が行われたときに、停止開始位置を含めた最大滑り駒数の範囲内の各図柄位置について格納されるようにしてもよい。また、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような引込優先順位テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「コントロール制御」と称される。
なお、本実施形態では、「テーブル制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできるし、「コントロール制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできる。あるいは、まず「テーブル制御」を行うことによって停止させる位置を仮決定し、次に「コントロール制御」を行うことによってより適切な停止位置があるかを検索し、検索結果によっては停止させる位置を変更することを可能とする停止制御を実行する構成とすることもできる。
このように、パチスロ機1では、最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せがどの図柄の組合せとなるかは、例えば、以下の3つの要素に基づいて決定される。
第1の要素は、決定された内部当籤役(内部抽籤処理の抽籤結果)である。例えば、内部抽籤処理の結果が「はずれ」であった場合、いずれかのリプレイ役に係る図柄の組合せ、小役に係る図柄の組合せ又はボーナス役に係る図柄の組合せが最終的に有効ライン上に表示されることはない。なお、「はずれ」は、内部当籤役の1つであると捉えることもできるし、内部当籤役が決定されなかった抽籤結果であると捉えることもできる。
第2の要素は、遊技者の停止操作タイミング(遊技者がいずれかのストップボタンを操作したときの図柄の位置(押下位置))である。例えば、本実施形態においては、最大滑り駒数として図柄4個分が定められているため、内部抽籤処理の結果、いずれかの内部当籤役に当籤していたとしても、表示が許可されている図柄の組合せを構成する図柄が有効ライン(複数ある場合には各有効ライン)に対して図柄4個分を超えて配置されていた場合には、遊技者の停止操作タイミングによっては当該図柄の組合せが表示されない場合がある。これをいわゆる「取りこぼし」という。
第3の要素は、遊技者の押し順(遊技者がストップボタンを操作した順番)である。例えば、本実施形態においては、複数の図柄の組合せが対応付けられた内部当籤役が決定される場合があり、この場合には、遊技者の押し順に応じて最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せが変動する場合がある。なお、このような内部当籤役を「押し順役」といい、それがリプレイ役の場合には「押し順リプレイ」と称されることがあり、小役の場合には「押し順小役」と称されることがある。
[4-5.遊技状態]
パチスロ機1では、遊技者の有利度合いを変動させるため、あるいは企図した遊技性とするために、遊技を行う状態として種々の遊技状態を設けることが可能となっている。以下、その遊技状態の一例について説明する。
[4-5-1.ボーナス状態]
パチスロ機1では、ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、ボーナス状態に移行させる(ボーナス状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなボーナス状態を設けないように構成することもできる。また、複数種類のボーナス役を設けることで、複数のボーナス状態を設けるように構成することもできる。ボーナス役に当籤すると、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまで複数回の遊技にわたって当該ボーナス役が内部当籤役として持越された状態(持越状態)が発生する。このようなボーナス役は「持越役」と称されることがある。また、このような持越状態は「(ボーナス)フラグ間」や「(ボーナス)内部中」等と称されることがある。
ボーナス状態は、ボーナス状態が作動していない状態(非ボーナス状態)に対して小役の抽籤態様(当籤確率やその内容、あるいは停止制御の態様等も含む。以下同じ)を変動させることが可能な状態となっている(リプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態ともなっているため、ボーナス状態を後述のRT状態の一態様として捉えることもできる)。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも不利な遊技状態となる。
ボーナス役としては、例えば、第一種特別役物(RB)、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)、第二種特別役物(CB)(ただし持越役ではない)、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)、及び普通役物(SB)(ただし持越役ではない)等を挙げることができる。また、例えば、各ボーナス役に対応するボーナス状態は以下のように構成される。RB状態は、予め定められた任意の入賞回数(例えば、上限は8回)又は予め定められた任意の遊技回数(例えば、上限は12回)の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。BB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は285枚)を超えるメダルの払出があった場合に終了する遊技状態として構成される。
CB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。MB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は153枚)を超えるメダルの払出があった場合、あるいはMB状態中にRBやSBに当籤した場合に終了する遊技状態として構成される。SB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。
なお、ボーナス状態の作動条件は、ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことのみに限られない。例えば、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動中においては、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動開始時、第一種特別役物の作動中ではない場合の遊技開始時、あるいは第一種特別役物の作動終了時等において自動的に第一種特別役物(RB)を作動させるように構成することもできる。すなわち、RBに係る図柄の組合せを規定することなく、BBの作動中は常にRBの作動中となるように制御することもできる。ここで、BB作動中のRBは「JAC」等と称されることがあり、このように自動的にBB作動中のRBが作動する仕様は「オートJAC」等と称されることがある。また、BBの作動中においては、規定されたRBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってRBの作動中となるように制御することもできる。このように対応する図柄の組合せの表示に基づいてRBが作動する仕様は「マニュアルJAC」等と称されることがある。また、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)と、第二種特別役物(CB)との関係も同様である。すなわち、CBに係る図柄の組合せを規定することなく、MBの作動中は常にCBの作動中となるように制御することもできるし、MBの作動中においては、規定されたCBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってCBの作動中となるように制御することもできる。
[4-5-2.RT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、RT状態に移行させる(RT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなRT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のRT状態を設けるように構成することもできる。RT状態は、RT状態が作動していない状態(非RT状態)に対してリプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態となっている。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも不利な遊技状態となる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。なお、この場合、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に有利なRT状態は「高RT状態」や「高確率再遊技状態」等と称され、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に不利なRT状態は「低RT状態」や「低確率再遊技状態」等と称されることがある。
RT状態は、例えば、以下のいずれの移行条件の成立によって移行させることができる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。
(1)RB、BB又はMBに当籤したとき
(2)RB、BB又はMBに係る図柄の組合せが表示されたとき
(3)RB状態、BB状態又はMB状態が終了したとき
(4)RB、BB又はMBに当籤しておらず(持越されておらず)、RB状態、BB状態又はMB状態中でもない場合において、特定の図柄の組合せが表示されたとき
(5)(3)又は(4)の移行条件成立後に予め定められた回数の遊技が行われたとき
[4-5-3.AT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、AT状態に移行させる(AT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなAT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のAT状態を設けるように構成することもできる。AT状態は、例えば、上述の押し順役に当籤したときに、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されることにより、AT状態が作動していない状態(非AT状態)よりも有利な状態として構成される遊技状態である。
なお、複数のAT状態を設ける場合、それぞれのAT状態の遊技期間(当該期間の延長(あるいは「上乗せ」ともいう。以下同じ)を可能とする場合には延長のされやすさ等を含む)、停止操作の情報が報知される報知対象役の種類、あるいは停止操作の情報の報知が発生する発生確率等をそれぞれ異なるものとすることで、遊技者の有利度合いを変動させることができる。また、AT状態の移行条件及び終了条件は、遊技性に応じて適宜設定可能である(ただし後述のリミット処理の実行による終了を除く)。また、AT状態は、あたかも上述のボーナス状態と同様に扱われる場合があり、この場合には「疑似ボーナス状態」等と称されることがある。
また、AT状態の遊技期間は、当該期間が適切に管理される限り、ゲーム数(遊技回数)によって管理されるようにしてもよく(ゲーム数管理)、所定ゲーム数を1セットとし、セット数によって管理されるようにしてもよい(セット数管理)。また、AT状態中の払出数や純増数(差枚数)によって管理されるようにしてもよい(払出数管理、差枚数管理)。また、AT状態においてメダルの払出に影響を与える報知(例えば、押し順小役当籤時の押し順ナビ)を行った回数(ナビ回数)によって管理されるようにしてもよい(ナビ回数管理)。また、AT状態が延長される場合も同様である。また、AT状態に移行したときに付与される遊技期間と、AT状態が延長されるときに付与される遊技期間とは異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。また、複数のAT状態を設ける場合、同じ管理手法によって管理されるようにしてもよく、異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。
[4-5-4.ART状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、上述の高RT状態とAT状態を組合せたART状態に移行させる(ART状態を作動させる)ことが可能となっている。すなわち、ART状態とは、高RT状態において行われるAT状態を意味するものであるから、RT状態として少なくとも低RT状態と高RT状態とを設け、高RT状態に移行させる(あるいは低RT状態に移行することが回避される)制御が行われる点でAT状態と相違するものの、基本的な制御はAT状態と同様である(遊技者に有利な停止操作の情報が報知される結果として高RT状態に移行する(あるいは低RT状態に移行することが回避される)ものであれば、AT状態と同義であるともいえる)。なお、ART状態の移行条件が成立した場合、まずAT状態に移行し、その後高RT状態に移行することでART状態に移行するものであってもよいし、高RT状態及びAT状態に同時(あるいは略同時)に移行することでART状態に移行するものであってもよい。
[4-5-5.その他遊技状態]
なお、パチスロ機1では、上述の各種遊技状態以外の遊技状態を設けることもできる。例えば、後述の有利区間中の各モード(図5及び図6参照)であるが、これらも遊技者が遊技を行う状態であって、疑似ボーナス状態としてのAT状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得るものであることから、これらを遊技状態として捉えることができる。また、同様の観点より、例えば、ボーナス状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得る遊技状態を設けることができる。例えば、ボーナス役に当籤している(持越されている)場合に、停止制御によってボーナス役に係る図柄の組合せが表示されやすい遊技状態と、これよりも当該ボーナス役に係る図柄の組合せが相対的に表示されにくい遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。また、例えば、ボーナス役が所定の確率で当籤する(当籤しやすい)遊技状態と、当該ボーナス役が当該所定の確率よりも低い確率で当籤する(相対的に当籤しにくい)遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。
また、AT状態に移行するか否か(AT状態において当該AT状態の遊技期間を延長するか否かも含み得る。以下同じ)の有利度合いを変動させ得る手法としては、以下のような手法を採用することもできる。例えば、内部当籤役として「特定役」が決定され得るようにする。当該特定役は、遊技者の停止操作態様(停止操作タイミングであってもよいし、押し順であってもよいし、これらの組合せであってもよい)に応じて付与されるメダル数が変動するものとする(例えば、停止操作態様が適切(正解)であれば8枚の払出、不適切(不正解)であれば1枚の払出又は払出なし)。
そして、特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技においてAT状態に移行するか否かの有利度合いを有利なものに変動させるか否かの決定(直接AT状態に移行させるか否か、あるいは直接当該AT状態の遊技期間を延長するか否かの決定も含み得る。以下「有利決定」として説明する)を行わない。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。あるいは、上述の特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行わない。
このように、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行った場合に、その遊技結果として今回の遊技において有利決定が行われる場合と、当該有利決定が行わない(有利決定が行われることが制限される)場合とがあるように構成することもできる。なお、今回の遊技と次回の遊技で遊技者が替わる場合もあり、このような制限が次回の遊技以降も継続する場合には、(次の)遊技者が著しい不利益を被るおそれがあることから、このような制限は今回の遊技限りとし、次回の遊技以降には継続しないものとすることが望ましい。また、このような制限は「ペナルティ」と称されることがある。
[4-6.遊技区間]
パチスロ機1では、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、上述の遊技状態とは異なる概念で遊技を行う状態として種々の遊技区間を設けることが可能となっている。以下、その遊技区間の一例について説明する。なお、遊技区間は、大別すると非有利区間と有利区間から構成される。
(非有利区間)
非有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能でない遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことはできない。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することはできない。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、初期状態として非有利区間が設定される。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合(すなわち、有利区間中の遊技の進行にともなって更新される所定値(例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタや有利区間払出数カウンタの値)が規定値(例えば、1500ゲームや2400枚)となった場合)、初期状態として非有利区間が設定される。なお、当該所定値を参照し、当該所定値が規定値となる前であっても特定の更新値となっている場合にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。また、有利区間中に所定終了条件が成立して終了決定された場合(例えば、有利区間終了抽籤が行われるように構成した場合であって、これに当籤した場合等)にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。
(4)非有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間に移行させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能であって、導出された結果表示(図柄の組合せ)や非有利区間(あるいは移行前の有利区間)中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことはできない。なお、いずれの内部当籤役が決定されたかは、当籤番号等の直接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできるし、内部当籤役のデータから生成あるいは変換されたサブフラグ(複数の役を1つの判定対象データとしたもの)等の間接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできる。
(5)非有利区間は基本的に1の状態であり、非有利区間内で複数の状態を設定することはできない。例えば、有利区間終了後の非有利区間を非有利区間A、設定変更後の非有利区間を非有利区間Bというように異なる状態として設定することはできない。
(有利区間)
有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能である遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことができる。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することができる。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、その初期状態として有利区間を設定することはできない。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合、当該有利区間を終了させる必要がある。
(4)有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間中に遊技状態(モード)を移行させるか否か、あるいは特定の遊技状態(モード)を延長させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみならず、導出された結果表示(図柄の組合せ)や有利区間中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことができる。なお、参照可能な各種パラメータの他の例としては、例えば、上述の各種パラメータに応じて付与可能なポイント等の特典情報、ボーナス状態の種類、RT状態の種類、いずれかのリールの停止操作タイミング、あるいは押し順等を挙げることができる。
(5)有利区間内で複数の状態を設定することができる。例えば、遊技者にとって不利な通常状態、AT状態へ移行しやすいCZ状態、あるいは報知にしたがって停止操作を行った場合にメダル増加の期待値がプラスとなるAT状態等の状態を設定可能である。また、例えば、通常状態においてCZ状態移行が決定されたことに応じ、実際にCZ状態に移行するまでの待機状態として設定され、CZ状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るCZ前兆状態、あるいは通常状態若しくはCZ状態においてAT状態移行が決定されたことに応じ、実際にAT状態に移行するまでの待機状態として設定され、AT状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るAT前兆状態等の状態も遊技性に応じて設定可能である。
(6)非有利区間及び有利区間のいずれの区間であるかを報知可能な区間ランプ(状態表示部)の点灯により、有利区間中であることを報知することができる(区間ランプが消灯していれば非有利区間中であることを報知することができる)。なお、区間ランプの点灯開始タイミングについては、上述のとおり、ある程度任意のタイミングに設定することが可能である。基本的に非有利区間から有利区間に移行したときに点灯を開始し、非有利区間に移行するまで点灯を継続するものとしてもよいし、非有利区間から有利区間に移行した(有利区間が開始された)が、移行した有利区間が通常状態であれば点灯を開始せず、最初にAT状態となったときから点灯を開始するものとしてもよい。なお、移行した有利区間がAT状態であれば、そのときから点灯を開始すればよい。
[4-7.リミッタ]
パチスロ機1では、有利区間が長く継続し過ぎることに起因して射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、有利区間が連続して継続する期間について上限(制限)を設けることが可能となっている。このような上限は「リミッタ」と称される。また、本実施形態では、このようなリミッタにより有利区間を終了することを、リミット処理の実行、あるいはリミッタの作動として説明している。以下、そのリミッタの一例について説明する。
(ゲーム数リミッタ)
ゲーム数リミッタは、有利区間中のゲーム数(遊技回数)が「1500」回となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、1回の遊技が消化される度に1ずつカウントを加算していく。そして、有利区間ゲーム数カウンタの値が規定値(例えば、「1500」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、ゲーム数リミッタが作動するゲーム数は、上限である「1500」回以下のゲーム数であれば任意のゲーム数を設定可能である。また、このようなゲーム数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のゲーム数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
(払出数リミッタ)
払出数リミッタは、有利区間中のメダルの払出数が「2400」枚となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、メダルの払出がある度に対応する枚数分(より詳細には、払出数からベット数を減じた純増数分)カウントを加算していく。そして、有利区間払出数カウンタの値が規定値(例えば、「2400」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、払出数リミッタが作動する払出数は、上限である「2400」枚以下の払出数であれば任意の払出数を設定可能である。また、このような払出数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のメダルの払出数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間の開始時から最もメダル数の絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分をカウントする(すなわち、払出がなかった場合にはカウントを減算していく等)ように構成してもよい。すなわち、払出数リミッタは、有利区間中においてメダルが増加することとなったとき(例えば、AT状態が開始されたとき)から最大「2400」枚のメダルの払出があったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成することもできる。また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、上述の純増数ではなく、単に実払出数(すなわち、払出数からベット数を減じないもの)をカウントするものであってもよい。
なお、パチスロ機1は、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、払出数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、ゲーム数リミッタと払出数リミッタの双方を用いて有利区間のリミット処理を実行してもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタの作動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。
また、リミッタの種類も、上述のゲーム数リミッタ及び払出数リミッタのみに限られない。例えば、AT状態中の押し順小役のナビ回数(すなわち、メダルの払出に係る役について遊技者に有利な停止操作の情報が報知された回数)が所定回数(例えば、「400」回)となったときにリミット処理が実行されるナビ回数リミッタを設けるようにしてもよい。すなわち、射幸性を適切に抑制することができる限り、遊技に関する各種の条件を用いてリミット処理を実行することが可能である。
[4-8.外部信号]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類の外部信号を外部に出力可能な仕様となっている。例えば、ボーナス状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、ボーナス状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したボーナス状態中演出を行うことができる。また、例えば、BB状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、BB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、MB状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、MB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のボーナス状態中演出を行うのみならず、ボーナス回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、AT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したAT状態中演出を行うことができる。また、例えば、所定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、所定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、特定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、特定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のAT状態中演出を行うのみならず、AT回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態をセット数管理のAT状態として構成し、最初の1セット目のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、2セット目以降は当該セットが開始される度に外部信号2をオン状態とすれば、外部のデータ表示機においてもAT状態の初当り回数と、AT状態の延長回数とをカウントすることができる。なお、各外部信号についてオン状態とするタイミングとオフ状態とするタイミングは適宜設定可能である。すなわち、外部のデータ表示機やホールコンピュータ等によって状況が適切に認識される限り、各外部信号の出力態様は適宜設定可能である。例えば、オフ状態からオン状態となって再度オフ状態なるまでの期間は、所定時間、1回の遊技の間、状態が変化するまで等の種々の条件を採用することができる。
[4-9.コマンド]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類のコマンドを主制御回路100から副制御回路200に送信可能な仕様となっている。なお、パチスロ機1では、主制御回路100と副制御回路200とが相互に通信を行うことはできず、主制御回路100から副制御回路200の一方向にのみ通信を行うことが要件となっている。したがって、主制御回路100は、パチスロ機1における状態の変化等を報せるための情報(コマンド)を適時副制御回路200に送信する必要がある。以下にこのようなコマンドの一例について説明する。
主制御回路100は、副制御回路200に対し、例えば、設定変更操作が行われたときには初期化コマンドを送信する。初期化コマンドは、設定値や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ベット操作が行われたときにはメダル投入コマンドを送信する。メダル投入コマンドは、ベット数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。また、例えば、開始操作が行われたときにはスタートコマンドを送信する。スタートコマンドは、内部当籤役や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ロック演出が行われるときにはロックコマンドを送信する。ロックコマンドは、ロック演出の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、各リール3L,3C,3Rの回転が開始するときにはリール回転開始コマンドを送信する。リール回転開始コマンドは、リールの回転が開始されたこと等を特定するパラメータを含んで構成される。
また、例えば、停止操作が行われたときにはリール停止コマンドを送信する。リール停止コマンドは、停止されるリールや当該リールが停止される位置等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、全てのリールが停止され、表示役(入賞作動フラグ)が確定したときには入賞作動コマンドを送信する。入賞作動コマンドは、表示役の種類や付与される特典の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を開始するときには有利区間開始コマンドを送信する。有利区間開始コマンドは、有利区間を開始することやモード(遊技状態)等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を終了するときには有利区間終了コマンドを送信する。有利区間終了コマンドは、有利区間を終了することやその終了要因等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、精算操作が行われたときには精算コマンドを送信する。精算コマンドは、返却数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。なお、これらはあくまで一例であり、これら以外のコマンドを必要に応じて送信することもできるし、これらのうち不要なコマンドについては送信しないようにすることもできる。
[4-10.演出]
上述のとおり、パチスロ機1では、遊技の興趣を高めるため、有益な情報を遊技者に報せるため、あるいは企図した遊技性とするために、種々の演出を種々の演出装置を用いて実行することが可能となっている。以下、そのような演出の一例について説明する。
[4-10-1.メイン側演出]
パチスロ機1では、主制御回路100側(メイン側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、指示モニタによって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(ロック演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出を行い得る。このような演出は、「ロック演出(あるいは単に「ロック」)」と称される他、「フリーズ演出(あるいは単に「フリーズ」)」等とも称される。なお、このようなロック演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のロック演出を行い得るように構成することもできる。
また、無効とする対象の遊技操作は、例えば、開始操作であってもよいし、停止操作であってもよいし、他の操作であってもよい。例えば、開始操作が所定期間無効にされる場合には、全ての停止操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、例えば、停止操作が所定期間無効にされる場合には、開始操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、複数種類のロック演出を設ける場合には、ロック演出ごとに、遊技の進行が停止される期間(遊技者の遊技操作を無効にする期間)や無効とする遊技操作の種類等が設定されるようにすればよい。
(リール演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において各リール3L,3C,3Rの演出表示態様(変動表示態様のみならず、停止表示態様との組合せを含む)による演出を行い得る。このような演出は、「リール演出」と称される他、「図柄演出」等とも称される。なお、このようなリール演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のリール演出を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えてリール演出が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれるものとする。
リール演出は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作によらずして各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。したがって、回転速度や最大滑り駒数等を考慮することなく、このような演出動作を行わせる動作パターンを設定することができる。また、動作パターンを複数設定すれば、複数種類のリール演出を設けることができる。また、複数種類のリール演出と複数種類のロック演出との組合せによって、さらに多岐にわたる演出パターンを設定することができる。なお、リール演出に用いられるのは、各リール3L,3C,3Rのうちの任意の1個のみでもよいし、任意の2個であってもよいし、3個全てであってもよい。
(疑似遊技)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において疑似的な遊技を行わせる演出を行い得る。このような演出は、「疑似遊技」と称される。なお、このような疑似遊技が行われないように構成することもできるし、複数種類の疑似遊技を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えて疑似遊技が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれる。
疑似遊技は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作を疑似的に受付け、これによって各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。すなわち、上述のリール演出について、さらに遊技者の遊技操作を介在させて演出を行うものである。なお、例えば、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、スタートレバー7、各ストップボタン8L,8C,8R、及び精算ボタン9等は、基本的に遊技操作に使用されること目的として設けられるものであることから、これ以外の目的で使用されることは本来的には望ましくない。しかしながら、疑似遊技においては、実際の遊技中であると遊技者が誤認しないための措置がなされることを前提として、これらの操作を受付けることを可能としている。
ここで、疑似遊技の流れについて、一例を挙げて説明する。疑似遊技は、例えば、以下のような流れで行われる。
(1)遊技者の実際の開始操作(ここで実行条件が成立して疑似遊技開始)
(2)疑似的に各リールが回転(疑似遊技中)
(3)疑似的に停止操作を受付け、これによって各リールが仮停止(疑似遊技中)
(4)ランダム遅延処理を経てから実際に各リールが回転開始(疑似遊技が終了して実際の遊技開始)
なお、ランダム遅延処理とは、例えば、上述の(3)の状況で特定の図柄が並んで表示された状態となり、そのまま上述の(4)の状況で各リールが通常回転を開始すると、遊技者が特定の図柄を目印として停止操作しやすくなってしまう(いわゆる「目押し」の補助となってしまう)場合があることから、これを是正するために各リールそれぞれに対してランダムに遅延期間を発生させてから回転を開始させるための処理である(このような遅延期間は「再配置期間」とも称される)。また、上述の(3)及び(4)の状況で各リールが仮停止している場合には、完全に停止していると誤認されないように、各ステッピングモータの励磁制御における位相信号は必ず所定時間(例えば、500ms)未満としてリールを順方向と逆方向とに交互に変化させるようにすることが望ましい。
上述の措置の1つとしては、例えば、上述の(3)の状況で任意の図柄の組合せが仮停止した場合(3個目のリールが仮停止して全てのリールが仮停止した場合)、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、各リールを上下に微振動させる(揺動させる)ことが挙げられる。なお、位相信号が上述の所定時間未満で変化するものである限り、1個目のリールが仮停止したとき、2個目のリールが仮停止したときには、このような揺動は行われないようにしてもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技ランプを設け、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、当該疑似遊技ランプを点灯させることが挙げられる。なお、疑似遊技ランプは、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に設置されることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、他の用途に使用しない独立したランプであり、当該疑似遊技ランプの表示部全体は単色の縁で覆われていることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、当該疑似遊技ランプの説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超え、かつ表面積が642平方mmを超えること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技ランプの説明部分は、当該疑似遊技ランプが疑似遊技中であることを報せるためのランプであることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、このような記載部分は、表面積の1/3以上を占めることが望ましい。なお、疑似遊技ランプを制御するのは、主制御回路100であってもよいし、副制御回路200であってもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技中表示を、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、メイン表示装置210又はサブ表示装置220(あるいはその双方)で行うことが挙げられる。なお、疑似遊技中表示は、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に表示されることが望ましい(本実施形態では、メイン表示装置210及びサブ表示装置220のいずれもが操作部よりも上方となっているため、いずれを使用してもよい)。また、疑似遊技中表示は、その説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超えること、表示画面が7インチ未満である場合には表面積が642平方mmを超えること、表示画面が7インチ以上である場合には表面積が画面全体の8.2%以上となること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技中表示の説明部分は、当該疑似遊技中表示が疑似遊技中であることを報せるための表示であることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、隠蔽等されることなく遊技者が読み取れる大きさであることが望ましい。
また、例えば、疑似遊技中(例えば、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間)は、指示モニタにおいて停止操作の情報が報知されないように構成する(当該遊技で指示モニタに停止操作の情報を表示する必要がある場合には、ランダム遅延処理が開始されるタイミングで表示を開始する)ことが望ましい。このようにすれば、疑似遊技中において実際の遊技中であると遊技者が誤認してしまうことをさらに抑制することができる。なお、上述のいずれかの措置がなされていれば、疑似遊技中において、サブ側の演出装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220)では停止操作の情報が報知されるようにしてもよい。また、同様に、疑似遊技中において、サブ側の演出装置では疑似遊技の遊技結果にしたがった(疑似的な遊技操作に連動した)演出が行われるようにしてもよい。
また、実際の遊技では、試験機用第1インターフェースボード301を介して遊技者の遊技操作、あるいは当該遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号が出力されるが、疑似遊技中は、遊技者の疑似的な遊技操作あるいは当該疑似的な遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号は出力されない。したがって、疑似遊技中は、試験機側で疑似遊技中であることを認識可能とするための試験信号(疑似遊技信号)が出力されるようにしてもよい。なお、試験機用第1インターフェースボード301は、主制御基板71から疑似遊技信号を受信した場合、疑似遊技進行制御用の信号を主制御基板71に出力することで、主制御基板71側で疑似遊技が進行されるようにしてもよい(すなわち、試験機用第1インターフェースボード301に疑似遊技進行機能をもたせてもよい)。また、試験機用第1インターフェースボード301にこのような疑似遊技進行機能をもたせる場合、当該機能のオン・オフを切替え可能な切替スイッチを設けるようにしてもよい。これにより、パチスロ機1の検定試験(試射試験)において、疑似遊技の演出内容を確認するか否かを任意に設定することが可能となる。
[4-10-2.サブ側演出]
パチスロ機1では、副制御回路200側(サブ側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、メイン表示装置210等によって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(通常演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、今回の遊技において完結する(すなわち、1ゲームで終了する)演出を行い得る。このような演出は、「通常演出」と称される他、「単発演出」等とも称される。なお、このような通常演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の通常演出を行い得るように構成することもできる。
(連続演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、複数回の遊技にわたって連続する(すなわち、複数ゲームの間継続する)演出を行い得る。このような演出は、「連読演出」と称される他、「継続演出」等とも称される。なお、このような連続演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の連続演出を行い得るように構成することもできる。
(操作連動演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技者の演出操作に応じて演出内容を変化させることが可能な演出を行い得る。このような演出は、「操作連動演出」と称される他、「ボタン演出」等とも称される。なお、このような操作連動演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の操作連動演出を行い得るように構成することもできる。また、操作連動演出は、通常演出として構成することもできるし、連続演出として構成することもできる。また、演出操作は、演出用ボタン群に対する操作のみならず、各種遊技操作を含むものとすることができる。
なお、上述の各種演出は、種々の用途に用いることができる。例えば、設定値、内部当籤役、遊技状態、遊技区間、特典の付与内容、特典が付与されるまでの期間等の示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの有利度合いの示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの用途もあくまで一例である。
(その他演出)
パチスロ機1では、上述の各種演出以外の演出を行うこともできる。例えば、上述の用途以外に用いられるものとして、遊技者又は遊技店に対する各種の報知(例えば、のめり込み防止報知や忘れ物防止報知、エラー状態報知、デモ状態報知等)も広義の意味において演出に含まれる。なお、のめり込み防止報知は、例えば、有利区間が終了したときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、忘れ物防止報知は、例えば、有利区間が終了したときや精算操作が行われたときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、エラー状態報知は、エラーが発生してから解消されるまで、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、デモ状態報知は、遊技されていない期間が所定期間となったときや精算操作が行われたときに、空き台であること等が報知されるものとすることができる。
[5.第1の遊技機]
続いて、図5~図22を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の一具体例について、これを「第1の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第1の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第1の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
まず、第1の遊技機では、有効ラインが、上述の「センターライン」の1ラインのみと定義される。また、第1の遊技機では、遊技状態として、非ボーナス状態と、ボーナス状態とが設けられる。また、非ボーナス状態は、後述の「F_2BB」(2枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「2BB」として説明する場合がある)が持越されている2BBフラグ間と、後述の「F_3BB」(3枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「3BB」として説明する場合がある)が持越されている3BBフラグ間と、いずれのボーナス役も当籤していない(持越されていない)非フラグ間とを含んで構成される。また、ボーナス状態は、2BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する2BB状態と、3BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する3BB状態とを含んで構成される。
また、第1の遊技機では、2枚のメダルをベットした状態(2枚ベット状態)と、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)とで遊技を行うことが可能となっている。なお、「ベット」とは、遊技に供するため、遊技者が2枚又は3枚のメダルをメダル投入口5に対して投入すること、遊技者がMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してクレジットから2枚又は3枚分のメダルを掛けること、及びリプレイ役の入賞によって自動的に2枚又は3枚分のメダルが掛けられることのいずれもが含まれる。
[5-1.第1の遊技機の遊技性]
続いて、図5~図8を参照して、第1の遊技機における遊技の流れについて説明する。なお、図5は、第1の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図であり、図6は、第1の遊技機における各モードの一例を説明するための図であり、図7及び図8は、第1の遊技機における各種テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、第1の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間及び有利区間に大別され、有利区間には、さらに演出区間(有利区間・通常遊技)及び増加区間(有利区間・疑似ボーナス)が設けられる。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。演出区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間と同様であるが、後述するように、モード移行が行われる点において非有利区間とは異なる。
すなわち、非有利区間は、有利区間での遊技が終了したとき、設定変更操作が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に制御される初期状態としての制御状態であり、演出区間は、モード移行等によって増加区間移行(付与)の期待度を変動可能とし、遊技者が通常遊技を行う通常状態としての制御状態である。
一方、増加区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。すなわち、増加区間は、遊技者がメダルを増加させることができる有利状態としての制御状態である。なお、演出区間と増加区間とはともに有利区間であり、これらの区間を相互に移行することで一連の有利区間として構成されるものである。
なお、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、非有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての非有利区間サブフラグが決定される。なお、サブフラグは、主制御回路100による遊技性に関する各種抽籤(有利区間に関連する各種処理)において、同様の役割(抽籤対象役であるか否かやその当籤確率等)を担う内部当籤役をグループ化して同じ情報を割り当てることで、そのグループを識別可能とするための情報である。これにより、内部当籤役ごとに各種データテーブルを設ける必要がなくなることから、データ量を圧縮することができ、メインROM102の容量の圧迫を回避することができる。非有利区間では、この非有利区間サブフラグを用いた抽籤が行われる。
非有利区間サブフラグ「リプベル」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)、「F_リプレイB」(No.「4」)、及び「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。なお、非有利区間においても、有利区間と同様に、当籤時サブフラグと入賞時サブフラグが決定され得るように構成することもできる。また、これらの対応関係も上述のものに限られない。
また、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間当籤時サブフラグが決定される。さらに、有利区間においては、表示された図柄の組合せに応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間入賞時サブフラグが決定される。有利区間では、これらの有利区間当籤時サブフラグ及び有利区間入賞時サブフラグを用いた抽籤が行われる。
有利区間当籤時サブフラグ「ベル」は、内部当籤役が「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。
有利区間入賞時サブフラグ「通リプ1」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「右上がりリプ」である場合)に決定される。有利区間入賞時サブフラグ「通リプ2」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「平行リプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「平行リプ」である場合)に決定される。
ここで、第1の遊技機では、後述するように、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示され、2BBフラグ間及び非フラグ間では、「平行リプ」の図柄の組合せが表示されるようになっている。
すなわち、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定され、2BBフラグ間及び非フラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定されるようになっている。そして、第1の遊技機では、このように有利区間入賞時サブフラグが異なる場合、後述する各種抽籤(例えば、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルを用いた疑似ボーナス移行抽籤や図8(f)に示すモード移行抽籤テーブルを用いたモード移行抽籤)における有利度合いを変動させるようにしている。
なお、第1の遊技機では、例えば、3BBフラグ間であるか、あるいは2BBフラグ間であるかに応じて、有利区間入賞時サブフラグが変動する役として「F_リプレイA」(No.「3」)を例に挙げて説明しているが、有利区間入賞時サブフラグが変動する態様はこれに限られない。例えば、後述するように、内部当籤役が「F_ベル123B1」(No.「12」)であるとき、3BBフラグ間である場合と、2BBフラグ間である場合とで停止制御を異ならせることにしているので、このような役に当籤した場合、メダルの払出数を変動させず(あるいは変動させるようにしてもよい)、表示される図柄の組合せが異なるようにし、これによって異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、後述するように、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるとき、いずれのフラグ間(非フラグ間)であるかにかかわらず、押下位置(停止操作タイミング)が適切であれば「スイカ」の図柄の組合せが表示され、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生して「スイカこぼし」の図柄の組合せが表示されるようにしているので、このような役に当籤した場合、取りこぼしが発生することなく入賞させることができた場合と、取りこぼしが発生した場合とで異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、停止操作が特定の態様(この特定の態様は、例えば、停止操作が予め定義された打順(正解押し順)で行われる態様、押下位置(停止操作のタイミング)が適切である態様、及びこれらの組合せの態様、いずれの態様であってもよい)で行われた場合には「平行リプ」の図柄の組合せが表示され、特定の態様で行われなかった場合には「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示されるようにし、これにより異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
すなわち、第1の遊技機では、特定役に関し、ベット数、遊技状態、停止操作の態様、あるいはこれらのうちいずれかの組合せによって、最終的な停止表示態様が異なる場合があることを可能とし、異なった停止表示態様に応じて異なる二次情報を決定可能とし、それによって有利度合いを変動可能とする態様全てを適用することができる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。非有利区間では、遊技毎に、有利区間移行抽籤が行われる。具体的には、図7の(b)に示す有利区間移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて非有利区間サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、非有利区間サブフラグに応じて、移行先モード等が決定される。なお、この決定に際しては、有利区間に移行した際のモードの種別のみが決定される場合(図5中、「有利区間開始」)と、当該モードの種別のみならず疑似ボーナスに移行することも決定される場合(図5中、「有利区間開始+疑似ボーナス開始」)とがある。もっとも、非有利区間においては、疑似ボーナスに移行することが決定されない仕様とすることもできる。
ここで、図6を参照して、第1の遊技機における各モードについて説明する。第1の遊技機において、モードは、演出区間(通常遊技)における増加区間(疑似ボーナス)移行(付与)の期待度を変動させるための制御情報(遊技状態や制御状態と言い換えてもよい)であり、演出区間(通常遊技)においては、このモードにしたがって、疑似ボーナス移行の有無が決定されたり、有利区間を維持させたり、有利区間を終了させて非有利区間に移行させることが決定されたりするようになっている。
スタートモードは、非有利区間から有利区間(演出区間)に移行するときに滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、図示は省略しているが、スタートモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。天井ゲーム数は、疑似ボーナスに移行しない期間が一定期間となったとき、強制的に疑似ボーナスに移行させるために用いられる。それゆえ、天井ゲーム数が少ないほど遊技者に有利であり、天井ゲーム数が多いほど遊技者に不利となる。
通常Aモードは、遊技者が遊技を行う上で最も滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Aモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。また、図6中、「疑似ボーナス後約999G」とあるのは、疑似ボーナス終了後に、後述の終了Aモード又は終了Bモードに移行し、当該モードにて疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われ、一度非有利区間に移行した後、非有利区間から有利区間に移行する際にこの通常Aモードが選択された場合、見かけ上の天井ゲーム数は、「965ゲーム」+終了Aモード又は終了Bモードでの遊技期間「32ゲーム」+非有利区間から有利区間に移行するのに要したゲーム数となるため、これを表現したものである。以下、通常Bモード、天国準備モード、チャンスモードにおいても同様である。
通常Bモードは、遊技者が遊技を行う上で比較的滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、通常Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Bモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。
天国準備モードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低い(後述の図7の(c)参照)ものの、天井ゲーム数は「466ゲーム」に設定され、また、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後は天国モードに移行することが確定するため(後述の図8の(f)参照)、その意味において相対的に有利なモードとなっている。
チャンスモードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「222ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。
終了Aモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は最も低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Aモードでは、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。
終了Bモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、終了Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Bモードでは、終了Aモードと同様、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。なお、終了Aモード及び終了Bモードは、「終了モード」と総称することもできる。
保障モードは、天国Cモードが終了した場合に滞在するモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。すなわち、天国Cモードが終了したとき、それによる興趣の低下を防止するため、一定期間は相対的に有利な状態を維持(保障)しようするモードとして位置付けられる。
天国Aモードは、疑似ボーナスが連荘する(AT状態が、AT状態中に延長(上乗せ)の決定が行われることによって継続する仕様の場合には、当該延長(上乗せ)することも含み得る。以下同じ)ことが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が中程度に設定された相対的に有利なモードとなっている。なお、図6においては図示を省略しているが、例えば、この天井モードループ率には設定差を設けるようにすることもできる。例えば、設定値が奇数(1,3,5)であるとき、天井モードループ率が75%程度となり、設定値が偶数(2,4,6)であるとき、天井モードループ率が67%程度となるように抽籤値を設定することもできるし、単に設定値が高いほど天井モードループ率も高くなるように抽籤値を設定することもできる。後述の天国Bモード及び天国Cモードにおいても同様であり、天井モードループ率に設定差を設けることもできる。
天国Bモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモードよりもさらに有利なモードとなっている。
天国Cモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)がかなり高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモード及び天国Bモードよりもさらに有利なモードとなっている。なお、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードは、「天国モード」と総称することができる。
なお、上述の各モードは、あくまでも一例を示すものであり、モードの構成はこれに限られない。上述の各モード以外のモードを設定することもできるし、上述の各モードのうち一部のモードを設定しないようにすることもできる。
また、ここまで、非有利区間は有利区間に比べて相対的に有利度が低い状態として説明したが、非有利区間と有利区間との関係はこのような態様に限定されない。例えば、非有利区間である場合のほうが、有利区間において少なくとも1つ以上のモードが設定されている場合よりも増加区間への移行割合が高かったり、増加区間への移行に要する平均ゲーム数が短くしたりする等の仕様、あるいは非有利区間が最も増加区間にしやすい仕様とすることもできる。このようにすることで、設定変更後等の非有利区間であることが確定する状態においても遊技を行うインセンティブが生まれるため、開店時からでも遊技を開始する動機づけとなる。また、疑似ボーナス終了後32ゲームを経過したときに区間ランプの点灯が終了した場合であっても、最も不利な状態となることが確定しないため、このようなときでも遊技が継続される動機づけとなる。また、ここまで、演出区間は遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態であるとして説明したが、増加区間と比べて不利な態様(例えば、報知の頻度を下げたり、報知の対象となる役を変更したりする等)であれば、停止操作の情報が報知される遊技状態とすることもできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。演出区間(通常遊技)では、まず、遊技毎に、有利区間当籤時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて有利区間当籤時サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、有利区間当籤時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。なお、図7の(c)中、「非当籤」は、疑似ボーナスに移行させないことを意味し、「当籤(今回遊技)」は、今回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味し、「当籤(次回遊技)」は、次回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味する。
なお、第1の遊技機では、「当籤(今回遊技)」が決定された場合には今回遊技の開始時に、「当籤(次回遊技)」が決定された場合には次回遊技の開始時に、遊技操作(停止操作)が一定期間無効とされるとともに、当該無効期間において、メイン表示窓4に「赤7」図柄が揃って表示されるリール演出(「赤7揃い」演出)が行われた後、疑似ボーナスが開始され、「赤7揃い」演出が行われた遊技で、停止操作の情報を報知する必要がある場合には、少なくとも当該無効期間が終了して遊技操作(停止操作)が有効となるとき(それ以前でもよいが、上述のランダム遅延処理が開始されるよりも前のタイミングではないとき)に、停止操作の情報の報知が行われるようになっている。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(当籤時)が行われた場合、後述の疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)、モード移行抽籤(入賞時)、及びモード移行抽籤(天井時)は行われない。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、有利区間入賞時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、入賞役が決定され、当該入賞役に応じて有利区間入賞時サブフラグが決定された以降の当該遊技中(次回遊技開始前)の所定のタイミングで、有利区間入賞時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。
なお、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、疑似ボーナスに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で疑似ボーナスに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(入賞時)が行われた場合、後述のモード移行抽籤(天井時)は行われない。
なお、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、天井ゲーム数を更新し(加算方式でも減算方式でもよい)、天井ゲーム数が現在のモードに対応付けられた(あるいは、有利区間移行時等において予め決定された)天井ゲーム数に達した場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定される。この場合、必ず「当籤(今回遊技)」が決定されるようにすることもできるし、必ず「当籤(次回遊技)」が決定されるようにすることもできる。また、抽籤によりこれらのいずれが決定されるようにすることもできる。
演出区間(通常遊技)において、天井ゲーム数の到達により、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(天井時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。
なお、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)及び疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。また、モード移行抽籤(当籤時)及びモード移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。
また、仮に、疑似ボーナスの当籤の種類として「当籤(今回遊技)」を設けないのであれば、有利区間入賞時サブフラグが決定されるタイミングでは、有利区間当籤時サブフラグも決定済みであり、また、天井ゲーム数も更新済みとすることができるため、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)及び天井到達時の疑似ボーナス移行処理を1回の処理でまとめて行うこともできる。また、同様に、モード移行抽籤(当籤時)、モード移行抽籤(入賞時)及びモード移行抽籤(天井時)を1回の処理でまとめて行うこともできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナスに移行させることが決定され、疑似ボーナスが開始された場合(図5中、「疑似ボーナス開始」)、増加区間(疑似ボーナス)に移行する。また、上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、終了Aモード又は終了Bモードに制御され、疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が消化された場合(図5中、「有利区間終了(終了A・B経由)」)、非有利区間に移行する。また、後述の図16に示すリミット処理の条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「有利区間終了(リミット処理)」)、その結果、非有利区間に移行する。
増加区間(疑似ボーナス)では、当該疑似ボーナスが開始されるときに、天井短縮抽籤が行われる。具体的には、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、当該疑似ボーナス終了後の天井ゲーム数を短縮するか否かが決定される。なお、図8の(e)中、「非当籤」は、天井ゲーム数を短縮させないことを意味し、「当籤(天井ゲーム数=0更新)」は、当該疑似ボーナス終了後、モードにかかわらず、セットされる天井ゲーム数を「0」とする(短縮させる)ことを意味する。なお、天井短縮抽籤は、疑似ボーナスが開始されるときのみならず、疑似ボーナス中は毎遊技行われるようにすることもできる。
天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させないことが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、後述の1G連ストックも保有していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。一方、天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させることが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、天井ゲーム数として「0ゲーム」がセットされる。これにより、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、天井ゲーム数の到達により疑似ボーナスが開始されたことになるため、上述のモード移行抽籤(天井時)が行われる。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」又は「中チェ」が決定された遊技において)、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、上記以外の有利区間当籤時サブフラグが決定された場合にも、移行先モードが決定されるようにしてもよいが、この場合、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この場合、上記と同様、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに、1G連抽籤が行われる。具体的には、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグ又は有利区間入賞時サブフラグに応じて、1G連を発生させるか否かが決定される。なお、図7の(d)中、「非当籤」は、1G連を発生させないことを意味し、「当籤(1G連+1)」は、1G連を発生させる権利(1G連ストック)が1個付与される(1G連ストックカウンタが1加算される)ことを意味する。なお、1G連ストックは、1G連ストックカウンタによって複数個(最大255個)ストック(貯留)されることが可能となっている。したがって、1回の疑似ボーナス中に複数個の1G連ストックが付与される場合もある。また、1回の1G連抽籤で、複数個の1G連ストックが付与され得るように、1G連抽籤テーブルを構成することもできる。
疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上である場合(すなわち、1G連ストックを保有している場合)には、1G連ストックが1つ消化され(1G連ストックカウンタが1減算され)、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、1G連ストックという権利に応じた疑似ボーナスの開始となるため、上述のモード移行抽籤は行われない。一方、疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上でない場合(すなわち、1G連ストックを保有していない場合)、上述の天井短縮抽籤にも当籤していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。
なお、天井短縮抽籤に当籤し、1G連ストックも保有している場合、天井短縮抽籤の結果が優先され、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行された後、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよいし、1G連ストックが優先され、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行された後、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよい。後者の場合、天井短縮があることを持越せる情報を別途記憶しておけばよい。
第1の遊技機では、増加区間(疑似ボーナス)の構成として、「55ゲーム」間継続し、最大275枚獲得可能としたものを一例として挙げているが、疑似ボーナスの構成はこれに限られない。例えば、当該疑似ボーナスを「疑似BB(ビッグボーナス)」として構成し、他に「22ゲーム」間継続し、最大110枚獲得可能とした疑似ボーナスである「疑似RB(レギュラーボーナス)」を搭載するようにしてもよい。この場合、上述の疑似ボーナス移行抽籤、天井到達時、1G連抽籤において、疑似ボーナスに移行させること(権利を付与すること)が決定される際には、その種類(例えば、「疑似BB」とするのか、「疑似RB」とするのか)が所定確率(例えば、50%ずつ)で決定されるようにすればよい。なお、「疑似RB」は、「疑似BB」との間で価値が異なる(より詳細には、「疑似BB」よりも価値が低い)ものとすればよいため、例えば、継続ゲーム数は「疑似BB」と同じであるが、ベルナビ率(停止操作の情報が報知される報知確率)を低いものとすることで、最大獲得可能枚数に差をつけ、価値が異なるようにすることもできる。また、「疑似RB」を開始させる際には、メイン表示窓4に「BAR」図柄が揃って表示されるリール演出、あるいは「赤7-赤7-BAR」が表示されるリール演出が行われるようにすればよい。さらに、増加区間は疑似ボーナスとして構成されるものに限られない。例えば、継続する遊技数(遊技期間)を変化させることが可能なAT状態やART状態として構成することもできる。
また、疑似ボーナス中に、後述の図16に示すリミット処理の実行条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「リミット処理による有利区間終了」)、その結果、非有利区間に移行する。
なお、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に3枚ベット状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合、2枚ベット状態ではメダルが増加しないように構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない。すなわち、第1の遊技機では、2枚ベット状態で遊技を行うと基本的に遊技者は不利となるように構成されている。
ここで、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、有利区間(AT)に関する抽籤(例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤)や処理(例えば、天井ゲーム数の更新等)は行われないものの、上述のゲーム数リミッタ用の有利区間ゲーム数カウンタや、上述の払出数リミッタ用の有利区間払出数カウンタの更新は行われるものとすることが望ましい。これらのリミッタは、有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を制限することで射幸性を適切に抑制する機能を有するものであることから、仮に、2枚ベット状態ではこれらのカウンタが更新されないものとすると、2枚ベット状態での遊技が介在することで設定された有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を超えてしまう場合が生じ、その結果適切に射幸性を抑制できない場合が生じ得るためである。それゆえ、リミッタ用のカウンタは、ベット数不問で毎ゲーム更新可能に構成されることが望ましい。
また、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に非ボーナス状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、ボーナス状態(2BB状態及び3BB状態)で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中にボーナス状態となった場合、ボーナス状態は非ボーナス状態(より詳細には非ボーナス状態の3枚ベット状態)よりもメダルの増加期待値が低い状態として構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない場合もある。すなわち、第1の遊技機では、ボーナス状態で遊技を行うと遊技者は不利となる場合があるように構成されている。
それゆえ、第1の遊技機では、2BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行うことが推奨される構成となっている(本実施形態では、2BBフラグ間の3枚ベット状態を「推奨遊技状態」として説明し、その他の状態を「非推奨遊技状態」として説明する場合がある)。すなわち、第1の遊技機では、2BBは2枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、2BBフラグ間において2BBに係る図柄の組合せは2枚ベット状態でのみ入賞し、3枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、3BBは3枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、3BBフラグ間において3BBに係る図柄の組合せは3枚ベット状態でのみ入賞し、2枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、2BBフラグ間では3BBが当籤する場合はなく、3BBフラグ間では2BBが当籤する場合はない構成となっている。
そして、第1の遊技機では、これらの構成を用いて、例えば、非フラグ間の2枚ベット状態で2BBを当籤させて(2BBを入賞させず)2BBフラグ間とした後、3枚ベット状態で遊技を行えば、ボーナス役を入賞させるか否かを気にすることなく、上述の推奨遊技状態で遊技を行うことが可能となっている。
上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、天井短縮抽籤が行われる。ここで、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルをみると、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるとき、1/8(32/256)の確率で天井短縮抽籤に当籤する一方、その他のモードであるときには天井短縮抽籤に当籤しないようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合には、その「32ゲーム」が「0ゲーム」に短縮される場合があり、天井ゲーム数がそれよりも多いモードの場合には、天井ゲーム数が短縮される場合がないようになっている。
なお、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードの場合であっても、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合よりも低い確率(例えば、1/64)で、天井ゲーム数が短縮されることが決定されるようにしてもよい。
また、天井ゲーム数を短縮する態様も上述のものに限られない。例えば、「32ゲーム」をそれより少ない所定ゲーム(0~31ゲーム)に短縮すれば、同様の作用効果を発揮できることから、天井短縮抽籤に当籤したときに短縮するゲーム数がさらに決定されるようにしてもよいし、天井短縮抽籤において、何ゲーム分短縮するのかを予め決定するようにしてもよい。
また、天井短縮抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス中には、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。また、有利区間(通常遊技)において、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるときには、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。これらの場合には、有利区間当籤時サブフラグや有利区間入賞時サブフラグが参照されて、天井短縮抽籤に当籤するか否かが決定されるようにすればよい。
また、上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、1G連抽籤が行われる。ここで、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルをみると、現在のモードがいずれのモードであっても、1G連ストックが付与される場合があるようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるか否かにかかわらず、疑似ボーナスを継続させるための権利が付与可能となっている。
なお、当該権利を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるときには、天井短縮抽籤が行われることを考慮して1G連抽籤が行われないようにし、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードであるときに1G連抽籤が行われるようにすることで、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制してもよい。
また、1G連抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス以外の有利区間(演出区間)においても、1G連抽籤が行われるようにし、その結果ストックされた1G連ストックは、次の疑似ボーナスにおいて消化されるようにしてもよい。
なお、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、疑似ボーナスの開始時、あるいは疑似ボーナス中において、現在のモードが天国モードであるとき、有利な状態であることを示唆するための特別ボーナス中演出が所定確率で実行されるようになっている。したがって、特別ボーナス中演出が実行された場合、天井短縮抽籤が実行されることを期待させることができる。また、この特別ボーナス中演出は、天井短縮抽籤に当籤したときには100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、疑似ボーナスの開始時に特別ボーナス中演出が実行された場合、少なくとも天国モードに滞在していることが示唆され、さらに天井短縮抽籤にも当籤したかもしれないとの期待感を抱かせることができる。また、この特別ボーナス中演出は、疑似ボーナス中に1G連抽籤に当籤したときにも、所定確率であるいは100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、(1)天国モードのみ、(2)天国モード+天井短縮当籤、(3)天国モード+1G連当籤、(4)天国モード+天井短縮当籤+1G連当籤、(5)1G連当籤のみ、等の様々な可能性を示唆することでき、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)が終了してから所定期間(例えば、32ゲーム)内に再度有利状態に制御されることが確定している場合(例えば、天国モードの場合)、その期間をさらに短縮できる場合があることから、一連の有利区間の遊技期間が制限される場合(例えば、リミット処理が実行される場合)であっても、遊技者がなるべく有利度合いの高い状態で遊技を行えるようにして遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態が終了してから所定期間内に再度有利状態に制御されることが確定していない場合(例えば、終了モードの場合)であっても、権利(例えば、1G連ストック)の付与によって再度有利状態が開始される場合があることから、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
また、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合(すなわち、「F_確定チェリー」又は「F_リーチ目」が内部当籤役として決定された場合)であって、上述のモード移行抽籤の結果、天国Cモードに移行することが決定された場合には、1/2の確率(この確率は任意である)で特別ロック演出が実行可能となっている。なお、遊技者は、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合(すなわち、「F_中段チェリー」が内部当籤役として決定された場合)にも、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様の恩恵を受けることができることから、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様に、特別ロック演出を実行可能としてもよい。
ここで、「確定役」は、疑似ボーナス移行も確定する役であることから(図7の(c)参照)、遊技者は特別ロック演出が実行されると、疑似ボーナス移行及び天国Cモード移行があったことが認識できるようになっており、遊技者にとって非常に興趣が高まるようになっている。特別ロック演出は、例えば、遊技開始時に約20秒間にわたって遊技操作(停止操作)が無効とされる演出として構成される。なお、この間には、各リールが振動したり、逆回転したりする特別リール演出が行われるようにしてもよいし、メイン演出表示部21において、通常は表示されない特別映像等が表示されるようにしてもよい。また、通常は出力されない特別楽曲が出力されるようにしてもよい。むろん、これらの組合せによって演出を行うこともできる。また、遊技操作は無効とされないが、遊技者が次の遊技操作を行うまで、これらの演出が行われるようにすることもできる(すなわち、演出を最後まで実行させるか、あるいは中途でキャンセルして遊技を進行させるかの決定を遊技者に委ねることもできる)。
ただし、第1の遊技機では、後述の図16に示すように、例えば、天国Cモードに滞在していたとしても、リミット処理の実行によって有利区間が強制的に終了される場合があることから、上述の特別ロック演出を何度も実行することが望ましくない場合もある。
そこで、第1の遊技機では、同じ一連の有利区間内では、特別ロック演出は一度しか実行されないようになっている。具体的には、一連の有利区間内において、最初に特別ロック演出を実行することが決定された場合には特別ロック演出が実行されるが、それ以降同じ一連の有利区間内では、同じ条件が成立した場合であっても特別ロック演出が実行されないように制御する。なお、手法としては、一度特別ロック演出が実行された場合、その旨を示す情報を格納しておき、それ以降同じ一連の有利区間内において当該情報が格納されている場合には、そもそも特別ロック演出を実行するか否かの決定が行われないようにしてもよいし、当該決定は行われるが、当該情報が格納されている場合にはその決定結果が実行することを示すものであっても、実行しないことを示すものに書き換えるようにしてもよい。そして、格納された当該情報は、有利区間が終了するときにクリアされるようにすればよい。
なお、特別ロック演出の実行が制限される態様は上述のものに限られない。例えば、特別ロック演出の実行が制限される上限の回数を「1回」ではなく、「2回」や「3回」として定めてもよい。すなわち、特別ロック演出の実行は制限されるが、その上限は複数回として定めてもよい。これは、特別ロック演出1回あたりの出玉の期待値に応じて適宜設定することができる。
また、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件も上述のものに限られない。すなわち、上記では、「確定役」の当籤を契機として、モード移行が行われ、当該モードが天国Cモードであったことを条件として、特別ロック演出が実行されるか否かの決定を行うようにしているが、例えば、「確定役」の当籤以外の契機によっても天国Cモードに移行する場合があることから(図8の(f)参照)、これらの場合にも特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、所定確率(「確定役」の当籤を契機とする場合と同じ確率であってもよいし、異なる確率であってもよい)で特別ロック演出が実行されることが決定されるようにしてもよい。
また、例えば、「確定役」の当籤を契機として、まず、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、特別ロック演出が実行されることが決定された場合に、天国Cモードに移行させるようにしてもよい。すなわち、天国Cモードに移行することが決定されたことに応じて特別ロック演出が実行されるようにしてもよいし、特別ロック演出が実行されることが決定されたことに応じて天国Cモードに移行させるようにしてもよい。
また、例えば、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件として、有利区間中の遊技の進行度合いを採用してもよい。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」未満であるとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」未満であるときには、上記のように特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われ、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」以上となったとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」以上となったときには、以降同じ一連の有利区間においては、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われないようにすることもできる。
このように、第1の遊技機では、一連の有利区間の遊技期間が一定期間に制限される(後述の図16参照)。そして、同じ一連の有利区間内においては、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が複数回設定される場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、一連の有利区間内においては、特定役(例えば、「確定役」)の当籤を契機として、有利状態(例えば、疑似ボーナス)に制御されることが確定するとともに、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が設定される場合がある。そして、同じ一連の有利区間内においては、このような場合が複数回発生する場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に応じた二次情報(例えば、有利区間当籤時サブフラグ)を決定可能であるとともに、表示される図柄の組合せに応じた二次情報(例えば、有利区間入賞時サブフラグ)を決定可能とし、それぞれ決定された二次情報に応じて、遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、疑似ボーナス)を付与するか否かを決定可能としている。
このように、第1の遊技機では、内部当籤役が決定された際のみならず、図柄の組合せが表示された際にも有利状態の付与に関する期待感を与えることができるため、有利状態の付与に関する遊技性を多様化することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に対応する情報と、表示された図柄の組合せに対応する情報と、をともに共通の二次情報として管理しているため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制することができる。
また、第1の遊技機では、ベットされた遊技価値が第1の量(例えば、3枚)である場合、第1特別役(例えば3BB)を当籤可能とする一方、第2特別役(例えば、2BB)を当籤可能としない。また、ベットされた遊技価値が第2の量(例えば、2枚)である場合、第2特別役を当籤可能とする一方、第1特別役を当籤可能としない。また、特定役(例えば、「F_リプレイA」)に当籤した場合、第1特別許可状態(例えば3BBフラグ間)であれば所定図柄の組合せ(例えば、「右上がりリプ」)を表示させ、第2特別許可状態(例えば2BBフラグ間)であれば特定図柄の組合せ(例えば、「平行リプ」)を表示させることを可能としている(後述の図15参照)。
そして、第1の遊技機では、所定図柄の組合せが表示された場合と、特定図柄の組合せが表示された場合と、で異なる二次情報を決定可能としている。すなわち、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性をさらに多様化することができる。
また、第1の遊技機では、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能とする。
ここで、第1の遊技機では、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとは、ともに再遊技に係る図柄の組合せであることから、いずれが表示された場合であっても再遊技の作動という同じ特典が付与されることとなる。
なお、同じ特典を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、特定役を遊技価値の付与に係る特定小役として構成する。そして、特定小役に当籤した場合、例えば、第1特別許可状態であれば、1枚(この値は任意であり、ベットされた遊技価値以下の他の値であってもよいし、ベットされた遊技価値を超える値であってもよい)の遊技価値が付与される所定図柄の組合せ(「右上がりリプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させ、第2特別許可状態であれば、所定図柄の組合せが表示された場合と同数の遊技価値が付与される特定図柄の組合せ(「平行リプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させるようにしてもよい。
また、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとをともに「はずれ」の図柄の組合せ(もっとも、有利状態を付与するか否かを決定可能とするため、純粋な「はずれ」の場合とは異なる図柄の組合せであることは識別可能な図柄の組合せとする)として構成するようにしてもよい。この場合であっても、価値が同じである点にかわりはない。
このように、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性を多様化することができる。また、特定役が決定された遊技では、いずれの特別許可状態となっていても同じ特典が付与されることから、遊技性を変動させる場合であっても、遊技者が直接的な不利益を被ってしまうこと防止することができる。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させることを可能とし、特定の態様で停止操作が行われないときには特定図柄の組合せを表示させることを可能しないように構成してもよい。
そして、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能としてもよい。特定役が内部当籤役として決定された場合、特定図柄の組合せが表示されたときと、特定図柄の組合せが表示されなかったときとで有利状態の付与に関する有利度を異ならせることを可能としてもよい。
また、特定役に当籤した場合、第1特別許可状態である場合には、停止操作態様にかかわらず所定図柄の組合せを表示させ、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させ、特定の態様で停止操作が行われないときには所定図柄の組合せを表示させるようにしてもよい。
この場合、特定役は、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(本実施形態では、これを「押下位置○」や「押下位置正解」等として説明する場合がある)に特定図柄の組合せが表示され、停止操作のタイミングが適切でない場合(本実施形態では、これを「押下位置×」や「押下位置不正解」等として説明する場合がある)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述のとおり、特定役は特定小役として構成することも可能であり、この場合、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(押下位置○の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、停止操作のタイミングが適切でない場合(押下位置×の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、停止操作のタイミングが適切となるタイミングも限定されてしまうため、停止操作のタイミングが適切となるタイミングが異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが第1のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第1のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミングとは異なる第2のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第2のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミング及び第2のタイミングとは異なる第3のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第3のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役と、が設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
また、この場合、特定役は、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役は、上述のとおり特定小役として構成することも可能であり、この場合、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを、取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、適切となる打順も限定されてしまうため、適切となる打順が異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、左第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、中・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、中第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、右第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・中第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役とが設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
ここまで、特定役に当籤した単位遊技において、停止操作態様(停止操作のタイミングや打順のうち、少なくとも一方又は両方)に起因して、非有利区間における有利区間への移行判定処理や、有利区間における有利状態の付与に関する判定処理(疑似ボーナス移行抽籤やモード移行抽籤、その他有利区間における遊技状況の有利度を変化させるための処理を含む)を変化させることを述べたが、このような変化のうち、遊技者に相対的に不利となる(結果的に不利となる場合がある)変化は上述のペナルティと捉えることができる。したがって、そのような変化が発生した場合には、注意喚起をするための任意の演出(警告報知)を発生可能な構成としてもよい。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、所定図柄の組合せが表示された場合よりも、特定図柄の組合せが表示された場合のほうが、有利状態が付与される可能性が高くなっている。すなわち、3枚ベットすることを前提とすれば、第2特別許可状態(例えば、2BBフラグ間)は、第1特別許可状態(例えば、3BBフラグ間)よりも有利状態の付与が優遇される状態である。
また、第1の遊技機では、所定役(例えば、後述の「押し順ベルB」)に当籤した場合、第1特別許可状態であれば打順不問で付与図柄の組合せ(例えば、8枚の払出となる図柄の組合せ)が表示される一方、第2特別許可状態であれば、打順が予め定義された正解押し順であった場合には付与図柄の組合せが表示されるが、打順が予め定義された正解押し順でなかった場合には付与図柄の組合せは表示されず、遊技価値が付与されない取りこぼしとなるか、又は付与図柄の組合せが表示された場合よりも少ない量の遊技価値しか付与されない図柄の組合せ(例えば、1枚の払出となる図柄の組合せ)が表示されるように構成されている。すなわち、有利状態の作動を考慮しなければ、第1特別許可状態は、第2特別許可状態よりも遊技価値の付与が優遇される状態である。
すなわち、遊技者が、非推奨遊技状態であっても3BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されないものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されるため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に少ない状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は少なくなるものの、遊技者の遊技価値が減りにくいといった状態は、例えば、「安定状態」と定義することができる。
一方、遊技者が、推奨遊技状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されるものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されないため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に多い状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすいといった状態は、例えば、「荒波状態」と定義することができる。
ここで、安定状態と荒波状態の2つの状態を創出する手法は上述のものに限られない。例えば、「安定状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「荒波状態」よりも高める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「荒波状態」よりも低める。また、「荒波状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「安定状態」よりも低める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「安定状態」よりも高める。このようにすれば、「安定状態」では、疑似ボーナスに初当りしやすいが、連荘しにくいという状態を創出でき、「荒波状態」では、疑似ボーナスに初当りしにくいが、連荘しやすいという状態を創出できる。なお、所定役の停止制御については、上述のとおり、2BBフラグ間と3BBフラグ間とで変動するものとしてもよいし、これとは異なる(すなわち、3BBフラグ間で優遇しない)ものとしてもよい。
[5-2.第1の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図9を参照して、第1の遊技機の図柄配置構成について説明する。図9は、第1の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図9に示すように、第1の遊技機では、「赤7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「赤ブランク」、「黄ブランク」、「白ブランク1」及び「白ブランク2」の10種類の図柄が、各リール3L,3C,3Rそれぞれにおいて図9に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1~10が割り当てられている。
[5-3.第1の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図10~図15を参照して、第1の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図10は、第1の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図11~図14は、第1の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図15は、第1の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第1の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
まず、第1の遊技機では、後述の内部抽籤処理(図26参照)において、図10に示す各内部当籤役が、図10に示す確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に表示が許可される図柄の組合せは、図10中、「対応する図柄組合せ」に示したとおりである。また、図11~図14中、「BB」はボーナス役に係る図柄の組合せを示し、「REP」は、リプレイ役に係る図柄の組合せを示し、「FRU」は、小役に係る図柄の組合せを示している。
「F_2BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、2枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、3枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。2枚ベット状態で、「F_2BB」が当籤した遊技、あるいは2BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB01」が表示され、2BB状態(2BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、2BBフラグ間であっても3枚ベット状態では「BB01」が表示される場合はない。
「F_3BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。3枚ベット状態で、「F_3BB」が当籤した遊技、あるいは3BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB02」が表示され、3BB状態(3BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、3BBフラグ間であっても2枚ベット状態では「BB02」が表示される場合はない。
なお、2BB状態及び3BB状態では、図10中、「ボーナス状態」の列の抽籤値が参照され、内部当籤役が決定される(遊技開始可能枚数は3枚ベットのみ)。2BB状態及び3BB状態中は、常に第一種特別役物であるRBが作動している状態(RB状態)に制御される。なお、RB状態は、作動してから2回の入賞が発生又は2回の遊技が行われた場合に一旦終了して再び作動するといった制御が繰り返される。また、第1の遊技機において、2BB状態の終了条件は、2BB状態において1枚を超えるメダルが払出されたことと規定されており、3BB状態の終了条件は、3BB状態において176枚を超えるメダルが払出されたことと規定されている。
ここで、2BB状態又は3BB状態が終了したときには、特殊モード移行処理が行われる。例えば、ボーナス状態に移行したとき(ボーナス状態中は、モード移行が行われないため、ボーナス状態が終了したときと同義)のモード、すなわち、現在のモードが「スタートモード」であれば、移行先のモードは「スタートモード」となる。また、現在のモードが「通常Aモード」「通常Bモード」「天国準備モード」「チャンスモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「通常Aモード」となる。また、現在のモードが「終了Aモード」「終了Bモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「終了Aモード」となる。また、現在のモードが「保障モード」「天国Aモード」「天国Bモード」「天国Cモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「保障モード」となる。
「F_リプレイA」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、非フラグ間及び2BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP64」~「REP72」のいずれか(これらは、「リプレイ」図柄を下段一直線、あるいは中段一直線に表示させるものであることから、これらを「平行リプ」と総称することができる。また、「REP64」~「REP71」は、「下段リプ」と総称することができ、「REP72」は、「中段リプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、3BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP73」(これは、「リプレイ」図柄を右上がりに表示させるものであることから、これを「右上がりリプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。
「F_リプレイB」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、いずれの状態であっても停止操作態様にかかわらず「平行リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP28」、「REP60」~「REP63」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであることから、これらを「チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP57」~「REP59」)が表示され、再遊技が付与される。
「F_確定チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP42」~「REP56」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであって、例えば、「REP42」のように、他のリールにおいて遊技者が期待を高めることができる図柄も表示されることから、これらを「確定チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、上述の「チェリーリプ」や「REP29」~「REP41」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_中段チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP15」~「REP19」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を中段に表示させるものであることから、これらを「中段チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP20」~「REP27」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_リーチ目」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「REP01」~「REP14」のいずれか(これらは、慣習上、遊技者にとって有利な状態への移行を確定報知する(ないし示唆する)ことが可能な図柄の組合せとして構成されており、これらを「リーチ目リプ」を総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_スイカ」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、各リールについて押下位置○であれば、「FRU10」~「FRU12」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示させるものであることから、これらを「スイカ」と総称することができる)が表示され、3枚ベット状態であれば3枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば、「FRU08」及び「FRU09」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示されるものでないため、これらを「スイカこぼし」と総称することができる)が表示され、1枚のメダルが払出される。なお、押下位置×の場合、取りこぼしを発生させてメダルの払出が0枚となるように構成することもできる。
「F_ベル123A1」、「F_ベル123A2」、「F_ベル132A1」、「F_ベル132A2」、「F_ベル213A1」、「F_ベル213A2」、「F_ベル231A1」、「F_ベル231A2」、「F_ベル312A1」、「F_ベル312A2」、「F_ベル321A1」、及び「F_ベル321A2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルA」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルA」は6択(「打順1」~「打順6」のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、「右下がりベル」(「FRU03」)、「上段ベル」(「FRU01」及び「FRU02」)、「中段ベル」(「FRU04」)、「右上がりベル」(「FRU05」)、「小山ベル」(「FRU06」)、及び「下段ベル」(「FRU07」)のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」(「FRU13」~「FRU116」)のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_ベル123B1」、「F_ベル123B2」、「F_ベル132B1」、「F_ベル132B2」、「F_ベル213B1」、「F_ベル213B2」、「F_ベル231B1」、「F_ベル231B2」、「F_ベル312B1」、「F_ベル312B2」、「F_ベル321B1」、及び「F_ベル321B2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルB」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルB」は、2枚ベット状態、及び3枚ベット状態の3BBフラグ間においては押し順小役となっていない。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。
また、図15に示すように、「押し順ベルB」は、3枚ベット状態の3BBフラグ間以外の状態(3枚ベット状態の非フラグ間、3枚ベット状態の2BBフラグ間)においては押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_RB役8枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。
「F_RB役1枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「1枚役」(より詳細には、「FRU117」~「FRU120」が追加されている)が表示され、1枚のメダルが払出される。
なお、図10に示す内部抽籤テーブル、図11~図14に示す図柄組合せテーブル、及び図15に示す内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係はあくまで一例であり、これらに示した態様に限定されるものではない。
例えば、第1の遊技機では、純粋な「はずれ」のとき、「BB01」が表示可能な2ベット状態において、「BB01」を取りこぼして「はずれ」となったとき、「BB02」が表示可能な3ベット状態において、「BB02」を取りこぼして「はずれ」となったとき、2BBフラグ間において3ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、3BBフラグ間において2ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、「押し順小役」を取りこぼして「はずれ」となったとき等、様々な状態で「はずれ」が発生することがある。そこで、これらのうち一部又は全部の場合にそれぞれ「はずれ」として表示される図柄の組合せを異ならせるため、これら異なる図柄の組合せを図柄組合せテーブルにおいて予め規定しておき、決定された内部当籤役に応じてこれらも「対応する図柄の組合せ」として表示が許可されるようにすることで、状態等に応じて表示される「はずれ」に係る図柄の組合せを異ならせるようにすることもできる。
[5-4.第1の遊技機のリミット処理構成]
続いて、図16を参照して、第1の遊技機のリミット処理構成について説明する。図16は、第1の遊技機における各リミット処理の一例を説明するための図である。図16に示すように、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)、通常リミット処理(払出数)、特殊リミット処理(ゲーム数)、特殊リミット処理(払出数)、準リミット処理(ゲーム数)、及び準リミット処理(払出数)の各リミット処理が実行されるようになっている。なお、これは、実行可能なリミット処理の一例であり、これらの各リミット処理以外のリミット処理が実行されるようにすることもできるし、これらの各リミット処理のうち一部のリミット処理は実行されないようにすることもできる。
通常リミット処理(ゲーム数)は、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1500回行われたとき)に実行される。なお、有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間ゲーム数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚のいずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間ゲーム数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。
通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、有利区間に関する情報(例えば、演出区間や増加区間に制御するための情報、現在のモードに係る情報、疑似ボーナスの遊技期間に係る情報、天井ゲーム数や天井短縮の有無に係る情報、1G連ストックカウンタの値等の当該有利区間中に得られた各種情報や当該有利区間を制御するために必要であった各種情報)も全てクリア(初期化)される。
通常リミット処理(払出数)は、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2400枚を超えたとき)に実行される。なお、有利区間払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間払出数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚いずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、例えば、有利区間中に「はずれ」や「取りこぼし」が発生した際、実払出数(例えば、「-2枚」又は「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。したがって、有利区間が開始してからメダルが増加せず減少していった等の場合には、負の値となることもある(あるいは、負の値となる場合には常に「0」が維持されるように構成することもできる)。すなわち、有利区間払出数カウンタは、有利区間中の払出されたメダル数の最下点から定義された最高点(差枚数:2400枚)までを計数することが可能となっている。
通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
特殊リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1445回行われたとき)に実行される。なお、制御用ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用ゲーム数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用ゲーム数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。もっとも、制御用ゲーム数カウンタを、有利区間ゲーム数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(ゲーム数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)有利区間ゲーム数カウンタの値は「1500」であるのに対し、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「1445」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大遊技数(継続可能期間)は「55ゲーム」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の遊技可能期間が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(ゲーム数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制期間分の遊技が行われた場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(ゲーム数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感等を抱き、遊技の興趣を低下させてしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間2回あたりの継続可能期間(55ゲーム×2セット=110ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+猶予期間(2ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、疑似ボーナスに移行する前に前兆状態を経由する等の仕様の場合であって、この前兆状態の最大遊技数が「4ゲーム」である場合、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+最大前兆期間(4ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(ゲーム数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
特殊リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2125枚を超えたとき)に実行される。なお、制御用払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用払出数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用払出数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。
また、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「はずれ」が発生した際、実払出数(例えば、「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。もっとも、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「取りこぼし」発生した際(少なくとも、メダルの払出数の最大値から差分が発生した際)には、「取りこぼし」(あるいは、差分)が生じなかったものとして、メダルの払出数を計数する。具体的には、例えば、3枚ベットで「押し順ベルA」に当籤した遊技において、打順が適切である場合にはメダルの払出数(最大値)は「8枚」(差枚数としては「+5枚」)となる一方、打順が適切でない場合、押下位置が適切であればメダルの払出数は「1枚」(差枚数としては「-2枚」)となり、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生してメダルの払出数は「0枚」(差枚数としては「-3枚」)となるが、制御用払出数カウンタは、当該遊技においていずれの場合であっても、差枚数「+5枚」を計数する。
また、例えば、2BB状態や3BB状態が作動する等して、有利区間払出数カウンタの値が制御用払出数カウンタの値よりも大きくなった場合には、制御用払出数カウンタの値は、有利区間払出数カウンタの値に補正される。なお、制御用払出数カウンタを、有利区間払出数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(払出数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)有利区間払出数カウンタの値は「2401」であるのに対し、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「2126」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大獲得枚数(付与可能遊技価値量)は「275枚」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の付与可能遊技価値量が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(払出数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制遊技価値量分の遊技価値が付与された場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(払出数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感を抱き、遊技の興趣が低下してしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間2回あたりの付与可能遊技価値量(275枚×2セット=550枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)+猶予期間に相当する遊技価値量(8枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(払出数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
準リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「55」(すなわち、疑似ボーナスの継続可能期間)を乗じた値を加算し、加算結果が「1390」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「55×2=110」となるから、制御用ゲーム数カウンタの値が「1280」となったときに準リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)こととなる。
準リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「275」(すなわち、疑似ボーナスの付与可能遊技価値量)を乗じた値を加算し、加算結果が「1851」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「275×2=550」となるから、制御用払出数カウンタの値が「1301」となったときに準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)こととなる。なお、準リミット処理(ゲーム数)と準リミット処理(払出数)とは、ともに同じ内容の規制を行うものであるから、一方の作動条件が成立して作動した後は、もう一方の作動条件が成立したとしても重複して作動する必要ないものとなっている。
準リミット処理(ゲーム数)、又は準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、疑似ボーナス中は、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤が実行されなくなる。すなわち、増加区間における遊技期間の延長が抑制される。なお、増加区間における遊技期間の延長が抑制される手法はこれに限られない。例えば、上述の1G連抽籤において、1G連の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよいし、上述の天井短縮抽籤において、天井短縮の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよい。すなわち、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤そのものは実行されるが、これらの抽籤に当籤しにくくなるようにしてもよい。また、例えば、準リミット処理(ゲーム数)の実行後の演出区間では、疑似ボーナス移行抽籤において当籤となる抽籤値を低くして、疑似ボーナスに移行しにくくしてもよい。あるいは、モード移行抽籤において遊技者に有利なモード移行が決定される抽籤値を低くして、疑似ボーナスが連荘しにくくしてもよい。
また、準リミット処理(ゲーム数)、又は準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、演出区間中は、「確定役」(図7の(a)参照)の当籤時に特殊処理が行われるようになっている。以下、この特殊処理について、「確定役」が「F_確定チェリー」(以下、単に「確定チェリー」として説明する場合がある)である場合を例に挙げて説明する。
準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において「当籤(次回遊技)」が決定される(図7の(c)参照)。また、第1の遊技機では、左リール3Lの「チェリー」図柄が遊技者にとって期待度の高い図柄となっているので、停止操作の情報が報知されない遊技にあっては、遊技者は左第1停止で、かつ「チェリー」図柄を狙って(目安として「BAR」図柄を狙って)停止操作を行うことが一般的な手順となっている。したがって、一般的な手順で遊技が行われる場合、「確定チェリー」当籤時には、まず、左第1停止で左リール3Lの下段に「チェリー」図柄が停止される。なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」が当籤した場合には、左第1停止(「打順1」及び「打順2」)をすべき旨の報知が行われるようにしてもよい。また、「当籤(次回遊技)」は、次回遊技から疑似ボーナスが開始されるものに限られず、次回遊技以降の遊技から疑似ボーナスが開始されるものであってもよい。
ここで、技量のある遊技者は、さらに「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別するために、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいても「BAR」図柄を狙って停止操作を行う。その結果、各リールの中段に「BAR」図柄が揃い、「確定チェリー」に当籤したことが認識できる(例えば、図11中、「REP42」参照)。一方、技量のない遊技者は、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいて「BAR」図柄を狙って停止操作を行わない、あるいは行えないことにより、停止表示態様からは「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別できない場合がある(例えば、図11中、「REP28」参照)。
なお、第1の遊技機では、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合、特別入賞音が出力されるようになっている。また、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せは表示されなかったが、「チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合にも、特別入賞音が出力されるようになっている。なお、特別入賞音の出力は、100%の確率で行われるようにしてもよいし、所定確率(例えば、50%の確率)で行われるようにしてもよい。
いずれにしても、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合には、次回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
一方、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において一旦、「当籤(次回遊技)」は決定されるものの(図7の(c)参照)、特殊処理の実行により、この決定結果が「当籤(今回遊技)」に書き換えられる。そして、今回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
このとき、今回遊技においては、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せ(「チェリーリプ」の図柄の組合せを含む)を表示させず、「中段リプ」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報の報知(特殊報知)が行われる。例えば、第1の遊技機では、右第1停止(「打順5」及び「打順6」)をすべき旨の特殊報知が行われる(図15参照)。これにより、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないときには、「確定チェリーリプ」表示→次回遊技から疑似ボーナス開始といった遊技の流れであったものが、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかの作動後にあっては、今回遊技から疑似ボーナス開始→特殊報知にしたがって停止操作が行われることにより「中段リプ」表示という遊技の流れに変更される。なお、特殊報知は、メイン(主制御基板71)側の制御によって行われるようにしてもよいし、結果として疑似ボーナスに移行することにかわりなく遊技者が不利益を被らないという観点から、サブ(副制御基板72)側のみの制御によって行われるようにしてもよい。
なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、「確定チェリー」に当籤した場合であって、特殊報知が行われたにもかかわらず、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合には、特別入賞音は出力さない。
また、第1の遊技機では、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合、基本的には停止操作の手順が報知されない。このため、停止操作の手順が報知されて「中段リプ」が表示されるのが上述の特殊報知が行われた場合のみであるとすると、このような状態が発生した場合には、いずれかの準リミット処理が作動したことを遊技者に明確に認識されてしまい、その結果遊技の興趣を低下させてしまう可能性もある。したがって、有利区間中においては、いずれかの準リミット処理が作動しているか否かにかかわらず(あるいは、いずれかの準リミット処理の作動後からであってもよい)、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に、所定確率で特殊報知と同様の報知が行われるようにしてもよい。このようにすれば、特殊報知が行われることに対して遊技者が不自然に感じてしまうこと防止することができる。また、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に特殊報知と同様の報知が行われるのは、疑似ボーナス移行抽籤に当籤した場合としてもよい。また、この場合、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合の疑似ボーナス移行抽籤では、所定確率で「当籤(今回遊技)」が決定され得るようにしてもよい。
ここまで、通常リミット処理、特殊リミット処理、及び準リミット処理を作動させるため、「ゲーム数」及び「払出数」を用いて有利区間の遊技期間を監視することを例に挙げて説明したが、各リミット処理が実行される条件は上述のものに限られず、適宜変更可能であるものとする。例えば、各リミット処理が実行されるとした、有利区間ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値、並びに1G連カウンタの値及び天井短縮の有無(すなわち、準リミット処理を作動させるための変数)等は、遊技仕様や市場動向等に応じて適宜変更可能である。
また、有利区間の遊技期間を監視するための手法も上述のものに限られない。例えば、有利区間の遊技期間を監視するために「ナビ回数」を用いるとしたならば、上記と同様に、通常リミット処理(ナビ回数)や特殊リミット処理(ナビ回数)、あるいは準リミット処理(ナビ回数)が実行されるようにすることもできる。すなわち、有利区間の遊技期間を監視するために値を計数可能な要素(パラメータ)であればどのような要素も採用することができ、採用した要素に対して、通常リミット処理が実行される値と、特殊リミット処理が実行される値と、準リミット処理が実行される値と、を規定することで、上述のものと同様に、各リミット処理が実行されるものとすることができる。
上述のとおり、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態である場合には、特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態でない場合には有利状態に移行させ、移行させた有利状態が終了して特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。また、このようにして一連の有利区間を終了させる際には、有利状態でなければ有利状態に移行させた上で終了させるようにしている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、特定期間又は特定量は、有利状態の継続可能期間(例えば、「55ゲーム」)又は付与可能遊技価値量(例えば、「275枚」)を考慮して設定されているため、遊技者の感情に配慮しつつも、遊技者に付与される遊技価値量が極端に規制されることを防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態は付与された権利(例えば、「1G連ストック」及び「天井短縮」)によって延長される場合があるが、一連の有利区間における遊技期間が、特定期間よりも短く、付与された権利数に応じて設定された特別期間となったとき(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が準リミット処理(ゲーム数)が実行される値となったとき)、又は一連の有利区間において付与された遊技価値量が、特定量よりも少なく、付与された権利数に応じて設定された特別量となったとき(例えば、制御用払出数カウンタの値が準リミット処理(払出数)が実行される値となったとき)には、以後の一連の有利区間において権利の付与が抑制されるようになっている。これにより、例えば、遊技者が消費しきれないほどの権利が付与され、このような状態で一連の有利区間が強制的に終了される結果、遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止できるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、上述の「特定量」や「特別量」を計数する上では、例えば、遊技者の操作ミスや指示の無視等に起因して、本来付与されるはずであった遊技価値量と実際に付与された遊技価値量との間で差分が生じた場合であっても、この差分を考慮せず、本来付与されるはずであった遊技価値量を基準として計数が行われるようになっている。これにより、このような遊技者の行為によって一連の有利区間が必要以上に延長されてしまうことや、このような行為を行った遊技者と行っていない遊技者との間で不公平が生じてしまうことを防止することができるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されている状態(例えば、準リミット処理作動後の状態)において有利状態への移行が確定する確定役(例えば、「確定チェリー」)に当籤したときには、この確定役の当籤が明確に認識できる特別図柄の組合せ(例えば、「確定チェリーリプ」)を表示させないための特殊報知が行われるようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特殊報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、特殊報知が行われる場合、本来次回遊技から開始されるはずであった有利状態を、今回遊技から開始するようにしている。これにより、遊技者に自然な流れで特殊報知にしたがった停止操作を行わせることができるので、このような特殊報知を行う場合であっても、遊技者が違和感等を抱いてしまうことを防止できる。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されていない状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知(例えば、特別入賞音の出力)を行うことを可能とする一方、権利の付与が抑制されている状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知を行うことを可能としないようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特別報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、確定役に当籤したか否か、特別図柄の組合せが表示されたか否か、及び特殊報知が行われたか否かに応じて、特別報知を行うか否かを決定するようにしている。これにより、特別報知が行われる状況をより適切に管理することができる。
また、第1の遊技機では、有利区間ゲーム数カウンタ及び有利区間払出数カウンタは、ベットされた遊技価値量にかかわらず計数を行う結果、3枚ベット状態のみならず2枚ベット状態においても、通常リミット処理(ゲーム数)及び通常リミット処理(払出数)が実行されることを可能としている。
また、第1の遊技機では、制御用ゲーム数カウンタ及び制御用払出数カウンタは、3枚ベット状態では計数を行うが、2枚ベット状態では計数を行わない。したがって、3枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としているが、2枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としていない。したがって、2枚ベット状態では、通常リミット処理(ゲーム数)又は通常リミット処理(払出数)の実行によって、疑似ボーナス中であっても一連の有利区間が強制的に終了してしまう場合がある。
なお、第1の遊技機では、3枚ベット状態と2枚ベット状態とでは、例えば、小役の当籤確率、及びメダルの払出数が異なる結果(図10~図15参照)、3枚ベット状態で遊技を行う場合よりも2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが、遊技者に不利となっている。もっとも、このように、2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが遊技者に不利となる手法はこれに限られない。例えば、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合には、停止操作の手順が報知されないようすることで、遊技者に不利となるように構成してもよい。
このように、第1の遊技機では、第1の量(例えば、「3枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。一方、第2の量(例えば、「2枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了される場合があることから、これによって遊技者に企図された遊技方法で遊技を行わなかったことを気付かせることができるので、遊技者に対して企図された遊技方法で遊技を行うことを促すことができる。
なお、一連の有利区間において、第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合よりも、第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合のほうが、遊技者にとって不利となっているので、このような注意喚起を可能にすることで、遊技者により有利な状態で遊技を行うべきであることも促すことができ、遊技者が企図しない遊技方法で遊技を行うことに起因して遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
[5-5.第1の遊技機の格納領域構成]
続いて、図17~図22を参照して、第1の遊技機の格納領域構成について説明する。図17は、第1の遊技機の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域の一例を示す図である。また、図18は、第1の遊技機の持越役格納領域の一例を示す図である。また、図19は、第1の遊技機の遊技状態フラグ格納領域の一例を示す図である。また、図20は、第1の遊技機のモードフラグ格納領域の一例を示す図である。また、図21は、第1の遊技機の作動ストップボタン格納領域の一例を示す図である。また、図22は、第1の遊技機の押下順序格納領域の一例を示す図である。
(当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域)
まず、図17を参照して、当籤フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)、入賞作動フラグ格納領域(表示役格納領域)、及び図柄コード格納領域の構成について説明する。なお、第1の遊技機では、当籤フラグ格納領域と、入賞作動フラグ格納領域と、図柄コード格納領域とが同じデータ構成となっている。
上述の各格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1~26で構成される。なお、各格納領域に格納されるデータは、図17中の「データ」欄の1バイトデータのみであるが、図17では、説明の便宜上、各格納領域のビットに対応付けられた図柄組合せを示す「コンビネーション」(図17中では、リール3Lの図柄、リール3Cの図柄及びリール3Rの図柄の順で記載)及びその内容(図11~図14参照)も併せて記載する。
当籤フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、内部当籤役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において表示されることが許可された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに当籤した場合(持越されている場合)、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
入賞作動フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、表示役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において有効ライン上に表示された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
図柄コード格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、少なくともいずれかのリールの回転中において、今回の遊技において未だ有効ライン上に表示可能となっている図柄の組合せの種類を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において少なくともいずれかのリールが回転しているときに、2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示され得るものとなっている場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
(持越役格納領域)
続いて、図18を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。持越役格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。
内部抽籤処理の結果、「F_2BB」(2BB)又は「F_3BB」(3BB)のボーナス役が内部当籤役として決定されたときには、これらのボーナス役は、持越役として持越役格納領域に格納される(対応するビットに「1」が格納される)。持越役格納領域に格納された持越役は、対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまでクリアされずに保持される。また、持越役格納領域に持越役が格納されている間、内部抽籤処理によって決定された内部当籤役(小役・リプレイ役)に加えて、持越役(ボーナス役)が当籤フラグ格納領域に格納される。
(遊技状態フラグ格納領域)
続いて、図19を参照して、遊技状態フラグ格納領域の構成について説明する。遊技状態フラグ格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。例えば、現在の遊技状態が2BB状態である場合、格納領域のビット0に「1」が格納される。
なお、第1の遊技機では、RT状態が設けられていないので、図19に示す遊技状態フラグ格納領域にはRT状態の種類を示す領域は設けられていないが、例えば、RT状態が設けられている場合には、現在のRT状態に対応する格納領域のビットに「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、有利区間中の遊技状態(モード)の種類を示すデータを別途後述のモードフラグ格納領域に格納するものとしているが、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、非有利区間及び有利区間の遊技区間についても同様である。図示しない有利区間フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、AT状態やART状態等の遊技状態についても同様である。図示しないAT状態(ART状態)フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。
(モードフラグ格納領域)
続いて、図20を参照して、モードフラグ格納領域の構成について説明する。モードフラグ格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1及び格納領域2で構成される。例えば、現在のモードがスタートモードである場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。また、例えば、現在のモードが天国Aモードである場合、格納領域2のビット0に「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、疑似ボーナス状態もモードの1つとして管理している。
(作動ストップボタン格納領域)
次に、図21を参照して、作動ストップボタン格納領域の構成について説明する。作動ストップボタン格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、作動ストップボタン格納領域のビット0~2は、すでに操作されたストップボタンの種類(停止したリールの種類)を示すデータを格納し、ビット4~6は、未だ操作されていないストップボタンの種類(回転中のリールの種類)を示すデータを格納する。
例えば、ストップボタン8Lが今回押されたストップボタン、すなわち、作動ストップボタンである場合には、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納される。また、例えば、ストップボタン8Lが未だ押されていないストップボタン、すなわち、有効ストップボタンである場合には、ビット4に「1」が格納される。メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタンと未だ押されていないストップボタンとを識別する。
(押下順序格納領域)
次に、図22を参照して、押下順序格納領域の構成について説明する。押下順序格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、押下順序は、ストップボタンが押された順序、すなわち、押し順(打順)を示すものである。
例えば、全てのリールが回転中であるときには、押下順序格納領域のビット0~5に「1」が格納される。次いで、ストップボタン8Lが押されたときには(「左」第1停止であるから)、ビット0及び1には「1」が格納されたままとなるが、ビット2~5には「0」が格納されるようになる。次いで、ストップボタン8Cが押されたときには(「左」第1停止、「中」第2停止であることから)、ビット0には「1」が格納されたままとなるが、ビット1には「0」が格納されるようになる。メインCPU101は、押下順序格納領域に格納されているデータに基づいて、今回の遊技の押し順を識別する。
[6.主制御回路による処理]
続いて、図23~図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101が各プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。なお、以下に示す各種処理の説明では、第1の遊技機の仕様を用いてその処理内容の一具体例を説明する場合があるが、以下に示す各種処理の処理内容はこれに限定されるものではない。
[6-1.メイン処理]
まず、図23を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行されるメイン処理(主要動作処理)について説明する。なお、図23は、メイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。また、図23においては、メイン処理の開始に先立って実行される電源投入時処理についても併せて示している。
まず、メインCPU101は、パチスロ機1に電力が供給されると(電源が投入されると)、電源投入時処理を行う(S1)。この処理では、電源投入時に必要な各種処理を行う。なお、電源投入時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、当籤フラグ格納領域や入賞作動フラグ格納領域等の1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、例えば、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、及びスタートスイッチ7S等の入力状態をチェックし、遊技開始時に必要な各種処理を行う。なお、メダル受付・スタートチェック処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、乱数値取得処理を行う(S4)。この処理では、内部抽籤用乱数値(例えば、0~65535の範囲)や遊技性に関する各種抽籤で用いられる演出用乱数値(その他抽籤用乱数値)(例えば、0~65535の範囲、あるいは0~255の範囲)等を抽出し、抽出した各種乱数値をメインRAM103に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する。なお、各種乱数値の取得態様は上述のものに限られない。それぞれ予め定められた数値範囲(例えば、0~65535の範囲、0~32767の範囲、0~255の範囲、あるいは0~127の範囲等)から必要な個数の乱数値を適宜取得することができる。
続いて、メインCPU101は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、現在の遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルや内部抽籤用乱数値に基づいて内部当籤役を決定するために必要な各種処理を行う。なお、内部抽籤処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時状態制御処理を行う(S6)。この処理では、各種遊技状態について、遊技を開始するときに、(例えば、決定された内部当籤役等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技開始時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、スタートコマンド生成格納処理を行う(S7)。この処理では、副制御回路200に送信するスタートコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域(不図示)に格納する。なお、通信データ格納領域に格納されたデータは、後述の通信データ送信処理(図32のS204参照)において主制御回路100から副制御回路200に送信される。また、その他のコマンドのデータの生成、格納、及び送信手法も基本的に同様である。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時メイン側演出制御処理を行う(S8)。この処理では、遊技を開始するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技開始時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、例えば、AT状態であって指示モニタによって停止操作の情報を報知する場合にはその報知態様を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、内部当籤役や遊技状態等に基づいて、今回の遊技で使用する停止テーブルの種類や引込優先順位テーブルの種類等の停止制御に必要な各種情報を設定する。
続いて、メインCPU101は、リール回転開始処理を行う(S10)。この処理では、全てのリールの回転開始を要求する。そして、全てのリールの回転開始が要求されると、後述のリール制御処理(図32のS203参照)により、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。回転を開始した各リールは、その回転速度が一定速度に達するまで加速制御され、その後、当該一定速度が維持される。また、詳細は省略するが、この処理においてはリール回転開始コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S11)。この処理では、回転中のリール(この場合は全てのリール)の各図柄(図柄位置)に対して、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域(不図示)に格納する。なお、図示は省略するが、この処理に先立って後述の図柄コード格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、決定された内部当籤役(あるいはこれに応じて設定された各種停止制御に係る情報)と各ストップボタン8L,8C,8Rの停止操作態様と基づいて該当するリールの回転を停止させるために必要な各種処理を行う。なお、リール停止制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、入賞作動判定処理を行う(S13)。この処理では、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されたいずれかの図柄の組合せであるか否かを判定する。例えば、入賞作動フラグ格納領域において「1」が格納されているビットがあるか否かを判定する。また、詳細は省略するが、この処理においては入賞作動コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、メダル払出・再遊技作動処理を行う(S14)。この処理では、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せが、小役に係る図柄の組合せであればこれに対応するメダル数を払出し、リプレイ役に係る図柄の組合せであれば次回の遊技において再遊技を作動させるために必要な各種処理を行う。なお、例えば、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せがリプレイ役に係る図柄の組合せである場合には、今回の遊技におけるベット数と同数の値を後述の自動投入メダルカウンタにセットする処理を行う。また、この処理では、払出すメダル数に応じたメダル払出信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時状態制御処理を行う(S15)。この処理では、各種遊技状態について、遊技が終了するときに、(例えば、表示された図柄の組合せ等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技終了時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時メイン側演出制御処理を行う(S16)。この処理では、遊技が終了するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技終了時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
このように、パチスロ機1では、上述のS2~S16の処理が行われることで1回の単位遊技が制御され、また、これらの処理が繰り返されることで遊技の進行が制御される。なお、必要に応じてこれらの処理以外の処理が適宜行われるように構成することもできるし、これらの処理のうち一部の処理については行われないように構成することもできる。すなわち、上述の各種処理はあくまで一例である。
(電源投入時処理)
続いて、図24を参照して、上述のメイン処理のS1において行われる電源投入時処理について説明する。なお、図24は、電源投入時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、図示しない電源投入時の初期化処理を行った後、メインRAM103の書込みテストを行い、当該テストの結果、メインRAM103への書込みが正常に行われたか否かを判定する(S21)。すなわち、メインCPU101は、メインRAM103に異常が発生していないか否かを判定する。
メインCPU101は、メインRAM103への書込みが正常に行われたと判定した場合(S21がYES)、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であるか否かを判定する(S22)。すなわち、メインCPU101は、設定変更が可能な状態であるか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であると判定した場合(S22がYES)、設定変更時の初期化処理を行う(S23)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、持越役格納領域、遊技状態フラグ格納領域やモードフラグ格納領域等の設定変更時にデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、初期化コマンド生成格納処理を行う(S24)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が開始されたことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。
続いて、メインCPU101は、設定変更処理を行う(S25)。この処理では、上述の設定値決定操作や設定値確定操作を受付けることにより、メインRAM103が初期化された後、新たな設定値がメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に設定(格納)される。続いて、メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったか否かを判定する(S26)。すなわち、メインCPU101は、新たに設定値が設定された後、設定変更が可能な状態が終了したか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となっていないと判定した場合(S26がNO)、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となるまで処理を待機する。一方、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったと判定した場合(S26がYES)、初期化コマンド生成格納処理を行う(S27)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S22において、設定用鍵型スイッチ52がオン状態でないと判定した場合(S22がNO)、バックアップデータが正常であるか否かを判定する(S28)。すなわち、メインCPU101は、パチスロ機1への電力の供給が断たれたとき(電断時)にバックアップされた各種情報が正常であるか否かを判定する。
メインCPU101は、バックアップデータが正常であると判定した場合(S28がYES)、遊技復帰処理を行う(S29)。この処理では、パチスロ機1を電断前の状態に復帰させる処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S21において、メインRAM103への書込みが正常に行わなかったと判定した場合(S21がNO)、及びS28において、バックアップデータが正常でないと判定した場合(S28がNO)、電源投入時エラー処理を行う(S30)。なお、この電源投入時エラー処理によって発生したエラーは、上述のリセット操作によっては解消されず、新たに設定値が設定されたことに応じて解消するものとなっている。したがって、メインCPU101は、電源投入時エラー処理の後、一度パチスロ機1の電源がオフとなり、その後、新たに設定値が設定されるまで(上述のS22~S26の処理が行われるまで)通常の処理(図23のS2以降)に移行しない。
(メダル受付・スタートチェック処理)
続いて、図25を参照して、上述のメイン処理のS3において行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。なお、図25は、メダル受付・スタートチェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S41)。すなわち、メインCPU101は、前回の単位遊技でリプレイ役に入賞したか(再遊技が作動したか)否かを判定する。
メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S41がNO)、自動投入処理を行う(S42)。この処理では、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルが自動投入される。また、詳細は省略するが、自動投入が行われる場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
メインCPU101は、S41において、自動投入メダルカウンタの値が「0」であると判定した場合(S41がYES)、及びS42の処理の後、メダル補助収納庫スイッチチェック処理を行う(S43)。この処理では、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっているか(すなわち、メダル補助収納庫33に一定数以上のメダルが収納されているか)否かを判定し、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていると判定した場合にはメダル補助収納庫エラーを発生させる。この場合、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。また、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていないと判定した場合には、この処理を終了する。
続いて、メインCPU101は、メダル投入状態チェック処理を行う(S44)。この処理では、現在のベット数やクレジット数のチェックを行うとともに、メダルの受付が禁止されているか、あるいはセレクタエラーが発生しているか等も判定し、メダルの受付が可能であれば、メダルの受付が可能な状態(ベット操作を受付可能な状態)とする(メダルの受付を許可する)。なお、セレクタエラーが発生している場合には、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。
続いて、メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であるか否かを判定する(S45)。メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であると判定した場合(S45がYES)、メダル投入チェック処理を行う(S46)。この処理では、メダルセンサ31Sの検出結果やベットスイッチ6Sの検出結果に基づいてベット数やクレジット数を更新する。また、詳細は省略するが、ベット操作が行われた場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であるか否かを判定する(S47)。すなわち、メインCPU101は、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっていないか否かを判定する。メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態でない(すなわち、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっている)と判定した場合(S49がNO)、メダルの受付を禁止する(S48)。すなわち、メインCPU101は、メダルの受付が可能でない状態(ベット操作を受付可能としない状態)とする。
メインCPU101は、S45において、メダルの受付が可能な状態でないと判定した場合(S45がNO)、S47において、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であると判定した場合(S47がYES)、及びS48の処理の後、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判定する(S49)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、現在のベット数が「2」又は「3」枚であるか否かが判定される。
メインCPU101は、投入枚数が遊技開始可能枚数であると判定した場合(S49がYES)、スタートスイッチ7Sがオン状態となったか否かを判定する(S50)。すなわち、メインCPU101は、遊技者によって開始操作が行われたか否かを判定する。
メインCPU101は、スタートスイッチ7Sがオン状態となったと判定した場合(S50がYES)、メダルの受付を禁止する(S51)。そして、メインCPU101は、この処理の後、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
メインCPU101は、S49において、投入枚数が遊技開始可能枚数でないと判定した場合(S49がNO)、及びS50において、スタートスイッチ7Sがオン状態となっていないと判定した場合(S50がNO)、処理をS44に戻す。
(内部抽籤処理)
続いて、図26を参照して、上述のメイン処理のS5において行われる内部抽籤処理について説明する。なお、図26は、内部抽籤処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、設定値・メダル投入枚数チェック処理を行う(S61)。この処理では、今回の単位遊技における設定値及びベット数のチェックを行う。続いて、メインCPU101は、設定値、ベット数及び遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S62)。続いて、メインCPU101は、乱数値格納領域から内部抽籤用乱数値を取得する(S63)。すなわち、メインCPU101は、上述のメイン処理のS4で取得した内部抽籤用乱数値のデータを取得する。なお、この処理において、設定値が「1」~「6」以外又はベット数が「1」~「3」以外であると判定された場合には、メインCPU101は、重篤なエラーが発生したと判断し、上述の電源投入時エラー処理(図24のS30参照)を実行する。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役決定処理を行う(S64)。この処理では、取得した内部抽籤用乱数値を、セットされた内部抽籤テーブルに規定された各内部当籤役の抽籤値を用いて順次更新(例えば、加算更新)し、更新結果が所定結果となったか(例えば、オーバーフローしたか)否かを判定する。所定結果となった場合にはその内部当籤役を今回の単位遊技の内部当籤役として決定する。なお、全ての内部当籤役について判定しても所定結果とならなかった場合には、今回の単位遊技の結果は「はずれ」となる(内部当籤役として「はずれ」が決定される)。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役が決定されたか否かを判定する(S65)。メインCPU101は、内部当籤役が決定されなかったと判定した場合(S65がNO)、処理をS64に戻す。すなわち、メインCPU101は、判定対象となる内部当籤役を順次更新し(内部抽籤用乱数値も順次更新し)、全ての内部当籤役について判定が行われるまで(あるいは、その中途で内部当籤役が決定されるまで)S64の処理を繰り返す。
メインCPU101は、内部当籤役が決定されたと判定した場合(S65がYES)、決定された内部当籤役が持越非対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役でなく、小役又はリプレイ役であるか)否かを判定する(S66)。メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越非対象役であると判定した場合(S66がYES)、当籤フラグ格納領域を更新する(S67)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて当籤フラグ格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、当籤フラグ格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S66において、決定された内部当籤役が持越非対象役でないと判定した場合(S66がNO)、及びS67の処理の後、決定された内部当籤役が持越対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役であるか)否かを判定する(S68)。
メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越対象役であると判定した場合(S68がYES)、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S69)。すなわち、メインCPU101は、未だいずれのボーナス役も持越されていないか否かを判定する。メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S69がYES)、持越役格納領域を更新する(S70)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて持越役格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、持越役格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S68において、決定された内部当籤役が持越対象役でないと判定した場合(S68がNO)、S69において、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S69がNO)、及びS70の処理の後、再度、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S71)。
メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S71がNO)、当籤フラグ格納領域を更新する(S72)。この処理では、持越役格納領域に格納されているデータを当籤フラグ格納領域のデータに反映させる。すなわち、メインCPU101は、ボーナス役が持越されている(あるいは今回の単位遊技で当籤した)場合、当籤フラグ格納領域において、当該ボーナス役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S71において、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S71がYES)、及びS72の処理の後、サブフラグ等設定処理を行う(S73)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、内部当籤役に基づいて非有利区間サブフラグや有利区間当籤時サブフラグが設定される。なお、この処理では、例えば、AT状態であるとき、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報等が設定されるようにしてもよい。そして、メインCPU101は、この処理の後、内部抽籤処理を終了する。
(遊技開始時状態制御処理)
続いて、図27を参照して、上述のメイン処理のS6において行われる遊技開始時状態制御処理について説明する。なお、図27は、遊技開始時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S81)。この処理では、遊技を開始するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定のボーナス役に当籤したことに基づいて所定のRT状態としてのフラグ間に移行させる場合、この処理において所定のボーナス役に当籤したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、フラグ間はRT状態として(すなわち、遊技状態フラグ格納領域に格納される遊技状態として)構成されていないため、ここでのチェックは不要となる。また、例えば、特定の移行条件の成立から特定の遊技数の遊技を行ったことにより開始又は終了する特定のRT状態がある場合、この処理においてこの特定の遊技数を管理することもできる。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S82)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S82がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S83)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S84)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。
メインCPU101は、S82において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S82がNO)、及びS84の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S85)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S85がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S86)。この処理では、遊技を開始するときに、非有利区間から有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の開始条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤を行い、この抽籤結果が有利区間を開始させるものであるか否かがチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S87)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S87がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S87がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S88)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を開始させる(セットする)。この処理では、有利区間が開始したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)のカウントを開始する(すなわち、一連の有利区間の遊技期間の監視を開始する)等の設定処理を適宜行う。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S89)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S90)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、セットされた移行先モードにしたがい、疑似ボーナスに移行する場合にはその遊技期間として「55ゲーム」が設定され、終了モードに移行する場合にはその遊技期間として「32ゲーム」が設定され、それ以外のモードに移行する場合にはそれぞれに対応する天井ゲーム数が設定される。また、各種抽籤(図7及び図8等参照)における抽籤値(抽籤テーブル)が設定される。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。
メインCPU101は、S85において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S85がNO)、有利区間中遊技開始時処理を行う(S91)。なお、有利区間中遊技開始時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S92)。この処理では、遊技を開始するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S93)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S93がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S94)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S93がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技開始時処理)
続いて、図28を参照して、上述の遊技開始時状態制御処理のS91において行われる有利区間中遊技開始時処理について説明する。なお、図28は、有利区間中遊技開始時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技開始時)を行う(S101)。この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、1ゲームにつき1ずつ減算(加算)する等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S102)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S102がYES)、AT期間管理処理(遊技開始時)を行う(S103)。この処理では、例えば、遊技開始時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS101の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、ナビ設定処理を行う(S104)。この処理では、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報やスタートコマンドに含ませる停止操作の情報に対応する情報等を設定する。なお、この処理では、ナビを発生させるか否かを決定可能としてもよい。すなわち、AT状態において報知対象役が当籤した場合に、必ずしもナビが発生しない場合があってもよく、この処理においてナビ発生の可否を所定条件(例えば、報知対象役の種類や予め定められたナビ発生確率)にしたがって決定するようにしてもよい。
メインCPU101は、S102において、特定モード中でないと判定した場合(S102がNO)、及びS104の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S105)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S105がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S106)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S107)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS90の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技開始時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S105がNO)、有利区間中遊技開始時処理を終了する。
なお、図27に示す遊技開始時状態制御処理と図30に示す遊技終了時状態制御処理、及び図28に示す有利区間中遊技開始時処理と図31に示す有利区間中遊技終了時処理は、基本的にほとんど同様の処理構成となっている。これは、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで処理を行ってもよいもの(例えば、遊技状態やモードの移行等、決定された内部当籤役を参照する処理であるが、処理結果が今回の遊技が終了するまで(あるいは、次回の遊技が開始されるまで)に反映されればよい処理等)については、いずれか一方で行われればよいことを意味し、双方で同様の処理が重複して行われることを意味するものではない。したがって、このような処理については、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで行われるようにしてもよい。
これに対し、遊技を開始するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、上述のナビ設定処理等)については、遊技を開始するときに行われるものとし、また、遊技が終了するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、表示された図柄の組合せを参照する処理等)については、遊技が終了するときに行われるものとすればよい。また、例えば、遊技開始後であって遊技終了前の所定時期に処理が行われる必要があるもの、あるいは処理を行ったほうがよいもの(例えば、第1停止操作の停止操作態様を参照する処理等)については、そのときに行われるものとすればよい。
(リール停止制御処理)
続いて、図29を参照して、上述のメイン処理のS12において行われるリール停止制御処理について説明する。なお、図29は、リール停止制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、全てのリールの回転速度が所定の一定速度(例えば、80回転/1分)に到達したか(すなわち、定速回転しているか)否かを判定する(S111)。メインCPU101は、全てのリールが定速回転していないと判定した場合(S111がNO)、全てのリールが定速回転するまで処理を待機する。一方、全てのリールが定速回転していると判定した場合(S111がYES)、各リールの停止を許可する(S112)。すなわち、メインCPU101は、各ストップボタンを有効化する。また、これにともなって作動ストップボタン格納領域が更新される(第1の遊技機の場合、例えば、作動ストップボタン格納領域のビット4~6に「1」が格納される)。
続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたか否かを判定する(S113)。メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されていないと判定した場合(S113がNO)、有効なストップボタンが操作されるまで処理を待機する。なお、自動停止制御を行う場合には、この待機時間を計測し、計測結果が所定時間となったときに自動停止制御を行うように構成することができる。
メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたと判定した場合(S113がYES)、作動ストップボタン格納領域及び押下順序格納領域を更新する(S114)。なお、第1の遊技機の場合、例えば、リール3Lに対して第1停止操作が行われた場合(ストップボタン8Lが押された場合)には、この処理では、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納され、ビット4が「0」に更新される。また、押下順序格納領域のビット2~5が「0」に更新される。
続いて、メインCPU101は、作動ストップボタンから制御対象リールを決定する(S115)。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、リール3Lを制御対象リールとして決定する。
続いて、メインCPU101は、図柄カウンタから停止開始位置を格納する(S116)。図柄カウンタは、図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)を把握するためのカウンタとして構成される。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、ストップボタン8Lが押されたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データを停止開始位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、滑り駒数決定処理を行う(S117)。この処理では、例えば、上述の停止テーブルに規定された滑り駒数や上述の引込優先順位データ格納領域のデータ等を参照し、最も適切な滑り駒数(図柄の移動量)を決定する。
続いて、メインCPU101は、停止開始位置及び滑り駒数から停止予定位置を格納する(S118)。この処理では、上述のS116の処理で格納された停止開始位置と、上述のS117の処理で決定された滑り駒数から最終的に図柄が停止する位置の図柄位置データを停止予定位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、リール停止コマンド生成格納処理を行う(S119)。この処理では、副制御回路200に送信するリール停止コマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に格納する。なお、リール停止コマンドは、停止予定位置のみならず、停止開始位置や滑り駒数が特定できるパラメータを含んで構成することができる。
続いて、メインCPU101は、図柄コード格納処理を行う(S120)。この処理では、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類(図柄コード)も参照しながら、図柄コード格納領域を更新する。続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンがあるか否かを判定する(S121)。すなわち、メインCPU101は、未だ回転中のリールがあるか(全てのリールに対して停止操作が行われていないか)否かを判定する。
メインCPU101は、有効なストップボタンがあると判定した場合(S121がYES)、制御変更処理を行う(S122)。この処理では、ここまでの遊技者の停止操作態様に応じて、例えば、上述のリール停止初期設定処理で設定された停止テーブルや引込優先順位テーブル等の変更が必要である場合に、このような停止制御に必要な各種情報を再設定する。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S123)。この処理では、回転中のリールの各図柄(図柄位置)に対して、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類も参照しながら、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、処理をS113に戻す。また、メインCPU101は、有効なストップボタンがないと判定した場合(S121がNO)、リール停止制御処理を終了する。
(遊技終了時状態制御処理)
続いて、図30を参照して、上述のメイン処理のS15において行われる遊技終了時状態制御処理について説明する。なお、図30は、遊技終了時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S131)。この処理では、遊技が終了するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定の図柄の組合せが表示されたことに基づいて所定のRT状態や所定のボーナス状態に移行させる場合、この処理において所定の図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、所定のRT状態や所定のボーナス状態である場合、この処理においてこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合、メダルの払出によってこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S132)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S132がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S133)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示された場合、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1に「1」を格納し、2BB状態又は3BB状態をセットする。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合に、これらの遊技状態の終了条件が成立した場合には、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1を「0」に更新する。
続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S134)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「1」を設定し、3BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「176」を設定する。
メインCPU101は、S132において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S132がNO)、及びS134の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S135)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S135がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S136)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS86の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S137)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S137がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S137がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S138)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS88の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S139)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS89の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S140)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS90の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
メインCPU101は、S135において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S135がNO)、有利区間中遊技終了時処理を行う(S141)。なお、有利区間中遊技終了時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S142)。この処理では、遊技が終了するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S143)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S143がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S144)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S143がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技終了時処理)
続いて、図31を参照して、上述の遊技終了時状態制御処理のS141において行われる有利区間中遊技終了時処理について説明する。なお、図31は、有利区間中遊技終了時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技終了時)を行う(S151)。この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、払出数、所定の図柄の組合せの表示回数や停止操作態様等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S152)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S152がYES)、AT期間管理処理(遊技終了時)を行う(S153)。この処理では、例えば、遊技終了時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS151の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
メインCPU101は、特定モード中でないと判定した場合(S152がNO)、及びS153の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S154)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S154がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S155)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S156)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS140の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技終了時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S154がNO)、有利区間中遊技終了時処理を終了する。
[6-2.定期割込処理]
まず、図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行される定期割込処理について説明する。なお、図32は、定期割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ここで、本実施形態では、定期割込処理の周期(1割込時間)を「1.1172ms」としている。もっとも、定期割込処理の周期はこれに限られない。例えば、これとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよいし、あるいは、これと同じ周期が設定されていても、一部又は全部の処理について実際に処理が行われる割込回数を「2」以上とすることにより、結果的にこれとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよい。
まず、メインCPU101は、レジスタの退避処理を行う(S201)。続いて、メインCPU101は、入力ポートチェック処理を行う(S202)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)各種センサやスイッチの入力状態(オン状態又はオフ状態)のチェックを行う。例えば、前回の割込時の入力状態と今回の割込時の入力状態とを比較し、入力状態に変化があったか否かのチェックを行い、入力状態に変化があった場合、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)にその変化を格納し、変化にかかわらない入力状態についてはそのままメインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)に格納する。
続いて、メインCPU101は、リール制御処理を行う(S203)。この処理では、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動を制御し、各リール3L,3C,3Rの回転及び停止を制御する。続いて、メインCPU101は、通信データ送信処理を行う(S204)。この処理では、通信データ格納領域に格納された各コマンドの各パラメータを副制御回路200に送信する。なお、この処理では、通信データ格納領域にコマンドデータが格納されていない場合、入力ポート格納領域0及び入力ポート格納領域1に格納されているデータを入力状態コマンドとして副制御回路200に送信する。
なお、本実施形態では、各種コマンドデータが一旦通信データ格納領域に格納された後、定期割込処理において副制御回路200に送信する構成としているが、例えば、各種コマンドデータを通信データ格納領域に格納することなく、主制御回路100内に設けられた通信回路(不図示)に直接格納して副制御回路200に送信する構成としてもよい。また、本実施形態では、詳細な説明は省略しているが、各種コマンドデータがシリアル通信によって副制御回路200に送信される構成としているが、例えば、各種コマンドデータがパラレル通信によって副制御回路200に送信される構成としてもよい。
続いて、メインCPU101は、7セグLED駆動処理を行う(S205)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)、例えば、情報表示装置14等の表示内容を制御する。続いて、メインCPU101は、タイマ更新処理を行う(S206)。この処理では、主制御回路100で管理される各種タイマを更新する。
続いて、メインCPU101は、エラー検知処理を行う(S207)。この処理では、上述のS202でチェックされた入力状態等に基づいて、各種エラー状態が発生しているか否かを検知する。続いて、メインCPU101は、ドア開閉チェック処理を行う(S208)。この処理では、例えば、ドア開閉監視スイッチ56の入力状態に基づいて、下ドア機構DD開閉状態のチェックを行う。なお、各種エラー状態が発生している場合、及びドア開閉監視スイッチ56の入力状態が開状態(オフ状態)の場合、外部集中端子板55からセキュリティ信号が出力される。
続いて、メインCPU101は、レジスタの復帰処理を行う(S209)。そして、メインCPU101は、この処理の後、定期割込処理を終了する。
[7.副制御回路による処理]
続いて、図33を参照して、副制御回路200のサブCPU201が各プログラムを用いて実行するサブ側制御処理の概要について説明する。図33は、サブ側制御処理の概要の一例を示すフローチャートである。
なお、パチスロ機1では、不正行為や不正改造防止の観点より、主制御回路100側(主制御基板71及び主制御基板ケースを含む)には種々の制約が設けられているが、副制御回路200側(副制御基板72及び副制御基板ケースを含む)にはそれほどの制約は設けられていない。したがって、副制御基板72(及び副制御回路200)は、接続される演出装置の種類、その数、あるいはその演出装置によって行われる演出の種類等と、製造コスト等との兼ね合いに応じて種々の構成を用いることが可能となっている。図33において「概要」としているのはそのためである。
まず、サブCPU201は、電源投入時にはメインCPU101と同様、電源投入時処理を行う(S301及びS302)。この処理では、電源投入時に異常が発生しているか否かを検知したり、サブRAM203に格納されているデータを初期化したり、また、後述の各種演出実行制御処理を行うために必要な各種タスクを起動させたりする等の処理が行われる。
また、サブCPU201は、主制御回路100から送信されたコマンドを受信した場合、コマンド受信時演出実行制御処理を行う(S303及びS304)。この処理では、例えば、初期化コマンドを受信した場合、受信した初期化コマンドのパラメータの情報を参照し、設定変更がされていればサブ側でも適宜初期化処理が実行され、設定変更されていなければサブ側でも電断前の状態に復帰させる処理が実行される。
また、例えば、スタートコマンドを受信した場合、受信したスタートコマンドのパラメータの情報を参照し、非AT状態であれば、内部当籤役や遊技状態等を示唆ないし報知する演出の内容を(必要に応じて抽籤により)決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、AT状態であれば、これに加え、有利な停止操作態様を報知する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、例えば、ロックコマンドを受信した場合、受信したロックコマンドのパラメータの情報を参照し、ロック演出の内容と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、リール停止コマンドを受信した場合、受信したリール停止コマンドのパラメータの情報を参照し、停止開始位置や停止予定位置(あるいは、単に何番目の停止操作が行われたか等)と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、入賞作動コマンドを受信した場合、受信した入賞作動コマンドのパラメータの情報を参照し、特典が付与される場合に、付与される特典と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、サブCPU201は、副制御基板72に接続された(副中継基板74を介して接続されたものを含む)、例えば、演出用ボタン10a,10bが操作された場合、演出ボタン操作時演出実行制御処理を行う(S305及びS306)。この処理では、例えば、操作連動演出の実行中に、当該演出に沿った演出用ボタンが操作された場合、操作連動演出の内容が変化するように各種演出装置を制御する。また、例えば、非遊技中に、後述のユーザーメニュー呼出のために演出用ボタンが操作された場合、ユーザーメニューを表示するための制御を行う。また、ユーザーメニューの表示中に、選択・決定操作のために演出用ボタンが操作された場合、これらの操作にしたがった制御を行う。
また、サブCPU201は、上述の契機以外の契機が成立した場合、その他演出実行制御処理を行う(S307)。この処理では、例えば、遊技に関する操作及びユーザーメニューに関する操作が行われていない非操作期間が所定期間(例えば、30秒程度)となった場合、デモ状態報知に係る演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
[8.パチスロ機のその他の機能]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を制御する各種機能及び演出を制御する各種機能、並びにこれらの機能を実現するための各種構成を備えるものであるが、例えば、以下に示すようなその他の機能を備えることもできる。なお、以下では、遊技者側のその他の機能の一例と、遊技店側のその他の機能の一例について説明する。
[8-1.遊技者側]
例えば、遊技者の演出操作によってユーザーメニューが表示され、当該ユーザーメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「配列・配当表」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における図柄配列と、規定された図柄組合せ及びその入賞時の配当(特典の内容)等を示す遊技情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「音量・光量調整」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種表示装置の輝度、スピーカ群から出力される音の音量、あるいはランプ・LED群の光量等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「カスタム」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における演出態様(例えば、演出に用いられるキャラクタの種類(当該キャラクタ(表示態様)自体の種類、当該キャラクタに対応する音声の種類、あるいは当該キャラクタに係る衣装やアイテム(個別表示態様)の種類等も含む)、演出発生確率(演出発生時の期待度の種類等も含む)、あるいは示唆ないし報知の態様(演出実行タイミング等も含む)等)が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「ユニメモ」が選択・決定された場合には、遊技者の携帯端末(例えば、携帯電話やスマートフォン等)を利用した情報提供サービスを受けること可能となっている。このような情報提供サービスでは、例えば、遊技者がログイン操作して遊技を開始し(ログイン操作なしに遊技を開始させた場合でもよい)、遊技終了時にログアウト操作することで、遊技履歴情報(例えば、累計何ゲーム遊技したか、有利な遊技状態を何回発生させたか、最高獲得枚数は何枚であるか等、種々の遊技の結果に応じた情報)を確認、あるいは取得できる。
また、例えば、遊技履歴情報には、遊技の結果(開放条件の成立)に応じて、遊技中に表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報、遊技者の携帯端末上で表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報等、付帯する特典に関する情報も含まれる。
なお、このような情報提供サービスにおけるログイン・ログアウトの手法は種々の手法を採用することができる。例えば、遊技者の端末を利用し、遊技者に演出表示部上に表示される二次元コードを読み取らせることでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよいし、また、遊技者にパスワードを入力させ、あるいはパスワードを記憶させる(具体的には、例えば、遊技終了時のログアウト時には、二次元コードにかえて、4ケタ~10ケタ程度の文字列を次回入力用パスワードとして表示可能とし、それを遊技者が紙媒体でメモしたり、携帯端末で写真として撮影したり等によって取得可能とし、次回の遊技開始前のログイン時には、このようにして取得されたパスワードを入力可能とする)ことでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよい。また、これらの手法を適宜組み合わせてログイン・ログアウトが行われるようにすることもできる。
[8-2.遊技店側]
例えば、遊技店側の管理者の設定確認操作(設定変更操作、あるいは遊技店側の管理者によるその他の操作であってもよい)によってホールメニューが表示され、当該ホールメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技店側の管理者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「時刻設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における日時等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、日時は、例えば、上述のサブ側電源投入時処理(図33のS302参照)において自動的に更新されるように構成することもできる。
また、例えば、「トータルメダル情報」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の投入枚数及び払出枚数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。
また、例えば、「設定変更・確認履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の設定変更操作及び設定確認操作回数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「エラー情報履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のエラー発生日時やその内容等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「監視履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のドア開放日時やその期間等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「警告設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種警告報知の態様や頻度等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「省電力モード設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における省電力機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。また、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「打ち止め設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における打ち止め機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、打ち止め機能は、所定の作動条件が成立した場合に、遊技店の管理者の解除操作(例えば、リセット操作)がなされるまで遊技不能状態とする機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、打ち止め機能がオン状態に設定された場合、これに連動して後述の自動精算機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
また、例えば、「自動精算設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における自動精算機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、自動精算機能は、所定の作動条件が成立した場合に、自動的にクレジットが精算される(すなわち、クレジットされていた遊技価値全てが自動的に返却される)機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、自動精算機能がオン状態に設定された場合、これに連動して上述の打ち止め機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
なお、打ち止め機能や自動精算機能の設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。もっとも、この場合、いたずらに受付可能とする操作部を増加させることも望ましくないので、特定の操作部(例えば、ストップボタン)のみを当該設定に係る操作を受付ける操作部の一部として使用することができるものとしてもよい。
[9.拡張例]
ここまで、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機として、パチスロ機1を一例に挙げて説明したが、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機はこれに限定されない。例えば、いわゆる「パチンコ機」や「スロットマシン」等と称される遊技機にも適用可能であり、同様の作用効果が得られる。すなわち、本実施形態に係る発明は、遊技者の遊技動作(操作)に応じて遊技を行う(遊技制御を行う)ことが可能な遊技機であれば、その全てに適用することができる。また、パチスロ機1を含む遊技機について、その構成やその機能等も上述のものに限定されず、種々の変更・拡張が可能である。以下、あくまで一例であるが、このような拡張例について説明する。
(パチンコ機)
パチンコ機は、例えば、遊技球が転動流下可能な遊技領域を有する遊技盤、遊技領域を外部から視認可能としつつ保護する保護ガラスを含むガラスドア、遊技領域の所定領域に設けられる演出表示装置(遊技領域外に設けられるものであってもよい)、遊技球を払出す払出ユニット、及び、遊技や演出に関する各種制御を行う各種制御基板を含む基板ユニット等を有し、これらは枠体(単に「枠」等と称される場合もある)によって支持される。
また、パチンコ機の前面側には、例えば、遊技者の操作手段の一つとしての発射ハンドル、遊技に供する遊技球を貯留可能な上皿、及び、払出された遊技球を貯留可能な下皿等が設けられている。なお、上述した演出用ボタンや可動演出装置が設けられているものも多い。また、遊技領域には、例えば、遊技球が通過可能な始動領域(「始動口」等と称される場合もある)や特定領域(「V入賞口」等と称される場合もある)、遊技球が入賞しやすい状態と入賞しにくい状態との間で変移可能な可変入賞装置(「大入賞口」等と称される場合もある)、及び、識別情報(「図柄」等と称される場合があり、「特別図柄」と「普通図柄」を含む)を可変表示可能な可変表示装置等が設けられる。
そして、パチンコ機では、遊技者は発射ハンドルを操作し、遊技球を遊技領域に発射することで遊技を行う。例えば、発射された遊技球が始動領域を通過すると、可変表示が開始される。また、このとき、現在の状態(例えば、当り確率が相対的に高い確変遊技状態であるか等)や始動領域の種類等に応じた確率で、遊技状態を移行させるか否か(例えば、遊技者に有利な大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行させるか否か)が決定される(すなわち、遊技状態を移行させるか否かが抽籤(あるいは、判定)される)。その後、可変表示の停止条件(例えば、設定された変動時間が終了したこと)が成立すると、上記決定結果に応じた停止態様で可変表示が停止する。このとき、上記決定結果が遊技状態を移行させるもの(当り)であれば、停止される停止態様も当該当りに対応する表示結果となり、当該表示結果が表示されたことに応じて当該当りに対応する遊技状態に移行する。一方、上記決定結果が遊技状態を移行させないもの(はずれ)であれば、停止される停止態様もはずれに対応する表示結果となり、遊技状態は移行しない。なお、例えば、発射された遊技球が特定領域を通過すると(特定領域は、通常は遊技球の通過が困難な状態におかれていることが多い)、可変表示装置によらず、遊技状態を移行させることが決定される。
すなわち、パチスロ機1は、必要なメダルをベットし、遊技者が開始操作することを開始契機として遊技が開始されるのに対し、パチンコ機は、遊技者が必要な遊技球を発射ハンドルの操作によって発射し、例えば、これによって始動領域を遊技球が通過したことを開始契機として遊技が開始される点においては異なるものの、ともに遊技者の遊技動作によって遊技が開始される点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、その開始契機が成立したときに、最終的に表示が許可される停止態様(換言すれば、付与される特典の内容)が決定される点において共通する。
また、パチスロ機1は、基本的には遊技者の停止操作によって可変表示が停止されるのに対し、パチンコ機は、停止条件が成立したことによって(遊技者の停止操作によらずして)可変表示が停止される点においては異なるものの、ともに事前の決定結果にしたがって可変表示を停止させ、停止した停止態様に応じた特典を付与する点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、遊技に関連する演出を実行可能な点において共通する。例えば、上記演出表示装置は、上述した演出表示部や情報表示部として機能する。また、パチンコ機においても、上述したランプ、スピーカ、あるいはその他演出装置等の演出実行手段を設け、これらによって演出を実行してもよいことはもちろんである。
なお、パチンコ機では、上記演出表示装置において、装飾図柄(これも「識別情報」等と称される場合がある)が変動表示されるものが多い。上述のとおり、本来の遊技結果は上記可変表示装置にて表示されるものであるが、上記可変表示装置は小型に構成され、また、その表示結果も複数個のLEDの点灯パターンで表示されるため、遊技者が遊技結果を認識し難くなっているものが多い。このため、パチンコ機では、上記可変表示装置の可変表示に連動するように、上記演出表示装置上で装飾図柄を変動表示(及び停止表示)させることで遊技を行うようにしたものが主流である。そして、このような装飾図柄の変動表示は、(演出上、開始契機が成立したときに一定期間遅延してから変動表示を開始したり、あるいは停止条件の成立前に仮停止したりする場合もあるが)基本的には上記可変表示装置と同様、遊技の進行にしたがって識別情報を変動表示あるいは停止表示するものである(例えば、当りの場合には装飾図柄が特別停止態様(例えば、図柄揃い)で停止表示される一方、はずれの場合には装飾図柄が非特別停止態様(例えば、バラケ目)で停止表示される)ことから、これを上述した変動表示部の一態様であるとして、本実施形態に係る発明を適用することも可能である。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の外部構造あるいは内部構造の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、メダルを必須とし、遊技球には置き換えできないもの等)を除き、パチンコ機の外部構造あるいは内部構造の構成として適用することができる。
また、パチンコ機においても、遊技に関する各種制御は、主制御基板に実装された遊技制御部としての主制御回路によって行われ(一部、払出に関する制御は、主制御基板に電気的に接続された払出制御基板に実装された払出制御回路によって行われる場合があるが、これを含む)、演出に関する各種制御は、副制御基板に実装された演出制御部としての副制御回路によって行われることから、パチスロ機1の電気的構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、停止操作に関するもの等)を除き、パチンコ機の電気的構成として適用することができる。
また、パチスロ機1においては、上述のとおり、遊技者に相対的に有利な(あるいは、その構成内容によっては不利となる場合もあり得るが)遊技状態として、ボーナス状態、RT状態、AT状態、これらを組み合わせたART状態等を設けることが可能となっている。例えば、ボーナス状態では、小役の抽籤態様を非ボーナス状態よりも有利とすることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能とし、RT状態では、リプレイ役の抽籤態様を非RT状態よりも有利とすることで、はずれが発生しにくい(結果として、メダルが減少しにくい)状態を一定期間継続させることを可能とし、AT状態では、有利な停止操作態様が報知されることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。
これに対し、パチンコ機においても、これらと同様の性質を有する各種遊技状態を設けることが可能となっている。例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、上記可変入賞装置について通常とは異なる制御が行われることで、遊技球が入賞しやすい状態に変移することを可能とし、これによって遊技球が付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、時短遊技状態(「電サポ状態」等と称される場合がある)では、普通図柄について通常とは異なる制御が行われることで、始動領域を遊技球が通過しやすい状態とすることを可能とし、これによって上記可変表示装置による抽籤頻度を高めるとともに、遊技球が減少しにくい状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、確変遊技状態では、特別図柄について通常とは異なる制御が行われることで、上記可変表示装置による当籤確率が高まる(結果として、遊技球が増加しやすい)状態を一定期間継続させることを可能としている。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の遊技性として、遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、遊技区間の移行をともなうもの等)を除き、パチンコ機の遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として適用することができる。また、パチスロ機1の遊技性として他に説明する各種事項についても同様である。
なお、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中の遊技回数が規定回数となったことに応じて、時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、天井機能(有利状態(例えば、大当り遊技状態)に移行することなく不利状態(例えば、通常遊技状態)が所定期間(例えば、900ゲーム(回転))継続した場合に、ハマリ救済として有利状態(例えば、時短遊技状態)に移行させることができる機能)を搭載することができるため、パチスロ機1の天井機能に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の天井機能に関する構成として適用することができる。
また、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中において、上記可変表示装置の停止態様が特定のはずれに対応する表示結果となった場合には、これを契機として時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、特定の表示結果(特定の図柄の組合せ)の表示による(大当り遊技状態等への移行を契機としない)遊技状態の遷移(移行)が可能となっているため、例えば、パチスロ機1の特定の図柄の組合せの表示によるRT状態の遷移(移行)に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の特定の表示結果の表示による時短遊技状態の遷移(移行)に関する構成として適用することができる。
(メダルレス遊技機)
本実施形態のパチスロ機1では、遊技者のベット操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口5に対して投入してベットする操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してベットする操作)があることを開始条件の1つとして遊技を開始し、遊技が終了したときにメダルの払出がある場合には、ホッパー装置32を駆動させてメダル払出口11からメダルを払出し、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、パチスロ機1の構成はこれに限られない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技価値がベットされ、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与される(例えば、遊技価値が付与される)形態全てについて、本実施形態に係る発明を適用可能である。すなわち、遊技者の動作によって物理的にメダルが投入され(掛けられ)、メダルが払出される形態のみならず、パチスロ機1の内部で、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理し(あるいは、電磁的でなくとも、少なくとも遊技者が遊技価値に直接接触できない態様で管理し)、メダルレスで遊技を可能とするものにも適用可能である。ここでは、このようなパチスロ機1を「メダルレス遊技機」と称する。なお、メダルレス遊技機は、「管理遊技機」や「封入式遊技機」等と称されることがある。
なお、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理するのは、主制御回路100(主制御基板71)自体であってもよいし、主制御回路100(主制御基板71)に装着される(接続される)遊技価値管理装置(以下では、このような管理装置を「メダル数制御基板」として説明する場合がある)であってもよい。以下では、この遊技価値管理装置が設けられる一例を説明する。
遊技価値管理装置は、少なくともROM及びRWM(あるいは、RAM)を備え、パチスロ機1に設けられる装置であって、通信装置(以下では、このような通信装置を「接続端子板」として説明する場合がある)を介して外部の遊技価値提供装置(以下では、このような遊技価値提供装置を「通信専用ユニット」として説明する場合がある)と双方向通信可能に接続される。遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置との間で必要な通信を行うことにより、遊技価値の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技価値のベット操作を行う上で必要な遊技価値を提供する動作)、遊技価値の付与動作(すなわち、遊技価値の付与に係る役に入賞(当該役が成立)した等の場合に遊技者に対して付与に係る遊技価値を提供する動作)、及びこれらの動作によって提供された遊技価値を電磁的に記録する動作等を行い得るものとする。なお、遊技価値提供装置は、「遊技価値(遊技媒体)取扱装置」、「遊技価値(遊技媒体)貸出装置」あるいは「サンド」等と称されることがある
また、外部の遊技価値提供装置は、外部の出玉管理装置(出玉管理サーバ)に接続されており、遊技価値管理装置は、外部の出玉管理装置に対し、通信装置及び外部の遊技価値提供装置を介して出玉管理情報を送信可能に構成される。ここで、出玉管理情報は、外部の出玉管理装置が出玉の管理を可能とするために必要な各種の情報で構成される。なお、出玉管理情報の一例については後述する。また、外部の遊技価値提供装置と外部の出玉管理装置との間は、例えば、インターネット回線によって接続される。
ここで、「出玉」とは、直接的には払出された遊技媒体数を意味するものであるが、本実施形態では、例えば、払出数からベット数を減じた差枚数(純増数)等の遊技者に対する特典の付与度合い(例えば、遊技者がどの程度プラスとなったか(遊技店がどの程度マイナスとなったか)、あるいは遊技者がどの程度マイナスとなったか(遊技店がどの程度プラスとなったか等))や、有利状態(例えば、ボーナス状態、AT状態、あるいは一連の有利区間等)の継続度合い、あるいはこれらの組合せによって想定される射幸性の程度等も含む概念となっている。
また、例えば、パチスロ機1の前面側に、保有する遊技価値数を表示する保有遊技価値数表示装置(不図示)を設けることとし、遊技価値管理装置は、その遊技価値数の管理結果に基づいてこの保有遊技価値数表示装置に表示される遊技価値数を管理するようにしてもよい。すなわち、遊技価値管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技価値の総数を電磁的方法により記録するのみならず、当該記録結果の表示を制御可能なものとして構成してもよい。なお、この場合、遊技価値管理装置は、遊技者が、記録された遊技価値数を示す信号を外部の遊技価値提供装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合以外には記録された遊技価値数を減ずることができない性能を有し、また、記録された遊技価値数を示す信号は、通信装置を介してでなければ送信できない性能を有することが望ましい。
なお、遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置を用いて遊技者の遊技価値を電磁的に管理する機能のみならず、遊技者の物理的動作によってベットされる遊技価値数やパチスロ機1の物理的動作によって払出される遊技価値数を管理する機能を有していてもよい。すなわち、従来のパチスロ機1における実際のメダルの投入や払出の管理をも可能とするものであってもよい。このようにすれば、パチスロ機1を従来の手法によって制御することもできるし、上述のメダルレス遊技機のような手法によって制御することもできるため、パチスロ機1がいずれの仕様となった場合であっても共通の構成とすることができる。また、この場合、遊技価値管理装置が、上述のセレクタ31やホッパー装置32を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路100(主制御基板71)によって制御され、その制御結果が送信されることにより間接的に制御する方式を採用することもできる。
また、パチスロ機1には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却(精算)操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい。また、遊技価値提供装置には、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等の各種装置に加え、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい(いずれも不図示)。なお、挿入可能な記録媒体には、遊技店で当日発行される非会員記録媒体のみならず、遊技店の会員が保有する会員記録媒体も含まれる。非会員記録媒体に記録された遊技価値は当日限り有効となる(翌日以降は無効となる)が、会員記録媒体に記録された遊技価値は翌日以降も有効となる。
この場合の遊技の流れの一例を説明する。例えば、まず、遊技者は遊技価値提供装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金する。遊技価値提供装置は、遊技者のいずれかの貸出操作手段への操作に応じて、所定数の有価価値を減算し、減算した有価価値に対応する遊技価値をパチスロ機1に提供する。そして、遊技者は遊技を行い、さらに遊技価値が必要となった場合には上記操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果によって所定数の遊技価値を獲得してから遊技を終了する際には、遊技者はいずれかの返却操作手段を操作する。遊技価値管理装置は、遊技者のいずれかの返却操作手段への操作に応じて、遊技価値提供装置に対し遊技価値数を送信する。遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録した記録媒体を排出する。遊技価値管理装置は、遊技価値数を送信したときに自身が記憶する遊技価値数をクリアする。遊技者は、排出された記録媒体を景品に交換するために景品交換所等に持っていくこともできるし、また、排出された記録媒体を他のパチスロ機1に対応する遊技価値提供装置に挿入することで、台移動して遊技を続けることもできる。また、排出された記録媒体が会員記録媒体であれば、翌日以降も有効であるため、ここで遊技をやめることもできる。
なお、上記の一例では、遊技者の返却操作に応じて、遊技価値管理装置が遊技価値提供装置に対して全遊技価値数を送信するものとしていたが、遊技者の返却操作の態様により、遊技者が所望する遊技価値数のみを送信可能に構成してもよい。すなわち、遊技者が保有する遊技価値を分割できるようにしてもよい。また、遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録媒体に記録して排出するものとしていたが、上述の非接触通信アンテナ等を用いて遊技者の携帯端末にこれと同様の価値となる情報を送信してもよいし、また、同等の価値となるものを遊技者に提供するものである限り、例えば、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよい。
また、パチスロ機1が遊技価値提供装置(通信専用ユニット)と正常に接続されていない場合に、遊技者の返却操作に応じて遊技価値数に対応する情報が通信専用ユニットに送信されてしまうと、当該情報が消失してしまうおそれがある。そこで、主制御回路100(主制御基板71)は、通信専用ユニットと正常に接続されていない状態では、例えば、遊技が開始されるときにエラー状態に制御し、当該エラー状態では、遊技を行うことが不可能な状態(例えば、ベット操作、返却操作、開始操作等を受付不能とする状態)とすることで遊技が進行しないように制御し得るものとしてもよい。これにより、遊技価値数に対応する情報が消失してしまうことを未然に防止することが可能となる。
また、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、遊技者が操作可能なロック操作手段を設け、このロック操作手段への操作に応じて、遊技価値管理装置と遊技価値提供装置との間で通信できない状態(ロック状態)に制御可能としてもよい。なお、この場合、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、例えば、暗証番号の設定(及び設定した暗証番号の入力)、ワンタイムパスワードの発行(及び発行したワンタイムパスワードの入力)、あるいは生体認証等の認証処理が行い得るようにし、当該認証処理の結果が正常である場合に当該ロック状態が解除されるように構成すればよい。
ここまで説明したメダルレス遊技機によれば、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、例えば、メダル投入口5やメダル払出口11等の一部の外部構造、あるいはセレクタ31やホッパー装置32等の一部の内部構造についてはこれを設ける必要がなくなることから、遊技機の原価や製造コストを削減することができるのみならず、遊技機の消費電力を減らすことができる。また、遊技機の内部にアクセスすることがより困難となることから、遊技機に対する不正行為を防止することができる。さらに、遊技者が遊技媒体に直接的に接触しないことから、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
(メダルレス遊技機の構成例)
続いて、図34を参照して、パチスロ機1をメダルレス遊技機として構成した場合の構成例について説明する。図34は、メダルレス遊技機の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、メダル数制御基板(遊技価値管理装置)が設けられた場合の構成例について説明する。
上述のとおり、メダル数制御基板は、主制御基板71に接続され、遊技者が保有するメダル数(遊技価値数)を管理する。また、メダル数制御基板は、接続端子板(通信装置)を介して通信専用ユニット(遊技価値提供装置)に接続される。また、メダル数制御基板は、接続端子板及び通信専用ユニットを介し、出玉管理装置に対して出玉管理情報を送信する。また、メダル数制御基板には、メダル数制御回路(不図示)が搭載される。また、メダル数制御回路は、例えば、メダル数制御CPU(不図示)と、メダル数制御ROM(不図示)と、メダル数制御RWM(不図示)とを含んで構成される。
なお、出玉管理装置は、例えば、遊技機メーカが加入する組合(の情報センタ)が管理する出玉管理用のサーバであり、送信された出玉管理情報が出玉管理装置に蓄積されることで、各遊技機の射幸性が適切なものであるか否か(出玉性能)を監視可能にする目的で設けられるものである。
したがって、このような観点より、メダル数制御基板及び接続端子板は、主制御基板71と同様にパチスロ機1において重要な機能を担うものであることから、不正行為や不正改造を防止できる態様でパチスロ機1の内部に設けられている必要がある。図34に示す構成例1及び構成例2は、そのような態様の一例を示している。
<構成例1>
図34に示す構成例1は、メダル数制御基板及び接続端子板が、主制御基板71と同様に、主制御基板ケース内に収容されていることを示している。ここで、主制御基板ケースには、通常、その開放(あるいは取り外し)を困難とするため、あるいは開放された痕跡(あるいは開放された回数)を認識できるようにするための種々の封印処理が施されている(例えば、かしめによる封印や封印シールの貼付、あるいはかしめを切断した記録を記載するかしめシールの貼付等)。
したがって、メダル数制御基板及び接続端子板を主制御基板ケース内に収容すれば、主制御基板71と同様のセキュリティ効果を得ることができ、不正行為や不正改造を適切に防止できる。
<構成例2>
図34に示す構成例2は、メダル数制御基板及び接続端子板が、上述の構成例1とは異なり、主制御基板ケースとは別体に設けられたメダル数制御基板ケース内に収容されていることを示している。なお、メダル数制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成されるものとし、その内部に収容されたメダル数制御基板及び接続端子板が、容易に視認可能な状態で収容されるものとする。
ここで、構成例2のメダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様の封印処理が施される構成とすることもできるし、少なくともその一部の封印処理のみが施される構成とすることもできる。例えば、メダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様にかしめによる封印は行われるが、封印シールは貼付されないといった構成としてもよい。また、例えば、主制御基板ケースでは、予め定められたかしめシールを使用することが義務付けられるが、メダル数制御基板ケースでは、かしめシールとして任意のシールを使用することができるようにしてもよい。
<蓄積データ例>
図34に示す蓄積データ例は、出玉管理装置に蓄積される各種データの一例を示している。すなわち、メダル数制御基板が、接続端子板及び通信専用ユニットを介して出玉管理装置に送信する出玉管理情報の一例を示している。なお、これはあくまで一例であり、図34に示す各種の情報のうち、その一部を送信しない構成とすることもできるし、図34に示す各種の情報以外の情報を送信する構成とすることもできる。
また、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングも任意であるし、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングも任意である。出玉管理装置により、少なくとも一単位(例えば、遊技店の1営業日)ごとに各遊技機の出玉性能を監視可能とする態様であれば、いずれのタイミングで送信されるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングと、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングとは異なるタイミングであってもよい。また、例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングは、情報の種類に応じて異なるタイミングであってもよい。
蓄積データ「総投入枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積投入枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によってベットされたものを除き、遊技者のベット操作によってベットされた遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によって付与されたものを除き、遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「MY」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位中に発生した最大差枚数(要するに、一単位中において最も遊技価値が増加した期間で得られた差枚数。これを「MY」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、このような最大差枚数を算出し、算出した情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、各種役物の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、各種役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、各種役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「連続役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、連続役物(RB。BB作動中のRBを含む)の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、連続役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、連続役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
また、メダル数制御基板は、役比モニタ装置54に表示可能な各種の情報を所定のタイミング(例えば、役比モニタ装置54での算出時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、メダル数制御基板からの送信時点)で出玉管理装置に送信する。なお、蓄積データ「役物比率」は、例えば、上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「連続役物比率」は、例えば、上述の連続役物割合情報に相当し、蓄積データ「有利区間比率」は、例えば、上述の特定区間割合情報に相当し、蓄積データ「指示込役物比率」は、例えば、AT状態中も集計・算出の対象とした上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「役物等状態比率」は、例えば、各種役物の作動中も集計・算出の対象とした上述の特定区間割合情報に相当するものである。
蓄積データ「遊技回数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積遊技回数である。例えば、メダル数制御基板は、遊技が行われた遊技数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「主制御チップID番号」は、各遊技機の主制御回路100の個体識別番号(「CPUID」ともいう。これを「チップID番号」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップメーカコード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップ製品コード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。
蓄積データ「メダル数制御チップID番号」は、各遊技機のメダル数制御回路の個体識別番号である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップメーカコード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップ製品コード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
このように、出玉管理装置は、遊技機から送信された各種の情報(出玉管理情報)を蓄積可能としている。また、出玉管理情報には、遊技機の個体を識別可能な複数の個体識別情報(例えば、上述の「主制御チップID番号」~「メダル数制御チップ製品コード」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの個体識別情報によって送信元の遊技機を特定することができるとともに、例えば、あるときから、「主制御チップID番号」と「メダル数制御チップID番号」との対応関係が異なるものとなった場合には、いずれかの制御基板が交換された可能性(すなわち、不正行為や不正改造が行われた可能性)を認識することができる。
また、出玉管理情報には、一単位あたりの出玉性能を識別可能な複数の出玉情報(例えば、上述の「総投入枚数」~「遊技回数」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの出玉情報によって送信元の遊技機の射幸性が適切な範囲のものとなっているかを認識することができる。例えば、あるときから、「総払出枚数」や「指示込役物比率」が著しく高い値となった場合には、不正行為や不正改造が行われた可能性、あるいはそもそもの仕様設計に何らかの不備があった可能性等を認識することができる。
そして、出玉管理装置によって上述のような可能性が認識された場合には、遊技店あるいは遊技機メーカ等にその結果が知らされ、適切な対処が行われることが期待できる。すなわち、複数の管理遊技機と、管理遊技機から送信された出玉管理情報を出玉管理装置に送信する遊技価値提供装置(通信専用ユニット)と、送信された出玉管理情報に基づいて各管理遊技機の出玉性能を管理する出玉管理装置とを含む管理システムが構築されることで、管理下にある全ての管理遊技機を適切に管理することを可能としている。
<変形例1>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板によって、遊技者の保有する遊技価値数が管理されるように構成することができる。したがって、このような管理状況、あるいはその他の情報を遊技店の管理者が把握できるように、メダル数制御基板には、メダル数モニタ装置(不図示)が設けられるようにしてもよい。
メダル数モニタ装置は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、メダル数制御基板ケースの内部に設けられる。メダル数モニタ装置は、メダル数制御CPU(あるいは、メインCPU101であってもよい)によって集計・算出された遊技価値数に関する各種の情報(例えば、上述の出玉管理情報の一部又は全部)を順次表示する。なお、メダル数モニタ装置によって役比モニタ装置54の表示内容が全て表示されるのであれば、役比モニタ装置54を設けないようにしてもよい。あるいは、役比モニタ装置54をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
また、メダル数モニタ装置は、メダル数制御基板上に実装されるようにしてもよいし、メダル数制御基板に接続された他の基板(例えば、接続端子板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、メダル数モニタ装置における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に各種の情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
なお、メダル数モニタ装置は、自身に関連する各種エラー状態が発生したとき、発生したエラー状態の種類を表示するものとしてもよい。例えば、主制御基板71との通信エラーが発生した場合、接続端子板との通信エラーが発生した場合、遊技価値提供装置との通信エラーが発生した場合、あるいはメダル数制御RWMに異常が発生した場合等の場合には、これに対応する数値を表示するものとしてもよい。なお、この場合、表示された数値がいずれのエラー状態に対応するものであるかを遊技店の管理者が容易に認識可能とするため、メダル数制御基板ケース又はその近傍に、その対応関係を示す説明部(シールの貼付や印字等)を設けるようにすればよい。
<変形例2>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板は接続端子板を介して外部に出玉管理情報を送信するように構成することができる。ここで、本実施形態では、外部に情報を送信するものとして他に外部集中端子板55が設けられている。したがって、接続端子板と外部集中端子板55とを、例えば、以下のように構成することができる。
例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを共通の端子板として構成する。これにより、部品点数を削減することができるのみならず、外部に向けた配線も削減することができるため、セキュリティ効果を高めることができる。
また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを1つのユニットとして構成する。また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを少なくともキャビネットG内において近傍に配置する。これにより、接続時の作業効率を高めることができる。また、配線の長さを一定のものとすることができ、また、配線箇所を限定することもできるため、セキュリティ効果を高めることができる。
<変形例3>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、出玉管理装置に対して出玉管理情報が送信されるように構成することができる。また、出玉管理装置では、送信された出玉管理情報によって各メダルレス遊技機の出玉性能を適切に管理することができる。したがって、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
また、出玉性能を適切に管理する機能をメダル数制御基板にもたせるようにし、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
例えば、メダル数制御基板が、出玉監視用RWM(上述のメダル数制御RWMであってもよいし、別のRWMであってもよい)を含んで構成されるようにする。出玉監視用RWMは、例えば、設定変更時には初期化されるが、有利区間終了時には初期化されないようにして出玉を監視する。そして、監視した出玉が一定の閾値を超えた場合には、例えば、有利区間自体は強制的に終了させないが、ナビ発生確率を低下させたり、AT状態が延長される確率を低下させたり、あるいはAT状態自体は終了させたりして出玉性能を低下させる制御を行い得るものとする。このようにしても、出玉性能を適切に管理することが可能となる。なお、この場合、このような制御結果を出玉管理情報として出玉管理装置に送信可能としてもよい。すなわち、メダル数制御基板と出玉管理装置との双方において、各メダルレス遊技機の出玉性能を管理し得る構成としてもよい。
(パチスロ機の主制御基板の構成例)
続いて、図35を参照して、パチスロ機1の主制御基板71の構成例について説明する。図35は、主制御基板71の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、主制御基板71のリユース(再利用)の構成例について説明する。
上述のとおり、パチスロ機1では、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、その1つとして、主制御基板71上には、製造業者名及び基板管理番号を印字することが必要となっている。製造業者名は、パチスロ機1を製造する遊技機メーカ名であり、管理番号は、主制御基板71の型式を特定するための番号である。
<構成例1>
図35に示す構成例1は、主制御基板71において、製造業者名及び基板管理番号を従来のように文字にて印字していることを示している。ここで、図35に示す構成例1では、まず、株式会社BBによって当該主制御基板71が搭載されたパチスロ機1(以下、「機種A」として説明する)が製造されたものとする。このとき、当初は、下段の製造業者名「株式会社BB」及び基板管理番号「BB-00-11-22」しか印字されていない。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種B」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社AAは、印字されていた下段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号(例えば、図35に示す構成例1の上段の製造業者名「株式会社AA」及び基板管理番号「AA-00-11-22」)を新たに印字しなければならない。
そして、その後、機種Bが遊技店から撤去され、仮に、例えば、株式会社BBが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種C」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社BBは、印字されていた上段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号を新たに印字しなければならないわけであるが、図35に示す構成例1ではもう空きスペースがないため、ハードウェア的にはまだ十分にリユースが可能であるにもかかわらず、上述のような制約のために当該主制御基板71をリユースできない場合があるという問題があった。
なお、これは、当初から複数の製造業者名及び基板管理番号を印字していた場合であっても同様である。例えば、株式会社AAと株式会社BBの双方に係る製造番号及び基板管理番号が予め印字されていたとしても、機種Aを製造する時点で株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号はレーザー刻印で削除されてしまうからである。よって、株式会社BBではリユースできる可能性はあるものの、株式会社AAではリユースできなくなってしまう。これに対し、以下の構成例2及び構成例3では上述のような問題を解消することが期待できる。すなわち、主制御基板71のような遊技の制御に用いる基板について、そのリユース性を高めることができる。
<構成例2>
図35に示す構成例2は、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号の一例として、二次元コードであるQRコード(登録商標)を用いているが、JANコード(バーコード)や他のコードを用いることができる。すなわち、符号(コード)は、確認者が何らかの手段(例えば、携帯端末等)によって一義的に製造業者名及び基板管理番号を特定可能な情報を含むものであれば、どのようなものであってもよい。
図35に示す構成例2では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号が印刷される。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号が印刷され、右から1番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号が印刷され、右から2番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から3番目の符号をレーザー刻印で削除し、右から4番目の符号を印刷し、右から4番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれるようにすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
すなわち、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することで、主制御基板71の表面において、製造業者名及び基板管理番号の1個あたりの印字(印刷)スペースを節約することができるので、図35に示す構成例1と比べて、そのリユース性を高めることが可能となっている。
<構成例3>
図35に示す構成例3は、上述の構成例2と同様に、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例3では、当初から複数(例えば、4個)の符号が印刷されている。例えば、株式会社AA分及び株式会社BB分がそれぞれ2個ずつ印刷されているものとする。また、主制御基板71の表面(あるいは、これに対応する主制御基板ケース上であってもよい)において、各符号に対応する箇所を、例えば、帯状部材等によってかしめることにより、符号を読み取り不可能な状態に固定することを可能としている。また、例えば、帯状部材等を切断することにより、固定を解除して符号を読み取り可能な状態とすることを可能としている。
図35に示す構成例3では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から2番目~4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、3番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、2番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から4番目の符号のみを読み取り可能な状態とし、右から1番目~3番目の符号を読み取り不可能な状態とすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
また、図35に示す構成例3では、少なくとも1つの符号を読み取り可能な状態とし、それ以外の符号を読み取り不可能な状態とすればよいのであるから、さらなるリユースも可能であり、また、より多くの遊技機メーカでリユースすることも可能である。なお、図35に示す構成例3においても、かしめ穴だけを設けておき、リユースの度にかしめ穴に対応する箇所に符号を印刷していくように構成することもできる。
[10.主制御基板の別例]
続いて、図36~図59を参照して、パチスロ機の主制御基板の別例(別構成例・変形例・拡張例)について説明する。なお、本実施形態において主制御基板の別例として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機(他の構成例)として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機(他の構成例)として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において主制御基板の別例として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
[10-1.別例に係る主制御基板が搭載されたパチスロ機]
まず、図36及び図37を参照して、別例に係る主制御基板が搭載されたパチスロ機(これを本例ではパチスロ機401とする)について説明する。図36は、主制御基板411が搭載されたパチスロ機401の電気的構成を示すブロック図であり、図37は、主制御基板411が搭載されたパチスロ機401に設けられた遊技情報表示ユニット437、メダル数表示ユニット441及びメダル貸表示ユニット442の構成例を示す図である。なお、本例では、別例に係る主制御基板411が搭載されたパチスロ機401をメダルレス遊技機として構成しているが、これはあくまで一例であり、本例において説明する発明のうちでその構成を必須としないものは、当然ながら物理的な遊技価値を用いて遊技を行う遊技機(パチスロ機1)にも適用可能である。
パチスロ機401は、図36に示す各種構成を有することで遊技を実行可能に構成されている。また、パチスロ機401は、遊技媒体貸出装置402及びデータ表示器等周辺機器403とともに、遊技に関する種々の動作を実行可能な遊技システムを構成している。なお、図示は省略しているが、遊技媒体貸出装置402やデータ表示器等周辺機器403は、遊技店の管理コンピュータ(ホールコンピュータ)と、例えばLAN回線によって接続され、管理コンピュータに対してデータを送信可能に構成されている。また、遊技媒体貸出装置402は、上述の遊技価値提供装置(通信専用ユニット)と同様の機能を備えるものである。
パチスロ機401は、主制御基板411と、副制御基板412と、ドア中継基板413と、副中継基板414とを有する。主制御基板411とドア中継基板413、ドア中継基板413と副中継基板414、及び副中継基板414と副制御基板412は、それぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板411と副制御基板412は、ドア中継基板413及び副中継基板414を介して、主制御基板411から副制御基板412に対して一方向のシリアル通信が可能となるように電気的に接続されている。
主制御基板411は、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御部)としての主制御部411aと、遊技価値の管理に関する制御を行う遊技価値制御手段(遊技価値制御部)としてのメダル数制御部411bとを有する。なお、主制御部411aは、上述の主制御基板71と同様の機能を備えるものであり、メダル数制御部411bは、上述の遊技価値管理装置(メダル数制御基板)と同様の機能を備えるものである。
ここで、図36では、主制御部411aと、メダル数制御部411bとを、同じ主制御基板411に搭載するものとしているが、これらをそれぞれ別の基板に搭載し(別基板として構成し)、これらが電気的に接続されることで、同様の機能が発揮されるように構成してもよい。
副制御基板412は、演出に関する制御を行う演出制御基板であり、上述の副制御基板72と同様の機能を備えるものである。また、ドア中継基板413は、上述の主中継基板73と同様の機能を備えるものである。また、副中継基板414は、上述の副中継基板74と同様の機能を備えるものである。
また、パチスロ機401は、電源基板415a及び電源スイッチ415bを含む電源ユニット415を有する。なお、電源ユニット415は、上述の電源装置34と同様の機能を備えるものである。
また、パチスロ機401は、リールユニット421と、リセットスイッチ422と、設定用鍵型スイッチ423と、精算スイッチ424とを有しており、これらは主制御部411aと電気的に接続されている。なお、これらはドア中継基板413を介して主制御部411aに接続されるものであってもよい。また、制御が円滑に行われる限り、メダル数制御部411bに接続されるものであってもよい。
リールユニット421は、上述のリール3L,3C,3R(及びステッピングモータ51L,51C,51R)と同様の機能を備えるものである。また、リセットスイッチ422は、上述のリセットスイッチ53と同様の機能を備えるものである。また、設定用鍵型スイッチ423は、上述の設定用鍵型スイッチ52と同様の機能を備えるものである。また、精算スイッチ424は、上述の精算スイッチ9Sと同様の機能を備えるものである。
もっとも、本例のパチスロ機401はメダルレス遊技機として構成されているので、精算スイッチ424により対応する精算ボタン(不図示)が押下されたことが検出された際には、クレジットされているメダル数が、後述の遊技球等接続端子板443を介して後述の遊技媒体貸出装置402に送信される(クレジット精算が行われる)。
また、パチスロ機401は、スタートスイッチ431と、返却スイッチ432と、1BETスイッチ433と、MAXBETスイッチ434と、ストップスイッチ基板435と、ドア開閉スイッチ436と、遊技情報表示ユニット437とを有しており、これらはドア中継基板413を介して主制御部411aと電気的に接続されている。なお、これらはドア中継基板413を介することなく主制御部411aに直接接続されるものであってもよい。また、制御が円滑に行われる限り、メダル数制御部411bに接続されるものであってもよい。
スタートスイッチ431は、上述のスタートスイッチ7Sと同様の機能を備えるものである。また、1BETスイッチ433は、上述の1ベットボタン6bが押下された際のベットスイッチ6Sと同様の機能を備えるものである。また、MAXBETスイッチ434は、上述のMAXベットボタン6aが押下された際のベットスイッチ6Sと同様の機能を備えるものである。また、ストップスイッチ基板435は、上述のストップスイッチ8Sと同様の機能を備えるものである。また、ドア開閉スイッチ436は、上述のドア開閉監視スイッチ56と同様の機能を備えるものである。
ここで、返却スイッチ432及びこれに対応する返却ボタン(不図示)は、遊技者の返却操作を検出可能な返却操作検出部(手段)として構成され、返却スイッチ432により対応する返却ボタンが押下されたことが検出された際には、ベットされたメダル数がクレジットに返却される(ベット精算が行われる)。なお、遊技情報表示ユニット437については、図37を参照しながら後で説明する。
また、パチスロ機401は、メダル数表示ユニット441と、メダル貸操作基板442a、貸出スイッチ442b及び返却スイッチ442cを含むメダル貸表示ユニット442と、遊技球等接続端子板443と、メダル数クリアスイッチ444とを有しており、これらはメダル数制御部411bと電気的に接続されている。なお、これらはドア中継基板413を介してメダル数制御部411bに接続されるものであってもよい。また、制御が円滑に行われる限り、主制御部411aに接続されるものであってもよい。なお、メダル数表示ユニット441及びメダル貸表示ユニット442については、図37を参照しながら後で説明する。
遊技球等接続端子板443は、上述の外部集中端子板55と同様の機能を備えるものであるとともに、上述の通信装置(接続端子板)と同様の機能を備えるものである。なお、遊技球等接続端子板443には、遊技媒体貸出装置402とメダル数制御部411bとを接続するため、及び、データ表示器等周辺機器403とメダル貸操作基板442aと接続するための接続機構部(不図示)が実装され、接続機構部445aには、ハーネスを介して遊技媒体貸出装置402と接続される複数の接続ピンで構成されたコネクタ(例えば、25ピンの接続コネクタ)が設けられる。
メダル数クリアスイッチ444は、パチスロ機401内にクレジットされたメダル数を遊技店側の管理者がクリアする(初期化する)際に、当該初期化操作(例えば、押下操作)を検出可能なスイッチであり、メダル数クリアスイッチ444に対して押下操作が行われると、検出信号(メダル数クリア信号)をメダル数制御部411bに出力する。この場合、メダル数制御部411bは、当該メダル数クリア信号に基づいて、後述のメダル数表示ユニット441に設けられたクレジット表示用の5桁の7セグLED(図37B参照)の表示が「00000」(クレジット数=0)となるように、メダル数表示ユニット441を制御する。なお、メダル数クリアスイッチ444の実装例については、図38を参照しながら後で説明する。
また、パチスロ機401は、表示装置451を有しており、これは副制御基板412と電気的に接続されている。なお、表示装置451は副中継基板414を介して副制御基板412に接続されるものであってもよい。ここで、表示装置451は、上述のメイン表示装置210やサブ表示装置220と同様の機能を備えるものである。
また、パチスロ機401は、スピーカ群452と、LEDドライブ基板453と、演出スイッチ454と、操作スイッチ455とを有しており、これらは副中継基板414を介して副制御基板412と電気的に接続されている。なお、これらは副中継基板414を介することなく副制御基板412に直接接続されるものであってもよい。
スピーカ群452は、上述のスピーカ群35a,35b等と同様の機能を備えるものである。また、LEDドライブ基板453は、各LED基板456の駆動回路が実装された基板であり、各LED基板456は、上述のランプ・LED群23等と同様の機能を備えるものである。また、演出スイッチ454及び操作スイッチ455は、上述の演出用ボタン群10a,10b等と同様の機能を備えるものである。
続いて、図37Aを参照して、遊技情報表示ユニット437の構成例について説明する。遊技情報表示ユニット437は、各種遊技情報を表示可能に構成され、その表示動作は、主制御部411a内の後述の主制御用マイクロプロセッサ470(主制御回路)により制御される。なお、遊技情報表示ユニット437は、遊技者が容易に視認できる位置であれば任意の位置に設けることが可能である。例えば、パチスロ機1における前面扉の台座部(図1において、メダル投入口5や演出用ボタン10aが設けられている位置、あるいはその近傍)に設けられるようにすればよい。
図37Aに示すように、遊技情報表示ユニット437には、遊技媒体の払出数(遊技価値の付与数)の情報を表示するための払出表示部が設けられる。払出表示部は、当該情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための2桁の7セグLED(図37A中、「払出表示」)で構成される。
また、遊技情報表示ユニット437には、遊技の動作情報を示すランプとして、図37A中において「START」、「REPLAY」、「1BET」、「2BET」、「3BET」と表記されたベット数表示用のLED(以下、「ラインLED」という)が設けられる。
例えば、遊技媒体のベット数(投入数)が0の状態(全てのラインLEDが消灯状態)において、1ベットボタン6bが押下されると「1BET」のラインLEDが点灯し、続けて、1ベットボタン6bが押下されると「1BET」及び「2BET」のラインLEDが点灯し、さらに続けて、1ベットボタン6bが押下されると「1BET」~「3BET」の全てのラインLEDが点灯するとともに、「START」のラインLEDが点灯する。この際、1ベットボタン6bが押下される度に、後述のメダル数表示ユニット441内の5桁の7セグLEDで表示された遊技媒体の貯留数(クレジット数)の値が1減算される。
また、例えば、遊技媒体のベット数(投入数)が0の状態(全てのラインLEDが消灯状態)において、MAXベットボタン6aが押下されると、「1BET」~「3BET」の全てのラインLEDが点灯するとともに、「START」のラインLEDが点灯する。この際、1回のベット操作で、後述のメダル数表示ユニット441内の5桁の7セグLEDで表示されている遊技媒体の貯留数(クレジット数)の値は3減算される。
さらに、例えば、前回のゲームでリプレイ役が入賞した場合には、「START」及び「REPLAY」のラインLEDが点灯する。この際、後述のメダル数表示ユニット441内の後述の5桁の7セグLEDで表示されている遊技媒体の貯留数(クレジット数)の値は減算されない。
また、遊技情報表示ユニット437には、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(例えば、AT状態)において、報知する停止操作の情報を表示するための指示表示部が設けられる。指示表示部は、当該情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための3桁の7セグLED(図37A中、「指示表示」)で構成される。なお、指示表示部は、上述の指示モニタ(報知ランプ)と同様、報知する停止操作の情報と一義的に対応する情報を表示する(例えば、「左→中→右」の押し順を報知する場合には「1」を表示する)ものであってもよいし、報知する停止操作の情報を直接的に表示する(例えば、「左→中→右」の押し順を報知する場合には「123」を表示する)ものであってもよい。
続いて、図37Bを参照して、メダル数表示ユニット441の構成例について説明する。メダル数表示ユニット441は、パチスロ機401の内部に預けられている遊技媒体の貯留数(遊技価値の保有数)に関する情報等を表示可能に構成され、その表示動作は、メダル数制御部411b内の後述のメダル数制御用マイクロプロセッサ480(遊技価値制御回路)により制御される。なお、メダル数表示ユニット441は、遊技者が容易に視認できる位置であれば任意の位置に設けることが可能である。例えば、パチスロ機1における前面扉の台座部(図1において、メダル投入口5や演出用ボタン10aが設けられている位置、あるいはその近傍)に設けられるようにすればよい。また、メダル数表示ユニット441は、上述の保有遊技価値数表示装置と同様の機能を備えるものである。
図37Bに示すように、メダル数表示ユニット441には、遊技媒体の貯留数(遊技価値の保有数)の情報を表示するためのクレジット表示部が設けられる。クレジット表示部は、当該情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための5桁の7セグLED(図37B中、「クレジット表示」)で構成される。なお、例えば、遊技媒体貸出装置402において同様のクレジット表示が行われる場合には、パチスロ機401においてはクレジット表示部を設けないようにしてもよいし、あるいは従来のパチスロ機1と同様、所定数(例えば、50枚)を上限とするクレジット表示が行われるものとしてもよい。
また、メダル数表示ユニット441には、メダル数制御部411bで管理されるメダル数(クレジット数)の制御に係るエラーの情報を表示するためのエラー表示部が設けられる。エラー表示部は、当該情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための1桁の7セグLED(図37B中、「エラー表示」)で構成される。メダル数制御部411bで管理されるメダル数(クレジット数)の制御に係るエラーが発生した場合には、このエラー表示用の1桁の7セグLEDにより、エラー種別に対応するエラーコード(文字や数字等)が表示される。エラー表示部は、メダル数(遊技価値)の管理制御専用のエラー表示手段となるので、例えば、メダル数の管理制御に関するエラーと、その他のエラーとの混同が無くなり、メダル数の管理制御に関するエラーが発生していることが認識されやすくなる。
ここで、メダル数制御部411bで管理されるメダル数(クレジット数)の制御に係るエラーとしては、例えば、上限超過エラー等が挙げられる。上限超過エラーは、メダル数制御部411b内に設けられた、遊技媒体の貯留数を計数するためのクレジットカウンタに上限値(例えば、「16369」)が設定されている場合、クレジットカウンタに払出数を加算するとその上限値を超えてしまうと判断されたときに発生するエラーである。なお、上限超過エラーが発生した場合には、クレジット精算を行うことでこれを解消(解除)できる。
続いて、図37Cを参照して、メダル貸表示ユニット442の構成例について説明する。メダル貸表示ユニット442は、遊技媒体貸出装置402内に挿入されている遊技用カード(不図示)に残っている遊技媒体(遊技価値)の数(これを「度数」とする)に関する情報等を表示可能に構成され、その表示動作は、メダル数制御部411b内の後述のメダル数制御用マイクロプロセッサ480(遊技価値制御回路)により制御される。なお、メダル貸表示ユニット442は、遊技者が容易に視認できる位置であれば任意の位置に設けることが可能である。例えば、パチスロ機1における前面扉の台座部(図1において、メダル投入口5や演出用ボタン10aが設けられている位置、あるいはその近傍)に設けられるようにすればよい。また、度数は、遊技媒体貸出装置402に投入された金額に応じて貸出可能な遊技媒体(遊技価値)の数を含んでいてもよい。
図37Cに示すように、メダル貸表示ユニット442には、残りの度数の情報を表示するための度数表示部が設けられる。度数表示部は、当該情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための3桁の7セグLED(図37C中、「度数表示」)で構成される。
また、メダル貸表示ユニット442には、遊技媒体の貸出操作の可/不可の情報を示す、図37C中において「貸」と表記された貸出ランプが設けられる。貸出ランプは、遊技媒体の貸出操作が可能な状態(貸出操作前)では点灯し、遊技媒体の貸出操作が不可である状態(貸出中、精算中、返却中、異常発生中)では消灯する。なお、貸出ランプは押下操作が可能な貸出ボタンとしても機能するように構成されており、その押下操作(すなわち、貸出操作)は貸出スイッチ442bにより検出される。
そして、貸出操作が検出されたときに、貸出ランプが点灯状態であれば(すなわち、貸出操作が可能な状態であれば)、遊技媒体貸出装置402側で管理されている度数から、所定数の遊技媒体がパチスロ機401側で管理されているクレジット数に加算される。また、これにともない、度数表示部では所定数の遊技媒体に対応する度数を減じた残りの度数の値が表示されるようになる。なお、本例では、貸出ランプが貸出ボタンとしても機能するように構成しているが、貸出ボタンを貸出ランプとは別に設けるようにし、貸出ランプは表示機能のみを担うように構成してもよい。
また、メダル貸表示ユニット442には、遊技媒体の返却操作の可/不可の情報を示す、図37C中において「返」と表記された返却ランプが設けられる。返却ランプは、遊技媒体の返却操作が可能な状態(返却操作前)では点灯し、遊技媒体の返却操作が不可である状態(貸出中、精算中、返却中、異常発生中)では消灯する。なお、返却ランプは押下操作が可能な返却ボタンとしても機能するように構成されており、その押下操作(すなわち、返却操作)は返却スイッチ442cにより検出される。
そして、返却操作が検出されたときに、返却ランプが点灯状態であれば(すなわち、返却操作が可能な状態であれば)、パチスロ機401側で管理されているクレジット数やベット数が、遊技媒体貸出装置402側で管理されている度数に加算され、その後、その度数が記憶された遊技用カード(遊技用カードでは度数自体は記憶されず、これに対応付けられた情報が記憶される態様も含む)が遊技媒体貸出装置402から排出される。なお、本例では、返却ランプが返却ボタンとしても機能するように構成しているが、返却ボタンを返却ランプとは別に設けるようにし、返却ランプは表示機能のみを担うように構成してもよい。
なお、本例では、遊技情報表示ユニット437、メダル数表示ユニット441及びメダル貸表示ユニット442に設けられた各種7セグLEDの制御方式として、ダイナミック点灯制御が採用されているが、これとは異なる制御方式(例えば、スタティック点灯制御)を採用してもよい。
[10-2.別例に係る主制御基板の主制御部及びメダル数制御部の構成例]
続いて、図38~図40を参照して、別例に係る主制御基板の主制御部及びメダル数制御部の構成例について説明する。図38は、主制御基板411及び主制御基板ケースの構成例を示す図であり、図39は、主制御基板411の主制御部411a及びメダル数制御部411bの構成例を示す図であり、図40は、主制御基板411の主制御用マイクロプロセッサ470及びメダル数制御用マイクロプロセッサ480の構成例を示す図である。
上述のとおり、また、図38に示すように、主制御基板411には、主制御部411aと、メダル数制御部411bとが搭載されるとともに、メダル数クリアスイッチ444が実装されている。なお、主制御部411a及びメダル数制御部411bの詳細については後述する。主制御基板411は、例えば、上述の主制御基板71と同様に、透明(あるいは略透明)な樹脂製の基板ケース(本例では、主制御基板ケース460)に収容された状態でパチスロ機401の内部に取り付けられる。
なお、図示は省略しているが、主制御基板ケース460は、不正防止等の観点から、それが容易に開放されないように、あるいは開放された場合にもその痕跡が認識できるように種々の封印構造を有している。すなわち、主制御基板ケース460は、基本的に、主制御基板411の視認性は確保しながらも、主制御基板411へのアクセスが困難となるように構成されている。
ここで、本例では、メダル数クリアスイッチ444を主制御基板411上に実装しているため、そのような安全性を確保しながらも(すなわち、主制御基板ケース460が開放されないままで)、メダル数クリアスイッチ444へのアクセス(メダル数クリアスイッチ444への操作)を可能とする必要がある。
そこで、本例では、主制御基板ケース460において、メダル数クリアスイッチ444の配置場所に対応する位置に、主制御基板ケース460の外部からメダル数クリアスイッチ444を押下できるようにするための小穴461aを形成している。より詳細には、主制御基板ケース460のメダル数クリアスイッチ444の配置場所に対応する位置に凹部461bを形成した上で、凹部461bの略中央に、小穴461aを形成している。
なお、メダル数クリアスイッチ444が人の指等で簡単に操作されないように、小穴461aのサイズを、例えば、直径が約2mm以下とすればよい。そして、遊技店の店員は、例えば、専用の器具を使用してこれを押下するようにすればよい。メダル数クリアスイッチ444は、上述のとおり、パチスロ機401内にクレジットされたメダル数を遊技店側の管理者がクリアする(初期化する)ために使用されるスイッチであることから、通常の状況では使用しないスイッチであり、遊技媒体の貯留数(クレジット数)の管理に係るメダル数制御(払出に関する制御等)に想定外の状態が発生した場合に使用することを目的として設けられたものである。それゆえ、このように構成しても問題は生じにくいし、メダル数クリアスイッチ444が誤って押下操作が行われることも防止できる。
なお、そのような観点から、例えば、凹部461aの形状を、専用の器具の形状に合わせた独特の形状として、誤操作等がさらに防止できるようにしてもよい。例えば、凹部461aの少なくとも一部に突起等を設けておき、ただの細い棒状の物体であればこれに阻害されてメダル数クリアスイッチ444にアクセスすることが困難であるが、専用の器具であればこれを回避しつつメダル数クリアスイッチ444にアクセスすることができるといったように構成してもよい。なお、これはあくまで一例であり、そのような独特の形状はこれに限られない。
続いて、図39を参照して、主制御部411aの構成例について説明する。主制御部411aは、主制御用マイクロプロセッサ470(遊技制御回路)と、クロックパルス発生回路471と、電源管理回路472とを有する。なお、主制御用マイクロプロセッサ470の詳細については後述する。
クロックパルス発生回路471は、後述のメインCPU作動用のクロックパルス信号を生成し、該生成したクロックパルス信号を主制御用マイクロプロセッサ470内の後述のクロック回路505(EX)に出力する。主制御用マイクロプロセッサ470は、入力されたクロックパルス信号に基づいて、制御プログラムを実行する。
電源管理回路472は、電源基板415a(図36参照)から供給される直流12Vの電源電圧の変動を管理し、主制御用マイクロプロセッサ470に直流5V(VCC)の電源を供給する。そして、電源管理回路472は、例えば、電源が投入された際(電源電圧が0Vから起動電圧値(10V)を上回った際)には、リセット信号を主制御用マイクロプロセッサ470内の後述のリセットコントローラ506(XSRST)に出力し、電断が発生した際(電源電圧が12Vから停電電圧値(10.5V)を下回った際)には、電断検知信号を主制御用マイクロプロセッサ470内の後述のパラレル入力ポート511(XINT)に出力する。すなわち、電源管理回路472は、電源投入時に、主制御用マイクロプロセッサ470にリセット信号(起動信号)を出力する手段(起動手段)、及び、電断発生時に、主制御用マイクロプロセッサ470に電断検知信号(停電信号)を出力する手段(停電手段)も兼ねる。
続いて、図39を参照して、メダル数制御部411bの構成例について説明する。メダル数制御部411bは、メダル数制御用マイクロプロセッサ480(遊技価値制御回路)と、クロックパルス発生回路481と、電源管理回路482と、役比モニタ483とを有する。なお、メダル数制御用マイクロプロセッサ480の詳細については後述する。
また、図39において、主制御部411aとメダル数制御部411bの比較から明らかなように、メダル数制御部411bは、主制御部411aに役比モニタ483を加えた構成であり、メダル数制御部411bに設けられたクロックパルス発生回路481及び電源管理回路482の構成及び機能は、それぞれ、主制御部411aに設けられたクロックパルス発生回路471及び電源管理回路472の構成及び機能と同様である。それゆえ、ここでは、クロックパルス発生回路481及び電源管理回路482の構成及び機能の説明は省略する。
なお、本例では、主制御用マイクロプロセッサ470とメダル数制御用マイクロプロセッサ480は、同じ半導体メーカで設計製造された遊技機専用マイクロプロセッサであり、上述のとおり、クロックパルス発生回路(471,481)及び電源管理回路(472,482)の構成及び機能は同様となっている。したがって、本例のように、主制御用マイクロプロセッサ470とメダル数制御用マイクロプロセッサ480が同一の制御基板(主制御基板411)に実装される場合には、それぞれに対応するクロックパルス発生回路及び電源管理回路を個々に設けるのではなく、1つのクロックパルス発生回路及び電源管理回路が、2つのマイクロプロセッサで共用されるようにしてもよい。
すなわち、クロックパルス発生回路471とクロックパルス発生回路481は、1つの同じクロックパルス発生回路として構成することができる。また、電源管理回路472と電源管理回路482は、1つの同じ電源管理回路として構成することができる。なお、クロックパルス発生回路は共用するが、電源管理回路は個々に設けるように構成することもできるし、電源管理回路は共用するが、クロックパルス発生回路は個々に設けるように構成することもできる。
役比モニタ483は、4桁の7セグメントLEDにより構成され、上述の役比モニタ装置54と同様の機能を備えるものである。本例では、役比モニタ483が、主制御基板ケース460内に設けられる点は上述の役比モニタ装置54と同様であるが、メダル数制御部411bの一構成として主制御基板411上に実装され、メダル数制御用マイクロプロセッサ480によってその表示内容(各種割合情報)が制御される点で上述の役比モニタ装置54とは異なる。もっとも、主制御部411aの一構成として主制御基板411上に実装され、主制御用マイクロプロセッサ470によってその表示内容(各種割合情報)が制御されるようにしてもよい。
また、主制御基板ケース460内に設けられ、メダル数制御用マイクロプロセッサ480によってその表示内容(各種割合情報)が制御されるが、メダル数制御部411bに接続された他の基板(例えば、割合表示基板)上に実装されるように構成してもよいし、そのような表示ユニットが別途設けられ、これがメダル数制御部411bに接続されるように構成してもよい。主制御基板411が主制御基板ケース460に収容され、パチスロ機401の内部に取り付けられた状態において、役比モニタ483の視認性が確保され得るのであれば、いずれの態様を採用することもできる。
続いて、図40を参照して、主制御用マイクロプロセッサ470及びメダル数制御用マイクロプロセッサ480の構成例について説明する。主制御用マイクロプロセッサ470及びメダル数制御用マイクロプロセッサ480はともに、遊技機用のセキュリティ機能付きマイクロプロセッサであり、本例では、主制御用マイクロプロセッサ470の構成と、メダル数制御用マイクロプロセッサ480の構成とは同じである(むろん、異なる構成としてもよい)。
したがって、ここでは、主制御用マイクロプロセッサ470及びメダル数制御用マイクロプロセッサ480を、単に、「マイクロプロセッサMP」と称して説明する。なお、主制御用マイクロプロセッサ470とメダル数制御用マイクロプロセッサ480との間で機能が異なる構成部については、その差異を適宜説明する。
マイクロプロセッサMPは、CPU501と、ROM502と、RAM503と、外部バスインターフェース504(信号バス516(ローカルバス))と、クロック回路505と、リセットコントローラ506と、演算回路507と、照合用ブロック508と、固有情報509と、乱数回路510(乱数発生回路)と、パラレル入力ポート511と、割込みコントローラ512と、タイマ回路513と、シリアル通信回路514と、パラレル出力ポート515とを有する。そして、マイクロプロセッサMPを構成する信号バス516以外の各部は信号バス516を介して互いに接続されている。なお、後述のIC1のD0~D7端子やIC2のD0~D7端子が、外部バスインターフェース504のための端子である(後述の図41等参照)。
CPU501は、クロック回路505で生成されたクロックパルスに基づいて、各種制御プログラムを実行して各種制御を行う。なお、主制御用マイクロプロセッサ470では、CPU501(以下、「メインCPU」ともいう)は、各種制御プログラムを実行して、遊技動作全般に係る制御を行う。一方、メダル数制御用マイクロプロセッサ480では、CPU501(以下、「メダル数制御CPU」ともいう)は、各種制御プログラムを実行して、主に、払出時及び精算時における遊技媒体(遊技価値)の計数動作に係る制御を行う。
ROM502には、CPU501により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル等が記憶される。なお、ROM502の記憶容量は12キロバイトである。主制御用マイクロプロセッサ470では、ROM502(以下、「メインROM」ともいう)に、メインCPU501により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御基板412に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。一方、メダル数制御用マイクロプロセッサ480では、ROM502(以下、「メダル数制御ROM」ともいう)に、メダル数制御CPU501により実行される各種制御プログラム、主制御部411aや遊技球等接続端子板443(遊技媒体貸出装置402、データ表示器等周辺機器403)との間で行われる信号及びデータの入出力動作で必要とされる各種データ等が記憶される。
RAM503には、CPU501による各種制御プログラムの実行時に用いられる各種データ(パラメータ、フラグ等)が格納される各種格納領域が設けられる。なお、RAM503の記憶容量は1キロバイトである。主制御用マイクロプロセッサ470では、RAM503(以下、「メインRAM」ともいう)に、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。一方、メダル数制御用マイクロプロセッサ480では、RAM503(以下、「メダル数制御RAM」ともいう)に、払出制御等の実行時に用いられる各種カウンタ(例えば、メダルカウンタ、投入カウンタ等)、各種フラグ等を格納する格納領域が設けられる。
外部バスインターフェース504は、マイクロプロセッサMPの外部に設けられた各種構成部が接続された外部信号バスと、マイクロプロセッサMPとを電気的に接続するためのインターフェース回路である。なお、主制御用マイクロプロセッサ470及びメダル数制御用マイクロプロセッサ480における接続構成例については、図41を参照しながら後で説明する。
クロック回路505は、例えば分周器(不図示)等を含んで構成され、クロックパルス発生回路471,481から入力されたクロックパルス信号を、CPU作動用及びその他の構成部(例えば、タイマ回路513)で使用される複数種類の周波数のクロックパルス信号に変換する。なお、クロック回路505で生成された複数種類の周波数のクロックパルス信号は、マイクロプロセッサMP内のクロック回路505を除く全ての回路(CPU501~外部バスインターフェース504及びリセットコントローラ506~パラレル出力ポート515)に、各回路の作動に応じた周波数で出力される。
リセットコントローラ506は、電源管理回路472,482から入力されたリセット信号に基づいて、IAT(Illegal Address Trap)やWDT(watchdog timer)のリセットを行う。演算回路507は、乗算回路及び除算回路を含んで構成される。照合用ブロック508は、検査装置が接続された際に、接続された検査装置が正規のものであるかをその信号レベルで照合する。
固有情報509には、マイクロプロセッサMPの固有情報(識別情報)が記憶される。マイクロプロセッサMPのチップ個別ナンバーは、4バイトのデータで構成され、チップ作製時に設定される。また、マイクロプロセッサMPのチップ個別ナンバーは、チップ毎に異なった番号が設定される。
なお、主制御用マイクロプロセッサ470では、主制御用マイクロプロセッサ470の固有情報(識別情報)が、固有情報509に記憶される。また、メインROM502のROMコードや、主制御用マイクロプロセッサ470のチップ個別ナンバーなどが、固有情報509に記憶される。メインROM502のROMコードは、4バイト×4個のデータ、すなわち、16バイトのデータで構成される。なお、メインROM502のROMコードを構成する4バイト毎の各データは、内蔵ROM(メインROM502)のアドレス「0000h」~「2FBFh」の領域に格納されているデータから生成され、4バイトのデータ生成方法も4バイトのデータ毎に異なる。
一方、メダル数制御用マイクロプロセッサ480では、メダル数制御用マイクロプロセッサ480の固有情報(識別情報)が、固有情報509に記憶される。また、メダル数制御ROM502のROMコードや、メダル数制御用マイクロプロセッサ480のチップ個別ナンバーなどが、固有情報509に記憶される。メダル数制御ROM502のROMコードは、4バイト×4個のデータ、すなわち、16バイトのデータで構成される。なお、メダル数制御ROM502のROMコードを構成する4バイト毎の各データは、内蔵ROM(メダル数制御ROM502)のアドレス「0000h」~「0FBFh」の領域に格納されているデータから生成され、4バイトのデータ生成方法も4バイトのデータ毎に異なる。
乱数回路510は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535又は0~255)を発生させる。乱数回路510は、複数の乱数レジスタで構成され、例えば、2バイトのハードラッチ乱数を得るための乱数レジスタ0と、2バイトのソフトラッチ乱数を得るための乱数レジスタ1~3と、1バイトのソフトラッチ乱数を得るための乱数レジスタ4~7とで構成することができる。なお、主制御用マイクロプロセッサ470では、メインCPU501は、乱数回路510で発生させた所定範囲の乱数の中から1つの値を、例えば内部抽籤用の乱数値として抽出する。
パラレル入力ポート511は、マイクロプロセッサMPの外部に設けられた各種回路(例えば、電源管理回路472,482等)からマイクロプロセッサMPに入力される信号の入力ポート(メモリーマップI/O)である。また、パラレル入力ポート511は、乱数回路510及び割込みコントローラ512にも接続される。なお、主制御用マイクロプロセッサ470では、パラレル入力ポート511にスタートスイッチ431が接続され、スタートスイッチ431がオン状態になったタイミング(オンエッジ)で、パラレル入力ポート511から乱数回路510の所定の乱数レジスタ(例えば、乱数レジスタ0)にラッチ信号が出力される。そして、乱数回路510では、ラッチ信号が入力されることにより所定の乱数レジスタがラッチされ、2バイトのハードラッチ乱数が取得される。
割込みコントローラ512は、パラレル入力ポート511を介して電源管理回路472,482から入力されるリセット信号、電断検知信号、又は、タイマ回路513から所定周期で入力されるタイムアウト信号に基づいて、CPU501による割込処理の実行タイミングを制御する。また、割込みコントローラ512は、電源管理回路472,482からリセット信号、電断検知信号が入力された場合、又は、タイマ回路513からタイムアウト信号が入力された場合には、割込処理開始指令を示す割込要求信号をCPU501に出力する。そして、CPU501は、割込みコントローラ512から入力される割込要求信号に基づいて、各種割込処理を行う。
具体的には、主制御用マイクロプロセッサ470では、割込みコントローラ512は、パラレル入力ポート511を介して電源管理回路472から入力されるリセット信号、電断検知信号、又は、タイマ回路513から1.1172msec周期で入力されるタイムアウト信号に基づいて、メインCPU501による割込処理(例えば、タイムアウト信号の場合には、図32に示す定期割込処理)の実行タイミングを制御する。そして、メインCPU501は、タイマ回路513からのタイムアウト信号に応じて割込みコントローラ512から入力される割込要求信号に基づいて、定期割込処理(例えば、図32参照)内の各種処理を行う。なお、リセット信号に基づいて実行されるメインCPU501による割込処理は、図23に示すメイン処理が該当する。すなわち、メインCPU501が実行する全ての処理では、割込みコントローラ512が発する割込要求信号が各処理開始の起点となる。
一方、メダル数制御用マイクロプロセッサ480では、割込みコントローラ512は、パラレル入力ポート511を介して電源管理回路482から入力されるリセット信号、電断検知信号、又は、タイマ回路513から1msec周期で入力されるタイムアウト信号に基づいて、メダル数制御CPU501による割込処理の実行タイミングを制御する。そして、メダル数制御CPU501は、上記と同様、リセット信号、電断検知信号、又は、タイムアウト信号に応じて割込みコントローラ512から入力される割込要求信号に基づいて、例えば、ポート入力処理、遊技情報受信時処理、主制御部411aへのデータ送信処理、周辺機器へのデータ送信処理、周辺機器からのデータ受信処理、ポート出力処理等の各種処理を行う。すなわち、メダル数制御CPU501が実行する全ての処理でも、割込みコントローラ512が発する割込要求信号が各処理開始の起点となる。
タイマ回路513(PTC)は、クロック回路505で生成されたクロックパルス信号(CPU作動用のクロックパルス信号を分周器(不図示)で分周された周波数のクロックパルス信号)で動作する(経過時間をカウントする)。そして、タイマ回路513は、所定周期(主制御用マイクロプロセッサ470では1.1172msecの周期、メダル数制御用マイクロプロセッサ480では1msecの周期)で割込みコントローラ512にタイムアウト信号(トリガー信号)を出力する。
シリアル通信回路514は、当該通信回路が実装されている制御基板と、当該制御基板の外部に設けられた各種基板との間で各種データをシリアル通信する際の制御を行う通信回路である。なお、主制御用マイクロプロセッサ470では、シリアル通信回路514は、主制御部411aと、主制御基板411の外部に設けられた各種基板(例えば、副制御基板412等)との間でデータ(各種制御指令(コマンド)、各種データ等)をシリアル通信する。また、シリアル通信回路514は、4つの通信回路SCU0~SCU3で構成され、通信回路SCU0のみが双方向シリアル通信回路で構成され、通信回路SCU1~SCU3は送信専用のシリアル通信回路で構成される。例えば、主制御基板411(主制御部411a)と副制御基板412とをシリアル通信で接続する場合、送信専用のシリアル通信回路である通信回路SCU1を使用し、主制御部411aとメダル数制御部411bとをシリアル通信で接続する場合、双方向シリアル通信回路である通信回路SCU0を使用する。なお、これは、ゴト対策(不正行為防止)の観点から定められたシリアル通信回路の使用方法である。
パラレル出力ポート515は、マイクロプロセッサMPからその外部に設けられた各種回路に出力される信号の出力ポート(メモリーマップI/O)である。なお、本例では、例えば、FIFO(First In First Out)方式でデータ出力が行われる。
[10-3.別例に係る主制御基板の回路構成例]
続いて、図41~図49を参照して、別例に係る主制御基板の回路構成例について説明する。図41は、主制御基板411の回路構成例の概略図であり、図42は、主制御基板411に実装され得るICの構成例を示す図であり、図43~図45は、主制御基板411の回路パターンの構成例を説明するための図であり、図46及び図47は、主制御基板411で使用不可とする電子部品の構成例を説明するための図であり、図48及び図49は、主制御基板411に実装され得るディップ部品の構成例を説明するための図である。
遊技機に用いられる制御基板は、プリント基板(PCB)として構成されることが一般的であり、本例においても主制御基板411はプリント基板として構成される。プリント基板は、例えば、両面基板の場合、ガラス繊維や樹脂等を加工し、絶縁体として構成された基板本体(絶縁基板)の両面に銅箔が貼られた銅張積層板を必要なサイズにカットした後、スルーホールやVIAホール等を通電可能に形成し、必要な配線パターン(回路パターン)として残す部分の銅箔をマスキングし、マスキングした部分以外の銅箔を除去することで配線パターンを形成し、形成した配線パターンにおいて露出させる必要がある部分(後で半田付けをする部分等)以外は、インク材やフィルム材からなる絶縁性のソルダーレジストで被覆する(絶縁層を積層して保護する)といった工程を経て製造される。そして、このようにして製造された基板に、必要となる複数の電子部品が実装されて、特定の機能を担う制御基板となる。
ここで、このような制御基板に実装される電子部品には、制御基板の表面側(片面側)でその端子が半田付けされることで実装される表面実装部品(SMD)と、スルーホールに制御基板の表面側(一面側)からその端子を挿通させ、その裏面側(他面側)で(あるいは、表面側及び裏面側で)その端子が半田付けされるディップ実装部品(DIP)(以下、単に「ディップ部品」として説明する場合もある)とがある。
表面実装部品は、同等のディップ実装部品と比較すると部品自体も小型であり、また、実装するためのスルーホール等が不要になるため、実装面の省スペース化を図ることができるというメリットがある。また、近年はディップ実装部品よりも広く普及しているため、同等のディップ実装部品と比較すると入手しやすく安価となりやすいというメリットもある。反面、小型である分、例えばデジタルオシロスコープ等の測定器を用いた検査は行いにくく、また、同等のディップ実装部品と比較すると実装後の強度が劣るというデメリットもある。
一方、ディップ実装部品は、同等の表面実装部品と比較すると実装面のスペースを確保しにくくなり、また、入手しにくく高価となりやすいというデメリットがある反面、同等の表面実装部品と比較すると取り扱いやすく、上記のような検査を容易に行えるとともに、実装後の強度も勝るといったメリットもある。
そこで、本例では、そのようなメリット・デメリットを考慮した上で一定の条件を定め、その条件を満たす場合には、対象の電子部品に表面実装部品を採用して主制御基板411に実装し、満たさない場合には、対象の電子部品にディップ実装部品を採用して主制御基板411に実装する構成としている。この項では、その点に着目して主制御基板411の回路構成例を説明する。
(主制御基板411の回路構成例の概略)
まず、図41を参照して、主制御基板411の回路構成例の概略について説明する。なお、図41は、主制御基板411において、特定箇所(主制御用マイクロプロセッサ470とメダル数制御用マイクロプロセッサ480との間の接続経路)を抜き出してその一例の概略を示したものであり、主制御基板411上の全ての回路構成を示したものではない。すなわち、後述の条件を満たす場合には、図41に示す以外の箇所においても表面実装部品を採用し、それら表面実装部品間の接続経路においてテストパターン(例えば、後述のテストポイント411k)を設けることが可能である。
図41において、IC1は、主制御用マイクロプロセッサ470(図40参照)を示したものであり、IC2は、メダル数制御用マイクロプロセッサ480(図40参照)を示したものである。また、IC3~IC6は、例えばバッファICとして構成された20ピンのICであり、表面実装部品である。なお、IC3~IC6の構成例については、図42を参照しながら後で説明する。
図41に示すように、IC1とIC3は、IC1のD0~D7端子(データバス)と、IC3のY1~Y8端子(信号出力)との間が外部信号バスによって接続されている。すなわち、IC3は、主制御用マイクロプロセッサ470の外部バスインターフェース504に電気的に接続されている。また、IC1とIC4は、IC1のD0~D7端子(データバス)と、IC4のY1~Y8端子(信号出力)との間が外部信号バスによって接続されている。すなわち、IC4は、主制御用マイクロプロセッサ470の外部バスインターフェース504に電気的に接続されている。これにより、IC3又はIC4から、主制御用マイクロプロセッサ470にデータの出力が可能となっている。
なお、IC3及びIC4のY1~Y8端子(信号出力)を、例えば、D0~D7端子(データバス)として構成することで、主制御用マイクロプロセッサ470と、IC3又はIC4との間で、データの出入力が可能となるように構成してもよい。あるいは、主制御用マイクロプロセッサ470から、IC3又はIC4にデータの出力が可能となるように構成してもよい。
ここで、「データバス」は、データを扱う(データ転送を行うための)信号バスである。すなわち、「データバス」とは、扱う信号の種類が「データ」である信号バスを意味している。また、本実施形態では使用していないが、アドレスを扱う(アドレス指定を行うための)「アドレスバス」といった信号バスも存在する。すなわち、「アドレスバス」は、扱う信号の種類が「アドレス」である信号バスを意味している。これに対し、「ローカルバス」は、「ローカル」とあるように、信号バスの中で比較的転送速度が遅い信号バスを意味するものである。したがって、例えば、「データバス」と表記した信号バスが「ローカルバス」に相当する場合もあるし、「ローカルバス」と表記した信号バスが「データバス」に相当する場合もあるが、これらには何ら矛盾が生じるものではない。
また、IC1とIC3は、IC1のXCS0端子(チップセレクト)と、IC3のG1・G2端子(ゲート入力)との間が信号線によって接続されている。また、IC1とIC4は、IC1のXCS1端子(チップセレクト)と、IC4のG1・G2端子(ゲート入力)との間が信号線によって接続されている。これにより、IC1側で、IC3又はIC4のいずれからデータが出力されるのかを切替可能となっている。なお、XCS0端子及びXCS1端子は、パラレル出力ポート515(図40参照)からの出力端子である。
また、図41に示すように、IC2とIC5は、IC2のD0~D7端子(データバス)と、IC5のD0~D7端子(データバス)との間が外部信号バスによって接続されている。すなわち、IC5は、メダル数制御用マイクロプロセッサ480の外部バスインターフェース504に電気的に接続されている。また、IC2とIC6は、IC2のD0~D7端子(データバス)と、IC6のD0~D7端子(データバス)との間が外部信号バスによって接続されている。すなわち、IC6は、メダル数制御用マイクロプロセッサ480の外部バスインターフェース504に電気的に接続されている。これにより、メダル数制御用マイクロプロセッサ480と、IC5又はIC6との間で、データの出入力(あるいは、メダル数制御用マイクロプロセッサ480から、IC5又はIC6へのデータ出力)が可能となっている。
なお、IC5及びIC6のD0~D7端子(データバス)を、例えば、Y1~Y8端子(信号出力)として構成することで、IC5又はIC6から、メダル数制御用マイクロプロセッサ480にデータの出力が可能となるように構成してもよい。
また、IC2のD0~D7端子(データバス)は、役比モニタ483の入力端子(出入力端子であってもよい。不図示)との間が外部信号バスによって接続されている。すなわち、役比モニタ483は、メダル数制御用マイクロプロセッサ480の外部バスインターフェース504に電気的に接続されている。
また、IC2とIC5は、IC2のXCS2端子(チップセレクト)と、IC5のCP端子(クロック入力)との間が信号線によって接続されている。また、IC2とIC6は、IC2のXCS3端子(チップセレクト)と、IC6のCP端子(クロック入力)との間が信号線によって接続されている。これにより、IC2側で、IC5又はIC6のいずれにデータを出力するのかを切替可能となっている。なお、XCS2端子及びXCS3端子は、パラレル出力ポート515(図40参照)からの出力端子である。
また、IC3とIC5は、IC3のA1~A8端子(信号入力)と、IC5のQ0~Q7端子(信号出力)との間が信号線によって接続されている。これにより、IC5からIC3にデータの出力が可能となっている。すなわち、IC2から出力されたデータは、IC5(の入力→出力)及びIC3(の入力→出力)を介してIC1に出力されるように構成されている。換言すれば、IC1とIC2は、IC3及びIC5がその接続経路に実装される態様にて電気的に接続されるように構成されている。
また、IC4とIC6は、IC4のA1~A8端子(信号入力)と、IC6のQ0~Q7端子(信号出力)との間が信号線によって接続されている。これにより、IC6からIC4にデータの出力が可能となっている。すなわち、IC2から出力されたデータは、IC6(の入力→出力)及びIC4(の入力→出力)を介してIC1に出力されるように構成されている。換言すれば、IC1とIC2は、IC4及びIC6がその接続経路に実装される態様にて電気的に接続されるように構成されている。
なお、これらはあくまで一例であり、IC1とIC2との接続態様は上述のものに限られない。例えば、IC3とIC5の配置を入れ替え、IC1・IC2間において、IC3及びIC5が実装される接続経路では、IC1から出力されたデータは、IC5(の入力→出力)及びIC3(の入力→出力)を介してIC2に出力されるように構成してもよい。また、例えば、IC4とIC6の配置を入れ替え、IC1・IC2間において、IC4及びIC6が実装される接続経路では、IC1から出力されたデータは、IC6(の入力→出力)及びIC4(の入力→出力)を介してIC2に出力されるように構成してもよい。
また、例えば、IC3のY1~Y8端子(信号出力)、A1~A8端子(信号入力)、及びIC5のQ0~Q7端子(信号出力)を全て出入力端子(例えば、データバス)とし、IC1・IC2間において、IC3及びIC5が実装される接続経路では、相互にデータの出入力が可能となるように構成してもよい。また、例えば、IC4のY1~Y8端子(信号出力)、A1~A8端子(信号入力)、及びIC6のQ0~Q7端子(信号出力)を全て出入力端子(例えば、データバス)とし、IC1・IC2間において、IC4及びIC6が実装される接続経路では、相互にデータの出入力が可能となるように構成してもよい。
なお、図41においては符号を省略しているが、IC3のA1~A8端子(信号入力)と、IC5のQ0~Q7端子(信号出力)との接続経路には、それぞれの信号線に接続される8個のテストポイント(後述のTP1~TP8)が設けられている。また、IC4のA1~A8端子(信号入力)と、IC6のQ0~Q7端子(信号出力)との接続経路には、それぞれの信号線に接続される8個のテストポイント(後述のTP9~TP16)が設けられている。これについては、図43~図45を参照しながら後で説明する。
(IC3~IC6として使用可能なICの構成例)
続いて、図42を参照して、IC3~IC6として使用可能なICの構成例について説明する。上述の通り、IC3~IC6は、いずれも20ピンの(20個の端子を有する)ICであり、表面実装部品として構成された電子部品である。なお、図42に示すものはあくまで一例であり、本例において使用可能なICはこれに限られない。例えば、ピン数(端子の個数)は、20ピンよりも少ないもの(例えば、10ピンのIC)であってもよいし、20ピンよりも多いもの(例えば、64ピンのIC)であってもよい。また、その他の形状(本体の形状やピンが設けられる位置)についても同様である。
また、本例では、主制御基板411において、表面実装部品が実装される面(すなわち、主制御基板ケース460に収容されてパチスロ機401の内部に取り付けられた状態において外部から視認することが容易な表面側)を部品実装面とし、表面実装部品が実装されない面(すなわち、主制御基板ケース460に収容されてパチスロ機401の内部に取り付けられた状態において外部から視認することが困難な裏面側)を部品非実装面として説明する場合がある。
図42に示すように、本例のICは、矩形状の本体と、そこから張り出すように設けられ、実装時には主制御基板411上の半田面(パッド)に半田付けされる足状の端子とを有する。端子は、本体の一側面(図42の上面図では下側面)側に10個、これと対向する他側面(図42の上面図では上側面)側に10個設けられている。なお、このようなICは、各端子の役割を定める上で、これをわかりやすくするため、各端子に端子番号が定義されていることが一般的であり、本例のICでも、図42の上面図における下側の端子が、左下から右下に向かって1番~10番の端子と定義されているとともに、同上面図における上側の端子が、右上から左上に向かって11番~20番の端子と定義されている。
IC3~IC6においては、例えば、10番端子はGND端子として使用され、20番端子はVcc端子として使用されるように設定されている。また、残りの端子は、それぞれ上述の端子のいずれかとして使用されるように設定されている。
また、IC3~IC6は、図42のサイズ表に示すいずれの仕様(Type1~Type3)のものも使用可能であるが、例えば、IC3及びIC4では、端子ピッチが0.65mmサイズであるType2が使用され、IC5及びIC6は、端子ピッチが0.65mmサイズであるType3が使用されるものとしている。
なお、図42のサイズ表において、「D」はIC本体の長手方向の長さを表し、「E1」はIC本体の短手方向の長さを表し、「E2」はIC本体の短手方向において、端子の長さも考慮したIC全体の長さを表している。また、「P」は一の端子の真ん中から隣接する他の端子の真ん中まで(端子間)の長さを表している。これは「端子ピッチ」と称される他、「端子間ピッチ」等とも称される。また、「B」は一の端子の短手方向の長さを表している。
ここで、本例では、例えばデジタルオシロスコープ等の測定器を用いた検査が適切に行われ得るようにして遊技の公平性や信頼性を担保するという観点より、主制御基板411に表面実装部品を実装する場合には以下の条件(制約)を定めている。
(1)表面実装部品は、いずれもその表面積が所定サイズを超えるものとすること、である。当該条件は、要するに、あまりにも小さい表面実装部品が実装されると、測定器を用いた検査を適切に行い得ず、不具合や不正行為の発見も困難となるため、そのような表面実装部品については使用しないことを定めたものである。
本例では、その「所定サイズ」を、例えば「6平方mm(6mm2)」と定めている。もっとも、これはあくまで一例であり、これよりも大きなサイズ(例えば、「8平方mm(8mm2)」)を定めてもよいし、これよりも小さなサイズ(例えば、「4平方mm(4mm2)」)を定めてもよい。すなわち、これは、遊技機分野の背景事情や使用される測定器の仕様(例えば、デジタルオシロスコープのプローブのサイズ)等に応じ、現時点で好適と思われるサイズを設定しているに過ぎず、それらの要因の変化に合わせて適宜変更することができる。
なお、本例のICは、図42のサイズ表に示すいずれの仕様(Type1~Type3)のものも、その表面積が「6平方mm(6mm2)」を超えることから、当該条件を満たすものとなっている。
(2)配線で接続された表面実装部品のそれぞれの端子ピッチが特定サイズ以下の場合には、その配線に接続されたテストパターン(例えば、後述のテストポイント)を設けること、である。当該条件は、要するに、表面実装部品の端子や端子間が一定の条件を超えて細くなる場合(換言すれば、測定器のプローブにより、端子自体、あるいは表面実装部品間の配線パターンへのアクセスが困難となると想定される場合)には、そのような表面実装部品の使用を認めた上で、代替として検査し得る検査可能箇所を設ける必要があることを定めたものである。
本例では、その「特定サイズ」を、例えば「1.27mm」と定めている。もっとも、これはあくまで一例であり、これよりも大きなサイズ(例えば、「1.64mm」)を定めてもよいし、これよりも小さなサイズ(例えば、「0.65mm」)を定めてもよい。すなわち、これは、遊技機分野の背景事情や使用される測定器の仕様(例えば、デジタルオシロスコープのプローブのサイズ)等に応じ、現時点で好適と思われるサイズを設定しているに過ぎず、それらの要因の変化に合わせて適宜変更することができる。
なお、本例のICは、図42のサイズ表に示すいずれの仕様(Type1~Type3)のものも、その端子ピッチが「1.27mm」以下であることから、当該条件を満たすため、各配線に接続されたテストポイントが設けられている。これについては後述する。
(3)一の表面実装部品の端子と、他の表面実装部品の端子との間の配線においてディップ実装部品が接続されていない場合には、その配線に接続されたテストパターン(例えば、後述のテストポイント)を設けること、である。当該条件は、要するに、上記(2)の条件におけるものと同様の想定の下、ディップ実装部品の端子にアクセスすれば検査可能である場合には不要であるが、そのように検査可能な箇所がない場合には、代替として検査し得る検査可能箇所を設ける必要があることを定めたものである。
詳しくは後述するが、本例において、IC3とIC5を接続する配線上には、いずれにおいてもディップ実装部品が接続されておらず、また、IC4とIC6を接続する配線上には、いずれにおいてもディップ実装部品が接続されていない。したがって、当該条件を満たすため、各配線に接続されたテストポイントが設けられている。これについては後述する。
なお、上記(1)~(3)の条件は、上述の観点より、好適であるとして定めた一例に過ぎない。したがって、上記(1)~(3)の条件の加え、これらとは異なる条件をさらに定めることも可能であるし、上記(1)~(3)の条件のうち、いずれかの条件は定めないようにすることも可能である。また、表面実装部品同士を接続する場合には、何らの条件なくテストポイントを設けるようにすることも可能である。また、上記(2)及び(3)の条件は、双方を採用する場合、ANDの関係であってもよいし、ORの関係であってもよい。
例えば、配線で接続された表面実装部品のそれぞれの端子ピッチが特定サイズ以下の場合であっても、その配線にディップ実装部品が接続されている場合にはテストパターンを設ける必要がない、あるいは、一の表面実装部品の端子と、他の表面実装部品の端子との間の配線においてディップ実装部品が接続されていない場合であっても、それらの表面実装部品のそれぞれの端子ピッチが特定サイズを超える場合にはテストパターンを設ける必要がないといったように定めることができる。
また、例えば、配線で接続された表面実装部品のそれぞれの端子ピッチが特定サイズ以下の場合には、その配線にディップ実装部品が接続されている場合であってもテストパターンを設ける必要がある、あるいは、一の表面実装部品の端子と、他の表面実装部品の端子との間の配線においてディップ実装部品が接続されていない場合には、それらの表面実装部品のそれぞれの端子ピッチが特定サイズを超える場合であってもテストパターンを設ける必要があるといったように定めることができる。
(主制御基板411の回路パターンの構成例)
続いて、図43~図45を参照して、主制御基板411の回路パターンの構成例について説明する。なお、図43及び図44は、図41中、点線で囲んだ箇所の回路パターンの一例を示す図であって、各構成部を説明するための図であり、図45は、各テストポイント(TP)を説明するための図である。
図43及び図44において、線状に縁取られた白地の領域は、絶縁された配線パターン、及びグランドパターンを表しており、その幅が狭いほうを411c(配線パターン1)とし、広いほうを411d(配線パターン2)としている。なお、図43においては、説明をわかりやすくするため、一部にのみ符号を付しているが、同様に表された領域は基本的に同様の構成部となる。この点は、以下で説明する各構成部についても同様である。411c(配線パターン1)の幅は、例えば0.20mmであり、411d(配線パターン1)の幅は、例えば0.60mmである(図44のサイズ表参照)。もっとも、全ての箇所において同じ幅である必要はない。
また、図43及び図44において、円状に細線で縁取られた白地の領域は、VIAホールを表しており、その直径が小さいほうを411e(VIAホール1)とし、大きいほうを411f(VIAホール2)としている。411e(VIAホール1)は、例えば、外径が0.60mmであり、内径が0.30mmである(図44のサイズ表参照)。また、411f(VIAホール2)は、例えば、外径が0.80mmであり、内径が0.50mmである(図44のサイズ表参照)。もっとも、全ての箇所において同じ直径である必要はない。
また、図43及び図44において、円状に太線で縁取られた白地の領域は、スルーホールを表しており、これを411g(スルーホール)としている。411g(スルーホール)は、例えば、外径が1.40mmであり、内径が0.80mmである(図44のサイズ表参照)。もっとも、全ての箇所において同じ直径である必要はなく、実装する電子部品(ディップ実装部品)のリード線の太さに合わせた外径及び内径とすることができる。
なお、IC3~IC6が実装される箇所(図44参照)それぞれの左方に位置する上下一対のスルーホールには、同じく一対のリード線で端子が構成されるディップ実装部品としてのコンデンサ(後述の図48参照)が実装される。
ここで、VIAホール及びスルーホールは、ともに基板の表面と裏面の間を貫通する貫通孔であって、その内部にメッキ処理等が施されて通電可能に構成された点において共通する構成部であり、これらは、「ビア(VIA)ホール」や単に「ビア(VIA)」と総称される場合があり、また一方で、「スルーホール」と総称される場合もある。しかしながら、本例では、これらを区別して説明をわかりやすくするため、VIAホール(ビアホール)は、ディップ実装部品が実装されない、単なる通電可能な貫通孔を意味するものとし、スルーホールは、ディップ実装部品が実装される際に半田付けされる(すなわち、ディップ実装部品が実装される)、通電可能な貫通孔を意味するものとしている。
もっとも、VIAホールであっても、電子部品が実装される際に半田付けされることがある。この場合、VIAホール内に半田を挿入し、貫通孔を全て半田で満たされた状態とするが、VIAホールを貫通孔のまま維持する場合は、電子部品を実装する半田付け工程において、VIAホール内に半田を挿入しないためのマスク処理が行われる。
なお、本例においてVIAホールとして説明する箇所であっても、ディップ実装部品が実装される箇所であればこれをスルーホールとして構成することができるし、本例においてスルーホールとして説明する箇所であっても、必ずしもディップ実装部品が実装されない箇所であればこれをVIAホールとして構成することができる。すなわち、本発明において、例えば「ビアホール」や「ビア」と表記されていたとしても、発明の目的に反しない限り、これには本実施形態でいうスルーホールが含まれるものとし、また、本発明において、例えば「スルーホール」と表記されていたとしても、発明の目的に反しない限り、これには本実施形態でいうVIAホールが含まれるものとする。
また、図43及び図44において、右下がり斜線の領域は、5V電源供給のための電源パターンを表しており、これを411h(+5V電源パターン)としている。また、図43及び図44において、灰色の領域は、いわゆるベタGNDとしてのGND面を表しており、これを411i(GND面)としている。
また、図43及び図44において、黒色矩形の領域は、表面実装部品の端子が半田付けされる半田面(パッド)を表しており、これを411j(半田面(パッド))としている。411j(半田面(パッド))は、例えば、IC3及びIC4が実装される箇所(図44に示すように、IC3の20個の端子が半田付けされる箇所、及びIC4の20個の端子が半田付けされる箇所)においては、例えば、その短手方向の幅(IC3・4パッド短)が0.30mmであり、その長手方向の幅(IC3・4パッド長)が1.00mmであり、半田面と半田面との間隔(IC3・4パッド間)が0.40mmである(図44のサイズ表参照)。もっとも、全ての箇所において同じ大きさや間隔である必要はない。
また、411j(半田面(パッド))は、例えば、IC5及びIC6が実装される箇所(図44に示すように、IC5の20個の端子が半田付けされる箇所、及びIC6の20個の端子が半田付けされる箇所)においては、例えば、その短手方向の幅(IC5・6パッド短)が0.40mmであり、その長手方向の幅(IC5・6パッド長)が1.20mmであり、半田面と半田面との間隔(IC5・6パッド間)が0.25mmである(図44のサイズ表参照)。もっとも、全ての箇所において同じ大きさや間隔である必要はない。なお、上述のとおり、IC3~IC6の端子ピッチ(IC3~6ピン間)は、例えば0.65mmである。
また、図43及び図44において、黒色円形の領域は、例えばデジタルオシロスコープのプローブでアクセス可能に構成されたテストポイントを表しており、これを411k(テストポイント(TP))としている。411k(TP)は、例えば、直径が1.00mmである(図44のサイズ表参照)。もっとも、全ての箇所において同じ直径である必要はない。また、テストポイント(TP)の直径もあくまで一例であり、それよりも大径であってもよいし、小径であってもよい。すなわち、測定器を用いた検査を行うことができ、また、主制御基板411上でそのスペースを確保し得る限り、好適な直径を適宜選択可能である。また、テストポイント(TP)は、必ずしも円形である必要はない。例えば、411j(半田面(パッド))と同様の矩形や他の多角形の形状としてもよい。あるいは、変則的な形状としてもよい。
また、例えば、テストポイント(TP)ごとに(あるいは、少なくとも一部のテストポイント(TP)と、その他のテストポイント(TP)との間を)異なる形状として、配線パターンを確認しなくとも、どの配線に対して検査を行っているかが容易に認識できるように構成してもよい。また、いずれの場合であっても、それぞれのテストポイント(TP)の近傍には、その表面の絶縁層にテストポイント(TP)の種別を表す識別情報(例えば、「TP1」~「TP16」といった情報)を印刷し、どの配線に対して検査を行っているかが容易に認識できるように構成してもよい。
なお、図43~図45においては図示を省略しているが、本例では、図43~図45に示す部品実装面にはテストポイント(TP)が設けられる一方、その裏面側の部品非実装面にはテストポイント(TP)が設けられないように構成されている。これは、主制御基板ケース460が開放されて主制御基板411の部品実装面にアクセス可能な状態であっても、主制御基板411の裏面側(部品非実装面)はなおも主制御基板ケース460に固定されていることが多く、ここにテストポイント(TP)を設けても迅速に検査が行えないことによるものである。なお、このような観点からは、例えば、部品非実装面には表面実装部品を実装せず(遊技機分野において、遊技機の主制御基板(主基板)の両面に電子部品を実装することは認められておらず、電子部品は片面実装することが求められている)、部品実装面にのみ表面実装部品を実装するようにし、部品非実装面ではテストポイント(TP)を用いた検査を行う必要がないように構成してもよい。
また、図43及び図44において、上述の領域以外の領域であって、無地かつ白色の面は、絶縁された配線パターン、及びグランドパターンが存在しない面を表しており、これを411lとしている。
ここで、本例における主制御基板411の特徴的部分の一つである、主制御基板411上に設けられたテストポイント(TP)について、図45を参照しながら説明する。なお、図45では、図43及び図44において一部を示した主制御基板411の回路パターンについて、さらにテストポイント(TP)部分を拡大している。
TP1は、IC3の2番端子と、IC5の2番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC3のA1端子と、IC5のQ0端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP1は、IC3の2番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC3の2番端子と、IC5の2番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC5の2番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC3の2番端子とIC5の2番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP2は、IC3の3番端子と、IC5の5番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC3のA2端子と、IC5のQ1端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP2は、IC3の3番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC3の3番端子と、IC5の5番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC5の5番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC3の3番端子とIC5の5番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP3は、IC3の4番端子と、IC5の6番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC3のA3端子と、IC5のQ2端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP3は、IC3の4番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC3の4番端子と、IC5の6番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC5の6番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC3の4番端子とIC5の6番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP4は、IC3の5番端子と、IC5の9番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC3のA4端子と、IC5のQ3端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP4は、IC3の5番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC3の5番端子と、IC5の9番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC5の9番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC3の5番端子とIC5の9番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP5は、IC3の6番端子と、IC5の12番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC3のA5端子と、IC5のQ4端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP5は、IC3の6番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC3の6番端子と、IC5の12番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC5の12番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC3の6番端子とIC5の12番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP6は、IC3の7番端子と、IC5の15番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC3のA6端子と、IC5のQ5端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP6は、IC3の7番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC3の7番端子と、IC5の15番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC5の15番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC3の7番端子とIC5の15番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP7は、IC3の8番端子と、IC5の16番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC3のA7端子と、IC5のQ6端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP7は、IC3の8番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC3の8番端子と、IC5の16番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC5の16番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC3の8番端子とIC5の16番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP8は、IC3の9番端子と、IC5の19番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC3のA8端子と、IC5のQ7端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP8は、IC3の9番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC3の9番端子と、IC5の19番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC5の19番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC3の9番端子とIC5の19番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP9は、IC4の2番端子と、IC6の2番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC4のA1端子と、IC6のQ0端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP9は、IC4の2番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC4の2番端子と、IC6の2番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC6の2番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC4の2番端子とIC6の2番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP10は、IC4の3番端子と、IC6の5番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC4のA2端子と、IC6のQ1端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP10は、IC4の3番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC4の3番端子と、IC6の5番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC6の5番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC4の3番端子とIC6の5番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP11は、IC4の4番端子と、IC6の6番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC4のA3端子と、IC6のQ2端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP11は、IC4の4番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC4の4番端子と、IC6の6番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC6の6番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC4の4番端子とIC6の6番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP12は、IC4の5番端子と、IC6の9番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC4のA4端子と、IC6のQ3端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP12は、IC4の5番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC4の5番端子と、IC6の9番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC6の9番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC4の5番端子とIC6の9番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP13は、IC4の6番端子と、IC6の12番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC4のA5端子と、IC6のQ4端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP13は、IC4の6番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC4の6番端子と、IC6の12番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC6の12番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC4の6番端子とIC6の12番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP14は、IC4の7番端子と、IC6の15番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC4のA6端子と、IC6のQ5端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP14は、IC4の7番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC4の7番端子と、IC6の15番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC6の15番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC4の7番端子とIC6の15番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP15は、IC4の8番端子と、IC6の16番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC4のA7端子と、IC6のQ6端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP15は、IC4の8番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC4の8番端子と、IC6の16番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC6の16番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC4の8番端子とIC6の16番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
TP16は、IC4の9番端子と、IC6の19番端子とを接続する配線に接続されたテストポイントであり、例えば、図41中の、IC4のA8端子と、IC6のQ7端子との通電状態を測定可能に構成されたテストポイントである。なお、TP16は、IC4の9番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものとしているが、その配置はこれに限られない。例えば、IC4の9番端子と、IC6の19番端子とを接続する配線をその間で分岐させ、その分岐させた配線に接続されるようにして設けられるものであってもよいし、IC6の19番端子側の配線を延長し、その延長した配線に接続されるようにして設けられるものであってもよい。すなわち、IC4の9番端子とIC6の19番端子の間の配線と同じ通電状況を把握可能な箇所であれば、いずれの箇所に設けられるものであってもよい。
なお、本例では、デジタルオシロスコープ等の測定器を用いた検査を可能とするため、主制御基板411上にテストポイント(TP)を設ける構成としたが、そのような検査を可能とするための構成(テストパターンの構成)はこれに限られない。例えば、検査を行いたい配線に接続された(該配線と同じ通電状況を把握可能な箇所に設けられた)スルーホールにテストピン(コンタクトピン)を実装する構成としてもよい。このようにすれば、例えば、デジタルオシロスコープのプローブがクリップタイプである場合、テストポイントを設けた場合よりもアクセス性が向上するため、検査の容易性や利便性を高めることが可能となる。すなわち、本例においてテストポイント(TP)を設けるとして説明した箇所は、その一部又は全部についてテストピンが実装される構成とすることができる。また、テストポイントやテストピンも、そのような検査を可能とするための構成の一例に過ぎず、適切な検査を可能とする限り種々の構成を採用することができる。
(主制御基板411で使用不可とする電子部品の構成例)
続いて、図46及び図47を参照して、主制御基板411で使用不可とする電子部品(表面実装部品)の構成例について説明する。図46は、そのような電子部品の一例であるチップ抵抗の構成例であり、図47は、そのような電子部品の一例であるチップコンデンサの構成例である。
図46に示すようなチップ抵抗(チップ抵抗器)は、接続される配線の電流を制御するために使用される電子部品であり、例えば、セラミック材等で構成される基体部と、抵抗値に応じて好適な金属で構成される抵抗部(外装を含む)と、実装される上で配線に接続される(半田付けされる)電極部等とを有する。
また、チップ抵抗には、例えば、図46のサイズ表に示すように、多種の仕様のもの(例えば、Type1~Type9)が存在している。ここで、そのサイズに着目すると、例えば、Type1~Type6のものは、その表面積(図46中、長手方向の長さLと、短手方向の長さWとを乗じたもの)が6平方mm(6mm2)を超えないものとなっている。すなわち、上述の(1)の条件を満たさない表面実装部品となっている。したがって、本例では、上述の(1)の条件にしたがい、これらのチップ抵抗についてはその使用を不可としている。
なお、例えば、Type7~Type9のものは、その表面積が6平方mm(6mm2)を超えるものとなっているので、上述の(1)の条件にしたがい、これらのチップ抵抗についてはその使用が可能となる。もっとも、このような表面実装部品としてのチップ抵抗については、そのサイズにかかわらず、その使用を不可と定めてもよい(この場合には、後述の図48に示すようなディップ部品としての抵抗器を使用すればよい)。
また、図47に示すようなチップコンデンサ(キャパシタ)も、接続される配線の電流を制御するために使用される電子部品であり、例えば、セラミック材や内部電極等を積層して(セラミックコンデンサとして)、あるいはアルミ材等で(電解コンデンサとして)構成される誘電体部と、実装される上で配線に接続される(半田付けされる)電極部等とを有する。
また、チップコンデンサにも、例えば、図47のサイズ表に示すように、多種の仕様のもの(例えば、Type1~Type5)が存在している。ここで、そのサイズに着目すると、例えば、Type1~Type4のものは、その表面積(図47中、長手方向の長さLと、短手方向の長さWとを乗じたもの)が6平方mm(6mm2)を超えないものとなっている。すなわち、上述の(1)の条件を満たさない表面実装部品となっている。したがって、本例では、上述の(1)の条件にしたがい、これらのチップコンデンサについてはその使用を不可としている。
なお、例えば、Type5のものは、その表面積が6平方mm(6mm2)を超えるものとなっているので、上述の(1)の条件にしたがい、このチップコンデンサについてはその使用が可能となる。もっとも、このような表面実装部品としてのチップコンデンサについては、そのサイズにかかわらず、その使用を不可と定めてもよい(この場合には、後述の図49に示すようなディップ部品としてのコンデンサを使用すればよい)。
(主制御基板411に実装され得るディップ部品の構成例)
続いて、図48及び図49を参照して、主制御基板411に実装され得るディップ部品の構成例について説明する。図48は、そのようなディップ部品の一例である抵抗の構成例であり、図49は、そのようなディップ部品の一例であるコンデンサの構成例である。
図48に示すような抵抗(抵抗器)は、例えば、円筒状に形成された抵抗部(セラミック材等で構成される基体部、抵抗値に応じて好適な金属で構成される抵抗体、及び外装等を含む)と、抵抗部の両端に突設された一対のリード線(端子)等とを有する。図48に示すように、一対のリード線は、部品実装面に実装される際には折り曲げ加工された上で部品実装面のスルーホールの開口から挿入され、部品実装面及び部品非実装面でそのリード線のスルーホール内及び近傍部分が半田付けされる。また、このようなディップ部品では、例えばデジタルオシロスコープのプローブの先端をリード線に接触させることで、その通電状況が測定可能となっている。これは、後述のコンデンサについても同様である。
また、ディップ部品としての抵抗にも、例えば、図48のサイズ表に示すように、多種の仕様のもの(例えば、Type1~Type4)が存在している。なお、これらにおいて、折り曲げ加工前(図48中、「加工前」参照)及び折り曲げ加工後(図48中、「加工後」参照)のそれぞれの寸法等は、例えば、図48のサイズ表に示すとおりである。また、これらにおいては、例えば、別の態様にて折り曲げ加工することも可能である(図48中、「加工後別例」参照)。なお、別の態様にて折り曲げ加工する際に、リード線を伸長させる必要がある場合には、適宜それを伸長して構成することも可能である。
また、このような抵抗では、彩色可能な複数の帯領域(図48中、「加工後」の「1」~「4」参照)がその抵抗部に設けられており、それらが何色に彩色されているか(どのカラーコードとなっているか)によって、その抵抗の抵抗値や許容差が視認可能となるように構成されている。ここで、「1」の領域は第1数字(十の位の数字)を示し、「2」の領域は第2数字(一の位の数字)を示し、「3」の領域は倍率(乗数)を示し、「4」の領域は許容差を示している。例えば、カラーコードが、左から順に「茶(1)」「黒(0)」「橙(1000)」「金(±5%)」であった場合、その抵抗の抵抗値及び許容差は「10kΩ(±5%)」となる。
図49に示すようなコンデンサ(キャパシタ)は、セラミック材や内部電極等を積層して(セラミックコンデンサとして)、あるいはアルミ材等で(電解コンデンサとして)構成される誘電体部と、誘電体部の一端に突設された一対のリード線(端子)等とを有する。一対のリード線は、部品実装面に実装される際に、部品実装面のスルーホールの開口から挿入され、部品実装面及び部品非実装面でそのリード線のスルーホール内及び近傍部分が半田付けされる。
なお、図49に示すものは、リード線がアウトサイドクリンプ形状でテーピングされたセラミックコンデンサ(図49中、「アウトサイドクリンプ」)と、リード線がインサイドクリンプ形状でテーピングされたセラミックコンデンサ(図49中、「インサイドクリンプ」)の一例である。なお、一般的には、インサイドクリンプ形状のものよりもアウトサイドクリンプ形状のもののほうが、静電容量が大きくなっている。また、図示は省略しているが、主制御基板411では、電解コンデンサやフィルムコンデンサ等の他のコンデンサをディップ部品として実装することも可能である。
また、ディップ部品としてのコンデンサにも、例えば、図49のサイズ表に示すように、多種の仕様のもの(例えば、アウトサイドクリンプではType1~Type6、インサイドクリンプではType1~Type5)が存在している。なお、これらにおけるそれぞれの寸法等は、例えば、図49のサイズ表に示すとおりであるが、例えば、図44において実装されるコンデンサとしては、静電容量及び外径サイズの観点より、アウトサイドクリンプであればType5又はType6、インサイドクリンプであればType1~Type5のいずれかが選ばれる。
[10-4.別例に係る主制御基板における基板管理情報の搭載例]
続いて、図50~図59を参照して、別例に係る主制御基板における基板管理情報の搭載例について説明する。図50は、従来の遊技機の主制御基板における基板管理情報の搭載例を説明するための図であり、図51及び図52は、主制御基板411における基板管理情報の搭載例1を説明するための図であり、図53及び図54は、主制御基板411における基板管理情報の搭載例2を説明するための図であり、図55及び図56は、主制御基板411における基板管理情報の搭載例3を説明するための図であり、図57及び図58は、主制御基板411における基板管理情報の搭載例4を説明するための図であり、図59は、主制御基板411におけるリライタブルフィルム543の印字例を説明するための図である。
従来、遊技機に用いられる主制御基板(「主基板」とも称される)は、不正防止等の観点より、透明な基板ケース(「主基板ケース」とも称される)に密封されることが求められている。また、その基板ケースは、開封(開放)するとその痕跡が残るものとすることが求められている(例えば、遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則:別表第3(1)イ(ハ)参照)。
また、同様の観点より、(a)遊技機の製造業者又は輸入業者の氏名又は名称と、(b)主基板の型式を特定するための番号、記号その他の符号とを、主制御基板の板面に印刷し、容易に識別することができる方法で表示されることが求められている(例えば、遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則:別表第3(1)イ(ト)参照)。
そのような情報は、遊技機の機種ごとに固有の情報(本例では、これを「基板管理情報」、「固有情報」、あるいは単に「識別情報」として説明する)であり、例えば、同じ遊技機メーカが製造する遊技機であって、同じ仕様の主制御基板を搭載する遊技機であっても、異なる機種であれば異なる基板管理情報となる。
まず、図50を参照して、従来の基板管理情報の搭載例を説明する。例えば、主制御基板(ここでは、説明をわかりやすくするため、本例と同じ主制御基板411としている)の部品実装面には、少なくとも上述の配線パターン411cや411d等に影響を与えない任意の位置(例えば、上述の絶縁された配線パターン、及びグランドパターンが存在しない面411l上)に、基板管理情報を表示するための固有情報表示部(ここでは、説明をわかりやすくするため、本例と同じ固有情報表示部541としている)が設けられるものとしている。
この従来例において、固有情報表示部には、例えば、上記(a)に対応する情報である「メーカー名」(製造業者名)と、上記(b)に対応する情報である型式番号(基板管理番号)「******-**」とで構成される基板管理情報が表示されているが、これはレーザーによって基板面(部品実装面)に直接印字されたものとなっている。
かかる従来例によれば、上述の求めに合致する表示は行われているものの、例えば、一度遊技店に設置された遊技機を回収してその主制御基板を再利用(リユース)しようとする場合、同じ遊技機メーカの同じ機種(型式)の遊技機にしかこれを行うことができない。すなわち、ある機種の遊技機が市場に投入された後、これが撤去されるまでのライフサイクルを考慮すると、実質的に再利用は困難となってしまう。
ここで、本実施形態では、例えば図35に示したように、主制御基板の部品実装面に複数の異なる基板管理情報を印字可能なスペースを確保することを前提とした上で、第1の基板管理情報が印字された主制御基板を再利用する場合には、印字された第1の基板管理情報をレーザー刻印によって削除してから、第2の基板管理情報を印字するといった手法も提案していた。
しかしながら、近年は主制御基板が担う役割がより多様化していることから、このようなスペースを十分に確保することができない場合も少なくない。かかる実情を考慮すると、従来どおりのスペースで、基板管理情報の表示内容を変更可能な手法の検討が必要である。
そこで、本例では、主制御基板のスペースを圧迫することなく(省スペース化を実現し)、簡易な構成で基板管理情報の書き換えを可能とし、主制御基板の再利用によって製造コストの削減を図ることができる手法を提案する。以下で説明する手法によれば、同じ遊技機メーカで機種(型式)が異なる遊技機にも同じ主制御基板を再利用できるのみならず、一の遊技機メーカの一の機種(型式)で使用された主制御基板を、他の遊技機メーカの他の機種(型式)にも簡単に再利用することができる。
なお、本例では、固有情報表示部541を、書換可能な感熱フィルムである後述のリライタブルフィルム543を含んで構成することでそのような手法を実現している。これは、本例における主制御基板411の特徴的部分の一つであり、その具体例について、搭載例1~4として以下で説明していく。
なお、本例におけるリライタブルフィルム543には、例えば、リコー社製のリライタブルレーザーシステムのリライタブルレーザーメディア(ラベル)を用いることができる。同リライタブルレーザーシステムは、リライタブルレーザーマーカー装置(レーザー印字装置)のレーザー照射ユニットにより、リライタブルレーザーメディア(ラベル)が機器に貼り付けられた状態でそこに表示される情報を書換可能(印字及び消去を可能)とするものであり、貼り剥がしすることなく約1000回の書き換えを可能とするものである。
リライタブルレーザーメディア(ラベル)は、例えば、表面を白色でコートされた銀色ポリエステルフィルム(白PET)を基材とし、その上に、記録層、酸素遮断層及びUV遮断層を積層して構成され、印字時には約160℃(消去時には約100℃)のレーザー照射熱に耐え得るものとなっている。なお、本例においてリライタブルフィルム543として用いることができる感熱フィルムはこれに限られない。同様の要件を具備し得るものであれば、それを適宜用いることが可能である。
(主制御基板411における基板管理情報の搭載例1)
続いて、図51及び図52を参照して、主制御基板411における基板管理情報の搭載例1について説明する。図51は、搭載例1における固有情報表示部541の構成例を示す図であり、図52は、搭載例1における固有情報表示部541が設けられる箇所の断面等を示す図である。
図51に示すように、主制御基板411の部品実装面には、少なくとも上述の配線パターン411cや411d等に影響を与えない任意の位置(例えば、上述の絶縁された配線パターン、及びグランドパターンが存在しない面411l上)に、基板管理情報を表示するための固有情報表示部541が設けられる。なお、固有情報表示部541は、例えば、上述のGND面411i上に設けられるものであってもよい。これは、後述の搭載例2~4における固有情報表示部541も同様である。
また、図51及び図52においては、主制御基板ケース460の図示を省略しているが、上述のとおり、主制御基板411は、透明な主制御基板ケース460に収容された状態でパチスロ機401の内部に取り付けられており、固有情報表示部541は、その状態において視認可能な位置(すなわち、部品実装面であって、主制御基板ケース460の構成部によってその視認が妨げられない位置)に設けられる。これは、後述の搭載例2~4における固有情報表示部541も同様である。
そして、搭載例1では、(1)固有情報表示部541が、その表示される情報を書換可能なリライタブルフィルム543を含んで構成されている。以下、その具体的構成について図52を用いて説明する。
上述のとおり、主制御基板411は、プリント基板(PCB)として構成されており、固有情報表示部541もその一部である。なお、固有情報表示部541においては、配線パターンが配されない(すなわち、銅箔が除去されている)ことから、図52においてはその図示を省略している。
図52に示すように、基板本体544の両面には、絶縁層としてのレジスト層545(部品実装面側(すなわち、固有情報表示部541が設けられている側)のレジスト層をレジスト層545aとし、部品非実装面側(すなわち、固有情報表示部541が設けられていない側)のレジスト層をレジスト層545bとしている)が積層されている。
なお、固有情報表示部541においては、電子部品が実装されないことから、図51及び図52においてはその図示を省略しているが、レジスト層545(例えば、部品実装面であるレジスト層545a)には、その表面に、実装された電子部品を特定するための部品情報が印刷される。例えば、図44において、IC3が実装される箇所の近傍には「IC3」と表記された部品情報が印刷される(IC4~IC6についても同様)。
また、例えば、IC3の左方に実装されるコンデンサの近傍には、例えば「CP1」と表記された部品情報が印刷され、IC4の左方に実装されるコンデンサの近傍には、例えば「CP2」と表記された部品情報が印刷され、IC5の左方に実装されるコンデンサの近傍には、例えば「CP3」と表記された部品情報が印刷され、IC6の左方に実装されるコンデンサの近傍には、例えば「CP4」と表記された部品情報が印刷される。
ここで、リライタブルフィルム543は、固有情報表示部541において基板本体544とレジスト層545aの間に配されるように構成される。なお、リライタブルフィルム543は、印字面の裏面がシールとなっていて基板本体544に貼り付けることが可能な構成となっている。すなわち、本例では、基板本体544にリライタブルフィルム543を貼り付け、その上からレジスト層545aを積層する構成としている。
もっとも、リライタブルフィルム543は、最終的にはレジスト層545aによって保護及び固定されることから、基板本体544に貼り付けることなく(すなわち、印字面の裏面がシールとはなっておらず)、基板本体544に載置された状態でレジスト層545aが積層されるようにしてもよい。あるいは、レジスト層545aの裏面側に貼り付けることが可能な構成とし(すなわち、印字面がシールとなっており)、レジスト層545aが積層される際に、それにともなって基板本体544上に載置されるようにしてもよい。
また、その剥がれにくさが担保される限りにおいて、例えば、レジスト層545aの表面側にリライタブルフィルム543を貼り付ける構成としてもよいし、その他の手段によってリライタブルフィルム543を固定してもよい。すなわち、リライタブルフィルム543を用い、主制御基板411の他の構成を何ら変更することなく、その書き換えによって基板管理情報の表示を変更し得る態様であれば、そのいずれの態様を採用することも可能である。
ここで、搭載例1では、リライタブルフィルム543が、固有情報表示部541において基板本体544とレジスト層545aの間に配されていることから、レジスト層545aの外側から基板管理情報を書換可能に構成する必要がある。そこで、本例では、少なくともレジスト層545aを、透明又は半透明に構成する。この場合、例えば、レジスト層545aを、一定の耐熱性(少なくとも印字時のレーザー照射熱よりも高い温度に耐え得る)及び透過性(少なくとも印字時のレーザー照射に支障がない)を有するソルダーレジスト材で構成すればよい。なお、ここでいう「半透明」とは、完全な透明と比べると透過度は低いが、リライタブルフィルム543への印字には支障がない透過度であることを意味する。また、レジスト層545bについては、同様の構成としてもよいし、異なる構成としてもよい。
また、搭載例1において、それぞれの構成部の寸法は、図52のサイズ表のとおりである。図52のサイズ表において、「リライタブルフィルム」はリライタブルフィルム543を表し、「基板」は固有情報表示部541における基板本体544を表し、「レジスト厚」はレジスト層545a(上述のとおり、レジスト層545bは、レジスト層545aと同様の構成であってもよいし、異なる構成であってもよい)の厚み(例えば、0.02mm)を表している。なお、これらはあくまで一例であって、それぞれのサイズがこれらに限定されるものではない。
例えば、基板本体544は、図52のサイズ表に示すように、種々の厚みのものを用いることができる。また、固有情報表示部541の大きさ(縦×横)も、リライタブルフィルム543の大きさよりも小さくならず、かつ、主制御基板411上でスペースを確保し得る限り任意の大きさとすることができる。また、例えば、リライタブルフィルム543の大きさも、必要な情報が適切に表示され得る限り任意の大きさとすることができる。また、例えば、レジスト層545aの厚みも、主制御基板411の部品実装面が適切に保護され、かつ、リライタブルフィルム543への書換に支障がない限りにおいて任意の厚みとすることができる。
なお、レジスト層545aの厚みであるが、例示した「0.02mm」はソルダーレジストインクを1回塗ることを想定した厚みであり、ソルダーレジストインクを塗る回数を増やしてこれをより厚くすることも可能である。例えば、レジスト層545aを0.06mmとしたい場合、ソルダーレジストインクを3回塗ることで実現できる。もっとも、レジスト層545aが厚くなれば、絶縁層としての保護機能は向上するものの、透過性は低下することとなる。したがって、レジスト層545aの厚み(換言すれば、ソルダーレジストインクを塗る回数)は、リライタブルフィルム543に印字された基板管理情報の視認性や、印字時ないし消去時のクオリティ等を総合的に考慮して選択されるものとすればよい。例えば、これらについて何ら問題が生じない(あるいは、生じにくい)のであれば、レジスト層545aの厚みを0.06mmとして(ソルダーレジストインクを塗る回数を3回として)、保護機能(耐久性)の向上を図ってもよい。これは、後述の搭載例2~4においても同様である。
(主制御基板411における基板管理情報の搭載例2)
続いて、図53及び図54を参照して、主制御基板411における基板管理情報の搭載例2について説明する。図53は、搭載例2における固有情報表示部541の構成例を示す図であり、図54は、搭載例2における固有情報表示部541が設けられる箇所の断面等を示す図である。
なお、例えば、図51と図53、あるいは図52と図54の比較から明らかなように、搭載例2は、搭載例1に対して下記(2)の具体的構成を追加し、上記(1)の具体的構成については搭載例1と同様に構成したものである。したがって、ここでは、下記(2)の具体的構成について説明し、上記(1)の具体的構成についてはその説明を省略している。
搭載例2では、(2)固有情報表示部541には、リライタブルフィルム543の厚みに応じた凹部546が形成されている。以下、その具体的構成について図54を用いて説明する。
図54に示すように、固有情報表示部541における基板本体544には、断面視で凹状に形成された凹部546が設けられる。凹部546は、正面視で(図53参照)、リライタブルフィルム543の形状(図54のサイズ表における「リライタブルフィルム」の縦×横参照)に応じた形状(換言すれば、リライタブルフィルム543が載置可能なように、その縦横長さ以上の縦横長さが設定された形状)で形成されるとともに、断面視で(図54参照)、リライタブルフィルム543の厚み(図54のサイズ表における「リライタブルフィルム」の厚さ参照)に応じた深さ(換言すれば、リライタブルフィルム543が載置された状態で基板本体544の面から突出しない深さ)で形成される。
なお、図54のサイズ表に示すように(図54のサイズ表における「凹部」参照)、凹部546の深さは、例えば、リライタブルフィルム543の厚さと同じ0.3mmとして、リライタブルフィルム543が凹部546に載置された際には、リライタブルフィルム543の上面が基板本体544の面とフラットとなるようにしてもよいし、リライタブルフィルム543の厚さよりも深くなるように0.8mmとして、リライタブルフィルム543が凹部546に載置された際には、リライタブルフィルム543の上面が基板本体544の面よりも低くなるようにしてもよい。すなわち、リライタブルフィルム543への書換に支障がない限りにおいて任意の深さとすることができる。
もっとも、搭載例2は、搭載例1において、基板本体544の面にそのままリライタブルフィルム543を載置することによって基板自体が厚くなったり、レジスト層545aが剥がれ易くなったりすること等を防止しようするものであるから、そのような観点からすると、凹部546は、少なくともリライタブルフィルム543の厚みよりも深く構成する(すなわち、0.3mm以上~1.0mm程度の深さとする)ことが好適である。
なお、図54に示す一例では、リライタブルフィルム543が凹部546に載置された際に、リライタブルフィルム543の上面が基板本体544の面よりも低くなる(例えば、その深さを0.08mmとする)構成としている。この場合、搭載例1と同様、凹部546にも(リライタブルフィルム543の上面にも)ソルダーレジストインクが塗られるため、凹部546内のリライタブルフィルム543を除いた領域はレジスト層545aの一部となる。ここで、凹部546においては、例えば、ソルダーレジストインクの塗る回数を増やす(若しくは上面が均一化される量を塗る)ことで、図54に示すように、固有情報表示部541以外の基板本体544の上面のレジスト層545aと、凹部546におけるレジスト層545aとが、フラット(あるいは略フラット)となるように構成することもできるが、凹部546内でレジスト層545aを形成する態様はこれに限られない。
例えば、凹部546においても、ソルダーレジストインクの塗る回数を増やさず(若しくは上面が均一化される量を塗らず)、凹部546内のリライタブルフィルム543の上面のレジスト層545aが、固有情報表示部541以外の基板本体544の上面のレジスト層545aよりも、凹部546の深さ分だけ低くなるように構成してもよい。あるいは、例えば、レジスト層545aを透明レジストフィルムで形成する場合には、凹部546内が空隙となるように構成してもよい。これは、後述の搭載例4においても同様である。
(主制御基板411における基板管理情報の搭載例3)
続いて、図55及び図56を参照して、主制御基板411における基板管理情報の搭載例3について説明する。図55は、搭載例3における固有情報表示部541の構成例を示す図であり、図56は、搭載例3における固有情報表示部541が設けられる箇所の断面等を示す図である。
なお、例えば、図51と図55、あるいは図52と図56の比較から明らかなように、搭載例3は、搭載例1に対して下記(3)の具体的構成を追加し、上記(1)の具体的構成については搭載例1と同様に構成したものである。したがって、ここでは、下記(3)の具体的構成について説明し、上記(1)の具体的構成についてはその説明を省略している。
搭載例3では、(3)固有情報表示部541において、レジスト層545aの外側には、係止ピン548で基板本体544に固定される透明板547が取り付けられる。以下、その具体的構成について図56を用いて説明する。
図56に示すように、固有情報表示部541において基板本体544には、固有情報表示部541が設けられる面(すなわち、レジスト層545a側)と固有情報表示部541が設けられない面(すなわち、レジスト層545b側)の間を貫通するスルーホール549が形成されている。なお、図55に示すように、スルーホール549は、矩形の透明板547の四隅に対応するように4箇所設けられている(図55中、左下のものをスルーホール549aとし、右下のものをスルーホール549bとし、右上のものをスルーホール549cとし、左上のものをスルーホール549dとする)。
また、透明板547には、スルーホール549a,549b,549c,549dに対応する位置に係止孔(符号省略)がそれぞれ形成されており、それぞれの係止孔及びスルーホールに係止ピン548(スルーホール549a及びこれに対応する係止孔に挿入されるものを係止ピン548aとし、スルーホール549b及びこれに対応する係止孔に挿入されるものを係止ピン548bとし、スルーホール549c及びこれに対応する係止孔に挿入されるものを係止ピン548cとし、スルーホール549d及びこれに対応する係止孔に挿入されるものを係止ピン548dとする)が挿入されると、係止ピン548の胴体部(符号省略)はレジスト層545b側に挿通するが、係止ピン548の頭部(符号省略)は透明板547の係止孔で係止するように構成される。
そして、レジスト層545b側で突出した係止ピン548の胴体部の端部は、スルーホール549の外周に設けられた半田部(不図示)に半田付けされる。このようにして透明板547が基板本体544に固定される。
なお、スルーホール549を設ける態様はこれに限られない。例えば、透明板547において係止孔は、その左側中央部(例えば、図55中、係止ピン548aが係止される係止孔と係止ピン548bが係止される係止孔の間)及び右側中央部(例えば、図55中、係止ピン548cが係止される係止孔と係止ピン548dが係止される係止孔の間)に1箇所ずつ設けられるようにし、これに対応するように、スルーホール549も固定表示部541において左右1箇所ずつ設けられるものとしてもよい。また、例えば、透明板547において係止孔は、その上側中央部(例えば、図55中、係止ピン548cが係止される係止孔と係止ピン548dが係止される係止孔の間)及び下側中央部(例えば、図55中、係止ピン548aが係止される係止孔と係止ピン548bが係止される係止孔の間)に1箇所ずつ設けられるようにし、これに対応するように、スルーホール549も固定表示部541において上下1箇所ずつ設けられるものとしてもよい。すなわち、透明板547の固定箇所は、透明板547が一定の強度で固定し得る限り、4箇所よりも少なくともよいし、あるいは4箇所よりも多くともよい。
また、同様の観点より、透明板547を基板本体544に固定する手法も、上述の係止ピン548を用いる手法に限られない。例えば、接着剤を用いて基板本体544に固定するようにしてもよい。あるいは、透明板547の周囲(一部であってもよい)をメッキ加工し、また、固定表示部541において基板本体544が半田面を有するようにし、透明板547を半田付けによって基板本体544に固定するようにしてもよい。すなわち、透明板547が基板本体544に適切に固定され得る限り、どのような固定部材を用いて透明板547を固定してもよい。
ここで、搭載例3では、リライタブルフィルム543が、固有情報表示部541において基板本体544と透明板547の間に配されていることから、透明板547の外側から基板管理情報を書換可能に構成する必要がある。そこで、本例では、例えば、透明板547を、一定の耐熱性(少なくとも印字時のレーザー照射熱よりも高い温度に耐え得る)及び透過性(少なくとも印字時のレーザー照射に支障がない)を有するアクリル材等で構成すればよい。なお、あくまで一例であるが、透明板547には、東亞合成社製のアロニックス(登録商標)シート(ガラス代替樹脂)を用いることができる。
また、透明板547の寸法(縦横長さ及び厚さ)は、図56のサイズ表のとおりであるが、これもあくまで一例である。すなわち、リライタブルフィルム543への書換に支障がなく、また、リライタブルフィルム543の表示を妨げることなくこれを適切に保護し、かつ、基板本体544に固定され得る限り任意において任意のサイズとすることができる。
なお、搭載例3では、透明板547の裏面側(基板本体544側の面)において、リライタブルフィルム543の上面では、その上に積層されているレジスト層545aと密着するが、その他の面では、レジスト層545aと密着しない(すなわち、レジスト層545aとの間に隙間が設けられる)ように構成されている。もっとも、このように隙間を設ける態様はこれに限られない。例えば、係止ピン548の胴体部の長さを調整し、固有情報表示部541が設けられない面において係止ピン548の胴体部の端部が半田付けされた際には、透明板547の裏面側と、リライタブルフィルム543の上面に積層されているレジスト層545aとの間においても一定の隙間が生じるように構成してもよい。すなわち、透明板547の裏面側とレジスト層545aは密着せず、どの面においても隙間が設けられるものとしてもよい。
(主制御基板411における基板管理情報の搭載例4)
続いて、図57及び図58を参照して、主制御基板411における基板管理情報の搭載例4について説明する。図57は、搭載例4における固有情報表示部541の構成例を示す図であり、図58は、搭載例4における固有情報表示部541が設けられる箇所の断面等を示す図である。
なお、例えば、図51と図57、あるいは図52と図58の比較から明らかなように、搭載例4は、搭載例1に対して上記(2)及び(3)の具体的構成を追加し、上記(1)の具体的構成については搭載例1と同様に構成したものである。また、例えば、図53と図57、あるいは図54と図58の比較から明らかなように、搭載例4は、搭載例2に対して上記(3)の具体的構成を追加し、上記(2)の具体的構成については搭載例2と同様に構成したものである。また、例えば、図55と図57、あるいは図56と図58の比較から明らかなように、搭載例4は、搭載例3に対して上記(2)の具体的構成を追加し、上記(3)の具体的構成については搭載例3と同様に構成したものである。
すなわち、搭載例4は、上記(1)~(3)の具体的構成を全て具備するように構成したものであり、上記(1)~(3)の具体的構成はすでに説明したものと同様である。したがって、以下ではこれらの具体的構成についてはその説明を省略している。
なお、搭載例4では、透明板547の裏面側(基板本体544側の面)が、基本的にレジスト層545aと密着する(すなわち、レジスト層545aとの間に隙間を設けない)ように構成されている。もっとも、透明板547とレジスト層545aとの配置関係はこれに限られない。例えば、係止ピン548の胴体部の長さを調整し、固有情報表示部541が設けられない面において係止ピン548の胴体部の端部が半田付けされた際には、透明板547の裏面側とレジスト層545aとの間において一定の隙間が生じるように構成してもよい。すなわち、透明板547の裏面側とレジスト層545aは密着せず、どの面においても隙間が設けられるものとしてもよい。
また、例えば、固有情報表示部541における基板本体544の所定位置(例えば、スルーホール549の開口の周囲)にスペーサを配置し、レジスト層545aは、そのスペーサの上から基板本体544を被膜するようにし、透明板547が取り付けられる際には、そのスペーサ部分では透明板547の裏面側とレジスト層545aが密着するが、他の部分では密着しないように構成してもよい。
(主制御基板411におけるリライタブルフィルムの印字例)
続いて、図59を参照して、主制御基板411におけるリライタブルフィルム543の印字例について説明する。上述のとおり、リライタブルフィルム543は書換可能に構成されているため、種々の基板管理情報を印字することが可能であり、図59はその一例を示したものである。
図59Aは、上述の製造業者名(図59A中、「メーカー名」)と、上述の型式番号(基板管理番号)(図59A中、「******-**」)とを印字した一例である。なお、本例では、例えば、図59Aで示す内容を印字した後、これを消去して図59Bや図59Cで示す内容を再印字することも可能であることから、これらの一例を含め、適宜必要となる情報が印字されるものとすればよい。むろん、印字される情報はこれらに限られず、適宜変更可能である。
また、図59Bは、上述の製造業者名(図59B中、「メーカー名」)と、上述の型式番号(基板管理番号)(図59B中、「******-**」)と、所定の機器(例えば、バーコードリーダー等)で読み取り可能に構成された、固有情報を識別可能とするための符号(図59B中、「基板管理用バーコード」)とを印字した一例である。
また、図59Cは、上述の製造業者名(図59C中、「メーカー名」)と、上述の型式番号(基板管理番号)(図59C中、「******-**」)と、所定の機器(例えば、携帯端末等)で読み取り可能に構成された、固有情報を識別可能とするための符号(図59C中、「基板管理用QRコード(登録商標)」)とを印字した一例である。
なお、図59B及び図59Cにおいては、上述の求めに合致する適切な表示が行われる限りにおいて、製造業者名や型式番号(基板管理番号)を省略し、上述の符号のみが印字されるものとしてもよい。
[10-5.別例に係る主制御基板の拡張例]
ここまで、別例に係る主制御基板(主制御基板411)を備える遊技機(パチスロ機401)について説明したが、その構成は上述のものに限定されず、種々の変更・拡張が可能である。以下、あくまで一例であるが、そのような拡張例について説明する。なお、そのような拡張例は、主制御基板71を備えるパチスロ機1においても適用可能である。すなわち、以下に示す拡張例は、本実施形態において主制御基板(及びその周辺部の構成を含む)として説明するもの全てに適用可能である。また、発明の目的を逸脱しない範囲で、主制御基板以外の制御基板(例えば、副制御基板412、ドア中継基板413、あるいは副中継基板414等)にも適用可能である。
(主制御基板の裏面を確認可能な構造)
上述のとおり、主制御基板411は、主制御基板ケース460に収容された状態でパチスロ機1の内部に取り付けられ、この状態では、部品実装面側は表面となって外部からの視認が容易となる一方、部品非実装面側は裏面となって外部からの視認が困難となる構成としていた。しかしながら、主制御基板ケース460の構成はこれに限られず、例えば、主制御基板411の裏面を容易に確認可能な構造を有する構成としてもよい。
これにより、例えば、製造工程において、表面実装部品を用いた基板なのか(あるいは、どの電子部品を表面実装部品としているのか)、ディップ部品を用いた基板なのか(あるいは、どの電子部品をディップ部品としているのか)等が確認しやすくなるため、基板(あるいは、電子部品)の取り付けに間違いがないかを組み立て完了後にも確認しやすくなり、また、遊技店に設置された後においても、不正改造のための器具が主制御基板411の裏面に取り付けられていないかどうかの確認もしやすくなる。すなわち、確認時の利便性を向上させ得るという効果を奏する。したがって、主制御基板411の裏面は、主制御基板ケース460に収容された状態において、これを開封(開放)することなく容易に視認できる構造とすることが望ましい。以下、その仕様例を説明する。
例えば、主制御基板ケース460が、パチスロ機401内に設置された状態(パチスロ機401の内部に取り付けられた状態)で回動可能(回転可能)な構造を有するようにし、主制御基板ケース460を回動させることにより、主制御基板411の裏面を視認可能な構成とすることができる。この場合、主制御基板ケース460は、主制御基板411が配置される側(すなわち、主制御基板411の裏面を視認可能とする側)であるベース体と、ベース体に対するフタとなる(すなわち、主制御基板411の表面を視認可能とする側である)カバー体との組み合わせで構成され、その内部に主制御基板411を収容した状態で、例えば図2に示す主制御基板71の如く、その基板面が筐体(筐体2)の底面ないし上面に対して垂直(略垂直)となるように、パチスロ機401の内部の所定位置に取り付け可能に構成されるものとする。
なお、主制御基板ケース460の取付位置は、例えば図2に示す主制御基板71の如く、前面扉(フロントドア)の裏面側であってもよいし(この場合、主制御基板411の表面(部品実装面)は、前面扉を閉じた状態ではキャビネットの背面壁(背面壁G3)側を向くため、前面扉を開いた状態において外部から視認可能となる一方、主制御基板411の裏面(部品非実装面)は、表面とは反対側を向くため、前面扉を開いただけでは外部から視認可能とならない)、キャビネット内の背面壁の任意の位置であってもよい(この場合、主制御基板411の表面(部品実装面)は、前面扉を閉じた状態では前面扉の裏面側を向くため、前面扉を開いた状態において外部から視認可能となる一方、主制御基板411の裏面(部品非実装面)は、表面とは反対側を向くため、前面扉を開いただけでは外部から視認可能とならない)。あるいは、キャビネット内の側面壁(側面壁G2)の任意の位置であってもよい。
また、主制御基板ケース460は、一端部側(例えば、下端側)に回動の軸部として機能する回動軸部を備え、また、主制御基板ケース460の取付位置には、その取付位置において固定され、回動軸部を軸支可能な保持部材が設けられるものとし、主制御基板ケース460が保持部材に取り付けられると、保持部材によって主制御基板ケース460が回動可能な状態で保持されるものとする(主制御基板ケース460と保持部材とが予め組み付けられ、これを取付位置に取り付けることで同様の構成となるものを含む)。なお、主制御基板ケース460の他端側(例えば、上端側)には、保持部材との係合状態(すなわち、主制御基板ケース460の回動が不能な状態)又は非係合状態(すなわち、主制御基板ケース460の回動が可能な状態)を切替可能な切替機構(例えば、工具を用いず手で係合状態又は非係合状態を切り替えることができる押し込みピンと受け部からなる固定具であるプッシュファスナー等)が設けられるものとする。
そして、作業者(例えば、遊技店の係員等)が主制御基板411の裏面を確認したい場合は、切替機構を動作させて(例えば、プッシュファスナーを引いて)係合状態を解除すると、(例えば、上端側が開放され、下端側の回動軸部を回転軸として)主制御基板ケース460を手前側に回動させることが可能となり、これによって主制御基板411の裏面が視認可能となるようにすればよい。なお、切替機構の他の例としては、例えば、保持部材と主制御基板ケース460とを外部からネジ止め可能とするネジ止め機構等を採用することも可能である。すなわち、保持部材や主制御基板ケース460を破壊することなく、保持部材と主制御基板ケース460の他端部とを着脱可能とするものであれば、どのような構造も適用可能である。
なお、主制御基板ケース460の回動方向は、主制御基板ケース460(換言すれば、主制御基板411)の取付位置に応じて、回動させるスペースが十分に確保できる方向とすればよい(パチンコ機に適用する場合には、パチンコ機の背面側のスペースが考慮される)。例えば、回動軸部を下端側(あるいは、上端側)に設けることで、主制御基板ケース460が縦方向に回動するものとしてもよいし、回動軸部を左端側(あるいは、右端側)に設けることで、主制御基板ケース460が横方向に回動するものとしてもよい。なお、回動可能角度は、基板裏面が視認可能となるように少なくとも15度程度以上の角度が確保されていることが望ましい。もっとも、基板裏面をより見やすくするため、スペースが確保し得る限り90度程度の角度が確保できるとよい。
また、主制御基板ケース460を回動させた場合に、他の構成部材(例えば、リールユニットの外壁等)にぶつからない配置とすることが望ましいが、基板裏面が視認可能な回動角度位置(例えば、固定位置から15度回動させた位置)では他の構成部材にぶつからないものであれば、さらに回動させた回動角度位置(例えば、固定位置から30度回動させた位置)では他の構成部材にぶつかり得るものであっても、そのような構造を採用し得るものとする。もっとも、衝撃を与えることが望ましくない構成部材(例えば、副制御基板412、ドア中継基板413、副中継基板414等のそれぞれが収容される基板ケースや、電源ユニット415等)にはぶつからない配置や回動可能角度を採用することが望ましい。
また、主制御基板ケース460を回動させることなく、主制御基板411の表面と裏面とを視認可能な構成としてもよい。例えば、主制御基板411の表面が筐体の上面を向き、裏面が筐体の底面を向くように(すなわち、基板面が筐体(筐体2)の底面ないし上面に対して平行(略平行)となるように)、主制御基板ケース460(の側面端部)をパチスロ機401の内部の所定位置に取り付け、さらにその取付位置では、主制御基板411の表面側及び裏面側の両方において基板面を視認可能なスペースが確保されるものとすればよい。
なお、主制御基板ケース460において、上述のベース体とカバー体とは、開封時にはその痕跡が残るように構成された封印部材(これを「ケースかしめ」とする)によって固定されるが、さらに主制御基板ケース460(例えば、保持部材を含むものとしてもよいし、保持部材は含まないものとしてもよい)と遊技機本体(例えば、ここでいう主制御基板ケース460が保持部材を含む場合には保持部材の取付位置にある他の構成部材を指すものであってよいし、保持部材を含まない場合には保持部材ないしその近傍にある他の構成部材を指すものであってもよい)とを、主制御基板ケース460の取り外し時にはその痕跡が残るように構成された封印部材(これを「本体かしめ」とする)によって固定してもよい。すなわち、ケースかしめは設けるが本体かしめは設けないように構成することもできるし、ケースかしめを設けた上でさらに本体かしめも設けるように構成することもできる。
(主制御基板ケースに素材表記)
一度遊技店に設置された遊技機を回収し、その構成部品を再利用しようとする場合、リユースによる再利用を行う場合と、リサイクルによる再利用を行う場合とが考えられる。ここでいうリユースとは、そのまま再利用することを意味する。例えば、回収した主制御基板ケース460を、そのまま同じ構造の別機種に組み込む場合等である。一方、ここでいうリサイクルとは、遊技機メーカやリサイクル業者が分解したパーツを素材として回収し、再処理することで新たな素材として再生させることを意味する。例えば、遊技機のプラスチック部材を回収して、新たなプラスチックとして再生する場合等である。
上述のとおり、本例では、リライタブルフィルム543を用いた手法により主制御基板411のリユース回数を多くできるが、例えば、主制御基板ケース460はそのままリユースできず、リサイクルされる可能性もある。ここで、主制御基板ケース460に用いられる透明樹脂には複数種類の素材があるため、素材が特定できないとリサイクルが困難となるし、外見では素材を特定しにくいという問題がある。
そこで、主制御基板ケース460の一部に素材を特定可能とする表示(素材特定表示)を付す構成としてもよい。これにより、再利用性を向上させることができるという効果を奏し得る。例えば、主制御基板ケース460上に、素材がポリカーボネートであれば<PC>、素材がABS樹脂であれば<ABS>といったような表記を行うようにする。なお、素材特定表示は種々の手法を用いて付すことができる。例えば、レーザーマーキング等で刻印(印字)する手法を採用してもよいし、ケース成型時にそのような表記が予め付される(一体成型される)ものとしてもよい。
また、上述のベース体とカバー体について、両方に素材特定表示を付し、分離した後もそれぞれの素材が認識可能となるようにしてもよいし、これらは基本的に同じ素材が用いられることから、少なくともいずれか1部材のみに素材特定表示を付すものとしてもよい。なお、特定素材表示は、少なくともリライタブルフィルム543の視認性を妨げないように、固有情報表示部541とは重畳しない位置に設けることが望ましい。
(主制御基板ケースに説明情報)
上述のとおり、主制御基板411上には役比モニタ483が設けられるが、例えば、これ以外の7セグLEDやランプ(例えば、後述の動作チェック用LED)等の表示器を設けることも可能である。そのような表示器が複数設けられる場合、それぞれの表示器の機能や役割(その表示器によって何が表示されるか等)が、外見からは理解し難い可能性がある。そこで、作業者(例えば、遊技店の係員等)が一見して表示器の機能や役割を理解できるようにするため、主制御基板411上に設けられた表示器の種類を特定可能とする表示(説明情報)を、主制御基板ケース460上において対象の表示器と対応する位置に付す構成としてもよい。これにより、作業者の利便性を向上させることができるという効果を奏し得る。
例えば、主制御基板411上に、役比モニタ483と、主制御基板411の状態を表示するための状態表示器と、設定された設定値を表示するための設定表示器とが設けられていたとする。この場合、正面視において役比モニタ483の近傍となる主制御基板ケース460上の任意の位置に「役比モニタ」との説明情報を付し、正面視において状態表示器の近傍となる主制御基板ケース460上の任意の位置に「状態表示」との説明情報を付し、正面視において設定表示器の近傍となる主制御基板ケース460上の任意の位置に「設定」との説明情報を付すようにすればよい。なお、上述の特定素材表示と同様に、説明情報も種々の手法を用いて付すことができる。また、説明情報も、少なくともリライタブルフィルム543の視認性を妨げないように、固有情報表示部541とは重畳しない位置に設けることが望ましい。
(動作チェック用LEDとその説明)
上述のとおり、主制御基板411上に、遊技に関する各種の動作状況(動作が正常であるか)を確認可能とするための動作チェック用LEDを設けるようにしてもよい。なお、動作チェック用LEDは、例えば、それぞれが各種操作部や各種センサに対応する複数のLED群として構成され、対応する操作部が操作中であるときや、対応するセンサがオン状態であるときに個別に点灯する(対応する操作部が操作中でないときや、対応するセンサがオン状態でないときには消灯する)ことで、それぞれの動作状況を確認することができるものとなっている。
例えば、スタートレバー7が操作中であるとき(すなわち、スタートスイッチ431がオン状態であるとき)には対応する1個のLEDが点灯するが、スタートレバー7が操作中でないとき(すなわち、スタートスイッチ431がオフ状態であるとき)にはそのLEDは消灯する。なお、各ストップボタン8L,8C,8R、MAXベットボタン6a,1ベットボタン6b,精算ボタン9等の、主制御基板411に接続されたその他の操作部も同様の構成であり、操作中であれば対応するLEDが点灯し、操作中でなければ対応するLEDが消灯するものとなっている。
また、例えば、メダル投入口5から投入されたメダルが内部を通過中であるとき(すなわち、メダルセンサ31S(ここでは、一例として図3を参照)がオン状態であるとき)には対応する1個のLEDが点灯するが、メダル投入口5から投入されたメダルが内部を通過中でないとき(すなわち、メダルセンサ31Sがオフ状態であるとき)にはそのLEDは消灯する。なお、シュートセンサ(メダル投入を受け付けない場合にメダル受皿12にメダルを排出するルート上のセンサ)、ドア開閉スイッチ436のセンサ(ドア閉鎖中がオン状態となり、ドア開放中がオフ状態となる)、エラー解除センサ(施錠機構15においてリセット操作を検出可能なセンサ)等の、主制御基板411に接続されたその他のセンサも同様の構成であり、センサがオン状態であれば対応するLEDが点灯し、センサがオフ状態であれば対応するLEDが消灯するものとなっている。
ここで、動作チェック用LEDにおける各LEDについても、上述の如く、主制御基板ケース460上に説明情報を付すことも可能であるが、LEDの個数が多い場合には、十分なスペースを確保しにくい、あるいは、主制御基板411の視認性が著しく低下する可能性がある。そこで、各LEDがどの操作部ないしセンサに対応するかを示すLED対応表を、主制御基板ケース460の取付位置の近傍(あるいは、対応関係が確認できる限り、筐体内の任意の位置であってもよい)に設ける構成としてもよい。なお、LED対応表をシールとして構成し、任意の位置に貼り付けられるものとしてもよい。また、この場合、そのシールを主制御基板ケース460上に貼り付けるようにしてもよい。もっとも、この場合、少なくともリライタブルフィルム543の視認性を妨げないように、固有情報表示部541とは重畳しない位置に貼り付ける(あるいは、LED対応表のシールを、固有情報表示部541の視認性が阻害されない形状とする)ことが望ましい。
(主制御基板ケースに管理用情報)
主制御基板411や主制御基板ケース460を管理するための管理用情報(例えば、上述の固有情報とは異なる情報であって、製造者側が製品や部品を識別可能な情報)を、主制御基板ケース460上に付す構成としてもよい。なお、この場合、管理用情報は、例えばバーコードやQRコード(登録商標)として構成することができ、そのようなコードがプリントされたシールを主制御基板ケース460上に貼り付けるようにすればよい。また、この場合、少なくともリライタブルフィルム543の視認性を妨げないように、固有情報表示部541とは重畳しない位置に貼り付ける(あるいは、管理用情報のシールを、固有情報表示部541の視認性が阻害されない形状とする)ことが望ましい。
[10-6.別例に係る主制御基板の仕様を用いた遊技機]
本例では、上述のテストポイント(TP)に関する仕様を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。なお、本例において主制御基板411の仕様として説明したテストポイント(TP)に関する各構成は、発明の目的を逸脱しない範囲で、主制御基板411以外の制御基板(例えば、副制御基板412、ドア中継基板413、あるいは副中継基板414等)にも適用可能である。
例えば、少なくとも遊技の進行を制御する主制御部411aが搭載された主制御基板411には、該基板の表面側でその端子が半田付けされる複数の表面実装部品(例えば、IC3~IC6)と、該基板を貫通するスルーホール411gに該基板の表面側からその端子を挿通させ、該基板の裏面側でその端子が半田付けされる複数のディップ実装部品(例えば、ディップ部品としての抵抗やコンデンサ)と、が実装され、一の表面実装部品の端子と、他の表面実装部品の端子との間を配線で接続する場合に、該配線に接続されたテストポイント(TP)を設ける遊技機である。
また、例えば、テストポイント(TP)は、配線で接続された表面実装部品のそれぞれの端子ピッチが特定サイズ(例えば、1.27mm)以下の場合に設けられる遊技機である。
また、例えば、テストポイント(TP)は、一の表面実装部品の端子と、他の表面実装部品の端子との間の配線においてディップ実装部品が接続されていない場合に設けられる遊技機である。
また、例えば、テストポイント(TP)は、主制御基板411の裏面側(例えば、部品非実装面)には設けられない遊技機である。
また、例えば、ディップ実装部品は、その端子が一対のリード線で構成される抵抗及びコンデンサを含む遊技機である。
また、例えば、表面実装部品は、いずれもその表面積が所定サイズ(例えば、6平方mm)を超えるものである遊技機である。
また、例えば、主制御基板411には、遊技価値の管理に関する制御を行うメダル数制御部411bが搭載される遊技機である。
また、例えば、主制御部411aに含まれる主制御用マイクロプロセッサ470と、メダル数制御部411bに含まれるメダル数制御用マイクロプロセッサ480とは同一の構成である遊技機である。
また、例えば、テストポイント(TP)は、主制御部411aとメダル数制御部411bの接続経路上に実装された、一の表面実装部品(例えば、IC3又はIC4)の端子と、他の表面実装部品(例えば、IC5又はIC6)の端子との間の配線に接続される遊技機である。
また、例えば、主制御基板411には、少なくとも遊技に関する所定の割合情報を表示可能な役比モニタ483が搭載され、役比モニタ483は、メダル数制御部411bに接続される遊技機である。
また、例えば、主制御基板411には、メダル数制御部411bが管理する遊技価値に関する情報を初期化可能なメダル数クリアスイッチ444が搭載され、メダル数クリアスイッチ444は、メダル数制御部411bに接続されるとともに、主制御基板411が主制御基板ケース460に収容された状態で、該ケース外部からアクセス可能に構成される遊技機である。
また、本例では、上述のリライタブルフィルム543に関する仕様を用いることで、例えば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。なお、本例において主制御基板411の仕様として説明したリライタブルフィルム543に関する各構成は、発明の目的を逸脱しない範囲で、主制御基板411以外の制御基板(例えば、副制御基板412、ドア中継基板413、あるいは副中継基板414等)にも適用可能である。
例えば、主制御基板411は、透明な主制御基板ケース460に収容された状態でパチスロ機401の内部に取り付けられ、その状態において視認可能な位置に、基板管理情報を表示するための固有情報表示部541が設けられ、固有情報表示部541は、書換可能な感熱フィルムであるリライタブルフィルム543を含んで構成される遊技機である。
また、例えば、主制御基板411は、通電可能な配線パターンがその表面に配される基板本体544と、該基板本体の表面を覆うレジスト層545と、を有し、レジスト層545は、透明又は半透明に構成され、リライタブルフィルム543は、固有情報表示部541において基板本体544とレジスト層545の間に配され、レジスト層545の外側から基板管理情報を書換可能に構成される遊技機である。
また、例えば、主制御基板411は、固有情報表示部541が設けられる面(例えば、レジスト層545aが形成される面)を部品実装面とし、該部品実装面に複数の電子部品を実装可能であり、固有情報表示部541以外の部品実装面においては、レジスト層545aの表面に、実装された電子部品を特定するための部品情報が印刷される遊技機である。
また、例えば、固有情報表示部541において基板本体544には、配線パターン(例えば、配線パターン411c及び411d)が配されない遊技機である。
また、例えば、固有情報表示部541において基板本体544には、リライタブルフィルム543の厚みに応じた凹部546が形成される遊技機である。
また、例えば、固有情報表示部541においてレジスト層545aの外側には、固定部材(例えば、係止ピン548)で基板本体545に固定される透明板547が取り付けられ、リライタブルフィルム543は、透明板547の外側から基板管理情報を書換可能に構成される遊技機である。
また、例えば、レジスト層545aと透明板547の間の少なくとも一部には、隙間が設けられる遊技機である。
また、例えば、固有情報表示部541において基板本体544には、リライタブルフィルム543の厚みに応じた凹部546が形成されるとともに、固有情報表示部541においてレジスト層545aの外側には、固定部材(例えば、係止ピン548)で基板本体545に固定される透明板547が取り付けられ、リライタブルフィルム543は、透明板547の外側から基板管理情報を書換可能に構成される遊技機である。
また、例えば、透明板547は、その裏面側の少なくとも一部がレジスト層545aと密着する遊技機である。
また、例えば、固有情報表示部541において基板本体544には、固有情報表示部541が設けられる面(例えば、部品実装面)と固有情報表示部541が設けられない面(例えば、部品非実装面)の間を貫通する複数の貫通孔(例えば、スルーホール549)が形成され、透明板547には、貫通孔に対応する位置に係止孔が形成され、固定部材は、係止孔及び貫通孔に挿通される胴体部と、係止孔に係止される頭部と、を有する係止ピン548であり、係止ピン548の頭部が係止孔に係止されるように係止ピン548の胴体部を係止孔及び貫通孔に挿通し、固有情報表示部541が設けられない面に突出した胴体部の端部を半田付けすることで、透明板547を基板本体544に固定する遊技機である。
また、例えば、基板本体544に形成される貫通孔は、通電可能なスルーホール549として形成される遊技機である。
[10-7.別例に係る主制御基板の仕様を用いた遊技機に係る発明のまとめ(付記)]
以上説明したように、別例に係る主制御基板の仕様を用いた遊技機では以下のような構成の遊技機を提供することができる。
(第1の発明群)
従来の遊技機において、主制御装置(主制御基板)に表面実装部品を用いるようにしたものが提案されている(例えば、特開2021-90627号公報参照)。
ところで、そのような制御基板では、回路の動作検証や故障箇所の特定等を目的として、例えばデジタルオシロスコープ等の測定器を用いた検査を行い得るように構成されることが望ましい。特に、遊技機の主制御基板は、遊技の主要な制御を行うものであり、遊技の公平性や信頼性を担保するためにはその必要性が極めて高い。
しかしながら、表面実装部品は、ディップ実装部品と比較すると、端子が細かったり、端子間が狭かったりするものが多い。そのため、そのような検査を適切に行えないおそれがある。もっとも、表面実装部品は、ディップ実装部品よりも入手しやすく安価であることも多い。そのような観点からすると、表面実装部品を使用せずに主制御基板を設計した場合にはその製造コストが増加してしまうという問題も生じる。
本発明は、製造コストの削減を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態では以下のような構成の遊技機を提供することができる。
(1)本発明の遊技機は、
少なくとも遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御部411a)が搭載された主制御基板(例えば、主制御基板411)を備える遊技機であって、
前記主制御基板には、該基板の表面側でその端子が半田付けされる複数の表面実装部品と、該基板を貫通するスルーホールに該基板の表面側からその端子を挿通させ、該基板の裏面側でその端子が半田付けされる複数のディップ実装部品と、が実装され、
一の前記表面実装部品の端子と、他の前記表面実装部品の端子との間を配線で接続する場合に、該配線に接続されたテストパターン(例えば、テストポイント)を設けることを特徴とする。
この遊技機によれば、主制御基板において、少なくとも一部の電子部品に表面実装部品を採用しつつ、表面実装部品同士の接続経路にはテストパターンを設けるようにしたことから、例えば、測定器のプローブ等ではアクセス困難な箇所についても適切な検査を行い得るため、遊技の公平性や信頼性を損なうことなく、その製造コストの削減を図ることできる。
(2)本発明の遊技機は、
前記テストパターンは、配線で接続された前記表面実装部品のそれぞれの端子ピッチが特定サイズ(例えば、1.27mm)以下の場合に設けられることを特徴とする。
この遊技機によれば、表面実装部品の端子ピッチが特定サイズを超える場合にはテストパターンによらずして検査可能と定め、これが特定サイズ以下の場合を、テストパターンを設ける条件(制約)の一つとしたことから、回路設計を円滑に行うことができ、また、不要なテストパターンを設ける必要もなくなるため、さらにその製造コストの削減を図ることができる。
(3)本発明の遊技機は、
前記テストパターンは、一の前記表面実装部品の端子と、他の前記表面実装部品の端子との間の配線において前記ディップ実装部品が接続されていない場合に設けられることを特徴とする。
この遊技機によれば、表面実装部品同士の接続経路であっても、そこにディップ実装部品が接続されていればテストパターンによらずして検査可能と定め、そこにディップ実装部品が接続されていない場合を、テストパターンを設ける条件(制約)の一つとしたことから、回路設計時における選択の幅を拡げることができ、また、不要なテストパターンを設ける必要もなくなるため、さらにその製造コストの削減を図ることができる。
(4)本発明の遊技機は、
前記テストパターンは、前記主制御基板の裏面側には設けられないことを特徴とする。
この遊技機によれば、テストパターンを設けて遊技の公平性や信頼性を担保しつつも、例えば、測定器によって検査する際には、必要かつ最小限の箇所をチェックすればよいため、その製造コストの削減を図りつつ、検査の利便性も向上させることができる。
(5)本発明の遊技機は、
前記ディップ実装部品は、その端子が一対のリード線で構成される抵抗及びコンデンサを含むことを特徴とする。
この遊技機によれば、テストパターンを設けるか否かを含め、用途や強度等の各種要因に応じてより適切な電子部品を実装することができるため、その製造コストの削減を図りつつ、遊技の公平性や信頼性をより高めることができる。
(6)本発明の遊技機は、
前記表面実装部品は、いずれもその表面積が所定サイズ(例えば、6平方mm)を超えるものであることを特徴とする。
この遊技機によれば、表面実装部品を採用する場合であっても、それがあまりに小さいものである場合にはこれを採用しないようにしたことから、検査の利便性を向上させるとともに、例えば、不具合や不正行為の発見も容易となるため、その製造コストの削減を図りつつ、遊技の公平性や信頼性をより高めることができる。
(7)本発明の遊技機は、
前記主制御基板には、遊技価値の管理に関する制御を行う遊技価値制御部(例えば、メダル数制御部411b)が搭載されることを特徴とする。
この遊技機によれば、主制御基板が遊技の進行のみならず、遊技価値の管理も行い得るように構成したことから、例えば、遊技価値制御部用の基板やそのケース等を別途設ける必要がなくなるとともに、主制御基板を厳重に管理すれば不正行為を防止しやすくなるため、その製造コストの削減を図りつつ、遊技の公平性や信頼性をより高めることができる。
(8)本発明の遊技機は、
前記主制御部に含まれる主制御用マイクロプロセッサ(例えば、主制御用マイクロプロセッサ470)と、前記遊技価値制御部に含まれる遊技価値制御用マイクロプロセッサ(例えば、メダル数制御用マイクロプロセッサ480)とは同一の構成であることを特徴とする。
この遊技機によれば、主制御基板に制御内容の異なる複数のマイクロプロセッサを搭載する場合であっても、回路設計やプログラム設計等が共通化しやすくなるとともに、これを安価で入手しやすくなるため、さらにその製造コストの削減を図ることができる。
(9)本発明の遊技機は、
前記テストパターンは、前記主制御部と前記遊技価値制御部の接続経路上に実装された、一の前記表面実装部品の端子と、他の前記表面実装部品の端子との間の配線に接続されることを特徴とする。
この遊技機によれば、協働して遊技の主要な制御を行う主制御部と遊技価値制御部の接続経路を特に重要であると定め、その経路上の表面実装部品についてテストパターンを設けるようにしたことから、遊技の公平性や信頼性をより高めることができる。
(10)本発明の遊技機は、
前記主制御基板には、少なくとも遊技に関する所定の割合情報を表示可能な表示装置(例えば、役比モニタ483)が搭載され、
前記表示装置は、前記遊技価値制御部に接続されることを特徴とする。
この遊技機によれば、所定の割合情報を表示可能な表示装置が遊技価値制御部によって制御されることから、主制御部の制御負荷を低減することができるため、遊技の公平性や信頼性をより高めることができる。
(11)本発明の遊技機は、
前記主制御基板には、前記遊技価値制御部が管理する遊技価値に関する情報を初期化可能な初期化スイッチ(例えば、メダル数クリアスイッチ444)が搭載され、
前記初期化スイッチは、前記遊技価値制御部に接続されるとともに、前記主制御基板がケースに収容された状態で、該ケース外部からアクセス可能に構成されることを特徴とする。
この遊技機によれば、遊技価値に関する情報を初期化可能な初期化スイッチが遊技価値制御部によって制御されることから、主制御部の制御負荷を低減することができるため、遊技の公平性や信頼性をより高めることができる。また、遊技機全体を初期化せずとも遊技価値に関する情報のみを初期化することができるため、その運用の利便性も向上させることができる。
上記構成の遊技機によれば、製造コストの削減を図ることができる。
(第2の発明群)
従来、遊技機において遊技動作を制御するための制御基板は、不正防止等の観点より、透明な基板ケースに収容された状態でその内部に取り付けられ、また、その状態で容易に識別することができるように、例えば、遊技機の製造業者の名称やその型式名等を含む固有の識別情報(基板管理情報)を表示することが求められている。
このような遊技機において、制御基板の基板本体に、異なる識別情報が印刷された複数の識別情報表示部を設け、必要な識別情報表示部以外を選択的に分離可能としたことで、使用態様に応じた識別情報のみを表示可能としたものが提案されている(例えば、特開2006-68112号公報参照)。特開2006-68112号公報に示す遊技機によれば、異なる機種間で同一の制御基板を用いることができるため、その汎用性を高めて製造コストの削減を図ることができる。
ところで、近年、このような遊技機では、製造コストの更なる削減を図り、また、環境問題にも配慮するため、一度遊技店に設置された遊技機を回収し、動作に問題が無い構成部品については新たな遊技機に再利用(リユース)したいとの要望がある。しかしながら、上記のとおり、制御基板には固有の識別情報を表示することが求められるため、そのような制御基板は再利用し難いという実情がある。例えば、特開2006-68112号公報に示す遊技機では、最初の出荷時には選択の余地があるとしても、選択した識別情報を表示して出荷された後は、やはり同様の問題が生じることになる。すなわち、すでに制御基板上に表示された識別情報を容易に変更可能にするための工夫が求められている。
本発明は、製造コストの削減を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態では以下のような構成の遊技機を提供することができる。
(1)本発明の遊技機は、
遊技の進行を制御する主制御基板(例えば、主制御基板411)を備える遊技機であって、
前記主制御基板は、透明な基板ケース(例えば、主制御基板ケース460)に収容された状態で前記遊技機の内部に取り付けられ、その状態において視認可能な位置に、固有情報(例えば、基板管理情報)を表示するための固有情報表示部(例えば、固有情報表示部541)が設けられ、
前記固有情報表示部は、書換可能な感熱フィルム(例えば、リライタブルフィルム543)を含んで構成されることを特徴とする。
この遊技機によれば、固有情報を表示するための固有情報表示部が書換可能な感熱フィルムを含んで構成されることから、例えば、すでに一の固有情報が主制御基板に表示されている状態であっても、主制御基板の構成自体には何ら変更を加えることなく、これを別の固有情報に書き換えて再利用することが可能となるため、その製造コストの削減を図ることできる。
(2)本発明の遊技機は、
前記主制御基板は、通電可能な配線パターンがその表面に配される基板本体(例えば、基板本体544)と、該基板本体の表面を覆う絶縁層(例えば、レジスト層545)と、を有し、
前記絶縁層は、透明又は半透明に構成され、
前記感熱フィルムは、前記固有情報表示部において前記基板本体と前記絶縁層の間に配され、前記絶縁層の外側から前記固有情報を書換可能に構成されることを特徴とする。
この遊技機によれば、感熱フィルムを基板本体と絶縁層の間に配した上で、絶縁層の外側から固有情報を書換可能としたことから、固有情報が書換可能であるという利点はそのままに、基板自体や感熱フィルム部分を適切に保護することができるため、その製造コストの削減を図りつつ、より信頼性を高めた基板構成とすることができる。
(3)本発明の遊技機は、
前記主制御基板は、前記固有情報表示部が設けられる面(例えば、レジスト層545aが形成される面)を部品実装面とし、該部品実装面に複数の電子部品を実装可能であり、
前記固有情報表示部以外の前記部品実装面においては、前記絶縁層の表面に、実装された電子部品を特定するための部品情報が印刷されることを特徴とする。
この遊技機によれば、固有情報表示部以外の部品実装面には複数の電子部品が実装されるとともに、これらの電子部品を特定可能な部品情報が絶縁層に印刷される構成としたことから、固有情報のみならず、その基板構成自体も容易に視認させることができるため、その製造コストの削減を図りつつ、その確認性を高めることができる。
(4)本発明の遊技機は、
前記固有情報表示部において前記基板本体には、前記配線パターンが配されないことを特徴とする。
この遊技機によれば、例えば、感熱フィルムによって配線パターンの視認性が妨げられることがないため、その製造コストの削減を図りつつ、その確認性を高めることができる。また、例えば、固有情報の書換作業を行う場合にも、配線パターンには何ら影響を与えないため、より信頼性を高めた基板構成とすることができる。
(5)本発明の遊技機は、
前記固有情報表示部において前記基板本体には、前記感熱フィルムの厚みに応じた凹部(例えば、凹部546)が形成されることを特徴とする。
この遊技機によれば、感熱フィルムを基板本体と絶縁層の間に配する場合であっても、例えば、基板自体が厚くなったり、絶縁層が剥がれ易くなったりするなど、基板構成自体に何らかの影響を与えることを防止でき、また、感熱フィルムを考慮することなく絶縁層の部材を選択できるため、その製造コストの削減を図りつつ、より信頼性を高めた基板構成とすることができる。
(6)本発明の遊技機は、
前記固有情報表示部において前記絶縁層の外側には、固定部材(例えば、係止ピン548)で前記基板本体に固定される透明板(例えば、透明板547)が取り付けられ、
前記感熱フィルムは、前記透明板の外側から前記固有情報を書換可能に構成されることを特徴とする。
この遊技機によれば、感熱フィルムが配される部分をさらに透明板によって保護し、しかもその状態においても固有情報を書換可能としたことから、固有情報が書換可能であるという利点はそのままに、感熱フィルム部分をより強固に保護することができるため、その製造コストの削減を図りつつ、より信頼性を高めた基板構成とすることができる。
(7)本発明の遊技機は、
前記絶縁層と前記透明板の間の少なくとも一部には、隙間が設けられることを特徴とする。
この遊技機によれば、透明板の下に位置する絶縁層が、透明板による影響を受けにくくなることから、感熱フィルム部分をより強固に保護しつつ、もとの基板構成についても保護できるため、その製造コストの削減を図りつつ、より信頼性を高めた基板構成とすることができる。
(8)本発明の遊技機は、
前記固有情報表示部において前記基板本体には、前記感熱フィルムの厚みに応じた凹部(例えば、凹部546)が形成され、
前記固有情報表示部において前記絶縁層の外側には、固定部材(例えば、係止ピン548)で前記基板本体に固定される透明板(例えば、透明板547)が取り付けられ、
前記感熱フィルムは、前記透明板の外側から前記固有情報を書換可能に構成されることを特徴とする。
この遊技機によれば、感熱フィルムを基板本体と絶縁層の間に配する場合であっても、例えば、基板自体が厚くなったり、絶縁層が剥がれ易くなったりするなど、基板構成自体に何らかの影響を与えることを防止でき、また、感熱フィルムを考慮することなく絶縁層の部材を選択できる。さらに、感熱フィルムが配される部分をさらに透明板によって保護し、しかもその状態においても固有情報を書換可能としたことから、固有情報が書換可能であるという利点はそのままに、感熱フィルム部分をより強固に保護することができる。それゆえ、その製造コストの削減を図りつつ、より信頼性を高めた基板構成とすることができる。
(9)本発明の遊技機は、
前記透明板は、その裏面側の少なくとも一部が前記絶縁層と密着することを特徴とする。
この遊技機によれば、絶縁層と透明板によって感熱フィルム部分をより強固に保護することができるのみならず、透明板によって絶縁層が剥がれ易くなったりすることも防止できるため、その製造コストの削減を図りつつ、より信頼性を高めた基板構成とすることができる。
(10)本発明の遊技機は、
前記固有情報表示部において前記基板本体には、前記固有情報表示部が設けられる面と前記固有情報表示部が設けられない面の間を貫通する複数の貫通孔(例えば、スルーホール549)が形成され、
前記透明板には、前記貫通孔に対応する位置に係止孔が形成され、
前記固定部材は、前記係止孔及び前記貫通孔に挿通される胴体部と、前記係止孔に係止される頭部と、を有するピン部材であり、
前記頭部が前記係止孔に係止されるように前記胴体部を前記係止孔及び前記貫通孔に挿通し、前記固有情報表示部が設けられない面に突出した前記胴体部の端部を半田付けすることで、前記透明板を前記基板本体に固定することを特徴とする。
この遊技機によれば、感熱フィルム部分を保護する透明板を、主制御基板の一構成として一体化できることから、感熱フィルム部分をより強固に保護することができるのみならず、例えば、遊技機に関する所定の試験(型式検定試験)においても一の部品としてこれを申請することができるため、そのような場面での利便性も高めつつ、その製造コストの削減を図ることできる。
(11)本発明の遊技機は、
前記貫通孔は、通電可能なスルーホールとして形成されることを特徴とする。
この遊技機によれば、透明板を基板本体に固定するための貫通孔がスルーホールとしても機能することから、感熱フィルム部分をより強固に保護することができるのみならず、基板自体の安定性も向上させることができるため、その製造コストの削減を図りつつ、より信頼性を高めた基板構成とすることができる。
上記構成の遊技機によれば、製造コストの削減を図ることができる。
[11.遊技性等に関するその他の拡張例]
上述のとおり、本実施形態では、例えば第1の遊技機の仕様や機能等を例示して遊技性についての説明を行ったが、その遊技性に関する仕様や機能等は上述のものに限定されず、種々の変更・拡張が可能である。以下、あくまで一例であるが、そのような拡張例について説明する。なお、この項において説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
(1ゲームにおけるAT付与の一撃抑制仕様)
上述のとおり、本実施形態では、有利区間中のメダルの払出数(ここでは、純増数である差枚数とする)を示す値が規定値(例えば、「2400」枚)となったときに、有利区間を強制的に終了させて非有利区間に移行させる(AT状態の遊技期間が残存する場合であってもAT状態を終了させる)制御が行われ得る払出数リミッタを搭載可能であり、また、払出数リミッタでは、有利区間の開始時から最もメダル数の絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分がカウントされる(すなわち、払出がなかった場合にはカウントを減算していく等)ように構成し得る。
このように構成した場合、例えば、AT状態開始の起点において、カウントされた値がマイナス5000枚であれば、差枚数が「5000枚+2400枚」を超える(すなわち、「7401」枚以上となる)まで払出数リミッタは作動しない。このため、払出数リミッタ以外のリミッタを搭載しないことを前提とすると、このような状況でAT状態の開始が決定された場合であって、例えば、有利区間の終了までAT状態が継続すること(断続的に継続する態様を含む)が決定された場合には、事実上、遊技者にはAT差枚数7400枚という特典が付与されることになる。このとき、例えば、「AT差枚数7400枚GET」などと演出して大量獲得をアピールする仕様とすることも可能である。しかしながら、1ゲームの契機であまりにも大量のメダルを獲得できる仕様とした場合は、射幸性を適切に抑制できないおそれがある。
そこで、1ゲームにおけるAT付与処理(AT状態を付与する(初当りさせる)ことを決定する処理のみならず、AT状態を延長する(上乗せする)ことを決定する処理も含む)において付与しうるAT期待値(差枚数)が特定値を超えないように制限した(いわゆる「一撃」で特定値を超えるAT差枚数が付与されることを抑制する)設計とすることが望ましい。例えば、1ゲームにおけるAT付与処理で付与しうるAT期待値は3000枚以下とするなどとして設計することが望ましい。なお、特定値の値はあくまで一例であり、出玉率や射幸性の度合い等を総合して任意の値に設定することができる。例えば、規定値と同じ2400枚としてもよいし、規定値を超える他の任意の値(3600枚や4800枚)としてもよい。また、付与の態様は種々の態様を採用することができる。
例えば、AT状態を差枚数で管理する場合(差枚数管理の場合)には、そのまま3000枚を超えるAT差枚数が付与されないようにすればよいし、AT状態をゲーム数で管理する場合(ゲーム数管理の場合)には、1ゲームあたりの純増枚数の期待値を考慮し、これが例えば1ゲームあたり3枚であれば、1000ゲームを超えるATゲーム数が付与されないようにすればよい。また、例えば、AT状態をセット数で管理する場合(セット数管理の場合)には、1セットあたりのゲーム数も考慮し、これが例えば1セットあたり100ゲーム(上述の如く、1ゲームあたりの純増枚数の期待値は3枚)であれば、10セットを超えるセット数が付与されないようにすればよい。
この技術思想は、例えば以下のように整理することができる。
有利区間開始時を起点として規定値(例えば、2400枚)を超える遊技価値が増加したときに当該有利区間を終了させる差数リミッタ(例えば、払出数リミッタ)を備える遊技機において、
前記差数リミッタに用いられる差数カウンタ(例えば、有利区間払出数カウンタ)により計数された遊技価値の減少数(例えば、有利区間開始からの吸い込み枚数(遊技者側の負け枚数))が所定値(例えば、5000枚)であっても、1ゲームのAT付与処理において付与し得るAT状態中の遊技価値の付与期待値は、前記所定値よりも少ない特定値(例えば、3000枚)以下となるように構成され、
前記所定値と前記規定値を加算した値(例えば、7400枚)は、前記特定値を上回る場合がある遊技機である。
上記構成の遊技機によれば、射幸性を適切に抑制できるという効果を奏する。
(一撃抑制仕様に関連する表現規制)
上述のとおり、射幸性抑制の観点から、1ゲームで付与されるAT期待値(ここでは一例のAT差枚数)は特定値(ここでは一例の3000枚)を超えないようにすることが望ましく、また、同様の観点から、1ゲームで3000枚を超えるAT差枚数が付与された旨が報知される演出(例えば、上述の「AT差枚数7400枚GET」といったような演出。以下「一撃演出」とする)も行われないようにすることが望ましい。
ところで、このような制限下でも、実際には1ゲームで付与されたものではないが(例えば、数ゲームの累積結果として付与されたものであるが)、演出の表現上、結果的に1ゲームで3000枚を超えるAT差枚数が付与されたかのようにみえる報知は行われる可能性がある。しかしながら、そのような報知により、遊技者が1ゲームで3000枚を超えるAT差枚数が付与されたと誤認してしまうことがあるとすれば、そのような報知は一撃演出に該当するおそれがある。そこで、上述の制限を適切に機能させる(射幸性を適切に抑制する)ためには、そのような一撃演出に該当するおそれのある演出表現も制限される(実行されない)ことが望ましい。
ここで、一撃演出に該当するおそれがある演出表現の一例を以下に説明する。ここでは、例えば、AT差枚数が付与される3ゲーム間の付与期間があり、1~3ゲーム目のそれぞれでAT差枚数が付与され(例えば、それぞれのゲームで1200枚ずつAT差枚数が付与されたものとする)、3ゲーム目で3000枚を超えるAT差枚数(例えば、3600枚)が付与された旨が報知されるものとする。
第1の演出例は、1ゲーム目・2ゲーム目では、付与期間に滞在している旨のみ(あるいは、AT差枚数が付与された旨のみ)が報知され、3ゲーム目で、同様の報知が行われた後、付与期間で付与されたAT差枚数が3600枚であった旨が報知される(結果報知が行われる)演出表現である。この場合、結果報知以外では付与されたAT差枚数について具体的な報知が行われていないため、最終的な結果報知をみると、一撃で3600枚のAT差枚数が付与されたと誤認してしまうおそれがある。したがって、この場合の結果報知は一撃演出に該当するおそれがあることから、このような演出表現は制限されることが望ましい。
なお、同様の演出表現であっても、例えば、上記の結果報知において、「1ゲーム目:プラス1200枚、2ゲーム目:プラス1200枚、3ゲーム目:プラス1200枚、合計:プラス3600枚」といったように、付与期間のそれぞれのゲームで付与されたAT差枚数について具体的な報知が行われ、当該ゲームの結果報知はその累計を示すものに過ぎないと十分に認識され得る演出表現であれば、これは一撃演出に該当するおそれはないものとし、制限しなくともよいと考えられる。
第2の演出例は、1ゲーム目・2ゲーム目では、それぞれのゲームで1200枚のAT差枚数が付与された旨が報知され(経過報知が行われ)、3ゲーム目で、同様の経過報知が行われた後、付与期間で付与されたAT差枚数が3600枚であった旨が報知される(結果報知が行われる)演出表現である。この場合、経過報知により付与されたAT差枚数について具体的な報知が行われているため、最終的な結果報知をみても、一撃で3600枚のAT差枚数が付与されたと誤認してしまうおそれはないと考えられる。したがって、このような演出表現は制限しなくともよいと考えられる。
第2の演出例に示すように、例えば、各ゲームで付与されたATに関する特典が特定量未満(例えば、AT期待値が3000枚未満の値であるAT差枚数1200枚)であることが各ゲームで報知された後に、一連の上乗せ期間(付与期間)での特典の合計量が特定量を超える旨が報知される(例えば、AT期待値3000枚を超えるTOTAL3600枚GETといった表示がなされる)といった演出表現を行うことで、1ゲームで特定量を超える特典が付与されたと遊技者が誤認することを抑制して過度の射幸性を適切に抑制しつつ、発生した特典の量を適切に遊技者に理解させることができるという効果を奏する。なお、これは、この項において制限しなくともよいとして説明した他の演出表現の一例についても同様である。
なお、例えば、上記の経過報知において、付与されたAT差枚数について具体的な報知はなくとも、付与されたAT差枚数が段階的に増加していることを示唆可能な報知(例えば、宝玉の数が追加されていく、あるいはメーターが増加していく等)は行われ、結果報知がそれに基づいて行われるもの(例えば、異なる単位遊技で獲得した宝玉が一個ずつ割れてAT差枚数が加算されていく、あるいはメーターの目盛に順次AT差枚数を表す数字が表記されていく等)であれば、これは一撃演出に該当するおそれはないものとし、制限しなくともよいと考えられる。
(吸い込み枚数を参照したAT付与性能の変化仕様)
払出数リミッタを上記のように構成して搭載した場合、上述のとおり、例えば、AT状態開始の起点において、カウントされた値がマイナス1000枚であるとき(吸い込み枚数(遊技者側の負け枚数)が1000枚であるとき)には、差枚数が「1000枚+2400枚」を超える(すなわち、「3401」枚以上となる)まで払出数リミッタは作動しない。また、例えば、AT状態開始の起点において、カウントされた値がマイナス5000枚であるとき(吸い込み枚数が5000枚であるとき)には、差枚数が「5000枚+2400枚」を超える(すなわち、「7401」枚以上となる)まで払出数リミッタは作動しない。
すなわち、払出数リミッタ以外のリミッタを搭載しないことを前提とすると、AT状態開始の起点において、より多くの枚数を吸い込んでいたとき(カウントされた値のマイナスがより大きいとき)のほうが、払出数リミッタの作動が遠のくことになり、同じ有利区間中に獲得できる遊技価値の数は多くなる。そのため、そのような吸い込み枚数に応じて、AT付与性能を変化させる構成としてもよい。なお、払出数リミッタ以外に有利区間開始からの経過ゲーム数に応じて有利区間を終了させるゲーム数リミッタ(例えば、3000ゲームや4000ゲーム経過でリミッタを作動させるもの等)を搭載する遊技機であっても、同様に吸い込み枚数に応じてAT付与性能を変化させる構成としてもよい。AT状態における1ゲームあたりの純増枚数とゲーム数リミッタによる有利区間終了までの残りゲーム数を考慮した結果、AT状態が途中で打ち切られることが無い程度に有利区間終了までの残りゲーム数が確保されている場合は、吸い込み枚数が多い状況ほど遊技者にとって払出数リミッタの作動が遠のくといえるためである。
例えば、吸い込み枚数が相対的に多いときのほうが、吸い込み枚数が相対的に少ないときよりも、(イ)AT当籤確率が高くなる、(ロ)ATの有利度合い(例えば、獲得期待値や継続期待値)が高くなるといったように、AT付与処理における有利度合いが高まるようにしてもよい。上述の例でいうと、吸い込み枚数が5000枚であるときのほうが、吸い込み枚数が1000枚であるときよりもAT付与処理における有利度合いが高まるようにすればよい。また、有利度合いを高める態様は種々の態様を採用できる。例えば、(イ)のみを採用することもできるし、(ロ)のみを採用することもできる。また、(イ)及び(ロ)の両方を採用することもできる。なお、吸い込み枚数が相対的に少ないときのほうが、吸い込み枚数が相対的に多いときよりもAT付与処理における有利度合いが高まるようにして、吸い込み枚数が極端に多くなることを抑制してもよい。
また、吸い込み枚数が特定の枚数以上である場合に限って移行し得る特別AT状態を設けてもよい。例えば、600枚以上の吸い込みがある場合に限り一撃3000枚の特別AT状態に当籤可能になる等の仕様としてもよい。
また、吸い込み枚数に応じてAT付与性能を変化させる場合、例えば、吸い込み枚数0~500枚、501~1000枚、1001~2000枚、2001~3000枚、3000枚以上といったように吸い込み枚数の閾値(範囲)に応じて異なるAT抽籤テーブルが参照されることで、AT付与処理の有利度合いを変化させるようにすればよい。また、この場合、有利区間開始を起点としたカウント値がプラスである(吸い込み枚数が逆にマイナスとなる)ときにも、その純増枚数(あるいは負の値となる吸い込み枚数)の閾値(範囲)に応じて異なるAT抽籤テーブル(例えば、純増枚数0~500枚、501~1000枚、1001~2400枚で異なるテーブル)が参照されることで、AT付与処理の有利度合いを変化させるようにしてもよい。なお、この場合には、純増枚数が相対的に少ないときのほうが、純増枚数が相対的に多いときよりもAT付与処理における有利度合いが高まるようにすればよい。
また、AT付与処理の有利度合いを変化させる手法はこれに限られない。例えば、異なるAT抽籤テーブルを設けるのでなく、吸い込み枚数(あるいは、増加枚数)に応じた変数(例えば、抽籤値そのものであってもよいし、基準の抽籤値に対して所定の演算を行うための値であってもよい)を規定し、その値を参照してAT付与処理を行うことで、AT付与性能を変化させるものとしてよい。AT付与処理の手法自体は任意であり、吸い込み状況に応じてAT付与性能を変化させ、多彩な遊技性が実現可能となるものであれば上記以外の手法も採用することができる。
(吸い込み枚数を参照したAT付与性能の変化仕様に関連する演出)
有利区間中の任意の時期(例えば、非AT状態で一定の周期ごと、CZ状態でCZ失敗となったとき、連続演出でAT非移行が示されたとき、AT状態が終了したとき、上述の吸い込み枚数の閾値(範囲)が変動したとき等)において、現在の吸い込み枚数を示唆ないし報知可能な演出が実行されるようにしてもよい。なお、当該演出では、現在の吸い込み枚数(その範囲や、何枚以上(あるいは何枚以下)であるといったものを含む)が確定的に報知されるものとしてもよいし、確定的な報知ではないが、出現頻度や態様によって現在の吸い込み枚数を予測可能とするものであってもよい。
このような演出が実行され得るものとすれば、仮に非AT状態での滞在が長くなったとしても、吸い込み枚数が多いことが示唆ないし報知されれば、AT付与性能が高まることを予測し得ることから、遊技の興趣を低下させず、遊技意欲や期待感を高めることができるという効果を奏する。一方で、吸い込み枚数が少ないことが示唆ないし報知された場合には、遊技をやめるという選択肢を遊技者に与えることもできるため、遊技ののめり込みを防止することもできるという効果を奏する。
なお、遊技性を高めるという観点から、上記演出においては、吸い込み枚数に替え、あるいはこれとともに、当該有利区間中の滞在ゲーム数(滞在期間)を示唆ないし報知するようにしてもよい。また、当該有利区間中において非AT状態であったゲーム数(非AT期間)、若しくは当該有利区間中においてAT状態であったゲーム数(AT期間)を示唆ないし報知するようにしてもよい。このようにすれば、例えば、遊技店に設置されたデータ表示器に表示される遊技データや、遊技店がそのサイトで公開している遊技データ等も加味しながら、現在の吸い込み枚数を予測するという楽しみを与えることができるという効果を奏する。
遊技店の開店後の任意の時期(例えば、遊技店の開店直後(最初の1ゲーム目や100ゲーム目等)、最初のCZ状態でCZ失敗となったとき、最初の連続演出でAT非移行が示されたとき、最初のAT状態が終了したとき、上述の吸い込み枚数の閾値(範囲)が最初に変動したとき等。なるべく、遊技店の開店後から早期に到来する時期であることが望ましい)において、設定変更が行われたか否かを示唆ないし報知可能な演出が実行されるようにしてもよい。なお、当該演出では、設定変更が行われたことを確定的に報知するものとしてもよいし、確定的な報知ではないが、出現頻度や態様によって設定変更が行われたか否かを予測可能とするものであってもよい。
例えば、設定変更が行われた場合、有利区間が終了して非有利区間に移行し、吸い込み枚数も初期化されることを前提とすると、このような演出が実行され、設定変更が行われたことが示唆ないし報知されれば、前日の吸い込み枚数は引き継がれていないことが予測できるし、設定変更は行われていないことが示唆ないし報知されれば、前日の吸い込み枚数が引き継がれていないことが予測できるため、上述の如く、現在の吸い込み枚数を予測するという楽しみを与えることができ、また、戦略性に富んだ遊技性を提供することが可能となる。これにより、稼働の促進を図ることができるという効果を奏する。なお、そのような演出が実行されるか否かを、遊技店側がホールメニュー等で設定できるようにしてもよい。そのような演出(例えば、これを「設定据え置き示唆演出」とする)を実行不可に設定した場合は、遊技者に設定変更を見抜かれにくくするという効果を奏する。一方、設定据え置き示唆演出を実行可に設定した場合は、遊技者は有益な情報(勝ちにつながるヒント)を得られることから、その遊技店が優良店であるといったイメージを遊技者に与えることとなるため、集客力を高め得るという効果を奏する。
有利区間が終了し得る(終了する可能性がある)時期(例えば、AT状態が終了するとき、AT状態終了後32ゲームを消化したとき等)において、当該有利区間が終了する(あるいは終了した)か否かを示唆ないし報知可能な演出が実行されるようにしてもよい。なお、当該演出では、当該有利区間が終了する(あるいは終了した)ことを確定的に報知するものとしてもよいし、確定的な報知ではないが、出現頻度や態様によって当該有利区間が終了する(あるいは終了した)か否かを予測可能とするものであってもよい。
例えば、上述の区間ランプ(状態表示部)が設けられていない仕様を前提とすると、このような演出が実行され、当該有利区間が終了する(あるいは終了した)ことが示唆ないし報知されれば、その後の遊技で吸い込み枚数が引き継がれていないことが予測できるし、当該有利区間は終了していないことが示唆ないし報知されれば、その後の遊技で吸い込み枚数が引き継がれていることが予測できるようになる。
そのため、仮に非AT状態での滞在が長くなった後、ようやくAT状態に移行したがこれがすぐに終了してしまった等の場合に、当該有利区間は終了していないことが示唆ないし報知されれば、AT付与性能が高まっていることを予測し得ることから、遊技の興趣を低下させず、遊技意欲や期待感を高めることができるという効果を奏する。一方で、仮にAT状態で一定の遊技価値が獲得できたときに、当該有利区間が終了する(あるいは終了した)ことが示唆ないし報知されれば、吸い込み枚数によってはAT付与性能が高まらないことを予測し得ることから、この場合には、遊技をやめるという選択肢を遊技者に与えることもできるため、遊技ののめり込みを防止することもできるという効果を奏する。
なお、上述の如く、メイン側で制御する区間ランプ(状態表示部)を設けない構成とした場合であっても、上記のような演出を行い得ることを目的として、サブ側で制御するサブ側区間ランプ(サブ側状態表示部)を設ける構成としてもよい。なお、サブ側区間ランプは、非有利区間から有利区間に移行するとき、あるいは、有利区間において最初にAT状態が開始されるときから点灯が開始され、有利区間が終了して非有利区間に移行するときに消灯するといったように、メイン側で制御する区間ランプと同様の態様で制御されるものであってもよいし、これとは異なる態様で制御されるものであってもよい。これにより、メイン側で区間ランプの制御に係るプログラムを不要としてメイン側のデータの空き容量を増大させることができるという効果を奏する。また、有利区間の滞在に関して遊技者に適切な示唆ないし報知を行うことで吸い込み枚数や有利区間のリセット状況の推測を取り入れた多彩なゲーム性を実現できるという効果を奏する。
例えば、AT状態が終了するとき、有利区間は終了しない場合であっても消灯させるか否かについて抽籤が行われ、これに当籤した場合には消灯する、あるいは、AT状態が終了するとき、有利区間が終了する場合であっても点灯させたままとするか否かについて抽籤が行われ、これに当籤した場合には点灯させたままとするといったように、従来設けられていたメイン側の区間ランプとは異なる挙動をとり得るものとして、遊技性がより多様化するものとしてもよい。なお、上記のような演出は、そのようなサブ側区間ランプを設けることなく、既存の各種演出装置によって行うことができる。すなわち、この項において説明した各種の演出は、遊技者に対して適切に示唆ないし報知が行われ得る限りどのような演出実行手段でも実行され得る。
(外部信号出力を示すランプ)
上述のとおり、本実施形態では、外部端子板(図3に示す外部集中端子板55、あるいは図36に示す遊技球等接続端子板443)を介し、複数種類の外部信号を外部に出力可能な仕様となっているが、外部信号が出力される場合には、主制御基板(主制御基板71、あるいは主制御基板411)で制御されるいずれかのランプを外部信号出力ランプとして点灯させることにより、外部信号出力に誤りがないかを外部から視認可能とすることが望ましい。
そこで、本実施形態の如く、メイン側で制御する区間ランプを設ける構成とした場合は、例えばAT状態を示す信号を外部端子板から出力するときには当該区間ランプを外部信号出力ランプとして兼用し、当該区間ランプの点灯により外部信号の出力を視認可能な構成としてもよい。一方、上述の如く、メイン側で制御する区間ランプ(状態表示部)を設けない構成とした場合は、外部信号の出力を視認可能とする外部信号出力ランプを別途設ける構成としてもよい。
いずれの構成においても、外部信号出力が行われていることを所定のランプの点灯態様から確認可能となるため、遊技機から適切に信号が出力されているか、店舗側(例えば、ホールコンピュータなど)で遊技機からの信号を適切に受信できているか等を作業者が確認する場合の利便性が向上するという効果を奏する。例えば、当該所定のランプが点灯している場合において、ホールコンピュータ側でその台からの外部信号出力が検出できていない場合には、外部信号の受信に係るハーネス(例えば、遊技機とホールコンピュータを繋ぐハーネスや、メダルレス遊技機のサンドと通信装置とホールコンピュータを繋ぐハーネスなど)が正しく接続されていなかったり、内部で断線していたり、といったトラブルを察知することが可能となる。
(電源投入時からのMY数を参照した特別打ち止め機能)
上述のとおり、本実施形態では、所定の作動条件が成立した場合に、遊技店の管理者の解除操作(例えば、設定変更)やRAM異常による初期化がなされるまで遊技不能状態とする打ち止め機能を搭載可能であるが、射幸性を適切に抑制するため、例えば、以下に示す特別打ち止め機能を搭載することもできる。
特別打ち止め機能は、電源投入時から毎ゲーム終了時のメダルが最も減少したときを基準として、当該基準からのメダルの増加数(これを「MY」とする)が19000枚(この値は任意に変更可能である)に達したときに遊技不能状態とするものである。なお、役物連続作動装置や第一種特別役物の作動中に特別打ち止め機能の作動条件が成立した場合には、役物連続作動装置や第一種特別役物の作動終了時に遊技不能状態とするものとしてもよい。
また、特別打ち止め機能が搭載された遊技機では、通常打ち止め機能は非搭載とすることが望ましい。ここで、通常打ち止め機能とは、事前に遊技店側で打ち止め機能有に設定することで、例えば、ボーナスの作動終了時に遊技不能状態とする打ち止め機能(ボーナス1回でメダルを精算する店舗運用などに使用される)を意味する。両方の打ち止め機能を搭載可能とすると、打ち止め発生時にどちらが作動したのかわからず、遊技者に混乱を生じさせることとなり、遊技者と遊技店との間でトラブルにつながるおそれがあるからである。なお、特別打ち止め機能は、通常打ち止め機能のように遊技店側の利便性を図る機能ではなく射幸性を抑制するための機能であるから、遊技店側で機能をオフにすることはできないものとすることが望ましい。例えば、特別打ち止め機能が搭載された遊技機では、筐体内部において打ち止め機能のオン/オフ切替スイッチなど打ち止め設定の変更に係る操作手段を設けないようにすればよい。
なお、MYについては、毎ゲーム、全リール停止からベット操作が可能となるまでの間に算出されることが望ましい。なお、再遊技作動時は差枚数の変動がないためMYの更新は行われないものとすればよい。また、1営業日単位での集計が可能となるように、MYは電源投入時(RAM異常時や設定変更時を含む)においてのみ初期化されるものとすればよい。また、特別打ち止め機能の作動状態(すなわち、遊技不能状態)は、RAM異常時または設定変更時においてのみ初期化(リセット)が可能となるものとすればよい。ここで、遊技店では、通常は営業時間中に設定変更作業や電断復帰作業を行うことはないので、1営業日中で特別打ち止め機能が作動した場合は、その台は閉店まで遊技不能状態となる。そのため、遊技者はメダルを精算してその台での遊技を終了することとなる。これにより、極めてまれなケースとして大量のメダル(ここでは19000枚)が獲得された場合には遊技を停止することができるため、射幸性を抑制できるという効果を奏する。
(特別打ち止め報知状態)
特別打ち止め機能が作動した場合、遊技の続行ができないことを遊技者や遊技店に報知するため、特別打ち止め報知状態とすることができる。特別打ち止め報知状態では、例えば、「打ち止め機能が作動しました。本日は遊技終了です。」などの特別打ち止め機能が作動した旨を示す表示を演出表示部等で表示することが望ましい。このような表示を行うことで、遊技者や店員に遊技停止となった理由や状況などを分かりやすく伝えることができるため、遊技者と遊技店との間でトラブルが発生することを抑制できるという効果を奏する。また、このような特別打ち止め機能が作動した以降は、遊技が行えない状態となることから、特別打ち止め機能が作動した旨を示す表示を電源がオフとなるまで継続可能とし、デモ画面(客待ち画面)への移行は行われない(デモ状態報知が行われない)ものとしてもよい。
また、これとともに、スピーカの出音態様やランプの発光態様を特別打ち止め報知状態に対応するパターンとしてもよい。例えば、スピーカから「特別打ち止め機能が作動しました。」との音声を所定時間(例えば、1分程度)出音するものとしたり、ランプの態様を所定状態(消灯や点滅等)にして遊技終了を示唆したりしてもよい。なお、特別打ち止め機能の作動を示唆ないし報知する音(効果音やボイス等)は、音量調整機能の影響を受けずに特定の音量(例えば、90dbなど、ある程度大きな音量)で出音されることが望ましい。打ち止めは遊技者にとって重要な情報なので、報知に関する音が小さくて聞き取れないといった事象の発生を防止できるという効果を奏する。
また、特別打ち止め機能の作動中に所定条件(省電力状態移行条件)が成立した場合には、それ以後、遊技不能状態となった遊技機が省電力状態となるものとしてもよい。省電力状態とは、演出表示部(例えば、液晶表示装置の表示画面)の輝度低下や非表示、発光手段(例えば、装飾ランプや腰部パネル、リールランプなど)の輝度低下や消灯、スピーカからの出音がある場合に音量低下や出音停止などが図られる状態である。このようにすることで、遊技不能な遊技機の電力消費を低下させることができ、遊技店のコスト削減(電気代節約)や環境性能の向上につながるという効果を奏する。また、一目で通常の状態(遊技可能な状態)ではないことが来店客にも伝わるため、遊技停止の台を誤って打とうとした客が対応するサンドに現金を投入したり、メダルを投入したりしてしまうといったトラブルを回避することができるという効果を奏する。なお、省電力状態移行条件としては、例えば以下の条件を用いることができる。
例えば、特別打ち止め機能が作動したことを省電力状態移行条件として用いることができる。すなわち、特別打ち止め機能の作動時点で省電力状態とする態様である(厳密には特に移行条件なく特別打ち止め状態の作動に応じて省電力状態に移行するともいい得る)。これにより、省電力性能をより高め得るという効果を奏する。
また、例えば、特別打ち止め機能の作動時から所定時間(例えば、5分など。遊技者が遊技終了するのに必要と考え得る時間であれば任意の時間とすることができる)が経過したことを省電力状態移行条件として用いることができる。また、例えば、特別打ち止め機能の作動後に特定条件(例えば、遊技者の操作終了や払出終了、精算終了など遊技終了と考えられる条件)が成立してから所定時間(例えば、3分など。任意の時間とすることができる点は上記と同様である)が経過したことを省電力状態移行条件として用いることができる。これにより、例えば、遊技者が離席するのに必要と考え得る時間が経過してからその台を省電力状態とすることができるため、遊技者に悪い印象を与えにくいという効果を奏する。なお、これらの省電力状態移行条件はあくまで一例であり、これ以外の条件を省電力状態移行条件として用いることも可能である。
また、演出表示部では、特別打ち止め機能が作動した旨を示す表示とともに、遊技者の携帯端末を利用した情報提供サービス用の二次元コード(例えば、ログアウト用の二次元コード)を表示するものとしてもよい。なお、特別打ち止め機能が作動した旨を示す表示画面に自動的に二次元コードが表示されるものとしてもよいし、特別打ち止め機能の作動状態でもユーザーメニュー呼出のための操作(例えば、演出用ボタンへの操作)は受付可能とし、当該操作に応じてユーザーメニューを表示可能とし、ユーザーメニュー上の操作によって二次元コードを表示可能な構成としてもよい。このような構成とすることで、打ち止めとなった場合であっても遊技者が遊技履歴などを回収することができるため、興趣の維持や利便性の向上を図ることができるという効果を奏する。
(特別打ち止め機能作動による外部信号出力)
特別打ち止め機能の作動となる場合に、上述の外部端子板から所定の外部信号が出力されるようにしてもよい。例えば、セキュリティ信号としての外部信号を、所定の端子(例えば、PIN番号6の端子)から一定時間(例えば、10秒)以上出力し、外部のデータ表示機やホールコンピュータ等においてもセキュリティ関連の事象が発生した旨を把握できるようにしてもよい。
(特別打ち止め状態作動の事前報知)
ところで、急に特別打ち止め状態が作動して遊技不能状態となった場合、仮にAT差枚数等が残存していてもその時点で遊技が続行できなくなるため、不意に特別打ち止め状態が作動するおそれがあるとすれば、遊技意欲を低下させてしまう可能性がある。そこで、特別打ち止め状態が作動して遊技不能状態となることを遊技者に事前に認識させるため、特別打ち止め機能が作動する前に遊技者への事前報知を行うことが望ましい。
例えば、特別打ち止め機能用のMYカウンタが特定枚数(例えば、18500枚)となった場合に、「特別打ち止め機能作動まで残り500枚です」といった表示を演出表示部に表示することで、特別打ち止め状態の作動が近い旨の事前報知を行うものとすればよい。なお、一度事前報知が開始された以後は、特別打ち止め機能作動まで当該事前報知が継続され得る構成とすることができる。この場合、メダルを獲得又は消費すると、特別打ち止め機能作動までの残り枚数表示が更新され、特別打ち止め機能作動までの条件を認識可能とする状態が維持されるようにすればよい。また、ボーナス作動中(役物連続作動装置や第一種特別役物などの作動中)において当該ボーナスの作動終了時に特別打ち止め機能が作動する状況となった場合は、「このボーナスが終了したときに打ち止めとなります」といった趣旨の事前報知を行うものとしてもよい。このようにすれば、打ち止めタイミングが明確となり遊技者が安心して遊技できるという効果を奏する。
もっとも、事前報知中に、ATやボーナスなどのメダル増加区間が終了し、いわゆる通常時などのメダル減少期間に移行し、さらに、上記のMYカウンタの値も18500枚を下回った場合は、事前報知が終了され得る構成としてもよい(また、この場合において、事前報知終了の条件は事前報知開始の条件とは異なる枚数(例えば、MY18000枚)としてもよい)。あるいは、一度事前報知が開始された以後は、特別打ち止め機能作動まで事前報知を継続するものとし、特別打ち止め状態の作動が近い状況であることを別の遊技者(例えば、これから当該遊技機を打とうかと検討している遊技者)にも認識させ得る構成としてもよい。なお、後者の仕様であれば、仮に遊技者が変わった場合であっても特別打ち止め機能作動による不測の損害発生を抑制することができるという効果を奏する。また、事前報知中に電断した場合は、上記のMYカウンタの値が初期化されるため、電断復帰後は事前報知が終了した状態となる。
また、払出数リミッタについても、同様の事前報知が行われ得るものとしてもよい。例えば、払出数リミッタのカウンタが特定枚数(例えば、2300枚)となった場合に、「払出数リミッタ作動まで残り100枚です」といった表示を演出表示部に表示することで、払出数リミッタの作動が近い旨の事前報知を行うものとすればよい。また、特別打ち止め機能と払出数リミッタの両方が搭載されている場合には、両方について事前報知が行われ得るものとしてもよい。例えば、上記のMYカウンタが特定枚数(例えば、18500枚)となるとともに、払出数リミッタのカウンタが特定枚数(例えば、2300枚)となった場合には、「特別打ち止め機能作動まで残り500枚です」といった表示とともに、「払出数リミッタ作動まで残り100枚です」といった表示を演出表示部に表示するものとすればよい。
なお、この場合、そのまま遊技を続行すると、払出数リミッタが先に作動してAT状態が終了することとなるが、払出数リミッタの作動によって上記のMYカウンタは初期化(クリア)されないため、特別打ち止め機能作動まで残り400枚という状況は継続することになる。したがって、そのような場合には、「払出数リミッタ作動まで残り100枚です」といった表示は終了させるが、「特別打ち止め機能作動まで残り400枚です」といった表示は引き続き継続されるものとすればよい。この場合、上述のとおり、上記のMYカウンタの値が18500枚を下回った場合(事前報知終了の条件が事前報知開始の条件とは異なるようにした場合には、事前報知終了の条件である枚数となった場合)は事前報知が終了され得る構成としてもよいし、一度事前報知が開始された以後は、特別打ち止め機能作動まで事前報知を継続するものとしてもよい。
ところで、特別打ち止め機能作動まで残り50枚、払出数リミッタ作動まで残り100枚といったように、払出数リミッタの作動よりも前に特別打ち止め機能が作動することが確定している状況もある。ここで、少なくともAT状態が残り50枚分以上のメダル増加が確定していることを前提として、特別打ち止め機能作動の事前報知条件となる獲得枚数(例えば、電源投入時からの最下点を起点として18500枚以上等)及び払出数リミッタ作動の事前報知条件となる獲得枚数(例えば、有利区間開始時を起点として2300枚以上等)の両方を満たしているとする。このような状況においては、特別打ち止め機能作動の事前報知及び払出数リミッタ作動の事前報知の両方を表示する構成としてもよい。これにより、遊技者が正確に状況把握できるという効果を奏する。
また、このような状況においては、特別打ち止め機能が先に作動することにより払出数リミッタが作動することはないので、特別打ち止め機能作動の事前報知のみを行い、払出数リミッタ作動の事前報知は行わないものとしてもよい。作動することがないリミッタに関する情報は、必ずしも遊技者にとって必要な情報ではなく、特にAT状態では押し順ナビなどの報知が頻繁に行われる状況であることを考慮すると、あまり表示項目を増やさないほうが遊技者にとって快適にAT状態を消化できるともいえるからである。すなわち、情報過多となることを抑制し得るという効果を奏する。なお、後述の演出表示部非搭載機においても同様に特別打ち止め機能作動の事前報知と払出数リミッタ作動の事前報知の両方を表示しうる状況において、作動することがないリミッタに関する情報は非表示としてもよい。
(演出表示部非搭載機での特別打ち止め状態作動の事前報知)
この種の遊技機には、上述のような演出表示部を設けないものもあるが、そのような演出表示部非搭載機においても特別打ち止め機能は搭載され得ることから、そのような遊技機で上記の事前報知を行うためには何らかの工夫をなす必要があると考えられる。以下ではそのような手法の一例について説明する。なお、特別打ち止め状態作動をさらにわかりやすく事前報知するために、上述のような演出表示部を設ける遊技機であっても以下の手法を採用し得るものとする。
例えば、事前報知を実行可能な表示手段として、メイン側で制御される上述の情報表示装置14を用いる手法である。具体的には、払出されたメダル数(払出数)を表示するために2桁の7セグメントLEDで構成された上述の払出ランプ、あるいは、遊技者に対して停止操作の情報を表示するために2桁の7セグメントLEDで構成された上述の指示モニタ(報知ランプ)を用いる。
上記のMYカウンタの値が18500枚となった場合、例えばその表示手段に「L5」と表示する(「L」は後述の識別子を意味する)。これは、特別打ち止め機能作動まで残り500枚の状況であることを意味する。当該表示は次に表示内容が更新されるまで継続される。次いで、上記のMYカウンタの値が18600枚となった場合、例えばその表示手段に「L4」と表示する。これは、特別打ち止め機能作動まで残り400枚の状況であることを意味する。当該表示は次に表示内容が更新されるまで継続される。このようにして、特別打ち止め機能作動までの残り枚数を100枚単位(この単位は任意に変更可能である)で順次更新していく。
例えば、上記のMYカウンタの値が18700枚となった場合にはその表示手段に「L3」と表示し、上記のMYカウンタの値が18800枚となった場合にはその表示手段に「L2」と表示し、上記のMYカウンタの値が18900枚となった場合にはその表示手段に「L1」と表示する。なお、上記のMYカウンタの値が19000枚となった場合には実際に特別打ち止め機能が作動することとなる。
なお、上記の払出ランプでは、払出中は払出枚数が表示されるため、そのような事前報知が常時実行され得るものではないが、少なくとも非遊技中は事前報知を継続することが可能であるため、仮に遊技者が変わった場合であっても特別打ち止め機能作動による不測の損害発生は抑制し得るものとなっている。上記の指示モニタ(報知ランプ)では、当該遊技で停止操作の情報が報知される場合、遊技中は指示情報が表示されるため、そのような事前報知が常時実行され得るものではないが、少なくとも非遊技中は事前報知を継続することが可能である点は上記と同様である。すなわち、このような表示手段の構成としても問題は生じにくいと考えられる。
また、例えば、事前報知を実行可能な表示手段として、サブ側で制御される、遊技者に対して停止操作の情報を表示するために使用される3桁の7セグメントLEDで構成された表示装置を用いる手法である。
例えば、上記のMYカウンタの値が18500枚となった場合にはその表示手段に「L50」と表示し、上記のMYカウンタの値が18600枚となった場合にはその表示手段に「L40」と表示し、上記のMYカウンタの値が18700枚となった場合にはその表示手段に「L30」と表示し、上記のMYカウンタの値が18800枚となった場合にはその表示手段に「L20」と表示し、上記のMYカウンタの値が18900枚となった場合にはその表示手段に「L10」と表示する。なお、メイン側の表示手段と同様、特別打ち止め機能作動までの残り枚数を100枚単位で順次更新していく態様を採用することもできるし、これとは異なり、実際の払出枚数分を減じた上でこれを順次更新していく態様を採用することもできる。
なお、後者の態様を採用する場合には、例えば、上記のMYカウンタの値が18500枚となった場合にはその表示手段に「500」と表示し、次のゲームで10枚の純増があった場合にはその表示手段に「490」と表示し、またその次のゲームで10枚の純増があった場合にはその表示手段に「480」と表示するなどとしてもよい。
なお、上記の表示装置では、当該遊技で停止操作の情報が報知される場合、遊技中は停止操作の情報が表示されるため、そのような事前報知が常時実行され得るものではないが、少なくとも非遊技中は事前報知を継続することが可能である点は上記と同様である。すなわち、このような表示手段の構成としても問題は生じにくいと考えられる。
また、サブ側で制御される4桁の7セグメントLEDで構成された事前報知専用の表示装置を設けるようにしてもよい。そして、例えば、上記のMYカウンタの値が18500枚となった場合にはその表示手段に「L500」と表示し、次のゲームで10枚の純増があった場合にはその表示手段に「L490」と表示し、またその次のゲームで10枚の純増があった場合にはその表示手段に「L480」と表示するなど、実際の払出数に応じて順次表示内容が更新されるものとすればよい。なお、事前報知専用の表示装置であることから、遊技の状況を問わず、事前報知を常時実行し得る。
ここまで説明した事前報知を行っているときに、ボーナス作動により上記のMYカウンタの値が打ち止め予定枚数である19000枚を超えた後に特別打ち止め機能が作動する場合がある。例えば、上記のMYカウンタの値が18900枚のところで200枚純増のボーナスが作動した場合などである。このような場合に、上記のMYカウンタの値が19000枚を超えた以降は、上記の表示手段(ここでは、上記の4桁の7セグメントLEDで構成された事前報知専用の表示装置で説明する)では、例えば、「L000」といった表示が行われ、これがボーナス終了まで維持されるようにしてもよいし、「L_BB」などいったボーナス終了で打ち止めとなる旨を示唆する専用表示が行われ、これがボーナス終了まで維持されるようにしてもよい。
なお、これは、演出表示部を設ける遊技機においても同様である。例えば、同様の状況において上記のMYカウンタの値が19000枚を超えた以降は、「残り〇〇〇枚で遊技終了です」といった表示を終了させ、「このボーナスが終了した場合に遊技終了です」といった表示を行うようにしてもよい。また、この場合、そのような表示とともにボーナス終了までの払出枚数やゲーム数などを表示してもよい。このような表示を行うことで、遊技者に状況をわかりやすく報せることができるという効果を奏する。
(演出表示部非搭載機で特別打ち止め状態作動の事前報知と、払出数リミッタ作動の事前報知を行う場合)
上述のとおり、特別打ち止め機能と払出数リミッタの両方が搭載される場合、演出表示部(例えば、液晶表示装置等)を設ける遊技機では、その表示画面上で、(イ)特別打ち止め状態作動の事前報知と、(ロ)払出数リミッタ作動の事前報知の両方を表示可能に構成することができる。
ここで、演出表示部非搭載機で特別打ち止め機能が搭載された場合に、(イ)の事前報知を行うための工夫については上述のとおりであるが、演出表示部非搭載機においても特別打ち止め機能と払出数リミッタの両方が搭載され得ることから、その場合にはさらに(ロ)の事前報知を行うための工夫をなす必要があると考えられる。以下ではそのような手法の一例について説明する。なお、上記と同様、演出表示部を設ける遊技機であっても以下の手法による事前報知が行われるものとしてもよい。
まず、演出表示部非搭載機であっても、例えば、第1表示部(2~4桁程度の7セグメントLED)と、これとは異なる第2表示部(2~4桁程度の7セグメントLED)を備え、それぞれで事前報知を表示可能とする場合は、(イ)の事前報知を第1表示部に表示し、(ロ)の事前報知を第2表示部に表示するなどして、(イ)及び(ロ)を同時に表示可能とすることができる。なお、第1表示部や第2表示部としては、例えば、上記の表示手段のいずれかをそれぞれ用いることができる。また、この場合、後述の如く、識別子や表示態様を異なるものとすることができる。
一方、演出表示部非搭載機において、複数の表示部は備えるが事前報知に用いることができる表示部は一つと定める場合や、一つの表示部しか備えていない場合、特別打ち止め機能作動の事前報知条件及び払出数リミッタ作動の事前報知条件の両方を満たしている状態では、(イ)又は(ロ)のどちらをどのように表示するかについて工夫が必要となる。
いずれか一方を表示する場合、例えば、上述の如く、先に作動するほうの事前報知を優先して行うように構成することができる。すなわち、特別打ち止め機能が払出数リミッタよりも先に作動する状況下であれば(イ)の事前報知を行い、また、払出数リミッタが特別打ち止め機能よりも先に作動する状況下であれば(ロ)の事前報知を行うといった構成としてもよい。これにより、より好適な情報を報知し得るという効果を奏する。
また、例えば、所定時間(例えば、10秒など)経過ごとに、表示内容を(イ)→(ロ)、(ロ)→(イ)と切り替えるものとして、遊技者が操作することなく自然と両方の表示が視認できるものとしてもよい。なお、切り替えが発生するのは、遊技待機中(例えば、払出終了後~次遊技開始操作時まで)のみとしてもよいし、遊技中(例えば、開始操作後~払出終了時まで)としてもよいし、その両方としてもよい。また、遊技待機中は、遊技者の入れ替わりが生じ得るため、遊技待機中は(イ)の表示を(ロ)の表示よりも優先的に行い((ロ)は表示されない)、遊技中は(ロ)の表示を(イ)の表示よりも優先的に行う((イ)は表示されない)ものとしてもよい。あるいはその逆であってもよい。あるいは、いずれか一方の期間では、(イ)及び(ロ)の両方が上記のように切り替えられて表示されるものとしてもよい。
また、例えば、時間経過ではなく遊技者の切り替え操作に基づいて(イ)と(ロ)の表示を切り替え可能としてもよい。この場合、表示部がメイン側で制御されるものであれば、例えば、遊技中のベット操作(例えば、MAXベットボタン6a押下)など遊技の進行に影響を与えない任意の操作手段への操作に基づいて表示が切り替わるものとすればよい。
また、表示部がサブ側で制御されるものであれば、例えば、演出用の操作部(例えば、演出用ボタン)への操作に基づいて表示が切り替わるものとすればよい。もっとも、演出用の操作部を設けない遊技機の場合は、メイン側で操作を検出可能な操作手段への操作(例えば、遊技中のベット操作や、リール回転中の開始操作、あるいはリール停止後の停止操作など。遊技の進行に影響を与えない操作)に基づいて、(これに対応する情報をサブ側で受信したときに)表示が切り替わるものとすればよい。
なお、表示を切り替え可能な操作は、遊技の進行に影響を与えない操作に限られない。遊技の進行に影響を与える操作(例えば、未ベット時のベット操作、リール回転前の開始操作、あるいはリール停止前の停止操作など)に基づいて表示が切り替わるものとしてもよい。すなわち、遊技の進行に影響を与えない操作によって表示を切り替え可能とし、遊技者に任意のタイミングで表示を切り替えることができるようにしてもよいし、遊技の進行に影響を与える操作によって表示を切り替え可能とし、別操作を必要とすることなく表示を切り替えることができるようにしてもよい。いずれによっても、利便性を高め得るという効果を奏する。
また、別の報知態様としては、例えば、(イ)の事前報知は表示部で行うが、(ロ)の事前報知は、例えば、スピーカから「リミッタ作動まであと500枚です。」や「リミッタ作動まであとわずかです。」といった音声を出音することで報知されるものとしてもよい。あるいは、その逆であってもよい。あるいは、上述の如く、優先されるほうの事前報知を表示部で行う、優先されないほうの事前報知をスピーカで行うようにしてもよい。また、スピーカによって事前報知を行う場合、これに替えて、あるいはこれとともにランプを用いることも可能である。これにより、事前報知に用いることができる表示部が一つであってもより多くの情報を提供できるという効果を奏する。なお、これは、事前報知の内容を切り替え可能とする場合も同様である。
なお、(イ)の事前報知と(ロ)の事前報知とで異なる識別子を表示するようにしてもよい。これにより、いずれの事前報知が行われているかをわかりやすく示すことができるという効果を奏する。例えば、(イ)の事前報知において、特別打ち止め状態作動まで残り500枚である場合には「L500」と表示する。一方、(ロ)の事前報知において、払出数リミッタ作動まで残り500枚である場合には「H500」と表示する。すなわち、7セグメントLEDの先頭桁に表示する「L」や「H」が識別子となり、同じ残り枚数を表示する場合でもこれらが異なる事前報知であることを認識可能とする。なお、これらの識別子はあくまで一例である。例えば、7セグメントLEDで表示可能であって、その表示態様から異なる事前報知が行われていることを認識可能とするものであれば、任意の文字、数字、記号及びドットパターンなどを識別子として用いることができる。
また、桁数に余裕があれば2桁又はそれ以上の桁で構成された識別子を用いることもできる。例えば、「LM」や「SHL」などいった識別子を用いてもよい。なお、1桁の識別子を用いる場合、例えば、エラー報知と勘違いしやすい「E(イー)」、セグ表示では数字と区別できない「S(エス)」(セグ表示では「5」と同じになる)、あるいは「O(オー)」(セグでは「0」と同じになる)などは、識別子として用いないようにすることが望ましい。
また、(イ)の事前報知と(ロ)の事前報知とで異なる表示態様(ここでは、例えば色とする)を表示してもよい。これにより、いずれの事前報知が行われているかをわかりやすく示すことができるという効果を奏する。例えば、セグ表示が複数の色で表示可能な場合、(イ)の事前報知は赤色で表示し、(ロ)の事前報知は青色で表示するなどとすればよい。なお、上述の識別子を異ならせる手法と、この表示態様を異ならせる手法を組み合わせて採用することもできるし、いずれかの手法のみを採用することもできる。また、例えば、一方は点灯、他方は点滅(あるいはそのパターンが異なる)といった態様にて表示態様を異ならせることも可能である。
(イ)の事前報知と(ロ)の事前報知とを異なる識別子や表示態様で表示可能とする場合(いずれか一方のみの事前報知を行う場合であって、識別子や表示態様を特定のものとする場合を含む)には、事前報知に関する表示の見方を遊技者が確認できる構成としてもよい。例えば、(イ)の事前報知を一例とした場合、前面扉の表面の任意の位置(例えば、台座部や腰部パネル13の一部など)に、「『L〇〇〇』は特別打ち止め機能までの残り枚数を意味します。」といった説明が表示されるものとすればよい。これにより、事前報知の内容がよりわかりやすくなるという効果を奏する。
ここまで説明した事前報知のいずれかを行いうる遊技機においては、例えば、遊技を開始して急に打ち止めになるといった、打ち止めによる不測の損害発生を抑制できるという効果を奏する。
(音量調整について)
上述のとおり、本実施形態では、少なくとも遊技者によるユーザーメニュー上の操作によってスピーカ群から出力される音の音量を調整可能としていたが、これに加え、遊技店側でも音量調整を可能にする構成としてもよい。例えば、遊技店側のメニュー画面であるホールメニューで「音量設定」が選択できるようにし、ここで音量レベルを選択できるようにする。そして、選択可能な音量レベルのうち少なくとも1つは、仮に遊技者がユーザーメニュー上の操作で最大音量を設定したとしても概ね所定の音量値(例えば、85db)を超えない音量とすることが可能な音量レベルとする。
このようにすれば、大きな音を好む遊技者が最大音量で遊技したとしても、近くの遊技者の遊技環境のみならず、遊技店の店員や近隣の住民等の生活環境にも配慮した遊技機を提供することができるという効果を奏する。なお、遊技店側が音量レベルを設定可能な態様はこれに限られない。例えば、筐体内部や背面にスライドスイッチやボリュームスイッチ等の物理的なスイッチを設け、そのスイッチを操作することにより、所望の音量レベルが選択され得るようにしてもよい。