JP2023132741A - 水硬性組成物用水和熱抑制剤 - Google Patents

水硬性組成物用水和熱抑制剤 Download PDF

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Abstract

【課題】ポルトランドセメント等汎用の水硬性組成物配合に適用でき、水硬性組成物の流動性をほとんど変化させること無く、水和熱を十分抑制し、強度発現に優れたコンクリートおよびモルタルを製造し得る水硬性組成物用水和熱抑制剤を提供すること。【解決手段】本発明は、(A)ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(a)を含有し、好ましくは、(B)グリコール、多価アルコール等の水酸基含有化合物、(C)他の分散剤をさらに含有する、水硬性組成物用水和熱抑制剤を提供する。本発明の水和熱抑制剤は、水硬性組成物の流動性をほとんど変化させること無く、水和熱を十分抑制することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、水硬性組成物用水和熱抑制剤に関する。
ダムおよび橋脚等の大容量のコンクリート(マスコンクリート)を構築する場合、セメントの水和反応による発熱のため、コンクリートの内部と外部とで温度差が生じ、コンクリートにひび割れが発生することがある。
従来、この水和熱の制御方法として、使用材料の冷却、セメントコンクリート打設後のパイプクーリング、フライアッシュ等の混和材の使用、吸熱剤、セメントの水和反応抑制剤等の混和剤の使用が知られている。
これら水和熱の制御方法のうち、水和反応抑制剤としては、例えば特許文献1には、凝結遅延成分をパラフィン等の難溶性被覆材でコーティングした水和熱抑制カプセルとその製造方法が提案されている。
特許文献2には、普通ポルトランドセメントに、タンニン化合物と、オキシカルボン酸塩を添加することで、水和発熱を抑制しながら、セメント硬化体とした場合の強度低下を抑制できるセメント組成物が例示されている。
特許文献3には、特定の膨張物質とデキストリン等の水和熱抑制剤成分を有するセメント混和材が、強度発現性を低下させること無く、セメントの水和熱を抑制可能であると記載されている。
特許文献4には、特定のアニオン系界面活性剤とHLB値が2以上9未満であるポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテルとを含有する水硬性組成物用水和熱抑制剤が最高温度到達時間を遅延させずに、水和発熱による温度上昇を抑制することが提案されている。
特開2020-200200号公報 特開2013-234086号公報 特開2017-165627号公報 特開2019-196282号公報
特許文献1に開示された水和熱抑制カプセルは、凝結遅延成分を多量に含有し、水和熱抑制カプセルを用いた場合であっても、水和反応の開始時間を遅らせる場合がある。従って、コンクリート構造物の硬化および強度発現に時間を要する場合がある。特許文献2に開示されたセメント組成物は、水和熱は抑制できるものの、水和遅延により強度発現性に劣り、さらにコンクリートに対する流動性の影響が考慮されていないため、実施工では容易に使用することができない。特許文献3のセメント混和材には、施工法の観点から、デキストリン等の水和熱抑制剤成分に加え、膨張物質を添加することで、その強度発現性の低下を抑制している。しかし、一般に考えられる膨張物質由来のコンクリートの流動性低下は検討されていない。また特許文献4では、これら水和遅延性を解決すべく、グルコン酸ナトリウム、デキストリン等の水和遅延成分を含まない、界面活性剤系の水和熱抑制剤が提案されているが、モルタルの流動性は全く考慮されておらず、実際のコンクリート分散剤と組み合わせた場合の施工性については検討の余地があった。
そこで、本発明では上記の課題を解決すべく、ポルトランドセメント等汎用の水硬性組成物配合に適用でき、水硬性組成物の水和熱抑制剤を添加しても、水硬性組成物の流動性に大きな影響を及ぼすことなく、水硬性組成物の水和熱を抑制可能な水和熱抑制剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、特定の炭素原子数のアルケニル基を有する構成単位と2-ヒドロキシプロピルアクリレートとを含むポリカルボン酸系共重合体またはその塩が、水硬性組成物へ使用した際に水和熱抑制効果を発揮でき、上記課題を解決することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の〔1〕~〔8〕を提供する。
〔1〕下記(A)成分を含有する、水硬性組成物用水和熱抑制剤。
(A)成分:
下記一般式(1)で表される単量体(I)1~80重量%、2-ヒドロキシプロピルアクリレート単量体(II)20~97重量%、および、単量体(I)~(II)と共重合可能なその他の単量体(III)0~50重量%を共重合させることにより得られるポリカルボン酸系共重合体またはその塩(a)。
-O-(AO)n1-R・・・(1)
(式中、Rは、炭素原子数2~5のアルケニル基を表す。AOは、同一若しくは異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表す。n1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~200の数を表す。Rは、水素原子または炭素原子数1~30の炭化水素基を表す。)
〔2〕ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(a)の重量平均分子量が、ポリエチレングリコール換算で5,000~300,000である〔1〕に記載の水硬性組成物用水和熱抑制剤。
〔3〕(B)成分:水酸基含有化合物をさらに含む、〔1〕または〔2〕に記載の水硬性組成物用水和熱抑制剤。
〔4〕(A)成分に対する(B)成分の重量比(B)/(A)が、0.01以上5.0以下の配合量で含む、〔3〕に記載の水硬性組成物用水和熱抑制剤。
〔5〕(B)成分が、エチレングリコールおよびグリセロールから選ばれる少なくとも1種を含む、〔3〕または〔4〕に記載の水硬性組成物用水和熱抑制剤。
〔6〕(C)成分:(A)および(B)成分以外の分散剤をさらに含有する、〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の水硬性組成物用水和発熱抑制剤。
〔7〕(C)成分が、ポリカルボン酸系重合体(ただし共重合体またはその塩(a)を除く)、リグニンスルホン酸系重合体、およびナフタレンスルホン酸系重合体から選ばれる少なくとも1種を含有する、〔6〕に記載の水硬性組成物用水和発熱抑制剤。
〔8〕 水硬性組成物がマスコンクリートである、〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の水硬性組成物用水和熱抑制剤。
本発明によれば、ポルトランドセメント等汎用の水硬性組成物に適用でき、水硬性組成物の流動性をほとんど変化させること無く、水和反応による温度上昇の最高到達温度を低下し得る水和熱抑制剤を提供することができる。本発明の剤をマスコンクリート等の水硬性組成物に適用することにより、温度ひび割れ、強度低下等の問題の発生を抑制することが期待できる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、本明細書中、「AA~BB」との表記は、AA以上BB以下を示すものとする。
[1.水和熱抑制剤]
本発明の剤は、(A)成分を有効成分とする。これにより、水硬性組成物の流動性を変化させること無く、水和熱による温度上昇、および、混練直後の水和反応を抑制できる。
<(A)成分>
(A)成分は、ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(a)(以下、共重合体またはその塩(a)と言う)である。共重合体またはその塩(a)は、単量体(I)~(II)または(I)~(III)の共重合体であり、その構造中に各単量体に由来する構成単位を含む。
-各単量体の重量比-
共重合体またはその塩(a)における、各単量体の重量比(単量体(I)~(III)の合計を100重量%としたときの重量比)は、下記のとおりである。単量体(I)は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上である。上限は、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは50重量%以下である。
単量体(II)は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上である。上限は、好ましくは97重量%以下、より好ましくは95重量%以下、さらに好ましくは90重量%以下である。
単量体(III)は、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。下限は特に制限はなく、0重量%でもよい。
単量体(I)の重量に対する単量体(II)の重量の比率((II)/(I))は、好ましくは1重量%以上であり、好ましくは1000重量%以下である。また、単量体(I)の重量に対する単量体(III)の重量の比率((III)/(I))は、好ましくは200重量%以下である。下限は特に限定されず、0重量%以上であればよい。
なお、上記重量比は、単量体を重合する際の配合量(使用量)の比率と通常一致する。
-単量体(I):ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル-
単量体(I)は、下記一般式(1)で表されるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテルである。
-O-(AO)n1-R・・・(1)
一般式(1)中のRは、炭素原子数2~5のアルケニル基を表す。該アルケニル基の炭素原子数は、通常は2以上、好ましくは3以上である。上限は、好ましくは5以下である。アルケニル基は、1以上の二重結合を有していればよく、直鎖および分岐鎖のいずれでもよい。Rとしては、例えば、アリル基、メタリル基、3-メチル-3-ブテン-1-オールの残基が挙げられ、アリル基が好ましいが、これらに限定されない。
一般式(1)中のAOは、同一若しくは異なって、オキシアルキレン基を表す。オキシアルキレン基の炭素原子数は、通常、2~18であり、例えば、2~16、2~14、2~12、2~10、または2~8、好ましくは2~6、より好ましくは2~4である。該オキシアルキレン基としては、例えば、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)、オキシブチレン基(ブチレングリコール単位)が挙げられ、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)が好ましい。
上記「同一若しくは異なって」とは、一般式(1)中にAOが複数含まれる場合(n1が2以上の場合)、それぞれのAOが同一のオキシアルキレン基であってもよいし、異なる(2種類以上の)オキシアルキレン基であってもよい、ことを意味する。一般式(1)中にAOが複数含まれる場合の態様としては、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)およびオキシブチレン基(ブチレングリコール単位)からなる群から選ばれる2以上のオキシアルキレン基が混在する態様が挙げられ、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)とオキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)とが混在する態様、またはオキシエチレン基(エチレングリコール単位)とオキシブチレン基(ブチレングリコール単位)とが混在する態様であることが好ましく、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)とオキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)とが混在する態様であることがより好ましい。異なるオキシアルキレン基が混在する態様において、2種類以上のオキシアルキレン基の付加は、ブロック状の付加であってもよく、ランダム状の付加であってもよい。オキシエチレン基とオキシプロピレン基が混在する場合、オキシエチレン基とオキシプロピレン基の平均付加モル数の比率は、オキシエチレン基の平均付加モル数/オキシプロピレン基の平均付加モル数=50~99.9%/50~0.1%であることが好ましい。
一般式(1)中のn1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~200の数を表す。n1は、通常は1以上、好ましくは5以上、より好ましくは8以上である。上限は、通常は200以下または100以下または80以下、好ましくは70以下または50以下、より好ましくは40以下である。本明細書において、オキシアルキレン基の平均付加モル数とは、単量体1モルに付加しているアルキレングリコール単位のモル数の平均値を意味する。
一般式(1)中のRは、水素原子または炭化水素基を表す。炭素原子数は、好ましくは30以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。これにより、セメント分散性を十分発揮できる。下限は、通常は1以上であればよく、特に限定されない。Rは、水素原子またはメチル基であることが好ましい。
単量体(I)としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールモノアリルエーテル、および3-メチル-3-ブテン-1-オールのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。単量体(I)としては、これらのうち1種若しくは2種以上を用いてよいが、共重合体またはその塩(a)の親水性および疎水性のバランスを優れたものとし得ることから、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、および(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテルから選ばれる1種以上を含むことが好ましい。なお、本明細書において「(ポリ)」は、その直後に記載される構成要素または原料が、1個または2個以上結合していることを意味する。また、本明細書において、「(メタ)アリル」は、「アリルまたはメタリル」を意味する。
単量体(I)は、一般式(1)で表される単量体1種類単独、および2種類以上の組み合わせのいずれでもよい。
-単量体(II):2-ヒドロキシプロピルアクリレート-
単量体(II)は、2-ヒドロキシプロピルアクリレートである。工業品の2-ヒドロキシプロピルアクリレートは、2-ヒドロキシ-1-メチルエチルアクリレートを製法上含むことがあり、工業的にそれらの組成比を判別することは容易では無い。そのため、単量体(II)は、2-ヒドロキシ-1-メチルエチルアクリレートを副成分として含んでもよい。
-単量体(III):その他の単量体-
単量体(III)は、単量体(I)~(II)と共重合可能なその他の単量体である。単量体(III)は、単量体(I)、および(II)からなる群から選ばれる1または2以上の単量体と共重合可能な単量体であれば特に限定されない。なお、単量体(III)は、単量体(I)および単量体(II)を含まない。
単量体(III)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類、およびこれらの塩(例えば、一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩)、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸類、およびこれらの塩(例えば、一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩)、ポリアルキレングリコール鎖を有するエステル化合物(例、下記一般式(2)で表される化合物)、下記一般式(3)で示されるジアリルビスフェノール、が挙げられる。単量体(III)は、これらのうちの1種または2種以上であればよく、中でも、アクリル酸またはその塩、メタクリル酸またはその塩、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートから選ばれる少なくとも1つの単量体を用いることが好ましい。
一般式(2):
Figure 2023132741000001
(一般式(2)中、
、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1~3のアルキル基を示し、
mは、0~2の整数を示し、
Oは、同一若しくは異なっていてもよい、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を示し、
n2は、オキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、1~200の数を表し、
Xは、水素原子または炭素原子数1~30の炭化水素基を表す。)
一般式(2)で示されるエステル化合物としては、例えば、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートが挙げられる。
一般式(3):
Figure 2023132741000002
(一般式(3)中、
Xは、メチレン基、イソプロピリデン基、またはスルホニル基を表し、
は、同一若しくは異なって、水素原子、またはメチル基を表す。)
一般式(3)で表されるジアリルビスフェノール類としては、例えば4,4’-ジヒドロキシジフェニルプロパン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンの3および3’位アリル置換物が挙げられる。
単量体(III)は、上記単量体1種類単独、および2種類以上の組み合わせのいずれでもよい。
-共重合体またはその塩(a)の製造方法-
共重合体またはその塩(a)は、それぞれの所定の単量体を、公知の方法によって共重合させて製造することができる。該方法としては、例えば、溶媒中での重合、塊状重合等の重合方法が挙げられる。
溶媒中での重合において使用される溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン、n-ヘキサン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。原料単量体および得られる共重合体の溶解性の面から、水および低級アルコールからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、その中でも水を用いることがより好ましい。
溶媒中で共重合を行う場合は、各単量体と重合開始剤を各々反応容器に連続滴下してもよいし、各単量体の混合物と重合開始剤を各々反応容器に連続滴下してもよい。また、反応容器に溶媒を仕込み、単量体と溶媒の混合物と、重合開始剤溶液を各々反応容器に連続滴下してもよいし、単量体の一部または全部を反応容器に仕込み、重合開始剤を連続滴下してもよい。
溶媒中で共重合を行う場合は、各単量体を予め反応を行う容器の前段に設置された、前記反応容器とは異なる容器で混合してから、反応容器に連続滴下することが好ましい。
(A)成分:ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(a)は、共重合反応終了後、反応溶媒等を含んだそのままの状態で水硬性組成物用水和熱抑制剤として用いてもよいし、さらになんらかの処理を行った状態で用いてもよい。処理として、例えば、反応溶媒の除去、濃縮、希釈等の操作による濃度の調整、精製、pH調整が挙げられる。反応終了後は、反応容器の後段に設置された容器にて濃度調整、および/またはpH調整を行うことが好ましい。濃度調製の方法に特に限定はないが、例えば、濃縮、加水による希釈により行ってよい。pH調製については後述する。
共重合に使用し得る重合開始剤は、水溶媒中で共重合を行う際には例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;t-ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の水溶性有機過酸化物が挙げられる。この際、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩等の促進剤、アスコルビン酸、単糖等の還元剤を併用することもできる。また、低級アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル類あるいはケトン類等の溶媒中で共重合を行う際には、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等のパーオキサイド;クメンパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;アゾビスイソブチロニトリル等の芳香族アゾ化合物等が重合開始剤として使用できる。この際、アミン化合物等の促進剤を併用することもできる。さらに、水-低級アルコール混合溶剤中で共重合を行う場合には、前述の重合開始剤、または重合開始剤と促進剤との組合せの中から適宜選択して使用することができる。重合温度は、用いる溶媒、重合開始剤の種類等重合条件によって適宜異なるが、通常50~120℃の範囲で行われる。
また、共重合においては、必要に応じて連鎖移動剤を用いて分子量を調整することができる。使用される連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2-メルカプト酢酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、および、2-メルカプトエタンスルホン酸等の既知のチオール系化合物:亜リン酸、次亜リン酸、およびその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、およびその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物およびその塩;等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上の組み合わせでもよい。さらに、ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(a)の分子量調整のためには、それぞれを得るための単量体として、さらに連鎖移動性の高い単量体(III)を用いることも有効である。連鎖移動性の高い単量体(III)としては、例えば(メタ)アリルスルホン酸(塩)系単量体が挙げられる。単量体(III)の配合率は、ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(a)において、通常は20重量%以下であり、10重量%以下であることが好ましい。なお、上記配合率は、(A)については単量体(I)の配合率+単量体(II)の配合率+単量体(III)の配合率=100重量%としたときの配合率である。
水溶媒中で共重合する場合、重合時のpHは通常不飽和結合を有する単量体の影響で強酸性となるが、これを適当なpHに調整してもよい。重合の際にpHの調整が必要な場合は、リン酸、硫酸、硝酸、アルキルリン酸、アルキル硫酸、アルキルスルホン酸、(アルキル)ベンゼンスルホン酸等の酸性物質を用いてpHの調整を行うことができる。これら酸性物質の中では、pH緩衝作用がある点等から、リン酸を用いることが好ましい。しかし、エステル系の単量体が有するエステル結合の不安定さを解消するためには、pH2~7で重合を行うことが好ましい。また、pHの調整に用い得るアルカリ性物質に特に限定はないが、NaOH、Ba(OH)等のアルカリ性物質が一般的である。pH調整は、重合前の単量体に対して行ってもよいし、重合後の共重合体溶液に対して行ってもよい。また、これらは重合前に一部のアルカリ性物質を添加して重合を行った後、さらに共重合体に対してpH調整を行ってもよい。
-塩-
共重合体またはその塩(a)における塩としては、例えば、一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が挙げられる。
-共重合体またはその塩(a)の重量平均分子量-
共重合体またはその塩(a)の重量平均分子量は、5,000以上が好ましく、6,000以上がより好ましく、8,500以上がさらに好ましく、10,000以上がさらにより好ましい。これにより、水硬性組成物の流動性を大きく変化させること無く、水和熱の抑制が可能で、水和熱抑制剤としての目的の効果を十分に発現することができる。重量平均分子量の上限は、300,000以下が好ましく、250,000以下がより好ましく、200,000以下がさらに好ましい。これにより、水硬性組成物の流動性を大きく変化させること無く、水硬性組成物の粘性付与も小さくなるため、作業性を良好にすることができる。
なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)にてポリエチレングリコール換算する公知の方法にて測定できる。
GPCの測定条件の例として以下の条件を挙げることができる。後段の実施例における重量平均分子量は、この条件で測定した値である。
測定装置;東ソー製
使用カラム;ShoCex Bolumn OH-pak SB-806HQ、SB-804HQ、SB-802.5HQ
溶離液;0.05mM硝酸ナトリウム/アセトニトリル 8/2(v/v)
標準物質;ポリエチレングリコール(東ソー製、GLサイエンス製)
検出器;示差屈折計(東ソー製)
検量線;ポリエチレングリコール基準
(A)成分は、共重合体またはその塩(a)1種類単独、および互いに異なる2種類以上の組み合わせのいずれでもよい。
-(A)成分の含有率-
本発明の剤の(A)成分の含有率は、有効量であればよいが、水和熱抑制剤の全重量に対して、好ましくは10重量%以上である。上限は特に制限なく、100重量%以下である。
-(A)成分の使用量-
本発明の剤を水硬性組成物(通常、水硬性材料を含む)に添加する場合、A)成分の水硬性材料(例、セメント)100重量部に対する使用量(添加量、配合量)は、通常は0.01重量部以上、好ましくは0.02重量部以上、さらに好ましくは0.05重量部以上である。これにより、所望の効果を十分得ることができる。上限は、特に制限はないが、経済的な面から、通常は5.0重量部以下、好ましくは2.0重量部以下、さらに好ましくは1.0重量部以下である。したがって、使用量は、通常は0.01~5.0重量部、好ましくは0.02~2.0重量部、より好ましくは0.05~1.0重量部である。これにより、得られる水硬性組成物に水和熱低減の他、流動性の安定化、強度の増大、耐久性の向上等の各種の好ましい諸効果をもたらすことができる。
-(A)成分の作用-
(A)成分は、水和熱抑制効果を発揮できる。水和熱抑制効果は、水硬性組成物に対して発揮され得る。具体的には例えば、水硬性組成物の流動性を変化させること無く、水和熱による温度上昇を抑制できる。斯かる効果が発揮される機構は、以下のように推定される。
(A)成分は、水硬性組成物(例えばセメント粒子)の表面に吸着し表面を覆うことで、水硬性組成物と水の急激な接触を妨げることができる。(A)成分としての共重合体またはその塩(a)は、カルボキシ基等の強いアニオン性官能基を有しておらず、水硬性組成物の分散性には寄与しない。そのため、水硬性組成物の流動性を変化させること無く、混練直後の水和反応を抑制することが可能である。また、共重合体またはその塩(a)は、アルカリ性の水硬性組成物における加水分解によって、経時的にカルボキシ基を表出することができる。このカルボキシ基が水和反応に必要なカルシウムイオン、アルミニウムイオン等のイオンを捕捉することで長期的な水和反応の抑制を図ることができる。このような機構で、水和熱抑制効果が発揮できるものと推定される。
<(B)成分:水酸基含有化合物>
本発明の剤は、さらに(B)成分を含むことが好ましい。(B)成分は、水酸基含有化合物である。(B)成分を含むことにより、水和熱抑制効果をより向上させることができ、流動性の制御が容易となり得る。
-水酸基含有化合物の例-
水酸基含有化合物は、1分子中に水酸基(例えば、アルコール性水酸基)を有する化合物であればよい。例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエタノールアミン、ポリグリシドール、グリセロール(グリセリン)、ポリグリセロール(ポリグリセリン)、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-ペンタトリオール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトールが挙げられる。また、他の例としては、グルコース、フルクトース、マンノース、インド-ス、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、プシコース、アルトロース等のヘキソース類の糖類;アラビノース、リブロース、リボース、キシロース、キシルロース、リキソース等のペントース類;トレオース、エリトルロース、エリトロース等のテトロース類;ラムノース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、シュウクロース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトース等のその他糖類;これらの糖アルコール、糖酸(糖類;グルコース、糖アルコール;グルシット、糖酸;グルコン酸)等も好適である。さらに、これら例示化合物の部分エーテル化物、部分エステル化物等の誘導体も好適である。これらの中でも、水酸基を2個以上有する化合物が好ましく、工業的な生産効率の観点から、エチレングリコール、グリセロール、トリエタノールアミン、グルコン酸ナトリウムが好ましく、エチレングリコール、グリセロールがより好ましい。
(B)成分は、水酸基含有化合物1種類でもよいし、互いに異なる2種類以上の組み合わせでもよい。
-(B)成分の含有率-
(B)成分の含有量の(A)成分に対する重量比率((B)/(A))は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以上である。これにより、(B)成分添加による水和熱抑制効果の向上効果を十分に得ることができる。上限は、好ましくは5.0重量%以下、より好ましくは4.0重量%以下、さらに好ましくは3.0重量%以下である。これにより、水硬性組成物急結効果の発生を抑制し、水硬性組成物の流動性低下を抑制できる。
-(B)成分の使用量-
本発明の剤を水硬性組成物に添加する場合、(B)成分の水硬性材料(例、セメント)100重量部に対する使用量(添加量、配合量)は、通常は0.01重量部以上、好ましくは0.02重量部以上、さらに好ましくは0.05重量部以上である。これにより、(B)成分添加による水和熱抑制効果の向上効果を十分に得ることができる。上限は、通常は5.0重量部以下、好ましくは2.0重量部以下、さらに好ましくは1.0重量部以下である。これにより、初期の水和反応の促進による水和熱の上昇を抑制できる。したがって、使用量は、通常は0.01~5.0重量部、好ましくは0.02~2.0重量部、より好ましくは0.05~1.0重量部である。この添加量とすることにより、得られる水硬性組成物の流動性の大きな変化を抑制でき、施工性の観点からも好ましい。
-(B)成分の作用-
(B)成分が(A)成分とともに水和熱抑制効果をより向上させることができる理由は、以下のように推定される。(B)成分が有する水酸基(例えば、アルコール性水酸基)が、加水分解された(A)成分の複数のカルボキシ基と、水硬性組成物中のカルシウムイオン、アルミニウムイオン等のイオンとで、より強固なキレートが形成される。これにより、より優れた水和熱抑制効果が発揮され得ると推定される。
<(C)成分:他の分散剤>
本発明の剤は、さらに(C)成分を含むことが好ましい。(C)成分は、他の分散剤(成分(A)および(B)以外)である。
他の水硬性組成物用分散剤(セメント分散剤)としては、例えば、ポリカルボン酸系重合体(但し、共重合体またはその塩(a)を除く)、ナフタレンスルホン酸系重合体(例、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物)、メラミンスルホン酸系重合体(例、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物)、リグニンスルホン酸系重合体(例、リグニンスルホン酸塩)等のスルホン酸系分散剤が挙げられ、好ましくは、ポリカルボン酸系重合体、ナフタレンスルホン酸系重合体、リグニンスルホン酸系重合体であり、より好ましくはポリカルボン酸系重合体である。
(C)成分の水硬性材料(例、セメント)100重量部に対する使用量(添加量、配合量)は、通常は0.01重量部以上、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上である。上限は、通常は5重量部以下、好ましくは3重量部以下、より好ましくは2重量部以下である。
-任意成分-
本発明の剤は、必要に応じて他の成分を含んでもよい。他の成分としては、上述の(A)および(B)成分以外であればよく、例えば、他の水硬性組成物用分散剤(セメント分散剤)、水溶性高分子、高分子エマルジョン、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張剤、防水剤、遅延剤、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、硬化促進剤、消泡剤、AE剤、その他の界面活性剤等の公知のコンクリート用添加剤が挙げられる。他の成分は、単独でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。
水溶性高分子としては、例えば、ポリアルキレングリコール、セルロース系化合物が挙げられ、具体的には、ポリエチレンポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリブチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。水溶性高分子の含有率は、(A)成分の量((B)成分をさらに含む場合、(A)および(B)成分の合計量)に対し、好ましくは0.01重量%以上である。上限は、好ましくは50重量%以下である。
遅延剤としては、例えば、グルコン酸(塩)、クエン酸(塩)等のオキシカルボン酸類が挙げられる。糖アルコール類の含有率は、(A)成分の量((B)成分をさらに含む場合、(A)および(B)成分の合計量)に対し、好ましくは0.01重量%以上である。上限は、好ましくは50重量%以下である。
硬化促進剤としては、例えば、塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム等の可溶性カルシウム塩類、塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物類、チオ硫酸塩、ギ酸およびギ酸カルシウム等のギ酸塩類が挙げられる。硬化促進剤の含有率は、(A)成分の量((B)成分をさらに含む場合、(A)および(B)成分の合計量)に対し、好ましくは0.01重量%以上である。上限は、好ましくは50重量%以下である。
増粘剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタルが挙げられる。増粘剤の含有率は、(A)成分の量((B)成分をさらに含む場合、(A)および(B)成分の合計量)に対し、好ましくは0.01重量%以上であり、好ましくは50重量%以下である。
[2.剤の製造方法]
本発明の剤の剤型は、特に限定されないが、例えば、固形(例、粉末、ペレット)、半固体(例、ゲル)、液体(例、溶液(水溶液)、分散液、懸濁液)が挙げられる。液体の場合、各成分を溶解させる溶媒は必要に応じて選択すればよい。また、必要に応じて分散剤を含んでもよい。剤が成分(A)および(B)を含む場合、2成分が混合した状態でもよいし、使用時に2成分を混合または順次添加できるようそれぞれ包装され個別に存在する形態でもよい。
[3.水硬性組成物]
本発明の剤は、水硬性組成物へ添加して使用できる。水硬性組成物としては、セメント、石膏(例えば、半水石膏、二水石膏等)、ドロマイト等の水硬性材料を含む組成物であればよい。一般的な水硬性材料はセメントである。
セメントとしては、例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩およびそれぞれの低アルカリ形)、各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント)、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント)、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント)、超高強度セメント、セメント系固化材、エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等が挙げられる。セメントには、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体、石膏等の材料が添加されていてもよい。
水硬性組成物は骨材を含んでいてもよい。骨材は、細骨材および粗骨材のいずれであってもよい。骨材としては、例えば、砂、砂利、砕石;水砕スラグ;再生骨材等;珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材が挙げられる。
水硬性組成物としては、例えば、セメントペースト、モルタル、コンクリート、プラスター等のセメント組成物が挙げられる。水硬性組成物としては、具体的には例えば、レディーミクストコンクリート、コンクリート2次製品(プレキャストコンクリート)用のコンクリート、遠心成形用コンクリート、振動締め固め用コンクリート、蒸気養生コンクリート、吹付けコンクリート等のコンクリート、長大橋梁の橋脚部、アンカー部、高層建築物の基礎、LNGタンク、原子力発電所の底盤等の構造物に用いられるマスコンクリートが挙げられ、マスコンクリートが好ましい。他の例としては、中流動コンクリート(スランプ値が22~25cmの範囲のコンクリート)、高流動コンクリート(スランプ値が25cm以上で、スランプフロー値が50~70cmの範囲のコンクリート)、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性を要求されるモルタルまたはコンクリートが挙げられる。
<水硬性組成物に対する剤の添加量>
セメント等の水硬性材料100重量部に対する剤の添加量(配合量)は、(A)成分の((B)成分を含む場合、(A)および(B)成分の合計)添加量(配合量)は、通常は0.05重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上である。これにより、水硬性組成物に対し充分な水和熱抑制効果を得ることができる。上限は、通常は8.0重量部以下、好ましくは5.0重量部以下、より好ましくは3.0重量部以下である。これにより、水硬性組成物の流動性を実施工への影響のない適度な範囲に保持できる。したがって、通常は0.05~8.0重量部、好ましくは0.1~5.0重量部、より好ましくは0.2~3.0重量部である。これにより、水和熱抑制の観点のみでなく、得られる水硬性組成物の流動性が大きく変化しないため、施工性の観点からも好ましい。
<水硬性組成物への剤の添加方法>
本発明の剤は、水硬性組成物に対し添加して使用できる。添加方法は特に限定されず、水硬性材料(ベースセメント)等他の材料とともに、または後添加してもよい。また、水硬性組成物の各材料の混練時に添加してもよいし、あるいは混練後に添加してもよい。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中特に断りの無い限り%は重量%を、また、部は重量部を示す。また、「共重合体における単量体の重量比率」とは、共重合体を得る際に使用した単量体の配合率を示す。
<(A)成分>
<製造例1> ポリカルボン酸共重合体(A-1)の製造
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に水156部、および、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数10)42部を仕込み、攪拌下で反応容器100℃に昇温した。その後、アクリル酸2部、2-ヒドロキシプロピルアクリレート98部、水65部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム1部および水39部の混合液とを、各々1時間で、100℃に保持した反応容器に連続滴下した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体における単量体の重量比率は、単量体I:II:III=29:70:1であった。液中の共重合体は、共重合体(A-1)(重量平均分子量41,000)であった。
<製造例2> ポリカルボン酸共重合体(A-2)の製造
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に水96部、および、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数10)53部を仕込み、攪拌下で反応容器100℃に昇温した。その後、2-ヒドロキシプロピルアクリレート124部、水82部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム1部および水39部の混合液とを、各々1時間で、100℃に保持した反応容器に連続滴下した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体における単量体の重量比率は、単量体I:II:III=30:70:0であった。液中の共重合体は、共重合体(A-2)(重量平均分子量63,000)であった。
<製造例3> ポリカルボン酸共重合体(A-3)の製造
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に水159部、および、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数10)26部を仕込み、攪拌下で反応容器100℃に昇温した。その後、2-ヒドロキシプロピルアクリレート124部、水82部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム1部および水39部の混合液とを、各々1時間で、100℃に保持した反応容器に連続滴下した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体における単量体の重量比率は、単量体I:II:III=17:83:0であった。液中の共重合体は、共重合体(A-3)(重量平均分子量27,000)であった。
<製造例4> ポリカルボン酸共重合体(A-4)の製造
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に水56部、および、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数35)53部を仕込み、攪拌下で反応容器100℃に昇温した。その後、アクリル酸5部、2-ヒドロキシプロピルアクリレート124部、水82部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム1部および水39部の混合液とを、各々2時間で、100℃に保持した反応容器に連続滴下した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体における単量体の重量比率は、単量体I:II:III=29:68:3であった。液中の共重合体は、共重合体(A-4)(重量平均分子量183,000)であった。
<製造例5> ポリカルボン酸共重合体(A-5)の製造
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に水291部、および、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数10)8部を仕込み、攪拌下で反応容器103℃に昇温した。その後、アクリル酸1部、2-ヒドロキシプロピルアクリレート36部、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数25)26部、水39部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム1部および水39部の混合液とを、各々2時間で、100℃に保持した反応容器に連続滴下した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体における単量体の重量比率は、単量体I:II:III=11:51:38であった。液中の共重合体は、共重合体(A-5)(重量平均分子量23,000)であった。
<製造例6> ポリカルボン酸共重合体(A-6)の製造
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に水84部を仕込み、攪拌下で反応容器101℃に昇温した。その後、2-ヒドロキシプロピルアクリレート156部、水104部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム1部および水49部の混合液とを、各々2時間で、101℃に保持した反応容器に連続滴下した。さらに、温度を101℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体における単量体の重量比率は、単量体I:II:III=0:100:0であった。液中の共重合体は共重合体(A-6)(重量平均分子量11,300)であった。
<製造例7> ポリカルボン酸共重合体(A-7)の製造
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に水72部、および、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数10)169部を仕込み、攪拌下で反応容器103℃に昇温した。その後、アクリル酸47部、31%水酸化ナトリウム水溶液2部、水149部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム1部および水39部の混合液とを、各々2時間で、100℃に保持した反応容器に連続滴下した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体における単量体の重量比率は、単量体I:II:III=81:0:19であった。液中の共重合体は共重合体(A-7)(重量平均分子量16,500)であった。
<(B)成分>
・B-1:グリセロール(3価のアルコール)
・B-2:エチレングリコール(2価のアルコール)
・B-3:トリエタノールアミン(3価のアルコール)
・B-4:グルコン酸ナトリウム(5価のアルコール、1価のカルボン酸)
<分散剤>
・ポリカル:ポリカルボン酸系重合体(フローリック社製SF-500S、メトキシポリエチレングリコールとメタクリル酸を重合してなるポリカルボン酸系重合体)
・リグニン:リグニンスルホン酸Ca(日本製紙社製サンフローRH)
・ナフタレン:ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物(日本製紙社製バニオールHDL-100)
<実施例1~18および比較例1~10>
A成分:A-1、A-2、A-3、A-4、A-5、A-6、A-7と、B成分:B-1、B-2、B-3、B-4とを、表2および4に示す組み合わせで使用し、各成分を環境温度(約20℃)下でスパチュラで約30秒間混合して実施例1~18および比較例1~10のサンプルを調製した。
<モルタル試験>
実施例1~14および比較例1~7のサンプルを添加したモルタル(セメント組成物、水硬性組成物)を下記手順により調製し、得られたモルタルについて、モルタルフロー試験および断熱温度環境下での温度上昇量評価を行った。
<モルタルの調製法:実施例1~14、比較例1~7>
環境温度(20℃)において、表1のように配合した砂(S)、セメント(C)を投入してモルタルミキサー(ダルトン製万能混合撹拌機)による機械練りにより10秒間練混ぜた。次に、水、および、表2に示す水和熱抑制剤および分散剤を表2記載の分量にて添加し、さらに120秒間練混ぜた後、一部のモルタルを排出し、フレッシュモルタル試験(スランプ試験JIS R 5201(フレッシュモルタルの広がりをフロー値として測定))を行い、モルタルの流動性について評価を行った。なお水和熱抑制剤、分散剤、およびそれらに含まれる水は、モルタル配合中の水の一部として換算した。
<断熱温度試験:水和熱による発熱温度上昇量>
混練したモルタルを容量200mLのポリエチレン製ディスポーザブルカップに充填し、モルタル中心部へ熱電体を挿入した後に、カップを発泡スチロール容器(厚み15cm)内に設置し、その後のモルタル温度変化をデータロガーで経時測定した。この際の最高到達温度を、断熱環境下での最高温度とした。また水和熱抑制剤を使用していない比較例1のモルタルの最高温度と比較した最高温度差を表2に示した。
Figure 2023132741000003
C:以下のセメント2種を等重量混合
普通ポルトランドセメント(宇部三菱セメント株式会社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製、比重3.16)
W:水道水(山口県岩国市)
S:静岡県掛川産陸砂(細骨材、比重2.57)
水和熱抑制剤(固形分換算) 表2参照
分散剤(固形分換算) 表2参照
Figure 2023132741000004
表2中、添加量は、セメント100重量部に対する各水和熱抑制剤、各分散剤の添加量(重量部)である。合計添加量は、セメント100重量部に対する(A)成分と(B)成分の合計添加量(重量部)である。(B)/(A)は、(A)成分に対する(B)成分の重量比率である。
表2から以下のことが明らかである。比較例2~7のモルタルは、断熱試験における最高温度が比較例1のモルタルと比較して上昇していたのに対し、各実施例のモルタルは、最高温度の上昇が抑制され、かつ、各実施例にて用いる分散剤のみを添加したサンプルのモルタルフローと比較すると適度なモルタルフローを示した。従って、本発明の水硬性組成物用水和熱抑制剤は、モルタルフローを適度な範囲に保ちながら、つまり水硬性組成物の流動性、レオロジー等の物性を大きく変えること無く、水和熱を抑制できることが明らかとなった。
<コンクリート試験>
実施例15~18および比較例8~10のサンプルをベースコンクリートに対し後添加したコンクリート(セメント組成物、水硬性組成物)を下記手順により調製し、得られたコンクリートについて、コンクリートフロー試験および断熱温度環境下での温度上昇量評価を行った。
<ベースコンクリートの調製法:比較例8>
環境温度(20℃)において、表3のように配合したセメント(C)、細骨材(S)、粗骨材(G)を投入して強制二軸ミキサ(太平洋機工社製スーパーダブルミキサ)による機械練りにより10秒間練混ぜた。次に、水、および、表3に示す化学混和剤(Ad)を添加し、90秒間練混ぜた後、一部のコンクリートを排出し、フレッシュコンクリート試験(スランプ試験JIS A 1101(フレッシュコンクリートの広がりをフロー値として測定))を行い、ベースコンクリートの評価を行った。結果を表4に示した。
<水和熱抑制剤後添加コンクリートの調製法:実施例15~18および比較例9~10>
上記のとおり調製したベースコンクリートに対し、表4記載の水和熱抑制剤をそれぞれ投入し、上記強制二軸ミキサで30秒間練り混ぜた。その後すぐに、コンクリートを排出し、前述の方法と同様に、フレッシュコンクリート試験を行い、水和熱抑制剤後添加コンクリートの評価を行った。結果を表4に示した。
<水和熱による発熱温度上昇量>
ベースコンクリートおよび水和熱抑制剤後添加コンクリートを上記のとおり評価した後、各コンクリート40.0kg(容量約17.0L)を容量20Lのポリエチレン製蓋付バケツに充填し、コンクリート中心部へ熱電体を挿入した後に、容量100Lのポリバケツ内に設置し、その後のコンクリートの温度変化をデータロガーで経時測定した。この際の最高到達温度を、断熱環境下での最高温度とした。また水和熱抑制剤を使用していないベースコンクリート(比較例8)のコンクリート最高温度と比較した最高温度差を表4に示した。
Figure 2023132741000005
C:以下のセメント3種を等重量混合
普通ポルトランドセメント(宇部三菱セメント株式会社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製、比重3.16)
普通ポルトランドセメント(株式会社トクヤマ製、比重3.16)
W:水道水(山口県岩国市)
Ad:化学混和剤(株式会社フローリック製SV-10L)
S1:大分県津久見産石灰砕砂(細骨材、比重2.67)
S2:静岡県掛川産陸砂(細骨材、比重2.56)
G1:山口県周南産砕石10mm大(粗骨材、比重2.77)
G2:山口県周南産砕石5mm大(粗骨材、比重2.72)
水和熱抑制剤(表4記載の添加率は固形分換算) 表4参照
Figure 2023132741000006
表4中、添加量は、セメント100重量部に対する各水和熱抑制剤の添加量(重量部)である。合計添加量は、セメント100重量部に対する(A)成分と(B)成分の合計添加量(重量部)である。(B)/(A)は、(A)成分に対する(B)成分の重量比率である。
表4から明らかなように、各実施例のコンクリートは、比較例8の水和熱抑制剤を添加していないベースコンクリートと比較して、水和熱抑制剤後添加後のスランプフローの変化がほとんど無いことがわかる。一方で、比較例9、10のコンクリートは、スランプフローの変化が大きく、流動性が強くなることで、骨材分離等の問題が発生し、実施工における使用が困難になることがわかる。また各実施例のコンクリートにおいて、断熱温度試験における最高温度は、比較例8の水和熱抑制剤を後添加していないベースコンクリートと比較して低下し、この水和熱抑制剤を添加することで温度上昇量を抑制できることがわかる。このことはコンクリートのような粗骨材を含有する粗大なコンクリートにおいても温度上昇が抑制でき、温度応力によるひび割れが抑制可能であることが示唆される。一方で、比較例9~10のコンクリートはいずれも温度上昇量を抑制する効果が確認されなかった。従って、本発明の水硬性組成物用水和熱抑制剤は、ベースコンクリートからスランプフローを変化させず、つまり水硬性組成物の流動性、レオロジー等の物性を大きく変えること無く、水和熱を抑制できることが明らかとなった。

Claims (8)

  1. 下記(A)成分を含有する、水硬性組成物用水和熱抑制剤。
    (A)成分:
    下記一般式(1)で表される単量体(I)1~80重量%、2-ヒドロキシプロピルアクリレート単量体(II)20~97重量%、および、単量体(I)~(II)と共重合可能なその他の単量体(III)0~50重量%を共重合させることにより得られるポリカルボン酸系共重合体またはその塩(a)。
    -O-(AO)n1-R・・・(1)
    (式中、Rは、炭素原子数2~5のアルケニル基を表す。AOは、同一若しくは異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表す。n1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~200の数を表す。Rは、水素原子または炭素原子数1~30の炭化水素基を表す。)
  2. ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(a)の重量平均分子量が、ポリエチレングリコール換算で5,000~300,000である請求項1に記載の水硬性組成物用水和熱抑制剤。
  3. (B)成分:水酸基含有化合物をさらに含む、請求項1または2に記載の水硬性組成物用水和熱抑制剤。
  4. (A)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の重量比(B)/(A)が、0.01以上5.0以下である、請求項3に記載の水硬性組成物用水和熱抑制剤。
  5. (B)成分が、エチレングリコールおよびグリセロールから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項3または4に記載の水硬性組成物用水和熱抑制剤。
  6. (C)成分:(A)および(B)成分以外の分散剤をさらに含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の水硬性組成物用水和発熱抑制剤。
  7. (C)成分が、ポリカルボン酸系重合体(ただし共重合体またはその塩(a)を除く)、リグニンスルホン酸系重合体、およびナフタレンスルホン酸系重合体から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項6に記載の水硬性組成物用水和発熱抑制剤。
  8. 水硬性組成物がマスコンクリートである、請求項1~7のいずれか1項記載の水硬性組成物用水和熱抑制剤。
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