以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。本明細書における上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、島設備SSにおいて、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10と、管理ユニット100とは、交互に並ぶように設置される。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10に併設される。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10と通信可能に接続される。
管理ユニット100について説明する。
管理ユニット100は、管理媒体を挿入可能な媒体挿入部101を備える。一例として、管理媒体は、ICカード、又はICコインといったデータ記憶媒体である。管理媒体は、投入金の残額、及び遊技者が所有する遊技球の個数(以下、第1管理球数PAと示す)を記憶可能である。第1管理球数PAは、管理ユニット100が管理するデータである。管理媒体は、遊技者の個人情報、又は支払金の残額(プリペイド残額)を記憶可能であってもよい。管理ユニット100は、現金を投入可能な現金投入部102を備える。現金投入部102への投入金額は、管理媒体に記憶された残額に加算される。一例として、現金は、紙幣及び硬貨の何れであってもよい。
管理ユニット100は、操作パネル110を備える。操作パネル110は、球貸操作部111、払出操作部112、返却操作部113、第1球数表示部114、及び残額表示部115を備える。球貸操作部111は、管理媒体に記憶された残額に基づいて、遊技者が所有する遊技球の個数(以下、第2管理球数PBと示す)を増加させるときに操作される。第2管理球数PBは、パチンコ遊技機10が管理するデータである。払出操作部112は、第1管理球数PAに基づいて、第2管理球数PBを増加させるときに操作される。第1管理球数PA及び第2管理球数PBは、持ち球数の一例である。返却操作部113は、管理ユニット100に挿入された管理媒体の返却を受けるときに操作される。第1球数表示部114には、第1管理球数PAを特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。残額表示部115には、支払金の残額を特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。
管理ユニット100は、管理ユニット制御基板120を備える。管理ユニット制御基板120は、管理CPU120aと、管理ROM120bと、管理RAM120cと、を備える。管理CPU120aは、管理ユニット制御プログラムを実行することにより、所定の制御を行う。管理ROM120bは、管理ユニット制御プログラムを記憶している。管理RAM120cは、管理ユニット100の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、管理RAM120cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10と双方向に通信可能に接続される通信端子120dを備える。
管理ユニット制御基板120は、媒体挿入部101と接続される。管理CPU120aは、媒体挿入部101に挿入された管理媒体の記憶内容を書換え可能に構成される。管理ユニット制御基板120は、現金投入部102と接続される。管理CPU120aは、現金投入部102に現金が投入されたときに出力する投入信号を入力可能に構成される。投入信号は、現金投入部102への投入金額を特定可能な信号である。
管理ユニット制御基板120は、操作パネル110と接続される。管理CPU120aは、球貸操作部111が操作されたときに出力する球貸信号を入力可能に構成される。管理ユニット制御基板120は、払出操作部112が操作されたときに出力する払出信号を入力可能に構成される。管理CPU120aは、返却操作部113が操作されたときに出力する返却信号を入力可能に構成される。管理CPU120aは、第1球数表示部114の表示内容を制御可能に構成される。管理CPU120aは、残額表示部115の表示内容を制御可能に構成される。
管理ユニット制御基板120は、通信端子120dを介してパチンコ遊技機10と接続される。管理CPU120aは、パチンコ遊技機10が出力する各種の制御信号(制御情報)を入力可能に構成される。管理CPU120aは、パチンコ遊技機10に対して各種の制御信号(制御情報)を出力可能に構成される。管理ユニット100は、通信端子120dからパチンコ遊技機10へと接続信号を出力する。なお、接続信号は、管理ユニット制御基板120(管理CPU120a)が生成するコマンドや電文であってもよく、管理CPU120aとは異なる出力回路(例えば電源回路)が生成する信号であってもよい。
管理ユニット100は、外部機器と接続するための外部通信端子(不図示)を備える。一例として、外部機器(不図示)は、遊技場に設置されたホールコンピュータである。一例として、外部機器は、遊技場外のデータセンタに設置されたサーバ設備とネットワークを介して通信可能な管理コンピュータである。この場合、管理コンピュータと管理ユニット100とは、双方向に通信可能に接続されることが好ましい。
管理ユニット100にて行われる処理について説明する。管理CPU120aは、媒体挿入部101に管理媒体が挿入されると、管理媒体に記憶された残額、及び第1管理球数PAを読み出し、管理RAM120cに記憶させる。そして、管理CPU120aは、管理媒体が挿入されている場合に、以下に説明する処理を行う。
管理CPU120aは、現金投入部102から投入信号を入力すると、投入信号から特定可能な投入金額を残額に加算する。管理CPU120aは、残額が0ではないとき、球貸操作部111から球貸信号を入力すると、残額を規定額だけ減算するとともに、当該規定額に対応する数の遊技球の貸出を特定可能な貸出情報を管理RAM120cに記憶させる。なお、管理CPU120aは、残額が0であるとき、球貸信号を入力しても貸出情報を管理RAM120cに記憶させない。
管理CPU120aは、第1管理球数PAが1以上であるとき、払出操作部112から払出信号を入力すると、第1管理球数PAを所定数だけ減算し、当該所定数の遊技球の貸出を特定可能な貸出情報を管理RAM120cに記憶させる。なお、管理CPU120aは、第1管理球数PAが0であるとき、払出信号を入力しても、管理RAM120cに記憶させない。貸出情報は、貸出球数を特定可能である。
管理CPU120aは、パチンコ遊技機10から計数情報を受信すると、当該計数情報から特定可能な遊技球の個数を第1管理球数PAに加算する。計数情報は、パチンコ遊技機10から管理ユニット100へと管理を移管する持ち球数を特定可能な情報である。なお、計数情報は、パチンコ遊技機10から定期的に送信されるものであり、パチンコ遊技機10において後述する計数操作部18が操作されていなければ0となる。つまり、管理CPU120aは、パチンコ遊技機10から計数情報を受信しても、第1管理球数PAに加算しない場合がある。管理CPU120aは、パチンコ遊技機10に貸出情報を送信すると、管理RAM120cに記憶されている貸出情報を、0に初期化する。
管理CPU120aは、第1球数表示部114を制御し、その時々の第1管理球数PAを特定可能な情報を表示させる。第1管理球数PAは、第1球数表示部114においてリアルタイムで表示される。管理CPU120aは、残額表示部115を制御し、その時々の残額を特定可能な情報を表示させる。残額は、残額表示部115においてリアルタイムで表示される。管理CPU120aは、返却操作部113から返却信号を入力すると、管理RAM120cに記憶されている残額及び第1管理球数PAを管理媒体に記憶させるとともに、管理RAM120cに記憶されている残額及び第1管理球数PAを初期化する。管理CPU120aは、管理媒体が媒体挿入部101から排出されるように、媒体挿入部101を制御する。
パチンコ遊技機10について説明する。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、規定数P0の遊技球が機内部に封入された封入式の遊技機である。パチンコ遊技機10は、機内部において遊技球を循環させる循環型の遊技機の一例である。遊技球は、磁性体及び非磁性体の何れであってもよい。パチンコ遊技機10は、遊技球を貯留する貯留部を備えない。パチンコ遊技機10は、原則として、遊技者が遊技球に触れ得ない構造である。
パチンコ遊技機10は、貸し球数P1、獲得球数P2、発射球数P3、及び戻り球数P4に基づいて、第2管理球数PBを電磁的に管理する。貸し球数P1は、遊技者に貸し出された遊技球の個数である。獲得球数P2は、遊技者が獲得した遊技球の個数である。発射球数P3は、遊技者が発射した遊技球の個数である。発射球数P3は、後述する供給部61から発射部65へ供給された遊技球の個数ともいえる。戻り球数P4は、遊技者が発射した遊技球のうち、後述する遊技領域20aに到達しなかった遊技球の個数である。戻り球数P4は、発射部65から遊技領域20aに向けて発射された遊技球のうち、遊技領域20aに到達しなかった遊技球の個数ともいえる。戻り球は、所謂「ファール球」である。
パチンコ遊技機10は、枠11を備える。枠11は、機体を島設備に固定するための外枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、保護枠11cと、を備える。搭載枠11bは、外枠11aに対して開閉可能に支持される。保護枠11cは、搭載枠11bに対して開閉可能に支持される。保護枠11cは、搭載枠11bに搭載された遊技部品を保護する保護ガラス(不図示)を有する。パチンコ遊技機10は、搭載枠11b及び保護枠11cを施錠する施錠装置11dを備える。パチンコ遊技機10は、施錠装置11dに適合する鍵を用いて解錠しなければ、外枠11aに対して搭載枠11b及び保護枠11cを開放できないように構成される。
パチンコ遊技機10は、スピーカを一例とする演出音声部12を備える。演出音声部12は、搭載枠11bの前面側に配設される。演出音声部12は、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)、及び所定の音声を出力する報知(以下、音声報知と示す)を実行可能である。例えば、所定の音声は、楽曲、効果音、及び所定の文字列を読み上げる人の声等である。パチンコ遊技機10は、スピーカを一例とする報知音声部13を備える。報知音声部13は、音声報知を実行可能である。一例として、演出音声部12及び報知音声部13は、搭載枠11bに配設される。
パチンコ遊技機10は、演出発光部14を備える。演出発光部14は、LEDなどを一例とする発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。演出発光部14は、発光体の点灯、点滅、及び消灯による報知(以下、発光報知と示す)を実行可能である。一例として、演出発光部14は、搭載枠11bに配設される。演出発光部14は、後述の遊技盤20に配設されていてもよい。
パチンコ遊技機10は、遊技球を発射させる操作を可能な発射操作部15を備える。発射操作部15は、搭載枠11bの前面側に配設される。パチンコ遊技機10は、発射操作部15の操作に応じた発射強度にて遊技球を打ち出すように構成される。発射操作部15は、後述する発射部65が遊技球を発射するときの発射強度を調整する調整手段に相当する。一例として、発射操作部15は、回動操作を可能なハンドルレバー15aと、タッチセンサD01(図11参照)と、発射停止スイッチD02(図11参照)と、ハンドルボリュームD03(図11参照)と、を備える。
タッチセンサD01は、発射操作部15の側面を囲うように配設された通電リング15bと接続される。タッチセンサD01は、遊技者が発射操作部15を把持し、遊技者の手指が通電リング15bに触れるとタッチ信号を出力する。タッチ信号は、遊技者の手指が通電リング15bに触れているときにオン状態となり、触れていないときにオフ状態となる。発射停止スイッチD02は、発射操作部15の側方に突出する発射停止ボタン15cが押し込まれるとストップ信号を出力する。ストップ信号は、発射停止ボタン15cが操作されるとオン状態となり、操作されていないとオフ状態となる。ハンドルボリュームD03は、ハンドルレバー15aが回動操作されると、その回動操作量に応じた電圧のボリューム信号を出力する。
図1及び図3に示すように、パチンコ遊技機10は、第2管理球数PBを特定可能な情報を表示する第2球数表示部17を備える。一例として、第2球数表示部17は、複数(例えば6個)の7セグを並べた構成とされており、複数(例えば6桁)の数字を表示可能である。第2球数表示部17は、所定の文字、及び数字を表示する態様で、所定の報知を実行可能である。
パチンコ遊技機10は、計数操作部18を備える。計数操作部18は、主に遊技者がパチンコ遊技機10における遊技を終了するときに操作される。計数操作部18は、予め定めた計数可能状態である場合に、計数操作部18を用いた計数操作が許容される。計数操作部18は、押込み操作がされると計数信号を出力する。パチンコ遊技機10は、計数報知部18aを備える。一例として、第2球数表示部17、計数操作部18、及び計数報知部18aは、搭載枠11bの前面側に配設される。
ここで、計数操作部18の操作態様について説明する。以下の説明では、計数信号についてオンと示す場合、計数信号が出力されていることを意味する。計数信号についてオフと示す場合、計数信号が出力されていないことを意味する。計数操作部18の操作態様には、第1態様、及び第2態様がある。第1態様は、計数操作部18に対する操作時間が所定時間ta(一例として500ms)未満の操作態様である。操作時間は、計数信号がオンとなってからオフになるまでの時間である。第1態様は、所謂「単押し操作」である。第2態様は、計数操作部18に対する操作時間が所定時間ta以上の操作態様である。第2態様は、所謂「長押し操作」である。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤20を備える。遊技盤20は、搭載枠11bに組み付けられている。遊技盤20の表面には、正面視で略円形状の遊技領域20aが画成される。遊技領域20aは、遊技盤20の表面を、外側レール21及び内側レール22によって区画することにより形成される。遊技領域20aの略中央には、表示窓口20bが形成される。パチンコ遊技機10には、発射操作部15の操作によって後述する発射部65内の打撃位置67(図8参照)から発射された遊技球を遊技領域20aへと案内する案内通路23が形成される。案内通路23は、遊技盤20と、搭載枠11bと、後述する発射部65と、にまたがって形成される。案内通路23は、打撃位置67側から左上に向かって延びたあと、右上に向かって湾曲する通路である。言い換えれば、案内通路23は、左に凸となる形状で延びる通路である。案内通路23は、一端が発射部65において打撃位置67に開口しているとともに、他端が遊技盤20において遊技領域20aとの接続位置20c(図3参照)に開口している。以下の説明では、案内通路23内を打撃位置67側の一端から接続位置20c側の一端に向けて遊技球が進行するときの進行方向を、「発射方向」と示す場合がある。本実施形態において、発射方向は第1方向に相当し、発射方向と逆の方向は第2方向に相当する。また、以下の説明では、特に断りがない場合、「上流側」とは遊技球の発射方向における上流側を指すものとし、「下流側」とは遊技球の発射方向における下流側を指すものとする。遊技盤20の表面において、案内通路23の一部は、外側レール21及び内側レール22の間に形成される。本実施形態において、案内通路23は、発射操作部15の操作によって発射された遊技球が遊技領域20aに至るまでに通過する球通路に相当する。
図4に示すように、遊技盤20は、遊技球が遊技領域20aから案内通路23に流入することを防止する第1球戻り防止弁24を備える。第1球戻り防止弁24は、パチンコ遊技機10における前後方向(遊技盤20の表面に対して交差する方向)に垂直に延びる板状の部材である。第1球戻り防止弁24は、内側レール22の下流側の先端部22aに設けられる。言い換えれば、第1球戻り防止弁24は、遊技領域20aと案内通路23との接続位置20cに設けられる。本実施形態において、接続位置20cは、遊技領域20aと案内通路23との接続部に相当する。
第1球戻り防止弁24は、第1状態24aと、第2状態24bと、をとり得る。第1状態24aは、接続位置20cを遊技球が通過可能な状態である。第2状態24bは、接続位置20cを遊技球が通過不能、又は第1状態24aと比較して接続位置20cを遊技球が通過困難な状態である。第1球戻り防止弁24は、常には第2状態24bとなるように構成される。即ち、第1球戻り防止弁24は、外力が加わっていない場合には、第2状態24bとなるように構成される。一例として、第1球戻り防止弁24は、図示しない付勢部材によって付勢されることにより第2状態68bを維持するように構成される。
第1球戻り防止弁24は、第2状態24bである場合、少なくとも一部が接続位置20cに突出することにより、接続位置20cにおいて案内通路23を閉鎖する。なお、ここでいう「閉鎖」とは、第1球戻り防止弁24の先端部24dが外側レール21と接触するまで第1球戻り防止弁24が接続位置20cに突出する状態に限られず、先端部24dと外側レール21との距離が遊技球の直径未満となるまで第1球戻り防止弁24が接続位置20cに突出する状態を含むものとする。第1球戻り防止弁24は、第1状態24aである場合、接続位置20cにおいて案内通路23を開放する。なお、ここでいう「開放」とは、第1球戻り防止弁24の全体が接続位置20cに突出しない状態に限られず、第1球戻り防止弁24の先端部24dと外側レール21との距離が遊技球の直径以上であれば、第1球戻り防止弁24の一部又は全部が接続位置20cに突出する状態を含むものとする。
第1球戻り防止弁24は、基端部24cにある軸心周りで回動可能に支持されている。第1球戻り防止弁24は、案内通路23側(図中、左下方)から外力が加わった場合に、基端部24cにある軸心周りで時計回りに回動することにより、第2状態24bから第1状態24aに変位するように構成される。即ち、第1球戻り防止弁24は、第2状態24bである場合において、案内通路23から遊技領域20aに流入しようとする遊技球と接触したときには、第1状態24aとなることにより、遊技球を案内通路23から遊技領域20aに流入可能とする。一方で、第1球戻り防止弁24は、遊技領域20a側(図中、右上方)から外力が加わった場合には、第1球戻り防止弁24の一部が図示しないストッパと当接することにより、第2状態24bから第1状態24aに変位しないように構成される。即ち、第1球戻り防止弁24は、第2状態24bである場合において、遊技領域20aから案内通路23に流入しようとする遊技球と接触したときには、第1状態24aとなることなく、遊技球を遊技領域20aから案内通路23に流入不能又は流入困難とする。即ち、第1球戻り防止弁24は、案内通路23から遊技領域20aに遊技球を流入可能とする一方で、遊技領域20aから案内通路23に遊技球を流入不能、又は案内通路23から遊技領域20aに流入するときと比較して遊技球を流入困難とする特別部材に相当する。
図2に示すように、遊技盤20は、各種の情報を表示する情報表示装置25を備える。情報表示装置25は、第1特別図柄表示部25a、第2特別図柄表示部25b、第1保留表示部25c、第2保留表示部25d、普通図柄表示部25e、及び普通保留表示部25fを含む。一例として、情報表示装置25の各表示部は、遊技者から視認可能な部分に纏めて配設されるが、これに限らず、一部又は全部が異なる部分に配設されていてもよい。
第1特別図柄表示部25aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)を実行可能である。第2特別図柄表示部25bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)を実行可能である。特別図柄は、内部抽選(特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下、第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームを纏めて「特別ゲーム」という。特別図柄は、大当り図柄と、はずれ図柄と、を含む。特別図柄は、小当り図柄を含んでもよい。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選で大当りに当選すると、特別ゲームで大当り図柄が停止表示され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。大当り遊技については後述する。
第1保留表示部25cは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2保留表示部25dは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
普通図柄表示部25eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる普通ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、がある。パチンコ遊技機10では、普通図柄の当り抽選で普通当りに当選すると、普通ゲームで普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。普通保留表示部25fは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。情報表示装置25には、右打ちを指示する情報を表示する右打ち表示部や、ラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部が含まれていてもよい。
パチンコ遊技機10は、演出表示部19を備える。演出表示部19は、画像を表示可能な画像表示領域19aを有する。演出表示部19は、画像を表示可能な表示部の一例である。演出表示部19は、表示窓口20bを介して、画像表示領域19aを視認可能となるように、遊技盤20に組み付けられている。例えば、演出表示部19は、液晶装置である。演出表示部19は、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)、及び、所定の画像を表示する報知(以下、表示報知と示す)を実行可能である。例えば、所定の画像は、演出図柄、キャラクタ、風景、文字(文字列)、数字、及び記号などの画像である。
ここで、演出音声部12、演出発光部14、及び演出表示部19は、何れも所定の演出を実行可能な演出部であり、複数の演出部からなる演出装置ESを構成する。演出装置ESに含まれる演出部及び報知部は、演出音声部12、演出発光部14、及び演出表示部19であることに限定されず、これらの演出部の一部を省略した構成であってもよい。演出装置ESは、これらの演出部及び報知部に加えて、又は任意に選択できる1つまたは複数に代えて、可動演出を実行する演出可動部を備えてもよく、振動演出を実行する演出振動部を備えてもよい。
例えば、演出表示部19における表示演出には、複数列の演出図柄(飾り図柄)を用いた演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)がある。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が停止表示される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにて大当り図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにてはずれ図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが停止表示される。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームとともに実行される演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す。
遊技盤20には、遊技球が入球可能な複数の入賞口26が形成される。これら複数の入賞口26は、遊技領域20aに開口する。複数の入賞口26は、第1始動口26Aと、第2始動口26Bと、大入賞口26Cと、普通入賞口26Dと、を含む。複数の入賞口には、これらの入賞口26とは異なる入賞口を含んでもよい。
第1始動口26Aは、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1始動口26Aは、演出表示部19の下方にある。第1始動口26Aは、常に遊技球を入球させ得るように開口される。遊技盤20は、第1始動口26Aへ入球した遊技球を検知する第1始動センサD11(図12参照)を備える。
第2始動口26Bは、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2始動口26Bは、第1始動口26Aの右方にある。第2始動口26Bは、扉状であることを一例とする普通開閉片26Baを備える。第2始動口26Bは、普通当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。第2始動口26Bは、普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、第2始動口26Bを開放させる手段として、普通ソレノイドSL1(図12参照)を備える。また、遊技盤20は、第2始動口26Bへ入球した遊技球を検知する第2始動センサD12(図12参照)を備える。普通開閉片26Baは、所謂「普通電動役物」である。
大入賞口26Cは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、大入賞口26Cは、演出表示部19の右下方にある。大入賞口26Cは、扉状であることを一例とする特別開閉片26Caを備える。大入賞口26Cは、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。大入賞口26Cは、大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、大入賞口26Cを開放させる手段として、特別ソレノイドSL2(図12参照)を備える。また、遊技盤20は、大入賞口26Cへ入球した遊技球を検知するカウントセンサD13(図12参照)を備える。
普通入賞口26Dは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、普通入賞口26Dは、演出表示部19の左下方、及び演出表示部19の右下方にそれぞれある。普通入賞口26Dは、常に遊技球を入球させることができるように開口される。遊技盤20は、普通入賞口26Dへ入球した遊技球を検知する普通センサD14(図12参照)を備える。
遊技盤20は、ゲート27を備える。一例として、ゲート27は、遊技領域20aの右方領域であって、第2始動口26B、及び大入賞口26Cの上方にある。ゲート27には、ゲート口27aが形成されている。ゲート口27aは、常に遊技球を入球させることができるように開放される。ゲート27は、ゲート口27aへ入球した遊技球を検知するゲートセンサD15(図12参照)を有する。ゲート27は、普通ゲームの始動条件を成立させるために、遊技球を入球させる入球口である。ゲート27は、遊技球が入球しても賞球の付与条件が成立しない。
遊技盤20には、アウト口28が形成される。遊技領域20aに発射された遊技球は、複数の入賞口26の何れにも入球しなかった場合に、アウト口28に入球する。入賞口26及びアウト口28は、遊技領域20aから遊技球を排出するための排出口、又は遊技領域20aから遊技球を回収するための回収口として把握できる。遊技球は、入賞口26又はアウト口28に入球すると、遊技盤20から排出される。以下、入賞口26又はアウト口28を介して遊技盤20から排出される遊技球をアウト球と示す場合がある。
枠11(搭載枠11b)は、遊技球の流通機構29を備える。
図5に示すように、流通機構29は、回収機構30と、循環機構50と、発射機構60と、球抜き機構70と、を含む。回収機構30は、搭載枠11bに形成される。回収機構30は、遊技盤20(遊技領域20a)から排出された遊技球を循環機構50へ案内する。回収機構30は、下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって傾斜する通路を組み合わせて構成される。遊技球は、遊技盤20から回収機構30に受け入れられた場合に、回収機構30を構成する通路を流下することにより、循環機構50へ到達し得る。
循環機構50は、搭載枠11bに形成される。循環機構50は、回収機構30から受け入れた遊技球を、所定の方向へ搬送する。一例として、循環機構50は、遊技球を揚上する。発射機構60は、搭載枠11bに形成される。遊技球は、循環機構50によって搬送された場合に、発射機構60に受け入れられる。発射機構60は、循環機構50によって搬送された遊技球を、遊技領域20aに向けて発射し得る。球抜き機構70は、搭載枠11bに形成される。球抜き機構70は、回収機構30、循環機構50、及び発射機構60にある遊技球を抜き取るための機構である。
流通機構29における遊技球の流れについて説明する。発射機構60によって発射された遊技球は、遊技領域20aへ到達し得る。遊技領域20aに到達した遊技球は、入賞口26又はアウト口28へ入球する。入賞口26又はアウト口28へ入球した遊技球は、回収機構30へ排出される。遊技領域20aに到達しない遊技球も同様に、回収機構30へ排出される。回収機構30へ排出された遊技球は、循環機構50へ到達する。循環機構50へ到達した遊技球は、該循環機構50によって発射機構60へ搬送される。以下、各機構について、詳しく説明する。
回収機構30について詳しく説明する。
搭載枠11bには、1以上の入賞受入口31aが形成される。入賞受入口31aは、遊技盤20の下端部に形成された排出口(不図示)のうち、入賞口26へ入球した遊技球を排出する排出口の下方に形成される。入賞受入口31aは、入賞口26を介して遊技盤20から排出される遊技球を受け入れる。搭載枠11bには、入賞受入口31aに繋がる入賞通路33が形成される。
搭載枠11bには、1以上の非入賞受入口31bが形成される。非入賞受入口31bは、遊技盤20の下端部に形成された排出口(不図示)のうち、アウト口28へ入球した遊技球を排出する排出口の下方に形成される。非入賞受入口31bは、アウト口28を介して遊技盤20から排出される遊技球を受け入れる。搭載枠11bには、非入賞受入口31bに繋がる非入賞通路34が形成される。入賞通路33及び非入賞通路34は、第1合流部35において合流する。搭載枠11bには、第1合流部35を介して入賞通路33及び非入賞通路34と繋がる合流通路36が形成される。
搭載枠11bには、1以上のファール受入口32が形成される。一例として、ファール受入口32は、案内通路23に開口する。ファール受入口32は、発射部65から遊技領域20aに向けて発射された遊技球のうち、遊技領域20aに到達しなかった遊技球であるファール球を受け入れる。ファール受入口32は、第1ファール受入口32aと、第2ファール受入口32bと、を含む。第2ファール受入口32bは、案内通路23が左上に向かって延びる部分において、第1ファール受入口32aよりも右下に開口する。言い換えれば、ファール受入口32は、案内通路23内において第1ファール受入口32aよりも上流側に開口する。
搭載枠11bには、第1ファール受入口32a及び第2ファール受入口32bを介して案内通路23と繋がるファール通路37が形成される。言い換えれば、案内通路23とファール通路37とは、遊技球が通過可能な開口部としてのファール受入口32を介して接続されている。ファール通路37は、発射部65から案内通路23に発射され、且つ、遊技領域20aに至らなかった遊技球が流入可能な特定通路の一例である。第1ファール受入口32aを介して案内通路23と繋がるファール通路37と、第2ファール受入口32bを介して案内通路23と繋がるファール通路37とは、兼用されている。第1ファール受入口32aに受け入れられた遊技球と、第2ファール受入口32bに受け入れられた遊技球とは、ファール通路37において合流する。合流通路36と、ファール通路37とは、第2合流部38において合流する。搭載枠11bには、第2合流部38を介して循環機構50と繋がる供給通路39が形成される。
搭載枠11bは、入賞通路33を通過する遊技球を検知する入賞通路カウントセンサD33を備える。入賞通路カウントセンサD33は、入賞通路33又は入賞通路33に隣接する部分に設けられる。入賞通路カウントセンサD33は、遊技球を検知した場合に、入賞通路信号を出力する。入賞通路信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
搭載枠11bは、非入賞通路34を通過する遊技球を検知する非入賞通路カウントセンサD34を備える。非入賞通路カウントセンサD34は、非入賞通路34又は非入賞通路34に隣接する部分に設けられる。非入賞通路カウントセンサD34は、遊技球を検知した場合に、非入賞通路信号を出力する。非入賞通路信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
搭載枠11bは、合流通路36を通過する遊技球を検知するアウトセンサD36を備える。アウトセンサD36は、発射部65から発射された遊技球のうち、遊技領域20aへ到達した遊技球を有効球として検知する。アウトセンサD36は、合流通路36又は合流通路36に隣接する部分に設けられる。アウトセンサD36は、遊技球を検知した場合に、アウト信号を出力する。アウト信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。アウトセンサD36は、アウト球を検知するともいえる。
搭載枠11bは、ファール通路37を通過する遊技球(ファール球)を検知するファールセンサD37を備える。ファールセンサD37は、発射部65から発射された遊技球のうち、遊技領域20aへ到達しなかった遊技球をファール球として検知する。ファールセンサD37は、ファール通路37に流入した遊技球を検知可能な位置に配設された特別検知手段の一例である。ファールセンサD37は、ファール通路37又はファール通路37に隣接する部分に設けられる。ファールセンサD37は、遊技球を検知した場合に、ファール信号を出力する。ファール信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
循環機構50について詳しく説明する。
循環機構50は、回収機構30から受け入れた遊技球を搬送する搬送部52を備える。一例として、搬送部52は、所定の方向に沿って延びる搬送通路と、搬送通路に収容されたスクリューと、スクリューを回転させる搬送モータ52aと、を備える。遊技球は、搬送モータ52aによってスクリューが回転されることにより、搬送通路において遊技球が所定の方向へ搬送される。搬送モータ52aは、遊技領域20aから回収された遊技球を搬送する。これに限らず、搬送部52は、所定の方向に沿って延びるベルトであってもよく、所定の方向へ圧送する圧送モータであってもよい。所定の方向は、上方へ向かう方向であってもよく、上方へ上るように傾斜する方向であってもよい。
循環機構50は、搬送部52の入口において、供給通路39から受け入れた遊技球を検知する搬送入口センサD28を備える。搬送入口センサD28は、搬送部52の入口又は当該入口に隣接する部分に設けられる。搬送入口センサD28は、遊技球を検知した場合に、搬送入口信号を出力する。搬送入口信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
循環機構50は、搬送部52の出口において、当該搬送部52によって搬送された遊技球を検知する搬送出口センサD29を備える。搬送出口センサD29は、搬送部52の出口又は当該出口に隣接する部分に設けられる。搬送出口センサD29は、遊技球を検知した場合に、搬送出口信号を出力する。搬送出口信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
発射機構60について詳しく説明する。
発射機構60は、遊技領域20aに向けて遊技球を発射する発射部65と、遊技球を発射部65に供給する供給部61と、を備える。供給部61は、搬送部52によって搬送された遊技球を1球ずつ切り出すことにより、発射部65へ供給する。発射部65は、供給部61によって供給された遊技球を遊技領域20aに向けて発射する。
図6及び図7に示すように、供給部61には、入口側通路62aと、切出し機構63と、出口側通路62bと、が形成される。入口側通路62aは、搬送部52によって搬送された遊技球Kを受け入れる。入口側通路62aは、受け入れられた遊技球Kを一列に整列する。入口側通路62aは、切出し機構63がある部分に向かって下るように延びる通路である。
切出し機構63は、遊技球Kの供給動作を可能に構成された可動片63aと、可動片63aを駆動する供給ソレノイド63bと、を備える。可動片63aが供給動作をしていない場合に、可動片63aは、入口側通路62aから出口側通路62bへと流出しないように、遊技球Kを塞き止める。図6→図7の流れで示すように、可動片63aが1回の供給動作を実行すると、入口側通路62aにおいて一列に並ぶ遊技球Kのうち、先頭の遊技球Kだけが、出口側通路62bへと放出される。出口側通路62bは、発射部65へ向かって下るように延びる通路である。
供給部61は、供給部61の入口側において、入口側通路62aへ受け入れられた遊技球Kを検知する供給入口センサD22を備える。供給入口センサD22は、入口側通路62a又は入口側通路62aに隣接した部分に設けられる。供給入口センサD22は、遊技球Kを検知した場合に、供給入口信号を出力する。供給入口信号は、遊技球Kが検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
供給部61は、供給部61の出口側において、出口側通路62bへ放出された遊技球Kを検知する供給出口センサD23を備える。供給出口センサD23は、供給部61から発射部65に供給される遊技球を検知可能な位置に配設された特定検知手段の一例である。供給出口センサD23は、出口側通路62b又は出口側通路62bに隣接した部分に設けられる。供給出口センサD23は、遊技球Kを検知した場合に、供給出口信号を出力する。供給出口信号は、遊技球Kが検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
図8に示すように、発射部65は、遊技球の発射動作を可能に構成された発射ハンマー66と、発射ハンマー66を駆動する発射ソレノイド66a(図11参照)と、を備える。発射ソレノイド66aは、モータであってもよい。供給部61の出口側通路62bを流下した遊技球Kは、発射部65の打撃位置67に到達する。一例として、発射ハンマー66の発射動作は、打撃位置67にある遊技球を打撃することにより、遊技球を案内通路23に向けて打ち出す動作である。発射部65は、パチンコ遊技機10における前後方向に延びる第1ガイド壁65aと、パチンコ遊技機10における前後方向に延びる第2ガイド壁65bと、を備える。第2ガイド壁65bは、第1ガイド壁65aよりも上方において、第1ガイド壁65aと対向している。発射部65内において、案内通路23の一部は、第1ガイド壁65aと第2ガイド壁65bとの間に形成される。
パチンコ遊技機10は、案内通路23に発射された遊技球が発射部65の打撃位置67に逆流することを防止する第2球戻り防止弁68を備える。ここで、逆流とは、案内通路23内において遊技球が発射方向と逆方向に進行することを指す。第2球戻り防止弁68は、パチンコ遊技機10における前後方向に延びる板状の部材である。第2球戻り防止弁68は、厚みが一定又は略一定の板状の部材である。一例として、第2球戻り防止弁68は、金属製である。また、一例として、第2球戻り防止弁68は、図示しないアース線と接続されている。
第2球戻り防止弁68の基端部68cは、第1ガイド壁65aにより支持されている。第2球戻り防止弁68は、基端部68cから遊技球の発射方向に沿って延びたあと、上方に向かって湾曲している。第2球戻り防止弁68は、全体として左下に凸の形状である。また、第2球戻り防止弁68は、基端部68cから第1ガイド壁65aの壁面に沿って延びたあと、第2ガイド壁65bの壁面に向かって湾曲しているともいえる。
第2球戻り防止弁68の基端部68cは、案内通路23が左上に向かって伸びる部分において、ファール受入口32よりも右側で第1ガイド壁65aにより支持されている。言い換えれば、第2球戻り防止弁68の基端部68cは、案内通路23内においてファール受入口32よりも上流側で第1ガイド壁65aにより支持されている。即ち、第2球戻り防止弁68は、案内通路23内においてファール受入口32よりも発射部65側に設けられる。特に、第2球戻り防止弁68は、案内通路23が左上に向かって伸びる部分において、第2ファール受入口32bの右側の端部よりも右側で第1ガイド壁65aにより支持されている。言い換えれば、第2球戻り防止弁68は、第2ファール受入口32bの上流側の端部よりも上流側で第1ガイド壁65aにより支持されている。第2球戻り防止弁68は、下流側から該第2球戻り防止弁68に接触した遊技球を第2ファール受入口32bに案内する位置に設けられる。一例として、第2球戻り防止弁68は、先端部68dが第2ファール受入口32bの上方に突出する位置に設けられる。
第2球戻り防止弁68は、第1状態68aと、第2状態68bと、をとり得る。第1状態68aは、案内通路23内の特定位置23aを遊技球が通過可能な状態である。第2状態68bは、特定位置23aを遊技球が通過不能、又は第1状態68aと比較して特定位置23aを遊技球が通過困難な状態である。第2球戻り防止弁68は、常には第2状態68bとなるように構成される。即ち、第2球戻り防止弁68は、外力が加わっていない場合には、第2状態68bとなるように構成される。一例として、第2球戻り防止弁68は、該第2球戻り防止弁68の弾性力により第2状態68bを維持するように構成される。
第2球戻り防止弁68は、第2状態68bである場合、少なくとも一部が特定位置23aに突出することにより、特定位置23aにおいて案内通路23を閉鎖する。なお、ここでいう「閉鎖」とは、第2球戻り防止弁68の先端部68dが第2ガイド壁65bと接触するまで第2球戻り防止弁68が特定位置23aに突出する状態に限られず、先端部68dと第2ガイド壁65bとの距離が遊技球の直径未満となるまで第2球戻り防止弁68が特定位置23aに突出する状態を含むものとする。第2球戻り防止弁68は、第1状態68aである場合、特定位置23aにおいて案内通路23を開放する。なお、ここでいう「開放」とは、第2球戻り防止弁68の全体が特定位置23aに突出しない状態に限られず、第2球戻り防止弁68の先端部68dと第2ガイド壁65bとの距離が遊技球の直径以上であれば、第2球戻り防止弁68の一部又は全部が特定位置23a内に突出する状態を含むものとする。
第2球戻り防止弁68は、上流側(図中、右下方)から外力が加わった場合に、先端部68dが第2ガイド壁65bから離れる方向に変形することにより、第2状態68bから第1状態68aとなるように構成される。一方で、第2球戻り防止弁68は、下流側(図中、左上方)から外力が加わった場合には、先端部68dが第2ガイド壁65bに近づく方向に変形することにより、第2状態68bから第1状態68aとならないように構成される。
図9に示すように、発射ハンマー66が1回の発射動作を実行すると、矢印Y1に示すように、打撃位置67にある1球の遊技球が発射方向に沿って案内通路23に打ち出される。打ち出された遊技球は、特定位置23aにおいて上流側(図中、右下方)から第2球戻り防止弁68と接触する。第2球戻り防止弁68は、第2状態68bである状態において、上流側から遊技球と接触したときには、第1状態68aに変形することにより、特定位置23aを通過可能とする。言い換えれば、第2球戻り防止弁68は、第2状態68bである場合において、発射部65側から遊技領域20a側に進行する遊技球と接触したときには、第1状態68aとなることにより、案内通路23内の特定位置23aを通過可能とする。特に、第2球戻り防止弁68は、発射操作部15により調整可能な発射強度のうち最低の発射強度で遊技球が発射された場合であっても、該遊技球と接触したときには、第1状態68aとなるように構成される。なお、第2球戻り防止弁68が第1状態68aに変形させるために必要な外力の大きさは、第2球戻り防止弁68の形状、厚み、素材などによって決まる。即ち、第2球戻り防止弁68は、発射操作部15により調整可能な発射強度のうち最低の発射強度で発射された遊技球と接触したときに第1状態68aに変形するような形状、厚み、素材で形成されている。即ち、第2球戻り防止弁68は、発射部65側から遊技領域20a側に進行する遊技球と接触したときには、該遊技球が発射操作部15により調整可能な発射強度のうち最低の発射強度で遊技球が発射部65から発射された場合であっても、第2状態68bから第1状態68aとなる。
特定位置23aを通過した遊技球は、十分な発射強度がある場合に、案内通路23を飛翔して内側レール22の先端部22aに設けられた第1球戻り防止弁24と接触した後、案内通路23と遊技領域20aの接続位置20cを通過して遊技領域20aへ到達する。
一方、図10に示すように、特定位置23aを通過した遊技球は、発射強度が不足する場合、第1球戻り防止弁24と接触することなく、又は、第1球戻り防止弁24と接触した後に接続位置20cを通過することなく、案内通路23内を発射方向と逆方向に進行する。案内通路23内を発射方向と逆方向に進行する遊技球は、矢印Y2に示すように、特定位置23aに到達して下流側(図中、左上方)から第2球戻り防止弁68と接触する場合がある。第2球戻り防止弁68は、第2状態68bである状態において、下流側から遊技球と接触したときには、第1状態68aに変形することなく、特定位置23aを通過不能又は通過困難とする。言い換えれば、第2球戻り防止弁68は、第2状態68bである場合において、案内通路23内を遊技領域20a側から発射部65側に逆流する遊技球と接触したときには、第1状態68aとなることなく、遊技球を案内通路23内の特定位置23aを通過不能又は通過困難とする。案内通路23内を逆流して特定位置23aにおいて第2球戻り防止弁68と接触した遊技球は、自然落下することにより第2ファール受入口32bを介してファール通路37に流入する。また、案内通路23内を発射方向と逆方向に進行する遊技球は、発射部65から発射されたときの発射強度によっては、特定位置23aに到達するよりも前に減速する場合がある。案内通路23内を発射方向と逆方向に進行する遊技球のうち、特定位置23aに到達するよりも前に減速した遊技球は、矢印Y3に示すように第2球戻り防止弁68と接触することなく第2ファール受入口32bを介してファール通路37に流入する場合がある。また、案内通路23内を発射方向と逆方向に進行する遊技球のうち、第2ファール受入口32bに到達するよりも前に減速した遊技球は、矢印Y4に示すように第2球戻り防止弁68と接触することなく第1ファール受入口32aを介してファール通路37に流入する場合とがある。
第2球戻り防止弁68は、案内通路23内の特定位置23aを発射部65側から遊技領域20a側に遊技球が通過可能とする一方で、該特定位置23aを遊技領域20a側から発射部65側に遊技球が通過不能、又は発射部65側から遊技領域20a側に通過するときと比較して遊技球が通過困難とする特定部材に相当する。
流通機構29は、球抜き機構70を備える。
一例として、球抜き機構70は、搭載枠11bに形成される。球抜き機構70は、第1球抜き部71と、第2球抜き部72と、球抜き通路73と、を含んで構成される。
第1球抜き部71は、供給通路39に続く通路のうち、搬送入口センサD28によって遊技球が検知される部分と、搬送部52との間の部分(以下、第1接続部71aと示す)に形成される。第1接続部71aには、その壁又は底を所定の方向へ貫通する球抜き孔71bが形成される。球抜き孔71bは、遊技球の排出通路が第1接続部71aに開口する部分であってもよい。一例として、所定の方向は、後方であるが、これに限らず、前方であってもよく、下方であってもよい。
第1球抜き部71は、球抜き孔71bを封止する封止位置と、球抜き孔71bを開放する開放位置とに変位可能な開閉片71cを有する。開閉片71cは、付勢機構(不図示)の付勢力により、封止位置に位置する。レバーなどの操作部(不図示)が操作されるなどして、開閉片71cが外力によって開放位置へ変位されると、球抜き孔71bが開放される。一例として、供給通路39に続く通路は、第1接続部71aに向かって下るように傾斜する。よって、供給通路39に存在する遊技球は、球抜き孔71bが開放されている場合に、当該球抜き孔71bから機外へと排出され得る。
図5~図7に示すように、第2球抜き部72は、発射機構60に形成される。
上述のように、遊技球は、可動片63aが供給動作をしていない場合に、当該可動片63aによって、入口側通路62aに塞き止められる。入口側通路62aのうち、塞き止められた遊技球の中で先頭の遊技球Kがある部分(以下、第2接続部72aと示す)には、球抜き通路73が接続されている。つまり、第2接続部72aには、球抜き通路73が球抜き孔72bとして開口している。球抜き孔72bは、第2接続部72aの壁又は底を所定の方向へ貫通する孔である。一例として、所定の方向は、下方であるが、これに限らず、前方であってもよく、後方であってもよい。
第2球抜き部72は、球抜き孔72bを封止する封止位置と、球抜き孔72bを開放する開放位置とに変位可能な開閉片72cを有する。開閉片72cは、付勢機構(不図示)の付勢力により、封止位置に位置する。レバーなどの操作部(不図示)が操作されるなどして、開閉片72cが外力によって開放位置へ変位されると、球抜き孔72bが開放される。一例として、入口側通路62aは、切出し機構63(可動片63a)に向かって下るように傾斜する。よって、入口側通路62aに存在する遊技球は、球抜き孔72bから球抜き通路73へ流入する。
球抜き通路73は、第1接続部71aに接続されている。球抜き通路73は、下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって下るように傾斜する通路を組み合わせて構成される。よって、球抜き通路73へ流入した遊技球は、第1接続部71aへ流入する。遊技球は、球抜き孔71bが開放されている場合に、球抜き孔71bから機外へと排出され得る。これに限らず、球抜き機構70は、球抜き通路73を備えない構成であってもよい。この場合、球抜き孔72bは、第2接続部72aの壁又は底を所定の方向へ貫通するように形成されるとよい。一例として、所定の方向は、後方であるが、これに限らず、前方であってもよく、下方であってもよい。
次に、大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口26Cを開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する個数条件、又は予め定めた上限時間が経過する時間条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、大入賞口26Cは、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
パチンコ遊技機10は、確率変動機能(以下、確変機能と示す)を搭載している。確率変動機能は、特別図柄の当り抽選にて大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)を変動させるための機能である。つまり、パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なり得る状態として、確変機能が作動しない低確率状態と、確変機能が作動する高確率状態と、を備える。高確率状態は、低確率状態に比して大当り確率が高い。高確率状態では、大当り確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって極めて有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
パチンコ遊技機10は、入球補助機能を搭載している。入球補助機能は、第2始動口26Bへの入球率を変動させるための機能である。つまり、パチンコ遊技機10は、第2始動口26Bへの入球率が異なり得る状態として、入球補助機能が作動しない低入球率状態と、入球補助機能が作動する高入球率状態と、を備える。高入球率状態は、低入球率状態に比して、遊技球が第2始動口26Bへ入球する確率が高い。高入球率状態では、遊技球が第2始動口26Bへ入球する確率が高まり、第2始動口26Bへの遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態(入球容易状態)となる。高入球率状態は、所謂「電サポ状態」であり、低入球率状態は、所謂「非電サポ状態」である。
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち、任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。3つめの制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口26Bの合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口26Bの開放回数を低入球率状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口26Bの1回の開放時間を低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。高入球率状態は、次に説明する4つめの制御を組み合わせて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低入球率状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高入球率状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、低入球率状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
遊技状態は、確変機能の作動の有無と、入球補助機能の作動の有無と、の組み合わせによって規定される。以下の説明では、低確率状態かつ低入球率状態である遊技状態を「低確低入球率状態」と示し、高確率状態かつ低入球率状態である遊技状態を「高確低入球率状態」と示す。また、低確率状態かつ高入球率状態である遊技状態を「低確高入球率状態」と示し、高確率状態かつ高入球率状態である遊技状態を「高確高入球率状態」と示す。
パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図11に示すように、パチンコ遊技機10は、複数の制御基板を備える。複数の制御基板は、遊技制御基板(主制御基板)80、演出制御基板(副制御基板)81、枠制御基板82、及び発射制御基板83を含む。複数の制御基板は、施錠装置11dを解錠して搭載枠11bを開放しなければアクセス、及び視認できない位置に設けられている。
遊技制御基板80と、演出制御基板81とは、遊技制御基板80から演出制御基板81へ一方向に制御情報(制御コマンドなど)を出力可能となるように接続される。遊技制御基板80は、所定の処理を実行し、演出制御基板81へ制御情報を出力する。演出制御基板81は、遊技制御基板80から入力した制御情報に基づいて所定の処理を実行する。遊技制御基板80と、枠制御基板82とは、双方向に制御情報(電文など)を出力可能となるように接続される。枠制御基板82と、発射制御基板83とは、双方向に制御情報を出力可能となるように接続される。パチンコ遊技機10の枠制御基板82と、管理ユニット100の管理ユニット制御基板120とは、パチンコ遊技機10に設けられた接続端子板98を介して、双方向に制御情報(電文など)を出力可能となるように接続される。
パチンコ遊技機10は、電源ユニット99を機裏側に備える。電源ユニット99は、機外部から電力供給を受けるとともに入力電圧を所定電圧に変換し、演出制御基板81及び枠制御基板82に対して供給する。枠制御基板82に供給された電力は、さらに遊技制御基板80及び発射制御基板83に対して供給される。電源ユニット99は、供給ソレノイド63b、発射ソレノイド66a、各種のセンサ、及びスイッチに対して電力を供給する。電源ユニット99は、メインスイッチ99aを備える。パチンコ遊技機10は、メインスイッチ99aをオン状態としたまま電源ユニット99に対して電力供給を開始するか、電力供給をした状態のままメインスイッチ99aをオン状態とすることにより、電源投入が可能に構成される。
遊技制御基板80について詳しく説明する。
図12に示すように、遊技制御基板80は、遊技制御CPU80aと、遊技制御ROM80bと、遊技制御RAM80cと、乱数生成回路80dと、を備える。遊技制御CPU80aは、主制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を実行する。遊技制御ROM80bは、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。遊技制御ROM80bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの変動内容(演出内容)を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンに基づく演出ゲームは、最終的に大当りの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。はずれ変動パターンに基づく演出ゲームは、最終的にはずれの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。
遊技制御RAM80cは、遊技制御CPU80aの処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、遊技制御RAM80cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。乱数生成回路80dは、ハードウェア乱数を生成する。遊技制御基板80は、遊技制御CPU80aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されてもよい。
遊技制御基板80は、第1始動センサD11、第2始動センサD12、カウントセンサD13、普通センサD14、及びゲートセンサD15と接続される。遊技制御CPU80aは、各センサが遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。遊技制御基板80は、情報表示装置25と接続される。遊技制御CPU80aは、情報表示装置25の表示内容を制御可能である。遊技制御基板80は、普通ソレノイドSL1及び特別ソレノイドSL2と接続される。遊技制御CPU80aは、普通ソレノイドSL1の動作を制御することにより、第2始動口26Bの開放態様を制御可能である。遊技制御CPU80aは、特別ソレノイドSL2の動作を制御することにより、大入賞口26Cの開放態様を制御可能である。
演出制御基板81について詳しく説明する。
演出制御基板81は、演出制御CPU81aと、演出制御ROM81bと、演出制御RAM81cと、を備える。演出制御CPU81aは、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。演出制御ROM81bは、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。演出制御ROM81bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データを記憶している。また、演出制御ROM81bは、表示報知に用いる表示報知データ、発光報知に用いる発光報知データ、及び音声報知に用いる音声報知データを記憶している。演出制御RAM81cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、演出制御RAM81cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。演出制御基板81は、演出制御CPU81aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成される。演出制御基板81は、ハードウェア乱数を生成可能な乱数生成回路を備えていてもよい。
演出制御基板81は、演出表示部19と接続される。演出制御CPU81aは、演出表示部19の表示内容を制御可能である。演出制御基板81は、演出音声部12と接続される。演出制御CPU81aは、演出音声部12の出力内容を制御可能である。演出制御基板81は、演出発光部14と接続される。演出制御CPU81aは、演出発光部14の発光態様を制御可能である。このように、演出表示部19、演出音声部12、及び演出発光部14は、演出制御基板81(演出制御CPU81a)によって制御される。
枠制御基板82について詳しく説明する。
図11に示すように、枠制御基板82は、枠制御CPU82a、枠制御ROM82b、枠制御RAM82c、性能表示モニタ82d、球抜きスイッチ82e、エラー解除スイッチ82f、遊技球クリアスイッチ82g、RAMクリアスイッチ82h、バックアップ電源82j、バックアップ回路82k、及び発射許可回路82mを備える。枠制御CPU82aは、枠制御プログラムを実行することにより、搭載枠11bの搭載部品の動作に関する処理を行う。枠制御ROM82bは、枠制御プログラムなどを記憶している。枠制御RAM82cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば枠制御RAM82cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。
性能表示モニタ82dは、一例として、複数(例えば6個)の7セグを並べた構成とされており、複数(例えば6桁)の数字を表示可能である。性能表示モニタ82dは、ベース値を表示する。ベース値は、通常遊技時における有効球の総数に対する通常遊技時における賞球の総数の割合(比率)を示す値である。通常遊技は、低確低入球率状態であって、かつ大当り遊技が行われていないときの遊技である。ベース値は、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式により求められる。
球抜きスイッチ82eは、パチンコ遊技機10の機内部にある遊技球を機外に排出可能となる状態(以下、球抜き状態と示す)を生起させる操作が可能な操作部の一例である。球抜き状態は、流通機構29から遊技球を排出することが可能となる状態である。球抜きスイッチ82eは、押込み操作がされると球抜き信号を出力する。球抜き信号は、球抜きスイッチ82eの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。球抜き信号は、枠制御CPU82aに出力される。
エラー解除スイッチ82fは、所定のエラーが設定された場合に、当該エラーの原因が解消された後にエラーの設定を解除する操作が可能な操作部の一例である。エラーの設定は、当該エラーが検知された場合に行われる。エラー解除スイッチ82fは、押込み操作がされるとエラー解除信号を出力する。エラー解除信号は、エラー解除スイッチ82fの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。エラー解除信号は、枠制御CPU82aに出力される。
遊技球クリアスイッチ82gは、枠制御RAM82cにデータとして記憶された第2管理球数PB(以下、第2管理球数情報と示す)を0に初期化する操作が可能な操作部の一例である。遊技球クリアスイッチ82gは、押込み操作がされると遊技球クリア信号を出力する。遊技球クリア信号は、遊技球クリアスイッチ82gの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。遊技球クリア信号は、枠制御CPU82aに出力される。
RAMクリアスイッチ82hは、遊技制御RAM80cに記憶される情報、及び枠制御RAM82cに記憶される情報の初期化(以下、RAMクリアと示す)を行うときに操作されるスイッチである。RAMクリアスイッチ82hは、押込み操作がされるとRAMクリア信号を出力する。RAMクリア信号は、RAMクリアスイッチ82hの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。RAMクリア信号は、枠制御CPU82aに出力されるとともに、遊技制御基板80(遊技制御CPU80a)に出力される。
バックアップ電源82jは、外部からの電力供給が遮断された状態であっても、枠制御RAM82cのほか、遊技制御基板80(遊技制御RAM80c)に対してバックアップ電力を供給する。以下の説明では、外部からの電力供給が遮断されることを電源断と示す場合がある。遊技制御RAM80c及び枠制御RAM82cは、バックアップ電源82jからバックアップ電力の供給を受けることにより、電源断時における遊技制御RAM80c及び枠制御RAM82cの記憶内容を電源断後にも保持可能である。つまりパチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載する。これに限らず、遊技制御RAM80c及び枠制御RAM82cの一方又は両方は、電力供給が停止された状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより電源断後にも情報を保持可能であってもよい。
遊技制御RAM80cに記憶される情報は、全てバックアップの対象となる。一例として、遊技制御RAM80cに記憶可能であり、かつバックアップの対象となる情報には、メイン情報がある。メイン情報は、遊技の進行に関する情報である。一例として、メイン情報には、大当り状態(ラウンド遊技の回数を含む)に関する情報、遊技状態に関する情報、保留数に関する情報、普通図柄及び特別図柄に関する情報、及びエラーに関する情報がある。
枠制御RAM82cに記憶される情報は、全てバックアップの対象となる。一例として、枠制御RAM82cに記憶可能であり、かつバックアップの対象となる情報には、第2管理球数情報と、遊技情報と、性能情報と、がある。第2管理球数情報は、第2管理球数PBを特定可能な情報である。遊技情報は、遊技の進行状況に応じて遊技制御基板80から通知される情報である。一例として、遊技情報には、始動口入賞の発生、普通入賞の発生、大当り遊技における大入賞口入賞の発生、ゲート通過、特別図柄の確定(変動ゲームの終了)、大当りの発生、及び現在の遊技状態などを特定可能な情報がある。性能情報は、ベース値、及び当該ベース値の演算に係る情報である。ベース値の演算に係る情報には、通常遊技時における獲得賞球総数、及び通常遊技時における有効球総数がある。
バックアップ回路82kは、電源ユニット99から供給される電源電圧が規定電圧よりも低下すると電源断検出信号を枠制御CPU82aに出力するとともに、遊技制御基板80の遊技制御CPU80aに出力する。発射許可回路82mは、発射制御基板83に対し、遊技球の発射を許容する発射許可状態にあることを特定可能な信号(以下、発射許可信号と示す)を出力する。発射許可信号の出力条件については後述する。
枠制御基板82は、計数操作部18と接続される。枠制御CPU82aは、計数操作部18が出力する計数信号を入力可能に構成される。枠制御CPU82aは、入力した計数信号に応じて、計数操作部18の操作態様が「単押し操作」及び「長押し操作」の何れであるか特定可能である。枠制御基板82は、供給入口センサD22、供給出口センサD23、搬送入口センサD28、搬送出口センサD29、入賞通路カウントセンサD33、非入賞通路カウントセンサD34、アウトセンサD36、及びファールセンサD37と接続される。枠制御CPU82aは、これらのセンサが出力する供給入口信号、供給出口信号、搬送入口信号、搬送出口信号、入賞通路信号、非入賞通路信号、アウト信号、及びファール信号を入力可能に構成される。
枠制御基板82は、報知音声部13と接続される。枠制御CPU82aは、報知音声部13の出力内容を制御可能である。枠制御基板82は、第2球数表示部17と接続される。枠制御CPU82aは、第2球数表示部17の表示内容を制御可能に構成される。枠制御CPU82aは、搬送部52の搬送動作を制御可能に構成される。枠制御基板82は、供給ソレノイド63bと接続される。枠制御CPU82aは、供給ソレノイド63bに対する通電を制御することにより、可動片63aを変位させることができる。つまり、枠制御CPU82aは、供給部61による遊技球の供給動作を制御可能に構成される。
枠制御基板82は、管理ユニット100と接続される。枠制御CPU82aは、管理ユニット制御基板120が送信する各種の電文を受信可能に構成される。なお、管理ユニット100が出力する接続信号は、接続端子板98から枠制御CPU82aを経由せずに発射許可回路82mへと入力される。発射許可回路82mには、遊技制御基板80が出力する発射停止信号、及び枠制御CPU82aが出力するエラー信号も入力される。
発射制御基板83は、発射部65の動作を制御するための発射制御回路83aを備える。発射制御回路83aは、枠制御基板82から入力する制御信号、センサやスイッチから入力する信号に基づき、発射ソレノイド66aに対して駆動信号を出力する。
発射制御基板83は、タッチセンサD01、発射停止スイッチD02、及びハンドルボリュームD03と接続される。発射制御回路83aは、タッチセンサD01が出力するタッチ信号、発射停止スイッチD02が出力するストップ信号、及びハンドルボリュームD03が出力するボリューム信号を入力可能に構成される。発射制御基板83は、発射ソレノイド66aと接続される。発射制御回路83aが発射ソレノイド66aに対して駆動信号を出力することにより、発射ソレノイド66aが駆動し、発射ハンマー66が遊技球を打撃する。つまり、発射制御基板83は、発射部65による遊技球の発射動作を制御可能に構成される。
発射制御回路83aは、動作判定部、パルスクロック生成部、タイミングパルス生成部、保持回路、及びソレノイド駆動部を有する。動作判定部は、枠制御基板82からの発射許可信号がオン状態であり、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であり、かつタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることで動作可能条件が成立している場合、動作信号をタイミングパルス生成部に出力する。動作判定部は、枠制御基板82からの発射許可信号がオン状態であること、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であること、かつタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることの一部又は全部が満たされていないことにより動作可能条件が成立していない場合、動作信号をタイミングパルス生成部に出力しない。
タイミングパルス生成部は、動作信号を入力している場合、当該動作信号とパルスクロック生成部から入力するパルス信号とを合成し、発射タイミングパルスをソレノイド駆動部に出力する。ソレノイド駆動部は、発射タイミングパルスを入力する毎に、ハンドルボリュームD03から入力するボリューム信号(電圧)に応じた電圧の駆動電流を発射ソレノイド66aへ供給(出力)する。これにより、発射ソレノイド66aは、ハンドルレバー15aの回動操作量に応じた強度にて駆動し、遊技球が発射される。発射制御回路83aは、所定のタイミングで減算基準信号を枠制御基板82へ出力する。保持回路は、動作可能条件が成立しているときに駆動電流が出力される場合、その時点におけるボリューム信号の電圧(電圧値)を保持する。
枠制御基板82(枠制御CPU82a)が実行する処理について説明する。
枠側電源断処理について説明する。
枠制御CPU82aは、バックアップ回路82kが出力する電源断検出信号を入力すると、電源断処理を実行する。枠側電源断処理において、枠制御CPU82aは、枠制御RAM82cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値を枠制御RAM82cに記憶させる。また、枠制御CPU82aは、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)を枠制御RAM82cに記憶させる。その後、枠制御CPU82aは、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときに枠制御RAM82cに記憶される各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
枠側電源投入処理について説明する。
枠制御CPU82aは、電源投入に伴って、枠制御基板82への供給電圧が枠制御CPU82aの動作に必要な電圧に達して起動すると、枠側球抜き処理を実行する。枠側球抜き処理において、枠制御CPU82aは、球抜き状態へ移行するための条件(以下、球抜き移行条件と示す)が成立しているか否かを判定する。
一例として、枠制御CPU82aは、第2管理球数情報に示される第2管理球数PBが0であるか否かを特定する。一例として、枠制御CPU82aは、操作有効期間が経過する迄の間に、球抜き信号がオン状態となっているか否かに基づき、球抜きスイッチ82eが操作されているか否かを特定する。枠制御CPU82aは、電源投入に伴って起動すると、所定期間にわたって操作有効期間を設定する。つまり、操作有効期間は、電源投入後の所定期間にわたって設定され得る。操作有効期間は、0.04秒などのように、実質的に、球抜きスイッチ82eを操作しながら電源投入することを要求する長さであってもよい。これに限らず、操作有効期間は、5秒などのように、電源投入後に管理者等が球抜きスイッチ82eを操作し得る長さであってもよい。操作有効期間は、タイマ処理等によって計測される期間として設定されることに限定されず、単に電源投入から予め定めた判定タイミングまでの期間として定められてもよい。
枠制御CPU82aは、第2管理球数PBが0であり、かつ、球抜きスイッチ82eが操作されている場合に、球抜き移行条件が成立したと判定する。球抜き移行条件には、パチンコ遊技機10の機内部にある遊技球数を含まない。つまり、球抜き状態は、機内部にある遊技球が零又は所定数未満であっても移行可能である。枠制御CPU82aは、第2管理球数PBが0ではない場合、又は、球抜きスイッチ82eが操作されていない場合に、球抜き移行条件が成立していないと判定する。枠制御CPU82aは、球抜き移行条件が成立していない場合に、球抜き状態を設定せず、枠側球抜き処理を終了する。
一方、球抜き移行条件が成立している場合に、枠制御CPU82aは、球抜き状態であることを特定可能な情報を枠制御RAM82cに記憶させる。つまり、枠制御CPU82aは、球抜き状態を設定する。このように、球抜き状態は、予め定めた操作有効期間中に、球抜きスイッチ82eが操作されると移行可能である。球抜き状態における制御内容については後述する。なお、球抜き状態は、電力供給を遮断しなければ解除できない。球抜き状態へ移行した場合に、枠制御CPU82aは、球抜き状態への移行を示す制御情報(以下、球抜き開始コマンドと示す)を遊技制御基板80へ出力する。なお、遊技制御基板80(遊技制御CPU80a)は、球抜き開始コマンドを演出制御基板81へ出力する。
球抜き状態において、枠制御CPU82aは、搬送入口センサD28から出力される搬送入口信号の状態、及び搬送出口センサD29から出力され得る搬送出口信号の状態をそれぞれ監視する。枠制御CPU82aは、搬送入口信号の状態、及び搬送出口信号の状態に応じて、搬送部52が有する搬送モータ52aの動作を制御する。
一例として、枠制御CPU82aは、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオフ状態である状況において、搬送モータ52aを作動させる。これに限らず、枠制御CPU82aは、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオフ状態である状況から、搬送入口信号がオン状態であり、かつ搬送出口信号がオフ状態である状況に変化した場合に、待機時間を設けずに搬送モータ52aを作動させてもよい。
搬送モータ52aが作動中であり、搬送入口信号がオン状態であり、かつ、搬送出口信号がオフ状態である状況から、搬送入口信号がオン状態であり、かつ、搬送出口信号がオン状態である状況に変化したとする。この場合枠制御CPU82aは、搬送出口信号のオン状態が待機時間(一例として120ms)にわたって維持されると、搬送モータ52aを停止させる。搬送モータ52aが停止中であり、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオン状態である状況から、搬送入口信号がオフ状態であり、かつ搬送出口信号がオン状態である状況に変化したとする。この場合、枠制御CPU82aは、搬送モータ52aを停止させたままとする。搬送モータ52aを停止中であり、搬送入口信号がオフ状態であり、かつ搬送出口信号がオン状態である状況から、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオン状態である状況に変化したとする。この場合、枠制御CPU82aは、搬送モータ52aを停止させたままとする。
搬送モータ52aが停止中であり、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオン状態である状況から、搬送入口信号がオン状態であり、かつ搬送出口信号がオフ状態である状況に変化したとする。この場合、枠制御CPU82aは、搬送出口信号のオフ状態が待機時間(一例として30ms)にわたって維持されると、搬送モータ52aを作動させる。なお、枠制御CPU82aは、搬送出口信号がオフ状態となってから待機時間(一例として30ms)が経過する前に、搬送入口信号がオン状態となってから待機時間(一例として200ms)が経過していない場合、当該待機時間が経過してから、搬送モータ52aを作動させる。
搬送モータ52aが作動中であり、搬送入口信号がオン状態であり、かつ搬送出口信号がオフ状態である状況から、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオフ状態である状況に変化したとする。この場合、枠制御CPU82aは、搬送入口信号及び搬送出口信号のオフ状態が待機時間(一例として3000ms)にわたって維持されると、搬送モータ52aを停止させる。つまり、枠制御CPU82aは、遊技領域20aから回収された遊技球を搬送入口センサD28が検知しないまま規定時間が経過した場合に、搬送モータ52aを停止させるといえる。枠制御CPU82aは、球抜きの完了を示す制御情報(以下、球抜き完了コマンドと示す)を遊技制御基板80に出力する。なお、遊技制御基板80(遊技制御CPU80a)は、球抜き完了コマンドを演出制御基板81へ出力する。枠制御CPU82aは、遊技領域20aから回収された遊技球を搬送入口センサD28が検知しなくなったこと、又は、搬送モータ52aが停止したことに基づいて、球抜きが完了したと特定する。
球抜き状態において、枠制御CPU82aは、後述する各種のエラーのうち一部のエラーを検知するための処理を実行しない。つまり、球抜き状態では、各種のセンサが無効化される。
枠制御CPU82aは、電源投入に伴って起動すると、球抜き状態を設定せずに枠側球抜き処理を終了した場合に、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。具体的に、枠制御CPU82aは、枠制御RAM82cにバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、枠制御CPU82aは、枠制御RAM82cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、枠側電源断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。枠制御CPU82aは、バックアップフラグが記憶されており、かつチェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップされている情報が異常と判定した場合、枠制御CPU82aは、枠制御RAM82cに記憶された第2管理球数情報及び遊技情報を初期化する。このとき、枠制御CPU82aは、性能情報を初期化しない。その後、枠制御CPU82aは、初期化又はバックアップされた第2管理球数情報、遊技情報、及び性能情報に基づいて復帰し、後述する枠側通常処理を実行する。
一方、バックアップされている情報が正常と判定した場合、枠制御CPU82aは、遊技球クリア信号がオン状態であるか否かに基づき、遊技球クリアスイッチ82gが操作されているか否かを判定する。枠制御CPU82aは、遊技球クリアスイッチ82gが操作されているとき、枠制御RAM82cに記憶された第2管理球数情報を初期化する。このとき、枠制御CPU82aは、遊技情報及び性能情報を初期化しない。枠制御CPU82aは、遊技球クリアスイッチ82gが操作されていないとき、第2管理球数情報を初期化しない。
枠制御CPU82aは、RAMクリア信号がオン状態であるか否かに基づき、RAMクリアスイッチ82hが操作されたか否かを判定する。枠制御CPU82aは、RAMクリアスイッチ82hが操作されているとき、枠制御RAM82cに記憶される遊技情報を初期化する。このとき、枠制御CPU82aは、第2管理球数情報及び性能情報を初期化しない。枠制御CPU82aは、RAMクリアスイッチ82hが操作されていないとき、遊技情報を初期化しない。つまり、性能情報は、遊技球クリアスイッチ82gの操作に応じて第2管理球数情報が初期化される状況、及びRAMクリアスイッチ82hの操作に応じて遊技情報が初期化される状況の何れであっても初期化されない。その後、枠制御CPU82aは、初期化又はバックアップされた第2管理球数情報、遊技情報、及び性能情報に基づいて復帰し、後述する枠側通常処理を実行する。
枠制御基板82の枠側通常処理について説明する。
枠側通常処理のうち遊技情報記憶処理について説明する。
遊技情報生成処理は、遊技制御基板80から入力する遊技情報を枠制御RAM82cに記憶する処理である。枠制御CPU82aは、遊技状態を特定可能な遊技情報を受信すると、当該遊技情報を枠制御RAM82cに記憶させる。枠制御CPU82aは、枠制御RAM82cに記憶された遊技情報を参照することにより、大当り遊技中であるか否か、高確率状態であるか否か、及び高入球率状態であるか否かを特定可能である。その他、枠制御CPU82aは、各種の遊技情報を入力すると、入力した遊技情報を特定可能な情報を生成し、枠制御RAM82cに記憶させる。また、枠制御CPU82aは、遊技情報を受信すると、当該受信した遊技情報の一部又は全部を外部機器(ホールコンピュータ等)に送信する。
枠側通常処理のうち性能情報生成処理について説明する。
性能情報生成処理は、性能情報としてベース値を演算する処理である。枠制御CPU82aは、遊技状態フラグを参照し、大当り遊技中ではなく、かつ現在の遊技状態が低確低入球率状態であるか否か(つまり通常遊技時であるか否か)を判定する。通常遊技時である場合、枠制御CPU82aは、始動口入賞の発生を特定可能な遊技情報(以下、始動口入賞情報と示す)、又は普通入賞の発生を特定可能な遊技情報(以下、普通入賞情報と示す)を受信すると、通常遊技時における獲得賞球総数を加算する。獲得賞球総数は、性能情報の1つとして枠制御RAM82cに記憶される。枠制御CPU82aは、入賞通路信号又は非入賞通路信号を入力すると、通常遊技時における有効球総数を加算する。有効球総数は、性能情報の1つとして枠制御RAM82cに記憶される。枠制御CPU82aは、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式によって、ベース値を演算する。枠制御CPU82aは、1分間毎に区切って獲得賞球総数及び有効球総数を計数し、ベース値の演算を1分毎に行ってもよい。枠制御CPU82aは、有効球総数が所定数になる毎に区切って獲得賞球総数を計数し、ベース値の演算を有効球総数が所定数になる毎に行ってもよい。一例として、所定数は、60000球であってもよく、発射部65によって1分当りに発射可能な最大個数(例えば100球)であってもよい。枠制御CPU82aは、演算したベース値を特定可能な情報を表示するように、性能表示モニタ82dを制御する。
枠制御CPU82aは、性能情報として役物比率及び連続役物比率を演算し、性能表示モニタ82dにて表示可能に構成されてもよい。役物比率は、全遊技状態を通した獲得賞球総数に占める、電動役物作動による獲得賞球総数の割合である。電動役物作動による獲得賞球総数とは、普通当り遊技(普通電動役物作動)による第2始動口26Bへの入賞に伴う獲得賞球総数、及び大当り遊技(特別電動役物作動)による大入賞口26Cへの入賞に伴う獲得賞球総数の和である。連続役物比率は、全遊技状態を通した獲得賞球総数に占める、連続役物作動による獲得賞球総数の割合である。連続役物作動による獲得賞球総数とは、大当り遊技による大入賞口26Cへの入賞に伴う獲得賞球総数である。
枠側通常処理のうち第2管理球数情報生成処理について説明する。
第2管理球数情報生成処理は、第2管理球数PBを生成(管理)するための処理である。枠制御CPU82aは、遊技制御基板80から獲得賞球数情報を受信すると、当該獲得賞球数情報から特定可能な獲得賞球数を第2管理球数PBに加算する。獲得賞球数情報は、所定の入賞口への入賞に伴い、賞球の付与条件が成立すると遊技制御基板80が出力する制御情報であって、当該入賞口に設定された賞球数を特定可能に構成される。このように、枠制御CPU82aは、獲得賞球数情報に応じて第2管理球数PBを増加させる。枠制御CPU82aは、管理ユニット制御基板120から貸出情報を受信すると、貸出情報に示される貸出球数を第2管理球数PBに加算する。このように、枠制御CPU82aは、貸出情報に応じて第2管理球数PBを増加させる。
枠制御CPU82aは、ファールセンサD37が出力するファール信号に基づき、1球の遊技球が戻り球として回収されたこと検知すると、第2管理球数PBを加算する。一例として、枠制御CPU82aは、ファール信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球が戻り球として回収されたことを検知する。このように、枠制御CPU82aは、ファールセンサD37による検知に応じて第2管理球数PBを増加させる。
枠制御CPU82aは、供給出口センサD23が出力する供給出口信号に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、第2管理球数PBを減算する。換言すれば、枠制御CPU82aは、供給出口センサD23による検知に応じて遊技領域20aに向けて遊技球が発射されたことを検知すると、第2管理球数PBを減算する。一例として、枠制御CPU82aは、供給出口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球が供給されたことを検知する。これにより、電磁的に管理する遊技球(第2管理球数PB)が実球に変換される。このように、枠制御CPU82aは、供給出口センサD23による検知に応じて第2管理球数PBを減少させる。
これに限らず、枠制御CPU82aは、供給出口センサD23が出力する供給出口信号に代えて、供給入口センサD22が出力する供給入口信号に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、第2管理球数PBを減算する構成であってもよい。枠制御CPU82aは、供給入口センサD22が出力する供給入口信号及び供給出口センサD23が出力する供給出口信号の両方に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、第2管理球数PBを減算する構成であってもよい。つまり、枠制御CPU82aは、供給入口センサD22及び供給出口センサD23のうち少なくとも一方による検知に応じて第2管理球数PBを減算させてもよい。
また、枠制御CPU82aは、発射ソレノイド66aの駆動により第2管理球数PBを減算してもよく、案内通路23にセンサを設け、当該センサにより発射部65から発射された遊技球を検知したときに第2管理球数PBを減算する構成であってもよい。このように、第2管理球数PBは、発射部65による発射動作、及び、供給部61による供給動作のうち少なくとも一方の動作に関連して減算される。つまり、枠制御CPU82aは、遊技球の発射に応じて第2管理球数PBを減少させる。なお、第2管理球数情報生成処理が実行されるとき、球抜きスイッチ82eが操作されても、操作有効期間外であることから、球抜き状態へ移行しない。
第2管理球数情報生成処理は、枠側通常処理として実行される一方、球抜き状態では実行され得ない。つまり、球抜き状態である場合に、所定の入賞口へ遊技球が入球したとしても、球抜き状態中以外であれば加算されるべき賞球が第2管理球数PBに加算されない。また、後述するように、球抜き状態である場合に、遊技球を発射可能となる場合がある。しかしながら、球抜き状態であるときには、遊技球が発射された場合であっても、第2管理球数PBが減算されない。つまり、球抜き状態において、遊技球の発射操作は、球抜き作業の一環として把握できる。
枠制御CPU82aは、計数可能状態であるとき、計数操作部18から計数信号を入力すると、計数球数を特定可能な計数情報を管理ユニット100に送信する。枠制御CPU82aは、計数情報から特定可能な計数球数を第2管理球数PBから減算する。枠制御CPU82aは、第2管理球数PBを減算してから計数情報を出力してもよく、計数情報を出力してから第2管理球数PBを減算してもよい。一例として、計数可能状態は、必要な電力が供給されており、かつ第2管理球数PBが0ではない状態である。枠制御CPU82aは、計数可能状態であるとき、計数報知部18aが点灯するように計数報知部18aに内蔵された発光体を制御する。第2管理球数PBの管理は、計数情報を管理ユニット100へ送信することにより、パチンコ遊技機10から管理ユニット100へ移管される。
枠制御CPU82aは、加算又は減算した更新後の第2管理球数PBを特定可能な情報を表示するように、第2球数表示部17を制御する。第2球数表示部17は、枠制御基板82にて設定(検知)したエラーを特定可能な情報を表示可能な装置として兼用されてもよい。
枠側通常処理のうちエラー設定処理及びエラー報知処理について説明する。
エラー設定処理は、エラーの発生を検知する処理である。一例として、エラー設定処理において、枠制御基板82(枠制御CPU82a)が検知可能なエラーは、供給機構エラー、遊技球数オーバーエラー、遊技球数クリアエラー、及び入賞球数異常エラーを含む。また、エラー報知処理は、エラー設定処理にてエラーを検出した場合に、所定の報知態様にてエラーを報知させる処理である。なお、エラーの検出やエラーの報知に関する処理内容は後に詳しく説明する。
次に、遊技制御基板80(遊技制御CPU80a)が行う各種の処理について説明する。
盤側電源断処理について説明する。
遊技制御CPU80aは、枠制御基板82(バックアップ回路82k)から電源断検出信号を入力すると、電源断処理を実行する。盤側電源断処理において、遊技制御CPU80aは、発射停止信号を枠制御基板82へ出力する。遊技制御CPU80aは、遊技制御RAM80cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値を遊技制御RAM80cに記憶させる。また、遊技制御CPU80aは、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)を遊技制御RAM80cに記憶させる。その後、遊技制御CPU80aは、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときに遊技制御RAM80cに記憶される各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
盤側電源投入処理について説明する。
遊技制御CPU80aは、電源投入に伴って、遊技制御基板80への供給電圧が遊技制御CPU80aの動作に必要な電圧に達して起動すると、タイマ割込み処理を禁止する。続けて、遊技制御CPU80aは、盤側球抜き処理を実行する。
盤側球抜き処理において、遊技制御CPU80aは、枠制御基板82から球抜き開始コマンドを入力したか否かを判定する。球抜き開始コマンドを入力していない場合、遊技制御CPU80aは、球抜き状態を設定せずに、盤側球抜き処理を終了する。球抜き開始コマンドを入力した場合、遊技制御CPU80aは、球抜き状態を検知し、球抜き状態の発生を特定可能な情報を遊技制御RAM80cに記憶させる。つまり、遊技制御CPU80aは、球抜き状態を設定する。遊技制御CPU80aは、球抜き状態を設定すると、球抜き状態への移行を特定可能な制御情報として、球抜き開始コマンドを演出制御基板81へ出力する。その後、遊技制御CPU80aは、電源断がされるまで待機する。待機中、遊技制御CPU80aは、球抜き完了コマンドを入力した場合、球抜きの完了を特定可能な制御情報(以下、球抜き完了コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。
遊技制御CPU80aは、球抜き状態を設定せずに盤側球抜き処理を終了した場合に、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。遊技制御CPU80aは、遊技制御RAM80cにバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。遊技制御CPU80aは、遊技制御RAM80cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、電源断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。遊技制御CPU80aは、バックアップフラグが記憶されており、かつ、チェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップされた情報が異常と判定された場合、遊技制御CPU80aは、遊技制御RAM80cに記憶されるメイン情報を初期化する。遊技制御CPU80aは、各種の情報が初期化されたことを特定可能な制御コマンド(以下、初期化コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。その後、遊技制御CPU80aは、盤側電源投入処理を終了する。
バックアップされた情報を正常と判定した場合、遊技制御CPU80aは、枠制御基板82(RAMクリアスイッチ87)からRAMクリア信号を入力しているか否かを判定する。RAMクリア信号を入力している場合、遊技制御CPU80aは、遊技制御RAM80cに記憶されているメイン情報を初期化する。この場合、遊技制御CPU80aは、初期化コマンドを演出制御基板81へ出力する。一方、RAMクリア信号を入力していない場合、遊技制御CPU80aは、バックアップされたメイン情報に基づいて復帰することを特定可能な制御コマンド(以下、復電コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。その後、遊技制御CPU80aは、盤側電源投入処理を終了する。
遊技制御CPU80aは、盤側電源投入処理を終了すると、タイマ割込み処理を許可する。つまり、遊技制御CPU80aは、遊技を進行させるための処理(以下、盤側通常処理と示す)を実行可能となる。盤側通常処理は、メイン情報が初期化されておれば、初期化後のメイン情報に基づいて実行される。つまり、遊技制御CPU80aは、第1保留数及び第2保留数が何れも零であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームが何れも実行中ではなく、大当り遊技も付与されていない状態に基づいて、盤側通常処理に含まれる各種処理を実行する。盤側通常処理は、メイン情報が初期化されていなければ、バックアップされているメイン情報に基づいて実行される。つまり、遊技制御CPU80aは、第1保留数及び第2保留数が電源断時の保留数であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れかが実行されておれば当該特別ゲームを実行させる処理へ復帰し、大当り遊技を付与中であれば、大当り遊技を付与する処理へ復帰する。
遊技制御CPU80aは、所定の制御周期(一例として4ms)毎に行うタイマ割込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。
盤側通常処理のうち特別図柄入力処理について説明する。
遊技制御CPU80aは、第1始動センサD11から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口26Aへ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口26Aへ入球した場合、遊技制御CPU80aは、遊技制御RAM80cに記憶される第1保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1保留数が上限数未満である場合、遊技制御CPU80aは、第1保留数を1加算して更新する。続けて、遊技制御CPU80aは、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部25cを制御する。第1特別ゲームの保留条件は、第1保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサD11によって検知されると成立する。
次に、遊技制御CPU80aは、乱数生成回路80dが生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を遊技制御RAM80cに記憶させる。例えば、乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。遊技制御CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。
遊技制御CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報を遊技制御RAM80cに記憶させた場合、遊技球が第1始動口26Aへ入球していない場合、及び第1保留数が上限数未満ではない場合、第2始動センサD12から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口26Bへ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口26Bへ入球している場合、遊技制御CPU80aは、遊技制御RAM80cに記憶される第2保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、遊技制御CPU80aは、第2保留数を1加算して更新する。遊技制御CPU80aは、加算後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2保留表示部25dを制御する。第2特別ゲームの保留条件は、第2保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサD12によって検知されると成立する。
次に、遊技制御CPU80aは、遊技制御基板80内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を遊技制御RAM80cに記憶させる。遊技制御CPU80aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。パチンコ遊技機10は、特別ゲームに用いる乱数情報を遊技制御RAM80cに記憶させておくことで、当該特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報を遊技制御RAM80cに記憶させた場合、遊技球が第2始動口26Bへ入球していない場合、及び第2保留数が上限数未満ではない場合、遊技制御CPU80aは、特別図柄入力処理を終了する。
盤側通常処理のうち特別図柄開始処理について説明する。
最初に、遊技制御CPU80aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。遊技制御CPU80aは、大当り遊技中ではなく、かつ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定と判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定と判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、遊技制御CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、遊技制御CPU80aは、第2保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2保留数が零である場合、遊技制御CPU80aは、第1保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1保留数が零である場合、遊技制御CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
第1保留数が零よりも大きい場合、遊技制御CPU80aは、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、遊技制御CPU80aは、第1保留数を1減算して更新する。遊技制御CPU80aは、減算後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部25cを制御する。遊技制御CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を遊技制御RAM80cから取得する。遊技制御CPU80aは、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、特別図柄の当り抽選として、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。遊技制御CPU80aは、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
大当りに当選した場合、遊技制御CPU80aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、遊技制御CPU80aは、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる大当り図柄を決定する。遊技制御CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数ある大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、遊技制御CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
大当りに当選しなかった場合、遊技制御CPU80aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、遊技制御CPU80aは、第1特別ゲームにて停止表示させるはずれ図柄を決定する。遊技制御CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数のはずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、遊技制御CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
第2保留数が零よりも大きい場合、遊技制御CPU80aは、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1保留数」を「第2保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、遊技制御CPU80aは、第2保留数の減算、大当り抽選、及び大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
遊技制御CPU80aは、大当り変動処理及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを演出制御基板81へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄を特定可能な制御コマンドである。変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
特別図柄開始処理を終了すると、遊技制御CPU80aは、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。一例として、遊技制御CPU80aは、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部25aを制御する。遊技制御CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。遊技制御CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第1特別図柄表示部25aを制御する。また、遊技制御CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。第2特別ゲームを実行させる場合の制御内容は、上記制御内容について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別図柄表示部25a」を「第2特別図柄表示部25b」に読み替えた内容である。パチンコ遊技機10は、遊技制御CPU80aが特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することにより、始動口への遊技球の入球を契機に当り抽選を行い、当該当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成される。
盤側通常処理のうち大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。遊技制御CPU80aは、特別ゲームにおいて大当り図柄を停止表示させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。遊技制御CPU80aは、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。遊技制御CPU80aは、特定した種類の大当り遊技を付与するように構成される。
最初に、遊技制御CPU80aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。遊技制御CPU80aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。一例として、遊技制御CPU80aは、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口26Cを開状態とする。遊技制御CPU80aは、カウントセンサD13による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は上述の上限時間が経過すると、大入賞口26Cを閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。遊技制御CPU80aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。遊技制御CPU80aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。遊技制御CPU80aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。遊技制御CPU80aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。遊技制御CPU80aは、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を演出制御基板81に出力してもよい。
盤側通常処理のうち状態移行処理について説明する。
遊技制御CPU80aは、大当り図柄のうち第1大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、遊技制御RAM80cに高確フラグをセットする。つまり、遊技制御CPU80aは、高確率状態に制御する。遊技制御CPU80aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、確変フラグを消去しない。一方、遊技制御CPU80aは、第1大当り図柄とは異なる第2大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、遊技制御RAM80cに高確フラグをセットしない。つまり、遊技制御CPU80aは、低確率状態に制御する。遊技制御CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。つまり、遊技制御CPU80aは、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
遊技制御CPU80aは、第1大当り図柄、又は第2大当り図柄に基づく大当り遊技が終了すると、遊技制御RAM80cに作動フラグをセットする。つまり、遊技制御CPU80aは、高入球率状態に制御する。遊技制御CPU80aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、遊技制御RAM80cに記憶される実行カウンタの値を更新することにより、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。遊技制御CPU80aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、遊技制御RAM80cに記憶される作動フラグを消去する。つまり、遊技制御CPU80aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。なお、遊技制御CPU80aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、作動フラグを消去しない。遊技制御CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。つまり、遊技制御CPU80aは、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。
演出制御基板81(演出制御CPU81a)が実行する各種の処理について説明する。
演出復電処理について説明する。
演出制御CPU81aは、初期化コマンドを入力すると、演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御し、RAMクリア報知(初期化報知)を実行させる。一例として、RAMクリア報知は、「RAMクリア」の文字列を読み上げる人の声など、RAMクリアの実行を特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行される。一例として、RAMクリア報知は、RAMクリア専用の発光パターンにて演出発光部14を発光させる態様にて実行される。一例として、RAMクリア報知は、「RAMクリア」の文字列など、RAMクリアの実行を特定可能な画像を演出表示部19に表示する態様にて実行される。演出制御CPU81aは、RAMクリア報知を開始してから所定時間が経過すると、RAMクリア報知を終了するように演出装置ESを制御する。また、演出制御CPU81aは、初期化コマンドを入力すると、所定の背景画像、及び所定の演出図柄の組合せを表示するように演出表示部19を制御する。
演出制御CPU81aは、復電コマンドを入力すると、演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御し、復電報知を実行させる。一例として、復電報知は、「復電中です」の文字列を読み上げる人の声など、RAMクリアの実行を特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行される。一例として、復電報知は、復電専用の発光パターンにて演出発光部14を発光させる態様にて実行される。一例として、復電報知は、「復電中です」の文字列など、RAMクリアの実行を特定可能な画像を演出表示部19に表示する態様にて実行される。演出制御CPU81aは、復電報知を開始してから所定時間が経過すると、復電報知を終了するように演出装置ESを制御する。これに限らず、演出制御CPU81aは、復電報知を実行させない構成であってもよい。また、演出制御CPU81aは、復電コマンドを入力すると、所定の背景画像、及び上記所定の演出図柄の組合せとは異なる演出図柄の組合せを表示するように演出表示部19を制御する。
大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。演出制御CPU81aは、オープニングコマンドを受信すると、オープニング演出を実行するように演出装置ESを制御する。演出制御CPU81aは、ラウンドコマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように演出装置ESを制御する。演出制御CPU81aは、エンディング開始コマンドを受信すると、エンディング演出を実行するように演出装置ESを制御する。演出制御CPU81aは、エンディング終了コマンドを受信すると、エンディング演出を終了するように演出装置ESを制御する。
演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。演出制御CPU81aは、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを受信すると、演出ゲームを実行するように演出表示部19を含む演出装置ESを制御する。具体的に、演出制御CPU81aは、変動開始コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、演出制御CPU81aは、特別図柄コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。演出制御CPU81aは、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。演出制御CPU81aは、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。
演出制御CPU81aは、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列において演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示部19を制御する。つまり、演出制御CPU81aは、演出ゲームを開始させる。また、演出制御CPU81aは、演出ゲームに関連して所定の演出を実行させる場合、当該演出を実行するように、演出表示部19を含む演出装置ESを制御する。演出制御CPU81aは、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮で停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定で停止表示させる。なお、演出制御CPU81aは、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定で停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
次に、枠制御基板82の枠制御CPU82aが、各種センサやスイッチの信号を入力することにより行う各種の処理について説明する。
枠側通常処理のうち供給球数監視処理について説明する。
枠制御CPU82aは、供給入口センサD22が出力する供給入口信号に基づき、1球の遊技球が供給部61に受け入れられたことを検知すると供給入口球数を加算する。一例として、枠制御CPU82aは、供給入口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移すると、1球の遊技球が供給部61に受け入れられたことを検知する。枠制御CPU82aは、1球の遊技球が供給部61に受け入れられたことを検知すると、供給入口球数に1加算して枠制御RAM82cに記憶させる。
枠制御CPU82aは、供給出口センサD23が出力する供給出口信号に基づき、1球の遊技球が供給部61から排出されたことを検知すると供給出口球数を加算する。一例として、枠制御CPU82aは、供給出口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移すると、1球の遊技球が供給部61から排出されたことを検知する。枠制御CPU82aは、1球の遊技球が供給部61から排出されたことを検知すると、供給出口球数に1加算して枠制御RAM82cに記憶させる。
枠側通常処理のうち入賞球数監視処理について説明する。
枠制御CPU82aは、供給出口センサD23が出力する供給出口信号に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると発射数Pfを加算する。一例として、枠制御CPU82aは、供給出口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移すると、1球の遊技球が供給されたことを検知する。枠制御CPU82aは、更新した発射数Pfを特定可能な情報を枠制御RAM82cに記憶させる。これにより、枠制御CPU82aは、供給出口センサD23による検知に応じて遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数を特定可能である。
これに限らず、枠制御CPU82aは、供給出口センサD23が出力する供給出口信号に代えて、供給入口センサD22が出力する供給入口信号に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、発射数Pfを加算する構成であってもよい。枠制御CPU82aは、供給入口センサD22が出力する供給入口信号及び供給出口センサD23が出力する供給出口信号の両方に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、発射数Pfを加算する構成であってもよい。つまり、枠制御CPU82aは、供給入口センサD22及び供給出口センサD23のうち少なくとも一方による検知に応じて発射数Pfを加算させてもよい。
また、枠制御CPU82aは、発射ソレノイド66aの駆動により発射数Pfを加算してもよく、案内通路23にセンサを設け、当該センサにより発射部65から発射された遊技球を検知したときに発射数Pfを加算する構成であってもよい。このように、発射数Pfは、発射部65による発射動作、及び、供給部61による供給動作のうち少なくとも一方の動作に関連して加算される。つまり、枠制御CPU82aは、遊技球の発射に応じて発射数Pfを加算する。
枠制御CPU82aは、アウトセンサD36が出力するアウト信号に基づき、1球の遊技球が遊技領域20aから回収されたこと検知すると、回収数Pgを加算する。一例として、枠制御CPU82aは、アウト信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球が遊技領域20aから回収されたことを検知する。このように、枠制御CPU82aは、アウトセンサD36による検知に応じて回収数Pgを加算する。枠制御CPU82aは、更新した回収数Pgを特定可能な情報を枠制御RAM82cに記憶させる。
これに限らず、アウトセンサD36が出力するアウト信号に代えて、入賞通路カウントセンサD33が出力する入賞通路信号、及び、非入賞通路カウントセンサD34が出力する非入賞通路信号に基づき、1球の遊技球が遊技領域20aから回収されたことを検知すると、回収数Pgを加算する構成であってもよい。
枠制御CPU82aは、ファールセンサD37が出力するファール信号に基づき、1球の遊技球が戻り球として回収されたこと検知すると、回収数Pgを加算する。一例として、枠制御CPU82aは、ファール信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球が戻り球として回収されたことを検知する。このように、枠制御CPU82aは、ファールセンサD37による検知に応じて回収数Pgを加算する。枠制御CPU82aは、更新した回収数Pgを特定可能な情報を枠制御RAM82cに記憶させる。これにより、枠制御CPU82aは、アウトセンサD36及びファールセンサD37による検知に応じて遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数を特定可能である。
以下、枠制御基板82(枠制御CPU82a)が検知可能なエラーについて説明する。
枠制御基板82(枠制御CPU82a)は、エラー設定処理を実行することにより、各種のエラーを検知して設定することが可能である。エラーの検知は、球抜き状態であるときに制限される。
供給機構エラーは、供給球数監視処理において、供給入口センサD22が検知した遊技球数と、供給出口センサD23が検知した遊技球数と、の差が所定数(一例として50)以上となったことを検知条件とする。枠制御CPU82aは、供給入口球数と供給出口球数との差が所定数に達した場合、供給機構エラーを設定する。以下の説明において、エラーについて「設定する」と示す場合、そのエラーを特定可能な情報(一例としてフラグ)を枠制御RAM82cに記憶させることを意味する。つまり、枠制御CPU82aは、供給入口センサD22による検知数と、供給出口センサD23による検知数との差が所定数以上となったときに供給機構エラーを設定する。より具体的に、枠制御CPU82aは、供給入口球数が供給出口球数よりも所定定数以上に多くなったときに供給機構エラーを設定する。また、枠制御CPU82aは、供給入口球数が供給出口球数よりも所定数以上に少なくなったときに供給機構エラーを設定する。供給球数監視処理は、供給機構エラーを検出するための処理であることから、エラー設定処理の1つである。
供給機構エラーは、エラー解除スイッチ82fの押込み操作が所定時間(一例として2秒)行われたことを解除条件とする。枠制御CPU82aは、エラー解除信号がオン状態のまま所定時間が経過したときに供給機構エラーの設定を解除する。供給機構エラーの設定を解除する場合、枠制御CPU82aは、枠制御RAM82cに記憶されている供給入口球数及び供給出口球数を初期化する。このように、供給機構エラーの設定は、電力供給を停止しなくても、エラー解除スイッチ82fが操作されたことに基づいて解除することができる。そして、供給機構エラーの設定は、エラー解除スイッチ82fが操作されたまま所定時間が経過したときに解除される。
遊技球数オーバーエラーは、第2管理球数情報生成処理において、第2管理球数PBが所定球数(一例として40000)を超えたことを検知条件とする。枠制御CPU82aは、第2管理球数PBが所定球数を超えた場合、遊技球数オーバーエラーを設定する。第2管理球数情報生成処理は、遊技球数オーバーエラーを検出するための処理であることから、エラー設定処理の1つである。
遊技球数オーバーエラーは、第2管理球数PBが特定球数(一例として35000)以下となったことを解除条件とする。特定球数は、所定球数よりも少ない。枠制御CPU82aは、第2管理球数PBが特定球数以下となった場合、遊技球数オーバーエラーの設定を解除する。遊技球数オーバーエラーは球抜き状態中以外を確認区間として検出される。
遊技球数クリアエラーは、枠側電源投入処理において、遊技球クリアスイッチ82gが所定の態様で操作されている状態のまま電力供給が開始されたことを検知条件とする。枠制御CPU82aは、電力供給が開始されたとき、遊技球クリア信号がオン状態であった場合、遊技球数クリアエラーを設定する。つまり、枠制御CPU82aは、第2管理球数情報(第2管理球数PB)が初期化されたときに遊技球数クリアエラーを設定する。枠側電源投入処理は、遊技球数クリアエラーを検出するための処理であることから、エラー設定処理の1つである。
遊技球数クリアエラーは、供給出口センサD23、アウトセンサD36、又はファールセンサD37が遊技球を検知してから特定時間(一例として30秒)経過したことを解除条件とする。枠制御CPU82aは、供給出口センサD23が出力する供給出口信号、アウトセンサD36が出力するアウト信号、又はファールセンサD37が出力するファール信号を入力した場合、解除時間の計測を開始する。枠制御CPU82aは、解除時間が特定時間を超えると遊技球数クリアエラーの設定を解除する。上述したように、供給出口センサD23によって遊技球が検知されたとき、アウトセンサD36によって遊技球が検知されたとき、又はファールセンサD37によって遊技球が検知されたときは、遊技球が遊技領域20aに向けて発射されたことを特定することができる。
入賞球数異常エラーは、入賞球数監視処理において、供給出口センサD23が検知した遊技球数と、アウトセンサD36及びファールセンサD37が検知した遊技球数と、の差が特定数(一例として100)以上となったことを検知条件とする。枠制御CPU82aは、発射数Pfと回収数Pgとの差が特定数に達した場合、入賞球数異常エラーを設定する。つまり、枠制御CPU82aは、遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数と、入賞受入口31a、非入賞受入口31b、及びファール受入口32によって回収された遊技球の数と、の差が特定数以上となったときに入賞球数異常エラーを設定する。なお、枠制御CPU82aは、入賞球数異常エラーを設定した後、入賞球数監視処理において、発射数Pf及び回収数Pgを更新してもよいし、更新しなくてもよい。
より具体的に、枠制御CPU82aは、発射数Pfが回収数Pgよりも特定数以上に多くなったときに入賞球数異常エラーを設定する。つまり、枠制御CPU82aは、遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数が、入賞受入口31a、非入賞受入口31b、及びファール受入口32によって回収された遊技球の数よりも特定数以上に多くなったときに入賞球数異常エラーを設定する。また、枠制御CPU82aは、発射数Pfが回収数Pgよりも特定数以上に少なくなったときに入賞球数異常エラーを設定する。つまり、枠制御CPU82aは、遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数が、入賞受入口31a、非入賞受入口31b、及びファール受入口32によって回収された遊技球の数よりも特定数以上に少なくなったときに入賞球数異常エラーを設定する。入賞球数監視処理は、入賞球数異常エラーを検出するための処理であることから、エラー設定処理の1つである。
入賞球数異常エラーは、電源復帰を解除条件とする。枠制御CPU82aは、入賞球数異常エラーの設定を電力供給が停止するまで解除しない。つまり、入賞球数異常エラーの設定は、電源復帰以外に解除する方法がない。例えば、入賞球数異常エラーの設定は、エラー解除スイッチ82fの押込み操作がされても解除されない。例えば、入賞球数異常エラーの設定は、発射数Pfと回収数Pgとの差が特定数未満となっても解除されない。より具体的に、入賞球数異常エラーの設定は、遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数と、入賞受入口31a、非入賞受入口31b、及びファール受入口32によって回収された遊技球の数と、の差が特定数未満になっても解除されない。
枠側通常処理のうちエラー報知処理について説明する。
枠制御CPU82aは、エラー報知処理において、パチンコ遊技機10で設定されているエラーの報知を実行するように性能表示モニタ82dを制御する。以下、パチンコ遊技機10で実行されるエラーの報知をエラー報知と示す場合がある。一例として、枠制御CPU82aは、供給機構エラー報知を、供給機構エラーの設定に応じて実行させる。枠制御CPU82aは、遊技球数オーバーエラー報知を、遊技球数オーバーエラーの設定に応じて実行させる。枠制御CPU82aは、遊技球数クリアエラー報知を、遊技球数クリアエラーの設定に応じて実行させる。枠制御CPU82aは、入賞球数異常エラー報知を、入賞球数異常エラーの設定に応じて実行させる。
枠制御CPU82aは、エラーを設定している場合に、当該設定中であるエラーを特定可能な情報の一例であるエラーコードを表示するように、性能表示モニタ82dを制御する。エラーコードは、エラーに固有の情報である。一例として、供給機構エラー報知では[E16]、遊技球数オーバーエラー報知では[E18]、遊技球数クリアエラー報知では[E20]、入賞球数異常エラー報知では[E21]が表示される。
一例として、球抜き状態には、エラーコードとして[E00]が表示される。球抜き状態は、厳密にはエラーではないが、パチンコ遊技機10の管理者等に認識させるべき事象であるため、エラーの1つと見做して報知を行うようになっている。これに限らず、性能表示モニタ82dに表示可能なエラーコードは、球抜き状態を示すエラーコードを含まなくてもよい。
枠制御CPU82aは、エラーコードとベース値(性能情報)とを交互に表示するように、性能表示モニタ82dを制御する。枠制御CPU82aは、複数種類のエラーを設定している場合に、設定されているエラーの報知の中で優先度が最も高いエラーコードとベース値とを交互に表示させる。一例として、複数種類のエラーを設定している場合の優先度は、数が小さいほど高く設定されている。複数種類のエラーを設定しているとは、枠制御基板82において設定されているエラーが複数あることが含まれる。
枠制御CPU82aは、枠制御基板82においてエラーを設定している場合に、エラーコードを表示させるが、ベース値を表示させない構成であってもよい。また、枠制御CPU82aは、エラーコード、第2管理球数PB、及びベース値を切り替えながら、性能表示モニタ82dに表示させる構成であってもよい。このように、性能表示モニタ82dは、ベース値を表示する手段であり、エラーコードを表示する手段として兼用される。
枠制御CPU82aは、エラーの設定が解除されると、当該設定が解除されたエラーを示すエラーコードの表示を終了するように、性能表示モニタ82dを制御する。具体的に、枠制御CPU82aは、エラーの設定を解除した場合に、当該設定を解除したエラーのエラーコードの表示を終了するように、性能表示モニタ82dを制御する。
このように、性能表示モニタ82dでは、設定されたエラーに応じてエラーの報知が実行される。性能表示モニタ82dでは、エラーが設定されると設定されたエラー報知が開始され、エラーの設定が解除されると設定が解除されたエラーの報知が終了する。そして、性能表示モニタ82dにおいて報知されるエラーコードは、エラーに固有の情報である。つまり、性能表示モニタ82dにおいて報知可能な複数種類のエラーの報知態様は、それぞれ異なる。
枠制御CPU82aは、エラーを設定している場合に、当該設定されているエラーを示すエラーコードを表示するように、第2球数表示部17を制御してもよい。つまり、エラーコードは、性能表示モニタ82d及び第2球数表示部17の両方に表示されてもよい。枠制御CPU82aは、エラーコードと第2管理球数PBとを交互に表示するように、第2球数表示部17を制御してもよい。第2球数表示部17に表示可能なエラーコードは、球抜き状態を示すエラーコードを含んでもよい。第2球数表示部17に表示可能なエラーコードは、球抜き状態を示すエラーコードを含まなくてもよい。
枠制御CPU82aは、複数種類のエラーを設定している場合に、優先度が最も高いエラーコードと第2管理球数PBとを交互に表示させてもよい。枠制御CPU82aは、エラーを設定している場合に、エラーコードを表示させるが、第2管理球数PBを表示させない構成であってもよい。また、枠制御CPU82aは、エラーコード、第2管理球数PB、及びベース値を切り替えながら、第2球数表示部17に表示させる構成であってもよい。枠制御CPU82aは、エラーの設定が解除されると、設定が解除されたエラーを示すエラーコードの表示を終了するように、第2球数表示部17を制御してもよい。このように、第2球数表示部17は、第2管理球数PBを表示する手段であり、エラーコードを表示する手段として兼用されてもよい。枠制御CPU82aは、性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示と、第2球数表示部17におけるエラーコードの表示と、を同じ又は略同じタイミングで開始させてもよい。
このように、第2球数表示部17では、設定されたエラーに応じてエラーの報知が実行されてもよい。第2球数表示部17では、エラーが設定されると設定されたエラーの報知が開始され、エラーの設定が解除されると設定が解除されたエラーの報知が終了してもよい。そして、第2球数表示部17において報知されるエラーコードは、エラーに固有の情報である。つまり、第2球数表示部17において報知可能な複数種類のエラーの報知態様は、それぞれ異なる。
枠制御CPU82aは、エラーを設定している場合に、設定されているエラーを特定可能な情報の一例として、エラー音声を出力するように、報知音声部13を制御してもよい。つまり、枠制御CPU82aは、設定されているエラーを報知する音声報知(以下、エラー音声報知と示す)を実行させてもよい。一例として、枠制御CPU82aは、供給機構エラー報知、遊技球数オーバーエラー報知、遊技球数クリアエラー報知、及び入賞球数異常エラー報知を、報知音声部13を用いた報知の対象とする。エラー音声報知の音声パターンは、エラーに応じてそれぞれ異なる内容であり、設定されているエラーの概要を特定可能な内容であるとよい。一例として、エラー音声は、供給機構エラー報知であれば、「エラーコードE16が発生しました、係員を呼んでください」の文字列を読み上げる人の声である。
枠制御CPU82aは、複数種類のエラーを設定している場合に、優先度が最も高いエラーを報知するエラー音声報知を実行させてもよい。これに限らず、枠制御CPU82aは、複数種類のエラーを設定している場合に、エラー音声報知を順に切り替えながら実行させる構成であってもよい。枠制御CPU82aは、エラーの設定が解除されると、設定が解除されたエラーを示すエラー音声報知を終了するように報知音声部13を制御する。
一例として、枠制御CPU82aは、球抜き状態を、報知音声部13の報知対象としない。これに限らず、枠制御CPU82aは、球抜き状態を、報知音声部13の報知対象としてもよい。一例として、報知音声部13が出力するエラー音声は、「球抜き状態中です」の文字列を読み上げる人の声などのように、球抜き状態であることを具体的に特定可能な情報を含んでもよい。一例として、報知音声部13が出力するエラー音声は、所定の楽曲や効果音などのように、球抜き状態であることを具体的に特定可能な情報を含まなくてもよい。
このように、報知音声部13では、設定されたエラーに応じてエラーの報知が実行されてもよい。報知音声部13では、エラーが設定されると設定されたエラーの報知が開始され、エラーの設定が解除されると設定が解除されたエラーの報知が終了してもよい。そして、報知音声部13において報知されるエラー音声報知は、エラーに応じてそれぞれ異なる。つまり、報知音声部13において報知可能な複数種類のエラーの報知態様は、それぞれ異なる。
次に、遊技球を発射させるときの動作について説明する。
遊技球の発射と供給は、枠制御基板82(遊技制御CPU80a)による供給部61の制御、及び発射制御基板83(発射制御回路83a)による発射部65の制御の組合せによって実現される。以下、発射制御回路83aが遊技球を発射させるために実行する一連の動作(以下、発射シーケンスと示す)と、枠制御基板82の処理とについて詳細に説明する。
発射制御基板83(発射制御回路83a)の動作について説明する。
発射制御回路83aは、遊技球の発射条件が成立している場合に、発射シーケンスを繰り返し実行する。遊技球の発射条件は、第1から第4までの全ての条件が満たされることで成立する。第1条件は、遊技球の発射が許容される発射許可状態であることで満たされる。第2条件は、タッチ信号がオン状態となり、発射操作部15への接触が検知されている接触検知状態であることで満たされる。第3条件は、ボリューム信号の電圧がしきい値を超えることにより、発射操作部15(ハンドルレバー15a)の操作量が所定量を超えていることが検知されている操作検知状態であることで満たされる。第4条件は、ストップ信号がオフ状態であることにより、遊技球の発射を停止させる操作が検知されていない非停止状態であることにより満たされる。
発射シーケンスにおいて、発射制御回路83aは、最初に規定時間t1(一例として37.5ms)にわたって待機する。規定時間t1が経過した場合に、発射制御回路83aは、発射タイミングパルスに応じて駆動電流を発射ソレノイド66aに供給する。発射制御回路83aは、ボリューム信号の電圧を参照して発射強度を設定する。発射制御回路83aの保持回路は、このときのボリューム信号の電圧値を新たに保持する。発射制御回路83aは、駆動電流を出力するタイミングで減算基準信号を枠制御基板82へ出力する。発射制御回路83aは、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力してから規定時間t2(一例として562.5ms)が経過するまで待機する。以上により、1回の発射シーケンスが終了する。遊技球の発射周期は、規定時間t1と規定時間t2の和に等しい。一例として、発射周期は、600msである。発射条件が成立していない場合に、発射制御回路83aは、発射シーケンスを実行しない。つまり、発射制御回路83aは、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力せず、かつ減算基準信号を枠制御基板82へ出力しない。これに限らず、発射制御回路83aは、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力することで、所謂「空打ち」を実行してもよい。
枠制御基板82(枠制御CPU82a)の制御について説明する。
枠制御CPU82aは、減算基準信号がオン状態に遷移すると、規定時間t2aにわたって待機する。規定時間t2aは、発射ソレノイド66aの駆動時間と等しい時間(一例として16ms)である。次に、枠制御CPU82aは、供給ソレノイド63bに駆動電流を供給し、供給ソレノイド63bを駆動させる。つまり、可動片63aは、1回の供給動作を実行する。可動片63aが1回の供給動作を実行すると、入口側通路62aにおいて一列に並ぶ遊技球Kのうち先頭の遊技球は、出口側通路62bへ放出される。
パチンコ遊技機10における球抜き作業について説明する。
球抜き作業は、球抜き状態において行うことが好ましい。球抜き状態は、球抜き状態ではない場合に検知され得る第1種エラーが検知されず、第1種エラーが設定されず、第1種エラーの報知がされることもない。つまり、球抜き状態は、球抜き状態中以外においてエラーの検知に使用される各種センサが無効化される状態、又は各種センサの検知結果が受け付けられない状態であるといえる。
上述の通り、回収機構30は、下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって傾斜する通路を組み合わせて構成されている。つまり、入賞通路33、非入賞通路34、合流通路36、ファール通路37、及び供給通路39は、何れも下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって傾斜する通路である。よって、遊技球は、遊技盤20から、入賞受入口31a、非入賞受入口31b、及びファール受入口32の何れかに受け入れられると、重力の作用によって通路を流下して、最終的に搬送部52へと到達し得る。供給通路39に隣接して、搬送入口センサD28によって遊技球が検知され得る部分と、第1球抜き部71とは、搬送部52よりも上流側において、この順番に並んでいる。よって、遊技球は、搬送入口センサD28によって検知され得る部分、及び第1球抜き部71の順に、これらを通過することになる。
球抜き状態において、第1球抜き部71のレバー(不図示)が操作され、開閉片71cが開放位置へ変位されたとする。第1接続部71aにおいて、球抜き孔71bは、開放される。これにより、第1接続部71aにある遊技球は、球抜き孔71bから機外へと排出される。また、第1球抜き部71において、遊技球が球抜き孔71bから順に機外へと排出されることに伴い、回収機構30を構成する入賞通路33、非入賞通路34、合流通路36、ファール通路37、及び供給通路39にある遊技球は、搬送部52へ向けて前進する。そして、最終的に、入賞通路33、非入賞通路34、合流通路36、ファール通路37、及び供給通路39にある遊技球は、全て、開放状態とされた球抜き孔71bから、機外へと排出される。
また、第2球抜き部72のレバー(不図示)が操作され、開閉片72cが開放位置へ変位されたとする。第2接続部72aにおいて、球抜き孔72bは、開放される。これにより、第2接続部72aにある遊技球は、球抜き孔72bから、球抜き通路73へと排出される。また、第2接続部72aにおいて、遊技球が球抜き孔72bから順に球抜き通路73へと排出されることに伴い、入口側通路62aにある遊技球は、第2接続部72aへ向けて前進する。また、球抜き状態では、搬送部52が駆動される。つまり、搬送部52の内部にある遊技球は、入口側通路62aへと排出され、さらに第2接続部72aへ向けて前進する。そして、第2接続部72aへと到達した遊技球は、球抜き孔72bから球抜き通路73へと流入する。
球抜き通路73は、下方に向かって延びる通路、又は下方に下るように傾斜する通路を組み合わせて構成される。よって、遊技球は、球抜き通路73へ流入すると、球抜き通路73を通過し、第1球抜き部71へと到達する。遊技球は、球抜き孔71bが開放状態であれば、当該球抜き孔71bから、機外へと排出される。そして、最終的に、循環機構50及び発射機構60にある遊技球は、第2接続部72aから、球抜き通路73及び第1球抜き部71を経由して、機外へと排出される。
発射許可状態は、管理ユニット100とパチンコ遊技機10とが正常に接続されており、枠制御基板82にて特定のエラー(一例として供給機構エラー)が発生していない状態である。発射禁止状態は、管理ユニット100とパチンコ遊技機10とが正常に接続されていないこと、及び枠制御基板82にて特定のエラーが発生していること、のうち1つ又は複数が生じている状態である。
発射許可状態は、必要な上記条件が満たされれば、球抜き状態であっても生起され得る。つまり、球抜き状態であっても、遊技球の発射条件が成立し得る。よって、仮に、遊技球が打撃位置67に残存していたとしても、発射操作部15が操作されることによって、遊技領域20aへと発射させることができる。遊技領域20aに発射された遊技球は、回収機構30を介して、機外へと排出される。
パチンコ遊技機10の管理者等は、球抜き状態において球抜きを完了した場合に、入賞受入口31a、非入賞受入口31b、及びファール受入口32から遊技球を流通機構29へ流入させるとよい。そして、遊技球を補給後、管理者等は、パチンコ遊技機10の電源を遮断してから、再投入させることで、パチンコ遊技機10を起動させ得る。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)第2球戻り防止弁68は、案内通路23を発射方向と逆方向に進行する遊技球が発射部65内に流入することを抑制するため、発射部65内で球詰りを起こしてしまうことを抑制できる。これにより、本実施形態では、快適に遊技を行わせることができる。
(2)特に、第2球戻り防止弁68は、案内通路23を発射方向と逆方向に進行する遊技球と特定位置23aにおいて接触した場合に、該遊技球が発射部65内に流入することを抑制してファール通路37に案内することができる。これによれば、発射部65から発射された遊技球が遊技領域20aに到達しなかった場合に、発射部65内又は案内通路23内に滞留することで球詰りを起こしてしまうことを抑制できる。
(3)第2球戻り防止弁68は、発射部65側から発射された遊技球と接触することにより第2状態68bから第1状態68aとなりうる。これによれば、例えば、第2球戻り防止弁68を第2状態68bから第1状態68aに変位又は変形させるための部材を別に設ける場合と比較して、パチンコ遊技機10の構成及び制御を簡略化できる。
(4)第2球戻り防止弁68は、発射操作部15により調整可能な発射強度のうち最低の発射強度で遊技球が発射部65から発射された場合であっても、該遊技球と接触したときには第1状態68aとなる。このため、パチンコ遊技機10では、発射部65から発射された遊技球が特定位置23aを通過することなく発射部65内に滞留することによって球詰りを起こしてしまうことを抑制できる。
(5)パチンコ遊技機10において、発射部65内で球詰りが発生した場合には、供給部61から発射部65に供給された遊技球が押し戻されることで、供給出口センサD23又は供給入口センサD22において誤検知が発生してしまうことが考えられる。このような場合には、供給機構エラー、遊技球数オーバーエラー、及び入賞球数異常エラーの各エラーの発生を正しく検知できなくなってしまうおそれがある。これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技球が発射部65内に流入することを第2球戻り防止弁68によって抑制することで、発射部65内で球詰りが発生してしまうことを抑制できるため、各エラーの発生を正しく検知することができる。
(6)また、パチンコ遊技機10において、発射部65内で球詰りが発生した場合には、供給出口センサD23において誤検知が発生することで、意図しないタイミングで遊技球数クリアエラーの設定が解除されてしまうことが考えられる。これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技球が発射部65内に流入することを第2球戻り防止弁68によって抑制することで、発射部65内で球詰りが発生してしまうことを抑制できるため、意図したタイミングで遊技球数クリアエラーの設定を解除することができる。
(7)枠制御CPU82aは、第2管理球数情報生成処理において、ファールセンサD37が出力するファール信号に基づいて、ファール通路37に流入した遊技球の数だけ第2管理球数PBを加算する。これによれば、発射部65から発射された遊技球が遊技領域20aに到達しなかった場合であっても、第2管理球数PBを適切に計数できる。
(8)第2球戻り防止弁68は、アース線と接続された金属製の部材であるため、遊技球と接触することで生じる静電気を外部に自然放電することができる。これによれば、第2球戻り防止弁68が帯電することで該第2球戻り防止弁68の近傍に配設されているセンサ(一例として、供給出口センサD23)を誤作動させてしまうことを抑制できる。
(9)第1球戻り防止弁24は、遊技領域20aから案内通路23に遊技球が流入することを抑制するため、案内通路23内で球詰りを引き起こしてしまうことを抑制できる。
(10)ファール受入口32は、第2ファール受入口32bと、第2ファール受入口32bよりも案内通路23内において遊技領域20a側に開口する第1ファール受入口32aと、を含む。これによれば、遊技球が案内通路23内を発射方向と逆方向に進行する場合に、特定位置23aに到達するよりも前に第1ファール受入口32aを介してファール通路37に遊技球が流入することがあるため、第1ファール受入口32aを設けない場合と比較して、逆流した遊技球が発射部65内に流入してしまうことをさらに抑制できる。
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第2球戻り防止弁68の形状は適宜変更してもよい。例えば、第2球戻り防止弁68は、湾曲する板状の部分と、それ以外の部分とを含んで構成されてもよい。また、第2球戻り防止弁68は、全体が垂直な板状であってもよい。
・第2球戻り防止弁68は、外力が加わった場合に所定方向に変位することにより第2状態68bから第1状態68aとなるように構成されてもよい。なお、ここでいう「変位」には、回転を含むものとしてもよい。
・第2球戻り防止弁68は、発射操作部15により調整可能な発射強度のうち特定の発射強度未満の発射強度で遊技球が発射されたときには、該発射された遊技球と接触した場合であっても、第2状態68bから第1状態68aに変位又は変形しないように構成されてもよい。言い換えれば、第2球戻り防止弁68は、発射操作部15により調整可能な発射強度のうち特定の発射強度以上の発射強度で遊技球が発射されたことを条件として、該発射された遊技球と接触した場合に、第2状態68bから第1状態68aに変位又は変形するように構成されてもよい。
・第2球戻り防止弁68は、該第2球戻り防止弁68とは別の付勢部材によって付勢されることにより第2状態68bを維持するように構成されてもよい。別の付勢部材としては、例えばばねやゴムを採用してもよい。
・第2球戻り防止弁68の位置は、適宜変更してもよい。例えば、第2球戻り防止弁68は、案内通路23全体の中心よりも発射部65側に設けられてもよいし、案内通路23全体の中心よりも遊技領域20a側に設けられてもよい。また、第2球戻り防止弁68は、案内通路23と発射部65の接続部に設けられてもよい。また、第2球戻り防止弁68は、一部又は全部が第2ファール受入口32bの上流側(打撃位置67側)の端部よりも下流側(遊技領域20a側)に突出する位置に配設されていてもよいし、全部が第2ファール受入口32bの上流側の端部よりも上流側に位置するように配設されていてもよい。
・第2球戻り防止弁68は、案内通路23において、第1ファール受入口32aと第2ファール受入口32bとの間に設けられてもよい。即ち、第2球戻り防止弁68は、案内通路23において、複数のファール受入口32の間に設けられてもよい。これによれば、案内通路23内を逆流する遊技球が特定位置23aを通過して第2球戻り防止弁68よりも発射部65側に流入した場合であっても、該第2球戻り防止弁68よりも発射部65側にあるファール受入口32を介して、遊技球をファール通路37に流入させることができる。また、これによれば、発射部65から発射された遊技球が特定位置23aを通過せず案内通路23内において発射部65側に留まった場合であっても、第2球戻り防止弁68よりも発射部65側にあるファール受入口32を介して、遊技球をファール通路37に流入させることができる。
・第2球戻り防止弁68の素材は適宜変更してもよい。例えば、第2球戻り防止弁68は、樹脂製であってもよい。また、第2球戻り防止弁68は、一部が金属製でそれ以外の部分が金属以外の素材で構成されてもよい。
・第2球戻り防止弁68は、アース線と接続されていなくてもよい。
・第2球戻り防止弁68は、所定のアクチュエータにより第1状態68aと第2状態68bとに動作するように構成されてもよい。この場合、第2球戻り防止弁68は、発射制御基板83の発射制御回路83aが発射ソレノイド66aに対して駆動信号を出力することに伴って第1状態68aとなるように制御される一方で、第1状態68aとなるように制御してから所定時間が経過したことに伴って第2状態68bとなるように制御されるとよい。即ち、第2球戻り防止弁68は、第1状態68aと第2状態68bとの間で動作するように電気的に制御されてもよい。言い換えれば、第2球戻り防止弁68は、遊技球と接触することなく第2状態68bから第1状態68aに動作するように構成されてもよい。このとき、第2球戻り防止弁68は、発射制御基板83に配設されるCPUによって制御されてもよいし、枠制御基板82に配設される枠制御CPU82aによって制御されてもよい。
・ファール受入口32の数は、適宜変更してもよい。例えば、ファール受入口32は、第2ファール受入口32bを含んでいなくてもよい。この場合、流通機構29は、案内通路23内を逆流する遊技球が第1ファール受入口32aを介してファール通路37に流入するように構成されるとよい。また、ファール受入口32は、第1ファール受入口32a及び第2ファール受入口32bとは異なるファール受入口を含んでいてもよい。
・ファール通路37の数は、適宜変更してもよい。例えば、第1ファール受入口32aに繋がるファール通路37と、第2ファール受入口32bに繋がるファール通路37とは、独立した別の通路であってもよい。この場合、ファールセンサD37は、ファール通路37ごとに配設されるとよい。
・第1球戻り防止弁24の形状は、適宜変更してもよい。例えば、第1球戻り防止弁24は、全体が湾曲する板状の部材であってもよい。また、第1球戻り防止弁24は、湾曲する板状の部分と、それ以外の部分とを含んで構成されてもよい。また、第1球戻り防止弁24は、第2球戻り防止弁68と同一又は略同一の形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。
・第1球戻り防止弁24は、外力が加わった場合に変形することにより第2状態24bから第1状態24aとなるように構成されてもよい。
・第1球戻り防止弁24は、該第1球戻り防止弁24の弾性力により第2状態24bを維持するように構成されてもよい。
・第1球戻り防止弁24の素材は適宜選択可能である。一例として、第1球戻り防止弁24は、金属製であってもよい。この場合、第1球戻り防止弁24は、アース線と接続されていることにより、遊技球と接触することで生じる静電気を外部に自然放電するように構成されてもよい。
・第1球戻り防止弁24は、所定のアクチュエータにより第1状態24aと第2状態24bとに動作するように構成されてもよい。この場合、第1球戻り防止弁24は、発射制御基板83の発射制御回路83aが発射ソレノイド66aに対して駆動信号を出力することに伴って第1状態24aとなるように制御される一方で、第1状態24aとなるように制御してから所定時間が経過したことに伴って第2状態24bとなるように制御されるとよい。即ち、第1球戻り防止弁24は、第1状態24aと第2状態24bとの間で動作するように電気的に制御されてもよい。言い換えれば、第1球戻り防止弁24は、遊技球と接触することなく第2状態24bから第1状態24aに動作するように構成されてもよい。このとき、第1球戻り防止弁24は、発射制御基板83に配設されるCPUによって制御されてもよいし、枠制御基板82に配設される枠制御CPU82aによって制御されてもよい。
・各種のエラーの報知態様は、適宜変更してもよい。例えば、性能表示モニタ82d、第2球数表示部17、及び報知音声部13に代えて、又は加えて、別の報知手段によりエラーの報知を行ってもよい。この場合、性能表示モニタ82d、第2球数表示部17、及び報知音声部13とは別の報知手段は、遊技制御CPU80aにより制御される報知手段であってもよいし、演出制御CPU81aにより制御される報知手段であってもよいし、枠制御CPU82aにより制御される報知手段であってもよい。
・アウト球の数は、入賞通路カウントセンサD33が検知した数と非入賞通路カウントセンサD34が検知した数の合算数としてもよい。この場合、アウトセンサD36は、設けても設けなくてもよい。
・入賞通路カウントセンサD33と非入賞通路カウントセンサD34を設けず、アウトセンサD36のみで排出された遊技球を検知してもよい。
・アウトセンサD36は、遊技盤20に設けられていてもよいし、枠11に設けられていてもよい。
・パチンコ遊技機10は、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、遊技球が特定領域を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
・特別図柄の当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確低入球率状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
・パチンコ遊技機10は、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することにより大当り遊技が生起される。
・遊技制御CPU80a、遊技制御ROM80b、遊技制御RAM80c、及び乱数生成回路80dは、ワンチップに構成されていてもよい。
・遊技盤20の具体的な構成は任意に変更してもよい。
・演出制御基板81をサブ統括制御基板とし、演出制御基板81とは別に演出表示部19を専門に制御する表示制御基板、演出発光部14を専門に制御する発光制御基板、演出音声部12を専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。また、実施形態において、単一の基板に遊技制御CPU80a、及び演出制御CPU81aを搭載してもよい。また、表示制御基板、発光制御基板、及び音制御基板を任意に組み合わせて単数又は複数の基板としてもよい。
・所定量の遊技媒体(一例として遊技球)の全部を循環させる遊技機として構成したが、これに限らず、遊技媒体の一部又は全部について、遊技機の外部にある遊技媒体と交換可能な構成であってもよい。
・流通機構29は、その全部が搭載枠11bに形成されたが、一部が遊技盤20に形成されていてもよい。つまり、遊技盤20は、流通機構29の一部を構成してもよい。
本実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記特定部材は、少なくとも一部が金属製である。
(ロ)遊技領域を有する遊技盤と、発射位置にある遊技球を前記遊技領域に向けて発射する発射部と、前記発射位置から発射された遊技球が前記遊技領域に至るまでに通過する球通路と、前記発射部によって前記球通路に発射され、且つ、前記遊技領域に至らなかった遊技球が流入可能な特定通路と、前記球通路と前記遊技領域との接続部に設けられ、前記球通路から前記遊技領域に遊技球を流入可能とする一方で、前記遊技領域から前記球通路に遊技球を流入不能又は前記球通路から前記遊技領域に流入するときと比較して遊技球を流入困難とする特別部材と、前記球通路内を前記発射位置から前記接続部に向かう第1方向に沿って遊技球が進行する場合に、該遊技球が前記球通路内の特定位置を通過可能とする一方で、前記球通路内を前記第1方向とは逆の第2方向に沿って遊技球が進行する場合に、該遊技球が前記球通路内の前記特定位置を通過不能又は前記第1方向に沿って進行するときと比較して前記特定位置を通過困難とする特定部材と、を備え、前記球通路と、前記特定通路とは、遊技球が通過可能な開口部を介して接続されており、前記特定部材は、少なくとも一部が前記球通路内において前記開口部よりも前記発射位置側に設けられている遊技機。