JP2023136643A - 手術腔内圧安定化リザーバー - Google Patents

手術腔内圧安定化リザーバー Download PDF

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Abstract

【課題】狭い手術腔での鏡視下気腹手術などのさい、高価で大掛かりなシステムを用いることなく、手術腔内に急激な圧力低下を引き起こす操作に対しても術野を安定して維持することができる手術腔内安定化リザーバーを提供すること。【解決手段】手術腔安定化リザーバー1は、手術腔90と排気装置72との間に配置され、ガス圧により容積を拡縮可能な柔軟な袋体よりなるリザーバーバッグ10と、該リザーバーバッグ10への気腹ガスの給排口となる入口ポート22および出口ポート23を備えたポート部20と、該ポート部20と接続してリザーバッグ内に配置される手術腔からのサージカルミスト等の排液を捕捉するためのトラップ30と、前記リザーバーバッグ10を内部に収容する透明硬質材よりなる保護ボトル40、及び、前記リザーバーバック10とポート部20を前記保護ボトル40と接続するボトルキャップ50から構成される。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 第34回日本内視鏡外科学会総会 併設展示会 令和3年12月2日~4日
本発明は、狭い手術腔に気腹ガスを注入して行われる鏡視下手術において、安定した手術空間(術野)確保のため、手術腔の内圧を安定化するためのリザーバーに関する。
鏡視下気腹手術は、手術腔に気腹ガス(二酸化炭素ガス)を充填して手術空間を確保し、内圧を維持しながら手術が進められる。手術腔の内圧の維持には、術野の内圧変化を感知して気腹ガスを自動的に補充する気腹装置が用いられており、一般的に、十分な手術腔がとれる腹腔鏡下気腹手術では、例え、内圧が急激に低下する操作(例えば、電気メスの使用により発生するサージカルスモークを排気装置により吸引するような操作)であっても、前記気腹装置の作動により内圧は維持され、術野は確保される。しかし、例えば、食道切除などの縦隔に気腹ガスを注入して行われる鏡視下手術や、小児に対する鏡視下手術などでは、手術腔が狭いため、サージカルスモーク吸引操作等の急激な内圧変化に対し、気腹装置が減圧を感知し、気腹ガスが送気されるまでのタイムラグにより内圧が維持されず、狭い手術腔が急激に萎んで手術空間が確保できなくなるといった、手術において大きなリスクとなる問題がある。
従来、このような狭い手術腔の内圧を安定化するには、精密に内圧を制御する気腹装置を用いることもできるが、装置本体や適応する器具が高価になることから、多くの病院では、サージカルスモークの排気など急激な内圧低下が予想される場合には、内視鏡で術野をモニターしながらトロッカーの活栓からマニュアル的に慎重に排気を行うという面倒な手段が採られている。
また、手術腔の内圧安定化のための装置として、比較的狭い手術腔となる結腸直腸系を対象とする経肛門低侵襲手術(TAMIS)に適用される収縮袋のリザーバー装置が提案されている。結腸直腸系の手術では、手術腔が密閉されておらず、また、組織の壁から気腹ガスが吸収されやすいため、気腹装置から気腹ガスが供給され続けるものの、術野の内圧が安定しないといった問題がある。提案される装置は、これを解消するため気腹装置と手術腔(肛門の直腸部分)の間に内圧変化により拡縮可能なエラストマーパウチを設け、該エラストマーパウチによるリザーバー機能により、手術腔へ供給する気腹ガスの吹送安定化をはかり、手術腔の内圧変化を抑制するというガス流圧力コンディショニング装置となっている。(特許文献1)
特表2018-530385号公報
気腹装置から手術腔へのラインに、前記のような気腹ガスを充填したエラストマーパウチからなるリザーバーを備えると、リザーバーと手術腔が常に通路により開通していることにより、手術腔でのカス漏れ等による圧力低下のさいに、気腹装置からの送気を待つことなくリザーバーから手術腔に気腹ガスが供給されることで手術腔の急激な圧力低下が防止され、結果、術野を安定的に維持することができる。
しかし、このリザーバーは、常時、内圧変化の大きな結腸直腸系への適用を想定しており、リザーバー容量が6リットル以上とされるなど、容器が大きなことで術中場所を取ってしまうことがある。また、小児や縦隔といった更に狭い術野への適用については検討されておらず、このような狭い術野に対するパルス的で急激な減圧についての課題は必ずしも解決されていない。
そこで本発明は、小児や縦隔に気腹ガスを注入して行われる狭い手術腔への鏡視下気腹手術などについて、高価で大掛かりなシステムを用いる必要が無く、手術腔内の急激な圧力低下に対しても術野を安定して維持することができる手術腔内安定化リザーバーを提供することを課題とした。
本発明の手術腔安定化リザーバーは、手術腔と排気装置との間に配置されるものであって、トロッカー等を介して手術腔と連通する連結チューブ、および、排気装置と連通する排気チューブとに通路が形成された、ガス圧により容積を拡縮可能な柔軟な袋体よりなるリザーバーバッグと、該リザーバーバッグと前記連結チューブおよび排気チューブを気密的に接続する、入口ポートおよび出口ポートを備えたポート部と、該ポート部と接続し、前記リザーバッグ内に配置される、手術腔からのミスト等の排液を捕捉するトラップとにより構成する。
前記構成に加え、リザーバーバッグを内部に収容する透明硬質材よりなる保護ボトルと、前記リザーバーバックおよびポート部を、前記保護ボトルの開口部と接続するボトルキャップとを更に備えて構成する。
次の各部は、以下の通り構成又は形成することが望ましい。
・前記リザーバッグの容量は、0.4リットル以上、1.5リットル以下とする。
・前記トラップは、内筒、外筒の二重筒状に形成され、内筒の内腔はリザーバーバック内部と通路を形成してなり、内筒と外筒の間は底部が閉塞された筒状の環状体空間として形成され、該環状体空間がトラップ空間となる。
・前記ポート部の入口ポートと出口ポートは並列に設けられ、入口ポートはトラップ空間のみに開口されており、出口ポートはトラップ空間およびリザーバーバックと連通する通路に開口されてなる。
・前記ポート部の入口ポートと出口ポートは、ポートの設置面より入口ポートはリザーバーバッグ側に向け突出する凹部として形成され、出口ポートは外方に向け突出する凸部として形成されてなる。
前記手術腔安定化リザーバーは、複数を直列あるいは並列に連結されても良い。
(作用)
本手段によると、リザーバーバッグに予備的に気腹ガスを充填しておくことでリザーバッグと手術腔が通路でつながるため同じ内圧の一連の空間となり、あたかも物理的な手術腔空間が大きくなったような作用が得られることで、パルス的な排気などに対する手術腔内の内圧変化を穏やかにすることができる。また、リザーバーが気腹装置と手術腔の間のラインではなく、手術腔と排気装置の間に配置されるため、排気装置により吸引される気腹ガスは、リザーバーを通して手術腔へと伝わる吸引圧により吸引されることになり、手術腔での内圧低下が穏やかになり、手術腔の内圧低下が遅れることで、気腹装置作動による手術腔への送気までに生じるタイムラグの間、手術腔からの急激な減圧を抑えておくことができる。
ここで、リザーバーを手術腔と排気装置の間に設けることで懸念される、前記電気メスの組織切除により生じるサージカルスモークの吸引排気のさいに、ガスと共に排出されるミストや僅かに吸引されてしまう血液等の体液がリザーバッグに溜まってしまい、リザーバーとしての機能を低下させる懸念に対して、手術腔からリザーバーバッグへの通路の入口側に該排液を捕捉して、リザーバーバッグにではなく、排気装置へと排出するトラップを設けることで、リザーバーバッグ内にミストや排液が溜まってしまうことを防止している。
リザーバーバッグを内部に収容する保護ボトル備えることで、柔軟なリザーバッグを手術中保護しておくことができ、術中設定した位置に安定して立てて置くことができる。また、リザーバッグの容量を1.5リットル以下と小さくすることで、リザーバーバッグの使用で懸念される排気処置の効率を大きく落とすことなく、内圧の安定と排気の効率をバランスのとれたものとすることができ、また、術中、大きなリザーバーが手術の邪魔になることがない。
トラップ空間を、内筒と外筒の二重筒状の間の底を閉塞した環状体空間として形成し、並列に設ける入口ポートと出口ポートを、入口ポートは、トラップ空間にのみ接続し、リザーバーバッグには直接接続されないものとし、一方、出口ポートは、トラップ空間とリザーバーバッグ内腔の通路両方に開口しているトラップの構造により、手術腔から吸引されたサージカルスモークのミストや血液等の排液はリザーバーバッグ内に殆ど入ることがなく、トラップ内に溜まるか、トラップを通して出口ポートから排気装置に排液することができる。
また、入口ポートをリザーバーバック側に向け突出した凹部状として、出口ポートを外方に向け突出した凸部形状として、それぞれチューブと接続すると、入口ポートはトラップ空間の環状体空間のみに開口し、出口ポートはトラップ空間とリザーバーバッグの両空間に向け開口する構造を同一のポート設置面上に形成することができる。
前記リザーバーを複数連結すると、より大きなリザーバッグを必要とする手術にも適用することができる。
本発明によれば、狭い手術腔に対する鏡視下気腹手術において、高価で大掛かりなシステムを必要とすることなく、手術腔内の急激な減圧に対しても術野を安定して維持することができ、特に、小児や食道切除などで縦隔に気腹ガスを注入して行われる鏡視下気腹手術に適用可能な手術腔内安定化リザーバーを提供することができる。
本発明の実施の形態の一例を示す手術腔安定化リザーバーの外観図(斜視図)。 前記実施の形態のリザーバーを用いた手術における各器具の接続関係の例を示す模式図。 前記実施の形態のリザーバーバッグを示す構成図。 前記実施の形態のポート部を示す構成図(正面図及び底面図)。 前記実施の形態のトラップを示す構成図(正面図及び上面図)。 前記実施の形態のポート部とトラップを接続した状態を示す断面図。 前記実施の形態のポート部とトラップをリザーバーバッグに接続した状態を示す構成図(正面図及び上面図)。 前記実施の形態の保護ボトル(正面図及び上面図)、及び、ボトルキャップ(正面図及び底面図)を示す構成図。 前記実施の形態の各部の取付け状態を示す組立図。 前記実施の形態の組立てられた状態を示す一部断面図(正面図)、及び、断面部分の拡大図。
以下、本発明の手術腔安定化リザーバーの実施の形態について図面を参考に詳細に説明する。
本形態の手術腔安定化リザーバーは、手術腔を気腹ガスで充填し拡張して行う鏡視下手術のなかで、特に、小児や縦隔など狭い手術腔に対する手術に好適に用いられる。
図1は、本発明の手術腔安定化リザーバーの実施の形態を示す全体構成図を示している。本リザーバー1は、ガス圧により容積を拡縮するリザーバーバッグ10(図1の斜線部)と、該リザーバーバッグ10の開口部に気密的に接続する入口ポート22及び出口ポート23を備えたポート部20と、前記ポート部20と接続されリザーバーバッグ10内に配置されるトラップ30と、前記リザーバーバッグ10を内部に収容する保護ボトル40と、前記リザーバーバッグ10とポート部20を保護ボトル40の開口部41と接続するボトルキャップ50、及び、前記ポート部20の入口ポート22に接続された連結チューブ61により構成される。
図2は、前記実施の形態のリザーバーを用いた手術において好適となる各器具の接続関係の例を示す模式図を示している。前記リザーバー1は、手術腔90と排気装置72の間にトロッカー80等を介して配置されることになるが、先ず、本手術例における全体の器具の接続関係を説明する。本例の手術腔90との気腹ガスの供給-排気ルートは、手術腔90に複数設置されたトロッカー80のいずれかひとつの吸気・排気ポート81と気腹装置71とを気腹チューブ62で接続したガス供給ラインと、前記トロッカー80のいずれかひとつの吸気・排気ポート81と前記リザーバー1とを連結チューブ61で接続し、更に、該リザーバー1と排気装置72とを排気チューブ63で接続したガス排気ラインからなり、それぞれが手術腔90を介して連通した通路を形成している。なお、本形態では、連結チューブ61はトロッカー80と吸気・排気ポート81で接続しているが、トロッカー80の内腔通路に挿着して手術腔90に導入される、別途設ける吸引管器具(図示せず)に接続するものであっても良い。
気腹装置71は、手術腔90に気腹ガスを供給し、術中の内圧を維持するための装置で、手術腔90の内圧低下を感知して自動に、あるいは、鏡視下観察により手動で手術腔90に気腹ガスを供給する装置である。一方、排気装置72は、手術中に手術腔90内で発生し内視鏡の映りの障害となるサージカルスモークなどを吸引排気する装置である。通常、手術中にサージカルスモークを除去するため排気装置72を作動すると手術腔90は急激に減圧され内圧が低下し、内圧が低下すると気腹装置71が感知し、手術腔90に気腹ガスを供給し内圧を維持することが常に行われている。
しかし、本発明が適用となる狭い手術腔での手術では、排気装置72による急激な排気による減圧に、気腹装置71による気腹ガスの供給が追い付かず、あるいは、減圧感知から気腹ガスの供給のタイムラグにより手術腔90の内圧の低下により手術に支障を生じてしまう場合があり、これを防止するためリザーバーバッグ10が前記ルート内に設けられている。
そして、前記の通りリザーバー1が手術腔90と排気装置72の間に配置されることにより、排気装置による吸引が直接手術腔90ではなく、リザーバーバッグ10を通して手術腔90に伝わることで吸引効率は若干落ちるが、手術腔90での急激な減圧が緩和され、気腹装置71の作動による気腹ガス供給にタイムラグがあっても手術に支障が生じるような内圧低下を防ぐことができる。
図3は、本発明の実施の形態のリザーバーバッグを示している。リザーバーバッグ10は、内部に気腹ガスを充填することで膨張して手術腔と内圧が同一となるリザーバー空間を形成する袋体で、柔軟な袋であれば限定するものではないが、本例においては、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の袋が用いられ、4辺を溶着した2層のシートの上部を後記するトラップ30の外周と適合する半円状に切り取り、袋の開口部となる切欠き部11とし、該トラップ30との接続部とする。そして、ガスを充填したさいの容量は400mlから1500mlの範囲が適正で、本例においては、およそ500mLとした。サイズや形状は特定するものではないが、本例においては、前記容量に適合する幅140mm、長さ200mmの方形の袋に、直径20mmの切欠き部11を設けて形成した。なお、リザーバーバッグ10は、本例の樹脂シートの他、弾性を備えるゴム材質のものであっても良い。
リザーバーバッグ10の容量を最大でも1500ml(本例で約500ml)と、従来に比較して小容量のバッグとして形成することにより、リザーバー1を手術腔90と排気装置72との間に配置することで懸念される、手術腔内90からのサージカルスモーク等の吸引効率の低下を手術に影響がない程度に抑えることができる。そして、前記のような範囲の容量に形成することにより、前記した手術腔90の急激な内圧低下の防止と吸引効率のバランスの取れたものとすることができる。
図4は、本発明の実施の形態のポート部を示しており、Aが正面断面図、Bが底面図を示している。ポート部20は、リザーバーバッグ10へのガスの供給口及びリザーバーバッグ10からのガスの排気口を備えたチューブとの接続口で、ほぼ円形板状のポート設定面21と、該設定面21に並列に並べて形成する入口ポート22と出口ポート23と、前記ポート設定面21の下方に円筒状に突出し、後記するトラップ30と係合するスカート部24、及び、ポート設定面21の縁辺部でスカート部24から突出した部位となる、後記する保護ボトル40の開口部の縁に載置されるつば25の各部により構成される。そして、前記入口ポート22は、手術腔90と接続される連結チューブ61の一端と、出口ポート23は、排気装置72と接続する排気チューブ63の一端とそれぞれ接続される。
また、前記、連結チューブ61と接続される入口ポート22は、ポート設定面21からトラップ側に凹んで形成され、該連結チューブ61の端部を直接挿入し、接着剤等により接続される。一方、排気チューブ63と接続される出口ポート23は、前記ポート設定面21より上方に突出した雌テーパーのコネクタとして形成され、排気チューブ63の端部に取付けた雄テーパーのコネクタと着脱自在に接続される構成とした。更に、つば25の裏面には複数の通気用突起26を備え、つば25を後記する保護ボトル40の開口部の縁に載せて取付けたさい、該開口部の縁と隙間が生じ、該隙間が保護ボトル40内腔と外気との通路となるように形成される。このようにボトル40内と外気が通気することによりリザーバーバッグ10の拡縮が可能となる。また、前記ポート設定面21はほぼ円形に形成せれるが、一部円弧を切欠き切辺27として、後記するする保護ボトル40との接続のさいの位置指標とした。
図5は、本実施の形態のトラップを示しており、Aは上面図、Bは正面一部断面図を示している。トラップ30は、全体がU字状となる同心の2重の筒状に形成され、内筒31の内腔面がリザーバーバッグ10内腔と直接連通する通路として形成され、内筒31と外筒32の間の空間が底部を閉塞したトラップ空間34として形成される。また、トラップ30上面は排液の入出口として開口されているが、内筒31より外筒32が僅かに上方に長く形成され、前記ポート部20を嵌着したさい、内筒31の上面がポート部20のポート設定面21の裏面に接触せず、上部空間35として隙間が生じるように形成され、更に、前記ポート部20のスカート部24との係合部位となる外周面に係合溝37を備えたフランジ36を設けて形成される。また、フランジ36より上方で前記ポート部20との嵌合面となる外周面の軸方向に突条38を複数列形成し、接続のさいの接触摩擦を小さくし、接続を容易としている。
図6は、本形態のポート部とトラップを接続した状態の断面図を示している。ポート部20とトラップ30の接続は、ポート部20のスカート部24内腔面にトラップ30の外筒32の外周面を係合し、スカート部24の先端縁部がフランジ36の溝37に収めて接続するが、このさい、トラップ接続側に凹んで形成されたポート部20の入口ポート22がトラップ30のトラップ空間34に嵌め込まれ、該入口ポート22部分を除いたポート設定面21の裏面は、トラップ30の内筒31及び外筒32の先端縁部と上部空間35となる隙間を設けて接続される。
これにより、ポート部20の入口ポート22は、トラップ30のトラップ空間34にのみ開口されており、出口ポート23は前記上部空間35となる隙間を介してトラップ空間34、及び、内筒31内面のバック内腔通路33に開口されていることで、手術腔90からリザーバーバッグ10、あるいは、排気装置72への流体の流れは必ずトラップ空間34を介することになり、排気装置72が作動し手術腔90内が吸引されている状態では、該手術腔90内からの流体は、トラップ空間43、出口ポート23、排気チューブ63を通り排気装置72へと排出される流れとなり、リザーバーバッグ10内部に入ることはほぼ無いため、リザーバーバック10内の気腹ガスは清潔を維持することができる。また、リザーバーバッグ10内に充填されていた気腹ガスも同時に吸引され排気装置72へ排出されることで、手術腔90やリザーバーバッグ10内の内圧の低下が穏やかなものとなり、気腹装置71の作動による気腹ガス供給までのタイムラグで生じる急激な減圧が緩和されることで手術腔90の内圧を安定化することができる。
図7は、本形態のポート部とトラップをリザーバーバッグに取付けた状態を示し、Aが上面図、Bが正面の一部断面図を示している。リザーバーバッグ10をポート部20とトラップ30に接続するには、トラップ30をリザーバーバッグ10の開口部11から袋内に入れ、該開口部11の縁部をポート部20のスカート部24の先端部の縁とトラップ30のフランジ36の係止溝37で挟み込んだ状態でポート部20とトラップ30を係合し接続する。
図8は、本形態の保護ボトルとボトルキャップを示し、Aが保護ボトルの上面図及び正面図、Bがボトルキャップの正面図及び底面図を示している。保護ボトル40は、内部に前記リザーバーバッグ10を収容し、該バッグを保護する透明な硬質樹脂よりなる容器として形成され、本形態ではPET(ポリエチレンテレフタレート)が用いられた。ボトルは下方側から円筒状の底部、筒状の胴部、開口部へ向け絞られた肩部、及び、端部を開口部とした首部41として形成し、該首部41を、前記リザーバーバッグ10を接続したポート部20及びトラップ30との接続部とした。保護ボトル40の形状は特定するものではないが、強度や扱いやすさを考慮して、本例では円筒の肩部から首部41及び底部を除いて八角形に形成し、内部容量は、約500mlの容量のリザーバッグ10を収容可能な500mlより大きなものとして、サイズを直径80mm、首部を除く高さを160mmとした。また、首部41の外周面には、後記するボトルキャップ50との嵌合部となる嵌合溝42を形成し、首部41の特定部位に、後記するボトルキャップ50と嵌合するさいの位置指標として、外周面の軸方向に並列に2本突起する第一の嵌合凸部43、該第一の嵌合凸部43と対向する位置に1本突起する第二の嵌合凸部44、及び、前記ポート部20と接続するさいの位置指標として首部41開口部の縁の円弧を切り欠いた切辺45を設けて形成した。また、開口部の縁面には、リザーバーバッグ10を取付けるさいにポート部20のつば25を載置して収める受け部46を凹みとして形成した。
ボトルキャップ50は、リザーバーバッグ10を取付けたポート部20及びトラップ30を保護ボトル40に接続するためのリング状のロックキャップで、リングの内周面には、前記保護ボトル40の首部41に設けた嵌合溝42と嵌合する嵌合突起51を複数設けて嵌着部とし、また、前記ボトルの首部に設けた前記第一の嵌合凸部43と係合する第一の嵌合凹部52、及び、第二の嵌合凸部44と係合する第二の嵌合凹部53を設けて接続のさいの指標とした。
図9は、本形態の前記した各部を取付けるさいの組立図で、図10が組立てられた本実施の形態のリザーバーを示している。リザーバーバッグ10にポート部20及びトラップ30を接続した袋体を保護ボトル40に取付けるさいは、リザーバーバッグ10を保護ボトル40の内腔に収納し、保護ボトル40の首部41の開口部の上面に設ける受け部46にポート部20のつば25を載置し、ボトルキャップ50を嵌め込んで固定する。本例のボトルキャップ50の嵌め込みは、ボトルの首部41の周面に設ける嵌合溝42とボトルキャップ50の内周面に設ける嵌合突起51を嵌合することにより接続固定されるが、その際の位置合わせとして、ボトルの首部41とポート部20は、それぞれに設ける円弧の切辺45、27が一致するように設定し、保護ボトル40とボトルキャップ50の位置合わせは、保護ボトル40の首部41に設ける第一及び第二の嵌合凸部43、44とボトルキャップ50の内周面に設ける第一及び第二の嵌合凹部52、53を嵌合せることで特定位置に固定することができる。
そして、ポート部20の入口ポート22の凹部に連結チューブ61の一端を接着剤で接続して本発明のリザーバー1とした。
また、必要に応じて前記リザーバー1は、手術腔90から排気装置72の間に複数設けることもできる。この場合、複数のリザーバー1を直列に接続する場合、あるいは、複数を並列に接続する場合が考えられる。
縦隔に気腹ガスを充填して行われる食道切除等の鏡視下手術や小児への気腹下における鏡視下手術など狭い手術腔で行われる手術に、本実施の形態の手術腔内安定化リザーバーを使用すると、前記の通り、リザーバーを気腹装置71から手術腔90の間に設けるのではなく、手術腔90と排気装置72との間に設定されていることにより、排気装置72による急激な吸引操作が直に手術腔内90のみに伝わるのではなく、リザーバーを介して手術腔内90へ伝わり、また、手術腔内90とリザーバーバッグ10内の両方からガスが吸引されることで、手術腔90に対する吸引効果は低下するが、気腹装置作動までの間に手術腔90内の内圧が急激に低下することが防止される。また、手術腔90への吸引効果の低下もリザーバッグの容量を本形態の500mlなど比較的小さいものとすることで、内圧低下は限定的なものとなり、手術に支障をきたすことはない。
また、リザーバーを手術腔90から排気装置72の間に設けることで懸念されるリザーバーバッグ10内へのサージカルスモークによるミストや少量吸引されてしまう血液等の体液の吸引による不潔化や、バッグの機能不全に対し、リザーバッグ10の入口に本形態のトラップ30を設けることで、前述された通り、吸引されたミストや排液は、排気装置が作動している間は排気装置に吸引されるかトラップ内に留まることで、リザーバーバッグ10内に吸引されることを防止することができ、手術腔90と連通する空間となるリザーバーバッグ10内の清潔を維持することでき、また、リザーバーバッグ10の機能を低下させることもない。
以上により、高価な気腹装置や特殊なトロッカーなどの手術器具を使用することなく、また、大容量のリザーバーバッグを使用することなく、排気装置72によるサージカルスモークの吸引操作など、手術腔90に急激な減圧をもたらす条件下においても、前記作用により手術腔内を安定した内圧に保つことができ、手術腔内の内圧低下による術野の縮小により生じるリスクを低減することができる。
1. リザーバー
10. リザーバーバッグ
11. 切欠き(開口部)
12. 熱溶着部
20. ポート部
21. ポート設定面
22. 入口ポート
23. 出口ポート
24. スカート部
25. つば
26. 通気用突起
27. 円弧切片(ポート部)
30. トラップ
31. 内筒
32. 外筒
33. バッグ内腔通路
34. トラップ空間
35. 上部空間
36. フランジ
37. 係止溝
38. 突状
40. 保護ボトル
41. ボトル首部(開口部)
42. 嵌合溝
43. 第一の嵌合凸部
44. 第二の嵌合凸部
45. 円弧切辺(ボトル)
46. 受け部
50. ボトルキャップ
51. 嵌合突起
52. 第一の嵌合凹部
53. 第二の嵌合凹部
61. 連結チューブ
62. 気腹チューブ
63. 排気チューブ
71. 気腹装置
72. 排気装置
80. トロッカー
81. 吸気・排気ポート
90. 手術腔
91. 体表

Claims (7)

  1. 手術腔と排気装置との間に、トロッカー等を介して手術腔と連通する連結チューブと、排気装置と連通する排気チューブとに通路を形成して配置され、ガス圧により容積を拡縮可能な柔軟な袋体からなるリザーバーバッグと、
    該リザーバーバッグと前記連結チューブおよび排気チューブを気密的に接続する、入口ポートおよび出口ポートを備えたポート部と、
    該ポート部と接続し、前記リザーバーバッグ内に配置される、手術腔からのミスト等の排液を捕捉するトラップとにより構成することを特徴とする手術腔安定化リザーバー。
  2. 前記リザーバーバッグを内部に収容する透明硬質材よりなる保護ボトルと、
    前記リザーバーバックおよびポート部を、前記保護ボトルの開口部と接続するボトルキャップとを更に備えて構成する請求項1の手術腔安定化リザーバー。
  3. 前記リザーバッグの容量は、0.4リットルから1.5リットルである請求項1乃至2のいずれかの手術腔安定化リザーバー。
  4. 前記トラップは、内筒、外筒の二重筒状に形成され、内筒の内腔はリザーバーバック内部と通路を形成してなり、内筒と外筒の間は底部が閉塞された筒状の環状体空間として形成され、該環状体空間がトラップ空間となる請求項1乃至3のいずれかの手術腔安定化リザーバー。
  5. 前記ポート部の入口ポートと出口ポートは並列に設けられ、入口ポートはトラップ空間のみに開口されており、出口ポートはトラップ空間およびリザーバーバックと連通する通路に開口される請求項1乃至4のいずれかの手術腔安定化リザーバー。
  6. 前記入口ポートと出口ポートは、ポートの設置面より入口ポートはリザーバーバッグ側に向け突出する凹部として形成され、出口ポートは外方に向け突出する凸部として形成される請求項5の手術腔安定化リザーバー。
  7. 前記手術腔安定化リザーバーを複数連結する請求項1乃至6のいずれかの手術腔安定化リザーバー。
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