JP2023137633A - ガス検知方法およびガス検知装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023137633000001
【課題】容易かつ実用的な手法で、精度良く蓄電デバイスでのガスの発生を検知することを目的とする。
【解決手段】蓄電デバイス1の電流値または電圧値を変化させる準備工程と、準備工程における電流値または電圧値の変化を開始してから所定の第1時間が経過した際の内部抵抗である第1内部抵抗R1を取得する第1測定工程と、準備工程における電流値または電圧値の変化を開始してから第1時間より所定の時間以上大きな第2時間が経過した際の内部抵抗である第2内部抵抗R2を取得する第2測定工程と、第2内部抵抗R2から第1内部抵抗R1を減算した差分抵抗値RGを算出する演算工程と、差分抵抗値RGに基づいて、蓄電デバイス1内でのガスの発生を検知する検知工程とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、二次電池内で発生するガスを検知するガス検知方法およびガス検知装置に関する。
リチウムイオン電池(LIB:Lithium-Ion Battery)ビジネスは、その高エネルギー密度、高電圧、安全性素養等を活かし、携帯機器の小型・軽量化、高機能化(利便性の追求)等を目的とした絶え間ない技術開発により飛躍的伸長を成し遂げた。地球環境問題および資源問題がクローズアップされる今、エコカーの普及促進、再生可能エネルギーへの転換等の政策が、今後もリチウムイオン電池市場成長を牽引していくと予想される。一方、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、定置用蓄電システム(再生可能エネルギーの平準化等)に向けリチウムイオン電池が適用される場合、必要になるリチウムイオン電池は2030年には凡そ2018年の10倍となると予想され、資源の不足等による電池コストの急騰等も懸念される。
これら課題を解決する一つの方法として、リチウムイオン電池等の電池(二次電池/蓄電デバイス)のリユース(二次利用)、EVのシェアリングなどが提案されているが、これらを実現するためには、同じ電池を長く使う長寿命化技術が必要となる。電池の長寿命化には、電池そのものを長寿命化するアプローチ(電池の設計)と、電池をうまく使いこなして長寿命化するアプローチ(電池の運用)が考えられる。後者のアプローチでは電池の冷却、低温充電時の加温・充電電流の制御、電池の充放電範囲の制御など多くの手法があるものの、運用履歴(経年)により変化していく電池のSOH(State of Health)をセンシングし、その時々の状態(SOH)に応じて電池を制御し、劣化を防止する手法が望まれている。
現状、SOHは、温度、そして電流・電圧・時間計測結果から計算されるSOC(State of Charge)・電池容量(容量劣化)であり、一部で電池の内部抵抗も用いられる場合もある。
電池内で副反応が生じると、電池容量劣化を生じる前に、ガスが発生しているケースがほとんどである。ガスが発生すると電池の電槽内圧力が上昇し始める。ガス抜けが悪い場合や、電槽が充分に膨らむことができない状態(大型電池は拘束され用いられる)では、電極間にガスが溜まり、電池が均一に反応できなくなり(反応偏在が生じ)、急激な容量低下を伴う二次劣化が生じる。ガスの発生有無やガスの発生状況をSOHに加え、SOHに応じて電池を制御し、劣化を防止できれば、電池の長寿命化が可能となる。ガスを検知する手法としては、直接電池内のガス圧力を測定する方法、電池パック内の圧力をセンシングする方法などが考えられる。また、特許文献1には交流インピーダンスを測定することによりガスの発生を検知する方法が開示され、特許文献2には充電時の抵抗に基づく電圧変化からガスの発生を検知する方法が開示されている。
特開平10-92473号公報 特開2013-89311号公報
しかしながら、上記の直接電池内のガス圧力や電池パック内の圧力を測定する方法では、ガスセンサー、圧力センサー等を用いる必要がありガスを簡便に検出することが困難である。また、上記の交流インピーダンスからガスの発生を検知する手法では、装置構成が大きくなり、簡便にガスの発生を検知することができない。また、抵抗に基づく電圧変化からガスの発生を検知する手法では、ガスを検知するための処理が煩雑で、容易にガスの発生を検知することができない。
本発明は、上記問題点を解決するために、容易かつ実用的な手法で、精度良く蓄電デバイスでのガスの発生を検知することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係るガス検知方法の特徴構成は、蓄電デバイスの電流値または電圧値を変化させる準備工程と、前記準備工程における電流値または電圧値の変化を開始してから所定の第1時間が経過した際の内部抵抗である第1内部抵抗を取得する第1測定工程と、前記準備工程における電流値または電圧値の変化を開始してから前記第1時間より所定の時間以上大きな第2時間が経過した際の内部抵抗である第2内部抵抗を取得する第2測定工程と、前記第2内部抵抗から前記第1内部抵抗を減算した差分抵抗値を算出する演算工程と、前記差分抵抗値に基づいて、前記蓄電デバイス内でのガスの発生を検知する検知工程とを備える点にある。
このような構成により、ガスの発生を内部抵抗の時間依存性を解析することにより容易に確認することができ、容易かつ実用的な手法で、精度良く蓄電デバイスでのガスの発生を検知することができる。
また、前記準備工程における電流値または電圧値の変化は、前記蓄電デバイスに対する充電中における充電の停止または前記蓄電デバイスに対する放電中における放電の停止によって実行されてもよい。
このような構成により、容易かつ安定的に準備工程を実施することができ、容易かつ実用的な手法で、精度良く蓄電デバイスでのガスの発生を検知することができる。
また、前記検知工程において、前記差分抵抗値があらかじめ定められた所定のしきい値より大きい場合に、前記ガスが発生したと判断されてもよい。
このような構成により、容易にガスが発生したことを検知することができる。
また、前記準備工程、前記第1測定工程、前記第2測定工程、前記演算工程、および前記検知工程を1つの検知サイクルとして、前記検知サイクルが断続的に行われ、それぞれの前記検知工程において、前記差分抵抗値があらかじめ定められた所定のしきい値より大きい場合に、その前記検知工程において前記ガスが発生したと判断されてもよい。
このような構成により、容易にガスが発生したことを検知することができる。
また、それぞれの前記検知工程において、前記しきい値が、直前の前記検知サイクル以前に算出された前記差分抵抗値に基づいて算出されてもよい。
このような構成により、容易に差分抵抗値の時間依存性を判断することができ、容易かつ実用的な手法で、精度良く蓄電デバイスでのガスの発生を検知することができる。
また、前記しきい値は、最初に行われた前記検知サイクルにおける前記差分抵抗値であってもよい。
このような構成により、より容易かつ精度良く差分抵抗値の時間依存性を判断することができ、容易かつ実用的な手法で、精度良く蓄電デバイスでのガスの発生を検知することができる。
また、前記準備工程、前記第1測定工程、前記第2測定工程、前記演算工程、および前記検知工程を1つの検知サイクルとして、前記検知サイクルが断続的に行われ、それぞれの前記検知工程において、その前記検知サイクルで算出された前記差分抵抗値から最初の前記検知サイクルで算出された前記差分抵抗値を減じた値が0より大きい場合に、その前記検知工程において前記ガスが発生したと判断されてもよい。
このような構成により、より容易かつ精度良く内部抵抗の時間依存性を判断することができ、容易かつ実用的な手法で、精度良く蓄電デバイスでのガスの発生を検知することができる。
また、前記第2時間は、前記準備工程を開始してから、前記内部抵抗が定常状態の80%以上となる所定の前記内部抵抗になるまでの時間に設定されてもよい。
このような構成により、第2時間を適切に設定し、精度良く蓄電デバイスでのガスの発生を検知することができる。
また、前記第1時間は、前記準備工程を開始してから、前記内部抵抗が定常状態の10%以上で40%以下となる所定の前記内部抵抗になるまでの時間に設定されてもよい。
このような構成により、第1時間を適切に設定し、精度良く蓄電デバイスでのガスの発生を検知することができる。
また、前記第1時間は10ミリ秒以上3秒以下に設定され、前記第2時間は5秒以上600秒以下に設定されてもよい。
このような構成により、第1時間および第2時間を適切に設定し、精度良く蓄電デバイスでのガスの発生を検知することができる。
また、前記準備工程、前記第1測定工程、前記第2測定工程、前記演算工程、および前記検知工程は、所定の温度範囲に前記蓄電デバイスが維持された状態で行われてもよい。
このような構成により、温度範囲に応じた適切な第1時間、第2時間、判定条件でガスの検知を行うことができ、精度良く蓄電デバイスでのガスの発生を検知することができる。
さらに、本発明の一実施形態に係るガス検知装置の特徴構成は、充放電可能な蓄電デバイスにおけるガスの発生を検知するガス検知装置であって、前記蓄電デバイスの電流値および電圧値の少なくともいずれかを制御する電流・電圧制御部と、前記蓄電デバイスの電圧値を測定する電圧計と、前記蓄電デバイスを流れる電流値を測定する電流計と、前記蓄電デバイスの電流値または電圧値を変化させてから所定の第1時間が経過するまでの電圧値の変化量、および、電流値または電圧値を変化させた際の電流値の変化量から前記蓄電デバイスの内部抵抗である第1内部抵抗を測定し、電流値または電圧値を変化させてから前記第1時間より所定の時間大きな第2時間が経過するまでの電圧値の変化量、および、電流値または電圧値を変化させた際の電流値の変化量から前記蓄電デバイスの内部抵抗である第2内部抵抗を測定する抵抗演算部と、前記第2内部抵抗から前記第1内部抵抗を減算した差分抵抗値を算出し、前記差分抵抗値に基づいて、前記蓄電デバイス内でのガスの発生を検知する検知部とを備える点にある。
このような構成により、ガスの発生に起因する内部抵抗の時間依存性を容易に確認することができ、容易かつ実用的な手法で、精度良く蓄電デバイスでのガスの発生を検知することができる。
電圧値または電流値を変化させた際の電圧の時間変化を例示する図である。 ガスの発生を検知する構成を例示する図である。 ガス検知方法のフローを例示する図である。 実験により取得されたデータをまとめた表を示す図である。 実験結果による容量劣化の時間推移とガスが発生しない状態での容量劣化の理論時間推移を示す図である。 第1内部抵抗の時間変化とガス発生量の時間変化とを示す図である。 第2内部抵抗の時間変化とガス発生量の時間変化とを示す図である。 抵抗値変化量の時間変化とガス発生量の時間変化とを示す図である。 電池制御の変更による容量劣化の改善を例示する図である。
リチウムイオン電池1(図2参照)等の蓄電デバイス(二次電池)は、蓄電デバイスの長寿命化や、状況に応じた適切な使用を行うために、SOHや劣化度が測定される。蓄電デバイスの劣化は種々の原因が複合的に影響される。
蓄電デバイスの劣化を判断する一つの手法として、蓄電デバイスの内部抵抗の時間依存性が用いられる。内部抵抗の時間依存性は、蓄電デバイスの電圧値または電流値を変化させ、電圧値または電流値を変化させてからあらかじめ設定したt1秒が経過した時点での蓄電デバイスの内部抵抗を測定することにより求められる。この内部抵抗の時間依存性により、蓄電デバイスの劣化が判断される。
蓄電デバイスの内部抵抗は、蓄電デバイスの電圧値または電流値が変化すると変化し、電池反応が定常状態になったときにその値は一定値に収束する。この際、時間tにおける抵抗値がt秒率抵抗と表現される。また、抵抗はデバイス温度により異なり、低温になるにつれて大きくなる。従って、蓄電デバイスの内部抵抗は時間と温度の関数として表すことができる。
蓄電デバイスの内部抵抗の時間依存性は、その抵抗を発生させる事象(劣化原因)に基づいて定まる。電子やイオンの移動による抵抗は比較的早い時間に現れ、電極活物質表面での反応(電荷移動)、拡散、平衡に起因する抵抗は遅い時間に現れる。この時間依存性は蓄電デバイスの種類、活物質、電極構成、温度などにより依存するが、例えば、リチウムイオン電池1の場合、25℃であれば、電子やイオンの移動による抵抗、電極活物質表面での反応は1秒程度の内部抵抗に含まれる。
蓄電デバイスの内部でガスが発生すると蓄電デバイスの内部抵抗が上昇する。しかしながら、ガスの発生と蓄電デバイスの内部抵抗との因果関係が明確ではないため、内部抵抗を用いて、直接的にガスの発生を検知することは困難であった。
発明者らは、鋭意研究の結果、経過時間tx(図1参照)の異なる2つのt秒率抵抗の差が、ガス発生量との間で良好な相関があることを見出した。すなわち、発明者らは、蓄電デバイスの電圧値または電流値を変化させ、電圧値または電流値を変化させてからあらかじめ設定した経過時間txである第1時間t1秒が経過した時点での蓄電デバイスの第1内部抵抗(t1秒率抵抗)をR1(後述の図2参照)、電圧値または電流値を変化させてからあらかじめ設定した経過時間txである第2時間t2秒が経過した時点での蓄電デバイスの第2内部抵抗(t2秒率抵抗)をR2(図2参照)としたとき(t1<t2)、R2-R1に基づいて、蓄電デバイスの内部でガスが発生したことを検知できることを見出した。
例えば、図1に示すように、経過時間t0において、電圧値または電流値を変化させ始める。電圧値または電流値を変化させると、蓄電デバイスの電圧は不規則に急激に上昇した後、所定の定常電圧Vr(定常状態)になだらかに収束していく。
この際、電圧値または電流値の変化が開始されてからの経過時間txとして、電圧が急激に上昇する期間を超えた時間である第1時間t1となった際の、蓄電デバイスの電圧値V1が測定される。また、経過時間txが第1時間t1より所定の時間以上大きな第2時間t2になった際の、蓄電デバイスの電圧値V2が測定される。なお、電圧値V1および電圧値V2は、電圧値または電流値の変化が開始された時点での電圧値V0に対する電位差である。つまり、電圧値V1は電圧値または電流値の変化が開始されてから第1時間t1が経過するまでの電圧値の変化量であり、電圧値V2は電圧値または電流値の変化が開始されてから第2時間t2が経過するまでの電圧値の変化量である。
さらに、電圧値または電流値を変化させた際の電流値の変化量ΔIと、電圧値V1および電圧値V2とから、オームの法則を用いて、第1時間t1における第1内部抵抗R1および第2時間t2における第2内部抵抗R2が算出される。つまり、電圧値V1を電流値の変化量ΔIで除すことにより第1内部抵抗R1が算出され(R1=V1/ΔI)、電圧値V2を電流値の変化量ΔIで除すことにより第2内部抵抗R2が算出される(R2=V2/ΔI)。
そして、第2内部抵抗R2から第1内部抵抗R1を減算した差分抵抗値RG(図2参照)に基づいて、所定の基準を用いて、蓄電デバイスの内部でガスが発生したことを検知する。
このように、電圧値(内部抵抗)が定常状態に近づいた際の内部抵抗である第2内部抵抗R2から、電圧値(内部抵抗)が急激に変化する状態の直後の内部抵抗である第1内部抵抗R1を減じた差分抵抗値RGに基づいてガスの検知が行われる。発明者らは、このような手法により、精度良くガスの発生を検知できることを見出した。これは、ガスの発生による内部抵抗への影響が、電圧値(内部抵抗)が急激に変化する状態では小さく、電圧値(内部抵抗)が定常状態に近づいた状態でガスの発生による内部抵抗への影響が大きくなるためであると思われる。そして、差分抵抗値RGを求めることにより、ガスの発生以外に起因する内部抵抗への影響を抑制(排除)し、ガスの発生による内部抵抗への影響を顕在化させることができるため、精度良くガスの発生を検知できると思われる。
以下、差分抵抗値RGに基づいて蓄電デバイスの内部でのガスの発生を検知する具体的な実施例について説明する。
〔ガス検知装置〕
まず、図1を参照しながら、図2を用いて、蓄電デバイスの内部でのガスの発生を検知するガス検知装置の構成例について説明する。
リチウムイオン電池1は、充放電可能な蓄電デバイスの一例であり、電源2から電力の供給を受けて充電される。リチウムイオン電池1は、充電された電力を放電することにより、電力消費対象である各種の機器3に電力を供給する。
ガス検知装置は、電圧計7と、電流計8と、充放電制御部9(「電流・電圧制御部」に相当)と、電流値・電圧値取得部11と、抵抗演算部12と、検知部15と、記憶部16とから構成される。
電圧計7はリチウムイオン電池1に並列に接続され、リチウムイオン電池1の電圧値を測定する。電流計8はリチウムイオン電池1に直列に接続され、リチウムイオン電池1の電流値を測定する。
充放電制御部9は、電源2とスイッチ18とを制御し、リチウムイオン電池1の充放電を制御すると共に、リチウムイオン電池1の電圧値および電流値を制御する。充放電制御部9は、リチウムイオン電池1を充電する際にはスイッチ18を制御して、電源2とリチウムイオン電池1とを直列接続させ、電源2からリチウムイオン電池1に電力を供給させる。充放電制御部9は、リチウムイオン電池1が機器3に電力を供給する際には(放電状態)、スイッチ18を制御して、リチウムイオン電池1と機器3とを直列接続させる。なお、リチウムイオン電池1は機器3から回生充電されることもできる。この場合、充放電制御部9は、スイッチ18および充電回路19を制御して、リチウムイオン電池1に対する回生充電を制御してもよい。
また、充放電制御部9は、リチウムイオン電池1の内部でのガスの発生を検知する際には、スイッチ18を制御して、リチウムイオン電池1をガス検知装置と接続させる。ガスの発生を検知する際には、リチウムイオン電池1の電圧値または電流値を変化させ、その際の電圧値および電流値から内部抵抗の経時変化を算出する検知サイクルが行われる。
電流値・電圧値取得部11は、電圧計7が測定したリチウムイオン電池1の電圧値および電流計8が測定したリチウムイオン電池1の電流値を取得し、記憶部16に記憶する。なお、電流値・電圧値取得部11は、電圧値または電流値を変化させてからの経過時間txが異なる、第1時間t1における電圧値V1と第2時間t2における電圧値V2とを取得する。
抵抗演算部12は、記憶部16に記憶された電圧値および電流値から、オームの法則を用いて、リチウムイオン電池1の内部抵抗を算出する。なお、内部抵抗を算出する際に用いる電流値は、電圧値または電流値を変化させた際の電流値の変化量ΔIである。そして、抵抗演算部12は、電圧値V1および電圧値V2から、第1内部抵抗R1および第2内部抵抗R2を算出し、記憶部16に記憶する。
検知部15は、記憶部16に記憶された第1内部抵抗R1および第2内部抵抗R2に基づいて、所定の基準を用いて、リチウムイオン電池1の内部でのガスの発生を検知する。
例えば、検知部15は、第2内部抵抗R2から第1内部抵抗R1を減算した差分抵抗値RG(R2-R1)が所定のしきい値より大きい場合にガスが発生したと判断する。なお、差分抵抗値RG(R2-R1)は、抵抗演算部12にて算出されてもよい。
なお、検知サイクルが任意のタイミングで繰り返し(継続的に)行われ、第1内部抵抗R1および第2内部抵抗R2が各検知サイクルにおいて算出され、各検知サイクルにおいて差分抵抗値RGが所定のしきい値より大きい場合にガスが発生したと判断されてもよい。また、検知部15は、最初の検知サイクルにおける差分抵抗値RGとの差異量である抵抗値変化量ΔRG(Δ(R2-R1))に基づいて、ガスの発生を検知してもよい。この場合、しきい値は、直前の検知サイクル以前に算出された差分抵抗値RGに基づいて算出されてもよく、最初に行われた検知サイクルにおける差分抵抗値RGとされてもよい。検知部15は、検知時の検知サイクルで算出された差分抵抗値RGと最初の検知サイクルで算出された差分抵抗値RGとの差異量である抵抗値変化量ΔRG(Δ(R2-R1))が0より大きい場合にスが発生したと判断してもよい。このように、ガスの発生状況やリチウムイオン電池1(蓄電デバイス)の特性に応じて、最適な手段により、効率的かつ精度良くガスの発生を検知することができる。なお、抵抗値変化量ΔRG(Δ(R2-R1))は、抵抗演算部12にて算出されてもよい。
〔ガス検知方法〕
次に、図1~図3を用いて、ガス検知方法の実施例について説明する。以下の説明では、実使用中に任意または所定の間隔で検知サイクルが繰り返され、検知サイクルで放電中に放電の停止が行われ、放電が停止されてからの内部抵抗の時間依存性によりガスの発生を検知する構成を例に説明するが、検知サイクルで充電中に充電の停止が行われ、充電が停止されてからの内部抵抗の時間依存性によりガスの発生を検知してもよく、任意の方法で電圧値または電流値を変化させてからの内部抵抗の時間依存性によりガスの発生を検知してもよい。また、上述のように、検知サイクルは繰り返されず、一度の検知サイクルでガスの発生が検知されてもよい。
まず、リチウムイオン電池1に対する充電と、リチウムイオン電池1から機器3に対する電力の供給が繰り返される。この工程を実使用と称す(図3のステップ#1)。実使用中に任意または所定の間隔で検知サイクルが繰り返され、検知サイクルにおいてリチウムイオン電池1の内部でのガスの発生が検知される。
各検知サイクルにおいて、まず、充放電制御部9は、リチウムイオン電池1の放電中に放電の停止と再開を行う。つまり、リチウムイオン電池1の放電中に放電を停止させ(図3のステップ#2)、所定の時間が経過すると、または所定の充電状態(充電容量)になると放電を再開させる(図3のステップ#3)。検知サイクルにおける放電の停止と再開は、実使用における放電と同じ電圧値(充電電圧)または電流値(充電電流)で行われてもよいが、異なる電圧値(充電電圧)または電流値(充電電流)で行われてもよい。この放電の停止と再開を行う工程は準備工程と称される。放電においては、放電の停止に伴って放電電流が0になり、放電の再開に伴って所定の放電電流で放電が行われるため、放電の際の放電電流が、電流値の変化量ΔIとなる。電流値の変化量ΔIは記憶部16に記憶される。放電電流は電流計8によって取得されてもよい。なお、検知サイクルの準備工程において、放電の停止と再開に代わり、電圧値および電流値を変化させてもよく、この場合、充放電制御部9は電流・電圧制御部として機能する。電流値の変化量ΔIが正確に制御される場合には、ガス検知装置において電流計8が設けられなくてもよい。
各検知サイクルにおいて、電流値・電圧値取得部11は、放電を停止させた際の電圧値V0を取得する。さらに、電流値・電圧値取得部11は、放電が停止されてから1秒が経過した第1時間t1における電圧値を取得し(図3のステップ#4)、放電が停止されてから60秒が経過した第2時間t2における電圧値を取得する(図3のステップ#5)。そして、電流値・電圧値取得部11は、第1時間t1における電圧値と電圧値V0との電位差を第1時間t1における電圧値V1として記憶部16に記憶させ、第2時間t2における電圧値と電圧値V0との電位差を第2時間t2における電圧値V2として記憶部16に記憶させる。
次に、抵抗演算部12は、電圧値V1を電流値の変化量ΔIで除して第1時間t1におけるリチウムイオン電池1の内部抵抗である第1内部抵抗R1を算出し、電圧値V2を電流値の変化量ΔIで除して第2時間t2におけるリチウムイオン電池1の内部抵抗である第2内部抵抗R2を算出する。第1時間t1における電圧値を取得してから第1内部抵抗R1を算出する工程が第1測定工程と称され、第2時間t2における電圧値を取得してから第2内部抵抗R2を算出する工程が第2測定工程と称される。なお、第1測定工程および第2測定工程において、電圧値が測定され、測定された電圧値から第1内部抵抗R1および第2内部抵抗R2が算出されてもよいが、直接的に、第1時間t1における第1内部抵抗R1および第2時間t2における第2内部抵抗R2が測定されてもよい。この場合、ガス検知装置に電圧計7が設けられなくてもよい。
そして、抵抗演算部12は、第2内部抵抗R2から第1内部抵抗R1を減じて差分抵抗値RGを算出する。さらに、抵抗演算部12は、最初の検知サイクルで算出された差分抵抗値RGから、この検知サイクルで算出された差分抵抗値RGを減じて抵抗値変化量ΔRGを算出する(図3のステップ#6)。この工程が演算工程と称される。
次に、検知部15は、リチウムイオン電池1の内部でのガスの発生を検知するためのしきい値を決定する(図3のステップ#7)。しきい値は、直前の検知サイクル以前に算出された抵抗値変化量ΔRGまたは差分抵抗値RGに基づいて決定される。なお、しきい値はあらかじめ所定の値が設定されてもよい。
そして、検知部15は、抵抗値変化量ΔRGと決定されたしきい値とを比較し、抵抗値変化量ΔRGがしきい値より大きいか否かが判定され(図3のステップ#8)、しきい値より大きな場合、リチウムイオン電池1の内部でガスが発生したと判断する。なお、この工程が検知工程と称される。
その後、抵抗値変化量ΔRGがしきい値より大きい(ガスの発生が検知された)場合(図3のステップ#8 Yes)、ガスの発生が抑制されるようにリチウムイオン電池1の使用方法や充電方法が制御され、実使用が行われる(図3のステップ#9)。抵抗値変化量ΔRGがしきい値以下の場合(図3のステップ#8 No)、ガスが発生していないので、そのまま実使用が行われる。
〔実験結果〕
次に、差分抵抗値RGを用いてリチウムイオン電池1の内部でのガスの発生を検知する実験を行った結果を、図1を参照しながら、図4~図8を用いて説明する。
実験は、容量2270mAhmの角形のリチウムイオン電池1[サイズ:33.8mm×48.5mm×10.5mm、定格充電電圧:4.2V、標準充電電流:1589mAh(0.7CA)]を用いて行った。実使用を想定して、このリチウムイオン電池1に対し、50℃の恒温槽にて充電4.2V、放電2.7Vにて0.7CAでの充放電サイクルが実施された(CC充電)。
検知サイクルは、充放電サイクル中に、充放電サイクル実施前、1、2、3、5、7、10、14週間(WEEK)経過毎に行われた。各検知サイクルでは、25℃の環境にした状態で、充電4.2V、放電2.7Vにて0.2CAでの充放電を行って容量が確認された後(この容量を「確認容量」と称す)、検知サイクルにおける放電を行い、この放電中に放電が停止された後放電が再開され、SOC90%近傍の抵抗の時間依存性から、放電を停止してから1秒が経過した第1時間t1における電圧値V1が求められ、放電を停止してから60秒が経過した第2時間t2における電圧値V2が求められた。また、充電電流、電圧値V1、および電圧値V2から、第1内部抵抗R1(R1 1秒率抵抗)および第2内部抵抗R2(R60 60秒率抵抗)が求められ、差分抵抗値RG(R60-R1)および抵抗値変化量ΔRG(Δ(R60-R1))が算出された。また、この検知サイクルでの第1内部抵抗R1(R1)の最初の検知サイクルで算出された第1内部抵抗R1との差分であるΔR1、および、この検知サイクルでの第2内部抵抗R2(R60)の最初の検知サイクルで算出された第2内部抵抗R2との差分であるΔR60が算出された。さらに、アルキメデス法でリチウムイオン電池1の体積が測定され、充放電サイクル実施前の体積を減ずることで、ガス発生量が計測された。確認のため、交流インピーダンス(SOC100%近傍)も測定され、そのナイキストプロットのX軸切片をバルク抵抗、円弧部から反応抵抗が求められた。
図4は実験による実測値がまとめられた表である。図4より明らかなように、サイクル時間が3週から5週においてガスが発生し始めていると認められる。また、図5より明らかなように、リチウムイオン電池1の確認容量は、サイクル時間が3週から5週において、ガスが発生しない状態での容量劣化の理論時間推移を示す線図5に対して悪化していることがわかり、このタイミングでガスが発生していると推測できる。
この際、図4から明らかなように、第1内部抵抗R1(R1)、検知時での検知サイクルで算出された第1内部抵抗R1(R1)と最初の検知サイクルで算出された第1内部抵抗R1(R1)との差分であるΔR1、第2内部抵抗R2(R60)、検知時での検知サイクルで算出された第2内部抵抗R2(R60)と最初の検知サイクルで算出された第2内部抵抗R2(R60)との差分であるΔR60はガス発生がないときにも増加している。これは、図6において、ΔR1の時間推移と、実際に発生したガス量の時間推移とが乖離し、図7において、ΔR60の時間推移と、実際に発生したガス量の時間推移とが乖離していることからも明らかである。以上のことから、第1内部抵抗R1、検知時での検知サイクルで算出された第1内部抵抗R1と最初の検知サイクルで算出された第1内部抵抗R1との差分であるΔR1、第2内部抵抗R2、検知時での検知サイクルで算出された第2内部抵抗R2と最初の検知サイクルで算出された第2内部抵抗R2との差分であるΔR60からガスの発生を検知することは困難である。
一方、図4に示すように、ガス量増加に呼応し、検知時での検知サイクルで算出された差分抵抗値RG(R60-R1)から最初の検知サイクルにおける差分抵抗値RG(R60-R1)を減じた抵抗値変化量ΔRG(Δ(R60-R1))や差分抵抗値RG(R60-R1)が上昇する。また、図8において、抵抗値変化量ΔRG(Δ(R60-R1))の時間推移と、実際に発生したガス量の時間推移とがおおむね一致している。以上のことから、差分抵抗値RGや抵抗値変化量ΔRGを算出することで、ガス発生を容易に検知できることがわかる。なお、図4および図8において、14週でのガス量と抵抗値変化量ΔRG(Δ(R60-R1))とが乖離しているように見えるが、これは発生したガス量が大きくなりすぎ、リチウムイオン電池1が拘束されているためにリチウムイオン電池1の体積変化が抑制され、ガス量が正確に測定できない状態になっているためである。
〔電池の制御〕
上述のように、リチウムイオン電池1でのガスの発生が検知された場合、電池の制御が行われることが適切である。つまり、ガスが発生するまでは電池容量を最大限に使用し、ガスの発生が認められた場合、差分抵抗値RGや抵抗値変化量ΔRGを見ながら、ガスの発生が抑制されるようにリチウムイオン電池1の充放電制御等の電池制御が行われることが適切である。その結果、ガスの発生・増加による二次劣化を抑制し、電池寿命を長くして、総放電量(例えば、電気自動車であれば総走行距離)を大きくすることができる。
上記実験結果の場合、3週から5週においてガスが発生し始める。これに基づいて、さらに、電池制御に関して実験が行われた。この実験は、5個の電池を50℃の恒温槽にて充電4.2V、放電2.7Vにて0.7CA(CC充電)で4週間充放電サイクルを実施した後、充電電圧を4.1V、4.05V、4.0Vに変更する(CC充電)場合、充電電圧を4.1Vとし、1/20CAまで電流減衰するまで定電流定電圧充電(CCCV充電)行う制御に変更する場合、充電電圧を4.0Vとし、1/20CAまで電流減衰するまで定電流定電圧充電(CCCV充電)を行う制御に変更する場合において、変更したサイクルが繰り返される。
図9に示すように、電池制御を行って適切に充放電することにより、いずれの場合も、充電4.2V、放電2.7Vにて0.7CA(CC充電)での制御から変更しない場合に比べて確認容量が大きくなり、電池の寿命が長くなることがわかる。当然、充電電圧を下げると1サイクルあたりの充放電量は低下する。しかしながら、もっとも容量維持率の高い4.0V充電の場合には7週で、総放電量は1581Ahとなり、容量維持率は82.9%となるのに対し、充放電方法を変えない場合には7週で、総放電量は841Ahで容量維持率は79.5%であるので、2倍程度の寿命向上効果があることになる。
電池制御としては、充放電において、充電電圧の変更、充電電流を低減(減衰)させて定電流定電圧充電の実施に変更することの他に、充放電の際の温度が変更されてもよく、リチウムイオン電池1の使用温度等の使用条件が変更されてもよい。
〔別実施形態〕
(1)第1時間t1は1秒に限らず、初期の電圧値が急上昇する期間を超えた時間であればよく、例えば、第1時間t1は、内部抵抗が定常状態の10%以上で40%以下となる所定の内部抵抗になるまでの時間であればよい。具体的には、リチウムイオン電池1の場合、第1時間t1は10ミリ秒以上5秒以内とすることができ、より好ましくは10ミリ秒以上3秒以内とすることができる。また、第2時間t2は60秒に限らず、第1時間t1より大きく、かつ、内部抵抗が十分に定常状態となっていればよい。例えば、第2時間t2は、内部抵抗が定常状態の80%以上となる所定の内部抵抗になるまでの時間であればよい。具体的には、リチウムイオン電池1の場合、第2時間t2は5秒以上600秒以内とすることができる。
これにより、適切な差分抵抗値RGや抵抗値変化量ΔRGを算出することができ、精度良くガスの発生を検知することができる。
(2)上記各実施形態において、準備工程は、上述のように、検知サイクルにおいて実使用とは区別して別途行われてもよいが、実使用中における充放電が準備工程として流用されてもよい。つまり、電流値または電圧値の変化は、実際にリチウムイオン電池1(二次電池)を使用しているときにも生じる。例えば、実使用時において、放電状態から休止状態に移行されると電流値または電圧値が変化し、同様に、休止状態から放電状態に移行されると電流値または電圧値が変化する。そのため、実使用時の充放電においてこのように電流値または電圧値が変化する状態を準備工程として流用し、電流値または電圧値が変化した際に残りの検知サイクルが実行されてもよい。これにより、効率的にかつ精度良く、リチウムイオン電池1でのガスの発生を検知することができる。
(3)上記各実施形態において、各検知サイクルは、所定の温度範囲にリチウムイオン電池1が維持された状態で行われることが好ましい。そして、第1時間t1、第2時間t2、しきい値と差分抵抗値RGまたは抵抗値変化量ΔRGとの関係は、この温度範囲に基づいて決定される。逆に、内部抵抗の時間依存性は温度に依存するため、検知サイクルの環境温度がばらつく場合、検知サイクルを行う環境温度に従って、しきい値と差分抵抗値RGまたは抵抗値変化量ΔRGとの関係が補正されてもよい。
これにより、各種条件を適切に設定することができ、安定的かつ精度良く、リチウムイオン電池1でのガスの発生を検知することができる。
(4)上記各実施形態において、ガスの検知対象は、リチウムイオン電池1に限らず、各種の二次電池等の充放電可能な蓄電デバイスであってもよい。
(5)上記各実施形態において、ガス検知装置は図2に示すような機能ブロックから構成されるものに限定されず、任意の機能ブロックから構成されてもよい。例えば、ガス検知装置の各機能ブロックはさらに細分化されても良く、逆に、各機能ブロックの一部または全部がまとめられてもよい。また、上記ガス検知方法は、図2に示すガス検知装置に限らず、任意の構成のガス検知装置により実行されてもよい。また、ガス検知装置の機能の一部または全部は、ソフトウエアで構成されてもよい。ソフトウエアに係るプログラムは、任意の記憶装置に記憶され、ガス検知装置が備えるCPU等のプロセッサ、あるいは別に設けられたプロセッサにより実行される。
なお、上記の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、リチウムイオン電池をはじめ、種々の蓄電デバイスの内部で発生するガスの検知に適用することができる。
1 リチウムイオン電池(蓄電デバイス)
9 充放電制御部(電流・電圧制御部)
11 電流値・電圧値取得部
12 抵抗演算部
15 検知部
16 記憶部
R1 第1内部抵抗
R2 第2内部抵抗
RG 差分抵抗値
t0 経過時間
t1 第1時間
t2 第2時間
tx 経過時間
V0 電圧値
V1 電圧値
V2 電圧値
Vr 定常電圧
ΔI 電流値の変化量
ΔRG 抵抗値変化量

Claims (12)

  1. 蓄電デバイスの電流値または電圧値を変化させる準備工程と
    前記準備工程における電流値または電圧値の変化を開始してから所定の第1時間が経過した際の内部抵抗である第1内部抵抗を取得する第1測定工程と、
    前記準備工程における電流値または電圧値の変化を開始してから前記第1時間より所定の時間以上大きな第2時間が経過した際の内部抵抗である第2内部抵抗を取得する第2測定工程と、
    前記第2内部抵抗から前記第1内部抵抗を減算した差分抵抗値を算出する演算工程と、
    前記差分抵抗値に基づいて、前記蓄電デバイス内でのガスの発生を検知する検知工程とを備えるガス検知方法。
  2. 前記準備工程における電流値または電圧値の変化は、前記蓄電デバイスに対する充電中における充電の停止または前記蓄電デバイスに対する放電中における放電の停止によって実行される請求項1に記載のガス検知方法。
  3. 前記検知工程において、前記差分抵抗値があらかじめ定められた所定のしきい値より大きい場合に、前記ガスが発生したと判断される請求項1または2に記載のガス検知方法。
  4. 前記準備工程、前記第1測定工程、前記第2測定工程、前記演算工程、および前記検知工程を1つの検知サイクルとして、前記検知サイクルが断続的に行われ、
    それぞれの前記検知工程において、前記差分抵抗値があらかじめ定められた所定のしきい値より大きい場合に、その前記検知工程において前記ガスが発生したと判断される請求項1または2に記載のガス検知方法。
  5. それぞれの前記検知工程において、前記しきい値が、直前の前記検知サイクル以前に算出された前記差分抵抗値に基づいて算出される請求項4に記載のガス検知方法。
  6. 前記しきい値は、最初に行われた前記検知サイクルにおける前記差分抵抗値である請求項4に記載のガス検知方法。
  7. 前記準備工程、前記第1測定工程、前記第2測定工程、前記演算工程、および前記検知工程を1つの検知サイクルとして、前記検知サイクルが断続的に行われ、
    それぞれの前記検知工程において、その前記検知サイクルで算出された前記差分抵抗値から最初の前記検知サイクルで算出された前記差分抵抗値を減じた値が0より大きい場合に、その前記検知工程において前記ガスが発生したと判断される請求項1または2に記載のガス検知方法。
  8. 前記第2時間は、前記準備工程を開始してから、前記内部抵抗が定常状態の80%以上となる所定の前記内部抵抗になるまでの時間に設定される請求項1から7のいずれか一項に記載のガス検知方法。
  9. 前記第1時間は、前記準備工程を開始してから、前記内部抵抗が定常状態の10%以上で40%以下となる所定の前記内部抵抗になるまでの時間に設定される請求項8に記載のガス検知方法。
  10. 前記第1時間は10ミリ秒以上3秒以下に設定され、
    前記第2時間は5秒以上600秒以下に設定される請求項1から7のいずれか一項に記載のガス検知方法。
  11. 前記準備工程、前記第1測定工程、前記第2測定工程、前記演算工程、および前記検知工程は、所定の温度範囲に前記蓄電デバイスが維持された状態で行われる請求項1から10のいずれか一項に記載のガス検知方法。
  12. 充放電可能な蓄電デバイスにおけるガスの発生を検知するガス検知装置であって、
    前記蓄電デバイスの電流値および電圧値の少なくともいずれかを制御する電流・電圧制御部と、
    前記蓄電デバイスの電圧値を測定する電圧計と、
    前記蓄電デバイスを流れる電流値を測定する電流計と、
    前記蓄電デバイスの電流値または電圧値を変化させてから所定の第1時間が経過するまでの電圧値の変化量、および、電流値または電圧値を変化させた際の電流値の変化量から前記蓄電デバイスの内部抵抗である第1内部抵抗を測定し、電流値または電圧値を変化させてから前記第1時間より所定の時間大きな第2時間が経過するまでの電圧値の変化量、および、電流値または電圧値を変化させた際の電流値の変化量から前記蓄電デバイスの内部抵抗である第2内部抵抗を測定する抵抗演算部と、
    前記第2内部抵抗から前記第1内部抵抗を減算した差分抵抗値を算出し、前記差分抵抗値に基づいて、前記蓄電デバイス内でのガスの発生を検知する検知部とを備えるガス検知装置。
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