JP2023137597A - 蓄電装置の管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄電装置が長期間放置されることを抑制し、蓄電装置のより適切な管理を実現するための管理システムを提供する。【解決手段】実施形態の一例である管理システム1は、通信モジュール12を含む蓄電装置10と、蓄電装置10の状態に関する情報を収集する管理サーバー20と、管理サーバー20と通信可能な情報端末30とを備える。管理サーバー20は、蓄電装置10の状態に関する情報を所定期間受信していない場合に、情報端末30に対して蓄電装置10の状態確認を促すアラート通知を行う。【選択図】図1
Description
本開示は、蓄電装置の管理システムに関し、より詳しくは可搬式の蓄電装置の管理システムに関する。
従来、電動アシスト自転車、電動バイク、電動カート等の電動車両、コンピュータ、スマートフォン、プリンター、モニタ、照明機器、冷蔵庫等の電気機器などの電源として、持ち運びできる可搬式の蓄電装置が使用されている。また、可搬式の蓄電装置は、停電、災害等が発生したときの非常用電源としても使用されている。
近年、蓄電装置の状態に関する情報をスマートフォン等の端末装置に送信するための無線通信モジュールを備えた蓄電装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。無線通信モジュールを備えた蓄電装置によれば、例えば、充電率、温度、故障等の蓄電装置の状態に関する情報がユーザーのスマートフォン等に送信されるので、蓄電装置の状態を確認することが容易である。
上記のように、蓄電装置の状態に関する情報がユーザーのスマートフォン等に送信されると、ユーザーは当該情報に基づいて蓄電装置を適切に管理できる。しかし、ユーザーが蓄電装置を長期間放置している場合、具体的には、ユーザーの端末装置が蓄電装置からの情報を受信可能な状態となっていない場合には、蓄電装置の適切な管理が困難になる。
本開示に係る蓄電装置の管理システムは、通信モジュールを含む蓄電装置と、蓄電装置の状態に関する情報を収集する管理サーバーと、管理サーバーと通信可能な端末装置とを備え、管理サーバーは、蓄電装置の状態に関する情報を所定期間受信していない場合に、端末装置に対して蓄電装置の状態確認を促すアラート通知を行うことを特徴とする。
本開示に係る蓄電装置の管理システムによれば、蓄電装置が長期間放置されることを抑制し、蓄電装置のより適切な管理を実現できる。例えば、蓄電装置が所定期間放置されている場合、ユーザーに対して蓄電装置の状態を確認するように促すことができ、蓄電装置が過放電状態になることを防止できる。
以下、図面を参照しながら、本開示に係る蓄電装置の管理システムの実施形態の一例について詳細に説明する。以下で説明する実施形態はあくまでも一例であって、本開示は以下の実施形態に限定されない。また、以下で説明する複数の実施形態および変形例の各構成要素を選択的に組み合わせてなる構成は本開示に含まれている。
本開示に係るシステムの主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示のシステムの主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって上記機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1つ又は複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されていてもよく、複数のチップに設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよく、複数の装置に備えられていてもよい。また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記憶媒体に記憶される。プログラムは、記憶媒体に予め格納されていてもよく、インターネット等を含む広域通信網を介して記憶媒体に供給されてもよい。
以下では、蓄電装置として通信モジュール12を含む可搬式の蓄電装置10を例に挙げて本開示に係るシステムの実施形態を説明するが、本開示に係る管理システムは、特定の場所に設置される据置型の蓄電装置に適用することもできる。但し、本開示に係る管理システムは、可搬式の蓄電装置の管理において特に有用である。
図1は、実施形態の一例である蓄電装置の管理システム1を模式的に示す図である。図2は、管理システム1の構成を示すブロック図である。図1および図2に示すように、管理システム1は、通信モジュール12を含む可搬式の蓄電装置10と、蓄電装置10の状態に関する情報を収集する管理サーバー20と、管理サーバー20と通信可能な情報端末30(端末装置)とを備える。図1では、複数の蓄電装置10がエリアA内で使用される場合を例示している。
本実施形態では、ユーザーが所持する情報端末30が、管理システム1の端末装置を構成している。そして、情報端末30は蓄電装置10と通信可能であり、蓄電装置10の状態に関する情報は、情報端末30を介して管理サーバー20に送信される。本明細書において、ユーザーとは特に断らない限り、蓄電装置10の管理、運用を行う者を意味する。
管理システム1は、端末装置として複数の情報端末30を備えていてもよい。蓄電装置10の管理者が複数存在し、各管理者が蓄電装置10の管理に使用する情報端末30(例えば、情報端末30A,30B,30C)をそれぞれ所持していてもよい。本実施形態では、蓄電装置10の情報が近距離無線通信により蓄電装置10の近くにある情報端末30Aに送信され、情報端末30Aを介して管理サーバー20に送信される。管理サーバー20と情報端末30は、インターネット回線、移動通信システム等の広域通信網を介して通信可能に構成されている。
蓄電装置10は、例えば、オフィス、工場、公共施設(役所、公民館、学校、病院、駅、避難所等)、商業施設(店舗、ショッピングモール等)、各家庭など、多くの場所で使用される。蓄電装置10は、所有者、管理者等のユーザーにより管理されている。管理サーバー20は、蓄電装置10に関する情報を記憶して、蓄電装置10を統括的に管理する装置である。管理サーバー20の一例は、蓄電装置10の製造者、販売者、管理事業者等のクラウドサーバーである。なお、管理サーバー20は、ユーザーが管理するサーバーであってもよい。
管理システム1を構成する情報端末30の一例は、ユーザーが所有するスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートパソコン等のモバイル端末装置である。管理システム1は、ユーザー、特に設備管理者が情報端末30を用いて蓄電装置10の状態を確認できるように構成されている。情報端末30が複数存在する場合、各情報端末30は同種の装置であってもよく、互いに異なる種類の装置であってもよい。管理システム1のアプリケーションソフトウェア(以下、「アプリ」とする)をユーザーの端末装置にインストールすることで、当該端末装置を管理システム1の情報端末30として使用できる。
管理システム1には、一般的に、複数の蓄電装置10が含まれている。管理サーバー20は、複数の蓄電装置10のそれぞれに設定された識別情報を記憶しており、蓄電装置10ごとに情報を管理している。また、管理サーバー20は、情報端末30に関する情報も記憶しており、情報端末30に対して蓄電装置10に関する所定の情報を送信するように構成されている。なお、ユーザーが多くの蓄電装置10を所持する場合、所定数の蓄電装置10のグループごとに、管理に使用する情報端末30が分かれていてもよい。
以下、管理システム1を構成する蓄電装置10、管理サーバー20、および情報端末30について詳説する。
[蓄電装置10]
蓄電装置10は、電池モジュール11と、電池モジュール11を収容するケース14とを備える。蓄電装置10は、持ち運びできる可搬式の蓄電装置であって、一般的に電池パックとも呼ばれる。また、蓄電装置10は、通信モジュール12と、制御部13とを備える。通信モジュール12と制御部13は、電池モジュール11と共にケース14に収容されている。電池モジュール11は、例えば、充放電器40を用いて充電される。充放電器40は電気機器が接続されるコンセント43を有していてもよく、蓄電装置10を充放電器40に設置した状態で蓄電装置10の放電が可能であってもよい。また、充放電器40は、蓄電装置10を廃棄する際にも用いられる。
蓄電装置10は、電池モジュール11と、電池モジュール11を収容するケース14とを備える。蓄電装置10は、持ち運びできる可搬式の蓄電装置であって、一般的に電池パックとも呼ばれる。また、蓄電装置10は、通信モジュール12と、制御部13とを備える。通信モジュール12と制御部13は、電池モジュール11と共にケース14に収容されている。電池モジュール11は、例えば、充放電器40を用いて充電される。充放電器40は電気機器が接続されるコンセント43を有していてもよく、蓄電装置10を充放電器40に設置した状態で蓄電装置10の放電が可能であってもよい。また、充放電器40は、蓄電装置10を廃棄する際にも用いられる。
電池モジュール11は、単一の電池で構成されていてもよいが、好ましくは複数の電池を含む組電池として構成される。組電池を構成する電池の形状は、特に限定されず、例えば、円筒形電池、パウチ型電池、角形電池のいずれであってもよい。また、電池の種類は特に限定されないが、好適な一例としては、高容量のリチウムイオン電池が挙げられる。
蓄電装置10には、例えば、電池モジュール11の電圧を計測する電圧計、電流を計測する電流計、温度を計測する温度センサ、落下を検知する加速度センサ、水没センサなどの計測機器が設けられている。制御部13は、これらの計測値に基づいて、電池モジュール11の充電率、最大容量、温度など、電池モジュール11の状態を示す値を算出する。充電率は、電圧計により計測される電池モジュール11の電圧に基づいて算出できる。また、制御部13は、これらの計測値に基づいて電池モジュール11の劣化レベルを算出してもよい。最大容量の低下率から蓄電装置10の劣化レベルを算出できる。
通信モジュール12は、情報端末30と無線通信するための機器である。通信モジュール12の機能により、蓄電装置10の情報が情報端末30に送信される。本実施形態では、蓄電装置10と近距離に存在する情報端末30との無線通信機能を有するものであればよい。通信モジュール12の構成は特に限定されないが、消費電力低減等の観点から、近距離無線通信モジュールであることが好ましい。図1に示す例では、蓄電装置10が使用されるエリアAに存在する情報端末30Aに対し、蓄電装置10から情報が送信される。
具体例としては、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信を行うモジュールが挙げられる。BLEは、近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)のバージョン4に対応する。BLE通信のための消費電力は比較的小さいため、BLEモジュールを用いることで、蓄電装置10の内部消費電力を抑制できる。なお、Bluetooth(登録商標)は、近距離無線通信の国際標準規格であるIEEE802.15.1規格に対応する。
制御部13は、例えば、電池モジュール11の充放電、蓄電装置10の状態を示す情報の生成、通信モジュール12を介した情報発信など、蓄電装置10の動作を制御する機能を有する。蓄電装置10の情報は、制御部13の制御の下、通信モジュール12の機能により情報端末30に送信される。制御部13は、例えば、蓄電装置10の充電率、寿命(劣化レベル)、異常が発生したときには異常を示す情報など、蓄電装置10の状態に関する情報を出力する。
制御部13は、プロセッサおよびメモリを含むマイコンにより構成される。メモリは、例えば、RAM、ROM、ハードディスク等の不揮発性メモリを含む。プロセッサは、メモリにインストールされたプログラムを読み出して実行することにより、蓄電装置10としての機能を実現する。また、制御部13は、BMS基板と呼ばれる保護基板を有していてもよく、電池モジュール11の状態を監視して最適な充放電を実行する。
ケース14は、金属製ケースであってもよいが、通信性能、軽量化等の観点から、樹脂製ケースであることが好ましい。ケース14は、一般的に不透明であり、内部に収容される電池モジュール11等を隠蔽している。図1に示すケース14は略直方体状に形成され、ケース14の上端部には蓄電装置10を持ち運ぶ際に使用される把手15が設けられている。また、ケース14の下部には、充電器、放電器等のバッテリー設置部などに差し込まれる接続部16が設けられている。接続部16は、電池モジュール11と電気的に接続された端子16Aを有する。
ケース14には、残量表示ボタン17およびインジケータ18が設けられている。残量表示ボタン17は、電池モジュール11の充電率をインジケータ18に表示させるための操作部である。インジケータ18は、例えば、複数のランプを含み、充電率に応じて点灯させるランプの数を変更することで充電率を表示する。インジケータ18は、充電率を数値で表示可能な表示部であってもよく、また充電率以外の蓄電装置10の状態を表示可能であってもよい。
蓄電装置10は、装置構成機器をシャットダウンする長期保管モードを有していてもよい。残量表示ボタン17は、蓄電装置10をシャットダウンして長期保管モードを開始するための操作部として兼用されてもよい。例えば、残量表示ボタン17を短押しする通常の第1の操作を行うことにより、インジケータ18に充電率が表示され、残量表示ボタン17を長押しする第2の操作を行うことにより、蓄電装置10がシャットダウンされる。なお、長期保管モードを実行するための操作部は、残量表示ボタン17と別に設けられていてもよい。
ここで、蓄電装置10の長期保管モードについて説明する。長期保管モードは、上記の通り、装置構成機器をシャットダウンするモードである。長期保管モードは、装置構成機器をシャットダウンすることで蓄電装置10の内部消費電力を抑え、蓄電装置10を直ぐに使用できる状態で長期間の保管を可能とする。例えば、3ヶ月以上の長期間、蓄電装置10を使用することなく所定の充電状態で保管する場合に、長期保管モードが有効である。蓄電装置10を長期保管モードにすることで、頻繁に充電しなくても、所定の充電状態(例えば、充電率70%以上)を長期間維持できる。
長期保管モードでは、少なくとも消費電力が大きな機器をシャットダウンすることが好ましい。シャットダウンとは、電池モジュール11から他の装置構成機器への電力の供給を完全又は実質的に遮断して機器の機能を停止することである。長期保管モードでは、消費電力が比較的大きな通信モジュール12と制御部13がシャットダウンされることが好ましい。本実施形態では、長期保管モードにおいて、電池モジュール11から電力が供給される全ての装置構成機器がシャットダウンされる。
長期保管モードでは、通信モジュール12と制御部13を含む装置構成機器がシャットダウンされて内部消費電力が低減される一方、蓄電装置10の通信機能が失われる。このため、長期保管モードの蓄電装置10については、情報端末30を用いた充電率等の確認ができない。管理システム1は、この点に対処するため、長期保管モードの開始を記憶し、その開始から所定期間経過後に、例えば、蓄電装置10の充電を促す情報を情報端末30に出力する。この機能により、ユーザーの管理負担が大きく軽減され、長期保管中の蓄電装置10の充電状態を管理することが容易になる。
長期保管モードは、ユーザーの操作により開始される。本実施形態では、残量表示ボタン17の長押し操作により長期保管モードが開始される。このとき、電池モジュール11の充電率、温度等の蓄電装置10の状態を示す情報が管理サーバー20に送信されてもよい。管理サーバー20又は情報端末30は、長期保管モードを開始する蓄電装置10の充電率が所定値より低い場合に、充電を促す情報を出力してもよい。また、蓄電装置10の温度が適切な範囲から逸脱している場合に、適切な温度での保管を促す情報を出力してもよい。或いは、管理システム1は、蓄電装置10の充電率、温度等の保管状態が適切ではない場合に、長期保管モードの開始を禁止するように構成されていてもよい。そして、長期保管モードでの保管が始まる前には、例えば、蓄電装置10から長期保管モード開始を宣言する信号を発出してこれを管理サーバー20で記録する。或いは、管理アプリのメモ機能を用いて当該蓄電装置10は長期保管モードで保管されている旨を記録する方法も考えられる。
長期保管モードの蓄電装置10は、充放電器40を用いて起動させることができる。充放電器40は、充放電回路41、コード42、およびコンセント43を備え、コード42を電源に接続することで充電器として機能する。充放電器40は、蓄電装置10の接続部16を挿し込み可能な凹部を有する。凹部には、プラス端子44、マイナス端子45、検出端子46、および通信端子D,Rが設けられている。検出端子46は、蓄電装置10が接続されたことを検出する機能を有する端子である。
長期保管モードの蓄電装置10を充放電器40に接続すると、検出端子46に電流が流れることをトリガーとして蓄電装置10が起動し、長期保管モードから復帰する。充放電器40では、マイナス端子45と検出端子46は電気的に接続されている。このため、蓄電装置10を充放電器40の凹部に挿し込むと、充放電器40側でマイナス端子45と検出端子46が短絡し、この短絡に流れる電流で制御部13(マイコン)が起動する。これにより、蓄電装置10は長期保管モードから復帰する。なお、蓄電装置10の起動に使用される機器は、放電機能を有さない充電器であってもよい。
[管理サーバー20]
管理サーバー20は、上記のように、蓄電装置10の状態に関する情報を収集して記憶している。管理サーバー20には、例えば、蓄電装置10および情報端末30の識別情報を含む各種情報が、蓄電装置10ごとに、各蓄電装置10の管理に使用される情報端末30と対応付けられた状態で記憶されている。蓄電装置10および情報端末30の登録情報は、情報端末30から管理サーバー20に送信され、登録内容の変更は情報端末30の操作により行うことができる。図1に示す例では、情報端末30Aの管理アプリを起動すると、登録済みの蓄電装置10に関する情報の少なくとも一部が、情報端末30Aを介して自動的に管理サーバー20に送信される。
管理サーバー20は、上記のように、蓄電装置10の状態に関する情報を収集して記憶している。管理サーバー20には、例えば、蓄電装置10および情報端末30の識別情報を含む各種情報が、蓄電装置10ごとに、各蓄電装置10の管理に使用される情報端末30と対応付けられた状態で記憶されている。蓄電装置10および情報端末30の登録情報は、情報端末30から管理サーバー20に送信され、登録内容の変更は情報端末30の操作により行うことができる。図1に示す例では、情報端末30Aの管理アプリを起動すると、登録済みの蓄電装置10に関する情報の少なくとも一部が、情報端末30Aを介して自動的に管理サーバー20に送信される。
管理サーバー20は、蓄電装置10の制御部13と同様に、プロセッサ21およびメモリ22を有する。管理サーバー20は、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、複数のコンピュータで構成されていてもよい。プロセッサ21は、メモリ22にインストールされたプログラムを読み出して実行することにより、管理サーバー20としての機能を実現する。また、プロセッサ21は、蓄電装置10の状態に関する情報を取得してメモリ22に記憶させる。
管理サーバー20は、予め設定された条件に従って、収集した蓄電装置10の状態に関する情報を分類し、情報端末30に対して分類結果に基づく当該情報の通知を行うように構成されている。即ち、管理サーバー20は、情報端末30から要求を受けなくても能動的に情報を通知(プッシュ通知)する。この場合、蓄電装置10の管理に関して、管理サーバー20が収集した情報をより効果的に活用できる。また、収集した情報を分類して適切なタイミングでユーザー(管理者)に提供することができ、ユーザビリティを向上させることができる。詳しくは後述するが、管理サーバー20は、蓄電装置10と通信できない場所(エリアAから離れた場所)にいる管理者の情報端末30B,30Cに対して収集した情報を通知する。
管理サーバー20は、蓄電装置10の状態に関する情報を分類すると共に、その情報について所定の処理を行い、所定の情報端末30にプッシュ通知する。詳しくは後述するが、管理サーバー20は、例えば、蓄電装置10の最大容量の情報を取得した場合に、最大容量と閾値を比較して劣化レベルを判定し、蓄電装置10の買い替えを促す情報、又は廃棄のための放電(廃棄放電)を促す情報を送信する。即ち、管理サーバー20は情報の読み替えを行う。また、管理サーバー20は、情報の分類結果に基づいて通知の形態を変更する。
なお、管理サーバー20には、例えば、蓄電装置10の状態が変化していなくても、蓄電装置10の状態に関する情報が情報端末30を介して受信されるが、上記プッシュ通知は、情報の内容に変化があった場合にのみ行われることが好ましい。即ち、管理サーバー20は、各蓄電装置10について今回収集した情報(データ)が、前回のデータから変化があった場合に通知(プッシュ通知)を行うことが好ましい。この場合、同じ情報が何度も通知されることを防止できる。
管理サーバー20は、収集した情報を、蓄電装置10の異常に関する第1情報と、異常以外に関する第2情報とに分類し、第1情報については情報端末30に対して即時通知することが好ましい。即ち、上記予め設定された条件には、収集した情報を第1情報と第2情報とに分類することが含まれる。このときの「異常」とは、例えば、早期に対応しなければユーザーが不利、不便、不安全な状態となる状態異常を意味する。蓄電装置10の異常が発生した場合は、迅速に蓄電装置10の状態を確認して対処する必要があるため、第1情報についてはユーザーに対して直ちに通知することが好ましい。管理サーバー20は、第1情報の内容に応じて、第1情報を複数の区分に分類し、区分ごとに通知内容を変更してもよい。
ここで、即時通知とは、管理サーバー20が情報端末30Aを介して第1情報を取得した後、所定の情報端末30に対して直ちに、具体的には数秒~1分以内に通知することを意味する。管理サーバー20は、例えば、第1情報を取得すると、実質的に同時と認められる時間内に通知を行う。エリアAの情報端末30Aには、蓄電装置10および管理サーバー20から略同時に第1情報が通知されてもよい。
管理サーバー20は、情報の分類結果に基づいて、即ち情報の種類に応じて、通知のタイミングを変更することが好ましい。具体的には、蓄電装置10の異常以外に関する第2情報については、即時通知を行わず、所定の通知条件が成立した場合に通知してもよい。管理サーバー20は、例えば、第2情報を複数受信した場合に、情報端末30に対して複数の第2情報をまとめて1つの通知として送信してもよい。一般的に迅速な対応が要求されない第2情報についてはまとめて通知することで、ユーザーに煩わしさを与えることなく適切な情報提供が可能になる。
管理サーバー20は、予め設定された日時に第2情報を通知してもよい。設定日時の一例は、毎日・正午12時(1日1回)である。なお、設定日時は、2日に1回、1週間に1回等としてもよく、1日に2回以上としてもよい。この場合、設定日時において通知すべき複数の第2情報が存在すれば、複数の第2情報がまとめて通知される。当該設定日時は、管理サーバー20において固定値として予め設定されていてもよく、情報端末30においてユーザーが任意に設定可能であってもよい。第2情報は、さらに、通知のタイミングが異なる2種類以上の情報に分類されてもよい。
管理システム1では、管理サーバー20から情報の通知を受け取るか否かをユーザーが設定できる。蓄電装置10の異常に関する第1情報については必ず通知するものとし、第2情報の通知についてはユーザーが任意に設定できるものとしてもよい。情報端末30は、管理サーバー20から情報を受け取るか否かの設定機能を有する。そして、管理サーバー20は、この通知設定情報に基づいて、収集した情報の通知を行う。管理サーバー20は、例えば、第2情報について通知設定がオンになっている情報端末30に対してのみ、第2情報を通知する。この場合、第2情報を必要とするユーザーのみに対して当該情報を提供することができ、ユーザビリティが向上する。
管理サーバー20に収集される第1情報の一例としては、過電圧、過電流、過放電、回路故障、温度上昇、通信異常、落下検出などが挙げられる。第1情報には、例えば、ユーザーが対処可能な内容と、販売店又はメンテナンス業者において対処すべき内容とが含まれる。この場合、第1情報を2種類以上の情報に分類し、通知の内容を変更することが好ましい(後述の図11参照)。また、管理サーバー20は、第1情報の内容に応じて通知先を変更してもよく、複数の異常を含む場合には通知先が複数か所となってもよい。例えば、交換対応を依頼すべき販売店と、修理を依頼すべきメンテナンス業者に同時に通知されてもよい
管理サーバー20に収集される第2情報は、第1情報以外の蓄電装置10の状態に関する情報であって、一例としては、充電率(SOC)、最大容量、長期保管モードの開始情報、温度、使用頻度、その他使用状態に関する各種情報などが挙げられる。最大容量の低下率は蓄電装置10の劣化レベルの算出に使用できるので、管理サーバー20は、例えば、最大容量の低下率から劣化レベルを求め、第2情報として、蓄電装置10の買い替え、廃棄放電等を促す情報を通知してもよい。
管理システム1では、第1情報に区分する通知の種類と、第2情報に区分する通知の種類を変更可能としてもよい。異常を示す第1情報と、これ以外の情報である第2情報とはユーザー(管理者)によって一部区分の変更が可能である。具体的には、第2情報の区分に含まれる通知のうち即時通知を希望するものがあれば、第1情報に含まれるように組み替えてよい。但し、第1情報に含まれるべき通知は、基本的に、ユーザーの不利、不便、不安全につながる通知であるので、これらを第2情報の区分に変更することはできない設定とすることが好ましい。
即ち、第2情報に区分される情報を第1情報の区分へと任意に変更可能である。この変更は、システム管理者が管理サーバー20上において、管理システム全体として行うのが好ましい。これにより、管理サーバー20を用いて複数の蓄電装置10の管理を行うユーザーの希望に沿いつつ、蓄電装置10の安全性を担保することができる管理システムを実現することができる。或いは、蓄電装置10の管理者により情報端末30を用いて当該変更を可能としてもよい。
管理サーバー20は、蓄電装置10から情報を取得したときに、蓄電装置10ごとに情報の取得日時を記憶する。管理サーバー20には、さらに、蓄電装置10の製品情報(製品番号、製造年月日等)、情報端末30に関する情報(ユーザーID、識別子、メールアドレス、電話番号等)などが記憶されている。また、管理サーバー20は、新製品、新サービスに関する情報、その他のユーザーに有用な情報などを情報端末30に送信してもよい。
管理サーバー20は、蓄電装置10の状態に関する情報を所定期間受信していない場合に、情報端末30に対して蓄電装置10の状態確認を促すアラート通知を行うように構成されている。即ち、蓄電装置10の状態に関する情報を最後に受信してから所定期間経過しても新たな情報が受信されない場合には、この蓄電装置10を管理する情報端末30に対してアラート通知を行う。この場合、蓄電装置10が長期間放置されることを抑制でき、蓄電装置10のより適切な管理を実現できる。
本実施形態では、上記の通り、情報端末30を介して蓄電装置10の状態に関する情報が管理サーバー20に送信される。具体的には、情報端末30にインストールされた管理システム1のアプリを起動すれば自動的に蓄電装置10と通信が行われ、必要な情報が蓄電装置10から管理サーバー20および情報端末30に送信される。このため、管理サーバー20が情報を長期間受信していない状況は、情報端末30のアプリが起動されておらず、蓄電装置10が適切に管理されていない状態である可能性が高い。管理サーバー20は、例えば、蓄電装置10との通信を促すためのアラート情報を通知する。
管理サーバー20は、複数の蓄電装置10のそれぞれに設定された識別情報を記憶しており、当該識別情報と関連付けてアラート通知を行う。即ち、情報端末30により管理される複数の蓄電装置10のうち、一部の蓄電装置10に関する情報が所定期間受信されていない場合は、当該一部の蓄電装置10についてアラート情報を通知する。例えば、エリアAで管理される一部の蓄電装置10の情報だけが更新されていない場合、蓄電装置10の持ち出し、通信機能の故障等が想定されるため、アラート通知により当該蓄電装置10の状態の確認を促す。
管理サーバー20は、上記の長期保管モード中の蓄電装置10について、アラート通知の頻度を少なくしてもよい。管理サーバー20には、蓄電装置10の長期保管に関する情報が記憶されている。具体的には、各蓄電装置10について長期保管モードが実行中であるか否か、長期保管モードが実行中である場合は、その開始日、情報端末30に対して充電推奨等の情報を出力する予定日の情報などが記憶されている。このため、当該情報に基づいて、長期保管モードではない他の蓄電装置10の場合よりもアラート通知の頻度を少なくでき、不要な通知を抑制できる。
管理サーバー20は、長期保管モードの蓄電装置10について、アラート通知を行わないこととしてもよい。管理サーバー20は、例えば、長期保管モードの開始情報の取得を条件として、対象の蓄電装置10に関するアラート通知を停止する。そして、蓄電装置10が長期保管モードから復帰するまで、アラート通知の停止を継続する。
管理サーバー20は、所定の通知条件が成立した場合にアラート通知を行ってもよく、情報端末30に対して複数のアラート通知をまとめて行うように構成されていてもよい。また、管理サーバー20は、予め設定された日時にアラート通知を行ってもよい。設定日時は、蓄電装置10の状態に関する情報を通知する場合と同様に、毎日・正午12時(1日1回)であってもよく、ユーザーが任意に設定可能であってもよい。この場合、設定日時において通知すべき複数のアラート情報が存在すれば、複数のアラート情報がまとめて通知される。
図3は、管理システム1の変形例を示す図である。図3に示すように、管理システム1には、端末装置として、ユーザーが管理する情報端末30(第1端末装置)と、ユーザー以外が管理するサーバー50(第2端末装置)とが含まれていてもよい。サーバー50の一例としては、蓄電装置10のメンテナンスを行う事業者が管理するサーバーが挙げられる。管理サーバー20は、情報端末30およびサーバー50の少なくとも一方に対して、収集した蓄電装置10の状態に関する情報を通知し、また蓄電装置10に関する情報を所定期間受信していない場合にアラート情報を通知してもよい。この場合、メンテナンス業者に必要な情報が直接送信されるため、より迅速な対応が可能となり、ユーザビリティも向上する。
管理サーバー20は、例えば、情報端末30およびサーバー50の少なくとも一方に対して、蓄電装置10の異常に関する第1情報の即時通知を行う。管理サーバー20は、情報端末30およびサーバー50の両方に対して、又はサーバー50のみに対して第1情報を即時通知してもよい。第1情報をさらに2種類以上の情報に分類し、情報の種類によって即時通知の対象となる端末装置を変更してもよい。例えば、第1情報のうち、ユーザーにおいて対処可能な内容は情報端末30およびサーバー50に通知し、メンテナンス業者において対処すべき内容はサーバー50のみに通知してもよい。
図3に示す例では、第2端末装置としてサーバー50を例示したが、第2端末装置は、メンテナンス業者が所有するスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートパソコン等のモバイル端末装置であってもよい。また、第2端末装置は1つに限定されず、複数設けられてもよい。
[情報端末30]
情報端末30は、蓄電装置10から情報を取得し、蓄電装置10の状態を確認する際に使用される。情報端末30は、蓄電装置10の情報を表示するためのモニタ33を有する。情報端末30は管理システム1の専用端末であってもよいが、上記のように、好適な一例としてはユーザーが所持するスマートフォン等が挙げられる。管理システム1のアプリをインストールすることで、ユーザーのスマートフォンを管理システム1の情報端末30として使用できる。
情報端末30は、蓄電装置10から情報を取得し、蓄電装置10の状態を確認する際に使用される。情報端末30は、蓄電装置10の情報を表示するためのモニタ33を有する。情報端末30は管理システム1の専用端末であってもよいが、上記のように、好適な一例としてはユーザーが所持するスマートフォン等が挙げられる。管理システム1のアプリをインストールすることで、ユーザーのスマートフォンを管理システム1の情報端末30として使用できる。
管理システム1のアプリをインストールした端末装置のうち、任意の端末装置のみが管理システム1を構成する端末装置(情報端末30)として機能するようにしてもよい。例えば、アプリのユーザー登録には、2段階の登録が設けられる。第1段階の登録は、単に蓄電装置10を使用する利用者としての登録(以下、「利用者登録」とする)である。利用者登録の場合、蓄電装置10の異常に関する第1情報のプッシュ通知は受け取れない。なお、蓄電装置10の状態に関する情報は、利用者登録された端末装置を介して管理サーバー20に送信されてもよい。
第2段階の登録は、蓄電装置10を管理する管理者としての登録(以下、「管理者登録」とする)である。アプリの管理者登録をする際には、管理サーバー20からプッシュ通知を受け取るための情報が管理サーバー20に提供される。具体的には、例えば、ユーザーID、情報端末30の識別子(デバイストークン)等が管理サーバー20に記憶される。管理サーバー20には、ユーザーのメールアドレス、電話番号等が記憶されていてもよい。なお、蓄電装置10に関するアプリとして、利用者用のアプリと、管理者用のアプリ(管理システム1の管理アプリ)がそれぞれ準備されてもよい。
情報端末30は、蓄電装置10および管理サーバー20と同様に、プロセッサ31およびメモリ32を有する。プロセッサ31は、メモリ32にインストールされたプログラム(管理システム1のアプリ)を読み出して実行することにより、情報端末30としての機能を実現する。また、プロセッサ31は、蓄電装置10の情報を取得してメモリ32に記憶させると共に、必要な情報を管理サーバー20に送信する。本実施形態では、情報端末30と蓄電装置10との通信にBLE等の近距離無線通信が使用され、管理サーバー20との通信にインターネット回線、移動通信システム等の広域通信網が使用される。
情報端末30は、上記のように、管理サーバー20からプッシュ通知を受け取るか否か、即ち管理サーバー20が収集した蓄電装置10に関する情報を受け取るか否かの設定機能を有する。本実施形態では、管理者登録されたアプリの通知設定画面(後述の図9参照)において、プッシュ通知のオン/オフを設定できる。蓄電装置10の異常に関する第1情報については、迅速な対応が要求されるため、ユーザーによる通知のオン/オフ設定はできないものとすることが好ましい。第2情報については2種類以上の情報に分類し、分類した情報ごとに通知設定を可能にしてもよい。
情報端末30は、蓄電装置10の状態の確認を促すアラート通知を受け取るか否かの設定機能を有していてもよい。或いは、アラート通知については、上記第1情報と同様に、ユーザーによる通知のオン/オフ設定はできないものとしてもよい。
また、情報端末30は、蓄電装置10の長期保管モードの操作情報又は開始情報を取得してもよい。本実施形態では、残量表示ボタン17の長押しによる操作信号、又は当該操作に基づく長期保管モードの開始情報が情報端末30により取得される。長期保管モードは、蓄電装置10の制御部13の判断により開始されてもよく、残量表示ボタン17の操作信号を受信した管理サーバー20又は情報端末30がシャットダウン信号又は許可信号を蓄電装置10に送信することにより開始されてもよい。
以下、図4のフローチャートを参照しながら、管理サーバー20に収集された情報の活用に関する制御について説明する。
図4に示すように、管理サーバー20は、蓄電装置10の状態に関する情報を取得し、メモリ22に記憶する(ステップS10)。ステップS10では、蓄電装置10ごとに情報が収集され、情報の取得日時も記憶される。図1に示す例では、蓄電装置10の状態に関する情報が、BLE等の近距離無線通信により蓄電装置10から情報端末30Aに送信され、情報端末30Aを介して管理サーバー20に送信される。
管理サーバー20は、予め設定された条件に従って、収集した情報を分類する(ステップS11)。ステップS11では、収集された情報が、蓄電装置10の異常に関する第1情報と、それ以外の第2情報とに分類される。そして、管理サーバー20は、ステップS11の分類結果に基づく処理を実行する。管理サーバー20は、例えば、分類された情報に基づいて通知する情報を生成する。
図4に示す例では、取得された情報に第1情報が含まれる場合(ステップS12のYes)、情報端末30に対して第1情報を直ちに通知する即時通知を行う(ステップS13)。他方、取得された情報に第1情報が含まれない場合(ステップS12のNo)、情報の即時通知を行わず、通知設定情報の判定ステップ(ステップS14)に進む。つまり、蓄電装置10の第1情報については、ユーザーの通知設定に関係なく、当該蓄電装置10を管理する全ての情報端末30に対して即時通知を行う。
管理サーバー20は、取得された情報に第1情報が含まれない場合(ステップS12のNo)、言い換えると、取得された情報が第2情報である場合、通知設定がオンであることを条件として(ステップS14のYes)、所定の通知条件が成立したか否かを判定する(ステップS15)。所定の通知条件が成立する場合の一例としては、現在の日時が、通知を行う設定日時(例えば、正午12時)になったことが挙げられる。管理サーバー20は、所定の通知条件が成立した場合(ステップS15のYes)、通知設定がオンである情報端末30に対して第2情報を送信する(ステップS16)。
通知を行う設定日時において、複数の第2情報が収集されていれば、複数の第2情報をまとめて1つの通知として送信することが好ましい。情報端末30の通知設定がオフである場合(ステップS14のNo)、第2情報を情報端末30に通知することなく、本実施形態の制御フローを終了する。なお、複数の情報端末30のうち、一部の情報端末30の通知設定がオンである場合は、当該一部の情報端末30のみに対して第2情報を通知する。
以下、図5のフローチャートを参照しながら、管理サーバー20において蓄電装置10の状態に関する情報が所定期間取得されない場合の制御について説明する。
図5に示すように、管理サーバー20は、例えば、情報端末30Aを介して蓄電装置10の状態に関する情報を収集しているが(ステップS10)、最後の情報を取得してから所定期間経過した場合(ステップS20のYes)、情報端末30に対して蓄電装置10の状態確認を促すアラート情報を通知する(ステップS21)。所定期間は特に限定されないが、蓄電装置10が過放電状態になることを十分に抑制可能な期間に設定されることが好ましい。例えば、蓄電装置10が充電率0%の状態から2ヶ月放置すると過放電状態になる場合、所定期間を2ヶ月未満の期間に設定する。一例としては、1ヶ月である。
管理サーバー20は、蓄電装置10ごとにアラート情報を通知する。管理サーバー20は、現在時刻が通知を行う設定時刻になることなど、所定の通知条件が成立した場合に、情報端末30に対してアラート情報を通知してもよい。所定の通知条件が成立した時点で情報更新が所定期間途絶えている蓄電装置10が複数存在する場合は、複数のアラート情報をまとめて1つの通知として送信してもよい。なお、管理サーバー20は、蓄電装置10が長期保管モードであるか否かを判定し、長期保管モードではない蓄電装置10について、当該蓄電装置10を管理する情報端末30に対してアラート情報を通知してもよい。
以下、図6~図13を参照しながら、情報端末30に表示される管理アプリの画面、およびプッシュ通知の一例について説明する。
図6は、管理アプリのホーム画面の一例を示す。情報端末30を用いて管理対象の蓄電装置10を登録することができ、ホーム画面には、登録された蓄電装置10の情報が表示される。図6に示す例では、蓄電装置10の識別情報、充電率、新着情報の有無、お気に入り設定の有無、および廃棄放電に関する情報が表示されている。例えば、ホーム画面の各蓄電装置10の表示をクリックすることで、各蓄電装置10に関する詳細な情報(後述の図9参照)を表示することができる。
図7は、プッシュ通知の設定画面の一例を示す。図7に示す例では、「最大容量(遠隔)」、「状態確認(遠隔)」、および「製品情報」の通知がオンになっており、「残量低下」の通知がオフになっている。製品情報は、蓄電装置10の管理に直接関わらない情報であって、蓄電装置10の登録に関わらず、当該情報のプッシュ通知を受け取るか否かを選択できる。残量低下の情報は、蓄電装置10の充電率が所定の閾値以下になったときに通知される、蓄電装置10の充電を促すための情報である。このため、エリアAから離れた遠隔地の情報端末30についてはオフ設定であってもよい。
最大容量および状態確認の情報は、例えば、上記第2情報に属する。最大容量の情報は、蓄電装置10の寿命(劣化レベル)に関わる情報であって、蓄電装置10の買い替え、廃棄に際して必要となる情報である。最大容量の通知設定をオンにしていると、例えば、後述の図12および図13に例示するような情報が管理サーバー20から通知される。本実施形態では、蓄電装置10の異常に関する第1情報の通知設定欄については設定画面に含まれず、ユーザーが任意にオン/オフできないことが好ましい。
図8は、蓄電装置10の異常に関する第1情報のプッシュ通知の一例を示す。図8に示すように、第1情報は管理アプリを起動していなくても情報端末30のモニタ33に表示される。このため、管理者は蓄電装置10の異常に対して迅速に対処できる。図8に示す例では、「異常が発生しました。確認してください。」との内容がモニタ33の上部に表示されている。この表示をクリックすると、蓄電装置10に発生した異常の詳細な情報、例えば、後述の図9又は図10に示すような情報が表示される。
図9は、各蓄電装置10についての詳細情報を表示する基本画面の一例を示す。図9に示す例では、蓄電装置10の識別情報、充電率、最大容量、および使用時間の目安が表示されている。さらに、蓄電装置10の異常に関する第1情報として、「バッテリーエラー」が表示されている。図9に示すように、情報端末30には、蓄電装置10だけでなく、蓄電装置10が接続される充放電器40についての異常発生情報が表示されてもよい。第1情報は、基本画面において目立つように表示されることが好ましい。
図10は、第1情報の表示形態の一例を示す。図10に例示する情報は、例えば、図9に例示する基本画面の「バッテリーエラー」の表示をクリックすることで表示される。図10に示す例では、強い警告を印象付ける記号(エクスクラメーションマーク)と、「異常が発生しました」の文字とが大きく表示されている。情報端末30には、さらに、発生した異常の種類を表す区分表示(例えば、U007、F003等)、対処方法、および対処方法の詳細情報へのリンクが表示されてもよい。対処方法に関する情報の一例としては、「エラーコードを参考に対応方法を確認してください」、「販売店に連絡してください」等の情報が挙げられる。
図11は、蓄電装置10の寿命に関する第2情報の一例を示す。管理サーバー20は、例えば、蓄電装置10の最大容量が第1の閾値以下になったときに、第2情報として蓄電装置10の買い替えを促す情報を通知する。図11に示す例では、基本画面において、「もうすぐ寿命です」、「安全のためもうすぐ停止します」との情報を表示している。即ち、管理サーバー20は、蓄電装置10から最大容量の情報を取得し、最大容量と第1の閾値を比較して、最大容量≦第1の閾値である場合に蓄電装置10の買い替えを促す第2情報を情報端末30に通知する。
図12は、蓄電装置10の寿命に関する第2情報の他の一例を示す。図12では、蓄電装置10の最大容量が第1の閾値よりも小さな第2の閾値以下となり、蓄電装置10が使用不可となった場合を例示している。図12に示す例では、基本画面において、「寿命を迎えました」、「充電できません。廃棄放電処理についてご確認下さい。」との蓄電装置10の廃棄を促す情報を表示している。即ち、管理サーバー20は、蓄電装置10から最大容量の情報を取得し、最大容量と第2の閾値を比較して、最大容量≦第2の閾値である場合に蓄電装置10の廃棄を促す第2情報(廃棄放電の案内)を情報端末30に通知する。
図13は、蓄電装置10の状態の確認を促すアラート通知の一例を示す。管理サーバー20は、上記のように、蓄電装置10の状態に関する情報が所定期間更新されていない場合、情報端末30に対して当該蓄電装置10の状態確認を促すアラート情報を通知する。アラート情報は管理アプリを起動していなくても情報端末30のモニタ33に表示される。図13に示す例では、「管理バッテリー情報が一定期間更新されていません。アプリと接続することで解消できます。」との蓄電装置10と通信して状態を確認することを促す情報が表示されている。
以上のように、上記構成を備えた管理システム1によれば、アラート通知により、蓄電装置10が長期間放置されることを抑制でき、蓄電装置10のより適切な管理を実現できる。管理システム1は、蓄電装置10が所定期間放置されている場合、ユーザーに対して蓄電装置10の状態を確認するように促すことができ、例えば、蓄電装置10が過放電状態になることを防止できる。また、管理システム1によれば、蓄電装置10の管理を行うユーザーにおいて、管理サーバー20が収集した蓄電装置10の状態に関する情報を有効に活用できる。
なお、上記実施形態は本開示の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。例えば、上記実施形態では、管理サーバー20により収集された情報が情報端末30にプッシュ通知されるが、当該プッシュ通知を行わない構成とすることも可能である。但し、管理サーバー20における情報収集と当該プッシュ通知を組み合わせることで、より付加価値の高い管理システム1を構築できる。
1 管理システム、10 蓄電装置、11 電池モジュール、12 通信モジュール、13 制御部、14 ケース、15 把手、16 接続部、16A 端子、17 残量表示ボタン、18 インジケータ、20 管理サーバー、21,31 プロセッサ、22,32 メモリ、30 情報端末、33 モニタ、40 充放電器、41 充放電回路、42 コード、43 コンセント、44 プラス端子、45 マイナス端子、46 検出端子、50 サーバー
Claims (4)
- 通信モジュールを含む蓄電装置と、
前記蓄電装置の状態に関する情報を収集する管理サーバーと、
前記管理サーバーと通信可能な端末装置と、
を備え、
前記管理サーバーは、前記情報を所定期間受信していない場合に、前記端末装置に対して前記蓄電装置の状態確認を促すアラート通知を行う、蓄電装置の管理システム。 - 前記端末装置には、ユーザーが管理する第1端末装置と、前記ユーザー以外が管理する第2端末装置とが含まれ、
前記管理サーバーは、前記第1端末装置および前記第2端末装置の少なくとも一方に対して前記アラート通知を行う、請求項1に記載の管理システム。 - 前記管理サーバーは、複数の前記蓄電装置のそれぞれに設定された識別情報を記憶し、前記識別情報と関連付けて前記アラート通知を行う、請求項1又は2に記載の管理システム。
- 前記蓄電装置は、装置構成機器をシャットダウンする長期保管モードを有し、
前記管理サーバーは、前記長期保管モード中の前記蓄電装置について、前記アラート通知の頻度を少なくする、請求項1~3のいずれか一項に記載の管理システム。
Priority Applications (1)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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-
2022
- 2022-03-18 JP JP2022043863A patent/JP2023137597A/ja active Pending
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