JP2023129587A - 構造安定化および/またはシステイン反応性noxaペプチドによるアポトーシスタンパク質の選択的標的化 - Google Patents

構造安定化および/またはシステイン反応性noxaペプチドによるアポトーシスタンパク質の選択的標的化 Download PDF

Info

Publication number
JP2023129587A
JP2023129587A JP2023120833A JP2023120833A JP2023129587A JP 2023129587 A JP2023129587 A JP 2023129587A JP 2023120833 A JP2023120833 A JP 2023120833A JP 2023120833 A JP2023120833 A JP 2023120833A JP 2023129587 A JP2023129587 A JP 2023129587A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bfl
noxa
peptide
seq
amino acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023120833A
Other languages
English (en)
Inventor
ディー. ワレンスキー ローレン
D Walensky Loren
エイチ. バード グレゴリー
H Bird Gregory
グェルラ レイチェル
Guerra Rachel
ハービー エドワード
Harvey Edward
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dana Farber Cancer Institute Inc
Original Assignee
Dana Farber Cancer Institute Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dana Farber Cancer Institute Inc filed Critical Dana Farber Cancer Institute Inc
Publication of JP2023129587A publication Critical patent/JP2023129587A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/08Linear peptides containing only normal peptide links having 12 to 20 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/1703Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • A61K38/1709Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • A61K38/1761Apoptosis related proteins, e.g. Apoptotic protease-activating factor-1 (APAF-1), Bax, Bax-inhibitory protein(s)(BI; bax-I), Myeloid cell leukemia associated protein (MCL-1), Inhibitor of apoptosis [IAP] or Bcl-2
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • C07K14/4701Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals not used
    • C07K14/4747Apoptosis related proteins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Marine Sciences & Fisheries (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

【課題】構造安定化および/またはシステイン反応性NOXAペプチドを提供する。【解決手段】本開示は、BFL-1に共有結合で結合することができ、非共有結合的相互作用によりBFL-1および/またはMCL-1に結合することもできる、構造安定化および/またはシステイン反応性NOXA BH3ペプチドに関する。本開示はまた、そのようなペプチドを、単独で、または他の治療剤(たとえば、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤(たとえば、ATMキナーゼ阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、PARP阻害剤)、MCL-1の選択的阻害剤、BCL-2の選択的阻害剤、BCL-2/BCL-XLの阻害剤)と組み合わせて、BFL-1および/またはMCL-1依存性またはそれを発現するがん(たとえば、造血系悪性腫瘍、黒色腫)の処置において使用するための方法も特徴とする。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年12月15日に出願された米国仮出願第62/599,229号の優先権を主張し、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
連邦政府による資金提供を受けた研究に関する記述
本発明は、National Institutes of Healthによって授与された付与番号5R35CA197583およびR50CA211399のもとに、政府の支援によりなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
技術分野
本開示は、構造安定化および/またはシステイン反応性NOXAペプチド、ならびにそのようなペプチドを、単独で、またはDNA損傷応答経路メンバーの阻害剤(たとえば、ATMキナーゼ阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、PARP阻害剤)、またはMCL-1の阻害剤、BCL-2の選択的阻害剤、もしくはBCL-2/BCL-XLの阻害剤と組み合わせて、がんおよび細胞過剰性疾患、たとえば、自己免疫状態および炎症性状態の処置において使用するための方法に関する。
背景
アポトーシス促進性メンバーおよび抗アポトーシス性メンバーの両方を含む、BCL-2タンパク質ファミリーは、細胞の運命を決定するチェックおよびバランスの複雑なネットワークを形成する。このファミリーは、最大で4つの保存された「BCL-2相同性」(BH)ドメインの存在によって構造が定義され、これらのドメインは、すべてがアルファヘリックス部分を含む。BFL-1およびMCL-1などの抗アポトーシスタンパク質は、すべてのBHドメインにおいて配列の保存を呈するが、一方で、アポトーシス促進性タンパク質は、「マルチBHドメイン」メンバー(たとえば、BAXおよびBAK)と、アルファヘリックスBH3ドメインにおいてのみ配列の類似性を示す「BH3オンリー」メンバー(たとえば、BIMおよびNOXA)とに分けられる。BH3オンリーサブグループは、多様であり、異質な刺激からの死滅促進シグナルを、ミトコンドリアに位置するアポトーシス機構に伝達する。BH3オンリータンパク質の死滅シグナルは、抗アポトーシス性タンパク質によって中和されるか、または直接的もしくは間接的に、ミトコンドリアの執行者(executioner)BAXおよびBAKへと送達される。活性化されると、BAX/BAKは、ミトコンドリア外膜の透過処理を誘導し、放出されたミトコンドリア因子が、死滅プログラムを不可逆的に実行するカスパーゼを誘導することを可能にする。
ヒトのがんは、処置に抵抗し、細胞生存を確実にするために、ミトコンドリア性アポトーシスを、常時抑制している。もっとも一般的な戦略は、ほとんどが、1つまたは複数の抗アポトーシス性BCL-2ファミリータンパク質、たとえば、BCL-2、BCL-X、MCL-1、またはBFL-1の過剰発現を伴う。これらのタンパク質は、マルチドメインタンパク質BAXおよびBAK、ならびにBH3オンリーストレスセンサータンパク質、たとえば、BIM、BID、BAD、およびNOXAを含む、アポトーシス促進性メンバーのBH3ヘリックスの捕捉を含む、ミトコンドリア性アポトーシスの抑制という共通の機序を共有する。抗アポトーシス性タンパク質間における結合特異性のオーバーラップを考慮して、1つのメンバーの分子標的化が、別のものの上方制御をもたらすことも多く、「モグラ叩き(whack-a-mole)」の腫瘍学バージョンをもたらしている。たとえば、選択的小分子阻害剤ABT-737によるBCL-2の小分子標的化は、リンパ腫細胞株において、MCL-1またはBFL-1の上方制御をトリガーすることが示されている。BCL-2の選択的小分子阻害剤は、現在、FDAに承認されており、MCL-1の選択的化合物は、近年、臨床試験へと進んだため、BFL-1が、優先度の高い、薬が未開発のがんの標的として残っている。実際に、BCL-2およびMCL-1選択的阻害剤に対する耐性を付与するその能力に加えて、BFL-1は、黒色腫、白血病、およびリンパ腫を含む、ヒトのがんの宿主において、独立した腫瘍発生作動因子である。
BCL-2関連タンパク質であるBFL-1/A1は、広範な液性腫瘍および固形腫瘍において、ミトコンドリア性アポトーシス経路の抑制に関与している。たとえば、BFL-1は、過剰発現されるか、またはユビキチン媒介型分解に耐性となるように変異されると、BCR依存性/上昇型NFκBサブクラスの胚中心リンパ腫およびびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫を含む、個別のリンパ腫において、化学療法耐性を誘導する。BFL-1はまた、臨床的に関連性のあるBRAF V600E耐性変異を有するものを含め、ヒト黒色腫のおよそ30%において、病理学的生存因子として特定されている。
抗アポトーシス性のBCL-2ファミリー生存タンパク質である骨髄系細胞白血病-1(MCL-1)は、広範ながんの発生、維持、および化学療法耐性に関与しており、ヒトのがんにおいてもっとも広く発現される上位10個の病理学的因子のうちの1つである(たとえば、Beroukhim, Nature, 463(7283):899-905 (2010)を参照されたい)。ヒトのがんにおいて高度に過剰発現されると、MCL-1は、アポトーシス促進性のBCL-2ファミリーメンバーの本質的なBH3ドメインヘリックスに結合し、それを封鎖することによって、非常に高いアポトーシス耐性を獲得する。
したがって、BFL-1および/またはMCL-1活性を妨害する化合物は、様々ながんおよび細胞過剰性疾患、たとえば、自己免疫状態および炎症性状態を処置するのに有用であり得る。
Beroukhim, Nature, 463(7283):899-905 (2010)
要旨
本開示は、BFL-1に共有結合で結合することができ、非共有結合的相互作用によりBFL-1および/またはMCL-1に結合することもできる、構造安定化および/またはシステイン反応性NOXA BH3ペプチドに関する。本開示はまた、そのようなペプチドを、単独で、または他の治療剤(たとえば、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤(たとえば、ATMキナーゼ阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、PARP阻害剤)、MCL-1の選択的阻害剤、BCL-2の選択的阻害剤、BCL-2/BCL-XLの阻害剤)と組み合わせて、BFL-1および/またはMCL-1依存性またはそれを発現するがん(たとえば、造血系悪性腫瘍、黒色腫)の処置において使用するための方法も特徴とする。
第1の態様では、本開示は、求電子性弾頭部と、配列番号39に記載される配列の改変されたアミノ酸配列とを含む、ペプチドを提供する。改変されたアミノ酸配列は、少なくとも5アミノ酸長であり、ペプチド構造を安定化する改変を少なくとも1つ含み、配列番号39の1つまたは複数の(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14個の)アミノ酸が、別のアミノ酸によって置換されている。ペプチドは、BFL-1/A1に結合するか、またはBFL-1/A1およびMCL-1の両方に結合する。少なくとも5つのアミノ酸は、たとえば、ATQLR(配列番号110)、RFGDK(配列番号143)、LNFRQ(配列番号124)、TQLRR(配列番号145)、FGDKL(配列番号146)、QLRRF(配列番号147)、GDKLN(配列番号148)、LRRFG(配列番号149)、DKLNF(配列番号150)、RRFGD(配列番号142)、およびKLNFR(配列番号144)のバリアントであり得る。たとえば、5個のアミノ酸のうちの少なくとも2つは、構造安定化のために改変されており(たとえば、炭化水素ステープルを形成することができる非天然のアミノ酸で置換することによって)、1つまたは複数の(たとえば、1、2、3個の)アミノ酸は、他のアミノ酸と置換されている。ある特定の事例では、置換は、ヘリックスの非相互作用面にある。ある特定の事例では、置換は、ヘリックスの非相互作用面にある。一部の場合には、置換は、保存的アミノ酸置換である。ある特定の実施形態では、少なくとも5個のアミノ酸のうちの1つまたは複数のアミノ酸は、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている。
一部の実施形態では、改変されたアミノ酸配列は、5~35個のアミノ酸(たとえば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、32、35個)の長さである。一部の実施形態では、改変されたアミノ酸配列は、8~18(たとえば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18)アミノ酸長である。
一部の実施形態では、ペプチド構造を安定化する改変は、ステープルおよび/またはステッチである。一部の事例では、ステープルは、i位およびi+3位、i位およびi+4位、またはi位およびi+7位のうちの1つまたは複数にある。一部の実施形態では、ペプチド構造を安定化する改変は、配列番号39の少なくとも2つ(たとえば、2、3、4、5、6個)のアミノ酸の、オレフィン側鎖を有する非天然のアミノ酸での置換を含む。一部の事例では、オレフィン側鎖を有する非天然のアミノ酸は、S-ペンテニルアラニン、R-オクテニルアラニン;R-プロペニルアラニン、S-ペンテニルアラニン;R-ペンテニルアラニン、S-ペンテニルアラニン;ビス-ペンテニルグリシン、S-ペンテニルアラニン、R-オクテニルアラニン;およびビス-ペンテニルグリシン、S-オクテニルアラニン、R-オクテニルアラニンからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、ステープルおよび/またはステッチは、1位および5位、2位および6位、3位および7位、6位および10位、10位および14位、11位および15位、12位および16位、1位および8位、3位および10位、6位および13位、7位および14位、または8位および15位を含む(ここで、位置は、配列番号39に基づく)。
ある特定の実施形態では、ペプチド構造を安定化する改変は、炭化水素ステープル/ステッチ、ラクタムステープル/ステッチ、UV-環化付加ステープル/ステッチ、オキシムステープル/ステッチ、チオエーテルステープル/ステッチ、ダブルクリックステープル/ステッチ、ビス-ラクタムステープル/ステッチ、ビス-アリール化ステープル/ステッチ、またはこれらの任意の2つもしくはそれを超える組合せである。
ある特定の実施形態では、別のアミノ酸によって置換される配列番号39の1つまたは複数(たとえば、1、2、3、4、5、6個)のアミノ酸は、配列番号39のヘリックスのBFL-1/A1非相互作用面にある。一部の実施形態では、配列番号39における0~5個のアミノ酸は、C末端から除去されるか、または除去され、アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群からの1~6個のアミノ酸と置き換えられる。一部の実施形態では、配列番号39の非相互作用面にある0~6個のアミノ酸は、アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている。一部の実施形態では、配列番号39の以下のアミノ酸A1、L4、R5、F7、G8、L11、N12、およびQ15のうちの1つまたは複数は、アルファ-メチル化またはアルファ-エチル化された天然のアミノ酸で置換されている。一部の実施形態では、配列番号39の以下のアミノ酸A1、L4、R5、F7、G8、L11、N12、およびQ15のうちの1つまたは複数は、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている。一部の実施形態では、配列番号39の以下のアミノ酸T2、Q3、R6、K10、F13、およびR14のうちの1つまたは複数は、アルファ-メチル化またはアルファ-エチル化された天然のアミノ酸で置換されている。ある特定の実施形態では、配列番号39の以下のアミノ酸T2、Q3、R6、K10、F13、およびR14のうちの1つまたは複数は、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている。ある特定の実施形態では、配列番号39の以下のアミノ酸A1、T2、Q3、R5、R6、F7、G8、K10、L11、N12、F13、R14、およびQ15のうちの1つまたは複数は、アルファメチルもしくはエチルで改変されているか、またはL-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている。ある特定の事例では、別のアミノ酸によって置換される配列番号39の1つまたは複数のアミノ酸は、配列番号39のヘリックスのBFL-1/A1相互作用面にある。他の事例では、別のアミノ酸によって置換される配列番号39の1つまたは複数のアミノ酸は、配列番号39のヘリックスのBFL-1/A1非相互作用面および相互作用面にある。ある特定の実施形態では、配列番号39の1つまたは複数のアミノ酸は、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている。
一部の実施形態では、以下のうちの1つまたは複数(番号付けは、配列番号39に基づく)は、置換も、ステープルも、ステッチもされない:L4とG8とが一緒に;R5とD9とが一緒に;F7とL11とが一緒に;G8とN12とが一緒に;D9とF13とが一緒に;T2とD9とが一緒に;L4とL11とが一緒に;R5とN12とが一緒に;A1;L4;G8;またはD9。
一部の実施形態では、ペプチドの全体的な疎水性は、配列番号39または16のペプチドと比べて低減されている。一部の実施形態では、ペプチドの全体的な正電荷は、配列番号39または16のペプチドと比べて低減されている。ある特定の実施形態では、ペプチドの全体的な疎水性および全体的な正電荷は、配列番号39または16のペプチドと比べて低減されている。
一部の実施形態では、求電子性弾頭部は、求電子性基を有する非天然のアミノ酸である。ある特定の事例では、求電子性基を有する非天然のアミノ酸は、ポリペプチド骨格に連結された求電子性アクリルアミドまたは置換アクリルアミドを有する。一部の事例では、求電子性基を有する非天然のアミノ酸は、(S)-1-アクリロイルピロリジン-3-カルボキサミド、1-アクリロピペリジン-4-カルボキサミド、(R)-1 アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(R)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド、アクリルアミド、アジリジン、ジアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパネアジリン(azepaneazirine)、ジアジリン、アゼト、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ジアジン、オキサジン、チアジン、アゼピンフェニル(アニリン)、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インドール、イソインドール、インドリジン、キノロン、イソキノリン、キノキサリン、フタルジン、キナゾリン、プリン、カルバゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、α-シアノアクリルアミド、プロピオルアミド、トランス4-ジメチルアミノ-2-ブテンアミド、トランス4-ピペリジニル-2-ブテンアミド、置換アクリルアミド、およびビニル-スルホンアミドからなる群から選択される。一実施形態では、求電子性弾頭部は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である。別の実施形態では、求電子性弾頭部は、システイン反応性部分である。ある特定の事例では、求電子性弾頭部は、ペプチドのN末端にある。他の事例では、求電子性弾頭部は、ペプチドのN末端にない。
第2の態様では、本開示は、求電子性弾頭部と、A0B0C0D0E0A1B1C1D1E1A2B2C2D2E2(配列番号93)の5個またはそれを超えるアミノ酸(配列中、
(a)A0は、存在しない、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、またはステープル/ステッチ位置であり、
(b)B0は、存在しない、T、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、I、M、B(ノルロイシン)、またはステープル/ステッチ位置であり、
(c)C0は、存在しない、Q、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、またはステープル/ステッチ位置であり、
(d)D0は、存在しない、L、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、I、またはFであり、
(e)E0は、R、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、K、T、またはステープル/ステッチ位置であり、
(f)A1は、R、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、E、またはステープル/ステッチ位置であり、
(g)B1は、F、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、I、L、V、またはステープル/ステッチ位置であり、
(h)C1は、G、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、またはステープル/ステッチ位置であり、
(i)D1は、Dであり、
(j)E1は、存在しない、K、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、またはステープル/ステッチ位置であり、
(k)A2は、存在しない、L、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、W、V、またはステープル/ステッチ位置であり、
(l)B2は、存在しない、N、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、S、D、またはステープル/ステッチ位置であり、
(m)C2は、存在しない、F、A、L、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、またはステープル/ステッチ位置であり、
(n)D2は、存在しない、R、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、E、またはステープル/ステッチ位置であり、
(o)E2は、存在しない、Q、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、L、またはステープル/ステッチ位置である)とを含むペプチドを特徴とする。
ペプチドは、BFL-1/A1に(共有結合でおよび/もしくは非共有結合で)結合するか、またはペプチドは、BFL-1/A1に(共有結合で)結合し、MCL-1に(非共有結合で)結合する。
ある特定の実施形態では、ペプチドは、5~35(たとえば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、22、25、30、35)アミノ酸長である。ある特定の実施形態では、ペプチドは、8~18(たとえば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18)アミノ酸長である。
一部の実施形態では、ペプチドの全体的な疎水性は、配列番号39または16のペプチドと比べて低減されている。一部の実施形態では、ペプチドの全体的な正電荷は、配列番号39または16のペプチドと比べて低減されている。ある特定の実施形態では、ペプチドの全体的な疎水性および全体的な正電荷は、配列番号39または16のペプチドと比べて低減されている。
一部の実施形態では、求電子性弾頭部は、求電子性基を有する非天然のアミノ酸である。ある特定の事例では、求電子性基を有する非天然のアミノ酸は、ポリペプチド骨格に連結された求電子性アクリルアミドまたは置換アクリルアミドを有する。一部の事例では、求電子性基を有する非天然のアミノ酸は、(S)-1-アクリロイルピロリジン-3-カルボキサミド、1-アクリロピペリジン-4-カルボキサミド、(R)-1 アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(R)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド、アクリルアミド、アジリジン、ジアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパネアジリン、ジアジリン、アゼト、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ジアジン、オキサジン、チアジン、アゼピンフェニル(アニリン)、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インドール、イソインドール、インドリジン、キノロン、イソキノリン、キノキサリン、フタルジン、キナゾリン、プリン、カルバゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、α-シアノアクリルアミド、プロピオルアミド、トランス4-ジメチルアミノ-2-ブテンアミド、トランス4-ピペリジニル-2-ブテンアミド、置換アクリルアミド、およびビニル-スルホンアミドからなる群から選択される。一実施形態では、求電子性弾頭部は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である。別の実施形態では、求電子性弾頭部は、システイン反応性部分である。ある特定の事例では、求電子性弾頭部は、ペプチドのN末端にある。他の事例では、求電子性弾頭部は、ペプチドのN末端にない。
一部の実施形態では、ペプチドは、ステープルおよび/またはステッチを含む。一部の事例では、ステープルは、存在する場合、i位およびi+3位、i位およびi+4位、またはi位およびi+7位のうちの1つまたは複数にある。一部の実施形態では、ペプチド構造を安定化する改変は、配列番号93の少なくとも2つ(たとえば、2、3、4、5、6個)のアミノ酸の、オレフィン側鎖を有する非天然のアミノ酸での置換を含む。一部の事例では、オレフィン側鎖を有する非天然のアミノ酸は、S-ペンテニルアラニン、R-オクテニルアラニン;R-プロペニルアラニン、S-ペンテニルアラニン;R-ペンテニルアラニン、S-ペンテニルアラニン;ビス-ペンテニルグリシン、S-ペンテニルアラニン、R-オクテニルアラニン;およびビス-ペンテニルグリシン、S-オクテニルアラニン、R-オクテニルアラニンからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、ペプチドは、炭化水素ステープル/ステッチ、ラクタムステープル/ステッチ、UV-環化付加ステープル/ステッチ、オキシムステープル/ステッチ、チオエーテルステープル/ステッチ、ダブルクリックステープル/ステッチ、ビス-ラクタムステープル/ステッチ、ビス-アリール化ステープル/ステッチ、またはこれらの任意の2つもしくはそれを超える組合せを含む。ある特定の実施形態では、配列番号93の以下の位置のうちの任意の2つまたはそれよりも多くが、ステープルまたはステッチに関与する:A0、B0、C0、E0、A1、B1、C1、E1、A2、B2、C2、D2、E2。ある特定の事例では、ステープル位置は、E2位の後に導入され得る。
第3の態様では、本開示は、BFL-1/A1に(たとえば、C55に)共有結合で結合するペプチドを提供する。求電子性弾頭部と、配列番号94~109のうちのいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも14%同一である配列とを含む、ペプチド。ペプチドは、MCL-1よりもBFL-1/A1に選択的に結合する。一部の実施形態では、ペプチドは、8~18(たとえば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18)アミノ酸長である。
ある特定の実施形態では、求電子性弾頭部は、ペプチドのN末端にある。他の実施形態では、求電子性弾頭部は、ペプチドのN末端にない。一部の実施形態では、求電子性弾頭部は、求電子性基を有する非天然のアミノ酸である。ある特定の事例では、求電子性基を有する非天然のアミノ酸は、ポリペプチド骨格に連結された求電子性アクリルアミドまたは置換アクリルアミドを有する。一部の場合には、リンカーは、窒素含有複素環、窒素含有複素環式アミノ酸、アミノ官能化ベンゼン環、炭素環、多環、または複素環である。一部の事例では、求電子性基を有する非天然のアミノ酸は、(S)-1-アクリロイルピロリジン-3-カルボキサミド、1-アクリロピペリジン-4-カルボキサミド、(R)-1 アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド;(R)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド、アクリルアミド、アジリジン、ジアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパネアジリン、ジアジリン、アゼト、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ジアジン、オキサジン、チアジン、アゼピンフェニル(アニリン)、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インドール、イソインドール、インドリジン、キノロン、イソキノリン、キノキサリン、フタルジン、キナゾリン、プリン、カルバゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、α-シアノアクリルアミド、プロピオルアミド、トランス4-ジメチルアミノ-2-ブテンアミド、トランス4-ピペリジニル-2-ブテンアミド、置換アクリルアミド、およびビニル-スルホンアミドからなる群から選択される。一実施形態では、求電子性弾頭部は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である。
ある特定の事例では、ペプチドは、炭化水素ステープル/ステッチ、ラクタムステープル/ステッチ、UV-環化付加ステープル/ステッチ、オキシムステープル/ステッチ、チオエーテルステープル/ステッチ、ダブルクリックステープル/ステッチ、ビス-ラクタムステープル/ステッチ、ビス-アリール化ステープル/ステッチ、またはこれらの任意の2つもしくはそれを超える組合せを含む。
一部の事例では、ペプチドは、アミノ酸配列に対して少なくとも15%、20%、27%、34%、40%、47%、50%、53%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、もしくは97%、または100%同一である配列を含む。一部の事例では、アミノ酸配列からの変動は、アミノ酸配列のBFL-1非相互作用アルファヘリックス面にある。ある特定の事例では、アミノ酸配列は、アルファ-メチルもしくはアルファ-エチル天然のアミノ酸を含むように改変されている、ならびに/またはアラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択される1つもしくは複数のアミノ酸で置換されている。
第4の態様では、本開示は、BFL-1/A1に(たとえば、BFL-1/A1のC55に)共有結合で結合するペプチドであって、配列番号60~75に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも14%同一である配列を含む、ペプチドを特徴とする。ある特定の事例では、ペプチドは、MCL-1よりもBFL-1/A1に選択的に結合する。一部の事例では、ペプチドは、BFL-1/A1に共有結合で結合し、MCL-1に非共有結合で結合する。
ある特定の実施形態では、求電子性弾頭部は、求電子性基を有する非天然のアミノ酸である。
一部の実施形態では、ペプチドは、アミノ酸配列に対して少なくとも15%、20%、27%、34%、40%、47%、50%、53%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む。ある特定の事例では、アミノ酸配列からの変動は、アミノ酸配列のBFL-1非相互作用アルファヘリックス面にある。一部の事例では、前記の配列の2位、3位、6位、7位、8位、9位、12位、13位、14位、15位、または16位(1位は、「J」である)のうちの1つまたは複数におけるアミノ酸は、別のアミノ酸に置換されていてもよい。一部の事例では、これらの位置におけるアミノ酸のうちの1つまたは複数は、アラニン、D-アラニン、またはα-アミノイソ酪酸のうちの1つまたは複数に置換されている。一部の事例では、7位および/もしくは15位におけるアミノ酸は、グルタミン酸で置換されている、ならびに/または13位におけるアミノ酸は、アスパラギン酸で置換されている、ならびに/または16位におけるアミノ酸は、ロイシンで置換されている、ならびに/または2位、3位、6位、8位、9位、12位、14位、および15位のうちの1つもしくは複数におけるアミノ酸は、アラニン、D-アラニン、もしくはα-アミノイソ酪酸で置換されている(1位は、「J」である)。一部の事例では、8位および/または12位におけるアミノ酸は、アラニン、D-アラニン、またはα-アミノイソ酪酸で置換されている(1位は、「J」である)。
一部の事例では、ペプチドは、配列JATXLREFGDXLNFRQ(配列番号62)を含むかまたはそれからなり、ここで、ペプチドは、MCL-1よりもBFL-1/A1に選択的に結合し、ペプチドは、BFL-1/A1に共有結合で結合し、MCL-1に非共有結合で結合し、Jは、求電子性弾頭部であり、XおよびXは、非天然のアミノ酸である。
一部の事例では、ペプチドは、配列JATXLRRAGDXLNFRQ(配列番号60)を含むかまたはそれからなり、ここで、ペプチドは、MCL-1よりもBFL-1/A1に選択的に結合し、ペプチドは、BFL-1/A1に共有結合で結合し、MCL-1に非共有結合で結合し、Jは、求電子性弾頭部であり、XおよびXは、非天然のアミノ酸である。
一部の事例では、求電子性弾頭部は、ポリペプチド骨格に連結された求電子性部分を有する。一部の場合には、リンカーは、窒素含有複素環、窒素含有複素環式アミノ酸、アミノ官能化ベンゼン環、炭素環、多環、または複素環である。一部の実施形態では、求電子性部分は、求電子性アクリルアミド、置換アクリルアミド、ビニル-スルホンアミド、またはα,β不飽和アミドである。一部の実施形態では、求電子性弾頭部は、求電子性基を有する非天然のアミノ酸である。一部の事例では、求電子性基を有する非天然のアミノ酸は、(S)-1-アクリロイルピロリジン-3-カルボキサミド、1-アクリロピペリジン-4-カルボキサミド、(R)-1 アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド;(R)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド、アクリルアミド、アジリジン、ジアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパネアジリン、ジアジリン、アゼト、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ジアジン、オキサジン、チアジン、アゼピンフェニル(アニリン)、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インドール、イソインドール、インドリジン、キノロン、イソキノリン、キノキサリン、フタルジン、キナゾリン、プリン、カルバゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、α-シアノアクリルアミド、プロピオルアミド、トランス4-ジメチルアミノ-2-ブテンアミド、トランス4-ピペリジニル-2-ブテンアミド、置換アクリルアミド、およびビニル-スルホンアミドからなる群から選択される。一実施形態では、求電子性弾頭部は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である。
ある特定の実施形態では、ペプチドは、15~35(たとえば、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35)アミノ酸長である。一部の実施形態では、改変されたアミノ酸配列は、8~18(たとえば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18)アミノ酸長である。
第5の態様では、本開示は、BFL-1/A1に(たとえば、BFL-1/A1のC55に)共有結合で結合するペプチドであって、配列番号60~75のうちのいずれか1つに記載されるアミノ酸配列のアルファヘリックスのBFL-1/A1相互作用面の少なくとも2つ(たとえば、2、3、4、5、6、7、8、9個)のアミノ酸を含む、ペプチドを提供する。
ある特定の実施形態では、ペプチドは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30アミノ酸長である。
ある特定の実施形態では、ペプチドは、配列番号60~75の少なくとも5個(たとえば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25個)のアミノ酸を含み、そのうち3、2、または1つのアミノ酸が、置換されている。一部の事例では、置換は、アラニン、D-アラニン、またはα-アミノイソ酪酸へのものである。
一部の実施形態では、求電子性弾頭部は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である。他の実施形態では、求電子性弾頭部は、システイン反応性部分である。
ある特定の事例では、非天然のアミノ酸は、オレフィン側鎖を有する非天然のアミノ酸である。一部の事例では、オレフィン側鎖を有する非天然のアミノ酸は、S-ペンテニルアラニンおよび/またはR-オクテニルアラニンである。
第6の態様では、本開示は、BFL-1/A1に共有結合で結合するペプチドであって、配列番号60~75のうちのいずれか1つに記載されるアミノ酸配列を含む、ペプチドを特徴とする。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号62に記載されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。一部の実施形態では、ペプチドは、配列番号60に記載されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。
一部の実施形態では、Xは、R-オクテニルアラニンであり、Xは、S-ペンテニルアラニンである。一部の実施形態では、Xは、S-ペンテニルアラニンであり、Xは、R-オクテニルアラニンである。ある特定の実施形態では、Xは、S-ペンテニルアラニンであり、Xは、S-ペンテニルアラニンである。他の実施形態では、Xは、R-プロペニルアラニンであり、Xは、S-ペンテニルアラニンである。なおも他の実施形態では、Xは、R-ペンテニルアラニンであり、Xは、S-ペンテニルアラニンである。
ある特定の実施形態では、求電子性弾頭部は、ポリペプチド骨格に連結された求電子性部分を含む。一部の実施形態では、求電子性部分は、求電子性基を有する非天然のアミノ酸である。ある特定の事例では、求電子性基を有する非天然のアミノ酸は、求電子性アクリルアミド、置換アクリルアミド、ビニル-スルホンアミド、またはα,β不飽和アミドを含む。一部の事例では、求電子性基を有する非天然のアミノ酸は、(S)-1-アクリロイルピロリジン-3-カルボキサミド、1-アクリロピペリジン-4-カルボキサミド、(R)-1 アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド;(R)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド、アクリルアミド、アジリジン、ジアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパネアジリン、ジアジリン、アゼト、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ジアジン、オキサジン、チアジン、アゼピンフェニル(アニリン)、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インドール、イソインドール、インドリジン、キノロン、イソキノリン、キノキサリン、フタルジン、キナゾリン、プリン、カルバゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、α-シアノアクリルアミド、プロピオルアミド、トランス4-ジメチルアミノ-2-ブテンアミド、トランス4-ピペリジニル-2-ブテンアミド、置換アクリルアミド、およびビニル-スルホンアミドからなる群から選択される。ある特定の事例では、求電子性弾頭部は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である。他の事例では、求電子性弾頭部は、システイン反応性部分である。
一部の実施形態では、ペプチドは、15~35(たとえば、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35)アミノ酸長である。一部の実施形態では、ペプチドは、8~18(たとえば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18)アミノ酸長である。
第7の態様では、本開示は、本明細書に記載されるNOXAペプチドと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物に関する。
第8の態様では、本開示は、BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行う方法を特徴とする。本方法は、ヒト対象に、治療有効量の、本明細書に記載されるNOXAペプチドまたは本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。
一部の実施形態では、BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患は、造血系悪性腫瘍、固形腫瘍、自己免疫疾患、および炎症性疾患からなる群から選択される。ある特定の事例では、造血系悪性腫瘍は、白血病またはリンパ腫である。ある特定の事例では、黒色腫、乳がん、または肺がんである、固形腫瘍。ある特定の事例では、自己免疫性大腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、脈管炎、全身性エリテマトーデス、糖尿病、またはシェーグレン病である、自己免疫疾患。ある特定の事例では、喘息、乾癬、炎症性大腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、または脈管炎である、炎症性疾患。
一部の実施形態では、BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患は、がんである。一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍または液性腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、乳がん、自律神経節がん、膵臓がん、皮膚がん、CNSがん、造血系もしくはリンパ系のがん、肺がん、大腸がん、胃がん、軟組織肉腫、または骨がんである。一部の実施形態では、造血系悪性腫瘍は、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄異形成症候群、または多発性骨髄腫である。
一部の実施形態では、NOXAペプチドは、配列番号60~79、151、および153から選択される。一部の実施形態では、NOXAペプチドは、配列番号62である。一部の実施形態では、NOXAペプチドは、配列番号60である。
一部の実施形態では、本方法は、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤を投与することをさらに含む。一部の実施形態では、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤は、血管拡張性失調症変異(ATM)キナーゼ阻害剤、血管拡張性失調症およびrad3関連(ATR)キナーゼ阻害剤、チェックポイントキナーゼ1および/もしくはチェックポイントキナーゼ2(CHK1/2)阻害剤、ならびに/またはポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤である。一部の事例では、ATM阻害剤は、KU-559403、KU-55933、KU-60019、CP-466722、リン酸クロロキン、CGK733、およびAZD0156からなる群から選択される。ある特定の事例では、ATR阻害剤は、シサンドリンB、NU6027、NVP-BEZ235、VE-821、VE-822/VX-970、AZ20、およびAZD6738からなる群から選択される。ある特定の事例では、CHK1/2阻害剤は、AZD7762、CCT 241533、LY 2603618、LY 2606368、NSC 109555ジトシレート、PD 407824、PF47736、SB 218078、TCS 2312、およびSRA737からなる群から選択される。ある特定の事例では、PARP阻害剤は、オラパリブ、A-966492、ベリパリブ、ルカパリブ、AG-14361、イニパリブ、INO-1001、ニラパリブ、タラゾパリブ、AZD2461、2X-121、BMN 673、およびE7449からなる群から選択される。
第9の態様では、本開示は、MCL-1を発現するかまたはMCL-1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行う方法を特徴とする。本方法は、ヒト対象に、治療有効量の、本明細書に記載されるNOXAペプチドまたは本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。
一部の実施形態では、NOXAペプチドは、配列番号60~79、151、および153から選択されるか、または配列番号126~141に記載される配列の構造安定化バージョンである。
一部の実施形態では、本方法は、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤を投与することをさらに含む。一部の実施形態では、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤は、ATMキナーゼ阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、および/またはPARP阻害剤である。一部の事例では、ATM阻害剤は、KU-559403、KU-55933、KU-60019、CP-466722、リン酸クロロキン、CGK733、およびAZD0156からなる群から選択される。ある特定の事例では、ATR阻害剤は、シサンドリンB、NU6027、NVP-BEZ235、VE-821、VE-822/VX-970、AZ20、およびAZD6738からなる群から選択される。ある特定の事例では、CHK1/2阻害剤は、AZD7762、CCT 241533、LY 2603618、LY 2606368、NSC 109555ジトシレート、PD 407824、PF47736、SB 218078、TCS 2312、およびSRA737からなる群から選択される。ある特定の事例では、PARP阻害剤は、オラパリブ、A-966492、ベリパリブ、ルカパリブ、AG-14361、イニパリブ、INO-1001、ニラパリブ、タラゾパリブ、AZD2461、2X-121、BMN 673、およびE7449からなる群から選択される。
第10の態様では、本開示は、BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患、およびMCL-1を発現するかまたはMCL-1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行う方法を特徴とする。本方法は、ヒト対象に、治療有効量の、本明細書に記載されるNOXAペプチドまたは本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。
一部の実施形態では、NOXAペプチドは、配列番号60~79、151、および153から選択されるか、または配列番号126~141に記載される配列の構造安定化バージョンである。一部の実施形態では、NOXAペプチドは、配列番号60および62から選択されるか、または配列番号126および128に記載される配列の構造安定化バージョンである。
一部の実施形態では、本方法は、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤を投与することをさらに含む。一部の実施形態では、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤は、ATMキナーゼ阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、および/またはPARP阻害剤である。一部の事例では、ATM阻害剤は、KU-559403、KU-55933、KU-60019、CP-466722、リン酸クロロキン、CGK733、およびAZD0156からなる群から選択される。ある特定の事例では、ATR阻害剤は、シサンドリンB、NU6027、NVP-BEZ235、VE-821、VE-822/VX-970、AZ20、およびAZD6738からなる群から選択される。ある特定の事例では、CHK1/2阻害剤は、AZD7762、CCT 241533、LY 2603618、LY 2606368、NSC 109555ジトシレート、PD 407824、PF47736、SB 218078、TCS 2312、およびSRA737からなる群から選択される。ある特定の事例では、PARP阻害剤は、オラパリブ、A-966492、ベリパリブ、ルカパリブ、AG-14361、イニパリブ、INO-1001、ニラパリブ、タラゾパリブ、AZD2461、2X-121、BMN 673、およびE7449からなる群から選択される。
第11の態様では、本開示は、BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患(たとえば、造血系悪性腫瘍、固形腫瘍、自己免疫疾患、および炎症性疾患)を処置するための組合せ治療薬であって、本明細書に記載されるNOXAペプチドと、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤とを含む、組合せ治療薬を提供する。一部の実施形態では、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤は、ATMキナーゼ阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、および/またはPARP阻害剤である。
第12の態様では、本開示は、MCL-1を発現するかまたはMCL-1依存性の疾患(たとえば、造血系悪性腫瘍、固形腫瘍、自己免疫疾患、および炎症性疾患)を処置するための組合せ治療薬であって、本明細書に記載されるNOXAペプチドと、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤とを含む、組合せ治療薬を提供する。一部の実施形態では、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤は、ATMキナーゼ阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、および/またはPARP阻害剤である。
第13の態様では、本開示は、BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患およびMCL-1を発現するかまたはMCL-1依存性の疾患(たとえば、造血系悪性腫瘍、固形腫瘍、自己免疫疾患、および炎症性疾患)を処置するための組合せ治療薬であって、本明細書に記載されるNOXAペプチドと、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤とを含む、組合せ治療薬を提供する。一部の実施形態では、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤は、ATMキナーゼ阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、および/またはPARP阻害剤である。
これらの実施形態は、第11~第13の態様に適用される。一部の実施形態では、ATM阻害剤は、KU-559403、KU-55933、KU-60019、CP-466722、リン酸クロロキン、CGK733、およびAZD0156からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、ATR阻害剤は、シサンドリンB、NU6027、NVP-BEZ235、VE-821、VE-822/VX-970、AZ20、およびAZD6738からなる群から選択される。ある特定の事例では、CHK1/2阻害剤は、AZD7762、CCT 241533、LY 2603618、LY 2606368、NSC 109555ジトシレート、PD 407824、PF47736、SB 218078、TCS 2312、およびSRA737からなる群から選択される。ある特定の事例では、PARP阻害剤は、オラパリブ、A-966492、ベリパリブ、ルカパリブ、AG-14361、イニパリブ、INO-1001、ニラパリブ、タラゾパリブ、AZD2461、2X-121、BMN 673、およびE7449からなる群から選択される。一部の実施形態では、NOXAペプチドは、配列番号60~79、151、および153から選択されるか、または配列番号126~141に記載される配列の構造安定化バージョンである。一部の実施形態では、NOXAペプチドは、配列番号60および62から選択されるか、または配列番号126および128に記載される配列の構造安定化バージョンである。
第14の態様では、本開示は、配列番号44に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも50%同一である(たとえば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一である)アミノ酸配列を含む、ステープルペプチドを提供する。ある特定の事例では、ステープルペプチドは、配列番号44に記載されるアミノ酸配列を含むが、ただし、1~10個(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)のアミノ酸置換を有することを除く。ある特定の事例では、置換は、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸へのものである。ステープルペプチドは、BFL-1および/またはMCL-1に結合する。
第14の態様では、本開示は、配列番号46に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも50%同一である(たとえば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%同一である)アミノ酸配列を含む、ステープルペプチドを提供する。ある特定の事例では、ステープルペプチドは、配列番号46に記載されるアミノ酸配列を含むが、ただし、1~10個(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)のアミノ酸置換を有することを除く。ある特定の事例では、置換は、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸へのものである。ステープルペプチドは、BFL-1および/またはMCL-1に結合する。
これらの実施形態は、第14の態様に適用される。一部の実施形態では、ステープルペプチドは、システイン反応性部分をさらに含む。一部の実施形態では、ステープルペプチドは、システイン反応性D-ニペコチン酸部分を含む。これらの部分は、ステープルペプチドのN末端に結合され得るか、または含まれ得る。一部の実施形態では、ステープルペプチドは、DNA損傷応答経路阻害剤と組み合わされる。一部の実施形態では、DNA損傷応答経路阻害剤は、ATMキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、DNA損傷応答経路阻害剤は、ATRキナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、DNA損傷応答経路阻害剤は、CHK1/2阻害剤である。一部の実施形態では、DNA損傷応答経路阻害剤は、PARP阻害剤である。一部の実施形態では、ATM阻害剤は、KU-559403、KU-55933、KU-60019、CP-466722、リン酸クロロキン、CGK733、およびAZD0156からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、ATR阻害剤は、シサンドリンB、NU6027、NVP-BEZ235、VE-821、VE-822/VX-970、AZ20、およびAZD6738からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、CHK1/2阻害剤は、AZD7762、CCT 241533、LY 2603618、LY 2606368、NSC 109555ジトシレート、PD 407824、PF47736、SB 218078、TCS 2312、およびSRA737からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、PARP阻害剤は、オラパリブ、A-966492、ベリパリブ、ルカパリブ、AG-14361、イニパリブ、INO-1001、ニラパリブ、タラゾパリブ、AZD2461、2X-121、BMN 673、およびE7449からなる群から選択される。本明細書に開示されるステープルペプチドは、BFL-1を発現するかまたはそれに依存性の状態(たとえば、がん、自己免疫疾患、炎症性疾患)を処置するために使用することができる。本明細書に開示されるステープルペプチドは、MCL-1を発現するかまたはそれに依存性の状態(たとえば、がん、自己免疫疾患、炎症性疾患)を処置するために使用することができる。
第15の態様では、本開示は、MCL-1を発現しBFL-1/A1を発現する疾患、またはMCL-1依存性かつBFL-1/A1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行うための組合せ治療薬であって、本明細書に記載されるNOXA安定化ペプチドと、MCL-1の阻害剤とを含む、組合せ治療薬を提供する。ある特定の事例では、MCL-1阻害剤は、S64315、S63845、BAY 1000394、MIK665、AMG397、およびAMG176からなる群から選択される。
第16の態様では、本開示は、BCL-2を発現しBFL-1/A1を発現する疾患、またはBCL-2依存性かつBFL-1/A1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行うための組合せ治療薬であって、本明細書に記載されるNOXA安定化ペプチドと、BCL-2の阻害剤とを含む、組合せ治療薬を提供する。ある特定の事例では、BCL-2阻害剤は、ベネトクラックスである。
第17の態様では、本開示は、BCL-XLを発現しBFL-1/A1を発現する疾患、またはBCL-XL依存性かつBFL-1/A1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行うための組合せ治療薬であって、本明細書に記載されるNOXA安定化ペプチドと、BCL-XLの阻害剤とを含む、組合せ治療薬を提供する。ある特定の事例では、BCL-XL阻害剤は、ナビトクラックスである。
第18の態様では、本開示は、BCL-XL、BCL-2、および/もしくはMCL-1を発現しBFL-1/A1を発現する疾患、またはBCL-XL、BCL-2、およびMCL-1依存性かつBFL-1/A1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行うための組合せ治療薬であって、本明細書に記載されるNOXA安定化ペプチドと、BCL-XL、BCL-2、および/またはMCL-1の阻害剤とを含む、組合せ治療薬を提供する。ある特定の事例では、MCL-1阻害剤は、S64315、S63845、BAY 1000394、MIK665、AMG397、およびAMG176からなる群から選択される。ある特定の事例では、BCL-2阻害剤は、ベネトクラックスである。ある特定の事例では、BCL-XL阻害剤は、ナビトクラックスである。
これらの実施形態は、第15~18の態様のそれぞれに適用される。一部の実施形態では、NOXAペプチドは、配列番号60~79、151、および153から選択されるか、または配列番号126~141に記載される配列の構造安定化バージョンである。一部の実施形態では、NOXAペプチドは、配列番号60および62から選択されるか、または配列番号126および128に記載される配列の構造安定化バージョンである。
特に定義しない限り、本明細書において使用する全ての技術および科学用語は、本発明が属する当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において記載するものと同様のまたは同等の方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および材料を以下に記載する。本明細書において記載する全ての出版物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。矛盾がある場合は、定義を含む本出願がコントロールすることになる。材料、方法、および例は、例示にすぎず、限定することを意図するものではない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
図1は、NOXA BH3/BFL-1ΔC複合体(PDB:3MQP)の構造を示し、短縮型NOXAペプチドステープルスキャンライブラリーに選択したNOXA残基を濃い灰色で強調する。 図2は、すべての炭化水素(i、i+4)または(i、i+7)ステープルが、N末端システイン反応性D-ニペコチン酸部分を有するペプチド鋳型の長さにわたって連続的に配置された、NOXA BH3ステープルスキャンペプチドライブラリーの配列を提供する。配列(すなわち、ステープルペプチドのN末端に配置されているD-ニペコチン酸誘導体化を有する)には、上から下に、配列番号1~21が割り当てられている。 図3は、D-ニペコチン酸(D-NA)を有するNOXA SAHBの、ネイティブなCys55のみを保持するBFL-1ΔC C4S/C19Sとの反応性を示す。 図4は、HA-BFL-1ΔC C4S/C19Sを発現する293T細胞における、D-NA-NOXA SAHBの、BFL-1に対する細胞透過性および反応性を示す。 図5は、A375P細胞を30分間NOXA-15で処置した場合のLDH放出の定量化を示し、NOXA-15による非特異的細胞溶解の誘導を示す。 図6は、N末端のシステイン反応性D-ニペコチン酸部分を有するNOXA-15 SAHBアラニンスキャンライブラリーの配列を提供する。配列(すなわち、ステープルペプチドのN末端に配置されているD-ニペコチン酸誘導体化を有する)には、上から下に、配列番号22~34が割り当てられている。 図7は、D-NA-NOXA-15 SAHBアラニンスキャンライブラリーのLDH放出の棒グラフであり、アラニン変異の結果として溶解活性が欠如した3つのペプチドを示す。 図8は、D-NA-NOXA-15 SAHBアラニンスキャンライブラリーの、組換えBFL-1ΔC C4S/C19Sとの反応性を示す、クーマシー染色したゲルであり、限局的アラニン変異誘発に起因して低減されたかまたは部分的な反応性を示すL29AおよびD34Aなどの選択的な位置を除く、アラニン変異の広範な耐容性を強調する。 図9は、HA-BFL-1ΔC C4S/C19Sを発現する293T細胞における、非溶解性D-NA-NOXA-15アラニン変異体SAHBの、BFL-1に対する細胞透過性および反応性を示す、ウエスタンブロットである。 図10は、N末端のシステイン反応性D-ニペコチン酸部分を有するNOXA-15 SAHB変異体の配列を列挙する。配列(すなわち、ステープルペプチドのN末端に配置されているD-ニペコチン酸誘導体化を有する)には、上から下に、配列番号35~38が割り当てられている。 図11は、D-NA-NOXA-15 SAHB ArgからGluへの電荷逆転変異体ペプチドのLDH放出を示す棒グラフであり、溶解活性の顕著な低減または排除を示す。 図12は、D-NA-NOXA-15 SAHB ArgからGluへの電荷逆転変異体の、組換えBFL-1ΔC C4S/C19Sとの反応性を示す、クーマシー染色したゲルである。 図13は、HA-BFL-1ΔC C4S/C19Sを発現する293T細胞における、非溶解性D-NA-NOXA-15 SAHB ArgからGluへの電荷逆転変異体の、BFL-1に対する細胞透過性および反応性を示すブロットである。 図14は、組換えGST-MCL-ΔNΔC、BCL-XΔC(タグなし)、His-BFL-1ΔC、およびビオチン化SAHBの等モル混合物のストレプトアビジンプルダウンによって示されるように、D-NA-NOXA-15 F32Aが、BFL-1標的化に関して、そのアセチル化対応物を上回る顕著な競合的利点を呈することを示す、銀染色したゲルである。 図15は、組換えGST-MCL-ΔNΔC、BCL-XΔC(タグなし)、His-BFL-1ΔC、およびビオチン化SAHBの等モル混合物のストレプトアビジンプルダウンによって示されるように、D-NA-NOXA-15 R31Eが、BFL-1標的化に関して、そのアセチル化対応物を上回る顕著な競合的利点を呈することを示す、銀染色したゲルである。 図16は、D-NA-NOXA-15 F32Aが、ストレプトアビジンプルダウンおよびBFL-1ウエスタン分析によってモニタリングした場合に、A375Pライセートにおいて、対応するアセチル化構築物と比較して、ネイティブなBFL-1の標的化の増強を呈することを示す、ブロットである。いずれの構築物も、ストレプトアビジンプルダウンのMCL-1ウエスタン分析によって示されるように、同様にMCL-1に結合する。 図17は、D-NA-NOXA-15 R31Eが、ストレプトアビジンプルダウンおよびBFL-1ウエスタン分析によってモニタリングした場合に、A375Pライセートにおいて、対応するアセチル化構築物と比較して、ネイティブなBFL-1の標的化の増強を呈することを示す、ブロットである。いずれの構築物も、ストレプトアビジンプルダウンのMCL-1ウエスタン分析によって示されるように、同様にMCL-1に結合する。 図18は、D-NA-NOXA15 F32Aが、免疫沈降およびウエスタン分析によって測定した場合に、293Tライセートにおいて、HA-BFL-1ΔC C4S/C19S相互作用について、tBIDと効果的に競合し、強力な共有結合的コンジュゲーションを達成するが、そのアセチル化対応物はそうではないことを示す、ブロットを含む(左)。対照的に、D-NA-NOXA15 F32AもAc-NOXA15 F32Aも、FLAG-MCL-1およびtBIDの相互作用を解離することはできない(右)。 図19は、D-NA-NOXA15 R31Eが、免疫沈降およびウエスタン分析によって測定した場合に、293Tライセートにおいて、HA-BFL-1ΔC C4S/C19S相互作用について、tBIDと効果的に競合し、強力な共有結合的コンジュゲーションを達成するが、そのアセチル化対応物はそうではないことを示す、ブロットを示す(左)。対照的に、D-NA-NOXA15 R31EもAc-NOXA15 R31Eも、FLAG-MCL-1およびtBIDの相互作用を解離することはできない(右)。 図20は、D-NA-NOXA-15 R31Eが、蛍光偏光競合的結合アッセイにおいて、BFL-1ΔC C4S/C19SとFITC-BID BH3との相互作用を破壊する能力を示すが、そのアセチル化対応物はそうではないことを示す、グラフである。 図21は、D-NA-NOXA15 R31EもAc-NOXA15 R31Eも、FITC-BID BH3のBFL-1ΔC C4S/C19S/C55Sへの結合について競合しないことを示すグラフであり、選択的な共有結合的標的化にはBFL-1のBH3結合ポケットにおけるC55が必要であることを示す。 図22は、Ac-NOXA-15 R31EおよびD-NA-NOXA-15 R31Eの両方が、FITC-BID BH3のMCL-1ΔNΔCへの結合と競合する、類似かつ比較的限定的から中等度の能力を呈することを示す、グラフである。 図23は、Ac-NOXA-15 R31EもD-NA-NOXA-15 R31Eも、FITC-BID BH3のBCL-XΔCへの結合について、競合することができないことを示す、グラフである。 図24は、全ゲノムCRISPRスクリーニングによって判定される、細胞生存について様々なレベルのBFL-1への依存性を示すAML細胞株のプロットである。 図25は、全ゲノムCRISPRスクリーニングによって判定される、AML細胞株におけるBFL-1依存性と正相関する遺伝子依存性を示す表である。 図26は、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびATM阻害剤KU-55933の組合せでのBFL-1依存性U937細胞の処置が、Calcusyn分析およびプロットした用量-効果曲線(右)によって示されるように、細胞生存率の相乗的な減少を引き起こしたことを示す(左)、グラフである。 図27は、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびKU-55933単独または組合せで処置したU937細胞が、単剤処置と比較して、組合せ処置の場合に、経時的に、有意に増加したカスパーゼ-3/7活性化を呈することを示す、棒グラフである。 図28は、BFL-1依存性ではないMV4-11細胞株の共処置が、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびATM阻害剤の細胞傷害性相乗作用をほとんどまたはまったくもたらさなかったことを示す、グラフである。 図29は、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびKU-55933の組合せで処置したMV4-11細胞が、単剤処置と比較して、カスパーゼ-3/7活性化の増加を呈さないことを示す、棒グラフである。 図30は、apo BFL-1およびそのシステイン反応性NOXA SAHB阻害剤との複合体の結晶構造の結晶化条件およびデータ収集および精緻化統計量を提供する表である。 図31Aは、BFL-1ΔCのアミノ酸配列(配列番号83)を提供し、影付きのα-ヘリックスは、図31Bに示される構造に対応する。BH1-3ドメインは、下線で示される。 図31Bは、apo BFL-1ΔC(PDB識別子:5WHI)のリボン図および表面図であり、α-ヘリックスおよびα-ヘリックス2~4によって形成されるBH3結合表面溝の相対的な配置を示す。溝内に配置される表面アクセス可能なシステインが認められる。 図31Cは、BFL-1(PDB識別子:5WHI)、MCL-1(PDB識別子:4WMS)、およびBCL-X(PDB識別子:1R2D)のapo構造のα-ヘリックスの配向間の類似性(上部)および違い(下部)を示す、リボン図オーバーレイを示す。 図31Dは、BFL-1、MCL-1、およびBCL-XのBH3結合溝の頂部にある残基と底部にある残基との間のα-炭素距離測定値の比較の表である。 図31Eは、BCL-2ファミリータンパク質のα2~α5領域のアミノ酸配列のアライメントを示し、影付きは、図31Dの構造に対応する。BFL-1は、システインがBH3結合溝内の示される位置に位置している唯一のタンパク質である(α3のCを参照されたい)。配列には、上から下に、配列番号84~91が割り当てられている。 図31Fは、BCL-2ファミリータンパク質のBH3結合溝の構造比較を示し、BFL-1のみが、表面アクセス可能なシステイン残基を含むことを示す。 図32Aは、N末端のシステイン反応性D-ニペコチン酸(D-NA)を含むi、i+7ステープルNOXA BH3ペプチド(アミノ酸26~40)による、C55を有するBFL-1構築物の選択的な誘導体化を示す、in vitro架橋分析の結果を提供する。AT8LRRFGDXLNFRQ、ここで、=AcまたはD-ニペコチン酸であり、8=R-オクテニルアラニンであり、X=S-ペンテニルアラニンである。(配列番号92) 図32Bは、D-NA-NOXA SAHBとの共有結合的反応によるBFL-1ΔC C4S/C19Sの分子量の増加を示す、インタクト質量分析を提供する。 図32Cは、示されるC末端ビオチン化NOXA SAHBの、組換えMCL-1、BCL-X、およびBFL-1タンパク質の混合物とのインキュベーションの結果を示し、D-NA-NOXA SAHBによるBFL-1の選択的な共有結合的改変を示す(レーン3)。ストレプトアビジンプルダウンにより、NOXA SAHBとBCL-Xとの間に相互作用がないこと、およびMCL-1の比較的最小限な同等の結合が判明した(レーン5~6)。対照的に、D-NA-NOXA SAHBは、銀染色によって示されるように、強力なBFL-1プルダウンを示したが、Ac-NOXA SAHBは示さなかった(レーン6)。 図32Dは、図32Cに記載の同一条件に供し、続いて、ストレプトアビジンプルダウンにより得られた電気泳動した溶離液のBFL-1ウエスタンブロットを行った、BFL-1を発現するA375P黒色腫細胞に由来するライセートを示すブロットである。D-NA-NOXA SAHBとのインキュベーションにより、Ac-NOXA SAHBと比較して、顕著に増強されたBFL-1プルダウンがもたらされた。 図33Aは、両親媒性BH3ヘリックスとBFL-1との間の相補的な親水性相互作用を呈する、D-NA-NOXA SAHB/BFL-1ΔC複合体(PDB識別子:5WHH)の結晶構造を示し、i、i+7ステープルが、シス配向で観察され、非相互作用表面に位置している。 図33Bは、BFL-1/D-NA-NOXA SAHB共有結合的複合体の立体図を示す。 図33Cは、両親媒性BH3ヘリックスとBFL-1との間の相補的な疎水性相互作用を呈する、D-NA-NOXA SAHB/BFL-1ΔC複合体の結晶構造を示し、i、i+7ステープルが、シス配向で観察され、非相互作用表面に位置している。 図33Dは、BFL-1のC55とD-NA部分との間の共有結合での結合を特定する。 図33Eは、BFL-1/A1との非共有結合的NOXA BH3(PDB識別子:3MQP)複合体を示す。 図33Fは、BFL-1との共有結合的D-NA-NOXA SAHB複合体を示す。 図33Gは、D-NA部分が、どのようにして、C55に下接して位置する疎水性細孔の残基と補助的接触に至るかを示す。 図34Aは、BFL-1のapo構造およびD-NA-NOXA SAHB結合型構造体のリボンのオーバーレイであり、共有結合的リガンド相互作用による、α2およびα3の相対的な上方への変位、ならびにα4の下方への変位を示す。 図34Bは、BFL-1およびMCL-1のリガンド非結合型およびNOXA BH3結合型の溝の頂部の残基と底部の残基との間のα-炭素距離測定値の比較の表である。 図34Cは、対応する距離差行列プロットにおいて明らかである限局的な変化を示す(黒色の矢印を参照されたい)。 図34Dは、D-NA-NOXA SAHBによるBFL-1の共有結合での結合時の、α-炭素距離差のプロットを示し、BH3結合溝のα2~α4領域内の残基の変位を定量的に示す。 図34Eは、BFL-1ΔCのapo形態を示す。 図34Fは、BFL-1ΔCのリガンド結合形態が、C55に下接する別個の疎水性細孔の形成を含む、より大きな相互作用面をもたらすことを示す(白色の矢印を参照されたい)。 図35Aは、BFL-1とのNOXA BH3非共有結合的結合の距離差行列プロットを示し、共有結合によるBH3標的化で観察されたものに類似するα2~α4領域における限局的な変化を示す(黒色の矢印を参照されたい)。 図35Bは、マウスNOXA BH3のMCL-1との非共有結合での結合の距離差行列プロットを示し、注目すべきことに、NOXA BH3のBFL-1との相互作用(共有結合および非共有結合での)で観察されたα2~α4領域の限局的な変化が欠如している。 図36は、様々な種類のステープルを生成するために使用した例示的な非天然のアミノ酸の化学構造を示す(上部)。中央部のパネルは、様々な長さのステープルを有するペプチドを図示する。下部のパネルは、ペプチド配列に沿ったステープルウォークを図示する。 図37は、例示的なステープルウォークに沿った、様々な種類の二重および三重ステープリング戦略の図を示す、概略図である。 図38は、様々な長さの分岐二重ステープル部分を使用した例示的なステープルウォークを示す、概略図である。 図39は、ステープルペプチド誘導体を生成するために用いられる例示的な化学的代替法を示す、概略図である。 図40は、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびATM阻害剤AZD0156の組合せでのBFL-1依存性U937細胞の処置が、Calcusyn分析用量-効果プロット(右)によって示されるように、細胞生存率の相乗的減少を引き起こしたことを示す(左)、グラフである。左のパネル:左パネルのそれぞれの濃度について、棒は(左から右に)、(i)D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)AZD0156、および(iii)8:1 D-NA-NOXA-15 R31E:AZD0156である。右のパネル:プロット内のそれぞれのドットは、「強い相乗作用」として分類される。 図41は、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびAZD0156単独および組合せで処置したU937細胞が、単剤処置と比較して、組合せ処置の場合に、経時的に、有意に増加したカスパーゼ-3/7活性化を呈したことを示す、棒グラフである。それぞれの時点について、棒は(左から右に)、(i)40μM D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)5μM AZD0156、および(ii)40μM D-NA-NOXA-15 R31E+5μM AZD0156である。 図42は、BFL-1依存性ではないMV4;11細胞株の共処置が、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびATM阻害剤AZD0156の細胞傷害性相乗作用をほとんどまたはまったくもたらさなかったことを示す、グラフである。左のパネル:左パネルのそれぞれの濃度について、棒は(左から右に)、(i)D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)AZD0156、および(iii)8:1 D-NA-NOXA-15 R31E:AZD0156である。右のパネル:ドットは(左から右に)、(i)強いアンタゴニズム、(ii)強い相乗作用、(iii)相乗作用、(iv)相加作用、(v)相加作用、および(vi)相加作用である。 図43は、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびAZD0156単独および組合せで処置したMV4;11細胞が、単剤処置と比較して、カスパーゼ-3/7活性化の増加を呈さないことを示す、棒グラフである。それぞれの時点について、棒は(左から右に)、(i)40μM D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)5μM AZD0156、および(ii)40μM D-NA-NOXA-15 R31E+5μM AZD0156である。 図44は、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびATM阻害剤AZD0156の組合せでのBFL-1依存性OCI-AML-3細胞の処置が、Calcusyn分析用量-効果プロット(右)によって示されるように、細胞生存率の相乗的減少を引き起こしたことを示す(左)、グラフである。左のパネル:左パネルのそれぞれの濃度について、棒は(左から右に)、(i)D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)示される薬物、および(iii)NOXA:薬物の組合せである。右のパネル:プロット内のそれぞれのドットは、「強い相乗作用」として分類される。 図45は、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびATM阻害剤AZD0156の組合せでのBFL-1依存性Jurkat細胞の処置が、Calcusyn分析用量-効果プロット(右)によって示されるように、細胞生存率の相乗的減少を引き起こしたことを示す(左)、グラフである。左のパネル:左パネルのそれぞれの濃度について、棒は(左から右に)、(i)D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)示される薬物、および(iii)NOXA:薬物の組合せである。右のパネル:ドットは(左から右に)、(i)強いアンタゴニズム、(ii)アンタゴニズム、(iii)強い相乗作用、(iv)強い相乗作用、(v)強い相乗作用、および(vi)強い相乗作用である。 図46は、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびATM阻害剤Ku-60019の組合せでのBFL-1依存性U937細胞の処置が、Calcusyn分析用量-効果プロット(右)によって示されるように、細胞生存率の相乗的減少を引き起こしたことを示す(左)、グラフである。左のパネル:左パネルのそれぞれの濃度について、棒は(左から右に)、(i)D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)示される薬物、および(iii)NOXA:薬物の組合せである。右のパネル:ドットは(左から右に)、(i)相加作用、(ii)強い相乗作用、(iii)強い相乗作用、(iv)強い相乗作用、(v)強い相乗作用、および(vi)強い相乗作用である。 図47は、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびATM阻害剤Ku-55933の組合せでのBFL-1依存性U937細胞の処置が、Calcusyn分析用量-効果プロット(右)によって示されるように、細胞生存率の相乗的減少を引き起こしたことを示す(左)、グラフである。左のパネル:左パネルのそれぞれの濃度について、棒は(左から右に)、(i)D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)示される薬物、および(iii)NOXA:薬物の組合せである。右のパネル:ドットは(左から右に)、(i)強いアンタゴニズム、(ii)強い相乗作用、(iii)強い相乗作用、(iv)強い相乗作用、および(v)強い相乗作用である。 図48は、BFL-1依存性ではないMV4;11細胞株の共処置が、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびATM阻害剤Ku-60019の細胞傷害性相乗作用をほとんどまたはまったくもたらさなかったことを示す、グラフである。左のパネル:左パネルのそれぞれの濃度について、棒は(左から右に)、(i)D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)示される薬物、および(iii)NOXA:薬物の組合せである。右のパネル:ドットは(左から右に)、(i)相加作用、(ii)強い相乗作用、(iii)相加作用、(iv)相乗作用、(v)相加作用、および(vi)相加作用である。 図49は、BFL-1依存性ではないMV4;11細胞株の共処置が、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびATM阻害剤Ku-55933の細胞傷害性相乗作用をほとんどまたはまったくもたらさなかったことを示す、グラフである。左のパネル:左パネルのそれぞれの濃度について、棒は(左から右に)、(i)D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)示される薬物、および(iii)NOXA:薬物の組合せである。右のパネル:ドットは(左から右に)、(i)相乗作用、(ii)相乗作用、(iii)相加作用、(iv)アンタゴニズム、(v)アンタゴニズム、および(vi)強い相乗作用である。 図50は、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびCHK1/2阻害剤AZD7762の組合せでのBFL-1依存性U937細胞の処置が、Calcusyn分析用量-効果プロット(右)によって示されるように、細胞生存率の相乗的減少を引き起こしたことを示す(左)、グラフである。左のパネル:左パネルのそれぞれの濃度について、棒は(左から右に)、(i)D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)示される薬物、および(iii)NOXA:薬物の組合せである。右のパネル:ドットは(左から右に)、(i)相加作用、(ii)アンタゴニズム、(iii)強い相乗作用、(iv)強い相乗作用、(v)強い相乗作用、および(vi)強い相乗作用である。 図51は、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびPARP阻害剤オラパリブの組合せでのBFL-1依存性U937細胞の処置が、Calcusyn分析用量-効果プロット(右)によって示されるように、細胞生存率の相乗的減少を引き起こしたことを示す(左)、グラフである。左のパネル:左パネルのそれぞれの濃度について、棒は(左から右に)、(i)D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)示される薬物、および(iii)NOXA:薬物の組合せである。右のパネル:ドットは(左から右に)、(i)強いアンタゴニズム、(ii)強い相乗作用、(iii)強い相乗作用、(iv)強い相乗作用、(v)強い相乗作用、および(vi)相乗作用である。 図52は、BFL-1依存性ではないMV4;11細胞株の共処置が、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびCHK1/2阻害剤AZD7762の細胞傷害性相乗作用をほとんどまたはまったくもたらさなかったことを示す、グラフである。左のパネル:左パネルのそれぞれの濃度について、棒は(左から右に)、(i)D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)示される薬物、および(iii)NOXA:薬物の組合せである。右のパネル:ドットは(左から右に)、(i)強い相乗作用、(ii)相乗作用、(iii)相加作用、(iv)アンタゴニズム、(v)アンタゴニズム、および(vi)相加作用である。 図53は、BFL-1依存性ではないMV4;11細胞株の共処置が、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびPARP阻害剤オラパリブの細胞傷害性相乗作用をまったくもたらさなかったことを示す、グラフである。左のパネル:左パネルのそれぞれの濃度について、棒は(左から右に)、(i)D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)示される薬物、および(iii)NOXA:薬物の組合せである。右のパネル:6つのドットのそれぞれは、強いアンタゴニズムである。 図54は、示される用量のD-NA-NOXA SAHB-15 R31E、ATM阻害剤AZD0156、または組合せで処置したKG-1細胞の細胞生存率(A)、Calcusyn用量-効果プロット(B)、およびカスパーゼ-3/7活性化(C)の結果を示す。A:それぞれの濃度について、棒は(左から右に)、(i)D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)示される薬物、および(iii)NOXA:薬物の組合せである。B:ドットは(左から右に)、(i)強いアンタゴニズム、(ii)~(vi)相加作用である。C:それぞれの時点について、棒は(左から右に)、(i)40μM D-NA-NOXA-15 R31E、(ii)5μM AZD0156、および(ii)40μM D-NA-NOXA-15 R31E+5μM AZD0156である。 図55は、示される用量の選択的MCL-1阻害剤S63845、ATM阻害剤AZD0156、または組合せで処置したMV4;11細胞(A)およびU937細胞(B)の細胞生存率を示す。両方のパネルについて、それぞれの濃度について、棒は(左から右に)、(i)0nM S63845、(ii)1.25nM S63845、(iii)2.5nM S63845、(iv)5nM S63845、および(v)10nM S63845である。 図56は、(A)BFL-1分子量のシフト(によって示される)によって示され、還元および変性ゲル電気泳動によって検出される、D-NA-NOXA SAHB-15 F32AおよびR31Eペプチドの、組換えBFL-1ΔC(上部)および全長BFL-1(下部)との共有結合的反応性、(B)NOXA SAHB(20μM)で12時間処置したときのHA-BFL-1分子量のシフト(によって示される)によって示され、ライセートの還元および変性ゲル電気泳動ならびに抗HAウエスタン分析によって検出される、D-NA-NOXA SAHB-15 F32AおよびR31Eペプチドの、293T細胞において発現させたHA-BFL-1ΔC(上部)および全長HA-BFL1(下部)との共有結合的反応性、ならびに(C)U937ライセートのストレプトアビジンプルダウンおよび抗BFL-1ウエスタン分析によって評価される、システイン反応性NOXA SAHB-15 R31EおよびNOXA SAHB-15 F32AペプチドによるネイティブなBFL-1の標的化を示す。注目すべきことに、ネイティブなBFL-1は、組換えまたは発現させたBFL-1よりも高い分子量で泳動する。 図57は、単剤および組合せとして、示される用量のD-NA-NOXA SAHB-15 R31EおよびAZD0156での、24時間のU937細胞の処置に応答した、ミトコンドリア膜電位の喪失を示す。FCCPは、ミトコンドリア膜電位の喪失の陽性対照としての機能を果たす、ミトコンドリア脱共役剤である。 図58は、ウエスタンブロッティングによってモニタリングした場合の、ATM S1981およびCHK2 S33/35のリン酸化状態に対する、示される用量のAZD0156で2時間のU937細胞の処置の作用を示す。 図59は、示される時点における、調製されたライセートのBAXウエスタン分析による、U937細胞におけるBAXタンパク質のレベルに対する、AZD0156処置(5μM)の作用を示す。 図60は、示される用量のD-NA-NOXA SAHB-15 R31Eでの30分間(A)および4時間(B)のU937細胞の処置が、LDH放出を引き起こさないことを示す。 図61は、膜摂動によって望ましくない非特異的細胞傷害性を誘導する、選択的なシステイン反応性NOXA SAHB構築物の能力を示す。配列番号78および150~153(上から下)。 図62は、(A)ゲノムスケールCRISPR-Cas9スクリーンにおいて評価した、AML細胞株にわたるBFL-1依存性Z-スコアおよびBFL-1スケーリングランク値、(B)ゲノムスケールCRISPR-Cas9スクリーンにおいて評価したものの中の上位スコアのBFL-1依存性ヒトがん細胞株のBFL-1依存性Z-スコアおよびBFL-1スケーリングランク値、ならびに(C)ゲノムスケールCRISPR-Cas9スクリーンから、および以下の基準:(1)遺伝子が少なくとも2つのAML細胞株における潜在的依存性としてスコア付けされること(スコアが-0.1を下回る)、(2)遺伝子が、少なくとも2つのAML細胞株において発現されること(TPMが1を超える)、(3)遺伝子が、全致死遺伝子であると予測されないこと、および(4)ピアソン相関およびスピアマン相関がいずれも0.9を超えることに基づいて特定された、AML細胞株におけるBFL-1共依存性のピアソン相関およびスピアマン相関を示す。
詳細な説明
現在、MCL-1およびBFL-1/A1によって作動されるアポトーシス耐性を標的とするために利用可能なFood and Drug Administrationに承認された薬物は存在しない。特に、BFL-1選択的標的化剤も、BFL-1/MCL-1二重標的化剤も、共有結合的および非共有結合的二重阻害剤の組合せも、臨床試験へ進んでいない。本開示は、共有結合的BFL-1選択的標的化剤、およびBFL-1に共有結合で結合し、MCL-1に非共有結合で結合することができるBFL-1/MCL-1二重標的化剤の特性を呈する、構造安定化およびシステイン反応性NOXA BH3ペプチドを提供する。本開示はまた、そのような安定化されたペプチドを、単独で、または他の治療剤(たとえば、ATMキナーゼ/ATRキナーゼ阻害剤)と組み合わせて、BFL-1および/もしくはMCL-1依存性のがんならびに/またはそれらを発現するがん(たとえば、造血系悪性腫瘍、黒色腫もしくは他の固形腫瘍、細胞過剰性疾患、たとえば、自己免疫疾患もしくは炎症性疾患、または本明細書で以下に記載される他のがん)の処置において使用するための方法も特徴とする。そのようなステープルペプチドは、MCL-1および/もしくはBFL-1を発現する、ならびに/またはそれらに依存性の、がんまたは細胞過剰性疾患において、単独および組合せで、アポトーシスを再活性化するのに有用である。
タンパク質
ヒトMCL-1のアミノ酸配列を、以下に提供する(UniProtKB-Q07820)。
Figure 2023129587000002
ヒトBFL-1のアミノ酸配列を、以下に提供する(UniProtKB-Q16548)。
Figure 2023129587000003
ヒトNOXAのアミノ酸配列を、以下に提供する(UniProtKB-Q13794)。
Figure 2023129587000004
NOXAペプチド
本開示の例示的なNOXAペプチドは、配列番号82のアミノ酸26から開始し、アミノ酸40までのBH3ペプチドである。このペプチドは、アミノ酸配列:ATQLRRFGDKLNFRQ(配列番号39)を有し、BFL-1/A1と相互作用する。このペプチドに使用した番号付けを、以下に提供する。
Figure 2023129587000005
NOXAのBFL-1相互作用残基(すなわち、BFL-1と相互作用するNOXA BH3アルファヘリックスの残基)は、Leu-21、Glu-22、Val-23、Glu-24、Cys-25、Ala-26、Leu-29、Arg-30、Phe-32、Gly-33、Asp-34、Leu-36、Asn-37、およびGln-40である(アミノ酸番号付けは、配列番号82に基づく)。上記に提供される配列番号39の位置番号付けに関連して、BFL-1相互作用残基は、Ala-1、Leu-4、Arg-5、Phe-7、Gly-8、Asp-9、Leu-11、Asn-12、およびGln-15である。アラニン-1、ロイシン-4、フェニルアラニン-7、グリシン-8、およびロイシン-11は、疎水性相互作用に関与し、一方でアルギニン-5、アスパラギン酸-9、およびアスパラギン-12は、水素結合相互作用に関与する。
BFL-1と相互作用しないNOXAの残基(すなわち、NOXA BH3アルファヘリックスの相互作用しない側鎖にある残基)は、Thr-27、Gln-28、Arg-31、Lys-35、Phe-38、およびArg-39である(アミノ酸番号付けは、配列番号82に基づく)。上記に提供される配列番号39の位置番号付けに関連して、NOXAペプチドのアルファヘリックスの相互作用面にない残基は、残基Thr-2、Gln-3、Arg-6、Lys-10、Phe-13、およびArg-14である。
NOXAアルファヘリックスのMCL-1相互作用残基(すなわち、MCL-1と相互作用するNOXA BH3アルファヘリックスの残基)は、Gln-28、Leu-29、Arg-30、Phe-32、Gly-33、Leu-36、Asn-37、Gln-40である(アミノ酸番号付けは、配列番号82に基づく)。
MCL-1と相互作用しないNOXAの残基(すなわち、NOXA BH3アルファヘリックスの非相互作用側鎖にあるヘリックスの残基)は、Ala-26、Thr-27、Arg-31、Asp-34、Lys-35、Phe-38、およびArg-39である(アミノ酸番号付けは、配列番号82に基づく)。
ある特定の実施形態では、本開示のNOXA BH3ペプチドは、配列番号39において1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13個のアミノ酸置換を有し得る(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、または13個のアミノ酸が、保存的または非保存的に置換されている)。一部の事例では、配列番号39の1~3個のアミノ酸が、置換されている。配列番号39におけるアミノ酸置換は、アルファヘリックスの相互作用側鎖および非相互作用側鎖の一方または両方におけるものであり得る。NOXAペプチドのアルファヘリックスのBFL-1と相互作用しない非相互作用側鎖においては、相互作用側鎖よりも高い変動性が許容される。実際に、これらのアミノ酸のほぼすべて(たとえば、ヘリックスの非相互作用面の5、4、3、2、または1個のアミノ酸)が、置換されていてもよい(たとえば、保存的もしくは非保存的アミノ酸置換、またはアラニン)。ある特定の実施形態では、これらのペプチドのヘリックスの相互作用面は、1~9個、1~8個、1~7個、1~6個、1~5個、1~4個、1~3個、1~2個、または1個のアミノ酸置換を有する。一部の事例では、置換は、保存的アミノ酸置換である。他の事例では、置換は、非保存的アミノ酸置換である。一部の事例では、1つを超えるアミノ酸置換が存在する場合、置換は、保存的アミノ酸置換および非保存的アミノ酸置換の両方である。一部の場合には、配列番号39の1~3つのアミノ酸(たとえば、1、2、または3つ)が置換される場合、置換は、すべてが、NOXAヘリックスの非相互作用面にある。一部の場合には、配列番号39の1~3つのアミノ酸(たとえば、1、2、または3つ)が置換される場合、置換は、すべてが、NOXAヘリックスの相互作用面にある。一部の場合には、配列番号39の1~3つのアミノ酸(たとえば、1、2、または3つ)が置換される場合、置換は、NOXAヘリックスの相互作用面および非相互作用面の両方にある。ある特定の事例では、置換されるアミノ酸は、L-Ala、D-Ala、Aib、Sar、Ser、置換アラニン、または置換グリシン誘導体からなる群から選択される。ある特定の事例では、A26、T27、Q28、R30、R31、F32、G33、K35、L36、N37、F38、R39、またはQ40(番号付けは配列番号82による)のうちの1つまたは複数が、置換される。ある特定の事例では、置換されるアミノ酸は、L-Ala、D-Ala、Aib、Sar、Ser、置換アラニン、または置換グリシン誘導体からなる群から選択される。ある特定の事例では、配列番号39のL29およびD34(番号付けは配列番号82による)のうちの一方または両方は、置換されない。一部の事例では、配列番号39のL29(番号付けは配列番号82による)は、イソロイシン、フェニルアラニン、L-Ala、D-Ala、Aib、Sar、Ser、置換アラニン、または置換グリシン誘導体で置換される。
ある特定の実施形態では、本開示のNOXA BH3ペプチドは、1、2、3、4、5個のアミノ酸が、配列番号39に記載される配列のC末端から除去/欠失されていてもよい。ある特定の実施形態では、本開示のNOXA BH3ペプチドは、1、2、3、4、5個のアミノ酸が、配列番号39に記載される配列のN末端から除去/欠失されていてもよい。ある特定の実施形態では、本開示のNOXA BH3ペプチドは、1、2、3、4、5個のアミノ酸が、配列番号39に記載される配列のN末端およびC末端の両方から除去/欠失されていてもよい。ある特定の事例では、これらの除去されたアミノ酸は、L-Ala、D-Ala、Aib、Sar、Ser、置換アラニン、または置換グリシン誘導体からなる群から選択される1~6個(1、2、3、4、5、または6個)のアミノ酸と置き換えられてもよい。
配列番号39の配列に対する改変の非限定的な例は、以下に提供される。
Figure 2023129587000006
本開示はまた、配列番号39に対して、少なくとも14%(たとえば、少なくとも14~50%、少なくとも14~45%、少なくとも14~40%、少なくとも14~35%、少なくとも14~30%、少なくとも14~25%、少なくとも14~20%、少なくとも20%~50%、少なくとも20%~45%、少なくとも20%~40%、少なくとも20%~35%、少なくとも20%~30%、少なくとも20%~25%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも27%、少なくとも34%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)同一であるNOXAペプチドも包含する。配列番号39におけるアミノ酸配列の変動性は、アルファヘリックスの相互作用側鎖および非相互作用側鎖の一方または両方におけるものであり得る。NOXA BH3ヘリックスの非相互作用面のアミノ酸のほぼすべてが、変動し得る。ヘリックスの相互作用面のアミノ酸もまた、変動し得る。
一部の実施形態では、本開示は、配列番号39のバリアントを特徴とし、ここで、NOXAペプチドバリアントは、BFL-1に非共有結合で結合する。本開示はまた、配列番号39のバリアントを特徴とし、ここで、NOXAペプチドバリアントは、MCL-1に非共有結合で結合する。一部の事例では、本明細書に記載される配列番号39のバリアントは、BFL-1およびMCL-1の両方に非共有結合で結合する。
ある特定の事例では、NOXAペプチドは、以下に記載されるアミノ酸配列を有する。
Figure 2023129587000007
本明細書に記載されるNOXAペプチドは、治療的使用のために最適化することができる。たとえば、上述のNOXAペプチドのうちのいずれかが、膜破壊(細胞溶解)を引き起こす場合、このペプチドは、ペプチドの全体的な疎水性を低下させることによって、最適化することができる。これは、たとえば、特に、疎水性残基を、より低い疎水性を有するアミノ酸(たとえば、アラニン)と置換することによって、達成することができる。膜破壊は、ペプチドの全体的な正電荷を低減することによっても、低下させることができる。これは、塩基性残基を、非荷電または酸性の残基と置換することによって、達成することができる。ある特定の事例では、ペプチドの全体的な疎水性およびペプチドの全体的な正電荷の両方が、低下される。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるNOXAペプチドは、5~35アミノ酸長である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるNOXAペプチドは、5~25アミノ酸長である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるNOXAペプチドは、5~20アミノ酸長である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるNOXAペプチドは、5~18アミノ酸長である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるNOXAペプチドは、10~35アミノ酸長である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるNOXAペプチドは、10~25アミノ酸長である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるNOXAペプチドは、10~20アミノ酸長である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるNOXAペプチドは、10~18アミノ酸長である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるNOXAペプチドは、15~26アミノ酸長である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるNOXAペプチドは、15~18アミノ酸長である。
ある特定の事例では、NOXAペプチドは、構造安定化されている。これらのNOXAペプチドを安定化させるために、ペプチドがステープルおよび/またはステッチされ得るように、ペプチドには、たとえば、NOXAペプチドのアミノ酸を、非天然のアミノ酸と置き換えるための2つまたはそれを超える置換が含まれ得る。
安定化されたペプチド
ペプチドヘリックスは、多数の重要な生物学的プロセス、たとえば、アポトーシスを調節する鍵となるタンパク質-タンパク質相互作用の重要な媒介因子であるが、しかしながら、そのようなヘリックスは、タンパク質内のその環境から取り出され、単離した状態で調製された場合、通常、ランダムなコイル立体構造を採用し、生物学的活性の劇的な低減、およびしたがって治療能力の減少が生じる。本開示は、NOXAの構造安定化ペプチドを提供する。本開示は、内部(分子内)架橋(またはステープル)によって結合された少なくとも2つの改変されたアミノ酸を含み、ある特定の事例では、構造安定化ペプチドが結合する標的タンパク質(たとえば、BFL-1)内のシステイン(Cys)残基と共有結合的結合を形成することができる、反応性基(「弾頭部」、たとえば、求電子性基を有する非天然のアミノ酸)を有する、構造安定化NOXAペプチド(たとえば、上述のもの)を含む。本明細書に記載される安定化されたペプチドには、ステープルペプチドおよびステッチペプチド、ならびに複数のステッチ、複数のステープル、ステープルとステッチとの混合、または構造強化のための他の化学的戦略を含むペプチドが含まれる(たとえば、Balaram P. Cur. Opin. Struct. Biol. 1992;2:845、Kemp DS, et al., J. Am. Chem. Soc. 1996;118:4240、Orner BP, et al., J. Am. Chem. Soc. 2001;123:5382、Chin JW, et al., Int. Ed. 2001;40:3806、Chapman RN, et al., J. Am. Chem. Soc. 2004;126:12252、Horne WS, et al., Chem., Int. Ed. 2008;47:2853、Madden et al., Chem Commun (Camb). 2009 Oct 7; (37): 5588-5590、Lau et al., Chem. Soc. Rev., 2015,44:91-102、およびGunnoo et al., Org. Biomol. Chem., 2016,14:8002-8013を参照されたく、それらのすべては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるNOXAポリペプチドのうちの1つまたは複数は、ペプチドステープリングによって安定化することができる(たとえば、Walensky, J. Med. Chem., 57:6275-6288 (2014)を参照されたく、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。ペプチドは、そのネイティブな二次構造を維持するという点で、「安定化」される。たとえば、ステープリングは、α-ヘリックス二次構造を有するようにしたポリペプチドが、そのネイティブなα-ヘリックス立体構造を維持することを可能にする。この二次構造は、タンパク質分解および熱に対するポリペプチドの耐性を増加させ、また、標的結合親和性、疎水性、および細胞透過性を増加させ得る。したがって、本明細書に記載されるステープルされた(架橋した)ポリペプチドは、対応するステープルしていない(架橋していない)ポリペプチドと比べて、改善された生物学的活性を有する。
「ペプチドのステープル化」は、合成方法論から作り出された用語であり、ポリペプチド鎖に存在する2個のオレフィン含有側鎖(例えば、架橋可能な側鎖)が、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有接合し(例えば、「一緒にステープル化され」)、架橋環を形成している(例えば、Blackwell et al., J. Org. Chem., 66: 5291-5302, 2001;Angew et al., Chem. Int. Ed. 37:3281, 1994を参照のこと)。「ペプチドのステープル化」という用語は、本明細書で使用される場合、そのような反応を促進し、単一の「ステープル」ポリペプチドを提供する任意の数の反応条件および/または触媒を使用した、ポリペプチド鎖に存在する場合がある2個の(例えば、少なくとも一対の)二重結合含有側鎖、三重結合含有側鎖、または二重結合含有および三重結合含有側鎖の接合を含む。「マルチプライ(multiply)ステープル」ポリペプチドという用語は、1個を超える個々のステープルを含み、2個、3個、またはそれを超えるさまざまな間隔の独立したステープルを含んでいてもよいポリペプチドを指す。さらに「ペプチドのステッチ化」という用語は、本明細書で使用される場合、2個のステープルが、例えば共通の残基に連結している「ステッチ」(例えば、直列のまたはマルチプライステープル)ポリペプチドを提供する、単一のポリペプチド鎖における複数のかつ直列の「ステープル化」事象を指す。ペプチドのステッチ化は、例えば、WO2008/121767およびWO2010/068684で開示されており、これら両方は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の場合では、ステープルは、本明細書で使用される場合、不飽和結合を保持することができるかまたは減少させることができる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるポリペプチドのうちの1つまたは複数は、たとえば、炭化水素ステープリングによって、安定化することができる。一部の実施形態では、ステープルペプチドは、NOXAのアミノ酸26~40を含むかもしくはそれからなるか、またはそこに1~13個(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、もしくは13個)のアミノ酸置換、欠失、および/もしくは挿入)を含む、ポリペプチドである。ある特定の事例では、ステープルペプチドは、少なくとも2つ(たとえば、2、3、4、5、6個)のアミノ酸置換を含み、ここで、置換されるアミノ酸は、2、3、または6アミノ酸離間しており、置換されるアミノ酸は、オレフィン側鎖を有する非天然のアミノ酸である。多数の公知の非天然または天然にないアミノ酸が存在し、それらのいずれも、本開示のペプチドに含めることができる。非天然のアミノ酸の一部の例は、4-ヒドロキシプロリン、デスモシン、ガンマ-アミノ酪酸、ベータ-シアノアラニン、ノルバリン、4-(E)-ブテニル-4(R)-メチル-N-メチル-L-スレオニン、N-メチル-L-ロイシン、1-アミノ-シクロプロパンカルボン酸、1-アミノ-2-フェニル-シクロプロパンカルボン酸、1-アミノ-シクロブタンカルボン酸、4-アミノ-シクロペンテンカルボン酸、3-アミノ-シクロヘキサンカルボン酸、4-ピペリジル酢酸、4-アミノ-l-メチルピロール-2-カルボン酸、2,4-ジアミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、2-アミノヘプタン二酸、4-(アミノメチル)安息香酸、4-アミノ安息香酸、オルト、メタ、および/パラ置換フェニルアラニン(たとえば、-C(=O)C、-CF、-CN、-ハロ、-NO、CHで置換されている)、二置換フェニルアラニン、置換チロシン(たとえば、-C=O)C、-CF、-CN、-ハロ、-NO、CHでさらに置換されている)、およびスタチンである。加えて、アミノ酸は、ヒドロキシル化、リン酸化、スルホン化、アシル化、またはグリコシル化されたアミノ酸残基を含むように誘導体化されていてもよい。
炭化水素ステープルポリペプチドは、2個の非天然アミノ酸間に1個または複数のテザー(連結)を含み、このテザーは、ポリペプチドのα-ヘリックス二次構造を顕著に強化する。一般的に、テザーは、1つまたは2つの螺旋ターン(すなわち、約3.4または約7個のアミノ酸)の長さにわたって伸長する。したがって、iおよびi+3個目;iおよびi+4個目;またはiおよびi+7個目に位置するアミノ酸は、化学的修飾および架橋に関して理想的な候補である。したがって、例えば、ペプチドが、配列...X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9...を有する場合、X1とX4との間、またはX1とX5との間、またはX1とX8との間の架橋がそのペプチドの有用な炭化水素のステープル化形態であり、X2とX5との間、またはX2とX6との間、またはX2とX9との間などの架橋も同様である。複数の架橋(例えば、2、3、4個、またはそれを超える)の使用も検討される。複数の架橋の使用は、ペプチドの安定化および最適化において非常に効果的であり、特にペプチド長の増加を伴う。したがって、本開示は、配列をさらに安定化させるためか、またはより長いポリペプチド伸長の構造安定化、タンパク質分解抵抗性、酸安定性、熱安定性、細胞透過性、および/または生物活性の強化を促進するために、ポリペプチド配列内に1個を超える架橋の組込みを包含する。炭化水素ステープルポリペプチドの作製および使用に関する追加の説明は、例えば、米国特許出願公開第2012/0172285号、同第2010/0286057号、および同第2005/0250680号で見出すことができ、これら全ての内容は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態では、ステープルがiおよびi+3個目の残基にある場合、R-プロペニルアラニンおよびS-ペンテニルアラニン;またはR-ペンテニルアラニンおよびS-ペンテニルアラニンは、これらの位置においてアミノ酸で置換されている。ある特定の実施形態では、ステープルがiおよびi+4個目の残基にある場合、S-ペンテニルアラニンは、これらの位置においてアミノ酸で置換されている。ある特定の実施形態では、ステープルが、iおよびi+7個目の残基にある場合、S-ペンテニルアラニンおよびR-オクテニルアラニンは、これらの位置においてアミノ酸で置換されている。一部の場合では、ペプチドがステッチ化されている場合、「ステッチ」に関与するペプチドのアミノ酸は、ビス-ペンテニルグリシン、S-ペンテニルアラニン、およびR-オクテニルアラニン;またはビス-ペンテニルグリシン、S-オクテニルアラニン、およびR-オクテニルアラニンで置換されている。
ある特定の実施形態では、ステープルおよび/またはステッチは、1位および5位、2位および6位、3位および7位、6位および10位、10位および14位、11位および15位、12位および16位、1位および8位、3位および10位、6位および13位、7位および14位、または8位および15位に作製され、ここで、提供される位置は、配列番号39または上述の配列番号39の改変バージョン(たとえば、配列番号94から109のいずれか1つ)に基づく。ステープルの位置は、ステープルウォークにおいて、異なるステープルの場所を試験することによって変動させることができる。
図36の上部のパネルは、様々な架橋化合物を生成するために使用することができる非天然のアミノ酸の例示的な化学構造を示す。図36の中央部のパネルは、i位およびi+3位、i位およびi+4位、ならびにi位およびi+7位の残基間に炭化水素架橋を有するペプチドを図示する。図36の下部のパネルは、ペプチド配列に沿ったステープルウォークを図示する。図37は、二重および三重ステープリング戦略を用いた様々なペプチド配列、ならびに例示的なステープルウォークを示す。図38は、様々な長さの分岐ステッチ部分を使用した例示的なステープルウォークを示す。
一態様では、NOXA SAHBポリペプチドは、式(I)を有し、
Figure 2023129587000008
式中、
それぞれのRおよびRは、独立して、H、またはC~C10アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、もしくはヘテロシクリルアルキルであり、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、[R-K-Rであり、これらのそれぞれは、0~6個のRで置換され、
は、アルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、
は、ハロ、アルキル、OR、N(R、SR、SOR、SO、CO、R、蛍光部分、または放射性同位体であり、
Kは、O、S、SO、SO、CO、CO、CONR、または
Figure 2023129587000009
であり、
は、H、アルキル、または治療剤であり、
nは、1~4の整数であり、
xは、2~10の整数であり、
それぞれのyは、独立して、0~100の整数であり、
zは、1~10(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)の整数であり、
それぞれのXaaは、独立して、アミノ酸である。一部の実施形態では、式(I)のN末端[Xaa]は、存在しない、A、AT、ATQLR(配列番号110)、ATQLRR(配列番号111)、ATQLRRF(配列番号112)、ATQLRRFGD(配列番号113)、ATQLRRFGDK(配列番号114)、またはATQLRRFGDKL(配列番号115)である。一部の実施形態では、[Xaa]は、TQL、QLR、LRR、FGD、LNF、NFR、FRQ、TQLRRF(配列番号116)、LRRFGD(配列番号117)、FGDKLN(配列番号118)、GDKLNF(配列番号119)、またはDKLNFR(配列番号120)である。一部の実施形態では、式(I)のC末端[Xaa]は、RFGDKLNFRQ(配列番号121)、FGDKLNFRQ(配列番号122)、GDKLNFRQ(配列番号123)、LNFRQ(配列番号124)、Q、DKLNFRQ(配列番号125)、またはRQである。ある特定の事例では、上記および配列番号110~125に記載される配列は、少なくとも1つ(たとえば、1、2、3、4、5、6個)のアミノ酸置換または欠失を有し得る。NOXA SAHBポリペプチドは、本明細書に記載される任意のアミノ酸配列を含み得る。
テザーは、アルキル、アルケニル、またはアルキニル部分(例えば、C、C、もしくはC11アルキル、C、C、もしくはC11アルケニル、またはC、C、もしくはC11アルキニル)を含んでいてもよい。テザーされたアミノ酸は、アルファ二置換(例えば、C~Cまたはメチル)とすることができる。
一部の場合では、xは2、3、または6である。一部の場合では、各yは、独立して、1から15または3から15の整数である。一部の場合では、RおよびRは、それぞれ独立して、HまたはC~Cアルキルである。一部の場合では、RおよびRは、それぞれ独立して、C~Cアルキルである。一部の場合では、RおよびRのうちの少なくとも1つはメチルである。例えば、RおよびRは、両方ともメチルとすることができる。一部の場合では、Rはアルキル(例えば、Cアルキル)であり、xは3である。一部の場合では、RはC11アルキルであり、xは6である。一部の場合では、Rはアルケニル(例えば、Cアルケニル)であり、xは3である。一部の場合では、xは6であり、RはC11アルケニルである。一部の場合では、Rは、直鎖状アルキル、アルケニル、またはアルキニルである。一部の場合では、Rは-CH-CH-CH-CH=CH-CH-CH-CH-である。
別の態様では、2つのアルファ,アルファ二置換立体中心は、両方がR構成もしくはS構成にあるか(たとえば、i、i+4の架橋)、または一方の立体中心がRであり、他方がSである(たとえば、i、i+7の架橋)。したがって、式Iは、
Figure 2023129587000010
として示され、
C’およびC”二置換立体中心は、両方が、R構成にあり得るか、またはそれらは、たとえば、xが3である場合、両方が、S構成にあり得る。xが6である場合、C’二置換立体中心は、R構成にあり、C”二置換立体中心は、S構成にある。R二重結合は、EまたはZ立体化学構成にあり得る。
一部の事例では、Rは、[R-K-Rであり、Rは、直鎖アルキル、アルケニル、またはアルキニルである。
一部の実施形態では、本開示は、アミノ酸配列ATQLRRFGDKLNFRQ(配列番号39)を含む、内部架橋した(「ステープル」または「ステッチ」された)ペプチドであって、2、3、もしくは6アミノ酸離間している2個のアミノ酸の側鎖が、内部ステープルによって置き換えられているか、3個のアミノ酸の側鎖が、内部ステッチによって置き換えられているか、4個のアミノ酸の側鎖が、2個の内部ステープルによって置き換えられているか、または5個のアミノ酸の側鎖が、内部ステープルおよび内部ステッチの組合せによって置き換えられている、ペプチドを特徴とする。ある特定の事例では、配列番号39の4位、8位、および9位のうちの1つまたは複数におけるアミノ酸は、ステープルでもステッチでも置き換えられていない。ある特定の事例では、配列番号39の4位および/または9位におけるアミノ酸は、ステープルでもステッチでも置き換えられていない。ステープル/ステッチペプチドは、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50アミノ酸長である。具体的な実施形態では、ステープル/ステッチペプチドは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25アミノ酸長である。具体的な実施形態では、ステープル/ステッチペプチドは、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18アミノ酸長である。例示的なNOXAステープルペプチドは、図2に示されている。ある特定の実施形態では、ステープルポリペプチドは、配列番号2~21のうちのいずれか1つに記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。一実施形態では、NOXAステープルペプチドは、配列番号16に記載されるアミノ酸配列を有する。ある特定の実施形態では、ステープルポリペプチドは、配列番号22~34のうちのいずれか1つに記載されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。ある特定の実施形態では、ステープルポリペプチドは、配列番号35~38のうちのいずれか1つに記載されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる。ある特定の実施形態では、ステープルポリペプチドは、配列番号94~109のうちのいずれか1つに記載されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、ここで、2、3、または6アミノ酸離間している少なくとも2個のアミノ酸が、ペプチドを構造安定化するように改変されている(たとえば、それらを、炭化水素ステープリングを許容する非天然のアミノ酸で置換することによって)。
炭化水素テザー(tether)が普通であるが、他のテザーもまた、本明細書に記載されるNOXA BH3ペプチドにおいて用いることができる。たとえば、テザーは、エーテル、チオエーテル、エステル、アミン、もしくはアミド、またはトリアゾール部分のうちの1つまたは複数を含み得る。一部の場合には、天然に存在するアミノ酸側鎖を、テザーに組み込むことができる。たとえば、テザーは、官能基、たとえば、セリンにおけるヒドロキシル、システインにおけるチオール、リジンにおける第一級アミン、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸における酸、アスパラギンもしくはグルタミンにおけるアミドと、カップリングすることができる。したがって、2つの天然に存在しないアミノ酸をカップリングすることによって作製されたテザーを使用するのではなく、天然に存在するアミノ酸を使用してテザーを作製することが可能である。単一の天然に存在しないアミノ酸を、天然に存在するアミノ酸と一緒に使用することも可能である。トリアゾール含有(たとえば、1,4トリアゾールまたは1,5トリアゾール)架橋を、使用することができる(たとえば、Kawamoto et al. 2012 Journal of Medicinal Chemistry 55:1137、国際公開第WO 2010/060112号を参照されたい)。加えて、異なる種類のステープリングを行う他の方法が、当該技術分野において周知であり、本明細書に記載されるNOXA BH3ペプチドとともに用いることができる(たとえば、ラクタムステープリング:Shepherd et al., J. Am. Chem. Soc., 127:2974-2983 (2005)、UV-環化付加ステープリング:Madden et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 21:1472-1475 (2011)、ジスルフィドステープリング:Jackson et al., Am. Chem. Soc.,113:9391-9392 (1991)、オキシムステープリング:Haney et al., Chem. Commun., 47:10915-10917 (2011)、チオエーテルステープリング:Brunel and Dawson, Chem. Commun., 552-2554 (2005)、光スイッチング可能ステープリング:J. R. Kumita et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 97:3803-3808 (2000)、ダブルクリックステープリング:Lau et al., Chem. Sci., 5:1804-1809 (2014)、ビス-ラクタムステープリング:J. C. Phelan et al.,, J. Am. Chem. Soc., 119:455-460 (1997)、およびビス-アリール化ステープリング:A. M. Spokoyny et al., J. Am. Chem. Soc., 135:5946-5949 (2013)を参照されたい)。
テザーの長さが変わる場合がある点が更に想定される。例えば、二次性アルファ-ヘリックス構造に対して比較的高度の拘束を与えることが望ましい場合、長さが短いテザーを使用することができるが、一部の場合では、二次性アルファ-ヘリックス構造に対して拘束は低いことが望ましく、したがって長いテザーが望まれる場合がある。
さらに、主にアルファヘリックスの片面上にあるテザーを与えるために、アミノ酸iからi+3個目、iからi+4個目、およびiからi+7個目までのテザー全長は共通であるが、テザーは、アミノ酸の数の任意の組合せに及ぶように合成することができ、複数のテザーを導入するように組み合わせて使用することもできる。
一部の場合では、本明細書において記載する炭化水素テザー(すなわち、架橋)は、更に操作することができる。一例では、(例えば、ルテニウム触媒による閉環メタセシス(RCM)を使用して合成されるような)炭化水素アルケニルテザーの二重結合を酸化し、(例えば、エポキシ化、アミノヒドロキシル化またはジヒドロキシル化を介して)、以下の化合物のうちの1つを提供することができる。
Figure 2023129587000011
エポキシド部分か、または遊離ヒドロキシル部分のうちの1つのいずれかは、さらに官能基化することができる。例えば、エポキシドは、例えば、治療剤に結合するために使用することができる追加の官能性を与える求核試薬で処置することができる。あるいはそのような誘導体化は、ポリペプチドのアミノまたはカルボキシ末端の合成操作によってまたはアミノ酸側鎖を介して達成することができる。他の薬剤、例えばポリペプチドが細胞中に侵入するのを促進する薬剤を、官能基化テザーに結合させることができる。
一部の場合では、アルファ二置換アミノ酸は、アルファヘリックス二次構造の安定性を改善するためにポリペプチドにおいて使用する。しかし、アルファ二置換アミノ酸は必須ではなく、(例えば、テザーされたアミノ酸において)モノ-アルファ置換基を使用した場合も想定される。
ステープルポリペプチドは、薬物、毒素、ポリエチレングリコール誘導体;第2のポリペプチド;炭水化物などを含んでいてもよい。ポリマーまたは他の薬剤がステープルポリペプチドに連結している場合、組成物は実質的に均質であることが望ましい場合がある。
ポリエチレングリコール(PEG)分子が付加すると、ポリペプチドの薬物動態および薬力学特性が改善される場合がある。例えば、PEG化を行うと、腎クリアランスを低下させることができ、より安定な血漿濃度をもたらす場合がある。PEGは水溶性ポリマーであり、
式:XO--(CHCHO)--CHCH-Y
(式中、nは2から10,000であり、Xは、Hまたは末端改変、例えばC1~4アルキルであり;Yは、ポリペプチドのアミン基(これらに限定されないが、リシンのイプシロンアミン、またはN末端を含む)への、アミド、カルバメートまたは尿素連結である)
としてポリペプチドへ連結しているとして表すことができる。Yはまた、チオール基(これらに限定されないがシステインのチオール基を含む)へのマレイミド連結であってもよい。PEGをポリペプチドに直接的にまたは間接的に連結するための他の方法は、当業者であれば公知である。PEGは、直鎖状または分岐状とすることができる。さまざまな官能基化誘導体を含むPEGのさまざまな形態が市販されている。
分解可能な連結を骨格において有するPEGを使用することができる。例えば、PEGは、加水分解するための対象であるエステル連結を用いて調製することができる。分解可能なPEG連結を有するコンジュゲートは、WO99/34833、WO99/14259、およびU.S.6,348,558に記載されている。
ある特定の実施形態では、高分子ポリマー(例えば、PEG)は、中間体リンカーを介して本明細書において記載する薬剤に結合している。ある特定の実施形態では、リンカーは、ペプチド結合によって連結された1から20個のアミノ酸で構成されており(made up of)、アミノ酸は、20種類の天然に存在するアミノ酸から選択される。これらのアミノ酸のうちの一部は、当業者であれば十分に理解しているようにグリコシル化されていてもよい。他の実施形態では、1から20個のアミノ酸は、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、およびリシンから選択される。他の実施形態では、リンカーは、グリシンおよびアラニンなどの立体障害のない大部分のアミノ酸で構成されている。非ペプチドリンカーも可能である。例えば、アルキルリンカー、例えば-NH(CHC(O)-(式中、n=2~20)を使用することができる。これらのアルキルリンカーは、任意の立体障害のない基、例えば低級アルキル(例えば、C~C)低級アシル、ハロゲン(例えば、Cl、Br)、CN、NH、フェニル等でさらに置換されていてもよい。米国特許第5,446,090号では、二官能性PEGリンカー、および各PEGリンカー末端でペプチドを有するコンジュゲートの形成におけるその使用が記載されている。
ステープルペプチドはまた、一部の実施形態では、たとえば、さらに細胞内取り込みを促進するためまたはin vivoでの安定性を増加させるために、改変することができる。たとえば、ペプチド模倣大環状分子のアシル化またはPEG化は、細胞内取り込みを促進する、バイオアベイラビリティを増加させる、血液循環を促進する、薬物動態を変化させる、免疫原性を減少させる、および/または必要とされる投与頻度を減少させる。
一部の実施形態では、本明細書において開示されるステープルペプチドは、(例えば、非ステープルペプチドと比較して)細胞膜を貫通するための強化された能力を有する。
本明細書において記載する安定化ペプチドを合成する方法は当技術分野において公知である。それにもかかわらず、以下の例示的な方法を使用する場合がある。さまざまなステップを、代替の配列または順序で行い、所望の化合物を得てもよいことは理解されるであろう。本明細書において記載する化合物の合成において有用である合成化学的変換および官能基を保護する方法論(保護および脱保護)は、当技術分野において公知であり、例えば、R. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989);T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3d. Ed., John Wiley and Sons (1999);L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994);およびL. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995)、ならびにこれらのその後の版に記載されているものを含む。
本発明のペプチドは、当業者に周知の化学合成方法によって、作製することができる。たとえば、Fields et al., Chapter 3 in Synthetic Peptides: A User's Guide, ed. Grant, W. H. Freeman & Co., New York, N.Y., 1992, p. 77を参照されたい。したがって、ペプチドは、たとえば、Applied Biosystems Peptide Synthesizer Model 430Aまたは431において、側鎖が保護されたアミノ酸を使用して、t-BocまたはFmoc化学のいずれかによって保護されたα-NHを用いた固相合成の自動化されたMerrifield技法を使用して、合成することができる。
本明細書において記載するペプチドを作製する一様式は、固相ペプチド合成(SPPS)を使用することである。C末端アミノ酸は、リンカー分子を用い、酸に不安定な結合を介して架橋ポリスチレン樹脂に結合させる。この樹脂は、合成のために使用する溶媒に不溶性であり、過剰な試薬および副生成物を洗い流すのを比較的単純にかつ迅速にする。N末端は、酸において安定なFmoc基で保護されるが、塩基によって取り外し可能である。任意の側鎖官能基は、塩基で安定であり、酸に不安定な基で保護される。
長いペプチドは、ネイティブケミカルライゲーションを使用して個々の合成ペプチドを連接させることによって作製してもよい。あるいは、長い合成ペプチドは、周知の組換えDNA技術によって合成することができる。そのような技術は、詳細なプロトコール含む周知の標準的なマニュアルとして提供される。本発明のペプチドをコードする遺伝子を構築するために、アミノ酸配列を逆翻訳し、好ましくは遺伝子が発現される生物に最適なコドンを有するアミノ酸配列をコードする核酸配列を得る。次に、合成遺伝子を、典型的には必要に応じてペプチドおよび任意の調節性エレメントをコードするオリゴヌクレオチドを合成することによって作製する。合成遺伝子を、好適なクローニングベクターに挿入し、宿主細胞中にトランスフェクトする。次いで、ペプチドを、選択された発現系および宿主に適切な好適な状態下で発現させる。ペプチドは精製し、標準的な方法によって特徴付ける。
ペプチドは、例えば、Advanced Chemtechから入手可能なハイスループットマルチチャンネルコンビナトリアルシンセサイザーを使用したハイスループット組合せ様式で作製することができる。ペプチド結合は、例えば、ペプチドの生理学的安定性を高めるために、レトロインベルソ結合(C(O)-NH);還元アミド結合(NH-CH);チオメチレン結合(S-CHまたはCH-S);オキソメチレン結合(O-CHまたはCH-O);エチレン結合(CH-CH);チオアミド結合(C(S)-NH);トランス-オレフィン結合(CH=CH);フルオロ置換トランス-オレフィン結合(CF=CH);ケトメチレン結合(C(O)-CHR)またはCHR-C(O)(式中、RはHまたはCHである);およびフルオロケトメチレン結合(C(O)-CFRまたはCFR-C(O)(式中、RはHまたはFまたはCHである)で置き換えることができる。
ポリペプチドは、アセチル化、アミド化、ビオチン化、シンナモイル化、ファルネシル化、フルオレセイン化、ホルミル化、ミリストイル化、パルミトイル化、リン酸化(Ser、TyrまたはThr)、ステアロイル化、スクシニル化およびスルフリル化によってさらに改変することができる。上記で示すように、ペプチドは、例えば、ポリエチレングリコール(PEG);アルキル基(例えば、C1~C20直鎖状または分岐状アルキル基);脂肪酸ラジカル;およびこれらの組合せにコンジュゲートすることができる。さまざまな長さのオレフィン側鎖を含むα、α-二置換非天然アミノ酸は、公知の方法で合成することができる(Williams et al. J. Am. Chem. Soc., 113:9276, 1991;Schafmeister et al., J. Am. Chem Soc., 122:5891, 2000;およびBird et al., Methods Enzymol., 446:369, 2008;Bird et al, Current Protocols in Chemical Biology, 2011)。ペプチドに関しては、i+7個目のステープルに連結したi個目を使用する(ヘリックス2回転が安定化される)場合、a)1個のS5アミノ酸および1個のR8を使用するか、またはb)1個のS8アミノ酸および1個のR5アミノ酸を使用する。R8は、出発キラル助剤がR-アルキル-立体異性体をもたらすことを除いて、同様の経路を使用して合成する。また、8-ヨードオクテンを5-ヨードペンテンの代わりに使用する。阻害剤は、MBHA樹脂上での固相ペプチド合成(SPPS)を使用して固体支持体上で合成する(例えば、WO2010/148335を参照のこと)。
Fmoc-保護されたα-アミノ酸(オレフィンアミノ酸Fmoc-S-OH、Fmoc-R-OH、Fmoc-R-OH、Fmoc-S-OHおよびFmoc-R-OH以外)、2-(6-クロロ-1-H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムヘキサフルオロホスフェート(HCTU)、およびRink Amide MBHAは、例えば、Novabiochem(San Diego、CA)から市販されている。ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリジノン(NMP)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,2-ジクロロエタン(DCE)、フルオロセインイソチオシアネート(FITC)、およびピペリジンは、例えば、Sigma-Aldrichから市販されている。オレフィンアミノ酸合成は、当技術分野において報告されている(Williams et al., Org. Synth., 80:31, 2003)。
本明細書において開示されるステープル化され、精製されたペプチドを得る(例えば、合成する)のに好適な方法もやはり、当技術分野において公知である(例えば、Bird et. al., Methods in Enzymol., 446:369-386 (2008);Bird et al, Current Protocols in Chemical Biology, 2011;Walensky et al., Science, 305:1466-1470 (2004);Schafmeister et al., J. Am. Chem. Soc., 122:5891-5892 (2000);2010年3月18日に出願された米国特許出願公開第12/525,123号;および2010年5月25日に登録された米国特許第7,723,468号を参照されたく、これらそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
一部の実施形態では、ペプチドは、非ステープルペプチド混入物質を実質的に含まないか、または単離されている。ペプチドを精製するための方法としては、例えば、固相支持体上でのペプチド合成がある。環化後、固相支持体は、単離し、溶媒溶液、例えばDMSO、DMSO/ジクロロメタン混合物、またはDMSO/NMP混合物中に懸濁してもよい。DMSO/ジクロロメタンまたはDMSO/NMP混合物は、約30%、40%、50%または60%のDMSOを含んでいてもよい。特定の実施形態では、50%/50%DMSO/NMP溶液を使用する。溶液は、1、6、12または24時間インキュベートしてもよく、その後、樹脂は、例えばジクロロメタンまたはNMPで洗浄してもよい。一実施形態では、樹脂はNMPで洗浄する。振盪および溶液中への不活性ガスのバブリングを行ってもよい。
本発明のステープル(架橋した)ポリペプチドの特性は、たとえば、以下に記載される方法を使用してアッセイすることができる。
α-らせん度を判定するためのアッセイ:化合物を、水溶液中に(例えばpH7の5mMリン酸カリウム溶液または蒸留HO中で25~50μMの濃度に)溶解する。円偏光二色性(CD)スペクトルは、分光偏光計(例えば、Jasco J-710、Aviv)で標準的な測定パラメーター(例えば温度、20℃;波長、190~260nm;ステップ分解、0.5nm;速度、20nm/秒;アキュムレーション(accumulations)、10;応答、1秒;帯域幅、1nm;光路長、0.1cm)を使用して得る。各ペプチドのα-ヘリックス含有量は、残基平均楕円率を、モデルヘリックスのデカペプチドに関する報告値で除算することによって算出する(Yang et al., Methods Enzymol. 130:208 (1986))。
融解温度(Tm)を判定するためのアッセイ:架橋または非改変の鋳型ペプチドを、蒸留HOまたは他の緩衝液または溶媒中に(例えば、50μMの最終濃度で)溶解し、Tmを、温度範囲(例えば4から95℃)にわたる楕円率における変化を標準的なパラメーター(例えば波長222nm;ステップ分解、0.5nm;速度、20nm/秒;アキュムレーション、10;応答、1秒;帯域幅、1nm;温度上昇速度:1℃/分;光路長、0.1cm)を使用した分光偏光計(例えば、Jasco J-710、Aviv)で測定することによって判定する。
in vitroプロテアーゼ抵抗性アッセイ
ペプチド骨格のアミド結合は、プロテアーゼによる加水分解に対する影響を受けやすく、その結果、ペプチド化合物はin vivoでの急速な分解に対して脆弱になる。しかし、典型的には、ペプチドヘリックスが形成されると、アミド骨格が埋まり、および/またはねじれ、および/または遮蔽され、その結果、タンパク質の分解的切断が阻止されるかまたは実質的に遅れる。本発明のペプチド模倣大員環は、in vitro酵素タンパク質(例えばトリプシン、キモトリプシン、ペプシン)分解を行い、分解速度における任意の変化に関して匹敵する非架橋またはその代わりとなるステープルポリペプチドと比較して評価してもよい。例えば、ペプチド模倣大員環および匹敵する非架橋ポリペプチドは、トリプシンアガロースとインキュベートし、遠心分離によってさまざまな時点において反応をクエンチし、その後、HPLC注入し、280nmにおける紫外線吸収によって残留基質を定量化する。簡潔には、ペプチド模倣大員環およびペプチド模倣前駆体(5mcg)をトリプシンアガロース(Pierce)(S/E~125)と0、10、20、90、および180分間インキュベートする。反応を卓上遠心分離によって高速でクエンチし、単離された上澄み中の残りの基質を、HPLCをベースとした280nmにおけるピーク検出によって定量化する。タンパク質分解反応は一次反応を示し、速度定数kは時間に対するln[S]のプロットから判定される。
ペプチド模倣大員環および/または匹敵する非架橋ポリペプチドは、新鮮なマウス、ラットおよび/またはヒト血清(例えば1~2mL)と、37℃で、例えば、0、1、2、4、8、および24時間それぞれインキュベートしてもよい。異なる濃度の大員環試料は、血清を用いた連続希釈によって調製してもよい。完全なままの化合物のレベルを判定するために、以下の手順を使用してもよい:例えば、2mlの遠心分離管に血清100μLを移すことによって試料を抽出し、続いて50%ギ酸10μLおよびアセトニトリル500μLを添加し、14,000RPM、4+/-2℃で10分間遠心分離する。次いで上澄みを新鮮な2mlの管に移し、N下、10psi未満、37℃のTurbovapで蒸発させる。試料を、50:50アセトニトリル:水の100μL中で再構成し、LC-MS/MS分析を行う。ex vivo安定性を試験するための同様のまたは類似の手順は公知であり、血清中の大員環の安定性を判定するために使用してもよい。
in vivoプロテアーゼ抵抗性アッセイ:鍵となるペプチドをステープル化する利点は、プロテアーゼのin vitroでの抵抗性が、in vivoで明らかに改善された薬物動態へ変換されることである。
in vitro結合アッセイ:ペプチド模倣大員環およびペプチド模倣薬前駆体のアクセプタータンパク質に対する結合および親和性を評価するために、例えば、蛍光偏光アッセイ(FPA)を使用することができる。FPA技術によって、偏光および蛍光トレーサーを使用した分子配向および移動性が測定される。偏光で励起された場合、見かけの分子量が大きい分子(例えば、大きいタンパク質に結合するFITC標識ペプチド)に結合している蛍光トレーサー(例えば、FITC)は、小さい分子(例えば、溶液中で遊離しているFITC-標識ペプチド)結合している蛍光トレーサーと比較してその回転速度が低いために、高レベルの偏光蛍光を放出する。
安定化されたNOXAペプチドバリアント
本開示はまた、NOXA SAHBペプチドバリアントも提供する。これらのバリアントは、配列番号39に記載されるアミノ酸配列とは、1つまたは複数のアミノ酸が異なり得る。アミノ酸置換に加えて、C末端および/またはN末端欠失も想起される。
一部の実施形態では、内部架橋したペプチドは、配列番号39のポリペプチドを改変することによって(たとえば、アミノ酸置換によって)作製することができる。そのようなNOXA SAHBバリアントは、配列番号39のペプチドと比べて、またはバリアントペプチドのステープル対応物(すなわち、配列番号39からの変動を有さない、ペプチドのステープルバージョン)と比べて、疎水性および/または全体的な正電荷が低減されたペプチドを含み得る。一部の実施形態では、内部ステープルは、2つのアミノ酸の側鎖と置き換わる、すなわち、それぞれのステープルは、たとえば、3、4、または6アミノ酸離間している2つのアミノ酸の間にある。一部の実施形態では、内部ステッチは、3つのアミノ酸の側鎖と置き換わる、すなわち、ステッチは、たとえば、3および6アミノ酸離間している3つのアミノ酸の間における一対の架橋である。一部の実施形態では、内部ステープルおよび/または内部ステッチは、少なくとも2つの内部ステープルを含む(4つのアミノ酸の側鎖と置き換わる、すなわち、それぞれのステープルは、たとえば、3アミノ酸離間している2つのアミノ酸の間にある)。一部の実施形態では、内部ステープルおよび/または内部ステッチは、少なくとも1つの内部ステープルと内部ステッチとの組合せを含む。一部の実施形態では、内部ステッチは、第1のアミノ酸ならびに第2および第3のアミノ酸の側鎖と置き換わり、それによって、第1のアミノ酸(第2のアミノ酸と第3のアミノ酸との間にある)を、内部架橋によって第2および第3のアミノ酸と架橋させ、ここで、第1および第2のアミノ酸は、2、3、または6アミノ酸離間しており、第1および第3のアミノ酸は、2、3、または6アミノ酸離間しており、第2および第3のアミノ酸は、異なるアミノ酸である。一部の実施形態では、本開示の内部架橋したポリペプチドの4つのアミノ酸の側鎖は、2つの異なる内部ステープルによって置き換えられる。一部の実施形態では、2つの異なる内部ステープルのうちの第1のものが、2、3、または6アミノ酸離間したアミノ酸の第1の対を架橋し、少なくとも2つの異なる内部ステープルのうちの第2のものが、2、3、または6アミノ酸離間したアミノ酸の第2の対を架橋する。一部の実施形態では、本開示の内部架橋したNOXAポリペプチドバリアントは、配列番号39のポリペプチドから調製され、たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、または9個のアミノ酸置換を有する(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、または9個のアミノ酸が、保存的または非保存的に置換されている)。例示的なNOXAステープルペプチドバリアントは、図6および図10に提供される。
一部の事例では、安定化されたペプチドは、安定化されたNOXAペプチドのヘリックスの非相互作用面(すなわち、BFL-1と相互作用しないNOXA BH3ヘリックスの一部)に、1~8個のアミノ酸置換(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、または8個)を有し得る。本明細書に記載されるポリペプチドの「相互作用面」は、BFL-1タンパク質と相互作用する(たとえば、特異的に相互作用するかまたは特異的に結合する)アルファヘリックスのアミノ酸残基を含む。ある特定の事例では、ペプチドは、ペプチドのヘリックスの相互作用面に、1~9個、1~8個、1~7個、1~6個、1~5個、1~4個、1~3個、1~2個、または1個のアミノ置換を有する。一部の事例では、配列番号2~38のペプチドうちのいずれか1つの相互作用面にあるアミノ酸を、別のアミノ酸、たとえば、Ala、もしくはD-Alaなどの誘導体、またはα-アミノイソ酪酸と置き換えることが有用であり得る。ある特定の実施形態では、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換である。一部の事例では、本明細書に記載されるペプチドは、1つまたは複数(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~11、もしくは1~12個)の保存的アミノ酸置換を有する配列番号2~38のうちの1つを含み得る。本明細書に記載されるペプチドのヘリックスの相互作用面にないアミノ酸には、有意な変動性が許容される。たとえば、これらのアミノ酸は、すべてではなくてもほぼすべてが、置換されていてもよい(たとえば、保存的アミノ酸で)。「保存的アミノ酸置換」とは、置換により、1つのアミノ酸が、類似の側鎖を有する別のアミノ酸残基と置き換わることを意味する。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野において定義されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖を有するアミノ酸(たとえば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(たとえば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(たとえば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(たとえば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖を有するアミノ酸(たとえば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(たとえば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。
一部の事例では、本開示のペプチドは、配列番号2~38のアミノ酸配列に対して、少なくとも14%、15%、20%、27%、34%、40%、47%、50%、53%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはまたは97%の同一性を有する配列を含む。ある特定の場合には、アミノ酸配列における変動性は、ヘリックスの非相互作用面にある。一部の場合には、アミノ酸配列における変動性は、ヘリックスの相互作用面にある。ある特定の場合には、アミノ酸配列における変動性は、ヘリックスの非相互作用面および相互作用面の両方にある。ある特定の事例では、A-1、T-2、Q-3、R-5、R-6、F-7、G-8、K-10、L-11、N-12、F-13、R-14、およびQ-15(番号付けは配列番号39による)のうちの1つまたは複数が、置換されている。一部の事例では、置換は、L-アラニン、D-アラニン、またはα-アミノイソ酪酸へのものである。一部の事例では、C末端および/またはN末端における1~5個(たとえば、1、2、3、4、または5個)のアミノ酸が、欠失している。アミノ酸配列間の同一性パーセントを判定するための方法は、当該技術分野において公知である。たとえば、配列は、最適な比較の目的でアライメントされる(たとえば、最適なアライメントのために、ギャップが、第1および第2のアミノ酸または核酸配列のうちの一方または両方に導入されてもよく、非相同配列は、比較目的で、無視してもよい)。好ましい実施形態では、比較目的でアライメントされる参照配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、さらにより好ましくは少なくとも70%、80%、90%、または100%である。対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドが、次いで、比較される。第1の配列における位置が、第2の配列における対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占有されている場合、分子は、その位置において同一である。2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントの判定は、BLAST 2.0プログラムを使用して達成される。配列比較は、ギャップなしのアライメントを使用して、ならびにデフォルトのパラメーター(Blossom 62マトリックス、ギャップ存在コスト11、残基ごとのギャップコスト1、およびラムダ比0.85)を使用して、行われる。BLASTプログラムにおいて使用される数学的アルゴリズムは、Altschul et al. (Nucleic Acids Res. 25:3389-3402, 1997)に記載されている。
ステープルポリペプチドは、内部分子内架橋(または「ステープル」)によって結合された少なくとも2つの改変されたアミノ酸を含み、ここで、この少なくとも2つのアミノ酸は、2、3、または6アミノ酸離間している。本明細書における安定化されたペプチドは、2つのステープルを有するペプチドを含む、ステープルペプチド、および/またはステッチペプチドを含む。少なくとも2つの改変されたアミノ酸は、非天然のアルファ-アミノ酸(α,α-二置換およびN-アルキル化アミノ酸を含むがこれらに限定されない)であってもよい。多数の公知の非天然のアミノ酸が存在し、それらのいずれも、本発明のペプチドに含めることができる。非天然のアミノ酸の一部の例は、4-ヒドロキシプロリン、デスモシン、ガンマ-アミノ酪酸、ベータ-シアノアラニン、ノルバリン、4-(E)-ブテニル-4(R)-メチル-N-メチル-L-スレオニン、N-メチル-L-ロイシン、1-アミノ-シクロプロパンカルボン酸、1-アミノ-2-フェニル-シクロプロパンカルボン酸、1-アミノ-シクロブタンカルボン酸、4-アミノ-シクロペンテンカルボン酸、3-アミノ-シクロヘキサンカルボン酸、4-ピペリジル酢酸、4-アミノ-l-メチルピロール-2-カルボン酸、2,4-ジアミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、2-アミノヘプタン二酸、4-(アミノメチル)安息香酸、4-アミノ安息香酸、オルト、メタ、および/パラ置換フェニルアラニン(たとえば、-C(=O)C、-CF、-CN、-ハロ、-NO2、CHで置換されている)、二置換フェニルアラニン、置換チロシン(たとえば、-Q=O)C、-CF、-CN、-ハロ、-NO、CHでさらに置換されている)、およびスタチンである。
ある特定の実施形態では、ステープルNOXAポリペプチドバリアントは、配列番号22~34のうちのいずれか1つに記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる(N末端ニペコチン酸を含むことなく)。
ある特定の実施形態では、ステープルNOXAポリペプチドバリアントは、配列番号35~38のうちのいずれか1つに記載されているアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる(N末端ニペコチン酸を含むことなく)。
ある特定の実施形態では、ステープルNOXAポリペプチドバリアントは、配列番号94~109のうちのいずれか1つに記載されているアミノ酸配列の構造安定化バージョンを含むかまたはそれからなる。これらのペプチドの構造安定化の非限定的な例は、これらの配列における2、3、または6アミノ酸離間した位置に非天然のアミノ酸を導入することによる炭化水素ステープリングによって達成される。
ある特定の実施形態では、ステープルポリペプチドは、
Figure 2023129587000012
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、
ここで、XおよびXは、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸である。
一部の実施形態では、ステープルポリペプチドバリアントは、
Figure 2023129587000013
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、
ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。
弾頭部を有する安定化されたNOXAペプチド
本開示は、弾頭部、すなわち、求電子性基を有する非天然のアミノ酸などの反応基を含む、安定化されたNOXAペプチドを特徴とする。重要なことに、NOXAペプチドとBFL-1との間の相互作用は、求電子体とBFL-1の55位におけるシステインとの間における共有結合での結合によって強固となるため、これらの弾頭部を含むペプチドは、会合するNOXAペプチドのアミノ酸配列における有意な変動性を可能にする(弾頭部が存在しない場合よりも高い)。したがって、NOXAヘリックスのBFL-1相互作用面における置換を含め、配列番号39に置換および/または欠失が存在する場合であっても、これらの弾頭部を有するペプチドは、BFL-1への結合に有効である可能性が高い。さらに、弾頭部の存在により、NOXAペプチド(たとえば、配列番号39~59のうちのいずれか1つ)のサイズは、長さが低減され得る(たとえば、15個から14、13、12、11、10、9、8、7、6、または5個のアミノ酸へ)。
求電子体は、非天然のアミノ酸に関連して導入され得るだけでなく、安定化された(たとえば、架橋した)NOXAポリペプチドのN末端またはC末端への化学的キャップとしても導入され得る。一部の事例では、求電子体は、安定化されたペプチド内に導入され得る。そのような弾頭部を有する安定化されたペプチドは、それらが相互作用するタンパク質の少なくとも一部と共有結合による結合を形成することができる。たとえば、そのような弾頭部を有するNOXAペプチドは、BFL-1を共有結合で改変し得る(たとえば、BFL-1のC55と共有結合で結合することにより)、BFL-1と非共有結合で相互作用し得る、および/またはMCL-1と非共有結合で相互作用し得る。
弾頭部は、N末端にあってもよく、C末端にあってもよく、またはポリペプチド配列内にあってもよい。一部の場合には、弾頭部は、非天然の求電子体を有するアミノ酸である。ある特定の実施形態では、弾頭部は、アクリルアミドの末端にある3S-1-ピロリジン-3-カルボン酸、アクリルアミドの末端にあるD-ホモプロリン、アクリルアミドの末端にあるL-ホモプロリン、アクリルアミドの末端にあるイソニペコチン酸、アクリルアミドの末端にあるD-ニペコチン酸、アクリルアミドの末端にあるL-ニペコチン酸、アクリルアミドの末端にあるD-プロリン、アクリルアミドの末端にあるL-プロリン、トランス-4-ジメチルアミノクロトン酸、およびアクリル酸からなる群から選択される。
一部の実施形態では、求電子性弾頭部は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である。他の実施形態では、求電子性弾頭部は、システイン反応性部分である。
ある特定の実施形態では、弾頭部は、(S)-1-アクリロイルピロリジン-3-カルボキサミド、1-アクリロピペリジン-4-カルボキサミド、(R)-1 アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(R)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド、およびアクリルアミドからなる群から選択される、求電子性基を有する非天然のアミノ酸である。他の実施形態では、弾頭部は、アミノ酸ではない。たとえば、求電子性部分およびペプチドは、飽和窒素含有複素環(アジリジン、ジアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン)または不飽和窒素含有複素環(アジリン、ジアジリン、アゼト、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ジアジン、オキサジン、チアジン、アゼピン)を介して連結される。ペプチドおよび求電子体はまた、置換アミノ官能化環(たとえば、N-アリールアクリルアミド)、たとえば、フェニル(アニリン)によって、またはより複雑な二環式環もしくは多環式環、たとえば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インドール、イソインドール、インドリジン、キノロン、イソキノリン、キノキサリン、フタルジン、キナゾリン、プリン、カルバゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドールによって、連結されていてもよい。一部の実施形態では、求電子性弾頭部は、アクリルアミド、またはより一般的にはα,β-不飽和カルボニルとして定義されるもの、たとえば、α-シアノアクリルアミド、プロピオルアミド、トランス4-ジメチルアミノ-2-ブテンアミド、もしくはトランス4-ピペリジニル-2-ブテンアミド、または任意の他の置換アクリルアミド、またはN官能化ビニルスルホニル、アルファ-フルオロアセチル、アルファ-クロロアセチル、アルファ-ブロモアセチル、およびアルファ-ヨードアセチル、または他の求電子性部分である。求電子体は、非天然のアミノ酸に関連して導入され得るだけでなく、架橋した(たとえば、ステープル、ステッチ)ポリペプチドのN末端またはC末端への化学的キャップとしても導入され得る。
一態様では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列番号94~109のうちのいずれか1つに記載されるアミノ酸配列を有する。別の態様では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列番号94~109のうちのいずれか1つに記載される配列の5個またはそれを超える(たとえば、5、6、7、8、10、11、12、13、14個の)アミノ酸を含む、アミノ酸配列を有する。別の態様では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列番号94~109のうちのいずれか1つに記載される配列のC末端またはN末端における1~5個の欠失(たとえば、1、2、3、4、5個)を含む、アミノ酸配列を有する。一部の事例では、求電子性弾頭部は、ペプチドのN末端にある。他の事例では、求電子性弾頭部は、ペプチド内にある。
一実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、以下に記載される配列から選択される配列を有する。
Figure 2023129587000014
ある特定の事例では、上記の弾頭部を有する配列は、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化することができる。たとえば、2、3、または6アミノ酸離間した、配列の少なくとも2つのアミノ酸(たとえば、2、3、4、5個)を、ステープルおよび/またはステッチを形成することができる非天然のアミノ酸と置き換えることができる。一部の実施形態では、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である。他の実施形態では、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分である。
一部の実施形態では、ステープルポリペプチドは、
Figure 2023129587000015
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、
ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(求電子体は、化学的キャップとしての機能を果たし得る))。特定の実施形態では、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である。別の特定の実施形態では、「J」は、システイン反応性部分である。
一部の実施形態では、ステープルポリペプチドは、上記または配列番号2~21に列挙されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、非相互作用面における複数の残基(たとえば、1、2、3、4、5、6個)が、Ala(アラニン)、D-Ala(D-アラニン)、Aib(α-アミノイソ酪酸)、Sar(N-メチルグリシン)、およびSer(セリン)、他の置換アラニン、ならびにグリシン誘導体からなる群から選択される残基と置き換えられ得る。加えて、これらの残基のうちの1つまたは複数(たとえば、1、2、3、4、5、6個)は、ペプチドのC末端に付加され得る。一部の事例では、上記のペプチド(配列番号60~75)または配列番号2~21のもののC末端における0~5個のアミノ酸は、Ala(アラニン)、D-Ala(D-アラニン)、Aib(α-アミノイソ酪酸)、Sar(N-メチルグリシン)、およびSer(セリン)、他の置換アラニン、ならびにグリシン誘導体からなる群から選択される残基と置き換えられる。
一部の実施形態では、ステープルポリペプチドは、
Figure 2023129587000016
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなり、
ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である。特定の実施形態では、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である。別の特定の実施形態では、「J」は、システイン反応性部分である。
一部の実施形態では、本開示は、配列番号60~79のうちのいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも14%、15%、20%、27%、34%、40%、47%、50%、53%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または97%同一である、弾頭部を有するNOXAステープルペプチドを特徴とし、ここで、改変されたペプチドは、BFL-1に共有結合で結合する。一部の実施形態では、これらの改変されたペプチドはまた、BFL-1および/またはMCL-1に非共有結合で結合する。一部の実施形態では、これらの改変されたペプチドは、アミノ酸変動の前のステープルNOXAペプチドと比べて低減された疎水性および/または全体的な正電荷を有する。一部の実施形態では、疎水性または正電荷は、独立して、細胞浸透性を最適化するように増強される。一部の実施形態では、これらの改変されたペプチドは、配列番号16のペプチドと比べて低減された疎水性および/または全体的な正電荷を有する。
ある特定の実施形態では、本開示は、配列番号60~79のうちのいずれか1つに記載されるアミノ酸配列と比べて、1~10個(たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個)のアミノ酸置換を有する、弾頭部を有するNOXAステープルペプチドを特徴とし、ここで、改変されたペプチドは、BFL-1に共有結合で結合する。一部の実施形態では、これらの改変されたペプチドはまた、BFL-1および/またはMCL-1に非共有結合で結合する。一部の実施形態では、これらの改変されたペプチドは、アミノ酸置換の前のステープルNOXAペプチドと比べて低減された疎水性および/または全体的な正電荷を有する。一部の実施形態では、これらの改変されたペプチドは、配列番号16のペプチドと比べて低減された疎水性および/または全体的な正電荷を有する。一部の実施形態では、疎水性または正電荷は、独立して、細胞浸透性を最適化するように増強される。
例示的な安定化されたNOXAペプチドバリアントおよび弾頭部を有する安定化されたNOXAペプチド
具体的な実施形態では、ステープルペプチドは、0~6個(すなわち、0、1、2、3、4、5、6個)のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失を有するアミノ酸配列AT8LREFGDXLNFRQ(配列番号46)を含み、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。特定の実施形態では、ステープルペプチドは、上記の「NOXAペプチド」および「安定化されたペプチド」の節に記載される改変のうちの1つまたは複数をさらに含む。別の特定の実施形態では、ステープルペプチドは、アミノ酸配列AT8LREFGDXLNFRQ(配列番号46)からなり、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。ある特定の実施形態では、別のアミノ酸によって置換される配列番号46の0~6個(すなわち、0、1、2、3、4、5、6個)のアミノ酸は、配列番号46のヘリックスのBFL-1/A1非相互作用面にある。一部の実施形態では、配列番号46における0~3個のアミノ酸は、C末端から除去されるか、または除去され、アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群からの1~6個のアミノ酸と置き換えられる。一部の実施形態では、配列番号46の非相互作用面にある0~6個のアミノ酸は、アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている。一部の実施形態では、配列番号46の以下のアミノ酸A1、L4、R5、F7、G8、L11、N12、およびQ15のうちの1つまたは複数は、アルファ-メチル化またはアルファ-エチル化された天然のアミノ酸で置換されている。一部の実施形態では、配列番号46の以下のアミノ酸A1、L4、R5、F7、G8、L11、N12、およびQ15のうちの1つまたは複数は、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている。一部の実施形態では、配列番号46の以下のアミノ酸T2、R6、F13、およびR14のうちの1つまたは複数は、アルファ-メチル化またはアルファ-エチル化された天然のアミノ酸で置換されている。ある特定の実施形態では、配列番号46の以下のアミノ酸T2、R6、F13、およびR14のうちの1つまたは複数は、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている。ある特定の実施形態では、配列番号46の以下のアミノ酸A1、T2、R5、R6、F7、G8、L11、N12、F13、R14、およびQ15のうちの1つまたは複数は、アルファメチルもしくはエチルで改変されているか、またはL-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている。ある特定の事例では、別のアミノ酸によって置換される配列番号46の1~6個のアミノ酸は、配列番号46のヘリックスのBFL-1/A1相互作用面にある。他の事例では、別のアミノ酸によって置換される配列番号46の1~6個のアミノ酸は、配列番号46のヘリックスのBFL-1/A1非相互作用面および相互作用面にある。ある特定の実施形態では、配列番号46の1~6個のアミノ酸は、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている。
別の具体的な実施形態では、ステープルペプチドは、0~6個(すなわち、0、1、2、3、4、5、6個)のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失を有するアミノ酸配列AT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号44)を含み、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。特定の実施形態では、ステープルペプチドは、上記の「NOXAペプチド」および「安定化されたペプチド」の節に記載される改変のうちの1つまたは複数をさらに含む。別の特定の実施形態では、ステープルペプチドは、アミノ酸配列AT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号44)からなり、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。ある特定の実施形態では、別のアミノ酸によって置換される配列番号44の0~6個(すなわち、0、1、2、3、4、5、6個)のアミノ酸は、配列番号44のヘリックスのBFL-1/A1非相互作用面にある。一部の実施形態では、配列番号44における0~3個のアミノ酸は、C末端から除去されるか、または除去され、アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群からの1~6個のアミノ酸と置き換えられる。一部の実施形態では、配列番号44の非相互作用面にある0~6個のアミノ酸は、アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている。一部の実施形態では、配列番号44の以下のアミノ酸A1、L4、R5、G8、L11、N12、およびQ15のうちの1つまたは複数は、アルファ-メチル化またはアルファ-エチル化された天然のアミノ酸で置換されている。一部の実施形態では、配列番号44の以下のアミノ酸A1、L4、R5、G8、L11、N12、およびQ15のうちの1つまたは複数は、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている。一部の実施形態では、配列番号44の以下のアミノ酸T2、R6、F13、およびR14のうちの1つまたは複数は、アルファ-メチル化またはアルファ-エチル化された天然のアミノ酸で置換されている。ある特定の実施形態では、配列番号44の以下のアミノ酸T2、R6、F13、およびR14のうちの1つまたは複数は、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている。ある特定の実施形態では、配列番号44の以下のアミノ酸A1、T2、R5、R6、G8、L11、N12、F13、R14、およびQ15のうちの1つまたは複数は、アルファメチルもしくはエチルで改変されているか、またはL-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている。ある特定の事例では、別のアミノ酸によって置換される配列番号44の1~6個のアミノ酸は、配列番号44のヘリックスのBFL-1/A1相互作用面にある。他の事例では、別のアミノ酸によって置換される配列番号44の1~6個のアミノ酸は、配列番号44のヘリックスのBFL-1/A1非相互作用面および相互作用面にある。ある特定の実施形態では、配列番号44の1~6個のアミノ酸は、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている。
別の具体的な実施形態では、ペプチドは、本明細書に記載される、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドである。たとえば、上記の配列番号46、44のペプチド、またはそれらのバリアントは、非天然の求電子体含有アミノ酸またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体は、化学的キャップとしての機能を果たし得る)(たとえば、システイン反応性部分、システイン反応性D-ニペコチン酸部分)を含むように改変されている。
具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、0~6個(すなわち、0、1、2、3、4、5、6個)のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失(上述の通り)を有する配列JATQLREFGDKLNFRQ(配列番号128)を含み、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、0~6個(すなわち、0、1、2、3、4、5、6個)のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失(上述の通り)を有する配列JATXLREFGDXLNFRQ(配列番号62)を含み、ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体は、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分である、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、0~6個(すなわち、0、1、2、3、4、5、6個)のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失(上述の通り)を有する配列JAT8LREFGDXLNFRQ(配列番号78)を含み、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」はシステイン反応性部分である、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチド(配列番号62または78または128)は、上記の「NOXAペプチド」および「安定化されたペプチド」の節に記載される改変のうちの1つまたは複数をさらに含む。
具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、0~6個(すなわち、0、1、2、3、4、5、6個)のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失(上述の通り)を有する配列JATQLREFGDKLNFRQ(配列番号128)からなり、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、0~6個(すなわち、0、1、2、3、4、5、6個)のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失(上述の通り)を有する配列JATXLREFGDXLNFRQ(配列番号62)からなり、ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体は、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分である、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、0~6個(すなわち、0、1、2、3、4、5、6個)のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失(上述の通り)を有する配列JAT8LREFGDXLNFRQ(配列番号78)からなり、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」はシステイン反応性部分である、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。
別の具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATQLRRAGDKLNFRQ(配列番号126)を含み、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、JATXLRRAGDXLNFRQ(配列番号60)を含み、ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体は、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JAT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号76)を含み、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチド(配列番号60または76または126)は、上記の「NOXAペプチド」および「安定化されたペプチド」の節に記載される改変のうちの1つまたは複数をさらに含む。別の具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATQLRRAGDKLNFRQ(配列番号126)からなり、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、JATXLRRAGDXLNFRQ(配列番号60)からなり、ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体は、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JAT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号76)からなり、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。
処置の方法
本開示は、がん、自己免疫疾患、または炎症性疾患の予防および/または処置に、本明細書に記載される安定化されたペプチド(または安定化されたペプチドを含む医薬組成物)のうちのいずれかを使用する方法を特徴とする。「処置する」または「処置すること」という用語は、本明細書で使用される場合、対象が罹患している疾患または状態を軽減、阻害、または緩和することを指す。
本明細書に記載されるペプチドは、BFL-1を発現するがんを有するヒト対象を処置するのに有用であり得る。本明細書に記載されるペプチドはまた、BFL-1依存性のがんを有するヒト対象を処置するのにも有用であり得る。ある特定の実施形態では、がんは、固形腫瘍または液性腫瘍である。ある特定の実施形態では、BFL-1依存性のがんは、黒色腫、白血病、リンパ腫、または他の造血系悪性腫瘍もしくは固形腫瘍である。ある特定の実施形態では、造血系悪性腫瘍は、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄異形成症候群、または多発性骨髄腫である。ある特定の実施形態では、BFL-1依存性のがんは、乳がん、自律神経節がん、膵臓がん、皮膚がん、CNSがん、造血系もしくはリンパ系のがん、肺がん、大腸がん、胃がん、軟組織肉腫、または骨がんである。ある特定の事例では、固形腫瘍は、黒色腫、乳がん、または肺がんである。一部の実施形態では、BFL-1を発現するかまたはそれに依存性の細胞は、細胞過剰性疾患に特徴的な自己免疫疾患または他の炎症性状態を引き起こす。ある特定の事例では、自己免疫疾患は、自己免疫性大腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、脈管炎、全身性エリテマトーデス、糖尿病、またはシェーグレン病である。一部の事例では、炎症性疾患は、喘息、乾癬、炎症性大腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、または脈管炎である。具体的な実施形態では、BFL-1依存性のがんは、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄異形成症候群、または多発性骨髄腫である。
本明細書に記載されるペプチドは、MCL-1を発現するがんを有するヒト対象を処置するのに有用であり得る。本明細書に記載されるペプチドはまた、MCL-1依存性のがんを有するヒト対象を処置するのにも有用であり得る。ある特定の実施形態では、MCL-1依存性のがんは、黒色腫、白血病、リンパ腫、または他の造血系悪性腫瘍もしくは固形腫瘍である。ある特定の実施形態では、造血系悪性腫瘍は、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄異形成症候群、または多発性骨髄腫である。ある特定の事例では、固形腫瘍は、黒色腫、乳がん、または肺がんである。一部の実施形態では、BFL-1を発現するかまたはそれに依存性の細胞は、細胞過剰性疾患に特徴的な自己免疫疾患または他の炎症性状態を引き起こす。ある特定の事例では、自己免疫疾患は、自己免疫性大腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、脈管炎、全身性エリテマトーデス、糖尿病、またはシェーグレン病である。一部の事例では、炎症性疾患は、喘息、乾癬、炎症性大腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、または脈管炎である。具体的な実施形態では、MCL-1依存性のがんは、急性骨髄性白血病である。
本明細書に記載されるペプチドは、BFL-1およびMCL-1を共発現するがんを有するヒト対象を処置するのに有用であり得る。本明細書に記載されるペプチドはまた、BFL-1およびMCL-1依存性のがんを有するヒト対象を処置するのにも有用であり得る。ある特定の実施形態では、BFL-1およびMCL-1依存性のがんは、黒色腫、白血病、リンパ腫、または他の造血系悪性腫瘍もしくは固形腫瘍である。ある特定の実施形態では、造血系悪性腫瘍は、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄異形成症候群、または多発性骨髄腫である。ある特定の事例では、固形腫瘍は、黒色腫、乳がん、または肺がんである。一部の実施形態では、BFL-1を発現するかまたはそれに依存性の細胞は、細胞過剰性疾患に特徴的な自己免疫疾患または他の炎症性状態を引き起こす。ある特定の事例では、自己免疫疾患は、自己免疫性大腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、脈管炎、全身性エリテマトーデス、糖尿病、またはシェーグレン病である。一部の事例では、炎症性疾患は、喘息、乾癬、炎症性大腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、または脈管炎である。具体的な実施形態では、BFL-1およびMCL-1依存性のがんは、急性骨髄性白血病である。
ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16および配列番号60~79からなる群から選択されるペプチドが投与される。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号62のペプチドが投与される。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号60のペプチドが投与される。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16および配列番号60~79からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも14%、15%、20%、27%、34%、40%、47%、50%、53%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または97%同一であるペプチドが投与される。
具体的な実施形態では、それを必要とするヒト対象に、ペプチドAT8LREFGDXLNFRQ(配列番号46)が投与され、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。具体的な実施形態では、それを必要とするヒト対象に、ペプチドAT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号44)が投与され、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。具体的な実施形態では、それを必要とするヒト対象に、本明細書に記載されるBFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドが投与される。具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATQLREFGDKLNFRQ(配列番号128)を有し、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATXLREFGDXLNFRQ(配列番号62)を有し、ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体は、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JAT8LREFGDXLNFRQ(配列番号78)を有し、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATQLRRAGDKLNFRQ(配列番号126)を有し、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、JATXLRRAGDXLNFRQ(配列番号60)を有し、ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体は、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JAT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号76)を有し、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。当業者であれば、閉環メタセシス反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、2つの非天然のアミノ酸を含むペプチドについて、閉環メタセシス反応は、ペプチド(すなわち、安定化されたペプチド)を、処置を必要とする対象に投与する前に、ペプチドに行われていることを理解するであろう。換言すると、2つの非天然のアミノ酸の共有結合での結合により産生された架橋した環が、安定化されたペプチドを対象に投与する前に、安定化されたペプチドに存在しているであろう。
一部の事例では、それを必要とするヒト対象に、本明細書に開示されるNOXA安定化ペプチド、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤が、共投与される。DNA損傷応答経路メンバーの非限定的な例としては、血管拡張性失調症変異(ATM)キナーゼ、血管拡張性失調症およびrad3関連(ATR)キナーゼ、チェックポイントキナーゼ1(CHK1)、チェックポイントキナーゼ2(CHK2)、およびポリ(ADP-リボースポリメラーゼ(PARP)が挙げられる。一部の事例では、それを必要とするヒト対象に、本明細書に開示されるNOXA安定化ペプチド、ATMキナーゼまたはATRキナーゼ阻害剤が、共投与される。ATMおよびATRキナーゼ阻害剤は、当該技術分野において公知である(たとえば、Weber et al., Pharmacology & Therapeutics, 149:124-0138 (2015)、Awasthi et al., J Cell Sci 2015 128: 4255-4262を参照されたい)。ATM阻害剤の非限定的な例としては、KU-559403、KU-55933、KU-60019、CP-466722、CGK733、およびAZD0156が挙げられる。一部の事例では、それを必要とするヒト対象に、本明細書に開示されるNOXA安定化ペプチド、チェックポイントキナーゼ1/チェックポイントキナーゼ2(CHK1/2)阻害剤が、共投与される。CHK1/2阻害剤は、当該技術分野において公知である(たとえば、Zabludoff et al., 2008; Anderson, V. E. et al. Cancer Res 71, 463-472, doi:10.1158/0008-5472.CAN-10-1252 (2011)、Scagliotti, G. et al. Invest New Drugs 34, 625-635, doi:10.1007/s10637-016-0368-1 (2016)、Hong, D. et al. J Clin Oncol 34, 1764-1771, doi:10.1200/JCO.2015.64.5788 (2016)、Jobson, A. G. et al. Pharmacol 72, 876-884, doi:10.1124/mol.107.035832 (2007)、Smaill, J. B. et al. Eur J Med Chem 43, 1276-1296, doi:10.1016/j.ejmech.2007.07.016 (2008)、Jackson, J. R. et al. Cancer Res 60, 566-572 (2000)、Teng, M. et al. J Med Chem 50, 5253 (2007)、Booth, L. et al. 786-796 (2018)を参照されたい)。CHK1/2阻害剤の非限定的な例としては、AZD7762(CHK1/2)、CCT 241533(CHK2)、LY 2603618(CHK1)、LY 2606368(CHK1/2)、NSC 109555ジトシレート(CHK2)、PD 407824(CHKE1)、PF47736(CHEK1)、SB 218078(CHK1)、TCS 2312(CHK1)、およびSRA737(CHK1)が挙げられる。一部の事例では、それを必要とするヒト対象に、本明細書に開示されるNOXA安定化ペプチド、PARP阻害剤が、共投与される。PARP阻害剤は、当該技術分野において公知である(たとえば、Menear et al., 2008、Penning, T. D. et al. J Med Chem 53, 3142-3153, doi:10.1021/jm901775y (2010)、Donawho, C. K. et al. Clin Cancer Res 13, 2728-2737, doi:10.1158/1078-0432.CCR-06-3039 (2007)、Daniel, R. A. et al. Clin Cancer Res 15, 1241-1249, doi:10.1158/1078-0432.CCR-08-1095 (2009)、Curtin, N. J. e. a. Clin Cancer Res 10, 881-889 (2004)、Liu, X. et al. Clin Cancer Res 18, 510-523, doi:10.1158/1078-0432.CCR-11-1973 (2012)、Brock, W. A. et al. Cancer Lett 205, 155-160, doi:10.1016/j.canlet.2003.10.029 (2004)、Bridges, B. A. et al. Oncotarget 5, 5076-5086 (2014)、Laird, J. H. et al. Clin Cancer Res 24, 5143-5152, doi:10.1158/1078-0432.CCR-18-0401 (2018)、Oplustil O’Connor, L. et al. Cancer Res 76, 6084-6094, doi:10.1158/0008-5472.CAN-15-3240 (2016)、McGonigle, S. et al. Oncotarget 6, 41307-41323 (2015)を参照されたい)。PARP阻害剤の非限定的な例としては、オラパリブ、A-966492、ベリパリブ、ルカパリブ、AG-14361、イニパリブ、INO-1001、ニラパリブ、タラゾパリブ、AZD2461、2X-121、BMN 673(タラゾパリブ)、およびE7449が挙げられる。
ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16、ならびに配列番号60~79、151、および153からなる群から選択されるペプチド、ならびにDNA損傷応答経路メンバーの阻害剤が、投与される。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16、ならびに配列番号60~79、151、および153からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも14%、15%、20%、27%、34%、40%、47%、50%、53%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または97%同一であるペプチド、ならびにDNA損傷応答経路メンバーの阻害剤が、投与される。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16、ならびに配列番号60~79、151、および153からなる群から選択されるペプチド、ならびにATM阻害剤またはATRキナーゼ阻害剤が、投与される。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16、ならびに配列番号60~79、151、および153からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも14%、15%、20%、27%、34%、40%、47%、50%、53%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または97%同一であるペプチド、ならびにATMキナーゼまたはATRキナーゼ阻害剤が、投与される。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16、ならびに配列番号60~79、151、および153からなる群から選択されるペプチド、ならびにCHK1/2阻害剤またはPARP阻害剤が、投与される。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16、ならびに配列番号60~79、151、および153からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも14%、15%、20%、27%、34%、40%、47%、50%、53%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または97%同一であるペプチド、ならびにCHK1/2阻害剤またはPARP阻害剤が、投与される。
ある特定の実施形態では、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤(たとえば、ATM阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、またはPARP阻害剤)とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、AT8LREFGDXLNFRQ(配列番号46)であり、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。具体的な実施形態では、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤(たとえば、ATM阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、またはPARP阻害剤)とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、AT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号44)であり、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。具体的な実施形態では、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤(たとえば、ATM阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、またはPARP阻害剤)とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、本明細書に記載されるBFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドである。具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATQLREFGDKLNFRQ(配列番号128)を有し、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATX1LREFGDX2LNFRQ(配列番号62)を有し、ここで、「X1」および「X2」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体は、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JAT8LREFGDXLNFRQ(配列番号78)を有し、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATQLRRAGDKLNFRQ(配列番号126)を有し、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、JATX1LRRAGDX2LNFRQ(配列番号60)を有し、ここで、「X1」および「X2」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体は、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JAT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号76)を有し、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。当業者であれば、閉環メタセシス反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、2つの非天然のアミノ酸を含むペプチドについて、閉環メタセシス反応は、ペプチド(すなわち、安定化されたペプチド)を、処置を必要とする対象に投与する前に、ペプチドに行われていることを理解するであろう。換言すると、2つの非天然のアミノ酸の共有結合での結合により産生された架橋した環が、安定化されたペプチドを対象に投与する前に、安定化されたペプチドに存在しているであろう。
一部の事例では、それを必要とするヒト対象(たとえば、BFL-1およびMCL-1の両方を発現するかまたはそれに依存性のがんを有するヒト対象)に、本明細書に開示されるNOXA安定化ペプチド、MCL-1の阻害剤が、共投与される。MCL-1阻害剤は、当該技術分野において公知である(たとえば、臨床試験識別番号NCT02979366、Kotschy et al. Nature, 538(7626):477-482 (2016)、Ayaz et al. ACS Chem Biol, 11(6):1710-1719 (2016)、臨床試験識別番号NCT02992483、臨床試験識別番号NCT03465540、Caenepeel et al.,Proceedings: AACR Annual Meeting 2017, DOI: 10.1158/1538-7445.AM2017-2027を参照されたい)。MCL-1阻害剤の非限定的な例としては、S64315、S63845、BAY 1000394、MIK665、AMG397、およびAMG176が挙げられる。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16、ならびに配列番号60~79、151、および153からなる群から選択されるペプチド、ならびにMCL-1阻害剤が投与される。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16、ならびに配列番号60~79、151、および153からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも14%、15%、20%、27%、34%、40%、47%、50%、53%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または97%同一であるペプチド、ならびにMCL-1阻害剤が投与される。ある特定の実施形態では、MCL-1阻害剤とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、AT8LREFGDXLNFRQ(配列番号46)、であり、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。具体的な実施形態では、MCL-1阻害剤とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、AT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号44)、であり、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。具体的な実施形態では、MCL-1阻害剤とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、本明細書に記載されるBFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドである。具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATQLREFGDKLNFRQ(配列番号128)を有し、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATXLREFGDXLNFRQ(配列番号62)を有し、ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体が、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JAT8LREFGDXLNFRQ(配列番号78)を有し、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATQLRRAGDKLNFRQ(配列番号126)を有し、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、JATXLRRAGDXLNFRQ(配列番号60)を有し、ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体が、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JAT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号76)を有し、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体を含むアミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。当業者であれば、閉環メタセシス反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、2つの非天然のアミノ酸を含むペプチドについて、閉環メタセシス反応は、ペプチド(すなわち、安定化されたペプチド)を、処置を必要とする対象に投与する前に、ペプチドに行われていることを理解するであろう。換言すると、2つの非天然のアミノ酸の共有結合での結合により産生された架橋した環が、安定化されたペプチドを対象に投与する前に、安定化されたペプチドに存在しているであろう。
一部の事例では、それを必要とするヒト対象(たとえば、BFL-1およびBCL-2の両方を発現するかまたはそれに依存性のがんを有するヒト対象)に、本明細書に開示されるNOXA安定化ペプチド、BCL-2の阻害剤が、共投与される。BCL-2阻害剤は、当該技術分野において公知である(たとえば、Roberts et al. N Engl J Med 374(4):311-322 (2016)を参照されたい)。BCL-2阻害剤の例は、ベネトクラックスである。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16、ならびに配列番号60~79、151、および153からなる群から選択されるペプチド、ならびにBCL-2阻害剤が投与される。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16、ならびに配列番号60~79、151、および153からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも14%、15%、20%、27%、34%、40%、47%、50%、53%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または97%同一であるペプチド、ならびにBCL-2阻害剤が投与される。ある特定の実施形態では、BCL-2阻害剤とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、AT8LREFGDXLNFRQ(配列番号46)、であり、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。具体的な実施形態では、BCL-2阻害剤とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、AT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号44)、であり、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。具体的な実施形態では、BCL-2阻害剤とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、本明細書に記載されるBFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドである。具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATQLREFGDKLNFRQ(配列番号128)を有し、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATXLREFGDXLNFRQ(配列番号62)を有し、ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体が、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JAT8LREFGDXLNFRQ(配列番号78)を有し、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATQLRRAGDKLNFRQ(配列番号126)を有し、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、JATXLRRAGDXLNFRQ(配列番号60)を有し、ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体が、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JAT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号76)を有し、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体を含むアミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。当業者であれば、閉環メタセシス反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、2つの非天然のアミノ酸を含むペプチドについて、閉環メタセシス反応は、ペプチド(すなわち、安定化されたペプチド)を、処置を必要とする対象に投与する前に、ペプチドに行われていることを理解するであろう。換言すると、2つの非天然のアミノ酸の共有結合での結合により産生された架橋した環が、安定化されたペプチドを対象に投与する前に、安定化されたペプチドに存在しているであろう。
一部の事例では、それを必要とするヒト対象(たとえば、BFL-1およびBCL-XLの両方を発現するかまたはそれに依存性のがんを有するヒト対象)に、本明細書に開示されるNOXA安定化ペプチド、BCL-XLの阻害剤が、共投与される。BCL-XL阻害剤は、当該技術分野において公知である(たとえば、Zhu et al. Aging Cell; 15(3):428-35 (2016)を参照されたい)。BCL-XL阻害剤の例は、ナビトクラックスである。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16、ならびに配列番号60~79、151、および153からなる群から選択されるペプチド、ならびにBCL-XL阻害剤が投与される。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16、ならびに配列番号60~79、151、および153からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも14%、15%、20%、27%、34%、40%、47%、50%、53%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または97%同一であるペプチド、ならびにBCL-XL阻害剤が投与される。ある特定の実施形態では、BCL-XL阻害剤とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、AT8LREFGDXLNFRQ(配列番号46)、であり、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。具体的な実施形態では、BCL-XL阻害剤とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、AT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号44)、であり、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。具体的な実施形態では、BCL-XL阻害剤とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、本明細書に記載されるBFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドである。具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATQLREFGDKLNFRQ(配列番号128)を有し、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATXLREFGDXLNFRQ(配列番号62)を有し、ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体が、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JAT8LREFGDXLNFRQ(配列番号78)を有し、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATQLRRAGDKLNFRQ(配列番号126)を有し、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、JATXLRRAGDXLNFRQ(配列番号60)を有し、ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体が、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JAT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号76)を有し、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体を含むアミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。当業者であれば、閉環メタセシス反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、2つの非天然のアミノ酸を含むペプチドについて、閉環メタセシス反応は、ペプチド(すなわち、安定化されたペプチド)を、処置を必要とする対象に投与する前に、ペプチドに行われていることを理解するであろう。換言すると、2つの非天然のアミノ酸の共有結合での結合により産生された架橋した環が、安定化されたペプチドを対象に投与する前に、安定化されたペプチドに存在しているであろう。
一部の事例では、それを必要とするヒト対象(たとえば、BFL-1、ならびにBCL-XL、BCL-2、および/またはMCL-1を発現するかまたはそれに依存性のがんを有するヒト対象)に、本明細書に開示されるNOXA安定化ペプチド、BCL-XL、BCL-2、および/またはMCL-1の阻害剤が、共投与される。一部の事例では、それを必要とするヒト対象(たとえば、BFL-1、BCL-XL、BCL-2、およびMCL-1のそれぞれを発現するかまたはそれに依存性のがんを有するヒト対象)に、本明細書に開示されるNOXA安定化ペプチド、BCL-XL、BCL-2、およびMCL-1の阻害剤が、共投与される。一部の事例では、それを必要とするヒト対象(たとえば、BFL-1、BCL-XL、およびBCL-2のそれぞれを発現するかまたはそれに依存性のがんを有するヒト対象)に、本明細書に開示されるNOXA安定化ペプチド、BCL-XLおよびBCL-2の阻害剤が、共投与される。一部の事例では、それを必要とするヒト対象(たとえば、BFL-1、BCL-XL、およびMCL-1のそれぞれを発現するかまたはそれに依存性のがんを有するヒト対象)に、本明細書に開示されるNOXA安定化ペプチド、BCL-XLおよびMCL-1の阻害剤が、共投与される。一部の事例では、それを必要とするヒト対象(たとえば、BFL-1、BCL-2、およびMCL-1のそれぞれを発現するかまたはそれに依存性のがんを有するヒト対象)に、本明細書に開示されるNOXA安定化ペプチド、BCL-2およびMCL-1の阻害剤が、共投与される。BCL-XL阻害剤は、当該技術分野において公知である(たとえば、Zhu et al. Aging Cell; 15(3):428-35 (2016)を参照されたい)。BCL-XL阻害剤の例は、ナビトクラックスである。BCL-2阻害剤は、当該技術分野において公知である(たとえば、Roberts et al. N Engl J Med 374(4):311-322 (2016)を参照されたい)。BCL-2阻害剤の例は、ベネトクラックスである。MCL-1阻害剤は、当該技術分野において公知である(たとえば、臨床試験識別番号NCT02979366、Kotschy et al. Nature, 538(7626):477-482 (2016)、Ayaz et al. ACS Chem Biol, 11(6):1710-1719 (2016)、臨床試験識別番号NCT02992483、臨床試験識別番号NCT03465540、Caenepeel et al.,Proceedings、AACR Annual Meeting 2017, DOI: 10.1158/1538-7445.AM2017-2027を参照されたい)。MCL-1阻害剤の非限定的な例としては、S64315、S63845、BAY 1000394、MIK665、AMG397、およびAMG176が挙げられる。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16、ならびに配列番号60~79、151、および153からなる群から選択されるペプチド、ならびにBCL-XL阻害剤、BCL-2阻害剤、および/またはMCL-1阻害剤が、投与される。ある特定の実施形態では、それを必要とするヒト対象に、配列番号16、ならびに配列番号60~79、151、および153からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも14%、15%、20%、27%、34%、40%、47%、50%、53%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または97%同一であるペプチド、ならびにBCL-XL阻害剤、BCL-2阻害剤、および/またはMCL-1阻害剤が投与される。ある特定の実施形態では、BCL-XL阻害剤、BCL-2阻害剤、および/またはMCL-1阻害剤とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、AT8LREFGDXLNFRQ(配列番号46)、であり、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。具体的な実施形態では、BCL-XL阻害剤、BCL-2阻害剤、および/またはMCL-1阻害剤とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、AT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号44)、であり、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンである。具体的な実施形態では、BCL-XL阻害剤、BCL-2阻害剤、および/またはMCL-1阻害剤とともにそれを必要とするヒト対象に共投与されるペプチドは、本明細書に記載されるBFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドである。具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATQLREFGDKLNFRQ(配列番号128)を有し、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATXLREFGDXLNFRQ(配列番号62)を有し、ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体は、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JAT8LREFGDXLNFRQ(配列番号78)を有し、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の具体的な実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JATQLRRAGDKLNFRQ(配列番号126)を有し、ここで、ペプチドは、当該技術分野において公知の任意の方法によって構造安定化されており、求電子性弾頭部(J)は、システイン反応性部分(たとえば、D-ニペコチン酸部分)である。特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、JATXLRRAGDXLNFRQ(配列番号60)を有し、ここで、「X」および「X」は、閉環メタセシス(RCM)反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、非天然のアミノ酸であり、「J」は、非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部(求電子体は、化学的キャップとしての機能を果たし得る)である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。別の特定の実施形態では、BFL-1に結合する弾頭部を有するNOXAペプチドは、配列JAT8LRRAGDXLNFRQ(配列番号76)を有し、ここで、「8」=R-オクテニルアラニンであり、「X」=S-ペンテニルアラニンであり、「J」=非天然の求電子体含有アミノ酸であるか、またはアミノ酸ではない部分に関連して提示される求電子性弾頭部である(たとえば、「J」は、システイン反応性部分であり、たとえば、「J」は、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である)。当業者であれば、閉環メタセシス反応を使用して共有結合で結合(「一緒にステープル」)して、架橋した環を形成することができる、2つの非天然のアミノ酸を含むペプチドについて、閉環メタセシス反応は、ペプチド(すなわち、安定化されたペプチド)を、処置を必要とする対象に投与する前に、ペプチドに行われていることを理解するであろう。換言すると、2つの非天然のアミノ酸の共有結合での結合により産生された架橋した環が、安定化されたペプチドを対象に投与する前に、安定化されたペプチドに存在しているであろう。
一部の実施形態では、ヒト対象は、MCL-1および/またはBFL-1発現/依存性のがん(たとえば、黒色腫、白血病、リンパ腫、または他の造血系悪性腫瘍もしくは固形腫瘍、または本明細書に記載される別のがんを有する。一部の場合には、固形腫瘍は、黒色腫、乳がん、または肺がんである。一部の実施形態では、BFL-1を発現するかまたはそれに依存性の細胞は、細胞過剰性疾患に特徴的な自己免疫疾患または他の炎症性状態を引き起こす。)ある特定の事例では、自己免疫疾患は、自己免疫性大腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、脈管炎、全身性エリテマトーデス、糖尿病、またはシェーグレン病である。一部の事例では、炎症性疾患は、喘息、乾癬、炎症性大腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、または脈管炎である。具体的な実施形態では、ヒト対象は、AMLを有する。
一般に、方法は、対象を選択すること、ならびにがん、たとえば、黒色腫またはリンパ腫の予防または処置のために、対象に、有効量の、本明細書のペプチドのうちの1つまたは複数を、たとえば、医薬組成物においてまたは医薬組成物として、投与すること、ならびに必要に応じて投与を適宜繰り返すことを含み、これは、経口、静脈内、または局所で投与され得る。対象は、たとえば、対象が、BFL-1を発現するがんを有することの判定、対象が、MCL-1を発現するがんを有することの判定、または対象がBFL-1およびMCL-1の両方を発現するがんを有することの判定に基づいて、処置に選択され得る。本開示のペプチドは、対象のがんがBFL-1を発現するかを判定するため、または対象のがんがBFL-1に依存性であるかを判定するために、使用することができる。
任意の特定の患者に関する特異的投薬量および処置レジメンは、さまざまな因子に左右されることになり、その因子としては、用いられる特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時間、排泄速度、薬物の組合せ、疾患、状態または症状の重症度および経過、疾患に対する患者の傾向、状態または症状、ならびに処置する医師の判断がある。
有効量は、1回または複数回の投与、適用または投薬として投与してもよい。治療有効量の治療化合物(すなわち、有効投薬量)は、選択される治療化合物に依存する。組成物は、1日当たり1回または複数回から1週当たり1回または複数回、投与することができ、隔日で1回を含む。当業者であれば、これらに限定されないが、疾患または障害の重症度、治療歴、対象の全身的な健康および/または年齢、ならびに存在する他の疾患を含むある特定の因子が、対象を効果的に処置するために必須の投薬量およびタイミングに影響を与える場合があることは理解するであろう。更に、本明細書において記載する治療有効量の治療化合物を用いた対象の処置は、単回の処置または一連の処置を含んでいてもよい。例えば、有効量を、少なくとも一回投与してもよい。
医薬組成物
本明細書に記載される安定化されたペプチドのいずれかのうちの1つまたは複数(たとえば、配列番号2~38、ならびに60~79、151、および153のうちの1つまたは複数)は、使用のために、医薬組成物としてまたは医薬組成物において製剤化することができる。医薬組成物は、本明細書に記載される処置の方法(上記を参照されたい)において使用することができる。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、1~10個、1~9個、1~8個、1~7個、1~6個、1~5個、1~4個、1~3個、1~2個、または1個のアミノ酸置換、挿入、または欠失を除き、配列番号2~38および60~79に記載されるアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を含む。アミノ酸配列に対するこれらの変化は、これらのペプチドのBFL-1非相互作用アルファヘリックス面および/またはBFL-1相互作用アルファヘリックス面において行われ得る。そのような組成物は、任意の経路、たとえば、Food and Drug Administration(FDA)によって承認されている任意の経路を介した対象への投与のために製剤化または適合され得る。例示的な方法は、FDAのCDER Data Standards Manual、バージョン番号004(fda.give/cder/dsm/DRG/drg00301.htmにおいて入手できる)に記載されている。たとえば、組成物は、吸入による投与(たとえば、経口および/もしくは鼻内吸入(たとえば、ネブライザーもしくはスプレーによる))、注射による投与(たとえば、静脈内、動脈内、真皮下、腹腔内、筋肉内、および/もしくは皮下)、ならびに/または経口投与、経粘膜投与、および/もしくは局所投与(局所(たとえば、鼻内)スプレーおよび/もしくは溶液を含む)のために製剤化または適合され得る。
一部の場合では、医薬組成物は、有効量の1個または複数の安定化ペプチドを含んでいてもよい。「有効量」および「処置に有効な」という用語は、本明細書で使用される場合、意図する効果または生理学的アウトカムをもたらすためのその投与(例えば、感染症の処置)の背景内で有効な期間(急性または慢性投与および周期的または連続的投与を含む)で利用される、本明細書において記載する1個または複数の化合物または医薬組成物の量または濃度を指す。
本発明の医薬組成物は、1つまたは複数のペプチドと、任意の薬学的に許容される担体および/またはビヒクルとを含み得る。一部の事例では、医薬は、1つまたは複数の追加の治療剤を、疾患または疾患症状のモジュレーションを達成するのに有効な量で、さらに含み得る。たとえば、医薬組成物は、ATMまたはATR阻害剤を含み得る。ATMキナーゼ阻害剤の非限定的な例としては、KU-559403、KU-55933、KU-60019、CP-466722、CGK733、およびAZD0156が挙げられる。ATRキナーゼ阻害剤の非限定的な例としては、シサンドリンB、NU6027、NVP-BEZ235、VE-821、VE-822/VX-970、AZ20、およびAZD6738が挙げられる。
「薬学的に許容される担体またはアジュバント」という用語は、本発明の化合物とともに患者に投与してもよく、その薬理学的活性を破壊せず、治療量の化合物を送達するのに十分な用量で投与した場合に非毒性である担体またはアジュバントを指す。
本発明の医薬組成物において使用してもよい薬学的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルとしては、これらに限定されるものではないが、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化薬物送達系(SEDDS)、例えばd-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート、医薬品投薬形態において使用する界面活性剤、例えばTween(登録商標)または他の同様の高分子送達マトリックス、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばホスフェート、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂がある。シクロデキストリン、例えばα-、β-、およびγ-シクロデキストリンも、本明細書において記載する製剤の化合物の送達を強化するために有利に使用してもよい。
本発明の医薬組成物は、任意の従来の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含んでいてもよい。一部の場合では、製剤のpHは、製剤化化合物またはその送達形態の安定性を強化するための薬学的に許容される酸、塩基または緩衝剤を用いて調整してもよい。非経口という用語は、本明細書で使用される場合、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、病変部内および頭蓋内注射または注入技術を含む。
医薬組成物は、吸入および/または経鼻投与のための液剤または散剤の形態であってもよい。そのような組成物は、好適な分散剤または湿潤剤(例えば、Tween(登録商標)80)および懸濁化剤を使用して、当技術分野において公知の技術に従って製剤化してもよい。注射可能な滅菌調製物はまた、非毒性非経口で許容される希釈剤または溶媒中の、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液として注射用滅菌液剤または懸濁剤としてもよい。用いてもよい許容されるビヒクルおよび溶媒のうちの1つは、マンニトール、水、リンゲル溶液および等張塩化ナトリウム溶液である。更に、滅菌、固定油を、溶媒または懸濁媒体として慣例的に用いる。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無菌固定油を用いてもよい。脂肪酸、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、注射可能な調製物において有用であり、天然の薬学的に許容される油、例えば特にそのポリオキシエチル化型のオリーブ油またはヒマシ油も同様である。これらの油性液剤または懸濁剤には、長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤、またはカルボキシメチルセルロース、または薬学的に許容される投薬形態の製剤、例えばエマルションおよび/もしくは懸濁剤において通常使用する同様の分散剤も含まれる場合がある。他の通常使用する界面活性剤、例えばTween(登録商標)またはSpanおよび/または薬学的に許容される固形剤、液剤、もしくは他の投薬形態の製造において通常使用する他の同様の乳化剤もしくはバイオアベイラビリティ促進剤も、製剤の目的で使用してもよい。
医薬組成物は、任意の経口で許容される投薬形態で、経口で投与することができ、その投薬形態としては、これらに限定されないが、カプセル剤、錠剤、エマルション剤および水性懸濁剤、分散剤および液剤がある。経口使用のための錠剤の場合、通常使用される担体としては、ラクトースおよびコーンスターチがある。滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムも通常添加される。カプセル剤形態での経口投与に関しては、有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥コーンスターチがある。水性懸濁剤および/またはエマルション剤が経口で投与される場合、活性成分は、乳化剤および/または懸濁化剤と組み合わせて油性相中に懸濁するかまたは溶解してもよい。必要に応じて、ある特定の甘味料および/または香味料および/または着色剤を添加してもよい。
あるいはまたは更に、医薬組成物は、経鼻エアロゾルまたは吸入によって投与してもよい。そのような組成物は、医薬品製剤の技術分野において周知の技術に従って調製され、ベンジルアルコールもしくは他の好適な防腐剤、バイオアベイラビリティを強化するための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または当技術分野において公知の他の可溶化または分散剤を用いて、生理食塩水中の液剤として調製してもよい。
一部の場合では、本明細書において開示される1個または複数のペプチドは、例えば、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。そのようなコンジュゲート組成物は、一価または多価であってもよい。例えば、コンジュゲート組成物は、担体タンパク質にコンジュゲートしている本明細書において開示される1個のペプチドを含んでいてもよい。あるいは、コンジュゲート組成物は、担体にコンジュゲートしている2個またはそれを超える本明細書において開示されるペプチドを含んでいてもよい。
本明細書で使用される場合、2個の実体が互いに「コンジュゲート」している場合、これらは直接的または間接的な共有または非共有相互作用によって連結している。ある特定の実施形態では、会合は共有性である。他の実施形態では、会合は非共有性である。非共有相互作用としては、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、磁性相互作用、静電的相互作用などがある。間接的共有相互作用は、2個の実体が共有的に連結されている場合、必要に応じてリンカー基を介する。
担体タンパク質は、対象における免疫原性を増加させるかまたは強化する任意のタンパク質を含んでいてもよい。例示的な担体タンパク質は、当技術分野において記載されている(例えば、Fattom et al., Infect. Immun., 58:2309-2312, 1990;Devi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7175-7179, 1991;Li et al., Infect. Immun. 57:3823-3827, 1989;Szu et al., Infect. Immun. 59:4555-4561,1991;Szu et al., J. Exp. Med. 166:1510-1524, 1987;およびSzu et al., Infect. Immun. 62:4440-4444, 1994を参照のこと)。高分子担体は、1個または複数の第1級および/または第2級アミノ基、アジド基、またはカルボキシル基を含む天然または合成材料であってもよい。担体は、水溶性であってもよい。
以下の例は、特許請求する発明を更に例示するために提供され、発明の範囲を限定するものとして判断されるべきではない。特定の材料が言及されている範囲で、それは例示を目的とするにすぎず、本発明を限定することを意図しない。当業者であれば、発明の能力を行使することなくかつ発明の範囲から逸脱することなく、同等の手段または反応物を発展させることができる。
(実施例1)
強力な選択的細胞透過性システイン反応性のBFL-1のステープルNOXA BH3阻害剤の開発
本発明者らは、これまでに、天然のBH3ドメインヘリックスの高親和性非共有結合的相互作用を、求電子性弾頭部の共有結合反応により得られる不可逆的遮断と組み合わせて、BIM BH3の配列に基づいて、BFL-1の選択的共有結合的ステープルペプチド阻害剤を開発した。in vitroでBFL-1の抗アポトーシス活性を選択的に中和し、BFL-1により作動される黒色腫に関してアポトーシスを効果的にトリガーする共有結合的BIM SAHBの設計および特徴付けが成功した(Huhn et al., Cell Chem Biol., 23(9):1123-1134 (2016))。このシステイン反応性BIM SAHBは、BFL-1のみを共有結合により標的とするが、BCL-X、MCL-1、および可能性としてBAXを含む広範なBCL-2ファミリーのタンパク質と非共有結合的相互作用を形成する能力を保持している。BH3オンリーのタンパク質であるNOXAは、しかしながら、BCL-2タンパク質結合活性のスペクトルがより狭く、MCL-1およびBFL-1の二重選択性を呈する(Stewart et al., Nature Chemical Biology, 6, 595-601 (2010))。本明細書では、そのようなステープルペプチドが、最終的な治療的使用のために十分に強力となるかまたは細胞透過性となるように、NOXA BH3鋳型を使用して、弾頭部を有するSAHBの、BFL-1に対する共有結合的および非共有結合的な選択性を微調整した。これらの新しい構築物は、それらが、BFL-1のみを標的とするか(共有結合的および/もしくは非共有結合的手段による)、またはBFL-1(共有結合的および/もしくは非共有結合的手段による)ならびにMCL-1(非共有結合的手段による)の排他的な二重標的化を呈するかのいずれかであるという点で、固有である。
臨床使用のための薬物の開発を可能にする特定の結合選択性、細胞浸透特性、in vivoでの安定性、および生物学的活性を有する構築物を生成するために、まず、ステープルスキャニング手法を使用して、システイン反応性NOXA SAHBのライブラリーを生成して、結合効力、選択性、および細胞浸透度を最適化した。重要なことに、構造データに基づくと、タンパク質標的との重要な接触を行うとは考えられていなかった、古典的なBH3ドメイン配列のN末端およびC末端の残基が欠如した、新規な短縮された鋳型NOXA配列を設計した(図1)。ペプチド鋳型の長さにわたって(i、i+4)および(i、i+7)ステープルを連続的に配置し、一方でN末端D-ニペコチン酸(D-NA)反応性基は一定に保つことによって、ステープルスキャニングを達成した(図2)。それぞれのペプチドを、BFL-1ΔCとともにインキュベートし、還元および変性ゲル電気泳動により高分子量のコンジュゲートを検出し、クーマシー染色することによって、このNOXAライブラリーの反応性を測定した(図3)。BFL-1との共有結合反応が可能なペプチドを、ペプチド取り込みに関する細胞試験へと進めた。HA-BFL-1ΔC
C4S/C19Sをトランスフェクトした293T細胞を、ペプチド(20μM、6時間)で処置し、次いで、採取し、ライセートを抗HAウエスタンブロッティングによって分析した(図4)。BFL-1ダブレットの存在は、弾頭部を有するペプチドが、細胞内アクセスを獲得することおよびBFL-1に共有結合で結合することの両方を行うことができることを示した。15位に(i、i+7)ステープルを有するNOXAペプチドは、BIM SAHB-3と比較して、共有結合的標的化効率に劇的な増加を示した。しかしながら、A375P細胞におけるLDH放出試験では、このペプチドは、予想外なことに、膜の破壊を引き起こすことが見出された(図5)。
この欠点を補うために、NOXA 15構築物を、溶解挙動を軽減することができる組成の変化を特定する目的で、アラニンスキャニング変異誘発に供した(図6)。特に、疎水性内容物を減少させることにより溶解特性を排除するための1つの設計戦略として、疎水性残基を、アラニンに変換した。実際に、NOXA配列の長さにわたるアラニンの連続的な変異により、溶解活性がほとんどないかまったくない、弾頭部を有するNOXA SAHBが3つ得られた(図7)。注目すべきことに、溶解を低減させた変異のそれぞれが、全体的なペプチドの疎水性を低下させた。驚くべきことに、NOXAの配列に沿った変異の大半は、共有結合的BFL-1結合活性に対して負の影響を有さなかった。但し「LXXXGDE」最小コンセンサスBH3ドメイン結合モチーフの2つの残基であるLeu29およびAsp34(図8)は除く(Day et al., J. Mol. Biol., 380(5):958-971 (2008))。これらのデータにより、BFL-1のC55標的化のための求電子性弾頭部を有するステープルペプチドは、それらがNOXAヘリックスのBFL-1相互作用表面に存在する場合であっても、特定のアミノ酸残基の改変に対して極めて感受性が低いことが示される。システイン反応性NOXA-15 F32AおよびNOXA-15 L36A SAHBは、いずれも、細胞透過性であり、BFL-1を共有結合で標的化した(図9)。
システイン反応性NOXA-15ペプチドの溶解活性を中和するための代替的な反復的アプローチにおいて、ペプチドの全体的な正電荷を低減させることを目標として、2つの異なるアルギニンを、NOXA配列内で、グルタミン酸残基に変異させた(図10)。実際に、いずれのペプチドも全体的な電化が+2から0に低減され、BFL-1に対する共有結合活性を保持しており(図12)、細胞溶解をほとんどまたはまったく示さず(図11)、細胞取り込みの改善を達成した(図13)。
したがって、2つの異なるアプローチを使用して、生化学的特徴付けおよび細胞研究へと進めるための非溶解性細胞透過性システイン反応性NOXA SAHBを、発明的に生成した。
(実施例2)
細胞透過性システイン反応性ステープルNOXAペプチドの選択性の生化学的特徴付けは、BFL-1に対する共有結合的選択性の保持とともに、MCL-1に対する非共有結合的親和性の減少を示す
ネイティブなNOXA BH3配列に、ペプチドの長さ、ステープルの配置、および変異誘発を含め、有意な変更を行った後、次に、2つのリード細胞透過性ペプチド、システイン反応性D-NA-NOXA-15 F32AおよびR31Eの選択性に対するこれらの改変の作用を判定しようと試みた。まず、システイン反応性求電子体の付加と合わさったこれらの変更が、抗アポトーシスタンパク質混合物に関して、非共有結合的および共有結合的SAHB相互作用のバランスにどのように影響を及ぼしたかを試験した。ビオチン化D-NA-NOXA-15 F32A SAHBまたは対応するアセチル化構築物を、組換えBFL-1、BCL-X、およびMCL-1との等モル混合物においてインキュベートし、次いで、ストレプトアビジンプルダウンに供した。アセチル化(Ac-)NOXA-15 F32A SAHBは、ネイティブBH3配列の大幅な短縮を特徴とする新しい設計と一致して、BFL-1、BCL-Xへの結合を示さず、MCL-1とは検出可能ではあるが最小限の直接的な相互作用を示した(図14)。しかしながら、D-NA-NOXA-15 F32A SAHBは、相互作用傾向にBFL-1へのシフトを呈し、共有結合的BFL-1ΔCコンジュゲーションの結果として、注目すべき多くのBFL-1結合があった(図14)。同じ共有結合的相互作用と非共有結合的相互作用の対比が、同じ実験の状況で、Ac-NOXA-15 R31EとD-NA-NOXA-15 R31Eとの対比で観察された(図15)。加えて、これらのペプチドの優先的な相互作用を、A375P黒色腫細胞株に由来するライセートにおいて内在性タンパク質を用いて評価した。ストレプトアビジンプルダウンに供したとき、ビオチン化Ac-およびD-NA-NOXA-15 F32AまたはR31E SAHBは、およそ同等なMCL-1への結合を示したが、一方で、弾頭部を有する構築物は、ここでも、BFL-1の結合の著しい増加を示した(図16および17)。
リードD-NA-NOXA-15 SAHBの、抗アポトーシスタンパク質への直接的な結合を研究することに加えて、阻害性BFL-1複合体を競合的に破壊するそれらの能力もまた、評価した。臨床的に有用な生物学的活性について、アポトーシス閾値を低下させるために、占有されていない抗アポトーシスタンパク質を阻害すること、およびアポトーシスを誘導するために、アポトーシス促進性タンパク質を抗アポトーシス複合体から競合的に変位させることの能力は、2つの異なった望ましい機能性である。競合実験のために、tBIDを、HA-BFL-1ΔC C4S/C19Sを一過的にトランスフェクトした293T細胞に由来するライセートに添加し、混合物を、ビオチン化AcまたはD-NA-NOXA-15 F32A SAHBとともにインキュベートし、抗HA免疫沈降を行い、HAおよびtBIDについてブロッティングした。アセチル化NOXA-15 F32Aは、HA-BFL-1への結合について、tBIDと競合することができなかったが、一方で、弾頭部を有するD-NA-NOXA-15 F32A構築物は、タンパク質の高分子量種への完全な変換およびtBID共免疫沈降のほぼすべての阻害によって例証されるように、HA-BFL-1を共有結合で捕捉した(図18、左)。顕著なことに、FLAG-MCL-1を一過的に発現する293T細胞に由来するライセートを使用して実験を繰り返した場合、いずれのNOXA-15 F32Aペプチドも、tBID/FLAG-MCL-1共免疫沈降を非共有結合的に破壊することができ(図18、右)、NOXA-15 F32A SAHBのBFL-1への結合選択性の明確なシフトが示された。この結果は、Ac-NOXA-15 R31EとD-NA-NOXA-15 R31Eとの対比で行った場合に、同一であり(図19)、この構築物について、同じ機能的結合優先性が確立された。
抗アポトーシスタンパク質への結合について、FITC-BID BH3ペプチドと競合する、アセチル化NOXA-15 R31E SAHBの能力とシステイン反応性NOXA-15 R31E SAHBの能力とを比較する蛍光偏光実験により、同様の効果が示された(図20~23)。弾頭部を有するD-NA-NOXA-15 R31E SAHBのみが、BFL-1ΔC C4S/C19Sへの結合についてFITC-BID BH3と競合することができ(図20)、この作用はBFL-1ΔC C4S/C19S/C55Sでは観察されなかったため、この活性は、BH3結合ポケットにおけるCys55の存在に依存性であった(図21)。Ac-NOXA-15 R31EペプチドもD-NA-NOXA-15 R31Eペプチドも、FITC-BID BH3の、MCL-1ΔNΔC(図22)またはBCL-XLΔC(図23)のいずれかとの相互作用を、有意に解離することはできなかった。これらの生化学的実験により、細胞取り込みを付与し、溶解活性を低減させるためにNOXA BH3配列に行った様々な改変が、競合的結合に関連して、BFL-1に対する強力な共有結合的選択性およびMCL-1に対する減少した非共有結合的親和性を有するステープルペプチドをもたらしたことが示された。
(実施例3)
システイン反応性NOXA SAHBは、BFL-1依存性AML細胞株において、ATM阻害と相乗作用する
BFL-1に対するシステイン反応性NOXA-15 R31E SAHBの選択性を考慮し、その細胞活性を試験するための理想的な環境は、生存が特にBFL-1の発現に依存性であるがん細胞株におけるものであろうと仮定した。数百のがん細胞株にわたる遺伝的依存性をマッピングするために、大規模な全ゲノムRNAiスクリーニングの試みが行われている(Tsherniak, Cell, 170(3):564-576 (2017))。がん細胞株の次世代CRISPR-Cas9スクリーニングデータセット、特に、AMLに焦点を当てたものを、クエリし、その細胞がBFL-1への依存性を示すかについて試験した(図24)。より正方向の依存性Z-スコア値を有する細胞株は、BFL-1に対する依存性をほとんどまたはまったく示さないが(たとえば、MV4-11、上部右)、一方で、より負方向の依存性Z-スコア値は、BFL-1に対する依存性の増加を表す(たとえば、U937、下部左)。ほとんどのがん細胞株は、ある範囲の抗アポトーシスタンパク質を発現するため、システイン反応性NOXA-15 R31E SAHBと第2の依存性とを組み合わせることにより、特に、BFL-1依存性が中等度の範囲である(Z-スコア値が-4~-2の場合に)、細胞傷害性を増強することができる可能性があると、さらに仮定した。この試みを行うために、BFL-1依存性との有意な共依存性を示した遺伝子を、評価した。DNA二本鎖切断によって活性化されるセリン/スレオニンキナーゼであるATMが、AMLにおけるもっとも相関性の高い共依存性遺伝子であった(図25)。BFL-1に対してもっとも高い依存性を示したAML細胞株U937の、システイン反応性NOXA-15 R31E SAHBと小分子ATM阻害剤KU-55933との共処置により、CalcuSynソフトウェアによって分析した場合に、高度に相乗的な細胞傷害性(CI<0.3、強い相乗作用)がもたらされた(図26)。加えて、システイン反応性NOXA-15 R31EおよびKU-55933単独および組合せで処置した場合、U937細胞は、単剤処置と比較して、組合せ処置では、経時的に、有意に増加したカスパーゼ-3/7活性化を示し(図27)、細胞傷害性作用の原因としてアポトーシス誘導における相乗作用が示唆された。これに対応して、BFL-1に対して依存性がもっとも低いAML細胞株であるMV4-11は、上記で適用した同じ用量範囲にわたり、システイン反応性NOXA-15 R31E SAHB単独には本質的に非感受性であり、ATM阻害剤と組み合わせた場合、細胞傷害性相乗作用をほとんどまたはまったく示さず(図28)、組合せ処置について、単剤処置と比較してカスパーゼ-3/7活性化の増加を示さなかった(図29)。
(実施例4)
抗アポトーシスBFL-1、および共有結合的ステープルペプチド阻害剤とのその複合体の結晶構造
BH3ヘリックスとの複合体における抗アポトーシス標的およびその模倣体の構造は、分子精製および治療薬開発のロードマップを提供し得るため、BFL-1の構造を、単独で、および共有結合的ステープルペプチド阻害剤との複合体において、初めて、解明することを試みた。apo BFL-1の構造は、リガンド非結合型抗アポトーシスタンパク質構造を比較する機会を提供し、また、システイン反応性ステープルペプチド阻害剤によるBFL-1の共有結合的標的化の立体構造的重要性および分子特徴を明らかにする。
Apo BFL-1の構造
リガンド非結合型BFL-1の構造を、X線結晶構造解析によって1.69Åの分解能で解読し(図30、PDB識別子:5WHI)、典型的にはヘリックスを切断するグリシンまたはプロリンを含むループによって結合される、一連のα-ヘリックスから構成される球状タンパク質が明らかとなった(図31A~B)。BFL-1は、α-ヘリックス1~4および7~8によって囲まれたコアα5~α6ヘアピンを含む、マルチドメインBCL-2ファミリータンパク質の保存された構造のすべての重要なエレメントを共有している。抗アポトーシスタンパク質の発現および結晶化を促進するために行われるα9短縮の部位には、α-ヘリックス2~4に由来する残基が並んだカノニカルな表面の溝(groove)がある。特に、抗アポトーシスタンパク質MCL-1およびBCL-Xの無比の他のapo構造に関して、溝の相対的な位置、アクセス可能性、および立体構造は、差異を示す。3つすべての構造のオーバーレイは、α-ヘリックス1、5、6、7、および8のほぼ完全なオーバーラップを示すが、α3ならびに隣接するα2の遠位部分およびα4の近位部分の配向は著しく保存性が低い(図31C)。後者は、変動性のある傾斜度のカノニカル溝をもたらし、BCL-Xのものが、もっとも下方向に変位しており、これに続いて、MCL-1およびBFL-1では水平方向へと進行的にシフトする。これらの未結合状態の構造において、溝のルーフおよびフロアにおける保存された残基の間の距離を測定することによって評価した場合、結合ポケットの幅もまた、異なっている。空のBH3結合ポケットの幅は、複数の測定値にわたり、MCL-1およびBFL-1で本質的に同じであるが、BCL-Xの溝は、特に、α-ヘリックス3および4の中間点間において、より狭い(図31D)。後者は、BCL-Xにおいては互いに逆平行で配置され、MCL-1およびBFL-1においては進行的によりV字型で配置される、これらのα-ヘリックスの相対的な配置における顕著な差異から生じる。抗アポトーシス阻害剤の構造に基づく設計は、大部分が、BH3に結合したタンパク質複合体から生じたものであるが、apo構造間のそのような立体構造の違いにより、分子標的化の代替的なトポグラフィーが判明する。
リガンド非結合型抗アポトーシスタンパク質の構造間におけるもっとも興味深い差異のうちの1つは、apo BFL-1のBH3結合溝内における溶媒に曝露されるシステインの存在である(図31B)。apo MCL-1にもBCL-Xにも、さらにはいずれの他のBCL-2ファミリータンパク質構造にも、そのようなシステインは見出されない(図31E~F)。このシステインは、実際に、in vitroおよび細胞におけるBFL-1の、ステープルBIMおよびNOXA BH3に基づく共有結合的標的化に利用することができる。システイン反応性弾頭部を、BCL-2またはMCL-1阻害剤を模した小分子に組み込むことにより、BFL-1阻害に有利な標的特異性のスイッチが可能となり得る。そのような小分子開発の構造計画を提供するため、また、共有結合でのBH3との結合の立体構造的重要性を分析するために、BFL-1との複合体におけるシステイン反応性ステープルBH3ペプチドの結晶構造を、次に、研究した。
D-NA-NOXA SAHBによるBFL-1 C55の共有結合的標的化
ヒトNOXA BH3のBH3ドメインの後に、配列組成、ステープルの種類、および位置を改変して、モデル化した一連のD-ニペコチン酸(D-NA)誘導体化したBCL-2ドメインの安定化アルファヘリックス(SAHB)を生成し、構築物を、結晶化スクリーニングに供した。BFL-1ΔCを、アミノ酸26~40および28、35位に挿入されたi、i+7ステープルを含むNOXA SAHBと複合体化した後に、有望な再生可能な結晶が形成された(本明細書において以降D-NA-NOXA SAHBと称する)(図32A)。D-NA-NOXA SAHBによるBFL-1の部位選択的な誘導体化の効果を検証するために、一連のBFL-1構築物(WT、C55S、C4S/C19S、C4S/C19S/C55S)を、アセチルまたはD-NAキャップNOXA SAHBのいずれかとともにインキュベートし、BFL-1の架橋を、電気泳動およびクーマシー染色によってモニタリングした。分子量の個別の増加をもたらしたペプチドおよびタンパク質の組合せは、C55を有するBFL-1構築物、すなわち、野生型およびC4S/C19SとのD-NA-NOXA SAHBであった(図32A)。実際に、インタクト質量分析法により、ペプチドインキュベーションにより、BFL-1 C4S/C19Sから、適切にサイズ決定されたD-NA-NOXA SAHB付加物への完全な変換が認められた(図32B)。ビオチン化D-NA-NOXA SAHBのBFL-1標的化能力を、すべてがシステイン含有である組換えMCL-1、BCL-X、およびBFL-1タンパク質の混合物を使用して、競合的ストレプトアビジンプルダウンアッセイにおいて検証した。Ac-NOXA SAHBおよびD-NA-NOXA SAHBのいずれも、類似の少量のMCL-1をプルダウンしたが、D-NA-NOXA SAHBだけが、インプットレーンにおいて見出されるような強固なBFL-1の誘導体化、およびBFL-1の実質的なプルダウンの両方を引き起こした(図32C)。最後に、複合タンパク質ライセートに関してこの活性を検証するために、Ac-およびD-NA誘導体化NOXA SAHBを、BFL-1を発現するA375P黒色腫細胞に由来するライセートとともにインキュベートすると、ここでも、弾頭部を有するNOXA SAHBには、ネイティブBFL-1タンパク質のプルダウンの顕著な増加が認められた(図32D)。
/BFL-1/D-NA-NOXA SAHB複合体の結晶構造
D-NA-NOXA SAHBの強力なBFL-1標的化能力を文書化した後、そのBFL-1ΔC(C4S/C19S)との複合体の結晶構造を、2.38Åの分解能で解読した(図33A~B、図30、PDB識別子:5WHH)。すべてのリガンド原子が、優れた電子密度をもたらし、α2~α4によって定められる溝に結合したステープルペプチドを、分子当たりの計算された界面積771Åで示した。両親媒性α-ヘリックスの親水性残基R30、D34、およびN37は、それぞれ、BFL-1表面のE80/D81、R88、およびK147と、相補的な静電結合および水素結合での相互作用を行う(図33A)。D-NA-NOXA SAHBの疎水性面の残基L29、F32、およびL36は、カノニカル疎水性溝のそれぞれの残基F95、V44/V48、およびV40/V90と直接的に結合する(図33C)。i、i+7ステープルは、シス構成で観察され、これが、主として溶媒に曝露されている(図33A~C)。加えて、C55とD-NAのアクリルアミド部分との間の共有結合での結合は、容易に視覚化される(図33D)。アクリルアミド部分は、BFL-1 C55に対してNOXA BH3 C25と同様の配向を維持するが(図33E~F)、D-NAのピペリジン基は、偶然にも、BFL-1表面における残基L52、L56、V74、およびF95によって形成される相補的な疎水性ポケットに結合する(図33F~3G)。したがって、導入されたアクリルアミドを有する部分自体の化学構造は、疎水性溝において、さらなるBFL-1相互作用を促進する機会を提供する。
BFL-1のapoおよびSAHB誘導体化の両方の構造を解析することにより、リガンド非結合型およびリガンド結合型の立体構造の比較が可能となった。BFL-1相互作用により、D-NA-NOXA SAHBは、溝の立体構造的「開放」を誘導し、それによって、たとえば、apo形態およびBH3結合形態の残基55および70のα炭素間の距離を比較したときに、α2/α3およびα4が、互いから2.8Å変位される(図34A~B)。この個別の構造的変化を、BFL-1/D-NA-NOXA SAHBとapo BFL-1とを対比した距離差行列によって定量的に示す(図34C~D)。2つのBFL-1構造のすべての保存されたα炭素間における比較のRMSD値0.897は、立体構造的変化の重要性を強調する。
観察されたSAHBにより誘導されるBFL-1カノニカル溝のリモデリングは、BFL-1 C55に下接する新しい表面ポケットの形成に注目すべきである(図34E)。この表面変化はまた、BFL-1の非ステープルNOXA BH3ペプチドとの相互作用の際にも明らかであり、この発見の、炭化水素ステープルまたはアクリルアミド部分への立体構造適応を越えた一般的な関連性が強調される(図35A)。重要なことに、NOXA BH3相互作用時の溝のトポグラフィーにおけるこの変化は、リガンド非結合型とNOXA BH3結合型とのMCL-1の構造の比較が、そのようなリモデリングを示しておらず、溝の上部および下部における残基間の距離測定値が大幅に変化しないという点で、BFL-1に固有である(図34B、35B)。実際に、BH3結合アクセス可能性を反映する未結合構造と結合構造との間でのMCL-1溝の類似性は、多様なBH3ドメインヘリックスに対するMCL-1の比較的高い親和性を説明し得る。MCL-1とBFL-1との間のこの立体構造の違いは、同様に、NOXA SAHBのAc誘導体化形態およびD-NA誘導体化形態の両方が、MCL-1に非共有結合で結合することができるが、短縮型のAc-NOXA SAHBが、システイン反応性弾頭部を備えない限りBFL-1との相互作用をほとんどまたはまったく有さない理由を説明し得る。ポケット開放と関連する潜在的なエネルギー要件を考慮すると、BFL-1の表面アクセス可能なC55残基との共有結合的反応の不可逆的な性質は、実質的な結合の有利性を提供し得る。最終的に、C25領域においてNOXA BH3を模倣し、この特徴的なポケットの形成を誘導する化合物(図33F~G、34E)は、D-NA-NOXA SAHBによって例証されるように、MCL-1よりもBFL-1に対する優先的な選択性を有する新規な薬剤をもたらし得る(図32C)。
結論
apo BFL-1の構造を解析することにより、BFL-1のBH3-リガンド結合型形態およびリガンド非結合型形態を比較する初の機会が得られ、その表面溝における構造の違いが明らかとなった。重要なことに、リガンド非結合型溝の特徴的なトポグラフィーは、in silicoスクリーニングによる小分子発見に利用することができ、BFL-1との複合体における推定ヒットの構造は、目的の分子をapo結晶に浸漬することによって得られる。占有されていないBFL-1溝は、同様に、システイン反応性ステープルペプチドおよび可能性としてはその小分子模倣体による選択的な共有結合的標的化に利用することができる、固有に位置付けられたシステイン残基の表面アクセス可能性を示す。実際に、i、i+7ステープルによって強化された、D-ニペコチン酸誘導体化NOXA BH3 α-ヘリックスとの複合体におけるBFL-1の構造により、リガンドに誘導される表面ポケットの開放および補助的な疎水性相互作用に適したジスルフィド結合に下接する細孔の形成の両方が明らかとなる。
BFL-1とステープルBH3ペプチドとの間の共有結合的複合体のこの第1の構造において、導入されたi、i+7ステープルは、ヘリックスの非相互作用面に局在化しており、NOXA BH3とBFL-1との間のネイティブな相互作用を保存し、リガンド-標的の結合を最大化するように溝のトポグラフィーをリモデリングすることが示された。BFL-1のカノニカル溝内に位置するC55と不可逆的に反応するアクリルアミドを有する部分を導入することによって、この短縮型i、i+7ステープルNOXA BH3構築物のMCL-1に対する非共有結合的結合優先性が、BFL-1の強力な共有結合的阻害剤へと変換された。合わせると、これらの構造的および生化学的結果は、臨床使用のための高度に選択的なBFL-1標的化剤およびBFL-1/MCL-1二重阻害剤を開発する新しい機会をもたらす。
(実施例5)
BFL-1依存性AML細胞株において細胞死を再活性化することにおける、システイン反応性NOXA SAHBおよびDNA損傷応答経路の標的化阻害の選択的相乗作用のさらなる検証
NOXA-15 R31E SAHBがDNA損傷応答経路メンバーと相乗作用する能力を調査するために、U937細胞またはMV4;11細胞を、D-NA-NOXA SAHBおよび/またはATM阻害剤AZD0156で処置し、細胞生存率およびカスパーゼ-3/7活性化を測定した。NOXA-15 R31E SAHBは、AZD0156と組み合わせたときに、U937細胞(これは、BFL-1依存性である)において、選択的細胞傷害性および相乗作用を示したが、MV4;11細胞(これは、BFL-1依存性ではない)においては示さなかった(図40~43)。
BFL-1依存性U937細胞株にはあるがMV4;11細胞株にはない、AZD0156と組み合わせたときのNOXA-15 R31E SAHBの選択的細胞傷害性および相乗作用(図40~43)をさらに検証するために、本発明者らは、一連の確認研究を行った。本発明者らは、BFL-1に対する依存性を示す別のがん細胞株、たとえば、OCI-AML-3 AMLおよびJurkat T細胞白血病細胞(Kim et al., 2005、Meyers et al., 2017)に、上述の細胞傷害性研究を行い、U937細胞において見られたものと類似の薬理学的相乗作用が観察された(図44~45)。次に、本発明者らは、2つの追加のATM阻害剤、Ku-60019(Golding et al., 2009)およびKu-55933(Hickson et al., 2004)を試験し、AZD0156で観察されたものと同じパターンの相乗作用が、U937細胞において認められたが(図46~47)、MV4;11細胞(図48~49)では認められなかった。本発明者らは、CHK1/2阻害剤AZD7762(Zabludoff et al., 2008)およびPARP阻害剤オラパリブ(Menear et al., 2008)を含むDNA損傷応答(DDR)経路の別の阻害剤が、U937(図50~51)とMV4;11(図52~53)とを対比した相乗作用分析において、ATM阻害剤と類似して挙動したことを見出した。特異性のさらなる尺度として、KG-1 AML細胞において化合物を試験したが、この細胞は、アポトーシス促進性刺激に対するATM阻害剤の添加に比較的不応答性であることがこれまでに示されている(Boehrer et al., 2009)。本発明者らは、BFL-1依存性と一致して、D-NA-NOXA SAHB-15 R31Eでの単剤処置に応答して、用量応答性の細胞傷害性を観察したが、組み合わせて適用した場合に、AZD0156の相乗作用は観察されなかった(図54)。最後に、本発明者らは、MCL-1選択的阻害剤S63845が、MCL-1に依存性であるMV4;11細胞において、単剤活性およびATM阻害との組合せでの相乗作用の両方を示すが(Kotschy et al. 2016)、BFL-1依存性であり、D-NA-NOXA SAHB-15 R31Eに応答性であるU937細胞においては、活性を示さなかったことを見出した(図55)。実際に、MV4;11細胞とU937細胞との対比における、S63845およびD-NA-NOXA SAHB-15 R31Eの対照的な活性は、2つの抗アポトーシス阻害剤の、それぞれ、MCL-1およびBFL-1に対する強力な機能的特異性を強調する。
(実施例6)
処置細胞におけるBFL-1およびDNA損傷応答経路阻害剤の細胞内および機械的活性
本発明者らのリード構築物のいずれも、がん細胞においてカノニカルBH3結合ポケットにおける相互作用について、D-NA-NOXA SAHBと競合し得る可能性のあるC末端ヘリックスを有する、全長BFL-1タンパク質に、共有結合で架橋し得ることを確認した。本発明者らは、293T細胞において、組換え全長BFL-1および発現させたHAタグ付加全長BFL-1を生成し、次いで、in vitroおよび処置細胞において、それぞれ、架橋分析を行った。本発明者らは、一貫して、D-NA-NOXA SAHB-15のF32AおよびR31E類似体の両方について、組換えおよび発現させた全長BFL-1への共有結合での架橋を観察したが、対応するC末端短縮種の処置と比較して、効率性はいくらか低減されていた(図56A~B)。したがって、AMLにおけるネイティブなBFL-1の効果的な標的化を確認し、計画されている一連の細胞傷害性分析のための優れた化合物を特定するために、もっとも強いBFL-1依存性スコアを示したAML細胞株であるU937に由来するライセートを、ビオチン化NOXA SAHB-15 F32AおよびR31Eペプチドで処置した後、ストレプトアビジンプルダウンおよびBFL-1ウエスタン分析を行った。上記に示された架橋の結果(たとえば、実施例1~3)と一致して、アクリルアミド部分をNOXA SAHB-15ペプチドに組み込むことにより、BFL-1標的化、この事例では、U937 AML細胞に由来するネイティブなBFL-1タンパク質の標的化が、顕著に増強された(図56C)。この実験により、D-NA-NOXA SAHB-15 R31Eが、2つの構築物間で、ネイティブなBFL-1タンパク質のより有効なバインダーとして、さらに特定され、したがって、一連のがん細胞試験に選択した。
機械論的観点から、本発明者らは、U937細胞をD-NA-NOXA SAHB-15 R31EおよびAZD0156の組合せで処置した場合の細胞傷害性作用、相乗作用、および観察されたカスパーゼ3/7活性化が、TMRE染色によって測定した場合に、同様に、ミトコンドリア膜脱分極をもたらしたことをさらに確認した(図57)。AZD0156が、適用される用量で、ATMを効果的に標的化することを示すために、本発明者らは、U937細胞を、ATM阻害剤で2時間処置し、S1981におけるATM自己リン酸化およびS33/35における下流のCHK2リン酸化を、ウエスタンブロッティングによってモニタリングした。実際、U937細胞において通常であれば構成的に上昇しているはずのS1981自己リン酸化の用量応答性阻害、およびもっとも低い処置用量においてさえもCHK2リン酸化の強力な遮断が観察された(図58)。観察された相乗作用の潜在的な機械論的原則を評価するときに、本発明者らは、AZD0156処置に応答して、アポトーシス促進性BAXのタンパク質レベルの時間依存性増加を認め(図59)、U937細胞におけるBAXに媒介されるアポトーシスの関連抗アポトーシス阻害剤であるBFL-1の薬理学的遮断と組み合わせされたBAXの上方調節が、増強された細胞傷害性を説明し得ることが示唆された。最後に、本発明者らは、U937細胞を、単剤処置および組合せ処置において使用したD-NA-NOXA SAHB-15 R31Eの連続希釈物で処置したときに、LDH放出アッセイを行い、30分および4時間の時点で測定したときに、非特異的な細胞膜溶解活性は観察されなかった(図60)。選択的な標的タンパク質の結合(たとえば、BFL-1)、膜の破壊を伴わない細胞浸透性、および機序による細胞傷害活性について、ステープルペプチドを最適化するために必要とされる上述の一連の実験は、治療薬開発のための、ステープルペプチド、たとえば、システイン反応性NOXA SAHBの設計の非自明性を強調する。さらなる例として、D-ニペコチン酸弾頭部を有する一連の構築物は、20μMのペプチドで2時間処置したHeLa細胞において、0~約60%の範囲の非特異的膜溶解の様々な傾向を示した(図61)。全体として、BFL-1遺伝子依存性および共依存性分析(図62)により、システイン反応性NOXA SAHBの選択的BFL-1標的化活性、ならびにDNA損傷応答経路の阻害剤と組み合わせた場合のそれらの相乗作用を効果的に適用および検証するための、がん細胞サブタイプの選定が示された。
実施例において使用した材料および方法
ステープルペプチドの合成
アセチル、FITC-βAla、もしくは求電子性弾頭部でのN末端誘導体化、またはLys-ビオチンもしくはLys-FITCでのC末端誘導体化のいずれかを行った、BCL-2ファミリータンパク質のBH3ドメインに対応する炭化水素ステープルペプチドを、本発明者らのこれまでに報告した方法を使用して、合成し、精製し、定量した(Bird et al., Methods Enzymol., 446:369-86 (2008)、Bird et al., Curr. Protoc. Chem. Biol., 3(3):99-117 (2011))。アクリルアミドを有するペプチドを、アクリル酸もしくはトランス-クロトン酸をペプチドのN末端にカップリングするか、または標準的なFmocカップリングおよび脱保護方法を使用して、Fmoc保護環状アミノ酸(Chem-Impex International)をまずカップリングした後に、Fmocの脱保護およびアクリル酸でのアシル化を行うかのいずれかによって、合成した(Huhn et al., Cell Chem Biol., 23(9):1123-1134 (2016))。
組換えタンパク質の発現および精製
組換え抗アポトーシスBFL-1ΔC(アミノ酸1~151)およびそのシステインからセリンへの変異体を、PET17b(Novagen、N末端ヘキサヒスチジンタグ)にクローニングし、Escherichia coli LOBSTR BL21(DE3)(Kerafast)において発現させ、連続的なNi親和性およびサイズ排除クロマトグラフィーによって、記載されるように精製した(Pitter et al., Methods Enzymol., 446:387-408 (2008))。組換え抗アポトーシスBCL-XLΔC(アミノ酸1~212)およびMCL-1ΔNΔC(アミノ酸172~329)を、PGEX-4T-1(GE Healthcare、N末端GSTタグ)発現ベクターにクローニングし、BL21(DE3) Escherichia coli(Sigma Aldrich)において発現させ、以前に記載されたように精製した(Huhn et al., 2016 (上記)、Pitter et al., 2008 (上記))。BCL-XLΔCを精製するときに、ストレプトアビジンプルダウン実験における銀染色による容易なタンパク質の特定のために、GSTタグを、トロンビン(12~15単位)を使用して切断して、BCL-XLΔCとGST-MCL-1ΔNΔCとの間にサイズの違いをもたらした。
N末端ヘキサヒスチジンタグを含む組換え全長BFL-1(アミノ酸175)を、PTYB1ベクター(New England Biolabs)にクローニングし、上述のように精製したが、ただし、キチン親和性クロマトグラフィーおよびDTT溶離ステップの追加を除く。タンパク質の純度および同一性を、マウスモノクローナル抗Hisタグ抗体(Abcam)を使用して、クーマシー染色およびウエスタンブロッティング分析によって確認した。
in vitroでの共有結合的コンジュゲーションアッセイ
His-BFL-1ΔC C4S/C19Sタンパク質(5μM)を、50mM Tris(pH8.0)中の10mM DTTおよび100mM NaClで、室温において30分間、前処置し(最終体積9.5μL)、次いで、室温におけるさらに1時間のインキュベーションのために、モル比10:1のシステイン反応性NOXA SAHBと合わせた。試料を、次いで、DTTを有する3倍ローディング緩衝液において煮沸し、12% Bis-Trisゲルにおいて電気泳動にかけた後、クーマシー染色に供した。
細胞取り込み
細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)およびペニシリン-ストレプトマイシンを含有する標準的な培養培地を使用して培養した(293T、A375P:DMEM;U937、MV4-11;RMP1)。システイン反応性ペプチドの取り込みのために、293T細胞に、リポフェクタミンLTX Plus(Thermo Scientific)を使用して、HA-BFL-1ΔC C4S/C19Sを含む2μgのpCMVプラスミドをトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後に、細胞を、5% FBSを含有するDMEM中、20μMの示されているSAHBで、8時間処置した。細胞を採取し、1% CHAPS溶解緩衝液(150mM NaCl、50mM Tris pH7.4、100mM DTT)とのインキュベーションによって、溶解させた。可溶性画分のタンパク質濃度を、BCAキットを製造業者の説明書(Thermo Scientific)に従って使用して、測定した。試料を、次いで、LDS緩衝液中で煮沸し、抗HA抗体(Sigma Aldrich、番号12CA5)および抗アクチン抗体(Sigma Aldrich、番号A1978)の1:1000希釈物を使用して、ウエスタン分析に供した。
ストレプトアビジンプルダウン
野生型His-BFL-1ΔC、BCL-XLΔC(タグなし)、およびGST-MCL-1ΔNΔC(それぞれ1μM)を合わせ、PBS中の3mM DTTとともに、室温で30分間インキュベートした。混合物を、ビヒクルまたは示されているC末端ビオチン化NOXA SAHB(1μM)で、4時間処置し、次いで、30μLのPBSで洗浄した高性能ストレプトアビジン(SA)アガロースビーズ(Thermo Fisher Pierce)に添加し、室温で2時間、回転させながらインキュベートした。ビーズを、次いで、NP-40溶解緩衝液(1% NP-40、50mM Tris pH8、100mM NaCl、2.5mM MgCl2)で3回洗浄し、PBSで3回洗浄した。結合したタンパク質を溶離するために、ビーズを、10mg/mLビオチンを含有する10% SDSで10分間煮沸した。溶離後に、試料を、3倍LDSおよび2M DTTで20分間煮沸した。インプット(2%)および溶離液(5μL)に、12% Bis-Trisゲルを使用してゲル電気泳動を行い、ゲルを、Pierce銀染色キット(Thermo Fisher)を使用して展開した。
がん細胞ライセートにおけるBFL-1標的化
培養したA375P細胞およびU937細胞を、それぞれ、トリプシン処理または採取し、PBSで洗浄し、1% CHAPS溶解緩衝液(1% CHAPS、150mM NaCl、50mM Tris pH 7.4、100μM DTT)とともにインキュベートすることによって、溶解させた。可溶性画分のタンパク質濃度を、BCAキットを製造業者の説明書(Thermo Scientific)に従って使用して、測定した。ライセート試料(1mg)を、1% CHAPS溶解緩衝液中、4℃で一晩、ビヒクルまたはC末端ビオチン化NOXA SAHB(30μM)とともにインキュベートした。ビオチン捕捉は、高性能SAアガロース(Thermo Scientific)との混合物を、4℃で2時間インキュベートし、続いて、遠心分離し、ペレット化したビーズを溶解緩衝液(1mL)で3回洗浄することによって、達成した。ビーズに結合したタンパク質を、10mg/mLビオチンを含有する10% SDSにおいて、10分間煮沸することによって溶離し、次いで、BFL-1抗体(Abcam、番号125259)およびMCL-1抗体(Rockland、番号600-401-394S)を使用して、電気泳動およびウエスタンブロッティングに供した。
BFL-1/BH3複合体の破壊
BFL-1およびMCL-1との相互作用について、tBIDと競合するビオチン化SAHBの能力を評価するために、上述のように、293T細胞に、p3XFLAG-CMV-10ベクター(Sigma)において、HA-BFL-1ΔC C4S/C19SまたはFLAG-MCL-1のいずれかをトランスフェクトした。24時間後に、細胞を、トリプシン処理し、PBSで洗浄し、1% CHAPS緩衝液に溶解させ、BCAキットによるタンパク質濃度の判定のために、上清を採取した。ライセート試料(0.5mg)を、0.25μM組換えtBID(R&D Systems)および5μMビオチン化NOXA SAHBとともに、室温で6時間インキュベートした。この混合物を、HAまたはFLAG免疫沈降に供した後、HA抗体(Sigma Aldrich、番号12CA5)、FLAG抗体(Sigma-Aldrich、F7425)、およびBID抗体(Santa Cruz sc-11423)の1:1000希釈物を使用して、ウエスタン分析を行った。
競合的蛍光偏光結合アッセイ
蛍光偏光(FP)アッセイを、以前に説明されているように行った(Pitter et al., 2008 (上記))。簡単に述べると、抗アポトーシスタンパク質の連続希釈物を用いて、FITC-BID BH3(25nM)によって直接結合曲線を、まず生成し、5分の時点で、SpectraMax M5マイクロプレートリーダー(Molecular Devices)において、FPを測定した。競合アッセイのために、アセチル化または弾頭部を有するNOXA SAHBの連続希釈物を、直接結合アッセイによって判定される、およそのEC75濃度で、示される組換えタンパク質に添加した。FITC-BID BH3(25nM)を、次いで、添加し、蛍光偏光を、平衡で測定した。PRISMソフトウェア(GraphPad)を使用して、競合的結合曲線の非線形回帰分析によって、IC50値を計算した。
LDH放出アッセイ。
A375PおよびU937がん細胞を、それぞれ、10%ウシ胎児血清(FBS)およびペニシリン-ストレプトマイシンを含有するDMEMおよびRPMIにおいて培養し、96ウェルプレートに播種した(1ウェル当たり5×10個の細胞)。A375P細胞については終夜のインキュベーションの後、またはU937細胞については播種の直後に、細胞を、5%FBSを補充したDMEMまたはRPMI中、示される濃度のD-NA-NOXA SAHBで、示される期間(30分間、4時間)処置した。プレートを、4℃で5分間、1,500rpmで遠心分離した後(Thermo Scientific Sorvall Four-Place Swinging Bucket Rotor[75006445]、478×g)、100μLの細胞培養培地を透明なプレート(Corning)に移し、100μLのLDH試薬(Roche)とともに30分間、振盪させながらインキュベートし、次いで、マイクロプレートリーダー(Spectramax M5、Molecular Devices)において490nmで吸光度を測定することによって、LDH放出を定量した。
細胞生存率およびカスパーゼ-3/7活性化アッセイ。
10%FBSおよびペニシリン-ストレプトマイシンを含有するRPMIにおいて培養したU937、MV4;11、OCI-AML-3、Jurkat、およびKG-1細胞を、96ウェルプレートに播種し(1ウェル当たり5×10個の細胞)、一晩インキュベートした後、5%FBSを補充したRPMI中、示される濃度のD-NA-NOXA SAHBおよび/またはAZD0156、Ku-60019、Ku-55933、AZD7762、オラパリブ、もしくはS63845(すべてSelleck Chemicalsから入手)で、示される期間、処置した。細胞生存率およびカスパーゼ-3/7活性化を、それぞれ、CellTiter-Gloおよびカスパーゼ-Glo 3/7化学発光試薬(Promega)を使用して測定し、発光を、Spectramax M5マイクロプレートリーダーによって検出した。薬物相互作用の相乗作用を、CalcuSynソフトウェア(Biosoft)を使用して計算した。
SAHBとコンジュゲートしたBFL-1の調製
BFL-1ΔC(30μM)を、4℃で30分間、DTT(20mM)で処置し、続いて、ペプチド:タンパク質モル比1.2x、1.2x、および1xで、D-NA-NOXA SAHBペプチドとともに、それぞれ4℃で1時間連続的にインキュベートすることによって、BFL-1ΔC/D-NA-NOXA SAHBコンジュゲートを調製した。結果として得られたコンジュゲートを、次いで、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して精製し、SDS-PAGEゲル電気泳動およびインタクト質量分析法によって、コンジュゲーション効率を評価した。
X線結晶構造解析
Apo His-BFL-1ΔC C4S/C19Sを、上述のように発現および精製し、20mM HEPES pH7.5、300mM NaCl、5% グリセロール、50mM アルギニン、および1mM DTT中に緩衝液交換した。等体積(100nL)の6.3mg/mL(340μM) apo BFL-1ΔCを、リザーバ溶液(35% PEG1500および0.1M カコジル酸ナトリウム pH6)と混合し、結晶を、20℃において懸滴で調製した。結晶を、短時間で25% グリセロールを含有する結晶化緩衝液中に移した後、液体窒素中で瞬間凍結させた。apo BFL-1ΔC結晶から得られた回折データを、Advanced Photon Source(Argonne National Laboratory)においてNE-CATのビームライン24ID-Cで収集し、データセットを統合し、XIA2パッケージを使用してスケーリングした(Evans, Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 62, 72-82 (2006)、Kabsch, Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 66, 133-144 (2010)、Winter, J Appl Crystallogr 43, 186-190 (2010))。構造を、プログラムPhaser(McCoy et al., J Appl Crystallogr 40, 658-674 (2007))および検索モデルPDBエントリー1NB8を使用した分子置き換えによって解読した。Phenix(Adams et al., Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 66, 213-221 (2010))およびCoot(Emsley and Cowtan, Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 60, 2126-2132, (2004))を使用した反復的なマニュアルモデル構築および精緻化により、最大回折1.69Åを含む、優れた統計量を有するモデル(PDB:5WHI)が得られた。
D-NA-NOXA SAHBとの複合体におけるHis-BFL-1ΔC C4S/C19Sを、上述のように生成し、20mM HEPES pH7、100mM NaCl、および1mM DTT中に緩衝液交換した。等体積(200nL)の(400μM)His-BFL-1ΔC/D-NA-NOXA SAHB複合体を、リザーバ溶液(20% PEG3350および0.2M マロン酸ナトリウム)と混合し、結晶を、20℃において懸滴で形成した。結晶を、短時間で25%グリセロールを含有する結晶化緩衝液中に移した後、液体窒素中で瞬間凍結させた。His-BFL-1ΔC/D-NA-NOXA SAHB結晶から得られた回折データを、Advanced Photon Source(Argonne National Laboratory)においてNE-CATのビームライン24ID-Cで収集した。最初の分子置き換えの後、リガンドを、BusterおよびRhofit(Smart et al., 2012)を使用して配置し、予備的に精緻化した。結晶学的データのモデル(PDB:5WHH、最大回折2.38Å)を、上述のように生成した。
距離差行列のプロット
ヒートマップを生成するために、構造間で保存されているアルファ炭素座標を、PDBファイルから抽出した。距離差行列プロットを、Center for Structural Biology at Yale University(New Haven、CT)のDDMPプログラムを使用して生成した。
定量化および統計学的分析
構造分析のために、結合の長さおよび距離差行列プロットの定量化を、pymolおよびDDMPプログラムを使用して行った。X線構造の精緻化統計量を、Phenixソフトウェアパッケージによって生成した。生化学的データおよび細胞データは、技術的三連物において行い、少なくとも2回繰り返して、同じ結果であった、実験の平均±標準偏差である。0.05よりも低いp値を、対応のない両側スチューデントt検定によって統計学的に有意であると考え、アスタリスクで示す。データは、Prismソフトウェア7.0(GraphPad)およびCalcuSyn(Biosoft)を使用して分析した。
データおよびソフトウェアの利用可能性
X線結晶構造解析データを、受託番号5WHI(apo BFL-1)および5WHH(BFL-1/D-NA NOXA SAHB)のもとに、PDBに寄託した。
ミトコンドリア膜電位アッセイ
U937細胞を、6ウェルプレートに播種し(1ウェル当たり2×10個の細胞)、示される濃度のD-NA-NOXA SAHBおよび/またはAZD0156で処置した。24時間後に、細胞を、TMRE(1μM)とともに、製造業者の説明書(TMRE-ミトコンドリア膜電位アッセイキット、Abcam)に従って、30分間インキュベートした。細胞を、次いで、PBS中の0.2% BSAに再懸濁させ、1ウェル当たり2×10個の細胞で、黒色の96ウェルプレート(Corning)に播種した。TMRE-ミトコンドリア膜電位を、Spectramax M5マイクロプレートリーダーにおいて蛍光(励起/放出=549/575nm)を測定することによって、読み取った。
ホスホシグナル伝達分析。
10%FBSおよびペニシリン-ストレプトマイシンを含有するRPMIにおいて培養したU937細胞を、6ウェルプレートに播種し(1ウェル当たり2×10個の細胞)、示される濃度のAZD0156で2時間処置した。次いで、細胞を、PBSで洗浄し、1%CHAPS緩衝液中に溶解させ、BCAキットによるタンパク質濃度の判定のために、上清を採取した。試料を、ホスホ-ATM(S1981、Cell Signaling、番号4526)、ATM(Abcam、番号ab78)、ホスホ-CHK2(Ser33/35、Cell Signaling、番号2665)、CHK2(Cell Signaling、番号2662)、およびアクチン(Sigma、番号A1978)抗体の1:1000希釈物を使用して、電気泳動およびウエスタン分析に供した。
BAXタンパク質レベルの動的評価
U937細胞を、6ウェルプレートに播種し(1ウェル当たり2×10)、AZD0156(5μM)で処置し、細胞を、示される時点で、採取し、溶解させた。細胞ライセートを、次いで、BAX抗体(Santa Cruz sc-493)およびアクチン抗体(Sigma、番号A1978)を用いて、電気泳動およびウエスタンブロッティングに供した。
他の実施形態
本発明をその詳細な説明とともに併記してきたが、前述の説明は例示することを意図し、添付の特許請求の範囲の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではない。他の態様、利点、および改良は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
(i)求電子性弾頭部と、
(ii)配列番号39に記載される配列の改変されたアミノ酸配列であって、少なくとも5アミノ酸長であり、ペプチド構造を安定化する改変を少なくとも1つ含み、配列番号39の1つまたは複数のアミノ酸が、別のアミノ酸によって置換されている、改変されたアミノ酸配列と
を含むペプチドであって、
(a)BFL-1/A1に結合するか、または
(b)BFL-1/A1およびMCL-1に結合する、ペプチド。
(項目2)
前記改変されたアミノ酸配列が、5~35アミノ酸長である、項目1に記載のペプチド。
(項目3)
前記改変されたアミノ酸配列が、8~18アミノ酸長である、項目1に記載のペプチド。
(項目4)
前記ペプチド構造を安定化する改変が、ステープルおよび/またはステッチである、項目1、2、または3に記載のペプチド。
(項目5)
前記ステープルが、i位およびi+3位、i位およびi+4位、またはi位およびi+7位のうちの1つまたは複数にある、項目4に記載のペプチド。
(項目6)
前記ペプチド構造を安定化する改変が、配列番号39の少なくとも2つのアミノ酸の、オレフィン側鎖を有する非天然のアミノ酸での置換を含む、項目1から5のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目7)
前記オレフィン側鎖を有する非天然のアミノ酸が、S-ペンテニルアラニン、R-オクテニルアラニン;R-プロペニルアラニン、S-ペンテニルアラニン;R-ペンテニルアラニン、S-ペンテニルアラニン;ビス-ペンテニルグリシン、S-ペンテニルアラニン、R-オクテニルアラニン;およびビス-ペンテニルグリシン、S-オクテニルアラニン、R-オクテニルアラニンからなる群から選択される、項目6に記載のペプチド。
(項目8)
前記ペプチド構造を安定化する改変が、炭化水素ステープル/ステッチ、ラクタムステープル/ステッチ、UV-環化付加ステープル/ステッチ、オキシムステープル/ステッチ、チオエーテルステープル/ステッチ、ダブルクリックステープル/ステッチ、ビス-ラクタムステープル/ステッチ、ビス-アリール化ステープル/ステッチ、またはこれらの任意の2つもしくはそれを超える組合せである、項目1から5のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目9)
別のアミノ酸によって置換される配列番号39の前記1つまたは複数のアミノ酸が、配列番号39のヘリックスのBFL-1/A1非相互作用面にある、項目1から8のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目10)
配列番号39における0~5個のアミノ酸が、C末端から除去されているか、または除去され、アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群からの1~6個のアミノ酸で置き換えられている、項目1から9のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目11)
配列番号39の前記非相互作用面にある0~6個のアミノ酸が、アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている、項目1から10のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目12)
配列番号39の以下のアミノ酸A1、L4、R5、F7、G8、L11、N12、およびQ15のうちの1つまたは複数が、アルファ-メチル化またはアルファ-エチル化された天然のアミノ酸で置換されている、項目1から11のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目13)
配列番号39の以下のアミノ酸A1、L4、R5、F7、G8、L11、N12、およびQ15のうちの1つまたは複数が、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている、項目1から11のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目14)
配列番号39の以下のアミノ酸T2、Q3、R6、K10、F13、およびR14のうちの1つまたは複数が、アルファ-メチル化またはアルファ-エチル化された天然のアミノ酸で置換されている、項目1から12のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目15)
配列番号39の以下のアミノ酸T2、Q3、R6、K10、F13、およびR14のうちの1つまたは複数が、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸で置換されている、項目1から12のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目16)
配列番号39の前記1つまたは複数のアミノ酸が、L-アラニン、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、N-メチルグリシン、セリン、置換アラニン、およびグリシン誘導体からなる群から選択されるアミノ酸によって置換されている、項目1から9のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目17)
(i)前記ペプチドの全体的な疎水性が、配列番号39もしくは16のペプチドと比べて低減されている、
(ii)前記ペプチドの全体的な正電荷が、配列番号39もしくは16のペプチドと比べて低減されている、または
(iii)(i)および(ii)の組合せである、項目1から16のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目18)
前記求電子性弾頭部が、求電子性基を有する非天然のアミノ酸である、項目1から17のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目19)
前記求電子性基を有する非天然のアミノ酸が、ポリペプチド骨格に連結された求電子性アクリルアミドまたは置換アクリルアミドを有する、項目18に記載のペプチド。
(項目20)
前記求電子性基を有する非天然のアミノ酸が、(S)-1-アクリロイルピロリジン-3-カルボキサミド、1-アクリロピペリジン-4-カルボキサミド、(R)-1 アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(R)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド、アクリルアミド、アジリジン、ジアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパネアジリン、ジアジリン、アゼト、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ジアジン、オキサジン、チアジン、アゼピンフェニル(アニリン)、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インドール、イソインドール、インドリジン、キノロン、イソキノリン、キノキサリン、フタルジン、キナゾリン、プリン、カルバゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、α-シアノアクリルアミド、プロピオルアミド、トランス4-ジメチルアミノ-2-ブテンアミド、トランス4-ピペリジニル-2-ブテンアミド、置換アクリルアミド、およびビニル-スルホンアミドからなる群から選択される、項目19に記載のペプチド。
(項目21)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である、項目1から17のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目22)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性部分である、項目1から17のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目23)
前記求電子性弾頭部が、前記ペプチドのN末端にある、項目1から22のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目24)
前記求電子性弾頭部が、前記ペプチドのN末端にない、項目1から22のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目25)
(i)求電子性弾頭部と、
(ii)A0B0C0D0E0A1B1C1D1E1A2B2C2D2E2(配列番号93)の5つまたはそれを超えるアミノ酸(配列中、
(a)A0は、存在しない、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、またはステープル/ステッチ位置であり、
(b)B0は、存在しない、T、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、I、M、B(ノルロイシン)、またはステープル/ステッチ位置であり、
(c)C0は、存在しない、Q、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、またはステープル/ステッチ位置であり、
(d)D0は、存在しない、L、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、I、またはFであり、
(e)E0は、R、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、K、T、またはステープル/ステッチ位置であり、
(f)A1は、R、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、E、またはステープル/ステッチ位置であり、
(g)B1は、F、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、I、L、V、またはステープル/ステッチ位置であり、
(h)C1は、G、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、またはステープル/ステッチ位置であり、
(i)D1は、Dであり、
(j)E1は、存在しない、K、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、またはステープル/ステッチ位置であり、
(k)A2は、存在しない、L、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、W、V、またはステープル/ステッチ位置であり、
(l)B2は、存在しない、N、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、S、D、またはステープル/ステッチ位置であり、
(m)C2は、存在しない、F、A、L、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、またはステープル/ステッチ位置であり、
(n)D2は、存在しない、R、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、E、またはステープル/ステッチ位置であり、
(o)E2は、存在しない、Q、A、D-アラニン、α-アミノイソ酪酸、L、またはステープル/ステッチ位置である)と
を含むペプチドであって、
(a)BFL-1/A1に結合するか、または
(b)BFL-1/A1およびMCL-1に結合する、ペプチド。
(項目26)
5~35アミノ酸長である、項目25に記載のペプチド。
(項目27)
8~18アミノ酸長である、項目25に記載のペプチド。
(項目28)
(i)前記ペプチドの全体的な疎水性が、配列番号39もしくは16のペプチドと比べて低減されている、
(ii)前記ペプチドの全体的な正電荷が、配列番号39もしくは16のペプチドと比べて低減されている、または
(iii)(i)および(ii)の組合せである、項目25、26、または27に記載のペプチド。
(項目29)
前記求電子性弾頭部が、求電子性基を有する非天然のアミノ酸である、請求25から28のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目30)
前記求電子性基を有する非天然のアミノ酸が、ポリペプチド骨格に連結された求電子性アクリルアミドまたは置換アクリルアミドを有する、項目29に記載のペプチド。
(項目31)
前記求電子性基を有する非天然のアミノ酸が、(S)-1-アクリロイルピロリジン-3-カルボキサミド、1-アクリロピペリジン-4-カルボキサミド、(R)-1 アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(R)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド、アクリルアミド、アジリジン、ジアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパネアジリン、ジアジリン、アゼト、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ジアジン、オキサジン、チアジン、アゼピンフェニル(アニリン)、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インドール、イソインドール、インドリジン、キノロン、イソキノリン、キノキサリン、フタルジン、キナゾリン、プリン、カルバゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、α-シアノアクリルアミド、プロピオルアミド、トランス4-ジメチルアミノ-2-ブテンアミド、トランス4-ピペリジニル-2-ブテンアミド、置換アクリルアミド、およびビニル-スルホンアミドからなる群から選択される、項目30に記載のペプチド。
(項目32)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である、項目25から29のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目33)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性部分である、項目25から29のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目34)
前記求電子性弾頭部が、前記ペプチドのN末端にある、項目25から33のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目35)
前記求電子性弾頭部が、前記ペプチドのN末端にない、項目25から33のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目36)
前記ステープルが、存在する場合、i位およびi+3位、i位およびi+4位、またはi位およびi+7位のアミノ酸の間にある、項目25から33のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目37)
配列番号93の少なくとも2つのアミノ酸の、オレフィン側鎖を有する非天然のアミノ酸での置換を含む、項目25から36のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目38)
前記オレフィン側鎖を有する非天然のアミノ酸が、S-ペンテニルアラニン、R-オクテニルアラニン;R-プロペニルアラニン、S-ペンテニルアラニン;R-ペンテニルアラニン、S-ペンテニルアラニン;ビス-ペンテニルグリシン、S-ペンテニルアラニン、R-オクテニルアラニン;およびビス-ペンテニルグリシン、S-オクテニルアラニン、R-オクテニルアラニンからなる群から選択される、項目37に記載のペプチド。
(項目39)
炭化水素ステープル/ステッチ、ラクタムステープル/ステッチ、UV-環化付加ステープル/ステッチ、オキシムステープル/ステッチ、チオエーテルステープル/ステッチ、ダブルクリックステープル/ステッチ、ビス-ラクタムステープル/ステッチ、ビス-アリール化ステープル/ステッチ、またはこれらの任意の2つもしくはそれを超える組合せを含む、項目25から36のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目40)
BFL-1/A1に共有結合で結合するペプチドであって、求電子性弾頭部と、以下に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも14%同一である配列とを含み、
Figure 2023129587000017
MCL-1よりもBFL-1/A1に選択的に結合する、ペプチド。
(項目41)
8~18アミノ酸長である、項目40に記載のペプチド。
(項目42)
前記求電子性弾頭部が、前記ペプチドのN末端にある、項目40または41に記載のペプチド。
(項目43)
前記求電子性弾頭部が、前記ペプチドのN末端にない、項目40または41に記載のペプチド。
(項目44)
前記求電子性弾頭部が、求電子性基を有する非天然のアミノ酸である、項目40から43のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目45)
前記求電子性基を有する非天然のアミノ酸が、ポリペプチド骨格に連結された求電子性アクリルアミドまたは置換アクリルアミドを有する、項目44に記載のペプチド。
(項目46)
前記求電子性基を有する非天然のアミノ酸が、(S)-1-アクリロイルピロリジン-3-カルボキサミド、1-アクリロピペリジン-4-カルボキサミド、(R)-1 アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(R)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド、アクリルアミド、アジリジン、ジアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパネアジリン、ジアジリン、アゼト、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ジアジン、オキサジン、チアジン、アゼピンフェニル(アニリン)、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インドール、イソインドール、インドリジン、キノロン、イソキノリン、キノキサリン、フタルジン、キナゾリン、プリン、カルバゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、α-シアノアクリルアミド、プロピオルアミド、トランス4-ジメチルアミノ-2-ブテンアミド、トランス4-ピペリジニル-2-ブテンアミド、置換アクリルアミド、およびビニル-スルホンアミドからなる群から選択される、項目45に記載のペプチド。
(項目47)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である、項目40から44のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目48)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性部分である、項目40から44のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目49)
炭化水素ステープル/ステッチ、ラクタムステープル/ステッチ、UV-環化付加ステープル/ステッチ、オキシムステープル/ステッチ、チオエーテルステープル/ステッチ、ダブルクリックステープル/ステッチ、ビス-ラクタムステープル/ステッチ、ビス-アリール化ステープル/ステッチ、またはこれらの任意の2つもしくはそれを超える組合せを含む、項目40から48のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目50)
前記アミノ酸配列に対して少なくとも15%、20%、27%、34%、40%、47%、50%、53%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、もしくは97%、または100%同一である配列を含む、項目40から49のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目51)
前記アミノ酸配列からの86%の変動が、前記アミノ酸配列のBFL-1非相互作用アルファヘリックス面にある、項目40または41に記載のペプチド。
(項目52)
BFL-1/A1に共有結合で結合するペプチドであって、以下に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも14%同一である配列を含み、
Figure 2023129587000018
前記ペプチドがMCL-1よりもBFL-1/A1に選択的に結合し、前記ペプチドがBFL-1/A1に共有結合で結合し、MCL-1に非共有結合で結合し、
Jが求電子性弾頭部であり、XおよびXが非天然のアミノ酸である、ペプチド。
(項目53)
8~18アミノ酸長である、項目52に記載のペプチド。
(項目54)
前記求電子性弾頭部が、求電子性基を有する非天然のアミノ酸である、項目52または53に記載のペプチド。
(項目55)
前記アミノ酸配列に対して少なくとも15%、20%、27%、34%、40%、47%、50%、53%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、または100%同一である配列を含む、項目52、53、または54に記載のペプチド。
(項目56)
前記アミノ酸配列からの86%の変動が、前記アミノ酸配列のBFL-1非相互作用アルファヘリックス面にある、項目52または53に記載のペプチド。
(項目57)
前記の配列の2位、3位、6位、7位、8位、9位、12位、13位、14位、15位、または16位(1位は、「J」である)のうちの1つまたは複数におけるアミノ酸が、別のアミノ酸に置換されていてもよい、項目52から56のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目58)
前記の配列の2位、3位、6位、7位、8位、9位、12位、13位、14位、15位、または16位(1位は、「J」である)のうちの1つまたは複数におけるアミノ酸が、アラニン、D-アラニン、またはα-アミノイソ酪酸に置換されている、項目52から56のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目59)
7位および/もしくは15位におけるアミノ酸が、グルタミン酸で置換されている、ならびに/または13位におけるアミノ酸が、アスパラギン酸で置換されている、ならびに/または16位におけるアミノ酸が、ロイシンで置換されている、ならびに/または2位、3位、6位、8位、9位、12位、14位、および15位のうちの1つもしくは複数におけるアミノ酸が、アラニン、D-アラニン、もしくはα-アミノイソ酪酸で置換されている(1位は、「J」である)、項目52または53に記載のペプチド。
(項目60)
8位および/または12位におけるアミノ酸が、アラニン、D-アラニン、またはα-アミノイソ酪酸で置換されている、項目59に記載のペプチド。
(項目61)
前記ペプチドが、配列JATXLREFGDXLNFRQ(配列番号62)を含むかまたはそれからなり、
前記ペプチドが、MCL-1よりもBFL-1/A1に選択的に結合し、前記ペプチドが、BFL-1/A1に共有結合で結合し、MCL-1に非共有結合で結合し、
Jが、求電子性弾頭部であり、XおよびXが、非天然のアミノ酸である、項目52、53、または54に記載のペプチド。
(項目62)
前記ペプチドが、配列JATXLRRAGDXLNFRQ(配列番号60)を含むかまたはそれからなり、
前記ペプチドが、MCL-1よりもBFL-1/A1に選択的に結合し、前記ペプチドが、BFL-1/A1に共有結合で結合し、MCL-1に非共有結合で結合し、
Jが、求電子性弾頭部であり、XおよびXが、非天然のアミノ酸である、項目52、53、または54に記載のペプチド。
(項目63)
前記求電子性弾頭部が、ポリペプチド骨格に連結された求電子性部分を有し、リンカーが、窒素含有複素環 窒素含有複素環式アミノ酸、またはアミノ官能化ベンゼン環、炭素環、多環、もしくは複素環である、項目52から62のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目64)
前記求電子性部分が、求電子性アクリルアミド、置換アクリルアミド、ビニル-スルホンアミド、またはα,β不飽和アミドである、項目63に記載のペプチド。
(項目65)
前記求電子性弾頭部が、求電子性基を有する非天然のアミノ酸である、項目52から62のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目66)
前記求電子性基を有する非天然のアミノ酸が、(S)-1-アクリロイルピロリジン-3-カルボキサミド、1-アクリロピペリジン-4-カルボキサミド、(R)-1 アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(R)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド、アクリルアミド、アジリジン、ジアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパネアジリン、ジアジリン、アゼト、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ジアジン、オキサジン、チアジン、アゼピンフェニル(アニリン)、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インドール、イソインドール、インドリジン、キノロン、イソキノリン、キノキサリン、フタルジン、キナゾリン、プリン、カルバゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、α-シアノアクリルアミド、プロピオルアミド、トランス4-ジメチルアミノ-2-ブテンアミド、トランス4-ピペリジニル-2-ブテンアミド、置換アクリルアミド、およびビニル-スルホンアミドからなる群から選択される、項目65に記載のペプチド。
(項目67)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である、項目52から62のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目68)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性部分である、項目52から62のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目69)
15~35アミノ酸長である、項目52から68のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目70)
BFL-1/A1に共有結合で結合するペプチドであって、以下に記載されるアミノ酸配列のアルファヘリックスのBFL-1/A1相互作用面の少なくとも2つのアミノ酸を含み、
Figure 2023129587000019
Jが、求電子性弾頭部であり、XおよびXが、非天然のアミノ酸である、ペプチド。
(項目71)
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30アミノ酸長である、項目70に記載のペプチド。
(項目72)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である、項目70または71に記載のペプチド。
(項目73)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性部分である、項目70または71に記載のペプチド。
(項目74)
前記非天然のアミノ酸が、オレフィン側鎖を有する非天然のアミノ酸である、項目70から73のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目75)
前記オレフィン側鎖を有する非天然のアミノ酸が、S-ペンテニルアラニンおよび/またはR-オクテニルアラニンである、項目74に記載のペプチド。
(項目76)
BFL-1/A1に共有結合で結合するペプチドであって、以下に記載されるアミノ酸配列を含み、
Figure 2023129587000020
Jが、求電子性弾頭部であり、XおよびXが、非天然のアミノ酸である、ペプチド。
(項目77)
前記ペプチドが、配列JATXLREFGDXLNFRQ(配列番号62)を含むかまたはそれからなり、Jが、求電子性弾頭部であり、XおよびXが、非天然のアミノ酸である、項目76に記載のペプチド。
(項目78)
前記ペプチドが、配列JATXLRRAGDXLNFRQ(配列番号60)を含むかまたはそれからなり、Jが、求電子性弾頭部であり、XおよびXが、非天然のアミノ酸である、項目76に記載のペプチド。
(項目79)
が、R-オクテニルアラニンであり、Xが、S-ペンテニルアラニンである、
が、S-ペンテニルアラニンであり、Xが、R-オクテニルアラニンである、
が、S-ペンテニルアラニンであり、Xが、S-ペンテニルアラニンである、
が、R-プロペニルアラニンであり、Xが、S-ペンテニルアラニンである、または
が、R-ペンテニルアラニンであり、Xが、S-ペンテニルアラニンである、項目76から78のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目80)
前記求電子性弾頭部が、ポリペプチド骨格に連結された求電子性部分を含む、項目76から79のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目81)
前記求電子性部分が、求電子性基を有する非天然のアミノ酸である、項目80に記載のペプチド。
(項目82)
前記求電子性基を有する非天然のアミノ酸が、求電子性アクリルアミド、置換アクリルアミド、ビニル-スルホンアミド、またはα,β不飽和アミドを含む、項目81に記載のペプチド。
(項目83)
前記求電子性基を有する非天然のアミノ酸が、(S)-1-アクリロイルピロリジン-3-カルボキサミド、1-アクリロピペリジン-4-カルボキサミド、(R)-1 アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピペリジン-3-カルボキサミド、(S)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(R)-1-アクリロイルピロリジン-2-カルボキサミド、(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド、アクリルアミド、アジリジン、ジアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパネアジリン、ジアジリン、アゼト、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ジアジン、オキサジン、チアジン、アゼピンフェニル(アニリン)、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インドール、イソインドール、インドリジン、キノロン、イソキノリン、キノキサリン、フタルジン、キナゾリン、プリン、カルバゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、α-シアノアクリルアミド、プロピオルアミド、トランス4-ジメチルアミノ-2-ブテンアミド、トランス4-ピペリジニル-2-ブテンアミド、置換アクリルアミド、およびビニル-スルホンアミドからなる群から選択される、項目81または82に記載のペプチド。
(項目84)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である、項目76から79のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目85)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性部分である、項目76から79のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目86)
15~35アミノ酸長である、項目76から85のいずれか一項に記載のペプチド。
(項目87)
8~18アミノ酸長である、項目76から85に記載のペプチド。
(項目88)
項目1から87のいずれか一項に記載のペプチドと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
(項目89)
BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、前記ヒト対象に、治療有効量の、項目1から87のいずれか一項に記載のペプチドまたは項目88に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
(項目90)
前記BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患が、造血系悪性腫瘍、固形腫瘍、自己免疫疾患、および炎症性疾患からなる群から選択される、項目89に記載の方法。
(項目91)
前記BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患が、白血病またはリンパ腫である造血系悪性腫瘍である、項目90に記載の方法。
(項目92)
前記BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患が、黒色腫、乳がん、または肺がんである固形腫瘍である、項目90に記載の方法。
(項目93)
前記BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患が、自己免疫性大腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、脈管炎、全身性エリテマトーデス、糖尿病、またはシェーグレン病である自己免疫疾患である、項目90に記載の方法。
(項目94)
前記BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患が、喘息、乾癬、炎症性大腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、または脈管炎である炎症性疾患である、項目90に記載の方法。
(項目95)
前記BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患が、がんである、項目89に記載の方法。
(項目96)
前記がんが、固形腫瘍または液性腫瘍である、項目95に記載の方法。
(項目97)
前記がんが、乳がん、自律神経節がん、膵臓がん、皮膚がん、CNSがん、造血系もしくはリンパ系のがん、肺がん、大腸がん、胃がん、軟組織肉腫、または骨がんである、項目95に記載の方法。
(項目98)
前記造血系悪性腫瘍が、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄異形成症候群、または多発性骨髄腫である、項目90に記載の方法。
(項目99)
BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、前記ヒト対象に、治療有効量の、項目1から87のいずれか一項に記載のペプチドまたは項目88に記載の医薬組成物を、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤と組み合わせて投与することを含む、方法。
(項目100)
前記阻害剤が、血管拡張性失調症変異(ATM)キナーゼ阻害剤、血管拡張性失調症およびrad3関連(ATR)キナーゼ阻害剤、チェックポイントキナーゼ1および/もしくはチェックポイントキナーゼ2(CHK1/2)阻害剤、ならびに/またはポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤である、項目99に記載の方法。
(項目101)
前記BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患が、造血系悪性腫瘍、固形腫瘍、自己免疫疾患、および炎症性疾患からなる群から選択される、項目99に記載の方法。
(項目102)
前記造血系悪性腫瘍が、白血病またはリンパ腫であり、
前記固形腫瘍が、黒色腫、乳がん、または肺がんであり、
前記自己免疫疾患が、自己免疫性大腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、脈管炎、全身性エリテマトーデス、糖尿病、またはシェーグレン病であり、
前記炎症性疾患が、喘息、乾癬、炎症性大腸炎、甲状腺炎、関節炎、腎炎、皮膚炎、または脈管炎である、項目101に記載の方法。
(項目103)
前記造血系悪性腫瘍が、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄異形成症候群、または多発性骨髄腫である、項目101に記載の方法。
(項目104)
前記BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患が、がんである、項目99に記載の方法。
(項目105)
前記がんが、固形腫瘍または液性腫瘍である、項目104に記載の方法。
(項目106)
前記がんが、黒色腫、リンパ腫、または白血病である、項目104に記載の方法。
(項目107)
前記がんが、急性骨髄性白血病である、項目104に記載の方法。
(項目108)
前記がんが、乳がん、自律神経節がん、膵臓がん、皮膚がん、CNSがん、造血系もしくはリンパ系のがん、肺がん、大腸がん、胃がん、軟組織肉腫、または骨がんである、項目104に記載の方法。
(項目109)
前記阻害剤が、KU-559403、KU-55933、KU-60019、CP-466722、リン酸クロロキン、CGK733、およびAZD0156からなる群から選択されるATM阻害剤である、項目99から108のいずれか一項に記載の方法。
(項目110)
前記阻害剤が、シサンドリンB、NU6027、NVP-BEZ235、VE-821、VE-822/VX-970、AZ20、およびAZD6738からなる群から選択されるATR阻害剤である、項目99から108のいずれか一項に記載の方法。
(項目111)
前記CHK1/2阻害剤が、AZD7762、CCT 241533、LY 2603618、LY 2606368、NSC 109555ジトシレート、PD 407824、PF47736、SB 218078、TCS 2312、およびSRA737からなる群から選択される、項目99から108のいずれか一項に記載の方法。
(項目112)
前記PARP阻害剤が、オラパリブ、A-966492、ベリパリブ、ルカパリブ、AG-14361、イニパリブ、INO-1001、ニラパリブ、タラゾパリブ、AZD2461、2X-121、BMN 673、およびE7449からなる群から選択される、項目99から108のいずれか一項に記載の方法。
(項目113)
BFL-1/A1を発現するかまたはBFL-1/A1依存性の疾患を処置するための組合せ治療薬であって、項目1から87のいずれか一項に記載のペプチドと、DNA損傷応答経路の阻害剤とを含む、組合せ治療薬。
(項目114)
前記阻害剤が、ATMキナーゼ阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、またはPARP阻害剤である、項目113に記載の組合せ治療薬。
(項目115)
MCL-1を発現するかまたはMCL-1依存性の疾患を処置するための組合せ治療薬であって、項目1から87のいずれか一項に記載のペプチドと、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤とを含む、組合せ治療薬。
(項目116)
前記阻害剤が、ATMキナーゼ阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、またはPARP阻害剤である、項目115に記載の組合せ治療薬。
(項目117)
前記ペプチドが、
Figure 2023129587000021
からなる群から選択され、
Jが、システイン反応性アクリルアミドD-ニペコチン酸部分または他のシステイン反応性部分であり、Xが、R-オクテニルアラニンであり、Xが、S-ペンテニルアラニンである、項目113から116のいずれか一項に記載の組合せ治療薬。
(項目118)
前記ペプチドが、JATXLREFGDXLNFRQ(配列番号62)であり、Jが、システイン反応性アクリルアミドD-ニペコチン酸部分または他のシステイン反応性部分であり、Xが、R-オクテニルアラニンであり、Xが、S-ペンテニルアラニンである、項目113から116のいずれか一項に記載の組合せ治療薬。
(項目119)
前記ペプチドが、JATXLRRAGDXLNFRQ(配列番号60)であり、Jが、システイン反応性アクリルアミドD-ニペコチン酸部分または他のシステイン反応性部分であり、Xが、R-オクテニルアラニンであり、Xが、S-ペンテニルアラニンである、項目113から116のいずれか一項に記載の組合せ治療薬。
(項目120)
前記阻害剤が、KU-559403、KU-55933、KU-60019、CP-466722、リン酸クロロキン、CGK733、およびAZD0156からなる群から選択されるATMキナーゼ阻害剤である、項目113から119のいずれか一項に記載の組合せ治療薬。
(項目121)
前記阻害剤が、シサンドリンB、NU6027、NVP-BEZ235、VE-821、VE-822/VX-970、AZ20、およびAZD6738からなる群から選択されるATRキナーゼ阻害剤である、項目113から119のいずれか一項に記載の組合せ治療薬。
(項目122)
前記阻害剤が、AZD7762、CCT 241533、LY 2603618、LY
2606368、NSC 109555ジトシレート、PD 407824、PF47736、SB 218078、TCS 2312、およびSRA737からなる群から選択されるCHK1/2阻害剤である、項目113から119のいずれか一項に記載の組合せ治療薬。
(項目123)
前記阻害剤が、オラパリブ、A-966492、ベリパリブ、ルカパリブ、AG-14361、イニパリブ、INO-1001、ニラパリブ、タラゾパリブ、AZD2461、2X-121、BMN 673、およびE7449からなる群から選択されるPARP阻害剤である、項目113から119のいずれか一項に記載の組合せ治療薬。
(項目124)
MCL-1を発現しBFL-1/A1を発現する疾患またはMCL-1依存性かつBFL-1/A1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、前記ヒト対象に、治療有効量の、項目1から87のいずれか一項に記載のペプチドまたは項目88に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
(項目125)
前記対象に、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤を投与することをさらに含む、項目124に記載の方法。
(項目126)
前記阻害剤が、ATMキナーゼ阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、またはPARP阻害剤である、項目125に記載の方法。
(項目127)
前記ペプチドが、
Figure 2023129587000022
からなる群から選択され、
Jが、システイン反応性アクリルアミドD-ニペコチン酸部分または他のシステイン反応性部分であり、Xが、R-オクテニルアラニンであり、Xが、S-ペンテニルアラニンである、項目124、125、または126に記載の方法。
(項目128)
前記ペプチドが、JATXLREFGDXLNFRQ(配列番号62)であり、Jが、システイン反応性アクリルアミドD-ニペコチン酸部分または他のシステイン反応性部分であり、Xが、R-オクテニルアラニンであり、Xが、S-ペンテニルアラニンである、項目124、125、または126に記載の方法。
(項目129)
前記ペプチドが、JATXLRRAGDXLNFRQ(配列番号60)であり、Jが、システイン反応性アクリルアミドD-ニペコチン酸部分または他のシステイン反応性部分であり、Xが、R-オクテニルアラニンであり、Xが、S-ペンテニルアラニンである、項目124、125、または126に記載の方法。
(項目130)
前記阻害剤が、KU-559403、KU-55933、KU-60019、CP-466722、リン酸クロロキン、CGK733、およびAZD0156からなる群から選択されるATMキナーゼ阻害剤である、項目125から129のいずれか一項に記載の組合せ治療薬。
(項目131)
前記阻害剤が、シサンドリンB、NU6027、NVP-BEZ235、VE-821、VE-822/VX-970、AZ20、およびAZD6738からなる群から選択されるATRキナーゼ阻害剤である、項目125から129のいずれか一項に記載の組合せ治療薬。
(項目132)
前記阻害剤が、AZD7762、CCT 241533、LY 2603618、LY
2606368、NSC 109555ジトシレート、PD 407824、PF47736、SB 218078、TCS 2312、およびSRA737からなる群から選択されるCHK1/2阻害剤である、項目125から129のいずれか一項に記載の組合せ治療薬。
(項目133)
前記阻害剤が、オラパリブ、A-966492、ベリパリブ、ルカパリブ、AG-14361、イニパリブ、INO-1001、ニラパリブ、タラゾパリブ、AZD2461、2X-121、BMN 673、およびE7449からなる群から選択されるPARP阻害剤である、項目125から129のいずれか一項に記載の組合せ治療薬。
(項目134)
配列番号40~43からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、安定化されたペプチド。
(項目135)
配列番号40に記載されるアミノ酸配列を含む、項目134に記載の安定化されたペプチド。
(項目136)
配列番号42に記載されるアミノ酸配列を含む、項目134に記載の安定化されたペプチド。
(項目137)
求電子性弾頭部をさらに含む、項目134から136のいずれか一項に記載の安定化されたペプチド。
(項目138)
前記求電子性弾頭部が、前記安定化されたペプチドのN末端にある、項目137に記載の安定化されたペプチド。
(項目139)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である、項目137または138に記載の安定化されたペプチド。
(項目140)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性部分である、項目137または138に記載の安定化されたペプチド。
(項目141)
項目137から139のいずれか一項に記載の安定化されたペプチドと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
(項目142)
BFL-1を発現するかもしくはBFL-1依存性の疾患またはMCL-1を発現するかもしくはMCL-1依存性の疾患を処置するための組合せ治療薬であって、項目137から140のいずれか一項に記載の安定化されたペプチドと、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤とを含む、組合せ治療薬。
(項目143)
前記阻害剤が、ATMキナーゼ阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、またはPARP阻害剤である、項目142に記載の組合せ治療薬。
(項目144)
MCL-1を発現しBFL-1/A1を発現する疾患またはMCL-1依存性かつBFL-1/A1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、前記ヒト対象に、治療有効量の、項目137から140のいずれか一項に記載の安定化されたペプチドまたは項目141に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
(項目145)
配列番号44~53からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、安定化されたペプチド。
(項目146)
配列番号44に記載されるアミノ酸配列を含む、項目145に記載の安定化されたペプチド。
(項目147)
配列番号46に記載されるアミノ酸配列を含む、項目145に記載の安定化されたペプチド。
(項目148)
求電子性弾頭部をさらに含む、項目145から147のいずれか一項に記載の安定化されたペプチド。
(項目149)
前記求電子性弾頭部が、前記安定化されたペプチドのN末端にある、項目148に記載の安定化されたペプチド。
(項目150)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性D-ニペコチン酸部分である、項目148または149に記載の安定化されたペプチド。
(項目151)
前記求電子性弾頭部が、システイン反応性部分である、項目148または149に記載の安定化されたペプチド。
(項目152)
項目148から151のいずれか一項に記載の安定化されたペプチドと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
(項目153)
BFL-1を発現するかもしくはBFL-1依存性の疾患またはMCL-1を発現するかもしくはMCL-1依存性の疾患を処置するための組合せ治療薬であって、項目148から151のいずれか一項に記載の安定化されたペプチドと、DNA損傷応答経路メンバーの阻害剤とを含む、組合せ治療薬。
(項目154)
前記阻害剤が、ATMキナーゼ阻害剤、ATRキナーゼ阻害剤、CHK1/2阻害剤、またはPARP阻害剤である、項目153に記載の組合せ治療薬。
(項目155)
MCL-1を発現しBFL-1/A1を発現する疾患またはMCL-1依存性かつBFL-1/A1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、前記ヒト対象に、治療有効量の、項目148から151のいずれか一項に記載の安定化されたペプチドまたは項目152に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
(項目156)
MCL-1を発現しBFL-1/A1を発現する疾患またはMCL-1依存性かつBFL-1/A1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行うための組合せ治療薬であって、項目1から87のいずれか一項に記載のペプチドと、MCL-1の阻害剤とを含む、組合せ治療薬。
(項目157)
前記MCL-1阻害剤が、S64315、S63845、BAY 1000394、MIK665、AMG397、およびAMG176からなる群から選択される、項目156に記載の組合せ治療薬。
(項目158)
BCL-2を発現しBFL-1/A1を発現する疾患またはBCL-2依存性かつBFL-1/A1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行うための組合せ治療薬であって、項目1から87のいずれか一項に記載のペプチドと、BCL-2の阻害剤とを含む、組合せ治療薬。
(項目159)
前記BCL-2阻害剤が、ベネトクラックスである、項目158に記載の組合せ治療薬。
(項目160)
BCL-XLを発現しBFL-1/A1を発現する疾患またはBCL-XL依存性かつBFL-1/A1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行うための組合せ治療薬であって、項目1から87のいずれか一項に記載のペプチドと、BCL-XLの阻害剤とを含む、組合せ治療薬。
(項目161)
前記BCL-XL阻害剤が、ナビトクラックスである、項目160に記載の組合せ治療薬。
(項目162)
BCL-XL、BCL-2、および/もしくはMCL-1を発現しBFL-1/A1を発現する疾患、またはBCL-XL、BCL-2、および/もしくはMCL-1依存性かつBFL-1/A1依存性の疾患の処置を、それを必要とするヒト対象において行うための組合せ治療薬であって、項目1から87のいずれか一項に記載のペプチドと、BCL-XLの阻害剤、BCL-2の阻害剤、および/またはMCL-1の阻害剤とを含む、組合せ治療薬。
(項目163)
前記MCL-1阻害剤が、S64315、S63845、BAY 1000394、MIK665、AMG397、およびAMG176からなる群から選択される、項目162に記載の組合せ治療薬。
(項目164)
前記BCL-2阻害剤が、ベネトクラックスである、項目162に記載の組合せ治療薬。
(項目165)
前記BCL-XL阻害剤が、ナビトクラックスである、項目162に記載の組合せ治療薬。
(項目166)
前記ペプチドが、
Figure 2023129587000023
からなる群から選択され、
Jが、システイン反応性アクリルアミドD-ニペコチン酸部分または他のシステイン反応性部分であり、Xが、R-オクテニルアラニンであり、Xが、S-ペンテニルアラニンである、項目156から165のいずれか一項に記載の組合せ治療薬。
(項目167)
前記ペプチドが、JATX1LREFGDX2LNFRQ(配列番号62)であり、Jが、システイン反応性アクリルアミドD-ニペコチン酸部分または他のシステイン反応性部分であり、Xが、R-オクテニルアラニンであり、Xが、S-ペンテニルアラニンである、項目156から165のいずれか一項に記載の組合せ治療薬。
(項目168)
前記ペプチドが、JATXLRRAGDXLNFRQ(配列番号60)であり、Jが、システイン反応性アクリルアミドD-ニペコチン酸部分または他のシステイン反応性部分であり、Xが、R-オクテニルアラニンであり、Xが、S-ペンテニルアラニンである、項目156から165のいずれか一項に記載の組合せ治療薬。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
JP2023120833A 2017-12-15 2023-07-25 構造安定化および/またはシステイン反応性noxaペプチドによるアポトーシスタンパク質の選択的標的化 Pending JP2023129587A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201762599229P 2017-12-15 2017-12-15
US62/599,229 2017-12-15
PCT/US2018/065438 WO2019118719A1 (en) 2017-12-15 2018-12-13 Selective targeting of apoptosis proteins by structurally-stabilized and/or cysteine-reactive noxa peptides
JP2020532689A JP2021506800A (ja) 2017-12-15 2018-12-13 構造安定化および/またはシステイン反応性noxaペプチドによるアポトーシスタンパク質の選択的標的化

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020532689A Division JP2021506800A (ja) 2017-12-15 2018-12-13 構造安定化および/またはシステイン反応性noxaペプチドによるアポトーシスタンパク質の選択的標的化

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023129587A true JP2023129587A (ja) 2023-09-14

Family

ID=65276261

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020532689A Pending JP2021506800A (ja) 2017-12-15 2018-12-13 構造安定化および/またはシステイン反応性noxaペプチドによるアポトーシスタンパク質の選択的標的化
JP2023120833A Pending JP2023129587A (ja) 2017-12-15 2023-07-25 構造安定化および/またはシステイン反応性noxaペプチドによるアポトーシスタンパク質の選択的標的化

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020532689A Pending JP2021506800A (ja) 2017-12-15 2018-12-13 構造安定化および/またはシステイン反応性noxaペプチドによるアポトーシスタンパク質の選択的標的化

Country Status (6)

Country Link
US (1) US11834520B2 (ja)
EP (1) EP3737404A1 (ja)
JP (2) JP2021506800A (ja)
AU (1) AU2018383633B2 (ja)
CA (1) CA3079758A1 (ja)
WO (1) WO2019118719A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017040329A2 (en) 2015-08-28 2017-03-09 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Peptides binding to bfl-1
EP3737404A1 (en) 2017-12-15 2020-11-18 Dana Farber Cancer Institute, Inc. Selective targeting of apoptosis proteins by structurally-stabilized and/or cysteine-reactive noxa peptides

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5446090A (en) 1993-11-12 1995-08-29 Shearwater Polymers, Inc. Isolatable, water soluble, and hydrolytically stable active sulfones of poly(ethylene glycol) and related polymers for modification of surfaces and molecules
US20020064546A1 (en) 1996-09-13 2002-05-30 J. Milton Harris Degradable poly(ethylene glycol) hydrogels with controlled half-life and precursors therefor
US6362276B1 (en) 1998-01-07 2002-03-26 Debio Recherche Pharmaceutique S.A. Degradable heterobifunctional poly(ethylene glycol) acrylates and gels and conjugates derived therefrom
US6348558B1 (en) 1999-12-10 2002-02-19 Shearwater Corporation Hydrolytically degradable polymers and hydrogels made therefrom
BR0001870B1 (pt) 2000-05-29 2014-02-25 Peptídeo, processo de obtenção de peptídeo, formulação compreendendo peptídeo, método de prevenção de crescimento de parasitas, fungos e bactérias, método para inativar a endotoxina de bactérias gram-negativas
US20040093164A1 (en) 2002-11-08 2004-05-13 Carlson William D. Computer system and methods for producing morphogen analogs of human TDF-1
PT2332968T (pt) 2003-11-05 2016-08-17 Harvard College Péptidos alfa-helicoidais adequados para a activação ou inibição da morte celular
CA2556259A1 (en) 2004-02-06 2005-08-18 The Walter And Eliza Hall Institute Of Medical Research Therapeutic molecules and methods for generating and/or selecting same
AU2006261599B2 (en) 2005-06-24 2011-10-06 The Walter & Eliza Hall Institute Of Medical Research Therapeutic pro-apoptotic BH3-like molecules and methods for generating and/or selecting the same
JP5649825B2 (ja) 2007-01-31 2015-01-07 デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド 安定化させたp53ペプチドおよびその使用法
KR101525754B1 (ko) 2007-03-28 2015-06-09 프레지던트 앤드 펠로우즈 오브 하바드 칼리지 스티칭된 폴리펩티드
WO2009042237A2 (en) 2007-09-26 2009-04-02 Dana Farber Cancer Institute Methods and compositions for modulating bcl-2 family polypeptides
EP2247606B1 (en) 2008-01-23 2019-08-21 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Compositions and methods for the treatment of viral infections
JP2012509902A (ja) 2008-11-24 2012-04-26 エルロン・セラピューティクス・インコーポレイテッド 改善された特性を有するペプチド模倣大環状分子
JP5731986B2 (ja) 2008-12-09 2015-06-10 ダナ ファーバー キャンサー インスティテュート インコーポレイテッド Mcl−1の特異的調節の方法及び組成物
CA3037721A1 (en) 2009-06-18 2010-12-23 Dana Farber Cancer Institute, Inc. Structured viral peptide compositions and methods of use
WO2013102211A2 (en) 2011-12-29 2013-07-04 Walensky Loren D Stabilized antiviral fusion helices
US20140363434A1 (en) 2012-01-06 2014-12-11 Complix Nv Binding agents to intracellular target molecules
US9464125B2 (en) 2012-02-03 2016-10-11 The Trustees Of Princeton University Engineered potent cytotoxic stapled BH3 peptides
CA2868081C (en) 2012-03-20 2021-01-05 Loren D. Walensky Inhibition of mcl-1 and/or bfl-1/a1
WO2014110420A1 (en) * 2013-01-10 2014-07-17 Noliva Therapeutics Llc Peptidomimetic compounds
US10308926B2 (en) 2013-03-15 2019-06-04 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Stablized EZH2 peptides
WO2017040329A2 (en) * 2015-08-28 2017-03-09 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Peptides binding to bfl-1
US20190002506A1 (en) 2015-08-28 2019-01-03 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Stabilized peptides for covalent binding to target protein
US10023613B2 (en) 2015-09-10 2018-07-17 Aileron Therapeutics, Inc. Peptidomimetic macrocycles as modulators of MCL-1
EP3737404A1 (en) 2017-12-15 2020-11-18 Dana Farber Cancer Institute, Inc. Selective targeting of apoptosis proteins by structurally-stabilized and/or cysteine-reactive noxa peptides

Also Published As

Publication number Publication date
AU2018383633A1 (en) 2020-04-23
US20210070802A1 (en) 2021-03-11
AU2018383633B2 (en) 2024-05-16
WO2019118719A1 (en) 2019-06-20
EP3737404A1 (en) 2020-11-18
JP2021506800A (ja) 2021-02-22
US11834520B2 (en) 2023-12-05
CA3079758A1 (en) 2019-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20240140999A1 (en) Stabilized peptide-mediated targeted protein degradation
US10308926B2 (en) Stablized EZH2 peptides
US20140256912A1 (en) Stabilized Variant MAML Peptides and Uses Thereof
JP2023129587A (ja) 構造安定化および/またはシステイン反応性noxaペプチドによるアポトーシスタンパク質の選択的標的化
US20220213146A1 (en) Stabilized peptides for covalent binding to target protein
JP7394903B2 (ja) Bfl-1と結合するペプチド
EP2970392A1 (en) Stabilized sos1 peptides
US20240075099A1 (en) COMPOSITIONS, ASSAYS, AND METHODS FOR TARGETING HDM2 AND HDMX TO REVERSE THE INHIBITION OF p53 IN PEDIATRIC CANCERS
JP2018511594A (ja) 選択的mcl−1結合ペプチド
US20240132544A1 (en) Selective targeting of apoptosis proteins by structurally-stabilized and/or cysteine-reactive noxa peptides
Steel Targeting The Nrf2/Keap1 Interaction

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230823