JP2023139732A - 探索プログラム、探索装置及び探索方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023139732000001
【課題】粗視化モデルの安定構造を探索する際の探索精度を向上させる。
【解決手段】探索プログラムは、粗視化された粒子間の相互作用に応じた第1ポテンシャルの第1コスト値と、前記粒子間の角度及び二面角に応じた第2ポテンシャルの第2コスト値と、前記粒子間の斥力及び引力に応じた第3ポテンシャルの第3コスト値とを取得し、複数粒子を含む粗視化モデル全体に対して算出される前記第1コスト値、前記第2コスト値及び前記第3コスト値の総和が、所定の条件を満たす前記粗視化モデルの構造を探索するよう、イジング装置に指示する、処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、探索プログラム、探索装置及び探索方法に関する。
近年、創薬の分野では、副作用の少ない中分子(分子量500~3000)による創薬が期待されており、中分子の安定構造を探索するための探索方法の開発が進められている。
一例として、粗視化モデルについて、粗視化粒子間の相互作用ポテンシャルを用いて、安定構造を探索する方法が挙げられる。
特開2019-185753号公報 特開2021-192199号公報
しかしながら、上記のように、粗視化粒子間の相互作用ポテンシャルのみを用いて探索する方法の場合、粗視化モデルについて適切な安定構造が得られないことがあり、探索精度の向上が求められている。
一つの側面では、粗視化モデルの安定構造を探索する際の探索精度を向上させることを目的とする。
一態様によれば、探索プログラムは、
粗視化された粒子間の相互作用に応じた第1ポテンシャルの第1コスト値と、前記粒子間の角度及び二面角に応じた第2ポテンシャルの第2コスト値と、前記粒子間の斥力及び引力に応じた第3ポテンシャルの第3コスト値とを取得し、
複数粒子を含む粗視化モデル全体に対して算出される前記第1コスト値、前記第2コスト値及び前記第3コスト値の総和が、所定の条件を満たす前記粗視化モデルの構造を探索するよう、イジング装置に指示する、処理をコンピュータに実行させる。
粗視化モデルの安定構造を探索する際の探索精度を向上させることができる。
安定構造探索システムのシステム構成、端末装置及びイジング装置の機能構成の一例を示す第1の図である。 端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 第1ポテンシャル情報取得部の詳細を示す図である。 第2及び第3ポテンシャル情報取得部の詳細を示す図である。 第4及び第5ポテンシャル情報取得部の詳細を示す図である。 コスト演算式生成部の詳細を示す図である。 評価部の詳細及び評価結果の一例を示す図である。 安定構造探索処理の流れを示す第1のフローチャートである。 安定構造探索処理の流れを示す第2のフローチャートである。 調整処理の流れを示すフローチャートである。 安定構造探索システムのシステム構成、端末装置及びイジング装置の機能構成の一例を示す第2の図である。 安定構造探索処理の流れを示す第3のフローチャートである。
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
[第1の実施形態]
<安定構造探索システムのシステム構成、端末装置及びイジング装置の機能構成>
はじめに、第1の実施形態に係る安定構造探索システムのシステム構成及び安定構造探索システムを構成する端末装置及びイジング装置の機能構成について説明する。図1は、安定構造探索システムのシステム構成、端末装置及びイジング装置の機能構成の一例を示す第1の図である。
安定構造探索システム100は、中分子の安定構造を探索するためのシステムであり、特に、複数のアミノ酸残基配列をもつ環状ペプチド分子の安定構造を探索するためのシステムである。具体的には、環状ペプチド分子の安定構造を探索する前段階として、
・ペプチドの主鎖粒子を形成するアミノ酸のα炭素を中心とした骨格部分、及び、
・側鎖粒子、
をそれぞれ1つの粗視化された粒子(粗視化粒子)に置き換え、
・例えば、単純立方格子(FCC:face-centered cubic)の空間(格子空間)に配置、
することで、複数粒子を含む粗視化モデルを生成し、生成した粗視化モデルの安定構造を、組み合わせ最適化問題として、イジング装置を用いて探索するシステムである。
図1において、符号131は、ペプチドの主鎖粒子を構成するアミノ酸のα炭素を中心とした骨格部分を、1つの粗視化粒子に置き換えた様子を示している。また、符号132は、符号131に示す粗視化粒子を含む複数の粗視化粒子(図1の例では、5個の粗視化粒子)を、FCCの空間(格子空間)に配置した様子を模式的に示したものである。なお、図1の例では、図示の簡略化のため、FCCの空間を2次元平面で表現している。
端末装置110は、探索装置の一例であり、イジング装置120において粗視化モデルの安定構造を探索する際に用いる探索用情報を生成し、イジング装置120に送信するとともに、イジング装置120より、探索結果を受信し、評価する。
端末装置110には、探索プログラムがインストールされており、当該プログラムが実行されることで、端末装置110は、第1ポテンシャル情報取得部111~第5ポテンシャル情報取得部115として機能する。また、端末装置110は、コスト演算式生成部116、探索対象情報取得部117、実行指示部118、評価部119として機能する。
このうち、第1ポテンシャル情報取得部111は、粗視化モデル全体の相互作用ポテンシャルのコスト値を算出するためのハミルトニアンと、粗視化モデル全体のL体、D体に応じたコスト値を算出するためのハミルトニアンとを取得する。
また、第1ポテンシャル情報取得部111は、粗視化粒子間の相互作用ポテンシャルのコスト値を、粗視化粒子間の距離ごとに取得する。また、第1ポテンシャル情報取得部111は、粗視化粒子のL体、D体の違いに応じたコスト値を取得する。
更に、第1ポテンシャル情報取得部111は、取得したハミルトニアンと、取得したコスト値とを、コスト演算式生成部116に通知する。
第2ポテンシャル情報取得部112は、粗視化モデル全体の角度に応じたポテンシャルのコスト値を算出するためのハミルトニアンを取得する。また、第2ポテンシャル情報取得部112は、粗視化粒子間の角度に応じたポテンシャルのコスト値を、粗視化粒子間の角度ごとに取得する。
更に、第2ポテンシャル情報取得部112は、取得したハミルトニアンと、取得したコスト値とを、コスト演算式生成部116に通知する。
第3ポテンシャル情報取得部113は、粗視化モデル全体の二面角に応じたポテンシャルのコスト値を算出するためのハミルトニアンを取得する。また、第3ポテンシャル情報取得部113は、粗視化粒子間の二面角に応じたポテンシャルのコスト値を、粗視化粒子間の二面角ごとに取得する。
更に、第3ポテンシャル情報取得部113は、取得したハミルトニアンと、取得したコスト値とを、コスト演算式生成部116に通知する。
第4ポテンシャル情報取得部114は、粗視化モデル全体の斥力に応じたポテンシャル(斥力ポテンシャル)のコスト値を算出するためのハミルトニアンを取得する。また、第4ポテンシャル情報取得部114は、粗視化粒子間の相互作用ポテンシャルを補正するポテンシャルであって、粗視化粒子間の斥力ポテンシャルのコスト値を、粗視化粒子間の距離ごとに取得する。
更に、第4ポテンシャル情報取得部114は、取得したハミルトニアンと、取得したコスト値とを、コスト演算式生成部116に通知する。
第5ポテンシャル情報取得部115は、粗視化モデル全体の引力に応じたポテンシャル(引力ポテンシャル)のコスト値を算出するためのハミルトニアンを取得する。また、第5ポテンシャル情報取得部115は、粗視化粒子間の相互作用ポテンシャルを補正するポテンシャルであって、粗視化粒子間の引力ポテンシャルのコスト値を、粗視化粒子間の距離ごとに取得する。
更に、第5ポテンシャル情報取得部115は、取得したハミルトニアンと、取得したコスト値とを、コスト演算式生成部116に通知する。
コスト演算式生成部116は、第1ポテンシャル情報取得部111~第5ポテンシャル情報取得部115からそれぞれ通知された各ハミルトニアンと各コスト値とを取得する。また、コスト演算式生成部116は、取得した各ハミルトニアンを結合することで、粗視化モデル全体の各ポテンシャルのコスト値の総和(総コスト値)を算出するためのコスト演算式を生成する。また、コスト演算式生成部116は、生成したコスト演算式と、取得した各コスト値とを実行指示部118に通知する。
探索対象情報取得部117は、探索対象の粗視化モデルを取得し、実行指示部118に通知する。
実行指示部118は、
・コスト演算式と、
・各コスト値と、
・探索対象の粗視化モデルと、
を含む「探索用情報」をイジング装置120に送信する。また、実行指示部118は、各コスト値のもとで、コスト演算式を用いて探索対象の粗視化モデル全体に対して算出される総コスト値(各ポテンシャルのコスト値の総和)が所定の条件を満たす安定構造を探索するよう、イジング装置120に指示する。
また、実行指示部118は、探索用情報を送信したことにより、イジング装置120から送信される探索結果等を受信し、評価部119に通知する。イジング装置120から送信される探索結果等には、粗視化モデルの安定構造(探索結果)のほか、
・イジング装置120に送信した探索用情報、
・粗視化モデルの安定構造が探索された際に算出された、所定の条件を満たす総コスト値、
・粗視化モデルの安定構造が探索された際の、探索開始から探索完了までの時間(求解時間)、
等が含まれる。なお、図1において符号140は、イジング装置120から送信された探索結果(粗視化モデルの安定構造)の一例を模式的に示したものである。
評価部119は、実行指示部118から通知された探索結果等を評価して出力する。なお、評価部119では、探索結果等を評価する際、未知の探索対象については、安定構造が探索された際に算出された、所定の条件を満たす総コスト値を用いる。また、評価部119では、探索結果等を評価する際、既知の探索対象については、探索された安定構造と、実際の構造(実測構造)とに基づいて算出される原子位置の平均二乗誤差(RMSDと称す)を用いる。なお、RMSDはroot-mean-square deviation of atomic positionsの略称である。
一方、イジング装置120には、最適化プログラムがインストールされており、当該プログラムが実行されることで、イジング装置120は、組み合わせ最適化部121として機能する。
組み合わせ最適化部121は、端末装置110より探索用情報を受信すると、粗視化モデルの安定構造を、組み合わせ最適化問題として解くことで、探索結果等を出力する。
具体的には、組み合わせ最適化部121は、各コスト値のもとで、コスト演算式を用いて探索対象の粗視化モデル全体に対して算出した総コスト値が、所定の条件を満たす安定構造を探索する。
また、組み合わせ最適化部121は、探索した安定構造(例えば、符号140)を含む探索結果等を、端末装置110に送信する。
このように、第1の実施形態に係る安定構造探索システム100では、粗視化モデルの安定構造を探索する際、相互作用ポテンシャルに加えて、角度、二面角、斥力、引力に応じたポテンシャルを加味した総コスト値を用いる。
これにより、第1の実施形態によれば、粗視化モデルの安定構造を探索する際の探索精度を向上させることができる。
<端末装置のハードウェア構成>
次に、端末装置110のハードウェア構成について説明する。図2は、端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、端末装置110は、プロセッサ201、メモリ202、補助記憶装置203、I/F(Interface)装置204、通信装置205、ドライブ装置206を有する。なお、端末装置110の各ハードウェアは、バス207を介して相互に接続されている。
プロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の各種演算デバイスを有する。プロセッサ201は、各種プログラム(例えば、探索プログラム等)をメモリ202上に読み出して実行する。
メモリ202は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の主記憶デバイスを有する。プロセッサ201とメモリ202とは、いわゆるコンピュータを形成し、プロセッサ201が、メモリ202上に読み出した各種プログラムを実行することで、当該コンピュータは上記各種機能を実現する。
補助記憶装置203は、各種プログラムや、各種プログラムがプロセッサ201によって実行される際に用いられる各種情報を格納する。
I/F装置204は、外部装置の一例である操作装置210、出力装置220と、端末装置110とを接続する接続デバイスである。
通信装置205は、ネットワークを介してイジング装置120と通信するための通信デバイスである。
ドライブ装置206は記録媒体230をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体230には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体230には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
なお、補助記憶装置203にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体230がドライブ装置206にセットされ、該記録媒体230に記録された各種プログラムがドライブ装置206により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置203にインストールされる各種プログラムは、通信装置205を介してネットワークからダウンロードされることで、インストールされてもよい。
なお、ここでは、端末装置110のハードウェア構成についてのみ説明し、イジング装置120のハードウェア構成について説明しなかったが、イジング装置120のハードウェア構成は、例えば、端末装置110と同様であってもよい。あるいは、イジング装置120のハードウェア構成は、いわゆる量子コンピュータのハードウェア構成と同様であってもよい。
<端末装置の機能構成>
次に、端末装置110において実現される各部(ここでは、第1ポテンシャル情報取得部111~第5ポテンシャル情報取得部115、コスト演算式生成部116、評価部119)の詳細について説明する。
(1)第1ポテンシャル情報取得部の詳細
はじめに、第1ポテンシャル情報取得部111の詳細について説明する。図3は、第1ポテンシャル情報取得部の詳細を示す図である。粗視化モデルの安定構造を組み合わせ最適化問題としてアニーリング法により解くための定式化において、第1ポテンシャル情報取得部111は、下式(1)で表されるハミルトニアンを取得する。
Figure 2023139732000002
このうち、Hpairは、粗視化モデル全体の相互作用ポテンシャルのコスト値を算出するためのハミルトニアンを表している。また、HLDは、粗視化モデル全体のアミノ酸残基のL体とD体との違いに応じたコスト値を算出するためのハミルトニアンを表している。
また、粗視化モデル全体の相互作用ポテンシャルのコスト値を算出するためのハミルトニアンは、更に、下式(2)のように表すことができる。
Figure 2023139732000003
なお、上式(2)において、
・Nは、アミノ酸残基の総数、
・Qは、i番目のアミノ酸残基の主鎖を表現するビット番号、
・Q SCは、i番目のアミノ酸残基の側鎖粒子を表現するビット番号、
・η(a)は、ビット番号aが表現する格子点からポテンシャルデータが存在する距離内の側鎖粒子の格子点を表現するビット番号の集合、
・ω(a)は、ビット番号aが表現するアミノ酸残基、
・ω(b)は、ビット番号bが表現するアミノ酸残基、
・Pω(a)ω(b)は、アミノ酸残基ω(a)とアミノ酸残基ω(b)との間の相互作用ポテンシャルのコスト値、
・qは、ビット番号xの変数、
をそれぞれ表している。
このうち、Pω(a)ω(b)は、アミノ酸の種類ごとに、予め計算されライブラリ化されている。このため、第1ポテンシャル情報取得部111では、これを参照することで、アミノ酸残基ω(a)とアミノ酸残基ω(b)との間の距離ごとの相互作用ポテンシャルのコスト値を取得する。
第1ポテンシャル情報取得部111は、粗視化モデル全体の相互作用ポテンシャルのコスト値を算出するためのハミルトニアンとして、符号301に示すハミルトニアンをコスト演算式生成部116に通知する。また、第1ポテンシャル情報取得部111は、取得した粗視化粒子間の距離ごとの相互作用ポテンシャルのコスト値として、距離ごとのPω(a)ω(b)をコスト演算式生成部116に通知する。
また、第1ポテンシャル情報取得部111は、粗視化モデル全体のL体、D体の違いに応じたコスト値を算出するためのハミルトニアンとして、符号303に示すハミルトニアンをコスト演算式生成部116に通知する。また、第1ポテンシャル情報取得部111は、アミノ酸残基のL体とD体の違いに応じたコスト値を、コスト演算式生成部116に通知する。
(2)第2及び第3ポテンシャル情報取得部の詳細
次に、第2ポテンシャル情報取得部112と第3ポテンシャル情報取得部113の詳細について説明する。図4は、第2及び第3ポテンシャル情報取得部の詳細を示す図である。粗視化モデルの安定構造を組み合わせ最適化問題としてアニーリング法により解くための定式化において、第2ポテンシャル情報取得部112は、粗視化モデル全体の角度に応じたポテンシャルのコスト値を算出するためのハミルトニアンを取得する。
Figure 2023139732000004
なお、上式(3)において、Pω(a)ω(b)は、粗視化粒子間の角度ごとのコスト値を表している。また、上式(3)において、j=i+2となる。
ここで、粗視化粒子が配される格子空間がFCCの空間であった場合、粗視化粒子間で取り得る角度は、60°、90°、120°、180°のいずれかとなる(図4の符号411)。そこで、第2ポテンシャル情報取得部112では、
・粗視化粒子の数や形状(開環形状であるのか、閉環形状であるのか)等の特徴が比較的類似している既知の分子構造(例えば、ペプチドの分子構造)の構造データを収集し、
・収集した構造データについて角度ごとの出現頻度を集計する、
ことで、粗視化粒子間の角度ごとのコスト値を導出し、これを取得する。
図4において符号412は、横軸に角度をとり、縦軸に出現頻度をとった場合において、収集した構造データの出現頻度を集計した結果を示している。符号412によれば、粗視化粒子間の角度が60°及び180°と比較して、粗視化粒子間の角度が90°、120°の場合は、出現頻度が高い。
なお、"出現頻度が高い"とは、構造的に安定していることを示し、"出現頻度が低い"とは、構造的に安定していないことを示す。そこで、第2ポテンシャル情報取得部112では、"出現頻度が高い"角度については、低いコスト値を取得し、"出現頻度が低い"角度については、高いコスト値を取得する。図4の符号410は、第2ポテンシャル情報取得部112が取得した粗視化粒子間の角度ごとのコスト値の一例を示している。
同様に、粗視化モデルの安定構造を組み合わせ最適化問題としてアニーリング法により解くための定式化において、第3ポテンシャル情報取得部113は、粗視化モデル全体の二面角に応じたポテンシャルのコスト値を算出するためのハミルトニアンを取得する。
Figure 2023139732000005
なお、上式(4)において、S(a,b,c,d)は、粗視化粒子間の二面角ごとのコスト値を表している。
ここで、粗視化粒子の二面角については、結合した4つの主鎖粒子(i、i+1、i+2、i+3)の格子空間内での位置に基づいて算出するが、アニーリング法で扱うことができる2次の式に置き換える必要がある。
このため、本実施形態では、二面角を構成する面を表す補助bitを追加し、当該補助bitの組み合わせにより二面角を表現する。具体的には、符号421に示すように、同一面(面A)を形成するi番目~i+2番目の主鎖粒子について、
・i番目の主鎖粒子からi+1番目の主鎖粒子に向かうベクトルと、
・i+1番目の主鎖粒子からi+2番目の主鎖粒子に向かうベクトルと、
の外積から、面Aの法線ベクトルAを算出し、同一面(面B)を形成するi+1番目~i+3番目の主鎖粒子について、
・i+1番目の主鎖粒子からi+2番目の主鎖粒子に向かうベクトルと、
・i+2番目の主鎖粒子からi+3番目の主鎖粒子に向かうベクトルと、
の外積から、面Bの法線ベクトルBを算出し、これら2つの法線ベクトル(法線ベクトルA、法線ベクトルB)の内積から、二面角を算出する。
そして、第3ポテンシャル情報取得部113では、算出した二面角に対して、
・粗視化粒子の数や形状等の特徴が比較的類似している既知の分子構造(例えば、ペプチドの分子構造)の構造データを収集し、
・収集した構造データについて、二面角ごとの出現頻度を集計する、
ことで、粗視化粒子間の二面角ごとのコスト値を導出し、これを取得する。
図4において符号422は、横軸に二面角をとり、縦軸に出現頻度をとった場合において、収集した構造データの出現頻度を集計した結果を示している。符号422によれば、粗視化粒子間の二面角によって出現頻度が大きく変わる。
そこで、第3ポテンシャル情報取得部113では、出現頻度のLogの負値を、コスト値として取得する。図4の符号420は、第3ポテンシャル情報取得部113が取得した粗視化粒子間の二面角ごとのコスト値の一例を示している。
(3)第4及び第5ポテンシャル情報取得部の詳細
次に、第4ポテンシャル情報取得部114と第5ポテンシャル情報取得部115の詳細について説明する。図5は、第4及び第5ポテンシャル情報取得部の詳細を示す図である。
粗視化モデルの安定構造を組み合わせ最適化問題としてアニーリング法により解くための定式化において、第4ポテンシャル情報取得部114は、粗視化モデル全体の斥力ポテンシャルのコスト値を算出するためのハミルトニアンを取得する。
Figure 2023139732000006
なお、上式(5)において、Pω(a)ω(b)は、粗視化粒子間の斥力ポテンシャルの距離ごとのコスト値を表している。
ここで、粗視化粒子間の斥力ポテンシャルの距離ごとのコスト値を説明するにあたり、粗視化粒子の数と形状との関係について簡単に説明する。既知のペプチドの構造を分析した場合、アミノ酸残基数が多い(例えば、アミノ酸残基数が16)の環状ペプチドは、直線状の形状になり、アミノ酸残基間の距離は長くなる傾向にある。一例として、アミノ酸残基数が16の環状ペプチドについて、i番目のアミノ酸残基と、i+3番目のアミノ酸残基との間の距離を分析すると、10[Å]の出現頻度が高くなる。
一方、アミノ酸残基数が少ない(例えば、アミノ酸残基数が8)の環状ペプチドは、円状の形状になり、アミノ酸残基間の距離は短くなる傾向にある。一例として、アミノ酸残基数が8の環状ペプチドについて、i番目のアミノ酸残基と、i+3番目のアミノ酸残基との間の距離を分析すると、8.5[Å]の出現頻度が高くなる。
つまり、アミノ酸残基数が多い場合、アミノ酸残基数が少ない場合と比較して、i+3番目のアミノ酸残基は、i番目のアミノ酸残基からより遠い位置に配置される状態が(斥力が大きい状態が)安定構造になっているといえる。
そこで、第4ポテンシャル情報取得部114では、i番目とi+3番目の粗視化粒子間の斥力ポテンシャルの距離ごとのコスト値として、粗視化粒子の数が所定の閾値以上である場合と所定の閾値未満である場合とで、異なるコスト値を取得する。
図5の符号511は、第4ポテンシャル情報取得部114が取得した、
・i番目の粗視化粒子とi+3番目の粗視化粒子との間の斥力ポテンシャルの距離ごとのコスト値であって、
・粗視化粒子の数が10以上である場合のコスト値と、10未満である場合のコスト値、
の一例を示している(上式(5)においてj=i+3の場合に適用される)。
同様に、既知のペプチドの構造を分析した場合、i番目のアミノ酸残基と、i+4番目のアミノ酸残基との間の距離は、アミノ酸残基数によらず、i番目のアミノ酸残基とi+3番目のアミノ酸残基との間の距離よりも短い距離の出現頻度が高くなる。これは、i+4番目のアミノ酸残基の場合、環形状の対向する位置のアミノ酸残基であるケースが増えてくるからである。
そこで、第4ポテンシャル情報取得部114では、i番目とi+4番目の粗視化粒子間の斥力ポテンシャルの距離ごとのコスト値として、i番目とi+3番目の粗視化粒子間の斥力ポテンシャルの距離ごとのコスト値とは異なるコスト値を取得する。
具体的には、第4ポテンシャル情報取得部114では、i番目の粗視化粒子とi+4番目の粗視化粒子との間の距離が、
・所定距離未満については、距離が短いほど斥力ポテンシャルのコスト値として高い値を、
・所定距離以上については、斥力ポテンシャルのコスト値としてゼロを、
それぞれ取得する。
図5の符号512は、第4ポテンシャル情報取得部114が取得した、i番目の粗視化粒子とi+4番目の粗視化粒子との間の斥力ポテンシャルの距離ごとのコスト値の一例を示している(上式(5)において、j>i+3の場合に適用される)。
同様に、粗視化モデルの安定構造を組み合わせ最適化問題としてアニーリング法により解くための定式化において、第5ポテンシャル情報取得部115は、粗視化モデル全体の引力ポテンシャルのコスト値を算出するためのハミルトニアンを取得する。
Figure 2023139732000007
なお、上式(6)において、Pω(a)ω(b)は、粗視化粒子間の引力ポテンシャルの距離ごとのコスト値を表している。
具体的には、第5ポテンシャル情報取得部115は、水素結合のような相互作用が粗視化粒子間の分子間で働いていると推定される場合に適用される、引力ポテンシャルのコスト値を取得する。また、第5ポテンシャル情報取得部115は、SS結合のような明確な結合が粗視化粒子間に存在する場合に設定される、粗視化粒子間の結合を保証する制約を取得する。
図5の符号520は、第5ポテンシャル情報取得部115が取得したコスト値であって、粗視化粒子間の分子間で相互作用が働いている場合に適用される、引力ポテンシャルの距離ごとのコスト値の一例である。なお、符号520に示すように、第5ポテンシャル情報取得部115が取得するコスト値であって、粗視化粒子間の分子間に相互作用が働いていない場合の引力ポテンシャルのコスト値は、ゼロとなる。いずれのコスト値も、上式(6)において、j>i+3(ただし、i、jは指定)の場合に適用される。
(6)コスト演算式生成部の詳細
次に、コスト演算式生成部116の詳細について説明する。図6は、コスト演算式生成部の詳細を示す図である。図6に示すように、本実施形態では、
・粗視化粒子間の相互作用ポテンシャルの距離ごとのコスト値、及び、L体とD体との違いに応じたコスト値、
・粗視化粒子間の角度に応じたポテンシャルの角度ごとのコスト値、
・粗視化粒子間の二面角に応じたポテンシャルの二面角ごとのコスト値、
・粗視化粒子間の斥力ポテンシャルの距離ごとのコスト値、
・粗視化粒子間の引力ポテンシャルの距離ごとのコスト値、
を、粗視化粒子の格子空間内の座標を表すbit間に与えて、総コスト値の算出を実現するコスト演算式として、コスト演算式生成部116では、各ハミルトニアンを結合し、
Figure 2023139732000008
を生成する。
また、コスト演算式生成部116では、
・生成したコスト演算式、
・粗視化粒子間の相互作用ポテンシャルの距離ごとのコスト値、及び、L体とD体との違いに応じたコスト値、
・粗視化粒子間の角度に応じたポテンシャルの角度ごとのコスト値(符号410)、
・粗視化粒子間の二面角に応じたポテンシャルの二面角ごとのコスト値(符号420)、
・粗視化粒子間の斥力ポテンシャルの距離ごとのコスト値(符号511、512)、
・粗視化粒子間の引力ポテンシャルの距離ごとのコスト値(符号520)、
を、探索用情報として実行指示部118に通知する。
これにより、実行指示部118では、コスト演算式生成部116により通知された探索用情報に、探索対象情報取得部117より通知された粗視化モデルを加えて、イジング装置120に送信し、安定構造の探索を指示する。
(7)評価部の詳細及び評価結果
次に、評価部119の詳細及び評価結果について説明する。図7は、評価部の詳細及び評価結果の一例を示す図である。図7に示すように、評価部119は、探索用情報取得部711、求解時間取得部712、最小コスト取得部713、探索結果取得部714、RMSD算出部715、出力部716を有する。
探索用情報取得部711は、実行指示部118がイジング装置120に対して、粗視化モデルの安定構造を探索するよう指示した際にイジング装置120に送信した、探索用情報を取得する。
求解時間取得部712は、実行指示部118がイジング装置120に対して、粗視化モデルの安定構造を探索するよう指示してから、探索結果を取得するまでの求解時間を取得する。
最小コスト取得部713は、イジング装置120が安定構造を探索した際に算出した、所定の条件を満たす総コスト値を取得する。
探索結果取得部714は、イジング装置120が出力した探索結果を取得する。図7の符号721及び符号722は、取得した探索結果の一例である。
RMSD算出部715は、探索対象が既知の粗視化モデルであった場合に、
・探索結果取得部714が取得した探索結果と、
・当該探索結果に対応する実測情報(実測情報格納部717に予め格納されている実測構造(例えば、符号723))と、
に基づいてRMSDを算出する。
出力部716は、評価部119が有する各部において取得または算出された情報を、評価結果として出力する。図7において、評価結果730は、出力部716により出力された評価結果の一例である。
図7に示すように、出力部716が出力する評価結果730には、情報の項目として、"粗視化モデルの種類"、"粗視化粒子の数"、"ビット数"、"求解時間"、"比較例"、"今回"が含まれる。
"粗視化モデルの種類"には、粗視化モデルの種類を示す情報が格納される。図7の例は、評価部119が、4種類の粗視化モデルについて評価したことを示している。
"粗視化粒子の数"には、対応する粗視化モデルが有する粗視化粒子の数が格納される。図7の例は、種類="A"、"B"の粗視化モデルは、粗視化粒子の数が8個の粗視化モデルであり、種類="C"、"D"の粗視化モデルは、粗視化粒子の数が16個の粗視化モデルであることを示している。
"ビット数"には、対応する粗視化モデルについて安定構造を探索した際の計算量が格納される。"求解時間"には、対応する粗視化モデルについて安定構造を探索した際の求解時間が格納される。
"比較例"には、対応する粗視化モデルについて、コスト演算式として、上式(1)を用いて安定構造を探索した場合の、最小の総コスト値とその解におけるRMSDとが格納される。
"今回"には、対応する粗視化モデルについて、コスト演算式として、上式(7)を用いて安定構造を探索した場合の、最小の総コスト値とその解におけるRMSDとが格納される。
評価結果730に示すように、いずれの粗視化モデルにおいても、比較例よりも今回の方が、最小の総コスト値の解におけるRMSDが小さい値となっている。つまり、第1の実施形態に係る安定構造探索システム100によれば、粗視化モデルの安定構造を探索する際の探索精度を向上させることができる。
なお、図7の例では、評価結果の情報の項目として、"粗視化モデルの種類"、"粗視化粒子の数"、"ビット数"、"求解時間"、"比較例"、"今回"を出力したが、評価結果として出力する情報の項目はこれらに限定されない。例えば、探索結果(符号721、722)や実測構造(符号723)等を評価結果として出力してもよい。
<安定構造探索処理の流れ>
次に、端末装置110による安定構造探索処理の流れについて説明する。図8及び図9は、安定構造探索処理の流れを示す第1及び第2のフローチャートである。
ステップS801において、端末装置110は、粗視化モデル全体の相互作用ポテンシャルのコスト値を算出するためのハミルトニアンを取得する。
ステップS802において、端末装置110は、粗視化粒子間の距離ごとの相互作用ポテンシャルのコスト値を取得する。
ステップS803において、端末装置110は、粗視化モデル全体のL体、D体に応じたコスト値を算出するためのハミルトニアンを取得する。
ステップS804において、端末装置110は、粗視化粒子のL体、D体に応じたコスト値を取得する。
ステップS805において、端末装置110は、粗視化モデル全体の角度に応じたポテンシャルのコスト値を算出するためのハミルトニアンを取得する。
ステップS806において、端末装置110は、探索対象の粗視化モデルに含まれる粗視化粒子の数や形状等の特徴が比較的類似している既知のペプチドの構造データを収集する。
ステップS807において、端末装置110は、収集した構造データについて、角度ごとの出現頻度を集計することで、粗視化粒子間の角度ごとのコスト値を取得する。
ステップS808において、端末装置110は、収集した構造データについて、二面角ごとの出現頻度を集計することで、粗視化粒子間の二面角ごとのコスト値を取得する。
続いて、図9のステップS901において、端末装置110は、粗視化モデル全体の斥力ポテンシャルのコスト値を算出するためのハミルトニアンを取得する。
ステップS902において、端末装置110は、粗視化粒子の数が10以上の場合に適用される、i番目の粗視化粒子とi+3番目の粗視化粒子との間の距離ごとの斥力ポテンシャルのコスト値を取得する。
ステップS903において、端末装置110は、粗視化粒子の数が10未満の場合に適用される、i番目の粗視化粒子とi+3番目の粗視化粒子との間の距離ごとの斥力ポテンシャルのコスト値を取得する。
ステップS904において、端末装置110は、粗視化粒子の数に関わらず適用される、i番目の粗視化粒子とi+4番目の粗視化粒子との間の距離ごとの斥力ポテンシャルのコスト値を取得する。
ステップS905において、端末装置110は、粗視化モデル全体の引力ポテンシャルのコスト値を算出するためのハミルトニアンを取得する。
ステップS906において、端末装置110は、取得した各ハミルトニアンを結合することで、粗視化モデル全体の総コスト値を算出するためのコスト演算式を生成する。
ステップS907において、端末装置110は、既知の粗視化モデルを用いて粗視化粒子間のコスト値を調整する調整処理を行う。なお、調整処理の詳細は、図10を用いて後述する。
ステップS908において、端末装置110は、探索対象の粗視化モデルについて安定構造の探索を指示する。端末装置110では、探索を指示するにあたり、コスト演算式、各コスト値、探索対象の粗視化モデルを含む探索用情報を、イジング装置120に送信する。
ステップS909において、端末装置110は、イジング装置120から、探索対象の粗視化モデルについて、探索結果等を取得する。
ステップS910において、端末装置110は、取得した探索結果等を用いて、探索対象の粗視化モデルの安定構造について評価し、評価結果を出力する。
<調整処理の詳細>
次に、図9の調整処理(ステップS907)の詳細について説明する。図10は、調整処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1001において、端末装置110は、既知の粗視化モデルについて、安定構造の探索を指示する。
ステップS1002において、端末装置110は、イジング装置120から、既知の粗視化モデルについて、探索結果等を取得する。
ステップS1003において、端末装置110は、取得した探索結果等を評価し、総コスト値と、RMSDとの間に相関があるか否かを判定する。
ステップS1003において、相関がないと判定された場合には(ステップS1003においてNOの場合には)、ステップS1004に進む。
ステップS1004において、端末装置110は、粗視化粒子間のコスト値を調整した後、ステップS1001に戻る。
一方、ステップS1003において、相関があると判定された場合には(ステップS1003においてYESの場合には)、調整処理を終了し、図9のステップS908に戻る。
以上の説明から明らかなように、第1の実施形態に係る端末装置110は、
・粗視化粒子間の相互作用ポテンシャルのコスト値と、
・粗視化粒子間の角度及び二面角に応じたポテンシャルのコスト値と、
・粗視化粒子間の斥力及び引力に応じたポテンシャルのコスト値と、
を取得する。また、第1の実施形態に係る端末装置110は、取得した各コスト値のもとで、粗視化モデル全体に対して算出される各ポテンシャルのコスト値の総和(総コスト値)が、所定の条件を満たす粗視化モデルの構造を探索するよう、イジング装置に指示する。
このように、第1の実施形態に係る端末装置110では、粗視化モデルの安定構造を探索する際、相互作用ポテンシャルに加えて、角度、二面角、斥力、引力に応じたポテンシャルを加味した総コスト値を用いて安定構造を探索するよう指示する。
これにより、第1の実施形態によれば、粗視化モデルの安定構造を探索する際の探索精度を向上させることができる。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、探索結果等を評価するまでの処理について説明した。これに対して、第2の実施形態では、探索結果等を用いて、分子動力学計算を実行するまでの処理について説明する。なお、説明は、上記第1の実施形態との相違点を中心に行う。
<安定構造探索システムのシステム構成、端末装置及びイジング装置の機能構成>
はじめに、第2の実施形態に係る安定構造探索システムのシステム構成及び安定構造探索システムを構成する端末装置及びイジング装置の機能構成について説明する。図11は、安定構造探索システムのシステム構成、端末装置及びイジング装置の機能構成の一例を示す第2の図である。上記第1の実施形態との相違点は、端末装置110が、評価部119に代えて、全原子化部1101及び分子動力学計算部1102を有する点である。
全原子化部1101は、実行指示部118が受信した探索結果(安定構造を有する粗視化モデル)を取得し、主鎖粒子を全原子化する。また、全原子化部1101は、主鎖粒子を全原子化した探索結果を、分子動力学計算処理を行う際の初期構造として、分子動力学計算部1102に入力する。
分子動力学計算部1102は、全原子化部1101により入力された初期構造を用いて分子動力学計算処理を行う。
<安定構造探索処理の流れ>
次に、端末装置110による安定構造探索処理の流れについて説明する。なお、第2の実施形態における安定構造探索処理においても、図8に示した処理については、上記第1の実施形態と同様に実行されるものとする。一方、図9に示した処理については、上記第1の実施形態とは異なる処理実行されるものとする。
図12は、安定構造探索処理の流れを示す第3のフローチャートであり、上記第1の実施形態において説明した第2のフローチャート(図9)に対応している。図9との相違点は、図12の場合、ステップS910に代えて、ステップS1201とステップS1202とが追加されている点である。
ステップS1201において、端末装置110は、探索結果(安定構造を有する粗視化モデル)の主鎖粒子を全原子化する。
ステップS1202において、端末装置110は、主鎖粒子が全原子化された探索結果を初期構造として分子動力学計算処理を行う。
以上の説明から明らかなように、第2の実施形態に係る端末装置110は、上記第1の実施形態に係る端末装置110の機能に加えて、探索結果の主鎖粒子を全原子化し、分子動力学計算処理の初期構造として入力する機能を有する。
これにより、第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様の効果を享受することができるとともに、適切な分子動力学計算処理を実行することが可能になる。
[その他の実施形態]
上記各実施形態では、安定構造探索システム100が端末装置110とイジング装置120とにより形成されるものとして説明した。しかしながら、安定構造探索システム100は、端末装置110とイジング装置120以外の装置(つまり、3台以上の装置)により形成されてもよい。あるいは、安定構造探索システム100は、端末装置110とイジング装置120とが一体化された装置(つまり、1台の装置)により形成されてもよい。
また、上記第1の実施形態では、端末装置110が、第1ポテンシャル情報取得部111~評価部119を有し、イジング装置120が、組み合わせ最適化部121を有するものとして説明した。しかしながら、端末装置110の一部の機能は、イジング装置120において実現されてもよい。あるいは、イジング装置120の一部の機能は、端末装置110において実現されてもよい。
なお、開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
粗視化された粒子間の相互作用に応じた第1ポテンシャルの第1コスト値と、前記粒子間の角度及び二面角に応じた第2ポテンシャルの第2コスト値と、前記粒子間の斥力及び引力に応じた第3ポテンシャルの第3コスト値とを取得し、
複数粒子を含む粗視化モデル全体に対して算出される前記第1コスト値、前記第2コスト値及び前記第3コスト値の総和が、所定の条件を満たす前記粗視化モデルの構造を探索するよう、イジング装置に指示する、
処理をコンピュータに実行させるための探索プログラム。
(付記2)
前記第2ポテンシャルの前記第2コスト値には、
既知の分子構造の構造データから、主鎖粒子がなす各角度の出現頻度に基づいて導出された、前記粒子間の角度ごとの第4コスト値と、
既知の分子構造の構造データから、主鎖粒子がなす各二面角の出現頻度に基づいて導出された、前記粒子間の二面角ごとの第5コスト値と
が含まれる、付記1に記載の探索プログラム。
(付記3)
前記第3ポテンシャルの前記第3コスト値には、
i番目の粒子と、i+3番目の粒子との間の斥力に応じたポテンシャルの距離ごとの第6コスト値が含まれる、付記1に記載の探索プログラム。
(付記4)
前記第6コスト値は、前記複数粒子の数により異なる、付記3に記載の探索プログラム。
(付記5)
前記第3ポテンシャルの前記第3コスト値には、
i番目の粒子と、i+4番目の粒子との間の斥力に応じたポテンシャルの距離ごとの第7コスト値が含まれる、付記1に記載の探索プログラム。
(付記6)
前記i番目の粒子と、i+4番目の粒子との間の斥力に応じたポテンシャルの距離ごとの前記第7コスト値は、所定の距離以上がゼロである、付記5に記載の探索プログラム。
(付記7)
前記第3ポテンシャルの前記第3コスト値には、
前記粒子間に相互作用があると判定された場合に適用される、前記粒子間の引力に応じたポテンシャルの距離ごとの第8コスト値が含まれる、付記1に記載の探索プログラム。
(付記8)
前記粗視化モデル全体に対する前記第1コスト値を算出するための第1ハミルトニアン、前記粗視化モデル全体に対する前記第2コスト値を算出するための第2ハミルトニアン、前記粗視化モデル全体に対する前記第3コスト値を算出するための第3ハミルトニアン、を取得し、
前記第1ハミルトニアン、前記第2ハミルトニアン及び前記第3ハミルトニアンを用いて、前記総和を算出するよう、前記イジング装置に指示する、
処理をコンピュータに実行させる、付記1に記載の探索プログラム。
(付記9)
前記イジング装置に指示したことに応じて、前記総和が所定の条件を満たす前記粗視化モデルの構造を探索結果として取得する、処理をコンピュータに実行させるための付記1に記載の探索プログラム。
(付記10)
安定構造が既知の粗視化モデルについて取得した探索結果と、前記安定構造が既知の粗視化モデルについて実測した構造とに基づいて、RMSDを算出し、評価結果として出力する、処理をコンピュータに実行させるための付記9に記載の探索プログラム。
(付記11)
前記総和が最小となる前記粗視化モデルの構造を探索結果として取得し、主鎖粒子を全原子化することで、分子動力学計算処理の初期構造として出力する、処理をコンピュータに実行させるための付記9に記載の探索プログラム。
(付記12)
粗視化された粒子間の相互作用に応じた第1ポテンシャルの第1コスト値と、前記粒子間の角度及び二面角に応じた第2ポテンシャルの第2コスト値と、前記粒子間の斥力及び引力に応じた第3ポテンシャルの第3コスト値とを取得する取得部と、
複数粒子を含む粗視化モデル全体に対して算出される前記第1コスト値、前記第2コスト値及び前記第3コスト値の総和が、所定の条件を満たす前記粗視化モデルの構造を探索するよう、イジング装置に指示する指示部と
を有する探索装置。
(付記13)
粗視化された粒子間の相互作用に応じた第1ポテンシャルの第1コスト値と、前記粒子間の角度及び二面角に応じた第2ポテンシャルの第2コスト値と、前記粒子間の斥力及び引力に応じた第3ポテンシャルの第3コスト値とを取得し、
複数粒子を含む粗視化モデル全体に対して算出される前記第1コスト値、前記第2コスト値及び前記第3コスト値の総和が、所定の条件を満たす前記粗視化モデルの構造を探索するよう、イジング装置に指示する、
処理をコンピュータが実行する探索方法。
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせ等、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
100 :安定構造探索システム
110 :端末装置
111 :第1ポテンシャル情報取得部
112 :第2ポテンシャル情報取得部
113 :第3ポテンシャル情報取得部
114 :第4ポテンシャル情報取得部
115 :第5ポテンシャル情報取得部
116 :コスト演算式生成部
117 :探索対象情報取得部
118 :実行指示部
119 :評価部
120 :イジング装置
121 :組み合わせ最適化部
711 :探索用情報取得部
712 :求解時間取得部
713 :最小コスト取得部
714 :探索結果取得部
715 :RMSD算出部
716 :出力部
1001 :全原子化部
1002 :分子動力学計算部

Claims (11)

  1. 粗視化された粒子間の相互作用に応じた第1ポテンシャルの第1コスト値と、前記粒子間の角度及び二面角に応じた第2ポテンシャルの第2コスト値と、前記粒子間の斥力及び引力に応じた第3ポテンシャルの第3コスト値とを取得し、
    複数粒子を含む粗視化モデル全体に対して算出される前記第1コスト値、前記第2コスト値及び前記第3コスト値の総和が、所定の条件を満たす前記粗視化モデルの構造を探索するよう、イジング装置に指示する、
    処理をコンピュータに実行させるための探索プログラム。
  2. 前記第2ポテンシャルの前記第2コスト値には、
    既知の分子構造の構造データから、主鎖粒子がなす各角度の出現頻度に基づいて導出された、前記粒子間の角度ごとの第4コスト値と、
    既知の分子構造の構造データから、主鎖粒子がなす各二面角の出現頻度に基づいて導出された、前記粒子間の二面角ごとの第5コスト値と
    が含まれる、請求項1に記載の探索プログラム。
  3. 前記第3ポテンシャルの前記第3コスト値には、
    i番目の粒子と、i+3番目の粒子との間の斥力に応じたポテンシャルの距離ごとの第6コスト値が含まれる、請求項1に記載の探索プログラム。
  4. 前記第6コスト値は、前記複数粒子の数により異なる、請求項3に記載の探索プログラム。
  5. 前記第3ポテンシャルの前記第3コスト値には、
    i番目の粒子と、i+4番目の粒子との間の斥力に応じたポテンシャルの距離ごとの第7コスト値が含まれる、請求項1に記載の探索プログラム。
  6. 前記第3ポテンシャルの前記第3コスト値には、
    前記粒子間に相互作用があると判定された場合に適用される、前記粒子間の引力に応じたポテンシャルの距離ごとの第8コスト値が含まれる、請求項1に記載の探索プログラム。
  7. 前記粗視化モデル全体に対する前記第1コスト値を算出するための第1ハミルトニアン、前記粗視化モデル全体に対する前記第2コスト値を算出するための第2ハミルトニアン、前記粗視化モデル全体に対する前記第3コスト値を算出するための第3ハミルトニアン、を取得し、
    前記第1ハミルトニアン、前記第2ハミルトニアン及び前記第3ハミルトニアンを用いて、前記総和を算出するよう、前記イジング装置に指示する、
    処理をコンピュータに実行させる、請求項1に記載の探索プログラム。
  8. 前記イジング装置に指示したことに応じて、前記総和が所定の条件を満たす前記粗視化モデルの構造を探索結果として取得する、処理をコンピュータに実行させるための請求項1に記載の探索プログラム。
  9. 前記総和が最小となる前記粗視化モデルの構造を探索結果として取得し、主鎖粒子を全原子化することで、分子動力学計算処理の初期構造として出力する、処理をコンピュータに実行させるための請求項8に記載の探索プログラム。
  10. 粗視化された粒子間の相互作用に応じた第1ポテンシャルの第1コスト値と、前記粒子間の角度及び二面角に応じた第2ポテンシャルの第2コスト値と、前記粒子間の斥力及び引力に応じた第3ポテンシャルの第3コスト値とを取得する取得部と、
    複数粒子を含む粗視化モデル全体に対して算出される前記第1コスト値、前記第2コスト値及び前記第3コスト値の総和が、所定の条件を満たす前記粗視化モデルの構造を探索するよう、イジング装置に指示する指示部と
    を有する探索装置。
  11. 粗視化された粒子間の相互作用に応じた第1ポテンシャルの第1コスト値と、前記粒子間の角度及び二面角に応じた第2ポテンシャルの第2コスト値と、前記粒子間の斥力及び引力に応じた第3ポテンシャルの第3コスト値とを取得し、
    複数粒子を含む粗視化モデル全体に対して算出される前記第1コスト値、前記第2コスト値及び前記第3コスト値の総和が、所定の条件を満たす前記粗視化モデルの構造を探索するよう、イジング装置に指示する、
    処理を実行する探索方法。
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